昼メロ・寝取られ系総合スレ 4

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その名を聞いたとき、レイは胸を刺す痛みを感じていた。
 それは小さいが鋭い、この激しい戦いの中でさえ、決して無視することのできない痛みだった。
 裸の胸に、研ぎ澄まされた刃物の切っ先が触れでもしたような感覚。
 レイはこの胸を蝕まれる思いを数え切れないほど経験していた。

 楽しそうにシンジと話すアスカ。
 指でシンジの額を弾きながら嬉しそうに微笑む瞳。
 唇を尖らせながらも、どことなく嬉しそうなシンジ。

 学校で、ネルフで、そんな二人を見る度に、今と同じ苦しみに見舞われた。 
 そばに行き、シンジの手に触れてみようと思ったこともある。 そうすれば、この辛い思いが少しはおさまりそうな気がして。
 だが、実行できる筈もなく、叶えられない願いは少女の中で大きな音を立て反響した。
 激しく揺れ動く心を、誤魔化すこともできず、じっと見詰めていることしかできない。
 レイは、胸に何かがつかえているような何ともやりきれぬ思いに囚われ、
そんな自分をどうしたらいいか分からなくなった。
 その時の少女は、ただでさえ感情を表に出さない顔から、ますます表情が消えてゆき、
本当に人形であるかのようになってしまう。 その反面、内心では激しい感情が荒い波と
なって砕け、時には巨大な炎となって胸の中に燃え広がった。 その波は凪ぐことを知らず、
その炎はいつまでも消えようとしない。
 幾度となく心に刻まれた傷痕は容易には癒せない。 そのうち、そんな場面を見ても
いないのに、心の中にその光景が度々再現されるようになり、その度に、
傷口は忽ち開き、鮮血を滴らせた。