◆◆◆ DARK SIDE OF NEON GENESIS ◆◆◆

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3最後の錬金術師、碇ユイ

*最後の錬金術師、碇ユイ/Yui : The Last and Ultimate Alchemist.

 まず、エヴァのオープニングから話を始めよう。
 開巻直後、雫とその波紋の広がりのような映像のあとに現れる「企画・原作 GAINAX」のクレジットのバックに、
エリ巻きに包まれたような鳥のような物体が銀河の向こうに消えていく。その後に続く<セフィロトの樹>については
謎本や各サイトでも頻繁に取り上げられているが、この物体に関する論説は極端に少ない。実はあれこそ<四態の天使>
あるいはヘブライ語の「知識」「仲裁者」を意味するケルーブcherubを語源とするケルビムと呼ばれる智天使であり、
錬金術の象徴なのである。<四態の天使>は時代と場所により、様々な変種が見られるが、ユダヤ教神秘主義カバラに
おいては聖書を表す車輪の上に乗っている。また、時代が進みキリスト教神秘主義においては新約と旧約双方を象徴する
二つの車輪の上に立っている。西洋神秘主義体系の象徴である<タロット・カード>の大アルカナ14番目、「節制」
temperanceに描かれているとの説もある。このオカルト・シンボルを巻頭に置いたことこそ、この作品全般を通じて錬金術の
影響下にあるものとの推測を立てても、あながち的外れではないだろう。また、このケルビムはエヴァ七不思議のひとつ、
謎の第二使徒である可能性が高い。