もしも、レイとアスカの性格が逆だったら

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第3新東京市立第壱中学校・2-A教室。
修学旅行を目前にして楽しげなざわめきは阿鼻叫喚へと変わっていた。
修学旅行を目前に控えて根府川先生が実力テストを行うと宣言したのだ。
しかもその成績如何では修学旅行への参加を取りやめて自宅学習にすると言う。
文句のひとつも言ってやりたい。
しかし相手はあの根府川先生なのである。
内申書に何を書かれるか判らないし、何より「愛の抱擁」が怖かった。
えぇい!こうなったらイチかばちか、勉強するかカンニングだ!
覚悟を決めたら善は急げ。
この自習時間を活用して皆がそれぞれの対応にいそしんでいる。
「馬ッ鹿らしい。どーせアタシ達は待機命令が出てるんだから、どっちみち不参加よ」
後ろの席で頬杖をついたままレイが愚痴る。
「おーご苦労様!あんた達が守ってくれる御蔭で私達はパラダイスでヴァカンスよ♪」
ヒカリがにやにやと笑っている。
「余裕じゃん。成績悪けりゃ自宅学習よ?」
「へへへへぇ♪秘密兵器があるのよ」
ちょいちょい。とトウジを指差す。
「アイツって意外に成績が良いんだ。こっそりカンニングさせてもらうの♪」
「…で、見返りは?」
「この前撮影したパンチラを許してやるの…優しいでしょ?」
「…キョーハクしたのね」
「シツレイね〜。…私、どうしても沖縄唐手を見てみたいの、うふ」
「はいはいはいはい判りました…アンタはずーっとソレかい」
「首里手と那覇手の違い、じっくり見てくるわ」
「お土産はヌンチャク、なんてのは無しにしてね…」
「当然じゃない!もう決めてあるんだ…ナンだっけ…チンコ吸う?あれ?チンカスゥだっけ」
レイが机ごとひっくり返る。
いや、近くに居た生徒達もお約束の様に様々なリアクションをとっている。
「オイシイ役だな、洞木…」
どこか寂しげな根府川先生の声は、誰にも気付かれる事がなかった…。