倒錯シンジきゅんハァハァスレ

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じゃ容量確保に

「ケンスケ、ほ、ほんとにするの?」
「なに言ってんだよ、どうしてもって言うから惣流の写真販売止めたんだぜ、
なら交換条件があるのは当然だろ?」
「で、でも……」
今シンジが着ているのは第三中学の制服――但し、女子制服だ。

ぎこちないながらも何とかつきあいだしたアスカとシンジだったが、
そこでシンジは芽生えたばかりの嫉妬心に襲われた。
何枚もの写真が他の男の手にある、そう思うとやりきれなくなって
ケンスケに販売の中止を求め、その交換条件として出されたのが
女装してモデルになること、だったのである。
構造そのものは直に脱がせたこともあるため理解しているが、
だからといって自分で着るのとは話は別だ。
そして今、こうしてカメラの前に立って頬を赤らめて上目遣いに躊躇いの言葉を継いでいるシンジは、
おそまきの後悔に襲われているというわけである。

「まあそう言わずに、アレだ、化粧無しでも似合ってるのは凄いと思うぜ?
ちゃんと身元は分かんないようにしとくからさ、よろしく頼むよ、シンジ。
じゃ、まずは普通に立って笑って」
「う、うん……絶対だよ?」
実際、頬を火照らせながら上目遣いに恥じらうシンジの姿は、
下手にがさつな女子などよりよほど色気があった。
ケンスケもそれを理解して新たな目玉商品の誕生に内心欣喜雀躍している。
改めて覗いたファインダーには、相変わらずぎこちない微笑みが映し出されている。
「んー、表情固いなあ……まあシンジだしな……ンじゃ、アレだ、
最近一番嬉しかったことを思いだしてみてくれよ」
「え……と、それだと、昨夜の新しい料理がうまくいったこと、かな……」
何とも家庭的な答えだ。
まあ、その原因がアスカに喜んで貰えたからだという辺りは男の子らしいと見るべきなのだろうが。
「お、そうそう、いい感じ」
浮かべられた表情は柔らかな物で、ケンスケの確かな技術はそれをしっかり捕らえる。
「ん、じゃそこで回ってみてくれ」
「こう、かな……あはは、なんだかほんとにモデルみたいだね」
暢気な台詞。
楽しいことを思いだしたからか、それとも女装にさほど抵抗がなかったのか
――シンジは楽しげにモデルらしく振る舞う。
「よし、じゃあ次は……」
さて、かれこれ数十分後。
いい具合に集中がぼやけたところで本命の開始である。
既にリボンタイは解かれて肩口に垂れ、ボタンも緩められている。
「じゃあ、少し際どいところいってみるか」
「え、それは……」
「頼むよ、ほんと、大丈夫、今のお前見ても誰も碇シンジだなんて解らないしさ」
「う、ん……それで、どういう?」
「そうだな、むこう向いて四つん這いに……で、顔だけこっち向けてくれ」
(それ、すーすーする所向けるから恥ずかしいけど……しかたないよね)
言われるままに動く。
「よしよしそんな感じ……で、次はスカートたくし上げて―あ、
勿論見せないで、ちゃんと隠れるところまでで止めるから」
「ええ!?」
「頼むよ、なんなら今日のバイト代色つけるからさ」
「……絶対だよ?」
デート資金に不足を感じていたシンジとしては、なかなか抗いがたい。
言われるままに太股を剥き出しにしていく――僅かな産毛程度しか覆われていない
滑らかで白い足が露わになり、太股の太くなる部分が、その付け根が――
「ストップ!そう、そうのまま!」
流石、というべきか。 ぎりぎりその奥を想像させ、それでいて決して露わにならない
絶妙の位置で停止を指示するとシャッターを切るケンスケ。
後ろにいる誰かに、何かをねだるような姿勢の恥ずかしげな少女の姿がフィルムに焼き付けられていく。
「ン……ふむ、なら、これかな」
「?なにするのさ」
「ああ、良いからそのまま――と、この辺りかな」
ケンスケが取り出したのはショーツ。
水色の、コンビニ辺りで買えるような安物だ。
それをシンジの開いた脚の間に置くと再びカメラを働かせ始める。
――それだけ、只それだけだ。
別にシンジは何一つ脱いではいないし、ショーツとて未使用。
にもかかわらずそこには拭いがたい濃い卑猥さが溢れる。
「なあシンジ、実のところ惣流とはイくとこまで行ったんだろ?」
「な、なんだよ突然!」
「いいよなあ、あのプロポーション、全部お前が好きにしてるんだからなあ
……羨ましいぜほんとに」
「だから、そんなことは!」
埒もない軽口には目的があった。
そうやって際どい話題を持ち出され、真っ赤に染まるシンジの顔こそが目的。
――ファインダーに映るのは、スカート一枚の向こうに何もないにも関わらず、
その唯一の守りすらたくし上げて羞恥に身を揉みながらも誘惑をかける少女。
(こりゃしらねえ奴見たら一発だなあ)
計画通りの演出とはいえ、そこに産まれた破壊力にケンスケはほとほとあきれかえっていた。