GGG ガンダムとエヴァの格の違いを考察する EEE

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278富野について
エヴァが放送されて以降の富野作品としては三作あるが、どの作品も意識してかどうかはともかく
エヴァに対するアンサーのような面があるのが興味深いと思う
「ブレンパワード」にはゼーレのように良かれと思って人類の抹殺を目論む組織が登場する
破滅や破壊が善である、という思想のもとに行動する敵といかに戦うかというのは
もともとが富野がアニメーションの世界に導入した発想であるが
現実の世界に具現化し始めた今日ではリアリティと緊迫感を必要とする題材である
「∀ガンダム」はエヴァが最終的に捨てた、月と地球の戦いになっている点に興味がある
富野はエヴァをどれくらい見ているのか知らないが、主人公ロランがシンジの人物像を転倒させて
ネガポジ反転したようなキャラクターを持っていることに驚いた
消極的な行動原理が自身の女性化を導くようなシンジのあり方と
積極的に女性的であることで、むしろ男らしさが際立つロランのあり方の違いについては
考察するに値する問題を孕んでいるように思えてならない
「キングゲイナー」ではかなりエヴァとの関連で指摘できることは減少しているが
ロボットに生体的な要素を取り込むことで、ロボットアニメとしての表現領域をひろげたエヴァのデザインは
あまり指摘されないがエポックだったと思う
血しぶきが飛び散る戦闘や、復旧する腕や変貌するボディをもってそのロボットの超越性を表現した例は殆どなかった
キングゲイナーのロボットデザインも玩具化の制約を離れて、アニメーション表現の中でいかにそのロボットの不思議さ
強さを表現するかという意識的な問題意識があって作られたものと思う
斯様に富野の昨今の活動はエヴァに刺激されるところ大なのであって
敵無しになった状態で減衰していったエルガイム〜ガンダムZZ〜Vガンダムあたりの作品史などと比較すると
注目すべき仕事ぶりになってきているというのが、アムロと同い年の1st世代の思うところである