サードインパクト後はこんな世界ですた 拾弐

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150フウイ・ノ・レイ
8人のクローンアスカ達が口々にそれぞれの意見を述べ、中でも例のシヴァとやらが盛んに息巻いている所へ、霊安室に入って来た者がいた。
軍服を着た長身の男、ランドマスター隊の副隊長である。
「この度はご愁傷様で・・・」と、言うあたりがいかにもこの男らしい。「ところで、こんな時にこんな話をするのも何なんですが・・・」
副隊長はいかにも言いにくそうに話し始めた。
「フウイ・ノ・レイ大使様、我々も早く日本へ帰りたいので、その・・・飛行機か何かを都合しては貰えませんでしょうか・・・?」
「そなた達はこの国へは貨物輸送船で密航して来たのであったな。しかし、つい先日まで空港が反乱軍に占拠されていたという状況では難しいな」
「やはり無理でしょうか? 何とかなりませんかね? 実はうちの衛生兵少尉が・・・」
副隊長の言うことには、ノヴァが自殺したと聞いたあの血の気の荒い衛生兵少尉が仇を討ちたい、早く日本へ戻って綾波教団と戦いたいと言っているのだそうだ。
「う〜む・・・いや、待て。ミソラ少尉殿、空軍の方は確か今回のテロ事件の被害はあまり受けておらぬのではないか?」
「はい、空軍の基地は今回は直接的な損害は受けていないであります」
「よし、空軍の偉い人と話がしたい。ミソラ少尉殿、司令官に連絡を取って下さらぬか?」
「は? はい、承知したであります」
ミソラ少尉は私に敬礼をすると、霊安室から出て行った。
「恩に切ります、フウイ大使様」副隊長が私に礼を述べようとする。
「いや、まだ確実なことではない」私はそう言わざるを得ない。
ところが、今度は見覚えのあるずんぐりした童顔の小男が入って来た。
「フウイ・ノ・レイ殿、ここにおられましたか!」サイテイル外務大臣が息を切らしながら言った。「大変なことになっておりますぞ!」
「おや、どうしましたか? サイテイル大臣殿。大変なこととは何でしょうかしら?」
「実はフウイ・ノ・レイ2号殿が・・・」
「おう、フウイ・ノ・レイ2号が・・・」私はハッと気がついた。「フウイ・ノ・レイ2号・・・?」
そう言えば、私はここの所、影武者と称するあの者と行動を共にしていたが、昨夜からあの者の姿を見ておらず、すっかり忘れてしまっていたのだ。
「フウイ・ノ・レイ2号が一体どうしたと言うのです!?」