エヴァ板のみんなで学園物を書こう!

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1名無しが氏んでも代わりはいるもの
ってことで書きましょう

まずは設定決め
属性、登場キャラ、ストーリーの展開etc

決まったら俺が責任持って書きますんでよろしくおねがいします!
  >>2はもらった!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄       (´´
     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ

ドッコイショ・・・・・・・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
     ∧∧          (´;;
    (゚Д゚ ,)⌒ヽ    (´⌒(´
     U‐U^(,,⊃'〜... (´⌒(´⌒;;

何見てんだゴルァ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
  ポ  ∧∧  ポ
  ン  (゚Д゚ ,) . ン
   (´;) U,U )〜 (;;).
(´)〜(⌒;;UU (´ )...〜⌒(`)
3名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:34 ID:/kNmONUI
そんなわけで1です

ID変わってるのは串刺してスレたてたからなんで気にしないでください

みなさんどんどん書き込みしてください
42:02/11/17 16:36 ID:???
調子乗って2ゲットしたけど、久しぶりに真面目なスレがたったみたい?
5名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:37 ID:/kNmONUI
>>4
かなり真面目です!
よかったら一緒に考えませんか?
生徒と教師のいけない愛。
ミサト「いけない事だって言うのは分かってる…でも駄目なのよっ!体があなたを求めてしまうの」
シンジ「や、やめてよミサト先生っ!!」
7名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:39 ID:/kNmONUI
>>6
18禁ものですか・・・

とりあえず俺の希望は最初はノーマルでいきたいです

最初に書かず、説明不足でもうしわけないです
うん、ヤパーリシンジきゅんは受けの方がいいな
ってイチハチNGでつか
>>8はスルーしてください
10名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:42 ID:/kNmONUI
>>8
学園物でスーパーシンジくんですか!

その場合うまく学園物にマッチさせるのが難しいですね
書きがいがあります!
11名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:46 ID:/kNmONUI
>>10
すみません
なんか読み間違いしてました・・・欝

18禁は俺の力量不足が目立ってしまいそうなので・・・ごめんなさい
この世には、目に見えぬ闇の住人達がいて、ときとして牙をむき、君たちを襲ってくる…。
あらゆるものを無に帰すことが出来る「碇シンジ」は、子供たちを守るために命がけで戦う、日本でただ一人の霊能力教師だ。
彼こそは悪霊から君たちを守るため地獄の底からやって来た正義の使者なのだ…。
古いネタだなぁ・・・
14名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 16:52 ID:/kNmONUI
>>12
ぬ〜べ〜ネタですね

シンジ君が教師だと倫理的にどうなのかなw
妖怪は使徒ってことでOKですかね?
ぬ〜べ〜…碇ゲンドウ
高橋律子…赤木リツコ
稲葉郷子…惣流アスカ
立野広…碇シンジ
ゆきめ…綾波レイ
細川美樹…リナレイ
白戸秀一…渚カヲル
山口晶…相田ケンスケ
金田勝…鈴原トウジ
16名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 17:07 ID:9Obn6tg4
美樹はマナでもよいかと。
ぬ〜べ〜…碇ゲンドウ
高橋律子…赤木リツコ
稲葉郷子…惣流アスカ
立野広…碇シンジ
ゆきめ…綾波レイ
細川美樹…霧島マナ
白戸秀一…渚カヲル
山口晶…相田ケンスケ
金田勝…鈴原トウジ
栗田まこと…日向マコト


18名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/17 17:11 ID:/kNmONUI
>>15の配役だとLRRGですか・・・?
それはちょっとゲンドウがおいしすぎる気がするかも
アスカ「ええ〜?番組好評につき、シリーズ延長〜?」
・・・まさか>>1>>24たん?
21名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/18 21:54 ID:ukTl4zKR
こんばんは1です

あんまり書き込みがないですね・・・鬱

>>20
それは誰ですか?たぶん違う人だと思いますよ〜
リレー小説形式でいけばもうすこし増えるかと。


ストーリー、設定がとんでもないことになるけどね。
つか、やっぱリレー形式は駄目か。
学年が1つ上がって3年生になった碇シンジ。
残念ながら幼馴染のアスカとは別のクラスになってしまう。
しかし登校途中でぶつかった美少女のことを思い出して
「あんな娘と一緒のクラスだったらいいなぁ・・・。」
などと妄想する。
期待半分・不安半分で新しいクラスのトビラを開けるシンジ

ガラガラッ

・・・バッ!

シンジに集まる赤い視線。
「「「「「「「「「あ〜!あんた今朝のパンツ覗き魔!!」」」」」」」」
そこには彼の期待していた少女がいた。しかも30人ほど。
良かったね。シンジ君。



こんな設定はどう?
へたれシンジとスーパーカヲルのコンビ萌え
舞台の基本は本編だけど、なぜかカヲルやマナやマユミやらも学校に通っている、変形LASコメディ。
LASといいつつ主役はアスカとカヲル。
シンジ争奪戦に参加しながら、なかなか成果を上げられず悩むアスカに、カヲルが同盟を持ちかける。
ライバルの一人であるカヲルを信用しないアスカだが、自分の願いはシンジの幸せであってシンジを口説くことではなく、シンジに恋人が出来るのは歓迎する、とカヲルは語る。
結局、アスカが断るなら他の子に協力するだけ、と言われてアスカは同盟を承諾する。

・・・とここまでが最初の状況設定。
以下、アスカとカヲルは次々に作戦を立て、シンジを落とそうと画策する。
しかし、素直になるより先に口と手が出てしまい、自ら作戦をブチ壊すアスカ。
協力するはずが、つい自分でシンジに迫り出すカヲル。
当然妨害するマナ、マユミ、レイ。ひたすら鈍感なシンジ。
作戦は、毎度のように失敗を繰り返していく・・・。

て話。
これ、昔折れが書こうとして挫折した学園モノ(?)で、各話ごとに完結するシリーズものの予定だった。
カヲルは言動が意味不明、神出鬼没で殲滅してもすぐ復活、時々使徒の力も使うし首ももげるというキャラだった。
もちろんNERVの面々も登場する。
タイトルは単純で「A&K」。でもLAKは欠片もなし。

誰か、これ書いてくれないだろーか?
>>22
リレー形式の行きつく先はサードインパクトスレ……。(あれは厳密にはリレー
とは違うが……)
>>25
自分でかけ
>>25さん
それ・・・、すっごく読みたいデス。
できれば>>1さんとプロットつくってくれませんか?
>>25 >首ももげる ワラタ
30名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/19 23:42 ID:gGYyYFt/
こんばんは、どうも1です

>>22
リレーだと話がどうなるかわかんないですからね
それだとちょっと困りますんで、ごめんなさい

>>23
うぁ、それ怖いなぁw
ドグマのレイが全員学校に通ってるのか・・・コピーだから言動も一緒だしw

>>24
やおいですか?
カヲルはでてもらいたいですがやおいはちょっと厳しいかな(^^;

>>25
うーん、いい話になりそうですね
カヲルが使徒でありつつ普通に人類と共存してるあたりが好きです
書きたいですね

とりあえず25さんのお話を短編?みたいな感じで書いてみたいと思います
LASになりますが、属性の変更をご希望のかたがあればどうぞ
精一杯努力しますんで見放さないでください
3125:02/11/22 07:06 ID:???
>27
挫折したのさ。

>28
そう言ってもらえるとかなりウレシイですな。
でも製作は、1さんにおまかせで。

>29
アリガトウ

>30
書いていただけるとは・・・ありがたい。
設定は好きに変形するなり、ご自由にお使い下され。
一応、もう少し詰めた設定やらプロットやらもあるにはあるけど、
1さんのイメージを阻害することになりかねないので、自分は黙ってるよ。
万一、何かそちらから用がある時だけは協力、あとは部外者ってことで。
どうぞヨロシク。
ぬ〜べ〜は糞だ。嫌いだ。 
たのむから別のネタにしてくれ。
一番むかつくのは細川美樹。小学生の分際でなんだあの乳は!
細川美樹レイプして死ぬまで殴りつづけて東京湾に埋めたい。
>>25の設定マジ面白い! 読みてぇ!
1さん実現してくれませんか?
つーわけでスタート。
____________________________________________

ザザーン。

ザザーン。

___________________

あとよろ(w
>>34
そっちかYO!(泣

……芦ノ湖の波の音ってことで学園モノ設定模索の続きをドゾー
36名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/22 15:05 ID:9f2XcjHY
 あさ、明るい朝。
 曙光が夜気を払い朝露が煌き小鳥たちが一日の始まりを歌う健康的な朝。

 が、もちろん第三新東京市のとある一部の場所ではそれはあてはまらなかったりする。

 「ん……んみゅ、ぷふ」
 「は(クチュ)ん、んんっ(チュル)」
 
 その例外である場所には、朝の光を厚いカーテンで曇らせた室内に、淫らにぬめった水音と、爛れた鼻声が二種類響いている。
 音源であるベッドの上には、三人の少年少女が居る。
37名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/22 17:35 ID:h0b29/16
「ン........ンン!ぷはぁ、やっぱりおいしいわぁ」
38名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/22 21:28 ID:X02qIaUS
こんばんは、1です
頑張って書いてますがなかなかうまくいきませんね(^^;

書きあがるまで定期的に執筆率を書いていこうと思ってます
そんなわけでただ今の執筆率は10%くらいです・・・だめだめですね
>>38(1さん)
そんなこと言わずにガンガレYO!
待ってるから。
…執筆に入ってるってことは設定は完了済みっすか?
40名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/23 00:51 ID:gtPzqoZX
どうも、1です

>>39
ありがとうございます
設定はとりあえずLASで>>25さんのものをベースにしています
私の書き方は他の人と違って(といっても比べたことはありませんが・・・)
まずシーンごとにある程度書いてからそれらを繋ぎあわせたり、順番を変更したりします
今はカヲルとアスカの同盟を組むシーンを執筆中です
なので属性などはまだはっきり決まったわけじゃないんですよ(^^;
個人的にはLRS、LMS(マナ)派なのでそっちの描写もしたいしw
というわけでまだまだ属性、書いてほしいことなどは募集中です
テストがあるので遅筆になるとは思いますが、できるだけみなさんの意見をとりいれて書こうと思っています
それでは、ご質問などおありでしたら書き込んでください
いいんちょは出てきますか?
42名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/23 17:35 ID:8d3R4W2l
ペンペンは出てきますか?
43名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/23 17:49 ID:C1pJdkdt

>>41
委員長こと洞木ヒカリは登場する予定です
彼女がいないとキャラクターたちをまとめる人がいないので(^^;
彼女には苦労をかけてしまうかもしれません・・・

>>42
ペンペンは・・・今のところ微妙ですね
碇家のペットとして登場するかもしれません
「ゼーレのシナリオ通りに進む学園」ってのはどうかなと、何気に思った。
>>1さん、捨てたプロットが出たらココに書かない?
登場人物の心理状態etcを押える状況説明と、10レス分程度のシナリオでさ。
>>44さんのは面白そう…ってか、どんなシナリオだ(w
それかネルフvsゼーレvs戦略自衛隊の戦いとか。
…教材の売り込みの。
>44
捨てたプロットを書くのは、
1さんじゃなくてもOKなのかな?
4744:02/11/25 01:17 ID:???
>>46
良いと思うよ?つか、俺的にはいろんな人がネタを出した方が、世界が広がって
面白いと思う。
このスレが短編集みたいに育ったらいいね。
とりあえず、1さんの判断を待とう。
49名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/25 18:49 ID:AHergi2J
どうも、1です

>>44
捨てたプロットですか?
それはすごくいいアイディアですね!ご意見ありがとうございます

>>45
教材売り込みって大変らしいですね〜w
この世界でも「この修正、容易ではないぞ」とか言ってるですかね?

>>46
もちろんOKですよ!
みなさんがどんどん意見をだしてくれたほうが嬉しいです

>>47
その意見にすごく賛成です!
一緒にがんばりましょう!!
>>49
ネタ振ってくれたら参加するからヨロ。
「捨てたプロット」てのは、
学園モノなら何でもOK?
それとも、現在1さんが書いてるアスカ&カヲルの話についてのプロット?
どうなんでしょーか。
>>51
1さん以外でもOKってコトだから、学園モノならなんでもアリじゃない?
縛りがきついと広がらないし。
5351:02/11/25 23:47 ID:???
>52
どうも。
やっぱそうですよね。
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/25 23:57 ID:97VeP0vW
こんばんは、1です

>>50
ネタですか?じゃあ>>25さんの設定はどうでしょうか?

>>51
学園ものならなんでもOKです
自由に書いてもらって結構ですよ
あまりハードな18禁や801はちと困りますが・・・(^^;
進行状況はどんな感じですか?>1さん
1さん待ち…
ガンガレー
いっそ委員会が教師陣とかは?
(授業は部屋暗くして、モノリスホロで人類の未来について語る)
57名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/11/28 22:21 ID:G2ZGA/Xu
こんばんは、1です

>>55
レスが遅くなりもうしわけないです
ただ今非常に多忙でして・・・私事で恐縮ですが進行状況は芳しくないです
13〜14%くらいしかできてません、ごめんなさい

>>56
応援ありがとうございます
委員会が教師ですかw
なんていうか・・・こわいですねw
愛と爆炎の聖誕祭みたいなのをキボンヌ
「私闘学園」と「逆宇宙シリーズ」を混ぜたようなヤツってこと?
>>58
はげど。
シンジきゅんを巡って魔都第三新東京市にて日夜繰り広げられる闘争の日々!
さあ、皆も組織をでっち上げるなり個人で挑むなりしてアスカ、綾波、カヲルをの魔の手からシンジきゅんのハートを奪い取ろう!
この類のスレは、1のヒトが引っぱらないと、
すぐに機能停止するのが常。
忙しくてどうしようもないとなると、ピンチだね。
63名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/02 03:42 ID:AoxbQBr8
1さん降臨きぼーんage
>>62の言うとおりかもしんないけど1さんが>>54
好きに書いていいって言ってるし1さんがいない間は好きに書こうよ
んじゃ、まずは学校の1シーンって事で、シンジとアスカにケンカさせてみよう。
なぜケンカになったのか?アイデアを出してくれよ。
その次はケンカを止めようとするトウジたちの振る舞いについて。
ある程度カットが溜まったらシナリオに仕立てて、シーン毎に書きたいやつが書く。
一発目はとりあえず、仲直りまでを仕上げてみる…どうよ?
シンアスのケンカねえ。校庭で互いにキャメルクラッチやらラリアートやら
ドロップキックやらアイアンクローやら噛みつきやら鉄柱攻撃やらキン肉ド
ライバーを炸裂させていて、クロスカウンターで相打ちの所でトウジ達が止
めに入るとか……。
66cat killer 18号:02/12/02 17:11 ID:blZja5lx
シンちゃん死んじゃうYO! 
本日午後9時よりKONAMIサイトにF5攻撃をしかける。
勇者募集!
KONAMI
http://www.konami.co.jp/
やはり盛り下がってるなぁ
誰か、何でもいいから書けよ
>69
卒論の手伝いが終わるまで待ってくれ
1さん復活期待age
俺が書いてもいい?
幼なじみがヒカリという設定で。
転校生がマユミで、先生がマヤ。
>72
どうぞ。
74名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/05 15:24 ID:E7AvU0PP
みなさんおひさしぶりです、1です

ようやくテストが終わりました・・・お待たせして本当にすみません

現在執筆率は20%くらいですが、来週頭くらいにはみなさんに
お見せできる程度にはなる予定です。予定は未定と言いますが
今回はかならず書き上げますので、これからもこのスレをよろしくお願いします

それでは
1さんだ! テスト乙〜
来週頭か、楽しみにしてます。ガンガレー
負担にならない程度にね。
76名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/05 15:30 ID:E7AvU0PP
>>75さん、さっそくのレスどうもです

かちゅでエヴァ板更新したらレスついてたんでビックリしましたw
応援ありがとうございます、がんばります

今気づいたんですがIDがもう少しでEVA・・・惜しいw
うぉ!?1さん降臨ですか(゚Д゚)ゴルァ
待ってるからがんがって書いてホスィ
ってか1さん来てたのか! ノリオクレター
おおついに本番でつか。がんがれい。

ID…ちょちょっと並べ変えれば…だめかw
>>25のような目茶目茶よくある設定で書いてんのかよ?つまんねえ
>>79
遂にやってまいりましたね。
通過儀礼が。

んじゃ君も設定考えてみない? おもしろいと思うよ。
いいネタなら誰か書いてくれるかもよ。
今、25を見てみたのだが、確かにどこかで読んだような内容だ。
これだけFFが溢れてるんだから、
ある程度は仕方ないかと。

大事なのは、どう料理するかなのでは?
…がんばって下さい、1さん。
>>79>>81は気にしない方向で

>>82に禿げしく同意
1さんがんがってくらさい
>80,>83
ヴァカ発見!!
>>84 
79さんハッケソ
これでいい?

>25みたいのがありふれてる、どっかで読んだ、って言うのは
それだけ受け入れやすく、みんながイメージしやすい
シチュエーションなんだと思うし、それだけ書き手さんの
ひねりというか個性が生きてくると思われ
ありふれてても丁寧に仕上げてあれば私は満足です、学園モノなんだし
ともかく週明けを待ちましょうよ
設定に凝って内容を消化できてない話と、設定をわかりやすいものにして演出や
セリフ回しに凝った話じゃどっちが面白いかって事だろう。
前者の方は自己満厨の臭いがぷんぷんしてるが、それを好む人も居るんだな。
87名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/08 06:13 ID:BZXeS7NP
>>1どうせくだらねぇんだろ?書くな&糞スレたてんなヴォケ
かわいそうだからageてやるよ、とっとと回線切って首つれや
こんなスレがあったのか、知らなかった。
>>1さん、密かに期待してますよ。
結局どうなるの?
飽きますた
飽きたってことはないけど、…1さん次第だろうね。
このスレ1さん待ちだから。
25の人とかが場つなぎしてくんないかな・・・
93名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/10 20:59 ID:oH/oj5Js
こんばんは、1です

遅くなりましてもうしわけありません
>>90さん飽きさせてしまってごめんなさい、本当にもうしわけないです

これから私が書いた駄作を公開するわけなのですが、そこで1つ提案です。

SSは一気にではなく、少しづつ公開していきます。
理由は、まず処女作なのであまりにへたれです、なので恥ずかしいんです(^^;
と、冗談はさておき批判を受けるとき部分部分で公開していった方があとで修正しやすいと聞いたもので

そんなわけでまずは冒頭の部分をアップしたいと思います
ヤフ鰤にあげますので皆さんよければみてやってください

http://briefcase.yahoo.co.jp/gakueneva

それでは
>>1さん、お疲れ。さっそく読んだけど…

全体的に、状況描写が直接的過ぎる気がします。
冒頭の『暗がりの中に2人の人物がいた。』などは、『夕刻の路上に、二つの長い影が落ちていた』
等とした方が想像力を刺激されるのでは?
口喧嘩のシーンは、アスカの顔色の変化等を絡めて書いた方が良かったかもしれません。次第に
赤みを増すアスカの顔と、表情を崩さないカヲルのそれとを対比させる事によって、時間の経過や
二人の力関係、及び性格を表現できたかもしれませんから。
また、感情表現をモノローグに頼りすぎているように思います。作者の視点から語られた状況説明
では臨場感を感じません。握り締めたこぶし、丸く見開いた目、踵を擦り合わせる仕草etc...動作
による間接的な表現を検討してみては如何でしょうか。
『言う』の頻度がやや高いように感じましたが、文末のバリエーションの豊富さは良いと思いました。

以上。褒められなくてごめん。次に期待sage
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/10 22:31 ID:/d8hAVLe
どうも、1です

>>94さん、さっそくのご感想ありがとうございます

>>全体的に、状況描写が直接的過ぎる気がします。
なるほど・・・そうですね、自分の中では情景ができているのでこれでいいかなと思ってしまいました

>>口喧嘩のシーンは、アスカの顔色の変化等を絡めて書いた方が良かったかもしれません。〜〜
たしかにそういった描写がまったくないですね(汗)

>>また、感情表現をモノローグに頼りすぎているように思います。作者の視点から語られた状況説明
では臨場感を感じません。〜
作者の視点では臨場感を感じない、これはとてもガーンときました
こんな初歩的なことすらわかってない俺って・・・精進あるのみですね

たいへん参考になりました、>>94さんのご意見をふまえてプロローグを含め、書き直したいと思います
>>94さんほんとうにありがとうございました
いや、書き直しはいいから、早く続きを書いた方がよい。
書き直すうちに、そのまま停滞が多いパターンだ
>>96
禿胴。それで短編をいくつ捨てたことやら。しまいにゃ書くこと自体やめちゃったよ。
>>1さん、走り出したら止まっちゃダメさ。
98:02/12/10 22:44 ID:/d8hAVLe
>>96-97
一応、結末まで書き終わってるんですよ
それを>>94さんの意見を参考に書き直してアップしようかと

ただ>>96さんの言うとおり、あまり書き直しばかりしていたらそうなりかねませんね(汗)
>>97さん、走り出したら止まっちゃダメの言葉ありがとうございます。がんばります
学園物は、完結させずにだらだらと続けるもんじゃないの?
さっそく見れませんよ?
>>94
お前が書け
1さん復活! でも見れない…なんでだろ。
できたら、ここに一部でいいから貼ってくださいませんか?

指摘をきちんと受け止める1さんの謙虚な姿勢に乾杯。がんがれ。
103:02/12/11 18:37 ID:v5hoNq4i
こんばんは

>>99
今回のは読みきりということで(^^;

>>100>>102
今確認したところ見れますよ
でも大勢の人に見てもらいたいんで改訂前のを貼りますね

>>101
マターリいきましょう
104:02/12/11 18:38 ID:v5hoNq4i
暗がりの中に2人の人物がいた。

1人は、紅く長い髪を持つ壮麗な美少女。
もう1人は白に近い銀髪の、こちらもかなりの美少年。

皆さんお気づきの通り、前者が我らがアスカ様、後者がナルシスホモでシンジを追い続ける不屈のストーカーこと渚カヲルである。
カヲルの紹介が酷いと思われた方、気のせいである。別に作者が最近読んだSSでレイとくっついたからって
そんな私情でキャラの扱いを左右させる程私は子どもではない。故に気のせいなのだ。

話がずれた。
事情を知らない誰かが見れば、どちらかがもう1人に告白をしている、とでも思うかもしれない。
それを思わせるくらいの雰囲気がそこには――

「で、何よ話って。言っとくけどくだらない話やつまんない話だったらぶっ殺スわよ」

――失礼、どうやらLKA好きの人には申し訳ないが、全くなかったようだ。

「女の子がそんな言葉遣いはよくないと思うよ、惣流さん」

カヲルが大して気にしていない風に答えた。
もっとも、この少年が気にすることなどおそらく彼のことだけなのだろう。
逆に彼が他の誰かに興味を持ったら・・・それはそれで怖いのかもしれない。

「はんっ!あんたにあたしの言葉遣いをどうこう言われる筋合いなんてないわよ」

どうやらカヲルの対応に腹をたてたようだ。
外国暮らしが長いことと、彼女の性格もあいまって、自分のことを貶されるのは性にあわないのだろう。
105:02/12/11 18:39 ID:v5hoNq4i
「僕は一般的な見解を述べただけさ。古き良き日本の女性、大和撫子。君も聞いたことはあるだろう?」
「あたしはドイツ生まれのアメリカ育ちよっ!!」
「ふぅ、あぁ言えばこう言う。まったく君は好意に値しないね、好きじゃないってことさ」
「むきーーーー、その言葉あんたにそのまま返すわよ!!!」
「それは君が・・・」「あんたが!!!」「まったく・・・」「なんですってーーーー!!!」

不毛な争いは、それから約10分程度続けられたのだが、そんなものをここに記してもそれこそ不毛な
だけなので、ここには記さないことにしよう。決して手抜きではないことを信じてほしい。
そんなわけで10分後――、
106:02/12/11 18:39 ID:v5hoNq4i
「はぁはぁはぁ・・・あんたなかなかやるじゃない・・・少しだけ見直したわ・・・」
「君の・・・肺活量とボキャブラリィは驚異に値するね・・・はぁはぁ・・・ビックリってことさ・・・」

お互いの持てる全ての技量を無駄に使って口げんかした結果である。
能力の無駄使いとはおそらくこの時のために先人が作った言葉なのであろう、偉大な先人に感謝といったところか。

「エヴァのパイロットを・・・はぁはぁ・・・舐めんじゃないわよ・・・」
「そうだね・・・今回は痛みわけってことにでも・・・しないかい」
「いいわ・・・そうゆうことにしといてあげる・・・はぁはぁ」

ここまでやりあっても互いに自分の完全な負けは認めない。
どちらかと言えばカヲルが多少折れているのかもしれないが、それでもやはりである。
この辺り、実はこの2人似たもの同士なのかもしれない。が、もっともそんなことを言った日には
「「なんであたし(僕)がこいつ(こんな人)と似てるなんて言うのよ!!(言うんだい?)」」などと見事なユニゾンの2点同時荷重攻撃を喰らわされることだろう。
それは痛そうだからイヤだ。
107:02/12/11 18:39 ID:v5hoNq4i
「ところで、結局話ってなんなわけ?」

復活を果たしたアスカがカヲルに向かって言った。

「あぁ、忘れていたね。・・・それを言う前に1つ聞きたいことがあるんだ」
「・・・なによ?」

さっきまでのどこか抜けた雰囲気のカヲルとは違う、シリアスな雰囲気にわずかに尻ごみするアスカ。
そしてカヲルはおもむろに口を開き、こう言った。

「――率直に言って君はシンジ君のことをどう思っているのか聞きたいんだ」















「はぁ!?あんたいきなり何言ってんのよ??」
108:02/12/11 18:40 ID:v5hoNq4i
少しの間の後、アスカはすっとんきょうな声をあげた。
無理もない、そんな質問をされるとは夢にも思っていなかったのだろうから。

「そ、そんなことなんであんたに言わなきゃいけないのよ!」
「いいから答えてほしい、これはとても大切なことなんだ」

アスカの答えになっていない答えを受け流し、さらに追随するカヲル。
その瞳は――いつになく紅く、そして真剣だった。

「わ、わかったわよ・・・。言えばいいんでしょ・・・」

いつもとは違うカヲルの雰囲気にさしもののアスカも折れる
というか言わなければいけないような気持ちになったのだ。

「わかってくれて嬉しいよ」

そう言ってカヲルはにっこりとほほえんだ。










「・・・・・・・・・・ちょ、ちょっとは好きよ」
109:02/12/11 18:40 ID:v5hoNq4i
先ほどよりは短い間の後、アスカの口から小さく言葉が漏れた。
素直、ではないが確かな一言。
それを言うのにかなりの力を消費したらしく、足取りはフラフラし顔は真っ赤だ。
プライドとの格闘の末である。

「そうか、それならいいんだ」

それを聞いてカヲルは満足そうにうなずいた。
その顔はとても慈愛に満ちていて、それでいてひどく幻惑的であり、アスカもぐらっときてしまう程だった。
瞬間、心を蝕むわずかな自己嫌悪。

「とっ、とにかくあたしにここまでい、言わせたんだから早くあんたも言いなさいよっ!」

ほんの少しぐらつきかけた心を落ち着かせ、やや大きめの声を張り上げる。
カヲルをせかすと同時に、あ〜あたしなんでこんな奴にぃ!という頭にこびりついている自己嫌悪を振り払う要素もある。
もっとも彼女自身はそれには気づいていないのだが。
110:02/12/11 18:40 ID:v5hoNq4i
「そうだね、惣流さんにここまで言わせたんだから僕もちゃんと言わなければフェアじゃないね」

カヲルはアスカを見て、言った。
すぐに目を少しそらし、もう1度今度ははっきりとアスカを見て口を開く。

「惣流さん、僕とシンジ君のことに関して同盟を組まないかい?」

















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

銀髪の少年の一言は、聡明な赤毛の彼女に本日2度目となるまぬけな声をあげさせた。
111:02/12/11 18:41 ID:v5hoNq4i
以上駄文お粗末様でした(^^;
>1人は、紅く長い髪を持つ壮麗な美少女。
もう1人は白に近い銀髪の、こちらもかなりの美少年。

萎え萎え
>>112
そういえば、そんなスレあったなぁ・・・
>>113
スパシン・スレ。または、美化しすぎスレ。
まあ、テンプレのようなものだ。
テンプレっつーか笑うとこだから論ってたんだろ。
こいつ狙ってやってんならともかく、なんの学習もしてないのには萎えるよ。
>>112
このくらいで萎えなくても・・・。
シンジならともかく、アスカが美少女なのは公式設定だし。
美少女に「壮麗」が修辞でついただけ。
カヲルが美少年なのも、準備稿ではセリフでも言われてる。
でこっちは文中で、「かなりの美少年」としか書いてない。

美形だと書いたら美化しすぎなの?
過剰反応しすぎじゃないかと。
>>116
そういう話ではなく、使い古された陳腐な表現があるのに萎えということだと思う。
こういう表現は、スパシンや断罪に腐るほど多くあって、今さらな感がある。
笑いを取るために、こういう表現を使うなら、話は別だが。
>117
つまり、美形なのはいいが、
ストレートに美少女、美少年と表現したのがマズイってことか?
要求レベル高いのぅ・・・。

なるほどだが、それはともかく「スパシンや断罪」に限った表現ではないと思うぞ。
>116
普通萎えると思うけど
自分で言葉を出そうとしても、なかなか出てこないのはわかるよ。
でも、2chでどういうのがバカにされるのかぐらいは、わかるとは思うのだが
121102:02/12/12 13:25 ID:???
読みました。1さん無理聞いてくれてありがとね。

まずいいなと思ったところから。
>109のアスカ「〜プライドとの格闘の末である」辺り、ビジュアルを
想像するとすごく可愛い。カヲルの喋り方もそんなに無理はないし(CDドラマ
「終局の続き」の延長と見れば)、
二人の扱いに好感が持てますた。1さんはエヴァのキャラが好きなんだなぁ、と。
ノリのいい楽しい話になりそうですね。

次、疑問。
>106アスカ「エヴァのパイロットをなめんじゃないわよ」
この話で”エヴァ”(ロボットの方)ってどういう扱いなんでしょうか?
学園モノであると同時にエヴァも出てくるということでしょうか。
そっちも入れると話が膨らみすぎる可能性もあるので、どうなのかな、と。
も一つ。
>>94さんと同じようなことなのですが、この話は三人称ですよね?
その割に作者のモノローグというか、作者一人称的な部分がいささか多めだと
感じました。そういう演出・文体の話、というのであれば構わないんですが、
少し刈り込むと、話全体がすっきりするかもしれませんよ。

偉そうでごめんよ。これから直し作業ですか、頑張って。
>102
1の自演はやめてください
123102=121:02/12/12 14:38 ID:???
自分は1さんじゃないですよ。
サードインパクト後スレ等で馬鹿やってる者です。
だいたい1さんはこんな真っ昼間に来たことはないでしょうに。

自演に見える程イタイ擁護っぷりでしたか?
気に障ったのならすみませんね。
なんか時々、「ケチつけたくてたまりません」てな人が混じってきてるな。
>>87とか>>122とか・・・。
>>112-120のやり取りは、意見書いてるだけだから違うけど。

俺としては、こういう企画スレ立てて、
遅れはしたが実行して形にしてるだけでも1さんごくろう様、なんだけど。
ほとんどの場合は企画倒れに終わるものだし。
マターリといけんかなぁ・・・。

(1さん、これからも頑張って下さい)
美少年、美少女なんて表現しなくてもキャラに魅力出せるようにがんばってくださいませ
126:02/12/12 18:11 ID:R1F4Wc9F
こんばんは

>>112-120
貴重なご意見ありがとうございます
確かに萎えるかもしれませんね、表現がストレートすぎるというのは>>94さんもおっしゃられていますし
精進あるのみですね

>>121
ご感想ありがとうございます
まず疑問についてですが、この話の元設定は>>25さんの設定を元にしています
なので本編準拠の変則学園物という感じになってます、ですがエヴァの戦闘シーンなどは描かれません
あくまで学園物として書きました
文章の書き方は・・・がんばります(^^;

>>124
ありがとうございます
受け止め方は人それぞれだと思いますし、私の駄文には誉める所はなくてもけなす所はたくさんあるので
しょうがないかなと思います(^^;ただマターリいけたら1番いいですね

>>125
はい、がんばります
127:02/12/12 18:13 ID:R1F4Wc9F
追伸です

プロローグ以降はちょっとまた忙しくなってきたので日曜日公開にさせてください
遅くなってもうしわけないです
>>124
だってつまんないんだも〜ん
>128
んじゃ君が書いたら?
せめて、25さんみたいにネタだけでも。
それもダメなら、面白くなるための案や要望を出すとか、
こうした方がいい、てな指摘をするとか。
>>128
>>124さんが言ってるそばから…

>1さん
次は日曜ですか。のんびりマターリ行きましょう、待っとるよ〜。
131128:02/12/13 12:30 ID:???
じゃあ、ちょっと要望書きます。

LRS,LASってのを最初に宣言しないでほしい。
途中までどっちに転ぶかわからない展開キボンヌ。
それと、キャラ(アスカとかレイ)の容姿をベタ誉めするのはやめてほしい。
エヴァSS読む人なんて、アニメを見たことある人だけなんだから
いまさら誉めないでよろしい。

ってとこです。最初から書き直してください。(まだやる気があるなら)
132128:02/12/13 15:08 ID:???
それと、
アスカとレイがシンジにベタベタなのはやめてほしい。
シンジが鈍感すぎるのもやめてほしい
>>132
それをすると、シリアスになるんだよね。
つーか、学園でそれをやるとイタモノになるよ
学園物は、ラブコメ、三角関係、だらだら感、完結しない。
これが基本だ。
>>131
本当にやる気がある人なら、まずは手をつけた奴を完成させると思う。
言ってる事には同意。ネタバレは興ざめだし、可愛らしさも演出で表現して欲しいよな。

>>134
そして人は、それをマンネリと呼ぶ。
そろそろ1さんは、トリップ付けたほうがいいかもね。
>>133
ほどほどにすればイタモノにはならない。
>>133
ラブコメからラブが抜けたらイタモノっつーのはちと強引じゃ?
つか、恋愛感情抜きのイタモノの方が珍しいと思うんだが…

朝、トイレの奪い合いから始まったシンジとアスカの緊張状態は、朝食のメニュー
を巡って本格的な対立へと成長した!そして戦いの場は通学路に拡がる…
吼えるクラクション!倒れる電柱!混乱と渋滞を撒き散らしながら、栄光の校門
めがけてシンジが走る!アスカが跳ぶ!
興奮のスピードバトル、乞うご期待!!

…ってな感じなら、別に色恋はいらんわな。
期待age
…まだ待っとるよ、で保全。
新たな挑戦者を求む。
適当でいいから、誰か書いてよ。
こう、ネタがないと面白くない
俺はもうちょっと1さんを待ちたい。
143名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/22 18:07 ID:rn9r8S9/
俺も書いてもいいかな?
3日後にうPするよ。
設定はここのつかわないが
144名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/22 18:09 ID:iBf8eRtI
     ∧_∧∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ( ´∀`)/<先生!こんなのがありました!
 _ / /   /   \___________
\⊂ノ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ||\        \
 ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 ||  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
http://freeweb2.kakiko.com/tama/
age
>>143
期待していいのか?
シンジは走っていた。
時折よろけつつ周りの学生にぶつかる度に謝りつつ、シンジは走った。いつものように。
そう、あと少しでゴール。昼休みの日課。

と。
後少しで校舎裏、待ち合わせ場所に辿り着くところで、彼は、どうしたことか
足をとられ、派手にすっ転んでしまった。
足元を見るとつぶつぶオレンジの見慣れたイラスト。

「…ったく、誰だよ。こんなところに空き缶なんて…。」
埃を払いつつ立ち上がった彼に降ったのは、聞くだけで反射的にげんなりさせられるあの声。

「あ〜ら、前も見ずに全力疾走してる方は悪くないって訳ぇ?」
視界の隅でバサッと払い流される赤い髪。

「…いや、いいけどとりあえず、一体何だって焼却炉の上になんか…?」

煤だらけの顔を擦り、アスカはぷぅっと頬を膨らませた。
「そんなのアンタに関係ないでしょっ!っていうか見たからにはアンタも共犯者ね。
手伝いなさい?」

ああ、今日も行けないんだろうか?僕は。
ごめん。約束を破りっ放しだ。綾波はいつも待ってくれているのに。
>>141
適当ー。こんなんでいいの?
FF書きじゃないので文章おかしいけどごめんねー。

ちなみに、LASとかLRSじゃないよ。
LASとかLRSじゃなかったらなんでもいい。
LaSもありか?
>150
何それ?
催促age

つーか、書いたなら発表しろよ
153ああ ◆AjaSoeAeyo :03/01/06 02:58 ID:???
ああ
154山崎渉:03/01/11 04:42 ID:???
(^^)
止まってるね
いまどき学園モノは流行らないか
156山崎渉:03/01/23 04:52 ID:???
(^^)
ヒマじゃ〜

エヴァでやる必要なしでもいいから
誰か書いてくれないかな
僕は放課後忘れ物をとりに教室に戻る。誰もいないはずの教室に
人の影が見えたので僕は立ち止まる。僕の後ろの席に、今日転向してきた
綾波レイが机に突っ伏していた。
僕は教室に入るかどうかしばし迷ったが今日中に仕上げなければいけない
プリントがあったのでこっそりと入っていく。
「碇君・・・・・・・・・」
机からかを上げた彼女の目は、涙で少しぬれているようだった。
「あ、綾波どうしたの?こんな時間に。」
僕は笑顔を作りそう答える。
「ん・・・ちょっと」
少し視線をそらし彼女はつぶやいた。
「はは、僕はちょっと忘れ物しちゃってさ。」
そういって僕は机のなかからプリントを取り出す。
「じゃ、また明日。」
そういって僕は教室をでた。
僕にはないている女の子にかける言葉なんて思いつかない。
少しやな気分になりながらも僕は家路へと歩を進める。
割り込んでたらゴメンよ。
イイ感じなのでつい。
続きすんごく気になる、がんがって〜!
部屋について一息ついていると携帯にアスカからメールが入る、今すぐ
家にこい、とゆうものだった。僕は一息ため息をつく。彼女からの命令を断ることは
できない、いつもそうだ、こちらの都合はおかまいなし。まあプリントは夜中にでもやればいい
そう思い僕はきがえをすませ彼女のうちに向かう。
「あ、こんにちは」
「あら、シンジ君いつも悪いわね。」
キョウコさんは笑顔で僕を迎えてくれる。少し茶色がかったショートヘア、
170以上はあるモデルのような体系、相変わらず日本人離れした風貌
だ。
「アスカは?」
「部屋にいるわ、ごめんねあのこの我侭に付き合ってくれるのシンジ君だけだから。」
「いえ、そんなことないですよ。」
そういって僕は二階にあがり彼女の部屋をノックする。
「入って。」
部屋に入ると甘いにおいで部屋は充満している。
アスカは赤いポロシャツにかなり短いキュロットのスカートで、あぐらをかいて
ゲームをしている。
「またゲームの相手?」
「そ、あんたにはそんくらいしか存在価値ないじゃない、普通に話したって
つまんないし。」
「はいはい。」
もう慣れていたので僕は怒る気すらおきない。彼女の隣に腰を下ろして
ゲームコントローラーを握る。
そしてチラッと彼女の方を見る、短いスカートから太腿がむき出しになっている、
パンツも少し角度を変えれば見えそうだ。
気付かれないうちに僕は視線をTV画面に移す。
日も暮れかけ、ようやくアスカは僕を解放してくれた。
もう時刻は6時を回る頃だった。キョウコさんが夕食でも一緒にといってくれ
他が丁寧にお断りした。
僕は家に着くとピラフと野菜スープを作り夕食を済ませた。両親は
箱根に出張であと一週間は戻ってこない。
僕は部屋に戻りベッドに横になる。プリントにはまだ手をつける気にはならなかった。
綾波レイ、放課後に見た彼女の泣き顔が浮かんでくる。まあ僕には関係ない、
それに僕にできることもないだろう。いつものように僕はそう整理して
プリントに手をつけはじめる。いつから他人に対してこれほど距離をとるように
なってしまったのかわからない。でも他人といてもいいことはなかったような気が
した。アスカと一緒にいても平気なのは、彼女もまた他人から心を閉ざして
いるからだろう。
プリントを終わらせ僕はビートルズを聞きながら眠りについた。
夢の中で青い髪の少女が僕に何かを必死で伝えようとしている。でも僕には
それがまったく聞こえない。僕は必死に彼女の訴えを理解しようとするが
彼女が何を言っているのかわからない。彼女の口だけがパクパク動いているのがみえる。
彼女の目から涙が行く筋も流れ出す。
頼むよ、言葉に出してくれ、出してくれなきゃわかんないよ!僕はそう叫んだが
僕の声も相手には聞こえないようだった。彼女は急に黙りだす、赤い目で
僕を見つめ、一言何かをつぶやいた、そして彼女は剃刀を自分の手首に
あて、一気にひく。血が噴水のように噴き出し彼女は笑い出す。
僕は泣きながらわけのわからないことを叫んでいた。

目を覚ますと僕は布団がぬれるほど全身に汗をかいていた。
いったいどうして僕はあんな夢を見たんだろうか。彼女とはほとんど話し
もしていないとゆうのに。
窓から見える空は皮肉なくらい晴れ渡っていた。

「おはよう碇君!」
綾波レイが笑顔で僕の前に立っていた。
「あ、おはよう。」
僕も笑顔で答えたが内心は驚いていた。
「あの・・ちょっと昼休み付き合ってくれるかな?」
「え、いいけど・・・・・」
「ごめん。詳しくは後で話すから!」
そういって彼女は小走りで女子の輪の中に戻っていく。
僕は何か釈然としないまま午前の授業を受けた。

163リナレイ:03/02/07 14:52 ID:x2/9YNCY
「ごめんね、急に呼び出しちゃって、変なやつだと思ったでしょ?」
「え、いや・・でもちょっと驚いたかな。」
しばらく彼女は手すり越しに下を見つめていた。
「そういえば、綾波ってどこから来たの。」
「え、ああアメリカからよ。8歳の時に向こうに留学してたから。」
「へえ、すごいな、じゃ英語とかペラペラなんだ。」
「ペラペラってゆうか大体はしゃべれるけど・・・・」
そこで会話が途切れる。彼女は僕に言いたいことがある、でもなかなか
それが切り出せないようだった。
「あの、なんか問題でもあるの、相談に乗れることだったら話してみない。」
僕は優しくそういってみた。
「あの、今度買い物付き合ってくれる?」
「え、いや別にいいんだけど、ほかの女子といけばいった方がいいんじゃない。
綾波結構みんなと打ち解けてるし。」
「そんなのうわべだけよ、なかなか中には入っていけないわ。もうグループ
とかできちゃってるし。」
少し下を向いてそういった。
「うん、じゃ構わないけど、いつにする?」
「じゃあ、今週の土曜日、約束よ!」
そういってまた彼女は小走りで屋上を出て行った。
きっと僕が一番誘いやすかったんだろう、それだけだ。
そう僕は自分にいいきかせる。期待してもしょうがない。
いい!続ききぼんぬ!!
リナレイさんがんがってください
正直、おもろい
期待age
167名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/02/07 18:29 ID:ScwAyKSm
あ、失敗...
家に着くと僕は夕食の支度に取り掛かる。今日は秋刀魚と肉じゃがを作ることにした。
肉じゃがは多めに作って明日に回そう、一人の時はあまりちゃんとしたものを作る気に
はなれない。
夕食を済まして僕は湯船につかりながら今日のことを思い出す。
綾波レイ、どうして彼女は大して浸しくもない僕を買い物に誘ったんだろうか。
昼間の彼女の笑顔と昨日の夢が重なる。彼女に対して何かもやもやしたものを
感じる、でもそれが何かはよくわからない。
僕は考えるのをやめることにする、他人のことを深く考えるのはよそう。今までもそうゆうことをしていいことはなかった。

土曜日の朝、相変わらず天気だけはいい。僕はポロシャツにジーパンを履いて
彼女との待ち合わせ場所に向かう。駅前の広場は人でごった返している。
噴水の淵に腰掛けて僕は通り過ぎていく人々を漠然と見つめていた。
「碇君、お待たせ。」
綾波レイはそういって僕に微笑みかけた。
黄色のジャケットにスカイブルーのスカート、それにダークブラウン
のブーツ、左耳には金のイヤリングをしていた。
「ごめんね、ちょっと待たせちゃったかな。」
「ううん、僕も今来たところだから。」
彼女は僕の隣に腰掛けてくる。
「イヤリング、片方だけにしてるんだ。」
「あ、これ。うん、ちょっとげんかつぎでね。ピアスだったら変じゃないん
だけどね。」
彼女は笑顔のまま左耳のイヤリングを触る。
「うん、でもとっても似合ってるよ。」
「ありがと。あ〜あ、今日はホント助かったわ、碇君が付き合ってくれて。
ここら辺のことまだ全然わかんないから。」
まあそんなところだろうな、と僕は思う。期待をしないようにいつも
自分に言い聞かせる。そうすれば一々傷ついたり落胆することもない。
そうして僕達はショッピングモールにむかった。
「カルバンクラインのエターニティ、それともグッチにしようかな。
うん、エターニティにしよう。」
彼女は香水をひっきりなしに手首につけ匂いを比べていた。
「ねえ、ここGAPはあるかな?」
「ああ三階にあるよ。」
「日本てホントなんでもそろってるのね。向こうのお店が大体あるもの。」
そういって彼女はエレベーターに向かってゆく。
屋上のマクドナルドで僕達は休憩することにした。
20階建てのこのビルの屋上からは町が一望できる。
「ごめんね、私の好きなところばっかいっちゃって、碇君つまらなくなかった。」
「ん、そんなことないよ。」
彼女はしばらく眼下の町並みを見つめていた。先程から気付いていたけど、
彼女は時々寂しそうな顔をする。それにいつも笑顔ではしゃいでいるように見える
けどそれも少し不自然な感じがした。多分自分の言いたいことを我慢してしまう、
本当に言いたい時に自分の言いたいことがいえないんじゃないかと思った。
「余計なお世話かもしれないけど、言いたいことがあったらいってみたら。」
でも、聞いたところで僕にはいってあげられるような言葉もないのに。
「え、うん・・・・・・・」
彼女は視線を足元におろす。
つ、続きがきになる・・・
おもしろいです!がんがってくださいね
これが1だったらかなりの成長だな。そんなわけないけど
「実は・・・ね。私、アメリカに好きだった人がいたんだ。・・・今も忘れられないの。」
そんなこったろうと思った。でもそれと僕を誘うこととどう関係があるんだろう?
「でもね、別に付き合ってたわけじゃなくて私の片思いだったんだ。」
「へ〜、そうなんだ。」
僕は適当にあいづちを打つ。というよりも他にどうすればいいのかなんてわかるはずもなかった。
そういう話を異性に話す時点で、あなたに対して恋愛感情はありません、といっている
ようなものだということ位はいくらトウジやケンスケに鈍いだの鈍感だの言われている僕だってわかる。
174リナレイ:03/02/08 19:01 ID:???
しばらく彼女は黙っていた。隣の席の子供のはしゃぐ声がやけに大きく聞こえる。
僕は余計なことを言ってしまったのかもしれない。
「私って・・・なんかみんなとうまくやろうとか思ってテンションあげすぎちゃって
浮いちゃったり、逆に言わなくていいときに余計なこといっちゃたり・・・・・
へへへ、なかなかうまくいかないんだな。」
彼女はまた笑顔で話をとじる。
「そっか、でもそのもっと自然にすればいいんじゃないかな、誰でも多少は人とうまくやりたいとか
楽しくやりたいってゆう気持ちはあると思うけど、でも君は少しそうゆうことを
気にしすぎて気張りすぎちゃうんじゃないのかな、相手はそこまで考えてないから逆に疲れちゃうのかもしれない。」
「うん、そうかもね。」
彼女は足元に視線を落としたまま真顔になってそういった。
「あ、ありがと。なんか今までそうゆうこといってくれる人いなかったから。
なんかちょっと楽になった。」
そういって彼女は前よりも少し自然に微笑んだ。

駅で彼女と別れてから僕は軽い自己嫌悪に陥った。屋上で彼女に言った言葉、
少なくとも彼女は人と関わろうとして思い悩んでいる、でも僕は人との関わりを
鼻から遠ざけている、そんな僕が彼女に偉そうなことをゆう権利はなかった。
そう今日のことは忘れよう、彼女もいずれクラスに打ち解ければ僕からは
離れていくだろう。いつもそうだ。

血のように真っ赤な夕日の中で、僕はもう一度開きかけた心のジッパー
を静かに下ろす。

175リナレイ:03/02/08 19:16 ID:???
昨日の肉じゃがの残りと白菜と鶏肉の炒め物で僕は夕食を済ませる。
アスカから携帯にメールが入る、今すぐ家に来いとゆうことだった。
僕は気分が悪いからいけないと返した。人と会う気はこれ以上しなかった。
アスカ以外の女の子と2人きりで出かけるのは初めてのことだった、多分
少し疲れているんだろう。
明かりもつけずに僕はベットに横たわる。窓からはやけに大きく見える満月が
のぞいている。
月と彼女のイメージが僕の中で重なった。やはり綾波レイに対して僕は何か
言葉で言い表せない不思議なものを感じていた。恋でもない、親しみでもない
何かよくわからないものだ。
僕はジョンレノンの歌声とともに眠りに落ちた。
おもろい、普通に続き書いてほしい
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/02/10 13:04 ID:LS+fokTB
期待age〜
178名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/02/10 16:17 ID:Fiapoi4H
一応マジレスなんだけど、
>「そっか、でもそのもっと自然にすればいいんじゃないかな、誰でも多少は人とうまくやりたいとか
>楽しくやりたいってゆう気持ちはあると思うけど、でも君は少しそうゆうことを
>気にしすぎて気張りすぎちゃうんじゃないのかな、相手はそこまで考えてないから逆に疲れちゃうのかもしれない。」

中学生でここまで言うのは不自然。ましてやシンジが
>>178
キミの言うことは正しい。
でも、既存のエヴァFFのほとんどが中学生らしくない大人の言動を
するキャラクターなので、目を瞑るべきだろう。
それこそ、nakaya作のシンジ達なんて、中学生には見えないよ。
小学生の女の子が、コンビニの前でそんな会話をしてたよ。
クラスのみんなと仲良くしなくちゃって思うけど、嫌な子と話すのは疲れるってさ。
私ばっかり気を使うのは納得いかないんだと。
同級生?の女の子が、気楽にやろうよって慰めてた。
次の日、僕は相変わらずアスカに起こされ、一緒に登校していた。
「ふー、なんとか今日は遅刻しないで済みそうだね。」
「まったく誰のおかげだと思ってんのよ?」
そんな会話をしながら下駄箱につくと、そこには綾波レイがいた。
昨日のことがあるから少し気まずいな、と思ったが声をかけないのも不自然だと思い、
「おはよ・・・」
「おはよ〜パンツ覗き魔♪」
僕が挨拶しようとしたその声は綾波の声にかき消されてしまった。
「だ、だからそれはわざとじゃないんだってば!!」
周りには登校中の生徒がたくさんいるっていうのに・・・!

「なんやなんや、またパンツ覗いたんかい!?」
運悪く一番うるさい男まで来てしまった。
「ち、違うよ!そんなチャンスがそんなにあるわけないだろ!」
僕は気が動転していた。
「チャ・・・チャンス。」
綾波の声に僕は自分で墓穴を掘ってしまったことに気づいた。
「も〜!いいから早くしなさいよ!」
アスカがいきなり怒りだした。
そんな出来事もあったりして、綾波はいつのまにか僕らと一緒にいることが多くなった。
考えてみれば、僕らのグループは多少変わってるかもしれない。
そんなグループと仲良くするってことは綾波も変わり者なのかもしれない。

ある時、綾波とふたりで話すがあった。それで僕はずっと思っていた疑問をようやく聞くことができた。
「あのさ・・・僕を買い物に誘ってくれた時があったよね。どうして僕だったの?」
綾波は少し困ったような笑顔を僕に向け、話し始めた。
「あの日、あたしがアメリカに好きな子がいるっていったじゃない?」
「うん。」
「なんかね、似てたんだ・・・。碇君とアスカの関係が、あたしと彼に。」
「えっ?それってどういう・・・」
「あたしは彼のこと好きだったんだけど、でもね好きだからこそ辛くあたっちゃうって所がね。」
それってアスカが僕のことを好きってことか?でもなあ・・・
「でもアスカは綾波と違って誰にでも辛くあたるから綾波とは違うよ。」
綾波は急に僕から顔をそむけた。少し肩が震えている。と、こちらを向きなおし
「・・・アハハハハ!ひどい言いようね!」
思ってもいなかった反応なので僕は一瞬戸惑ってしまった。
「なんだ、泣いてるのかと思ったよ。」
「フフフ!どうして今の流れで泣くのよ!?」
そりゃあそうだ。
「ありがとね、碇君。」
「えっ?」
唐突に言われてまた戸惑ってしまった。
「なにが?」
「あの日慰めてくれて。」
「ああ、なんだそんなことか。」
「自然にしてればいいって言ってくれたじゃない?あたし碇君達と一緒にいる時が
一番自然に振舞えるんだ。」
綾波は嬉しそうに言った。
僕も綾波みたいに可愛い子にそう言われて嬉しくなってしまった。
「あ、でもね、あたしの場合は好きな子に冷たくあたっちゃう損な部分が
あるけど、アスカも同じだってわけじゃ無いわよ。」
「そんなことわかってるよ。」
僕も笑いながら言った。
アスカの部屋に居た僕は、ひとりでゲームをやっているアスカの背中を見ながら
その時のことを思い出していた。
ひとりでゲームするなら呼ばなきゃいいのに、と思っていた僕だがその時の綾波
の言葉がよみがえってきた。
「ねえ、アスカ。」
「なに?」
「アスカってさあ、もしかして僕のこと好きなの?」
僕は言ってからなんて馬鹿なことを聞いてしまったんだと激しく後悔した。
アスカにはなんの反応もない。相変わらず僕に背中を向けたままだ。
ゲームの音だけが響く。
その間に僕を緊張と不安が襲ってきた。そして少しの期待も。
しばらくしてアスカがゆっくり振り向いた。心臓が物凄い音を立てた。アスカにも聞こえただろうか?
振り向いたアスカの顔は・・・・・・呆れていた。
「あんた、バカぁ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
おもしろい!このスレ最初からROMってたかいがあった
188リナレイ:03/02/10 20:44 ID:???
地下でこそーり延々と書いてたんだが、まあもりあげってよかーたよ。
ちなみに158−175がおれ。175の続きも考えてあんで続けたら続けるよ。
このコテハン使えば混乱せんかな?175以降は分岐とゆうことで2つ同時進行で。
正直アニメはエヴァ以外見たことないからアニメファンがおもろいと思うネタわからんし、
受けねえだろうなあと思ったんだが、数人でもおもろいといってくっるふとがいたのはうれしかった。
>>188
書いてほしいな
俺はリナレイ属性なんでこの作品はマジで(・∀・)イイ!
まさにつぼにはまったって感じです
コテハン使って書いてもらえると読みやすくて助かります
これからもがんがってくださいな
190リナレイ 175−:03/02/11 00:22 ID:???
水の流れる音がバスールームから聞こえる。
綾波レイは鏡の前にたち剃刀をすけるように白い手首に当てる。
そこにはすでに行く本物のリストカットの後があった。
そっと白い肌に剃刀の刃が沈んでいく。
刃を引こうとしたその瞬間昼間のシンジの笑顔が頭に浮かび彼女
は手を止めた。彼に救いを求めていいのだろうか?彼自身、自分自身
の問題を解決できていないだろうことは彼女にもわかった。だからこそ
彼に話すことができた、同じように心にほつれのようなものを彼も持っている
それがなんとなくわかった。だから安心して話せたのかもしれない。
いつからだろう、自分が本当に思っていることと口から出る言葉がずれてきてしまったのは。
悲しい時も笑っている、泣きたい時も笑っている、怒ったときも笑っている。
そのずれのようなものは時間が経つにつれて大きくなっているような気がする。
そうして壊れてしまいそうな時彼女は自分を傷つける。手首の傷だけが自分と現実を
唯一結び付けてくれるもののような気がする。でもそれにも限界がある。
191リナレイ 175−:03/02/11 00:49 ID:???
彼は受け入れてくれるだろうか。
でも自分の問題はそれだけではない。自分の異常な生い立ちを、
いや生い立ちなどといえるものではない、自分は人間出すらないのかもしれない。
試験管の中の精子、無機質な音を発し続ける人口胎盤、それが彼女の唯一両親といえるものだった。

僕は薄暗い研究所のような場所に立っていた。歩くたびにほこりが舞う
ひどく寂れた部屋、青白い光が部屋の奥の方に見える。僕はその光の方に
進んでいく。
そこには綾波レイがいた。青白い光の正体は轟々と音を立てる、何か水槽のような
機会だった。彼女はその機械のようなものにすがりつき何かをつぶやいている。
「・・・かあさん・・・お母さん、お母さん。」
近づくにつれそういっているのがわかった。僕は背筋が寒くなった。
すぐにその場を立ち去ろうとしたがまったく体が動かない、ひざが小刻みに震える。
彼女はこちらにゆっくりと顔を向ける。そしてゆっくりと僕に微笑みかけた。
「お母さん、お友達を紹介するね、碇シンジクンだよ。」
彼女はそういって僕の方に近づいてくる。僕は逃げ出したいのにまったく動けない。
彼女はそっと僕を抱きしめる、そして耳元でささやく。
「碇君はどこにもいかないわよね、ねえそうでしょ。私を救ってくれるんでしょ。」
その時初めて彼女の肩越しに水槽の中身がみえた、それは紛れもない僕そのものだった。
「フフ、お母さんが碇君を作ってくれたの、どこにも行かない裏切らない私だけの碇君。」
水槽の中の僕は徐々にその形を崩していく、目が飛び出し、唇がめくれ腹から
胃が飛び出していく。
「どうしたの、碇君?」
そういった彼女の顔も徐々に崩れ始める。
僕は泣きながら何か分けのわからないことを叫び続ける。
>リナレイさん
イイ! 続いてて良かった!
・・・最初に声かけた(>>159)の折れですた。やっぱり割り込んでた。ゴメソ
分岐版?もコハイけどイイっす。
もしや二本同時に進めてくれるんですか?!
だとしたらアンタは神。うん。
これからもがんがってくれい。すんげー楽しみにしとるから。
なんか怖い雰囲気だー
>>190>>191は別の話ですか?そこがちょっと混乱してます
でもおもしいっス、がんばってくださいリナレイさん!
めっさおもしい・・・最近学園物見てなかったからはまりますた
>>191こわっ、なんかすげぇ雰囲気だなー
つづききぼんぬ、がんがってくれー
196リナレイ:03/02/11 18:21 ID:???
>>193
190、191は175の続きです。俺が言いたかったのは175以降の181−186は
別の人が書いてくれたみたいなのでそっちはほかの人が続けてくれれば
いいんじゃないかとゆうことです。2本同時はむりっす。
197186:03/02/12 12:46 ID:???
綾波が僕らと一緒に行動するようになって、大きく変わったことがひとつあった。
それまではいくら学校で仲良くしていても放課後男女一緒で遊ぶことは無かった。
でも綾波が来てからはちょくちょく遊ぶ様になった。
「相田〜!!アンタまた私の写真隠し撮りして売ってたでしょ〜!!」
「べ、別にいいだろ!世の中には変わり者がいるもんさ!」
だけどあんまり変わっていないのかもしれない。
いつもどおりケンスケとアスカは追いかけっこしている。
僕が、僕達が変わっていくのはまだ当分先になりそうだ。

・・・ケンスケとアスカが10年後に結婚することをこの時点では誰も予想できなかった。 

                           完 
( ゜д゜)ポカーン
>>197
乙、ワロタよ
200名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/02/12 19:12 ID:/SJRgykA
200げっと

ヤッタネ!
そ、それはあかんで〜(W
>>197
ナイス落ち(w ワロタよ。乙。

>リナレイさん
誤解ごめんよ。だから名前欄名無しに戻ってたのか>>181〜>186
んで、それも終わったようだな。
>>191からの続き、できたら続けてくれ。
あんたの文章の静かな雰囲気スゲー好きだから。
「おはよ!碇君。」
綾波レイはいつもの調子で僕に声をかける。
「おはよう綾波」
笑顔で僕も挨拶を返す。でも正直僕は彼女が怖かった、夢の内容と現実の内容
を混同するのはばかげた事だとおもう、でも何か僕が見た2つの夢はただの夢
として割り切ることができなかった。
「碇君、お昼一緒に食べない?」
「うん、いいよ。」
「ホント!じゃ屋上で食べない?」
「いいよ。」
「ありがと、じゃあとで。」
そういって彼女は自分の席に戻っていった。彼女はいつも自分から会話を終わらす。
なにか自分のいいたいこと、もしくは自分について何かを聞かれる前に逃げるように
会話を終わらす。それはほかの人にとってはひどく不快感を与えるかもしれないし
自分と話すのがいやなんじゃないかと思ってしまうだろう、そこも彼女が他人とうまく付き合えない
理由のひとつでもあるような気がした。でも僕も似たようなものだ。紳士ぶって
ただ笑顔ではいはいと繰り返す、他人を知ろうとする努力も関わろうとする努力も
一切放棄してきた。
僕は窓に視線を移す、11月の空は青く澄み渡っている。僕は筆記用具を
だし授業に備えた。
204リナレイ:03/02/13 21:02 ID:???
一足先に僕は屋上にあがった。そよ風は心地よく僕の頬をなでる。
今朝は昨日見た夢のせいでひどい頭痛がしたがそれももう完全に治まっていた。
「あ、もう来てたんだ。」
綾波レイが僕に向かい歩いてくる、夢のなかで裸の彼女が僕に向かって歩いて
きたシーンとそれがだぶる、僕はそれをすぐに打ち消した。あれは夢だ。
彼女は僕の横に座ると購買のパンを鞄から取り出した。僕も自分で作った
弁当を広げる。
「いいなお弁当、私作ってくれる人いないから。」
「ああ、これ、自分で作ったんだ。」
「すごーい、料理できるんだ碇君。」
「うん、二人とも研究所づとめで忙しいからね、普段も僕が作ってる。」
「へえ、えらいね、私も覚えなきゃ料理とか。」
「食べる、まだ口つけてないから。」
そういって僕は綾波に箸を渡す。正直朝から食欲がまったくなかった。
「え、いいの?じゃ、少しだけ。」
そうして僕達は弁当を食べ終えしばらく雑談した。音楽のことや学校のこと、
他愛もないことだった、でも彼女の態度は昨日より明らかに自然になっていたし
僕も普段よりもよくしゃべった。僕は彼女にとって何かしら救いになれたのかもしれない。
これを機に彼女が他のことうまくやれるようになり僕の下を去ってもそれはそれはそれでいいとおもった。
とにかく僕の気分は彼女と楽しくしゃべれたことにより多少晴れてきた。
205リナレイ:03/02/13 21:38 ID:???
しばらく僕らは黙っていた、でもいやな沈黙ではなかった、僕にとってだけは。
それはすぐにわかった。彼女は急に真顔になりポツリとつぶやいた。
「碇君、昨日夢見たでしょ?私の。」
僕はひどく混乱した、昨日僕が彼女の夢を見たことをしっているのは世界中
で僕一人のはずだ、誰にもまだそのことは話していない。
「どうしたの、いきなり。」
僕はかろうじて笑顔をたもったままそう聞いた。なにか冗談か何かかもしれない。
「2回見たとおもう、私の夢・・・・」
彼女は寂しそうに下をむきながらそういった。僕はもう何もゆうことができなかった。
膝ががくがくふるえだす。
「波長・・・たまになにか波長数が合ってしまうひとがいるの、ラジオの受信波数の
ように。そうゆうひとは私の思念を常に脳で受け取ってしまうの、それは微弱なものだから
おきている時には何も感じない、でも寝た時にあなたの自我が弱まったときに
夢としてそれは映像化されてしまうの。」
多分僕はひどくおびえた顔をしてしたんだとおもう、でももう表情をコントロール
する余裕もなかった。
それを見て彼女は寂しそうに微笑んだ。
「見て」
そういって髪をかき上げ自分の耳たぶの裏を僕に見せる。そこには小さく
バーコードのようなものがプリントされていた。
「私は、アメリカで実験的に作られた人造人間なの。人造人間っていっても
生物学的には人間と変わらない。でも私の親は試験管に入った精子と胎盤と
まったく同じ働きをする機械。それにやっぱり失敗もあったの、それが
この髪と目の色と、自分の思念が特定の人に漏れ出してしまうこと。」
僕は何もいえなかった。
しばらく僕らの間を沈黙が支配する。校庭からは人の騒ぎ声がいつもより大きく
耳に響いてくる。仮に彼女のゆうことが真実だとすると、僕はしばしばまた
あの脳を切り刻まれるような映像を見続けなければいけない。そんなことに
僕の精神は耐えられるのか。
206リナレイ:03/02/13 21:53 ID:???
「心配しないで」
彼女は不意に僕の方に顔を向ける
「私の思念が届くのは大体30km以内なの。だから私はアメリカに帰る、
そして思念の範囲内に人がいないところに移させてもらうわ。新しいところに
いってもまた波長の合っちゃう人がでてくるから。」
僕は何も言わずにただしたを向いているしかなかった。
それを彼女は寂しそうにみつめそっと僕の手を握る。
「へへへ、でも土曜日はほんとに楽しかった。ありがとう。」
彼女は笑って僕のもとをいつものように小走りに走り去った。
僕は自分の手を見つめる、握られた彼女の手は悲しいほど冷たかった。
綾波レイは午前12時学校の屋上に立っていた。目の前には大きな月
が見える。月を見ると少し落ち着く。
「誰か私を月まで連れて行って、ここにいると私はおかしくなりそう。」
月を見上げながら彼女はひとりそうつぶやき屋上の手すりに手をかける。
「へへ、もう耐えらんないや、碇君もこれで私の夢で苦しまずにすむ。」
最初からこうすればよかった、彼女はそう思い屋上のヘリに立つ。
下を見下ろすと暗闇の中にトラックの白線だけが浮かび上がって見える。
彼女の膝は震えだす。歯ががちがちとなる。怖い、でも今死ななきゃみんなが
これから迷惑する。彼女は目をつぶり一気に眼下のグラウンドに飛び降りた。
地面がどんどんと近づいてくる、恐怖はもうない、これで楽になれる、これで
じゆうになれる。彼女はそっと目をつぶった。
でもしばらくしてもなかなか地面につかないことに彼女は気付く、それとももう
自分は死んだのだろうか、そっと目を開けてみる。
面白い。
しかし、あまりにもレスが少ない
>>209
まあ、こんなもんだよ。
意外と、ROMっている人は多い場合もある。
つづきが・・・読みたい・・・
リナレイさんがんがってください・・・
212リナレイ:03/02/17 20:47 ID:???
目を開けると目の前数十センチのところに地面は迫っていた。
でも地面と自分の距離はそれ以上縮まることはなかった。
気付くとオレンジ色に光る六角形の壁のようなものが自分の体をささえていた、
そしてその壁のようなものはゆっくりと消失し彼女の体を優しく地面に下ろす。
「なに、いまの。」
ぺたんと地面にへたり込んだまま綾波レイは呆然と空を見詰めていた。
しばらく何も考えられなかったが、結局今のがなんであれまた自分にあらたな
人の中で自分を生きづらくする障害のようなものが増えただけだ、そう思い
彼女は夜中の校舎に戻った。ほかの死に方を探せばいい。
三階まで上がったところでピアノの音が聞こえてきた、ベートーヴェンの第九、
歓喜の歌だった。こんな時間に誰だろう、そう思い彼女は音のするほうに
向かう、どうやら第3音楽室から聞こえてくるようだった、彼女にはもうほとんど
恐怖とゆう感情はなかった、自分自身が一般人から見れば恐怖の対象以外の何ものでも
ないとわかっていたからかもしれない。
昼間にシンジが自分にみせた畏怖の表情、それを思い出すと泣きそうになった。
第三音楽室の扉は開いていた。彼女はそっと中をのぞいてみる、そこには月光を背負い
一人の少年がピアノを弾いていた、顔は月明かりの影になってよく見えなかったが、
その髪は光を受けて銀色に輝いていた。
彼は彼女に気付きピアノを引く手を止め、そっと振り向いた、その瞳の色は彼女と
同じ赤だった。


213リナレイ:03/02/17 21:19 ID:???
少年は優しく微笑みながら立ち上がる。
「君は僕と同じなんだね。」
「同じ・・・・どうゆうこと、あなたも・・」
「そう、僕もあの研究所で生まれた、君と同じ生い立ちを持つものだよ。」
「そんな・・・・私が最初で最後って聞いてたのに・・・」
「あまり大人を信用しちゃいけないよ、いいかい、彼らは僕らのような子供を量
産化しようと考えた、初めは君、そしてつぎは僕、その後16人の僕らと同じような
子供が作られた。」
「うそ・・・」
「残念ながら事実だよ、でも僕らを含め18人の子供のうち16人は自ら命を絶った、
理由は君が一番良く知ってると思う。」
「あなたも、そうなの?」
「ああ、僕は最愛の人を僕の思念によって殺してしまった。」
そういって彼は少し寂しそうに笑いまたピアノを弾き始める。
「君も今非常に苦しんでいるはずだ、そして死にたいとすら思っている。」
しゃべりながら彼は演奏を続ける。薄暗い月明かりのみの部屋は、彼が奏でる
旋律で満たされてゆく。
「でも、考えてごらん、今君が苦しむ、死にたいと思う、そうゆう負の
感情はどこかで君の思念を受け取る人々に届いてしまう、そしてそれが彼らを
苦しめる。」
「そう、だから死のうとおもったのよ。」
「発想を逆転してみないかい、彼らが眠りについている間君は彼らに楽しいイメージ
安らぎのイメージを送り続ける、そうすれば君の思念は悪夢としてではなく
子守唄として彼らに届く、だから僕はこうして一晩中ピアノを弾き続ける。
歌はいいよ、少なくとも歌っている間は悪いイメージは浮かんでこない。」
そうして彼は歓喜の歌を歌いだした、月を背に歌う少年、その光景はなにか
ぽっかりと現実から浮き出してしまったような印象を彼女に与えた。
214リナレイ:03/02/17 21:39 ID:???
午前3時、僕はビートルズを流し続けベットの上でただ朝が来るのを待っていた。
眠ればまた夢を見なければいけない、脳をきりきざまれるような強烈な彼女の心象風景。
彼女はどこか人のいないところに行くといった、そうそれは僕にとっても
歓迎すべきこと、そして彼女のためにもいいことだ、そう僕は思い込もう
とした、でも同時に彼女のいっただれも自分の思念の届かないところ、それは
彼女が自分の命を絶つとゆうことを示唆していただろうことも僕にはわかった。
でも僕に何ができるだろう、普通の人にすら救いを与えられない僕には何も
彼女にしてあげられるようなことはない様に思えた。
ひどい気分だった、どちらにしろ今夜は寝るつもりはないし僕は外を出歩くことにした。
外にでると半月が見える、物音ひとつしない商店街を僕はただ歩き続ける。
いくら歩いても気分は晴れようもなかった、ただ変化のない景色だけが目に映り続ける。
そうして僕は何かに誘われるように学校の校門をくぐっていた。

215リナレイ:03/02/17 22:04 ID:???
乾いた音と共に真っ赤な脳髄が目の前に飛び散る、そこで先程までピアノを弾き
自分に希望の言葉を投げかけてくれていた少年は、真っ赤に染まった頭をたれ
うつむいたまま動かなくなった。
茶色の軍服を着たような男がトランシーバーのようなものを取り出し何かしゃべっている。
「実験体NO2の処理を終わりました。」
男は機械のスイッチを切る。
彼女は真っ赤に染まった少年を胸に抱きかかえる。彼女の制服に血がこびりつく。
「この少年はわれわれのデータを調べ上げ研究所から逃走した。君は最後に残った
実験体だ、くれぐれも間違った行動を起こさず日常生活を全うしたまえ。
君は常に監視されていることを忘れないように。」
男をそういって靴音を響かせて部屋を出る。
「後、君は死のうと思っても死ねないよ、君がどんなにそれを望んだとしても。」
嘲笑するようにそういって去っていった。
希望なんてなかったんだ最初から、生まれた時から、そしてこれからも。
オレンジ色の壁が彼女の体を取り巻き始める、そして彼女はゆっくりと少年
を床に寝かせ教室を出る。廊下には先程の男の背中が暗がりの向こうにわずかに
浮かび上がっていた。彼女は何も言わずにオレンジ色の壁の角度を水平にし
男に向かってそれを放った。男は悲鳴すら上げる暇もなく腰からきれいに両断
された。
216リナレイ ◆BIEXZ2pV7w :03/02/17 22:32 ID:???
午前4時30分、僕は3階の踊り場で血のにおいをかぐ。
そこには白人の男が輪切りにされて転がっていた。その断面からは
腸やら何か分けのわからないものが飛び出している。
そうか、僕はまた夢を見ているんだ、多分家をでた時点でもう僕は自分の
ベットの中で眠りについていたんだろう。
廊下の奥から啜り泣きが聞こえてくる、僕は夢遊病者のようにうつろな動作
で声の元に向かう。そこにはやはり綾波レイがいた。そして彼女は血だらけの
少年を胸に抱きしめ嗚咽を上げて泣いている。
「碇君。」
涙をためためでこちらを見つめ彼女はそういった。顔には少年の血が付着していた。
「ふ、いい加減にしてくれ、君はいったい何なんだ。これ以上僕の日常を壊さないでくれ。」
僕は叫んだ、夢じゃないこれは。
「碇君・・・・・」
「もうどっかにいってくれよ!これ以上僕を苦しませないでくれ、僕はただ
日常をしずかに暮らしたいだけなんだ。誰にもかかわらず、誰にも邪魔されず僕は
静かに生きたいだけなんだ!」
僕は泣き叫びながら頭を抱える。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
彼女はただひたすら親に怒られた子供のように泣きながらそう繰り返した。
その後も僕はずいぶんとひどいことを彼女に言い続けた、どうにかやめようとするのだが
どうしてもとどめることができない、僕は自分の口を切り刻みたくなった。
ようやくなにか自分の中にたまったものを吐き出し尽くした後、
僕は壁にもたれ嗚咽を上げて泣いた。

217リナレイ ◆BIEXZ2pV7w :03/02/17 22:53 ID:???
「落ち着いた?ごめん、ひどいこといって、どうかしてたんだ。」
「いいの、当然よ。」
彼女は無理に笑ってそういった。
「これからどうするの。」
「研究所に帰ろうと思うの、どの道私は一生かれらに監視され続ける
運命だし。その方があなたにも迷惑はかからない。」
「ここにいればいいんじゃないのかな。」
「え、」
「きっと僕らは心にどうしようもないかけた部分があるんだ、そのかけた部分
はどうしようもないくらい大きい、ちょっとやそっとのことじゃ埋まらないんだ。
そのかけた部分は僕にも君にも恐ろしいほどの孤独感と寂しさをもたらす。」
そういって僕は窓の外の月を見つめる。
「そうかもしれない・・・・・私は誰かを強烈に求めるの、心の空洞間を埋めるために。
でもそれは相手にとっては重荷以外のなんでもないのよ。」
「それは、相手の心の空洞が君を受け入れられるほど大きくないからだよ。
僕は本当に自慢にならないけど君を受け入れられる十分な心の空洞間や空虚感がある。」
「あなたには・・・受け入れられる?わたしを・・・・」
「多分・・・・・」
そうして僕らは静かに口付けをした、少し血の味のする静かな口づけ。
僕らは月明かりの中でお互いのかけた心を補完しあった。何度も何度も
朝が来るまで。
2015年、11月、そこには救いといえるものはなにもなかった。ただ空だけは
どこまでも青く澄み切っていた。

〜END〜
218リナレイ ◆BIEXZ2pV7w :03/02/17 23:08 ID:???
とりあえずこれでおしまいです。
初めて小説書いてみたけど結構おもろいもんですね。
とりあえず途中で感想入れてくれたひとありがとう。
では。


おつかれ〜
…キッツイなぁ。こういうの好きだけどキツイ…いや、ホメ言葉っす。
イタモノ、になるんかなこういうの。
静かで淡々とした情景、心情を吐き出すキャラ、
救われたようで結局誰も救われてないのかもしれない結末。
楽しませてもらいました。
リナレイさんありがとう。
(また機会あったら書いてくれい)
220リナレイ ◆BIEXZ2pV7w :03/02/18 16:55 ID:nzXiangA
>>219
こちらこそ、感想ありがとん。
ちょっと読み返したけど、最初の方はまだ読み手を意識して書けてたけど
最後の方はひたすら鬱な独りよがりの独白みたいになっちゃんてんね、
まあ初めてとゆうのもあるけどもうちょい精進せんとなあ。
誰かかいてくれ
自分で書けや
223山崎渉:03/03/13 16:42 ID:???
(^^)
224名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/18 17:22 ID:wBlh9Xjj
「バカシンジ!!」
はっ!
その声で彼は目覚めた。
その瞬間から・・・世界の崩壊は始まった・・・

さあて、この次も、サービスサービスゥ♪
225名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/21 00:04 ID:QUe0B7Mu
「あ〜ら、私も興味あるわ〜。続けてちょうだい♪」
なんてこった。僕、イカリシンジは顔から火が出るほど恥ずかしかった。

そして休み時間。
あの馬鹿オンナにひとこと言ってやらないと・・・!!
そう思い綾波のところに行こうとした。しかし、転校初日のカワイコちゃん、ということで
他の奴らがほっとくはず無かった。綾波の周りにはひとだかりが出来ていた。
さすがの僕でもそこに乗り込んでガツンと文句を言ってやるというのは出来そうもなかった。
(な〜に、最初は誰でもチヤホヤされるものさ。明日にでも言ってやるさ)
一歩引いてしまった自分を、こんな言い訳で無理矢理納得させようとした。
「あ〜、今朝のこと〜?だってホントにパンツ覗かれたんだも〜ん!!」
!!!あ、あのアマ〜!!僕をネタにしやがった!!
ドッ!と笑いが起こる。背中ごしに声が聞こえる。「おいおい碇〜」「碇クンって最低〜」
周りのクラスメイトがわざと僕の方を向きながら言う。
くっそー、皆友達だと思ったのに・・・。ちょっとカワイイからってコロッと向こうに付きやがって。
僕はわざと聞こえないフリをしながら
「次の授業、次の授業っと・・」
と呟きながら机の中から教科書とノートを取り出そうとした。
226名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/21 00:13 ID:QUe0B7Mu
その時だった。
「い〜か〜り〜!!」
うッッッ!!この声はクラス一の馬鹿、鈴原トウジの声ッ!
僕が振りかえった瞬間!
ドカッ!!
なんとドロップキックをかましてきやがった!!
「うげっ!」僕はもんどりうって後ろに倒れた。
さいわい机や椅子に体をぶつけることは無かった。
「いったー・・何すんだよトウ・・・」
上体をおこしかけた僕が見たのは、トウジがうつ伏せの姿勢で震えながら
うめいている姿だった。どうやらドロップキックをして自分の背中を
もんどり打ったらしい。馬鹿だ。本当の馬鹿だ。
227名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/21 00:56 ID:QUe0B7Mu
おい、読んでる香具師いたら感想書いてくれ。
マンセー意見ばっかは個人的に気持ち悪くて嫌いなんで叩きでもいいからさ。
とにかく「読んでる人がいる」っていうのが一番報われます。
感想をっていわれても、まだ始まったばかりで、なんとも言えんです。
ここまでは、まあ、おなじみの流れってヤツで、ここからどう話の舵を切ってくかを待ちたい。
読み手の頭に設定が入ってるっていうことで、話の展開だけをパパっと書いてる感じですが、
もう少し状況とか書き込んでくれたほうが親切かと。
俺は好きな感じの初回の展開なので
今のところはかなりつぼだね。
まぁこれからの展開やカップリングにもよるけどとりあえずはマンセーです。
230名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/22 01:15 ID:ESnSHg+A
トウジはほっとくとして、綾波は僕にとって不幸を呼ぶ少女じゃなかろうか?
もしかして的にされてるんだろうか?

案の定、というか綾波はその日の内にこのクラスのほとんどを掌握していた。
そうとしか言い様がない。下手をすればこのままクラスの中心だ。
仲良くしなければ、と思ってはいるのだが、朝のことのあり出遅れていた。
しかしこのままではマズイ、とりあえず朝のことを謝っておかねば。
「シンジ、帰ろう」
「え?アスカか、ちょっと待って」
いきなり後ろからアスカに声をかけられて少し驚いてしまった。僕はアスカの方に向き直した。
「なんでよ?」
「いや、綾波に朝のこと謝っておこうと思って」
「ほっときゃいいのよそんなもん」
アスカはムッとしたようだ。そういえばアスカですら綾波に言い負けてたからなあ・・・。
こりゃますます綾波とお近づきになっておかねば。
231名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/22 01:19 ID:ESnSHg+A
「それに・・・転校生ならもういないわよ」
「え?」
慌てて後ろを見てみると既にそこに綾波レイ(と同級生何人か)の姿は無かった。
「ね?」
「・・・」
しょうがない、これじゃどうしようもないしな。
綾波に謝るのは明日でいいや。
「うん、それじゃあ帰ろうか」
僕はそのままアスカと帰ることにした。
もう少し地の文の描写を多くすると、文に厚みがでるかも
カプ厨と言われようと俺はLASが好きなんで、そういう展開希望。
ストーリーがカプメインである必要はないけど。
それがダメでも最低限、シンジやアスカが他キャラに惚れるのだけは避けて欲しいっス。
翌日、僕はいつもどおりアスカに起こされ、いつもどおりアスカと一緒に登校した。
いつもと同じ、いつもと同じ・・・。僕は、僕らはこのまま平凡な人生を
歩んで一生を終えるのだろうか?
もちろん平凡な人生を送るということはその程度の能力しか僕には無いからだ。
しかし、アスカはどうだろう・・・?
そう考える時、僕は無性に焦燥感を覚える。
アスカはきっと成功するだろう。それだけの能力と魅力がある。
「シンジ、どうしたの?」
アスカにいきなり声を掛けられ、一瞬ビクッとしてしまった。
「いや・・・なんでもないよ」


僕らはそのまま学校に到着した。
下駄箱で何人かの同級生達に会い、挨拶をかわしながら上履きに履き替える。
そして、教室のドアを開けるときに「おはよう」と誰にいうでもなく声をかける。
ドアを開け、教室に入ろうとした途中で
「おはよう〜碇くん!!」
という威勢のいい声が聞こえてきた。綾波だ。
しかし、僕はなにかもやもやしたものを抱えていた。
「お、おはよう」
「ん〜?なんか元気ないよ〜?」
「・・!!そ、そんなことないよ」
昨日今日知り合ったばかりの綾波にそんなことを言われるなんてよっぽど顔に出てるのかな?
「いいからさっさと入りなさいよ!!」
アスカがせかすように言う。
「あ・・・、う、うん」
アスカに促されるように僕は教室に入った。
ちらっと綾波の方をみると、綾波も心配そうに僕を見ていた。
その瞳と目が合った時、僕は何故かいたたまれない気持ちになり、おもわず目をそらしてしまった。
教室の前から入った僕は、後ろの窓際にある自分の机に向かった。
気分を変えたかった。椅子に座り、僕は何を考えているんだ、気分を変えようと思った。
が、駄目だった。
「シ〜ンジ、よっ」
「ケンスケ・・・」
「シンジー!」
「トウジ・・・」
ケンスケとトウジだ。今日は珍しく僕より早く来ていたらしい。
「なんだか元気ないみたいだな?シンジ」
ケンスケにも言われてしまい、僕は戸惑った。
「え?そう見えるかな?」
「うん、見える見える。一体どうしたんだ?」
「え?いや、別にどうってわけじゃ・・・」
と僕が言い終わらないうちにトウジがいつものノリで僕にヘッドロックをかけてきた。
僕はそんな気分じゃないっていうのに・・・!
「へへへー、そんな時はこれやでー」
トウジはそう言うと腕に力を込めだした。
「いた!痛いよトウジ!やめろよ!」
「いいや、やめへん。これが友情ってやっちゃ」
訳のわからないことを言ってトウジはますます力を入れてきた。
くそ、トウジの奴、ぶっ飛ばしてやる。妹の前で泣かしてやる。
頭がこんがらがってきたその時、急にトウジの腕の力が抜けた。
僕は急いで脱出した。
「す〜ず〜は〜ら〜、なにやってんの!!」
そうか、急に力が抜けたのは委員長がきたからか。
「いた、痛いって委員長!!」
ざまあないな、トウジの奴。委員長に耳を引っ張られてる。
「碇君に謝んなさいよ!?」
「ワ、ワイはただシンジが元気なさそうやったから元気わけたろ思て・・・」
なーにが元気をわけたろだよ、勝手言っちゃって。
「何?碇君どうかしたの?」
トウジの耳を掴みながらイキナリ委員長が聞いてきた。
「え?いや、そんなことないよ?」
おいおい、トウジの奴を放してやれよ、と僕は早くもトウジに同情していた。
「いやーそれがさー本当に今日のシンジはおかしいんだよねー」
とケンスケが加わってきた。
「でもトウジはわかってないよ、シンジが元気出すためにはさ・・・コレだろ?」
ケンスケは全てを見透かした様な顔で懐から写真を取り出した。
ケンスケのいわゆるお宝写真だ。
「これだよな〜シンジ〜。ミサト先生から昨日転校してきたばっかの綾波まで
よりどりみどり!!・・・惣流もあるぜ」
最後は小さい声になっていた。
「な、なに言ってんだよケンスケ」
まったくこのふたりはそんなことしか思いつかないのか?
しかし、なんだか僕は嬉しかったんだ。
このふたりはバカだ。確かにバカだ。でも僕のかけがえのない親友だ。
そんなことが今わかった。もちろん本人達には言えないけども。
僕は何をくだらないことで悩んでいたんだろう。
平凡だっていいじゃないか。僕はこんなに恵まれているじゃないか。
そう思った。そう思った途端、心の中の霧が晴れたような気がした。
「なあにやってんのよアンタたち〜!!」
まるでアタシもいれろといわんばかりにアスカも加わってきた。
「なになに?どうしたの?」
甘い蜜に誘われる蜂かのように綾波もこっちに来た。
人が楽しそうにしていると自分も加わらないと気が済まないようだ。
「あれ?碇君さっきまで暗かったのに今は楽しそうね?」
「そうかい?・・・いや、そうだね。うん。楽しいよ。僕は今とても楽しいよ」
「???」
綾波は首をかしげている。
・・・そうだ。そうなんだ。こんなに僕は幸せなんだ。
これから先、苦しいことや辛いことがあるかもしれない。
僕ひとりじゃ潰されてしまうかもしれない。
でも皆と一緒ならきっと乗り越えられる。
そう、この愛すべきバカ達となら・・・

  第一部 〜未来への遺産〜    完
・・・って終わりなのかYO!もっと書いてくれYO!
242作者:03/03/27 12:52 ID:???
すいません。これで終わりです。期待に答えられなくてすいませんでした。
244カジヒデキ:03/03/29 05:19 ID:???
なんか思いついたっつうか電波受信したんで書いてみた。
『無題』


シンジと自分の名前を呼ばれて少年は後ろを振り向いた。
朝もやでけぶる通学路は、一日の始まりを不透明にしているようで少年はそんな朝が嫌いだ。
透き通ってないと嫌だ。
先の見えないことはキライだ。
「しけた顔してるわね」
少年に話し掛けたのは、平均的な日本人とは様子が違う女の子だった。
少年と同じ学校に通う同級生の子だ。
見知った顔であるとしか少年は感じない。
ただその少女は明るく笑っている。
「おはよう。惣流さん。むやみに元気そうだね」
少年はため息をつきながら皮肉めいた挨拶を返した。
意味などというものはない。
道に落ちている小石のようなものだ。
落ちているだけの石と、いいっぱなしになった言葉にどれほどの違いというものがあるだろうか。
実際少年はそういうなり、もう少女のほうを見てはいない。
少女も気にしてはいないようだ。
「ねえ、碇君、二年になってもおんなじクラスだといいわね」
245カジヒデキ:03/03/29 05:20 ID:???
あっそう。
少年は口の中だけでつぶやいた。
それこそ意味なんてない。
それに少女のいった言葉にも、その意味にも興味がなかった。
少女はそんな少年の反応に怒った様子も見せず、去年の級友達の名前を片っ端から上げて、あれは良いこれは嫌と無責任な選り好みをしている。もちろん少年はもとよりその少女も自分が言っている事に意味などないことを知っていた。
ちらり、ちらりと少女は少年の顔を盗み見る。
無表情で何にも関心がなさそうに道の先に目を凝らしながら歩いている少年の顔がそこにはある。
少年は少女に全く興味を見せてはいない。
逢った時から少年は少女にだけでなく、誰に対しても興味など片鱗もないかのようだった。
それが少女の気を引く。
少女は自身の美貌に自信がある。
彼女はハーフだ。
そしてそれによって得られる恩恵をすべて受け止めているような容姿をしている。
そして、それを鼻にかけない器量も有った。誰からも好かれる自信が有り、容姿だけで得られる関係の上限を知っていた。
それゆえ、少女は彼女は彼女から創り出す関係というものに憧れていた。
246カジヒデキ:03/03/29 05:21 ID:???

人は自分に寄ってくるものだ。それこそ彼女は誘蛾灯のように人を引き付ける。だが彼女に引きつけられるものには彼女の心を満たすものはあまり無かった。
たかが十三年間しか生きていない。中学二年までの人間関係に多大な希望を求めることは間違いだと彼女だって知っている。それでも何十人と接してきた、顔も満足に覚えていない人たちに期待する事に彼女は飽きを覚えた。
ただ、退屈と向き合うだけのアイドルのような生き方に、一体何を求めればいいのだろうか。そんな屑で、自分本位で、身勝手で、退屈その物の妄想すら彼女には生まれた。
彼女は、惣流アスカ・ラングレーと呼ばれる自分自身をどう扱えばいいかもてあまし気味だった。
そんな中学生生活に変化が訪れたのは中学一年の秋、霜が道端の草の上に居り始める頃。
少年は彼女の前に突如出現したのだ。
何の前触れも無かった。
彼女が文化祭の過労で一日熱を出して寝込んでしまった次の日、少年は彼女の教室の中で、彼女の眼に止まる。
溶け合っていたと彼女は少年を見て感じた。
247カジヒデキ:03/03/29 05:25 ID:???
クラスメイト達にではない。
クラスメイト達の雰囲気にというわけではない。
彼はそう、空気そのものだった。
有るだけの存在ではない。
無くなれば彼女は生きていくことはできない。
空気は無いように見えてあるのだ。
空気その物の存在、酸素や窒素、二酸化炭素に混じって少年、碇シンジという存在が、少女、惣流アスカ・ラングレーという存在をこの世界に
存在させる、この中学校のこのクラスの中で生きていかせることができる必要不可欠の存在となった時間は一瞬と呼ばれる瞬きを一度するの
に要するに必要な時間だけだった。
そして少年碇シンジと少女惣流アスカ・ラングレーの邂逅は決して彼女にとって遭遇ではない。
気だるそうに、教室の真中の席に座り、開いた端末をじっと眺めている後姿。
彼女がしばしの休息から復帰した騒ぎの中、じっとその賑わいの中で静寂を保ち続ける少年の静けさ。
少しどもったような発表の声。
おどおどとして、他人とのかかわりを恐れているようにも、無関心ゆえに気弱を装っているようにも見えるその立ち居振舞い。
その全てが彼女の眼を、注意を、関心を、引く。
しかし、彼女の存在は彼に何の興味も与えた風は無かった。
クラスメイト達は少年のことを、好意的にミステリアスだと評している。
好意的にも何も、実際は誰も彼と口を利くことができはしなかったのだが。
そう少年の関心を買うことができたクラスメイトは誰一人としていないのだ。
話し掛けられれば返事もするし、愛想笑いも浮かべる。
だが決定的なところでまるで霞のように消えてしまう。
つかまえられない蜃気楼のようにも感じる。
実体の無い幻影のような、いや、やはり無くてはならない、見えない、確実に存在していることを知っているのに、手にとって見ることのできない空気のようだ。
そう思った。
だがそれはアスカに安心を与える。
248カジヒデキ:03/03/29 05:28 ID:???
それはまだ、誰のものにもなっていない少年が、自分のためのものにも、アスカが少年のものになる猶予があるということだ。
はなはだ可笑しな妄想だけれどもそれを得たアスカは人知れず安堵した。
そんな心境を得てから、アスカは積極的に、少年に話し掛けるようになった。
特に重大な事も無く、速やかにすぎてゆく、退屈な日々の繰り返しの中の些細な出来事を、独り言のように少年のそばで繰り返す。
今日の朝のように。
のろのろと怠惰な気持ちで歩みを進める毎日の退屈な登校時間も、アスカにとって大事な一時となった。
朝目覚めて少年が自分の知っている範囲の誰とも言葉を交わす前の、真っ白な彼を自分の物にできる。
新雪の銀面に足跡をつけるかの行為のような背徳を併せ持つ不思議な充足感に、この時間つつまれることができる。
幸いなことに、少年と同じ方角に家があり、登校時間さえ少年に合わせればアスカは二人きりの時間を捻出することができるのだ。
そうして得られるほんの十分少々の心が躍る時間は、少女にとって一日の始まりを意味するようになった。
例え独り言のように繰り返す自分のお喋りが無駄だとしても、根が少し楽天的なアスカには気にならない。
「シンジっていつも、独りでつまんなくないの?」
「大勢で居る事のめんどくささに比べたら、独りでいることは僕にとって結構、幸せかもね」
今朝一番実りの有った会話はこんな物だが、「2人は大勢ではないはずよね」、とアスカは勝手に自分との関係がわずらわしいと言ったわけではないと彼の言葉の意味を採った。
その言葉が、今日判るクラス発表の期待感とあいまってドキドキは嫌が応にも増した。
隣を歩く少年は、そんなアスカを省みもせず相変わらずの態度を貫いている。
アスカが目に入らないかのようにただもくもくと通学路の先を見つめながら歩いてゆく。
249カジヒデキ:03/03/29 05:34 ID:???



「アスカは無口なタイプがすきなのね」
そばかすの残る、お下げ髪の幼馴染に休み時間突然話し掛けられた。
「へっ?」
間抜けな返事を返して、幼馴染の顔をアスカは見上げる。
にぎやかな男子達が、教室の後ろでどたばたと動き回るせいで教室に埃が舞い上がっているのが春の日差しに浮き上がって見える。
結果、アスカは少年と今年もまた同じ教室で過ごすことができることが確定したのだ。
だが飛び上がって喜ぶわけには行かない。
なぜだか判らないがアスカは自分は誰も好きになってはいけないのだ、
誰かを好きになったとしてもそれが自分以外の誰にもばれてはいけないと思い込んでいた。
「ずっと観てたじゃない…、彼のこと。ふーんアスカってあんなタイプがすきなんだぁ」
隣の席に勝手に座りながらお下げの少女はにこりと笑った。いつもは良識の中に自分を押さえ込んでいる幼馴染が突然そんな、
正体不明の不思議な微笑を浮かべる様子が、アスカは好きだったが、今日は少しいやらしく思えた。
そしていやらしく思う自分のいやらしさも嫌になる。
いつもは所詮他人事と思っていた自分の自分本位さがわずらわしく思える。
少女らしい潔癖さは少女と彼女の気になる少年との心の同一化を図ろうとした。
少年は、碇シンジならば決してこんなことは思わない。
その結果そんなふうに少女は考えた。
250カジヒデキ:03/03/29 05:36 ID:???

「違うわよ、アタシは餓鬼なんてキライよ。ましてや同級生なんて餓鬼以下の幼児じゃない!」
思わず語尾が強くなった。
椅子から立ち上がらなかっただけましとも思えたが、目の前で笑う幼馴染の笑みの形が余計に強くなったのを見てアスカは唇を噛んだ。
「うんうん。イーのよアスカ!あなたに笑われつづけた私の恋もこれで報われるというものよ!」
「ヒカリ!」
ばしばしと背中を強く叩かれながらアスカは頬を膨らませた。
「アァー!可愛いわ、アスカってば!」
アスカの怒った顔を見たヒカリはアスカの口を封じるように抱きかかえる。
放っておけばアスカはヒカリの過去の失恋を愚痴愚痴と穿り返し始めるのだ。
幼馴染の特権とも言える、幼い頃からの恥ずかしいエピソードの共有は圧倒的に一年前までアスカが不利だったのだが、今ではヒカリの失恋で逆転している。
意地悪をするためのネタは新しいほど効果が覿面らしい。
幼馴染の胸の中でムグムグと、言葉にならなかった空気のかたまりを吐き出して、アスカは眼を白黒させた。
「で、本当に碇君がすきなの?」
耳元で、囁くように、ヒカリが耳打ちする。
アスカは背筋に電気が走ったような錯覚を覚えた。
ビリッと尾骨から脳天までを何かが走り抜けてゆくような感覚。
251カジヒデキ:03/03/29 05:40 ID:???
「ま、後でゆっくりと聞きますか」
そう言ってヒカリはアスカからゆっくりと体を離した。
「レズだ!レズ―!」
という馬鹿な男子達の囃子声が聞こえ、ヒカリはそれにいちいち怒鳴り返し始める。
(ヒカリにはアタシが恋をしているように見えるんだ…)
幼馴染の怒鳴り声を聞きながら、急速に冷静な働きを取り戻してゆく頭がそんなことを考えた。
他の誰かにばれているのか?幼馴染は取り立ててそういう話に聡いという訳では無い。
ならばもうかぎつけている噂好きの女の子もいるかもしれない。
でもこれは果たして恋と呼んでいいものなのだろうか。
恋が恋愛小説や漫画の中にあふれる、運命や偶然の道連れにある日突然訪れるものだとは考えたことは無かったし、
そんな話をする友人や幼馴染をアスカは今まで夢見がちと鼻で笑い飛ばしてきた。
ある意味アスカと、少年の出会いというものはそういうものではないのだろうか。
見た瞬間に、目が合う事も希だと言うのに誰かのことが気になり始める。
寝ても覚めてもというわけではないと思うが、アスカは確かに自分の中に確実に少年が居る事に気が付いている。
それこそ呼吸と同じように意識することなく、常に少年が自分の中に根付いている。
しかし、これは恋なのか。
少年の事が気にはなる。
だがそれが自分の周りにいる誰とも違う独特の雰囲気をもつ彼に自分が引き寄せられているからだとしか考えられない。
ただ恋ではないと思い込みたいだけなのかもしれない。
真面目な顔で思案に暮れ始めた美貌の幼馴染を微笑ましく思いながら、そばに立つヒカリは唇の端を斜めに上げて、
「放課後公園で」
とアスカの耳元で囁いた。少女はかすかに頷いた。
ひとつに、内容と関係ないが『無題』という題をつける行為がイタイ
ふたつ、>>245ラストや>>248一行目など明らかに表現に問題あり
 まあこの点(推敲)を掲示板SSで指摘するのもなんだけどな
みっつ、>>246-247はたぶん、今まで意識もしてなかった1クラスメイト(シンジ)を
 突然気にするようになった、ということを言いたいのだろうが
 はっきり言って言葉の修飾に必死すぎ
よっつ、これは漏れの読解力の問題かもしれんが>>249
 > いつもは所詮他人事と思っていた自分の自分本位さがわずらわしく思える。
 が日本語として意味不明
総評 なんつーか アイタタ
 ただ、ヘッセの「車輪の下」あたりを読んでから書き直せば化ける可能性あり
 すでに読んでるなら手遅れ(w
ヘッセというのもどうかと(w
修飾過剰かどうかはよくわからん。これはこれでOKな気もする。
わりと穏やかそうなアスカってのはいいかも。
でも、まだストーリーが始まったところなんで、早いとこ続きをってプレッシャーイクナイ。
修飾が過多っていうより上滑りしてるっていう意味なら俺も感じた。
麗句で固めた文章ってわりと好きなんだが
それ系の文章って意外とゴテゴテするから推敲が必須。
>>252の指摘にあるように推敲してないのは明らかなので
一度手元でメモ帳かなんかで書いて、書き込む前に読み直すことを奨める。
それと、>>251の5行目でアスカのモノローグが括弧付で入ってるのは
正直雰囲気ぶち壊しかなと。
好みの問題だろうが、地の分に溶け込ませてほしかった。
全体的に落ち着いた構成は結構好み。
続編期待シテマス。
表現にやや問題があるのは間違いないが、
それにしても>>252は厳しすぎないか?

このスレは初めから見てるが、批判がキツかったり、
「俺様」の好みに合わんから書くなとかおっしゃる我侭さんがいたりと、
やたら書きづらい環境だと感じる。
批判があっちゃいかんとは言わんけどさ。
256カジヒデキ:03/03/29 20:41 ID:???
始業式のあとの退屈なホームルームの時間。
アスカはじっと少年の後姿を眺めていた。
視線の先で少年はうつむき加減にじっと端末を覗き込んでいる。
彼女の端末にも少年と同じであろう一年を通して行われる行事の予定表が映っているが、それにじっと見入らなければならないようなことは無い。
取り立てて彼女の気を引くものはひとつしかない。
しかし、少年がアスカと同じ行事に気を引かれているのかというとそうでもないように感じる。
いや、アスカは違って欲しいと思った。
アスカやクラスメイト達と同じ存在ではない少年を求めているという心がそう思わせるのか、アスカは
再び目を落とした端末のカーソルを修学旅行という欄に合わせた。
旅行先という特殊な環境は一体彼を、そしてアスカ自身をどう変えるだろうか。
まだ何ヶ月も先の予定に想像を膨らませながらアスカはほお杖をついたままボーっとして、ホームルームを
やり過ごした。
257カジヒデキ:03/03/29 20:49 ID:???

「アスカ!どう?話す気になった?」
お昼に終わった学校の帰り道、普段なら決して買い食いなど認めない幼馴染が率先してアイスを買う。
公園までの道は2人ともただ黙って、アイスをなめつづけ言葉は少なかった。
昼間の街や、開けた場所にある公園は昼休みに外に出てきたサラリーマンやOLの姿で
あふれ返っている。
それらを避けるように二人は目的の場所へと向かった。
春霞が薄く広がる高台の公園は適度に人が少なく落ち着いて街を一望することができるベンチに腰掛ける。
「どうするアスカ。私のときに言ったことあなたが今度は実行する番だと思うんだけど」
ヒカリはアスカの顔を見ることも無く笑った。
「私結構傷ついたんだよ。失恋って嫌なものだわ」
彼女は去年のクリスマス前、かねてからの思い人に思いを伝えることを迷っていた。
相談した相手は今横で頭を抱えてうなっている幼馴染。失恋の原因も幼馴染だ。
「行動すれば必ず、結果が出るから、迷ったり落ち込んだりするのはそのときにしなさいって言ったのはアスカだよ」
「…た、確かにそういったわね私…」
「一理あると思ったけど、今考えたらそれってあたって砕けろってことよね」
「ううっ…で、でも」
唸り声と共にひねり出したようなあいまいな返事をヒカリは満足そうに聞いた。
「いい天気ねー。もうすぐ桜の季節かぁ。ぱっと咲いてぱっと散る。私の恋は似てたわねぇ」
そう言いながらヒカリはベンチの背もたれに体重をだらしなくかけて、空を仰ぎ見た。
山の端は薄くけむり、空はすんだ水色をしている。
見渡せば姿を隠し切れなかった月がまだ見えた。
258カジヒデキ:03/03/29 20:50 ID:???

「私はまあ、踏ん切りがついたからあれでもよかったんだけど後日談が最悪よね」
「うう!判ったから、正直に話すから!」
「最初からそう言えばいいのに。アスカっていつもこうよね」
顔だけ空を見上げた状態で目だけでヒカリはアスカを見た。
アスカは恨めしそうにヒカリを見上げている。
「けど、ヒカリ。アタシは今ヒカリが思っているような状況じゃないのよ。だから告白するとか砕け散るとか」
「ハイハイ。判ったから。で、どうなのよ。碇君が好きなの?」
幼馴染のストレートさにアスカはあげていた顔をまた両肩と一緒に落とした。
「…だから好きとか嫌いとかの話じゃないんだって!」
「でも毎朝一緒に登校してくるじゃない」
「うう、見てたの?見られてたの?」
アスカは心外だと言うふうにつぶやいた。
幼馴染からしてみると、そんな微妙に抜けたところが可愛らしい。
「両方」
「ああぁ…。でも帰りは一緒じゃないじゃない」
まるで免罪符のように取り残してあった切り札の言い訳はヒカリには通用し無かった。
「帰る方向がなぜか違うものね。だからこうして毎日一緒に帰ってるんだし。で、好きなの?嫌いなの?」
「…わ、わかんないのよ。なんかそんなのとは全然違う気がするし…」
ヒカリは手を開いたり閉じたりするアスカの姿を見ながら、クスリと笑った。
「たぶんね、アスカそれは恋よ。私も今のアスカみたいに自分の感情がわからなかったわ。でも今ならわかる。あれは恋だった」
笑い顔のままヒカリはかつて言われた言葉をそのままもとの発言者に返してやった。
「告白しなさい!」
>>256-258
オモロイ ガンガレ!

>>255
FFに上手下手があるように
批評にも上手下手があるってこったな
ただ上手いとは言えないFFを書きこんでもいいのと同様
下手な批評を書きこむのを止めるのは難しいかも
FFカキコスレ専用の批評スレ(批評練習スレ?)みたいなのを立てて
本スレから分離させたほうがいいのかね
>FFカキコスレ専用の批評スレ(批評練習スレ?)みたいなのを立てて本スレから分離させたほうがいいのかね

ま、そこまでする事もないかと。
つか収拾がつかなくなりそう。
でも、確かに批評とか批判を通り越して、ただの文句やワガママの類があるなとは思うよ。
>>252くらいなら全然OKだけどね、俺としては。
261カジヒデキ:03/03/31 13:58 ID:???


翌日。
碇シンジと共に学校へ行く。
朝の通過儀礼。
最も楽しい時間。
でも、それは自分だけのもの。誰も共有はしていない。そしてできない。
一番してくれそうな少年はいつもと同じでアスカのことなどまるで目に入っていないかのように
学校を目指して歩いている。
薄ぼんやりと白く曇った空。
アスカはいつものような軽口を叩けないで、とぼとぼと少年の後ろをついて歩いた。
こんな時普通の男なら何か「元気が無いね。どうしたの?」くらいの声は架けて来てくれそうなものなのだが、
少年はいつものままだ。アスカはえさをついばむ鳥のように地面と少年の後頭部に視線を行ったり来たりさせる。
しゃべりかけられないでいる理由は見当がつく。幼馴染にあんなことを言われたから意識しすぎているのだ。
でも、あんなことくらいで今みたいに黙り込んでしまうのは少々情けない。
学校まではほんの少ししか時間が無いのに、その限りなく大切な時間を今日は無駄にしている。
アスカは気が付かないうちに大きく息を吐いた。


262カジヒデキ:03/03/31 14:22 ID:???
学校にいる間も、ヒカリになんと言われてせっつかれようと、アスカは動けなかった。
少年は自分の席で話し掛けられたり、端末を覗いたりといつもと同じ行動をしている。
教室内の雰囲気も馬鹿な男子と可愛らしい女子の上げる意味不明の嬌声や叫び声に満たされて
不思議と明るい。これはまあいつもの事だ。
窓から一瞬だけ日の光が差し込んできた。目を細めて窓から外を見ると雲の切れ間が所々
見える。今日は雨は降らないみたいだ。
目を外から教室内に戻すと少年がいなかった。
それでも教室内は関係など無いかのようににぎやかな声で満たされていた。
授業が始まり、昼休みが始まり、帰りのホームルームが終わっても少年はなぜか帰ってこなかった。
体調でも崩したのかだろうか。顔色や態度は普段とは全然違うようには見えなかったのだが、たぶんそんなところだろう。
サボリ癖など無いように見えたのだが新しい発見だとアスカは思った。
帰り支度を整え、ヒカリを誘い教室を出る。
話題はやはりアスカの告白話になるのだが、それでもよかった。
アスカはほっとしていた。理由は多々あるのだが、それでも自分の行動でいつもどおりの日常が
壊れないですむことに対する安心感のようなものが強かった。いつものように朝少年に逢い、くだらない
挨拶代わりのおしゃべりをして、学校でも気が向いたらくだらないことを話し掛ける。
距離は一向に縮まりはしないのだろうがそれでも十分に楽しかった。
告白を強制してしまった幼馴染には悪いが、運が悪かったと思ってあきらめてもらおう。
それに幼馴染は趣味が悪すぎる。成功していたとしてもあの男では泣かされつづけるのが落ちだ。
となりで、明日こそは告白するのだと、つばを飛ばしながら強弁している。
その様子に、アスカはにやりと口を曲げた。
263カジヒデキ:03/03/31 14:33 ID:???

だが、翌日、少年は通学路に現れなかった。
学校に先に行っていたわけでもなく、教室の彼の机はもぬけの殻だった。
一時間目が始まっても、二時間目が始まっても来ない。
昼休みが終わり、ホームルームも終わり、下校時刻になっても少年は現れなかった。
ヒカリは、残念そうに目じりを落としている。
「寿命が一日延びたわね」
本当に悔しそうだ。よっぽど根に持っていたらしい。
アスカは聴こえない振りをして、家路についた。

だが、翌日も、翌々日もそのさらに翌日も少年は学校に現れなかった。
学級委員である幼馴染も理由がわからないらしい。教師も理由は聞かされないまま休むとだけ
伝えられているようだと、ヒカリは言った。
そのまま、学校は、教室は、アスカの回りは、彼女を取り残すように少年がいないという日常を
続けている。
変化など無い。
もともと少年など存在していなかったかのように、休日をはさんで日々は進んでいった。
そして少年が学校に来なくなって二週間が経った頃、アスカはヒカリから少年が転校したと伝えられた。
264カジヒデキ:03/03/31 14:58 ID:???

「アスカ、気落ちしないで」
ヒカリになぐさめられながらの帰り道。
昨日までは早く、幼馴染から開放されたかったのに今は違う。家に帰りたくない。
学校には、もう少年の残したものは無い。
物静かで、自分からは決して他人との接点を作ろうとはしなかった少年のせいだろう。
跡形も無く、少年はアスカと同じ学校に通ってた痕跡を残さず消えた。
クラスメイト達も、少年がいようがいまいが気にならないらしく、いつもどおりだった。
ただ変わってしまったのは自分だけ。
いなければ駄目だった者がいなくなってしまい、必要不可欠のものが無いまま時を過ごさなければならなくなってしまった。
今アスカにはどうすればいいのだろうという不安と、どうすればよかったのだろうという後悔に押しつぶされそうだった。
幼馴染は優しく言葉をかけてくれている。
彼女は自分のせいで失恋した。自分は、自分のせいで失恋した。いや失恋といえるかどうかも定かではない。
自分は果たして少年の事が本当好きだったのかとか、少年のどこに自分は引かれたのかとか、何もかも不透明なまま、
どこかへ消えた。
涙は出ない。悲しいとか悔しいとか、自分の心の中の涙を動かす成分さえも、戸惑っているようだ。
とにかく何もかも、終わった。
少年を見たことで始まった何かは、少年を見ることができなくなって終わった。
あの時生まれた、少年がいなければ死んでしまいそうだった自分の中の何かはもう死んだ。
ここから先に続くものは無い。
またいつもの退屈な日常に帰っていくだけだと思うと、街の景色も、隣にいる幼馴染の顔もゆがんでいるように
見えた。


END
265カジヒデキ:03/03/31 15:04 ID:???
アドベンチャーゲームとかで主人公を全く動かさないでいると
即バッドエンドという展開になりますよね。
そういう話を書いてみました。

いろいろ有ろうかとは思いますがお目汚しすみませんでした。
ちなみに  カ   ジ  スレの1とは何の関係も有りません。
てBADENDかよ!
むしろ、またイタモノか
うー、今朝は最悪だったな。
角を曲がろうとしたら、知らない男の子にぶつかるし、パンツは見られちゃうし・・・。
さらにさらに咥えてたパンもいつのまにかどこかいっちゃうし・・・学校に遅れなかったのは幸いだったけど。
でもいいこともあったんだよねー、ぶつかった男の子、碇君って行ってたな、一緒のクラスで隣の席だったし。
碇君てからかうとたのしーんだよね、すぐ真っ赤になったりするし。これで学校行く楽しみが増えたって感じかなー。
惣流さんも碇君のことだとすぐ乗ってくるしマジ最高だよねー、でも付き合ってるのかどうかは今ひとつわかんなかったな。
まぁまだまだからかう余地があるってことで、良しとしよう。
ふぁー、なんだか眠くなってきちゃった。よし、あしたも碇君をからかう為に早く寝よーっと。

おやすみ、いかりくんっ。
まったく、なんなのよあの女はぁ!
いきなり来てシンジの隣になんて座っちゃってさ、信じらんないっ。
ミサトもミサトよ、なにが私も興味あるわーよっ、少しは教師らしくしなさいっての!
でも1番むかつくのはシンジね・・・、あいつあんなよくわかんない女にヘラヘラしちゃって・・・。
許さないんだから、明日起こすのはいつもきつくやってやんなきゃ。
まったく誰のおかげで毎日遅刻せず学校へ行けると思ってるのかしら、ホント少しくらい感謝してほしいわよね。
はーぁ、バカシンジのことなんて考えてたら頭が疲れちゃったわ、明日のためにもう寝ようかな。

明日こそちゃんと起きんのよ、バカシンジっ。
微妙に好き
>>268−269
同じ手法でもっと書いてみて欲しい
僕ってやっぱりこういう星の下に生まれたのかな・・・。
トウジやケンスケはうらやましいって言うけど、代われるものなら代わってほしいよ。
たしかに、綾波の・・・その見るつもりなんてなかったんだけど、あれはラッキーだったかもなぁ。
でもほんのちょっとだし、あの後のアスカのビンタに比べたらほんと小さな幸せだったな・・・。
みんなあれだけアスカが僕のこといじめるの見てるくせになんでそんなにアスカがいいんだろう?
かわいいとは思うけど・・・、でもそんな騒ぐほどじゃないと思うんだけどなぁ。
綾波は・・・せめてパンツ覗き魔はやめてほしかったな。でも隣の席になれてちょっとうれしかったな。
きっとミサト先生の陰謀なんだろうけど・・・。
あーもう暗くなってきちゃうから寝よう、明日もきっとアスカに叩き起こされるんだろうな・・・。
いやー、今日はおもしろい日だったわね。
アスカのあの顔ったら見てるだけで爆笑もんだったわ。
シンちゃんもいつもより3倍くらいあたふたしてたし、最高ねー、ホント。
綾波さんだったわね、あの子のおかげでこれからは2倍、いや3倍は学校が楽しめるわ。
ほんと感謝ねー、サービスサービスって感じだわぁ。
でもちょっちやりすぎたかしらね?アスカあの後口聞いてくれなかったし・・・。
まぁ明日になってれば機嫌もなおるでしょ、たぶん大丈夫よねん。
よし、じゃあ今日もえびちゅ飲んで寝よーかしらね。
俺も好きだなこういうの
保全&定期age
私の学校の講堂には、一枚の古い画が飾ってある。
その画にはセピア色の空を背景に、三人の天使さまが空に上ってゆく場面が
見上げるような視点で描かれていた。
上ってゆく先には白い光の渦があって、
その向こうあたたかな楽園が広がっているのだろうと
私は勝手に決め付けていた。
きっと死んだら、こんなふうにお迎えが来てくれる。
それは一体いつになるのか、なるべくなら早く来て欲しい。
その画を見るたびに、私はそう思わずにはいられなかった。

「綾波、サボっちゃダメだよ」

私が画に見とれていると、後ろから声をかけられた。
それを言った碇くんの困ったような顔が、容易に想像できた。
クラスメートの碇くんとは出席番号の関係からなにかと一緒にいる機会が多く、
おかげで彼のくせや仕草はだいたい把握していた。
「疲れたから」

顔は画に向けたまま、私はそれだけ言った。
この時も、本来私は彼と講堂の掃除当番を割り当てられていたのだ。
実際は舞台をモップで拭くだけだけれども、
もともと非力な私にはそれだけで重労働だった。
少し重たいモップは、扱いづらい。
誇張ではなく、私はすでにへとへとだった。

「それじゃ少し休んでなよ。あとは僕がやっておくから」
「・・・ごめんなさい」

閉じているけれどただっぴろい空間には、私と碇くんの二人だけだった。
だから碇くんの他に咎める人はいない。
私は舞台から足を投げ出すように座った。

画は、講堂の右手側の壁に掛けられている。
あまり大きな画ではないけれど、目のいい私には舞台からでも十分満喫できた。
しばらくすると、モップを引きずりながら碇くんがこちらに来た。
掃除はもう終わったようだ。
「片付けてくるよ」
それだけ言って、舞台から飛び降りた。
私の横に寝かせてあったモップを取って、
二本のモップを手に用具室へ向かう。
普段は物静かな人だけれど、やっぱり碇くんも男の子なんだなと思った。

「その画、好きなの?」
用具室から戻ってきた碇くんは、
そう言って飛び乗るように舞台に上がって、私の横に座った。
「嫌いよ」
私が言うと、碇くんは不思議そうに私を見た。
「嫌いなのに、目が離せないの。
あの光の向こうに連れて行って欲しくなるから」
「あの向こうはやっぱり天国なのかな」
私の心を見透かしたように、碇くんが言った。
「僕の母さんがさ、熱心なクリスチャンだったんだ。
三年前に亡くなったけどね」

碇くんの告白に、驚いた私は相槌も打てなかった。

「病院で毎日少しずつやせ衰えていくのに、ちっとも寂しそうにしないんだ。
僕が死ぬのが怖くないのかって訊いたら、
神さまのもとに連れて行ってもらうのに何を怖がる必要があるのかって、言い返されちゃった。
それからすぐだけどね、亡くなったの。
あの画を見てると母さんの言ったことも分かる気がするんだ」

その画の天使さまは、確かにやさしい顔をしている。
『これまでがんばって生きてきましたね』って、労わるような。

「なんだか湿っぽいこと話しちゃったな、ゴメンね」

こんな時にも謝る碇くんに、私は首を横に振るしかできなかった。
このとき碇くんが話してくれたことには、大げさではなく世界がひっくり返るほどの衝撃を受けていた。
それまで他人なんてただの記号に過ぎなかった私にとって、
碇くんという存在が実在感を伴って迫ってきたのだ。
学校で会う以外に私の知らない碇くんがいて、
家族があって、生活があって、たとえば小学校の頃の友達がいて、
そういう小さな社会の積み重ねの上に今の碇くんが成り立っている。
そしてそれは碇くんだけでなく、おそらくクラスメートみんな、
いや、この世に生きている人はみんなそうなのだろう。
当たり前のことのはずなのに、その言葉を知っているということと
理解するということがどれほどかけ離れているのか。
私はそんなことにも思い及ばなかった。

「碇くんの話、もっと聞きたい」

気づけば私は、後から考えればバカみたいなお願いをしていた。

「そんな、楽しい話なんてないよ」

困った、と言うよりは驚いたように碇くんが言った。
無口で無関心だった私がそんなことを頼むとは思わなかったのだろう。
後頭部を掻く仕草は、初めて見たものだった。
それから碇くんとは、何かの折に話すようになった。
お母さんが亡くなって今ではお父さんと二人暮しなこと。
そのお父さんが私に似て(失礼にもそう言ったのだ)無愛想なこと。
マンション住まいで、隣に住んでいる同じくクラスメートのアスカさんのこと。
生前、お母さんによく聞かされた童話や昔話のこと。
何気ない会話だけれど、私には新鮮だった。

私は生まれついての無口で、エンターテイメントとして友達とお喋りするのは好きではなかった。
なぜ無駄なことを話して、下らないことでへらへら笑っているのだろうと思っていた。
だからそうして誰とも喋らずにいると、今度は暗いと言ってたしなまれる。
揶揄されて、はやしたてられ、嘲笑されることなどしょっちゅうだった。
なぜ無口も個性の一つとして認めてもらえないのだろうかと、不思議でならなかった。

そんな私だから、碇くんに話したいことがいっぱいあっても
思うように口が動いてくれない。
頭で考えることと口を使って喋ることが全くの別物だなんて思いもよらなかった。
足を使っていないと筋肉が衰え歩けなくなるように、
口を使っていないとほほやあごが衰えてうまく発音できなくなる。
頭と口の両方を使って考えを組み立てながら喋ることに慣れていないから、
一つ喋ってから次の言葉が出るまでとても時間がかかる。
私と話していると碇くんはきっとイライラしてたのではないかと思う。
だけどそんなそぶりは一度も見せずに、つたない私にいつも付き合ってくれた。
「私と話していると疲れない?」

たまりかねた私は、一度そう尋ねたことがある。
言った意味が分からずにきょとんとしている碇くんに、
私は日ごろ感じていたことを思い切って打ち明けてみた。

碇くんの答えは、私の予想よりも十歩ほど先を行っていた。

「みんなと喋ってるのはその場の乗りだったり、思いついたことをそのまま口にしてるだけだよ。
正直言って、僕もそういうのは疲れる方なんだ」

碇くんはこういう時へんに顔色を窺ったりする人じゃない。
「綾波と話すのはそれとは違った楽しさがあるよ」
そう言う碇くんは、心から笑っていてくれていた。

「例えばさ、母さんのこととかキリスト教のこととか。
そういう話って僕は好きなんだけど、なかなか話せる相手がいないんだよね。
場違いって言うか、話したって白けちゃうし。
綾波くらいしか真剣に聞いてくれないんだ。
みんな僕とアスカがどうしたとか、そんなことばっかり聞きたがるしさ」
確かに私はたわいない話は苦手だけれど、人の話は真剣に聞いている。
それがどんな話題であってもだ。
日常のお喋りがその場の乗りや思いつきで成り立っていることに面食らったほどだ。

なぜ私は生きているんだろう、何のために私という存在は許されているのだろう。
そのように、何かにつけて意識的に考える私には、
碇くんの宗教や哲学の話も知的な刺激に溢れたものだった。
それを退屈に感じる人は多いようだけれども。
私はよほど碇くんと相性が良かったようだ。

私は嬉しくなったから、ちょっといじわるしてみた。
「アスカさんとは、どこまで進んでるの?」
普段、級友たちが碇くんをからかう際の伝家の宝刀だった。
本当はアスカさんとどうなのかなんて興味なかったけれど、
碇くんの答えは、私の予想を数十歩ほど先を行っていた。

「付き合ってる・・・のかな。一応」

綾波だから言うけど――
そこから先は聞こえていなかった。
284874:03/04/08 02:19 ID:oEI0NGIM
>>276-283
あなたの書く文章は素敵だ、と思った
285874:03/04/08 02:19 ID:???
ageてしまった、もし嫌だったらすまない
>>284
ありがとうございます
ここからも素敵だといいけど・・・

↓続きです
それからも、私と碇くんの関係が変わることはなかった。
こう言うと私が無理をしていると思う人もいるかもしれないけれど、それは見当違いだ。
ただ私には、男と女が付き合うということがピンと来なかった。
例えばそれが「くちづけした」とか「結婚を約束した」とかなら、いくらなんでも分かる。
だけれど付き合うというあいまいな言い方だと、
それがどういう状態を指しているのか不鮮明に思われた。

よくお喋りをする相手なのか、二人っきりでいることが多い相手なのか、
どんなわがまま言っても許される関係なのか、気兼ねなく体に触れられる契約を交わしているのか。
「お互いがお互いを恋人だと認識している関係」が近いかもしれないけれど、
やや堅すぎる気がする。
要するに碇くんの考えている「付き合う」とアスカさんの考える「付き合う」が同じだなんて
誰が証明できるのだろうか、それが解せなかった。

私がショックを受けたのは、碇くんがアスカさんと付き合っていることではなく、
私と同じように意識的な碇くんが付き合うだなんてあいまいな状態を許容していることだった。
もしかしたらそれ以上に、あいまいな現実に折り合いをつけている
碇くんに嫉妬していたのかもしれない。
私が人に嫉妬するなんて、生まれて初めてだった。
少なからず落ち込んだ私を見かけて、赤木さんはお茶でも飲まないかと誘ってきた。
駅前にあるコーヒー専門の喫茶店を赤木さんはひいきにしていて、
今日もそこで私はカプチーノをご馳走してもらった。

「元気ないのね」

落ち着いた声で赤木さんは言った。
いつも元気のない私を見分けられるのは赤木さんくらいだった。
「なんでもありません」
「嘘おっしゃい」
私に優しく接してくる赤木さんには、どうもペースを乱される。
こそばゆいと言えば聞こえはいいかもしれないけど、優しい人に慣れていないだけだ。

赤木さんと私の関係は、ちょっと複雑だった。
一から順序だてて説明すると、まず、私には両親がいない。
・・・いくらなんでも私だって人の子だから、生みの親はどこかにいるはずだけど、
ただなんの因果か知らないが回りまわって今では親戚の家に預けられていた。
家のおじさん、おばさんは私を邪魔者扱いはしなかったけれど、家族にもしなかった。
きっと置いてくれただけ感謝しなければならないことだと思う。
とにかく、いろいろあって私を預かってくれた家のおばさんが死んだ。
私が中学に上がる前の春休みのことで、どうせ冷え切っていた夫婦の片割れがいなくなったのは
私に影響のあるイベントでもなかった。
おばさんが死んだ時も悲しみは湧かなかったし、涙もこみ上げては来なかったから。
私にとっておばさんは大切な人ではなかったのだろう。

そして赤木さんは、前からおじさんと結婚を前提にお付き合いしている人だった。
まだ籍は入れてないみたいだが、もう私と一緒に住んでいる。
赤木さんみたいに若くて(まだ30になったばかりだった)きれいな人が、
中学生の子供を抱えた50前のおじさんのどこに惹かれたのか、
私には知る由もないけれど、世の中は得てしてそんな愛の形もあるものだと納得していた。

ふがいないおじさんとは違って、赤木さんは私によく構ってきた。
一人でいるのが好きな私はうっとおしいと思ったこともあるけれど、
私を捉えようと手探りでがんばる赤木さんに、悪い気はしなかった。

「彼とケンカでもしたの?」
「いいえ」

私は正直に言ったつもりだ。なのに赤木さんはそう受け取らなかった。
このところ、碇くんのことをよく赤木さんに話していた。
だから赤木さんは、碇くんが私のボーイフレンドだと勘違いしていたようだ。
「ただ一緒に話すことが多いだけです」
それに碇くんには他に付き合っている人がいる。

そのことを告げると、
「それじゃレイちゃんも淋しいわね」
自分の若い頃そっくりだと言っていた。
だけど私は私のことを淋しいだなんて思ったことはなくて、
赤木さんの言いたいことがよく分からなかった。

「何かあったらなんでも相談してちょうだい。
あんまり出来のいい母親にはなれないけど、女の先輩としてアドバイスくらい出来るわ」

私の手を取って、赤木さんはぎゅっと握り締めてきた。
「カプチーノ、美味しかったです」
なのに私の方は、別れ際にそれを言うだけだった。
当番は一巡して、また講堂の掃除が回ってきた。
相変わらずモップは重いけれど、今度は私もがんばって最後までやり終えた。
終わる頃には私ははぁはぁと肩で息をしていて、
それを見て碇くんは大げさだなぁと笑っていた。

普段動かしてない体を動かして、思った以上に疲れた私は
しばらく講堂で休んでいた。
ちょっとわがままを言って、碇くんにも残ってもらった。
アスカさんと約束があるみたいだけど、10分くらいなら構わないということで、
いつかと同じように並んで舞台の上に座った。
私は思ったよりも自分勝手なのかもしれない。

「碇くんは死にたいと思ったこと、ある?」
自分勝手な私に、あの画がそう言わせていた。

それでも碇くんの方が一枚上手で、
「そういうこと、思っててもあまり言わない方がいいよ」
返答は「イエス」でも「ノー」でもなかった。
「母さんは僕に宗教の話はしても、僕をクリスチャンにしようとはしなかったんだ。
まだ早すぎるって、分別がつくようになってから自分の信じるものを決めなさいって、言ってた。
だから母さんが亡くなってから、僕もよく考えてたよ。
どうして僕は生きているんだろうとか、何を信じて生きてゆくのか、
それとも――」

綾波が言ったようなことも、しょっちゅう考えてた。
碇くんはそう言って私を見た。
私は私と同じようなことを考える人がいてくれたことに嬉しくなった。
人は一人じゃないという、小学生の道徳の授業のような言葉を思い出した。

「だけど、僕がそんなことを考えてると、すぐアスカが茶々入れてくるんだ」

そんなアスカさんを思い浮かべてみた。
苦笑いしつつアスカさんの言う通りにする碇くんは、よく見かける光景だった。

「だからあんたは暗いのよ、って、アスカそればっかりだった。
でもアスカの言うことも分かるんだよね。
何のために生きてるのかなんて、そんなことばっかり考えてるわけにはいかないから」
「では、私が考えたり思ったりするのは間違いなの?」
「そういうことじゃないよ。
ただ拒否反応を起こす人がいるのも事実だってこと。
余計な衝突を避けるためには、引けるところは引いとかなくちゃ」

これだけはっきりと自分の考えを持っている碇くんだけど、
アスカさんには頭が上がらずいつもハイハイと言うことを聞いている。
その理由がようやく私にも分かってきた。
恥ずかしい話だが、それまで私には騙したり悪意のある嘘だけでなく
そういう種類の嘘もあるのだと言うことが分かっていなかった。

そしていろんな嘘が舞い踊る世の中で、偽りない私の言葉を聞いている人がいるのは
計り知れないほどの安心感があった。

「だから、みんないろんな仮面をつけてたりするんだよ。
でもその他に本当の自分ってのがあって、それもすごく大切なことなんだ」

人と話すのが好きではなくても、人が死んだ時に涙を流せなくてもいいのだと、
あんまり生きていたくないとどうしても思ってしまっても、
それが綾波レイと言う人間なのだと、碇くんはそう言ってくれた。
「だから碇くん、アスカさんには逆らわないのね」
おどけて言うと、碇くんはそんなことないと顔を真っ赤にして反論した。
それまで自分に酔っているように語っていた真面目な顔とのギャップが激しくて、
男の子にこう言ってはいい気はしないだろうけれど、可愛いかった。

「って、アスカ待たせてちゃ」
約束を思い出して、「ゴメン」と言い残して碇くんは出て行った。
「・・・今日話したこと、アスカには内緒ね」
「分かったわ」
二人だけの秘密。

取り残されて私は天使さまの画を眺めていた。
画は変わってないはずなのに、私の目にはなぜだか違って見えた。
心がきしむように痛む。
碇くんに置き去りにされたように、天使さまにも置き去りにされて、
白い光の向こうにいつまで経っても連れて行ってもらえないような、
そんな焦燥感が私の中で渦巻いていた。
優しかった天使さまの微笑が、私の存在を糾弾するように見える。

碇くんと話しているのは楽しくて、いつも時間が経つのを忘れてしまう。
だけど最近、なぜか碇くんのことが嫌いになり始めている自分に気づいた。
295874:03/04/09 03:44 ID:???
いいな、とてもおもしろいです
ゆっくりとでいいから続きを書いていってほしい
そんなうちに冬休みに入って、碇くんと会えない日々が続いていた。
これまではわずらわしい学校に行かずにすむ長期休暇は心待ちにしていたはずなのに、
いざ休みになってからというもの、何かと落ち着きを失っていた。

「恋をしてるのよ」
赤木さんは嬉しそうに言った。
私も普通の女の子だと分かってホッとしたのだと言う。
ならばそれまで私のことをどんなバケモノと思っていたのか気になるけれど、
何考えているのか分かったもんじゃない(赤木さんの談)思春期の女の子相手に
赤木さんも大変だったのかと思うと、申し訳ない気もしていた。

「私が? 碇くんのこと?」
「好きなんでしょう?」
「・・・分からない」
「最初はそういうものなのよ」

私が恋をしている。
それがどういう状態なのか分からなくて、混乱はいっそう酷くなっていった。
泣きそうな顔しないでと、あやすように赤木さんが言った。
私が恋をしているのか、整理してみよう。
まず私は碇くんのことをどう思っているのか。
好き、ではない。むしろ会いたくなかった。これははっきりと言える。
だけど世の中には『嫌い嫌いも好きのうち』なんて慣用表現もあり、
好き嫌いを超えて碇くんへの強いこだわりがあることは否定できない。

そこまではいい。その先が私にはなかった。

碇くんと分かりあいたいとか、声を聞きたいとか、
ふれていたいとか、もっと先まで進みたいとか。
そういった欲求が私には皆無だった。
顔が上気したり、発汗が激しくなったり、そう言う恋する人にありがちな
生理現象も見られなかった。

ただ、私は何かに引っかかっていて、信じられないほどピリピリしていた。
それを仮に恋と呼ぶなら、それでもいい。
どうにかしてしまいそうな感情のうねりを、どうにかして静めて欲しい。
それだけだった。
年末年始は、おじさんと赤木さんと三人で温泉旅行に行く予定だった。
家族だから、と親睦を兼ねて計画されたことだった。
私は賛成もしなかったし反対もしなかったら、
張り切ってる赤木さんはまたたく間にばっちりスケジュールを組んでしまった。
「これでもう逃げられないわよ」
決まったその日、赤木さんは心底楽しそうに言った。

安っぽいホームドラマみたいに、その旅行が取りやめになった。

大晦日、すでに着替えをバッグに詰めて待機していた私に、
中止を知らせる電話がかかってきた。
赤木さんのおばあさんが倒れて、どうしてもくにに帰らなくてはならなくなったのだ。
「本当にごめんなさい」
「気にしないで下さい」
いつもお世話になっている赤木さんに、私は本心でそう言った。
旅行なんて楽しみにしていたわけではない。
私の存在で赤木さんを追いつめるようなことはしたくなかった。
赤木さんのおかげで、おじさんは以前に比べ私に接するようになったけれど、
それでも二人でいると何とも言えない気まずさがあった。
さらには旅行が取りやめになったことも加わって、
この日おじさんは逃げるように家を出て行った。

広い家に一人きりでいるということを、私はしばらく忘れていた。
広い家に一人きりでいることが、こんなに私を乱し惑わすとは思わなかった。

風が窓を叩けばビクッと震え、道を通る車のクラクションに怯えていた。
電気を付けたら明るい蛍光灯の向こうから天使さまが舞い降りてきそうで、
たまらずにすべての部屋の電気を消した。
あたりはすでに暗くなって、外からも向かいの家の明かりが入ってくる。
だから家中のカーテンを閉めて、私は布団にもぐりこんだ。
頭から布団をかぶると、シンとした部屋に、
世界にやっと私一人になれた気がした。

早く死にたい、前はそればかり考えていた。
それなのに今は、世界の明るさや暖かさから放り投げられることが怖かった。
肝心なことは何も知らされないまま、にせものの世界に一人ぼっちで
取り残されるのは、絶望でしかなかった。
赤木さんは帰ってこない。
おじさんも、まだ帰ってこない。
一人ぼっちの私は耳を抑えて、目をつむって、
それでも得体の知れない何かが私の中に入ってくるような妄想に取り付かれていた。
誰でもいい、私のそばにいて欲しかった。
そばで大丈夫だとささやいていて欲しかった。

気づけば私は、受話器を取っていた。
入りきらないプリントを山のように押し込んだ引出しからクラスの連絡網を血眼で捜して、
やっと碇くんの家の電話番号を発見した時は声を上げそうになった。

なのに、数十回コールしても、何度も何度も掛けなおしても、電話は誰も出ない。

番号が間違っていないか、数字を一つひとつ10秒以上かけて確認しながらダイヤルしても、
やっぱり誰も出てくれなかった。

カギもかけないまま、裸足にサンダル履きで、私は家を飛び出していた。
地理に明るくない私は、迷わないよう電信柱に当たるたびに
そこに書いてある住所を確認しながら、早足で歩いていた。
おかげで30分ほど歩けば、なんとか碇くんのマンションにたどり着くことが出来た。
やはり、誰もいなかった。

覚悟はしていたはずなのに、私の心はどこかちぐはぐなまま、
その場から動けなくなった。

ドアの前に座り込んで、吹きぬける風に身を晒しながら、私は待った。

ただ待って、待って待って、待って、待って、待ちつづけた。

そのうち少しずつ、意識がおぼつかなくなっていった。
眠いのか、寒いのか、よく分からなくなっていた。

エレベーターばかりを見ていたせいで、
隣の家のドアが開いたのには気づかなかった。
碇くんが突然湧き出てきてたまげる私を前に、碇くんはもっとたまげていた。
わけも分からないまま、碇くんは私を家に入れてくれた。
お父さんはいなかった。
仕事が休めないらしく、そのため碇くんはお隣でアスカさんと過ごしていたらしい。
それを聞くと安心とか怒りとか、とにかくいろんな感情が津波のように打ち寄せてきた。
何か言おうとしても乾燥した風にのどがからからで、言葉が出ない。
足元もおぼつかずに、ソファに倒れこんでしまった。

頭がふらふらする。
ほほや額が熱っぽい。
真冬にコートも羽織らないで、サンダルは途中で片方脱ぎ捨てていたのに、
碇くんに言われるまでそれがおかしいとも感じなかった。

「とりあえず、これ。お茶よりいいと思って」

碇くんは、温かいレモネードを入れてくれた。
おかしなことに手の動かし方が分からなくなって、
カップを持つまでとても時間がかかった。
砂糖がたっぷり入っていたそれは、ちょっと甘すぎたけど美味しかった。
飲んだら、私は泣いていた。
涙を流すなんて何年ぶりだろう。
少なくとも、最後に泣いた日を覚えてはいなかった。
「なぜ・・・」
私の意思とは関係なしに流れる涙は、拭っても拭ってもとめどなく溢れてきた。

碇くんは自然に、私の横に座った。
私は吸い寄せられるように、碇くんの肩にもたれる。
目をつむると、碇くんの鼓動が私にも聞こえてきた。

「なにかあったの?」
私はただ首を振った。
それに合わせて碇くんの肩が上下するのが、どうしようもなく嬉しかった。

碇くんは何も言わないで、私の頭を撫でてくれた。
ゆっくりといつくしむような、優しい手つきだった。
とても心地よくて、知らず知らずに私は右手を碇くんの胸に添えていた。


少し頭をもたげて、私たちは
二人乗りのブランコでゆれあうように、口づけを交わした。
くちびるの先と先がほんのわずかふれあっただけの、1秒にも満たないつながりだった。
初めてのそれは、甘いレモンの香りがした。
やべぇ・・・マジでおもしろい
特に>電気を付けたら明るい蛍光灯の向こうから天使さまが舞い降りてきそうで、と
>初めてのそれは、甘いレモンの香りがした。の一文がつぼを直撃って感じです、がんがってください。
305874:03/04/10 18:52 ID:???
>304
俺もそこが好きだ
変わらず素敵な文章でいいな
先生・・・すてきです。
ここから先は意識がおぼろげであまり覚えていないけれど、
アスカさんのお母さんが看てくれたらしい。
呼吸が乱れている私の体温を測り(39℃を超えていたそうだ)頭を冷やし、
粉薬を飲ませてくれた。
それで少し落ち着いたらしく、知らぬ間に私は眠っていた。

目が覚めたら年は明けていて、私は自分の部屋で横になっていた。
おじさんは昨夜、家に帰っても姿の見えない私のことをとても心配していたようで
電話一つで迎えに来たそうだ。
これまで大人しくて迷惑一つかけることもなかった私が
突拍子もない行動に出たことが信じられないという顔をしていた。
よく冷えた氷まくらは、おじさんが作ってくれたものだった。

赤木さんがこの事件を知ったのはすべてが落ち着いた後だった。
帰ってくるなり私とおじさん二人を並べて、
家族なんだからもっと家族らしくしなさいと、
数時間にわたって延々お説教されてしまった。
強引な手段だけれど、それでもおじさんとの距離はいくらか縮まったようだ。

口数が極端に少なく、問題も起こさない。
そんな私にどう接したらよいか分からなかったと後になっておじさんから打ち明けられた。
私の体調が戻ってから、おじさんと二人で碇くんとアスカさんの家に挨拶に回った。
責任を感じて赤木さんも付いて来ようとしたけれど、遠慮してもらった。
アスカさんのご両親はとてもいい人で、
謝る私の体を逆に気づかってくれた。
残念ながら、碇くんのお父さんにはこの日も会えなかった。

とにかく熱が下がると共に、私の心までも台風一過の晴天のように落ち着いてしまった。
まるであんなに取り乱したのが夢の中の出来事であったかのように。

赤木さんのおばあさんは残念ながら逝去されたけれど、
年を越せただけでも奇跡的だったようだ。
もっとも、新年早々喪に服すことになり、
籍を入れるのはしばらく持ち越しだということだ。

おじさんと赤木さんが夫婦になると、何が変わるのだろう。
赤木さんは遠慮は要らないと言うけれど、やはりお母さんとは違う気がする。
おじさんだって今さらお父さんだなんて呼べないし、おじさんもそれは望んでいないと思う。
ただお父さん役がいて、お母さん役がいて、娘役の私がいる。
そんな家族の形も、悪くないかもしれない。
学校が始まって碇くん会える日々も始まった。
その時に聞かされたことでは、なんでもアスカさんにこっぴどく叱られたらしい。
熱が出て弱ってる子に手を出すのはなにごとかと、
それはすごい剣幕だったと言っていた。
どこか誤解しているみたいなので、なんとか話をしたいと思っていたら、
渡りに船とばかりにアスカさんの方から呼び出された。
それは校舎裏と言う人気のない場所だった。

碇くんの話だとてっきり怒っているのかと思っていたけれど、いざ対面するとなると
泣きそうになって碇くんとの関係を問いただしてきた。
「アイツの家に押しかけて、あんな薄着で、しかもよりによって大晦日の夜によ。
何かあるのかと思うのが当然じゃない」
言うことは分かるが、だからと言ってあの時の私の精神状態を説明するとなると、それは難しい。
なんといっても私本人が良く分かっていないのだから。

誰もいない家にいるのが苦しくて、誰かに会いたかった。
その誰かが、碇くんの他に思いつかなかった。
学校では碇くんくらいしか親しく話す人はいなかったし、そのせいではないだろうか。
アスカさんにそう言ったら、分かったような分からないような目をしていた。

それからなんとなく、アスカさんとよく話すようになった。
「あんたがシンジ以外の人とも親しくなれば、
シンジにすがるような真似しなくてすむでしょ」
つまり碇くんを独り占めしたいアスカさんの策略により
私はひたすら連れまわされ、その結果、何人か親しい人もできた。
たくさんの人と話すと、昔の私がどれほど狭い視野しか持っていなかったのか分かる。
いろいろ考えさせられる発見も多かった。

私の無口は相変わらずでもっぱら聞き役だったが、それでもたくさんお話をした。
自分からはほとんど口を開かない私に退屈しないのかと思ったが、それは逆で
私に胸の内を洗いざらい吐き出すととてもすっきりするらしい。
どんな内容の話であろうと、相手の目を見つめて真剣に聞こうとする。
私のそんな姿勢にとても安心すると言うことだった。

このためよく相談を持ち寄られるようになり、
その中で私はいつの間にか、カウンセラーみたいなポジションに収まっていった。

碇くんの話ではみんな「何のために生きるのか」とか、
そんな意識的な問いかけは暗いと一蹴しているようなイメージがあったのに、
なんてことはない、割とみんなそういうことに悩んでいた。
ただみんながみんなお互い仮面を付け合っていて、知らなかっただけのことだ。
思うに、そう言う意識的なことを語りたい欲求は誰にでもあるのだろう。
思春期にありがちな自己顕示欲の現れだと、赤木さんは言っていた。

自分を裸にするようなその手の話題は誰しも敬遠しがちだけど、
もとから何もよろっていないような私の前ではたやすく無防備になれるらしい。
まっさらなあなたらしい、そう赤木さんは言う。
私には分からなかったが、その言葉はどこか悲しそうだった。

一方で碇くんだが、以前のような話はあまりしなくなった。
代わりに何かと体に触れてくることが多くなり、
近くに誰もいない場所では、なんどか口づけをした。
別に嫌でもなかったけれど、そう言う接触にあまり興味がないため
どんな顔をしたらいいのか分からず、そんな私を見て碇くんはばつが悪そうにしていた。

そして碇くんの他に親しい人ができるにつれ、しだいに話しかけてもこなくなった。

碇くんのことをとてもとても好きだったんだと気づいた頃には、
色のない風景の中で碇くんだけが光り輝いていたような、
そんな私の初恋はひとりでに幕を閉じていた。
さて、そんな私にも浮いた話があって、この前ある男の子から告白された。
緊張しきった声で、付き合ってくださいと言われてしまったのだ。
アスカさんが言うには、このごろ私は妙に可愛くなったらしい。
顔の造りが急に変わるはずないから、恐らく表情や仕草が変わったのだろう。
だからなのか、その子も笑顔が好きになったと言っていた。

それで私の答えだけれど、意外に思われがちだが承諾した。
ただ例によって付き合うと言うことがよく分かっていなくて、
「付き合うのはいいけど、何をすればいいの?」
すれ違いがないように確認したかった。
だけれどその子は答えてくれずに、しばらくの間、固まるだけだった。
それから急用でも思い出したのか、一目散に走り去っていった。

それから、その子は私を見ると恥ずかしそうにこそこそしている。
何をするのか決めたのなら早く伝えて欲しい。
私も勇気を出して付き合ってもいいと言ったのだから。

アスカさんにこの話をしたら、大きなため息を7回くらいついていた。
大晦日の晩、なぜあんなにも私が取り乱したのか。
それは今でもよく分からなかった。
ただ、それまで一人だった私の世界が加速度的に複雑になってゆく中で、
一体何が頼れるのか見当がつかなくなっていたのだと思う。

淋しかったのではないかと赤木さんが言った。
淋しいと言うのはよく分からないけれど、
あの時襲われた感情もよく分からないから、
よく分からないものどうし組み合わせて、
あの時は淋しかったんだということにした。

『私は淋しかった』

口に出して言うと、それが疑いようのない真理であるかのような
錯覚をしてしまうから不思議だ。
以来、あれほどの淋しさに見舞われることはなかった。
最後の最後になって、また講堂の掃除が割り当てられた。
三学期の終業式から数えて3日前のこと。
それは碇くんと二人きりの、最後の時間だった。

画の中で天使さまは変わらず笑みを向けてくれる。
だけどもう怖くはなかった。
白い光の向こうへ想い焦がれることもなくなった。

「あの画、やっぱり嫌いなの?」
画を見る私に碇くんが言った。
碇くんから話しかけてくれるのは久しぶりだ。
「好きよ」
手を休ませながら、私は言った。
掃除に関して、結局最後まで私は足手まといだった。

だから、たくさんの思いを込めて私は言う。
碇くんに伝えたい、この気持ち。
「ありがとう」


三年生になると、受験のため掃除は免除された。
私より一つ年下の子たちが今日も講堂の掃除をしている。
あの古い画をじっくり見る機会は、もう巡っては来なかった。

                                    〜油彩画の楽園〜    おわり
なんとなくタイトルつけてみました。何のひねりもないけど(w
『国語の教科書に載っていそうなさわやかな物語』を目指してたんですが、
なかなか難しいですね。

読んでくださったかた、応援をくださったかた、
ありがとうございました。
お疲れ様です。
楽しませていただきました。
ほっと癒されるお話でした。
303からありきたりな流れになるのかなぁと思ったけど、
あっさりというか、清涼感があるというか
さっぱりすっきりした感じになっててすごく良かった。好感触。
学園物ってこういうのも当然ありなんだなぁと盲点を突かれた感じ。
いいお話でした。
ありがとう、そしてお疲れ様。
お見事でしたマジで。
本編系レイで学園EVAで、なるほどこういう雰囲気のものが書けるんだなと。

ところで我が愛しのシンジきゅん、浮気性ですな・・・。
せっかくだから、厨的感想を。
えーと、文章が全体的に古くさいです。
まるで、20年くらい前の少女向け恋愛小説のような文体です。
特に、

>初めてのそれは、甘いレモンの香りがした

今どき、こんな表現、めったにお目にかかれません。
キス=レモンなんて、中学生でも使わないし想像もしません。
もうちょっと、最近の小説を読んだ方がいいです。
320874:03/04/11 07:51 ID:???
お疲れ様、読んでいて、なにかすっきりした。

>319
ケチをつけるのと批評するのとは違うぞ
>キス=レモンなんて、中学生でも使わないし想像もしません。

その直前にレモネードを飲んでるわけだが・・・ちゃんと読んだのか?
素晴らしい作品をありがとう。
とてもよかった。

しかし、
>一方で碇くんだが、以前のような話はあまりしなくなった。
>代わりに何かと体に触れてくることが多くなり、
>近くに誰もいない場所では、なんどか口づけをした。
おいおい
まあ、シンちゃんも若いからねぇ。(w
学園モノって言ったらラブコメ、という固定観念をひっくり返してもらいました。
自分を見つめる思春期の話。少しずつ変化しつつ静かに流れる心の動き、みたいな感じで
じっくり読めました。
上の方で他の人も言ってるけど、お見事でした。
このスレのレベルが一気に上がりましたな(w
>>321
いかにも「イマドキの読者の典型例」って感じだよね。
行間を読まない、文脈を読めない、比喩を理解しない、諧謔も皮肉も
そのまま受け取り批判する……アタマ使って文章を読む訓練をする
のが国語教育だと思うんだが、この国はこの先どうなってしまうのか(w
325素人:03/04/12 02:25 ID:???
もう一人の僕のこと


「トウジ・・・。」
ボロボロのエントリープラグから救出された参号機のパイロットはシンジの親友だった。
「シンジ君、シンジ君!」
ミサトがシンジの名を必死で叫ぶがシンジの耳にはもはや届いてはいなかった。
「うわあっ!!」
シンジの絶叫がこだました。

                                つづく



「なんやこれ〜、わし死んだんか。」
冬冶がわめく。しかし薫君は涼しい顔で反論した。
「殺しはしないよ。約束したからね。フォローは真司君にまかせるけど。」
326素人:03/04/12 02:26 ID:???
「え、次僕なの?」
僕は面食らった。こんなところで続きを書けといわれても困る。
「そうさ、17〜19話はフォースチルドレン三部作といって、エヴァ中盤のキモとなる部分だからね。僕だけで書いちゃ申しわけないよ。」
僕は困りきってしまった。何しろ中盤を過ぎてからこの物語は当初の予定を大きく外れ、はっきり言って収拾がつくか不安だったからだ。

「問題ない。シナリオどおりに進行している。」
薫君が小説の登場人物をまねておどけて答える。まったく僕の父さんはそんなキャラじゃないのに、ま、他人に無愛想なところは同じだけど。1,2回会っただけだけど薫君にはそう見えたんだろうな。
「でも、この先のプロット、僕知らないよ。」
「大丈夫さ、次の話はシンジ君中心の話だから、自由に書いていい。初号機覚醒で引いてくれればね。」

キーンコーンカーンコーン
そのとき昼休み終了のチャイムが鳴る。


「じゃ、真司君任せたよ。」
僕がなにか言う前に薫君は自分の席へと帰っていった。
327素人:03/04/12 02:32 ID:???
僕の名前は碇真司。ごく普通の中学生だ。最近僕は友達と小説を書いている。
といっても、設定やストーリーを考えたのは友達のほうで僕は彼の考えたプロットどおりに書くだけだ。
でも結構夢中になっている。最近は夢にまで見るほどだ。

どんな内容かって言うとある日少年の元に手紙が届く、それは何年も離れて暮らしていた少年の父親からだった。
少年は手紙に従って、日本の新首都、第三新東京市へ向かう。しかしそこは謎の怪物、使徒に攻め込まれていた。
少年は葛城ミサトと名乗る女性に連れられ、特務機関ネルフへと案内される。
三年ぶりに会った少年の父親は、少年にこう言い放った。エヴァンゲリオンというロボットに乗り、使徒を倒せと。
そうして明日の見えない少年の闘いの日々が始まった・・・。

それだけじゃなくて、この小説は、使徒、アダム、セカンドインパクト、人類補完計画など謎の用語をたくさんちりばめ、それらの謎の解明も面白さのひとつだ。
僕は友達がどんな結末を用意しているのかすごく楽しみにしている。僕の単純な頭じゃこんな凝った話は作れないからね。
 
 ま、そういうわけで僕は今この小説に夢中なわけだけど、こんなにこれに入れ込むわけはもうひとつある。
この主人公の少年の名前は碇シンジ、そう僕と同じ名前だ。

小説を読むとき、ビジュアルイメージが浮かびやすいからっていう理由で小説の登場人物はみな僕らの身近な人たちをモデルにしている。例えば、シンジの父親、ネルフ総司令碇ゲンドウは僕の父さんの碇源道がモデルだし、
同じく作戦部長葛城ミサト三佐は僕のクラスの担任の葛城美里先生がモデルだ。
ほかにも日向先生や伊吹先生はネルフ職員の役だし、校長の冬月先生は副司令だ。
328素人:03/04/12 02:39 ID:???
 作中でのシンジの親友役の鈴原トウジと相田ケンスケは現実世界でも僕の親友だ。
この小説にも協力してくれていて特に第3,4話はこの二人の協力がなきゃできなかった。実を言うとこの二人とはこの小説を通じて仲良くなったようなものだ。
僕が3,4話の担当になっていて四苦八苦していた。学校で書いていた僕も僕なんだけど、そんな僕の様子が気になったのか冬冶が声をかけてきたんだ。

「碇、なにしとんのや?」
僕はあわてて隠そうとしたんだけど、それがかえって彼の興味を引いたらしい。
無理やり彼は僕を押しのけて書きかけの小説を読んでしまったのだ。
僕は思いっきり馬鹿にされるだろうなと思った。
なにしろ作中の僕は美里先生と同居したり、学校で1.2を争う美少女綾波怜を押し倒したりしているのだから。
でも冬冶から帰ってきた反応はまったく別だった。

「おもろいやないか、碇が書いとんのか?」
「え・・・」
僕はあっけにとられた。
何しろ僕はクラスでもぜんぜん目立たなくて、成績も悪いし、運動神経もよくない、まったくいいところなしの人間だったからだ。
そんな僕が書いた妄想が冬冶に面白いと言わせるなんて・・・。

329素人:03/04/12 02:41 ID:???
なんや、人が質問しとるのにボケッとしとるんやないで、ほんま。」
僕はようやくわれに帰って答えた。
「ぼ、僕だけで書いたんじゃないよ。設定やストーリーを考えたのは薫君なんだ。」
「ほうか、渚とか。いや、お前らにこんな才能があったとはの。
二人で小説家でも目指しとんのか?」
「いや、別に小説家なんて・・・ただ暇つぶしに書いてるだけだよ。」
僕はちょっと照れて答える。

「そのわりには、えらい真面目にやっとったようにみえたで。」
「うん、ちょっとうまく書けなくてさ。」
「ほー、碇センセもスランプっちゅうわけか。」
「スランプなんてそんなたいしたものじゃないよ。」

そんな会話を僕は半分夢を見ているような気分でしていた。
なにしろ鈴原冬冶はクラス一のスポーツマンでバスケ部でも1年のころからレギュラーをやっているらしい。
関西弁でひょうきんな性格だけど男気あるやつでクラスの中心的存在だった。
そんな彼と友達のほとんどいない僕が自然に会話している。信じられなかった。

 その後、原作者の薫君も交えて僕と冬冶、それからその友達の相田健介を仲間に入れることに決めた。
330874:03/04/12 03:13 ID:???
また新しい作者さんが来たのか
今回の話も俺はとても好きだな、いいと思う
ゆっくり続きを書いていってほしい、がんばってください
>素人さん
おもしれー!! 面白いよなんか。うまく言えないけど。
続きがすごく気になる。
書き手さんがんがってくれ。
332素人:03/04/12 13:58 ID:???
「よーし、結構調子いいぞ。」
19話を書き始めて1週間がたっていた。執筆は順調に進み、初号機にシンジが乗るところまですらすら書けた。
こんなにすらすら書けたのは初めてだ。
「ちょっと、かっこよすぎかな。ま、いいか。好きに書いていいって言われたし。」
僕は一休みしようと、椅子から立ち上がった。

 そのとき玄関のドアが開く音がした。母さんが帰ってきたのかと思い下へ降りていくと意外な人物がリビングにいた。
「父さん・・・。」
「真司か。ひさしぶりだな。」
久しぶりに見る父は少しやつれたように見えた。最後に家に帰ってきたのはいつだろう。それを思い出せないほどに久しぶりの帰宅だった。たぶん父にもわからないだろう。

「唯はどうした?」
父さんが尋ねる。
「母さんなら夕飯の買い物に行ってるよ。もう帰ってくると思うけど。それより、仕事のほうは大丈夫なの?」
僕は聞き返す。
「ああ、ようやく一区切りついたところだ。今日は家でゆっくりできる。」
“うそつき!”僕は心の中で叫ぶ。仕事が忙しいなんてうそだ。家に帰ろうと思えば帰れるはずだ。それをしないのは・・・。
333素人:03/04/12 14:01 ID:???
そのとき、母さんがリビングに入ってきた。
「あなた!おかえりなさい!!」
そういって母さんは父さんに抱きついた。何日ぶりか忘れてしまうほどの父の帰宅に母さんは心底うれしそうだ。
「ああ、ただいま、唯。」
そう言って父さんは軽く抱きしめ返す。夫婦の抱擁はしばらく続いた。

「すまん、真司とお前にはさびしい思いばかりさせるな。許してくれ。」
「いいんですよ。あなたはわたしたちの為にがんばってくださってるんですから。
ね、真司。」
突然名前を呼ばれてあわてつつも僕は答える。
「う、うん。」
「さー今日は久しぶりに腕を振るうわよー」
母さんの陽気な声が響いた。



その晩、僕は布団の中で耳をふさいでいた。いやな雑音を耳に入れないために。
時刻は夜中の2時過ぎ、普段ならとっくに寝ている時刻だ。
それなのになぜ起きているのかというと・・・。

 その日の夕飯は最悪の気分だった。
母さんが腕を振るったおかげで食卓には豪華なご馳走が並んだ。
でも僕には味なんてぜんぜんわからなかった。
母さんの方ばかり見ていた。気に入らなかったのだ。母さんの態度が。
母さんは一生懸命父さんに話しかけている。お酌をしたり、おかずを取ってあげたり
かいがいしく父さんに尽くしていた。その態度が僕をとてつもなくいらだたせた。
334素人:03/04/12 14:02 ID:???
そこにいたのは母さんじゃなかった。”女”だった。
その甘えるような声も、媚びへつらう視線も、見事なまでに”女”だった。
メスといってもいいかもしれない。オスに媚びるメス。
それは僕がこの世で最も嫌悪するものであり、もっとも嫌いな母の姿だった。

 今そのメスの声が僕の耳に入ってくる。
布団をかぶって耳を塞いでも執拗に聞こえてくる。
いや、物理的には聞こえてきていないのかもしれない。
しかし、耳にこびりついた声はどうしても離れない。果てしなく僕の脳を刺激し続ける。

 不意に僕は立ち上がって、パソコンの前に座った。
そして一心不乱にキーボードをたたき出す。
夕食後続きを書こうとしたのだがまったくかけなかった。
それがうそのように今は手が動く。頭にどんどんイメージが浮かぶ。
電源が尽きる初号機、必死にレバーを動かすシンジ、目覚める彼女、
そして使徒を食らう・・・

気がつくと朝になっていた。
335素人:03/04/12 14:04 ID:???
「すごいじゃないか真司君、大迫力だよ。中学生の文章とは思えないね。」
昨夜僕が現実から逃げるためだけに書いた文章を薫君はそういって褒め上げた。
「ほんまやな。真司、ほんまもんの小説家になれるんとちがうか?」
冬冶も同調する。
「そ、そんなことないよ。そんなたいしたもんじゃ・・・」
二人の感想を僕は複雑な気分で聞いていた。

「ちょっと、あんたたち、最近楽しそうじゃない。なにやってんの?」

僕らの背後から女の子の声がした。この声は2−A一の、
いや、学校一の美少女、惣流明日香の声だ。

「なんでもないよ、君には関係ないことさ。」
薫君はそういってすばやくパソコンからディスクを取り出す。
その態度に惣流明日香はカチンときたのか怒り出した。
「何よ、男が4人揃ってへらへらしてさ。どーせエッチな画像でも見てたんでしょ。
いやらしい!これだから男ってえのは・・・」
336素人:03/04/12 14:05 ID:???
惣流明日香は美人だ。学校一の美少女というのもほんとだと思う。
最も小説の中のアスカと違って本物は完全な日本人だ。
金髪じゃないし目も青くない。黒髪の日本美人だ。
ただ性格は同じくらいきつい。
実はアスカは本物よりきつい性格に仕上げたつもりだったが今の明日香の激高振りを見るとアスカと五十歩百歩のようだ。

「ふん、行きましょ、怜。」
明日香の後ろには同じく2−Aが誇るもう一人の美少女綾波怜がいた。
もちろん彼女も小説のような青い髪に赤い目なんていう人間離れした容姿なんかじゃなくて普通の黒目、黒髪だ。性格も確かにおとなしめなんだけど、レイのように自我のない少女ではない。
人並みに笑い、言うときははっきり言う、普通の女の子だ。

 むしろ小説の中のレイの容姿は薫君を思い起こさせる。
アルビノというらしんだけど、白に近いグレーの髪に赤というより茶色の瞳、
そしてやっぱり病的に白い肌、色素が生まれつき少ないんだそうだ。
薫君はその容姿のせいか友達ができにくかったようだ。
少なくとも学校内には僕より親しい人間はいないようだった。
僕も性格の暗さゆえか、友達がいなかったので、お互いそんなところに惹かれあったのかもしれない。
337874:03/04/12 16:34 ID:???
碇家が学園物でアットホームじゃないのは結構珍しいな
338素人:03/04/12 17:15 ID:???
今日は一日引きこもってこれを書いてる。なーんかどんどんダークになっていく・・・
おかげで挫けそうになってきた。読んだ人、なーんか書いて俺にパワーをくれ!
じゃあ一言だけ

お も し ろ い ぞ ! !

続きを心待ちにしてるやつがここに1人いるからがんばってくれ
340素人:03/04/12 19:58 ID:???
やっぱり感想をもらえるとやる気が出る。読んだ人、なんでもいいから
コメントキボンヌ。


つーわけでつづきをどうぞ。
341素人:03/04/12 19:59 ID:???
それから数日たったある日のことだった。
「真司君?」
帰り道、僕は突然声をかけられた。この声には聞き覚えがある。あの人だ。

「赤木先生・・・」
そこは髪を金色に染めた、背の高い女の人が立っていた。

「やっぱり真司君ね。おひさしぶり。お母さんは、お元気?」
赤木先生はそんなことを僕に尋ねる。
僕はそんなことをぬけぬけと訊くこの女に殺意を覚えた。
この場に人通りがなかったらほんとに飛び掛っていたかもしれない。
 僕は、大きく息を吸って心を落ち着かせると平静を装い、答えた。

「ええ、とても元気です。」

「そうよかったわ。手術が成功したとはいえ、再発の可能性もあるから・・・」
僕の母さんは三年前子宮ガンを患っていた。
発見が遅れかなり進行した後だったため、手術で子宮を全摘出した。
赤木律子先生はその手術を執刀した外科医なのだ。
手術は成功して母さんは健康を取り戻すことができた。
しかし手術を境に母さんは変わってしまった。

 いや、表面上は何も変わらなかった。前と変わらない明るくて優しい母さんだった。
でも子宮を失ったという事実は母さんに非常に大きなショックを与えたようだ。
その日以来僕と母さんは・・・
342素人:03/04/12 20:01 ID:???
「それじゃあ、お父様にもよろしくね。」
赤木先生のその言葉にさっき無理やり抑えた殺意が再び噴出した。
 よくもぬけぬけと!!父さんとは毎日会ってるんだろ。この売女が!!

そう僕の父さんと赤木先生は不倫をしていた。
付き合いはなんと母さんの入院中に始まったらしい。
母さんの入院中、僕は独りでよく留守番をしていた。
父さんは忙しい人だったし、母さんが家にいるときも帰ってこないことは
しょっちゅうだったので、僕は変に思うことはなかった。
ただ、母さんの様子がおかしいことはわかっていた。
しかし僕はそれを病気のせいと思い深く考えることはなかった。
だが母さんは二人の関係にすでに気づいていたのであろう。
僕はそれを母さんが退院した後、知ることになる。

「真司君、どうしたの?怖い顔して。」

不意に声をかけられ、僕はわれに帰る。
赤木先生が不思議そうな顔をして僕の顔をのぞきこんでいた。
「い、いえなんでもありません。」
僕はようやくそれだけを答えると、無理やり作った笑顔を向ける。

「そう、それじゃあね。」
そういって赤木先生は立ち去った。
 その後姿を見つめながら僕は拳を固く握り締める。
手の皮が破れて痛みが走るが、僕は力を緩めなかった。
343素人:03/04/12 20:05 ID:???
「ただいま・・・」
「おかえりなさい。遅かったわね。もうご飯だから着替えたらすぐいらっしゃい。」
「うん・・・」
母さんに生返事をしながら僕は自室に向かう。今日も母さんと二人か・・・
いつものことのはずなのに今日は気が重い。赤木先生に会ったからだろうか。
「違うな・・・」

僕はつぶやいていた。赤木先生に会ったからじゃない、
先生を見るのは初めてのことではないからだ。僕はあの日に思いを馳せる。
あれは母さんが退院してきて3日後のことだった。
父さんは退院の日こそ休んだが、次の日には仕事に行ってしまった。
まだ体力の戻りきっていない母さんの代わりに僕は家事をこなした。
その日も夕飯の買い物をして家に帰る途中だった。

我が家の前に見慣れない車が止まっていた。そこから降りたのは一組の男女だった。
そして二人はしばらく見詰め合うと抱き合って口付けを交わした。
その二人は間違いなく父さんと赤木先生だった。僕は反射的に物陰に隠れた。
僕は今見たものがとても信じられなくて、恐る恐るまた覗いてみた。
しかし次の瞬間僕はもっと信じられないものを目にした。
344素人:03/04/12 20:06 ID:???
父さんが笑っていたのだ。他人に笑いかけたことなど無い父さんが、
僕や、母さんに時々しか向けてくれない笑顔を他人の赤木先生に向けていたのだ。
心なしかその笑顔は僕らに向けるものよりやわらかく、優しい感じがした。
それで僕は二人の関係を悟ってしまった。これはただの不倫じゃないんだ、
父さんは赤木先生を心から愛している。僕にはそんな気がしてならなかった。

その後僕は30分ほどそこで時間をつぶし何食わぬ顔をして家に戻るしかなかった。
父さんは夕食を食べるとまた出て行ってしまった。行き先はわかっている。
仕事なんてうそだ。でもそんなことを口にすることはとてもできず、
僕は黙って父さんを見送った。
 そして事件が起こったのは、その夜だった。以来今日までそれは続いている。
たぶん今夜も。
345素人:03/04/12 20:09 ID:???
「あっ、あっ、いい、もっと激しく、そう、そう。ああっ!いい!!」
今夜も僕の下で母さんは喘ぐ。こんなことを僕と母さんはもう3年も続けている。
 母さんを抱いてる間は、僕は別人になる。そう、僕は碇真司ではない。
僕は母さんを抱きながら、今日読んだ20話のことを思い出していた。

 覚醒した初号機に取り込まれたシンジは、その中で亡き母の意識に触れる。
母の中に抱かれたシンジはネルフのみんなの呼びかける声にも耳を貸さず、
現実に帰ろうとしない。しかし、結局シンジは人の形を取り戻す。
 僕はどうしてシンジが現実に帰ってきたのかわからなかった。
そのことを薫君に尋ねると、彼はあいまいな笑顔を浮かべてこう答えた。
「それは、真司君が考えているとおりさ。」
彼のその笑顔に、僕はドキッとした。
 薫君には僕と母さんのことがわかっている。だから・・・

「うっ!」
僕は母さんの胎へ精を吐き出す。この先には僕がかつて抱かれていた子宮は無い。
にもかかわらず、僕はこう思わずにはいられない。

“僕をもう一度この胎に戻してください。そして僕をもう一度生みなおしてください。僕はもう一度あなたの胎に抱かれて全てをやり直してみたいのです。“ と。

行為が終わると、僕はシャワーへ向かう。2人とも一切口を利かず、目もあわせない。
部屋を出ると、母さんの啜り泣きが聞こえてくる。いつものことだ。
 僕は風呂場に着くと蛇口を全開にする。冷たい水を頭から浴びながら、激しく嘔吐する。
これもいつものことだ。今夜も・・・眠れない夜になるだろう。
3年も・・・3年・・・11歳ですか、そうですか・・・はぁ・・・

急にちとダークなのがきましたが以前にどんどん・・・と言ってたので
さほど抵抗もありませんでした。相変わらずおもしろいです。
続き、キボンヌ。
これは…(・∀・)イイ!!
348874:03/04/13 08:14 ID:???
暗い・・・ダークなんだな
でもおもしろい、がんばってくれ
ALさんの仮面少年を思い出してしまいました。
350名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/13 13:21 ID:IpNXgwnI
>>332はエンジェリックインパクトのパクリ。
いいなー、程よく暗くて俺は好き
いやホント水を差すようで申し訳ないんだが・・・>>350と全く同じ感想を持ってしまった。
353素人:03/04/13 18:51 ID:???
350,52の指摘は正しい。タイトルはそこからのいただきだし、真司×唯のからみもそのまんま。
真司のモノローグも。ただ、発想の原点はほかにあって、エヴァ世界と学園世界を
接続した世界観のものがあったらいいなあと前から思っていたのよ。
それでエンジェリックインパクトの話を思い出して、ここからイメージを膨らませて書いてみたんだ。

ただ、今、近親相姦ネタを出したがいいが、それをどう解決させるか、悩んでいる。
はっきり言って俺には重過ぎるネタだ。応援してくれる人が多いのはうれしいが、
完結できるかあやしくなってきた。そうなったらすまぬ。
354素人:03/04/13 18:53 ID:???
「なーにやってんだ。碇?」
僕はあわてて隠そうとしたが、それより速く加持先生がエジェクトボタンを押した。
ディスクをつまみ上げた加持先生はつぶやく。
「ねおん、じぇねしす・・・なんだこりゃ、小説か?」
「とにかく没収、放課後、職員室に来い。」
「は、はい。すいません・・・」

冬冶と健介は、あっちゃーという顔をしてる。二列となりの薫くんの方を見たが、
彼はいつものような無表情で黒板を見つめていた。


「お前、悪趣味なもん書いてんなあ。」
放課後、僕は職員室で加持先生にお説教されていた。
どうやら加持先生はディスクの中身を全部読んでしまったらしい。
「多感な少年時代の夢想ってやつかもしれんが、それにしても人が悪すぎるぜ、この話は。」
そんな加持先生の言葉に僕は面白くない気持ちを募らせていた。

355素人:03/04/13 18:54 ID:???
俺と葛城先生を恋仲にしたのは鋭いが、設定がいかんな。LCLなんて泥靴履いたまま肺に満たしてみろ。感染症であっという間に死んじまうぞ。」
「今度はもっとましな話を考えるんだな。」
そう言って加持先生は僕を解放した。

「薫君、加持先生、殺しちゃおうか。」
職員室を出ると薫君が待っててくれたので、一緒に帰ることにした。
僕らはよくこうやって帰り道すがら、小説のことを話し合っていた。
 もちろん本物の加持先生を殺すわけじゃない、小説の中の加持リョウジを殺すことにしたのだ。
 
「君も、やっとこの面白さがわかってきたようだね。」
薫君はそういって微笑んだ。
356素人:03/04/13 18:56 ID:???
次の日の昼休み、僕が弁当を食べていると、数人の男子が僕の周りに集まってきた。
「碇、お前の書いた小説読んだぜ。面白かったよ。」
僕は驚いた。小説のことは僕と薫君、冬冶と健介だけの秘密だったからだ。
内容が内容なだけにほかの人に見せるのが恥ずかしかったので、小説のことは僕ら4人しか知らないはずだった。なのにこれは・・・

「すまん!真司。」
僕の背後で冬冶の声がした。振り返ると、手を合わせて謝っている冬冶と健介がいた。
「悪い。真司。昨日取り上げられたディスク、ありゃ何だ、って話になってさ。つい、口が滑っちまったんだ。
 でも大丈夫。みんな面白いって言ってるし、笑うやつなんかいねえよ。中には金出しても読みたいってやついたぜ。」

「そや、こんな面白いもんをわしらだけで独占したら、バチがあたるっちゅうもんや。」
冬冶と健介に代わる代わる言われ、僕はただ驚くばかりだった。
「ま、そういうこった。みんなつづきを楽しみにしてる。できたら見せてくれよ。」
一人が僕の肩に手を置きながらそう言った。
「う、うん。」
僕はそう答えるのがやっとだった。
357素人:03/04/13 18:57 ID:???
それから数日僕は校内でちょっとした有名人になった。2−Aからうわさがどんどん広まってほかのクラスはもちろんのこと他学年にも読者を増やしていった。
 僕や薫君の席には連日のように人が押しかけ、それぞれがマシンガンのように質問してくる。
使徒って何?エヴァって何?人類補完計画って?中には俺を出せとか、こんな話はどう?とか内容に口を出してくる人もいた。
僕はそんな質問には答えられなかった。物語も後半に入り、話が入り組んで来ていたし、設定の根幹にかかわることは、薫君から何も知らされてなかったからだ。
だから僕はそのつど薫君に聞いてくれというのだが、そんなみんなを薫君はあのあいまいな笑顔でごまかしているらしかった。

ともあれ僕はうれしかった。生まれてこの方他人に認められたことがない自分がこんなに人の注目を集めているということに。今が永遠に続けばいいのに・・・
僕はそんなことを考えていた。
面白いけど、この展開だと痛い返しが来そうな予感。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルブル 
うわぁ・・・おもしろい・・・
面白いというよりは面白そうといっておこう。
この展開じゃ、いまに明日香や怜にばれると思うのだが・・・
そのときどうすんのか楽しみ
362素人:03/04/14 12:49 ID:???
「はあ、はあ、うっ!」
僕は、白く穢れた右手を見つめ、つぶやく。
「最低だ、俺って。」

僕は第22話を読んでいた。今日できたばかりだと薫君に渡されたものだ。
シンジに負けたことでシンクロ率を落としていたアスカは、最後のプライドをかけて、使徒に挑む。
しかし使徒の放つ精神攻撃が彼女の心に止めを刺した。過去のトラウマを暴かれ、苦しむアスカ。アスカを助けようと出撃を宣言するシンジ、だが、それはゲンドウによって止められる。
ゲンドウは槍を使えとレイに命じ、使徒はロンギヌスの槍によって殲滅される。
そしてシンジはアスカに慰めの言葉を持たなかった・・・

 この話を読んだとき、僕は異常に興奮した。体が異常に熱くなり、股間のモノがいきり立つ。
なぜ、こんなにも興奮するのか、僕にはわからなかった。でも僕はこの時初めてオナニーというものをした。
363素人:03/04/14 12:50 ID:???
 僕は今まで自慰というものをしたことが無い。知識としては知っていたが、僕にはやる必要が無かった。
なぜなら僕が初めて射精したのは、3年前、母さんの胎だったからだ。その後、3日と空けずに母さんと体を重ねている。
でもそれは快楽とは程遠いものだった。気持ちいいなんて一瞬でも思ったことは無い。ただひたすら気持ち悪かった。

 でも初めてのオナニーで、感じた感覚は、全身を突き抜ける恐ろしいまでの快感だった。
これがいわゆるイクというものなのだろうか。1回、2回、使徒に心を犯されるアスカを頭に浮かべて僕はひたすら、オナニーをした。

364素人:03/04/14 12:51 ID:???
「薫君、こんなの発表しちゃってだいじょうぶなの?」
「かまわないさ、これは彼らの見たがっているものだからね。」
薫君は涼しい顔をして言い切った。
「で、でも、これはちょっとやりすぎっていうか。本人が見たら怖いし、それにちょっとHくない?」
僕が恐る恐る言うと薫君はさも当然だという顔をしてこう言った。

「当たり前だよ。強姦だもの。」

僕はあっけにとられていた。
「そこ、惣流をやっちまうつもりで書いた。」
薫君は平然と言い放った。

「ああいう鼻っ柱の強い女は、一度ぶち込むとおとなしくなるって話だよ。
真司君も楽しめただろ?」
 薫君は続ける。

「面白いよね。人を思い通りに書けるのって。現実では何の悩みも無い学校一の美少女も、小説の中じゃトラウマもちの痛い女さ。
小説の中では僕らの手が神の手になるんだ。作るのも壊すのも思いのまま。
真司君ならこの楽しさわかるよね。」

薫君はそういって微笑んだ。

365素人:03/04/14 12:53 ID:???
案の定22話は発表されたとたん、大反響を巻き起こした。僕のところに表立って作品のことを聞きに来る人は少なくなったが、代わりに山のようなメールが届くようになった。
 その内容は“死ね“とか”殺すぞ!”とかいった過激なものから、”すごすぎ“とか”面白すぎる“とか肯定派の意見までバラエティに富んでいた。

 そして僕は今最も恐れていた事態に置かれている。
ばちん!

僕は明日香のびんたを食らってしりもちをついていた。
「何よこれは?!人を馬鹿にするにもほどがあるわ。今後一切こんなもの書かないで!」
そう言い放つと彼女は不機嫌そうに帰っていった。
「いてて・・・」
僕は頬をさすりながら考えた。
 やっぱりまずかったよなあ、校舎裏に呼び出されたときはちょっとうれしかったけどやっぱりこうなるよなあ。でもこれからどうしよう、小説・・・
366素人:03/04/14 12:54 ID:???
「やられたね。」
物陰から薫君が現れた。
 僕は彼を見上げて不機嫌に話す。
「何で僕が殴られなきゃなんないのさ。あの話を書いたのは薫君じゃないか。それに君も一緒に呼び出されたはずだろ、何で僕だけ・・・」
「ごめんよ真司君。」

不思議な人だ、彼の笑顔を見ていると怒りが急速に薄らいでいく。どうしてだろう。

「もうやめようよ。惣流さんのほかにも不愉快に思っている人は多いみたいだし、人を傷つけるようなことはやめたほうがいいと思う・・・」
僕はそう言った。実は話が大きくなりすぎていて、薫君がどう収拾つけるのかわからなくなっていたし、学校で評判になってしまって他人からちやほやされるのになれていない僕は怖さを感じ始めてもいたのだ。

「やめないよ。それでも読みたがる人間は大勢いる。何より僕がこれを完成させたいんだ。
真司君もそうだろ。」
 薫君は少し厳しい顔でそう言った。
僕はうなづくしかなかった。
「でも・・」
僕が言いかけると、

「かまわないさ。彼女が気に入らないというのなら、彼女には舞台から降りてもらおう。」

薫君はそう言った。


ウマー
「ふうっ。」
僕は散々苦労しながらも23話を書き上げた。これで僕が単独で書くところはすべて終わりだ。あとは薫君が24話を書き、その後は共同となる。
 僕の原稿はすぐさま冬冶と健介の手によって学校中に広まった。なんだかんだ言ってみんな続きが気になるらしい。
アスカの扱いは薫君の指示通りにしたけどこれからどうするんだろうか?気になる。
ちなみにこの後、綾波怜が僕をすごい顔で睨んでいた。

驚いたことに薫君は僕が23話の原稿を上げた翌日、もう24話を持ってきた。
そしてこの24話が恐ろしい事件を巻き起こすことになる。

 24話が公開された翌日、僕が登校すると、机の上に落書きがされていた。いわゆる相合傘マークに“いかりしんじ” “なぎさかおる” とひらがなで書かれ、おまけに

 “ああっ、かおるくん。きもちいいよ。”
 “しんじくん、ぼく、イキそうだよ。”

こんなせりふがご丁寧なイラスト入りで書かれていた。

それをみて呆然のしている僕をクラスメイトはこそこそ盗み見ていた。クスクスと笑いを押し殺している人もいる。僕は目の当たりにしたものが信じられなかった。
つい昨日まで僕らの机には人が押しかけ、雑談に花が咲いていたというのに・・・
 
「あ、あの・・・」
僕は隣の席の子に声をかける、この子は僕らの小説の熱心な読者で、最近僕が特に親しくしていた友達だった。
「さわんなよ。ホモ野郎。」

彼は僕を汚いものでも見るかのような目つきで見た。
僕は、耳がおかしくなったのかと思った。
「ど、どうして・・・」

僕が手を伸ばすと彼はその手を思いっきりはじいて、

「さわんなっつってんだろ!!」

と怒鳴った。僕ははじかれた手を押さえ、何も言えなかった。

そのとき教室のドアが開いて、薫君が入ってきた。薫君は僕のほうを見ようともせず、まっすぐ自分の席へ向かう。いつもなら声をかけるクラスメイトも、今日は誰も声をかけなかった。

 薫君は机の上を一瞥する。表情に変化は無いが、間違いなく彼の机にも落書きがあるはずだ。しかし薫君はいつものように椅子へと座った。
次の瞬間、わずかに表情をゆがめた薫君は立ち上がる。教室内の笑いをこらえる音が一段と大きくなる。薫君はお尻に手をやり、なにかをつまむと投げ捨てた。それがなにかを察した僕は、自分の椅子の上を見る。案の定、そこには画鋲が3本落ちていた。

「ほらー、チャイム鳴ったわよ。席に着きなさい。」
いつものように陽気な声で、美里先生が入ってきた。美里先生は教室内の不穏な空気を察したらしい。どうしたのかと訊く。生徒の一人が、なんでもないと答えたが、僕の様子がおかしいと気づいたのか僕のほうへ歩み寄ってきた。机の落書きを見るなり、美里先生は怒鳴った。

「なによこれ・・・だれがやったの!」

当然誰も答えるはずが無い。教室内がシンと静まり返る。美里先生はしばらく教室中を眺め回していたが、ため息をひとつついてこう言った。

「碇君、放課後職員室へいらっしゃい。渚君も。」

そう言うと先生は何事も無かったようにHRを始めた。

「大体のことは知っているわ。あなたたちの書いている小説、職員室で問題になっていたのよ。」

放課後僕らは職員室にいた。美里先生の話によると、僕らのことはかなり問題になっていたらしい。
小説の入ったディスクを高額で売りさばく生徒がいたり、僕らが書いたのよりもっとひどい内容の偽者が出回ったりしていたそうだ。もちろん僕らはそんなことはしていない。
先生もそれはわかっているみたいだった。
「あなたたちがそんなことをしたとは思ってないわ。そういう生徒にはすでに十分な指導をしたから。それより問題なのはあなたたち自身のことよ。」

 どうやら僕らは精神的に問題があるんじゃないかと思われているらしい。伊吹先生なんかは読むなり、僕らを病院に連れて行こうと強硬に主張したそうだ。
「わたしも大体のところは読んだわ。ほんとよくできてるわね。中学生の書いたものとは思えないわよ。でも最近の話は人が悪すぎだわ。普通の人間が考えることじゃない。」

「普通の人間ってなんですか?」
薫君の声がした。
「普通の人間の考えることってなんですか?僕らは普通の人間ではないのですか?」

「そんなことを言ってるんじゃないわ。悪ふざけはいい加減にやめなさいと言っているのよ。」
美里先生が少しむっとした声で答える。

「悪ふざけ?この小説がですか?僕らは真剣に書いています。それこそ自らの魂を削ってね。悪ふざけなどとは心外です。」
「ふざけないでよ。これを読んで何人の人間が傷ついてると思ってるの!」
ついに葛城先生は切れて僕らを怒鳴りつけた。

しかし薫君はそんな先生の迫力にも動じず、冷たい笑みを浮かべてこう言った。

「ほんとの姿だから?」
バチン!!

ものすごい音が響いて薫君が2,3歩あとずさる。
葛城先生が薫君を思いっきり殴ったのだ。ものすごい形相でその目には凄まじい憎悪と怒りが燃えていた。

「葛城。」
いつのまにか加持先生が来て美里先生の肩を抱いた。そして日向先生に目で合図をする。
美里先生は日向先生に連れられ職員室を出て行った。

「すまん、だいじょうぶか?渚。」
加持先生はまずそう謝った。薫君がゆっくり顔を上げる。口の端から血が垂れていた。
「ええ。」
薫君は無感情な声で答えた。
加持先生はティッシュを差し出しながらこう言った。

「渚、お前が何を知っているのかは聞かない。だが、葛城の言うとおり、この話を読んで傷ついたやつが大勢いるのは確かだ。他人の心に土足で踏み込むような真似はするな。
俺が言いたいのはそれだけだ。」

「わかりました。」
薫君はそれだけ言うと、きびすを返して職員室を出て行った。僕は加持先生の顔を見る。
先生は目線で僕にもう良いと言ったようだった。僕はぺこりと頭を下げると薫君の後を追いかけた。



372素人:03/04/15 00:19 ID:???
やべ、名無しでかきこんじまった。

薫君が当初の予定よりでしゃばりすぎてる。
誰か、彼を止めてくれ・・・
誰かって・・・止められるのはあんただけだろw
ここまで怒られたら当初のように非公開にすれば万事解決。
学園ものでカヲルがアイドルじゃないのって珍しいね
24話を読んでシンちゃんは何も感じなかったのだろうか…いいのか(w
25,26話はTV版なのかEOEなのか…
それとも両方か?
ついでに21-24話のビデオ版リメークもか?
ヤベェ面白い。
25、26話はまずテレビ版にする。
理由は先生に怒られた&みんなに不評だったから終わらせようと思ったから。
しかし、なんだかんだ言ってみんな続きが気になっていたので未解決の終わり方に
大ブーイングが起こる。
 そうしてみんなに望まれたから という大義名分をかかげEоEを書く

ってのはどうかな?
で、また大ブーイングを食らう、と。
心理学的なことや社会現象も交えて人間の在り様を
描いた斬新な作品だと擁護する派も現れる、と。
381素人:03/04/15 15:42 ID:???
僕は今日も主のいない窓際の空席を眺めていた。薫君が学校に来なくなって1週間がたっていた。何でなのか誰も知らない。僕もあまり知りたいと思わない。
 その僕はどうしているかというと、元の生活に戻ったような状態だった。誰とも口を利かず、干渉しあわない。
というより僕はクラス全員、学校全体から無視されていた。あの日職員室を出たあと、薫君を追いかけたが、彼はどこにもいなかった。その日は結局あきらめて家に帰った。
 
翌日は学校に行くのが怖くて仕方なかった。また昨日のようないやがらせが確実にあると思ったからだ。しかし僕はしぶしぶながら登校した。やはり家に母さんと2人でいるのは嫌だったのだろう。 
学校に着いて僕の心配はまったく杞憂に終わった。机に落書きも無かったし、椅子に画鋲も無かった。その代わり彼らは、僕の存在を徹底的に無視することにしたようだった。誰も口を利いてくれず、話し掛けても聞こえない振りをする。
冬冶と健介でさえ、目を合わせようともしなかった。

僕はものすごく悔しく、悲しい気持ちになってみっともなく泣き喚いたが誰も相手にしてくれなかった。 
うるさいとも言われない。あげく美里先生まで、
「騒がしくするなら、出て行きなさい。」
と、一蹴される始末だ。

382素人:03/04/15 15:43 ID:???
そんなことがあって、2,3日したら僕は悟ってしまっていた。
 そう、僕は彼らにとってどうでもいい人間なんだ。ちょっと面白いことができたから、一時的に彼らの興味を引いただけだ。飽きたら捨てられる。子供のおもちゃほどにも価値の無い人間なんだと。
そもそも実の母親からも父さんのいない寂しさを埋める道具としてしか扱われない僕なんかが、友達ができたと喜ぶこと自体、間違っていたんだと。
人を信じたっていつか裏切られる。捨てられる。

「シンジは正しかったんだな。」

そんな僕のつぶやきに耳を傾けるものは何も無い。


ピッ、ピッ

目の前の端末がメールの着信を知らせる。あの日以来メールも来なくなっていたが、
僕はさほど気を引かれなかった。どうせ学校が送ってくる連絡事項かなんかだろう。
しかし差出人の欄には“渚 薫”とあった。
僕はあわてて端末を操作する。僕のその様子に何人かが僕のほうを見たようだけれど、
まったく気にならなかった。
 メールの本文は何も無かった。その代わり2つの添付ファイルが添えられていた。
それぞれの題名は

 “第弐拾五話 終わる世界”
 “ 最終話 世界の中心でアイをさけんだケモノ”

となっていた。

383素人:03/04/15 15:44 ID:???
「402,402・・・渚、ここか。」
ようやく目的の住所を見つけた僕は呼び鈴を押す。

 その日の放課後、僕は薫君の家を訪れていた。薫君は僕の家に何度か遊びに来たことはあったが、僕が彼の家に行ったことは無かった。
僕が遊びに行きたいといっても薫君は首を縦に振らなかったし、家族の事を聞いても何も話してくれなかった。
その代わりといってはなんだが、僕は自分のことを彼によく話した。いや、彼にさせられたというべきか。それははまるで小説の中のシンジとカヲルのようだった。

 呼び鈴を押したが何の音もしなかった。続けて押してみるがやはり何も起こらない。もしやと思い、ノブに手をかける。
やはり鍵はかかっていなかった。僕は思い切って中に入る。そして僕は、驚くべき光景を目にすることになる。


 部屋の中は異常だった。パイプベッド、冷蔵庫、小さなチェスト、その上に何冊かの本と水の入ったビーカー、これは・・・この光景は・・・

「まるで、綾波の部屋だ・・・」

思わず僕はそんなせりふをつぶやいてしまった。そう、それは薫君が小説に書いた、綾波レイの部屋、そのものだった。

 僕はふと思い立って、バスルームを覗いてみた。でも誰もいなかった。僕は、なぜかおかしくなって大声で笑った。


384素人:03/04/15 15:47 ID:???
その後しばらく、薫君が帰ってくるかと思い、待っていたんだけど、彼は結局帰ってこなかった。待っている間、僕はずっと薫君のことを考えていた。
 彼はほんとにこんなところで生活しているのだろうか?レイは小説の中の人物だから良いけど、実際、こんな部屋で人間が暮らせるとは思えない。
薫君は何を思ってこんな部屋にしたんだろうか、いや、そういえば家族はどうしたんだ?名簿の保護者の欄が空白になっていたけど、保護者のいない子供が学校に通えるわけないし・・・案外、薫君ってホントに使徒なのかもしれない・・・
 そんな埒のあかないことを考えながら僕はふと気づいた。

“薫君自身のことをこんなに考えたことってあったっけ?”

考えてみれば僕らはいつも一緒にいた。休み時間も放課後も。こういうのが親友というものなのだと漠然と思っていた。
でも僕は彼がどんなことを考えているんだろうとか、考えたことが無かった気がする。いや、薫君の事だけじゃない、冬冶や健介のこともだ。

そんなことを考えながら僕は帰宅した。

385素人:03/04/15 15:48 ID:???
「ただいま。」
リビングに入ると、父さんと母さんが、ソファに向かい合って座っていた。
 僕はそのまま自室に上がろうとしたが、父さんに呼び止められた。

「真司、大事な話がある。ここへ来て座れ。」
僕は疲れてるから明日にしてと言おうとしたが、父さんの有無を言わせない視線を感じて言われたとおりにした。

「落ち着いて聞いてほしい、真司。わたしと唯は、別れることになった。離婚だ。」

僕は何がなんだかわからなかった。狼狽している僕にかまわず父さんは話を続ける。

「お前に黙って話を進めたことはすまないと思っている。だが、分かって欲しい。
もはやわたし達は夫婦としてやっていくことはできないのだ。2人で散々話し合って決めた結論だ。許してくれ。」

僕は最初のうちこそ驚いたが、父さんが言い終わるころには落ち着きを取り戻していた。
母さんは顔を伏せ、その表情はわからない。

「そうか、ほんとうにすまない。」

どうやら僕は無意識にうなづいていたらしい。後から思い返せばそのときの僕は、自分がどこにいるのかも何をしているのかも分かってなかったんだろうと思う。

「真司、私はこの家に残るが、唯は、3日後にはここを出る。わたしと唯、どちらと生活するかはお前の意志に任せる。もちろんわたし達はどちらが引き取ろうと、お前のことを最優先に考えていくつもりだ。ゆっくり考えてくれ。」

386素人:03/04/15 15:51 ID:???
「僕、この家に残るよ。」
僕ははっきりそう言った。

「い、いいのか?そんなに急いで結論を出さなくても良いんだぞ。」
父さんはすごく驚いたようだ。母さんはうつむいたままだった。
「うん、じゃあ僕疲れたから、もう寝るね。」
僕はそういって自室に引っ込んだ。

僕はベッドに寝転がり、暗い天井を見上げていた。なぜあんなに簡単に決められたのだろう。その場の勢いってわけでもない。
やはり僕は母さんを憎んでいたのだろうか?母さんとの行為は確かにいやでしょうがなかった。けど、僕がなにかをすることで母さんが少しでも楽になるなら、と思って僕は母さんを抱いていたのだ。憎かったのはむしろ父さんのほうだ。
母さんを苦しめる父さんに殺意を抱いたのも一度や二度ではない。それなのにどうして僕は、父さんのもとに残ることにしたんだろう?

「母に、さようなら、か。薫君、君にはこのことが分かっていたの?」

もちろん、この問いには、誰も答えてくれなかった。


 翌日、薫君が転校したと知らされた。クラスのみんなは、誰も気にしていない様子だった。帰りに彼のマンションに行ってみたが、402号室には鍵がかかっていた。

 そして3日後、母さんが家を出て行った。別れはあっさりしたもので、最後に母さんは僕の手を握って会いたくなったらいつでも来てと言うと、タクシーに乗って去っていった。



このスレって何?ちょっとでも「面白い」以外の批評したら即叩かれるわけ?
別に作者がそれを望んでるならいいけど、作者の為にならないと思う。
>>387
ではお前が批評したらどうだ。
>387
なぜだか知らんがここまでは、否定的な感想は余りにも頭の悪い意見が多かったから、その結果。
>>319なんて典型だな。
自分が面白いと思ったものが否定されたら、そりゃ頭に来るよ。
ムキになって過剰反応もするのも道理。
>>389なんて、たぶん凄いよ。頭の固さが。
下らない煽り厨が来てるなぁ・・・
荒れるとイヤなので、以下は無視でよろしく。
職人さん、気にせず頑張ってください。
389=391
わかりやすい。
>>252-255>>259>>260
あたりでもあった話だね
まあ要するに
叩きすぎて続き書くのやめられたら困るなぁ
くらいの感覚だ
その批評が正鵠を射ているかどうかは関係ないんでしょ
>>319 は確かにきちんと読んで理解もしてないただの馬鹿だったわけだが
感想書いてと作者自身もいってるわけだし愛ある批判はいいのではないかと思うぞ。

ようするに『愛だよ、愛』


・・・・・なに言ってんだ、俺。 頭どうにかなったかな、スマソ
批評するなら完結してからだな。
396素人:03/04/15 22:13 ID:???
これで最後。
愛ある批評よろすく。
397素人:03/04/15 22:14 ID:???
「じゃあな、碇。」
「うん、また明日。」
あれから1年が経っていた。僕も受験生となり、忙しい日々をすごしていた。
「真司。帰りにゲーセンよらへんか?」
「ごめん、今日は塾の日なんだ。」
「ほうか。ほならまた今度な。」

今では、僕にも普通の友だちができた。あのクラス全員からの無視も夏休みが終わってからは、ぱたりと無くなった。冬冶や健介ともなんとなく仲直りして今に続いてる。
 そうそう、父さんとも結構うまくやってる。このあいだ赤木先生と一緒に食事に行った。2人とも何も言わなかったけど、きっとそのうち結婚のことを切り出してくるに違いない。

「こら!そこの三ばかトリオ!そうじサボるんじゃないわよ!」
僕らの後ろに、ほうきを肩に担いだ惣流明日香が立っていた。その後ろには学級委員長の洞木光もいる。
「なんや、惣流、わしはちゃうで。」
冬冶は反論するがその耳を思いっきり引っ張られた。
「いててて!なにすんねん。いいんちょ!」
「鈴原、あんたは週番でしょ。さっさと帰ろうとしてんじゃないわよ!」
「わー!かんにんや、いいんちょ!」

僕らは今、三ばかトリオって呼ばれてる。最初、誰が呼び出したのか、わからない。洞木さんも今じゃ“いいんちょ”って呼び名がすっかり定着した。
そういえば律子さんが中学生ぐらいの患者に“赤木博士”って呼ばれたって言ってたなあ。
 こんな光景が、薫君が描いた“補完された世界”なんだろうか?僕は1年前に読んだ最終話を思い返していた。


398素人:03/04/15 22:15 ID:???
今日も塾を終えた僕は帰宅する。家に明かりは灯っていない。父さんはまだ帰っていないようだ。鍵を差し込もうとすると郵便受けに1通の封書が届いていた。
 明かりをつけて宛名を見る。僕宛で差出人はなんと、薫君だった。僕は震える指先で封を破った。


親愛なる碇真司君へ

 真司君、久しぶりだね。突然こんな手紙を送りつけて申し訳ないと思ってるよ。でもどうしても君に話したいことがあったんだ。
もしよかったら聞いて欲しい。でも聞きたくなければこのまま破り捨ててくれていい。たぶんこれから話すことは君の心をひどく傷つけることだろうから。


 君の最近の生活を僕は大体知っている。成績も上がり、友達もたくさんできて、充実した学園生活を送っているようだね。
でも君にはいまひとつ煮え切らない感情が、心の奥に渦巻いているはずだ。それがなんなのか僕は知っている。そしてそれを消し去る方法も・・・

 どうだろう?僕は間違っているだろうか?でも僕はそうであると確信している。この手紙がそのもやもやを解決するきっかけになれば僕はとてもうれしい。


 君はうすうす感づいていたかもしれないが、君とお母さんのことは知っていた。なぜ君がそんなことをしていたかも。
不器用な君はああいう形でしかお母さんを慰めることができなかったんだろう。不器用だけど優しすぎる君らしいと僕は思う。
そんなこと君に分かる筈無いというかもしれない。でも僕には分かるのさ。なぜなら僕の両親も君らと同じ罪を犯した人間だから。
僕の髪と目の色はその罪の証。そう、僕は母親とその実の息子との間に生まれた忌むべき存在なのさ。
 
399素人:03/04/15 22:17 ID:???
 話がずれてしまったね。おそらく君はいま自分が幸せだと思い込んでいるのだろう。それこそ僕が描いた最終話の碇シンジのように。
あの最終2話は僕が君だけに向けたメッセージさ。思えば「新世紀エヴァンゲリオン」という作品は僕らの心の隙間を埋めるために作り上げたものだったよね。
僕らは心におなじような空洞を抱えていた。それをお互いで埋めあおうとしたんだ。そしてそれはついにかなわなかった。
君に送った最終2話はそれに対する僕の答えさ。君にどれほど伝わったかはわからないけれど。

 真司君、だから君も、この小説を完成させてくれ。そのとき、初めてこの「新世紀エヴァンゲリオン」は完結するんだ。
そうすれば今の君の気持ちにも決着がつくと思う。僕が言えるのはこれだけだ。


 ぶしつけな手紙でごめんね。最後に心からこの言葉を贈ります。

“ありがとう、君に会えて、うれしかったよ。”

P.S.
  “彼女”にも決着をつけさせてやって欲しい。


         2016.7.12

              渚 薫


その日から1週間僕は学校を休んだ。


 
400素人:03/04/15 22:18 ID:???
1週間後の早朝、僕は校舎裏で“彼女”を待っていた。

「なんなのよ、こんな朝早くに呼び出して。おまけにあんた1週間も休んで、何やってたのよ。」
「朝早くごめん、どうしても受け取ってもらいたいものがあってさ。」
僕は彼女に一枚のディスクを差し出した。
「なによこれ?じ、えんど、おぶ・・・」
フロントカードには几帳面な文字で、
 “THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に”
と書かれていた。

「エヴァ完結編さ。一年以上かかっちゃったけどこれで無事完成だよ。」
「あんたバカぁ!こんなのもう誰も覚えてないわよ。」
そう言って彼女は、はっとした様子で恥ずかしげにうつむく。
「明日香に、一番に読んで欲しかったんだ。」
そのとき僕は初めて惣流明日香を呼び捨てにした。なぜならこれは決別なのだから・・・
「読みたくなかったら、捨てちゃって良いから。」
そういって僕はそこから走り去った。

「ほーんと、僕ってつくづく自分勝手なやつだよなあ。」
小説の彼女と現実の彼女は違うのに・・・でも、
「薫君、君の言ったとおりだった。決着、ついたよ。」
蝉の声が響き始めていた。僕は空を見上げる。彼も今、この青空を見上げているのだろうか?

 もう一人の僕は、もういない。

僕は、碇 真司だ。


〜もう一人の僕のこと〜 終劇


明日香とのエピが唐突。
薫にEOEを送り返すというなら話はわかる。

でも、明日香に渡すってどういう気持ちからだったのかよくわからない。
明日香にしてみれば朝早く呼び出されてディスクもらったあげく
書かれているのは復活こそすれ、負けてズタズタにされたあげくシンジに首締められて
いるんだが。こんなの見せられてどうすんのよ。

真司はこれで過去の自分と決別したのはいいんだが真司がそれを明日香にも求めるのは
お門違いだと思うのだがいかがでしょう?

・・・といいつつおもしろかったよ、それなりに綺麗なエピローグでしたし。
ただ、俺は無意味に蛇足な後日談とかが好きなのでそれがあってもいいとも思う。
>>401
俺もそう思うが、明日香との絡みが入るとこの話の雰囲気が
壊れてしまう気がしないでもない
あー、これで明日香とラブラブな後日談があったらいいかも。
あの話を明日香が冒頭のオナーニシーンを乗り越えて最後まで読むとは思えんけど。
しかし明日香にEOEを読ませるっていうのは・・・・・・・・・・
イヤ、EOEじゃないのかもしれんけどさ
>>404
俺はLAS人だがそれはいらないと思う>ラブラブな後日談

407404:03/04/15 22:47 ID:???
あ、EOEだよな
じゃあますますシンジの意図が不明だよ。
405だw
eoeを明日香に送るという形をラストに持ってきたいんなら
明日香と真司の間によほど確執があるってことを書かなきゃ話として唐突すぎる
でも二人ともそれなりに仲良さそうなんだよね・・・
全体としては面白いけれど画竜点睛を欠くって感じ

なにはともあれお疲れ様でした
401-409 を総合すると優、良、可、不可でいうと『良』って所?
優にならなかったのはやっぱりラストのエピローグの唐突さかな。

にしても全体的には高評価ですな。
正直な話パクリというのはポイント低い
しかもセリフやシーンごと引用したり露骨すぎるよ、。
俺も、ラストシーンを唐突に感じた。
それまでに真司と明日香についての描写はほとんどなかったから、
二人の関係や心理がイマイチ読み取れなかった。
話としても、どうしてこれをラストにしたのか、
が俺にはチョト判らなかったYO。
蛇足でもいいから後日談とか、
もうこの際、作者による作品解説でもいいからやって欲しい。

とりあえず、お疲れ様でした。
面白かったので、新作とかにも期待したい。
413素人:03/04/15 23:47 ID:???
真司が明日香にEOEを送ったのには意味なんか無いです。
ただ今まで幻想に逃げていた真司が現実を見れるようになった。
それを見せたかっただけ。だから誰に見せてもいいし、誰でもよかったの。
あえて言えば、薫が言ったから。あんまり深く考えるな。

次回作期待ってひとがいるな。うれしいっす。
また書きたくなったら書くかも。
最後に応援ありがとうございました。
414名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/16 00:03 ID:2Uql9Wcg
おう。おもろかったっす。パクリだかオマージュだか有るみたいだが
漏れが面白かったので他は黙れ。

あー。「他に無い」レベルはゲージリミットキテルと思ったが如何か。
てか、自サイトならともかく、あえてココで展開するんだから、
引用剽窃等、作者読者双方「解ってるよ」が通じないかしらん。

まぁ、「優」++
エピローグも
>だから誰に見せてもいいし、誰でもよかったの。
で落ち着く。


ふむ。あんたのなら次回作読みたい。もっともっと文章絞れる筈。
エヴァじゃなくエヴァFF界でのデフォ設定など最早描写するに非ず。
ついて来れない木っ端など捨て置け。
あああ。アゲちまった。すまん
俺としては、真司が明日香にEOEを読ませた理由より、明日香側の事情とか心情が読めなかった。
「“彼女”にも決着をつけさせてやって欲しい」
と薫は書いたわけだけど、EOEを読む事が明日香にとってどう決着になるのだろう?
明日香は真司に何かしらの感情を抱いてたのか?
裏設定とかでもいいんで、解説してくれると今夜ぐっすりと眠れます。

ともあれ乙。
あーもしかして、"彼女"の決着てのはあくまで作中のアスカの事なのか。
だと思ってたがそれでもツッコミどころは有るよな。
>418
というと?
なんか、俺は自己完結してしまった。
正直、おもしろかったです。
あたしはバカなので批評とかかけませんが…。
頑張ってください。
>あたしはバカなので批評とかかけませんが…。

気にすんな!
俺も含めてほとんどのヤツは、批評めいた感想は書けても批評は書けないから。
批評スレですらそうだし。

ところで、今回俺的に何よりスゲェと感じたのは、
パターンとして他に無いっていう意味でのオリジナリティ(>>414に同感)と、
それと関連して学園エヴァと本編の繋げ方の見事さでございました。
パターン化したのでも上手いFFは安心して読めるし面白いけど、
それとはまた違った面白さでかなりヨカタ。
作品の空気が俺好みでした。なんだかんだで更新楽しみにしてた俺がいた。

乙です>素人氏
423874:03/04/16 16:35 ID:???
まずはお疲れ様
引用やなんやらあるらしいが、元ネタ見てない俺にとってはおもしろかった
また、暇なときにでも書いてくれ
この閉め方で、一番報われないのってシンジですね。
ようやく手に入れた平穏を棄てて、何を求めたんだろう。
それが読み取れないのは漏れが浅いんですかそうですか。
425山崎渉:03/04/17 11:30 ID:???
(^^)
え?ゲンジツにケエレヨ!!ってメッセージに則って解脱してウマーなんじゃなかったのか?
>426
解脱したら現実の世界にサヨウナラなのでは(w
ずっとROMってたんだけど・・・、良スレだな。
ここのSSなかなか面白いし、このままdat落ちさせるのも
もったいない気がする。で、ちょっと提案がある。
「2ちゃんから生まれたエヴァSS」みたいな形で
HP作って、このスレから生まれたSSを保存しておきたいんだが・・・。
個人的にってのもあるけど、ある意味このスレの発展にも繋がるんじゃないかな。
・・・どう思う??
429874:03/04/18 21:20 ID:???
>>428
いいんじゃないか?少なくとも俺は賛成だ
ところであなたがそのページを作るのか?
いいと思うけど、作家さん達の意見をできれば聞きたい。
てか1が逃げたあたりから読んでるけど、まさかここまで伸びるとはなー
432428:03/04/18 23:14 ID:???
>>429
うん、一応俺が作ってみたいなぁと。
感想・要望・誤字脱字その他諸々はこのスレに書いてもらうつもりだから、
BBSは設置しない予定。
スキルが無いんであまり手の込んだのは作れそうにないが・・・。
>>430
激しく秀同。
とりあえず作家さんのレスを待っておこうと思う。
433428:03/04/18 23:18 ID:???
>>432
あ、「禿同」ミスった・・・。スマソ。スルーしてくれ。
>>432
ひでどうキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
がんがれよ。
>428
禿しく良いと思う。
エヴァ版上の連載(?)SS はイイのが多いが、
いかんせん宣伝なんかしてるわけないし、探すのが大変だもんな。
みんな、スレ荒れて読めなくなるのがいやだから晒したりしないし。

埋もれた名作に光を当ててくれ…

でも、連載中スレ晒すのは勘弁な。
完結してるのはイイかもしれんが。
どくしょ☆にっきと俺をシンジと呼ぶな!スレのもお願い。
437素人:03/04/19 00:58 ID:???
俺はかまわんよ。こんな駄作でよければ。
ただ、この作品にはぱくりがあるので、HP上の公開となると、
問題アリかも。
公開する場合は、その旨注意したほうが良いかもしれない。
みんなはどう思うかな?注意書きつければいいかな?
438SSといくか:03/04/19 01:06 ID:???
このコテ使うのも随分と久しぶり。
別にいいよ。誤字とかいっぱいあるけど。
今書いてるのは、すまん、時間が無くてしばらく放置。
439428:03/04/19 01:29 ID:???
>>435
「このスレから生まれたSS」だけじゃなくて、「エヴァ板から生まれたSS」
にした方がいいって事?
・・・それはちょっちしんどいんで、
とりあえず「今は」このスレで生まれたSSだけを転載したいんだけど・・・。
スマソ。
ってか、このスレのSS全部載せるには作者全員からのレス待つ必要があるわけで。
・・・かなり時間がかかりそうな罠。
440428:03/04/19 01:31 ID:???
>>436
スマソ。今はこのスレのSSだけを転載したいんで・・・。
完成して落ち着いたら他スレのSSも載せていきたいなぁと。
441428:03/04/19 01:38 ID:???
>>437
サンクス。う〜ん、個人的には問題無いと思うけど・・・
一応注意書き付けておきます。新作、期待してます。
>>438
サンクス。誤字・脱字は指摘があればこっちで直していこうかなぁと。
新作、期待してます。
>441
仮に誤字修正としても改変するのは、それこそ著作権法違反と思われ。
あくまで保存と割り切って、忠実にしておいた方が作業の負担も
少ないし、問題もないでしょう。
443874:03/04/19 13:01 ID:???
>428
全作者の承認を得るってことは1のも得ねばならんてことか?
もしかしたら名前変えてきてるかもしれんが、正直難しいと思う

承認を得るのが難しい場合はとりあえず載せて、問題があれば書き込みなりメールなりしてもらうというのはどうか?
>428
なるほど。漏れの早とちりだった。スマソ。
たしかに、まずはこのスレだけでも十分か。
最初っから大風呂敷広げるのも、アレだしな。
どうも、276から書いた者です
なんだか話が大きくなってますね
僕も構いませんので、428さんがんばってください
446428:03/04/19 21:24 ID:???
>>442
アドバイスサンクス。誤字脱字修正はやめときまつ。
>>443
1のSSは完結してないから載せない、かな。メアド載せるのはキツいから
問題があればこのスレに書き込んでもらうようにしようかな、と。
447428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/19 21:34 ID:???
>>444
うん、まぁしばらく様子見て需要がありそうだったら
他のSSスレにも進出したいとは思ってるわけで。
>>445
転載許可サンクス。あんたの作品個人的に好きなんで。
新作期待してます。
448874:03/04/19 21:50 ID:???
>428
トリップつけたんだな
ま、がんばってくれ。垢とか必要なら用意するし、俺に出来ることなら協力させてほしい
449428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/19 23:09 ID:???
ふぅ・・・。とりあえず完成。
ttp://yusukem9.hp.infoseek.co.jp/
どうかな?一応このスレで出た意見を参考にしてみた。
スキルが無いんでこの程度しか無理だったんだけど・・・。
とりあえずTOPページの表記やレイアウトに問題があったら
指摘して欲しい。
450山崎渉:03/04/20 00:13 ID:???
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
>>428
いい。あっさり目のがわかり易い。んで望むはさらなる拡張。
個人的には、もう板から去った作家の作品にまで著作犬云々で遠慮するこた無いとおもうけど。
他の香具師らも、自分的名作板連載作とか.zipで送りつけようよ。
エンジェリック・インパクト 04収録の
たまはらたかぽん作 「もう1人の僕のこと…」のパクリか?
>>428
おつかれー
改めて読み返してみたが、やっぱりどれもイイ!!な。
454442:03/04/21 00:21 ID:???
>428
ぐっじょぶ!お疲れーー

>451
漏れもそうは思うけど、何かあったらサイト管理者である428が
いろいろ言われるわけで、それはチト忍びない。
そもそもリスクを辞さないなら、自分がやるべきでは?
455428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/21 00:55 ID:???
>>451,454
拡張、か・・・。とりあえずこの状態でもうちょっと様子見る事にする。
正直このスレの発展云々もあるけど、
結局「埋もれた良作エヴァSSを保存したい」っていう
個人的な理由で作ったからな。
他の良作っぽいエヴァSS読めるなら拡張もしていこうかな、と。
428氏お疲れさま。
これで保存場所も出来たことだし、そろそろ新たな作品の降臨とか期待したいなぁ。
428乙かれ
レイアウトについてなんだけど、フレームが邪魔で
麦人の作品、横スクロールしないといけないんだよね。
>>457にも関係するが、<pre>だけはやめて欲しい。

全部の改行を<br>で置換してくれるだけでも随分違う。
459ふりーふぉーる:03/04/21 22:01 ID:???
揺籃の夏

 それは、蒸せ返るほど暑い、夏の一日。

 視界に映る景色は白く・白く。
 人気の絶えた駅のプラットホームが奇妙に輝いて見えた。

 耳に轟く列車の音。
 ごぉぉぉ ごぉぉぉ と。
 まるで世界が壊れるときのような音を立てて迫ってくる。

 目の前には彼女の小さな背中。
 白銀のショート・カットが陽光を反射していた。

 彼は、そうすることがまるで義務であるかのように、彼女の背中に手を伸ばす。

 指先が触れる。

 力を込める。

 ――突き飛ばす。

 華奢な身体はただそれだけで線路に堕ちて、

 直後に列車が眼前を通過した。


 ――それはもう一年前、彼と彼女が十三歳の夏。
 彼が彼の妹を殺した、一夏の光景。
460ふりーふぉーる:03/04/21 22:02 ID:???
――ジ!! ――――この馬―――早――――起き―――

「――――――!!!」

 目覚めは、いつものように最悪だった。
 白いプラットホームから見慣れた天井へ。
 ――彼女を殺したその瞬間から、ありふれた日常へ。
 劇的な世界の変遷は、いつも気分を悪くさせる。

 彼は、目の前の光景をたしかめるために、すぅ……と目を凝らす。
 けれど、目に映るのはあくまで見慣れた自室の天井であって、それ以外の何物でもなかった。
 そう、世界は常に確固としていて、彼の想いなど素知らぬ顔で回り続けている。
 けれど、彼は覚えている。
 あのとき手に触れた彼女の背中を。
 突き飛ばした感触を。
 その手で殺した同い年の妹、その顔と名前を。
 忘れたい。忘れたくない。忘れなければならない。忘れてはならない。
 自分はどうすればいい?
 たしかなことは一つだけ。
 世界がどうあろうと――自分がどうあろうと。
 彼が彼女を殺した事実だけは、誰も変えられない。

「寝ぼけるのもいい加減にしなさいよ、この馬鹿シンジ!」

 忌々しげにため息をつこうとした、まさにその瞬間、鼓膜をつんざくような声を浴びせかけられて、彼は我に返った。
 上半身を起こして、視線を横にずらす。
 腕組みをして胸を反らした赤毛の少女が、彼のベッドの傍らに仁王立ちしている。
461ふりーふぉーる:03/04/21 22:07 ID:???
「――やあ、アスカ」

 彼、碇シンジは毎朝お決まりの第一声を発する。
 
 彼は朝に弱い――少なくとも幼馴染はそう信じていたし、彼の両親もそれに同意している。
 実際のところ、彼は特に低血圧というわけではなく、むしろ寝起きはいい方だった。
 寝起きだろうが真昼間だろうが就寝前だろうが、彼のテンションは常に一定だ。
 律儀なメトロノームのように、彼の肉体は一定のリズムを保ち続け、崩れることはない。
 ただ、目が覚めた直後は――真夏のあの日からこの現実に引き戻された直後は、本性を隠し切ることが出来ない。
 ただそれだけのことだ。

「まったく、本当に朝に弱いんだから。この美人で慈悲深い幼馴染に、感謝の一つも覚えないの?」

 幼馴染――惣流・アスカ・ラングレーという名のその少女は、腰に手を当ててますます胸を反らす。

「――うん、感謝はしているよ。ありがとう、アスカ」

 そう、感謝はしている。間違いなく。電池を入れ替える必要がない目覚ましというのは、世に貴重だ。
 ただ、一面で恨めしくもある――毎日毎日、この世界へと自分を引き戻す、この幼馴染の声が。
462ふりーふぉーる:03/04/21 22:07 ID:???
「…………」

 軽く頭を振って、思考を切り替える。
 大丈夫。大丈夫。
 さあ。今日もまた、正気を演じよう。

 視線を転じて、幼馴染の顔を見る。
 日独クォーター、その真紅の髪と蒼い瞳に母方の血をまざまざと映す幼馴染は、まじまじと彼の顔を見詰めていた。
 彼が素直に謝意を表したことが、よほど意表をついたらしい。

「――あのさ」

 彼はどうでもいいことのように――実際どうでもよかったのだが――口を開いた。

「着替え、したいんだけど」
「…………!!」

 幼馴染は、今更その当たり前の行為に思い至ったように、愕然としたようだった。
 彼は心底気だるげに、白々しく言葉を続けた。

「もしかして見たいの?」
「…………!!!」

 返答は、スナップの利いた平手打ちだった。
>>462
見たいです。
464428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/22 01:13 ID:???
>>457
指摘サンクス。とりあえず前より読みやすいようにしてみたんだけど・・・
どうかな?
>>458
サンクス。<pre>を<br>に変更してみた。
465428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/22 01:16 ID:???
>>462
お、作者降臨。続きがかなり気になる。完結したら
ttp://yusukem9.hp.infoseek.co.jp/に載せていいかな
466458:03/04/22 11:46 ID:???
>>428

いや、各作品をhtml化して<br>にしたら…という意味だったんだが。
例えばPocketPCやPalmに持ち込むときとか、横スクロールの危険が無いし。
http://www.mita.keio.ac.jp/~fb014011/annexe/sswritetips.html

HTML を書き直すというのなら上記のサイトを参考にしていただけるとありがたいなぁ。
468ふりーふぉーる:03/04/23 02:19 ID:???
 彼女は彼の母の遠縁の娘だった。
 彼の家に引き取られてきた理由は覚えていない。
 実の両親が事故だか病気だかで他界した、と聞かされたのをぼんやりと記憶しているが、いずれにしろ今となってはどうでもいいことではある。
 はっきり覚えているのは、彼女が彼の妹になった日のこと。
 梅雨の明けたばかりの、初夏の一日だった。
 空はどこまでも青く、蝉の鳴き声がわずらわしい、そんな日。 

 ――今日からお前の妹になる。

 そう、父から紹介された彼女は、その真っ赤な瞳で彼をじぃ……と見つめていた。
 何を語ることもなく、表情を変えるでもなく。
 彼の心の奥底まで照らし出すかのように。
 ――世界が止まったような感覚があった。
 周囲の景色が急速に色褪せていく中で、彼女の瞳だけがただ彼を見つめていた。

 ――気がつくと、彼は彼女を抱き寄せていた。
 頬に触れる彼女の髪は陽光を反射して、どこか懐かしい匂いを感じた。
469ふりーふぉーる:03/04/23 02:20 ID:???
「……? ……ん………」

 抱きしめた腕の中で、彼女は驚いたように身じろぎする。
 それはまるで赤子がむずがるような仕草で、だからこそ彼は慌てて腕を解いた。

 間近でもう一度見た彼女の顔は、ほんのわずかに紅潮していた。
その透けるほど白い肌に浮かぶ鮮やかな朱色に眼を奪われながら、彼は口を開く。

 ――僕は、シンジ。

 君は? と尋ねると、彼女は少しだけ顔を伏せて、上目づかいに彼を見やった。

 ――レイ。綾波レイ。

 その日、そのとき。
 彼が彼女を記憶した日。
 彼と彼女は兄妹になった。
470ふりーふぉーる:03/04/23 02:24 ID:???
>>463
着替えのシーンも描写した方がよかったですか?(w

>>428
そりゃもう願ったりかなったりです。
完結に向けて気張って書かせていただきます。
頑張ってくれ!
まだなんとも言えないけど、期待してます。
>>467
イタタタタ
あくまで、こういう人もいるという程度で聞いてもらいたいんだが、
おれはテキストファイルだったことが嬉しかった。
474428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/04/23 20:13 ID:???
>>466
指摘サンクス。保管形式をhtmlに変えてみた。読みやすくなったかな?
>>470
サンクス。なかなかいい感じ。とりあえず完結したら保管させてもらいます。
>>473
違和感が無いようにテキストファイルライクに仕上げてみたんだが・・・。
475ふりーふぉーる:03/04/25 03:11 ID:???
 微妙に赤く腫れた頬に風が当たる。
 普通の人間なら、「ヒリヒリして痛い」とでもいうのだろう。
 痛覚の刺激を単なる情報として捉えるようになったのはいつだったか――
 まあ、それでも快いものではないのは変わらないが。
 彼はそんなことを思いながら、いつもの通学路を幼馴染とともに駆けていた。

「――今日も、転校生が来るんだってね」

 走りながら、彼はどうでもいいような話題を振る。

「まあね。この街も来年は遷都されて、新たな首都になるんだもの。これからも人は増えるわよ」

 幼馴染もまた、走るペースを落とすことなく即答する。
 その脚力と肺活量は見事なものだ、と彼はいつも思う。
476ふりーふぉーる:03/04/25 03:11 ID:???
「どんな人が来るのかな?」
「さあ? 嫌な奴でなければそれでいいわ」
「男か女か、どっちだと思う?」
「知るわけないでしょ。下らないこと気にするんじゃないわよ」

 まったくもってその通り。彼は内心で同意した。
 実際、転校生が来ようが来まいが、そしてそれがどんな人間であろうが、彼の知ったことではない。
 自分で馬鹿馬鹿しさを自覚できる話題を振るのは、彼にとっては最大限の譲歩だった。
 協調性、といってもいい。
 どういうわけか世の人間は、必要がない限りいつまでも黙っているよりも、下らないことに口を動かすことを尊ぶ傾向がある。
477ふりーふぉーる:03/04/25 03:15 ID:???
>>471
声援多謝。
ここ数日忙しくて、あんまり話は進んでませんが、明日か明後日にあるていどまで進めます。

>>428
よろしくお願いしますm(__)m
>>477
おお!新小説!期待してます。続きキボーン
479ふりーふぉーる:03/04/28 06:23 ID:???
 さて、次はお決まりの天気の話題でも振るべきだろうか――
 何とはなしに空を見上げながら彼がそう思った瞬間、「それ」は来た。

 世界から音が消えていた。
 頭上に煌々と輝く白い太陽。
 アスファルトの道路がその光を反射していた。
 いつの間にか車道には車もなく。
 すぐ側を走っていたはずの幼馴染みの姿も消えていた。
 どこかで鳥の羽ばたく音。
 何かの動物の鳴き声のようにも聞こえるその音に、彼は周囲を見渡す。
 一瞬。
 視界の端に、銀髪のきらめきを見たような気がした。
480ふりーふぉーる:03/04/28 06:25 ID:???
「ちょっとシンジ! なにぼさっとしてんのよ!!」

 聞きなれた怒声に鼓膜を貫かれて、彼は我に返った。
 いつの間にか彼は立ち止まっていて、赤毛の幼馴染みはそんな彼を怒りも露わに睨みつけている。

「時間、ヤバいのよ!! わかってるワケ!?」
 
 甲高く鋭い声が、彼を無理やりに世界に繋ぎとめる。
 彼はかろうじて微笑を作った。

「ああ……ごめん、アスカ」
「ごめんで済んだら警察はいらないわよ」

 使い古されたフレーズで罵ってから、彼女はふと、気遣うような表情になった。

「……本当に大丈夫なワケ? アンタ、一年前に逆戻りしたんじゃないでしょうね」

 悪態をつく中に、本気で彼を心配する響きがあった。
 彼は苦笑を浮かべる。

「――まさか。ちょっと疲れただけだよ」

 努めて何気なくそういうと、幼馴染みはすぐに安心したような、けれど怒ったような表情になる。

「情けないんだから。ちょっとは体力つけなさいよ。ほら、もう時間ない! ダッシュよ!!」
「はいはい」

 照れ隠しのつもりだろうか、先にも増したスピードで駆け始めた、その途端であった。
 ごがんっ、と音を立てて幼馴染みの姿が消えた。
 次いで、ばたばたっ、という音。
481ふりーふぉーる:03/04/28 06:26 ID:???
「…………」

 何が起こったかとっさに理解できず、彼は数メートルほどそのまま走ってからようやく足を止めた。
 怪訝な面持ちで振り返る。

「う〜〜〜〜〜〜〜〜……」
「あいたたた……」

 果たしてそこには、額を押さえてうずくまる幼馴染みと、尻餅をついたような格好で道路に倒れた見知らぬ少女の姿があった。

「………ああ、なるほど」

 理解するまでに数秒ほどのタイムラグを置いて、彼はどうにか事態を把握した。
 この道はちょうど交差点になっている。
 その横道から全速力で突っ走ってきたのであろう少女が、同じく全速力で突っ走っていた幼馴染みに衝突した、と、冷静に考えればさして理解に難くない現象が起こったわけだ。
 赤くなった額を抱えて唸っている幼馴染みはさて置いて、彼はとりあえず見知らぬ少女の方に歩み寄った。

「痛ぅぅぅぅ……」

 こげ茶色の髪をショートカットにした、なかなかに端整な顔立ちの少女だった。
 可愛い、という形容詞がよく似合う。
 服は、彼の幼馴染みと同じ、第壱中学の制服――とはいえ、顔に見覚えはない。
 もっとも、彼が顔を記憶している女子生徒など、片手の指で数えられる程度しかいないが。

「大丈夫?」

 と、彼は声をかける。
 本心をいえば、このまま幼馴染みごと放置して登校したところで心を痛めるものではないが、これも世間との付き合いというものだ。
 個人との付き合いならば多少の誤魔化しも利くが、「世間」との付き合いとなると、これもなかなかに面倒なものがある。
482ふりーふぉーる:03/04/28 06:27 ID:???
「ふぇ?」

 少女はきょとんとした顔で彼を見上げる。
 激突で頭が混乱していることもあるのだろうが、鈍いと評さざるを得ないその反応に、彼はわざらわしさを覚えつつも口を開く。

「――とりあえず、ソレ、どうにかしたら?」
「ソレ?」
「――スカート。めくれてる」

 どうでもいいことをいちいち指摘せねばならないことへの苛立ちをどうにか堪えて、彼はいう。
 少女のスカートは、彼女が尻餅気味に倒れていることもあって、結構ギリギリなところまでめくれあがっていた。

「!!!!」

 ようやく今の自分の姿勢に気づいたのか、少女は顔を真っ赤にしてスカートを直し、恨めしげにも見える視線で彼を見上げた。
 どうしてそこで自分が恨まれるのか、彼には正直理解に苦しむことではあったが。

「はい」

 彼は内心の不条理を丁重に押し殺して、少女に手を伸ばす。

「あ、ありがと……」

 少女はなおも顔を赤らめながらも、意外に素直に彼の手を取って立ち上がった。
 どういたしまして、と彼は口の中で呟く。

「そ、その、ゴメンねっ! 私、急いでたから……」

 いや、詫びる相手は僕じゃなくて、そこでうずくまってる赤毛の方――
 と、彼に指摘させる暇も与えず、少女は早口で語を継ぐ。
483ふりーふぉーる:03/04/28 06:28 ID:???
「本当、ゴメンねっ! い、急ぐから、また今度……っ!」

 今度といわれても、おそらくもう二度と会うことはあるまい。
 というか、会ったとしても、彼の方が少女の顔を覚えていないだろう。
 クラスメイトですら、その大半の名前と顔を覚えていない彼には、その確信があった。
 まあ、深い意味もなく適当に言ったことだろうし、こちらがそれについていちいち思い悩む義理などないが。
 急いでいたというのは本当らしく、起き上がるや即座に駆け足で去っていく少女の後姿を見送りながら、彼は肩をすくめた。
 と、その背後から、妙におどろおどろしい声がかけられる。

「……シ〜ン〜ジ〜」

 ……ああ、忘れてた。
 衝突事故の当事者のもう一方の人間の事を今更に思い出して、彼は振り返った。
 まるで幽鬼のような表情で、幼馴染みは額に手を当てながら立ち上がったところだった。

「この薄情者ぉぉぉぉ……真っ先に心優しい幼馴染みを心配するのが筋でしょぉぉぉぉぉ?」
「アスカが怪我をするくらいだったら、相手の方は意識不明になってるはずだよ」

 極めて冷静に彼は述べる。
 幼馴染みの体力と頑強さについて、彼は正当な評価をしているつもりだ。

「この……馬鹿シンジぃぃぃ!!」

 ――つくづく。
 世には不条理が満ちていると思う。
 この日二度目の平手打ちを受けながら、彼はそう思った。
484ふりーふぉーる:03/04/28 06:29 ID:???
>>478
応援ありがとうございます。
完結に向けて頑張ります。
485名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/01 16:37 ID:9YelAxIE
age
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/03 00:22 ID:ddN+TIkD
人少ないな・・・。ageとくか。
487名無し募集中。。。:03/05/03 13:53 ID:ZQjq6F3R
学園バンド物


僕には夢とか希望なんかない
14歳の今まで成るようになってきたし、これからもそうだろう。
だから、何かの事故とかで死んでしまっても別にかまわないと思っていた。
そんな事を作文に書いたら

「もっと真面目にやれ」

と先生に怒られた。
人事なんだから放って置いて呉れてもいいのにと思う
しかし先生も自分の評価が気になるからそんな事を言うのだろう
波風を立てるのもややこしいので大人しく「ハイハイ」と聞いて置いた

そんなことを考えていると一人の少年が側に来る

「なぁシンジちょっといいか??」

僕の数少ない友人の一人相田ケンスケだ

「え?うんいいよ。何?」

「俺とトウジと3人で学祭のステージ出ないか??」
488名無し募集中。。。:03/05/03 14:08 ID:???
>>487
続き

「えっ??どういう事??」

「俺さベース買ったんだ」

僕はなんとなくケンスケの言いたい事がわかった

「それで一緒にやろうって言うの??」

僕はケンスケの唐突さに閉口して
出そうになるため息を堪えて応えた

「ああ、トウジには言ってあるんだよ」

そうか・・・外堀はもう埋められてるんだ・・・・
そう僕は悟って具体的に聞き返した

「で、僕は何をすればいいの??」


すいません発作で書きました。
シンちゃんは両親がいて幸せに日々を送っていますが
幸せである事に慣れすぎて人生にダレを感じています・・・・

そんな今風の性格です・・・・
これからの話ですが綾波さんの性格は本編で行こうと思います
発作なので急に終了するかもしれませんあしからず。
489名無し募集中。。。:03/05/03 14:23 ID:???
>>488
続き

「おお。物分りが早いな」

ケンスケはにやりとメガネを反射させて不気味に笑って
僕らの友人の一人鈴原トウジに声をかける

「トウジ!!ちょっと来てくれよ。シンジにあのこと話してるんだよ」

そういうと「ほうか。」といって黒ジャージを着た少年がやって来る

それと一緒に割り込んでくる招かざる乱入者がいた
黙っていれば奇麗な令嬢と見紛うばかりの彼女なのだが
腰に手を当てて高圧的に話しかけるその様は
それなりの威圧感を相手に与える、

「ちょっと、3バカトリオ!!何隠れて相談してるのよ!!」

惣流アスカラングレーである
>>489
なんか、よく意味の分からない文章になってるよ。
もうちょっと簡単に書いてみれば?
文法的にはそんなヤバイ間違いは無いけど、段落や句読点にもうちょい気ぃつかってくれたらうれしい。

あと設定的にはスゴイ面白そう。がんがれ
492428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/05/04 01:27 ID:???
>>489
作者降臨!頑張れ〜〜。しかしこのスレも人減ったな・・・。

>>487
冒頭の6行どこかで読んだことがある気がする。
どこで読んだ文章だったかな、思い出せなくて気持ちが悪い⊃д`)
巣田由里子のハーフ&ハーフ、じゃないよなぁ・・・
>>493
貞本版だろ
495アルエ(BUMP OF CHICKEN):03/05/04 19:47 ID:???
今日も僕は彼女をぼっーと見ていた。
教室の窓際の一番後ろの席。
何も写さない無感動な瞳を手元の文庫本に向けている。
そして時たま外に目を向けて空を見ている。
彼女はいつも何を思っているのだろう?
そんなことを僕はずっと考えていた。

彼女が転校して来た時クラスの皆は
その神秘的で儚げな容姿に興味を覚えて積極的に話しかけていた。
でも・・・「・・・・ええ」とか「・・・・そう」
としか応えない彼女を気に留める人は段々居なくなった。

それでも委員長やトウジ、ケンスケは彼女がクラスに溶け込めるように世話を焼いてた。
僕もトウジ達一緒で彼女に心を開いて貰いたかった。
でも僕は人と話したりするのが得意じゃなかったし、
人と仲良くしないのも彼女の自由だと思って浅い誘いを掛ける程度の事しかしなかった。

しかし人には限度と言う者がある。
誰も自分の事が精一杯で他人の世話を焼いてなどいられない。
暫くすると余裕のあったトウジ達も彼女に関わるのを止めていた。

そんな事があってから暫く経つ。
僕は彼女の事が気になってぼ〜っと見ていたんだ。
彼女は普段は無表情だったんだけど有る時僕は気付いた。
時折目を伏せて寂しそうな顔をするんだ・・・
僕はそれを見て後ろから頭を殴られた様な気がした。
(誰も人に相手にされなくて平気な訳無いじゃないか)
彼女は皆が相手にしなくなった事をどう思っただろうか?
何このスレ?
板違いも程ほどにしてよね!
>>496
板違いというなら某サードインパ(ryスレの方が…
いやなんでもないよ
新たなる作者さんがんがれ
ふりーふぉーる氏、続きマッテマス
ていうかどこが板違いなのか判らんのだけど・・・。
まぁいいや。
作家さん達、頑張って下され。
このスレの盛り上がりはあなた方にかかってます。
ありきたりのネタで展開するドタバタ物、その上素人が書く
二流、三流、B級なエヴァ二次小説学園物いきまーーっす。
500499:03/05/12 07:26 ID:???
「きょうしつからみえる雲。
あのまっしろな雲にぼくのきもちを書いて
君にとどけたいよ アスカ 」

パサッ

軽い音をたて、行事の日程を記したプリントが机の上に落ちた。

「見ましたか、トウジさん?」
「ああ・・・、ワシはたしかに見たで・・・ケンスケさん」
「これはまた すごい詩だな・・・」
「センセのやつ・・・才能ないんやなぁ・・・・」
「・・・トウジ突っ込むとこがちがうぞ」

ガタン!

今度は後ろから重い音が響く。驚いた二人が振り向くとそこには、隣の机を倒し固まっている
詩の作者の姿があった。

・・・・・・・・・・・・・・

「うわぁああああああああああああああーーーーーーーー!!!!」

一瞬の沈黙の後襲った、碇シンジの絶叫は教室中に響き渡り、2−Aの生徒達の動きを5秒は停止させた。



501499:03/05/12 07:28 ID:???
昼休み。彼ら三人は机を寄せ合い、各々弁当をひろげている。
先ほどの詩の作者、碇シンジは自分手作りの弁当を、関西弁の少年とメガネの少年は、購買部で買った
パンと飲み物を。
シンジが弁当のふたを開けようとしていると、メガネの少年、相田ケンスケが気色悪いぐらいの満面の笑みで
シンジに顔を近づけた。
「なぁシンジ、ひとつ聞いていいか?」
シンジの動きがとまる
「な、なに?」
「別にむずかしい話やあらへん、ただちょ〜〜〜っとばかし興味があるんや」
関西弁の少年、鈴原トウジもケンスケとほぼ同時に顔を近づける。やはりその顔は好奇心のカタマリと化していた。
「だから、なんだよ!」
シンジは答えをおおかた予想しながら返事を返す。
「「惣流・アスカ・ラングレーの事!!」」
予想は当たったがまったくうれしくなかった。
502499:03/05/12 07:29 ID:???

「シンジ、悪い事は言わん。あの女だけはやめとけ」
「そうだ、トウジの言う通りだよ。あいつはたしかにめちゃくちゃ可愛いし、頭も良いし、スポーツだって万能。
おまえが惚れるのも無理ないと思うけど、あれは性格悪すぎるぞ」
ケンスケの言葉にトウジが大きくうなづく
「惚れたように思ってるのも気の迷いや。一回冷静に考えてみぃ、熱も少しは冷めるやろ」
「・・・・わかってるさ、僕なんて相手にされないくらい。ろくに話したこともないし、ただのクラスメイトだと思ってるだろうし、
もう諦めたんだからほっといてよ」
うつむきながらポツリとつぶやいたシンジに、別にそんなこと言ってないだろっと二人は思った。
「たしかに惣流さんは高飛車で、わがままで、悪いところはいっぱいあると思うよ。・・・でもあいつ、
時々フッとさびしそうな顔するんだ・・・」
さびしそう?トウジとケンスケは頭を悩ます、なぜならアスカのまわりにはいつも人がいた、しかも大勢。
まちがいなく2−A、いや第壱中学校のアイドル的存在だ。
洞木ヒカリという親友もいる、それでも彼女はさびしいと言えるのだろうか?
「惣流さんに友達がいないって意味じゃないよ?たださ、なんってゆうかその・・・ごめん、うまく説明できない」
トウジとケンスケは顔を見合わせる。無言でアイコンタクト。

ケンスケ、これは重症やぞ

碇のやつナイーブだから、振られるならまだ早いほうがいい

こいつらテレパシーでも使えるのか?二人はうなづき合うとシンジにひとつの提案をもちかける。



503499:03/05/12 07:34 ID:???
「惣流さんッ・・・!あの・・・僕と付き会ってください!」
放課後、校舎の裏。
勢いよく腰を90度の角度まで曲げ、頭を下げる男がひとり──
「あんた、バカぁ?」
無惨に散った。

泣きながら走り去る男子を、無言で見送る三人。
「いいか?シンジ。今の奴の失敗は忘れろ自分のことだけ考えるんだ」
草むらに隠れ、軍用双眼鏡を覗きこみながらケンスケはシンジに声をかける
・・・・・・・・
「おい、トウジ。碇はどうした?」
「なんや?さっきまでそこに・・・・」
504499:03/05/12 07:34 ID:???
10分後
「往生際が悪いぞ、碇!」
「センセ!おまえも男やろ!それでもマタンキついとんのか!」
草むらの影からトウジとケンスケに引きずられるようにして再び現れたシンジの姿は、
お世辞にも告白しようとしてる男には見えなかった。
「わかったから!もう逃げないから放してよぉ!」
トウジとケンスケは、同時に手を放す。
ドサッっという音をたて、シンジは地面に体をうちつけた。
そんな彼を見て、トウジ達はため息をついた。
「しっかりせぇや、センセぇ。おまえも告白するって言ったやろうが」
「碇が逃げてる間に、惣流のやつ帰っちゃったよ」
二人の叱責をよそにそこらに生えてる花を使い、今度は花占いをはじめるシンジ。
目が真剣でこわい、小さな声で念仏のように「逃げちゃ駄目だ」を繰り返している。
「ちゃ・ん・とぉ〜〜・・・聞いとんのかぁ!?ワレぇ〜!!」
ついにトウジがキレた。
「まぁ落ち着けって、トウジ」
飛びかかりそうなトウジを冷静に羽交い絞めにしてとめるケンスケ。
シンジも驚いた様子もなく、ちゃんと聞いてるよっと返す。
彼らの中ではよくあることらしい。
505499:03/05/12 07:39 ID:???

トウジの興奮もだいぶおさまったころ、すくっと立ち上がるシンジ。
「行くのか?シンジ」
ケンスケの問いかけに、なにかを吹っ切ったようなシンジはコクッとうなずく。
首をあげ、正面を向く。夕日に照らされたその顔にはさっきとは違う、男の表情があった。
「男見せたれ!シンジ!」
「まかせて!」
親指を立て、さわやかな笑顔をみせると、二人の声援を背に全力で走り出す。
男 、碇 シンジ14歳。

「イケると思うか?ケンスケ」
「たぶん無理だね」

メガネの位置を人差し指で直しながらケンスケは言う。これは試練だと、失恋こそが男の通過点だと。
そう、俺のようにりっぱに振られてこいよ・・・・シンジ。
なにも振られたの先ほどの男子だけではなかったようだ。

                                                        つづく

506499:03/05/12 08:00 ID:???
終了ーー!え〜初めて書きました、この先さらにバカバカしくなっていくんで
あまり期待しないで待っててください。
おお!新たな作家さん降臨だ。
俺は別に、バカバカしくてもベタベタでもいいんで。
頑張って下され。
続き待ってます。
あんま面白くないけどガンバレ!
428、他のエヴァ小説サイトに相互リンクを申し込んでみてよ。
509428 ◆dEVA02ZpZ2 :03/05/13 00:39 ID:???
>>429
作者降臨〜。ガンバレ!
>>508
まだSSの数が少ないから、とりあえずもうちょい増えたら考えてみる、と。
そろそろ他のスレにも出張してみようかな・・・でも色々面倒だよな・・・。
あまり手を広げて面倒になると、気力が尽きるので止めた方がいいと思う。
他の2ちゃんのスレに出張するのはやめとけ。叩かれるだけだから。
せっかくHPまで用意したのに、すっかり寂れちゃったな・・・
>512
半年かけてレスが500に到達したばかりじゃないか。
マターリ待とうよ。
フリーフォールさん、いい!
かなりツボです。

>495
続きが読みたい。

>499
けっこう好き。人称がもうちょっとわかりやすければいいなぁ。
515名役者碇シンジ:03/05/22 18:22 ID:???
シンジがテレビで人気の役者で役に成りきり過ぎるという才能を持っているけど
普段も周囲に良く見られるような自分を演じていて本当の自分が何なのか悩む
という設定で学園と混ぜてSSを書きたいのですが?
妄想吐き出してOK??

遠慮は要らん。存分にやりたまえ。
517名役者碇シンジ:03/05/22 19:53 ID:???
夜。チカチカする電灯の付いたブランコしかない小さな公園。
二つの影がなにやら話している

「・・・僕は君が好きだ・・・君が・・先輩の事・・・好きでも・・・それでも・・・」
「・・・・」
「迷惑なのは解ってる、でも・・・好きなんだ」
「・・・迷惑なんかじゃ・・・迷惑じゃない・・・よ」
「・・・えっ」
「前は先輩の事好きだった・・・違うなぁ、憧れみたいな物かな、
ふふ・・・ミーハーなのよね、でもね私気付いたの・・・
そばに居るあなたの事が好きって・・・・」
「・・・・そう・・・だったんだ・・・・」

返事を聞いた少年は優しい微笑を向ける。
少女は顔をわずかに赤く染めるポツっと呟く。

「・・・・うれしい」

少年は少女の柔かく壊れそうな細い体を抱き寄せてキスをする。

………

『ハイッ!!カットォ〜〜〜〜〜〜!!!!』
518名役者碇シンジ:03/05/22 19:58 ID:???
>>517 続き

「シンジ君マナちゃんお疲れ様〜!!」
「お疲れ様!」
「シンジ君マナちゃんお疲れ様!!」
「お疲れ様〜!!」
「シンちゃんマナちゃんお疲れ様ぁ〜良かったわよ〜」

ロンゲの若い監督がカチンコを鳴らすと二人だけの世界は
ガラガラと崩れ去って一変ガヤガヤとした現実に引き戻された。
彼を始めとしたスタッフは労いの声をかける。

「「皆さんお疲れ様でした〜!!」」

カチンコが鳴ると二人はすっと離れてスタッフに労いの声をかける。

「いやぁ良かったよ〜!!真に迫ってたよ〜二人ともぉ!!」
今回のキャスティング俺の狙いどうりだ!!うれしいよ!!」

二人を見たロンゲの監督は嬉しそうに言う。

「「ありがとうございます!!青葉さん!!」」

「霧島さんお疲れ様」

少年ことシンジは微笑みながらマナに声をかける。

「碇君もお疲れ様・・・でも・・なぁ〜んかこ慣れてなぁ〜い??」
519名役者碇シンジ:03/05/22 20:02 ID:???
先程のキスの余韻で少し赤くなったマナは悪戯っぽい目でシンジを見る。

「そ、そんな事ないよぉ・・・」
「嘘だぁ・・・あんなの自然に出来る訳ないよぉ・・・」
「そ、その・・・演技だって思うと・・・なんていうか・・・」
「ホントぉ〜??あんな事しておいて・・・」
「・・・・」

「マナ、シンジ君をからかうのはその辺にしておいたら?」

クールな雰囲気を持った金髪のマネージャーらしき妙齢の女性が
マナを咎めた。

「あ、お疲れ様です。リツコさん」
「お疲れ様です。赤木さん」
「シンジ君マナ良かったわよ。視聴率も結構取れそうだわ」

そんな3人の間に流れるような黒髪に
美しいプロポーションを兼ね備えた妙齢の女性が割り込んできた。
520名役者碇シンジ:03/05/22 20:26 ID:???

「でもシンちゃんすごかったわよぉ〜。マジかと思っちゃったけどぉ」
「み、ミサトさん!!」
「あ、葛城さんお疲れ様です。碇君マジ入ってましたよねぇ??」

にやにやとした表情でマナはミサトを見た

「だからぁ、仕事だってぇ、慣れてるとかじゃないですって!!」
「あ〜らシンちゃん、ムキにならなくてもいいじゃなぁ〜い、
可愛いマナちゃんとちゅ〜う出来たんだし〜コノコノ色男」

ミサトはひじでシンジを突きながらチャシャ猫のような笑みを浮かべる。
そんなミサトを見てシンジは真っ赤になる。

「な・・・なんて事を言うんですか!!霧島さんに失礼ですよ!!」
「碇君たらかわいいだなんて・・・・イヤン」

「その辺で止めなさいミサト。
二人の事が噂に成ったらどうしてくれるの」
「リツコぉ。そんな硬い事ばかり言ってると皺が増えるわよぉん」
「何を言ってるの、小さな事が大事になるのよ、まったく」
「まぁまぁ・・・」

「でもシンジ君・・・あれは慣れてないと出来ないわ」
521名役者碇シンジ:03/05/22 20:42 ID:???
リツコはシンジの方に視線をやる。

「あ、赤木さんまで・・・馴れてなんていませんよ!ただ・・・」
「ただ??」
「この役に成りきったら・・・あんな感じに出来たんです・・・」

(ホントにそうだとしたら凄い才能ね・・・)

そんなやりとりをする2人をミサトが遮った。

「さぁシンちゃん。らぶらぶの余韻もこれぐらいにしてそろそろ帰りましょう?」
「はい、明日は学校ですからね。」

ミサトにナップサックを渡されたシンジは帰る支度を始めた。

「じゃあね碇君、お疲れ様」
「シンジ君ミサト、さようなら」
「うんお疲れ様でした、霧島さん赤木さんさようなら」
「じゃあねマナちゃんリツコ」

「「皆さんお疲れ様でしたぁ!!」」

「「「「「「「シンジくん葛城さんお疲れ様でした!!!!!!!」」」」」」」

スタッフ全員に声を掛けると公園の外に止まっているタクシーに乗り込み
ミサトとシンジはロケ現場を後にした。

「またね・・・碇君」

マナは先程のキスを思い出しながら少し赤くなっていた。
522名役者碇シンジ:03/05/22 20:45 ID:???
一章終わりということにします。
三文芝居ですいませんw今時こんな臭い青春ドラマあるかよw
一応学園との事なので次は学校を舞台にします。
523名役者碇シンジ:03/05/23 12:32 ID:???
「ねぇねぇ昨日の「高校生」見たぁ??」
「見た見た!!凄かったわよねぇ」
「私も見ました、いい演技だったと思います」
「あたしなんか親も一緒に見ててさぁ、居た堪れなくなっちゃったわよぉ」
「マジっぽ過ぎるわよねぇ。あの二人出来てんじゃないの??」
「まさか演技でしょう?前から碇君の演技は評価されてますし」
「まぁドラマで共演してお付き合いなんてよくある話じゃん」
「アイドルの霧島マナとあの碇がぁ??それって凄くない??」
「・・・・」
「でも恋人同士じゃないとあんなキスは出来ないと思うんだけどさぁ」
「まぁ碇も役得ってヤツゥ??w」
「・・・・・・・・」
「今日来たら揉みくちゃにされるだろうねぇw」
「言えてるぅw」
「・・・・」

朝の教室で3人の少女がテレビのドラマについて
なにやら楽しそうに話している。

「あの三バカの碇がねぇ・・・出世したねぇ」
「もっと普通ぽい子だと思ってたけどさぁ」
「ホント素敵になりましたよねぇ」
「「マユミは相変わらずねぇw」」

「ガラガラ」

「「あっ!!」」
524名役者碇シンジ:03/05/23 12:42 ID:???
教室のドアが開いた。少女達はドアの方に顔を向ける。
件の人碇シンジが教室に入ってきた。

「碇君が来ました!!」
「まぁまぁマユミ抑えてぇ!」
「ホント変わったよねぇ・・・パッとしない奴だったのに」
「人間どう転ぶか解らないもんねぇ」

「「「碇(君)鈴原(君)、相田(君)オハヨウ(ございます)」」」
「オハヨウ」
「オハヨウさん」
「オハヨウ」

「昨日のアレ凄かったよw」
「マジかと思っちゃったよw」
「・・・・」
「ホンマ運のええやっちゃで、その口にちゅ〜したろうかと思ったで」
「ホントホント、間接でもいいから霧島マナとキスしたいよなぁ」

悪友二人に頭を抱えられてグリグリされる、それも悪意の篭った。

「そんな、現場でも散々からかわれたのに・・・ヤメテよ!」
続きが気になって仕方がない
>>525
ああ・・・気になるな。
>>524
(゚Д゚)ウマー
528山崎渉:03/05/28 13:42 ID:???
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
>>523
誰が誰だかいまいちわからん。
ここに投下していいのは学園物だけ?
>>530
左様。
532530:03/05/31 09:31 ID:???
わかりました。
ほかにFF投下スレってあったか?
>>533
昔はあったんだが、落ちてるようだ。

第二発令所支援サイトのFF発表・評価版
ttp://eva-2ch.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/ss/santhology.cgi
またはエヴァ板アプロダ
ttp://eva-2ch.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/upload.cgi
を利用するのはどうだ?

駄目ならスレ立てるしかないかもな。
535投稿野朗:03/06/03 18:33 ID:???
今から投稿する作品は以前第弐に投下したものですが、
重大なミスがあることを今頃気づきました。
そこでそのミスを修正、かつ改定を施した完成版をこちらに投稿します。
こちらには読者さんが多いようなので、感想をいただけるとうれしいです。
536投稿野朗:03/06/03 18:35 ID:???
8年目のクラス会




「ほんとにそんな約束したかなあ。おれ、ぜんぜんおぼえてないぜ。」

教室に入ってくるなり、そう叫んだのは、ムサシ君に違いない。
8年前のムサシ君は、クラス一の甘えん坊で、いつも先生の後ばかり追いかけていた。
それが、今ではすらりと背が伸びて、真っ黒に焼けている。

「いいから、いいから。ええと、霧島さんの隣ね。」

相田君に肩をたたかれて、ムサシ君は輪になって座っている子供たちを見まわした。

「これ、ふじ組の子供?見覚えないなあ。」

首を振りながら、それでも迷うことなく、霧島さんの横に腰を下ろした。
幼稚園の椅子は小さくて、背の高いムサシ君には、座りずらそうだった。

「山岸さんたち、そろそろ手分けしてジュースやお菓子、配ってください。」

相田君の声に、山岸さんや浅利君が立ち上がって、教室の隅のダンボール箱を開け始める。

「ああ、僕も手伝うよ。」

537投稿野朗:03/06/03 18:37 ID:???
城南学院の制服を着た渚君も加わった。

「ねえ、ねえ渚君て、城南に入学したのねえ。かっこいいなあ。」

惣流さんが洞木さんにささやいている。
惣流さんも、白百合女子中学のセーラー服を着ていた。
惣流さんは昔とあまり変わってないようだ。
幼稚園のころもおしゃべりで、誰とでも仲良くなったし、すぐにけんかした。

「ジュースとコーラ、どっちがいいですか。コーラのいい人、手を上げてくださーい。」

浅利君がどなっている。

「あなた、どっちにするの?」

惣流さんがまた洞木さんに話しかけた。

「そうね、私はジュース。」

洞木さんは小声で答える。

「じゃああたしはコーラもらおっと。人と同じじゃあつまらないもの。」

惣流さんは、立ち上がって手を振った。

「ここコーラとジュース。ヒカリがジュースで、あたしがコーラよ。」
「はいはい。コーラ1本にジュース1本。」

浅利君が両手に抱え込んだ缶の中から、コーラとジュースを抜き出した。

538投稿野朗:03/06/03 18:37 ID:???
「あなた、浅利ケイタ君でしょ。浅利君はどこの中学?」
「僕?僕は壱中。」
「壱中って、公立の第壱中学?私立は?」

浅利君がにやっと笑った。

「付属と城南受けて、どっちもすべっちゃった。」
「残念ねえ。浅利君って幼稚園のころ、いつも先生にほめられていたじゃない。
「はは、むかし秀才、いま落ちこぼれ。きみは、アーちゃんだろ。惣流アスカ・・・
へえ、白百合かあ。あそこ、難しいんだよねえ。」
「まぐれよ。だって、うちの学校から5人受験して、パスしたのは、
一番成績悪かったあたし一人だもの。受験って、運よねえ。」

しゃべりながら、惣流さんは、ちらりちらりとまわりのこの反応をうかがっている。
白百合女子中学に入学したのを自慢したくてたまらないらしい。
浅利君は、目を細めて惣流さんの顔をながめている。
その目に幼稚園時代の面影が残っていた。

539投稿野朗:03/06/03 18:38 ID:???
教室の向こうで拍手が起こった。葛城ミサト先生が到着したのだ。

「ごめーん。ちょーっち保護者の方と話してて。遅れちゃった。」

先生はいくぶん上気した顔で、教室に集まった子供たちを、ひとりづつながめまわした。

「みんな、大きくなって・・・先生、うれしいわ。」

ほとんどの子が、8年ぶりの再会だった。

「先生は、ちっとも大きくならないねえ。」

ムサシ君がまぜっかえした。

「まあ、あなた、ムッ君でしょう。」

先生に見つめられて、ムサシ君は、照れくさそうに頭を掻いた。


540投稿野朗:03/06/03 18:39 ID:???


ネルフ幼稚園ふじ組のクラス会を計画したのは、相田君たち、
幼稚園の近所に住んでいる子供たちだ。
 8年前、ふじ組の子供たちは、卒園後8年たったらまた会いましょうと、
約束したのだそうだ。
相田君たちはこの約束を思い出して、今日の会を開いた。

「ふじ組は、全部で30人いたんですが、案内状が戻ってきた人が10人くらいいました。
8年前の住所録を使ったので、引っ越した人もいると思います。
出欠の返事があったのが19人で、そのうち、今日来るといった人が12人です。
あと、新庄君と安岡さんがくることになってるんですが・・・」

 長々とした相田君の挨拶に、みんなは退屈し始めていた。
そして、懐かしい教室の中をながめまわしている。

8年前、この部屋で歌を歌ったり、絵を描いたのが夢のようだ。
確か灰色だった壁の色は、今は薄い緑に塗り替えられていた。
ただ、天井のゾウやキリンの絵は、昔のままだし、教室の隅においてある、
組み立て式の滑り台は、ぼくらが使ったものらしい。

541投稿野朗:03/06/03 18:40 ID:???
 やっと相田君の挨拶が終わり、葛城先生が立ち上がった。

「ほーんと、何から話したらいいか・・・
幼稚園に勤めるようになって9年になるけど、
クラス会をやったのはみんながはじめてよ。
だからすごーく感激しちゃって・・・立派に成長したみんなに会えて、
こんなにうれしいことはないわ。」

先生が、ハンカチを目に当てた。
ふいに女の子の声がした。霧島さんだった。

「先生、失礼ですけど、独身ですか?」

葛城先生の耳がピクリと動く。そして声のしたほうを睨みながら答えた。

「そうよ。悪かったわね。」

「あの、先生は今おいくつでっしゃろ?」

鈴原君だ。

「確か30歳だと思ったけど。」

渚君だ。二人ともなんてことを・・・
ああ、葛城先生のこめかみに血管か浮いてる。やばい。

「失礼ね!私はまだ29よ!!」

霧島さんの質問をきっかけに、みんながてんでに話し出したので、相田君が急いで立ち上がった。
542投稿野朗:03/06/03 18:42 ID:???

「ええ、それでは自己紹介に移りまーす。まず、山岸さんから順番にお願いします。」

相田君に指名されて、ロングヘアの女の子が立ち上がった。

「山岸マユミです。じつはわたし、8年前に約束したこと、すっかり忘れてたんです。
2月ころ相田君や霧島さんと会って話しているうちに、
なんとなくそんな約束をしてたのを思い出して・・・
でも、今日は皆さんに会えて、ほんとによかったと思いました。」

 山岸さんがお辞儀して座るのを待っていたように、向かい側の惣流さんが尋ねた。

「マユミ、どこの学校なの?」
「あの、付属に通っています。」

男子も女子も、へえっ、という顔つきになった。
付属というのはむろん国立大学の付属中学で、市内一のエリート校だ。
 幼稚園のころの山岸さんは、目立たない子だった。
今日だって、紺色のスカートに白いブラウスという、地味な格好をしている。
次に、黒いジャージを着た男の子が立ち上がって関西弁でしゃべりだした。

「えー、わしは鈴原トウジや。幼稚園卒園した後、大阪にいっとった。
去年第3新東京市に戻ってきたんや。ケンスケらとは去年から付き合いあったんやが、
今日は久しぶりに見る顔が多くてほんま懐かしいわ。今は壱中に通っとる。」
543投稿野朗:03/06/03 18:43 ID:???
 その次は霧島さんだった。

「相田君や浅利君や山岸さんたちと一緒に、今日の会のお手伝いをさせていただきました。
皆さん、いい学校に進学されているんで、ちょっと恥ずかしいんですが、
中学は、公立の、第壱中学に通っています。
あ、名前は霧島マナでーす。」

「だいじょうぶ。いくら名門幼稚園を出たって、
だめなやつはいっぱいいるんだから、恥ずかしがることはないよ。」

 ムサシ君が、しゃべりながら立ち上がると、ぺこんと頭を下げた。

「僕も山岸さんと一緒に付属小学校に通っていましたが、8年の間に落ち目になり、
ついに私立の三流中学に通うはめになった、ムサシ・リー・ストラスバーグであります。
幼稚園のころはムッ君と呼ばれて、みなさんにかわいがられていました。」

「ムッ君、私立ってどこだい?僕のところ?」

紺色の制服を着込んだ渚君が、身を乗り出す。

「とんでもない、城南みたいなエリートさんの学校じゃありませんよ。」

ムサシ君は、とうとう自分の入学した学校名を口にしなかった。
 ムサシ君の言ったように、ネルフ幼稚園は、市内でも指折りの有名幼稚園だった。
難しい私立小学校にも、たくさん合格者を出している。
このクラス会だって、言ってみればエリートの集まりみたいなものだ。
だけど、自分の学校の自慢をしあうだけで、このクラス会が終わるわけはない。
誰かが、きっと、あのときのことを口にするに違いない。
と、ぼくは確信していた。


544投稿野朗:03/06/03 18:44 ID:???


10人の子供たちは、次々と自己紹介をしていく。
とうとう綾波さんの番になった。
綾波さんは、ゆっくりと立って、紅い瞳で教室の中を眺め回す。

「綾波レイです。私の家は、袋町にあるので、園のバスで通っていました。
バスの中で歌を歌ったのが楽しい思い出です。中学は女学院に入学できました。」

浅利君が、大きな声を上げた。

「レイちゃんおぼえてるかい。僕がラブレター上げたの。」

綾波さんは、あいまいな顔で微笑む。
綾波さんは、もう忘れてるかもしれないが、ぼくはちゃんとおぼえている。
手をつないだ男の子と女の子の絵の横に、

‘‘綾波レイちゃん、ぼくのおよめさんになってください。けいくんより。‘‘

と、書いてあった。けいくんというのが、浅利ケイタ君の愛称だ。
 けいくんが書くと、ふじ組の男の子は、こぞってラブレターを書いてレイちゃんに渡した。
もちろん、ぼくも書いた。でも、とうとう渡せなかった。

 あのころの綾波さんは、なんていうか、お姫様みたいだった。
ふじ組の男の子も女の子も、綾波さんの言うことなら、何でもきいた。
鈴原君も、レイちゃんだけは、けっしていじめなかった。
545投稿野朗:03/06/03 18:53 ID:???
「そうよねえ、綾波さんって、すごく人気あったわよねえ。」

隣に座っていた霧島さんが何度もうなずいた。

「綾波さんってふじ組にいた?あたしおぼえてないわよ。」

惣流さんが機嫌の悪そうな声をあげる。

「あら、そう。私はあなたのこと、よくおぼえてる。
いつだったか、傘を忘れて泣いていたから、貸してあげたじゃない。」
「あたしが・・・?へえ、そう。あたし幼稚園のとき、泣いたことなかったんだけど。」
「うそこくなや、自分、しょっちゅうぴーぴー泣いとったやんけ。」

鈴原君が冷やかした。

「ぜーんぜん記憶にありません。あんたがおもらししたのはおぼえてるけどね。」

惣流さんが、やりかえした。

「わし、おもらしなんてやってへんで。おもらしの常習犯は、えーと、なんやったっけ、そうや、シンジ、シンジや。」

 鈴原君は、小さくうなずきながら叫んだ。

546投稿野朗:03/06/03 18:55 ID:???
「ああ、亡くなった子だね。碇シンジ・・・」

渚君が答える。

「え、あの子死んだの?」

ムサシ君だった。

「そうだよ、お葬式にみんなで行ったじゃないか。そうでしたよね、先生。」

渚君が、葛城先生のほうを振り返った。

「ええ、碇シンジ君は、病気で亡くなったわ。
豆まき会の少し前だから、1月じゃなかったかしら。」

渚君はムサシ君を見て、

547投稿野朗:03/06/03 18:56 ID:???
「不人情だねえ。ムサシ君。
クラスの人が亡くなっていたことぐらいおぼえていてもいいんじゃないのかい?」

 ムサシ君は、まだ思い出せない様子だった。

「そんなことあったか?シンジってやつがいたのはおぼえてるぜ。
なんていうのか、陰気なやつだったよな。そいで、とにかくおもらしをするんだ。
みんな、おしっこくさいって、あいつのこと嫌がってたよなあ。」

 部屋の空気が水あめのようにねっとりしてきたと感じたのは、ぼくの錯覚だろうか。

「すいません。自己紹介、早く済ませて、乾杯したいんですけど・・・」

相田君が遠慮がちに言った。


548投稿野朗:03/06/03 19:10 ID:???


乾杯がすむと、ミサト先生を囲んで幼稚園時代のアルバムを見ることになった。
みんなは先生の周りに集まって、床に座る。

「これはふじ組になって最初の遠足ね。お城に行ったのよねえ。」

先生が広げたアルバムを、子供たちは首を伸ばして覗き込む。
そういえば、幼稚園のころ、こんな風にして絵本を読んでもらっていた。
 石垣をバックに、水色のスモック姿の子供たちが並んでいた。

「あー、これわしや。」

鈴原君が両手でVサインを作って座っている中央の子を指差す。

「はは、幼稚園のツッパリってとこかな。」

浅利君が言うと、鈴原君も、ほんまや、といって笑った。

549投稿野朗:03/06/03 19:11 ID:???
「いやあ、あたし目をつぶってる。」

惣流さんが声を上げた。

「そのときも泣いてたのね。」

綾波さんが言う。惣流さんが、無言で綾波さんをにらんだ。

「ああ、この子だね。碇シンジ君は・・・」

渚君の声で、24の瞳が、制服の腕の先に集中した。
画面の端っこに、帽子をあみだにかぶった男の子が立っていた。

「なんだか、怒ってるみたい。」

洞木さんが、ささやく様につぶやく。

「あいつ、いつもこんな顔してたよ。
そういや、みんながお遊戯していても、あの子だけ、教室で絵を描いていたな。
どうしてだろ。」

相田君が、誰ともなく言った。

550投稿野朗:03/06/03 19:12 ID:???
「シンジ君は、心臓が悪かったのよ。
お葬式の後、お母さんにうかがったけど、遅かれ早かれ、ああなっただろうって。」

しゃべりながら、先生はページをめくった。

「あっ、これ七夕祭りじゃない。みんなどんな願い事書いたのかなあ?」

大きな笹竹のまわりを子供たちがとりまいている写真だった。

「ああ、シンジ君も短冊持ってる。」

また誰かがその名を口にした。
子供の群れから少しはなれたところに、やせた男の子が赤い短冊を持ってしゃがんでいた。

「あいつ、なに書いたんだろう。体が丈夫になるようにってお願いしたのかな。」

浅利君の声は沈んでいた。

「もしかしたら、おもらししませんようにって、書いたのかもよ。」

惣流さんが笑いながら言ったけど、誰も笑わなかった。

「あの子のお葬式怖かったわ。」

山岸さんが、ぼそっと言った。
551投稿野朗:03/06/03 19:12 ID:???
「お父さんがね、私たちのこと、怒ってるみたいだった。」
「なんでや。あいつのこと、いつもいじめとったからか?」

鈴原君が、ちょっと気色ばんで質問する。

「知らないわ。でも、ずっとにらんでたもの。わたし、早く帰りたかった。」
「そんなことないやろ。誰もあいつに恨まれるようなこと、しとらんやろが。」

鈴原君が、忙しく部屋の中を見回した。しかし誰も答えなかった。

「さ、みんな。シンジ君のことはそれぐらいにして、次の写真みないこと。」

先生が幼稚園のころのような口調で促す。
 次のページは、水遊びの写真だった。
ビニール製の簡易プールの中央に水着の女の子がポーズをとって笑っている。
周りの男の子たちは、船やじょうろで遊んでいた。死んだ子の姿は見当たらなかった。

552投稿野朗:03/06/03 19:13 ID:???
「うわあ、アスカちゃんじゃないの。ポーズ決まってるう〜」

霧島さんが陽気な声を上げる。

「ねえ、惣流さんて、幼稚園のころから、おっぱい大きかったの。」
「そうじゃないわよ。セパレーツだから大きく見えるのよ。ねえ、そうでしょ。」

女の子たちが口々にしゃべりだすと、男子も勢いづいた。

「あのころは、みんなへっちゃらでヌードになってたなあ。」

相田君がにやにやして言うと、渚君も笑って答える。

「そういえばぼく、女の子にパンツ脱がされたことあったよ。」
「あら、脱がされたのは、男の子ばかりじゃないわよ。」

山岸さんが、にこりともしないで答えたから、部屋中で笑い声がはじけた。


553投稿野朗:03/06/03 19:19 ID:???


「あの子のパンツも脱がしたよなあ。おれ、なにもかも思い出しちゃったよ。
パンツだけじゃない、上着も何もかも脱がして裸にしたんだ。あれ、寒い日だったなあ。
あそこの洗い場へ連れて行って、水をじゃあじゃあかけたよな。」

それがムサシ君のつぶやく声だとわかったのは、笑い声が静まったころだ。
ムサシ君は、窓の外を見つめていた。

「あの日は、そんなに寒くなかったわ。それに仕方なかったのよ。
おもらしたから、みんなで体を洗ってあげたんだもの。」

 霧島さんがゆっくりと反論した。

「うそ、寒かったわ。シンジ君、青くなって震えてたもの。
あたし、やめて、やめてって、何回も止めたのに。」

惣流さんの言葉は、途中で鈴原君にさえぎられた。

「へえ、そないなことあったんか。わし、忘れとった。」

そのとたん、ムサシ君の鋭い声がした。

554投稿野朗:03/06/03 19:20 ID:???
「とぼけるなよ。お前が最初にいったんじゃないか。
シンジ君を裸にして水ぶっかけようって。」

「ちゃうわ、わしやない。
誰やったか忘れたけど、碇がおもらしして、臭いから水で洗おう言い出したんや。
自分かて面白がって水かけとったやろ。」

「ああ、おれもかけたさ。
おれ、あのころ根性なくてさあ、お前の言いなりだったもんなあ。
お前が水かけないと、殴るって脅かしたから、おれ、シンジ君の頭から水かけたんだ。」
 
 いつの間にか鈴原君もムサシ君も立ち上がって、にらみ合っていた。

「ま、待ってくれよ。」

相田君が、二人の間に割り込む。

「お前たち、どうかしてるぞ。いいか、あの日のことは、俺もよく覚えてるさ。
あの朝、碇が幼稚園に来て、すぐおもらししたんだよ。 
まだ、先生がいなかったから、教室にいた子が相談して体を洗ってやったんだ。
な、みんな、そうだっただろ?
あの子の心臓が悪いって知ってたら、あんな無茶しなかったと思うな。」

 2,3人の子が、あわてたように大きくうなずいて見せた。

「そうじゃなかったわ。」

555投稿野朗:03/06/03 19:21 ID:???
女の子の声がした。
低くて小さい声だったけど、みんなはじかれたように、声のほうを見た。
洞木ヒカリさんだった。洞木さんは、いやいやするように激しく首を振った。

「そうじゃなかったでしょ。あれ、お仕置きだったはずよ。
シンジ君が、あんまりおもらしするから、みんなでお仕置きするんだって・・・
ええ、私も水かけたわ。シンジ君、がちがちふるえてたわ。
そいで、ごめんなさーい、もうしませんから、許してくださーいって・・・
でも誰もやめなかった。水がすごく冷たくて、手が痛いくらいだったわ。
シンジ君、次の日から幼稚園に来なくなって・・・それで、死んだのよ。」

 洞木さんは、そこまでしゃべると泣き伏してしまった。
渚君が青い顔をし、立ち上がった。

「洞木さんの言うことを聞いていたら、
まるでぼくらが、シンジ君を殺したみたいじゃないか。」 

 渚君は、いらいらと部屋の中を見回していたが、やがて先生を振り返った。

「先生は真相をご存知なんでしょう。話してくれませんか。」

「真相も何も・・・シンジ君は、さっきも話したとおり、心臓の病気があったの。
あなたたちがそんないたずらをしたの、ちっとも知らなかったけど、
それとこれとは関係ないと思うわ。
さ、もうこんな話はおしまいにしましょう。せっかく8年ぶりに会ったんですもの。相田君、次はなにかして遊ぶんじゃないの。」
556投稿野朗:03/06/03 19:23 ID:???
 先生がアルバムをパタンと閉じたとき、惣流さんが口を開いた。

「あたし、すっかり思い出した。この中で、誰が1番悪いかってことよ。」

 惣流さんは立って、子供たちの顔を1人1人眺め回す。

「あの日、1番最初にお仕置きのこと言ったの、あなたじゃなかったかしら。」

惣流さんの右手がさっと伸びて、綾波さんの整った顔を指差した。

「綾波さん、あなたがみんなに命令したのよ。確かこんなふうに言ったわ。
困ったシンジ君ねえ。またおもらししてる。
みんなでお仕置きをしたほうがいいんじゃない・・・って。 
そうしたら、渚君がどんなお仕置きをするのって訊いたのよ。
あなた、にこにこ笑いながら答えたわ。水をかけて洗いましょうって。
綾波さんが言ったことだもの。
浅利君も鈴原君も、すぐに賛成して、シンジ君を無理やり裸にして、
表の洗い場に連れて行ったわ。」

「でたらめいうな!」

浅利君が、すごい剣幕でどなったけれど、惣流さんはやめなかった。

「でたらめ?だって、あなたが服を脱がしてたの、あたし覚えてるもの。
それから、山岸さん、あなたはバケツ持ってきたわよねえ。」

「おい、お前だけいい子になるなや。自分かて、あいつがぶるぶる震えるのが面白いって、水かけとったで。お前も共犯やいうこと忘れんなや。」

鈴原君の声は、かすれていた。

557投稿野朗:03/06/03 19:24 ID:???
惣流さんは、じっと綾波さんをにらみつけている。

「さあ、綾波さん、あたしのしゃべったこと、うそがあるかしら。」

クラスメートの目が、自然に綾波レイさんに吸い寄せられる。
ピンクのカーディガンを羽織った綾波さんは、横座りに床に座ったまま、
ゆっくりと惣流さんにうなずき返した。

「あなたのおっしゃるとおりよ。だって、わたし、碇君のこと大嫌いだったもの。
でも、碇君のことを嫌っていたのは、わたしだけじゃないわ。
先生、先生も碇君のこと、いやだったんでしょう。」

 綾波さんが先生のほうに視線を移した。

「先生だって、あの朝、わたしたちが碇君を裸にして水をかけたの、知ってましたよね。
教室の窓から、ずっと見てらっしゃったの、わたし知ってたんです。
それで、碇君が、あんまり泣くものだから、先生教室から出てきて、
わたしにおっしゃいました。
レイちゃん、もう、それぐらいで勘弁してあげなさい。
わたし先生に言われて、みんなを止めたんです。
それからバスタオルを持ってきて、碇君の体を拭いてあげました。
もし、あのことで碇君が死んだのなら、先生、先生も、わたしたちと同じですよね。」

 綾波さんは、話し終わると、白い歯を見せて笑った。
幼稚園のころと少しも変わらない、おひめさまのような笑顔だった。


558投稿野朗:03/06/03 19:26 ID:???


 夕日が白いモルタルの壁を赤く染めている。
教室から吐き出されてきた子供たちの顔は、どれもこれも、どんよりとくすんでいた。
みんなは、ちらりと庭の隅の洗い場を眺め、それから足早に門のほうに急ぐ。

 少し遅れて相田君たちがジュースの空き缶を詰めた段ボール箱を抱えて出てきた。

「相田よう。」

滑り台の陰に立っていたムサシ君が、近寄ってきた。

「8年前クラス会やろうって約束したこと、誰が思い出したんだ?」
「うん?うん・・・みんなで話してたら、なんとなく思い出したのさ。なあ。」

相田君が、山岸さんや浅利君を振り返った。

559投稿野朗:03/06/03 19:26 ID:???
「そうなの。ほんと最初に思い出したの、誰だったかしら。だけど、いやね。
こんなクラス会、もう、ぜったいしないわ。」

 霧島さんが深いため息をついた。

「こんなはずじゃなかったけどな。ゲームしたり、歌を歌ったり、
楽しくやるはずだったんだ。
そういえば、安岡も新庄も、とうとう来なかったな。」

「おれも、ここにくるまで、そんな約束したかなあって、考えてたんだけど、
みんなと話してるうちに思い出したよ。確か卒園式のころ約束したよなあ。
8年たったら、ここで会おうって・・・。」

 ムサシ君は、自分自身に言い聞かせるふうで、なんどもうなずいた。
それから相田君の肩をぽんとたたいて歩き出した。


560投稿野朗:03/06/03 19:27 ID:???
 10人の子供と、1人の先生は、それぞれの世界に戻っていく。
しかし、みんなの心の奥に、ぼくは生き続けているのだ。

 ぼくは決してみんなを恨んではいない。ただ、みんながぼくのことを忘れないように、
ぼくにしたことを、ちゃんとおぼえて置いてもらいたいだけだ。

 8年たてば、あの子達は、また約束のことを思い出して、ここに集まってくるだろう。
そして、ぼく、碇シンジのことを話し合う。
 生き続ける限り、ぼくのことを忘れないために。それが、みんなとぼくの約束なのだから。

                     
                     了
興味深いけど……暗い。読んでてウトゥだよ。


お互いのやったこと指摘して終わり。曖昧なままで誤魔化しって
のはエヴァ的かも(藁
つーかエヴァでやる意味無いじゃん。
>>562
貴様、言ってはならんことを…!
>>562
まあまあ。
>>560
勘違いだとあれなんだが、相田=シンジでいいんだよな?
死んだって所からなんとなくそんなかんじはしていたんだが。
おもろかった。

これを契機に職人さん帰ってこないかなぁ。て言うか帰ってきて。
565ロクデナシの詩:03/06/03 22:32 ID:???


プカ〜プカ〜プカ〜

普通の生徒ならまだ授業を受けてる時間だろうか?
誰も居ない学校の屋上で誰かが片膝を立てて座り込んでいる。
さらっ艶やかな短い黒髪に女性と間違えられそうな繊細な顔立ち、口にはタバコが咥えられておりモクモクと風に煙が流されていく。
学生服のシャツをズボンから出してラフな格好をしている。
口にはタバコが咥えられていて風に靡く様にフワフワと流れている。
S−DATのイヤホンを耳にしてまるで外界を遮断している様にも見える。

誰も居ない空間で目をつぶって気持ちよさそうに紫煙を吐き出す。

プカリ・・・プカリ・・・

セブンスターの煙がフワフワと空に舞い上がる。
誰も自分に干渉する事の無い一時、これほど幸せな事があるだろうか?
なぜ他人の顔色を伺ったりしなきゃいけないのか?吐き気がする。
極少数の例外はあるが今まで独りで居る幸せな時間を阻害した奴には
それ相応の制裁を加えてきた。
他人を傷つけるのも傷つけられるのも煩わしい。特に傷つけられるのはゴメン、慣れる事はない。
今まで傷つく前にそういう要因を排除してきた。気持ち悪い物は全て視界から排除してきた。
傷つけるより傷ついた方が良いなんて嘘っぱちだ。
この世の中には大きく分けて踏み付けにする者と踏み台にされる者しか居ないのだから。
>>564
ちがうべ、
>>渚君の声で、24の瞳が、制服の腕の先に集中した。
ってあるから、このクラス会にはシンジも参加してるんだろ?
メンバーは、レイ、アスカ、カヲル、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、
マナ、ムサシ、ケイタ、マユミ、ミサトで11人だろ。
1人足りないじゃん
つまりこのクラス会には幽霊(?)シンジも・・・・・
((;゚Д゚)ガクガクブルブル
567ロクデナシの詩:03/06/03 22:52 ID:???


それと同くして誰も居ないはずの屋上に向かう人影が一つ。
カツカツと屋上に続く階段を上っていく。
短く切った髪を立てた黒髪でキリッとした男らしい顔つき、
黒いジャージに身を包み右手には大きな弁当箱を持っている。
躊躇う事無く屋上に続く扉を開ける。

ガシャン・・・

早めに飯でも食ってそのまま昼寝でもしようかと思って屋上まで来ると
フェンスにもたれ掛かったシンジが居た。
眠るように目を閉じてヤニを気持ち良さそうに吹かしながらS−DATを聞いている。
軽い瞑想状態とでも言うのだろうか?こういう時は放って置くのが一番だ。
俺はコイツを親友達だと思っているが俺もコイツも馴れ合うのは嫌いだ。
こいつは自然な気持ちの良い距離で付き合えるので心地良い。

「ああトウジか」

シンジが目を開けそのままの姿勢でボソッと言った。
568ロクデナシの詩:03/06/03 23:21 ID:???



「音楽聴きながらヤニかいな?ええ身分やのぉ」

冗談っぽくシンジに話しかけた。学校だというのに堂々としたものだ。
俺もコイツと同様良く喧嘩をするがヤニは吸わない様にしてる。
ずっと前吸っている所を妹に見られて

「健康に悪いんだから吸っちゃダメ!!ヤニ臭い兄ちゃんなんか嫌!」

なんて言われた。目に入れても痛くない妹を心配させるのは望むところではない。
嫌といわれたのが何よりグサっと来た、シスコンというか親の心境だろうか?
前に俺に因縁つけて妹に手を出そうとした奴らが居た。そいつらを全員半殺しにしてやった。
その噂を聞いたのか、それ以来俺の妹に危害を加えられる事は無かった。

だがそれよりこの目の前にいるこの男が問題だ。前家に来た時俺と妹にある材料で飯を作ってくれた事があった。
人付き合いが嫌いで無愛想なシンジも女子供には優しいらしくニコニコしながら

「どう?おいしいかなぁ?」

なんて言いやがる。男に耐性のない妹はコロッとシンジに惚れてしまったらしい。
惚れたと言っても憧れとかそんな程度だろうが・・・
「はにゃ〜ん、シンジさんを連れてきて」と五月蝿い。兄としては非常に心配だ。

そして今ここに居ないケンスケという男が居る。この男はある意味シンジより危険だ。
しきりに妹に会わせろ会わせろと言って家まで来ようとする。はっきり言って変態の類だ。
長い付き合いの親友だがそれだけは絶対譲らない。
コイツも本気でないのだろうが、
それでも普段の行いが行いなので信用に足るということは無い。

煩わしいなどと言って俺達は親友だろう。妹の事意外は・・・
>>566
なっ………そ、そうか。誤読スマソ。
ってそうであったならコワー((((;TДT)))
>>569
たぶんそうだね。
そこ、改訂前は22の瞳になってたから。
で、参加予定は12人で結局2人来なかったってことから
実際にいたのは子供10人+ミサトの11人。

>>568
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
イガイって誤変換する人多いね。
でも何か好きな文体でつよ。>ロクデナシ氏
「8年目のクラス会」面白かった。
すごい短い話なのにものすごい内容が濃い。
12人のキャラに無駄な人物がいなくて、しかも一人一人書き分けが出来てる。
短編のお手本のような作品だとおもた
死人?がクラス会に参加してるっていう怪談のような話だけど
読み終わったあとには、切ないような物悲しいような不思議な読後感だった。
投稿野朗氏の文章力と構成力はすごいと思う。
>>568
なんだか期待…
保守点検整備指差し点呼安全確認。
寂れたな・・・。
エバオタ( ´;゚;ё;゚;)キモッ!!
ほおしぃゆ
579山崎 渉:03/07/12 08:11 ID:???
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|::::.| . 山崎渉ニュース (^^) | .|_  ┃..と〜けたこおりのな〜かに〜♪ ┃
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580山崎 渉:03/07/15 11:41 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
578 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/07/05 17:45 ???
誰か金髪のシンジと銀髪のカヲルで「今日から俺は」書いてくれないかなぁ?