壊れました。
2 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/14 04:03 ID:sY6dZWUE
そう。良かったわね。
3 :
みさと:02/06/14 04:06 ID:???
美味しいカレーの作り方
具を炒める
↓
炒めた具を食べる
↓
冷えた牛乳を大量に飲む
↓
腹下る
↓
2時間耐える
↓
トイレへ
↓
美味しいカレーの出来あがり
↓
(゚д゚)ウマー
その(1) 氷の微笑
空調の音が途絶えた。
「んぁ……?何よぅ……。」
家に居るのは葛城ミサト、唯一人。真夜中。時計の音が子守唄。
一週間は帰宅していなかったミサトは、特別に仮眠を取る許しを得て
仮帰宅していた。そして、まさに寝入ろうとしたそのとき、それは
起こった。
くっ。
本棚を探してるうちにどんどん駄スレ化してしまう。
>>1 >>4続き
「ちょぉっとぉ……冗談よね?」
明かりをつける。その眩しさ。本来ならば、今頃モルディブで悠々自適な
時間を過ごしていたというのに。夢さえも自由にならないのか。
ミサトはダイニングの椅子に乗り、その長い足でクーラーを。
蹴った。
>>1 >>4 >>6 二度三度。
リモコンやテレビを蹴って直すのが得意な彼女だ。
当然クーラーも直るに決まってる。いや、直らなければならない。
彼女に与えられた時間は、たったの5時間しかないのだから。
だから直る。為せば成る。
ミサトは祈るような気持ちで容赦なくクーラーに蹴りを入れた。
>>1 >>4 >>6 >>8 後に残ったのは、床に砕け散ったクーラーの残骸。
ミサトは頭を切り替えた。
素早い。
伊達に作戦部長を務めてはいないのだ。
彼女は冷蔵庫へと向かった。
>>1 >>4 >>6 >>8 >>9 目の前にあるのは、ペンペンのベッド。
そう。彼女はそこで眠るつもりだった。
徹夜続きで頭が多少イカレていたのかもしれない。
だが、30を目前にしてナイスバディを保っている者として、
そして独身女性の希望の星を目指す女として、
入れないなどと認めるわけにはいかなかった。
>>1 >>4 >>6 >>8-11 冷やすことにした。
しかし、彼女には時間がない。
既に14分経過している。
冷蔵庫でこの抱き枕を程よい温度まで下げる余裕は
ミサトにはない。
どうするミサト。
>>1 >>4 >>6 >>8-13 冷凍庫にぶち込むことにした。
買ってきたプリンがぬるいとき、ビールを早く飲みたいとき、
彼女はそうして、快適に冷たさを楽しんでいた。
>>1 >>4 >>6 >>8-14 少しぐらいの時間なら、凍ることもない。
彼女はお得意の足でペンペンを冷凍庫に詰め込むと、
目覚ましを5分後にセットして、テーブルに突っ伏した。
>>1 >>4 >>6 >>8-15 翌日、戻って来ない同僚を心配して勤務明けに葛城家に寄った
動物愛好家の手によって、ペットは荼毘に伏された。
終。
17 :
みさと:02/06/14 04:39 ID:???
(゚д゚)ウマー
その(2) 真夏の夜の夢
その夜は、何かがおかしかった。
いつも通りに食事を終え、風呂に入り、ベッドに潜ったというのに、
その確証ない予感がアスカを眠らせてくれなかった。
以前から調子の悪いクーラーぶうぅんという音が、今夜は殊更
不気味に感じられ、苛付いた彼女は、水を飲む為にキッチンへ
向かった。
そして、クーラーの音がふいに止まった。
>>18 ×以前から調子の悪いクーラーぶうぅんという音が、今夜は殊更
○以前から調子が悪いクーラーの、ぶうぅんという音が、今夜は殊更
「……何?」
アスカはわかっている。ただクーラーが止まっただけだ。
寿命だったクーラーが、ただ壊れただけ。それだけ。
なのに、ざわざわとぞわぞわと、抑えようのない冷たくぬるいものが
足元から立ち昇ってくるのを止められない。
怖い。
>>18-19 どうして怖いんだろう。どうしてこんなに空気の動きが
ゆっくりと感じられるのだろう。どうして。
例えようもなく恐ろしいのに、何がそんなに恐ろしいのか
わからない。
なのに怖い。
わからない。
耐えられない。
ぴちゃんと蛇口から落ちる水音をスタートピストルにして
アスカは駆け出した。
シンジの部屋に。
>>18-20 シンジは起きていた。
ベッドに横たわることもなく、身体を起こして宙を
見つめていた。
(駄目かもしれない……。)
アスカは何故だかそう思った。
既に家中が侵されているのかもしれない。
もう駄目だ。もう終わり。
絶望感が彼女の中に広がった。
>>18-21 「ノックぐらいしてよ……。何?」
はっとアスカは我に返った。
いつものシンジ。眉をひそめて、怪訝な顔で自分を
見つめている。
少しおどおどした、でも不機嫌そうな、いつもの顔。
おかしいのは自分の方だ。
シンジはいつものシンジではないか。
(助かった……。)
ここは安全。私は助かった。シンジが一緒に居れば
大丈夫。
安心した途端、この暑さが耐えがたくなり、アスカは
言った。
「クーラーが壊れたの。」
23 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/14 08:36 ID:tjSDPlRQ
>>4 ×一週間は帰宅していなかったミサトは、特別に仮眠を取る許しを得て
仮帰宅していた。そして、まさに寝入ろうとしたそのとき、それは
○丸々一週間、発令所に詰めていたミサトは特別に、仮眠を取る許しを得て
帰宅していた。そして、まさに寝入ろうとしたそのとき、それは
>>18-22 二人はリビングにいた。
アスカはシンジの後ろから様子を窺っている。
その態度がおかしいことに、シンジも気づいている。
「何よ、あんたがやりなさいよ。男でしょ?」
シンジはすっかり怖気づいていた。
相手はただのクーラーだというのに。
空気は伝染する。
今や、アスカの恐怖はシンジをも侵していた。
「わかった、怖いんでしょ〜?」
「そ、そんなことないよ!アスカが邪魔だからでしょ。下がっててよ。」
やっと動く気になったようだ。
その為の挑発。世話が焼ける。
シンジがじりじりとクーラーに近付く。
アスカの背にじっとりと厭な汗が浮かぶ。
汗を掻くのは暑いから。それだけ。
だから大丈夫。
これは別に何かを感じてるわけじゃない。
だから平気。
シンジがクーラーに手を伸ばす。
触れる。
アスカは、何故だか祈るような気持ちで、
ぎゅうっと目を閉じた。
もし、シンジに何かあっても。
自分は逃げれば済むこと。
自分はシンジのことなど、どうでもいいのだ。
どうなっても構わない。
それに、何も起こるはずがないのだから、
シンジだって大丈夫。
何もかも無事に。何もかもが変わらない。
そうに決まってる。
アスカは唐突に、シュレーディンガーの猫を
思い出した。
目の前にシンジがいる。
いまのアスカには見えないが、シンジは確かに
そこにいる。
気配を感じない。わからない。音がしない。
でも、いる。
アスカがそう思うのだから。
アスカが目を瞑っている限り、シンジはそこにいる。
そう思うことができる限り、彼はそこにいる。
では、目を開けたら?
彼は、どちらかに引っ張られてしまう。
私が、彼の運命を決めてしまう。
馬鹿なことを。
自分は一体、何を考えているのか。有り得ない。
妄想。きっと自分は、知らない間に怖い夢でも見たのだろう。
うたた寝。その残り香が胸騒ぎを起こすだけ。
こんな夜に、こんな風に、ただ私達は過ごしているだけなのに。
何も起こるはずがないし、何かが起こったとしても、大丈夫。
シンジがいるから。自分は逃げればいい。
だから彼に任せたのだ。
何かがあっても、逃げることができるから。
なのに、目を閉じていては意味がない。
×なのに、目を閉じていては意味がない。
○だというのに、目を閉じていては意味がない。
アスカはそろそろと薄目を開けた。
こんなに言い訳をしなければ、見ることもできないなんて。
どうかしてる。
自分はどうかしている。
いつもの夜なのに、自分がどうかしている。
自分がおかしいだけ。
今度は臆すことなく見開く。
誰もいなかった。
アスカは、そろそろと鏡を見る。
誰もいなかった。
終。
その(3) 良い子でお留守番
加持は背中を丸めて煙草に火を灯した。
現在の葛城家に灰皿はない。
ビールの空き缶で代用するしかないというわけだ。
父親の気分を味わいつつ煙をくゆらせていたとき、
それは起きた。
「まずいな……。」
本来なら、葛城家に何が起ころうと知ったことではない。
当然、助けには入るが、それはあくまでも親切心から。
所詮は他人事だ。
しかし。今は少しばかり事情が違った。
彼は、家主に留守番を仰せつかっていた。
彼女が帰ってきたとき、クーラーが壊れているなんてことに
なったら、危ういのは彼の命。
そして、まずいこと、というのはそれだけではなかった。
伊吹マヤが遊びに来る予定があったのだ。
それの何が不都合というのか。
伊吹マヤの訪問について、葛城は知らされていなかった。
そして、葛城が留守ということを伊吹マヤは知らない。
つまり、加持は、留守番を上手く有効活用しようとしたのだ。
舞台が、居られないほど暑いとなっては、せっかくのプランが
台無し。
加持は頭を捻る。
伊吹マヤの到着は午後3時。あと1時間。
まだまだ考える余裕はあった。
まず、部屋から連れ出すという案は却下。
彼女は潔癖症。そして、賢い。
上司と関係のある男に近付く女性ではない。
部屋にいるのが加持一人と知ったら、改めて訪問することにして、
帰ってしまうだろう。一緒に外出など有り得ない。
葛城が帰宅するという時間まで引き留めるのが精一杯。
大体、一時間半が妥当。
その間に、上手く事を運ばなければならなかった。
クーラーが故障しているとなると、修理屋を呼ぶ話になる。
例え今から頼んだとしても、マヤの訪問には間に合わない。
そのままにしておくというのは、あまりにも不自然。
葛城が戻るまで、外の喫茶店で時間を潰すことになってしまう。
それはまずい。
いっそドライブでもできればよいが、それが無理な限り、
下手に人目のつくところは避けたかった。
40 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 01:30 ID:j2mABSkU
そして、午後3時。
マヤは葛城家のインターフォンを押した。
「やぁ、いらっしゃい。」
ズボンを膝まで折り曲げた加持が、団扇で煽いで歓迎。
「あ、あの……。」
「いいのいいの、遠慮なんて。はい、どーぞ。」
押し付けられ、仕方なく団扇を受け取るマヤ。
暑い。
むわっとした空気に気圧されつつ、恐る恐る靴を脱ぐ。
ミサトのサンダルを確認。
「ええと、葛城三佐は……。」
「ん?ああ、マヤちゃんの為に、今、ちょっとね。」
いるんだわ、とほっとしつつ、疑ってしまった自分に嫌悪感。
「私、ケーキ持ってきたんです!ここのお店、美味しいって
評判なんですよ!」
「そうか。いやいや、わざわざありがとう。葛城も喜ぶよ。
さ、どうぞ。座って。紅茶とコーヒー、どっちがいいかな?」
「じゃあ、紅茶を……。あの、ところで。」
マヤは非常に訊き辛そうに切り出した。
「暑くありません……?」
「んん〜?」
加持の困ったような笑顔にビクッとしつつ、
マヤは続ける。
「あっ、ごめんなさい!失礼でしたよね。
はじめてお邪魔したものですから、
勝手がわからなくて、こんな……。」
「いやいや、いいんだよ。
悪いのは、説明していなかった俺だからね。
なんでクーラーを止めてるかっていうと……。
実は、マヤちゃんの為なんだ。コレが。」
なんだよー、双児と留守番するとかの展開じゃないのかよぅ。
45 :
>44:02/06/16 12:46 ID:???
僕、宏って言うんだけど、この夏休み中、お隣のちっちゃな双子の姉妹を預かる事になったんだ。
聞いただけならエロゲオタが羨む様なシチュエーションでしょう?
実際の見た目は一言で言えば「達磨」これに限るね。同じ様なのが二体もいるし。
クーラーは壊れてるわ、「おにいちゃん」とか言いながらベタベタくっついて来るわでサウナ状態だね。酸っぱい匂
いがするけど
おまけに「あたしがおしっこするところ、お兄ちゃんに見てほしいの」とか言ってんの、もう見てらんない!
で、やっと見終わったと思ったら、「足下がべしゃべしゃで、気持ちわるーい」とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
ミシュランみたいな体して何が「気持ちわるーい」だ。お前は本当に(中略)
まあお前みたいな、幼児体型は紙おむつでもしてなさいってこった。
書いといて何だが、なんか中途半端だな・・・・・
でも、紙おむつプレイは(;´Д`)ハァハァ
>>1 >>34-43 「私の為……?あ、すみません。いただきます。」
紅茶を注いで、加持は、つつ……とマヤのふくらはぎに
手を触れた。
「きゃあっ!何するんですかっ。」
「……やっぱりね。マヤちゃん、冷え性だろ。」
図星を差されて激しく動揺したマヤは、責めようとしたのに
口篭もってしまう。
「ど、どうして、それを……。」
「うん。いや、リッちゃんがね、葛城に言ってたんだよ。
それで同じ悩みのある葛城が、マヤちゃんの為に……ってことで、
今日と相成ったわけさ。」
「え。じゃあ……。」
マヤの顔から怒りが消える。もうひと押し。
「そそ。んで、コレ。」
「すみません……。
なんだか私、加持さんを誤解していたみたい……。」
「いやいやいやいや。わかってくれればいいんだよ。うん。
女性は大変だからねえ。
君のような可愛らしい女性のお手伝いが少しばかりでも叶えば、
俺も本望。ね?」
マヤは恥ずかしそうに笑う。いい雰囲気。
堕ちた。波に乗ったら後はシナリオ通りに進めるだけ。
が、実はここからが正念場だ。
と、マヤがはっとした様子で手を打った。
「いけない!私ったら。葛城三佐にお礼も何も。
どちらにいらっしゃるんですか?」
そう、ここからが問題。
>>47 ×紅茶を注いで、加持は、つつ……とマヤのふくらはぎに
手を触れた。
○加持は紅茶を注ぐと、すっかり油断していたマヤのふくらはぎを
つつ……、となぞった。
>>48 ×君のような可愛らしい女性のお手伝いが少しばかりでも叶えば、
○君のような可愛らしい女性の助けになるのなら、
>>48 「ちょっと今、手が離せないらしくてね。
準備に入ろうか!とりあえず!」
少しいぶかしむ様子で携帯を取り出すマヤ。
「早くお礼が言いたいので、お電話しても
いいでしょうか……?」
一瞬の沈黙。
「……もちろん構わないさ。相変わらず礼儀正しいなあ。君は。
いいお嫁さんになるよ。保証する。」
>>50 ×いいでしょうか……?」
○よろしいでしょうか……。」
>>50 「ところで、葛城の番号は知ってるのかい?」
また、沈黙。
「いいえ。ご自宅しか。」
「そうかそうか。そうだよなあ!ごめんごめん。
じゃあ、教え……おっと。
そういえば、さっき掛けたばかりだったな。
家の電話を使うといい。
リダイアルすればいいだけだから。」
52 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/16 21:59 ID:ZV1b5NNI
「いいんですか?すみません……。」
やたらにこやかに、しかし視線は外さずに。
リダイアルボタンを押すマヤを見つめる加持。
妙な緊迫感。流れる汗。
「……あら?」
「ん?どうしたのかな?」
「繋がらないんです……。」
「そうか。電源ボタンをうっかり押しているのかも
しれないな。アイツ、そそっかしいし。」
「あの……。」
「なんだい?」
「つまり、やっぱり葛城さんは、いまご自宅に
いらっしゃらないんですね。」
「私。実は今、加持さんを引っ掛けたんです。」
「ごめんなさい。
加持さんは、曖昧な表現をされてましたけど、
これまでに葛城さんの気配が全くしないのは、
絶対におかしいと思って。」
「外出していらっしゃるんですね。」
「どうして隠してたんですか?」
「参ったな……マヤちゃんには敵わないよ。完敗だ。」
加持は、大袈裟に肩をすくめてみせた。
「確かに葛城はここにいない。君の言う通りだよ。
悪かったね。」
「どうして、そんな嘘を……。」
「簡単さ。
君に、……帰って欲しくなかったから。」
ぎしっと加持が腰を上げる。
警戒するマヤ。
56 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/17 01:29 ID:dF9feVnk
立ちあがって後ずさるマヤ。
「わ、私……帰ります!」
加持は答えない。
そして、マヤにその腕を伸ばし。
×……たかのように見えたが、それをすり抜けて、
棚の上のある物体を掴んだ。
○……たかのように見えたが、それをすり抜け。
彼が掴んだのは、マヤの背中にあった棚、
その古ぼけた箱だった。
「葛城が帰ってくるまで、コレ、頼むよ。
ウォーミングアップとして。」
「は、はぁ……?」
何事もなかったかのように話を続ける加持に、
マヤは戸惑った。
ペースが狂う。
>>57 ×放ったらかしだったという代物だ。」
○放ったらかしにしていたという代物だ。」
>>59 「マヤちゃんを帰したとあっちゃ、半殺しだからな……。
葛城が買い忘れたせいで、俺が留守番なんて
してるっていうのに、世の中、ホント不公平だ。
弱肉強食。ノビ太はハイハイって言うこと聞くだけ。
……って、ね。コレ、葛城には内緒な。」
愚痴にのせてさらっと説明する加持。そしてウィンク。
なんとなく脱力したマヤは、そのまま椅子に座り込む。
「あの……、いつ、お帰りに?」
加持は、にやっと笑った。
「40分。」
「あ、と。40分、ね。」
またしても流れる沈黙。
しかし今度は、張り詰めたものもなく。
「……もう、嘘ついちゃ駄目ですよ?」
「もちろん。じゃ、おみあしをどうぞ、姫。」
壊れたクーラー万歳。
逆境をバネによりよい状況に持っていけた自分を、
加持は誇りに思う。
馬鹿馬鹿しいが、人間所詮そんなもの。
そんなものが最も大事な活力だったりするわけで。
夜。
突然、日帰りの温泉旅行をプレゼントされた三人が
帰宅すると、クーラーは、何事もなかったかのように
そよそよと涼しげに動いていた。
マヤは、リダイアルした先が、加持の携帯だったことには
気づかずじまいだった。
ちなみに、ミサトの通販話だけは本当。
終。
その(3) ミッドナイトコール
日向マコトは、彼にしては珍しく、指定速度も守らずに
国道を飛ばしていた。
彼がここまで頑張ってしまう原因。
それは当然、彼の上司、作戦部長の為に他ならない。
いつも通り、ミサトに尽くす彼の姿がここにはある。
しかし今日は、ひとつだけ、あることが違っていた。
彼に淡い期待があること。
そう。
今日のマコトは、彼にとって、これから一生訪れることは
ないかもしれないチャンス、その為に、罰金も恐れずに、
車を走らせていた。
×罰金も恐れずに
○罰金も恐れず
マコトは、この真夜中に、葛城の家へ
呼ばれていたのだ。
あけっぴろげな態度が好かれている葛城ミサトだが、
実は、意外とガードの固い女性である。
それが真夜中に男を部屋に上げるとは。
しかも呼んだのは向こうだ。
それが、例え壊れたクーラーの為であっても、愛車の
ローンのおかげで修理代さえ払えないミサトの断腸の
決断の結果であったとしても。
日向マコトは嬉しかった。
それは、葛城ミサトからの、信頼の証だから。
彼女が、本当はとても不器用な女性であることを
マコトはよく知っていた。
呼ぶということは、当然アスカやシンジもいるのだろうし、
何の間違いも起こりようもない。
しかしマコトは、ミサトの家、そのダイニングで、コーヒーの
一杯でも飲めるのなら、一睡もできなくとも構わない、
そんな心持ちだった。
突然、マコトは急ブレーキを踏んだ。
>>1 >>34-43 >>47-65 後日談
帰宅した葛城は、部屋の妙な雰囲気というか、
湿度に気づいて、加持を問い質した。
「アンタ、何かおかしなこと、してないでしょうねぇ……。」
「いいや、何も?
今日は暑かったし、一人でヒマだったからな。
ちょっとばかり、『注文の多い料理店』ごっこをして
遊んだだけさ。」
終。
>>1 >>34-43 >>47-65 後日談
帰宅した葛城は、部屋の妙な雰囲気というか、
湿度に気づいて、加持を問い質した。
「アンタ、何かおかしなこと、してないでしょうねぇ……。」
加持は涼しい顔で答えた。
「いいや、何も?
今日は暑かったし、一人でヒマだったからな。
ちょっとばかり、『注文の多い料理店』ごっこをして
遊んだだけさ。」
終。
>>76 車から降りて、それに近付く。
白いズタ袋に見えたものは服。
その物体は、年端も行かぬ少女だった。
>>63 ×逆境をバネによりよい状況に持っていけた自分を、
○逆境をバネに、よりよい状況に持っていくことができた自分を、
>>66 ×指定速度
○法定速度
>>80 見覚えのある顔。
「あれは……。」
栗色の髪と瞳は、しかし彼がよく知っているはずの彼女とは違っていた。
年も離れている。関係あるはずがない。
ミサトの為に動いている日向マコトは、チルドレンについていくつかの情報を握っていた。
その内のひとつから導き出される、ある推論。
何を考えてるんだ、自分は。
こんな時間にこんなところで子供がただ一人、うずくまっているというのに。
純粋に心配することもできない自分に嫌気が差す。
善人でいたければする仕事ではないな、とつくづく思いながら、彼は少女に駆け寄った。
「んーと、どうしたのかな?どこか痛くないのかな。
お母さんは?」
「おかあ、さん……。」
見上げる虚ろな瞳。
やはりよく似ている。
しかし、その髪と瞳の色が違うだけで、随分と印象が違った。
目の前の少女は、見知ったあのパイロットとは違い頼りなげで、今にも消えてしまいそうな
様子。
85 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/06/17 22:16 ID:pkIukQN6
少女の身に、怪我など、特に異常がないのを確認すると、マコトはその前にしゃがみ込んだ。
「じゃあ……、お家はわかるかな?
もし、君がよければの話だけど、送っていくよ。
ちゃんと、親御さんにご連絡した上で、ね。」
ミサトの家への到着は遅れるが仕方ない。まさか、このまま通りすぎるわけにもいかないし。
「おうち……、……あっち。」
少女は迷うことなく指を差す。
「うん?あっち?」
「そう。うみ。」
「……海の方向に、お家があるの?」
そこではじめて、少女は笑顔を見せた。
「ええ。」
少女が車に乗り込む前に、彼は電話を渡した。
が、彼女は首を振って受け取らない。
「……ないの。でんわ。」
「ええ、本当に?」
彼女はこくんと頷く。
「つながらないの。」
「……そっかぁ。困ったな……。」
なんの連絡もせず連れ込んで、誘拐犯などと誤解されたら。
そんなマコトの心の内を読んだかのように、少女は言った。
「だいじょうぶ。ちかくだから。」
確かに、海まではそう遠い距離ではない。
元々急いでいたこともあり、少しぐらいならいいか……と、マコトはそれ以上、
問い詰めることもなく、少女を車に乗せた。
ところで車は、マコトにとって、家の次に私的な空間だったりする。
普段は友人を乗せる程度。その中に女性はいない。
後部座席の彼女は、窓の外でも見ていてくれればいいのに、じっと前方を見つめている。
その沈黙の重苦しさに耐えることができず、マコトは口を開いた。
「えっと……、お名前は、なんていうのかな?」
まともに目が合った。
何故かこちらがビクッとしてしまう。
「ええっと……。」
「……。」
話題を変えることにした。
そう……できるだけ無難そうな。
「うーんと……、海は、好き?」
「すき。」
今度は即答。
ほっとしつつ言葉を続ける。
「じゃあ、海で遊んだりしてるんだね。いいなぁ。」
笑顔。
「海は楽しい?」
「ええ。」
「どんな感じ?」
笑顔。
空気が柔らかくなったことに安心して、マコトは再び携帯を取り出した。
今度はミサトに連絡する為だ。
事情を説明したところ、ミサトは自分のことは気にしなくともよいと言ってくれた。
しかし、あまり時間はかからないのだから絶対に待つようにと、マコトの方が頼んだ。
マコトが行けないとなったとき、どういう展開になるか予想がついたからだ。
そもそも自分が呼ばれたのも、その、本来なら呼ばれたであろう相手とミサトが、現在、
冷戦中であったことに端を発しているのである。
しかも、冷戦、などと思っているのはミサトの方だけ。
絶対に阻止しなければならない。なんとしても。
【 ♪ ウリナラ天国 ♪ 】
♪キムチキムチキムチ〜
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > <丶`∀´>
⊂ つ⊂ つ))
.人 Y 人 Y
((レ'(_フ レ'(_フ
♪キムチを食べると〜
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > <`∀´ >
⊂、 つ⊂、 つ
Y 人 Y 人
<_)'J)) <_)'J))
♪アタマアタマアタマ〜
∧_∧ ∧_∧
<`ш´ > < `∀´ >
((( つ⊂ ) ( つ⊂ )))
ヽ ( ノ ヽ ( ノ
(_フレ' (_フレ'
♪頭がイカれる〜
∧_∧ ∧_∧
((∩ `ш´>∩∩`∀´>∩))
〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ
レ´(_フ レ´(_フ
つづき〜
「朝早く♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > ( *`□´)
⊂ つ⊂ つ
.人 Y 人 Y
し'(_) し'(_)
「目覚めーた♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > (`□´* )
⊂、 つ⊂、 つ
Y 人 Y 人
(_)'J (_)'J
「今日は」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ >( `□´ )
( つ⊂ ) ( つ⊂ )
ヽ ( ノ ヽ ( ノ
(_)し' (_)し'
「いい天気ーよ!!」
∧_∧ ∧_∧
∩ `ш´>∩∩ `□´)∩
〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ
し´(_) し´(_)
「あなたと♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > ( *`□´)
⊂ つ⊂ つ
.人 Y 人 Y
し'(_) し'(_)
「ポチ連れて」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > (`□´* )
⊂、 つ⊂、 つ
Y 人 Y 人
(_)'J (_)'J
「あの山」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ >( `□´ )
( つ⊂ ) ( つ⊂ )
ヽ ( ノ ヽ ( ノ
(_)し' (_)し'
「目指そう♪!!」
∧_∧ ∧_∧
∩ `ш´>∩∩ `□´)∩
〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ
し´(_) し´(_)
「弁当♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > ( *`□´)
⊂ つ⊂ つ
.人 Y 人 Y
し'(_) し'(_)
「すーいーとおーも♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > (`□´* )
⊂、 つ⊂、 つ
Y 人 Y 人
(_)'J (_)'J
「準備」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ >( `□´ )
( つ⊂ ) ( つ⊂ )
ヽ ( ノ ヽ ( ノ
(_)し' (_)し'
「OKだ〜ね!!」
∧_∧ ∧_∧
∩ `ш´>∩∩ `□´)∩
〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ
し´(_) し´(_)
「寝ぼけた♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > ( *`□´)
⊂ つ⊂ つ
.人 Y 人 Y
し'(_) し'(_)
「かーおーしてないで♪」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ > (`□´* )
⊂、 つ⊂、 つ
Y 人 Y 人
(_)'J (_)'J
「さあ」
∧_∧ ∧_∧
< `ш´ >( `□´ )
( つ⊂ ) ( つ⊂ )
ヽ ( ノ ヽ ( ノ
(_)し' (_)し'
「飛び出そうよ!!!」
∧_∧ ∧_∧
∩ `ш´>∩∩ `□´)∩
〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ
し´(_) し´(_)
ちょっとー、続きが気になるんですけどー。
きいてる?
ノノノ・メ_・) クーラかけ過ぎると体がダルクなるわよ・・・
やっぱり行くなら南の島よね。