クローン人間は温泉ペンギンの夢を見るか?

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1碇シンジ
誰か教えてよ。お願いだよっ。
駄目なんだ、ボクじゃ。駄目なんだよ…
(゜д゜)ハァ??

〜〜〜〜FIN〜〜〜〜
3碇シンジ:01/12/11 23:44
誰も、誰も教えてくれないんだね。
分かってたんだ。みんなボクが要らないから、だから優しくしてくれないんだ、誰も。
嫌いなんだろ。そうだと言えばいいじゃないか!違うのかよ!
クローン人間じゃないので分かりません。以上
5名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/11 23:48
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』か…。

ブレードランナーのデッガードが最初のシーンで食ってたのは
きつねうどん?牛丼?
6名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/11 23:54
綾波のレプリカント欲しい〜〜
7碇シンジ:01/12/11 23:56
そっか。ハハハ。そうやってまたボクを騙すんだ。平気な顔で嘘を付くんだ。
子供だからって、大人の都合だって、言い訳するんだ。
誤魔化して、その答え強要してるだけじゃないか!そんなの止めてよ!
8馬並レイ:01/12/12 00:06
昨日、見たわ…。
ただ、それだけ。
私は、どう答えていいのかわからないもの。
子供に子供の事情があるように、大人には大人の事情があるんだよ。
それは多くの場合相容れないものなんだ。
もういい。ヤメロ。
11名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/12 00:42
「オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか」か・・・

懐かしいな、ってわかる奴は少ないだろうが。
そんな古いエロゲー知るわけない。
13名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/18 03:04
チプーンカプーンだヨ
14名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/18 04:16
ボク、クーロンニンゲン、オンセンペンギンノユメミタ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜第一部終了〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヽ(`Д´)ノ
(-.-)y-.。o○
18ナナーシ:02/01/07 02:58
オンセンペソギソハ ヨウショクマグロノ ユメヲ ミルゾ。
19ぽち:02/01/07 18:25
 おじゃまします。
しばらくのあいだ、ここで遊ばせてください。
ベタベタで申し訳ないんですけど・・・。

それではお話を始めますね。
20ぽち:02/01/07 18:25
 21世紀始め、日本のネルフ・コーポレーションは人間そっくりのネクサス型クローンを開発。
それらはレプリカントと呼ばれた。特にネクサス6型レプリカントは体力も敏捷さも人間に勝り、
知力もそれを作った技術者に匹敵した。公式発表の席でわが社自慢の子供達と紹介した
ネルフ会長の言葉をとって、ネクサス6型レプリカントは『チルドレン』と名づけられた。チルド
レンは奴隷労働や圏外(地球外)での危険な作業などに使われていたが、ある時反乱を起こ
して人間の敵に回った。チルドレンの性能から警察組織の手にあまると判断した日本政府は
軍にその対処を一任。地球に戻ったチルドレンを処分するために、戦自内に対チルドレン
特捜班が組織された。人の形をしたチルドレンを無慈悲に処分する彼らは、ある種の揶揄を
こめて“伝道者”と呼ばれた。
21ぽち:02/01/07 18:25
           第三新東京市

           2019年 11月
22ぽち:02/01/07 18:26
 雨がずっと降り続いている。
地軸を震わせたセカンド・インパクトの影響で、世界中の気候はすっかり変わってしまった。
空には灰色の雨雲が始終たれこめて、第三新東京市に日の光が射すことなどほとんどない。
どんよりとした雲は人々の気持ちを暗く押しつぶしていた。裕福な人たちは気候のいい大陸
か天気が管理されたコロニーに移っていった。普通の生活から捨てられた人、もしくは捨て
た人が、今この街に住んでいる。
 雑然とした商店街のなか、店の軒先で雨宿りしている女性は後者の方だった。
23ぽち:02/01/07 18:27
 狭い道路を挟んだ向かいの紅茶専門店が開くのを彼女は待っていた。年のころは二十歳
前。名前をマナといった。紺色のレインコートに同色のレインハットをあわせている。少し雫の
垂れる帽子の下には、栗毛色の髪と化粧ひとつしていない顔がのぞいていた。きれいに整っ
た顔立ちに、わずかに少女の面影が残っていた。
 しかし、人を惹きつける愛らしい瞳とは裏腹にマナは容易に扱われるような女ではなかった。
この街にながく暮らす人ならマナの内に秘めたものに気がつくことだろう。
24ぽち:02/01/07 18:27
 商店街の上空にさしかかったバルーンシップが政府広報をがなりたてはじめた。いつもの
圏外(地球外)作業者募集広告だった。
 胡散臭げにマナは空を見上げた。
甘い言葉が下りてくるが、圏外に黄金の大地や新しい生活とか冒険なんかは待ってはいない。
苛酷な労働か悲惨な死だけがあることは、ここの街の住民なら誰でも知っていることだった。
25ぽち:02/01/07 18:27
(あそこだったら私を雇ってくれるだろうか・・)
 バルーンシップを眺めながら、ぼんやりとマナは思った。
(元戦自・・元伝道者・・元殺し屋・・)
 つまらない思いを払うようにマナは小さく首をふった。
26ナナーシ:02/01/08 02:27
>>22-25
イイ! ツヅキ タノシミニ シテルゾ!…ト、 プレッシャーヲ カケテミル。 ワル! カコイイ!
ぽちさん、前作もお気に入りでした。
今作も応援してます。
頑張って下さい。
28ぽち:02/01/11 17:39
>>26-27
ありがとうございます。
軽い気持ちで始めちゃったけど、最後までたどり着きたいと思ってます。
しばらく一緒に遊んでもらえたら嬉しいです。

それでは、お話を続けますね。
29ぽち:02/01/11 17:39
 紅茶専門店の扉が開き、一人の老紳士が顔を出した。この店の主人だ。
 主人はドアに掛かっていた『closed』の札をはずすと
「開きました、開きました。いらっしゃい」
と、手招きしながらマナに声をかけた。
 マナは小さく息をつくと、口元にかすかに笑みを浮かべ、小走りに店に駆けこんでいった。
30ぽち:02/01/11 17:40
 店の中はそれほど広くはない。入ってすぐに紅茶葉や小物が飾られたショーケースとレジが、
つづいて奥に数人が座れるカウンターがあるだけだった。それでも調度品は落ちついた雰囲
気で統一されていて、空調も清掃も行き届いている。そこは主人の心配りを感じることができる、
あたたかく、落ちついた、誠に気持ちのよい店だった。
 マナはコート掛けに帽子とコートをかけると、慣れた奥の席に座った。
31ぽち:02/01/11 17:40
「オレンジのタルトを四個、紅茶はダージリンで」
 乾いたタオルを受け取りながら、マナは注文を伝えた。
「二つで十分ですよ」
 主人はちょっと驚いたように、右手指を二本マナにしめした。
「いいや、四個!」
 かたくなにマナはかえす。どうあっても食べるつもりなのだ。
32ぽち:02/01/11 17:41
「二つで十分ですよ。ふとりますよ」
「うっ・・・。じゃあ、胡瓜のサンドイッチ・・・」
 老主人の真摯な忠告に、マナの決心もあっさりと翻る。
「わかりました」
 品良く微笑みながら主人は下がっていった。
33ぽち:02/01/11 17:41
 しばらくするとマナの前にはタルトとサンドイッチがのった小皿が、次いでボーンチャイナの
見事なティーセットが鎮座した銀のトレーが並んだ。午後の紅茶としては実に申し分がない。
 これが、今のマナにとって、たったひとつ残された幸せだった。
 けれど、この日の幸せは長くは続かない。
 一人の女性が店に入ってくると、マナの方に向かって歩いてきた。
34赤い目の名無し:02/01/13 23:26

無理をなさらず、御自分のペースで。

また、ぽちさんの作品が読めるのを嬉しく思います。
応援してます。頑張ってください。
36ぽち:02/01/15 18:27
>>34-35
 ほんとうにありがとうございます。
これでいいのかなあって少し不安もあるんですけど、
一緒に遊んでもらえたら嬉しいです。

それでは、お話を続けますね。
37ぽち:02/01/15 18:28
「ご同行お願いします」
 丁寧な物言いだったが、そこにはからかうような響きがあった。
 マナはわずかに眉をひそめた。
「お断りよ。お茶の邪魔はしないで」
 見向きもせずに、マナはぴしゃりと言い放った。
「そうも言ってられないのよねえ。発令所に出頭要請が出ているわ、『伝道者』の霧島マナさん」
 まあそんなに突っかかるなといった感じで女が言った。マナの態度を気にとめてもいなかった。
38ぽち:02/01/15 18:29
「発令所ねぇ・・」
 うんざりした表情でマナはつぶやいた。やっかいごとが転がり込んできた気がした。
(もう、まだ一杯しか味わってないのに。せっかくの午後の紅茶が台無しじゃない・・)
 マナは腹立たしかった。無粋な出頭要請など余っ程ほっておこうかと思ったが、やめた。それ
こそ、よけいやっかいなことになるのは目にみえている。
39ぽち:02/01/15 18:30
 大きくため息をつくとマナは席を立った。代金を払い、主人に紅茶を残していく非礼を詫びた。
 主人は残ったサンドイッチを油紙に包むと、黙ってマナに手渡してくれた。
 マナはコートを羽織り帽子を手に取ると、ようやく女の方に振り向いた。
 「待たせたわね」
 「いいえ、退屈はしてないわ」
 女はマナをおもしろそうに眺めていた。
40 ◆Kou/fTIE :02/01/16 22:36
読ませていただいていました。
私もとても良いと思っています♪
負担にならない程度にがんばってくださいね。
41ぽち:02/01/20 17:26
>>40
ありがとうございます♪
少しずつしか進みませんが、よろしかったら最後まで
遊んでいってください。

それでは、お話を続けますね。
42ぽち:02/01/20 17:26
 女の名前は、葛城ミサトといった。
 ミサトもまた戦自に所属し、チルドレンを狩るハンターだった。その言動からお調子者といった
印象を受けるが、あくまで上辺だけのことに過ぎなかった。局地でのレンジャー訓練をやり遂げた
兵士としての技量もさることながら、戦闘の指揮に関しては葛城の右に出るものがいないと謳われ
た戦自きっての戦術家でもあった。若干品行に問題もあるが、人柄は明るく、部下からの人望も
厚い。彼女は将来を嘱望された軍人といえた。
43ぽち:02/01/20 17:42
 ミサトが配属された対チルドレン特捜班には、若い兵士が集まっていた。
 あるときミサトは、もしチルドレンと一対一で対峙することになったらどうするかと彼らに訊いたこと
がある。血気盛んな若い駆け出しの兵士達だった。自分の腕っ節を自慢した威勢のいい返事を
ミサトは期待していたが、返ってきたのは意外なこたえだった。
「自分なら迷わず退却します。マナだったらなんとかなるかもしれませんが・・」
 このときミサトは、マナという名を初めて聞いた。
44ぽち:02/01/20 17:42
 さらに詳しく訊ねてみて驚いた。
彼女はまだ二十歳にも満たないが、チルドレンを狩る最強のハンターは間違いなくマナだと、彼ら
は口々に言った。ミサトはますますマナに興味を持った。今どこの部隊に配属されているのかミサト
が訊ねると、もう戦自を辞めていったと彼らは言った。突然除隊を願い出て、説得に耳も貸さずに
マナは辞めていったと言う。ミサトが転属してくる少し前のことだそうだ。
45ぽち:02/01/20 17:43
 マナと入れ違いで自分が配属されたことを知って、ミサトは少し残念に思った。一度会ってみて、
どれほどの人物か自分の目で確かめてみたかったからだ。 
 幸いなことに、もう会うこともないだろうと思ったミサトの意に反し、その機会は割合早くに訪れた。
マナの再召集を聞いた時、迎えには自分が行きますと、ミサトは自ら志願したのだった。
46ぽち:02/01/24 18:48
 入り口で検問を終えると、車はゆっくりと戦自の敷地内に入っていった。ゲートを通り抜けたとき、
雨足が少し強くなった。車中でミサトとマナは一言も話すことはなかった。マナはサイドウインドーに
流れる雨滴を見ているだけだった。ここに来るのは久しぶりだったが、マナには何の感慨ももたらさ
なかった。マナが詰めていた建物が見えても、それは同じだった。
47ぽち:02/01/24 18:48
 発令所の入った建物は古い駅舎を増改築したものだった。戦自施設の中にあって、むやみに大
きく、異質な建物だった。すぐ前には何の飾り気もないロータリーがあって、排水溝から溢れだした
雨水が砂利道に水溜りを作っていた。
 車は入り口の広い階段の前に横付けして止まった。
 車を降りたマナは、ミサトを待つことなく建物の中に歩いていった。
48ぽち:02/01/24 18:49
 まっすぐに発令所を目指しマナは歩いていった。駅舎の名残を残す高い天井のホールは、マナ
の靴音を響かせた。
 ミサトのほうを振り返ることなく無言で歩くマナの様子に、どうやらまだ御立腹のようだ・・お茶を邪魔
したのはちょっち拙かったかなと、後を歩くミサトは苦笑していた。 
 やがて発令所の大きな扉が近づいてきた。
 ミサトが見つめるなか、マナは勢いよく扉を開けた。壁にあたった扉が、ガタンと音を立てた。少し
立ちどまると、憮然とした表情でマナは発令所に入っていった。
保守兼応援
がんがれ〜
50ぽち:02/01/28 20:16
>>49
ありがとうございます。気を使ってもらって、嬉しいです。
最近dat落ちが頻繁ですよね。このお話も、落ちない
程度に頑張りたいです。

それでは、お話を続けますね。
51ぽち:02/01/28 20:16
 御大層な机の向こうに男がいた。
 顔を上げると、ふんぞり返ってマナを見た。
「元気か?」
 男が言った。
「ええ」
 短くマナは答えた。
52ぽち:02/01/28 20:17
「普通に呼び出してもお前は来ないからな、悪く思うな。大事な話がある。まあ、座れ」
 手元のファイルを閉じながら男が言った。
「チルドレンが三匹、通りをうろついて・・・何ぼさっと突っ立ってるんだ。別に取って食ったり
しないさ」
 男は笑って席を勧めた。
(おやおや、やけに愛想がいいじゃない)
 まったく今日はろくなことがないと、マナは思った。
53ぽち:02/01/28 20:17
 マナはこの男が大嫌いだった。
対チルドレン特捜班の隊長だが、マナとは反りが合わなかった。差別語を人前で平気で使う
ような男だった。言動、態度、何から何まで、ことごとくマナの神経を逆なでした。そして、この
男がマナのことを毛嫌いしているのも判っていた。
 それが今日はどうしたことか。
(午後の紅茶は邪魔されるし・・・)
 ぶつぶつこぼしながら、とりあえずマナは座った。
54ぽち:02/01/28 20:18
「奴ら、シャトルを奪って圏外から高飛びしおった。そのシャトルが見つかったのは二週間前
だ。ぷかぷか芦ノ湖に浮いてたそうだ。それでチルドレンがこの辺りにいるのが判った」
 男はコーヒーを勧めながら切り出した。
「たいへんね」
 そっけなくマナは言った。
55ぽち:02/01/28 20:18
「そうでもないさ。シャトルが降りてくるのは誰も見ておらん。お前が奴らを見つけて処分す
れば、大した騒ぎになるまいよ」
「わたしは辞めたの。ムサシを使えばいいじゃない、優秀なんでしょ」
 ぶっきらぼうにマナは言い捨てた。
「使ったさ・・・、生きてるうちはよかった。だが、お前には劣る」
 いまいましそうに男が言った。
56ぽち:02/01/28 20:19
「力を貸せ、霧島。今度はちょっと面倒な相手だ。お前のマジックが必要なんだ。やっぱり
腕の立つ狩人でないとな」
 男はへりくだった薄ら笑いを浮かべていた。こういうところがマナの癇に障る。
マナはすこぶる不愉快だった。
「わたしは昔と違う。もう、人殺しはやらないわ」
 これ以上話すことは我慢ならなかった。
 マナは席を立つと、さっさと出口に向かった。
57ぽち:02/01/28 20:19
「待て!逆らう気か!」
 男が叫んだ。顔が紅潮していた。
「権力には勝てんぞ。お前はもう軍人じゃない、一介の市民にすぎないんだぞ」
 続けざまに大声をたてた。
58ぽち:02/01/28 20:20
 マナの足がぴたりと止まった。
 ゆっくりと振り返ったマナは嗤っていた。
「強制ね」
「ああ、強制だ」
 男が、にやりと笑った。
59ぽち:02/02/01 19:06
 ミサトとマナだけで使うには広すぎる会議室だった。しばらく使ってなかったのか、部屋に
入ると少しかび臭いにおいがした。大きな楕円のテーブルも、うっすらと埃がかぶっていた。
「どこでもいいから、適当に座ってね」
 部屋の電気と空調のスイッチを入れながら、ミサトが言った。
60ぽち:02/02/01 19:07
 ブリーフィングを口実に、ミサトはマナを発令所から連れ出していた。隊長とマナの間に
険悪な空気が流れ、発令所に軽い緊張がはしったからだ。ミサトはつまらない諍いで時間を
取るつもりはなかった。もっとも、本音ではとことんやらせてみたい気もしていたのだが。
61ぽち:02/02/01 19:07
「二週間前、宇宙植民地のチルドレンが空港を襲撃したわ。チルドレンは男三人女二人ね。
その戦闘で空港の警備兵は、チルドレン一体と引き換えに全滅。彼らはシャトルを奪って
圏外から地球に密航したわ。」
 状況をミサトが話し始めた。
62ぽち:02/02/01 19:08
「シャトルは、たまたま巡航していたUNのヘリが芦ノ湖で見つけたわ。すぐに付近を探索した
けど何も見つからなかった。もちろん、シャトルの中は空だったわ」
 ミサトは淡々と説明を続けた。おちゃらけた雰囲気はとっくに消えていた。
63ぽち:02/02/01 19:10
「三日前、ネルフ・コーポレーションに押し入ろうとした一体が、高圧線に引っかかってフライに
なったわ。社員としてネルフに潜入している可能性もあるから、念のために隊長はムサシを
送ったの。新入社員にVK(Voight−Kampff)テストさせるためにね」
64ぽち:02/02/01 19:11
 マナを見据えて一呼吸おくと、ミサトが静かに口をひらいた。
「これがそのときの映像よ」
 ミサトはリモコンのスイッチを押した。
なんで分けて書き込むの?
創作スレなら長文でもおけーだと思うけど
改行代わりならスペース入れればいいんじゃないかな
ぽちさんいつも楽しみにしてまっせ!

俺はこの方が読みやすいと思う。
文章の区切りが分かりやすいし。
6765:02/02/05 19:18
×改行代わり、○段落代わりだったヨ。
68ぽち:02/02/08 19:31
>>65>>67
 慶次のお話を書き込んでたときに、長い文章は数回に分けてって言われたから、
なるべく長くならないように分けて書き込んでいます。

>>66 
ありがとうございます。ゆっくりとしか進まなくて申し訳ないんですけど、最後まで
遊んでいってもらえると嬉しいです。

それでは、お話を続けますね。
69ぽち:02/02/08 19:31
 よく見えるように椅子を動かすと、マナは部屋正面の大きなモニターに目を向けた。
 そこには応接室の様子が映し出されていた。
二人掛けソファーと二つ並んだ一人用ソファーが低いテーブルを挟んで置いてあるだけの、
どこのオフィスにもあるような小さな応接室だった。テーブルの上にはVKテスト用の機材が
ひとつ置いてあった。
70ぽち:02/02/08 19:32
 窓際に一人の男が立っていた。大柄な男だった。濃紺のスーツの上からでもはっきりと
判るほど、首・肩・腕・胸・臀部・腿、全てが太く逞しかった。そして体付きに見合った、がっ
しりとしたあごのいい顔をしていた。
 モニター越しでもこの男はマナには間違いようがなかった。ムサシだった。
モニターの中のムサシは、窓のそばに立って降り続く雨を眺めていた。程無く次の被検者を
呼ぶアナウンスが流れ、ムサシはソファーに座った。
71ぽち:02/02/08 19:32
 軽いノックの後、一人の女性が部屋に入ってきた。女性は薄い灰色の作業用スモックを
着て、長い髪を無造作にまとめ上げていた。味気ない格好ではあったが、彼女の美しさは
少しも損なわれてはいなかった。ただ、おどおどとしていて、どこか不安げな様子だった。
 ムサシに勧められて席に着いても、落ち着きなく視線をさまよわせていた。VKテスト用の
機材を準備していたムサシがあまり動かないように注意すると、女性は申し訳なさそうに居住
まいを正した。
7265:02/02/08 21:02
素直なお人やね。おそらく長文はTOPに上がると重いから分けて書き込めつーことで(慶次スレはネタスレだったからね)
sageスレにおいては特に留意する必要ないとマジレスしとくよ。まぁお好きに
73ぽち:02/02/12 19:28
>>72
 お心使い、ありがとうございます。
何かの間違いで上のほうに行かないとも限らないので
とりあえず分けて書き込むことにします。

それでは、お話を続けますね。
74ぽち:02/02/12 19:28
 人間のクローンであるチルドレンは、感情以外は人間と変わらないように造りだされている。
製造後、数年経てば感情さえも生じてくる。外見だけでチルドレンを見分けることは不可能
に近い。したがって、長い年月を経て形作られる人の心とデータとして移されたチルドレンの
心の違いを見極めることが、人間とチルドレンとを識別する方法となっていた。
 感情を刺激することにより起こる顔面の毛細管反応・瞳孔の開閉・虹彩の拡張等を調べて
チルドレンを判別するテスト、それがVKテストだった。
75ぽち:02/02/12 19:28
 意図的に相手を刺激し不快にさせるVKテストは、被検者にはとても心地良いものとは言え
なかった。テストが進むにつれ、女性は狼狽し、顔を赤らめ、最後には顔を背けてしまった。
 ムサシは満足げに女性の様子を見ると、椅子に深くもたれタバコに火をつけた。初めから
ムサシは精神的に優位にたっていた。女性に煙を吹きかけては、相手の反応を楽しんでいた。
 顔の前で小さく手を振り煙をはらうと、女性は少し嫌そうな顔をした。
76ぽち:02/02/12 19:29
「これ、いつまで見るの」
 マナはミサトに非難がましい目を向けた。
「この後よ」
 ひどく真剣なミサトの声に、マナは再びモニターに目を移した。
77ぽち:02/02/12 19:29
 殺戮は一瞬だった。
 ムサシがタバコを消そうとテーブルに身を乗り出し灰皿に視線を移した瞬間、女性が動いた。
恐ろしく速い一蹴りだった。瞬時にガードしたムサシの左腕をへし折ってもなお勢いは止まらず、
首筋を横薙ぎに振りぬいていた。
 ムサシの巨体がモニターの隅に転がった。体についている首が、おかしな方向に捻じ曲がっ
ていた。そんなふうに首が曲がった人間がどうなるか、わざわざ口にするまでもないことだった。
78ぽち:02/02/16 16:12
 マナとムサシは戦自に入隊する前からの知り合いだった。対チルドレン特捜班にも同期
に配属された。自分を高めようと己を鍛え理想を目指すムサシの姿は、マナには眩しくて
とても好ましく思えた。多くの時間を一緒に過ごした。
 人と人との間に築かれる幸せな時間は短く儚いと誰かが言ったとき、自分達は違うと思っ
てた。共に歩いていけるとマナは思ってた。
79ぽち:02/02/16 16:12
 けれどチルドレンを追い続けた間に道が分かれてしまった。ムサシは走り続け、マナは
道に迷った末に降りてしまった。
 ムサシが絶命する様を見せられても、今のマナには何にも感じることが出来なかった。
どこかに忘れてきたようだった。チルドレンを狩り続けた間にどこかに置き忘れてきた気が
した。
 そう感じてしまう自分が、マナには何かしら悲しかった。
応援sage
いつも楽しみに読んでいます。
81ぽち:02/02/22 19:28
>>80
  ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです。
もう少しサクサクお話が進められると良いんでしょうけど…。
とりあえず、最後まで遊んでもらえるように頑張りたいです。

それでは、お話を続けますね。
82ぽち:02/02/22 19:28
「足取りを掴んでるのはここまでね」
 マナの方に向き直ってミサトが言った。
「チルドレンの特定は?」
「済んでるわ。ネルフからデータも送ってもらったし」
 一冊のファイルをマナに渡すと、ミサトはディスクを入れ替えた。
83ぽち:02/02/22 19:29
 モニターに、大きな円柱の水槽が映しだされた。これまでマナが何度も見てきた画だ。
プラグと呼ばれている、チルドレン製造プラントの映像だった。水槽は薄く色のついた
LCLという培養液で満たされていた。
84ぽち:02/02/22 19:29
 LCLの中で一人の女性がたゆたっていた。その髪の色が印象的で、すぐに消えてしまう
かげろうのような弱さを感じさせる美人だった。静かに目を閉じていて、まるで羊水の中で
眠っているようだった。
「ベーシック・モデルのアヤナミ・レイ」
 モニターを見ながらミサトはそう告げると、次の映像を呼び出した。
応援sageり
86ぽち:02/02/26 23:17
>>85
ありがとうございます。
ようやくシンジ君たちの名前まで辿りつきました。
来月はいっぱい書けるといいなって思ってます。

それでは、お話を続けますね。
87ぽち:02/02/26 23:17
 画面が変わり、別のプラグが映し出された。ムサシを惨殺した眉目良い女性が映っていた。
「アドバンスド・モデルのソウリュウ・アスカ。植民地で要人警護や暴徒鎮圧に用いる為、軍に
よる再教育済み。暗殺の訓練も受けてるわ。まあ、美女で野獣ってとこね」
88ぽち:02/02/26 23:17
 最後に映ったチルドレンは、線の細い男だった。どこか幼さを感じさせ、目鼻立ちの整った
端正な顔は、LCLの中では女性と見紛うほどだった。
「これは?」 
「ネクサス6型バージョン3.0、イカリ・シンジ」
「バージョン3.0?・・・じゃあ、サード・チルドレンってこと?」
 マナは少し驚いたようにミサトを見た。
89ぽち:02/02/26 23:18
「そういうことになるわね。最新型のコンバット・モデルよ。無駄な機能を省いて戦闘用に特化。
しかも、単独運用さえも想定してデザインされてるわ」
 わずかな間を置いて、ミサトが言った。
「どうやら、彼を中心に動いているみたいね」
90ぽち:02/03/01 18:35
 ミサトの話を聞いていたマナが少しの間考え込んだ。
「なぜ彼らは地球へ戻ってきたの・・・」マナは呟いた。「・・・わざわざリスクを犯してまで・・・
何でネルフに・・・」
 もっともな疑問だった。
91ぽち:02/03/01 18:35
 チルドレンは条例により地球上では非合法な存在と宣言されていた。許可された特定の
区域を除き、チルドレンが地球上にいることは禁止されている。違反したチルドレンに対する
罰則は廃棄処分である。もちろん、日本の法律もチルドレンを人間とみなしておらず、彼らに
はなんの権利も保護規定もない。廃棄処分から逃れる為に法の及ばない圏外へ逃亡するの
なら理解できるが、取締りが厳しい地球に降りてくるのは死にに来るようなものだった。
92ぽち:02/03/01 18:36
「それも調べろって言ってたわね。」
 思い出したようにミサトが言った。
 やれやれという表情を浮かべるとマナはファイルを覧た。
93ぽち:02/03/06 23:04
 ミサトから渡されたファイルには、逃亡中のチルドレンに関する資料がとじられていた。
製造年月日・体力・精神力・戦闘力等の記録数値から用途や特記事項まで、それぞれ
のチルドレンについてまとめられていた。
 マナはファイルをぱらぱらとめくっていった。 
94ぽち:02/03/06 23:04
「フンターバーサー・ホテル」
 途中でその手を止めるとマナは言った。
「なに?」
 ミサトが訊いた。
「ここ」
 見ていた個所を指しながらマナがこたえた。
95ぽち:02/03/06 23:05
 マナが見ていたのは、セカンドチルドレンが社員として潜入する際にネルフに登録した
個人情報だった。その現住所欄には“1187 Hunterwasser”と記されていた。
「監視は張りつけてるわ」ミサトが言った。「現れたらすぐに連絡が来るようになってるけど―」
「おそらく戻ってこない・・」
 遮るようにマナが言った。
 ミサトは黙ってうなずいた。
96ぽち:02/03/06 23:05
 マナはぱたんとファイルを閉じると
「どうせ、今から行くつもりなんでしょう」
と、言ってミサトを見た。
「その前にこれ渡しておくわ」
 脇に置いていたブリーフケースを開くと、ミサトはマナの身分証と認識票を、そして銃を
取り出した。
97ぽち:02/03/12 18:29
 差し出された銃をマナは眺めていた。血の染み着いたホルスターから見覚えのあるグリ
ップが覗いていた。トリガー・ガードに特徴があるSteyrの銃だった。それは、かつてマナが
使っていた銃だった。何度も何度も引き金を引いた銃だった。
 マナはホルスターに残るどす黒い変色部分を指でなぞった。遅まきながら、もう引き返せ
ないところに来てしまったと、マナは思った。
98ぽち:02/03/12 18:30
 マナは認識票を左手首にくるくると巻きつけた。身分証はポケットに入れた。それから、
席を立つと服を着るようにホルスターの革紐に手を通した。銃は何の違和感もなくマナの
左脇下に馴染んだ。
「用意はいいみたいね」
 黙っていたミサトがマナに言った。
99ぽち:02/03/12 18:30
 こうなったらもうなりゆきにまかせようと、マナは思った。そしてできるならどこか適当なところ
で切り上げようと、マナは思った。それでいいじゃない。このときのマナはそう思っていた。
今だ!100ゲットォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄       (´´
     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ
101ぽち:02/03/16 17:33
>>100
うわっ、なんてことを。
ちょうどお話の区切りだったので、ちょっとありがたいです。

それでは、お話を続けますね。
102ぽち:02/03/16 17:34
 ミサトとマナを乗せた車がフンターバーサー・ホテルの前に着いたときには、もうすっかり
日が暮れていた。外は土砂降りで、遠くに雷鳴が響き渡リ、大きな雨粒がアスファルトに
激しくぶつかっていた。
「ここね」
 ホテルを見上げてミサトが言った。
103ぽち:02/03/16 17:34
 フンターバーサー・ホテルは大きなビルが並ぶこの区画では少し見劣りする小さな建物
だった。両側に立派なビルが建っているうえに、くすんだ壁に掛かっているネオンの広告
看板が無駄に明るく輝いて、よけいみすぼらしく感じられた。
104ぽち:02/03/16 17:34
 マナはレインコートの襟を立てて襟元を手で押さえると車のドアを開け、ひさし伝いに
ホテルへと駆け出した。ビルの間を勢いよく吹き抜ける初冬の風が、雨粒を痛いくらい
マナの頬に打ちつけた。
 ミサトも後に続いて駆け出して、二人は扉をくぐっていった。
保守
ほしゅしゅ
スレ汚して申し訳ないが、
いつもぽちさんのお話を楽しみにしているので
保守させてもらいます。
応援sage
109ぽち:02/03/23 23:37 ID:???
>>105-107
保守してもらわなかったら、このお部屋も消えていたんですよね。
なんて言っていいか、ほんとうにありがとうございました。
おかげでこうしてまた書き込むことができます。

>>108
ありがとうございます。
このお部屋が消えないように頑張りますね。

それでは、お話を続けます。
110ぽち:02/03/23 23:37 ID:???
 チルドレンが居た部屋までは、四つか六つほど階段を上らねばならなかった。帳場の
男は部屋の鍵を開けるとすぐに立ち去っていった。
 マナは部屋に足を踏み入れた。閉めきっていたせいだろう、空気はよどんでいた。
部屋の中はかなり薄暗かった。天井の蛍光灯はヂヂヂと不快な音を立てるだけで、その
役目を果たしてはいなかった。
111ぽち:02/03/23 23:37 ID:???
 マナは注意深くまわりを見渡した。壁際のテレビと数冊の本が載ったサイドボード。飲み
物のしみがついたテーブルと合成皮革のソファー。
 なんとはなしに侘しい部屋だとマナは思った。
 浴室や寝室もまわった。置きっぱなしの洗面道具や毛布のしわなどから、誰かがここに
居たことは見て取れた
112ぽち:02/03/23 23:38 ID:???
 マナは寝室にあった整理だんすの引出しを開けてみた。上の段は空だったが、下段は
きちんとたたんである服で一杯だった。その服の間から写真の束がでてきた。
 マナは手に取って何枚か見た。チルドレンが写っているのもあったが、取り立ててどう
こう言うほどのものではなかった。ただの日常を切りとった写真ばかりだった。この部屋で
撮った写真も何枚かまじってた。
113ぽち:02/03/23 23:38 ID:???
「やる気になってるじゃない」
 腕をくみ壁にもたれてマナの様子を眺めていたミサトが声をかけた。
 マナが顔を上げるとミサトが近づいてきた。
「今日はこれくらいにしときましょ。あと、写真は調べといてね」
 ぽんっとマナの肩をたたくとミサトは部屋を出ていった。
114ぽち:02/03/23 23:39 ID:???
 マナはため息をひとつついた。
 目立つものは何もなかった。何らかの手掛かりになるようなものは見つからなかった。確
かに、これ以上この部屋を調べてもおなじだろう。
 マナも扉の方に歩き出した。部屋を出る前に立ちどまり、もう一度周囲を見渡した。
見落としなんか期待できない殺風景な部屋だと、マナは確認できただけだった。
マナたん萌え?
116ぽち:02/03/27 20:01 ID:???
>>115
シンジ君と綾波さん萌え。でも、このお話は霧島さんの。
霧島さんの“雑炊刑法!”ちょっと萌え。

それでは、お話を続けますね。
117ぽち:02/03/27 20:02 ID:???
 フンターバーサー・ホテル前の道りからひとつ入った路地は人通りがなかった。そこは
あまりパッとしない、さむざむとした所で、わずかな店の灯りがかろうじて闇を退けている
ような狭い街路だった。通りの中ほどに大きな電話ボックスがあって、弱い光で周囲を
ぼんやりと浮かび上がらせていた。
 その電話ボックスの中に、自分の手のひらを見つめるシンジの姿があった。
118ぽち:02/03/27 20:02 ID:???
 左手をゆっくりとにぎっては、ゆっくりとひらく。そして、何かを確かめるようにシンジは
もう一度ゆっくりと左手を握り締めた。
「時間は・・・十分にある・・・」
 どこかしら寂しげに見えるシンジが、凄艶な笑みを浮かべた。
119ぽち:02/03/27 20:03 ID:???
 コンコンっとガラスを叩く音で、シンジは顔をあげた。
 真っ赤な傘を背にアスカが立っていた。冷たい雨の中にまっすぐ立つアスカの姿は、
もの悲しい通りにあっても、貴高く、美しかった。
 シンジは表情を緩めると、ボックスの扉を押して外に出た。
 シンジが雨に濡れる前に、アスカは傘をそっとかざした。
120ぽち:02/03/27 20:03 ID:???
「大事な写真はあった?」
 シンジが訊いた。
 アスカは顔を曇らせ首を横に振ると
「だれか居たわ」
と、こたえた。
「人が?」
 シンジが問うと、アスカは黙ってうなずいた。
「伝道者?」
 不吉な予感に、シンジは声をひそめて訊いた。
 アスカは何もこたえず、不安そうな目でじっとシンジを見つめた。
ぽちさん激応援sage
122ぽち:02/04/01 18:50 ID:???
>>121
 激ありがとうございます。
毎回少ししか書き込めてませんが、気長に遊んでもらえると嬉しいです。

それでは、お話を続けますね。
123ぽち:02/04/01 18:50 ID:???
「だいじょうぶだよ。時間はあるから」
 そう言うと、シンジはアスカの傘を受け取った。
 降りしきる雨の中、二人はゆっくりと歩き出した。しめった暗い路地を抜け右に曲がると
人通りが多くなった。外灯や店の窓からもれる光で通りは明るかったが、二人の口数は
少なかった。
124ぽち:02/04/01 18:51 ID:???
 アスカがシンジに腕を絡めてきた。心に浮かぶ不安が無意識にアスカを動かしていた。
凶兆は音もなく忍び寄り、微かに漂い始めている。
 シンジはアスカの横顔をちらりと見た。視線を感じて顔を向け、アスカはシンジを見た。
一瞬見詰め合い、二人とも微笑んだ。
 シンジはまた前を向くと、表情を引き締めた。シンジはだいじょうぶだよとアスカに言っ
たが、それはシンジが自分自身に言い聞かせた言葉でもあった。雑踏の中を歩きながら、
まだ時間はあるとシンジは強く思っていた。
125ぽち:02/04/07 01:17 ID:???
 エレベータの扉が開きマナが乗り込むと
「声紋認識を行います。お名前とフロア・ナンバーをどうぞ」
 と、音声案内がながれた。
「マナ、97階」
 マナはセンサー付きのプレートに手を触れた。 
「確認しました」
 ブンっと音をたてエレベーターが動き出した。重力が変化して、液晶表示の数字は忙しく
増えていった。
 マナは背中を壁に押し付けた。レインハットをとり軽く髪を振ると、口元を隠して欠伸をした。
126ぽち:02/04/07 01:17 ID:???
 寂れかけた区域にある高層集合住宅に、マナは一人で住んでいる。エントランスまでは
坂道を上らねばならないし、周りには何もないのでちょっと不便だった。それでも軍隊生活に
慣れたマナにとっては、まずまず快適な住居といってよかった。
応援sageっす
応援sage
応援
  
応援
ここは保守るよ
133ぽち:02/04/17 00:20 ID:???
>>127-132
 ありがとうございます。ここ無くなってたらどうしようかと思ってました。
もう少し続けられそうで、うれしいです。

それでは、お話を続けますね。
134ぽち:02/04/17 00:21 ID:???
 カード・キーをスリットに通し、マナは玄関の扉を開けた。レインコートを軽く振り水滴を
落として中に入った。明かりを点けると、マナは真っ直ぐにバスルームに向かった。雨で濡れ
た服が鬱陶しかったから、シャワーを浴びて乾いた服に着替えると、ほんの少し気持ちが軽く
なった。髪をタオルで拭きながら、マナはキッチンに入っていった。
135ぽち:02/04/17 00:21 ID:???
 広いキッチンは程よく整頓されていた。レンジや冷蔵庫、そして食器棚は同系色でまとめら
れ、機能的に配置されている。部屋の中央には木製のテーブルが置かれ、その真中にはアナロ
グ式の時計や紅茶葉が入った密閉式のガラス瓶といったこまごました物が置かれていた。
136ぽち:02/04/17 00:21 ID:???
 マナはやかんに水を半分ほど入れて火にかけた。食器棚から一番小さなティーポットとマグ
カップを取り出してテーブルに置いた。しばらくすると、やかんの口から蒸気が昇り始めてき
た。ポットに少しそそいで、やかんはもう一度火にかけた。ポットを軽くゆすり十分温まった
のを確認してお湯を捨てた。
137ぽち:02/04/17 00:22 ID:???
次いで、マナは三つ並んだガラス瓶の中からキーマン茶を選び、ティースプーン一杯すくって
ポットの中に入れた。入れてるうちにお湯が沸騰し、ぽこぽこと音を立て始めた。ポットをや
かんのそばに持ってゆき、呼吸五つ待って、カップ一杯分の湯を勢いよくそそいだ。ポットに
ティーコジーを被せ、やかんに残った湯はカップに入れた。
138ぽち:02/04/17 00:22 ID:???
 マナはその場に立ったまま紅茶が入るのを待った。時計を見て、それからがらんとしたキッ
チンを眺めた。マナはふと思い出したようにキッチンから出て行くと、右手に写真の束を持っ
て戻ってきた。もう一度時計を見た。ぴったりの時間だ。カップのお湯を捨て、ストレーナを
使って紅茶を入れた。水色は深い赤色で、キーマン茶独特のいい匂いが漂ってきた。マナはカ
ップを手にとり一口含んだ。渋みが少なく、なんともいえない風味がマナの口の中に広がった。
 部屋に帰ってきたときは少々不機嫌だったが、この瞬間だけマナは幸福だった。
139ぽち:02/04/23 18:30 ID:???
 いい紅茶が入ったことを確認したマナは、寝室にいった。ベットと机が置いてあるだけの、
すっきりとした寝室だった。戦自に所属していたマナには、几帳面な習慣がついている。他の
部屋の例に洩れず、ここもきちんと整えられていた。
 マナはまっすぐ机に向かい、写真とカップを置き、座り、スタンドの電気を点けた。それから、
写真を手にとって、一枚一枚見ていった。
140ぽち:02/04/23 18:30 ID:???
 マナがホテルから持ち帰った写真。それは、チルドレン達の何気ない日常が切り取られて
いるだけの、何の変哲もない、普通の写真だった。ただ、見ているうちに、彼女達がサード・
チルドレンを中心にして穏やかな表情を浮かべていることに、マナは気が付いた。
 料理を取り分けるサード・チルドレンを嬉しそうに見上げるセカンド・チルドレンの写真。紅茶
を注ぐサード・チルドレンに微笑んでいるファースト・チルドレンの写真。三人で寄り添うように
写っている写真。
 そこに絆のようなものが感じられて、マナは少し羨ましく思えた。
141 :02/04/24 17:55 ID:???
定期あげ
応援sage
143ぽち:02/04/30 16:02 ID:???
>>141
ここがあがるのは、去年の十二月以来。

>>141
ありがとうございます。

それでは、お話を続けますね。
144ぽち:02/04/30 16:02 ID:???
 それにしてもと、マナは思った。あの隊長が面倒な相手と言うほどの、そしてこれが最新
の戦闘用チルドレンなのだろうか、と。チルドレンは見かけで判断してはいけないことなど、
重々承知しているマナである。だが、手元にあるサード・チルドレンの写真はどれも穏やか
に微笑んでいるものばかりで、マナにはとてもそうだとは思えなかった。
145ぽち:02/04/30 16:03 ID:???
 っと、ぼんやり写真を見ていたマナの手が止まり、一枚の写真から目が離せなくなった。
サード・チルドレンが一人窓際で頬杖をついて遠くを眺めている写真。寂しそうに遠くを見つ
めるサード・チルドレンの表情には、痛ましいほどの悲しさが写っていた。
 マナは胸の中が重くなるのを感じた。そして、またあんな思いをしなければいけないかと
思うと嫌になった。
保守
147あぼーん:あぼーん
あぼーん
保守を兼ねて応援です。
いつも楽しみにしてます。
頑張ってください。
149ぽち:02/05/07 23:33 ID:???
>>146-147
お疲れ様です。

>>148
ありがとうございます。

それでは、お話を続けますね。
150ぽち:02/05/07 23:34 ID:???
 マナはチルドレンのことを単なる人工生命体だとは思っていない。チルドレンは他の機械
と同じだとか、チルドレンが反抗しない機械なら問題ない、といった声には違和感を感じて
いたし、安全装置としてチルドレンに四年の寿命が設定されていることを知ったときには、
それはあんまりじゃないかと思ったりもした。ずっとかかわってきたから、チルドレンだって
感情を持っていることは知っている。マナはチルドレンを皆が言うような『機械』とはみてい
ない。少なくともチルドレンには『心』があると思っている。
151ぽち:02/05/07 23:34 ID:???
 それゆえに、『廃棄処分』という言葉がマナの心に重くのしかかる。当り障りのない言葉で
言い換えているが、その実質は『人殺し』だ、と。自分がこれまでにしてきたことは、紛れも
なく『人殺し』。そのことが、チルドレンに関する全てのことに対してマナに嫌悪感を抱かせ
ていた。
152ぽち:02/05/07 23:34 ID:???
 何故、自分はそうまでするのか。『人殺し』を続けてどうするつもりなのか判らなくなって、
マナは戦自を辞めた。そうして、マナはたくさんのものを失った。失ったはずなのに、また
同じところにマナは立とうとしている。
153ぽち:02/05/11 18:58 ID:???
 ずいぶんと長い間マナは写真に見入っていた。そして、ため息をひとつついて写真を
置いた。そのとき手元のカップが目に入り、マナは紅茶を淹れていたことを思い出した。
カップを手にとって一口飲み干した。紅茶は冷めていた。
154ぽち:02/05/11 18:58 ID:???
 マナはベットに寝転んだ。仰向けに横たわって、額の上に手を乗せた。
「私・・なにやってるんだろう・・」
 マナは口に出してつぶやいた。
点いたままのスタンドに一瞬目をやったが、大きく息を吐いて目を閉じた。小さなサイレ
ンの音が遠くのほうに走っていた。
 それからしばらくして、マナは静かな寝息をたてた。
155ぽち:02/05/18 13:15 ID:???
 黒に近い紫と黄色と銀で塗り分けられた一人乗り小型運送車が走っていた。 そこは、
この町で一番汚い所寂れた区域と呼ばれる場所だった。道路のアスファルトは所々剥げ
て濁った水溜りを作り、路傍に山積みされたゴミ袋は所々破れ汚い屑がこぼれている。
荒れるに任せた景観など見ていて気分の良いものではなく、この近辺で生活する者など
ほとんどいないというのも頷けるような所。そんな場所を小型運送車は走っていた。
 車は水溜りを避けるように回り込み、建物の前で止まった。
応援sage
157ぽち:02/05/21 21:15 ID:???
>>156
いつも気を使って戴いてありがとうございます。
もうすこしがんばれるといいんでしょうけど。

それでは、お話を続けますね。
158ぽち:02/05/21 21:16 ID:???
 車の真中にある扉を開けて男が降りてきた。小柄な壮年の男だった。薄汚れた革の
衣服に身を包んだ姿はどこか疲れた感じを漂わせていた。
 男は扉を閉めると、手にした袋の中を覗き込みながら建物のほうに歩きだした。
159ぽち:02/05/21 21:16 ID:???
 建物は高名な建築家がデザインした豪奢な集合住宅だった。ただ、この地域同様すっ
かり荒れ果てていて、今は廃墟といってよかった。エントランスには立派な紋様が彫り
こまれた大きな大理石の柱がたっているが、醜くひび割れたうえにいたる所剥がれ落ち、
かつての面影などはまったく残っていなかった。
160ぽち:02/05/21 21:17 ID:???
 男は瓦礫につまずきながら入り口に近づいた。そして、柱の影に人の気配を感じ、顔を
上げた。彼が見たのは一人の女性だった。ここは人とすれ違うようなところではない。
 男はたいそう驚いた。袋を放り出し、慌てて逃げ出した。落ちているゴミに足を滑らせて
無様に転んだ。
161ぽち:02/05/21 21:17 ID:???
「忘れ物よ」
 凛とした声に、恐る恐る男が振り返った。
 その声にみあうだけの女が、凛然たるまま立っていた。
マターリいきましょ、保守sage
163ぽち:02/05/25 18:54 ID:???
>>162
はい、ありがとうございます。

それでは、お話を続けますね。
164ぽち:02/05/25 18:55 ID:???
 青白い肌をした女だった。見開いた眼は赤かった。それは泣きはらしたのではなく、瞳が
紅く清静な光を帯びていた。さらさらとした髪はほおのところでカットされ、水色だった。そし
て、彼女の魅力を引き立たせるような黒のフェイクをまとっている。
 女は美しい顔に何の感情も表さず、紅い瞳で見下ろしていた。そして緩慢な動作で右手
を動かし、落ちている袋を指差した。
165ぽち:02/05/25 18:55 ID:???
 とりあえず自分の身に危険が迫ってないことが分かり、男はほっとした表情を浮かべた。
ゆっくりと立ち上がり、服のほこりを払いながら袋に近づいた。自分ひとり慌てたのがみっと
もなく感じたのか、ばつが悪そうに袋を拾った。もっとも、袋を拾う間、男は女から眼を離す
ことはなかった。
166ぽち:02/05/28 18:33 ID:???
「えっと、こんなとこで何してるんだい」
 男が声をかけた。
「迷子なの」
 別段困ったふうでもなく女が言った。
「どこへ行くところだい?家かい?」
「家はないわ」
167ぽち:02/05/28 18:34 ID:???
 悪いことを聞いたかなと、男は思った。 
「さっきは驚いたよ。あっと、僕、ケンスケ。相田ケンスケ」
 雰囲気を変えようと、少しおどけて言った。
「・・・レイ」
 女は静かに名を告げ、黙り込んだ。
168ぽち:02/05/31 18:33 ID:???
 妙な沈黙が流れた。
 綾波はじっとケンスケを見据えていた。その顔には何の表情も浮かんでいなかったが
どこか怒っているようにも見え、ケンスケはどうにも落ち着かなかった。
「おなかすいたわ」
 ややあって綾波が言った。
169ぽち:02/05/31 18:33 ID:???
 なんだか責められている気さえしていたケンスケは、その一言で気を緩めることができた。
「黒おでんなら家にあるよ。くる?」
 この上なんだけどというように、ケンスケは上を一瞥した。彼はここの最上階に住んでいる。
 綾波は少し考える素振りを見せたが、
「ありがとう」
と、言って美しい口元に涼しい笑みを浮かべた。
170ぽち:02/06/05 19:29 ID:???
 ケンスケは綾波を建物の中へと案内した。
建物内は薄暗く静かだった。入り口から少し先に、天蓋まで吹き抜ける贅沢な空間がひろ
がっていた。細やかな彫刻が施された階段がその内側に沿うようにめぐり、両端にエレベ
ーターが二基備え付けてあった。エレベーターも階段と同じく見事なつくりで、装飾の隙間
から外を窺うことができるようになっている。
 ケンスケと綾波が乗り込んだエレベーターは、大きな音を立てて上がっていった。
171ぽち:02/06/05 19:30 ID:???
「このビルは空き部屋ばかりさ。行くところがなかったらここに住むといい」
 ケンスケが言った。
「この辺は過疎なんだよ。ここだって僕一人しか住んでないし」
「ひとり?」
 外を眺めたまま綾波が訊いた。
「うん、今は僕だけ」
 動き始めたときと同様、大きな音を立ててエレベーターが止まった。
「そこ、気をつけてね」
 先に降りたケンスケが床を指差した。雨漏りで通路には水溜りができていた。
172ぽち:02/06/05 19:31 ID:???
「さびしい?」
 ケンスケの後ろを歩いていた綾波が訊いた。
「・・・いや、おもちゃで遊んでるから。趣味で作ったんだよ。彼らが友達さ」
 どこか強がるような声だった。
「僕は遺伝設計技術者なんだ、分かる?」
 振り向いてケンスケが訊いた。
「いいえ」
 興味なさそうに綾波がこたえた。
173ぽち:02/06/10 18:58 ID:???
 八人くらいは並んで通れそうな立派な両開きの扉をケンスケが開けた。ケンスケは
いつものように家に入ろうとしたが、ああそうだったと立ち止まり、綾波を先に通した。
「おい、帰ったぞ」
 ケンスケは家の中に声をかけた。
174ぽち:02/06/10 18:58 ID:???
「帰ってきた!」
 子供ほどの大きさのテディベアとアンティークドールが、仏蘭西兵のかっこうをして
部屋の奥から歩いてきた。
綾波とケンスケの前にきちんと整列すると
「おかえり」
と、声をそろえてお辞儀をした。
175ぽち:02/06/10 18:59 ID:???
「ただいま」
 ケンスケは軽く手を上げた。
 かわいらしい兵隊はケンスケの声を聞くと、くるりと回れ右をして、もと来た方に戻っ
ていった。
とことこと歩くその様子に綾波はくすりと笑ったが、やがて悲しそうな表情を浮かべた。
「僕の作った友達さ」
 ケンスケは、出て行った扉をじっと見ていた。
176ぽち:02/06/10 18:59 ID:???
「ところで、家族は?」
 ケンスケが訊いた。
「孤児みたいなものなの」
「友達は?」
「いるけど捜さないと・・・たぶん明日分かるわ」
 綾波の声には抑揚がなかった。
「そう・・」ケンスケは言った。「ああ、服を乾かそうか。びしょ濡れだ」
ここは落ちてもらっちゃとっても困るので保守。
いつも楽しみにしてますよ。
178ナナーシ:02/06/16 00:04 ID:???
保全あげえええええええええ
179ぽち:02/06/16 18:33 ID:???
>>177-178
サッカーばかり見てて、ちょっとサボりました。ごめんなさい。
それと、ありがとうございます。

気をとりなおして、お話を続けますね。
180ぽち:02/06/16 18:33 ID:???
 マナが目を覚ますと、スタンドの明かりに照らされる見慣れた寝室の風景があった。
(そのまま寝ちゃったか・・)
 マナは体を起こしブラインドを開けた。
 外は霧のように細かい雨が降っている。雨は風に吹かれ、柔らかく揺れる模様を
虚空に作っていた。
(今日も雨・・・)
 マナはブラインドを閉じ、ベットから降りた。
181ぽち:02/06/16 18:34 ID:???
 マナはシャワーを浴びた。石鹸で無雑作に体をこすり、刺すような水圧で流した。
きゃしゃに見えるがマナは着痩せするたちで、一切の無駄無く鍛え上げられた体は
裸になったほうが大きく見えた。
 冷たい水が体の熱を不快なほど奪っていく。浅い眠りのせいでぼんやりとしていた
意識がはっきりとしてきた。それと同時に空腹感をマナは覚えた。
 スコーンを山のように食べたいな。唐突にそう思った。そうしよう、そうすれば今日一日
乗り切ることができる。
 それはとてもいい考えに思え、マナはひとつ頷いてシャワーを止めた。
足切りが近いんでちょっとマメに保守。
うっかりすると落ちちゃいそうなんで。
ほっしゅ
184ぽち:02/06/21 19:36 ID:???
>>182-183
いつも気を使って戴いてありがとうございます。

それでは、お話を続けますね。
185ぽち:02/06/21 19:37 ID:???
 もともと紅茶が好きなマナだったが、その紅茶専門店に立ち寄る習慣は戦自を辞めて
すぐについた。そこは、暖かく、ゆっくりとしていて、落ち着ける場所だったからである。
もちろん、紅茶はすばらしいほど美味しかったし、店の主は必要以上に構いつけること
などない。人や灯りや本を眺めながら紅茶を飲み、静かにただ静かにぼんやりとすごす。
わずかな時間だけれど一人ぼっちでいることを忘れることができ、それはマナにとって
本当にありがたいことだった。
186ぽち:02/06/21 19:37 ID:???
「スコーンを山盛りでちょうだい。紅茶はヌワラエリヤね」
 いつもの席に、いつものように座ると、いつものようにマナは注文を告げた。
 あまりに迷いの無いマナの物言いに店の主は仕様のない子だという風な顔をし
「時間は?」
と、訊いた。ガラスケースの中にはフルーツケーキやスコーンなどがもう並んでいたが、
時間に余裕があるなら今から焼くけど、という意味だった。ここのスコーンは冷えても
美味しかったが、焼きたてはまた格別だった。
「だいじょうぶ」
 いかにも楽しみな感じで、マナがこたえた。
187ぽち:02/06/21 19:38 ID:???
 店の主はオレンジエールが入ったタンブラーとフェルトのコースターを持ってきてマナ
の前に置いた。これでしばらく待っててくれと軽く笑うと、奥のほうへ引っ込んでいった。
 マナはオレンジエールを一息に飲み干した。オレンジの芳香と柑橘類特有のさわやか
な味がマナを新鮮な気分にさせた。スコーンが焼きあがるまでしばらく待たなければ
ならなかったが、待つのは楽しかった。
188ぽち:02/06/25 18:47 ID:???
 マナはカウンターにほおづえをつき、壁に掛かったルルの写真を眺めては、ぼんやり
待った。人が出入りする店のざわめきも、なにか心地よかった。
 店主がティーセットを運んできてマナの前に置いた。
 店主が頷いたので、マナは紅茶を淹れた。他のセイロン茶に比べれば水色はやや薄い。
けれど、綺麗な色だとマナは思う。
 待ちきれずに一口含む。味、香り、ともに優雅だった。
189ぽち:02/06/25 18:48 ID:???
 焼き菓子のいい匂いを店主が運んできた。
 たくさんのスコーンが乗ったバスケット、クリームで溢れそうなミディアムボウル、ブルー
ベリージャムが入ったガラス容器、それに銀のスプーンとバターナイフが添えられて
マナの前に並んだ。
「ごゆっくり」
 少し仰々しく店主は言った。
190ぽち:02/06/25 18:48 ID:???
 マナは息を大きく吸って幸せに浸った。バスケットからスコーンをひとつ手にとる。きつね
色に焼きあがったスコーンは暖かかった。
「いい匂いだけど、それ何?」
 かけられた声のほうにマナは顔を向けた。 
 咄嗟に沸き起こる『驚』の感情を抑えきったマナはさすがといっていい。
 ひとつ空けた席にセカンド・チルドレンがいた。興味深げにバスケットを覗き込んでいる。
191ぽち:02/06/29 19:03 ID:???
「えっと、スコーンだけど・・・食べたことない?」
 マナが問うと、アスカは首を振った。
「じゃあ、一緒に食べない?」
「いいの?」
 そうこたえると、アスカはもう待ちきれない感じでスコーンを見つめている。
 その様子にマナはくすりと笑い、バスケットをアスカの方に引き寄せた。
192ぽち:02/06/29 19:03 ID:???
「こんなふうにサクって割れるから・・・そうそう。それでクリームをね、スコーンが隠れる
くらいのせて食べるの」
 ボウルからクリームをたっぷりとすくうマナに、アスカはえっそんなにっというような顔を
した。
「ああ、ここのクリームは純粋なクロテッドクリームじゃないの。ヨーグルトベースのクリー
ム」マナは笑って言った。「だからカロリー控えめよ」
 マナはひょいっとスコーンを口の中に放り込み、少しもぐもぐとさせた後、唇についた
クリームをぺろりとなめて見せた。
193ぽち:02/06/29 19:04 ID:???
 アスカも同じようにクリームをすくってスコーンにのせてみた。ふわふわの白いクリーム
からのぞく綺麗な焼き色は見るからに美味しそうだった。
 どこか確かめるように口にしたアスカは、少し驚いたように目を見開いた。
「どう?美味しいでしょ。紅茶に凄くあうのよ」
 アスカはマナのほうをちらりと見て小さく頷いた。そして、ティーカップを手に取って一口
二口と紅茶を飲んだ。
「ほんと・・・美味しい。あのバカにも食べさせてあげたいわ」
 アスカはため息とともにつぶやいた。
194ぽち:02/07/03 19:13 ID:???
「バカって?」 
「バカはバカよ」ふっとアスカはやわらかい表情を浮かべた。「あのバカはね――」
 とても気持ちのいい声をしていると、マナは思った。あのバカはね、あのバカはねと、
楽しそうに、そしてどこか誇らしげに話すアスカは優しい目をしていた。ころころとよく
表情の動く顔。美しくて、いきいきとしていて、それはマナに咲き誇る向日葵を連想
させた。
195ぽち:02/07/03 19:13 ID:???
 アスカは溢れ出すように話しつづけた。マナがひとつ会話をはさむと、アスカが二つ
にして会話を返す。お茶を飲みながらこの二人がおしゃべりするのは華やかだった。
いつも一人で紅茶を飲んでいたマナにはとても楽しく、なんだか不思議な感じがした。
店の主人はマナとアスカをお行儀のいい可愛らしい孫娘達であるかのように待遇した。
この店にとっても、こんな雰囲気は初めてだったのかもしれない。
196ぽち:02/07/03 19:14 ID:???
 どんな楽しい時間にも必ず終わりはやってくる。
 アスカは二杯目の紅茶を飲み干し、口元をハンカチで拭った。そして、美しい碧眼で
マナの両目をとらえて静かに言った。
「ところで、あなた伝道者ね」
、と。
197ぽち:02/07/08 18:31 ID:???
 マナの度胸は並ではない。
「ええ、そうだけど」
 平然とこたえた。
 マナとアスカの視線はまともにぶつかり、空気が冷えた。
198ぽち:02/07/08 18:31 ID:???
「質問していい?」
 先にアスカが口を開いた。
「どうぞ」
 マナは応じた。
199ぽち:02/07/08 18:31 ID:???
「人を殺したことある?」
「いいえ」
「あなたの職務なら、リスクは伴うでしょ?」
「ないわ」
「そう」
 アスカは薄く笑む。
200ぽち:02/07/08 18:32 ID:???
 マナは怪訝な表情を浮かべたが、すぐにさとった。アスカは言外に責めているのだ。
あなたが処分してきたチルドレンは『人間』じゃなかったの、と。あなたもチルドレンを
『人間』だとは認めていわけね、と。
 アスカはマナの顔から目を離さない。
 マナは心を見透かされた気がした。
201ぽち:02/07/10 18:33 ID:???
「投降する気はない?」
 マナは訊いた。
「投降ですって」アスカが笑った。「廃棄処分を安楽死に替えてくれるというの?ありが
たい話ね、・・・反吐がでるわ」
 吐き捨てるようにアスカが言った。
202ぽち:02/07/10 18:33 ID:???
 アスカはマナをねめつける。
「あなた、VKテスト受けたことある?ないでしょう?どんな気持ちか分かる?」アスカは
席を蹴立て、声を荒げた。「あなたの製造年月日は?構造は?用途は何?あと何年生
きられる?」
 アスカはまくしたてた。
 マナは何も言わなかった。
203ぽち:02/07/10 18:34 ID:???
「私が見せられたものをあなたに見せてやりたい」
 アスカは爪がくい込むほどに手を握り締め、震える声でつぶやいた。それから、左手を
胸元に持っていき、大きく息を吐いて気持ちを落ち着けた。
 アスカは力なく席につくと
「・・・思うようにならないのはつらいものよ」
 と、こぼした。ようやっと絞り出したような小さな声だった。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
毎回楽しみにしています。がんばってください
205ぽち:02/07/15 18:51 ID:???
>>204
アリガト━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ゴザマース !!!!!
早くも、うろちょろし始めたマトリエルに
めげないようがんばります。

それでは、お話を続けますね。
206ぽち:02/07/15 18:51 ID:???
「あのね、わかってほしいのは――」
「言わなくていいわ、そんなこと」さえぎってアスカが言った。「すこし黙りましょう」
 アスカは冷たく微笑んだ。
「せっかくの紅茶、最後にミルクティーで味わうくらいは、いいわよね」
 手元のティーセットをアスカはいとおしげに見つめた。
207ぽち:02/07/15 18:52 ID:???
 この店では、一人前でティーカップ約二杯半ほどの紅茶がティーポットに用意されている。
最初の一杯は豊かな香りを味わい、次の二杯目はしっかりでた紅茶本来の味とその水色を。
最後に濃くでた紅茶をミルクで好みの味に調節し、たっぷりと紅茶を楽しめるように、と。
208ぽち:02/07/15 18:52 ID:???
 最後の一杯をミルクティーで楽しむことに関しては、マナにも理解できた。紅茶を飲み始め
たころは、ミルクティーにすると紅茶の色が濁るので好きになれなかったが、今はなま温い
ミルクティーのやわらかい味も悪くないと、マナは思っている。ゆっくりと紅茶を楽しむのなら
最後はミルクティーじゃないと物足りない気さえするのだ。
 そんなマナだからアスカの言い分に異存はなかった。
209ぽち:02/07/18 18:36 ID:???
「ねえ、ミルクとってくれる」
 アスカが言った。
 ミルクピッチャーを取ろうとして手をのばしたとき、不意にマナは首すじがぞくりとするのを
感じた。
 瞬間、マナは体をずらした。勢いあまって椅子から落ちてしまったが、それで正解だった。
210ぽち:02/07/18 18:36 ID:???
 ぶんっと空気を裂き、マナの顔があった位置をぞっとする速さでアスカの腕が通過した。
予備動作なしで軽く振り払っただけに見えたが、そのまま喰らえばよくて鼻骨骨折、悪くすれ
ばムサシの二の舞いになりかねない、見かけよりははるかに剣呑なアスカの一撃だった。
 マナの全身から冷たい汗が噴き出した。
 マナは考えるよりさきに動いていた。いや、そもそもマナの動きは考えて出来るものでは
なかった。これが出来るということは、これまでマナがいかに命のやり取りを繰り返してきた
のかを示していた。
211ぽち:02/07/18 18:36 ID:???
「悪いけど、まだ死ぬつもりなんてないから」
 床に倒れたマナを見下ろして、アスカが言い放つ。
 店内をちらりと一瞥し、ちょうど入って来ようとした客を押しのけて、アスカは店の外に飛び
出していった。
期待age
213ぽち:02/07/22 18:35 ID:???
>>212
ありがとうございます。
実は、一番下に沈むのをコソーリ狙・・・

きをとりなおして、お話を続けますね。
214ぽち:02/07/22 18:36 ID:???
 マナはすぐに立ち上がった。視線を走らせ、アスカが出て行った扉を見やった。左ひじを
さすり、一回、二回と、軽く曲げる。早足にレインコートを掴むとアスカを追った。
 コートに袖を通しながらマナは外に出た。左右見渡すが、既にアスカの姿はなかった。
冷え切った雨がマナを刺す。
215ぽち:02/07/22 18:36 ID:???
 少し先の路地からガタンと音がした。
 一瞬の迷いなくマナは駆け出した。
 町の中心に向かう狭い裏道だった。まるで下水のような、ひどい悪臭がする、汚れきった
ままの道の先に、走りゆく鮮やかな赤い服が見えた。
 マナは走りながら銃を抜いた。
216ぽち:02/07/22 18:46 ID:???
 銃のなめらかなグリップの感触は、マナにいろんなことを思い起こさせた。この銃は扱い
やすく、本当に優秀な銃だった。マナが扱った銃器の中でも一番自信があり、近・中距離
なら思ったところに弾を持っていくことができた。そう、マナは何度も狙ったところに弾を
送り込んできたのだ。
217ぽち:02/07/22 18:47 ID:???
 銃を握り全力で駆けると、あの感覚が蘇ってくる。体の中がだんだん空っぽになっていく。
 倒れたゴミ箱を軽やかに飛び越えた。
 息も切れないし、体も軽かった。
218ぽち:02/07/25 18:52 ID:???
 アスカを追って路地を抜け大通りに出た。通りは人も車も忙しく流れている。既にアスカは
車道を渡っており、反対側を逃げていく。
 マナは軽く舌打ちし、再びアスカを追って駆け出した。車道をはさみ、アスカを見ながら走る。
走りながら銃を下に向け、左手を添えて再度セーフティを確認する。
219ぽち:02/07/25 18:53 ID:???
 ほとんど無言のまま、マナとアスカは走った。何かに出くわしたとしても蹴散らすまで、そん
な勢いがアスカにはあった。一方のマナは、右、左、右、と短くステップを刻み人の間をすり
抜けていく。しなやかで、すばやい動きだ。
 人ごみの中であっても、お互い尋常でない速さで進んでいく
220ぽち:02/07/25 18:53 ID:???
 渋滞で車の流れが止まり、一気にマナは車道を横切った。狭い車の隙間を抜ける手間さえ
惜しく、マナはボンネットを跳んだ。
 激しくクラクションが鳴りわめく。
 振り向いたアスカとマナの目が合った。
 アスカは向きを変え、ショッピングモールに紛れようとする。
「止まりなさい!」
 マナは空に向け威嚇射撃を行った。
221ぽち:02/07/29 19:46 ID:???
 銃声は響いたが、アスカは止まろうとしない。
 マナもアスカを追って走る。
「どけー!」
 マナは大声で叫び、人を払い除け、射線を確保する。走りながら銃を構え、アスカの左上を
狙って撃った。
222ぽち:02/07/29 19:46 ID:???
 前方のネオン看板が砕け、火花が散った。一瞬、マナは硝煙のにおいを嗅いだような気が
した。
 アスカは止まらず走って行く。ひどく現実感を欠いた映像を見ているようだった。アスカが
ゆらゆらとゆれる。
 二発目は、よりアスカに近く。弾は左肩をかすめ、アスカはバランスを崩し転倒する。
223ぽち:02/07/29 19:48 ID:???
 マナは胃が締めつけられるような感じがした。次の一発が何を意味するかは痛いほどに
わかっている。かすかな吐き気を覚えた。
 マナは足を止め、気持ちを安定させようと努めた。右足を引き、体の重心を心持低くする。
大きく息を吸い、銃を両手で構え、静かに息を吐き、そして止める。
224ぽち:02/07/29 19:48 ID:???
 マナは集中した。周りから一切の音が消える。今のマナは、ただ一点しか見ていない。
 アスカが起きだし再び走り出そうとするのが見える。
 この距離ならマナは外さない。
 引き金を引いた。
225ぽち:02/08/02 18:28 ID:???
 銃弾はアスカの胸を貫いた。さだめに抗い、死の鎌から懸命に逃れようと走り出した
アスカの胸を銃弾は正確に射抜いた。
 アスカが弾かれたようにショーウインドーに突っ込み、ガラスを飛び散らせて倒れて
いくのが、マナの目に映った。
226ぽち:02/08/02 18:29 ID:???
 マナはゆっくりと銃を下ろした。静かに目を閉じて、一つ呼吸をする。まだ両手は銃を
握ったまま。もう一度呼吸をする。左手が銃から離れ、マナは歩き出しすことができた。
 右手に銃を持ったまま、マナはアスカに近づいた。アスカが動くことなどないと、分かり
きっている。もう、どうでもいいことだった。
227ぽち:02/08/02 18:31 ID:???
 砕けたガラスの中にアスカは横たわっていた。両手で何かを守るようにして、うつぶせ
に倒れている。綺麗な服の心臓の位置は、赤黒くべっとりとしていた。左わきの下に、
流れ出た血がたまり始めている。
 マナはアスカが抱えているものが気になった。覗き込んで、アスカに手をかけた。
 アスカを仰向けにしたとき、赤い服の胸元からスコーンが二個零れ落ちた。一個には
アスカの血が染みていた。
 マナは胸をつかれる思いがした。
保守
保守
230ぽち:02/08/16 17:56 ID:???
>>228-229
 ありがとうございます。
今日から、またがんばります。

それでは、お話を続けますね。
231ぽち:02/08/16 17:57 ID:???
 マナは俯き、立ち尽くす。
すぐ駆けつけてきた警官に身分証を示すときも、
「マナ、B26354」
と、名前と認識番号を力なく告げただけで、顔を上げることはなかった。
232ぽち:02/08/16 17:57 ID:???
 チルドレンに関わる事件に際しては、戦自の指揮権はあらゆる管轄に優先して発動
される。それは現場においても同じである。
 警官はしばらくの間、マナのそばで指示を待っていた。けれど、マナが俯き黙ったまま
だったので、警官はひょいと肩をすくめ自分達の当面の仕事、現場確保のための野次
馬整理に取り掛かっていった。
233ぽち:02/08/16 17:58 ID:???
 遠巻きに見ていた人まで追い払われ、マナはもう動くことはないアスカのそばに一人
取り残される形になった。
 マナは地面にころがるスコーンをぼんやりと見ていた。それは、楽しくおしゃべりして
いたあの短い時間と相まって、まるで夢を見ているような、現実を否定したくなるような
感覚を生じさせた。
234ぽち:02/08/22 01:42 ID:???
 ただのスコーンを大事に胸に抱き、どんな思いでアスカは走っていたのか。それを
考えるとマナはやりきれない気持ちになった。
 あの写真のチルドレン達は、今アスカを待っているのだろうか。時間になっても現れ
ない。連絡も取れない。心配してずっと待ちつづけるのだろうか。探しに街を駆けるの
だろうか。
235ぽち:02/08/22 01:43 ID:???
 考えてはいけないこと・・、マナはそう思い込もうとした。つまらない感傷などという
ものを抱かずに過ごす術は身につけたはずだと、自分に言い聞かせようとした。
 けれど、アスカとお茶を飲んだあの短い時間が、自己防御的なそれをすっかり打ち
砕いていた。
<2chのエヴァFFを語ろうスレ>を見てこのスレにやってきました
かな〜り面白(・∀・)イイ!!
マイペースでいいので是非完結させてください!
応援しています!
保守sage!!
238ぽち:02/09/01 16:41 ID:???
>>236
ありがとうございます。ゆっくりだけど、
がんばりますね。

>>237
いつもすみません。今月は時間が取れると
思いますので、気を使ってもらわなくても
いいようにしたいです。

それでは、お話を続けますね。
239ぽち:02/09/01 16:51 ID:???
 もうアスカは笑わない。あの写真のようにチルドレンがそろって微笑むことは、
もうないのだろう。マナには、それがとても酷いことのように思えた。そして、その
酷い『死』を運んだのは紛れもなく自分だという自覚がマナにはあった。
 右手の銃が重かった。
240ぽち:02/09/01 16:53 ID:???
「まいっちゃうわねー。もう、一体廃棄処分?」
 近づいてくる気配を感じたときから、マナにはそれがミサトであると見当がついて
いた。だから、向こうがかけてくる軽口に応じるつもりもなかった。ミサトもまた、
マナの態度に頓着するはずもなく、いつもの調子で続けた。
 「さすが、噂どおりねぇ。腕はなまっちゃいないかあ・・って、ちょっと、どうしたの?
顔色悪いわよ」
241ぽち:02/09/01 16:55 ID:???
 俯くマナの貌は、蒼白だった。雨に濡れた栗毛の髪は汗の浮いた額に張り付き、
その形のいい唇からも艶やかな色が失われていた。
「後やっとくから、帰ってやすみなさい」ミサトはマナの肩を軽くたたいた。「ほらっ、
あんた達!ちゃっちゃと片すわよ」
 景気よく、ミサトが部下に声をかけた。
242ぽち:02/09/01 16:56 ID:???
 マナは銃をしまって歩き出したが、二三歩歩いて立ち止まった。マナは振り向いて、
もう一度アスカを見た。ミサトの指示で、係官がアスカを深緑の袋に詰めるところだ
った。その動作は、尊厳などというものから程遠く、あまりに無雑作だった。そして、
袋を運んでいくとき、係官の一人が落ちているスコーンを踏み潰していった。
「・・・紅茶のお金払ってなかったな」
 ぽつりとこぼし、マナは重い足取りで雨の中に進んでいった。
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(   )━(゚   )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
ぽちさんファイト!
応援sage!!
置き換えて昇華するとここまでクるとは……参りました(泣)
つーかすげー良いけど痛いのよ〜?
勿論元々がこういうやりきれなさをメインにした物だと解っていても……ていうか。
とにかくぽちさん素晴らしいです!
支離滅裂な文章ですけど、とても応援しているのです……頑張ってくださいね。
245ぽち:02/09/05 20:04 ID:???
>>243
ああ、なんかクルクルと・・・。ありがとうございます。

>>24
ありがとうございます。それと痛くてごめんなさい。
でも、そのやりきれなさみたいな感じがあったから、
このお話をここで書いてみたかったんです。
 
なんて言っていいか分かりませんけど、とりあえず
がんばります。

それでは、お話を続けますね。
246ぽち:02/09/05 20:05 ID:???
 とても広い部屋だった。玄関の扉に連なるその部屋は、天井も高いうえに家具など
ひとつも置いてなく、冷たい感じがするほどにがらんとしていた。その部屋の奥まった
位置の天井近く、ねじを巻くときはいったいどうするのだろうかと思うような所に、古い
鳩時計がひとつ掛かっていた。時間はもうすぐ夕方の六時で、時計の長針はローマ
数字の12にさしかかろうとしていた。
247ぽち:02/09/05 20:05 ID:???
 しばらく前から、時計の下に綾波が立っていた。約束の時を待ち望み、綾波は静かに
鳩時計を見上げていた。
 長針が天頂をさし、カチッと音を立てる。すぐに文字盤の上の小さな扉が開き、小鳥が
顔を出しては時を告げた。
 ひとつひとつ数をかぞえ、小鳥が扉の奥に隠れると、綾波は小さく微笑んだ。
248ぽち:02/09/05 20:06 ID:???
「何してるんだい?」
 ケンスケが声をかけた。
「なんでもないわ、見てただけ」
 振り向いて綾波がこたえた。
「わたし、どう?」
 自分の服を覗き込みながら綾波が訊いた。
249ぽち:02/09/09 20:03 ID:???
 身に纏っているのは、黒のワンピース。素材はシルクで、玉虫の羽を思わせる文様が
光の加減で浮かび上がってみえる。派手な装飾は一切ないシンプルなデザインだった
が、それがかえって綾波には相応しかった。
「いいよ」
 一瞬見とれたケンスケが、うろたえたようにこたえた。
250ぽち:02/09/09 20:04 ID:???
 眉を寄せ、綾波はケンスケを見た。
「とても綺麗だ」
 言葉が足りなかったことを自覚し、ケンスケはそう付け加えた。 
「ありがとう」
 綾波は、柔和に微笑んでみせた。
251ぽち:02/09/09 20:05 ID:???
「あなた、幾つ?」
 綾波が訊いた。
「19歳」
 その声には、微かな諦めがあった。
「老けてるわ」
 綾波の感想は正直だ。実際、ケンスケの肌は張りがなく、目元は深いしわが幾つも
刻まれ、髪の毛には白い物が幾つも混じっていた。
252ぽち:02/09/09 20:06 ID:???
「メトセラ症候群」自嘲気味にケンスケは言った。「内分泌腺の・・・まあ、早い話、ホル
モンの失調で早く年をとる老化病さ」
「だから、こんなところで生活を?」
「ああ、申請しても身体検査ではねられるからね」ケンスケは肩をすくめた。「でも、ここ
が気に入ってるってのもあるんだよ」
「・・いい人ね・・、見た目はどうであれ、あなたはあなた・・」
うぉ…更新してたのか(・∀・)ヤター
254ぽち:02/09/15 03:04 ID:???
>>253
不定期かつコソーリ…で、ちょっと申し訳ないです。

それでは、お話を続けますね。
255ぽち:02/09/15 03:07 ID:???
 心が乱れていくのを感じたケンスケが綾波を見つめた。
 けれど、綾波はケンスケのわきをするりと通り抜ける。
「あっ、碇君!」
と、弾むような声で。
 ケンスケが振り返ると、扉に向かって駆けていく綾波が目にはいった。綾波の駆けて
いく先、玄関の扉のそばに、シンジが立っていた。
256ぽち:02/09/15 03:08 ID:???
 綾波はくるりと振り向き
「昨日話した友達よ」
と、シンジを紹介した。
「彼が恩人の相田ケンスケ・・」
 少しばかり高い位置にあるシンジの眼を真っ直ぐに見上げて、綾波が言った。
期待sage!!
258ぽち:02/09/19 20:32 ID:???
>>257
ありがとうございます。マトリエルにめげないよう
がんばります。

最近頻繁なマトリエルの襲来にビクビクしながら
お話を続けます。      
259ぽち:02/09/19 20:32 ID:???
 待ちわびた再会の喜びを露にする綾波と、それを優しく受け止め包み込むように
傍らに立つシンジ。
 見つめあう二人は、なぜか儚げに見え、飾られた絵のように美しかった。
 そうだよなと、ケンスケは思った。ちくりと胸が痛んだが、それでいいんだと自分を
納得させた。
 ケンスケは一人ぼっちだった。
260ぽち:02/09/19 20:33 ID:???
 二人でここを出て行くんだろうなと、ケンスケは思った。綾波にはもう会えないかも
しれない。それは肝心な点だった。たぶん、二度と会うことはない。
「食事にしないか。今作るから」
 ケンスケが言った。
「そんな、わるいよ」
「いいって、遠慮するなよ」
 シンジのほうを見て見ないふりをしながら、ケンスケはキッチンへ続くドアに消えて
いった。
ケンスケ漢や〜(・∀・)カコイイ!
262ぽち:02/09/23 21:13 ID:???
>>261
(・∀・)アリガトー

ちょっとおざなりな気もしますけど
お話を続けますね。
263ぽち:02/09/23 21:13 ID:???
「ねえ・・・」二人きりになって、綾波がためらいがちに声をかけた。「・・アスカは?」
 シンジは顔をそむけ、じっと下をむいた。
「もう・・僕達だけだ」
 静かに告げるシンジは、ほとんど泣き出しそうな表情だった。
「そう・・・」綾波も俯いた。「私達、バカだから死んじゃうのね」
 シンジが、そっと綾波の頬にふれる。
 弾かれたように顔を上げた綾波に、シンジは小さく首を振ると、気丈にも微笑んでみせた。
264ぽち:02/09/23 21:14 ID:???
 本当にシンジは優しい。綾波はそう思う。それが嬉しく、そして、たまらなく悲しかった。
綾波はシンジがどれほどの感情を抑え込んでいるのか分かっていた。シンジの身体が
小さく震えているのが、頬にふれた指先からかすかに伝わってくる。
 綾波は身体を柔らかく寄せると、悲しみをこらえるシンジの背をおずおずとなでた。
|∀・)コソーリ
266ぽち:02/10/01 01:19 ID:???
>>265
ビクッ!・・・

何もなかったかのように装って、お話を続けますね。
267ぽち:02/10/01 01:20 ID:???
 部屋には、先に綾波が入ってきた。床に落ちている人形を見つけると、しゃがみこんで
手にとった。人形は服がなく、足ももげていた。大事そうに人形を胸に抱いてソファーに
すわり、綾波はシンジを待った。やってきたシンジは重いコート脱いでいて、やわらかい
無地のシャツとショーツ姿だ。かるく伸びなどしてくつろいだようすで、綾波の方に歩いて
くる。
268ぽち:02/10/01 01:21 ID:???
 二人が通されたのは食堂というよりは、ちょっとした遊戯室といった感じの部屋だった。
部屋中に人形が、それも大小問わず作りかけのものも含めて飾られ、雑然としていた。
二人の後ろの壁際にはバーカウンターがしつらえてあり、前方にはジュークボックスや
フリッパーが並んでいる。控えめすぎるほどに抑えられた照明が、仄暗い陰影を拵え
ていた。
269ぽち:02/10/01 01:22 ID:???
「たいしたもんじゃないけど、もうすぐ出来るからさ」
「わるいね」
 キッチンに消えたケンスケが、小さな鍋を片手に引き返してきた。ビリヤード台に並べた
皿の上に、均等にスープと具をよそっていく。
おお・・・更新してるし!
sage進行なので更新されても気づかないときが多いッス
見てますんでがんがってください〜
いつも楽しみにしています。
272ぽち:02/10/12 01:03 ID:???
>>270
不定期かつコソーリで、ごめんなさい。
気づいてもらえるように、ガシガシ更新は
したいんですけど・・・。

>>27
ありがとうございます。

なんて言っていいか・・・がんばりますね。

ちょっと間があいたけど、お話を続けますね。
273ぽち:02/10/12 01:05 ID:???
 シンジは部屋をざっと見渡すと、たったひとつぽつんとバーカウンターに置かれたチェス
ボードに目を留めた。大理石の盤上では象牙の駒が戦っており、役目を終えた駒は脇に
きれいに並べられている。覗き込んで局面を見て取ると、シンジは感心したように頷いた。
次は白の手番。
 シンジはf3のクイーンを手に取ると、f6に進めた。
274ぽち:02/10/12 01:07 ID:???
「ナイトがクィーンを取るよ。それじゃ、駄目だ」
 みとがめてケンスケが言った。
 シンジはボードの反対側に回りこんだ。くちびるに人差し指を当て少し考えた後、言われ
たようにナイトを動かしクイーンを取る。
「なぜ僕たちをじっと見る」
 ボードから目を離しもせずにシンジは訊いた。
275ぽち:02/10/12 01:08 ID:???
「普通じゃないからさ。・・・なんて言うか、君達は完璧すぎるんだよ」突き放したようにケン
スケが言った。「人間じゃないんだろ」
「・・・・・」
 シンジはゆっくりと顔を上げ、ケンスケを見た。
「やっぱりね。世代は?」
「ネクサス 6」
276ぽち:02/10/15 20:40 ID:???
「凄ぇ!チルドレンじゃないか」ケンスケの顔が輝いた。「僕は遺伝子のデザインワークを
やってるんだ。君たちの一部も僕の仕事さ」
「見せてよ」
 興奮したようにケンスケは言った。
「何を?」
「機能を。最新型なんだろ」
277ぽち:02/10/15 20:41 ID:???
「僕たちは機械じゃない」
 呟くようにシンジが言った。
 綾波が、すっと席を立つ。
「『我思う』よ、相田くん。・・・『故に、我あり』」
「そう、僕たちは人間だ」シンジは言い切った。「それに、君と同じなんだよ」
278ぽち:02/10/15 20:42 ID:???
「なにが?」
 ケンスケが訊いた。
「体質さ」
 と、シンジは言い、
「成長の過促進・・」
 綾波が補った。
ここで『ふえに、あなあり』はさすがに(笑
280ぽち:02/10/19 19:21 ID:???
>>279
書き直しはしました。でも、納得はしてません。
…いいと思ったんですけどね。

お話は続きます。
281ぽち:02/10/19 19:22 ID:???
 定期的な消費を促すように、ネルフはチルドレンの製品寿命を四年と設定している。
文字通り、四年でチルドレンは死んでしまうのだ。商業的利益のために、チルドレンは
短い生涯を強制される。老化が早いという病を抱えたケンスケとは、その意味におい
て同じといえた。
282ぽち:02/10/19 19:23 ID:???
 ああ、とケンスケは思い当り、そういうことだったのかと、納得した。
「病理は分からないよ」
 ケンスケは言った。
 その瞬間、シンジの腕がケンスケの胸元を掴んだ。
「早く何とかしないと、綾波が死ぬんだ。・・・・そうは、させない」
「僕ぐらいのセキュリティーレベルじゃ知ることはできないんだ。それこそネルフのトップ
シークレットだからね、残念だけど」
283ぽち:02/10/25 04:06 ID:???
 変わらぬケンスケの口調に、シンジの力が抜けた。
「・・・ごめん」
 手を放し、シンジは詫びた。落胆の吐息が漏れる。
「彼は強い?」
 力なくシンジが訊いた。
「誰?」
「君の相手」
 シンジが目線でチェスボードを示した。
284ぽち:02/10/25 04:07 ID:???
「ああ、碇博士かい?」ボードを眺めてケンスケは言った。「一度しか勝ってない。彼は
天才だよ、君らの設計者だもんな」
「彼に頼もう」
 シンジが、にこりと笑みを浮かべた。
285ぽち:02/11/01 03:51 ID:???
「伝えておくよ」
「直接会って話そうと思うんだ」
 穏やかな微笑の仮面を被り、シンジはケンスケにゆっくりと近付いた。
「・・でも、なかなか会えないそうだね」
「そっ、そうだよ」
 ケンスケは後ずさった・・・っが、その足もすぐに止められた。
286ぽち:02/11/01 03:52 ID:???
 いつの間にか、ケンスケの背後に綾波が立っていた。
「相田君、あなたが頼りなの」
 ふわりとケンスケを捕らえて、綾波が言った。
「手伝ってくれるよね」
 恋人に囁きかけるような、優しいシンジの声音だった。
・・・ケンスケはめられてるやん!
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァァーーーーーーン!!!
288ぽち:02/11/11 21:27 ID:???
>>287
いろんな意味を含めて、ごめんなさい。

とりあえず、おはなしを…
289ぽち:02/11/11 21:28 ID:???
 山間に数十キロ程広がる平野の中に、第三新東京市はある。その中心部に、ネル
フ本社ビルが建っていた。ここは特殊な都市だ。街のほとんどは、ネルフ・コーポレー
ションのために存在している。
 ピラミッドを模して造られた本社ビルは、4つの控壁に囲まれており、周りの高層建築
物が小さく見えるほどの、建物と言うよりは山とでも言ったほうがいい程の外観を誇っ
ていた。
 数百万の人を楽に飲み込むこの建物の最上階に、ネルフを統べる会長室がある。
…がんばってください…
応援保全。
映画は見たことないけど、原作の小説捜してきて、読みました。
あっちもすごいけど、あなたもすごい!
とてもいいお話だと思います。
頑張ってください。
292ぽち:02/11/28 21:14 ID:???
>>29
ありがとうございます。
来週から、また少しずつ進められそうです。

>>291
ありがとうございます。ちょっと気恥ずかしいです。
よかったら、このお話が最後にたどり着く前に
映画のほうも観てください。

それでは、お話を続けますね。
293ぽち:02/11/28 21:18 ID:???
 会長室に至るエレベータは二系統あり、ひとつが会長専用のエレベーター。もうひとつ
は、ネルフ本社ビルの側壁を沿うようにして昇っていく展望エレベーターである。
 強化ガラスに囲まれたその展望エレーベーターは、静かで乗り心地もよかった。ただ、
会長室に向かう途中で楽しそうな顔をする者は一人もいなかった。セキュリティーチェッ
クのためいったん留め置かれたままのエレベーター内で、威圧感あふれる会長の声を
待たなければならないからである。
294ぽち:02/11/28 21:18 ID:???
 この夜。
 ケンスケは、ガラス張りの室内がいつにもまして息苦しく感じられた。
 襟元を緩め、ケンスケはちらりと隣を窺った。
 その原因の一端であるシンジは、壁に背をもたれさせ眠っているように瞼を閉じている。
「こんな時間に何のようだ」
 スピーカーから流れた碇会長の声に、ケンスケはさっと緊張した。
復活! 嬉しいっす。
無理せず、自分ペースで続きを書いてくだされ。
壁|∀・)ガンガッテー
ひっそりと保全致します。

待ってるよう。ぽちさん。
298ぽち:02/12/07 13:07 ID:???
>>295
ありがとうございます。かたじけないっす。

>>296
(・∀・)ノ アリガトー

>>297
うう、ごめんよう。


それではお話の続きを・・・。
299ぽち:02/12/07 13:07 ID:???
 ケンスケは、シンジに視線を送ってみた。
 シンジは変わらぬ姿で立っているだけで、動じた様子など少しもない。
 ケンスケは向き直り、ひとつ息を吸い口を開いた。
「クイーンをf6、チェック」
「バカな、ちょっと待て・・・」驚いたような応えがあった。「クイーンでチェックだと?バカげてる」
 それはそうだろうとケンスケは思った。
300ぽち:02/12/07 13:08 ID:???
 実際、ケンスケに不利な局面だった。不利というより、一方的でさえあった。なにしろケンスケは
ビショップと二つのルークを失った上、敵クイーンとビショップに自陣深くキングを挟むように攻め
込まれていた。こちらのナイト二騎だけはかろうじて攻めに転じているが、敵キングの周りには
ルークとナイトがそれぞれ二つ、さらにビショップまでもが守りについていて、付け入る隙など少し
もない。自陣のキングと言えば、ビショップとクイーン、たった二つの駒で絶望的な守りを布いて
いるだけ。しかも、そのクイーンをむざむざと送り出そうと言うのだ。
 ケンスケは不安になり、もう一度シンジを見た。だが、シンジは静かに目を閉じ佇むだけだ。
「ナイトでクイーンを取るぞ。・・何を考えてる?次の手は?」
更新ワショーイ
ケンスケガンガレー
まだ早いかもしれないけど保全。
…それだけ続きが読みたいのです。
漏れも保守〜
304ぽち:02/12/16 03:59 ID:???
>>301-303
ほんとに少しずつしか進まなくてごめんなさい。
それと、ありがとうございます。

時間を作って続きを必ず上げるから今日の
ところはこれで勘弁してください…、という
気持ちでお話を続けますね。
305ぽち:02/12/16 04:00 ID:???
「ビショップをe7、チェックメイト」
 その目を閉じたまま、シンジが呟きのような微かな声で呼びかけた。隣にいるケンスケがやっと
聴き取れるくらいの小さな囁きだ。
 ケンスケは、信じられないという表情でシンジを見た。そして、すぐにハッと身体を強張らせ、慌て
て声を上げた。
「ビショップで詰みます!!」
ぽちさんキター!
なんか無理言って書かせたみたいで悪い…
ゴメソ、ゆっくりでも待ってますよ。
I do not know wether I should keep this "SURE" now,
but I do know how I want to read this STORY's next scene.
So, please, please come back again, and show me and other persons
the world where this STORY will be lasting ...
Longing for you and your STORY. Thank you for reading this message.
308ぽち:02/12/27 02:56 ID:???
>>306-307
 なんかごめんなさい。あと少し、がんばるからね。

 それではお話を…
309ぽち:02/12/27 02:57 ID:???
 ほとんど叫ぶようなケンスケの声で碇会長の顔色が変わった。ボードの一点を見つめ、
驚愕を露にしている。
 それは、実に見事な一手だった。クイーンを仕留めるために繰り出されたナイトは、しかし
シンジが巧みに誘ったものだった。ナイトが守っていた一角。そこに死点があった。守りが
堅いがゆえ、ケンスケのビショップが滑り込んだ時、キングに逃げ道はなかった。
310ぽち:02/12/27 02:59 ID:???
「霊感でも得たのか・・」うめくように碇会長が言った。「・・脳みそを絞ったな」
 敗北などするはずがない、勝とうと思えばいつでも勝てる。そんな驕りはあった。悔しくない
といえば嘘になるが、それ以上に、この素晴らしい一手を目の当たりにして興奮していた。
「クッキーとミルクで寝ずに考えたか?」
 いつにもまして饒舌だった。
「上がって来い。少し話したい」
311ぽち:02/12/27 03:00 ID:???
 許しを得て、エレベーターが再び上昇を始めた。
 シンジは、ゆっくりと目を見開いた。端正な貌に笑みを浮かべて。
一人でがんばってるな
ケンスケ(・∀・)イイ!
ガンガレー
314あぼーん:あぼーん
あぼーん
保守

ぽちさん、続きを楽しみにしております。
でも、無理はしないでくださいね。
コソーリ
…頑張ってください…ここ読むの楽しみで来てます…
どんなにゆっくりでも、待ってますから…
ササッ
317ぽち:03/01/10 02:18 ID:???
>>312-316
 なんていっていいか、本当にありがとうございます。
今月の終わりには、おきらく大王になれると思うので、
あと二週間ちょい、何とかのりきりたいです。

どうせだったらB型がよかったな…とか思いつつ、
お話を続けますね。
318ぽち:03/01/10 02:18 ID:???
 ベージュ色の重厚な扉に近づくと、ケンスケは胸苦しくなった。両手で扉を押し開き、
恐る恐るといった声で
「友達を連れてきました」
と、言った。
319ぽち:03/01/10 02:19 ID:???
 そこは広い空間の、薄暗い、静かな部屋だった。奥の壁に大きく描かれた幾何学的な
文様が聖母像や宗教画だったなら、会長の執務室というより礼拝堂とよんだほうがいい
ような、厳しい雰囲気だった。
 窓辺に立つ人影が振り向いた。
320ぽち:03/01/10 02:22 ID:???
 碇会長と呼ばれるその長身の男は、マオカラーの服を着て色の濃い眼鏡をかけていた。
相貌は力強く、胸を張り、やや頭を後ろにそらしている。
 碇会長ははじめにケンスケを見、それからゆっくりとシンジを見た。どこか落ち着かない
様子のケンスケには気を留めることなくシンジに向かい、ただ一言
「遅かったな」
と、だけ言った。
321山崎渉:03/01/11 04:45 ID:???
(^^)
キター!
カイチョウコワー
・・・タイヘンナラユックリデモイイヨー
ムリシナイデネ
保守

ポチサンマンセー!!
hoshu
ダレモイナイ....
ホシュスルナライマノウチ....。
326ぽち:03/01/22 03:06 ID:???
>>321-325
本当にありがとうございます。あと、もうちょっと頑張ります。

それでは、お話を続けますね。
327ぽち:03/01/22 03:07 ID:???
「造物主に会うのは、とても大変なんだよ」
 臆した様子もなく、シンジは会長を見据えて言った。
「用件は?」
 会長が訊いた。
「欠陥を正すことは、造物主ならできると思って」
「もう一段 改良か?」
328ぽち:03/01/22 03:08 ID:???
「ここで待ってて」そうケンスケに言い置くと、シンジはゆっくりと歩み出た。「もっと根源的
な問題だよ」
「どんな問題だ」
「死だ」
「死?」
329ぽち:03/01/22 03:09 ID:???
 暫しの沈黙の後、会長が唇の端で笑った。
「それは、私の管轄外だ」
「もっと生きたいんだよ・・・父さん!」
「無理だな」
 次の言を続ける間さえ与えず会長は即答した。
330山崎渉:03/01/23 04:54 ID:???
(^^)
一旦保守。
ポチサンキター!
オカエリー!
コウシンマンセー!
シンジクンノノゾミッテ、タブンコノヨデイチバンセツナイネ
ミンナイキモノダカラ
ツヅキマッテルヨー ガンガッテ!
トリアエズ、ホシュ
334ぽち:03/01/30 17:00 ID:???
>>330-333
 ホントニ、アリガトー。
ようやく、おきらく大王になれそうです。お話、がんばるからね。

部屋のお掃除をしたいけど、その前にお話です。
335ぽち:03/01/30 17:01 ID:???
「有機体の生命システムを変えることは命取りだ。一度設定されたDNAシーケンスは変え
られん」
「なぜ」
「外部から干渉を受けた細胞は、ネズミが沈没寸前の船から逃げ出すようにパニックを起
こし働きを無くす。・・そして、すぐに船も沈む」
336ぽち:03/01/30 17:02 ID:???
「EMSによるDNA組み換えは」
「やってみた。突然変異を起こしたDNAは有毒なビールスを作り出す。被験者は即死だ」
「細胞活動を抑えるたんぱく質は」
 シンジの声に、微かな震えがあった。
「細胞再生の際に突然変異を誘発する。結局、変異したDNAがビールスを作り出すことに
なる」会長は、静かな口調で続けた。「すべて考慮済みだ・・・学術的にな」
空虚さが哀しくて、でもそれ故に美しい…
ため息がもれるような、
宝石のようなお話ですね。

陰ながら、応援しています。
338ぽち:03/02/04 02:33 ID:???
>>337
ありがとうございます。
なんか、もったいないくらいです。お話の終わりで、もう一度そう言って
貰えるようにがんばります。

それでは、お話を続けますね。
339ぽち:03/02/04 02:33 ID:???
 シンジは言葉を無くした。もう訊き直すこともなかった。
「よく戻ったな。お前を誇りに思ってる」
 深みのある声で会長が語りかけた。
「・・沢山の・・」シンジはやっと口を開いた。「・・沢山の人を殺めたんだ」
「それだけ業績を上げた。お前達は私の最高傑作だ」
「でも・・寿命が短い」
340ぽち:03/02/04 02:36 ID:???
「明るい炎は早く燃え尽きる。お前は輝かしく生きてきた、違うか?」
「・・綾波は・・・なにも悪いことしてないのに・・・」
「命ある内に楽しめ」
 会長がシンジの肩を抱いた。
ポチサンダポチサンダー!
キター!!

…ってか>>339・>340なんか泣けましたよチクショー!!ウワァァァァァァン
後半素でゴメン
いつも忙しい中更新してくれてありがとー!
多忙を乗り切ったぽちさんマンセー これからもがんがって!
ほしゅ。
がんがってー(・∀・)
いつも楽しみにしてます。
343337:03/02/08 00:30 ID:???
僕も楽しみにしてます。
…でも、無理はしないで下さいね。
のんびり待ちますから。
保守しておきます。
345ぽち:03/02/09 03:49 ID:???
>>341-344
 ありがとうございます。いっぱい気遣ってもらって申し訳ないくらいです。
おきらく大王にもほどがあるってくらい、今週はゆっくりさせてもらいました。
来週から、また少しずつ進めていくつもりです。(・∀・)ガンバルカラネー

それでは、お話を続けますね。
346ぽち:03/02/09 03:50 ID:???
 シンジは悲しそうに笑った。ゆっくりと顔を上げると、会長の肩に手を回した。
 会長はシンジの微笑を見て、二、三度頷いて見せた。
 っと、シンジが会長をぐいと引き寄せた。首に腕を巻きつけ、頭を脇に抱えるように
固定した。
347ぽち:03/02/09 03:52 ID:???
 頭が前に泳いで窮屈な姿勢になり、会長の顔が渋くなった。頭を抜こうとしてもが
いたが、きつく絞まったシンジの腕は緩まない。
 眼鏡が外れ、床に落ちた。
 シンジはもう片方の手を会長の側頭部に添えた。やがてシンジは会長の首を鋭く
捻った。
 頚椎の折れる乾いた音がした。
348337:03/02/10 03:18 ID:???
 ぽちさん、お待ちしてました。いや、お帰りなさい。のほうがしっくりきますね。
正直に言えば、お話の続きがよみたいのはやまやまですが、あまり無理はなさいませんよう。
一読者として、楽しみにしております。
ポチサン(・∀・)キター!
ホシュホシュ! ツヅキタノシミー
イツモ タノシイジカンヲ アリガトー!
hoshu!

351ぽち:03/02/13 21:55 ID:???
>>348-350
 いつもありがとうございます。しばらくはおきらく大王でいられるので
いっぱい書けるといいなって思ってます。(・∀・)ノ

それでは、お話を続けますね。
352ぽち:03/02/13 21:56 ID:???
 会長の身体は一度ぶるっと震え、すぐにだらんとなった。シンジはしばらく抱えてい
たが、なにか力が抜けるように手を離した。会長の身体が、うつ伏せに床に落ちた。
顔は不自然に横を向き、口はきつく閉じられて、見開かれた両眼は壁に大きく描か
れた『生命の樹』を睨みつけていた。
353ぽち:03/02/13 21:57 ID:???
 会長を見おろしていたシンジが顔を上げると、そこには脅えた表情のケンスケが
いた。シンジと視線が合うと、二、三歩後ずさりをし、ふらふらとした感じで出口に
向かっていった。走って逃げたくても足が動かない、もしくは猛獣を前にしてできる
だけ刺激しないよう無理にゆっくり歩いてるような、そんなおぼつかないケンスケの
足取りだった。
 シンジは自分の中が乾いていくのを感じた。
354ぽち:03/02/13 21:58 ID:???
 降りのエレベータに、シンジは一人で乗りこんだ。1Fのボタンを押し、外を眺める
でもなくじっと下を見ていた。俯くシンジは、悲しそうな、打ちひしがれた目をしてい
た。ここに昇ってくるときのあの昂揚感も今はすっかり失せていた。自分の左手を
力なく見つめ、それから両手で顔を覆った。
355ぽち:03/02/13 22:00 ID:???
 建物の外に出たシンジは空を見上げた。無駄とは分かっていても、月が・・、ただ
どうしようもなく、月が見たかったのだ。
 シンジの頬に、眼に、身体じゅうに雨が落ちて来る。いくつものサイレンが遠くか
ら近づいてきていた。
すごい…なんか頭の中に映像が浮かんでくるようです。
このまま映画にできそうですよ、このお話。
ぽちさん応援してます、頑張ってくださいね
ホシュ
ラストマデ、モウスコシデスネ
オハナシガオワリニチカズクノハ、スコシサミシイキガシマスガ
ツヅキ、タノシミニシテイマス

デモ、ムリハシナイデクダサイネ
hoshuットナ
良スレハケーン!
これは保守でしょ。
職人さんがんばって!
360ぽち:03/02/23 23:02 ID:???
>>356-359
 いつもいつもありがとうございます。
へろへろと、先週は力イパーイ遊びまわりました。
もう、思い残すことはありません。
このまま、最後までガンバルカラネー。

去年の九月以来だよ・・って気持ちでお話を続けますね。
361ぽち:03/02/23 23:04 ID:???
 途中擦れ違ったのは、警察車両一台だけ。それにしたって、この区画に入ってすぐの
こと。もう、ずいぶんと人影すら見ていない。訪れる者も稀なこんなすえた廃墟が、今と
なっては自分にふさわしいのかもしれない。
 チルドレンを当たり前のことのように扱う周りが、世の中が、歪んでいるとマナは思っ
てた。けど、ミサトから聞かされた『相田ケンスケ、ブラッドベリー・ビル』という単語だけ
で自分はこうしてのこのこと出向いてる。うすうすとは感じていたことだが、自分もどこか
壊れてるんだろう。
 冷たい雨風の中を歩きながら、漠然とそんなことをマナは考えていた。
マナさんフカーツ!!!!
ああ、なんかラストが近づいてくるのが怖い・・・・
でも読まずにはいられないんだろうなぁたぶん。
ぽちさん、ファイト。応援してまつ。
(・∀・)<リョウスレホッシュ!!
ホシュ
365あぼーん:あぼーん
あぼーん
保守sage
367ぽち:03/03/04 04:09 ID:???
>>362-366
 ごめんなさい。花粉症で死んでます…。

それでは、お話を…
368ぽち:03/03/04 04:09 ID:???
 びゅうっと風が吹きぬけ、マナの頬を洗った。足を止めて顔を上げた時、マナは目的
の建物に着いたことを知った。壁に埋め込まれたかなり腐食の進んだ真鍮製のプレー
トに、『304 S. Bradbury Build』の文字がかろうじて読み取れる。大きな柱の先に目を
やると、薄明かりに照らされる扉が見えた。ゴミとがれきが除けられて、まるで獣道の
ように人の通った跡が続いている。
 雨に濡れたポーチを渡り、マナは扉の前まで歩いた。どこか自嘲気味に笑うと、半ば
傾いたような扉を自分で開けた。
369ぽち:03/03/04 04:10 ID:???
 ただでさえ乏しい室内灯が幽かに照らすだけで、建物内はいっそう暗かった。湿っ
た埃の臭いと水滴の落ちる音がする。通路の先が高くひらけていたが、真夜中に
あっては、ただ大きな井戸の底の居るようにしか感じられなかった。側面を沿うよう
にして階段が続いている。パティオを見下ろしながら上層へ向かう階段だ。
370ぽち:03/03/04 04:11 ID:???
 マナはちらと見上げ、それから二基備え付けてあるエレベータを見た。一方のエレベ
ーターは二階と三階の途中に壊れたままぶら下がり、もう片方は一階で止まっていた。
なぜか開いたままの扉から、橙色の灯りがこぼれている。
 マナはもう一度上を見た。上を向いたまま、静かに銃を抜く。セーフティを確認すると
首の後ろがちりちりするような感覚がはしった。
 マナは注意を払い、階段のほうへ歩を進めた。
更新マンセ〜
花粉症ですか…洩れも今年から発症…
部屋締め切ってるのに目がかゆくてたまらんでつ(泣

(´-`)ノ旦~ オツカレサマ 甜茶デモドゾー
キテタ!
ワクワク ドキドキ・・・
>>365
自分B型だけどほとんど当てはまりますな…ははは…
まあこの書き込みも、保守の一助と考えればありがたいということで。

ぽちさんお疲れです。毎回楽しみに見てます。
ラストの予感、みたいのがところどころに感じられてちょっと怖い。
でもすごくどきどきします。
がんがってくださいね。
hoshu
泣きながら保全するぞ!
ぽちさ〜ん(涙
マダミテルヨー
ポチサン カエッテキテ…
ウン デモ ムリシナイデネ
ズットマッテルカラ(メイワクジャナケレバ)コノオハナシ ダイスキダカラ…
377山崎渉:03/03/13 16:32 ID:???
(^^)
保全します。
hoshu
380ぽち:03/03/15 04:14 ID:???
>>371-379
いっぱい気を使ってくださって、ありがとうございます。
最近ようやく体調がフカーツ!
つぎはなるだけ早く来ますね。

甜茶はおいしいなって、気持ちでお話を…
381ぽち:03/03/15 04:15 ID:???
 綾波はゆらりと立ち上がった。考えないようにしていたけど、手を引いてもらい逃げ
だした日から、こんな時が来るような気がしてた。
 鳩時計の下から離れると、綾波は小さな旅行鞄を開けた。中に、きちんと折りたた
まれた大切な服があった。手にとって広げ、じっと眺めてから、綾波は着替えた。
382ぽち:03/03/15 04:15 ID:???
 純白のシルクジャガード。襟元と袖口に濃紺の細糸で流れるような刺繍が施して
ある。古典美を思わせるスタイルで、光沢のある生地が綾波の体の線を美しく浮き
たたせていた。
 綾波は、この服を着るとき、きっと胸躍るだろうと思っていた。けど、華やいだ気持ち
には少しもなれなかった。今、綾波は一人きりで、シンジもそこにはいなかった。
 綾波は黙って裾のスカラップを整えた。
383ぽち:03/03/15 04:16 ID:???
最後に食事をとった部屋に移った。飾られてはいるが、埃にまみれた人形。制作
途中で打ち捨てられた人形。床に倒れたままの人形。綾波はたくさんの人形の前を
歩いてゆく。
 綾波が近くに来たとき、泣き顔の道化師人形が体を揺らせて笑い出した。乾いた
笑い声は静かな部屋で虚ろに響いた。
キテタ!!!
サイカイ マンセー!
オツカレサマ サイゴマデ ミテルヨ!
385ぽち:03/03/19 04:52 ID:???
>>384
アリガトー!
サイゴマデ ガムバルヨ!

サカーガハジマッチャッタ スコシアワテテオハナシ…
386ぽち:03/03/19 04:53 ID:???
 ソファーまで辿り着き、綾波は座った。空いた隣を見て溜息をついた。
 先ほどから綾波について来ていたテディベアが、短い手足を懸命に動かしソファー
に這い上がろうとした。綾波は手を差し伸べて、ソファーに座らせてあげた。隣に収ま
るとテディベアーは大人しくなった。
 綾波は寂しげに微笑むと、小熊の頭を撫でた。
387ぽち:03/03/19 04:53 ID:???
 綾波は手にしてたレースの布を頭から掛けた。両肩にバランスよく掛かるよう整える。
背筋を伸ばし、両手を揃え、小首を少しかしげた。そして、表情を消して動きを止めた。
薄いレースの下に覗く水色の髪と白い肌。奥にある瞳には紅い光輝が揺らめいている。
 静かに佇む綾波の姿は、信じ難いほどに美しかった。それは、非人間的なまでに完璧
で、人形で溢れたこの部屋の中に悲しいくらい溶け込んでいた。
ぽちさんお疲れ!
>>387 人形(≠人間)な彼女、って感じが哀しい…
ここのお話、すんごく楽しみにしてます。
いろいろあると思うけど、どうか頑張ってくださいね。
hoshu
ところで、エヴァ板って何日ぐらいで落ちるのですか?
hoshu
391ぽち:03/03/26 19:13 ID:???
>>388-390
 いつもありがとうございます。

スレの数が600に近づいたら危ないよって
読んだ気がするけど、よくわかんないでつ

私一人だったらゼターイ落ちちゃってるよな
と、少し反省しながらお話…
392ぽち:03/03/26 19:15 ID:???
 階段を上り終え、最上階にマナは辿り着いた。そこからは真っ直ぐだった。エレベ
ーターの他は途中に扉は無く、曲がり角も無い。もったいぶった通路の先に、立派な
両開きの扉が待っている。
 マナは歩き出した。ここまでと同様、辺りは暗く静かで何の気配も無い。足元は
水溜りがないところを探すほうが難しかった。微かな水の音がした。
393ぽち:03/03/26 19:16 ID:???
 扉は開け放たれたままだった。マナの顔はすでに引き締まっている。細密な彫刻の
施された扉に忍び寄り、マナは耳を澄ませた。気配を探り、用心深く扉の向こうへ進む。
やはり、暗い。奥から漏れてくる薄い明かりで、ぼんやりと部屋の内部が浮かび上がる。
広い空間の奥と左右に扉が続いていた。
 足音が近づいてきた。軽く、小さな音が、規則正しく響く。 
 マナは構えた。呼吸を止め、銃の狙いをつける。
394ぽち:03/03/26 19:17 ID:???
 軽く息をつき、マナは銃を戻した。
「おかえりー」
 軽やかな声で、仏蘭西兵の人形がマナの前を通り過ぎていった。
キテタ!
ガンガッテ!
マナサンキター!!
オートマータッテ スコシコワイヨネ・・・
保守しまーす
397ぽち:03/04/01 01:58 ID:???
>>395
アリガトー!
ちいさい時、辻村寿三郎さんの人形が
怖かったです。

>>396
ありがとうございます。

それでは、お話を続けますね。
398ぽち:03/04/01 02:02 ID:???
 マナが妙な違和感を感じたのは、三番目の部屋に入った時だった。薄暗い部屋の
中で人形に囲まれるのは、確かに気味が悪い。だが、それだけじゃない奇妙な気配を
マナは感じ取っていた。気持ちがざわざわする。
 マナは立ち止まった。
 部屋は静かだ。動くものなどない。それらしい様子は感じられない。・・が、マナは
立ち止まったままだ。奥を見ている。じっと、その『人形』を凝視し続けている。
399ぽち:03/04/01 02:05 ID:???
 その『人形』に向かってマナは歩き出した。視線は決して外さない。細心の注意を
払い、歩いていく。銃を持つ右手の感覚が張り詰めてくる。
 すぐ横で道化師が笑い出した。マナは見向きもしない。まっすぐに、『人形』に近づ
いていく。
400ぽち:03/04/01 02:06 ID:???
 マナは『人形』の前に立った。『人形』は視線を逸らすかのように小首を傾げている。
頭から掛かっている薄いレースで霞み、マナからはその表情が窺い知れない。
 マナはレースに手を伸ばした。
キテタ〜〜〜〜〜!
キヅクノ オクレテゴメンネ…
ハラハラシテマツ ツヅキガスゴクタノシミ!
マナサン…ハヤマラナイデネ…
402ぽち:03/04/04 21:26 ID:???
>>401
アリガトー
コチラコソ フテイキカツコソーリデ ゴメンナサイ
イツモアソビニキテモラッテ ウレシイデス

それでは、お話です。
403ぽち:03/04/04 21:27 ID:???
 白く、軟らかな、レースが取り払われた瞬間。
 綾波がマナを蹴り上げた。
 蹴り飛ばされたマナは、幾つもの人形を倒しながら床に転がった。
 追い撃ちをかけるべく、綾波が跳びかかった。けど、マナには届かなかった。
404ぽち:03/04/04 21:28 ID:???
 転がりながら、はっきりと意識しないまま、マナは銃を向けていた。綾波が床を蹴る。
その刹那、マナは引き金を引いた。
 暗い静かな部屋に発砲音は響いた。
 対チルドレン用の特殊弾が綾波にたたきこまれた。綾波の身体は捻るように後方に
弾かれ、ぼろ布のようにソファーにたたきつけられた。
 テディベアが綾波と一緒に床に落ちた。
405ぽち:03/04/04 21:30 ID:???
 マナは身体を起こして、綾波を見た。床に頬をつけ、綾波は横たわっていた。
 のろのろとマナは立ち上がった。一瞬、息が詰まる。わき腹をさすりながら、引きず
るような足取りで綾波に近づいた。
 綾波の身体が微かに動いた。銃弾は急所を外していた。腹部を抑えて綾波は懸命
に堪えている。
406ぽち:03/04/04 21:31 ID:???
 すぐに処置を施せば十分に助かる。銃創の位置は、そう教えていた。
 マナの表情が曇った。命を取り留めたところで彼女を待っている運命を考えると、
マナができることは限られている。
 綾波の唇が苦しげに動く。誰の名を呼んだのかマナにもはっきりと判った。
 マナは唇を強く噛んだ。そして、もう一度引き金を引いた。
アア…
アヤナミサン…ウワァァァァン
ナキナガラ ツヅキマッテマス…
ツライヨウ… カナリカンドウシマスタ アリガトウ!

エト…ハンカクカナ ッテ ヨミヅライデスカ?(ヤメタホウガイイカナ?)
洩れだって保全しますとも

悲劇続出のヨカーン。辛いけど楽しみ。まんせー!
保守。
ぽち氏戻ってきてー!
無理するなとは言わないけど、こんなイイ場面で切るなんて
春の劇場版並みの読者泣かせっすよ。。。
410409:03/04/10 15:28 ID:???
ギャアアアアアア
直前レスまちがい! まちがいだからな!!
参行目「無理するなとは言わないけど」じゃなくて
「無理にとは言わないけど」ですた。マジゴメソ
無理するなとは言わねぇって、鬼畜か俺は、、、ぽち氏すんません
411ぽち:03/04/12 04:13 ID:???
>>407
 とりあえず、日本語だったら何だってオケー!
遊びに来て頂いてるだけで嬉しいです。

>>408
 ありがとうございますとも。ガンバルカラネー!

>>409-410
 こちらこそ、すみません。春の劇場版並と
きくと、たいへん申し訳ない気持ちになります。

 それでは、お話に。
412ぽち:03/04/12 04:15 ID:???
 ぐったりと力が抜け、気持ちの悪い汗が滲む。マナの耳には、まだ発砲音が
残っていた。冷たくなり始めた綾波を見下ろしながらマナは立っている。
 低く、重い音が響いた。エレベーターが動き出した音だ。
 一瞬、ミサトかとマナは思った。こっちが片付いたら迎えにいくから。確かに
ミサトはそう言った。
413ぽち:03/04/12 04:15 ID:???
 ・・・違う。マナの中の何かがそう告げた。判断の材料などない。単なる直感だ。
ただ、マナは自分の勘働きを信じていた。それは悪いとき程よくあたる。
 マナは顔を上げ、静かにその場を去った。
414ぽち:03/04/12 04:16 ID:???
 隣の部屋にマナは移った。扉は開けたままにし、真正面、奥の位置まで移動
する。途中、別の扉をちらと見て、この部屋が袋小路になっていないのを確認
した。扉に向き直ると、マナは片膝をつき射撃姿勢をとった。
 マナの判断は迅速だ。ここまで、エレベーターの音を聞いてから僅かしか要し
ていない。
415ぽち:03/04/12 04:17 ID:???
 そして、大きな音を立ててエレベーターは停止する。扉が開く。
 最強のコンバット・モデル、サード・チルドレンが。
 碇シンジが降り立った。
壁|∀゚) !!

ポチサン キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
マナサン キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
ソシテ シンジクン キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(   )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!

  …メガマワッタ…クラクラ
hoshu
age
419山崎渉:03/04/17 11:11 ID:???
(^^)
ミ ・д・ミホッシュ
保守。。。

一番下ですよー! ぽちさん。
感想をひとこと(w
422名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/18 22:31 ID:ySErXxwF
sage
424あぼーん:あぼーん
あぼーん
426ぽち:03/04/22 20:01 ID:???
>>416-425
いっぱいありがとうございます。
一番下に潜って嬉しかったです。長く続けてると
いいことがあるんだなと思いました。

日にちがあいちゃったけどお話を続けますね。
427ぽち:03/04/22 20:02 ID:???
 凍てつくような装いだった。厚手の皮コートには、多量の返り血が撒き散らされ
ていた。赤く滲んだ雨雫が裾から滴り落ちる。押し殺しながらも、シンジは冷厳な
気配を発散していた。ただ、その眼はどこか醒めていた。
 なにか探る様に中空を睨み、シンジは歩き出した。口をきつく結び、開け放たれ
たままの玄関に進んでいく。
428ぽち:03/04/22 20:02 ID:???
 シンジは綾波を見つけた。絶命していた。冷たい床に倒れたままの、身動きもし
ない綾波を見つめながら、シンジは一声も発せずにいた。じっと立ち尽くした。深く
息を吸って、もう一度綾波を見た。
 酷い姿だ。美しかったドレスは、胸元から下が元が白であったことが判別でき
ないほど赤く染まっていた。紅い目は半ば開いたままで、諦めたような、寂しげな
死に顔だった。
429ぽち:03/04/22 20:03 ID:???
 シンジは震えを押さえるような様子で、しかししっかりとした足取りで綾波のほう
に歩いた。綾波のそばに跪くと、手を伸ばして頬にふれた。それから、ゆっくりと
綾波の瞼を閉じさせてあげた。
 シンジはきっと顔を上げ、奥に続く扉を鋭く睨みつけた。
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━(  )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
ガンガレーポチサン!
ヒネリガ ナクテ ゴメンネ・・・
シカモ ミッカオクレ ダシ・・・ウワアアアン
431ぽち:03/04/27 17:20 ID:???
>>430
(・∀・)ノ アリガトー
アソビニキテイタダイテルダケデ
     ウレシイデス

それでは、お話を続けますね。
432ぽち:03/04/27 17:21 ID:???
 その扉からずっと後ろに下がった奥で、マナは銃を構え、狙いをつけていた。
先ほどからしゃがんだままの変わらぬ姿勢で。立てた膝に左肘を預けて安定させ、
両手で銃を握り、片目をつむって、マナは狙いをつけていた。扉の幅に切り取られ
た、薄明かりにうかんだ部屋の光景が、今、マナの前にある。
 黒い人影が見えた。
 即座に引き金をひく。
433ぽち:03/04/27 17:22 ID:???
 次の瞬間、マナの背中にぞっとするような戦慄がはしった。銃弾が銃口から飛び
出す前に、黒い影はくるりと飛び込む感じで視界から消えたのだ。ネコ科の猛獣を
思わせる、柔らかく、敏捷な身のこなしだ。
 銃弾は真っ直ぐジュークボックスにぶち当たって、激しい火花を飛ばした。
434ぽち:03/04/27 17:23 ID:???
 マナは、ほぞをかんだ。
 これほど流麗な動作をマナは知らない。覚えているどのチルドレンとも違っていた。
マナはサード・チルドレンと相対したことはなかった。ただ、ファースト・チルドレンや
セカンド・チルドレンの性能から、おおよその見当はつくと思っていた。そう判断した
上での射撃だった。瞬時に反応し身をかわしたサードチルドレンは、マナの予想を
はるかに超える戦闘能力を有していた。
435ぽち:03/04/27 17:24 ID:???
 マナはすぐに立ち上がり、シンジから死角に隠れるように動いた。初弾を外した時
から、マナは言いようもない緊張感をあじわっていた。
「無防備の相手を撃つんだね」
 向こうの部屋から、シンジの尖り声が響いた。
応援sage
(((( ;゚Д゚))) ハラハラドキドキ
キンパクノ レンゾク…ポチサン スゴイデス
テニアセニギリツツ マンセ〜!
このスレ、当分目が離せないな‥
ということで僭越ながら当方も保守させてもらいやす。
hoshu
なんかそろそろスレ総数が600…
圧縮来るかもしれないので、保っ守します
441ぽち:03/05/07 20:36 ID:???
>>436-440
いっぱい気遣ってもらって、ありがとうございます。
次は、なるたけ早く来ますね。
マトリエルにめげずに、がんばります。

それでは、お話を
442ぽち:03/05/07 20:37 ID:???
 薄暗がりの中で壁に背を任せ、マナは扉の向こうに神経を集中させた。
「君は腕がいいと思ってたのに。・・・腕利きなんでしょ?」一呼吸おいた後、低く、押さ
えたシンジの声がした。「おいで・・・霧島さん、鍛えた腕前を見せてよ」
 その言葉を最後に、静寂は戻った。だが、前にもまして強烈な気配が押し寄せてくる。
それは、明らかに殺気だった。
443ぽち:03/05/07 20:38 ID:???
 マナは進退どちらかの判断を強いられた。見のこなしを見ただけの印象だが、彼は
手強い。おそらく、これまで戦ったどのチルドレンより、段違いに強い。
(打って出る?出方を伺う?距離をとる?)
 マナはちらと後ろの扉を見た。
444ぽち:03/05/07 20:40 ID:???
 視線を戻した瞬間、静寂が破られた。
 マナには、すぐ側で何か破裂したように見えた。破片と粉塵がマナを襲う。埃から目を
覆おうとしたが、手が動かなかった。手首に熱い衝撃がある。目を落とした。右手首が
つかまれていた。
 壁に、二十センチほどの穴が開いている。そこから突き出たシンジの手が、マナの
右手を捕らえていた。っと、思う間もなく、強く引っ張られた。
コソーリ マンセー
(ゴメンネ、スゴクイイトコロ ナノニ…
  ワリコミナノデ コレダケ… ツヅキ ドキドキシナガラマッテマス
  ガンガッテ! )
446ぽち:03/05/13 18:03 ID:???
>>445
コソーリ アリガトー
ナンカ、ヒソヒソオハナシシテルミタイ

それでは、お話を…
447ぽち:03/05/13 18:04 ID:???
 銃を握ったままのマナの右手を。
 抗う暇さえ与えず、シンジはマナの右手を一気に肩口まで引きずり込んだ。そのまま逆
に捻り上げ、マナの手から銃を奪った。左手でマナの手を押さえ、銃は左脇に挟んだ。
 それから、シンジはマナの右手を開きその小指を握ると
「分かってるはずだよね」
と、冷たく言った。
448ぽち:03/05/13 18:05 ID:???
「これがアスカのぶん」
 シンジが、ぐいと手を捻った。
 骨が折れる乾いた音がし、マナが悲鳴をあげた。
「これは綾波の・・・」
 静かな声でマナの薬指を折った。
 そして、シンジの目が、すっと細くなる。小指と薬指が変に曲がったマナの手に、もう一度
銃を握らせた。
449ぽち:03/05/13 18:06 ID:???
 奥歯をきつく噛み、マナは苦痛を堪えていた。その苦悶の表情が驚きに変わる。
「僕はここにいる。まっすぐ撃つといい」
 なんの感情も込められてないシンジの声がした。
 マナは、痛みのために動きをとめるようなことはしなかった。右手の戒めが解かれた瞬間、
次の動作に移っていたのである。
 右手を引き戻すと同時に銃を左に持ち替え、マナは即座に発砲した。
応援してます。ガンガレー
コソーリ キター!(チイサイコエデ)
イイバメンナノデ ホシュハヒカエメニシテオキマスネ
デモ エヴァイタニクルタビニ ココヲミニキテマス…ツヅキガキニナッテ シカタガナクテ
ガンガッテクダサイネ、ポチサン
452ぽち:03/05/21 18:57 ID:???
>>450-451
 いつもありがとうございます。それと少し遅くなってごめんなさい。
も少し、がんばるからね。

ちょっと泣きそーな感じで、お話をつづけます(マトリエル大量発生中)。
453ぽち:03/05/21 18:57 ID:???
 銃声は短く二つ。
壁に撃ち込まれた銃弾が新たな穴を開けた。最初に開いた場所の斜め上、およそ
人の頭ほどの高さに。
 その穴の向こうで影が動く。
「はずしたね」シンジが言った。「じゃあ次は僕の番だ。少しだけ時間をあげようか。十、
数えたらそっちに行くよ。・・・ひとつ、・・・ふたつ、・・・」
 マナは弾けるように床を蹴った。いったん距離をとるべく走り出す。
454ぽち:03/05/21 18:58 ID:???
「・・・みっつ、・・・よっつ、・・・」
 離れていくマナの足音を聞いても、シンジはその場に立ったままだった。右頬は浅く
切れ、右の耳が割れていた。静かに続くカウントに合わせて、鮮血が床に落ちる。
「・・・いつつ、・・・むっつ、・・・」
 シンジはじっと綾波を見ている。
「・・・な・な・・つ・・」
 その声が震えた。のろのろとシンジが動く。
「・・やっ・・つ」 
 綾波の傍に、シンジは崩れるように座りこんだ。
「2chは5,6人以上逮捕された犯罪者が居るので
2chは全員、犯罪者だと思っていいと思います。
私の友達と私が被害を受けたのは本当の事実なので。」
(HPより抜粋)

http://members.tripod.co.jp/nichkirai/index.htm
この2ちゃんねるを罵倒しているサイトである
2003年5月21日午前0時を以て
攻撃開始。
他のスレッド・板にコピペしてくれ。

これは我々2chねらーに対する挑戦であり
善良な2chねらーを巻き込ませようとしている悪の芽を摘むことを決定した
間引きをすることにより、2chの秩序を保つのだ
>>455
(゚∀゚) 宣戦布告!?
>>455
ピンポイント爆撃!
>>456-457
コピペにマジレスカコワルイ

しかし、この>>455もカコワルイ企画だな。
そのサイトはアホなのは確実だが、そこを躍起になって荒らす奴はそれ以上のアホ。
ヲチの基本は荒らさず触らず書き込まず、でまったりネチネチと、なのに。
時間が経ったので保守します。
ぽちさん、変な書き込み↑気にしないでがんがってください…
460あぼーん:あぼーん
あぼーん
スクリプトキター!
…ノデ ハンパナタイミングダケド ホゼンシマス

ワガヤニモ マトリエル ガ タイリョウシュウライヲカイシシマスタ…(ナンカカゼニノッテヤッテクルミタイデス)
  …タスケテー
使徒の蹂躙があったようなので念のため保守。
463ぽち:03/05/31 19:05 ID:???
いっぱいいっぱいありがとうございます。

とりあえず、お話を…
464ぽち:03/05/31 19:06 ID:???
 腕を伸ばし、シンジはドレス触れた。滑らかな手触りと刺繍には覚えがあった。
泥の中に埋もれていくような生活だった。だからこそ、純白のドレスに彼女は憧れた。
夕暮れに、ショーウインドウを見上げている姿。途中、何度も何度も袋の中を覗き込
みながら、だいじそうに胸に抱えて帰る姿。ベットの上に広げては、何時までも眺め
ている姿。嬉しそうな綾波の記憶が、次々に打ち寄せてくる。最後に、たった一人
きりでドレスを纏った綾波の気持ちを思うと、なんともやりきれない。
465ぽち:03/05/31 19:07 ID:???
 どうしてと、シンジは思った。歯を食いしばって人を殺め、倒れた親友を置き去りにし、
あれだけの思いをしてきたのに、どうして、と。
 シンジは唇を噛み、やがて絞りだすように
「・・あ・や・・な・み・・・」
と、漏らした。
466ぽち:03/05/31 19:10 ID:???
 シンジは綾波の頬をなぞる。シンジの指の跡が、白い肌に赤いすじとなって残った。
シンジは自分の手を見た。綾波の血で濡れていた。ぎゅっと握り締める。
 シンジの顔付きが完全に変わった。口惜しさが極まると、人は鬼になると言う。愛す
る者を理不尽に奪われたシンジの表情は、人の心の奥底に眠る修羅そのものだった。
 シンジの口から、言葉にならない怨嗟の叫びが漏れる。
 廃墟に、紫鬼の咆哮が響いた。
キテタ! キテタ〜〜〜〜!!
オツカレサマデス ポチサン
…サイゴマデ ミテマス
タイヘンダロウケド ガンガッテクダサイネ
|<……

|∀・)<ホシュ!

|彡サッ
hoshu
470ぽち:03/06/13 18:52 ID:???
>>467-469
|∀・)ノ イツモ アリガトー

それでは、お話に…
471ぽち:03/06/13 18:54 ID:???
 マナは全力で駆けた。
 いくつか部屋を過ぎ、家具の陰になる扉を見つけて、そこに飛び込んだ。小さな浴
室に身を潜めても、マナは緊張を解くことはなかった。方膝を突き、壁に身を寄せて
扉の外を窺った。追跡者の気配はない。
 銃のラッチを押し、マナはシリンダーをスイングアウトさせた。撃ちガラ薬莢がカラカ
ラと床に落ちる。手早く炸薬弾を差し込み、シリンダーを戻した。ハンマーを起こし、
すっと顔を上げる。注意深く聞き耳を立てるが、微かな雨音の外は何も聞こえない。
472ぽち:03/06/13 18:57 ID:???
 マナは銃を置き、手早くハンカチを取り出した。その端を噛み左手でぴんと伸ばすと、
応急処置代わり、折れた小指と薬指にぐるぐると巻き付けた。かた結びにするとき、
マナは低く呻いた。きつく噛んだハンカチをはなし、限界まで堪えていたかのような
荒い息を吐く。それから、自分の右手を見て顔を顰めた。
 その一瞬、マナは忘れていたのかもしれない。シンジの最初の襲撃がどんなだった
かを。
 警戒が薄い背後の壁を蹴破り、シンジが現れた。 
スレの総数が600行きそうなので、保守します。
ぽちさん、いつも楽しみにしています。がんがってくださいね。
保守!
オクレタケド ホシュー
ポチサン マッテルヨ!
オハナシノハジマリカラ モウ イチネンハンイジョウ タッテルンデスネ
ステキナオハナシヲ ズウットツヅケテクレテル ポチサンニ カンパイ!
hoshu

このssを読んでから、あらためて「ブレードランナー」を
観たのですけど、綾波さんが「慰安婦」型チルドレンだとしたら
シンジクンが反乱(というには少し小さくて、でも切実な)を起こすのは、当然だと思いました。
人の業って悲しいものですね。

これは、僕からの個人的で利己的なお願いなのですが、
ぽちさん、この物語を、どんな結末になっても構いません、
お願いですから最後まで完結させてください。
時間はどれほどかかってもかまいません。

どうか、どうか、完結させてください。
オナガイシマス!!
477ぽち:03/06/26 01:39 ID:???
>>473-476
 いつもありがとうございます。それと、いつも
時間がかかっちゃてごめんなさい。こんなふう
だけど、完走だけはしたいと思っています。
あともうちょっとだけ、がんばりたいです。

それでは、お話に…
478ぽち:03/06/26 01:41 ID:???
 マナはすぐに銃を取り、立ち上がりながらくるっと振り向き、撃とうとした。
 シンジの動きは早い。ぶんっと水平に右手を振り、マナの左手をはらった。
 銃はマナの手から跳ね上がり、壁にぶつかって浴槽に落ちた。もちろん、マナは追っ
たりしない。振り払った右手を戻すその動きより速く、マナはシンジの懐に飛び込んだ。
全身のバネを使い、下から打ち上げるような左掌打を無防備な顎に打ちつける。間髪
いれず、捻るように左足を引き上げ、シンジの右わき腹に膝を叩き込む。
479ぽち:03/06/26 01:42 ID:???
 っが、次の瞬間、反射的にマナは後方に飛び退った。
 それは、眼だった。一瞬、視線を交わしたマナが思わずぞくりとするような、鋭いシン
ジの目線のせいだった。シンジは、なんら揺らぐことなく立ち、憑かれたようにマナを睨
み据えている。
 もう一歩距離をとり、マナは低く構えた。
 シンジは身じろぎもせず立ったまま、じっとマナを見ている。
480ぽち:03/06/26 01:44 ID:???
 マナは左手を伸ばし、剥き出しの配管を握った。腐食し、ぐらつく連結部を蹴り、力任
せにむしりとる。マナの動作が終わるのを待つかのように、シンジは動かない。じっと
見ている。
 長さ50センチほどの水道管だ。しっかり握ると、マナは一息に踏み込んだ。まっすぐ、
シンジの方向。渾身の力を込めて思いっきり振り下ろす。
 投擲競技のアスリートの様な美しいフォームだった。踏み込んだ勢いを乗せるように
身体を捻り、肩、肘、そして手首へと力を加速させている。鈍い手ごたえもあった。並の
人間相手なら、確実に頭蓋を砕き、即死に至らしめる致命打撃だ。
481ぽち:03/06/26 01:45 ID:???
 だが、シンジはわずかに頭を下げただけ。しっかりと立っている。
 シンジは顔を上げ、笑って言った。
「いいね、今のは効いたよ」
悲しみが極まると、歓喜に似た感覚に変わりますね。
ぽちさん、続き楽しみにしています。
無理はなさらず、しかしながら頑張って下さい。
みねえええええええええええ!!!!!
保守
485あぼーん:あぼーん
あぼーん
486あぼーん:あぼーん
あぼーん
hoshusage
488ぽち:03/07/23 04:30 ID:???
 日にちが空いちゃってごめんなさい。
今日から時間が取れるので、また少しずつ進めたいです。

>>483-487
いつもありがとうございます。それと、消えちゃってるけど
前の483に、ありがとうございます。

 それでは、お話を続けますね。
489ぽち:03/07/23 04:31 ID:???
 どう考えてもマナに不利な状況だった。
仕掛けたタイミングは絶妙、左手一本とはいえ、思った以上にうまく打ち下ろしたはず
だった。にもかかわらず、効果は無し。シンジは避けることさえしなかったのだ。唯一
対抗できるはずの銃が手を離れた今となっては、もう有効な攻撃手段がマナには残っ
ていない。対するシンジは、ただ自分の手を振るうだけでいい。
490ぽち:03/07/23 04:33 ID:???
 マナもシンジも足を止め、互いを見ている。
「もう終わりなの?・・なら・・・」
 シンジが一歩、踏み出した。
 その姿には、凄まじいまでの威圧感があった。ちゃりっという小さな足音が、マナには
大きく聞こえる。
ぽちさん、応援してます。
手元にログがあったので前の483を貼っておきます。

483 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/07/04 23:41 ???
オヒサシブリ デス…
オクレバセナガラ ホシュシニキマスタ
…シンジクン ツヨイ! スゴイ! マンセー!(?)
モウダレニモシンデホシクナイケド …ケド
……ツヅキ マッテマス  ポチサン ナニガアッテモサユウサレズニ ガンガンテクダサイネ
492ぽち:03/07/27 22:06 ID:???
>>491
 ありがとうございます。お手数かけます。

なんとなく、生活が戻ってきたかんじです。
週末のんびりできるのは、ありがたいです。

それでは、お話を続けますね。
493ぽち:03/07/27 22:08 ID:???
 もう一歩、シンジが踏み出す。
 まるで巨大な城壁が迫ってくるような、押し潰されそうな圧迫感がマナを襲った。
無意識のうちに、マナは一歩さがってしまう。
「怖い?死ぬのは嫌?死んだら遊べないものね。つまんないよね。誰だって、嫌な
んだよ。・・・僕たちが、何も感じてないとでも思ってた?」
 シンジの声は低く、あくまで冷たい。
「君はどっちだろうね。・・天国にいく・・地獄におちる」
 シンジの双眸が、刺すほどにマナを睨んだ。
494ぽち:03/07/27 22:10 ID:???
 飼いならしていたはずの恐怖という感情が、マナの中で膨らんできた。凍りついて
いくように身体が動かなくなってくる。
 立ちすくむマナに向かってもう一歩シンジが踏み出したとき、堪えきれずにマナは
逃げ出した。
「逃がすわけないじゃない」
 小さく呟いて、シンジはマナを追う。
ポチサン コンニチハ オゲンキデスカ?
ジカンニヨユウガデテキタトノコト ヨカッタデス
オカラダニハ ジュウブンキヲツケテクダサイネ 
シバラクイナイアイダニ コノイタニモ イロイロ アッタミタイデスガ
オハナシハ ツヅクヨウナノデ トテモウレシイデス
……
…ウワァァァァン! シンジクン コワイ!
ツヅキガ キニナッテシカタガナイデス マナサン ガンガッテ…テイウカ ニゲテ〜〜〜〜!!
保守するね。
作者さんガンガレ
497ぽち:03/08/08 03:59 ID:???
>>495-496
いつもありがとうございます。

時間に余裕があっても、良いことばかりではないです。
マトリエルに遭遇する確率が、はるかに高くなりました。
おまけに、ネトゲーデビュウまで…。ちょっとマズーでし。

それでは、おはなしを・・
498ぽち:03/08/08 04:00 ID:???
 ケンスケのフラットは広かった。最上階のフロア全てを占めている。幾つもの部屋が
繋がりあい、ちょっとした迷路とでも言っていいほどだった。居住者でも足を踏み入れ
ることのない場所は埃にまみれ、錆かかり、朽ち果てそうな、がらくたが転がっていた。
 その真っ暗ななか、シンジがマナを追う。走るまではない。しかし、真っ直ぐに前方を
睨み、進路を阻むものは、蹴破るが如く、広い歩幅で、急ぎ足にマナを追う。
499ぽち:03/08/08 04:01 ID:???
 突然、シンジの足が止る。呆然と自分の左手を見、棒立ちのまま動こうとはしない。
「そんな・・・」
 かすれるような声でシンジが呻いた。
 硬直が始まっていた。DNAに定められた『期限』は、すぐそこまで来ていた。シンジの
左手の指が、ゆっくりと内側に向かって動いていく。
500ぽち:03/08/08 04:02 ID:???
「なんで・・」
 意に反して握り締めようとする左指を右手で開こうとした。シンジが渾身の力を込め
ても、元に戻らない。万力が締め付けられるように、じりじりと、しかし確実にシンジの
右手は縮こまっていく。
「動け!動け!動け!動いてよ!・・今、動かないと」
 シンジは左手を右手で叩き、膝に激しく打ちつけ、そして噛み付いた。
保守
ほしゅ
保守
504ぽち:03/08/20 06:00 ID:???
>>501-503
いつもお手数かけてすみません。
それと、ありがとうございます。
落ち着いてきたら、また少しずつ進めていきます。

それでは、お話を…
505ぽち:03/08/20 06:04 ID:???
 動かない。動かない左手を胸元に抱え、シンジは首を巡らせた。薄暗い中、激しい
雨漏りの音だけがする。壁際に歩み寄り、シンジは窓の近くでしゃがみこんだ。天井
から次から次に漏れる雨水が、シンジの側に落ちてくる。水滴が飛び散ってぐしぐしとし、
あたりの床板はなかば朽ちかけていた。裂けた床板の間から、黒く錆びた鉄釘の頭が
覗いて見える。
506ぽち:03/08/20 06:05 ID:???
 きしむ音をさせ、シンジは釘を引き抜いた。それから、尖った先端を左掌に当てると、
右手でぐいと押し込んだ。釘は肉にめり込み、反対の甲の皮膚を押し上げ、そして突
き破った。さらに力を込め、シンジはいっきに両の手のひらを合わせた。くぐもった呻き
声が漏れた。
 しっかりと開いた左手の甲からは、貫通した釘が突き出ていた。
507ぽち:03/08/20 06:05 ID:???
 呼吸を整えると、なにか確かめるようにシンジは、一回、二回、ゆっくり左手を握り締
めた。
 シンジは立ち上がった。暗がりに目を走らせ、再びマナを追った。
ポチサン イツモ オツカレサマデス
イヨイヨ クライマックス ガ チカヅイテキマシタネ
イツモドキドキシナガラ コウシン マッテマス  ツヅケテクレテ アリガトウ!(ジブンハデキテナイカラ…)
コレカラモ タノシミニシテマス! ガンガッテクダサイネ!

…ネトゲー ハ ハマルト ナカナカタイヘンナヨウデス(ドウキョニンガ タダイマ トアルオンラインゲーニ ドップリハマッテマシテ)
デモ オフラインナ(トジタ)ゲームトチガッテ イロイロ シンセンナケイケンガ アルミタイデス
ポチサンニモ イロンナデアイヤ イイケイケンガ オトズレマスヨウニ…
 デビューウ(・∀・)オメ!
ほしゅ
保守
保守
512ぽち:03/08/27 01:16 ID:???
>>508-511
 いつもありがとうございます。

ネトゲーはがんばったんですけど、3D酔いのため断念しました。
遊んでくれたり助けてくれた見知らぬ方々に、ごめんなさい。

ダッテ…10プンアソンデ、30プンタオレテルノデハ、オハナシニナリマセンワ…
      

なんか、夏は終わった・・・って感じで、お話を続けます…
513ぽち:03/08/27 01:17 ID:???
 ぶつかる音。扉を開ける音。自分がたてる音全てが、そう、自分の息遣いでさえもが、
マナを追い詰めていた。暗がりをひた走るマナにとって、小さな物音一つ一つが、自分
の位置を知らせ敵を呼び寄せる鈴のように感じられた。しかし、足音を忍ばせる余裕
など少しもなかった。
(逃げなきゃ・・・、追いつかれたら、殺される・・・)
 今、どこを走っているのかさえ分からないほど。自分を見失ってしまうほどに、マナ
は恐怖に支配されていた。
514ぽち:03/08/27 01:18 ID:???
 もう、すぐ真後ろに付かれてるんじゃないか。逃げれば逃げるほど背中に張り付い
てくるような背後の闇に、たまらずマナは振り返った。
 大きな音が響いた。なにかに蹴躓き、マナは派手に転倒した。
(殺される!!)
 無意識にマナは頭を庇い、身体を硬くした。
ほしゅ
516ぽち:03/09/02 18:20 ID:???
>>515
ありがとうございます。

それでは、お話を…
517ぽち:03/09/02 18:24 ID:???
 聞こえてくるのは、外の雨の音だけ。大丈夫だった。追っ手はいなかった。
 マナは顔を上げ、それから肩越しに部屋の様子を窺った。完全に真っ暗という訳では
なく、微かな街の灯りが窓から射しこんでいた。扉の向こうや室内に人影がないのを確認
し、マナは小さな息をつく。
「っつ・・」
 起き上がる時、無意識に右手をついてしまった。マナは顔をしかめ、右手をさぐった。
指に巻かれたハンカチに、ぬめっとした土汚れが付いていた。ひどく痛む。
518ぽち:03/09/02 18:25 ID:???
 だが、その痛みがマナに自分を取り戻させた。
 頬を手の甲で拭ってから立ち上がると、マナは灯りに導かれるように窓際に歩いた。
鍵を確認し、突き放すようにして窓を開けた。少し強い風が吹いていた。降り込んでくる
雨がマナの顔を濡らす。窓から身を乗り出すようにして、マナは建物の外壁を見上げた。
ポチサン ゴブサタデス…
イツモ オハナシヲ アリガトウ!
トキドキ オモウンダケド ヤッパリ ポチサンノブンショウハ 
ジョウケイガ ハッキリウカンデキテ トテモキレイデス (ウラヤマスィ) 
チョットズツ ススンデクオハナシニ イツモドキドキサセテモラッテマス

ネトゲー…ソウイウコトモ アルサ! オツカレー d□~

トコロデ エイガノスレデ 「ミズノナカノハチガツ」ノハナシヲシテタノハ ポチサンデスカ?
520あぼーん:あぼーん
あぼーん
hoshusage
522あぼーん:あぼーん
あぼーん
523ぽち:03/09/11 19:57 ID:???
>>519-522
ありがとうございます。
アク禁は一日で解除。昨日は吃驚しました。

ミズノナカノハチガツノオハナシヲシテタノハ ワタシナンデスケド
バレテルヨー みたいな気持ちで、お話を…
524ぽち:03/09/11 19:58 ID:???
 現在位置さえ見失った今となっては、どこに潜んでいるのかわからない相手を避けな
がらこのフロアを抜けるのは、困難であるといえた。ならばと、マナは外壁を検分する。
ここは最上階。屋上はすぐ上。幸いなことに、外壁には建物の上端部に向かって、蔦を
思わせる複雑な彫刻が施してある。この壁には、なんとか身体を支えられるだけの手が
かりはありそうだ。
525ぽち:03/09/11 19:59 ID:???
(いける!)
 マナは、そう判断した。
 マナは頭の中で、屋上まで10メートルほどのルートを思い描いた。それから、窓枠
に手をかけ外に出た。壁の縦溝に指をかけ、足場を確認し、もう片方の手を延ばす。
折れた指は痛む。痛むが、マナは凄まじいまでの集中で、その激痛を抑え込んでいく。
526ぽち:03/09/11 20:02 ID:???
 雷が光った。壁が一瞬青白く、そしてマナの影がよりはっきりと映る。程なく雷鳴が
響いてきた。降りかかる雨をものともせず、濡れた壁面をしっかりと捉え、マナは
スムーズに重心を移動させていく。
 普段のマナならば、自分を見つめる影に気付いていたかも知れなかった。
 二つほど離れた部屋の窓から、シンジが見ていた。その口元には、嘲るような笑み
が浮かんでいた。
ポチサン キテタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
クライマックス! ソシテ サイゴノブタイヘ…?
コノオハナシガオワルマエニ 『ブレードランナー』ミヨウトオモッテルンデスガ
ナゼカ ドコニモ ビデオ・DVDガオイテナイ…ウワァァァアン
これは保守だろう当然のごとく
529ぽち:03/09/17 03:45 ID:???
>>527-528
いっつも、ありがとうございます。

あー、もーすぐサカーが始まっちゃうよー
みたいな気持ちでお話を…

    なんか、おざなりで、ごめんよー
530ぽち:03/09/17 03:45 ID:???
 建物の上端部は屋根のように迫り出し、マナの頭上に覆い被さっていた。やっかいだ。
マナは突起を握りなおし、僅かな足場に乗せた爪先にぐっと力を入れた。顔を上げ、
右手を伸ばす。限界まで伸ばしたとき、屋上の縁に手が届いた。痛みを堪え、三本の
指に力を入れた。次に左手を送る。
 その瞬間、預けていた溝から右足が滑った。難しい体勢だった左足も、急な動きに堪え
きれず支えを失う。だが、すでにマナの両手はしっかりとホールドを確保していた。
 がくんと身体が振れたが、マナは持ちこたえた。
531ぽち:03/09/17 03:47 ID:???
 両手だけでぶら下がりながら、マナは一度深呼吸をした。それから、懸垂の要領で、
上体を引き上げ、右足を振り上げた。つま先を縁に引っ掛け、さらに踵が掛かるように
足を動かした。右手を伸ばし、掌と肘と右足全部使って、転がり込むようにして屋上に
上がった。
532ぽち:03/09/17 03:48 ID:???
 雨が溜まり、屋上の端には水溜りが出来ていた。仰向けに寝転がったマナの服が、
すぐに水を吸った。ある程度雨に濡れてはいたが、背が冷やりとする。頬には、雨粒が
ひっきりなしに降ってくる。
 マナは大きく息を吐いた。そして、ぱっと起き上がった。左右を見回し、屋上出口を
探した。
ホシュ
534ぽち:03/09/24 18:52 ID:???
>>533
 ありがとうございます。
もすこし、さくさく進められたらいいんですけど…

それでは、お話を…
535ぽち:03/09/24 18:55 ID:???
 夜闇ではっきりしないが、階段室や機械室見えなかった。屋上はただ広いだけ。
空調敷設物などのシルエットぐらいが、所々その闇の中におちていた。
 どこか、どこかに屋上と繋がる階段でもあるはずだが。周囲を窺いながら、マナは
出口を探して歩いた。自然とその足も速くなる。
536ぽち:03/09/24 18:56 ID:???
 給水タンクの側に、細い梯子が突き出ていた。おそらく、そこから階段の踊り場に
下りられる。
 タンクに続く配管を飛び越え、マナは駆け出した。
 はしご口を閉じていた四角い鉄蓋が勢いよく跳ね上がったのは、その時だった。
 たたらをふみ、マナは息を呑んだ。
(・・そんな・・・)
 鉄梯子に手がかかり、そして誰かが上ってくる。
 シンジだった。
マーガリンがドイツでは、クローン病に関係があるとされ、有害食品に
なっていること。
日本の食品メーカーもそれを知っているが、口をつぐんでいる。
hoshusage
539あぼーん:あぼーん
あぼーん
540ぽち:03/10/02 18:43 ID:???
>>537-539
 ありがとうございます。

トーストにはピーナツバター(Chunky)なんですけど
だいじょうぶだよね…、みたいな気持ちでお話に
541ぽち:03/10/02 18:44 ID:???
 一段一段上がってきて、それから、ゆっくりとシンジは首を巡らせた。凍りつくマナに
薄ら嗤うような視線を投げかける。静かな物腰だが、シンジの双眸には激情が浮かん
でいた。
 踵を返し、マナは駆け出した。駆け出してはみたが、現状はマナの喉元に氷の刃を
突きつけていた。屋上という限られたスペースが、マナの退路を完全に閉ざしている。
 走りながら、マナは左右を見回す。が、期待するような出口は見つからない。突き当
りの縁がどんどん近づいてくる。
542ぽち:03/10/02 18:45 ID:???
 広告看板が、マナの目に入った。それは隣の建物の屋上に架かっていた。同じ高
さで並ぶ二つの建物の間に、下方に続く暗い闇が覗いていた。
 一瞬で距離を推し測り、マナは覚悟を決めた。どのみち他に手はない。
 マナは方向を転じた。そして、短い距離でトップスピードに載せるべく、踏み出す足に
力を込める。一歩ごとにマナのスピードが増す。
 見る前に跳んだ。
543ぽち:03/10/08 18:41 ID:???
 歩いてきたシンジが見たのは、向かいの屋上の縁にかろうじて上半身を引っ掛けて
いるマナの姿だった。シンジはそのまま縁まで歩き続け、最後の二三歩を小走りに、
まるで小さな水溜りを超えるような感じで、飛び移った。
 わざとマナの頭上を飛び越え、その眼前にシンジは降り立った。
544ぽち:03/10/08 18:42 ID:???
 咄嗟に上体を仰け反らせたマナはバランスを崩し、屋上からただ両の手でぶら下がる
だけになった。身体を捻り、マナは下方を覗いた。テラスや窓すらない側壁が地面まで
続いていた。足元のはるか下、外灯が小さく見えた。
 マナは顔を上げ、シンジを見た。
 シンジもマナを見下ろしていた。
「恐怖の連続だったでしょう・・・」激昂しているにもかかわらず、シンジは静かに言った。
「・・・それが、チルドレンの一生なんだよ」
捕手
546ぽち:03/10/15 22:34 ID:???
ありがとうございます。
ほんとに、あと少し、がんばるから

それでは、お話を…
547ぽち:03/10/15 22:35 ID:???
 マナは前にも後ろにも進めない。それに、いつまでもこの体勢のままぶら下がっていら
れる訳でもなかった。雨に濡れたコンクリートの縁は冷たく滑る。
 マナの左手が外れた。しっかりと握り直そうとした、その時だった。全体重が右手にかか
り、折れた指に激痛が走った
 今、親指と人差し指と中指だけが、真にマナを繋ぎ止めていた。歯を食いしばり、マナ
はなんとか持ちこたえている。だが、それが精一杯だった。もう動作を起こす余力は残っ
ていない。
548ぽち:03/10/15 22:36 ID:???
 もう一度顔を上げ、マナはシンジを見た。シンジはその視線を受けとめ、静かに見つめ
返していた。面からは一切の感情が消えていて、恐ろしいほどに無表情だった。
 まるで能面のようなシンジの表情が、マナには哀しかった。死に魅入られた時間の中で
不意にマナはそう感じた。そう感じた時には既に力尽き、指先が離れていた。
何も考えずに保守れ!
がんがれがんがれ
ここ大好き。
あと少しで終わっちゃうのかぁ…残念。
でも、頑張ってね。
552ぽち:03/10/29 02:39 ID:???
>>549-551
うう…ありがとうございます。
 あと少しなんですけど…
 
      お話いきますね
553ぽち:03/10/29 02:40 ID:???
 すっと重力が消える、凍りつくような感じ。絶望的な落下が始まろうとする。
 その瞬間、がしっとマナの手首が掴まれた。
 マナは閉じかけていた目を見開いた。自分の右手首を握っているのは、まだ長い釘が
突き出たままのシンジの左手だった。縁から乗り出すような無理な体勢で、めいっぱい
手を伸ばし、シンジはマナを掴んでいた。
 握られた手首が絞り上げられるように痛くて、マナは左手を伸ばす。シンジは右手を差
しだし抱えるようにしてマナを引き上げると、彼女を安全な場所に降ろした。
554ぽち:03/10/29 02:42 ID:???
 濡れたコンクリートにマナはぺたりと座り込んだ。そして、茫然とした様子でシンジを
見上げた。シンジもマナを見つめているが、感じが変わっていた。憑かれたような凶相は
消えている。笑みこそ浮かんではいないが、穏やかな表情だった。その感じ。いつか見た
あの写真の中の表情だった。マナは目を逸らすことができなかった。虜になったように
シンジの瞳を見つめ返している。
 シンジがマナの隣に座った。
age
おもろいのでsage
557ぽち:03/11/05 03:27 ID:???
>>555-556
ありがとうございます
UP&DOWN/UP&DOWNとか、Push Upstairs・Push Downstairs/地下隊とか
あるけど、できたらエンディングは

Moment Scale 'remix/Silent Poets
      で、
お願いしたいです。

それでは、お話を続けますね。
558ぽち:03/11/05 03:28 ID:???
「辛いことばかりだった」ぽつりとシンジが言った。「・・でも、悪いことばかりじゃ
なかったんだ。みんなで一緒に食事をして・・、僕が作った料理を美味しい美味しいっ
て・・、トウジとアスカは取り合いまでして」
 どこか遠くを見るようなシンジの顔に、ふっと懐かしげな表情が浮かんだ。穏やかな、
やさしい口調でシンジは続けた。
559ぽち:03/11/05 03:29 ID:???
「星を見てたらカヲル君が紅茶を淹れてくれて・・、綾波はこの星を見上げて還りたい
って・・・。僕は・・ただ、皆と一緒に居たかっただけなんだよ」
 シンジは大きく息をついた。マナはシンジの横顔を黙って見つめた。
「アスカの笑顔も、綾波の微笑みも、大切な想いは、もうすぐ全部消える。・・・雨の
中の、涙みたいに」
 寂しげに微笑み、マナに告げた。「もう、死ぬ時間だ」
 シンジはゆっくりと俯き、そして、そのまま動かなくなった。
560ぽち:03/11/05 03:30 ID:???
 どうしてシンジが自分を助けてくれたのか、本当のところはマナには分からなかった。
ただ、無力に消えていくしかない命を前にし、手を差し伸べずにいられなかった。そん
なふうに、マナは感じた。自分達がそうだったから、か。たとえ、それがマナの命だっ
たとしても。
 チルドレンということを背負い、彼らはここまで生きてきた。『自分は何者で、どこ
から来、そして、どこへいくのか』
 変わらない。彼らが探していたものは、私たちが探しているものと一緒だ。
(私に出来たことは、座って、死んでゆくのを見てるだけ・・・)
561ぽち:03/11/05 03:32 ID:???
 冷たい雨が髪を伝い、俯いたままのシンジの前髪の先から、雫となり落ちてゆく。
 じっと見つめるマナの瞳から涙が溢れてきた。もう動くことはないシンジを抱き寄せ
ると、声をあげてマナは泣いた。
 涙を洗い流す雨は、ずっと降り続いている。当分やむこともない。


 

                              お話を終わります
562ぽち:03/11/05 03:35 ID:???
 ここまでお付き合い戴いて、ありがとうございました。こんなに時間が
掛かるとは思ってなかったんですけど、完走だけはできました。
 体調がすぐれない時や、タニシ寝入りしたくなるくらいヘコンでた時、
感想や励ましの書き込みが、ほんとに嬉しかったです。それに、いっぱい
保守して頂いて…。ちょーしにのって、最後まで遊んでいって下さいとか
書き込んじゃいましたけど、ほんとは遊んでもらっていたのは私の方だっ
たような気がします。

  やっぱり、声を大にして言っておきたいです。

   ほんとうにありがとうございました、と

このスレを見つけて、つい出来心で始めちゃったけど、ここでこのお話を
できて良かったです。  

                            −こーてつのマナさんに−
                                         ぽち 
長い間お疲れ様でした。
いつも楽しみに読ませて頂きました。
またのご活躍をお待ちしています。
モドッテキタラオワッテタ…ウワァァァン! シンジクン! マナサン!

ぽちさん、長い間素敵なお話をありがとう。
エヴァ板に来るたび、ここを見るのがとても楽しみでした。
スレホッシュがこんなに楽しかったのは初めてです。何も書き込みなくても、
次はいつかな〜ワクワクという感じで、来るたびにドキドキしてました。
ラスト、最高でした。
(チョトダケ ナイテシマイマスタ)
このスレ見続けていて良かったです。
書いてくれて、書き続けてくれて、本当にありがとうございました。
以上、半角文字とかでちょこちょこホシュしていた者でした。
おつかれさま。

 …P.S. モシ ツギモナニカ カイテミヨウトオモウコトガアッタラ コノスレニデモ シラセテクレルト ウレシイデス…
完結乙カレー
約二年か‥ほんと長い間ダターネ おつかれさん
おもしろかったYO!
もつかれ。
たんのーさせていただきもした。
お疲れ様。ぽちさん。
ぽちさん、素晴らしい作品をありがとう。
次回作も期待しております。
使徒┬使徒─使徒─使徒─使徒─使徒
   ├使徒─使徒─使徒─使徒─使徒┬使徒┬使徒─使徒     使徒使徒
   │                     │  └使徒─使徒        ‖─使徒
   │                 └使徒┬使徒┬使徒使徒─使徒─使徒
   │                      │  ├使徒使徒─使徒─使徒
   │                      │  └使徒使徒─使徒─使徒
   │                      └使徒─使徒使徒─使徒─使徒
   │                   (使徒使徒)         ‖─使徒
   │                           使徒使徒─21使徒
   └使徒─使徒─使徒─使徒─使徒─使徒─使徒┬使徒─使徒┬使徒┬使徒使徒┬使徒─使徒─使徒
                             │     │  │    └使徒使徒─使徒
                              │     │  └使徒使徒─使徒─使徒
                             │     └使徒─使徒─使徒─使徒
                              └使徒─使徒─使徒─使徒─使徒
                              (使徒使徒)        ‖─使徒使徒─使徒
                                           使徒
横溝精子
江戸川乱交
572ひまつぶし:03/12/02 00:27 ID:Pt0L3TT6
束の間の平和、束の間の休息。
程よく満足のいく夕食も終わり、それぞれが過ごすくつろぎの時間。
食事の時からチャンネルを変えていないテレビから、ドラマのストーリーが惰性で流れている。
今ここでチャンネルを勝手に変えても誰も文句は言わないだろう。
このリビングにいるのは子供二人、彼等の保護者は仕事で今日も帰れない。
さっきまではもう一人の同居人もいたが、彼か彼女か、それは大好きなお風呂に入っている。
子供二人の一人は壁に寄りかかって雑誌を読んでいた。
故意に会話を避けるつもりは無いのだろうが、SDATから流れる静かな音で両耳をふさいでいる。
もう一人は部屋の真ん中でうつぶせに寝転がり、ポテトチップを片手にページをめくる。
クッション二つで起こした上半身を支え、ホットパンツから出た両足をぷらぷらさせていた。
場の雰囲気は良くも悪くも無い。
二人は互いに最小限の干渉をする事で無意識に心の安定を取っていた。
雑誌を読んでいるだけなら、わざわざこの場一緒にいる必要は無いのだから。
硬い壁に寄りかかるよりは背もたれが曲がる椅子に腰掛けた方が楽だろうし、
クッションを使わずにベッドで横になった方が快適だろう。
もし二人に理由を聞いてまともな答えを得られたとしても、それは、なんとなく、の一言だけだ。
573ひまつぶし:03/12/02 00:29 ID:Pt0L3TT6
ツインテールの少女が[ぽてち]と表記された袋に中を確かめずに手を入れる。
当たりが無いのにすぐ気づいて、目の前の記事から手へ視線を動かす。
ばさばさっと振って見ても見た通りの空の状態から変わらない。
指に付いた粉を親指から舐め取りながらふっと、思い出したかの様にもう一人の方に振り向いた。
特に視線を感じたわけではない。
少女が振り向いた時、少年は静かに自分の手元のコミック誌を読んでいた。
「……………あ、何?」
自分に向けられた視線に気づいて、少年は自由な片手でコードを引っ張りイヤホンを外した。
恐る恐るとも取れる控えめな声はドラマの静かな間に上手く重なって、少女の耳まで飛ぶ。
無意識に行われる瞬きがなければ、少年は少女より先に目をそらしていただろう。
そのほんの一瞬に他人との距離を取り孤独な事に安心するのだ、痛がりだから。
一方少女は返答に困るまでもなく少年に対する声を持ち合わせていない。
用があって見たわけでないし、喋るための口は指に付いた粉を取るのに忙しかった。
574ひまつぶし:03/12/02 00:31 ID:Pt0L3TT6
挑発したわけではない。
狙って出したのでもないが、そう取られてもおかしくないと少女はぼんやりと思った。
三本目を舐め取った時にした水音に、少年の喉が確かに動いた。
薄着で、いつも見慣れているはずのラフすぎる格好が、
何も言わずに見つめるという少女の普段らしからぬ行動で色を帯びた。
「………」
自分の汚さを隠すかのように少年が視線を外し、カーペットの上で囁いているイヤホンを両手に取った。
ノックされてドアを開けても、ノックした本人がそこに立っているだけで何もしないなら、ドアを閉じるだろう。
それ以上の反応を起こすには少年は少し冷め過ぎていた。
「キス、しよっか」
あと少しで閉じられるドアに、少女の手がかけられる。
あと少しで耳にはめられる所だったイヤホンがその場に留まり、少年の顔と視線が少女へと向く。
575ひまつぶし:03/12/02 00:33 ID:Pt0L3TT6
特に前の事を意図して出た言葉ではなかった。
当てつけでもなく、好きだからというわけでもなく。
そういう行動を誘発するようなドラマが放送されてもいない。
数回の瞬きを挟んで少年の口から返事が出た。
「…いいよ、別に」
言葉通りの意味を含ませた口調で少年はイヤホンを持ち上げていた手を下ろし、丸めていた背中を伸ばして壁に預けた。
今の精神状態なら少女の冗談でも嫌味でも軽く流せそうな気が少年はしていた。
もしかすると少女の言葉の真意を見抜いたつもりになっていただけかもしれない。
少女の上半身が彼女の両腕で持ち上げられてクッションから離れる。
四つんばいのまま少女はゆっくりと少年に近づき、立てられた膝の少し前まで顔を寄せた。
「どうして?」
ひどく落ち着いた声で、少年が息の聞こえる距離に届いた少女に問いかけた。
二人とも蜜月に浸る恋人同士のような顔はしていないし、それに近い仲でも無い。
人の目によく映るのは強者たる少女であり、弱者の少年だ。
しかし内面的には少年の方が僅かに勝っている。
「…ひまつぶしよ」
耳に残って後から聞こえてくるような声を返して、少女は背筋を伸ばし少年に口付けた。
576ひまつぶし:03/12/05 01:22 ID:6afA6dUc
ただ触れ合うだけ、それは秒針が次の秒を刻むまで続いた。
一度離れて至近距離で見詰め合い、少女はもう一度唇を寄せた。
想像よりも少年の表情は落ち着いていたから、どうでもいいという感じを匂わせるほどに。
声に出して不満を言うより、行動に出る方が強く訴えられる事もある。
少女は右の手を床から外して、掴みかかるように少年の胸に押し付けた。
少年が一度身を震わせたのを触れ合った唇から感じ、少女は内心ほくそえんだ。
これでもかというほどの激しい鼓動が掌から伝わった。
それに触発されてか自分の心臓が大きく跳ねたのに、少女は表情に出さずに驚く。
少し長めにキスに、唇は名残を惜しむかのように互いを引っ張り合い、そして離れた。
「歯磨き、してなかったけど良かったの?」
少年の胸に添えられた少女の手は離れていない。
虚勢、照れ隠しとも蔑みとも違う、よく出来た演技だ。
ある意味開き直りで肝が座っているとも言えるが、故意に感情を押し殺す必要性は無い。
「………いいのよ。どうせ」
少年の手が言葉が終わる前に動き出し、少女の頭を自分の方にそっと寄せた。
先が解っている言葉なら最後まで聞く必要は無い。
二人はまた唇を重ねた。
ひさびさに覗いたら投下キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!

コソーリ待ってまつ
578ひまつぶし:03/12/06 23:20 ID:em2cFGAR
二つに別れて、また寄せて一つにして、互いの唇をついばむようにキスをする。
早鐘のように脈動する血流はもはや少年だけのものではない。
「………はぁ…」
切なく漏れた吐息はどちらのものなのか。
少年の余っていた片手も何時の間にか少女の頭に添えられていた。
胸を押さえていた少女の手は少年の背に回り、
左足が半歩前に出て少年に倒れ掛かるのを防いでいる。
反った背中を少年に柔らかく撫で上げられて、少女は思わず身を震わせた。
うっすらと瞼を開けわずかな感情をにじませた細目に変えると、少女は反撃に出る。
顔を傾けてより密着できるように斜めに唇を合わせると、
唇を開き閉じられたままの少年の唇を左から右へと舐めた。
少年の眼が見開かれたのを焦点の合わない視界で捉らえ、少女はまた目を閉じた。
もはやこれは、ささやかとは言え意地の張り合いだ。
感情を押し殺して如何に平然とそれをこなすか。
相手に嫌悪感を与えず感情を煽り、欲に目が眩んでいると相手に見られないように。
本能を理性で押さえ付けつつ何処まで『当たり前のように』こなすのか。
己に負けて乱れようものなら、即刻相手に勝利宣言とも取れる言葉をぶつけられるだろう。
自らがどんなに自然に事を切り上げ上手いセリフが言えたとしても、
それこそ意気地無し、と負けになるのだ。
579ひまつぶし:03/12/06 23:25 ID:em2cFGAR
とは言えここまでは何とか来たものの、互いにその手の経験が豊富というわけではない。
年頃の少年少女として仮に情報を手に入れ、知っているとしても、
実戦では手探り状態とならざるをえず、現にそうなっている。
二人はそれを口にしない、むしろしない事が暗黙の了解となっていた。
続けて少女は少年にもう半歩身を寄せてから、壁に張り付いた少年の背を剥がしにかかる。
左手を脇の下から通し右の肩甲骨を包むようにして引き寄せ、
代わりに右手を引いてさりげなく後頭部にある少年の左手に重ねる。
二人が一層近づいた事により左胸が一度、少年の胸に触れた。
瞬間脳裏をよぎった限界に、ここで自ら退いては駄目だ、と、
自分の檄をとばした次の瞬間には、身を引いて謝る少年の姿を少女は想像できていた。
が、回避のチャンスを与えたのは少女自身である。
少年は少女の右手の重なった左手を首から背中へと滑らせるようにして、
少女を抱え込むように体を少し回転させる。
全体的に先ほどより距離は狭まったものの、第一の危機は互いに避けられる。
自らの手の動きが抱擁を求めた、と相手にとられてしまうのを少女は認めていた。
それは起こるべくして起こったそれがなければ、
自らが次の手をして導いていたからに他ならない。
少年の左手が肩に移動したのを感じて、少女は一度間合いを取った。
580ひまつぶし:03/12/10 00:50 ID:Ufi6tLGk
訂正>>
誤 自らが次の手をして導いていたからに他ならない。
正 自らが次の手として導いていたからに他ならない。
<<

ここが一つの転機となるのを二人共に理解していた。
悪ふざけはこのぐらいにして終わりにするか、それともまだ続けるか。
唇を離してまだ数秒、二人の脳はフル回転してしている。
次の手を、さらに次の手を。
四手五手先まで考えて、状況と相手の性格と自分に可能かでふるいにかける。
絞られた数手に間違いは無いと少年は思う。
最後の問題はタイミングだ、自分から切り出すかそれとも先にさせるか。
どっちでも乗り切れる、しかしながら前者を行う時間は限られる。
それは目の前の少女も同じはずだ。
少年も、少女もかすかな興奮によって顔色は良くなっているものの、
表情を殺す事に今だ腐心している。
互いの吐息を熱く感じながら、視線を合わせないのは瞬きの間だけ。
少年にとって少女の青い瞳しか見ないのは、
それ以外の部分に視線が行かないようにするためだった。
さらにそれは、目を逸らした時につけ込まれるのを防ぐためでもある。
まだ一分は経っていない、でも腹の探り合いを続けるのは限界に近い。
クァア〜♪
突然聞こえた上機嫌な声に、二人は二人だけでないのを思い出す。
運が良かったのか、少年は表情も体も動かさずに済んだ。
対照的に少女は驚きに身を震わせ、明らかな動揺を眼に映してしまう。
少年は、機を掴んだ。
581ひまつぶし:03/12/10 00:53 ID:Ufi6tLGk
少女の耳に現実が戻ってくる。
テレビの音が耳に聞こえ、焦点が動いて部屋の広さを再認識させる。
迂闊としか言えない自分の心の空隙を、
風呂あがりの同居人の足音が通り過ぎていく。
来て、思わず少女はそう願った。
少年に勝たせずに終わらせる方法は幾らでも浮かんだ。
退避経路の確保は即ち心の安定を取り戻させる。
だが少女の願いもむなしく、
無常にも足音はキッチンからリビングへと移ることなく
壁を隔てて向こう側にある特別製の冷蔵庫の中へと消えた。
「……やめる?」
少年は落ち着きを取り戻していた。
声に少しだけ着色して少しだけ表情を動かせば、少女の答えは決まっている。
ここだ、ここでやり込めれば上位に立てる、
少年のそういう欲が少しだけ言葉尻に滲み出た。
答えは決められていた、少女は自分の悪癖に心の中で舌打ちした。
そこに少年の見せた隙に気づく余裕は無い。
答えず無言も出来ない、だから少女はとりあえず少年の腰に両腕を回して
背が反るように引き寄せた。
バランスを取るために少年の顔が後方にさがるのは計算のうちだ。
そしてここからが賭け、それ一つだけしか選択肢は思い浮かばなかった。
「やめる気なんてないクセに………そーゆートコ、好きよ…」
そっと置いていくような声を吐き出しながら、少女は少年の口を塞いだ。
新しいのキテタ――――(゚∀゚)―――――!!
583ひまつぶし:03/12/15 00:02 ID:3St+OkZQ
言葉には力が宿っている、初めにそう言ったのは誰だろうか。
例えそれが演技であったとしても、少年は過敏に反応してしまうだろう。
現にそうだった。
少年は少女の貌と言葉の魔力に心臓を握り潰された様な感覚に陥った。
確実にその瞬間、鼓動が止まり、思考を含め彼の世界が停止した。
片や少女も体の異常な発熱を感じていた。
賭けに出た時の緊張感だけでなく、
口にした後から湧き上がって来た羞恥心もその一因だ。
もし、もし仮に口付けるという方法で自分の口を塞いでいなかったら、
少女は自らが吐く言葉で自滅している。
一度止まった少年の心臓が激しい鼓動へ急変していく。
釣り橋効果という言葉を少年は知らないが、彼女は知っている。
熱に浮かされる前にそれを思い出した少女は、幸運だった。
精神的余裕を手に入れる、それが相手より優位な立場に立つことに繋がる。
584ひまつぶし:03/12/15 00:05 ID:3St+OkZQ
すでに少年の余裕は少女一言によってほとんど奪われていた。
少女閉じられた瞼に震える睫毛は少年に少女の偽りの想い語りかける。
熱を帯びた頬は触れ合う唇越しにその熱を少年に伝える。
耐えられなくなった少年は瞼を強く閉じて己の世界に逃げ込んだ。
それは一秒にも満たない時間、しかし少年にとっては途方もなく長い時間。
残された理性と力を増していく欲望とのせめぎ合いは熾烈を極めた。
少年の中でこれはもうただの意地の張り合いではなく、少女との勝負に変わっていた。
逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、と呪文のように唱える言葉で自己暗示をかける。
瞼を再び開けた時には少年は平静をほぼ取り戻していた。
胸の高鳴りや体調変化はどうしようもないが、欲望を抑えきれるまでに少年は回復する。
少年は左手を少女と同じように腰に、右手で背中を包み少女を自分に引き寄せた。
ゆっくりと、真綿で締め上げるようにゆっくりと事を運ぶ。
されていた口付けを仕返すように、少年は抱きしめながら少女の顔が上向くように仕向ける。
二人の似非恋愛行動は一分の不自然さも見せずに行われていく。
585ひまつぶし:03/12/15 00:09 ID:3St+OkZQ
故に少女は自分が追い詰められている事を知る。
賭けは間違いなく成功したのだ、それは明白な事だった。
問題は一旦少女の手中に落ちたはずの少年が、如何様にして復活を遂げ攻勢に出たか。
疑問を持ち考える事は冷静さを少女に与えたが、このままだと後ろに倒されてしまうだろう。
それが自然で一連の流れとして受け入れるべきものであったとしても、
少女の望むところではない。
少しだけ押し潰された少女の胸からは、自分の物のみならず少年の心音も響いてくる。
そのことがまた少しだけ少女を落ち着かせる。
相手にも余裕は無いと少女自身を錯覚させてくれるからだ。
胸が少年に触れ、圧迫された時には少女はある程度の覚悟を決めていた。
それが少女の性感を鈍らせたのは間違いないだろう。
多少の気持ちよさは感じても、少女の体はまだその準備を終えてはいなかった。
少女は少しずつ体を捻って自分が押し倒されるのを防ぎ、
右肩が下になるようにして少年と同時にカーペットの上へ倒れた。
ho
hoho
hohoho
589ひまつぶし:04/01/05 23:56 ID:KQZbFj2c
判断は一瞬、功を焦ってはいけない。
されどタイミングを逸しては元も子もない。
二人が倒れる。
その直後に体を勢い良く跳ねて、もしくは急回転させてのしかかるなどもっての外だ。
二人はゆっくりと、絡み合うようにして倒れたのだから。
理性が無いと捉えられるような動作はできない。
だからこそ両者はイニシアティブを握る一瞬に全てを集中する。
肩の袖が触れたという二次的な感覚から、
衣服と肌との隙間が埋まり、重心移動により重みを増していく触感の変化を受ける。
自分の身が沈みきって、弾力で少し浮いて、また少し落ちて、ついに落ち着く。
互いの口を繋いでいる状態では、ほしい一呼吸の間は置くことが出来ない。
この状態が不安定でバランスが悪いのに二人はすぐ気づいた。
互いの脇腹下には互いの腕があり、腕は腹部を圧迫し、体重が腕を圧迫していた。
不快なこの状況は速やかに変えるべきだ。
相手にとってもそれは同じ、なおさらに動かなければならない。
590ひまつぶし:04/01/05 23:57 ID:KQZbFj2c
先に動かされたのは少年の方だった。
少女は鎌をかけたのだ。
ほんの微かなそれを何倍もの勢いに変えて、少年が少女の上に来る。
ここで少年は間を置くつもりで唇を離そうとした。
でも離れたのは一瞬、少女の柔らかな嘴についばまれ、止めるはずの勢いがもう半回転する。
ここは意地と、少年がもう一度動いた機を逃さずに少女が勢いを乗せる。
一回転して遠心力で投げ出されるように見せかけた彼女の足が、回転を止めた。
唇は自然と離れた。
「ぷっ…ふふふ」
少女の口から笑みが漏れた。
表向きには、じゃれあって転がったのがなんだかおかしくって、だろう。
「なんだよ…」
少年もほのかに苦味を含ませて笑った。
それは表面上の付き合いのつもりだったが、実際は自然に出たものだ。
自分達が作り出した雰囲気さえ敵になりえるのだと、仮面の剥がれ落ちた少年を見て少女は思う。
不意に胸の奥から、存在感を持って込みあがった鼓動を彼女は本気で抑え込んでいた。
偽物で、紛い物、ありえないと。
一瞬でもそう思わせたこの状況に戦慄した。
流れた冷や汗は火照った体から出た汗にまぎれて、少年には見えない。
全て心の中、表情が崩れていないのを彼女は感じ取って次に出る。
591ひまつぶし:04/01/05 23:59 ID:KQZbFj2c
少年の背中は汗で少しだけ湿っていた。
汗の臭いが少しだけ鼻について、彼は自分の状況を見直す。
ここからでも逆転は出来る、それが導き出された。
今の少し軽い雰囲気はさらに一歩、開放的な行動を許す事になる。
少女もそれを考慮に入れるはず、だろう。
何より退路を両者共に塗り潰しながらここに来ているのだから、行き着く先は一つだ。
少女が笑顔のまま、少年に顔を寄せる。
眼の色はもう冷めていた、つまりそれは続いているという事を示す。
今のも戯言で済ませるということだろう、と少年は思考を切り替えた。
唇がまた触れ合わされる。
正直飽きた、という流れでもいいかもしれない。
ここで決して考えていけないのは、本心ではどうなのかということだ。
ただただ焦らすにしても、浅すぎるのを少女も理解していた。
もはやこれは時間稼ぎに過ぎないだろう。
一段階、二段階は進めて当然の臭いが彼女の鼻に届く。
意外にも不快でない、自分と他人の混ざった汗の臭いが自分の中の何かを刺激する。
たぎるとはこういうことを言うのだろうか、などと思いながら、
彼女は触れ合わせた唇を開いて舌を少年の唇の隙間に割り込ませた。
592ひまつぶし:04/01/07 23:01 ID:Tbl9NOs8
熱くて幅広のところてんを無理矢理口に押し込む、そんな感じだろうか。
少年はそれを予想していながら、身を強張らせてしまう。
気持ちの良い悪いを越えて、少女の気が確かなのか、一瞬疑った。
動揺を他所に彼の口は開き彼女を受け入れる。
痛いほどに高鳴る心拍に瞼を閉じようとした少年の眼を少女の眼が捉え、閉じさせない。
彼女は表情を殺しているが、高揚した頬の熱は隠せなかった。
少年は彼女以上に感情を押し殺すのに精一杯だった。
絡められる舌に感じたのは、ほのかな塩味という疑いようのない事実。
服を着て抱きしめ合うよりも、唇を重ねるよりも、彼女の熱さが強く伝わる。
少年は酔いそうになった、心的衝撃が予定外に大きかったのだ。
口内に侵入したそれをナメクジとでも思えれば良かったのだが、そうはいかない。
少女の青い瞳が少年が事実を捻じ曲げるようとするのを邪魔しにかかる。
今、言葉通り目の前に居ると、少女は四つん這いで体を支えていた右手を外して、少年の頬にそっと触れた。
押し切られる、長い瞬きに見せかけ眼を閉じると少年はまた、閉じこもる。
少女の視界に入っていない彼の両腕は今にも彼女に襲い掛かりそうなほどわななき、
胸の奥では相反する感情が理性の枷を振り切ろうとする。
瞼を開けても、開けていない間も現実は変わらず、彼は状況が悪化したという事実しか確認できなかった。
折れそうな心で逃げ切れないのなら、折れる前に相手を砕くしか道はない。
もう、それしかない。
保守っとく?
594名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/01/09 22:44 ID:hydoK/Ea
ho
596ひまつぶし:04/01/18 15:09 ID:Akc0mLoW
頬に添えられた少女の手をそのままに、少年は左手を少女の後ろ頭に添えた。
逃がさないように。
受けっぱなしだった感覚を少女にも与えようと、彼は口内を荒らす彼女の舌を歯で軽く捕まえた。
反射的に引かれる彼女の頭はすでに押さえられている。
肘を伸ばし突っ張ろうとした左手が滑ったが、
彼女自身の胸のおかげで歯と歯がぶつかるという事態は避けられた。
瞼を開けて少年は少女を見据えて彼女の舌先を弄ぶように舐める。
お手本がすでにあり実戦済み、後はどうアレンジを加えるか。
彼の思考をささやかに邪魔するのは少女の重み。
微妙に荒くなった呼吸を察して、彼女は半身を少年から離していく。
そして軽く、本当に軽く少年の喉に滑らせて親指で押した。
確かな殺気があった訳ではない。
一度眉間にしわを寄せさせただけでいい、と少年は口の中から少女の舌を逃がした。
「っはぁ………」
どちらからとなく漏れた吐息は、熱い。
597ひまつぶし:04/01/18 15:11 ID:Akc0mLoW
見詰め合う、否、相手の底を見透かそうと覗き合う。
一度、間をもたせる為にもう一度、互いの舌を舐めながら様子を見る。
少女は徐々にそれが近づいてくるのを感じていた。
即応性が物を言う、もはや彼女は考える事もままならない。
攻めるポジションについていたつもりで、逆に今彼女は押されている。
ただ傍から見れば、襲っているようには見えるだろう。
単純にこの行為の没頭できればなんて考えは、今のところ二人にはない。
深いキスと浅いキスをランダムに混ぜてくる少女に、少年は次の一手を打つ。
余らせておいた右手を彼女のシャツの隙間から背中へと滑らせる。
一瞬衝動に駆られそうになる自分を制して、彼は彼女を抱え込むようにブラに届くところまで手を入れた。
ホックに指を掛けて一つの輪を一本の帯に変える。
肩紐のないそれは支えを失い、たるんだシャツの緩やかな弧へ落とされた。
ふわっと、開放感と共にブラの内側にこもっていた熱が逃げていく。
少女は震えた、感じた肌寒さだけが理由じゃない。
あまりにも鮮やかで、微塵の違和感も感じさせない、慣れている少年の手付きに戦慄したのだ。
598ひまつぶし:04/01/18 15:13 ID:Akc0mLoW
少女の中で今一度覚悟の言葉が浮かぶ一方で、少年も驚いていた。
実際にはもっと手間取ると思っていたからだ。
いつもさせられている家事一般、その中には当然洗濯も含まれる。
少女は下着だけは自分で洗っていたため、少年がそれに触れることはなかった。
ただ、二人の保護者は彼に衣類全てを任せていた。
年頃の彼は最初のうちは恥ずかしがっていたが、時間の経過と共に当然のように慣れていく。
何の感慨も抱かなくなったそんな時、ふとした思いで彼は遊んでみたのだ。
彼の友人の影響が多分にあったのは言うまでもないだろう。
小説や雑誌に書かれている事が本当に可能なのか、興味が湧いた。
だから彼は一人の時に試してみた。
何回か、本当に数えられるだけの回数を。
彼は人が実際につけているのを外すのは今回が初めてだった。
コツだってろくにつかんではいない。
ホックが後ろにあるのは確認済みだったが、構造はメーカーによって多少異なる。
今までの過程、全てが賭けの連続で成り立っている。
勝った数だけ立場が有利になる。
故に、この成功で少年は少女に大きく差をつけた。
面白いス
うむ、ブラのはずし方で精神的優位に立つとは面白いな。
考えネタは大好きなので。
601ひまつぶし:04/01/20 23:28 ID:l3T2KLDb
迫ってくる、砂時計の砂が重力に引かれ上から下に落ちていくように。
少女は何回目かの理解をし、少年の過去について類推した。
言うまでもなくそれは失敗であり、彼女の望む事ではなかった。
実はその経験があり、今までの仕草が全て嘘だったとしたら。
もし、仮に、奇跡的な確率でそうだとした場合、自分は踊らされていたのではないか。
最初から勝ち目がない?、単純な連鎖で彼女は深く不安を増長させる。
冷静になれば気の迷いだという事が判ると言うのに、状況はそうさせてはくれない。
背中に回っていた少年の手が脇腹に軽く触れて、
少女のお腹とシャツの間へ入って外れたブラを取り、外に軽く放った。
女性にとって下着は最後の武装である事がある。
キスで絡めた舌の動きもおぼつかない少女のそれは鎧であった。
無論彼女自身いずれ、ごく近いうちに脱がなければならないのは知っていた。
自分で脱いだのではなくあまりにも、あっさりと外された事が痛手だった。
602ひまつぶし:04/01/20 23:30 ID:l3T2KLDb
「どうしたの?」
言葉が突き刺さった少女は、すぐに反応できない。
彼女の舌の先から伸びた無色の筋が少年の唇の動きに切られる。
怖気づいたの、とでも聞かれた方が彼女の癇に障って良かったのだろう。
どう捉えていいのか判断しがたい少年の言葉に少女は逡巡する。
先を催促しているようにも取れれば、場違いに心配しているようにも聞こえた。
彼は答えを待っている、でも、その時間は短いとみなしていい。
少女は心の中でうつむいてため息を一つついた。
息を思いっきり吸い込んで、不平不満を早口でわめき散らす。
そうして、現実に帰ってきた。
眉毛を微かに動かして、少年が目を合わせてきた少女の回答を誘う。
「………別に」
彼が思っていたよりも無難な答えだった。
でも、固めた表情で彼女がとった行動は彼の予定を全キャンセルさせた。
603ひまつぶし:04/01/20 23:33 ID:l3T2KLDb
少女は少年を見据えたまま上半身を起こして膝立ちになると、脱いだ。
薄いその一枚が視線の交感を妨げる。
その前後で表情を変えたのは少年の方だった。
たわわとは言えない、けれど確かにある少女の乳房は薄衣の縁に掛かって上方に引っ張られ、
過ぎると同時に落ちて一度弾み、定位置に戻った。
ありありと、まざまざと少女は自分がオンナであると誇張した。
手はまだ休めない。
軽く右斜め下を見るように、伏し目がちに視線を外してから彼女はツインテールの左に手をかけ、
髪を解いた。
跳ねさせられていた朱が鮮やかに散り、たゆたうように他の朱と一体になる。
右の止め具も外し、彼女は髪留め代わりに使っているそれを二つまとめてベランダ側に投げ捨てた。
いまだについたままのテレビの声は二人の背景にすらなっていない。
少女は軽く頭を振ってから、首筋にまとわりついた毛を両手で後ろに流す。
そして、また落ちてくるのを知りつつ、彼女はまた少年の上に体を倒していく。
604ひまつぶし:04/02/01 21:12 ID:1jaM+RZD
さらにもう一手、少女は表情を固まらせた少年に打ち込む。
左手を彼の顔の横につき右膝を後ろに少し下げて腰をひねる。
大人の、とまではまだまだ行かない腰の丸みを少しなりとも強調しつつ、右手を少年の腹へ添えた。
そこからするりとシャツの隙間に侵入し素肌に密着させると、
手首を180度回して短パンの中へ滑り込ませた。
布一枚、ミリにも満たない厚さの布一枚が少年を極限のところで守った。
少女は表情を崩さずに内心舌打ちをする。
確かに彼女の手の中にあるそれは、布一枚では抑え切れない熱を持っていた。
男なら当然の、この状況なら起きて当たり前の生理的反応を感じて、
そういうことをしてるんだ、とどこか心の隅で彼女は思う。
切り離していなければやってられない。
わずかに開いた隙間を埋めるように、少女は手の平全体を触れさせる。
あつい。
大きいとか、どのような形とかは関係なく、本能が反応して体を状況に見合うように変えようとする。
それは彼女の意思や希望とは切り離されたものなのだ、本人がどのように思おうとも。
605ひまつぶし:04/02/01 21:13 ID:1jaM+RZD
ありえなかった。
どこかまだ自分が希望と言うものを捨てていなかったことに少年が気づくには、数拍の間を必要とした。
彼が恥ずかしさのために目をそらしてきた、時に見てしまい頬をはたかれたそれを少女自らが見せたのだ。
すでに崩壊したプランはこうだった。
焦らす少女を言葉で虐めつつ少しずつ崩して行き、まとわりつくように触れる。
ここでキレるか落ちるか、その二択だった。
プライドが高いからといって女である事を捨てきれない、と彼は考えていた。
少女の誇りの高さに目をつけた所までは良かったが、逆にその高さ故に彼女が脱ぐという予想が抜けていた。
さらなる追い討ちを受けて表情を、幸か不幸か少年は動かせなかった。
少女が髪を解いているのは湯上りの時のほんの十数分だけ。
幾度か想像したその中身が目の前に、何の障害もなく存在している。
髪の毛は濡れていないし、ほのかに上がる湯気もなく少女の艶やかさは幾分劣るだろう。
しかし、そこに確かに存在する現実は少年を執拗に興奮させる。
そして少女の手の動きは少年を我に返らせる。
触れられた瞬間に肌が粟立ったのは彼女と同じ、快感とも嫌悪感ともとれない感覚に戸惑いを覚える前に彼は緊張を強いられる。
身を一度震わせて、もし直に触れられていれば、などと思い少年は冷や汗をかいた。
606ひまつぶし:04/02/01 21:16 ID:1jaM+RZD
このまま刺激を受け続ければ、否、隙間から引き出されでもすれば少年は過度の興奮から限界に達してしまうだろう。
意識しないという手はすでになく、今、この瞬間は少女の唇を受け止めるので彼は精一杯だ。
粘りをもって絡みつく彼女の舌を受け止めながら、彼は彼女の手の動きに集中していた。
一度触れたきり、動いていない。
自分の脈動も熱も確実に伝わっているはずなのに、止めを刺しにこない理由を少年はもう一人の自分に考えさせる。
多重人格というわけではない、単にそう意識する事で冷静さを保とうとしただけの事だ。
「………ねぇ」
唇を離して、少女は甘さを混ぜたけだるさを少年に感じさせるような声を出す。
青い瞳はまっすぐに少年の目の黒い芯を捉え、反射する自分の輪郭のぼやけた姿を見ている。
彼が目で問いかけるのに対し、彼女はまず右手で布越しにモノを掴んで答えた。
「脱がないの?」
親指で軽く、根元から先の方へと擦り上げる。
少年には判っている、少女がまだゲームを続ける気だということが。
危うい所までは来ているかもしれないと言うのは、彼女の口元を見て判断できた。
でも彼女の意識は飛んでいないし、今のは見え見えの自分に対する挑発だ。
「待てないの?」
彼は倦怠感をもたせた言葉で問い返すと、両手をカーペットについて上半身を起こす。
挑発に乗る以外の道を彼は用意できなかった。
ヌッヘッホー
ホッヘッホ
ウッヒャッホー
モッケッキョー
ウワラバー
HOS
613ひまつぶし:04/02/20 01:02 ID:qvCPJq40
>保守thx

そんな軽口に乗る少女ではなかった。
少年の顔が間近に迫り、逆に攻められているように見える状況でも
彼女は考える余裕を残している。
この後少年がどう動かざるを得ないのか、自分がどう動くべきなのか本能に近い位置で判断する。
少年は少女の口を唇で塞ぐと腰をほんの僅かに引いて、右手を彼女の脇腹に沿わせた。
「ん………」
繋がった口の中から中へくぐもった声が抜ける。
少女のホットパンツから伸びる曲線を胸の横まで、脇の肉を掴むような手つきで少年は優しく撫で上げる。
手の動きは止めずに背中側にあった四つの指先を手前に滑らせて、
親指と人差指の股を彼女の胸の膨らみを支えるように下から重ねた。
こんなものなんだ、というのが彼の率直な感想だった。
彼はまだ力を込めていない、しかしその柔らかさの見当はつく。
マシュマロのような、手に吸い付くような、そんな形容が出来るほどの集中もしていない。
淡々と現実は二人の目の前にある。
味気ない、そんな言葉が少女の頭に浮かぶ。
こういう事に体は素直に反応する、それこそ本人の意思とは無関係に。
だから言葉攻めと言う戯れが存在するのだ。
しかし彼女にとって、少年の手の感触は気持ち良く感じるにはまだ遠い。
触れ合う温かさとしっとりと汗ばんだ、微かなぬめり。
情欲が燻ぶって煙を上げるための火種にもならない。
そう彼女は少年と幾度となく繰り返した口での交合をしつつ思う。
近くに聞こえるはずの映像付きのBGMは、二人にとって河岸の存在になっていく。
珍しく長く続く静かな時事は二人の機嫌を伺っているかのようだ。
少女は少年が起き上がった事で角度のきつくなった右の手首をひねり、改めて掴み直した。
先ほどよりも、脈動が数えられるくらいにしっかりと。
「…今更、恥ずかしがってんの?」
売り言葉に買い言葉、乱れた呼吸は酸素不足だけが理由ではないだろう。
喧嘩を吹っかけるような落ち着いた物言いで、少女は少年を刺激する。
私はここまでしてるのにあんたは?、と意訳されて彼女の声は彼の思考に届いた。
「久し振りだからってさかるなよ」
判るけどさ、と無音の同情の余韻を残して、彼は形だけのたしなめるセリフを吐く。
彼も一歩も退く気は無かった。
615ひまつぶし:04/02/22 23:11 ID:???
>訂正 × 二人の機嫌を伺っている
>    ○ 二人の機嫌を窺っている

一瞬、ほんの一瞬の隙に心の檻を突き破って出ようとした怒りを
少女は力で叩きつけ、ねじ伏せる。
彼女は表情の変化を抑えていたつもりだが、
猛獣が檻から片手ぐらい出してしまっていたかもしれない。
「………」
人の顔色を窺うのが最近まで当たり前だった少年はすぐに気づいた。
少女の青い眼の色が瞬く時間だけ赤く、彼には見えた。
彼は反省の色を見せるつもりで次の攻撃に入る。
謝罪の言葉を胸の内でつぶやいて、彼は頭の位置を下げた。
左手で少女の背中を支えつつ左の乳房に唇を寄せ、
もう片方を優しくゆるりと揉む。
「――ッ!」
反射的に少女の顎が跳ね上がって上を向く。
彼女の全身を駆けた震えは手の平を通じて少年のモノにまで届いた。
616ひまつぶし:04/02/22 23:12 ID:???
>614もひまつぶし

強く握られなくて良かった、というのは少年の本心だろう。
服を着たままで居られるのはアドバンテージとしてかなり大きい。
その上今攻めに回っているこの状況は、彼にとって追い風となる。
接吻の雨を少女の柔肌を味わうように降らせながら、
右の手も休めず、左の手も彼女を抱えつつ動かし続ける。
「…はぁ…はぁ………ん…」
少女はまだ声を上げない。
知識から来るものなのか本能的なものなのかは判らないが、
昂りは増してきている。
気持ちが良い悪いの二択なら良いになるが、快感ではない。
くすぐったいに近いだろう。
それでも、愛撫にも満たない少年の行為に彼女の体は準備の手を早めてきている。
全部が全部この意思で制御できたなら、という彼女の希望は叶わない。
考える事が可能で、自己と状況を分析する余裕はある。
天井の照明の眩しさに瞼を半ば閉じながら、
彼女は熱い少年の吐息に耳を傾けていた。
617ひまつぶし:04/02/22 23:14 ID:???
この同居人でしかない男に唇を許し、体への接触を認め、
心以外の全てを開こうとしている。
己の意地のために全てを投げ出すんだ、とそこで少女は気づく。
それで別にかまわないと思っている自分が居る事に。
彼女を内から支えていたプライドの放棄ともとれるその本心を、
こんな事くらいでと逆に捉えて些細な事に変化させる。
でもこのままむざむざと蹂躙される必要が彼女にはない、ないのだ。
だから彼女は少年のズボンから手を引き、
接触を楽しんでいるようにしか見えない少年の両肩に両手を乗せて引き離す。
「ずるいんじゃない?」
彼女が対象をあえて言わなくても彼にはよく伝わった。
ふと視線を下ろした先、彼の潤った柔らかそうな唇が目にとまった。
「………」
唇を寄せる振りをしてその端に齧りつき、引き剥がすように喰い千切る。
絶叫する少年の姿を見下しながら千切れた彼の唇を咀嚼する自分の姿が見えた。
ごくり。
自分の喉がなる音が耳に届いて、彼女は一瞬の夢から覚めた。
アヒャ
アヒャヒャ
(゚∀゚)アヒャヒャヒャ
(゚∀゚)ヨイデハナイカ ヨイデハナイカ
こんだけ上がらずに続いてるスレって珍しい
>>622じゃ、あげよう。
624西島勃起:04/03/09 16:47 ID:???
∧_∧   
( ´・ω・) みなさん、ニラ茶ドゾー
( つ旦O ∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦
hosyu
ほしゅ
627ひまつぶし:04/04/03 16:49 ID:???
今、何を考えていたのだろう。
ひょっとすると、本気で彼女は彼を食べようと思ってしまったのかもしれない。
彼女は彼女自身の本能に一瞬、負けていた。
それがこれから後の歪んだ投影だったとしても、彼女はそれに従うつもりはない。
危うい所まで来ているのを実感して、彼が脱ぎやすいように彼女は体を離す。
早く脱ぎなさいよ、と身体は離しても視線は彼の瞳に合わせたまま。
自分が脱がせるのでは意味がない、脱ぐ所を視姦してやるのだ。
舐めるように視線を這わせ、羞恥に赤くなる少年をこの両眼で味わおうと彼女は思った。
見下したような冷たい眼の色は彼女が意識的に着色したものだ。
ふっと視線を外して少女は自分の胸を見る。
大人並に豊かとは言えない乳房には、少年の拙い愛撫の跡がかすかに残っていた。
右の人差指で彼女は左胸の上に残った彼の唾液をすくう。
そして視線を彼に戻して目が合ったのを確認した上で、舐めとった。
ぴっ、と跳ねるような水音を演出して彼女は指を口から抜き出す。
「………」
少年は固まったまま、喉だけを一度大きく鳴らした。
視姦キター!d(゚∀゚)b
ほっしー
ほっほっほ
ほふぅ
632流浪のレイ ◆EVA00xpF9U :04/05/23 00:15 ID:???
保守、倉庫行きを防ぐ作業。

キャッチャー・イン・ザ・ライ
エヴァ板で捕まえて。
げっちゅー>>632
こんばんわ
634流浪のレイ ◆EVA00xpF9U :04/05/23 01:26 ID:???
こんばんわ>>633

オチしてるの?
私も、これがクセになったら困るわ。
でも、ここは残りレス数も適当かしら。

そう言えば以前、スイカを置いてゲットするゲームやってたわね。
>>634
懐っ! マミ美が初音を追いかけてましたね
636流浪のレイ ◆EVA00xpF9U :04/05/23 01:40 ID:???
>>635
まだ起きてたの?

そう、もう1年は経つのね。
マミ美さんとは少しだけ、名無しで質問させてもらったことがあるわ。

今日はこの辺で。また別のスレ探すから。
おやすみなさい。
おやすみなさーい ノシ
ほ。
639ひまつぶし:04/06/07 00:24 ID:???
飲まれると彼は思った。
唾を飲み込んだのは彼女の仕草に欲情したからではない。
強いて言うなら恐怖だろう、何故こんな場面でそれを感じたのかは彼には解らない。
少女の目つきが少し変わっていたのは確かな事だ。
理性のたがは二人共外れかけている、獣のようになるのも間近だろう。
少年の胸は別の意味で早い鼓動を維持している。
速い展開に思考は追いついているが、彼の心は徐々に引き離されていく。
触れ合うまでとは言え、普段の二人からは想像も出来ない域に今は居る。
理性を維持している事がここに来て少年の新たな枷となる。
どうするか。
バックの出来ない車に乗っているのだから前に進むしかないのは明白だ。
しかしハンドルはついている、故に目前の障害を避ける余地はある。
目はそらさず、相手を舐めた威嚇用のため息と共に少年は思考を可能な限りクリアーにする。
少しだけ腰を引いて体を起こし、なってないと目を軽く伏せてから、
汗に濡れたTシャツの裾を両手で掴んだ。
640ひまつぶし:04/06/07 00:26 ID:???
一気に、肘に引っかかるなんてかっこ悪さを見せなくて済んだのは運が良かった。
くしゃりと崩れた髪形のまま、彼は少女を見据えた。
これで満足したかとでも言うように、無論それだけで終わらせるはずはない。
お互いに上半身は裸、しかし女と男がこれで対等とは言えないだろう。
だから少女の真似をしてシャツを投げ捨てると、お望み通りに少年は動いた。
膝立ちの彼女の股の下から両足を抜きながら、逆に上半身を寄せる。
彼女の左肩に右手を乗せて、左手で腰を引き寄せつつ口を塞ぐ。
そのまま、覆いかぶさるように彼女の背を弓なりに、ゆっくりと曲げていく。
バランスを崩しそうになる彼女よりも早く右手を床につき、左手で支えながらゆっくりと寝かせた。
やられた、と彼女が思ったのは天井をバックに離れていく彼の顔を見た時だった。
そんな形での反撃は予想していなかった。
何より動作があまりにも自然、というよりも少年が見せた男らしさに竦んだのかもしれない。
自分が興奮するほどの立派な体を少年が持っていたわけではないのに、心臓が跳ねた。
同居という状態にありながら、それを見た回数が少なかったからだろうか。
彼女自身思いもよらない反応を体はしてしまったのだ。
641ひまつぶし:04/06/07 01:22 ID:???
髪が乱れている少年を見たのは初めてではないが、上半身裸の、は初めてだ。
これからする事を突発的に考え、臆した上辺だけの自分が少女は情けなく思えた。
彼が近づいてきた時全身が強張ったのは、犯されると思ったからに他ならない。
視姦するつもりで見ていた少年が、シャツ一枚でこれほど印象が変わってしまうのだ。
完全に少女の手落ちだった。
その上、肌と肌が触れ合う生々しさを目に見えた不快感もなく体は受け入れていた。
押し倒されたという現状、今度こそ明らかに彼女は捕食者ではなく獲物だ。
彼女はそれが解っていたから、ここで少年と距離を取るわけには行かなかった。
離れていく彼の頭を両手で捕まえて、余計な言葉を吐く前に熱く封じた。
自分の頭を持ち上げ、少しだけ引っ張って熱く舌を絡ませる。
間近であれば顔色をを読まれずに済む、瞼を閉じていてもこの距離なら自然だ。
彼女は舌の動き一つにも必死さを見せないように苦心する。
がっついている思われればそこで負け、急にたどたどしくなってもおかしく思われる。
余裕がないからこそ、本能のウェイトを増やしてでも誤魔化す必要があった。
それは少年にも同じ事が言えた。
642ひまつぶし:04/06/07 01:24 ID:???
彼のプランは元々その辺りまでだったのだから。
このまま一気にやってしまえなんて事が出来るはずがない。
彼自身それを良く解っていて、彼女があんな顔をしなければキスもしなかった。
罠だと思い込み更に目をそらす事で、彼は仮初の平静を保てたのだ。
人を傷つける事の痛みを知っているから、一瞬彼女が見せた顔は彼に苦痛を与えた。
熱くなっていた心と本能を若干冷ませたのは僥倖だろう。
押し倒しておきながら彼は焦っていた。
もうそろそろ止まれなくなると感じていたから、おそらくこれが最後だろうと。
頭の中で流れは決まっていた、軽く相手をしながら残りを脱いで脱がして、
そこまで行けば十中八九自制は利かなくなっている。
解っていたから一旦間合いを取ろうとした、しかし失敗に終わってしまう。
離した距離が一瞬で密になり、絡んでくる少女の舌が容赦なく理性を融かそうとする。
二つの吸い付くような感触が彼女が動く度に少年の胸に触れる。
崩れ落ちないように突っ張った両腕を床から離せず、彼はなすがままになっていた。
うむ
ほ。
645ひまつぶし:04/07/16 23:06 ID:???
少年がどのくらい意識を飛ばしていたのかは解らない。
まだ彼の下で少女が必死にすがっている所を見ると、そう時間は経っていない。
彼の舌も少し前とは打って変わり、意識していないのに彼女の舌を追いかけている。
そうするのが自然であるかのようにそれは、彼の理性の下にない。
気づいて止めれば不審がられる、だから彼はそのままにしておいた。
自分の理性が現実との乖離を始めている。
以前から慣れ親しんでいた感覚だというのに、酷く懐かしく思えた。
体は熱病にでも浮かされたかのように熱く、この眼前の獲物を貪ろうとしている。
しかし自分はそれを感じていてなお、冷静さを保てている。
これなら勝てると漠然と思いながらも彼は、自分と本能を結ぶ手綱を離さなかった。
離せば体が暴走を始める、それは彼女から見れば彼の敗北宣言そのものだろう。
幾ら頭の中で冷静だったと訴えても、彼女の目にそれは見えない。
今一度手綱を引き寄せて、少年はまず自分に立ち向かった。
646ひまつぶし:04/07/16 23:09 ID:???
こんな事続けていられるのは今だけだと、彼女は解っていた。
そんなに強くない少年の両腕は、震えを見せ始めている。
振動は伝わらなくとも、瞬間的に何回か浮揚感に襲われている。
我慢しなければいいのに、なんて言葉が脳裏をよぎったのは気のせいだろうか。
心の中に一雫でもその感情を持ったら、完全に流されてしまう。
故に気のせいだと、彼女は断定する。
男らしさを見せるなら力強く抱きかかえて見せろ。
こんな所で可愛らしさをアピールしても意味ないでしょ。
いつまで犯られっぱなしなのよ、この馬鹿は。
怒声を無音で吐き散らし、少女は体に溜まった毒を抜いていく。
解ってきたのは、自分が優位に立っている事。
ただ、それだけではこの状況から脱する事は出来ない。
ならば動くしかないだろう。
右手と左手、どちらに余裕が残っているかを確認し、彼女は左手を解放した。
疲れは彼だけではなく、しがみついている彼女にも平等に与えられている。
残されている時間は少ない、けれどゆっくりと、
出来る限りの細心の注意を払いつつ少女は最後の砦へと手を伸ばす。
647ひまつぶし:04/07/16 23:32 ID:???
少女は肩を少し斜めに入れ、左手を一旦背中へ迂回させる。
そして下方へと這わせていく……が、あと一歩の所で彼女は体を床へと横たえられた。
たいした衝撃もなかったのに、少女の左手は少年の背中から離れ、滑り落ちた。
離れた二人の顔の間に冷めた空気が心地良さと共に流れ込み、こもっていた熱気が払われる。
「………はぁ……はぁ…」
真っ直ぐに。
荒く胸を上下させて呼吸しながら二人は目を合わせていた。
いつかの訓練で経験したあの時のように、お互いが自分であるような錯覚に陥る。
相手の瞳に映る自分の姿を見ているわけではない、もっと、もっと深い根源的な何か。
求めるな。
ほぼ同時にそれを胸の内で叫ぶ。二人の喉が、時間をずらして大きく鳴った。
恐怖とも緊張とも違う高揚感に舞い上げられてしまいそうになる自分を、地面に磔る。
動悸は収まらず、瞬きの間を挟んで無為に見詰め合う。
時間感覚が狂い始め、1分が1時間なのか1秒なのか判らなくなる。
聞こえるのは互いの呼気、見えるのは互いの姿。
二人にとってどれほどの時間が流れたのかは解らない。
けれど膠着は少年の顔から、汗の一滴が少女の頬に落ちる事により、崩れ去る。
先に動いたのは彼だった。
己の汗の落ちた彼女の頬へ口付け、汗の軌跡を辿るように首筋へ唇を滑らせていく。
首の根元までキスの鎖を垂らしておいて、一気に耳たぶまで引き上げ甘く繋ぎ止める。
「は………っ……ぁ……」
同時に責められた胸からの刺激に、少女の口から熱い吐息が漏れた。
来た!
来やがった!
ちょっとネットを離れてるうちにこのスレ見失ってたけど落ちてなくて本当によかったOTL

久し振りに>>572-から読み返したが緊張感が在り過ぎw
感情が伴ってないからではなく
実はすでに暴走しちゃってる想いになまじ頭がいいので
せっせと後付けで屁理屈を捏ね回してるのだろうか?
このスレがこうなって初の書き込み。

>645->647の流れマンセー。
無駄なく破綻なく生々しく(褒め言葉)、まさに息もつかせず、でした。
感情の遷移を緻密にたどっていく書き方は健在、それでいて
執拗一方だったところがなくなって、何というか全体が一段上質になったと思う。
正直、引き込まれた。
エロ自体には興味ないけどこの二人の駆け引きは読んでて飽きない。それだけ
文章そのものに読み応えがあるんだと思う。お見事。

今回どうしても言いたくなったんで書きました。非礼は承知。偉そうな長文失礼
なんとなく保守
まめに保守
思い出したときに保守
653ひまつぶし:04/08/01 14:31 ID:???
>保守thx&感想ドモドモ

快楽からではなく、不意を突かれたからだ。
耳も性感帯として攻撃を加えられる事を、少女は失念していた。
決して気持ち良くはなかった、単純に初めての刺激に身体が戸惑っただけ。
擽ったくて身体が震えたのだと彼女は、頭の中で位置づける。
少年の唇が耳の付け根からまた喉元へと下り、今度こそ彼女の予想通りに身体へ到達する。
左手で彼女の右胸を優しく揉んでいる彼の手つきに、もう不自然さはない。
彼は開き直り、頭の中でシミュレートした通りに体を動かす。
ゆっくりと時間をかけて各部位に刺激を与えようという、それは前戯と呼ばれるものだ。
記憶の引き出しを片っ端から開けては散らして、少年は必死だった。
流れは掴んだが、このまま少女が受身のままでいるはずがないと、
ぐちゃぐちゃにしたいという欲望が渦巻く一方で、不安を蓄積させていた。
拒絶は彼の中で最も忌諱すべき事であり、無意識に出てしまうほど心に刻まれている。
受身へと回らざるを得ない状況下で、彼女も必死だった。
彼の愛撫が気持ち悪く、不快なものなら容易に耐える事も貶す事も出来よう。
しかしながらそうではないし、そう意識を変えるという考えも浮かばずに
理性が蕩けるのを待っているような感さえ彼女にはあった。
二人の行為は舌の上でキャンデーを転がすのに似ている。
苛立ちを無意識に積み重ねて、どちらが先にそれを噛み砕いてしまうのか。
654ひまつぶし:04/08/01 14:34 ID:???
恥ずかしさなんてものは、気づかないうちに二人の中から消え失せている。
彼等は度々、日常から非日常へ心の中でスイッチの切り替えを行う。
それは命を賭したものであるからに他ならない。
戦う、それ以外の全ての感情を極力排してただ敵を倒す一点に集中する。
事は違えど、彼等の使いすぎて緩くなったスイッチはずっと前から入っていた。
互いに負けを認められない、我慢比べを始めたその瞬間から。
「ぁ……ぅう…ん……っはぁ………」
夫婦喧嘩と言われて赤面する初心さなど、この艶やかな声をあげる少女の何処にあるというのか。
ましてそれが身体のうねりも加えた作為的なものであれば、なおさらの事。
聞く者の耳の中に麻薬染みた油を流し込み、脳の芯まで一気に焼き尽くそうとする。
自らも足の先から炎でじりじりと焼かれながら、早く早くと急かす姿は少女ではなく女。
彼女自身も見た事のない女そのものだった。
655ひまつぶし:04/08/01 14:39 ID:???
ただ下手に出て謝るだけがこの少年ではなかった。
騒動や諍いを好まず、自らが一歩下がって事を収めようとする彼も、
一度その時になれば本来あるべき男らしさを取り戻す。
平静であれば耳を塞ぎ目を逸らすその声と仕草に、否応なく惹き付けられている。
単なる空気の振動に過ぎないそれが、軽い眩暈をさせるほどに酷く感じる。
ふと少女の顔を見たい衝動に駆られるが、彼は残った理性で抗った。
見ればやる。
それこそとことん、骨の髄まで貪りつくすのは火を見るよりも明らかだった。
自らが焚きつけた炎に魅入られて焼身自殺をするには、まだ少年は狂い足りない。
この炎に意思があるのに気づくだけの情けなさと、これは見せ掛けに過ぎないかもしれないと
今更怖気づく思い切りのなさが幸いしていた。
しかし、行為は内心と裏腹で左手は少女の胸から離れて脇腹を滑り、
臀部を経由して太腿まで下がっていた。
右手は浮いた腰と床の隙間に入り、唇は身体を這いずり中央の窪みへと舌を落とす。
「ひぃ!…ヤッ………ゥン…」
少女の一際大きい嬌声が、少年の理性を焦げ付かせた。
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
 
保守
hosyu
ほしゅ?
ミ・д・ミ <ホッシュ
捕手
補修
664ひまつぶし:04/09/14 00:48:29 ID:???
>保守ドモ

ふと蝉の声が聞こえた。そこに懐かしい夏に日という言葉は続かない。
じりじりと焼け付くような感覚が少女の脳裏に蘇る。
疎開が進みほとんど使われなくなった、学校のプールでの一コマだ。
数えられるだけしか居ない友人と過ごしたあの時間、彼女は熱せられたプールサイドにその身を横たえた。
じわじわと水浸しの身体に沁み込んでくるあの焦燥感にも似た心地良さ。
ただその熱に身を任せてしまいたくなる、いや、実際にはそうしてしまった事を思い出す。
このまま意識を失って流されてもいいのではないか、そんな願望が心に浮かぶ。
水中で失った体温を身体が取り戻そうとして過剰に熱を欲したかのように、
少年に負けじと冷やし続けてきた心が解放を求めて悲鳴を上げている。
情けない、と彼女は鼻で笑った。
表情を隠すのも忘れて、この少年の頭部をいとおしそうに撫で回す自分は何なのだと。
その感覚が何処から来るのか、彼女はずっと前から解っている気がした。
665ひまつぶし:04/09/14 00:54:14 ID:???
声に出来ない悲鳴を上げているのは少年も同じだった。
どう見ても責めているのに責められているように思ってしまうマゾヒスティックな感性は、
彼の内罰的な部分に由来するのかもしれない。
本当にこのままでは犯してしまうと思うだけで、もうすでに引く気はないのだ。
嗚呼、もう、と弱音を吐きながら全力で理性を手放したい気持ちと彼は戦う。
面倒臭いという言葉が何度も頭の中で実を結ぼうとするのは、限界の近さを表している。
疲れていると言えば、お互い疲れているのだろう。
しかし、二人とも自らここに来て「したい」等と馬鹿げたセリフを口にしたりはしない。
それこそ意地だ。
相手のミスを待っていても、自らがそれを犯そうとは思わない。
故に心理的な牢獄の中で、甘美な責め苦を味わいながら、鍵が外から開けられるのを待つのだ。
「…ぁ……ん、ねえ」
ただ、身体は檻から出られなくとも、声はいつでも脱獄できた。
視線は当たり前のように、広く開いた鉄格子の隙間から相手へと注ぐ事ができた。
666ひまつぶし:04/09/14 00:57:30 ID:???
誘い水は予想していたよりもずっと甘かった。
驚いてもいないくせに驚いた振りをする自分の心に、狂っていると少女は改めて感じた。
ん、と短い声のようなものを出すだけで、少年は柔らかな腹部を越えて彼女の左の内腿の愛撫に移る。
背筋にぞくぞくするものを感じながら、彼女はそれもありかと思う。
どうしようもなく欲しているのは頭の隅に追いやり、次の言葉を投げかける。
「たまには………んっ…堂々と、見せなさアッ!………ぃょ」
そう、女は脱がなくてこの状態でも行為に問題はない。だが男はそうもいかないだろう。
少年が今更恥ずかしがるとは思えないが、彼女はそれに賭けた。
ここまで来て未だ2枚も身に着けて、強固にガードしているようにしか見えない。
自分ははいつでも出来る状態で、ずっと受身なのにずるいと彼女は思う。
だから、もし失望させるような行動をした時は自分を抑えないつもりだった。
喰ってやろう。
貪りつくしてやろう、二度と歯向かう事が出来ないくらいに徹底的に。
そう思い浮かべるだけで脳髄が悦びに麻痺していく。
彼女の頭の中には意地でも負けないという言葉はあるが、ここで止めるは無い。
しかし腹はくくっていても、生で見た時の自分の反応がどうなるのか。
一抹の不安がわずかな影を差していた。
ほしゅ
(*゚∀゚)=3ハァハァ
669ひまつぶし:04/10/13 00:32:36 ID:???
>保守サンクス

少女がその言葉を吐くのはそろそろとは思っていたから、少年は素直に応じない。
我慢が出来なくなってきているのはお互い様、だからこれは強がりと言うよりは駆け引き。
彼女の言い分を彼はずっと前から解っているし、身体はすでに熱く反応している。
こんな手間のかかる事をしなくてもと何度も思ってしまうのは、仕方が無い。
牙はあっても府抜けた状態の雌豹であれば、仕留めるのは容易いだろう。
だがそれを、故意に残した少年の理性が許さない。
舌を蛞蝓のようにゆっくりと、滑らせて少女の足の付け根へと迫る。
彼女の身体が小刻みに震えているのを目で、耳で、肌で感じる。
汗とは明らかに違う匂いが吸った空気と共に彼の脳内へ満たされていく。
嗚呼、幼児が持つ風船のように、少しでも他に気を向ければ何処までも高く飛んでいく。
それを理解していても、現実は想像とは遥かに違う。
深呼吸でもしようものなら、と思い少年は苦笑を漏らす。
「………何がおかしいの」
おかしいのは、お互い様だった。
670ひまつぶし:04/10/13 00:34:25 ID:???
身体は途方もなく熱いのに心が必要以上に冷めていくのは、少年のせいだろう。
笑った。
何に対してかは解らなくとも、それは少女にとても不快感を与えた。
自分の言動に対してか、身体の反応に対してなのか。それとも全く別の思い出し笑いなのか。
明らかに場違いなそれは挑発とも違うと、彼女は一目で見抜いた。
殺そう。
次の瞬間に浮かんだのはその言葉。何の躊躇いもなく純粋にそう思った。
歯止めはないに等しい。誰の邪魔も入らないないだろう。
今までこんな事を続けられたのが不思議なくらいだと思って、即否定する。
こんな時間は幾らでもあった、何もしなかっただけだと。
手段はどうでもいい、彼女自身の身体が後から教えてくれるだろう。
それだけの血反吐を吐き、身体を壊して訓練を積んでいる。
ここで殺していいものかと彼女は思ったが、すぐに霧散しどうでもよくなる。
ただ、目の前のオトコが気に食わない。
671ひまつぶし:04/10/13 00:37:34 ID:???
「いいよ」
あっさりと、ありえないような穏やかな声で少年が答える。
少女の瞳に映ったのは毒気を抜かれてしまうほどの彼の笑顔。
作為的にこんな表情が出来るものだろうか、と疑う暇も与えられない。
身体を起こそうとして力んだ彼女の両手は塞がったまま、彼の身体がぬっと伸びてくるのを防げない。
攻め続けられるわけにはいかない彼女の口を封じるように、
彼は最後の砦たる薄い布地の上を、その丸みに沿って奥から手前へと少し強く撫で上げる。
指先に味覚はないのに、食欲をそそるような味を、何処かが感じた。
「っ!?は…ぁ………んく…!」
白い喉を無防備にさらして、少女の顎が跳ねる。戻した時には少年の顔が目の前にあった。
避ける事なんて出来ない蕩けるようなキスを熱烈に絡ませられて、意識が飛びそうになる。
やられた。
彼女の心は一瞬敗北を認めたくせに、本能は彼の下肢へ手を伸ばしていた。
期待age
期待しつつ保守
hosyu
ほしゅ
続き期待保守
677ひまつぶし:04/11/14 02:38:43 ID:???
>保守ありがと

少女伸ばした右手の親指が少年の滑らかな肌に沿って下り、短パンとその下の一枚を指の股に挟み込む。
ぐ、と力がこもったその手の上に彼の左手が重く添えられる。
呼吸のためか言葉を紡ぐためか、二人の顔が離れ、自然と見詰め合う。
お互いの瞳に映るのはもう一人の自分。
年端も行かぬ子供のクセに、不必要に不純でエロティック。
「怖気づいた?」
ここまで来てそんな事はないだろう、彼女の妖艶な笑みに彼は不敵な笑みを返す。
本気で問いかけていながらも、どう答えるのか解っているというこの矛盾。
少女がすっと手を引いて、少年がすっと手を下ろす。
内にこもっていた熱が外気で拡散されていくと同時に、彼の冷静さも一段と取り払われる。
彼女は鼻に届いた濃い性臭を無意識にもう一度、小さく鼻を鳴らして嗅ぐ。
普段なら嫌悪に値し唾棄するそれが、
晩御飯の仕度途中にリビングへ流れ込んでくるもののように今は感じていた。
ぞんざいに投げられた衣服の音に視線を移しながらも、
彼女の喉は溢れ出る欲に負けて無造作に鳴った。
678ひまつぶし:04/11/14 02:41:16 ID:???
少女が視線を戻すと、もう開き直ったと言うべきか、少年は堂々としていた。
膝立ちのまま、今度はお前の番だと言わんばかりに見下ろしている。
しかし、この体勢で自分から脱ぐ事に何の魅力や興奮があろうか。
「いつものように脱がせてよ」
一通り舐め回すように彼の身体を視姦してから、彼女はそう命令した。
自分で言った言葉のはずなのに、被虐的な悦びが胸を締め付ける。
汚れていく自分が気持ち良いはずがない、しかし身体が神経を通して脳へ伝える快楽は本物だ。
夢想だけでも悦に浸れると言うのに、肉感的な刺激であの高みへ届かないという道理はない。
元より彼女は自分を穢す事を人一倍嫌っている癖に、自虐行為は例外的に処理していた。
常に意識の枠から外しておかないと普段の自分が壊れるから。
この歳でその経験があったとて口外出来ないだろうが、なんら不思議ではない。
むしろ喧伝するものでもないし、彼女の持つ歪なプライドは一層それを恥じて嫌った。
それでも、単純に、自分を抑え切れなかった、とでも言おうか。
月に一度しか訪れないその状態に、彼女の精神は理性を振り切って変わろうとしていた。
679ひまつぶし:04/11/14 02:47:17 ID:???
今度は少年が喉を鳴らし、口内に溢れた唾液を呑み込む。
笑っている少女の顔が狂気めいたものに見えて、心が後退る。
先ほどとは本質的に何かが違う、と理解する心はまだ理性を保っているのだろう。
しかし逆に、身体は彼女の熱病が飛び火したかのように言葉に素直に従い、
彼女の足の付け根を覆う下着を指にかけていた。
引くと同時に彼女の腰が浮き、汗で張り付いていた布切れは少しの時間差を置いて剥がれていく。
彼女の膝が曲がり、彼の股下から両足が引き抜かれる。
脱がせやすいようにと言う彼女なりの配慮なのか堕落を狙った策謀なのか、彼は知る由もない。
野生を揺さぶり起こす衝動に耐えながら、太腿から爪先への軌跡を辿る。
最後の一枚は汗を吸い取りながら肌に何度も張り付いたが、抵抗むなしく少女の身体に別れを告げた。
その途端――彼は前方に引き倒された。
咄嗟に伸ばした両手の片方が床を強く押して、布の落ちる音なき音を掻き消す。
もう片方は柔らかな感触と押し付けがましい鼓動を手の持ち主に伝え、
その視線をやや上方へと上げさせた。
「!………ぅんっ…」
反射的に力のこもった彼の手に反応して、彼女は小さく満足そうな呻きを上げた。
起きてて良かった!GJ!!
神を待ちつつ保守
保守
イイ♪続きに期待保守。
イイ♪続きに期待揚げ。
スレッドの中にはペンギンが埋まっている
686名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/12/12 00:15:08 ID:QUZZ2VYi
 
687ひまつぶし:04/12/12 03:22:46 ID:???
>保守に感謝を

足の先から頭のてっぺんに向けて体中の毛という毛が逆立つような感覚を、少年は覚えた。
女の本当の色を見るには彼はまだ幼い、幼過ぎるのだろう。
興味本位、意地の張り合いだけで済む事態ではなくなってきている。
しかしここで後へ退けるだろうか。
背中にかかった少女の足は彼を引き寄せはしても逃がしはしない。
ここに来てそんな思考が出来るほど冷静になっているにもかかわらず、身体は火照ったままだ。
彼女の蠱惑的な笑みに欲をそそられた股間も痛いほど勃起している。
冷静さを取り戻したが故に、この後何らかのショック受けた時、
彼は二度と立ち直れないほど自分が壊れそうな気がした。
時間稼ぎに掴んだ胸を軽く揉み解しながら、彼は彼女へ口づけようとする。
が、人差指一本で止められた。
っちゃ…と熱く濡れた、後を引く音がして指が離れる。
次の一呼吸で、脳に強力な麻酔がかかったようにくらくらと、少年は酩酊感を味わった。
「こっちが先でしょ」
688ひまつぶし:04/12/12 03:24:44 ID:???
少女はとけかけのアイスバーでも舐めるかのように、
人差指の根元から先へとゆっくり舌を滑らせる。
口に広がるのは背徳の蜜の味。理性を昏倒させて本能を揺さぶり起こす雌の味。
……汚い。
自分の汚さに反吐が出る、そう思えば思うほど彼女は昂っていく。
猛獣を繋ぐ鎖は限界まで引っ張られて、震えながらも必死にまだ押さえつけている。
自分の身体はこんなにいやらしいのだから、少年が耐えられるはずがない。
早く堕ちてしまえと頭の片隅でもう一人の彼女が叫んでいる。
性欲は酷く食欲に似ていると彼女は思う。
彼女には訓練とは言え幼くして遭難経験がある。
孤独も恐ろしかったが、渇きと飢えは抑え切れるものではなく、
なりふりかまう余裕をなくす。
飢餓を訴え鳴り響く胃と、同様に満足をさせろと疼き涎を垂れ流す穴の何が違うのか。
もう欲しくて欲しくてたまらないのだ、
それを霞のような理性がかろうじて煙に巻いている。
689ひまつぶし:04/12/12 03:26:45 ID:???
「………」
声にならない声とはこの事だろう、少年はどこか遠くでそう思った。
もし本当に、声を出してしまえば少女の望み通りに身体は反射的に襲うだろう。
見事なまでのカウンターだった。
彼女は追い詰められてあと一息だと、見れば解るのに受け入れようとしない。
戦いの最中に削れて鋭さを増した刃のような少女の一撃は、
少年の理性を首の皮一枚の所まで断っていた。
彼の背筋が震えるのは快感のためだけではない。次の一手を恐れている。
だから動かなくてはならない。
その思いに突き動かされるように、少年が少女の胸に乗せた手をその横に下ろす。
同時に上体を伏せて頭を下げ、右胸の頂点を前歯で軽く挟み込む。
自由になった右手は肌に沿わせて下ろしていく。
汗でしっとりとした彼の手が彼女の恥毛を、その存在を確かめるかのように逆撫でる。
「…ぅぅん………」
少女が、くすぐったそうに身をうねらせた。

ブレードランナーってエヴァよりも富野作品に共通する部分があるよなー。
神キター!!
いいね〜GJ!!この後が楽しみ。まったりとお待ちしてます。
待機
夢見中
これは夢ね
696ひまつぶし:05/01/01 11:26:28 ID:???
>明けましておめでとうございます
>姫初め増刊号ということで

唇をなぞるように優しく、その周縁を緩慢な動きで一周させていく。
汗とは違う水分が、指から浸入して脊髄を黒く焦がしながら少年の脳へと達する。
濡れている。
いきり立つ自分の一部に、力がこもったのを意識した。
そんな事はさっき判っていたのに、触れてみると改めて認識させられる。
外側だけでこうなのだ、中はもっと熱くたぎっているに違いない。
火がついたように体中がアツイ。熱にうかされまいと今一度理性を奮い立たせる。
その様子を見て、つまらない、と少女は胸の中で呟いた。
この期に及んで逃げ腰を見せる情けなさに反吐が出る。
すぐにでも挿し込めばよいものを、躊躇いがちに触れるばかり。
じれったいのを通り越して怒りすら湧いてくる。これは丁寧なのではない、侮辱だ。
ならば、解らせてやるしかない。
強い北風にコートを抱き締める少年を、灼熱の砂漠へと追い込む。
そんな勘違いは捨ててしまえと、体に訴えかけて止まれなくしてやればいい。
697ひまつぶし:05/01/01 11:31:23 ID:???
やる事自体は簡単だった。
ほんのわずかに腰を動かすだけ、距離にして5cmにも満たない。
だがそれだけで十分だった。
「っ……! どう、久し振りの感触は」
喘ぎそうになる自分を必死に押さえつけて、少女は少年に問いかけた。
声を押さえたのがよかったのか、力が入ったために思いの他体が甘く痺れる。
嗚呼だがこれでは余計に止まれない。
無意識に心拍数に合わせて動き出す脈動を止められるはずがない。
圧迫しているのは自分なのに、圧迫されているような錯覚に陥る。
自分が触れているわけでもないのに、欲望を掻き立てられる肉の感触が蘇る。
彼の手など払いのけて自分でしたくなってしまう。
これほど苦しくなるのなら、誘わなければよかった。
やめる気なんか毛の先ほど無いクセに、形だけの理性で彼女は後悔した。
698ひまつぶし:05/01/01 11:34:58 ID:???
熱い。熱い。熱い。あつい。アツイ。アツクて狂イそうだ。
食べられているのは自分なのに、食道から胃へその奥へと進みたくなる衝動。
口腔に踏み込まされただけで少年の理性はまたも飛びかけた。
より深く呑み込もうと収縮するそこは、飢えた獣のように涎を垂れ流す。
掴み抉り取りたくなるような柔肉の蠢きに耐え切れず、指が動いた。
「ひぁっ……ぁぁう…………」
もうそれは声でないのかのように、少女が甲高く鳴く。
しとどにぬかるんでいるにもかかわらず、それがないかのようにがっちりと彼の指を締め付ける。
反射的に逃げようとしたその指を力で留めて、彼女の腰がうねる。
彼女と目が合って、彼の喉が口にたっぷりと溜まった唾を飲み下した。
コートなんて着ていられないほどに、ここは砂漠のど真ん中のように熱く渇いている。
喉だけでなく全身汗にまみれて匂い立つくらいに潤っているのに、それでもなお足りないと本能が叫ぶ。
口が空気を食む。何か喋ろうとしたのを彼の無意識にカットした。
それでも、
「…………ぁいしてる…」
二度目は止められなかった。
699ひまつぶし:05/01/01 11:36:53 ID:???
力一杯に、肉の淵に引っかかりながらも指を逃がして、
少年は少女の跳ね上がった顎の下、白い喉にむしゃぶりつくように舌を這わせた。
「ぁ、ああっ……!」
そんなウソ胸に響くはずがない。
だというのに早打つばかりの彼女の心臓が狂ったように脈を乱す。
無意識に逃れようとして首を振った彼女の口へ逃すまいと彼は指を入れて下顎を押さえ、
さらに下の口へも入れる指を増やし追い討ちをかける。
「……はっ…あ、ん、ぃ……ああ!アッ……ぁああ!!!」
喰われる。内側から喰い破られる。
これでは逆ではないか。
くぐもった声を上げながらも押し寄せる快楽の波に、か細い理性にすがって耐える。
喉から鎖骨を下って、彼の唇がきつく跡を残しながら胸へと辿りつく。
強く吸い付き舌で遊ぶその顔を、
一度見てやろうと彼女は力の入らない腹筋を震わせながら力をこめた。
「……! ァァン!?」
内腑を抉られて一瞬しか見えなかったその顔は、笑っているかのようだった。
700ひまつぶし:05/01/01 11:40:06 ID:???
また一つの壁を越えたのだろう。心のどこかは泣き出しそうだった。
はっきり狂ってしまえば楽になれるのに、少年の場合は簡単にそうならないらしい。
肉壁をゆっくりと掻き撫でながら、鼻先と頬で胸を揺すってみる。
耳が触れる度に聞こえる脈動が、いとおしく思えるのは錯覚だろう。
これでもかという柔らかさとよく判らない匂いのために、彼の理性に霞がかかる。
「ッ……!?」
それが一瞬だけ一気に霧散させられた。
顔を上げれば、少女が自分の指を咥えているのが見えた。妖艶に笑っている。
彼女は跡がつくほどに強く噛み締めて、痛みに暴れる指に触手のような舌を戯れさせている。
そんなところに性感帯があるはずないのに、少年は間違いなくそれを感じていた。
渇く。
その熱さを誤魔化すために、水を彼女の裸身に求めようとしてまた止まらされる。
こり、と歯の上で虜囚の指を転がして、彼女はもう一人捕まえた、と言った。
701ひまつぶし:05/01/01 11:44:46 ID:???
少しだけぬめったそれを確かめるように少女は指を動かす。
自分の穴が裏返ったような肉の塊を握って、唾液で一杯の口の隙間から息を漏らした。
漏れているのは息だけでなく、唾液は口の端から頬や喉を伝いカーペットへと染みを広げていた。
股の間などは言うまでもないだろう。
背中さえじっとりと、水音がしそうなほどなのだから。
肌の感触は他の部分と大して変わらない、でも熱さが全く違った。
知識では解っている。これは血、赤い色をした体液、体中を巡る命の熱さだ。
心臓と同じように脈打つこれから新たな生が命の器に注がれる。
フン、と少女は鼻で笑う。
自分は命の器などという大層な物ではないし、出てくるのも欲望の塊に過ぎない。
汚し汚れた泥の中から泥人形を作り出すのが人間の生。
そう思う事こそ狂っている証拠、高尚な行為であればこそ地に堕ちればその分酷く濁る。
嗚呼だから狂ってしまおうと、彼女は彼の指から零れた命の味を、
何度も喉を鳴らして胃に溜め込みながら、静かに笑みを浮かべた。
あけまして乙!
おつ
乙でちゅ
hosyu
保守
ペンペン
708ひまつぶし:05/02/04 21:34:45 ID:???
>いつも保守どもです

誘蛾灯に引き寄せられる羽虫のような感覚を少年は味わう。
いや、蜘蛛の巣にかかった蜻蛉と言うべきか。
幸いな事に気が動転しなかったから暴れずにすみ、糸もほとんど絡み付いていない。
ただ脚が完全に捕まえられていて、空へ逃亡を試みればすぐにでも途端に喰い千切られるだろう。
狂っている。その彼女を受け入れている彼も、狂っている。
本人達は気付く訳も無いほどに、自分達が作り出した状況に飲まれていた。
指を噛まれさらに笑みを浮かべられる。そんな状態を仕方ないと、正気であれば受け入れるはずがない。
幾ら彼でも素面であったのなら、今のように彼女と同じ匂いのする笑みを返しはしないだろう。
自分がこのままでは言葉通り食べられるかもしれない立場と理解していて、
逆に食い殺す隙を窺うような真似などするはずがない。
「……! ぅあ…」
少年の口から、初めて言葉以外の声が漏れ出た。
その初めて聞かされる声が気持ち良くて、少女はもう一度、もう一度と手の中の彼に刺激を与える。
自分が中を抉られれば意識を飛ばされるように、
その棒が同じ役割を果たすのだと、彼女は現実として理解した。
709ひまつぶし:05/02/04 21:36:07 ID:???
「〜〜〜ッ」
かくんと少年の頭が下がる。背筋が震える、少女の中に入れられたままの指が強張る。
明らかにそれを、悦びを彼が噛み殺しているのを彼女は判っていた。
ほんの……時間などどうでもいい、今は隠したりなどしていない。それだけの事だ。
「ぁ……はぁァ!? ぅぅん…………ッ!」
今度は自分が声を無意識に抑える。まだ理性が生きている証拠だろうと第三者の視点で論じる。
単純に下に咥えている、否、咥えさせられている物の量が増えた。
二本から三本。さっきと比べて一本増えた。たったそれだけなのに、
「ぁ、ぁぁ……ぁア! アァンン、ヒッ、ヤ、ぁ、あぁ……!」
得られる快楽が把握しきれないほど複雑となり、彼女をさらに一段階上へと押し上げていく。
少年が指を出し入れする度にせり上がってくる快感を、止められない。止められるはずがない。
それこそ求めてやまないものなのだから。
だがまだ緩い。前に比べれば刺激の強さは雲泥の差がある。それでも人の欲望に際限などない。
貪欲に貪り尽くすものが快楽だ。
前後不覚になるくらいに狂いたいと願う衝動は、このくらいでは満たされない。
710ひまつぶし:05/02/04 21:37:55 ID:???
負けじと、と言うよりは無意識の反射に近いだろう、少年の一部を少女が何度も擦りあげる。
リズムなどなく、跳ねさせられる腰と体のうねりをダイレクトに叩き込む。
乱れた律動は彼に思わぬ刺激を与える、意識的に攻め続けなければ果ててしまうくらいに。
「はぁ……うぅ……クッ……」
「…ゥ…ゃ、ぃゃああ、ふ…ン……」
互いにそらさせられていた顔が、ふとしたタイミングで真っ直ぐに見合う。
彼には彼女の、彼女には彼の表情が、ぞくぞくと脳髄の形容し難い部分を刺激する。
それは破壊衝動に似ているのかもしれない。
このまま――顔同士をぶつけ合うように二人は互いの唇を貪るはずだった。
互いの欲望を汲み取ってほぼ同時に動きを止める。
「……ぁ……はぁ……先に一回済ませる?」
もう我慢できないだろ? そう彼は彼女に問いかける。
「はぁ……ん、はぁ……冗談。アンタこそ」
イキたくて仕方が無いんじゃないの? 蔑みを込めた労いを、熨斗をつけて少女が返す。
それを受け取った時点で負けだという、くだらないこだわりは未だに残っていた。
しかしながら問いかけ合い相手に折れてくれと願う事自体、己の限界を相手へ露呈している。
二人はそんな単純な事にもすでに気付けない。
711ひまつぶし:05/02/04 21:39:21 ID:???
ひとまず妥協案として軽く何度かキスをして、それから深く舌を絡め合う。
ただ慰めに欲しがっただけかもしれない。どのみち退く気など無いのだから。
つつ、と糸を引くほどに混じり合った唾液が延びて落ちて腹に触れ、少女は心地良い冷たさを感じた。
少年は指を彼女の下から引き抜いて、指を開閉してほんのかすかに色のある粘りを見せびらかす。
彼は彼女から目を離さず、それを口の中へ入れて丹念に舐め取る。
唇に触れさせられた時よりも濃厚な性臭が鼻を貫き、脳を底からを突き上げた。
嗚呼、と声にならない声で少女の名を胸の内で何度も叫ぶ。そこに劣情はなく熱しかない。
熱い、熱くて熱くて死にそうなくらいに熱いのにどうしても死ねない。
こんなものでは渇きが癒せないと知りながら、彼女にそれを求めようとしている。
道徳観念なんてとっくに破綻していて、最後の一歩を躊躇させているのは思い切りのなさだけ。
だが、ここまでやっておいて思い切りのなさも何も無いだろう、彼の目元だけが笑った。
712ひまつぶし:05/02/04 21:40:50 ID:???
ズキンズキンと脈に倣って熱を帯びる指からは赤い血が零れ落ちる。
それを。
少年は少女の胸に擦り付け、馴染ませようとした。
「何、嫌がらせ?」
彼女は咎める事なく、面白くもなさそうにその様子を眺める。
彼の股間に伸ばしていた手を引き、手に付着した自分のものとは違う臭いを舌を出して味わう。
雄の臭いと意識しただけで、飢えた穴の奥がざわめくのがわかった。
「似合うかなと思っただけさ」
その行為により、少年は少女の身体を征服しているような恍惚感を覚えた。
その行為を見て、少女は少年の心を虜にしたような錯覚に支配欲を満たされた。
言葉同様にその軌跡にも理由はないのだろうが、傷のついた手で彼は少女の体を満遍なく撫でる。
なすがままに無駄を受け入れながら、目に付いた彼の指にある自分の歯型が、彼女には指輪に見えた。
奇しくも薬指、しかしそこから結婚を連想出来るほど、彼女に遠くは見えていなかった。
713ひまつぶし:05/02/04 21:42:09 ID:???
「変態」
どっちがだ、と無意味な突っ込みを胸の内で済ませ、少年はもう一度少女の胸の感触を確かめた。
唇と舌、手と目と高熱に浮かされっぱなしの肉を彼女の肌に擦り付ける。
「でも…そういうのもたまにスキよ」
もはや耳に馴染んでしまった濡れた声に顔を上げると、顎に手を添えられすっと引き寄せられた。
ついばむような口付けを何度もされて、彼の快感が質ではなく量で満たされていく。
ずっ、と肩甲骨から首筋へ腕を回して彼女を抱え込み、密着の度合いを高める。
背中を撫でるように掻く彼女の手を愛しいと感じてしまうのは気の迷いだ。
でも、それくらいは溺れてしまえ。
彼の命を受け入れ胎を満たしたいと願うのはワタシではなく本能だ。
だから、最後まで抗え。
足まで絡め結び合ったまま横に回って上下が一度入れ替わり、もう半回転して元に戻る。
互いの最もアツイ部分も何度も触れ合い、深く重なろうと少しずつ融け合いながら一つに向かう。
だからもう、声など必要も無いほどに相手の望む事を理解した。
神が来た!
2人とも気の迷いとか本能といいつつも行為は間違いなく愛し合ってる…。
な感じがいいです!GJ!!
gj
期待保守
期待揚げ
ほっしゅほしゅ
720ひまつぶし:05/03/05 16:21:49 ID:???
>保守ありがとうございます。
>山場前編(仮)

理解はした。そう、理解だけは。
どれだけこの先を望んでいるかは判っているが、そこへ行けばもう以前の関係には戻れない。
それは絶対的な確信だった。
キスや性器を触り合う程度ならまだ気の迷いだったと言い張れる。
しかし、挿入して、または受け入れて果ててしまったら、そんな戯言が言えるとは思えない。
直前になって不安が噴出したのは二人が初めて、この行為を経験中だからだろう。
始めた理由など遥か彼方、目前の一瞬先に二人の意識は集中する。
互いの息は荒く、絡みつく体液は熱く、求めるものは一致していくのに、心だけが重ならない。
少女を組み敷く少年は犯す側で、少年を抱え込む少女は犯される側だ。
第三者的にも少女が犯す側に見えないだろう、誘って堕ちたように見える可能性はあるが。
この位置では少女主動では動けず、少年が動くのを待つしかない。
腕も足も融け合うような密着した体勢では、上下が入れ替わっても大差はない。
少女が上になった時点で半身を起こして少年に跨り腰を下ろせば、少女の願う攻め手にも回れる。
ただそれを少年が許すはずもなく、少女も無意識に離れるのを拒んでいた。
721ひまつぶし:05/03/05 16:23:59 ID:???
溺れてしまえば後は意識が遠のいていくだけ。そこまで行ってしまえば楽になれる。
だがその前には確実に、死への恐怖に苛まれ苦しむだけの時間があり、避ける事は出来ない。
少年は今快楽の中にありながら最も苦しい立場にあった。
童貞は捨てるものだ、でも処女を捨てるとはあまり聞いた事がない。
男の未経験は恥ずべきものであるのに、女のそれは貴ばれる事が少年には多い気がした。
童貞は捧げるなんて言わない。だから代わりに犯すという表現を使う。
例えそれが合意の上であっても、少年にとっては無意味であり、あくまでする側なのだ。
おそらく、いやきっと、絶対に彼女は処女だと少年は信じ思い込む。
しかしながらあまりにも慣れていたように、少し前も思い出せないくせに、ここで思ってしまう。
もし経験済みだったら。
自分の稚拙さが露呈していて、すでに負けていた事になる。
それは今後にも響いてくる。絶対に。彼女の性格を知る少年だからこそ、そう断言できた。
上手くやったつもり、なんて事は全くなかった。彼には技術なんて無いんだから。
けれどここまで辿り着いた。
最初はお互いにここまで来る予定ではなかったのかもしれない。
そう、単純に退けなかっただけだ。
722ひまつぶし:05/03/05 16:25:52 ID:???
子供染みた幼いプライドの傷つけ合いが急速に発展しただけ。
それがどうして人生の転機を迎えそうな舞台にまで変貌してしまったのか。
二人は子供と言うほど子供じゃなくて、大人と言えるほど熟してはいない。
半端な知識をひけらかして、物足りない体にすがり付き、止めようの無い心を必死に閉じ込めて。
幼いなりにしてきた背伸びは崩壊への一歩を踏み出そうとしていた。
「…ぁ……はぁ………はっ……」
酸素を求める互いの口を貪り合うように重ねる。
胸が苦しいのはその為だけなのか、駆け巡る血潮は溶岩のように内側から体を焼く。
熱過ぎて頭の中身が沸騰しているのか、涼しくなろうとは全然思わない。
乱れた二人の呼吸がその一拍だけ同時になり、申し合わせたように真っ直ぐに目が合う。
瞬き一つ。
一瞬の間を置いて冷えた宝石の瞳で少女が笑った。あざ笑った。
「ぁ、ンンッ…………!!!」
少年の行動はキレたと言っても過言ではなく、それくらい乱暴に、彼は少女の中へ押し入った。
723ひまつぶし:05/03/05 16:27:10 ID:???
きつい締め付けに少年は声を噛み殺し我に返った。
明確な抵抗と言うものも感じずに、少年のモノはほとんどが少女の中に収まった。
穴が狭く圧迫感はあったし今も続いている。だが、肝心の膜を突き破る感覚はなかった。
自分のものが人並み以上に小さかったのかと問われれば、彼は違うと答えるだろう。
一瞬我を忘れたとはいえ、彼はそれをずっと意識していた。
初めてするからにはその感触が必ずあるはず。漫画や雑誌にはそう書いてある。
詳しく調べたりはしなかったが、彼の友人との猥談の中にも話は出てきた。
漫画は誇張され過ぎかもしれないでも、それに一種の憧れや彼女の純潔を期待していたのだ。
今頃気付いた。きっかけはどうあれそうあって欲しかった、と。
失望感故に、処女でもそういう子がいるかもしれないという考えに彼は至らない。
心の間隙を貫いて、少女の足が少年の腰を一気に引き寄せ、足の付け根を少年と完全に密着させる。
「くっ!……」
少女の体が小刻みに震えるのに合わせ、胎の蠕動が色めき立つ。
彼女の爪が両肩に鋭く刺さり、白い歯が牙となって少年の喉に喰らいつく。
痛みと快楽がまぜこぜになって果てそうになるのを、腹に力を込めて彼は耐える。
乗せられた。
皮膚が裂けるような感じがしたのも束の間、
「………ヘタクソ」
真横から聞こえたその声が、酷く癇に障った。
724ひまつぶし:05/03/05 16:28:48 ID:???
良く思い出してみれば指は三本も入った。普通ある程度使わなければ入らないだろう。
少年は自分の意見に納得する。まんまと騙されていたのだと、暗い怒りが静かに燃え始める。
じゃあ最後までやってもやらなくても変わらない。入れたまま果てても問題ない。
コイツは僕を騙した。
それを全ての免罪符に、少年は黒い毒を吐いた。
「男引っ掛けるために再生手術したんじゃなかった?
 ああもう使った後か。それで、か」
冷めた視線と突き放すような言葉に、少女の血の気が引いた。
心外だった。
何故そんな目で、そんな口調で酷く罵られなければならないのかという疑問さえ浮かばない。
脳髄を抉り返す痛みに加えて、心臓がぎゅっと握り潰されるように縮んだ。
刹那、圧縮されて押し出された濃い血液がカッと頭に昇る。
デリカシーの無い、殴りかかろうとした手は少年の背中に回されていて、用をなさない。
ぎり、と奥歯が軋む。いや元々これはそういうスタートだった。そういう設定の。
それでも。
言っていい言葉と悪い言葉がある。
725ひまつぶし:05/03/05 16:30:19 ID:???
処女にそれなりの価値を感じていた自分を見つけて少女は驚いたが、それ以上に、
少年が故意に人を傷つける事の出来る人間と知り驚愕する。
虫を殺せないほど優しいとは言わないまでもある意味、信じていたのかもしれない。
それが今、裏切られた。穢された。汚された。犯された。
少年が耐えられないような訓練もした、それが原因ですでに破れていた可能性はある。
血が出たとしても生理の期間と重なっていれば気付かなかっただろう。
自慰をした事が無いとは言わない。でもそれは彼にも言える事だ。
特別視されたいと思っていたわけではないが、彼女は自分が特別だと思っていた。
厳密に言うのなら、彼にとってこれは意地の張り合いとは無関係に、特別な意味があるのだと。
「そんな冷めるようなセリフが聞きたいんじゃないわ。
 甘くとろかせてよ」
目には目を。毒には毒を。
最早アドバンテージも何もありはしない。作業に没頭し、力任せに相手をへし折るだけ。
冷えた鋼の顔をして少女は、出来て当然よね、と機械的に甘えた声を出した。
kita- otyudesu
作者乙
続きがきたか。
実はこの作品好きなので頑張って欲しい。
おちゅ
おーつー
乙!続編期待保守
732名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/27(日) 10:30:49 ID:???
おーつー
733名無しが氏んでも代わりはいるもの:時に、西暦2015-10/04/02(土) 09:33:23 ID:???
まだ?
734名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/05(火) 06:45:30 ID:???
まら?
735名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/07(木) 14:59:54 ID:???
あなたをタイホです。
736名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/15(金) 18:24:38 ID:???
あなたを虜にしたい。
737名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/19(火) 08:45:14 ID:???
ふりむかせたい
738名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/24(日) 23:15:07 ID:???
保守
739ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:48:23 ID:???
>保守ドモです。
>山場中編(仮)

さあ。ほら。今すぐにでも。アンタなら出来るでしょ。少女は挑発的な視線で少年を脅す。
瞳に篭っているのは侮蔑、吐き出される呼気には嘲りと怒りが滲み出る。
こめかみに若干の痙攣を覚えるほどに、彼女の頭の中は痛みに蝕まれていた。
そう簡単には達しない、もし放棄して逃げ出すようなら彼の負けだ。何をされても文句は言えない。
天秤は今、彼女の方へ傾いている。
片や少年は少女の振る舞いを開き直りと受け取った。彼の胸の内で怒りの炎が粘り気を帯びる。
彼からすれば蔑まれる理由もないのだ、故にそういう風に感じる事しか出来ない。
足を腰に絡めてまで自分の下半身を包み込む彼女の姿は、傍から見ればどう思われるのか。
彼女の呼吸に合わせて彼のモノがきつくも緩くも間断なく締め付けられる。
それが彼女が作為的に行ったものでなかったとしても、彼に不快感を与えた。
「…………」
二人に交わされる言葉はない。否、もう必要としない。
合図は逸らされた顔、彼の下ろした視線の先の、柔らかな乳房が歪に形を変えた。
740ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:49:47 ID:???
力任せに鷲掴みにされ、少女の胸の先端が押し出されるように尖る。
は、と息を飲むような音が耳障りで、雌を感じさせる掌の感触に少年は苛立つ。
左手で揉みしだきながら、もう片方へ噛み付いた。
「アァ!……ィッ」
悲鳴のような声の中に悦びがあると錯覚したかのように、彼は彼女を攻める。
舌ではなく歯列で乳首を転がし、舌で舌打ちの如く勢いをつけて叩く。
反って浮く背骨に沿って首筋から臀部まで、中指を這わせてから腰を掴む。
彼女の体を床に押し付けて、膝を支点に彼は自分の腰をゆっくりと引く。
抜かないで。
幻聴に強く目蓋を閉じる。
うねるような快楽が腰から背骨に巻き付きながら這い上がり、彼の脳を犯す。
「ぁ……あ………ぁ…」
少女の口から漏れた息が、実際は痛みに引きつる声だとしても、彼の耳には届かない。
もっと味わっていたかったと、名残を惜しむ失望に聞こえる。
っぷ、と彼のモノが抜け切るその時まで、彼女のクチは離そうとしなかった。
741ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:50:41 ID:???
まるで吐きなさい、と嫌がる子供の口から物を引っ張り出すのと同じだと少年は感じた。
最後の最後まで少女の身体は抵抗した。なにもそれは本能的な欲求からではない。
抵抗したのは体を引き裂いた痛みに対して、だ。
「はぁ…ぁ……かっ!? イッ! ン………」
楔が抜けて身体が弛緩したところに、再び楔が打ち込まれる。
第三者が見てこれを乱暴と言えるのかは定かではない。ただ少女には拷問だった。
嗚呼、これは経験した事がある。あの痛みだ。
一度開いた傷口をもう一度傷つけると、痛みが倍増する。まさにそれ。
彼女の肺から空気が突き出された。一度目は解っていたはずなのに反応できなかった。
二度目は間に合わなかった。三度目で情けない自分の声を殺した。
ギリ、と奥歯の悲鳴が口腔から響く。口は固く閉じられている。
それでも殺したはずの彼女の声は亡者のように、閉じた口を透けて少年に訴える。
「ン……ッ…ンン……」
その声がどんなに彼を煽るのかも知らずに。
742名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/26(火) 23:52:14 ID:???
少年の動きは安定しない。故に少女は必要以上に翻弄される。
痛みを覚悟するタイミングも、息をつく暇も見事なまでに外してくる。
それが彼の技なのか否か彼女は解らないが、技で無いとすればあまりにもヘタクソだった。
「……アア! クッ……ぅ………んん」
肉を絞り上げられ、乳房の先を捻られてついに少女の口から声が出る。
反射的に睨もうとした先に彼の顔はなく、黒い髪に隠れた舌が胸の谷間を撫で、鎖骨を唇で食まれる。
痛みから逃げようとした体がわずかな快感に縋りつく。
肌を強く吸われて、また背中が震える。汗でぬめった感触が今頃になって気になり始めた。
いつの間にか掴み掻き回していた彼の頭に、突かれた衝撃に合わせて爪を立てる。
「イタッあッ、ン!…く………」
反撃は速やかに。彼の歯が彼女の縦に揺れる胸元に跡を刻んだ。
皮膚を裂くほど深くはない。しかししばらくは消えない印。
胸を触る手も、腰つきも次第に雑になっていく。腰を掴んでいた手は尻まで下りている。
左右の肉に挟まれた指の感触に慣れず、後ろの穴へ届こうとする指先から逃げようとして、
彼女は彼に肩を掴まれた。
743ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:53:44 ID:???
>742も言わずもがなひまつぶしで。

間近で合わせた少年の眼は演技とは思えないほど冷めていて、
少女は唇を求めようとは思わなかった。
そして一つ理解した。頬に、額に、目蓋に首筋にキスを落とされながら闇を抱え込む。
行為に慣れていると自分は見られたのだ。ならば加減の必要はない。
少々荒くてもカイハツされているのだから感じるだろう、そんな三段論法だ。
優しくされるよりはその方が感じるだろ、と。そういうプレイだ。
唇を割り込んで入ってきた彼の舌が歯茎の裏をなぞる舌が吸い出され温い体液が混ざり合う。
胎の奥には熱がこもり胸から搾り出されるけれど甘く切ない調べは痛みという騒音に掻き消される。
足りないと騒ぐ脳髄が彼の舌を執拗に追いかけて流し込まれたものを飲み下し肌で肌を結ぶ。
アア、ホントウにおあつらえムキだ。
倦怠期で他にやる事もない。ヤったところで惰性のみ。そんな女を演じているのか。
彼はそんな女を抱いてるつもりなのか。
やっと、理解できた。
744ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:55:11 ID:???
痛みから逃げようとして、少女の腰が無意識に動く。それを少年が押さえつける。
玉のように浮かぶ無数の汗が数珠繋ぎに連なり面を成し、二人の肌を繋ぐ。
互いの臭いは混ざり合って思考を麻痺させ、体液の味が食欲中枢を狂わせ相手を求めさせる。
「はっ…ん、はっ………はっ…は……」
一人では途切れ途切れの息も、二人分ならば続けて聞こえる。
しかしながら互いが互いを補いように、というようにはなっていない。
片方は与え続け、片方は強制的に受け取らされるだけ。
与えられていたのは怒りに任せた刺激だが、それは受け手によって毒にも薬にも変わる。
「…ク……うっ…ぃぃ……ぁん……ツッ……!」
何分経ったのか、これで何回目なのか、少女の中から数字という概念が消えていく。
痛いだけ、最初は痛いだけで耐えるしかなかった。負けられないから。
悔しいから。それが、気がつけば、痛いだけと思っていた、にすり替えられていた。
745ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:56:21 ID:???
辛く苦しいのは変わらない、でもそれだけはなくなってきている。
突かれる度に与えられる激痛に悦びが鋭く混ざる。脳に直接刺されるような抗いがたい感覚。
自分の身体が、さっきまではあんなに泣いて強張っていたのに、今は力が入らないほどに柔らかい。
痛いのは変わらない。だがそれに勝る快感が、闇夜の花火のように咲いては消えていく。
ふざけた身体だと少女は思う。どうしてこんな事になったのか。
胸を揉まれる、耳たぶに舌が触れる、脇腹を掴まれる髪の先が肌に刺さる頼りない背中を掻き抱く。
止まらない、思考がまとまらずワケがわからなくなってくる。きれる。
蓄積されたものがせり上がってくる。痛みという重い蓋を内側から押しのけようとしている。
きれる、きれるき――今少しだけきれた。景色が飛んで彼の顔を両手で挟んでいた。
「…ふ………ん、む……ちゅ……ぁむ…んん!…はぁ……」
彼女の背中と足が意識の鎖を引き千切って戦慄く。駄目だと頭が理解している。
離れていく彼の舌を追いかけて外へ出ようとする自分の舌を、唇を閉じて押さえ込む。
ありえない。彼の状況を確認する余裕も奪われて、自然、彼女の思考は内側へと向く。
単純にイヤだった。そんな風に見られたまま果ててしまえばそれこそ終わりだ。
許せないし認められない。一人で及んだ行為なら何処までも堕ちていけよう。
だが、相手がいるのなら話は別だった。
746ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:57:22 ID:???
先に落ちるのは相手でなければならない、そう考えるのは少年も同じ。
使い慣らしているのだから、達し易くなっていると彼は思い込んでいた。
実際そうだとして、ここまで時間がかかったのは何が原因か。
思い当たるのは自分の技術のなさだけ、少女だけの弱点も未だに判らない。
腰の動きもままならず、テンポ良く抽送する事もできない。
速く動かせる訳もなく入れる度に深さも角度も変わり、一定しなかった。
正直な所、彼が自分の不甲斐なさにも苛立ちを覚えたのは事実だ。
けれどどうしようもなく時間が過ぎ、やっと少しはましになってきた矢先、限界が近い事を感じる。
固かった彼女の中は柔らかくなり、押せば押し返し絡みつく。
きつく縛られたように痛いだけの感覚はすでになく、明らかな快感に変わっていた。
口を開けてガムを噛むような水音がする度に、尻に力が入る。
耳に染み付くその音が、もっと激しい音が聞きたいと欲望が彼を苛む。
唇を合わせたくらいではもう誤魔化せない、しかしこのまま走り出す訳にもいかない。
視線を下ろす。目に映った少女の顔が、言い表せないほどに感情を揺さぶった。
747ひまつぶし:2005/04/26(火) 23:59:26 ID:???
少女の動きと反応が変わってきているのは感じていた。自分ももう限界だ。
少年の知識は豊富とは言えず、打つ手は限られている。
まだ一ヶ所だけ手をつけていない所がある。故意に取っておいた訳ではない。
単にじっくりと攻める余裕が彼になかっただけ、切羽詰ったこの状況で選択しない手はなかった。
乳房に吸い付きながら、自由な左の指先で臍をひと撫でして彼女の淡い茂みへと下ろす。
柔らかな毛の感触を楽しむ間を惜しんでさらに先、秘裂に埋まる小さなしこりへと急ぐ。
「ひぃあッ!?…んっ……」
反応は押さえる間もない。彼女はその刺激に抗えなかった。
口は閉じたものの、立て続けに攻められれば果てるのもしょうがないだろう。
深く咥え込んだ彼のモノを音が出そうなくらい強く締め付け、その反動で身体がまた悦ぶ。
彼の腰も止まり、苦痛に耐えるような声が口から漏れる。
それが聞こえたから何が出来る訳でもない。こうなっては耐えるだけ。
耐えるだけ、だが彼の指は彼女の想像を超えて一気に攻め立てる。
押し潰し、捏ね上げ、捻り回す。
遠慮の無い無造作な愚行に快楽を積み重ねて辿り着く高みを突き抜けて、彼女はまた、転落した。
748名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 09:56:41 ID:???
キタキタキター
749名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 12:23:56 ID:???
GJ!!
750名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 13:54:34 ID:???
歯棚
751名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 21:38:17 ID:???
おおう、乙
752名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/28(木) 20:09:04 ID:???
続きキテター!!
グッジョブ!!
753露骨なエロスレ保守:2005/04/29(金) 01:07:15 ID:INBIm4aJ
ほっしゅ
754名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/30(土) 14:19:08 ID:???
投下マダー('A`)
755名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/30(土) 21:01:27 ID:???
>>754
ageるな
756名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/01(日) 03:35:24 ID:???
スマヌ
757名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/01(日) 18:50:21 ID:???
てか、スレタイがアンドロイドは電気羊の夢を見るか
のパロだということに今頃気付いた。
758名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/04(水) 09:12:48 ID:???
ブレードランナー
759名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/09(月) 01:06:54 ID:???
保守 保全 保安
760名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 20:38:22 ID:???
怒濤の保守力
761名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 20:52:05 ID:???
安保条約
762名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 19:31:41 ID:???
保安部
763名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 20:57:40 ID:???
安企部
764名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 23:14:29 ID:???
保証書
765名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/27(金) 00:05:37 ID:???
国民健康保険
766名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/29(日) 00:24:14 ID:???
保守
767名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/31(火) 15:08:19 ID:???
保守
768名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/03(金) 01:50:54 ID:???
ほしゅ
769名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/06(月) 00:31:00 ID:???
保守
770名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/06(月) 15:27:02 ID:???
映画 『皇帝ペンギン』、来月公開。
ttp://www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/index.html
771名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/07(火) 01:53:35 ID:???
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?って面白いのか?
772ひまつぶし:2005/06/08(水) 17:58:01 ID:???
>相変わらずの保守ドモです
>山場後編(仮)

少女は声を出さなかった。
「…………!!!」
止めた息が肺の中で暴れ狂う。挟み込んだ心臓を叩きつけて拍動を押さえ込む。
ガリ、と奥歯が泣いた。
全身余す所なく腰、否、その一点から激流に押し流されていく。
手足の指先まで奇妙な形に突っ張らせて、戦慄きながら必死に抵抗を続ける。
声を出したら負け、喉は焼け付く呼気に苛まれ胸は張り裂けんばかり。
心の片隅ではどうしてこんな目に遭わなければ、なんて考えている自分がいる可能性を探っている。
収縮した少女の胎が少年のモノをこれまでになくきつく締め付け、動きを封じている。
何秒か、お互いに長い時間のようにも思えた時間は過ぎ、波が凪いでいく。
まず彼女の口から熱い吐息が漏れ……る事はなかった。
咄嗟に口が固く閉じられて、目蓋の上をさらに腕が覆い隠す。
間に合ったのか? 最後に彼女が見た彼は俯き加減で目を強く閉じていた。
見られていないと信じた。見られればそこで終わり、彼女にそれは受け入れられない。
せめて一度目を開けていればと、状況確認を怠った事を後悔した。
773ひまつぶし:2005/06/08(水) 18:00:22 ID:???
耐える必要などなかったのに少年は反射的に反応し、そして耐え切った。
胎のうねりは彼の想像を超えて中のモノを絞り上げたが、欲の塊を吐き出させるには至らない。
極度に緊張した体は震え、あたかも二人が同時に達したかに見える。
しかし見えるだけ、波を乗り越えた彼は相手の顔色を窺う。
これで達してないとしたら嘘だと、自身の勝利を確信して閉じていた視線を解放する。
その瞳に映るのは弛緩した体を投げ出す少女の姿、だが一番大事な顔の上半分が隠れている。
でも真一文字に、体とは対照的に緊張を見せる彼女の口元が、彼に優越感を与える。
ほら、やっぱりそうなんだ。
彼女が負けず嫌いなのを彼は知っているが故に、目を見なくてもそれだけで確信できた。
腕を無理矢理剥がしてその顔を舐めてやるのもいいかもしれない。
冷め切った夫婦を演じているようなものなのだから、多少は熱がこもった方がいいだろう。
男は必ずしもそうではないが、女はイッた後に敏感になると彼は知っている。
やればやるほど自我を失いよがり狂う。
そこまで自分が持っていけるかは解らないが、いけた場合のメリットは大きいはずだ。
いずれにせよ勝ったのは自分、彼がここでやめる理由などあるはずもなかった。
774ひまつぶし:2005/06/08(水) 18:02:40 ID:???
少年は少女が途中で素に戻る事も考えたが、すぐに解決した。
この体を繋いだ状況で出来るはずがない、主導権は完全に自分にあるのだから。
泣き叫んで許しを請うなど天地がひっくり返っても彼女の性格を考えればありえない。
そう断じて彼は彼女の中で自分のモノを少し動かした。
彼女がその動きに反応してしまい、少し、腰を退く。明らかな過ちだった。
制御できないものとしてもそうして彼女が消極的な所を晒せば、結果として彼が増長してしまう。
彼女以外に押さえなどあるはずもない。
しかし肝心の彼女は不本意ながらも受身に回っていて、状況はどうしようもない。
彼ら二人の保護者の帰宅など、こんな時間になっては期待するだけ無駄だろう。
三番目、いや、一番目の同居者が関与してくる可能性も同様。
人類の敵なんてつい最近来たばかりで、統計学的にもありえないとあの人ならば言うだろう。
ここに来て第三者の介入などというシチュエーションは二人とも考えもしなかった。
全神経を針鼠のように尖らせて、凝視しているのはお互いに相手だけ。
故に彼は、完全に、彼女を追い込んだ。
775ひまつぶし:2005/06/08(水) 18:04:25 ID:???
こんな状況で泣いたとしても、誰がそれを痛みのせいだと解るだろう。
心は耐えられた、それでも少女の肉体は自然に起こす反応を抑え切れなかった。
おそらく少年は少女がイッたと判断するだろう。ならばここから先はさらに地獄だ。
侵されて冒されて諦めがつくぐらいに犯されてなお、止まらないかもしれない。
そういう女という見方で固まってしまう。どういつもの自分を振舞おうと無意味になる。
心が、どんどん弱気になっていく。
実際彼女に胎の中で何かを出されるといった経験はない。
だから彼がイッたかどうかは判らない。達していればそこで終わるかもしれない。
でもそうでなければ、と考えそうになり思考を止めた。
自分が一回で満足しないように、この男が一回で満足するとは限らない。
そんな当たり前の事に彼女は気付いて沈み込む。本当に泣きそうになる。
しかし彼女のプライドが、ボロボロになってもそれをまだ許さない。
涙なんて武器にするつもりはさらさらなかった。
故に彼女はかすかに鼻をすする音に合わせて体を震わせるだけで、嗚咽を上げるなんて出来なかった。
776名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/08(水) 20:52:48 ID:???
神様がキターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
777名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/09(木) 01:14:25 ID:???
クゥイトゥア--------------!!
778名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/09(木) 09:31:58 ID:???
キタ! キタヨコレ!!
779名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/09(木) 10:24:26 ID:???
乙!!
780名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/15(水) 01:49:04 ID:???
時々ホシュ
781名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/20(月) 02:37:51 ID:???
来たる日のためにホシュ
782名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 22:16:37 ID:???
保守
783ひまつぶし:2005/06/28(火) 22:42:37 ID:???
>相変わらずの保守サンクス
>残りもあと少し

体を繋げたまま、少年は再び少女に覆いかぶさる。
尻を掴んでいた手を彼女の胸の脇について、残った手の指先の粘りを舐め取れば錆の味。
「!!!」
確かに彼が彼女を追い込んだのは事実だが、それもここまで。
彼は瞬間冷凍されたかのように凝固した。完全に虚を突かれて声も出ない。
舌の上に広がるのはあの苦痛の味。けれどあの中とは違い心が安らぐ要素は一片もない。
途端に鼻が鋭敏になる。指にほんの少しだけ残った赤、絵の具などではない。
視界がその一点に絞られる。幻でもなく、性臭の隙間を縫って届くのは紛れもなく血の臭い。
そんな馬鹿な。だって………何もなかったじゃないか。じゃ、じゃあ生理だったんだ。
胸の内で発した自分の言葉が信じられない。絶対的に説得力がない。
彼は彼女の生理が如何に辛いのかを知っている。
大っぴらに恥ずかしげもなく男の自分に言ってしまうほどに、辛いのだ。
プライドの高い彼女があまりの苛立ちにそれを忘れてしまうのだから、相当のものだろう。
こんな事をしている場合ではない、というより出来るはずがない。
だったらこれはなんなんだ? じゃああの何もなかったのは自分の記憶違いだったのか?
その手は無傷で彼女に噛まれた方ではなく、気がつかないうちに指をどこかで切ったなんて事もない。
俯いて初めて彼が見たそこには、かすかに朱の霞がかかっていた。
784ひまつぶし:2005/06/28(火) 22:43:56 ID:???
恐ろしいほどに血の気が引いていく。
少年は止められない。一秒より短い単位でどんどん力が失われて罪の意識に塗り替えられていく。
たとえ少女が初めてでなかったとしても、乱暴して傷物にしたのは変わりない。
叫べば楽になったかもしれない、こんな事に気付かずに流れに乗ればよかったのだろう。
しかしながら心の中に一度芽生えた罪悪と言う名の茨は、彼の全てを雁字搦めに縛り付ける。
彼の動きが止まった決して長くはないその間、彼女は彼の体の震えを肌で感じ取っていた。
続けて胎の圧迫感が失われていく。
中で出されちゃったんだ。しかも一番奥で。正常位って妊娠率高かったかな………
どうでもいい事だった。仮に妊娠してたとしても心配はない。
そんな事、判った時点で大義名分の下に堕ろされるのは目に見えている。
ひょっとすると不妊手術くらい知らないうちにもう、されてるのかもしれない。
何故か余計に涙が出そうになった。こんなの、私じゃない。
彼女は判っていたからこそ動こうとする。これ以上何もしないのは無理だった。
一度失われてしまった自分は二度と取り戻せないのを彼女は知っている。
でも声を出せば震えてしまう。見えない向こう側で彼が冷たい目をして見下している。
それでも言わなければ。この馬鹿ッと、睨みを利かせて一言浴びせれば取り戻せる。
けれど彼女の体はあまりにも頑なで、声も視界も解放しようとしなかった。
785ひまつぶし:2005/06/28(火) 22:45:34 ID:???
逃げ出したかった。
互いが感じているのは恐怖、視線を交わせば一瞬にして解決されるだろう。
高々少女の腕一本、瞼の一つ二つ普段であれば何の障害にもならない。
少年は造作もなくその障害を除ける事が出来たし、少女もそれに抗う力はなかった。
それでも手が出せないのは、それ以前の心的な問題が絡んでいるからだ。
彼は自分の諸行を無視できない。
彼女は目の前を見る勇気がない。
退けず進めず立ち往生もいいところだが、時間だけは二人に関係なく進んでいく。
そしてその時間が、二人の間にきっかけを生み出す。
つ、と音もなく水の一滴が彼女の頬を伝い彼の視界の外へと消える。
その雫の本質の単なる水に過ぎないが、彼が意味を与えるには十分だった。
実際、彼女の汗だろうと涙だろうと、別に彼の顔から落ちたものだったとしても関係なかった。
彼の目には泣いている彼女が見えたのだから。
786ひまつぶし:2005/06/28(火) 22:46:44 ID:???
少年の喉が声を絞り出そうとする。反射的な体の反応を心が押さえつける。
謝罪は少女を余計に傷つけるだけだと、僥倖にも気がつく。勿論喜ぶ筈もない。
では彼が役に徹しきれるのかと言えばもうすでに遅く、このままでは叶わないだろう。
身を退こうにも、ここまでしておいて何もなかったでは彼女の逆鱗に触れる。
自分のモノが萎えてしまっているのは彼女だって感じているはずだ。
二度と、今までのような生活は出来なくなる。今より悪くなるなんて御免だった。
そっと彼が彼女の頬を撫でる。
彼女の体がびくっと震え、唇が今一度、強く引き締められる。
それを見て、勝ち負けなんて彼にはどうでも良くなった。だが最低限決着はつけなければならない。
乳房に赤く色づいた自分の歯形に指を這わせると、彼女がまた体を震わせた。
怯えているのか快感に震えているのか、素面になった彼には判らない。
せめて声、声が聞ければと彼女の肌に何度も触れる。出来る限りそっと、優しく扱う。
唇を触れさせたり舌で舐めるなんて、今の彼には彼女の許しがなければ出来ない。
強いて言うならそんな気が起こるほど、数分前のように発情していなかった。
故に手で触れるのが限界で、彼女を汚さない様細心の注意を払い続けた。
787名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/29(水) 08:57:12 ID:???
シンジが気付いた!?GJ!!
788名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/29(水) 10:22:26 ID:???
あげ
789名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/29(水) 10:52:07 ID:???
ここまで読んできて良かった
クライマックスですな
790名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/03(日) 21:05:06 ID:???
あげ
791名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/04(月) 13:38:11 ID:???
楽しみだ。
792名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/09(土) 08:13:54 ID:???
たまにホシュ
793名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/13(水) 03:57:38 ID:???
ラストまでホシュ
794名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/15(金) 14:33:43 ID:???
ほしし
795名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/25(月) 02:14:19 ID:???
夏に向けてホシュ
796ひまつぶし:2005/07/26(火) 20:58:39 ID:???
>保守ドモです。
>やっと終わりです。エピローグは余分かもしれませんが、近いうちに。

少年が何を考えているのか、何を思っているのかは少女に判らない。
ただ推測するだけなら容易だった。ついさっきまで荒々しかったタッチが急に優しくなる。
頬に触れてきた手は驚くほどにそっと触れて、まるで壊れ物を扱うかのよう。
今全身を撫で回している彼の腕は少女に一片の痛みも与えない。
彼女の脳裏のよぎったのは一つ、愛玩動物と言う単語だけ。
こっちが何も出来ないのをいい事に、ひたすらにあちこちに触れてくる。
念入り過ぎるタッチは決して自分の性感帯には触れてこない。
両胸の先も、唇も、耳も尻も脇も、背中は無理としても繋がったままのそこにも刺激は与えられない。
焦らして焦らしてケダモノに堕とそうというのか、許しを請わせようとしているのか。
一度射精してしまえば、また硬くなるまでには多かれ少なかれ時間がかかる。
その間、恥辱に悶える自分を見て愉悦に浸ろうとでもいうのか。
快楽に打ち震えて咽び泣く自分の姿を想像し、彼女は全身を震わせた。
それは、背徳的な悦びだ。そんな事を夢想した自分を思いっきり首を振って否定したかった。
しかし表だって妙な行動をすれば、彼に付け入る隙を与えてしまう。
故に彼女は何も出来ず、彼の愛撫に耐えるだけだった。
797ひまつぶし:2005/07/26(火) 21:04:54 ID:???
マッサージのように、少女の肌を撫で始めて五分も経っていないだろう。
汗で冷たくなっていた肌が再び熱を持ち始めたのを感じ、少年は自分の体も熱くなっていくのを感じた。
彼女の肌は適度に湿っているせいもあってか非常に滑らかで、指が引っかかる事はなかった。
脇腹から腹部を通して肩へ回り、腕から指先へ抜けていく。
足の爪先からその指の間を通って腿から腰を経て胸の裾野まで上る。
している事は大した事ではない。さほど没頭しているわけでもないのに、やめられない。
単純に気持ちがいいとかそういうわけでもなく、ただ、彼は続けていたいと思う。
欲情は抱いていない。と言えば明らかに嘘になるだろうが、それより優先させるものがあった。
どんな顔をしていても全部受け止める勇気があるわけでもない。でもこのまま終われるはずがない。
出会った当初は眩しくて、鬱陶しいし面倒くさい事ばかりだった彼女の存在も、
今では彼にとってなくてはならない世界のワンピースだ。
彼の世界を形作っているのはいうまでもなく彼女だけではない、それでも。
彼女と言う太陽を失えば彼は大きな明かりを失うだろう。
故に天岩戸に閉じ篭った女神を呼び戻すかの如く、彼は真摯に彼女へと触れていた。
798ひまつぶし:2005/07/26(火) 21:09:40 ID:???
それがどんなに姑息な手か、少年自身は理解している。
身体の反応は目に見えて変化していき、少女の切ない吐息が口の隙間から溢れ出す。
蛇が絡み合うような全身のうねりに合わせ、繋がったままの彼女の腰から彼へと
熱い刺激が脈打ちながら伝えられる。
彼女の媚態を目の前にして尚強い刺激を受けては、彼のモノが硬さを取り戻すのは必然だった。
ぬかるんだ胎の蠕動は絶え間なく彼に快楽を送り続け脳髄を痺れさせる。
同時に狭い穴が彼によって満たされていくに従い、彼女に与えられる悦びも一段と増した。
我慢が出来なくなる。声なんて出してやるものかと粘っていた心の戒めを振り解きたくなる。
火照った体はどうしようもなく飢え始めていて、飲み込んでも飲み込んでも唾液が湧いてきた。
彼に飛びついて唇どころか全身を最後の最後まで貪りつくしたい。
頭の中で繰り返される妄想は欲望に負けて彼にすがりつき、快楽を貪る自分の姿。
忌諱すべきそんなものさえ受け入れようとしている自分の思考が、真に限界に達していると感じた。
耐えられない。これ以上はもう耐えられない。もう我慢できない無理、無理、無理、無理無理無理無理無理無理。
もうムリだ。もし一箇所でも弱点に触れられたなら自分の何もかもが壊されてしまう。
一度壊れてしまえばその後の自分はこんな心を、苦悩を理解しないのは判っている。
壊れる。死んでしまう、だから、だから――
799ひまつぶし:2005/07/26(火) 21:14:28 ID:???
その瞬間まで、二人の音というものを忘れていたのかもしれない。
丁度脇の下を触れるか触れないかの感触で少年が撫で上げたその時、少女の平手は放たれた。
そう。天岩戸は内側から欠片も残さず爆散した。
おそらく過去最速、彼の目に何かが見えた時にはもう終わっていた。
ぐるんと回された視界は天上と壁の継ぎ目を映していて、口の中には錆の味がじんわりと広がっていく。
痛い所を触ってしまうのは人間の常か、叩かれた頬に手を添えながら彼は彼女へと視線を戻す。
泣いていた。
否、涙は浮かべていても一滴も流さず、寸前で耐えている所が彼女らしかった。
こんなくだらない事を始めた頃の死んでいる顔ではない。
「焦らしすぎよ………」
きっと自分がどんな顔をしているのかも判らないほどに追い詰められていたのだ。
それなのに彼女はまだそんなセリフを吐く。ならば素直に続けるべきだろうと彼は思う。
表情を故意に殺す必要はもうないだろう。でも素に戻る必要もないし彼女が触れない事は話さない。
「……久し振りだからってちょっと荒くしすぎたかな。
 でも先に血が出るほど噛み付いてきたのはそっちだから自業自得だろ?」
口の中が切れたじゃないか、と陳腐な演技を続ける彼を見て、彼女は苛立ちと安堵を覚える。
ここでやめてもいい。そういうニュアンスを彼の口調から感じ取る。
やめてもいいが、このとめどない肉の疼きを収めるには続けるしかない。
せっかく目の前に相手がいるのだから、部屋に閉じこもって独りでなんて勿体無い。
利用できるものは利用すべきだ。なにより、やられっぱなしなんて自分の性に合わなかった。
まだ、勝負はついてない。
「そうね。今のはチャラって事にしてあげる。じゃ、改めて……」

――キスから始めよう。
800ひまつぶし:2005/07/26(火) 21:20:13 ID:???
以上。
特に申すべきこともありませんが、改めて。

保守人さん、読者の皆さん、約一年半わたりましていろいろありがとうございました。
モチベーションの関係や更新間隔が伸びたりとかありましたが、
スレがおちることもなく、圧縮にも巻き込まれずに最後までレスできたのは皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
801名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 21:25:19 ID:???
どういたしまして
802名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/27(水) 11:07:23 ID:???
キタコレ!!

ゆっくり、ゆっくりと、乙でございました。
私は、好きです、こーゆーの。
803名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/05(金) 02:28:33 ID:???
次の職人のためにホシュ
804名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/05(金) 11:29:19 ID:???

映画「皇帝ペンギン」宣伝のため、
南極から来日したペンギン大使「ペン様」
ttp://welcome-penpen.ameblo.jp/

「ペン様」来日の様子をブログで紹介してるんですけど可愛いですよ(*´∀`*)
805名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 17:08:37 ID:???
お疲れさまでした。本当に楽しませてもらいました。
また機会があったら何か書いてください!
806名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/09(火) 11:37:33 ID:???
後日談とか読みたいのですが…
807ひまつぶし:2005/08/10(水) 22:33:27 ID:???
>エピローグ。これでほんとに最後になります。

あれから彼らにとってどれほどの時間が経ったのだろう。
「はぁ……ん………これで…終わり……?」
息も絶え絶えになってなお、まだ勝負は続いていた。
艶めいた、挑発的な表情は少女の魅力を無駄なく引き立たせている。
打ち捨てられたように無防備な裸身には、交合の跡が生々しくへばりついている。
達した直後、弛緩した体で放心状態であるにも関わらず、少年は声を聞き逃さなかった。
「冗談……!」
乗った。この挑発は彼には回避できない。再び彼に覆い被さり時間稼ぎの愛撫を始める。
酷く欲情したのは確かだがそれだけではない。付き合ってやろうと思ったのだ、最後まで。
肌を合わせている時間が互いに心地良かったのは事実で、幻覚ではない。
二人それぞれに矜持はあったが、それが行為の妨げになるような事もなかった。
ありていに言えば、勝ち負けに拘りはあるが、している間は建前でしかないという事だ。
単純にそれを楽しむ方が優先される、というごく自然な形に二人は納まっていた。
808ひまつぶし:2005/08/10(水) 22:35:11 ID:???
しかしながら物事には終わりがある。
先に尽きたのは予想を裏切らず少年の方だった。一方、少女はまだ幾許かの余裕を残していた。
彼にとってそれは3km程度の校内マラソンしか経験がないのに、
十倍以上のフルマラソンを走らされたようなものだった。
彼女にとってはそうでもない。その若過ぎる身体には過酷なまでの運動経験がある。
体力の差を性差で補えず彼はここに敗北した。
傑出した技でもあれば結果は違ったかもしれないが、今まで経験のなかった彼にそれは望めない。
「………ひまつぶしにしては十分な時間よね」
壁掛けの時計で時間を確認し、彼女はふらつく事もなく立ち上がる。
疲れを見せない彼女の立ち姿を見上げて、彼は心の中で負けを認めた。
「あたし先にシャワー浴びてくるわ、あんたはそこ片付けてね」
返す言葉もない。彼は気を抜けば眠ってしまいそうなほど疲弊していた。
間の抜けた顔で彼はその背中を目で追う。彼の背中には幾筋もの跡が赤く残っている。
明日体育の授業があったかないか、あやふやに思考を巡らせていると彼女の足が止まった。
「寂しくなったら言いなさい。ママの代わりに抱きしめてあげるくらいはできるんだから」
投げやりに、深い意味も込めずに彼女は言葉を投げ捨ててバスルームへと消えていった。
809ひまつぶし:2005/08/10(水) 22:38:39 ID:???
少女がどんな気持ちでそう言ったのか、少年には全く解らない。
ただ彼女の背がバスルームに消えてもしばらくの間そのまま眺めていて、それから重い腰をあげたのだった。
戦いの果てに荒野と化した部屋の後処理はとても骨が折れる作業となるだろう。
している最中であれば興奮を誘い悦びを増す臭いも、今の彼には多少キツイものとなっている。
「とれるのかな、これ………」
身体や下着に付いた汚れは落とせるとしても、カーペットの染みはどうしたものか。
ため息一つついて彼は散らばった衣類を回収する。
次はもっと考えてからしよう、なんて言葉が意図せず頭をよぎった。
好きと言ったわけでなく、彼女とは付き合ってもいないのだから彼自身は期待していない。
次を望んでいるかといえばそうでもないし、これっきりでも別に問題はなかった。
もっとも、いつもの彼は奥手でそんな事を自然に、また逆に強引に求める事も無理だろう。
これから先彼女から誘いがあるかないかそれだけの話だ。首を長くして待ったりはしない。


そう、これは単なるひまつぶし。
束の間の平和、束の間の休息なれば出来た事。
機会があればするかもしれない、二人にとってそれだけでしかない。
何かが変わる。かもしれないが、二人はそれを望まぬだろう。
眠りに落ちて目覚めれば、きっといつもの朝が始まる。
それこそ彼等が望むものだから。
810名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 23:52:56 ID:???
そしてアスカはカーペットを変える提案をミサトにする、、とかなんとか

1年以上、ホント乙でしたー
811名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/11(木) 00:15:10 ID:???
わざとジュースをこぼしてごまかすにイピョーウ
812名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/11(木) 00:38:05 ID:???
乙彼です
お互いの探り愛が面白かった

ところでラブラブverをキボンしてみる
813名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/12(金) 13:00:38 ID:???
おつです。
途中どうなるのかと思ったけど、スッキリ終わってよかった。

>>812
作品の雰囲気的に、ラブラブは違う話になるでしょ。
814名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 02:47:35 ID:???
GJ!!!!!
815名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/22(月) 21:56:09 ID:???
               , '"´       ``ヽ、          l⌒l     /⌒!
          /   /          \         |  |     /  / /⌒l
         /   /   /   /      ヽ         |  |   /  /  /  /
         /  / /  /    /    ハ ヽ       |  |  /   /  /  /
        / / /  / 〃 // ,イ /| ハ  ト、       |  | /  /  /  /  / )
        / /  l  |//メ// // /!/|_」|  八      j   ∨  l  /  /  / /
       /  l   l  |.ィでソ`ー  .ィが´/ ( ̄`ヽ   /   ‐- .._レ′  | / /
        /   l  | │| ー一   ヾソ /イ{ \   \_/       `ヽ、   /
      /  /|   ヽ ヽ! ""     〉 " /   |  ヽ      \         /
     /  / |   Vへ  r ⌒)  .イ |  |   `、     ヽ       / この板にだがねは不要!!!
    /  /  |   ∧ 丶、`ニ´ イ │/ │    ヽ     |      /   
   // , ---┤| | |\` ーメ、_|  /  /      ヽ、__        /
  // /    |│| /    ̄´/   リ /\/|      /   ̄       /
 ///      リj//        〃/   `ヽ、   /   /    ┬‐'"
 //       //         //    //`ーy′       /
           〃           / / /    /        /
 \   /               卜、l |   |        /
 \\/                  | /`丶、         /
   ∨|   / ̄``ヽ        /!/     `丶、    /
  /{ ! /    ヽノ       //          ̄ ̄
 ──'´     ヽノ      /´
816名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/27(土) 23:04:49 ID:???
続編を期待しています
817名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 12:02:43 ID:???
貼れときどきホシュ。
818名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/13(火) 02:30:44 ID:???
たまにホシュ
819名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/22(木) 00:44:08 ID:???
メシアの降臨を願ってホシュ
820名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/24(土) 00:22:18 ID:???
畝狩
821名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/01(土) 02:37:09 ID:???
ホシュで埋まるヨカーン
822名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/15(土) 14:00:01 ID:???
気ままにホシュ
823名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/26(水) 02:58:25 ID:???
hosyu
824名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 08:42:51 ID:???
ココラデイッチョ ホシュ
825名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 01:50:51 ID:???
ホシュッテイイカナ?
826名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 10:57:47 ID:???
イイトモ!!
827名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 13:32:17 ID:2+0AfV5F
保守しておこうかな。
828名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 05:36:17 ID:???
続けてホシュらないで、間隔空けてね。
829名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/07(水) 00:52:54 ID:???
投下がなければ10日でホシュ
830名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/17(土) 14:04:20 ID:???
h  o  s   y  u
831名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 01:30:22 ID:???
年末ホシュ
832名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/09(月) 23:25:53 ID:???
保守
833名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/12(木) 17:53:12 ID:???
>>663

   ∧,,∧
 彡(*`・ω・´*) イカじゃん!!
  _| ⊃/(___
/ └-(____/  


  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/

(…オメデトウ)
834名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/28(土) 12:22:01 ID:???
h o s y u
835名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 19:22:16 ID:???
保全さげ
836名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/15(水) 02:26:28 ID:???
やばげなんで保守っとく
837名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 23:43:15 ID:???
保守ですよー。
838名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 18:00:34 ID:???
ほしゅ
839名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 01:47:08 ID:???
しゅ
840名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 13:06:16 ID:???
上げられる前に上げる。
841名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/11(土) 13:20:45 ID:Y2YekpUt
なんだこの糞スレは・・・
842名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 07:39:00 ID:???
もう・・・駄目なのね
843名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 16:06:21 ID:???
それでも保守ヽ(`Д´)ノ
844名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 23:38:10 ID:???
保全さげ
845名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/08(土) 23:20:07 ID:???
上げられる前に上げる。
846名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/15(土) 21:17:16 ID:???
hしゅ
847名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/23(日) 11:30:52 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
848名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 04:10:02 ID:???
潜行hosyu
849名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/06(土) 13:32:05 ID:???
.
850名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/14(日) 12:47:12 ID:???
ほしゅ
851名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/17(水) 18:35:34 ID:???
保守
852名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 23:33:50 ID:???
ほす
853名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/28(日) 16:37:19 ID:???
    ━━━━━━━━━━━━━
        ,. --一 ´ ̄ ̄`ヽ
        (rニ7´ _,ノj  i、  \__
          /  く__,ノ  ヽ\ ゝ.二)
        ノ    、_'`__, ` '  } ̄
      /⌒´ /    |   |   ト、_,.、
.     {   /'´  ̄ ̄ |  ノ- 、 i   ヽ   この線からこっちは勝ち組ゾナ
     \_,ノ      ` ´   `|    ,ノ
          |               |ー-‐'´    ってことーわー
          {\         __」
        |   ̄ ーrーr─ ´  | 「 fusianasan 」に見事騙されて暴走した挙句にアク禁になっただがねのおっさんは負け組ゾナー♪
.        L__,」 L___,ノ ( ゚∀゚)ア━━━━ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪♪♪
854名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/05(月) 17:37:08 ID:???
ho
855名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/10(土) 21:38:50 ID:???
保全さげ
856名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/18(日) 23:11:23 ID:???
保守
857名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/28(水) 16:45:44 ID:???
まだまだ保全
858名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/06(木) 08:35:48 ID:???
hosyu
859ヽゝ゚ ‐゚ν:2006/07/08(土) 12:53:54 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
860名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/14(金) 17:27:26 ID:???
hosyu
861名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/22(土) 17:19:13 ID:???
しゅ
862名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/30(日) 20:10:46 ID:???
ho
863名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/07(月) 08:58:44 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
864名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 00:59:38 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
865名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 10:38:05 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
866名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 19:22:26 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
867名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 15:37:48 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
868名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/13(水) 09:35:02 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
869名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/23(土) 09:36:05 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
870名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/03(火) 17:43:46 ID:???
900げとです
871名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/12(木) 17:14:27 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
872名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 21:45:33 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
873名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/26(木) 07:58:48 ID:RFHdEffq
あげ
874名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/01(水) 21:48:38 ID:???
保守
875名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/11(土) 06:25:52 ID:???
ホシュ
876名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/17(金) 21:35:02 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
877名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 20:15:09 ID:???
保存
878名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 23:11:41 ID:???
保存
879名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/04(月) 20:09:13 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
880名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/11(月) 01:56:24 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
881名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/16(土) 16:52:33 ID:???
ヽ ゝ ゚ ‐ ゚ ν

Macだとこう見える。
882名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/21(木) 07:06:14 ID:???
                   
                  ry';ム-r'¨ ̄¨ヽ
                  /:::::::/ヽ、_:::::::::)
                 /:::::::/`' 、    ̄ヽヽ
                ./::::::::トrテミi`'  _, ィ.k'
              . ヽr='' 弋_ツ   /豸iノl
          :/\_,ィ7'.\ヽ-、  ,.-、 ヾツ/ム.-┐
       __:イ _〃l./>へ-\\( ノ _ノ    |
       \__〃rヶ')〉  ヽ \. ̄不―t―ァ、_>
         |::》-ァ,ク´   _/ j/`7TY.|__,,.∨
         .レ'ム‐'   __ァ‐'フ   人∠,ィl,.Fkセ'
         (       /   ノ ,. イ,孑ミ=く, ̄\
          \ __, へ_/ /∠-tィ   ヽ`'く
              「lll: : : / 人_/ : : :/├‐'
            l llレく___ォ /`7==ァ==|>
           ∠丕>くノ   `''ェェ_r‐r<
                      ̄ ̄ ̄
883名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/26(火) 09:56:58 ID:???
保守
884名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/27(水) 11:28:06 ID:s6TlSJsL
http://2008.rikunabi.com/RN/KDBG/18/0101818001/DETAILA/I001/index.html

/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄   ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
::   ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|
    l'  """  l ) /
  h、,.ヘ.      レ'/
          レ′
 r.二二.)     /  
  ≡≡    ,イ
885名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/29(金) 23:23:55 ID:???
中道
886名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/02(火) 18:17:28 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
887名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/13(土) 12:26:41 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
888名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/21(日) 11:21:20 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
889名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/29(月) 12:40:47 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
890名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/06(火) 21:05:00 ID:???
                 , -,―' ̄ヽ.__/`'ー-、
            _/ ̄7´      `.レ'´    '、_
          , -‐'/::::::/ /  /  /ミヽ.i /ヽ.:::::、  ヽ
         /:::::::::i :::: i  |  |、、、_'y'ル,j/_,i::::::ヽ 、ヽ
       ./::::::::::::::|::::::: |  l:|  N:::::::::::::::::::::::::ト|::::::|: :l::|
       /::::::::::::::::|:::::::: i: |::| |:::::::::::::::::::::::::::::|i|:: || ::トj
      ノ:::::::::::::::::|::::::::::i |`、|__'、|___:::::::::::::::::::::::::|| ||  |
        l::::::::::::::::::::|:::::::::A|;´-――-'y'  iィ==,-|ノ/レjノ
      |::::::::::::::::::::::'、∧|:::::_, -r。t‐、::::  ,......._ `|ノ
     ノ:::::::::::::/::::::::ノ::::::::::::`'┴‐'‐:::::::. i、i゚_j_,`〈
      |::::::::::::/""l:〈:::::::::::::      :::::::: ` 、 ' |
      |:::::::/l 7`i::|::::::::        :::::.' _/  /
     /::::/::::::i. `'lトl::::::::      ,_, -━,   /|
    /: ::/:::::::::::>--.、::::::...      ` ━'  / |       
   /〃/::::::::::λ:◆:ト`' ::::::..      "" ./◆  `'i
 . |:::|::::::l|::::::::::|:i:::::::|, -‐i''i 、      _/:::::|:: |  | 
   レi::::::|il:::::l::::i‐‐'´   | |     | ̄i:::::::::|: | トノ
    `iル|i|:::i:::::i  .......::::| |     .|::::::|::::l:ノ|Aルiノ
      `´`r'┴ー--、::::::| |     トiルiノi/77
     ノ ̄ ̄`'ー‐-'-、;| |      ト   //
891名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/15(木) 17:26:40 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
892名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 11:22:46 ID:???
hoshu
893名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/04(日) 17:52:42 ID:???
このスレまだあったのかwww
894名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 04:41:38 ID:6vkaCQGO
おわらせん
895名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/09(金) 15:14:43 ID:???
入れ替わりスレが完結した翌年、開成が流行ってた
頃くらい振りにエヴァ板北けどこのスレまだあったのかwww
896名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/22(木) 23:48:11 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
897名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 15:57:57 ID:???
発進!
898名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 20:24:52 ID:/CWg7tO4
まだまだ
899名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/07(土) 12:21:19 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
900名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/16(月) 21:25:24 ID:???
5年以上たってもしっかりと残ってる>>17の画像が不気味だ・・・


つーかこのスレ2chの中でもかなり古いんじゃないの?
901名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/21(土) 14:33:32 ID:kCz5+Wi6
あん
902名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/21(土) 19:51:05 ID:???
ゆ・め・ま・で
903名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/05(土) 03:06:27 ID:???
保守でもしてみるか
904名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/15(火) 22:31:44 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
905名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/22(火) 23:39:33 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
906名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/31(木) 12:33:06 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
907名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/03(日) 05:31:48 ID:8xHkymq3
1000にしようぜ?
908名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/03(日) 15:15:09 ID:???
このスレは>>1を見ればわかると思うが、稀に見る長寿スレなんだ。お願いだからやめてくれ。
909名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/11(月) 18:47:17 ID:???
ksk
910名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/11(月) 18:47:25 ID:wPdoI/iq
ksk
911お前名無しだろ:2007/06/17(日) 19:44:25 ID:32vCnsDS
>>1オリジナル地球( ̄ー ̄)ニヤリ
     ↓
  http://www.universe-s.com/img/news/2004/0520_01.jpg
912名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/17(日) 20:37:07 ID:???
アンドロイドは電気羊の夢を見るか。


いや、見ない。
913名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/28(木) 20:50:56 ID:???
いや、見る!
914名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/30(土) 21:09:55 ID:???
糞画質
915:2007/07/03(火) 00:55:22 ID:RXAUzFsi
【TOR】ゲスト:押切もえ
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=504788
916名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/03(火) 01:29:56 ID:???
ええー、何この長寿スレww
6年近くももってるよ
917名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/03(火) 12:12:45 ID:???
コピーロボットで十分
918名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/09(月) 10:57:13 ID:???
ペンペン化石化への道
919名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/09(月) 12:38:48 ID:???
この板を見守ってきたような守護スレと化したな
920名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/16(月) 00:29:16 ID:???
保守っとこ
921名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/19(木) 12:16:20 ID:???
化石和露他w
922名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/28(土) 22:21:40 ID:???
923名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 22:14:12 ID:???
記念かきこ
924名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 22:15:30 ID:VWATFeso
オランダ妻は電気うなぎの夢を見るらしいけどね。
925名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 22:26:40 ID:???
あの頃何してたっけなぁ。。。
926名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 22:29:32 ID:I3Ik8Qq/
(ノ∀`)ァチャーッ
927名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 23:10:19 ID:???
2001年からあんのかよ
チルドレンが生まれた年じゃねぇか
928名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 02:11:15 ID:???
記念パピコ
929名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 04:15:02 ID:efSnmjG+
記念
930名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 10:57:14 ID:???
>>1
意味わかんねースレ立てんなボケ
931名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 12:55:29 ID:???
……すごいジャンプ力だな
932名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/14(火) 15:43:07 ID:???
ラエリアンムーブメントはクローンに賛成です
933名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/14(火) 21:05:49 ID:???
よっしゃー1000ゲット!
934名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/25(土) 03:48:40 ID:GhUAd3i4
保守
935名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/25(土) 04:02:27 ID:???
ブレードランナーか
渋いスレタイだな
936名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/25(土) 11:17:32 ID:???
シンジ「僕もクローンだったんだ!」
みんな「おめでとう!!」
937名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/26(日) 03:36:21 ID:zCBuR9iL
記念カキコ

6年前からとかどんだけwwwwwww
938名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/30(木) 07:53:33 ID:???
六年前は若かった
939名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/02(日) 12:53:52 ID:???
記念
940名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 00:19:17 ID:???
941名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 09:00:03 ID:???
942名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 14:57:22 ID:???
943名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 02:34:39 ID:???
長寿だなw
記念パピコ
944名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/06(木) 10:41:50 ID:???
!!!
このスレは僕のいとこと生年月日が一緒だ!
945名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/08(土) 03:16:03 ID:???
記念
946名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/10(月) 20:36:55 ID:???
クェーッ
947名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/12(水) 15:26:02 ID:???
皇帝ペンギン
948名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/16(日) 12:31:20 ID:???
ぺんぺん
949名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/17(月) 17:31:49 ID:???
もう夢は見ない
950名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/19(水) 18:22:01 ID:???
温泉行きたい
951名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/23(日) 10:44:21 ID:???
>>1
糞スレ立てんなや、削除依頼だしてこい
952名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/25(火) 21:01:21 ID:???
ようやく1000がみえてきたころに
953名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/28(金) 12:58:51 ID:???
下呂温泉
954名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/29(土) 23:23:44 ID:???
期待age
955名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 23:39:48 ID:???
草津温泉
956名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/03(水) 11:17:50 ID:???
有馬温泉
957名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/05(金) 19:24:09 ID:???
宇奈月温泉
958名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/06(土) 14:14:35 ID:???
別府温泉
959名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/09(火) 06:06:37 ID:???
頭のおかしな人には気をつけましょう

利用者が増えるに従って、頭のおかしな人もそれなりに出没するようになって来ています。
頭のおかしな人に関わるとなにかと面倒なことが起こる可能性があるので、注意しましょう。


頭のおかしな人の判定基準


「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
 他人が自分とは違うという事実が受け入れられない人です。自分の意見が通らないとコピペや荒らしなど
 無茶をし始めるので見かけたら放置してください。


根拠もなく、他人を卑下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人
 他人を卑下することで自分を慰めようとする人です。実生活で他人に褒めてもらう機会がないが
 プライドだけは高いとか、匿名の掲示板しか話し相手のいない人です。可哀想なので放置してください。


自分の感情だけ書く人
「〜〜がムカツク」とか自分の感情を掲示板に書くことに意味があると思っている人です。
何がどのようにムカツクのか論理的に書いてあれば、他人が読んでも意味のある文章になりますが、
そういった論理的思考の出来ない人です。もうちょっと賢くなるまでは放置してあげてください。
960名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 16:16:51 ID:???
道後温泉
961名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 13:58:17 ID:???
城の崎にて
962名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 20:25:16 ID:???
修善寺の大患
963名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/18(木) 06:27:18 ID:???
保全
964名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 21:04:11 ID:???
 番場よ、本当におめでとう。
おまえはもうジャイアンツだけのサムライではない。
今や世界のサムライになったんじゃ。
それも山あり谷ありの厳しい勝負の道を
ひたすら歩み続けたからこそ、今日の栄光があった!
しかし、野球の道はこれで終わったわけではない。
これから尚厳しい野球道が待っている。
サムライよ、万丈の山がいくつ阻もうと
千尋の谷に何度落ちようと、前へ進め!
その前途を祝って、もう一度言わせて貰おう。
番場蛮、本当に、おめでとう!

 巨人軍監督 川上哲治
965名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/23(火) 07:25:15 ID:???
サムライエヴァンゲリオン
966名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 10:46:17 ID:???
34
967入れ替わり嬢 ◆98L3wY99Bw :2007/10/24(水) 12:23:35 ID:???
こ、こんなスレがあったのか。
常磐ヘルスセンター。
968名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 12:31:52 ID:???
はいっ!
969入れ替わり嬢 ◆98L3wY99Bw :2007/10/26(金) 20:16:03 ID:???
正確にはスパリゾートハワイアンセンターでした。関係者各位にお詫び申し上げます。
970名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 19:47:25 ID:???
まだあったのねこのスレ。
971名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 19:48:41 ID:9Cgtz5AJ
972名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 20:56:45 ID:???
2001年かよw 宇宙の旅だな
おそらくもうスレ主は死んでるだろうな
[アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」からこのスレタイ付けたんだろうなw
ディックもヴリンもホーガンももう誰も知らねえだろうな。っていう俺も死期は近いなw
973名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/04(日) 09:28:27 ID:???
>>972
ブレードランナーは知ってる俺が通りますよ
974名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/12(月) 00:22:46 ID:???
975名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 13:15:51 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
976名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 17:54:59 ID:???
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      FFDQ
977名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 00:34:18 ID:7zq84PJK
そろそろ7年の歴史に終止符か
978名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 04:32:18 ID:???
長寿スレ好きな俺にとって最近は辛いことばかりだ
某キャラハンスレも終わりを迎えようとしている。悲しい
979名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 22:48:27 ID:???
終わりがあれば始まりがある
980名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 22:50:00 ID:???
>>979
おまえ良いこと言うな
981名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 23:28:27 ID:???
だから物事は面白いんだよね。
982名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 00:12:17 ID:???
アゲとくか
983名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 00:33:00 ID:???
おもしろき こともなき世を おもしろく
984名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 20:35:38 ID:???
ヽゝ゚ ‐゚ν
985名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 00:58:52 ID:???
現役長寿スレ一位。
980越えたので24時間書きこみがないと落ちるかもしれない。
986名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/27(火) 13:38:56 ID:???
え、本当に一位なんだ?
有り難や、有り難や。
いい事ありそうだ。
987名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/28(水) 00:53:28 ID:???
現役では2001年に立ったスレはこのスレだけ。
988名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/29(木) 01:53:00 ID:???
長寿をいたわる
989名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 01:41:03 ID:???
長寿スレが多いこの板も、半数以上は新劇場版公開後に立ったスレ。
990名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 01:17:34 ID:???
01年はすごいなしかし
991名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 03:07:56 ID:???
うん。
992名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 11:45:29 ID:???
のこり8レスですよ
993名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:19:39 ID:???
よくやったな。
994名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:26:05 ID:???
おめでとう
995名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:28:14 ID:???
おめでとう
996名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:30:15 ID:???
めでたいな
997名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:43:15 ID:???
おめでとう
998名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:46:48 ID:???
これで!
999名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:53:02 ID:???
ゴミスレ^^
1000名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 12:53:31 ID:???
かつお
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。