俺の名前は碇シンジ!好きな言葉は熱血だ!

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1名無しが氏んでも代わりはいるもの
と言うわけで,
あの時どうした?
とか
お前あいつの事どう思ってるんだ?
って言う質問をしてくれ!
ここに来る奴は皆シンジだ!
お前達が熱血になって受け答えするも良し、
まぁアレだ。適当にやってくれ。
2名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/19 06:02
俺、2番とっていい?
3名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/19 06:06
来る物は拒まねぇし、去る物は追わねぇ。
どんどん煽りにでもなんでも来てくれ。
そうそう、事故紹介しとくぜ。
俺はガキの時に捨てられた。
そして、中国の山奥に棲む叔父に預けられた…
そこからが俺の人生のスタートだ。
4碇シンジ(熱血):01/10/19 06:12
さっそく誤字か…こんなんだったら師匠に殺されちまうな…
続きを書こう、
叔父は中国の暗殺術を正当継承者だった。
そこに預けられた俺は、物心付く前から死ぬか生きるかの修行をさせられた。
ガキだった俺にとって叔父は憎むべき存在だった…
11歳の時…事件は起きた。
俺と叔父は都会に降り、買い物をしていた。
その時、町のチンピラと抗争になった…
5碇シンジ(熱血):01/10/19 06:16
俺にとっては取るに足らない相手だった。
しかし、問題は起きた。
チャカだ。チャカが俺を狙っていた。
始めて見るもんだった。
俺は怯みもせずに立ち向かった。
しかし、轟音と共に倒れ去ったのは…
叔父だった…
俺をかばって…撃たれちまった。
傷は命に別状は無かった…だが…
叔父の腕は二度ともとには戻らなかった…
6碇シンジ(熱血):01/10/19 06:21
その時を境に…俺と叔父の対場は逆転しちまった…
俺が12歳になる時には、俺はもう叔父を超えていた…
それからだ、俺は町に繰り出すようになった。
叔父を撃ったあいつのの止めを刺すために…
俺は探した…そしてついに見付け、そいつを殺っちまった。
その時から俺の逃亡生活の始まりだ…
7碇シンジ(熱血):01/10/19 06:26
逃亡生活も終盤に差し掛かった頃、
俺は香港のとあるマフィアのヒットマンをやっていた。
そして、13歳の誕生日…
誰かが俺の部屋をノックした。
また殺しの依頼か…俺は溜息混じりに扉を開いた…
「貴方が…碇シンジ様ですね?」
黒服の男はクソ丁寧にそう言った。
俺の名前を知る物は少ない。それに久しく聞く日本語…
俺は少なからず興味を持った。
8碇シンジ(熱血):01/10/19 06:32
男はネルフと言う組織の男だった。
それを捨てた男…碇ゲンドウ…奴が俺を探している。
何を今更…俺はそう呟いた。
だが、今の俺にとてこの国を安全に出る方法は、
この男を…いや組織の…それも飛びきり大きい組織の力が必要だ。
俺は、降りたくも無い首を縦に振ると、旅の支度をし始めた。
そこからは皆が見ての通りだ。
9シソジ:01/10/19 08:35
うぉぉぉ!パレットライフォーーー!
決めてやるぜぃぃぃ!!!
でやぁぁーーー!
10ayu:01/10/19 13:29
11名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/19 13:37
>>10
おまえマジでうざいし
みなさーん、このページはコンテンツは空でボタンを押すと
出会い系サイトに飛ぶので気をつけてくださいね
12碇シンジ(熱血):01/10/20 02:45
俺は黒服の男が運転するリムジンに乗り、空港ヘ向かった。
機内に搭乗する前、男はの手紙を手渡した。
そして、男は、
「手紙に記載してある地点で御待ち下さい。写真の女性が迎えに上がります。」
っと、言い残すと姿を消した。
飛行機の中には俺しか居ない…
スチュワーデスも居ない…
まるで生命感の無い機内に俺は残され、一時の休息をとった。
>>9-11は無視ですか?
>>13
SSスレらしいぞ
15名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 02:56
はっはっは、キミがそんな性格だったらお話にならんにょ。
16碇シンジ(熱血):01/10/20 02:58
数時間の後、飛行機は日本に到着した。
誰の案内も無く俺は飛行機から降り、誰も居ない空港を後にした。
人の気配がまったく無い、まるでゴーストタウンだ…
悩んでいてもしょうがない…そう思いこむと、
俺は指定のポイントまで移動を始めた。
定刻時間…誰も来ない。
俺は苛立ちを覚え記載してある電話番号に電話をしてみたが…
現在混乱状態の為に繋がらないそうだ。
夏の暑い日差しが陽炎を作り、数メートル先の景色がゆがんで見える。
手紙にもう一度目を通した俺は、小さな振動に気付いた。
地震か?
俺は周りを見渡した。しかし、そこには思いがけない存在が有った。
同い年ぐらいの女性が、陽炎の無効に佇んでいる。
目をこらし、もう一度確認しようとすると…その女は消えていた。
17碇シンジ(熱血):01/10/20 03:02
>>13
完全無視が鉄則!
>>14
意味不明!よって逝って良し!
>>15
いや、だからオモロイと思ったンがだ…
あのヘタレ主人公を変える事でどれだけの範囲で対人関係、
戦闘行為での被害を変えられるか?って言う主旨なんだけどな…
これじゃネタだ…いやっ、元よりネタか!
18碇シンジ(熱血):01/10/20 03:06
続き、
俺は女の行方がわからず、困惑していた直後、
異変は起きた。
轟音と共に戦闘機が上空を舞う。
それですら驚く事なのに、
それを追う様に、緑色の大きな物体が迫ってくる。
周りのビルが崩れ、俺はその場から逃げ出そうとした時、
一台の車が俺の前で止まった。
「早く乗って!」
運転手の女がそう言い放つ。
俺はその女が写真の女と確認すると、急いで乗りこんだ…
>>17
設定ネタばれする辺りが初心者くさいです。
キャラハンお初ですか?
20名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:11
ありきたりだ・・・
21碇シンジ(熱血):01/10/20 03:12
女の運転で、俺たちは危機を間逃れた。
少し広めの平地に出る。
そこで女は双眼鏡で戦況の確認を行って居る様だ。
「まさか!N2地雷を使う気!!シンジ君伏せて!!」
その言葉が終るや否や、爆風が車に押し寄せる。
数分後、
「シンジ君、大丈夫ゥ〜」
っと、女が聞いて来た。
どうやら生きているらしいが、この戦闘…ただ事ではない。
「ああっ、大丈夫だ…口の中がシャリシャリするがな…」
そう俺は言うと、ひっくり返った車から這い出た…
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:14
SSK属性ってやつですか?
23碇シンジ(熱血):01/10/20 03:14
>>19
設定ネタバレしなきゃ、ただのキティースレッドに
なりかねないからやっただけ。
>>20
なんか一気に凹んだ。
熱血どころじゃ無し!!
よって、放置?
24碇シンジ(熱血):01/10/20 03:16
>>22
なんか解らんけど、
そう!
25名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:19
ヤンキーといふ設定にしてくれ。
26名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:20
>>23
放置かどうかは読者が決めるから
お前は責任もってEoEアフターまで続けれ
27名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:20
え?てっきり無断転載スレだと思ってた・・・
>>23
スパシンはドキュソでkityな姿勢を貫くからこそ、味があると思うのですが…
それにFFがドキュソ、質問へのレスもドキュソでは、ギコ猫に全員一致で逝ってよしの
糞スレ判定下されますよ?
つーかコピペしていいですか?
29名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 03:31
書けコラ!
>>27
あ、そう思ってたの俺だけじゃなかったんだ。
検索エンジン使えば、HITしそうな内容だもんね(ワラ
31碇シンジ(熱血):01/10/20 05:31
と言うか,俺はどう言う方向性で行ったら良いの?
俺のキャラ設定、
皆まちまちで違うざんしょ。
取り合えず、こういうの既望とか言うの書いていってくれたら助かる。
無かったら独断で行きますわ。
32碇シンジ(熱血):01/10/20 05:37
それと、コピペじゃないし、貼り付けもしてないし、
ワードやメモ帳も使ってない。
全部ぶっつけ本番
誤字はご勘弁!!
>>31
フツー、キャラの細かな設定まで決めた後で、キャラスレを立てるものです。
他人に聞く時点で、計画性のない糞スレ発起人であることがバレてしまいましたね。
恥ずかしいね。厨房だね。削除依頼だしといてね。
>ワードやメモ帳も使ってない

自慢することじゃねぇよ。厨房板へ(・∀・)カエレ!!
35碇シンジ(熱血):01/10/20 05:45
>>33
わかった、素直にそうする。
>>34
わかった、カエル
36碇シンジ(熱血):01/10/20 06:06
皆さんどうかお許し下さい。
そして、このスレは暫く晒しておきます。
僕の醜態を一人でも多くの方に見てもらいたいのです。
そして、皆さんに御慈悲が有るのでしたら,
他板で僕を見付けたら、
「お前!エヴァ板でデカイ態度取りやがって!
すぐ放置されたくせに何粋がってやがんだ!とっとと出て行け!」
っと、僕を晒してください。
お願いします。
所で,書いていいの?
37碇シンジ(熱血):01/10/20 06:39
21の続き
俺は車から這い出た後、女と一緒に倒れた車を戻した。
車の損傷は激しく、特に駆動系への支障は大きかったが、
少しの修理で曲りなりにも走る様にはなった。
俺は胸ポケットからヨレヨレになったタバコを取りだし火を付けた。
騒動が有り困惑していた心理が一気に落ち着く…正に至福の一時だ。
「ちょっと!子供の癖に何タバコ吸ってんの!!寄越しなさい!!」
女が慌てた様に迫って来る。
「チィッ!何がイケナイ?俺の自由だ…」
俺はそう言うと女は暫く黙り込んだ…が、
「なっまいきなガキぃぃ!!」
っと、どす黒い声で言い放つとその場で地団太を踏んでいる。
「解った解った…消せば良いんだろう?消せば…まったく…」
俺は吸い終わったタバコを女の足元に行くように指で弾いた。
38碇シンジ(熱血):01/10/20 06:54
「っで?あんたがミサトか?」
車の中の沈黙を破ったのは俺だった。
「ええっ…そうよ…」
ミサトは不機嫌そうにそう言った。
「あんた、以外と胸大きいな…こう言うタイプは…」
っと、俺が嫌味を言おうとした瞬間ミサトはアクセル全開で
荒だたしい運転を始めた。
俺は乗り物が嫌いだ。地に脚が付いていないと落ち着かない。
ましてやミサトの荒い運転は俺にとって地獄でしかなかった…
俺が酔うのにそう時間はかからなかった…
「は…吐きそうだ…止めてくれ…」
俺がそう言うと、ミサとは満面の笑みで、
「大人を怒らせるとこうなるの。解った?それと、
人に物を頼む無態度じゃないわよねぇ〜?それ?」
嫌味がふんだんに込められた主張を聞かされながら、
俺はやむを得ず謝罪した。
「悪かった、言う事を聞くから勘弁してくれ…」
しかし、ミサトの運転は今だ荒いままだった…
39碇シンジ(熱血):01/10/20 07:07
車が落ち着いたのは20分ほど経過した後だった。
車用のエレベータに乗り、地下深くへと進んでいく。
車酔いが激しいせいか、俺はまともに外も見れない…
ずっと項垂れたままだった。
「あっ、そうそうこれ、」
ミサトは一枚のパンフレットを手渡した。
それには「ようこそネルフへ」と書かれている。
俺は一瞥もせず鞄にしまい込んだ。
今は何もしたく無い…ただ、酔いが引くまでうな垂れていたい…
そう思っていたのも束の間、ミサトが話かけて来る。
「頼む…黙っててくれ…」
俺の精一杯の主張も、ミサトの煽りに負けかき消される…
酔いも引き始めた頃、
周りの景色が機械模様から擬似的な空へと移された。
「これがジオフロントよ」
ミサトの説明など聞きもせず俺はうな垂れたままだった…
40碇シンジ(熱血):01/10/20 07:24
ジオフロントが見えはじめてから
俺が開放されるまでそう長くは無かった。
俺は車から降りると狂った方向感覚を直すために軽くステップした。
そしていつもの様にタバコを取りだし火を付けようとした…
「あっ、言っておくけど帰りも、私の運転だから。」
ミサトは茶目っ気たっぷりにそう言った。
これは明かに脅迫的と感じた俺は、タバコを胸に戻した。
「あっ、そうそう、私煙草止めて長いからスモーカー見ると
腹立つのよねぇ〜」
虚空に向かってミサトが独り言の様に俺に当て付ける。
俺は胸から煙草を出し、そのまま近くのゴミ箱に投げ捨てた…
「くそっ、アメリカンスピリッツは見付け難いっていうのに…」
「なんか言った?」
俺の不満もミサトの前では意味が無い。
苦手だ…俺はこの女を敵に回しては不利になる直感した。
そうこうしている内に、ミサトがゲートを開ける。
俺は黙ってミサトの後を着いて行った。
41碇シンジ(熱血):01/10/20 07:44
「っで、どれだけ歩きゃたどり着けるんだ?あんたの行きたい所は。」
俺は正直腹立たしくなっていた。
同じ所を何度も何度も…繰り返し歩かされてもう20分近くになる。
「あれぇ?おかしいな…」
ミサトが先ほどから何度も何度もその台詞を言っている。
時折流れるアナウンスが俺たちを示してる様にも聞える。
そしてまた同じゲートを開いたとした瞬間、
一人の金髪の女性がむっとした表情で立っていた。
「まったく呆れた…何度迷えば気が済むの?」
その台詞にミサトが申し訳なさそうに反応する。
「この子が例のセカンドチルドレン?こんにちはシンジ君」
女はその言葉の後自己紹介を始めた。女の名前はリツコと言うそうだ。
俺は当り障りの無い様に自己紹介をすると、
ミサトが横から茶かして来る。
「嫌味は…無いのね…」
当たり前の事だ、前に有った黒服の様に組織の駒同然の人間になら
そう言ったことは可能だ。しかし、ここはどうにも勝手が違う。
ミサトだけでも俺には大事だったので、これ以上敵を増やしたく無い。
そう言いたいのは山々だったが、本音を一度飲みこみ訂正しながら、
フォローを入れた。
「ふふっ、随分と報告と違うみたいだけど、良いわ、着いて来て頂戴」
リツコは気付いていないのか、ただ話を会わせているのか、
それは俺にもわからなかったが、急な用事が有る様にも見えた。
42名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/20 15:13
ドキュソ断罪キボンヌ
43このスレの1です。:01/10/20 16:15
拝啓
先ほど、削除依頼を出しました。
板の常識を認知もせず勢いで立ててしまったこのスレと共に、
深く謝罪を申し上げます。
何卒お許し頂ける様、此れからも心掛け忘れぬ様に致します。
それでは、晩秋の霜風に身体を冷さぬ様に皆様の健康を祈り、
ここで退室させて戴きます。
                           敬具
そろそろ吉野家が来る頃だな
45名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/21 02:36
吉野家でも主治医でも家臣でも母でもいいが、その前に早く完結させれ
結構楽しみにしてるぞ
ちなみに漏れもドキュソ系断罪きぼーん
46名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/21 02:41
セカンドチルドレンですか?
アスカを消しましたね?
殺しますよ?
>>45
完結は無理だろ。メモ帳すら使わない、ぶっつけ本番がモットーだつってたし。
>>47
ぶっつけ本番だからこそ偉業になる。
あとから矛盾でてくるのが楽しみだ。
>>48
で、最後に晒しageってか?
50熱血シンジ:01/10/21 09:42
あのさぁ〜
43のは俺の謝罪文なんだけど…
ひょっとしてコピペと勘違いされてる?
ともあれ削除出したんだけど…
消されないっぽいな…
鬱だ…
>1
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!
てゆーかスレ立てといて、いらなくなったら削除して
くださいだぁ?ずいぶん都合のいい話だなあオイ。
誰か乗っ取って熱血シンジやんなはれ。
>>52
オマエガナー
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/22 01:36
こんな話はゴロゴロ転がっとるよん
排他的
56碇シソジ:01/10/22 02:32
論理和
>>56
さすが学生。
58ニセ熱血シンジ:01/10/22 12:35
オッス!オラ偽熱血シンジだ!偽者だけどヨロシクなっ!
とりあえずこのスレ乗っ取ったぞ!
でももうさよならだ。オラもっと強い使徒と闘いてーんだ!
均等雲ー!
じゃあなっ!皆!あたらしい使徒か〜ワクワクすっぞ。
    / ̄ ̄ ̄ ̄\
    /      <・> ヽ
  /     \   / |
(∂|     <・> < ・> |
 ヽ|     ""  〉"" |
   |  u   ___   |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   \    /__/ /  < やっぱ悟空はすごいな!
   /ヽ       /\   \_________________
60ニセ熱血シンジ:01/10/22 14:45
>>59
オラ悟空じゃねぇ!ニセ熱血シンジだぞ!
       ◯
    / ̄ ̄ ̄ ̄\
    /______ヽ
  /     \   / |
(∂|     (●) (●) |
 ヽ|     ""   "" |
   |   ●  ___ ●|   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   \    /__/ /  < やっぱ悟空はすごいよ!
   /ヽ       /\   \_________________
62熱血シンジ:01/10/23 01:26
ドキュソ系断罪ねぇ〜

アヒャヒャヒャヒャ!!(藁×20÷3)
荒れてる荒れてる!!
マジで藁た。
特に!>42−>44−>45!!これだな!
お前等すげぇよ!!マジで天才だ!!
KING OF MONMOU!!
お前等の肩書きはこれだな!決定!!
俺が決めたから絶対だ!これは曲げられねぇよ!
しっかしアレだな、正直すまんかった。
本間にすまんかった。
これ言えば良いの?
言ったよ?これで良いの?
アヒャ!アヒィッ!アヒャヒャヒャヒャ!!
言ったよぉ!!
ス・ス・ス・スすまんかった!!
アフィィィィ!!すまんかった!!
これだけ謝って煽り来たらそれこそアヒャ神の登場だな!!
アヒャ神!!呼んでるよぉぉぉ!!

こんなもんで良いか?
取り合えず下げ。
正直疲れた…
63ニセ熱血シンジ:01/10/23 15:38
>>61
黙れ!ギョーザ野郎!!
    / ̄ ̄ ̄ ̄\
    / ̄ ̄`ヽ、   ノヽ
  /     _`ー‐'_ l
 〔|     <・> < ・> |
  |      /  , , |  |
   |  u   ___   |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   \    /__/ /  < やっぱカカロットはすごいYO!
   /ヽ       /\   \_________________
65ニセ熱血シンジ:01/10/23 17:48
↑おめぇなかなかやるな。今度天下一武道会にでろよ!
66名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/23 18:46
67名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/23 18:52
68冬月専任:01/10/23 19:13
これシンジ!修行の時間じゃ!
ワシはギャルのパンティでもさがしてくるかのぅ。
69名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/23 19:43
クッ!一体どうすればエヴァとフュージョンできるんだ・・・
いくら頑張ってもシンクロ率が70%を超える事ができねぇ!!
頼む冬月のじっちゃん!オラにスーパーチルドレンになる方法を教えてくれっ!!
70冬月:01/10/23 21:10
>>69
そうじゃなあ、ユイたんとパフパフさせてもろうたら、教えてやらんでもない。
71ニセ熱血シンジ:01/10/24 00:28
クソッ!!こうなったら、頼むっ!!皆のageをオラに分けてくれっっ!!!
72ニセ熱血シンジ:01/10/24 05:18
オラはまだ寝ねぇゾオォォ!!
73名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/24 05:20
お話の続きキボンヌ

と。
74熱血シンジ:01/10/24 05:36
俺はリツコの後に着いて行った。
そして一際広く暗いホールに出る。
「何も見えないな…」
俺がそう呟いた瞬間、当りに電気が付く、
目前に大きく存在する人の顔と思わしき物体、
「ロボットか…これは…?」
リツコが間髪入れずに言う、
「これは汎用人方決戦兵器…エヴァンゲリオン…」
セカンドインパクト以後、
世界各国でロボットの開発が進んでいるとは聞いていたが…
まさか目の当たりにする事が有るとは…
俺は不思議と安心感を抱いていた。何故かは解らない。
だが、その安心感を吹き飛ばす深いな声がホールに木霊する。
「よく来たな…シンジ」
声も顔も覚えていない…だが、俺は直感した。
この男は碇ゲンドウ、俺の父だと。
75熱血シンジ:01/10/24 06:02
俺は怒りの感情を押さえ、冷静にこう言った。
「貴様の用件はなんだ?まさか寄りを戻したいなんて言わないよな?」
ゲンドウはほくそ笑みながら言う…
「答える必要は無い、乗るのか?乗らないのか?」
余計な説明を一切入れず、ただ忽然とそう言う。
防弾ガラス越しに見下げるその視線、その不適な笑み、
自信過剰な態度…全てが気に食わなかった。
俺は素早くミサトの鳩尾に当身を入れ、左胸即部の拳銃を奪う。
右手に拳銃、左手には後ろポケットに入れておいた投げナイフを用意する。
「てめぇ、俺がただの餓鬼だって思わない事だな……
それと!リツコとやら!そのポケットの拳銃を捨てろ。静かにだ…」
リツコは白衣から拳銃を取り出すと静かに足元に置きこちらへと蹴りつけた。
「止めなさい…シンジ君…こんな事をしても何もならないわ…」
ミサトが鳩尾を押さえながら苦しそうに言った。
「取引は対応に行わないとなぁ、えっ!ゲンドウさんよ!、
 てめぇの言い分はなんだ?このロボットに乗れか?
 はっ!御断りだな!動かしたきゃてめぇで動かせよ!」
俺はがそう言い放つと、ゲンドウの後ろに入る初老の男がゲンドウに耳打ちする。
暫く沈黙が続いたが、その沈黙をゲンドウが破った。
「貴様でなければ意味が無い…ここからは取引だ…
 貴様が思うものを与える。これでどうだ?金か?権限か?」
ゲンドウのたじろぐ姿を見て、俺は正直気分が良かった。
そして俺は、望みを言った…
「今回だけは乗ってやる、だがな、ただの憂さ晴らしだ。
 それと、今後に関しては貴様とオレな何でも無い、赤の他人だ。
 あと、金は…そうだな…成功報酬で…二億…出せないのなら乗らない。」
俺は吹っかけたつもりだったが…
「良いだろう。それでは赤木博士の手引き用意しろ…」
そう言うとゲンドウは奥へと消えた…
76熱血シンジ:01/10/24 06:16
俺は拳銃を下げ、ミサトに返す。
「悪かったな、ああするしかなかったんだ…
 殺したければ何時でも撃ってくれて良い。」
俺がそう言うと、ミサトは、
「したくても出来ないのよ。まったく…噂通りね。呆れたわ…」
そう言って,俺の側を通り過ぎた。
リツコは俺に、
「こっちよ、付いて来なさい…」
と言い残すと奥へと消えた。
そして、俺は素直に付いていった…
付いて行った先には、なにか筒状の白い物体があった。
それは大きく、薬莢のような形でも有った。
「アレに乗るのよ。」
リツコが怪訝そうに言う。
「はいはい…」
俺は適当に流すと、座席らしき所に座った。
「っで、操縦方法は?」
俺が聞くとリツコは、
「後で連絡を入れるわ、まずは早く乗って頂戴。」
俺はまた、話を流す、あくまでも俺が質問する余地は無いようだ。
コックピットに乗り暫くすると、起動音と共に衝撃が走る。
どうやら、あのロボットの中に入っている様だ。
「わくわくするねぇ〜…」
俺は誰にも聞かれるはずの無い独り言を言った。
77熱血シンジ:01/10/24 06:29
暫く経つと、コックピット内が水で満たされ始めた。
「おいおいっ!水攻めか!はかったな!!」
俺が罵声を上げると、リツコが冷めた風に
「それはLCLよ、肺にじかに酸素を送ってくれる…」
と、薀蓄を始めた。
俺は試しに息を吸いこんで見る、何度も咽かえったが、
その後は普通に呼吸が出来る様になっていた。
「………気持ち悪いな…っで、操縦方法は?さっきから聞いてるんだ。
 さっさと答えろ。」
そう言うと、リツコが
「考えるだけで良いの、歩く事だけを考えて頂戴。」
そうこうしている内に、ミサトの声で
「エヴァンゲリオン初号機、発信!」
と言う掛け声と共に、激しい重力を感じる。
気付けば、さっきの化け物が目の前にいた。
無論この自体は容易に察していた。
人型決戦兵器に同じサイズの化け物…
これで関係が無いと言うのは明かにおかしい。
俺はただ,戦ってみたい…いやっ…
憂さ晴らしがしたかったのかもしれない。
一人でそう納得すると、ミサトの、
「リフトオフ!」
と言う声と共に、体に感覚が入る。
「まずは…歩く…ねぇ〜」
そう思った瞬間、ロボットは足を進め始めた。
耳元では、通信側の歓声が聞えてくる…
78熱血シンジ:01/10/24 06:41
俺は荒ぶる焦りと気持ちを押さえ、
静かに息を吸いこんだ…
丹田に力を込め、自分の身体前体に意思を通わせる。
相手との距離感、そして筋肉の硬直度を確認すると、
そして静かに息を吐き出す頃には、
俺の身体は適度な緊張と焦りの無い感情で落ち着く。
(考えるだけで動くのか…まずは試しに…)
俺はそう思うと同時に前に軽く掌打を出すイメージを送る。
「今どんな感じに動いた?」
俺が通信室に連絡を入れると、俺のイメージ通りとの反応が返ってきた。
(おもしろいねぇ〜、面白くなってきた!!)
俺はそう一人で思い、ひそかに笑っていた・・・
俺は静かに構えを取り、相手を見据える。
生命感の無い動き、そして何より感情がない。
だが、こんな奴相手に考えても始まらない。
俺は静かに相手の動きに集中する。
79熱血シンジ:01/10/24 07:11
静寂の一時…
相手に動く気配すら感じられない。
俺はこちらから仕掛けることにした。
軽く前に進むと同時に、相手の顔と思われる場所に拳を叩きこむ。
そして間髪入れずに後ろに下がり相手の腰部に足刀を斬り込む。
相手には悲痛の感情も動きも無い、だが、手応えは有った。
そして相手の反撃が始まる。
相手は俺の手を掴もうと前進する。絶好のチャンスだ。
俺は相手に左手を掴ませ、関節を決め様と計画する。
だが、予想に反し俺の手にまで痛みが走る、
一瞬躊躇したが、細かい事は関係無い。
俺は掴まれた手を中心に軽く相手をいなした。
重心を崩し、鈍く倒れこむ。
そして、相手が倒れこんだと同時に右掌打を相手の肘に当て、
一気にねじり込んだ。
当ての肘が逆に曲がり肘に付いてあった角のような物も折れた。
俺はその角を拾い上げ、左手に逆手で持つ。
そして、相手の後ろ首に刺し、一気に全体重を乗せて押し込む。
「どうだ?やったか?」
「いいえ、まだ生命反応があるわ。油断しないで、シンジ君!」
ミサトがそう答える。
俺は一度距離を置き警戒態勢に入る。
「なぁ?、武器とか無いのか?、
 徒手空拳じゃダメージはあっても殺傷力が無い。
 何でも良い。大量に切り裂ける物とか。無いのか?」
俺がそう質問すると、リツコがそれに答えた。
どうやら右肩部にナイフが装備されているらしい。
ナイフでも有効に使えば致命傷は与えられる。
俺は右手にナイフを装備する。
相手はゆっくりと置きあがり、また沈黙する…
「何が起きるかわからないわ、気をつけて…」
耳元でそんな通信が入るが、応援などは余所でやって居ろ。
と、言い流す。
相手は依然と沈黙のままだった。
またこちらから仕掛けるか…
そう思っていた瞬間、当ての腕が伸びこちらへと向かってきた。
俺は素早く流水の動きで軽くかわすと、
その伸びた腕に徐に斬るつけ切断した。
紫の血が回りに飛び、苦痛にもだえる様にも見えた…が、
そんな事はどうでも良い、俺はこれをチャンスに相手の懐に入る。
「コアを狙って!シンジ君!!」
リツコがそう叫ぶ。
「コア!?どこだ!それは!?」
「赤い球体よ、それがコアなの。」
それを聞くや否や、俺は右手のナイフをコアに刺した。
だが、予想外に硬い。
俺は一度コアからナイフを離し、左肘で肘撃ちを入れる。
当ては折れたもう片方の腕で俺を放そうとする。
が、引き際に右足でコアを蹴り上げる。
ピキッと言う音を確認した俺は、再度懐に入ろうと試みた。
が、相手は重力を無視したかのようなジャンプで、後方に逃げる。
「させるかっ!!」
俺は全力疾走で相手に追いつくと、前方にジャンプし
両手でナイフを力一杯コアに刺しつける。
コアとナイフの衝突で火の粉が飛ぶ。
激しい振動が俺の手に伝わる。
俺は怯まず全体重を乗せさらに押し込んだ…
80熱血シンジ:01/10/24 07:24
コアに激しい亀裂が入った。
その瞬間、通信で
「自爆する気!!」
と耳元で聞えた。
俺はとっさにナイフを引きぬき、後方にジャンプする。
相手は俺に取巻く様にしがみつこうとして来た。
しかし、相手の足が俺の腰に纏わりつく、
「くそっ!鬱陶しい!!」
俺は右手のナイフで足を切りつけたと同時に、左手で掌打を入れる。
一瞬はなれた隙に、相手の体重を利用し一気に投げ払う。
距離が開いたのを確認すると
相手の激しい動きのなか、俺は狙いを定める…
相手のコアにめがけナイフを投げた。
スコンッ!と言う爽快な音と共に、相手のコアへナイフが刺さった。
今までに無い静かな静寂……
生きているか死んでいるかなんて解らなかった…
「やったのか?」
聞きなれない女の声で
「生命反応、途絶えました」
と聞え、その後歓声が響く。
「ふぅ〜」
俺は溜息をつき、そのまま座席にうな垂れた。
「一服したい気分だな…まったく…」
81熱血シンジ:01/10/24 07:37
俺が開放されたのは半日後だった…
相手の始末までやらされ、その後新規住所、電話、今後の対策…
様様な書類を書かされ、結局朝方まで自由にはなれなかった。
俺は一度外に出、鞄の中から煙草を取り出し一服する。
LCLの性か煙草がまずい…
俺は一口吸い終わると投げ捨てた。
「さて、新しい住処に行くとするか…」
いつもは言わない独り言を言うと、
聞き覚えの有るエンジン音が此方に来る。
「まずいっ!!」
俺はとっさに自販の横に姿を隠す。
ミサトが車から降り、こちらに向かってくる。
「隠れたって無駄よぉ〜、し〜んちゃん。」
勝利を確信したその口調、明らかに何か有る…
「なんで、解ったんだ…」
ミサトは嘘で作った満面の笑みで発信機をちらつかせる。
「鞄の中、チェックしなかった?」
…………くそっ、不注意だった…
俺は開き直り、
「っで、何のようだ?用が無いなら帰れよ。」
と良い放つと、
「そう、帰るから迎えに来たの。」
と、意味不明の言葉で返してきた。
「はぁ?」
「良いから乗りなさいって。」
と半無理やりに車に押し込まれた。
「ところで…あの時殴ったわよね?しんちゃん?」
駄目だ……更なる弱みを握られてしまった…
そう確信した瞬間、アクセル全開で静かな街を走っていた…
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/25 00:52
ムカツクシンジだな。反感買うぜ
スーパーシンジっていまいち理解できないよな。
何で「普通のロボットヒーロー物」の主人公にしちゃうんだか。
84名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/28 23:59
>83
エヴァが「普通のロボットヒーロー物」じゃ無かったから、
それをあえて「普通のロボットヒーロー物」に変えたIfを見たい、って事じゃない?
理解できない事もない。
>>84
そういう人はナデシコでも見ててください(w
86名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/29 00:08
熱血シンジが姿を消してもう4日か…
87熱血シンジ:01/10/29 05:56
頼むから下げてくれぇ〜よ。
こんな痴スレ、晒したくねぇ〜よ……
88名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 00:17
はっはっは!みんな見ろ!これが熱血シンジだ!
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 00:44
おおっ、コレが熱血シンジかっ!
>>87-89
(・∀・)ジサクジエンデシタ!
91熱血シンジ:01/10/30 01:06
そうだ!俺が熱血シンジ様だぁ!!
って、ノッテル場合じゃねぇよっ!!
sageろ!こんな痴スレ!!
92名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 03:36
見事に「悲惨な>>1のスレッド」になりましたな。
めでたしめでたし(藁
93熱血シンジ:01/10/30 03:43
「止めてよっ!!どうしてこんな酷いコトするんだよ…
 そんなのってないよっ!!」
っと、本物は言うだろうが…
俺は屈さぬ!!例え文盲丸だしDQN厨房小説を晒したとしても、
俺は屈さない!
ここは熱血と気合でカバーだ。
アンダースタン?
一応恥ずかしいからsage
というか、ネット資源の無駄以外の何ものでもない。
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 09:20
One for All
All for One
You need hero.
96熱血シンジ:01/10/30 09:26
95がスゲェ良い事言った!!
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:39
頑張るな…
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:47
エヴァ厨世代って盛り上がりを避けて陰口を好むけど
どうよ?!
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:50
haha
100名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:51
俺はついに、このスレの100をゲットをした。
感無量だ。5年間、このスレの100をゲットする為だけに耐えてきた。
雨の日も、風の日も、雪の日も、サボらず地道にこのスレの100をゲットするためだけに
修行してきた。
 やめたい日もあった。くじけそうになった時もあった。自分に負けそうになった日もあった。
そして「なんで俺は、100をゲットしたいのだろう。」と疑問に思った日も、あった。
だが、俺は5年間頑張りとおした。そして、そしてついにこのスレの100をゲットしたのだ。

 何をやっても中途半端だった今までの俺。 勉強も、部活も、恋愛も・・・。
本当に何をやっても中途半端だった。だが、俺はこのスレの100をゲットした今、
変われたような気がする。堂々と胸をはって生きているような、すがすがしい気持ちだ。
ありがとう、2をゲットさせてくれてありがとう。

俺は今から叫ぶ。修行に耐え抜く事が出来た、やり遂げる事が出来た俺自身に向かって叫ぶ。
「100ゲット」と。
101名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:53
>>100
おめでとう。
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:54
熱血というかただのカッコつけようとしてるウンこじゃねえか?
103名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/30 23:58
ネケーツはいい。
>>100
"2をゲットさせてくれてありがとう。"って書いてあるんだけど、、、
全部書き直してからはりつけてくれやほんす
105熱血シンジ:01/10/31 01:39
103がスゲェ嬉しいこと言った!
106名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 00:26
なんだか面白くなってきた。FFそのものよりも>>1が(藁
107名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 01:19
熱血ゲンドウとかはいないの?
「立てっ、エヴァンゲリオンッッ!!」ってな感じのさ。
108名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 02:00
熱血綾波キボーソ(ワラ
俺の名前は碇シンジ!好きな言葉は「アンパンだ!」
110熱血シンジ:01/11/01 02:59
「おいっ!何処に連れて行く気だ!」
俺は苛立ちの混じった声で言った。
「ふふ、良い所よ。」
ミサトはそう言うと、町が一望できる丘へと向かった。
「なんなんだ、まさかここで一泊しろとでも言う気かよ…」
俺にはミサトが何を考えているか解らなかった。
様様な推理をあぐねている内に、ミサトが時計を見呟いた。
「そろそろね。」
そう言って間も無くまちのビル群が地中へと移動していく、
「これが貴方が救った街よ。シンジ君…」
ミサトは得意げな笑みでそう俺に言いかける。
「それで?」
こちとら、寝不足と疲労で疲れ、そんな物に感動している暇は無い。
適当に言い流し、早く寝床に着きたかった…
「これが貴方が救った街よ…」
ミサトは顔を引きつらせ再び同じ事言う。
「…それで?早く寝たいんだ…いやっ、
 早くと言ったら運転を荒くするだろうから訂正させてもらうよ。
 早く寝床に案内してくれ。丁寧に…」
ミサトは溜息交じりに髪を掻くと、作り笑顔で、
「…じゃぁ、行きましょうか?」
と言う、そのぎこちなさは、まるで素人が操る操り人形のようだ。
俺は車に乗りこみ、ミサトの荒い運転にも慣れた頃、車は止まった。
「どう見ても…コンビニにしか見えんぞ…」
「おっ買い物〜」
と、やや不愉快な返答を貰うと俺は車から降りた。
ミサトは嬉しそうに缶詰や冷凍食品、弁当などを選んでいる。
俺はそれを眺めるフリをしながら、煙草の品種に目を向ける。
「すいませぇ〜ん、ちょっとトイレお借りして良いですかぁ〜」
俺は店員にそう言うと、奥へと向かった…
ミサトは何も気にしていない様だった、好都合だ…
俺は奥へと向かう、勿論トイレ目当てではない。
そこにはスタッフオンリーと書かれた部屋が有った。
俺は懐からキーピックを取りだし、慣れた手付きで扉の鍵を開ける。
音をたてない様にそっと扉を開ける…
そこから俺は倉庫へと向かった。
そこには少なからず商品のストックがあるはずだ。
監視カメラに移らない様、物陰に身を潜めながら向かう。
目的の物がそこに有り、俺はその箱に手をやる。
煙草だ、未成年であるが故に購入は不可能だ。
だが、窃盗なら話は別だ。
そこからカートンを2・3せしめると、鞄の中に仕舞い込む。
俺は何事も無かった様に、
トイレに入り便器の水を流してを洗い外に出た。
ミサトの長い買い物を済んでいた様だったので、
俺は車に再び乗りこんだ。
111熱血シンジ:01/11/01 03:35
「おかえりなさい。」
ミサトは得意げな笑顔でそう言う。
よほど作り笑顔が好きな様だが…今回は少し違う。
表札にはしっかりと、「葛城」と書かれている。
それに、おかえりなさいと言う言葉…
まさか…
俺ははっと我に帰り事実を直視した。
「まさか…ここに棲めって?」
「そうよ。」
ミサトは軽く言う。
「断る。公園で寝た方がマシだ…っで?何処だ?公園は…」
俺は正直に思ったことを言った。
「まったく…家出少年じゃあるまいし…大人の言うことには従いなさい!」
本音と建前がとうとう逆になったようだ。
ミサトのフラストレーションもかなり溜まっている様にも見える。
あまり怒らせない方が良いみたいだ。俺は今晩は素直に泊まる事にした。
そんな俺の決断も虚しく、ミサトは乱暴に扉を開け、俺を後ろから蹴り押した。
俺は重心を崩し、前に倒れこむと何か袋のような物に顔を埋める。
「普通…蹴るか…くそっ!」
俺が立ち上がろうとした瞬間、部屋に明かりが灯る。
俺は周りの確認すると、解ってはいたが…驚いた。
そして、少し演技の混じった声で大袈裟に、
「なんじゃぁぁぁぁ!!この部屋はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と叫ぶ。
ミサトは引きつった顔で、
「あんたに言われると余計むかつくわ…」
と呟く。
「むかつくんなら掃除しろ…」
俺はそう言うと勢い良く立ち上がる。
「あっ、荷物冷蔵庫に入れといてぇ〜」
っと、ミサトは奥の部屋に行く。
「自分でやれ自分で!!」
俺はミサトに言い返す。
「自分の家がこれ以上汚れても良いの〜」
と舐めた返事を返す。
自分の不正を盾にとって来やがった…っと心の中で言う。
俺はろくな返事をせず荷物を冷蔵庫にかたづけ始めた。
冷蔵庫の中には、列一杯に並べられたビール…缶詰…
周りのゴミから容易に察する事はできるが、どんな食生活なんだ…
と、一人自問する。
ミサトは着替えを済ませ出てくると、俺が片付けた食品を冷蔵庫から出し、
レンジやオーブンの中にいれ始める。
片付けた意味が無いような気もするが…この際気にしない様にした。
一通り食品をテーブルに並べると、二人で向かい合う様に座り、
食事についた。
112熱血シンジ:01/11/01 03:35
「楽しいでしょ?」
ミサトはビールを飲み干した後そう言う。
「……本気で言っているのか…?答えはノーだ。」
俺は皮肉を込めそう言い放つ。
「アンタ…ただ飯、ただ寝でも文句言うのね・・・」
ミサトはあきれた様に言う。
「この世の中…ただより怖い物は無いだろう…それより、いつ決定した。
 俺がこの部屋に棲むという決定だ。」
ミサトはそれを聞くと足元の鞄から書類を出す。
「これよ。ほらっ、ここ…
 アンタのきったない字でキッチリサインしてあるでしょ?」
たしかに昨日、数多くの書類にサインはしたが、
ほとんどは形式的な物とだけ聞かされていた。
計られた……
「まったく、日本語久しぶりだと言うのに、サラ金見たいな真似しやがって…」
ミサトは勝ち誇った様に、
「これが大人の世界、解った?」
と言う。
しかし、俺がここに棲む事に何のメリットがあるのだろうか?
俺は一つの答えに在り付いた。監視だ。これ以外の事は考えられない。
ここは一つのられて見るのも悪くは無い。
そう考え、今後は問題を出さないに越した事は無いと、一人納得した。
>>109
見え見えの寒偽デムパ。
お花畑で修行し直してきなさい。3点。
114熱血シンジ:01/11/01 05:36
「ねぇ?それより,今後も乗るの?アレに?」
ミサトは真面目な顔で問い掛ける。
「なんだ…イキナリ…」
「ちょっちね。気になって。」
「安心しろ、乗りかかった船だ、それに途中で逃げ出すなんて事はしたく無いしな。」
「そう…良かった。」
ミサトは真面目な顔から笑みに戻ると、
「さぁ〜て、食事は終ったし!御風呂入ったら?」
「飯の後、直ぐにか?」
「そうっ!御風呂は心の洗濯よ。」
「臭い台詞だ…5点。」
「いいから入りなさい!!」
空のビール缶を勢い良くテーブルに置きそう言う。
「はいはい、解ったよ、入れば良いんだろ。入れば!!」
俺はそう言うと荷物から着替えを出し浴場に向かった。
浴場の汚れは然程酷い物ではなかったが、乱雑に干された下着に目が行ってしまう。
「まったく、ダラシナイ女は嫌いなんだよ…」
俺は独り言を言いながら風呂場の扉を開ける。
ブルルルルルルッ!
と言う奇妙な生物音の方向に目をやると、そこには不適な生き物がいた。
俺は冷静にその生き物の首を掴み観察する。
「なんだ?」 少し疑問に思ったが、どうやらペットかなにかの類かもしれない。
そう思いミサトに確認しにリビングに戻る。
「なんだ、コイツは?」
「新種の温泉ペンギンのペンペンよ。」
「いやっ、そんな事を聞いてるのではないんだが…」
「それより、前、隠したら?」
「別に珍しい物じゃないだろう…」
「あら、そう」
他愛も無い会話の後、俺はペンペンを床に置き、風呂場に戻る。
115熱血シンジ:01/11/01 05:37
そして、少し熱めのお湯に浸かり、一息つく。
昨日から今までの事がダイジェストに頭の中を駆け巡る。
俺はその中で小さな疑問の答えを考える。
ます、俺が必要な理由…
これは容易だ、少なくともゲンドウがネルフと言う組織のトップ近くにいる事は確かだ。
それが見つける適合者よりも俺の方が利用しやすい、そう考えたのだろう。
だが、話は変わった。
俺の変貌振りに驚いた様だが、果たして、俺が手の中で踊らされているかもしれない…
まだ…答えを出すには早すぎるな…
そう一人で納得する。
そして次の疑問、俺への監視…
奴等にとって俺の行動は予想外に過ぎないと推測するのが妥当だ。
だが、それにしても監視が少ない。
少なくとも現段階ではミサト一人、彼女には余程の訓練が積まれているのかもしれない。
だが、所詮一人だ。俺が暴走した時に止める手段は少ない。
なにか,隠しているのかもしれない…いやっ、それ以前に他の看視者がいるかもしれないな。
まぁ、一人で行動すれば解ることだ。
しかし、ミサトと言う存在、なかなか侮れない。
その個性から憎むことが出来ないのは、奴等の計算の内なのだろうか?
親しみを持たせ、それに従順させる…容易な計画だ。
せいぜい慣れ親しんだ振りでもしておくか…
そして、一番大きな問題、ロボットと怪物だ。
連中は使徒と呼称していたが、その化け物が何の為に襲うのか…?
止めておこう、こんな事は上の連中が考えれば良い。
俺は手駒として奴等の言うとおり動けばそれなりの物は貰える。
今の俺にはそれで十分だ。
考えも一区切りついたが、一つ不安な点が有る。
ミサトだ。俺も所詮は子供、先ほどまでの会話も少し心が高調する。
今まで一人で生きてきた分、信用して見たい点も有る。
だが、人を信用すれば必ず裏切られる。
問題なのは信用に足るか足らないか、それだけの事か…
俺は風呂から上がり身体を拭く。そして着替えを済ましリビングへと戻った。
「あ〜あがったぁ〜、長かったわね。なに考えてたの?」
ミサトの問いに俺は、
「アンタが年甲斐も無く可愛らしいパンツを履いている謎についてだ。」
「あんた見たの!!?」
「見たのでは無く、見せるな・・・」
「・・・・・・・・・言い返せないわね…それよりシンジ君の部屋、片付けておいたわよ。」
ミサトは一室を指差しながらそう言った。
その部屋の周りには荷物が転がっている。
「片付けた、では無く…荷物を退けただけだな…まぁ、例は言っておく。」
「アンタ口減らないわね…先が思いやられるわ…」
「同感だな。」
「はぁ〜、それより、私もお風呂にはいろっと、覗かないでよ。」
「・・・・・・・・・・悪いが興味無い。」
「あっそう。んじゃ部屋で荷物の整理でもしてたら?」
「そのつもりだ。はぁ〜〜やっと寛げるぅぅぅ〜〜」
俺は大きく溜息をつきながら技とらしくそう言う。
俺は自室へと向かった。
116熱血シンジ:01/11/01 05:38
そこには何も無く、ただ机とベットの存在だけだった。
取り合えず荷物を運び込んだ。荷物とは言っても、ただバックが一つ。それだけだった。
俺には思い出の代物なんて物は無い。精々着替えと必要不可欠な道具だけだ。
鞄から煙草を取り出し、リビングを抜けベランダへと出る。
久しぶりの一服だ。火を付け深く吸いこむと、脳と肺に直接染み込む感じに悦を感じる。
暫くして吸い終わると、俺は煙草を投げ捨て、リビングへと戻った。
台所で手と口を洗い流し、匂いがばれない様に細心の注意を払う。
一通り台所の掃除を済ませると、
リビングのソファーに座りTVをつけた。
番組はろくな者がやっていない、全て昨夜の被害報告だった。
暫くするとミサトが風呂から上がってくる。
「はぁ〜お風呂は心の洗濯ねぇ〜」
「掃除をしないお前が言うな、減点して3点だ。」
「あんた、まだそこにいたの?忘れてたわ…」
「忘れるなよ…それより、部屋大事に使わせて貰うよ。」
「あら?偉く素直じゃない?どうかした?悪い物でも食べたの?ホームシック?」
「どうもしないし、あんたが出した物しか食べてないし、家は前から無い。」
「的確且つ迅速な回答ありがとうね。さてっと、ビールビールっと。」
また飲むのか…俺は正直呆れていたが、まぁ、個人の自由だ。俺が口出しする必要も無い。
「適当に残り物で何か作ってやろうか?暇つぶしにはなるからな。」
「あ〜ら、うっれしい事言ってくれるじゃない。それじゃお願いし様かしら。」
117熱血シンジ:01/11/01 05:38
俺は台所に行き、残り物をチェックする。
牛タンの缶詰、弁当の野菜類、そしてパスタの残り…
一通りの調味料があるが…どれもそれほど使っていない。
恐らく、自炊する覚悟で買ったは良い物の、使う機会が訪れないのだろう。
俺はフライパンに油をたらし、野菜、牛タンの順に炒める。
そして適度に味付けした後、パスタの残りを入れ熱を通し皿へと盛りなおす。
「出来たぞ。あんた、まだ食う気なのか?」
「別腹よ、別腹。」
「アンタ酒のみだからな。味付けは濃くしておいたよ。」
「ありがとう、シンジ君……なんか、凄く良い子に見えるのは気のせいかしら?」
「アンタが誤解してただけだろう…それより、俺はもう寝るぞ。」
「あっ、言い忘れてたけど、明日から学校よ。うん!おいしぃ〜」
「……今何ていった?」
「うん!おいしぃ〜って言ったけど?」
「アンタあほか?その前だよ、その前、」
「えぇっと、そうそう!凄く良い子に見えるのは気のせいかしらって言ったわね。」
「からかってるな…クソッ…学校がどうたら言っただろう?」
「あっ、わかっちゃったぁ〜、そう、学校よ。」
俺は暫く考えるうちに、沸沸と怒りが込み上げてくる。
「アンタ,俺の環境適応能力を…ゴキブリ以上と勘違いしてないか?」
「えっ?違ったの?」
「女じゃなかったら本気で殴ってる所だが……せめて2・3日空けてくれ。
 こっちも相当疲れてるんだ…」
「それもそうね。じゃ言っとくわ。それだけ?」
「急に冷めた態度だな…相当根に持ってるなアンタ…」
「お風呂の中で色々考えてるうちに…ね。」
駄目だ,この女…人が気を抜いた瞬間を見逃さないタイプだ…
「お風呂は心の洗濯じゃなかったのか……まったく…」
「以外にこの汚れ取れにくいのよねぇ〜、染みになっちゃうかもね。」
「解った…俺が悪かった。勘弁してくれ。」
「そうね、じゃぁ、今後ちゃんと言うこと聞く?」
この女……その公約が欲しいだけの演技か…くそっ、手玉に取られたな…
だが、今後狡猾に事を進め様と思えば、それも悪くは無い。
「解った,約束するよ。これで良いんだな?」
「OKよ、それじゃ、おやすみなさい。シンジ君。」
「・・・・・・おやすみ・・・・・」
俺は気の抜けたお休みを言った後、部屋に戻りベット横たわる。
ベットの中に吸い込まれるような睡魔が襲いかかるまで、そう長くは無かった。

「シンジ君!!…貴方は人に誉められる立派なことをしたのよ!!」
ミサトが扉を空け、大声で脅かすようにそう言った。
「んなこと大声で言うなッ!!寝かせろっ!!」
俺はそう言うと手元に有った枕を投げつけ再び横になった。
扉越しにミサトの笑いを堪える声が聞え大変不快だったが、
気にしていたら精神が持たない…
俺は再び眠りについた…

       終冬
118熱血シンジ:01/11/01 05:50
取り合えず,今後の進展は、
いままでのが不評だったら中止、好評だったら、
>>108の熱血綾波採用って事で,
たまに書きます。
未出キャラの既望はどんどんくらはい。
119熱血シンジ:01/11/01 05:51
自分でage
一瞬コピペ嵐かと思ターヨ(w
結構おもろいからガンバレ
LASきぼんぬ
122名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 08:46
やはり熱血と言うからには「国電パンチ」は外せないだろ。
そして、殴り合って友情を確かめ合ったライバルな。ちょっと斜に構えてクールな奴。
123熱血シンジ:01/11/01 12:03
「ふぅ〜」
俺は大きく溜息をついた。勿論喜びに満ちた溜息だ。
隅々まで輝く様に整えられた部屋…
まるで新居の様に輝く台所…
不潔感を一切感じさせないトイレ…
心の洗濯(ミサト談)の場所…
全てが綺麗になった。
ここまで在り付くのにゆうに2日は係った。
自分の家ならば、TVを見ながらリビングで一服…
と行きたい所だが、ここは仮にもミサトの賃貸だ。
それにばれてしまっては、居心地が悪くなる。
俺はベランダに出ると、煙草に火をつけ一服する。
台所には下拵えした材料、そして蒸篭には和風チマキが蒸されている。
午後6時…そろそろ奴は帰ってくるはずだ。
それまでにタバコの匂いを消さないとイケナイのが少々圧迫感を感じるが、
背に腹は変えられない。仮にも居候の身だからな。
予め取っておいた鶏がらスープにの中には、春雨、椎茸、人参等の野菜が
煮込まれているのをチェックする。
それから、俺は和風チマキを蒸篭から取りだし、常温程度にまで冷める様皿に移し冷ます。
そして、予め漬け込んでおいた牛肉を取りだし、油で炒め、
次に玉ねぎ、椎茸、竹の子、ピーマンの順に炒め最後に、
合せダレを入れ軽く絡めると、チンジャオロース-の完成だ。
俺はそれを食卓に並べ、夕食の準備をする。
用意が整った瞬間、インターホンの音が部屋に鳴り響く、
奴が帰ってきた様だ。
「たっだいまぁ〜」
とこの上なく陽気な声が、清楚な空間に鳴り響く…
汚れの元凶…葛城ミサトの声だ…
「帰ってこない方が良いんだがな…俺にとっては…」
俺はいつも通り皮肉一杯のお帰りを言う。
「あんた、ちょっとは気に効いた言葉かけられないの?
 せっかくの帰宅と言う私服の一時が台無しだわ…」
「気の効いた言葉…ねぇ〜
 こんなのはどうだ?
 あなたぁ〜おかえりなさぁ〜い、夕食にします?それともお風呂?
 そ・れ・と・も…」
俺の演技の入った台詞に、ミサトはまるで汚物を見るかのような顔をする。
「あんた…気でも違ったの?」
予想外だ…普通の女なら立場の違う台詞を聞き、それに対し劣等感を感じる…
と、計算していたが…奴の前ではアホ以外の何物でもないのか…
「劣等感感じろよ…まったく…」
「何が?」
ミサトは俺の精一杯の主張を前にそれを無視し服を脱ぎせてる。
「頼むから…着替えは部屋でやってくれ…」
「あぁ〜ら、シンちゃんって、以外と「うぶ」なのねぇ〜」
「………勝手にしろ!」
俺は呆れたまま台所に戻る。
そして、スープの中に溶き卵を入れ熱が通ったのを確認すると器に盛り、
竹の皮に包まれたチマキを剥き易く解き、食卓に並べる。
「うっわぁ〜、おいしそ〜!」
ミサトが感極まり無い声を上げる。
今までの食生活を推測すると当然だな…
と、一人で予め練っておいた計略を実行する。
「誰が食って良いといった?」
「へっ?」
ミサトは唖然とした表情でこちらを見る。
計画第一、第二段階成功だ。
124熱血シンジ:01/11/01 12:03
作戦概要はこうだ。
1、美味そうな食事で食欲をそそらせる。
2、それをお預けにする。
3、条件を飲んだら食べても良いと商談を持ち掛ける。
4、公約実行
これだ。
そして、俺は計画第三段階に移す。
「俺の要求を飲めば…食っても良い。」
「ア…アンタずるいわねぇ〜」
「飲むか?飲まないか?」
俺達のやり取りは上手く行くはずだったが…予定外の誤算が起きた。
「いやっ、なんか怪しいから止めとくわ。んじゃ!ビールビールっと!」
そう言い残すとミサトは台所からビールを持ち出し、満足げに飲んでいる。
「ちょっと待て!要求は?」
俺は正直焦った、昨日までのミサトを観察していたが、
これが手っ取り早い方法だと思っていたのに…
「もういい、俺の負けだ…勝手に食えよ…」
もう少し粘ろうとしたが、これ以上粘っても何もならない。
そう俺は判断し計画を諦めた…
「これおいしぃ〜!!これ全部作ったの?シンちゃん?」
「俺が絶望の淵に立たされてる横でよく言えるな…」
「っで、要求はなんだったの?」
「この家で煙草を吸わせろ…それだけだ。」
「なぁ〜んだ、そんな事…勝手に吸えば?」
「なっ!?」
これも予想外だった。今まで意固地に喫煙を咎めていたのは何だったんだ!
俺は心の中で叫びそうになる。
「おっとこの子なんだからぁ〜、悪さの一つぐらい良いわよ。あっ!このチマキも美味しい〜」
「ちょっと待て,今までアレだけ言っていただろう!」
「ん〜、それはそれ、これはこれ…大人の世界理屈だけじゃ生きていけないわよ。」
「曖昧な言葉で場を濁すな…これでは俺がアホなガキじゃないか…」
「えっ?違うの?」
「さりげなく追い討ちをかけるな…まったく…調子が狂う…」
俺が子供だったとでも言いたそうな、ミサトの満面の笑みが…
何故か不快にも思えなかった。
俺は所詮ミサトの前では子供にしか過ぎないのだろうか?
疑問が俺の中を駆け巡る。
だが、不思議と対抗心や否定願望で満ち溢れなかった…
少なくとも、今までの俺ならばそう感じていただろうが…
何故か安心感を覚える。そして俺は食事を始めた。
125熱血シンジ:01/11/01 12:04
「ごっ馳走さまぁ〜」
ミサトの満足げな声が夕食に終止符を打つ。
「まってろ、今お茶を入れるから」
俺は食後のお茶を用意する。
ポットにウーロン茶の葉をスプーン2・3杯入れ、
沸騰しそれを適度に冷ましたお湯を入れる。
それをカップに注ぎ込み、そこに砂糖を少量入れる。
「ちょっと!何で砂糖いれんのよ!?」
ミサトが横で茶々を入れて来る。
「なんだ?日本じゃこうしないのか? まぁ、騙されたと思って飲んで見ろよ。」
俺は静かに宥めると、茶をテーブルに盛っていく。
「あら、ホント、以外にイケルわね。」
ミサトは茶をすすりながら言葉通り意外そうに言った。
「脂っ毛の多い物の後はこれが一番サッパリする。タバコ吸うぞ…」
「どうぞ,ご自由にぃ〜あっ!換気扇つけてねぇ〜部屋に匂いがついちゃうから
ミサトは何も気にしないかのように言ったが……
この部屋を掃除したのが俺である事を知っているのだろうか…
いやっ、それ以前に…部屋が綺麗になっている事に違和感を覚えないのだろうか…
俺はそう自問自答しながら、自室から煙草を取り出しに行く。
席に戻り、煙草を一服付ける…
何度も言うが最高の一時だ。心が洗われる…
ミサトが風呂を心の洗濯と称するなら、煙草は心の清涼剤だな…
と一人思いながら煙草を吹かす。
「あっ、まったりしてる所だけど、言い忘れたことがあるわ。」
ミサトが何かを差し出しながらそう言った。
「ん?なんだこれは?」
「携帯電話よ。はい。」
そう手渡すと、ミサトは説明を入れる。
「これで随時連絡取るから、肌身放さず持っといてね。それと、明日からの学校の住所と…
 ネルフ本部での操縦テストの予定表ね。はい。」
「なんだか、明日から忙しくなりそうだな…」
「まぁ、一応也にも平和守ってんだし、しょうがないんじゃないの?」
「…それはそうだが…」
何はともあれ、忙しくなりそうだ…だが、そう言うのも悪くは無い。

そうして,俺の長い様で短い一日が終った。
126熱血シンジ:01/11/01 12:08
と言うわけで、プロローグ終了っと、
って、これ面白いの?
全然自信無いしスレの方向性変わったけど…
まぁ、良いか。
127 :01/11/01 12:29
女シンジ萌えにゅv
激しく遅レスだが、109は大昔のMADテープのネタと思われ。
129熱血シンジ:01/11/01 16:04
今日から俺は学校に行かなければいけない。
最も今まで在学経験ゼロの俺にとって、どのような場所なのかは聞いたぐらいだ。
俺にとっての晴れ舞台、清清しい朝であって欲しい物だ。
俺はカーテンを開け外の景色を一望する。

………雨だ…しかも激しい雷雨だった…

第1話 転校生は熱血パイロット?

こんな物だな…と、俺は一人でガッカリしながらリビングに向かう。
午前5時、トレーニングウェアに着替え、履き慣れたスニーカーを履き、
雨の中外に出る。
毎日欠かさなかった朝のトレーニングの再開だ。
一時間ほどマンションの周囲を走り終わると、
近くの空き地で型の練習をする。
一手、一足力を込め、あらゆる場面を想定し身体を臨機応変に対応できる様慣れさせる。
これを一日でも怠ると判断力が鈍ってしまう。
その後に筋力増強のトレーニングに移る。
筋肉が疲労に叫びを上げるまで、ただひたすら同じ行動の繰り返しだ。
一段落付くと、俺は部屋に戻りシャワーを浴びた。
冷え、疲れた身体に熱いシャワーが程よく馴染むと、俺は風呂場を出た。
そして、台所で鍋に水を張り火を付けたのを確認すると、
リビングで朝のTVを見ながら一服する。
鍋のお湯が沸騰した音を確認すると、煙草の火を消し台所に向かう。
沸騰したお湯に塩を入れ、卵を割って入れ暫く待つ。
その間レタスを手ごろなサイズに千切り、器に盛る。
タマゴを取り出すと、ポーチドエッグの完成だ。
そして食パンをトーストし、バナナとヨーグルトをミキサーに入れミックスする。
これで簡単な朝食の完成だ。
朝食をダイニングテーブルに並べると、ミサトを起こしに部屋の前へ立つ。
130熱血シンジ:01/11/01 16:05
激しくノックすると、
「もうちょっと寝かせてぇ〜」
と予想通りの返答が返って来る。
「グダグダ言ってないで早く起きろ!飯が冷めるだろ!!」
俺がそう言うとミサトは床を這いながら部屋を出て来る。
化粧を落したそのノッペリ顔に、寝起きが拍車をかけ、
より一層間抜けに見せる。
「ほら!飯が出来たぞ。早く起きろ。」
「ふぁぁ〜い…」
返事とも言えない返事をすると、ミサトはダイニングテーブルに座り目を擦る。
「ちょっ、ちょっと何!?これっ?」
さっきまで寝惚けていたと思うと、行き成り大声で驚き始めた。
「なにって、朝食以外に何に見える?」
「うっわぁ〜、ドラマみたいね。シンちゃん最高!」
「チャカすなら食うな…まったく…ん?どうした?」
ミサトはさっきまでのダラケさが嘘のような勢いで席を立つと台所に向かう。
「おいっ、ここに揃ってるぞ。バターも牛乳も…」
俺が言い終わろうとした瞬間、ミサトの手に握られている物を見て度肝を抜いた。
「やっぱ、朝はビールよねぇ〜」
「朝からビールか…オメデテ〜な…」
「それじゃ、いっただっきまぁ〜す!」
俺の皮肉を軽く無視すると、朝食を取り始めるミサトを見、
俺は苦笑する。
朝食も終り、腹に馴染んできた頃、
俺は学校に行く準備をし始めた。
不幸にも制服がまだ届いていない為、普段着での登校となるが、
まぁ、何でも良いだろう。そう思っていると、
ミサトが部屋をノックする。
「なんだ?まだ食い足りないのか?」
そう言いながらドアを開けると、ミサトのブレザーを持ちながら得意げな顔で立っていた。
「どうしたんだ?そんな物もって?」
「ちょっちねぇ〜、初登校で私服ってのも芸が無いし、
 女性物でもシンちゃん小柄だからフェイク効くかと思ってぇ〜」
なかなか良い所があるみたいだ。今までが今までなだけに少し嬉しかったが…
色を見て前言撤回の準備をした。
131熱血シンジ:01/11/01 16:06
「何を思って…赤と緑なんだ?」
「えっ?駄目?」
「旧世代の怪盗アニメじゃあるまいし…こんな物着れるかぁ!!」
ミサトはむっとしながら、
「良いこと、シンジ君…人様の行為を無駄にすると…痛い目にあうわよ。」
「色見てから言え!色!」
「赤と緑だけど…どうかした?」
「いやっ、もう良い…一人にしてくれ…」
「冗談よ冗談、こっちよこっち、ほら、黒のパンツに白のワイシャツ。はい。」
ミサトはそう言うと、後ろから畳まれた衣類を持って来る。
「何だったんだ…赤と緑は…」
「う〜ん、強いて言えばぁ〜フリかしら?」
「……取り合えず、ありがとうと言っておくよ。」
「それよりも早く着てみなさいよ。サイズ合うかどうかわかんないでしょう?」
「ああっ、解った…」
ドアを閉じ、試着して見たが…ズボンが思いのほか小さく入らなかった。
「どう?…あっちゃぁ〜やっぱ入らないかぁ〜」
「しょうがない…Gパンで行くよ。シャツは借りておくが、良いのか本当に?」
「良いの良いの、子供は遠慮しない!」
「そうか、ありがとう。」
「あぁ〜ら、可愛らしいじゃない。アッメリカァ〜ンなスタイルね。変じゃないわよ。
 アメリカなら…」
「最後の言葉が滅茶苦茶気になるが…初日だし…どうでも良い…」
時計にふと目をやると、もうそろそろ出発の時間だ。
「そろそろ行くよ。時間が無い。」
「あっ、ちょっと待ってて、車で送って行くわ。」
「いやっ、遠慮する…荒い運転はごめんだからな。」
「大丈夫よ、もう一般者走ってるから無茶できないし、もうする必要無いでしょ?」
ミサトは小さくウィンクすると、鼻歌交じりに自室へと入って行った。
俺は暫くリビングで煙草を吹かしながら待つ事にした。
14〜5分後、ミサトはさっきまでのだらしなさとは大きく異なったスーツ姿で出てきた。
ミサトは年甲斐も無くくるりと回転すると、
「どう?」
と言っている。無視した方が良いのだろうか?
俺は一人自問自答を繰り返す…
そして、
「何のつもりなんだ?送っていくだけだろう?」
「なぁ〜に言ってんの、先生方に挨拶しないとね。保護者として。」
ミサトがそれを言い終わった瞬間、近くに雷が落ちた。
132熱血シンジ:01/11/01 16:08
と言うか…
ワードで書いてたら、
原稿用紙20枚飛んじまったよ、
こんな大量のデータ送ると迷惑だな…
暫く自粛。
133名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 23:15
熱血なのか?
タバコ吸ってるけど
134名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/01 23:26
熱血つーより、単に粗暴なだけと言う気も…
135熱血シンジ:01/11/02 02:01
>134
ただ単に今までの熱血なら芸が無いから、
周りから熱血と思われながら、
まぁ、それも悪く無いか…と言う妥協の中で呆れる
主人公を描きたいのです。
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/02 07:31
悪く無いとは思いますが……
熱血というより、クールのキャラに感じてしまうのは何故でしょう。
137熱血シンジ:01/11/02 09:57
>136
正直僕もそれは…
今更スレタイトル変えられないし…
無理にでもこじつけた結果が有るけど、
毎日ちょっとずつ上げていきます。
138熱血シンジ:01/11/02 09:59
ミサトが車を走らせてくれたお陰で、雨に打たれず学校に到着できた。
以外にも運転はまともだった為に、激しく車酔いはしなかったが…
車内で学校とは何か、友達とは何か、について散々世間話をされた…
学校内の車庫入れの際、行き成りミサトは、
「シンちゃん、行くわよっ!」
と言った瞬間、180度回転ドリフト駐車をかまされた時は死ぬかと思ったが、
まぁ、実際こうして立つ事が出来ている。
近くの生徒に職員室の場所を聞くと、ミサトと共にそこへ向かった。
一人の男が此方に気付き声をかけて来る。
「失礼ですが、どちら様で?」
丁寧な対応にミサトは、
「碇シンジの保護者の葛城ミサトといいます。以後お見知り御気を…」
っと、被っている帽子を胸に下ろしお辞儀してそう言った。
何処の貴族のつもりだ。っと、心の中で呟き、俺も自己紹介をする。
「俺の名前は…」
っと、自己紹介をし様とした瞬間、ミサトが鞄で見えない様に脇腹を殴る。
「いってぇ!何するんだよ!」
俺は小言で言うと、
「アンタの喋り方も性格も、ここじゃ不味いのよ。ちょっとは演技なさい!」
と小言で言ってくる。
ここで問答していてもしょうがない。取り合えず、丁寧に挨拶をする事にした。
「えっと、僕の名前は碇シンジです。宜しくお願いします。」
少々棒読みがかっていたが、これが精一杯だろう。
その至極不自然な会話を見ていた男は、丁寧に説明をくれる。
「あそこに座っている、白髪の先生がいるだろ?あれが君の担任になる先生だからね。
 失礼の無いように。」
「はい、解りました。」
俺は適当に返事を返す。
「もう少し時間があるから、校内を見学すると良いよ。8時30までにはここに戻って来るように」
「はい、」
そのやり取りを見ていたミサトが、
「それじゃ、この子の事宜しくお願いします。先生。」
っと、営業マンのようなスマイルで言い、職員室を出た。
139熱血シンジ:01/11/02 10:00
暫く歩き人通りの少ない場所に出ると、
「あぁ〜、おっかしかったぁ〜」
とミサトがけらけら笑い始めた。
「アンタがやれって言ったからやったんだ。笑うな!」
「あら?そうだったっけぇ〜」
っと、ミサトは適当に言い流した。
「アンタもアンタだ…何だあの媚びたような笑顔は…まったく…」
「人間関係を問題無くに進めたかったら、ちょっとは真似しなさい。でないと、異端児扱いされるわよ。
 日本じゃそう言うの嫌われるから…」
「アンタ…何気にシブイ事言うな…さすが30手前だ…」
というや否や、ミサトの鞄が遠心力と共に直撃する。
「てぇ〜、」
「シンジ君…今後はアンタじゃなくて、ミサトとかミサトさんとかミサト様で呼んで頂戴ね。」
と、やけに怪しい笑顔で微笑みかける。
「解ったよ、アンタには…」
また言い終わる寸前に鞄が飛んできた…

「それじゃ、私そろそろ仕事があるから、おっ先ィ〜、先生に宜しくね。」
「はいはい…解ったよ…」
俺はミサトが去っていくのを確認すると、先ほどの職員室へと向かった。
そして、先ほど指定された老人の所へと向かう。
「おおっ、君が碇シンジ君?」
老人の口からよぼよぼの声でそう質問された。
「はい、碇です。宜しくお願いします。」
俺は精一杯の礼儀で答えると、老人は、
「じゃ、そろそろ行こうか、付いてきなさい。」
と、引率されるまま付いていった。
外を見ると、さっきまでの雨が晴れ、雲の間から朝日が一線の様に指しかかっていた。
140名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/11/21 00:47
オイ、続きはどうした?
141葛城:01/11/30 16:23
期待age
おもしろいじゃん、熱血ってゆうかクールってゆうか・・・
なんにせよ面白い。・・・熱血レイ?怖・・・
142名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/08 01:56
やっぱり熱血レイには無理があったか?
じゃあ逆におしとやかアスカとかはどうよ?
ここはあげたほうがいいのかなぁ?
144名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/11 20:02
期待あげ
145名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/11 23:56
やはりトウジに殴られるのか?
146名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/19 00:19
頑張れあげ
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/26 19:15
mohitotuAGE
148名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/26 23:26
探偵ゲームの主役みたいなシンジだな。
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/12/26 23:30
>145
拳で漢の友情を確かめ合うのさ(w
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/04 23:54
murikanaAGE
151熱血シソジ:02/01/05 02:20
 学校、教室、全てが初めての体験だ。
 黒板の前の教壇に立つと、自分と同じ年頃の餓鬼共が、一斉に俺に視線を向ける。
「お・・・、僕は碇シンジです」
 つい、「俺」で一人称を名乗りそうになり、どもってしまった。
 すると男共は、嘲りを込めて「おいおい、緊張したかぁ」等と野次を飛ばすが、
女共からは「碇君、可愛いぃ〜」等と、居たたまれなくなる様な声が上がる。
「小さい頃に中国に渡り、最近戻ってきました。
 日本の事には不案内なので、よろしくお願いします」
 と頭を下げてみせる。
『ふぅ、やれやれだぜ・・・』
 既に一日分の忍耐力を使い果たしたような疲労感が、両肩にのしかかる。

 結局、HRは俺の紹介含めて授業時間に食い込んでいたが、
一時間目は担任の授業のため問題は無かった。
 むしろ、今も物珍しそうに俺へ視線を送る餓鬼共の質問攻めが、
一時間後に先送りされたことを感謝している。
 担任の催眠音波の様な授業に耳を傾けながら、
支給された端末の操作を確認してみる。
 長いこと中国の山奥で修行に明け暮れていた俺だが、
師匠・・・叔父は、俺がいずれ日本に戻ることを考え、
武術以外にも様々な知識・技術を、俺に叩き込んでくれた。
 コンピュータもその一つだ。
 しかし、当時は疑問にも思わなかったが、叔父は・・・何者だったのだろう?
 それ位、叔父が俺に教えた知識・技術は広範囲に渡っていた。
 とても山奥に隠遁した武術家に相応しいものではない・・・やはり謎だ。

 叔父についての考察が、深い迷宮へとどんどん入り込み、
なにやら怖い妄想へと変貌を遂げつつあったその時、端末の着信ランプが点灯する。
152熱血シソジ:02/01/05 20:35
 着信のマークをクリックすると、単なるメールではなくチャット用のウィンドウが開く。
[山中:碇くん、ヤッホー!]
[碇:・・・・・・・・・・・・・・・・](本当は表示されないんだけど、気分だね)
[山中:イカリクン!ヤッホー!!]
[碇:・・・・・・・・・・・・・・・やっほう]
 ・・・最近、他人に流されやすくなっている自分に嫌悪感すら沸いてくる。
[山中:碇君、右斜め前を見て]
 ディスプレイから視線を外し、言われた方を向いてみる。
 こちらに首を捻って、手を振っている女が居た。
 何が嬉しいのか『ニカッ!』・・・断じて『ニコッ』ではない・・・と笑みをたたえている。
 つられて、こちらも手を振ると・・・もう何も言わないでくれ・・・女は端末のキーを叩き始める。
[山中:もしかして、碇君があのロボットのパイロット?]
「っ!」
 声こそ上げなかったものの、貌に動揺が浮かぶのは隠せ切れなかった。
 しかし、女もディスプレイを見ていた筈・・・・・・って、見てやがった、あの女。
「え〜っ!やっぱり本当だったの?!」
 その後のことは・・・聞かないでおいてくれ・・・頼むから。
153ろーしょん:02/01/05 20:56
がんばれや
                     キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
155熱血シソジ:02/01/05 22:35
・・・偽者だけどね。
これは、誰かを騙すためだけに書きました。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・これくらい誤ればいいかな?

最初の分を書いてから半日以上放置され、
悲しくてなりながら、付け足しを書いたのだが、
それすらも、放置されてしまい、寂しくて死にそうでした。
騙されてくれてありがとう!
君たちのお陰で、明日も生きていけそうな気がする。
156熱血シソジ:02/01/05 23:31
偽者の、熱血シ「ソ」ジですが、もう少し続きも在るので、
書き込んでおきます。
・・・1は凄いわ、あのペースは真似できない。


 放課後、俺は校舎裏に呼び出しを食らった。
 別に驚きはしなかった、『やはり』と思っただけだ。
 授業中ずっと俺に張り付いていた視線の中に、
一つだけ他とは違う温度の視線が含まれていた。
 殺気とは違う、もっと熱く重い・・・そう怒気という奴だ。

 学校と言うのはこんな物なのだろうか?
 思ったより、遥かに人の数が少ない。
 まして校舎裏に向かう俺は、誰ともすれ違うことなく校舎裏に出た。
『・・・いた』
 相手は既に校舎裏で俺を待ち構えていた。
『やはり、黒ジャージ・・・・それとメガネ君か』
 以降、奴らは黒ジャージとメガネ君だ。そうとしか呼ばない。

 黒ジャージは正面から俺を睨み付け、まっすぐ歩み寄ってくる。
「確認しておくぞ転校生ぃ、お前がパイロットなんだな!」
 俺の胸倉をつかみ上げる。
 こういう時、俺の全身の血液が冷めていく、(1の時からそうだが、熱血は何処へ逝った)
頭の奥で何かのスィッチが入るのだ、唇の右端が吊上がっていく、
親父・・・ゲンドウが浮かべるのと同じ笑みだ、俺が嫌で嫌でたまらない笑みだ。
157横槍(154):02/01/06 00:09

偽者ォ?知るか!関係ない!サルベージしたお前はけっこう神!そして暫定本物!あと英雄!
158熱血シソジ:02/01/06 00:46
俺がサルベージした訳じゃないよ。
150がageたんだよ、それで初めて読んだのだが、結構気に入ってしまった。
しかし、二ヶ月前から連載中止状態なので魔が差しました。

俺は現在訳ありで、毎日が日曜日なプログラマだから、
本物が帰って来るまで(または、日曜日が終わるまで)チョコチョコ書き込むけど、
最後までは責任取れません・・・では続き。(今日はこれで寝る)

 いっそのこと、「いや違う」と答えるのも面白いと、思わないでもなかったが、
この時は、口よりも手が先に動いた。
 俺の胸倉を掴む、黒ジャージの右手に、俺の左手を上から添える。
 俺が腕を振り解こうとしたと勘違いした黒ジャージは、右手に更に力を込める。
 薬指と中指の間に、奴の手首を挟みこみ、人差し指で親指の付け根をホールドすると、
自分の親指で奴の親指を下に押し込んでやる。
 黒ジャージが、あっさりと外された自分の右手に気付いた時には、
既に右手の親指は完全に極まっていた。
「動くな!・・・へし折るぞ」
 この時、指に力を込めるのは勿論だが、手首に力を入れてはいけない。
 相手が手首を捻れば簡単に外れてしまう・・・勿論、俺に抜かりは無いがな。

 だが、この黒ジャージは、素人じゃない・・・いや、素人だが喧嘩慣れしてやがる。
反撃と同時に、右手の手首を返し、俺が折りに行ったタイミングを外したのだ。
 俺は左手に手刀を貰い、黒ジャージの鼻に俺の掌底が入った。
『ほう・・・』
 鼻面に掌底を貰って、一瞬たりとも視線をそらさない・・・燃える炎のような眼差しを。
 俺は黒ジャージに興味が沸いてきた・・・こいつは名前で呼ぶ必要のある漢だ。
159名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/06 13:31
本文とコメントを一緒に書くなよ。
透明あぼ〜んしてたのに。
160熱血シソジ:02/01/06 14:16
 バックステップで奴との間合いを取ると構えを解く。
「おい、黒ジャージ・・・名前はなんだ?」
 思いがけない俺の言動に、一瞬驚きの表情を浮かべる黒ジャージ。
「・・・・・・な、何やてぇ?誰が黒ジャージじゃ!」
「・・・だって黒ジャージじゃん・・・」
 メガネ本人は小さく呟いたつもりかもしれないが、
その声は人気の無い校舎裏では意外に大きく響いて、俺や黒ジャージの耳に届いた。
「クェンスケェ〜、ワシが黒ジャージなら、ワレはメガネじゃ!」
 ・・・何にせよ、俺の第一印象に間違いないのが、たった今証明された。
「酷いよトウジ、メガネかけてる人間は僕だけじゃないけど、
 毎日、黒ジャージを一日中着てる変わり者はトウジだけだよ」
 ・・・毎日?一日中?・・・こいつの将来は体育教師以外ないな・・・がんばれトウジ。
 どつき漫才を繰り広げそうな二人を眺めながら、俺は血液が少し温かくなっていくのを感じた。

「漫才はもういい、トウジ!俺があのロボットのパイロットならどうするんだ?」
 トウジの顔が、最初の怒りに満ちた顔に戻る。
「・・・お前が、お前がパイロットなら、ワシはお前を殴らなあかん」
「・・・何故だ?」
「貴様のせいで、俺が初号機のパイロットから外されたからだ!」
161熱血シソジ:02/01/06 15:36
 黒ジャージ・・・トウジがパイロット?
「ワシは、ある組織にスカウトされ、あのロボット・・・エヴァンゲリオンの、
 パイロット候補生として訓練を受けてきたんや・・・・・・」
 流れ出る鼻血を右手の甲で拭う。
「ワシは、正式なパイロットじゃない。ナンバーすら与えられていない。
 だがな、正パイロットの不在と零号機のパイロットの負傷で、
 ワシは初号機の暫定パイロットとして訓練してきた・・・もうじきナンバーを与えられる筈だった。
 それを、いざ戦闘となった時に、本物が来たので、もうあんたに用は在りません。
 しかも、正式パイロットへの昇進も見送り。それで納得がいくか?わしはピエロか?」
 なるほど、トウジの言い分も判るが、それで俺が恨まれるのも理不尽な話だ。
「・・・俺は、いきなり香港から連れて来られて、訓練も受けていない」
 トウジの両方の鼻の穴から鼻血がどっと流れる・・・面白い。
「な、なんやて?貴様は、どこぞの支部からか来たんじゃないんか?」
「支部?大体、イメージ通り動くロボットを動かすのに、訓練が必要な
のか?」
 トウジは茫然自失の体で呈で、膝から地面に崩れ落ちる。
「・・・は・・・はっはっ、はははぁ、やっぱり、ワシはピエロじゃ・・・ワシはピエロじゃ!!」
 血を吐くようなトウジの怒声・・・泣いている、漢が泣いている。
「・・・トウジ、いつでも相手になる・・・じゃあな」
 立ち去る俺の背中で、メガネ君がトウジに駆け寄る。
 俺は何かを思い出したように振り替えり、メガネ君を指差す。
「お前はメガネ君のままだからな、わかったかメガネ君!」
 訳の判らないまま、頭の上に『???』を浮かべるメガネ君を無視して、
今度こそ立ち去るのであった。
162熱血シソジ:02/01/06 15:37
>>159
透明あぼ〜んって何?
>>162
教えてクソ氏ね
あぼ〜ん機能
 コピペ荒らしなど、邪魔で不要なレスがあったら、「あぼ〜ん」してしまいましょう。
 レス表示欄内の邪魔なレスの番号をクリックすると、ポップアップメニューが表示されます。
 そこで「あぼ〜ん」「透明あぼ〜ん」を選べばOK。
あぼ〜ん
 名前、メール、投稿日が「あぼ〜ん」に書き変わり、レス本文は消えます。
透明あぼ〜ん
 そのレスは表示されなくなります。
★『2ちゃんねる』の削除人が削除したものは「あぼーん」、かちゅ〜しゃのは「あぼ〜ん」です。
★かちゅ〜しゃの「あぼ〜ん」「透明あぼ〜ん」は、受信ログとして保存されたローカルデータに対する操作で、
実際のサーバにある本データを改変するものではありません。

かちゅ〜しゃヘルプより抜粋
165熱血シソジ:02/01/06 20:30
>>164
ありがとう
なるほど、意味が判りました。
166名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/06 22:51
本物より良いな…
167熱血シソジ:02/01/06 23:11
あのまま戦い続けても、俺は勝っていただろう・・・驕りでもなんでもなく。
 だが、もう一人、奴と同じ実力の人間と戦えば・・・・。
 ・・・俺はトウジに継戦能力を奪われたのだ・・・何の技術も無い、ただの喧嘩自慢の素人に。
 俺の今までの修行は何だったのだ?
 俺は俺が思っているより強くないのか?
 ・・・ちがう、奴が・・・トウジが強いのだ・・・そして、俺より強い奴は、まだまだ強い奴がいる。
 どす黒く晴れ上がった左手首・・・面白い。
 動かそうとするだけで激痛が走る・・・実に面白い。
『世界は、まだ、俺が挑み闘い続けることを許容してくれているのだ』
『強くなりたい・・・今よりも強く』

 途中スーパーと薬局に寄り、買い物を済ますと、そのまま帰宅した。
「黄柏に接骨木・・・こんなものか、山梔子は風呂に入れて」(それぞれ、打ち身に効果あり)
 左手首の治療が一通り終わると、薬局の袋に残った瓶を取り出し、一人笑みを浮かべる。

 午後六時、ミサトが帰宅した。
「シンジ君、たっだいまぁ〜」
 今日の晩飯は辣湯肉片・・・左手が使えないので、鍋料理だと思ってくれれば良い。
 ・・・ミサトは酒飲みだ、辛いものが嫌いと言うこともないだろう。
「今日のご飯は何?いい匂いさせてるじゃない」
 ミサトはリビングに入ってくるなり、すぐキッチンを覗き込む。
「・・・あれ?シンジ君、なんで長袖なんて着て、どうしたの?」
「・・・ちょっと寒気がしただけだ、なんでもない」
 誤魔化したつもりだったが、ミサトは素早く俺の隣に立つと、右の袖を捲り上げた。
 ・・・鋭いな、見た目に騙されそうになるが、馬鹿じゃないんだこの女は。
「・・・残念でした、こっちだ」
 左手を持ち上げ、袖をめくってみせる。
168熱血シソジ:02/01/06 23:21
>>166
否!
本物は、基本的に直書き込みですが、
こっちはワードパットで書いています。

こちらはEVAはリアルタイムで一回観ただけなので、
書いていてペースが上がりません。
勉強のために、近所のレンタルビデオ屋に行ったのですが、
前半部分が置いてなくて10話以降を観ている始末。

季節的に長袖は当たり前じゃないか?
ミサトの家は、リビングとキッチンが別れていたか?
気になってしょうがないんだけど、
諦めてそのまま書いてしまったり。

>>164
お陰様で、本物の文章を読むのが楽になりました。
169熱血シソジ:02/01/07 13:49
「・・・そう、鈴原君と・・・」
 事情を聴き終えたミサトは複雑な表情を浮かべる・・・が、
次の瞬間、何時の間にか冷蔵庫から取り出したビールを、
さも美味そうに、一気に飲み干すミサト。
『何が本音なのか読ませない女だな』
 ミサトを前にした時の居心地の悪さは、
明確な上下関係を築くこと無しに、上手くイニシアチブをとられ続けている
自分への苛立ちなのだろう・・・と結論付けることで、安心する自分が情けない・・・
 ・・・いや、負けることは構わない、負け続けることを許容する自分が許せないのだ。
 敵を知り、己を知る者は百戦し百勝す・・・これは勝利への第一歩だ・・・いや、ほんと。

「トウジの話は本当なのか?・・・もっとも、奴が嘘をついているとは思えないが」
 俺からミサトへ軽い先制のジャブだ。
「そうね、本当よ・・・ぜぇ〜んぶ本当・・・酷いでしょ?」
 一瞬、頷きそうになったが、それを飲み込む。
「・・・何か理由があるんだろ」
「ふ〜ん、優しいんだぁ〜シンジ君」
 『優しいんだ』は本音だと感じた・・・ほんの少し、他の言葉より暖かい。
 ・・・しかし・・・それだけに・・・照れる。
「・・・! あ〜れぇ?シンジ君ったら、顔赤いわよ〜」
『ウッ!』
「照れちゃってさぁ・・・・・・あぁ可愛いぞこん畜生ぅ!」
 いきなり抱きついて、頬擦りをかますミサト。
「や、止めろっ!何でビール一杯で酔っ払って・・・離せって・・・」
 振り払おうとするが、どうにも本気で力を入れる気になれない。
 ・・・本当はわかっていたんだ、他人と接することに慣れていない自分。
 長い、叔父との二人だけの生活は、他者との関係を学ぶには最悪の環境だった。
実際、俺に様々な事を仕込んでくれた、叔父自身も人と接することに関しては不器用者だった。
 他人に臆病なくせに、人の温もりを求めずには居られない自分。
 居心地の悪さは、俺自身の葛藤・・・捨て去ってしまえるなら、どれほど楽なことだろう。
170熱血シソジ:02/01/07 14:34
「そうそう鈴原君ね、そういえば今日決まったわ」
 ビール片手に白菜と肉を摘みながら・・・米も食え・・・いきなり話し始める。
「・・・・・・・・・何が?」
 口の中の物を飲み下して応じる。
「彼ねぇ、フォースチルドレンとして、正パイロットに昇格したの」
 驚く俺に、ミサトは『ニヤリ』と笑みを返す・・・頼む、誰か俺のために『にこっ』っと笑ってくれ。
「さっきね、私が『酷いでしょ?』って聞いた時、シンちゃんが『うん』って答えたら、
 思いっきり苛めてあげようと思ったのになぁ〜」
『ナイスだ俺!よくやった俺!俺様万歳!!!』
 心の中でガッツポーズを極める一方・・・誰が『シンちゃん』だ・・・いや、それでない疑問が浮かぶ。
「俺がセカンドなのに、どうしてトウジがフォースだ?・・・別に誰か選定されたのか?」
 俺の質問に、ミサトはカナリヤを咥えた猫のような笑みを浮かべる。
「へへぇ、シンちゃん知りたい?知りたいよねぇ〜、教えて欲しければ、私の言うこと・・・・」
「いや、どうでもいい」
 ミサトの台詞を遮って拒絶する。
「えっ?」
「トウジが念願かなってナンバー貰えたんだろ?それでいいじゃないか」
 どうやら、ミサトから一本取り返しに成功したみたいだ。
「えぇぇぇ、『どうでもいい』ってそれはないでしょ?シンちゃんにも関係あることよ」
 ビールごと左手をテーブルに叩きつけて、身を乗り出す・・・あぁ、鍋に唾が・・・。
「ねぇ、聞いてよ、聞いてってば!」
 ダダをこねるミサトに俺は・・・。
「そうだな、聞いて欲しければ、俺の言うこと・・・・」
「くぉらっシンジ!ふっざけてんじゃないわよぅ!!」
 テーブルの上に膝を乗せて身を乗り出し、俺の首を締め出す・・・あぁ、鍋にビールの缶が・・・。
171熱血シソジ:02/01/07 19:00
「・・・というわけで、シンちゃんは初号機の起動を成功させた段階で、
 正パイロット、チルドレンと認められた訳なんだけど、
 タッチの差で、ドイツの弐号機のパイロットがセカンドチルドレンに決定したの、
 だから、シンちゃんはセカンドじゃなく、サードチルドレン」
「そして、参号機のパイロットとして鈴原君がフォースチルドレンとなったわけ・・・わかった?」
 ・・・ミサトが暴れた後始末をする、俺の背中へ話し掛けていた説明が終わった。
 ・・・後始末はまだ終わってないけどな。
「ふ〜ん、それで、ファーストとセカンドにはいつ会えるんだ?」
「レイ、ファーストチルドレンは・・・三日後に退院だから、今週中には会えるわよ」
 一番でゼロか・・・変な名前だと思いながらも、俺は男の名前だと思っていた。
「セカンドチルドレンのアスカは・・・う〜ん、いつこっちに来るかは、まだ判らないわ」
 アスカ・・・俺は昔の歌手の名前を思い出し、何の根拠もなく男の名前だと確信した。
「・・・そいつらは、トウジより強いのか?」
 俺の質問にミサトは間抜けた表情を浮かべる。
「・・・何いってるのシンちゃん。二人とも女の子よ」
「・・・・・・へっ?」
 多分、今の俺は凄く間抜けな顔になっていることだろう。
「駄目よシンちゃん、女の子には優しくしないと・・・嫌われちゃうぞ」
 ・・・その後のことは良く覚えていない、後片付けを済ますと、風呂も入らず寝てしまった。

・・・続く。
172熱血シソジ:02/01/07 19:30
本物にどういう意図があったのか判りませんが、
シンジはサードチルドレンとし、
アスカをセカンドチルドレンとして復活させました。
更に、醒める一方のシンジを少しは熱血に方向修正しました。

しかし、二話以降の方針が決まってません。
綾波レイのことです・・・熱血レイという話もありますが・・・。
誰かアイデアを下さい。
本物は帰ってきて下さい。
なかなかいいじゃん。おもしろいよ。
トウジがもうパイロットって事は妹はケガしてないのかなぁ?

とにかく、期待しているのでじっくり考えて、そのうちに本物が来るかもしれないし(w
174名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/07 20:59
>>「・・・そいつらは、トウジより強いのか?」
この部分に初めて燃える闘魂を感じた(w

とりあえずレイのキャラ案
そのまま 熱血 やさぐれ サイコ 天然 女王 ヲタク

他にある? 
175熱血シソジ:02/01/07 22:01
>>173
この話は完全一人称で進めているので、(本物も)
そこを描写する機会があるか判りませんが、
私の中では、トウジは、やはり妹のためにエヴァに乗っています。
トウジはそういう漢です。

>>174
私的には綾波を二重人格にするアイデアもあったのですが、
今でさえ、ナンセンスに走りつつある私が(真面目な話は肩凝っちゃう)
愉快な設定を与えられると・・・そりゃ凄いことに。

・・・いいなぁやさぐれ、ふらっと旅に出て、使徒が現れても、
戻ってこないの・・・駄目だ駄目だ!
とりあえず、天然とヲタクあたりを考えて見ます。
176熱血シソジ:02/01/08 18:28
 土曜日の朝。
 朝食後、食器を洗う俺の背中にミサトが話し掛ける。
「シンちゃん、今日は午後からテストがあるから、忘れずに学校終わったら本部に来て頂戴。
 ・・・それに、今日は学校でレイに会えるわよん」
「・・・あぁ、そういう人も居たね(ジャブジャブ)」
 完全にテンションの上がらない俺。
「何よぅ、シンちゃんが気にしていたから教えてあげたのにぃ」
「いや、・・・ちっとも(ジャーーーーー)」
 やる気の無いのを隠す気すらない俺。
「・・・どうしたのシンちゃん?もしかして、朝ごはんが美味しくなかったとか?」
「ピク・・・・・・・・・(キュッキュッ)」
 黙殺。
「言いたい事があるなら、はっきり言いなさい、男の子でしょ!」
 俺の中の何かが、音をたてて切れた。
「・・・どうして俺が一週間も、一人で家事一切をやらなきゃならないんだ?
 おかしくないか?朝ごはんが美味しくなかっただと?俺が作ったんだ!
 何故だ?何故俺がやるんだ?どうしてあんたは当たり前の顔してるんだ?
 俺はあんたに養って貰ってる訳でもない!どうしてあんたがやらないんだ?」
 堰を切ったように、この一週間に溜まった不満をぶちまける。
「・・・・・・・・・どうしてって?」
 まるで、俺に理不尽に罵られたみたいな表情で驚く。
「・・・そうねぇ・・・私には家事は出来ないから!」
 何の罪悪感も無い、天使如き笑顔で答えるミサトであった。
「・・・・・・いいんだけどさ・・・どうでも・・・」

第2話 碇せんせい大弱りの巻

 この街での新しい生活を始めてから、たびたび俺は自分へ問い掛ける。
 毎日の家事・・・それは良い、叔父の下に居た時も、家事一切は俺がやっていた。
 学校・・・別にどうってことはない、トウジとメガネ君以外には、パイロット云々はともかく、
猫を被った俺の、本当の顔を知られていない。
 猫を被って偽りの自分を演じる事に苦痛は無い、黒社会の殺し屋をやっていたときも、
子供の振りをして標的に接近し、目的を果たしてきた。
 ましてや、あのロボットに乗り使徒とやらと闘うのは、報酬のことを除いても俺の好みだ。
 問題はミサトだ、あいつの側にいると俺が俺でなくなっていく。
 ミサトと馴れ合ってしまう自分・・・それを否定しない自分・・・今までとは違う自分。
 もし、俺が今までの自分を好きでいられたら、変わり行く自分を否定することが出来るだろう。
 もし、心に理想の自分を描く事が出来るなら、変わり行く自分を前向きに考えるだろう。
 ・・・今日も答えを見出すことが出来ぬまま、学校の門をくぐる。

「いよぅ、せんせい〜!」
 教室に入ると、昇格決定以来、人が変わったように陽気なトウジが声をかけてくる。
 多少軽薄な態度の奥に、大切な人間のためにエヴァに乗るこいつの固い決意を俺は知っている。
「おはよう鈴原君」
 意識して明朗快活に返事をするが、俺の本性の一部を垣間見ているトウジは、
酷く含みのある表情を浮かべやがる・・・少しはこっち合わせろ馬鹿め。
 クラスの連中は、トウジが俺を、先生呼ばわりする理由をパイロットの中での、
微妙な序列と捉えてるようだが・・・それもあるが・・・誤解を解くつもりは全く無い。
「せんせい、なぁ見てみぃ」
 俺の席の前に陣取り、跨るように反対に座ったトウジが、俺の右側の席を指差す。
 俺の席から二つ席を挟んだ窓際の席、誰も座っているところを見たことの無い席に、
奇妙な風体の人物が・・・寝ていた。
 不自然なほど・・・血管が透けるどころか、流れる血液が見えるような白い肌、
そして脱色なんてものでなく、造り物の鬘のような白髪・・・瞳の色こそ伺えないが・・・
「・・・アルピノか?」
「そうや、そしてあれが、ファーストチルドレン。綾波レイや」
 俺は視線を外すことが出来なかった・・・ファーストチルドレンの口元から流れる涎から・・・
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/08 22:58
熱血にかっても家事当番か…
アスカに家庭的になってもらうか?
178 :02/01/08 23:02
ページ作ってくれ。なんだか面白くなってきたから。
熱血はいいけどスーパーなシンジは受け付けないんで、ココ読んでないんだけど、
アスカ案。

「まぁっ、アナタがシンジ様!?はじめましてですの〜」
「な、なんなんだお前!」
「わたくし、セカンドチルドレンの惣流=アスカ=ラングレーと申しますのっ。
以後、お見知りおきを(ひらり・・・カツッ」
突然現れたガイジンに驚く俺に、そいつはまるで昔の映画に出てくるプリンセスのように
スカートの裾を持ち上げた。
「・・・どこで日本語覚えたんだよ・・・」
「あらっ、加持さまに、間違いがあるハズありませんわぁ〜
シンジ様こそ、そのような乱暴な口調、アスカ、コワイですわ・・・きゃっ」

夕方のロボットアニメノリでいくならここまでやっちゃえば?
さもありなん。
マジでボケボケキャラか猫被ってるのかはどっちでもいいと思うけど。
180熱血シソジ:02/01/09 10:27
「・・・何で寝てるんだ?」
「さぁ?・・・いつものことや」
「・・・いつもなのか?」
「そうや」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・涎、よく流れてるな」
「いつものことや」
「・・・そうか・・・・」
 何というか・・・まともな人間は居ないのか?俺の周囲には・・・
 ・・・ふと引っかかる事があった。
「トウジ、お前から見て、俺が毎日している奇行ってあるか?」
「きこう?」
「奇妙な行動だ」
 するとトウジは嫌な笑みを・・・擬音的表現では『ニマ〜』である・・・いや、どうでも良いんだ。
 ・・・や、やはり俺にもあるのか?トウジの黒ジャージや、この女のような奇行が、
あのロボットのパイロットの適正基準には、もしかすると、かなり失礼な項目でもあるのか?
「知りたいかぁ、せんせい?」
 動揺を隠し切れない俺に、勿体つけてトウジ・・・こん畜生!
 しかし、背に腹は代えられぬ。
「・・・し、知りたい・・・頼むトウジ、教えてくれ」
 いやいやだが頭を下げる。
「ワシは、せんせいが学校で、普通の振りしてるの可笑しくてたまらんわ」
 声をひそめて・・・目は笑ってる。
「・・・・・・・・・他には?」
「・・・他?他には何かあったかいな?」
「・・・そうか、思い当たる節は無いんだな?」
 俺の言葉のトーンと表情の微妙な変化から剣呑なものを感じたのだろう飛びのこうとする・・・が、
それより先に、背もたれとパイプの隙間を抜けて俺の蹴りがトウジの下腹部を捉える。
「げふっ」
 呻き声と共に後ろにひっくり返るトウジに、俺はさも驚いたように駆け寄り、
クラスの連中の手前、心にも無い台詞を吐いてみせる。
「トウジ、大丈夫かい?」
「・・・ぉぼえてろぅ・・・・」
 ・・・トウジは死んだ。
181熱血シソジ:02/01/09 10:28
 綾波レイはその後も・・・授業が終わるまで居眠りを続けた。
 俺は、広がり続ける涎の海を見るうちに、『何処まで大きくなる?』という期待感に胸膨らませ、
とても授業に身が入らなかったが、他の連中は慣れているのか「今日のは小さいね」だそうだ。
 放課後、トウジは綾波の席に歩み寄ると、いきなり椅子に蹴りを入れる。
「おら、起きんかい。今日は本部でテストやろ」
 最初から一発では起きないことを見越しているのだろう、二度三度と続けざまに蹴りこむ。
 トウジの行動を、遠巻きに見ている女子達が眉をひそめて耳打ちしあっている。
 ・・・トウジ・・・お前・・・もてないだろ・・・・・・。
「・・・・・・っ・・・・・ん?」
 トウジの将来に一抹の不安を感じていると、綾波が目を覚ました。
「・・・鈴原君・・・・・・もう、放課後なの?」
 第一声、何か機械が話しているような違和感。
 抑揚を一切感じられない・・・ただの音のつながり。
「・・・貴方は誰?」
 まっすぐ俺に向けられた瞳・・・予想通りの紅い瞳。
 だが、予想していたにもかかわらず、その紅さは俺に心臓に圧迫を加える。
 その色にそぐわぬ、冷たい瞳・・・だけど何故か懐かしさを感じる瞳。
「碇シンジ、三番目です」
「そう・・・私は綾波レイ・・・よろしく」
 俺が猫被って丁寧に話しているというのに、俺並みに無愛想な奴・・・綾波が憎い。
 綾波はそう言い残すと、本日一度も開けること無かった鞄を持って立ち去る。
 ・・・・・・・・あっこけた。
 綾波は何も無いところで、見事にこけて額を床に叩きつけた・・・かなりいい音がした。
 俺の見立ては『死にはしないだろう』だが、何事も無かったように起き上がった時には正直引いた。
「・・・大丈夫、綾波さん?」
 誰も駆け寄りもしない中・・・綾波はクラスの連中から忌避されているのか?
・・・もっともな話ではあるが・・・俺は綾波に声をかける。
「・・・大丈夫」
 そう話す綾波の鼻から鼻血が滴り落ちる。
「大丈夫って、頭打って鼻血が出たら・・・」
 ・・・やばいな・・・鼻も打ったなら大丈夫だが。
「・・・慣れているわ」
 ・・・まぁ、なんだ・・・所詮他人事だ・・・それ以上の相手をするのに疲れた俺は、
ポケット取り出したハンカチを渡す。
「・・・ありがとう」
 驚いたかのように、重たげな上瞼を少し持ち上げ、そして礼を言うと、綾波は立ち去った。

「・・・本当に大丈夫なのか?」
 横に立つトウジに話し掛ける。
「いつものことや」
「ああ、慣れてるって言ってたな・・・」
 ・・・今晩にでも、俺の習慣的な奇行の有無について、ミサトに聞いてみようと思った。
182熱血シソジ:02/01/09 10:57
綾波に関しては、「あの」性格に天然ボケを付加してみました。

>>177
オリジナルVerのミサトと暮らしている段階で、他に選択肢は無し。
リツコと暮らしていたら・・・さんま弁当?(勉強しました・・・偏ってる?)
ゲンドウと暮らしたら・・・書きたくない。
冬月と暮らしたら・・・二人で囲碁、まったりと時間だけが経過しそう。
マヤと暮らしたら・・・LM(マヤ)Sに走りそうだ。
日向と暮らしたら・・・これが一番収まりが良さそうだ。
青葉・・・誰?

>>178
それは無理。
他人様の作った話の続きを勝手に書いている訳なので、
ここ以外で書くのは道に外れる行為と思う。(すでに外れているが・・・)

>>178
・・・何ていうか、あかほりさとる的ノリは・・・ちょっと辛いです。
不器用者ゆえ、各キャラクターを頭の中で演技しながら書いているので、
ミサトの台詞を書きながらでさえ「いい歳して何やってるんだ俺?」
と枕を噛んでうめいてみたり。
・・・アスカ登場までは、オリジナルほどじゃないけど間があるので、
皆さんもアイデアがあればよろしくお願いします。
名前欄は作者名にした方がいいんじゃないかな?
今のままだと、熱血シンジが突然素に戻ってしゃべってるから変。
コテハン考えたら?それか〜の作者という名前にするか。
いやもうとりあえず好きに書いてくれ。読んでる側に文句いう理由ないんだし。
面白いけどただの口出しだからsage。ゆっくりでも続き書いてくれ。期待は結構してる。
185名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/09 19:44
>183
微妙にシンジじゃなくてシソジだったりする。
186あぼーん:あぼーん
あぼーん
187熱血シソジ:02/01/09 23:42
「・・・これを着るのか?」
 碇シンジと名札をかけた専用ロッカーに入っていた・・・奇妙なツナギ。
 不思議な感触・・・他のどんな被服素材とも違って感じる・・・引っ張ってみると、
よく伸びるが、一定以上は頑として伸びない、更に力を加えるが薄さの割りに、
かなりの強度をもっている。
「ああ、プラグスーツっていう・・・って、せんせい、前回の出撃ん時はどないしたんや?」
「・・・ん?裸だったが・・・これは下にパンツを履いたらマズイのか?」
「パンツは脱がんとマズイ・・・そうやなくって、裸って全裸か?」
 俺は黒のブリーフ・・・ビキニじゃないぞ・・・を脱ぎながら頷く。
「全裸って、指令所で中をモニターされてるやないか?・・・ミサトさんにも見られたんかい?」
 トウジはトランクスか・・・俺もブラブラするのは好きだが、
脱いだ時の開放感がはブリーフでなくては味わえない。
「別に気にすることではないだろ?見られて困るような粗末なものじゃない」
 そう言いながら、チラッとブリーフを脱ぐトウジを見る。
「・・・うむ、お前も見事だトウジ!」
「いや〜ん、見ちゃ駄目」
 お約束な返事に腹を抱えて笑う・・・悪くない。
「ゴホン・・・・・・あぁ、二人とも遊んでないで早く着替えて」
 ミサトの少し気まずげな声が天井のスピーカから流れる。
「ミサトさんのHぃ。男の子同士の内緒話に聞き耳立てるなんてぇ」
 気持ち悪く、身を捩じらせて見せるトウジ。
「そういや、俺は、ミサトにプライベートでも裸を見られてるぞ」
 トウジが、身をよじらせたまま固まる。
 スピーカーの向こうのミサトも固まる・・・スピーカーの向こうのざわめきさえも。
 周囲の反応に意地の悪い笑みを浮かべると、固まるトウジを尻目に、プラグスーツとやらを着ると、
更衣室を一人で出た。
188騙り手:02/01/10 00:00
最初は「熱血シンジ」の偽者として、このスレを読む人を騙そうと、
本物と一見区別が付かない「熱血シソジ」としただけなので、
別段こだわりはありません。
「〜の作者」は偽者としてずうずうしいので、
今後、本編は今までどおり「熱血シソジ」で、
その他の書き込みについては「騙り手」でいかせて貰います。
・・・間違っても責めないで。

ところで、ここを見ている女性って居るのかな?
それが心配で、シンジとトウジの掛け合いは、
かなり上品に書き直しました・・・これでも・・・下品なんだ俺。
189名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/10 00:36
>188
2CHに居るとこのぐらいで下品とは思わないよ(w
むしろ野郎臭いエピソードで熱血にすこし近づいたぞ。
190名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/10 01:16
これで下品なら漏れは大王だ。露骨に表現してもいいんじゃないか?
なんか微笑ましいエピソードって感じだな。ちょっと浮かんだよ場面が。
191騙り手:02/01/10 02:17
>>189&190
いや、修正してUPした文章が下品というわけでなく・・・むしろ上品。
192熱血シソジ:02/01/10 17:08
 LCL・・・Link Connected Liquid・・・パイロットとエヴァをつなぐ臍の緒、そして羊水。
 二度目だが、液体が気管を通り肺を満たす感覚は、溺れた経験の無い俺でさえ、
背筋を凍らす恐怖を伴う。
 ・・・またか、前回も感じた・・・俺を包み込むような・・・俺と一つになろうと・・・。
「いい?シンジ君。これからシンクロ実験を開始するわ」
 奇妙な感覚に囚われていた俺を、硬質でいて、どこか婀娜っぽい声が現実に引き戻す。
 目の前のモニターの中で赤木博士・・・いい女だねぇ・・・金髪はともかく。
 どうにも、この手の美人を見ると軽口を叩きたくなる。
「お好きにどうぞ・・・」
 シンクロと言われても、何がどうシンクロなのやら・・・何も聞かされていない。
「シンジ君、真面目にやってもらえる?」
 知的な美貌に険が入る・・・美人は怒っても美人だ・・・左の泣き黒子が実に色っぽい。
 香港時代に筆卸を済ませたの相手も、左に泣き黒子があった・・・。
 もう少し、怒らせてみたくもあるが、そろそろ別の反応も見てみたい。
「ところでシンクロ実験って、何をするんだい?ミサトは何も言ってなかったけどな」
 まさに開いた口が塞がらない、といった表情で横を振り返る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 多分、横に居るであろうミサトを問い詰めているのだろうが、
指向性の高いマイクは、その内容を詳しく拾ってくれない。
 しかし、ミサトから立て続けにポイントを奪ったのは確かだ。
「シンジ君、これからのテストを簡単に説明するわ。
 本当はシステムや技術的な部分を理解して貰った上でテストしたかったんですけどね・・・ミサト。
 テストでは、貴方が如何に安定して高いシンクロ率を維持できるかを、
 様々なファクターを加えながら確認します。
 このテストの結果をエヴァへフィードバックすることで、
 今後の戦闘において、エヴァは貴方のより良いパートナーとなるでしょう。
 次に、エヴァとのシンクロ方法ですが、
 リラックスしエヴァと一体となった自分をイメージするといいわ。
 ・・・もっとも、世界で唯一人、エヴァを駆り使徒に勝利した貴方には釈迦に説法かしら?」
 そう言いながら、ミサトの反対側に立つ人物から、バインダーに挟んだチェックリストを受け取り、
白衣の胸ポケットから取り出した、黒のチタンフレームのメガネをかける。
 レンズには薄く色が入っていた・・・似合わない・・・金髪といい、部分的に趣味の悪い人だな。
193熱血シソジ:02/01/10 17:09
「ところで、今はあのロボット、エヴァと接続されているんだろ?」
「いいえ、最初は前回の起動時にマギがモニターした結果をトレースして貰う予定だから、
 エヴァとの接続はこの後よ・・・どうかした?」
 俺は、コックピットがLCLに満たされてから感じている違和感を説明した。
「この、感触はエヴァに乗ったときに感じたものに近い」
「近いとは・・・具体的な違いは?」
「強さだ、前回のはこれとは比べ物にならないほど強く・・・エヴァの意思が俺の中に流れ込んでくる」
「精神汚染!・・・そんなはずはないわ、前回の分析結果にはいかなる兆候も無かったわ」
 冷静な彼女が酷く狼狽する有様は、第三者なら笑えるが、
当事者の俺は、LCLの中で脂汗が流れ落ちるほど焦った。
「おいおい、何か随分まずい事になってるみたいだな、テストは中止したほうが・・・」
「待って、シンジ君!・・・シンジ君は、この一週間に何か変調を自覚した?」
「・・・変調って身体のことか?」
「・・・えっと・・・そうじゃなく・・・言いづらいんだけど」
「はっきり言ってくれ!」
「身体じゃなくって・・・原因不明の無気力感とか情緒不安定とか・・・記憶障害」
 最後の一言に、鼻からビックリ汁を噴出す。
「お、降ろせぇっ!降ろしてくれぇっ!」
 こんな状況で、いつものように斜に構え『やれやれ・・・ハードだぜ』なんていってる場合じゃない。
 俺は力の限り叫んだ。
「だ、大丈夫よシンジ君!落ち着いて、頼むから落ち着いて、大丈夫だから・・・・・・・多分」
 ・・・ぁぁぁぁ!こんな馬鹿の台詞に、一瞬でも耳を傾けた俺が馬鹿だった。
「いやだぁぁぁっ!おろせぇぇぇっ!俺が俺である内にぃぃぃぃぃぃっ!!!」
 パニックに陥った俺の中で何かが、心の奥底の何かのスウィッチがONになった。
 次の瞬間、コックピット内に強い振動が走る。
 いや、振動が伝わったのは指令所も同様のようだ、赤木博士の顔が驚きの表情のまま、
画面下へと外れていく、カメラが自動追尾でアングルを変えて赤木博士を捕らえたときには、
カメラにスカートの中身を見せたまま引っ繰り返っていた。
 ・・・なるほど、やはり黒か・・・その事実は意外なほど俺を冷静にさせた。
194熱血シソジ:02/01/11 11:06
 結局、今日のシンクロ実験は一週間後に延期になった。
 あの振動の原因は、エヴァ初号機の原因不明の起動と暴走により、
拘束具と隔壁の破壊、出撃用リフトの破損等々、
今回の事件の被害総額は数億円に上るそうだ・・・俺には関係ないが・・・無関係だぞ!
 今日は疲れた・・・精神的に、冷たいシャワーを頭から被ってみても、ちっとも頭が冴えてこない。
 さっさと着替えを終えて、更衣室を出るとドアの側に綾波が立っていた。
「・・・・」
 何故か必ずワンテンポ間を取る綾波・・・実際、トロい訳でもないのに不思議な奴だ。
「どうした?」
「これを・・・」
 ポケットから取り出したハンカチを取り出す、先程貸したハンカチだ。
 俺が受け取ろうと手を伸ばす途中で、
「ありが・・・・・・」
 そこで綾波の動きが止まる。
「・・・ありが?」
「・・・っくしゅん」
 クシャミを俺のハンカチで受けやがった・・・あぁ、鼻水が・・・。
 綾波は自分の鼻水で汚れたハンカチを見つめたまま固まっていたが、
きっかり三秒後に立ち直る。
「・・・また、洗って返します」
 そう言い残すと、何事もなかったかのように立ち去っていった。
「おい!どうしたんや、せんせい?」
 後ろから着替えの終わった、といっても黒ジャージだが、トウジが現れる。
「ん?何かあったんか」
 辺りを見渡すが、綾波は既に視界から消えている。
「何かはあった・・・だが何だったのか俺には良くわからん・・・これ以上何も聞くな」
 トウジは狐につままれたように、納得のいかない表情を浮かべるが、
疲れ切った俺は、これ以上言葉を費やす気にはなれなかった。
「そうや、これからどうする。テストも中止になったことやし、どっか遊びに行くか?」
 俺は、『疲れたから帰る』と言いたかったが、帰るに帰れない事情を思い出した。
 ミサトである。
 俺は嘘は一言も言っていないが、俺の発言がミサトの立場を微妙に悪化させたのは事実だ。
 こんな疲れた頭では、ミサトの口撃の前に被弾多数で沈没必死。
「トウジ・・・今日はお前の家に泊まっても良いか?」
「別にかまわんが・・・どうしたんじゃいきなり?」
 トウジの問いかけに答えている暇はない、奴が来る前に逃げるべきだ・・・逃げなければ。
「気にするな、さぁ行こう!さっさと行こう!」
 俺の態度に不信気なトウジ、その背中を押して立ち去るのであった。
 ・・・余談だが、その後、更衣室の俺のロッカーは、蹴られた様な大きな凹みが出来ていた。
 扉が閉まり辛く、幾度か修理を要求したのだが、要求は全て誰かさんに握りつぶされた。
195名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/11 21:30
綾波意外と几帳面だな。部屋もキチンと掃除していそうだ(w
196どうでも良いけど:02/01/11 21:33
LCLはLife Cell Liquidなんだけどね。ホントどうでも良いけど
ミサト怖い・・・実にミサトらしい。
198熱血シソジ:02/01/12 08:31
「なぁ、碇・・・起きてるか?」
 隣の布団からトウジが話し掛けてくる。
「公子・・・妹なぁ、昨日アメリカに行ったわ・・・」
 鈴原公子・・・幼い頃から重い難病に罹る。
 詳しい事は知らないが、遺伝子病の一種で、余命一年と診断されていたそうだ。
 だが、最近発見された治療法が高い効果を示し、臨床実験では11例中被験者の10人に、
明らかな効果が認められ、更に7人がほぼ健常者と変わらぬレベルにまで回復した。
 しかし、日本はおろか、治療法が発見されたアメリカでさえ未だ臨床試験の段階で、
正式な治療法としての認可は受けていない。
 当たり前な方法で、妹の命を救う方法は無かった。
 そこへタイミングを計ったように、ある組織を通して、巨大な権力を持つネルフから、
スカウトを名乗る男が送られてきた・・・あるロボットの正式なパイロットに認定されたなら、
妹を渡米させ最新の治療を受けさせる・・・という条件を持って。
 そしてトウジは、エヴァの正パイロットになり、妹は治療のため、昨日渡米した。

 この話を聞かされたのは、校舎裏に呼び出された翌日のことだった。
 その日も、校舎裏に呼び出されたのだが、トウジは俺の顔を見るなり土下座して、
前日の事を謝り、その後事情を話したのだ・・・言い訳や事情よりも先に、
謝罪する・・・道理ではあるが、中々出来ることじゃない。
 俺は、そんなトウジの性格をうらやましく思わずにいられない。
「ワシなぁ、公子にお前との事を話したら・・・ごっつぅ叱られてなぁ・・・」
「・・・別に話す必要はないだろ?」
「・・・ん?まぁそうなんだが・・・公子は幼い頃からずっと病院に居るんだ・・・
だから、俺のどんな下らない話でも、公子に・・・公子にとっては、
大切な・・・思い出だって言うんや・・・だ、だから・・・な、ワシは・・・どんな・・・
どんな話でも・・・公子に話したる・・・」
 トウジの話の最後の方は、涙で聞き取れなかった・・・だが、俺の心には響いた。
 不覚にも涙がこぼれて枕を濡らす・・・ちくしょう!貰い泣きしちまった。
199騙り手:02/01/12 08:47
>>195
・・・そ、そうかなぁ?

>>196
書く前に調べたのですが、そういう説明もありました。
しかし、圧倒的に"Link Connected Liquid"で認識されているようなので、
持ち前の「ぶっといものには、大いに巻かれる」主義に従い、巻かれてみました。

>>197
怖いねぇ〜、怖いから俺寝る。(本気で寝ます)
200熱血シソジ:02/01/13 01:43
「ただいま・・・」
 そう、俺は帰ってきたのだ・・・虎穴に・・・。
 慎重に後ろ手で玄関のドアを閉める・・・静かに、静かに。
 靴を脱いで廊下を進む。一歩一歩、つま先から指の付け根、そして踵へと、
淀みの無い流れるような重心移動。
 それは、古より伝わる武道における歩方の粋。
 いかなる方向からの攻撃でさえ、俺は寸毫も重心を崩すことなく捌いたであろう。
 やがて、リビングのドアの前に至る。
 俺は更に細心の注意を払い、ドアをあけようとノブに触れる。
『・・・っ!!』
 ノブに触れた瞬間、痛みにも似た感触が全身を貫く。居る!ここに居る。
 俺が十歳の穐、中国の山奥で、既に絶滅したといわれる虎に出会った。
 そう、そのときに感じた感情・・・其の名は恐怖。

「・・・みっさとさ〜ん、たっだいま〜♪」
 笑ってくれ、俺はプライドを捨てた。
 いきなり、無邪気な態度でミサトの怒りをそらす作戦に出た。
『・・・ぅっわ・・・』
 ドアを開け放った、俺の目に真っ先に飛び込んできたのは、破壊された電話機。
 俺は、昨日トウジの家に泊まることを、ミサトの携帯ではなく、
家の電話に留守電で伝言を残したのだった・・・怖いから。
 丈夫なはずの強化樹脂によるフレームは、真っ二つに裂け。
 発光ダイオードディスプレイは本体から外れ、一本のケーブルでぶら下がっている。
「・・・いかん、既に野獣は野に放たれたか?!」
 そう呟いた瞬間、俺の背後に酒精交じりの殺気が巻き起こる。
 しまった!こうも簡単に背後を取らせてしまうとは・・・
 部屋に充満する憤怒の気が、俺の感を狂わせたようだ。
「だ〜れ〜が〜野獣だって・・・シ・ン・ちゃ・ん」
 その後は・・・誤った。言い訳する前に、土下座して謝った・・・中々出来ないことだが・・・。
 そして、そんな性格になってしまった自分を、少し悲しく思わずにはいられなかった。
201名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/13 17:06
野獣美里の前では熱血シンジもヘタレるか(w
なぁ、下げたほうがいいか?あげていいのか?一応下げとくけど。
野獣怖いな。最恐だな。ぜひアスカとかは優しい人になって欲しいとか思うぐらい怖いな。
このまま美里をサイコに持っていくか?
204騙り手:02/01/14 04:21
一日に一回以上は更新しようと思いつつ、今回は更新できませんでした。
この数日、用事が入って話を考える暇が無かったのだけで、
投げ出す気は・・・マダ・・・無いので、逃げたと後ろ指はささないでぇ。
でも・・・もう・・・寝ないと・・・人間として・・・駄目になりそう・・・。
205熱血シソジ:02/01/14 18:42
 結局、俺は精密検査を受けることとなり、二日間学校を休むこととなった。
 遺伝子レベルの検査は、結果が出るには暫くかかるとのことだが、
それ以外は問題は発見されなかったようだ。
「じゃあ、とりあえず問題は無いんだな?」
 カルテ片手に、検査結果を説明していた老医師に、念を押して確認する。
「それはわからないわ♪」
 しかし、返答は俺の後ろに立っていた赤木博士から発せられた。
 嫌な台詞を、嫌なタイミングではいてくれる・・・多分、俺のことは嫌いなのだろう。
 語尾には音符が付いている気がした・・・いや、被害妄想とかじゃなく。

「この検査で問題がはっきりするならば、治療の目処も立ったのに・・・残念だわ」
 さして残念そうではなく、新しい研究対象に意欲満々といった感じ、
更に言うなら、獲物を前に舌なめずりをする肉食獣。
 こいつに、俺の健康を握られているかと考えるだけで、脇の下に嫌な汗が浮かぶ。
 ミサトは粗暴だがSではない。しかし、この女は絶対にSだ、
しかも、合併症でマッド・サイエンティストも患っている・・・まさに無敵。
「嬉しそうだな」
 精一杯・・・そう、横から誰かが指で軽く突いただけで、派手に転倒しそうなくらいに、
精一杯に、虚勢という名の背伸びをして、ニヒルに切り返す。
「あら、そう見えたかしら?・・・あれから私達は大変だったのよ、原因不明の初号機の起動や、
エントリープラグ内での貴方についての事・・・私はほとんど寝てないわ」
 その割りに、肌の具合も良さそうだ・・・赤木謹製の怪しげなドラッグでもキメているのか?
「一応、念のために検査はしたけれど、シンジ君の身体に問題は起こっていないと思うわ」
 ・・・そう思うなら、検査の前に言えば、俺も安心できる事が判らないのか?
 やっぱりSだ!誰が何と言おうとSだ。
「何でそう言える?」
「揃えられる限りのデータが、それを否定している・・・と言いたいけれど、
実際のところ初号機の起動も原因が不明なのに、データじゃ根拠にならないわ。
強いて言うなら、私の科学者としてのカンね」
 カン?・・・ダ、ダメジャン・・・この人。
206熱血シソジ:02/01/14 19:10
>>201
基本的に、熱血だろうがなんだろうが、シンジの根本はヘタレでしょう?
え!違うの?・・・オロオロ。

>>202
やはり、基本はsage進行ということで・・・。

>>202,203
世の中にはLAS・LRS・LMSまるで、どこぞのテロ組織みたいな分類が、あるみたいですね。
自分にとって「エヴァンゲリオン」とは、
ヒロイン:綾波
カップリング:アスカxシンジ(けど、ラブラブじゃないな)
好きな女性キャラ:ミサト(誰だ?サイコ扱いとは失礼な・・・俺か!?)
という認識なので、上の分類ではLASなのだろうか?
・・・こちらの展開ではどうなるやら。
207熱血シソジ:02/01/15 01:34
 突然、警報が響き渡る。
「失礼します!」
 赤木博士は素早く反応すると、老医師を押しのけて、彼のデスクの上の内線を取る。
「赤木です・・・・そう・・・・初号機は・・・・わかったわ・・・・・じゃあ、ミサトにそう伝えて」
 こうしていると、仕事の出来る知的美人なんだがな・・・彼女の会話から状況を把握する。
 指令所と連絡を取る赤木博士の横を抜けて、窓辺に歩み寄り空を見上げる。
『・・・死ぬには悪くない天気だ』
 雲ひとつ見えない、晴天の空を見上げながら、俺は覚悟を決める。
 闘うべき敵がいて、闘うための手段がある・・・例えそれが、自分の命さえも傷つける、
諸刃の剣であろうとも構わない、闘いとはそういうものだ。
 俺の精神状態が戦闘モードに切り替わる。
 師匠が言うところの、冷たい興奮状態ってやつだ。
「シンジ君、使徒が現れたわ・・・初号機で出撃(でて)貰うわ」
「あぁ、わかってる」
 先程までとは、人が変わったように即答する俺に、肩透かしを食らったような表情の赤木博士。
「意外かい?」
「えぇ、嫌がる貴方を、どんな方法で初号機に乗せるか考えてたのに」
「どう、無理やり乗せるかだろ?・・・悪いな楽しみ奪ってしまって」
 一瞬、呆気に取られた表情を浮かべるが、次の瞬間には、『フッ』と鼻で笑う。
「そうね、嫌いじゃないと思うわ、そういうのって」
 俺は心の中で、彼女に『Sの女王様』の表彰状を授与した。
「嫌がるはずは無いさ・・・これからが俺の時間だ」

・・・続く。
ベタだが、燃えるな。
209熱血シソジ:02/01/15 15:06
「シンジ君、聞こえてる?」
 骨伝達により、ミサトの声が頭の中に響き渡る。
「あぁ、聞こえている・・・コックピット内は異常ない」
「ちょっと、いい加減にエントリープラグって覚えてよ」
 声のトーンが少し変わる、俺をリラックスさせるための軽口のつもりか。
 こちらも少し、それに付き合ってやる。
「コックピットの方が短くて言い易い、それにコックピットの別の意味を知ってるか?」
「・・・確か、闘鶏場だったかしら?」
「よく知ってるじゃないか・・・だが、俺の言いたいのは別の意味だ」
「何のこと?」
 少し、痺れを切らしたようで、じれったそうなミサト。
「女のアソコの事だ・・・どうだ、こいつには、ぴったりな呼び方だろう?」
 喉の奥で笑いがこみ上げる。
 一方、ミサトは口を開けたまま固まっているが、周囲の押し殺した笑い声を聞いて復活する。
「し、し、シンジ君!!」
「・・・くっくっ、どうだい?緊張は解けたかい?」
 再び、ミサトは口を開けたまま固まるが、再び周囲の笑い声で復活する。
「わたしは、貴方の緊張を・・・」
「百年早いよミサト。戦いを前に俺が緊張するはずないだろ」
 ミサトの台詞を遮り、俺は不適な笑みを浮かべるのであった。

第三話 使徒とアスカと紅の巨人

 また、まただ・・・LCLの注入と共に、俺の心に触れてくる・・・エヴァの意思。
 エヴァに意思がある・・・それは赤木博士から聞いている。
 しかし、何故こうまで・・・エヴァは俺を強く、そして優しく包み込むのだろう?
「シンジ君、どう?」
 科学者の風上にもおけない曖昧な質問。
「いい加減な質問だな?・・・相変わらずだ。だが悪くは無い・・・今のところは」
「こちらも、収集出来うるデータの範囲で、問題は発見出来なかったわ。
それどころか、シンクロ率も90%以上をキープ。たった二回目で、そんな数値が、
どうすれば出せるのか、こちらが聞きたいくらいだわ」
 目が輝いてやがる・・・病気だな・・・その内に俺、解剖されたりしてな。
210騙り手:02/01/15 15:25
ついに参話です。
これからの展開は、第四使徒「シャムシエル」以降の出番が変わります。
(第四の後は第六だったりします)
アスカが登場します・・・早すぎです。
211騙り手:02/01/15 18:46
もう駄目だ!
そろそろ、エヴァの一話から決戦第三東京位までは、もう一度観ておかなければ、
これ以上先は書けないと思い、レンタルビデオ屋に行く。
前回は貸し出し中で涙を飲んだが、今回はもう返却されているだろうと、
アニメコーナーへ行く。
・・・え?あれ?変だな・・・エヴァが無い!(本当に無くなった)
泣きながらサイバーフォーミュラSINを借りて帰る。
・・・あぁぁぁ、5巻がぁぁぁ、SAGAの5巻になってるぅぅぅっ!
いやぁ〜、何か人生の全てが嫌になってダイハード2を観てます。
キター、戦闘ワショーイ
待て!そこでサイバーフォーミュラに逝く騙り手はやり手とみた!
戦闘どうなるんだろうな。
214熱血シソジ:02/01/16 20:27
「おいおい、飛んでるよ」
 それが、今回の敵を見た俺の第一声だった。
「前のとは随分違うな・・・ミサト。使徒ってのは生き物なんだろ、同一種族じゃないのか?」
「どうしたのシンジ君?何か問題があるの」
「問題は大有りだな。武術ってのは対人間を目的に構成された技術体系だ。
前回の使徒のように、人間変わらぬ形をしているものならともかく・・・勝手が違う」
 俺の弱気とも取れる発言に、ミサトは慌てる。
「ちょっと、さっきまでの強気な態度はどうしたのよ?いまさらケツまくる気?」
 女三十路も間近だと平気で『ケツ』かよ・・・小さく毒づく。
「・・・悪くは無い提案だが、相手の実力を測ってからでも遅くは無い・・・そうだろ?」
「そうね・・・って、一体なんなの」
「おいおい、起き上がる・・・いや変形してるのか・・・」
 市街地に到着した使徒は、ゆっくりと上体・・・と言っていいものか・・・を起こす。
 しかし、それを黙ってみている俺ではない。
「馬鹿が!合体・変身中が古今東西、正義の味方の弱点と知れ!!」
 肩から取り出したプログナイフを一閃、使徒のコアへと飛ばす。
 その瞬間、奇妙な感覚に囚われた『早い?!』
 だが、プログナイフは使徒のコアを貫く直前に、
使徒の右肩とおぼしき位置から飛び出した閃光にはじかれる。
 それは触手のようにも、鞭のようにも見えたが、
何よりテレビのロボットアニメに出てくるビームサーベルを髣髴させた。
 更に、左の肩からも同様にビーム触手を伸ばす。
 ・・・やばいな。
「ミサト!プログナイフ、もう一本」
「無いわよ!この馬鹿!!」
「じゃあ、逃げるぞ」
「逃げるな!大馬鹿者!!・・・て、あんた楽しんでない?」
 ・・・ばれたか。
「こら、シンジ!何か良い手があるなら教えなさい」
 わかってないなぁ〜ミサトは。
「馬鹿言うな、それを考えるのはミサトの仕事だ。
・・・俺は相手が強いから楽しいんだよ」
 モニターの向こう側で指令所の連中の顔が強張る。
 奴らは俺の台詞に呆気に取られたわけじゃない。
モニターの向こうで笑う俺を畏れたのだ・・・ゲンドウに酷似したこの笑顔を。
原作に沿っていくとこの後、熱血シンジ逃走編?
それとも山ごもり修行編!
216熱血シソジ:02/01/16 21:46
>>213
TVでサイバーやってた頃は、F1が面白かった・・・最近見てないけど。
人間、後ろ向きになると懐古的になってしまう。
ちなみに、ダイハード2の後は「二人の補完」をぶっ通しで読んで
・・・少し癒される♪

>>215
この後は、綾波とアスカが鼻血出るまで殴り合って。
ちっとも友情が沸いてこない!という展開になります・・・嘘だけど。
217騙り手:02/01/16 21:47
あぁ、また間違ってしまった。
駄目だよぅ二つの名前を使いこなすのは。
218熱血シソジ:02/01/16 23:31
「ところでミサト、あのび・・・光る触手みたいのは何なんだ?」
 一瞬、ビーム触手と言いかけたが、子供っぽいネーミングに、
恥ずかしさを覚えて、言い直した。
 俺の質問に、ミサトの横に居た赤木博士が答える。
「マギの分析では、実体である触手の表面を、相転移空間が肉眼で目視できる程、
強力なATフィールドで覆っているようだわ」
 その答えに俺が困る。
「相転移空間って何の事だ?ATフィールドってのは聞いた事があるくらいで、
あんたが、何が言いたいのかサッパリわからん」
 ・・・この間がちと辛い。
「み・さ・とぅ・・・あんた一緒に住んでて、ど・う・し・て、何にも教えてないの?」
 いきなり、ミサト大ピンチ!・・・俺は悪くないぞ。
「な、何よ、私だって詳しいことは知らないわよ」
「あんたって娘は、私はちゃんと説明したはずよ、しかも何度も!」
「何度も説明してる段階で気付かない?一回の説明で理解できる話は、一回で憶えるわよ!」
 レースも終盤、掴み合い一歩手前、リツコ怒る、怒りまくる。しかし最終コーナーを立ち上がって、
ミサトは開き直ったぁ〜・・・と脳内アナウンスを青葉が繰り広げていたことを・・・誰も知らない。

「取り込み中すまないが、使徒が迫ってきてるんで、早めにわかりやすく教えてくれないか」
 頼れるのは自分だけだと再確認すると、さすがに俺も寂しくなった・・・少しだけだぞ!
「いい、シンジ君・・・ちょ、ちょっとミサト!」
 説明を始めようとした赤木博士をミサトが押しのける。
「私が説明するわ!リツコはどうせ、また小難しい単語並べて、他人を煙に巻くつもりなんだから」
 俺自身、そう思わないでもないので、黙って頷く。
「ATフィールドはね、エヴァにもあるバリアみたいな奴よ!」
 これまた大雑把、俺はあまりのことに心の中で拍手を送る。
「そして、エヴァのATフィールドは、パイロットの意思で強さや形を変えられるの」
 どうして?とは問うまい・・・ミサトも理解していないだろう。
「使徒も同じことをしている筈だわ」
 触手でビルを薙ぎ払い、迫り来る使徒を見ながら、
バリア=ATフィールドに包まれている触手で、どうして、こんな事が出来るのだろう?
という疑問を、『そういうものなんだ』と飲み下す。
 ・・・そう、戦いとはいつも孤独だ。
いいねぇ。わかりやすくて。
バリアか。わかりやすくていいな。

戦いに理屈はいらない。っつうのがいいな。
熱血シンジよりワイルドな美里♪
222熱血シソジ:02/01/18 00:34
 右下から薙ぎ払うように触手が迫る。
 プログナイフを弾き返した時よりも、更に速い動きだった。
『くらうか?』
 背筋を冷たいものが走り抜ける。
 だが、俺の予測した現実は訪れなかった。
 俺は触手をかわしていた・・・しかも余裕を持って。
 先程、奴にプログナイフを投げつけた時に感じたのと、同様の違和感・・・気持ち悪い!
「どういうことだ!」
 俺はモニターに向かい叫びながらも、次々に襲い来る触手を避け続ける。
「シンジ君、どうしたの?」
 今度は赤木博士がミサトを押しのける。
「こいつ、俺の反応を超えて追従しやがる!」
 俺の台詞に赤木博士は、一瞬、視線を外して何かを確認し目を見開く。
「凄いわ、シンクロ率124%よ。シンジ君」
「・・・はぁ?」
 正面から頭へと突き出された触手を、膝と腰を沈めてかわす・・・
 ・・・突然、頭に衝撃が走る。
「くそ、角が持っていかれた!」
 当然、俺の頭には角は無い、だから、赤木博士の言葉に呆気に取られ、
角の分を避け忘れた。
「124%って何だよ!シンクロ率っていう以上、100%で完璧ってことだろ!」
 俺は初めて攻撃を受けた焦りで怒鳴り散らした・・・くそ、落ち着けよ。
「詳しいことは、後で説明するわ・・・100%を超えたら、そういう現象が起こると理解して」
「・・・それじゃ、ミサトと変わらないぞ!」
 俺の至極当然な台詞に絶句する赤木博士・・・よほどショックだったのだろう。
 しかし、他人の不幸は蜜の味。俺は落ち着きを取り戻す・・・我ながら性格が悪い。
「シンジ君、どういう意味かな?」
 赤木博士に代わり、再びミサトが現れる。
 片方が引っ込めば、片方が出てくる・・・いいから、さっさと作戦を立てろよ。
 そう毒づく俺の頭の中で、閃きが生まれた。
「ミサト、触手で攻撃中に、あいつはATフィールドってバリアみたいに使ってるのか?」
223熱血シソジ:02/01/19 01:08
 俺の質問に、ミサトはオペレータの一人に指示を飛ばす。
 青葉?・・・!そうか、黒縁メガネ君だ!・・・俺の記憶力も満更じゃない。(間違ってる)
 そんな感慨を抱きながら、使徒の攻撃を十回程かわし続けた後に答えが出た。
「触手部分以外にATフィールドを確認できません!」
 黒縁メガネ君の答えを聞いて、笑みが浮かぶ。
 こんな敵に苦戦していた自分に対する自嘲の笑みだ。
「ミサト!」
「九時方向の武装ビルにパレットライフルが有るから使って」
 俺がミサトの指示したビルへと向かうと、後ろでアンビリカルケーブルと言う名の、
電源コード・・・阿呆なネーミングだ・・・が切断される。
「シンジ君。内部電源は最大で五分間。現状の消費状況では一分と考えてくれ」
 黒縁メガネ君とは別の声・・・日向とか言うロン毛野郎か!(再び間違ってる)
 武装ビルの開いたシャッターからライフルを取り出し、使徒へ向けて引き金を引く。

 残り50秒。

「使徒健在!ただし、触手部のATフィールド確認できません」
 俺はライフルを連射しながら使徒へ接近する。
 使徒本体の動きはさほど速くは無い。ATフィールドでとやらで防御を固めながら後退するが、
距離をつめていく俺の方が速い。

 残り40秒。

 突然、弾切れを起こす。
 直後に触手攻撃が再開されるが、俺は触手を掻い潜り、更に距離をつめながらも、
ライフルの弾倉交換を終える。

「シンジ君、残り三十秒よ!」

 ミサトの声と共に、再びライフルが火を吐く。
 やがて、手を伸ばせば届く距離に使徒を捉える。
 使徒は、俺を突き飛ばそうと、ATフィールドの無い触手を俺に向ける。

 残り20秒。

 俺はライフルから手を離し、触手を掴むと、一気に両の肩から引きちぎる。
 手の中で踊る触手の感覚が小気味良い。
 触手を投げ捨てると、ダルマと化した使徒に左の拳を打ち込む。
 しかし、拳は使徒に届く直前で砕ける。
「クソッ!これがATフィールドか!」

 残り10秒。

「シンジ君!先程の武装ビルまで引いてアンビリカルケーブルを・・・」
 ミサトがモニターの向こうで叫ぶ。
 ・・・しかし、俺はそれを無視した。
 身体から力を抜き、ゆっくりと腹式呼吸。
 そして強くイメージする・・・パイロットの意思で強さや形を変えるというATフィールドを。
「しょ、初号機ATフィールド展開!!」

 残り3秒。

 更にイメージを右の拳に集中させる。
「ATフィールド初号機の右手に収斂・・・肉眼で確認できます!」
 俺は震脚を伴う同足の右突きを、頭部下のコアへと打ち込んだ。

「初号機、活動停止。使徒、パターン・・・消滅・・・勝ちました!!」
 ・・・ロン毛の声を聞きながら、俺は目を閉じた。(三度、間違ってる)
「・・・やれやれだぜ・・・・・・・・」
おお、空条丞太郎だ
225熱血シソジ:02/01/19 23:15
「いいとこ、引き分けだなぁ・・・」
 電源切れで動けなくなった初号機、俺は引き抜かれたコックピットごと、
ジオフロント内のケイジへと運ばれていく。
「ドナドナド〜ナァ〜ドナァ〜」
 自殺したくなるくらいに哀愁漂う歌を口ずさむ。
 俺はかなり落ち込んでいた・・・最初の使徒。そいつの手ごたえの無さから、
使徒というものを甘く見すぎていた・・・実際、使徒の事を知ろうとしなかった・・・エヴァの事さえも、
知ろうとしなかった・・・死んでいても、おかしくなかった・・・無様だ・・・無様だなぁ・・・
・・・・・・赤木博士あたりに「無様ね」と言われたら、ちょっとゾクゾクものだなぁ・・・
・・・ミサトに言われたら・・・アレは駄目だ、色気というか艶が無い・・・人間的に、
乾いてるタイプじゃないが、女としてみるとカサカサだ。
 いつのまにか、俺の一人反省会は終了していた。

 LCL漬けのコックピットを降りる。
 肺の中に残るLCLの違和感に咳き込みながら、更衣室へ向かうと、
ケイジの出入り口に綾波が立っていた。
「・・・よっ」
 左手を軽く上げて挨拶し、通り過ぎようとする。
「碇君」
 思いがけず、呼び止められて首を傾げる。
 綾波の性格から、俺を慰うために現れたとは思えなかった。
「・・・これ」
 見覚えのある白いハンカチが差し出される。
『あぁ、なるほど』
 得心する・・・これを返すために現れた訳か・・・俺は何の考えも無くハンカチを受け取る。
 ・・・白地に広がる、LCLの黄色い染み・・・俺の身体はLCLまみれだった。
「・・・あっ」
 綾波の口から小さく声が漏れる。
「・・・ごめんなさい・・・また洗ってくるわ」
 踵を返そうとする綾波。
 だが、俺はハンカチを離さなかった。
「いや、そのままで構わない。こんなナリで受け取った俺の方が悪い」
 綾波は少し考え込むような表情を浮かべるが、
「・・・いえ、やはり私が洗って返します」
 結局、毅然とした・・・綾波の目に意志が感じられたのは初めてだ・・・態度で俺の申し出を断った。
「そうか、すまない・・・いや・・・綾波。ありがとう」
 俺の言葉に、綾波の表情が揺らぐ・・・当惑っていうやつだ。
 そして、気付く。
 綾波はポーカーフェイスなのではなく、感情を表現するのが下手なのだろう。
 勿論、その原因は、感情を表現する機会に恵まれなかったというところか。
 ・・・面白そうなので、時々からかって遊ぼう。

 俺と綾波は方向が一緒だったので、更衣室まで一緒に歩いた。
 途中、二・三話し掛けたが、あまり会話がかみ合わず、面白い反応は得られなかった。
 ・・・要研究だな。
「じゃ、またな」
 更衣室のドアのノブに手を掛けながら・・・返事は期待せずに・・・挨拶する。
「・・・碇君、今日は・・・ご苦労様」
 そういうと、固まってしまった俺に背を向けて立ち去る・・・俺が動揺してどうするの?
226熱血シソジ:02/01/20 10:30
 ブリーフィングルームかと思いきや、赤木博士の執務室に呼び出された。
 マッドサイエンティストに相応しい・・・おどろおどろしいく怪しげな部屋を想像していたのだが、
意外といえば意外だが、当然といえば当然な、機能的で整理された作業環境を構築していた。
「・・・整理整頓と清掃って同じ意味じゃないんだな」
 俺は、この部屋に入って始めて知った知識を、この部屋の主に披露する。
 きちんと片付けられているのだが、掃除はされていない。
 埃っぽく・・・はっきり言って汚い部屋だ。
「別に・・・死にはしないわ」
 俺は、博士の隣で笑いを浮かべるミサトに、意味ありげな視線を送りながら「類友」と呟く。
 俺の言葉に、二人とも肩を震わせるが、ミサトは笑いで、博士のは怒りだ・・・
・・・ミサト、あんたは笑っている場合じゃないぞ。
 
「・・・つまり、シンクロ率100%は上限ではなく一つの目安・・・そうね、温度の0℃と同じで、
パイロットのイメージする自分の肉体の反応と、エヴァの反応が一致する段階を便宜上、
100%と呼んでいるにすぎません。
人間の神経の伝達速度は60m/sec程度で。脳の命令が実行されるまでに遅延が発生しています。
遅延時間を人間が実感として感じないのは、短い時間であり、更に感覚的な慣れもありまが、
何よりも、脳自体が遅延時間の存在により混乱を起こすのを防ぐために、
辻褄合わせの欺瞞的処理を行っていると考えられます。
それに対し、エヴァの神経・・・そう言って良いものならば・・・の伝達速度は亜光速に達します。
更に、人間の筋肉組織とは、桁違いの反応速度をもつ筋肉組織により、
シンクロ率の上昇で、追従性が向上すれば、先程の戦いのように貴方自身の肉体の反応を超えて、
エヴァは動きます・・・」
 赤木博士の三度目の『つまり』・・・話を判り易く噛み砕いた・・・の後の説明を終えると、
俺の表情を伺う・・・彼女も疲れている様だが、俺はもっと疲れた。
 彼女のそれ以前の説明は、とても門外漢には理解できる内容ではなかった。
 ちらりとミサトに視線を向けると、先程まで寄っていた眉間の皺が取れていた。
 ミサトも、この段階の説明で理解できたようだ・・・俺も博士に頷いてみせる。
 すると、博士は、獄死を覚悟していた囚人が、恩赦の知らせを聞かされたような、
弱々しい笑みを浮かべ椅子に座り込む・・・教師とかには向かない性格だな。
227騙り手:02/01/20 10:34
あれ?
誰もageてないのに、こんな上まで上がってるよ???
>>227
シャッフルってやつかな?よく知らないけど
229熱血シソジ:02/01/20 12:37
「ところでシンちゃん、どうして、あんな土壇場になってATフィールドを使いこなせたの?」
 ミサトが今度は俺に質問を投げかける。
「それは・・・いや、ちょっと待て」
 言いよどむ俺に首を傾げる二人。
「どうしたの?・・・何か説明できない話なの・・・シンジ君」
 不信気な表情を浮かべる赤木博士。
「・・・いや、そういうわけじゃない。
門外漢にも分かり易い説明を、考えてから話したほうが良いだろ・・・赤木博士」
 事実に皮肉を込めた台詞に、思わず吹き出すミサト。
 博士は怒ったような表情で、机に肘を突いて頬杖すると、そっぽを向く。
 ・・・こんな顔すると、小娘みたいで可愛いなこの人。

「武術における『氣』って言葉を聞いた事があるか?」
「あっ、私知ってる『お前は、もう死んでいる』とか言う奴が使うアレでしょ」
「・・・はぁ?」
「馬鹿・・・シンジ君は知らないわよ。そんな古いアニメなんて」
「あんたらとは、世代がちが・・・・・」
 その瞬間、二人の顔付きが変わった・・・その後の言葉が出なかった・・・怖くて。
「・・・ま、まぁ・・・大体、理解してくれているならそれで良い」
 口は・・・慎んだ方が良いな・・・弱気だなぁ・・・俺。
「・・・でも、『氣』なんて科学的ではないわ」
 まぁ、予想通りの反応だな。
「科学的かどうかは、横においておいてくれ・・・俺も科学的って奴では説明できない」
「そうよ、ロマンのわからない女なんだから」
 いや、ロマンとも違うのだが・・・
・・・ミサトは、遠くを見る目で「お前もまさしく強敵(とも)だった」と漏らしている。
「・・・ともかく、俺達は『氣』というものをイメージして訓練を行う。
丹田に集まっ・・・いや、この手の話はしないんだったな
つまり、目に見えない『氣』というものの存在を肯定し、それを身体中に巡らせて、
操ることをイメージする・・・そして、『氣』が実在するか否かは関係なく、
『氣』をイメージした状態で、攻撃を行えば、そうでない場合に比べて、
遥かに威力が増すということだ」
 博士は深く頷きながら「それは面白いわね、研究の必要アリかしら?」と呟いている。
 ・・・不味いな、本当に解剖されるぞ。
「凄いわシンちゃん、カメハメ波を打てるって訳ね」
 知らねぇよそんなの。
「まったく違う。『氣』の運用法でATフィールドもある程度操れるってことだ!!」 
 ・・・ったく、何だよカメハメ波って。

「ところで、シンちゃん。リツコのことは赤木博士なの?
あたしだってミサトで呼び捨てじゃない」
「あら、相手に相応しい呼びかけ方ってあるわ。その点、シンジ君は大人よ」
「何よぅ、それじゃ私が呼び捨てってどういうことよ」
 それぞれ、一人でいる時は、責任ある立場に立つ大人なのだろうが、
二人そろうと、精神年齢が半分になった様に子供だ・・・それだけ、信頼し合っているって事か。
 取りあえず、その場はうやむやにしたが、夕食中にミサトに訳を聞かせてやった。

『マッドサイエンティストって言ったら、やっぱり博士だろ』

 その後暫く、ミサトは赤木博士のことを『リツコ』と呼ばず、嬉しそうに『博士』と呼んで、
本人と周囲の人間から不信な目で見られ続けた。
230騙り手:02/01/20 13:02
>>228
シャッフルですか・・・そういうものだと思っておきます。(弱っ!)
駄目人間で申し訳ありません。
231熱血シソジ:02/01/20 15:13
 精密検査、その後の使徒との戦いを終え、俺は久しぶりに学校で授業を受けている。
 日本史・・・国語や古典と並んで、俺の不得意分野だ。
 理数系や英語(他に北京語・広東語。それにフランス語・・・これは日常会話程度)と、
社会情勢・地理・世界史などは中学程度のレベルを超えて身に付けているが、
日本独自のものは、叔父もそれほど熱心に教えてくれなかった。
 特に漢字の日本読みはアンバランスな習得状況だ。

「つまり、このアスカ時代の特徴は・・・」
 担任の根府川(仮名?)の催眠音波の中に、聞き覚えのある単語が入っていた。
 ・・・アスカ?セカンドチルドレンの名前と同じだ。
 しかし、端末を覗いてみても、「アスカ」と読める単語は無い。
「・・・すいません。アスカってどの事ですか?」
 手を上げて質問をする・・・時々、こんな風に授業を止めてしまうが、帰国子女ということで、
クラスの連中や教師も、多めに見てくれている。
「・・・ん、あぁ、碇君か・・・そうですね、これは知って無ければ読めないですね・・・」
 と言いながら、黒板に『飛鳥』と二文字を書き込む。

「・・・アスカ?・・・フェイ、フェイ・ニャオ」
 思わず口から漏れる呟き。
「ん?なんて言いましたか」
 メガネをずり上げながら根府川が聞き返す。
「・・・いいえ、中国時代の知り合いの名前と同じ字だったもので・・・」
「そうですか・・・」
 セカンドチルドレン・・・アスカ・・・飛鳥・・・フェイ・・・まさかな。
 その疑惑は心の奥に、ひっかかり離れようとしなかった。
ち、ちうごくの人なのかっ!アスカってばちうごく人さんなのかっ!?
シャッフルはあんま気にすんな。たまにあるんだ。
233熱血シソジ:02/01/21 22:05
「シンちゃん、セカンドチルドレンの来日が決まったわよ」
 炸烹扇海・・・ホタテの唐揚げ辛味ソース和え。ホタテは半生で仕上げるのがコツだ・・・
をおかずにビールを飲む・・・いや、「かっくらう」と表現するらしい・・・ミサトが、
いきなり話題を振ってくる・・・だから、米も食えって。
「・・・そうか」
 俺は蟹炒飯上湯がけを飲み込みながら答える。
「それでねぇ、今度の日曜日に迎えに行くんだけど・・・シンちゃんも一緒に行ってくれるかなぁ?」
「嫌だ」
 間髪いれず拒絶する・・・妙に下手に出るミサトに、嫌な予感を感じたが、
それ以前に、ミサトと出かけると言うことは、ミサトの運転する車に乗らなければならない。
 ・・・冗談じゃない。こいつの車には、二度と乗るもんか!
「・・・・・・何故?」
 ミサトは当惑の表情を浮かべる。
 このアマは、初対面で俺を地獄に突き落としたことを、ケロッと忘れてやがる。
「どうしても」
 ミサトの前で弱みは見せられない・・・折角忘れているようだし。
「・・・私の運転で行くわけじゃないわよ」
「忘れてないんかい?こん畜生!!」
「ふっふ〜ん。忘れるわけ無いじゃない・・・私の運転に、小鳥のように怯えるシンちゃん」
 うっとりと思い出に浸る様にミサト。
「だ、誰が小鳥のようにだ?!」
「あ〜ら、本当に可愛かったわよシンちゃん」
 この時、俺は震える拳を、固く握り締めながら悟った。
 いつか・・・いつ日にか、この女と決着をつける必要があるのだと。
「という訳でシンちゃん、日曜日よろしくぅ〜〜はっはっはっはっは」
 この酔っ払いめっ・・・早目に決着つけてやる!
 そう固く心に決めるのであった。
234騙り手:02/01/21 22:19
>>232
アスカについては明日くらいには登場可能かと・・・きっと、なんとか、
お待ちください・・・って大風呂敷広げちまったよ。
235騙り手:02/01/22 02:14
おろおろ・・・おろおろ・・・
ペンペンを一回も出して無いことに気付いた
・・・おろおろ・・・おろおろ・・・駄目だ、寝よう・・・
236熱血シソジ:02/01/22 11:39
「・・・そっかぁ、これでエヴァのパイロット勢ぞろいやなぁ」
 ネルフ本部の格技室の床の上に、ひっくり返ったまま、トウジが呟いた。
「そうだな」
 俺は立ったまま、トウジを見下ろす。
 前回の使徒との闘いの後、俺達二人はエヴァの操縦訓練とは別に、
肉体的トレーニングを自主的に始めた。
 別に、ミサトと決着をつけるためのトレーニングではない。
 前回の使徒との戦闘で、自らを鍛える必要性を感じたのだ。
 煙草も止めた。香港時代の自堕落な生活で鈍った身体を鍛え直さねばならない。
「よっと、・・・セカンドチルドレンは・・・どんな・・・奴・・・なんだろなぁ」
 トウジは背筋をバネに使い起き上がる。そして台詞と同時進行で戦いは再開した。
 トウジは、左半身を前に出したクローズドスタイルから、
だらりと垂らした左腕を、真下から鞭のように顔面めがけて跳ね上げる。
 速く、しかも通常の視界の外からの攻撃は、周辺視でしか捉えることの出来ない。
 威力自体はさほどある訳ではないが、目の辺りで指を開かれると、
悪くて失明、もしくは一時的に視力を奪われる、
喧嘩屋としてのトウジの、とっておきの先制攻撃手段だ。
 ・・・実は最初に、このパンチを出された時、俺はしっかり貰ってしまった。
 それほど、完成度の高い攻撃ではあったが、所詮は不意打ち。
 わかってて避けられないレベルではない。
 俺はそれを左手で受け、肘から先を外向けに捻りながら弾き飛ばす。
 受けただけだと、速度を変えず、肘から先が弧を描き鳩尾を狙う・・・実はそれも貰った・・・
・・・腹筋を締めて鳩尾を守ったから大丈夫だったけど・・・本当だぞ!
 俺は、左手を外側へ弾かれたことで開いたトウジの脇へ、右貫手を突き込む。
 だが、トウジは自らの左肩がブラインドになっている、俺の攻撃を右手で受けた。
 ・・・恐ろしいほどの格闘センスだ、才能だけなら俺に倍するだろう。
 しかし、トウジの善戦もそこまで、俺の左掌底が寸止めで、トウジの鼻の前で止まっている。
 ・・・トウジの左足も、俺の右膝を狙っていたが、こちらの方がちと早い。
237熱血シソジ:02/01/22 12:18
「敵わんなぁせんせい、手首足首に8kgの重し付けて、それかいな?」
 構えを解いた後に、トウジがぼやき声をあげる。
「当たり前だ、修行の長さも場数も違う」
「はぁ・・・一体、どんだけ努力したら追いつけるんや?」
「トウジが真剣に修行をする気なら、・・・数年で追いつくだろし追い越せる」
 俺の台詞に驚くトウジ。
「せ、せやかて、せんせいが今の実力のままならって話じゃ・・・」
「違う。俺とトウジが同程度の修行を続けての話だ」
 驚きのあまり、トウジの顎が外れてしまいそうなほど下がった。
「どんな計算すれば、そんなことに?」
「単純に、トウジの才能が俺を上回っているってだけだ」
「はぁ?才能?ワシにそんなもんが有ったんかい」
 ・・・単純に事実を言ったまでだが、ここであまり持ち上げると、
この馬鹿は調子に乗るかもしれないので、少し釘を刺しておこう。

「トウジに才能が有るというより、俺が才能に恵まれていないだけだ、
俺は才能の分を努力で補ってきた。・・・そして身に付けた実力は俺の誇りだ」
「さすがせんせい善い事言うなぁ〜。
・・・そうかぁ・・・ちょとは天才って奴に憧れてたんけどなぁ」
 感心するやら、残念がったりと忙しい奴だ。
「・・・天才って奴なら、一人知ってるぞ」
「どんな奴や?漫画に出てくるみたいな嫌な奴か?」
 ・・・漫画って・・・いや、確かにそんな感じもあったな。
「女だ・・・三年程前に、叔父の所に三ヶ月ほど修行に来ていた」
 ・・・フェイ・・・飛鳥。
「女かいな?・・・んで、どんな具合に天才なんや?」
「・・・そうだな、俺が五年間かけて得たものを、たった三ヶ月でお持ち帰りだった」
「・・・・・そらぁ凄いわ・・・て事は、もしかしてせんせい、そいつに・・・」
 言い辛そうに、最後は言葉を濁す。
「それは無いな」
 トウジの言葉を濁した部分の答えを返す。
 不思議そうな、それでいて安心したような表情を浮かべるトウジ。
「フェイ・・・奴が、身に付けたのは五年分で、俺は六年間修行をしていた」
「一体、何を勝ち誇ってるんじゃい!そんなもん、三年も経てば引っ繰り返ってるやろ!」
 怒るトウジに、俺は意味ありげに笑ってみせる。
「どうかな?俺はトウジが言うのとは、別の結果になってると思うがなぁ」
238熱血シソジ:02/01/22 15:04
「そらぁおかしいわ、納得がいかんわ」
「・・・納得いかんか?」
「ああ、納得いかん!天才が三年でせんせいに追いつけんのに、
どうしてワシが数年で追い越せるっちゅうねん?ぬか喜びさすな」
 俺の胸倉を掴みにきたトウジの右足を、俺は左足で内側へすくい上げる。
 殴り合いの素養しかないトウジは、受身も取れず右へ引っ繰り返る。
 なるほど、右手を俺に向けて伸ばしてたから、床に手を突けなかったようだ。
「ぬか喜びかどうかは、お前の努力次第だ・・・本気でやってみるか?」
「くっそ〜!わかったやったるわい」
 痛みに顔をしかめながら、恨めしげな目で俺を見上げる。

 三十分後、トウジは三度床の上に引っ繰り返っていた。
 今度は、立ち上がれそうに無い・・・疲労で呼吸すらままならぬ様子だ。
「・・・なぁ、・・・せんせい」
「・・・何だ?」
 俺もさすがに呼吸が乱れていたが、これは煙草のせいだな。
「・・・ワシは、・・・エヴァのパイロットになって・・・何をするかが・・・目的じゃなく
・・・妹を助けるために・・・エヴァのパイロットになるのが・・・目的だった」
「別に悪いことじゃないだろ・・・人間として正しいことだ。
間違ってるのは、お前の妹をネタに、そんな条件出したネルフの連中だ」
「あぁ、それはワシもわかってる。
でもな・・・人類のため何ていう気は無いけどな、ワシは一緒に闘う、
せんせいや綾波、そしてセカンドチルドレンに、責任が有る思うんや。
わし一人で闘うわけやないからなぁ・・・もっと強くならなぁあかん・・・」
 ・・・こいつを友と呼べることを感謝しよう・・・柄にも無くそう思った。
 同時に、使徒を倒す度に、二億円受け取ってる自分が、酷く汚れているように感じ、
その日の晩は、枕を噛んでうめいてしまった。
239騙り手:02/01/22 15:22
ペンペンがぁペンペンの出番がぁぁぁ。
・・・四話後半まで無い事が判りました。
書きたいなぁペンペン・・・伊吹マヤ・ゲンドウ・冬月は、
一人称進行上出番が無いのはしょうがないが、(大して書きたくないし)
ペンペンは書くチャンスは幾らでもあったのにぃぃぃ。
そんな慌てんなよ。ペンペンは逃げねえだろ?…なんかアスカも怖い人っぽいなぁ…
ミサトさんとアスカ…((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
>239
先代の熱血シンジが一回ペンペンを出しているから
別に気にするほどでは無い

熱血シンジって元殺し屋の設定だよな?
アスカはそれ以上の怪物かよ(w
242名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/01/23 20:46
JA
あーあーそーだなJAもあるな、だからって上げんじゃねぇよこのスットコドッコイ。
なんでナイフを使わないの?
245244:02/01/23 21:40
誤爆ですスイマセン
246熱血シソジ:02/01/23 21:53
 どうして?どうして?どうして?・・・どうして、俺はここに居るのだろう?
 数百メートル上空を行くヘリコプターの中で、答えを知りながらも、
自問し続けずにはいられなかった。
「ほ〜ら、アレが私達が初めて会った時の、N2地雷で出来た新しい湖よ・・・懐かしいわねぇ」
 全ての元凶が、嬉しそうに話し掛ける。
 ミサトの運転でヘリポートに連れてこられた段階で、
既に一人でまともに立つことも出来なくなっていた俺は、いつの間にかヘリに乗せられていた。
 ミサトの運転による激しい、前後左右上下からかかるGは、平衡感覚や思考能力を奪うが、
ヘリコプターの緩やかな揺れは、胃を直撃し、喉の奥に甘酸っぱいモノが込み上げる。
「あ〜ら、シンちゃんどうしたの?ノリが悪いわよ」
 俺の肩を掴んで左右に揺する・・・止めろ、こぼれる。
「シンちゃん顔色が悪いわよ〜。寝不足かなぁ?夜更かしは駄目よぅ」
「・・・ミサト・・・吐く時は・・・お前の胸に・・・顔を埋めて・・・吐いてやる」
「ぐっ!・・・・・・・・・・・・ほ、ほら、ここにエチケット袋があるわ。それにほら、酔い止めの薬。
ミネラルウォータがあるから、これで飲んでね」
 俺の誠意が通じたようで、ミサトは態度を改め・・・無駄な犠牲は回避された。

 その後・・・悪夢のような一時間ほどの飛行の後、ヘリは国連軍所属の空母に着艦した。
 Over・the・Rainbow・・・空母らしからぬ名前の艦に着くなり、俺は脱兎の如く・・・
と言うには、ヨタヨタと足を縺れさせながらトイレへと走った。
247熱血シソジ:02/01/23 23:54
 長い甲板を走り、ビルみたいな・・・艦橋・・・でいいのか?俺はメガネ君じゃないので、
詳しいことは知らない・・・その扉へと、残り5メートル程に迫ったところで、
鉄の扉が内側から開いた。
「あぁ、天国への扉が・・・」
 既に限界を迎えていた俺の脳は、暴走する妄想に対し、これっぽちも歯止めを掛けよとはしない。
 そう、俺は恍惚の笑みすら浮かべていたのかもしれない・・・。

 次の瞬間、「しっ!」という、鋭い呼気と共に、扉の向こうから襲い来る、
すらりと伸びた細い足・・・(くわっ!)しかも生足だ・・・そして訪れた腹部への衝撃。
 俺は、恍惚の笑みと共に後方へと跳ね飛ばされる。
 強力かつ急激な腹部への圧力は、僅かにこそ、嘔吐物が口の中に逆流したが、
かえって、それ以上の逆流を許さなかった・・・それも長いことでは無いが・・・。
 甲板の上を数回にわたり、転がった後、仰向けに横たわる・・・やばい、胃が痙攣し始めた。
「ちょ、ちょっと、何でまともに喰らってるのよ?」
 薄れ行く意識の中、次第に明るさを失う紫色の視界の向こうに、
見える・・・見覚えのあり・・・そして、以前より美しくなった少女が立っていた。
 俺は震える左手を、少女・・・フェイへ差し出す。
「えっ冗談じゃないの?・・・・本気?」
 驚いたように駆け寄り、俺の手を取る・・・『チャ〜ンス!』
 俺は最後の力を振り絞り、フェイの手を引き寄せ、彼女の胸に顔を寄せる。
「!!・・・し、シンジぃ?」
 『エネルギー充填180%。総員、対ショック対閃光防御』
 あぁ、耳元で・・・伝説のあの人の声が聞こえる・・・そして、次の瞬間。
「●×〜っ□▲!★♪∴◎〜〜ぅぅぅ?!」
 思いのたけ(婉曲表現)をぶちまけ、そして失神したのである。
248騙り手:02/01/24 00:33
一日遅れで(それすら滑り込み)アスカが登場しました。
アスカの性格は、オリジナルのアスカのままにしました。
変わったのは、アスカの性格では無く、シンジとの関わり方です。

>>242
農協は、私は出しません。(きっぱり)
基本的にシンジにかかわりの薄いので、シンジの一人称で話を進めるためには、
話の深いところからの変更が必要になり、しかも、そうまでして書く必要のある
エピソードかと言えば、どうにも話数あわせな感も拭えない。
249熱血シソジ:02/01/24 01:15
 僅かに開いた瞼の向こうに・・・縦横無尽に配管が走っている低い天井。
「・・・見知らぬ天井だ」
 そう呟くと、再び瞼を閉じる・・・しかし、いきなり胸倉を掴んで引き起こす奴がいた。
「こら!馬鹿シンジぃ〜アンタねぇ、いきなり何てことするのよ!」
 力の入らない俺の身体は、次第に大きく揺すぶられる。
「・・・よう、フェイ・・・・・・沖田艦長は?」
「『よう』じゃないわよ!大体、沖田艦長って誰よ?」
 まだ、上手く働かない頭でも、フェイが赤いプラグスーツを着ている事が判った。
「んっ?・・・・・・どうして、プラグスーツ着てるんだ」
「馬鹿シンジ、あんたのせいじゃないの!なんて事してくれるよ!」
「・・・・・・・・・・・んっ?」
 まだ、どうしてフェイが怒っているのかよく判らず、首を傾げる。
「くぉの〜っ!!」
 そんな、俺の態度に腹を立てたように、首を締め上げてくる。
「あ・ん・た・が、あ・た・し・に、口にするのもオゾマシイ真似をしたんでしょ!」
「まぁまぁ、アスカ。シンちゃんはヘリに酔ってトイレ行く途中だったから」
 ミサトも居たのか?・・・ヘリ?・・・トイレ?・・・・・・・!!・・・何かやったような!
「そんなの関係ないわ!こいつは確信犯よ!絶対にわざとやったんだから!!」
 俺を睨み付けるフェイ・・・つい、視線を逸らす。
「あ〜ら、シンジ。やっと目が醒めたみたいね」
 しまった、バレちまった。
「ねぇシンジぃ〜。乙女にあんな真似して、どういう了見かしら?」
「あ、あれは・・・」
「あれは?」
 いかん、まだ頭が回らない。
「あれは・・・・・・・・・・・沖田艦長が・・・」
 数秒の沈黙の後。
「沖田艦長って誰よ!!!!」
 アスカの叫び声と、俺の断末魔の叫びが、空母の医務室に響き渡った。
250騙り手:02/01/24 01:18
最後の行の「アスカ」は「フェイ」でした。

・・・ヤマトはいいねぇ(「さらば」がぎりぎり、リアルタイム世代)
良スレハケーン!!(・∀・)
同じになったのかアスカ…まぁでも化け物じゃないっぽいから一安心。
253熱血シソジ:02/01/24 16:57
「・・・んで、シンちゃん。どうして、アスカのことをフェイって呼ぶの?」
 アスカによる、暴力の嵐が収まった後・・・助けろよ・・・おもむろにミサトが質問を発する。
「・・・フェイってのはそいつの偽名だ・・・詳しくはそいつに訊け」
 首を締め上げられた為、掠れた声しか出ない。
「名前・・・嘘ついて悪かったわねシンジ。
ミサト、飛鳥(フェイ・ニャオ)は、老師・・・シンジの叔父様よ・・・
が付けてくれた中国での私の名前なの・・・私はワリと気に入ってるわ」
 俺へ向けて、『にんまり』と笑みを浮かべる・・・悪いなんてこれぽっちも思ってない顔。
「という訳で、私の本名は惣流・アスカ・ラングレー・・・アスカって読んでいいわ」
 俺は苦々しげな表情をフェイに向けた後、ミサトに声を掛ける。
「俺はどれくらい、気を失ってたんだ?」
「ん〜と・・・実質十分ちょっとかしら?ここへ運んで服脱がして、まもなく目覚めたし」
 服?脱がす?・・・俺は視線を下へ向ける。
「・・・どうして、パンツ一枚なんだ?」
「そりゃ〜シンちゃん、自分ので服もズボンもエレエレ状態よ」
 エレエレ・・・何か判らんが、何となく判る表現だ。
「シンちゃんが気絶したのも、口の中や気管に詰まったせいなんだから」
「それより、シンジぃ〜♪あんた、気絶しているときねぇ〜♪」
 やけに嬉しそうだ、ハムスターを目の前にした犬みたいだ(まじで)。
「・・・どうした?」
 精一杯冷静に応えてみたが、所詮、今の俺はハムスターの心境だ・・・語尾が震える。
「マウスツーマウスで人工呼吸されてたわよ・・・マッチョな海兵に」
「・・・なんだ、別に問題ないだろマウスツーマウスくらい・・・
吐瀉物まみれの俺にしてくれたんだ、帰る前に一言、礼をしておかなければ・・・」
 俺はそういうの事は、全く気にしない性分だった。
 師匠との組み手中、胸に一撃貰って、心臓停止したことすらある。
 人工呼吸など、年に数回は受けていた。
 しかし、俺の台詞にミサトとフェイ・・・アスカか、紛らわしい・・・が一歩引く。
「お、男に唇奪われて、礼を言いたい?」
 こ、こら、俺の話を変に省略するな。それじゃ人聞きが悪いだろ。
「マウスツーマウスくらい・・・ってそれ以上の経験もあるの、シンちゃん?」
 お、おい!ミサトお前まで何を言うんだ?
 言葉を挟む暇も無く、二人の妄想は暴走する。
 ・・・俺は、毛布を腰に巻くと、妄想たくましい二人を残して医務室を出た。
254熱血シソジ:02/01/25 00:12
 重い足取りで医務室へ戻ると、ベッドに腰掛ける。
「・・・ところで、俺の服はいつ切れるようになる?」
「・・・はぁ?」
「何言ってるの?」
 俺は難しいことを言ったであろうか?
「だから、俺の服はどうなったの?」
 すると、ミサトは部屋の隅を指差す・・・そこにはゴミ箱が置かれていた。
 俺が慌てて駆け寄ると、案の定・・・といって良いのか・・・俺の服が捨てられていた。
「どういうことだコレはっ!」
 さすがに温和な俺も(当社比)これには切れた。
 あんまりです!こんな仕打ちは初めてです!
「どういうことって言われても・・・汚いから捨てただけよ」
 ミサトが何事もなかったように言い放つ。
「普通捨てるか?洗うとか、そういう発想は無いのか?」
 詰め寄る俺に、ミサトも怒鳴り返す。
「捨てるわよ!何で私が洗わなきゃならないのよ!」
「こ、このアマ!てめぇはいい歳した女が、人にパンツ洗わせておいて何様のつもりだ!
しかも、処構わず脱ぎ散らかしやがって、キタネェのはお前のパンツだっ!」
 激昂し、エスカレートする俺とミサト。
 二人の間にアスカが割ってはいる。
「ちょ、ちょっと待ってよ!何でシンジがミサトの下着を洗うのよ」
「・・・同居してるから」
「・・・ミサトが何にもしないから」
 二人で同時に答える。
「何にもしないって何よ!時々ゴミ捨てとかしてるじゃないの」
「俺は料理も掃除も洗濯も買い物もしている!ゴミ捨てくらいはグウタラ亭主でもするわ!」
「・・・・・・・ふ〜ん、そうなんだぁ・・・二人はそういう関係だったんだ・・・」
 アスカが・・・何か寂しそうに呟く・・・どうしてだ?
「か、関係って・・・アスカ。ちょっと何か勘違いしてない?」
 ミサトが慌てて反論する。
「勘違いしているのはミサトだ。俺はお前の母親じゃない!」
「じゃあ・・・シンジはミサトの事どう思ってるの?」
「だぁぁぁぁっ!私の話をきけぇぇぇっ!」
 ミサトがブチ切れた・・・何となく気分善し。
255騙り手:02/01/25 00:49
>>251
暫くお付き合い頂ければ幸いです。

>>252
アスカの性格を変更して、オリジナル以上のアスカをかけるか?
・・・全く自信なし。
綾波に関してもその辺があり、性格を変更できなかった。
綾波やアスカの登場の前に、時間が空いたり、
無理に他のエピソードを挿入したりするのは、ギリギリまで苦悩した証です。

シンジに関しては、「私、二人目だから判らないわ」・・・それもあるけど、
再話系のFFとして、シンジの意識改革は必要だと思います。
256熱血シソジ:02/01/25 02:19
 ドアがノックされる。
「よう、葛城ぃ〜居るか?」
 ドアの向こうで、どこか惚けた感じの男の声が聞こえる。
 声の主は、こちらの返事を待たずドアを開ける。
「久しぶりだなぁ、葛城」
 無精ヒゲを生やした・・・まぁ、整った顔立ちの三十がらみの男が現れた。
「げっ!加持」
 嫌悪感を隠そうともせず、ミサトが男の名前を呼ぶ。
「やぁ!君が碇シンジ君だね。色々噂は聞いているよ」
 加持は笑顔を浮かべたまま、俺の前まで歩み寄ると、右手を差し出し握手を要求する。
 脇の下に嫌な汗が浮かぶ・・・こいつは俺と同類・・・上手に化けているが性質の悪い毒蛇。
 必要と有れば、煙草を吸うような感覚で人を殺せる・・・そんな技量と精神の持ち主だ。
「悪いな、あんたに利き手を預けることは出来ない・・・意味は判るな」
 俺の台詞に、ミサトとアスカが息を呑む・・・加持は笑顔を一ミリたりと崩さず、呼吸も変わらない。
「おやおや、初対面だと言うのに随分嫌われたもんだ」
 加持は肩をすくめて見せる。
「シンちゃん、加地がどうかしたの?」
 ミサトは心配げに俺の様子をうかがう・・・ミサトが判らないのはしょうがない。
「何言ってるのよシンジ!加地さんに失礼でしょ」
 アスカが噛み付いてくる・・・だから、お前は二流なんだよ天才少女。
 声に出さず、アスカの評価を一つ下げる。
「じゃあ、左手ならどうだい?」
「止めておこう。今はそういう緊張感を楽しむ気分じゃない」
 俺は不適な笑みを浮かべながらも、加地が仕掛けえる10の攻撃に対して、
100の通りの防御・反撃を想定する・・・後手に回ると分が悪い、
先手を取って攻撃したいという強迫観念にも似た思いが沸きあがり、抑え付けるのも一苦労だ。
 それ程までに、加地は強いのだと俺の本能が伝える。
257騙り手:02/01/25 11:14
スマン・・・「加持」が途中から「加地」になってる。
258熱血シソジ:02/01/25 12:28
「判ったよ・・・シンジ君。もういたずらは止めるから、そんなに怒らないでくれ」
 波が引くように加持から殺気が消える。
 隠したのではない・・・消えたのだ・・・もっとも、俺にもわからないレベルで隠したのかもしれない。
 気配の変化にアスカが驚きの表情を浮かべる・・・やっと気付いたようだ。
「えっ?加持の馬鹿が何かやってたの・・・ちょっと!加持ぃどういうことよ」
 ミサトは、子供を庇う親の様に、俺と加持の間に割って入る。
 ・・・こういう事を自然に行えるミサト・・・だから、あまり憎めないのだ。
「そんなに怒るなよ」
「あんたが怒らせてるんでしょ!」
 本気で怒るミサトに、この惚けた男もタジタジだ・・・こいつもミサトに頭が上がらないのか。
「・・はははっ、シンジ君。君からも何か言ってくれないか」
 ミサトの厳しい追求に音をあげて、俺に助け舟を求める。
 勿論、俺はそんなに優しい人間じゃない。
「・・・ミサト。この男はポケットの中の小型拳銃で俺を狙ってた」
 思いっきり嘘を吐く・・・ポケットの中の拳銃は事実だがな。
「何ですってぇぇぇっ!」
「し、シンジ君!そりゃないんじゃないか?」
 怒りを爆発させるミサトに慌てふためく加持を見て、ほくそ笑む。

「・・・シンジ・・・シンジはどうして気付いたの?
・・・どうして、どうして私は気付かなかったの?」
 思いつめたように肩を小刻みに震わせながらアスカが尋ねてくる。
 三年・・・その間に、俺との差を埋める『何か』を見出す事が出来なかったアスカ。
 自分で事実に気付いたのだろう。
「・・・才能無いんじゃないか?」
 俺は冷たく突き放した。
 同門の不出来な妹弟子に『何か』を手に入れるためのアドバイスならば、しても良いだろう。
 だが、『何か』に気付きもしない馬鹿に、手取り足取り教えるほど親切にはなれん。
「!!」
 酷薄な俺の態度に、驚きと哀しみ・・・まるで捨てられた仔犬の様な瞳に・・・涙?
 アスカは医務室を飛び出していった。
「何をしてるの!シンちゃん、アスカを追うのよ!」
「・・・いや、追うも何も、この格好じゃ・・・」
 ミサトは脇においてあった紙袋から、なにやら取り出すと、俺に投げつけた。
 ・・・紅い・・・プラグスーツだった。
259騙り手:02/01/25 20:19
すいません。
253と254の間に以下の文章が存在します。
カット&ペーストでミスしました。
何で医務室を出たら、次には戻ってるんだよ!俺の馬鹿!!

*****************************
「・・・なるほど・・・困ったな」
 俺は医務室の前の廊下で、通り過ぎる女性士官を捕まえて、着替えを要求したのだが、
俺の体躯では、男性隊員の服どころか、女性士官は自分の服ですら、
サイズが合わないと宣告された・・・
・・・確かに、この女性士官もミサトより縦も横も大きい・・・胸もな・・・恐るべし。
 女性士官が立ち去った後、腕を組んで思案していると、医務室のドアが開く。
「ちょっとシンジ。何をそんな格好で廊下に出てるのよ」
「しんちゃん、苛めないから帰ってらっしゃい♪」
 ・・・もし・・・万一、この二人と暮らしたりしたら大変だなぁ・・・
・・・そんな感慨にふけっていると、何か背中に冷たいものが走った・・・ま、まさかな・・・いや、マジで。
260熱血シソジ:02/01/26 20:26
 ・・・あまり、着る服とかに拘らない性格だった俺だが・・・恥ずかしい。
 これなら、裸の方がまだマシな気がするが、すれ違う人々の好奇の眼差しの中で、
プラグスーツを脱ぐのは、もっと不味い・・・その程度の自覚はある。
 適当な人間を捕まえると、自分で着ている紅いプラグスーツを指差して、
『これと同じモノを着た女の子を見なかったか』と尋ねること五回にして、
アスカの居場所が判明した。

 飛び立とうとするヘリに、強引に乗り込む・・・凄く嫌だが。
「・・・何しに来たのよ」
 俺と視線を合わさず、小さな声で、そして責めるように。
 俺は無視して、アスカの隣に腰を下ろすと、身構える。
「・・・!」
 ヘリが離陸した。
 奥歯をかみ締め、きつく拳を握る。
 脇・背中・手のひら、あらゆる場所から汗が吹き出る。
「・・・何しに来たって?・・・知るかそんなこと!」
 右手で目を覆いながら、左右のこめかみを押さえる。
「・・・馬鹿じゃないの?」
「・・・馬鹿って言うな」
 またもや具合悪くなってきた俺は、そのまま押し黙る。
「私のプラグスーツなんて着て・・・恥ずかしい奴」
 沈黙を破ってアスカが話し掛けてくる。
「・・・裸より恥ずかしいが・・・裸って訳にはいかないだろ?」
「・・・馬鹿」
「・・・馬鹿って言うな」
 アスカは、その後も俺へ『馬鹿』と言い続けたが、
何故か最後は小さく笑顔を浮かべていた。
アスカの性格本物より少し丸い?
262熱血シソジ:02/01/27 02:53
 ヘリを降りると・・・死にそうだった・・・一キロも離れていない輸送艦に着くのに、
十分近く飛んでいた計算になる・・・異常ですね・・・変ですね・・・答えは簡単。
 俺がヘリを降りるとき、黒人パイロットが親指を立てながら「ヘイ!彼女と仲直りできたかい?」
とベタベタな台詞を吐きやがった・・・もし、俺にもう少し元気があれば、奴に一ヶ月ほど、
ベッドの上での傷病休暇をプレゼントしたものを・・・命冥加なヤツめ。
「あんたって、本当に乗り物に弱いのね」
 血の気の引いた顔で、しゃがみ込んでいる俺に、いたわりの欠片も無い台詞を吐きかける。
 軽口を叩ける程度には、気分を持ち直したようだ。
「・・・ほっとけ」
 今の俺には、そう切り返すのが精一杯だった。
「船は平気なの?」
「・・・大きければな」
 この輸送艦ならば、直に酔いも納まるだろう・・・そう意識するだけで、
かなり気分が良くなる。
 全く、我ながら現金なものだ。

 その後、回復すると、俺はアスカに弐号機の元へ連れて行かれた。
「どう、アタシのエヴァは?これこそ、実戦用に造られた、世界初の、
本物のエヴァンゲリオンなのよ。制式タイプのね!」
 アスカのパーソナルカラーである赤に塗られたエヴァ弐号機・・・はっきり言って、
趣味が悪い・・・しかし、それをあえて口にするほど子供でもない。
「・・・あっそう」
 もっとも、心にも無いお世辞を言って、場を和ませるほど大人でもないのだ。
「っ!・・・まぁ良いわ。シンジ・・・相手をしてくれない?」
 まぁ、想像通りってところか、俺はゆっくりと構えを取る。
「かかって来いよ」
263熱血シソジ:02/01/27 15:49
 久しぶりの手合わせだ、アスカの好みは、派手で華麗な技、高度かつ複雑なコンビネーション。
 ・・・コメントのしようが無いが、あえて、一言で言うなら・・・馬鹿だ。
 第一、闘い方に好みがある事が、俺の理解の範疇を大きく逸脱している。
 結局、アスカは、闘いというものをまるで理解できていない。
 アスカのは、ある種の自慰行為・・・それでも、十分な実力を身につけるところが、
天才たる所以か・・・もっとも、それが足枷にもなっているのだが・・・。
 どうせ相変わらずな攻撃を仕掛けてくるのだろうと思っていると、今回のは多少毛色が違っていた。
 膝を曲げ腰を低く落とし腹式呼吸・・・『氣』を練り始めたようだ。
 俺は感心した、三年前は扱えなかったはずだ・・・だが、所詮は新しいパターンの馬鹿に過ぎない。
 身構えてから、こんな真似を始める馬鹿には、丹田に溜まった『氣』ごと、
前蹴りで蹴り潰すところだが、寛容な兄弟子たる俺は、アスカの意図を読み取り、
錬氣を待ってから、一歩踏み込んでやる・・・半歩崩拳、どうせ漫画でも読んだのだろう。
 俺の左脚の踏み込みに対して、アスカの踏み込みは右脚。
 アスカの足が俺の足を踏みつける・・・これで、俺は引くことも出来ず、食らった後は、
後ろに剄(ちから)を逃すことすら出来ない。
 アスカは勝利を確信し、自分の技に陶酔すらしていただろう・・・俺がそう仕向けたのだが。
 だが、アスカの右の縦拳が、俺の鳩尾に突き刺さることは無かった。
 先に、俺の左裏拳がアスカの左頬骨を捉え、更に右肘の少し上の部分で、
アスカの拳を払い落としたのだ。
 後の先たる崩拳より速い俺の左裏拳は、トウジの技を俺なりに改良した技だ。
264騙り手:02/01/27 15:54
>>261
本物のアスカの性格より丸いのではなく、
本物のアスカとは、シンジへの接し方が違う・・・つもり。

この話を書くようになってからFFを読むようになったんですが、
FFではLAS/LRSを問わず、アスカのシンジへの態度は丸いのが多いので、
(あくまでも自分が読んだ範囲では)
かなり感化されているかも知れない・・・。
問題ない。存分にやりたまえ。この台詞便利だな…てゆうか随分ハイペースだけど
大丈夫か?
266熱血シソジ:02/01/28 13:10
 本来は、そのまま左の肘をアスカの胸に打ち込むのだが、
アスカを病院送りにするのが目的ではないので、
打点をずらされバランスを崩したアスカを抱きとめる。
 俺の腕の中で、驚いた表情を浮かべるアスカ。
「そんなに驚くことは無いだろ?」
 『俺に勝てるつもりでいたのか?』が続く予定だったのだが、黙っておく。
「くっ、離してよ!」
 いきなり暴れ出すアスカから手を離す・・・殴ってない左の頬まで赤くなっていた。
 アスカは、俺の胸を両手で突き飛ばし、左の頬を押さえながら睨み付けてくる。
「おいおい、これでも手加減したんだぞ」
「馬鹿にしないでよ!」
 肩をすくめて見せた俺に、アスカの怒声が浴びせられる。
 ・・・やれやれだぜ。
「おいフェ・・・アスカ、一つだけ教えてやる。
相手に勝つって事は、相手より強くなるって事じゃないぞ」
「・・・どういうことよ」
「今のは、出血大サービスのヒントってやつだ・・・後は自分で考えてくれ」
 そう言い残すと、空母に戻ろう・・・戻るのか?またヘリに乗って?
 ・・・いやいや、この輸送艦も横須賀に着くはずだから、このまま乗ってても・・・。
真剣に考え込んでいた俺を、いきなり下から突き上げるような衝撃が襲う。

「水中衝撃波!・・・爆発が近いわ」
 アスカが解説してくれる・・・ナイスだ天才少女!
 俺が甲板に出ると、目の前で艦が次々に爆沈していく。
「・・・使徒だな」
「アレが本物の!」
 遅れて甲板に現れたアスカが驚愕の声を上げる。
「あんなの他に居るか?」
 そう言ってると、また・・・今度は戦艦が爆発し沈んだ・・・揺れるな。
「・・・・チャ〜ンス」
 名状しがたい表情をたたえたアスカの台詞に、嫌な予感に見舞われた俺は、
そっと、その場を立ち去ろうとしたのだが、あっさりと捕まった。
「アタシの名誉返上のチャンスよ!付き合ってもらうわ」
「俺の生命の危機だ!見逃してくれ・・・って返上してどうする?このドイツ女」
「五月蝿いわね!さっさと乗りなさいよ」
 俺の訴えは聞き入れられず、紅の巨人・・・エヴァンゲリオン弐号機へと、
蹴りこまれるのであった。

・・・続く。
267騙り手:02/01/28 13:42
やっと3話終了。
気分的には四話終了・・・思いつきでタイトル付けた自分が悪い。

>>265
もう少しペースを上げて、二月中くらいには一部完で区切りつけて、
三人目に引き継いでもらえれば・・・そろそろ仕事探さなきゃ。
>>267
無職なのか…
こんな時間に書きこむなんてって思ってたけど。
269熱血シソジ:02/01/28 15:10
「断っておくが、俺はドイツ語は出来ないからな」
「なんでよ!ドイツ語を話せるようになっておけって言ったじゃない!」
「・・・フランス語を勉強したから」
 いきなりアスカの肘うちが額に決まる・・・狭いコックピットの中ではかわせない。
「当てつけしてるんじゃないわよ!・・・全く話せないの?」
「・・・バームクーヘン?」
 再び、アスカの肘が俺の額を捉える。
「なんで、バームクーヘンよ!しかも、疑問形で」

第四話 闘うネズミたちの日常

「アスカ!外部電源の準備出来たわ!」
「判った!」
 弐号機が宙を舞う・・・前方宙返り捻り一回半・・・何故捻る?
 そして、空母に着艦・・・見事な着地だ。
「船尾にプラグを用意したわ!」
「了解!ミサト」
「アスカ。九時方向から来るぞ」
 今までの使徒より遥かに大きい・・・エヴァの視点から見ても、鯨みたいだ。
「武装が無いぞ」
「プラグナイフで十分よ!」
 弐号機は肩からプラグナイフを抜き、使徒に向かって構える。
 この根拠の無い自信は何処から出てくるのだろう?
 ・・・俺が悲観的なだけか?
「悪くないレスポンスだな」
「当たり前よ!」
 言いたいことは山ほどあるが、ここで士気を下げるような発言をしても意味が無い。

「・・・アレだけの巨体だ、コアを潰さなければ埒があかない」
「コアって何処よ?」
「さあな、取りあえずかわせ!」
 使徒は海面から宙へ身を踊らせ、巨大な口を開くと、弐号機へと襲い掛かる。
 弐号機は体を捌いて、使徒の右側に回りこみ、すれ違いざまに蹴りを打ち込んだ。
「見えたか?」
「何を?」
「口の中、喉の奥にコアがあった」
「口の中ぁ?どうやって攻撃するのよ?」
 肩をすくめて見せると、三度アスカの肘が額を捉える。
 ・・・このアマ!人の頭をなんだと思ってやがる。
「ミサト、何かいい手を考えろ!このままじゃ俺の額が割れる」
270騙り手:02/01/28 15:14
>>268
それはもう、絵に書いたような無職っぷり。

>>158で告ってます。
271熱血シソジ:02/01/28 17:11
「いいアスカ?少しだけ時間を稼いで頂戴」
 艦橋では、ミサトが艦長と怒鳴りあっているようだ。
 使徒は弐号機に蹴り飛ばされた後、空母の周囲を距離を取って泳いでいる。
 エヴァを警戒しているようだ・・・これで少しは時間が稼げるか?
 大体、時間を稼げと言われても、稼げるものじゃない。
「N2爆弾を使うわ!弐号機はN2爆弾を携行し海中へ、その後、使徒体内に侵入。
プログナイフを使用し、コア付近の組織を切り裂きN2爆弾を設置後、速やかに離脱してください・・・尚、使徒体内で自爆信号が到達するか不明の為、N2爆弾は時限式とします」
 ・・・体内に侵入って、それは・・・
「ミサト!アタシに使徒に食べられろって言うの!」
 ・・・いや、俺もだ。
「大体、時限式って何よ!逃げられなかったらどうするのよ!」
 ・・・死ぬ・・・のかな?
「・・・・・・・・・・・」
 ミサトは答えに困ってるようだ・・・この馬鹿指揮官が。
 危機に瀕した俺の灰色の脳細胞は、生き残るためのプランを立てた。
「・・・アスカ聞いてくれ!」
「何よ!こんな時に」
「俺を下ろしてくれ!!」
 ・・・アスカは無言のまま、俺の額に肘を打ち込み続けた・・・光が見える・・・天国か?
 『シンジ・・・まだここに来てはいけないよ・・・』・・・婆ちゃん!
 『しっかりしろ。シンジ・・・避けるんじゃ』・・・爺ちゃん!!
 幼い頃に死別した祖父母の声に、意識を取り戻した俺は、
肘を打ち込み続けるアスカを押しのけると、そのまま上に被さり、操縦桿を握る。
「跳べ!!」
 弐号機の足元を使徒の巨体が通り過ぎる。
 バランスを崩しながらも、なんとか甲板に着地した。
「勝手にアタシのエヴァを操縦しないでよ!」
 それを無視してミサトに呼びかける。
「どれ位でN2爆弾を用意できる?」
「30秒後、左舷艦載機用のエレベーターで出すわ!」
272熱血シソジ:02/01/28 18:45
 右手にナイフ、左手に爆弾、背中からケーブルで海中に吊るされる弐号機。
「「・・・格好悪ぅ」」
 アスカと俺がハモった・・・しかし、顔を見合わせ笑った後に、友情が芽生える余裕も無く、
使徒が襲い掛かってくる。
「くぉの〜っ!」
 アスカが、必死に操縦桿を前後に動かしながら必死に避けようとする。
 その、無駄な足掻きを横目に、俺は素直に感想を漏らす。
「こういうのって、昔、映画で見たな・・・鮫が人間めがけて襲い掛かってきて、
次の瞬間、スクリーンに犠牲者の紅い血がぶわ〜っと・・・」
 アスカの肘が俺の額を襲った。
 次の瞬間、LCLの中を紅い煙のようなものが漂う・・・俺の額がついに、割れたのであった。
「こん・・・・っ!」
 俺の台詞を遮って、衝撃がコックピットを襲う。
「食べられたわ!」
 アスカが苦しそうに状況を語る・・・使徒に噛み付かれた腹部に痛みを感じているのだ、
無論、俺にも痛みは届いているが、アスカの方が数段強く感じているはずだ。

「アスカ、コアが見えるか?」
「見えるわ・・・爆発までの時間は?」
「三分十三秒・・・シビアな設定時間だ」
 使徒のATフィールドを全力で中和しつつ、プログナイフを振るい、コア近くを切り裂く。
「もう少し奥まで穴あけろ」
「わかってるわ!」
 更に数度ナイフを振るうと、左手の爆弾を腕を伸ばして奥まで押し込む。
「・・・残り二分を切ったわ。二人とも逃げて!」
 ミサトが叫ぶ。
「わかったわ・・・逃げるわよシンジ」
「やってくれ」
 弐号機の両椀に力がこもる。
 腹部にかかる痛みが引いていく・・・が完全には消えなかった。
「駄目だわミサト。口が開かないわ!」
 アスカの声が絶望に震える。
273熱血シソジ:02/01/28 19:23
「アスカ、諦めないで!」
 ・・・全くだ、俺の命がかかってるんだ。
「急いで、残り一分を切ったわ!」
 ・・・冗談じゃない!
 操縦桿を握るアスカの両手に俺の両手を添える。
「!・・・シンジ」
 驚くアスカに対し、静かに声をかける。
「落ち着け・・・使徒の口を押し広げるイメージを持ちながら、
ゆっくりと俺に呼吸を合わせろ」
 いつに無く、シリアスな俺に・・・当然だ、命がかかってる・・・アスカは黙って頷く。
 乱れていたアスカの呼吸は、次第に落ち着き、俺の呼吸と重なっていく。
「残り三十秒を切ったわ・・・お願い!」
 祈るようなミサトの声が聞こえる。
 俺とアスカの腕が操縦桿を押し下げていく・・・腹部の痛みが消える。
「ぅおおおおおおおおっ!」
 アスカの雄叫びが聞こえる・・・俺も叫んでいたのかもしれない。
 そして・・・使徒の口は開いた。

「ミサト!ウィンチを巻き上げろ!!」
 俺の叫びの直後、弐号機は後方へと引き上げられる。
「残り五秒!ATフィールド全開!!」
「了解!」
 ミサトの指示に、アスカがATフィールドを全方位に展開した。
 水中での爆発の衝撃の強さは、爆心からの方向ではなく距離で決定する。
 爆心方向へのみATフィールドを展開しても意味が無い。
「5・4・3・2・1、衝撃波くるわ」
 コックピット内が光に包まれる。
 ワンテンポ遅れて衝撃が届く。
 ATフィールドを全方位に展開した分、防ぎきれず全身を衝撃が襲った。
 一瞬の意識の空白。
 ・・・迫る空母の甲板に気付いた俺は、なんとか弐号機を甲板に着地させ・・・そして力尽きた。
ラミエルは飛ばしたのね。
275熱血シソジ:02/01/28 20:37
 ミサトとアスカが先にヘリで帰った後、俺は国連軍のトラックで第三新東京市へ送って貰った。
 有難い事に、パンツ一枚に毛布姿の俺に、途中でジーンズショップに寄り、
ジーンズとTシャツを買ってくれた。
 礼を言う俺に『助けてくれた礼だ』と言って、俺の肩を叩きながら笑った。
 ・・・気持ちのいい連中だ・・・この仕事が終わったら、国連軍も良いかもなぁ、
どうせ、堅気の仕事は無理だし。

 その後、ネルフ本部での検査と報告を行ったが、アスカは既に帰宅したとの事で、
本部で顔を合わせることは無かった。
 全てが終わって、本部を出た頃には日付が変わっていた。
 もう少し待てば、一緒に帰れると言うミサトを・・・置いて逃げました・・・全力で。
 マンションの前でタクシーを降りると、見覚えのある青い車から、美女がこちらを睨み付けている。
「・・・遅かったわね?薄情者」
「・・・速いのは嫌いなんだ」
「・・・まぁいいけど、駐車場に車入れてくるから、今度は待ってなさいよ!」
 これ以上、怒らせるのもなんなので、仕方無く待っていると一分ほどでミサトが戻ってくる。
 不機嫌そうにしているかと思っていたら、何故か機嫌が良さそうだ。
「さぁ、部屋にもどりましょ、シンちゃん」
 そう言うと、俺の手を取り腕組み状態で、引っ張って行くミサト。
「ちょっと待て、何故そんなに引っ張る?」
 嫌な予感がして、振りほどこうとするが、ミサトの腕は固く俺の腕を締めて、
引き剥がせない・・・謀ったなミサト!
「ふっふ〜ん到着♪」
 やばい!本当にやばい!俺の本能がびんびんに警告を発している。
 そこで、ミサトは俺の腕を放すと、ドアのノブを回す。
 ・・・馬鹿な、何故鍵を開けずにドアが開く!?・・・と半ば想像はついているのだが、
取りあえず突っ込んでおく・・・諦めモード。
「ただいまぁ〜」
 ミサトの声に、一拍置いてから返事が返ってくる。
「おかえりぃ〜。遅いわよ二人とも」
 それは、紛れも無くアスカの声だった。
276騙り手:02/01/28 20:39
>>274
順序を入れ替えただけで、エピソードを端折ったわけじゃないです。

>>210参照
語り手の人生に仕事と幸とバームクーヘンの有らんことを
278熱血シソジ:02/01/29 01:25
「どうして、お前がここに居るんだ」
 それが、リビングに入った俺の第一声、包み隠さない本心だった。
 怒るかと思ったのだが、アスカは笑みを浮かべる・・・悪そうな笑みだ。
「本部に向かうヘリの中で決めたのよ」
 俺の聞いてるのは、そんなことではなく、もっと根源的な理由だ。
 喉まででかかった言葉を飲み込みつつ、冷静に話し掛ける。
「大体、お前は何処に寝るつもりだ?・・・・・・・・・・・・まさか!」
 俺は慌てて、自分の部屋の襖を開ける・・・。
「・・・何じゃ、こりゃ〜!!」
 勇作兄ぃばりの叫びをあげる。
 俺の部屋は・・・いや、俺の部屋であったものは、ダンボール詰にされた荷物に占領されていた。
 ・・・わかる、わかるとも、誰の荷物か聞かないでもわかるさ・・・おのれアスカめ!!
「ア〜ス〜カ〜貴様を地獄へ送る前に、一つだけ訊いておく。俺の荷物は何処だ?」
 すると、アスカが物置部屋の戸を指差す。
 物置部屋の戸を開けると、俺の荷物はダンボールに詰めて置かれていた・・・いや、
置かれていたは違うな、ダンボールは引っ繰り返って、荷物が散らばっている。
 ・・・正しい日本語では『放り込まれた』と言うべきであろう。
 これで、俺の心は定まった。
 これから振るう拳は単なる暴力ではない。
 血も涙も無い侵略者に抗うための正義の闘い・・・聖戦であると。
 俺はゆっくりとした足取りでリビングに戻ると、アスカに紳士の礼儀正しさをもって宣戦布告する。
「こん畜生ぅ、表に出やがれ!」
279騙り手:02/01/29 01:35
>>277
俺の人生に、仕事は必要だ。バームクーヘンもあっては困らん。
しかし、しかしだ・・・どうして、他所様から
「幸足らん」呼ばわりされないとならない?
あんまりじゃないか?あんまりですよ!あんまりですとも!!
会った事も無い奴に、何で見透かされなきゃならんのだぁぁぁぁっ・・・しくしく。
280騙り手:02/01/29 01:46
う〜ん、一人称の物語としては、
騙り手側が、熱血シンジに接近するのは良いのですが、
どうにも、熱血シンジの方が騙り手に接近してきている・・・マズイ傾向だ。
相変わらず、熱血には遠いしなぁ・・・。
面白い、頑張ってくれ。
282熱血シソジ:02/01/29 12:08
「まぁまぁ、シンちゃん〜家主の私が決めたことだから」
 ミサトの能天気な声が、俺の怒りに水を差す。
「・・・家主って誰?」
「私よ!」
 ただし、俺の怒りはドロドロに煮えたぎった油から立ち上る炎だった。
「ほう・・・では家主による、居住者の既得権益を無視した自力救済・・・」
 俺の眼は本気だ。
「えっ、マジ?シンちゃん」
「・・・お前の上司の冬月に訴え出る」
「ちょっと、冗談じゃないわよ!副司令って、アレでリツコより口うるさいのよ」
 先程までの面白がるような笑顔を消え去り、顔色を変えるミサト。
 所詮はサラリーマン。下には強いが、上には滅法弱い。
「でもね、アスカも女の子じゃない?やっぱり、自分の部屋が必要よねぇ」
 それはそうだ、第三者的観点に立てば、答えはイエスだ。
「だからね、やっぱり、あの部屋はアスカの部屋にするべきだと思うの」
 必死に俺を説得しようとするミサト、それに対し俺は頷く・・・あくまでも第三者的観点で。
「さすがシンちゃん!物分りが良くて、お姉さん助かっちゃうなぁ〜」
 俺の理解を得て喜ぶミサト・・・ぬか喜びだがな。
 そして今度は、俺は当事者の立場で話し始める。
「その一方でだ、ミサト。繊細かつ多感な少年期の俺にも、自分の部屋が必要だと思わないか?」
 質問の体裁をとってはいるが、否と答えたら、『ただで済むと思うなよ!』と言外に含みをもたせた、
有無を言わさぬ俺の言葉にミサトは黙って頷く。
「だから、ミサトの部屋を俺が貰う!」
「・・・ちょっと、じゃあ私はどうするのよ?」
 俺は黙って、物置部屋を指差す。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 絶望的に悲鳴が深夜のマンションに響き渡る。
 ・・・近所迷惑な女だ。
「ちょっと、シンちゃん、それは勘弁してよぅ」
 俺のことは、物置部屋に押し込むつもりだった癖に、自分の事となると、
この取り乱しッぷりに、腹立つ以前に頭が痛くなる。
「仕方ない・・・あっちならどうだ?」
 俺の指差す方向を振り返るミサト。
 そこには、先程のミサトの悲鳴で眼を覚ましたのか、眠そうなペンペンが、
自分の冷蔵庫の扉を開けて、こちらを覗いていた。
 しかし、ペンペンはミサトと視線が合うと、慌てて冷蔵庫の扉を閉めた。
「・・・ペンペンも嫌だとよ」
 一拍おいて、ミサトの怒りの絶叫が、再び深夜のマンションに響き渡る・・・あぁ近所迷惑。
283熱血シソジ:02/01/29 16:52
 その日の、三時過ぎには、一通り作業を済ませ、早めに夕食の準備を始める。
「今日は、凝ったものを作ってみるか・・・」
 つい、独り言が口をつく。
 ・・・11-A-2と同じつくりの2LDKで、一人暮らしには広いが、その広さを寂しがるほど、
感傷的ではない・・・・その筈だ。
 インターフォンの呼び出しが鳴る。
 包丁を置いて、インターフォンのモニターを覗く・・・トウジだ。
「鍵はかかってないから、勝手に上がれよ」
「そっか」
 玄関でドアが開くと同時に「おじゃましま〜す」とトウジとメガネ君の声が聞こえる。
「おう、上がれ」

「どうした?」
 廊下の向こうから、こちらを覗きこむトウジに声をかける。
「いやぁ〜、せんせぇが一人暮らし始めたいうから、
これからの溜まり場の下見に・・・」
「帰れ!」
 しかし、二人は俺の言葉を無視して中へ入ってくる。
「ええ匂いさせてるなぁ〜せんせぇ」
「うぉぉぉっ、エプロン姿の碇だ!」
 メガネ君がいきなり俺に向けてビデオを回し始める。
 俺のエプロン姿をビデオにとってどうするつもりだろう?
 ・・・さっぱりわからんので放置する。
「ごっつええ匂いや、なぁせんせぇ何つくっとるんじゃ?」
「別にまだ何も出来てない。
取りあえず、圧力鍋を使って牛骨に牛脛と野菜のスープと、
鶏がらスープの二つを作っているだけだ。
この二つを作り置きしておけば、後が楽だからな・・・ん?」
 俺の台詞にトウジとメガネ君は口を大きく開けて固まっている。
「・・・どうした?」
「・・・い、いや、せんせぇが、そな本格的に料理するとは、なんつうかイメージが・・・なぁ」
 トウジは隣のメガネ君に同意を求める。
「・・・あ、あぁ。意外な一面って奴だなぁ」
 俺は、二人に生い立ちを話した。
 四歳かそこらで叔父との二人暮し、しかも、中国の山奥の小さな村での生活を。
「なんだか、凄い環境で育ったんだね」
 ・・・だから、どうしてビデオを回すんだメガネ君。
「・・・ワシらも男所帯で育ったが、食事にそこまで苦労しなかったなぁ」
 腕組みしながら、深く頷くトウジ。

 結局、二人は晩飯を食ってくことになり、凝った料理ではなく、分量を作ることになり、
あんかけ中華風鶏の唐揚げ・・・変な言葉だな・・・に水餃子・もやしの炒め物に、酸辣湯を、
多めに用意した・・・メガネ君はともかく、トウジは食うから。
一人暮しって?
アレか、隣の部屋あたりに移ったのか?
285騙り手:02/01/29 17:00
ぬっ!
263のアスカの崩拳が右になってる・・・本当は左。
格闘シーンは、実際に自分で技を出して更に反対の立場で受けて・・・と、
一人二役で考えるので勘違いしました・・・笑って許してください。
286騙り手:02/01/29 17:03
すんません、またやっちまいまいした。
以下の文章をカッペしそこないました。

************************************
 それから二日後、俺はミサトの隣の部屋11-A-3に引っ越した。
契約さえ済んでしまえば、俺の荷物は一度に持って運べる程度なので、引越しは一瞬だった。
 家具は備え付けの物が一通り揃っており、電化製品も必要と思われる範囲で揃っていた。
 だが、日常雑貨・寝具・食料品を買いそろえ掃除を行うために、その日は学校を休んだ。
287騙り手:02/01/29 17:06
286の文章は、282と283の間です・・・申し訳ない。
切り取り→貼り付けは厳密に言うとコピペじゃないんだけど。
ちゃんと(?)カッペって言ってるの初めて見た。
289騙り手:02/01/29 18:38
>>288
UNIXでCの仕事していたから・・・。
290熱血シソジ:02/01/29 21:16
「お邪魔しま〜す♪」
 俺の玄関のドアが、いきなり開いた。
 インターフォンも鳴っていなければ、ノックも無かった・・・明らかに不法侵入(ミサト)だ。
「シンちゃん〜ご飯食べに来たわ〜」
「帰れ!!」
 間髪入れぬ俺の拒絶を無視して、ミサトは上がりこむ・・・俺の話を聞けよ。
「ハイ差し入れ!」
 テーブルに置かれたのは、エビチュ500ml六本パックが二個。
「差し入れも何も、お前が飲む分を持ってきただけだろ!」
「いや〜、シンちゃんの料理に慣れちゃうと、コンビニの弁当や惣菜じゃ物足りないのよね」
 だから、何にも俺の質問に答えていない・・・頼むから人の話を聞け!
『プシュッ!』
 ミサトは、早速一本目のビールのプルタブを引き上げ、喉を鳴らしながら、
一気に500mlを喉の奥へ流し込む。
「・・・っぷはぁぁぁぁぁぁつ!たまんないわねぇ〜仕事後のコレは」
 ミサトは親父ッぷリ全開で、メガネ君も思わずビデオを回し忘れ見入っている。
 ミサトの醜態をトウジやメガネ君に見せることに、羞恥心を感じずには居られない。
 血が繋がっているわけでも、今では一緒に暮らしているわけでもないのに、
何故、俺はミサトのことで、トウジたちに対して、恥ずかしいと感じるのだろう? 
 ・・・今の俺には答えを出すことは出来なかった。

「ミサト・・・お前の同居人はどうしたんだ?」
「同居人って・・・素直にアスカって言やいいのに」
 続けざまにもう一本空けて、三本目を開けるミサト。
「なんや、惣流はミサトさんと同居してたんかい・・・ってせんせぇも同居しておったつうことか!?」
「なんだって?本当か碇!」
 ・・・ちっ!つまんない事で鋭い奴だ。
「同居っても二日間だけだ、アスカとはなんでもない」
「あやしいなぁ〜せんせぇ。前から知り合いらしいしなぁ」
「どうなんだ碇?これは大事なことだぞ」
 ビデオのファインダー越しに、勢い込んでしゃべるメガネ君。
「何が大事なんだ?」
「決まってるだろ碇!お前やアスカの写真の売れ行きに関わる!!」
 取りあえず、一発殴っておきました・・・しかし、殴られてなお、彼はカメラを離さず、
ファインダーに俺を捉えつづける・・・こいつもある意味、漢なのかもしれない。
 ・・・だが、メガネ君は、所詮メガネ君だ。
 しかし、お陰で話を逸らす事が出来た・・・ありがとうメガネ君!
291熱血シソジ:02/01/29 21:53
「だからアスカはどうしたって聞いてるだろ?
被保護者をほったらかして、お前一人がここで飯食って良いはず無いだろ!」
 自分の部屋に戻って、アスカと貧しく荒れた食生活を送るがいい・・・とは言わないが思った。
 すると、ミサトは懐から携帯を取り出すと、おもむろに電話をかける。
「アスカぁ?あのねシンちゃんがねぇ、アスカのことを心配して、
こっちに来て一緒に食べなさいって。うん!そう!ハイ〜プチっと」
「・・・・・・・・・あうあう・・・・・あう」
 あまりのミサトの発言に声が出ない。
「・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て!」 
 俺が言葉を発する事が出来たのは、三十秒は経過していた。
「シンジぃ〜お邪魔するわね♪」
 ・・・遅かった・・・全てが遅かった・・・がっくりと膝を落とす。

 結局・・・アスカのために、水餃子の追加と春巻き、サラダを追加する俺だった。
 しかも、悪しき前例を作ったために、ミサトとアスカは毎日のように俺の部屋で飯を食う。
 ・・・そう、俺の一人暮らしは初日にして潰えたのであった。
結局、ミサトとアスカにはかなわないみたいだな。
293熱血シソジ:02/01/29 23:54
 学校でのアスカは、エライ人気者だった・・・適度に被った猫のお陰で、
美人で頭脳明晰にして運動神経抜群。気取らずはっきりと意見を述べる性格・・・等と、
かなり好意的に受け入れられているようだ・・・怖いねぇ、知らないって事は。
 八方美人的に人間関係を広げるアスカに対し、相変わらず俺は猫を被ったまま、
静かな学校生活を送っている。

 屋上での昼飯の後、トウジがバスケに誘ってくれたが断り、
その場で引っ繰り返えると、何も考えずに空を眺める。
「・・・平和だなぁ」
 別に平地に乱を起こすほど、物騒な性格をしているわけじゃない。
 次の使徒が現れるまでの、このインターバルを純粋に楽しんでいた。

 ・・・いつの間にか、ウトウトと短い眠りに陥っていた俺の顔に、何かの影が差す。
 重たい瞼を、ゆっくりと持ち上げると、強い逆光のシルエットの中に紅い瞳が見えた。
「・・・碇君」
 相変わらず、抑揚を感じさせない綾波の声。
 俺は、手を使わず背筋と首の力をバネに立ち上がる。
「どうした?」
 ズボンやシャツについた埃を払いながら、用件を尋ねる。
 すると綾波は、俺の背中へと回り込むと、
「ここにも・・・埃・・・付いてる」と埃を払ってくれた。
 ・・・駄目だ、俺が綾波を動揺させる前に、俺が・・・顔が熱くなるのを自覚する。
「碇君・・・これ、ありがとう」
 綾波は、見覚えのある白いハンカチを差し出した。
「・・・ああ、わざわざすまないな」
 何度も受け取りそびれたハンカチが、俺の元に返ってきた・・・何故か胸を襲う喪失感。
 俺は綾波の瞳を真っ直ぐに見つめる・・・駄目だ、何にも読み取れない。

 そして、綾波は俺に背を向けると立ち去る・・・いや、途中で振り返る。
「・・・また本部で」
 そう言い残して立ち去ろうとする・・・が脚を縺れさせた。
 俺は素早く駆け寄ると、綾波の腰に腕を回して抱きとめる。
「大丈夫か?・・・相変わらずだな」
「・・・あ、ありがとう」
 綾波が言葉に詰まりながら礼を言う・・・勝った!俺の中で根拠の無い勝利宣言が行われる。

「今度は気をつけろよ」
「・・・はい」
 振り返った綾波の顔が紅潮していた・・・しかし、今度は俺の胸が高鳴った・・・負けた。
294騙り手:02/01/29 23:59
>>292
いいえ、綾波にも勝てません。
女性関係は全敗です。
全敗か。マヤちょむとかリツコとか委員長とかにも…
296熱血シソジ:02/01/31 02:11
 正規の訓練後の自主トレーニング・・・トウジの他に、いつの間にかアスカが参加していた。
 トウジは基礎的トレーニングにいそしむ。
 短気なくせに、この手の地道な努力を厭わない・・・しかも、格闘センスは俺を遥かに凌ぐ。
 トウジは何処までも強くなる素質を持っている・・・俺自身『強さ』へ強い拘りを持ちながら、
トウジに対しては何故か嫉妬が湧かず、それどころか、トウジの辿り着く境地を、
俺も見てみたいとも思う。
 ・・・基本をきっちりと身に付けさせよう・・・その上で、この戦いに終わりがくれば、
叔父の下へ修行に出すのも良い・・・とトウジの意向を無視して、勝手に未来像を想像する。
 まるで、子供の将来に過大な期待をかける親のような心境だった。
「シンジ!ボケっとしてないで、暇ならアタシの相手しなさいよ!」
 サウンドバックを蹴る足を止め、アスカが食って掛かる。
 アスカに醒めた一瞥を送りながら思う・・・こいつは才能の無駄遣いだと。
「・・・時間の無駄だ」
 そう言い放つと、視線をトウジにもどし、姿勢を修正し助言を与える。

「やぁ、シンジ君。調子はどうかな?」
 格技室の扉の方から、どこか緊張感に欠けた声が聞こえる。
 加持リョウジ・・・これまた嫌な奴が来たもんだ。
「まだ居たのか?」
 胸の奥で塩を撒く。
「葛城にも同じ事言われたよ」
 ・・・ナイスだミサト!心からそう思った。
「まだ、何か仕事があるのか?」
「まだって言うより、暫くはこっちで仕事だな」
 隠す気が全く無い、相手に聞かせるための舌打ちが格技室に響く。
 俺の態度に苦笑いの加持。
「随分と嫌われたもんだ・・・君に何かした憶えはないんだけどなぁ」
「・・・お互い、同類と親交を温められるようなタイプじゃないだろ?」
「俺は君に興味があってね・・・」
 『ニヤリ』と加持は笑う・・・一見、女共が虜になるような魅力的な笑顔だが、
俺の全身には鳥肌が立つった・・・人食い目の前で虎が笑ったようなもんだ。
297騙り手:02/01/31 02:17
いきなりペースが落ちる。
・・・別にハイペースに耐え切れなくなった訳じゃなく。
「魂の降る里」と「リリン」いけないんだ!(逃げる)
待ちやがれ騙り手!!!!=■●_=□○_
加持も怖いのか…シンジ駄目駄目っぽくなってないか?
もちょっとかっこよいとこきぼん。
299熱血シソジ:02/01/31 13:58
 加持は俺を殺す力を持ち、俺もまた加持を殺し得る。
 狭い檻に押し込められた肉食獣が、互いを伺うような緊張感が、俺の押し込めた殺意を揺すぶる。
『殺したい』
 俺の胸底から怪物がゆっくりと這い上がってくる。
 鼻を砕き、眼を抉り、鳩尾を突き、股間を潰したい・・・それは、生存本能と言う、最も強き欲望。
 甘く熱い官能を伴い、俺に囁きかける。
 加持が、もう一言・・・もう一歩踏込めば、俺はその怪物を鎖から解き放っただろう。

「何よ、二人とも、見詰め合ったりして」
「そやな、意味深な台詞もあったし」
「「ホモ?」」
 アスカとトウジがハモってとんでもないことを抜かす・・・一瞬で冷めましたよ。
「そういう、あんたとシンジだって怪しくない?」
「・・・な、何言うんや?」
「こんな、美少女を無視して、むさ苦しい黒ジャージの面倒を見るなんて変よ!」
「誰が黒ジャージや!」
 ・・・お前だよ。
300熱血シソジ:02/01/31 14:10
今ここに高らかに宣言しよう300getと。

>>298
結局、加持を恐れたというより、自分を殺しえる人物が、
目の前で笑っている状況に恐怖したわけです。

ちなみにシンジは、強いことは強いが、「最強の中学生(暫定王者)」であり、
現時点では「地上最強」には程遠いです。

>>167参照
301騙り手:02/01/31 14:15
あぁ、シソジに300取られたぁ!
302熱血シソジ:02/01/31 18:10
「シンジ、お代わり!」
「せんせぇ、お代わりや!」
 互いに相手を押しのけて、茶碗を突き出すアスカにトウジ。
「自分でつぎなさい!自分で!」
 俺はお前らのオカンか?
「シンちゃん、ビール!」
 ミサトが俺に向けて空になった缶ビールを振る。
「何で、俺の部屋の冷蔵庫に、お前のビールが冷えている!」
 既に部屋の冷蔵庫の三分の一は、ミサトのビールに占領されていた。
「気にしない、気にしない〜だからお代わり」
 少しは気にしろ。
「悪いな碇。俺までご馳走になって」
「くわぁ」
 遠慮がちに声を掛けてくるメガネ君とペンペン・・・お前らだけだ、俺をわかったくれるのは・・・。
 
「ところで、綾波って一人暮らしなのか?」
 俺は食器を洗いながら、みんなが食事を終えた後も、
ひとり、肴を摘みながらビールを飲むミサトに声を掛ける。
「・・・そうね、どうしたの気になる?」
 何を勘繰っているのか、ミサトが厭らしい笑みを浮かべる。
「そうなら、家事全般は出来るのかな?」
 ミサト、アスカと、その辺の能力に恵まれない女ばかり見ているため、
綾波くらいは、出来て欲しい・・・と言う期待を抱いていた。
「わかんないわよ〜。私だってシンちゃんが来るまで一人暮らしだったけど、
家事なんて全然出来なかったわよ」
「お前を、基準に人類を測るな!」
「何よ、人類だなんて、そんな大きなスケールで貶さないでよぅ」
 さすがに傷ついたように拗ねてみせるミサト。
「・・・そんなに心配なら、レイのマンションに行ってみる?」
 そう言いながら、四枚のカードを差し出す。
「俺のIDカードに・・・アスカの・・・トウジの・・・綾波のか」
「明日からの新しいカードが発行されたんだけど、本部で渡しそこなったからね」
 俺は受け取ったカードの内、アスカとトウジの分を二人に投げ渡す。
「アスカ!トウジ!」
 カードは回転しながら、二人へと空を切って飛んで行く。
 TVゲーム(メガネ君持込)に興じていた二人は、俺の声に振り向く。
 アスカは咄嗟に目の前で、親指と人差し指の間に挟みこむ。
 しかし、トウジは振り向いたとたん、目の前に飛んできたカードを受け損ない、
額で受けた・・・まあ、今のトウジじゃこんなもんか。
「じゃあ、シンちゃんがレイに届けてくれる?
明日は午前中からテストでしょ。朝にでも届けようと思ってたんだけど、面倒くさくってね」
 ・・・はぁ、やれやれだ。
熱血っつーか武闘派、かねぇ。
ま、きらいじゃあないぜ そ−ゆーの。
304熱血シソジ:02/01/31 22:31
 明けて日曜日の朝、俺は鍵を閉めて早めに部屋を出た。
 勿論、ミサトとアスカの朝飯は用意していない。
 未だ惰眠を貪る二人が眼を覚まして、俺に飯をたかろうとしても、
俺は既に出かけていないのだ・・・なんと清々しい朝だろう、心が表れるようだ。
 この大空に思いのたけを叫びたい・・・ざまあみろと!
 しかし、二人に嫌がらせをするためだけに、早目に部屋を出たわけではない。
 昨晩、ミサトに渡されたIDカードを綾波に渡すためだ。
  
 愛車(チャリ)を転がし、片手で、昨晩ミサトから貰ったメモで住所を確認する。
「おいおい、スラムどころかゴーストタウンだよ、ここは」
 人や車の往来は無く、道路のアスファルトも所々めくれ、道路に面した家々も、
人の生活の気配が無い。
「ちくしょう、こんな事なら二号機で来るんだったぜ」
 俺の愛車は二台あり、今乗ってる一号機はロードサイクルで、弐号機はマウンテンサイクル。
 どちらも、安い車なら買えるほど、金のかかった自慢の品だ。
 しかし、こうまで路面状況の悪いと、一号機ではリムを打ってしまう。
「・・・本当にここか?」
 住所の示す一角に立てられた建物を見上げる。
 どう考えてもライフラインが生きているとは思えなかった。
 俺は、入り口付近にチャリを停めると、ミサトのメモにある棟番号を確認し階段を上った。

 綾波の部屋の前に立つ、ここに綾波が生活していることは確信できた。
 何故なら、入り口からこの部屋だけに、人の歩いた跡を埃などから確認出来たが・・・逆にいうと、
綾波が歩いたと思われる場所以外は、人の歩いた跡は確認できなかった。
 取りあえず、インターフォンのボタンを押してみると、中からベルの鳴る音が聞こえる。
「留守か?絶対に家にいるってミサトが言うから、確認しなかったのがまずかったかな?」
 仕方ないので、綾波の携帯に電話を入れてみると、電源は生きているみたいだが、
呼び出し音が鳴るだけだった。
305騙り手:02/01/31 22:54
>>303
思いっきり「看板に偽りあり!」ですが、
本物が書いているシンジ自体が、熱血じゃないんで、
今から熱血熱血した話にするのは無理です・・・頑張ってはいるんですが。

天才アスカを二流と評価するシンジの内面を描く場面を作るために、
加持にあの役回りをしてもらう必要があると感じました。
・・・つうか、このシンジにとって、「頼れる大人」の加持は必要ない。
306熱血シソジ:02/02/01 01:05
 去り際に無駄と思いながらも、ドアのノブを回してみる・・・あれ?回っちまったよ。
 十秒ほど迷う、見なかったことにして帰るか、中に入るかである。
「綾波〜っ!入るぞ」
 俺は後者を選択した・・・綾波がどんな生活しているかも興味があった。
 もしも、ファンシーな部屋だったら?なんて馬鹿な期待もあった。
 しかし、俺の期待は180度反対に裏切られた。
「・・・な、なんだこの部屋は」
 外の通路と同じように、人の歩く場所以外は埃の積もったままの床。
 デザインとしてではなく、ただコンクリート剥き出しとしか感じさせない壁。
 入り口から見えるベッドの枕には赤黒く残る血の跡。
 部屋に持ち主の心理状態が反映されると言うが、それを考えると背筋が凍りつく。
 標的を虫けらのように殺す時の俺でさえ、ここまで荒涼とした精神状態では無いだろう。
 俺は部屋の奥から水の流れる音を聴きながらも、あまりの部屋の状況に、
呆然としながら部屋の奥へと踏込む。
 この部屋の何処かに、人間らしさを見い出し安心したかったのだ。
「・・・眼鏡?」
 ベッドの足元側に置かれたチェストに置かれた壊れた眼鏡が目を引く。
 この部屋に存在する唯一の異物・・・そう感じた。
 手にとって確認しても、綾波がかけるとは、想像すら出来ないデザイン。
 それ以前に、赤木博士はエヴァのパイロットは全員、視力が1.5以上だと言っていた。
 眼鏡が必要あるはずが無い。
 俺が眼鏡を持ったまま考え込んでいると、水の音が消えて、奥の方でドアが開く音がした。
「あ、綾波?」
面白い!
全部みちゃったYO!
頑張れ!

荒らされないように、sage進行でいきませう
308熱血シソジ:02/02/01 14:32
 振り向く俺の目に映ったのは、バスタオル姿の・・・と言っても頭を拭いていて、
身体を隠すには何の役にも立っていない・・・綾波だった。
「・・・あ、あ、あ」
 咄嗟のことで言葉が出ない、別に女の裸が珍しいわけじゃないが、
この状況は拙過ぎた、まるっきり犯罪者・・・しかも痴漢?それだけは嫌だ!
「・・・碇君?」
 た、たのむから、『きゃ〜っ!変態』だけは止してくれ・・・心の中で懇願するが、
実際に言葉になって口に出すことは出来なかった。
 綾波は状況が掴めずに怪訝そうにしていたが、いきなり顔付きが厳しくなる。
 ・・・や、やばい・・・俺の人生、本気でファイナルカウントダウン?
 俺の危機感を他所に、綾波は無言で歩み寄ると、俺の手の中から眼鏡を奪い去る。
「あっ!」
 いつもの如く、綾波はバランスを崩す・・・が、耐える・・・やっぱり駄目だ。
 無理に転倒を堪えた為に、危険な角度で倒れそうになるのを、俺は後ろから抱きとめた。
 前回と似た状況だが少し違う。掴んだ場所が、前回の腰よりも上だった・・・しかも裸だし。
 俺の手が感じた感触を言葉にすると『ムニ』だった。
「・・・ムニ?」
 いまいち状況がつかめず、声に出してみた。
 ・・・・・・・・謎は全て解けた!・・・それは辛い現実の直視でした。
 警察に連行される俺。集まる報道陣。眩しいフラッシュライト。
 流れるBGMは中島みゆきの『世情』。翌日の新聞に書かれる見出し。
「中学生二年生(14)同級生の家に忍び込み猥褻行為」
「以前からストーカー行為の噂も」
「少年法の新たなる改正が求められる」
 ・・・妄想終了、こうなったらサードインパクトを起こそう!俺は、そう真剣に考えた。
309熱血シソジ:02/02/01 15:23
 しかし、俺の描いた第三番目のサードインパクトのシナリオは・・・ん、第三番目?
少女の一言で、その存在意義を失った。
「ありがとう・・・碇君・・・」
 綾波の表情は、恥じらい・・・というか、戸惑いと照れであり、嫌悪や軽蔑は無かった。
「・・・もう、離してくれる」
 その台詞に、慌てて手を離した。
 そして心の奥で、『ありがとう綾波。君のお陰で世界は救われたよ』と勝手に感謝するのであった。

「碇君・・・ところで何の用?」
 服を着終えた綾波が、何事も無かったように俺に話し掛ける。
「本部の新しいIDカードを持ってきた、コレが無いと今日のテストに行けないだろ?」
「・・・どうして碇君が?」
 唯の質問じゃなく、何か問た気な綾波の様子だったが・・・俺はありのままに答えた。
「ミサトが昨日、渡し損ねた挙句に、酔っ払って朝は起きられそうも無いから、俺が頼まれた」
「・・・そう」
 微妙に納得していない雰囲気も有ったが、その時の俺は特に気にかけなかった。

 結局俺は、綾波と一緒に本部へ向かうことになった・・・マイチャリ二号機ならば、
二人乗りOKだが、タイヤの細い一号機ではパンクが不安なので、
自転車を押して綾波と並んで歩く。
「今日は零号機の起動実験だろ・・・大丈夫か?」
 綾波による零号機起動実験・・・二度目の、一度目は失敗し・・・綾波は大怪我をした。
「・・・判らないわ」
「まぁ、気楽にいけ・・・今日は初号機と弐号機でバックアップする。
前回のような事故にはさせないから安心しろ」
 俺とアスカは、それぞれエヴァで零号機の暴走に備え、トウジは待機だ。
「大丈夫・・・代わりが居るから」
 代わり・・・トウジのことだろうか?
 そう言って黙り込む綾波の横顔からは、何の感情も窺うことは出来なかった。
310騙り手:02/02/01 15:33
中島みゆきの「世情」・・・
「三年B組金八先生2:腐ったみかんの方程式後編」でピンと来た人は、同じ世代か上。

>>307
がんばる〜
荒しはいやだぁぁぁ。
加持がカッコイイのがスゴイ。
スパシンは加持を貶める事でシンジをカッコよく演出しがちだから。
書き手の腕がいいんだね。

これからもシンジが加持を越えるのはナシにして欲しい。
加持は孤高の存在ってカンジで。
ARMSでいう主人公の父親。
312 :02/02/02 18:39
これが熱血碇君と綾波のイメージだぁ〜!
http://teri.2ch.net/test/read.cgi/eva/1011950106/88


注).これの元ネタはエロゲーです(藁
>>308の、綾波の胸を触ったシンジの思いこみっぷりがシンジっぽくていいねえ。スパシンとは思えない(笑
314熱血シソジ:02/02/02 20:42
「ちょっと〜ミサト〜!アタシがファーストの起動実験のサポートってどういうこと?」
 案の定、アスカが今回のテストに文句をつける。
「文句言わない!アスカ、これも仕事の内よ」
 もっともだ、・・・ちなみに俺の今回の報酬は一千万円。
 自分自身の命のやり取りの無い仕事としては好条件だった。
 更に言えば、前回の使徒との戦闘は、アスカとの共同スコア扱いされ、半額にされた・・・セコイ。
「文句の一つもつけたくなるわ。折角の日曜日だっていうのに!」
 俺と違い、アスカは年俸制で、俺の一回の使徒撃退の報酬より少ない。
 ・・・まぁ、俺やトウジと違い、アスカは正義の味方がステイタスな奴だから、当然と言えば当然。
 しかし、綾波は何が目的でエヴァに乗っているのだろう?
 大体、綾波に前向きな目標があるとは、想像できなければ、
何らかの欲望を満たすために戦ってるとも思えない。

 今回のテストは、前回の失敗を踏まえ密閉空間でのテストを避け、
第三新東京市郊外のネルフの演習場に、巨大なテントを設営し、
その中で行われる事になった。
「本当に、こんな場所でテストするわけ?秘密機関としては拙いんじゃないの」
 アスカは本当に五月蝿い。
「大丈夫よ。半径10km以内は保安部により、関係者以外は排除されるわ」
「・・・なるほど、秘密機関らしいな」
 精々、通じない皮肉を投げかける。
315熱血シソジ:02/02/02 20:50
 初号機の紫、弐号機の赤、そして黄色の零号機・・・まるで玩具みたいだ。
 実験用のテントの中で、綾波の零号機を眺めながら、つくづくそう思った。
 もっとも、訳のわからん使徒相手に、保護色などを使っても意味がない。
 しかし、その点を考慮しても・・・悪趣味だ。
 間違いなく下品である。
 戦闘中は、色など気にしていられなかったが、改めて思い知らされる。
「おいミサト。エヴァのカラーリングは何とかならんのか?」
「カラーリング?そうね・・・変更の予定はあるわ」
 なるほど、杞憂というやつか・・・めでたし、めでたし。
「零号機は、今回の実験が成功すれば、戦闘用への改修が入って、
特殊装甲を変更し、カラーリングも現在のイエローから、ライトブルーへ変更されるわ」
 ・・・ほう、それは結構なことだ、共に出撃する身としては戦闘中に、
下品な黄色い機体が視界に入ることがない事を知って安心だ。
「・・・で、ときにミサト。初号機のカラーリングはどうなるんだ?」
「・・・?」
 モニターの向こうで、ミサトが首を傾げる。
「だから、俺の乗ってる初号機の事だよ!」
「・・・シンちゃん。自分の自転車は自分で色塗って頂戴」
 俺は、一瞬ミサトが何を言っているのか理解できなかった。
「ミサト・・・今のボケか?」
 とりあえず、確認だけはしておこう。
「だから、自分の自転車の面倒は自分でみなさい!」
「・・・誰が自転車の話をしたかな?」
「自転車の話じゃないなら何よ!」
 怒らない、怒ってはいけない・・・まだ、結論づけるのは早い。
「俺が、たった今乗ってるエヴァンゲリオン初号機の事だ・・・
ちなみに、俺の自転車は一号機で初号機とは呼ばない」
「あぁ、その悪趣味な紫ね。それは碇司令の趣味だから変更は出来ないわ」
 ・・・おのれ髭グラサン!

 結局、零号機の起動実験は恙無く終了した・・・ところで、恙て何だ?
 しかし、実験成功の喜びに沸く、ミサト達のもとに連絡が届く。
「・・・えっ!使徒が!!」

「・・・来たな」
「・・・ああ」
「使徒イスラフェルか」
「・・・ああ」
「所詮、我々は定められた運命という名の、回し車を回し続けるネズミという訳か?」
「ネズミかどうかは、神になった者が決める事ですよ・・・冬月先生」
髭グラサンが口元を歪ませて、いびつな笑みを形作った。

・・・続く。
316熱血シソジ:02/02/02 20:59
「初号機と弐号機は、飛行場に移動しウィングキャリアに固定後待機。
零号機は初号機・弐号機の装備を飛行場まで輸送し、その後本部にて待機。
フォースチルドレンも、本部にて待機・・・何か質問は?」
「零号機は作戦に参加しないんですか?」
せっかく起動した零号機を使用しないことについて、ミサトの横にいたトウジが説明を求める。
俺としては、どうせ倒すならば、単独でのスコアの方が割が良いのだが、
さすがに、どんな能力を持つかもわからない化け物相手には、
頭数を揃えた方が無難な事ぐらい理解しているだけに、ミサトの意見には疑問を抱く。
「技術部としては、零号機は改修が済むまで戦闘には参加させません」
赤木博士が横から口を挟む。
「そういう訳よ鈴原君・・・シンちゃん、アスカ。頼んだわよ」
・・・やれやれだ。

第五話 少しばかりは明るい明日

「駿河湾海岸にて、使徒の上陸を阻止します」
「了解だ」
「楽勝よ!あたし一人でも十分よ」
相変わらずだ・・・相手の実力の片鱗すら伺えない状況で、何が楽勝なものか?
俺が、二匹目の使徒相手に油断した時でさえ、
ここまで、根拠の無い自信を抱くことは出来なかった。
「アスカ、気を引き締めて!・・・でないと死ぬわよ」
「このアタシが?」
「死ぬな・・・そう遠くなく」
 俺からも釘を刺す・・・馬鹿だが一応は妹弟子だ・・・馬鹿は死ななきゃ・・・とまでは思わない。
317騙り手:02/02/02 22:03
なんだかんだで五話まで辿り着いた・・・。

>>311
>>313
自分にとって最初のエヴァFFが、このスレなのでスパシンの自覚なし。
本物の「熱血シンジ」を読んで、
「これくらいじゃないと、シンジは生き残れないなぁ」と思い。
それを、受け継いでいるつもりです。

やっぱり、根っこはヘタレですが、幼い頃から有無を言わさず鍛えたら、
こんな風になった・・・てな感じでしょうか。

加持は、「頼りになる大人の男」ではなく、
シンジの上限を示す存在であり、極限領域でのシンジの心理を表現するための存在。
活躍は、第二部以降に期待ということで・・・。

>>312
シンジ格好良すぎ・・・自分のイメージは、
眉毛が若干太く、少しだけ目つきが悪いシンジ・・・かなぁ。
身長は変わらず、服を着ると華奢だが脱ぐとブルース・リー・・・に近くて遠い。
3号機はまだ無いのか。
319熱血シソジ:02/02/03 21:51
「ば、馬鹿言わないでよ!アタシを誰だと思っているの?」
「・・・哀れな馬鹿娘だ」
 俺の声は冷たく響いた。
「・・・・・・どうしてよ・・・どうして、あんたはアタシを認めないの?
・・・どうして、あんたはアタシを見下すのっ!」
 気丈なアスカの目から溢れた涙が、LCLの中で珠になり沈んでいく。
「使徒接近!作戦開始10秒前・・・」
 黒縁メガネの日向・・・いい歳した男が泣くので憶えた・・・がカウントダウンを開始する。
「アスカ・・・シンジ君とフォワードを交替よ」
「・・・やるわ」
「えっ!」
「・・・アタシが一人で倒してみせるわ」
「待ちなさい!アスカ」
 そして、黒縁メガネがゼロをカウントする。
「シンジ君止めて!」
「無理」
 時差なしレスポンス・・・間に合うなら止めている。
「このっ役立たず!」
 無能指揮官(ミサト)の癖に随分な事を言うじゃないか。
 やむなく俺は、使徒に突撃する弐号機をパレットライフルで援護する。
 アスカが使徒へ間合いを詰める時間を稼ぐために、一秒ほどトリガーを絞る。
 使徒のATフィールドは中和され、弾は使徒へ着弾するが・・・この程度じゃダメージが無い。
 ・・・・・・んっ?コアが大極図?
「ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 嫌な予感がしたが、俺が何らかのアクションを起こす前に、アスカのソニック・グレイブが、
彼女の叫びと共に、使徒を縦に真っ二つに切り裂いた。
 良い動きだ、さすが天才・・・アスカはトウジには感じない、嫉妬って奴を覚えさせる。
 ・・・しつこい様だが、才能の無駄遣いだ!
「・・・アタシ・・・アタシ一人で使徒を倒したわ!」
 アスカの青い瞳が鋭く俺を貫く。
「これでも、あんたはアタシを認めないって言うつもりなの!」
 声を震わせ、責めるようにアスカが叫んだ。
320騙り手:02/02/03 22:00
>>318
参号機の出番は六話からです。
ちなみに、五話は長いっす・・・三話よりも。
タイトル名を考えるの嫌なので、本来二つに分けるとべき話を一つにしています。

・・・単に前編・後編にすれば良いんじゃないか>俺(がーん!)
321熱血シソジ:02/02/04 11:42
「!」
 弐号機の後ろで何かが蠢いた。
「アスカ、避けろ!!」
「っ!」
 初号機がパレットライフルを構えると同時に、弐号機は射線から退く。
 俺の射撃は確実に使徒を捉えるが、着弾で立ち上がる煙が視界を遮る・・・欠陥品だ。
 たちこめる煙の中から現れたのは、何故か二体に増えた使徒だった。
「・・・なんてインチキぃ!」
 俺もそう思うが、指揮官がそんな台詞を吐くなんて無能だ。
「ミサト、こいつらは何だ?状況を説明しろ!」
「アスカに真っ二つにされた使徒が、それぞれ一体として復活したのよ。
『どうして?』なんては聞かないで頂戴!」
 俺は舌打ちと共にライフルを捨てると、海の中へ初号機を走らせ、肩からプログナイフを抜く。

 二体の使徒に挟まれながらも、弐号機のソニック・グレイブが、使徒(橙)を袈裟懸けに切り裂く。
 しかし、次の瞬間には傷口が修復し、ダメージが与えられない。
「コアを狙え!」
「わかったわ・・・くっ!」
 背後の使徒(白)の攻撃を受けようとして、弐号機のソニック・グレイブは柄の中ほどから、
鋭い爪により斬りおとされる。
 それでも弐号機は、残った柄の先端で、使徒(白)の腹部にあるコアを突き砕いた。
 しかし、使徒は一瞬動きを止めたものの、その再生能力にはコアの復元も含まれているようで、
回復した使徒の反撃により、弐号機の胸部の特殊装甲は、まるで紙のように引き裂かれた。
 更に、背後の使徒(橙)が、弐号機に攻撃を加える。
「しまった!」
 絶望の叫びをあげるアスカ。
「この馬鹿がっ!」
 俺は、弐号機のアンビリカルケーブルを初号機に掴ませると、一気に手繰り寄せる。
「ぐっ!?」
 弐号機は後ろへ引き倒され、使徒(橙)は空振りする。
 そして、使徒(白)の足元をすくい転倒させながら、仰向けの状態で暫く水面を滑り、
俺と使徒の中間辺りで、勢いが弱まると水面下に没した。
「早く起きろ!」
「・・・何すんのよ、馬鹿シンジ!!」
 文句を言いながらも、アスカは素早く起き上がると、俺の位置まで後退する。
322熱血シソジ:02/02/04 13:26
「ミサト、どうすんのよ!」
「こっちの命令を無視して先走っておいて、勝手な事言わないで!!」
 きつい口調で怒鳴られ、反論の余地もなく口ごもるアスカ。
「もっともな話だが、俺としても、この後の事を聞いておきたいなぁ〜ミサト」
 ミサトを、隠すつもりも無い態度で皮肉る。
「それは・・・・・・」
 やはりミサトは無策か・・・そうは言っても、全く正体不明の化け物相手に、場当たり的状況でしか、
作戦・指揮を出来ないミサトに同情の余地もあるが・・・まぁ、それも給料の内だろう。
 取りあえず、考えられる方法の一つを提案する。
「俺とアスカで、使徒のどちらか一方に集中攻撃をかけて、
奴らの回復力の限界を確認するのはどうだ?」
 俺としては、この場で使徒と決着をつけるのは避けるべきだと思う。
 そして、今後のために情報を集めておく必要がある。

「シンジ君。その作戦には問題があるわ」
「うっ!あんた、居たのか」
「ふふっ、こんなことも・・・こんなこともあろうかと・・・」
 希代のマッドサイエンティストは、恍惚の表情を浮かべる・・・怖っ!
「・・・!え〜、これ以上の使徒への攻撃は、使徒の更なる分裂を招きかねないので、
マギによる状況分析が済むまでは、現状維持をお願いします」
 正気に戻った赤木博士は、照れて頬を紅く染めながら、俺も懸念しないわけでなかった、
可能性を指摘する・・・この女、可愛いな・・・阿呆だけど。
「現状維持といわれても、飛び道具が通じない以上は、格闘戦だろう?
アンビリカルケーブルを切断されたら、遅延行動なんて出来ないぞ」
「そ、それは・・・それを考えるのはミサトの仕事よ」
 上手く逃げたな。
「えっ!?」
 いきなり振られて慌てるミサト・・・しかも逃げ場なし。
 これが原因で、ミサトは減俸10%二ヶ月の処分を冬月から下された。
「・・・長話をしている場合じゃないぞ」
 こうしている間にも、二体一対の使徒はゆっくりと間合いを詰めてくる。
「こんなこともあろうかと」
ヤマト?!
324熱血シソジ:02/02/04 23:14
「・・・聞いて、二人とも・・・N2爆弾を投下し使徒の足止めを行います。
貴方達は爆撃の準備が出来るまで、その場で使徒の上陸阻止を継続してください」
 俺が考えた、もう一つの・・・そして提案しなかった方法・・・ミサトめ、追い詰められているな。
「・・・取りあえず了解だ」
 仕方なし・・・か。
「待って!N2爆弾による攻撃は周辺への被害が大きすぎるわ。
もう少し、エヴァでの戦闘を継続して・・・」
「撤退できるうちに撤退する・・・出来なくなってからじゃ遅いのよ!」
 ミサトは、赤木博士の説得を退ける。
 ミサトの目には決意が漲る・・・いい目だ、一皮剥けたか。
「アスカ!後方に下がってパレットライフルにて初号機を援護。シンジ君は使徒の上陸を阻止」
 やっと指揮官らしくなってきやがった。
 しかし、アスカはミサトに従わなかった。
「・・・いやよ!」
 ミサトの顎が落ちる・・・俺のも落ちた。
 なんと言うか、せっかくの雰囲気台無しの発言。
「アタシが・・・自分で決着をつけるわ!」
 俺が止めるよりも早く、アスカの弐号機は使徒へと突貫していく・・・なんてこった!
「ったく・・・シンジ君!貴方が弐号機の援護を・・・」
「ミサト、悪いな・・・アスカじゃ無理だ」
 ミサトに命令無視を詫びると、俺は初号機でアスカを追う。
「ちょっと!私の立場は・・・」
 これが原因で、ミサトは減俸30%11ヶ月の処分を下される・・・アスカのせいだよな?
325騙り手:02/02/04 23:27
>>323
元はヤマトの真田さんなんだろうが、ギャグとしてあまりにも使い古された台詞。
マッドサイエンティスト・マッドエンジニアの憧れの台詞。
326熱血シソジ:02/02/05 12:58
 弐号機が使徒(白)に、プログナイフで斬りつける。
「アスカ!斬っても無駄だ」
 一瞬で復活する使徒に対し、俺は走ってきた勢いのまま、コアへ右膝蹴りを入れる。
 後ろへ吹っ飛ぶ使徒(白)を無視し、使徒(橙)へ間合いを詰め、
そのまま低い姿勢からのタックルを食らわす。
 押し倒し馬乗りになると、使徒の腕を膝の下に押さえ込み、顔(?)へ拳を振り下ろす。
 二度、三度と殴りつけるが・・・拳の下で砕け、潰れたものが、
次の瞬間には俺の拳を押し返す・・・化け物め!
 新しい攻撃方法を考えるために、俺の意識が僅かにそれた隙を突いて、使徒は閃光を放つ。
 コックピットは光に覆われ、次の瞬間、衝撃が襲う。
「ぅがっ!」
 衝撃で舌を噛んだ事が幸いし、俺は失神こそ免れたが、完全に状況把握を逸した上に、
視界の大部分に焼付けが起こった。
「シンジ君!前」
 ミサトの声に反応し、右前方へ体を捌く。
 自分が乗っている機体がエヴァであることに感謝する。
 視力を奪われても、音、振動、そして周囲の空気の動きまでもが、
自分の身体と同様に感じる事が出来るのだ。
 空振り、バランスを崩した使徒に対し、右側面に回り込んだ俺は、
右脚で使徒の左膝を裏から蹴る・・・視力がまだ回復していないので、半分勘だったが、
狙いは的中し、使徒は前のめりに倒れた。
 俺は再び使徒に馬乗りになると、手探りで使徒の左腕を掴むと、後ろ手に持ち上げて手首を返し、使徒自らの背中にその爪を突き立てさせる。
 更に右腕も後ろ手に持ち上げ手首を、左腕とは反対に捻り、左右の腕を交差する形で、
 右の爪も背中に突き立ててやる。
 こうすると、人間は右腕の力で左腕を押さえ込み、左腕の力で右手を押さえ込んでしまうのだが、
使徒にも同様の効果があった。
 自らの爪で、背中を傷つけながらもがく使徒を無視し、眼の周囲のつぼを押さえながら、
何度か瞬きを繰り返すと、ぼんやりとだが視力が回復してきた。
327騙り手:02/02/05 13:07
今回の描写には嘘があります。
知り合いのやってる古流武術に、似た様な理屈の押さえ込みの方法がありますが、
今回の描写とはかなり違う技です。

実際に両手に刃物を持たせた人間相手に、試した訳じゃないので、
(出来るかそんな真似!)効果の程は不明です・・・深い突っ込みは止めて。
328熱血シソジ:02/02/05 18:06
「ぅあっ!」
 アスカが短い悲鳴と共に、閃光が走る。
 俺が食らった攻撃を、アスカも食らったのだ・・・ミサトはアスカに警告しなかったのかよ。
「シンジ君!アスカが・・・」
「くそっ!」
 倒れた弐号機へ、とどめを刺さんとする使徒(白)の攻撃を、
俺は初号機で割って入りATフィールドで受け止める。
「初号機、アンビリカルケーブル断線。内部電源に切り替わります」
「弐号機、パイロットの意識が回復しません!」
「N2爆弾投下まで残り110秒」
 オペレータ達により、状況が伝えられるが、明るい話題は一つも無い。
「この状況で初号機の内部電源はどれ位保つ?」
「タイムリミットは70秒よ、今までと同じ程度の運動量なら・・・」
 アンビリカルケーブルと同時に調べたのであろう、赤木博士は即答する。
「足りないじゃないか?」
「運動量を抑えるしかないわ」
 何てこと抜かすんだこのアマ!
 俺は使徒(白)の爪による攻撃を、最小限の動きで避けて、背後に回りこむと、
羽交い絞めにして、未だ転倒中の使徒(橙)の方へと引っ張って行く。
「つぅ〜っ!」
 暴れる使徒の爪が、幾度となく脇腹に突き刺さる。
 痛みを無視して、使徒(橙)の元へ辿り着くと、使徒(白)をその上に蹴倒し、
折り重なった二体の使徒を右の貫手で貫き通す。
「ミサト、右腕を付け根から切り離せ!」
「シンジ君!貴方のシンクロ率は・・・」
「構わないから、早くやってくれ!」
 小さな爆音と振動と共に、初号機の右腕が付け根から抜ける。
「うっっっ!」
 まさに腕が千切れたような痛みってやつだ・・・死ぬほど痛い。
 そして、串刺しになって暴れる使徒を踏みつけ押さえ込むと、要求どおり運動量を抑えて、
爆撃開始時刻を待つ。
「爆撃機、N2爆弾投下まで15秒。エヴァ初号機および弐号機は現場より離脱してください」
 オペレーター伊吹の声と同時に、俺は初号機を弐号機の元へ走らせると、
左手で弐号機を抱え全力で逃げた。
329熱血シソジ:02/02/05 21:49
 ・・・逃げ切れなかったけど。
 弐号機を抱えていたため、十分な距離を取れず、N2爆弾の爆風の余波を受けた初号機は、
弐号機ごと山の斜面に突き刺さった。
 
「・・・無様ね」
 赤木博士の感想が、この作戦の全てを表現していた。
「度重なる命令無視、貴方がセカンドチルドレンじゃなければ、単なる処分じゃ済まないわ」
 赤木博士の容赦ない追及に、言い訳の言葉すら出ないアスカ。
「アスカを責めてもしょうがないだろ?」
 俺の台詞にアスカと赤木博士は、驚きの表情で振り返る。
 俺がアスカを庇うのが信じられないと言った風だ。
「作戦の失敗を、パイロットに責任を押し付けるのは、あんた等の責任逃れに聞こえるぞ」
 俺は低い声で、言葉を続ける。
「だけど、アスカの命令無視で作戦に影響が出たのは・・・」
「俺は、パイロット云々の問題じゃないって言ってるつもりなんだがね」
 赤木博士の言い訳を遮る。
「十分な敵戦力分析に基づく、作戦が立てられていた事が一度でもあったか?」
「それは、作戦部の・・・」
 この場にいない、ミサトに責任を押し付けるのか・・・本当に友達なんだろうか?
「ならば技術部は、使徒と戦う兵器としてエヴァは、十分な性能を持っていると思うのか?
接近戦を主とした兵器でありながら、掃除機のように電源コードは何なんだ?」
 俺の追及の手は緩めない、一見アスカを庇っているようだが、俺の本意は別にある。
 失敗の責任をパイロット側ではなく、上層部に責任を押し付けなければ、
今回分の報酬が得られない・・・トウジ・・・俺は汚い大人になっちまったよ。
仕事の時だけ女性陣を圧倒するシンジ(w
331熱血シソジ:02/02/07 02:23
「え〜、初号機パイロットより無能の烙印を捺された我々作戦部が、今回は十分な情報により、
場当たり的ではない作戦を用意しました」
 ミサトが凄い形相で俺を睨む・・・俺はその物理的圧力すら感じさせる視線から目を泳がせた。
「そこ!話している人間の目を見て聞きなさい」
 殺気・・・まさか、作戦に格好つけて俺を葬り去るつもりか?そんな疑惑が頭を過(よ)ぎる。
「N2兵器の使用にで、多くの犠牲を払いながらも得た情報により、
二体の使徒は互いに一方が負った損傷を、もう一方の無傷なほうからの生体情報を元に、
再構成している事が判明した・・・なんて事をリツコは言ってたけど意味不明ね」
 あまりに見も蓋も無い台詞に、俺とアスカはコケた。
「つまり、二体の使徒は同時に同じ箇所への攻撃を受けた場合は、
他の使徒と同程度の再生能力しか発揮出来ないと言うわけで、
使徒の再侵攻は、十日後と予想されます・・・エヴァの修理と同じね。
ちなみに、二体以上に分離する可能性もマギによって否定されました」
 なるほど、それでN2爆弾によって広範囲に焼かれた体表組織の回復に時間がかかる訳だ。
「同時ってどの程度の精度だ?」
「通常組織で0.1-0.3秒程度。ただしコア部分は0.002秒での回復が確認されているわ」
「肝心のコアの回復が速いな・・・肝心だからこそか」
 しかし、0.002秒と言うのは『俺』にでも無理だ。
 感覚的に理解できるのは1/100秒程度まで、それ以下となると・・・。
「あれ〜初号機のパイロットさんにも、0.002秒では、同時攻撃できませんかぁ?」
 数字を聞いて考え込んだ俺に、ミサトは小さな子供に話し掛けるように声を掛ける。
 あてつけだ、何て嫌味な女だろう・・・まさか、朝飯を作らなかった恨みも入っているのか?
「そ〜んな、頼りない初号機のパイロットさんの為に、我々作戦部は良い作戦を考えましたぁ、
聞きたいですかぁ?聞きたいですねぇ〜」
 心拍数すら意思の下に制御できる俺が、震える肩を抑える事が出来ない。
 そんな怒りを押し殺し、俺は反撃に出る。
「聞きたくない」
 きっぱりと言い放った・・・何故か清々しくさえある。
 例えるなら、上司に辞表を叩きつけたサラリーマンの心境に近いのだろう。
332熱血シソジ:02/02/09 00:06
「ミサト、何を馬鹿なこと言ってるの?・・・シンジ君も落ち着いて・・・ね」
 次第に子供の喧嘩の様を呈してきた俺とミサトに、赤木博士が割ってはいる。
 しかし無駄だ。俺は売られた喧嘩は高値で買うことに決めている。
 怒るべき時に、笑って流すほど腑抜けていたら、こんな所でパイロットなどやっていない。
「へぇ〜、私の作戦を聞かないで、使徒を倒せるんだぁ?」
 このアマ、まだ高飛車に出て矢がる。
「人間には無理でも、機械を使えば可能だろが・・・お前の大層な作戦とやらも、その程度の話だろ」
「くっ」
 図星のようだ・・・やはり、作戦部は無能なのだろうか?不安だ。

「大体、使徒が動けないのなら、零号機で決着つければ良いんじゃないか?」
 自分のスコアにならないから言いたくなかったが、勢いで言ってしまった。
「それが、そうもいかないのよ・・・」
 赤木博士が力なく俯きながら、頭を左右に振る。
「別に使徒は動けないわけじゃないのよ」
「どういうことだ?」
「単に本部への侵攻よりも、回復を優先しているだけなの」
「・・・?・・・使徒ってのは知恵をもっているって言ってたよな?
こちらの戦力が消耗しているのだから、さっさと攻撃すれば良いじゃないか」
 歯切れの悪い赤木博士の発言に、俺は当然の質問を返す。
「・・・それは・・・使徒のすることだし」
「わからない・・・と」
 無言で首を縦に振る。
「つまり、使徒が考えを改めて、即時侵攻したなら人類は滅ぶ・・・と」
 再び無言で首を縦に振る。
 俺の喉が大きく鳴る・・・沈黙が辛い。
「・・・でも大丈夫よ。今までのデータからも、
再生が終了するまでの侵攻はないとマギも判断しているわ・・・多分」
 自分を納得させるように、しかし、最後の呟きといい説得力ゼロ。
 ・・・技術部も俺の不安を誘ってくれる。

「だから、初号機と弐号機で使徒を殲滅する必要があるのよ!」
「だから、お前の作戦じゃ嫌だ!」
 俺とミサトの確執は未だ決着していない。
 こいつを土下座させるまで俺の怒りは収まらない。
 子供じみているかもしれないが、俺は十四の餓鬼だ、開き直って何が悪い!
 その時、それまで黙って様子をうかがっていた冬月が口を開く。
「十日後の作戦が成功したら、報酬は倍の四億だそう」
「!」
 俺を支配していた怒りが、霞の様に消えていく。
 眉間から力が抜け、口元が緩む・・・心が満たされていくとは、こんな感じのことだろうか。
「・・・本当(マジ)?」
「うむ・・・碇には私から言っておこう」
 勿論、俺に異論は無かった。
保守さげ
334熱血シソジ:02/02/11 22:04
 ミサトの提案したのはアスカと俺による「ユニゾン・アタック」・・・馬鹿な名前だ、センスを疑う。
「・・・そう言う訳で、パイロットの両名は十日後まで、訓練に励んで貰います。
詳しくは、こちらの資料を読んでください・・・ちっ!」
 最後に俺を一睨みすると、舌打ちをよこしやがった。
「!」
「四億円・・・一人でだぞ」
 いきり立つ俺に、冬月は低く小さく呟く。
「けっ!」
 俺も、はっきり聞こえるように大きく舌打ちをすると、勢い良く椅子にふんぞり返る。
「その間、二人にはシンジ君の家で寝食を共にしてもらいます」
「・・・やだ!」
「四億・・・」
「・・・了解だ」
 今の俺には、冬月が四億円に見えて仕方ない。
 さすがに四億円には逆らえない俺であった。
「ちょっと待ってよ!アタシだって嫌よ」
 納得のいかない表情でアスカが抗議する。
 ・・・なんだ、アスカ居たのかよ・・・台詞が無いんで居ないのかと思ったよ。
「シンジと二人っきりだなんて、何かあったらどうするつもり!」
「お前以上に俺が嫌だから安心しろ」
 失礼な、アスカとどうこうなる筈が無い。
「何ですって!」
 何ですってもあったもんじゃない。
「万一、お前がいきなり欲情して、俺に不埒な行いに及ぼうとしても、
俺は実力で排除できるから安心だと言っているんだ」
 俺の言葉を聞いて、アスカの顔がみるみる内に紅潮していく。
「だ、だ、だ、だ、だ・・・・」
 ひたすら『だ』を繰り返すアスカ・・・壊れたか?
「だ、だ、誰が欲情なんかするもんですか!」
 そりゃあ、するとは思わんがねぇ。
「俺がお前に欲情って可能性が、万に一つも無いからなぁ。
となると、お前が心配する『何か』が起こる可能性はそれしかないだろ」
 俺は至極落ち着いた口調で、諭すようにアスカに話し掛ける。
 もちろん、アスカの神経を逆なですることを計算した上での態度だ。

 ・・・結局のところ。
 ミサトの立案した作戦通りに、俺とアスカの共同生活が始まる。
335熱血シソジ:02/02/11 23:57
「こん畜生!納得意かんぞ!」
 俺の叫びが我が家に響いたのは、その日の晩のことだった。
「完璧なユニゾンを目指して、二人で同じ生活をするのに、
何で俺だけが料理をしないとならない?
変だろ?変だろう?変じゃないはず無いだろ?」
「掃除も洗濯もあんたの仕事でしょ」
 当たり前の顔をして、さらりと言いやがる。
 そうだよ、昔からこういう女だったよ。
 いつか訪れる復讐の時を誓いながら、俺はフライパンを振る。
 俺が作らないと、晩飯が無いから・・・零れる悔し涙が隠し味だ。
「シンちゃん、炒飯まだぁ?」
 こいつは・・・こいつには相応しい復讐は既に考えてある・・・そう思えば、
ミサトのこの態度も、『今晩には屠殺されることを知らず、餌を貪る豚』を想像させられ、
微笑ましくもある・・・くっくっくっく・・・使徒を倒した後を楽しみにしていろ雌豚め!(ちょっと言い過ぎ)

 食後に、朝から考えていたことをミサトに打ち明けた。
「なぁ、綾波のこと何とかならないのか?」
「んっ?レイがどうかしたの」
 今日のビールの友、東坡肉に齧りつきながらミサトが答える。
 絶対に太るぞ・・・くっくっくっく・・・いや、これとは別に復讐はある。
「今朝、綾波の家の中を見てきたが・・・酷すぎる。
俺でも背筋が寒くなるほどの・・・何て言うか、人間が暮らす場所じゃない」
 俺は正直な感想を口にする。
「そんなぁ、シンちゃん大袈裟よ」
「大袈裟にして、俺に何の意味がある?」
 俺は親切と呼ばれるには程遠い人間だ。
 細かいことで他人事にお節介は焼いたりはしない。
「酷いって言うのは具体的に?」
 俺の個人資料を見ているミサトは、俺の言葉の意味に気付いたのだろう。
 真剣な顔付きに変わった。
336熱血シソジ:02/02/12 11:05
「自分の部屋って奴には、そいつの人格が少なからず反映される。
香港時代の知り合いで、マッドな犯罪者に似たような部屋で暮らす奴が居たが、
ああいう奴らは、それまでの人生で精神をすり減らしていった結果だ。
綾波のは違う、人間として必要なものを身に付けていない・・・その機会を与えられた無かった。
そんな感じだ。あいつは、あの歳までどういう生活を送ってきたんだ?」
 俺の言葉に表情を曇らせるミサト。
「ごめん、私もレイの事は判らないのよ」
「・・・そんなはずは無いだろ?」
「本当なの・・・レイの記録は私にも閲覧を許されて無いわ」
 ミサトの口調から嘘は感じられない。
「レイの記録だけでなく、養育に関わっているのは司令と副指令、そしてリツコの三人だけよ」
「それにしても大の大人が三人揃っていて、子供一人まともに育てられないとは、
・・・あの髭グラサンは使えねぇな」
 自分の子供一人満足に育てられなかった馬鹿が、他所様の子供まで不幸にしているとは、
・・・やれやれ、俺もとんだ実父を持ったものだ・・・血が繋がってると思うと反吐が出る。

「ともかく、信用の置ける人間との同居なりを考えておいてくれ。
ミサトが、あの三馬鹿(ゲンドウ・冬月・赤木)と交渉するのが嫌なら、俺からも言っておくぞ」
 そうだな、あの髭がグダグダいいやがったら、前歯の二三本も折っておくか・・・くっくっくっく。
「だ、大丈夫よシンちゃん!私の方からちゃんと説得するから・・・ね」
 いきなり、不気味に笑い始めた・・・自覚はある・・・俺の様子に、
ネルフ上層部壊滅の危機を感じたミサトは、快く俺の申し出を受け入れてくれた。
337騙り手:02/02/12 11:15
今はこれが精一杯。

首が痛い・・・肩が痛い・・・どんどん酷くなる一方。
こういうときに、落とし込みのディスプレイは首に負担がかかるので、
長時間使用するのは無理・・・申し訳ない。
338熱血シソジ:02/02/12 23:14
「へぇ〜、やけにファーストのことは気にかけるじゃない?」
 アスカが冷めた口調で噛み付いてくる。
 全く、常に自分がちやほやされてないと我慢できない性格は勘弁して欲しい。
「・・・お前のことよりはなぁ」
 アスカに呼応するように冷たくなる俺の言葉がアスカを突き放す。
「あ、あんなお人形さんがあんたの好みとは知らなかったわ!」
「・・・お前のことよりはなぁ」
 真面目に答える気が無いことを、繕う素振りすら見せず、同じ台詞を繰り返す。
 俺の答えがよほど腹に据えかねたのか、アスカの柳眉が跳ね上がる。
 怒りの形相で俺を睨み付けるが、その視線を何事も無かったかのように受け流す俺の態度に、
痺れを切らしたように視線を外す。
「・・・・・・・・・もう寝るわ!」
 捨て台詞を残して、アスカは俺の部屋を出て行く・・・玄関のドアを叩きつけるように閉める。

「シンちゃん、アスカと喧嘩してどうするのよ。
一緒に生活しなきゃ駄目なのよ・・・今回の訓練の意味わかってる?」
 台詞の割には、ニヤニヤと笑みを浮かべながらミサト。
 俺はその台詞を無視する。
「なぁんか、アスカが可哀想だな・・・シンちゃんアスカに冷たくない?」
 俺は、更にミサトの台詞を無視する。
「・・・シンちゃんさ、中国でアスカと何か有ったの?」
 ミサトは手の中のビールを一気に飲み干すと、俺に意味ありげな視線を送る。
「・・・知ってるんだろ?」
「ん〜〜〜詳しくわ・・・ね」
 ミサトは新しいビールに手を伸ばす。
「・・・さっさと帰れよ」
 俺はミサトからビールを奪い取ると、一気に半分ほど喉の奥へと流し込む。
「あ〜私のエビチュなのにぃぃぃ」
「俺の冷蔵庫に入ってるものは俺のモノだ」
 俺の台詞に顔色を変えたミサトは、冷蔵庫から500ml缶六本パックを四つ取り出すと、
 逃げるように玄関へと向かった。
「そうそう、レイの事は明日にでも申請しておくわ・・・お休み・・・シンちゃん」
「あぁ、頼む・・・じゃあな」
パイロットと言うより、傭兵というより、アサシンですな。このシンジは。
今後の親父や加持との絡みが楽しみ。
340騙り手:02/02/13 00:30
>>339
7>>港のとあるマフィアのヒットマンをやっていた。
つまり、最初から殺し屋です。
結構、無茶な設定ですが面白いと思ってます。(本物は今何処?)
トウジとつるんでるシンジが好きです
342熱血シソジ:02/02/13 12:24
 翌朝、いつものように朝食の用意をしているとインターフォンが鳴る。
 ミサトやアスカにしては少し時間が早い・・・
それ以前に、奴らがインターフォンを鳴らしたことは一度も無い。
 エプロンの前で手を拭いながら、インターフォンのモニターを覗きこむ。
「!・・・赤木博士」
 そこには酷くやつれた感じの赤木博士が立っていた・・・何故?
「・・・おはよう、シンジ君・・・開けてくれないかしら?」
 三十直前、お肌の最終コーナーを抜けてしまったというのに、またもや徹夜をしてしまった・・・
という感じで、辛そうに話し掛けてくる。
「・・・あぁ、今開ける」

 リビングを出て、玄関の鍵を外しドアを開く。
 すると、先ほどと変わらぬ様子の赤木博士。
 そして、その背後にネルフ整備班の連中が、大きな木箱二つを抱えて立っていた。
「おはよう」
 弱々しく笑みを浮かべる博士。
「・・・おはよう・・・何?」
 俺の疑問を無視すると、博士は後ろの連中に指示する。
「みんな運び込んでください」
「・・・って何だよ?おい待て!」
 俺を無視すると・・・というか、聞こえてない?
 俺の横を抜けてリビングへと入っていく。
 俺も、整備班の連中に押されるようにして、リビングへと戻る。
「そこそこ、そこに置いて・・・OK」
 呆気に取られる俺を無視して、博士はテキパキと整備班に指示を下す。
「はい、外枠は引っぺがして・・・壊さないように気を付けてね」
 木箱の中からは、180cm程度高さの布で包まれた物が出てきた。
 木箱は二つだから、合わせて二つ同じ物が。
「じゃあ、木箱とかは全部撤収して・・・ご苦労様」
 整備班の連中は、仕事を終えると風のように去っていった。
343騙り手:02/02/13 12:28
>>341
熱血の鍵を握るのは、トウジしか居ないんだが・・・
この機材はダンスダンスレボリューションモドキですか?
345熱血シソジ:02/02/14 03:35
「・・・何なんだ、コレは?」
 俺はリビングに置かれた大荷物を指差しながら尋ねる。
 しかし、赤木博士は憔悴した顔に、何故か不適な笑顔を浮かべる・・・なんだ、このプレッシャーは。
「私の口から説明するより、貴方が自分の目で確認した方が早いと思うわ」
 わからない・・・何なのだろう、この自信に溢れかえった笑顔は・・・。
 アッパー系の薬を極めた奴でも、こんなに自信満々ではいられまい。
「ネルフ情報部が調べた貴方のデータに間違いが無ければ、気に入るはずよ・・・ふっふっふ」
 彼女の声に導かれるように、俺の手は荷物を被う布を引き剥がした。
「・・・こ、これは・・・まさか!」
 車○正○なら、このまま来週まで引っ張りそうな台詞で俺は驚く。
「コレの正体は・・・判るわね?」
 彼女は、得意満面・・・文字通りの表情を浮かべる。
 判らないはずが無い・・・これは・・・これは・・・伝説のあの・・・。
346騙り手:02/02/14 03:38
>>344
外れです。

答えは・・・○田●美じゃないが、折角なので一日くらい引っ張ってみるか。
(何が折角なのかわかりません)
347熱血シソジ:02/02/14 13:31
「・・・木人・・・しかも、これは少林寺木人拳」
「そうよ、私が子供の頃に観た少林寺木人拳。
それを元に、徹夜で仕上げた木人・・・」
「徹夜で仕上げたのか?」
 驚きの表情を浮かべる俺に、彼女は黙って頷く。

「スネーキーモンキー?」
「蛇拳!」
 俺の言葉に、彼女が応える。
「カンニングモンキー?」
「天中拳!」
 彼女の言葉に、俺が応える。
「ドランクモンキー?」
「酔拳!」
 再び俺の言葉に、彼女が応える。
「クレイジーモンキー?」
「笑拳!」
 再び彼女の言葉に、俺が応える。

 ・・・完璧だ、天中拳まで出てくるとは。
 俺と彼女の視線が重なる・・・もう言葉は要らない。
 俺たちは、目を交すだけで分かり合える。
 俺、碇シンジと赤木リツコの心が通じ合った瞬間であった。
348騙り手:02/02/14 13:42
わからない人は、ジャッキー・チェンの上記の映画を観てください。
・・・としか、言いようが無くて申し訳ない。

小学校の頃は、ジャッキー・チェン三本立てが800円程度でやってたので、
よく一人で見に行ったなぁ〜。
映画館の固いイスで、三本も観るとケツが死んじゃうんだよ。
349熱血シンジ:02/02/15 23:10
「あれ〜?どうしてリツコがいるの?」
 髪ボサボサで、顔すら洗ってないミサトが現れる。
 アスカは一緒じゃない。
「ミサト、そんな格好で・・・」
 ミサトの服装は、タンクトップにショートパンツと言う、普段の部屋着のまま。
 幾ら隣の部屋で数メートルとはいえ、外を歩くわけだから何とかして欲しい。
 ついでに言えば、他所様の家に来る格好でもない。
「・・・・・・問題ない。・・・・なんちって、だいじょ〜ぶよ!」
 髭グラサンの物真似が、これまた似てない。
 俺とリツコの冷たい視線を浴びながら、全く懲りてない・・・この強靭な精神力には脱帽だ。
「あっ!何か変なのがある?」
「「変じゃない!」」
 ハモる二人に、目を見開き固まるミサト。
「失礼なことを抜かすな!」
「まぁ、ミサトに理解できるとは思わないけど・・・気をつけて口を利くことね」
「・・・・・・・・・・・・・は、はい」
 俺とリツコの集中砲火を浴びて、毒気を抜かれ素直に頷くミサト。
「・・・この不思議なオブジェは、何でしょうか?」
 畏まった様子で、改めて質問するミサト。
「木人よ。シンジ君とアスカの訓練のために用意したわ」
「で、なんでこんなへ・・・独創的な形してるのよ」
「趣味よ」
「高尚な趣味だ」
「・・・そう」
 可哀想な人を見る目で呆れるミサトに、俺の心はさすがに少し傷ついた。

「リツコ。あんたも食ってくだろ?」
「ありがとう、頂いていくわ」
 俺は徹夜のリツコに、胃に優しい中華粥を・・・と思ったが、さすがに時間が無いので、
中華粥風の雑炊を作ることにする。
「・・・何で、リツコって呼ぶの?博士じゃなかったの?」
 不信というより、不機嫌ってな感じで、テーブルに両手で頬杖つくミサト。
「朋友(パンヤオは広東読み、北京読みはポンヨー)を名前で呼ぶのは当たり前だ」
「そうね、シンジ君」
 二人の心は通じ合っているのだ。
「・・・何故?何時の間に!」
350熱血シソジ:02/02/16 11:24
 結局、アスカは朝飯を食べなかった。
 しかし、三十路の二人はしっかり食べていった。
「・・・ちょっと、これって本当にシンジ君が作ったの?」
 そう言う、リツコの表情は何故か怒りに満ちていた。
「どうして!?」
 ・・・いや・・・そんなに怒鳴られても・・・。
 どうしたら良いか判らず、助け舟を求めてミサトに視線を送る。
 駄目だ・・・ミサトも訳がわからない、といった表情を浮かべている。
「変じゃない。ミサトは味覚音痴なのよ!
こんなに美味しいもの食べたって、猫に小判と言ったら、猫に失礼だわ。
ミサトには豚に真珠で十分よ!」
 さすが猫好き・・・友人への気配りを忘れても、猫への気配りは忘れない。
「失礼ね、私にだって味の善し悪し位判るわよ!」
「あんたが区別付くのは、見た目と値段で付けてるだけでしょ」
 ・・・本当にそうなのか?そんな作り甲斐のない女に俺は料理を作ってきたのか?
「いい?シンジ君。
ミサトの舌はね、基本的に甘い、しょっぱい、辛い、苦い、酸っぱい。しか判別できないの」
「別に普通じゃないか?」
「違うわ!原則的に一回に一種類の味のみ・・・調子よくって、甘酸っぱいとかの二つの味を、
判断できるくらい。つまり、複雑な味のハーモニーを理解できないの」
 ぬぅ・・・それはなんとも味音痴!
「・・・でも、俺の料理を食って美味いと言ってるぞ」
「それは、ミサトの処世術よ。
どうせ、味がわからないんだから、出されたものを美味いと言って置けば角が立たないでしょ。
見た目の違いさえなければ、美味しい洋食屋の手ごねハンバーグと、
マクドナルドのパテとの区別さえ付かないわ・・・本当のことよ」
 そんな処世術を身に付けるとは、ある意味可哀想でもあるが、
ハンバーグとパテの違いすら判らない、と言うのは誇張だろうと、ミサトの方を見やると、
俺の視線に、照れたように頭を掻きながら『てへっ』と笑ってみせる・・・本当か。
351熱血シソジ:02/02/16 23:20
「やっぱり納得いかないわ!・・・シンジ君!お願いお嫁に来て頂戴」
 リツコが思い出したかのように叫ぶ。
「・・・はぁ?」
「・・・リツコ(頭は)大丈夫?」
 さすがの俺も、お嫁に来てくれと言われたのは初めてだ・・・新機軸ってやつだな。
「俺は嫁にはなれんぞ」
「仕方ないでしょ、私には婿は必要無いのよ」
 ・・・そりゃ、俺だって婿はいらんがな・・・。
「疲れて家に帰ってきたら、奇麗に掃除された部屋では、
料理の香りとともに、『おかえり』って・・・そんな生活がしたいのよ」
「リツコ!シンちゃんは私のよ!」
 ・・・いや、まかり間違ってもお前のじゃない。
 そう言いたいところだが、二人とも目が恐い・・・何故か限界ぎりぎりというか、
鬼気迫るものを感じる。
「ミサト。あんたにシンジ君の料理の腕は必要無いでしょ」
「必要無い訳無いでしょう!」
「わかったわ、あんたにはレトルトカレーとカップラーメン一年分を、
進呈するからそれで手を打って頂戴」
 その台詞に、一瞬考え込むような素振りを見せたミサトだが、
誘惑に打ち勝ち踏みとどまった。
「冗談じゃないわ。シンちゃんは大事な家族よ!」
 大事にされた記憶がどこにも無いのは、気のせいだろうか?
「これまで通り、シンジ君の養育手当てをネルフから受け取ってもいいのよ」
 この台詞にミサトの目が怪しく光る・・・欲望に流される時の、弱い人間の目だ。
 そして、ミサトが何かを口走ろうとするのを俺が遮る。
「ちょっと待て!養育手当てって何だ?」
 俺の台詞にミサトが固まる・・・露骨に『しまった』って顔をしている。
「俺はミサトに世話になった記憶が無いのだが?・・・これは若年性痴呆症ってやつか?
大体だ、今は住んでいる部屋も別で、それどころか朝晩飯を食らいながら、
食費を入れているわけでもない・・・全部俺の持ち出しだ。
こんな状況で、どうしてミサトに俺の養育手当てが支給されるんだ?
俺の方がミサトの養育手当てを欲しいくらいだ!」
 何だが、自分の台詞に悲しくなってきた・・・久しぶりに泣きたい気分って奴を味わう。
こっちのシンジはモテモテだなー
って上がっているがシャッフル?
本編のシンジとは違う意味で女に振り回されるシンジであった(w
ところで、sage進行?
354熱血シソジ:02/02/18 10:47
「ところで、アスカが訓練に参加しないなら、俺一人でやっても意味無いだろ?」
 朝食の後、食器を洗いながら、まったりとしているミサトとリツコに声を掛ける。
 まったりするほど、朝飯を食うな・・・という説もあるが。
「・・・ちょっと待ってよ。何言ってるの?アスカを説得しなさいよ」
 慌ててミサトが命令する。
「それはミサトの仕事だ。是非とも自分でやってくれ」
 俺の当たり前の台詞にリツコも深々と頷く。
「・・・二人で組んじゃって、ズルくない?」
 全く反省の色を見せないミサト・・・こいつは子供か?
「どっちの意見が正しいかと言えば、全人類は俺の意見を支持するだろう」
「だから、私を貶すのに人類を持ち出すのはやめて頂戴!」
 俺の、少しの迷いも無い断定にミサトは怒るが、それを見ていた十年来の友人は、
「無様ね」と一言で感想を述べた。

「まぁ、ゆっくりアスカの説得をやってくれ・・・俺は午前中、出かけるからよろしく」
 洗い終わった食器を片付けながら、有無を言わさずこちらの予定を告げる。
「出かける前に、木人の操作法を覚えてもらえると助かるんだけど」
 携帯端末を起動しながらリツコが話し掛けてくる。
「どれ位かかる?」
「そうね、設定は画面の指示に従えば出来るようにして置いたから、十分もかからないと思うわ」
 徹夜のやっつけ仕事だから、インターフェイスは手を抜いていると思っていただけに驚く。
「・・・あら、意外?」
「ああ・・・てっきり、そう言う部分は手を抜いてきたと思ってた・・・悪いな」
 俺は正直に自分の間違いを詫びた・・・さすがマッド(酔狂)、恐るべしだ。

 その後、俺は用事を済ませると昼前に帰宅する。
「お帰り〜」
 何故かミサトが居る・・・断っておくが俺の家だ。
「あんた・・・まだ居たのか?」
 リビングでビールを飲みながらすっかり寛いでいるミサト。
「あによ!何か文句あるっつうの?」
 空になったビールの缶を振りながら・・・完全に酔っ払いだ。
「仕事はどうしたんだよ?」
「仕事ぅ?仕事はあんた達の訓練の付き添いよ・・・ネルフに行ったら始末書が山よ」
 現実逃避してやがる。
 鬱陶しいので部屋から蹴り出そうかと思ったが、ふと用事を思い出す。
「昨晩頼んだ綾波の件はどうなった?」
 するとミサトの顔が強張る。頼まれごとを忘れていたのかと思い、一発殴ってやろうと近寄るが、
ミサトの様子がおかしい・・・唇に真っ直ぐ立てた人差し指を添えるジェスチャーをする・・・?
「何してるんだ?」
「だから、その話題は・・・」
 ミサトが目の動きで後ろをキッチンの方を見ろと合図する。
「!」
 キッチンのテーブルのイスにアスカが座っていた。
 怒った・・・違う、憎しみというか、恨めし気といった感じでこちらを睨んでいた。
355騙り手:02/02/18 11:01
>>352
嫌なモテ方だけど。
・・・多分シャッフル。

>>353
元々、女性キャラが濃いから。
それを真似るって言うことは、より強調されて濃くなる。
シンジ改程度では勝ち目はありません。シンジ弐型の実戦配備を・・・。

sage進行です。この板自体sage進行だから、あまり下がらないけど。
下がったと思うとシャッフルで上に・・・。
356熱血シソジ:02/02/19 22:26
「よう、アスカ・・・」
 断じて俺は後ろ暗いところなどない・・・なのに何故、声が裏返っている?
 答えはアスカが怖いから。物凄い目で睨んでいる。
「・・・シンジ。訓練は午後から始めるわよ」
 黙って頷く俺・・・と言えば格好いいが、実際はカクカクと頷くのが一杯一杯。
「・・・シンジ。ご飯作ってよ」
 いっそのこと、『はいかしこまりました』と下手に出て楽になりたくもあったが、
崖っぷちで一歩踏みとどまる。
「何食べたい?」
 ちっとも踏みとどまっていなかった・・・だが、一体誰が俺を責める事が出来よう?
「・・・あっさりしたもの」
「わかった・・・たまには素麺なんてどうだ?」
「それでいいわ」
「シンちゃん。薬味タップリでお願い」
 ・・・ミサトのタレは醤油を水で割ったもので十分だと思った。

「シンちゃん、この木人って奴をを使って訓練・・・でいいの?」
 食後にマッタリと寛ぐミサト・・・こいつ、朝からずっと俺の部屋で寛いでやがる。
「今日は木人は使わない・・・ってリツコから何も聞いてないのか?」
「・・・ああ、何か書類を置いていったわね」
「読めよ!」
「悪い悪い!読むからちょっと待ってね」
「アスカにも読ませておけよ」
357熱血シソジ:02/02/21 03:09
 そして、俺とアスカの訓練が始まった。
 俺達の流派に名前は無い。
 創始者・・・と言って良いものか・・・である叔父が、若い頃に日本で習得した武術と、
中国に渡り身に付けた北拳等を元に、組み上げた節操の無い『良い所取り』の武術だ。
 叔父曰く、『進化する格闘技』等と俺が生まれる前には私語になっている言葉を使っていた。
 ・・・ある意味、稚気の持ち合わせた人物だった。

 俺とアスカは木人での訓練の前に、組み手を行い相手の行動を操る訓練を行う。
 使徒はそれぞれ独立して行動を取るので、単純にこちらの行動をユニゾンさせても意味は無い。
 ただし、元々一体の使徒が分離しているため、こちらがそれぞれの個体に同一のアクションを、
仕掛ければ、同一のリアクションを返すというのが、MAGIとリツコの結論だった。
 そこで、使徒に対して俺とアスカが個別に当り、戦いの流れの中で使徒の行動を操作し、
二体の使徒が同じタイミングで、同じ動作を取るようにしなければならない。
 俺にとって、アスカの動きを操ることは難しくは無いが、反対にアスカには難しい課題だった。
 それは単に技量の差では無い。

 アスカが床に倒れこんでいる。
 何度か起き上がろうともがくものの、身体を起こすことすら出来ないで居る。
 数回の短い休憩を挟んだだけで、三時間も組み手をした結果だ。
 そんなアスカを見下ろしながら、さすがに俺の息も上がっている。
「・・・どうして・・・あんたに出来る事が・・・アタシに出来ないって・・・」
 床の上から首だけを捻り、流れる汗に右目を塞がれながらも、
強い・・・憎しみにも似た感情を込めて俺を睨みつけるアスカ。
「前に・・・輸送艦の弐号機の前で俺が言った言葉は覚えているか?」
「・・・覚えて・・・いるわよ」
 アスカの顔が歪む、あの時のことを屈辱と記憶しているのだろう。
「なら、答えは出たか?」
「・・・出て・・・出てない」
「考えたか?」
「・・・考えたわよ!・・・でも・・・わからないのよ!」
 アスカの閉じた右目の目尻から涙が溢れ、汗と一緒になって床に流れ落ちる。
「・・・今日はここまでだ・・・後で二人で話がある」
 そう言い残すと、俺は着替えを用意すると脱衣所に向かった。
358熱血シソジ:02/02/22 21:10
 俺は夕飯を作りながら、テーブルのイスに座るアスカに話し掛ける。
「俺の言葉に理解できないことがあったか?」
「解らないわ・・・」
「・・・あのな、武術って何だと思う?」
 俺はため息混じりにアスカに尋ねた。
「・・・強く、強くなるための手段だわ」
 自信なさ気に俯きながらアスカが答える。
「違うな」
 一言で切って捨てる。
「いい加減にして!一体何だって言うのよ、はっきり言ってよ!」
 俺の勿体つけた言い回しに、アスカが感情を爆発させる。
「武術を身につけるて事は、武器を持つのと同じ事だ」
「何を・・・そんなはず無いわ!」
「そうか?お前は喧嘩で武器を使う奴を卑怯だと思う口か?」
「当たり前じゃない」
「だったら、武術家が素人と喧嘩するのは卑怯じゃないか?」
「ちがうわよ!それは自分の力で・・・」
「武器だって使う者の力だ」
 俺の話を、受け入れることは出来ないとばかりに首を横に振る。
「弱き者が、足りない力を補うために武器を取る。
武術も一緒だ、弱い者が強い者に勝つための技術だ」
「違う!違う!違う!・・・アタシは、アタシは弱くなんて無い!!」
 大声を上げて否定するアスカに肩を竦めて見せると、俺は言葉を続けた。
「俺は自分の弱さを認めた上で、強い奴に勝つために何が必要か、
それを考えた上で、修行をしてきたが・・・お前はそんなこと考えたこと無いだろ?
自分は強い。そして修行すればもっと強くなれる。自分は強くなければならない・・・違うか?」
 俺の台詞にアスカは、言葉も無く肩を震わせテーブルの下で拳を握り締めた。
359騙り手:02/02/22 21:29
すいません。
これから泣きを入れます。

どうにもペースが上がらない。
話も面白くない。
原因はわかっている。
この話が、一人称で語られている為である。
五話は「アスカの成長」をテーマにしているにも関わらず、
アスカの視点で話が進められない。
そのせいで、シンジが偉そうで説教臭い。

実は、訓練終了までの話を三回書き直しているのだが、
自分で読んでも納得できない。
書いているシンジが嫌いでならず、ついシンジを木人に踏み殺させたりしてしまう。
「来週のこの時間からは・・・。
サードインパクト後に、四歳児に戻ってしまったシンジが繰り広げる。
ほのぼのナンセンス『パステルシンちゃん(パクリ)』をお楽しみください」
等と考えてしまったりとかなりスランプ。

と言うことで・・・暫く時間を下さい。(逃走!)
まあゆっくりまったり逝きましょうや
まっとるで、先生。
361熱血シソジ:02/02/24 12:48
「お前の才能なら無理も無いのかもしれないがな・・・」
 俺の台詞に、アスカが弱々しく言葉を返す。
「・・・才能なんて無いわよ・・・アタシには」
 アスカの台詞に、俺の心の中で何かが音を立てて切れる。
 乱暴に包丁をまな板に叩きつけると、振り返りアスカに歩み寄ると、
いきなり飛鳥の座るイスを横から蹴り飛ばす。 
「!」
 倒れたイスごと床に転がるアスカが驚きの表情浮べる。
「苛付く奴だな!普段は天才天才と馬鹿みたいに繰り返しやがるくせして、
ちょっと自信を失うとその様か?意地の一つも張り通せないなら偉そうな口を叩くな!」
 俺はアスカに怒りをぶちまける。
 これほど激発した俺を見たことの無いアスカは、
驚きのあまり、普段の負けん気を発揮することすら出来ず、黙って俺を見つめている。
「俺は、自分に無いものを他人が持っていたからといって、羨ましがるほどセコイ人間じゃない。
・・・だがな、お前に対してはそんなものを通り越して、怒り・・・いや、憎しみさえ覚えるよ」
 更に手を緩めることなく追い討ちをかける俺に、アスカは部屋を飛び出していった・・・
目に涙を浮かべて。

「まったく・・・何やってるんだ俺」
 思うままに感情を爆発させてしまった自分に、自己嫌悪の呟きを漏らす。
「・・・嫉妬だ」
 激発のトリガーを冷静になって自覚すると、落ち込まずには居られない。
 大人になったつもりでも、まだまだ器量の狭い子供な自分が居るのだ。
 四歳で母親を喪い、父親に捨てられ、人付き合いの下手な叔父に預けられた。
 その時、俺は精神的に自立したつもりでいた・・・大人になったつもりだった。
 そう、『つもり』だったのだ、大人になるべくしてなったのではなく、
ただ、必要に迫られ大人のフリを・・・そうやって、自分さえも欺かずには居られなかった。
 アスカに対しても、大人のフリをして子供を相手にする様に接していた。
 俺が一番子供なんだ・・・。

 そんな風に落ち込みながらも、蹴倒したイスを起こし、
凹んだフローリングの床に補修材を塗りこむと、
何事も無かったかのように料理を作り始める自分が嫌いだった。
あー、泣かした泣かした。女の子泣かしたー
ユニゾン大丈夫かなぁ、ハラハラ。
364熱血シソジ:02/02/26 00:28
「・・・シンちゃん、何度も繰り返すみたいだけどさぁ。アスカと喧嘩してどうすんのよ?」
 晩飯の並んだテーブルには、俺とミサトの二人しか席についていなかった。
「・・・・・・・・・俺が・・・」
「俺が?」
「今回は、俺が・・・・・・ワルカッタ・・・かもしれない」
「・・・ハァ?」
 歯切れの悪い俺の態度に、ミサトが苛立ちを募らせる。
「はっきり言いなさいよ!」
「・・・・・・俺が悪かったんだよ」
 ミサトから目をそらし、ふてくされたように言葉を漏らす。
「へぇ〜〜〜シンちゃんが・・・ねぇ」
 ミサトの顔を見なくても、声からどんな顔をしているか想像がつく。
 カナリヤを咥えた猫・・・もしくは冷えたビールを前にしたミサト・・・いや、これじゃ比喩にならん。
「ねぇ?詳しく話しなさいよ」
「野次馬根性を出してる場合か?」
「何言ってるの、野次馬じゃないわよ。今回の作戦遂行のために必要な事情聴取よ」
 今の自分の顔を鏡で見てから言えよ・・・全く。

「シンちゃんが嫉妬・・・(グビッグビグビグピッ)・・・マジ?」
 驚くのかビールを飲むのか、どちらなのか良く判らない態度のミサト。
「・・・悪いかよ?」
 明らかに旗色が悪い。
「良い筈無いでしょ・・・・・・ふ〜ん、シンちゃんがねぇ」
 ニヤニヤと笑いを浮べている。
 だが、この状況を打開するための方法が思いつかない。
 ミサトの顔が気に入らないなら、殴り飛ばせば良い・・・今までの俺なら迷わずにそうしている。
 それが許されない状況なら、逃げ出せば良い。
 その他にも、金の力、弱みを握った上での脅迫・・・俺は生き残るために、あらゆる手段を用いて、
問題を回避してきた・・・そうしないと生き延びれなかった。
 しかし、今までのそんなやり方を、目の前で嫌な笑みを浮かべる女、
ミサトに対し当てはめる気になれなかった。
 俺が変わってしまったのか・・・それとも、ミサトが変わり者なのだろうか?
 多分、前者なのだろう。後者を否定する気にはならんが・・・。
365熱血シソジ:02/02/26 00:33
>>362
・・・あんたが一番子供だ。
366騙り手:02/02/26 01:20
>>363
いやぁ〜、何て言うか失敗すると話が終わってしまいます。

ま、まさかスランプのストレスに耐え切れなくなり、
「使徒イスラフェルの活躍によって、悪しき人類は滅び去った。
ありがとう、イスラフェル。
そして、さようならイスラフェル・・・完!」
と書いた没原稿のことをどうして知ってるんだ?

・・・てな具合に、すっかり凹んでいます。
偉そうなシンジが説教臭い話を始めると、
硝子の様に繊細で安っぽい我儘アスカは逃げ出して、我泣きぬれて蟹と戯れる状態。
なんとか、ミサトを活用することで話の展開を・・・ぐふぁ(吐血)
雰囲気かえるならトウジの方が良いと思うが。。。

余計な差し出口スマソ
368熱血シソジ:02/02/28 16:58
「・・・で、輸送艦での話って何?」
 嫌なタイミングで、嫌な方向へ話を変えるミサト・・・やっぱり殴っておこうか?
「・・・さぁ?」
 俺はマグカップの中の熱いスープを少しずつ啜りながら、曖昧な笑みを浮べ惚ける。
 次の瞬間、ミサトは手の中の空き缶を俺に投げつけた。
 俺は、空いている右手で内から外へと弾き飛ばした・・・マグカップの中は揺れもしない。
 更にミサトは、テーブルの下で膝を蹴りに来る。
 俺は蹴り足を、勘で左足を使い受け止める・・・マグカップからスープの一部が飛び散る・・・熱い!
 とどめにミサトは、テーブルの縁を掴むと、俺の方へと突き出す。
 腹へと突っ込んでくるテーブルの縁を、俺は両肘で受け止めた・・・スープの大部分が俺の、
膝の上に落ちた・・・熱い・・・なんてもんじゃない。
 俺は言葉もなく風呂場へ駆け込むと、浴槽に身を投じた・・・その間およそ十秒。
「毛の先ほども容赦が無い・・・恐ろしい女だ」
 水の張られた湯船の中で心底そう思った。

 俺がバスタオルを腰に巻いてリビングに戻ると、ミサトは三本ほど新たな空き缶を生産していた。
 ・・・この女、先程の騒ぎの時には、既に出来上がってたな。
「でさぁ、なんな訳ぇ?」
 酔っ払いのくせに覚えてやがった・・・殴ったら忘れるだろうか?
 と、物騒な考えが頭を過るが、残念ながら俺の理性が欲望に勝った。
「闘う者としてのアスカに足りないモノについてだ」
「・・・う〜ん。やっぱり足りない?」
 ミサトの台詞に俺は表情を変える。
「なによぅ?私がわかってちゃおかしいっていうの!」
「・・・」
 余計な台詞は飲み込んだものの、気の聞いた台詞も思いつかなかった。
 そんな俺の態度に、不満そうな表情を浮かべるもののミサトは話を続ける。
369熱血シソジ:02/02/28 23:26
「私も気にはしていたんだけど、アスカは戦いに対して本気じゃないのよ・・・
・・・本人は精一杯本気のつもりでもね」
 良かった。ミサトが、俺が思ってたほど馬鹿じゃなくて・・・と若干失礼の入った感慨に浸る。
 まあ、俺が思っている以上に馬鹿だったら、世界は滅んだ方がマシだけどな。
「天才だからな・・・常人に比べて遥かに少ない努力で結果を手に入れられるしな」
「・・・それで、嫉妬って訳?」
 クソッ!まだ覚えてやがる。
 腹が立つので、ミサトのビールを飲んでやる。
「あたしのエビチュ」
 ミサトの抗議に、俺は問答無用で一気に500mlを喉の奥へと流し込んだ。
「っくぁぁぁっ!」
 俺は豪快に空き缶をテーブルに叩きつける。
「あ〜っ!空っぽじゃないの」
 俺は更にもう一本ビールを奪った。
 ミサトには俺の手の動きは見えなかったはずで、いきなり俺の手の中にあるビールに驚く。
「ちょ、ちょっと!」
 ビールを死守するミサトの両手の中から、更にビールを抜き取りつづける。
「し、シンちゃん!私が悪かったわ」
 腕の中のビールが半分になったところで、ミサトは白旗を上げる。
 愚か者め、俺を怒らせる恐ろしさを身をもって思い知ったことだろう。
 ちなみに、奪ったビールは没収だ。
370騙り手:02/02/28 23:34
ミサトに期待した俺が馬鹿だったよ・・・話が全然進みません。
アスカとの絡みほど殺伐としないのが救いだが。

>>367
シンジはトウジを引き合いに出して、アスカを馬鹿にしてしまい。
とても殺伐とした話になりました・・・切腹!
ええぃ、腹かっさばく暇でかかぬかぁ!
…でも無理じゃしょうがないよな。1日更新じゃなくてせめて隔日更新にしたら?
372熱血シソジ:02/03/02 10:38
「それで、アスカはどうするの?」
「そっちこそどうするんだよ?」
 互いの緊張が再び高まる。
「シンちゃんは、アスカの兄弟子でしょ」
「ミサトは保護者だろ?しかも笑っちゃうことに俺の保護者でもある」
 微妙に責任を押し付けあう、醜い人間が二人。
「アスカを泣かしたのあんたじゃないのよ!」
「作戦の責任者はお前だ!」
「・・・・・・やめましょ、不毛だわ」
「・・・・・・そうだな、責任を擦り付け合ってもしょうがない」
 俺達は落ち着くために、それぞれビールを一缶空けた。

「アスカを天才って言ってたけど、そんなに凄いの?」
「そうだな・・・もし、俺がアスカに匹敵する才能を持つなら『最強』って奴を夢見てみるな」
「夢見るって、シンちゃん今でも十分強いんじゃないの?」
「・・・強い奴なら幾らでも居る。今の俺が『最強』って言葉を口に出したら、
それは夢って言うよりは、妄想に近いな・・・残念ながら」
 俺の言葉に、ミサトが驚嘆を漏らす。
「だが、俺は自分が弱いことを理解しているから、強くなるため、そして勝つために真剣で居られる」
「つまり、弱い人間の方が強くなると言う事に、より強い目的意識をもてるってこと?」
「アスカの場合は、目的が強くなるではなく、強い自分を再確認したいって、とこだろ、
それじゃ壁にぶち当たっても乗り越えられないだろな・・・一生」
 最後に俺はため息を漏らす。
「・・・それで冷たくしてるんだ」
 ミサトめ何を勘違いしてやがる・・・止めろ!その『ニヤニヤ』と厭らしい笑みを浮べるのは!
「ふ〜ん、優しいんだ〜。シンちゃん」
 鳥肌が立つ。
 俺は冷徹で非情な悪なんだ。
 そんな温かい目で俺を見るな!嫌だ!見ないでくれぇぇぇっ!
373騙り手:02/03/02 10:44
「ともかく、そっちの責任でアスカを何とかしろ」
 俺は我ながら無責任な台詞だと思いながらも、ミサトに責任を押し付ける。
「ちょ、ちょっと何で私が?」
 まさに青天の霹靂といった態度のミサト。
 俺以上に無責任・・・と、言うか責任感の欠片も無い態度に、俺の腹も決まった。
『全責任はミサトに押し付けるべし!』と・・・そう考えると、何の問題点も無い。
 元々、ミサトが『責任者』に他ならないわけだし、俺があれこれ気を使う方がおかしいのだ。

 翌日、ミサトは何とかしたようで、アスカは訓練にいそしむ。
 時々、浮べる妙にハイな表情や、奇妙な受け答えが気になるが、取りあえず訓練は順調なので、
俺は気に止めようとさえしなかった。

・・・こんなのも考えてたりして・・・自刎!
374熱血シソジ:02/03/02 11:36
「な、何を言ってるんだ?」
「だから、厳しく冷たくして、アスカがシンちゃんよりも強くなりたいと思うように、
仕向けてるんでしょ・・・あえて嫌われ役を買って出るなんて、シンちゃん良いとこあるねぇ〜」
 かなり核心を突かれ動揺を隠せない俺。
 ・・・どうして、この鋭さが対使徒戦で発揮されないかな・・・この女は。
「よ〜し、このミサトさんに、まっかせなっさ〜い!
・・・アスカに有る事無い事ぶちまけてきてあげるわ!」
 なんですと!有る事も拙いが、無い事ってどういう事だ!
 俺は酔っ払いのくせに、宙を歩くような軽いステップで玄関へ向かうミサトを、
後ろから羽交い絞めにする。
「ちょっと〜何すんのよ!離しなさいよ!」
「ちょっと待て!良いから、話し合おう!」
 二人でもみあいになっていると、酔っ払ったミサトの足元が縺れ、俺を巻き込んで倒れた。
>時々、浮べる妙にハイな表情や、奇妙な受け答えが気になるが、取りあえず訓練は順調なので、
>俺は気に止めようとさえしなかった。

・・・薬かッ!!!!没でヨカタと思うに2500ゲンドウ
376熱血シソジ:02/03/03 13:17
 ・・・頭が痛い・・・どうして?・・・わからない・・・だが・・・頭が痛い・・・・・・・・・・
「・・・し・・・く・・・しん・・・ん」
 耳元に女の声が聞こえる。
 何故か必死な声が・・・俺の耳を打つ。
「シンちゃん?・・・しっかりしてよシンちゃん!」
 必死なその声が、俺の名を呼んでいることに気付くと、意識が急速に目覚めていく。

 しっかりと糊で張り付けたような上と下の瞼を、気力を込めて開くと、
俺の身体の上に覆い被さるように、長い髪の女が居た。
 俺から見ると、結構年増だが美人だ・・・青ざめた顔で必死に俺の名前を呼ぶ。
 何だか良く判らないがせっかくの良い雰囲気なので、俺は彼女の首に腕をまわすと、
そのまま彼女の唇を奪った。
「!・・・うっ・・・こ、こらあっ・・・・・・・ぅ」
 彼女が抵抗するが、俺は構わずきつく抱きしめる。
 彼女が何か口にしようとした瞬間に、俺は舌を彼女の口の中に送り込むと、
彼女の舌を捕らえ嬲る。
「ぁ・・・ぅん・・・・・・」
 俺の舌技(絶技)の前に、抵抗する彼女の力が失われていく。
 ふっ・・・黒社会の男たちと、街の娼婦(おんな)たちの間で、
『恐るべき子供』の二つ名を持つ俺だ、素人女なんぞ瞬殺だ!
377騙り手:02/03/03 13:20
書いちゃった〜♪書いちゃった〜♪勢いで書いちゃった〜♪
こ〜れからどうしよう〜?アヒャ

378騙り手:02/03/03 13:41
悪いけど、俺はこれからミサXシンのスレで続きを書くよ・・・嘘だけど。

どうにも、プロットに沿って話を進めるだけの実力が自分に無い事がわかったので、
(既に372の辺りでプロットから脱線転覆。線路沿いの住宅に突っ込む大惨事)
最低限のエヴァの前提には従いながらも、思いつくまま風吹くままに、
書きたいことを書きながら熱血探しの旅に出ようと思います。
・・・それでも良いかな?
379熱血シソジ:02/03/03 16:50
 背中に回わした俺の左手を背骨に沿って這わせながら、彼女のタンクトップをゆっくりと押し上げ、
途中でブラのホックを外す。
「だぁ・・・うんっ・・・・・・くぅ・・・」
 一瞬の抵抗。しかし、俺の舌が彼女の理性を蹂躙していく。
 彼女の理性が快楽に飲み込まれたのを確認すると、俺は左手を腰へ右手を頭の後ろへ回すと、
ゆっくりと身体を入れ替え、彼女を床に組み敷いた。
 俺は右手で彼女のウェーブのかかった髪を、指に引っ掛けないように優しく梳りながら、
彼女の左耳に口を寄せると、耳たぶを甘噛みと舌での愛撫を交互に繰り返す。
 すると彼女の両手が、俺の首を柔らかく抱きしめる。

 ・・・貰ったな。俺は左の口元だけを吊り上げて歪んだ笑みを浮べる。
 そして、彼女の両手を優しく解くと、俺は彼女の胸に顔を寄せる。
 タンクトップは既にバストの上まで捲りあげられ、
ブラは辛うじて彼女の胸に引っかかっているに過ぎない。
 ブラを取り去ろうとしたその時、彼女の胸の下に走る傷跡を見つける。

 醜く引きつった傷跡が斜めに走る。
 広く、そして深く負った傷跡・・・俺は底に口を寄せると、
唇と舌で優しく労わるように愛撫を始める。
 時にはコンプレックスになるような傷跡が、最高の性感帯になる場合がある。
 彼女の場合もそうだったのだろう。今までよりも大きな喘ぎ声が口から漏れはじめる。
修羅場の予感
葛城さんに教えてこようかなぁ。貴方が襲われていますって
あ、別にLASじゃなきゃいけないって訳じゃないんだろ?てゆうかどう走るかもわかんねーし。
書きたい物を書けばいいと思う。
意外な展開に思わずワラタ
股間が熱血ジンシかよ!
385熱血シソジ:02/03/04 12:48
 傷跡への執拗なまでの愛撫と同時に、右手を彼女の左胸に伸ばすと、
ブラを外し脇へ投げ捨てる。
 改めて右手を彼女の乳房に這わす・・・みっしりと重量感伝わるボリュウムに、
思わず笑みがこぼれた。
「くっぅん・・・あぁぁぁぁぁぁぁっ」
 ミサトが身体が一際大きくはねる・・・・・・ミサトって誰だ?
 一瞬疑問が掠めるものの、俺の理性も既に欲望に流され気味で、
疑問よりも目の前の胸に意識が集中する。
 彼女の乳房は興奮に張りを増し、乳首も硬く尖りその存在を主張する。
俺の右手は優しく、そして時にきつく、たわわに実った肉の果実を揉みしだく。
 しっとりした肉の感触を楽しむと同時に、人差し指は意外なほど鮮やかで、
色素の沈着の少ない先端を攻めた。
 焦らすように乳首を避けて乳輪の縁を執拗に甘く刺激する。
 すると彼女は熱に魘されるかのように息遣いを荒くし、俺の耳を擽る。
 そろそろか・・・俺はミサトのホットパンツのボタンに手をかける・・・ミサト?
だから、ミサトって誰だよ・・・ミサト・・・ミサト・・・ミサト・・・葛城ミサト!
386騙り手:02/03/04 13:01
今の心情を的確に表現するなら。
「昨日?そんな昔の事は憶えていない。
 明日?そんな先のことはわからない」

>>380
さぁ?

>>381
だから葛城さんは襲われ中だって。

>>382
LASのつもりは無い。
どちらかといえば、ラブコメ(ほとんど死語)の定番三角関係固めを考えていたんだが、
どうしたら良いんだ?・・・俺。

>>383
意外な展開に一番驚いているのは、むしろ俺。

>>384
最近みんな構ってくれないのに、この展開で久しぶりの反響。
嫌いじゃないんだろ?・・・みんな(俺も)
387Seisei_Yamaguchi:02/03/04 15:14
>>109
宇宙刑事ネケーツ
388騙り手:02/03/04 20:09
俺、下がるまで旅に出るよ。
いってらっさい。
いってらっしゃーい。

しかし、シンジとうとうミサトに嫁入りか…。
ま、それも又、ヨシだな。
>386

007か? 古いな。
>>391
「カサブランカ」じゃなかった?
「君の瞳に乾杯」ってやつ。
こっちもOKならミサトよりアスカを体で仕込んだ方が話し進んだんじゃ
394熱血シソジ:02/03/05 00:23
 俺の灰色の脳細胞が急速に、急速に・・・う〜ん・・・ミサト・・・誰?
 いかん、やっぱり思い出せない。
「・・・シンちゃん・・・・・・」
 甘えるような声で、彼女・・・ミサト(?)が俺の名前を呼ぶ。
 ミサトの瞳には理性の光は感じられない・・・薬を使ったかのように。
 以前、ある娼婦に『子供のくせして、あなたのセックスは麻薬みたい』と言われた事があり、
『そりゃそうだ。俺は暗殺者(アサッシン:ハシシュ[大麻]が語源)だからな』と、
誰も笑えないハイセンスなギャグを飛ばしたことを、未だに後悔しているくらいだ。
 アレは辛かった・・・気まずく、二度とその娼婦を買うことは無かった。

 何となく嫌な予感がするのだが、取りあえず据え膳は・・・自分で据えたようなものだが・・・
美味しくいただくことにした。
 などと思っていると、ミサトは両手で自分の胸へと俺の頭を抱き寄せる。
 幼い頃に母親を無くした俺は、多少マザコンの気があるらしく大きな女性の胸に、
こんな風に胸に顔をうずめながら抱かれるのは、はっきり言って好きだ・・・大好きだ!!
 しかも、この胸は極上だ。我が人生において五本の指に入るだろう。(女性経験多すぎ)
 迂闊にも、ミサトの乳首を口に含みながら、あやうく楽園へと回帰するところだった。
 しかし、『母』を強くイメージした途端に、記憶の淵からあるイメージが蘇る。
 ・・・紫の巨人・・・エヴァンゲリオン・・・初号機。
 連鎖的に他のイメージも蘇る。
 ・・・ネルフ・・・髭グラサン・・・使徒・・・綾波・・・アスカ・・・リツコ・・・ミサト・・・葛城ミサト!!!
 今度こそ本当に思い出した。
 ミサトだよミサト・・・こいつ、『あの』ミサトだよ!
 拙い、どうしよう。俺は真剣に途方に暮れる・・・いやマジで。
395騙り手:02/03/05 00:30
41まで下がったので復活。

>>391
正解です!
「カサブランカ」の中の台詞のパクリです。
女に「昨晩は何処に居たの?」と聞かれ「そんな昔のことは覚えていない」と答えて、
更に女が「今晩は私に付き合って」といわれて「そんな先のことはわからない」という受け答え・・・
・・・こんな感じの受け答え。

一生に一度くらい使ってみたい台詞だが、ボギーは三日に一度くらい使ってそうだ。
ならば俺は「君の瞳に映る僕に乾杯」をいつか使ってやる・・・お笑いか。
ボギーってボガードかい…。

もしかして、同世代かもしれん。
007の方はパロディだったか?
まぁ、その手のは一杯ある作品だったしな。
397騙り手:02/03/05 12:55
>>396
「カサブランカ」とわかる392より、「007」の391世代だが・・・
ロジャー・ムーアでさえ小学校の頃。(007はギリギリその辺までが面白かった)
つまり、「カサブランカ」はリアルタイム世代ではない。
(エヴァ板にリアルタイム世代が居たら怖いと思う・・・60年前だからなぁ)

アノ台詞は古典的名台詞、いたるところで使われているから。
「君の瞳に乾杯」の方が有名ではあるけど、こっちの方が格好いい台詞だと思う。
398熱血シソジ:02/03/06 00:28
 俺はミサトの腕を振り解いて上半身を起こした。
「・・・・っふ〜ん」
 とろんっと潤んだ目で俺を見つめるミサト・・・いつもと違った・・・今まで見たことの無い表情に、
俺の胸が高鳴る・・・どうしてだ?さっきまだは大丈夫だったのに・・・なんて思ってる場合じゃない。
 俺は床の上に横たわるミサトを見下ろしながら思う・・・どうしよう、これ?
「ぅ〜ん・・・どうしたの?」
 いかん、俺が悩んでいる間に、ミサトが正気を取り戻し始めた。
 拙いぞ、時間が無い・・・考えるんだ、考えるんだ、考えるんだ、考えるんだ、考えるんだ!
 僅かな迷いの後、俺は覚悟をきめるとミサトに覆い被さり、そして強く抱きしめた。
399騙り手:02/03/06 00:36
今のおいらは糸の切れた凧なので、
この先どうするか決めてません。
取りあえず分岐点なので短いけど、ここで一旦upします。
ミサトがへたれるのは飽きた。
したたかにと思うが、お任せだな。

待ってるよん。
気絶するまで逝かして無かったことにしてしまえ(w
うるさい上司を手込めにするのも一考かと・・・
お母さんがシンジな上に、一番クールなのがシンジだからな。
うるさい上司って誰だろうな。

博士あたりは手篭めにするのを狙っているだろうし。

金持ってて、料理が上手くて、結構甘くて、努力型の武術の秀才。
更に、レイを気にする程度には浪花節。ついでに床上手。

………手篭めにしてぇ。
404熱血シソジ:02/03/07 23:42
 今までの過剰なまでに甘い愛撫の代わりに、多少強引な行為でミサトを翻弄する。
 ミサトの唇を奪い舌を送り込む、進入した俺の舌をミサトも積極的に受け入れる。
 舌を舐り、唾液を啜り、そして流し込む。
 ミサトの重量感のある乳房を強めに握り締め、指の間から溢れさせ、
ピンと硬くなったミサトの先端の蕾をきつく摘む。
 その後、両手をミサトの脇腹に沿って下へと滑らせ、人差し指と中指だけを、
腰骨の位置からホットパンツ、そしてショーツの下へと滑り込ませると、
そのまま両手を、しっとりと張りのある太腿の外側に沿って下ろしていく。
 ボタンの外れていたホットパンツはショーツごと膝まで押し下げられる。

 ミサトの秘所から甘い牝の匂いが立ち上がる・・・ふむ、濃いな・・・
いや、匂いじゃなく・・・毛がな・・・ちょっと。
 いやいや、落ち着いてる場合じゃない。
 俺は右手をミサトの太腿の裏に回すと、内腿に指を這わせながら、
持ち上げ肩膝を立てさせ、ホットパンツとショーツを左足から抜き取る。
 そして、膝をそのまま下ろさせずに、力ずくで外側へと倒しこむ。
「し、シンちゃん?!だ、だめ・・・」
 強引な俺の行為に我に返ったミサトが抵抗するが、俺は躊躇いもなく、
ミサトのソコヘと顔を寄せた。
 俺の目の前で開いたミサトの花弁。
 意外なほど、綺麗なピンク色だ・・・先ほどまでの反応から見ても、
ミサトは経験が少ないのかもしれない・・・俺はそう感じた。
405騙り手:02/03/07 23:43
 また引っ張っちゃったよ。
 エロは好きだが、自分で書く分には得意じゃない。(なら書くなよ・・・大体、何なら得意なんだよ)
 トー・クン(わかった人・・・友と呼んで良いですか?)の小説を片手に書いてます。
 トー・クンは良いねぇ。エッチを書く人は、コレを踏まえた上で書いて欲しいと思います。
 (直接的四文字伏字や、擬音語、台詞だらけでは妄想がはびこる余地なし)

>>400
俺もそう思う。(何とかしろよ!)

>>401
ぎくっ!

>>402
えっ!・・・ふ、冬月・・・ですか?(後ずさり・・・泣きながら逃げる)
406熱血シソジ:02/03/07 23:43
>>403
・・・・・・・・・・・(泣きながら逃げる)
それにワラタ
408熱血シソジ:02/03/08 21:35
 足を閉じようと抵抗するミサト、だが花弁から溢れ出る愛液から、
抵抗が本心からでない事が伺える。
 俺が、甘い香りを放つ愛液を音を立てて啜ってみせると、羞恥心に身体を強張らせたが、
次の瞬間には体中から力が抜け、抵抗も弱まる・・・ニヤリ。
 花弁の中に舌を差し入れ、反応を伺いながら内部をくまなく、強く弱く、深く浅く刺激しながら、 
ミサトの弱点を探り出す・・・どうやら、ここだと言う、ポイントは見つからなかったものの、
これまでの反応から、優しくされるよりも、強く、激しくされるのがミサトの好みだという事が分かった。
 そうと知ったからには、今は攻めるよりも、逆に焦らすべし。
 俺は理性の手綱を振り切り、暴走しようとする自分の欲望を抑えつける。
 そして、触れるか触れないかの微妙な力加減で、舌先をアウターリップに這わせるのだった・・・
・・・あぁ、我ながら末恐ろしい。

「シンちゃん・・・シンちゃん・・・お、お願・・・ぃ・・・」
 甘く囁くミサトのおねだり・・・別に他の女に言わせたところで、大した感慨も沸かないが、
ミサトに、あのミサトに言わせたと思うと・・・いかん、鼻血が出そうだ。
 こういう所が、素人童貞である俺の如何ともしがたい欠点だ・・・まあ、十四歳だからしょうがない。

 ともかく、ミサトにおねだりさせた事で満足した俺は、今度は乱暴なまでにミサトを攻めたてる。
 皮を剥いた肉芽を口に含み、舌で転がし、歯で甘噛みする。
 左手は花弁を弄び、右手は菊座に伸びる・・・相撲で言うところの三所攻めって奴だ。(大嘘)
 焦らされ、昂ぶっていたミサトはあっさりアクメに達し・・・。
「うっ・・・わ」
 俺はいきなり顔面に吹き付けられた液体に驚く。
 愛液ではない、勿論・・・いや、それは言わないでおこう。
 ・・・サラサラとした匂いの無い・・・潮吹きって奴だ。
 初めてではないが・・・胸に込み上げる感動。
『犯りてぇぇぇぇっ!』
 メーターが吹っ切れるほど欲望が身体を支配する。俺の知る限り潮吹く女のアソコは最高だ。
 だが、俺は心で血涙を流しながら、余韻に浸るミサトの首の裏を探ると経絡を突いて昏倒させる。
409熱血シソジ:02/03/08 21:57
 気絶したミサトの身体を確認する。
 ・・・・・・キスマーク等の、痕跡は残っていない。
『さすが俺!偉いぞ俺!紳士だ俺!』
 胸の奥でファンファーレを鳴らし、自分を褒め上げる。
 ・・・まぁ、素人女相手の経験が無いんで、マナーとして痕をつけない、
悲しい習性が身に付いているだけなんだが、今はそれが、とてもありがたかった。
『無かったことにする!』
 それが俺の、生き延びるための選択だった。

 しかし・・・しかしだ!
 俺は自分の下半身に視線を送り、悲しげに呟く。
「どうするんだ・・・コレ」
 いきり立った自分の分身・・・まぁ、小さくないけど大きくも無い・・・やっぱりちょっと可愛い目かな?
 いやいや、まだ大きくなる可能性は否定できない筈・・・多分。
 ちがう、そんな問題じゃない。
 今問題にすべきは、ここまで・・・こんなにまで高まった俺の欲望の行き先は如何するべきかだ!
 ・・・ちょっとくらいなら、挿れてもいいかな?
 ミサトの肢体を見下ろしながら、そんなことを考えていると、喉の奥が音を立てる。
 駄目だ!駄目だ!!駄目だ!!!そんなことをしたら後が恐ろしい・・・恐怖に値するよ。
美里とのシンクロ率400%突破で熱血シンジ暴走か?
加持にバレたらどーなるのだろう…
このスレの加持、滅茶苦茶強そうだし。

ニコニコ笑いながら全身の骨を一本ずつ折られたり(w
うむ。ちょいといきすぎだが少年漫画の主人公。

期待だな。
413熱血シソジ:02/03/09 21:38
 ・・・結局。
 俺はミサトの身体から、行為の痕跡を拭い去り、タンクトップは脱がしたまま、
下着やホットパンツを履かせると、俺のベッドに放り込む。
 そして、ミサトの部屋に電話をかける。
「・・・はい、葛城です」
 受話器の向こうからアスカの声が聞こえる。
 元気の無い、沈んだ声だ。
「アスカ・・・俺だ」
「・・・・・・・・・」
 俺の声に黙り込むアスカ。
 俺は構わず用件を伝える。
「ミサトが酔っ払った挙句に転んで気絶した。
ただの脳震盪のようだから、今夜はこっちで寝せておく・・・以上だ」
 俺は一方的に用件だけ伝え、受話器を戻そうと耳から受話器を離した。
 すると、受話器からアスカの声が聞こえる。
「どうした?」
 受話器に耳に戻してアスカに声をかける。
「・・・・・・ミサトと・・・ミサトと寝るの?」
 ぎくっ!・・・いや、そんなつもりは・・・つもりは無いのだが・・・下心を突かれたような気がする。
 ・・・俺はまだ、ミサトの身体を諦めてなかったのか?
「シンジは、ミサトが・・・好きなの?」
 ちょっと待て、動揺している場合じゃない。
 アスカの発言の意図が理解できない・・・もしや、この部屋を盗聴・盗撮していたのか?
いや、俺も素人ではない。この部屋に仕掛けられた機械は全て処理した。
「何言ってるんだ?」
 俺は平静を装いながらも、できるだけ不機嫌そうに答える。
414騙り手:02/03/09 21:55
ふぅ、やっとスケベシーン終了。

教訓:勢いって怖いねぇ(ちっとも教訓じゃねぇ)

>>410
暴走したのは熱血シソジではなく、騙り手の方だな・・・アヒャ

>>411
正直、加持にはミサトに対する何の権利も無いので、
ここで、シンジに嫉妬したらみっともない奴になってしまう。

>>412
俺はいやだな、こんな少年漫画の主人公。
せめて青年漫画の主人公にして下さい。
アスカの反応がシンジに気があるっぼい
さあて、さて。ラブコメるのか?
417熱血シソジ:02/03/10 21:02
「えっ・・・・・・あ、アタシ・・・」
 俺の強い調子の声に気おされたアスカは黙り込んだ。
「・・・ふぅ」
 俺は深く溜息をつくいてみせる。
 無論、上手く話を逸らせたことに胸をなでおろしている。
「まぁ・・・ミサトが心配ならこっちに止まりに来ればいいだろ?」
 ・・・この台詞には裏がある。
 ここでアスカを巻き込んでおけば、後でミサトを丸め込むときの嘘が、
アスカの存在で補強されるのだ。
 数は力だよ・・・自分の悪知恵に感心する。
「・・・・・わかったわ、そっちに行くわ」
 俺はアスカの返事に満足しつつ電話を切った。

「ミサトは俺のベッドに放り込んでおいたから、一緒に寝ればいい・・・俺はソファで寝る」
 一時間以上も経ってから現れたアスカに、ホットココアを差し出しながら、そう告げる。
「わかった・・・そうするわ」
 不機嫌そうに応えるアスカ・・・こいつはいつも不機嫌そうだ、昔はそうでもなかったんだがな。
「・・・そう言えば、ミサトは寝相悪いから蹴り出されても・・・」
「ぶぅぅぅぅぅぅぅっ」
 俺の台詞を遮って、いきなりアスカがココアを吹き出す。
 慌てて避けたものの、首から左胸の辺りを直撃されてしまった。
「何する・・・」
「何であんたがそんなこと知ってるのよ!」
 またも俺の台詞は遮られ、しかも、胸倉をつかまれる。
 いつもなら、ここで意味ありげに笑みを浮べ『さてね』等と抜かすところだが、
今はそれをやると洒落にならない。
「知ってるにきまってるだろ、毎朝ミサトを起こしてたんだから」
「・・・・・・そ、そうよね」
 アスカは目を泳がせ、空ろな笑いを響かせながら、俺から手を離した。
 ・・・・・・訳わからん。
418騙り手:02/03/10 21:16
>>415
アスカは登場直後からシンジに気が有ります(参照:>>254
ただし、この話の語り手であるシンジは、そのことに全く気付いていません。
ラブコメ男の必要条件は「鈍感」だから、でも・・・

>>416
プロットでは・・・プロットって何?美味しい?
美里の代わりにアスカをいただく展開か
420熱血シソジ:02/03/11 21:31
 ココアまみれになったため、俺は再び風呂に入ることにし、
脱衣所で服を脱ぐと、ミサトのタンクトップと一緒に洗濯機に放り込み、
洗濯を始めた。
 すると、どたばたと騒がしい足音が響くと、脱衣所のドアが開く。
「ちょっと!何でミサト服着てないのよ!!」
 俺は、ゆっくりと洗濯機の方を指差す。
「・・・・・・洗濯中」
 ちなみに俺は、素っ裸だった。
「・・・・・・あ、あぅあぅぅぅぅ」
 アスカが身体を強張らせ、口だけを酸欠中の金魚のようパクパクさせる・・・
しかし、その視線は俺の或る一点に集中していた。
「・・・・・・用無いなら閉めてくれないか・・・ドア」
「えっ!あ、あぁ、そ、そ、そうよね」
 アスカが慌ててドアを閉める。
「・・・・・・入ってくるなよ」
 完全にパニックに陥ったアスカは、何故かドアを閉めて脱衣所の中に入ってくると、
再び、俺の或る一点を凝視している。
「えっ!?!?・・・(考え中)・・・き、きっ」
 俺は両手で耳をふさぐ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 思ったとおりの大音量の悲鳴が、耳を塞いでいるにも関わらず、俺の鼓膜を強く振動させる。
「この変態っ!露出狂っ!馬鹿シンジっ!前隠しなさいよっ!!」
 アスカは悪態を吐きながら、洗面台の剃刀や石鹸を投げつけてくる。
「・・・だから出て行けって」
 タオルでそれらを叩き落しながらでは、当然、前を隠すことも出来ない。
うーむ。馬鹿だ。

手を出さずにこのままコメって欲しい。

好きだなこの手の馬鹿。
422熱血シソジ:02/03/12 23:05
 俺が風呂を上がっても、アスカはまだリビングにいた。
 ソファに座り、不機嫌そうに俺と視線を合わさずにいる。
 俺は冷蔵庫からビールを二本取り出すと、アスカに一本差し出す。
 アスカは無言で受け取ると、プルタブを引いて口をつける。
 俺も黙って、アスカの隣に腰を下ろすとビールを一気に半分ほど飲み干す。

「・・・ど、如何すればいいのよ」
 とても、教えを乞う者の態度じゃないが、この我儘娘にとっては精一杯の譲歩なのだろう。
 それをわかっている俺は、思わず笑いが込み上げてしまい、ビールが気管に入り咳き込む。
「げふっ、ごほっごほっごほっ・・・・くっ、ふぁっはっはっはっ」
 ・・・途中から笑い声に変わっていた。
「な、何が可笑しいのよ!」
「くっくっくっ・・・いや、別にな」
 と言いながらも、笑いを噛み殺し肩を震わせる・・・笑いのツボって奴だな。
「・・・・・・・・・で、如何すればいいのよ」
 耳を真っ赤にしながら凄まれても、ちっとも怖くない。
「アスカは俺に負けて、何か学んだか?
それどころか負けたことを納得すらしていないだろ?」
 アスカは黙って頷く。
「本気じゃなかった。油断した。隙を突かれた。正々堂々と闘えば勝てた。
・・・色んな言葉で自分を慰めるだけで、負けを直視したこと無いだろ」
 俺の台詞に青ざめながら小さく頷く。
「スポーツをやるなら、それでも良いが・・・命のやり取りを前提にした本物の武術には向いてない」
「・・・どうして」
「スポーツ格闘技をやってる連中は自分が強くなる事が目的だが、
俺のように命のやり取りをする人間にとって、強くなることは勝つための手段であって目的じゃない。
・・・まぁ、強くなることへの純粋な憧れが無いわけじゃないがな」
「で、でも・・・」
 納得のいかないアスカの台詞を、俺は遮る。
「武術は、弱いものが強い者に勝つための技術・・・そう言っただろ?
あらゆる手段と方法をもって、相手に本気を出させず、油断させ、隙を突く。
闘う、その場その刻、相手の力を封じて、自分の力を最大限に引き出す・・・
・・・これが俺の、いや戦士の掟ってやつだ」
 決まった、イカスぞ俺・・・などと一瞬だけ浮かれてみる。
423騙り手:02/03/12 23:08
説教モード突入。
書きたくないけど書かないと話が進まない。
ラブコメは別スレでカキコ。
勝利の鍵は、ラブコメビームだ・・・意味不明。
424熱血シソジ:02/03/13 00:05
「それが、アタシに足りないモノ・・・?
それさえ身に付ければアタシはシンジより強く・・・違う、シンジに勝てるの?」
「無理!」
 まさに即答、これっぽっちの迷いも、考える余地も無かった。
「えっ?」
 アスカが呆然と間抜け面をさらす。
 今までの会話の流れから、俺が『そうだ』とでも答えると期待したのだろう。
 だが、現実はそんなに甘くない・・・ちなみに俺は現実以上に甘くない男だ。
「勘違いしてるみたいだが、単純に俺はお前より強い。
お前が本気で油断無くても、俺は遊び半分で勝つよ・・・何を思い上がってるの?」
 つまらなげに言い捨ててやった。
「俺とお前が同じだけ修行すれば、お前の方がより早く習熟するかもしれないが、
お前の三年間と俺の三年間では積み上げてきたモノが違うんじゃないか?
あんまり、凡人を舐めてもらっては困るな・・・天才少女クン♪」
「あ、アタシだって・・・」
「修行を積んだか?叔父の下で学んだ技に磨きを掛けずに、
他の流派を摘み食いして、新しい技をコレクションしただけじゃないのか?
一つ一つの技を、三年間磨き上げてきた俺と同じになると思うか?」
 厳しい口調でアスカの反論を封じる。
「先ず、本当に強くなるための努力を、真剣に積み上げろ。
そして、手に入れた力を最大限有効に使う闘い方を身に付けろ・・・お前の三年間は全く無駄だな」
 厳しい言葉だが、一度ビシッと言っておく必要があったのだ・・・嫉妬じゃない。本当だぞ!
425熱血シソジ:02/03/14 02:23
 俺はアスカに厳しい言葉を残し立ち去る・・・・・・と言っても、俺が今夜寝る場所は、このソファだ。
 俺は一旦浮かせた腰を、気恥ずかしさを隠すために乱暴に下ろした。
「俺はここで寝るんだから、ソファをあけろよ」
「別に、まだ寝るような時間じゃないでしょ!」
 時計を見ると確かに、まだ九時半過ぎくらいだ・・・寝るような時間じゃない。
 ・・・何故だか、えらく時間が過ぎたような気がする・・・精神的に。
「・・・それに、まだアタシは晩御飯食べてないわよ」
 だが、晩飯はミサトに食い散らかされたあげく、俺が水風呂に飛び込むはめになった、
あの一件のお陰で、テーブルの上は・・・自分が片付けるかと思うと、確認すらしたくない状況だ。
「・・・何か作りなさいよ」
 俺が作ってやる筋合いでもないのだが、無理が通れば道理は引っ込む。
 アスカと余計な口論で費やされるエネルギーを考えると・・・『コレが合理的判断ってやつだ』と、
心の中で悲しげに呟き、大人への階段を、また一歩踏み出すのだった。
「お前も少しは手伝え・・・男女に関係なく、家事の出来る出来ないは、
人間としての素質が問われるぞ」
 これが、俺の精一杯の反撃だったのだが、それに対するアスカの返事は、
素直に・・・ちっとも嫌そうではなかった。
「・・・・・・うん」
 一瞬、『誰だお前、アスカの着ぐるみを脱げ!』と思ったのだが、
それを口にしないで我慢できたことを・・・今日という日を記念日にして祝ってあげたいよ。
426熱血シソジ:02/03/17 02:14
『アスカ・・・頭大丈夫か?』
 いかん!これではあまりにも直接的過ぎて生命の危機すら感じる。
『アスカ・・・熱でもあるのか?』
 これも駄目だ!多少は婉曲的になったものの、これではサル程度の知能があれば、
俺の言わんとするところはミエミエではないか。
 その時、俺の灰色の湿った器官に閃きが疾る。
 あの妙な態度は、アスカの頭がどうかなったなんて問題じゃない。
 あれは擬態だ、フェイクだ、俺を油断させるための罠に違いない・・・等と認めがたい現実を目にし、妄想という名の楽園に逃げ込む俺であった。
 ちなみに、アスカを手伝わせた結果は・・・・・・手伝わせたことを後悔した。
 詳しいことは聞かんといてください。

 翌日・・・目を覚ましたミサトは、顔を落ち着かない様子・・・何かを訴えかけるような目で、
言い辛そうに俺の傍へやってきた。
 しかし俺は睡眠時間を半分に削って行った、一人ロールプレイによる質疑応答訓練の
成果を生かして、言葉巧みにミサトを煙に巻く。
 昨晩、付き添って一緒に寝たアスカの存在もあって、自分の記憶に自信がもてないようで、
こちらに対して強い態度で出られない。
「ミサト、あんた何が気に入らないの?
アタシを一晩つき合わせた上に、二度もベッドから蹴り落としておいて・・・
じゃあ、一体何が合ったって言うのよ!」
 アスカが短期を爆発させる・・・ナイスだ!予定外だが非常に助かる発言だ。
「ナニって・・・そりゃぁ・・・何て言うか・・・あははははははぁ・・・」
 絶望的に歯切れの悪いミサトは、最後は笑って誤魔化す。
 そりゃそうだろう、自分の記憶に自信が無い状況で、
俺とあんな事が有った・・・様な気がすると、アスカに言えるはずが無い。
 何だかんだで、ミサトは引下ったのだが、その後、俺を見るミサトの視線に、
以前には無かった艶っぽさが含まれるようになった・・・
・・・神様、もうしないので勘弁してください・・・信じてないけど。
さあ、シトの攻略だ!
428熱血シソジ:02/03/18 00:48
「木人相手に破れなかった三十秒の壁・・・破ってみるか?」
『勿論よ。本番にこそ強いところを見せてあげるわ』
 俺の軽口に、モニターの中のアスカが不敵な笑みを浮べる。
 以前のように、単なる慢心ではなく、自信に裏付けされた余裕を感じさせる笑み。
 自分の強さにのみ拘っていた、己しか知らないアスカ。
 だが今は、敵を知ることを身につけ、勝利に必要な術を手に入れたのだ。
 あの後の訓練において、アスカの成長には目を見張るものがあった。
 既に、木人相手のシミュレーションでは確実に一分以内に仕留められる段階に達している。
 内部電源での活動限界は、最短でも一分間は保証されている。
 つまり、三十秒にこだわる必要は無い・・・いや、必要ないどころか、
作戦においてはマイナス要因でしかない。
 にも関わらず、あえて俺が提示した三十秒という枠に対し、アスカは意地になるどころか、
余裕を持って応じた・・・勝ったな。俺はそう確信した。

 二十七秒・・・それが、出撃から使徒殲滅までに要した時間だった。
 
・・・続く。
429熱血シソジ:02/03/18 00:51
>>427
本当は訓練シーンもあったんだけど、
そう言われたのでカットしました。
ついでに、使徒戦もカット。
更には、五話の後半もカットして六話として独立・・・話長くなりすぎ。
430熱血シソジ:02/03/18 17:48
「沖縄に行っちゃ駄目って、どういうことよ!」
 アスカの叫び声が、夕食時のダイニングテーブルで爆発する。
「あんた達が居ない間に、使徒が攻めて来たら如何するつもりよ」
「・・・・・・そりゃそうだけどさぁ」
 まぁ、道理って奴ではあるがミサトの言葉には大きな問題がある。
「だが、明日出発って時になって、伝える内容じゃないな・・・どういう事だ?」
「そ、そうよ!折角の準備が全部無駄になったじゃないの!」
 俺の尻馬に乗り、ミサトへの攻撃を再開するアスカ。
 まぁ、これも道理だな。
「そ、それは・・・・・・・・・ぁはははは」
 乾いた笑いで誤魔化そうとするミサト。一体誰が誤魔化されるんだ。
「どうせ、また忘れていたんだしょ」
 いつの間にか、ここで毎日のように晩飯を食っていくようになったリツコが言う。
 その、ミサトを見つめる冷たい視線は『無様ね』と語っていた。
「そんなんですか、葛城さん・・・少なくても二週間前には決まっていましたよ」
 リツコの隣の席から伊吹マヤがとどめを刺す。
「ま、マヤちゃん・・・」
「私、レイちゃんにはちゃんと伝えましたから・・・ね」
 恨めしげな視線を投げかけるミサトを無視して、
リビングの座卓で食事を取る綾波に確認を取る。
 綾波は口の中のものを噛みながら、無言で頷く。
「ちょっと、ファースト!なんで知ってるなら教えないのよ」
「・・・・・・訊かれなかったから」
 口の中のものを飲み下すと、感情を交えず事実のみを口にする。
「知らないことを訊けるはず無いでしょ!」
「・・・・・・・・・そうね・・・次からはそうするわ」
 まるで罪悪感を感じさせない態度に、アスカは呆れたように首を横に振る。

「ところでシンジ、あんたはいいの修学旅行?」
「まぁ、別に興味は無かったし・・・この間に引越しさせて貰うわ、俺」
 ミサト以上の唐突な発言に、三秒ほど時間が止まった。

第六話 マグマダイバー(仮)

 そして時は動きだす。
「どういうことよ!」
「シンちゃん、わたし聞いてないわよ!」
 アスカとミサトが噛みつかんばかりに迫る。
「・・・そうね、今度は私と同居しない?」
「リツコ!あんたまだ諦めてないの」
「私のところなら・・・レイちゃんも喜ぶと思うし」
「「「マヤっ!」」」
「・・・・・・・・・けど私の部屋は狭いからいいですぅ」
 この状況を見て、俺が慕われていると自惚れるつもりは無い。
 こいつらは俺に家事をさせることしか考えていない・・・けど、こうも露骨だと腹立つな。

「シンジ、あんた引越ししたばかりじゃない。
何でまた引っ越すなんて気になったのよ!」
 アスカが俺の胸倉を掴みながら・・・ちょっと待て、片腕で?
俺はつま先が辛うじて触っている状態だ。
 そんな状態で口が利けるはずも無い・・・俺はアスカの腕をタップしてギブアップした。
431騙り手:02/03/18 17:59
やっと六話・・・タイトル考えるの苦手なんだよ。
題名を見てわかると思うけど「マグマダイバー」です。
五話と六話をあわせてアスカ編。
七話が綾波編という予定です・・・まぁ、予定だから・・・ね。
432熱血シソジ:02/03/18 20:21
 アスカの腕が離された時には、俺は何度か来た事のある花畑で良い気分なりかけていた
・・・あっチューリップ♪
「・・・ぉ・・・ぃ・・・おきなざいっ!」
 朦朧とした意識、ぼやける視界の向こうでアスカが怒鳴っている。
 痛い・・・頬が痛い・・・何故?

「俺が引っ越すのはこの部屋のキッチンに不満があるからだ」
「「「「へっ?」」」」
 綾波以外の全員が間抜け面をさらす。
「コンロのカロリーが低すぎて真っ当な中華が作れない。
管理人に掛け合ったんだが、業務用への変更が認められなかったから・・・」
 それというのも、全てはこいつらのせいだ、俺一人分の料理なら、
大き目の鉄鍋に十分熱を伝えてから調理すれば、家庭用のコンロでも十分に調理可能だ。
 しかしだ、招かれもしないのに当たり前の顔して、
毎晩毎晩、飯をタカリに来るこいつらの分を作るためには、火力が足りない・・・
・・・もしかして、俺ってお人好し?

「シンジ君は何処に引越しするつもりなの?」
 リツコの質問に俺は答える。
「・・・一軒家の中古物件を買って、既にリフォーム済みだ」
「一軒家って、よくお金・・・はあるのよね」
 どこか羨ましげにミサト。
「まぁ、使徒騒ぎのお陰で、この街の不動産は軒並み急落しているから高くは無かったぞ」
 そう、言い訳じみた発言をしたのだが、ミサトの僻みは収まらなかった。
なんだ?さらに大量の人を招いて会食する気か(W
マヤも来てるのか…。

ほっとくと冗談抜きで会食だな。

………ま、シンジだから、しゃーないか。
いやな意味でハーレム状態。もはや、めざせ一夫多妻だな
>435

家事全般やった上に、使途と戦う…。
食事の世話は夫の役目。

はっはっは。シンジだし。アリだな。
437熱血シソジ:02/03/21 13:04
「私が薄給でピーピー言ってるのに、中学生の癖に・・・世の中、間違ってるわ!」
「需要の高い、特殊技能に対して支払われるべき、正当な報酬だが」
 俺は胸をはって応える。
「ミサト、あんたの給料だって同世代の平均的年収に比べれば遥かに高いはずよ」
「だって、足りないんだもん」
 拗ねたように口を尖らせるミサト・・・歳を考えろ・・・と口にはしなかった。
「あんたの場合は・・・」
「へへぇ、自由になるお金の八割は酒代に消えるのよねぇ」
 ・・・アホだ。

「でもさ、勝手に引越しだなんて・・・」
「一応、髭には確認取ってるから問題ないだろ」
「・・・私達は何も聞いてないんだけど」
 それが面倒で、髭に直接話を通したのだった。
「別に今だって一緒に暮らしているわけでもないだろ・・・
第一、俺は困らん・・・しかも、これっぽっちも」
 含むところ満載の笑みを浮べると、家事能力の無い・・・いや、不適切な家事能力者へ、
ニヤリと笑みを浮べて見せた。
「ぅぐっ・・・」
「なっ・・・アタシは困らないわよ、ミサトじゃあるまし」
 思わず言葉に詰まるミサトに対し、あくまでも虚勢を張るアスカ・・・
五十歩百歩と言う言葉もあるが、俺はより的確な言葉を彼女に贈る。
「致死量って奴は、越えるか越えないかが問題で、どれだけ超えても後は同じなんだよ」
 ・・・あっ!本気で怒ってる。
 俺はにじり寄るアスカに歩調を合わせて、俺は距離を開ける。
「・・・何で逃げるのよ。シンジぃぃぃ」
「怖いから」
 即答するとアスカの隙を突き、一気に玄関へのドアを潜り後ろ手でドアを閉める。
 そして、自分の靴を掴むと玄関から外へと・・・まさに脱兎の如く逃げ出した。
 その後、俺は11-A-3号室に戻ることは二度と無かった。
438騙り手:02/03/21 13:17
「自由になるお金の八割は酒代に消える」
このミサトの台詞は、私の前の会社の上司の台詞。
しかも、結婚してお小遣い制の八割じゃ無しに、
独身で部屋代、車のローンなどの固定支出以外の八割・・・漢です。
そんな上司のおかげで、私の飲み代も当時は毎月八万を下ることは無く。
月曜日から金曜日まで毎晩飲み歩くグランドスラム達成。
しかも、飲み屋から直接出社とかなんて良くあったりと・・・駄目人間。
一般用語ではうわばみとか底なしとかアルホリックとか言う。
>>439
いや、アルコール依存…ゲフンゲフン
441名無しさん:02/03/22 17:35 ID:gNKL3Z+5
「あんた、一体何処へ行ってたのよ!」
 翌日、アスカはネルフ本部で顔を合わすなり、俺の首を締め上げながら恫喝する。
「自分の家だよ・・・もうリフォームも終わって、家具も揃ってるしな」
「・・・・・・何処よ」
「はぁ?」
「何処に引っ越したのよ」
 押し殺したような声でアスカ。
「・・・内緒」
 そう言い終わった後、俺は鬼を見た・・・言うまでも無いが赤鬼。

「・・・で、どうして付いて来るんだ?」
 訓練終了後、本部を出てから、ずっと後についてくるアスカを俺は振り返る。
 ・・・まぁ、理由はわかっているんだが、一応訊いておく。
「なんの事よ、偶然アンタと同じ道を歩いているだけよ」
 どうせ、訊かれることを予想していたのだろう、澱みの無い返答が帰ってくる。
 俺はアスカやミサトに新居の住所を教えていない。
 勿論、MAGIの管理者たるリツコには隠せないが、彼女に口止めするように釘を刺してある。
 とはいえ、二人がそのまま大人しくしている筈も無く、今日のアスカの行動は予測の範囲内である。 今日のところはミサトが居ないので、作戦Aパターンを実行だ。
 俺は、アスカとの会話の間、測っていた信号の変わるタイミングに合わせて、
いきなり走り出し交差点を渡り、アスカを置き去りにする。
 そして、バス停横の駐輪所に停めておいた、俺の愛車(弐号機)の鍵を外し、
交差点の向こうで、こちらを憤怒の表情で睨むアスカに見せ付けるように、悠然と弐号機に跨る。
「サラバだ、アスカくん」
 俺は会心の笑みを浮べ走り去った。
 何やら背後でアスカが叫んでいるが、負け犬の遠吠えほど耳に心地よいものは無かった。

 最近、逃げてばかりのようだが、本来の俺の仕事で重要なことは逃げること。
 ターゲットを仕留めた後、如何に現場を、生きて逃げ出すか・・・これが一番重要であり難しい。
 今日は楽勝だったが、明日はミサトが出てくるだろう・・・どうやって出し抜くか・・・明日が楽しみだ。
442騙り手:02/03/22 17:41 ID:???
何か変更があったんだね。
クッキーって期限切れで弾かれて、新しいクッキーを食わせて貰ってから、
書き込みにしたら「名無し」でageになってしまった。
何時の間にかIDもついたし。
443 :02/03/24 22:18 ID:???
この展開は女性陣全員でシンジの新居に居候だな
などと予想してみる
444熱血シソジ:02/03/26 13:18 ID:???
 自転車で15分ほど走ると我が家に辿り着くが、食材の買出し等で一時間近く時間を費やした。
 実は以前のコンフォート17からそんなに離れていない・・・ここが気に入らないのだが。
 結構広い庭のある・・・豪邸と言っていい物件だが、使徒襲撃以来この街の不動産は急落し、
将来の新首都として開発が進められていた頃と比べると、1/3〜1/5程度に落ち込んでいる。
 この家も、筑後二年程度で状態も良く、使徒さえ現れなければ中古物件と言え一億やそこらでは、
絶対に手に入らなかった筈だ・・・もっとも、かなり『リフォーム』に金がかかった。

 玄関の鍵は開いていた・・・トウジが先に着いているのだ。
 しかし、ドアを開く俺の目の前に飛び込んできたのは、玄関に正座させられているトウジと、
満面に笑顔を湛えたミサトだった。
「えっと・・・・・・・・・失礼、間違いました」
 俺はそう言うと、そのままドアを閉めた。
 だが、俺の背後で沸きあがる殺気・・・アスカだ振り向かなくても判る。
445熱血シソジ:02/03/26 13:19 ID:???
 何が悪かったんだろう?
 フライパンを振りながら俺は考える・・・ふむ、注文通りの火力、さすが業務用だな。
 いや、それ以前に、俺はちっとも悪くないだろう。
 何で責められた挙句に、奴らの飯を作らなければならないんだろう。
 そう不満たらたらで作った割には、今晩の料理の出来は満足の行く出来だった。

 とりあえず、トウジの飯にはネコマンマを出しておく。
「なんやねん、せんせいぃこの飯は!」
「・・・トウジ、お前には失望した」
「せ、せやかて・・・なぁ、これはあんまり・・・」
 トウジは泣き言を言いながら、ミサト達が食べる料理に羨ましげに目をやる。
「今日は予定外の来客があって・・・誰かのお陰でな。不満かトウジ?」
「・・・・・・・・・いや〜、美味いなぁ・・・・・・ネコマンマだけど」
 当然だ、東北料理(日本のじゃなく中国の)の技法にのっとった、雑炊の一種だ・・・
一見、ネコマンマに見えるのはトウジへの嫌がらせに過ぎない。
 俺は料理に関して手は抜かない主義だった・・・今日ばかりは、その主義が疎ましいね。
「ところでシンちゃん・・・私達の朝ごはんなんだけど」
「・・・水でも飲んでろ!」
「み、水・・・水だけじゃぁちょっちねぇ」
「光合成でもするんだな」
「こうごう・・・って花じゃないんだから!」
「・・・花に謝れ」
 そうそう、ミサトのペースにはまってなるものか、今日の俺は強いぞ・・・視線は合わせないけどな。
446熱血シソジ:02/03/26 13:19 ID:???
「そう言えば。あんた達に本部のプールを開放しておいたから、
明日は訓練も無いし好きにして良いわよ・・・沖縄の海と比べるのも何だけどね」
 何時の間に用意したのだろう、ビールと急速冷却器・・・
と言うことは昨晩の内に計画を立てていた?
 ふっふっふ・・・やるじゃないかミサト。
 この俺が、貴様の手の内で弄ばれるとは・・・三流指揮官のくせしやがって。
「そうですか!いや〜心遣い感謝します。ミサトさん」
 トウジが目を輝かせてミサトに頭を下げる。
「そう?喜んでもらえて、オネェさんも嬉しいわよ・・・で、シンちゃんとアスカは嬉しくないの?」
「俺は別に・・・」
 俺はそっけなく返事を返す。
「ま〜た、この子はスカシちゃってさぁ」
「そうや、せんせぃ。せっかくミサトさんがワシらのために、気使ってくださるっちゅうに」
「たかがプールくらいで・・・」
 その時、アスカが俺の台詞を遮った。
「シンジは泳げないもんね」
 その瞬間、俺の脇の下から嫌な汗が滝のように流れ始めた。
447騙り手:02/03/26 13:26 ID:???
ブラウザでは書き込めなくなってしまった。
とりあえず、かちゅ〜しゃでは書き込めるので、溜まって多分をUPしました。
続き・・・







キボンヌ
449名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/03/27 04:48 ID:9QAHO0gc
碇シンジじゃないよ? 笑
どうしたんだい?さくらちゃん?
>>449
451熱血シソジ:02/03/27 06:36 ID:???
「な、何のことだ」
 そう言ってみるものの声は震え、俺自身が自分の台詞に説得力を感じなかった。
「ほう、せんせぃが金槌とは意外やなぁ〜」
 トウジ・・・すごく嬉しそうだ。
「そう言うことなら、明日は私も時間作ってプールに寄らなきゃ」
 お、お前には、そんな暇が・・・あるんだよなぁ何故か。
「シンジぃ〜、明日は期待してるわよ!」
「何を期待するんだ?」
「ふふ、それは色々とねぇ」
「色々ってナンダァァァァァっ!」
 俺は悲痛なまでの叫び声を上げた・・・・・・・・・・・。

 翌日、俺はネルフ本部のプールにいた。
 しかも、しっかり競泳用パンツ姿で。
「私は誰?此処は何処?」
 何故、俺はこの場にいるんだろう・・・呆然と佇む。
「はよう来いや、せんせぃ」
 水の中からトウジが俺を呼ぶ。
 寒い筈の無い温水プールの室内の中で、俺は鳥肌が立った。
 しかも、脇の下や掌などの一部では嫌な汗が流れる。
「・・・いや、俺は・・・ほら、古典や歴史が全然駄目だから・・・今の内に勉強しようと」
 自分でも白々しく感じる台詞を吐いてみる・・・嘘臭ぇ。
「ここまで来ておいて、何言ってるのよ?覚悟を決めなさいよ」
『何でお前たちの楽しみに付き合うのに、死ぬ覚悟を決めなきゃならないんだ』
 と思ったが、口にはしなかった・・・笑われるのがオチだし。
452熱血シソジ:02/03/27 06:37 ID:???
 幸いと言って良いのか、ミサトは居なかった。
 昨晩、あれから連絡が入り、これから出張だと言って出て行った。
 多分、ミサトの出張と関係があるのだろう、俺たちパイロットは本部待機になった。
 本当なら俺は、今日一日姿を隠す予定だったのだが、おかげでこの様だ。
 しかし、ミサトの代わりといってはなんだが、綾波が居た。
 俺たち三人のやり取りを、プールの端で不思議そうに眺めている。
 綾波の水着は競泳用水着みたいなシンプルで遊びの無いワンピース。
 しかし、色は白・・・ある意味珍しいと言えば、珍しい水着だ。
 白の水着といえば、昔は透けたそうだが、今の白い水着は透けない。
 白い繊維の中に、黒い素材を芯として入れている為だそうで、
 お陰で、現在女性の白い水着姿を拝める訳なんだが・・・透けてて欲しかった。

 などと考えながら、ぼんやり綾波の水着姿を眺めていると、俺は後ろから突き飛ばされた。
「うわぁっ!」
 情け無い悲鳴をあげながら水面に落ちるまでに、俺の目は犯人の顔を捉えた。
 しかし、その顔は俺の予想していた『ファウストと魂の契約を済ませたメフィストの笑顔』ではなく、
・・・何故か怒っていた。

 水しぶきを上げて俺は水面に叩きつけられる。
『足が届かない!?』
 床の感触を求めて懸命に動かす足には、水以外の存在が触れることは無かった。
 それを理解した途端、俺の恐怖は理性の箍を破壊して暴走する。
 溺れる者は笑っても沈む・・・もとい、溺れるものは藁をも掴む、と昔の人間が言う様に、
俺は指先に触れた何かを力の限り引き寄せようとした。
『ビリッ!』
 俺の手の中で、その何かが音を立てて破れた。
「うわぁっ!何すんねん」
 後で知ったことだが、それはトウジの海パンをサイドの縫い目から破った音だった。
 ざまあみろだ!・・・などと、この時は喜んでる余裕など無い。
 俺は更に、逃げるトウジに縋りつき、後ろから首を締めて水中に引きずり込む。
 この時トウジは、母親に再会したらしい・・・亡き母親との再会まで演出するとは、やるな俺。
453騙り手:02/03/27 06:38 ID:???
>>449
やっぱり誤爆?
454熱血シソジ:02/03/28 12:35 ID:???
「・・・知らない天井だ」
 目を覚ますと、飾りっ気の無い無愛想な白い天井が見えた。
 俺は、かすかに消毒液の匂いが漂うベッドの中に居た・・・何で俺は?
 何となく、空母の医務室で目を覚ました時の事を思い出す。
 左側に人の気配を感じて、咄嗟に手を伸ばして首を庇う。
 ・・・・・・・・・大丈夫?アスカじゃないのか?
 俺はそっと、首を動かして左側を見てみた。
 そこには・・・赤い瞳で俺をじっと見つめる綾波が、ベッド横の椅子に座っていた。
 感情を感じさせない・・・その整った顔立ちが、その印象を一層強くする。
「よう」
 俺は綾波に軽く挨拶する。
「・・・身体は・・・異常ない?」
 ・・・その声色の中に、俺は綾波の不安という感情を僅かながら感じ取った。
「ああ、大丈夫だ・・・ありがとう」
 状況が良く判らないのだが、綾波に心配をかけてしまったようだ。
 俺は綾波を安心させるために、身体を起こして笑顔で感謝の言葉を口にした。
「・・・・・・・・・そう」
 親波は視線を下に落とし、僅かに頬を赤く染めた。
 相変わらず、一見無愛想だが感情表現が下手なだけで、反応は凄く素直で可愛い奴だ。
 綾波を見ていると、どうにも悪餓鬼みたいにからかいたくなってしまう・・・
もっとも、俺には『悪餓鬼』として過ごした時間は一度も無いが・・・
俺にもそんな気持ちは残っていたんだな・・・少しばかり感傷的になってしまった。
455熱血シソジ:02/03/28 18:42 ID:???
「・・・う〜ん、オカン勘弁・・・」
 トウジが右側のベッドの中から非常に分かり易い寝言を漏らしたため、
俺は我に返った・・・何だ居たのか?
 苦しげな表情を浮かべるトウジ・・・裸で寝ているのか?おれも裸?・・・なんで?・・・そういえば。
 急速に俺の頭の中で状況が整理されていく・・・そうだ、俺はアスカに突き落とされて・・・
・・・こいつも笑ってた・・・だから、こいつも道連れにしてやった。
 思い出すと、怒りがふつふつと湧き上がってくる。
 とりあえず、この怒りは素直にトウジにぶつけることにしよう。

 俺はベッドから降りると・・・ふむ、何処も身体に問題は無い。
 トウジの横に立つと、ベッド横のチェストの上に置いてあるタオルを取る。
 そして、トウジの鼻を摘んだ。
 いきなり、呼吸が出来なくなったトウジは、もがき目を覚ますと苦しげに口から、
貪るように空気を吸い込もうとする。
 俺はその口に、手にしたタオルを押し込んだ。
 驚きに目を大きく見開くトウジに、俺は『ニッコリ』と氷のような笑みを浮べてみせる。
 その時、トウジの瞳に浮かんだ感情は、怒りではなく純粋な恐怖・・・俺の殺意を読めるようだ。
 いい表情(かお)だ・・・俺の嗜虐心をいい具合に刺激してくれる。
「ぅ〜っ、ぬぅぅぅぅっう」
 何やら俺に訴えかけたいようだ・・・聞かなくたって分かるよ、その目が訴えかけている。
「大丈夫だよトウジ・・・・・・・・・」
 俺はトウジを安心させるために、優しく笑みを浮べてみせる。
 それを見たトウジは、僅かに安堵の表情を浮かべ、身体から力が抜ける。
「・・・・・・・・・痛いだけで、死なないから」
 トウジの表情が凍りついた瞬間。
 俺の貫手がトウジの鳩尾に、第二関節辺りまで食い込む。
「ぬぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 トウジの悲鳴は、口をタオルで塞がれていたため鼻から漏れる。
 そう、人間は鼻からでも悲鳴をあげられるのだ・・・勉強になるねぇ。
 俺は、トウジが十分苦しんだのを確認した後、もう5mm程抜き手を押し込みトウジを悶絶させ、
苦しみから解放してやる・・・こう見えても、俺は友達思いの優しい男だ・・・全く。
456熱血シソジ:02/03/28 18:43 ID:???
「・・・死んだの?」
 感情の篭らない、事実だけを確認しようとする綾波の声・・・彼女にとってトウジは、
路傍の石に等しいようだ。
「いや、殺しはしない・・・後で奴が死にたいと思うまでシゴいてやる」
「・・・楽しそうね」
 楽しい?そう、楽しいのかもしれない・・・先ほどまでの怒りは完全に消え、俺は笑顔を浮べていた。
 純粋にトウジを鍛えることへの楽しみが、俺の顔に曇りの無い笑顔を浮かばせたのかもしれない。

 その後、俺は綾波から溺れた後の経緯を教えてもらった。
 俺はいち早く駆けつけた綾波に助けられたそうだ。
 かなり水を飲んでいたらしく呼吸停止状態にあった俺は、綾波の人工呼吸を受けた。
 トウジは保安部の連中に助けられ、同じく人工呼吸を保安部の男に受けた。
 別にそんな事に拘るつもりは無いが、俺だって人工呼吸を受けるなら、
男にして貰うよりは、女にして貰った方が気分が良い。
 大体トウジは、俺以上にそう言うことを気にするだろう。
 奴の精神的ダメージを考えると、是非とも奴に教えてやらなければなるまい。

「どうやら、かなり世話になったみたいだな。
すまなかった・・・いや、ありがとうだな・・・綾波、ありがとう」
 俺は深く頭を下げた。
 礼には礼を尽くし、恩には恩で報い、仇には三倍返し・・・これが俺の信条だ。
「・・・・・・・・・・・・」
 綾波はどうしたら良いのか分からない・・・といった表情で、困惑気味に俺を見つめる。
 俺はそんな綾波に微笑みかける。
 それを見つめ返す綾波は、笑顔を浮べたわけではないが、目元がいつもより優しい感じがした。
457熱血シソジ:02/03/28 18:43 ID:???
「ところで、アスカはどうしたんだ?」
「居ないわ」
 珍しい綾波の即答・・・そっけない態度の中に、微妙な険を感じた。
「・・・どうして?」
「保安部に拘束されたもの」
「・・・何で?」
 状況がサッパリつかめない。
 確かに悪戯にしては度が過ぎたが、いきなり拘束される程の事ではない・・・筈?
・・・死にかけたしな俺。
「貴方に人工呼吸をしようとするのを妨害したから」
 そう口にする綾波の態度には、あきらかなアスカへの不快感を感じた。
 アスカは俺を殺す気なのだろうか?
 だが、俺はアスカへの怒りを募らせるよりも、綾波の態度に気をとられていた。

 ちなみに、その後トウジが思ったより早く、再び意識を回復したので、
今度は念入りに悶絶させておいた・・・泡吹いてるよ。
 そのために非情召集の時に、トウジの意識は回復せず、一人病室に残された為に、
この後暫く、アスカに役立たずと罵られるのであった・・・一番悪いのはアスカなんだが。
非情召集→非常召集
ある意味シンジは非情だが(w
続き・・・







キボンヌ
SS職人は去ったのか…
保全sage
保全sage
騙り手氏再降臨キボンカキコ
保全sage
465熱血ツンジ:02/04/13 23:50 ID:???
「どういう事だ?」
 使徒捕獲計画を聞かされた俺は、リツコに詰め寄る。
「・・・今伝えた通りよ」
「正気なのか?」
 アクセントの中に込められた怒りを正面から受け止めながら、リツコは黙って頷く。
「アスカ・・・この任務は降りろ」
 フォワードに指名されたアスカに対して忠告を発した。
「な、何言ってるのよ!」
 アスカが俺の言葉に怒りを爆発させる。
 エヴァのパイロットであることへ、至上の価値を見い出しているアスカの反応は予想通りだった。
「お前が降りれば、こんな馬鹿げた作戦は実行できない」
「馬鹿げたって、何を言うのシンジ君?」
「少しは頭を使ってみろ、使徒を捕らえてどうするつもりだ?」
「生きた使徒を調査・研究すれば、これからの戦いにどれほど有利になるか・・・」
「研究?どれだけ調査・研究すれば成果が出るんだ・・・
一日か?二日か?一週間までなら付き合ってやるぞ」
「そんなすぐに結果が出る訳が無いでしょ・・・少なくとも数ヶ月単位で」
「その使徒が羽化したらどうするつもりだ?
エヴァ以外の対抗手段があるのか?
調査・研究が終了して、使徒を処分するまでの間、俺たちは本部で、
いや少なくともケージ内で待機していなければならない・・・数ヶ月単位でな。
しかも、その間に他の使徒が攻めてきたらどうする?・・・いや、今までのペースを考えれば、
間違いなく攻めてくるな、その時、調査中の使徒が羽化したらどうする気だ?
中と外に使徒を抱えて、さぞかし楽しいことになるだろうなぁ・・・楽しみで踊りたくなる。
これが馬鹿げてないと言うなら、俺が納得できる説明をしてみろ?
使徒の調査・研究なんて、つまらないお題目じゃなく、さぞかし素晴らしい理由があるんだろうな?」
 俺は、一気にまくし立てた。
「それは・・・でも既に、A-じゅうな・・・・・・・・・いえ、作戦は既に決定事項よ」
 何かを言いかけて我に返り、話を逸らすリツコ・・・やはり、なにやら裏があるみたいだな。
466熱血ツンジ:02/04/13 23:51 ID:???
「こんな博打じみた作戦に他人の命を賭けさせるとは・・・
アスカ、どうやらこいつらにとって、お前の命はかなり安いみたいだな」
 俺は小さく溜息を漏らす。
 アスカがリツコに対し、何か問いたげな視線を送る。
「しかも、パイロット如きには、死ぬ理由を知る権利も無いそうだ。
つまり、アスカ・・・お前は使い捨て。ゲームの駒。死ねと言われたら、おとなしく死んでこいだと」
 アスカの顔から血の気が引いていく、頭に血を上らせるかとも思ったのだが、
俺の想像を越えて、アスカの精神的骨格は、エヴァに支えられているようだ。
467熱血ツンジ:02/04/13 23:51 ID:???
「アスカ!私達は貴方達のことを、そんな風に考えてないわ」
 リツコは俺とアスカの間に割って入る。
 リツコの言葉に、アスカが目に僅かに希望の光が宿る。
「そうだな、俺も言いすぎたよ。
正確に言うなら、とても高価で補充の難しい消耗品だったな」
「シンジ君!」
 俺を睨みつけるリツコの表情は、怒りというより、説得を邪魔されたことへの苛立ちか?
「いまさら、ネルフが人道的な正義の組織です・・・なんて戯言を、俺は信じないし。
目の前で詐欺師が善人面して、他人を騙しているのを見るのも不愉快だ」
「・・・詐欺師か、確かにそうね」
 俺に『詐欺師』と面罵され、落ち込むリツコ・・・逆切れしないだけマシか。
「もしも他人に命を賭けさせるなら、それなりの誠意って奴が必要なんだよ」
 本気で落ち込むリツコの様子に、俺も言葉の矛を収め、諭すように話し掛ける。
468熱血ツンジ:02/04/13 23:52 ID:???
 結局、今回の作戦はA-17発令による、日本経済の混乱に付け込んだ、
インサイダー取引による、ネルフの資金調達が目的で、
上層部は目的は使徒殲滅が最優先との事だった。
「インサイダー取引って・・・ネルフが要請したA-17で?
露骨過ぎて、そんな馬鹿な手段が通じるはずないでしょ?」
 アスカの疑問にリツコが答える。
「ネルフが直接、株式で利益を得る訳じゃないわ・・・これ以上は言えないけれど色々あるのよ・・・」
 う〜ん、汚い大人の世界って奴だ。
「おかげで日本経済はズタズタだな、これも『仕方ない』って言葉で済ますのかい?
まぁ、リツコを責めても始まらないか、アスカ、そう言うことなら俺は止めない・・・好きにしろ」
「アタシはヤルわ、アタシはエヴァのパイロットだから・・・」
469熱血ツンジ:02/04/13 23:53 ID:???
 ・・・三十分後。
「いやよっ!アタシは降ろさせてもらうわっ!」
 自らの言葉をあっさりと翻す丸々としたダルマを前に、俺は深く溜息を吐いた。
「こ、こんな任務、アタシの、アタシのやるべきことじゃないわよ!」
 五月蝿く喚き散らすダルマを前に、後ろから蹴倒したいと言う欲求を押さえ込むのに、
俺は大変な苦労を強いられた・・・何せ、溺れさせた恨みを晴らしていないのだ。
「・・・弐号機のパーソナルデータを私に変更してください」
 綾波が一歩前に出て、リツコに進言する。
「な、なんですって!」
 怒りに顔をゆがめて振り返るダルマ=アスカ。
 しかし、お約束通り綾波は足も縺れさせ、アスカを突き飛ばした。
「きゃっ!」
 意外に可愛い悲鳴を上げて、アスカが転倒する、後ろに手を伸ばして身体を支えようとするが、
膨らんだプラグスーツの背中の方が先に床に接する。
 正に表現するなら『ゴロゴロ』とアスカが転がっていく・・・素晴らしい、いや、美しいと表現すべき、
転がりっぷり、俺は咄嗟にリツコに確認を取る。
「今の撮ったか?」
 リツコは笑顔とともに、俺に親指を立てて見せる。
「MAGIによる監視システムが、こういうシャッターチャンスを逃がさないわ」
 俺も親指を立てた拳を、力強くリツコに突き出す。
 ナイス!ハイテク・システムの無駄遣い・・・マッドサイエンティストはやる事が違う。
?
新たなSSシトの侵攻ですか?
大歓迎(・∀・)
472熱血ツンジ:02/04/15 12:22 ID:.udMJ.iY
「いい、アスカ。
建前上は使徒捕獲だから、それを前提とした作戦行動を取って貰うわ。
だけど、使徒に何らかの変化を感じたら、こちらの指示を待たずに捕獲ネットをパージし、
殲滅・・・もしくは撤退、貴方の判断を優先させて構わないわ」
「わかったわ、アタシに任せなさい・・・もう、こうなったら自棄よ!」
 リツコに、力強いんだか何だかわからない返事をすると、アスカは弐号機に乗り込むために、
昇降デッキへと向かう。
 それを見送りながら、俺はふとした疑問を口にする。
「・・・ところでリツコ。
エヴァがあんな重装備じゃなきゃ潜れない場所にいる使徒を、
卵の状態と言え、どうすれば倒せるんだ?」
473熱血ツンジ:02/04/15 12:23 ID:???
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
 リツコとアスカ、二人の浮べた表情は驚きだったが、それぞれ本人の心理状態により、
微妙に異なる『驚き』だった。
 リツコの驚きは、三回文面を確認して送信したメールに恥ずかしい誤字があった・・・つまり、
自分が信じられない。という驚きであるなら。
 アスカのは、三回文面を確認してサインした契約書の裏に、とんでもなく不利な条件が、
こっそり書いてあったことに気付いた・・・つまり、他人が信じられない。という驚きである。
「・・・・・・・・・・・・どうなんだ?」
「・・・・・・だ、大丈夫よ・・・ほ、ほら、こういうの考えるのはミサトの仕事よ、
ミサトがちゃんと作戦を用意している筈よ・・・・・・多分」
 相変わらず多分なんだなぁ、リツコは。
「ちょ、ちょっと!多分って何よ。
あのミサトにまともな作戦があるわけ無いじゃない!」
 全く同感だ。アスカの不安と怒りは十分理解できる。
 現在の俺の心境は『俺でなくて、もの凄く良かった』である。
 そう思っていると、いきなりアスカが俺を振り返る。
「・・・いまさら、俺は代わらんぞ」
 アスカに瞳に浮かんだ怪しい光に、背筋に悪寒を感じた俺は、先手を打って釘を刺す。
「うっ!」
 言葉に詰まるアスカ・・・やっぱりそうだったか。
 生者を呪う悪霊のような目で俺を睨むアスカに対し、昔の根性悪の言葉が、俺の胸の中で蘇る。
 曰く、『我々は近しい友人の不幸の中に、何となく嫌ではない或ものを常に感じる』である。
 ・・・性善説って嘘だよな。
続き待ちsage
言っちゃ悪いがこのへんは本編のマグマダイバーより面白いぞ(w
>>475
やばい作戦に対する3人の駆け引きが上手な
477熱血ツンジ:02/04/17 12:10 ID:???
 浅間山火口。
 アスカの乗る弐号機が、巨大なクレーンに吊るされて溶岩の中へと降ろされて行く。
「ジャイアント・ストロング・エントリー!」
 意外に余裕なアスカに、俺の顔にも笑顔が浮かぶ・・・苦笑だが。

 ミサトとリツコが共同で提案した作戦は・・・作戦と言えるものではない。
 これは二人の責任ではなく、差し迫った状況のため仕方ない・・・としか言い様が無い。
 実際に判っていることは、この火口数百m下に活動レベルの低い使徒が居る。
 そして、日本国内の資産凍結を含むA-17が発令されている為、即時に作戦を開始せねばならず、
また、建前として捕獲が目的である以上、こちらから先制攻撃をかける事が出来ない。
「使徒を確認後、速やかに捕獲作業を開始、捕獲が断念された場合は、即座に使徒を殲滅。
殲滅方法は、D装備に使用される冷却パイプからの冷却液を使用し、
使徒にダメージを与える方法が望ましい」
 望ましいって何だ!と突っ込みを入れたくもなるが、こんな状況下では、
俺にも有効な代案は浮かばなかった。
 ・・・仕方ない・・・仕方ない・・・頑張れアスカ・・・俺は、ここで応援してるぞ!
478熱血ツンジ:02/04/17 12:11 ID:???
 耐圧限界深度を超えて潜行して行く弐号機とアスカ・・・
単位はメートル?まさか、フィートだろうな。
 弐号機の装甲が圧力に軋む音が、マイクを通して俺にも聞こえる。
 モニターの向こうで、アスカが気丈にも不敵な笑みを浮べて見せるが、
奴の精神状態もほぼ限界だろう。
 なにせ、自分の身の安全を確信するに足る根拠が、何処にも存在しないわけだ。
 自分自身の力が全く及ばない状況で、初めて使用する装備に身を任せ、
作った人間が保証する限界を超える・・・しかも作った人間が・・・『あの』リツコだ。
 ミサトの運転に命を預けるようなものだ・・・想像するだけで、俺の中のトラウマが疼きだす。

「深度1750・・・使徒を発見」
「捕獲作業開始」
「・・・使徒をキャッチャー内に捕獲」
 重苦しい緊張が解けていく・・・無論、モニターの向こう側の連中のことだ。
「気を抜くな!・・・何かあるとしたらこの後だろ。
アスカ、キャッチャーのパージはすぐ出来るように準備しておけ」
「・・・了解。
シンジも何かあったら直ぐに、あんたのプログナイフを投げ入れて」
 アスカも以前とは違って、命懸けの場で油断する愚かさを理解し、
俺の言葉に瞬時に緊張感を取り戻した。
「了解だ、こちらも出来る限りのサポートはする。ミサト、リツコ。頼むから気を抜くなよ」
「・・・ごめん、アスカ」
「・・・わかったわ、シンジ君」
479熱血ツンジ:02/04/17 12:26 ID:???
 弐号機と使徒は上昇を続ける。
 深度600・・・ヤバイな、このまま本当に捕獲できてしまったら、それはそれで問題ありだ。
 俺が苦々しい思いを堪えていると、事態は急変した。
「使徒、羽化を開始!キャッチャー持ちません」
 使徒をモニターしていた黒メガネ君が叫ぶ。
「アスカっ!」
「パージ終了。シンジ!」
 ミサトの声よりも早く、アスカはキャッチャーをパージしていた。
「わかった!」
 俺は用意していたプログナイフを火口へと投げ込む。
「使徒がキャッチャー内部より脱出・・・速い!急速に弐号機に接近」
「アスカ!引き付けてからバラストを切り離し、使徒をかわして」
 ミサトが的確に指示を飛ばす・・・なるほど、捕獲後にバラストを着けたまま上昇した理由はこれか。
「了解!」
 バラストを切り離したため、弐号機の深度を示すメーターの上昇速度が上がる。
「危ないわね・・・かわしたわ!」
「使徒、高速で弐号機から離れていきます。距離120・・・使徒喪失です」
「拙いわね・・・ナイフは?」
「ナイフ、弐号機に到着します」
「アスカ、ナイフを掴んで」
「了解」
「アスカわかってるわね?いざとなったら、ナイフで三番パイプを切断して冷却液を使うわよ」
「わかってるわ、そっちも三番に圧力を回す準備はしておいてね」
「こちらも、準備は万全よ・・・頑張ってね」
「当然よ、この天才アスカ様に任せておきなさいって!」
 俺は、ミサトとアスカのやり取りを黙って聞いていた。
 天才アスカ様・・・か、以前のように根拠の無い自信に基づく放言ではなく、
この極限状態での自分の士気を高めるため、そして周囲を気遣うための軽口・・・一皮剥けたな。
datオチし易い条件に320KB以上の大きいスレって条件があったような。
とりあえず怪情報を流してみる。
ならば保守サゲ
482熱血:02/04/18 12:24 ID:???
「アスカ!水平3時方向。来るわよ」
「こっちにも見えてるわ・・・って何よ!」
「口を開いた!?」
「この状況下で口を開けるなんてっ!」
 アスカ達の混乱が手に取るように判る。
 だから、使徒って奴は存在自体がインチキなんだ。
 しかし歯痒い、実際に戦っているのが自分ならば・・・いや、無意味な例えだ。
 だが、やはり歯痒い。

「弐号機、左脚部装甲に亀裂発生・・・耐熱処理のため左脚部を切り離します」
「判った、やって・・・・・・うぁっ!」
 シンクロした状態での、左足切り離しにアスカが悲鳴を噛み殺す。
 以前、俺が腕を切り離した時も、多分、自分の腕を切断するのと変わらないだろう痛みを感じた。
483熱血ツンジ:02/04/18 12:25 ID:???
「アスカ!プログナイフでは使徒に傷つけるのは無理だわ」
 リツコ・・・無理言うのは止めろ。
「この際、使徒が口を開いたのは僥倖って奴だわ。
アスカ。三番を使徒の口の中に押し込んで」
「簡単に言ってくれちゃって・・・了解よ!」

「使徒殲滅を確認」
「やったわね・・・ご苦労さま。アスカ」
 ミサトの声に、今度ばかりは俺も緊張感が解け、身体から力が抜けていく・・・その時。
「待ってください!ケーブルに亀裂確認・・・亀裂が拡大していきます」
 黒縁メガネ君の警告がここに居る人間全てを凍りつかせた。
 思考の停止で、貴重な数秒が失われる。
 これ以上、無駄に時間は失えない・・・次の瞬間。俺は初号機とともに火口へと飛び込んでいた。
「ケーブルの巻上げを停止!シンクロのフィードバックを最低限に落として、腕一本残して切り離せ!
・・・ともかく、少しでも軽くするんだ!」
 そう叫ぶ間にも、溶岩の高熱が初号機にシンクロする俺を襲う。
 これは熱いじゃなく痛いだ。どんな感覚的刺激も極限まで高まると痛みしか感じられないものだ。
484熱血ツンジ:02/04/18 12:26 ID:???
「シンジ君!何を」
 ミサトの叫びが痛みに遠のく俺の意識を、こちら側に引き戻す。
「・・・俺が泳いで迎えに行くしかないだろ?」
 泳ぎの出来ない俺が、初号機でマグマの中を素潜りとはね・・・皮肉な現実を笑っておかなければ、
本当に意識を失いかねない・・・神経が、脳が痛みを拒絶し、失神して痛みから逃げようとするのだ。
「初号機のフィードバックも落とさないと・・・」
「駄目だ。そんなことしたら、初号機の操縦に問題が出る」
 馬鹿が、この極限状態で、そんなつまらない質問するな!
 ・・・とリツコに当り散らしたいのを、俺は痛みを堪えるついでに我慢した。
「それじゃ、貴方の身体が持たないわ」
 簡単に引下らないリツコに、俺は不敵に笑ってみせる。
「熱いの寒いのは、女子供の言うことだ」
 昔読んだ漫画の台詞を口にしてみる・・・一度言ってみたかったのもあるが。

「初号機。弐号機まで数十メートルまで接近」
「・・・初号機のモニターじゃ、ほとんど視界が利かない。二号機まで誘導してくれ」
 俺は黒縁メガネ君の誘導に従い。
 ケーブルが切断し、正に奈落の底へ沈み行く二号機の腕を捕らえた・・・危ない危ない。
ホシュホシュ
hoshu
保全sage
488熱血ツンジ:02/04/22 00:14 ID:???
「シンジぃ・・・」
 モニターの向こうでは、アスカが潤んだ目で俺の名を呼ぶ・・・LCLの中でも何故か判る。
 俺を見つめるアスカの瞳には「尊敬」の輝きが宿っている。
 しかし、『これからはシンジ様と崇めるが良い』なんて事を考える余裕は俺には無かった。
「ミサトっ!は、はやく・・・熱いんだよっ!」
 俺は悲鳴にも似た訴えをミサトに投げつける。
「もう巻き上げてるわ・・・熱いの寒いのは、女子供の言うことなんじゃないの?」
「そんな馬鹿げた事言う奴は、俺が縊り殺してやるっ!」
 揶揄するような響きのミサトの台詞に、俺は怒りを爆発させた。
「シンちゃんが自分で言ってんじゃないの・・・」
「五月蝿いっ!俺は十四歳の子供なんだよ!あついあついあついぃぃぃぃっ!」
 身も蓋も無い俺の台詞に呆れ返るミサト。
 アスカの俺を見る目も、今までより悪いほうへ変わってしまっていた。
「・・・無様ね」
 リツコがそう呟いた声が、妙に俺の耳に残った。
489熱血ツンジ:02/04/22 00:21 ID:???
 マグマの中から生還した直後、俺は意識を失い。
 気付くと医務室では無く、リツコの研究室に運び込まれていた。
 意識があれば、断固虚下のだが・・・。

「全身に一度から二度の火傷が広がっているわ・・・良かったわねシンジ君。
ネルフの医療体制じゃなければ、命に関わっていたわよ」
「不幸中の幸いを、良かったと感じるほど人間が出来ちゃ居ないよ」
 俺はジェル状の薬剤で満たされた浅い槽に、全裸の身体を横たえていた。
「五日ほど入院して貰うけど、皮膚は綺麗に元通りになると思うわ・・・凄いと思わない?」
 リツコは自慢気に俺に話し掛ける。
「こいつはあんたの発明かい?」
「ええ、自慢の品よ」
 リツコはやけにきっぱりと答えた。
「LCLをベースにした私の傑作品よ。細胞組織の回復・・・単純に新陳代謝の促進じゃなく、
テロメアの回復能力を備えているから、組成される皮膚は赤ちゃんみたいなスベスベ肌よ」
「・・・・・・多分か?また」
 嫌な予感がした俺は、リツコの台詞を先回りしてみた。
「な、何言ってるのよ。大丈夫よ。大丈夫じゃないと困るわ・・・
・・・シンジ君に問題が無ければ、自分で使うんだから」
「俺で人体実験は止めろっ!」
 俺の声は自分でも判るほど悲痛であった。
490熱血ツンジ:02/04/22 00:24 ID:???
「ところでシンジ君。貴方の身体で不思議な事があるのよ」
「何がだ?」
「貴方の全身の火傷は、100%を超えるシンクロ率による、
初号機からのフィードバックの影響も有るけれど、
それ以上に、エントリープラグ内の温度上昇が原因だわ。
なのに、肺の中には火傷どころか、軽度の炎症すら発見されなかったわ・・・どういうこと?」
「・・・あぁそれか。
アスカを拾ってケーブルが巻き上げられた後、温度が上がったから呼吸を止めただけだ」
「ちょ、ちょっと簡単に言わないでよ。短く見積もっても五分以上はかかった筈よ・・・そんなに長時間」
「俺は五分間の無呼吸運動が可能だ。黙っているなら八分以上は持つはずだ」
 驚くリツコに、ちょっと得意気にこたえる俺。
「でも、プールではあっさり溺れたそうじゃない?」
「うっ!」
 し、知ってるのか。
「あれは・・・いきなりだから溺れただけだ・・・」
「そうなの、割と使えないのね・・・五分間の無呼吸運動って」
 リツコの情け容赦の無いご意見に、身動き取れない俺は血の涙を流した。
 俺にこの女を殴らせてくれっ!
東洋の神秘ヨガ?
グラップラー刃牙の最強死刑囚スペックの技では>無呼吸連打
「Dreams」九里君の無酸素運動バット素振り50本…人殺し呼ばわりに5000ユニゾン
たとえ息を止めていても、LCL自体の熱伝導で肺がやばいような気がするのは
無粋な突っ込みですか?

あ、このスレはマジで好きなんで職人さんには頑張って欲しいです。
495熱血ツンジ:02/04/23 21:01 ID:???
 退屈だ・・・退屈でならない。
 ジェルに身体を浮かばせ、何もする事が無い俺は、たった数時間で耐え難い退屈に襲われる。
 ここは一つプロの殺し屋として、『待つことには慣れている』等と言えば良いのかもしれないが、
実際、こんな緊張感の保てない状況下で、無為な時間と言うのは辛いの一言だ。
 首すら動かすことの出来ないこの状況下では、天井の染みを数えるしかする事が無いのだ。
 俺は不感症のマグロ女か?
 あぁぁぁ死にそうなほど退屈だ。

 扉の開く音がする。
 ノックもせずに入ってくるとは誰だ?
 俺は込み上げる動揺と殺気を押さえ込むと、寝入ったフリをする。
 拙いな・・・もしも、侵入者が俺の命を狙う・・・等と妄想を膨らませるが、
 あながち妄想とも断じることは出来ない。
 こんな状況において、正体不明の第三者の接近に、
平気でいられるほど平和な環境で育っちゃいないからだ。
 まさかと思いながらも、万一の可能性を否定できない臆病さと共に生きてきたのだ。
496熱血ツンジ:02/04/23 21:01 ID:???
「・・・寝てるのシンジ?」
 『ぷしゅ〜〜〜っ』と擬音効果を付けながら緊張感が全身から抜けていく。
「アスカか・・・」
「起きてたんだ・・・」
 いつも自信満々腹式呼吸で歯切れ良く喋るアスカが、小さな声で応える。
「・・・身体大丈夫?」
 何かアスカの奥歯にモノの挟まったような話し方が、妙に引っかかる。
「あぁ、大丈夫って訳じゃないが、リツコの怪しげな発明のお陰で、五日もあれば治るらしい」
 ・・・無事に治るといいなぁ〜とちょっと不安な思いが過る。
「そうなんだ・・・」
 おかしい。
 アスカの様子がおかしい・・・俺は思い切って疑問を口にしてみた。
「如何したんだ・・・アスカ?」
「えっ!別にアタシはいつも通りよ・・・何処か変?」
 俺の台詞に妙に驚いて顔を赤らめた上に、不安そうに『何処か変?』だと?
 これを変と呼ばずに何を変と呼べばいいんだ?
 はっきり言って緊急事態だよ。
>>494
そうなると体表面を熱せられたことによる血液温度上昇で、肺もヤバイが脳もヤバイ。
何よりヤバイのは、き○た○は熱に弱く精子を作らなくなったりする。

エントリープラグ内で、内股になって、必死に×ん×まを庇うシンジ。
498熱血シソジ:02/04/24 10:48 ID:???
 頭の中で、重苦しいアラートが鳴り響く。
「・・・いや、変と言うか。
ちょっといつもと様子が違うというか・・・まぁ、気にするほどは無いぞ」
 いかん、俺がうろたえて如何する?これじゃあからさまに不審だ。
「そう・・・よかったわ」
 違う、断じて違う。こいつはアスカじゃない・・・助けてぇミサトさんっ!
 待つんだ、落ち着け落ち着くんだ。
 こういう時は冷静な対応が必要だ。
「そう言えばアスカ。温泉に行ったんじゃなかったのか?」
 そうだ、アスカは作戦前に『終わったら温泉でゆっくりしたい』と言ってた筈だ。
 本物のアスカは今頃温泉だ。
 ならば、このアスカは何者なんだ?
 背中にチャックは無いか?
 いかん、首すら動かせない俺には、それを確かめる方法は無い。(落ち着いて混乱中)
「温泉なんて行ってる場合じゃないでしょ・・・・・・(アタシせいであんたがこんなになってるのに)」
 何やら、後半小さく呟いていたため聞こえなかった。
「・・・シンジ」
 アスカが熱い眼差しで、俺をじっと見据える。
 何なんだ?この空気は・・・時間が濃度を増して行く。
 胸の奥の平常心が、スープのようにかき回される感覚。
 心臓が早鐘を打つ。
 まるで頭の中で鐘が鳴っているようだ。
「シンジ・・・・・・・・・(ありがとう)」
 アスカの顔が俺に迫ってくる。
 何をする気だ?
 止めろ!・・・殺すなら楽に死なせてくれ。
 暗転。
499熱血シソジ:02/04/24 10:49 ID:???
「・・・・・・・・・・・・・・・!」
「目が覚めたみたいね。シンジ君」
 気が付くと上からリツコが覗き込んでいた。
 夢か・・・夢?そう言えば、何か恐ろしい夢を見ていたような気がする。
 何だろう?思い出せない・・・いや、思い出したくない気がする。
「何時の間に俺は寝ていたんだ?」
「・・・・・・ごめんなさい」
「はっ?」
 いきなり頭を下げるリツコに、俺は呆気に取られた。
「私のミスよ」
「ミス?」
 何が何やらさっぱりわからない。
「全身火傷による発汗機能の低下で体温調整が出来ないのに加え、火傷後の発熱。
しっかり温度調節をして置かなければならなかったのに、装置を動かすのを忘れていたの。
結果、シンジ君の意識混濁をまねいてしまった・・・と言うことなのよ。
シンジ君、ごめんなさいね」
「いや、謝られても全く自覚が無いし・・・まぁ、無事だったわけだ。
俺は気にしないから、今度から気をつければ良いさ」
「ありがとう、そうさせてもらうわ」
 こうして無事に俺の入院生活の初日は過ぎていった。

 その一方で、何故か荒れに荒れまくったアスカのとばっちりを受けて、
トウジ酷い目にあったことを俺は知らない・・・知りたくも無い。

・・・続く。
500騙り手:02/04/24 10:50 ID:???
初めての次回予告。

お久しぶりです。
ツンジ=シソジ。騙された人が一人でもいると幸いです。

二人目として、四ヶ月近くに渡り書き続けてきた「熱血シンジ」も、残り一話で第一部終了です。
今後の展開を考えてないわけじゃないですが、一旦終了させます。
(最大500KBの内、333KBまで使っている。最終話で400KB突破必至なので、
取り合えずdat落ちさせるのが無難)

さて最終話は以前宣言した通り、綾波とシンジの関係がメインです。
敵は、遅れてやってきた、ちっとも第五じゃない第五使徒。
ミエミエ、ベタベタ必至の最終話・・・テイストだけは頑張ります。

最終話「sageと涙とシンジ(おとこ)と綾波(おんな)」に、稲妻キックっ!
(・・・だからタイトル考えたくないんだってば)

そして最後に・・・やったぞ!500ゲットだっ!・・・空しい。
501    :02/04/24 18:01 ID:???
定期あげ
>497
コツカケができるんだYO!きっと。

>500
騙されてました。
503熱血シソジ:02/04/26 18:49 ID:???
 五日後、リツコの言葉通り、俺の火傷は跡一つ残らず綺麗に治っていた。
 しかも、産毛一本生えていないツルツルのスベスベだ・・・。
 当然、眉毛も無いので描いてある状態な上に、頭は坊主状態で似合わない帽子を被っている。
 ここまでは我慢できるのだが、俺を死にたい気分にしてくれるのは、
下の毛が無いんだ。一本も生えてないんだ・・・。
 生えてくるまで我慢しろ?
 ・・・いや、生えてこないんだよ。
 リツコが自分で使うときのための実験で、俺の首から下には永久脱毛処理を施したそうで・・・
下の毛のことをうっかり忘れて。
 一縷の望みは『今後の科学の進歩に期待する』だけ。
 事態に気付いたリツコが、本当に済まなそうに俺に頭を下げていた・・・駄目なんだな多分。
 ・・・何となく、サードインパクトを起こして人類を滅ぼしてみたい気分なる俺であった。

 第一部 最終話 sageと涙とシンジと綾波

 俺は力なく家路を辿る。
 気落ちした分もあるが、この五日間全く身動きが取れなかったために筋肉が落ちていて、
実際、身体が重くて仕方ない。
 しかし、明日から筋トレして取り戻そう・・・等とポジティブな気分になれない。
 そう、毛の無い俺にポジティブなんて似合わないのさ。
504熱血シソジ:02/04/27 12:12 ID:???
 五日ぶりで、我家の前に辿り着く。
 家を空けた間にあった色々なことを思い出すと、泣けてきて涙で前が見えない。
「・・・?」
 涙に濡れて歪んだ玄関前に黒い塊が見える。
 今時黒いゴミ袋?
 俺は右腕で涙を拭う。すると、確認できた黒い塊の正体は・・・
「ペンペン?」
 俺の声に黒い塊は振り返る。やっぱりペンペンだ。
「クワッ!」
 ペンペンは嬉しそうに一鳴きすると、状態を左右に揺らしながら一生懸命に、
俺を目指して走ってくる。
「クェェェェッ、クェェッ!」
 爪の生えたフリッパーで、俺の右脚にしがみ付くペンペン。
 何やら、毛並みが悪い。
 気になったので抱き上げてみる・・・軽い!確実に体重が落ちている。
 俺は取り合えず、ペンペンを抱きかかえたまま家へと入る。
 ・・・俺が居なくなってから、ペンペンも色々あったんだろう。
 考えられる可能性は二つ。
 一、ミサトが何も世話をしなかった・・・有り得る。
 二、ミサトが何か不適切な世話をした・・・恐ろしいが有り得る。

 冷凍庫に残っていた秋刀魚・・・塩焼きで一杯のつもりで用意していた・・・を解凍して、
与えたところ、まるで野生を取り戻した・・・無論、実験室生まれで、取り戻す野性も無いのだが・・・
かの様に、獣性剥き出しで喰らい付くペンペン。
「何だ、これは?」
 ペンペンの身体を確認してみると、後頭部に大きな抜け毛が発見された。
 所謂、円形脱毛症のような・・・動物にも起こりえる現象なのだろうか?
 ともかく他人事(「たにんごと」読むべからず)とは思えなくて、思わず涙を誘い、
俺はペンペンを抱き締めずに居られなかった。
ホシュホシュ
506熱血シソジ:02/04/29 22:37 ID:???
「なぁ、ペンペン」
 食事を終えて、少しは落ち着いた様子のペンペンに俺は問い掛けてみる。
 こいつは、人の言葉が判るのだ・・・いやマジで。
「ミサトに連絡入れるか?」
 俺の一言に、ペンペンは面白いほどの反応を見せる。
 『ミサト』という単語に、正に飛び上がって驚いた。
「ギョエッ!」
 まるで、嫌だと言わんばかりに、俺に向かって叫び声を上げた。
「判った・・・俺からは伝えない」
「クェックェッ!」
 喜んで、頭を縦に振る・・・本当に人間みたいな反応だな。

 などと感心していると、インターフォンの呼び出し音が響く。
「グェッ!」
 ペンペンは再び飛び上がって驚くと、ダイニングを右往左往の大慌て。
 ペンペンを入れておくための、換気機能・内部からの温度調節機能を備えた、
冷蔵庫など我が家には無い。
「ペンペン風呂に隠れろっ!」
 俺が脱衣所への入り口を指差すと、脱兎の勢いでペンペンはダイニングを後にした。
507熱血シソジ:02/04/29 22:38 ID:???
「どちらさんで?」
 モニターで相手の顔を確認しているにも関わらず、俺はすっとぼけた質問を投げかける。
「何言ってるのシンちゃん。こんな美人で素敵なお姉さんは、ミサトさんしか居ないでしょ」
 ボケ返されるとは思っていなかった俺は、不覚にも呆気に取られた。
「・・・申し訳ありません。ミサトって名のそんな方は存じ上げません」
 俺はさっさとインターフォンを切った。
 直後に、再びインターフォンが鳴る。
 十秒ほど無視してみたが、諦める様子もないので、スイッチをオンにする。
「・・・さっさと開けないとぶっ飛ばすわよ」
 俺が今までの人生の中で得た教訓の一つに、
『殺してしまうつもりのない相手を本気で怒らせるな』というものがある。
 甘く見ていると、いずれ足元をすくわれる事もある。
 人間、本気で成し遂げようと思えば、一見無理なことでも成し遂げてしまうものだ。
「あぁ確かにミサトだ。俺の良く知ってるミサトだ・・・で何の用だ?」
508熱血シソジ:02/04/30 23:39 ID:???
「開けてくんないかなぁシンちゃん」
 ドスが利いてやがる。
 畜生っインターフォン越しで追い返すつもりだったのに。
 俺は諦めて玄関のロックを解除した。
「おっじゃまっしま〜す」
 態度を急変させて上機嫌のミサトの上陸を許してしまった・・・いや、なんか気分的に上陸。

「シンちゃん・・・ほらほら、なんか忘れてない?」
 ダイニングテーブルに陣取ったミサトは、テーブルを手で叩きながら、露骨に催促している。
 俺は黙って水をミサトの前に置く。
 ミサトは俺を睨みつけたが、俺が殺意を込めて睨みつけると大人しく水を口にした。
 やはり、動物を相手にするのに必要なのは気合だと再認識する。
509熱血シソジ:02/04/30 23:40 ID:???
「で何の用だ?」
 俺は極めて素っ気無く、先程と同じ質問を繰り返す。
「えっ?・・・あぁ、シンちゃんに知らせておく事があったんで寄っただけよ」
 ・・・なんだペンペンの事ではないのか。
「それなら、別に家に上がらなくてもいいだろう?」
「いやぁ〜、それは部外秘の話もあるしねぇ」
 ミサトの目が泳ぐ。
「ついでに、晩飯もたかっていこうかと?」
 俺の突っ込みに、ミサトの目は更に泳ぐ。
 ターンしてバタフライにチェンジ・・・豪快な泳ぎっぷりだ。
「勿論、シンちゃんが良ければ・・・だけどね」
「良いはずねぇだろうよ」
 結局、俺のささやかな抵抗も空しく、晩飯をたかられる羽目になった。
510熱血シソジ:02/05/02 01:24 ID:???
「と言う訳で、鈴原君の乗る参号機が今週末アメリカから届くことが正式に決まったわ」
 散々飲み食いした後、ミサトは本来の目的である連絡事項を話し始めた。
 話が先に終わったら、俺もさっさと叩き出すつもりだったので、
今回はミサトの方が上手だったと言うことだ。
「それに零号機も改装が済んだので、これからはエヴァ四機体制になるから、
シンちゃん達の負担も減ると思うわ」
 ・・・今度の零号機は青かぁ、はっきりいってあの悪趣味な紫と交換して貰いたい。
 と俺はミサトの話を聞き流し、全く関係ないことを考えていた。

 まあ、四機体制は確かに負担も減るが、俺の報酬にも影響が出る。
 俺が出なくても倒せる相手ならば、高い報酬を払わなければならない俺よりも、
只同然で使い倒せる他の連中を優先的に出動させる。
 ・・・ちょっと待て、とういうことは俺のが出番は、すなわち危機的状況って奴だ。
 一応、釘を刺しておかなければなるまい。
「・・・一つ断わっておくが、俺への報酬惜しさに戦力の逐次投入して失敗した場合。
俺は今までの条件じゃエヴァに乗らないからな・・・意味わかるか、ミサト?」
 俺の言葉に、ミサトは遠くを見つめるような目をして『見透かされました・・・副司令』と呟く。
 本当に判り易い性格してやがる。
 俺は自分の賢明な判断に内心胸をなでおろす。
保守サゲーーーーー
捕手
513熱血シソジ:02/05/06 10:57 ID:???
「そ、それにね。四機体制といっても、弐号機の修理が暫くかかるから、
本当の四機体制が整うのは一ヶ月先になるわね」
 話を逸らそうとしているようだが、あの、金にうるさそうな似非紳士が、
ミサトに余計なことを吹き込んだっていう事実は忘れるわけにはいかない。
 香港時代でも、あの手の似非紳士タイプが、仕事後の金払いが悪かった。
 今後のことも考えると、一度じっくりと話し合う必要がありそうだ。

 翌日。
 家のリフォームの際に業務用の調理機器を発注した業者へ、
ペンペン用に冷蔵庫を特注をした。
 そして、俺とペンペンは末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。
 ・・・と言うわけにはいかない。
 俺は一週間ぶりの学校に来ていた。
「碇君、教室の中で帽子は・・・」
「任務遂行上必要な処置です」
 担任の老教師の訝しげな問いかけを、俺は毅然とした態度で突っぱねる。
「そ、そうかね・・・わかりました。それでは授業を始めよう」
 それ以上の発言は、自分の立場を危うくしかねないと判断したのか、
何事も無かったかのように授業を開始した。
 授業中、何度か着信ランプが点灯したが俺は無視する。
 すると、皆も諦めたのか着信ランプが点灯しなくなった。
 俺は、ホッとして授業に意識を向けた・・・が、
その後、教室中を振動させるような叫び声が発せられる。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!碇君がハゲたっ!!」
新世紀エヴァンゲリオンを1位にしよう!!
新世紀エヴァンゲリオン(OP)に、投票お願いします!
http://canal.press.ne.jp/mesganq/mesganq.cgi
515熱血シソジ:02/05/07 12:16 ID:???
 俺の鼻からビックリ汁が音を立てて飛び出す。
 おのれぇぇぇ、ばらしたのはトウジか!
 怒りを込めてトウジの席を振り返る・・・俺と視線が合うと、奴は慌てて首を大きく横に振る。
 ならば、アスカだ!
 アスカの席を振り返る・・・すろと、驚きの表情を浮べ両手を振って否定する。
 アスカでもない。一体誰だ?俺は端末のチャットウィンドウを開く。

[中田:どうして碇君は帽子を被ってるの>綾波]
[綾波:知らない]
[田村:じゃあ、どうして昨日は休んだの?]
[綾波:作戦中に火傷を負ったから]
[村上:火傷って?何処?]
[綾波:全身]
[上田:全身火傷って、それじゃ頭の毛は?]
[綾波:無いわ]
 ば、ばらしてんじゃねぇよ・・・いつもは居眠りしてるくせに。
516熱血シソジ:02/05/07 12:18 ID:???
「あやなみぃぃぃ」
 俺は隣の綾波を睨みつけた。
「・・・・・・?」
 綾波は、少し驚いたように、目を見開いて首を少し傾げてみせる。
 罪悪感のない・・・悪気は本当に無いのだろう。
 しかし、しかしだ。罪悪感の有無と罪と罰には関連性は無い。
 俺だって香港時代は、黒社会の屑野郎共を掃除するのに、
寸毫足りといえど罪悪感など感じたことは無い・・・別問題だな、興奮してしまった。
「そう言う事は、本人に許可無く他の人へ教えるのは良くないよ」
 そう、俺自身忘れかけていたが、俺は学校では猫を被っているので、
綾波への言葉もトーンを落とさざるを得ない・・・多分、青筋立ってるかもしれないがな。
「わかったわ。次からはそうするわ」
 綾波は素直に応じる。
 綾波は素直だ、次からは決して今回とは同じ過ちは繰り返さないだろう。
 しかし、今回の事例を非常に狭義として捕らえているのも確かだ。
517熱血シソジ:02/05/07 12:19 ID:???
[田中:全身火傷で髪の毛が無いって事は・・・下の毛は?]
[綾波:下の毛?(その件に関して口止めはされてないから)無いわ]
「えぇぇぇぇぇぇぇっ!碇君、下の毛も生えてないの!!」
 なんて事が、空想じゃなく現実として起こりえる・・・想像するだけで背筋が凍るような恐怖だよ。

「綾波。僕のプライベートに関する全ての情報は、僕に許可無く他人に伝えるのは駄目だよ」
 俺はすかさず、綾波への条件付けを拡大した。
「・・・・・・わかったわ」
 俺の言葉を噛み砕くように間をおいて、綾波が頷く。
 本当にわかっているか不安だが、この場で具体例を出して禁じる訳にもいかず・・・やはり不安だ。
 その後、俺の決して触れられてはならない秘密に関しては、
幸い追及の手が伸びることなく授業は終了した。
 バレたら、本気でサードインパクト起こすよ俺は・・・本気で。
つるぺたシソジsage
519熱血シソジ:02/05/10 19:37 ID:???
 放課後、俺達四人は訓練のため本部へと向かっていた。
 ・・・何かが変だ。
 気配がおかしい、俺達の護衛兼監視役、保安部の連中の気配が感じられない。
 ・・・!血の匂い。
 そして、押し殺した殺気。
「アスカ・・・わかるか?」
 俺はアスカの横に移動し、小さく声を掛ける。
 まだ、トウジには気配は読めないだろう。
 アスカも、剥き出しの気配は読めるが、抑えられた気配を読むには、
修行も経験も不足しているが、最近はかなりマシになっているはず。
「もしかして、囲まれてる?」
 抑えた声で返事を返すアスカ。
 俺は小さく頷いた。
「かなり拙い状況だ・・・保安部の連中は排除されたと考えるべきだ」
「ここって、ネルフのお膝元じゃないの?」
「今更、そんなこと言ってる場合じゃない・・・お前、銃を使えたか?」
「ドイツで、訓練は受けてるわ」
「背中の鞄の中に、P08が入ってる・・・」
「趣味丸出しね」
「うっ!・・・1908じゃなく2008だぞ・・・使えるか?」
「どっちにしても、趣味丸出しよ・・・使えるわよ。ドイツ製だし」
 LUGER社製ピストルModel-2008。狭く有名なModel-1908の百周年を記念して作られた、
アニバーサリーモデル。ドイツ製らしく斬新なデザインと、8mmケースレス弾(パラベラム2)等の、
新機軸を取り入れた・・・好意的に解釈すれば、時代を先取りした拳銃・・・あくまでも好意的に。
 確かに趣味だ・・・でも好きなんだ。
「あんたは如何するの?」
「幾つか暗器を持ってる」
 俺の言葉に、アスカは黙って頷くと、俺の背中に寄り添うようにして、鞄の中に手を入れる。
このシーンを禿げたシンジで想像してみる
521熱血シソジ:02/05/11 08:10 ID:???
「なんや、二人ともさっきからおかしくないか?」
 俺達の様子にトウジが疑問の声を上げる。
 俺の背中から離れて、自分の鞄の中にP08を隠したアスカに対して、
俺は無言で脇腹を肘で軽く突く。
「そうそう、ちょっとあんた達も耳を貸しなさいよ!」
 アスカはわざと大きな声を出すと、トウジと綾波の頭を抱え込むような体勢で耳に口を寄せる。
「おいおいアスカ。こんな事、二人にまで話す必要な無いだろ?」
 俺もわざとらしいまでに大きな声で、奴らに聞こえるように芝居を始める。
「いいのよ、あんたの秘密をこいつらにもバラしてやるわ」
 ・・・芝居といえども、この言葉は、傷つき易い今の俺のハートに、鋭い刺のように突き刺さる。
『いい、驚かないで黙って聞いて、アタシ達は何者かに囲まれてるわ。
保安部の人間はころ・・・排除されたみたい。人数はわからないけど、暗殺じゃなく誘拐が目的なら、
人数は多分、五人以上十人未満・・・』
 息を呑むトウジと綾波に対し、俺は更に芝居で突っ込みを入れる。
「だから、そんなことまでバラすなって」
 そう言いながら、トウジの肩を強く叩く。
『奴らが見ている、そのつもりで多少は演技しろ』
「な、なんやそう言うことか・・・ははははは」
 ・・・トウジ、演技下手糞。
『合図したら、あの塀に向かって走って乗り越えろ。
俺は塀の後ろに身を隠すから、アスカは塀を乗り越えてくる奴を撃て。
その後、俺が突っ込むから、お前達三人はどこかの家に侵入して電話で本部に連絡を取れ、
携帯は使えないと思った方が良いぞ・・・そして、身を隠すなり、可能なら逃げて時間を稼げ、
俺は・・・俺一人なら何とかなる・・・わかったか?』
 俺の言葉に、三人が頷く。
『5・4・3・2・1』「GO!」
 俺の掛け声と共に、俺達は走り出した。
522熱血シソジ:02/05/11 09:39 ID:???
 高さ2m程の塀を、俺はやや斜めから角度をつけて駆け上がると、
塀の上から綾波に右手を差し出す。
「ほら、つかまれ!」
 綾波が伸ばした左手を捕らえると、俺は一気に引き上げ、上半身が塀の上まで出たところで、
左腕を綾波の腰に回して抱え上げると、そのままトンボを切って塀の向こうへと跳んだ。

 ちょっとしたアクロバットに目を回した綾波・・・三半器官弱そうだもんな。
 俺は綾波の頬を軽く数回叩く・・・ビックリしたような表情を俺に向ける。
「ほら、あっちに行くんだ」
 俺は、綾波の肉付きの薄い尻に手をやって、アスカの居るほうへと押し出す。
 瞬間、綾波はピクリと身体を震わせ、俺を振り返り軽く睨んだ後、走り出す。
 ちょっとは役得かと思ったが、触って有り難味のある尻じゃなかった・・・肉食え、肉を。
 トウジ?トウジは次の瞬間、俺の横に落ちてきた。
「ほら、あっちに行け」
 俺はトウジの・・・描写するまでもなく、どうでもいいケツを、アスカ達の居る方向へ蹴りだした。
 瞬間、手加減の無い蹴りの痛みに身体を震わせ、俺を涙目で睨んだ後、ヨタヨタと走り出す。
523熱血シソジ:02/05/11 09:43 ID:???
「逃がすなっ!」
「捕まえろっ!」
「回り込めっ!」
 塀の向こう側で、数々の怒号が響く。
「待てっ!」
 今度は俺の頭上で怒号が響く。
 何人かが塀を乗り越えての追跡にかかったのだ。

 次の瞬間、三連射の銃声が響き渡る。
 三者三様の、悲鳴と呻き声が聞こえた後、俺の前に二人、塀の向こう側に一人が落ちた。
「行けっ!」
 俺は銃を構えたまま、固まっているアスカに鋭く指示を出す。
 人間を撃ったのは初めてか・・・仕方ない。
「殺しちゃいない。早く行け!」
 俺の言葉に小さく頷くとアスカは踵を返し、トウジと綾波がそれに続いた。
「全く素人さんは、基本はダブルトリガーだろ・・・・・・悪かったな、今楽にしてやるよ」
 そう言い捨てると、俺は目の前の二人に、躊躇いも無くとどめを刺した。
>躊躇いも無くとどめを刺した

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
                       *∵‥(´д`)∵‥>>524
                    ∴*//∴∵)* ズシャァァァァァ!!
                     //|//| ∴
                   //|//|∴*(_∴
                  //|//|‥  ‥
                //|//|
               //|//|     ‥
             //|//|
             | |_//|
     .'⌒⌒丶  /||___/|出張あぼーん
     ′从 从)/||/  |
     ヽゝ゚ ー゚ν∩
     /つ/||/ 躊躇いも無く殲滅!!
    /_/)
    //(_)
彡 (//
526熱血シソジ:02/05/12 00:12 ID:???
 俺の掌の中で消えていく命・・・これこそが俺の生きる糧。
 他者の命を奪うことでしか、自分の生を肯定できない獣。
 普通の人間の顔をして生活していても、学校でクラスの連中と馬鹿話に興じていても、
所詮、俺はこういう世界でしか生きられない生き物なのだ。
 自分が踏み越えてしまった一線の向こう側に居る、あいつらが遠く感じる。
 自然と口元に笑みがこぼれる・・・つまらぬ感傷だ。

 ポケットから取り出した、五センチほどの長さのパイプを口に含んだ。
 そして、左手首にゴムバンドを巻きつけると、上着の左袖に通してあった鎖の分銅を挟み込む。
 携帯している分とは別に、鞄から?を取り出し三本ほど右手に握りこみ、残りはポケットに入れる。

 準備を整えた後、塀の上に引っ掛けた左手の力を利用し、俺は一気に塀の上へと踊り出る。
 俺の眼下には、アスカに撃たれた奴が一人、それに駆け寄っている奴が一人、
塀を乗り越えようとしている奴が一人、何やら指示を出しているリーダーと思しき奴が一人、
その指示に従い回り込もうと、この場を走り去る奴らが三人。
 一瞬にして、それだけの情報を読み取ると、二回右腕を振る。
 塀に取り付いた男と、怪我人に駆け寄っていた男の頭部に?が突き立った。
 声もなく男達が崩れ落ちると同時に俺は着地し、リーダーらしき男へと疾る。
「くっ、貴様!」
 男は懐から銃を抜くが、それよりも先に左腕を一閃。
 左腕の裾から伸びた鎖が、男の右腕の拳銃を弾き飛ばす。
「少し、大人しくしててくれ」
 次の瞬間、懐に潜り込んでいた俺は、奴の顎先を、左掌で打ち抜いたが・・・。
 背後から銃声が響き渡る。
 背中に走る衝撃、そして痛みが俺の意識に白く灼き付けを起こす。
 もんどりうって倒れる俺の正面に、アスカに撃たれた男が、震える腕に銃を構えていた。
 俺が最後の一本の?を放つと同時に、もう一度銃声が鳴り響く。
527騙り手:02/05/12 00:23 ID:???
ありゃ?
「金票」が「?」になってしまっている。
528騙り手:02/05/12 00:27 ID:???
ワードパッドも一回閉じて、開きなおすと「金票」が「?」になってる。
変換自体できないなら判るけど・・・意味判らん。
それ以前に金票って何?
鐔(つば)
違うか。
正しくは飛(金票)で、日本で言う所の手裏剣(クナイ)
うしとらの符呪士が一番に思い浮かんだ。
「全く・・・だから銃を・・・撃つ時はダブルトリガーだ・・・ってんだよ・・・」
 俺の放った「金票」は奴の首を貫き、そして奴の放った弾丸は俺の腹部を捉えたのだ。
 腹部から流れ出る生温い液体が地面に滴り、ズボンの尻から太腿にかけてを赤く染めていく。
 銃声を聞きつけて、他の連中が戻ってきやがる・・・まだ居るのかよ・・・全てが億劫に感じる。
周囲に視線を配ると、1mほど右に拳銃が落ちている・・・拾わなければ。
 痛みを堪えて腕を伸ばす・・・腹筋に力を入れた瞬間、傷口から勢い良く吹き出す。
 地面に這い蹲るように腕を伸ばし銃を捕まえるが、俺が構えるより先に連中が発砲する。
「倒れてる・・・人間相手に・・・走りながらで、当るはず無い・・・だろ」
 何か独り言が多いなぁ・・・そう思いながら、俺は接近する二人に対して・・・二人?
まぁ良いさ、目の前の敵を倒さなければ・・・引き金を絞った。
 ・・・当らない、当らない・・・俺は銃はそれほど得意じゃないけど、こんなに下手だったか?
 おかしいなぁ、キックバックが妙に強い・・・当った・・・マグナム弾じゃあるまいし、9パラ撃って、
どうして、こんなに跳ねあがるかな?・・・まぁ、それさえきをつけレば・・・ほら、あタった。
 次の瞬間、右手に走る衝撃。拳銃が音を立てて転がっていく。
「そこまでだ、サードチルドレン」
 頭上から声が響く・・・サーどちルどれん?・・・おれヲ、そんなフウによブなよ。
 男は俺の肩の下につま先を差し込み、そのまま俺をひっくり返す。
「・・・ちっ馬鹿が、殺すのが任務じゃないだろ」
 おイおい・・・カッてにころスなよ・・・こンなキズ・・・リツこのてにカかれバ・・・。
「おい、第三東京市を離れたら、すぐに医者に見せてやるから、勝手に死ぬんじゃないぞ」
 男はそう言いながら、俺の傍に膝をついて抱きかかえようとする。
「・・・ナニ・・・カってナこトヲ・・・」
 俺はそう呟くと、口の中のパイプ・・・吹き矢を、男の顔へ吹いた。
「・・・くっ!何を?」
 男は驚いたように飛びのく・・・ソイツハ・・・ソッコウセイノドクダカラ・・・モウタスカラナイ・・・
ザマァmiro・・・遠のく意識の中、俺は妙な満足感を味わっていた。
535騙り手:02/05/12 12:21 ID:???
「金票」の読みは「ひょう」

ttp://www.gaopu.com/hiyo5.0.html
ttp://www.gaopu.com/HIYO.HTML
>535
つまりクナイみたいな物なのね。ところでまさか死亡エンド?
537騙り手:02/05/12 13:03 ID:???
>>535
そうか、そう言う手もアリか・・・イイコトキイタ
>537
んで、最後にモノリスがいっぱい集まって
「駄目だ……」
「また、失敗だったか……」
「次は、シンジを女性化することによって……」
「その試みはすでに100回以上試されている」
とかいうSS作家集合オチにする気だなっ!
539熱血シソジ:02/05/12 21:36 ID:???
「・・・ここは?」
 眠りから覚めると、見覚えのある天井が俺を迎える。
「目を覚ましたのねシンジ君」
 ここは・・・あれだ、リツコが怪しい事するための・・・そうそう研究室。
 此処に居るってことは、俺はまた何か死ぬ目にあったのか?
 今度はどんな酷い目に遭うと言うのだろう?
「・・・大丈夫、シンジ君?わかるリツコだけど」
 反応を示さない俺に心配気に覗き込んでくるリツコ。
「あぁ、判ってるよリツコ・・・また何かあったのか・・・俺?」
「覚えてないの?本部に来る途中に襲われて、シンジ君は背中と腹部を二箇所も撃たれたのよ」
 撃たれた?俺が?
 腹にも背中にも痛みは感じない。
 病院着を捲ってみる・・・確かに包帯は巻いてあるが、軽く触ってみても痛みは感じない。
 上半身を軽く捻ってみる・・・僅かに皮膚が引き攣るのが感じる。
「リツコ・・・俺は何日眠っていたんだ?」
 銃創が、ここまで回復するとしたら、リツコの怪しい研究成果をもってしても十日・・・
いや、その半分で治しかねないな・・・マッドだし。
「そうね、四時間ほどかしら・・・」
540熱血シソジ:02/05/12 21:38 ID:???
「はぁ?」
 つい間抜けな声を上げてしまう。
「えぇ、四時間ね」
「俺はエアライフルで撃たれたのか?それとも炭酸ガス銃か?」
「いいえ、普通の拳銃で撃たれているわ・・・9mmパラベラムって言うのかしら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「どういう事だ?」
「・・・えっ?」
「俺の身体に何をした?」
「や、やぁね、別に何もしてないわ。治療してあげただけじゃない」
 俺はベッドから降り立ち・・・本当に傷みが無い・・・リツコへと迫る。
「銃で撃たれて、四時間で治るはず無いだろ?俺の身体に何をした?俺はまだ人間なのか?」
 リツコを壁際に追い詰める。
「だ、大丈夫よ、まだ何もしてないから。大体、四時間もあればジェット機だって直るわよ」
 そう言い訳するリツコは、一度も俺と目をあわすことは無かった。
 言い知れぬ恐怖が俺を包み込む。
 俺は何時まで人間で居られるのだろうか?
 ・・・此処は人外魔境だ。
541騙り手:02/05/12 21:51 ID:???
>>538
一人称シンジ限定でやっている以上。
幾らシンジを窮地に追いやっても、必ず助かるのがミエミエで、
緊迫感を書いてる自分自身が感じないと感じていたので、
思い切って死亡エンドで火浦功的投げ出ししてみるのも良いかと・・・

ついでに、一週間ほど放置してみれば皆が「おいおいマジかよ」と突っ込むかと、
思ったんだけど、既に539-540のシーンは考えてあったのでUpしてしまった。
逆に皆からも放置されるのが関の山
私が死んでも二人目のシンジ
ホシュホシュ
545熱血シソジ:02/05/16 12:16 ID:???
 流石に傷は治ったと言えども、全身を覆う疲労感・・・特にリツコの台詞を聞いた後の、
両肩にのしかかる物理的な重量感を伴った疲労感に、俺はすごすごとベッドに戻る。
「ところで、俺はどういう状況で撃たれたんだ?」
 俺は布団に包まり、弱々しく尋ねる・・・俺は何処へ行ってしまうのだろうか?
「・・・・・・そう、まだ記憶の混乱が収まっていないのね。
一時的なものだと思うから、今は無理に思い出そうとするよりも、ゆっくりと眠ったほうが良いわ」
 俺はその言葉に黙って頷き・・・。
「シンジが目覚めたって本当っ!」
 寸毫も病人のことを労わる様子が窺えない勢いで、アスカが部屋に文字通り飛び込んできた。
「せんせ、大丈夫か?」
 続いて、アスカよりは遠慮気味にトウジが入ってくる。
「貴方達、静かにしなさい」
 リツコがきつい表情で二人を睨みながら嗜める。
 それにしても、この程度のことで目を吊り上げるとは?
546熱血シソジ:02/05/16 12:17 ID:???
「どうやら、心配かけたみたいだな?」
 俺は二人に軽く頭を下げる。
「べ、別にあんたの心配してるわけじゃないわよ」
 アスカが顔を赤らめ、むきになって否定する。
 ・・・まぁ、良いがな。
「・・・せんせ、済まない!」
 いきなりトウジが俺に向かって深く頭を下げる。
「・・・何の事だ?」
「ワシが、ワシが不甲斐ないばっかりに・・・」
「鈴原君!
シンジ君はまだ身体の調子が良くないの、だから話は後にして頂戴・・・アスカもよ」
 リツコが強い調子で、トウジの言葉を遮った。
 ・・・やはり、何かあるのか?
547熱血シソジ:02/05/16 12:18 ID:???
「そ、そうですか・・・気が利かんとスンマセ・・・」
「トウジ。何があったんだ?」
 再びトウジの言葉を遮ったのは俺だ。
「し、シンジ君。・・・こういう事はゆっくりと自分で思い出した方が、
療後の肉体的・精神的ストレスも少ないのよ」
 リツコが一生懸命、理屈をひねり出しているようだが、説得力が感じられない。
「いいからトウジ。話すんだ・・・俺は今日、学校を出た後の記憶が無い」
 俺はリツコを無視してトウジを促し、話を続けさせた。
「記憶が無いって、どない・・・」
「気付いたら、よりによってこの部屋のベッドで寝ていた・・・危なく改造されるところだった」
「・・・失礼ね」
548熱血シソジ:02/05/16 12:18 ID:???
「・・・で、綾波がさらわれた訳か」
「ワシに、ワシに力があれば・・・スマン」
 肩を震わせ、俺に頭を下げるトウジ。
「俺に謝っても仕方ないだろ・・・それとも誰かに赦してもらいたいのか?
自分の罪悪感から逃れて楽になりたいか?」
 俺は敢えてきつく当る。
「ワシは、そんなつもりじゃ・・・」
「シンジ、そんな言い方は」
 アスカが珍しくトウジを庇う。
「謝りたいんなら、綾波に直接謝れ・・・そうした方が良いだろ?」
「そうや、そうやな・・・せんせ・・・ありがとな」
 トウジは、もう一度俺に頭を・・・深々と下げた。
hoshu
shuho
551熱血シソジ:02/05/20 01:26 ID:???
「・・・綾波の救出は行わない?」
 俺はミサトの台詞が理解できず、鸚鵡返しに言葉を返す。
「ええ、碇司令の命令で・・・現在は保安部も動いてないわ」
 ミサト自身この命令に納得している様子は無い。
 怒りに肩を震わせている。
「理由は?」
「私だって知らないわよ!あの髭が何を考えているかなんて!」
 ミサトの怒りが爆発。
 俺に背中を向けると、二発三発と続けざまに壁を蹴り始める。
 詳しい状況を聞けば、俺も腹を立てる状況なのかもしれないが、
他人に先に怒りを爆発させられると、却って自分は冷静になるものだ。
 第一、怒るよりも呆れるというのが正直なところだ。
 弐号機が修理中、参号機は届いてすら居ない状況下で、
零号機のパイロットを誘拐される不手際も信じられないが、
その現状を肯定しているとしか思えないトップの態度は、狂気の沙汰としか表現しようが無い。
 大丈夫なのかネルフは、いや人類は・・・。
552騙り手:02/05/20 01:44 ID:???
最近、俺のこと放置しすぎです。
メンテナンスフリーじゃないので、いい加減壊れます。
寂しさの余り、他のスレに別の話をUPしても、日曜日丸一日放置されて死にたいほど鬱。
・・・ひっそりと、UPする当ての無い聖闘士聖矢逆行FFでも書き綴って暮らそう。
俺はちゃんと見てるぞ。
毎日、見てるぞ
俺も巡回に入れて毎日見てるぞ
556安野:02/05/20 22:49 ID:???
あたしも見てるわよ
奥さんっ!
5人目?毎日見てますが何か?
無理強いはできませんが、できれば続けて欲しいっす。
ageた方が新規の読者が着きますかね?
559熱血シソジ:02/05/21 23:00 ID:???
「シンジ君には何か心当たりは無いのかい?碇司令、父君の真意に」
 怒り狂うミサトを静めようとして、肘うちを食らいながらも、
顔色一つ変えずににこやかに話し掛けてくる無精ひげ男・・・加持リョウジ。
「あいつとは血の繋がった他人って奴だ。
パイロットとして知りえる情報以上のものは、一切手に入らない。
そう言うのは、あんたの方が詳しいんじゃないか?」
「いや〜君の父君が何を考えているかなんて、俺如きじゃ判らないが、
君達を襲った連中については心当たりが・・・げふっ!」
 振り向いたミサトの肘を鳩尾に貰い、すっ呆けた表情を浮かべたまま、加持は床に沈む。
 つまり、表情を変える暇も無く、一瞬で意識を失ったことを意味する。
 頭部では無く、腹部への打撃でこんな状況が起こるのは稀だ。
 経絡打・・・経絡打なのか?
 こんな高等技を天然で使ってしまうミサトが少し恐かった。
560熱血シソジ:02/05/21 23:00 ID:???
「ぁうっ・・・・・・す、済まないシンジ君」
 痛みに顔をしかめながら、俺の施した活法に感謝する加持・・・話の続きに興味が有っただけで、
こいつの生き死にに興味は無い。
「で、続きは?」
「・・・続き?」
 沸き上がる殺意を押さえ込む。
「俺達を襲った連中についてだ」
「あぁ、そうだった・・・リッちゃん、この部屋は大丈夫かい?」
 加持の意味ありげな視線を受けて、リツコは頷く。
「ネルフの・・・碇司令たちの上位に、ゼーレという組織が存在する。
ネルフでその存在を知る立場にあるのは、司令と副司令・・・そしてリッちゃん。
君だけだね?」
 加持の台詞に、硬い表情でリツコが頷く。
「でも良いの?加持君。これ以上話せば、ミサトもこの子達も後には戻れなくなるのよ」
「そういう、君は俺を止めないんだな」
「私は・・・私は、今の状況が正しいと思っていないわ。ゼーレの企みも・・・それに碇司令の思惑も」
 そう言いきったリツコの瞳には、強い決意の光が宿っていた。
6人目。
>>558
上げたらそれはそれでへそを曲げて書かなくなると思われ。
要は典型的かまってちゃん。「みんな僕に優しくしてよっ!!」ってやつですか?
…こんな事書き込むとまたへそ曲げそうだな(w
562騙り手:02/05/21 23:17 ID:???
奥さんって言われてもなぁ・・・男だし。

とりあえず、一部完までは続けていくつもりですが、
時々、誰も読んでないんじゃないかと、定期的な保守は読んでもいないのに、
俺に書かせるための罠では?と疑心暗鬼に陥ってしまうので、
時々、植木に水をやるように構って上げてください。

以前R指定方向に話が脱線したように、今回も脱線気味。
この部分のプロットは四ヶ月も前から存在していて、
シンジ達を襲ったのは戦自の筈でしたが、自分で敷いたレールとはいえ、
決まった話をなぞる様に文章化する作業に飽きてしまい思い切って脱線しました。
第三部以降しか活躍する予定のなかった加持が動くことになります。

ちなみに、聖闘士聖矢FFはギャグになってしまいました。
563騙り手:02/05/22 00:53 ID:???
>>561
典型的なかまってちゃん・・・誰にも相手にされないのに長々と話し書いて、
俺のメリットは何?
え?メリットを求めてるの?
>>563
おながいします。書いて下さい。楽しみにしてるんですぅ…




これで満足か?(藁
>>565
煽ってどうする.
楽しみに読んでる人間もいる.
読みたくもない連載SSスレをわざわざ保守する馬鹿はいない。
というわけで続けてくれ。
566&565の正体は565で、保守しているのも全部565の仕業だったりして
と不安を煽っておく。
>>568もこれを書いている569も全て565の仕業と、筒井康隆風に不安を煽ってみる。
もう誰を信じたら良いやら。
そう言う俺の正体も565かも?
といい加減にしろ!こん畜生!!的に不安を煽ってみる。
まあ、兎に角漏れはいつも楽しみにしているよ。
漏れもっす
age
574名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/05/29 15:15 ID:aW0WzPG6
渡しもです。
すみません、上げてしまいました・・・
気にするな。ageたコトぐらいで。
>>575
直前のも上がってるから関係ないだろ。
ていうか逃げたか、騙り手は。まだいるなら続きキボンヌ。
いないなら誰か引き継いでくれ。
>>578
お前がやれ
580熱血シソジ:02/05/31 09:19 ID:???
「でも、積極的に裏切るつもりは無いんだろ・・・碇司令を」
「えぇ。それに加持君に肩入れする気も無いし、当然、貴方が邪魔になれば・・・判ってるわね?」
 リツコの言葉に、加持は肩をすくめて小さく笑う。
「あぁ、それで構わない・・・今はね」
 何故か微妙な雰囲気を醸し出す二人に、俺達外野は置き去りにされていた。
 俺自身、疑問や突込みどころが満載だったのだが、
こういう時に黙っては居られない御仁が、俺の横に居たので彼女に任せることにした。

「ちょっと、何の事を話してるのよ!アタシにも判るように話なさいよ!!」
 病後の経過も良好だった『自己中性ヒロイン症候群』別名。
 『地球はアタシの為に回ってるのよ!病』は、まだ完治には至っていなかった。
 現代医学の敗北の瞬間である・・・この際、医学は関係ないが何となく。
581熱血シソジ:02/05/31 09:20 ID:???
「後戻りは出来なくなるけど、良いのかい?・・・シンジ君」
 加持は質問したアスカを無視して、俺に尋ねる。
「ネルフが表向きの理由だけの健全な組織だとは、はなっから信じてはいない。
だが、『好奇心猫を殺す』の例えにはなりたくない」
 俺はエヴァンゲリオンのパイロットとしての自分の商品価値を理解している。
 その価値が、他に換えられない価値であれば、俺が排除される心配は無い・・・取あえず。
「・・・『狡兔尽きて走狗煮られる』とも言うね。
それを避けるために、好奇心って奴も馬鹿にしたもんじゃない」
「その時は、野良犬に戻るだけだ・・・鎖を噛み千切ってな」
 俺は加持に向けて獰猛な笑みを浮べて見せる。

「・・・だが、彼女のことは助けないとならないんじゃないのかい?」
 いきなりの突っ込みに固まってしまった・・・くそ!痛いところを突きやがる。
「そや、綾波を助けるって約束したはずや!」
 更に嫌なタイミングで、トウジが俺にとどめを刺す。
 俺は大きく溜息を漏らすと、小さく苦笑いを浮かべる・・・まぁ、良いか。
「あや・・・」
 俺の言葉を遮って、勢い良く開いた扉から飛び込んで来た人物が叫ぶ。
「先輩っ!!」
582熱血シソジ:02/05/31 09:21 ID:???
「マヤっ!」
「先輩っ!酷いです。レイちゃんを見殺しにするつもりですか?
レイちゃんは私の家族なんですよ!あんまりです!!」
 伊吹マヤは、リツコの胸倉を掴むと前後に強く揺する。
 ライブ中にヘッドバンキングが原因で死亡したイギリスの少年を思い出すような光景だ。
 リツコは三揺すり半で、見事に白目を剥いている。
「ちょっとマヤちゃん!リツコがリツコが!!」
 親友の生命の危機に、慌てたミサトが後ろから伊吹を羽交い絞めにしようとするが、
一瞬早く、リツコから手を離すと振り返り、今度はミサトの胸倉を捉えた。
「葛城一尉も葛城一尉です!
エヴァパイロットの護衛計画も作戦部管轄です。貴女が自分の仕事をきちんとしていれば!」
 ミサトの頭が、リツコの時にも増して激しく前後に揺すられる。
 ミサトはさすが肉体派。リツコよりも長く耐え五往復目までは抵抗を試みていたが、
その根性も無駄に終わり、程なくリツコ同様に白目を剥いて気絶した。
 その惨状を見ながら、俺の脳裏に一つの単語が思い浮かぶ・・・『皆殺し』
 次は俺が揺すり殺される番なのだろうか?
583熱血シソジ:02/05/31 09:22 ID:???
「落ち着くんだ!レイは助ける!必ず助ける!!」
 俺と同様の危機感を抱いたのだろう、今度は加持が伊吹を止めようとするが、
振り向きざまに、両腕が加持の胸元に伸びる。
「させるかっ!」
 気合で伊吹の腕を掴み止める加持。
「そう言う加持さんも、いつもいつも暇そうにして。
この街の防諜は、貴方の部署の管轄じゃないんですかっ!」
 女の細腕の前に、加持の腕の筋肉と骨が悲鳴を上げる。
「ばっ馬鹿な!」
 悪夢のような状況に、加持が悲痛な叫びをあげる。
「何が馬鹿だというんですか!人が忙しい思いしている時に、
貴方達二人は仕事もせずに不真面目な態度で!」
 自分の勘違いに逆上した伊吹が、万力の如き力で、ついに加持の胸倉を捉える。
「し、シンジ君!たす・・・」
 加持は最後までセリフを言い切ることは出来なかった。
 残像で頭が二つに見えるほどの勢いで揺すられた加持は、三人目の犠牲者に成り果て。
 俺の中で、明日というものが非常に遠く、そして儚い存在になって行く。
584熱血シソジ:02/05/31 09:23 ID:???
『ぱっこ〜ん!』
 突然、気持ちよいほどの乾いた良い音が部屋中に響きわたる。
「きゅ〜〜〜」
 わからない人にはさっぱりわからない声と共に、伊吹が気絶して倒れる。
 人類を揺すり殺しの危機から救ったのは、緑のスリッパを右手に持った救世主。
 惣流・アスカ・ラングレー。彼女がこんなに神々しく見えることがあるとわ・・・
想像の範疇にすらなかった。

「全く、普段大人しい人間ほど、キレると手が付けられないわね」
 アスカは薬品棚からNH3のラベルの瓶を取り出すと、脱脂綿に含ませて、
加持達の鼻先で臭いを嗅がせ、次々と蘇生させていく。
 俺は、伊吹を慎重に・・・起こさないように、抱きかかえてベッドへ降ろす。
 その際、伊吹が悩ましい声で漏らした『あ〜ん、先輩ぃ』という寝言に、
一瞬、嫌な汗が脇の下に浮かんだが、心の中で『聞いちゃ駄目だ』と三回唱えて、
聞かなかったことにした。
585熱血シソジ:02/05/31 09:24 ID:???
 伊吹を除く全員が意識を取り戻した所で、話を元に戻す。
「綾波を助ける・・・として、何か良い方法があるのか?」
「全く、手がかりが無いわけじゃないんだが、ネルフ諜報部の協力は得られないから、
使えるのは俺の個人的なコネだけになるんだが、それだけじゃ、どうにも心もとない。
シンジ君に良い手があれば借りたいんだが?」
 なんとも頼りにならない話だが、元々加持とは関係なく綾波を助けるつもりだったので、
こちらにも、それなりの算段はある。
586熱血シソジ:02/05/31 09:25 ID:???
 リツコのデスクに歩み寄る、電話器の上に貼り付けられた、
 陶器の猫の人形を見つけ、クールを気取った彼女とのミスマッチに思わず笑みを浮べる。
「電話借りるぞ」
 一言ことわりを入れ受話器を持ち上げる。
「あらかじめ言っておくけど、電話の内容はマギに保存されるわよ」
「この街の通話情報全てが抜かれてるんじゃないのか?」
 通じないだろう皮肉を口にしてみた。
「全部って訳じゃないわ。それは非効率ってものよ」
 リツコは目を細めて含みのある笑みを浮べる・・・俺の皮肉など何処吹く風だ。
「好きにするといいさ。どうせ無意味だ」
 そう言い捨てると、記憶の中から・・・使う気は無かったが、
念の為に覚えていた番号を引き出しながら、ボタンを押して行く。
 そして、最後の番号を三秒ほど躊躇った後に、清水の舞台から飛び降りる覚悟で押す。
「・・・・・・・・・・・」
 受話器から呼び出し音が流れる。一度、二度、三度・・・あぁ、この嫌な緊張感に耐えられない!
 五回鳴らして出なければ、潔く諦めて他の方法を考えよう。そうだ!それが良い!!
 俺が後ろ向きな潔さに浸っていると、呼び出し音が四回半で電話が繋がった。
「もしもし?」
「九龍(カオルン)か・・・シンジだ」
587熱血シソジ:02/05/31 09:25 ID:???
 その時、俺は苦虫を十匹ほどまとめて噛み潰したような表情を浮かべていただろう。
「シンジ君、その無粋な徒名で呼ぶのは止めてくれといっただろ?
君には、本名のカヲル。もしくは、カヲリンっと呼んでくれても構わない・・・
いや、むしろそう呼んで欲しい」
「・・・・・・(何故、カヲリン?)・・・・・・」
「呼んでくれないかい?さぁ!」
「・・・俺は仕事を頼みたいんだ。か・お・る・ん!!」
 怒りを隠そうともせず、奴を怒鳴りつけた。
「・・・・・・如何してシンジ君が怒るんだい?
ここは僕が逆キレするべき状況じゃないのかい?
たかが、『る』を『り』に換えるだけだよ、大体、カヲルの『ヲ』は・・・」
 叩きつけるように受話器を戻す。

「奴は駄目だ・・・別の方法を考える!」
 状況が把握できずに訝しげな表情を浮かべる連中を振り返ると、そう告げた。
「・・・シンジ君。九龍って、まさか、アノ九龍なのかい?」
 いち早く、我に返った加持が質問を投げてくる。
「どの九龍か知らないが、今の出来事は忘れろ・・・俺は忘れたい」
タブリス登場?そもそもそもカヲルはタブリスなのか?
綾波は無事救出出来るのか?次回にこうご期待。復活記念sage.
589熱血シソジ:02/06/01 10:46 ID:???
 電話のベルが鳴り響く。
 リツコが受話器を取ろうとするのを、俺は押しとどめる。
「どうして?さっきの電話の相手を気にしているなら心配無用よ。
この部屋に外線は直接繋がらないわ」
 そう言い切ると、リツコは受話器を取った。

「はい、赤木です・・・えっ?どうして?・・・本部はMAGI管理下に・・・そんな」
 間違いない。奴からだ。
 リツコの表情がみるみる内に曇っていく。
 電話回線一本でさえ、ご自慢のMAGIの管理下にある本部で、
奴がやったのは紛れも無いハッキング。リツコの動揺も当然のことだ。
590熱血シソジ:02/06/01 10:46 ID:???
「・・・シンジ君。貴方へよ」
 蒼褪めた顔で受話器を差し出すリツコ。
「・・・どちらさんでしょう?」
 感情をこめずに、よそよそしく俺は第一声を口にする。
「あんまりだと思わないかい?シンジ君」
 予想するまでもなく九龍が、受話器の向こうで恨みがましいセリフを口にする。
「・・・・・・・どちらさんでしょう?」
「シンジ君?聞こえてないのかい?」
「・・・切るぞ」
「ま、待ってくれないか!カヲルだよ、渚カヲル。君の、君だけのカヲルだよ!」
 俺は静かに受話器を戻す。
「・・・知らない人だった」
 リツコが電話をハンズフリーに切り替えてあったため、俺の九龍への扱いに対して、
皆が、一言感想を漏らした。
「「「「「ひでぇ」」」」」
591熱血シソジ:02/06/01 10:47 ID:???
 再び電話の音が鳴り響く。
 うんざりとした表情を浮かべながらも、今度は俺が受話器を取った・・・
ハンズフリーから通常モードへ切り替えるのも忘れない。
「・・・もしもし」
「シンジ君かい?酷いよ!ちゃんと名前を名乗ったじゃないか?」
「後半が、俺の知り合いの条件と一致しなかったからな」
「そんな!僕は君のものだよ。君がどう思おうとも・・・って切らないでくれ!!」
 俺が受話器を頭から離した僅かな音の変化に反応する・・・ちっ!無駄に鋭い奴め。
「冗談はさて置き、本題に入って構わないか?」
「冗談じゃ・・・わかったよ。本題に入ってくれないか・・・(ブツブツ)」

「俺の今の状況は知ってるか?」
「勿論だよ、君の事で知らない事など・・・そうだね、君のハートの鍵のナンバーくらいかな」
 俺は今度は受話器を戻すのではなく、思いっきり机に叩きつけた。
 壊れた受話器を持って振り返ると、ミサトが子機を取り落とし耳を押さえて悶えている。
 仕方なく、壊れた受話器を諦めて、モードをハンズフリーに切り替えた。
「・・・真面目に話し合う準備は出来たか?」
「酷いことを・・・僕の硝子の様に繊細な鼓膜が壊れてしまうよ・・・
とりあえず、準備は出来たと思うよ・・・これ以上は僕がもちそうも無いから」
592騙り手:02/06/01 11:07 ID:???
>>588
>タブリス登場?そもそもそもカヲルはタブリスなのか?
それは答えられない。
第一部のプロットを脱線して勢いで登場させたものの、奴は本来第三部以降登場予定なので、
全く考えていない。
実際、カヲルに対して「奴」という表現を使って「彼」を使ってない所からして、
性別も思い切って女にしてみようか?それとも唯のモーホー美少年にするかすら考え中。
ちなみに、アスカ=飛鳥(フェイ)カヲル=九龍(カオルン)はセットで考えた小ネタ。

復活というか、565が来なくなるまで時間をおいただけ。
語り手君、仕事はどうなったの?
女のカヲルたん(;´Д`)ハァハァ
カヲルって大体FFに登場するときはホモかスケコマ師だからねえ。
ホモかスケコマ師が一番話が作り易いんだろうけど(w

ところで、騙り手が復活したとたん感想が減ったな。大半がROMに回ったか…
596熱血シソジ:02/06/04 14:02 ID:???
「俺と同じパイロットの女が浚われた。込み入った事情で、そいつを助ける必要が出来た」
「女ねぇ・・・」
 何やら誤解しているようだが、こいつの誤解を解く必要性を、これっぽっちも感じない。
 むしろ、永遠に誤解して貰いたい気分だ。

「ゼーレって組織を知ってるか?」
「・・・君が知ってるのは驚きだけど、僕は知っているよ」
「ネルフの上位組織らしいが、今回の事件はそいつらの仕業だ」
「う〜ん、そうだろうね・・・」
 妙に引っ掛かる態度を取りやがる。
「お前、何か知ってるだろ!」
「シンジ君以上には・・・ね」
 こいつにとって情報はビジネスだから、どんな情報も、ただじゃ教えられないって事だ。
 だからといって、こいつの勿体つけた態度に好感を抱く必要も無い。
「良いから、さっさと条件を出せ」
「冷たいなぁ・・・」
「金銭以外の報酬は無いからな」
「・・・つ、つれないなぁ」
597熱血シソジ:02/06/04 14:03 ID:???
「わかった、その条件で頼む」
 俺は九龍の出した報酬金額・・・今までのエヴァパイロットの報酬を上回る額を黙って受け入れた。
「えっ?」
 自分で出した条件を、あっさり受け入れられたことに驚く九龍。
「既に契約成立だ文句は聞かない」
「シンジ君が、そんなに持ってるなんて、僕は知らないよ」
 やっぱり、吹っかけて他の条件を持ち出すつもりだったようだ。
「・・・何処に?如何して?何故に?」
「金持ち?」
「せんせ。そんな大金を何時の間に・・・」
「確かにチルドレンとしての報酬も破格だけど、それでも足りないはずよ」
「それだけあれば、エビチュ換算で・・・駄目よ、私(自負を込める)でも飲みきれないわ!」
 口々に驚きの声をあげる面々。
 そりゃそうだ、俺だってこんなに増えてるとは想像すらしなかった。
 ネルフの自作自演のA-17発動による、日本市場の株価暴落。
 こんな美味しい計画に、知っていて一枚噛まない奴は馬鹿だと思い。
 俺は手持ちの流動資金のほとんど全てを、株価暴落の情報と共に知り合いの仕手師に預けた。
 そして、火傷の怪我から回復した後、仕手師に連絡を取ったところ、
『ちっ!死んでたら全部俺のものに出来たのに』というセリフと共に聞かされた金額は・・・以下省略。
 情報一つでこんなに金が増やせるものかと、驚くやら呆れるやら。
 取り合えず、恐ろしい世界だということだけは認識したので、積極的に関わるのは止めようと思う。
 まぁ、積極的には関わらないが、機会があればまたいつか・・・と。
598騙り手:02/06/04 14:08 ID:???
自分で書いてた、「熱血シンジ」と「熱血シンジ・リメイク」ファイルを
まとめてロスト、その他諸々MyDoc以下を全てロスト。
このスレの話の続きを書くには全く困らないが・・・以下省略・・・やる気なし。
ガンバレ!こんな時こそ熱血だ!
一部が完結次第、HTMLに編集してどっかにうpした方がいいかな?
ただ、FFだけじゃなくてレスとかも面白いからなこのスレ(w
>騙り手殿
強くイ`!

こんなことしか言えなくて済まない……
602熱血シソジ:02/06/06 01:13 ID:???
「おうよ!金なら持ってるぞ!!」
 我ながら下品な発言な気がするが、貧乏は罪だ。
 金で己の節を曲げずに済むならば、俺は金持ちでありたい。
 叔父の下を飛び出し、香港に逃亡したばかりの頃。
 俺は生きるために己の節を曲げる真似をしなければならなかった。
 本当に金に困ったことの無い奴は気づかないが、世の中、金でなければ購えないモノばかりだ。

「シンジ君。君を僕のモノにするのは諦めるよ・・・今回はね」
 奴が本気かどうかは知らないが、背筋に嫌なものが這い回る・・・諦めろよ永遠。
 悪い奴じゃないのだろうが・・・俺以外の人間にとって。
 奴の芝居がかった台詞回し、そして浮世離れした感覚がどうにも相容れない。
 つまり、嫌いって事なのだが、俺は自分の態度を明確にしている筈だが奴に伝わらない。

「当然、MAGIのハッキングは可能だな?」
 俺の後頭部をリツコが殴る・・・彼女の手に握られているのは、またもや緑のスリッパだ。
「勿論だよ」
 九龍が答えると同時に、リツコの顔が怒りに歪む・・・恐いぞ。
「あ、あっさり言ってくれるわね!」
「・・・もしかして貴女は、赤木博士ですか?」
「えっ、えぇ、そうよ」
「始めまして。電話越しですが、お会いできて光栄です」
 リツコの怒りを無視したような、爽やかな対応。
 コレが相手の感情を踏みにじる行為だと理解できない九龍は、
いずれ爽やかな笑顔を浮べたまま、後ろから刺されて死ぬ事になるだろう。
 まぁ、自業自得って奴だ。
603騙り手:02/06/06 01:21 ID:???
慰めてくれて有難う。
コレで少しは、賽の河原で石積む苦労も・・・吐血。

自分の書いている文章は一話の途中からなので、
序章と一話前半をリメイクし、更に今まで書いた文章を手直ししようと思います。
実は二回ほど更新が開いた時に、こっそり上の作業をしていたんです。
復元
ttp://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se192983.html
>誤ってごみ箱から削除したファイルの復元

今回のは復元できる可能性は低いけど持っていて損はないと思うんで紹介。
めげずにがんがれー。
続ききぼーん保守sage
606熱血シソジ:02/06/12 22:55 ID:???
「あなたは一体何者なの?」
 至極まっとうな質問ではあるが、奴とは短い付き合いとはいえない俺自身さえ、
そんな質問を口にしたことはない。
 世の中、知らない方が良いって事が沢山ある。
 逆に、余計なことを知らなくても、人間、生きていくのに困らないものだ。
「知りたいですか?科学者として好奇心旺盛なのは素晴らしい資質だと思いますよ・・・」
 そこで、奴は一拍間をおくと、笑顔を浮べる。
 ファウストを誘惑する悪魔メフィストの如き笑顔を。
「・・・その好奇心に命を捧げる覚悟をお持ちならば、なお素晴らしいと」
「!」
 九龍の言葉にリツコが凍りつく。
 リツコも理解したのだろう。
 今、自分が会話を交わしている相手が、ある一線を踏み越えた向こう側の人間だと。
 だが、その一方で俺も気づかなかった。
 リツコが抱いた感情は、『恐怖』ではなく『嫉妬』・・・いや、もっと昇華され別の感情だったことに。
 そして後に、リツコが自分の好奇心と引き換えに一線を踏み越える瞬間を、
 俺は、今のやり取りを思い出しながら、黙って見つめることになるのだ・・・苦い思いと共に。
607熱血シソジ:02/06/12 22:56 ID:???
「部屋を空けてくれないか?
多分、リツコにとって冷静ではいられない話も出ると思う」
 リツコの感情に気付かないまでも、嫌な予感を感じた俺は割って入り、
二人の会話を打ち切らせた。
「・・・そうね。その方が良いかもしれないわ。
碇司令の事も、貴方たちの事も・・・・・・・・・暫く部屋を空けるわ」
 辛そうな表情を無理に笑顔で隠して、リツコは部屋を出て行った。
 悪いな・・・俺は胸の中でリツコに詫びる。

「・・・九龍。MAGIのデータの中から、外部との通信ログ。
司令と副司令のものを洗い出し、ゼーレ、もしくは相手先の特定ができない・・・」
「シンジ君。リッちゃんのは調べないのかい?
ネルフ本部でゼーレと繋がりがあるのは、司令。副司令。そして彼女だけだ」
 加持が俺の言葉を遮る。
「それは俺の流儀じゃない・・・」
 加持を見る俺の目には軽蔑の光が混じっていたかもしれない。
「やれやれ、随分嫌われたものだ・・・」
 そう呟く加持に対して、『お前も、ゼーレとは無関係じゃないじゃないか?』と口にしてやりたかった。
 この男の言動には怪しい点が多すぎるのだ・・・ワザとらしい程に。
 何故、ゼーレの存在を知っているのか?
 それを知りえたとして、どうして、ゼーレと繋がりのある人間を、リツコ達三人に絞れたのか?
 加持にMAGIへハッキングする技術があると思えない・・・九龍の能力が異常なのだ。
 それ以前に、上官の命令に逆らってまで綾波を助ける動機が不明だ・・・『助ける』動機が。
 気に食わない事に、俺のこの考え自体が奴の予測の範囲・・・奴の俺を見る目が、そう語っている。
「シンジ君・・・君が信用できないのは俺かい?
それとも、シンジ君が君自身を信用していないから・・・同類の俺を信用しないのかい?」
 不意に加持が話の矛先を変える。
「同類?つまらない事を・・・」
 吐き捨てるように、加持の質問を拒絶した。
608熱血シソジ:02/06/12 22:56 ID:???
 そこに、九龍が遠慮がちに声を挟む。
「・・・取り込み中に申し訳ないんだけれど・・・シンジ君?」
「ああ、悪いな・・・誰かのせいで話がそれて」
 大してすまなそうにもなく謝ると、九龍に話を促した。
「言い辛いんだけど、シンジ君が知りたがっている情報は調査済みなんだよ」
 その瞬間。時間は流れる事を止めた・・・ような気がしないでもない・・・かも。

 ・・・やがて世界が動きだした。
「・・・・・・・・・何故?」
「それはだね・・・その前に、怒らないと約束してくれないかい?」
「・・・怒るような事なのか?」
「・・・いや、その・・・で・・・そうそう、ファーストチルドレンを攫った者達の居場所についてだけど」
 九龍は言いよどんだ後、思いついたように話をそらす・・・というか、本筋に戻っただけだ。
「わかった。そっちの話を『先』に聞こう」
「さ、先・・・なのかい?」
「無論。情報の内容によっては情状酌量の余地もある・・・俺を失望させるな」
 この際、時間は何よりも貴重だ、おちゃらけている場合ではない。
 とはいえ、奴が何をしたかは知らないが、許すつもりはこれっぽちも無い・・・
609熱血シソジ:02/06/12 22:57 ID:???
「じゃあ、ビジネスに戻るよ」
 九龍の口調が変わる。
 今までの、気取った・・・軽薄馬鹿な・・・喋り口ではなく、プロの口調。
 香港黒社会において、いや世界中の裏社会の人間から、九対の目を持って全てを見る者として、恐れられた情報収集における化け物。
 俺よりも加持よりも、遥かに深い闇に棲む生き物。
 そして、真の『恐るべき子供』の二つ名を持つ者。
 渚カヲル・・・俺にとっても畏怖と尊敬の対象・・・奴と知り合う前までは・・・
俺が九龍に人一倍辛く当るのは、それが原因だった。

「ファーストチルドレン。綾波レイを助けるための情報。
それだけを伝えるよ・・・『何故』等に答える分は先程の報酬には含まれていない・・・いいね?」
 知っているべき情報。
 知らずにいた方が良い情報。
 そのことを俺以上に知っている奴なりの気遣い。
「ああ、わかってる」
 隣にいる知りたい病のスパイは、不満そうな表情を浮かべるが、無視して話の先を促す。
610騙り手:02/06/12 23:10 ID:???
>>604
ありがとうございます。
「今後」の為に活用したいと思います・・・喀血。
熱血というよりもブラックカラーが強めに出てきたな…
612熱血シソジ:02/06/15 12:34 ID:???
「ファーストチルドレンはまだ日本にいる。
最低でも今週一杯は、ゼーレは彼女を出国させないよ」
「そうだ、弐号機が使えない状況下で、参号機が使用可能になるまでは、
零号機のパイロットを日本から連れ出すわけにも行かないからな・・・この街にいるんだろ?」
 俺の読みが正しければ、綾波は出国どころか、この街から連れ出されていない筈だ。
 そうでなければ、加持が綾波の救出など口にするはずが無い。
「その通り。彼女は第三新東京市・・・しかも、ダミー会社の所有に擬装されてるようだけど、
彼女は間違いなくネルフ関連の施設に監禁されている」
「・・・なんて事なの?」
 九龍の言葉に、ミサトは顔を歪め苦いものを吐き出すように呟く。
「如何いうことなの・・・加持さん」
 怒りではなく、迷子のような頼りなげな表情でアスカが加持に詰め寄る。
「ネルフは一体何を考えてるんじゃ!」
 単純に怒りを爆発させるトウジ。
 三者三様ではあるが、共通点はそれぞれがネルフという組織を信頼していた事。
 使徒から人類を護る正義の味方・・・ネルフか。
 俺は端っから、そんな戯言は信じちゃいない。
 何せ、アノ髭がトップを張っている組織だ。
 俺が契約していた香港マフィア組織に比べて、清廉潔白とは夢想だにしていないが、
そう信じて来た奴らを、馬鹿だと一言で切り捨てる事は出来ない・・・いや、羨ましくすら感じる。
613熱血シソジ:02/06/15 12:36 ID:???
「その施設の住所。出来れば建物内の見取り図に、奴らの人員構成を調べてくれ」
 『出来れば』とは言ったものの、『出来ない』等という返事がくる事を、俺は心配などしていない。
 むしろ、『出来ない』等と抜かしたら、綾波を助けに良く前に奴を殴りに行く。
 だが奴の返事は、またもや俺の予測を超えていた。
「調べなくても、もう『知って』いるよ・・・」
 九龍の声には隠し切れない自慢げな響きがこもっていた。
  『凄いだろ?シンジ君。さぁ、褒めてくれないかい?僕の事をほめちぎってくれないかい?』
 という声が、空気の振動を介さず、俺の頭の中に響いてくるようだった。
「・・・そうか、手間が省けて助かった」
 俺はあえて素っ気無くあしらう。
「酷いよシンジ君。幾ら君と僕との間と言えども、もう少し気遣いが有っても良くないかい?」
 冷たく扱うとすぐに拗ねる・・・一々コレでは、チヤホヤさせた方が扱い易いのだろうか?
 いや、調子に載せると、何れ俺には扱いきれなくなる・・・コレくらいが丁度良い。
「ならば、俺が調査を頼んでいない情報まで、何故知っているか訊いても良いか?」
「・・・シンジ君の手間を省けて、僕は幸せ者だよ」
 九龍は慌てて態度を改める。
614熱血シソジ:02/06/15 12:54 ID:???
>>611
俺は1の頃から、一度たりとも熱血だった事は無い。
強いて言うなら熱血なのは1であり、騙り手も熱血じゃないな。
何?お笑い系にピカレスクな香りは似合わないだと?
611よ、こっちに来なさい。良いから来なさい。すぐ来なさい。
誤解があるようだから二人っきりでゆっくり話し合おうじゃないか・・・

以降、騙り手より
まずい。予定の400Kを目の前にして最終話のノルマを全然消化してない。
500Kまでに、500Kまでにはきっと・・・(また)喀血!

*豆知識:「吐血」と「喀血」の違い
吐血は消化器系の器官からの出血を指し、
大酒のみのミサトや、ストレスに弱いシンジ(シソジに非ず)がお似合い。
対して、喀血は呼吸器系の器官からの出血を指し、
病弱でサナトリュウム文学系の俺なんかは、沖田総司の次くらいに似合う。
>>614
>*豆知識:「吐血」と「喀血」の違い
おお!正確な記述だ。
少し補足するならば吐血の血は不純物が混じっているが、喀血の血は鮮血に
近い、というところか。
騙り手の博識っぷり(;´Д`)ハァハァ
カヲルとゼーレの関係をどう書くかが見物だな。
庵野の如くまとめ切れなくなると想像してみる
保全
騙り手タン、マイペースでがんがれ〜
保守
保全
保守(=゚ω゚)ノ
保全
このスレ気持ち悪い。
つーか終了か?
627騙り手君へ:02/07/09 22:01 ID:???
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
628騙り手君へ:02/07/09 22:02 ID:???
しまった…逝ってくる
もうすぐ1ヶ月・・・
630熱血シソジ:02/07/17 21:47 ID:???
「そうだ!一つ君のためにして上げられる事が有るんだけど・・・シンジ君」
 不都合な話題を遠ざけるためだろう、いきなり話をそらしやがった。
「・・・話してみろ」
「その前に・・・報酬に色を付けてくれないかい?金銭じゃなく・・・」
「結構ですっ!」
「「「早っ!」」」
 俺の即答に、ミサトたちが突っ込みを入れる。

「・・・まず話を聞いてくれないかい?絶対に後悔はさせない自信はあるんだ」
 まるで詐欺まがいの勧誘のような台詞を、勿体つけた言い回しで弄する九龍に、
俺の忍耐の紐は、繊維の一本一本が音を立てて切れていく。
 その繊維の最後の一本が切れる直前に、なんとか理性的な提案をする事が出来た。
「・・・三十秒だけ好きに喋らせてやる。
それで、俺の興味が引けなければ、今後は俺の質問への答え以外は一切口にするな」
「・・・・・・・・・」
「・・・五秒経過」
「ちょ、ちょっと待って・・・二日後に補充の工作員が到着する予定だけど、
それを遅らせる事が出来るので、同時にゼーレとの通信を妨害すれば・・・」
「敵中で孤立したと思い込み浮き足立った連中相手なら、救出作戦もし易くなるな・・・シンジ君?」
 九龍の台詞を加持が引き継ぐ。
631熱血シソジ:02/07/17 21:50 ID:???
「・・・僕の仕事については期待に応えさせて貰うよ」
 そう言い残し、九龍は電話を切った。
「それじゃ、明日のために準備があるんで俺は失礼させて貰うよ」
 加持に続いてミサトも部屋を出る。
「お前達も帰って、明日に備えろ」
「センセはどうすんや?」
「俺も帰って準備があるが・・・」
「何よ?」
「さて、このまま帰ってよいやら・・・一応リツコに確認してから帰るから、先に帰ってくれ」
 不承不承な二人を追い出すと、内線で発令所に繋ぎリツコを呼び出してもらう。
 そして、俺の身体が無事であるかを確認する・・・本当に不安なんだ。
 結果?・・・結果は言いたくない!

 リツコの怪しげな研究室を出ると更衣室に向かう。
 ロッカーに新しい制服と俺の私物が用意されているとの事だ・・・ちなみに、今の格好は病院着。
 更衣室に向かう足が自然と速まる。
 俺の一日はまだ終わっていない・・・綾波を助けるという仕事が残っている。
 そう、俺は一人で綾波を助けに行くつもりだ・・・あの二人を連れて行くのは、
俺にとっても奴らにとっても命取りになりかねない。
wakuwaku
>>631
続きが楽しみナリ、熱血たんガンガレ!!

age
          ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
 熱血シソジキタ━━━━━ i|   (゚∀゚)   .|i ━━━━━━━━━━!!!
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
期待sage
>634はサードインパクト
定期sage
638騙り手:02/07/20 10:52 ID:???
正直済まない。

一ヶ月も開けたのは、俺の病弱な身体のせいです。
喘息に並ぶ、もう一つの持病・・・腰痛の悪化のため、机に向かってキーを打つ作業が出来なかった。
そして、やっと腰の調子が戻って17日に再開した訳ですが、
書いた直後、背中(腰の右上)に激痛が走り、再び腰痛が再発したかと思ったのですが・・・
・・・翌日血尿が出ました(水で半分に薄めたトマトジュースみたいな)。
腰じゃなく肝臓が痛かったみたいです。
流石に血尿には衝撃を受けました。なんせ自分のおしっこが赤いんですから。
肝臓を痛めた原因がわからない、酒はとっくに止めたし、
食事もバランス良く(量は減ったけど)取っていたんだが・・・。

生きてる限り続きは書きたいと思いますんでよろしくお願いします。
流石はサナトリュウム文学系>騙り手
ガムバレ。 イ`。
640熱血シソジ:02/07/21 11:41 ID:???
 突然、目に映る全てから光がゆっくりと抜け落ちていく。
 同時に、身体がバランスを失い傾いていく。
 身体を支えようと左足を倒れる方向に伸ばすが、まるで底なし沼に足を突っ込んだかのように、
左足に床を踏みしめる感触が伝わらない。
 そして、いきなり身体の左側に叩きつける衝撃、一瞬、遅れて頭部への衝撃・・・
意識が飛ぶと同時に、まるで脳の別の場所が働き始めたかのように、俺は状況を掴み始める。
 先程のリツコの言葉・・・
『もし何か有ったとしても、ここ数日で発症するような後遺症はないわ。
そうね、数年後にいきな・・・げふんっげふんっ。
あっ・・・えっと、問題は今の貴方の身体ことよ!
傷が治り輸血も済ましたといえ、数時間前まで危機的状況にあったのは変わらないわ。
幾ら貴方が大丈夫だと思っていても、身体がそれについていかなくなるわ。
人間の身体はそれ程、都合の良いものじゃないの・・・でも改造すれば・・・げふんっげふんっ』
 まったくな話だ・・・幾つか引っ掛かる部分があるが。
 このまま、永遠にしがみ付いて居たいと思うほどの、床への愛着を振り切り、
重力に逆らい身体を起こす。
 歩くための一歩一歩。それさえも自分、気を抜けば思うように動かない。
 それでも、気力を振り絞り更衣室へと歩き続ける。
641熱血シソジ:02/07/21 11:41 ID:???
 更衣室に入り、ロッカーの扉に手をかけると同時に、中から携帯の呼び出しメロディーが聞こえる。
 第九、しかも九龍本人によるハミングだ。
 この展開は、ある程度予想通り・・・驚いたりしないぞ。
 しかし、奴め完全に本部のセキュリティーを掌握して『覗いて』やがる・・・リツコは何してるんだ?

 俺は小さく溜息を漏らしながら携帯を取る。
「やぁ、シンジ君。確認しておく必要があると思って連絡したんだけど」
「あぁ、その通りだ察してくれて感謝する」
「シンジ君は一人で行くつもりだね?」
「あぁ・・・お前もさっき話した奴らのアジト。アレは嘘だろ?」
「シンジ君なら彼らを・・・あの二人を巻き込むのは避けると思ったから・・・」
「・・・お前、最近の俺の人間関係まで良く把握してるな?」
 沈黙の辺りを包み込む。
「・・・・・・・・・そ、それは」
「まぁ、いい・・・しかし、いい加減にしておけよ」
 やんわりと釘を刺す・・・この次は本当に刺すけどな。
「わ、わかったよ・・・自粛する事にするよ・・・・・・(少しは)」
「なんか言ったか?」
「い、いや、何にも言ってないよ!」
語り手がキーボードを血に染めています
正に熱血……頑張れ!
応援sage
語り手マジガンガレsage
646熱血シソジ:02/07/22 20:55 ID:???
 その後、改めて九龍から連中のアジトについて情報を得た。
 そして電話を切ろうとすると九龍がそれを止る。
「いいかい、シンジ君。絶対、携帯は持って行くんだ・・・僕も出来る限りサポートする。
『救出』ていうのは、いつもの『殺し』とは訳が違うよ・・・それに君の身体は」
「ああ、わかったよ」
 何時に無く強い口調の奴の言葉を遮るように、おざなりな返事を返す。
「冗談で言ってるんじゃないよ!僕は本気で心配してるんだよ!
・・・いざとなったら、君は自分よりファーストチルドレンの命を優先させるつもりなんだろ?」
「ああ、そうじゃなければ仕事でも無いのに面倒な真似はしない」
「・・・僕が『行かないで!』って言えば止めてくれるかい?」
「そんな安っぽい奴じゃないだろ?」
「こんな時ばかり、そんな事を言う・・・卑怯だね」
「そんなに怒るなよ」 
「好きな男が、危険を冒してまで他の女を助けに行くの場面で、笑ってなんてられないよ!
僕がどんな気持ちでいるか、シンジ君は判ろうともしてくれないんだね」
「・・・すまない」
 素直に謝る。
 口ではとやかく言いながら、俺は、こいつの気持ちを利用していた。
 しかも、自覚していながら・・・
 認めたくないが、俺は九龍に甘えている・・・この俺がだ。
 思わず口から笑みがこぼれる。
647熱血シソジ:02/07/22 20:55 ID:???
「・・・何が可笑しいんだい?」
 まずいな、本気で怒っている。
「いや、お前を笑ったんじゃない。自分を笑ったんだ」
「?」
「気にするな・・・心配してくれて有難いと思ってるし、これでも感謝もしている。
それを口にするのが照れくさかっただけだ。悪かったな」
「!」
 俺の言葉に、呆気に取られたように言葉も無い九龍・・・失礼な。
「いずれ『礼』をする・・・報酬じゃなくな」
「! それじゃデートを・・・今度会った時には、またデートして欲しいな」
 現金にも一瞬で復活した九龍は即答した。
「ああ、了解だ」
「今度は『最後』まで付き合ってもらうよ・・・シンジ君」
「お断りします」
 負けじと俺も即答する。
「ふふんっ、その気にさせて見せるよ・・・いずれね」
 嫌な予言を吐く。
「だから、それまで君を死なせたりはしないよ・・・じゃあ」
 九龍は、そう言い残して電話を切る・・・悪い奴じゃない、少なくとも俺よりは。
 俺は恵まれている・・・自然に口元に笑みが浮かんだ。
語り手が吐血で水芸を始めますた
定期的保守sage
650熱血シソジ:02/07/28 14:44 ID:???
 本部を出ようとする俺の前に、三人の黒服の男が立ちふさがる。
「・・・どいてくれないか?」
 もっとも、返事は聞かなくても判っているが・・・
「サードチルドレン。本日1800をもって本部内待機と命令が出ている」
「俺は聞いてないがな」
 俺の言葉に、黒服は懐から取り出した紙を突きつける。
「命令は正式なものだ」
「他の連中もか?」
「その質問に対して答える義務は無い」
 マニュアル通りの返事だ・・・が癇に障った。
「・・・命令とは、お前達飼い犬に下されるものだ」
「!」
 安っぽい挑発に、お約束通りに沸騰する黒服たち。
「俺とネルフの関係は、対等な契約による関係だ・・・命令?笑えるな」
「野良犬風情が・・・貴様の意思は関係ない」
 正面の黒服が俺の胸元に手を伸ばすが、その手が届く前に俺の足が奴の股間に食い込んだ。
「早目にリツコの怪しい治療を受けない限り、明日から男じゃなくなるぞ」
 崩れ落ちる黒服の背中に語りかけながら胸のうちで呟く・・・もっとも、リツコの治療を受けたら、
人間じゃなくなる可能性もあるがな。
 その後三分ほどで、黒服相手に準備運動を軽く済ませた。
651熱血シソジ:02/07/28 14:45 ID:???
「・・・着いたぞ」
 携帯で九龍を呼び出し、目的地に着いた事を告げる。
「こちらも、シンジ君の移動中に残りの連中について調べたんだけど。
・・・どうも、ゼーレの子飼いではなく、金で雇われた連中だったよ」
「そうなのか?」
 大層な組織らしいが、自前で兵隊を集められないとは・・・頭の中で、
ゼーレという組織のイメージを下方修正する。
 ・・・結局、俺の認識が甘かったと後で思い知る事になるわけだが。
「それで、連中の事だけど・・・シンジ君の良く知ってる連中だよ」
「?」
「ユニオンだよ」
「!・・・あのユニオンか?」
「そう、犯罪なんとか組合。通称ユニオン・・・名前は間抜けだけど、面倒な相手だよ」
 ユニオン・・・正式名称は長くて忘れたが、厄介な相手だ。
 セカンドインパクト後、魔都と化した香港を事実上支配する犯罪組織。
 従来の幇の枠を超えてあらゆる犯罪を手に染め、その力は香港のみに留まらず、
世界中の裏社会に大きな影響力をもつ。
 組織の大きさも脅威だが、何より問題なのは構成員の質だ。
 香港時代、仕事で奴らとやりあう事も有ったが、痛い目に会ったのは一度や二度ではない。
 勿論、一方的に黒星をつけられた訳ではないが、俺が奴らから奪った白星が、
つまり俺の殺し屋としての評価である事が癪に障る。
               ∧_∧
 熱血タンキタ━━━━.( ゚∀゚ )━━━━━━━━━!!!!!!
               _,i -イ、
             (⌒`    ⌒ヽ     ∧_∧
     ∧_∧    ヽ  ~~⌒γ⌒) キタ━( ゚∀゚ )━!!!
 キタ━( ゚∀゚ )━!!!   ヽー―'^ー-'   _, i -イ、
    _, i -イ、       〉    |   (⌒`    ⌒ヽ
  (⌒`    ⌒ヽ    /     |    ヽ  ~~⌒γ⌒)
   ヽ  ~~⌒γ⌒)   {      }     ヽー―'^ー-'
653熱血シソジ:02/07/29 22:42 ID:???
「ユニオンは、シンジ君に御執心だからね・・・例の件で」
 ・・・嫌な事を言いやがる。
「お前といい、奴らといい、こちらの迷惑も考えて欲しいな」
「あんな奴らと同じ扱いとは、幾らなんでも、あんまりじゃないかい?」
 九龍の抗議はそのまま聞き流す。
 ・・・俺としては、自分の言葉ながら、九龍と同じにされたユニオンへ負い目を感じる。
「・・・まぁ、いいけどね。
ユニオンにとって今回の件は、ネルフのせいで表立って手の出せないシンジ君に対して、
仕掛けられる絶好の機会だから・・・」
「ユニオンも、それ相応の面子を揃えてきてるな」
「その通りだよ。連中の数は三人・・・そして二人がナンバーズ」
「!」
 ナンバーズ・・・ユニオンを仕切る二十人の幹部連。
 幹部といっても実力主義のユニオンの場合は、現場を離れた年寄り達を意味しない。
 それぞれが現役の一流の犯罪者達。
 無論、全てが武闘派という訳ではないが、俺を相手にする以上は・・・バリバリの武闘派だろう。
 まずいな・・・実際、俺が過去に相手にしたユニオンの連中は、全て奴らにとっては雑魚。
 その雑魚と言えども、一筋なら無い使い手達ばかりだった・・・ナンバーズか、まずいな。
654熱血シソジ:02/07/29 22:43 ID:???
「どうする、シンジ君?
周囲を停電させて・・・なんて作戦は奴らに通じないと思うよ。
奴らも、ネルフが動かない事は知っているはずだから、警戒の対象がシンジ君だけなら、
ファーストチルドレンから絶対に監視を外さない・・・僕的には手詰まりだね」
「・・・なら正面から乗り込むさ」
「シンジ君っ!」
 思いっきり怒鳴られて耳が痛い。
「別に自棄になった訳じゃない。
俺の相手にわざわざナンバーズを二人も用意したって事は、奴らは俺を正面から倒したいって事だ。
特にお前が見てて実況中継同然となれば、例の件で俺に潰された面子を取り戻すためにも、
奴らが一対一に応じる可能性が高いはずだ」
「・・・僕の心配は、一対一で勝てるかって事も含んでいるんだけど」
 もっともな話故に失礼なっ!
「大丈夫だっ!・・・多分」
犯罪組織ユニオンか… シティーハン…ゲッフン
熱血シンジ死亡遊戯編
657熱血シンジ(1):02/08/04 07:52 ID:???
皆さんすんません。
学校の方忙しくなってめっちゃ放置してました・・・
一応卒業できたのでこれからはまめに・・・って、
話めっちゃ進んでるぅぅぅぅー−−!!
と言う訳で出る幕無しですね。
シソジ君、この話は任せた。
僕の方は要望があればもう一つのIFを書く事にするよ。
と言うか、帰れって?
うん、分かった。
ありゃ?
マジ・・・?
い、今頃出て来てどうすんの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
初代がキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
660熱血シンジ(1):02/08/04 16:59 ID:???
取りあえず、即席で書いた物だけど、UPします。
これだけの為に新設したフリーHPって・・・・
逝って来ます。
tp://famipara.gaiax.com/home/nekketubaka
1が来たよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
よっしゃー!!!
続き書いてくれたらちゃんと読むよ−?。
                   _
                  / jjjj      _
                / タ       {!!! _ ヽ、
               ,/  ノ        ~ `、  \        _
               `、  `ヽ.  ∧_∧ , ‐'`  ノ      /  `j
     ∧_∧_      \  `ヽ( ゚∀°)" .ノ/    /  /`ー'
    (゚∀゚  )  ̄"⌒ヽ   `、ヽ.  ``Y"   r '      〈  `ヽ
   / ) ヽ' /    、 `、   i. 、   ¥   ノ       `、  ヽ∧_∧
  γ  --‐ '    λ. ;  !   `、.` -‐´;`ー イ         〉    ゚∀゚)    ,-、、
  f   、   ヾ    /   )    i 彡 i ミ/         / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
  !  ノヽ、._, '`"/  _,. '"     }    {         ノ  ' L     `ヽ./  /
  |   ̄`ー-`ヽ 〈  < _ ヽ.    /     `\      / , '    ノ\  ´  /
   !、__,,,  l ,\_,ソ ノ   /   /ヽ、  ヽ.     (     ∠_   ヽ、_, '
       〈'_,/ /   /   /  ノ    ヽ.   )     i  、      ヽ
           | |  イ-、__  \  `ヽ    {   f  _,, ┘  「`ー-ァ   j
        l.__|   }_  l    \ \   |  i  f"     ノ   {  /
        _.|  .〔 l  l    ノ  _>  j  キ |  i⌒" ̄    /  /_
        〔___! '--'     <.,,_/~  〈   `、ヾ,,_」       i___,,」
                          `ー-‐'
初代もキタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!!!!!
ガイアックスかよ。
664熱血シンジ(1):02/08/05 14:55 ID:???
がイナックスと、ガイアックスをかけたんだが・・・
寒かった。すまん。
というかガイアックスが痛い。
666熱血シンジ(1):02/08/05 21:10 ID:???
まぁ、ただの物はつかわな損・・・って、やっぱ駄目か・・・
取りあえず、ここで切れてた途中から続きを書きました。
更新したのは、
第三話後編です。
まぁ、前のも一部手を加えてるけど、暇な人は読んで下さい。
まぁ、“ナ”と“ア”でまったく異なるもんですな・・・
ネット関係無知でごめんなさい。
667熱血シンジ(1):02/08/05 23:25 ID:???
つぅわけで、第三話インターミッション追加しました。
ごめんね。ガイアックス!!
668熱血シンジ(1):02/08/06 17:33 ID:???
やっぱり何の反応も無いね・・・
ところで、なんで下げ進行なの?
放置

リサイクル

活性化成功

元住人所有権主張

倉庫逝き

ありがちな光景
初代の書き込みスピード&量は相変わらす凄いな…
671名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/08/07 00:26 ID:fGvMtvBE
でも誤字が大量にあって読みにくいよね。

真っ当する・・・正しくは「全うする」。これなんか意味がよくわからなかったよ。
672名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/08/07 00:42 ID:Gk2O4ZzD
がんばっってほしいのに〜!
673熱血シンジ(1):02/08/07 06:33 ID:???
>>671
すんませんっす。以後気をつけるッス。
674熱血シンジ(1):02/08/07 19:28 ID:hEYHtszH
tp://famipara.gaiax.com/www/famipara/n/k/nekketubaka/diary.html
↑にて、
第4話前編 「監視者」  Women’s fight
を更新しました。
レレレのおじさん並の理由で発砲する初代熱血シンジ
レレレのおじさんは拳銃を所持していませんが。
677熱血シソジ:02/08/09 18:28 ID:???
 目的のビルの入り口で、俺は後ろを振り返る。
 日が暮れて、さほど時間は過ぎていないというに、周囲の闇は深く濃く、
町を照らすはずの光は驚くほど薄く頼りない。
 理由は簡単だ、この周辺は最初に現れた使徒迎撃の際に戦場となり、
ライフラインは復旧しているものの、未だ建物の多くに破壊の傷痕が刻まれたままで、
住民の半数以上が避難所暮らしか、とっくに他所へ疎開している。
 断わっておくが、ここが破壊されたのは、俺がエヴァに乗る前の話で、壊したのは綾波だ!

「本当に真正面から入る気なのかい?」
「奴らはいきなり俺を殺せない。ゼーレの手前・・・そして奴ら自身の目的のためにな」
「ああ、アレの事かい?」
「俺が持ってても、筋トレの道具にしかならないが・・・無理に奪っておいて良かった」
 九龍と話を続けながらも周囲の気配を探る事は欠かさない・・・本当に誰も居ないな。
・・・自分で予想しておきながら言うのも何だが、奴らはアホかもしれない。
「だから僕が、手数料30%で現金化してあげると言ってるのに・・・」
「ハンターが飾るトロフィー(剥製の方)の様な物だ・・・三階の一番奥の部屋、此処で良いのか?」
 ドアの前で立ち止まる・・・中からは複数の人の気配を感じる。
「・・・そこで間違いないよ」
 押し殺した小声で九龍が答えた。
678熱血シソジ:02/08/09 18:28 ID:???
 一瞬躊躇したが、奴らもドア越しに俺の存在を感じている筈。
 そして、いきなりドアを開けた途端に撃たれる可能性は無い・・・筈なので、
俺はごく普通にドアを開き部屋へ入る。
 部屋の中には、三人の男達と綾波・・・部屋の隅のベッドで寝ている。
 薬でも使ったのか?・・・腹の底から熱いモノが込み上げてくる。
「人質に余計な真似はしてないだろうな?」
 込み上げる熱いモノとは裏腹に、口を出る声からは温かみは抜け落ちる。
 俺の問いかけに、カイゼル髭を蓄えた紳士然とした男が答える。
「此処に連れて来る、それ以外に彼女の意に反するような事を強制はしていない。
・・・君が何を心配しているかは知らないがね」
 『君』ときやがったか、この似非紳士め。
「むしろ、我々の方が彼女を心配しているのだよ。
この部屋に入った途端、我々の問いかけを無視してベッドに入るとそのまま寝てしまい。
未だに起きようとしないのだから・・・余程疲労しているのではないか?」
「・・・いや、この女は隙さえ有れば、何処でも寝ている」
「しかし、この鼾と涎は・・・脳に障害がある可能性もあるので検査を勧めるが」
「そ、それも、いつもの事だ・・・心配かけて申し訳ない」
 つい謝ってしまった・・・何で俺が謝らなければならないんだ?・・・恥をかかせおって。
 瞬間、背筋に悪寒が走る・・・何だ?どこぞのロマンスグレイの副司令の声が聞こえたような?
679熱血シソジ:02/08/09 18:29 ID:???
「・・・しかし、来るとは思っていたが、まさか、堂々と正面から乗り込んでくるとは思わなかった」
 カイゼル髭が苦笑を浮べる・・・三人の男たちの中で、この場を仕切っているのはこいつだ。
 白人のカイゼル髭と巨漢の黒人。そして、見覚えのある男が一人。
 確か名前はソンチャイ・・・ムエタイの元チャンプ、身持ちを崩した人間の典型のような奴だ。
 その実力は・・・香港時代に俺と何度かやりあって『未だに生きている』と言えばわかるか?
「誰かと思えばソンチャイ・・・失態続きで始末されたと思ってたのだが?」
 取り合えず、挑発しておく。
 この程度の挑発に乗るような安っぽい相手には、それに相応しい安っぽい手段が似合いだ。
 実際、こいつの立場はかなり危ういはずだ・・・無論、俺のせいでな。
「糞餓鬼が・・・」
 おやおや、挑発するまでも無くマグマの様に熱く煮え滾ってやがる。
 視線で人を殺せるものならば、俺はとっくに死んでるな。
680熱血シソジ:02/08/09 18:30 ID:???
「で、どうしたいんだ?綾波を人質に俺を嬲り者にしたいのか?
・・・ソンチャイの奴は、既にやる気満々のようだが」
「その程度の仕事なら、最初からソンチャイ一人にやらせている」
 カイゼル髭が答える・・・相変わらず、もう一人の黒人は一言も口を開かない。
「判っているのだろう?
君が我々から奪った白金。1tを返してもらうために、私達は来たのだよ」
 白金・・・元々、装飾品・投資対象・工業用金属として、金以上の価値を持つレアメタル。
 現在、セカンドインパクトの影響で、その採出量は限りなくゼロにまで落ち込んだ上に、
幾つかの新技術の開発に伴い、工業用金属としての需要の増大。
 そのために装飾品への使用と、投資対象としての個人所有は国際法で全面的に禁止され、
その価値は、セカンドインパクト以前の十数倍。
 しかも、需要と供給のバランスは圧倒的に需要に傾いており、
正規ルートとは別に、裏マーケットで取引される場合の価値は、正規の倍程度となっている。
「ゼーレに引き渡す前に、是非とも我々の白金の在処を教えて貰いたくてね。
その為に、君を襲った連中とは別行動で、本来、君の捕獲に失敗した後の、
第二目標たる彼女の身柄を抑えたと言う訳だよ」
 ナイス説明・・・まただ!また誰かの声が聞こえたような?
681熱血シソジ:02/08/09 18:31 ID:???
「そういう訳だ、この女の命が惜しかったら、さっさと白金の在処を吐くんだな。
その後は、死なない程度に痛めつけてゼーレに引き渡してやるさ・・・くくっく」
 ソンチャイの下種野郎が厭らしい笑みをこぼす。
「残念ながら、そうはいかないんだよ・・・現在、白金を持ってるのは僕なんだから」
 電源を入れたままの携帯から、九龍の声が発せられる・・・何時の間にハンズフリーモード?
「何者だ?」
「・・・九龍といえば判ってもらえるかい?」
 得意げな九龍の台詞に、俺は軽い頭痛を覚えた。
682騙り手:02/08/09 18:46 ID:???
初めまして、一人目・・・二人目です。(何だかな〜)
もしかして、俺以上に病弱で死んでるかなぁと思ってました。(ひでぇ)
それでは、ガイアックスに逝って来ます。

>>655
CHじゃなくて、ジーザ・・・ゲフッゲフッ・・・血だ。

ギルドにしてもユニオンにしても、横文字にすると格好いい響きだけど、
日本語に訳するといきなり野暮ったい。
683熱血シンジ(1):02/08/11 18:57 ID:ssGcXrfm
>682
俺は病弱ではありませんが、グ〜タラです。
とにかく、
第4話 後編
第5話 イカリ シンジ
の2話を更新しました。まぁ、暇な人は読んで下さい。
第5話から、かなり変わると思います。
オリジナル好きな人は、ちょっと腹が立つかも・・・
まぁとにかく、
次回予告
第5,5話 渚カヲル
第6話 アスカ パーフェクトストライク
の以上です。
読んでる人居るのかな?いねぇだろうな・・・無駄な努力・・・
どっちのシンジも任侠が染み付いているな
685熱血シソジ:02/08/12 00:39 ID:???
「九龍!そうか君が一枚噛んでいたとは・・・道理でソンチャイが簡単に出し抜かれた筈だ」
「いや、僕はシンジ君が日本へ立つ際に、預けられただけで・・・ほぼ無関係です」
 九龍のあっさりとした返答に、カイゼル髭が間抜けな表情で固まる。
「・・・まぁいい、君達と交渉したい。
君達が持つ白金と彼女の身柄を賭けて、ミスタ碇に、このソンチャイと戦ってもらいたいのだが」
「一向に構わん」
 むしろ、願ったり叶ったりだ・・・と胸の内で呟く。
「ソンチャイっ!これが貴様に与える最後のチャンスだ。勝てなくば、この場で死ね」
 本音はこんなものだろう、紳士然とした態度で取り繕っても、厭らしい髭を付けた奴なんて。
 血走った目で俺を睨みつけてくるソンチャイの視線を無視しながら、そんな事を考えていた。
「僕にも戦いの様子を見せてくれるかい?
勿論、納得のいかない手段を使った場合は、結果に関わらず白金は君達の手には渡さないよ」
 九龍が条件を加える・・・また何か悪巧みを?
 奴の考えは、俺にも掴めない。普段はとぼけていが・・・。
「・・・好きにしたまえ」
「シンジ君、よろしくね」
686熱血シソジ:02/08/12 00:39 ID:???
 目の前にソンチャイが立つ。
 隙が無い構え、以前に比べて体が締まっている。
「以前の俺と思うなよ。現在の俺は現役当時よりも強い!」
「付け焼刃で、一度なくした強さが戻ると思うなよ」
 香港時代の俺も身体を鈍らせても、技を鈍らせる真似はしなかった・・・自慢にはならんがな。
 しかし、技まで鈍らせた奴が、短期間に取り戻せるほど『強さ』ってモノは安っぽくない。
「抜かせっ!」
 一気に間合いを詰めるソンチャイに、俺は引かずに奴の間合いへと左足を滑らすように入る。
「しっ!」
 鋭い呼気とともに、ソンチャイは駆け引き無しの左ハイキックを繰り出す。
 対して俺は、右脚に重心を残しながら、左足を更に滑らせ腰を落としていく。
 ハイキックは、俺の頭上を疾リ抜けていく。
 しかし、次の瞬間。奴は奥の手を繰り出した。
 腰を落とし低い位置にある俺の顔を目がけて、右膝を蹴り上げる・・・左脚を宙に残したままだ。
687熱血シソジ:02/08/12 00:40 ID:???
 だが、俺は左足を更に滑らせ腰を落としていく。
 奴の右膝は俺の右こめかみに軽い衝撃を残して通り過ぎる。
 俺は180度開脚直前に左足で床を踏みしめ、重心を右足から左足に移す。
 そして、一気に右脚を左脚へと引き寄せ、身体を180度捻る。
 俺の目の前には、宙に両脚を残したままのソンチャイの後姿。
 一拍おいて、奴の左足が床を捉えた瞬間。
 俺は奴の頭へ左旋風脚を放つ。
 為すがままにそれを受けたソンチャイは、まるで棒を倒したかの様に地面に倒れ・・・死んだ。
 痛みを感じる間もなく、何が起きたか知る間もなく死んだ筈だ・・・
俺達のような悪党にとって、悪い死に方じゃない。
688騙り手:02/08/12 00:46 ID:???
>>683
四話前編まで読んできた。
・・・ずるい、腕を上げてやがる。(他に言う事は無いのか?)
俺は一向に腕が上がらんなぁ。

じゃあ、続き読んでこようかな・・・やっぱり寝よう。おやすみなさい。
689熱血シンジ(1):02/08/12 21:28 ID:8WNfMEpR
誰も待ってないだろうけど・・・
とにかく、
第5話インターミッション 渚カヲル
を更新しました。
感想とかあったら・・・書き込んで欲しいけど・・・無理っぽいなぁ〜〜
とにかく、別物としてみてください。
んじゃ。
分岐物ですな(w
691名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/08/12 23:16 ID:/O7iEEjV
http://buruma.sports-reports.com
普通のAVに飽きてきている人!
ロリ−タビデオを探してる人はここで買いましょう!
初心者にも優しく、種類も豊富。
一度興味本位で買って見るのもいいと思うよ。
幼〜高3まで、、サンプルもカタログにあるんで見てみよう。
後悔はしないです!

>1のキャラで一番熱血なのは加持だな。2代目で一番熱血なのははアスカ
そして両方とも取り返しのつかんほどシンジがクールな罠
693熱血シンジ(1):02/08/13 09:41 ID:OdlkWW50
少しややこしいので、説明入れておきます。
ほとんど似たような世界になってるけど、若干というかかなりキャラクターの性格が違うのは、
ある一つの出来事から出来た分岐みたいな物なんです。
シンジが、エヴァと一体化する事により、最初のシンクロ実験で母を拒むんです。
ここで受け入れたら、自分と同じ将来になると、
そこから、大きな違いが出て来たということです。
ゲンドウは、ユイが非業の死を遂げなかった事で、ユイ、レイに固着する性格では無くなります。
レイの存在が、ユイに似た存在ではなくなった為、ナオコは自害する事も無くなります。
ナオコが自害し無かった為、リツコの性格は屈折する事無く生きる事になります。
そして、ユイの実験が失敗に終わる事で、アスカの母の実験も、良い方向で失敗に終わります。
それから、レイとカヲルの存在、これはシンジが望んでいた事が反映した事で、
その存在が使途に似た人間では無くなります。
まぁ、こんな話・・・そこらへんに転がってますね。
アイデアが貧困ですんません。本当・・・
6941:02/08/14 17:46 ID:???
ganbareyo-
>1のページ、短期間で異常にでかくなったな…
すでに1000レス級に成長している
696熱血シンジ(1):02/08/14 19:45 ID:RChjbFBA
第6話 前編 後編の二編を更新
エピローグはまだですけど、結構自分では読み返して面白いんだけどな・・・
一応、まぁ・・・ネタバレと言うか、自分の中のキャラクターイメージソングばらします。
シンジ:ストーム OVAゲッターロボの奴です。
んで、俺の中での第二の主人公、
加持は、シャ乱Qの 愛 JUST ON MY LOVEです。
歌詞の中の「あいつ」は、ミサトの中の自分って事で、かけました。
まぁ、どうでも良いです・・・こんな話・・・
あと、書いてる最中注意してるのは・・・
ロボット=逆転&爽快性だと思うんで、以後の戦闘は心がけます。
取合えず、キャラクター自己紹介は、指令、副指令を除いて全部終わらせました。
楽しみにしてる人なんて居るのかな・・・
>696
飯時に綾波が読んでいた本って、まさかネオ麦…ゲッフンゲッフン
698熱血シンジ(1):02/08/14 19:51 ID:RChjbFBA
おっと!ミスった。
ストームじゃなくて、HEATSの方です。
「熱くなれぇ〜」の方です。
699熱血シンジ(1):02/08/14 20:03 ID:RChjbFBA
>>697
ああ、それはね。色々と関連あるんですよ。
エヴァの標準装備って、プログレッシブナイフでしょ?
それで、リツコは、シンジが来る前にナイフを持つと少年はどう変貌するかって言う
心理学の参考資料として買うんですけど、
シンジ自体が、そんな甘ったれた世界の住人じゃないんですよ。
それで、読んだのは良いけど、途中でアホらしくなってしまって、
自室の机の上に放置するんですけど、それを綾波が偶然発見、
一般少年少女の穿った心理が書いてある本に興味を示す。って事です。
まぁ、最近の少年犯罪をちょっと違う角度で、とらえて見たんです。
ほら、原作の方では、ナイフ一つで叫んで戦うシンジが居たでしょ?
ああ言う事にならないかと、リツコは過度に心配していた。と言う事です。
見えない所で、リツコはシンジを気にかけていたって事ですね。
ちなみに、熱血〜でのリツコは、髪の毛は地毛色です。
研究一筋に生きている為に、男性関係に不器用な20代中盤な女の人です。
以上かな?
700700:02/08/14 20:07 ID:???
700
>>699
読んでみた。加持とカヲルのキャラにカナーリ不満があるものの、
中々面白いとオモタ。
EVAはこれからが難しいね
オリジナルではリツコは30代前後じゃなかったけ?
まあ、この話しの中では変わっていてもキニシナーイけど
30ぴったり。
ところで30代でミサトやリツコみたいな、あんな美人でスタイル良いオバサンな
んてTV以外ではお目にかかれないのが現状。
まぁ、それでも大半は一目でババァって面してるけどね。

しかーし、自分の叔母はまさしくそれに当てはまるんだ!これが。
子供産んでるし、離婚した事で今家にいる訳だが、身長は165あるし、家の中で
はぴっちりとした服を着てる所為で、ウエストが細いのも確認済み。胸もまずDはある・・・と思う。お尻も垂れていない・・・と思う、服の上からの確認では。
顔は昔、街のスーパーの衣料品の広告出演に依頼された(ちっちぇ・・)、とい
う自慢をするだけのことはある。
だから今、マズイ。滅茶苦茶マズイ。二人きりの時とか襲い掛かりそうで、こら
えるのが非常にきっつい。いやほんとしゃぶりつきたくなる腰ってあるんだなぁと実感。本音でマジキッツい。目の前の人参にお預けくってる馬みたいな感じだよ。

でなにが言いたいかというと、シンジの本編の態度はおかしい!と言う事。
普通なら寝ているミサトの布団を捲りショーツずらしてむしゃぶり付く筈だ!
俺なんて普通の美人の叔母の色気に当てられて、進退際まっているのに。俺が厨房の頃はセンズリマンセーだったもんだ。目の前に美女の腰があった日にゃ、あーた。

どっちにしろスレ汚しですね。スマソ
705熱血シンジ(1):02/08/15 07:20 ID:kc9Qzb7v
>701
ありがとうございます。
>702>703
30歳だったんですか、まぁ、今更変えられないので、このまま通しますわ。
>704
それは、エヴァ好きの人なら誰でも思うことですうよね。
俺も不自然に感じたので、シンジの過去にはちょっとした女性絡みのストーリーを用意したんです。
まぁ、ジョジョに公開して行きますわ。
>>704
熱血シソジの方が>376の辺りで一回襲っているが(w
707熱血シンジ(1):02/08/16 17:41 ID:Rmu0ohnD
今さっき家の近所で爆発がありました。
アメリカは怖いところです。
ともあれ、ヘリが五月蝿い夜中に、「第六話 エピローグ」を更新しました。
アメリカじゃぁ、デス アンド リバースがやっと発売されました。
アメリカ版DVDは結構凄かったデス アンド リバース。
メニュー画面が、シンジのウォークマンの液晶だったり、
マギと言う名のデータベースあったり、
鑑賞中字引で詳細説明あったりと、中々こった出来でした。
ちなみに、熱血にし様としたクールシンジ君の声は、
緒方恵美の脳内ボイスで読まず。中原しげる氏か、ゾナーで読んで下さい。
おながいします。以上!
加持はその昔核戦争の危機の中、深海で謎の生物とコンタクトを…
>707
>1って留学中orアメリカ人?

アメリカ版DVD良いな…
710熱血シンジ(1):02/08/17 08:01 ID:SkELE8wX
>>709
マコトに残念ながら、誤字は多いけれども日本人をやってます。
大学を卒業したので、しばらくしたら日本に帰ります。
闇討ちはどうかご勘弁願います。
ところで、昨日EVADVD購入時に、スプリガンを衝動買い。
ますますゼーレの組織感が狂ってきます。
多分気付いてる人は早期の段階で気付いていると思いますが、
綾波レイは、NO1スプリガンの彼が元ネタになってます。
バラさないで下さいね。気付いてる人。
アスカは、まぁ、これは次第に気付く人も居ると思います。
この時点で気付けば、貴方は神と言えるほどのモーオタでしょう。
それでは、
じゃあ、綾波はダー●エン●ェルのマッ●スにダブらせてみるか
712熱血シンジ(1):02/08/17 18:38 ID:RNPXbySM
第六話 インターミッション更新
しました。
あんまり面白くないです。ダラダラ書いた感が否めませんが、
一応、最後の方に繋がるカギです。
次回は、
第7話(未定)です。
リツコは>699で地毛という事になっているが…
地毛で金髪?それとも最近染めたの?
714熱血シンジ(1):02/08/18 06:07 ID:+OZo9ICz
>>713
これから、もとの色に染め直す様です。
715熱血シンジ(1):02/08/18 15:40 ID:UUiBVzAa
ちょっとアンケートとります。
鈴原トウジの妹の名前は、何が言いですか?
ネタが無ければ、ちゆで行きます。
あと、洞木氏は、どんなキャラが良いですか?
無ければあのまんまで行きます。
716マヤ:02/08/18 15:42 ID:ZYBlVFBV
パターン黒!こいつら馬鹿です!!!
>715
ゲームオリジナルキャラを使うのはどう?
719熱血シンジ(1):02/08/19 00:32 ID:EArw5sVp
霧島マナは、使う予定です。
書いている最中、洞木氏は原作通りにします。
あと、第7話…読んでいてあんまり面白くないと感じる人も多いと思います。
まだ書いている最中ですが、まぁ、あんまり楽しみにしないで下さい。
おさまり効かないので、前編後編にまたも分かれます。悪しからず。
720熱血シンジ(1):02/08/20 16:51 ID:+N1MTGM4
第七話 前編 PURBERTY
第七話 後編 マリオネット
を更新しました。
あんまり面白くないです。自分で読んでそう思います。
けど、まぁ、書いた物はしょうがない。
いいんちょだけ氏。ひょっとして某スレ読んでる?
アスカの獣性?にはちょっとだけ驚いた。普段の性格とのギャップでいくつかエピソードが出来そうではないか。
それにしても道具にされ利用され孤独を味わい、絶望を経験し、消滅させられた上、
記憶からも消されかけた基シンジがあまりにも哀れ。
723熱血シンジ(1):02/08/21 10:03 ID:J7biWErX
>>722
後々説明を入れるつもりでしたが、取合えず簡単な説明だけ入れときます。
基シンジは、エヴァに故意に取りこまれる事によって、長い眠に就き、
自分の魂を分割させ、もう一人の不完全なシンジを創造します。
それが、熱血シンジ、本編の主人公です。
基シンジの闘争本能だけで作られたシンジは、基シンジ(EVA)に触れる事で、
自分の中に、今までに無い悩みを持ち始めます。
そして、基シンジとのコンタクト、
基シンジは、熱血シンジの身体、魂を乗っ取ろうとします。
分割された物は、一つに戻らないといけない…と、
まぁ、ブレスオブファイヤー4ですな。これは…
っで、基シンジは、自分の意志が消え、逆に熱血シンジに取りこまれて今に至ります。
と言う事ですわ。推敲して書いてないのでややこしいと思いますが、ご勘弁。
どちらも面白い。
が、(1)さん。誤字多すぎ…。「夜間(ヤカン)に水を張り」はさすがに戸惑った。
勝手に赤いれていい? と言ってみるテスト。
相変わらず既存の中学生から逸脱したシンジダッシュ。
13年で熟成された処世術なぞ、どんなに大人染みていても、どこか抜けてるもんだと思うんだけど
まぁ、面白いからいいか。
726熱血シンジ(1):02/08/21 17:32 ID:Qy/hHPVN
取合えず、8話更新。
誤字多いのすんません…
気付かない所にある物ですね…
注意はしてるんだけど、如何せん漢字を忘れ過ぎってのもあります。
6年近く海外にいるから、日本語もあまり上手くないし…ご勘弁!
727熱血シンジ(1):02/08/21 18:04 ID:???
>>724
本当に申し訳無い。脳内保管…は無理か、
>>725
一応、いくつかの欠陥ではないんですが、個性は入れてあります。
シンジも、大人じみている様に思えるんですけど、本当は何かが欠落しているんですよ。
それを、徐々に知って行き、その存在に気付いていくんです。
それは毎回いれてるんですけど、それを深く説明して行くと、更に長くなるので、
必要最低限の事ばかり書いています。
だから、「なんで、こんな事早く気付けるんだ?」って展開が多いのは、
皆の相談や、考える時間等を省いているせいです。
今回の話も、長くして書いてたら、本当に暗い方向に進んでしまったので書きなおしました。
それぞれの悩み、それを気付いて貰えたら、本望ですわ。
728熱血シンジ(1):02/08/21 18:26 ID:???
最初はふざけて書いていたけど、今のコンセプトは、
シンジ:死を大人よりも知る少年
アスカ:自分を恐れ、他人を恐れ、そして従う少女
レイ:自己確立に執着する少女
です。
シンジは、最初の滅茶苦茶な設定からのこじ付けだけど、まぁ、何とかして見せます。
アスカは、本来のアスカの姿って、アメリカ人女性に多い傾向なんですよ。
自分のプライドに固執して、自分を高める事と、他人を見下す事を同じにして見る。
そして、出し抜かれた時に、精神破綻する。過食症、拒食症等になりやすい。
よく見た例です。
これは、アメリカの国民性にあって、幼児期に褒められると、それを大人になってまでも保持する人が多いんです。
褒められる事=プライドの簡単な方程式に置き換えて、生きて行く。それしかできない大人のできあがりです。
アメリカには
好きだから付き纏い、嫌いだから近寄らせない、その簡単に思える人間関係は、
本当は一番難しい生き方なんだ、って事に気付けない人も多いんです。
だから、この作品でのアスカは、
自分は誰かの決めた道を歩き、それに従う事で居場所を作ろうとする女の子にしたんです。
自分の本性を知ろうとしないまま…
一方レイは、後ろめたい過去を持ち、他人は自分を受け入れないだろう、と思い生きる女の子、
だから、この作品のアスカのように、明るく振舞い、皆に好かれようとする。
けど、それは自分自信で無い事に苛立ちを持っていた女の子なんです。
本当の自分を出す事に怯えているんです。
シンジは、自分を出す事に恐れも恥も無い、それが人間だと思いこんでいる少年です。
泣いていても誰も助けてくれない、血を流しても誰も癒してくれない、
悩んでも、自分でしか解決できない。
だから、常に一人で生きてきた世界から、優しさに溢れた戦場に出ます。
最初は甘えや、浮世絵事だと思いこんでいた世界の中で、
シンジは、今まで知る事も無かった事を知り始める。
だから、今までの力を使い、それを護ろうとする少年です。
まぁ、説明はこれで終わりにしときます。
>自分のプライドに固執して、自分を高める事と、他人を見下す事を同じにして見る。

何年か前に雑誌の記事で、アメリカ人男性の国際結婚願望が高まって来ている、
とかいうのを目にした事がある。一番人気がロシア人女性だったような・・。

向こうさんの女性陣は、上記の風聞を裏付けるような方達ばかりですか?
なんて関係ないレスをして見る
これだけ凶悪な使い手が揃うと人類の天敵シトが雑魚キャラだな(w
731熱血シンジ(1):02/08/22 08:38 ID:???
>>729
日本人女性はもてますよぉ〜、
何でこんなプレデターみたいな顔の子が!!?ブラピ風と!!?
ってなカップルよく見かけます。
これは本当に自慢じゃないけど、私もストーカーに何度か被害にあいました。
まったく知らない人が毎日電話かけてきて、挙句の果てには車の車種、所在地、
等、事細かに調べられ、それをその女友達にわけまくり、
一日に知らない女性から20数件電話があることもしばしばでした。
最後にブチ切れて、「お前のやっている行為は、犯罪行為に他ならない行為なんだぞ。」
って、言うと、泣きながら謝るわで…
まったく、度が過ぎてから気が付く人種です。アメリカ人…
まぁ、皆が皆そうじゃないですけどね。
>>730
ですが、人類の最大の天敵は使途ではなく、ヒトですから…
そこの所も考えています。
>731
答になっているような、いないような・・・。
つまりアスカは過食症の… ただの大食いか
しかし、誤字は気をつけていないの?
相変わらず怒涛のような筆力だけど、誤字だらけ。
作品の価値を落としてる。
ファンとしてちょっと悲しい。
>734
海外がながくなるとマジで漢字を忘れるらしいから勘弁してやれ。
736熱血シンジ(1):02/08/23 05:08 ID:???
>>732
うむぅ〜、何が言いたかったんだろう…
とにかく、アメリカ人女性は怖いのが多いと言う事です。
>>733
アスカは、精神的には少し弱いだけで、元気な子に設定してあります。
けど、昔から食べることだけが楽しみな子なので、よく食べるという設定にしてあります。
痩せの大食いなんですが、それには少し理由もつけておきました。
御楽しみに、一応、チルドレン達は、食べることに少し問題を抱えさせています。
これも御楽しみに。
>>734
申し訳無い…気をつけているんですよ。
けど、勢いがついて来ると、やっぱり見落しが多いです。
悲しませてごめんなさい。
>>735
フォローありがとう。
737熱血シンジ(1):02/08/23 06:13 ID:???
今回は食べ物についてちょっと説明。
シンジは、作る事は好きだけど、あまり食べないようにしてあります。
これは、シンジが空腹=生きている証拠だと思い込んでいる為です。
少しの空腹なら、何も無い情操感の中で唯一生を感じる事が出来るからです。
ですから、朝食、夕飯以外は、あまり口にしていなかったけど、
周りの環境が変わり、それに合わせる事で無理して食べています。
レイ、カヲルに関しては、食べ物の制限、に悩んでいます。
そこら辺の似非ベジタリアンの様に、肉は極力食べない、
のではなく、食べてはいけない体質なんです。
だから、周りの人達はそれを自然に気遣います。
それに、感謝も表せれば、その日の気分で皮肉にもなりかねないほど、
彼等は悩んでいます。
アスカは、まだストーリー中にはありませんが、
実は、家族が有って無いような物なんです。
子供の時に何度か会って以来、実は面識が殆ど無いんです。
生活の殆どは、研究所の人達、そして、一人で生活をしていました。
娯楽も特に無く、言われた事を従順にこなしていくだけの生活、
その中で昔から食べる事だけを楽しみにしてます。
その為に、人よりも多めに食べ物を食べる体質になってしまった…と言う事です。
738熱血シンジ(1):02/08/24 11:06 ID:???
次回予告は
第9話 何もない一日、その中にある輝き
です。
引越しの準備があるので、これで取合えず、一区切り…
まぁ、要望があればまた日本で書きます。
一区切り?
暫く書かないって事?
う〜むせっかく興が乗ってきたとこだったのに・・・。
740熱血シンジ(1):02/08/24 14:44 ID:???
>>739
いやいや、日本に帰る準備があるから、少し忙しくなるんですよ。
一週間もすれば元のペースとまでは行きませんが、更新していきますよ。
あと、今回をターニングポイントとして、分岐点をいくつか用意します。
例えば、本編で、誰かが何か選択に迫られるとしますよね?
そこでは答えをうやむやにしますが、
インターミッションでここでの投票が多かった奴にしようかなと思うんです。
まぁ、とりあえず、今月最後であろう話は、鋭利製作中です。
一区切り前なのにアスカの元ネタがまだ分からん。
モーヲタじゃないから?
742熱血シンジ(1):02/08/25 13:09 ID:MkuIP6UE
第九話 前編 更新しました。
日向がこんなにも、目立つSSはなかったなぁ。いい味だしてるしね。
追い掛けていた相手が返ってくる時には、眼鏡の話題を振られている様が中々に
笑える。
本を真面目に読むシンジの様子が、いつもとのギャップもあって余計幼く見え
た。このSS他と比べると、こういう日常の描写がきめ細かくていいねぇ。
とにかく今回は今迄で一番面白かった。興味深かった。
744熱血シンジ(1):02/08/26 12:08 ID:SUdrkKWD
>>741
喋り方を似せてるんですけど、このままじゃぁ〜、エロゲーのヒロインぽくて…
もとネタは、石川梨華です。喋り方と、鳥嫌いと言う所だけ。
まぁ、鳥嫌いなのは、ペンペンからませられるかなぁ〜と思っての事なんですけど、
個人的に失敗です。
>>742
後編に、買い物に行く話用意してたんですが、
まだ途中です。最近忙しくて余り書けません。
平行してデビルメイクライも書いてるので…
力不足で申し訳無い。
けど、お褒めの言葉ありがとう。
まぁ、ここでネタバレでもないけど…
日常を細かく書く理由って言うのは、
人間にとって日常って本当に大事なんですよ。
毎日楽しい事が無くても、ちょっとだけ違いがあれば、それは思い出になる物なんです。
それを無くして、やらなければ行けない事なんて出来ません。
原作のEVAでは、日常って、ミサトがえらそぶった口実とか、
気まずい雰囲気とか、空元気とか…そう言う、気を使わなくてはいけない日常ばっかりに感じたんですよ。
だから、熱血では、日常での変化を描写したいなと思うんです。
それだけです。
俺以外書き込みがあんまりないなぁ。
誰もいないのだろうか?中々の良作だと思うんだけどな。
746名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/08/26 23:48 ID:AWiu92RG
個人的には騙り手のバージョンの続きが読みたいよ。
ミサト :「ビールおねがぁ〜い。」
リツコ :「私は水でいいわ。」
加持「 :そうだな、じゃ、俺もビールで。」
日向  :「僕は、何かお茶みたいなのあるかな?それで。」
青葉  :「あっ、俺、水で良いッス。」
マヤ  :「私もお茶で…」
カオル :「ボクは、いつも通り水で。」
アスカ :「あの、私も水で。」
綾波  :「水、お願い。」
シンジ :「えっ?ああ、俺か…そうだな…お茶で良い。」

で、ファイナルアンサー。
>>746
語り手さんも最近見ないね。
人物描写は初代さんの方が、力入ってて好みだな。
初代のは性格がまるっきり違うキャラが多くて、チョイ違和感ある。
まぁ、それもまたFFの良いところなんだろうけど。
つうか面白いんだけどね。
お〜い初代さんまだ〜?
保守った方がよろしいか?
保守sage
754熱血シンジ(1):02/09/07 03:25 ID:???
久しぶりです。日本に帰ったものの、書く暇がありません…
やっぱり、一人暮しは時間があって良い物です。
とりあえず、暇ができれば更新しますので、マッタリ待っててください。
待ってるよ〜
お願い、続き書いてね。
僕の名前は碇シンジ!好きな言葉は1,2,3,ダー!
保守ほっしゅ
ほしゅー
2代目も1ヶ月以上来てないし…
>>759
肝臓が痛くて血尿がでたならば、既に死んでる可能性が高い。
肝臓が痛むってのは手遅れな場合が多い。
>760
(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
補修
保守
保全
2代目のご冥福を…
>>765
こらこら勝手に殺すな。
『まだ』生きてる『かも』しれない。
保守。1さんまだかなぁ〜。

「俺の名前は碇シンジ。まぁ、シンジとでも呼んでくれ」
なんて、貞本版シンジに言われたら、(;´Д`)…ハァハァ??
保全
hosyu
770熱血シンジ:02/10/22 02:40 ID:???
本当に申し訳無い…
更新しようにも物を書く時間が本当に無いのです。
日本に帰ってきたのは良いものの…色々真剣に悩む事だらけ…
楽しみに待っている方には大変申し訳無い次第です…本当…
11月中旬には少し時間が出来ると思います。
それまでは…もうしばらくお待ちを…
久々に1さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
気長に待ってます
熱血sage
クールにサゲ
sage
まだまだ待ってるsage
>>777
スリー7
待ちくたびれ気味の sage
年末だねー
2代目よ、生きてるのか?
ご冥福を…
二代目はクリスチャン。
じゃなくそれっぽい人間(つか、まんま本人)のFFを偶然見つけた。
見つけた時はワラッタが続きも書けYO!
>>783
その2代目の転生場所はどこ?
785熱血シンジ:02/12/20 17:20 ID:???
すんません!!
まったく時間がないと言うわけでもないのに、
就職活動をしていたら、大した事してないのに妙な満足感…
駄目人間です。
気長に待っていてください。お願いします。
久々にキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
けどお預け
>>783
見つけた。
シンちゃんがアスカさまとラヴラヴ登校
「今日、転校生が来るんだってネ!どんな子かな〜」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan01.html
このシンジ様にぶつかるとは何様のつもりだ!!
「イッツツツツツ・……」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan07.html
パンツのぞき魔なシンちゃん♪
エヘヘ・・…ご、ごめんネ☆マジで急いでたんだぁ〜
「???」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan09.html
シンちゃんの後頭部
ホントぉー!ごめんネェー!
「・・……」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan10.html
789名無しが氏んでも代わりはいるもの:02/12/29 23:05 ID:EaSMfWQs
シンちゃん呆然。アレをピクピクアスカ様♪
「・・……」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan11.html
エロエロシンジ君♪
「なぁぁ〜〜にぃぃぃーー!?」
「・・で、見たんか?その女のパンツ?」
「べつに見たってワケじゃ…チロっとだけ」
http://www6.big.or.jp/~monga/hokan/thokan12.html
あけオメ
791山崎渉:03/01/11 04:47 ID:???
(^^)
ディーフェンス
793熱血シンジ:03/01/19 19:56 ID:???
すんません、全部不慮の事故で消えてしまいました。
ちゃんとバックアップとっておけばよかった・・・
激しく鬱です。
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!

ガンガレ…
前のならハードディスクに残っているけど必要?
>>793
ガ━━━(゚Д゚;)━━ン!
こっちもローカルで保存してるよ。
797山崎渉:03/01/23 04:55 ID:???
(^^)
類似スレあったんでアゲ
799熱血シンジ:03/01/30 00:16 ID:???
がんばって執筆中です。
本当に気長に待っていてください。すんませんっす。
800吉野家 ◆jVi91maZ8I :03/01/30 04:18 ID:???
遅れてごめんなさい。吉野家です。
801騙り手:03/02/01 00:26 ID:???
   | .┌┐
   |/ /
   |  /
   |Д゚) <ダレモイナイ・・バナナオドルナライマノウチバナナ!
   |⊂ |
       ┌┐
     ♪ ヽ \
   ♪    i ヽ \
        (゚Д゚ ) | <バナナンバナナンバーナーナ-♪
       ⊂|  υ |
        i  i  |
       ヾ_,ノ _⊃
         ∪"
          __________________
           .┌┐▼
    ♪     / / ミ☆ ゴインッ
      ♪ ./ / i
        | ( ゚Д゚) <バナナンバナナンバーナー・・
        | ц   |つ
        |  i  i
        ⊂_ヽ_,ゝ
           "し
802騙り手:03/02/01 00:27 ID:???

   〃  :   〃 ポテ
  .__   ∨.   .,.、 
 |゙`ヽー,.-、=ー'" i⊃
  "\ヽ ゚lニ[,....__/i⊃
.    \゚ー' ヽ) ,ノ
.       ̄ ̄ ̄
           ミ
〃.__        ∩ ジタバタ
 |゙`ヽー,.-、=ー' i
  "\ヽ ゚lニ[.ノ~)/iつ ))
      \゚ー' " .,ノ
       ̄ ̄ ̄
  .__  〃     ,.、 ジタバタ
 |゙`ヽー ⊂ー--'" iつ ))
  "\ヽ ゚lニ[ ...__,.∩
      \゚ー'∪  .,ノ
       ̄ ̄ ̄ 彡
.  .._  .  . ..  .,.、  ………
 |゙`ヽー,.-、=ー'" i⊃
  "\ヽ ゚lニ[,....__/i⊃
.    \゚ー' ヽ) ,ノ
       ̄ ̄ ̄ 
803吉野家 ◆jVi91maZ8I :03/02/01 05:21 ID:???
('ё')もの凄くビミョー
>>801-802
語り手?
805騙り手:03/02/02 23:26 ID:???
         .┌┐
        / /
      ./ / i  ムク
      | ( ゚Д゚)
      |(ノi  |)
      |  i  i
      \_ヽつ,つ


        .___┐
      .// /┘
      |  i  |) <語り手ッテダレダヨ?
      |  | ∪
      |  i  i
      \_ヽ_,ゝ
   トボトボ .(/~ ∪
     三三三
   三三三三
  三三三三
  三三三 
で、不治の病は治ったのかい?
807騙り手:03/02/04 21:00 ID:???
富士の病は高山病
不死の病はTウィルス
不治の病は馬鹿と一緒
やっぱり死ななきゃ治らない・・・・・・

         .┌┐
        / /
      ./ / i 
     Σ| (; ゚Д゚) <コ、コロスキカ?
      |(ノi  |)
      |  i  i
      \_ヽ_,ゝ
        U" U

A:殺す気満々!
2代目キタ――――(゚∀゚)――――!!
809騙り手:03/02/05 22:43 ID:???
旅に出ていた。
そう、長い旅に・・・例えるならば回遊魚。
栄養豊富な北の海を巡り、脂をたっぷりと蓄えて生まれた川に帰ってきた。
後は繁殖して死ぬだけ・・・やっぱり死ぬのかよ!

休んでる間に、他のFFを書いていた。
とあるHPでペンネームを変えて書き続けているが、未だ終わる目処も立っていない。
勿論、こっちの話も投げ出した訳じゃない。
こそーり続きもちゃんと書いていて、綾波救出編も終わっている。

だが、以前消してしまったリメイク版を復旧しているうちに、本編との整合性が取れなくなってきて、
全体的に手直ししない限り、発表する堪えないと判断した・・・

そこで、一人目にお願いです。
原作:熱血シンジとして、このリメイク版をどこかのHPで発表する許可をもらえないでしょうか?
(現在、お世話になってるHPはエッチ厳禁なので、掲載不可)
…かまわん。やれ 

by ゲンドウ
811熱血シンジ:03/02/08 01:34 ID:???
>>809
どう言うことです?
私の作品を何処かで公表すると言うですか?
それとも、「熱血シンジ」と言う名前を使って、貴方が書いた作品を公表すると言うことですか?

名前を使うのはOKですよ。
この名前自体捨てハ・・・げふん!
812騙り手:03/02/08 21:26 ID:???
>>811
え〜と、説明すると・・・
151〜687まで「熱血シソジ」という名前でFFを書き込んでいたのが自分で、
その話は基本的に139までの話の続きとして書いていました。
現在、最初から書き直したバージョンがあるので、
そいつを何処かのHPに投稿する際に「原作:熱血シンジ 文章:俺(PNを決めてない)」
として発表しても良いでしょうか?・・・という訳です。
813熱血シンジ:03/02/08 21:55 ID:???
>>812
別に良いですよ。けど、説明は入れといてくださいね。その載せるサイトにですけど。
>>813
了解です・・・感謝。
初めて来たけど、イイね。一気に読めた。

1がいなかったらこのスレはなかったけど
語り手がいなかったらここはとっくに氏んでたわけだしね。
がんがれ>語り手さん
で、終了ですか?
817名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/02/17 19:47 ID:9Tdypgo+
二代目さんのサイトでやってるの?
見たいんだけど。
818熱血シンジ:03/02/17 22:08 ID:???
皆さん本当すんません。
日本に帰ってきてから時間があまり無いんです。本当…
編入先が決まって今は、資金を工面してる最中…
マジで日本は金がかかる国です。
海外に居た時の分の税金もあるし、
バイトすらみつからないし…
時間が出来次第執筆スタートしますので、末永く…では困るか、
とにかく待っていてください。

・・・・・・・・・・
>>1の頃と全然違う自分がなんとも…とにかく閉口しときます。
まあ、帰国で誤字は減ったな(w
保守しなくても大丈夫そうだが、保守sage
ほーしゅ
822山崎渉:03/03/13 16:46 ID:???
(^^)
保全
過去のダウソしたものを読んでいるんだが、
続きをおながいします(;´Д`)…ハァハァ

保守sage
825名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/03/29 23:06 ID:T7XRbdjh
age
保守
827名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/11 23:23 ID:h2wMOLod
「碇シンジ」って、なんとなく熱血そうな名前だよなぁ
怒り神事
829山崎渉:03/04/17 11:44 ID:???
(^^)
保全
831熱血シンジ:03/04/24 23:53 ID:???
祖父の葬儀も一段落し、大学生活にもそろそろ慣れ始め、
趣味に没頭できる暇も出来たので、そろそろ執筆再開します。
いやぁ〜、ここに来れない間に色々ありました。
もうここまで来たら、終わったものだと諦めたつもりで待っていてください。

ところで、碇ゲンドウの旧姓、「ロクブンギ」って漢字でどう書くんでしょうか?
分かる方教えてください。
>>831
お帰り。
のんびり待つよ。

ろくぶんぎ=六分儀
熱血キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノ━━━!!!!
>>832
ありがとうです。

一応、避難用に本ページに掲示板をだいぶん前から設置してます。
もしよろしければどうぞ。
835名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/26 04:42 ID:P+AQroEQ
あ!熱血さんだage
836もし俺がシソジだったら:03/04/26 09:05 ID:???
1、テレビ版第一話でevaに乗る前に第三使徒にケンカ売って踏み潰されてる。
2、第四使徒でトウジとケンスケを踏み潰してる。
3、第五使徒戦のヤシマ作戦で陽電子砲を撃つ時にハイテンション
4、第六使徒戦でアスカに弐号機に乗せてもらえない。
5、第七使徒戦でユニゾンが成功せずにサードイソパクト。
6、第八使徒戦でマグマの中に飛び込めない(熱そうだから)
7、第九使徒戦で発令所まで逝かない(暗い中ダルイ)
8、第十使徒戦で逃げる(怖いじゃん?)
9、第十一使徒はevaは関係なし(確かね・・・)。
10、第十二使徒戦で虚数空間に飲み込まれてそのまま。
11、第十三使徒戦でトウジごと参号機をためらいなく殲滅。
12、第十四使徒戦で逃亡→サードイソパクト。
15と16は俺関係ないね。
んで最後のカヲルをそもそも好きにならないから
ためらわず殲滅→自我崩壊しない→サードイソパクト回避→(゜д゜)ウマー
アリかな?
837空回り俺:03/04/26 09:30 ID:UCX2rrSo
:もし俺がシソジだったら
1、テレビ版第一話でevaに乗る前にタバコを吸う。
2、第四使徒でトウジとケンスケを入れない、絶対入らせない。
3、第五使徒戦のヤシマ作戦でGBAで『wiz外伝T』をプレイ
4、第六使徒戦でアスカに『キモ太郎』というあだ名がつけられる(其の後学校中に広まる。
5、第七使徒戦でユニゾン成功しすぎで。。。。。。
6、第八使徒戦でマグマの中に『wiz外伝T女王の受難』を落とす(溶ける)
7、第九使徒戦で変な気分になる。すこしドキドキする。(キモ太郎ともっと言って下さい!!)
8、第十使徒戦で靴紐に足を躓く(ナイキ)
9、第十一使徒はボクが18禁サイトに入ったタメだったりします(確かね・・・)。
10、第十二使徒戦で虚数空間に飲み込まれ泣くそして母親を思い出して泣く。
11、第十三使徒戦で覚醒。
12、第十四使徒戦で加持とタバコを吸いながら加持からテクニックを教わる。
15と16は俺関係ないね。
んで最後のカヲルはそもそもツボだから。
抱きしめる⇒愛⇒サードイソパクト(愛の世界 )⇒サンライズ!
アリかな?

スレ違いです。
保守だな
虚数空間?
841熱血シンジ:03/05/10 00:17 ID:???
一応更新…
でも、なんか…しっくり来ないので、しっくり来たい人は、次回更新まで待って下さい。
次回予告…瞬間心重ねて

多分…もうすぐ書き終わると思います。
今の今まで、大学の教授の手書き調書をタイピングして清書してました…
バイトなんですが…象形文字?と言うほど読みにくい字で、尚且つ私よりひどい誤字脱字…
世の中、上には上がいる。

では!
熱血キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
玉の輿はは昼飯代に困る貧乏から始まった…
844名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/14 19:53 ID:lhmLglhq
age
846山崎渉:03/05/28 13:30 ID:???
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
847熱血シンジ:03/06/05 19:23 ID:???
もうちょっと待っててください。今筆止まってます…忙しい…
ところで、この作品の世界観で、もしスパロボに出るなら…
他の参戦ユニットはどんなのが理想ですか?
ラーゼフォンとZ.OEのジェフティー
つーかこの世界観だとロボよりキャラ方が重要視されそうかと
>>848
ラーゼフォンはちょうど米に居た最中なんで知りませんが、
ZOEなら…こんな感じですか?

ディンゴ「なんだぁ、新型のOFか…ADA解析を頼む。」
ADA「………データベースに存在しません。新たな情報を入手する為には…」
ディンゴ「ちっ、わかったわかった、見た所OFじゃなさそうだな…こちらから仕掛けてみるか。」
ADA「対象の戦力を把握しないうちは得策とは思えませんが?」
ディンゴ「なに、ちょっと叩く程度だ。」

シンジ「ん?なんだ!この速さ!くっ!攻撃を受けた!ミサト!」
ミサト「今解析中よ…何なのこの速さ…日向君急いで!」
シンジ「ATフィールドである程度は跳ね返せるが…後ろからとなるとそうはいかんな…」

ディンゴ「なんだ?攻撃を跳ね返したのか?」
ADA「現在既存するOFには、あのような特別且つ完璧なフィールド形成は不可能です。」
ディンゴ「つまり…何もかも謎って事か。」
ADA「現状では、対象の特別なフィールドを貫く方法はありません。」
ディンゴ「なに、何処かに隙があるはずだ。」

シンジ「くそっ!また来たな…アスカ!綾波!ATフィールドで捕縛する…俺が囮になる。いいな。」
レイ「了解…」
アスカ「捕まえるって…アレを?」
シンジ「仕掛けてきたのはあいつだ。捕まえて何者か吐かせてやるさ。来るぞっ!」

こんな感じで燃えますか?
>>849
空間圧縮砲撃のベクターキャノンならATフィールドを打ち破れるやもしれませう。
ゾーイ陣営にビッグバイパー加えたり、ADAとマギのハッキング合戦もありですね。
1さんはどうなの?
なんかこう、理想の参戦ユニットとかあるの?
オリはガオ房なんでガオ
>>851
こんな感じですか?
って、何やってんだろう・・・俺・・・

大河「ゴルディオンハンマー!!承認!!」
卯月「了解!!セイフティデバイス!!リリィィィヴ!!」
ガオガイガー「よし!!フィールドの中和を頼んだぞ!!シンジ君!!」
シンジ「よしっ・・・綾波は俺に続け。アスカはコアに止めを頼む。」
レイ&アスカ「了解!」
ガオガイガー「ハンマァァァ!!コネクト!!」
シンジ「ATフィールド・・・広域展開!!一気に中和する!!」 使徒に接近しフィールド中和
レイ「展開・・・・・・今よ!」
ガオガイガー「ハンマァァァ!!ヘブン!!はぁぁぁぁ!!てぇぇぇい!!」 ハンマーヘブンでコアを抉り出す。
ガオガイガー「コアを頼んだ!!はぁぁぁ!!」コアを後方に投げる。
アスカ「マゴロク・・・・エネミーモード・・・・!」
ガオガイガー「ハンマァァァ!ヘルッ!!うぉぉぉぉぉ!!光になれぇぇぇ!!」 使徒の身体を消す
アスカ「・・・・・・行きます!!」 コアに集中攻撃

何をやってるんだ・・・なんだか恥ずかしい・・・
( ´,_ゝ`)プッ
プ
ディバイディングドライバァァァァァァァァ!!
      ↓
町もATフィールドも割れる
      ↓
回りの損害を気にせずN2爆弾撃ち放題ウマー
( ´,_ゝ`)プッ
プ
858熱血シンジ:03/06/12 22:42 ID:???
もっすご恥ずかしい・・・
名前入れ忘れた上に、これ以上無いほどの嘲笑の荒らし・・・
へこー
気にすんな
熱血なんだからそんなこと気にせずがんばれ
応援sage
華麗に保守
862名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/04 00:58 ID:m6fWK1Ta
7月
863名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/04 01:56 ID:fLugAqKz
私が作りました!見てね♪
http://nuts.free-city.net/index.html
864名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/04 07:17 ID:uyYqMT7N
http://plaza16.mbn.or.jp/~satchel/wareme_tatesuji/omanko/
美少女のワレメが丸見えでつ。(*´Д`*)ハァハァ
865名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/10 18:59 ID:UZLy8mwe
移転
866またしても猪狩シンジ:03/07/10 19:17 ID:???
age
867またしても猪狩シンジ:03/07/10 21:53 ID:???
age
868山崎 渉:03/07/12 08:17 ID:???
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869山崎 渉:03/07/15 11:39 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
870名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/18 03:27 ID:ItEr72AE
綺麗なおねーさんのオマ○コ…
http://plaza16.mbn.or.jp/~satchel/wareme_tatesuji/omanko/

やっぱりイイィ!(*´Д`*)ハァハァ…
871だがね共和国:03/07/19 01:40 ID:???
429 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/07/15 00:01 ID:???
だがね

アク禁にならないのなら、全スレで煽ってやるから
全部にレスつけろ、コラっ。

全部煽れない負け犬
872だがね総帥:03/07/21 18:15 ID:???
429 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/07/15 00:01 ID:???
だがね

アク禁にならないのなら、全スレで煽ってやるから
全部にレスつけろ、コラっ。

全部煽れない負け犬



ageとく
874だがね総理大臣
429 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの :03/07/15 00:01 ID:???
だがね

アク禁にならないのなら、全スレで煽ってやるから
全部にレスつけろ、コラっ。

全部煽れない負け犬