(19)
『・・・・おや、思い出してくれたのかい、私との逢瀬を?』
(ッ!?)
少女の意識に直接語りかけてくる、存在し得る筈の無い"声"。
理解不能な出来事の連続によって混乱の極みに達しつつも、
<ヴァリスの戦士>は、反射的に"声"のした方向
・・・・遠ざかっていく<ファンタズム・ジュエリー>の軌跡の先を仰ぎ見た。
その、刹那ッッッ!!!!
五つの<ジュエリー>が強烈なエネルギーを放出し、
闇に閉ざされた不浄なる墓所に、烈日の如き光と熱が降り注ぐ。
あまりにも強く烈しいその輝きに、思わず目元を覆う、優子とヴァルナ。
一時的に視覚を失い、混乱する二人の頭の中に、
静謐さに満ちた、だが、人間的な温かみなど一片も感じさせない、冷え冷えとした思念が侵入してきた。
『良くここまで辿り着けたものだ。
君に賭けた甲斐があったというものだよ、優子・・・・』
(20)
「ま、まさかッ!?」
愕然とするあまり、瞳を灼く眩い光も無視して、両目を見開いた蒼髪の少女。
凍てつく白夜のような、純白の輝きの向こうに、
その場所には・・・・否、世界の何処にも、存在している筈の無い、青年は、佇んでいた。
優子よりも幾分背の高い、均整の取れた体躯。
端正な面立ちと強い意志と理知の輝きを湛えたエメラルド色の双眸。
<ジュエリー>の欠片から放射される強大な霊気に煽られて宙を舞う、プラチナ・ブロンドの髪筋。
足元まである水色の長衣を纏った出で立ちは、紛れも無く――――。
(21)
「ア・・・・アイザードッ!?ど、どうして・・・・あなたがここにッ!!
あの時、わたしを庇って、ベノンに殺された筈じゃ・・・・!?」
忽然と眼前に現れた青年の姿が信じられず、掠れかけた声で問いかける<ヴァリスの戦士>。
対する、<暗黒界>の魔道士は、玲瓏たる微笑を湛えつつ、淡々と言葉を紡ぎ出した。
「機が熟するのを待っていた、というのが、最も正確だろうね。
ログレスを筆頭とする邪魔な連中の目を欺くために、
肉体を捨てて、魂だけを<ファンタズム・ジュエリー>に移した、というカラクリだよ」
「・・・・なっ!?そ、それじゃあッ!!」
予想だにしていなかった答えに、思わず、絶句する優子。
言葉を失ったパートナーに代わって、銀髪の少女がアイザードの前に進み出たものの、
ドライアイスの如き視線に射すくめられた彼女の面は、今にも卒倒しそうな程、青白く引き攣っていた。
かろうじて発する事の出来た問いかけも、舌鋒鋭い詰問、という形容には程遠く、不安と恐れに震え慄いている。
(22)
「な、何故です?何故、そのような策が必要だったのです・・・・!?」
フン、と尊大に鼻を鳴らす、プラチナ・ブロンドの元<夢幻界>人。
まるで、まともに答える必要すら感じない、くだらない質問だ、とでも言いたげな表情で、
目線も口調も微動だにさせず、ただ口元にだけ、皮肉っぽい微笑を浮かべながら、回答を寄越す。
「・・・・概ね、君の想像している通りだよ、ヴァルナ。
フフッ、<夢幻界>にいた頃と違って、随分とモノ分かりが良くなったじゃないか。
――――あるいは、君のその変化は、優子と行動を共にしてきたためかな?
何しろ、以前の君と来たら、私がどれだけ手を尽くそうと、
誰が時空の統率者として最もふさわしいか?という当然の疑問すら抱こうとはしなかったんだからね・・・・」
(23)
「アイザード!!ま、まさか・・・・!?」
驚愕に両目を見開く、ヴァルナ、そして、優子。
だが、元<暗黒五邪神>の魔道士は両者の上げた声にならない悲鳴を無視すると、
冷え冷えとした視線を、足元で無様に蠢き続けている醜悪な怪物へと移動させた。
「まぁ、いずれにせよ、君たちには礼を言わせて貰うよ。
生みの親である私のために、実に良く働いてくれた・・・・
君たちの頑張りがあったからこそ、私は、そこに転がっている、死にかけの腐肉のカタマリを手に入れる事が出来る訳だし。
・・・・実は、最初の予定では、封印はログレスに解いて貰うつもりだったんだけどね、
麗子の出方を少しばかり読み違えたせいで、その選択肢は放棄せざるを得ない事態に陥ってしまったんだ」
(24)
「あの時は、さすがの私も少し焦って、柄にも無い三文芝居を打つ羽目になってしまったよ。
いやはや、あの娘・・・・麗子には手を焼かされ通しだったね、ハハハ――――」
最後はいささか苦笑気味に言葉を締め括った青年は、
次の瞬間、出現した時と同様に、掻き消えるようにいなくなり、
――――空中に浮かんだ<ファンタズム・ジュエリー>との一体化を遂げた。
そして、衝撃に打ちのめされた<ヴァリスの戦士>たちが為す術も無く見つめる前で、
降り注ぐ光の矢へと姿を変え、眼下に這いつくばる怪物を目掛けて、急降下していく。
「やめてえェェェッッッ!!!!!!」
その意味する所を悟った、優子とヴァルナ、二人の悲鳴をバックコーラスに、
五つの欠片は、彼らの真の主に命じられるがまま、次々と<魔>のたるんだ皮膚を貫いていく。
直後に解き放たれた、強大な<明>の力は、滅びに瀕していた邪悪な魂を瞬時に屈服させると同時に、
消滅寸前だった肉体に、恐るべき勢いで、生命エネルギーを吹き込んでいった。
(25)
『グォオオオォォオオオオッッッ!!!!』
先刻までの弱々しい唸り声では無く、
<封じられし魔>本来の、底知れぬ邪悪さと荒々しい欲望を内包した雄叫びが、
不浄の闇に閉ざされた地下空間に響き渡る。
本来ならば、<夢幻界>の聖石を構成している純粋なる<明>のパワーと、
<魔>の醜怪な肉体の基となっている<ヴェカンタ・オア>とは決して相容れない存在同士の筈である。
だが、(ヴァリアを除けば)おそらく、三界の誰よりも<ファンタズム・ジュエリー>の性質を熟知しているアイザードの手にかかれば、
<ジュエリー>から放たれるエネルギーを用いて、正反対の性質を有する<暗>の申し子を救命する事など造作も無い、と言っても過言では無い。
驚愕に凍りつく二人の少女の前で、
腐りかけの爬虫類の死骸を思わせる、醜く爛れた巨大な肉塊は、見る間に生気を取り戻し、蘇生していく。
のみならず、周囲に漂う<ヴェカンタ>までも取り込んだそれは、
骨格や筋肉、内臓器官を再構成し、重厚な漆黒の鎧までも作り上げて、
巨人――――否、かつてログレスが夢想したに違いない、世界を完全に無に帰す邪神の姿へと変貌を遂げてしまったのだった・・・・。
(26)
『ハハハッ!!素晴らしい、実に素晴らしいよ・・・・このカラダはッ!!
まさに神の肉体と言って良いだろう!!・・・・そうとも、今や、私こそが神ッ!!
穢れに満ちた旧き世界を粛正し、無に帰した上で、完全なる世界を産み出す、新しき創造主なのだッ!!』
大地を踏み締めて立ち上がる、黒鉄の魔神。
ギリシア彫刻のように厳めしく、荘重な雰囲気さえも漂わせる相貌から、
プラチナ・ブロンドの魔道士の勝利宣言が高らかに響き渡った。
「そ、そんな・・・・」
己れの身を犠牲にしてまで自分を救い、道を指し示してくれた恩人、
と信じて疑わなかった青年からの最悪の裏切り行為に、
呆然と立ち尽くしたまま、遥か頭上を見上げる事しか出来ないでいる、蒼髪の少女。
「こ、ここは危険だわッ!!一旦、地上へ出ましょうッ!!」
ヴァルナの叫びも耳に入らない様子で、その場から動こうとしない。
――――と、漆黒の巨人の胸元・・・・おそらくは、五つの<ジュエリー>を意匠としているのだろう、同心円状に配置された五つの宝玉の周囲から、
のたくる大蛇にも似た、無数の触手が伸びてきて、二人の<戦士>へと襲い掛かってきた。
(27)
「あうッ!!」「きゃあああッ!!」
突然の急襲に回避もままならず、
雁字搦めに縛り上げられてしまう、優子とヴァルナ。
まるで、蜘蛛の巣に絡め取られた蝶の如く、
なけなしの力を振り絞った抵抗も空しく、二人の身体はズルズルと引き摺られていく。
『ほう・・・・これは、何とも・・・・』
その光景に、厳めしく引き結ばれていた巨神の口元がふと緩み、
・・・・まるで、アイザード自身が嗤っているかのような、辛辣な笑みが浮かび上がる。
『肉体を奪われ、魂を支配されてなお、優子を犯したい、という欲望だけは捨て切れぬのか?
・・・・フフッ、良いだろう、<魔>よ。
新しき神の恩寵を以て、貴様の最後の望み、叶えてやろうではないかッ!!』
(28)
「ひィッ!!」「い、いやァアアッ!!」
為す術も無く、胸元の宝玉の所にまで連れ去られてしまう、少女たち。
――――だが、そこはまだ終着点では無かった。
一切の物理法則を無視して、触手の群れは、彼女たち二人を、宝玉の内側・・・・邪神の胎内へと引き寄せる。
終末の巨人の腹の底、三界を律する因果律さえ及ばぬ永劫の牢獄の奥で、
今度こそ、誰にも邪魔される事無く、<ヴァリスの戦士>を犯し、穢し尽くす――――そのために・・・・。
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、第31章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存じます〜。
なお、(最初に書き忘れてしまいましたが)本章は、
(概ね)ZOL先生のコミック第4巻P.124〜P.136に相当する部分をエロパロ化したものです。
ただし、最後の部分のみ、それよりも少し後のページの内容を踏まえた上で、
コミック本編とは少し異なる描写としていますので、ご注意下さいませ。
さて次回ですが、3月末から4月中旬ぐらいを目途に、
不定期連載の『戦士集合!』の第10章をお送りしたい、と考えています。
ただし、毎年の事なのですが、この季節は一年のうちで仕事が最も多い時期にあたりますので、
状況によっては、やむを得ず、5月以降に順延となる可能性もございます。
その際には、何卒ご容赦の程、お願い申し上げます。
それでは、本日はこの辺で失礼します〜。
乙でした
前スレは何時の間にか落ちてたのか
おお、復活しとる!
37 :
名無しさん@ピンキー:2014/02/10(月) 22:42:59.19 ID:e4Wl3Ul6
w
お待たせしました〜。
不定期連載『戦士集合!』第10章、本日完成しました。
只今より、投下作業を開始いたします〜。
39 :
ARCH DUKE:2014/04/05(土) 21:27:25.10 ID:ztcE0l42
(1)
――――<鏡面世界>。鏡の間。
『アッ・・・・クハッ・・・・ウッアァアアアッ!!』
あられもない乙女の嬌声が、陰鬱な空間に響き渡る。
岩肌が剥き出しとなった地面に、四つん這いの姿勢で両手をつき、
交尾中の雌犬の如く、高々と振り上げた下半身をさかんに打ち揺らしているのは、
新たに捕囚に加わった、サイド・テールの少女・・・・アシャンティの守護者たる<レダの戦士>。
適度な豊かさを帯びるしなやかな肢体は銀色の汗滴によってベットリと覆われ、
あられもない喘ぎが漏れるたび、ビュクビュクと跳ね躍っている。
女神レダから与えられた<戦士>の証・・・・ラピス・ブルーの光沢を帯びた聖なる甲冑は、
今やその大部分が剥ぎ取られ、惨めな女囚の周囲に無造作に打ち捨てられていた。
(2)
ぐちゅッ・・・・ずりゅッ・・・・ずちゅッ・・・・じゅちゅるるッ!!
覆い隠すモノのなくなった禁断の花園
――――つい先刻、無法な凌辱者に踏み荒らされ、無残にも散らされてしまったピンク色の秘花弁は、
グロテスクな外見の偽根によって現在も貫かれており、
冷酷なる責め具で肉襞を蹂躙される、女性としてこれ以上は無い、屈辱感と敗北感を与えられ続けている。
『アハハッ、良い声で啼くようになったじゃないかッ!!』
サイド・テールをむんずと掴み、サディスティックな哄笑を放ち上げる、<変幻戦忍>。
メタリック・シルバーの戦闘スーツの腰には、特注のペニスバンドが装着されており、
牝壺に向かって、荒々しいリズムを刻みながら淫猥な抽送運動を繰り返していた。
(3)
『ひあッ・・・・んく・・・・んああッ・・・・くはぁあああッ!!』
絶え間なく漏れ続ける喘鳴には、官能の色が滲んでいた。
電流のような快感が高々と突き上げられた下半身から上半身へと流れ下り、更に手足の先端へと行き渡っていく。
男根を模した漆黒の責め具を押し込まれ、捏ね回されている陰唇粘膜は、
つい先程破瓜を迎えたばかりだというにも関わらず、早くも淫熱に蕩けかかり、半透明な蜜をじゅくじゅくと溢れさせていた。
『ほら、もっと腰を上げなよッ!!子宮の奥までグチャグチャにしてやるからさッ!!』
情け容赦なく、ピストンを繰り出しつつ、アスカは、目の前の桃尻に、ぺしッ!と平手を見舞う。
途端に、括約筋が、キュウッ、と縮まり、尻肉が、プルン、と弾んだ。
嗜虐の欲望を刺激せずにはおかない反応に気を良くした女忍者は、
ディルドーの律動を、更に早く、力強いものへと変えていき、哀れな獲物を嬲り尽くそうと試みる。
(4)
『あ・・・・あぁんッ!!あうッ・・・・うふぁあああッ!!』
感極まったよがり声を発しつつも、必死にかぶりを振る、サイド・テール娘。
それでも、少女の膣孔は敏感に反応し続け、愛液を垂れ流してしまう。
鋭敏さを増した下半身の感覚は、もはや、どんなに僅かな変化であろうと見逃す事無く、
腰椎の許容する限界まで跳ね上げた尻を、凌辱者の眼前でプルプルと痙攣させずにはいられなかった。
『アハハッ、なんて情けないザマなんだいッ!!
<ヴァリスの戦士>と並び称される<レダの戦士>も、一皮剥けば、タダの牝ってコトかいッ!?』
<変幻戦忍>のテンションもまたウナギ昇りで、留まる所を知らぬかのようである。
けたたましい哄笑を放ちながら、腰を遣うだけでは飽き足らず、
小刻みにヒクヒクと戦慄いている菊門の窄まりにまで指を伸ばし、皺孔の表面をいやらしくなぞり始める。
(5)
『い、いやぁッ!!そこは、だめぇッ!!』
反射的に下半身を捻って逃れようとするものの、
特大のディルドーによって深々と刺し貫かれている状態では夢物語に過ぎなかった。
逆に、無理な動きをしたせいで、より一段と深い所まで漆黒の偽根の侵入を許し、
最も敏感な場所を焼け火箸で突き抜かれるかの如き、激烈な痛みと性感を感じさせられてしまう。
『ああッ!!イヤッ・・・・もう、イヤァあああッッッ!!』
更に、アナルまでもが邪悪な凌辱に曝される。
たったの指一本――――だが、媚肉を徹底的に犯し抜かれ、膣内はおろか子宮の奥まで疑似男根によって占領されている状況でのそれは致命的だった。
鍵のかかった門扉をこじ開けるようにして狭穴に突き入れられた指先は、
女体の他の箇所では生み出し得ない独特の快楽を少女に与え、僅かに残っていた理性の欠片まで粉々に打ち砕いてしまう。
(6)
『アッアアッ!!や、やだッ・・・・しゅごい、しゅご過ぎるぅッ!!あはぁアアアアッ!!』
悲痛な叫びともあられもない喘ぎともつかない、絶叫が響き渡った。
一杯に張り出した肉傘の盛り上がりと、ここまでリアルに作り込む必要があるのか?疑問に感じられるくらい、実際の男性器に近い形状に設えられた、鋼鉄の張り形の感触に、気が狂いそうになる。
火照り切った蜜壺は、憎むべき仇敵のイチモツを受け容れるたびに歓喜し、大量の愛液を垂れ流していた。
ひと突きされる度に、うなじの周辺がカッカと火照り、
今にも、ポキリ、と折れそうな急角度で弓なりにしなりきった背筋に、ゾクゾクッ、と悪寒が走る。
まるで、肉体のみならず、精神までも犯され、穢し尽くされていくかの如き感覚に、我知らず、涙が零れ落ちる――――恥辱では無く、喜悦によって涙腺から押し出される、熱い涙が・・・・。
――――その一部始終を、陽子は、屈辱に震えつつ、ただ眺めている事しか出来ずにいた。
(7)
「フフッ、どうだい、自分とウリ二つの『人形』がヤラれてる様子は?
所詮はニセモノって言ってしまえばそれまでだけど、あたしは結構オツなモンだと思ってるんだけどねぇ」
歪んだ笑みを浮かべつつ、ライディは、形の良い耳に口元を寄せ、囁きかけた。
くぅッ、と、悔しげな声を漏らし、囚われの少女・・・・朝霧陽子は精一杯の眼力を込めて、エルス大陸の女戦士を睨みつける。
「お〜っ、コワイコワイ。あんなにたっぷりとエネルギーを吸い取られたってのに、まだそんなカオが出来るなんて、さすがに<レダの戦士>サマは鍛え方が違うようだねぇ」
大仰な仕草で驚いてみせる、<雷の戦士>。
勿論、本気では無く、顔面には嘲りの笑いが張り付いたままである。
テスト
失礼しました。
どうやら、新種の連投規制に引っ掛ってしまったようです。
投下作業を続行します。
(8)
当然と言えば、当然だろう。
目の前のサイド・テール娘――――アシャンティの<戦士>陽子は、
地面から生えた漆黒のクリスタルの中から頭だけを出して、
身体の残りの部分・・・・しなやかに伸びた手足も、やや小ぶりだが美しくまとまったバストも、
程良くくびれたウエストも、キュッと引き締まった形の良いヒップも、皆全て、
<鏡使い>の邪悪な魔力によって創造された、黒水晶の拘束具によって縛められ、固められてしまっていた。
無論、彼女の意のままに出来るのは顔の筋肉だけで、それ以外は、文字通り、指一本動かせない。
生きながらにして、硬く冷たい墓碑の下へと埋葬されてしまったのも同然の、
滑稽なまでに惨めな境遇に陥っていたのである。
(9)
加えて、陽子は、ライディとアスカによって<鏡使い>の許に運び込まれて以来、
邪悪な魔道の技によって身体に宿る生命力を容赦無く搾り取られていた。
冷酷非情な・・・・というよりも、むしろ、人間的な感情とは無縁な、という形容する方がふさわしい、<鏡面世界>の支配者ではあったが、
鏡の中に捕えた<戦士>からのエネルギー吸収は、
彼女の姿形と能力をコピーした魔生物を一体生成するに足る分を奪い取った時点で、一旦、打ち止めとするのが常のやり方だった。
『人形』は生み出された際だけではなく、活動時にも一定量のエネルギー供給が必要である。
一人の<戦士>から同時に複数体の生成が不可能という訳では無いのだが、
数が増えれば増える程、オリジナルにかかる負荷は増大していき、
限界に達した時点で、<戦士>自身は人事不省、『人形』は行動不能に陥ってしまう。
その点を考慮すれば、一度に生成し活動させる事が可能な数は一体のみ、というのが、概ね妥当なラインと言えるのだが・・・・。
(10)
『クスクス、ほら、見てごらんよ。また、新しいアンタが生まれて来るわ』
「うう・・・・くうッ・・・・」
ハァハァと荒く息を注ぎながら、ライディの指差す方向を眺めやる、サイド・テール娘。
視線の先に立ち並ぶ、自らのカラダが埋め込まれているのと同じ形状の闇のクリスタル――――全部で五柱あった――――を確認し、小さく呻き声を漏らす。
一番左端・・・・今、アスカに責め抜かれている『陽子』が入っていた石棺が空なのは当然として、
二番目から四番目には、自分と寸分違わぬ面立ちと背格好をし、ラピス・ブルーの甲冑まで身に纏った少女――――
囚われ人から奪ったエネルギーを用いて創造された三体の『人形』が目覚めの刻を待っている。
問題は、一番右端の筐体だった。
先刻、確認した時には、右隣に立つクリスタルと同様、何も入っていなかった筈の黒水晶の石棺は、
今、その内部に妖しい輝きを宿していた。
(11)
『これで5体目。いやはや、<鏡使い>サマも容赦が無いねぇ』
身動きを封じられたオリジナルの<レダの戦士>の目の前で、
漆黒の筐体の内奥で生まれた不可思議な光は、次第に収斂していくと共に、人間の形へと変化していった。
その様子を見つめるサイド・テール少女の表情は険しさを増す一方で、
激しい消耗によって、顔色は今にも失神しそうなくらいに蒼褪め、額には脂汗まで滲んでいる。
首から下の全身を異形の拘束具によって固められていなければ、
おそらく、立っている事すら出来なくなり、地面に膝をついていた所だろう。
(ううっ・・・・吸われていく・・・・あたしの命が・・・・)
胸郭の間から飛び出してしまうのではないか?と思える程の勢いで、心臓がバクバクと跳ね回る。
途轍もない不快感に襲われて、視界は霞み、耳鳴りさえも聞こえてくる。
それでも、邪悪な魔力は陽子を捉えたまま離そうとはせず、
貪欲に生き血を啜るヒルのように、若々しいその肉体と魂から養分を吸い取っていく。
(12)
「・・・・」
とうとう、顔を上げている事さえ叶わなくなってしまった少女を、
皮手袋をはめた<雷の戦士>の手が引き摺り上げ、ガクガクと揺さぶって強制的に正気付かせる。
『ほら、へばってないで、ちゃんと見てやりなよ。
アンタの娘、いや、妹ってコトになるのか?・・・・まぁ、とにかく、ご誕生の瞬間をねぇッ!!』
僅かに薄目を開けた陽子が、焦点の合わない双眸を前方へと向けると、
丁度、黒水晶の石棺を満たしていた不吉な霊光がゆっくりと消え去り、入れ代わりに、黒い人影が出現する所だった。
衰え切った視力ではディテールまでは掴めないが、
既に四度、同じ光景を瞳に灼き付けていた彼女には、それが己れを模して造られた『人形』だという事は容易に理解可能である。
(13)
(ううっ、また、生み出されてしまった。
あたしのニセモノ・・・・優子たちと戦わせるための木偶人形が・・・・)
最後の一体の生成が終了したためだろう、生体エネルギーの収奪は一旦止まったものの、
敗北感に打ちのめされた<レダの戦士>は、ガクリ、と力無く項垂れた。
捕囚の身となり、<鏡面世界>の支配者の前に引き据えられた直後、
陽子は、<変幻戦忍>に凌辱され続けている『人形』――――最初に作られた一体――――を含めた魔生物の一団は、
自分達を救出するために此処にやってくるであろう、優子と妖子、キャロンの三人を捕縛するためのクローン兵士である旨を、<鏡使い>本人から聞かされていた。
自らの能力をコピーした五体、共に捕縛されたレムネアから同様に複製された一体、
ヴァニティ城から移送されてきた<アルテラの三戦士>とシルキス、そして、アスカとライディ・・・・
都合12体に及ぶ複製戦士を以て、<ヴァリスの戦士>を迎え撃つのだ、と。
(14)
(いくら優子たちでも、12体もの<戦士>を一度に相手にしたら・・・・)
・・・・いや、それ以前に、あの心優しい蒼髪の少女には、
たとえ敵が作り出したニセモノだと分かっていたとしても、
自分やレムネアと同じ姿形をした相手を躊躇い無く斬り伏せる事など到底出来ないだろう。
むしろ、『五人いる中の一人は本物の陽子で、洗脳されているだけかもしれない』などと疑心暗鬼に囚われて、己れの力をセーブしてしまうおそれすらある。
――――無論、<鏡面世界>の狡猾な魔道士は、
そこまで計算に入れた上で、この悪辣な作戦計画を練り上げているに違いない。
髑髏の口から発せられた無機質な言葉を反芻しつつ、サイド・テールの少女は、黒水晶によって縛められている柔肌に戦慄を生じずにはいられなかった・・・・。
(15)
――――<現実界>。東京・青山通り。それなりに品の良い、ホテルの一室。
「一体、ココは何処なんです、麗子?」
設えられた調度品が物珍しいのか?キョロキョロと室内を眺め回しながら、
時空移動の転移先としてこの座標を指定した赤毛の側近に向かって問いを発する、<幻想王女>。
念のため、ドアのオートロックがきちんと作動しているかどうか?確認していた<ヴァリスの戦士>は、
主君を振り返ると、小さく肩をすくめてみせた。
「見ればお分かりの通り、東京です。
・・・・と言っても、私や優子が暮らしていた<世界>とは別次元に存在している、東京ですが」
(16)
「あなた達が暮らしていたのとは違う・・・・?」
きょとん、とした表情を浮かべるヴァルナ。
無論、<夢幻界>を統べる女王として、銀髪の少女は、
多元宇宙――――三界には、<現実界>の名で総称される夥しい数の<世界>が存在しており、
その中には無数の平行世界(パラレルワールド)も含まれている、という事実を知識としては知っている。
だが、実際に、<現実界>に足を踏み入れた経験はほぼ皆無と言って良く、
<現実界>を構成している、個々の<世界>の内情について関心を抱く事さえも稀だった。
勿論、<ヴァリスの戦士>である優子が暮らし、
また、<夢幻界>の住人として転生する以前の麗子が人間として過ごしていた<世界>・・・・『地球』は、数少ない例外に属している。
しかしながら、それと隣り合って存在するパラレルワールドについては、
興味の対象だったとは言い難かったし、また、敢えて興味を持たねばならない必要性も無かった、と言っても良いだろう。
(17)
「左様です。
――――そして、同時に、私たちが今居る、この東京は、
私たちを血眼になって捜している筈の<ドリームハンター>・・・・綾小路麗夢がかつて居住していた『地球』に存在しているのです」
「ッ!?」
赤毛の少女の言葉に、思わずぎょっとした表情になるヴァルナ。
だが、すぐに、彼女の口元に浮かんでいる悪戯っぽい微笑に気が付くと、
何か思案あっての行動に相違ない、と、考え込む顔つきになる。
目の前の<ヴァリスの戦士>が、自分に向かってこんな風に笑いかける時は、
何かしら良いアイデアを思い付いた場合が多かった。
(麗夢が居住していた・・・・どういう事でしょう?この<世界>に、一体何が・・・・?)
(18)
「お分かりになりませんか?」
薄いクチビルに含み笑いを湛えたまま、麗子は主君の顔を覗き込んだ。
優子たち<戦士>を除く、ヴァニティ城の住人――――生粋の<夢幻界>人からなる女王の臣下たち――――の面前でこんな態度を取ろうものならば、
たちまち、君臣の間柄を弁えない無礼極まる行為、と非難の集中砲火を浴びるのは避けられないだろうが、
幸か不幸か、今居る場所は<現実界>であり、客室内には自分達二人以外の人間は誰もいない。
「・・・・つまり、今、この『地球』には麗夢が存在した痕跡は残っていない、という事でしょうか?」
「ご明察」
破顔一笑すると、赤毛の少女は、ヴァルナの前を横切って、窓際へと歩み寄った。
林立するビルの向こうに一際高く直立している、
東京を代表するモニュメントの一つである赤い電波塔に向かって懐かしげな眼差しを送りつつ、
銀髪の女王に対し、この地を避難先に選んだ真意を語りかける。
(19)
「ヴァニティ城が敵の手に落ちてしまった今、
三界広しと言えども、此処よりも安全な場所は存在しないでしょう。
何故ならば――――この<世界>が、彼女を拒絶するからです」
「な、成る程、確かに・・・・!!」
麗子の言葉に我知らず身を乗り出し、<幻想王女>は何度も頷いた。
確かに、目の前の少女の言う通り、麗夢の存在が跡形も無く消え去ってしまった『地球』には、
<ドリームハンター>は普通のやり方では帰還出来ない。
強引に戻ろうとするならば、その行為は<世界>を構成する因果の法則に干渉するものとなり、
<世界>そのものからの反発を招く結果となるのは避けられないだろう。
「・・・・勿論、麗夢以外の者が追手として送られてくるならば、話は別です。
しかしながら、優子たちが敵の本拠地と思われる<鏡面世界>への侵入に成功している今、
新たな刺客を差し向ける余裕は、おそらく、彼らにも無いでしょう」
(20)
「では、その間に、ヴァニティ城を奪回するための策を練るのですね?」
興奮した様子で麗子に詰め寄ろうとする、ヴァルナ。
さすがに苦笑しつつ、<ヴァリスの戦士>は主君を押し留めた。
「ええ、左様です。
ですが、その前に、ヴァルナさまは少しお休み下さい。
ヴァニティ城からの時空転移で、随分と魔力を消耗なさっている筈・・・・このままではお身体に障ります」
「わかりました、麗子。そうさせて貰います」
信頼する側近の説明に安堵したのか?
それとも、彼女自身、ヴァニティ城の居室にある物とは異なる、コンパクトで機能的な寝台に横になってみたくて仕方が無かったのか?
<夢幻界>の女王は、あっさりと進言を聞き容れ、ベッドへと潜り込んだ。
そして、どうやら、実際にかなりの疲労が蓄積していたらしく、
ものの数秒と経たないうちに、スースーと規則正しい寝息を立てつつ、深いまどろみへと落ちていく。
(21)
「あらあら、ヴァルナったら――――」
無邪気な表情を浮かべて熟睡している、銀髪の少女の寝顔に向かって、
麗子は、くすっ、と、小さく微笑みかけ――――そのまま、音も無く立ち上がると、姿勢を正して深々と一礼する。
「・・・・申し訳ございません、我が君。
しばらくの間、お傍を離れる不忠をお許し下さい」
頭を下げたまま、思考を巡らせる赤毛の少女。
――――ヴァニティ城での麗夢の襲撃は、明らかに自分を狙ってのものだった。
でなければ、自分には<戦士>であるシルキスや<アルテナの三剣士>を差し向けながら、
ヴァルナの許には侍女たちしか送らなかった事の説明がつかない。
女王の拉致を試みたのは、おそらく、シルキスや茜たちを使っての拘束に失敗した場合の、言わば保険、
彼女を人質として自分に降伏を迫る算段だった、と考えて間違いないだろう。
(22)
「・・・・私とした事が、どうして、もっと早く気付かなかったのかしら?」
自分を責めたとて問題の解決には何ら寄与しないのは重々承知の上で、
それでもなお、強い自責の念を感じざるを得ない、赤毛の少女。
(敵の真の狙いは、<夢幻界>ではなく、私自身を含む、各世界の<戦士>たち。
だとすれば、今、一番危険なのは、<鏡面世界>に向かった優子たちだわッ!!)
ようやく頭を上げた麗子だが、表情は固いままだった。
ひと呼吸置いて、精神を集中し、漆黒の愛剣を実体化させると、
客室内の壁に掛けられた室内鏡に向き直り、空間転移の準備に入る。
背後で完全に寝入っているヴァルナ程ではないとはいえ、
ヴァニティ城からこの<世界>に移動した際の負荷は彼女にも圧し掛かっており、
消耗した力は未だ回復し切っていなかったが、今はそんな事は気にしてはいられない。
むしろ、事態は一分一秒を争う程深刻化しているのではないか?――――そんな不安がしてならなかった。
(待っていて、優子・・・・すぐに行くわッ!!)
(23)
――――<鏡面世界>。
「くっ・・・・はぁっ!!」
ガクリ、と地面に膝をついた優子は、ハァハァと苦しげに肩で呼吸を繰り返した。
すでに腕は筋力を失い、指先の感覚は半ば以上無くなっている。
それでもなお、これだけは手放すまい、と握り締めている<ヴァリスの剣>を支えに、必死に立ち上がろうとするものの、
長時間の激闘によって蓄積されたダメージと疲労、そして、周囲に立ち込めた禍々しい瘴気は、
少女の心身から容赦なくエネルギーを搾り取り、もはや、満足に身動きする事すら叶わなくなっていた。
(24)
(ううっ・・・・妖子、キャロン・・・・!!)
僅かに残った気力を懸命に振り絞って、前方を眺めやる。
視線の先には、おそらくは、二人して背中を寄せ合いながら戦っていたのだろう、
深紅のチャイナドレスを無残に切り裂かれた<魔物ハンター>と幼い体躯を覆う深紅の甲冑に幾つもの刀傷や打撲痕を刻み付けられた<リバースの剣士>とが、
気を失い、折り重なるようにして地面に倒れ伏していた。
幸い、二人共、浅くだが呼吸はあり、生命に別条は無いように見えるが、
大量に浴びたどす黒い負の魔力によって生気を奪われ、意識を取り戻す気配は全く窺えない。
(25)
(・・・・・・・・)
今にも消え入りそうな眼差しを彼女たちの周囲に転ずれば、
色も形状も様々な防具を身に纏った数体の躯が散乱し、あるいは、戦闘不能状態に陥って昏倒していた。
中の何体かは、カラダに大きく穿たれた破孔から、血飛沫では無く、忌まわしい漆黒の瘴気を噴き上げている。
(・・・・結局、わたしたちを襲ってきた中には、
陽子やレムネア・・・・敵に囚われた筈のホンモノの<戦士>は一人もいなかった。
もしかして、今までに襲ってきたアスカやライディも、その正体は・・・・)
(26)
「フフッ、さすがは、三界最強と謳われる<ヴァリスの戦士>。
これだけのエネルギーを失って、まだ意識を保っていられるなんてねぇ」
もはや戦闘能力を喪失したと言って良い蒼髪の少女の前に立ち、
足元に蹲る彼女の満身創痍の姿に薄ら笑いを浮かべる、<雷の戦士>。
もっとも、余裕のあるセリフとは裏腹に、一時間近くにも及んだ激闘の結果、身に纏った魔法金属の鎧は傷付き毀たれ、右手に携えた愛用のロングソードに至っては、柄元から三分の一程度を残して刀身が叩き折られてしまっている。
「くっ・・・・ううっ」
霞みかけた双眸で、必死に眼前の敵少女を睨む優子。
殆ど本能だけで、愛剣を手繰り寄せ、身構えようとするものの、
一瞬早く、背後から忍び寄った<変幻戦忍>によって力萎えたその腕は絡め取られ、後ろ手に捩じ上げられてしまった。
すかさず、エルス大陸の<戦士>が進み出して、
地面に突き立てられた<ヴァリスの剣>を引き抜くと、ゴミでも放るかの如く、無造作に投げ捨てる。
(27)
「あ・・・・ああッ!?」
残された最後の抵抗手段が呆気無く失われてしまった事実に、愕然となる優子。
・・・・もっとも、敵の手に触れられたというのにそれに反発する障壁すら発動できない程、消耗しきった状態では、
蒼髪の少女に剣を振るう体力が残っていようがいまいが、
武器としての機能を発揮可能だったかどうか?甚だ疑問と言わざるを得なかったが。
「へへっ、散々粘ってくれたけど、もうおネンネの時間だよ。<ヴァリスの戦士>サン!!」
精根尽き果てた表情の<戦士>に向かって囁きかける、<変幻戦忍>。
メタリック・シルバーの忍び装束には大小十数カ所にも及ぶ裂傷が走り、幾つかの傷口からはどす黒い瘴気が立ち昇っていた。
生身のカラダであれば、激痛と出血によって、立っている事すらおぼつかない程の大怪我を負っている筈だったが、
『人形』である彼女にとっては、せいぜい動きが多少鈍くなった程度の影響しか現れてはいない。
(28)
「そーゆーこった・・・・ま、あたしとしちゃあ、その前に、ココまで手こずらせてくれた借りをお返ししてやりたい気分なんだケド、
オリジナルには出来るだけ傷を付けるな、って命令されてるんでね」
(・・・・オ、オリジナルには、って・・・・?)
ライディの言葉を反芻する優子。
・・・・だが、靄がかかった状態の少女の思考には答えに行きつく時間は残されてはいなかった。
半分以下の長さになったロングソードを思い切り良く放り捨てた<雷の戦士>は、
フリーになった右手で拳を握り、二つ名の由来である雷の力・・・・プラズマ化した電撃を纏わせる。
――――ドスッッッ!!!!
鳩尾に深々と食い込む、冷酷なまでに狙い澄ました一撃。
無論、満身創痍の上、体力も気力も底を尽き、更に、アスカによって自由を奪われた身体では、回避の術とて無かった。
正確無比な打撃を急所に叩き付けられた<ヴァリスの戦士>は、肺腑に残っていた呼気を残らず搾り出され、
苦悶の声を発すると同時に、ぐっくりと手足を弛緩させてしまう。
(ううっ・・・・ごめん・・・・みんな・・・・麗子・・・・っ・・・・)
(29)
「――――やれやれ、やっとおとなしくなってくれたようだね。
・・・・よぉし、コイツはあたし達が<鏡使い>様の所に連れて行くから、
まだ動けるヤツは、<魔物ハンター>と<リバースの剣士>を運べ、分かったなッ?」
ライディの命令に、虚ろな表情を湛えた二体の『人形』・・・・片腕を斬り落とされた『陽子』と肩口から脇腹にかけてザックリと袈裟斬りにされた『レムネア』が、ノロノロと起き上がり、妖子とキャロンに向かって近付いていく。
それらを確認した、<雷の戦士>は、
<変幻戦忍>に抱き止められたまま、意識を失っている蒼髪の少女の顔を覗き込み、サディスティックな笑みを浮かべた。
「ククク・・・・今ココで、オリジナルであるアンタに手を出す訳にはいかないケド、
<鏡使い>様にお願いして『人形』を作って貰ったら、その分、たっぷりと愉しませて貰うよ。
<ヴァリスの戦士>サマの肉人形、一体、どんなカオであたしに奉仕してくれるのか?想像しただけでゾクゾクしてくるねぇッ!!」
――――――――TO BE CONTINUED.
以上、第10章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存します〜。
途中、新手の連投規制に引っ掛かった為、投下作業が中断してしまいましたが、
何とか無事に完了出来てホッとしています。
おそらく、エロパロ板への画像認証導入が見送りになった、その代わりに、というコトだろうと思いますが、
2chも段々と不便になってきたな、というのが正直な気持ちです・・・・。
さて、次回ですが、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第32章をお送りいたします。
ただし、目下、本業の方が繁忙を極めており、
当分の間、土日も満足に休みが取れない状況が続く事が予想されますので、
大変申し訳ございませんが、発表時期に関しましては、7月中という事でご了承をお願い申し上げます。
それでは、今夜はこの辺で〜。
登場キャラの数が増えてきて、読んだこと無いのまで出て来ると想像しにくいねw
しかし、なんだかんだでオリジナル=優子っていうのが良いです。
ほ