46 :
150:2014/01/30(木) 00:34:31.14 ID:LN7cTWys
そっか……受け入れてくれる女の子がいたんだ……」
少し寂しそうな顔をする。少し何かが違っていたら、そういう未来もあったかもしれない。
そんな可能性のことを言われると自分が酷く間違っているような気がしてくる。やっぱり逃げなくちゃいけなかったんだ。
「正直、昔から男の子なのに身体つきも特に手なんか繊細で、未だに感触覚えていた。それで、よく顔を見たら懐かしさみたいなのがあって、
疑問よりも先にあなただって気づいた……成人式で、あなたの友達に聞いたけど見ていないって言われて、真面目な人だから来ないはずがないし、
わたしは今は元気だからって会って伝えようと思ってた。少しでも、今のあなたが幸せかどうかだけ確かめたかった。
あの頃付き合っていたことが、わたしたちにとって嫌なことじゃないってこと確認したかった。
わたしのひとり相撲みたいな形であっても……だけど、こんな形で再開するなんて思わなかった。勝手な気持ちぶつけるようだけど……」
彼女は糾弾している訳じゃない。みんな成人式で二年くらいの歳月や高校では別れたけれど、再開しての交流といったことを確認している。
だけど、私たちは違う。どこか普通とは明らかに違う道にいる。それがたまたま今、この時間に重なった。
「……今、こう質問するのは酷だと思う。未練がましいかもしれない。お互い、恋人がいるのにこんなこと聞いちゃいけない気がした。
だけど、だけど……ねえ翼くん、わたしのこと好きだった? 無理して好きな振りをしていなかった? それだけは教えて」
「……好きだった。それだけは絶対に」
「ありがとう……」
これであの複雑な別れ話から自分たちは一歩進むことができたのかな。それは分からない。
「ごめんね、時間取らせて」
「ううん……正直、会うなんて思わなかったし……それに気持ち悪いとか言われなくてうれしかったし」
「それは、お互い様。レズビアンなんて気持ち悪いなんていう人は普通にいる。
正しくはバイセクシュアルなのかもしれないけどね。どちらにしても、わたしはそうは思わない」
そしてふたりして店を出て、改札を抜けた。私は上りのホームへ。彼女は下りのホームへ。
「それじゃあ、またいつかね」
「翼くん……わたしのアドレス、まだ全部同じだから、何か相談会ったら連絡してね」
「……うん。私も、アドレスは変えていないから。連絡はしても良いから」
そう言って別れた。後ろ髪は引かれなかった。彼女が不幸にならなければ良いとは思った。
だけど、彼女が今、女の人と付き合っていることの一端は、私にも原因があるような気がした。
47 :
150:2014/01/30(木) 00:36:10.16 ID:LN7cTWys
長い電車の時間。自然と都内に入ってくると人は多くなってくる。ふと視線の先には母親に手を引かれた小さな女の子がいた。
「ねえ、ママ、まだつかないのー」
「次、止まった駅よ」
今日は祝日だから親子連れが多い。出かけて帰路に着く頃。私も似たようなもの。
だけど、なんだか当たり前のことなのに、今日ほど電車の中で孤独を感じることはなかったかもしれない。
幼い子供の姿を見てると、小さな時を思い出して、今の私にたどり着く。そしてその先の未来に似たような光景を見ることは望めなかった。
アパートに戻ると、優が身支度を終えて出勤までの時間を潰すように雑誌を読んでいた。
「お帰り、翼」
「うん。ただいま」
そのまま私は、コタツに向かい合わせに座る。
「……成人式、どうだった?」
「お母さんが、振り袖着せてくれた……」
「いいなー、ボクのときはお姉ちゃんもボクも着てる暇無かったから……来年のお正月とか着ようかなぁ、
平日だとお店の衣装、私服で良い日があるんだよね……振り袖とか着ちゃおうかな。帯ぐるぐるされたりして」
楽しげに笑う。だけど私としてはとても浮かない気持ちをしている。そういうものは優にはすぐに分かる。
「……どうしたの? 楽しかったんじゃないの……」
「ううん……振り袖着れたのは嬉しかった」
だけどお母さんを泣かせた。
「だけど、モトカノにばれちゃった……」
あんまりこういう話はするつもりは無かった。優だって由香子さんとの関係は滅多にしない。
お店のお客さんはあくまで割り切っている。私たちが出会う前の話。
「……私が女の子になりたいの、やっぱりどこかで気づいていたみたい。今は、私のせいかな……女の子とつきあっているって……」
「ふーん……」
「たまたま、転びそうになったのを助けただけなの、だけど、それで顔を合わせたら私だって……」
話している側から言い訳がましく感じてきた。やましい気持ちは全くないのに。
だけど、優の気のない声が罪悪感のようなものを刺激する、
「……時間だ……じゃあ、ボク言ってくるよ」
「あ、いってらっしゃい」
「後、翼、今日はボク泊まってくるから、ボクのベッドで眠らなくて良いから」
そう言いきって、優は玄関のドアを閉めた。無言の部屋にはドアの閉まる音とコタツの熱源の微かな音しか残らなかった。
48 :
150:2014/01/30(木) 00:36:58.15 ID:LN7cTWys
翌日、言葉通りに優は帰ってこなかった。由香子さんは、遠出の取材が減って、最近は近場のお店などの記事を書いている。
静さんに怒られるから要領良く取材対象を旅行記事から、新しいお店とかの特集に切り替えてもらったとか。
そして今日は朝から、今度の週末の予定を聞かれた。
「グルメは、静さんに怒られちゃうから、新しくできた雑貨屋とか行かない?」
取材先の写真を見せてくれる。カラフルなお店の中には文房具や食器類と様々なもの並んでいて、とても面白そうだ。
「きれい」
「でしょでしょ。わたしも、最近はこういうところに行ってなかったから、少し退屈してたのよ」
こういう話をしていると女の子っぽい会話。楽しい。だけど、優は帰ってこない。
「……ところで、優は泊まりだって行った割に帰ってこないわね……翼ちゃん、今日の授業って午後からだっけ?」
「はい。だから、後、ちょっとで出ないと……」
「店に荷物持って行くわけないしね……」
あのお店で働くときは、足が着くようなものは装着してはいけないし、持ち込んではいけないという規則がある。
だから、私も優も基本的には財布を二つ持っている。仕事用の物と個人的な物。
前者の必要性はチップを貰ったときとかに必要だったり、車の待ち合わせ場所などへ行くときのお金くらいは必要だから。
いつもいつも家の前とかに止めてもらうわけにはいかない。怪しまれるから。
それにお店用の携帯電話。基本的には連絡だけのやりとりしか行わない。体調が悪いから休みます、とか。
中には身内の不幸で休む例や、プライベートでパートナーがいるにも関わらず浮気用の電話に使って、行方知れずになった人もいる。
ただでさえ、危険な領域にいるのに火遊びをしたがるのが分からない。
「電話、してみる? 意外とお寝坊なところあるから」
「でも、そこまで長く私もいられませんよ」
これも規則だけど、どんなに長くとも朝の九時には撤収をしないといけない。
黒服の人が朝食のセットとかを用意してくれるから、そこまでお客さんと楽しんだなんてことはあったけど、それ以上は無い。
お互いに身支度を調え、更衣室でメイクを落としたりして十時には泊まり込んだ女の子たちは帰路に着く。
十一時だから、いつもは学食によってランチを食べてから授業に行くっていうのがいつもの感覚なのに。
「しょうがない。今日は授業が終わったら静さんのお店に来なさい。お姉さんがコーヒーくらいは奢ってあげよう」
気を使ってくれている。ちょっどおどけるのが由香子さんらしい。
49 :
150:2014/01/30(木) 00:42:17.31 ID:LN7cTWys
もちろん授業に優は来なかった。知り合いに聞いてみたけど、優のことは見ていないと言った。
さりげなく使ってるつけまつげのことを聞かれた。私のことは女としてみてくれているのがありがたい。ただ、事情を知っている男の人は奇異の目で見てはいる。
ふたコマの授業を終えて、もう夕方になる。去年はこの長い時間が少々、辛い物があった。
でも不思議と慣れれば大したことはない。あるとすれば、いつもと違うことで少しの疲労感があったりする。
優が一緒にいるのといないのとでは安心感が違いすぎる。
新宿駅を出ると空はもう暗い。遅い授業のときは優と手を繋いで歩いているのに。
たまたま一緒じゃなくても、家に帰れば待ってくれている。いないときでも明日になれば、って気持ちの余裕はいつでもある。
だから、だから。
歩きながら泣けてきそうだった。一月はとても寒い。二月はもっと寒い。やっぱりカホの話なんかするんじゃないかった。
あの日のことはそれだけじゃなかった。お母さんを泣かせたことも辛かったけど、優に嫌な気持ちをさせた私自身の気持ちが辛かった。
Freeの中に入るとまだディナーという時間には早いからか、お客さんはまばらだった。
「いらっしゃい。由香子と優ちゃん、来てるわよ」
静さんの言葉に少し驚く。優が来てるとは思わなかった。由香子さん、ワンクッションくらい挟んでくれるのかと思ったのに。
「優……」
「……翼も呼ばれたんだ……」
「ううん。翼ちゃんとは、朝から約束してたから。さあ、翼ちゃんも座って」
丸テーブルを三人で囲った結果、トライアングルを作れるような形になる。それぞれが頂点になるように。
「優は……わたしの時は嫉妬しなかったくせに、翼ちゃんがたまたまモトカノに会ったからって、嫉妬しちゃうのは子供っぽいんじゃない?」
「分かってる……でも、翼ちゃんが就職して、大学もお店も関係なく彼女に戻っちゃうじゃないかって思って、
何か顔を合わせられなかった……もしかしたら女の子になっても男の人に取られちゃうんじゃないかって。
ただ好きでいても、ボクは翼ちゃんの子供産めないし、今まで自分らしく生きてこれたつもりなのに、失うことが怖くなったから……」
ああ。優は私なんかより年上で、よっぽど大人で、とても自信がある人だと思っていた。
だけど、優は優で色々悩んでいて、そう、子供を産みたいって思ってくれているだけで、もやもやと私も感じていたことがある。
優の子供を私も産みたかった。そんなことは無理なのに。
「優……ごめんね、私、彼女とはもう何も無いから。お互いに、ちゃんと納得して別れたから。
でも、まだ私の携帯に彼女のアドレスは残ってた……未練がましかったから。だけど、優が言うなら消すよ……」
「……消さないで良いよ。だって、翼の大事な人だったんでしょう?」
そう言うと優が少し涙を受かべた。
「私は、優じゃないとヤダ……だから、不安にならないで……私は優が好きだから……」
「ありがとう……やっぱり、ボクも翼じゃないとやだ……」
そう言うとふたりで手を取り合ってさめざめと泣いてしまう。これで良かった。こうやって、お互いの言えないことや不安を少しずつ話していこう。
そうすれば、もっとずっと一緒にいられる。
さすがにずっと泣き続けたりすると営業妨害になってしまうので、由香子さんが私たちにハンカチとティッシュを差し出した。
ふたりとも鼻が出るまで涙ぐんでしまった。
50 :
150:2014/01/30(木) 00:45:38.31 ID:LN7cTWys
静さんは遠目で心配そうにしていたけど、落ち着いた私たちを見て安心したようで、由香子さんが適当に注文したメニューを運んできてくれる。
その内にお店もディナータイムとなって、お客さんが大挙してくるようになった。
ポテトフライやチョリソーみたいにあまりお腹を満たさないものを適当に注文していたのもあって、邪魔になるといけないということで場所を変えた。
今度はレディースバーの方に移動した。春香さんは由香子さんが来ると、喜んでカウンターから出てきた。
「いつ見ても静の彼女にしておくには惜しいわね。今日は、妹さんに……翼ちゃんって言ったかしら? 楽しんでってね」と言われて席に通された。
「ふたりはいったいどうしたいと思っている? このまま、女の子になる。そして仕事は何をするか。戸籍の変更はするか。どういう家族関係になるか」
由香子さんは一気に、方向性を迫ってきた。だけど、早いとか遅いとかの問題じゃなくて、私たちには今、ここで考える問題だった。
「……私は優と一緒に生きていきたい……家族になりたい……」
「ボクも……翼が……どっちか分からないけど、結婚したい……」
もちろん結婚するにはどちらかが戸籍を変えないといけない。そうしたら、どっちにすれば良いのか。
「……ただ、一緒に暮らすだけなら、方法はあるわ……わたしと翼ちゃんが結婚すれば良いのよ」
「ええっ?!」
「あ、そっか」
驚く私に対して優は普通に納得する。それはもちろん由香子さんの夫になれば、優は年下の義理の弟みたいなもので、同時に私の恋人でもある。
「良いんですか、由香子さん……静さんは二股は許さないって……戸籍上だけでも……」
「じゃあ、静さんとは優が結婚する」
「ええっ!?」
今日二度目のリアクション。それどころか優は納得しきっているのかなにひとつ驚かない。
「正直、優と翼ちゃんが独立したら、私たちも一緒に暮らそうかって前は考えていたんだけど、
昔はいっそ優に静さんと結婚してもらって三人名字を同じにしようか、ってところまで考えたことはあったの。
……これは静さんも良いよって言ったくらいで……それから前に静さんが冗談めいてたけど、四人で暮らさないって言ったけど、
あれは半分本気よ。提案したら、すぐに乗りそう」
気づいたときには軽く置いてけぼりになりそうだった。
「えっと……冗談ですよね……?」
「冗談でこんなことを言う性格じゃないわよ、わたしは」
由香子さんは男っぽい通り越して豪快すぎた。
51 :
150:2014/01/30(木) 00:48:54.49 ID:LN7cTWys
「賛成!」
結局、状況は三対一のような結果になった。遅れて店に来た静さんに由香子さんの提案は魅力的に思えたようだった。
「あたしは、男は好きじゃないけど、優ちゃんとならセックスしても良いと思った位なのよ」
「そうね……わたしが浮気したら優をあげるくらいまで約束したから……」
「お姉ちゃんが、浮気しないで良かったよ……静さんは好きだけど、修羅場の流れから付き合いたくなかったし……」
ああ、もう自由すぎるよ、この人たち。今日の夜までの悩み事が一気に流れちゃったみたい。
「どうせだから、翼ちゃんの子供も欲しいなぁ」
「……やっぱり」
「だって……翼ちゃんは可愛いし、きっと女の子だったら美少女になるわよ」
静さんも冗談じゃなく本気だった。だけど、それを否定する理由はなかった。だから、私もその話に乗るしかなかった。
「……私も一緒に暮らすの賛成です」
もう満場一致だった。
結局、同居の話は春にすることにした。
というのも、静さんはお店の借金が春で完済するらしい。
そもそも居抜き物件だから内装とかにお金はあまり掛けなかっただけで、借金も少なかったらしい
引っ越しもそれなりに掛かるから、と静さんは実際のところひとり暮らしを始めた小さい部屋でずっと質素に暮らしていたくらいだったとか。
そこで、私と優は一応、自由に使えるお金があったから、無意味に高くなく四人で暮らせそうな手頃な物件を見つけて、すぐに入居できるだろうという算段になった。
気分を良くした由香子さんと静さんは、そのまま静さんのマンションになだれ込むということを言ったので、私たちはその言葉を区切りにお店から出ることにした。
「ごめんね、翼……いじけちゃって」
「ううん……私だって……何も説明してなかったから……」
部屋に戻って裸で抱き合いながら、私は優に話していなかったことをする。お母さんに泣かれてしまったこと。カホとちゃんと納得して別れたこと。振袖を着れたこと。
「やっぱり……家族は辛いよね……そうだね、元カノの話だけじゃあんなに落ち込まないね……ボクも考えなしだったかも……ごめんね……」
「……優は由香子さんと静さんなら、子供を作りたいって思う?」
「ふたりが望んでくれるなら……たぶん、お姉ちゃんはこの形ならボクの子供を産むのに障害が無くなると思っている。いつ決めるかは分からないけど……」
私が戸籍上、由香子さんと結婚すれば優の子供は戸籍上は私の子供になるという話までした。
由香子さんは昔からそういうことができれば良いな、とは思っていたらしい。まさか本当になるなんて夢にも思わなかったと言った。
由香子さんにも静さんにも都合の良いゲイの友達とかはいないから偽装結婚もあまり考えていなかったって。
だけど、私と由香子さんが結婚したら、それは偽装結婚って思わない。だって優が一番大好きだけど、私は由香子さんのことだって大好きだから。
「私は……優と由香子さんが私をのけ者にしないなら、絶対に嫉妬しないから安心してね。ふたりが離れたら、きっとおかしくなっちゃうから。
私はひとつになって生まれたけど、ふたりは別れて生まれちゃったからなおさらだし。やっぱり離れたら淋しいよ……」
「ありがとう」
強く抱きしめられた。痛いくらいに。だから私もお返しに抱きしめる。
――――――――――――――――――
色んな意味で急展開になりました。エンディングの方向性がこの辺で固まりました。
ということで自分で書いたキャラに対して末永く全員爆発しろ、と書いていて思いましたw
つC
53 :
150:2014/01/31(金) 01:52:47.68 ID:FELT0+m+
投下します。
―――――――――――――――――
お互いのおっぱいを押しつけあうと、とてもエッチな気分。だけど、こういうとき優は決まって「翼はおっぱい大きくなりすぎ」と不満を表す。
少し身体を離して、私は優にそっと口づけ、優は舌先で私の唇を刺激させ、私は舌を出して、強く舌を絡ませた。
「翼、シックスナインしよ」
「うん……」
軽くシャワーは浴びていたけど、お腹をきれいにしていなかった。それが分かっていたから、今日はこのまま終わるつもりだった。
優が上になって、私が下になる。抱き合って話している間に優の勃起したおちんちんは、私の太股に当たり、優の太股には私のクリトリスが当たっていた。
こういう言い換えはずるいと思うけど、優はあまり気にしないのでとりあえず言い直さない。
上になっている優はいきなり私のをくわえ込む。もう口の中に涎を溜めていたのか、すぐに濡れていく感触に背筋が痺れた。
悔しいから、私もくわえ込もうとするけれど、優は腰を浮かせるから、先端を舐める程度のことしかできない。
「……いじわる……」
そう言うと、一気に降りてくるから慌てて口を開く。ちょっと苦しい。ディープスロートはあんまり好きじゃない。それでも喉の奥に、息できない。
一秒、二秒、意識が持ってる内に引き抜かれ、思わず激しい咳をした。
「ゲホッ! ゲホゲホッ……」
カエルみたいになってて凄い可愛くない。
「……ごめん……ちょっとやり過ぎたね……」
申し訳なさそうにする。
確かにやったことはあるけど、好きじゃないから好きなお客さんは最初に経験した後からマネージャーに外してもらってたけど、優にやられるなんて思っていなかった。
「優……悪いと思ったら……上下交換……」
「分かったよ……」
今度は優がマットレスに寝転がり、私が優のおちんちんにしゃぶりついた。
さっきのディープスロートでいつも以上に硬く勃起しているのに少しだけ良かったと、思いつつ包茎の皮を剥いた。
そうして、引っ張って伸ばしてカリを露出させた。
「うっ……んっ……」
不思議なのはセックスで挿入するのに慣れたのに、カリが敏感なのが分からない。包茎だからかな。普段は守られているから。
私のクリトリスも包茎だけど。そういえば、愛理さんもクリトリスが包茎だって言ってた。
それはそれで敏感な場所だから守られていて良いんじゃないかな。
「うー……焦らさないで……」
カリや裏筋に鈴口を入念に責めるだけで優の私のクリトリスへの責めが弱くなってきた。
だけど、私もあまり我慢できそうにない。優も少し限界かもしれない。何しろ、抱き合っている間、気持ちは充分なくらい高まっていたから。
「優……もう、ダメ……?」
「うん……翼は?」
「私も……一緒にイこう」
「うん……」
54 :
150:2014/01/31(金) 01:53:30.55 ID:FELT0+m+
優の返事を待ってから私は激しく優のおちんちんを銜えた。優も私の腰を両手で押さえ込んで口から離れないようにして、クリトリスをしゃぶりだす。
腰から快感が頭に繋がっていく。切れそうな意識のまま優のおちんちんをしゃぶりながら、口の中で震える感触を、優の中で震える私のクリトリスの感触を同時に意識できた。
「ううっ!! ああぁイクっ!」
優が私のクリトリスを口から離した同時に愛液は優の顔に掛かったと思う。
私は優のおちんちんを離さなかったから、熱い液体が口の中に放出され、磯臭さに顔はしかめたけど、ゆっくりと飲み干した。
不味くはなかった。むしろ優のだから愛おしく思える。
放出したばかりのおちんちんを舐めて、口に入りきらなかった精液を舐めまわす。
「あぁ……」
絶頂の余韻に優が呻く。
私は体制を入れ替えて優の上にマウントポジションになってそのまま胸を押しつけて、優が吐息を出したタイミングで私が放出して、優の顔を汚した愛液を舐め取る。
自分のだけど、優を汚したという何ともいえないところが私の中を熱くさせる。
「翼……キスして……」
殆ど舐め取った精液の味が残っているのに、優は欲しがり。
でも、前に私の愛液を飲み干してくれたから平気だよね。
誘いに乗って、ゆっくりと優の出す舌に私の舌を絡ませながら、唇と唇を押しつけあった。
寒さの山を越えて三月も半ばになり、私たちは引っ越しの準備や新居の計画を立てていた。
元々、引っ越しが面倒になるほどの荷物は三人とも持ち合わせていない。
そして、いつもは土曜日には決まったように仕事に出る私と優だけど、その日だけは以前から休むことにしていた。
三月中に由香子さんが週末を全て休みにできる唯一の土曜日だったから。
ラブホテルに入るのは初めてだった。何しろ、いつもは寝室かお店だけだから。
三人で暮らすようになったときは、部屋が防音タイプのをわざわざ選んで由香子さんに呆れられたのは言うまでもない。
ラブホテルを選んだのは私たちの部屋にあるベッドだと三人でセックスをするには無理があるだろうという判断だったから。
新宿にはたくさんラブホテルがあるけれど、由香子さんに連れられてチェックインしたホテルは予想していたのと全然違っていた。
「ライターするようになったから知ったけど……もうこれ、ラブホじゃないわよね……」
入口から高級感が漂う趣で、ロビーもビジネスホテルよりは上等な雰囲気に仕上げられている。
スパの施設とかまであったりする。素泊まりできればそれで良い、というホテルじゃないにしても、少し豪華すぎだ。普通、他のお客さんとすれ違いたくないのに。
55 :
150:2014/01/31(金) 01:54:02.12 ID:FELT0+m+
とはいえ、部屋まで入ると雰囲気にも慣れて、キングサイズのベッドがふたつ並ぶという一番高い部屋にたどり着いた。
「一応、こういうところならケバケバしくなくて、女子会に使ったりするなんて女の子もいるみたいよ。中には、悪ふざけで乱交になっちゃったりするらしいけど」
由香子さんが解説してくれるように、その大きなベッドなら女の子が五人か六人は寝られて、そのまま乱交になっても誰も転げ落ちそうにない。
「……ボクたちの仕事でもこんなベッドで寝たことないよ……寝心地は、あっちの方が良さそうだけど」
優はスプリングの感触をお尻で確かめるように何度も上下に小さく跳ねている。
「さあ、感想はそこまでにしましょう。せっかく、きれいで大きなお風呂があるんだから、使わないわけにはいかないわ」
優と私は身体は売っているくせに、こういう場所は逆に居心地が悪い。正直言えば、ショーを行う大広間も、お客さんに抱かれる個室も良く言えばシンプルだから。
逆に嫌になるほどではないにしても、高級感が溢れる部屋には少し圧倒される。だけど、そういう部屋やホテルを選ばないと大きいベッドなんて置いていない。
とはいっても、私と優にとっては大した額じゃない。ベッドに関しては静さんにある程度暮らしてから決めましょうと約束させられている。
いきなりキングサイズのベッドを買うなんてバカみたいじゃない、なんて。
三人で裸になると、少しだけギョッとした。由香子さんのおっぱいにたくさんの痣があるから。
「ごめんね……これ静さん。あの人、おっぱい星人だから吸い付くの大好きだから……一緒に暮らしたら、少し大変よ……」
しっかりしているけど、やっぱりマニアだった。私と優も痣だらけになっちゃうのかな?
「それにしても、ふたりとも仲良くしている割にキスマークとか身体にあまりないわね……首とかはあるけど」
思わず優と私は自分の首筋を見た。
「引っかかったー!」
と由香子さんが大笑いをする。まあ、後で確認したら、鎖骨より上には結構、キスマークに見えなくもない痣がいくつもある。
優のかもしれないけれど、お客さんの奴かもしれない。どっちにしても、その上に優が口づけてくれれば、それが優の口づけの跡。
大きなバスタブはふたりで入るにはちょうど良いけど、さすがに三人だと難しい。
だから、交代交代で身体を洗いつつ暖まる。エアコンもあるから洗い場でも少しも寒くないけど。
私と優が交代で身体を洗って、今は由香子さんが身体を洗っている。それにしても、初めて見た彼女の身体はとても均整が取れていた。
瑠璃さんみたいにモデル体型じゃないって謙遜していたけど、私はモデルさんを抱いたこともあるから分かっている。
瑠璃さんが凄すぎるだけで、由香子さんはプロのモデル顔負けどころか同等の整った身体をしている。
しかもEカップもある時点で、モデルとしてはどうなのかは分からないけれど私にとっては羨むくらいだ。不規則な生活しているのにおかしいな。
「翼のうなじきれいだね……」
珍しく優は大人しくお風呂に入っている。温まることに集中していると思ったら。
「……優も髪を伸ばせばきれいに見えるかもよ……」
裸になると見えにくいものが見えるから、少し恥ずかしくなる。というか、あまり髪の毛をまとめたりしないからだけど。
今度、ポニーテイルにでもしようかな。
「うーん……翼ちゃん、あなた本当にEカップ? もう1カップ上がったんじゃない?」
「え、うそっ……」
「ずるい……」
もうさすがに大きくならなくて良いよ。だって、本当に大きくなるに連れて、可愛いブラが減っていくんだもん。
少し悲しい。牧村先生はある段階で胸の成長は止まるって言ってのにな。まあ、女の子らしい悩みができるのが嫌だとは思わないけど。複雑。
56 :
150:2014/01/31(金) 01:54:33.14 ID:FELT0+m+
長風呂でさすがに少し逆上せたかもしれないので、用意しておいたスポーツドリンクを飲みながら休憩をしていた。
身体にはバスローブ一枚でベッドの上に座るのは柔らかくて身体が溶けそうな気分になる。
だけど三人ともこのまま寝るわけにはいかないから、たわいもないおしゃべりをしていた。由香子さんは優と私に店の客でどんな抱かれかたをしたのかを聞きたがった。
守秘義務、というものはあるけれど由香子さんはそういうものを漏らすほどバカじゃない。そもそも、取材をした際に誓約書を書かされている。
命は惜しくないし、そんなことをしてもらいたくはない。
「なるほどね、翼ちゃんはその大きなクリトリスで女の人とセックスするのねぇ……」
由香子さんに股間を見せて欲しいと言われ、バスローブをはだけている。それだけで視姦されるような気分になる。
そして少し話をしている内に少しだけ勃起しだしてきた。愛理さんにしても他のお客さんも、女性のお客さんは決まって私をペニスバンドなり女性用のバイブで犯すのが好きで、
それを思い出して少し、お風呂の火照りとは違う身体の熱を感じた。
「……ボクも大きくなっちゃった……」
優も少し勃ったおちんちんを見せつけるようにバスローブの前をはだけた。
「……じゃあ三人で一緒に気持ち良くなりましょう……こっちに来て、翼ちゃん、優」
そう声を掛けられ、ゆっくりと私たちは引き寄せられるように由香子さんの側に膝立ちで向かう。三人の身体が向き合ったときには、
バスローブはそこにはなく裸で向き合い、誰ともなくおっぱいを押しつけだしてきた。そして由香子さんが誘うように口を開き、舌を出した。
私も優もそれに合わせるように、三人で舌を絡ませ唾液を交換するように、ぴちゃぴちゃと愛撫を始めた。
裸の身体で触れあうのはとても好き。おっぱいなんか押しつけてたら、乳首が勃起してきて、擦れるたびに甘い感触が身体に溢れてくるのに、
乳首同士がふれあったら電気のような快感が走る。似ているようで違うもの。
優とのキスは慣れていたけど、これは優と由香子さんを同時のキスだったから、時折、由香子さんの舌も絡んだり舐め合ったりしているから、単調なキスにならない。
優の目がとろんとしている。こんなに早く身体に快感が訪れているなんて、こんなに気持ち良いキスが初めてだから。たぶん、私も気が抜けた顔をしてる。
「……ふたりとも、可愛い……」
三人でキスをしたのに主導権は由香子さんが握ったままだった。
「翼ちゃん……優、そのままふたりで向かい合って座りなさい。そう……脚は開いて、そのまま近づいて……」
私と優は、お尻をついて脚は広げて股間が丸見えになっている体制になっている。そのまま近づくと、脚と脚がぶつかるけど、由香子さんはそのまま前に進ませる。
「……翼……兜合わせしたことある?」
優の言葉にそうか、なんて納得するように私も少しずつ身体を前に出し、クリトリスを優のおちんちんに近づけるように腰を動かす。
そういえば、私は女の人と私を女扱いする人に抱かれることが多かったから、そういうプレイみたいなことはあまりしたことがない。
「……可愛い女の子におちんちん生えているのを見るのも良いけど……絡み合っているのも見たかったから……
あ、優のおちんちんが翼ちゃんのおちんちん……あ、そうか……クリトリスに当たるわよ……」
言い直してくれたのが嬉しかった。私も本当にめんどくさい奴だと思われてもしょうがない。
だけど、自分の股間にあるものをおちんちんと呼ぶのには、今の身体と心では抵抗するしかなかった。
身体が反応するのはしょうがないとしても、意識的には女性器になる予定のものだってことにしている。
竿も陰嚢を手術をするときの材料になるらしい。それなら、これから女性器になるものだから呼び方くらい変えたって良いでしょう?
57 :
150:2014/01/31(金) 01:56:18.96 ID:FELT0+m+
「……うんっ……あっ……翼のクリ、もう濡れてる……」
「優のだって……」
クリトリスの先端が濡れているから、優のおちんちんと擦り合うだけで、垂れている優の先走りと混ざって少しずつ全体的にヌルヌルとしてくる。
量が増すだけで、私も優も無意識に吐息が多くなる。
「……わたしも入れて」
突然由香子さんが、たまたま擦り合っていた先端同士の前に座り、両手で私のクリトリスと優のおちんちんを握る。
「ふたりともエッチね……」
そんな言葉を小さな声で漏らした後、私と優のそれぞれの皮を剥いた。少し興奮して大きくなりすぎたから、勃起が治まるまではカリ以外は露出したまま。
そして、そのままゆっくりと優のおちんちんをフェラしだした。
「……あっ……お姉ちゃん……」
「んっ……んんっ……」
やっぱり肉体関係を持っていたから、由香子さんは的確に優の感じるところを知り尽くしていた。私がフェラしているときより、ちょっと反応が良いのが悔しいな。
後で、教えてもらおう。
ジュルッ! という音がとても卑猥な感じに響いて身体が震える。言うまでもなく、今度は私のクリトリスが舐められる番。
ねっとりとした舌の動きに包まれ、目眩が起きそうだった。強く、今度は弱く、強弱を絶妙につけた吸い付きに腰が震える。
「あぁっ! ゆ、由香子さん……あ、あんまりぃ……強くしないで……」
こんなに上手なフェラチオは初めてで、腰が溶けそうだった。クリトリスなんかおまんこに入れているみたいな気分になってくる。
由香子さん女の人が好きなのに、上手すぎだよ。
「ああ……もう、イッちゃう……止めて……」
「……イキたくないの?」
「もったいないです……」
あまりイキたくない。がっついているわけじゃないけど、なるべくなら由香子さんの中でイキたい気持ちがある。
「そうねー……じゃあ、ふたりでいっしょにイッちゃえば良いよね」
「あ、良いね」
58 :
150:2014/01/31(金) 01:56:53.42 ID:FELT0+m+
向かい合わせの優が熱に浮かされたような顔をして賛成をした。その途端に優はおちんちんを私のクリトリスに押しつけ垂直に近い形に揃える。
その時点で、由香子さんが何をしようとしたのか、すぐに分かった。今度は私と優のクリトリスとおちんちんを同時に銜え込んだ。
もちろん口の中に入れられるほど由香子さんの口も大きくないので、一度にまとめてしゃぶられるようなもの。
「ああっ……優の汁と由香子さんの唾液が混ざってるっ……」
「翼のクリ……ぴくぴくしてるよ……イッちゃうの……」
「ふたりともエッチねえ……」
ジュルビチャッ、という粘度の大きい音がする。慣れてきたのか由香子さんも段々と私と優の二本をさっきよりも深く口の中に少しだけ銜え込んだ。
私たちはそれだけで頭が痺れるほどの快感を与えられた。
「……そろそろ、イキそうね……」
「ああっ……由香子さん……もっと、先っぽ……」
「お姉ちゃん、ボクも……カリ……」
競い合うように懇願する。優も私も由香子さんの口だけでこんなに屈服するなんて、いつもされているフェラなんてただの前戯なんだと思い知らされている。
「……もうちょっと二人とも押し付け合って」
さっきのようにもう一度、垂直に近い形で押し付け合う。
「……じゃあ、イカせちゃおう……」
舌が触れると同時に口が亀頭を、そのまま銜え込む。その瞬間に何かが当たる。優の亀頭だ。もう先走りで私の先端も濡らしてくる。
「ああっ! 先っぽ……痺れる……」
「カリやめてぇ……ボク、イッちゃう!」
由香子さんの容赦のない舌の動きは止まらず、私は亀頭を舐められたり、優はカリや亀頭の裏筋というように執拗に弱いポイントで刺激された。
もう、腰は溶けそうなのに、ぴくぴくとした痺れががどんどん強まってくる。意識が飛びそうになってきた。
「……ゆ、由香子……さん……イッちゃう……ああっ! イッちゃうッ!」
「ボクも、ああ、由香子ッ! 好き! 飲んでッ!」
絶叫するように私と優は叫んだ。同時に激しい射精が行われ、白濁した液体は由香子さんの顔を激しく汚した。
59 :
150:2014/01/31(金) 01:57:38.20 ID:FELT0+m+
「……うん……久しぶりに優の味……翼ちゃんの愛液も……」
とりあえずかなりの量を由香子さんの口の中に注ぎ、勢い余って飛び出した二本で由香子さんの顔まで汚したけど、恍惚とした彼女はその白濁とした液を指で舐め取り、
「おいしい……」と呟いた。
その後も由香子さんは私たちの残った体液を舐め尽くしてきれいにした。だけどさすがにお互いの身体や由香子さんの顔に着いた精液や愛液を取りのぞかないといけない。
そこまでしてやっと落ち着く。
私も優も仰向けになって、浅い呼吸を繰り返していた。そして余裕な態度の由香子さんは、優の耳に口を当てるようにして語りかける。
「ねえ、優? 今日はわたしのおまんこは翼ちゃんに先を譲りなさい。その代わり……お尻、生でして良いから……わたしも今日はちゃんときれいにしたから……」
今は、三人とも充分にお腹の中をきれいにしてきた。コンドームも邪魔なくらい、乱れ絡まり合いたかった。由香子さんはピルを飲んでいるから妊娠の心配もない。
「……翼ちゃん……実を言うと……わたし、さっきから濡れちゃってて……今すぐ、入れても大丈夫なんだけど……先に優のおちんちんをお尻に入れてからで良い?
その代わり、同時にそのまま翼ちゃんがわたしの前に挿入するの」
私が前になって、優が後ろになる。由香子さんをサンドイッチで責める。
ホテルに入る前から、そんな体験をできるんじゃないか、そんな気持ちすら感じていたけど、こうして誘われるだけで鼓動が高鳴る。
優と由香子さんと一緒に繋がることができるなんて。
「じゃあ、お姉ちゃんはどういう体制が良い……?」
ゆっくりと起き上がる優。やっぱり、少し落ち着いてしまうと名前で呼べないみたい。私は、気にしないのに。もちろん少し切ないけど。
「優の好きな体制なら……なんでも良い……」
「じゃあ、バック。それで、そのまま翼は下になるの嫌?」
意図が分かれば簡単な話。
「嫌じゃない……」
「じゃあごめんね。ボクが下になったら翼はおまんこに挿入しにくいもんね」
そして、起き上がれないまま、私は由香子さんのお尻を責める優を見ていた。
「……ふふっ……お姉ちゃん、アナルまだ好きだったんだね。普通に柔らかい……静さんもアナル好きなの?」
ローションで由香子さんのアナルを刺激しながら焦らす姿。それに耐えるように身体を震わせる由香子さん。
「……好き……だって、感じるところはみんな責めるから……あぁっ……」
指が挿入されるだけで、喘ぐ姿はとても艶っぽくて、女性の艶めかしい表情は、私の体内が欲情するのを呼び起こすように視線を投げかけてくる。
由香子さんが待っていて、と言っているみたいな顔をしている。
「……指、二本は余裕……じゃあ、三本はちょっと時間掛けようね……」
指の挿入に「あぅ……」「ひゃぁぁ……」と由香子さんが感じる声。
「……ローション冷たいもんね……でも、ボクは温感ローションとか使ったことないからね……」
確かにローションは冷たい。だけど、身体の熱と比例して、冷たい部分に熱い物が入ってくるから、私としては快感がはっきりしてて好きだけど。
ああ、少し焦らされている気分。
60 :
150:2014/01/31(金) 01:58:21.37 ID:FELT0+m+
「もう、四本入ってる……なんだ、てっきりきつくなってたと思ってたのに。ずるいな、静さん。お姉ちゃんのお尻はボクだけのものだったのに」
「……やめて……焦らさないで……うっ……」
「これだけ入れば、ちょっと解すだけでもおちんちん余裕だね……ねえ、静さんのペニバンとかディルドーとボクのおちんちんどっちが気持ち良いか教えてよ……」
責められていないのに、私までドキドキしてくる。優と由香子さんが関係続けられなかったのが分かる気がしてきた。
あんな台詞を毎晩のように言われたり、そして由香子さんが同じ感覚を持って責めてきてるとしたら、きっと持たなくなっちゃう。
「……どっちも好き……」
「じゃあ……試しちゃおうか……それに、今日は翼のクリトリスをおまんこに入れちゃうんだよ……静さんのこと好きだけど、最初は少し悔しかったんだよね……
でも、ボクには翼がいるから一緒にお姉ちゃんを気持ち良くさせてあげるから」
由香子さんはいつ来るのか少しだけ目を泳がせている。さすがに後ろを向く気にはなれない。優はそれを分かっているのか、分かっていないのかいつも以上にゆっくりとした動きだった。
「じゃあ行くよ……」
優が由香子さんにそおっと覆い被さる。
「……優……焦らさないで……」
「……ボクのおっぱいどう?」
焦らしたあげく、背中に当たる感触を聞いている。あんなに焦らされると私も辛い。優だって、本当は早く挿入したいくせに。
「……気持ち良いわよ……男の子みたいな顔してる癖に、胸はいっちょまえに大きいんだから……ああっ!」
返事することで気を取られ、由香子さんは優のおちんちんを一気に差し込まれた。
「……んっ……解したのに締め付け凄い……」
「ずるいわよ……焦らしておいて」
「……翼はもっと焦らされてるよ……」
ふたりの視線が私に向かう。
「そうね……それに、いつのまにか準備は万全みたい……」
気づけば私のクリトリスは充分な大きさに勃起していた。先端も濡れている。ふたりはアナルで繋がったまま、私に近づく。
そして由香子さんは確認するようにクリトリスに口を近づけてチロチロと舐め出す。
「あっ! あっ!」
ビクッ! ビクッ! と震える私に対して、
「良い反応」と満足げに言う。
起き上がれない私を気にすることもなく、ふたりはひとつの生物になったような状態で覆い被さってくる。
そして、少しずつ私のクリトリスが由香子さんのおまんこに挿入されていく。
熱い、と思った瞬間には締め付けられる。
「んっ……締め付け……」
「ボクも……お姉ちゃん、締め付けるの好きだよね……」
「だって……ただ、挿入されてピストンされるのじゃつまらないじゃない……」
どうやら由香子さんは締め付けをお尻でもおまんこでも自由自在にできるみたい。優も言ってくれれば良いのに。油断してたらイッちゃうくらい。
「……でも、これでサンドイッチ……優とも由香子さんとも繋がれた……嬉しいです……私はふたりとも大好きだから……」
すると目の前の由香子さんとその上にある優の顔が視線を迷わせるように明後日の方向を向く。そうしてふたり揃って「ずるい……」と一言だけつぶやいた。
61 :
150:2014/01/31(金) 02:01:35.09 ID:FELT0+m+
―――――――――――――
今日はここまでです。分かりにくいですけど、翼は一応、天然たらし設定です。
後、静さんとのエロは残念ながらありません……描写が由香子さんと被ったので、
残念ながら割愛です……。
つC
63 :
150:2014/01/31(金) 23:54:46.22 ID:FELT0+m+
続きですよー。
――――――――――――――――
だから私はまだ到達し切れていない奥へクリトリスを突き上げる。
「んっ……あっ……もう……ふたりとも動き出すタイミングが一緒ね……んんっ!」
優がゆっくりと動き出すのと私の動き出す動作が同時だった。さすがに同時では由香子さんでも呻いてしまう。
だけど、こうして由香子さんとおっぱい押し付け合ってるだけでも気持ち良くて、動いていないのにイッてしまいそうそうになり、
顔が下がったと同時にキスをねだったら、激しく舌を差し込んできたのでそのまま合わせて激しいディープキスになった。
「んっ……良いなぁ……んんっ!」
羨ましそうな優の声。呻いたのは由香子さんがお尻で締め付けてたからだと思う。私のクリトリスも締め付けられて少し苦しい。
動きは単調だった。優と私がぎこちない動きで上下から由香子さんを犯し、由香子さんは私たちの動きの途切れたタイミングを狙うように締め付ける。
喘ぎ声よりも私たちは、甘い吐息だけを漏らしながらゆっくりと動いていた。
「……んっ……ボク……もう、ダメかも……」
「良いよ、優……わたしの中で出して……翼ちゃん……どう……イケる?」
「分からないです……後、ちょっと……強く……」
さすがにゆっくりとしたセックスでも、動いていればピークは訪れる。みんな望んでいるのは一緒にイクことだけど、やっぱり難しいと思う。この体制だと難しい。
「じゃあ、優……動いて……私の中に出しなさい。わたしも、動くから……」
ああ、由香子さんは両方を優に射精されているんだよね。そう思うと切なくなる。
「じゃあ、行くよ」
そして優が激しくピストンを始めると由香子さんの重みが私に強くのしかかると思ったら、いきなり由香子さんは優の動きに合わせておまんこを前後に動かしてきた。
上下の動きに慣れたところで横の動きになって、急に快感が強くなった。イケるかも。
「ああっ! これっいい!!」
私も一気に追い詰められる。背筋が震える。
「ああ、由香子、ダメ出ちゃう! 出ちゃうよっ!」
「優、出して! 私の中に出してっ!!」
「ああ、置いてかないでっ! 出ちゃう!! イクっ!!!」
絶叫するように叫んだと同時に由香子さんも悲鳴を上げる。ああ、一緒にイケたんだ。たぶん、そうだと思う。そうだったらとても素敵。
64 :
150:2014/01/31(金) 23:57:54.54 ID:FELT0+m+
「……3P久しぶりだから、少し疲れたわ……」
三人でしばらく折り重なっていたけど、ゆっくりと途切れ途切れの意識から、少しずつ覚醒に戻していった。
「両方中出しって……お姉ちゃんやったことあるの」
「初めてに決まってるでしょう……サンドイッチは静さんと友達でやったことあるけど」
やったことあるんだ。さすがにちょっと驚く。いつも一緒に働いている人が積極的な人であったりとかする話を聞かされるだけで、ちょっとだけ怖い気もしてくる。
というか、最終的には私と優って静さんとセックスしないといけないんだよね。
ということは、次は4Pとかもあるのかな。想像するのが難しい。今はイッたばかりで、あまり期待とかそういう気持ちが起き上がる気にはならなかった。
「……由香子さん……お腹きれいにした方が……」
「そうね……せっかくの優の出してくれた奴だけど……」
「しょうがないね……」
「大丈夫よ、少し休憩したら、次は優と前でセックスしてあげるから。その代わり、今度は翼ちゃんが優のお尻……ううんおまんこを犯してあげるの」
そう言われると少し期待の気持ちが起き上がる。正直だな、私の身体。
「じゃあ、ちょっとごめんね」
そんなことを言ってお風呂に駆け込んでいく。
「……優って中出しされたことある?」
「……実は一回だけ……」
「やっぱり……」
「……慣れてなかったころだったから、コンドーム外されてたなんて気づけなくて、
身体押さえつけられて、中出しされてて次の日はお腹痛くなっちゃって、牧村先生にお世話になっちゃった。
その人は、しばらく出入り禁止になってボクの指名は禁止になっちゃった」
ときどきお客さんの中には生でセックスをしたがる人がいる。
マネージャーとしては初期はやっていたこともあるので、ダメと言いたくはなかったけれどお腹の弱い子だと翌日に出勤できなかったこともよくあったので、
マイナーチェンジの際にコンドームが絶対という条件になった。
「ボクとお姉ちゃんは、片手で数えるくらいかな……生でしたの。やっぱり、お腹壊しちゃったりしたし……いつもはおまんこでやってたから、
単調なところで変化つけてみたりして……でも、今はあの頃のこと考えると、ボクって男だったんだなぁ、って思う。
抱かれるようになって気持ちは女の子になったけど、翼のことは抱きたいし、お客さんの中には抱いて欲しい人もいる。
だけど、今ならそれでもボクの気持ちって女の子だって確信持てる。口癖は直らないけどね」
「じゃあ、優は今は妹だけど、由香子さんのことは心でも身体でも愛しているんだね」
「うん……だけどこれって浮気かな……」
「ううん……由香子さんも優も今は私の恋人だから
「うー……お姉ちゃんがライバルかぁ……」
「優の考え方だと、静さんもライバルになっちゃうよ。安心して。私は、優が一番大好きだから」
「……分かってるよ……翼がいてくれなかったら、ボクは少し淋しかったかもしれないから。今は、もう淋しくないから」
そう言って優は私に抱きついてくる。私は優の頭を撫でながら由香子さんがシャワーを浴び終えるのを待っていた。
優がときどき脆いところがある。たぶん、静さんも由香子さんに対してこうして接したことはあるのかもしれない。
弱い魂を持って生まれたふたりを守る意味では、私と静さんはパートナーみたいなものだ。
あのときの約束とは別に何か根底で繋がるべくして繋がったようなものがあるのかもしれない。
そう考えるだけで、静さんに対する気持ちが強くなれる。そこで、流れのようななし崩しとは別に静さんのことも愛することができそうな気がしてきた。
65 :
150:2014/02/01(土) 00:01:01.28 ID:FELT0+m+
由香子さんがシャワーを浴びてから、優と私も順番ずつにシャワーを浴びた。優の場合はさすがに生でアナルセックスをしちゃったのもあって、少し時間が長めだった。
今度は優が由香子さんとセックスをする番。私は優のおまんこを責めさせて貰えるんだけど。
「優……私、見てるだけじゃダメ?」
「えっ……」
「優とするのが嫌とかじゃなくて……せっかくだから、ふたりだけでセックスしたいんじゃないかなって……」
「……お……由香子は良いの……」
「翼ちゃんって、器大きすぎない? わたしはさっきのだけで久しぶりに優とセックスできて、三人とか四人ならこれからも優と繋がれるって自分としては、
こんなに幸せで良いのかなって思ったのに……」
「私は、優が一番好きだし、由香子さんもそれくらい好き。ふたりが好き合っていて、私を置いていくようなことさえなければ、
ふたりが悲しくならなければ、私はそれを独占されたとも思わないし、裏切られたとも思わない。もちろん浮気だなんてことも思わない。
それに、静さんもこれは同じ立場だと思っている。あんなことを言う人だから。今だって私は優に抱かれたいし、抱きたいけど、
目の前にいる好きな人を抱けないふたりを見てるとやっぱり悲しいから……その代わり、後で……優か由香子さん……元気な人が私を抱いてくれればそれで嬉しいから……」
双子は揃って俯いて、ほぼ同じタイミングで「ありがとう……」と呟いた。
やっぱり、優も由香子さんもどこかで求め合っていたんだ。だから、ふたりは離しちゃうわけにはいかない。
私が一番好きな人の好きな人を簡単に離すわけにはいかない。
優と由香子さんのセックスはさっき見たときよりも、とても濃密だった。
キスに掛ける時間はとても長くて、ディープキスから唾液交換まで行うところには、私の知らない優の顔が見えた。
ふたりとも体制を艶めかしく動かし絡ませながら、上下を入れ替えている。時折、胸と胸同士、乳首が擦れる度に小さな吐息が漏れる。
長い舌に溜めていたのかローションを思わせるくらいの唾液を優の伸ばした舌に伝わせるように吐き出し、伝わった舌で絡め取るように唾液を受け止め、ジュルルッ!
と響くような音を立てて優は嚥下する。
「……優ったら、そんなに私の唾液好きなの……?」
「由香子のなら、どんなものも好き……」
「……じゃあ……わたしの舐めて……優の舐めてあげるから……」
今度はシックスナイン。体格に少し差があるけれど、優が上になって由香子さんの股間に顔を近づけて、優のおちんちんが下がっている位置に由香子さんが顔を置いて、
ゆっくりとお互いに舐めだしている。
それにしても、ふたりともびっくりするほど唾液が多い。もしかしたら、濡らしフェチなのかも。あれも難しい。
ウェット&メッシーの基本ともちょっと違うし、濡らしフェチのとも違うかも。ただ、お互いの唾液で濡らし合う好意はなんだか分かる気がする。
だって、さっきから性器と関係なく太股とかも舐めている。もし人間が自由自在に融合できるとすれば、ふたりは融合したまま離れないかもしれない。
それくらい解け合いたがっている。そして、私は融合したままのふたりでも愛せそうな気がした。
ズズゥー! という激しく吸い付く音と同時に由香子さんが悲鳴のような喘ぎを発する。
「……由香子の愛液、飲んでも飲んでも溢れてくるから、ボクの顔がベトベト……」
「だって……優の舌、気持ち良いっ……」
66 :
150:2014/02/01(土) 00:03:05.53 ID:48w1AdQw
もしかしたら見られていることにいつも以上に興奮しているかもしれない。
でも、静さんと私以外には見せてあげない。ふたりは私たちのものだから。
シックスナインがいつのまにか終わり、優が覆い被さりながら、由香子さんにキスをする。おっぱい押し付け合いながら顔をベタベタにしている。
これくらいベタベタなセックスするときは、絶対すっぴんだな。あんなに顔舐められるなんて。私はキスはするけど、舐められたことがない。ちょっとだけ羨ましかった。
「優……もう、わたし我慢できない……」
「もう? 由香子も久しぶりだからってエッチだよね。翼としたときより余裕ないのずるいよ。翼が可愛そう……」
「嫌、言わないで……ごめんなさい……翼ちゃん……わたし、優のおちんちんの方が好き」
それは身体の相性だと思うんだけど。あまり責任は感じないで欲しい。優ったら本当に変なところでイジワル。
たぶん時と場合によるけど、由香子さんが責めになったりするときもあるんだろうな。きっと、こんなことを毎日やっていたらすり減る。
どこかで決壊する。それがふたりの最初に別離だと思う。やっぱり、ふたりだけでさせて良かった。ふたりがボロボロにならないように見極められてきたから。
「……じゃあ、良いよね、行くから」
優が体制を正常位にするために下がり、由香子さんの両脚をM字に開かせる。
さすがに最初にアナルセックスをしたこともあって、念のため優はコンドームをしている。自分が多少、病気になってもその巻き添えにするようなことはしたくないから。
「さっきの翼以外は静さんとしかセックスしていないよね」
「うん……さっきのが久しぶり……」
「ごめんね、次は絶対に生でしてあげるから……」
優は返事を満足したように頷いて、ゆっくりと由香子さんにおちんちんを挿入した。
アナルでも反応は良かったけど、やっぱり普通におまんこでセックスする方が由香子っさんは気持ち良いみたい。
「んっ! あっ! ううんっ!!」
やっぱり相性はある。さっきの折り重なってやったセックスより、こうやって単純に身体をぶつけ合うのが分かりやすくて、感じやすい。
意外と単調な方が気持ち良いと思う。私も3Pは嫌じゃないけど、優と普通にやる方がどちらかというと好き。
「由香子……締め付けてる……」
「ええっ? ああっ! し、してない……ぃんっ!」
言葉にならない悲鳴。ああ、きっと自然に締め付けているんだ。精子を求めて。私も気持ち良いとそうなっちゃう。
意図しなくてもおまんこの締め付けが勝手に強くなるの。
「……じゃあ……いっぱいだしちゃおう……」
「うん……ちょうだい……優の精子ちょうだい……」
ふたりともコンドームしてるのに。少しだけ呆れちゃった。だけど、優はきっと由香子さんとの間の子供欲しいよね。
私も由香子さんと子供作ったら、きっと優との間の子供だって思える気がする。
「ああっ! ゆ……ゆうっ!! もっとぉ!! もっとぉ!!!」
「由香子、由香子ぉ!!!」
激しい動き。ああ、優が少しだけ残っている男の子の部分が由香子さんの女の子な部分を喜ばせている。
「も、もうダメ……イク、イッちゃう!!! ああぁぁっっ!!!!」
「ううっボクも、ああイクっ!!」
由香子さんが身体を仰け反るようになり、優は恍惚とした射精と同時に由香子さんのしなやかな身体に倒れ込んだ。
そして絶頂したふたりは少しとろんとした目をして、虚空を見つめている。優が少し意識が遠くて、なんとか意識を保った由香子さんが「おまたせ」と小さな声で囁く。
だから私は「大丈夫です。もうちょっと待てますから」と言ったので、由香子さんはゆっくりと優の身体から離れて少しだけ身体を横たえた。
67 :
150:2014/02/01(土) 00:06:27.83 ID:48w1AdQw
あれから休み休み、優のことを私が抱いて、由香子さんが優のことを抱いた。
どちらかというと、優が連続で受け身になってしまったのもあって、もう軽く寝入っちゃっている。
というより、一番疲れていたのが優だったから、このまま寝かせてしまおうっていうのが由香子さんなりの理由だった。
「つまり、自分の限界まで、私で楽しみたいってことなんですね……」
「そういうこと。だって、女の子の優のことは抱いたけど、あなたのことを女の子として抱いてはいないでしょう」
由香子さんに抱かれるということは、さっきまで優のことを犯していた赤いペニスバンドを使うんだと考えていたら、今度は別の双頭ディルドーを出してきた。
「凄いでしょ。これ、ハーネスがいらないから。片側をわたしのおまんこに入れて、そのままあなたのおまんこに挿入できるのよ」
「……本当は優にもこれ使ってあげたかったけど……ご覧の通り」
もう優は疲れ切ってぐっすり眠ってしまっている。少し端っこでタオルケットにくるまっている。いつになく安心しきった寝顔だから、安心した。
「さあて……翼ちゃん……いいえ、翼……あなたのこと抱かせてね」
「はい……」
潤んだ瞳にどこか怪しげな影が見えるような気がした。それに連れられて私の身体の中が熱くなってくる。
ふたりで、脚を崩していた体勢から、ゆっくりと由香子さんが私の両肩に触れてくる。
そしてそのままキスをしてくる。どちらからというと、少し軽めで拍子抜けする。期待し過ぎちゃったかも。
それから、今度は重点的に首筋から鎖骨に掛けて舐めてくる。
「んんっ……んーっ!」
舌が長いのは少し反則。感じ方が下手な人よりも強く、肌全体が敏感になってくるのが分かる。
テクニックがある人は、触れたところ以外も感じやすくさせてくる。まるで身体をいつのまにか取り替えられたみたいに。
「良い声ね……」
いつのまにか右手は私のおっぱいに。指先で触れるか触れないかの境目で私の反応を試している。
感じるけれど、感じきれないもどかしさで吐息ばかり溢してしまう。喘ぐほどじゃない。でも全く何も感じていない訳じゃない。触られたら確実に声が出る。
「……でもね……生理前だと、わたしなんかこれくらい触られただけでもすぐに感じちゃうわ……
翼の場合は下半身も女の子になったら、薬の影響で女性ホルモンが作られるでしょう……もしかしたら似た感じのことが起こるかもね」
生理。今の技術だと絶対に私には訪れないもの。だけど、今私が選んでいる方法なら、少しだけ特殊な形で女性であり続けることができる。
自分の身体の中で女性ホルモンが大量に作られるだけでも少し感謝したい。普通のやり方だったら、注射なり錠剤なり摂取を続けないといけない。
「ああっ……」
今度は少しだけ触れる。しかも乳首の近く。焦らされている。簡単には挿入してこない。
徹底的に愛撫して、優のように冷たいローションで私のおまんこを解す。だけどそれまでに、私の身体を徹底的に熱く火照らせてくる。
「……私より巨乳になっちゃって……初めて合ったときは、パット使ってたのもあってバランス良かったのに、
そんなに大きくなっちゃって……まあ、翼は今も身体のラインは悪くないから」
「ううっ……」
あんまり胸のことは言わなくても。Dカップで止まると思ったのに、これは本当に予定外。お店の人たちでも、こんなに大きいのは三人くらいしかいない。
年が近い子なんか、何を食べているんですか? なんて聞かれた。
「じゃあ、揉んじゃおうかな」
そっと触って敏感にさせておきながら、強弱を上手く使った手つきで胸を揉み出した。
「んんーっ!!」
「もっと大きくなっちゃうかもね」
それは本当に勘弁してもらいたい。服とかサイズ合わなくなっちゃう。
「ああっ! やめてっ!」
容赦なんかしてくれない。分かってるけど、由香子さんは執拗におっぱいを責めてくる。これ以上大きくなったら、由香子さんのせいなんだから。
ブラのサイズ合わなくなったら買って貰わないと。下着の上下セット二つでも足りないくらい。ああ、本当にしつこくおっぱい揉まないで。
68 :
150:2014/02/01(土) 00:07:33.16 ID:48w1AdQw
「……さっき、お風呂で言ったけど、翼はまだFカップじゃないわよ。今、少し困った顔してたから教えるけど」
「意地悪……」
「ごめんね……順調に育っちゃってたから意地悪しちゃった。そうね、わたしくらい身長あればサイズ合うけど、翼くらいだと服のサイズが大変だものね」
「だから気にしてるのに……」
巨乳になって大きいおっぱいが大変なことがよく分かる。薄着のときも胸に視線が集まるのが恥ずかしい。
優みたいに着やせする方法が分からない。私の場合は夏場はブラウスにプリーツスカートなんて格好してたこともあったけど、今じゃ恥ずかしくて無理。
少しゆったりしたチュニックとかワンピースとか着るようにしてる。そうしないと胸が目立っちゃうから。
「でも、その分、ガーリッシュな翼と会えたから私としては嬉しい。優は、少しだけボーイッシュな嗜好だからパンツルック多くて、スカートは嫌いじゃないみたいだけど、
あまり着てくれなかったわ……あなたとのデートの時以外は」
優は本当に、たまにおめかしすると決まってスカートを履いてくる。無理をしているのかなって、最初は思ったけど、どうやら私にちょっと対抗しているみたいだった。
気づいているけど、さすがに口にするほど野暮じゃない。素直に相談してくれれば、もっと可愛くコーディネートしてあげられるのに。
「嫌じゃなかったけど、少しお姉さんとしては残念だったわー……」
少し休憩って感じになる。でも、由香子さんは一度、起き上がって私から離れる。
「ごめんね……ちょっと夢中で触ってたら、ちょっと濡れてきたみたいで……」
由香子さんはいつのまにか準備ができていたみたい。私も、身体の方は充分に火照っていたから、本当におまんこをちゃんと解してもらえれば充分に受けいられる。
「……良いよ、由香子さん。我慢とかしないで」
すると由香子さんは嬉しそうな顔をして、さっきのペニスバンドとローションのボトルをふたつ持って私の横に座る。
「……わたしよりは翼が先の方が良いわね……それに今日は翼はおまんこは使っていないのよね……」
「はい……」
「……一応、質問……あなたって女の人にも抱かれたって聞いたけど、ペニスバンドって使ったりした……?」
「……はい……三人のお客さんと……」
嘘。本当は五人。そういう質問するとなると少し不安。
「……ちょっと悔しいわね。仕事とはいえ、優とは別に女性であなたのことを抱けるのが初めてじゃないのって、少し残念……」
さすがに不満げな顔。だけど今日のこれは違うのに。
「由香子さん……優子ちゃんは三人の人に抱かれたかもしれないけれど、私はまだ誰にも抱かれていないし、初めてだから……」
殆ど冗談みたいなもの。私は特に演技もキャラクターもなく優子としてあのお店にいるから、別人だなんて主張しても意味がないし、
由香子さんもそんなこと分かっている。だけど、そっと右の手の平を私の左頬に添えて「ありがと」と微笑んだ。
69 :
150:2014/02/01(土) 00:09:41.88 ID:48w1AdQw
女の子になりたいからって、お尻を弄ってみようという考えにいくのはおかしい気がした。
だけど、それらしいものがそれしかなかったからぼくは――私はそこで快感を得て、少しでも女の子に近づこうと思っていた。
「……じゃあ、行くわね」
「はい……」
今の私が確信していることは、もしもあの頃の私が女装をして、由香子さんみたいな人に犯されていたら満足していたかっていえば、
違う気がする。普通に女性になろうとしていたはずだ。その人が望もうとも望まなくとも。
きっと過程がどうあれ、私は女性になろうとしたし、その中でも今が一番の幸福な道筋なのかもしれない。
「ふふっ……ちょっとローションでマッサージするだけでヒクヒクしてる……」
由香子さんのおまんこの解し方は優と同じ。入口と周辺にローションをたっぷり塗ってくる。
「……ふっ……ん……」
段階的に指を入れながら、入った場所にローションを塗っては指を抜いての繰り返し。由香子さんの指は優より細く長いけれど、違いがあるとすれば慎重さだった。
「……女は指でセックスをするからね……」
指を少しずつ入れては出して、指一本が余裕で入ったのを確認して、指二本に切り替え、その指をローション塗れにして、ゆっくりと差し込んでくる。
少しだけ圧迫感が強くなるけれど、それはそれで気持ち良かった。ただ、もう少し強くと求めてしまいそうになるのが恥ずかしい気分だけど、
もうお互いに痴態を晒していて、何を恐れているんだろうなんて笑った。
「なーに笑ってるの?」
少し由香子さんが呆れる。私は自分の体制で由香子さんに愛撫されている状況に遂、笑いがこみ上げてきた。
何しろ正常位のM字開脚どころか、両脚を自分で持ちあげて少し腰を浮かせているから。
「ちょっと、改めて考えたら、私、凄い格好してるなって……」
「良いじゃない。私はおかげで愛撫しやすいわよ……」
「んっ……あっ……」
返事と同時に二本の指が私の中で開いたり閉じたりしながら、ローションを広げ、同時のおまんこの中も解している。
そして、指が抜かれたと思ったらすぐに由香子さんは三本に切り替える。ローションは出し入れしている脇からドロドロと浴びせられている。
すぐに指がローションを巻き込んで、動きがスムーズになってくる。
「ああっ! んあっ! んんっ!」
まさか手マンみたいなのされるのなんて初めてだった。由香子さんは丁寧だけど、ときどき激しくしてくるのが嫌じゃない。
そうしている内に指が引き抜かれ、今度は四本の指がおまんこに入ってくる。中指がGスポットを責めてくる。あまり押されるとイッちゃう。
「……由香子さん……もう……そこ……」
「もっと強くして欲しいの?」
「違うの……イッちゃうから……由香子さんのおちんちんちょうだい……」
70 :
150:2014/02/01(土) 00:16:06.53 ID:48w1AdQw
「ふぅ……」
ため息の音。由香子さんが手を止めるときの癖。大儀そうな態度にはなるけれど、それは絶対にやり遂げる彼女なりの律儀さに対するちょっとした皮肉でもある。
「……焦らさないで……」
「がっつかないの」
それでも、やっぱりいじわる。
「翼、どうせだからフェラしなさい……」
期待しているのに、ちょっと間を置かれるだけで焦ってしまう。身体が由香子さんが欲しくてしょうがない。
優は寝ている。ごめんね、浮気みたいで。もちろん優の方がちょっと強い本気。由香子さんはその次。ごめんね、欲張りで。
「ふみゅ……んじゅ……」
樹脂でできた素材のペニスバンドはゴムの膜で覆われている。あまり好きじゃない。熱も感じられない。なのに、なんだか愛おしい。
「……翼……もう、良い……わたしも我慢できない……」
凄い。ペニスバンドがハーネスの無いタイプだからって、由香子さんは愛液で太股を濡らしている。
「来てっ! 私を抱いて!」
もう懇願みたいな気持ちだった。何度もイって上り詰めて、分かったことは私はこのふたりを愛している。
だから人工物なはずの物を口に銜えるだけで欲情できる。
そのまま私はM字開脚の姿勢になった。ペニスバンドを使う人はバックで犯すのが好きな人が多い。
でも、私は正常位が好き。向かい合ってするセックスが好き。だから、由香子さんはその赤いペニスバンドを私のおまんこに一気に挿入した。
「ああっ……んんー……」
本物のおちんちんと感触は違う。だけどお腹の奥、有りもしない子宮を責められているような気分になってくる。
それも由香子さんだからなおさらで心臓の鼓動がいつも以上。身体が、喜んでいる。
「……んっ……あぁっ……」
由香子さんが喘ぐ声が私に降りかかる。欲しいものを我慢していたのを貪るような艶めかしさ。その表情に私の身体が震える。
「ああっ!」
思わずおまんこが由香子さんのおちんちんを締め付けた。その抵抗の勢いで由香子さんの方に反動で強い刺激が遅う。
「……もう……ちょっと激しくするわよ!」
少し緩んだと思ったら、いきなり由香子さんは激しくピストンを始める。さすがに今度は余裕なんてない。
「はぁぁっっ!! やあっ! ああぁんっ!! あぁー!!!」
「翼っ! 翼っ!!」
ピストンの勢いが私を責めると同時に由香子さんも責める。これなら一緒にいけるかもしれない。お腹の奥が熱くなってくる。
由香子さんのペニスバンドが的確に私のGスポットを擦ってくる。
「やはぁっ!! ダメかも……由香子さん、ああんっ!……イっちゃうかも……トコロテンしちゃう、んんっ!」
「イキなさい! わたしも、もうすぐ、あぁっ! もう、イクからっ!!」
ダメ。置いてかない。おまんこの中を擦られるだけで甘い目眩が駆け抜ける。私は自分だけイってしまう危険も顧みず、由香子さんに合わせて腰を動かす。
「ああぁぁっつ!!!! いっちゃうっ!!!」
「はぁぁぁあああっ!! つばさぁっ!!」
激しい勢いで私は全身に快感が駆け巡って、そのまま身体を仰け反らしていく一瞬の間、
由香子さんも同じように上り詰め背中を仰け反らしながら激しく喘いでいる姿に気づいて、安心して私は意識を投げ出した。
目を覚ますと、少し頭の位置が高かった。
「起きた?」
優が私の頭を両膝に乗せていた。
「起きるかなって思ったけど、起きなかったね。ボク、さっきまで腰が抜けてて起き上がれなかったもん……翼、お姉ちゃんのペニバンのテクニック凄いでしょう?」
「うん……とても」
羨ましい、って優が抱かれている姿を見てたときに思ったこと。それをいざ体験してみて、優がしばらく寝入ってしまったのも分かる気がした。
隣で寝ている由香子さんはペニスバンドは外していたけれど、そのままの勢いで眠ってしまったらしい。そして私もだんだんと眠くなってきた。
「優……このまま寝て良いかな……」
「良いよ……お疲れ様……それから、ありがとう……」
最後の言葉には色んな意味があるような気がした。それをひとことで表すことはできない。だけど、それだけで私たちは幸せなんだって確信だけはできた。
―――――――――――――――――
今日はここまで。ラブラブな乱交は好きです。
つC
72 :
150:2014/02/02(日) 00:48:50.39 ID:+fHm22Wg
さらに続きます。次で終わりそうです……。
―――――――――――――――――
春になり私たちは無事に進級することができた。三年生になったからもう就職活動のことを考えなくちゃいけない。ただ、春になって生活は大きく変った。
私たちは四人暮らしになった。一応、世帯主は法律的に一番収入の多い静さんになっている。
私と優の貯金も結構な額だけど、レーザー脱毛とかエステとか学費とかでバカにならない。気軽に使うわけにはいかない。
もちろん、私たちは睾丸切除すれば楽なんだけど、ちゃんと仕事に就いてから子供を授かるまでは手術はしない。
男性機能が残っていて形もそのままだから、手術ではきれいに処置してもらえるらしい。それは嬉しいことだ。
お店に関しては資格を取るまでは少なめにして、資格を取得したら多めに出勤するということをマネージャーと約束した。
これでも私たちは指名されたり、キャンセル待ちの割合が多いことで人気者だったりする。あんまり出勤していないのもあるけれど。
学校でも私たちは女の子として扱われる。新入生とかは後で知って仰天したりする。
去年はサークルとか入っていないのに、学園祭でミスコンに出場して欲しいとお願いされたけど、まだ性別適合手術をしていないから出られないと断った。
都内だと街中でも女の子同士が手を繋いで歩いている姿は、ほんのたまにだけど見かける。それに気づくと優も気づいていてふたりで笑ったりする。
私も優も保健師や助産師の授業も履修しているので、最終的には学校の養護教諭になったりすることもできる。
ただ、今のところは卒業したら国家試験を受けて看護士になることだけが決まっている。
就職に関しては、牧村先生が協力してくれる。
私たちのように看護士を目指している堅実なタイプはお店では少なくて、先生のお兄さんが関わっている大学病院に手を回してもらえるそうだ。
だから、私たちはまずは勉強をしっかりと行わなくちゃいけない。
73 :
150:2014/02/02(日) 00:49:29.21 ID:+fHm22Wg
新生活で変ったことがあるとすれば、住んでいる場所が広くなったことと、静さんがいるかいないか。
部屋が広くなった代わりに共有するものが多くなったので、個室が大きくなったし、
基本的にはパソコンとかで色々と音楽とか本とか取り込んでいるから、基本的にこじんまりとしている。
と言っても、自慢じゃないけどやっぱり服は多かったりする。そして、ベッドが大きいから、基本的にはお互いのパートナー同士で寝ている。
ただ、何回目かの静さんがお休みの日に、由香子さんもお休みだったから、普段のふたりのセックスを見せつけられた。
まだ、一緒に住んでいる期間が短いから、どうしても嫉妬心のようなものを静さんからは感じさせる。
由香子さんは基本的にタチの人なんだけど、静さんは誘い受けが得意で、キスも自分からさせないで、由香子さんにさせつつ、自分もしてくるという形。
愛撫も由香子さんが執拗にやってから、静さんもお返しをするけれど、お腹やおっぱいに脇腹と久しぶりなのか、キスマークだらけにしていた。
最後は双頭ディルドーで激しい嬌声を上げている。楽器も大丈夫な防音の部屋にしたからこれくらいなら大丈夫。
だけど、優も私も純女のレズビアンセックスを見たのは初めてで、その次のお店のショーで瑠璃さんと双頭ディルドーで繋がるプレイをしたら、反響が大きかった。
お店に出勤する回数は、少なくなった。
「優は、いつ子供が欲しい?」
ベッドで一緒に寝ながら、将来のことをたくさん話し合うようになった。
「……三年、何事もなく働けたらかな。それなら、まだ二十代だからふたりは子供が作れるし……」
「静さんに抱かれるのはどう?」
「……底なし……」
「そうだね……」
静さんいわく、客商売は体力勝負だから柔な体力じゃやっていけないって。確かに説得力がある。
私だってそこまで多く出勤しているわけじゃないけど、お客さんは本当に多いから大変。
後、何年か順調にやってけたら二号店かお店を大きくするかで悩みどころだって言っているくらい。
そうして、資格まで取得すれば後は普通に働くまで。そうなれば、あの仕事とはお別れをしないといけない。
74 :
150:2014/02/02(日) 00:50:26.54 ID:+fHm22Wg
「ふたりとも、今までお疲れ様でした……それじゃー、ふたりは最後のお客さんを一緒に相手してあげてね」
最後の週の前に優と私がこの仕事から引退する発表が行われた。そこで、引退記念にステージの上にベッドが持ち込まれ、ごく普通のセックスを行うショーが行われた。
あまりに普通すぎて、大丈夫かなって思っていたけど、普通に気持ち良くて何も自分たちは不満が無かった。そして、逆にそういう普段着のような姿が逆に歓声が上がった。
『ふたりは今後、普通の仕事で働くことが決まっています。。それ故に、今回は趣向を凝らず普段着の彼女たちの姿を見せることにしました。
それでは、由香と優子のふたりに盛大な拍手を!』
歓声の中、裸の私たちは服で少しだけ前を隠した形で退場していくことになった。
そして誰もいない更衣室で仮面を外して抱き合った。もうすぐ由香も優子もいなくなっちゃうんだ。そう思うと、どこか淋しくなってきた。
もうひとりの自分が今の自分にしてくれたようなものだから。
黒服に連れて行かれることにもなれきっている。ただ、今日は私と優のふたり。お店では、3Pを行うことは少ない訳じゃない。
といっても、大抵の女の子は指名が入っているので、意外と都合良くそういう指名がされることはなかったりする。
ただ、今日はそういうわけでもなかった。
「失礼します」
黒服が去り、私が先導でドアを開けて数歩歩けば、待っていたのは戸田キリヤと芹沢愛理のふたりだった。
「あれっ……」
優が驚くのも無理はない。私だって、キリヤさんに指名されることは何となく予感がしたけど、愛理さんまで一緒にいるのは驚きだった。
「……お前らが引退するって聞いて、急いで呼んだんだ。こいつバラエティ番組を体調不良で休んだ振りしてんだぞ。笑わせやがる」
「キリヤさんの連絡が遅いのが悪いんです。マネージャーだって、基本的に安売りはしたくないから上手く断ってくれましたけど」
「……ったく。上手く飼い慣らされてるな」
ふたりのやりとりを見て少し笑ってしまう。
「……へぇ……由香ちゃんて、何度かショーで見てはいたけど、近くで見れば男の子にも見えなくはないわね。だけど……意外に胸あるわね……」
実は愛理さんは普段はBカップの胸のサイズでスレンダーだったけど、必要以上に巨乳になっていく私のおっぱいをいじめてきたのは今更な話。
「……もしかして……今日は4Pってことですか?」
「俺が提案したんじゃねえぞ。愛理が、あたしも入れてとか言いやがった。店側は別に問題はないってことでオッケー出しやがった。全く、独り占めにしたかったのによ……」
「何よ。キリヤさんが3Pなんかしようとするなんて上客だからってずるいわよ。家の事務所は給料制なんだから……使い切れる額じゃないとしてもね」
「わーった、わーった。しかし、お前、昔より根性着いてきたよな……」
どうやらキリヤさんと愛理さんの愛人関係は長いようだ。
「……とりあえず、積もる話は後でしましょう。せっかく四人で集まったんだし……」
ふたりはバスローブの紐を解き半裸になる。そして、私たちに近づき、私はキリヤさん、優は愛理さんにベッドの近くまで手を取って引き連れる。
初めての部屋だったからベッドの縮尺が変な感じになる。これってキングサイズだから。
「……愛理はどっちとしたい……」
「あたしは由香ちゃんと。どうせならやったことない子とエッチしたいし」
「なら、俺は翼とか」
どうする気なんだろう。私たちは四人暮らしになったけど、さすがに4Pは滅多にしたことがない。
同じベッドで私が静さんを抱いて、優が由香子さんを抱くことが4Pだとしたら含まれるけど。
75 :
150:2014/02/02(日) 00:52:22.21 ID:+fHm22Wg
今日の衣装はシンプルなキャミソールワンピース。私は赤。優は青の。キリヤさんたちは慣れた手つきで、肩紐を肩から外す。
抵抗はしないものの、されるがままなのは嫌だったので、少しだけ抱きつくようにして、脱がされるのを手伝う。
少しだけ横目で優たちを見やれば、優と愛理さんは同じ身長で、それぞれがお互いを脱がし合うような形になっているから、
愛理さんは殆ど全裸になっていて、優は胸は晒していたまま愛理さんのおっぱいを愛撫していた。思った以上に激しい動きになっている。
「おい、今は俺が相手だろう」
顔を無理矢理、キリヤさんの正面に向けられそのままキスを受ける。ただ、口と口だけですぐさま手つきは私を脱がす準備に入る。
「しかし、前抱いたときよりもでかくなってないか……」
ストンとキャミソールワンピースが脱げたら、私は上下の下着だけになる。そして目線は胸に集まる。
分かっているけど、胸ばっかり見られるのって実際、嫌かも。ショーの時だって胸ばっかり見られるし。
「気にしてるのか? それくらいでかけりゃ、男も女も食いつくぞ」
流れるようにブラのホックを外す。動きが速い。いつのまにかショーツに手がいってる。
「ぁぁあ……」
優が何をされているのか気になる。だけど、ちゃんと集中しないと。ああ、もうおちんちん掴まれてる。
気づいたときにはショーツも降ろされていて、膝よりも下に来たので、流れで左足を引き抜いた。
「んっ……」
「……立ったまましてみるっていうのはどうだ?」
両手を前に出され、そのままベッドに手を突く姿勢になる。そしてキリヤさんが私の持ってきたものじゃないローションをおまんこの表面に塗ってくる。
「媚薬入りとかって聞いたが……試させてもらおうか……」
心臓が鷲掴みにされる。媚薬なんてあるわけがない。あるとすれば、普通に麻薬の類。
「やぁっ!」
「おいっ……」
そういうのは嫌だ。これで最後なのに、後に何かが残るようなことだけは。
「……悪かったよ……冗談だ……ったく……優子は真面目すぎる……」
「そうよ、キリヤさん。優子は優しいんだから、そういう意地悪はダメよ」
「あぁぁ……」
後ろを振り返ると困った顔のキリヤさんと、カーペットに押し倒された優がおまんこに指を突っ込まれながら、胸を愛撫されている。
愛理さん、やられる前にやっちゃっている。優、頑張れ。
「……キリヤさん……私も由香も普通の仕事をする予定ですし、結婚してくれる人もいます……だから、冗談でもそういうこと言うのはやめてください」
「参ったよ……その代わり、最後何だから普通に抱かれるのは嫌じゃないだろう?」
「ええ……」
「由香の前でもか?」
「それくらいの覚悟、とっくにできています」
さっきの続きで、表面に塗ったのから、今度は少しずつ中に塗り込むように指を入れてくる。
そしてすぐに二本と指を増やして、もう大量のローションがわたしのおまんこに塗り込められる。
キリヤさんの無骨な指が四本も入ったら、もう準備は万全。ちょっと広げられすぎたくらい。
76 :
150:2014/02/02(日) 00:56:00.72 ID:+fHm22Wg
「こういうバックは初めてだな……」
「……来て……」
間を取らずにキリヤさんのおちんちんは一気に私の中に入ってくる。
ただ、今日は少し違うのは生で挿入されていること。トラブルを避けるためにコンドームが必須だけど、
引退する女の子に関してはお互いの体調を精密検査した上で、対応することが可能だということ。
もちろん、私も優も引退を決めた日からずっと検査を受けて、優とはもちろん由香子さんと静さんともセックスをしない日が続いていた。
それはもちろん優も。一週間じゃ利かない期間の我慢は、今の身体でも少し辛いくらい。
「あぁぁっ!!!」
熱い。身体の中は沸騰しているのに、その熱を更に高められるような気分。熱量に浮かされ意識が薄くなる。
「相変わらず……締め付けやがって、欲しがりがっ!」
「んんっ!! 大きいぃ……」
生でセックスしたのは優とだけ。仕事を辞める相談をしたとき、
マネージャーから最後だからってことで、そういうサービスをすることはできないかって話があった。
私は、嫌じゃないけど優の気持ちの方が大事だった。
「ボクは翼が構わないなら、それで良いよ。知っている人なら、せめてお世話になったお礼みたいなものだし」
それがこうして身体の中を圧迫するように満たされることに、
自分が巨大な筒になったようにしてキリヤさんを迎え入れている感覚に支配されている感じがとても良い。
とても太くて長いおちんちんは、Gスポットを抉ったり、お腹の奥を抉ったりして、
いつのまにかおまんこが自然な収縮じゃなく、快感に反応しておちんちんを締め付けている感覚が続く。
「ふえっ!」
急に身体が起こされたと思った。違う、キリヤさんは腰を掴んでいた両手を私の両腕に回し、そのまま腰を打ち付けてくる。
腕の支えが無くなって、立ちバックの姿勢のままピストンされる。感覚が腕とかに分散していたのに、こんな風に一点集中されたらおかしくなる。
「はぁぁあああっっ!!」
勢いはそのまま、身体全体を仰け反らせながら悲鳴のような嬌声を上げる。
「ああんっ!!」
あ、誰かが喘いでいると一瞬だけ、自分の快感以外に意識を向けると、優はいつのまにかベッドで愛理さんに騎乗位で犯されていた。
激しく腰を振りながら優の乳首を嬲っている。その光景を見るだけで、一緒に犯されているという感覚に私は激しく被虐心を煽られてきた。
「あっあっ……んっ……ああぁっ!!」
何度目か仰け反ったとき、今度はそのままの姿勢で硬直が治まらない。ずっとそのまま、腰からの快感が頭の奥から突き破りそうなまま声にならない声を上げていた。
いつのまにか涎が顎を伝ってたけど、もう拭ってられない。毛穴という毛穴から体液がこぼれ落ちそう。
「もう限界か? ならイケよ、イッちまえこの淫乱!!」
腰の動きをより激しくされ、最後の一押しをされた衝撃で白目を向くくらいの衝撃と意識のブラックアウトとクリトリスからの激しい愛液の放出を感じ取った。
77 :
150:2014/02/02(日) 00:56:43.50 ID:+fHm22Wg
「おーい……生きてる?」
意識が混濁している中、やっと意識が少し回復した際、私のことを確認していたのは愛理さんだった。
「あ、大丈夫ね……しかし……股間以外は女の子ね……あたし映画でレズビアンの役をやったときでも、
相手の子、そんなに肌つやとか綺麗じゃなかったもの……惚れ惚れするわね……」
改めてまじまじと見られるのは、もはや同姓みたいなものでも恥ずかしい。何度かセックスをした相手でも。
「ああっ! やあっ!」
後ろから嬌声。
「由香ちゃんよ。キリヤさんが対面座位でやってる。キスで口塞いじゃうから、由香ちゃん喘げなくて、たまに呼吸するときだけああして」
還暦過ぎてもあの精力を保てるのが凄い。正直、私もさっきので相当、腰に来ている。私たちと訳が違う。
「イッっちゃう!! イッチャウ! いっちゃあうー!!!」
言葉にならない悲鳴を上げて優がキリヤさんに抱きつく。
「おい……溜めてたのか……こんなにぶっかけやがって……」
キリヤさんはゆっくりと優を寝かせ、お腹に掛かった白濁した液体を指先で弄んでいた。
「優子ちゃんと由香ちゃんはまだ立てそうにない? 悪いけど、ちょっとシャワー浴びちゃうわね」
愛理さんはまるで確認をするように言ってから、ベッドから降りたキリヤさんと一緒にバスルームに向かっていった。
「優……大丈夫?」
小声で呼びかけると
「うん……大丈夫」
お互いに小声で、芋虫みたいに這いつくばりながらそっとキスをした。こんなに近くて遠い感覚が怖くて、なんとなく早く身体を寄せ合いたかった。
そして、シャワーから帰ってきたふたりがこんなことを言ってきた。
「実は、あたしね、未婚の母になることを決めたの」
「……ということは」
「まだ、妊娠は確認できてねえが、一応は俺の子ってことになるな。愛理は一応物好きだからな。
俺の子を産むと決めたらピルを飲むの止めて、ちゃんと記録着けてやがる。お前がビッチじゃねーのくらい知ってるっつの」
キリヤさんは苦々しく呟いた。
「一応ね、マスコミには絶対バレたくないし、認知はしてもらうけどそれすらも知られたくないの。で、まー密会場所としては、このお店は絶好の場所なの」
「俺は見せつける趣味は無いんだがな……」
つまりはふたりしてお店を利用して妊娠を目論んでいるということ。
一応、鑑賞するという意味で女の子を指名して個室に呼ぶことはできるけど、個室に呼んだ女の子に見せつける目的なんて。
「……一応、お前らは、正直俺たちも気に入っているから、今日だけは普通に抱いたが……これから俺と愛理がやるのを見てくれれば良い。店は知ってるだろうがな……」
ふたりのセックスは普通に行われた。特に変った動きでもなく、正常位から対面座位に変って、激しい声を上げて。
ただ、私とセックスしたのに生で普通にやって大丈夫なのかな、ってちょっどけ心配した。
そんなふたりの姿を見ていたら、優が左手を握ってきたので、私はそれを握り替えした。
この日で仕事は終わり、朝になってキリヤさんと愛理さんが先に部屋を出た後に、私たちはマネージャーと少しだけ話をした。
「お疲れ様……明日からは、ここのことは忘れなさい。そして、あなたたちはずっと昔から女の子だった。それだけ。分かった?」
「「はい」」
私たちは、家に送り届けられるまでの間、これまでの長い間のことを思い出す。辛いこともあったけど、今の私たちになるためには必要なことだった。
そういう気持ちになれるだけでも充分だった。
78 :
150:2014/02/02(日) 00:57:25.05 ID:+fHm22Wg
大学を卒業して優と私はある大学病院で看護士として働いている。事務的な面で女性として扱ってもらっている。
牧村先生の計らいもあるけれど、医療機関だからということで理解もあるみたい。
戸籍を変えると由香子さんと結婚することができない。だから、私の翼という名前であることがとても嬉しかった。
看護士になるまでに大変だったことは、やっぱり家族へのカミングアウト。
お父さんが驚いたあげく、私が結婚相手まで連れてきたのにはパニックになりかかった。危うく救急車まで呼びそうになった。
だけど、由香子さんは最近では有名な女性誌の記事を書いたりしていているところから、今ではネットでエッセイストとしても活動している。
大学卒業してからの活躍が色々なところで評価されていたらしい。最近では小説を書いてみるように薦められて、
遠出をしない代わりに部屋にこもって執筆しては出版社を往復することも多い。
結局、見送りに来てくれたのはお母さんだけだった。
「たぶん……お父さんが納得するまでは掛かりそうね……」
お母さんはとても複雑な顔をしている。ただ、前よりも暗い気持ちではないみたい。
「由香子さん……あなたの仕事の話を聞いてみたら、思った以上にちゃんとしているみたいで良かったわ。翼もしっかりとしているみたいで。
だから……何かあったら連絡しても良いからね……由香子さん、娘を、翼をお願いします」
見送ってもらって特急電車に乗るまで、私は無言だった。
「どうしたの? 翼……」
「本当は、優のことも紹介したかったな……」
「……もう少し、私がお母さんと仲良くなってからね……でも、私だってあなたの恋人なんだからね」
ちょっと卑屈かもしれない。ただ、これで一生会えなくなるとか考えなくて済みそうで。いつかまた姿形は変っても帰ってこれそうで。
「後、これは静さんにも優にもまだ教えていないことなんだけど……」
「なに?」
「再来月に、わたし、作家デビューする」
「本当に?」
「ええ。結果如何では、ベストセラー作家になるかもね」
「凄いな……」
「たまたまよ。結果出せなきゃ、ライターの仕事は続くわけだし、身体動く間は小説専業ってわけにはいかないんだから。
ただ、これで私が小説でいっぱい収入を得られたら、家も買えるかもね。いつまでも賃貸暮らしっていうのも気分的にね」
由香子さんの中では明るい未来しか考えられていないみたい。
79 :
150:2014/02/02(日) 01:01:21.28 ID:+fHm22Wg
三年、看護士として仕事をした。そして優が三十歳になる前に子供を作ろうという話になった。
最初は優が悩みに悩んで、由香子さんとの間に子供を作ることにした。これは、私にも配慮したことだった。
「お姉ちゃんの子供なら、ボクの子供みたいなものだもんね」
「じゃあ、代わりにあたしは翼ちゃんの子供が欲しい」
静さんはどうせなら一緒に産んだ方がまとめて済むだろうという意見。そしてふたりとも簡単に妊娠したので、結局、私たちの職場で産むことになる予定。
だけどその前に。
私たちは入籍をして、ささやかな結婚式をした。全員でウエディングドレスを着て、数少ない呼べる知り合いを集めて、立食パーティーのようなものをした。
私たちは複雑な関係性だけど、パートナーっていうよりも共犯者。
妻であり恋人であり、姉妹であり家族であり、私たちは私たちのためだけに結ばれた関係性をこうして形にした。誰もこれを邪魔なんてさせるわけにはいかない。
妊娠した時期が同じだったので、生まれる予定日もほとんど同じだった。由香子さんが産んだ二日後に静さんも出産した。
だから出生届は同日に出した。双子みたいに育てちゃおうということにした。
静さんは名字が優と結婚した扱いだから遠藤になったし、由香子さんは私と同じ名字になった。
由香子さんの小説は賞こそ受賞しないけれど、結構な売上を記録していて、インタビュー取材やテレビ出演も何度かしている。
やっぱり美人だと得だったりする。私たちの存在は少しも触れられないのが少し驚いた。どうやら小説家のスキャンダルは週刊誌とかは滅多に触れないらしい。
何よりも出版社が出しているから、由香子さんに小説を書いてもらえなくなるとかで触れられないとか。
そうして由香子さんが在宅で仕事ができる上に、静さんは信頼おけるスタッフをお店に増やして、
基本的にはオーナーという扱いで店の管理的なことしかしないようになった。
だから年子で二人目を産むのは何ら問題は無かった。そうして産まれたのが女の子だった。やっぱり時期が被っているから双子扱いで育てることにした。
由香子さんと静さんが授乳が大変だから私たちも育児にてんやわんやだった。
家族が増えている間は性的欲求不満とかそんなことを考えている余裕なんてなかった。家族が増えるのって大変だ。
だけど、それでもこの忙しさを得られるということは、私たちは幸せなんだって確信めいたものを感じた。
――――――――――
次で最終回です。設定とか質問とか聞いてみたことがあれば、ある程度受け付けます。
もうネタ切れですので……。
80 :
150:2014/02/03(月) 00:51:53.69 ID:Iimt/m+d
これで最後です。数ヶ月おつきあいありがとうございました!
――――――――――――――――――――――
そして優が30歳の誕生日を迎える半年前に、私も一緒に睾丸の摘出手術をした。
それほど感慨も無い。余分な物が取れた感じ。それは優も同じみたいで、「後、ちょっとだね」と言ってくれた。
そしてそのまま優秀な性別適合手術ができる医者を紹介してもらった。これも牧村先生の人脈が生きた。
タイまで行く必要はなかった。実を言うと技術もタイの医者以上の技術がある人だけど、ある特殊な事情で日本では執刀をやっていないそうだ。
理由は例の如く知ってはいけない話になるから私たちは興味を持つことはしなかった。
それでもタイで10年は執刀してきた人なので技術が粗悪というわけではないそうだ。
私も優も念のために、三十歳になるまでに摂取する分の薬の料金と性別適合手術のお金は充分に確保している。
それどころか余ってしまうくらいのお金は充分に持っている。無駄遣いするつもりは全然無いけれど。
だから手術費用に関しては問題が無かった。しかも事情によって安くしてもらった。モルモット的な感じ。
そうして同じ日のほぼ同じ時間に手術が行われた。もちろん最悪の場合は今生の別れになるかもしれないから、手術の前日は深く深くキスをした。
そして、長いブラックアウトの後に、目覚めたときには隣のベッドで優が目覚めていて、荒い呼吸をしながらも微笑んでくれた。
良かった、一緒に生きていたんだって安心した。
入院とかで長い期間休むことになったことで、しばらく私たちは休職という扱いにはなっている。
ただ、あまり長期間休むのも悩みどころ。由香子さんと静さんは最悪、主婦になれば良いとは言ってくれているけど、
せっかくここまで来たんだから、ちゃんと女性として生きていきたい。
身体が動かせるようになっても、大変なのはダイレーションの作業。私にできたちゃんとしたおまんこに樹脂製の器具を挿入する作業。
これを毎日ちゃんと決まり通りやらないと塞がってしまう。
無事に退院した後も、優と私は基本的にその作業ばかり行わざるを得なかった。そのため、牧村先生とは長い付き合いになりそうだった。
彼女曰く、私たちのデータは相当な資料として生かされているらしい。
81 :
150:2014/02/03(月) 00:52:31.16 ID:Iimt/m+d
「「退院おめでとう!」」
一緒に家に帰って、リビングのテーブルに座ったら、いきなり退院おめでとう! の声と同時にケーキが運ばれてきた。
「子供たちは……?」
「みんなお昼寝中。翼ママと優ママが帰ってくるのを楽しみにし過ぎちゃって疲れたみたいよ」
ママが四人いるっていうのも少しどころじゃなく、とても変だと思う。由香子さんは大らかなので気にしないけど、色々と今後のことは考えておかないと。
「隼人と鷹斗は元気にしてる?」
「ふたりとも元気よ。でも、隼人ったら食いしん坊だから、ご飯作ってるときのつまみ食いだけは止めないのよねぇ……誰に似たんだか……」
静さんの視線は由香子さんに向かう。
「お姉ちゃん……」
「優だって、小さい頃は結構、食いしん坊だったわよ……」
「そんなー……」
男の子はふたりとも言葉も覚えて、少し腕白なのが隼人。由香子さんと優の間に産まれた子供。弟の鷹斗はどちらかというと大人しい。
よく寝ているけれど、隼人と一緒にいるときに、兄の暴走を止めたりするので不思議な力関係が働いている。
妹ふたりに関しては、まだ特徴というのが出ていないけれど、優衣と楓という名前をつけている。
私と由香子さんの間に生まれた子が優衣で、優と静さんの間の子が楓だ。
「……話には聞いていたけど……ダイレーションって大変なのね……」
当然、手術の後は生活が元に戻すまでは大変だった。まずしばらくは絶対安静だし、仕事に戻れるかという不安もあった。
「安心しなさい。ベストセラー作家が着いているんだから」
「由香子……調子に乗らないの」
静さんは家族の窘め役として存在してくれるので、私も優も少し安心してしまう。やっぱり三人じゃこうして生きていくのが難しかったかもしれないね。
82 :
150:2014/02/03(月) 00:53:56.75 ID:Iimt/m+d
数ヶ月に渉る期間を経て、牧村先生からセックスをしても大丈夫と告げられた。
「あまり……無茶な器具挿入とかはしないようにして下さいね」
やっぱり事故とかそういうのはあるらしい。
そして、私たちはさすがに由香子さんと静さんが使っているものをそのまま使うのも何だか違うと思ったので、自分たち用の双頭ディルドーとペニスバンドを買った。
昔はそれぞれ個室を持っていたけど、将来的なことを考えて、お互いのパートナーと一緒に寝ることが多くなった。
子供も小さい子が由香子さんと静さんと寝かせて、大きい方といっても一歳差だけど、男の子たちは私たちと一緒に眠る。
だけど、今日は特別だから子供たちは全員、隣の部屋で寝ている。もちろん防音だから、私たちが何をしているかなんて知るよしもない。
夏が目前の少しだけ汗ばむ夜だった。だけど、その分、簡単に裸になることができた。膝立ちのまま見つめ合った。
優の方が年上で三十歳を目前にしていても肌はとてもきれい。私たちの身体は勝手に女性ホルモンが生成されるから、食生活さえ気をつけていれば充分に肌や体調は安定する。
「女の人になって初めて優の身体見るね……」
「うん……翼は、もっときれいになってる」
いつも忙しく働いていたのもあって、時々は肌荒れになったり、少しストレスで体調不良にもなったりするけど、
手術の後はしばらく安静にして、少しずつ無理なく仕事に復帰していった。だからふたりとも体調は今が一番順調。
「……やっぱり、翼のおっぱい大きいね……」
「優だって、Eカップになったじゃない……」
そっと優の手が私のFカップのおっぱいに触れる。さすがにもう安定したからこれ以上大きくなくて済みそう。後は垂れるのだけが心配。
「優……」
私も優のおっぱいに触れる。そっとお互いをまさぐるような動き。自然と吐息が漏れてきている。
自然と抱き合う姿勢になったころには指で乳首を摘み、手の平で転がしていた。
裸になったときには、お互いに気づいていたけど乳首が立っていた。早く素肌同士を触れあわせたかった。
「翼、キスして……」
愛撫に翻弄され潤んだ瞳で優が私を求めてくる。愛撫の手を止め、身体を抱くように唇を重ねた。
そして自然に唇を濡らすようにお互いが舌先で唇に触れ甘噛みするように唇と舌先を舐め回す。
ピチャピチャという微かな破裂音が響き出す。キスが激しくなるとこうして舌を絡ませながら唾液を分け合う。
性器が重なり合うのとは別でひとつになっている感触がたまらない。お互いに解け合いそうになってくる。
「んっ……優……舌出して……」
甘えてくる優の舌が少しずつ伸びてくるので、キスの流れから口の中に入れ、甘噛みしつつ舌先で触れる。
呼吸困難になりそうだけど、少しだけ我慢。そのまま優の舌を口全体で味わう。
83 :
150:2014/02/03(月) 01:00:06.06 ID:Iimt/m+d
「……はぁっ……もう、翼の欲しがり……」
「だって、優が私のこと誘うから……」
息が続かなかったから優は荒い呼吸をしてるけど、また唇と近づけても嫌がる素振りを見せない。
優が求めるように舌を出してくるので、今度はキスをしながら舌と舌で舐め合う。
私が何度も優の舌と唇を舐め回したら、今度は優が私の顔を舐め回す。頬や鼻の頂点とか。
すっぴんだけど優は顔まで舐めてくるから、こうやって長いセックスのときはスキンケアが疎かになる。化粧水とか乳液とかは毒だから。
「ぅふんっ……優……顔、舐めちゃダメ……」
「ヤダ……翼のきれいな顔舐めさせて……」
されるがままにしつつ、両手でおっぱいを揉んだら、少しだけ動きが遅くなったので、そのまま繰り替えす。
優だって結構な巨乳だし、弾力はちょっと私よりあるから感触もたまらない。
「ひゃんっ!」
夢中でおっぱいを揉んでいたら、首筋に舌を這わせてきたから、びっくりする。おまけに思った以上に感じる。
そしてそのまま顔を舐めながら、優は私のおっぱいを揉んでくる。
「最初は……ぅんっ……ボクが責めるの多かったのに……どんどんエッチに……んんっ……なっちゃったよね……」
少し不満の色を込めて言ってくるから、
「だって……優にぃ……いつも、されてて……嬉しいけど、あっ……悪いなぁって……思っていたのと……んっ……」
「されるがままなのが……やなんで……しょう」
手術をする前から、愛撫の執拗さはお互いに増したと思う。無くなる物を頼るようなセックスを終える準備はいつもしていた。
「そうだよ……」
返事と同時に両手で、顔を舐め回す優の身体を少しだけ離し、気を緩めた優のおっぱいの乳頭を銜える……。
「んんっ……翼……赤ちゃんじゃないんだからぁ……」
「うぅーん……んっんっ……」
「ボク……あぁ……おっぱいでないよぉ……」
知ってる。だけど乳首を吸い付くのが好きだからしょうがない。
静さんが妊娠したときは、DカップがHカップまで成長しちゃったから、
優と私で母乳を吸いながら、妊婦の由香子さんがペニスバンドで静さんのアナルを犯すなんて倒錯的な4Pまでした。
妊婦さんは便秘しやすいから浣腸したついでだってことで。
「……おいしいよ、優のおっぱい……んっ……」
「……じゃあ……翼、おまんこ慣れた?」
胸ばかりやられてたから、優は私の新しいおまんこに触ってくる。
睾丸摘出から性別適合手術まで一気にやった関係で、私たちの女性器は形状も感覚も一般の性別適合手術以上の結果をもたらしている。
だから、触られるだけで思ったよりも感じることができた。
「……優……早い……」
「遅いよぉ……早く、翼と繋がりたい……」
84 :
150:2014/02/03(月) 01:00:33.44 ID:Iimt/m+d
優と私でお互いに徳用ローションをお互いの手の平に垂らしながら、指先でおまんこを濡らし合う。
ダイレーションで太いダイレーターを差し込んでいたから、指ぐらいなら余裕で二本、三本は大丈夫だった。
「……双頭ディルドーで良いよね……」
「翼が良いなら……」
選んだのは長めの双頭ディルドー。もっと短いのやバイブ機能があるのもあったけど、最初は慣れる意味もあって単純な物にした。
優を寝かせる体制にさせて、私は片側のディルドーをおまんこに挿入した。
「……うんっ……」
ダイレーター入れるときは普通にしているからだけど、こうやって挿入するだけで快感を意識する。
やっぱりセックスって感情を伴うものなんだなって嬉しくなる。
「優……左脚あげて」
松葉崩しの体位になるから、私が腕で優の左足を抱えるように持ち、右脚というか太股に跨る体制になる。
「翼……入れて……」
「うん……行くよ、優……」
優の中にディルドーの反対側を挿入する。自分の身体の一部じゃないから入っているのか不安になる。
「あぁ……入ってるぅ……」
甘えるような声で優が言う。その言葉に私の身体が震える。
「……優……ごめん……我慢できない……」
「良いよ、動いて……翼に気持ち良くなってもらいたい……」
緩慢な動きになるのはしょうがない。あんまりしたことがない体位だし、私も自分の側のディルドーが抜けない位置と動きを確かめながら動いている。
「……ぅん……はぁ……」
「優……きもち……んっ……いい?」
「……うん……なんとか……ぁぁあ……」
優の左脚を抱くよう腰を動かしている。やっぱり不思議とおまんこの感触よりも、身体の中や触れあう肌の方が感じる。優の身体がとても気持ち良い。
「翼……つばさはぁ……」
何とか声を出してくる優。ああ、私はもう充分気持ち良いのに。もった感じて欲しいから、私のことなんて気にしなくても良いのに。
「気持ち良い! 優、もっと感じて!」
思わず大きな声を出して、私はもっと激しく腰を振る。勢いを強くすれば私も深く突き刺さり、大きな声で喘ぐ。
「翼……なんか……もう……ダメかも」
「あぁっ、嬉しい! 感じてっ! もっとっ!」
ありえないくらい気持ち良い。私たちなら、ずっとこうしていける気がした。優が感じるように、私もありえないくらい気持ち良かった。
運命が残酷だなんて思えない。こうなるために私は男の子に産まれたんだ。優と出会うために男に産まれて女になったんだ。
「ああぁぁぁっっっ!!!!」
「優っ!! 私もぉぉっっ!!!!」
お互いを貫く快感の勢いに意識が飛ばされ、私は優の左脚を抱えたまま、マットレスに倒れ込んだ。
85 :
150:2014/02/03(月) 01:03:12.75 ID:Iimt/m+d
「起きなさい……翼ちゃん……」
意識が戻ったのは呼びかけられたから。
「あれ……静さん……」
「ごめんね……トイレに起きたら、ちょうどあなたたちがイっちゃった声が聞こえて……
もちろん遂、聞き耳を立てただけなんだけどね。大丈夫、子供たちは気づいてないから……」
様子を見に来た、という野暮なことは静さんはしない。理由は見れば分かった。静さんは全裸でペニスバンドを装着していた。
「私もいるわよ」
よく見れば暗がりで由香子さんも全裸でペニスバンドを装着している。
「翼……」
顔を起こすと身体を起こした優が、苦笑いしながら、
「お姉ちゃんたちも入れて欲しいって……」
「明日は日曜日でしょう……それに、もう一回戦くらいはできるでしょう……」
優は苦笑いのまま首を振った。そして私は、分かりましたという言葉を返す。後戯ができなかったのは残念だけど、
四人で暮らすと決めたから、こういうことになるのはしょうがないと思った。今の生活だけでも充分幸せなのに、不平不満を口にする気はなかった。
とりあえず、私は起き上がって優にキスをした。これだけは確かなんだから。
その後。
隼人と鷹斗が三歳になったので、それぞれの実家で七五三のお祝いをした。そこで優と由香子の両親と初めて会った。
さすがに孫の顔を見たら、反対気味だった父親も顔が緩んで、ちゃんと生きるように由香子さんと優には強く言われ、
私と静さんにはよろしくお願いしますと頭を下げられた。ただ、さすがに子供たちの両親が違うとは言えなかった。
そして、私の実家に関してはこれまた孫が産まれてその報告を遅ればせながらした。結局、お父さんは由香子さんが嫌でも有名になって、
子供まで産まれてしまったということで、しょうがなく認めてくれた。性別適合手術に関してはお母さんと兄さんたちに報告していて、
全て終わってしまったこととしてお父さんも反対しようがなかった。だから正直、死ななくて本当に良かったとは今なら思える。
86 :
150:2014/02/03(月) 01:16:52.08 ID:Iimt/m+d
仕事復帰をしても問題は無く生活が安定して、子育てをしながら、大学時代の同級生とも同窓会で再開した。
やっぱり私の生活が特殊なので少し興味を持たれたりした。だけど、みんな私と優を普通に女子として扱ってくれるし、年賀状のやりとりもするようになった。
そんな年賀状の中で、カホから年賀状が届いていた。いつもはイラスト入りの年賀状だったけど、今年は写真が使われているものだった。
海外で同性婚が可能な国で結婚式を挙げたとのこと。今はカナダで暮らしていることの報告だった。
年賀状をより分けていたら、由香子さんがその年賀状をまじまじと見て、涙を流した。どうしたのかと驚いたら、
カホの隣にいた女性が由香子さんの元彼女の緑さんという人だということが分かった。
酷い別れ方をしたから、今、幸せに暮らせているとは思いもよらなかったって。だけど、それなら私だって驚いている。まさか、過去がこういう形で繋がるなんて。
全員が三十代になったとき、もう子供たちのことが中心になって、あまり個人的なものから性的な悩みは考えないようになった。
それよりも子供たちがどう幸せになっていくかという考えに四人の気持ちは一致している。
ただ、とりあえず懸念があるとすれば、同性愛者や性同一性障害じゃなければ良いんだけど、ということ。
だって、子供たちは悩み苦しまないで普通に生活してもらいたいと思うのが自然だったりするから。
そんなことを考えて少し憂鬱な気分になると、決まって優が私の手を握る。だから私は優のために笑顔になった。これからも同じことが繰り返されることを確信しながら。
私は、男の子で産まれて良かった。苦しんだけど、今よりも幸せな人生を送る自信なんてない。だから、今の私は何も悩まず何も苦しまず、ただ幸せ。
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ということで、以上終了です。もう余力は少しもありません……
暫定的な設定として、それぞれの外見として翼は堀北真希が男装してるのがガチの男で、最終的に今になったと思ってください。ただし巨乳で。
優は、少し前にラストフレンズで上野樹里がしてた外見に近いです。女→男の性同一性障害って設定だったけどその逆。穏やかな印象で。
由香子はモデルの田中美保みたいな感じで。サッカーの稲本の奥さんですね。
静は、女優の水川あさみってところ。
身長とかの設定はさすがに分からないのでそこまでは決めてません。
とりあえず、おつきあいありがとうございました。エロ小説を書くのは初めてなので、ここまで書いた自分に逆に引きますw
ということで、こんどこそ本当にさようならです。
乙でした。
GJ!
お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
エロくて最高っす
前半も読みたいんですが、どうすればいいでしょう
BLUEさんって半年以上みないけど忙しいんだろうか・・・・
ほしゅ
ほしゅ
保守
ほしゅ