立場だけの交換・変化 7交換目?

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243名無しさん@ピンキー:2014/06/27(金) 07:40:12.94 ID:CRvwMjDJ
ft-type2の新作が一応完結?
今までにない位ツボだわ
244yuu:2014/06/27(金) 19:51:06.32 ID:bYGdLbAB
>>242
それは、書いてる時にも感じましたw
見た目が変わらないで立場とか能力が変化するところを、どう表現すれば有効活用できるか難しいところです。
245名無しさん@ピンキー:2014/06/27(金) 23:39:25.69 ID:CRvwMjDJ
>>243
まだ完結ではないのでは?
あそこの人昔から見てるけど、立場交換系とか本当いいもの書くよな
246名無しさん@ピンキー:2014/06/28(土) 23:21:34.32 ID:b3CBp3N0
>243 245= ID:CRvwMjDJ
自演乙。
いや、自分もあの人の作品はリスペクトしてるほうだけど、こういうステマはどうかと……
それはともかく、ふと思いついたんだけど、不条理系でもオカルト系でもなく、
社会全体が立場交換を黙認、見て見ぬふりしてる系の話ってあったっけ?
247名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 05:29:16.71 ID:2EqnAGqG
246も含めて自演だったりしてな
248名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 08:46:39.73 ID:zxmbUMKa
ID同じとか何がしたいやらw

ただ、あそこの作者ってとにかくマイペースというか、
むしろコメントが付くと筆が止まる傾向にある変な人って印象があるからなあ
10年以上も読者がいるか分からんようなサイトで淡々と書いてる人が
今更宣伝みたいな行為するかねえ。俺が肩入れし過ぎなのかな

どっちかと言えば書き手の流れを止めたい人なのでは、と思う
249yuu:2014/06/29(日) 08:56:58.17 ID:/K++8F5q
>>246
243と245は別人だったけど立場(ID)交換されてしまった可能性が・・!

とう言うのは置いておいて、古い漫画で読んだネタで、
忙しい日々に嫌気が差してた社長と、金持ちになりたいと思ってたタクシードライバーのそっくりさんが
双方同意のもと入れ替わるっていうのを見た気がします。
まあ、エッチな要素は皆無ですが。

あとは、エロゲーで「令嬢トレーダー」ってのが説明読む限り近いかもです。
影武者として枕営業をさせられてきた女と、それを知らずに育った令嬢の交換ものみたいです。
250yuu:2014/06/29(日) 09:53:05.63 ID:/K++8F5q
>>243 245にインスパイアされた小ネタを書いてみましたw
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「あ〜、もうダメ、やっぱりわからないよ〜」
そう言って、私は全然進まない宿題ノート上に突っ伏した。
「まだ、10分しか経ってないじゃないか、もう少し考えろよ」
「え〜、もう無理だよ、教えてよ〜」
「はぁ、だめだ、そんなんじゃお前のためになんないだろ」
「う〜、ケチ」
私の目の前で、カタカタと必死にパソコンへ何かを入力しているのは、幼なじみのヒロくんだ。
ヒロくんは、メガネでオタクで、なんかこうアレだけど、まあまあいいやつなので、時々こうやって宿題を教わってきているのだ。
「ちょっと、トイレ行ってくる、せめて、それまでは考えておけよ」
「え〜、む〜り〜」
私の文句を聞き流しつつ、ヒロくんはトイレに行ってしまった。
残された私は、宿題やる気も起きなかったので興味本位でヒロくんのパソコンを覗いてみた。
すると、そこにあったのは、ネットの掲示板での書き込みだった。
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 243 名前:自分[] 投稿日:2014/06/27(金) 15:20:12.94 ID:ARvwMjDJ
 ◯◯さんの新作が一応完結?
 今までにない位ツボだわ
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(って、あいつ真面目な顔して何してるかと思ったら、掲示板に書き込んでただけかよ)
そこの掲示板は私もよく見る掲示板で、意外と世界は狭いんだなと思った。
(あれ、◯◯さんの新作ってまだ簡潔じゃねえよな。しょうがねえな、あいつにフォローしておいてやるか)
私はヒロくんのPCを勝手に操作し書き込んでみた。
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 245 名前:自分[] 投稿日:2014/06/27(金) 15:20:12.94 ID:ARvwMjDJ
 >>243
 まだ完結ではないのでは?
 あそこの人昔から見てるけど、本当いいもの書くよな
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書き込み完了し、掲示板に戻ると私はまずいことに気づいてしまった。
(あ、やべ、このままだとヒロのやつが自演してるように見えるな。まあ、どうせ匿名の掲示板だし知ったこったないか)

そんなことを考えているうちに、ヒロくんが帰ってきた。
「おまたせ〜、ヒロくん。今度こそ、勉強教えて〜」
ヒロくんは、いつもの私のしゃべり方を真似するかのように高い声で話しかけてきた。
真面目でおとなしいヒロがそんなしゃべり方をするのは見たこともなかったので、あたしは驚いて声も出なかった。
とは言え、そのままツッコミ放置をするわけにもいかないので、私は笑いそうになる声を振り絞り言った。
「ちょ、あんた、何言ってるのよ。何で、ヒロがあたしみたいな口調で、あたしみたいなこと喋ってるのよ。頭大丈夫・・?」
私は正論を振りかざした、つもりだった・・・。でも、帰ってきた返事は予想外だった。
「はぁ?あんたこそ、大丈夫?あたしが何でヒロになってるのよ。あたしはあたし、エリよ。アンタこそ、頭大丈夫・・?」
その答えに私の頭は混乱してきた。
最初はヒロが面白半分で始めた冗談かと思ってたけど、よく考えればヒロにはこんなことする度胸も演技力もないし、あの顔は嘘をついているようには見えない。
(いったい、何が起きてるのよ・・・)

「まあ、いいわ、とにかく勉強教えて、はいっ、まずはここから。」
そう言って、目の前のヒロは私の方に問題集を向け、指差してきた。
(そんなこと、私に言われてもわかるわけが・・・、あれ、何で私この問題わかっちゃうの!?)
私は驚いた。
さっきまで、いくら考えてもわからなかった問題は、今は見ただけで解き方がわかり、むしろ何でコレを解けなかったのかがわからないくらいだったからだ。
「ん?何固まってるのよ。ヒロならこんくらい余裕でしょ。早く教えてよ」
「あ、ごめんごめん、解き方はわかるんだけどさ、どう教えればいいかちょっと悩んじゃってさ。」
ヒロにそう言われてとっさに私はそう答えてしまった。
「じゃあ、まず、この問題の解くときのポイントなんだけど、・・・・」
私は、いつもヒロが教えてくれるやり方を思い出しながら、目の前のヒロに教えてみた。
ヒロは、「あ、そうか、こうやればいいんだ。さすが、ヒロ教え方うまいね」と言って、いつもの私が言うように私のことをおだててきた。
そんな事言われると、男の私は嬉しくなってきて、ついつい勉強を教えてしまうのだっった。
251yuu:2014/06/29(日) 09:54:23.28 ID:/K++8F5q
「やっと、終わったーーーーー」
「お疲れ様、エリ」
「ヒロくんの教え方がうまかったおかげだよ、ありがとね」
そう言われると、私も悪い気がしなかった。
「あ、そろそろ暗くなってきちゃうから帰るね」
「家まで送ろっか?」
「そんな、子供じゃないんだし、大丈夫だよ〜。じゃあ、また明日学校でね〜」
そう言うと、エリは玄関から出て行ってしまった。
部屋にもどり、私はさっきまでエリがいたクッションに思わず顔をうずめてしまった。
クッションからは女の子の香りがした気がして、私は興奮してしまった。
さっきまで、自分がエリだった気がしたのだが、そんなことどうでも良くなってて、私はクッショにわずかに残されたエリの香りを嗅ぎながら、エリのことを想い、自然と股間をいじっていた。
(はぁはぁ、エリ、エリィイィーーー)
そして、私はイッてしまった。

絶頂後、冷静になったところで、私は罪悪感を感じ自己嫌悪におちいって、ベッドに突っ伏していた。
(はあ、私ってば何やってるんだろう。どうせ、エリは私のこと好きになってくれないのに・・)
エリにとって私は幼なじみで、それなりに仲の良い関係だったが、恋人とかそういう基準では見ていないことは知っていた。
(でも、好きなんだよな〜、どうすりゃいいんだろう・・・)
それを知っていても、諦められないので私は悩んでいたのだ。
(まあ、悩んでいてもしょうがない、気分転換にパソコンでもやるか)
そう思い、PCを見ると、私のコメントに『自演乙』とコメントがつけられていて、ちょっとへこんだのだった。

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243 245さんは現実でこんな展開になってるはずっ!と思うとすごく萌えましたw
252yuu:2014/06/29(日) 13:07:05.33 ID:/K++8F5q
妄想がさらに膨らんでしまったので、別視点&完結編ですw
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「あ〜、もうダメ、やっぱりわからないよ〜」
そう言って、エリは全然進んでいない宿題ノートの上に突っ伏した。
「まだ、10分しか経ってないじゃないか、もう少し考えろよ」
「え〜、もう無理だよ、教えてよ〜」
「はぁ、だめだ、そんなんじゃお前のためになんないだろ」
「う〜、ケチ」
僕の目の前で、机に突っ伏し文句を言っているのは、幼なじみのエリだ。
エリは、オタクな僕とは違ってかわいくて友だちも多く、男子からも結構人気がある。
僕は幼なじみで勉強もできるということで、たまにこうやって勉強を教えているのだった。

僕は小さい頃から、エリのことが好きだけど、エリの方は僕のことを男として見てくれてないのか、机に突っ伏してた時も胸がチラリと見えていて僕はドキッとしてしまった。
好きな子にそんなことを気づかれるのは恥ずかしいので、僕は平然を装い、パソコンのキーボードを無駄にカタカタ叩きごまかしていた。
「ちょっと、トイレ行ってくる、せめて、それまでは考えておけよ」
「え〜、む〜り〜」
とは言え、このまま一緒にいると、主に下半身の辺りがごまかしが効かなくなってきそうだったので、とりあえずトイレにいくことにした。
そして、トイレに入り、僕はスマホを取り出した。
トイレに来たのは心を落ち着かせるためでもあったのだが、昨日落としたアプリを試してみたいというのもあったのだ。
昨日僕が見つけたアプリ、それは『立場交換アプリ』というものだった。

『立場交換アプリ』
「好きな人になかなか自分の気持ちを伝えられないあなた、相手の気持がわからなくてモヤモヤしているあなた、このアプリで相手の気持ちをわかっちゃおう!」

そんな怪しげなキャッチフレーズのアプリだった。
こんなアプリを信用するのもどうかと思うが、騙されたと思って僕はダウンロードしたのだ。
僕はアプリを起動し、交換する名前の欄に自分の名前とエリの名前を入れ、決定のボタンを押した。
すると、なんだか、一瞬視界がか途切れた気がした。


気が付くと、あたしはトイレに居た。
(あ、そうか、勉強わかんないから、トイレに行って気分転換にスマホいじってたんだっけ)
さすがにそろそろ戻んないと、ヒロくんも不審がるだろうと思って、あたしはひろくんの部屋へともどった。
「おまたせ〜、ヒロくん。今度こそ、勉強教えて〜」
部屋にもどったあたしは、いつも通りヒロくんに勉強を教わろうと思って言ったんだけど、ヒロくんの様子はなんだか変だった。
「ちょ、あんた、何言ってるのよ。何で、ヒロがあたしみたいな口調で、あたしみたいなこと喋ってるのよ。頭大丈夫・・?」
なんか、ヒロくんは私になりきったみたいなしゃべり方で話していた。
「はぁ?あんたこそ、大丈夫?あたしが何でヒロになってるのよ。あたしはあたし、エリよ。アンタこそ、頭大丈夫・・?」
私はヒロくんがおかしくなっちゃったのかと思って、ちょっと強い口調で反論してしまった。
なんだか、ヒロくんも納得してない様子でおかしかったけど、勉強を教えてもらっているうちに直るかと思って、強引にでも話を進めることにした。
「まあ、いいわ、とにかく勉強教えて、はいっ、まずはここから。」
そう言って、私はヒロくんの方に問題集を向け、わからない問題を指差してきた。
「ん?何固まってるのよ。ヒロならこんくらい余裕でしょ。早く教えてよ」
「あ、ごめんごめん、解き方はわかるんだけどさ、どう教えればいいかちょっと悩んじゃってさ。」
ヒロくんの様子がいつもの調子に戻ってきた気がした。
「じゃあ、まず、この問題の解くときのポイントなんだけど、・・・・」
ヒロくんの教え方はいつものようにわかりやすくて、思わず私は
「あ、そうか、こうやればいいんだ。さすが、ヒロ教え方うまいね」
と言ってしまった。

「やっと、終わったーーーーー」
ヒロくんにほぼ全部教えてもらいながらだったけど、なんとか宿題が終わった。
「お疲れ様、エリ」
「ヒロくんの教え方がうまかったおかげだよ、ありがとね」
こうやって、勉強の苦手なあたしに勉強を教えてくれるヒロくんはほんといいやつだと思う。
「あ、そろそろ暗くなってきちゃうから帰るね」
「家まで送ろっか?」
「そんな、子供じゃないんだし、大丈夫だよ〜。じゃあ、また明日学校でね〜」
子供じゃないし、家も近くだったので私はそのまま一人で家に帰った。
253yuu:2014/06/29(日) 13:08:04.71 ID:/K++8F5q
家に帰り、私は早速シャワーを浴びた。
勉強で疲れた体をリフレッシュしたかったからだ。
シャワーを浴びている時、ふと鏡を見ると、私の姿が映った。
でも、なんだかいつものあたしと違う気がしてた。
(あれ、あれ、何が違うんだろう・・・)
そうやって見ているうちに、あたしは思い出した。
そう、あたしは本当はヒロで、エリと立場を交換したヒロだってことを思い出した。
自覚して見なおしてみると、鏡に写っているのは女のあたしの体ではなくて、華奢ながらも力強さのある男の体だった。
思春期に入ってから男の裸なんて見たことのなかったあたしは、その姿、特に股間にそそり立っているアレを見てドキリとしてしまった。
(そっか、ヒロももう大人なんだな・・・)
あたしは、昔、小学校低学年の頃にヒロくんと一緒お風呂に入った時のことを思い出し、時間の流れを感じてしまった。

部屋にもどり、あたしはベッドに突っ伏し、悶々と悩んでいた。
その悩みとは、あたしがヒロくんの気持ちに気づいてしまったということだ。

あたしとヒロくんは幼なじみで一緒に過ごしてきた。
一緒と言っても、中学に入る頃には学校ではほとんど話さなくなってて、下校の時にたまに話したり、勉強を教えてもらってたくらいだ。
あたしにとって、ヒロくんはどんなやつかといえば、よくもわるくもいい人だった。
勉強が苦手なあたしに対して、文句も言わず辛抱強く勉強を教えてくれるヒロはいいやつだったけど、恋人とかそういうものとしては全然見ていなかった。

でも、ヒロくんの方は違った。
ヒロくんはあたしのことがずっと前から好きで、あたしがヒロくんのことをそういう風に見てないことを知ってて、それでも、あたしのことを好きだと思ってくれてたのだ。
これは、元々ヒロで、エリの立場になったあたしだったからわかったこと。

ううん、誤魔化すのは良くないか。
多分、あたし自身も薄々気づいてたんだけど、ヒロくんの気持ちには答えられないと思い込んでて答えをだすのを避けてたんだ。
でも、もう、それは出来ない。
今、ヒロくんの立場になったあたしも同じことに気づいているだろう。
アプリの期限は1日って書いてあったから、明日には元に戻るんだと思う。
そうなっても、色々と気づいてしまったあたし達は元の関係には戻れない。
だから、せめて、きちんとヒロくんに向きあおう。
そう思った。


私から見てヒロくんってどんな男子なんだろうか。
・性格
 →かっこよくはないけど、いい人で優しいとは思う。頼りがいも・・・見た目よりはあると思う。
・見た目
 →見た目はダメダメだと思う。オタクっぽいメガネは好きじゃないし、服のセンスもなってないと思う。ただ、体格はちょうどいいし、顔も悪くはないから色々直せばマシにはなるかもしれない。
・将来性
 →勉強は出来るから良い大学に入りそうだし、将来性は悪く無さそうだ。

(あれ、もしかして、ヒロくんって見た目直せばかなり優良物件なんじゃない・・?)
冷静に分析してみて、あたしは気づいてしまった。
そこで、あたしはファッション誌を見ながら試しに脳内シミュレーションしてみた。
メガネを外し、髪型や服装もかっこよくしたヒロくんの姿・・・。
そして、シミュレートした結果、すごい事に気づいてしまった。
これ、あたしの好きなアイドルにそっくりじゃん。

あたしの好きなアイドルは、アイドルにしてはちょっと冴えない系の見た目で、みんなからは人気が無かったが、あたしは何となく好きだったのだ。
(これって、もしかして、ヒロくんがアイドルのあの子に似てるってこと?
いや、もしかして、あたしがあのアイドルを好きになったのってヒロくんに似てたから!?
って、もしかして、あたしってヒロくんの事好きだったってことなの!?)
なんか、頭のなかに自分でも予想外な結論がグルグルと回っていった。
でも、その突拍子もない結論は的を射ていて、あたしの中に否定する言葉は見つからなかった。
254yuu:2014/06/29(日) 13:08:45.51 ID:/K++8F5q
やがて、あたしは妄想してしまった。
かっこ良くなったヒロくんが一緒に勉強を教えてくれるところ。
かっこ良くなったヒロくんと一緒に毎日登校したり、下校したりするシーン。
かっこ良くなったヒロくんがわたしのことを、優しく抱きしめてくれるところ。
かっこ良くなったヒロくんと私がキスするシーン・・・・

気づくとあたしの手は、股間にのびていた。
あたしの脳内妄想は止まることを知らず加速し、それに比例してあたしの手の動きもどんどん激しくなり、私の感情もじわじわと高まっていった。
やがて、あたしは、ヒロくんと激しく愛しあうところを想像しながらイッてしまった。


翌朝、目が覚めると僕は元の僕にもどっていた。
気づかないうちに、いつものベッドで寝ていた。
僕は昨日、エリの立場で色々と妄想していたことを思い出し、そして、僕の立場でエリが何を考えていたのかも思い出してしまった。
僕は恥ずかしくなってしまったけど、ここで立ち止まるわけにもいかず、エリにメールした。
『登校前、いつもの公園で会おう』と。

公園で待っていると、エリがやってきた。
エリは恥ずかしそうな顔で、「おはよう」とつぶやいた。
僕は、恥ずかしくてバクバクいっている心臓の鼓動を抑えながら、勇気を振り絞り言った。
「僕、エリのことが好きだ。付き合ってください」
その告白にエリは安堵したような顔でこう答えてくれた。
「いいわよ。その代わり、私の好みどおりのかっこいい男にしちゃうんだからね」
そう答えるエリの笑顔を見て、僕は泣きそうになるくらい嬉しかったのだった。
===============================================
これで、本当に終わりです。m(_ _)m
255名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 17:42:53.53 ID:B0zOe7kT
巧い! スレの流れを逆手にとった、技ありなSSですね。
──そして、ひと晩寝たあとホントに戻ってたのか?
 ……と言うと微ホラーに(笑)
256名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 19:55:17.50 ID:gXrAaPz+
立場交換アプリ欲しい
257『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:18:46.40 ID:B0zOe7kT
#いつものことなのですが、後編が前編+中編くらいの長さに……。バランス悪いなぁ。


『俺の従妹がDカップ女子小学生のはずがない!?』後編

 結局、“真相”が明らかになったのは、それから4日後のことだった。

 あの日、例の夢を見て以来、俺は「朝実ちゃん」と「とも姉」の異常さをはっきりと認識するようになっていた。
 いや、より正確に言うなら、「ふたりの異常を認識しない周囲の異常」と言うべきか。
 「朝実ちゃん」はまだいい。12歳で165センチくらいの身長の娘も捜せばいるだろうし、そういう子はえてして早熟だから体型も似たようなものだ。顔が大人びてはいるものの、スッピンだし表情自体は幼いから、小学生はともかく中学生くらいに見えないこともない。
 けれど、「とも姉」──北条朋絵を自称している人物は、どう転んでも成人女性には見えない。単に身長が低いというだけでなく、プロポーションも顔つきも、さらに言えば雰囲気だって到底「大人」と呼べるものじゃない。完全に「大人のコスプレをした小学生」だ。
 それなのに周囲の人間は誰ひとり、その“異常さ”にツッコまない。背が低いということは自他共に認めているようだが、せいぜいその程度。
 アニメやラノベじゃないんだから、月詠小萌や道楽宴みたいな幼女先生がリアルでいてたまるか! まぁ、正確にはまだ教育実習生だけどな。
 かく言う俺自身、あの夢を見るまで何の違和感も抱いてなかったことが、またうさん臭い。
 何度か探りを入れてみたものの、「朝実ちゃん」の方は、どうやらそのコトに自覚がないらしい。俺としても、可愛い妹分(ホントは姉貴分かもしれないけど)をこれ以上根拠なく疑いたくはない。
 もう片方の“当事者”であるはずの「とも姉」だが、こちらは露骨に避けられているうえ、前述のとおり言動もどこかチグハグだ。女子大生、教育実習生としての“知識”はあるみたいだが、どこか芝居じみているというか……。

 しかし、俺が明確に疑念を抱いていることを悟り観念したのか、教育実習開始後5日目の金曜日、向こうのほうから接触してきた。
 放課後、所属している美化委員会の活動(というか校内見回り&ゴミ拾い)を終えて、校門から帰ろうとしている俺に、久しぶりに「とも姉」が話しかけてきたのだ。
 「──“ハムテルくん”、今帰り?」
 今日の彼女の服装は、ライトベージュに枯葉色の小花が散った柄の膝丈のワンピースという幾分カジュアルなもので、実習時間が終わったからかブラウンに染めた髪も解いており、緩やかにウェーブしつつふんわり背中に広がっている。
 低身長と童顔な点さえ除けば、確かに“今時の女子大生”らしい格好でそれなりに似合っており、不覚にも一瞬見惚れてしまった。
 「あ……えーと、北条先生? 何か俺に用ですか?」
 「ふふっ、もう学校の外だから、「とも姉」でいいわよ」
 「いや、それは……」
 俺が言い淀んでいると、身長140センチ代の教育実習生は「やっぱりね」とどこか寂しげに笑った。
258『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:19:26.06 ID:B0zOe7kT
 「今日、これから何か用がある? もしないなら、ちょっとお話ししたいことがあるのだけれど」
 とりたてて用はない。それに、俺の方も彼女に訊きたいことがあったのは確かだ。
 「……わかった。つきあうよ」

 「とも姉」に案内されたのは、予想していた喫茶店やファミレスの類いではなく、ウチの高校から歩いて15分ほどの位置にある、小奇麗なマンションの一室──つまり、彼女の部屋だった。
 「この部屋に入る男の人は、お父さん以外では“ハムテルくん”がふたり目よ」
 先程の憂いはどこへやら、小悪魔めいた表情でそんなことを言われると、いくら目の前の女性が小学生にしか見えずとも、緊張せざるを得ない。
 「お、お邪魔しまーす……」
 自然と挨拶の声も遠慮がちになる。
 促されて一歩足を踏み入れると、リビングは彼女の幼い外見に似合わず落ち着いた印象の部屋だった。
 壁紙やカーペットが桜色やラベンダー色でコーディネートされていたり、ローテーブルに一輪ざしが飾られている点は女らしさを感じさせるが、ぬいぐるみやマスコット人形の類いは見当たらない。
 もしかしたらドア1枚隔てた寝室はもう少し異なる雰囲気の可能性もあるが、さすがに許可なくそこを覗き込むほど無礼じゃないつもりだ。
 「コーヒーと紅茶、どちらにする?」
 「じゃ、じゃあ、紅茶で」
 リビングに隣接するキッチンスペースでは、「とも姉」がリクエスト通り紅茶を淹れてくれている。容姿は全然異なるはずなのに、その仕草はありし日に“ともえ姉ちゃん”がミルクティーを淹れてくれた時の光景とダブり、俺を不思議な気分にさせた。
 「はい。男の子が喜ぶようなお茶受けがなくて、ごめんなさいね」
 「い、いえ、お構いなく」
 出された紅茶のカップをすする。いい茶葉を使っているのか、それとも淹れる人の腕前がいいのか、本格喫茶さながらに美味しかった。
 「──さて、私に何か聞きたいことがあるんじゃない?」
 自らもカップに口をつけたあと、彼女がズバリと切り込んできた。
 「えーっと……」
 この部屋に来て以来、どうにもペースを握られっぱなしの俺は何を言えばいいのか一瞬迷う。
 先程から目にした事象の数々は、目の前の女性の外見が不釣り合いに幼いという点を除けば、確かに年上の女子大生に相応しいものばかりだ。
 あるいは、すべては俺の勘違い、妄想に過ぎないのではないか? 「朝実ちゃん」も「とも姉」も、何ら問題なく、その立場を全うしているではないか……。
 そんな気分にさえなってくる。

 何と言えばよいかわからなくなった俺は、部屋を見回してとっさに目についたモノ──写真立てについて話題をふってみた。
 「えっと、あの写真の男性、ずいぶん親しげですね。もしかして、彼氏ですか?」
 話のとっかかりくらいになればと思ったんだが、彼女は意外な反応を示した。
 「ええ、そうよ。私の恋人……ううん、お互いの両親の了解も得たから、婚約者(フィアンセ)というほうが正確かしら」
 薄紅色の宝石がついた指輪を誇らしげに左薬指にはめてみせる「とも姉」。おそらく、婚約指輪というヤツなんだろう。
259『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:20:16.37 ID:B0zOe7kT
 「へぇ、どういう人なんですか?」
 「天野せんせ…じゃなくて、正成さんは、小学校の先生をしてるのよ! 私も、彼の影響で教師を志したの!!」
 早口で言い直す様子が微妙に引っかかる。
 「──もしかして、その天野さんって、桜庭小学校に勤めているんじゃないスか?」
 当て推量で、「朝実ちゃん」が通っている学校の名前を挙げると、ビクンと背筋を震わせる。なるほど、ビンゴか。
 「さらに言うと、“水原朝実”の担任の先生だったり?」
 疑惑の眼差しで追及してみると、しばしの沈黙の後、彼女は小さく溜め息をついた。
 「…………はぁ〜。おにぃちゃん、勘が良すぎ」
 やっぱりか。そして、俺の事を“おにぃちゃん”と呼ぶからには……。
 「朝実ちゃん、なのか?」
 「うん、まぁね」

 本物の朝実ちゃんが言うには、彼女が昨年度の担任教師だった天野正成に恋をしたことが、事の発端らしい。
 もっとも、小学5年生の女子と新任とは言え23歳の成人男性が結ばれることは、現代日本の社会常識に照らし合わせれば、まずあり得ない。これが、10年後、朝実ちゃんが21歳、相手が33歳になった頃なら話は別だが。
 無論、聡明な朝実ちゃんもそのことは理解していたし、大好きな先生を困らせるつもりもなかった。
 そのままなら、彼女も恋心を秘めたまま卒業・成長し、幼き日の淡い思い出にすることもできたろう。
 しかし、運が悪いことに、天野教諭が婚約したこと、その婚約者が学生時代の後輩で現役女子大生であること、そしてその女性が他ならぬ従姉の北条朋絵さんであることを、朝実ちゃんは知ってしまったのだ。
 相手が見ず知らずの女性ならまだ良かった。それなりに恨みもしたろうが、まだあきらめはつく。
 しかし、よりによって姉にも等しい女性が自らの想い人と結ばれることは、“彼”のことを思って想いを心の内に封印した朝実ちゃんにとって、どうしても我慢ならなかった。
 かといって、たかだか女子小学生に何ができるわけでもない。
 鬱々とした気分を抱える中、ある日の下校中に、朝実ちゃんは道端で見慣れぬ露天商を見かける。普段なら、変な寄り道などしない優等生な朝実ちゃんだが、その時はまるで磁石が鉄に吸いつけられるように、その露天商のもとに歩みよってしまったらしい。
 時代劇の浪人みたいな編み笠をかぶった、うさんくさい露天商は、しかし彼女が声をかけると、やけに親切に応対して、一組の名札を2000円で売ってくれた。
 それは鳥魚相換札という呪いのアイテムで、自分と相手の名前を書いたうえで、自分が相手の、相手が自分の名札をつけることで、互いの立場が交換されるという効果があるらしい。
 いかに小学生とは言え分別のしっかりしてくる11歳の少女だけに、そんな魔法じみた内容に半信半疑だったが、その効能は確かだった。
 1ヵ月程前、両親が留守にしているタイミングで、朝実ちゃんは朋絵さんに連絡をして、久しぶりに水原家に遊びに来てもらうよう依頼する。
 訪れた朋絵さんとしばらく歓談した後、ごっこ遊びのフリをして名札をつけてもらったところ、いきなりふたりとも眠り込んでしまい、目が覚めるとふたりの髪型と服装──のみならず立場までが入れ替わっていたのだ!
 しかし、そのままでは朋絵さんは何とか元に戻ろうと試行錯誤するだろう。あるいは、あの名札に原因があると気付くかもしれない。
 そこで、露天商がサービスでつけてくれた「あい・まい・みぃ」という記憶を曖昧にするスプレー薬を、隙をみて「朝実の立場になった朋絵さん」に吹きつけて吸い込ませることで、完全に彼女を“水原朝実”の立場に固定することに成功したのだ。
 しかも、それ以後、彼女は極力水原家に近寄らないようにしているらしい。
260『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:21:15.34 ID:B0zOe7kT
 「それで、あの「朝実ちゃん」が朋絵さんのことを覚えていなかったのか……」
 「ただ、立場交換した朝実と朋絵の両方に強い因果を持つ人なら、現状に違和感を感じるかもしれないとは言われていたわ。それがまさかおにぃちゃんだったとは思わなかったけど」
 肩をすくめる偽とも姉。真相を知った身からすれば、目の前の相手は女子小学生に過ぎないはずだが、仕草は妙に大人びていた。
 「もしかして、記憶や知識も交換されているのか?」
 「ええ、それに仕草とか癖の類いもね。もっとも、完全に交換されるのは大分時間がかかったけど、ひと月経った最近は、ようやく自然に振る舞えるようになってきたわ」
 そう答える彼女の様子は、確かに本来の年齢には不相応な落ち着きを感じさせる。

 「ところで、これからおにぃちゃん──“ハムテルくん”は、どうするつもりなの?」
 話が一段落した時点で逆に聞き返されて、返答に詰まる。
 「えーと、念のため聞くけど、元に戻るつもりは……」
 「ないわね。今は、せっかくあの人の婚約者になれたんだもの」
 「ですよねー」
 いかに好きな人のためとは言え、彼女には、両親や友人も含めた元の生活環境を捨てるだけの覚悟があったのだ。生半可な説得は無意味だろう。
 「それに……本当に戻ってしまっていいの?」
 再び小悪魔めいた視線を俺に向けてくる偽とも姉。
 「? どういう意味かな?」
 「貴方、小さい頃から、朋絵お姉ちゃん──「本物の北条朋絵」に憧れていたでしょ」
 「!」
 見抜かれてたのか。女の子は如何に小さくても女なんだなぁ。
 「“叔母様”とも電話でお話ししたのだけれど、あの子、ずいぶんと貴方に懐いているみたいじゃない。貴方自身も満更じゃないのでしょう?」
 うん、まぁ、否定はしない。
 「3、4年経てば──ううん、あの子が来年中学生になったら、貴方は高校3年生。高校生と中学生なら恋人になっても、世間的に見てそれほどおかしくないはずよ」
 「!」
 「パパとママ──いえ、“叔母様”や“伯父様”も“ハムテルくん”のことは気に入ってるみたいだし、貴方になら娘を任せてもいいと思っているのじゃないかしら?」
 ──思い当たるフシがないでもない。と言うか、明らかに外堀は埋められてるような……。
 「でも、もし元に戻ったら……憧れのお姉ちゃんは、見知らぬ男のもとにお嫁に行っちゃうわね。あらあら、“ハムテルくん”可哀想」
 小悪魔どころか本物の悪魔じみた誘惑(だらく)の言葉を囁く偽とも姉。
 「それは……」
 「ねえ、このままでいいじゃない。それに……そうそう、あの子、現状のままなら間違いなく処女(バージン)よ?」
 「ぶほっ!?」
 さすがに吹いた。
261『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:21:58.63 ID:B0zOe7kT
 「な、何を根拠に……」
 「だって、“わたし”がそうだったもの。ま、“北条朋絵”は、すでに何度もあの人に抱かれてるけどね」
 立場交換してから初めて彼に抱かれる時、覚悟してたんだけど、血も出なかったし痛みもなかったからね〜と、偽とも姉はアッケラカンと暴露する。
 (つまり、そういう面の立場までも交換されているワケか)
 ほんの一瞬、この幼い少女の裸身が写真の男性とベッドで絡み合っている様が脳裡に浮かび掛けるが、慌ててその妄想を振りはらう。
 「──俺に何をしろって言うんですか?」
 その質問は事実上の敗北宣言だったろう。
 「何も……ううん、あの子に優しくしてあげて。そのうえで、もし両想いになったら、あの子のことはよろしくね」
 先程悪魔の取引を持ちかけた女性とは思えぬほど優しい容貌(かお)で、「とも姉」はニッコリ微笑むのだった。


*エピローグ*

 そして1年後の6月。俺は、朝実ちゃんを始めとする水原家の人々と共に、この街の郊外にあるチャペルに来ていた。
 今日は結婚式があるのだ──無論、俺達のじゃなくて朋絵さんの、だけど。
 「──汝、天野正成は、この者、北条朋絵を妻とし……」
 キリスト教式の定番の作法で式典が進む。本人はともかく親族とはいえ部外者の身では、少々退屈にもなってくるのだが、俺の隣りに座る妹分にして(半ば親公認の)恋人は違うようだ。
 「ともえお姉ちゃん、綺麗……」
 うっとりした目付きで、純白のウェディングドレスを着た花嫁である「従姉」を見つめている。
 確かに綺麗で可憐だ。それは認める。
 あいかわらず身長は150センチに満たず、胸や腰の凹凸には乏しいものの、それが逆に妖精じみた不可思議な艶気を醸し出しているという意見も、否定するつもりはない。
 それに、俗に言う人生最良の門出の日を迎えている歓びのせいか、ウェディングメイクされた顔も4割方美少女ぶりがアップしているようにも思える。
262『Dカップ女子小学生!?』後編:2014/06/29(日) 21:22:50.37 ID:B0zOe7kT
 しかし!
 美人度ランキングでは、隣りにいる朝実ちゃんも決して負けていないと思うのだよ!
 ライムグリーンの袖無しシフォンドレスに、白いオーガンジーのショールを羽織り、スカート丈はローティーンらしくふくらはぎの半ばまでで、裾のフレアーがふんわり広がり気味なのがキュートだ。
 足元はちょっと背伸びした感がある白の7センチハイヒール。背中の半ばくらいまで伸びた髪をドレスと同じ色のリボンでポニーテイルに結い上げ、顔も真沙子さんにお化粧してもらったおかげで、中学1年生には見えないとびっきりの美女に仕上がっているのだ。
 (──まぁ、本当は22歳なんだから、当然なんだが)
 そう考えつつも、こんな顔も体も性格も極上の娘が自分のことを慕ってくれていると思うと、つい顔がニヤケてしまう。
 「? どうしたの、お兄ちゃん?」
 「んー、いや、俺達もいつか、こんな風に幸せな結婚式挙げられたらいいな、と思ってな」
 「や、やだ、もぅ♪ お兄ちゃんってば、気が早過ぎるよぉ〜」
 そう言いつつも、頬を染め満更でない感じなのが、丸わかりだ。チョロ可愛い。
 (1年前のあの時は、とも姉の言う通り何もしないままでいいのか、ちょっと悩んだけど……)
 少し、ほんの少しだけ自省じみた感慨にとらわれる。
 (こんな風にみんな幸せになれたんだから、正しい選択だったんだよな?)
 本当を言えば、真実を知ってしまったが故の罪悪感は、完全になくなったわけじゃない。
 でも、新郎新婦、そしてその親族や友人その他の列席者の笑顔を見ていると、「これはこれでアリだよな」と自分でも納得できる気がした。
 「お兄ちゃん、外に出てライスシャワーに参加しようよ!」
 朝実ちゃんに誘われ、俺もチャペルの外に出る。
 「ブーケトス、取れたらいいなぁ」
 「ヲイヲイ、さっき気が早いって自分でも言ってたじゃないか。この場は、もっとセッパ詰まったアダルトな方々に譲ってさしあげなさい」
 「はーい」
 ちょっと残念そうだが素直に頷くマイ・スイート・ラバー。本当に素直でいい子だ。
 「大丈夫、ブーケなんか取らなくても、10年後にはもらったげるから」
 耳元で囁くと、朝実ちゃんは満面の笑顔になって頷いた。
 「うんッ♪ 待ってるから!!」

-おしまい-

#以上。題材の割に背徳的にならなかったのは、私の技量と嗜好の問題かも。どっかでリライトすることがあれば、輝政×朝実、正成×朋絵のHシーンでも付け足すかもしれません。
#そして冷静に考えると、10年後、「朝実」の実年齢は32歳だけど、それでいいのかハムテルくん!?
263名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 21:48:25.50 ID:fW+fpu3R


「朝実ちゃん」みたいな綺麗な人なら実年齢30超えても20代の若々しさを保ってそうな気がします
むしろ32歳とかセクシーさで言えば丁度いい頃合いな気が(爆)


逆に「朋ねえ」の方はこれから先、肉体的に成長せず、ロリ固定なんでしょうね
264名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 22:14:31.29 ID:zxmbUMKa
GJ
年下の立場になったら肉体も若干若返りそうだけどな
実年齢はご察しのとおりだがw
265yuu:2014/06/29(日) 23:13:07.80 ID:/K++8F5q
乙です
成長期の立場になるということは、老化とか若返りじゃなくて、さらに発育する可能性も・・・?
まあ、元々の体型がいいから、これ以上成長されても困るかもですがw
266名無しさん@ピンキー:2014/06/29(日) 23:29:14.42 ID:788Ba6dF
>>257-262
完結おめ
輝政は「朝実」にいつ手を出してもおかしくはないなw

>>265
「朋絵」の本来の成長を「朝実」が肩代わりするなら
"Fカップ中学生"みたいになる可能性もあるのか
267yuu:2014/06/30(月) 22:41:23.14 ID:N/2pHP0W
いつものように思いつきでの短編の投稿です
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『エルフが淫魔に堕ちる時』


エルフの里
そこは、人間族の住む町々から遠く離れた場所にある。
自然や精霊との共存を尊重する彼らは森の深き所に住む。
エルフの長はハイエルフと呼ばれる魔力に長けたエルフが務めている。
歴代のハイエルフはその誰もが世界級の魔法使いであり、長年に渡りエルフの里が平和であったのは彼らの恩恵によるものとされている。
今代のエルフの長である私は、七色の髪の魔法使いとして知られ、その多彩な魔法は歴代のハイエルフの中でも随一と言われているらしい。

月明かりが雲間から差し込む深夜、私はいつもの様にベッドで寝ていた。
魔力への適応力が高く体の構造が精霊に近いハイエルフは、本来ならば睡眠を取る必要はないのだが、夢を通し記憶を整理するのが好きな私はこうやって他のものと同様に夜になると睡眠をとる。
今日も、夢の中で学んだ魔法を使ってみたり、仲良しの精霊たちとおしゃべりをしていた。
そんな時だった、急に目眩がし視界が真っ暗になった。
体が高揚し、息が荒くなり、炎の精霊がいるわけでもないのに体が熱くなってくるのを感じた。

私は我慢できなくなり目を覚ました。
すると、目の前には扇情的な下着を着た美人の姿があった。
本来なら、結界により何人も入れないはずの私の部屋に忍び込んだ彼女をすぐにでも撃退しなければいけないのだが、私は今までに見たことのないその色っぽさに見惚れてしまっていた。
「あなた、だれ・・・?」
「わたしはサキュバス。あなたで遊びに来たのよ」
その言葉に私はすぐに目を醒ました。
なぜなら、サキュバスといえば色欲を支配し、色気を振りまき人々を堕落させる卑しき存在であり、エルフとは対極にあるような存在だったからだ。

私はすぐさま彼女へと魔法を打ち込むべく、頭のなかで詠唱を始めた。
しかし、その詠唱は成功しなかった。
その前に、彼女の手が私の股間をなぞってきたからだ。
「あぁん」
股間から与えられる未知の刺激に私は全身をのけぞらせてしまい、魔法の詠唱どころではなかった。
その後も、彼女は私の表情を見ながら指で私の股間をなぞり続けた。
私はなぞられるたびに声をあげ全身を震わせ反応してしまい、彼女はその反応を楽しんでいるようだった。

私の頭はずっと混乱しぱなしだった。
なぜなら、今股間に与えられている刺激というのはおそらくのところ性的快感というものであり、精霊に近い存在であるハイエルフの私には存在しないはずのものだったからだ。
「あなた、、、私の体に何したの?」
「ふふふ、体には何もしてないわ、あなたの魂にあれを混ぜ込んであげたのよ」
そう言って彼女が見せてきたのは、赤紫色をした玉を私の体へと押し込んでいく映像だった。
その玉は禍々しいオーラを放っていて、本能的にあれはサキュバスの全てを凝縮したようなものだと感じた。
「それって、もしかしてサキュバスの・・・」
「そうよ、あれはサキュバスの魂といえるもの。これを混ぜてあげたあなたは、一時的にサキュバスになったようなものよ」
「そんな・・・」
卑しき存在に変えられてしまったことを告げられた私は、恐怖し絶望した。
「ふふ、そんな怖がらなくてもいいわよ。あなたぐらいの魔力なら明日には浄化が進んで元の魂に戻れるわよ」
私は、少しは希望が見えてきた気がしたが全然安心できなかった。
なぜなら、こうやって彼女がここにいるということは、まだ何かを企んでいるということだからだ。
「その代わり、こうやって朝まで遊んであげるからね♪」
そう言うと、彼女は指の動きを早め、私の股間を激しく刺激し始めた
私は、股間から与えられ続ける快感に耐えるのに精一杯で、魔法を詠唱するどころかしゃべることすらままならなかった。
268yuu:2014/06/30(月) 22:42:02.42 ID:N/2pHP0W
しばらくし、指の動きを遅めたと思ったら彼女は私に問いかけてきた。
「ねえ、あなた、なんでサキュバスがこうやってエッチなことするか知ってる?」
「え、・・。食事のためと気持ちよくなるため?」
私は数少ないサキュバスに関する知識を振り絞りそう答えた
「そうね、正解。でもね、あたしみたいな上級サキュバスにはもうひとつ重要な意味があるの」
「それって何・・?」
「それはね、相手の力を奪うこと・・。エッチなことをして相手を絶頂させると相手の力を少しだけ奪うことが出来るのよ」
私は恐怖した。
サキュバスの言っていた”私で遊ぶ”という言葉がそのままの意味だけとは思っていなかったが、私の高い魔力があれば生き残れはするだろうと思っていた。
だが、力を奪われるとなれば別だ。
力まで奪われてしまえば、そのまま殺されてしまうかもしれない。
サキュバスでは聞いたことがないが、ヴァンパイアの仲間には相手の力を絞りつくし殺す輩もいると知っていたので、私は恐怖した。

そして、すぐにでも魔法を発動させようと詠唱を始めたのだが、急激な快感に襲われ中断されてしまった。
「あらあら、怖い顔して大丈夫?怖くないようにちゃんと可愛がって、あ・げ・る・ね♪」
彼女は、再び指の動きを早め私の股間を刺激してきた。
今まで100年間、性的な刺激を感じずに過ごしてきた私にとって、彼女の熟練された指さばきは耐えられるものではなく、私は段々と快感の高みへとあげられていくのを感じた。
「あぁん、だめ、もう、あぁん」
やがて、私は快感の高みへと達し、視界が真っ白になり息が苦しくなり、何も考えられなくなるほどに気持ちよくなって、体中に快感がはじけ飛んでいくのを感じた。
そして、はじけ飛んだ快感が、体中をゆっくりと循環していく中、私の魔力が流れ出ていくのを感じた。
それは本来なら恐怖すべきものなのに、じわじわと魔力が流れていくさまはそれだけで甘い快感を私に与えていた。

ぼーと快感に身を委ねていると、いつの間にか彼女は体勢を変え、私の顔へと下半身を向け、私の股間を舐め始めた。
再び私は快楽の渦に巻き込まれた。
一度絶頂して疲れているはずの体は、貪欲にも新たな快感を求め腰をくねらせていた。
(ああ、こんな時なのに自然と快楽を求めるなんて、私本当にサキュバスにされちゃったんだ・・)
私は今度こそ絶頂しないようにガマンしようとしていたものの、魂の中のサキュバスの本能がそれを許さず、すぐに絶頂を迎えてしまった。
私は激しい絶頂の快感を感じるとともに、すぐに絶頂を迎え力を奪われてしまったことに悔しさを感じていた。

「ふふ、こんなに早くイッちゃうなんて、よほど気に入ってくれたようね。こんなに濡れてるし、そろそろ本番でも良さそうね」
彼女は再び体勢を変え、下着を脱いだ。
すると、下着をつけていた時には平らだったはずの彼女の股間には女性のものだけではなく、男性の性器もついていた。
サキュバスの本能により発情していた私は、思わずその男性器を見入ってしまった。
「そんなにじっくり見ちゃって、かわいいわね。大丈夫、すぐに入れてあげるわよ」
そう言って、彼女は私に覆いかぶさるようにして私の中へと挿入してきた。
「痛っくない・・?あぁん、気持ちいよ〜」
今まで性的経験のなかった私は、最初は痛いものだと聞いていて、実際私の股間からは血が流れ出していたが、全然痛くなかった。
それどころか、彼女がゆっくりと挿入してきて私の中が熱いもので満たされるのを感じるだけで、さっきまでとは別物の快感が私の中を駆け巡っていくのを感じた。
私はもはや抵抗することを考えることすら出来ず、彼女の腰の動きに身を任せ、快楽を感じていた。
やがて、彼女の腰の動きが激しくなり、急激に私は高められ、絶頂を迎えるのを感じた。
その直後、私の中に彼女の熱いエキスが流れだし、満たされていくのを感じた。
そして、そうやって満たされた分、体の中から急激に力が抜けていくのを感じた。
だが、その急激に力が抜けていく様すら、今の私には快感で、その快感に乗じてまた小さな絶頂を迎えてしまうのだった。
269yuu:2014/06/30(月) 22:42:33.45 ID:N/2pHP0W
やがて、力の流出が収まり、快感も治まってくると、彼女は私に鏡を見せつけてきた。
「ふふ、みてみて、あなたの青色うばちゃった♪」
私の頭は『七色の髪の魔法使い』という二つ名の通り、属性魔法に対応した7色の髪が自慢だった。
しかし、今鏡の中にある私の髪の色には青はなく、代わりにサキュバス特有の色っぽいピンク色があった。
目の前のサキュバスの髪の毛は、さっきまではピンク一色だったのに青が混じった色となっていた。
目をつぶって精霊の気配を探っても、子供の頃から一緒に居た水の精霊の気配は感じ取れず、私は水属性の力を奪われてしまったことを認識し、愕然とした。
呆然としている私をよそに、彼女は何やら私の知らない呪文を唱え始めた。
すると、スライムのような形状の水の精霊が現れた。
いつものような少女の姿ではないものの、それは私の友人である水の精霊だとすぐに分かった。
「ウェディ!なんで、あなたがこの子を召喚できたの・・・」
いつもなら、私にからみついて遊んでくるウェディは私のことなど見えてないかのごとく、彼女へと抱きついた。
「この子、もうあんたのことなんて覚えてないみたいよ。あたしのことをご主人様っだってさ」
その言葉に私は大切なモノを無くしてしまったことを再び感じ、そして感情に任せて魔法を放とうとした。

しかし、そんなことは彼女も予想していたのか、彼女はすぐに私にキスをしてきた。
百戦錬磨の彼女の下使いは凄まじく、ただのディープキスなのに私は股間を舐められていた時のような激しい快感を感じ、すぐに絶頂を迎えてしまった。
絶頂の余韻の中、動けずにいる私に対し彼女は言ってきた。
「そうだ、次はウェディちゃんも一緒に遊ぼうか」
そう言うと、ウェディは私の下半身に覆いかぶさるように移動してきた。
「いや、やめてよ、ウェディちゃん・・あぁん」
私の声はウェディには届かず、ウェディは彼女に指示されるままに私のお尻の穴を刺激し始めた。
ヌルヌルとしたしたウェディの体により私のお尻の穴がこじ開けられていくのを感じた。
その感覚は、排泄をした時のような気持ちよさだったのだが、いつもの比べ物にならないほど気持ちよく、私は背徳的な快感に酔いしれていた。
やがて、おしりの中まで到達すると、ウェディは体を収縮させ、私のアナルを刺激し始めた。
私はまるでアナルをピストン運動で犯されているかのような快感を感じ悶えた。

「二人だけで盛り上がっちゃってぇ、あたしも混ぜてよ」
やがて、見ているだけでは我慢できなくなったのか、彼女は前から挿入してきた。
後ろからの快感だけでも耐えるのに精一杯だったのに、前から攻められてどうにかなるわけもなく、私はすぐに絶頂を迎えてしまった。
そして、さっきと同じように私の体の中から急激に力が抜けていくのを感じ、私の中にあった暖かい炎の気配が無くなってしまうのを感じた。

その後も、彼女は宣言通り私で遊び続けた。
彼女に犯されるたび、私の中から大切なモノが消えていくのを感じたが、私は悔しさを感じながらも、快感には抗えず、いつしか、何も考えずにただ快感だけを貪るようになっていた。

そして、朝が来た。
私は一晩中犯され続け、数えきれないほどの絶頂を迎えてしまった。
七色だった私の髪の毛はサキュバス特有のピンク色になり、純白の肌は彼女の汁でまみれていた。
あれほどあった私の魔力はほとんど残されて無く、子供の頃から一緒だった精霊はもう見ることすら叶わなくなっていた。
そして、代わりに目の前のサキュバスの髪の毛は虹色の輝きを放っていて、その美しさにはまるでエルフのような気高さがあり、私の力の全てが彼女のものになってしまったのを感じた。
でも、そんなことは、もうどうでも良くなっていた、なぜなら・・・
「ねえ、朝を迎えたけど、あんたどんな気持ち?」
「最高に幸せです」
私の口からは心からの言葉が自然と出ていた。
私はハイエルフだった時には感じることの出来なかった快楽を感じ、とても幸せだった。
「あなた、これからどうしたい?もういちどエルフに戻りたい?」
「わたしは・・・、サキュバスとして暮らしたいです。そして、一生あなたに仕えたいです」
彼女は少し驚いた顔をしたが、すぐに口をニヤリとしてこう言った。
「ふふふ、あなた気に入ったわ。いいでしょ、これから一生めんどうみてあげるわよ」
「ありがとうございます、ご主人様。」
こうして、エルフの長はサキュバスの奴隷へと堕ちた。
この日を境に、エルフの里は色欲の渦巻く里へと変えられていくのだった。
270名無しさん@ピンキー:2014/07/01(火) 01:18:10.75 ID:djg4xo9U
面白いんだけど普通に悪堕ちの話に感じる
どうせなら力を奪ったサキュバスがエルフの長としてエルフの里に君臨して里のエルフから敬われて
傍らに居るサキュバスに堕ちたハイエルフが蔑まれるとかの内容があったらこのスレっぽいかなと思った
でもとてもJGなお話で面白かったです
271yuu:2014/07/01(火) 07:17:54.79 ID:AAnrr5XR
>>270
なるほど、それはありますね。
最近迷走中なところもあるので、参考になります
272yuu:2014/07/05(土) 13:26:57.06 ID:EwQoiAaf
たまには正統派な短編投稿しますw
『おままごと』

僕の家にはひとつ、変わったルールがある。
それは、妹の『おままごと』は絶対ということだ。

いつもの休日の夕方、リビングで僕はゲームをしてて、パパは難しそうな雑誌を読み、ママは夕飯の準備をしてた。

「みんな、おままごとするよ。あつまって〜」

妹のユミの声が聞こえると、僕達みんなユミの元に集まった。

なんでかわからないけど、ユミの声を聞くとそうしないといけない気がしてくるのだ。

「じゃあ、いつもどおり、めをつぶってね」

そう言われると、僕は目をつぶった。

「きょうは、ママがおにいちゃんで、おにいちゃんがママ。パパがわたしで、わたしがパパね。め、あけていいよ〜」

目を開けると、僕の格好はさっきまでお母さんが着ていた女物の服になってた。

なぜだか知らないけど、おままごとの間は洋服のサイズも変わるみたい。

ママのほうを見ると、ママはさっきまで僕が着ていた短パンを着ていてちょっと恥ずかしそうだった。

パパはすごく恥ずかしそうだった。スカートの下からオムツがはみ出しちゃってて、それを隠すのに必死だったみたい。
普段はかっこいいパパが、女の子みたいなかわいい格好して恥ずかしがってるのは、なんだか面白かった。

ユミはさっきまでお父さんが着ていた服を着て、大人になったみたいで満足気だった。

僕も最初はスカートとか恥ずかしかったけど、すぐに今の格好が自然に思えてきて、気にならなくなっちゃってた。

やがて、ユミは難しそうな雑誌を読むのに戻り、ママはゲームをしにもどり、パパは絵本を読み始め、僕は夕飯の準備にもどった。

おままごとをしている間は、その役のことは自然出来るみたいで、普段は料理しない僕でもこうやってお料理できるのだ。

しばらくして、料理も一段落ついたので、ユミ役と一緒にお風呂にはいることにした。

「ユミ、お風呂はいるわよ〜」

「は〜い、ママ」

いつもは渋い声のパパが、がんばって高い声を出して答えている姿に、僕は思わず笑いそうになってしまった。

その様子を見て、パパは思い出したかのように恥ずかしがっていた。

でも、僕たちはすぐに自分の役を思い出し、ママらしくユミらしくお風呂に入ることにした。
ユミになりきってはしゃぐパパのお洋服を脱がしたり、体を洗ったりするのは大変だったけど、子供みたいにはしゃぐパパは普段とギャップがあって面白かった。

お風呂から出て、夕飯の支度をし、夕飯を食べた。

パパはスプーンとフォークで楽しそうに食べてたけど、口の周りが汚れちゃってたので拭いてあげました。
273yuu:2014/07/05(土) 13:27:43.51 ID:EwQoiAaf
ユミはいつもと違い箸を器用に使って黙々と食べてました。見た目はまるっきり子供なユミが器用に箸を使ってる姿は、少し前に流行ったこども店長みたいで面白かった。

ママは、いつもより落ち着きない感じで、たまにご飯をポロリとこぼしながら急いでご飯を食べていました。僕はママに、「ゲームは逃げないんだから、落ち着いて食べなさい」って言った。
それを聞いたママは、一瞬、素にもどったように驚いた顔をして、恥ずかしがり、「は〜い」って答えた。

夕食が終わり、のんびり雑誌を読みながらテレビでも見てると、パパが眠たそうにしていたので、一緒に寝てあげることにしました。

しばらく、お話を聞かせてあげていると、パパは寝てしまいました。

いつもなら、僕も寝る時間だったんだけど、今日はママ役だからかまだまだ眠くなかったので、ユミに会うためパパの部屋にいるへ行くことにした。

「あなた、ユミ寝かせてきたわ」

「おつかれさま」

その後、僕たちは色々なことを話した。

会社のことや育児のこと、本来なら自分が知っちゃいけないようなことなのに、ママ役・パパ役の僕らの会話は弾んでしまい、なんだかイケないことをしてしてる気分で楽しかった。

やがて、話題はユミのことになった。

「ユミも、そろそろしたら手がかかる時期超えそうだな」

「そうね、もう少ししたら保育園にも行けるようになるわね」

「そうなったらさ、もう1人くらい子供がいても大丈夫だよな」

「ええ、そうね、3人くらいは子供欲しいって話してたもんね」

「なあ、せっかくだし、たまにはやらないか」

「あなた///」
274yuu:2014/07/05(土) 13:28:34.73 ID:EwQoiAaf
そう言って、僕たちはキスをした。

そのキスはいつもパパがやってるお出かけのチューとは違う大人のキスで、気持ちよくなって頭がぼーとしてきちゃった。

やがて、キスに満足すると、ユミは僕のおっぱいを舐めまわしてきた。

ユミの舌使いは、どこを舐めれば僕が気持ちよくなるのかをわかってるようで、僕は「あぁん」と思わず声を上げてしまうのだった。

そして、体が温まり準備ができてきたところで、ユミが僕の中に何かを挿入してきた。

当然、ユミにはおちんちんなんてついてないし、僕にも女の子のはついてないんだけど、何故か、熱くて大きい物が僕の中に入ってくるのを感じた。

ユミはゆるやかに腰を振り、熱い何かで僕の中をこするように突いてきた。

僕は突かれるごとにどんどん気持ちよくなって、どこかへ飛んでいってしまいそうになって怖くなりユミに必死に抱きついた。

ギュッと抱きしめた瞬間、ユミの熱い何かが大きくなり、熱い液体が僕の中に満たされていくのを感じた。

それと同時に僕の視界も真っ白になってイッちゃったのを感じた。


しばらくして、落ち着くと、ユミはパパのようにカッコつけてこう言いました。

「今日のおまえ、初めての時みたいで可愛かったぞ」

可愛いとか言われて僕は恥ずかしくなり、ベッドに顔をうずめてしまった。

その後もユミと僕は、あの快感を忘れられず何度もエッチをしちゃったのだった。


翌朝、目が覚めても僕はママ役のままだった。

いつもなら、おままごとは朝起きると元に戻ってたので、なんか嫌な予感がしていた。

ユミを起こして聞いてみても、ユミ自身も何で元に戻らないのかわからず、困っていた様子だった。

結局、色々と試してみたけど直らなかったので、僕たちはおままごとの役でしばらくは生活することにしました。

あれから三週間が経った。

戻れないってわかった時は大泣きしていたパパやママも今ではすっかり子供に馴染んでいる。
特にパパは馴染みすぎて、最近ではパパだった頃の記憶が怪しくなっていそうなレベルだ。

僕もママ役に馴染んできていたんだけど、ここ最近なんか何か調子が悪い気がしてて、もしかして・・・と思い、妊娠検査キットで調べてみたら、妊娠していたことがわかった。

ユミにそのことを話したら、きっと、それが原因で元に戻らないんだろうと言われた。

というわけで、どうやら僕は弟(or妹)を産むまではおままごとをやめれそうにないようだ・・・
275名無しさん@ピンキー:2014/07/05(土) 16:34:16.40 ID:bMhEMPwm
乙です!
ママやパパとの掛け合いがもっと見てみたかったかも
276名無しさん@ピンキー:2014/07/06(日) 03:22:24.11 ID:vKBQKedD
>>272
乙です。
てか、よくそんなにすらすらと書けるな。
アイデア浮かんでも文章にできない…
277名無しさん@ピンキー:2014/07/06(日) 09:29:15.12 ID:9/55pl8+
10年後、元気に女子中学生をしているパパの姿が!
278名無しさん@ピンキー:2014/07/06(日) 13:29:50.85 ID:0qaJbpuu
「ユミちゃん」はそろそろおむつが取れそうなのかな
「パパ」におむつ替えてもらったりトイレトレーニングしてもらったりと妄想が膨らむ
せっかくかわいいパンツはかせてもらったのにお漏らしちゃっておしおきされたりとか
279:2014/07/11(金) 05:16:19.38 ID:QrOoWjEJ
#ファンタジー世界が舞台の割と変化球気味な立場交換話を投下します。

『紅血の呪縛』

 田舎と言うより辺境という言葉が似合いそうなトランシア地方の西の外れにあるスルヴァナ村。人口100人余り、特産品は林檎と樺の材木という典型的な農林業主体の平和なこの村に、今ちょっとした騒動(トラブル)が起こっていた。
 「それで、マリア達は、まだ見つからないんですか?」
 この村唯一の小さな教会の主である修道服姿の青年が、心配そうな表情でこの村の村長を務める初老の男性に尋ねる。
 「ああ。とは言え、あのふたりのことじゃから、それほど心配はいらぬとは思うのだが……」
 「面目ない、ロミオ司祭! ウチのあんぽんたんがマリアちゃんを無理矢理連れ出しちまったに決まってる」
 同席している大柄な中年男性が、土下座しそうな勢いで思い切り頭を下げている。
 「頭を上げてください、ロバートさん。確かに、彼が誘った公算は強いでしょうが、ウチのマリアの方が年上で、見習とは言え聖職者なのです。むしろ、止めなかった点はあの子にも責任があります」
 人格者で知られる司祭は、ロバートの謝罪に如才なく答えた。
 と、その時……!
 「村長、アイツらが帰ってきやがった!」
 バンッと教会の扉を開けて若い男が駆け込んでくる。
 「「「!」」」
 3人はいっせいに立ち上がり、男に案内させて、その場へと急ぐ。
 村の入り口の柵の前には……。

 「えーっと、皆さんお揃いで、何してんの?」
 きょとんとした顔の14、5歳の少年が、同い年くらいの少女を背負って、数人の村人に囲まれて小首を傾げていた。
 「バッカもーーん! あんな置き手紙1枚残して消えるヤツがあるか!」
 案の定、父であるロバートは、拳骨とともに盛大な雷を落とす。
 「……ったぁ〜。なんでさ!? ちゃんと書き置き通り2日で戻って来たじゃん」
 「──確かに約束を守るのは良いことです。ですが、それ以前に、こういう無茶をする際は、年長者に一言相談してほしかったですね」
 いつもは温厚なロミオ司祭も、少なからず怒っているようだ。
 「あぅあぅ……ごめんなさい、お兄様」
 司祭の妹らしき少女が少年の背中から降りて縮こまる。
 「まぁまぁ、お小言は後にするとして……もしかして、マリアちゃんがケガでもしているのかね?」
 父兄ふたりをとりなす村長だが、結果的にそれは少年の一番の弱点を突いたようだ。
280『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:17:20.09 ID:QrOoWjEJ
 「う、うん。ちょっと足首を捻ったみたい──ごめん。ボクのせいだ」
 「そんな! アレはわたしがドジだったから……」
 「だとしても、あんな場所に連れて行かなければ、こんなメには合わなかったはずだし」
 しょんぼりする少年を少女が懸命に慰める。
 ある意味微笑ましい光景だが、ふたりが不在にしていた2日間、やきもきしていた大人陣としては、一言釘を刺しておかねばならない。
 「それで、「ちょっと冒険してきます」って、どこ行ってきたんだ? 北の森のゴブリンの巣穴か? あそこは、2年ほど前にワシと司祭とドゥーンのおやっさんで掃除(物理)したから、コボルト1匹残っちゃいないはずだが」
 「うん、知ってる」
 「では、南の廃坑ですか? 確かにあそこなら、ロックワームやはぐれノームがいてもおかしくありませんし、巧くすれば鉱石も拾えるでしょうが、君達には少し手に余るでしょう」
 「ええ、それはわかっています、お兄様」
 「だったら、どこへ……まさかっ!?」
 村長が血相を変え、残る大人達の表情も一気に厳しくなる。
 無言のまま10対近くの目に睨みつけられ、少年たちはついに観念した。
 「──うん、東の山奥の幽霊屋敷」
 「この大たわけが!!」
 先ほどとは比べ物にならない怒り混じりの叱責を父親から浴びせられた少年は、慌てて言い訳する。
 「で、でも、結局、屋敷の中には行けなかったんだよ。塀を乗り越えて庭までは入ったんだけど、玄関が開かなくて、色々試してるあいだに、マリアが転んで捻挫して……」
 その言葉に、ようやく父であるロバートは怒りの矛を収めた。
 「ふんっ! 当たり前だ。そもそもあそこは、冒険者経験のあるワシや神童と呼ばれたロミオ司祭でも入るのをためらう正体不明の場所だぞ。万一中に入れば、お前らみたいなヒヨッコでは、命がいくつあっても足りんわ!」
 「そう考えると、マリアの負傷で素直に引き返してきたのはむしろ幸運でしたね。あの屋敷には得体のしれない瘴気のようなものを感じましたから、長く留まれば蝕まれたかもしれません」
 司祭の言葉に「うんうん」と頷く大人たち。
 「まぁ、それはさておき。お前さん達は、確かに冒険者を目指すだけの技術は持っているのかもしれんが、同時にまだまだ一人前と言うには程遠い半人前だ。
 父親やお兄さんに無用の心配をかけるものじゃないと思うぞ」
 司祭とはまた異なる意味で人望のある青年団長の言葉に神妙に頷く少年少女。
 いつもならこういう場面では、冒険者志願の少年が反発心を見せるのだが、幼馴染の優しい少女にケガをさせたことで、多少なりとも罪悪感を感じているのかもしれない。
 「ふぅ、これで一件落着か。とりあえず、ふたりとも家に戻って身体を休めなさい。無事に戻ってきたことに免じて、村長としての罰は与えないが、保護者の方にたっぷり絞られる覚悟はしておくように」
281『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:17:54.44 ID:QrOoWjEJ
 「うへぇ」「はぁい」
 村長の言葉に顔を見合わせ、神妙に(もしくはゲンナリと)頷く少年と少女。
 ともあれ、話がまとまったようなので一同解散となり、村人たちは三々五々に家に帰る。
 自分も村の一角にある家に向かいかけ……しかし、少年はふと足を止めて、村の東にそびえる岩山の方を、どこか遠い目で見つめた。
 「どうかしたの?」
 少女の問いに、どこかミステリアスな微笑を浮かべつつ、少年は首を横に振った。
 「──ううん、なんでもないよ、マリア」

 * * * 

 「ねぇ、ホントに行くんですか?」
 獣道と大差のない荒れた小道を慎重に歩きながら、紺の修道服姿の少女が、先に立って歩く少年に声をかけた。
 もっとも、修道服と言っても、大きな街の教会に属する聖職者の煌びやかな絹製のそれとは異なり、厚手の綿布で作られた実用本位の質素なものだ。
 ワンピースの裾もいくぶん短く、膝が隠れる程度の長さで、そこから覗く足には白い長靴下と頑丈な革製のハーフブーツを履いている。
 よく実った麦穂のような鮮やかな山吹色のロングヘアは、三つ編みにした上で修道女の頭布(ベール)に包んでいるため、山中でも邪魔にはならないだろう。
 こんなド田舎だと、たとえ教会の修道女(見習い)と言えど、山菜やその他の山の恵みを採りに行ったり農作業を手伝ったりと屋外活動の機会に事欠かないので、普段からそれに応じた動きやすい格好をしているのだ。
 「ここまで来て何言ってるんだよ。そら、着いたぞ」
 一方、少年の方は、丈夫そうな麻のシャツとズボンのうえに、イノシシの皮で作られた胴着のような防具を身につけていた。足元は脛部分を薄い鉄板で補強したロングブーツで、手には指無しの革手袋をはめている。
 銀と言うより白に近い薄い灰色の髪を短めに刈り込み、額には草色に染めたバンダナが巻かれていた。
 腰に刃渡り40センチ弱の小ぶりな剣──俗にショートソードと言われる武器を吊り下げているあたりからして、剣士志望なのだろうか? それにしてはあまり体格はよろしくないが。
 「うっさいなぁ、お袋の血筋であんまし背が伸びないんだよ!」
 ナレーションに突っ込むのはやめていただきたい。
 いかにも駆け出しの軽戦士といった身なりのミドルティーンの少年と、同い年くらいの修道女のコンビは、ついに今回の“冒険”の“目的地”となる場所に辿りついていた。
 「ぅぅ……とうとう“幽霊屋敷”まで来ちゃいました」
 気弱そうな少女が言うとおり、目の前の林の開けた場所には、少年の背丈より頭ふたつ分ほど高いレンガ塀に囲まれたかなり大きめの館がそびえたっていた。
 少年たちが住むスルヴァナ村では、「東の山の幽霊屋敷」と呼ばれる場所で、危険区域として立ち入りを禁じられている場所のひとつだった。
 とは言え、冒険者歴もある元傭兵の父から剣などの手ほどきを受けている少年本人は、これでもいっぱしの戦士のつもりだ。
 幼いころから父親の冒険談(たぶんに子向けに誇張されたもの)を聞いて育ったこの少年は、成長するにつれて自然と「僕も将来、冒険者になる!」と考えるようになっていた。
 とは言え、こんな冒険者ギルドの支店すらない辺境の小さな村で、そうそう冒険者が必要となるような“事件”が起こるわけもない。平素は狩人として近隣の野山を駆け巡って獲物を仕留め、家と村の収入に貢献しているのが現状だ。
282『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:18:48.64 ID:QrOoWjEJ
 未来の大冒険者を目指す少年としては、それが大いに不満だった。と言って、今すぐ村を飛び出てひとりで冒険者としてやっていけると思うほど、夢想家でもない。
 何しろ、金銭はもちろん、圧倒的に場数を踏んだ経験が足りない。
 そこで、ときおり手が空いた時期をみはからって“冒険行”にくり出すのが、ここ1年ばかりの彼のトレンドになっていた。
 しかも、その“冒険”に、時には幼馴染の見習いシスターである少女マリアもつき合わせるのだ。
 ──少女にとっての不幸は、幼いころから神童と呼ばれるほど頭の良かった兄ロミオの薫陶で、すでに初歩的な治癒呪文なら使えるようになっていたことだろう。
 おかげで、無茶しがちな幼馴染の専任看護婦(おくすりばこ)として同行せざるを得なかったのだから。もっとも、彼女は彼女で少年とのふたりきりの冒険行を楽しんでいるフシもあったが……。
 とは言え、これまではせいぜい半日程度の日帰りできる距離の“冒険”だったのに、今回は初めて1泊2日の“冒険旅行”となっている。東の山自体は村のすぐ隣りとは言え、目的の館までかなりの距離があるからだ。
 実際、朝早くに村を出たふたりが館の前まで着いたとき、すでに夕暮れと言ってよい時間帯になっていた。
 「(ゴクッ)は、話には聞いてましたけど……」
 「ああ、かなり大きなお屋敷みたいだな」
 村で一番の名主でもある村長の家が余裕で5、6個は入りそうな広さの屋敷もさることながら、敷地の周囲が丈夫なレンガ造りの塀で囲まれ、さらに塀のすぐ外に幅1メートルほどの小川が堀のようにめぐらされている。
 唯一の出入り口は門だが、四頭立ての大型馬車でも通れそうなそこは、武骨な鋼鉄の門扉で閉ざされ、大きな閂と錠前がかけられているため、簡単に開きそうにはない。
 難攻不落の城砦とまではいかないが、なかなかの防御能力……。
 「……とは全然言えないよな、うん」
 軽々と“堀”を跳び越え、塀のそばに着地するふたり。その塀のほうも、年の割には背の低い少年が、ジャンプすれば飛びつける程度の高さでしかない。
 そんなわけで、レンガ塀を乗り越えて、あっけないほど簡単に少年と少女は屋敷の庭に侵入することができたのだ。

 「……! ね、ねぇ、カール、ここ、何か変な感じしません?」
 「おいおい、屋敷に入りもしないうちから、何ビビってんだよ。それに、万が一、ここが本物の幽霊屋敷で、ゴーストとかスケルトンが現われても、修道女のマリアがいたら楽勝だろ?」
 「ぅぅ……一応、「浄化」の呪文は使えますけど、あんまり過剰に期待しないでくださいね。わたし、まだまだ駆け出しなんですから」
 ヘの字に眉の両端を下げ、幼馴染の少年に予防線を張る少女。一応、少女のほうが半年ほどとは言え年長のはずなのだが、余人から見れば「積極的に妹の手を引くやんちゃな兄と、気弱で引っ込み思案な妹」そのものだ。
 「心構えの問題だよ。ん?」
 最初は屋敷の立派な(ただし、ものすごく古ぼけた)玄関の扉を開けようと、力を込めた少年だったが、扉は動かなかった。
 「鍵がかかっているんじゃないかしら?」
 「いや、そういう感じじゃないんだが……マリア、ちょっと手伝ってくれ」
 少年に言われて、少女も両開き扉の少年と逆の方に手をかける。
 「わたし、あんまり力に自信はありませんよ?」
 そう謙遜する少女だったが、少年は知っている。
 この地方最大の都エクレシアに留学していた頃は聖堂騎士候補生になったこともあるロミオ司祭。その彼に鍛えられている少女は、下手したら自分と同等以上にパワフルであることを。
283『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:19:26.10 ID:QrOoWjEJ
 それを証明するかのように黒檀製の重い扉はじりじりと開き始め、やがて人ひとり入れるくらいの隙間が生じて、それ以上動かなくなった。
 「うん、これくらいあれば十分か。ひゃっほぅ、いよいよ探検の始まりだぜ!」
 「ちょ、カール、待って! やっぱり此処、絶対変ですよ〜」
 少女の制止も聞かず、スルリと屋敷の中に潜り込む少年。
 館は恐いが、こんな所でひとりにされるのはさらに恐い。
 少女も慌てて少年の後を追うのだった。

 * * * 

 豪華ではあるが、古びて朽ちかけた謎の屋敷の探索。
 非常に興味をそそられるフレーズではあるが、実際に行ってみたふたりの少年少女の感想は……。
 「──飽きた」
 飽きるの早っ!?
 「だって、おもしろそうなモノが見つからないんだもん」
 だから、ナレーションと会話するのはやめろと……。

 閑話休題(それはさておき)。
 そもそも、盗賊(シーフ)や職人(クラフター)、あるいは商人(マーチャント)系の技能を持たない、しかも冒険者としても未熟どころか卵の殻さえ取れていない少年少女が、たったふたりでこんな場所に探索に来ても、ロクな成果が上がる訳がないのだ。
 そのことを自覚して、この時点で引き返せば良かったのだが……。
 「あ、カール、この部屋の扉は開くみたいですよ」
 「ラッキー! ほとんどの部屋に鍵がかかってるから、困ってたんだよなぁ」
 ついに屋敷の2階の一番奥の部屋にまでふたりは到達した、してしまった。

 「何、ここ……?」
 部屋に一歩足を踏み入れた少年は、部屋の内部を見て驚きの声を漏らしたが、それも無理はない。
 やたらと広い──おそらくは舘の3分の1近い大広間とも言える広さも目を引いたが、それだけではない。
 ここまでの屋敷の内装は、黒や茶色を始め、渋めの赤や紺色といった全般にシックで落ち着いた色合いで統一されていた。
 それに対して、この部屋だけは、白をベースにローズピンクやライトパープル、あるいはレモンイエローといった明るいカラーで壁紙や調度類がまとめられていたのだ。全体の雰囲気も、居間や応接間といった感じではなく、あくまで個人の部屋のようだ。
 これほどの広さを占有しているのだから、おそらくは館の主人の部屋なのだろうが……。
 「カール、こっちに、ベッドに人がいます!」
 「え!?」
 幼馴染のうわずった声に促されて、壁際の奇妙な肖像画を眺めていた少年は声のした方へと振りむく。
 確かに部屋の隅には天蓋付きの古風なベッドが置いてあったが、その枕元と思しき場所を覗き込むマリアの顔には驚きの表情が浮かんでいた。
 「おいおい、モンスターならともかく、こんなところでミイラ死体と対面ってのは勘弁してほしいなぁ」
 狼や野犬、あるいはゴブリンやコボルト程度の相手なら、すでに戦って斃(ころ)したこともあるが、やはり同じ“人”の死は一線を画する。
 しかし、見習修道女の答えは、少年戦士の思考の斜め上をいった。
 「違います! この人、生きてるんです!!」
 「!」
 あわてて駆け寄る少年を待っていたかのように、ベッドに横たわる人物が目を開けた。
284『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:20:09.39 ID:QrOoWjEJ
 「…………」
 眠っていたのは未だ年若い──おそらく少年と同年代か、せいぜい1、2歳くらい年上の、美しい少女だった。
 プラチナというよりミスリルと表したほうが似合いそうな見事な輝きの白金色の髪を腰よりも長く伸ばし、長い睫毛の下に覗く瞳は淡い菫色。
 白磁のように白く滑らかな肌と、一流の人形職人でも作れないような整った顔立(かんばせ)は、見る者を男女問わず惹きつける。
 今は比較的簡素な白い夜着(ナイトドレス)を着ているが、しかるべき服装をして夜会にでも出席すれば、たちまち宴の中心として耳目を集めるであろうことは、容易に想像できた。
 「──何方(どなた)かしら? 私(わたくし)に何か御用?」
 羽根布団とおぼしき上掛けの中から、ゆっくりとけだるげに上半身を起こした“眠り姫”は、意外にしっかりしたアルト気味の声でふたりの侵入者に向かって問い掛ける。
 「へっ!? え、えーと……」
 悪戯好きの腕白小僧がそのまま成長したような少年も、完全に予想外なこの事態に何と言ってよいかわからない。
 まさか、「無人の幽霊屋敷だと思って貴女のお家に不法侵入しました」とは、いかに少年がずうずうしくても言いづらい。
 「すっ、すみません! わたしたち、てっきり、このお屋敷が無人かと思って、そのぅ……勝手にお邪魔してしまいました」
 その点、即座にキチンと自分たちの不明を詫びるあたり、さすが礼儀正しい教会の娘と言うべきか──墓穴を掘っているとも言えるが。
 「あら、そうなの。私、てっきり……いえ、それはいいわ。お二方に少しお話を伺ってもよろしいかしら?」
 寝起きで頭がはっきりしないのかそれとも元々天然なのか、館の主らしき少女は、ツッコミどころ満載なマリアの台詞を軽くスルーしてベッドに腰掛け、ふたりを手招きする。

 初対面の見目麗しい少女(しかも寝間着姿!)の間近に立って話をするというのは、純情童貞少年には少々ハードルが高い。
 何の疑いもなく彼女に近づくマリアと異なり、少女の誘いに素直従うことを躊躇ったカールだったが、その躊躇いがこの場では功を奏した。
 「ふふっ、そう、いろいろなコト教えて欲しいの……貴女のこととかも念入りにね」
 銀髪の少女の瞳が妖しく揺らめいたかと思うと、マリアの目から意志の光が消え、ぼぅっとした表情のまま、フラフラと少女に歩み寄る。
 高位の魔物や外法の術師などが稀に備えている「魅了の魔眼」だ。
 「そうそう。もっと近くに、ね?」
 楽しそうな笑みを浮かべつつ、立ち上がってマリアの肩に手をかけ、そのまま抱き寄せる少女。睦言を囁くかのように耳元に寄せられた朱い唇の間からは、八重歯と呼ぶには鋭すぎる犬歯が覗いている。
 もし、マリア本人が正気なら聖職者のハシクレとして、目の前の少女が不死の者に属する存在であると気付いただろう。
 それも、不死者(アンデッド)の中でも極めて高レベルな魔物──ヴァンパイアだ。マリアやカールは愚か、彼らの保護者であり冒険者としては中堅クラスの実力を持つロミオやロバートでさえ、勝ち目はほとんどない相手だ。
 ゆえにこそ、少女は鴨葱というもおこがましいレベルで自らの前に飛び込んできた獲物を、じっくりと料理するつもりだった。
 だったのだが……この場にいる三人目の人物について失念していたのは少々迂闊と言えるかもしれない。
 「マリア、危ないっ!」
 百合ちっくな雰囲気に呑まれ(好奇心満々でデバガメしてたとも言う)て傍観していた見習戦士の少年が、さすがに「ソレ」の異常性に気付き、間一髪でマリアを少女の抱擁から突き飛ばしたのだ。
 もっとも、勢いよく突き飛ばされた先で、当のマリアはベッド脇のサイドチェアに頭をぶつけ、打ちどころが悪かったのか、あるいは先刻の魅了の影響なのか、気を失っているようだが……。
 「あら、何をなさるの?」
 いいところを邪魔をされたと言うのに、吸血鬼娘の方の反応は、至極穏やかなものだった。
 「マリアの血は吸わせない!」
 悲壮な覚悟を決めた少年は、震える手で腰の剣を抜き放つ。
 如何に獣やモンスターの類いと戦い、斬り伏せた経験があるとは言え、いざ実際に人(の形をしたモノ)に刃を向けるとなると、躊躇いがちになるのも無理もない。
285『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:20:50.10 ID:QrOoWjEJ
 もっとも……。
 「その口ぶりだと、私の正体についてある程度推察されているようですわね。恐くないのですか?」
 「──恐いに決まってるだろ! だからって、マリアが吸血鬼にされるのを黙って見てられるかよ」
 実のところ、館の主である吸血鬼の少女は、マリアを同族にしたり吸い殺したりするつもりは毛頭なかった。
 元よりこの忌々しい館に封じられた身。この場所から逃げられない以上、下手に人死にでも出してその存在を知られ、討伐隊でも組まれると厄介だ。
 これでも500年を生きた真祖のひとり、なまなかな相手に遅れは取らないつもりだが、万一外から館に火でもかけられたら、あっけなく滅びかねない。
 望まずして不死者にされ、悠久の時の流れにいささか飽いてはいたものの、積極的に死にたいわけでもないのだ。
 それ故、美味そうな少年少女(エサ)が運よく迷い込んできたのだから、ちょっぴり(数日間貧血になる程度に)“味見”はするものの、その後、記憶を消して外の世界にちゃんと返してやるつもりだった。
 だから、ちょっとした退屈しのぎの戯れのつもりで、いかにも駆け出しとわかる少年戦士に、こう問うたのだ。
 「まぁ、勇敢なお方。でも、私に勝てるとお思いですか? 貴方はとりたてて腕利きというわけでもなさそうですし、お持ちの剣も魔剣聖剣どころか銀製ですらないようですけど」
 「それは……」
 少年も、元冒険者の父親から、強大な魔物を相手にするには魔法のかかった武器か、銀製の武器でないと効果が薄い(もしくは皆無)という話は、聞いたことがあった。
 彼が手にしているのは、父が昔予備の武器として使っていたお古のショートソード。数打ち品としては悪くない代物だが、無論特殊能力とは縁がない。
 「お気づきの通り私は真祖──格の高い吸血鬼です。なまなかな武器や腕前ではかすり傷すらつきませんし、種族としての特性を別にしても、魔術の腕前も相応に高いと自負しておりますのよ」
 言葉づかいこそ上品で口元に柔らかな笑みを浮かべてはいるものの、少女の姿をした真祖の目には、猫が捕えたネズミをいたぶる時のような険呑な光が宿っていた。
 視線こそ逸らさなかったものの、少年は唇をギュッと引き結び、自らの無力を噛みしめているようだ。

 はてさて、少し苛め過ぎたか、と真祖の少女が考え始めた頃。
 「…………わかった。僕が身代りになる! 血を吸うなりなんなりしてもらって構わない。その代わり、マリアには手を出さないでくれ!!」
 予想の斜め上の提案が、少年から飛び出してきた。
 (これはまた……幼いなりに、なかなか勇敢な心を持った子ですね)
 苦笑しつつ、「そこまで言うなら、了解してやってもよいか」と考えるバンパイア娘。
 どちらかと言うと、少年より少女のほうが(食料的な意味でも性的な意味でも)彼女の好みだが、それは人で言うなら、鶏肉と魚肉のどちらが好きかという程度の差異でしかない。
 相手が筋骨隆々たる中年男とかなら願い下げだが、目の前の少年は年の割になかなか可愛らしい顔をしているし、血の匂いからして清童(どうてい)なのも間違いないようだ。
 (多少惜しいですが、小さな騎士殿に免じて、修道女に手を出すのはやめておきましょう。その分、彼には本人の言うとおり身代りとしてたっぷり……)
 と、そこまで考えた時、天啓とも言える奇策が、呪われた吸血令嬢の脳裏に浮かんだ。
 (そうか、「身代り」! それなら、あの術式が……)
 うまくいけば、この退屈な永劫の停滞から解き放たれることができるかもしれない。それが無理でも、少なくともこの何もない寂れた屋敷から抜け出すことは可能だろう。
 「なんなり、とおっしゃいましたわね。その言葉に嘘はありませんか?」
 久方ぶりに感じる胸のざわめきを抑えつつ、吸血鬼は少年に告げる。
 「──マリアの無事を約束してくれるなら」
 一瞬の逡巡の後、不安を押し殺して頷く少年。
286『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 05:21:45.63 ID:QrOoWjEJ
 「貴方、お名前は?」
 「え? か、カールだけど」
 「では、カール。私、ミラルカ・フォン・バールシュタインも、この名に於いて誓いましょう。貴方が私の求めに応じてくださるなら、この女性には危害わ加えず、そのままお家に帰っていただくと」
 その言葉を証明するかのように、ミラルカがパチンと指を鳴らすと意識を失ったマリアの身体がフワリと浮き上がり、先ほどまで彼女が寝ていたベッドの上に横たえられる。
 「この方にはこのままここで休んでいただきましょう。無事に貴方との“契約”が済めば、外にお出しします。ただし、この屋敷に入ってからの記憶だけは消させていただきますが」
 「あぁ、うん、それくらいなら」
 ミラルカの言葉に、多少戸惑いつつも頷くカール。
 「了解いただけたようですね。では、貴方は武装解除してから、こちらへ」

 * * * 

 ミラルカに手を引かれ、剣を置き鎧を脱いだカールは主寝室の入口とは逆の方向の壁に巧妙に擬装された隠し扉を抜ける。そこには、デスクと椅子、さらに古びた書物が大量に詰め込まれた本棚がいくつか置かれていた。
 「ここは?」
 「私の書斎兼実験室、といったトコロかしら」
 先ほどまでに比べて、幾らか言葉づかいが砕けたものになっているのは、少年が己の獲物(いけにえ)となることを承知したためか。
 そのまま壁際に置かれた長椅子に座って待つよう指示されるカール。
 ここまで来たら逆らっても仕方あるまい。覚悟を決めて少年はどっかと座りこんだ。
 「えーと確か……」
 本棚の一角からお目当ての本を見つけて手に取るミラルカ。パラパラとめくり、必要な部分を確認した後、今度は机の引き出しから取り出した羊皮紙に、何かの文字を書き込んでいる。

 「貴方、文字の読み書きはできまして?」
 「一応、普通の文書くらいなら。難しい勉強とか苦手だけど」
 「結構。それでは、右手をお出しなさい」
 よくわからないままに右手を差し出すと、親指の先端をチクリと針で刺される。
 「い、イテッ! 何すんだよ」
 「そのまま、こちらを読んで署名した後、血で拇印を押しなさいな」
 言われるがままに、差し出された羊皮紙に意外に達者な筆跡で名前を記入し、今しがた刺されてまだ塞がっていない指先の傷をその横になすりつけるカール少年。
 「これでいいの?」
 「ええ、よろしくってよ。あとは私の仕事ですから」
 カールから受け取った羊皮紙をミラルカは左手に掲げ、右手の人差指で中空に複雑な図形を描く。
 その指の軌跡が赤みがかった光を発し、俗に言う魔法陣となって、素人にもわかるほどの濃密さで、さらなる魔力の気配が部屋中に満ちた。
 「こ、これは……いったい何が起こるんだ!?」
 「え? いえ、こちらの契約書に書いてあったはずですけど」
 不審げなミラルカの問いに明後日の方向へ視線を逸らすカール。どうやら中味も読まずに盲判ならぬ盲署名をしたらしい。
 「貴方、将来絶対詐欺に遭いますわよ。まぁ、契約に合意したという形式に沿っていれば、私としては別段不都合はありませんけど」
 呆れたような口ぶりでそう呟く真祖の少女だったが、気を取り直して部屋に集った魔力にさらに意識を集中させ、呪文詠唱を開始する。
287名無しさん@ピンキー:2014/07/11(金) 06:30:07.08 ID:LCprRJka
Kのつく人の新作キター!
続き期待!
288『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 06:51:36.23 ID:et/F/1vx
「鳥ガ水ノ中ヲ泳グガ如ク
 魚ガ蒼空ヲ翔ケルガ如ク
 彼ノ者ニ我ノ、我ニ彼ノ者ノ
 立場ト因果ヲ与エ賜エ
 ──『因果交換(コーサリティ・エクスチェンジ)』!」

 長々とした古語での詠唱の後、最後に彼女がそう締めくくると同時に、辺りに眩い光が満ち……少年は意識を失った。

 * * * 

 私ね、この屋敷に封じられていたの
 もう、200年ほど前になるのかしら
 教会の悪魔祓師に追われてね
 この山奥の舘にこっそり隠棲していたんだけど、やっぱり見つかってね
 でもね、傑作なのよ
 その悪魔祓師が言うには、私は滅されるほどの邪悪ではないんですって
 当然よ
 望まずして私をこの呪われた不死者の道に引きずり込んだ男以外
 私はひとりとして人を殺したりしてないんだから
 この美貌に下心を抱いた相手からちょっぴり血を貰ったり
 襲って来た相手を返り討ちにして再起不能にしたりはしたけど
 なら放っておいてくれればいいのに放置もできない
 だから、此処に封印する
 この屋敷の敷地の中では自由に動けるけれど
 其処を越えて一歩たりとも出ることはできない
 貴方も見たでしょう
 門扉が外からかんぬきがかけられ
 塀の周り川から流水を引いて堀とする
 そのうえで、私に呪的強制(ギアス)の魔法をかけたの
 有難迷惑な話よ
 いっそ、浄化して滅ぼしてくれればよかったものを

 でも、それも今日でお終い
 ありがとう、貴方のおかげで私は救われる
 “私”は“ボク”として村へ「帰れる」
 そうそう、名前も変えないとね
 元の名前から取って……ルカ
 ボクはそう名乗ることにしよう
 置いていく“ミラ”の字は
 「真祖の女」の立場といっしょに君にあげる
 カール・ミラ──“カーミラ”とでも称するといいんじゃないかな

 * * * 

 夢を見ていた。
 夢の中では、よく見知った少女が気を失ったまま、誰かに背負われて、見覚えのある屋敷の庭に連れて来られる。
 麻のシャツとズボンの上にイノシシの皮で作られた胴着のような革鎧を身につけ、腰にショートソードをぶら下げたその人物が軽く揺さぶると、少女は目を覚ました。
 「う、うーん……ここは?」
 「大丈夫かい、マリア?」
 「えっと……あれ、ルカ? わたし、一体どうしたんでしょう」
 ゆっくりと身を起こしながら少女は“幼馴染の少年”に問う。
 「おいおい、覚えてないの? この庭に来て、いざ探索しようとしたところで、つまづいて転んだ挙句、頭をうったせい気を失ったんだよ」
 「そう、だったかしら?」
 ふらつきながらも立ち上がろうとして、少女は顔をしかめる。
 「頭うったみたいだけど、もしかして痛む?」
 「そっちはちょっとだけですけど、右足が……」
 「ああ、たぶん転んだ時に捻ったんだろうなぁ。仕方ない。今日はこのまま帰ろう」
 あっけないほど簡単にそう結論すると、少年は少女を背負って塀を越え、屋敷の“外”へと「帰って」いった。
289『紅血の呪縛』:2014/07/11(金) 06:52:39.66 ID:et/F/1vx
 「──今のは……」
 天蓋付きの豪華な寝台の中で目を覚ました「彼女」は、今し方見た“夢”を思い返す。
 根拠はないが、理解していた。
 アレは本当に起きたことで、本来の主に代わって自分が、この館に置き去りにされた、いえ「封じ」られたのだ、と。
 ベッドの上に身を起こすと、顔の周りに何かが垂れ下がる感触がある。
 さわってみれば、それが自分の髪の毛だとわかった。随分長く伸びているようだ。
 よく見れば、そこはかとなく見覚えのある白い寝間着を着せられているようだ。
 一瞬の躊躇いの後、胸に手を当ててみると、そこに膨らみは感じられない。
 さらに、股間にまで手を伸ばし、「ソレ」が健在であることを知った時、「彼女」の心の中に安堵と羞恥という相反するふたつの感情が湧き起こった。
 そのままベッドから降りて、すぐ隣に置かれた化粧台へと向かう。
 鏡の中には──誰も映っていない。
 一瞬パニックになりかけたものの、すぐに脳裏に浮かび上がった呪文のひとつを唱える。
 「──『人化擬態(イミテーション)』!」
 淡い光に包まれた後、鏡の中にひとりの“少女”が映し出されていた。
 やや癖のあるホワイトブロンドの髪を背中どころか膝近くまで伸ばし、一度も日焼けなんてしたこともないように肌が白く、対照的に唇は紅い。
 簡素ではあるが肌触りのよい絹のナイトドレスを着て、頼りなげな表情でこちらを見返すその顔は、けれど同時によく見知った己が自身の貌そのままでもあった。
 「これって……」
 一体何、と口にしかけて、「彼女」は自分がこうなった事情を理解していることに気付いた。
 頭の中にあるはずのない膨大な知識と記憶が眠っているのがわかる。
 そして──今の自分が強大な力を持つ真祖であることも。
 「そんな……こんなのってないわ。あんまりよ!」
 口からこぼれる嘆きの言葉も、知らず知らず女性らしい口調になっていた。

 ──その後、100年近くの時を経て、偶然その舘を訪れた男性冒険者の手で「彼女」の呪縛が解かれ、紆余曲折の後、「彼女」はその冒険者の“妻”となるのだが、その解放の時まで、「彼女」は不死なる身として孤独な時を過ごすことになるのだった。

-おしまい-


#連投規制きたので別赤から
#私にしては珍しくハッピーとは言い難い(?)結末。描写不足で萌えられなかったらすみません。シチュ的には「冒険者志願の少年戦士←→500年以上生きた真祖の美少女」って、わりかしイイとこ突いてると思うのですが……。
290yuu:2014/07/13(日) 11:21:13.84 ID:iX+KABaz
>>280-289
新作乙です。
設定は面白いんですけど、確かに立場交換中や交換後の描写がもう少し欲しかった気もしました。
100年後の話も、それだけで1本SS書けそうなくらい伸びしろがありそうですしね。
とはいえ、GJでした。
291yuu:2014/07/13(日) 11:34:16.35 ID:iX+KABaz
【業務連絡】
先日投稿した作品内設定のARタグについてですが、元の作品の二次創作の利用の範囲を読み間違えてまして、本来は2chなど別サイトには投稿不可なものでした。
作者さんから、既に投稿した私の作品については今後の掲載も許可されていますが、別の作品での利用は配慮の方をお願いします。



とは言え、似たような設定として「みかにハラスメント」という作品で幼稚園児以下に能力を下げられてしまうリングが出てたりと、能力を制限するアクセサリ自体は別の作品でも登場していたりします。
なので、『ARタグ』似たような設定の作品を書く場合には、タグという言葉を使わないようにするなど配慮していただけでば大丈夫だとは思います。
292名無しさん@ピンキー
最近、人格転換療法が2chで都市伝説としてよく見る印象だが
もし実在したらリアル立場の変化だな

まあ、ゆかの本棚にインスパイアされた創作な気がしてならないが・・・実在してほしい