故郷の北の街で、教えこまれたことの一つである。すべての苦しみから逃れるために、
現実から逃れるために、目の前の快楽を貪り、全身で男を愛する。
気づくと、おっぱいを揉まれていた夏菜子はその柔らかいおっぱいと、ぴんと立った乳首を、
今もらったばかりのネックレスごと、ぎゅっと押し付けるようにして善矩を左腕で抱きしめて、
舌をいっぱいに使ったいやらしいキスをしながら、善矩を半身に押し倒し、
お腹にまたがって、右手はまた大きくなりつつある肉棒を弄っている。
敏感な夏菜子のカラダは、こうして男の子と濃密な接触と摩擦を繰り返すだけでも、
ゆっくりと快楽を貪ることが出来る。
「夏菜子のおまんこ、また濡れてるな」
半身のカラダを布団に自ら倒して、キスしていた口を離すと、
善矩はお腹にまたがった夏菜子のアソコから愛液が滴るのを感じて、そんな言葉で夏菜子をいじめる。
「うん……よっちゃん、また、いっぱいいじってくれる……?」
潤んだ瞳で懇願されると、善矩もまた意気が上がる。
「うん、いいよ」
「あっ、あああん!!」
昨日、初めて夏菜子の女の子の部分に指を強引に入れた時から比べると、
格段にうまくなった指使いに夏菜子は感嘆と快楽の混じった喘ぎ声を隠せない。隠す必要もない。
「ここが気持ちいいんでしょ?」
「あぁん!はぁ……そう、やさしく、やさしくね、ひゃぁあんっ」
まだ10時を過ぎてもいない。
昨日なら最初のフェラをしていた時間だった。
まだまだ、若い二人がけもののようなセックスに燃えあがるのはこれから、という時間である。
しかも、聞けば善矩も明日は休みだという……こうして、既成事実が出来上がっていく。
こうなれば、恋愛に本来必要なはずの告白やデートといった大切なプロセスを経ずに、
夏菜子は善矩の彼女に、善矩は夏菜子の彼氏に、つまり2人がセックスのパートナーになってしまった、
という既成事実が完全に出来上がろうとしていた。
自ら、彼氏でも何でもない男を、しかも3つも年下の、
本当に好きな男の弟を家に誘い入れるような女である夏菜子にふさわしい出来事という他はない。
夏菜子の淫乱ギャルライフはまだ始まって二日目、ようやく24時間を過ぎたところである。
淫乱なのはもう否定できなかったが、外見や雰囲気の話になると、まだ夏菜子はギャルでもなんでもない。
唯一、善矩からプレゼントされたネックレスだけが、今の夏菜子のギャルっぽい持ち物であった。
それすらも今は、お嬢様の美少女、という男が大好きな要素にむしろ磨きをかけているようですらあった。
夏菜子は、そのネックレスを、一晩中外そうとしなかった。
たとえ、もとは自分のために選んだものではなくても、
善矩が女の子である自分にプレゼントしてくれたものを身につけて、何度も何度もセックスすることで、
少しでも、善矩の好みの女の子になろうとした。いじらしい、女の子らしい一面を見せた。
夏菜子は、まだ、善彦を諦めきれず、それでいて善矩とのセックスが大好きになってしまった。
可憐なお嬢様のまま、毎日を過ごそうという思いと、ギャルとしての自分にまた戻りたいという思いもまた、心の中で
ぶつかり始めていた。夏菜子は、矛盾をいっぱい、いっぱい抱えていた。いっぱい矛盾を抱えながら、
目の前のセックスに熱中し、集中し、嵌り込んでいった。
「ああ、夏菜子、気持ちいいぃ、イクぞ、いくぞ!」
「ああん、もっと、もっとぉ、あああん!」
夏菜子が、男たちの欲望に翻弄され、また逆に男たちを翻弄し、
そのなかで一緒にギャルライフを送る友人を見つけて、一人前のギャルとなっていくのはこれからのお楽しみである。
495 :
こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/13(金) 22:19:42.77 ID:9wBWMbJv
作者です。今日はここまでにします。
他に透過される方がいないようでしたら、また近いうち、早ければ明日来ます。
それでは、感想その他なんでも、よろしくお願いします。
おつ
善彦が中高男子校で女子と全く縁がなかった俺に被って(´;ω;`)
497 :
名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 08:07:11.77 ID:a8MsDpJM
毎度乙でございます
まじめな優等生がこんなに淫乱なんて、たまりません
一見不要な描写や説明もリアな状況を連想するためにはたまりません
最後に書いてあった、
「ギャルライフを送る友人を見つけて、一人前のギャルとなっていくのはこれからのお楽しみである」
ものすごく気になります
早めに投下していただけるとうれしいです、待っています
やはり、お前の目の間で憧れてた優等生を堕落させてやる、お前はそれを
指をくわえて見てろ、という話が見たい
作者です。
感想どうもありがとうございます。
>>496 善彦、いいでしょう。わりとこのキャラクターには自信があります。本来必要のない人物なんですけど
今は善彦主人公説もちょっと出てきてます(笑)
>>497 かつて中学時代の善彦がそうであったように、今は夏菜子のストーリーにおいてはバイプレーヤーに過ぎない
人たちが、これから、善彦のように、夏菜子の人生に大きく関わってきたりします。
お嬢様だった夏菜子がドロドロしたギャルの人間関係でどう立ち振る舞うか。
まあ、もう少し先の話です。根気よく待っててください。
>>498 これ、「夏菜子」とは関係ないのかもしれないですけど、
善彦は、指をくわえて見てるどころか、自分が指をくわえていることにすら気づいていない、と僕は思ってます。
きっと沖に召していただける展開が近いうちに出てくるでしょう。
投下は、夜中に来ます。
500 :
名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 18:08:20.02 ID:w+mz5Z8w
個人的には外見からケバ化してそこから内面が堕ちていくってのも見てみたい
といってもよく考えたらそういうシチュってどんなシチュだ?
あー苛々するなー^
こんな愚図は糞まみれのビッチになるのが相応しい^
期待してるじゃん^
「おはよう、夏菜ちゃん」
「お、おはよう。善彦くん」
10月に入ってから2週間が過ぎた。
相変わらず、平日の朝の地元の駅は善彦と夏菜子が「おはよう」と初々しい挨拶を交わす場であった。
毎朝15分から20分のあいだ、夏菜子と話すことが善彦にとって最高に幸せな時間であった。
「バイト、どう?もう慣れた?」
「うん、別に大したことしてるわけじゃないし、まあお役に立てるならって感じでがんばってるけど、
あんな感じでいいのかなぁ?」
「そんなこと俺に聞いてもわからないよ」
「そうだね。あはは」
幸せそうな、美少女と少年がそこにいた。
10月に入ってから、夏菜子は2つの顔を使い分けていた。
一つは、今までと変わらない、清楚なお嬢様で、優等生で、美少女の石田夏菜子、である。
朝、家を出る時に、ノーメイクながらもきっちりと制服を着込んで、ショートボブだった髪が少し伸びたので、
この連休明けから、髪を後ろでむすんで、横髪を風に流す。
美しさよりも可愛らしさが前面に出る、可憐そのものの少女の姿であった。
女子高生としての最後の日々を惜しむような少女らしい、夏菜子の姿である。
自動車学校も順調に進んでいたし、塾のチューターのバイトも始めた。
そういう、外での用事を全て済まし、家に帰る頃から、もう一つの顔が現れる。
言うまでもない、淫乱ギャル女子高生の石田夏菜子、である。
実家一人暮らしを続ける夏菜子のもとに、朝なり夕なり夜なり、と時間を見つけては通い詰める男がいた。
平日の朝、毎朝通学電車でのデートを重ねて、プラトニックな関係を続けている高瀬善彦の弟、善矩である。
10月1日、金曜日の夜に、善矩が2日連続で夏菜子の家に泊まって、
何度も何度もセックスしたことまではすでに述べたが、その後も関係は続いていた。
夏休みに北の街で過ごした頃は、そんな記録を取らなかったが、
善矩とセックスをする関係になってからは、手帳に暗号のような書き方で、
エッチなことをした回数を記録するようになった。
セックスの回数と、セックス以外で善矩が射精した回数が分けて記されていて、その記録を真に受けるなら、
9月30日(木)夜(10月1日の朝まで、以下同じように翌日の朝まで) セックス5回 その他3回
10月1日(金)夜 セックス8回、その他2回
10月2日(土)昼 セックス2回
10月4日(月)朝 その他1回 セックス1回
同日夜 セックス2回
10月5日(火)朝 その他1回
10月6日(水)朝 セックス1回 その他1回
同日 夜 セックス7回 その他2回
10月7日(木)夜 セックス2回 その他1回
10月8日(金)朝 その他2回
同日夜 その他6回
10月9日(土)昼 その他5回
10月10日(日)昼 その他3回
10月11日(月・祝)昼 その他 8回
10月12日(火)朝 その他1回
同日夜 その他2回
10月13日(水)朝 その他2回
同日夜 セックス9回 その他4回
10月14日(木)夜 セックス2回 その他1回
生々しい記録であるが、こんな感じである。
この数字の中には、それなりのストーリーが隠されている。
朝、というのは家を早出した善矩が、通学路をほんのちょっとだけそれたところにある夏菜子の家に寄って、
「朝のあいさつ」を交わすかわりにフェラ抜きで一発、時間があって気分が盛り上がれば、セックス、という意味である。
途中、10月8日からの3連休を挟んだ10月12日までの5日間は、セックスがない。
これは、夏菜子が生理だったことを示している。
生理が収まった10月13日には、泊りがけでそれまでの記録を塗り替える回数のセックスをした。
また、夜会ったときには、最初に必ずフェラ抜きで顔射、というのが決まり事になっていた。
今日は10月15日、金曜日である。まだ手帳の記録にはないが、
朝、起き抜けに現れた善矩にフェラ抜きを一発、その後セックスを一回こなしていた。
つまり、善矩と会って、初めて家にあげて、泊まらせて、何度も何度もけもののようにセックスした日から、
平日は、ほとんど毎日、朝のフェラだけは欠かしていなかったのである。
それは、ほとんど毎朝、同じ家で同じ朝食を食べて家を出てくる弟・善矩に、
朝っぱらからフェラで一発抜いたその口で、清楚な優等生を装って兄・善彦に「おはよう」と、
可愛らしくあいさつをしていた、ということを意味する。
10月7日の木曜日だけ、朝のフェラがない。
これは、善矩が家をでるのが遅れて、夏菜子は不機嫌なまま家を出た日である。
ギリギリまで待ったので、善彦と乗り合わせる時間にもギリギリになった。
夏菜子は機嫌を損ね、その日の夜、泊まるつもりでやってきた善矩は、9時前にさっさと返された。
10月8日は、そんなことの後の日なのだが、生理が始まってしまった。
生理が来たせいでセックスが出来ないので、なのにその前日たっぷりセックスさせなかったその罪悪感からか、
泊まりに来た善矩に徹底的に「「その他」のことで善矩に「ご奉仕」した。
コスプレや、言葉責め、かなり激しいフェラもその日からするようになった。
そして、この数字には現れないこともある。
生理が始まってから、北の街から持ち帰った荷物の中に封印されていた、ギャルグッズを、
身に着けて、エッチなこと、「その他」をするようになった。
生理中、セックスできない夏菜子は髪こそ染めることはできなかったが、家の中でカラコンをつけたり、
エクステをつけたり、下品なギャルメイクに顔を施してみたり、と様々なバリエーションをつけて、
「セックスできない期間」を、楽しく過ごそうと努力した。
夏菜子自身の姿を変えることで、善矩に飽きられないように努力した。
特に、11日の祝日には、何度もお色直しをして、善矩の好みのメイクや服装を探った。
それなりに、善矩の好みがわかってきた。
毎朝、家を出る時には、清楚な優等生。
高校、バイトや自動車学校からの帰り道に100円ショップやドラッグストアに寄った時から、
淫乱ギャル女子高生夏菜子に変身する。
善矩は、この時期中等部の部活もなく、そして中学生とはいえ、驚くほどの絶倫であった。
それは、たんなる偶然である。何度射精しても、すぐに回復するし、最初に比べれば精液は薄くはなるが、
何度イっても、平気なようだった。
セックスの技量も、あらゆる方向で驚くべき早さで上達していた。
それは、おそらく、夏菜子も一緒である。2人とも、セックスの才能に恵まれていたのだろう。
「それじゃあ、またね」
朝8時過ぎ、渋谷につくと、今日も善彦との別れの時がやってくる。
それは、夏菜子にとって1日でもっとも切ない時間だった。
善彦も、善矩も、夏菜子に正式な告白も、付き合う申し込みもしていなかった。
夏菜子も、どちらにも正式な声をかけていなかった。
今でも、一番恋しいのは、善彦の方であった。毎朝、善彦と会った時と善矩に合う時とでは、
胸の高鳴り具合も、幸福度も段違いであった。
好きな相手とセックスをする。そうではない相手とはしない。
それは、男でも女でも基本的に変わらないはずである。
だが、男と女ではすこし、微細な心境の部分で違いがあるようである。
一番大好きな善彦には、もし自分をさらけ出しても、拒絶され、愛されなかったらと思うと怖くて仕方がなかった。
もし、善彦が告白してくれて、求めてきたら、その日のうちにでも10回でも20回でもセックスしてもいい。
だが、自分から求めることはできなかった。
善矩は、善彦と比べれば、べつに嫌われても構わない相手であった。
だから、身を引かれることを恐れずに、飽きるまでフェラもするし、セックスもする。
一番ではない男の前で、どんなに乱れても、どんなに堕落しても、そんなことはどうでもいいのだった。
一番大好きな善彦の前で、今までどおりの清楚な、優等生の、可憐な美少女であることができれば、
夏菜子的にはそれでなにも問題がないのである。
でも、もし、善矩が自分にはっきりと告白して、彼女になってくれと言ったら……
きっとその時には善彦と善矩の順番が変わっただろう。善矩を一番好きになってしまっただろう。
それがない以上、夏菜子は、自分の女としての魅力、実力を最大限に駆使して、
両方との関係を保つことしかできなかった。
一方で、このことを善彦が知ったら、善矩が知ったらと思うと、どうなるか、想像がつかないほど恐ろしかった。
善彦を裏切っているとか、もてあそんでいるとか、そういう感覚、意識は夏菜子にはまるでない。
むしろ、なんとかチャンスを見つけて、兄の善彦のほうと付き合いたい、
というのが夏菜子の偽らざる本音であった。
「ねえ、夏菜ちゃん!」
この機会を逃せば、また週明けまで待たなければならない。
金曜日の朝、耐え切れなくなった善彦は、ついに、行動に出た。
「あ、あのさぁ、この前は、ごめん」
「この前って、なに?」
夏菜子はきゅんきゅんと胸が鳴るのを必死で抑えて、
目を血走らせて必死に何かを訴えようとする少年のまえで、
優等生モードの時には、いつもきっちりと閉まっている口を半開きにするくらい驚いて、言葉の意味を確かめる。
「あの、9月30日だっけ……2週間前の……」
「あぁ、うん、こっちこそ。あのときはとつぜん、ごめん」
取り返しの付かない過ちを夏菜子が犯してしまった日のことである。
両親がアメリカに旅立ち、自宅での一人暮らしが始まった夏菜子は、夕飯に善彦を誘った。
待ち合わせの時間の30分前に、善彦は「家の事情」とだけ告げて、その約束を断った。
その後、どうして高瀬善矩と夏菜子が、そういう関係になったのかは、すでに描いたとおりである。
「あの、それで、お詫びに……今更だけど……」
「えっ?」
「その、映画でも見に行かないかな、って、思って……」
夏菜子は、どれだけ善矩と激しく求め合っても、経験することができないほど心臓の鼓動が早くなり、心が空を飛び回るような、幸福を感じた。だが、自分のしていることがしていることだけに
「う、うん、いいよ……」
と、少し引いたような答えしかできなかった。
「それで、いつならいいかな?」
「え、えっと、あの、今日は自動車学校は学科だけだから、今日でもいいし……週末でもいいし、でも、来週でも、いいし……」
「じゃあ、今日でいいの?」
「う、うん。えっと、楽しみにしてる。今日の、何時くらいかな?なに見るの?」
「じゃあ、今日の放課後、渋谷でいいかな?なに見るかは、その時の夏菜ちゃんの気分にまかせるよ」
「ああ、わかった。うん。いいよ。えっと、あたしは4時には間に合うけど……」
「じゃあ、4時に、ええと、夏菜ちゃんの学校から来ると……ハチ公前かもやいあたりとかがいいかな」
「えっ、このいつもの改札口でいいじゃん」
しばしの間、固まったような夏菜子であったが、
待ち合わせを無理に渋谷らしい場所にしようとする善彦が可愛くて、思わず笑ってしまった。
「えっ、いいの?結構遠いでしょ」
「いいんだよ。だって、そのほうがわかりやすいじゃない」
渋谷での乗り換えは、善彦はほとんど直結だったが、
夏菜子の方は3分ほど歩いて地下鉄のホームまで行かなければならない。
朝、混雑していると5分ほど見ることもある。その「距離」について善彦は気を使ったことが、よくわかっていた。
「そ、そうだね」
「そうだよ、だいたい、何のために、それ、持ってるの?」
夏菜子は善彦が手にした携帯電話を指さした。
柔らかな空気と笑いが2人を包んだ。それが、善彦と夏菜子の、初めてのデートが決まった瞬間であった。
夏菜子も、そして何も知らない善彦はもちろんのこと、
2人が放課後までの1日を、どんな心持ちで、どれだけうきうきとした気持ちで過ごしたかは
あえて書くまでもないようなことであろう。
物語の展開としては、あの9月30日から、今日に至るまで善彦がどのような毎日を過ごしていたかを、
振り返っておくほうが、よほど重要であろう。
先に、9月30日に善彦が夏菜子との約束をドタキャンした理由については述べた。
その日、善彦は結局帰らなかった弟・善矩に対してやり場のない怒りを抱えた母親をなだめるのに苦心した。
次の日も、善矩は夏菜子の家に泊まり、土曜日の昼過ぎに帰ってきた。
それまで、善矩のことそのものを心配するというより、母をなだめるのが大変であった。
母親のお説教の後、善矩にフォローを入れたのは善彦であった。
善彦は、その時初めて、善矩が「女の家に泊まってきた」ことを聞かされた。
口止めされていたから、相手が夏菜子であることは言わなかったし、
善彦にひどく迷惑をかけたことがわかったから、
それ以上のこと、ようするに「兄貴の同級生とやりまくった」などということを口にすることはなかった。
善彦も、その相手は善矩の一つ年下か、同級生だっかたの彼女だと、暗黙のうちに信じた。
その後も、そんな事情を知る善彦は、善矩の帰りが遅くなるたびに、外泊する度に、母をなだめ続けた。
弟思いの、弟の遊びたいざかりに理解のある、いい兄だった。
最近、母の機嫌が少し落ち着いてきた。
相変わらず、善矩はあまり家によりつかなかったが、
善彦が、「子どもは、みんなが同じように育つというわけじゃない」と、母に再三諭した。
そうやって弟・善矩を擁護してきたのである。そのことで少しだけ状況を緩和することができた。
だから、思い切って、9月30日のお詫びを、と夏菜子に申し出たのである。
だが、その先の見通しは複雑であった。
この状況で、善彦にも、彼女……善矩が、今いるという彼女とうまくいったとしても、
高瀬の家庭は、母親は、そのことをどう見るだろうか、どうなってしまうだろう、と思うと、気が重い。
それも、善彦すら善矩の相手を知らないのに、それが誰なのかを知らないのに、
善彦にもどこかに彼女ができたなどということになったら、と思えばなおのこと、親の反応は悩みの種であった。
それに、もっともっと複雑な感情があった。
男の子というものは、第二次性徴が始まって、その言葉の意味を知った瞬間から、
自分が童貞であることにコンプレックスを抱えて生きなければいけない生き物である。
まれに、そのコンプレックスを抱える瞬間がほとんどない男の子もいる。
が、ほとんどの男の子は、数年単位でその問題と心の中で戦うのである。
今、3つも年下の弟、善矩が女の子と付き合っていて、泊まってきたりもしている。
ということは、自分よりも先に童貞を捨てたことが確実である、ということだ。
言うまでもなく、弟が女の子とセックスしているのに兄たる自分が毎日オナニー、というのは屈辱的なことである。
そうなると善彦には焦りもある。正直に言えば、そのコンプレックスの解消は、
夏菜子との仲がうまく運ぶかどうか、にかかっていた。
だが、この優等生で清楚なお嬢様の夏菜子が、そんな展開を承諾するか、とかんがえると、
まだ何年も何年も童貞というコンプレックスを抱えて生きなければ、何も報われないのではないか、
という思いは強くあった。
それでも彼女ができれば、それもこれほど最上級の彼女ができれば、そんなことはどうでもいいのかもしれない。
善彦は夏菜子が大好きだったし、もし、結婚まで何年も、プラトニックを貫くことを要求されても、
夏菜子とうまくいくなら、それでいい、と覚悟はしていた。
そして実際に大きなチャンスを掴むことが出来るところまで来ている。
善彦は知らないが、童貞のコンプレックスは、告白さえできればその日のうちに粉々に破壊されるだろう。
そんな、正直な思いを、善彦が夏菜子に話すことができていたら……
夏菜子の人生も大きく変わっていたはず、である。
2人の初デートは、善彦にとって初めての女の子とのデートであり、実は夏菜子にとっても、
男の子とふたりきりで街を歩き、映画を見て、その後夕食、という普通のデートは初めての体験だった。
映画は高校生料金だし、夕食はチェーンのパスタ屋だったが、
善彦が「お詫び」としてお金を払ってくれた。それもまた、嬉しい事であった。
2人でいるだけで楽しくて、4時に待ち合わせだったのが、あっという間に9時近くになっていた。
「夏菜ちゃん、家まで送っていくよ」
いつもとは反対方向、帰り道も一緒の電車だった。ただ、駅からの方向が反対である。
「ええっ?う、うん」
夏菜子は一瞬ためらった。悪いよ、といったが、そんなことないよ、と返された。
結局、善彦は極めて紳士的に振る舞って、夏菜子を家の前まで送り届けると、
楽しい気持ちを胸いっぱいにしたまま、帰っていった。
ほんの少しだけ、気にかかることがあった。
それまでとても楽しそうで、切なそうな目つきでじっと善彦の眼を見て話していた夏菜子が、
地元の駅の北口に降りた時から、人の目を気にするかのようにあちらこちらを見たり、
なにかよそよそしい態度をとるようになった。
一瞬悪い予感が善彦の頭をよぎったが、夏菜子に限って、そんなことはありえない、考えるだけ意味が無い、
とすぐに思い直した。
考えてみれば、善彦は夏菜子に彼氏がいるかどうか、確かめたことすらない。
だから、日頃の態度や行動から、信じるだけである。
それに、不安が頭をよぎっても、今は生まれて初めてのデートが、それなりに滞り無くすんだことが、
嬉しくてたまらない、善矩であった。
だが、真実を知っていれば、夏菜子が、どうして北口に降りた時からよそよそしくなったか、理由は言うまでもない。
夏菜子が最も恐れていた、二人でいるところに善矩と鉢合わせになるようなことは、なかった。
夏菜子もまた、楽しい気持ちを胸にいっぱい抱えたまま、家の中に入っていった。
「今日は楽しかった。ありがとう、また、あってくれるかな?」
という内容のメールに
「あたしも楽しかった。今度は、〇〇の映画も、見たいな」
と次をはっきりと意識させるようなメールを返した。そろそろ、善彦は、家につく頃である。
「おやすみ」
「おやすみ」
というものまで、何通かのメールをやりとりした。
夏菜子は、通学かばんを自分の部屋に置いて、一階に降りて、リビングの端っこにたたんであった布団を敷いて、
収納から女の子らしい、ピンク色のシーツを取り出した。
その時、玄関のベルが鳴った。
「はい、あ、開けるから入って」
ドアカメラに映ったのは、善矩であった。
夏菜子は、罪の意識などまるでないように、すぐに善矩を家に上げる。
「いらっしゃい。ごめんね、遅くなって。今、お風呂入れるから、待ってて」
「いいよ、明日休みだし」
「うん、ねえ、善矩くん……」
「ん、なに?」
「今日ね、あたしね、超燃えたい。だから、覚悟しておいてね」
「お、おう……」
夏菜子があえて"燃える"と宣言した意味はわかったが、どうしてそんなふうな気持ちになったのかという背景は、
善矩にはわからなかった。
これも、夏菜子の過ごした今日1日のことを知っていれば何のことはない。
夏菜子は楽しいデートで胸をいっぱいにして帰って来た、
その一方で、プラトニックすぎる善彦とのデートで、溜まりに溜まった欲情を、
全部、善矩に対して吐き出そう、ということである。
夏菜子の中で、恋愛とセックスは完全に分離してしまっていた。
恋愛は善彦と、セックスは善矩と……そういう自分勝手な切り分け、自分中心の世界に生きていた。
「いっぱいいっぱい、今日もエッチしようね」
「う、うん」
今の石田夏菜子は、そういう女の子である。
いくらその内面の悩みや、葛藤を作者が本編で説明し、擁護しようとしても、
実際の行動は、淫乱ギャルの中でも最もひどい部類のことをしている。
善彦がこのことを知った時にどういう感情に陥るのか……
そのことが全く想像できないという意味ではイノセントなのだが、罪はやはり深いだろう。
そのころ、一足先に家で風呂に入った、善彦は、すでに善矩が今日も外泊することを知っていた。
だから今日は両親、とくに母親とはなるべく口を利かないように、気を使う。
両親が眠ってくれれば、いつか善矩が指摘したように、オナニーし放題なのだから、
それはそれで今の善彦には悪いことではない。まだ彼は何も知らないし何も気づいていないのだから。
ましてや、それが誰であるかは分からないが、弟・善矩がしょっちゅう外泊するような状況と、
最愛の女の子、夏菜子とを結びつけるようなことは夢想さえできない。
善彦は身の回りにある情報をもっと注意して観察し、つなげてみるべきだったかもしれない。
事実、善矩が今日も外泊することを善彦に告げてきたのは、
映画の後、食事中に夏菜子がお手洗い、といって席を立ち、戻ってきた直後であった。
奇妙な偶然に彼が気づくのは、いつなのだろうか?あるいは、気づくことはないのであろうか?
「さあ、おっきくなあれ」
服の上から善矩のアソコをまさぐって、いつもの習慣どおり、
最初のフェラ抜きから顔射――精液まみれの顔と、2人の1日の汗をお風呂場で流してから、
何度も何度もセックスするための儀式――を夏菜子と善矩は始めようとしている。
夏菜子は、制服を上だけ脱いで、ブラジャーとスカートとソックスだけになる。
最初の頃は、お風呂場で、だったが、最近は先にリビングでフェラ抜きをして、
顔を汚したまま、シャワーとお風呂、というふうな流れが多くなっていた。
上半身の服を脱ぐのは、そのまま顔射をうけること前提にしたことであった。
「んん、んふぅ……」
「ああ、気持ちいい……」
中学3年生の、若いペニスは、まだまだ成長途上である。
大きさや長さ、太さのこともあるが、この2週間で大きな変化があった。
毎日、最初にこうやってフェラチオで一発抜くところからはじまる善矩と夏菜子のエッチであるが、
最初のうちは、勃起した状態でもしっかり皮を被っていた善矩のペニスは、
いつの間にか、その日の始まりのフェラのために夏菜子の目の前に現れた時から、
亀頭がすべて露出する状態になるようになった。
「なんだか、よっくんのおちんちん、ちょっとおっきくなったね」
「ええ?大きくしたの、夏菜子だろ?」
「そうじゃなくて、あの、なんていうか、その基礎的なね、おっきさがね……」
「えっ、そうかなぁ?」
少なくとも、夏菜子は、善矩のサイズが静かにその数字を大きくしていることを、感じ取っているようであった。
わずか2週間で、本当に基礎的なサイズが大きくなったのかどうかはわからないが、
少なくとも"日本人の男の7割が"その状態であるとまことしやかに語られることの多い仮性包茎からは、
着実に抜け出しつつある。夏菜子と一晩中セックスしても、最初のうちは、
夏菜子の家を出る時には善矩は自分で皮を戻していたのだが、夏菜子の口と性器と手と、
そして全身とを使ったセックスで鍛えられた結果、徐々に、普段から剥いたままでも平気になってきていた。
「すっご、どんどん大きくなってるよ」
「んん……夏菜子ぉ……」
仮性包茎を脱すると、"拘束がなくなるから、成長が促進される"というようなことが本当にあるのかどうか、分からないが、ペニスの皮がすっかり向けた状態が常態になったことは、エッチ漬けの毎日の、大きな副産物の一つであった。
「ああ、もう、でる、出るよ!夏菜子!」
「いっぱい、いっぱいちょうだぁい!」
ぴくぴくと脈打って、急激に、1日溜め込んだ濃い精液がペニスを上り上がってくるのを感じると、
夏菜子は、肉棒を手で固定して、精液を顔いっぱいに受け止める。
男の子の匂い、善矩の匂いで鼻も口もいっぱいになる。時には目にまで入ってる。髪も汚れる。
その、男の子の欲望を吐き出した、液体の匂いも、ネバネバも、夏菜子は嫌いではなかった。
「うふふ、今日も、いっぱいでたね」
どちらかと言えば、善矩は早漏の傾向があっただろう。
それを回数でカバーすることができたからやはり絶倫であることに変わりはないのであるが、
長い夜の始まりの儀式は、いつもわりと呆気無く終わる。
「ほら、夏菜子、綺麗にしてよ」
「うん♪」
夏菜子は残る精液を手でこすって搾り取り、お口で肉棒の先まできれいにお掃除する。
すぐに風呂場に向かうのにそういうことをすることで、善矩の征服感はいつも満たされる。
次は、お風呂で顔も、カラダも洗って、一度きれいな顔になって、
その後は、すっぴんのままでも、清楚系のメイクでも、下品なギャルメイクでも、
善矩のお気の召すままに変身する。
「ああん、よっくぅん。ありがとー」
目を開けられない状態になった夏菜子の手を引いて、善矩は風呂場へと向かう。
自分の精液で汚した美少女の顔を拭き取りもせずに、洗面所で裸になり、風呂の扉を開ける。
夏菜子も追いかけるように、裸になって、顔にあびたスペルマを落とさないように、風呂場に入る。
「ああ、あったかぃ……あぁん、だめぇん」
善矩は、まずシャワーを手にとって、勢い良く夏菜子の顔にべっとりと着いたザーメンを弾き飛ばすように洗い落とす。
夏菜子は上を向いたまま、シャワーを浴びて気持よさそうに口を開いて、
口の中の精液もよだれに混ぜて外に出す。
朝、渋谷で善彦に誘いを受けた時と同じように、いや、もっとだらしなく大きく口が開いている。
善矩はそんないやらしい夏菜子の顔を見ると、射精したばかりなのにすぐに欲情して、
夏菜子の女の子の大事な部分を、慣れた手つきで、くにゅくにゅ、と弄る。
「あぁん、しゅご……ぉい……ひゃぁん!」
この2週間で変わったのは、善矩の仮性包茎が治ったことだけではない。
夏菜子の善矩を目の前にした時の口調は、全く別人のようになっていた。
最初のころは、いかにもお固いお嬢様が、恥じらいながらも幼い善矩をリードするように上から目線の言葉遣い、
口調だったのを、一晩かけて、デレデレな赤ちゃん言葉にまでほぐして言っていたのだが、
今は初めからデッレデレで、善矩がいきなり気まぐれで胸にしゃぶりついても
「あぁいやぁあん!もうぉ……ん、もう……元気になっちゃったのぉよっくぅん?」
と、だらしなくよがり声を上げる。
「うふぅん……好きぃ……よっくぅん」
アソコを攻められ、おっぱいを揉まれると、夏菜子はよれよれと善矩のカラダにしがみつく。
さっき射精したペニスが、もう膨れ上がってくるのを感じる。
それに、善矩のカラダが、この2週間で急速に男らしく、大人の男らしく、固く、
たくましくなってきたのをはっきりと感じていた。
「ほら、身体洗おうよ」
「うん。わかった」
善矩に促されると、夏菜子はいつもの様にボディソープを手にとって、胸の谷間で、泡立てる。
そして、全身を使って善矩の身体を洗う。これが結構な運動になる。
「ああ、夏菜子……最高だよ……」
「本当……?うれしぃ♪」
胸の谷間を使って足をこすっている時にそんなことを言われると、
夏菜子は上目遣いで首を傾げて、にっこりと微笑む。
「これも、すきでしょ?」
「ああ、すごい……好き……」
そう言うと今度は左手いっぱいに泡を持って、善矩のペニスをぎゅっと掴んで、前後に動かす。
「もう、こんなに大きくなっちゃった。かわいいね、よっくんのおちんちん……」
「あぁ、そんな、夏菜子……激しいよ……」
「うん?激しいの、嫌いなの……?」
夏菜子は口をすぼめて、ちょっと不満そうな表情を作って、意地悪く善矩に尋ねる。
「そうじゃないけど……ちょっ……」
「じゃあ、こっちとどっちがいい?」
「えっ?あ、あぁあ、ちょっと夏菜子ぉ!」
夏菜子は泡がついたままの、すっかり回復して天を指して立ち上がろうとする善矩の肉棒をぱっくりと口に含めると、
激しく首をビストン運動させた。
朝、家を出る時に風に流すように垂らした横髪が、濡れたまま首の動きから少し遅れて、揺れる。
ボディソープの苦味など気にしない。
フェラチオをする時、特に初めからフェラ抜きでイかせると決めている時には、
夏菜子は覚悟を決めている。自分の口は、性器であるからと割りきって、味や匂いなど気にしないと決めている。
「ああ、夏菜子ぉ……!」
問答無用で、夏菜子は善矩の弱いところを容赦なく攻め立てる。
あっという間に、善矩は今日二度目の絶頂を迎える。
「ああん、またぁ!」
せっかく洗った顔に、夏菜子は今日二度目の顔射を受けた。
「もう、よっくん、ちょっとは我慢しなさいよぉ」
「ご、ごめん、でも、夏菜子……」
「言い訳はしないの、次はもっと我慢してよね」
「うん、分かった……」
「うふふ、早く元気になあれ……」
夏菜子は、善矩のペニスが急速にしぼむのを見ると、
その先っちょの周りを右手の人差し指でくるくる、と回してみせた。
「なに、それ?」
「うん、おまじないだよ。よっくんのおちんちんがはやく元気になって、
おっきくなって、かたくなって、そんで夏菜子の中でいっぱいいっぱい暴れてくれますように、っておまじない」
「ええ、もう、するの?」
夏菜子の言動に、続けざまに射精した善矩は、ちょっとまいった、というような表情である。
「うん。洗ってあげるね。で、シャンプーして、それでお風呂上がって、お布団敷いたら、始めるの。できるよね」
「もう、まじかよぉ……」
「言ったでしょ、今日は覚悟しておいてね、って」
善矩のセックスの技量が急成長を遂げても、最終的にリードするのはやはり夏菜子のほうだった。
同じように成長を続ける夏菜子がちょっといたずらごころを見せて抑えこもうとすれば、
善矩はいとも簡単に屈服させられる。
要するに、2人は最高のセックスパートナーなのであった。プラトニックな関係の善彦と、
性欲にまみれきった善矩との関係……夏菜子のココロは、兄弟の間で揺れ動く。
三角関係、という言葉が当てはまるとすれば、この三角形は、あまりにいびつな形をしている。
前から見れば綺麗な正三角形なのかもしれないが、別の角度から見ると、
善彦の頂点だけがひどくするどい角度になっているようでもあり、
また別の角度から見ると、善矩と夏菜子の頂点はひどく離れているように見える。
夏菜子と善彦、善矩の三角関係が、どのようなきっかけで変わり、どのような過程で関係が破綻し、
また何が残るのか、まだ誰も知らない。秋の1日の長い夜はまだ始まったばかりだった。
516 :
こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/15(日) 00:46:48.71 ID:5T0oFFdE
作者です。
>>501 感想ありがとうございます。どんどんイライラしてください。ご期待に添えるかどうかはわかりませんが
もっとイライラすることだけは間違いないと思います(笑)
さて、このスレもまた容量が限界に近くなってきました。
保管庫を作ると宣言された方もなかなかお忙しいようです。
そこで、ノクターンなりどこかのブログなり、外部に「夏菜子のなつ」からの夏菜子シリーズと
それから、隠すこともないと思うのでいいますけど、「親友」を加筆修正してアップしたいと思っています。
その後も、その2作品については、ここで落としてから、
スレが落ちたときに外部で更新、という風にしたいのですが
なにかおすすめや、あるいは異議がございますでしょうか?
このスレの皆さんの書き込みは、私の作品と関係なくてもものすごく参考になってたりするので
この件についても皆さんの意見を伺ってみたいです。
それはそうと、次もまた近いうちに来ます。今回は、執拗に行こうと思ってます。長々おつきあい下されば幸いです。
それではまた。
おつかれさまですー
ノクターンでの掲載賛成です。
過去作が読めなくて悶々としてました。
あちらは現在物でビッチ、寝取られは主流ではないけど
あらすじとジャンルタグさえ間違えなければ趣味の合った人
が読んでくれると思います。
では次の掲載楽しみにしています。
>>516 うわぁ、今回も夏菜子のバカっぷりには腹が立つわ
続きも楽しみにしてます。
ノクターンでやるなら思い切って移行してしまってもよろしいのでは?
とりあえずここで見てる人もそれなりにいるだろうし
こっちは大規模規制もいつ始まるかわからないし、
使いにくかったら戻ってくればいいではないですか
520 :
夏菜子のなつ:2013/09/15(日) 10:35:47.50 ID:5T0oFFdE
>>518 ご意見ありがとうございます。
落ちたスレのものを見たいという方がいれば、それだけでこちらとしては十分です。
ノクターンの主流はファンタジーの入ったものばかりで、ちょっと場違いな感じもしますが、
プロローグから手直しして、少しずつアップしてみようと思います。
あとはあらすじですね。
>>519 ありがとうございます。
移行するとなると、今までのぶんを一気に落とさないといけなくて、
それだと見直しが雑になるので、こっちと並行してやってみようと思います。
せっかくの台風なので、これからやってみます。
ということで、善は急げで。
「こころのすきま」のほうも、今夜また投下しようと思います。ノクターンのほうは基本的にアーカイブなので
こっちのスレの方もよろしくおねがいします。
超乙!
応援してるぜよ
早速の掲載お疲れ様です。
そしてありがとうございました。
今後も楽しみにしています。
多分このスレ的には当然の如くご承知なんだろうけど
「零落令嬢」というのがよかった
>>521 ありがとうございます。
>>522 さっそく見つけてもらってありがとうございます。今になって「夏菜子のなつ」を見ると、まるで伏線が回収できてない
ダメSSでした。となると伏線を削るかきちんと回収するかしないといけないので、そっちもゆっくり更新します。
明日も台風みたいなので、もうちょっと直してみます。
向こうでは「夏菜子のなつ」を通しタイトルにして、その第一篇としての「夏菜子のなつ」に副題を付けました。
それでいうと、今の「こころのすきま」は第二篇ということになるでしょう。
ということで、こっちはこっちで投下します。
「ああ、中間テストって、こんなにつかれるもんだったんだね」
10月も下旬も後半である。
夏菜子と善彦は相変わらず朝の通勤電車で、毎日20分のデートを楽しむ。他愛もない会話が多かった。
「えっ?あ、バイトのことかぁ」
「あ、そうそう。言わなきゃわかんなかったね。まああたしのほうはもうどうでもいけるからいいんだけど……」
指定校推薦で大学への進学を決めたのは、夏菜子も善彦も一緒である。
その当否は高3の1学期までで決まるので、10月の中間テストは、何の関係もない。
だから今更夏菜子が「中間テストって……」などと口走るのは一瞬の間を置かないとわからないことであった。
「公立中学の中間テストなんて、なんとなく授業聞いて、教科書見とけば何が出るかわかるに決まってんのに、
どうしてあんなに苦労してるんだろ、みんな」
「まあ、そりゃ、夏菜ちゃんと一緒にされたら……」
夏菜子はずっと優等生だったが、ようするに最低限のこと、授業と課題をきちんとこなす事ができれば、
いい成績など誰でも取れるという自信があった。
進学校の私立高校に行こうと思ったら、公立中学の授業だけでは不安だったので地元の塾に通った。
今、その縁で、チューターという名目でバイトを始めたのが10月である。
中身は、自習室での個別指導のようなことが大半だった。
「『何が出ると思いますか?』とか聞かれると、『知らないよ!』って思っちゃうけど、
そういうの、ほかの生徒のノートとか見てるとなんか予想できるようになるんだよね。
それで後からフォローしたりすると、いつの間にか時間が経っちゃって……」
それで家に帰るのが遅れて、起きることは「善矩の機嫌が悪くなる」ことなのだが、夏菜子は間一髪で言葉を飲み込んだ。
「そういえば、善彦の方は?」
「うん、こっちもようやくわかってきたよ」
彼が始めたバイトは、ファミレスのキッチン係であった。大手のチェーンなので、きっちり10時には帰れるし、
若いうちに経験しておくと後からいろいろと便利な種類の職種ではある。
「やっぱり、かわいい女の子とかいるの?」
「そ、っそんんな、そんなのいないよ。夏菜ちゃんと比べたらさぁ……」
「ふうん?ホントかなぁ……」
「ホントだよホント」
「ムキになるところが怪しいなぁ……」
夏菜子は笑いながら善彦を問い詰める。週一回、高校生らしい清く正しいデートを重ねること3回、
まだ告白も受けていないが、このぬるま湯のような関係が、心地よかった。
できることなら、その関係がずっと続くことを願った。
それこそ、大学に入れば、夏菜子と善彦が同じ電車にのる距離は増える。
大学生だから毎朝同じ電車というわけにはいかないかも知れないが、
それはさておき、やっぱり、ずっと善彦のことを好きでいたい、というのが夏菜子の願いであった。
「それじゃ、また明日ね」
「うん、バイバイ」
善彦は思う。恋なんて、ゆっくり育てていけばいい。急がなくてもゆっくりゆっくり育てていけばいい。
プランターに種を巻いて、花が咲くには時間が掛かるではないか。
その間、毎日水をやったり支え棒を立てたり、そういう、花を咲かせる地道な努力が必要なのだ。
この恋が花を咲かせるには、お嬢様で優等生の夏菜子と、理系で地味な自分の恋に花が咲くとしたら、
まいにちまいにち、、きちんと水を与えて、あせらずに育てる必要がある……
もちろん、勇気の持てない自分に対するいいわけである。
ぬるま湯の関係を続けたいのならばこのまま危うい賭けにでないほうが得策、という計算もある。
だが、その間にだれか他の男が近づいてきたら……
そんな恐怖はあったが、告白に賭ける勇気はやはりなかなか出なかった。
善彦は、夏菜子が誰のものでもなく、またずっと自分以外のものにならない、とこの頃無根拠に信じるようになっていた。
なにか不安が出てきても、必死で否定して、その不安を毎日のオナニーで吹き飛ばした。
ふつうの男の子であるから、一度オナニーをすれば一瞬、女の子のことなどどうでも良くなる。
もう18歳になったし、バイトの給料も入ったし、おかずに困ることはなくなった。
まだ、善彦にとっての「知らぬが仏」といえる状態が続いていた。
夏菜子との毎日の通学デートも、週一のデートも、まだ手すら握れない善彦ではあったが、夏菜子の顔を、
身体を間近で見て、そして匂いをかいでいると、ズボンの中でペニスが勃起しているのを隠さないといけないような状態になる。
家に帰って、ひとりきりの時間になれば、その溜め込んだ性欲を吐き出す作業は毎日必要だった。
善彦も、夏菜子と同じだったのかもしれない。夏菜子との関係はプラトニックで、
性欲を処理する相手はもっぱら画面のなかのAV女優や二次元のキャラクター、萌え小説の登場人物であった。
皆、清楚で優等生でしっかりものの美少女である夏菜子からくらべれば、性欲に溺れきった、
オナニーのおかずになって当然の"バカ女"たちであった。
そういう"バカ女"と、人生のアイドルである夏菜子を、同じ女ではなく別のカテゴリーのものとして扱い、
信じたいという気持ちは……夏菜子が善彦ではなく、
弟善矩と毎日セックスしまくっている夏菜子の思考と通じるものがある。
ただ、性欲を処理する方法が違うだけである。
もし、善彦がそこまで達観することができたら、善彦と夏菜子がこのさきずっとうまくいくことも不可能ではないだろう。
問題は、高校3年生の善彦にそこまで、全てを許せるような寛容な心があるかどうか、
というよりそんなものを持ち合わせているはずがないことであった。
*
「あ、石田先生!センセの予想、すげえあたったよ!」
夏菜子がバイト先の進学塾、WK進学アカデミーにやってきたのは中間テストの終わったその日の
午後4時過ぎのことであった。すぐに、3人の女子生徒が駆け寄ってきた。
「あら、あたった?どんな感じだったの?」
「もう、マジびびって、国語なんかほとんど夏菜ちゃんのつくった問題そのままだったよ。
うち、ひょっとしたら100点かも!」
「数学も半分くらいそのままだったよね」
「ねえ、なんであんなに当たるの?水田や岩村に枕営業でもしてんじゃないの?」
3人の少女はくだけた言葉遣いで、興奮気味で、ちょっと失礼な言葉もはさみながら、
嬉しそうに夏菜子を囲んで話し続けた。
「いや、そんな……でも先生たちがなに考えてるかなんて、授業を聞いてればわかるんだよ?
また、相談に来てね」
「すげー。カッコイイ」
「さすがT女子学園……」
「さすがW大……」
「それじゃ、準備があるから、後でね」
3人の少女は、どちらかと言えばギャル系の女の子たちであった。
公立中学でそんなに激しいギャルはできないし、塾に来るときにはまだおとなしめだが、
休日はギャルになって、3人連れ立って都心に向かう、仲間たちであった。
長い髪をポニーテールにしたリーダー格の君原さつき、167センチの長身スレンダー吉川まゆ、
それに小悪魔系を意識している笹井もえ、この3人の少女たちは、
この先、単なる塾の先生と生徒という関係を超えて、夏菜子の人生に関わるようになる。
ただ、まだもう少し先のことである。
夏菜子にとっては塾の生徒であるとともに、同じ中学の4つ後輩でもある。
後輩に慕われるのは、嬉しいものであった。
「がんばってるみたいね、夏菜子ちゃん」
「あっ、塾頭。いやぁ、あたしとしてはふつうのコトを教えただけのつもりだったんですけど、
あんなに感動されちゃって、いいのかなぁって」
「夏菜子ちゃんにはふつうのコトでも、あの子たちにはまるで魔法なのよ。
あとは、魔法を使うには努力が必要だってことをちゃんと教えてあげてね」
夏菜子が塾頭、とよんだのは渡辺香苗、36歳の女性である。
最近は、少子化が進み、私立学校も生き残りをかけて中高一貫教育の重視、
行ってみれば青田買いがはっきりとした傾向として、特に都会では顕著である。
それにともなって受験産業の主戦場は高校・大学から中学・大学へと移行していた。
大手の塾などは、ほぼ中学受験が中心であり、高校受験はおまけになりつつあった。
5年前、都内の私立高校の教員を個人的な事情でやめた渡辺香苗は、
いわばぽっかりと穴の開いた「高校受験」という市場を狙って、
このあたりに「高校受験専門 WK進学アカデミー」を開講した。
夏菜子は2年生の途中からその塾に通い出した。まだ弱小だった香苗は、夏菜子の父親、
石田高の大学での教え子であり、高も香苗になら娘を預けても良いと考えた。
夏菜子が香苗の塾に通うようになった経緯は、そんな感じである。
実質的に最初にこの塾から高校受験をした、夏菜子たちの世代が、
弱小の個人経営の塾としては出色の実績を残したので、一気に「WK進学アカデミー」の名声が高まった。
今は、場所も駅から近くになり、生徒数もおどろくほど増えた。
当初は個人指導と授業方式の中間のような雰囲気であったが、生徒数が増えるに従って、
丁寧な個人指導が難しくなってきた。そこで、香苗は夏菜子たちの世代が大学に入るのを待ちわびていた。
指定校推薦で夏菜子が進学先を決めたことを聞くと、すぐに声をかけた。
香苗はそういう経緯で、夏菜子には全幅の信頼を置いていたのだが、
この塾が大きくなる過程で入ってきた他の講師たちは、必ずしもそういうわけではない。
「塾頭はああおっしゃってるけど、子どもたちにあんまり楽することを教えないほうがいいと私は思いますよ。
勉強なんかしなくても、石田先生みたいな高校に入って、大学に行けると思われたら、
生徒たちにとって損にしかなりませんからね」
「あ、そうかもしれませんね……すみません」
「まあ、いろいろ気をつけてくださいね」
嫌味を言ってきたのは、吉田辰弘という40代のベテランであった。
大きくなった塾で、自分が通っていた頃のような指導をすれば、いろいろと反感を買うかもしれない、
とは香苗にいわれていたが、同時に「気にするな」とも言われていた。なので、
吉田の言葉は、聞き流すことにした。
「とくに、あの3人は、特に成績がいいというわけでもないし、特別扱いなんかしてもいいことなんか何もありませんよ。
まあ生徒に目をかけるときは、誰に目をかけるか選ぶんですね」
ふん、と夏菜子は思った。返事もしなかった。なんだろう、この大人は。成績のいい子の進学実績が全てなのか。
大切なことではあるかもしれないが、彼女たちをバカにしている。夏菜子が受け入れられるような態度ではなかった。
もっとも、夏菜子がそんなふうに感じていることは吉田にも分かっていた。
「まだまだ若いですね」
と言って、紙コップのコーヒーを持ったまま、教員室を出て行った。
「はぁ……」
人間関係は難しい。塾頭の香苗は香苗で、「古き良き」タイプの塾講師である吉田を高く評価していない。
ようするにこの塾の生徒が増えた時に、経験の多い講師が必要だったのである。
ある意味家庭的、個人的に過ぎたこの塾の雰囲気を、大人数に対応できるように変えてくれたことに貢献したのは確かだし、
感謝もしていたが、それがいいことだったのかどうかは、今でも疑問が残っていた。
つまり、最初の頃のWKアカデミーの空気を再現して欲しくて請われてこの塾にやってきた夏菜子と、
ベテランの吉田は、この塾にあっては初めから水と油なのであった。
夏菜子は、一人ため息をついて、持ち場に向かう。
自習室の一角にあるガラス戸で区切られたスペースが夏菜子の今日の持ち場である。
そこにいて、自習室の子どもたちの質問や相談を受けるのが、仕事であった。子どもたちと言っても、
夏菜子と3つ4つしか違わないのではあるが……
時間が過ぎて、午後10時、夏菜子は高校生なので、この時間にはもう塾から帰らないとならない。
普段はもう少し遅くまでかかる仕事も、中間テストが終わったばかりの今日は皆がこの時間に帰ろうとしていた。
吉田は吉田でちょっとさっき言いすぎたと思ったのか、
そこで「どうですか、石田先生も、ご一緒しませんか?」と、講師たちの集まりに声をかけてきた、が、
「あ、すみません。また、今度誘ってください」
と剣もほろろに夏菜子に断られた。
「石田さんを酒場に誘わないでくださいよ。あたしが許しませんよ」
と塾頭が加勢してくれた。それで、あまりにはっきり断りすぎた、と夏菜子にも分かった。
夏菜子はすこしバツが悪そうに
「
そ、それじゃすみません。また今度、ということで。ごめんなさい」
と言うと、さっさと荷物をまとめて教員室を後にした。
夏菜子が帰りを急ぐ理由を、改めて説明する必要は無いだろう。
アカデミーを出て、一つ角を曲がると、いそいそと携帯を取り出して、電話をかけた。
「あっ、よっくん?うん、おわった。ああ、うん。今すぐに帰るからいつもどおりによろしくね」
今日中間テストが開けたのは、地元の公立中学もそうだし、O大学附属中に通う、
大学までエスカレーターの善矩も同じであった。高等部への進学が決まる大事なテストなので、
週末を挟んで4日間ほど、善矩は夏菜子との「夜の部」のセックスを我慢して勉強した。
今日は、久しぶりの、お泊りである。
「えっと、そうだそうだ、買い物しなきゃ」
洗顔フォームと食洗機要洗剤、それにコンドームが足りなそうだったので、夏菜子はドラッグストアに寄った。
周りの目は気にしたが、コンドームを2箱も買うことにも、そろそろ慣れ始めた。
家から100メートルと離れていない公園に、善矩は待っていた。
「よっくん、ただいま!」
「夏菜子、お帰り」
周りに人目がないのを確認して、夏菜子は善矩の胸に飛び込む。
「夏菜子、俺、もう我慢できないよぉ」
善矩はもう勃起している股間に夏菜子の手を持ってくる。
「もう、、だめぇ。ちゃんとおうちでね。それじゃ電話するね」
「わかった。じゃあ早くしてね」
ここで一度、夏菜子と善矩は枝分かれする。
さすがに、両親がアメリカに行っている間、毎日のように男を連れ込むことが近所に知れ渡ってはまずい。だから、よっぽど人目がない時以外は、一緒に家に入ったり、堂々と玄関から善矩を上げたりということを避けるようになった。
これが、結構スリルがあって楽しいのだ。
「うん、こっちも誰もとおってない。勝手口開けておくから、よろしくね」
住宅街の一角にある夏菜子の家に、夏菜子はまっすぐ帰り、善矩は一本向こうの道から遠回りして、
逆方向から夏菜子の家を目指す。
「あっ、見えた。大丈夫そうだね。あっ、ごめん反対から人が来た!」
夏菜子は玄関の前で立ち止まって、向こう側に善矩の姿を確認すると、自分が来た方をもう一度確認する。
「わかった。スピード緩めるから」
「うん、じゃあね」
夏菜子は玄関の鍵を開けて、家の中に入ると、荷物をその場において、勝手口の鍵を開ける。
善矩は自転車から降り、歩く速さをゆるめて、夏菜子の家の前で通行人とすれ違うと、誰にも見られないように、
闇の中に消える。今日は勝手口だが、もっと慎重なときは、庭の窓からということもある。
石田家の駐車場に停めてある車の陰に隠れて、自転車を止める。勝手口の鍵が、
カチャと音を立てるのを確認すると、さっとドアを開けて、中で待つ夏菜子と再会を果たす。
「うふふ、よっくん、いらっしゃい♪お風呂にする?なにか食べる?それとも……」
夏菜子はそう言うと、靴を持ったままの善矩を抱きしめて、自分から善矩の股間に手を這わせる。
薄暗い台所で、夏菜子は善矩の前に跪き、問答無用で善矩のベルトを外す。
「ねえ、これじゃ暗いよ。明るくしてよ」
「えっ……うん、わかった」
夏菜子は少し不満そうに立ち上がって、台所の照明をつけた。
「夏菜子、そんなに焦るなよ。夜は長いんだし」
「ええっ……?だってぇ……」
「だって、なんだよ、お風呂入れてからにしてよ。今日寒いしさ」
「うん、わかったよ……ごめん、そうだね、寒い中またせちゃったもんね」
夏菜子はしぶしぶと風呂場に向かった。善矩は、夏菜子が落ち込むのを見ると少し後悔する。
「お布団、敷いてからにしよう」
夏菜子は気を取り直すために、まずは2人の"欲望の巣"を整えることから、
何回戦に及ぶかわからない今日の夜を始める。
「ええと、これと、これと」
何が必要か、夏菜子もだいぶ分かってきた。
クローゼットには、善矩用の寝巻き代わりのTシャツと短パン、トレーナーが何着か用意してある。
ウェットティッシュやヘアゴム、そしてさっき買ったコンドーム、飲みもの、
このリビングルームで一晩中エッチな事をするための用意をてきぱきとすすめる。
「あ、兄貴?うん、ごめん。今日?うん、帰らん。すまねえ。よろしく」
夏菜子は一瞬、心臓が止まりそうになる。
「うん、浩一の方にちゃんと断ってあるから。あとはよろしくお願い。まあ、明日はちゃんと帰るよ」
夏菜子が毎朝通学デートを重ねる相手、そして明日は放課後デートの予定の相手、
高瀬善彦は善矩の兄である。もちろん、善彦はまだ善矩と夏菜子の関係を知らないし、
善矩も、善彦と夏菜子が同級生だったということ以上は何も知らない。夏菜子から固く口止めされているから、
というのもあるが、夏菜子のことは善彦にも、誰にもはっきりとは話していなかった。
浩一、というのはアリバイづくりを頼んだ友達である。実際に問題が起きることなど今まで無いのは、
携帯電話の時代のありがたさであるが、それでもこうやって、兄・善彦が善矩の無事を確認したり、
母親をなだめてくれるから、善矩はこういうことが出来る。
善矩も、そして夏菜子も、善彦という人の、穏やかで優しく、
大切な人のために尽くす性格の恩恵を最大に受けていたのである。
夏菜子は、電話で善矩が話してる相手が善彦であることを悟ると、そそくさと風呂場に向かった。
息を潜めて、絶対に自分の空気を善彦に悟らせないように、気配を消そうとする。
つまり、夏菜子も、善矩との関係が、善彦に対して申し訳のたたないものであることは分かっているのだ。
分かっていないのは、罪の大きさ、であった。
人間は嘘をつく生き物であるし、誰でも秘密を持っている。夏菜子や善矩だけではない。誰でも秘密を持っている。
善彦も同じである。善彦にしてみれば、おそらく、自分が毎日AVやエロ本やエロ漫画でオナニーしていることは、
夏菜子には絶対知られたくない"秘密"であったはずなのだ。
だが、その秘密はとっくに善矩によって夏菜子に明かされている。
善彦にも、他にも秘密があるだろうし、夏菜子についても、本編は夏菜子を中心に描かれているので、
読者の目には触れたことであっても善矩に明かせない秘密はいくらでもある。
善矩にも夏菜子には明かせない秘密がある。夏菜子、善彦、善矩の強烈な三角関係において、
そういう数々の秘密が、どういう順番で誰に対して明らかになるか……そして、秘密を知った者が、
どういう気持ちになり、どういう行動に出るか……また、最後まで隠し通せる秘密があったとして、
そのことが3人のなかで誰かを幸せにするか……
ある日、意外なところから、誰かの秘密が誰かに漏れて、それがきっかけになって、
ドミノ倒しで描く絵のように、今は見えないものが全部見えて、この三角関係の全体像がはっきりと現れる時が来る。
そういうことが起きる萌芽は、実はいたるところにあるのだが、その芽は夏菜子が隠したり、善矩が引っこ抜いたり、
善彦が気づかなかったり、今はまだそんな状態で大きな秘密は保たれたまま、なだけである。
だが、今日の夜はまだまだ、ただただ善彦は、善矩をどこか妬ましく思いながら、
いつかは最上級の美少女である夏菜子と……と思いながら創作物の女をおかずにオナニーし、
一方では善矩と夏菜子が快楽を求めて貪り合うだけである。
(この娘、口元が夏菜ちゃんに似てる……)
善彦が今日自分の部屋で見ているDVDは、美少女系のAV女優の、デビュー作であった。
「最高の美少女」「今しか見れない、恥じらい」などというまことしやかなキャッチフレーズのジャケットに惹かれて手を伸ばした。
実際に、肌の白い、長い髪の、誰からも好かれそうな美少女であった。
(うわ、俺何考えてんだろ)
とはいえ、こんなものを見ている時に夏菜子のことを考えるなど、善彦の"ポリシー"に反する行為であった。
AV女優になるような女というのは、どんなに可愛く、どんなに純情そうでも、みなヤリマンで、貞操観念のない、
リアルの生活では善彦とは無縁の存在である。別世界の住人である。だが、かわいいものはかわいい。
なぜ、こんな娘がAVに、と思うような女の子、でも、大好きな夏菜子と同列に考えてはならない。
(胸は、小さいな)
善彦は、画面の中で、ギャル男風の、よく見るAV男優に手際よく服を脱がされるその少女を見て、
自分の好みとそうではないところを比較して、妄想する。その女の子を、このAV男優と同じように、
扱うことを妄想する。
「ああん!だめぇん!」
恥ずかしそうに、口で指をかみながら、女の子が喘ぎ声を上げる。集中しても、そんな恥ずかしそうなところを見ると、
妄想の中にどうしても「夏菜子」が介在してしまう。
(いけない)
そう思いながらも、明日は夏菜子とのデートであるし、どうしても夏菜子が頭から消えない。
初めて、デートをして以来、すこしずつ、夏菜子がリアルなセックスの相手として、現実に童貞を捧げる相手として、
善彦の心の中で存在感を増し始めていた。手の届かないと思い込んでいた優等生の美少女が、
手を伸ばせば届きそうなところにいる。その美少女とのセックスを、想像するなという方が、無理な話だろう。
(夏菜ちゃん、ごめん)
善彦は、心の中でそっと夏菜子に謝罪して、PCの画面の中の女の子を、夏菜子に擬制して、
そして夏菜子との初体験を夢想して、ぎんぎんになった自分のモノを、自分の手でこすり始める。
(あぁ、夏菜ちゃん……)
その女の子のAVでのはじめてのセックスは、恥じらいが全面に出ていて、
自分と夏菜子のはじめてのセックスに例えるのに、充分耐えるものだった。
ギャル男風男優のように、夏菜子を優しく扱って、
「きもちいい、すごい、きもちいい」
などと言わせるのは、妄想のなかでは善彦自身であるし、妄想の中の夏菜子にふさわしく、初めてのフェラも、
恥ずかしそうにする。初めての挿入のときにも
「入れるよ」
と、ギャル男風が言うと眼を丸くして
「うん」
と一言だけ答えて小さくうなずく。童貞の妄想する初体験、そのものである。
そして、AVでのその女の子の初セックスが、善彦の妄想の中では、
善彦と夏菜子の初セックスとして置き換えられて、夏菜子の中に入ったことを想像して、右手を上下に動かす。
(ん、もう、ガマンしないでもいいか)
これは罪である。夏菜子に対して申し訳ない。想像の中とはいえ夏菜子を犯していることも、
夏菜子にセックスさせていることも、現実には夏菜子以外の女の子をおかずにしていることも、すべてが罪である。
だから、すぐにこんな時間を終わらせたかった。
(ん、いく!)
目の前が一瞬真っ白になって、善彦はトイレットペーパーめがけて発射する。
明日、夏菜子との3度めのデートを控えた善彦の夜の秘事はそれでおわりで、あとはネットで遊んでねるだけである。
とはいえ、明日のプランを練ったりしていると、あっという間に時間は過ぎていく。
一方、その同じ時刻、正確には日付が変わって40分ほど経った頃、夏菜子と善矩は、
いつものフェラ抜き顔射とお風呂での洗いっこ、リビングに戻ってテレビをつけたままだらだらと2回のセックスを終え、
その後、夏菜子のセックス中の言葉について、少し紛糾していた。
「うん、あぁあぁん、そこそこ、そこきもちいい……あはぁん!」
「イキそうか?夏菜子、イける?」
「うう……ぅん……わかんなぃ……激しいぃぃぃよおぉ……気持ちいいよおぉ……」
善矩は、夏菜子の、ねっとりと湿った女の子の部分に、2本の指を激しく、動かして、ピストン運動だけではなく、
指を折り曲げたりしながら、"指マン"を続けていた。事の発端は、5日前のことであった。
テスト勉強の合間を縫って、いつものフェラ抜き顔射と、一度だけのセックスのあと、
夏菜子が善矩に勉強を教えていた時のことである。
「夏菜子は、すっげえセックスもうまいし、頭もいいけど、感じてる時って、どのくらい気持ちよくなってんの?」
と、聞いてきたのである。もうちょっと遡ると、その2日前、善矩は「兄貴から拝借してきた」というAVを見ながら、
夏菜子とそのAVをの通りのエッチをする、というプレイをした。その時、である。
夏菜子は、本当なら「あぁ、いくぅ、いくぅぅ!」と絶頂に達するような言葉をはっしなければいけないところで、
「あぁん、きもちいい、きもちいいぃ!」
と、いつもと同じ喘ぎ声を上げたのである。AV女優のせりふを改変したのである。
その時は特に話題にもならなかったのだが、5日前に、「どのくらい気持ちよくなってんの?」と聞かれた時には、夏菜子も思い当たるふしがあって
「うーん……すっごい気持ちよくなってるよ」
と、答えにならない答えを返してしまった。
その場はそれですんだが、その次のセックスの後に
「夏菜子は、イクぅ、とかイッちゃった、とか言わないよね」
と指摘された。
「なあに、それ。あたしにAV女優みたいに叫べって言ってんの?」
と目を吊り上げて、不満そうに口をすぼめたら、その時もそれで収まった。
だが、今日、一度目のセックス中に
「夏菜子、イキそう?」
とか、
「夏菜子、一緒にイこう!」
とか言われても、その言葉にはうんともすんとも反応せずに、ただいつものように喘ぎ続けた夏菜子に、善矩は不満を持った。
「夏菜子は、気持よさそうな顔して、すっげえいやらしい喘ぎ声出してるけど、俺のテクじゃイケないの?」
と真正面から切り込んできたのは、一度目のセックスが終わった直後だった。
「……あぁ……あのね……」
夏菜子は、その質問に、どうやって答えようかと迷って、ハダカのまま布団の上に正座を崩して、
肩を縮めて前かがみになって、申し訳なさそうに下を向いたまま
「あたし、いく、ってよくわからないの。っていうか、いったことがないの」
「えっっ?」
意外な答えに善矩は驚いた。中学生男子の常識でいえば、セックスなんて、
イかなければ終わらないものだと思っていた。
それが、この1か月あまり、何十回も、おそらく百回以上セックスしてきて、
しかも全体で見て善矩が夏菜子のフェラや手コキなどでイッた数を含めるとそれよりも全然多い。
だが、その相手の夏菜子は、一度もイッたことがない、というのだ。拍子抜けというよりも、ショックであった。
自分を全否定されたような気分になった。
「ううん、ちがう、よっくん誤解してるよ、ちょっとそんなに落ち込まないで」
「ええ?どういうこと?俺とのセックスは全部演技だってこと?」
「ううん、そうじゃないの。あのね」
「どう違うの……?」
善矩は真顔で夏菜子を問い詰める。そうすると夏菜子は今更ながら恥ずかしくて、バツが悪くて、
「ああん、恥ずかしいよお、なんでそんなこと聞くかなぁ……言わせないでよ……
あのね、よっくんがいつも、おっきなおちんちんを夏菜子の中に入れて、ガンガン突いてくるのも、
それから、優しく夏菜子のおっぱいとか、おしりとか、それから、カラダ中、優しくなでてくれたり、もんでくれたり、
それから、指で夏菜子のココをかき回してくれたり、あとなめてくれたり、ぜんぶ、
すっごいすっごい気持ちいいんだよ」
「えっ、ココって、どこ?」
「やぁん……もう……」
夏菜子が申し訳無さそうな体制のまま目線と手で指し示した、閉じた股の中心を覗きこむようにして、
善矩は夏菜子の腰のあたりになだれ込んで、ゆっくりと押し倒そうとする。
「あぁん……そう、気持ちいいよ。そうやって、優しくなでてくれるのも、全部気持ちいいの……」
夏菜子はそれでこの話題をやめにして欲しかったのだが、善矩は許してくれなかった。
「でも、イッたことないの?」
「うん、もう……まだそれ聞くの?」
「だって、夏菜子が演技でアンアンあえいでるって分かっちゃったら、もうセックスなんかしないで、フェラだけしてもらうよ?」
善矩は、まだねっとりと濡れたままの夏菜子の大事な部分を、音を出してくにゅり、くにゅりと指でいじくりながら、
意地悪く夏菜子を問いただす。
「ああん、もう……説明するから……怒らないで聞いてくれる?」
「うん、教えてよ」
「あのね、この前見たAVでもそうだったけど、ああん、もう、恥ずかしいけど、男の子と違って、女の子は、
なんていうか、明確に、エッチが終わるっていうことがないんだよね。あの、わかる?」
「うん、それはわかるよ」
「あぁん……でね、あの……エッチもそうだけど、あと、よっくんとこういう風になる前はオナニーもいっぱいしたことあるし、
それに、女の子どうしで、エッチについての話とかすることもあるんだけど……
この前のAVみたいにさ、なんか別の世界にいっちゃう、みたいなあたし、いく、っていう感覚になったことがなくて……い
つも、ああ、きもちよかったぁ、って思ってそれで終わりなの……
だから、なんていうか、演技で感じてるんじゃなくて……」
いつの間にか、夏菜子はイッたことがない、ということの説明ではなくて、
普段の善矩とのエッチが、いかに気持ちいいかということばかり説明するようになっていた。
「へえ、演技じゃないんだ、じゃあどういうこと?」
善矩は誘導に引っかかった。こうなると、夏菜子のペースである。
「うん、超気持ちいいから、いく、とか言えないの……いく、とか言ってほしい?」
こうなると、もう問い詰める構図が逆転ししまう。男を燃えさせることについては、夏菜子はやはり天才的だった。
「えっっ?それは、言わなくてもいいけど、じゃあ、あの」
「だから言ってるじゃない。よっくんとエッチなことするのは、みんな、全部、気持ちいいんだよ。もう……」
夏菜子は押し倒された体を起こして、そう言って善矩に突っかかると、半泣きというほどに目に涙をためたまま、
また下を向いて黙ってしまった。
あとは、恥ずかしそうにしてれば、男なんていくらでも優しくしてくれる。単純な生き物だ、
と夏菜子はどこかで思ったが、そういうことは言わない。
「イってみたい、とは思わないの?」
「ああ……そうだね。気持ちいいからいいかな、って思うけど、確かに、いく、っていうのがもっと気持ちいいんだったら、
いってみたい、って思うけど……」
それで、このトラブルは解決である。そして、いつもとちょっと違うエッチがその先に待っていることも、
もうわかりきったことだろう。
「それじゃ、俺が頑張ってイかせるしか無いじゃん」
「……そうかな……あぁん……」
善矩が、再び強引に夏菜子の密林に手を伸ばす。夏菜子も抵抗しないので、すっ、と女の子の裂け目に指がたどり着く。
善矩はすぐにぬちょぬちょといやらしい音を立てて、徐々に指の動きを速めていった。
「そうだよ、俺が、夏菜子をイかせるようになるから、もっと、夏菜子の気持ちいいところ、ちゃんと教えてよ」
「ああん、そんなぁ……今までより気持ちよくしてくれるの?」
「うん、そうだよ。だから、どこが気持ちいいか、もっと教えて」
「うん、わかった。ああぁん……そこ、そこ好き……ああ、もちょっと、下かな……あぁん……」
善矩は、右手の人差指と中指を夏菜子の中で、くね、くねと動かして、指を曲げたまま上下運動したりして、
夏菜子が気持ちいいところを探る。夏菜子の中の肉ひだは、嬉しそうに善矩の指を包み込み、締め付ける。
いやらしい、ねばっこい液体が、どんどん溢れてくる。
「あああぁっ!んん!そう、それがいいの……よっくんがそうしくれるのがすごく気持ちいいの……」
夏菜子は嬉しかった。善矩が自分が気持ちよくなることではなくて、
夏菜子が、「どうしたらいくか」ということに真剣になっているのが伝わってきたから、であった。
善矩は、夏菜子をイかせることに執心し、その日はひときわ激しく指も、舌も、そしてペニスも夏菜子のために、と燃えた。
だから、お泊まりの日にしては、善矩が射精した回数は少なかった。
結局朝まで夏菜子がイくことはなかったが、善矩の向上心、探究心が萎えることはなかった。
そしてこの日を境に、善矩はただセックスするだけ、ただ指を入れてかき回すだけ、ただ舐めるだけの動物ではなくて、
なんとかして夏菜子をもっと気持ちよくしようと試み、努力する、"考える葦"へと進化を遂げた、ともいえるだろう。
秘密、ということについて言えば、夏菜子が、これだけ善矩とやりまくっても、一度もイッたことがないということは、
別にかくしていたつもりはないのだが、夏菜子が善矩に対して抱える「秘密」の一つだったといえるだろう。
夏菜子はそれを」暴かれて、本当に恥ずかしかったが、本来マイナスに作用するはずの秘密が明らかになったことを、
プラスに変えてしまった。淫乱ギャルとしては、家から一歩も出ないままにまだまだ成長を続けていた。
そしてそれとは別に、善矩が、突然そんなこと、つまり夏菜子を「イかせる」ことにこだわるようになったのはなぜか、
その理由を夏菜子が知ることになるのは、もう少し時間が経ってからのことである。
540 :
こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/16(月) 00:33:10.90 ID:1dp8ExyZ
作者です。今日はここまでにします。
容量がいっぱいいっぱいになってしまいました。どなたか次を立ててくだされば、と存じます。
それでは、また。書き直し分についても、ゆっくりにはなると思いますが、更新しますので、よろしく。
>>541 ありがとうございます。
埋めます。「こころのすきま」の備忘録を兼ねた簡単な主要登場人物設定です。
「こころのすきま」登場人物
石田夏菜子――T163 B84(C) W55 H86
5月13日生まれの18歳♀。本作の主人公。
故郷の「北の街」で過ごした激しい夏休みから一転、帰京した後はそれまでどおりの優等生に戻って
二学期が始まる。夏菜子同様に指定校推薦で進学を決めた、高校時代の同級生、高瀬善彦と毎朝
通学電車で一緒になるようになって仲良くなって、デートの約束まで取り付けるが、ドタキャンされて
しまう。ドタキャンの原因となった善彦の弟・善矩とその日偶然知り合い、善彦に他に女の子がいるの
ではないかという疑念と、あてつけから善矩と関係を持ってしまい、以後善矩との"けもののような"
セックス三昧の日々を楽しむ用になる一方、善彦とは念願の初デートを果たすなど、プラトニックな
関係の兄・善彦と、セックス三昧の相手弟・善矩との間で揺れ動く。そんななか、善矩の元カノである
中学生ギャル、笹井もえ達3人組トイの出会いをきっかけに、ギャル魂が騒ぎ始めて……
高瀬善彦
18歳♂。夏菜子の中学時代の同級生で、高校時代は毎朝夏菜子を駅で探すという切ない初恋・片想い
を続けていたが、進学が決まった2学期に夏菜子と付き合うチャンスを得る。理系で、多少のオタク趣味
がある、普通の冴えない男子高校生。夏菜子と付き合う採算のチャンスを逃し続け、夏菜子のカラダば
かりかココロまでも弟・善矩に独占されることになり、そのことを知らされる。
高瀬善矩
15歳♂。夏菜子の家から比較的近所のO大学附属中学3年生。彼女であった笹井もえに振られて、落ち
込んでいるところに偶然夏菜子と出会い、「送ってもらったお礼」に突然、外泊して一晩中セックスするこ
とになる。以後、ほぼ毎朝、毎夜夏菜子のフェラを受け、夏菜子と何度も何度もセックスする関係になる。
次第に、夏菜子のココロをもしっかりと掴んでゆく。
笹井もえ
14歳♀。公立中学の2年生。善矩の元カノで、夏菜子がバイトを始めた進学塾「WK進学アカデミー」の生
徒。ギャル系女子中学生3人組の1人で、小悪魔系。学校の成績を上げてくれた夏菜子に心酔し、休日
に遊びに誘う。優等生の夏菜子に楽しい世界を教えてあげようという善意からの行動だったが、思わぬ結
果を生むことになる。
君原さつき
13歳♀。長い髪がトレードマークの「ギャル系女子中学生3人組」のリーダー格。もえに協力し、夏菜子を
ギャル道へと引っ張り込む。
吉川まゆ
14歳♀。中学2年生でスレンダー美少女の「ギャル系女子中学生3人組」の1人。ぱっと目立つのでギャルに
扮する休日には、もえやさつきよりも男の子にはモテる。「3人組」とつるむようになる夏菜子にライバル心を
燃やすようになる。
原田翔一
15歳♂。もえ達「3人組」の隣の公立中学の3年生で、工業高校志望のヤンキーリーダー。渋谷で「3人組」とつるむ
夏菜子に一目惚れし、ロックオン。夏菜子にとって、自分がイカに淫乱な女の子であるかを教えられる相手になる。