優等生を堕落させたい3

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1名無しさん@ピンキー
2名無しさん@ピンキー:2013/05/02(木) 13:00:22.42 ID:9f+V+qVy
乙!
3名無しさん@ピンキー:2013/05/02(木) 16:26:20.42 ID:tE28oEaj
保守
4名無しさん@ピンキー:2013/05/02(木) 18:25:15.31 ID:+nhUz3pK
保守るるる
5名無しさん@ピンキー:2013/05/03(金) 12:19:34.76 ID:ScyJUjL2
支援保守
6名無しさん@ピンキー:2013/05/04(土) 01:21:44.55 ID:4+wdSrVH
保守
7名無しさん@ピンキー:2013/05/04(土) 13:53:59.59 ID:GH2xt/Lg
上げ保守
8名無しさん@ピンキー:2013/05/04(土) 23:27:46.84 ID:y1hc/Wea
キター!!
9名無しさん@ピンキー:2013/05/05(日) 17:20:01.76 ID:XId6epnb
神待ち保守
10名無しさん@ピンキー:2013/05/06(月) 11:35:36.54 ID:ozVWNYzu
http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ114661.html
話題投下
ブレないなこの人は
11名無しさん@ピンキー:2013/05/06(月) 23:26:48.00 ID:cinbgZYX
hs
12FORCED BIMBOFICATION:2013/05/08(水) 03:20:57.85 ID:9ektEKx+
成績優秀品行方正で真面目な地味娘・カナコと、そんな彼女のことが気に食わない、家が大金持ちのDQN娘・ミナコ。
ミナコは夏休みにカナコを誘拐して、整形手術により壮絶な強制ケバ化処置を施す。

豊胸手術で爆乳化。
メラニン色素注入によって永久ガングロ化。
刺青による絶対に落とせない強制メイク。
艶やかな黒髪を剃りあげてギラギラした色の人口頭髪を植毛。
爪はすべて剥いでネイルアート済みの長ーい付け爪を移植。
シリコン注射で唇を厚ぼったく、フェラに適した形に。
処女膜を切除したあげく、性感帯を増加する手術で膣内感度を上げ、チンポを咥え込んで放さないエロマンコに変える。
すぐさまアナルセックスが可能なように肛門も拡張し、A感覚をうんと開発して男のチンポを入れるに相応しい穴へ改造。

これらのケバ化手術はすべて麻酔で眠らされている間に施された。

カナコが目覚めたとき、鏡には奇形的にエロティックなケバビッチ黒ギャルが映っていた。
元に戻ることも出来ず、そのまま二学期入ってしまう。
制服は何故かみんな丈が短くされていて、ブラウスは臍が丸出し、プリーツスカートはショーツが見えそうな程のミニスカに。
落とすことの出来ない化粧、派手な髪型、露出度が高い改造制服と、校則違反だらけの格好を毎日教師から指摘される。
さらに男をとっかえひっかえしてるヤリマン、ラブホ街で援交、アクセサリーショップで万引き等、あらぬ噂をたてられる。
あれよあれよという間に退学処分を受け、大学受験のため勉学に励んでいたのもすべて水の泡に。
家庭の方もいつの間にか「フラッと家出したと思ったら遊び呆けて不良化」ということになっており、勘当されて家から放り出されてしまう。

そこに現れたミナコ。
カナコは自分をこのようにしたのが彼女とも知らず、「大変だったね、私が何とかしてあげるよ」
という言葉にすがり、彼女に紹介された病院に行く。
しかしそこで待ち受けていたのは、カナコを見かけ通りの低能淫乱バカ女へ完全に堕とす、脳改造処置だった。

投薬と脳外科手術、昏睡下での24時間音声催眠による洗脳暗示。
それらの処置によって“それまでの記憶はそのままに”、自分の名前を書くのがやっとなくらいに知能低下。
下品な言葉を自然に吐き、暇さえあればオナニー、オマンコしたくてしかたがない……という様に精神改造。








だめだ力尽きた
13名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 22:02:35.04 ID:5Jzcmlfe
この志はきっと誰かが継いでくれるに違いない
14名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 22:21:43.70 ID:hU4KIo6Y
保管庫と避難所のURLもテンプレに載せた方がいいんじゃないか
つか保管庫はまだできてないんだっけ?
15名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:05:38.58 ID:Aj1wfSfq
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/15851/

保管所
まだ
16夏菜子のなつ:2013/05/08(水) 23:21:44.12 ID:7JYpXbru
夏祭りの5日めの夜が明ける頃、雄一と佑都の2人に送られて、
夏菜子が家の門の前に辿りついた時、ニワトリが鳴く声が聞こえた。

その日も朝まで、全部で4人の男を相手にくたくたになるまでセックスした夏菜子は、
夕方家を出た時とは全く違う服装で帰ってきた。
ポニーテールの髪は下ろして、サラシを巻いていた上半身はTシャツだった。
上からハッピを羽織っているから一見して不自然ではなかったが、見る人が見れば、
その少女がどんな1日を過ごしたかは一目瞭然である。

石田夏菜子の母の実家であり、夏菜子じしん小学校6年生まで育った柴崎家は寺院街の門前町の
一番外側とも言える場所にあり、寺院にも引けをとらない立派な門構えから80メートルほどの道を進むと、
今ではただ壊すにも億単位の資金がないとできないであろう日本家屋の母屋と向かい合うように、
今でも「石田」と表札のかかった二階建ての離れがあった。


柴崎家がこの場所に引っ越してから140年近く経つ。
そこは、江戸時代にこのあたりを治めていた藩の国家老が屋敷を構えていた場所である。
明治のはじめの頃、その家が東京へと去ったあと、豪商としてあたりに名を馳せた柴崎家の、
夏菜子から数えて5代前の時代に、立派な屋敷と庭を手に入れた時は単なる武家屋敷の風情であった。

柴崎家はその後、隣接する急な坂と、門前町から見て下町にあたる、
今では半分以上が住宅地となった水田地帯を買い上げ、地主として知られる存在となり、
農地の一部を立派な庭園として整備したことで、昭和・戦前には既に地元に名だたる名門として知られていた。
17夏菜子のなつ:2013/05/08(水) 23:24:15.83 ID:7JYpXbru
昭和の恐慌をどうにか乗り切り、戦争が終わると、農地改革で農地の大半を失ったが、
夏菜子の曽祖父にあたる人物に商才があったため、
また、立派な庭園は農地改革にかかわらず失うことがなかったため、
柴崎家は高度成長期には地元屈指の成功した家となった。

戦後には代議士や県議会議員も輩出し、この地方の政財界においては欠かせない名門として生き残ってきた。

夏菜子の母、菜津子がその家で生まれ、育った頃、柴崎家は古くからの名門である上に富豪であった。
バブル経済がはじけた90年代には多少厳しい時代が有り、往時の勢いはないが、今でもこの辺りで柴崎家は名門である。

石田夏菜子は、その家の今の当主、柴崎浩太郎の姪に当たる。母菜津子は浩太郎の妹であり、
24歳の時に地元の国立大学の講師と結婚し、25歳の時に一人娘の夏菜子を産んだ。

浩太郎はもともと柴崎家のものであったいくつかの会社の経営の関係で現在は車で一時間ほどの県庁所在地に暮らしており、
実際この広大な家屋敷は祖母、柴崎光子が切り盛りしている。浩太郎には子どもがなく、
世代的には夏菜子が柴崎本家を次ぐ唯一の跡取りである。

相続税やらなにやらの面倒な話を別にすれば、いずれこの広大な家屋敷は、夏菜子のものになるはずである。
故郷の街で、とりわけ地元の町内で、夏菜子が別格のお嬢様として見られていたのはそうした理由があった。
18名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:26:10.39 ID:7JYpXbru
「にゃ〜」

誰も通る者のいない住宅街の一方通行の道を横切る白い猫を見つけると、
夏菜子はそうおどけて、まだ線の細い中学生の佑都に抱きついてしなだれかかった。

「ほら、もうすぐつくよ」
だが、夏菜子が色目を使っても、夜から朝まで5回も射精した佑都は夏菜子が期待したような反応を示さなかった。
「なにその口のきき方、生意気〜」

人目がないのをいいことに、夏菜子は佑都の股間に手を伸ばす。
「うふふ、ほら、元気になぁれ〜」
「や、やめてよ夏菜子さん」

その5回のうち、2回は他の女の子とセックスしたのであるが、
3回は午前2時を過ぎてから佑都の部屋に潜り込んだ夏菜子によって、であった。

佑都の家は古くからある地元の工務店、つまり大工である。
そのころ両親はぐっすり寝ていたし、佑都も疲れて寝るところであった。そこに携帯が鳴った。
佑都の両親を起こしたら、どんなことになるか・・・夏菜子はスリル満点の状況で、玄関からそーっと入り込み、
佑都の部屋に入ると、おもむろに佑都の短パンを卸、有無をいわさずフェラを始めた。
19名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:28:43.80 ID:aAHcG9eH
おおっ、始まってる。支援。
20名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:29:34.29 ID:7JYpXbru
夏菜子は、容赦なく2度、口で佑都を果てさせ、挙句夜の寺院街に佑都を連れ出し、
例のお堂で雄一が他の女の子とセックスしているのを見つけると、
その場でもう一度佑都を勃起させると、今度はセックスを要求した。

一度そんな状態にしてしまえば、中学3年生の旺盛な性欲が夏菜子に抗えるはずもなく、
ほぼ夏菜子に犯されるような騎乗位で、精液を搾り取られた。
そのあと、ついでに雄一ともセックスした。

それで、明け方に2人が夏菜子を送ってきたのである。

「それじゃ、2人とも送ってくれてありがとう。ここでいいよ。また夜にね」
柴崎家の門の前で、そう言って小首を傾げてニッコリと微笑んだ夏菜子に、
雄一も佑都もドキッとした。時間をかけて夏菜子にフェラを仕込んだ雄一も、
昨日と今日で4度も夏菜子によって射精させられた佑都も、ちょっと油断をすると夏菜子の生まれ持った可愛さと、
真っ白な素肌と、匂い立つような淫らさと色気に吸い込まれそうになる。

「おやすみなさい」
「あ、夏菜子さん」
「なあに?」
「い、いや、おやすみなさい」

何か口ごもるような言い方の佑都にすたた、と駆け寄ると夏菜子はしゃがみこんで
「ほら、もうこんなに元気になっちゃった。でも今日はもうおしまい。またあとでね。我慢しましょうね〜」

と、硬くなった佑都の股間を少しだけ弄ると、振り返って今度は本当に門の内側に消えていった。
21名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:39:48.28 ID:7JYpXbru
軽い身体で軽く駆ける女の子の、腰のあたりは宙に浮くように、金色のポニーテールは風にそよぐように揺れた。

少し離れても、花の香りがふんわりと男たちの鼻に届くようであった。
今まで夏菜子を抱いていた二人の男たちが、遠目に見る夏菜子の後ろ姿に、息を呑んだ。

「まったく、女って怖いな」
その光景を見ながら、雄一も驚いていた。
淫乱ギャルに変身――あるいは成長と言うべきかもしれない――を遂げた夏菜子の魅力あるいは魔力に、
吸い込まれそうなのは、誰も同じであった。

佑都は、雄一の言葉に大きく頷いた。


門から柴崎家の母屋までは80メートルほどある。その道のり、夏菜子はにやけながら歩いた。
守谷に処女を捧げた3日前と違って、されるがままではなくて自らも攻めの姿勢を見せることの出来たことが嬉しかった。

こうして明け方に帰るようになってから、最初の日には祖母が心配しているのではと気になって、
恐々として母屋の勝手口から入ったものだったが、家では全く顔を合わせることがなく3日が過ぎたので、
4日めのこの日には母屋に入るときの緊張感も大分薄れていた。
こんな時間まで何をしていたのかと聞かれれば答える言葉もないが、夜は早く眠りにつく祖母のことである。
そもそも夏菜子の深夜の行動など気に留めてないのかもしれない。

夏菜子がそういうふうに希望的な観測を次第に抱くようになっていたのもしかたのないことである。
だが、現実は夏菜子の希望的観測とも、恐れていたこととも全く違う祖母との再会が待っていた。
22名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:42:03.83 ID:7JYpXbru
母屋の表玄関から居間の電気がついていることを確認した夏菜子は、
勝手口から入ろうとした脚を止めて、窓を覗きこんだ。そこで昨日の夜と同じように、祖母と目が合った。

祖母、光子は、夏菜子の帰りを寝ずに待っていた。
自ら立ち上がって、表玄関に向かい、無言で夏菜子に家に入るように促した。

黒髪を金髪に変えた夏菜子と話すのは、光子にとって初めてであった。
本当に孫娘かと一瞬目を疑ったが、確かに夏菜子であることを確認すると、光子はすこし涙を見せた。

緊張した空気が玄関に流れた。

「ごめんなさい、夏菜ちゃん……」
えっ?と夏菜子は訝しげな顔をした。この時間まで起きていた祖母の口から出た言葉が、
夜遊びを諌めるでもなく、髪を染めたことをしかるでもなく、深々と頭を下げられたのだから、
何が起きたのか分からなくても無理は無いだろう。

「ごめんなさい、夏菜ちゃん。ひどいこと、されたんでしょう……?」
一瞬の静寂のあと、祖母が玄関から降りて涙を流しながら深々と土下座してみせた。

夏菜子は何が起きたのか一瞬わからなかったが、そこは子どものころからの優等生である。なんとなく、状況を想像した。
23名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:45:55.56 ID:7JYpXbru
「そんな、ひどいことなんて……おもってないから……」
全てバレてる、という確信に負けること無く、夏菜子は下手にでる祖母の態度に合わせて、すこしつんけんとした。
その言葉は本音であったが、とにもかくにも、祖母は夏菜子の置かれた状況、
夏菜子が過ごしてきたこの4日間の時間について、なにか誤解をしているのは明らかであった。
もともとは清楚なお嬢様とはいえ、相手の誤解を利用して状況を自分に有利に持って行こうという狡猾さくらいは備えている。
とっさに夏菜子は、不機嫌そうに腕を組み、斜め上を見つめて、涙を我慢するかのように立ってみた。

「それより、教えて、おばあちゃん。どうしてこういうことになったのか」
夏菜子は、自分でも一体何を尋ねているのかわかっていない。
どういう答えが返ってくるのかわかっていない。だが、なぜ謝るのか聞いてしまうと、
清楚なお嬢様の夏菜子が、自ら望んで淫乱ギャルに変貌を遂げたことがバレてしまうかな、と思ったので、
とりあえず異常なほど低姿勢の祖母・光子がどういうストーリーを想像して、
金髪にギャルメイクの夏菜子に謝っているのか、不機嫌そうな口調で問いただしてみたくなった。

「ごめんなさい……おばあちゃんが……こんなことを許してしまって……」
光子はただただ涙を流しながら頭を下げつづけた。
「おばあちゃん、泣かれたってわけわかんないでしょ!教えてよ、どうしてこんな目にあたしがあってるの?」

「ごめんなさい……」
光子は本当にただ申し訳ない気持ちでいっぱいだったのだ。
夏菜子が帰ってきたらちゃんと説明しようと思っていたのだが、言葉にならなかった。
ギャルメイクも金髪も、彼女の目には、夏菜子が無理矢理に強いられたものだとしか映らなかった。

「わけわかんない。あたし疲れてるからシャワー浴びて寝るね!」
本当のところ、夏菜子はなぜ祖母が謝っているのかも理解できていなかった。
24名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:48:02.67 ID:7JYpXbru
ただ、なにか「宴」に関することで謝っていることは想像できた。
少なくともこの4日間、最終的には自らの意思で「宴」に参加しているという意識があるので、
謝罪を受けるのはよくわからないことであった。

夜な夜な朝帰りを繰り返し、女子高校生にはふさわしくないギャルメイクと露出の多い服装に身を包んでいることは、
夏菜子の感覚からすれば、怒られこそすれ、謝られるなどという筋合いのものではない。

夏祭りで何キロも歩いたあと、夜通しセックスしていた夏菜子は、その疲れからかすべてを洞察することは出来なかったが、
直感だけは正確に事態を見抜いていた。その結論は、今はわけがわからなくても、
祖母の態度に乗っかることが最良だろう、ということであった。

そして、ボロが出ないうちに、この場から立ち去ってごまかそう、と思った。
それこそが、清楚な優等生でお嬢様の石田夏菜子が、大人から求められた子どもを18年間演じ続けて身につけた、
大人たちを操るための常套手段であり、実のところその演技力は狡猾であった。
清楚で優等生でお嬢様の夏菜子の正体は、初めからそんなものであったという方が適切であろう。

夏菜子は、わけもわからず、土下座する祖母をそのままに、さっさとその場から奥に行こうとした。
「あっ、夏菜ちゃん」
「なに?」
「夏菜ちゃん、今日も……今日も祭りに行くの……?」
「……行くわよ。この町の女の子だからね。一番盛り上がる6日めに行かないわけ無いでしょ。いけないの?」
「……」
光子は顔を上げて夏菜子に聞いた。夏菜子が振り向くこと無くそう答えると、光子は言葉を失った。
この町の女の子なら祭りに参加するのは義務だと思えと、
夏菜子が子どものころから言い聞かせきたのはほかならぬ光子自身であったから、
何も言えなかったのである。

そして、光子の想像の中では、つらい思いをして町の男たちとのセックスを強要されても、
なおこの町の女の子としての義務を果たそうとする夏菜子の姿勢が嬉しくもあり、また哀しくもあった。
自らの若いころを夏菜子の姿に重ねあわせていたのである……
25夏菜子のなつ:2013/05/08(水) 23:51:56.26 ID:7JYpXbru
夏菜子は、ここに至って少し事態が飲み込めた。
「この町の女の子だからね」という言葉は意識して出た言葉ではない。とっさに口をついた言葉だった。

だが、その言葉に祖母が無言になってしまったことを考えると、「夏祭りに参加すること」イコール「宴に参加すること」と
祖母も思っているのだろうか、ひょっとして母、菜津子だけでなく、祖母光子の代から……
宴に参加することは柴崎家の女が義務として受け入れてきたことだったのだろうか、いや、まさかそんなことは……

真実を知るのは恐ろしいことであった。母・菜津子の若いころのことを知ってしまった今となってはなおのことである。
だから、夏菜子は、話題をそらそうとする。

「おばあちゃん、ずっと起きてたの?」
夏菜子が振り向くと光子は答えずにただ下を向いて泣き続けた。
「……心配かけてごめんね。あたしはつらい思いしてないから大丈夫。それより、体壊さないようにちゃんと寝てね」

夏菜子は、それだけ言うとシャワーを浴びに向かった。光子は、その場に突っ伏したまま泣くことしか出来なかった。
夏菜子はといえば、この危機をどういうわけか脱出できてしまったことに安堵して胸をなでおろしていた。

そして、「おばあちゃん」に関する不安を唯一打ち明けていた梨絵に「なんかうまくいっちゃった」とメールを送って、
シャワーを浴びて、そのまま再び祖母に会うこともなく眠りについた。考えることをやめようと努めた。
今日も昼間は、梨絵と唯と3人で会うことになっていた。

幸いなことに、疲れきっていた夏菜子の身体は、不安と関係なく、ぐっすりと眠ることを許した。

石田夏菜子の人生にとって、そして祖母・光子、母・菜津子と続く柴崎家の女たちにとって、運命の日となる夏祭りの6日めは
夏菜子が眠りにつくと同時に明けた。

故郷の北の街は東京なみに暑かった昨日をも上回る、何年ぶりかの猛暑の一日となった。
26名無しさん@ピンキー:2013/05/08(水) 23:55:19.09 ID:7JYpXbru
「夏菜子のなつ」作者です。

今日はいつもより短いのですが、ここまでにします。長い部分を3つに割った最初の部分です。
ここから暫くスレの本題から離れるような内容になるかもしれません。
それでもだいぶ寄せたつもりなんですけど、まあ期待しないでください。

それではまた。
27名無しさん@ピンキー:2013/05/10(金) 00:20:19.94 ID:S1ZYcjt0
支援乙
期待待機
28名無しさん@ピンキー:2013/05/10(金) 23:09:35.50 ID:Go+oCzWN
長いしつまらない
大体いつ堕落すんの?
ババァがでてくるとか勘弁してくれよ

もっといい職人がいっぱいいたのに、なんでこんなんばっかなんだ?
29名無しさん@ピンキー:2013/05/11(土) 00:40:57.59 ID:5uxUVeYo
じゃあ自分で書け
30名無しさん@ピンキー:2013/05/11(土) 13:33:09.72 ID:BwXhj2XD
>>28
お前みたいなのがわいたからだよ
31名無しさん@ピンキー:2013/05/12(日) 01:52:43.77 ID:3ctb7EjA
作品お疲れ様です
いつも楽しませていただいてます

一つだけ
夏菜子がポニーテールを下ろして帰ってきたはずなのに
いつの間にか、またポニーテールになってるようで気になりました

気を悪くされたらすいません
続きも楽しみにしております
32夏菜子のなつ:2013/05/13(月) 23:55:57.01 ID:R73aPobc
>>28
お気に召さずすみません。

>>31
ありがとうございます。書いてるとこういうのが気づかないんですよ。
ちゃんと読んで頂いてるのも分かってとてもうれしいです。

また、近いうちに来ます。専用スレにならなず他の作者さんが来ますように
33名無しさん@ピンキー:2013/05/14(火) 22:49:20.92 ID:q6wKp15O
まだ前スレが残っています。
前スレを使い切ってから、こちらをご利用ください。


いったん、このスレを閉めます。
34名無しさん@ピンキー:2013/05/19(日) 21:23:11.21 ID:QeqI6i9c
前スレにたった今SS落としたらいきなり1レスでいっぱいになった。
容量ってもんがあるんだな

こいのぼりさんにちょっと申し訳ないのでいったん最初のレスだけでストップする
35名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 00:47:47.01 ID:CEaGpBdP
黒髪のお淑やかなお嬢様が身売りされて外見を金髪黒ギャルに無理やり変えられて羞恥に塗れてビッチとしての調教を受ける話って需要ある?
36こいのぼり:2013/05/20(月) 14:24:56.58 ID:S8Xlnp+J
前回の投下は、思いつきで書いたのでまとまりもなく、表したいことも不十分になってしまい、
反省しています。書くなら別のところで書きます。
34さんは遠慮なく展開してください。
いろいろな人がSSを投下してくれると楽しみです。
37名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:10:23.27 ID:q0k0Cw5n
>>36
こいのぼりさん、許可をありがとうございます。

こいのぼりさんの原案を尊重しつつ
ダブルヒロインで書かせて頂きます。
名前も、それぞれ一字ずつ拝借して「優美」と「彩香」にしました。

昨日、前スレの最後に落とした部分も含めて、プロローグを投下します。
38名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:13:14.85 ID:q0k0Cw5n
「一周年、おめでとう。カンパイ」
「おめでとう、ってwwww何よそれw別に祝うようなことじゃないんじゃねwww」

親友である彩香といろいろありながら、今は親友としてこうして並んでいる。
この一年間を優美が祝おうとすると、彩香はそのコト自体を笑い飛ばした。
「それもそっかwwwww」

彩香と優美は、渋谷から一駅のところにある低偏差値の私立女子高に通う、高校生ギャル。
優美のほうはこの半年ほど家出状態で、もと通っていたお嬢様女子高校からすぐそばにある、
彩香のアパートにほぼ居候していた。彩香の母はシングルマザーで、生活保護を受けつつ彩香を育ててきた。
だらしない母親で、だから優美が居候状態になっていても、優美がどこの子なのか、気にする様子もなかった。

一年前の今日、高校2年生だった優美と彩香は、駅でぶつかって、お互いの身体が入れ替わった。
今は、外見に合わせた名前でお互いが「彩香」「優美」として生きている。

一年間、いろいろなことがあった。ややこしいが、優美は彩香として、彩香は優美として生きることが二人の約束だった。
だが、お嬢様女子高に通う「優美」と底辺の女子高生である「彩香」ではなにからなにまで違っていた。
共通点など数えられるほどしかなかったし、はじめはお互いの情報を教えあいながらも、喧嘩ばかりしていた。

2人の間に入れ替わりがあったことは、本人たちしか知らない。

2人は、通っている女子高の制服から、優美がもと通っていたA女子学園高校の制服にデパートのトイレで着替えて、
これからJK専デートクラブに出勤する。まだ少し時間があったので、店の近くのコンビニでウーロン茶を買って、外で飲んでいた。
そこで、「あれからちょうど1年」ということに気づいて、冒頭のような言葉が彩香から飛び出した。

低偏差値女子高に通う昼間はメイクもバリバリのギャルの2人だが、
A女子高の制服に着替えた時には清楚系に変身する。
そのほうが当然、客がつく。
39名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:18:24.02 ID:q0k0Cw5n
「そろそろ行こうか」
「うん」

2人の向かう店は、マジックミラー越しに女子高生が普通に会話したりお茶を飲んだりしているところを
隣にある個室で客の男が眺めているという形のいわゆる「見学クラブ」である。
指名されれば、別室でお話など出来るのが建前である。

こうした商売は、女子高生風の女の子がいるのが本来の姿で、本来店にいる女の子たちはもちろん高校生の年齢ではない。
だから、こっそり本物の女子高生がいれば、店の価値は上がる。
もちろん違法である。摘発される可能性も跳ね上がるのであるが、
実際にはそのリスクを犯してでも十分なリターンがあるほど、JK専は儲かる。

そして、暗黙の事であるが、上得意の客になると、いわゆる「店外デート」が斡旋される。
事実上店の売上を支えるのはそうした男の払う裏の指名料であり、
こうした店で働く本物の女子高生が期待するのは、裏の更に裏の、「店外デート」とその先の「ウリ」、
つまり売春による表に出せない報酬であった。

「キララちゃん、5番指名入ったから、よろしく」
「あっ。はーい♪わかりました」

キララ、というのは彩香の源氏名である。
部屋で雑談しているだけの彩香と優美は、入店以来3か月知覚になるが、ずっと店の稼ぎ頭を競っていた。
出勤するとすぐに2人とも指名されるようになっていた。必ず2人揃っての出勤であったが、
この日で先に指名を受けるのは、これで彩香の21勝19敗。同点を狙っていた優美の狙いは外れた。

逆に単に指名の数で言えばこれで同数になった。
そして、2人は裏指名と呼ばれる「店外デート」にも最近はほぼ毎日呼び出されていた。
客は競うように「キララ」こと彩香と「ルナ」こと優美を指名した。

「ちっ!やられたか(>_<)」
彩香が勝ち誇ったような得意げな表情で「ばいばーい(^o^)v」と手を振って部屋から去るのとほぼ同時に、優美の携帯が鳴った。
40名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:22:06.18 ID:q0k0Cw5n
「ルナちゃん、3番に指名、お願いね」
「はーい(*^_^*)」
優美は、ほんの少しの差で彩香に先に指名が来たことが残念だった。
だが、本来の目的は客からカネを搾り取ることであるから、気持ちをすぐに切り替える。
店外にまで持ち込めるかどうか、優美の腕の見せ所である。

「あー、うれしい♪いっしーまたきてくれたんだー」
キララこと彩香、は、この日が3回めの指名となるぽっちゃりした40代前半のサラリーマン風の「いっしー」を見ると
にっこりと笑ってすぐに腕を握った。前回、店外デートでラブホに連れて行ってくれた。気前よく10万円払ってくれた。

「キララね、あのね(*^_^*)」
ちょこんとすわって上目遣いで肩を寄せて恥ずかしそうにもじしている「キララ」に「いっしー」は

「なに、どうしたの?」
と聞いてみる。
「ちょっと、耳、貸してぇ(*´∀`)」

さっきまで優美と話していたときよりも、半オクターブ高い声で、甘えたような目つきで、おねだりする。
「いっしー」が耳を差し出すと、両手で耳を囲ってごにょごにょ、となにか囁いた。
手の半分ほどを覆っている、黒いA女子学園高校指定のカーディガンの袖が、「いっしー」耳にあたって、心地よかった

「そ、それって・・・あの・・・」
清楚系のメイクではあるが、しっかり目元は引き立たせて、もともとつぶらな瞳がきらきらと輝いている。
「今日安全な日なの」というキララの囁きに、この中年男は、一発で引っかかる。
男なんて単純で頭の悪い生き物だ。それが彩香が1年で学んだことの一つである。

「わかった、ちょっと待っててね」
キララこと彩香の、今夜の予定はこれで埋まった。客の「いっしー」はすぐに受け付けに向かって、
店に2万円払い、指定された待ち合わせ場所に向かうことになった。
さすがに同伴で店を立ち去ることは出来ない決まりだった。
そこから先は店のあずかり知らないこと、というのが建前であるが、もちろん、ただお茶を飲んで終わるわけではない。
41名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:25:41.71 ID:q0k0Cw5n
一年前まで、都内でも屈指のお嬢様女子高に通っていた優等生そのものの優美の精神と記憶を持ったまま、
彩香に生まれ変わってから、よくここまで順応したものである、と彩香は自ら感心している。
潔癖症で、キスもしたことのない女の子が、身体だけ底辺ギャルになったからといってギャルになりきれるものではない。
多くの葛藤があったし、辛いこともあった。

一年前までの、お嬢様だった優美から見れば、底辺女子高生ギャルなどという生物は、
何も考えずにその日を生きるだけの、低級な生き物としか思っていなかった。
だが、いざその底辺女子高生ギャルとなってみると、いろいろな悩みを抱えながら日々を懸命に過ごしていることがわかってきた。
彩香として生きたこの1年間も、もともとお勉強の得意だった彼女にとってはまた、勉強だったのであろう。

だからこそ、優美の身体の中にある、もともと彩香だった女の子にも、同じ苦しみがあったことを十分に察することが出来た。
優美の身体に乗り移ったといっても、記憶と精神は彩香のままなので、
優美そのものの生活を続けるように望むのは無理なことであったのだ。

最初のうちは、学校を勝手に早退したり、そんな今思えばささいなことで優美に逆上していた。
一人の男を奪い合ったり、優美が万引きで謹慎処分を受けたり、売春で退学になったり、
A女子高校の先生の世話で彩香と同じ底辺私立に転校したりと、入れ替わった後の優美の1年は惨憺たるものであった。
その度に、激しく喧嘩して、話し合って、少しずつ仲良くなってきた。

優美がもと通っていたA女子学園高校の制服を引っ張りだして、2人でJK専クラブでのバイトを始めようと思い立ったのは、
3か月ほど前の事だった。そのことは、2人で話し合って決めたことである。
42名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:27:20.65 ID:q0k0Cw5n
今にして思えば、あの日から彩香と優美は、お互いに二人しか知らないことばかりで、
秘密も隠し事も一切ありえない仲になってしまったのである。
今でも、彩香は優美だし、優美は彩香なのである。
ただ、この1年間で、2人のあまりに違う人生を調整してきた、簡単にいえばそんなところだ。

「あたし、難しいことわかんないよ」
彩香がそんなふうに考えていることを優美に話せば、そう言って笑うだろう。そのことがよく分かっている。
ようするに、今の優美、つまりもとの彩香の精神にはお嬢様を続ける根性がなくて、
逆に今の彩香、つまりもとの優美の精神には、こんなふうなギャルになる素質があったのだろう。
彩香は、今はそのことを受け容れることが出来た。
だから危ない橋をわたって、うだつのあがらない中年男に抱かれることも、お金のためには平気、と思うことが出来た。

一方、「ルナ」こと優美を指名した男も、すぐに店外デートをもちかけた。
ルナを店外デートに連れ出した男は、小奇麗な30くらいの、サラリーマン風の男であった。

「ルナちゃんって、A女子の制服着てるけど、本当にあそこの生徒なの?」
「えー?なにそれ?ちがうようにみえ・・・ます?」
「うん、っていうか、違ったらいいなと思ってる」

その男は「萩原」と名字で名乗った。本名かどうかは分からないが、
こういう場に来るにはちょっと不釣り合いな雰囲気の男ではあった。
店もそのことは気づいていたようで「注意しろよ」と言われていた。

「本当は何歳なの?もっと良いお仕事があるんだけど、興味ない?」
男は、引き抜きの話をするために優美を指名したのであった。
これはこうした世界では危ない橋であるが、それだけ、優美が魅力的であるということでもある。
本当は二つ返事でOKしたかったが、

「あの、あたし友達が一緒だから」
というのが優美の返事であった。少し慎重に、彩香と2人で相談してみたかった。
もちろん、彩香抜きで一人だけ引きぬかれることなど論外であった。
43名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:34:57.52 ID:q0k0Cw5n
「お友達って、キララちゃん?」
優美はこくりと頷いた。
「じゃあ、2人できちゃえばいいよ。2人とも今よりずっと稼げると思うな」
男は、優美の期待通りの答えを返した。それなら、優美の気持ちの中で話を聞くことにハードルはなかった。
「あ・・・キララちゃんと相談してもいいですか?」
脈があった。これはいける、と「萩原」を名乗る男は心の中でガッツポーズをした。

「もちろん。これ、俺の連絡先。もし話を聞くきがあったら連絡して」
そういうと、現金で5万円を置いて、その男は喫茶店の席を立った。
「えっ?今日は終わりですか?」
「うん。だってキララちゃんと相談するんでしょ?急がないから、興味があったら連絡してね。また店にも行くよ」
「あ、ありがとうございます」
なにもしないのに、5万円ももらってしまった。これはちょっと優美にも驚きであった。
その男が紹介する仕事だって、もちろんロクなものではあるまい。
だが、優美はもう高校3年生である。半年後には高校生ではなくなるので、
同じように身体を張って稼ぐにしても、アングラバリバリのJK専クラブなどよりも少しはまともな仕事につけるかもしれないし、
その頃のことを考えなければならないというのは。彩香とも話していた。

「おわったら連絡して」
と彩香にメールした。何もせずに5万もらったのはいいが、家出状態の優美にとっては1万円で買い叩かれても、
ホテルなり男の家で朝まで寝かせてもらえればそのほうがありがたい面もあるのだが、こうなるとそうもゆかない。

彩香の家に一人で帰るのも気が引けるので、店に帰って次の指名を待つか、どこか夜を過ごす場所を探さなければならない。
つまり、「おわったら連絡して」というのは、彩香が男と泊まらないように、
というお願いの意味があった。彩香は、そのことをすぐに理解して
「うん(^^ゞこれからホだけど休憩にするね」
と返信してきた。ラブホテルに宿泊せずに休憩で出て来るということである。となれば2時間か2時間半。

優美はほっとした。とりあえずショッピングにでも向かって、
そのあとは、こういう時にいつも彩香と待ち合わせるファミレスで待つことにした。
思いもよらぬ展開であったが、今日ゲットした5万円があれば暇をつぶすには十分だった。


この物語は、苦しみながら、友情を深めていった、入れ替わった2人の少女の物語である。
一年前の今日、本編はその日の朝からはじまる。
44名無しさん@ピンキー:2013/05/20(月) 23:44:54.96 ID:q0k0Cw5n
ということで、プロローグはここまでです。

本編もできたら少しずつ投稿したいです。
できたらまた明日か明後日にでも。
プロローグの中にあるような出来事を通じて、

優美の気持ちを持った彩香の堕落は、精神の堕落。つまり優等生の気持ちが少しずつギャルに順応していく
彩香の気持ちを持った優美の堕落は、外見の堕落、つまり見た目におしとやかな女の子がケバギャルになっていく

で、今日投稿した部分にあるように、2人で一緒にいけないお仕事をするようになる

そんな感じです。感想ご意見待ってます
45名無しさん@ピンキー:2013/05/21(火) 15:38:38.24 ID:Jtaq+Wyc
わたぐもさんの作品がやめられない

「今日、恋を始めます」とうのが現在の恋愛バイブルらしいね
(平安時代でも通用したかな?)
46名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 03:45:10.68 ID:vrJnRGkm
「前スレで構想を示した人がいて、
その構想を形にした人がいる

それで反応がないって異常じゃね?
>>45のようなわたぐもの亡霊に怯えてるのか?

「夏菜子の夏」は長編で優等生をゆっくり落としてくれるとして
新参だけどさ、だけど今度の新しい人もダブルヒロインの意欲作をおとしてくれる、と。


まつよ。俺は。
夏菜子の次の展開、おばあちゃんの堕落、お母さんの堕落

高度成長期とバブルの堕落、見たいよ。

入れ替わりの2人、優美と彩香も見たいよ。



長く書いてくれる作家さんと新しい作家さん、競い合ってエロパロでも屈指のスレにしてほしいわ

おまいらそうじゃないのか?
47名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 13:22:28.87 ID:Xg+medYG
>>46
こういう「優等生堕落」に空しくなってきたとか・・・・
48名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 19:59:50.67 ID:QXHp/xnn
正直ネタはあるんだが本当に書く時間がない。
6月過ぎたら少しは腰据えて書けるのかもしれないが・・・。なんか、ごめんな?
49名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 20:23:53.28 ID:w/tGHoTs
なんか昨日は避難所と本スレにわたぐもマルチがあって逆上してしまった
今は反省している
50名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:19:31.34 ID:FtwpAI8S
「夏菜子のなつ」は、お祖母ちゃんやおばさんが堕落する話ではありません。
そこはちょっとあしからず。
51夏菜子のなつ:2013/05/22(水) 23:28:21.20 ID:FtwpAI8S
その日、夏菜子の母である石田菜津子は、いつもどおり朝6時に目を覚ました。
そして、いつものように着替え、洗濯機を回すと、朝食の準備に入った。
とはいえ、この日は、普段なら家族3人分の家事をこなさなければならないのに比べれば、
ひとつひとつの作業が少なかった。なにかもの寂しい気もしたが、一方で一人でいることが楽しくもあった。
子育てからも夫からも解放された時間が長く続くのは久しぶりである。初めてかもしれなかった。

もっとも朝から暑い日で、朝7時には30度を超えていたので、爽快というわけではなかったが。さっさと掃除を済ませて、
10時には夫・石田高(言うまでもないが、夏菜子の父親である)のこの秋からの在外研究のための
買い物に出かける予定であった。

夏菜子の母、石田菜津子は今年43歳になるが、子どもを一人産んだ43歳とは思えない美しさと若さを保っていた。
最近は、コスメの発達や様々な技術で、簡単にいえば金に物を言わせて若さを保つ女性が増えているのだが、
彼女は典型的な美熟女であった。

オイルショック直前の高度成長期に故郷の北の街で地元の名門、柴崎家の長女として生を受けた菜津子は、
周りからお嬢様として扱われ、生来の美貌を武器に、ちやほやされて育った。
バブルの絶頂期に東京の名門女子大に通って、バブルの恩恵を最大限に享受した。

卒業した時に東京に残ることはせずに、地元に帰って名門のお嬢様として市役所に2年務めた後、
国立大学の講師として赴任した夫と結婚した。

一人の女の子に恵まれて、周囲が不況にあえぐ中で幸せな家庭を築き、
夫がK大の教授に栄転したときに夫についておよそ15年ぶりで東京に戻り、
今は渋谷から10分ほどの駅の近くに小さいながらも一軒家を持ち、
幸せな家庭の、かわいい、美しい奥様として毎日を過ごしている。

資産家の娘でK大教授の妻、名門女子大卒の美人主婦。一人娘は名門女子高に通い、
W大への入学が決まっている。この時代に、なんの不満もなく生きていける、いわばプチセレブである。
52名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:30:15.35 ID:FtwpAI8S
そんな菜津子も、女子大生時代はかなり遊んだほうだし、
その時期のことを夫に話したことはほとんどなかった。
そして、もう5年以上の月日が経ったとはいえ、若いころに彼女は大きな過ちを犯していた。
まだ北の街に住んでいたことである。そのことは夫にも知られていないし、もう終わったことだと信じていた。

この夏、推薦入学を決めた一人娘、夏菜子が夏休みを故郷の北の街で過ごしたいと口にした時にも、
ほんの一瞬不安がよぎらないではなかったが、まさか故郷の男たちが、夏休みの間だけ帰郷する、
他所者に近い夏菜子に魔の手を伸ばすとは思わなかったし、自分の高校生時代よりもはるかに真面目で、
母の目にも男に興味などないようにしか見えない娘が田舎の男の誘いに乗るなどという仮定は一笑に付すべきものであった。

母親としての菜津子にとって、夏菜子は手のかからない、優等生だった。
顔の造形や体つきは母の自分によく似ていたが、真面目さや頭の良さは父親譲り、そう信じて疑ったことがなかった。

ひと通りの掃除を終えて、猛暑の庭に水を巻き、朝の9時にはアイスコーヒーを淹れて一休みしていた。
夏休みになると同時にアメリカに在外研究の準備に向かった夫も、一人娘の夏菜子もいない8月の暑い一日は、
ゆっくりと過ぎていく。10時には出かけようと決めていたが、夫と娘のことを考えていると、ふと昔の過ちが頭を過ることもある。
53名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:33:20.53 ID:FtwpAI8S
その頃のことを思い出すと、今でも少しだけ憂鬱になる。
――寂しかったのだ――夫は一人娘の夏菜子を溺愛し、
いつしか菜津子には見せたことのないような笑顔を夏菜子の前では見せるようになっていった。

あれほど自分にベタぼれだった夫の愛情が、自分と同じ顔をした娘が成長するに連れて
ますます自分から夏菜子に移っていくような思いが、菜津子に寂しさを与えていたのだ。

女として、常に周りの男達からちやほやされて生きてきた菜津子には、狭い家の中で、
2人しか女がいないのに、夫の愛情を夏菜子に奪われるのが言いようもなく寂しかったのだ。

仕事が忙しく、研究者として脂が乗り始めてくると、夫は研究に益々没頭し始めて、
夫婦生活はどんどん少なくなっていった。女として、それは屈辱的なことでもあった。

そして、夏菜子に向けられる優しい眼差しが少しだけ気に入らなかった。

夏菜子が5歳の時から、菜津子は地元の男と、夫と娘の目を盗んでは、密会を重ねるようになった。
先にも触れたとおり、その相手は守谷誠という男で、地元の居酒屋の若旦那といった男である。
守谷と密会して、体を求められると、女としての自信が蘇るようだった。苦い思い出である。
今、そのことを後悔もしているし、反省もしている。

東京に引っ越すまで続いた関係はその後、一度帰郷した時にも断りきれず関係を持った。
そのことも、彼女は後悔している。

便りのないのは良い便りというように、この何日か夏菜子からも故郷の母からも連絡がないこと
を菜津子は少しも気に留めていなかった。そして、予定通り10時には家を出て、二子玉川に買い物に出かけた。
平和な毎日が、平穏な日常が、音を立てて崩れるのは、その日の午後のことだった。
54名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:36:08.47 ID:FtwpAI8S
その同じ朝、石田夏菜子は連日の乱交に疲れてぐっすりと眠っていた。
祖母であり、菜津子の母親である柴崎光子の苦悩など何も気にしていないようであった。
明け方まで夏菜子を待っていた光子は、毎日の習慣通りに起きて、
いつもと同じように洗濯や掃除を済ませると、その苦しさを長女、石田菜津子に伝えるべきかどうか逡巡していた。
自分一人がこのことを黙っていれば、夏菜子も夏祭りが終わって、お盆がすぎ、夏休みが終われば、
東京に帰って何事もなかったかのように優等生の日常に戻るだろう。
母親の菜津子にいらぬ心配をかけることはない。

そんな思いと、夏菜子の母親である菜津子に一言も話さず、
夏菜子を「宴」と呼ばれるこの町内の伝統的な夜這い、乱交の会に差し出すことを
承諾してしまったことの後悔がせめぎあって、このことを菜津子に知らせるか知らせまいか、迷わせていた。


金髪、パーマに、光子から見れば下品としか思えない派手なメイクで朝方に帰ってきた孫のことを、
母親に伝えるのは勇気がいることであるが、なんとか夏菜子をそんな世界から救い出したいという思いもあった。
光子の午前中は、菜津子とは正反対に、苦しみの中で過ぎていった。

光子は、娘の菜津子が10代後半から女子大生の頃の何年かにわたって「宴」に参加していることを見て見ぬふりをしてきた。

というより、そのことを誰かに知らされたわけでも、許可を求められたわけでもないので、
母娘の間の会話にその話題を出さなかっただけのことである。
「宴」のことなど夫に相談できるはずもなく、ただ、時間がすぎるのを待った。
どっちみち夏祭りに伴う宴は4,5日のことであるし、その間さえやり過ごせば、
毎年菜津子は日常生活に戻っていた。

母娘の間に沈黙の了解があったのかどうかすら、今は分からないが、
とにかくこの20年、光子は「宴」に菜津子が参加したかどうかということを頭のなかで問題にしたことすらなかった。
55名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:38:48.15 ID:FtwpAI8S
だから、今でも「宴」が存続していることを知り、
そこに孫の夏菜子の参加をそれとなく求められた時には狼狽したし、
菜津子への対応を思えば、夏菜子が泣きだして帰ってくるようなことがない限り、止めることも出来なかった。

それは、「宴」と呼ばれる夏祭りの夜、若者たちが求め合う組織的な夜這い、乱交に参加することを、
その他の町の行事に、餅つきや節分と同じように参加することを「義務」として教えられて育った、
柴崎家の女の悲しい責任感であった。

菜津子が東京の名門女子大を卒業して地元で就職した時に、
さっさと良い結婚相手を見つけて家庭に収まらせたのは、光子にとっては精一杯娘を守ることでもあった。
バブル経済が今にもはじけそうな頃、女子大を卒業したばかりの菜津子に、
地元の国立大学の若手講師を半分見合いのような形で会わせて、
積極的に、急かすように結婚にまで持っていったのは光子の努力が大きかった。

要するに、結婚させて人妻にしてしまえば宴に参加を求められることも無いということが、
光子にとって大きな動機付けになっていた。

それは、光子にとって、「宴」への参加が辛い思い出として残っているからであった。
光子自身、宴に参加することで、その当時の町内で幅を利かせていた若者に処女を捧げ、
何人もの男と肉体関係を持った。

それは、戦争が終わったあと商才を発揮した父親のもと、
農地改革で奪われたよりも大きな財産を作り上げた柴崎家のお嬢様として育てられた光子にとっては
ひどく屈辱的であり、苦痛であった。光子は宴への参加が、初めから嫌で嫌で仕方がなかったのである。
だから20歳を迎える前に結婚してさっさと宴から足を洗った。
56名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:41:14.38 ID:FtwpAI8S
柴崎光子の父、柴崎征吾郎が光子を自室に呼び、
夏祭りのあと「帰らずに町内の若者たちと遊ぶように」と言い渡したのは、
まだ光子が14歳、中学3年生の夏祭りの初日の昼下がりであった。

昭和30年のことである。光子にとって、初潮を迎えたあと、初めての夏祭りであった。

名門柴崎家のお嬢様であった光子は、娘や孫と同じように、町内では一番の美少女として知られていた。
日本は終戦の混乱も落ち着き始め、農地改革を乗り切った柴崎家はますます名門としての地位を固めつつあったころである。
今と比べて貧富の差は比べ物にならず、また身分の差というものの名残ももっとはっきりしていた時代である。

同じ小学校、同じ中学校に通っていても、光子と周りの同級生たちでは、子どものころから、
着るものから靴からランドセルから、なにもかもグレードが違い、
そのことで光子の美少女ぶりがいっそう引き立つのは避けがたいことであった。

なにしろ、男子の学ランはもちろん、女子の学生服ですら継ぎ接ぎがあってもおかしくなかった時代である。
北の街は冬になると雪に閉ざされるので、バラック同然の家に住んでいるようなことはあまりなかったが、
それでも商店街や農家の家に比べれば、あまりに立派な柴崎家で育った光子に、
自然と特別なお嬢様の意識が芽生えるのは致し方のないことであった。

毎日自分の家で風呂に入り、小奇麗にして学校にいくことのできる子どもはまだ少なかったし、
それでいてきちんと洗濯され、アイロンがけされた服にしか身を包んだことのない光子は、
菜津子や夏菜子とはまた別格のお嬢様扱いを受けて育った、というのが適切だろう。
57名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:43:25.44 ID:FtwpAI8S
太平洋戦争が終わった時、この北の街は、陸軍の施設が多かったにもかかわらず空襲を受けること無く、
戦前の面影を残していた。そこに進駐軍がやってきて金儲けの機会が生まれた。

柴崎征吾郎は、闇市や進駐軍相手の商売で荒稼ぎをした。
加えて食糧難の時代である。農地改革で土地を失っても、農家との関係を戦前から良好に保っていた。

つまり農家に対して面倒見が良かったおかげで、征吾郎の商売には皆が協力した。
もともと柴崎家のものでなかった果実農家もなども彼と取引をするようになっていた。
戦後すぐは、甘いものがとにかくもてはやされた時代であり、価格も高騰した。
東京を始めとする各地への輸送手段を確保することが出来ただけで、
地主だった頃よりも大きな儲けが柴崎家に生まれたのである。

儲けを上げる道はいくらでもあった。焼け残った建物で進駐軍相手のバーを開けば金はいくらでも落ちてきたし、
私娼もまた大きな儲けの種であった。

征吾郎が巧みだったのは、そうした儲けを地元、とりわけ町内の人々に還元したことであった。
仕事を失った者、戦争から帰ってきた者、夫を失い子どもを抱えた女たち……そうした人々にいくらでも仕事を与えた。
商売はいくらでも広がったが、多くの女中を雇ったり、屋敷を建て増ししたり、
駅前や繁華街に店を出しては町内の人間に任せたり、征吾郎の面倒見の良さはかなりのものであった。

だから、柴崎家は終戦と農地改革という大きな節目を乗り切ってなお名門として崇められ、
とりわけ町内においては驚くほどの尊敬と畏怖を集めるようになった。
もともと資産家だった家が戦後のどさくさでコマメに大儲けを重ねていったのであるから、
名門の上に裕福に育った光子が、周りと比べていかに別格のお嬢様であったか、想像は難しくないだろう。
58名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:45:53.80 ID:FtwpAI8S
それでも、人間はより上のものに憧れる生き物である。
光子はお嬢様として10人からの使用人に囲まれて育ったが、
映画館にいけば「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」といった現在でも通じる、
女の子の心を捉えて離さないオードリー・ヘップバーンが活躍していた時代である。

お嬢様の光子は、ヨーロッパのお姫様に憧れ、シンデレラストーリーの主人公にもなりたかった。
彼女の中身は、何の変哲もない夢見る女子中学生だったのである。

14歳の夏祭りの初日の夜、光子は浅黒い肌をしたたくましい筋肉を持つ酒屋の長男に処女を奪われ、
工場で働く文具屋の次男と相撲部屋に入門した後廃業して田舎に戻ってきた大きな男ともセックスした。
どの男も、今にして思えば、そのひとりひとりは悪い男ではなかったが、
まだ恋に恋していた純真な乙女には醜すぎる相手だったし、
何より柴崎家のお嬢様である光子から見れば下層の人間でしかなかった。

当時まだそれなりの値段だったコンドームを全員が浸かってくれたことがせめてもの救いであった。
光子はそのことについて確認したことはないが、あのコンドームは父、征吾郎が提供していたのだろう。
それは、光子にとって辛い思い出であった。

夢見る少女だった光子の、お姫様や王子様に憧れる時期は終わり、
同級生と何も変わらない一人の女の子であるという現実は、彼女の人生観を変えた。
今にして思えば、それは昭和、戦後という時代にあって、
自由や平等という考え方が貧富の差の縮小とともに浸透していったことと、
その中にあって地域で一人勝ちを続けた柴崎家が、庶民として生きるための父の知恵であったのかもしれない。

光子は「宴」に初めて饗された時のことを今でも思い出し、そのことにどんな意味があったのかを考えることがある。
50年以上を経た今でもそうなのであるから、高校時代など、常にそのことと格闘していた。
59名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:48:40.43 ID:FtwpAI8S
彼女はその答えを見つけるために、夢見る少女から進歩的な文学少女と変身を遂げ、
高校生が読むのは難しい英文学やロシア文学など、日本の作家では三島や川端、太宰治などなどに没頭し、
自分なりの生き方を見つけようと苦闘し、その結果、一言でいうと性に奔放な高校時代を過ごした。

農家の次男三男や零細工場の労働者など、資産家とは全く違う境遇の男たちとダイレクトにハダカで付き合ったことが、
セックス以外の面でも彼女の人生観を大きく変えたのである。
おもしろいことに、セックスの上では高校に通う当時としては恵まれた少年たちよりも、
同じ年代でも労働者のほうが魅力的であった。

極めて貪欲に読書に励んだ光子であったが、逆に学校の勉強は疎かになっていった。
じぶんの力に限界を感じたころ、地元の短大の二年生の時には、父に言われるまま10歳年上の商社マンと結婚した。
その後、夫は柴崎家の養子となり、征吾郎の後を継いで柴崎家の商売は益々起動に乗っていったのである。

柴崎の家が、地元で多大なる尊敬を受けているのは、名門であることを鼻にかけず、
庶民と対等に付き合ってきたことが大きく影響している。
それでいて金は出すし面倒見もいいのだからなおのことである。

光子が中学生の頃から、北の街では東京への集団就職が盛んになり、
中学校を卒業したばかりの若者が街を出て東京や仙台や大阪に向かうことも普通になっていた。
就職して親元を離れる前に夏祭りぐらいはいい思い出を作らせてやりたいし、
夜這いの習慣も知ってほしいという地元の人々の親心が、いつしかこの町の「宴」と呼ばれる習慣を生み出した。

街に残る年長者が中学生の男子女子にセックスを教えるようなものであり、
征吾郎の支援のもとで組織化されたものであった。
60名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:51:07.37 ID:FtwpAI8S
集団就職で、故郷の北の街を離れることが決まっている少女たちを、
少し年上の地元の男たちがオンナにする。一方中には高校へと進む女の子もおり、
そうした地元の女子高生が少年たちをオトコにする。

戦後の復興に拍車がかかった頃、夏祭りの夜這いの習慣は、そういうふうに独特の発展を遂げた。


その後、高度成長期、オイルショック、バブル、少子化といった時勢に合わせて少しずつ形を変えながらも宴は続いてきた。
そこから姿を消したあとは、光子もその存在を知らないほどの高い機密性を保って続いてきたのである。

その、町内の繁栄のために、そして、柴崎の家が地元で確固たる尊敬を得るために、
14歳のお嬢様であり町一番の美少女である柴崎光子は「宴」に供されたのである。
それも、「この町の女の子」の義務として、父に命じられる形で供されたのである。

宴には同じように14歳、15歳で男たちに供された町の女の子たちもいたが、
当時そうした女の子は町の比較的裕福な商店やお固い仕事の家からは出ず、
工場労働者や農家の家から出ていたし、
一年後、半年後には集団就職で北の街から離れる次女や三女がほとんどであった。

そうした女の子たちと、名門で資産家で、10年前までは地主であった柴崎家の長女、光子が同列に犯されたのである。

もちろん男たちは手の届かないはずのお嬢様を喜びいさんで抱き、
そのとき相手になった男たちがその後何十年と町内会で幅を利かせてきた。
光子にセックスを教えこんだ男たちも、光子によって童貞を奪われた男たちもいる。
彼らは心のなかで、何も知らずに光子の夫となり、柴崎家の当主となった柴崎浩太郎をどう見ていたのだろう。

柴崎家の繁栄にも、この町内の団結にも、確実に光子の存在は大きな役割を果たしていた。
そして、その役割は菜津子へ、そして夏菜子へと受け継がれていった。
61名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:53:42.47 ID:FtwpAI8S
大局的に見れば、光子が「宴」に供されたことは大きな意味があったといえるだろう。
しかし、半世紀以上の時を経て、孫娘が同じ運命を辿ったことがどんな結果を生むか、まだ誰も知らぬことであったし
祖母である光子にとっては簡単に受け入れられることでもなかった。

孫娘・夏菜子が、自分の人生を少しだけ変えた「宴」に参加していたことをはっきり確信して、
そのことがきっかけで自分の人生を振り返りながら、光子はまだ逡巡を続けていた。

はっきりとした確信を持たずに曖昧にして生きてきたが、
こうなれば夏菜子だけでなく、20年ちょっと前には娘である菜津子も同じ轍を踏んでいたと考えるのが普通であろう。

母と娘の関係を円滑に保つために、また柴崎家と町内会の関係を円滑に保つために、
ずっと目を閉じ、耳をふさいできたことが、本当にこれでよかったのか、と今更ながら繰り返し光子の心を深くえぐった。

結局のところ、光子の人生はこの街で完結し、高校時代や短大時代の自分がどうあれ、
柴崎の長女として、少なくとも平穏に、そしてなんの不自由もなく過ぎていったのである。
文学少女が屈折し、波乱に満ちた人生を送っていった例は彼女の世代にはいくらでもあった。
だから、父の言うとおりに結婚したことも、父の言うとおりに宴の男たちに身を委ねたことも、
今にして思えば。間違っていなかった。光子はそう信じていた。

昔読んだ啓蒙的な文学は、自由と平等を力強く謳っていた。男女、人種、職業、人を差別する要素はいくらでもあるが、
そうした差別を忌み嫌う考え方は光子には強く根付いていて、
だから娘の菜津子にも、柴崎家の娘であるからといって、他の者を下に見てはいけない、と強く教えこんだ。

それが、柴崎家の家風となった。
62名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:54:59.62 ID:FtwpAI8S
菜津子が自分と同じように「宴」でつらい思いをしたとしても、
今は立派な男と結婚して、同じように幸せな人生を送っている。

それは、下手に娘の男関係に立ち入らずに、タイミングを見つけていい結婚相手を見つけて、
結婚へと背中を押したからだと信じている。だから、今は自分は同じように我慢するべきだろうと、思っていた。

この町の女の子の努め、名門である柴崎家の女の義務、町の者達と少しも変わらない同じ人間であることの証なのである。
少なくとも、自らにそう言い聞かせようとした。

だが、どうしても、初めて、町内会の下品な男たちに次々と犯された日の屈辱が、
光子の脳裏に苦々しく蘇るのだった。

そして、その記憶を消そうと自分の好みの男を漁り尽くした
高校時代の自分が思い出されてたまらない気持ちになった。

娘が同じ目にあっていると勘付きながらも、なにもしなかった後悔と罪の意識はそれよりももっと辛かった。

携帯のメールを書いては消した。電話も何度も発信のボタンを押すかどうかで迷った。
きっと、光子は、なによりも菜津子に許しを請いたかった。
それが、3代に渡る母と娘の関係を崩してしまうことなど、思いもよらなかった。
63名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:56:31.25 ID:FtwpAI8S
そのころ、柴崎家の広い屋敷の、奥の方にある東側に面した部屋に、この夏休みのあいだ夏菜子は寝泊まりしていた。

もともと客人があった時に使う部屋で、夏菜子が使うのはこの夏が初めてであった。
床の間には有名な書家の掛け軸が飾られている。
かつてはその下にある花瓶に毎日花がいけてあったもので、
もう10日ほど前に、夏菜子が久しぶりにこの家についた次の日も、
まずは庭にたくさん植えてある小さなひまわりと、笹の葉をアレンジして飾った

毎日水を変え、しおれた花や葉を取り替えていたのだが、
夏祭りが始まって、朝帰りになってから、夏菜子は水を取り替える以上のことをしなくなった。
昨日は、それも忘れる始末で、なにか生き生きとしないひまわりと笹の葉が
花びんに刺さっているだけのような状態になっていた。

少しみっともない花びんの花は、夏菜子の心の状態を表していただろうか?
よく、芸術家はそういう表現をするが、本当なのだろうか?

少なくとも、清楚なお嬢様だった夏菜子が、金髪の淫乱ギャルに変貌を遂げるのと反比例するように、
花びんに刺さった花は美しさを失っていった。
64名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:57:49.33 ID:FtwpAI8S
夏祭り6日めの朝、というより昼過ぎに、夏菜子はようやく起きて、髪を洗った。
まっきんきんで綺麗なウェーブのかかった髪を無造作なアップにまとめると、
昨日買ったキラキラの文字の入ったキャミソールに袖を通し、少しタイトなピンクのミニスカートを履いた。

まつげを整えて、唇にはグロスを塗り、うきうきとしながら本格的なギャルメイクにとりかかる。
20分もしたら、昨日の夜と同じ顔の、淫乱ギャル夏菜子が鏡の前に現れた。

「ふふ、かわいい・・・」
今まで、清楚なお嬢様の服しか着たことのなかった夏菜子だが、
キラキラしたものやピンクのスカートに密かに憧れていた。我慢していた。

バカそうで、何も考えてなさそうで、男に媚びているとしか思えないギャルたちを、
夏菜子はずっと見下してきた。だが、いざ自分の清楚な顔と華奢な体をギャルメイクと露出の多いギャルの服で飾ると、
女の子の、可愛くなりたいという本能が、欲求が満たされるのを感じていた。

そして大きなベルトを腰に回して、首には安いネックレスをつけ、
最後に後ろにまとめた金色の髪を耳よりも前の部分だけくるんと初めて自力で、夏ギャル夏菜子が完成した。

「あー、遅れちゃうかな」
今日は、午後1時30分にファーストフードで待ち合わせであったが、時計は午後1時15分を回るところだった。
今日の用事は、また買い物である。昨日迷った1500円のワンピやキラキラのミュールをやっぱり買おうと言ったら、
快く梨絵が付き合ってくれると言ったのであった。

夏菜子は約束をきっちりと守る女の子だし、自分の買い物に付き合ってもらうのだから、遅れるなど許されない。
「あー、早く行かなきゃ」
そう口にして、最低限の持ち物をもって、夏菜子は玄関へかけ出した。
65名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 23:59:00.30 ID:FtwpAI8S
祖母・光子が、電話で誰かと話しているのが目に入ったが、特に気にせず、約束の場所へと向かった。


電話の相手は、母・菜津子であった。夏菜子が出かけるよりも15分ほど前、菜津子が、買い物と昼食を済ませて、
駅から歩いて5分の、「石田」と表札のかかる小さな家のドアの鍵を開けた時に、トゥルルル、トゥルル、と携帯が鳴った。

「あ、もしもし、お母さん?ごめん、いま家についたばかりだからあとでかけ直すね」
「菜津子・・・ごめんなさい・・・」
「えっ・・・?」
ただごとではない光子の深刻そうな口調に、菜津子は身を凍らせた。
夏祭り6日めの日、運命の日の午後早くのことであった。
66夏菜子のなつ:2013/05/23(木) 00:00:41.03 ID:FtwpAI8S
「夏菜子のなつ」作者です。

今回はエロはありません。つなぎの場面です。といってもほとんどの回がそんな感じですが。

ここはあまりおもしろくないかもしれません。資料にして表にするべきところではないかしれませんが
お付き合いいただければ、幸いです。

それでは、また近いうちに来ます。
67名無しさん@ピンキー:2013/05/23(木) 00:07:57.35 ID:3aKfJEN3
乙っしたー
ゆっくりでいいので最後まで続いてくれると嬉しいです
68名無しさん@ピンキー:2013/05/23(木) 22:18:47.10 ID:j+SBdedL
優等生ではないけどぉ……

お小言の多い、如何にもお局様って感じのPTA会長が、ヤンママたちの手でエロケバMILFに変えられて、
人妻売春倶楽部に入会させられた挙げ句、小○生の息子の筆下ろしまで強要されるって話が読みたいです。
69名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 10:40:13.59 ID:HlskJOSZ
「親友」
1. 二人の少女

東京の真ん中からは少し西側に、お嬢様女子校として知られるA女子学園がある。
今現在、都内で一番深くを走る地下鉄の駅に上杉優美が着いたのは、2学期が始まってばかり、
9月4日の朝7時45分のことである。

駅は新しい。優美が中学1年生の冬に出来たからまだ4年ほどしか経っていない。
いつもより少し早かった。まだ残暑の厳しいこの時期、20分前に自宅の最寄り駅から電車に乗った時よりも、
渋谷で乗り換えた時よりも熱い、もわっとした外の空気が、少し長いエスカレーターまで届いてきていた。
今日も暑そうだな、と少しうんざりしながら、足を止めること無く歩く少女の周りには、いつもよりは少ない人の波ができていた。
駅の出口から学校までは歩いて1分半ほどの短い距離であるが、歩く方向の正面から日を受ける時間なので、
日差しの強い日は少し憂鬱である。

同じ時間、その同じ駅から、優美の学校の方向にさらに2分ほど歩いたところに住む、
武田彩香は、5分に一度の電車に間に合わせようと走って駅に駆け込んだ。
彩香は渋谷からひと駅手前にある偏差値40未満の私立の女子高校に通う女子高生である。

優美は肩まで伸びた黒髪を2つにまとめ、きちんとアイロンがけされた夏服のセーラー服をきちんと来て、
通学カバンの中には携帯電話と学校指定のカーディガン以外には勉強に必要なものしか入っていない。
東大にも毎年2桁の合格者を出すその高校で学年委員をつとめるほど教師にも信頼を得ている彼女にとって、
この高校2年の2学期は、進路決定の分かれ道となる時期である。というのは、進学に際して受験するのか、
それとも内部なり外部なりの推薦を得るのか、ということが3年生になった頃には決まっていくからである。

優美は成績も10番以内で、陸上部の副部長でもあるので、その動向は教師たちにとって注目せざるを得ないところであった。
ようするに、優美が推薦をとるのか、受験するのかを決めないと、ほかの生徒のことが決まっていかないということである。
70名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 10:46:59.65 ID:HlskJOSZ
普段、女ばかりの環境で生きている優美の現在一番の興味はそのことである。
理系の彼女は推薦を取るとなれば、近くにある名門の私立大学でも、内部進学の理学部でも、どこにでもいけるが、
本当は推薦のない国立大学に行きたかった。この2学期が終わる頃にはある程度結論を出さないといけない。
贅沢な悩みであるかもしれないが、この何不自由無く育ってきた成績優秀な少女には、彼女なりの悩みがあった。

低偏差値の女子高生ギャル、彩香の悩みはまったく次元の違うことであった。二股の上に、
小遣い稼ぎに援交していることまで、本命のカレシにバレてしまったのである。

昨日の夜、公園でさんざん罵倒された上に別れようと言われたが、あきらめがつかなかった。
茶髪に、登校用の"薄化粧"の少女は、制服のプリーツスカートをパンツが見えそうなほど短くして、
制服のブラウスから胸の谷間も覗いていた。薄化粧とはいえ、それは彼女の価値観のことで、
目の周りはキラキラと光り、唇はピンク色である。挑発的な少女のみずみずしい肢体は、すれ違う人たちの目を引く。
男たちは目を奪われ、女性はみな呆れる。夏の名残で日に焼けた小麦色の素肌は
10代の少女にしか許されない輝きをこれでもかと放っていた。

この国で長く信じられてきた「高校生らしい」という価値観に合う外見ではない。
持ち物も同じである。通学用のカバンにはくたびれた熊が2匹ついていて、大きく膨れ上がったその中身は、
コスメやゲーム、それに着替えの私服や、パンツまで入っている。

二人の少女は、なにもなく普通に生きていたら、
地下鉄の駅のホームからA女子学園までの道の上ですれ違う以上の関係には決してならなかったであろう。

住んでいる世界が違いすぎた。

だが、共通点は意外なほど多い。同じ高校2年生であること、3月20日という同じ誕生日であること、
身体検査の結果のスリーサイズも、夏を迎える前の真っ白で透明感のある肌もまるで姉妹のようであった。
中学の時、すぐ隣りの学校どうしで陸上部だったこと、タイプの俳優、
親から与えられる月の小遣いも一緒であったし、昨日の夜着ていたパーカーも同じであった。

ただし、小遣いの話をすれば、彩香はいけない方法でその小遣いを増やすように稼いでいたし、
優美がパーカーを羽織って物理と英語の勉強している時間に、量販店で買った全く同じパーカーを羽織った彩香は、
公園でカレシと別れ話をしていたのである。
71名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 10:51:05.71 ID:HlskJOSZ
優美と彩香の、記憶と魂が入れ替わったのは駅の構内の曲がり角でのことだった。
「きゃっ」
「いてっ」
正面衝突0そうだったしたふたりは、腕を交差するように倒れこんだ。少しだけ頭と頭がぶつかった。
周囲の目も引いたが、2人とも滑ってちょっとぶつかって転んだ、という意識しか無かった。
お互いに「自分のカバン」をもって、軽く会釈をすると目も合わせずに、目指す方向に進んでいった。

今まで歩いてきた方向とは逆に向かう二人の少女を見て、
この事故を目撃した人のうち注意深い何人かは少し奇異に思ったが、それを口にだす者は誰もいなかった。

「間に合った!」
優美――中身は彩香である――が、異変に気づいたのは、渋谷に向かう電車の中でのことであった。
窓に、自分の姿が写っていないのである。よく見ると、自分と同じ動きをする少女がいる。

その少女は、着た覚えのない服を着ているし、顔も違う。
前髪こそ少しアレンジされているが、長い髪をただ2つにまとめただけの髪型も、ありえないものだった。

「な、なにこれ?」
状況を把握しかねた優美は、途方に暮れた。満員の電車の中で、できることもなく、とりあえず次の駅で降りた。

彩香――中身は優美である――が気づいたのも同じタイミングだった。
いつものように校門前に来た所で、警備の人に止められた。

「あ、ちょっと、勝手に入らないで?」
「はっ?なんですか?」
「いや、あなたここの生徒さんじゃないでしょ?」

ハァ?とおもったが、服装が自分の着ていたはずのものと違うのに気づくと、優美と同じように
「な、なに、これ?」
と思った。とりあえずもときた道を戻った。
72名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:02:53.31 ID:HlskJOSZ
先に述べたとおり、同い年で同じ誕生日である優美と彩香は、同じ人類とは思えないほどに違う2人であった。
優美の両親は洗剤や調理用具を作っている一流企業の研究員であり、
2人合わせた年収は2000万を大きく超えている。子どもの頃からなにごとにも興味を持ち、
毎日勉強して、スポーツも万能であり、一言で言うとすくすくと育った。

中学校から一貫の女子高なので、意識することも少なかったが、
透き通るような白い肌とサラサラの黒い髪の美少女である。化粧をせず、Dカップの胸はブラで押さえつけられ、
セーラー服はスレンダーな体の線を隠してはいたが、そのことを差し引いても男の目には美少女にしか見えない。

そのことは中学1年生のころから変わらなかったが、高校2年ともなれば女としての身体も随分と成長した。
163センチと女の子としては少しだけ身長は高めだったが、
小さな顔と、スタイルの良さは、正統派の美少女とよぶに相応しいものであった。
半袖の裾から伸びる細い腕が、まだ女として成長し切らない幼さを見せている。
もちろん、処女であり、キスをしたこともない。彼氏を持ったこともない。

何か月かに一度、塾や路上で知り合いの男の子から告白を受けるが、その都度、二つ返事で断っていた。
今日は2学期に入ってすぐに実施された学力テストの結果を受け取りつつ授業に臨む日であった。

彩香の身長は152センチしかない。夏休みの間海で遊びすぎた肌はこんがりと焼け、
寄せてあげるストラップのないブラは、優美と同じDカップの胸に柔らかそうな谷間を作って強調する。
肩のあたりは華奢で制服もブカブカで、ビキニの水着の跡が生々しく、
だらしなく開いた胸元とゆるく閉めたネクタイの間から谷間が見えそうであるが、
きゅっとくびれた腰はベルトできっちりと閉められていた。

短いスカートからはりさけそうなむちむちのふとももが覗いている。優美の長い脚がすらり、と伸びているという表現がふさわしい一方
それにくらべれば、ぷりぷりとして実に美味しそうな脚であった。

彼女の男性遍歴は派手である。中学校1年生の時に、2つ上の先輩と初めてキスをした。
初体験は中学校2年生の時、相手はその時付き合っていた別の先輩だった。
そして、そのころからギャルに憧れ、入ろうとした都立の高校に入れず、
今通っている私立の女子校に入ってからはギャルそのものの毎日を送っていた。援交を除いても肉体関係を持った男は二桁に至っている。

元々もっていたリーダーシップと顔身体の綺麗さもあり、男がいくらでも声をかけてくるので、遊び放題であり、
周りの友達も彩香と一緒にいれば美味しい思いができることを知っていた。
複雑な家庭事情もあり、中学校くらいまではあまり裕福な彼女ではなかったが、
高校生になってからは稼いだり、おごってもらったりということを覚えた。
今はなにもしなくても男が寄ってくる、なんでもしてくれる。

援助交際や下着を打ったりすれば小遣いは稼げる。その小遣いで好みの男と遊べばいい。
そういう意味では彩香は幸せそのものの女子高生ギャルライフを満喫していた。
73名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:07:06.97 ID:HlskJOSZ
(ここ初めて入る。すげー緊張する!)
彩香の家から歩いて1分のA女子学園中学・高校の敷地にはいったのは、
彩香の心にとっては初めてであった。
優美の身体に優美のカバンを持っているだけで、スイスイと入れた。

2年D組の優美の教室に向かっているうちは気づかなかったが、3階の教室に入ると、
地味な女の子が「おはようございます」「ごきげんよう」と声をかけてきた。同級生である。
住む世界の違うお嬢様に声をかけられて、優美は「おはよう」と返すのが精一杯であった。
隣の席の娘がやっているようにカバンを机の横にかけて、カバンの中から同じように筆記用具と電子辞書を取り出した。

(うわーあたしA女子学園の授業とか受けちゃうよ!)
この場所は、まさに「秘密の花園」という言葉がぴったりであった。
いつもとは全く違う雰囲気のHRが始まって、優美の心は少しだけワクワクした。

一方、彩香の方は泣きたくなるようなことの連続だった。
渋谷の前の駅で降りて暫く歩くと、入ったことのないような汚い路地に向かう一団の女子高生の流れができていた。
近道なのであろうが、こんな路地ではなくもっと明るい道を通って学校にいく道をいきたかった。
だが、迷うのも嫌だったのでそのままついていった。ギャル系の女の子も、地味な女の子もいたが、
きちんと制服を着ている娘は眼にした限り一人もいなかった。

彩香は、自分の価値観では短すぎるスカートの丈を少しでも長くしようと引っ張ってみたりもしたが、
腰のくびれにしっかりとハマったスカートはほとんど下げることも出来なかった。
せめてネクタイだけはしっかりと結ぼうと思っても、優美はネクタイの結び方をしらなかったので、
彩香のダランとしたネクタイを結び直すことは出来なかった。

学校についてもっと驚いたのは、女子校とは思えないほど汚い校舎であった。
チリ一つないA女子学園と違って、ふわふわとワタゴミが浮いていても誰も何とも思わないようだった。
教室に入ると、香水や化粧の匂いが鼻をついた。ノートやクリアファイルをバタバタ仰ぎながら、
机の上に座ってあぐらをかく下品な少女の姿は、優美が見たことのないものであった。
74名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:15:41.53 ID:HlskJOSZ
髪の色も、髪型も、化粧された顔の色も、よく言えば百花繚乱、悪く言えばカオスだった。
A女子学園が人間のお嬢様が集まる場所、「秘密の花園」だとすれば、
この学校は、まるで動物に制服を着せた「動物園」のようなところだ、と思った。
授業が始まっても、ぺちゃくちゃと雑談をやめないばかりか、時折馬鹿笑いさえ聞こえてくるその環境に、
彩香は、怖くて泣きたくなるようだった。


2人は、入れ替わった駅のホームで最下位を果たすと、とりあえず今日一日、お互いの体で過ごし
4時にうこの駅の反対側の出口で再会して、どう対応するか話し合う、と約束して、
彩香は彩香の学校に、優美は優美の学校に向かったのであった。

とんでもない約束をしてしまったと思った。約束は、「優美」の心、つまり彩香が提案した。
無遅刻無欠席の皆勤を守りたかったのである。

そんな苦しみにじっと耐える時間が3時まで続くはずだったのだが、
予定より早く2時間目と3時間目の間の休み時間には唐突に中断した。

「おい、ちょっとツラ貸して」
じいっとこわばったまま休み時間をやり過ごそうとした彩香に声を掛けた少女は、なんと優美であった。

「ど、どうしたの?」

それだけいうと、彩香は優美の手を引いて教室の外に駈け出した。

「あーそっちじゃなくてこっち来いよ」
彩香が階段を登ろうとするのを引き止めて、優美は一階に彩香の手を引いていった。
一階には誰も出入りしないスペースが有る

「ちょっと、1日過ごすって約束でしょ?」
「あー、息が詰まりそうだから早退してきた」

「早退?先生の許可とったの?」
「とってない。ダメだった?」
「うそ?なんで勝手なことするのよ!」
優美は、彩香の通うO女子高校の制服を着ていた。

「だいたいなんで私がその制服着てるの?」
「これ?家によって着てきた。あんたのところと違って、チェック無しで入れるからね」

優美の身長は163センチ。彩香の身長は152センチである。胸のカップや足のサイズなどは殆ど変わらなかったので、
いちおう制服が身体を通らないことはないが、明らかに、シャツもスカートも短すぎである。
75名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:18:25.60 ID:HlskJOSZ
「短すぎでしょ!なにそれー!」

彩香は、頭がこんがらがりそうで、また、優美の身体にはすこし小さい、
底辺高校の制服をまとった少女に対する怒りでいっぱいだった。

「あたしの無遅刻無欠席どうしてくれるのよ!ちょっとまってよー!」
取り乱す彩香に、優美は落ち着いて

「まあ、とりあえずそれどころじゃないだろ。ちょっと話しあおう。この学校はフケても何の問題もないから、ちょっと出ようよ」
と、説得した。
正当に評価して、優美の言葉のほうがまともであろう。こんな状況で皆勤を気にする「優美」の心のほうがどうかしている。

彩香は、優美の言葉に従って、まだ昼にもならないうちに学校を後にした。
だいたい、自分の体でこれ以上こんな格好でうろうろされても困る。選択の余地はなかった。

1日はまだ始まったばかりだった。


彩香の通う高校から駅とは反対側にちょっと歩くと大きな街道に出る。
そこにあるファーストフードに、O女子高校の制服をきた2人の少女が入ってきたのは11時すぎのことであった。
高校の制服で昼間から街を歩き、ファーストフードに入り浸る女子が意外に多いことを、彩香は、初めて知った。

二人の少女は初めから険悪な雰囲気であった。2〜3分ほど沈黙が続いてから、彩香が堰を切った。

「ねえ、病院に行こうよ。なんとかなるかもしれないし」
「病院?ふざけんなよどうやって説明すんだよ。いたずらだと思われてつまみ出されるだけだろ?」
76名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:21:38.76 ID:HlskJOSZ
「でも、脳波とかみてもらえば、おかしいところがあるってわかるかも・・・」
「何?あたしの脳がおかしいっての?」
「そ、そういうことじゃないよ!」

イライラしてムキになった彩香を、優美がたしなめる。
「ちょっと落ち着いてよ。それよりもっとさ、前向きになろうよ」
「前向きって、どういうこと?」
「だってさ、入れ替わったものはしかたないじゃん。お互いの生活をまもらないと」

「あんたに私の生活ができるっていうの!?」
茶髪のギャル女子高生彩香は半泣きで怒鳴り立てた。

「ほら、彩香だってもうその身体に順応しちゃってるじゃん。
いつもだったら、こんな時に取り乱すような優美じゃないでしょ」
黒髪の少女は、冷静だった。確かに、こんなふうに食って掛かるのは優美にはあまり無いことであった。
優美は気が強い女の子ではなくて、おっとりとしている方だった。
気持ちと記憶はともかくとして、やはり優美の脳みそは優美の考え方を、
彩香の脳みそは彩香の考え方を今のところ、しているようである。
もちろん、今「彩香」である優美の気持ちでは認めがたいことだった。

「とにかく、あんたは彩香として生きる。あたしは優美として生きる。それ以外に方法なんかないじゃない」
「そんなことできるの?あなた、私みたいに1日8時間も勉強したりできるの?」
優美、の外見をした少女は、口をへの字にしてだらしなく脚を投げ出して腕を組み、5,6秒考えてから

「そんなのやってみなきゃわかんねーじゃねーか」

おっとりとした笑顔で、ぶっきらぼうな軽い言葉を吐き出す、自分の顔がこれほどに頭にきたことはない。
彩香は、「優美としての自分」が本当に危機にさらされていることを思い知った。
「終わり・・・私、おわりなんだ・・・」
ぶつぶつと呟く彩香に、
77名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:23:49.83 ID:HlskJOSZ
「おい、そんなに落ち込むなよ!頑張ってみるからさ、いつかまた戻れるかもしれないし」
と、彩香がたしなめようとする。

「いいえ終わりよ!ぜ―ったいあんたみたいなのに私がつとまるはずない」
「何いってんだよ!やる前から、こいつやる気か!」
「なによ、あんたヤンキーかもしれないけどこっちだって運動神経はいいんだから負けないわよ。
今はあんたの身体だってこと忘れないで!」
彩香があまりに激しく取り乱すので、優美のなかの「彩香としての気持ち」が騒ぎ出したのであろう。ついに2人は口論を始めた。

「なんなんだよ、なんで泣くんだよ。泣きたいのはこっちだっての。だいたいこの年で化粧もしない、
カレシもいない、しかも処女ってはずかしくないの?」
「はぁ?女の子は結婚するまでそういうことしないのが普通なのよ。あんたのほうがおかしいのよ!」

こうしたやり取りで、2人はあることに気づいた。2人の人格と記憶が入れ替わったとしても、
脳みその中に残った記憶が消えたわけではない。

つまり、優美も、彩香も、今朝入れ替わるまでの記憶はすべて残っているということ。
もっとわかりやすく言えば、優美は、優美と彩香2人分の記憶を持っていて、彩香も同じであるということだった。

と、なれば、
「もとに戻るまで、あんたが優美として完璧に生きてくれるなら文句言わないけど」
というやや乱暴な結論に、結局はいたらざるを得ない、彩香であった。

そして、それに乗っかるしか無いのは優美も同じであった。
優美の頭のほうが回転も早く論理的に考えをまとめやすい構造をしていたのだろう。
78名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:27:31.89 ID:HlskJOSZ
「そうだよ。それだよ」
「・・・???」
「原因はわかんねーけどさ、アタシら入れ替わっちまったんだから、こんな喧嘩してもしょうがねーだろ。
前向きに行くしかないんだよ」

「だって・・・私の人生・・・」
「だから、そんなこと言ったって仕方ないだろ?一生懸命やってみるからさ・・・
あんたが優等生なのは分かったから。なんならあんただって勉強したって構わないしさ」

それは、たしかに正論であった。優美は彩香のいう「私の人生」という言葉の意味がわかるのである。
いい大学に行き、両親と同じような化学の勉強をするのが彼女の今のところの夢であった。
それを理解した上での、発言であることがわかっていたので文句も言えなかった。

「……」
「それより、彩香のほうこそ大丈夫?アタシの生活ハードだよ。もうわかってると思うけど、友達いっぱいいるし、
オトコもいっぱいいるし。オマワリに気をつけてよ」
「な、なに?私に援交しろっての……?はぁ?」
「お互いになりきるってのはそういうことだろ。そのかわりこっちも我慢するから。」

「我慢だけじゃなくてちゃんと勉強できるの!?援交は悪いことじゃん。勉強はいいことでしょ、どうしてそれが一緒になるのよ」
「うるさいなぁ。お互いに努力する。それでいいだろ?だいたい他にどうしようもないんだからさぁ」
「……」

返す言葉がなかった。確かに、病院に行ったところでどうやって説明すればいいのかわからないし、そんなことをして、
かえって「優美」が頭おかしいと思われたら、それはそれで優美にとって大ダメージである。
元に戻る方法はまた別に探すとして、とりあえず

「わかったわよ……」
と、今の彩香には優美の提案を受け容れるしか選択肢がなかった。
よーく考えればなにか解決方法があったのかもしれないが、明日になれば明日がはじまる。
そうすれば優美に学校に行ってもらわなければ、困る。

たとえ、二日後に解決策が思いついたとしても、明日1日、学校を休むなどということが思いもよらない「優美」の潔癖なところと、
なるようにしかならない、といういい加減な「彩香」の気持ちの妥協点が、
外見に合わせたお互いの生活を送る、ということであった。

「それじゃ、約束な。おまえは彩香、あたしは優美、そういうことで今から始めよう」
「うん、わかった」
彩香にしてみれば、優美が約束を守ってくれるよう、その言葉にすがるような思いだった。

それが、彩香と優美が入れ替わった日に交わされた「約束」である。

連絡先の交換など必要なかった。ささすがに自分の番号やメアドなど知っている。
優美を元の制服に着替えさせて、2人はそれぞれの人生に「帰って」いった。
79名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 11:31:39.88 ID:HlskJOSZ
「親友」1.二人の少女
ここまでです。まだ優美と彩香の書き分けが甘いかもしれないし、どこか間違ってるかもしれません。
自分で書いておいて何言ってるのという感じですが、入れ替わりは主語が難しいですね。

次回も週末中に出来たら投下したいです。
80名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 12:57:40.22 ID:ULwnFy5M
乙乙
優美は結局ダメなままで彩香も堕落していくのか、
はたまた優美が意外に頑張ったりするのか、楽しみだぜ
81名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 13:54:47.17 ID:HlskJOSZ
>>80
この書き分けでわかりますか?
それが一番気になります。別に>>80さんだけに聞くことでもないのですが…
82名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 21:04:55.14 ID:1GvXQPVr
俺はちゃんと2人を区別できたけど、他の人もそうかはわからんなあ
83名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:11:45.81 ID:ovFfMoQM
親友
2. お嬢様のカラダ

優越感、というのだろうか。渋谷で地下鉄を乗り換えて家に帰る優美の気持ちは、
今までとは違う不思議な気分で満ち溢れていた。

A女子学園高校の制服に身を包んで、電車に乗る。味わったことのない気分であった。
と、いうのは男たちの視線である。いつもだって、ぷりぷりの脚をパンツが見えそうなほど短いスカートで見せつけていれば、
男の眼は「彩香」であった自分に釘付けなのであるが、この日はちょっと違った。

ノーメイクでひざ上10センチの地味なセーラー服でも、
男の眼は十分なほど惹きつけられるのである。しかも、ちょっと視線の保つ意味が違うような気がした。
まるで舐め回すように見られていた彩香と違って、男たちの視線がぽーっとしているような気がしたのである。
男が近寄ってこない。だが、遠巻きにでも自分を見ている男がたくさんいることが雰囲気でわかる。
それが、「彩香」の気持ちにとって悪いものではなかった。

だから、優美としての一日目は、彩香のそれに比べれば、それなりに幸先のいいものだったと言えるだろう。
彩香と二人でいるときに、先生に連絡して、「どうしても頭が痛かったから帰りました。ごめんなさい」と一言断ったら、
そこは優等生の優美のことである。一発で
「それじゃ、お大事にね」
といたわりの言葉がかえってきた。

家に帰ったのは4時前である。部活もなしに帰ってきたこの日は、少し休憩したら、物理の勉強である。
一週間分、何をいつ勉強するのかが優美の手帳には書き込んである。
それは今の優美にはげんなりするようなものだったが、仕方がない。
お互いになりきるというのはむしろ優美の方から言い出したことである。黙々と机に向かった。
84名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:16:40.68 ID:ovFfMoQM
「あーっ、なるほど」
意外なほど、勉強は進んだ。何しろ、彩香だった自分は物理など勉強したこともない。
勉強したこともないのに、数式やら考え方が優美の頭のなかには詰まっているのである。

(なんだかわからないけど、結構おもしろいじゃん)
ゲームをやっているような気分であった。今日返されたテストの復習である。
(なんだこいつ。こんな簡単なとこでポカミスしてんのwww結構たいしたことないんだな)
97点の答案を見て、一問間違ったところは優美にとっては簡単なはずのところを間違っていた。
あたしだったらこんなに100点だよ、というように、にんまりと笑った。

同じ頃、彩香は、渋谷のファッションビルを「友達」たちと歩いていた。
「あーこれかわいいー。ほしいな」
「うん、そうだね」
彩香は、優美がはいたこともないような露出の多いミニスカートに、目を奪われていた。
こんな格好を、してみたいという願望がなかったわけではない。まつげの周りになにやらかにやら塗りたくって、
肌をすこし黒くして、目の周りは白くする。ほとんど下着のようなシャツに、パンツが見えそうなほど短い、
それでもかわいいオレンジ色のスカート。かかとの高いブーツも、163センチの優美では躊躇しても、
152センチの彩香にはとても合う。谷間を見せつけるような寄せるブラに、ぴっちぴちの胸があいたシャツを着たら、
男の子たちはどんなふうに自分をみるのだろう。そこに十字のネックレスでもジャラジャラとつけて、
おしりをフリフリ歩いたら・・・
みんな彩香の胸やおしりに眼がいくのだろうか?


(いけない。何考えてるの、あたし・・・)
バカみたいなはなしである。
だが、人の気持ちに、正解というものがあるとすれば、こんなかんじだろう。
優等生の「優美」の心にも、普通の女の子と同じように、ギャルと同じように
かわいい格好をして、おしゃれをして、音案おこの魅力をいっぱいに振りまいて、男と遊びたい、
という気持ちがあったというのが正解であり、それは彩香のようなバリバリのギャルでも、優美のようなお嬢様でも
何ら変わりのないことであった。

17歳の女子高生の頭の中身など、高校生になってから勉強と部活に明け暮れた「優美」でも、
援交と男遊びに明け暮れた「彩香」でもそんなに変わりはないのである。
85名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:20:33.15 ID:ovFfMoQM
ただ、社会的な通念や、学校のルール、倫理感でそうした願望を押さえつけているというのが、真実である。
彩香は、賢い「優美」の気持ちで、そういうことに気づき始めていたが、今はまだ反発のほうが強かった。

(あたしは、こんな子たちと同じ人間じゃない。でも、彩香と約束したから彩香を演じないといけない。
でも、こんなのつけて、渋谷を歩いたら、あたしでも渋谷に溶け込めるかな?ああ、そんなこと考えちゃダメだ)

早くも彩香の日常に吸い込まれそうな「優美」であった。だが、思い直した。
(集中しよう。今は彩香であることに集中しよう)
物理や数学の公式を覚えたり、古文の単語を覚えるのと同じである。
つまらないルーティンをこなしていくことが、明日につながるのである。
いま、自分は底辺女子高のギャル友達たちと、渋谷のファッションビルにいる。
予算の範囲内で、かわいいものを買って、可愛く着飾って、そして男と遊んだりするのだ。
その遊ぶ金を稼ぐために、かわいいものを買うためのお金を稼ぐために、彩香は援交するのだ。
それが、彩香の毎日なんだ。本来の「優美」であるあたしにそれを変える権利はない。

彩香は論理的に考えて、他人の人生に口出ししかえさせる権利など誰もない、というとりあえずの結論にたどり着いて、
今日、これからの行動をとりあえず自分の気持ちの中で、正当化していた。

彩香はそうして、ふりふりのついたミニスカートを手にとった。
「これなんかどうかな」
「うーん。さすが彩香ちゃん、お目が高い」
店員がそう言って褒めてくれた。こうなると単純な彩香は弱い
「それじゃ、あと、これはどうですか?」
ギャルファッションのショップでは、一時もてはやされた「カリスマ店員」から、
丁寧に接客をして高校生たちにも下手に出る普通の店員のほうが稼ぐ時代になっていた。
ギャルといってもいろいろである。ショップの店員などは、そんなに稼げるものではない。
援交で稼ぐ彩香のようなギャルはいいカモである。

「うわー。これも、ほしー」
そんなことは分かっている彩香であるが、何しろ悲惨な家庭環境で育った彼女である。
せっかく稼いだ金が身になかなかつかない。その上、きょうの「優美」の心を持った彩香にとっては
こんなギャルの買い物は初めての経験である。物欲にまかせてちょこちょことあれこれ買っていると、
3万を超えてしまった。そんなものである。

こんな生活を続けるために、彩香には援交が必要なのであった。
86名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:26:36.03 ID:ovFfMoQM
そして、6時に、【ハチ公前】で堂々と援交相手と待ち合わせである。

援交、つまるところは売春である。彩香がこの稼業に手を染めて、実はもう3年近くたっている。
その目的はお金である。女子中学生の頃は週一がせいぜい、多くて週二、であったが、
高校に入るとぐん、と市場が広がってやりやすくなった。

彩香は部活などはしていない、いわば援交部、などと自称している。
女子高生の彩香は。おしゃれもしたい。遊びたい。今日はSNSで知り合ったオヤジとデートしてセックスするだけである。
そうしてコツコツと稼ぐのが、彩香のやり方であった。

例えば今日はデート代として1万円+ウリで3万もらって、ご飯をおごってもらう約束である。
時間があれば似たようなことを1日2回繰り返す。
今日は時間的に無理そうであるが。

そうして稼いだお金でカレシとデートしたり友達と遊んだりする。

彩香の日常を、一日目の「優美」の心は意外にしっかりとこなしていた。

「こんにちは、ユカちゃん?」
(ん?)
とおもった。そういえば、いくつか彩香が名前を使い分けている中に、「ユカ」というのがあった。
正直、そんなパズルのようなことは嫌いではなかった。

「はい。えっと、りょう、さんですね。今日は宜しく」
待ち合わせをしていた男が声をかけてきた。彩香はオヤジにはよくモテる。

「手、つないでいいかな」
「えっ・・・?」
彩香のハートが、きゅん、と鳴った。
援交である。お金のために、このオヤジとセックスするのである。
そんないけないことをしているのに、男と手をつないだことも、
学園祭のフォークダンス以外では皆無だった「優美」の気持ちにとってはなぜかときめきを覚えることだった。

とは言え、彩香の身体に今宿っているのは「優美」の心である。
セックスどころか、キスもしたことがない。

「だ、だめ、いいですよやっぱり」
どぎまぎしながら、ピンク色のキラキラの爪で飾られた、小さな手をそっと差し出す。男がそれを握る。
「優美」の心にとって初めての援助交際がスタートした。
また、心がきゅん、と鳴った
(あたし、これはやばいかも。はまっちゃったらどうしよう)

決して外見の良いオヤジではなかったし、手は、じと、としていて最初は気持ち悪かった。
でも、嫌ではなかった。男の手、きっと男のごつい手は女の子の小さな手とぴったりはまるようにできているのだ。

このままこんなことにはまっていってしまうのがとても怖かった。
何度も、これは彩香を演じているだけだ、と思い直して、ホテルに、向かった。
87名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:29:37.43 ID:ovFfMoQM
優美の両親は2人とも同じ職場で働いている。

小学生くらいの時には、夕ごはんの時間にはどちらかが必ず帰ってきていたが、
優美が高校生ともなれば、両親もそれぞれに職場においても責任ある立場にあるようになった。
それで、日によっては一人で晩御飯を食べることもある。この日はそれであった。

(意外に、味気ないもんなんだな)
昼間は光にあふれるリビングルームで、一人で食事を摂ることが優美には多かった。
自由が多いとも言えるが、「彩香」の気持ちが想像したような、お嬢様のディナーというわけではない。
焼き魚を温めて、サラダやおひたしが用意してあり、味噌汁は自分で作る。3人分を作っておくのがならいであった。
この家族は、みな食が細いのだろう。タイマーでたかれた白飯は3人家族で2合であった。

6時半に夕食、そのあとはしばらく休憩。お風呂を沸かして9時前に入り、9時からまた勉強。
優美の手帳に沿ったスケジュールがこなされていった。時々、彩香のことが気になった。
いま、なにしてんだろ。ちゃんと、待ち合わせできたかな、と。

援交といっても、信頼は大事である。彩香、という女の子はギャルにしてはそういうところはしっかりしていた。
すこしくらい危ない目にあいそうでも、待ち合わせをすっぽかしたり、飛んだりしたことはなかった。
本当に悲惨な目にあいそうな時だけ逃げることにしていた。だから、「優美」が中にはいった彩香が、
きっちりと今日の援交にむかったかどうかは、優美には気になるところであった。

(幸せそうな家族だな)
優美は、意外なほど質素な夕ごはんを食べ終えて、食器を片付けると、
棚の上におかれた家族3人の写真を手にとった。どこかの山、高原だろうか。
ピースをした親子が3人で頬を寄せあって屈託なく笑っている。
この優美は、小学校5年生のころの優美である。幸せそうな家族の肖像であった。
88名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:33:16.93 ID:ovFfMoQM
(これはなんていうか、壊しちゃまずいな)
自分が生きてきた世界とはやっぱり別世界である。イケメンの父と美しい母。両親が一所懸命に働いて、
2人で協力して、家庭を作り上げ、愛を育み、そしてその愛を伝えるように優美を育ててきた。
優美はすくすくと、期待通りに育った。生まれてしまったから仕方なく育てられた彩香とは全く違う事がよくわかった。
お嬢様、優等生というのは、やっぱり自分なんかとは生まれた時から違う人種なんだという想いが胸を打つとともに、
だからこそ、優美という女の子の身体をあずかっている間は、しっかりとその女の子を演じなければならない、
と思い知らされ、決意を固くした。ワクワクとした気持ちだけでなく、負った責任の重さも感じるようになった。


それはそうと、「休憩時間」である。
その言葉に込められた意味を知るのは、昨日まで優美ひとりであった。
両親が遅くなることが予め分かっている日。普段ならテレビや家族の歓談で過ぎていく時間。
優美にとってはこのような「両親のいない日の2時間」が貴重だった。

オナニーである。お嬢様の密かな営みは、普段は、ベッドの中で声を殺して、いけないことを想像しながらなのであるが、
両親がいない日は、お風呂で、シャワーを使ってクリトリスを刺激したりしながら、ということが可能である。

逆に、彩香はオナニーなどこの5年近くしたことがなかった。男がいつでもいたからである。

風呂にはいる。優美のカラダは、白くて引き締まっている。ブラのサイズもパンツのサイズも同じであったが、
背が10センチちょっと違う分だけ、優美の身体のほうが、慣れた彩香の身体よりも曲線がなめらかだった。

それは、小さなカラダに同じサイズのおっぱいとおしりをもつ、彩香から見れば「貧相」とも見える。
一般的にはスタイルの良い優美であったが、少なくとも「彩香」の価値観でいえば、お嬢様の貧相な身体、という印象だった。


(あたしはオナニーなんかしない。女のプライド無いのかよ)
と、最初はおもっていた優美であったが、お風呂に入って、ゆっくりと湯船につかっていると、
どういうわけか、じんわりとアソコが温かくなって・・・
(なんか、変な気分・・・)
と思うようになってきたのである。
89名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:35:13.14 ID:ovFfMoQM
優美のようなお嬢様でもオナニーする。それはもちろん、同級生たちにも秘密のことだったし、
誰にもそんなことを話したことはなかった。だから、この秘密は、優美と彩香しかしらないことである。

2人だけの秘密は、これからいくらでも出て来るのであるが、
まずはなかなかに知っていること自体が楽しい秘密を、優美が頭の中から見つけ出した。

「あっ・・・!」
ぽぉっと頭が翔ぶような感覚。それが湯船の中でクリトリスをちょっとだけいじくることの快感のやみつきになるところだった。
特別に激しいことをするわけではない。
「あっ・・・ん♪」

優美が湯船に収まってアソコを刺激すると、普段の優美がオナニーするときに想像していることがあれこれと頭に浮かんでくる。
「彩香」の心はその子どもっぽい想像に吹き出しそうになるが、それは置いておいて、
感度の良さ、は彩香の身体以上といって良かった。

「あは・・・♪」
優美は、我慢できない。シャワーを使う。
「あぁん、あぁん!」
しなやかな指で綺麗にむき出しにされた、自分以外に誰も触ったことのない小さなお豆は、
もちろん優美の眼には見えないが、充血し、大きくなっているのが分かった。
彩香の小さなクリトリスと違って、膨らんで、感度がものすごく上がる。

「あぁん、すごい・・・なにこの・・・あぁん」
優美の頭が提供する想像は無視して、「彩香」の心は大好きなカレシとのセックスを想像し始めた。
カレシの指が入ってくる。胸を揉まれる。おしゃぶりするように命令される

「あぁん、はぁ・・・♪」
やっぱり、感度が違う。それに想像力の中で、誰かとエッチなことをする、というのが新鮮な体験だった。
90名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:37:26.67 ID:ovFfMoQM
「あはぁん、あぁん」
指が止らない。口を半開きにして、声が漏れる。すごい。きもちいい。
(こんな、こんな身体・・・すごいよぉ)
指をくわえて、シャワーをアソコに押し当てる。指とはまた違った快感が、いつものように、優美の身体を襲う。

「あぁぁぁぁん!すごいすごい!」
胸の先の突起もぴん、と立ち上がっていた。左手でそのピンク色の乳首を意地切りながら、喘ぎ続けた。

「あはぁん!あはぁん!」
優美のカラダは、「彩香」の想像した状況をこえて反応する。カレシとエッチをしても、こんなに感じることはなかった。
なんという皮肉なことだろう。はじめて男を知ってから4年もかけていろんな男に開発されてきた彩香のカラダよりも、
オナニーで密かに、自らの手でか気持ちのいいところを探し当ててきただけの、
優美のカラダのほうが、ずっと、ずっと感度がいいのである。

男とセックスしていると、どうしても痛かったり、臭かったり、我慢しなければいけないことがある。
だがお風呂場でのオナニーには、それがなかった。
ただ、パパやママが予定よりも早く帰ってきたらどうしようかという割と小さな緊張感があるだけである。

(もう、上がらないと・・・)
優美の頭に残る、スケジュールという命令に促されて、優美はシャワーを止めた。

(これ、あたし、やばいかも・・・やみつきになっちゃうかも・・・)
慌てるように体を拭いて、パジャマに着替えた。髪を乾かしながら、久しぶりのオナニーの気持ちよさに参ってしまっていた。

「あぁん・・・だめ、ガマンできない・・・」
お嬢様の白いく細い指が、パンツの中に吸い込まれていった・・・
オナニーは、相手のいるセックスと違って、自分の感じるところが体で分かっているから、
その分気持ちよくなることも容易なのだが、中学2年の春に初潮を迎える前から、
ずっと男がいた彩香にとっては、そんなことは「男も作れないダメ女」のすることであった。
また、基本的に家には母がいたので、そんなことをする場所もなかった。

いま、そんな「ダメ女」と身体が入れ替わってしまったから仕方なくやってみたオナニーだが、
こんなに気持ちいいとは想像できなかった。
91名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:39:32.78 ID:ovFfMoQM
(こいつの身体・・・すげえ)
まだ誰も割って入ったことのないヴァギナから、次々と愛液が溢れてくる。
どんどん想像が高まって、エッチなことが頭でくるくると回る。
彩香が体験してきたことを想像の中で追体験すると、もっと興奮してカラダいっぱいに快感が走るようになる。

もっと指が速くなる。優美の、オナニーの快感は底なしのように思えた。
お嬢様で優等生の優美は、そのお嬢様としての道を踏み外さないように、
この部屋の中で、女の子のカラダのことを一人で探り、一人で自分の一番気持ちいいところを見つけて、
少しずつ開発してきたのである。

それは、派手に男とやりまくった彩香からみれば地味で馬鹿馬鹿しいことであったかもしれないし、
男にいろんなことをしてもらう悦びに比べれば小さな幸せでしかなかったかもしれないが、
深く、自分の体が生み出す快感を味わうことができる。

こんな世界があるなんて、「彩香」の心は知らなかった。

それが、優美としての、一日目の夜であった。

「すげえ、きもちいい」
優美は指を止めてもしばらく呆けていた。どうしてかは分からないが、優美の身体は、敏感で感度が違う。
気づくと時計は9時を過ぎている。

「や、やべ。勉強しなきゃ」
服装を軽く整えて、優美は机に向かう。ほんの少し時間が遅くなったが、約束は果たされた、と言って良い。
だが、この日9時過ぎまで2時間近くオナニーしていたのは、優美だけの「秘密」である。
入れ替わったことによって、それまでの人生に関する「秘密」が全てなくなってしまった
優美と彩香にとって、相手にも言いたくないような「秘密」はこれが最初のものになった。

「でも……この身体……あぁん、ダメダメ、勉強勉強」
何度かオナニーの誘惑に負けそうになったが、ストイックに机に向かいつづけた。
92名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 17:42:55.01 ID:ovFfMoQM
親友、第3回「お嬢様のカラダ」
ここまでです。

読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
第3回は、彩香初めての援交を描きます。
出来れば明日にでも。
93名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 23:28:52.47 ID:F4nkTqfh
入れ替わりとしても良作の予感
急がなくてもいいから完結まで続いてくれることを期待するぜ
94名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 00:25:51.98 ID:w9LQyJIB
お、乙・・・(´Д`;)ハアハア
95名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 20:49:30.51 ID:HHYDRyl0
GJです。
お互いの苦悩から、エロケバの予感。期待大!
96名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 20:56:26.14 ID:ZjVRMfh4
親友
3. 3つのルール

ラブホテルに来ることそのものが、「優美」の心にとってもちろんはじめての経験である。
誰とも目を合わさずにチェックインできるシステムである。彩香の常識では、援交の時にはまず、
男が部屋の鍵を受け取る。精算も男がする。この日もそういう約束がすでにできている。
「ユカ」と呼ばれる彩香と「りょう」を名乗る男は、腕を組んで歩いて薄暗い廊下の一番奥にある、
3時間休憩4000円の部屋に入った。相場よりは少し安めだろうか。施設もそれなりである。

その部屋の中で、「彩香」の記憶に従った行動をとる。
「じゃあ、先に合わせて4枚、いいですか?」
すらすらと、いつもの彩香の言葉が出て来る。こうした手続は彩香にとっては常識である。
手慣れた彩香には援交に関する3つの基本的ルールがある。

ホテルの部屋という密室に入ってしまえば、腕力で劣る女の子の立場は弱い。
自分の身を守るためには、実は客の信頼を得ることが一番である。

客だって、変態でなければ、男と女の関係だけを求めるために買った、ギャル女子高生の彩香を痛めつけたり、
お金を奪って行ったりしない。だから、女の子の方も客に対して最低限のマナーをもって接する。

3つのルールは、援交を始めてから彩香が自ら固く守ってきた最低限のルールである。
97名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 20:59:21.11 ID:ZjVRMfh4
ひとつは、客から金をむしりとるようなことはしない。
先に交渉した値段を越えて要求しない。ウリとはいえセックスを楽しむのが、彩香のルールであった。
だから、あとになって口でしたぶんを要求するとか、パンツを売りつけるとか、そういうことはしないと決めていた。

ふたつめは、卑怯なことはしない。
JK買春は、犯罪である。客は客でリスクを侵した上に彩香に金を払っているのである。
それは彼らにとって弱みであるから、つつもたせや写真を使って脅す、スキを突いて金だけもって逃げる、
あるいは持ち物から金品を盗む、というようなことをやろうとおもえば簡単だし相手は泣き寝入るしか無い。

だが、そういったことは、絶対にしない、と決めていた。もちろんそういうことをしようという誘惑に駆られたことがあって、
あるいはそういうことを平気でしている、周りの女の子たちの浅ましさがいやになって、出来たルールである。

みっつめは、嫌なプレイはしない、ということである。

要求されても、おしりの穴を許したりしない。縛られたりするのも断る。
そして、何より、ナマではしない。間違っても妊娠などしたら、傷つくのは自分である。
一応無理やりされた時の対策は講じていたが、ゴムは必須。その代わり、口ではいくらでも、
というのが彩香のルールであった。

この3つのルールは、彩香が援交を始めるときに、2つ上の先輩、吉井わかなが教えてくれた。
彩香がまだ13歳になった頃である。わかなは彩香のアパートの隣にすむ女の子で、ラテン系のハーフであった。
彩香に女の子の体のことも、エッチのことも、援交の仕方も一から教えてくれたのがわかな先輩である。
彩香にとって、とても尊敬できる先輩で、今もたまに連絡を取り合う。

詳しいことは知らないが、デリヘルをしながらグラビアアイドルとして雑誌に載って、
今度AV女優としてデビューすると聞いた。
堂々とそういうことをしてもいい年齢というのは、入れ替わる前の彩香から見て、それだけで羨ましいことに思えていた。
98名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:01:17.70 ID:ZjVRMfh4
もちろん、3つのルールなんて、住む世界の違った頃の「優美」の心にしてみればバカみたいな話しである。
すくなくといまも、まだ、彩香はそう思っていた。

「綺麗な肌だね」
「あ、ありがとうございます」
ソファに座って手を握って、2人は会話を始めた。緊張しているのが男にも分かった。
「・・・お風呂であらいっこする?」
「・・・は、はい。あの・・・」
「なに?」
「優しくして、くださいね」

男の頭は沸騰し、混乱した。見た目は下品な茶髪に派手なメイクのバリバリギャルなのに、
うつむいて、恥ずかしそうに、まるで処女のように恥ずかしがるからである。

処女を呼び出したつもりはない。だが、処女のように見える。男はそのギャップに興奮した。

「いいよ、おいで」

いつもの彩香とは違うJK援交ギャルだった。お金のためと割りきって、
下品な笑いを飛ばしながら男を積極的に求めて楽しむ。
この「ユカ」ちゃんという女の子は男が情報を得たSNSではそういう評判だったのだが、
聞いていたのとはちょっと違う、と男は思った。

「ユカちゃんって、一回だけだっけ?」
「えっと、時間内なら、何回でも・・・」
身体に染み付いている答え、である。言った彩香自身、その言葉の意味をちょっと考えなければわからない。
だが、男はすぐに理解したようであった。

ラブホテルのバスは、水流がよくて湯もすぐ貯まる。彩香の身体は、「優美」の心とは別に勝手に動く。
バスルームの灯りをつけて、お湯を出すと、男の待つソファに戻ってきた。

違うのは、いつもの彩香ならすぐに男に抱きつくのだが、30センチほど離れたところに身を固くして、
膝を固く閉じて座ったことである。
99名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:03:33.15 ID:ZjVRMfh4
(うわー、どうしよう・・・なにもできない・・・あたし、彩香なのに・・・)
約束したのに、いつもの彩香らしく出来ない。
でも、それがかえって客からみれば「よかった」ことになるのだから、不思議なものだ。

「おじさんが優しく脱がせてあげるね」
さっそく、男が彩香に近寄ってきて、彩香を押し倒して、制服の裾に手を掛けた
「あっ・・・」
心の準備もまだ何もできていなかった。
それでも「優美」の魂にとって初めてのセックスが、もう始まろうとしていた。

制服のブラウスがボタンを外さないまま腕のところまであげられて、
ブラのホックが外されて、促されるままにバンザイする。
「あはぁ・・・」

いきなり全部脱がせないのは、男の趣味なのだろう。スカートの中に手を入れられて、
内腿を優しく撫でられると、ふんわりと身体が浮いたような気分になって、お腹をキスされ、
まんまるの弾力のあるおっぱいに、「ふにゅ」と男の指が沈むと、夢見心地だった。

エッチなことに興味が無いわけでも、嫌いなわけでもない。男が嫌いなわけでもないし、興味もある。
入れ替わる前の優美が、16歳の今まで処女だったのは、貞操という観念を両親や学校の情操教育で、
しっかりと叩きこまれていたからである。

だが、今は自分は彩香なのである。中身がどうあれ、彩香を演じることが、さっき決めた優美との約束である。
100名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:06:31.21 ID:ZjVRMfh4
「あっ、いやぁん♪」
男はパンツの中に手を入れる。彩香自身、アソコが濡れているのは知っていたので、恥ずかしかった。
「このくらいで恥ずかしがるなんて、純情なんだね」
「あぁ・・・ん」
男はあっという間にスーツを脱いで、彩香もパンツだけにまで脱がせて、バスルームに彩香を手を引いて言った。
大きな鏡の前を通った時、彩香は、この日初めて――つまり、「優美」の心が初めて――
彩香のハダカを見た。

まんまるに膨れたいやらしいおっぱいと、優美よりも少し下の方でくびれている腰が見えた。
それにしても、すごいメイクだな、と現実に一瞬だけ帰った。

「あっ、ゴムと歯磨き忘れないでくださいね」
こういう言葉が反射的に口をついて出るのが、彩香の身体、彩香の口である。

歯磨き、というのは、使えるアイテムである。
キスが好きな彩香にとって、これをきちんとやっておけば、多少臭くても、いっぱいキスできる。
そして、客の側から見ても、「ユカちゃんはキスはいくらでもOKなんだ」というサインになる。

口をついた言葉だったが、ゴムをもってバスルームに行くということは、
そこでセックスすることを了解してるという意味になる。もっとも、「優美」の気持ちはそんなことを考えてはいない。
まだ恥ずかしい、で頭がいっぱいである。

ここまでの行動はほとんどすべて彩香のカラダが起こす条件反射的な行動だった。

「さあ、おいで」
「はい、りょう、さん♪」
備え付けの歯ブラシを二本、コップに入れてもって、彩香はバスルームに入る。
まずは、普通にシャワーで軽く身体を流して、湯船に入る。

「あぁ・・・ん」
彩香はその頃には少しずつ緊張が緩んできていた。派手な化粧と可憐な仕草が、
いい具合にギャップを作って、男を刺激する。

「はい」
彩香は歯磨きを一本、男に渡した。男は湯船に腰を下ろし、その前に彩香が座る。
「だっこ」するような形で、客が彩香を緩く抱きしめる。
アップにまとめた髪から、その日1日の汗と、シャンプーの香りが混じった、いい匂いがした。

「んふぅ・・・ん」
右手で歯を磨きながら、男は左手で彩香の体を撫でるようにまさぐる。
まったりとした、エッチな時間。今まで「優美」の心と記憶が、全く知らない世界であった。甘い時間が過ぎていった。
101名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:09:15.94 ID:ZjVRMfh4
「すごい、柔らかいおっぱいだね」
「いやぁ・・・はずかしい」
もう、彩香はニコニコだった。歯を磨いたら、コップですすぐ。
もう、我慢できないというように男が後ろからキスをしてきた。硬い肉棒が、彩香のおしりにあたった。

「あぁ・・・ん」
左側に首をのけぞらせて、キスをするそれが、「優美」の心にとって、はじめてのキスであった。
男は大胆に舌を入れてくる。彩香は、最初はされるがままであったが、ちょっとずつ、舌を絡めるようになる。

「あはぁ・・・ん」
おっぱいをもみ、もみとされる。男は備え付けのボディソープを手に、彩香の胸で泡立たせる。
「あぁ、あぁ・・・ひゃん」

「ユカちゃんの、おっぱいみせて」
「あはぁ・・・はぁぃ」

彩香はくるりとまわって、膝でたった。男の目の前に胸がくるようにすると
「きれいきれいしようね」
と、男が言った。泡立たたボディソープで、男が彩香の胸をなでる。

そして、少しずつ泡が上の方に、湯船の中に、広がっていく。

「はぁぁん・・・はずかしい♪」
男は彩香を抱き寄せると、彩香の胸を自らの胸になすりつけた。
今度は彩香が男の体を泡で洗う番である。

「りょうさん、とっても、たくましい・・・」
彩香の中に入っている「優美」の心は、男の体のことなど何も知らない。
こうやって男の体を触ることすら初めてである。だから、そのガッシリとした肉体が、
とても頼れるもののように思えた。実際には、この後経験を積むにしたがって、
この男はそんなに大したことのないものと知るのだが、
この日の彩香にとっては違った。なにぶん、すべてが初めてである。

「ここ、すごい・・・硬くなってる」
目をうるませて彩香がそう言うと、男も気分が随分と盛り上がってくる。
「優美」の心が恥ずかしいと叫んでも、慣れた彩香の頭と身体は、
優美が思っていないことまで口にするようにできているようだった。
102名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:11:27.12 ID:ZjVRMfh4
「うふふ、ユカの中に入る前にきれいきれいしましょうね((ノ´∀`*)」
彩香――「優美」の心――は、手でボディソープを泡立てると、男の肉棒を、初めて触った。あたしなにいってるんだろう、と思いながらも実は興味津々であった。
初めて、握った。
初めて上下に動かした。

そして、初めて、口に咥えた。

「あぁ・・・ユカちゃん・・・」
男が、顔を気持ちよさそうに歪めるのが、彩香の気持ちを嬉しくした。初めてのフェラである。技術はこのカラダが覚えている。一度泳げるようになれば10年ぶりでも簡単に溺れ
たりしないのと同じであった。
「ん・・・・ふ・・・」
目を閉じて気分を高揚させる。男が要求する
「目を開けて、上見て、おじさんの顔見て舐めてよ」
反応してパチリと目を開ける。いやらしく笑う男は、やっぱり汚らしい存在のように思えてきた。
弱々しい女の子に、こうして奉仕させて、なお目を合わせろなどという意味がわからなかった。
なにかが違う。セックスって、こんなはずじゃなかった。
でも、男が感じてくれるなら、やっぱり、うれしい。

「ユカちゃん。お返ししてあげる」

「んん、ひゃぁ・・・ぁん」
ちゃぽ、と静かな音を立てて男が彩香の身体を持ち上げた。逆に男は腰を下ろして、
「あぁん・・・」
彩香の身体の中心、女の子の一番大事な部分に、優しく指を這わせた。

「あぁん・・・いぃ」
そこに誰かが触れるのは、この日初めてであった。
優美とは違う。このカラダは処女のカラダではない。一見見分けがつかない同じような女の子のカラダでも、
太くて硬い男の肉棒を、日常的に受け入れて、周り全体の肉が柔らかくなっている彩香と、
全くの処女の優美では、感覚が違った。

「あぁ・・・ん」
今まで、割れ目をなぞって、気持ちのよいところを探し当て、
膨らんだクリトリスを刺激する。分泌された愛液で舐めるように指でクリをいじる。
そんなオナニーしかしたことのない「優美」の心にとって、
男の指が、アソコに「するり」と入ってきたのは、何よりの驚きであった。

「あぁん・・・あぁん・・・あぁ、あはぁ!」
男は、彩香が感じているのを見て取ると、激しく指を出し入れする。
103名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:13:36.46 ID:ZjVRMfh4
激しい快感が、体験したことのない快感が、彩香の身体を――「優美」の心を――何度も貫いた。

「あぁ、あはぁ・・・ひゃぁん」
へなへな、と彩香はその場に崩れ落ちた。すかさず男は彩香にキスを浴びせる。

「あぁん・・・すごい・・・」
ボディソープの泡と、二人の体の汚れと、体液が混ざった温めのお湯に、
倒れこむように彩香は押し倒された。彩香は身体を回して四つん這いになる。
「ああ、あぁん!」
男は見逃さない。四つん這いになった彩香のおしりめがけて顔を埋めてきた。
「すごいすごい・・・あぁんん!」
天国のような快楽に、彩香は翻弄されるばかりであった。あたまがぽわーっとしてきた。

「あぁん、あぁん・・・いやぁ!」
興奮状態で、激しく叫び声を上げてしまう。声が止らない。すごく気持ちいい。
もう、自分が優美なのか、彩香なのか、ユカちゃんなのか、よくわからなくなってしまった。

「このまま、ここでする?」
「は、はぁい・・・」

彩香は、考えられずに生返事をした。
「ナマでもいい?」
「は、い・・・だいじょうぶです・・・」
その答えに、彩香自身「しまった」と思うのは、20分ほどあと、一度目のセックスが終わってからのことである。
この瞬間、彩香は、彩香の援交の大事な3つのルールのひとつを破ってしまった。
優美は、「ナマ」の意味すら知らなかったとは、言い訳にならない。もっと慎重になるべきだった。

優美との、約束をやぶってしまったのだ。
104名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:17:23.76 ID:ZjVRMfh4
「それじゃ、遠慮なく」

「あぁ・・・あぁん・・・」
相手の男は、彩香の心が「優美」という処女のものであることなど知らない。
それに彩香の女の子の部分は、悦んで男を迎えるように、すっかり湿っていた。

しかし、ナマで男の肉棒を迎え入れることなど、援交では2年ぶりのことだと、
まだ彩香は気づかなかった。なにしろ「優美」の心にとってはこれは初めてのセックスなのだから。
そんな余裕はない。一度だけナマで挿入させて、たまたまその後の生理が遅れて、
不安に囚われて生きた何日間かのことを、「優美」の心はまだ彩香の記憶の引き出しから、引っ張り出せていなかった。

「あぁん・・・」
バックから突き立てられる。アヒル口をだらしなく半開きにして、
汗とお風呂の水でギャルメイク目元を滲ませて、顔を真赤にして、喘ぎ声をあげて、
彩香は感じていた。感じまくっていた。

ちゃぷちゃぷ、という音と、バスルームに響く自分の喘ぎ声が耳に残った。
それが、「優美」の心をもった、彩香の、初めての、セックスであった。

初めてのセックスにも、特に感慨はなかった。彩香のカラダはこうした行為をよく知っているし、
特に痛いこともされなかったし、泣かされるようなこともなかった。ただ、信じられないほど気持ちよかった

男の肉棒をしゃぶるのにはちょっと抵抗があったが、それも一時のことである。特筆するようなことは何もない。
慣れた女子高生が援交してお金を受け取って帰った。それだけのことである。
それでもいつもの彩香に比べれば、随分と受け身なマグロギャルであったが。

そして、この日は運良く性病を移されるようなこともなかったし、妊娠する危険もなかった。
だが、彩香の援交の一番大切なルールを、一日目にして早くも破ってしまった。
別に中出しさせたわけでもないし、安全日だったから・・・そう言い訳しても、
約束を破ってしまったことに変わりはないのだ。

このことに気づいた時、「優美」の心は、愕然とした。
あんな底辺の彩香の決め事すら守れないなんて、と激しい自己嫌悪におちいることになった。

もちろん、そんなことは、優美にも秘密である。

こうして、お互いの身体が入れ替わった一日目にして、彩香と優美は、
お互いが心に決めて守っていたルールを1つずつ、破ってしまった。
そして、そのことをお互いに隠すしか無いと思った。
105名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:19:50.09 ID:ZjVRMfh4
それは、今日から彩香が彩香として、優美が優美として、生きていくことになる証であった。

2人は、入れ替わった瞬間から、もとの優美と彩香ではない。
心は「優美」の彩香と、「彩香」の優美なのである。そっして、入れ替わるまでの記憶は完全に共有していた。
入れ替わった瞬間からは、別の記憶の積み重ねが始まっていたのである。

そのことの意味に、まだ2人とも、気づいていなかった。
どだい、お互いを演じ切ることなど、あまりに境遇の違いすぎる2人の少女には無理なはなしだったのである。
そのことは、後にすこしずつ明らかになっていく。

しばらくたっても、彩香にとって、――「優美」の心にとって――これは処女喪失だったのだろうか?
と疑問におもうことが何度かあった。でも、その疑問は、割とどうでもいいことであった。
その理由は、「処女のセックス」ということに関して言えば、
彩香にとっても、優美にとっても、もっと大きな出来事が、すぐに訪れるから、であった。
106名無しさん@ピンキー:2013/05/27(月) 21:22:34.08 ID:ZjVRMfh4
親友、第4回(4回目でしたね。間違えました)
「3つのルール」
ここまでです。

反応ありがとうございます
なるべく早く、でも確実に最後まで続けていきたいと思います。
107名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 01:01:26.31 ID:XxsPW68e
乙乙
108名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 02:12:54.64 ID:/BkUnvGX
長すぎ。
夏菜子の夏でもおもったが、これははやりなのか?
何考えてんだ。

何がムカツクって、読者に我慢させてるところよ
優美も彩香も一気に堕落させろよ。
出来ないならたんなる実力不足だろ

そんなの読む奴いるのか?
109名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 02:18:52.10 ID:/BkUnvGX
だいたい、 仰々しく何万文字も使って

「もともとお嬢様だった優美はオナニーに嵌りました」
「援交ギャルの彩香は援交しまくりでした」

いれかわった意味ないじゃん
作者は両手をついて額に傷を作って土下座しろ。
でないと許さん。
110名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 06:30:51.26 ID:2zPqaE2j
じゃあ手本示せば(笑)
111名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 08:06:18.52 ID:lnpRMgRm
嫌なら読むな。
こういうシチュは、過程が最も重要だから、必然的に長くなる。それは仕方ないことだろう。過程をすっ飛ばして、結果だけだと全く萌えないだろうが。
112名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 12:13:30.36 ID:/BkUnvGX
これは意外な展開だ。おれはみんなが思ってることを代弁したつもりだったのだが
文句言っちゃいけない決まりでもあるのか?

よく考えろよ。クソみたいな長い話が投下されてもだれもGJしてないからな。
1日も2日もほっておかれてるだろ。

つまり誰も読んでないってことよ。
夏菜子の夏と親友は早く消えろ

ってみんな思ってるよな?
思ってないのは作者だけ。
113名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 14:08:22.85 ID:0ALIgJF4
文句言っちゃいけない決まりというか、勝手に「みんな」の意見を「代弁」されてもその、困るわけで…
作者さんには申し訳ないけど乙や感想なんてしてもしなくても良いわけで、積極的に見たいと思って
いる人は乙や感想で応援するし、消極的でも見たいと思ってる人は黙って見守ってます
否定的な感想はそりゃあっても良いけど、土下座とかまで言うのは言い過ぎだと思います

乙を示さなければ応援したことにならないのは確かにそうだから、今ここで言っていきます。乙でした
114名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 17:40:14.70 ID:uSK3ksq3
みんな律儀にあいつのレス読んでるんだなあ
俺なら「SSよりも俺に対するレスの方が多い!やっぱ俺のいうことは正しいんだな!」と自信をもっちゃうねw
それがイヤなら黙ってNGしてスルーしといたほうがいいぞ、どうせ一人でやってんだからそのうち気力がつきるw
115名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 19:10:14.40 ID:Writ+3Ab
「お、伸びてる」って思ってSS投下されたと思ったのはオレだけでいい
116名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 19:12:29.18 ID:oaJx4ORy
>>115
大丈夫、俺もだ。
なんだ荒らしか。つまらん。>>112みたいなやつの話よりも長いSSの方がこのスレには有意義だ
117名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 19:41:48.54 ID:JtcrXw2V
長い話も歓迎するぉ
118名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:13:03.61 ID:cTDKXdAH
5. カレシのモトキ(1)

彩香が、優美と入れ替わる前の日に、いつもの様に痴話喧嘩をしたカレシがいる。
ひと月ほど前にナンパされて付き合いだした男である。彩香はその男を「モトキ」と呼んでいた。
アクセントはモ↑ト↓キ↓である。だが、モトキというのは男の姓であって、
その名で呼ぶのなら本来はモ↓ト↑キ↑となるはずであった。


9月5日、彩香と優美が入れ替わって2日目の朝のことである。彩香は優美からのメールで眼を覚ました
「おはよ(^O^)昨日はちゃんとユカちゃんしてくれたみたい。ありがとう
優美もきちんとお勉強したよ。今日も頑張ろうね」
おおむね、そんな内容だった。

彩香は何も情報を教えていないのに、どうして昨日「ちゃんと援交できた」ことを優美が知っているのか、
と一瞬悩んだが、答えは簡単であった。SNSである。

「あっ、これか・・・」

優美は当然彩香のIDもパスワードも知っているので、
援交用のSNSの中身も見ることができる。
と言うことは逆に優美のメールやらSNSも、彩香はいくらでも知ることが出来るということでもある。

一人で誘いを受けて、交渉して、相手と会う。援交をしようと思ったら方法はいくらかあるが、
基本的にSNSをいくつも使い分けて一人で相手を吟味する手法は、
仲の良かった「わかなちゃん」に教わった方法を彩香なりに磨き上げてきたものであった。

こうした「一人援交ギャル」は大人に搾取されたり、周りのギャルとの客の取り合いや、煩わしい人間関係を避ける事はできるので
気楽であったが、警察の目に触れず、客の目を引き、勝つ一人で営業活動もしなければいけない
というのはそれなりに大変なことであった。女子高生の若さと、美少女の絶対的な可愛さと、
その幼さとはアンバランスなギャル風の容姿、そして16歳にしては驚くほど熟練の域にあるテクニックがあればこそ、
彩香は客をひきつけ、援交を安定した収入源とすることができていた。

そんな「彩香」の心にしてみれば、その長い時間をかけて築き上げた信頼は宝物であって、
なにもしらない「優美」などに丸投げできるはずもない。

「ユカちゃん昨日は最高でした。またお願いするかも」
「りょうさん、こちらこそ、ありがとう。またね(・ω<)」

勝手に優美が「彩香」として返事をしたりもしている。
119名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:13:35.28 ID:b6MeH10c
>>116 >>117
同感だね。
120名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:17:43.93 ID:cTDKXdAH
「何よこれ・・・」
彩香は電話をとって、直情的に優美の番号を押した。
「ちょっと、あんた、勝手に何やってんの」
優美も何のことか分かったようである。
「わ、わるいわるい。でも、あたしのページだし、ウリの後のフォローは大事なんだよ」
「ちょっとそんな大きな声でしゃべんないでよ。あんた、勝手にリプライまでして、
こんなことされたら、困るわよ。勝手にあたしのページ見ないで!」

彩香の女子高生ギャル生活は、幾つものSNSを幾つものIDで使いこなすことで成立していた。
「そんなこと言っても、あんた、あたしみたいに管理できる?協力するよ」

「・・・もう・・・あんたこそちゃんと勉強したの?どこまでやった?」
「うん、完璧。優美って頭いいね。すぐすらすら終わっちゃった。予定のとこまでやったよ」
「やって終わりじゃなくて、ちゃんと復習してよ!」
彩香は、起きていきなり頭が痛くなるようだった。

「あっ、そういえば・・・」
彩香は頭に何か引っかかっていることがきになって、口を滑らせかけた。
「なに?」

「・・・うん、なんでもない。今日も、1日よろしくね。ちゃんと最後まで授業受けてね」
「分かってるよ。大丈夫」
昨日の夜、りょう、と名乗る男と援交したが、そのなかで、気分の高まりにまかせて、
彩香は「ナマ」の挿入を許してしまった。それは、彩香の援交のルールを破るものであった。
黙っておけばそのことはわからない。だから言わないことにしたのだが、危うく口が滑りそうになった。

彩香と優美、この後2人はメールだけでなく、電話でやり取りするようになる。
毎日の夜であったり、朝であったり。その日1日あったこと、昨日あったことについて報告し、
お互いにアドバイスをしあう。

そのようなやりとりで、彩香を演じる「優美」の心と、優美を演じる「彩香」の心は、
少しずつ、交流を深めていくことになる。ゆっくりと時間をかけて、彩香と優美、
お互いになりきって、いつか元に戻れるようになればいい。そう思うようになる。

だが、それはこの日、いきなりとんでもない危機が2人に訪れ、
その危機を偶然が救ったから出来たことであった。
121名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:21:31.25 ID:cTDKXdAH
優美は優美として、彩香は彩香として、少なくとも傍目からは無難に、
お互いの高校での1日を終えた放課後のことである。

彩香は、「カレシのモトキ」に呼び出された。場所は、優美の通うA女子学園近くの公園である。
カレシ、といっても先に説明したように、ナンパで出会って一か月である。
豊富すぎる性経験に比べて、恋人ということになると、彩香の男関係は悲惨であった。
なかなかまともな男が寄ってこないのは、そして定着しないのは血筋であろうか?
ほんとうは一途に彩香だけを愛してくれる恋人がほしいし、付き合い始めるときはそうだと信じているのだが、
すぐにカン違いと気づく。そんなことの繰り返しである。モトキについても、同じ過ちの繰り返しであった。

だが、自分から捨てることがなかなか出来ないのが、意外なほど幼い少女の弱点であった。

モトキは一言で言うと遊び人で、とんでもないDQN男である。
高校を中退してから、女の子に寄生して生きてきた。

バイトは長持ちせず、22歳になるまで、何人かの女のヒモとして渡り歩いて生きた。
オンナに甘え、女の子が不安に思うようなことがあるときに優しい言葉で寄り添うのが唯一といっていい彼の能のあることで、
今は、実家にいながら、週3回のコンビニバイトをしていたが、もう「つらくてやめたい」とこぼす。

「モトキ、がんばりなよ。彩香が応援してるから!」
と励まされるとすこし頑張るのだが、彼にとって、彩香は、デート代がかからないうえに、
ホテルに行っても食事に行っても女子高生なのにお金を出してくれる、ただの金づるであった。それでいて、
「彩香はいつ見てもかわいいね」
「彩香だけだよ、俺には」
などと真顔で迫られると彩香は参ってしまう。

そういう女の子の弱みにつけ込むのがモトキのような男の特技である。

熱に浮かされたような恋は、彩香という女の子が、ギャルになって擦れてしまっても
まだ純情な部分を失っていなかったことの証でもあったのだろう。
セックスの場数はとんでもないほどこなしても、根本的に男に恵まれない、彩香であった。

当然「優美」の心から見れば、どうしてこんな男を「カレシ」として平気で「愛してる」などといえるのか、
さっぱりわからないような男であった。

家のアパートの駅の一駅前で、彩香は地下鉄を降りた。
待ち合わせの場所には、そのほうが近かったからと判断したのもあるが、
最寄りの駅まで行ってしまうと、下校する優美の同級生や先輩、後輩たち、
同じ駅にあるA女子学園の女の子たちと顔を合わせたくないというのもある。
122名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:25:39.99 ID:cTDKXdAH
「やあ、彩香。待った?」

5分遅れである。大体、暇なはずなのに、彩香を待たせるというのはどういう了見なのだろう。
家も近いしおそらく今日は何も用事がないはずである。
2日前にモトキは彩香が援交をしていることについて問い詰めて、
別れ話をして、泣かせて、なだめて、キスをして、そして仲直りのセックスをした。

そんなことをして、気持ちが落ち着いて、なおモトキとの関係を続けてしまう
「彩香」という女の子の頭の構造が「優美」の心にはまだわからなかった。

モトキは、待ち合わせの公園のベンチに現れた。
爽やかなイケメン風でサラサラの髪は茶色がかっている。
小奇麗なジャケットにシャツの袖からはほんのりといい香りがする。
これは、なんの香りだろう。なんともいいきぶんだ。
見てくれだけは、一人前の男であり、ただそれだけの男だと彩香だって頭ではわかっていた。

「ううん?いま来たところだよ」
にっこりと微笑んでしまう。彩香の反射的反応、だと思う。

「この前、ごめんな」
下手に出る時に、モトキは素直に頭を下げる。
彩香はいつもこの姿にきゅん、としてやられてしまうのだ。

「援交しても、俺が一番だって言ってくれたよね」
彩香はこくりと頷く。

「俺、何も言わないよ。だって、俺も彩香のこと愛してるもん」
「・・・」

どうしたことだろう。彩香は、このモトキの言葉に、体の芯を撃ちぬかれたような心地がした。
そして、身体の真ん中を突き抜けたその衝撃は、全身の末梢へと、すぐに伝わっていった。
ベンチに座ったまま小首をかしげて、短い手足を前にいっぱいにのばして、
モトキの方をみてにんまり、としてしまう。

「ありがと〜モトキ(ノ´∀`*)やっぱりモトキが一番だよ(*^^*)」
彩香の言葉は心の底から出ていた。この男は魔法でも使っているのだろうかという不思議な思いとともに、
なにか、冷静になれない心のざわつきを感じてしまっていた。

心の中で「優美」が否定しようとするが、今は彩香だから、と思い直す。

モトキはギャルらしいメイクの彩香の顔がぽぉっと赤らんだのを見ると、ちゅっ、とほっぺたにキスをした。
123名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:30:31.68 ID:cTDKXdAH
「うふふ、モトキのこと、好きぃ」
「もっと、ちゅーする?」
「うん。もっと(*^^*)」

今度は、彩香の方から、モトキに抱きついた。
彩香の反射的な反応というより、「優美」の心が突発的にそんな行動を望んだ。
一発でモトキの綺麗な顔と優しさに参ってしまったのである。それでいて、カレシなのだから、
周りの眼以外に気にするものは何もない。というか、周りの眼すら心地よかった。

「んふふ、あぁん」
「彩香はこうやって優しく抱きしめられるのが好きなんだよな」
「うん、好き(^o^)」
額と額をこつんとぶつけて、顔の横に垂らした前髪が風にそよぐ。9月の上旬は、夕方ならまだ暖かい。

「あは・・・ぁ」
破廉恥な行為である。まだ明るい公園のベンチで、
彩香は小さな身体でモトキの太ももの上にいつの間にかまたがっている。
モトキにされるがまま、というよりも、むしろ積極的に激しいくちづけと、激しい愛撫を受けていた。

「ねえ、あっちいこ」
さすがに人の往来のあるベンチでこんなことを続けるには、いくら彩香とはいえ、
ちょっと「優美」の心として許せない、はずかしいことであった。
だが、この時間を手放すのは惜しい。ギリギリの、選択が、
近くにある木陰でこのキスを続けようということであった。

「いいよ、いこう」
彩香の手をとってモトキは歩き出した。

そんな2人を横目に、今まさに帰路に向かおうとしている女の子がいた。
陸上部の練習を終えた、A女子学園女子学園高校2年生のお嬢様、上杉優美である。

優美は、本当にただ、彩香がちゃんとモトキと待ち合わせにくるかどうか、
それを確認しにきたのであった。

モトキという人は、「彩香」の心にとって「自分を全部受け入れてくれるやさしくて、
かっこいい男。今はフリーターだけど、きっとそのうちちゃんとした仕事をするようになる。
応援してるし、信じてる」というような相手であった。

はっきりって客観的に見ればお笑いであるが、「彩香」にとっては真剣だった。
だから、援交でお小遣いを稼ぎ、生活費の足しにまでしていた「彩香」にとって、
かなりの金を貢いででも、一緒にいてほしい男であったのだ。
124名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:33:22.08 ID:cTDKXdAH
そういうこともあって、優美としては、本当はまっすぐ帰らなければならないのだが、
どうしても、彩香がちゃんと待ち合わせ場所に現れて、モトキと仲良くしてくれるかどうかが、
気になるところであった。

帰り道を少し遠回りすれば確認できることであったから、また今日もほんの少しだけ、彩香との約束を破った。

(仲良く出来てるし、帰ろうかな)

そう思って歩き始めようとしたところに、あまりに刺激的で、
激しいキスを二人がはじめてしまった。優美は、足を止めた。

(ちょっと、なにあれ、やりすぎでしょ)
木陰にむかってもなお激しいキスと愛撫をモトキと彩香はかわし続けた。

「あぁん・・・」
そればかりか、モトキはしゃがみこんで、丁寧に彩香の足を愛撫し始めている。
いつの間にか、股間に手が入っているのが少し遠い位置にいる優美からも確認できた。

「モトキ・・・だめぇ・・・(*´艸`*)」
彩香は、髪を振り乱して、感じていた。アヒル口をだらしなく半開きにして、
眼は閉じても笑っているようだった。

「あん・・・」
自分で自分の感じているところを見るのは、もちろん「彩香」にとって初めての事だった。
ああ、あたしってああいう顔してたのか・・・と優美は恥ずかしくて、顔から火がでそうだった。

帰ろう、早く帰らなきゃ、と律儀に何度も思い直すのだが、どうしても足が後ろにまわってくれない。

優美は、自分と中身が入れ替わった彩香が、カレシのモトキと堂々とキスをして、
ヒップをまさぐられて、気持ちよさそうに
「んふぅ♪」
などと声を出しているのを見ていると、どうしても我慢ができなくなってきた
これから、二人が何をするのかと考えると、なおのことであった。

彩香にとって――昨日まで処女で彼氏を持ったこともなかった優美の意識では――
それが、恋人と呼べる人とのファースト・キスであった。

そんなことを全く知らないモトキは、彩香をぎゅーっと強く抱きしめて、口の中で激しく舌を暴れ回らせて、
左手は胸を、右手は尻を優しく、激しく撫で回していた。
125名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:35:26.58 ID:cTDKXdAH
(なにこれ、すごい・・・いや、あたし、どうなっちゃったの?声が・・・とまらない)
「んふ・・・ふう・・・いやぁん」
木陰に来てからは、あまりに激しくエスカレートしていく愛撫に、最初はいやだいやだと駄々をこねていた彩香が、男のテクニックで籠絡されていく。体から力が抜ける。
(すごい・・・なに、これ・・・)
「今日はすごい素直じゃないか・・・どれ、もっと・・・」
モトキが尻に回していた手でスカートを捲って、直に太ももの裏を愛撫し始めた。
「んふぅ・・・んふうぅ・・・」
やめてほしい、と心のなかで叫びながらも気持ちよさに翻弄されるしかない彩香だった。

「ちょっとちょっと、なにやってんのよ!」
「えっ?」
次の瞬間、彩香は一気に現実に引き戻された。
A女子学園の制服を着た優美が、キスをする2人に大きな声でどなり、割って入った。

「モトキ、なにしてんのよ。それはあたしじゃないわよ!」
「ちょ、ちょっとなにいってんの。あんたもう門限の時間でしょ!」
今から帰っても、もう、門限からは遅れる時間である。彩香は優美の登場に心から驚いた。

「うるさい、なに人のカレシ横取りしてんだよこの泥棒ネコ!
モトキ、あいつは彩香じゃないの、身体が入れ替わっちゃったんだよ。モトキの彼女はあたしの方なの」
「ちょちょちょ、ちょっとまちなさいよ、一体なにいってんのよあんた!」

優美は暴れた。そして、優美よりも10センチ身長の低い彩香は身体を全部つかって彼女を必死で止めた。
「おちついて、落ち着いてよ!」

彩香の頭のなかは再び絶望でいっぱいになった。
いきなりの早退、門限破り・・・彩香が必死で彩香の世界を守ろうとしているのに、
優美はわずか2日で信じられないほど優美の世界から逸脱する行動を起こしているのだから仕方がない

「なんなのよあんた人のカレシをとっておいてその言い草は!」
「あんたこそ優美は優美として普通に過ごすって約束したじゃない」

取っ組み合いの喧嘩を始めた2人の女子高生を止めにはいると、モトキは、2人をなだめるように言った。

「ちょ、ちょと、まてよ。君、だれ?」
126名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:39:09.16 ID:cTDKXdAH
A女子学園の制服を着た地味目のお嬢様に、まずモトキは尋ねた。
「あたし・・・あたしは・・・彩香よ。この女は偽物。昨日身体が入れ替わっちゃったの」
「ちょっとまって、何言ってんのよー」

「モトキ、信じて!一昨日誓ったじゃん。ずっと一緒にいようねって。
でも、昨日こいつと入れ替わっちゃったんだから、モトキと一緒にいるのはあたしなんだよ。あたしが彩香なの!」
「待ってよー彩香はあたしでしょ!あなたは帰りなさいよ、もう門限でしょう!」

意味の分からない状況である。だが、モトキのしていたことは、
突然現れた少女の顔かたちをじっくりと品定めすることであった。
顔はすっぴんだし、地味そのものであったが、よく見ると肌は真っ白で好きと言おるようだし、
鍛えられて引き締まったカラダは、欲情をそそるものであった。
もちろん胴体が見えたわけではないが、ヒップの形と腰の細さ、そしてすらりと長い腕がそう推測させた。
A女子学園といえば、それだけでモトキからみても手の届かないような高嶺の花である。
しかも、そこの女の子であれば、化粧をしたり髪を染めたりしないのは、厳しい校則が理由であって、
この女の子がかわいいかブスかとは全く関係のないことである。
だいたい、女が化粧するのは、自らの見た目の価値を高めるためだって、
A女子学園の制服は、どんなにうまい化粧よりも、いまこの場においては価値が高い。
そのA女子学園の制服をきた女の子が、どういうわけか本物の「彩香」を名乗って、
彩香と激しいキスを交わしているところに乱入してきた。

と、なれば、モトキは、両方、欲しいと思うのも致し方のないことだろう。

「ようするに、お前ら2人とも彩香ってことか?」

モトキは、単細胞であった。一番都合のいい答えを見つけ出すとそれに飛びついた。
「うん!」
優美は大きくうなずいた。
「違うじゃない。あなたは彩香じゃないでしょ!」
反抗しても、このまま優美とモトキを2人にする訳にはいかない、と彩香は思った。
またも、「優美」の心は選択肢のない状況に追い込まれた。

「ここじゃなんだから、ホテル行こうか」
モトキが直球で勝負してきた。
「えー?マジ(・。・)?」

優美もこれには驚いたが
「うん、分かった。あんたはどうする?」

と同意した。もうこうなると、彩香は同意せざるを得ない。
この場で泣き叫んでも、結局傷つくのは優美だからである。警察でもやってきたらもう取り返しがつかない。

「わかった。行く(;_;)」
泣きたい気分だった。ホテルに行くということの意味はよくわかっていた。
この日も、優美の両親の帰宅は遅くなる。そのことだけが幸いだった。
あとは、せめてものお願いで、A女子学園の制服だけは分からないように頼んだ。
公園のトイレで、彩香の着替え用だったギャル仕様の服を着させた。
もちろん、11センチの身長差があるから、ただでさえ露出の多い彩香の服が、優美にとってはなおのことである。
「こんなかっこうで、二度と出歩かないでね・・・」

しかも、ホテル代は彩香もちである。

彩香の盛り上がった気持ちはどこかへ消えてしまい、まるで死刑場にでも向かうような暗い気持ちで、
少し歩いたところにあるラブホ街に向かった。
127名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:44:14.94 ID:cTDKXdAH
親友
6. カレシのモトキ (2)

3人でホテルの部屋につくと、モトキはすぐにお風呂にお湯を入れに行った
「ちょっと彩香、何考えてんの?」
「ごめん!でもあんなに激しくしてなんてあたしだって頼んでないし」

「あぁ・・・もう最悪・・・ねえあんたあいつとセックスする気なの?」
「そりゃそうでしょ。ここまで来て何もせずに帰るとかありえないっしょ」

「ちょっとまってよ、あんた処女なのよ」
「いいじゃん、モトキに処女を捧げるんなら。彩香もモトキすきでしょ?」

「・・・そういうことじゃなくて・・・あぁ、もういいや。もう・・・」
あまりに絶望的な状況に、途方に暮れるばかりの彩香であった。

「ところで、お前ら2人とも彩香でいいの?」

「ううん、ちがうよ。あたしはユカ。ユカって呼んで」
彩香が機転を利かせた。優美の本名だけは知られたくなかった。
「それじゃ、入れ替わったこっちの女の子がユカちゃんっていうんだ。
A女子学園なんて、頭いいんだね」

「いやあ、それほどでも・・・」
「なんでアヤカが照れるのよ!」
絶望的な状況も、なんとか受け容れることが出来てしまいそうなのが、怖いところである。
どうしようもないこの状況で、彩香は「優美」の心がモトキに惚れてしまっていることを否定できず、
優美の処女が自分の知らないところで誰か知らない男に奪われるよりも、
まだ自分の目の前でモトキに奪われるなら幾分マシだというふうに思い直したのだった。

と、いうより、「あたしもモトキが大好き」と自ら思い込もうと努めた。
もう、それくらいしかできることがないし、愛するカレシに処女を捧げる、というくらいしか
いいことが思い浮かばなかった。

優美は、自分が「アヤカ」と呼ばれることがなんかおかしいなと思いながらも、
本能に従って、そして彩香に対抗するように、女としての本能に火をつけてしまっていた。
その本能が、「彩香」の気持ちの中に会って優美の身体に持ち込んだものなのか、
優美の身体の中にもともと宿っていたものなのか、それは分からないが、
とにかく優美は、処女の身体を火照らせて欲情した。

「それじゃ、2人ともおいでよ」
「うん、ユカ、いこ(*^^*)」
「う、うん」

好きな男を目の前にすると、こういうふうにへろへろになってしまうのが、もともとの「彩香」という女の子であった。
ひどく純情なところが残っているのである。
ひと目でモトキに落ちながら、いざとなると少し引いた姿勢を取ってしまう「優美」の心にとっては、
すこしばかり羨ましいことでもある。
128名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:48:16.72 ID:cTDKXdAH
「たしかに、お前のほうがアヤカって感じがするな」
「そうでしょ^〜あたし、アヤカだもん、いやぁん」

バスルームに入ると、モトキは優美にシャワーを浴びせた。
「ん・・・モトキぃ、あいしてる〜」
モトキは、黒髪、ノーメイクの地味な美少女がシャワーに濡れた時に、
なんともいえない色気を感じた。

「あっ、ずるい。あたしも混ぜてよ」
優美が、というよりも他の女がモトキとハダカで抱きあうのが、
彩香には反射的に見逃せないことであった。

「んん・・・」
そんなやり取りを無視して、モトキと優美はもうハダカで抱き合いキスをしていた。
モトキの左腕が彩香の方に伸びた。「おいで」という仕草だった。
彩香はしずしずと歩いてその腕の中におさまった。

それが、上杉優美のファースト・キスであった。
同じ男の手に抱かれながら、昨日までその身体の持ち主であった彩香にとっては
少し感慨深いものがあったが、もちろん表現のしようがないほど複雑だった。

「あぁ、やっぱりモトキのキスは最高。ユカにも許すからしてあげて」
「ちょっと・・・あぁん」

モトキは「ユカ」こと彩香を抱きとめた左腕をきゅっと閉めて、さっきのようにキスをした。

「ん・・・ふぅ・・・ん」
ゆっくりと、舌を絡めた。確かに、モトキのキスは、とても心地よくて、
口の中の、気持ちのよいところを的確についてくる。目を閉じて、その快感に浸る。
3人は絡みあったまま、丸い、大きな大きな湯船に身を沈めた。

「モトキ、あたらしいアヤカのカラダ、どう?昨日オナニーしたけど、すごく感じちゃった。」
「な、なにいってんの?」
「いいじゃん、ユカだって知ってるでしょ?」

「へえ、ユカちゃんはオナニーするんだ」
「もう、はずかしい・・・あぁん!」
モトキは彩香にキスをしたまま、慣れたように「ユカ」こと彩香の女の子の部分をいじくり始める。
そうなると、今度は放っておかれるのが「アヤカ」と呼ばれる優美である

「もう、2人だけでなにしてんのよ!」
「アヤカ」こと優美はモトキの右腕を掴むと、みずからカラダの中心にある黒い茂みに持っていった。
処女の女性器のあるところである。
「あぁ・・・!はぁ・・・ん」

くにゅ、くにゅ、と右手が優美の柔らかい印肉を弄り始めた。
引き締まった、女肉の感触は、柔らかくておいしい、いつもの彩香のものとは対照的であった。
左手で慣れたギャル「ユカ」こと彩香の、右手で清楚な黒髪の処女、「アヤカ」こと優美の
淫肉を同時に弄ぶという、男としては最高の時を、モトキは迎えていた。
129名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:53:52.92 ID:cTDKXdAH
「あぁん・・・ぁん」
優美は、何度も味わったモトキの指が、いつもと違う引き締まったカラダの内側に分け入ろうとしてくると、
軽い痛みを覚えた。優美は処女である。彩香が初めてセックスした時の痛みが頭の中に蘇った。

忘れていたのだが、処女のセックスなんて、男が優しくしてくれなければ、ただただ痛いだけということを、思い出した。
もちろん、そんなことは、目の前にある最上級の処女「ユカ」を目の前にして
欲望をみなぎらせたDQN男にとって、考慮の対象の外のことであった。

それでも、優美にとって、大好きなカレシのモトキに、処女を捧げることができるのは嬉しいことであった。
それに、モトキなら優しくしてくれると思い込んでいた。

「アヤカの処女をモトキにあげるなんて、うれしい(*^^*)ユカもうれしいでしょ」
「う、うん」

優美はモトキに抱きついて、にっこりと笑う。

「あぁ・・・ん・・・」
「ユカ」こと彩香を弄るモトキの指は、処女の「アヤカ」こと優美に比べれば容赦がない。
彩香のカラダの感じるところを、彼は分かっているので、前戯は簡単なことであった。
適当に弄られているだけでも、彩香のカラダは喘ぎ声を止められない。
だが、「アヤカ」こと優美はそうもいかない。男としてはこういった女を感じさせるのもまたやりがいのあることである。
ただ、彩香は最後の希望をまだ失っていない。せめて、

(モトキをあたしがイかせちゃえば、処女だけはなんとか守れるかも)
と考えていた。

「あ、すげえ硬い。しまってるな」
「あぁ・・・ん♪そうでしょ。んふぅん・・・」
しかし、モトキの興味は「処女」のアヤカにいってしまっている。
都合の良い論理を組み立て、男の腕力で女を屈服させることしか考えていない。
後でフォローさえすれば、大概の女はまた彼になつく。
黒髪のお嬢様で、処女の「アヤカ」も同じだと思っていた

「モトキ、あたしがお口でおちんちん洗ってあげる」
彩香はまたとんでもない言葉を口にして、すぐに半ば強引に行動に出る。

手で、口で、モトキの肉棒を優しく愛撫する。

形勢不利に気づいた「ユカ」こと彩香は、それを取り戻すために、
屈辱的な、非常手段に出る。もちろん、モトキから見れば、

「ユカもスケベ女だな。彩香と入れ替わったってことは、おまえも処女みたいなものなんだろう?」
と、いい気になるだけであったし
「ああ〜、ユカずるい。エッチはあたしが先だからね」
と、不機嫌そうになる。

「ああ、おまえが先だよ。アヤカは俺の彼女だからな」
やぶ蛇であった。こうして3人で何かをするときには、
多数派、つまり2人が結束したらもう一人はどうにもならない。「ユカ」こと彩香は
「あ〜うれしい。ユカがあたしとモトキのエッチのためにモトキの準備してくれるのね」
と、勝ち誇ったような優美に言われる始末である。
130名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 20:57:46.51 ID:cTDKXdAH
「あぁ、きもちいい」
それでも彩香は希望を捨てずに、ボディソープでモトキの肉棒と玉袋を丁寧に洗う。

「そうそう、アヤカのおまんこ、もとはユカのだもんね。
それに入るおちんちん、きれいにしなきゃね」

「うん、でも・・・ユカもほしい・・・ユカとさきにしよ」

お嬢様のプライドをかなぐり捨てた発言である。
「ダメー、アヤカが先なの(`´)」
優美の手もモトキの肉棒に伸びる。彩香の行動は全て裏目に出た。

お嬢様とギャル、方向性は違うが2人とも美少女である。
一本のペニスをめぐってこんな攻防をラブホテルで繰り広げられたら、
単純なモトキでなくとも有頂天になるだろう。

その流れは、風呂を上がって、体を拭いて、ベッドの上でも続いた。
「モトキ、あたしが舐めてあげる(^^)」
「ずるい、あたしがするのー(`´)」

「ユカ、ゴメンな。ユカは顔とカラダは俺の彼女だけど、俺の彼女はアヤカだから」
モトキが決断を下した。この時、優美も、彩香も、モトキの目つきに異変を感じた。
「だから、ユカはアヤカとヤッたその次な。これ、3人でする時のルールにしようぜ」

「ちょ、ちょっと何いってんのー!」
彩香は暴れた。さっきまで自分がモトキの彼女だと信じていたのに、いきなりそのことを否定された。
しかも、「3人でする時のルール」とは・・・今日限りではないつもりなのか!とんでもないことである。

「だから、次だって、おとなしくしてろよ」
取り乱した彩香を、うざい、とモトキは感じたのである。
援交までしているビッチギャルよりも、清楚な黒髪の美少女の処女を奪うほうに興味があったのである。

そして、そういういときに暴力を持って女を制圧しようとするのが、この男の本性であった。

「きゃあ!」
モトキは力いっぱい彩香を突き飛ばした。彩香は丸いベッドから転げ落ちた。
さすがに、優美もそのモトキの態度には引いた。

それまで、ふたりの「アヤカ」とモトキの間でラブラブモード一色だった部屋の空気が変わった。
ぴんと張り詰めた緊張感が支配するようになった。

「ちょっと、大丈夫?」
幸いなことに怪我などはなかった。だが、彩香の心に恐怖を植え付けるには十分であった。
「ユカはそこで、お嬢様のユカちゃんと俺がセックスするとこを見てな。その後お掃除でもさせてやるよ」
「・・・やめてぇ・・・」
131名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:00:28.30 ID:cTDKXdAH
すこし、頭がフラフラする。

「ちょ、ちょっと、いくらなんでも、いきなり・・・あぁん」
モトキは腕力で優美を抱き寄せると、力任せにベッドにたたきつけ、脚を強引に開いた。

「もう濡れてるから、いくぞ」
「あぁ、だめ、そんなの、はいらないよぉ(TOT)」

「なにいってんだよ、アヤカ。アンアン言ってたくせに」
「いや、はいらないって、おっきすぎだもん!やめて!」

モトキが彩香を突き飛ばした時から、この部屋の空気は変わったままである。
「それじゃ、アヤカは処女のままだぜ」
「いい、それでいいから・・・エッチはその女として・・・」

優美は今になって、後悔していた。彩香を突き飛ばすような、
モトキとは思っていなかったからだった。ようやく正気に戻ったのだろうか。
今ハダカでも時の前にいること自体、彩香と優美との間でかわされた約束を完全に無視する行為である。

「いやぁ、いやぁ!ごめん、彩香ごめん!」
「うるさいぞ、おとなしくしろ!」

モトキは、「ユカ」こと優美の頬を平手で殴った。

「いたい、いたい、ぎゃぁああ・・・!だめえ!ナマでしないでぇ!」
レイプ同然である。ゴムさえつけずに、強引に処女の茂みに分けていると、
モトキはペニスを収めるべき穴を見つけ出し、優美のカラダの中に侵入してきた。

「痛いいたいいたい〜やだー!もう処女でもいい!だめぇ」
その、正常位で痛みを感じながら髪を振り乱す黒髪の美少女の姿が、
モトキにさらなる興奮を与えた。

「ほら、どうだ、きもちいいだろう!」
「いたいいたい、いたいよー。助けて、あああああぁー!んーー!」
「すっげえしまりがいいな、アヤカの新しいオマンコ。最高だ」

「あああん・・・!いたいよ、んんん!」
気持よくてあえいでいるのとは明らかに違っていた。彩香は、身を固まらせて、恐怖に怯え、
ただ黙って、本来「優美」である自分のものである身体が、犯されているのを見ていることしか出来なかった。

一方モトキは、精一杯お世辞を言っているつもりであった。
確かにしまりは良かったが、アヤカと呼ばれる優美の中は、
まだ、柔らかく自在に変形しながら男を快楽に導く彩香とはちがう。
固く、男を拒否するかのようであった。

それでも、肉棒が気持ちいいかということとは別に、処女が痛みに絶叫し、
お嬢様の整った、汚れを知らない顔が苦痛にゆがむ。その姿に何よりも興奮した。

モトキがセックスした相手はこれで12人目であるが、どれも下品なギャルばっかりで、
処女としたのも、モトキも初めての時だった相手以来である。
132名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:04:30.32 ID:cTDKXdAH
こんな清楚で、育ちのいい、上流階級の香りのする女の子は初めてであった。

「いたい、いたい、もっとやさしくしてよ!あぁん!」
「締りはいいけどまだまだ男にはなれてないな。俺の女にしてやるよ!」

叫び声などモトキには届かないかのようである。
「ああん。ひぃん、ひぃん!」
優美は快感ではなく、苦痛で絶叫していた。
目を覆うばかりの出来事である。なにしろ、自分が、目の前で、
DQN男に「痛い、痛い」と叫びながらレイプされているのに、彩香は恐怖で体が動かない。
彩香の目から涙が溢れる。それが「悲しみ」を表現できる唯一の方法であった。

「あぁんひいいん!」
優美のほうは、もっと悲惨であった、頭をふって、髪を振り乱し、涙も宙を飛ぶほどであった。
ヴァギナが裂けるように痛くて、その結合部から血があふれているのが彩香からも見えた。

モトキは、処女なら当たり前、と思ったが、優美は、
本当にどこかが切れて、血が流れてると信じて疑わなかった。

二度目の処女喪失のセックスであるが、乱暴で力任せなぶん、
一度目より、つまり彩香の処女喪失の時よりも激しい苦痛を覚えていた。

「ああぁん!いたいひょぉ!!ああああ、やめてぇえええ!」
「ほら、いくぞ!」

「あだめあだめ・・・あぁん!」
「せめて外で出してぇえ!」
彩香が叫んだ。モトキが彼女のいうことを聞いたのは、その言葉だけだった。

「あぁ・・・いたいよぉ・・・」
白濁した粘液が、優美の胸にかかる。悪夢のような時間はようやく終わった。

「アヤカ!・・・大丈夫?」
彩香がすぐに駆け寄った。
「ほら、おまえの番だぞ」
モトキは血と精液にまみれた肉棒を、彩香の目の前に差し出した。

彩香は、「優美」としての自分が長年溜め込んだ血を味わうように、「お掃除フェラ」を強要された。
自分の処女をレイプで奪った男の肉棒を舐めるなど、それだけで屈辱であったし、
次は、自分が犯される番かと思うと、反吐が出そうだった。
133名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:09:26.16 ID:cTDKXdAH
だが、それでも受け入れてしまうのが、彩香という女であった。

「ユカ、続けていくぞ」
「ああ、ちょっと・・・まって、いやぁ・・・ん」
「いやいや言いながら濡れてるじゃないか」
「そんな、ぁことない、いたいぃ・・・あぁん!」

ラブラブだった空気は、「アヤカ」こと優美がレイプされた時点ですっかり変わって、
彩香もそんな気分ではなくなっていた。そうなると、アソコもすっかり乾いてしまう。
もう、エッチな気分ではない。潤滑油がなければ、いくら慣れた彩香でもセックスは痛い。

「ゆるゆるだなぁ。ユカのマンコはガバガバだぁ!アヤカもすぐにこうしてやるからな!」
優美は、まだ泣きながら呆然とあさっての方向を眺めていた。
彩香はいたいいたいと言いながらも、モトキとなんとかセックスする。
痛いのは、、「ユカ」も処女だからかと、モトキは単純に考えていた。。
それは、優美を守るためのセックスであった。気持ちいいことなど何もなかった。

モトキは、そのまますぐにゴムもなしに「ユカ」こと彩香とセックスしたあと
「やっぱりもういっかい」などといって、処女を失って呆けていた「アヤカ」こと優美にもう一度手を伸ばした。
彩香は体を張って口でモトキをイカせようと試みたが、今度は蹴り上げられてベッドから落ちた。
嫌がる優美も、二度目ともなると、少しずつ喘ぎ声らしきものを出し始めた。


それで、モトキは、処女のお嬢様を犯すことの味を覚えてしまった。
彼のような男にとって、絶叫の中に少しずつ喘ぎ声を見つけることは、興奮を掻き立てられることであった。

最後に、もう一度、彩香が上になって、モトキの精を搾り取るように、セックスした。
彩香は必死であった。これ以上の苦痛から、優美を守ることしか考えられなかった。

すべてが終わり、チェックアウトの時間がくると、
「モトキ、またね。あたしはアヤカを送っていくから」

などといって、2人は逃げるようにさっさとホテルを後にして駅に向かった。
優美を駅のトイレでもとのA女子学園の制服に着替えさせた。

モトキは、満足して帰っていった。突然彼女が2人に増えたことも、
黒髪の地味な名門校のお嬢様の処女を奪ったことも、
なにもかもが彼にとっては欲望を満たしてやまないできごとだった。
「ユカ」こと彩香からせしめた小遣いで、タバコを買って歩きながらふかす。
彼の人生にとって最良の時間だったかもしれない。
134名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:13:38.37 ID:cTDKXdAH
優美は心から彩香に謝るばかりであった。処女を失ってしまったばかりか、
2人が入れ替わったことまで、モトキに話してしまったのだから、当然といえば当然である。

「ごめん、ごめんね、優美・・・彩香・・・」
「いいよ、謝らなくても。たしも最初はあの男に惚れちゃったし。でも、これでモトキがどういう男か分かったよね」

彩香は優しく優美を慰めた。優美がこういう風に泣くときは、本当に取り乱しているのである。
そのことがわからない彩香ではなかった。

「あいつと、付き合うのやめてもいいよ。でも、優美のところに来たらどうしよう」
「それは大丈夫。だって、あいつは優美の本名も知らないから。これに懲りて、おとなしく優美の生活をこなしてよね」
「でも、待ち伏せとかされたら・・・」
「学校には警備員さんもいるし、すぐ地下鉄の駅だから、大丈夫。
優美さえしっかりsてればねそれより、早く帰って。まだママもパパも帰ってないから。
友達とファーストフードで勉強でもしてたことにして・・・」

本当は、A女子学園の制服で彩香と一緒に歩くのも、なるべく避けたかった。
だが、今はまず無事に優美を電車に乗せなければ、とおもった。

「ごめんね、彩香・・・ごめんね」
「うん、また、あとで話そう」
いつもとは違う駅の改札で、2人はわかれた。彩香は、ただただ痛がる優美の犯されるような、
ひどい処女喪失の光景を一生忘れることができないだろう。
自分がその痛みに晒されなかったことは、まだ幸運なことであったかも、とさえ思っていた。
そして、過ちを必死で泣いて詫びる優美の姿も、また深く心に残った。
そんなに、悪い女の子じゃないかも、と思い始めていた。

優美には、彩香の優しさが心に残った。
こうして、2人は少しずつ、仲を深めてくことになるのである。

これで、優美も優美らしい生活をこなしてくれるのではないかと、祈る他なかった。
そして優美、つまり元の自分のカラダを守るために、体を張ったことで、
ギャルとして生きていくことに少し自身がついたのは、この日の唯一の収穫だったかもしれない。

優美も、家に帰る頃には涙も収まり、風呂に入ったあとは普通に机に向かった。
この日のことで、優美も反省したのであろう。
彩香だけでなく優美もおとなしくそれぞれの生活にもどった。
「彩香」がセックスしないことなど、生理の前後を含めても10日が限界であった。
それが優美の身体に移って、この日から次のセックスをするまで、2か月ほど空いた。
処女の失い方で、女のセックス観は大きく変わるのであろう。怖くなってしまって、
男が欲しいなどと思わなくなった。
135名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:18:04.81 ID:cTDKXdAH
優美にとっても彩香にとっても幸運なことに、
2人とも「カレシのモトキ」とはそれ以来二度と会うことはなかった。

黒髪で地味な美少女で処女のお嬢様、を無理矢理犯して屈服させることがよほど気持ちよかったのだろう。
次の日、優美とは違う中高一貫の名門女子校の、優美と同じように黒髪で地味で処女風の美少女を見つけて、
公園で無理矢理犯した。

その女の子を解放するときに、「気持ちよかったです、ありがとうございました」と言わせると、
指導料などと称して財布の中身1万5千円を奪った。

次の日も同じことをした。今度は前の日の女の子から奪った1万5千円を軍資金に、
同じように見た目が地味な、処女に間違いない進学校のかわいい女子高生を
ホテルへと無理矢理連れ込んで犯した。また「指導料」まで奪った。

三日目、通学途中の名門女子校の女子中学生を無理矢理ホテルに連れ込もうとした時に、御用となった。

2件の強盗、強姦と一件の強姦未遂である。
ナンパで知り合った彼女である彩香のところにもその日のうちに警察が来た。
援交のことなどバレたのかとも思ったが、ことは強姦と強盗という重大な犯罪の話であるので、
強姦されたわけでもない彩香は、事情を聞かれただけであった。

彩香とモトキには肉体関係はあったが、合意の上である。警察の目的はその確認だけであった。
「ユカ」という名前のA女子学園の女の子の存在については、しらを切り通した。

強姦は親告罪、つまり自ら訴え出なければ罪にならないので、
かりにA女子学園の生徒がもう一人被害にあってるとしても、
それを探し出すことは警察の仕事の範囲外である。

実在しない少女の件は、うやむやになった。

むろん「彼女のアヤカがA女子学園のユカって女と入れ替わって・・・」などという、
モトキの戯言が警察で相手にされるはずもなかった。
男を見る目を養えよ、と刑事にちょっと叱られただけで、彩香は自由の身になった。

刑事の話では、実刑は免れないという。
ということは、モトキはこれで2、3年は少なくとも彩香と優美の前にあらわれることはないはずである。

被害にあった少女たちはかわいそうだし、ある意味優美と彩香が入れ替わったことの
間接的被害者といえるかもしれない。
だが、入れ替わりという最も大きな秘密を知られてしまっている彩香と優美の2人にとっては、
不謹慎ながら非常に幸運なことであった。

これで、「カレシのモトキ」にまつわる話はすべて終わりである。
136名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:20:24.91 ID:cTDKXdAH
親友
第5回「カレシのモトキ(1)」
第6回「カレシのモトキ(2)」

ここまでです。いつもより長いです(笑)

コメントしたいことはまあありますが、くどくなるので退散します。
読んでくださる方のために、次もまた来ます。
137名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 21:40:28.95 ID:0ALIgJF4
乙でした
138名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 22:49:13.69 ID:/zD2dfHR
乙です
139名無しさん@ピンキー:2013/05/29(水) 23:31:50.66 ID:b6MeH10c
>>136
GJ!です。
140名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 00:30:44.57 ID:Xd+pLbud
真面目でクラス委員とかやっていている女子がいて同じ高校だったけど
最初は、中学のままの着こなしだったけど、周りの環境もあって
一か月も立たないうちにスカートが短くなり、ルーズソックスになり
夏休み明けには、茶髪にピアスと、校則が緩いウチの高校に完全に染まったな

全然関係ないが、中学の時はブルマはシャツインで
一部の不良だけ出していたので、上の女子が高校に入って
そういう着こなしになった時には何ともいえないものを感じたな

堕落というか、悪堕ちみたいな感じだろうか?
141名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 17:55:57.08 ID:+IgndaFy
>>140
すげぇわかる、わかるぞおおお!お前は俺だあああ!
ド田舎な俺ん所は、中学とか高校でヤンキーったらジャージの裾切ったりしてたんだけど。
普通の子だったのがある時から突然そういうヤンキージャージ仕様とかになると言いようのない興奮を覚えていた
142名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 19:03:47.08 ID:3cm55GKR
弱小団体の美人女子プロレスラーが集客の為に、安っぽい特撮の悪の女幹部のようなケバいメイクと、過激なコスチュームにどんどん成ってくって話が読みたいです。
143名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 20:03:37.36 ID:8eToV/Ev
長いだけかでもウザいのに顔文字とか中学生か
萎えるなぁ。しかもレイプとかスレ違いだし
スレタイも読めない奴はマジやめてほしいわ
しかしみんなもわざわざ乙とかGJとか、つまんないとか
スレ違いとかはっきり言うことは言おうぜ
144名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 21:14:11.08 ID:QHv5qmHY
エロがなくても、クスリ・未成年の煙草/飲酒・刺青だけで逝ける
145名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 22:52:21.48 ID:JVEu2vtR
>>136
GJ
146名無しさん@ピンキー:2013/05/30(木) 23:36:07.06 ID:8eToV/Ev
三大会連続金メダルの女子レスリング選手(美少女)が
オリンピックでのレスリング存続をかけて、ライバル競技の男子野球選手(あこがれの人)と
SEX一回戦で勝った方が2020年のオリンピックの競技になる
という勝負をする
しかし屈強な男子野球選手の性のおもちゃにされてしまう

「いくらIさんでもレスリングの運命がかかってるんです」

「くっ、このくらいで感じてたまるか」

「あぁ〜いいのぉ〜もっとおちんぽ〜。オリンピックなんてでないー」

というのはどう?
147名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 00:38:04.46 ID:P7iE5pUL
>>146
まあ若干強引な気もするがありかと。
たしかにSSなんてこのくらいサクっとしててもいけるんだよな
なんか彼の言うとおり夏菜子のなつとか親友は長いだけの駄作の気がしてきたぞ
148名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 13:07:10.81 ID:EZLtQp+J
>>147
ドOえもんシリーズ並の大長編は読むのが疲れるよな

親友シリーズだけど、2人の区別が付きにくい

優美(中身 彩香)とかさあ
149名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 14:14:31.51 ID:bXUvd69X
>>136
おつ
150名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 18:01:42.61 ID:P7iE5pUL
>>148
読みにくいじゃなくて読むに耐えない
>>149
自演乙。もう諦めたら?
151名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 18:28:52.67 ID:Rhjx9H7J
とりあえず

避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/15851/
152名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 21:39:36.15 ID:mcBo8vl+
ケバコラスレの文字コラのような短さでおk
153名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 22:12:02.10 ID:P7iE5pUL
>>152
無知ですまんがケバコラスレってなに?
154名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 22:13:15.55 ID:fSbnWMze
俺は、長いほうがいいなあ。読み応えのあるようなやつ。
155名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 23:27:47.92 ID:P7iE5pUL
>>154
自演乙
156名無しさん@ピンキー:2013/06/01(土) 03:32:36.46 ID:Yo/hH3Bf
悪いけど、読む気にならないからいつも飛ばしてる
短めでまとまった話がいいと思う
157名無しさん@ピンキー:2013/06/01(土) 06:47:15.49 ID:Ypk/R1nB
このスレの趣旨に沿ってれば何でもよかとです
158名無しさん@ピンキー:2013/06/01(土) 10:03:25.27 ID:olx5tJKO
スルーすればいいものを、何故いちいち突っかかるかね
159夏菜子のなつ:2013/06/02(日) 06:06:40.95 ID:yTGxhC6r
「おつかれーっす!」
今野和宏はそう言うと一足先に山車の置かれた祭小屋から出て行った。
地元の高校の野球部のレギュラーで、真剣に甲子園を目指した夏が終わってしばしの休みをこの夏祭りと、
それからその後の「宴」に使っている。

高校2年で17歳の日焼けした若者は、祭りが終わって適度に汗を流した後、誰よりも凛々しく見える。
汗が似合う、というのだろうか。この後何をするか知っている夏菜子ですら、少しその姿に見入ってしまうほどだ。

夏祭りは駅前や商店街を中心に行われ、山車の巡行の順番や進行の遅れによっては
小屋への帰りが日付をまたぐこともある。6日めのこの日は比較的早い順番だったので
22時前には小屋に戻ってくることが出来て、大人たちはこれから酒盛りである。

そんな中で和宏がすぐに帰ったのは、傍目から見れば高校生として実に健康的なことであって、止める理由もない。
夏菜子と梨絵は「宴」の存在すら知らない、年下の女の子たちと雑談をしながら小屋にとどまっていた。

「おい、お前らもそろそろ帰れ。北斗、送っていってやれよ」
守谷がそう言って年下の女の子たちの帰宅を促す。
北斗は信用されているので、彼女たちを送らせても大丈夫だと彼は思っている。
予め、北斗には今日の会合の場所が知らせてあった。夏菜子も梨絵も、まだ知らぬことである。

「はーい。じゃ、いこっか」
高校2年と1年の女の子3人に加えて夏菜子と梨絵となれば5人になる。別に帰るふりを装っても良かったのだが、
そこは梨絵が

「ああ、あたしたちは※+$%&※?!"だから」
となんだかよくわからないことを言って適当に北斗を追い出した。北斗も心得たもので

「あ、そう。そうか梨絵に振られちゃったな」
などと軽口を叩いてさっさと年下の女の子たちを送ろうと外に出て行った。

いつ頃からか、守谷も知らないのだが、夏祭りの期間中、
夜這いの習慣を統括した「宴」という組織・会合がこの町内会には存在していて、
守谷はその会合の元締めとして長く君臨してきた。

これは単に性欲の化け物であったなら出来ない大変なことで、百人以上の女を抱く代わりに、
多くの苦労をしてきたし、危ない橋も渡っている。この日も、そんな危ない橋の一つを渡ろうとしている。
「宴」には、毎年というわけではないが環境さえ整えば「罰当たり」と呼ばれる夜が期間中1度は設けられる慣わしがあった。
この年は今日、6日めになった。
160名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:10:19.63 ID:yTGxhC6r
祭小屋で乾杯をしたあと、次に怪しい動きを見せたのは守谷であった。

だが、「宴」の存在を知っていれば、その元締めである守谷が
今日の「罰当たり」のために少し早めに小屋を出た、という想像はつく。
22時をすぎるかどうかの時間にさっさとこの男が帰っても、そのことがなにか問題になるわけではない。
町内会の中心メンバーだが、事情は、多くのものが察しているか知っている。

元締めとしての守谷にとって運が良かったのは、例年よりも参加人数が多い「宴」の最大の盛り上がりどころである、
通称「罰当たり」と呼ばれる今日の集まりに、この年から参加した今野和宏の実家である「桐和院」の仏堂を使えることであった。
いつしか「罰当たり」と呼ばれるようになった「宴」のなかでもひときわ異様な盛り上がりを見せるこの行事は、
守谷が元締めになってから、集会所やら公民館の類でこっそりやるか、
守谷の居酒屋の居住区域で強引にやるしかなかったのであるが、
今年は守谷が初めて参加した次の年、以来だから、およそ20年ぶりにその名の通り、「罰当たり」な環境で催すことができる。

要するに「罰当たり」とは、文字通りの乱交であった。
いつもは一度守谷の居酒屋なり、どこかに集まって、実際に参加者同士がセックスするのはそれぞれの家であったり、
どこか空いた場所であったり自由であった。「宴」は人の管理だけがその機能である。

だが、「罰当たり」は違う。一つの場所に参加者が一同に会して、文字通りの乱交に及ぶのである。
精進落としなどに使われる会席のための部屋ではなく、仏堂で、というのが特筆するべきことである。
もともと、その行事が「罰当たり」と呼ばれるようになった由来は、寺院街のあるこの町内にあって、
どこかのお寺でそうした行為にふけったことであろう。

和宏の親もそのあたりは心得たものである。桐和院の住職である和宏の父親の協力なしにこの暴挙は復活し得なかった。
そんなことがもし世に知れたら、寺は潰れる。

この日の宴、「罰当たり」は23時から、というふうに予め参加者には知らされてあった。
この年から参加する、小学校の同級生だった4人の女の子、
夏菜子、真希、唯、梨絵が揃って小屋を出たのは22時25分のことである。

体育会系、とくに野球部の合宿にも使われる桐和院には、大きな風呂もあり、布団も数が揃っている。
和宏が一足先に出て行ったのはその準備のためである。

夏菜子たちは、23時よりも前に風呂で汗を落とすために少し早めにその場所にやってきた。
先に女子が風呂を使うようにというのも、予め言われていたことである。
161名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:13:25.69 ID:yTGxhC6r
いったん「罰当たり」が始まってしまえば、その風呂も会場の一角といなってしまうことは十分に予想できることである。
女の子たちは髪を乾かして、少しは化粧も直すので早めに、という話なのだが、
23時開始の予定がずれこむことは確実だった。守谷はその辺りを計算していたであろう。

「あ、和くん、ごめんね〜てつだうよ〜」
和宏の彼女である真希は、この二日間ほど祭りにも宴にも参加しなかったのだが、
この日は元気に出てきた。和宏との仲も睦まじそうである。
夏菜子たちが風呂から上がって仏堂に現れた時に、慣れた様子で布団を10枚ほど敷いていた。

仏堂の片隅に、乾き物や守谷の居酒屋で作られた料理、酒などが置いてあり、
その準備があらかた終わる頃には徐々に人も集まってきていた。

「あー、すずしいね。ここは」

夏菜子はそう言いながら布団にゴロンと転がった。夏菜子ほど顔の造形が整っていれば、
風呂あがりに改めてメイクなどしなくても、美少女のままであるが、みんなと一緒に慌ててギャルメークを直した。
すこし慌てたせいで必要以上に瞼の周りがキラキラしている。そのメイクは、男に抱かれるためのメイクである。
そして、小学校の時の友達3人と一緒にいる。

天井の梁を眺めながら、とても不思議な気分になった。4人が揃うと、まるで自然教室か修学旅行のようである。
「かなこー。おきろー!」
「いやぁ、キャハハハ」
真希がその夏菜子に覆いかぶさってきた。

そして、下着の上にTシャツ一枚の無防備な脇をくすぐると夏菜子は腹の底から笑い声を挙げた。

清楚なお嬢様で、優等生の石田夏菜子の品の良さと、淫乱ギャルの素顔が同居した笑い声であった。
人前であげるような笑い声ではないが、どこか抑えようと努めた。
「もう、真希ぃ!」
夏菜子が復讐にかかる。そこに梨絵や唯まで入り乱れると、完全に小学生の頃に戻った気分になった。

夏祭りは明日までであるが、その最終日だけは朝の巡行となる。
北の街の人々にとっては、この夏祭りが終われば、もう秋である。
さすがに、8月9月はこの北の街でも夏の暑さは残る。
だが、太陽の強さは、夏祭りが終わり、立秋を過ぎると確実に弱まり、秋の声が聞こえるようになる。

夏菜子の夏休みはもう少し続く。だが、大人たちにとっては、その日が夏の最後の日である。
短い夏を燃えるように過ごす北の街の人々は、この日朝まで飲み明かし、
そのまま翌朝の巡行に臨むのがならいであった。
162名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:15:45.43 ID:yTGxhC6r
もともと、「宴」に参加する世代は、そんな大人たちと、
家に帰って寝て早起きして朝の巡行にやってくる子どもたちとの谷間にあたる世代である。
昔より年齢層こそ少し上がったが、小学校の頃の友達たちとこくして過ごす時間は、
小学校を卒業してから5年というのは、まるで昨日のことのようにも、
遠い昔のようにも感じられる絶妙な時間であっただろう。

「夏菜子。あのね・・・」

「なぁに?」
真希が、布団に寝っ転がったままの夏菜子になにごとか話しかけてきた
「うん、いいの。なんでもない」

「なぁに?きもくない?それ」
「いいの、ほらぁ」
「ちょっと、真希、いやぁ、キャハハハ」
夏菜子の弱点を脇腹と定めた真希はごまかして再び夏菜子に襲いかかった。
仏堂はもともと音響を考えて作ってあるので、夏菜子の笑い声はよく響いた。

真希は、一言、夏菜子にありがとう、と言いたかった。
夏菜子は真希が休んでいた日も宴に参加し、何人もの男と寝たが、
人に聞くところだと和宏とだけはまだセックスしていないのだという。
それが、夏菜子なりの真希への気遣いであることは明らかであった。
そんなことにありがとう、というのもおかしな話だが、真希は一言、礼を言っておきたかったのである。

そんな雰囲気でもなかったので、有耶無耶になってしまったが、真希は、親友である夏菜子の友情を感じていた。
髪は金髪になり、顔はギャルメークで飾られても、夏菜子はやはり夏菜子なのだと思った。
ごろんと転がっている夏菜子の面影は、子どものころの昔と変わらなかった。

23時を10分ほど周った時、仏堂に守谷が現れた。
まずは乾杯である。この日の参加者は、男が9人、女の子が11人である。
人数があっていることを確認すると、友梨が乾杯の音頭をとった。「罰当たり」とはいえ、
いきなりどこもかしこも、というわけではない。なにしろ、「罰当たり」は朝まで続くのであるから、
まずはまったりとお酒で雰囲気を作る。

「それじゃ、みなさん、今年もお疲れ様ということで。カンパイ!」
「かんぱーい」
皆の声が仏堂に響く。夏菜子もグラスに入ったビールをまずはふた口ほど飲んだ。
163名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:19:32.51 ID:yTGxhC6r
夏祭りは長い。6日めともなれば皆の頭もいい具合にとろけている。
宴の参加者であり、さらに酒が入ればなおのことである。
なにしろ総勢20人の若い男女で乱交に及ぶのであるから、逆にいえばそんなことは
頭がとろけていなければなかなか出来ないことである。

良くも悪くも、夏菜子はこういう時に物怖じしない女の子である。
これから乱交である。男も女も最初の相手を見定めて牽制しあう。
だが、夏菜子はすぐに守谷に狙いを定めてそそくさと近寄っていった。

「守谷さん、こんばんは」
さっきまでのガールズトークモードはどこかにいってしまった。
夏菜子は欲情してるのがまるわかりなほど目をうるませて、胸を高鳴らせて守谷の前に正座して、
どういうわけか意味のない挨拶をした。

肩の前にきていたウェーブのかかった金色の髪を、右手で後ろにかきあげながら
(ちょっと、あからさますぎかな)
と思った次の瞬間、夏菜子が握っていたグラスに守谷が手に掛けた。
そのまま守谷はグラスに半分ほどのビールを飲み干したと思ったら、
無言のまま夏菜子を抱き寄せて、キスをした

「んん・・・ふぅ!」
夏菜子の予想を上回るほどの急な展開であった。
グラスをテーブルに置くと、守谷はそのまま夏菜子をゆっくりと押し倒した。

「んん・・・」
守谷の舌が夏菜子の口の中で暴れまわる。
夏菜子は肘を胸の前に出して一瞬だけ貞淑を装うふりだけをすしたが、
そっと脇に左手が入ってくると、すぐに力を抜いた。

「あぁ・・・ぁん・・・」
守谷の左手は、少し胸を撫でると、すぐに背中に回って、
器用にブラのホックを外した。右手は、もう、昨日買ったホットパンツの前ボタンを外して、
焦らすようにヒップを撫で回していた。

「あぁん・・・そんなぁ」
恥ずかしい、と思いながらも夏菜子は欲情が抑えられない。顔はもう真っ赤であった。
しなやかかな指を守谷の股間に這わせて、勢いをつけて短パンを下ろした。
「守谷さん、もう元気ですね」
「ふふ、夏菜子は素直だな。そんなにこれが好きか?」

「・・・はい・・・」
「じゃあ、みんなの前で、言ってみろ。夏菜子はおちんちん大好きです。
皆さん、今日はいっぱいしゃぶらせてください、って」
「えっ・・・?あの・・・」
「言わないのか・・・?」
164名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:23:02.00 ID:yTGxhC6r
「いいえ・・・いいますよ」
淫乱ギャル夏菜子の心に火がついたらもう止まらない。そして、夏菜子の声は小さくてもよく通った。

「皆さん・・・夏菜子はおちんちん大好きです。
今日は、いっぱい・・・いっぱいしゃぶらせてください・・・」

「おー!」
周りから歓声が挙がった。女の子たちも驚いた。
佑都がふれ回ったらしく、ここにいるものはみな「夏菜子のフェラがすごい」と聞いていた。
三日前までは黒髪のお嬢様にしか見えなかった夏菜子の変貌は、
その場の男全員を昂らせ、女たちの心にも火をつけた。

「よく言えたな。それじゃ、ご褒美だ」
守谷はゆっくりと立ち上がり、仁王立ちになった。キラキラとした夏菜子の眼の前に、
勃起して反り返った肉棒が現れた。

「はい」
夏菜子は一度正座して、小首を傾げてにっこりと笑って、右手で根本を握り、膝立ちになって、
上目遣いで守谷の眼を見ながら、亀頭をぱっくりと咥えた。

「んふ・・・」

男の匂いが、夏菜子の鼻から全身に回った。守谷は風呂に入らず直接仏堂に来ていたので、
1日動いていた男の汗の匂いである。咥えた亀頭の裏に舌をはわせると、濃い塩味がした。

それが、ナマのオトコの味、であった。両親から隠れて理想のオトコを想像してオナニーにふけるのとは違う、
ナマの人間の味であった。
「おお、いいぞ・・・」
守谷の「ツボ」を夏菜子はつかみつつあった。
ペニスは人によって形も違う、大きさも違う、匂いも違う、硬さも違う。
それと同じように、その人によって気持ちいいポイントも微妙に違う。

4日前に処女喪失したばかりの少女は、もう、というべきか、ようやく、というべきかそのことに気づき始めて、
実践にも役立つ経験として取り入れていた。
165名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 06:26:05.75 ID:GqgxNFCA
GJです。
期待で益々膨らんでるぜ!
166夏菜子のなつ:2013/06/02(日) 06:27:04.47 ID:yTGxhC6r
「夏菜子のなつ」作者です。

「夏菜子のなつ」はここから本編のクライマックスに入ります。
夏休みが終わり、夏菜子が東京に帰る時期になるまでが「夏菜子のなつ」で
その後はまた違うタイトルを付けて、ゆっくり続けます。

とはいえ、保管庫がない状況なので、後から読めるように何か手段を考えてみます。

それでは、また近いうちに来ます。
167名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 11:26:25.65 ID:6y6NJoZ7
乙乙
続き待ってまつ
168名無しさん@ピンキー:2013/06/02(日) 12:29:01.14 ID:P8kNnLxA
乙です
169あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
170名無しさん@ピンキー:2013/06/03(月) 20:05:27.46 ID:99fSWZ/m
>>166
乙です!
AV女優新谷紗織誕生まで是非よろしくお願いします。

あとめっちゃ気が早いかもしれませんが、後日談としてちょっとでも良いのでAV女優紗織の活躍
を見れたら良いななんて思っています。
そういえばAVのあとはストリップをやったりする女性も多いようで、
新谷紗織はどうするのかな?とも。
171夏菜子のなつ:2013/06/03(月) 23:59:55.48 ID:yMQ5quCq
>>170
作者です。ありがとうございます

後日談というか、もう本編の前提としてかなり細かく設定出来てるんですけど
いわゆるアイドル系、単体女優として、一言で言うとものすごく売れると思っててください。

AV女優って、基本的に過去をほじくり返すのがタブーで、それをやろうとすると嫌われる
でもみんなものすごい興味津々。特に本物の有名大学の女子大生とか、本物の音大生とか
そういうの後からわかると大騒ぎになりますよね。

ただ、そういう要素とAV女優としてのレベルは別問題で、逆に言うとものすごい売れてる女の子が
どういう事情でAV出るようになったとか、あまり知られないようになってると

で、「新谷紗織」っていうのは、「もし超売れっ子のAV女優が本物の優等生でお嬢様だったら」
的な感じです。

あとはまたこんど。とりあえず自演を疑われたくないので日付が変わる前に。
172名無しさん@ピンキー:2013/06/04(火) 20:36:51.56 ID:upJ9BzAb
つまり多田野は女であったなら完璧だったということか・・・
173170です:2013/06/04(火) 23:58:16.84 ID:zzfBPfi4
>>171
レスありがとうございます。
うわ〜ますます最後まで見たくなりました。
どうか最後まで完走お願いします。
応援してます!
174夏菜子のなつ:2013/06/05(水) 01:25:43.11 ID:DZRlEfWU
>>173
いや、こちらこそありがとうございます。

変なのが出て来ると、それがおかしな者と頭ではわかっていても、
ひょっとしたらみんながそう思っているのではないかと
思ってしまうものです、だから>>170のレスはとてもありがたいです。

補足します。
>>170のレスは夏菜子のその後どうなったかということをお聞きと思います
「夏菜子のなつ」で描かれた「夏休み」は、2010年を想定しています。
だから冒頭のシーンは論理的には2012年です。

なので、「新谷紗織」は、今現在、AV女優を続けてると思ってください。
最後までというか、同時代を生きる一人の女の子として見てくれれば、なお幸いです。

それではまた。
175名無しさん@ピンキー:2013/06/05(水) 23:56:08.98 ID:BzyYM6/x
悪い、「新谷紗織」って誰?
176名無しさん@ピンキー:2013/06/06(木) 00:18:19.52 ID:7Nq5J4+1
>>175
多分オリキャラ
177名無しさん@ピンキー:2013/06/06(木) 00:32:26.77 ID:SdDOex5F
夏菜子がAVに出た時の芸名が新谷沙織って一番最初に書いてあったよ
178名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 12:36:18.10 ID:SnRaIJOu
アニメとかで堕落させたい優等生いる?
179名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 13:03:42.08 ID:SnRaIJOu
なあ、優等生堕落させるのはもういいんじゃね?

完全平和主義で行こうよ
180名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 16:35:20.02 ID:CkRnWjns
などと意味不明な(ry
181名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 19:23:27.88 ID:zflIuFqp
お客様、お帰りはあちらです
182名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 20:50:48.38 ID:ky6kj+Q8
そんな優等生発言しちゃう>>179を堕落させる展開はよ
183名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 23:39:29.62 ID:3Ki/9LD6
今までの小説の中で、勝手に第3者が続編書くのはアリ?
184名無しさん@ピンキー:2013/06/07(金) 23:44:15.10 ID:3Ki/9LD6
優等生が堕落する展開というのは、例えるなら武井咲が暴走族と思わしき
女子たちと混ざってるようなものかな?
185名無しさん@ピンキー:2013/06/08(土) 00:06:31.61 ID:iThAGd3R
武井咲は元ヤンだしなあ……あまり興奮しない
186名無しさん@ピンキー:2013/06/08(土) 07:32:16.64 ID:ylvZEQC7
>>183
荒らしたいならアリ
187名無しさん@ピンキー:2013/06/08(土) 13:31:34.52 ID:cbJ8UMMD
>>183
荒らしたいならアリ

じゃあ、やめまーす
188名無しさん@ピンキー:2013/06/08(土) 23:52:32.21 ID:QTg91EwD
>>187
勝手に、というのがおかしいのであって、どの話かを言ってみて
もとの作者の反応を待ってみてはいいのでは?
189187:2013/06/09(日) 19:46:44.83 ID:IDjcyFP2
>>188
わたぐも氏の「弥生&水希」の破滅&最後を描こうと思うけど
190名無しさん@ピンキー:2013/06/09(日) 21:13:49.05 ID:+CJTrcIA
>>189
それは本人と疑われるからまた別の理由でやめたほうがいいな
191名無しさん@ピンキー:2013/06/11(火) 07:41:14.20 ID:Gir4UI22
おーい
新作ないのか?
192名無しさん@ピンキー:2013/06/12(水) 00:56:21.87 ID:xn6o/Ja5
中学生の時の私は、茶髪でミニスカでだらしない女子高生には絶対なりたくなかった。
しかし、入学して時間が経つとそういう格好の生徒が増えてきた
友達まで私にそういう格好をしろと進めてきた

最初は絶対に嫌だったけど、私のいない所で、友達が私の格好をダサいから、
一緒に思われたくないから、仲間外れにしない?というのを聞いてしまった。
それは嫌なので、嫌だけど、スカートを短くした。

初日はスースーした。それに短くてみられているようで恥ずかしい。
友達に相談したら、注目されたいから短くしてると言われて呆れてしまったが
数日も経つと、この格好も平気になり、靴下もみんなと同じルーズソックスになった。

足が細く見えて格好いい。それにこのダボダボな感じがいい。
今まで、こういう格好に否定的だった自分が恥ずかしくなった。
そして、他の人にどんどん注目されたい見られたいという奥底に眠っていた欲望が表に出てきた。
193名無しさん@ピンキー:2013/06/12(水) 01:07:05.57 ID:xn6o/Ja5
それから今の格好になるのはあっという間だった。

髪の毛を明るい茶髪に染め上げて、化粧もバッチリ決めている。
まつ毛も付けまつ毛で目元がぱっちりで可愛くなったし、耳には左右三個ずつピアス。
セーラー服も胸隠しを捨て、際どい胸元を見せ、制服の下には素肌が見え、お臍にもピアス。
スカート丈はあれから更に短くなり、三十八センチで立ってギリギリ見えないぐらいの短さ。
靴下も今ではニーソになり、派手な赤色で私が一番目立っている。

今はトイレで煙草吸ってる。
そして、ムカつくクラスメイトを数人で虐めてる。
じめ子の苦痛に満ちた顔を見るのが楽しい。

辞めてほしいとみてくるので、
容赦なく足で顔を踏ん付け、床に這いつくばらせる。

ああなんて気持ちがいいのだろう。
今日もじめ子や他のターゲットの悲痛な顔を見て、憂さを晴らす。

入学から半年、私は腐った人間になってしまった。
それでも、この快楽を知ってしまうと、後悔なんてするはずがない。
今度はどんな事をして楽しもうか、
今の私が考えるのは、今、この時の短絡的な快楽だけだ。
194名無しさん@ピンキー:2013/06/12(水) 22:11:48.10 ID:ND5t+wzL
個人的には隣の席の少女の続きを書いてほしい
195名無しさん@ピンキー:2013/06/13(木) 07:29:26.17 ID:5eQ1sC0T
同意
あれは良かった。続きが気になっている。
196名無しさん@ピンキー:2013/06/13(木) 14:24:02.36 ID:vPIckrVS
隣の席の少女はエロ描写は最後の方だけだけど全編でガチで抜けるから困るw
197名無しさん@ピンキー:2013/06/13(木) 14:25:19.44 ID:vPIckrVS
そうだ、途中で詩織を金髪化している最中で里奈がオナるシーンもあったな
198名無しさん@ピンキー:2013/06/14(金) 19:59:52.39 ID:DR1a3wol
隣の席の少女って何?
199名無しさん@ピンキー:2013/06/14(金) 22:36:38.41 ID:3CnxU2fi
過疎ってるな
200名無しさん@ピンキー:2013/06/15(土) 00:19:59.29 ID:jsiAzSES
そういや隣の席の少女が投稿されてスレが活性化したっけ
作者さん帰ってこないかなぁ、続きが気になります
201名無しさん@ピンキー:2013/06/15(土) 09:10:15.25 ID:H7Nbf15A
まあ戻ってきたら追い出すだけだがな
202名無しさん@ピンキー:2013/06/15(土) 14:57:25.56 ID:jsiAzSES
はいはい、荒らし乙
203名無しさん@ピンキー:2013/06/15(土) 20:43:10.56 ID:3gaYFnOP
おかしな方向に進んでいる気がする
作者さんを大切にしよう
204名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 00:20:08.85 ID:097ydIoN
>>201の荒らしってずっとスレに張り付いているのかね
いろいろ暇な人なんだろうな
205夏菜子のなつ:2013/06/16(日) 15:55:46.92 ID:4Phk/Ehv
「ふふ・・・」
夏菜子はペニスを頬張ったまま口元を緩ませて、目尻を下げてにっこりと笑う。
そのほほ笑みは驚くほどいやらしく、それでいて男の腰を砕けさせるほどかわいかった。
少し肩をすぼめて鎖骨の穴が深くなる仕草は、守谷が子どものころ、遠い憧れの存在であった、
夏菜子の母・菜津子とそっくりだった。

夏菜子とセックスするのはこれが3度目であったが、何度も夏菜子の表情や仕草に、
まだあこがれの人であったころの少女のころの菜津子を見ていた。
侵しがたい美少女でお嬢様そのもの――これは守谷にとっては菜津子そのものである――であるにもかかわらず、
淫乱そのもののケバギャル……夏菜子が上をむいてにっこりと笑うその口、
口をすぼませ淫棒にむしゃぶりつくときの上目遣い……菜津子に生き写しであった。

その一方で、上目遣いのまま一瞬陶酔したように瞼を閉じたあと、
パッチリとあいた時の眼の力は、どこまでも艶かしく、金色の光る髪がいやらしさを何倍にも高める……
その瞬間、夏菜子は最上級の淫乱ギャルであった。

天使と悪魔、と言っていいかもしれない、全く相容れない2人の夏菜子がいるようであったが、
守谷にとってその2種類の夏菜子は矛盾なく受け容れられるものであった。

それは、子供の頃、憧れそのもののお姉さんであったころから始まり、あっという間に美しく、
なお手に届かないと思っていた美少女の姿と夏菜子が重なるからであった。
永遠に手が届かず、その存在すら想像の中の物になり始めていたある日、
突然自分の童貞を奪いに現れ、その後もいつの間にか自分とは毛並みの全く違う大学教授と結婚し、
子どもまで生まれたと思ったら、男を求めて自分に近づいてきて、
何年にもわたって人の道に外れた行為を自ら望んできた、菜津子の姿と重なったからである。

守谷が菜津子と初めてセックスした時に、菜津子はすでに20歳を超えていた。
その後も不倫を始めるまでは、さしたる回数をこなしたわけではない。

だがいま自分の目の前にいるのは18歳の少女である。
自分が最上級の美少女を処女から淫乱ギャルにまで仕立てあげた。
30に近づいてからようやく自分の手で、手探りで開発した菜津子とはやはり違う。

同じように齢を重ねた自分とのギャップもあり、
余計に夏菜子のみずみずしい、若々しい肌と柔らかさ、滑らかさ、弾力も、子どもを産んだことはもちろんのこと、
4日前まで男を知らなかった、汚れを知らない体の曲線、ギャルそのものの顔と正反対の真っ白で、
ぷっくりと膨らんだ胸に、薄いピンク色の乳首――それに加えて、
最上級の美少女を18歳まで優等生として育て上げた菜津子の努力をすべて水泡に帰すという背徳感もある。

所詮は不倫の、体だけの関係でしかないという、守谷の劣等感は、
菜津子から大事なものを奪うということで少し埋められたのかもしれない。
206名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 15:58:44.04 ID:4Phk/Ehv
手の届かないお嬢様を自由に扱う優越感、優秀で美しい女の子を自分の性具のようにあつかう征服感、
その娘を育て上げた母親の18年を一瞬で否定する背徳感、
そしてケバいギャルの淫乱さを日に日に高める達成感。

守谷にとって、夏菜子を犯すのはそういった様々な男の欲望を一発で満足させるものであった。

「おお、きもちいい」
守谷はそう言って前かがみになる。倒れそうになるオトコに夏菜子がしがみつく。

「あはは、気持ちいいんだ!」
夏菜子は、ぎゅっ、と守谷の下半身にしがみついた。
そのまま前に押し出すように、夏菜子自身の唾液で濡れた逸物ごと、ぎゅっ、と抱きついたまま、
一番近くにあった布団に守谷を押し倒そうとした。

守谷は、促されるままゆっくりと仰向けになった。肉棒は天井に向けて垂直に立ち、
その下になった玉袋からねっとりと裏スジまで、夏菜子の舌が舐め上げ、
そしてもう一度ぱっくりと亀頭を咥えて、舌を裏筋に密着させたまま上下運動を始める。

今度は少し陰りを帯びた表情と、肩の下にかかる金髪の向こうで、
微かに谷間の下で揺れる乳房が守谷の感度を高めた。

一つ、忘れていた。夏菜子にあって、菜津子にないもの……それは守谷自身が「犯されている」という被虐感であった。
菜津子は、ベッドに向かうまでは驚くほど積極的に誘ってくることも度々であったが、
一度床につくとその後は完全に受け身であった。

守谷の性技は菜津子を満足させようとして、高められたことは間違いない。
だが、その守谷が驚くほど夏菜子は裸になったあとも激しく男を攻め立てる。

「おちんちん、美味しいか?」
周りで誰かがそんな声を掛けた。静寂の中で夏菜子がじゅぼ、じゅぼと守谷をしゃぶる音だけが響き、
緊張感に包まれた仏堂にあって、その声は空気を変えるものであった。どっと、笑いが起きた

「はい、美味しいです」
笑いが少し収まるのを待って、夏菜子は平然と応えた。
質問に答える夏菜子は、自身に満ちていて、はっきりとものを言う、優等生の顔をしていた。
その次の瞬間、淫乱ギャルの顔に戻って、だらしなく脚を開いた守谷の股間に顔を埋め、
両手で玉袋を、竿の根本を弄びながら、ゆっくりと口は上下運動を繰り返す。

いつの間にか、膝が体の内側におさまり、ホットパンツを履いたままのヒップがせり上がって、
仰向けの守谷からみてピッタリとしたホットパンツの上からでもわかる、
細いウェストから一気に広がる形の良いヒップは絶景であった。
207名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:01:08.52 ID:4Phk/Ehv
「俺のよりも美味しいか?」
そう質問をかぶせたのは雄一であった。
「んふ・・・うーん・・・わかんない・・・」
笑いが起こる中で、夏菜子はちょっと困ったようにそう答えた。すると、

「じゃあ、味比べだな」
と言って、雄一が夏菜子の後ろに回った。

「あ、あぁん・・・そんなぁ・・・」
前のボタンだけが外れて、履いたままでのホットパンツを雄一が脱がそうとすると、
口とは裏腹に、夏菜子はその動きに従って右、左の順で膝を上げてパンツだけになった。
脱ぎ捨てられたままのブラジャーと同じ、白いパンツをめくると雄一がめくると、淫らな桃が現れる。

「うほぉ、ヌレヌレだな!」
雄一はパンツを脱がす途中で軽く、女芯に指を滑らすと、そう言った。
「あは・・・んふ・・・ぅん・・・」
夏菜子は一瞬目を閉じて、ようやく自らの欲望を開放できる、というふうに歓喜の喘ぎ声を挙げた。

きもちいい、というふうに目を閉じるのと同時に、口元が少しほころぶ。
淫靡な表情が守谷からもはっきりと見えた。

「あぁん・・・!」
雄一が夏菜子の突き上げられた尻から女の子の裂け目に舌をはわせると、
ゆっくりと、ねっとりと守谷を締め付けていた口が緩んだ。

「あぁ・・・すごい・・・だめぇ・・・」
フェラチオに集中できなくなると、夏菜子は完全に口を肉棒から離す。
自らの唾液と守谷の先から溢れ出る粘液にまみれたままの口から、高らかに喘ぎ声をあげるようになる。

「あぁ・・・ん、はぁ・・・」
ねっとりとよだれを垂らしているのは、下の口も同じであった。

尻は突き上げたまま、雄一の指が夏菜子の中に割って入ってくると、
また、目を閉じて、今度は顔を布団に沈ませたまま、右手は守谷の足の向こうでシーツをぎゅっと掴み、
左手で必死に守谷の肉棒をにぎって、なんとか上下にこすっていた。

「ほら、味比べだ」
雄一がそういって手の動きを止めると、半泣きの夏菜子が身体を起こす。
守谷の時と同じように、仁王立ちになった雄一が自ら裸になると、
同じように、正座して、左手はなんとか守谷の肉棒を握ったまま、
やはり上目遣いでぱっくりと雄一の逸物を咥えた。
208名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:06:19.99 ID:4Phk/Ehv
「んふ・・・ん」
味比べ、という言葉が夏菜子の耳に残っていた。雄一の肉棒は、
若い分だけ守谷よりも固く、またわずかに太くて、亀頭のくびれも大きかった。
さすがにどっちが美味しいか、などという類のことはだれも聞かなかったが、
夏菜子の気持ちの中では、太く、硬い雄一の逸物が、挿入された時の締めつけ感が思い出されて、美味しかった。

だが、守谷が美味しくなかったわけではない。
夏菜子の脳裏には、一昨日、徹底的にフェラを教えこまれた時の記憶が蘇っていた。
人として、というより道具、性具として扱われることが嫌いではなかったのである。
それはまた、人間臭さを排除することで、お人形のような美少女でお嬢様でありつづけた、
石田夏菜子という人にとってそのほうが楽だったからなのかもしれない。

「それじゃあ、俺はこっちから」
雄一と守谷がなにか目配せをした。すると、守谷は夏菜子の下半身を崩して、
さっきとは反対向きに四つん這いにさせた。雄一は、自ら腰をおろし、脚を開いて、ふんぞり返って

「ほら、しゃぶり続けろ」
と、夏菜子に命令した。

「ふぁ・・・い・・・んふ・・・・」
守谷は器用にゴムをつけると、十分に湿っていることを確認し、
突き上げられたヒップの中心にある裂け目に、肉棒が収まる穴を見つけ出した。

「ほら、串刺しにしてやるぞ」
「あぁ・・・ふぅ・・・ん!」
「おい、口を離すなよ!」

後ろから守谷を受け入れつつ、フェラをやめないように、
夏菜子は必死で耐えた。口を離さず、必死で雄一を咥え続けた。

「あはぁ・・・ぅぅん!」
ゆっくりと守谷が腰を動かし始めると、そんな夏菜子の決意も何処かへいってしまった。

「あぁん・・・・あぁん!」
しかし、左手で必死に肉棒をこすり続け、離した口もすぐに押し付けられるようにして咥え直した。
夏菜子は気づかなかったが、いつの間にか周りでもそこかしこで男女が交わり始めていた。
まだ夏菜子のように素っ裸で乱れまくっている女子はいなかったが、もう、「罰当たり」が完全に始まっていた。
209名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:10:19.27 ID:4Phk/Ehv
「あぁん、あぁん!」
なんとか、雄一をしゃぶろうとするが、口を近づけようとする度に、嫉妬するように守谷が夏菜子を突く。
全身にその衝撃が走ると、夏菜子はやはり左手でシーツを握り、
右手で必死に雄一をしごこうとする。

突かれる度に、絞り上げるように頭を振るので、ウェーブのかかった金髪が乱れて、汗とよだれに濡れる。
夏菜子は、その度に少し恨めしそうに後ろにいる守谷を振り返る。その度に髪がまた乱れる。
そして、何度目かに後ろを振り返った時に、この場にいるはずのない、人を守谷の向こうに見た。

「!!」
振り返った夏菜子がまた前を向いて雄一を加えようとする。だが、
集中力を欠くようになった。夏菜子は、現実から逃げるように快楽に溺れようと試みるがそういう時ほど、
いま見た人が、夢でも幻でもないことを、はっきりと知覚するのであった。

「あぁっ……あぁっ!」
少し、喘ぎ声が低くなった。

「おい、もう終わりにするぞ」
守谷は、夏菜子が異変に気づいたことを察知して、雄一にそう告げた。
「はい。わかりました」
雄一からもその人は見えていたので、守谷の言葉の意味を理解するのに時間はかからなかった。

「けほっ……あぁ……」
夏菜子は、唐突に二人の男から解放されて、髪が喉に入ったのか、少し咳き込んだ。

「ママ……」
現実に屈するように、ゆっくりと顔を上げて、後ろにいる人を確認すると、そのまま布団に崩れ落ちた。
夏菜子のよだれと、女汁で少し湿っていたが、そんなことは気にならないほど、夏菜子は驚いていた。

「夏菜子……」
菜津子は、まだ、視線の先に横たわっている、金髪でケバいメイクのギャルが、夏菜子だとは信じられなかった。
というより、信じたくなかった。

夏菜子は、間違いなくその人が母・菜津子であることをはっきりとわかっていた。

「みんな、紹介しよう。『宴』のOGの柴崎……今は石田さんか。石田菜津子さんだ。
今日はわざわざ遠くからこんなところまで来てくださった」

「……」
菜津子は、ここに至って、ようやく事態を飲み込めた。

そして、わざわざ自分から守谷の罠にハマりに言ったことに気づいた。後悔しても遅かった。
210名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:11:31.34 ID:4Phk/Ehv
あれは、夏菜子じゃない、と思い込もうとして、棒立ちのまま伏し目がちになる。
見たことのない髪の色、見たことのないようなメイク、夏菜子によく似た別人だと、思い込もうとする。

だが、うつ伏せのまま、菜津子の方に眼を移した時の目つきが、
なにか叱られるようなことをしでかした時に「ママ、ごめんなさい」と許しを請うときの目つきであった。

最近では手のかかるようなことが殆ど無かったので、しばらく見ていない表情だった。
幼児のころから変わらぬその眼差しは、確かに夏菜子である。

(どうして、ママがここにいるの?)
夏菜子はまだ信じられなかった。どうして、母がここにいるのか、そのプロセスが全く不明だからである。

だが、1つだけ思い当たることがあった。

昼間、夏菜子が出かけようとした時に、祖母・光子がなにか深刻そうな面持ちで携帯電話で話していた・・・
211名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:15:54.02 ID:4Phk/Ehv
遡ること10時間半ほど、午後一時過ぎのことである。

祖母・光子は、孫娘の夏菜子が「宴」でつらい思いをしているのに、
明け方、家に帰ってきた時に気丈に振舞って見せたことが心に重くのしかかっていた。

その心の苦しさをはっきりと吐き出そうと思ったわけではない。
ただ、たとえ嘘でも夏菜子が元気であると菜津子に報告しようと思って電話をとったのである。

しかし、結果的に、あまりにも重い嘘を電話口でつけなかった。
電話が通じた瞬間から、なにか様子がおかしいことを、菜津子はすぐに感じ取った。

光子は、夏菜子が髪を染めたこと、そして毎晩朝まで帰ってこないこと、
そして、そのことについて町内会の人に許可を与えたこと、を話してしまった。

一時間ほど、電話口で口ごもり、泣いているような声が聞こえたが、
あまり重要な情報が光子からは聞き出せなかった。

だが、夏菜子が「宴」に参加していることは菜津子には確実なように思われた。
光子と菜津子の母娘は、菜津子が宴に参加していた時も、そのあとも、
一度もそのことについて話題にしたことはなかった。

光子が「宴」の存在を知っているかどうかも、菜津子は確信を持っていなかった。
口ごもった言葉の中に、光子が「宴」の存在を知っていたことを、43歳になった今、初めて確信した。

そして同時に、母親として、夏菜子を守らなければいけない、という強い母性が菜津子の内側で燃え出した。
一時間ほど逡巡したあと、車に乗って東京の家を出たのが、午後3時のことであった。

どうすればいいのか、何をしにいくのか、分からないまま、菜津子はハンドルを握って、高速に乗った。
東京の家から北の街までは、全行程で7時間ほど、とナビが計算した。

とにかく、今日はまだ祭り期間中である。地元の男たちに、愛娘を犯されることが夏菜子にはたまらなかった。

強引にでも、祭りの巡行中でも、夏菜子を東京に連れ帰ろうと思った。
まさか、「宴」がいまでも存続しているとは思っていなかったし、
まさか、そんな集まりには一番遠いところにいる、北の街を離れて5年も経つ夏菜子を、
町内の男たちが毒牙にかけようとは思わなかったし、
また、優等生そのものの夏菜子が、その誘いに乗るとも思わなかった。

こうした予想の、どれか一つでも当たっていれば夏菜子が「宴」に参加させられるなどということは起こらなかったはずである。
夏菜子に夏休みの帰郷を許すのではなかった、と後悔した。
18年間、手塩にかけて、どこに出しても恥ずかしくない娘を育て上げた。
夏菜子は全力で母の期待に応え、今の時代にしては厳しいしつけも、
多くの習いごともこなし、それでいて勉強もさぼらなかった。

名門の私立女子高に通い、一流大学の推薦をとってきた。
柴崎家の孫としても、大学教授の夫の娘としても、全く恥じることのない自慢の娘だった。
212名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:18:52.96 ID:4Phk/Ehv
そんな娘が、地元の、浅黒い肌をした、若い男たちの慰みものになっているなど、
母親としての菜津子には耐えられないことだった。

光子が、中途半端に菜津子に心情を吐露し、事実を打ち明けたのは、
「宴」に参加して町内の男たちとセックスするのが、基本的に辛い記憶だったからである。
3代にわたって「宴」で町内の男たちとセックスしてきた光子、菜津子、夏菜子であったが、
菜津子の捉え方は少し違っていた。

「宴」はあくまで楽しむものであった。その違いは、14歳の処女であったみつこと、
17歳ですでに処女ではなかった菜津子の違いであったかもしれない。

夏祭りの間楽しんだことは、夏祭りが終わればそれでおしまい、というのが菜津子の時代の暗黙のルールであり、
それを破るものは誰もいなかった。
その習慣が、結婚して子どもを育てながら、外に男をつくらずにおれなかった、
菜津子という女を育ててしまったのかもしれない。

だが、母親となればやはり娘を守らねばならない。
菜津子にとって「宴」は楽しいものであったから、光子とは正反対に、夏
菜子も楽しんでいるという前提でものを考えた。

電話やメールで、宴に参加することを辞めるように告げても、物理的に強制できない以上、意味のないことであった。
とぼけられたらおしまいである。だから、夏菜子には一切の連絡をせずに、とにかく高速を北へと向かった。

だが、このままでは、菜津子が北の街についた時に、祭りの巡行がどこにいるか、
あるいはもう終わっているのかも分からなかった。小さな街とはいえ、祭りともなれば渋滞も起きよう。

やみくもに探すのでは、「宴」の行われる場所に逃げ込まれたら、もはや夏菜子を追う術がない。
そのことに気づいた時、菜津子が頼れる人間は1人しか思い浮かばなかった。

守谷の携帯が、鳴ったのは16時半前のことであった。
「もしもし、守谷、今年も夏祭りでてる?」
挨拶もなく、いきなり質問してきた菜津子の態度に、守谷は驚いたが、なんの用事かはすぐに解った。

その言葉は、守谷が「宴」の元締めを続けていることを知らない口ぶりであった。
「あぁ、出てるけど、なに?」
守谷は一計を案じた。どういう経路でかわからないが、菜津子が電話してきたのはかなこの県であることはすぐに察せられた。

だが、もしそのことに関して抗議を受けるのであれば、なんとしてもかわさなければいけない、と思った。
なにしろ、元締めとしてようやくこぎつけた寺の仏堂での「罰当たり」の当日である。
その気勢を削ぐようなことはなんとしても避けたかった。
213名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 16:23:01.62 ID:4Phk/Ehv
「まだ『宴』ってやってるの?」
「いや、おれは、わかんないな」
「もう、どうなのよ!!夏菜子が、それに出てるんじゃないか、ってことなんだけど」
「いや・・・まさか、あの子が?そんなことは・・・」
困惑した風を装い、何も知らないというようにすっとぼけた。

のらりくらりと菜津子の追及をかわしているうちに、守谷は、最良の一手を思いついた。

「わかった、それじゃ、今からちょっと探ってみる。で、どうすればいい?」
「お願い、早くして。あたしは10時前にはそっちに着くから。協力して!」
「こっちに着くって?」

守谷の予想はあたった。菜津子は北の街に向かっていることをまだ話してしまった。
それが、長く不倫関係を続けていた守谷の住む北の街に向かっている、ということであることをよくわかっていた。
だから、夏菜子を迎えに行くことは告げずに、祭りの巡行が22時あたりにどこにいるのか、
それだけを聞けばいいはずであった。

もし、間に合わなかった時のために、今の「宴」の元締めが誰で、今日はどこに集まるのか、
それを守谷に探ってもらうだけでいいはずであった。

「また、連絡するから、お願いね」
菜津子はそれだけ言うと、電話を切った。

少しずつ、北の街に向かう菜津子の心持ちが変化していた。
だが、夏菜子を守るという名分があったから、おかしな方向に高鳴る気持ちをごまかしながら、
山の合間を通り抜ける高速道路を一路北へと向かった。

守谷がとっさに仕掛けた罠に嵌り込んだことに気づかなかった。

守谷は、もちろん何も調べたり探ったりすることはなかった。
ただ、菜津子に祭りの巡行の時間について、「23時くらいまでかかる」と嘘をついただけだった。

そして、「途中で抜けて迎えに行くから、22時に町外れにある〇〇の駐車場に来てほしい」と、メールで伝えた。
菜津子からは了解した旨の返信があった。
菜津子も、その場所が人気のない場所であることはわかっていたのだが、
特に待ち合わせ場所を帰るように要求しなかった。

祭りの巡行が終わって、22時過ぎに守谷が祭り小屋をそそくさと後にしたのは、
菜津子との待ち合わせに向かうためであった。
214夏菜子のなつ:2013/06/16(日) 16:26:49.40 ID:4Phk/Ehv
「夏菜子のなつ」作者です。

今日はここまでにします。
ちょっと間があいてしまいました。待ってくださってた方すみません。
クライマックスがもうちょっと続きます。

それではまた、近いうちに。
215名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 17:28:45.42 ID:+MXBLmSn
GJ!GJ!

続きを正座待機
216名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 17:32:14.41 ID:097ydIoN
おつおつ!
続きを楽しみにしています
217名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 23:38:39.24 ID:gdjPMHLn
前アキバブルーを演じてた人がこんど出演する映画「桜姫」も
このジャンルに入るのでは?
218名無しさん@ピンキー:2013/06/17(月) 02:10:55.40 ID:QfwDGiDt
>>214
乙です
変な荒らしが居着いていますが気にせず頑張ってください
219名無しさん@ピンキー:2013/06/17(月) 22:47:50.56 ID:iOTdngZR
保管庫ポチポチ作ってるんですが、結構作品多いんですねえ・・・
それはそうと、2スレ目って>>929以降に投下はありましたか?
220名無しさん@ピンキー:2013/06/18(火) 00:13:58.09 ID:spnlj3Fe
ここで自分は女ですって言うのはどうかと思うけど
中二の三月で三年がいなくなって、初めて校則違反した時は
背徳感?みたいなものと、周りからどう思われるかでドキドキした覚えがある

私の学校の場合は、制服の下にはセーラーシャツと
呼ばれていたものがあって色は白しか無かったけど
三年がいなくなると、みんな普通に来ている色がついたシャツとか着始めた。

私の場合は結構、校則は守るものだと思っていたけど
なんだかんだいって、逆らってみたい気持ちが膨らんだ覚えがある。
色は、オレンジだったと思う。

緊張したけど、最初に友達に気付かれて、声をかけられたけど
「可愛いじゃん!」と言われて、一気に気分が軽くなった。
221名無しさん@ピンキー:2013/06/18(火) 00:19:27.15 ID:spnlj3Fe
それから、周りに合わせるようにどんどん校則違反をするようになった。
一年・二年と違う所を見せたいとか、先生や学校にムカつくとかそんな感じ。

春休みに茶髪にして、思ったより色が明るくてビビってたら
みんな、三年に上がるのと同時に染めてる子が多かった。
おそらくクラスの女子の半分ぐらいだった。

それと、運がいいことに怖い先生がいなくなったので、私達の学年は荒れた。
私のクラスの位置付けは真ん中やや上あたりだと思ってたけど
髪も伸ばして、更に明るい茶髪で、スカートも膝上20センチぐらいで
靴下はルーズソックスで、ルーズとルーズでない子の間には
クラスカーストみたいな不文律が存在していた。
222名無しさん@ピンキー:2013/06/18(火) 00:24:47.37 ID:spnlj3Fe
今、考えたら最初に勇気ださなかったら
中三はこんな調子乗らなかったかもしれないと思う

中二までは、ある程度校則守ってるのが普通だけど
それが崩れた時に、どこにいるかで決まるんだと思った

私と一緒の真面目な子は、こんな環境でも真面目だったけど
中三の時は、嫌われてる女子と一緒にグループだったからね。

あそこだけには行きたくないと思ったし、
あのグループだといじめの標的にもなっている子もいたので
今考えても、一番最初が分岐点だったんだなって思った。

短いけど、真面目だった中学生で、
ちょっと調子に乗って、不良?ビッチ?になった話でした。
223名無しさん@ピンキー:2013/06/18(火) 18:11:07.94 ID:Dc3zy1h/
>>219
939と957に小ネタっぽいものが1レスずつある
224名無しさん@ピンキー:2013/06/19(水) 03:06:57.17 ID:7yAQvguf
>>201
こんな場末のところに張り付いて荒らしだなんてご苦労なことだなw
225名無しさん@ピンキー:2013/06/19(水) 06:31:46.79 ID:jD55RS7R
>>221-222
そういう話を朝から聞くと・・・ウッ
ふう・・・・
226名無しさん@ピンキー:2013/06/19(水) 07:26:04.43 ID:w0v0Bynl
優等生は一度箍が外れると堕ちるのが速いかも
これくらいいいよねととか、みんながしてるからとか、自分に言い訳して納得すると・・・
SEXも一度覚えると、当たり前にしたり、円光も一度したら病み付きになったり、
こういう堕ちをSSにしてほしいな
227名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 13:10:29.20 ID:be/F6WIp
わたぐも氏の「弥生&水希」のエピローグを書くのは駄目か・・・

破滅しかないけどな!
228名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 13:42:31.70 ID:be/F6WIp
こういう堕落系の小説や女の子が辱められている小説で喜ぶ俺は
相当のゲス野郎なんだろうな
229名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 14:42:39.44 ID:CvE6I2zO
そりゃこのスレ見てる奴全員そうさ〜♪
230名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 19:45:02.05 ID:JSxqFsIR
マジで隣の席の少女の作者さん帰ってこないかな
あれくらい辱めるのはなかなかないからなぁ
231名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 01:08:39.92 ID:EAYhm/jY
髪を脱色して金髪化しているだけなのにあそこまでエグく描けるんだからなぁ
続きがあるなら読んでみたいもんだ
232名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 12:50:25.24 ID:xh1cUBSd
まあ、あこがれを感じていても、「あの人は優等生だから俺なんか〜」
と声を掛ける事にも引け目感じる奴が、「お前が憧れてる優等生をじわじわと
堕落させる、お前は何も出来ないことを実感しながら指をくわえてみていろ」
と言われたらへこむわな
233名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 21:29:20.08 ID:IfZZNNKw
いきなりどうした
234名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 21:47:15.72 ID:y5ZjQfSx
真面目なJKをビッチにするのがいいんだ
235名無しさん@ピンキー:2013/06/22(土) 10:07:17.80 ID:rsRd1Q7H
化粧もしたことのない女の子をケバケバにしたい
236名無しさん@ピンキー:2013/06/22(土) 16:04:34.24 ID:zaSTiZbD
>232 で誰か書いて
237名無しさん@ピンキー:2013/06/24(月) 02:16:37.77 ID:QG+wzYYL
現在保管庫作業は1スレ目の600付近まで到達。
238名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:00:28.42 ID:o+nDQ4r8
結城ナオ。
おっとりした性格で、長い黒髪、頭もいい。いかにもいい所のお嬢様といった感じの生徒だった。
ある日、学校の外で、学校の不良と、強面の男が会話していた。
内相は結城さんを監禁して、Aホテルという潰れたラブホテルに連れ込むらしい。

僕は、そんな事させないと思ったが、恐怖で足が動かなかった。
結城さんが学校を出て友達と帰っている。僕は後を付ける。
一人になると、複数の男に結城さんが取り囲まれて、車に乗せられた。

場所は分かっている。僕は走ってAホテルまでいった。
中に入ったが、まだ誰もいなかった。

しかし、複数の人間の足音がする。こっちに来るのが分かる。
今出ていったら、確実に見つける。僕は後悔していた。
そして、部屋内で隠れる場所を探し、クローゼットの中に隠れた。
239名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:11:35.12 ID:zfmZ78/r
複数の男達が部屋に入ってくる。計三名。二人はさっき見た男だった。
結城さんはこんな時でも相手を諭すように言葉を選んでいた。

しかし、主犯の加山はそれが気に食わず、ビンタをかました。
加山「いつまで、その態度でいられるかな?お前ら、こいつの服を脱がせ!」
そう言われると、残りの二名は命令のままに結城さんの制服を強引に脱がす。
そして、加山が下着を剥ぎ取ると、生まれたままの姿になった。

加山:「俺はもう我慢できねぇ、何もしないまま一気に貫通してやるよ」
そういうと、ものの数秒で結城さんの純潔を奪った。

結城:「うぐっ!!」
結城さんの痛みが部屋内に響く。加山はこれでもお構いなしに行為を続ける。
加山:「そろそろ中にぶちまけるか?」そういうと結城さんの目の色が変わった。

結城:「お、お願い。それだけは辞めて、今日だと赤ちゃんができちゃうかもしれないの…」
加山:「そうか?へへっ…」

結城:「いややややや〜!!」
結城さんのこれほどと比較にならない絶望。声の大きさがそれをあらわしていた。
240名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:23:12.44 ID:zfmZ78/r
加山:「どうだった処女を失った感想は?」
加山が意地悪そうな顔で結城さんに訊く。そして結城さんが冷静さを失った。

結城:「なんで、私がこんな事されねぇといけないんだよ!」
結城:「お前ら、全員死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
結城:「うぉぉお!クソが、クソムシ!」
結城:「男なんか、私の美しさを見て、お部屋でオナってろよ!」
結城:「はは、私は学校の男子のオナペットなんだぜ!キャハ!」

結城さんが我を忘れている。
添え以上に、心の奥底ではこんな事を思っていたのかがショックだった。

加山:「なぁ、ナオ。俺の女のなれ」
加山:「そうしたら、力を与えてやる。誰もお前に逆らえない力を…」

結城:「力?何いってるの?お前?」

加山:「俺の親は国会議員。親戚も偉い奴ばかり、ここら辺なら何をしてももみ消せる。」
加山:「加山って知ってるよな?加山グループ」
結城:「もしかして、その一人息子が…」
加山:「そう俺。納得はしただろう?」

結城:「ええ、でもこんな事したのは絶対に許さない。」
加山:「でもなぁ、それを許しちゃうんだよな。ナオ自身が…」

結城:「そんな事無い…」
加山:「じゃあ、これやるよ」
そういうと、加山はアタッシュケースから、百万円の束取り出しを投げた。
241名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:32:09.28 ID:zfmZ78/r
結城:「これて、私を服従させようっていうの?」
加山:「まだ足りねぇの?ほらほらほら」

乱雑に百万円の束が床に投げ捨てられる。

加山:「これで一千万〜」
結城:「い、いい加減にして、ください…」

今までの口調より遥かに弱かった。

加山:「あと。いくら欲しいんだ?いって見ろよ!」
結城:「いい加減にしろよ!じゃあ一億。あるのかコラァ!!」

加山は後ろの二人に何やら命令すると、どんどんアタッシュケースを持ってくる。
そして、加山はそれを開け、裸で立っている結城さんの上から一億円の束を浴びせた。

加山:「一億、二億、三億〜」完全に金銭感覚がくるっている。
結城さんは何もいう気力も無いのか、返す言葉は無かった。

加山:「返事が無いって事は、俺のセフレになるって決めたって事か?」
加山:「じゃあ、そうだな。セフレ契約の印として、まずはフェラチオでもしてもらおうか?」

とんでも無い事を言っている。結城さんが何を思っているかも知らないで…
242名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:43:54.09 ID:zfmZ78/r
しかし、次の瞬間に信じられない事が起きた。
結城さんは腰をおろして、加山のアソコに口に入れてファラチオを始めた。

加山:「おい、歯立てるなよ」といい結城さんの頭をどつく
結城:「す、すいません。か、か」
加山:「加山様だろ?」
結城:「は、はい加山様」

僕は結城さんがお金で服従するなんて信じたくなかった。
でも、目の前の結城さんを加山にフェラをして奉仕をしている。

加山:「最初にしてはなかなかいいじゃないか?」
結城:「ふぁい、弟のAVをふふんで見て、ふぉれを真似してるんです。」
目つきも完全に加山に対して奉仕して喜びを感じる顔になっている。

加山:「だ、出すぞ!!」
加山のアソコから大量の精液が出てくる。
結城さんはそれを当たり前のように飲み干す・

結城:「ふぁりがとうございます。加山様…。私は加山様の性奴隷です。」
結城:「私の口マンコもアソコもアナルも全部加山様の物です。」
結城:「なんでも命令してください」

加山:「そろそろ尿意を感じてるだろう? 時間が勿体ないから…」
結城:「はい、ここでおしっこしまぁぁす」

結城さんはそういうと、その場で放尿した、アンモニアの匂いがする。

加山:「出したものは掃除しないとなナオ?」
結城:「あ、あん、はい」
結城さんは自分の出したおしっこを舐めていた。
こんな姿なんて見たくない。そう思っても、目を反らす事ができなかった。
243名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 00:55:38.95 ID:zfmZ78/r
そして、時が過ぎて夏休みが始まり、あっという間に終わった。
二学期が始まって見た結城さんの姿は、あまりにも変わり果てていた。

長い綺麗な黒髪は下品なオレンジかかった金髪。
白い肌はこんがり焼けた麦色。着けまつ毛・まつ毛と化粧も当たり前。
きちんと来ていたブラウスも上のボタンを数個明け、更にだらしなく外に出している。
膝丈だったスカートも、30センチぐらいになり、立っていてギリギリ下着が見えない状況。
白い靴下も、赤のニーソというか、ガーターベルト。
ピアスは耳だけでなく、鼻・口・へそ。爪も長くして、黒色とこれまでの結城さんとかけ離れてしまっている。

そして、加山の権力なのか、結城さんは教室・学校内で好き勝手。
暴れるのはともかく、気に入らない女子は加山の仲間にレイプさせて
更に薬着けにして、逆らえない様にして、更に仲間を集めていた。

そのせいで、学校内の女子は、みんなヤリマンビッチに代わり
それだけならまだしも、ほとんどが薬中と化した。

そう悲観していたけど、今はそんな状況が楽しい。
女がみんなセックス中毒。

僕、いや俺も女とやりまくりの学校生活。
今も二人の女子とトイレで乱交している。

楽しい、なんて楽しいんだろう。馬鹿な女ばかりだ。
こうして俺もセックスの虜になり、どんどん堕ちていった。
244名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 11:39:46.74 ID:L37e/71U
いいね!変わり果てた姿になる過程が詳細だと、尚GJ
一人がヤリ万ビッチになって伝染していくのは、ツボ押さえた展開
乙です
245名無しさん@ピンキー:2013/06/25(火) 22:38:01.12 ID:Hia468H9
>>243
>僕、いや俺も女とやりまくりの学校生活。
>今も二人の女子とトイレで乱交している。

女とヤレるだけいいじゃないか、そんな状況でも俺なんか女の子に
口きいてもらえないんだぞ・・・、と俺なら愚痴ってんだろうな
246名無しさん@ピンキー:2013/06/26(水) 20:47:15.53 ID:MYOFvefJ
http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ116851.html
イイハナシダナー(;ω;)
247名無しさん@ピンキー:2013/06/26(水) 21:16:50.90 ID:ItU80MV4
>>246
ここのはいつぞや購入した催眠狂乱がイマイチだったんで以降手を出してないんだが、
設定だけはそそられるんだよなあ…
248名無しさん@ピンキー:2013/06/26(水) 23:07:52.24 ID:MYOFvefJ
これはでもここのので俺は一番良かったと思う。
それなりにボリュームもあって満足。
249名無しさん@ピンキー:2013/06/27(木) 23:56:26.69 ID:OJOQjtmN
く〜、勝手に続きを書きてえ〜

絶望的なエンドしかないがな!
250名無しさん@ピンキー:2013/06/28(金) 12:52:00.77 ID:AMAGJMCS
>>249
そういうアピールはもういいから
251名無しさん@ピンキー:2013/06/28(金) 21:36:23.85 ID:zLicOYqj
>>246
あまり期待してなかったがかなりよかったわ
「すべて下品なビッチになった日常」や「キミノオモイ」もそうだけど、
外見・内面ともに徐々にビッチに堕ちていくのがたまらん
252名無しさん@ピンキー:2013/06/29(土) 12:30:51.98 ID:Xh+RfGbW
「お前が手が届かないと思ってる優等生をお前の目の前でじわじわと
堕落させる、堕落させたあとはお前にやるから、好きにしろ」


「愚かな人間など滅んでしまえばいいのです」並の発言だな
253名無しさん@ピンキー:2013/06/29(土) 12:34:08.24 ID:Xh+RfGbW
「お前が手が届かないと思ってる優等生をお前の目の前でじわじわと
堕落させる、堕落させたあとはお前にやるから、好きにしろ」


「愚かな人間など滅んでしまえばいいのです」並の発言だな
254名無しさん@ピンキー:2013/07/01(月) NY:AN:NY.AN ID:UuUA0R5l
このスレの人たち、寝取られがかなーり好きなんだろ?
255名無しさん@ピンキー:2013/07/03(水) NY:AN:NY.AN ID:TKrm+tQw
MCが好きだが何か?
256名無しさん@ピンキー:2013/07/04(木) NY:AN:NY.AN ID:eCzNp8gE
ソープ行こうかと思ッたけど、このスレが代用になりましたわ

ありがちょう
257名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
委員長、私は真面目で誰からも好かれる存在。しかし、今、決断に迫られていた

トイレにいるのは、私とクラスメート四名と、
クラスの中で虐められている倉井さんという女子生徒の計六名

倉井さんが虐められているのは知っていたけど、知っていて放置していた
私には関係ないし、虐められる方が悪いと思う

きっかけは、クラスメートが倉井さんの悪口で盛り上がっている所で
私にその話を振られて、周りと話を合わせる為に、「たしかに、あんまり好きじゃないけどね…」
とあいまいながら、賛同してしまった事だ
258名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
そして、現在の状況に至る
いつも、倉井さんを虐めている女子生徒の一人が私を手招きして、
その先が旧校舎のトイレで、あまり人通りがない場所であった

既に、何人かの生徒が倉井さんを虐めていた。
倉井さんは、「お願いだから、辞めてください」と泣きながら訴えていた
他の女子生徒が私が来たのに気付くと、「ねぇ、委員長も、キモ井の事嫌いでしょ?」といい
案に私にこの虐めに参加するように言っていた

確かに、倉井さんは、いつも一人でいるし、体育の授業で組んでも、
自分勝手で態度も悪く、私の中での好感度は低かった(背の順とかで強制的)

虐めている女子生徒の中でリーダー格の子が私の耳元でそっと呟いた
「一回、やってみなよ。ものすごく楽しいし、スカッとするから…」
その言葉に背筋がゾクっとした。それはおそらく正しいと思う
それでも、一人の人間の尊厳を奪う行為に抵抗があった
259名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
しかし、今の状況は、倉井さんを助ければ、私のクラス内の立場が変わる恐れがある
このまま倉井さんを虐めてしまっても、一人の人間に恨まれるかもsりえないが
今のクラスカーストを考慮すれば、実害がほとんど無いといって良い

どちらが良いかはわかりきっていた
私を迷わせているのは、虐めは絶対に駄目であるという常識だけだった
その二つが、天秤に掛けられている。他の女子生徒も私に参加するように声をかける

そして、前に押し出されるようにして、私は倉井さんの前に立つ
前には、虐められて泣いている倉井さん。後ろには私を様子を見守るクラスメート
トイレの床に手を付き、縋るような眼で私を見ている

頼むからそんな目で…見ないで…見るな

「い、委員長。お願い。こいつらから私を助けて、なんで私がこんな虐められるの!」
「あ、そうだ委員長が変わってよ、だ、だって委員長なんだから、助けてよ。それが当たり前でしょ?」
260名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
「うごっ…」
次の瞬間、考える前に手、いや足が動いていた
私の右足が倉井さんの腹に思い切り入った。おそらく溝打ちだろう

しばらく息ができなったが、しばらくすると私を睨みつけてくる。
もしかして、私なら助けてくれると思ったのだろうか?
さっきの倉井さん、もとい倉井の言葉で、今まで私の中でせきとめていた防波堤が決壊していた
その反抗的な態度に、再び右足で倉井の顔を踏んづけ、トイレの床に顔を押し付けた

(ムカツク、ムカツク、コノクズ、シネバイイノニ…)

他の女子生徒は腹を抱えて笑っていた。しかし、今の私も同様に心の中でザマアミロと思っていた
「キモ井、床掃除しろよ」と他の生徒から声が上がる

「む、無理…。お願いだから辞めて…」と倉井は相変わらず懇願を続けるが
何人かの生徒が私と倉井の間に割って入ったかと思うと、
腹パンを喰らわしたり、トイレの他に連れてゆき、トイレの中に顔を入れさせようとしていた
261名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
「ああ、でもキモ井より、トイレの方が綺麗だもんな」
と言うと、みんな大爆笑。私も一緒になって笑っていた
確かに、倉井、じゃなかったキモ井なんかより、トイレの方が綺麗だし…
私は前の掃除した人が、そのまま片付け忘れた蛇口に繋がったままのホースに目を付けた

「でも、キモ井も女の子だし、汚いのも可哀相だから、お掃除してあげよっか?」
キモ井以外の女子生徒から賛美を受ける。
女子生徒は私が首を縦に振ると、蛇口を捻る。水が床に勢いよく零れる

私は何の躊躇も無く、キモ井にホースを向けた
勢いよく水が掛かって一瞬でびしょ濡れになっていた
その姿を見ると、ものすごくゾクっとして、気分がハイになり、止まらなくなる

必死で水を防ごうとしている。そんなことしても意味がないのに
そっか、馬鹿だから分からないのね。キモ井だから仕方ないものね

そして、昼休憩が終わるまで、虐めは続いた
先生も分かっているのが、キモ井がいわない限りは何も言えないし
キモ井がそれをしたらどうなるかは、分かっているだろうから
この状況を抜け出すのは無理な話だった
262名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
あれから一か月が経過した
あの日から、私はキモ井を虐めるのが日課になった

「えーと、五人で野外授業の班を作ってください」
委員長の私がいうと、みんなそれぞれ班を作る
三十人なのでどうしてもキモ井をどこかの入れないといけない

四人の班の子が泣いている
「な、なんでキモ井入れないといけないの!」
「私、キモ井が入るなら、絶対にその日は休む!」
みんなそれぞれ汚物でも見ているような感じになっていた
私が虐める前は、一部の生徒だけだったが、
あの日以降、どんどんキモ井をクラスの端へ端へ追いやっていた

そのやり取りを見ているキモ井の屈辱に塗れた顔を見るのが、また実に心地よい

最終的には、その四人のグループ内にキモ井を入れた
私は、救済策として、野外授業のプリントからワザとキモ井の名前を消した

もちろん、先生に倉井の名前が無いと言われた。私は、とりあえず先生に謝ったフリをする
そして、クラスメートの前で「私のミスでキモ井さんの名前ありませんが、手描きを付け加えてください」
「まあ、面倒臭い人は、このままでもいいですけど…」

「面倒臭いね〜」「私も」「私も付け加える労力無いなぁ〜」と楽しげな声と笑い声が混じる
263名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
野外授業の日。先生が午後三時に集合とだけいい、学校の最寄りの駅で解散する
キモ井の班はさっそくキモ井をハブして四人でどこかに行ってしまった

私はキモ井に声をかける。今日はやるべき事。一線を越えてしまう事だと分かっていた
それでも、私はこの自分に対する欲望に勝てなかった

「い、痛い。や、辞めて…」
学校の最寄りの駅の次の駅のカラオケ屋。今、私達は野外授業をさぼってここにいた

「だ、出すぞ…」
そういった次の瞬間に中年のさえない親父のあそこから、精子がキモ井の中に注がれた

「はい、一万円ね」
他の子がそういうと、中年オヤジは一万円を出し、部屋から出て行く

キモ井は処女を知らない男に奪われた。こうやってどんどん翼をもぎ取っていた
264名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
出会い系で、即ヤリで投稿すると、直ぐに返信が来る

昼前、二人の男が部屋に入ってきた
私は「ねぇ、ダブルブッキングしてない?」と尋ねたが
「処女の次は、3Pでしょ?」と言うと、私も納得してしまった

今度は、あそこだけでなくフェラで男を慰めている
当然、もう一人の男は、さっきまで処女膜があった所で奉仕しなければいけなかった

女子高生とやれるのに興奮しているのか、単に早漏なのか、ものの十分で交代
それを制限時間の一時間で数回繰り返していた

昼過ぎても、どんどん入れ違いに男が入ってくる
もちろん、携帯で写真を撮る事も忘れない。口止めとこれをネットにばら撒く為であった

二時半を過ぎる。午後三時まであと三十分
「合計で、五万か、ちょうど五人だしキリがいいね」
私達は今日の報酬を山分けしていた。キモ井は泣いて、吐いたりもしているが
そんな事は私の知った事では無かった
265名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:dpm/3Hjj
ここは女子高という監獄。三年間クラス替えはない
キモ井を虐めてストレス解消。お金儲け。あと二年以上は困らない

キモ井がどうなろうとしった事ではない
それに、もう二回ぐらい下ろしてるし、モラールなんてとっくに崩壊してる

私達のペット。いや奴隷。これからもキモ井に対する虐めは続く
当人にとっては永遠に終わらない地獄だろうけど…
266名無しさん@ピンキー:2013/07/06(土) NY:AN:NY.AN ID:YGc3X5Vo
>>265
「計算高い」というのは認めるけど、「優等生」なのか?
267名無しさん@ピンキー:2013/07/08(月) NY:AN:NY.AN ID:KCJlhLr3
>>265
堕落というより、イジメのグループに加わっただけな感じがする。
268名無しさん@ピンキー:2013/07/08(月) NY:AN:NY.AN ID:XPCHwqty
>>265
キモ井がこの先やられまくって、ある時吹っ切れてセクロスを楽しむようになり、いつしか快楽に溺れて、タバコ、ピアス、タトゥー、薬に嵌ってケバビッチになっていくという展開もいいかも。
そんで、未だ優等生ヅラしてる委員長を男に襲わせて、委員長も同じように快楽漬けにしてケバビッチに堕として復讐する。
なんてどう?
269名無しさん@ピンキー:2013/07/08(月) NY:AN:NY.AN ID:3otcHqYY
この主人公は堕落というか不幸になってほしいものだな
270名無しさん@ピンキー:2013/07/09(火) NY:AN:NY.AN ID:xPbtjBWM
>>268
いや、逆に委員長にも恩返しの意味で
「堕ちる快楽を教えてあげねば」という理由で、
快楽漬けにしてケバビッチに堕としてさしあげるのは?

 なんせ、アメイジングスパイダーマンのリザードは
「弱くて愚かな人間を救うために、この薬を街に散布しなければ」
という良心で終盤のような行動をとったんだっぞ?(当時の
映画秘宝参照)
271名無しさん@ピンキー:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN ID:SYQ6wvSw
>>270
堕落というより悪堕ちぽいと思うな
真面目な子がイジメして快感を覚えて、腐ってゆくのも
心境の変化が垣間見えて面白い
272名無しさん@ピンキー:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN ID:QGa3PQwX
優等生=優しい性格、ではないのかい?
273名無しさん@ピンキー:2013/07/10(水) NY:AN:NY.AN ID:MnZ7FiFh
そういうのも含め、より完璧な方が堕れば堕ちるほどより昂ぶる
まぁ理想を言えばね
274名無しさん@ピンキー:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:9izUUJaC
悪堕ちというか、実際の話であんまりおもしろくないと思うけど
中三になって、やっぱり男子・女子とも校則とか守らない奴が増えてくるけど
ショートカットで明るいスポーツ女子が、
夏の部活引退して登校日になったら、茶髪でスカート丈短くして、ドキドキして覚えがある

俺の中では、そういう事をしたい健全な女子だと思っていたので
安藤さん(その女子)でも、こういう事したいって思うんだって思いつつ興奮した覚えがある
275名無しさん@ピンキー:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:gyehnE2K
避難所より
周知してほしいとのことなので転載。

101 名前:夏菜子のなつ[] 投稿日:2013/07/12(金) 00:58:21 ID:uikyZNPI0
お久しぶりです、「夏菜子のなつ」作者です。

例によって大規模規制に引っかかってしまって本スレに投下できないのですが
一年前に始めた夏祭りの話はなんとしても夏休み前に完結させたいので、
週末の三連休+αを利用して、ここにクライマックスの部分を落とそうかと思ってます。
276名無しさん@ピンキー:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:mr8v7fyg
ついに来ましたね
避難所だから読みにくいけどGJです
277名無しさん@ピンキー:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:dILwJXcu
>>274
その気持ちすごくわかるんだぜ。
高校で彼氏と別れて次の日に髪バッサリ切って茶髪になった子とかいたなー。
腹いせだとか言ってたわ。
アレもドキドキしたわ。
278名無しさん@ピンキー:2013/07/16(火) NY:AN:NY.AN ID:2GzymS69
何かの間違いでカリスマ美容師の手に堕ち、見違えるような美人になったキモ井が委員長を弄ぶとか。
279名無しさん@ピンキー:2013/07/19(金) NY:AN:NY.AN ID:d0WIpHT9
http://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/BJ017527.html
やっぱり俺は黒ギャルが好きだ。この漫画も結構もーちょいビフォーとかアフターとか見せてくれたらなぁ。
一応該当作あり。
280名無しさん@ピンキー:2013/07/21(日) NY:AN:NY.AN ID:6kir8ryc
同人作品って数が凄まじいから掘り出しもん多そうだよね
ただその分検索とか難しい…
281名無しさん@ピンキー:2013/07/22(月) NY:AN:NY.AN ID:APy7P/c9
俺は、堕落した優等生に密かに恋焦がれてた同級生のインタビュー小説が
読みたい(過去の小説のキャラの同級生)

??「あの人がこんなことになるなんて・・・・、好きだったにに・・」
282名無しさん@ピンキー:2013/07/23(火) NY:AN:NY.AN ID:GXcV9GFE
>>280
かれこれ1年以上毎日新着チェックしてるが、ホントーに探すの大変なんだよ・・・
>>279で挙げたのとか思いっきり見逃してたし。はぁ。
もうかなり大体見尽くした感はあるが、まだ見ぬものを求めて今日もさまようんだぜ・・・
283名無しさん@ピンキー:2013/07/23(火) NY:AN:NY.AN ID:9ufZ0CkH
けっこうスレ向けかな?
http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ116851.html

徐々に行ってそして堕落が深いってやっぱいい
絵のうまいのは結構あるだけどツボ度大きいってあんまりないね
284名無しさん@ピンキー:2013/07/23(火) NY:AN:NY.AN ID:GXcV9GFE
>>283
とりあえず>>246でガイシュツ
285名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:THBwmDL8
がんばり屋で母子家庭の真面目な優等生の彼女が、親の再婚でワル親父とヤンキーの姉ができて、
母親も真面目な専業主婦から風俗デビュー、彼女も姉の影響を受けてギャル化。
こんなSS考えているのだが、アップできない。
286名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:k8dhuxUc
似たシチュエーションpixivで見た気がするな・・・
287再婚の後には:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:THBwmDL8
以前別のネタで考えたのですが、こちらのスレの方が内容的に合いそうなんで改変します。

私が小学5年の6月、銀行員の父が仕事中の交通事故で他界した。
専業主婦だった母と二人暮らしになり、母はパートに出るようになった。
家は生命保険金で母の名義になったし、遺族年金ももらえた。でも貯金は少なくなっていった。
私が中学に上がり、秋になると母の様子が変わってきた。
パート勤めが夜に中心になり、化粧や着るものは派手になり、高級なバッグやアクセサリーを身につけるようになっていた。
家に帰ってもいない日が多く、机には千円札が置いてあり、それでコンビニの弁当を買って食べる毎日が続いた。
そのころの私は普通の中学生で、部活はテニスをしていた。

いつものように部活を終えて家に入ると、タバコの煙が漂ってきた。
「ただいま、お母さんいるの?」
「由紀子お帰り、お友達が来ているから挨拶しなさい。」
「はい!」呼ばれたリビングに行くと、派手な背広を着た、金のブレスレッドが嫌味なおじさんがタバコを吸っていた。
「由紀子です。こんにちは。」
「君が由紀子ちゃんか、よろしく。お母さんと同じ職場で働いているんだ、僕にも君よりひとつ年上の娘がいる。今度紹介するよ」
「お母さんたち、再婚を前提に付き合っているの。由紀子もそのつもりでいてね。」

親って勝手なんだ、お父さんのこともう忘れたのかしら?それにあの格好、お父さんとはまったく違うタイプ。
お母さんどうしたんだろう、あんな人がいいなんて。
そういう目で二人を見るとタバコの煙が目にしみるので、そそくさと自分の部屋に引っ込んだ。

リビングではネチャネチャと二人が交わっていた。
事が済むと私の部屋をノックした。

「じゃあ、3日後またくるから、よろしく!」そう言っておじさんは帰っていった。
「お母さん、あの人と再婚するの?」
「ええ、同じ境遇で奥さんを交通事故で亡くして、娘さんと二人暮しなの。」
「再婚して一緒に住むことにしたから。あなたより1つ年上の娘さんもいるから、四人で仲良くこの家で暮らしましょう。」
「どうして、一緒に住まなきゃ行けないの?私いやよ。」
「私一人の収入じゃ生活も苦しいし、男の人がいないと生活はつまらないから、いずれわかる日が来るから、
お願いね。」

「お母さんもタバコ吸うの?」タバコを吸っている母を見て聞いた。
「仕事でイライラしてたら、彼が勧めてくれて、家では吸ってなかったけど、もう我慢しないわ。」
そう言って煙を吐き出した。
「私がタバコ嫌いな子と知ってるくせに、お父さんも吸わなかったのに、やめてよ。」
「そのうちあなたもタバコの良さがわかるから、気にしないでね。」
「勝手にすれば、私はお父さんは要らないから。認めないから。」

親の再婚で自分の環境が大きく変わるなんて、このときは想像もしていなかった。
288名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:zMnIQbjD
>>287
続きは?
289名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:abIF9Pgo
ここはいつも楽しそうだね
290名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:t9JfHQkC
なんで自分の環境が変わることが予想できないんだw
優等生かどうか以前の問題じゃないかww
291名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
親友
第7回 ”パパ”

ちょっと空きましたけど今から投下します
本来ならもうちょっと縮めたかったのですが、なんか今なんJで規制の種を見つけてしまったので

ちょっと長いですがお付き合いください。
292名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
中間テストが終わった。
優美の通うお嬢様ばかりのA女子学園でも、彩香の低偏差値女子高校でも、大体時期は一緒である。
たまたまであるが、同じ日に終わった。

その結果が出揃ったのは10月末のことである。優美と彩香が入れ替わってから50日あまりが経過していた。

優美は、学年で6番であった。この5年間、模試でも定期試験でも、
優美の学年での順位は概ね2位〜7位くらいで推移していたから、許容範囲といっていい。
優美は、優美の務めを果たしていたというべきであろう。そのことは、とりあえずテストの結果でも、
部活の成績でもそうであった。

だが、彩香には不満であった。
「数学と化学の点が低い(;_;)」
などと文句を言い出したのである。
受験で使うかどうかもわからないような暗記科目や古典の成績でかろうじて及第点を維持していたが、
その中身まで見ると、本来の優美の点の取り方とは少し違っていたのである。

「なんだよ、頑張ったのに!」
「それは認めるけど……でもね……」
「でもね、ってなんだよ。東大にも入れる計算じゃねーかよ!」
「いい加減なこと言わないでよ。この前の3年生で現役で東大に行ったのは7人だからギリギリよ。
まあ、みんなが東大受けるわけじゃないからそうでもないかもしれないけど……でもやっぱり数学が低い。
ちゃんと勉強してるの?」
「してるからこんだけとれるんだろ!もう、あんたの知らないことやってるんだからね!」
ケータイ越しにいつものように2人の少女は喧嘩をしていた。

「それは、そうだけど……」

優美の通うA女子学園と彩香のO女子高では、授業の内容は天と地とほど違う。
そして、優美が理系少女であるのに対して、彩香のO女子高では文系も理系もない。
というか、仮に理系を選択しようとしても1学年でせいぜい5人ほどであり、
しかも3年にならないと理系の授業など一つもない。
O女子高の教室では、入れ替わった後初めて授業を受けた時から、彩香以外誰もまじめに授業など聞いていなかった。
当然教師のやる気も失われていき、興味を持てるような授業もない。

「優美」だったころ、授業はまじめに受けるものだと信じて疑わなかった彩香とはいえ、
最初の何日かでレベルの低さと周りの騒がしさに気づき、バカバカしくなった。
授業の時間は寝るか、周りの女の子たちとどうでもいい会話をするか、
内職で時間をつぶすかくらいしか選択肢がなくなっていた。
293名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
そうして、すこしずつ優等生のお嬢様そのものだった「優美」の心は低偏差値のO女子高校に染まっていった。

入れ替わった当初、周りの同級生たちに「なじめない」ことを心配していた彩香であったが、
そんなことはなかった。なにしろ中身は「優美」でも、彩香の記憶と経験はその体と脳みそにしっかりと残っているし、
彩香を演じるのはそんなに難しいことではなかった。
A女子学園のお嬢様「優美」だったころにはあえて敬遠していたような下ネタもこの学校では止める必要もない。
周りにいる男は先生が何人かいるくらいだから、女であることを意識せずにだらしない姿勢をとったりしても
誰も気に留めない。

もっとも、それは本質的にはA女子学園も同じなのであるが、
かの学園ではひとりひとりの女の子たちに「お嬢様」としての自覚があったから
最低限の節度、女の恥じらいは皆がぎりぎりのところで失わずに日常を送っていた。
その中でもひときわ「お固い」と思われていた「優美」だったのだから、
彩香の学校生活になじめるはずがないと思っていたのだが、実際は正反対なのであった。

楽な気持ちで、学校生活を送ることができる幸せを、彼女は味わっていた。

「なんか最近アヤカさま変わったよね」
「うん、あたしもそう思うわ」

ギャル仲間のリサとユナは、高校1年生の時からの彩香の親友である。
彩香は椅子に座り、リサとユナは彩香を挟むように向かい合って机の上に座り、
何の恥じらいもなくスカートから女子高生の生き生きとしたムチムチ、ピチピチの
太ももをさらけ出し、足を投げ出し、休み時間を意味のない会話で過ごしていた。

高校生なのに毎日バッチリメイクを決めてくる2人は、夏の日焼けがまだ抜けない、
浅黒い肌のいわゆる「黒ギャル系」女子高生である。
なつには、3人の黒く焼けたギャルが並ぶさまは迫力があったが、
夏の海で焼いたものが、すぐに白く戻ってしまった彩香とのコントラストを作る今の3人ノギャル女子高生も、
それはそれで見事であった。

「えっ・・・?ほ・・・マジ?」
初めてリサとユナがそう指摘した時に、彩香は心臓が口から飛び出るかと思うほど驚いた。
入れ替わる前の「彩香」を演じているつもりでも、それができていないのかと思った。
おしとやかな仕草や、優等生口調や、とにかく「エリートお嬢様」だった「優美」のプライドが、
表に出てしまっているのかと瞬間的に感じたのである。
294名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
「優しくなったよなー」
「うん、ほんとほんと、この前なんかさー」

予想は外れた。
「あと、最近は、そっち系の相談もアヤカ様の方からしてくるようになったよね」
「うん、前はなんかあたしたちのこと、女として見下してるようなところがあったけど、最近はそうでもないよね」

「そ、それはリサもユナも一人前のギャルになったってことじゃない?」
彩香は「彩香」らしい答えができたと思った。

「あ、あんまり変わってね―のかな」
「うん、でも、やっぱりやさしくなったよ」

リサもユナも、O女子高に入ったときはただの頭の悪い、比較的地味な女の子であった。

一方で中学生のころの彩香は、今よりももっとギャルとしては激しかった。

公立の中学校に通っていたころの彩香は、幾度注意されようと、素行をなにひとつ改めようとしなかった。
小学校の頃は少しませただけの、ただの美少女であったが、中学校に入ると、すぐにギャルになった。

それは、彼女の置かれた境遇が大きく関係している。

都心に近い彩香の住むあたりで、公立の中学に通うのは、はっきり言えば経済的に恵まれなかったり、
どうしようもなく勉強ができなかったりというような子のどちらかといってよかった。
都心に近いその中学校の学区は、古くから人の住む街道沿いの下町と、文教地区の高級マンションと、
それから繁華街近くに集まった、昭和の頃からの住宅群など様々な地区にわかれていたが、
少なくとも高級マンションに住むような層の子どもたちはほとんど公立中学には通わない。

彩香が親子で住むアパートの辺りは、下町と繁華街の中間の川沿いで、ガラの良くない辺りである。
一本の道を隔てると大きな街道が走って、有名な学校も多くなり、いきなり高級マンション群が現れるが、
その裏には都会の片隅でひっそりと暮らす人々がいる。
295名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
彩香を連れて実家を飛び出した母が、今のアパートに住み始めたのはもう10年以上も前のことである。
母は夜の仕事にどっぷり浸かりながら、時に昼の仕事もしていたので、
しばらくはそれほど経済的に困っていたわけではなかった。
だが年齢がすすむと夜の仕事はすこしずつ難しくなってくるのはごくふつうのことである。

30を過ぎたころから夜の仕事は減り、今はスーパーのパートをしながら、この春からは生活保護を受けつつ、
高校生の娘を「育てて」いるのだが、夜の仕事でバリバリと稼いでいたのはほんの2,3年前までのことである。
男関係はかなりだらしがなく、稼いだぶんも彩香のためというより、男に貢ぐことで消えていった。

オトコが一人ならまだしも、アパートに連れ込む男だけでも週に3人、別の男がやってきたことがあった。
小学生のころの彩香は、夜になると広くはないアパートの片隅や近くの公園で、ひとり携帯ゲーム機で遊んだり、
読書にふけるのが常であった。他にすることがないから勉強はよくできたほうであった。

中学校に入ると、彩香はすぐにギャルへの道を走りだした。

生理が始まるよりも前に、茶髪にして、ピアスの穴を両耳に2つづつ開けて、
もともと大きな目をもっと大きく見せるようなアイラインを引いて、エクステもつけた。
キラキラのデコがいっぱいついた鏡をいつも持ち歩いて、メイクをして学校にいくようになったかと思えば、
すぐに学校でメイクを直すことさえ平気でするようになった。

もちろん母親の呼び出しも度々であったが、そんなことを意に介する彩香ではなかったし、また母も何も言わなかった。
茶髪は色を抜くたびに少しずつ激しくなり、メイクもどんどん派手になっていった。
母が帰ってこない夜、母が男を引っ張りこむ夜、無理に家に帰らなくなった。

万引きもしたし、男に媚びることも覚えた。140センチそこそこの、小学生とも中学生ともつかぬ女の子が、
精一杯年上に見えるように激しいメイクをして、ギャルの先輩と一緒に夜の街を歩くことを覚えたのが、
中学一年の夏休みである。

そのころ彩香のアパートの隣にある一軒家に住んでいたのが、2つ年上の「わかなちゃん」という先輩だった。
子どもの頃からわかなちゃんと彩香はとても仲が良く、彩香がギャルになる時には、
メイク道具や洋服など、さまざまな「お下がり」をわかなちゃんにもらった。

ヤンキー系の中学生と違って、学校の中で幅を利かせるというよりは、
わかなちゃんをはじめとする何人かのギャル仲間に連れられて夜の街を歩き、
ナンパされた男と遊んだり、ファミレスで時間を潰したり、というのがギャルになった頃の彩香の日常であった。
296名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
生理が始まったのは中学2年になった5月だった。

時期を同じくして身長もそれなりに伸び、体つきも女らしくなっていった。
カレシも、短いサイクルで何人かできたし、キスもしたが、
さすがに初潮を迎える前にセックスするようなことはなかったし、生理が始まったからといって
すぐにカレシとセックスするようになったわけではない。

初めてのセックスは、中学2年の8月、相手はその時の彼氏だった。

と、いうのが、公式に周囲に吹聴している彩香のプロフィールの一部である。
だが、それはウソである。その2か月前の6月、彩香に手を出してきた男がいた。
その時母が付き合っていた、腕に刺青のある20代のイケメン風の男だった。

母が留守だった時に合鍵で家に入ってきて、彩香に手をつけた。
母の使っていたのとは違う生理用品がトイレにあったのを見逃さなかったその男は、
風呂あがりですっぴんの美少女を挑発し、最後はほとんど無理やり犯された。

ケバいギャルのメイクを落とせば、髪の色こそ金髪に近くても、普通の可愛い女の子だった。
だから、その男は彩香を初めから狙っていたのだろう。彩香に対する人当たりも良かったし、
その、初めての男のことがもともと嫌いではなかった。

しかし、母と付き合っている男にとつぜん無理矢理犯されたことは彼女の人生を大きく変えた。

力づくで押し倒されて、左手でガッチリと腰を抑えられながら、
右手で優しく体中を愛撫されて、徐々に体から力が抜けた。
とろけるようなキスは、中学生のカレシとは次元の違うものだったし、
その後は抵抗しようという気持ちすら起こらなかった。処女は早く捨てたかったので渡りに船だった。

だが、母の男を中学2年にして寝取ったことは、母の男をうばったという罪悪感と、
人の男を奪う背徳感、女として別の女に勝つ優越感を彩香に植えつけた。

その男は何度か母の留守を狙って彩香とセックスした。
2回めからは彩香も嫌がったりしなかった。

夏休みになったころにはいつの間にか家に来なくなり、彩香とも二度と会うことはなかったが、
初めてから何回かの相手がテクニシャンだったことが、幼い彩香を女として急成長させた。
夏休みの間、彩香には3人のカレシがいて、その3人それぞれに、
「あたし、今日が初めてなの」と嘘をついてセックスした。
297名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
それで、初体験については、「中2の夏休みに、その時の彼氏が相手」とずっと言ってきた。彩香の秘密である。

結局、男関係がだらしないところは母の血をしっかり受け継いでいた彩香が、
レイプ同然で処女を奪われても、それでセックスに対して臆病になることは全くなかった。
処女を失って最初の数日間は、母の男を奪ったことへの罪悪感に苛まれたが、
2度めにその男が母の留守を狙って彩香に手を出した時にはすでに「いけないこと」をする楽しさのほうが大きくなっていたし、
そのあとは何も知らない母に対して優越感すら持つようになった。

何があったのか今でも知らないが、その男が急に姿を消した時に母が落ち込むのを見て、
少しだけ「あたしが悪いのかな」とも思ったが、10人、いや20人も男を狭いアパートの部屋に連れ込んだ母が、
すぐに違う男を連れてきたのを見ると、一瞬でも母の男を「寝取った」ことに罪悪感を覚えたことがバカバカしく思えた。
彩香は、その男とも寝た。自分から色目を使って誘って、見事に引っかかってきた。
そのことがバレて母に「泥棒ネコ」と罵倒されたが、1週間もすれば、母はまた違う男を引きずり込んだ。

ますます家に居場所がなくなった彩香が、援交を始めたのは、夏休みが終わった9月のことであった。
ギャルの大先輩であるわかなちゃんに相談したら、1から援交について教えてくれた。


そのころから、高校入試までのおよそ1年半の間が、彩香がもっともケバいギャルだったころだった。
幼い顔をすこしでも年上に見せるため、小さくて女としては貧弱なカラダを少しでもグラマラスに見せるため、
派手なメイクと派手なファッションで、ひと目で遊んでいるとわかるギャルとしての高みを目指した。

最初は週一で、セックスまでいかないこともあった援交も、すぐにウリが前提になって、回数も増えていった。
ピアスの穴は両耳に7個と鎖骨とへそにまで増えて、街を歩くときには7つも8つもエクステを付けて、
ありえないほどカラフルな髪になり、そして使えるお金が増えると、どんどんメイクも服装も派手になっていった。

そのころから、相手がカレシであれ、援交の客であれ、セックスは彩香の日常の一部だった。

高校入試の何日間かだけ、彩香は髪を黒く染めて、すっぴんのまま試験を受けに行った。
素行の悪さは内申書に表れてどうにもならなかったので第一志望の都立高校はすべってしまったが、
成績はいいほうだったのでO女子高校には特待生として入ることができた。

O女子高校としては、まともな大学に入れる学力を持つ生徒は、喉から手が出るほど欲しい存在である。
素行の悪さには目をつぶって、学費まで免除してくれた、というべきだろう。
298名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
女子高生になると、彩香のギャルとしてのケバさは少しずつ影を潜めていった。

カラダつきが女らしくなり、色香が身につくと、女子高生は何もしなくても男が寄ってくることに気がついたからであった。
最低限髪を染めてパーマをかけて、最低限のメイクをすれば、それが一番男を引き寄せるとわかるようになっていった。

優美と入れ替わったころには、全盛期のケバさに比べれば、随分とおとなしめになっていた。
それでも優美のようなお嬢様から見ればとんでもないギャルであったが。

そうなっていったことの原因のひとつはもとの「彩香」の心境の変化があった。
女子高生になったときから、高校を卒業したあとのことを考え、1年半かけて、
少しずつメイクや髪型やアクセをおとなしくしていった。

高校を卒業する頃には、清楚系に変身を遂げる、というのが漠然と思い描いた「彩香」の目標であった。
人は、常に自分の将来に不安を覚え、そして変わろうとする生き物である。
無我夢中でギャルを始めて、その世界にどっぷりと浸かっていた彩香が、高校を卒業した後のことを考えて、
不安を覚え、そして自らの悲惨な境遇から抜けだそうと努力しようとしたことは、実にまともなことといえる。

それはまた、ギャルのまま通学を許してくれたO女子高校の教師たちへの恩返しとして、「まともな大学」に受かり、
そして自分の置かれた境遇から、底辺生活から抜けだそうという野望のあらわれでもあった。
しかし、今の彩香は違った。大人の女へと脱皮を図っていた「彩香」の考えとは、今の彩香は逆方向に進んでいた。

もともとの「彩香」にとってはもうギャルであるべき時期は終わりに近づいていたのである。
それは、彩香が物心ついたころにまだギャルだった母・桃子のような女になりたくないという想いからの行動であった。

だから、
「あと、アヤカ様最近すこし派手になったよね」
「うん、なんか一年生の頃に戻ったみたい」
とリサとユナが言い出したときには、またドキッとした。

「そ、そうかな・・・?そんなことないとおもうけど」

今、彩香の中にいる「優美」の心は、毎日必死でギャルの彩香を演じているつもりだった。援交も、彩香が普段していたようにこなしていたし、ギャルとしての周りへの接し方も「彩香」そのものであったはずである。

だが、ひとつだけ、今までの「彩香」と逆方向に向かっていることがあることもわかっていた。そのことを指摘されたような気がしたのである。
299名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
「まあ、最近地味すぎたし、いいんじゃね?あんま地味だとさ、アレだし」
などといってごまかすが、内心、鋭いところを突かれて心は騒いでいた。

一度は耳に3つまで減ったピアスの穴が、また5つに増えていたし、
もともと大きな目をもっと目立つようにパチリとさせるようになり、髪の色も少し金色に近くなった。
制服のスカートも、入れ替わった頃よりも2、3センチ短くなっていたし、
携帯やメイク道具のデコレーションも派手になっていた。
カラコンも高2になってからは黒系がふえていたのが、最近は茶系や青系の日が多くなっていた。
それは、もちろん、ギャルである彩香を演じようという「優美」の意気込みの現れとも言えたが、
実のところは、お嬢様の「優美」の心に潜んでいた、密かな「ギャル」へのあこがれの発露であった。

彼女がまだ「優美」だったころ、つまりお嬢様学校の優等生美少女だったころには許されなかったこと……
心のなかで抑えこんでいた、「メイクで顔をおもいっきりキラキラさせたい」「可愛い服で街を歩きたい」
「スカートを短くしてナマ足をさらけ出して歩きたい」「誰よりも外見で目立ってみたい」
「いけないことをしてみたい」という女の子なら誰でも思い描くたくさんの漠然とした欲求を、
彩香と入れ替わった今では、抑える必要がないのである。
こんなに嬉しいことが他にあろうか。

最初は「彩香」を演じることが恥ずかしくてたまらなかった「優美」の心が、少しずつギャルの彩香の行動を覚えると
今度は、今の自分よりももっと、もっとかわいい格好をしたい、露出を多くしたい、
オトコの注目を浴びたい、もっとキレイなメイクをしたい、という女として普通の欲望に、
すこしずつ素直になっていった。

その結果、今の彩香は、優美と入れ替わる直前よりも、派手になってしまったのである。
その欲望の前では、もともとの「彩香」が描いていたギャルからの「出口戦略」は漠然としすぎていたのだろう。

「でも、アヤカ様らしくていいよ。そのほうが」
「うん、夏休みの頃あたりって,アヤカ様にしてはちょっと地味だったよねw」

リサとユナのイメージする「アヤカ様」は今の彩香にちかい。

中学の頃から援交・ウリをこなし、高校に入った時には女の目から見てもかわいい顔を
男に媚びないギャルメイクで飾り、大きくて時に強い印象を受けるふたつの眼は
ほとんど毎日のように色が変わっていた。
腰のあたりまで伸びたサラサラの綺麗な金髪を毎日違うアレンジで飾ったかと思えば、
カラダの線を強調するようなに制服を着こなし、限界まで短く詰めたスカートとニーソの間に真っ白な太ももを
堂々と魅せつけて歩くバリバリのギャルだった彩香はリサやリナにとっては憧れの存在そのものであった。

リサやユナだって東京で育った少女である。ギャルなんてそこらへんでいくらでも見たこともあったし、
憧れもあったが、彩香の放つオーラは常軌を逸しているようにしか見えなかった。
ああいうふうになりたいと目標にすることすらおこがましいほど、遊び慣れた雰囲気と、
同性からみた女としての強い魅力を持っていた。

そういうふうに感じた女の子はこの高校ではリサとユナだけではない。
300名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
中学部が併設されているこの学校には、他にも、高校に入った時にすでにバリバリのギャルだった、
いわゆる「中学デビュー」の女の子は何人もいたが、そんな同級生や先輩たちから見ても、
女としての色香も、気の強さも、もともとのかわいさも彩香はずば抜けていた。
そして不思議なカリスマ性が地味目な女の子たちをもトリコにした。
中学デビューのコギャルたちは対抗意識を燃やしたが、彩香の前の派手さと色香には立ち向かうすべもなかった。

彩香とリサとユナが通うO女子高校は、私立の低偏差値女子校である。
入学してくる女の子は素行に問題があるか、勉強ができないかのどちらかであって、
高校に入った時にはもうすでにギャルの女の子も多い。ヤンキーも多い。
彼女たちのような素行に問題のあるタイプの女の子は、
底辺のO女子高校のクラスの中でも目立とうとする娘がとても多い。
私立なので一応拘束に厳しい風をたてまえにしていたが、それでは経営がたちゆかなくなるというジレンマに陥り、
今は比較的生徒がギャル化することにも「みてみぬふり」を決め込む雰囲気が、
教師たちのあいだでも流れつつあった。

彩香は目立とうとして派手にしたわけではない。彼女にとっては派手なギャルメイクも、
カラダの線を強調するような制服の着こなしも、ごくごく当たり前にできてしまうことであった。

援交を続けていたので派手にするための資金も湯水のように使うことができた。
入学式のその日に、40代の地味目の女教師がホームルームで彼女たちに向かって
「高校生らしい服装を」といきなり説教した時に彩香は鼻で笑って早速女教師に目をつけられた。

ヤンキー系の女の子が早速女教師に反抗的な態度をとるが口だけで、
ギャル系の女の子たちが様子見でおとなしめの格好で登校するなか、
彩香は入学二日目にはキャバ嬢も真っ青の派手なメイクとくるくるの金髪を丁寧に編みこんで、
ピンクのネイルアートを施して学校に平然とやってきた。

当然怒られたが、悪びれることもなく、彩香は毎日派手なギャルメイクと挑発的な制服の着こなしをやめなかった。
それでいて、底辺校とはいえ成績はずば抜けていた。

教師たちからしても、彩香の学力は「まともな大学」に進学できるものに思えた。
そんな生徒は、この女子校では金の卵である。あまりきつくすることが出来なかった。
それどころか、ギャル系のファッションを容認しようという動きすら起きた。

こうしてこの学校での彩香の地位はあっという間に確立した。
入学した4月の中旬には「アヤカ様」と皆から呼ばれるようになり、
ギャル系の女の子も、地味目の女の子も、みんなが彩香の周りに集まった。

その中で、気のあった女の子を、つるむ相手として彩香は選ぶことが出来た。
別に地味目の女の子とつるんで自分を引き立たせようとしたわけではない。
中学デビューのコギャルも、これからギャルになろうという地味目の女の子も、
彩香の眼には大差なく映ったのだろう。

むしろ彼女たちが憧れるようなギャルの道に何十人もの女の子を引っ張って、
その中の何人かは彩香に教わるまま援交にも手を染めていった。
中学デビューのコギャルたちが気後れを感じるほど、彩香の周りに集まる女の子たちは派手なメイクで
学校に来るようになった。

女の子の、「かわいくなりたい」という本能を追求することにかけて彩香は誰よりもまさっていた。
301名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
そうして、彩香の周りで「生き残った」友達が、リサとユナであった。

彼女たちがクラスで、というより学年のヒエラルキーでトップに君臨していた。

ヤンキー系、モデル系、腐女子系と、原宿系……O女子高のような底辺校でもひと通りの女の子のカテゴリーがあるが、
彩香はヤンキー系にも物怖じしない気の強さ、背丈こそ低いもののモデル系に色香でも顔でも勝負にならないほど
上質の美しさと、オタク系腐女子ともわけ隔てなく話に付き合える度量を兼ね備えていた。

それでいて、もちろんギャル系の女の子たちの間では別格である。
彩香と会わなければ、腐女子系として過ごしたかもしれないかもしれないリサとユナの高校生活は、
彩香と気があったことで大きく変わったというべきだろう。

もちろん、2人は今は女子高生になってから変身できなかったオタク系の女の子たちを見下していたし、
誰ともわけ隔てなく仲良くしても、彩香が孤高の存在であることも知っていたし、
自分たちがギャル系のトップである彩香の取り巻きにすぎず、
彩香からは見下されていることをはっきりと自覚していた。

見下されても、彩香と一緒にいることには価値があったのである。
すっぴんでも圧倒的な美少女の彩香ト比べれば、2人とも目は小さいし、顎のラインも整っていないし、
カラダもそれほどではない。だが、「かわいくなりたい」という意識を高く保つことができるようになった。
援交も、彩香といっしょにいたいから、2人はすすんで、競い合うように手を染めた。
その援交も、楽しくなっていった。男も好きだったし、お金も欲しい。要するに女の子としての欲求はすべて、
彩香と一緒にいようと努力することで満たされていたのである。

そんな「アヤカ様」が自分たちに接する態度が2学期になってから、変わった。
カリスマ性はそのままに、自分たちのことを親友としてとても大切にしてくれるようになった、と2人とも感じていた。
そして、すこしずつ落ち着きつつあったギャルとしての派手さが、また戻ってきた、
というのがまた嬉しいことでもあったのだ。

高い憧れだった、高1の春の頃の「アヤカ様」が戻ってきたように、ふたりとも感じていた。

「まあ、あたしもいろいろあったからね」

彩香がそういうと、リサとユナはすこしバツが悪そうに口を閉じた。
彩香が女の子たちの中でカリスマとなっていたのは、圧倒的な可愛さ、美しさをもちながら、
男運が無いこと、男を見る目がありえないほど悪いことも大きく影響していただろう。

ギャル女子高生ライフを最大限に謳歌しているようで、男にはなぜか恵まれない。
見てくれだけで中身の無いフリーターの彼氏が、連続レイプで逮捕されて、
警察が学校まで来た事件は強烈だった。

遊びも派手で、カリスマ性があって、ギャルとしての欠点は男を見る目が決定的にわるいこと。
女の子たちからみれば格好良くて、可愛くて、それでいて同情してあげたくなる存在である。
女のヒエラルキーでトップに立たないわけがない。

モトキの強烈な事件があってから、彩香は変わった。それがリサとユナがたどり着いた結論であり、
彩香はうまい落とし所を見つけた。

モトキが逮捕されても、今の彩香には安心しかなかったのであるから、
あの事件は今の彩香にとってプラスに作用していた。
302名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
ただ、もとは自分だった優美が処女を奪われてしまったことで、
これからもう一度入れ替わって優美に戻ろうとも、「処女を好きな人に捧げる」ことは永遠にできなくなってしまったが……
それも今となっては大したことではなかった。

そして、放課後は今日も渋谷でギャルの時間が始まり、それは大体、6時か7時くらいまで友達と遊び
街でナンパされたり、SNSで相手を募ったりして、援交に持ち込む。だいたい10時前には全て終わる。

「カレシのモトキ」の一件以来、彩香と優美は直接会うことはなかった。
路上ですれ違うときに目と目で合図するくらいである。

だが、連絡は毎日とっていたし、メールもSNSも、情報は出来る限り共有していた。
彩香の行動については、援交の相場のことや、寄ってきた男をどうあしらったかなど、
優美の行動については、A女子学園での振舞い方や勉強の方法など、
あらゆることを話し合っていた。

万事について喧嘩は絶えなかったが、

「それじゃ、もう寝るね」
「うん、あたしももうすぐ家につくから」
「ところで、彩香の方はテストどうだった?」
「一番に決まってるじゃん。簡単すぎだよ彩香の学校のテスト。
適当に間違っておいたけど、それでも、飛び抜けちゃって。やりすぎた。反省してるよ」
「別に、それはいいけどさぁ・・・」

と、話しているうちに少しずつ空気が柔らかくなっていくのが常であった。

「カレシのモトキ」の一件のあと、彩香は彩香、優美は優美としてしっかり生きていた。
優美は毎日をスケジュール通りに生きるだけで精一杯であったが、
これほど忙しくても充実した毎日は初めてであったし、ストイックな毎日には息がつまりそうだと感じた日もあったが、
優しい両親と、苦しい時に励ましてくれる彩香のおかげで、なんとか頑張ることができていた。

「優美ぃ、もうお父さんたちは寝るよ」
暗い夜道で、電話の向こうに懐かしい声を聞いて、彩香は、
「あっ、今パパの声したね」
と、口にした。
「うん。そろそろ心配されるから切るね。またあした」
「うん。おやすみー」

彩香は、優美がきちんと「優美」を演じていることにはとても感謝していた。
モトキの件以来、仲違いをしながらも、優美が一生懸命やっていることはよくわかっていた。
顔を合わせて話すことこそなかったが、あの日以来、人生を共有する2人の間に、
不思議な一体感が出来たのは間違いなかった。
303名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
彩香は彩香で、大きく「優美」の頃と境遇が変わってしまい、両親からも離れてしまったが寂しくはなかった。
あんな男でも「優美」の心にとっては初めてのカレシがなってしまっても、さほどダメージにならなかった。

むしろ、優美と話し合って、見栄でどうしようもないカレシを持つくらいなら、
勉強でもしてたほうがマシ、という話になった。

優美と入れ替わるまで、O女子高では金の卵であった彩香は、服飾系の女子大か美容系の専門学校にでも行こうと
思っていたが、勉強ができるようであればもっとランクが上の大学に行っても構わない、
と優美もいってくれるようになっていた。

言い寄ってくる男とは何度も遊んだし、金にならないセックスもしたが、
特定の「カレシ」を持つことはこの1月半ほどなかった。

彩香にとっては最も長い「彼氏いない歴」となった。優美が16年と半年、彼氏がいないこととはえらいちがいである。
彼氏を作るかわりに、彩香は勉強した。

援交を一度すれば参考書や問題集など何冊も買える。
彩香は、身体を売って得たお金で、勉強するようになった。
言ってみれば、援交する高校生ギャルと受験勉強する女子高生を両立していたのである。

家族3人、絵に描いたような幸せな家庭の優美の家族と違って、
母子2人だけの彩香の家庭は、寝るだけの場所でしかなかった。

彩香は援交でホテルから出たあとファーストフードやカフェで勉強し、
帰る頃に、勉強を終え、風呂から上がってベッドの上でパジャマ姿の優美と
長々と話すのが日課のようになっていた。
304名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
「あやかちゃんへ
がんばってくれて、ありがと(*^^*)
いいこいいこ(^_^)/してあげるね」

電話のあとはこんな感じである。口ではいろいろ言いながらも、彩香は本当に優美に感謝していた。

「ありがと(ノ´∀`*)」
とすぐに返事がかえってくる。

援助交際についても、一度、優美のほうから「やめてもいいよ。普通のバイトでほそぼそと稼いでもいいんだよ」
といってきてくれたことがある。変態に引っかかってしまい、命からがら逃げ出してきた夜の話である。
彩香のなかの「優美」の目では見破れないこともSNSの上のやりとりで優美のなかの「彩香」が見ぬいてしまう。
優美と話し合って選んだ客には、性病を移されることもなく、優美のアドバイス通りに河岸を変えれば、
補導されることもなかった。

だから客選びには優美にいつもアドバイスをもらっていた。

一度だけ、そのアドバイスを無視した時のことであった。
相場よりも高く出してくれるというからホテルに行ったのだが、ガチのSMプレイを要求してきた。
一発殴られて、なんとか逃げ出してきた。泣きながら優美に「ごめんね」とあやまったその日のことである。

それでも援交を彩香がやめなかったのは、その行為が実際に「生活のため」に行われてきたことを、
よくわかっていたからである。
彩香の母・桃子は生活保護を受けながらスーパーで働いているが、
基本的に生活は苦しい。

将来の事を考えて、彩香はカラダを売ってまでお金を貯めていることはわかっていた。
だから、「優美」の心は迷いながらも援交を続けていた。
普通のバイトではそんなにお金もたまらない。

彩香がどんな気持ちで援交をしていたかよく分かるようになってきた。お嬢様だった頃の自分からは思いもよらないほど
深い事情があって、援交ギャルたちはカラダを売っているのだと、自分の無知を恥じた。
自分で大学受験の勉強をするためにもお金が必要だった。

もちろん、彩香はセックスが大好きだったから、続けられたことでもある。
それは「優美」の心も順応してしまったのだから、きっと、
お嬢様の「優美」の中にも淫らな女の子が初めから潜んでいたのだろう。
305名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
優美と比べれば、あるいは頭の出来で数断劣る優美の同級生たちから比べても低偏差値の彩香とはいえ、
低偏差値なりに目の前のことだけではなく、いろいろなことを考えて日々を過ごしていることがすこしずつわかってきた。
彩香だけでなく、今まで見下していた女の子たちの考えることも少しずつ理解できるようになってきた。
なんの不自由もなく、優等生として育ってきた「優美」のままだったら永遠に知ることのなかった世界が見えてきた。

深夜の路地裏を一人で歩くなんて、自分が「優美」だった頃には考えられなかったことである。
だが、今の彩香は平気であった。狭いアパートの中は、彩香にとって居心地がいいものではない。

だから、夜遅くまで外にいるのだ。「女の子なのに、深夜に出歩くなんて、はしたない」などと本気で思っていた頃、
まだ自分が「優美」だった頃の自分が、いかに狭い世界に住んでいたか、すこしずつわかってきたのである。

自分が援交することも、そうして少しずつ受け入れられるようになっていった。

援交で一番難しいのは、ルールを守ることである。
要するにナマでやらせたり、写真をOKしたり、客も女の子もある程度のルールをちゃんと守れば
それほど危ないこともない。

彩香はその点、賢かった。おかしな組織に属してその指示の下で援交することもなかったし、
また誘われてもきっぱりと断った。

一人でSNS、を駆使して器用に続けていた。周りの女の子たちに援交の指南はしても、斡旋はしなかった。
今は優美である女の子が決めた、基本的な「3つのルール」を、破らなかった。
一度ナマでさせてしまったことは以前に描いたが、それだけである。

幸せな家庭のお嬢様である優美も、援交が日常のギャル女子高生彩香も、
入れ替わる前のお互いの世界を、協力しながら、守って生きていた。

このまま、いつか元に戻れるかもしれないし、彩香が勉強を続ければ、
意外に「彩香」が優美で、「優美」が彩香で、今のままそれなりに予定に近い人生を送れるような状況が
生まれるかもしれない。そんな希望すら生まれつつあった。

「彩香、おかえり。また今日も遅かったね」
彩香がアパートにつくと、パジャマ姿で頭にカーラーをいくつもまいた母親が不機嫌そうに出迎えた。

「バイトのあと、マックで勉強してたの。別にお母さんに関係ないでしょ」
「バイトって、本当にバイトなの?危ないことしてるんじゃないでしょうね」
「うっさいな、違うよ。この前ルイにも聞いたでしょ」
ルイ、というのは比較的近所に住むギャル仲間の同級生である。アリバイ作りにはよく登場する名前の一つであった。
306名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
「今日はお母さん、ひとり?」
この親にしてこの子有りというか、彩香の母はまだ34歳である。
彩香がほんの子どもの頃はまだ祖父と祖母とともに実家にいたのだが、
いつの間にかそこから出てきて5歳のときからは2人で暮らしている。
そのころまだ女として遊びたい気持ちと、彩香という可愛い娘を守り、育てることを両立させようと
彼女は彼女なりに必死だった。

18歳で高校を中退して彩香を産んだ桃子は、23歳のときにキャバ嬢になった。
風俗をやってみたり、ファミレスやファーストフードのバイトもしてみたが、
キャバ嬢が彼女の性に合っていたのだろう。基本的にずっと夜の仕事をしてきた。
男関係は今でもだらしがなくて、小学生の頃には邪魔者扱いされ、
外で夜まで遊ぶこともしばしばであった。

夜寝る時以外、彩香がなるべく家に寄り付かないのはそれで、である。
実際、男の匂いがこのアパートからはぷんぷんしていた。
夜の仕事をしても男遊びが激しくて金が身につかなかった。それでいて34歳はまだまだ女として盛りである。
パート先でもすぐに男に声をかけられ、すぐに部屋に引っ張りこむのが桃子のいつもの行動パターンだった。
彩香に父親の違う弟や妹がいないのは奇跡のようにおもわれた。

「早くお風呂入っちゃって」
母は質問に答えなかった。この親子はお互いに干渉しないのが暗黙のルールだった。
ホテルで入ってきたから、とも言えない彩香は、いつも申し訳程度にシャワーを浴びる。
その「雀の行水」ほどの時間で母は娘の行動に気づいているかもしれない。

夜の女として純粋な接客で生計を立てて、彩香を育てる一方で、
むしろ男に対しては貢ぐ一方ですぐに逃げられる、という事を繰り返していた桃子にとって、
恋愛感情なしにオトコにすぐにカラダを任せるウリや援交はもっとも理解できない行為であった。

だから中学生の頃から、「援交なんてするな」と何度も彩香に言ってきたが、説得力はまるでなかった。
最低の男にいつも引っかかるばかりの母の言葉など、彩香にとってどうでもいいものだった。
むしろ、母とは逆に男からは絞れるだけ搾り取ろうというのが、彩香の哲学でもあった。

「おやすみ」
ぶっきらぼうな言葉を残して母は先に床につく。
ついさっき、優美と交わしたお休みの挨拶がとてもとても温かいものであったことを考えれば、
その関係はなんとも冷えきっていた。

それは優美と彩香が入れ替わってからも変わらなかった。
あまりに違う優美と彩香の境遇に、泣きたくなったりもする。そんなときに

「あやかちゃんおやすみ(^_^)/」
と、子どもの頃からずっと「優美」のお気に入りであるテディベアの「タロウ」が頭をなでなでするポーズの写メが届いた。
心が暖かくなった。
307名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
やはり、彩香のことをよく分かっている優美からのベストタイミングでのメールは、いつもながらに優美をほっとさせる。

荒れに荒れた環境に身を置く彩香は、自らの力で生きていくほかない。
今は「彩香」の心が宿っているお嬢様の優美もそのことをよく知っているから、こんな時は優しくなれる。

2人は、一日一日と絆を深めていくようであった。
もし、お互いの身体が元に戻らなかったら……お互いに助けあって生きていこう……
そういうことももう2人の将来設計の視野に入っていたのかもしれない。

だから、その出来事を境にして、幸せそのものの優美の家庭が、音を立てて壊れ始めても、
そのことで優美の人生が大きく変わってしまっても、その原因が彩香であっても、
変わらないのは2人の絆、だったのだろう。
308名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
11月の5日のことである。

その日は金曜日で、彩香にとっては稼ぎどきである。
優美は金曜日と土曜日は塾通いで、金曜日は他の曜日より帰りが遅く、深夜になることもある。
優美の母である上杉美鈴も、所属部署の集まりがあって、遅くなるということはわかっていた。

だから、予備校で授業を受けている優美に連絡はつかない。そういうタイミングだった。

その日の客になんら怪しむべきところはない、というのが優美と彩香の出した結論であった。
SNS上で、何度か援交をしていることがうかがえたし、相手の女の子の評判も上々であった。
そして、金払いも、怪しくない程度に良かったようである。

JK専、というわけでも、ロリコンというわけでも無さそうだった。おかしな趣味がないことは重要であった。
夏の名残がわずかに残る小麦色の肌はそれでも透き通るようで、サラサラのストレートパーマかかった長い茶髪、
寒くなってきたのに太ももを丸出し出歩く。
男から見れば下品にも見える、いかにも遊んでいる風の女子高生ギャルでも、彩香ほどの上玉であれば、
客は女の側でいくらでも選ぶ事ができる。"シンチ"を名乗るその客も、
客として上質だと踏んだから優美はOKを出した。

上杉優美という女の子は、もともと彩香と入れ替わる前から誰が見ても美少女で成績も優秀で、心も強かった。
だが、一方で、大切な人の期待に答えようという、いわば人に認めて欲しいという思いが人一倍強い女の子であった。
その性格は、いま、彩香となっても変わらない。

もともと、優美にとって大切な人といえば、まず両親である。
彩香になってからは、そこに、「あんな親でも」、という制限つきで彩香の母・桃子と、
それからなんといっても「彩香」の心をもつ優美が加わった。

もし、わずかしかいないそんな大切な人たちが、両立できないような要求をしてきたら?

考えたこともなかった。

待ち合わせの時間、援交用のアドレスにメールが届いて、彩香の携帯が鳴った。
「ん?エスカレーターの上にいますって?慎重な人だな」
彩香は特に疑問を持たずにエスカレーターに乗った。

そしたら、下りのエスカレーターに、優美の父である、上杉信一が乗っていた。

(ちょっと、こんなところにパパが・・・おちつけ・・・あたしは、彩香だから。優美じゃないから・・・)

上についても、それらしき男はいなかった。
そういえば、いま、信一は右手に隠すように待ち合わせの目印となるペットボトルを持っていた。

(まさか・・・)
309名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
と、思った次の瞬間に、目の前に現れたのは、やはり信一だった。
彼は、エスカレーターですれ違うときに、彩香のすがたかたちを確かめたのである。
それで、金を出してもいいと判断したから、もう一度反対からエスカレーターに乗ったのであった。

悪夢を、見ているようだった。

「信一……シンチさん、ですか?」
おそるおそるその男に声をかけた。

「はい」
見た目が何歳に見えるとか、紳士的で優しかったとか、
そういう女の子たちの評判はすべてその男と一致していた。だが、まさか、の展開である。

「えっと、どうします?」
信じられないことがあると、人間はどう反応していいかわからなくなる。
ことに彩香のなかの「優美」という女の子はそうである。
どちらかと言うと危機的な状況に立ち会わないようにすることがうまい女の子だった。
まずは、せめて「買春」を望まないかもしれないという、僅かな可能性にすべてをかけた。

「ホテルにいきましょう。シティホテルに部屋をとってありますから。
なにか適当な着替えを買って、そこに来てもらえますか?」

”シンチ”を名乗る男はそう言うと、メモを一枚、「ユカ」に手渡した

「あっ今日は制服じゃないから、大丈夫です……」

JK専の男でないときには、予め着替えておくこともままある。
スカートは短かったが、シティホテルなら呼び止められることもあるまい。
だから、彩香はそう答えた。ただ反射的に答えただけである。”シンチ”の言葉は制服を着替えろという意味ではなく
初めから今日は相手の女の子とホテルに泊まる予定で、話もついていたので気前よく着替えをのぶんも
払ってやろうという意味だったが、彩香には伝わらなかった。
そんなことは、普段の彩香ならありえないことであった。

頭の中では、あまりのことに、どう反応していいか分からず、戸惑うばかりであった。

すこし、距離をおいて、男の後ろを歩きはじめた。

(ど、どどうしよう。あれはパパだよね・・・)
2か月ほど会っていなかったが、紛れもなく優美の父である。後ろ姿で見てもそれは明らかであった。
何度も確認した。だが、事実は曲げられなかった。

(にげなきゃ・・・)
そうも思った。だが、逃げたところでどうなるというのだろう。
今日の客をすっぽかしたとなれば、そのことはSNS上のやり取りで、優美にも知れるだろう。
そうなれば、説明を求められるだろう。

その時に、どう答えればいいか、そっちのほうが、彩香にとっては怖かった。
どうにか、お話だけでなんとかして、家に帰すことが出来ないだろうか、と考えるしかなかった。
310名無しさん@ピンキー:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:oggrQhdP
(でも、彩香にとっては、パパでもなんでもないんだよね)
などと馬鹿馬鹿しいことを考えた。彩香の頭の中には、優美との約束で、
この援交をすっぽかすなどという選択肢は、まるでないのである。

目の前を歩く上杉信一が育てた、真面目で責任感の強い女の子の、宿命ともいって良い。
このような場面に出くわしても、まずは約束をまもることを考えてしまった。
優美との約束、そして”シンチ”を名乗る客である男との約束、それが彩香を縛った。

何も知らないふりをして、一夜の関係を持って、優美にはこのことを黙っていればいい。

それが一番ラクな解決方法に思われた。

だが、その日起きたことは、少なくとも今の彩香という女の子が、
いかにエッチな事が大好きであるかということを思い知らされる出来事であった。
その淫乱さのもとを、彩香のカラダに求めても、「優美」の心に求めても、それはあまり意味のあることではない。
偶然が重なった上に、何も知らずに塾で勉強しているはずの優美の人生をも、
大きく変えてしまうきっかけになる、出来事だった。

「楽にしてて、何か食べたいものある?ルームサービス頼んでもいいよ」

まだ、彩香は信じられなかった。1泊するだけで何万というホテルの一室で、
いつものような客ならすぐにダブルベッドに腰を下ろしてさっさと一発、というところなのであるが、
この日はベッドに座りたくなくて、デスクに備え付けの椅子を選んで腰掛けた。

考えてみれば、「急に生理が来て」とかなんとか言って、逃げる方法はいくらでもあったはずである。
だが、それをしなかったということは、すでに逃げ道はない。

「あっ、いいです。こんなところでご飯までおごってもらったら、癖になりそうで……」
自分でも、とんでもないことを口走ったものだと思う。
「ふうん。それじゃ一杯どう?」

男は冷蔵庫からビールを一本取り出した。ぶるぶる、と首を横に振った。

「ユカちゃん、評判よりもずっとかわいいから、おじさん張り切っちゃうな」
緊張丸出しの「ユカ」こと彩香の仕草や身を固くする有様は、こういう時には逆効果である。
そんなことは知っていたはずなのだが、それでもどうにもならない。
311名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「そう。こっちにおいで」
「あ、あの・・・」
「なに、どうかした?」
「こういうこと、よく・・・されるんですか?」
「あれ?ユカちゃんは、あまり慣れてないんだっけ?」
「そ、そうじゃなくて、奥さんとか・・・あの・・・」

客の事情に深入りするのはタブーである。だが、どうしてもそれをしないわけにいかなかった
「いるよ。娘も一人、ユカちゃんと同じくらいかな」
正解、である。誕生日も一緒であることを「ユカ」自身よく知っていた。

「じゃあ、どうしてこんなことするんですか?」
「えっ?」
「奥さんもいて、娘さんもいて、それで、どうして・・・」
涙も出ないほど彩香は動揺していた。

16年間、父が母親以外の女と寝るなどということは考えたことがなかった。
それが、今いかにも慣れた様子で、女子高生ギャルと援交しているのだ。
客観的に見てもショックな出来事である。その上、相手は自分なのだ。

「ごめんなさい・・・」
"シンチ"のほうがYシャツのカフスを外しながらそう言った。
研究員のシンチは普段スーツで仕事に行くことはあまりない。
おそらくこの日は外に用事があって少し早く帰る日だったのだろう。何度も見たことのある、
一張羅のスーツ姿から、ジャケットを脱ぎ、ネクタイを外し、男は、少しずつ裸に近くなる。

「そんなこと、聞いちゃいけないことでしたね」
彩香は、決めた。今は、ただの援交女子高生「ユカ」になりきろうと。
この時間はいつも客と寝るのと同じである。それで、優美に何も言わなければいい。秘密にすればいい。

だいたい、このまま優美と彩香が入れ替わったままならば、
この男は別にパパでもなんでもないのだから。そう、思い込むことに決めた。

「先に、4枚、いいですか?」

彩香は売春婦のほほえみを取り戻した。だが、どこかに憂いが残っていたのだろう。
"シンチ"の目には、その表情がとてつもなく色っぽい、まるで慈母観音の如く、優しさと憂いを帯びた顔に見えた。
もちろん、男にとっては燃える要素となる。

「はい、これ、おじさんあんまりお金ないからね、ごめんね」
SNSでのやりとりから、彩香も優美も「シンチ」というこの客は上得意になるかもしれないと判断した。
ホテル代別、宿泊、夕食はセックスの後に外出して寿司か焼肉、

その先のセックスは別料金、というのがSNSでの「シンチ」と「ユカ」の合意だった。
宿泊つき、夕食おごり、ホテルに一泊で2回戦への含みをもたせたから、1回戦目の料金は相場よりも安くした。
312名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「シャワー、浴びますよね。一緒にします?先に入ります?」
このような会話は、客をとるプロの売春婦として普通のものである。

一方でもし、客が女の子にあくまで素人っぽさを求めるのならば、いらぬお世話になる。
だが、この日、彩香はプロの売春婦であろうと努めた。

「いいから、こっちにおいで」
「あっ・・・」
立ち上がってバスルームに向かおうとする「ユカ」の左手を掴んだ。すぐに、男は後ろから彩香を抱きしめた。

「ちょ・・・あぁん・・・」

いきなりシャワーも浴びずにセックスを求めてくる男もいるにはいる。だが、この日だけは避けたかった。
そしていくら売春婦であろうと心が命じても、覚えのある腕の感触が彩香を後ろから包んだ時に、
全てが音を立てて崩れていくような気がした。

(もう、どうでもいいや・・・)
気づくと、後ろから抱きつかれたまま、男とキスしていた。180センチ近いシンチと、
彩香がキスをするには、彩香はつま先を立てなければいけなかった。

(パパのにおいだ・・・それにパパの腕だ・・・)
幼いころ良くその腕に抱かれた「優美」の記憶が彩香の脳裏にはっきりと浮かんでいた。
小学校高学年くらいになると、パパとの肌のふれあい減ったし、
こんなにぎゅっとパパに抱きしめられたのはもう10年以上も前のことだろう。

入れ替わって彩香になってから50日あまりのあいだ、彩香は実に18人の男の腕に抱かれたが、
「優美」としての記憶を心とともに持ってきてしまった今の彩香にとって、
「シンチ」の筋肉質で硬い腕に抱きしめられる感覚は、とても、懐かしいものだった。

胸やお腹は少しやわらかくなったが、紛れもなくそれは父に抱きしめられている感覚だった。



その日から、彩香は優美との連絡をとらなくなった。電話をかけても出ない、かけ直してもこない。
メールにも返信しなくなった。

優美が、「なにかおかしい」と彩香の異変を確信したのは、2日後のことであった。
313名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「親友」


限度を超えてるかもしれませんが、いつになるかわからないので次まで投下します。
読んでくださる方、ゆっくり読んでください。

第8回 「再開」
314名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
彩香との連絡が途絶えて4日たった。いつもだったら援交が終わったらまず

「おわったよ〜(^^ゞ」
などとメールで連絡があるのに、それが何時まで経ってもこないし、電話しても留守電になる。
SNSにログインした形跡があるので、無事なのだろうとは推測できたが、
優美と彩香が入れ替わってから2か月ちょっとの間、お互いの生まれのことや好きなことや悩みなど、
文字通りすべての記憶を共有しながら、喧嘩して、喧嘩して、
それでも毎日の最後に「おやすみ」と言って眠ってきた「優美」の心を持つ彩香と連絡がとれないと、
優美は不安で不安で、何も手につかなくなってしまう。

優美と入れ替わるまで、ずっと、様々な男と援助交際を続けてきた「彩香」の中身は、
今は優美の身体にある。昨日の月曜日までは、まだ真剣に探そうともしなかったのだが、
少しだけ今日になってから気になる動きがあった。

おそらく、金曜日の夜に彩香に5万円払ってセックスしたはずの"シンチ"なる男とおもわれるSNSに不穏な動きがあったのだ。

援助交際は、それが売春に当たる限り違法である。だが、個人の合意のもとに対価を得てセックスすることは犯罪にはならない。
刑事罰の対象になるのは、組織的に女の子を何処かに閉じ込めて、セックスさせる「管理売春」である。
だから、ソープランドなどでいわゆる本番行為に及んでも、それが現場にいる女の子と客の間の合意であれば、
犯罪にはならない。

だが、売春を女の子が路上で持ちかけたり、インターネット上で誘うようなことをすると、
まずそのこと自体が犯罪になる。

だから、援助交際をするときには、そうした法律に引っかからないように、
まずは、ただ男と会うだけのように見せかける。
隠語を使って交渉するのは、そのためである。
隠語はつねに変わり続けるので、通じているのかどうか実は本人たちもわかっていない。
そこが、援交ギャルのカンと経験値の見せ所であった。

彩香が援交を続けるにあたって、絶対的な武器、というか防具の一つでもあった。

彩香はそういう援交の仕方を、中学校のころ、わかなちゃん、という先輩に教わった。
わかなはラテン系のハーフで、小学校のころから仲が良くて、
母が男を部屋に連れ込んだりして帰る場所がないときに、遊んでくれたりした。
もちろん、いつもというわけではないが、それでもとても有難い存在だった。
315名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
子どものころはわかなちゃん、と呼んでいたその女の子は目鼻立ちがはっきりしていて、子どものころから美人だった。
胸もおしりも彩香の2倍も3倍もあるのではないかというくらい大きかった。
中学2年生の頃には男がとっかえひっかえで彼女の家に入っていったのを覚えている。

その年代にしては妙に大人っぽくて女のフェロモンを常に漂わせるような女子中学生は、
男たちに磨かれてあっという間におとなになった。
頭が良かったのであろう。どうすれば警察に捕まらずに、あるいは法の網をくぐり抜けて援助交際することができるか、
ということにとても明るかった。

メールは携帯のメールアドレスを簡単に使ってはいけない。電話の履歴はすぐに消す。
他の女の子が痛い目に合っていないか、できるかぎり確認する。
病気を移されないように、アソコも口もよく洗う。もちろん相手もである。
避妊用具は簡単に信頼しない。危険な日はセックスするな。意味のない避妊をするな。

というような、売春のイロハは、全部わかなちゃんにおそわったものである。

中学二年生の秋には、彩香は少しずつ援交を始めていた。
写真も動画もとらせてはいけない。妊娠してても慌てるな。
その費用を稼ぐつもりで相手から金をとれ。と幾つものわかなちゃんから受けた教えを守って援交をしていた。
飛び切りの美人であるわかなちゃんが、ちんちくりんの、ギャルに憧れるひとりの女子中学生に過ぎない、
まだ身長も140センチ代で初潮を迎えたばかりの彩香に、
援交の心得・ルールをこれでもかと教えこんだのである。

彩香という女の子はそういうふうに運命づけられていた、というのが正しいだろう。

彩香と入れ替わったあとの「彩香」にも受け継がれた、"彩香の援交の3つのルール"は、
基本的にわかなちゃんから教わったものを彩香なりにわかりやすくしたものである。

余談であるが、吉井わかなはAV女優になって、2週間ほど前に大手メーカーからデビューした。
優美はまだ見ていなかったが、2か月前までの記憶を完全に共有する彩香が援交相手におねだりして買ってもらって、
見たらしい。感想はともかくとして、初体験はいつ、と聞かれて、
「16歳の時に付き合ってた彼の部屋で」などと大嘘を付いているのが面白かった、と聞いた。

さて、"シンチ"という男の動向であるが、女を買う時用のSNSの内容から推測してたどり着いた別のSNSに
「娘と一緒にアイスを食べました」などと休日のよきパパぶりをアピールした投稿があった。

それが、日曜日に買い物に出かけた時、優美とその父親、
上杉信一が母の買い物が終わるのを待ちながら食べたアイスクリームと同じだったのだ。
316名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
気になる一致がいくつかあった。頻繁に更新されているSNSにではなかったが、
行動が父・信一と合致するのである。

彩香が援交相手を絞り込むときに使う手法は、
変態や性病持ちを排除するための手法であった。
相手が女子中学生・女子高生であることを全く気にしないようなのもまずい。

先に、売春そのものは処罰の対象にならないと書いたが、
それは女の子が18歳以上である場合のことである。彩香が援交するときには、
まだ16歳なので児童ポルノ法の違反で相手が逮捕される危険がある。
だがそういう場合危険を負うのは相手の男である。

そういう基本がわかっていなそうな男も困るし、だからといって詳しすぎても困る。
いくら用心してもしすぎることはないが、わかな先輩から教わった基本を繰り返しているうちに、
カンが身についた。だから、彩香はいくら援交しても、警察の御用になったことはなかった。
周りの援交している女の子たちは性病にかかったり、妊娠したり、写真がネットに流れたり、
そういうことが度々あったが、入れ替わる前後にかかわらず、彩香はまだそういったトラブルとは無縁であった。

だが、もっと基本的なことまでは目が届いていなかった。

わかなちゃんも、彩香も、共通点は父親がいないことであった。
わかなの母親は純粋な日本人であったから、父親がラテン系だったのだろう。
だが、会ったこともないし、どういう人かも彩香は知らなかった。
「わかな」という平仮名の名前が、日本語の不自由な父親を意識してつけられたことは聞いたことがあるが、
それ以上のことは彩香は知らない。

彩香が心配したことは、その盲点を突いたことであった。

もし、もしもである。援交をそれとなく、SNSを使って持ちかけてきた男が、「優美」の心を持つ彩香と、
「彩香」の心を持つ優美の、唯一の共通の父親である上杉信一であったら……
その時は優美にも見ぬく術がなかった。

優美も彩香も、信一がそんなことをするとは想像したこともなかった。
ことに、人生で初めて父親をもった「彩香」の心を持つ優美の目は大いに曇っただろう。
優しくて、男らしくて、かっこ良くて、頭がいい父、それは今の「優美」にとってもまさに理想の父親そのものであった。
317名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
優美は、自分の頭の中で膨れ上がった真っ黒な疑惑を拭い去れなかった。
そして、そのことを確かめる事ができないまま、何度も彩香と連絡を取ろうとした。
心当たりに出向いてみたりもした。だが、会えなかった。

その日、11月9日の午後6時前、もう優美は家に着いているはずの時間に、
まだ不安な気持ちを抱えたままA女子学園の周りをウロウロとしていた。
その辺りは彩香のアパートのあるあたりであった。そして、こころあたりのある一箇所で、
長い金色の髪を下ろしたまま、一人ブランコに座る、見覚えのある制服をきた見覚えのある女の子を見つけた。

優美はすぐに駆け寄って声をかけた。
318名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「おい、彩香、大丈夫?」

11月9日、火曜日のことだった。

「あっ、優美じゃん。久しぶり。ガッコー、おわったの?」
「学校終わったのじゃねーよ。どうしたんだよ、メールも電話も返さないし、」
「ごめんごめんm(__)mでも、もういいの」

「なにがもういいのだよ。おまえ……」
「なあに・・・?」
「酔っ払ってんの?酒なんて飲めなかったのに……」

「うん……」

彩香は、どうでもいいやと思いながらも、家の近くの公園で一人ブランコに座っていた。
この時間、もし優美が自分のことを心配してくれるのであれば、
きっと、ここにいる自分を探しだしてくれると思っていた。そして、その思いは通じた。

「おい、しっかりしろよ。一体何があったの?」
「うん?なんでもないの。あのね……」

「うん、なに?」
なんでもないはずがない。もう、優美の心は嫌な予感があたった確信で満ちていた。
効くのが怖い次の一言を、優美は目を見開いて聞いた。

「あたし、ウリ辞めるね」
「……・」

「ごめん、約束なのに。でも、もう無理。優美はやめないでね。お嬢様」
「ちょっと、そんなことはいいから、立てる?」
「うん、らいじょーぶ」

その公園のブランコは、小学生の頃、家に母が男を引っ張りこんだ時に、
外で待つしかない彩香の居場所であった。だから、あまりいい思い出の場所とはいえない。
今、彩香の身体には「優美」の心が宿っているが、脳に刻まれた記憶を共有している。

この場所で、昼間から酒を煽っているというのはただごとではない、
ということを今の優美も、よくわかっていた。

「ほら、風邪引くぞ!立って歩こう」
「らめよー。A女子学園のお嬢様が、こんなウリギャルと肩くんで歩くなんて。馬鹿が伝染するよ〜」
319名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
優美は彩香を抱えるようにして歩き出したが、本来これは2人の間のルールに反することである。

「だから、離してって!」

彩香は優美の手を振りほどくと、その場に転んで膝をついた。ほんの少しすりむいて、血が出てしまった。

「いたぁい。なにすんの。アヤカ、じゃなかった優美のバカぁ」
「おいおい、本当にどうしたんだよ」
優美はハンカチを取り出してすぐに彩香の膝に当てた。
優美のやさしさが心に染みたのかもしれない。彩香はまくし立てるように告白を始めた。

「うるさい、バカ親父の娘なんだからおまえもバカだ。あたしが彩香、じゃなかった優美だってことも気づかずに、
手ぇだすなんて、あいつは父親失格だ、人間失格だ!」

「えっ?」

優美はあまりのショックに、その場にへたり込んだ。悪い予想は完全にあたった。

「ど、どういうこと?」
「だから、そういうこと。この前の金曜日の、客が"シンイチ"っていったでしょ、
ちがうちがう"シンチ"だ。あれが、あんたのバカ親父だったってことよ」
「うそ・・・」

このことに関しては、待ち合わせ場所に現れた優美の父・信一を見た時の彩香よりも、
優美のほうが大きなショックを受けたかもしれない。

なにしろ、実の父親を見たことのない「彩香」にとって、優美と入れ替わって、
初めて手に入れた父親らしい父親が信一であった。もし、自分にもはじめからこんな父親がいれば
人生は全く違っただろう、と思うほど、信一は優しく、かっこいい父親だった。
彩香の母親が連れ込んだ男にも「お父さんって呼んでね」などという男はなん人かいた。

だが、ひとりとして長続きしなかった。あるものは母に暴力をふるい、あるものは金を持ち逃げし、
とにかく、”父親”というものにいい思い出がなかった。

だから、優美の父親は「彩香」の心にとっても、初めて、心から親しみを込めて「パパ」と呼べる、
頼れる男親であった。

言うまでもないことだが、入れ替わる前の「優美」の人格にとって、
つまり今の彩香にとっては「シンチ」を名乗った男は実の父親である。
その父親が援助交際に手を染めていただけでもお嬢様だった「優美」にはショックなことだし、
その男におとなしく抱かれたことも自ら許せないし、
目の前で娘、つまり「優美」自身が「真面目すぎて怖い」などと言われたのもこの上ない屈辱であった。

「あはは、ショックなの?まだ二ヶ月しかパパの娘してないくせに。ショックなんだ。
こりゃウケる。大好きなモトキとキスしてたあたしが、今度は優美ちゃん、
っていうかお嬢様で優等生の優美さまのパパとエッチしちゃった。あはは。」
320名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「彩香、ちょっと落ち着きなよ」
それでも、なんとか優美は彩香をたしなめようとする。どうして逃げなかったのか、
なぜ今まで連絡をくれなかったのか、と聞きたいことは山ほどあった。

まずは、落ち着いて話してもらわないことには、話が始まらない。

「うるさい、落ち着いていられるか!」
彩香が今日一番大きな声で叫んだ。酒のせいか、風邪を引いたか、
喉を少しやられていたようなしゃがれた声だった。

「あのバカ親父、ママと優美のことも話してくれたよ。ママとの男と女の関係はとっくにおわっててぇ、
あと、優美は真面目すぎて怖いってさ。あはは、ああ〜怖い。優美だ〜、こわいよおー」

「ちょっと、もういいから。彩香!」
優美は彩香のことを、ぎゅっと抱きしめた。とにかく、落ち着かせなければという思いだったが、
彩香にとって、今唯一誰か他人を信じられるとすれば優美だけだったから、
日が暮れて少しずつ冷えてきた11月初旬の夕方に、優美の腕は暖かかった。

でも、自分を金で買ったシンチと血がつながった娘の腕だと思うと、それがまたすこし嫌だった。

「離してよ。あんた、優美でしょ。A女子学園高等学校2年D組のお嬢様、上杉優美でしょ?あたし、あんたの親父の
愛人になったんだ。違う、愛人じゃないや、恋人になったの。待ち合わせの場所に来たあんたのパパから逃げないで
エッチしちゃったの。だって、逃げたらどうして逃げたの、って優美から責められるでしょ。そしたら、せっかくパパが
出来て喜んでる優美がパパって呼べる人がいなくなっちゃうじゃない。優美だって彩香だって、援交なんかする男は
心の中で超見下してんからね。だから、ちゃんと、エッチして、お金ももらって、優美には黙ってようと思ったの。彩香
だけのこの、柔らかいおっぱいの中にね、秘密をしまっておこうっておもったの。でも、でもね、ダメだった。パパと
エッチなことして、気持ちよくて、オチンチンいっぱいしゃぶって、おいしい、っていってイカせてあげて、それでもう
秘密にしようとおもってたら、あの馬鹿オヤジ、なんて言ったと思う?また彩香に会いたいって。こんど、また会う約束
したから。あんたのバカ親父、あたしが18歳になったら、ママと離婚してあたしと結婚するの。どう、びっくりしたでしょ。
だから、離してよ」

どこまで本当の会話なのか、それすら想像がつかなかったが、優美は彩香を抱きしめた腕を離した。
優美の目にも涙が浮かんでいた。彩香の言いたいことはきっと

「黙っていようと思ったけど、苦しくて黙っていられなかった」ということだと、痛いほど伝わってきた。
321名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「ふふ、引いたでしょ。嘘よ嘘。結婚なんてのは嘘。でもね、それ以外は本当なの(*´∀`*)。ママと優美から、
優美、じゃなかった彩香がパパを取り戻すの。優美が大学入ったら、離婚する、って言ってたから(-_-;)。
これはほんとだよ(^^ゞ。だからぁあたしが奥さんになるの。
むかしからパパのお嫁さんになのが夢だったのぉ人´∀`).☆.。.:*・゚。

彩香とぶつかって優美が彩香になっちゃったのだって、きっと、神様が、その夢をかなえるために、
優美と彩香を入れ替わらせてくれたんだ、って気づいたの☆。だから、あたしはもう欲しい物を手に入れるの。
あんたは勝手にすればいい。お嬢様続けたければ続ければいいし、辞めたけりゃ勝手にどうぞ。
だって、パパとママが離婚して、パパがお馬鹿なギャルと結婚したら、優美はママと一緒に暮らすしかないもんね。
そしたら母子家庭だから、もうお嬢様でもなんでもないもんね。それとも、優美、彩香のこどもになる?
あっ、もうこんな時間。もう、あたしいかなきゃ」
一方的にまくし立てた彩香が膝から血を垂らしたまま立ち上がって、歩こうとした。

「行かなきゃ、って一体どこ行くのよ」

「うん、ホテル。今日まではまだウリするの。今日はね、あの〜、あれだ。ポンちゃんが呼んでくれたの。
もう約束してるんだよ。口で一回と、エッチ一回。最初にする前にあらいっこして、終わったあともするの。
それで、5ユー。わかる?ごゆう。諭吉さんが5人で5Uだよ。わかんないか、お嬢様だもんね」

「だめ、行かせない」
優美は、彩香をまたぎゅっと抱きしめた。
「なにいってんろよ。あんたにそんな権利ないから。大体、そしたら、ポンちゃんのおちんちんが爆発しちゃうでしょ。
それでモトキの時みたいにそこら辺のJCに手ぇ出したら、あんたのせいだからね。お嬢様の、
優美ちゃんのせいだからね。ほら、どきなさいよ!」

ろれつの回らない言葉を続ける彩香を身長でも腕力でも上回る優美はもっとつよく抱きしめて
「なら、あたしがポンちゃんのところに行くから」
と、言った。

「はぁ?」
きっと、それは心から救いを求めた彩香にとって、一番、優美に言って欲しい言葉だったのだと思う。
この、辛い思い出の詰まった公園の片隅で、彩香が待っていたのは、もうひとりの自分である優美その人であり、
この辛い時に、身代わりになってでも救おうという一言が欲しかったのだ。
322名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「あたしが、彩香のかわりにウリする。待ち合わせどこ?まだママ帰ってないよね。
制服着替えるから。それに膝も手当しなきゃ。一回うちに帰ろ」

「はぁ、何いってんの?このお嬢様は」
そして、優美を追い詰める彩香の言葉は、すなわち自分自身を追い詰める言葉であった。

彩香と優美が入れ替わってから2か月、2人はそれぞれ、入れ替わる前のように生活を続けてきた。
こうして直接会って言葉をかわすのは、モトキの事件以来、1か月半ぶりである。

「処女失った時にさ、モトキの大したことないおちんちんでも痛い痛い〜って絶叫してたキツマンの優美にはムリ。
ポンちゃんのおっきなおちんちんはムリ。自分でもわかってんでしょ?ポンちゃんのおちんちんはね、ぺろぺろしてる
とね、むくって大きくなって、まっすぐに伸びるの。だから、彩香のおまんこの中に入れるとね、奥まで当たるの。彩香は
やったことないからわかんないけど、優美だと、胴体長いから奥まで当たんないかもよ。でね、それが超気持ちいいの。
だんだん太くなってくるの。で、体力あるから、一生懸命ポンちゃんが動くとすごく気持ちいいの。優美のちっちゃい
おまんこにはムリ。絶対ムリ入んないから、帰ってお勉強しな」

どこまでも続く卑猥な文句が、救いを求める言葉だと、優美には分かっていた。
「いいの。優美のちっちゃなキツマンをゆるゆるにしてもらうの。
ポンちゃん、優しいからモトキの時みたいに優美を泣かせたりしないよ。
だから、今日は、彩香は、安心してかえって休んでな」

優美の真っ直ぐな眼差しが焦点の定まらない彩香の瞳の奥までまっすぐに見た。
いつの間にか優美の瞳からも大粒の涙がこぼれていた。

酔っ払っていて細かいことまでは覚えていないが、彩香は、その時のうれしさだけは生涯忘れないだろう。
優美は、パパとセックスした彩香を咎めもせず、ただ、真っ直ぐな眼差しで彩香を見つめて、ぎゅっと抱きしめて、
そして一緒に泣いてくれた。それだけで、とてもとてもありがたかった。

だが、彩香はまだ優美に対して素直になれなかった。

ああ、優美はちゃんと優美をやっててくれてるんだ。そう思うと、情けなくて素直になれなかった。
323名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
もし、このあたりで素直になっていれば、また次の日から高校生ギャルの彩香と、お嬢様で優等生の優美として、
別々の人生をやり直せたかもしれない。人生というのは、ままならないものである。

「ふざけたこと言わないでよぉ、あんた、もう門限でしょ〜ぉ!」

収まらない彩香を「優美」の心まで一緒に包み込むように優美がもっと強く抱きしめた。
今、優美と彩香はひとつになったようだった。そして、「彩香」の魂は、「彩香」なりの答えを用意して、
優美の口から、その言葉がしっかりと、紡ぎ出されたのである。

「今、彩香が言ったでしょ、お嬢様続けるのも、辞めるのもの優美の勝手だって。だから、勝手にするの、
あたしも今日から、ウリ始めるの。大丈夫。学校にはバレないようにうまくやるから」

「え〜マジで言ってんの?彩香のご機嫌取るために言ってない?あたしが嬉しがってもなんもしてあげないよ。
あと、あたしも、じゃないし。彩香の援交は今日で終わりだから。明日からは、パパのものだからね。優美のパパは
彩香が貰うからね」

「うん、パパは優美にあげる。だから、今日は家で寝てて。今まで、ごめんね。彩香だけにつらい思いさせて、
ごめんね……」
「え〜、なんで優美が謝るの?あやまんなきゃいけないのは彩香の方だよ。だって、優美のパパ、彩香と結婚するんだよ。
優美と彩香が18歳になるのが再来年の3月20日でしょ。その頃には優美は大学入る準備してる途中で、カレシもいないのに
瑠美とか紗耶香とかと一緒に舞浜いったりするの。キャハハ、超受ウケだよね。6年間の思い出とか言って。瑠美も紗耶香も
バカだから優美と一緒の大学にはいけないもんね。で、そのころ彩香は綺麗なウェディングドレス着て、パパと結婚式するの。
あったかいところがいいなぁ。ハワイとか、グアムとかそういうとこ。で、ラブラブ新婚旅行にいってお姫様みたいなベッドで
いっぱいいっぱいエッチするの。4月になるとね、優美が大学にいって、地味な実験とかしてる間に、エッチな彩香が
裸エプロンでパパにお帰りなさい、ってするの。それでご飯がいい?お風呂がいい?それとも、お口でする?とか聞くの。
パパ、すっごいエッチだから、きっとお口っていうんだよ。でも、でもね、パパは彩香と結婚する頃には47歳になってるから、
お口ではイカせてあげないの。だって、若い男と違って何回も出来ないでしょ。だから、焦らすの。彩香の得意な焦らし技するの。
だから、今から謝っておく。ごめんね」

少しずつ、彩香の表情が緩んできた。と、思ったら唐突に、カクっと首を落とした。
324名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「彩香、ちょっと彩香?」
この2か月の間、優美はお嬢様として勉強を続け、彩香はギャルとして援交を続けてきた。
だが、それは間違いだった。優美はそう気づいた。こんな辛いことを彩香にさせるべきではなかった。

「ん〜、なに〜?」
声をかけると彩香はすぐに眼を覚ました。
「もう、びっくりしたじゃない!」
「ごめん。優美のおっぱい、あったかくって、なんかママに抱っこされてるみたいで・・・ああ、ママにも謝らなきゃ。
パパとってごめんね、って。でも、パパとママはもうとっくに終わってるからいいいか」

「うん、あったかい?じゃあ、ゆっくりお休みしようね」
「うん、ごめん。ポンちゃんとの待ち合わせまで、ちょっとだけ、ちょっとだけお休みさせて」

間違っていたことに、気づいたのはいいが、反省の方向が、もともと「彩香」だった優美は少し常識と違っていた。
それだけのことである。中学二年生のころから援交してそれで小遣いを稼いで、
わかなちゃんほどの美人にはなれなかったけれど、かわいいかわいいと誰からも言われるギャルになれた。

男を意識して、男の前で裸になることしか能がない淫乱女子高生ギャルにすぎなかった彩香が、
あの日、駅でぶつかっただけで、お嬢様で美少女の優美になることができた。
それまでには考えたこともないような生活を送ることが出来た。綺麗で良く掃除された学校、広くはないが綺麗な家、
お嬢様らしく女の子らしい部屋、優しい両親、どれも、母子家庭でせせこましいアパートで育った彩香からみれば、
想像の世界に過ぎないものだった。ただ、あの日ぶつかっただけで、
もともとそんな夢のような世界に住んでいた優美に、
援交なんかさせたのがそもそも間違いだったのである。

入れ替わったことを隠しておくべきではなかった。いくらお互いの境遇に差があっても、正直にお互いの親に話して、
病院に行くべきだった。いまとなっては、それも遅すぎる後悔にすぎない。

今日、この部屋につれて帰ってきたように、病院に彩香を無理やりにでも連れて行くべきだった。
もし今から元に戻っても、「優美」の心に癒しがたい傷を残してしまったことにも気づいた。もう手遅れ、である。

優美が直接彩香を傷つけたわけではない。不幸な偶然が重なったのである。
それでも、彩香にできる責任のとり方は、たった一つしか思い浮かばなかった。
325名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
「彩香だけに、つらい思いはさせないから。今日はお休みして」
「そんなぁ、だめよぉ。優美のちっちゃいおまんこにはポンちゃん入んないよ。彩香今日で援交やめんだからさ。最後は
とらないでよ。優美のちっちゃいおまんこじゃムリだからさ。うわぁ、あたし、思い出してきた。ちっちゃいおまんから、優美
のエッチなよだれをいっぱい出して、クリちゃんになすりつけるの。クリちゃんは優美のほうが彩香よりもおっきいよね。
で、感度もいいんだよ。知ってるでしょ?それでね、初恋の高瀬くんとか、穴山先生とかが、ゆみ、かわいいよ、とか言って
くるの想像して、オナニーするの。気持ちいいんだよ。あっ、まだ優美はオナニーしてるのか。昨日もした?どういう想像
してんのいまは?」

「うん、そうだね……彩香とぶつかったせいで、優美の世界、かわっちゃったね。ごめんね」

「あれぇ、はずいのかなぁ?」
彩香が下を向いた優美を覗きこむと、優美は顔をあげた。美少女の優美が口元を占めたまま、
優しさにあふれた微笑みを見せた。目には涙がまだ浮かんでいる。今度は優美を彩香がきゅっと抱きしめた。

「だからぁ、ごめんていうけど謝るのは彩香の方だって、って、あんたが彩香だっけ。あれ、わかんない。あたしが彩香
だったら、別にパパとエッチしたってただ不倫してるだけじゃん。そんなのだったら今まで何度もしてるじゃん。何がい
けないんだっけ。あっそうか、優美のパパとっちゃったんだ。でも、別に優美がパパとエッチするわけじゃないよね」

引きずるように彩香をアパートの部屋まで送り届けて寝かせ、膝の傷を消毒して、バンドエイドを貼ると、
優美はゆっくりと立ち上がって、慣れた部屋の安っぽい布製のクローゼットに向かい、2か月ぶりに、
彩香の通う低偏差値女子高校、O女子高の制服に袖を通した。

入れ替わったあの日、彩香を呼び出すためにこの制服を着てO女子高校に入って以来の事だった。
その間、優美を布団に寝かせて、好きなように喋らせておいた。

「パパも超ウケるよね。彩香の中に入ってるのが優美だなんて、考えもしないで、ペラペラしゃべってんの。パパね、
ちゃんと優美の誕生日覚えてたよ。だから、彩香の誕生日も覚えてね、って言ったら、うんって言ってくれたの。
おんなじ日で超びびってたけど、隠すフリしてたのが超萌えだった。それで優美の誕生日覚えてるってわかったんだ。
だから、指輪がほしいって言ったの。そしたら、彩香に指輪くれるって。意味分かってんのかな?でも、ママとは離婚
するから、って言ってたから分かってんのかな。そうそう、ホテルに着いた時にね、パパ指輪つけたままだったの。
だから外してって言ったら、彩香ちゃんが外してって。だからね、彩香がお風呂でお口で外してあげて、それでね、
おまんこの中に隠しちゃったの。でね、あ、とれちゃったとか言って、お風呂の栓を抜いたら、パパ超焦っちゃってさ。
『もういらないんでしょ』って聞いたら『そうだった』とかいってまた焦ってんの。でも彩香が誘惑したら、パパ超萌えてた。
ママとなんか一生もう二度とエッチできないように、心を込めてフェラしたの。でもどっちみちママはきっとフェラなんか
しないんだろうな。しょっぱい我慢汁が出てきててね、ああ、こっから出て来るのが彩香、じゃなかった優美の弟や妹たち
なんだと思うと、超感動したよ。でも、みんな流れていっちゃったけどね。あはは。それでね、お風呂でお口でイカせちゃった。
たくさん優美の弟と妹が流れていった。でも、それで終わりにしてあげなかったよ。パパのテクニック味わいながら、
いっぱいいっぱいエッチしたの。だって、ママとエッチされてもし間違って赤ちゃんできたら、また15年くらいまたなきゃ
いけないでしょ。もし生まれるのが妹だったら今度は妹にパパとられちゃうかもしれないじゃん。それで、また会おうね、
って約束したの。そしたら昨日も一昨日も今日もガラケーにいっぱいメールしてきた。マジかよって思ったけど、また今週も
会うの。パパ一週間分おちんちんに白いのいっぱいためてくるって(*´∀`*)。また彩香でいっぱいいっぱい気持ちよく
なるって(ノ´∀`*)。もうママとエッチしないって(*^_^*)。だから、彩香、パパのお嫁さんになるの。聞いてるの?優美?」
326名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
普段はノーメイクのまま外に出ている優美が、ミディアム・ストレートの美しい髪をとかしてアップに結い直し、
細い首が引き立つようにポニーテールを作り、横に下がる部分も凛々しく伸ばした。
ナチュラルメイクで綺麗な顔を引き立たせて、きりりとした瞳をアイラインで整えた。
実は意外なほど厚い唇を、グロスで濡らして少しだけセクシーさを演出した。
制服のシャツをきちんと着込んで、プリーツスカートをひざ上20センチにとめて、
久々にO女子高校の制服のジャケットを着込んだ。
ネクタイも、首まで全部ボタンを止めてきちんと結んだ。その上からニットのベストを着て、
清楚系のお固い感じをこれでもかと醸し出す。かつてその制服に毎日袖を通していた「彩香」の心にしてみれば、
女子としての系統こそ違えども、これが戦闘に臨む時の服である。
清楚系ギャル。お嬢様の優美として生まれ変わってから一度試してみたかった姿である。
この日がその時と定めて、優美は地味な黒髪の美少女から、清楚系のギャルへと小さな変身を遂げた。

「聞いてるよ。それじゃ、行ってきます、彩香」
「うん、行ってらっしゃい。って、どこにいくの〜まだ肝心のところが終わってないんだけどぉ・・・」

「心配しなくていいのよ、優美ちゃん、ゆっくりお休みしようね」
「ああ^〜^そうだね。眠いからね。うん。優美ゆっくりおやすみする」

「それじゃ、一から順番に数えましょうね、いち、にい」
「さん、しぃ・・・☆ミ」
優美は、わざと彩香のことを優美と呼んで寝かせつけようとした。それがうまくいった。
彩香は安心しきった顔で眠りに落ちた。無垢な寝顔をみて、
優美はこの、もう一人の自分を守らなければいけなかったと思って、決意を固くした。
ポンちゃんと会う時の名前は「ユナ」だったはずだ。それを手がかりに彩香の携帯を探した。

彩香が援交の時につかう通称は、「ユ」ではじまる二文字、三文字の名前がほとんどだった。今はその系統のものしか
つかっていない。彩香と優美が入れ替わってからは、さすがに「ユミ」だけは使うのをやめた。
327名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
頭痛薬を彩香の枕元において、優美は援交ギャルだったころの「ユナ」こと彩香に戻って、
自らが闘うべき場所へ向かう決心をする。

優美は自分では動けないほどべろべろに酔っ払っていたから、しばらく起きることはないだろう。
彩香は優美の荷物をあさって、優美が外からではアクセス出来ない、彩香の援交の連絡用ガラケーをとりだした。
彩香と優美しか知らない暗証番号を入れて確認すると、信一との何度も行われたやり取りの中に、
待ち合わせの場所と時間を見つけた。


待ち合わせの場所は池袋某所であった。もとは大学でラグビー部だったという、ガタイのいいパワー系のサラリーマン、
「ポンちゃん」との待ち合わせ時刻からは1分遅れていた。
バリバリのギャル女子高生、「ユナ」を待っていた、ニキビ面の、
お世辞にもイケメンとはいえない男がそこで会ったのは、この場所に来るはずだった
小悪魔系のギャルではない。

待っていた女の子と同じO女子高の制服に身を包んだ、驚くほど透明感にあふれた清楚系の女の子であった。
男が女に求める処女性を完璧に備えていた。もとの可愛さでもここにくるはずの彩香に劣らない、美少女で
しかも援交ではまず会えないほどの清楚で純真な、正統派美少女だった。

「ユカ」と同じ制服だったので注意は引いたが、身長が全然違うので同一人物ではないことはすぐに分かる。
「こんにちは、はじめまして、ポンちゃんさんですよね」
と、スタイルの良い女子高生が、声をかけてきたときには、つつもたせすら疑ったであろう。

「今日、ユカが熱出しちゃって。あたしでもいいですか?」
恥ずかしそうに顔を赤らめる仕草。すらりと長い手足。そして美しい顔。
疑いながらも、「ポンちゃん」は口を開けたまま大きくうなずいた。

「それじゃ、さっそく行きましょう。楽しみましょうね」
そのお嬢様風の、清楚な、清純そのものの女の子が、驚くほど積極的に自らの手を引いて歩き出した時、
もう”ポンちゃん”の「大きなおちんちん」は、スーツのスラックスを突き破りそうなほど、膨れ上がってしまった。
「うふふ、もうちょっと、我慢してくださいね」
にっこりと美少女が笑った。

「あたしでもいいですか?」などときかれて断るはずもない。男にとっても、信じられない、出来事であった。

A女子学園中学に入ってから4年と7ヶ月と7日。16歳と7か月の高等部2年D組出席番号3番。
常に成績上位で東大にでも入れる、医者にでもなれるはずの偏差値を持つ、
黒髪の美少女でお嬢様そのものの上杉優美が、ただの清楚系JK援交ギャルへと身を落とした瞬間であった。
328名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:Uy1B+j3H
終わりです

ほんとに長々と失礼しました。
次も、いつになるか保証できませんが、必ず投下しますので、よろしくお願いします。
それでは。
329名無しさん@ピンキー:2013/07/29(月) NY:AN:NY.AN ID:4HfywnX7
乙乙
しっかり段階を踏んで堕落していく様が最高ですわ
逆に彩香の方は全うな人生を得られそうでもあるのがまた面白い
330名無しさん@ピンキー:2013/07/30(火) NY:AN:NY.AN ID:4e0r8S5E
GJ!
だけど、名前が入れ替わってるうえ、源氏名?援交の時の名前も出てくるからもはや何が何だかわからなくなってきた( ;´Д`)
331名無しさん@ピンキー:2013/07/30(火) NY:AN:NY.AN ID:ihQkZ4dJ
大作GJ
続き期待してまつ
332名無しさん@ピンキー:2013/07/30(火) NY:AN:NY.AN ID:oSmfNlBN
>>330
この作品に限らず入れ替わりもののSSのネックはそこだよな
333名無しさん@ピンキー:2013/07/31(水) NY:AN:NY.AN ID:JCsEahNW
GJ!
優美が、ただの清楚系JK援交ギャルになって、どういうふうに堕ちていくかが気になる
334名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:5G5f5RoZ
久々にウテナ見たが、暁生の魔の手に掛かって女になっていくあたりはやっぱいいなあ。
優等生というか問題児だが。
335名無しさん@ピンキー:2013/08/10(土) NY:AN:NY.AN ID:1pF7GQs9
高校3年間頑張って勉強して、どうにか合格した超1流大学。
そんな大学で出会ったのが麻衣だった。
たまたま、講義で横の席に座っていてディスカッションで同じグループになったのが、彼女と話すようになったきっかけだ。
そして飲み会とかで話をして行くうちに意気投合して、気付けば大学でも一緒にいることが多くなり、
ある飲み会の帰りに麻衣の方から告白されて付き合い始めることになった。
麻衣はグループワークなどでも積極的にリーダーを立候補し、講義にも絶対遅刻してこない様な真面目な子で、
色白で黒髪ストレートのロングヘアの清楚系美女だった。
外見的にはどこにでもいる様な普通の大学生な俺とは良いバランスなのだが、(・・・実際俺にはもったいないぐらいの美人でそう言う意味ではアンバランスかもだけど)
正直派手ギャル好きの俺としては物足りないものがあった。
でも、付き合おと決めたのは彼女といると素の自分でいられて凄く楽しいから。それに彼女は僕のことを本気で好きでいてくれる感じがしたから。
で、俺はギャルな彼女を作るのではなく、彼女をギャルにしてしまおうと考えた・・・。


不慣れですが頑張って書いてみようと思います、よろしくお願いします。
336名無しさん@ピンキー:2013/08/10(土) NY:AN:NY.AN ID:1pF7GQs9
春も過ぎだんだんと気温も上がり、夏が近づいて来たと感じるある日のこと。
大学キャンパスのベンチで二人で二人で話していた。
すると、麻衣が午後に美容院の予約があるという話になった。
そこで俺が、今までずっとそんな感じの髪型なのかと聞くと、
麻衣はそうだと答え、俺にどんな髪型が好きなのかと聞いて来た。
「麻衣の奇麗な黒髪も好きだけど、ちょっと暑くなって来たし、真っ黒だとちょっと厚ぼったい感じもするよね」
「そっかー、じゃあ明るい方が好きなの?」
「明るいのも好きだよー。てか、夏も近いし、明るいのもいいんじゃない?」俺は自分の心を隠して控えめに言った。
「んー、でも染めたこと無いしな・・・」麻衣は少し悩む様にしたがすかさず俺は後押しを入れた。
「良いじゃん、夏だよ。思い切って明るくしてみたら?凄く似合うと思うよ。それに、俺も明るい髪の麻衣見てみたいなー」
この言葉がきっかけとなり、麻衣はじゃあ頑張ってみるーと意気込んだ。
337名無しさん@ピンキー:2013/08/11(日) NY:AN:NY.AN ID:q4OOZiNK
支援
338名無しさん@ピンキー:2013/08/14(水) NY:AN:NY.AN ID:+CgQANbI
続き気になるから頼む
339あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
340名無しさん@ピンキー:2013/08/16(金) NY:AN:NY.AN ID:E851xFQP
ケバ化もいいけど怠惰になる優等生が見たいわ
とても優秀だったのに、怠けることを覚えて徐々に転落していく感じの
341名無しさん@ピンキー:2013/08/16(金) NY:AN:NY.AN ID:MRUlWYmi
前有ったな
342名無しさん@ピンキー:2013/08/19(月) NY:AN:NY.AN ID:d3diBgvQ
保守
343名無しさん@ピンキー:2013/08/19(月) NY:AN:NY.AN ID:M6OSmWst
>>340
徐々にという部分の描写はないけど、避難所にそういうSSあったな
344名無しさん@ピンキー:2013/08/20(火) NY:AN:NY.AN ID:WEjt8snx
清楚なレズっ娘が愛しのお姉さま共々、男のチンポをおしゃぶりするのが何よりも好きな、淫乱変態ケバビッチに堕とされる話が読みたい
345あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
346あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
347あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
348名無しさん@ピンキー:2013/08/24(土) NY:AN:NY.AN ID:yYrAw7Uf
ttp://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ119564.html
こんなの見つけたけど買うかどうか迷うレベルだな…
349名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:024M0aTu
>>348
それはやめておいた方がいい
俺は買って失敗した。
350名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:SDwnDv0H
おまいらの中で、最高の優等生(清楚)からビッチに堕とされる作品何よ?
おしえろください。
俺は、なろうに掲載されてる彼の好みはギャルビッチってやつと、理想の彼女ってやつ。
351名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:WdOvcrCT
ここで紹介された教育者志望のメガネちゃんがギャルして糞するまで堕ち切った同人の良かったな
しかし自力ではいいの見つけられん>348ちょそれ漁ってくる
352名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:IoDX4fc2
>>349
ありがとう、絵がアレだったんで悩んでたんだが素直にやめとくわw

>>350
Web小説だと
・ニンフになった優等生
・祖父と私の契約書 第三章
・前スレにあった、主人公補正を取り除かれた女勇者の話
同人だと
・女が全て下品なビッチになった日常
・キミノオモイ
・俺の彼女が風俗嬢になった理由 中編
353名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:IoDX4fc2
商業作品忘れていた
・闇の声2
354名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:Wp7VukVQ
ニッチ過ぎるジャンルだから書いてくれる人そのものが最高、とも言えなくもないが
闇の声2で受けた衝撃が忘れられんwwwww
黒ギャルとかになっているわけではないんだが、あんなゲームが出たという衝撃と思い出補正でやっぱりマイベストに入れざるを得ない。
355名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:IoDX4fc2
>>354
唯一まともな娘の友達の立ち絵がどんどんケバくなっていくのがすげーエロかったな
356名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:NUgGbl2Y
闇の声2はこの手のジャンルにはまったきっかけの作品だな
雑誌の体験版プレイしてそのまま製品版買ったのはいい思い出
http://i.imgur.com/ws6W2rM.jpg
357あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
358名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:WdOvcrCT
あれ?みんなレス番ずれてるぞと思ったら
再読み込みしてオレだけずれてたw
とりあえず気を取り直して>352漁ってくる
SSスレにいるだけやっぱ小説ものは最高や
ただ見つけにくい…
359名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:iz5pF7WO
ニンフになった優等生は素晴らしすぎる
360名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:RrURoERI
商業コミックでこの手の作品を見たことがない
じわじわ変化する表現とかが、ページ数的に無理なのかな
商業誌に出てくればもっと広がると思うのに…
361名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:sG0EN+jk
闇声2は「耐性持ちヒロインが最後に一番堕ちんだろうなぁ」とワクワクしてたら一番あっさりしてたのが惜しかったけど
自分で操作して堕としていくってのがドキドキしたなぁ
362352:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:xyr9N3ND
>>358
すまん、今レスを見直したらちょっと間違ってた。
同人なんだが

・女が全て下品なビッチになった日常 中編
・キミノオモイ
・俺の彼女が風俗嬢になった理由

こうだ。1個目と3個目の「中編」の位置が逆になっていた。
363名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:HsYFjFVn
商業だとくれいちろうの漫画で、
見た目普通だった奥さんが近所のギャルに、
金髪ガングロのメイクを施されて、
痴女と勘違いした男にヤられるって話があったような
364名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:6QFy33Xr
ガングロビッチ化って海野やよいでなんかあったな
それも貞淑な奥さんだったけどなんか奥さん率高いな
365名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:WAMl5qUl
>>327
これ泣きそうになったわ
366名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:Y+4ZrHWF
>>363
「ギャル×変」のことだよね
あれって内面的には堕ちてるって言えるのか微妙

奥さんじゃなくて若い子がいいよなぁ
欲言えば、真面目タイプか地味子で

やっぱり、同人の範疇なのかな…
367名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:Y+4ZrHWF
>>363
「ギャル×変」のことだよね
あれって内面的には堕ちてるって言えるのか微妙

奥さんじゃなくて若い子がいいよなぁ
欲言えば、真面目タイプか地味子で

やっぱり、同人の範疇なのかな…
368名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:Y5IAUxYC
黒ギャル系の漫画にはひそかにビフォーもあったりするものあるしな。
そのうちある程度かすってるのも含め関係しそうなものをまとめておこうと思うんだ。需要はきっとあるに違いない!
369名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:Jc1rvwPF
俺はニンフになった優等生はちょっとだめだなあ。
寝取られでもあるけど、サクラチルみたいなのが好き。
370名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:1wl2oTYx
>>367
わかる
いい年してあんな格好されても企画臭しか感じないからなあ
371名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:2+NpYMIK
サクラチルとか娘がクライマックス過ぎた
あとはおまけ
そーいや作者さん強制喫煙シチュの前スレでSS投下してたな
372名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:2+NpYMIK
pixivの太刀魚氏の作ったゲーム「こわいはなし」がツボ過ぎてどうしようもない
373名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:Es/xPMWg
>>372
俺もアレは大好きだ
上に挙がっている作品群にも言えるけど、ゲームや漫画ではやっぱりケバくなって行く過程がわかるものがいいな
ビフォーアフターだけでもまあそこそこいけるけど、黒髪→茶髪→金髪みたいに段階を踏んでケバくなっていくのが好き
374名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:Pigv4bxw
>>372 >>373
詳細を教えてくれませんか?
375名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:R+vroTF/
>>374
詳細も何も渋でその名前で検索すりゃすぐに出てくるぞ
376名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:3nj9nDiF
ずっとこの中にあるとクマの人の方の中漁ってた...(´・ω・`)
377名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:5sjZAOAN
ああいうシチュが少しでもあるゲーム(不良化で立ち絵変化とか)ないかなぁ。
こう、ね、こう、大体発掘しつくした感はあるけどまだ知らない何かがあると信じたい
378名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:JvEMUUbS
大抵の作品じゃ女の子は堕ちてからケバ化するんだけど、
逆にケバ化してから堕ちるという順序の作品って無いかしら?
379名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:TKXeTNaL
「俺の彼女が風俗嬢になった理由」は一応外見変化が先ではある。
ギャルが売りの風俗で金稼ぐためにやむなく金髪ピアスにしたって流れだから。
ただケバ化ってのが肌焼いてタトゥー入れて、くらいのレベルのことを指しているなら
俺はまだ該当作品に出会ったことは無い。
380名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:5sjZAOAN
ここの未だ続編が来ない某SSにそういう話があってだな・・・
381名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:TKXeTNaL
>>380
ケバっつーか金髪にされただけなのにあそこまでエロいのもすごいよなw
382名無しさん@ピンキー:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:QEfMGF2m
外見だけ先にビッチ化なら逆転学園とか?
内面が落ちる前にもうずっと更新止まってるが(涙
383名無しさん@ピンキー:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:ccJu9U0+
かなしいよね...
更新してなんて言えないよね...
384名無しさん@ピンキー:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:y7VN7MSU
>>328
> 終わりです
>
> ほんとに長々と失礼しました。
> 次も、いつになるか保証できませんが、必ず投下しますので、よろしくお願いします。
> それでは。
優美は幸せにしてあげてほしいな
意外に良い子だったから。彩花も良い子だけどイメージ先行で勘違いしちゃって
もう取り返しつかないしそっちは涙のお別れでさ
385名無しさん@ピンキー:2013/08/30(金) NY:AN:NY.AN ID:5w7SN7kV
ジャンヌ2に黒ギャルEDがあって俺超びっくり
386名無しさん@ピンキー:2013/08/30(金) NY:AN:NY.AN ID:p4ZFdVsl
まじかw
ぜんぜん予定もマークもなかったけど明日見てくる
387名無しさん@ピンキー:2013/08/30(金) NY:AN:NY.AN ID:tTGCQngb
メイン金髪っぽいけど、黒髪が金染だったらなおいいな
388名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:39GPH24e
>>387
ま、そこは仕方がない。
そもそもメインが悪堕ちの方だからな。
シナリオが筑摩氏だし、氏は黒ギャルも好きだからよくわかっていらっしゃる。
389名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:39GPH24e
あと、人生通行止めの人のブログが更新されたな。(キミノオモイの作者さんね)
ギャル化した絵がアップされてるのう、楽しみだのう
390名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:qmRTKEQg
子供の時、近所にいた優しいお姉さんが、人妻になるけど、旦那を亡くし、
村の有力者の妾にされる話も堕落になるのかい?
391名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:iilOPJcv
広い意味では堕落に入るのかもしれんが、このスレでのウケはあまりよくないと思う
392名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:6RhY4IcU
黒ギャル大好きだけどNTRは駄目な俺にお勧めの作品を教えてくだしあ
393名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:AIEjLnRU
>>392
「女が全て下品なビッチになった日常」
前編・中編ともにNTRは一切ない(ちなみに後編はまだ出てない)
前編はケバ化の過程がなくて堕落後の描写しかない(1人だけビフォーの立ち絵あり)かわりにキャラは多数いる
中編は実質1人しかキャラはいないが、徐々に内面・外見が変化していく過程が描写されている
394名無しさん@ピンキー:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:39GPH24e
エロギャルボンバーでも読むといいと思うぞ
395あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
396名無しさん@ピンキー:2013/09/01(日) 20:49:07.27 ID:/V2erfVB
現過去スレで、1番泣いた小説は何?
397名無しさん@ピンキー:2013/09/02(月) 21:28:47.62 ID:vBkgMMRn
01:ヒロ君大好きだけど、えっち怖いよ〜
02:怖かったけど、ヒロ君とひとつになれて幸せ
03:怖かったけど、何回もえっちしたら、感じるようになっちゃった。
04:生理でえっちできない代わりにファラしろって言われて初フェラ
06:最初はフェラ嫌だったけど、お口でヒロ君が感じてるのが分かる。もっとテク磨きたい
07:夏休みなので、茶髪にイメチェン。あと今までのダサい下着捨てて、可愛いのに変えました〜。
08:安全日で初生えっち。ゴム無し味わうと、もう戻れないよ〜。
09:ヒロ君とお揃いにしたいので、ピアスの穴開けました。
10:最近、髑髏のネックレスや、グッズがブーム。どんどんヒロ君色に染まっちゃう
11:バックや騎乗位など、いろいろな体位でえっちしまくりの7月の夏休みでした
12:今まで軽く化粧してたけど、友達に教えてもらったお化粧。化粧とつけまで、すごい変わった感じ。
13:なんか茶髪も飽きたので、もっと明るい茶髪に、下着も可愛いのから、黒赤のえっちな下着にまた変えた
14:今度はへそピアス。耳のピアスも数増やしたよ。
15:始めての青姦。みられるスリルがたまらない
16:友達が煙草勧めてくるので吸ったら、もう辞められなくなっちゃった〜。
17:夏休みも終わりなので、髪も金髪したよ。あとお肌もこんがり色に焼きました。

二学期。
金髪で耳・臍ピアスで、超ミニスカで、ブラウスのボタンも上3個外し。
トイレで喫煙。セックスしまくり。ヒロ君の命令ならなんでも聞く雌豚です。
休み前ではこんな風なると思わなかったけど、今じゃあ、これ以外考えられない。
398名無しさん@ピンキー:2013/09/03(火) 07:12:02.02 ID:83qUSHo4
この堕落していく様子GJ
SSで詳しく読みたい

そういえば、強制喫煙シチュ2でも最近こんな感じの堕落していく優等生ネタ
SS投下されていた
結構自分的にはハマってる
優等生がタバコを吸ったり、黒髪を茶髪にして、それがエスカレートしていく過程がイイ
399名無しさん@ピンキー:2013/09/03(火) 17:16:22.64 ID:fc+Xm1pc
へルタースケルター見たけど、ああいう整形とはいえtopモデルが
整形バレされて、地下部屋の女王になるという展開は堕落になるのかい?

まああの映画の主人公は、妹の事を気にかけてたから、救いはあったかもしれんが
400名無しさん@ピンキー:2013/09/04(水) 07:20:17.92 ID:70j6Y+Xu
外見の変化が好きなんだが、二次や三次でビフォーアフターの過程まで描かれたものが極端に少ない
特に三次は少ない、不良化のドラマとかはたまにあるけど・・・
AVで397みたいなストーリーでないかな?
401名無しさん@ピンキー:2013/09/04(水) 16:45:45.81 ID:4JihB4Yd
>>352-353の同人・商業作品および>>372が当てはまるんじゃね?
逆に言うと、それ以外に当てはまるものを知らん
402あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
403夏菜子のなつ:2013/09/05(木) 00:48:50.31 ID:EmeJr+hQ
「夏菜子のなつ」作者です

すっかりご無沙汰でしたが、久々に新しい話を落とします。
避難所でむりやり完結させた「夏菜子」の続編です。

前にも言ったことですが、「夏菜子のなつ」全体ははおよそ2年間をかけて清楚なお嬢様の優等生、夏菜子が
AV女優としてデビューするまでを描いたお話です。
だから急展開でどんどんギャル化がエスカレートしたかと思えば、悩んでもとに戻ってみたり、
普通の女の子のように恋愛してみたり、といろんなことが起きますが、今回はこのスレ的には
若干不満を抱かれる方が多いかもしれません。

すでに形はできているので、最低限のチェックをして明日か明後日には新編の第一話を落とします

タイトルは「こころのすきま――夏菜子のあき――」
とします。

東京に戻って優等生女子高生として生きる夏菜子に、男たち、大人たちの手が伸びて、
どんなふうになってしまうのか。

期待してください。ゆっくりゆっくりと、夏菜子は堕ちていきます。

それでは近いうちに
404名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:27:55.73 ID:wiebuj/6
こころのすきま――夏菜子のあき――


高瀬善彦は、都内の私立の男子高校3年生である。夏休み明けの9月1日、始業式の日の朝、
最寄りの駅で彼がしたことは、いつもと同じであった。好きな女の子を目で探すことである。

彼がこの2年半、休みの日以外は毎日のように駅で探した女の子は、この物語の主人公、石田夏菜子である。
善彦は、中学校の3年間、石田夏菜子のクラスメイトであった。

中学受験で満足の行く結果を得られなかった彼は、公立中学からそれなりの高校に進み、
この夏夏菜子と同じように指定校推薦で進学先をほぼ決めていた。合格発表は明日であるが、落ちる心配はない。
アニメやマンガや音楽やアイドルが好きな、極めて普通の男子高校生で、特に目立つということもなく、
部活も勉強もそれなりにこなした。進学先も一流とはいえないまでもそれなりの大学であった。
モテるわけではないし、適当に厳しい家に育ったこともあり、彼女を持ったことはない。もちろん、童貞である。

そんな善彦が中学校の頃から密かに想い続けていたのが、石田夏菜子である。

中学にはいるときに、北の街から引っ越してきて、「転校」に近い形で公立の中学校に入ってきた夏菜子の、
都会に擦れていない、それでいておしとやかな様は中学生とはいえ、
いまどき東京の公立中学ではお目にかかれない清らかさを持っていたように彼の目には映った。
公立中学に入ったこと自体に落ち込んでいた彼に生きる活力を与えたのは
夏菜子のはつらつとした様、そして屈託のない明るい笑顔であった。
一目夏菜子を見た時に彼は恋におちた。初恋と言っていいだろう。
基本的に5年半、一途とは言わないまでも、ずっと彼女のことを想い続けていた。

健全な中高生が5年半もの間、片思いを続けていれば、その間には様々なことがある。
他に気になる女の子がいなかったわけではない。だが、いつしかどうしてもかなこの存在が心の中の「一番」であることを
変えられないことに、いつしか善彦は気づいていた。

彼がそれだけの長い間片思いを続けることが出来たのは、通学する高校の方向が同じだったことが大きい。
ほぼ毎朝、最寄りの駅から渋谷までの、急行なら10分に満たない短い間、彼女を探すことが出来た。
元々顔見知りなのであるから、たまに、ではあるが会話をすることもそんなに難しいことではなかった。
夏菜子はその間どんどん成長し、どんどん綺麗なり、しかし、汚れることなく、
朝からはつらつとした美少女で在り続けてきた。
405名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:31:56.79 ID:wiebuj/6
同じ教室で過ごした中学時代の3年間はもちろん、周りに女子のいない高校の2年半を合わせて5年半、
夏菜子の存在は善彦の思春期から青春へと移る時期の象徴であった。
要するに、彼は毎朝、夏菜子に会えることを楽しみに高校生活を送っていたのである。

9月1日は、2学期の最初の日である。いつもと同じ時間の電車に夏菜子が乗るかどうかは分からないが、
希望を持てることこそ幸せであった。

運がいい日は、南口と北口が交わる改札前で、夏菜子のほうから「おはよう」と声をかけてくる。
その日はそこでは会えなかった。

階段を降りると、胸が、音を立てて鳴った。

(石田夏菜子……)
およそ40日ぶりに見る石田夏菜子は、いつもサラサラだった長い髪を短く切り、
背筋をぴんと伸ばしてそこに立っていた。周りの人間とくらべて明らかに一周り細い、しかし、
ぴんと筋の取った背中、綺麗な肩のライン、肩甲骨のあたりからゆるやかに細い腰に向かって流れる体の線、
人間の体というよりは板一枚のような身体の向こうに、ほんの少し膨らんだ胸、そして、男に媚びること無く、
自然に隠されたヒップのラインはいかにも侵しがたい空気を放っていた。
露出し過ぎることも、野暮ったく隠しすぎることもなく綺麗に伸びる白い脚に目をやるまでもなく、
彼は夏休み前の恋心を一瞬で取り戻した。

ただ、なにか違和感があった。

要するに夏菜子はひと目で、いつもの様に美少女の、お嬢様の清楚なオーラを漂わせていた。
夏休み明けである。髪型が変わっていることくらいではなにも思わなかったかも知れないが、
言葉では言いようのない、微妙な変化を、善彦をは感じ取ったのだろう。

40日ぶりの夏菜子の雰囲気がなにか変わったような気がして、人の流れで、一瞬たちどまった。

「すいません」
後ろから人がぶつかった。善彦は自分が止まったことが悪いのがわかったので、カラ返事で
「ごめんなさい」
と口にした。
406名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:35:02.91 ID:wiebuj/6
その声に気づいた夏菜子と、目が合った。

「おはよう、久しぶり」
にっこりと、いつもの様に微笑みかけてきた。
「おはよう。夏休み、どうだった?」
「う、うん、楽しかったよ」


夏菜子がW大学の推薦が決まっていることも、田舎に帰るということも、
もう善彦は知っていたので、そのことを前提にした会話であった。

「そっちは?」
夏菜子はもちろん、この夏あったことを話すはずもなかった。逆に質問を振ってきた。

「うん、まあ取り立ててなにもなく……」
「あっ、そうなんだ。でも、あたしお母さんがお父さんにくっついてアメリカ行っちゃったから、
もう一人暮らし状態で大変で……」
「あっ、そうなんだ」

朝、この時間に会うと二人は普通にこのくらいの会話を交わす。
変わったことはなにもないようで、善彦は敏感に夏菜子の「なにかがかわった」ことを感じ取りながらも、
それでいて変わらぬ夏菜子の明るさと可愛さにひきこまれつつあった。

「うん。なんかさ、ご飯が勝手に出てくるのって、すごいことなんだなって、この何日か、実感してるんだ」
「へえ、一人暮らしなんて、いいじゃない」

他愛もない会話である。
407名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:38:02.06 ID:wiebuj/6
善彦が一瞬覚えた「何かが変わった」という間隔は、単なる間違いのように思われてきた。
もうずっと、この、飾り気なく美しい少女に恋をしていた少年は、自分がその女の子に手がとどかないのと同じく、
誰も手を出すことができないと、漠然と信じていたのである。いつか、夏菜子を自分のものにしたいという少年の欲望は、
今の自分には手が届かないという冷静なあきらめとどこかで折り合いを付ける必要があった。
その折り合いとなるのが自分と同じように、目の前の美少女には自分だけでなく、誰も手をだすことができない、
という思い込みであった。実際、進学校の女子高に通う夏菜子の2年半はそのようなものであった。
それは、自分の手も届かないかわりに誰かが手を出すこともない、というなんの根拠もない、信仰のようなものだった。
彼にとって、初恋の人である夏菜子が男の手に落ちるなどということはあってはならないことであり、
だから、そんなことはないとひたすら信じていた。

そして、いつか、自分のものになってほしいという自分勝手な願望もその信仰にはついてまわっていた。
この日感じた違和感もそんな信仰の中に吸収されて雲散霧消していった。

善彦は自分の思いの中で、まるでアイドルのように「恋愛禁止」のルールを初恋の人、夏菜子に課していた。
それを破るのは自分だと思い込んでいた。そのルールが守られる保障はなにもない。ルールを守らせる手段もない。
ただ、夏菜子の処女性をひたすらに信じていた。

現実は、前篇「夏菜子のなつ」で描いたとおりである。しかし現実を知らない彼が信仰を曲げる理由はない。
いくらでもチャンスが有った善彦にもう少し勇気があれば、夏菜子の人生も、
善彦の人生もまるで違ったものになっていただろう。


「みりんの使い方がわかってきたんだ。何にでも入れたくなっちゃう」
「みりん・・・?うちにはみりん風の調味料しかねーよw」
「うん、でも下手くそだからなんとかみりんで味をごまかしてるようなきがするんだよねー。何ごとも修行だなぁって・・・」
「ふぅん・・・」
408名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:41:40.74 ID:wiebuj/6
そんな話をしているうちに、電車がやってきて、すぐに渋谷である。

渋谷からは善彦と夏菜子はそれぞれ違う電車に乗り換えるので、次に夏菜子に会えるのは、
運が良くて帰り道、運が悪ければ数日後の朝である。

そんなことを知る由もないが、善彦は、5年半のあいだ胸に溜め込んだ初恋を成就させる、
今までで一番大きなチャンスを、逃してしまった。
しかも、その日のうちに童貞を捨てることの出来るチャンスを、である。

夏菜子は、この地味な男子高校生を誘ったつもりだったのである。上手く伝わらなかったが、
今、夏菜子は何よりも男が欲しかった。善彦に対する気持ちは、もともとまんざらではない。
今までは男として意識したことはなかったが、出会いのない女子高生だった夏休み前の夏菜子でも、
善彦に告白されれば半々でその申し出にうん、といっただろう。
二度、三度と押されれば間違いなく善彦と付き合っただろう。

夏菜子は男の子のことなど何も知らない。善彦の気持ちも気づいているようで気づいていなかった。

もしこの時善彦が口まで出かかった「俺が味見してやろうか?」などという軽口を叩くことができたら、
夏菜子は二つ返事でOKし、善彦を家に迎え入れ、手料理をごちそうして、
そして、童貞の善彦の足腰が立たなくなるまでその精力を吸い尽くしたであろう。

初恋のかわいい18歳の女の子が、鍛えぬかれたテクニックで童貞を奪うなどという望んでもないことを
目の前にして勝負できなかった。
それが善彦にとって、また夏菜子にとって長い目でみて幸せなことであるかどうかはともかく、
健康な男子高校生にしては、ちょっと情けないほど勝負弱いという他ないだろう。

あれほど激しい夏休みを送った夏菜子も、現実に帰れば一度も彼氏を持ったことのない、
地味な女の子の一面を持っていた。一昔前の少女漫画の主人公のように、うじうじと、
目の前の男に素直になれない女の子が、夏菜子の中でまだ生きていた。
409名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:46:32.54 ID:wiebuj/6
(ああ、あたし、なにやってんだろ)
軽い罪悪感と、夏菜子なりに勇気を持って誘いの声をかけたつもりだったことを軽くあしらわれたような軽い屈辱感が、
夏菜子を反省させた。まだ、この夏散々味わった男の肌のぬくもりと、
本来の「地味でおとなしいお嬢様」である自分の間で揺れている夏菜子だった。

東京の空気は、北の街とは違う住宅街の空気は、男大好き、エッチ大好きな淫乱高校生ギャルに
生まれ変わったはずの夏菜子を、一瞬にしてもとの真面目で地味なお嬢様に戻した。
まだ新しくて小さな家の周りの閑静な雰囲気は、落ち着いていて、今までと変わらぬ夏菜子であることを要求してきた。
まだ夏休みは10日あまり残っていたが、髪を染める勇気も、派手なメイクをする勇気も、
ホットパンツとタンクトップで外に出る勇気も夏菜子には湧いてこなかった。

水色のワンピースに、すっぴんのまま夕飯の買い物にいくこと、
それと指定校推薦の面接にでかけたことが彼女の残りの夏休みの外出のすべてであった。

ようするに、夏菜子ひとりではギャルはできないのである。

故郷の北の街で、幼なじみたちが誘うまま、きれいな顔とカラダをベースに、
徹底してギャルになりきったあの日々は、夢のようだった。
この東京に在る限り、かなこの友達は誰も地味な女の子ばかりで、しかも近所に住んでいるとも限らない。
かつ彼女たちのほとんどは受験生である。加えてひとりで家事をこなすという忙しさで、
残りの夏休みはすっかり潰れてしまった。すべてが北の街で過ごした夏祭りの暑い夏とは、正反対だった。

(ああ、もう、やめようやめよう)
善彦と分かれてから、夏菜子はずっと自分を責め続けた。買い物先での店員との事務的な会話と、
面接での教授との短い問答を除けば、男と話すのは2週間ぶりだった。
男として意識したことのない相手だったが、今日は違った。

善彦の顔を、男の子の顔を見ると、どうしてもその人とセックスすることを想像してしまうのである。
夢だとしか思えなくなっていた北の街での経験は、一方で現実として夏菜子のカラダに、
しっかりと記憶として刻まれていた。
410名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:49:00.45 ID:wiebuj/6
想像を抑えられないのである。
善彦のアソコはどんなんだろう、大きいかな?太いかな?どんなかたちをしてるんだろう。
きっと童貞だよね……ああ、こっそりうちに来て、エッチしてくれないかな……善彦なら黙っててくれるよね……

そんな想像が善彦と話しているうちから止らなかった。
パンツにもはっきりと感じるくらい大きなシミができたようだった。

(あたし、どうかしてる。ああ、もう、誰でもいいみたいじゃない。善彦にも失礼だし……
ああ、どうしよう。もう善彦の顔見れないよぉ……)

わずか2週間ちょっとで淫乱女子高生ギャルを極めたような気分になっていた自分が、今では恥ずかしかった。
あの狂乱の日々を思い起こすと、顔から火が出るような思いである。
ギャルだった自分を打ち消すように、丁寧に制服のブラウスとベストにアイロンを掛けて、
胸もいつもより小さくなるように工夫して、地味目を強調するようにして外に出た。
女の子としての慎みを全身で表していたつもりだった。

そのことが却って、男の目を引き付けることも知らない夏菜子にとって、ギャルとして過ごした夏の経験は、
やはり身の丈にあわないものだったのかもしれない。

2学期が始まったこの頃、夏菜子の心の中では、大きく分けて2種類の相矛盾する欲求が戦っていた。
一つは、周りが自分を見る通りの、優等生でいたいという気持ち。もう一つはどうにもならないほど、
正直に男がほしい、という気持ちである。

2つの欲求の妥協点・・・というよりももう一つ別の欲求、
それが夏菜子にとって初めての「彼氏が欲しい」というものだった。まだ持ったことのない特定の恋人。
休日には一緒に遊んで、その人とだけキスをしてセックスをして、そういう相手がほしい。
とりあえず、善彦に白羽の矢を立ててみたのだが、この朝の善彦の反応に夏菜子は「脈が無い」と判断してしまった。
欲求は何一つ満たされることのないまま、電車は進んでいく。

学校に着けば、男との接点はほぼ消える。夏菜子にとって高校最後となる3年生の2学期はこうして始まった。
411名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:50:22.78 ID:wiebuj/6
「ごきげんよう、石田さん」
「ごきげんよう。元気だった?」
「うん。夏休みだけで400時間勉強したよ」

ちょうど昇降口で出会ったクラスメート、浅村絵美里が開口一番、
夏休み中の勉強時間を自慢気に語った。夏菜子は、胸を締め付けられるような思いがした。

「すごいね」
「まあ、でも楽しいこともあったし。夏期講習で男の子と仲良くなったりさ」
「ああ、そうなんだ」

絵美里は無意識に夏菜子の首を真綿で締めるような事を言う。
この少女も夏菜子と同じ系統の、清楚なお嬢様である。
胸が小さく、華奢で、みずみずしい17歳の脚をひざ上10センチのスカートの下にかくして顕にしようともしない。

「石田さんは?田舎に帰ったんでしょ?」
「うん、楽しかったよ」
「いいなぁ、指定校推薦だもんね。ねえ、地元で男の子と遊んだりした?」
「えっ・・・いや、それがぜんぜん・・・」
「ふうん。なんだ、つまんないの」

夏菜子が咄嗟にウソをついたことは心情的には十分に理解できることだった。
彼女のこの夏の体験はあまりに刺激的すぎて、昇降口から教室までの廊下と階段での会話には不向きだっただろう。

「でも、少し焼けたね」
「そ、そうかな?あたしあんまり焼けない方なんだけど」
「うん、でも少しだけ焼けたよ」
412名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:54:11.59 ID:wiebuj/6
どうでも良い会話である。だが、夏菜子にとって、女の子ばかりのこの学校で、
うまく振る舞う事こそが今は一番安心できる時間であった。結局、夏菜子はギャルではない。ギャルになるように育っていない。
優等生のお嬢様という、同じような属性を持つ女の子たちの中で過ごしてきた彼女にとっては、
この環境が一番落ち着くものなのであった。

静かに、残り半年の高校生活を終えればいい。進学先が決まった以上、
夏菜子にとってもやることはいくらでもある。免許も取りたいし、バイトもしてみたいし、資格試験の勉強もしたい。
実のところ、将来のことを考えれば用事はいくらでもあるのである。そんな夏菜子から見れば、通学途中に見た、
明日も明後日も知らず、挑発的に制服を着崩して、
派手なメイクで池袋や渋谷を闊歩する女子高生ギャルたちはやはり別世界の生き物であった。
この夏のことは、とりあえず置いておいて、
この東京でお嬢様として生きる夏菜子が自分らしさを失わずに生きようとするときに、
あと半年自分のホームグラウンドであるこの学校は、やはり落ち着く場所であった。

この夏の乱行への反省、自分の行動がやはりどこかおかしなこと、
間違いであったと認めることの出来る素直な態度。

生物学的に、処女であることが意味を持つのならば、夏菜子が処女でないことは動かしがたい事実であった。
もし処女でない女に価値がないのならば、夏菜子はもはや無価値な女である。
でも、現実の東京の日常生活では、そんな過去のことはどうでもいいことでもあった。
間違いを認めて、今までどおりの日々を送ろうというふうに夏菜子の気持ちは大きく傾きつつあったし、
次にママと話すときにはいろいろなことを含めて自分から謝ろうと思い始めていた。
だから、今朝、善彦を誘うような行動をしてしまったことさえ悔いていた。
そうして、夏菜子は、徐々に、清楚な優等生としての自分を取り戻し始めている。


まだ若い夏菜子には、過ちをおかし、そしてその過ちを認め、反省して、やり直す権利がある、といっていいだろう。
都内でも有数の進学校の女子高から、一流大学へ進むことが決まっている美少女の人生は、
まだ始まったばかりなのであるから。
413名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 19:57:59.60 ID:wiebuj/6
「ねえ、夏菜ちゃん」
「ん、なあに?」
休み時間に声をかけてきたのは、遠藤美雪であった。
「明日、合コンあるんだけど、夏菜ちゃんもどう?」
「えっ?」

この学校で合コンに誘われることなど、初めてのコトだった。
誘ってきた美雪は、夏菜子と同じように、一流大学への推薦を決めていた。夏菜子はすぐに合点した。
このお嬢様優等生学校にあって要領よく振る舞い、さっさと一流大学への推薦を決めて、
もともと周りよりも少しだけ大人の風を吹かせていた美雪は、
受験で忙しい同級生たちの中で夏菜子は暇だろうと踏んで、
そして夏菜子なら連れて行っても恥ずかしい思いをしない、と考えて合コンの数合わせを目論んだのであろう。

「んと、あたし、明日は予定あるから・・・」
即座に断った。「反省」が夏菜子の反射神経の先鋒に位置していた。

「えー?なんとかならないかな。K大の男の子たちなんだけど、
うちの高校の女の子がもうひとりいたほうがいいっていうんだ。夏菜ちゃんなら人気出るって」

「そんなこといわれても・・・」
やんわりと断った夏菜子であったが、具体的にどんな男たちが相手かを聞くとほんの少しだけ心が揺れる。
だが、運が良かったのは、父がK大学の教授である夏菜子にとって、
一般的にはブランドであるK大生などというのは何の価値もあるように思えなかったことである。

「うーん、やっぱり、やめておく。申し訳ないけど、他あたって」
「そっか、そうだよね。お父さんの教え子だったりしたらいやだもんね。わかった。ごめんね」

あっさりと断ることができたし、なんの未練もない。
だが、夏菜子はまだ知らなかった。
414名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 20:07:31.01 ID:wiebuj/6
進学先が決まった瞬間から、半分彼女は女子大生のようなものであって、
そして、優等生の美少女を、「大人の世界」に誘おうとする鋒鋩はいくらでも現れるものであるということを。
それは、この夏、夏菜子自身が経験したはずのことであるのに、記憶の中で、北の街での出来事を隔離しようと
務めていたので、わからなかったのである。

男の考えることなど、田舎でも都会でも本質的に変わりはない。
優等生としてなにもなかったように生きようとしている夏菜子にも誘いの手は次々に伸びるのである。
こころにほんのちいさなすきまがあるだけで、
優等生でお嬢様の夏菜子がいとも簡単に淫乱ギャルに変身してしまうことは、すでに証明済みでもある。
夏菜子がいかに身を固く、心を強くもったつもりでもすきまが少しあれば、
美少女に対して男たちが抱く妄想や欲望の対象となってあっという間に人生が変わってしまうことを……
夏菜子は、知らないわけではなくて、知らぬふりを決め込んでいただけ、であった。

そこそこに美少女である美雪は、一足先にこの東京で男たちの誘いに乗ってしまった。K大学の合コン相手は
北の街の男たちほど節度のない集団ではないだろうから、多少痛い目、つらい目に合ったとしてもそれも経験であり
彼女の人生にとって悪いことばかりではない。それだけのことである。
あとはどこまで男遊びに嵌り込むかの問題だろう。

一方で夏菜子がこころのすきまを誰かに狙われてしまったら……今はお嬢様を気取っているとはいえ、
男の子と話しただけでその裸を、逸物を想像してしまうほど、見た目とは裏腹に、
心の奥底が汚れてしまっている夏菜子が、いつまで、そんな誘いから逃れ続けられるだろうか……?

一度回り始めてしまった夏菜子の"ギャル人生"の歯車は、巧妙に止めたように見えても、
実のところかよわい少女の手で止めることの出来るような代物ではない。
夏菜子のカラダに流れる、母・菜津子の血、淫らな柴崎の女の血が、騒ぎ始めるのも時間の問題である。
あとは、優等生の夏菜子の優等生としての矜持を揺るがすような誘惑があれば、
この東京でも夏菜子は淫乱ギャルに堕ちる。


夏菜子の、18歳の秋は、優等生としての、お嬢様としての清楚な仮面の奥に潜む、
みだらで派手な、だらしない女の真実の姿をこれでもかと暴き出され、男たちの前にさらけ出す、
その新たな、人生のスタートとなる季節であった。
415夏菜子のなつ:2013/09/05(木) 20:10:04.81 ID:wiebuj/6
今日はここまでにします


まだプロローグ的な話ですが、よろしければこれからもおつきあいください。
それでは、また来ます。
416名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 22:50:49.65 ID:1g/N4bcs
最近ここ良いSS投稿されないね
417名無しさん@ピンキー:2013/09/05(木) 23:42:48.13 ID:Ez3dE6Vn
>>415
おお、こちらでは久しぶり
単純にただ堕ちるだけではないってのがもどかしくもあり楽しみでもあるなあ
418名無しさん@ピンキー:2013/09/06(金) 00:42:22.08 ID:8iKKBU+o
まだ堕落というより今のところは下ごしらえって感じかな?
個人的には急ぐよりしっかり仕上げてもらえる方がうれしいな
419名無しさん@ピンキー:2013/09/06(金) 06:57:37.26 ID:85LoU79r
「夏菜子のなつ」さんGJです
真面目で清楚と淫乱ギャルが同居していて、これからを想像すると眠れません
これからもよろしくお願いします
420あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
421名無しさん@ピンキー:2013/09/07(土) 19:29:24.69 ID:hF/vBkod
>>415
GJ
422名無しさん@ピンキー:2013/09/07(土) 19:55:16.81 ID:yQHzhXX8
>>415
外堀を埋めていく構成がたまりませんな〜
夏菜子の堕ちっぷりを期待して待ってます!!
423名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 01:50:12.00 ID:Tr2E1IUx
俺の彼女の真中カナは真面目な優等生だった
それに中学の事からお堅い事で有名だったので、こうして付き合う事だけでも奇跡だと思った
俺はまだ高校生だし、セックスはまだ早いと思っていたし、カナの性格からして、結婚までそういう事はしないだろうと考えていた。
しかし、テスト明けの日に、答え合わせを名目に家に誘い、少し強引に初体験をした。

マナは痛くて泣いていた。俺はもう終わったと思った。
それでも、マナと別れるのが嫌なので、気持ちを伝えたらなんとか許してもらえた。
もう二度と間違いは犯さないと思ったが、欲望を抑えきれず、
再びカナを部屋に誘って、二回目のセックスをしてしまった。

約束を破ったので、今度こそ終わりだと思ったが、カナはそんなに怒った様子ではなかった
俺は、もしかして、これからもエッチがしてもいいのかと思い始めた。
424名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 02:04:25.83 ID:Tr2E1IUx
そして翌週に三回目。カナがあまりにもエロイので二回戦。
エッチが終わってカナはブラウスを着て、帰り支度をしていたが
いつもなら、きちんとボタンを止めるのに、上一個分を開けたままで
ネクタイも少し緩めにしていた。理由を聞いたら熱いからと言った。

この日を境にして少しずつカナは変わり始めた。
制服のボタンを常に外すようになり、スカートとも規定通りの膝上前後だったのが
膝上十センチぐらいになり、期末テスト期間にはブラウスをスカートの外に出すようになった。

エッチも生理中で出来なかったのと、俺が調子に乗って、ファラチオを頼んだら
嫌々ながらも俺のチンコを舐めていた。真面目なカナがフェラ行為をするという事に激しく興奮した。
更に調子に乗った俺は、テスト勉強にも関わらず、毎日勉強と称して、カナにフェラさせるようになった
(もちろん勉強もしているけど)
425名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 02:23:27.60 ID:Tr2E1IUx
だんだんカナもセックスに抵抗が無くなり、恥ずかしさを隠さなくなってきた。
俺にチンコを入れられて、あられもない声を出して快楽に溺れるのを俺に伝えていた。
我慢できなくなって、いつもどおりにゴムに中に出して放心状態になると
信じられない事にカナは俺のチンコについているコンドームを取ってファラチオを始めた。

俺はカナから積極的になっていた事に驚きを隠せなかった。
単純なフェラだけでなく、自分の胸に俺にチンコを挟んだり、手で扱いたりして
再びカナの口の中へ、あまりにも気持ちがいいので、口の中に出してしまった。

カナが積極的になると同時に、制服の着こなしも開放的になっていった。
ブラウスのボタンを二つ空けて、俺の買ったネックレスを見せるようにつけ、スカートも折っていたのが、裾直しして、前より短い膝上二十センチになっていた。
靴下も白のハイソックスがルーズソックスになり、夏休み前には更にブカブカの超ルーズソックスに代わっていた。

一学期の始業式。
学校が早く終わったのでカナの部屋に来ていた。
慣れた手つきでブラウスを取ると、今までの白の下着だったのが、黒色のブラジャーとパンツになっていた。
カナいわく、今までの下着はダサいので全部捨て、全部エッチな下着に買い替えたらしく、派手な下着を穿きたいと気持ちだったらしい。

夏休みに入ると、毎日のようにお互いの家でエッチをしていた。
カナはどんどんオシャレに目覚めていき、真面目系からかわいい系になり
そして、二学期が始まる事には…。
426名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 02:34:01.66 ID:Tr2E1IUx
完璧なギャルビッチに変わっていた。
肌を焼き、髪を金髪に染め、耳にピアスの穴をあけただけでなく口元にもピアス。
付けまつげをして、化粧を覚えて、目元が大きく見せて印象が大きく変わった。

制服も胸元が見えるくらいまでボタンを空けて、
俺が買った趣味の悪いネックレスを首や手に何個も付けて、指には派手なネイル。
スカートも膝上三十センチで立っていてギリギリ見えない短さで、靴下はルーズから赤色で派手な二―ソックスだった。

言葉使いも下品になり、他人の机の上で胡坐をかき、ゲラゲラと笑っている。
黒のパンツが丸見えで、童貞男子の今晩のオカズになると考える事さえ
今のカナには興奮して感じてしまうまで、堕ちていったというか、
俺がどんどんカナを汚したい気持ちが強くなり、カナもそれを嫌がる事も無かった。
427名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 02:45:26.23 ID:Tr2E1IUx
体育の時間。夏の間の成長したカナの体の変化。
ブルマがケツに食い込み、異様なエロさを醸し出していた。
というか俺が命令して、ワンサイズ小さい物にさせたのだけど…。
胸がCからDになった影響か体操服が小さくなり、激しい動作をすると、素肌があらわになったりしていた。

帰りに夏休み前は思いもしなかった学校でのエッチ。
学校でするのがこんなに興奮するなんて思いもしなかった。
足音が聞こえてドキッとするのが、更にスリルを掻き立てた。

そして、今日の帰りに、カナはとんでもない事を俺に言った。
それを聞いた俺は最近学校でのエッチもスリルが減っていたので、その案に乗った。

その機会をうかがい、休み明けの昼休みにそれはやってきた。
クラスで目立たなくて友達がいないA子が席を立ち、特別教室がある校舎の人気のないトイレに入っていった。
カナとA子は同中で、A子は周りにトイレ行くのみられるのが恥ずかしいので
人気のないトイレに行くのが多かったらしい。
428名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 02:59:13.75 ID:Tr2E1IUx
女子トイレに入っていくのを見て、一番奥のドアが閉まっているのを確認。
俺はそのドアの前でキスをして、空いている胸元に手を入れ、胸を揉む。

そして、その場でカナのブラウスのボタンを取り、下着を脱がせて、
ドアに手を付き、バックで挿入してエッチをする。

この中にいるA子は俺達のえっちを聞いている。
念の為に、互いの名前をいい、自分の目の前でエッチしているのが
クラスメートの誰であるか認識させる。
学校でのえっちという事だけでは物足りなくなった俺達に、
この新しい遊びはものすごい興奮を覚えて、我慢できずに直ぐにカナの中に出してしまった。
今日もカナを俺のチンコを舐めて、慣れた口付きでお掃除をする。

そして、最後にお楽しみタイム。
カナをわざとらしく、トイレのドアが閉まっているのに気づいた不利をする。
次にカナは乱暴な言葉で中にいる女子(A子)を罵倒して、ドアを足で蹴る。
こうして見ると、カナの性格も短期間でどんどんクズになっているのが分かり俺は興奮していた。

A子が観念して、ドアを開ける。
カナは、A子の胸倉を掴み、ヤグザ顔負けの態度と言葉で一気に追いつめる。
A子は泣きそうな顔になったが、今のカナはそのA子の顔をみるのが楽しくてたまらない感じだった。
土下座され、更にその顔を踏んづけ、床に密着させ、靴で頭の後頭部をグリグリしていた。
429名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 03:08:32.61 ID:Tr2E1IUx
この日から、A子はカナのおもちゃになった。
それはカナだけでなく友達にも広がり、二学期が始まって二週間後には
カナはクラスカーストの頂点に君臨していた。
気に入らなかった奴は徹底的に排除して、カーストの底辺に落とす。
これにより、カナに逆らう事をクラスメートは恐れ、俺以外にカナを止める事はできなかった。

逆に、カナに気に入られたりする子もいたが
カナは短期間で、読書好きな少女だったB子を自分と同じギャルにさせ
同じくギャルになった友達と一緒に悪い遊びを覚えさせると、直ぐにその色に染まっていった。

こうして、俺のエッチしたいという所から始まって、変わっていったカナの現在に至る。
ちなみにB子はカナの頼みで、俺が処女貫通させてやった。
その後のB子はヤリマンビッチになり、円光や童貞狩りにハマっていったが、俺のしる所ではない。

おしまい
430名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 04:58:10.24 ID:l7ho2uOw
最初マナカナだったのが玉にキズ
しかしGJでございます。
431名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 05:05:17.36 ID:l7ho2uOw
最初マナカナだったのが玉にキズ
しかしGJでございます。
432名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 07:15:50.07 ID:foj5n//6
朝からそそちたった俺の股間をどうしてくれる!GJ!
433名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 17:18:54.08 ID:owfyZO08
GJ
434名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 17:49:26.38 ID:lwxlu5wq
間違いのない行を探す方が難しい以外はGJ
435あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
436名無しさん@ピンキー:2013/09/08(日) 19:59:29.89 ID:mCXugnOa
新垣結衣が雑誌の表紙で茶髪ビッチみたいな格好になってたのを見てこのスレを思い出した
437名無しさん@ピンキー:2013/09/09(月) 07:05:06.67 ID:xKMZuTOZ
真面目な女の子がSEXを知って、真面目な探究心からのめり込む
彼氏だけでは物足りなくなり、円光で親父のねちっこいSEXも経験
DQNな先輩に円光しているこが見つかり、DQNのセフレに
言われるままにギャル化して、金髪・ピアス・タトウーまで彼の趣味に染まり
ギャルビッチの完成、学校も行かなくなり真面目な少女がまた一人いなくなった
438こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/10(火) 19:30:19.14 ID:eOhDOigG
「あぁっ……すごい……すごい……いく、いくぅ……」

夏菜子のオナニーは、細い指で、優しくクリトリスを愛撫することから始まる。
白い指がピンク色のクリトリスを柔らかく撫でる。カラダの芯がじんわりと熱くなって、女の子の裂け目からじんわりと
ぬめぬめとした液が溢れ出る。
「あぁん、はぁ、はぁ……はぁん!」

次第に指使いは激しくなり、最近は膣内に指を2本持3本も入れてかき回し、快楽をむさぼるのが常であった。

「あはぁ……ん……高瀬くん……もっと……」

想像の中で、いつも夏菜子は荒々しく誰かに犯されている。
この日は、中学校の同級生だった高瀬善彦が相手だった。

「あぁ……ん……!んん……」
ちゃぽ、ちゃぽ、と浴室に水の音が響く。少しぬるめのお湯を半身浴の深さまでためて、
膝の間に指を忍ばせる。そのままではあまり脚を開けないので、どうしても激しく指を出し入れするようになると、
身体が湯船に滑り落ちて、左足が湯船の縁にかかる。右足も縁にのっけるのだが、
壁にあたってしまうのですこし窮屈な姿勢になる。

「いく、いく……いかせてぇ……」
その窮屈な姿勢が、まるで本当にセックスをしているようで、お気に入りになってしまった。

夏菜子は、右手の指をくわえて、左手の親指をクリトリスに、
人差し指と小指で柔らかい裂け目の端を抑えて、中指と薬指を器用に上下左右に動かす。
気持ちのいいところを見つけて、激しく刺激する。

ねばっこい液体が女の子の大事な部分から溢れだして、汗と一緒にお湯に溶け出す。
体中が火照って、エッチな気持ちがどんどん昂る。

「あぁ、ひゃぁあん……ん!」
いきそう、と思うところでどうしても指が止まってしまう。

「はぁ……はぁ……」

また、いけなかった。
「あぁん、もぉ!」
夏菜子は我に返って急に恥ずかしくなって、身を縮めて浅い湯に顔を半分くらい沈める。
東京に戻ってきてから、事実上一人暮らし状態になって1か月、
お風呂場でたっぷりと時間を掛けてオナニーをするのが日課になっていた。
439名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:35:41.27 ID:eOhDOigG
夏休みの間は、「宴」で夏菜子を犯したメンバーたちとのセックスを想像してオナニーしていたが、
2学期が始まると夏菜子のオナニー事情は少し変わった。

毎朝、駅で会う善彦の存在が夏菜子の中で少しずつ大きくなっていった。
最初は、善彦に犯されるなんて想像をすることに罪悪感を覚えたが、朝会った善彦が自分を優しく押し倒して、
服を脱がせて、時に優しく、時に荒々しくいろんなことをしてくれる妄想が膨らむと、指は止らなかった。
この何日かは、日常で唯一会話をかわす男である、善彦に犯される妄想ばかりであった。

処女を失って、アソコが鍛えられて、やわらかくなって、オナニーは激しくなった。
アメリカに行って両親がいないので、家族の眼を気にする必要がないから、
お風呂に閉じこもって飽きるまでオナニーにふけることができた。

9月も下旬にさしかかろうという頃、夏菜子はまだ漫然と怠惰な日々を送っていた。
週末は受験生のように家にこもっていたし、平日は学校と家の往復の間に日常の買い物をするだけだった。
進学校にあって一流大学への推薦が決まってしまえば、やることはいくらでもあるとはいえ、どうしても暇は多くなる。
まだ夏菜子はその暇を持て余していた。
自動車学校の申し込みもまだしていなかったし、資格試験やアナウンサー学校の資料だけが溜まっていった。
家事をこなして、庭の花に水をやって、学校に行って……緊張感のない日々だった。

勉強にも身が入らない。
「さあ、寝るか!」
ひとりごとも多くなった。そんな日々に危機感を覚えないわけではなかったし、
一歩踏み出す機会はいくらでもあるはずだった。合コンの誘いもあったし、遊ぼうと思えば、
地元にも中学時代の友達もいるし、そんなつてを頼って遊ぶこともできた。
しかし、自動車学校にしろ、合コンにしろ、夏菜子はT女子学園高校以外の場所で人との関わりを持つことが怖かった。
だから外に出ることをためらった。

夏休みに、故郷の北の街の男たちによって、暴き出されてしまった、本当の自分が、
この東京でも顔を出すことが怖かったのである。

男がいる場所に出入りすれば、男が声をかけてくることが分かってしまった。
今の夏菜子は、男の誘いを断る自信がない。

夏菜子は今になって長い時間をかけてつくりあげた清楚なお嬢様の優等生という自らのイメージを意識するようになっていた。
客観的に周りと比較して自分を見た時に、地味ながらも健康的に過ごしてきたし、
世間的に見れば優等生の部類に入ることも分かっている。
清く正しく美しく、といえば古めかしい言い回しになるかもしれないが、
そういうふうに生きてきた自分を失いたくなかった。まわりからそういう風に見られたままで居たかった。
だから、男のいる場所に出入りすることは怖かった。
440名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:38:44.45 ID:eOhDOigG
夏菜子に明らかな好意を示しながらも、指一本触れようとしない善彦と、平日の朝、
駅から渋谷まで15分の逢瀬を楽しむことが、「清く正しく美しい」夏菜子にとっては精一杯の冒険なのであった。

だが、一度目覚めてしまった淫らな血は家の中にいても騒いで仕方がなかった。
オナニーで必死にエッチな自分の熱い血を鎮めること……それが今の夏菜子にできる全てであり、
あとから考えれば、"優等生で清楚なお嬢様で美少女の石田夏菜子"が男たちの欲望に弄ばれ、
一方通行の淫乱ギャル街道に足を踏み入れる前の精一杯の抵抗だったのだろう。

夏菜子が眠りにつくころ、家族と一緒に暮らす善彦は、両親が眠りにつくのを待って、
PCにヘッドホンで、オナニーの時間である。夏菜子の気も知らない善彦は、
セキュリティソフトに引っかからない無料動画サイトや、なけなしの小遣いで手に入れた雑誌やDVDをおかずに、
毎朝夏菜子によって呼び覚まされる性欲を、夜まで貯めこみ、一気に放出する。
おかずになるアイドルやAV女優は、同じ女でも夏菜子とは全く違う人種であると、彼は信じて疑わなかった。
想像の中で夏菜子を散々に犯すことだって彼にはできたはずだが、
彼にとって人生のアイドルである石田夏菜子は、たとえ想像の中であっても汚してはならない存在だった。

「まったく、兄貴は仕方ねえな。まだあんなことやってんのかよ」
壁一枚を隔てた隣の部屋では、善彦の3つ年下の弟、高瀬善矩が、鼻で笑っていた。

高瀬善矩は、エスカレーター方式で大学まで行ける、中高一貫の私立中学の3年生であった。
偏差値的には一流といえる大学ではなかったが、そこまでの進路はヘマをしなければ保障されているので、
受験に追われる兄のような中学時代を送ってはいない。

彼女もいた。そして、今日はその彼女とセックスしてきた。
二流私立大学の付属の男子校にありがちな、チャラい系統の中学3年生で、
遊び慣れた雰囲気を持っていた。
自分で茶色に抜いた髪も、無理に着崩した制服も、大人の眼には訝しく見えても、
彼らの世代ではイケてる部類であった。

自分の進むはずの大学よりも、ほんのちょっとランクの上の大学に進学を決めた兄善彦に対して、
勉強の面ではほんの少しのコンプレックスがあったが、今では背丈も善矩のほうがあったし、
顔も勝っていると思っていた。なにより、おそらく兄よりも先に女を知ったこと……彼女がいることは、
彼にとっては勝ち誇るようなことであった。
441名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:41:32.29 ID:eOhDOigG
ちなみに、この日の時点で善矩と夏菜子は一面識もない。
彼の通う中学は、自転車の距離であったから、最寄りの駅の南口から北口に抜けて学校に向かう彼が、
夏菜子を見て「綺麗な女の子がいる」くらいのことは思ったことがあるかもしれないし、
おそらくは何度もすれ違っているだろうが、それ以上のことは何もない。

「さあ、寝るかな」
地元の公立中学に通う、一つ年下の彼女、笹井もえとメールで「おやすみ」の言葉をかわし、
兄よりも一足先に善矩が眠りについた頃、時計は12時を回っていた。

高瀬善彦と善矩、二人の兄弟とその家庭にも、それなりの平和と日常があり、何事も無く日々は過ぎていった。

夏菜子の母、菜津子が予告なしに帰国したのは、そんな9月下旬のある日の事だった。
夏菜子がいつものように帰宅すると、靴が増えていた。
「ママ、おかえりなさい」

「夏菜ちゃん、おかえりなさい」
夏菜子を待つ間、緊張していた菜津子であったが、
いつもと変わらない明るい笑顔で自分の前に現れたので、ホッとした。

「教えてくれればよかったのに。あっ、いいよ、お茶は自分で入れるから」
立ち上がろうとした菜津子を夏菜子は制した。
「あたしなりに頑張って毎日お掃除したんだけど、どうかな?」
「うん、思った以上に綺麗で安心したわ」

夏祭りの夜のことなどなかったかのように、母娘は和やかな雰囲気の中で語り合う。

「結局まだ自動車学校もなにも行ってないのね」
「う、うん。ごめんなさい。家事が楽しくて……」
「言い訳はいいの。10月に入ったらちゃんと行きなさいよ」
「うん。ところで、パパは?」

母娘は、微妙な空気で、この夏までの母娘を演じるように、会話を続ける。
「大学によってから帰ってくるって」
「それで、次の出発は?」
「29日の朝立つわ」
「ママは?」
「ママもいくわよ」
菜津子は、本当は自分が夫についてアメリカにいくかどうか、今の今まで迷っていた。
だが、いざ家について夏菜子をみると、夏祭りの夜、金髪に下品なギャルメイクで、
一度に2人も3人も男を相手にして喘ぎ声をあげて腰を振っていた夏菜子はそこにはいなかった。
自分が育てた通りの優等生のお嬢様として、東京での日常生活を送っていることが、
雰囲気で察せられたし、確信できた。だから、自分もアメリカに行って大丈夫だと思った。

問題は時間が解決したと信じたのである。
442名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:44:03.00 ID:eOhDOigG
「ところで、今日の夕食はどうするか決めてるの?」
「うん、あたしひとりだったら余り物とおもってたけど、どうするの?」
「じゃあ、久しぶりにどこかに食べに行きましょうか。合格のお祝いもしなきゃいけないしね」
「やったぁ♪」

こうやって、時間をおいてから話せば、やはり母と娘である。
忘れるべきことは忘れて、なにもなかったかのように、過ごせればそれが一番いい。
夏菜子も、菜津子も、阿吽の呼吸でそう同意したようだった。

そして、母の眼が光っているわずか4日間、夏菜子はお風呂場でのオナニーも我慢して、禁欲的な生活を送った。
その間に、自動車学校の申し込みもしたし、中学時代に通っていた塾に大学合格の挨拶に行ったら、
その場でチューターとしてのバイトを願われて、引き受けることにした。

そして、10月が始まろうとしていた。
衣替えの10月になってもまだ30度近くまで気温が上がる日はあるが、夏服最後の日である9月30日、
父と母がアメリカに向かってしまったことで、夏菜子の、実家一人暮らしがまた始まった。
東京の9月は、雨の降る度に少しずつ気温が下がる。夏の匂いを少しずつ雨が流すようである。
両親の出発した9月29日は雨で、この日は秋晴れだった。

朝、夏菜子は急ぎ足で駅へ向かう。約束しているわけではないが、
今日も善彦に会えると思うと自然と足は軽やかだ。昨日は久しぶりに妄想の中でエッチなことをした相手でもある。

「おはよう」
「おはよ♪」

近づいても、20センチの距離が2人の間には必ずあった。
満員電車の中でも、触れ合ったりしない。清く、正しい、少年と少女の淡い恋模様であった。
いつも同じ時間に二人の逢瀬を見守ってきたサラリーマンたちも、
あまりの初々しさにおもわず顔がほころぶような空気が流れていた。
443名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:45:47.64 ID:eOhDOigG
「今日で、このスカートも終わり。こうやって、少しずつ卒業が近づいていくんだね」
「ああ、そうかぁ。そうだよな。そういえば中学校の時にさぁ……」
笑顔のあふれるまま、他愛のない会話が渋谷まで続く。

微妙な距離を保ちながら歩いた2人のいつもの別れ道が近づく。また、明日までお別れかと思うと、
善彦も、夏菜子も、足取りが重くなる。そんな雰囲気に勝機を感じ取った善彦が、ようやく重い口を開いた。

「石田さん!」
「な、なに……?」

「ご両親がいなくちゃ、ちょっと物騒じゃない、大丈夫……?」
「えっ……えっと……お父さんの下着干したりしてるから……」
夏菜子もまた、勝負弱いのであった。

「あっ、そ、そう。遅れちゃうから、またな」
「あっ、善彦くん!」

夏菜子は高鳴る心臓の鼓動を抑えようと必死だった。

「じゃあ、あ、遊びにおいでよ。今日は自動車学校だから、6時くらいになるけど……」
「えっ……」
「あ、あの、迷惑ならいいよ。でも、一人でご飯食べるのも寂しいし、あの、その……」
「うん、わかった、メールする」

頭が沸騰しそうなのは、善彦も同じであった。
今まで重かった足が急に軽やかに動き出す。ほんの少しの勇気が、
今までちぐはぐだった恋の歯車を勢い良く回し始めた。

(やった。うまくいくかもしれない!)
善彦の心は何の迷いもなく浮かれていた。彼にとっては初めての経験である。
女の子と二人っきりになることも、彼女を持つことも、女の子の家にひとりで遊びに行くことも、全て初体験である。
444名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:50:13.89 ID:eOhDOigG
(ああ、これでいいのかなあ、でも、善彦くんもあたしのことすきだよね、きっと)
夏菜子の方はもう少し複雑だった。

同級生で、特にイケメンというわけでもないし、
目立つわけでもないいわば腐れ縁の男を彼氏にすることに対して「手っ取り早い」という言葉が、
ぴったり当てはまりそうな気がしてならなかった。
夏菜子だって、自分だけの「彼氏」はまだ一度も持ったことがない。
その初めての彼氏……大切な存在である。これでいいのだろうか、と何度も考えた。友情も壊れかねない。

(でも怖がらずに試してみなきゃ!)
悶々とした日々に決着をつけるために、夏菜子は微妙な言い回しで何度も善彦を誘ってきた。
ようやく、その想いが実を結んだともいえる。

(でも、どうしたらいいんだろう。いきなり押し倒したら引くよね……でもキスだけとか考えられない……
でも善彦くんだってやりたいよね、あぁ、どうしよう……)

すでに夏菜子の思いは、どうやって善彦とセックスするか、ということに移っている。
その異常さに気が付かないところが、石田夏菜子という女の子のひどく矛盾した、
アンビバレントでアンバランスな人格をあらわしている。
初めてのデートでいきなり「キスだけなんて考えられない」などという想いに至るのが、
もうすでに正常な女子高生の思考ではない。
そのことを知らないほど、恋に対しては臆病な夏菜子であった。
そのくせ、いきなりセックス漬けにされてしまった少女の心と体の不安定な部分を、
どう処理していいのか、自分では全くわからなかった。

「ふんふふふーーん」
それはそうとして、やはり胸は高鳴る。メールのやり取りで6時過ぎに善彦が家にやってくることになった。
5時半に自動車学校の学科を終えて帰路につく頃には、夏菜子はすっかり楽しくなっていた。
いつもより少し多めの食材を買うときに、店員に怪しまれないかな、とか、
そんなどうでもいいようなことがとても楽しかった。


「ああ、もうこんな時間だぁ。6時なんて言うんじゃなかったぁ。料理する時間を計算してなかったよぉ」
家についた夏菜子は鏡に向かってひとりごとをつぶやく。
満面の笑顔は、自分でも今まで見たことのないほどかわいかった。

その時、メールの着信があった。
445名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:53:07.01 ID:eOhDOigG
「あっ、善彦くんかな?」
予想通りではあった。だが、内容は夏菜子の想像したものとは違った。
「えっ、なに……これ……」
内容は、急に、家の都合で、行けなくなった、というものであった。
丁重な謝罪の言葉が並べられていたが、夏菜子は落胆した。

「あぁん!もう!」
携帯をリビングのソファにたたきつけた。
理由は、今度話すとだけあった。が、
「言い訳なんか聞きたくない」
と、反射的に返信してしまった。夏菜子がこんな風に怒ったのは珍しいことで、
おそらく善彦はそんな夏菜子を見たこともなかっただろう。

「ああん!もう!どうしたらいいの!」
溢れ出る想いを善彦にぶつけようと思っていたのに、もう今日はその願いはかなわない。
夏菜子の胸に真っ黒な疑念が湧いてどうにもならない。

ひょっとして善彦には他に女がいるんじゃないか、その女と会っているんじゃないか、
と後になってみればありえないことを考えてしまう。

気づいたら、夏菜子は制服のまま家を飛び出していた。なにを考えて家を出たのかはよくわからない。
だが、胸にたまったいろいろなもやもやを、外に出ることでなんとか解消しようと、思っていたことだけは確かである。

東京の都心から少し離れたあたりは、どこもそうであるが、
神奈川や埼玉、千葉に向かって放射状に線路や道路が伸びている。
夏菜子の住む街もそうであった。夏菜子は、いつも使う路線の駅とは反対方向の駅に向かって歩いた。
なにをしようというわけではない。ただ、殆ど使わない、つまりあまり知り合いもいない駅の駅ビルで、
すこしのあいだ時間を潰せればそれでよかった。
446名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:55:50.48 ID:eOhDOigG
「あれ、久しぶり、夏菜ちゃん!」
駅前に近づいた夏菜子に声をかけたのは、中学時代の同級生、高橋レナであった。
「ひさしぶり、だね」
コンビニの前で、合わせて5人の少年少女がたむろしていた。街道沿いのコンビニには駐車場があり、
レナは車止めに腰掛けていた。

「こっちくるなんて、珍しいじゃん」
レナは、コギャルだった。肌寒くなりつつある季節にパンツの見えそうなほどスカートを短くして、
肌は焼けて、目の周りはキラキラと光っている。
金髪にウェーブのかかったストレートの髪、男に媚びるようなアヒル口、青い爪、ルーズソックス……
ギャルとしては古典的な部類である。考えてみれば、もう何年もギャルを続けているのだからそれもしかたのないことだ。

「うん、ただのお散歩だから」
「ねえ、ウチらと遊ばない?女が一人足りなくてさ」
「えっ?」

そこには3人の男の子と、もう1人女の子がいた。
男の子のうち2人はこの辺りの私立の制服で、女の子はレナが通う都立高校の制服だった。
もう一人は、少し年下に見えた。

「この娘ね、あたしの中学の親友で石田夏菜子。池袋のT女子学園高校に通ってるの。みんな、いいよね」
「えっ、T女子学園?頭いいじゃん!」
「それじゃ、いくべいくべ」

「え、っと、どこにいくの?」
「うん?カラオケ。いいじゃん、いこうよ」

夏菜子は、暇だった。

だから、流されるように誘われるままついていった。
カラオケに向かう道すがら、レナが他のメンバーを紹介した。本編の進行上、意味があるのはひとりだけである。

「この子が、ヨシノリね」
「よろしく」
「えっと、学校どこだっけ?」
「O大付属中ですよ。すぐそこの」
「ああ、そうだったね」

「えっ、中学生なの?」
夏菜子は驚いた。なによりも、レナを始めとして他の4人はみな高校2年と3年なのに、
ひとり中学生が混じって遊んでいることが驚きであった。

「俺の後輩でさ、恋愛相談してやったらなんかついてきたんだよ」
「ちょっと、先輩、勘弁して下さいよ」
O大附属中、ものすごく頭がいいわけではないが、悪くもない。つまりまじめに生きていないと入れない学校である。
雰囲気はチャラいが、特別遊んでいるふうにもみえない。

なにか、自分が家と学校と予備校の往復を繰り返して、まじめに勉強していたこの何年かの間、
もう少し要領よく遊んでいる人種がいくらでもいることを改めて確認して、夏菜子は少し焦りを覚えた。
447名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 19:57:06.92 ID:eOhDOigG
東京では、男の子と遊んだこともない。男の子をようやく誘っても、ドタキャンされる。
焦燥感、というのが適切かどうかわからないが、とにかく焦った。

「こいつのお兄さんはね、あたしらの同級生の高瀬なんだよね」
「えっ?」
だが、その次のレナの一言が、夏菜子を地獄の底に突き落とした。

「高瀬善彦、っていたじゃん。ヨシノリはあいつの弟なんだって。似てないよねあんまり」
「まあ、あの兄貴に似ても困りますけどね」
「確かにw」

軽口の会話は、確かに善彦を小馬鹿にしていた。
夏菜子は今の今まで想い続けていた愛しい少年を目の前で馬鹿にされたことと、
もうひとつ、「家の都合で」夏菜子との約束をドタキャンしてきた善彦の弟が、
なぜか目の前にいてカラオケに行こうとしていることがショックだった。

カラオケでは、上の空だった。適当に歌って、適当に盛り上がった。

9時をすぎたころ、お開きとなった。

「夏菜子、楽しかったね」
「うん、レナ、ありがとう。あたし、地元で遊んだの久しぶり。また呼んでね」
「でもすごいなあ、W大なんて。またあそんであげるから、W大の男の子紹介してよ」
「うん、入学したらね。それじゃあ、また。メールするね」
「ちょっと待って夏菜子」
「なに?」

「ヨシノリ、送って行きな」
「は、はい」

「えっ、いいよ、ひとりで帰れるから」
「いいんだよ。こいつの家、夏菜子と方向一緒だし。アタシらマックでまったりしていくけど、
こいつまだ中学生だからそろそろ返さないとまずいし」
「で、でも……」
448名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 20:01:07.85 ID:eOhDOigG
「大丈夫だって、人畜無害だからw」
そう言われると、言い返す言葉もなかった。

「そ、それじゃあ、」
「ヨシノリ、しっかり送るんだよ、じゃあね、夏菜子」


こんなやりとりを経て、高瀬善矩と夏菜子は、2人で帰ることになった。
「あ、ありがとう、送ってくれて」
「えっ、いいんすよ、お役に立てるなら」

善矩の目には、高校3年生の夏菜子は、今まで見たこともないほどの美女に見えた。
きちんと着こまれた制服、柔らかそうなベストで隠しきれない体の美しいライン、
普段目にする野暮ったくて下品な女子中学生や女子高生とは違う、恥じらいのある動きをする脚……
顎のライン、瞳の大きさ、顔はもちろんのこと、仕草の一つ一つがとにかく上品で、
さっきのコンビニの交差点を渡る頃には、欲情で股間が盛り上がってきた。

「ねえ、いつもこんな時間まで遊んでるの?」
沈黙を破って不機嫌そうに切り出したのは夏菜子だった。
「えっ?そ、そんなことないっすよ。今日はたまたま、暇だったんで」
「ふうん」

夏菜子はの頭の中は善彦に裏切られたことで、怒りがまだ充満していた。
善矩はもちろん、夏菜子と善彦の関係を知らないはずだ。

「今日は、お家は大丈夫なの?」
「???」
「いや、こんな時間まで、だいじょうぶなのかな、と思って」
「平気っすよ。このくらい。ちゃんと毎日帰ってますから」
「あっ、そうなんだ。門限とかあるの?」
「えっと、特にはないですけど……親うるさいんで、友達の家に泊まるときには早めに連絡しないといけないし」
「早めって、何時くらいなの?」

夏菜子にしてみれば、男の子と遊んで、セックスなしというのが、考えられなかった。
いくら優等生のままであろうとしても、一度歪んだ心は処女だった頃にはもどらないのだ。
それでいて、恋しい人に裏切られたことを、埋め合わせてやろうと躍起になっていた。
449名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 20:05:14.93 ID:eOhDOigG
夏菜子は、善彦が許せなかった。一人っ子の夏菜子には、善彦の家庭の事情など想像できるはずもなかった。
頭に血が上ってしまっているのだ。家の都合なんて、ウソじゃないか。
いったい、善彦はどうしてそんな嘘をついたのだろう?他の女と遊んでるに違いない。
それなら、こっちにも考えがある……

カラオケをしているうちに気がついた。善矩は、よく見れば善彦に雰囲気が似てるし、背丈も善彦より高いし、
顔も整っている。それに若い。だったら、こっちでいいじゃないか、と思った。

カラオケ中、何度もネタになっていたが、善矩は彼女に振られたらしい。
まだあきらめていないようなことをいってはいるが、今はフリーということだと夏菜子は理解した。

「まあ、基本的には10時前くらいですかね」
「ふうん、じゃ、まだ間に合うね。あっ、こっち」

「えっ?」
善矩は心臓が口から飛び出そうだった。

広い道から住宅街に入ったころ、夏菜子は決意を固めていた。
善彦への復讐、というよりあてつけ、嫌がらせ……そのくらいの軽い気持ちだった。

「ねえ、うち寄っていかない?両親留守だし、送ってくれたお礼にさ。泊まっていってもいいし」
「は、はい」

二つ返事であった。
石田家の、ちいさな門の向こう、赤外線の鍵のついたドアが開いて、少女と少年が手をつないで、その中に
吸い込まれていった。善彦とは手も繋げなかったのに、今はこんなに簡単に、善矩と腕まで組んでいる。

こうして、優等生で清楚なお嬢様だった石田夏菜子の、東京一人暮らし淫乱ギャルライフがスタートした。
450こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/10(火) 20:06:19.53 ID:eOhDOigG
「こころのすきま」作者です。

今日はここまでです。また近いうちにきます。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
451名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 20:44:31.41 ID:wu8FfbGZ
もう続きが来てた、ありがたや
452名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 21:17:11.20 ID:y9LlfJSK
東京一人暮らし淫乱ギャルライフ、チョー楽しみ!
453名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 21:18:29.73 ID:y9LlfJSK
東京一人暮らし淫乱ギャルライフ、チョー楽しみ!
454名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 22:53:17.56 ID:VHc7DUIy
うわあああああ頭の悪さに腹が立つわあああああ
兄弟に手を出したら後々面倒臭いのが目に見えてるじゃんか!
似非優等生だなあ
455名無しさん@ピンキー:2013/09/10(火) 23:45:48.64 ID:96mpTFvE
ああ、またいい所で終わってしまった!
楽しみにしてます、おつです
456名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 07:25:19.48 ID:MHi+E9P4
流石です GJです
これからが気になって今日の仕事も手に付きません
罪作りなSSだなあ
457名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 13:15:57.43 ID:/DT3QQHJ
>>383
え?隣の席の少女って続編があったの?
kwsk
458名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 13:19:03.75 ID:/DT3QQHJ
ごめん、間違えた
隣の席の少女続き来ないかなー
459こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/11(水) 20:04:49.89 ID:Mg3HAdCa
「こころのすきま」作者です

反応ありがとうございます。
「夏菜子のなつ」を初めから読めない方もいらっしゃるかもしれませんが、よろしければお付き合いください。
「こころのすきま」はその続編、東京で5本の指に入る進学校の女子高から、一流私大に進むことが決まった
「お嬢様で、優等生で、美少女」の石田夏菜子が、20歳の誕生日にAV女優として初めての撮影を迎えるまでの
ゆっくりと堕ちるところまで堕ちてゆく、一連の物語の第二篇です。


「夏菜子のなつ」は、最後のほうで本当はしっかり母・菜津子と夏菜子が並んで犯されるところを
描くべきだったのですが、どうにも力量不足で、熟女の場面を描くことができませんでした。
あまり出来は良くないのですが、その分を加えて、元の部分も直したものを、
何らかの手段で公開したいとは思っているのですが、
まあそれは先の話ということで

とりあえず、「こころのすきま」の続きを投下します。
460名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:09:29.38 ID:Mg3HAdCa
知らぬが仏、とはよく言ったものである。

何も知らなければ、夏菜子はいつまでも、善彦にとってアイドルで在り続けたかもしれない。
誰もが知るこのことわざは、恋愛において最もよく当てはまるものだろう。
たとえば、「鶴の恩返し」では主人公の妻になった鶴が、どのように機織りをしていたか、
決して見るなと念を押されていたにもかかわらず、主人公はその秘密を覗き見てしまう。
知らなければ、幸せは長く続いただろう。これが「知らぬが仏」ということである。

昔話の主人公よりも、高瀬善彦が直面していた「仏」の裏側はもっと激しいかもしれない。
だが、鶴の女房が夫のもとを去らなければならなかったことに比べれば、たとえ秘密を知ったところで
高瀬善彦は問答無用で、恋しい人を失うわけではない。その先は、彼の度量が問われることになるだろう。
問題は、なぜそんな秘密を女が抱えることになったか、という理由である。

よく知られる「鶴の恩返し」を翻案した有名な戯曲のなかでは、鶴が人間の女に姿を変えて、
独り者の主人公の前に現れた、いわば、鶴が恋に落ちた理由が語られている。

「あんたはあたしの命を助けてくれた。何のむくいも望まないで、ただあたしをかわいそうに思って矢を抜いてくれた。
それが本当に嬉しかった」から、彼女は、男のもとへとやってきたのである。

無償の愛が、恋しい人の心に届いた時に、その恋が成就することがある。もちろん、しないこともある。
いずれにしても、本当にその愛が無償の愛であれば、過去のことなど気にならないはずだし、
過ちは愛を以って乗り越えられるはずなのである。
昔から、幾多の男と女が乗り越えられなかったのが、秘密を知ってしまった時に湧く、怒りや悲しみといった、
負の感情だったのだろう。


「おはよう、夏菜ちゃん」
「お、おはよう……」
10月1日、昨日までとは違う厚めのスカートに、ブラウスの上にはジャケットを着て、
いつもと同じ時間に夏菜子は最寄りの駅に現れた。

「昨日は、ごめんなさい」
善彦には、負い目がある。昨日の朝、初めてふたりきりで、通学路とは違う場所で会うことを約束したのに、
自分のほうから直前になってその約束を反故にしてしまったのである。

「う、うん、別に、いいよ。もう、それは……」
夏菜子の負い目はもっともっと深刻である。

昨日、あれ以来、夏菜子は電話にも出なかったしメールも返信しなかった。
だから、いつもの様に駅に夏菜子が現れたときに、善彦は謝るチャンスを与えられたと思って、全力で謝った。
461名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:11:27.26 ID:Mg3HAdCa
「本当に、ごめんなさい」
「うん、でも、大丈夫だったの?お家の用事の方は……」

昨日、「家の用事で」約束を取り消された時に、その内容が明かされなかったことで、
夏菜子の心に、疑念が生じる隙間が生まれた。

「うん、正直に話すよ」
「え、ああ、そう。聞いてあげる」

今抱えている秘密の重さから言えば、夏菜子が居丈高に振る舞う理由は何もない。
だが、秘密を必死に隠すように、夏菜子は腕を組んで、片足を前に出して、上から目線で振る舞った。

「うちの弟がさ、最近帰りが遅かったり、無断外泊みたいなことをするから、
母親の機嫌が本当に悪くて、どうしても、夕ごはんを外で食べるって、言えなかったんだ」

「はぁ?」
「ごめん、ほんとうに情けない理由で。でも、昨日なんか、
10時近くになってようやくメールがあったとおもったら、ただ『友達のうちに泊まる』の一言でさぁ、
なだめるのが大変だったんだ。夏菜ちゃんにはほんとうに悪いことをした。
どんなお詫びでもするから、許してください」

見方を変えれば、マザコンとも取られかねないような締まらない理由を、善彦は極めて率直に話してくれた。
もし、夏菜子が昨日、なにもなく一人おとなしく眠りについていたならば、
この理由を信じることはできなかったかもしれない。

「あっ……そうなんだ、そうか、お母さんがね。そっか、それじゃ仕方ないね」
どんなお詫びでもするから、という善彦の言葉は深くかなこの心をえぐった。
罪の意識からか、聞かなくてもいいことまで口にしてしまう。

「それで、弟さんは、ほんとに……」
言いかけて、しまったと思った。
「うん、帰ってこなかった。友達の家ったって、騒ぎにするわけにもいかないし、
母親をなだめなきゃいけないし……まったく、人の気も知らずにあいつは遊び歩いて……
だから大学までエスカレーターの中学校なんて行かせちゃいけなかったんだ」

「あっ……そうなんだ、えっと、O大学付属だっけ」
「あれ、話したことあったっけ?」
「えっ、いや、ないけど、この辺っていうかうちから近いからさぁ……あはは、あたってるの?」
462名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:15:18.14 ID:Mg3HAdCa
「うん、あたってる。うちは南口だからあんまり悪い印象なかっtけど、
あそこの生徒は中学生も高校生もちょっとチャラすぎて、俺は苦手なんだ。親も後悔してる。でも、まあ……」

「な、なぁに?」

「うん、朝になって、学校の道具を取りに帰ってきたから、無事だったけど……
ほんと、俺がもっと親に反抗してれば、良かったのかなって、今になって思うよ」

「反抗してれば……?どういうこと?」
「うん、俺はさ、ずっと比較的親のいうことをまじめに聞いて、夜遅くまで遊んだりしたこともないし、
塾に行ってもちゃんとすぐ帰って来てたから、本当は遊びたかったけど、
弟の気持ちがわからないわけじゃないんだ。実際、ちょっとやそっと夜遊びしても、
ああやって毎日無事で戻ってくるわけだから、もうちょっと俺が反抗して遊んでおけば、
あいつもあんなにガミガミと言われることもなかったかなって。
結局、あいつはあいつで怒られるのが嫌で遅くまで帰ってこなかったり、どこかに泊まってきたりするんだよな」

「ふ、ふうん……そんなものかな」

夏菜子の心の中に不思議なほど安堵が広がっていた。
それは、自分の行動がまだバレていないこと、そして、
善彦が他の女と合っているのではないかという疑念が完全に的はずれであったこと、が呼び起こした安堵であった。

それに、善彦は「どんなお詫びでもする」と言った。
ならば、全てを話して、それで夏菜子を「許してほしい」とおもった。なにしろ「どんなお詫びでもする」のだから。
だが、さすがに、そこまで図々しくは振る舞えなかった。それでも、夏菜子は、善彦との関係を断ちたくはなかった。
なんとも勝手なものである。

そして、罪を犯した後になって、善彦がいかに魅力的な男だったかをようやく知ることになったのである。
「あの、善彦くん……」
「うん?」

「無理しなくてもいいから、あたし、急がないから、ずっと仲良くしてね」
身勝手だが、心の奥からの叫びであった。
「うん、もちろんだよ」
善彦の方も生返事であった。大きなチャンスを逃したことはわかっていたし、
夏菜子の言葉を真に受けたとしても、今日明日、再び家に呼ぶようなことはない、
と、はっきり言われていることがよくわかったからである。
463名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:18:22.64 ID:Mg3HAdCa
渋谷につくと、いつもの様に別れ道がやってくる。昨日とは違う、軽めのあいさつで明日まで善彦とはお別れである。
昨日とは全く違う、重い足取り、針のムシロの上にいるような心持ち、それから解放されただけで、
涙が溢れ出そうだった。ここまで、完全に自分が悪いとは思わなかった。

そして、別れた瞬間から、夏菜子は現実逃避のために、泣かないために、妄想に浸る。
昨日の、善矩と過ごした夜を思い出して、善彦に対して抱いている恋心を打ち消そうと必死になる。
昨日の夜、熱くて長い夜だった。

***

「もう、それだけでいいの?」
「うん、一言メールしておけば、無事だってわかるからさ、大体、うちの親うるさすぎるんだよ」

昨日の夜、10時前のことだった。

夏菜子は、善矩を家に招き入れ、まずはリビングのソファに座ってもらった。
自分がとんでもないことをしているという認識はあったが、それは、夏菜子の意識のなかでは善彦に対して、
「お互い様」なのだった。

「うちの母親なんかさ、昨日もさ……」
「もう、やめて」
夏菜子は善矩が所望した缶ビールを音を立ててテーブルに置いた。
「女の子の家に来て、お母さんの話なんて、ルール違反だよ。それより、本当にこんなもの飲むの?」
「うん、楽勝だよ」
善彦の弟である善矩、缶ビールを開けて一口、予想以上に苦かったのか、
無理矢理喉に流し込んだのが分かった。

「うふふ、無理しなくてもいいのに」
善矩の虚勢をみぬくと、夏菜子は少しだけ気が楽になった。
本当に中学生にしてビールをぐびぐびと飲むような男の子だったら、
連れ込んだことをすぐに後悔したかもしれない。だが、そうではなかった。

「だいたい、こういうものはお風呂の後に飲むもんだよ」
夏菜子は口のついたビールを取り上げて、立ち上がると、もう一度ラップで蓋をして、
そのまま冷蔵庫にしまいこんだ。
464名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:21:56.26 ID:Mg3HAdCa
「ズボンはしかたないけど、その他は洗って、乾燥機にかけるから。今、お風呂入れてくるから一緒に入ろう」
「えっ……あ、はい」
潤んだ瞳に満面のいやらしい笑みで夏菜子がソファに座る善矩に迫ってくる。
「もう、こんなに大きくなって……」
制服の上から善矩の股間をまさぐる夏菜子の姿に、ただただ善矩は驚いた。なにか罠にでもはめられたのではないかと疑ってはみたが、少年の欲望がそんな疑念に勝てるはずもなかった。
「うふふ、もうちょっと、我慢してね」
善矩に、風呂あがりに着てもらうものを用意しなければいけない。
「ねえ、Tシャツ短パンならあたしのでも入るかな?それとも、お父さんのしかないけど、それでもいいかな?」

「えっ……あの、どっち、でも……」
こういう時の夏菜子の行動はてきぱきとしている。
「うんまあどっちでもいいか。あっ、なんか食べる?言っておくけど今夜はそう簡単に寝かせないからね。
あたしのお礼は、しつこいからね。ところで、ゴム持ってる?」
「あっ……持ってます……」
ストレートに意味が通じた。善矩はまだ狐につままれたような気分である。

「ああ、よかった。何枚ある?」
「ええ?えっと……」
狐につままれたような気分のまま、善矩はカバンの中をごそごそと探った。
「1,2,えーと、3枚あります」
「ふうん、わかった。そんなに持ってるんだ」

夕方までは、恋に恋して、とても初々しい恋愛に瞳を輝かせていた夏菜子が、
今は欲情だけでセックスする場所と必要な道具を揃えていく。

「おいしょ、と。ちょっと手伝って」
「は、はい」

夏菜子はリビングに布団を敷き始めた。もともと、今日からはこの部屋で寝るつもりであったし、
もし善彦が家にやってきて、そういうことになった時にも同じことをするつもりだった。
まさか、こんなことになるとは思わなかったが、そこは、故郷の北の街の「宴」で鍛えられた夏菜子である。
布団を敷くと、何枚かのタオルと何枚かのバスタオルを用意し、布団の横にはティッシュボックスを置いた。
手際よく、セックスのための場所が整えられていった。
465名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:24:29.29 ID:Mg3HAdCa
「まあ、そんなに寒くないし、バスタオルもあるし、あたしのジャージでも羽織ってればいいか。あっ、お風呂できたみたい」

まるで風俗嬢のようである。中学生の善矩がそんな感想を持つはずもなかったのだが、布団を敷くのをちょっと手伝っただけで、愛の巣ならぬ「欲望の巣」とでも言うべき場所が、出来上がっていた。夢のような、出来事である。

「それじゃあ、行こうか。まずは汗を流そうよ。お洗濯もしてあげる。
「は、はい」
「さっきから、はいしかいわないね?楽しくないの?」
「そ、そんなこと……ありません、緊張して……」
「ふふ、かわいい」
夏菜子は善矩の手をとって立つように促すと、そのままYシャツのボタンに手をかけた。

よく、風俗嬢が、セックスをしてもフェラをしても、キスだけは許さない、などという話がある。
股は開いても、プロの商売女は、気持ちは開かない、キスは本当に好きな人とだけ、というような理屈である。
男から見れば失笑モノの理屈でも、訳あってカラダを売り物にする女たちにとって、切ない一線があるのだろう。
キスとセックス……2分論で考えてみても、後者は受け入れて前者を受け入れないなど、全く理屈に合わない。
なぜなら、人は、愛しあうことで子どもを作り、そうして子孫を伝えていく生き物だからである。
キスはその愛を確かに語り合うための前の段階である。裸になる必要もないし、子どもが出来ることもない。

しかし、一部の風俗嬢たちにとっては、だからこそキスは聖域なのだろう。
夏菜子の場合、本当に好きな人とそうでない人に許せることのラインが、
もっとおかしなところに引かれていたのだろう。

「ねえ、善矩くんは、初めて?」
「ちがいますよ、初めてじゃないっす」
「ふううん、ほんとかなぁ?」

夏菜子の、普段はキリッとしまってほころびを見せない口元が、
淫乱ギャルモードに入った時には左右の端が広く切れるようにしてなめらかに上を向く。
そして、下唇がわずかに開いて、ぽってりと厚くなる。瞳にはたっぷりの涙がたまる。

「んん……ん」
つま先をちょっとあげて、目を閉じて、首を傾げると、善矩も眼を閉じて、口を夏菜子に押し付けてきた。
(へたくそ)
夏菜子は、3つ年下の少年をバカにしながらも、自らリードするように、相手の唇の動きを舌で制して、
まずは唇と唇が優しく重なりあうのを楽しむ。
466名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:30:39.16 ID:Mg3HAdCa
夏菜子による、品定めであった。夏祭りの後、故郷の北の街で唯や梨絵、真希たちと男漁りをして遊んでいた頃に、夏菜子なりに気がついたことがある。男のキスのしかたは、セックスのしかたと驚くほど似通っていた。

夏菜子が下で善矩の動きを制したあとは、善矩はただ従順に夏菜子のキスを受けていた。それで、もう、だいたい善矩のセックスの傾向を予想できる。軽く股間をなでて、
「この先は、お風呂でしましょう」
と、かかとを下ろして微笑む姿に、善矩は
「はい」
としか言えなかった。

洗面場につくと、夏菜子はまず善矩に服を脱ぐ用に促して、先に洗濯の用意を始めた。

「これで、善矩くん、乾くまで帰れないね」
といたずらっぽく笑う。心のうちは複雑だった。
こんなことをして本当にいいのか、あてつけとはいえ、やり過ぎじゃないのか……
大体、こんなど地元の中学生を相手にしてしまったら、あっという間に悪い評判が広まるのではないか……
そんな、いろんなことを考えないわけではない。
だが、暴走を始めたココロを止めることができなかった。
弟とセックスしまくることで、自分との約束をドタキャンした善彦を悔しがらせたい、という思いはもっと強かった。
それは、夏菜子が、自分でも気が付かないうちに意外なほど善彦に惹かれていたことの証なのだが、
そんな理屈があとから善彦に通じるはずもないことを夏菜子は考える余裕がなかったのである。

善矩のYシャツを丁寧にネットに入れ、下着と一緒にして洗濯機を回す。
「柔軟剤が違ったら、匂いで元カノとあった時にバレちゃうかもね」

「だ、大丈夫です」
「ふふ、ごめんね、ハダカのまま待たせて」
男なんて、そんなものだとは知っていた。振られた、という元カノの話題をちょっと出しただけでムキになる。
なにが大丈夫なのか全く理解できなかった。未練がまだあることが丸わかりである。
でも、欲望には正直なのが、男という生き物なのだ。

ギンギンに盛り上がった、半分皮を被ったままのペニスをなんとか隠そうとしながらもじもじと立つ、
170センチ代半ばの、筋肉質の少年の滑稽さに、夏菜子は吹き出した。

「でも、エッチっていうのはさ、こうやってみっともないところをさらけ出して、
初めてお互いに気持ちよくなれるものだと思うの。あたしも……いっぱいエッチになるから、
今夜はいっぱい楽しもうね」

好きな男と手も繋げないような華奢な美少女の言葉ではない。
467名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:45:47.20 ID:Mg3HAdCa
金髪でなくても、ギャルメイクをしなくても、こんな言葉がすらすらと出て来るとは夏菜子自身驚きだった。
つまり、夏菜子も少年の前で虚勢を張っていたのである。
今までの自分とは違う行動をとっている。まるでもう何年も前に処女を失って、
男遊びを繰り返した淫乱女のように振る舞った。

だが、現実には夏菜子が男遊びをしたのは、わずか1か月半まえ、わずか2週間あまりの間、
夏祭りの雰囲気と金髪・ギャルメイクの力を借りてのことであり、その2週間の間こなした回数があまりに多く、
経験豊富だったのは事実だが、実は夏菜子が処女を失ったのは、善矩が「振られた」という彼女と初体験を済ませ、
童貞を失った時よりもわずかながら2週間ほど後のことであった。
初体験においては、善矩のほうが先輩だった。

だが、親の目を盗んで3、4回ただ戯れて入れてイッておしまいのセックスしか経験していない善矩と、
夏菜子では経験値と技量の差はあまりに大きかった。


「ねえ、こういうことされたことないでしょ?」
まだ制服のまま、夏菜子はいきなり善矩の、皮を被ったままの肉棒をぱっくりと咥えた。

「あぁ、いきなり……うう……」
粋がっていた子どもはすっかり従順になった。戸を開けて、風呂場の真ん中に導くと、
もう一度軽くキスをしたあと、夏菜子は制服を着たまま、シャワーも浴びずに、
善矩の目の前に跪いて汗に汚れたままのペニスの皮を舌で剥きだした。

「ふふ、すごい、これなんていうんだっけ?」
夏菜子は、善矩の肉棒の"カリ"の部分にたまった垢を舌で拭って、ぺっと吐き出して、善矩に見せた。

「……」
「ねえ、なんていうんだっけ?」
「ちんかす……」
「えっ?」
「ちんかすです」
「そう、よく出来ました。こんなのついたままじゃ入れさせてあげないからね、もっと綺麗にしてあげる。」
「あぁっ……!」

夏菜子は絶妙にカリ裏の性感帯を刺激しながら、もう一周舌を回して垢を吸い取るようにジュボボ、
と音を立てて口でピストン運動2、3度繰り返した。
「あぁ、すごい!」
468名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:51:05.48 ID:Mg3HAdCa
「どう、初めてでしょう。こんなの」
「は、はい……」
名門校の制服を着た、手の届き用もないようなショートボブの3つも年上の美少女が、
いやらしい笑みを浮かべながら善矩を見上げていた。いきなりのフェラチオは、男の征服欲を満足させ、
それでいて「ちんかす」を舌で掃除して、目の前で吐き出されると、恥をかかされた気分にもなる。
夏菜子は、好きな男の子に告白もできず、手も握れないくせに、
一度裸にしてしまえば男の心をすべて見透かしたかのようにもてあそび、そしてこの上ない満足を与える。
覚えが良くて、要領がいい、優等生の素質がこんなところで生かされていた。
恋愛に大事なプロセスをうまくこなすことはできなくても、その先のことは、お手のものであった。
要するに作文や図工で「先生が求める」ものを作り上げてきた、
小学生の頃から培ってきた優等生の技術をそのまま、「男が求める」行為に置き換えただけの話である。

複雑な恋心が邪魔をするとできないことが、一度男を引きずり込んで、裸にしてしまえば、いとも簡単に出来た。


「ねえ、1日で最高何回イッたことある?」
「えっ……えっと……」

矢継ぎ早に次の質問を浴びせる夏菜子に、善矩はたじたじである。
即答できなかったのは、1日のセックスの回数を聞かれたのか、オナニーの回数を聞かれたのか、
判断しかねたからであった。オナニーの回数を言えばかっこ悪いし、セックスは1日2回以上はなかった。
夏菜子は、そんな心のうちを見抜いて、

「1日何回オナニーしたことあるの?」
と聞き直す。

「えっと、4、5回かな」
善矩は観念したようにそう自己申告する
「じゃ、今日は6回ね」

「えっ?6回?」
「うん、6回。6回イくまでは寝かせないから。ゴムは3枚あったから、まずはお風呂場で1回出してあげる」
善矩は、呆気にとられていた。

夏菜子は笑いながら立ち上がって、シャワーを手にとって、温度を確かめた。
まず、口をゆすぎながら、手にボディソープをとった。
「さあ、洗ってあげる」
そういうと、風呂場の真ん中で制服を脱ぎ始めた。
下着はともかく、スカートも、ベストも、夏服である。高校3年生の夏菜子にとっては、今日でお役御免である。

そう思うと、このまま脱ぐのももったいない、と思うようになった。
469名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 20:53:30.38 ID:Mg3HAdCa
ベストを脱いで、ブラウスのボタンを全部開けると、お腹のあたりで、
手にとったボディソープを泡立てた。その泡を、純白の、清楚な女の子のブラジャーをめくって上に広げる。
華奢な体から想像できるよりもずっと大きい、形よく膨らんだ乳房が初めて善矩の目に入った。
泡を自分の胸からお腹のあたりに広げた。何が始まるのかと訝しげな善矩に体を寄せて、
そのままスクワット運動を始めた。

「あぁ、きもちいい」

善矩は、されるがままだった。Cカップの形の良いおっぱいの谷間が、
ちょうどペニスの盛り上がりにおさまる。そのまま、おっぱいが善矩の体を舐めるように上がってきて、
ブラジャーとスカートの間を往復する。

「ふふ、こういうのも初めて?」
「はい、初めてです。」
夏菜子にこういうソープ嬢のような技を仕込んだのは、夏祭りのあとの「宴」の参加者で、
東京の私立大学に通う大島雄一であった。夏菜子より2つ年上の彼は、東京に来てから覚えた風俗の技を、
夏菜子だけでなく、他の女の子にも仕込んだ。

だが、夏菜子は覚えが良くて、しかも相手を喜ばせようとする気持ちが人一倍強く、
こういうプレイは向いていたのだろう。夏菜子自身もこういうことが嫌いではなかった。楽しいとすら思っていた。

「ああ、なんか、暴発しそうだね。まだ我慢してね。」
「ああ、そんなぁ」

夏菜子はそう言うと、椅子を持ちだして、善矩を座らせた。
後ろに回って、同じようにおっぱいを使って背中を洗う。両手はお腹から腿のあたりをこする。

「どう?」
「柔らかい……」
「うふふ、かわいい」
「ひゃっ!」
夏菜子が耳元でふっ、と息を吹きかけると、善矩は敏感に反応する。
夏菜子の口で優しく皮を向かれた肉棒は、元気に天を向いてそそり立っているが、
夏菜子はあえてそこには触れもせずにぴく、ぴくと脈打つのを眼で眺めながら、
時にその部分にばかり集中している男の感覚をそらすような悪戯をする。

男の子は、そういうことをされると、無防備に声を上げる。
善矩のカラダを洗いながら、服を着たまま、夏菜子は自らの脚や背中も洗うようになる。それは、催促である。
470名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 21:08:43.91 ID:Mg3HAdCa
「夏菜子さん、僕も……」
気がついた善矩が振り返って夏菜子の胸に手を当てる

「いやぁん、おっぱいさわらないでぇ」

夏菜子が笑顔のまま泡だった身を閉じる。

「ご、ごめんなさい」
「あははは、間にうけちゃって、かわいい。いまさらなにいってんの?」
それもまた、夏菜子の悪戯であった。

「善矩くんも、洗ってくれるの?」
一転して吸い込まれそうな真顔で迫られると、善矩は
「う、うん」
と、首を縦に振ることしかできないのだった。
「あ、あぁん……そんな、いきなりぃ……」
浴室に夏菜子の艶っぽい喘ぎ声が響いた。
善矩はすぐに、夏菜子の、ずぶ濡れのスカートの下から手を入れて、パンツ一番狭いところから指を忍ばせ、
カラダの裂け目に指を這わせてきた。もう、夏菜子もアソコは体液でぬるぬるになっていたから、
すこし、恥ずかしかった。

「うふふ、あとで、なめてくれる?」
「は、はい……」
「じゃ、そのつもりで綺麗にしてね」

夏菜子が、浴槽のヘリに腰を掛けると、善矩はパンツを脱がせる。
「あぁん、脱がせちゃうの?」
「えっ?だめですか?」
「ううん、いいの。いちいち聞き返さなくてもいいのよ」
471名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 21:10:47.67 ID:Mg3HAdCa
脱がされた、清楚な女の子の純白のパンツを、善矩の手からそっと奪うと、そのシャワーでパンツを濡らして、
ボディソープを含ませた。

夏菜子が、本当は、善矩ではなく、善彦に脱がせてもらうつもりだった純白のパンツは、
その瞬間から、善矩と、夏菜子のカラダを洗うボディタオルへと役割を変えた。

そうして、2人はまずお互いのカラダの今日一日の汗を洗い流した。
ブラウスも、ブラジャーも、そして、スカートも、善矩が脱がせた。
いちいち、その過程でカラダのパーツパーツを刺激するように、夏菜子が仕向けた。ゆっくりと、ゆっくりと、
善矩は夏菜子のカラダに引きこまれていった。

スカート位を脱がせるときには、背中から腰のラインを優しく刺激してもらって
ソックスを脱がされるときには脚を優しくなでさせた。

「あぁん、そう、やさしくしてね……ふぅ……ん!」

ブラジャーを外す時、ブラウスを脱がす時、腕を、肩を、鎖骨の水たまりを……
ゆっくりと、ゆっくりと、刺激してもらって、夏菜子も少しずつ気分が盛り上がってゆく

お互いの体をひと通り洗い終わったところで、夏菜子は湯船に善矩を誘う。

「ねえ、善矩くん」
「はい、なんですか?」
大人が二人入れば、狭い湯船は定員オーバーである。
もう、すでに融け合いそうな距離で、夏菜子は、今日の夜の「ルール」の最終確認に入った。

「まずさ、その敬語をやめてよ。なんか気分が出ないからさぁ」
「は、はい。分かりました。」

「ほら」
「あっ、わ、わかった」
年下の少年に諭すように「エッチのルール」を教えこむ。全ては今日の一晩をとことん楽しむためである。

「うん、それと、あたしのことも、夏菜ちゃん、か、夏菜子、でいいよ。善矩くんは、なんて呼ばれたい?」
「えっと、友達はヨシ、とか呼ぶん、呼ぶけど、家ではノリって呼ばれてますね」

「ノリ?」
「はい、じゃない、うん。うちは兄弟が善彦と善矩だから、名前の下の方で親も兄貴も呼ぶ、んだよね、兄貴はヒコ、
俺はノリ、ってわけ」
472名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 21:13:16.91 ID:Mg3HAdCa
「ああぁ、なるほどぉ」
夏菜子の胸がきゅん、と痛んだ。ようやく忘れかけていた善彦のことを思い出してしまった。

「じゃあ、ノリ、って呼んでいい?」
「いや、ヨシの方で」
「じゃあ、よっちゃん、かな?」

「それで、いいよ」
夏菜子にとっては、避けたい呼び名だったが、ここで逆らうわけにもいかなかった。

「それじゃ、始めようか」
「えっ?」

「えっ、じゃないよ。一回目はお風呂でお口でイカせてあげるって言ったでしょ。
もう、こんなにパンパンなんだから、体にわるいよ」
「ああ、えっと」
「しゃぶれ、って命令してほしいな」
「えっ?」
「もう、いちいち聞き返さないでよ。ずっとあたしにリードさせるつもりなの?
6回イカなきゃ帰れないし寝れないんだよ?」

「お、おう!夏菜子、しゃぶってくれ」
「なにを?」
「こ、これをだよ」
そういうと、湯船で立ち上がって、仁王立ちになった。

「はぁい、よっちゃん♪」
上目遣いでにっこりとほほえんで、そのまま、夏菜子が善矩の肉棒に手をかけて、
口をつけて、舌先でなめて、ぱっくりと咥えた。

「あ、あぁ……」
この世のものとは思えない気持よさに、瞬時に善矩は絶句した。
一つ年下の、つまり中学2年生の彼女にも、フェラチオされたことはあった。
だが、口で先っちょを咥え、舌先でちょろちょろと刺激を受ける以上のものではなかった。
正直なところ「フェラって、あんまり気持ちよくないな」というのが彼の今までの感想だった。

「すげぇ」
夏祭りの夜の「宴」で徹底的に鍛えられた「夏菜フェラ」はまるで次元の違うものだった。
だらしなく歪む善矩の顔を見上げていると、夏菜子は調子に乗った。
「うふふ、すごいきもちよさそ」
じゅぼ、じゅぼ、とわざとらしい音をたてながら、上へ下へと舌を使い、性感帯の集まる裏筋を刺激したり、
丁寧に玉袋まで舌を伸ばしたり、ぱっくりと包むように肉棒を口に含んだり、とやりたい放題であった。
473名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 21:15:35.74 ID:Mg3HAdCa
「そろそろ、イキたい?」
「は、はい……」
こういう時にいちいちタメ口を要求するのも、このフェラ抜きを通じて、今夜の「エッチのルール」を
少年に叩きこむための行動である。

「えっ?」
「お、おう、イカせてくれよ」
「それじゃ、いくよ!」
「ああ、あぁああ!」

夏菜子は、今まで焦らし続けた口技を"イカせモード"に切り替える。
舌でレールを作って裏筋に這わせて、首を激しくピストン運動させる。
そうなると、15歳の少年は10秒と持たなかった。

「ああ、でるでるぅ!」
「いいよ、出して!夏菜子の顔に、出してぇ!」

次の瞬間、温かいものが夏菜子の顔にかかってきた。
「ああ、あったかい。すごい、こんなにたくさん出た。ああん、まだ出てくるよぉ……」
夏菜子の美しい顔が、ゆで卵のような額から、長く来るんとしたまつ毛から、小さな鼻のあな、いやらしい唇まで、
白濁液ですっかり汚された。

「ああ、すごい、夏菜ちゃん、夏菜子ぉ!」
そのまま、夏菜子はお掃除フェラに移る。

「ふふ、もう一回、カラダをあらわないとね」

初めから、計算されている。
まだ、シャンプーもしていないのだから、このまま風呂を上がるはずもないのだった。
カラダだけではない。顔も、綺麗に洗う。もちろん、善矩の手を借りて……
474名無しさん@ピンキー:2013/09/11(水) 21:25:06.25 ID:Mg3HAdCa
「こんなことも、はじめてでしょ?」
「う、うん。すげえ、すげえよ、夏菜子」
男なんて、裸にしてしまえば、犬と同じ獣なのだ。

夏菜子は、そのことをよく知っていた。どんな形でもいい。征服欲を満たさせれば、
男なんてみんな夏菜子のカラダに嵌り込む、それは、北の街でもこの東京でも同じだった。
そうなれば、時間さえかければ一滴残らず精を吸い取ることなど容易いことである。
犬と同じ……だから、顔射でマーキングさせて、引きずり込む。
北の街での淫乱ギャルとしての日々で覚えたことである。

夏菜子って、すげえ、かわいいな」

顔を男に洗わせるのも、一つのテクニックだった。男の子は、だれでもオナニーをする。
だから、精液の処理は、それなりに慣れているし、この独特のしつこさも知っている。
自らの精液で汚れた夏菜子の顔を洗わせて、綺麗になった時に、男の子は皆、
夏菜子の顔の造形の美しさを再確認する。そのことが、男の回復を促す。

「ありがとう、かわいいかな?」
「うん、すげえかわいい。こんな女、見たことなないくらい、かわいいよ」
「うふふ、それは言いすぎだよ」
それもまた、計算ずくのことであった。

しっかりと汚れを洗い流し、風呂を上がる。まだ、11時になったところである。
9月の末とはいえ、閉めきったリビングは熱が篭るので、エアコンのスイッチを入れてあった。

「一休みしよう。そうだ、さっきのビールでも飲もうか」

夏菜子も、善矩も、裸にバスタオルを羽織っただけで浴室を後にした。
もう、洗濯物は乾燥まで終わっていた。
一方で、夏菜子の夏の制服と下着は、ずぶ濡れのまま、風呂場に残された。

優等生で清楚なお嬢様……石田夏菜子の少女としての季節は終わりを告げ、
新しい、淫乱ギャルとしての毎日の生活――東京一人暮らし淫乱ギャルライフ――がはじまる。
清楚な少女の夏菜子は今日で終わりであろう。その残滓が、風呂場に残っているようだった


「もう、乾いたみたいだから、帰ろうと思えば帰れるね」
まだあたたかい善矩のYシャツと、下着一式を取り出して、夏菜子は匂いを嗅いでみせた。
かなこの使っている柔軟剤のにおいと、善矩の匂いがまざっていた。

「うん、そうだな。夏菜子がやる気無かったら、俺帰るからな」
「うふふ、そうだね。あたしも頑張るから、よっちゃんが飽きないように」

最初のフェラ抜きで、善矩の力が抜けて、ようやく対等の関係が築けた。

もちろん、彼は帰ろうとはしなかった。まだ一度のセックスもしていない。
ようやく、これからが"一回戦"である。長い夜が、ようやく、本格的に始まろうとしていた。
475こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/11(水) 21:27:12.89 ID:Mg3HAdCa
作者です。

今日はここまでにします。ちょっと間が少ないかもしれませんが、また近いうちに。
それでは、感想など、なんでもよろしくお願いします。
476名無しさん@ピンキー:2013/09/12(木) 06:12:18.00 ID:cC93kPNd
>>458
マジで一瞬期待してしまったじゃないかw
作者さん帰ってこないかなぁ
477名無しさん@ピンキー:2013/09/12(木) 07:17:32.33 ID:U4IVoY8g
475 :こころのすきま―夏菜子のあき の作者さん、今回も乙です
小説としてのクオリティを持っていると思います
表現力や背景描写などめんどくさい部分も丁寧に加えられていて
ただのエロSSでないところが私は好きです
近いうちの投下お願いします  待っています
478名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 07:12:18.80 ID:RlnD+hy6
GJ
再度外見の変化があるといいな
淫乱ビッチには金髪のギャルメイクが一番似合うし、外見が変わらないと淫乱に見えない
479うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
480こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/13(金) 21:26:42.53 ID:9wBWMbJv
>>477
ありがとうございます。この「こころのすきま」は、かなり雑多な要素を無理矢理詰め込みながら、
それでいて夏菜子がゆらぎながら堕落していく本線が浮き出るように意識してます。
力量不足でなかなかうまきいきませんが、よろしくおつきあいください。
>>478
それも、ゆっくりと変わっていきますからお楽しみに。
長い本編の中に、一行こっそり夏菜子の変化について入れたりして
ある日、気づいたら金髪でケバいギャルの夏菜子になっていた、というのが理想です。

それでは、続きを落とします。
481名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:30:13.80 ID:9wBWMbJv
10月1日、朝の3時半。
外はまだ暗い。朝刊の配達もそろそろ、という頃、夏菜子と善矩が、合わせて5時間半に及んだセックスのあと、
お互いの汗と体液でベトベトになったカラダを洗うべく、風呂場に戻ってきた。

「あぁ、すごかったぁ……よっちゃん最後も後ろからもガンガンついてくるんだもん、夏菜子壊れちゃうかと思ったぁ」
「ええ?だって、夏菜ちゃん、めちゃくちゃにしてって、泣きながら言ってたじゃない」
「うん、もう、意地悪ぅ」

シャワーとボディソープで、お互いの体を洗う。
「もう、夏菜子お腹いっぱい。よっちゃんも頑張ったねぇ、えらいえらい」
「夏菜子がエッチ過ぎるんだよ!」
「なによ、よっちゃんなんかお台所でも襲いかかってきたくせにぃ……」

夏菜子と善矩のエッチは、まるで発情した”けものどうし”のようであった。

最初の風呂場でのフェラ抜きのあと、リビングに戻った2人は、
すぐに布団の上で2人は抱き合ってお互いのカラダを愛撫して、舐め始めた。
じきに善矩が回復すると、女の子の大事な部分がすっかり濡れて、準備万端だった夏菜子と初めてセックスした。

そのあと、休むこと無く夏菜子がもう一度口でイカせた。

さすがに2人とも疲れて倒れこんだが、温かく、柔らかい肌のぬくもりと、シャンプーの香りに誘われるように、
善矩が回復して、そのまま2回めのセックスをした。善矩は4回目の射精をした。

5回目の射精は、シックスナインで、お互いを攻め合ううちに、手コキでイかされた。

一休みすると言って、台所へミルクを温めに向かった夏菜子に、善矩は後ろから忍び寄り、抱きついて、
そのまま3回めのセックスが始まった。

合わせて6度、善矩はイッた。その間、2人はずっと裸で、バスタオルを羽織るくらいであった。
けもののように、疲れ果てるまで交わった男と女の間には、
いつの間にかどんな人間たちよりも和やかな空気が生まれていた。
482名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:32:20.23 ID:9wBWMbJv
夏菜子は、心地の良い疲れに満足していた。
「本当に6回もイクなんて、すごいね。新記録だね」
「うん。ああ、まあ、あのさぁ」
「なあに?」
「新記録って、大事かな?」

夏菜子は、思わぬ質問に一瞬顔を赤らめたが、
「そりゃ、大事だよ。だって、善矩くんが、今まで一番たくさんオナニーしたときは、
夏菜子以外の女の子のこと考えながらしてたんでしょ?
今日は、夏菜子とだけエッチなことして、それで新記録だから、これで、あたしが新記録、ってこと」

「はぁ……」
わかったようなわからないような理屈だが、とりあえず、善矩は納得する仕草を見せた。
「でもさあ……」

「なあに?まだなにか不満?」
夏菜子は怪訝そうな顔で善矩を問い詰める。二人の間に、明らかに認識のくい違いがあった。

「実は……ちょっと、耳、貸して?」
善矩が申し訳なさそうに、気まずそうに夏菜子に話しかける。
「うん、なに……えっ!!」

「うん、ごめん、さっきはちょっと嘘ついた。」
「うわあ、なんだよぉ、もう、ええ、じゃあどうするの……って」

夏菜子は、善矩の肉棒が再び元気そうに立ち上がるその瞬間を目にした。
「おねがい、夏菜子。口で、いや、手でいいからもう一回!新記録のためにさぁ」

善矩が耳打ちしたのは、「実は、オナニーの今までの記録は6回だった」ということであった。

「うわぁ、やられたぁ……もう……しかたないなあ……」
夏菜子は、不機嫌そうに立ち上がって、風呂場の片隅に濡れたまま放って置かれている、
制服の夏服のスカートを持って、ポケットをごそごそ、とまさぐった。
483名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:36:22.14 ID:9wBWMbJv
「じゃーん、もう一回分ありましたぁ」
振り返った夏菜子は、満面の笑顔だった。
善矩も、思わぬ展開に苦笑いするしかなかった。

それは、北の街から持ち帰った荷物の中に入っていたコンドームの一枚であった。

タネを明かすと、もし、昨日、善矩ではなくて善彦が夏菜子の家に遊びに来て、
そういう雰囲気になったら、そのコンドームを使おうと思っていた。

純情な恋に生きていた、昨日までの夏菜子の、精一杯の強がりのあらわれだった。
お嬢様の自分と、みだらな自分の、ギリギリの境目だった。
もし、好きな男の子が迫ってきたらの時のための備えとも言えるし、
はしたなくも女の子の方からベッドに誘い込むための道具と言っても良かった。

どっちにしても、もはやただのコンドームにすぎない。
純真な女子高生の残骸から発掘された、遺跡ともいえるものだった。
もちろん、善矩はそんな事情は一切知らない。

「実は、夏菜子ももう一回したかったの!」

破顔一笑、夏菜子は口でコンドームの封を開けると、
器用に口を使って善矩にゴムを被せた。手に手をとって、大急ぎで体を拭いて、リビングルームに2人は戻った。

「さあ、おいで」

夏菜子は布団に転がりこんで善矩を誘う。もう、まどろっこしい前戯も必要ない。心ゆくまで交わればいい。

「あぁん、すごい……いい……」
同じ日になんどもなんどもエッチをすると、夏菜子の膣壁は、こなれてくる。
しかも、同じ相手となれば、その相手に合わせて変形でもしたかのように、ぴったり、すんなりと入るようになる。

「ああ、大きい……奥に当たる……ぅ」
夏菜子の淫肉が、アソコが狭くなったのか、善矩のペニスが大きくなったのか、
それともお互いのツボを心得るようになってきたのかわからないが、
とにかく、初めてのセックスの時よりも、夏菜子のアソコは善矩をきつく締め付け、
善矩の肉棒は奥まで届くようになっていたような気がする。
もっと気持ちよくなれるとおもうと、止まらなくなってしまう。

「あぁ、最高……夏菜子ぉ……」
「善矩ぃ……いっぱい、いっぱい突いてぇ!」

空はまだ暗い。だが、次第に白み始める。もう朝、という時間である。
飽きること無く、夏菜子と善矩は、けものように何度も何度もキスをし、腰を振り、快楽を貪った。
484名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:40:05.21 ID:9wBWMbJv
北の街の夏休みから、そうだったが、男の子たちは、夏菜子と一度セックスしてしまうと、
何度でも何度でも回復し、また夏菜子を求めてきた。善矩もまた、夏菜子に嵌り込んでしまったのである。
そして、それに応える夏菜子のセックスのスタミナもすごいものであった。

そのおかげで、朝は、大慌てであった。

僅かな時間、仮眠をとって、7時前に飛び起きて、朝食を用意して、2人で食べて、善矩を送り出した。
そして、さきに描いた、10月1日の朝、善彦との再会へとつながっていく。

つまり、夏菜子は、わずか2時間、3時間前まで腰が抜けるほど善矩とセックスしたあと、
なにごともなかったかのように、善彦とあいさつをかわして、一緒に電車に乗ったのである。

変わったのは服だけ、というふうに、である。
秋冬の、少し色の濃いスカートを履いて、ベストの代わりにジャケットを着て、昨日までと同じようにお嬢様を装って、
可憐な笑顔で、汚れたカラダを隠して、善彦と会って、学校に通ったのである。

善彦との関係を、つなぎとめられるように、何も変わっていないように、振る舞った。
善彦に未練がある、というよりは、善矩との関係は夏菜子のなかでは一夜限り、のはずだった。
根拠なくそう、決めてかかっていた。

だが、そんな決め事はなにもしなかった。夏菜子が善矩に、別れ際に頼んだことはただひとつ、
「今日のことは、お兄さんだけには、絶対に言わないで」
ということだけであった。
485名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:45:43.34 ID:9wBWMbJv
お風呂場でフェラをしながら、その日のセックスのルールを決めて善矩に叩き込んだ、淫乱ギャル夏菜子は、
いったん外に出れば、今でもやはり優等生のお嬢様なのである。
まともな恋愛経験もまだないままだった。そして、この後の二人の関係についてなにも言わなかったし、相談しなかった。

夏菜子とのセックスは最高の体験であったから、善矩は当然のように夏菜子にアプローチを試みることになるのであった。
善矩の方から見れば、あれだけのことをして、そのままさよならなんてありえない。普通のことである。

というより、善矩は、有頂天になっていた。そして、天狗になった。
当然といえば当然である。夏菜子ほどの、ブランド美少女を一晩中自分のものにした。
そのことが、男として善矩に与えた自信は大きい。

一つ年下の、公立の中学2年生の彼女がいた善矩だったが、彼女はかわいい方ではあったが、
しょせんはO大附属中程度のブランドに群がってきただけの、ギャルにもなりきれない、ヤンキーにもなりきれない、
中途半端なふつうの女子中学生にすぎない。

一方で、18年間、本物のお嬢様として育てられた、優等生の、しかも天然の美少女に、
高度なセックスのテクニックまで持った夏菜子に比べれば、足元にも及ばない。
加えて、善矩は、夏菜子を自分のテクニックで満足させたと思い込み、自分に自信を持ってしまった。

メアドすら教えてもらわずに今日の朝、追い立てられるように夏菜子の家を出てきたことなど、気にもとめなかった。

「やあ、おかえりなさい」

「……なに、なんでここにいるの?」
その日の夕方、夏菜子が帰宅すると、家の前で善矩が待っていた。夏菜子は露骨にイヤそうな顔をした。

夏菜子の意思など関係なく、男たちの欲望は夏菜子をめちゃめちゃに壊して、
逃れられない堕落のスパイラルへと美少女を引きずり込んでいく。
それが、清楚なお嬢様で優等生の美少女という仮面を剥ぎ取られた淫乱ギャル夏菜子の運命である。

「えっ?いけなかった?」
「もう、こんなところで待ってないでよ。ご近所の眼もあるんだからぁ……とにかく入って」

善矩を見つけた時、キュンと胸が痛むとともに、透き通るような肌がぽぉっ、と高調するのが自分でも分かった。
そそくさと家の鍵を開けて善矩の手をとって家の中へと入った。
なんだかんだ言っても、また善矩を家に上げてしまった。
こうして、夏菜子は、どつぼに嵌っていった。けもののような毎日が始まった。

中学校時代の同級生・高瀬善彦に対して抱いたまだ純な恋愛感情を持ちながらも、
その弟善矩との激しい肉体関係を通したれないに溺れていくこと……昨日の夜の出来事までは、プロローグにすぎず、
この強烈な二股体験が、夏菜子の淫乱ギャルライフの第二幕のようやくの幕開けとなるのであった。
486名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:48:19.31 ID:9wBWMbJv
「もう、昨日あんなに頑張ったのに、まだ足りないの?」
「昨日じゃないよ、今朝だよ。今朝の続きだよ」
「あ、あぁん……ちょっと、ちょっとそんないきなり……」
「いいじゃん、夏菜子だって嫌じゃないだろ」
「ちょっと止めてって!」

玄関で抱きつかれて強引にキスされて、スカートの中に手が入ってきたところで、
夏菜子は善矩を軽く突き飛ばした。

「ご、ごめん。でも、ちゃんと、帰ってよ。いきなりうちの前で待ってるなんて、良くないよ。」

夏菜子の頭の中で、善彦が話していたことがこだましていた。
「それに、おうちの人だって、お母さんだって、心配するよ。ここはあたしのうちで、善矩のうちじゃないんだよ?」

「なんで母親の話しなんかするの?」

「なんでって、だって、夕ごはんの時間だし……」
「女の子の家で、お母さんの話なんかするなって言ったのは夏菜子だろ?なんでルールを守らないんだよ?」
「えっ……?あっ、ごめんね、でも」

あくまで、家族が心配するから家に帰れ、と促す夏菜子に対して、理屈にならない理屈で善矩は対抗する。

「それに、もう、こんなになっちゃったから。もう遅いんだよ。」
「……もう……」
もう一度夏菜子に近づくと、善矩は夏菜子の手をとって、股間の盛り上がりを確認させた。
女の子にしては理屈に弱いのは、優等生の弱点でもあった。それに加えてこうはっきりと迫られては、
淫乱ギャル女子高生の夏菜子は太刀打ち出来ない。

「今日は、ちゃんと帰るんだよ……約束してね」
「オッケー、今が5時半だから、11時くらいには帰るよ、だから、それまで……」
「あ、あぁん……いやぁん……そんな、いきなりぃ……」
「夏菜子だって、濡れちゃってるじゃん」
「いやぁ……シャワーでいいから、綺麗にしてからにしようよ……」

理を唱えても、結局夏菜子の理性は、カラダから溢れ出る欲望に勝てない。
そのことを見抜いてしまった善矩がゴリ押しすれば、セックスに持ち込むのも簡単なことである。

制服を脱ぎ捨てて、善矩と夏菜子は抱き合いながら風呂場へとなだれ込んだ。
夏菜子は、昨日ほどノリノリではなかったが、昨日と同じように、いきなり善矩の肉棒を舐めまわした。
487名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:52:45.22 ID:9wBWMbJv
「朝洗ったばかりなのに、ちょっとたまるんだね」
というと、余った皮にたまる「ちんかす」を味わうように吸いだして、昨日と同じようにぺっ、と手のひらに吐き出した。
そのとき、夏菜子は善矩に対する軽蔑を表現したつもりだったが、性欲でいっぱいの少年には通じなかった。

「そんなの気にしなくていいから、気持よくしてよ」
「う、うん……」

心がざわつく。やっぱり男の子にこういうふうにされると断れない。
仁王立ちのままの善矩のペニスが口の中でどんどん大きくなるようだった。集中しよう、と眼を閉じる。

「ん……んふ……」

だが、頭の中によみがえるのは、善彦の言葉ばかりであった。
――弟が帰ってこない、母親が悲しんでいる――善矩は、そんな兄の気も知らず、母親の気も知らず、
今ここで夏菜子のフェラを楽しんでいる。
夏菜子自身が、善彦に対して操を立てる事ができないだけでなく、善彦とその家族を悲しませるようなことをしている。
そう思うと、集中できない。

「こっち見てよ、夏菜子」
「は、はい……」
上を向くと同時に、シャワーのお湯が降ってきた。
「んふ……んん……」
また一瞬目を閉じたが、善矩がシャワーを夏菜子の背中の方にずらすと、
水滴の向こうににやけた善矩の顔が浮かび上がってくる。

「んんん……んふぅ……ん」
ああ、自分は、この男の子に、無理矢理、こんなことをさせられてるんだ……
そう思ったほうが、よっぽど集中してフェラができることに夏菜子は気づいた。
頭の中から離れない善彦の声と顔を振り払うように、

「きもちいい?」
と尋ねると、
「気持ちいいよ、夏菜子」
と、優しい言葉が返ってくる。そうすると、夏菜子は安心する。
善矩が喜んでくれることが、夏菜子の頭の中でもやもやと、
しかし大きな声を発し続ける「善彦」を何処かに吹き飛ばす。

善彦に思いを寄せながら、弟の善矩と、今日もこうしてけもののように交わり、快楽をむさぼる。
いけないこととは分かっていても、それで恋しい善彦がどんどん遠のいていくことが分かっていても、
そのいけないことが、夏菜子の淫らな好奇心を刺激する。

どうして、こんな気持になるのか、全くわからなかったが、
とてもとても抗えないどきどき、わくわくとした心持ちになってしまう。
488名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:54:34.63 ID:9wBWMbJv
「今日も、最初はこのまま出しちゃっていい?」
善矩がそういうと、
「うん」
と一言口にして、目尻を思い切り下げて夏菜子はこの家の中に入って初めて満面の笑顔を見せた。
こうして、昨日と同じ空気が二人の間に生まれていった。

今日、一発目の精液を、夏菜子が昨日と同じように顔いっぱいに受け止めて、
その後も頑張ってもらわなければいけない善矩のペニスをいたわるように、
綺麗にお口でお掃除までするのは、その10分後のことだった。

その後も、最初のセックスの前のフェラと顔射は、善矩と夏菜子にとって、あいさつ代わりになるのだった。

**

「ねえ、そろそろ、帰らなきゃいけない時間じゃない?」
時計の短い針が夜10時を指そうとする頃、今日4回目のセックスを終えてすぐ、夏菜子はそう切り出した。

「ううん、もうこんな時間かぁ……ちょっと待って」
善矩は脱ぎ捨てた制服のポケットから携帯を取り出して、メールを確認して、
そのまま数秒間、指を動かしたと思うと

「よし、これでおっけ」
と言って、また夏菜子に抱きついてきた。

「あぁん、ななに?なにがオッケーなの?」
「うん、今日も友だちの家にとまるってメールした」
「ええ?それじゃ約束が違うじゃない」

「でも、もっといっぱいしたいし」
「だめだって、だめ、もう!帰らないと!」
「なんで?」

夏菜子は、善矩が、「どうして帰らなければならないのか」という質問をすると、
一瞬答えに詰まった。そして、まるで自ら泥沼に飛び込むように、

「お家の人が、お母さんが心配するでしょう」
と答えた。
489名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 21:56:56.70 ID:9wBWMbJv
「夏菜ちゃん、それ、ルール違反じゃん」
お母さんの話を女の子の家でするな、という、夏菜子が昨日善矩に諭した"ルール"を善矩は巧みに、
逆に利用して、議論の本質を逸らす。

「あっ、そうだ、忘れないうちに、夏菜子にプレゼントがあるんだ」

「えっ、プレゼント?」
「うん、これなんだけど、気に入ってくれるかな?」

善矩はそう言うと、携帯と反対側のポケットから、はがきほどの大きさの紙袋を取り出した。
「なあに?」
紙袋は渋谷のギャル系ショップのものだった。いくらくらいのものかわからないが、
形状からしてネックレスだろうと察することができた。紙袋に刻まれたしわから考えて、
また、今日は善矩は都心に足を伸ばしているはずがないので、
おそらくは何日か前に「振られた」という彼女に贈るはずのものだったのだろう。

夏菜子はすぐに気づいたがそんなことを口にはしなかった。

「開けてみてよ」

善矩はしきりに明けるように促す。プレゼントを受け取ってくれれば、
それが何かの意思表示になると思っているのだ。そこまで深く考えること無く、
夏菜子はとりあえず紙袋を開けて、左手から右手に滑らせて出して、中身を確認した。

「わぁ、ネックレスだぁ」
それは、金色のじゃらじゃらとしたチェーンの、青いハートのくっついたネックレスだった。
ギャル系のものなのはひと目でわかったので困惑したが、笑顔で取り繕う。

「つけてみてよ」
「うん、にあうかな?」
黒のショートボブの清楚系には、不釣り合いなものだった。金色の2ミリほどの太さがあるチェーンは、
裸の状態でつけると、胸の谷間まで伸びて、ちょうど乳房の膨らみが終わるところまで伸びて、
ハートが、まさに心臓のあたりにおさまった。

「似合うよ、かわいい。」
「ほんと?」

作り笑いである。

夏菜子は、善矩を振ったという元カノがどんな女の子なのか、わかったような気がして、すこし嫉妬した。
そして、本当に自分にこういうものが似合うと思っているのかどうか、訝しく思った。
490名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 22:01:46.87 ID:9wBWMbJv
「わあ、かわいいね」

鏡をのぞきこんだ瞬間、かなこの声のトーンが明らかに変わった。一瞬の隙を置いて、
まるでため息でも絞りだすように、しみじみとそんな言葉を発した。

手の届く場所においてあった手鏡で、夏菜子は自分の顔から胸を確認したのだった。

胸に去来したのは、ギャルとしての自分の姿、であった。
故郷の北の街での夏休みに、髪をまっきんきんに染めて、下品なギャルメイクで顔を飾って、
目には青いカラコンを入れた、あのころの自分の姿が見えたような気がした。

が、もちろん今の夏菜子はメイクひとつしない、すっぴんのままの、
自分では地味としか思えないショートボブの女の子で、よくよく見ると、鏡に写ったのも、
想像していた通りの自分であった。

「受け取ってくれるかな」
「うん、ありがとう」
夏菜子はネックレスをまいたまま、にっこりと微笑んだ。

「どういたしまして」
「うふふ」

善矩が目を閉じて、キスをせがんできた。夏菜子はそれに応じて、両手を善矩の首にまわした。
いけない、このままでは、善矩を家に返すタイミングを失ってしまう。
でも、本当はもう少し続けたい。だから、ちょっと微妙な言い回しで、善矩に尋ねた。

「もう……でも、本当に、帰らなくて大丈夫なの?あたし、知らないよ……?」
安物のネックレスでも、男の子からのプレゼントは嬉しいものであった。
おそらく元カノののために買ったものというのが、微妙ではあったが、
それでも、逆に考えれば今は自分のことを好きだと言ってくれているのだから、と前向きに捉えた。

「大丈夫だよ」
「本当に……責任取らないよ?」

肉欲に溺れた夏菜子は、いとも簡単に折れてしまう。
こうして、なし崩しに、今日もこの家に泊まって、飽きるまでセックスしてやろうという善矩の欲望は、
夏菜子を説得することに成功したのだった。
491名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 22:04:31.10 ID:9wBWMbJv
「大丈夫だって、兄貴がフォローしてくれるから」
「お兄さん、が……?」

「うん、いい兄貴だからね。昨日も母親をなだめてくれたみたいだし、
俺が帰ってこないのも別に気にしてなさそうだし、それにさぁ……」

「それに、なに?」
夏菜子の心に微かな怒りの火が灯った。

善矩の兄、善彦は、自分がこの家に遊びに来るはずの約束を破ってまで、
帰らぬもう一人の息子を待つ2人の母親をなだめたのだ。
それが、どんなに残念なことであるか知ろうともせずに、ただただ善彦に甘えて、
こうして女の子とセックスしまくる自分を、善矩はおかしいと思わないのだろうか?

「うん、それに、兄貴は兄貴で俺がいないほうが好き放題フィーバーできるっしょ」
「フィーバー?」

「はは、兄貴はさ、ほら理系くんだし、真面目君だからイメージないかもしれないけど、
夜は毎晩オナニーばっかりしてるからね。俺が隣の部屋にいないほうが、よっぽど兄貴も楽しめるんだよ。だからさ」

「だから、なに?」
「俺は俺で夏菜子とセックスする。兄貴はAVなり想像なりをおかずにオナニーしまくる。
これって、ウィンウィンじゃん?」

「そ、そうなの……?」
怒りで手が震えていた。

こんな男のために、夏菜子と善彦はせっかくうまくいきそうだったところを邪魔されたのかと思うと、
もう、どうしていいかわからなくなった。
だが、夏菜子が自分を抑えることができたのは、「このことを善彦に知られたくない」という思いがほんとうに強いからであった。

「そういうのを、フィーバーっていうの?」
「まあ、なんでもいいけどさ、とにかく兄貴には好き放題オナニーくらいさせてやらないとかわいそうすぎるだろ?」

夏菜子は言葉が出なかった。
ほんとうは、こんな男などほっぽり出して、今すぐ善彦に抱かれたかった。恋とはままならぬものである。
492名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 22:07:59.78 ID:9wBWMbJv
「善彦くん、お兄さん、ってそんなにオナニーするの?」
「うん、もう毎日。しかも2回も3回もしてるよ」
「へえ、AV?でするの?それとも妄想とか?」

根掘り葉掘り、善彦の性事情を聞き出したくなってしまう。

「なんか、エロ本とか、萌え漫画とかエロ漫画とかそういうのでシコってるんだよ。
あの年になって相手もいないで、情けないよ
ね」
「うん、そ、それは、確かに情けないね……」
適当に相槌を打つのが精一杯であった。夏菜子にとっては、AVやエロ本やエロ漫画といった、
2次元の創作物、もっといえば夏菜子以外の女を思い描いて、自ら慰めているという証言が、ショックだった。

「それじゃ、納得した?」
「う、うん。まあ」
夏菜子が生返事で答えると、善矩は布団をかぶって、夏菜子を押し倒し、胸に手を這わせてきた。

「あぁん、また始めるのぉ……?」
なにに納得したのか、夏菜子はまだ分かっていなかった。だが、とにかく、善矩が帰るつもりはなくて、
現にこうやってまた夏菜子に手を出してきた。もう、流されるように今日5回目のセックスになだれ込んでいった。

「ああぁん。もう……いやぁん」
自然と口元がほころび、感じていることが喘ぎ声でバレてしまえば、あとはもう逆らう余地もない。

いろいろな思いが交錯する中で、運命とは、残酷なものだと、夏菜子は思った。
今、こうして夏菜子のCカップの乳房を揉み、乳首を舐めようとする少年が、
何日か前に「振られた」という彼女と今でもうまくいっていれば、あるいはせめてあと何日か持たせてくれれば、
いや、昨日おとなしく家に帰っていれば、こうして夏菜子とけもののように肉欲に溺れていたのは、
善矩が「オナニーばかりしている」といってバカにした善彦の方だったかもしれないのである。

そのことを知りもしない善矩は、まるで自分がセックスの達人にでもなって、
夏菜子を奴隷にでもしたように振舞っている。善矩の言葉を信じるなら、善彦は家で、
夏菜子以外の女の裸や痴態をおかずに、オナニーしているかもしれない。

「あぁん……・!すごぉい……はぁん!」

善彦は善彦で、昨日、母親などに構わずにこの家に来れば、虚しく性欲を鎮めるためのオナニーなどではなく、
夏菜子を相手に童貞を捨てて、思う存分、セックスできたかもしれない。
もちろん、そんなことを考えながら喘ぎ声を上げていることを、善矩は知らない。

そう思うと、今度は目の前の少年が哀れになってくる。
この、昨日の夜から学校の時間を挟んで延々と続くけもののような行為は、そもそも夏菜子の、
善彦へのあてつけから始まったものなのだ。
そういう意味では、善矩だって、わがままな夏菜子の犠牲者なのかもしれない。
様々な、思いが夏菜子を苦しめようとする。そんな苦しみから、逃れるために、
夏菜子は目の前の男を相手に快楽を貪ることに集中しようとする。
493名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 22:11:22.97 ID:9wBWMbJv
故郷の北の街で、教えこまれたことの一つである。すべての苦しみから逃れるために、
現実から逃れるために、目の前の快楽を貪り、全身で男を愛する。

気づくと、おっぱいを揉まれていた夏菜子はその柔らかいおっぱいと、ぴんと立った乳首を、
今もらったばかりのネックレスごと、ぎゅっと押し付けるようにして善矩を左腕で抱きしめて、
舌をいっぱいに使ったいやらしいキスをしながら、善矩を半身に押し倒し、
お腹にまたがって、右手はまた大きくなりつつある肉棒を弄っている。

敏感な夏菜子のカラダは、こうして男の子と濃密な接触と摩擦を繰り返すだけでも、
ゆっくりと快楽を貪ることが出来る。

「夏菜子のおまんこ、また濡れてるな」

半身のカラダを布団に自ら倒して、キスしていた口を離すと、
善矩はお腹にまたがった夏菜子のアソコから愛液が滴るのを感じて、そんな言葉で夏菜子をいじめる。

「うん……よっちゃん、また、いっぱいいじってくれる……?」

潤んだ瞳で懇願されると、善矩もまた意気が上がる。

「うん、いいよ」
「あっ、あああん!!」
昨日、初めて夏菜子の女の子の部分に指を強引に入れた時から比べると、
格段にうまくなった指使いに夏菜子は感嘆と快楽の混じった喘ぎ声を隠せない。隠す必要もない。

「ここが気持ちいいんでしょ?」

「あぁん!はぁ……そう、やさしく、やさしくね、ひゃぁあんっ」
まだ10時を過ぎてもいない。
昨日なら最初のフェラをしていた時間だった。

まだまだ、若い二人がけもののようなセックスに燃えあがるのはこれから、という時間である。
しかも、聞けば善矩も明日は休みだという……こうして、既成事実が出来上がっていく。
こうなれば、恋愛に本来必要なはずの告白やデートといった大切なプロセスを経ずに、
夏菜子は善矩の彼女に、善矩は夏菜子の彼氏に、つまり2人がセックスのパートナーになってしまった、
という既成事実が完全に出来上がろうとしていた。
494名無しさん@ピンキー:2013/09/13(金) 22:16:37.49 ID:9wBWMbJv
自ら、彼氏でも何でもない男を、しかも3つも年下の、
本当に好きな男の弟を家に誘い入れるような女である夏菜子にふさわしい出来事という他はない。

夏菜子の淫乱ギャルライフはまだ始まって二日目、ようやく24時間を過ぎたところである。
淫乱なのはもう否定できなかったが、外見や雰囲気の話になると、まだ夏菜子はギャルでもなんでもない。

唯一、善矩からプレゼントされたネックレスだけが、今の夏菜子のギャルっぽい持ち物であった。
それすらも今は、お嬢様の美少女、という男が大好きな要素にむしろ磨きをかけているようですらあった。

夏菜子は、そのネックレスを、一晩中外そうとしなかった。
たとえ、もとは自分のために選んだものではなくても、
善矩が女の子である自分にプレゼントしてくれたものを身につけて、何度も何度もセックスすることで、
少しでも、善矩の好みの女の子になろうとした。いじらしい、女の子らしい一面を見せた。

夏菜子は、まだ、善彦を諦めきれず、それでいて善矩とのセックスが大好きになってしまった。
可憐なお嬢様のまま、毎日を過ごそうという思いと、ギャルとしての自分にまた戻りたいという思いもまた、心の中で
ぶつかり始めていた。夏菜子は、矛盾をいっぱい、いっぱい抱えていた。いっぱい矛盾を抱えながら、
目の前のセックスに熱中し、集中し、嵌り込んでいった。

「ああ、夏菜子、気持ちいいぃ、イクぞ、いくぞ!」
「ああん、もっと、もっとぉ、あああん!」


夏菜子が、男たちの欲望に翻弄され、また逆に男たちを翻弄し、
そのなかで一緒にギャルライフを送る友人を見つけて、一人前のギャルとなっていくのはこれからのお楽しみである。
495こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/13(金) 22:19:42.77 ID:9wBWMbJv
作者です。今日はここまでにします。

他に透過される方がいないようでしたら、また近いうち、早ければ明日来ます。
それでは、感想その他なんでも、よろしくお願いします。
496名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 00:16:23.23 ID:CYg4bXAf
おつ
善彦が中高男子校で女子と全く縁がなかった俺に被って(´;ω;`)
497名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 08:07:11.77 ID:a8MsDpJM
毎度乙でございます
まじめな優等生がこんなに淫乱なんて、たまりません
一見不要な描写や説明もリアな状況を連想するためにはたまりません
最後に書いてあった、
「ギャルライフを送る友人を見つけて、一人前のギャルとなっていくのはこれからのお楽しみである」
ものすごく気になります
早めに投下していただけるとうれしいです、待っています
498名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 08:40:49.97 ID:hsyhowHI
やはり、お前の目の間で憧れてた優等生を堕落させてやる、お前はそれを
指をくわえて見てろ、という話が見たい
499こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/14(土) 11:37:22.73 ID:JoG/IYG7
作者です。
感想どうもありがとうございます。

>>496
善彦、いいでしょう。わりとこのキャラクターには自信があります。本来必要のない人物なんですけど
今は善彦主人公説もちょっと出てきてます(笑)
>>497
かつて中学時代の善彦がそうであったように、今は夏菜子のストーリーにおいてはバイプレーヤーに過ぎない
人たちが、これから、善彦のように、夏菜子の人生に大きく関わってきたりします。
お嬢様だった夏菜子がドロドロしたギャルの人間関係でどう立ち振る舞うか。
まあ、もう少し先の話です。根気よく待っててください。
>>498
これ、「夏菜子」とは関係ないのかもしれないですけど、
善彦は、指をくわえて見てるどころか、自分が指をくわえていることにすら気づいていない、と僕は思ってます。
きっと沖に召していただける展開が近いうちに出てくるでしょう。

投下は、夜中に来ます。
500名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 18:08:20.02 ID:w+mz5Z8w
個人的には外見からケバ化してそこから内面が堕ちていくってのも見てみたい
といってもよく考えたらそういうシチュってどんなシチュだ?
501名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 23:44:32.65 ID:8Zu2bPV5
あー苛々するなー^
こんな愚図は糞まみれのビッチになるのが相応しい^
期待してるじゃん^
502こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/14(土) 23:50:14.51 ID:JoG/IYG7
「おはよう、夏菜ちゃん」
「お、おはよう。善彦くん」

10月に入ってから2週間が過ぎた。

相変わらず、平日の朝の地元の駅は善彦と夏菜子が「おはよう」と初々しい挨拶を交わす場であった。
毎朝15分から20分のあいだ、夏菜子と話すことが善彦にとって最高に幸せな時間であった。

「バイト、どう?もう慣れた?」
「うん、別に大したことしてるわけじゃないし、まあお役に立てるならって感じでがんばってるけど、
あんな感じでいいのかなぁ?」

「そんなこと俺に聞いてもわからないよ」
「そうだね。あはは」

幸せそうな、美少女と少年がそこにいた。
10月に入ってから、夏菜子は2つの顔を使い分けていた。

一つは、今までと変わらない、清楚なお嬢様で、優等生で、美少女の石田夏菜子、である。
朝、家を出る時に、ノーメイクながらもきっちりと制服を着込んで、ショートボブだった髪が少し伸びたので、
この連休明けから、髪を後ろでむすんで、横髪を風に流す。
美しさよりも可愛らしさが前面に出る、可憐そのものの少女の姿であった。
女子高生としての最後の日々を惜しむような少女らしい、夏菜子の姿である。

自動車学校も順調に進んでいたし、塾のチューターのバイトも始めた。
そういう、外での用事を全て済まし、家に帰る頃から、もう一つの顔が現れる。

言うまでもない、淫乱ギャル女子高生の石田夏菜子、である。

実家一人暮らしを続ける夏菜子のもとに、朝なり夕なり夜なり、と時間を見つけては通い詰める男がいた。
平日の朝、毎朝通学電車でのデートを重ねて、プラトニックな関係を続けている高瀬善彦の弟、善矩である。

10月1日、金曜日の夜に、善矩が2日連続で夏菜子の家に泊まって、
何度も何度もセックスしたことまではすでに述べたが、その後も関係は続いていた。

夏休みに北の街で過ごした頃は、そんな記録を取らなかったが、
善矩とセックスをする関係になってからは、手帳に暗号のような書き方で、
エッチなことをした回数を記録するようになった。

セックスの回数と、セックス以外で善矩が射精した回数が分けて記されていて、その記録を真に受けるなら、
503名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 23:53:06.08 ID:JoG/IYG7
9月30日(木)夜(10月1日の朝まで、以下同じように翌日の朝まで) セックス5回 その他3回
10月1日(金)夜 セックス8回、その他2回
10月2日(土)昼 セックス2回
10月4日(月)朝 その他1回 セックス1回
同日夜 セックス2回
10月5日(火)朝 その他1回
10月6日(水)朝 セックス1回 その他1回
同日 夜 セックス7回 その他2回
10月7日(木)夜 セックス2回 その他1回
10月8日(金)朝 その他2回
同日夜 その他6回
10月9日(土)昼 その他5回
10月10日(日)昼 その他3回
10月11日(月・祝)昼 その他 8回
10月12日(火)朝 その他1回 
同日夜 その他2回
10月13日(水)朝 その他2回
同日夜 セックス9回 その他4回
10月14日(木)夜 セックス2回 その他1回


生々しい記録であるが、こんな感じである。
この数字の中には、それなりのストーリーが隠されている。
朝、というのは家を早出した善矩が、通学路をほんのちょっとだけそれたところにある夏菜子の家に寄って、
「朝のあいさつ」を交わすかわりにフェラ抜きで一発、時間があって気分が盛り上がれば、セックス、という意味である。

途中、10月8日からの3連休を挟んだ10月12日までの5日間は、セックスがない。
これは、夏菜子が生理だったことを示している。

生理が収まった10月13日には、泊りがけでそれまでの記録を塗り替える回数のセックスをした。
また、夜会ったときには、最初に必ずフェラ抜きで顔射、というのが決まり事になっていた。
504名無しさん@ピンキー:2013/09/14(土) 23:58:30.03 ID:JoG/IYG7
今日は10月15日、金曜日である。まだ手帳の記録にはないが、
朝、起き抜けに現れた善矩にフェラ抜きを一発、その後セックスを一回こなしていた。

つまり、善矩と会って、初めて家にあげて、泊まらせて、何度も何度もけもののようにセックスした日から、
平日は、ほとんど毎日、朝のフェラだけは欠かしていなかったのである。
それは、ほとんど毎朝、同じ家で同じ朝食を食べて家を出てくる弟・善矩に、
朝っぱらからフェラで一発抜いたその口で、清楚な優等生を装って兄・善彦に「おはよう」と、
可愛らしくあいさつをしていた、ということを意味する。

10月7日の木曜日だけ、朝のフェラがない。
これは、善矩が家をでるのが遅れて、夏菜子は不機嫌なまま家を出た日である。
ギリギリまで待ったので、善彦と乗り合わせる時間にもギリギリになった。
夏菜子は機嫌を損ね、その日の夜、泊まるつもりでやってきた善矩は、9時前にさっさと返された。

10月8日は、そんなことの後の日なのだが、生理が始まってしまった。
生理が来たせいでセックスが出来ないので、なのにその前日たっぷりセックスさせなかったその罪悪感からか、
泊まりに来た善矩に徹底的に「「その他」のことで善矩に「ご奉仕」した。

コスプレや、言葉責め、かなり激しいフェラもその日からするようになった。

そして、この数字には現れないこともある。

生理が始まってから、北の街から持ち帰った荷物の中に封印されていた、ギャルグッズを、
身に着けて、エッチなこと、「その他」をするようになった。
生理中、セックスできない夏菜子は髪こそ染めることはできなかったが、家の中でカラコンをつけたり、
エクステをつけたり、下品なギャルメイクに顔を施してみたり、と様々なバリエーションをつけて、
「セックスできない期間」を、楽しく過ごそうと努力した。
夏菜子自身の姿を変えることで、善矩に飽きられないように努力した。

特に、11日の祝日には、何度もお色直しをして、善矩の好みのメイクや服装を探った。
それなりに、善矩の好みがわかってきた。

毎朝、家を出る時には、清楚な優等生。
高校、バイトや自動車学校からの帰り道に100円ショップやドラッグストアに寄った時から、
淫乱ギャル女子高生夏菜子に変身する。
505名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:01:33.29 ID:JoG/IYG7
善矩は、この時期中等部の部活もなく、そして中学生とはいえ、驚くほどの絶倫であった。
それは、たんなる偶然である。何度射精しても、すぐに回復するし、最初に比べれば精液は薄くはなるが、
何度イっても、平気なようだった。

セックスの技量も、あらゆる方向で驚くべき早さで上達していた。
それは、おそらく、夏菜子も一緒である。2人とも、セックスの才能に恵まれていたのだろう。

「それじゃあ、またね」
朝8時過ぎ、渋谷につくと、今日も善彦との別れの時がやってくる。
それは、夏菜子にとって1日でもっとも切ない時間だった。

善彦も、善矩も、夏菜子に正式な告白も、付き合う申し込みもしていなかった。
夏菜子も、どちらにも正式な声をかけていなかった。
今でも、一番恋しいのは、善彦の方であった。毎朝、善彦と会った時と善矩に合う時とでは、
胸の高鳴り具合も、幸福度も段違いであった。

好きな相手とセックスをする。そうではない相手とはしない。
それは、男でも女でも基本的に変わらないはずである。

だが、男と女ではすこし、微細な心境の部分で違いがあるようである。

一番大好きな善彦には、もし自分をさらけ出しても、拒絶され、愛されなかったらと思うと怖くて仕方がなかった。
もし、善彦が告白してくれて、求めてきたら、その日のうちにでも10回でも20回でもセックスしてもいい。
だが、自分から求めることはできなかった。

善矩は、善彦と比べれば、べつに嫌われても構わない相手であった。
だから、身を引かれることを恐れずに、飽きるまでフェラもするし、セックスもする。
一番ではない男の前で、どんなに乱れても、どんなに堕落しても、そんなことはどうでもいいのだった。
一番大好きな善彦の前で、今までどおりの清楚な、優等生の、可憐な美少女であることができれば、
夏菜子的にはそれでなにも問題がないのである。

でも、もし、善矩が自分にはっきりと告白して、彼女になってくれと言ったら……
きっとその時には善彦と善矩の順番が変わっただろう。善矩を一番好きになってしまっただろう。
それがない以上、夏菜子は、自分の女としての魅力、実力を最大限に駆使して、
両方との関係を保つことしかできなかった。
506名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:04:56.82 ID:5T0oFFdE
一方で、このことを善彦が知ったら、善矩が知ったらと思うと、どうなるか、想像がつかないほど恐ろしかった。
善彦を裏切っているとか、もてあそんでいるとか、そういう感覚、意識は夏菜子にはまるでない。
むしろ、なんとかチャンスを見つけて、兄の善彦のほうと付き合いたい、
というのが夏菜子の偽らざる本音であった。

「ねえ、夏菜ちゃん!」
この機会を逃せば、また週明けまで待たなければならない。
金曜日の朝、耐え切れなくなった善彦は、ついに、行動に出た。

「あ、あのさぁ、この前は、ごめん」
「この前って、なに?」

夏菜子はきゅんきゅんと胸が鳴るのを必死で抑えて、
目を血走らせて必死に何かを訴えようとする少年のまえで、
優等生モードの時には、いつもきっちりと閉まっている口を半開きにするくらい驚いて、言葉の意味を確かめる。

「あの、9月30日だっけ……2週間前の……」
「あぁ、うん、こっちこそ。あのときはとつぜん、ごめん」
取り返しの付かない過ちを夏菜子が犯してしまった日のことである。
両親がアメリカに旅立ち、自宅での一人暮らしが始まった夏菜子は、夕飯に善彦を誘った。

待ち合わせの時間の30分前に、善彦は「家の事情」とだけ告げて、その約束を断った。
その後、どうして高瀬善矩と夏菜子が、そういう関係になったのかは、すでに描いたとおりである。

「あの、それで、お詫びに……今更だけど……」
「えっ?」
「その、映画でも見に行かないかな、って、思って……」
507名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:07:01.90 ID:5T0oFFdE
夏菜子は、どれだけ善矩と激しく求め合っても、経験することができないほど心臓の鼓動が早くなり、心が空を飛び回るような、幸福を感じた。だが、自分のしていることがしていることだけに
「う、うん、いいよ……」
と、少し引いたような答えしかできなかった。
「それで、いつならいいかな?」
「え、えっと、あの、今日は自動車学校は学科だけだから、今日でもいいし……週末でもいいし、でも、来週でも、いいし……」
「じゃあ、今日でいいの?」
「う、うん。えっと、楽しみにしてる。今日の、何時くらいかな?なに見るの?」
「じゃあ、今日の放課後、渋谷でいいかな?なに見るかは、その時の夏菜ちゃんの気分にまかせるよ」
「ああ、わかった。うん。いいよ。えっと、あたしは4時には間に合うけど……」
「じゃあ、4時に、ええと、夏菜ちゃんの学校から来ると……ハチ公前かもやいあたりとかがいいかな」

「えっ、このいつもの改札口でいいじゃん」
しばしの間、固まったような夏菜子であったが、
待ち合わせを無理に渋谷らしい場所にしようとする善彦が可愛くて、思わず笑ってしまった。

「えっ、いいの?結構遠いでしょ」
「いいんだよ。だって、そのほうがわかりやすいじゃない」

渋谷での乗り換えは、善彦はほとんど直結だったが、
夏菜子の方は3分ほど歩いて地下鉄のホームまで行かなければならない。
朝、混雑していると5分ほど見ることもある。その「距離」について善彦は気を使ったことが、よくわかっていた。

「そ、そうだね」
「そうだよ、だいたい、何のために、それ、持ってるの?」
夏菜子は善彦が手にした携帯電話を指さした。

柔らかな空気と笑いが2人を包んだ。それが、善彦と夏菜子の、初めてのデートが決まった瞬間であった。

夏菜子も、そして何も知らない善彦はもちろんのこと、
2人が放課後までの1日を、どんな心持ちで、どれだけうきうきとした気持ちで過ごしたかは
あえて書くまでもないようなことであろう。
508名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:12:18.30 ID:5T0oFFdE
物語の展開としては、あの9月30日から、今日に至るまで善彦がどのような毎日を過ごしていたかを、
振り返っておくほうが、よほど重要であろう。

先に、9月30日に善彦が夏菜子との約束をドタキャンした理由については述べた。
その日、善彦は結局帰らなかった弟・善矩に対してやり場のない怒りを抱えた母親をなだめるのに苦心した。
次の日も、善矩は夏菜子の家に泊まり、土曜日の昼過ぎに帰ってきた。
それまで、善矩のことそのものを心配するというより、母をなだめるのが大変であった。

母親のお説教の後、善矩にフォローを入れたのは善彦であった。
善彦は、その時初めて、善矩が「女の家に泊まってきた」ことを聞かされた。
口止めされていたから、相手が夏菜子であることは言わなかったし、
善彦にひどく迷惑をかけたことがわかったから、
それ以上のこと、ようするに「兄貴の同級生とやりまくった」などということを口にすることはなかった。

善彦も、その相手は善矩の一つ年下か、同級生だっかたの彼女だと、暗黙のうちに信じた。

その後も、そんな事情を知る善彦は、善矩の帰りが遅くなるたびに、外泊する度に、母をなだめ続けた。
弟思いの、弟の遊びたいざかりに理解のある、いい兄だった。

最近、母の機嫌が少し落ち着いてきた。
相変わらず、善矩はあまり家によりつかなかったが、
善彦が、「子どもは、みんなが同じように育つというわけじゃない」と、母に再三諭した。
そうやって弟・善矩を擁護してきたのである。そのことで少しだけ状況を緩和することができた。

だから、思い切って、9月30日のお詫びを、と夏菜子に申し出たのである。

だが、その先の見通しは複雑であった。
この状況で、善彦にも、彼女……善矩が、今いるという彼女とうまくいったとしても、
高瀬の家庭は、母親は、そのことをどう見るだろうか、どうなってしまうだろう、と思うと、気が重い。

それも、善彦すら善矩の相手を知らないのに、それが誰なのかを知らないのに、
善彦にもどこかに彼女ができたなどということになったら、と思えばなおのこと、親の反応は悩みの種であった。

それに、もっともっと複雑な感情があった。

男の子というものは、第二次性徴が始まって、その言葉の意味を知った瞬間から、
自分が童貞であることにコンプレックスを抱えて生きなければいけない生き物である。

まれに、そのコンプレックスを抱える瞬間がほとんどない男の子もいる。
が、ほとんどの男の子は、数年単位でその問題と心の中で戦うのである。
509名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:18:11.60 ID:5T0oFFdE
今、3つも年下の弟、善矩が女の子と付き合っていて、泊まってきたりもしている。
ということは、自分よりも先に童貞を捨てたことが確実である、ということだ。

言うまでもなく、弟が女の子とセックスしているのに兄たる自分が毎日オナニー、というのは屈辱的なことである。

そうなると善彦には焦りもある。正直に言えば、そのコンプレックスの解消は、
夏菜子との仲がうまく運ぶかどうか、にかかっていた。

だが、この優等生で清楚なお嬢様の夏菜子が、そんな展開を承諾するか、とかんがえると、
まだ何年も何年も童貞というコンプレックスを抱えて生きなければ、何も報われないのではないか、
という思いは強くあった。

それでも彼女ができれば、それもこれほど最上級の彼女ができれば、そんなことはどうでもいいのかもしれない。
善彦は夏菜子が大好きだったし、もし、結婚まで何年も、プラトニックを貫くことを要求されても、
夏菜子とうまくいくなら、それでいい、と覚悟はしていた。

そして実際に大きなチャンスを掴むことが出来るところまで来ている。
善彦は知らないが、童貞のコンプレックスは、告白さえできればその日のうちに粉々に破壊されるだろう。

そんな、正直な思いを、善彦が夏菜子に話すことができていたら……
夏菜子の人生も大きく変わっていたはず、である。

2人の初デートは、善彦にとって初めての女の子とのデートであり、実は夏菜子にとっても、
男の子とふたりきりで街を歩き、映画を見て、その後夕食、という普通のデートは初めての体験だった。

映画は高校生料金だし、夕食はチェーンのパスタ屋だったが、
善彦が「お詫び」としてお金を払ってくれた。それもまた、嬉しい事であった。

2人でいるだけで楽しくて、4時に待ち合わせだったのが、あっという間に9時近くになっていた。
510名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:24:29.77 ID:5T0oFFdE
「夏菜ちゃん、家まで送っていくよ」
いつもとは反対方向、帰り道も一緒の電車だった。ただ、駅からの方向が反対である。
「ええっ?う、うん」

夏菜子は一瞬ためらった。悪いよ、といったが、そんなことないよ、と返された。

結局、善彦は極めて紳士的に振る舞って、夏菜子を家の前まで送り届けると、
楽しい気持ちを胸いっぱいにしたまま、帰っていった。

ほんの少しだけ、気にかかることがあった。
それまでとても楽しそうで、切なそうな目つきでじっと善彦の眼を見て話していた夏菜子が、
地元の駅の北口に降りた時から、人の目を気にするかのようにあちらこちらを見たり、
なにかよそよそしい態度をとるようになった。

一瞬悪い予感が善彦の頭をよぎったが、夏菜子に限って、そんなことはありえない、考えるだけ意味が無い、
とすぐに思い直した。

考えてみれば、善彦は夏菜子に彼氏がいるかどうか、確かめたことすらない。
だから、日頃の態度や行動から、信じるだけである。
それに、不安が頭をよぎっても、今は生まれて初めてのデートが、それなりに滞り無くすんだことが、
嬉しくてたまらない、善矩であった。

だが、真実を知っていれば、夏菜子が、どうして北口に降りた時からよそよそしくなったか、理由は言うまでもない。

夏菜子が最も恐れていた、二人でいるところに善矩と鉢合わせになるようなことは、なかった。
夏菜子もまた、楽しい気持ちを胸にいっぱい抱えたまま、家の中に入っていった。

「今日は楽しかった。ありがとう、また、あってくれるかな?」

という内容のメールに

「あたしも楽しかった。今度は、〇〇の映画も、見たいな」
と次をはっきりと意識させるようなメールを返した。そろそろ、善彦は、家につく頃である。

「おやすみ」
「おやすみ」

というものまで、何通かのメールをやりとりした。


夏菜子は、通学かばんを自分の部屋に置いて、一階に降りて、リビングの端っこにたたんであった布団を敷いて、
収納から女の子らしい、ピンク色のシーツを取り出した。

その時、玄関のベルが鳴った。
511名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:28:33.72 ID:5T0oFFdE
「はい、あ、開けるから入って」
ドアカメラに映ったのは、善矩であった。


夏菜子は、罪の意識などまるでないように、すぐに善矩を家に上げる。
「いらっしゃい。ごめんね、遅くなって。今、お風呂入れるから、待ってて」
「いいよ、明日休みだし」

「うん、ねえ、善矩くん……」
「ん、なに?」
「今日ね、あたしね、超燃えたい。だから、覚悟しておいてね」
「お、おう……」

夏菜子があえて"燃える"と宣言した意味はわかったが、どうしてそんなふうな気持ちになったのかという背景は、
善矩にはわからなかった。

これも、夏菜子の過ごした今日1日のことを知っていれば何のことはない。
夏菜子は楽しいデートで胸をいっぱいにして帰って来た、
その一方で、プラトニックすぎる善彦とのデートで、溜まりに溜まった欲情を、
全部、善矩に対して吐き出そう、ということである。

夏菜子の中で、恋愛とセックスは完全に分離してしまっていた。
恋愛は善彦と、セックスは善矩と……そういう自分勝手な切り分け、自分中心の世界に生きていた。

「いっぱいいっぱい、今日もエッチしようね」
「う、うん」

今の石田夏菜子は、そういう女の子である。
いくらその内面の悩みや、葛藤を作者が本編で説明し、擁護しようとしても、
実際の行動は、淫乱ギャルの中でも最もひどい部類のことをしている。
善彦がこのことを知った時にどういう感情に陥るのか……
そのことが全く想像できないという意味ではイノセントなのだが、罪はやはり深いだろう。

そのころ、一足先に家で風呂に入った、善彦は、すでに善矩が今日も外泊することを知っていた。
だから今日は両親、とくに母親とはなるべく口を利かないように、気を使う。

両親が眠ってくれれば、いつか善矩が指摘したように、オナニーし放題なのだから、
それはそれで今の善彦には悪いことではない。まだ彼は何も知らないし何も気づいていないのだから。

ましてや、それが誰であるかは分からないが、弟・善矩がしょっちゅう外泊するような状況と、
最愛の女の子、夏菜子とを結びつけるようなことは夢想さえできない。

善彦は身の回りにある情報をもっと注意して観察し、つなげてみるべきだったかもしれない。

事実、善矩が今日も外泊することを善彦に告げてきたのは、
映画の後、食事中に夏菜子がお手洗い、といって席を立ち、戻ってきた直後であった。
奇妙な偶然に彼が気づくのは、いつなのだろうか?あるいは、気づくことはないのであろうか?
512名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:30:29.87 ID:5T0oFFdE
「さあ、おっきくなあれ」
服の上から善矩のアソコをまさぐって、いつもの習慣どおり、
最初のフェラ抜きから顔射――精液まみれの顔と、2人の1日の汗をお風呂場で流してから、
何度も何度もセックスするための儀式――を夏菜子と善矩は始めようとしている。

夏菜子は、制服を上だけ脱いで、ブラジャーとスカートとソックスだけになる。

最初の頃は、お風呂場で、だったが、最近は先にリビングでフェラ抜きをして、
顔を汚したまま、シャワーとお風呂、というふうな流れが多くなっていた。
上半身の服を脱ぐのは、そのまま顔射をうけること前提にしたことであった。

「んん、んふぅ……」
「ああ、気持ちいい……」

中学3年生の、若いペニスは、まだまだ成長途上である。
大きさや長さ、太さのこともあるが、この2週間で大きな変化があった。

毎日、最初にこうやってフェラチオで一発抜くところからはじまる善矩と夏菜子のエッチであるが、
最初のうちは、勃起した状態でもしっかり皮を被っていた善矩のペニスは、
いつの間にか、その日の始まりのフェラのために夏菜子の目の前に現れた時から、
亀頭がすべて露出する状態になるようになった。

「なんだか、よっくんのおちんちん、ちょっとおっきくなったね」
「ええ?大きくしたの、夏菜子だろ?」
「そうじゃなくて、あの、なんていうか、その基礎的なね、おっきさがね……」
「えっ、そうかなぁ?」
少なくとも、夏菜子は、善矩のサイズが静かにその数字を大きくしていることを、感じ取っているようであった。

わずか2週間で、本当に基礎的なサイズが大きくなったのかどうかはわからないが、
少なくとも"日本人の男の7割が"その状態であるとまことしやかに語られることの多い仮性包茎からは、
着実に抜け出しつつある。夏菜子と一晩中セックスしても、最初のうちは、
夏菜子の家を出る時には善矩は自分で皮を戻していたのだが、夏菜子の口と性器と手と、
そして全身とを使ったセックスで鍛えられた結果、徐々に、普段から剥いたままでも平気になってきていた。
513名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:33:07.31 ID:5T0oFFdE
「すっご、どんどん大きくなってるよ」
「んん……夏菜子ぉ……」

仮性包茎を脱すると、"拘束がなくなるから、成長が促進される"というようなことが本当にあるのかどうか、分からないが、ペニスの皮がすっかり向けた状態が常態になったことは、エッチ漬けの毎日の、大きな副産物の一つであった。

「ああ、もう、でる、出るよ!夏菜子!」
「いっぱい、いっぱいちょうだぁい!」
ぴくぴくと脈打って、急激に、1日溜め込んだ濃い精液がペニスを上り上がってくるのを感じると、
夏菜子は、肉棒を手で固定して、精液を顔いっぱいに受け止める。

男の子の匂い、善矩の匂いで鼻も口もいっぱいになる。時には目にまで入ってる。髪も汚れる。

その、男の子の欲望を吐き出した、液体の匂いも、ネバネバも、夏菜子は嫌いではなかった。

「うふふ、今日も、いっぱいでたね」
どちらかと言えば、善矩は早漏の傾向があっただろう。
それを回数でカバーすることができたからやはり絶倫であることに変わりはないのであるが、
長い夜の始まりの儀式は、いつもわりと呆気無く終わる。

「ほら、夏菜子、綺麗にしてよ」
「うん♪」
夏菜子は残る精液を手でこすって搾り取り、お口で肉棒の先まできれいにお掃除する。
すぐに風呂場に向かうのにそういうことをすることで、善矩の征服感はいつも満たされる。
次は、お風呂で顔も、カラダも洗って、一度きれいな顔になって、
その後は、すっぴんのままでも、清楚系のメイクでも、下品なギャルメイクでも、
善矩のお気の召すままに変身する。

「ああん、よっくぅん。ありがとー」
目を開けられない状態になった夏菜子の手を引いて、善矩は風呂場へと向かう。
自分の精液で汚した美少女の顔を拭き取りもせずに、洗面所で裸になり、風呂の扉を開ける。
夏菜子も追いかけるように、裸になって、顔にあびたスペルマを落とさないように、風呂場に入る。

「ああ、あったかぃ……あぁん、だめぇん」
善矩は、まずシャワーを手にとって、勢い良く夏菜子の顔にべっとりと着いたザーメンを弾き飛ばすように洗い落とす。
夏菜子は上を向いたまま、シャワーを浴びて気持よさそうに口を開いて、
口の中の精液もよだれに混ぜて外に出す。

朝、渋谷で善彦に誘いを受けた時と同じように、いや、もっとだらしなく大きく口が開いている。
善矩はそんないやらしい夏菜子の顔を見ると、射精したばかりなのにすぐに欲情して、
夏菜子の女の子の大事な部分を、慣れた手つきで、くにゅくにゅ、と弄る。

「あぁん、しゅご……ぉい……ひゃぁん!」
514名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:36:00.61 ID:5T0oFFdE
この2週間で変わったのは、善矩の仮性包茎が治ったことだけではない。
夏菜子の善矩を目の前にした時の口調は、全く別人のようになっていた。
最初のころは、いかにもお固いお嬢様が、恥じらいながらも幼い善矩をリードするように上から目線の言葉遣い、
口調だったのを、一晩かけて、デレデレな赤ちゃん言葉にまでほぐして言っていたのだが、
今は初めからデッレデレで、善矩がいきなり気まぐれで胸にしゃぶりついても

「あぁいやぁあん!もうぉ……ん、もう……元気になっちゃったのぉよっくぅん?」

と、だらしなくよがり声を上げる。

「うふぅん……好きぃ……よっくぅん」

アソコを攻められ、おっぱいを揉まれると、夏菜子はよれよれと善矩のカラダにしがみつく。
さっき射精したペニスが、もう膨れ上がってくるのを感じる。
それに、善矩のカラダが、この2週間で急速に男らしく、大人の男らしく、固く、
たくましくなってきたのをはっきりと感じていた。

「ほら、身体洗おうよ」
「うん。わかった」
善矩に促されると、夏菜子はいつもの様にボディソープを手にとって、胸の谷間で、泡立てる。
そして、全身を使って善矩の身体を洗う。これが結構な運動になる。

「ああ、夏菜子……最高だよ……」
「本当……?うれしぃ♪」
胸の谷間を使って足をこすっている時にそんなことを言われると、
夏菜子は上目遣いで首を傾げて、にっこりと微笑む。

「これも、すきでしょ?」

「ああ、すごい……好き……」

そう言うと今度は左手いっぱいに泡を持って、善矩のペニスをぎゅっと掴んで、前後に動かす。

「もう、こんなに大きくなっちゃった。かわいいね、よっくんのおちんちん……」
「あぁ、そんな、夏菜子……激しいよ……」
「うん?激しいの、嫌いなの……?」
夏菜子は口をすぼめて、ちょっと不満そうな表情を作って、意地悪く善矩に尋ねる。

「そうじゃないけど……ちょっ……」
「じゃあ、こっちとどっちがいい?」
「えっ?あ、あぁあ、ちょっと夏菜子ぉ!」
夏菜子は泡がついたままの、すっかり回復して天を指して立ち上がろうとする善矩の肉棒をぱっくりと口に含めると、
激しく首をビストン運動させた。
朝、家を出る時に風に流すように垂らした横髪が、濡れたまま首の動きから少し遅れて、揺れる。
ボディソープの苦味など気にしない。

フェラチオをする時、特に初めからフェラ抜きでイかせると決めている時には、
夏菜子は覚悟を決めている。自分の口は、性器であるからと割りきって、味や匂いなど気にしないと決めている。
515名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:38:56.17 ID:5T0oFFdE
「ああ、夏菜子ぉ……!」
問答無用で、夏菜子は善矩の弱いところを容赦なく攻め立てる。
あっという間に、善矩は今日二度目の絶頂を迎える。

「ああん、またぁ!」

せっかく洗った顔に、夏菜子は今日二度目の顔射を受けた。

「もう、よっくん、ちょっとは我慢しなさいよぉ」
「ご、ごめん、でも、夏菜子……」
「言い訳はしないの、次はもっと我慢してよね」
「うん、分かった……」

「うふふ、早く元気になあれ……」
夏菜子は、善矩のペニスが急速にしぼむのを見ると、
その先っちょの周りを右手の人差し指でくるくる、と回してみせた。

「なに、それ?」
「うん、おまじないだよ。よっくんのおちんちんがはやく元気になって、
おっきくなって、かたくなって、そんで夏菜子の中でいっぱいいっぱい暴れてくれますように、っておまじない」

「ええ、もう、するの?」
夏菜子の言動に、続けざまに射精した善矩は、ちょっとまいった、というような表情である。

「うん。洗ってあげるね。で、シャンプーして、それでお風呂上がって、お布団敷いたら、始めるの。できるよね」
「もう、まじかよぉ……」
「言ったでしょ、今日は覚悟しておいてね、って」

善矩のセックスの技量が急成長を遂げても、最終的にリードするのはやはり夏菜子のほうだった。
同じように成長を続ける夏菜子がちょっといたずらごころを見せて抑えこもうとすれば、
善矩はいとも簡単に屈服させられる。

要するに、2人は最高のセックスパートナーなのであった。プラトニックな関係の善彦と、
性欲にまみれきった善矩との関係……夏菜子のココロは、兄弟の間で揺れ動く。
三角関係、という言葉が当てはまるとすれば、この三角形は、あまりにいびつな形をしている。
前から見れば綺麗な正三角形なのかもしれないが、別の角度から見ると、
善彦の頂点だけがひどくするどい角度になっているようでもあり、
また別の角度から見ると、善矩と夏菜子の頂点はひどく離れているように見える。

夏菜子と善彦、善矩の三角関係が、どのようなきっかけで変わり、どのような過程で関係が破綻し、
また何が残るのか、まだ誰も知らない。秋の1日の長い夜はまだ始まったばかりだった。
516こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/15(日) 00:46:48.71 ID:5T0oFFdE
作者です。

>>501
感想ありがとうございます。どんどんイライラしてください。ご期待に添えるかどうかはわかりませんが
もっとイライラすることだけは間違いないと思います(笑)


さて、このスレもまた容量が限界に近くなってきました。
保管庫を作ると宣言された方もなかなかお忙しいようです。

そこで、ノクターンなりどこかのブログなり、外部に「夏菜子のなつ」からの夏菜子シリーズと
それから、隠すこともないと思うのでいいますけど、「親友」を加筆修正してアップしたいと思っています。

その後も、その2作品については、ここで落としてから、
スレが落ちたときに外部で更新、という風にしたいのですが

なにかおすすめや、あるいは異議がございますでしょうか?
このスレの皆さんの書き込みは、私の作品と関係なくてもものすごく参考になってたりするので
この件についても皆さんの意見を伺ってみたいです。

それはそうと、次もまた近いうちに来ます。今回は、執拗に行こうと思ってます。長々おつきあい下されば幸いです。

それではまた。
517名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 00:59:12.91 ID:fpWjYXZ7
おつかれさまですー
518名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 08:47:36.40 ID:n7oem2pe
ノクターンでの掲載賛成です。
過去作が読めなくて悶々としてました。
あちらは現在物でビッチ、寝取られは主流ではないけど
あらすじとジャンルタグさえ間違えなければ趣味の合った人
が読んでくれると思います。

では次の掲載楽しみにしています。
519名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 08:58:14.99 ID:rWBLAW60
>>516
うわぁ、今回も夏菜子のバカっぷりには腹が立つわ
続きも楽しみにしてます。
ノクターンでやるなら思い切って移行してしまってもよろしいのでは?
とりあえずここで見てる人もそれなりにいるだろうし
こっちは大規模規制もいつ始まるかわからないし、
使いにくかったら戻ってくればいいではないですか
520夏菜子のなつ:2013/09/15(日) 10:35:47.50 ID:5T0oFFdE
>>518
ご意見ありがとうございます。
落ちたスレのものを見たいという方がいれば、それだけでこちらとしては十分です。
ノクターンの主流はファンタジーの入ったものばかりで、ちょっと場違いな感じもしますが、
プロローグから手直しして、少しずつアップしてみようと思います。
あとはあらすじですね。

>>519
ありがとうございます。
移行するとなると、今までのぶんを一気に落とさないといけなくて、
それだと見直しが雑になるので、こっちと並行してやってみようと思います。
せっかくの台風なので、これからやってみます。

ということで、善は急げで。

「こころのすきま」のほうも、今夜また投下しようと思います。ノクターンのほうは基本的にアーカイブなので
こっちのスレの方もよろしくおねがいします。
521名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 13:47:08.31 ID:G8dgaQ/a
超乙!
応援してるぜよ
522名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 14:00:09.28 ID:n7oem2pe
早速の掲載お疲れ様です。
そしてありがとうございました。
今後も楽しみにしています。
523名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 23:01:31.54 ID:gYMx+Mn8
多分このスレ的には当然の如くご承知なんだろうけど
「零落令嬢」というのがよかった
524こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/15(日) 23:54:21.38 ID:5T0oFFdE
>>521
ありがとうございます。
>>522
さっそく見つけてもらってありがとうございます。今になって「夏菜子のなつ」を見ると、まるで伏線が回収できてない
ダメSSでした。となると伏線を削るかきちんと回収するかしないといけないので、そっちもゆっくり更新します。
明日も台風みたいなので、もうちょっと直してみます。

向こうでは「夏菜子のなつ」を通しタイトルにして、その第一篇としての「夏菜子のなつ」に副題を付けました。
それでいうと、今の「こころのすきま」は第二篇ということになるでしょう。
ということで、こっちはこっちで投下します。
525名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 23:57:14.38 ID:5T0oFFdE
「ああ、中間テストって、こんなにつかれるもんだったんだね」

10月も下旬も後半である。
夏菜子と善彦は相変わらず朝の通勤電車で、毎日20分のデートを楽しむ。他愛もない会話が多かった。

「えっ?あ、バイトのことかぁ」
「あ、そうそう。言わなきゃわかんなかったね。まああたしのほうはもうどうでもいけるからいいんだけど……」

指定校推薦で大学への進学を決めたのは、夏菜子も善彦も一緒である。
その当否は高3の1学期までで決まるので、10月の中間テストは、何の関係もない。
だから今更夏菜子が「中間テストって……」などと口走るのは一瞬の間を置かないとわからないことであった。

「公立中学の中間テストなんて、なんとなく授業聞いて、教科書見とけば何が出るかわかるに決まってんのに、
どうしてあんなに苦労してるんだろ、みんな」

「まあ、そりゃ、夏菜ちゃんと一緒にされたら……」
夏菜子はずっと優等生だったが、ようするに最低限のこと、授業と課題をきちんとこなす事ができれば、
いい成績など誰でも取れるという自信があった。
進学校の私立高校に行こうと思ったら、公立中学の授業だけでは不安だったので地元の塾に通った。
今、その縁で、チューターという名目でバイトを始めたのが10月である。

中身は、自習室での個別指導のようなことが大半だった。

「『何が出ると思いますか?』とか聞かれると、『知らないよ!』って思っちゃうけど、
そういうの、ほかの生徒のノートとか見てるとなんか予想できるようになるんだよね。
それで後からフォローしたりすると、いつの間にか時間が経っちゃって……」

それで家に帰るのが遅れて、起きることは「善矩の機嫌が悪くなる」ことなのだが、夏菜子は間一髪で言葉を飲み込んだ。
「そういえば、善彦の方は?」
「うん、こっちもようやくわかってきたよ」

彼が始めたバイトは、ファミレスのキッチン係であった。大手のチェーンなので、きっちり10時には帰れるし、
若いうちに経験しておくと後からいろいろと便利な種類の職種ではある。

「やっぱり、かわいい女の子とかいるの?」
「そ、っそんんな、そんなのいないよ。夏菜ちゃんと比べたらさぁ……」
「ふうん?ホントかなぁ……」
「ホントだよホント」
「ムキになるところが怪しいなぁ……」
526名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 23:59:58.92 ID:5T0oFFdE
夏菜子は笑いながら善彦を問い詰める。週一回、高校生らしい清く正しいデートを重ねること3回、
まだ告白も受けていないが、このぬるま湯のような関係が、心地よかった。
できることなら、その関係がずっと続くことを願った。

それこそ、大学に入れば、夏菜子と善彦が同じ電車にのる距離は増える。
大学生だから毎朝同じ電車というわけにはいかないかも知れないが、
それはさておき、やっぱり、ずっと善彦のことを好きでいたい、というのが夏菜子の願いであった。

「それじゃ、また明日ね」
「うん、バイバイ」

善彦は思う。恋なんて、ゆっくり育てていけばいい。急がなくてもゆっくりゆっくり育てていけばいい。
プランターに種を巻いて、花が咲くには時間が掛かるではないか。
その間、毎日水をやったり支え棒を立てたり、そういう、花を咲かせる地道な努力が必要なのだ。
この恋が花を咲かせるには、お嬢様で優等生の夏菜子と、理系で地味な自分の恋に花が咲くとしたら、
まいにちまいにち、、きちんと水を与えて、あせらずに育てる必要がある……

もちろん、勇気の持てない自分に対するいいわけである。
ぬるま湯の関係を続けたいのならばこのまま危うい賭けにでないほうが得策、という計算もある。
だが、その間にだれか他の男が近づいてきたら……

そんな恐怖はあったが、告白に賭ける勇気はやはりなかなか出なかった。
善彦は、夏菜子が誰のものでもなく、またずっと自分以外のものにならない、とこの頃無根拠に信じるようになっていた。
なにか不安が出てきても、必死で否定して、その不安を毎日のオナニーで吹き飛ばした。
ふつうの男の子であるから、一度オナニーをすれば一瞬、女の子のことなどどうでも良くなる。
もう18歳になったし、バイトの給料も入ったし、おかずに困ることはなくなった。

まだ、善彦にとっての「知らぬが仏」といえる状態が続いていた。

夏菜子との毎日の通学デートも、週一のデートも、まだ手すら握れない善彦ではあったが、夏菜子の顔を、
身体を間近で見て、そして匂いをかいでいると、ズボンの中でペニスが勃起しているのを隠さないといけないような状態になる。
家に帰って、ひとりきりの時間になれば、その溜め込んだ性欲を吐き出す作業は毎日必要だった。
527名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:02:17.97 ID:1dp8ExyZ
善彦も、夏菜子と同じだったのかもしれない。夏菜子との関係はプラトニックで、
性欲を処理する相手はもっぱら画面のなかのAV女優や二次元のキャラクター、萌え小説の登場人物であった。
皆、清楚で優等生でしっかりものの美少女である夏菜子からくらべれば、性欲に溺れきった、
オナニーのおかずになって当然の"バカ女"たちであった。
そういう"バカ女"と、人生のアイドルである夏菜子を、同じ女ではなく別のカテゴリーのものとして扱い、
信じたいという気持ちは……夏菜子が善彦ではなく、
弟善矩と毎日セックスしまくっている夏菜子の思考と通じるものがある。
ただ、性欲を処理する方法が違うだけである。

もし、善彦がそこまで達観することができたら、善彦と夏菜子がこのさきずっとうまくいくことも不可能ではないだろう。
問題は、高校3年生の善彦にそこまで、全てを許せるような寛容な心があるかどうか、
というよりそんなものを持ち合わせているはずがないことであった。



「あ、石田先生!センセの予想、すげえあたったよ!」
夏菜子がバイト先の進学塾、WK進学アカデミーにやってきたのは中間テストの終わったその日の
午後4時過ぎのことであった。すぐに、3人の女子生徒が駆け寄ってきた。

「あら、あたった?どんな感じだったの?」
「もう、マジびびって、国語なんかほとんど夏菜ちゃんのつくった問題そのままだったよ。
うち、ひょっとしたら100点かも!」

「数学も半分くらいそのままだったよね」
「ねえ、なんであんなに当たるの?水田や岩村に枕営業でもしてんじゃないの?」

3人の少女はくだけた言葉遣いで、興奮気味で、ちょっと失礼な言葉もはさみながら、
嬉しそうに夏菜子を囲んで話し続けた。

「いや、そんな……でも先生たちがなに考えてるかなんて、授業を聞いてればわかるんだよ?
また、相談に来てね」

「すげー。カッコイイ」
「さすがT女子学園……」
「さすがW大……」
「それじゃ、準備があるから、後でね」
528名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:05:00.40 ID:1dp8ExyZ
3人の少女は、どちらかと言えばギャル系の女の子たちであった。
公立中学でそんなに激しいギャルはできないし、塾に来るときにはまだおとなしめだが、
休日はギャルになって、3人連れ立って都心に向かう、仲間たちであった。
長い髪をポニーテールにしたリーダー格の君原さつき、167センチの長身スレンダー吉川まゆ、
それに小悪魔系を意識している笹井もえ、この3人の少女たちは、
この先、単なる塾の先生と生徒という関係を超えて、夏菜子の人生に関わるようになる。
ただ、まだもう少し先のことである。

夏菜子にとっては塾の生徒であるとともに、同じ中学の4つ後輩でもある。
後輩に慕われるのは、嬉しいものであった。

「がんばってるみたいね、夏菜子ちゃん」
「あっ、塾頭。いやぁ、あたしとしてはふつうのコトを教えただけのつもりだったんですけど、
あんなに感動されちゃって、いいのかなぁって」

「夏菜子ちゃんにはふつうのコトでも、あの子たちにはまるで魔法なのよ。
あとは、魔法を使うには努力が必要だってことをちゃんと教えてあげてね」

夏菜子が塾頭、とよんだのは渡辺香苗、36歳の女性である。

最近は、少子化が進み、私立学校も生き残りをかけて中高一貫教育の重視、
行ってみれば青田買いがはっきりとした傾向として、特に都会では顕著である。
それにともなって受験産業の主戦場は高校・大学から中学・大学へと移行していた。
大手の塾などは、ほぼ中学受験が中心であり、高校受験はおまけになりつつあった。

5年前、都内の私立高校の教員を個人的な事情でやめた渡辺香苗は、
いわばぽっかりと穴の開いた「高校受験」という市場を狙って、
このあたりに「高校受験専門 WK進学アカデミー」を開講した。

夏菜子は2年生の途中からその塾に通い出した。まだ弱小だった香苗は、夏菜子の父親、
石田高の大学での教え子であり、高も香苗になら娘を預けても良いと考えた。
夏菜子が香苗の塾に通うようになった経緯は、そんな感じである。

実質的に最初にこの塾から高校受験をした、夏菜子たちの世代が、
弱小の個人経営の塾としては出色の実績を残したので、一気に「WK進学アカデミー」の名声が高まった。

今は、場所も駅から近くになり、生徒数もおどろくほど増えた。
当初は個人指導と授業方式の中間のような雰囲気であったが、生徒数が増えるに従って、
丁寧な個人指導が難しくなってきた。そこで、香苗は夏菜子たちの世代が大学に入るのを待ちわびていた。
指定校推薦で夏菜子が進学先を決めたことを聞くと、すぐに声をかけた。
529名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:08:14.06 ID:1dp8ExyZ
香苗はそういう経緯で、夏菜子には全幅の信頼を置いていたのだが、
この塾が大きくなる過程で入ってきた他の講師たちは、必ずしもそういうわけではない。

「塾頭はああおっしゃってるけど、子どもたちにあんまり楽することを教えないほうがいいと私は思いますよ。
勉強なんかしなくても、石田先生みたいな高校に入って、大学に行けると思われたら、
生徒たちにとって損にしかなりませんからね」
「あ、そうかもしれませんね……すみません」
「まあ、いろいろ気をつけてくださいね」

嫌味を言ってきたのは、吉田辰弘という40代のベテランであった。
大きくなった塾で、自分が通っていた頃のような指導をすれば、いろいろと反感を買うかもしれない、
とは香苗にいわれていたが、同時に「気にするな」とも言われていた。なので、
吉田の言葉は、聞き流すことにした。

「とくに、あの3人は、特に成績がいいというわけでもないし、特別扱いなんかしてもいいことなんか何もありませんよ。
まあ生徒に目をかけるときは、誰に目をかけるか選ぶんですね」

ふん、と夏菜子は思った。返事もしなかった。なんだろう、この大人は。成績のいい子の進学実績が全てなのか。
大切なことではあるかもしれないが、彼女たちをバカにしている。夏菜子が受け入れられるような態度ではなかった。

もっとも、夏菜子がそんなふうに感じていることは吉田にも分かっていた。
「まだまだ若いですね」
と言って、紙コップのコーヒーを持ったまま、教員室を出て行った。

「はぁ……」
人間関係は難しい。塾頭の香苗は香苗で、「古き良き」タイプの塾講師である吉田を高く評価していない。
ようするにこの塾の生徒が増えた時に、経験の多い講師が必要だったのである。
ある意味家庭的、個人的に過ぎたこの塾の雰囲気を、大人数に対応できるように変えてくれたことに貢献したのは確かだし、
感謝もしていたが、それがいいことだったのかどうかは、今でも疑問が残っていた。

つまり、最初の頃のWKアカデミーの空気を再現して欲しくて請われてこの塾にやってきた夏菜子と、
ベテランの吉田は、この塾にあっては初めから水と油なのであった。
夏菜子は、一人ため息をついて、持ち場に向かう。
自習室の一角にあるガラス戸で区切られたスペースが夏菜子の今日の持ち場である。
そこにいて、自習室の子どもたちの質問や相談を受けるのが、仕事であった。子どもたちと言っても、
夏菜子と3つ4つしか違わないのではあるが……
530名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:10:15.70 ID:1dp8ExyZ
時間が過ぎて、午後10時、夏菜子は高校生なので、この時間にはもう塾から帰らないとならない。
普段はもう少し遅くまでかかる仕事も、中間テストが終わったばかりの今日は皆がこの時間に帰ろうとしていた。
吉田は吉田でちょっとさっき言いすぎたと思ったのか、

そこで「どうですか、石田先生も、ご一緒しませんか?」と、講師たちの集まりに声をかけてきた、が、
「あ、すみません。また、今度誘ってください」
と剣もほろろに夏菜子に断られた。

「石田さんを酒場に誘わないでくださいよ。あたしが許しませんよ」
と塾頭が加勢してくれた。それで、あまりにはっきり断りすぎた、と夏菜子にも分かった。
夏菜子はすこしバツが悪そうに

そ、それじゃすみません。また今度、ということで。ごめんなさい」
と言うと、さっさと荷物をまとめて教員室を後にした。

夏菜子が帰りを急ぐ理由を、改めて説明する必要は無いだろう。
アカデミーを出て、一つ角を曲がると、いそいそと携帯を取り出して、電話をかけた。
「あっ、よっくん?うん、おわった。ああ、うん。今すぐに帰るからいつもどおりによろしくね」

今日中間テストが開けたのは、地元の公立中学もそうだし、O大学附属中に通う、
大学までエスカレーターの善矩も同じであった。高等部への進学が決まる大事なテストなので、
週末を挟んで4日間ほど、善矩は夏菜子との「夜の部」のセックスを我慢して勉強した。

今日は、久しぶりの、お泊りである。
「えっと、そうだそうだ、買い物しなきゃ」
洗顔フォームと食洗機要洗剤、それにコンドームが足りなそうだったので、夏菜子はドラッグストアに寄った。
周りの目は気にしたが、コンドームを2箱も買うことにも、そろそろ慣れ始めた。

家から100メートルと離れていない公園に、善矩は待っていた。
「よっくん、ただいま!」
「夏菜子、お帰り」
周りに人目がないのを確認して、夏菜子は善矩の胸に飛び込む。
「夏菜子、俺、もう我慢できないよぉ」
善矩はもう勃起している股間に夏菜子の手を持ってくる。
「もう、、だめぇ。ちゃんとおうちでね。それじゃ電話するね」
「わかった。じゃあ早くしてね」
531名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:12:12.80 ID:1dp8ExyZ
ここで一度、夏菜子と善矩は枝分かれする。

さすがに、両親がアメリカに行っている間、毎日のように男を連れ込むことが近所に知れ渡ってはまずい。だから、よっぽど人目がない時以外は、一緒に家に入ったり、堂々と玄関から善矩を上げたりということを避けるようになった。
これが、結構スリルがあって楽しいのだ。

「うん、こっちも誰もとおってない。勝手口開けておくから、よろしくね」
住宅街の一角にある夏菜子の家に、夏菜子はまっすぐ帰り、善矩は一本向こうの道から遠回りして、
逆方向から夏菜子の家を目指す。

「あっ、見えた。大丈夫そうだね。あっ、ごめん反対から人が来た!」
夏菜子は玄関の前で立ち止まって、向こう側に善矩の姿を確認すると、自分が来た方をもう一度確認する。
「わかった。スピード緩めるから」
「うん、じゃあね」

夏菜子は玄関の鍵を開けて、家の中に入ると、荷物をその場において、勝手口の鍵を開ける。
善矩は自転車から降り、歩く速さをゆるめて、夏菜子の家の前で通行人とすれ違うと、誰にも見られないように、
闇の中に消える。今日は勝手口だが、もっと慎重なときは、庭の窓からということもある。
石田家の駐車場に停めてある車の陰に隠れて、自転車を止める。勝手口の鍵が、
カチャと音を立てるのを確認すると、さっとドアを開けて、中で待つ夏菜子と再会を果たす。

「うふふ、よっくん、いらっしゃい♪お風呂にする?なにか食べる?それとも……」
夏菜子はそう言うと、靴を持ったままの善矩を抱きしめて、自分から善矩の股間に手を這わせる。

薄暗い台所で、夏菜子は善矩の前に跪き、問答無用で善矩のベルトを外す。
「ねえ、これじゃ暗いよ。明るくしてよ」
「えっ……うん、わかった」
夏菜子は少し不満そうに立ち上がって、台所の照明をつけた。
「夏菜子、そんなに焦るなよ。夜は長いんだし」
「ええっ……?だってぇ……」
「だって、なんだよ、お風呂入れてからにしてよ。今日寒いしさ」
「うん、わかったよ……ごめん、そうだね、寒い中またせちゃったもんね」
532名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:14:04.15 ID:1dp8ExyZ
夏菜子はしぶしぶと風呂場に向かった。善矩は、夏菜子が落ち込むのを見ると少し後悔する。

「お布団、敷いてからにしよう」
夏菜子は気を取り直すために、まずは2人の"欲望の巣"を整えることから、
何回戦に及ぶかわからない今日の夜を始める。

「ええと、これと、これと」
何が必要か、夏菜子もだいぶ分かってきた。
クローゼットには、善矩用の寝巻き代わりのTシャツと短パン、トレーナーが何着か用意してある。
ウェットティッシュやヘアゴム、そしてさっき買ったコンドーム、飲みもの、
このリビングルームで一晩中エッチな事をするための用意をてきぱきとすすめる。

「あ、兄貴?うん、ごめん。今日?うん、帰らん。すまねえ。よろしく」
夏菜子は一瞬、心臓が止まりそうになる。
「うん、浩一の方にちゃんと断ってあるから。あとはよろしくお願い。まあ、明日はちゃんと帰るよ」

夏菜子が毎朝通学デートを重ねる相手、そして明日は放課後デートの予定の相手、
高瀬善彦は善矩の兄である。もちろん、善彦はまだ善矩と夏菜子の関係を知らないし、
善矩も、善彦と夏菜子が同級生だったということ以上は何も知らない。夏菜子から固く口止めされているから、
というのもあるが、夏菜子のことは善彦にも、誰にもはっきりとは話していなかった。

浩一、というのはアリバイづくりを頼んだ友達である。実際に問題が起きることなど今まで無いのは、
携帯電話の時代のありがたさであるが、それでもこうやって、兄・善彦が善矩の無事を確認したり、
母親をなだめてくれるから、善矩はこういうことが出来る。
善矩も、そして夏菜子も、善彦という人の、穏やかで優しく、
大切な人のために尽くす性格の恩恵を最大に受けていたのである。
533名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:16:22.17 ID:1dp8ExyZ
夏菜子は、電話で善矩が話してる相手が善彦であることを悟ると、そそくさと風呂場に向かった。
息を潜めて、絶対に自分の空気を善彦に悟らせないように、気配を消そうとする。
つまり、夏菜子も、善矩との関係が、善彦に対して申し訳のたたないものであることは分かっているのだ。
分かっていないのは、罪の大きさ、であった。

人間は嘘をつく生き物であるし、誰でも秘密を持っている。夏菜子や善矩だけではない。誰でも秘密を持っている。
善彦も同じである。善彦にしてみれば、おそらく、自分が毎日AVやエロ本やエロ漫画でオナニーしていることは、
夏菜子には絶対知られたくない"秘密"であったはずなのだ。
だが、その秘密はとっくに善矩によって夏菜子に明かされている。

善彦にも、他にも秘密があるだろうし、夏菜子についても、本編は夏菜子を中心に描かれているので、
読者の目には触れたことであっても善矩に明かせない秘密はいくらでもある。
善矩にも夏菜子には明かせない秘密がある。夏菜子、善彦、善矩の強烈な三角関係において、
そういう数々の秘密が、どういう順番で誰に対して明らかになるか……そして、秘密を知った者が、
どういう気持ちになり、どういう行動に出るか……また、最後まで隠し通せる秘密があったとして、
そのことが3人のなかで誰かを幸せにするか……

ある日、意外なところから、誰かの秘密が誰かに漏れて、それがきっかけになって、
ドミノ倒しで描く絵のように、今は見えないものが全部見えて、この三角関係の全体像がはっきりと現れる時が来る。
そういうことが起きる萌芽は、実はいたるところにあるのだが、その芽は夏菜子が隠したり、善矩が引っこ抜いたり、
善彦が気づかなかったり、今はまだそんな状態で大きな秘密は保たれたまま、なだけである。

だが、今日の夜はまだまだ、ただただ善彦は、善矩をどこか妬ましく思いながら、
いつかは最上級の美少女である夏菜子と……と思いながら創作物の女をおかずにオナニーし、
一方では善矩と夏菜子が快楽を求めて貪り合うだけである。

(この娘、口元が夏菜ちゃんに似てる……)
善彦が今日自分の部屋で見ているDVDは、美少女系のAV女優の、デビュー作であった。
「最高の美少女」「今しか見れない、恥じらい」などというまことしやかなキャッチフレーズのジャケットに惹かれて手を伸ばした。
実際に、肌の白い、長い髪の、誰からも好かれそうな美少女であった。
534名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:18:37.41 ID:1dp8ExyZ
(うわ、俺何考えてんだろ)
とはいえ、こんなものを見ている時に夏菜子のことを考えるなど、善彦の"ポリシー"に反する行為であった。
AV女優になるような女というのは、どんなに可愛く、どんなに純情そうでも、みなヤリマンで、貞操観念のない、
リアルの生活では善彦とは無縁の存在である。別世界の住人である。だが、かわいいものはかわいい。
なぜ、こんな娘がAVに、と思うような女の子、でも、大好きな夏菜子と同列に考えてはならない。

(胸は、小さいな)
善彦は、画面の中で、ギャル男風の、よく見るAV男優に手際よく服を脱がされるその少女を見て、
自分の好みとそうではないところを比較して、妄想する。その女の子を、このAV男優と同じように、
扱うことを妄想する。

「ああん!だめぇん!」
恥ずかしそうに、口で指をかみながら、女の子が喘ぎ声を上げる。集中しても、そんな恥ずかしそうなところを見ると、
妄想の中にどうしても「夏菜子」が介在してしまう。

(いけない)
そう思いながらも、明日は夏菜子とのデートであるし、どうしても夏菜子が頭から消えない。
初めて、デートをして以来、すこしずつ、夏菜子がリアルなセックスの相手として、現実に童貞を捧げる相手として、
善彦の心の中で存在感を増し始めていた。手の届かないと思い込んでいた優等生の美少女が、
手を伸ばせば届きそうなところにいる。その美少女とのセックスを、想像するなという方が、無理な話だろう。

(夏菜ちゃん、ごめん)
善彦は、心の中でそっと夏菜子に謝罪して、PCの画面の中の女の子を、夏菜子に擬制して、
そして夏菜子との初体験を夢想して、ぎんぎんになった自分のモノを、自分の手でこすり始める。

(あぁ、夏菜ちゃん……)
その女の子のAVでのはじめてのセックスは、恥じらいが全面に出ていて、
自分と夏菜子のはじめてのセックスに例えるのに、充分耐えるものだった。
ギャル男風男優のように、夏菜子を優しく扱って、
「きもちいい、すごい、きもちいい」
などと言わせるのは、妄想のなかでは善彦自身であるし、妄想の中の夏菜子にふさわしく、初めてのフェラも、
恥ずかしそうにする。初めての挿入のときにも
「入れるよ」
と、ギャル男風が言うと眼を丸くして
「うん」
と一言だけ答えて小さくうなずく。童貞の妄想する初体験、そのものである。
そして、AVでのその女の子の初セックスが、善彦の妄想の中では、
善彦と夏菜子の初セックスとして置き換えられて、夏菜子の中に入ったことを想像して、右手を上下に動かす。
535名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:20:43.92 ID:1dp8ExyZ
(ん、もう、ガマンしないでもいいか)
これは罪である。夏菜子に対して申し訳ない。想像の中とはいえ夏菜子を犯していることも、
夏菜子にセックスさせていることも、現実には夏菜子以外の女の子をおかずにしていることも、すべてが罪である。
だから、すぐにこんな時間を終わらせたかった。

(ん、いく!)
目の前が一瞬真っ白になって、善彦はトイレットペーパーめがけて発射する。
明日、夏菜子との3度めのデートを控えた善彦の夜の秘事はそれでおわりで、あとはネットで遊んでねるだけである。
とはいえ、明日のプランを練ったりしていると、あっという間に時間は過ぎていく。

一方、その同じ時刻、正確には日付が変わって40分ほど経った頃、夏菜子と善矩は、
いつものフェラ抜き顔射とお風呂での洗いっこ、リビングに戻ってテレビをつけたままだらだらと2回のセックスを終え、
その後、夏菜子のセックス中の言葉について、少し紛糾していた。

「うん、あぁあぁん、そこそこ、そこきもちいい……あはぁん!」
「イキそうか?夏菜子、イける?」
「うう……ぅん……わかんなぃ……激しいぃぃぃよおぉ……気持ちいいよおぉ……」
善矩は、夏菜子の、ねっとりと湿った女の子の部分に、2本の指を激しく、動かして、ピストン運動だけではなく、
指を折り曲げたりしながら、"指マン"を続けていた。事の発端は、5日前のことであった。

テスト勉強の合間を縫って、いつものフェラ抜き顔射と、一度だけのセックスのあと、
夏菜子が善矩に勉強を教えていた時のことである。

「夏菜子は、すっげえセックスもうまいし、頭もいいけど、感じてる時って、どのくらい気持ちよくなってんの?」

と、聞いてきたのである。もうちょっと遡ると、その2日前、善矩は「兄貴から拝借してきた」というAVを見ながら、
夏菜子とそのAVをの通りのエッチをする、というプレイをした。その時、である。

夏菜子は、本当なら「あぁ、いくぅ、いくぅぅ!」と絶頂に達するような言葉をはっしなければいけないところで、
「あぁん、きもちいい、きもちいいぃ!」
536名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:22:00.95 ID:1dp8ExyZ
と、いつもと同じ喘ぎ声を上げたのである。AV女優のせりふを改変したのである。
その時は特に話題にもならなかったのだが、5日前に、「どのくらい気持ちよくなってんの?」と聞かれた時には、夏菜子も思い当たるふしがあって
「うーん……すっごい気持ちよくなってるよ」
と、答えにならない答えを返してしまった。
その場はそれですんだが、その次のセックスの後に
「夏菜子は、イクぅ、とかイッちゃった、とか言わないよね」
と指摘された。
「なあに、それ。あたしにAV女優みたいに叫べって言ってんの?」
と目を吊り上げて、不満そうに口をすぼめたら、その時もそれで収まった。

だが、今日、一度目のセックス中に
「夏菜子、イキそう?」
とか、
「夏菜子、一緒にイこう!」
とか言われても、その言葉にはうんともすんとも反応せずに、ただいつものように喘ぎ続けた夏菜子に、善矩は不満を持った。
「夏菜子は、気持よさそうな顔して、すっげえいやらしい喘ぎ声出してるけど、俺のテクじゃイケないの?」

と真正面から切り込んできたのは、一度目のセックスが終わった直後だった。

「……あぁ……あのね……」
夏菜子は、その質問に、どうやって答えようかと迷って、ハダカのまま布団の上に正座を崩して、
肩を縮めて前かがみになって、申し訳なさそうに下を向いたまま
537名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:24:04.81 ID:1dp8ExyZ
「あたし、いく、ってよくわからないの。っていうか、いったことがないの」
「えっっ?」
意外な答えに善矩は驚いた。中学生男子の常識でいえば、セックスなんて、
イかなければ終わらないものだと思っていた。
それが、この1か月あまり、何十回も、おそらく百回以上セックスしてきて、
しかも全体で見て善矩が夏菜子のフェラや手コキなどでイッた数を含めるとそれよりも全然多い。
だが、その相手の夏菜子は、一度もイッたことがない、というのだ。拍子抜けというよりも、ショックであった。
自分を全否定されたような気分になった。

「ううん、ちがう、よっくん誤解してるよ、ちょっとそんなに落ち込まないで」
「ええ?どういうこと?俺とのセックスは全部演技だってこと?」
「ううん、そうじゃないの。あのね」
「どう違うの……?」
善矩は真顔で夏菜子を問い詰める。そうすると夏菜子は今更ながら恥ずかしくて、バツが悪くて、
「ああん、恥ずかしいよお、なんでそんなこと聞くかなぁ……言わせないでよ……
あのね、よっくんがいつも、おっきなおちんちんを夏菜子の中に入れて、ガンガン突いてくるのも、
それから、優しく夏菜子のおっぱいとか、おしりとか、それから、カラダ中、優しくなでてくれたり、もんでくれたり、
それから、指で夏菜子のココをかき回してくれたり、あとなめてくれたり、ぜんぶ、
すっごいすっごい気持ちいいんだよ」

「えっ、ココって、どこ?」
「やぁん……もう……」

夏菜子が申し訳無さそうな体制のまま目線と手で指し示した、閉じた股の中心を覗きこむようにして、
善矩は夏菜子の腰のあたりになだれ込んで、ゆっくりと押し倒そうとする。

「あぁん……そう、気持ちいいよ。そうやって、優しくなでてくれるのも、全部気持ちいいの……」
夏菜子はそれでこの話題をやめにして欲しかったのだが、善矩は許してくれなかった。
「でも、イッたことないの?」
「うん、もう……まだそれ聞くの?」
「だって、夏菜子が演技でアンアンあえいでるって分かっちゃったら、もうセックスなんかしないで、フェラだけしてもらうよ?」

善矩は、まだねっとりと濡れたままの夏菜子の大事な部分を、音を出してくにゅり、くにゅりと指でいじくりながら、
意地悪く夏菜子を問いただす。
538名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:25:49.81 ID:1dp8ExyZ
「ああん、もう……説明するから……怒らないで聞いてくれる?」
「うん、教えてよ」

「あのね、この前見たAVでもそうだったけど、ああん、もう、恥ずかしいけど、男の子と違って、女の子は、
なんていうか、明確に、エッチが終わるっていうことがないんだよね。あの、わかる?」

「うん、それはわかるよ」
「あぁん……でね、あの……エッチもそうだけど、あと、よっくんとこういう風になる前はオナニーもいっぱいしたことあるし、
それに、女の子どうしで、エッチについての話とかすることもあるんだけど……
この前のAVみたいにさ、なんか別の世界にいっちゃう、みたいなあたし、いく、っていう感覚になったことがなくて……い
つも、ああ、きもちよかったぁ、って思ってそれで終わりなの……
だから、なんていうか、演技で感じてるんじゃなくて……」

いつの間にか、夏菜子はイッたことがない、ということの説明ではなくて、
普段の善矩とのエッチが、いかに気持ちいいかということばかり説明するようになっていた。

「へえ、演技じゃないんだ、じゃあどういうこと?」
善矩は誘導に引っかかった。こうなると、夏菜子のペースである。

「うん、超気持ちいいから、いく、とか言えないの……いく、とか言ってほしい?」
こうなると、もう問い詰める構図が逆転ししまう。男を燃えさせることについては、夏菜子はやはり天才的だった。
「えっっ?それは、言わなくてもいいけど、じゃあ、あの」

「だから言ってるじゃない。よっくんとエッチなことするのは、みんな、全部、気持ちいいんだよ。もう……」
夏菜子は押し倒された体を起こして、そう言って善矩に突っかかると、半泣きというほどに目に涙をためたまま、
また下を向いて黙ってしまった。

あとは、恥ずかしそうにしてれば、男なんていくらでも優しくしてくれる。単純な生き物だ、
と夏菜子はどこかで思ったが、そういうことは言わない。

「イってみたい、とは思わないの?」
「ああ……そうだね。気持ちいいからいいかな、って思うけど、確かに、いく、っていうのがもっと気持ちいいんだったら、
いってみたい、って思うけど……」

それで、このトラブルは解決である。そして、いつもとちょっと違うエッチがその先に待っていることも、
もうわかりきったことだろう。
539名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 00:28:24.17 ID:1dp8ExyZ
「それじゃ、俺が頑張ってイかせるしか無いじゃん」
「……そうかな……あぁん……」
善矩が、再び強引に夏菜子の密林に手を伸ばす。夏菜子も抵抗しないので、すっ、と女の子の裂け目に指がたどり着く。
善矩はすぐにぬちょぬちょといやらしい音を立てて、徐々に指の動きを速めていった。

「そうだよ、俺が、夏菜子をイかせるようになるから、もっと、夏菜子の気持ちいいところ、ちゃんと教えてよ」
「ああん、そんなぁ……今までより気持ちよくしてくれるの?」
「うん、そうだよ。だから、どこが気持ちいいか、もっと教えて」
「うん、わかった。ああぁん……そこ、そこ好き……ああ、もちょっと、下かな……あぁん……」

善矩は、右手の人差指と中指を夏菜子の中で、くね、くねと動かして、指を曲げたまま上下運動したりして、
夏菜子が気持ちいいところを探る。夏菜子の中の肉ひだは、嬉しそうに善矩の指を包み込み、締め付ける。
いやらしい、ねばっこい液体が、どんどん溢れてくる。

「あああぁっ!んん!そう、それがいいの……よっくんがそうしくれるのがすごく気持ちいいの……」
夏菜子は嬉しかった。善矩が自分が気持ちよくなることではなくて、
夏菜子が、「どうしたらいくか」ということに真剣になっているのが伝わってきたから、であった。

善矩は、夏菜子をイかせることに執心し、その日はひときわ激しく指も、舌も、そしてペニスも夏菜子のために、と燃えた。
だから、お泊まりの日にしては、善矩が射精した回数は少なかった。
結局朝まで夏菜子がイくことはなかったが、善矩の向上心、探究心が萎えることはなかった。
そしてこの日を境に、善矩はただセックスするだけ、ただ指を入れてかき回すだけ、ただ舐めるだけの動物ではなくて、
なんとかして夏菜子をもっと気持ちよくしようと試み、努力する、"考える葦"へと進化を遂げた、ともいえるだろう。

秘密、ということについて言えば、夏菜子が、これだけ善矩とやりまくっても、一度もイッたことがないということは、
別にかくしていたつもりはないのだが、夏菜子が善矩に対して抱える「秘密」の一つだったといえるだろう。
夏菜子はそれを」暴かれて、本当に恥ずかしかったが、本来マイナスに作用するはずの秘密が明らかになったことを、
プラスに変えてしまった。淫乱ギャルとしては、家から一歩も出ないままにまだまだ成長を続けていた。

そしてそれとは別に、善矩が、突然そんなこと、つまり夏菜子を「イかせる」ことにこだわるようになったのはなぜか、
その理由を夏菜子が知ることになるのは、もう少し時間が経ってからのことである。
540こころのすきま―夏菜子のあき―:2013/09/16(月) 00:33:10.90 ID:1dp8ExyZ
作者です。今日はここまでにします。

容量がいっぱいいっぱいになってしまいました。どなたか次を立ててくだされば、と存じます。
それでは、また。書き直し分についても、ゆっくりにはなると思いますが、更新しますので、よろしく。
541名無しさん@ピンキー:2013/09/16(月) 02:02:31.96 ID:ZfPNyxmb
立ったよー
優等生を堕落させたい4
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1379263570/

>>540
乙です。最近はペースが速すぎるくらいで嬉しい限りです
542こころのすきま―夏菜子のあき―
>>541
ありがとうございます。
埋めます。「こころのすきま」の備忘録を兼ねた簡単な主要登場人物設定です。


「こころのすきま」登場人物

石田夏菜子――T163 B84(C) W55 H86
5月13日生まれの18歳♀。本作の主人公。
故郷の「北の街」で過ごした激しい夏休みから一転、帰京した後はそれまでどおりの優等生に戻って
二学期が始まる。夏菜子同様に指定校推薦で進学を決めた、高校時代の同級生、高瀬善彦と毎朝
通学電車で一緒になるようになって仲良くなって、デートの約束まで取り付けるが、ドタキャンされて
しまう。ドタキャンの原因となった善彦の弟・善矩とその日偶然知り合い、善彦に他に女の子がいるの
ではないかという疑念と、あてつけから善矩と関係を持ってしまい、以後善矩との"けもののような"
セックス三昧の日々を楽しむ用になる一方、善彦とは念願の初デートを果たすなど、プラトニックな
関係の兄・善彦と、セックス三昧の相手弟・善矩との間で揺れ動く。そんななか、善矩の元カノである
中学生ギャル、笹井もえ達3人組トイの出会いをきっかけに、ギャル魂が騒ぎ始めて……

高瀬善彦
18歳♂。夏菜子の中学時代の同級生で、高校時代は毎朝夏菜子を駅で探すという切ない初恋・片想い
を続けていたが、進学が決まった2学期に夏菜子と付き合うチャンスを得る。理系で、多少のオタク趣味
がある、普通の冴えない男子高校生。夏菜子と付き合う採算のチャンスを逃し続け、夏菜子のカラダば
かりかココロまでも弟・善矩に独占されることになり、そのことを知らされる。

高瀬善矩
15歳♂。夏菜子の家から比較的近所のO大学附属中学3年生。彼女であった笹井もえに振られて、落ち
込んでいるところに偶然夏菜子と出会い、「送ってもらったお礼」に突然、外泊して一晩中セックスするこ
とになる。以後、ほぼ毎朝、毎夜夏菜子のフェラを受け、夏菜子と何度も何度もセックスする関係になる。
次第に、夏菜子のココロをもしっかりと掴んでゆく。

笹井もえ
14歳♀。公立中学の2年生。善矩の元カノで、夏菜子がバイトを始めた進学塾「WK進学アカデミー」の生
徒。ギャル系女子中学生3人組の1人で、小悪魔系。学校の成績を上げてくれた夏菜子に心酔し、休日
に遊びに誘う。優等生の夏菜子に楽しい世界を教えてあげようという善意からの行動だったが、思わぬ結
果を生むことになる。

君原さつき
13歳♀。長い髪がトレードマークの「ギャル系女子中学生3人組」のリーダー格。もえに協力し、夏菜子を
ギャル道へと引っ張り込む。

吉川まゆ
14歳♀。中学2年生でスレンダー美少女の「ギャル系女子中学生3人組」の1人。ぱっと目立つのでギャルに
扮する休日には、もえやさつきよりも男の子にはモテる。「3人組」とつるむようになる夏菜子にライバル心を
燃やすようになる。

原田翔一
15歳♂。もえ達「3人組」の隣の公立中学の3年生で、工業高校志望のヤンキーリーダー。渋谷で「3人組」とつるむ
夏菜子に一目惚れし、ロックオン。夏菜子にとって、自分がイカに淫乱な女の子であるかを教えられる相手になる。