178 :
優しい夢:2014/05/08(木) 23:47:38.76 ID:zxXOggKR
(……まだ、連絡がない)
何十回と繰り返した言葉を、澪(ミオ)は頭の中で呟いた。
ため息を吐き、再度携帯を見る。やはり4インチのディスプレイには何の変化も見られない。
何度目になるか分からない確認作業。辟易する。それでも、また同じ行動を繰り返す。
澪は握り締めていた携帯から手を離した。
恋人から連絡がなかった。ここ三日ほど。
「また携帯見てるのか」
ダイニングテーブルの上で項垂れていると、兄の響が呆れ顔で声をかけてきた。
響は現在25歳。澪の三つ上だ。二人に両親はいない。澪が7歳、響が10歳の時に、家族で登った山の頂から滑落して、そのまま命も落とした。
澪と響は、それぞれ別の親族の下に引き取られ離れて暮らしていたが、16歳になった響が親族の家を出た事、新たに未成年後継人を選任した事で
また一緒に暮らせるようになった。それから今までの9年間。兄妹は支え合って生きてきた。
「だって……」
「だってじゃない。もう少し余裕を持て。お前少し怖いぞ」
「……」
「哲志くんだっけ? 連絡ないって言っても、まだ三日目だろ? 忙しいんだよ。きっと」
そう優しく諭す響は、澪の正面の椅子に座り、涙ぐむ妹の顔を覗き込んで笑った。
響は、疑い深くて排他的な澪とは違い、控えめで柔らかな性質を持つ。
闘争を嫌い、競争意識を忌避する響は、男性的な魅力に欠けてはいても、人当たりの良さが好意を持たれる類の人間だった。
病弱な為にいつも何かしらの薬を携帯してはいるが、それでも、澪にはこの地球上で一番頼れる存在だった。
澪は、兄の低く掠れた笑い声が好きだった。
「あんまり考え過ぎるなよ」
「でも、今までこんな事なかったし……」
「今まで無かったからって、ずっと無いってことはありえないだろ」
「……そうだけど」
「それとも、不安になるような事があったのか?」
「……」
「喧嘩したとか。お互いに不満が溜まっていたとか。お前を不安にさせるような行動を、彼が以前から取っていたとか」
「それはない」
「それはない?」
「うん。それは、ない。だって、哲志は今まで私が出会ってきた他人の中で、一番優しい人だったから」
哲志は澪の初めての恋人だ。
両親と死別し、幾人かの親戚に引き取られる過程で猜疑心の塊となった澪にとって、哲志は生まれて初めて信用した赤の他人とも言える。
同じ年齢だが、哲志は大学在籍時に何らかの理由で休学をしていたということで、一年遅れで澪の就職した会社に入社して来た後輩だ。
何かと軋轢を生みやすい澪の性格を柔和に受け止め、周囲の人間との緩和剤になり、辛抱強く優しく澪の側で彼女の仕事を補佐した。
哲志の誠実さは、頑なだった澪の心を動かした。
今まで、兄以外には居なかった。閉鎖的な自分の言動にも動じず、寄り添い、支えてくれる人間は。
優しさが具現化したような人。誰かを傷つけたり、不安にさせるような事を、哲志がした事はない。
だからこそ、澪は、何の前触れもなく彼から連絡を絶たれた事に驚き、痛みを感じるのだ。
179 :
優しい夢:2014/05/08(木) 23:51:13.60 ID:zxXOggKR
「私、嫌われちゃったのかも」
小さく呟いた澪に、響は驚いた顔をした。
「なんでだ。上手くいってたんだろ?」
「うん」
「ついこの間、二人で京都に行ってたじゃないか」
「うん──……って、気づいていたの!?」
「お前に一緒に旅行出来る程の、仲の良い『女友達』なんて居ないだろ」
「分かってて騙されたフリしてたんだ。ひどい!」
「ひどくない。優しさだよ」
「……」
「それで、そんな仲の良かった哲志くんが、なんでお前を嫌いになるんだ?」
「……」
「京都で喧嘩したのか?」
「だから、それはないってば」
「じゃあ何で嫌われたなんて思う」
「だって……」
「だって?」
「だって私──……」
淫乱なんだもん。
出掛かった言葉を、澪は飲み込んだ。
「なんでもない! とにかく嫌われたかも知れないの!! ほっといて!」
澪はテーブルに突っ伏して、会話を切り上げた。
響は暫く黙ってままでいたが、やがてため息をつくと、どこかへ行ってしまった。
兄が離れた気配を間近で感じて、澪は涙を零した。拭っても止めどなくあふれ続ける。目尻がヒリヒリと痛んだ。
(言えるわけないじゃん……こんな、恥ずかしいこと)
澪は、自分の体を恥じていた。
旅行先に京都を選んだ理由は、二人が好きな土地だったから。澪は、大学時代に交換学生として一年間かの地に派遣された経験から。哲志は伝統文化の観点から。
互いに大好きな場所だった。楽しい旅行だった。最終日の夜までは。
京都旅行の最後の夜、澪は初めて哲志に抱きしめられ、そして、受け入れた。厚い胸板。骨ばった指先。『異性』という存在を、改めて実感した夜。
兄以外の他人を信用して来なかった澪にとって、初めての性行為だった。緊張で心臓が破れるかと思い、あまりの恐怖に息を止める事もあった。
痛みを覚悟していた。だが、哲志の熱い塊が入り口に触れた瞬間、澪を襲ったのは、想像してもいなかった感覚だった。
(──……私、ちっとも痛くなかった)
来るべき苦痛に備えて力を入れていた澪の恥部は、本来あるべきはずの破瓜の痛みを一切感じる事もなく、絶妙な弾力と狭さを維持したまま哲志の男根を飲み込んだ。尋常ならざる快楽を伴って。
澪は混乱した。痛覚どころか、過剰な程の肉の喜びを体感している自分の体に。
どう動けば良いのか。どこに当たれば、気持ち良いのか。どこが弱くて、どう触ってもらえば、自分の性感は刺激されるのか。
本能と呼ぶにはあまりにも的確過ぎる快感の情報を、澪の体は知り尽くしていた。
澪は、快楽の頂点を得た後も、貪欲にうねり続ける自身の膣の動きに気づいた瞬間、思った。
自分は、どうしようもなく淫乱な女なのだと。
必死に声を殺して、痛みに耐える処女の振りをした。
もっと。と、強請りそうになる唇の動きを手で隠して、哲志の視線から顔を逸らした。
どこまで隠し通せたのかは分からない。
実際に、とめどなく濡れて、何度も達していたのだから。
(……きっと、バレていたんだ)
だから、彼は連絡してこない。
こんな人間が、受け入れられるわけがない。
「……うっ、ぅう」
我慢出来ずに嗚咽を漏らす澪の肩に、ふいに柔らかな体温が下りてきた。
見ると、マグカップ片手に兄が側に立っていた。その痩せた指先が、震える肩に置かれている。
「連絡が来ないだけで、そんなに泣く必要ないだろ」
響は、今度は正面ではなく澪の隣に座った。泣き濡れた妹の顔を上げさせて、苦笑いしながら汚れた目元と鼻を拭ってやった。
澪は響の優しさに打たれて、更に激しく泣きじゃくった。
180 :
優しい夢:2014/05/08(木) 23:54:48.99 ID:zxXOggKR
「お前、子供に戻ったみたいだな。あんまり泣くなよ。せっかく可愛く育てたのに」
「可愛くない」
「なに言ってんだ」
「私、気持ち悪い女だから。本当、気持ち悪い。だから可愛くないし、汚い」
「落ち着け。ほら、これ飲め」
響は、妹の背を抱きながら、持ってきたマグカップを手渡した。中には薄いレモン色の液体が入っている。
それは、澪の良く知っている飲み物だった。
砂糖とお湯、少しの塩とレモン汁、蜂蜜。兄手製のスポーツドリンクだ。
澪は毎晩眠る前にこれを飲む。
いつからかは分からない。だが、昔からの習慣で、これがないと澪は眠れなくなる。
「早く飲んで、ゆっくり休め」
穏やかな兄の顔を見て、澪は思い返す。先ほど、泣いている自分を置いて兄は席を立った。
呆れて部屋に戻ったと思ったのだが、違ったようだ。
「兄さん、これ作ってくれていたの?」
「泣いてる妹ほったらかしにするほど、俺はひどい人間じゃないよ」
「ありがとう」
「泣いていないで早く飲め」
澪は頷いて、コップに口をつけた。
よく知っている柔らかな香りが辺りに漂った。切ない甘みに、また目尻が潤んだ。
「体温が落ち着くからかな。昔からこれを飲むと、お前は面白いぐらいによく寝る……って、まだ泣き止まないのかよ」
相変わらず涙を流し続ける妹の顔を、響は両手で包んだ。
妹の濡れた睫は可愛らしく揺れているが、成人を過ぎた女の鼻水は如何ともし難い。
またティッシュで拭いてやって、赤くなった鼻の頭を見て笑った。
澪は、響に世話を焼いてもらいながら、また兄妹二人だけになってしまったかのような心細さに駆られていた。
今まで世界の中心は兄だった。兄さえいれば良かった。
だが、その中に哲志が入ってきた。唐突に介入してきた心地よさに、いつしか心を奪われていた。
それが無くなってしまった今、自分はどうすればいいのだろう。
こんな醜い本性を抱えていると知れば、実の兄でも離れていくのではないか。
「兄さんも、本当の私を知ったら嫌いになるよ……きっと、離れていっちゃう」
「何言ってるんだお前は」
「だってそうだよ。哲志だって、あんなに優しかったのに、もういなくなっちゃった。兄さんだって離れていく。
私は汚いから。気持ち悪い女だから」
「落ち着け。俺は酒を飲ませた覚えは無いぞ」
「……」
「気持ち悪くなんかない。お前は、世界で一番可愛い。俺が保障するよ」
「嘘だよ……きっと、兄さんだって私を捨てる」
「捨てるわけないだろ。何言ってるんだ」
「……」
「安心しろ。誰もお前から離れていかない」
「……本当?」
不安げに見上げてくる妹の顔を、響は笑って引き寄せた。
「本当だ」と告げ、母親が幼い子供を慈しむように、ゆっくりと妹の髪をかきあげて、その熱い額に自分の額を当てた。
両の頬を包み込みながら、静かに言った。
「誰も、お前からは離れられないよ」
※
響は時計に目をやった。
妹が寝息を立て始めてまだ五分。完全に眠りに落ちるまで、あと五分は欲しいところだった。
その間に、テーブルの上のコップを片付ける。台所のシンクに置き、洗剤を十分につけてから洗った。
洗い終えた後、響はふとシンクの脇に置かれた半透明のパラフィン紙に目を止めた。
薬包紙として一般的に出回っている紙の縁には、白い粉末が残っている。
響はそれを無表情に摘み上げた後に、ちり紙に包んでからゴミ箱に捨てた。
181 :
優しい夢:2014/05/09(金) 00:03:09.40 ID:mz4CcBgI
(……澪は、素直過ぎるのが玉に瑕だな)
妹は一生知る事のない、パラフィン紙の中身。
従順な妹は、普段兄がどんな種類の薬を携帯しているのか詮索して来ない。気にも留めない。それは多分、兄であるこの俺を信頼しているからだ。
だから、永遠に知る事はない。
だから、自分とは無関係だと思っている妹の目に、この残骸を映す必要はない。
「そろそろかな」
妹を寝室に運ぼうと抱き上げた瞬間、自宅用の固定電話が鳴った。
響はゆっくりと電話機に視線を向けた。改めて時計を見て確認する。あまり歓迎出来ない時間帯。立派に、非常識の部類に入る。
無視する事も出来たが、結局、響は電話に出る事にした。静かに澪を椅子に下ろし、肩周りの筋肉をほぐしながら受話器を取る。予感していた通り、付属のディスプレイには非通知の表示が出ていた。
「どちら様ですか?」
案の定、相手は無言だ。
「もしもし?」
応答なし。
「聞こえます?」
受話器の向こう側に話かけながら、妹を見る。どうやら妹は深い眠りに入ったようで、白い腕が力なくテーブルの端から落ちていた。
脱力した長い足が大胆に開いている。健康的な太ももの付け根が、緩めのショートパンツの裾から覗いていた。
妹の様子を眺めながら暫く無言を通したが、相手からは変わらず反応がなかった。
辛抱強い相手だと思った。
執拗な沈黙は悪意の証拠で、それが分からない程、自分は馬鹿ではないし、また、その事に気づかない程、向こうも馬鹿ではないはずだ。
響は微笑した。受話器を持ち直して、電話越しに静かに敵意を放つ相手に、呼びかけた。
「哲志くん?」
一瞬だが、相手が息を呑むのが分かった。
「哲志くんだろ? 澪の兄の、響です」
「……」
「妹から聞いているよ、君のこと。仲良くして頂いているようで何よりです。いつもありがとう」
「……」
「それで、用件は何?」
下手に出ても、相変わらず向こうから返答がない。
相手の忍耐力に、響は思わず苦笑を漏らした。
「いい加減、喋ってくれないかな。時間の無駄だよ?」
一呼吸の後、ようやく受話器の向こう側から硬質な声が返ってきた。
「僕も、澪さんからいつも聞いてます。あなたのこと」
澪の話では、哲志という男は気持ちの良い好青年という事だったが、今電話で話している相手は友好的とは程遠い雰囲気の持ち主だった。
声は低く、好意は微塵も感じられない。おまけに、会話を繋げる気遣いも持ち合わせていないときている。
だが、響はとくに動じなかった。相手に譲歩する気がないと見て、早速会話を切り上げにかかった。
「折角頂いた電話だけど、妹は今寝ていて電話を代われないので、良かったら明日かけ直してもらっていいかな。そのほうが妹も喜ぶと思うし、君も分かるだろ?」
「……」
「君から連絡が無いってさっきまで泣いていたんだよ。可哀想に。あんまり、妹を苛めないでくれないか?」
「……」
「妹の携帯にじゃなく、この電話にかけてきた理由は何?」
今度は、相手が密やかに笑った。
「いつも澪さんから聞いていたんです。あなたのこと。最高の兄だって。世界で一番信用しているって。自分のことは何でも分かるって。それで、あなたに聞きたい事があって」
「……」
「彼女、処女じゃありませんでした」
「……」
「知っていました?」
「……」
「僕が見る限り、今まで澪さんの周りに特定の男性が居た形跡はありません。澪さん自身も、僕が初めての彼氏だと言っていました。だけど、処女じゃなかった。
その矛盾を、お兄さんなら知ってるかなと思って」
「……」
「それに、ご両親の事故、あれは本当に事故だったんですか?」
「……」
「当時の新聞記事、読みました。若干の違和感を覚えたのは、僕の思い過ごしでしょうか? あれは、あの事故は、本当はあなたが──……」
「哲志くんさ、」
突然呼びかけられて驚いた相手の一瞬を見計らって、響は穏やかに投げかけた。
「君が澪の会社に入ったのって、偶然?」
182 :
優しい夢:2014/05/09(金) 00:16:27.27 ID:mz4CcBgI
沈黙が長く続いた。
だが響は、話を切り出さなかった。
相手が乗り出してくる事を見越して、余裕を持って沈黙に甘んじた。
程なくして響の読み通り、受話器から静かな声が返って来た。
「どういう意味です?」
「別に。ただの世間話だけど」
「……」
「君、小中学校は澪と同じ学校だったみたいだね。中学の途中から澪は僕と暮らすようになったから転校して君とは離れたけど、大学は澪と同じ所に入ったでしょ?
あの子は気づいてもいないようだけど」
「……」
「澪が交換学生として京都に行っていた間、君はどこにいたの? 何をして、誰を見ていたの?」
「……」
「余計な詮索はやめようよ。お互いに」
「……」
「それじゃあ、もう電話かけてこないでね」
「……」
「おやすみ」
相手は最後まで無言だった。それが、執念のように感じられた。
彼は妹を諦めないだろう。分かっている
妹に、『誰もお前から離れられない』と言った。あの言葉に嘘はない。
妹からは誰も離れられない。だから、間引きが必要なのだ。蔓延る余分な芽は、保護者である自分が摘み取らなければならない。
雑草は野放しには出来ない。駆除する事が自分の義務で、権利でもある。そうして生きてきた。妹を再びこの手に呼び戻せたあの日から。
「お前だって、そう思ってるだろ?」
響は眠っている澪の体を抱き上げた。
慣れ親しんだ暖かい体温は、支える者がいなければ、すぐにでも消失してしまいそうなまでに柔らかく、頼りなかった。
妹の、涙で濡れた頬を見る。薄桃色の唇からは、仄かにレモンの香りがする。
妹は起きない。
不純物のない純粋な睡眠は、朝まで一度も目覚めさせる事なく、人を深い夢の中へと誘う。
きっと、妹は朝起きてこう言うのだ。「おはよう兄さん。兄さんのお陰で、今日もゆっくり眠れたよ」
それが例え誘発された眠りであっても。彼女は疑う術を持たない。
響は澪の額に口づけた。
塩辛い涙の道を辿り、妹の唇に自身の唇を押し当てる。閉ざされた唇は、ほんの少し力を加えただけで、いとも簡単に開いた。
差し入れた舌に、熱い粘膜が触れる。甘く芳醇な香り。馴染んだ感触。従順な体。
寝室までの道のりが酷く遠くに感じられた。
服を剥ぎ、隠すものの無くなった妹の体がどこまでも瑞々しく柔らかい事を、響は知っていた。
繊細な果肉の奥深くに潜む、甘い蜜の存在も。その暴き方も。味も。
剥かれて露になった白い肌。爛熟に実った豊満な曲線。芳しい香り。
早く、その蜜の出所に舌を入れ、あの身悶えするほど愛おしい窮屈な快楽の中で、全てを吐き出したいと思った。いつものように。
今更、他人に譲る気もない。譲る道理もない。
ここまで育てた果実を、どうして他人なんかに渡さなければならない?
この極上の蜜が他人に啜られるのを、黙ってみてろと言うのか。
リビングに置いたままの澪の携帯からは、耳障りな着信音が流れている。相手は安易に想像出来たが、響は無視した。言わずもがな。澪には、聞こえるはずもない。
(妹の味は、俺だけが知っていればいい。他人は関係ない)
だから、今日も愛を込めて耳元で囁く。
この声が、いつか妹に届けばいいのにと願いながら。
「誰も、お前から離れられないよ」
だから、お前も離れていかないで。
終わり。長文誤字脱字やっつけすみません。また何か出来たら投下します。
他職人様の投下も待ってます(;_;)
>>183 乙乙!
いいね〜、兄ちゃんの穏やかな狂いっぷりが美味しい。
哲志くんの謎も気になる。
ぜひぜひ続きをプリーズ!!
投下は乙だが顔文字はヤメロ
>>183 久々に読み応えのあるSSで面白かったです!
哲志くん視点も書いて欲しいな〜
前回投稿した人sage183ageすんのもどうかと
他人下げないと褒められないのは183にも迷惑だよ
穏やかな狂いっぷりが良かった!
続きを読みたい!
惨事男糞うぜえ死ねチンカス
レヴィンの続きはまだかなー
ショタヤンデレのおねショタカップルは需要ありますか?
供給不足なので需要は常にあります
ショタヤンデレで需要が無いわけがない
おねショタだと『ぼく地球の』の輪くん思い出すな
あれは素晴らしいヤンデレだった
まぁあれは中身がショタじゃないからな・・・・・年季の入った病み具合
オネショタオネショタ!!
197 :
名無しさん@ピンキー:2014/05/23(金) 00:15:04.83 ID:bf5fbh+h
乙
規制でPCから書き込めない……
ロダに上げてURL投下の形式でもおkですか?
おねがいします
最初のhは抜いたほうがいいかも
ありがとうございます。ロダから投下させて貰います。
また半年経ってた。時間怖い。待っていて下さった方、ありがとうございます。お待たせしました。
今回もルート分岐回です。ちょっと戻って町に帰った所から。具体的に言うと本スレ63の所。
・エセ攻略風ルート解説
開始から5日以内に町に帰らないと分岐。オオヅノの好感度を上げてはいけないのでレアなルート。
ttp://www1.axfc.net/u/3249209 pass:yandere
やっとエロに辿り着けたと思ったらどうしてこうなった。
エロゲで、メインヒロインを攻略していた筈なのにうっかりサブヒロインのエロから回収してしまったような気分。
投下乙!
本当に視覚外からのヤンデレ襲来w
オオヅノさんの来襲もお待ちしております
GJ!!相変わらずの文章力ですね
エルバが気になってたんで、今回メインで嬉しかった!
昔「親愛なる女王陛下へ 」を投下した人間なんだが
過去スレ読み直してて続きがあったのを投下してみる。
==============
「何故……何故ですか」
男はそう呟くしかなかった。
本来なら自分の首と胴が離れている時刻のはずだった。
その証拠に聞こえてくるのは教会の鐘の音四つを繰り返し。
咎有って死す者への最後の鎮魂――斬首刑が無事に執り行われた合図。
民衆は、男の死を持って女王陛下の世が盤石であると安心する筈の音。
男にとっては自分の死が悪名を持って、永遠に史実に綴られる愛の幕開けになるはずだったのに。
そう、筈だった。
なのに依然と男の首と胴はつながったままだ。
これが愛の証と分るのは、ただ愛しいあの方だけでいい。
一生に一度の命を懸けた告白。
こんなちっぽけな自分があの方の心に強く刻みこまれる最期の機会。
彼女の為に、哀れな男が死ぬ。
優しい彼女は決して哀れな男を忘れないだろう。それが計算ずくだった。
そんな至福の時を失って、男は茫然とした。
ただその小さくも大きな願いの為に、血反吐を吐くほどの嘘を重ね、薄汚い事に長年手を貸していたのに。
なのに。
「何故――身代わりを?」
両腕で顔を覆っていた男は、顔を上げると、ここに居るべきではない目の前の人物を見つめた。
じゃらり。と両腕を拘束している枷を繋げる鎖の音がする。その冷たさと重さが現実だと非情にも語っていた。
深いフードをかぶって、この部屋に入っても一言も口を利かないが、男には誰か分かっている。
「お前に……生きていて、ほしかった……からだ」
答える声は、怒りの為なのかそれとも動揺か、震えている。
男の願いを潰したのは、最初で最後の恋文ともいえる手紙を受け取った相手だ。
処刑されたのは、男が告発文に一番初めに名を綴った伯爵だった。
目的の為に手を組んだとはいえ、男にとって一番唾棄すべき相手。
そんな伯爵が自分の身代わりとなって処刑された。
愛の証を、汚された。
憎悪する理由が、また一つ増える。すでに死んだ人間だというのに、憎い。
憎くて、憎くてたまらない。
彼女が処刑する、初めての男になるなんて。
許しがたい。
代わってくれと、叫びたい衝動に駆られる。
「俺は、死にたかったんですよ……。
このまま生きていたら、貴女がこれから出会う沢山の存在の中に埋没してしまうような存在だから。
……そんなのは耐えられない!
貴女に殺されて……忘れない存在になる事こそが、俺の望みなのです、陛下」
今一時。
情けをかけて生かしてもらうより大事なことだと、胸の内を絞り出すように告白する。
昔の事が思い出される。
手合わせをした、その時彼女の剣が男の肩をかすめた。
才能はないとはいえ、男は曲がりなりにも武人の出。技量は天と地ほどの差があり、本来ならあり得ないミス。
真剣な彼女の瞳に見惚れていた、一瞬の油断。
その油断が招いた痛みは、自らが初めて人を傷つけたという、恐れと、怯えた瞳で甘美なものとなった。
男の事だけを考え、男の事だけを心配し、男に心が埋め尽くされる。
その昂揚感。
彼女が女王となり、処刑する一番初めの人間になれば、心優しい彼女の事だ
――――絶対ニ忘レラレナイ。
病んでいた。
それこそが至上の喜びだと、道を閉ざされた男の最終目標だった。
それ覆された今は、抜け殻でしかない。
「お前は、私にとってすでに忘れられない、大事な存在だ」
陛下は涙ながらにいった。
それが昔からの知り合いに働く心理だとしても、心が震える。
でも駄目だ、震えるだけで根元からは揺り動かされない。
男が欲しいものは、もっとも強い――揺るがない気持ち。
これから一生、心の中に残った一部が全部に成る程の想い。
「私は、お前に生きていて欲しい――」
「俺は貴女の心だけでなく……身も頭の先からつま先まで全て欲しいんです、よ?」
ただ生きているだけなら――死んでいるのと同じだ。
いや、貴女の心の中にいれなくなった今の俺には、その機会が巡ってこないと焦がれ渇望し。
手に入れられない現実に苛まれながら、生きているだけで地獄に居るに等しい。
焦がれて、焦がれて、この身の内から焼き尽くされそうな、想い。
それを目の前の相手に見せれるものならば見せたかったが、彼女が望むなら、生きながら心臓でさえも抉り差し出しただろう。
でも今の男は顔に苦悶の表情を浮かべる事しかできなかった。
「生きていたとしても貴女は去ってしまう、俺をここに取り残して忘れてしまう。
一思いに貴女の手で……いや貴女は手を汚さなくていい。
貴女が命令すれば……今、ここで俺は死ぬ。それを見ていてください」
「最初から私に居たのはお前だけだ! お前だけ……っ、他の臣下は全部弟のモノだった。
初めから私に全て捧げていたのはお前だけ! そんなお前を疑うはずはないっ、私は……私は
お前に生きていてほしい」
初めて聞く、彼女の胸の中の激情。
男は沈黙する。
それは……自分が欲している感情なのか、それとも。
いや、そんなはずがない。
彼女が俺を――愛する、何てこと、と。
「いいえ、貴女の温情はわかってます」
「分ってない! 私はお前が好きだ」
「……臣下として? はは、それこそ俺の望むものじゃない」
「……どう言えば、お前の中の闇は晴れるのだ。こんなに好きなのに」
――好き。
普通の人間への打ち明けたのなら最上の応え。
告げられた言葉は男の上面をさらりと流れる。
「私は欲深いんですよ。一時より永遠を望むのです」
わかってる。
彼女が純粋に慕ってくれているというのは。
しかし、これから男は牢の中で一生暮らす。
日の当たる場所で、輝いていく彼女を見る事も出来ないまま。
心は益々淀み腐っていくだろう。
そんな気持ちなら――いらない。
「それは目の前の私が望んでもダメなのか、私よりもお前は自分の心をとるのか」
「そんなに俺を苦しめたいんですか、あなたは……罪作りな人だ」
「……お前が信じないなら証明しよう」
「証明?」
――そんな事、出来るはずがない。
そう鼻で笑おうとした、男に返ってきた言葉は、信じられないものだった。
「私の初めてをお前に捧げる」
――女は初めての男を忘れられないというしな。
そう呟きながら、深いフードのついた外套を脱ぐと、最上の絹で作られた簡素なナイトドレスが現れた。
彼女の体の曲線をしっかりと見せつけるその服装は、彼女の夫となるものしか見る事の出来ないあられもない姿。
シャンパンゴールドの色はまるで手の届かない太陽のように目映い。
それが段々と男に近づいてくる。
その意味が、男にわからない筈がない。喉が妙に渇いて、鳴る。
「貴女に囲われろというのですか」
「私の為に生きてくれ」
「俺に――陛下の男娼になれと?」
そういう意味ではないことは分かっている。
でも彼女を傷つけたい。言葉で傷つけるしかない。
「ち、違う――」
狼狽える、陛下。
しかし、瞬時に持ちこたえる。覚悟したように。
「いや、そうだな……私は多分どこかの王族を王婿に迎え入れるだろう」
美しい唇から紡がれる残酷な言葉。
その想像だけで胸をかきむしるような嫉妬の炎が灯る。
この体と……もしかしたら心までも手に入れられる男。
嫉妬に気を取られている間に、光が床に落ちた。
男がはっとすると、目映い光よりも更に目をくらませる、白い肢体。
普通の貴族の女性とは違った、柔らかいだけではなく、訓練で健康的に引き締まった体。
「そんな目をするな」
白い指が、男の下肢に伸びる。
見せつけられていただけで、張りつめていたそこに。
彼女を汚したいという思いが、そして汚したくないという相反する気持ちがあっさりと覆される。
知識はあっても、実物を触るのも初めてなのだろう。
ひるんだ表情に……それでも止まらぬおぼつかない手つきに男はあっさりと降伏し、彼女を白濁の液体で汚す。
「安心しろ。生むのはお前の子だけだ私が産む子が、次の王だ」
先程から信じられない言葉の連続に
本当は先程無事に処刑され、その刹那が見せる、自分に都合のいい夢かと男は疑う。
一度降伏した雄は、再び彼女の手によって瞬く間に硬くさせられて。
男に乗りかかる、目の前に彼女の豊満な胸が躍る。
手が伸びそうになり、鎖の冷たさに阻まれるが男は止められなかった。
「連綿と連なる王家の血筋。
それにお前が入れば王位簒奪はなったものだ」
男の血が、王家を繋ぐ。
それこそ断頭された反逆者よりも酷い国家転覆。
刻み続けられる、忘れられない愛の証。
「それでは、それではっ……お前の憂いは晴れ、ないのか? 私の事を信じないのか?」
っつ、と男を中に受け入れるために苦しげな声で訴える。
男はもどかしい腰つきで、目の前に広がる双丘に夢中で舌を這わす。
びくびくと震える彼女の中がじんわりと温かく、潤ってくるのを感じながら。
「お前が何と言おうと、お前は私のモノだ……愛している、レーディン」
その甘く切なく自分の名を呼ぶ声に。
必死で男の顔を胸に掻き抱く感触に。
迎え入れる彼女の肢体に。
一生に一度の恋文の答えを貰った男は
ああ、今死ねたら……俺はどれだけ幸せかと思った。
終了。
>>204 GJ!
前の話好きだったから続き読めて嬉しい
ヤン臣下の病み勝ちって素敵
211 :
名無しさん@ピンキー:2014/06/08(日) 10:26:23.59 ID:dEblpIAN
メンヘラーチンコという新ジャンル
惨事男は存在が残念過ぎる
自殺した男性だけは許せるが
>>204 gj!!良かった!素敵な国家転覆ごちそうさまでした!
最近読み返したら、蟲師の庭師も良いヤンデレだった
表の顔は代々続く評判の庭師なのに、実は一族総ヤンデレ。好き嫌い分かれそうだけど
ヤンデレ臣下というと君主押込もいいよなーと思うw
>>213 蟲師昔読んでたはずなのに全然覚えてないんで読み返したくなってきた
庭師でヤンデレと聞くと愛する人を自分の物にするために
木の下に埋めてその木を大事にするとかそういうイメージだww
首から下を行きずりの旅の女の物とすげ替え続けてたアレか
接ぎ木じゃないけど庭師ならではの発想だったなあの話
愛する人を埋めて、やぁ今日も綺麗だね。とか、いつまでも一緒だよ。とかいちいち話しかけるんですね。まさしく病んデレ。
桜って時点で嫌な予感はしてたけど、接木と分かった時は戦慄したわ。
専門知識を悪用するヤンデレもいいね。
庭師もだけど、医者とか弁護士とか研究職とか。前提として人の為にある技術や知識を願望の為だけに活用するとか見てて楽しくなる。
蟲師っぽい古めかしい閉塞感のある話だった
アニメだと今やってるのの6話だね
いいヤンデレだったよ…
でも代々結婚してるから柾以外は
本当に素晴らしい花を育てる庭師的な愛だったのかね
庭師的な愛だったとしても十分病的だけどね
一族で愛でてた女を独占する為に
あの庭師が他の親族を排除してたら更にいい
実際に二人だけだったし
独占欲はヤンデレ男の標準機能だよね
ほす
少女にヤンデレるおっさんとか良いなと思う
最近↑や↓にたまに現れる俺を選ばないならこの部屋で監禁する的な広告漫画が
正当派ヤンデレって感じで妄想掻き立てられるw
222 :
名無しさん@ピンキー:2014/07/07(月) 22:58:55.33 ID:XjlC+vwG
7月2日から更新が無いけど……
あれかな?待ってるのかな?
最近ヤンデレというものに目覚めて色々妄想してるんだが……うーん。パターンがどれも同じでさ。しかもエロくない。
女Aには好きな人がいて、女Aの幼馴染みは女Aが好き。でも女Aの好きな人は先輩。悲しませたり困らせたりさせるのが嫌で本心を押さえ込んでたけど、女Aと先輩が付き合い始めて幼馴染みはどんどん情緒不安定に……的な。
ここ普段から過疎ってるよ
殆どのスレそんな感じじゃないか
>>223 マジか……
誰も聞かないし見ないだろうけど222で書いたやつをちょっと文章にしてくる
投下が始まる事で人があつまってくる事もあるんで頑張れ
>>224 人が居ない訳ではなく
投下がないからレスのしようもないだけ
雑談も限度があるし
今度は雑談が投下を妨げている
みたいな話になるし
>>222楽しみにしてる
>>1に、男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです
ってある通り、雑談大歓迎って訳ではないからね
常に過疎ってるけど人は居ると思うよ