いつの間にか13スレ目が落ちていたようなので
勝手ながら立てさせて頂きました。
いちおつ!
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ト,:|:::::::::::/ ,xz===´ ===x, /.::/.::::::!:/
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>>1さん お疲れさまです
|::::::::::::::::::;人 ヽ ノ /::::::::::::l::::::::| ところで おやつはまだかしら?
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甘えっ娘の握ったおにぎり食いたい
「ケンちゃんケンちゃん!おはよーだよー!」
「…おはよ。朝から元気だね、ささめ。」
「はいこれ。ささめ特製の早弁用おむすび!」
「おっ?お稲荷様自らのお手製弁当。いきなりどうしたの?」
「えへへー。いちおうお家はお勉強の神様もやってるし、そこの娘の、か、彼氏には『だいがくじゅけん』頑張ってもらわないとねっ。てキャーっ!言っちゃった言っちゃった〜っ」
目を><にして抱きついて僕の首をかっくんかっくん揺するささめ。
2時限目終了時、粒餡入りの『逆おはぎ』に泣かされたるまでは結構幸せだったある朝の風景でした。
おお、ささめちゃんだ。
GJ
受験にあやかったお菓子をかたっぱしから買い占めて勉強そっちのけで頬ばる甘えっ娘
なんであの手のってお菓子ばっかりなんだろうな
カップラーメンもあったか
センター本試か、もう二年前の出来事だな
あの緊張感に甘えっ娘は耐えられるのだろうか
甘えっ娘って心折れやすい子多いし
まとめサイト行ったら歯が痛くなってきた
誰か治療法知らない?
そんなもんはない。糖尿病と一緒で根治は不可能。
…そーいえば糖尿の薬でアマリールって名前のがあったな。
アマドラカプセルっつう移植した臓器の拒絶反応を止める薬がある。
ここの女の子が彼氏に使うと彼氏は甘えに拒絶反応しなくなるかも。
甘リリス
>>16 アマリリスと縁深い娘の性格で悩んでいた俺には天啓だった
ありがとう
快盗アマリリスとは懐かしや。
オーラァァァァァァ…………
規制解除記念
甘えっ娘に甘える短編
「ちょっと……手ぇ止めないでよ」
僕の腕の中で、彼女はその整った顔を僕に向けた。
「ごめん。少し疲れたから、休憩してもいいかな」
精いっぱいの申し訳なさそうな顔をして見せても、彼女は遠慮することなく不満を漏らした。
「今日はまだ三十分よ?」
「いや、本当勘弁してください」
僕の言葉を聞いて、不服そうに彼女は口を尖らせる。彼女が小柄だとはいえ、抱きながら頭を撫でたり、喉をくすぐったりするのは長時間続けると正直なところ結構疲れる。
「ここのところずっとだ。君とのスキンシップは僕も好きだけど、ちょっと控えない?」
彼女に軽くキスをして、瞳を覗き込みながら髪を撫で上げる。自分で言った傍から、とからかうように彼女は笑った。僕もつられて苦笑する。
「好きな人と好きな時好きなだけスキンシップ出来るのって、長い人生の中で滅多にできないことだと思うわ」
彼女は僕の手に身を任せ、気持ちよさそうに愛撫を受ける。
「僕もそう思うけど……」
「したいことは出来るうちにしておかなくっちゃ、ね?」
「僕の身にもなってくれよ」
冗談めかして言う。彼女の髪を手櫛で梳く。我ながら説得力がないな、と思った。
「なってあげるわよ」
僕が疑問の声を上げる前に、彼女は僕の腕の中から抜け出した。そして僕の身体を引き寄せて、僕の頭をその胸に抱え込むように抱き寄せた。
「ほら、思う存分甘えなさいよ」
「僕が言ったのはこういうことじゃないんだけどな」
「良いじゃない別に。満更でも無いくせに」
意地悪そうに、けど満足げに微笑む彼女の顔を見上げた。
何だか安心した気分だった。彼女に頭を撫でられ、僕はそれまで無かった眠気を感じた。
心地良い脱力感に身を任せ目を瞑ると、彼女は顔を寄せて優しくキスをしてくれた。いつも、僕がしていたように。
「どう? 甘える気分は」
「えーと……、結構恥ずかしいかも」
本当だった。彼女の身体から香る甘い匂いに包まれ、柔らかな手で撫でられて、その安寧に身を委ねることは素敵だったが、一方で自分が子供になったような気恥ずかしさもあった。
「そう」
彼女は短く、まるでぼやくように言うと、僕を一段と強く抱き、自身の胸に僕の顔を埋めさせた。少し息苦しかったが、それもまた心地良かった。
「僕の言ったこと聞いてた?」
強く抱かれ、それまで意識しなかった彼女の体温が僕をくすぐった。彼女の心臓の鼓動が聴こえた。
「嫌じゃないんでしょ?」
「もちろん」
その言葉を最後に僕は彼女の胸の中で目を閉じる。彼女はくすっと笑った。
「大好きよ」
僕も、と答えようとしたところで、僕の意識は夢に溶けていった。彼女だけを夢見る、冬の昼下がり。
スレ開けた途端に出くわしたぜ!
超即GJ!
いつまでも年末年始の気分でいられないことは重々承知の上だが、寒さは相変わらず
で朝が辛く、菅野宗一は白い溜息を吐いた。
「寝坊するのが嫌なら早く寝ればいいんですよ」
隣を歩くのは一つ年下の水奈。長髪を隠す黒いコートに手袋、首元にマフラーを巻い
て上半身は完全防備の状態だ。……しかし、彼女は言葉の後に欠伸を漏らした。
「もう二月だが、三月までまだあるもんな……」
「普通は他の月より日数が少ない事をプラスに捉えるはずなんですけど、にいさんの思
考は分かりませんね」
妹の言葉は所々に棘がある。朝も「せっかく起こしたのに遅刻したら意味がないじゃ
ないですか」と言われ、口撃を受けたのは今日ですでに二回目だ。
それなら一人で先に行けばいいのに、彼女が良しとしないので宗一もたった今の発言
をそっくり返す事ができた。
「二月というと、そろそろ受験の時期なんだよな」
呟くと、水奈も頷く。お互い直接は関係しないものの、季節がら連想しやすいものだ
った。
宗一としては下校中に付近では見かけない学生服を目撃できて少し嬉しいところだが、
幸いにして妹はそれを悟ってはいないようだ。
「クラスに五人兄妹の長男がいるんだけど、ここを受けたときの合格祝いは結構派手に
やったらしいぞ」
近所の家族をも巻き込んで……とは本人の談だ。近所づきあいが広い家庭だからこそ
できるもので、しかし宗一は真っ先に面倒そうだと思ってしまった。自分たち一家だけ
でもそれなりの事ができればいい気がしてならない。
「……水奈?」
まるで興味がないのか、いっさい反応せずに歩き続ける水奈。歩調も遅くなって訝し
む宗一だが、それでも別の話をすることなく足を進めた。
それは、寒さも厳しい冬の出来事。
進路が決まって両親と喜びを分かち合い、その余韻も冷めやらぬうちに兄の部屋を訪
れた水奈。
まだ寝ているかとノックをせずに扉をゆっくり開けると、宗一の姿は机にあった。
「にいさん」
椅子ごと振り返った兄。どちらともなく距離を詰めて、一気に近くなる。
一つ年上の異性は居間での騒ぎを聞いて目を覚ましたらしく、髪が無造作に広がって
いた。
「頑張ったな、水奈」
それゆえ理解しきった表情で頭に手を乗せてきた。軽く叩くようにして、それから撫
でる動作に変わる。普段なら子供扱いはするなと言うところだが、嬉しさでいっぱいの
少女は何も口にしなかった。久しぶりに兄の体温を感じる事ができて目が細くなる。
背中にまわった手で後ろ髪を梳いて、次第に抱き寄せられる風になっても受け入れて
いたが、
「じゃあ、お祝いをしないとな」
耳元でそんなことを言われて状況が一変し、水奈はさすがに慌てた。
「そ、それはまだ早い気が――んぅっ!?」
言葉が出切るより先に口を塞がれ、パニックに陥ったところへ舌をねじ込まれる。さ
れるがまま口内を犯される少女の喉奥から、ぐぐもった悲鳴が上がった。
「ん、ふぅっ! んっ……!」
最中、兄は胸をまさぐってきて、それが口から発される淫猥な音と合わせて水奈の意
思を呑み込んでいく。学生服の上からでも触られていると分かると、咄嗟に掴んだ手か
ら力が抜けて抵抗も空しい。
「う、ん……んんっ!」
がさがさと衣擦れをさせる手が寄越す弱電流に、足から力が抜けそうになる。それで
も水奈が崩れ落ちないのは宗一が腰を支えてくれるからで、熱と一緒に優しさも伝わる。
「……ん、あっ」
長めのキスを終えると不足した酸素を補おうと呼吸を始める。ふたりが密着していた
せいで周りの空気はとても熱い。
まだ落ち着かないが、水奈の裡にある『普段の姿』が反撃を練り上げていた。
「わたし、帰ってきたばかりですよ」
返事の代わりに強めのホールド。最初の口付けで雰囲気に流されている彼女の中で、
その立場は弱く追い詰められている。息を漏らしたのと同時に後ずさった気さえした。
「二人ともいるんですけど」
一緒になって喜んだ両親が居間にいる。階が違うとはいえ変に騒げば不審に思うはず
だ。
しかし、兄の返事は言葉ではなく行動だった。顎を取られて唇が軽く重なり、すぐに
離れる。
「構うもんか。好きなんだから」
「すっ……!?」
大声を出しかけ、咄嗟に口を押さえる水奈。
随分と自然に言ってくれたように聞こえて、そのじつ兄も照れ臭そうだった。
「んっ!」
隠すようにしてキスを一回。先程よりも強く押し付けられた唇は乾燥して、お互い舌
で拭う動作も一致する。
「『こっちの話は聞かないのか』って顔だ」
「『訊くまでもない』って言いたそうですね」
机の電灯を脇目に顔を合わせて一秒、二秒――。
読心などという便利な能力は持ち合わせていない。だが宗一の考えていることは何と
なく解かり、それは彼も同様らしかった。
「んぅ……」
他にすることがないのかと思うほど、短時間で数回のキスを重ねる。繋がったところ
で舌を擦り合い、水奈はようやく行き場のなかった手を兄の腰にまわす。
「や、あっ」
その後、慣れた手つきで学生服の内側に兄の手が滑り込む。熱が少し近くなり高い声
が漏れた。
「に、にいっ、さんっ、やっぱり……!」
片手で器用にブラウスのボタンを外し、肌どうしが触れあう。しかし水奈は僅かに抵
抗した。宗一の部屋は無音で、自分が出す声をどうしても意識してしまう。
「あ、あんっ! んん……っ!」
瞬く間に下着に隙間を作り、覆い隠されていた箇所をつつく。
途端に全身を駆け巡った電流は、まるで触られるのを待っていたように甘い痺れをも
たらし、意思とは無関係に肩を震わせた。
「にい、さ……んっ! き、っ、こえ、ちゃ……!」
階下に両親がいるという事を完全に切り離す事ができず、発覚する可能性を兄に理解
してもらおうとして無駄だった。胸を守っていた布をずり上げて、充血した突起をこね
くり回され喘ぐしかなくて――。
「でも、ちょっと強引なにいさんも好きです!」
妹がとつぜん振り向いてそんなことを言うものだから驚くしかできない。
雲が流れる青空の下、静寂に包まれて一秒、二秒……十秒。
「…………何の話だ?」
聞き返すも理解が追い付かない宗一。
直前までぼうっとしていたらしい黒髪の少女が口を開くまでには時間を要した。
「――っ!! ばか! 忘れてください!」
つい昨日も交わったのに、えっちな合格祝いを妄想していただなんて言えない。
呆気にとられている兄を置いて先を歩く。
少女はまだまだ多感な学生だった。
以上
一年って早いね、もうそんな時期か……
水奈ちゃん久しぶりじゃないか、GJ!
バレちゃいけないってのはどうしてこうも萌えるシチュなんだ
26 :
とげまる。:2013/02/01(金) 07:52:06.64 ID:FOxA9t8G
どうしてこう、素直じゃ無いんだか。
……一周回って、素直だけどさ。
そんな風に茶化した俺の声に、少しだけ丸くなった菜由の声が刺さる。
「……うっさい、ばか。黙ってわたしに、やられてろ」
はいはい、わーってますよ――そんな風に答えるしかないから。
畳に座る俺の膝の上で、腰を落とした菜由を撫でてやる。
「……も、もっとちゃんとやられてろっ、ばかかずっ」
背中を見せたまま振り向いてくれないんだから、一体どんな顔してるのかわからない――わけもなく。
つきあいも長くなれば、自然と相手を察することもできる。
刺々しい言葉は、いつも寂しく鳴く子猫のようで。
痛いくらいに切ないから、釣られてこっちも手が伸びてしまう。
「……ぅう、くぅっ」
だから、耳を見せたショートカットを、指先で梳くように撫でてやる。
その線の細い黒髪の一本にまで神経が通っているかのように、菜由の背筋が小さく震えた。
「……ほ、ほんとおまえはヘンタイだよなっ! い、いいっ、いい歳してっ、わ、わたしのことっ、ガキみたいに扱ってさっ!」
負けず嫌いの菜由にしてみれば、俺は『菜由の尻に敷かれたへたれやろー』ということになっているらしい。まあ、尻に敷かれてるのはその通りですが。
……そんなへたれに甘やかされて、ふにゃふにゃになってるのはどこのどなたさまでしょうか、お嬢様?
「お、お嬢様とかっ、ばっ、ばっかじゃねーの……」
……ぷるぷる震えている菜由の背中が、猫のように丸くなった。
背中越しに伝わる熱が、どんどん火照っているのが肌でわかる。
言葉は決して馴れ合わないのに、声も体も、全身が訴えてくる。
……どうしてこいつはこう――思わず、抱きしめたくなるんだ。
「ふひっ!? な、なにやってんだバカカズっ!? ちょ、やめろよっ、そ、そんな襲うとかっ、やっ、やだぁっ!」
うっさい、ばかなゆ。おとなしくだっこさせろ。
「だ、だっこってっ! が、ガキじゃねーんだしっ、そ、そんなの、わたしに似合わねーしっ」
ああそう、じゃあもう一生しないけど?
「ふぇっ!? そ、そんなの――や……やだぁ……」
強気な声に怯えが混じる。まるでまだ乳離れも出来ないうちに親から引き離された子猫みたいだ。
そーいや、昔飼ってた猫がそうだったっけ。そのせいで、大人になっても母猫の乳を飲むときの癖が抜けなかったのを覚えている。
……こいつもまた、そうなんだろうか。
だったら大人しく……甘やかされてろ、ばかなゆ。
「あ……あまえてんのは、そ、そそっ、そっちのほうだろっ……」
ほんとにこう、素直じゃないのか――素直なのか。
ちょっと俯いた菜由の頭が、寂しそうな子猫に重なって見えたから。
もう一度、手櫛で髪をなでてやる。
怯えたようにびくっ、と震えたけど。
構いやしない。何度でも甘やかしてやる。
「……うぅ、ばかっ、ばかかずぅ……ばーか、ばーかぁ……はぅぅっ」
泣きそうだったか細い声も、甘い音色に変わっていく。
「も、も……もっ……うぅぅ、あうぅぅ」
はいはい、もっとなでなでちまちょーねぇ。
赤ちゃん言葉で甘やかしてやると――予想通り。
真っ赤な涙目の顔が振り向いてきた。
「だっ、だからやめろっていってんだろそーいうのっ! わ、わたしはっ、べつにあ、赤ちゃんなんかじゃ……!」
わーってますよ。菜由ちゃんはおねえちゃんでちゅもんねー。
そんな分かり切った挑発で、菜由の顔からぼっと湯気が立つ。
わはは、こいつおもすれー。
「や、やめろよぉ……やめ……あふっ、うぅぅぅ……」
裏腹な言葉を遮るように、ようやく俺に向き合った菜由を、ぎゅっと抱きしめてやる。
熱っぽいのは顔だけじゃなくて、体の芯からそうだった。
「……ばー、か。ばかかず……ばか、ほんと、ばかやろーだ……」
鼓動の音さえ聞こえるんじゃないかと錯覚するほど、近い距離で。
俺の目から逃げるように、胸に顔を埋めた菜由が呟く。
「……お、おまえがそ、そんなに、わたしのこと、す、すきならっ! わ、わたしもその……す……しゅっ、す…………きぃっ……」
最後の言葉は静寂にかき消されるほど小さかったけれど。
同じ言葉を、俺も耳元で囁いてやる。
……こればかりは、俺だって恥ずかしいんだけど。
「……っ! カズっ、かずぅぅっ!」
刺々しかった彼女の声が、抱き留めた腕の中であふれ出す。
丸っこい棘の雨に打たれて、俺の熱も、信じられない程上がっていた。
GJ
朝からいいもの見た! 寝る!
GJ
素直じゃない甘えんぼうかわいいなあ
なんすかツンデレっすか
GJだちくしょう!
もうすぐ終わるけど今日は布団の日
甘姉さんの肉布団が恋しい季節だ
甘えっ娘が贈るチョコは歯が溶けるほど甘いんだろうな…
少し前に動物園で育児放棄されたシロクマを人の手で育てるっていうのやってたの思い出したんだ
それを見る限りではもう家で飼えないぐらいの大きさになってもまだ育ててもらった人に甘えようとしていたんだ
そして、俺はシロクマが動物園でしか飼えなくなって檻の中において行かれたが
擬人化して抜け出して独身の育ててもらった飼育員さんのところに行って甘えるというのを思いついたんだが
飼育員さんに対する呼び方がどうもしっくりこない、なんて呼べばいいと思う?
>>31 お兄ちゃん、とか苗字にさん付けとかかな、『他の職員に呼ばれていたから』なんて理由にすればかなり色々使えるし。
>>33 それも考えたんだけど育ててもらったわけだからパパ、とか、おとーさん、とかもいいんだよなぁ・・・
>>32 はじめは「パパ」でねんごろな関係になったら「あなた」って呼ばれたい
いろいろ考えているんだけど呼び方変えるといろいろ変えなきゃいけないんだよなぁ
マンボウ系甘えっ娘
>>37 でかくてのんびりで子だくさんなのか?(マンボウは約三万個ぐらい卵を産みます)
3億だろ
無事に成長するのは1ケタだが
まんぼうと言うと17才の人しか浮かばないから困る
ハムスター系甘えんぼう(陸上部)
「一緒に走って、汗かこう? え…ゆ、ユニフォーム?」
「うん。べ、別に君に見せたくて着てきたとかじゃなくて、動きやすいからだよ」
「でも、じろじろ見られるのは、なんか恥ずかしいかも」
フクロウ系甘えんぼう(航空同好会)
「今度、スカイダイビングとか、やってみないか?」
「あ、お前は初心者だろうから、ペアで――ん? ああ、こう密着するんだ」
「密着か……えっ、いや別に変なことは! 顔赤くなんてしてない!」
マンボウ系甘えんぼう(水泳部)
「プールでデートかぁ。ほわー、良いかも〜」
「楽しみだなぁ……あ、そうだ〜。その時に着る水着、一緒に選んでくれないかな?」
「え? 行っても良いけど、いつもの競泳水着も好き? そうなのかぁ……むふふ」
三毛猫系甘えんぼう(バスケ部)
「悔しかったら私のボール、奪ってみせな。にゃっはっは」
「ほらほらどうした――って、にゃあっ!? どこ触ってんだ!」
「うー、思いっきり揉んだなぁ。なに、ボールと間違えた? こらー!」
スライム系甘えんぼう(科学部)
「今飲ませた液体? んーとね、媚薬、かな」
「あなたが私だけを見てくれるように――なんて、嘘よ。本気にした?」
「でも、私はあなたに身も心もとろけて…この可愛いスライムみたいに、なりそうよ」
小鳥系甘えんぼう(ラジコン同好会)
「お兄ちゃんイスに座って操縦するの気持ち良いなー。それ、一回転」
「あまりぐりぐり動かすな? 何で? …あれ、何かお尻に固いのが…ふわっ!?」
「……私が退くと思って、抱き締めちゃった? うん、別に良いよ! このまま…えへへ」
それらのハーレムを可能にするピンクのシャツを着たイケメン
え? 妖精系甘えんぼう(演劇部)と友人系甘えんぼう(美術部)がいないって?
友人系は帰宅部だと思います!
「ねーねー今日も一緒にかえろーよー」
「あ、そんなに車道によってたら引かれちゃうよ、ほらもっとこっち寄って」
「別に気にしてなんかないよ、むしろ......ううんなんでもない!」
連休にはどこかへ行くというのが定石だが、そういった予定のない場合は趣味に費や
すのもいい。
ところで、少年は違っていた。日ごろの肉体的な疲れを解消するために惰眠をむさぼ
っている。時計を確認する理由も無く、ただ眠いのでベッドから出ずのままだった。
うんと伸びをしようと手を動かし、それが壁とは反対側なのに何かとぶつかった。
「……あ、帰ってたんだ」
少年には姉がいた。
手の甲に触れた、ぽよんとしたものは隣に寝ている彼女のものだった。偶然とはいえ
ぶつかったことに謝り、その感触をいっしゅん疑問にして、また目を瞑る。
「ど、どうしてここにいるの!?」
跳ね起きた拍子に、真下のばねが軋む。
掛け布団の中が普段より温かかったのは気のせいではない。本来ひとりで寝ていると
ころに二人でいるのだから当然のことだった。明け方に寝なおしたのでこれで三度寝に
なるが、その時に気付かなかっただけでだいぶ前から潜りこんでいたのだろう。そして、
そういう場合は女性の帰りが夜遅く、おおかた部屋を間違えたとか――理由さえわかり
やすい。
「……んー……!」
無防備な寝顔に皺ができ、周囲を確認しないで振りまわされる姉の手に捕まる少年。
腕を掴まれ、普段のおっとりした様子からは考えられないような力で引きずられ、片手
が言うことを聞かなくなった。
けっきょく質問には答えてくれず、代わりに理解したのは彼女が上半身に最低限のも
のしか着けていないことだった。
「え、えっ?」
そうした理由から、手繰り寄せられる風にされて少年は手のやり場に困った。黄緑色
の下着が覆っていてメロンと勘違いする様な胸の一つに触れたまま、姉がこちらの服を
引っ張ってきては堪らない。
ちぎられても困るので、やむなく体を崩す。ところが、それでも隣で寝ている女性は
少年を布団と勘違いして、反対側の手を使って我が物にしようとしていた。しかし、ぐ
いと引かれた後、今度は相手の方が寄り添ってきた気さえする。
「う、わあっ……」
最終的には寝がえりをうつ途中の様な姿勢になった姉と向い合せに抱き合う格好。意
図せず触れている胸のもうひとつも体にあたって、少し視線を落とせば豊満なバストが
作る谷間や、それが形を変えるほど大きく柔らかい様子まで丸わかりだ。
「……ぐっ」
その状態でなお、少年には強烈なホールドがかけられた。ただでさえ緊張している体
を締め付けられ、痛い事この上ない。
広がり放題な黒い髪からは、酒、煙草……職場の付き合いで持ち帰ってくる臭いの原
因が混ざり合って、家にいる時の香りとは全く異なった印象を与える。普段は飲酒して
いる様子さえ見たことがないので、酔っ払っているかという判断すらできない。
次いでストッキングなども着けていない脚が下半身に絡みつき、いよいよ身動きが取
れなくなってしまった。
「んぅ……」
それに対して密着と拘束の状態になっている女性の方はというと、無防備に寝息を立
てていた。疲れを感じさせない表情でいて、呼吸に体が動くたびに少年には柔らかな感
触が伝わる。
掛け布団ではなく抱き枕と間違えられている気がしてきた少年だが、無機物になりき
れないので手が動いてしまう。――まだ、姉の胸に当たっている状態だった。
心拍数が上がりっぱなしで体温がまとまっている内側は汗が滲み、布団が覆っていな
い首から上だけが不自然に冷たいまま動けない。かといって抜けだしたいかと聞かれる
とそうではなくて、却って疲労が溜まっていった。
「お腹いっぱい……」
そんな状況で寝言を聞いてしまい、少年は思わず噴き出す。しかし、姉はまるで気付
いた様子もなく静かに息をして眠ったまま。
ふとした拍子に手が胸を押してしまうのを危惧しながら、もういちど寝ようとして深
呼吸を始めた。逃げ場がない事に対する諦めもあれば、柔らかい異性の感触を堪能した
いという男性の欲求もあったからだ。
以上
寝起きがまだ寒いってどういうことなの……
人間湯たんぽができる季節もそろそろ終わるのか……
そして春眠暁を覚えずの季節が始まる
おまえら寝てばかりだな、働け
働けばまだ見ぬ甘えっ娘との出会いが待っているかもしれんぞ
48 :
春闘?逆じゃね?:2013/02/28(木) 02:52:28.69 ID:T+kJIcu5
「♪き〜けば〜んこっくの〜ろ〜ど〜しゃ〜♪
と〜どろっきわたる〜め〜で〜のぉ〜♪」
…どこで覚えたのか、メーデー歌なんぞ歌いつつ僕の膝に乗っかってゴロゴロ喉を鳴らして甘えている幼なじみ。
「…ささめ。もう勘弁してよ。いい加減疲れて来た。」
「♪い〜まや〜に〜じゅう〜よ〜じか〜んのぉ〜♪
か〜いきゅ〜せんわ〜きたり〜けり〜♪」
「…おーい。ささめさ〜ん。聞いてますか〜」
「♪む〜さん〜のたみよ〜けっきせよ〜♪って、ケンちゃん!」
「はい。」
「ささめの要求にたいする回答がまだです。」
「だから言ったでしょ。大学受かったし、入学式の日まで毎日会いに来るから。」
「それじゃ足りないとささめはさっきから言ってます!」
受験勉強の間構ってあげられなかったせいで拗ねたささめをなだめる為に働く日々が始まりそうです。
最後の書き込みからもうすぐ2週間になるな、もう少し放置して甘えっ娘の禁断症状が出るまで待つか・・・
もうすぐホワイトデーだしな
何が欲しい?って聞かれて「あなた」って答える甘えっ娘の話が是非とも読みたい
やばい、ホワイトデーまで放置するつもりだったが甘えさせたい病の禁断症状が出そうだ
簡単ですが、ホワイトデーネタ。
ちゃんとお返しは買っておいたか。買ってないなら今から買ってこい。マッハで。
「明日、ホワイトデーだねぇ」
すぐ横に座る彼女が、話を切り出すのはいつだって唐突だ。
「ああ、そうだったね」
「……明日だよ?明日」
「何度も言わなくても分かってるよ」
僕は彼女に笑いかけて見せた。
「分かってないよぉー」
いつもなら、応じて笑い返してくれるのに、彼女は口をとがらせて不満そうな表情を浮かべた。
「はて……」
彼女がこういう表情をするのは、珍しい事じゃない。対称に、僕が自分でその原因を察知できることは珍しい事だった。
「私、あげたよね?」
「……?」
「バレンタイン!あげたでしょう!」
「ああ、チョコね。うん、貰った」
貰ったのは結構大き目のチョコレートケーキだ。年々、お菓子のクォリティが上がってきている気がする。
「もう、自分で食べちゃうの我慢して君にあげたのにさー」
「それはどうも。それで、何か僕に不備が?」
「……お返し用意してないでしょ!」
「あ、そういえばそうだ」
「やっぱりぃ〜……」
彼女は虚空に向かって大きく溜息をついて、それから、諦めたような表情をした。
「ま、期待してなかったけど。毎年のことだし、ね」
寂しさを紛らわすように、彼女は僕の手を握った。
「悪いと思ってるよ」
僕は彼女の手を優しく引き、彼女の小さい体を抱き寄せた。
「ごめん」
「何」
「本当は……今年もこれで済ませる気だった」
「ずるい」
「だから謝ってるじゃないか」
「そういうところがずるいの」
「……今から二人で買いに行こうか」
「うん……でも、もうちょっとこのまま」
>>54 大丈夫だ、作ってあるバレンタインにもらったチョコケーキの三倍の大きさのチョコレートケーキをな
もらってないのに誰に返せばいいんですか!(涙目)
0の3倍返しはいくらになるっていうんですか!(血涙)
甘えんぼうとぼた餅食べてまったりしたい
無口なあまえんぼうにくっつかれたり抱きしめられたり抱きしめたりしてるうちに休日終わる生活したい
甘えっ娘と一日中ベタベタしながら過ごしたい
確かに甘えっこはインドアなイメージがあるな
ここはあえてアウトドアな甘えっこというのはどうだろう
お花見でべたべたするんですね分かります
お酒が入ってデレが全面に出る、みたいな感じか
ただでさえ甘えっ娘なのに更にデレるのか……胸焼けどころか、糖尿病になる勢いだな……
え、男の方が酔ってデレになるんじゃないの?
甘えっ娘とデレ男・・・(´・ω・`)
男は通常ツンで、飲んだらデレになるとw
むしろ甘えっ娘がツンになっちゃうみたいな
エイプリルフールだからと甘えっ子が嘘ついてきたらその嘘を信じたふりして逆に甘えっ子を振り回したい
え、男が嘘吐いて甘えっ子を振り回すんじゃないの?
73 :
名無しさん@ピンキー:2013/04/03(水) 21:48:34.53 ID:XHJ1Zboj
も・げーろ
ここは基本一次?
二次はお呼びでない?
該当する二次スレがなければ注意書きさえしとけばいいんじゃね?
甘えんぼうさん♪甘えんぼうさん♪
あそこにばら印の白砂糖があるでしょ〜?
数分後の私の姿だ
シュガーマンズレポート
小学校の体育の授業は男女合同で、昔は男子は短パン女子はブルマ
それでペアを組んで肩車をさせられることがあったね
懐いてる甘えっこがちょうど身長が近く、よく一緒になるとして
「○○くん、かたぐるまだよ」
なんて嬉しそうにしてる前でしゃがんで、跨ってもらう訳だ
「しっかりつかまってろよ」
「うん」
甘えっこは落ちないようにしっかり足を男の首に巻きつけて、頭に両手を置く
ブルマだから、太股が首から鎖骨のあたりにかけて、肌にじかに触れるんだよな
布のところと違って、柔らかくて少しひんやりしてて、これが気持ち良い
境目から首筋に面した布地の部分も、布越しとはいえ甘えっこの股が押し当てられてる訳で
子どもの時はそこまで浸る余裕ないというか深い知識はないから、それだけじゃあまりピンと来ないか
立ち上がると、甘えっこの体の安全は全部、男に預けられてしまう訳で、不安だよね
そこをしっかり支えながら立ち上がって歩いてあげると
「○○くんって頼もしいなぁ」
と、ある意味”つり橋効果”みたいなものなのかな。褒めてもらえたりね
で、そう言われると年頃の男子は妙に照れ臭がる訳で
ちょっと悪ふざけで激しく動き回ってやってみたりして
「やーもうっ!」
と恐がってしがみついてくるのが、また特別な感覚
「おかえしっ!」
慣れてくると甘えっこも調子に乗って目隠しとかしてきたりもする
支えてる側にはちょっと恐いが、髪の毛だし顔とか、まぁ軽くならあるとしても
よほど仲が良く日常的にスキンシップが盛んみたいな異性でもなければ
自然にこうやって触ってもらえること、あまり多くないから嬉しいんだよな
少し大人びてると、恥ずかしがったりもするからそれがまた良い
「…んっ」
肩車は動くと乗ってる人にダイレクトに振動が伝わる
さっきから男の首筋で微かだけどこすられ続けて、感じてきた甘えっこ
首上でもじもじされると男も意識しだして、上と下で二人して顔赤らめてる
「はい、肩車終わり」
先生がそう告げたので、男はもう一度しゃがんで甘えっこを下ろしてあげたら
「…もうおわりかぁ」
甘えっこが少し物足りなさそうにして、立ち上がった男を見つめるのが可愛い
「えへへー」
結局、自分も消化不良な感じがあった男は、甘えっこを捕まえて、ぎゅー
柔らかくて幸せな一体感に、さっきより鼓動が早くなって、もう周りが見えず二人の世界
「わーこいつらまたイチャつき始めた」
「うらやましいなー」
「せんせー砂糖吐きそうです!」
「うー、先生だって恋人いないのに授業中にもカカワラズ……もげろぉ!」
肩車って良いよね
GJ
ちょっ、先生w
・・・もげろ!いやマジでw
ふと思ったんだがもげたらそいつは女になるのか?そして百合百合な光景になるのか?
去勢されるだけだろgkbr
よく訓練された甘えっ子なら相手にナニがあろうがなかろうが甘える気がする
もう、ナニも怖くない……
83 :
1/1:2013/04/21(日) 00:10:47.55 ID:SfJLN39z
・後輩を黙って抱きしめてみた。
ふと後輩を困らせたり抱きしめたいという衝動に駆られたので
唐突に後輩の手からドクターペッパーの赤い缶を取り去り、
そして彼女の身体をこちらに向かせ両手で包み込んだ。
包み込まれた後輩は何が起こったのか判断できていないらしく
腕の中で「え?え?」と混乱しているようだった、包み込んだと
言ったところで彼女がちょっと抜けようとすれば簡単に抜けられる、
そのことに気付いたのか少し落ち着いた彼女は
「えっと、先輩どうしたんですか?」
と耳まで真っ赤になりつつ聞いてくる、それに対して白々しく
「なにがー?」
と、まるで何もないかのように答えるとしばらく両手をぎゅっとしながら
「え、これはもしかして ちゃんす というやつですか!?」
などと小さく一人言を言っていたがやがて意を決したらしく小さく
「えいっ!」というかけ声とともに強く抱きしめ返してきた。
強く抱きしめられたのでこちらも今より強く抱きしめ返す、そうすると
向こうもより強く抱きしめ返してきたので今度は頭もなでてやるすると
「えへへー」
などとかわいらしい反応をしてきた。
そんなこんなで後輩のかわいさをしばらくの間堪能した。
GJ
場所何処だw
店ならその後お持ち帰り決定だろ
規制解除来た!
けど、またいつ規制されるか分からない。ちゅっちゅっちゅーしたい。
「ただいまー」
暫くの間、少なくとも一か月か二か月かはそこに入らなかった。いや、入れなかったのだ。
手に伝わるドアノブを回した時のがちゃがちゃという金属の感触が、ひどく懐かしかった。
あまり頻繁に開閉されるドアではないからか、開けると少し埃が舞い、金具がぎぃぎぃと呻きをあげる。
中に入って、後ろ手にドアを閉める。室内はしんとしていて、何とも言えない違和感を感じた。
「帰ったよ。いないのか?」
呼びかけても声は返ってこず、僕は寂しい気持ちになった。ああ、彼女の温もりが恋しい。
僕は何度か同じように呼びかけたが次第に待ちきれなくなり、靴を脱いでせわしなく彼女の部屋に向かった。
「入るよ」
ノックもそこそこに部屋のドアを押し開ける。果たして、彼女は自分のベッドで小さく寝息を立てていた。
起こすのも悪いかと思ったが、久しぶりに会うのだ。ちょっとくらい、わがままに付き合ってもらうのもいいだろう。
彼女の小さく柔らかな身体を揺すり、起きろと彼女の耳元で呟く。
「んぅ……」
彼女は少し身をよじらせ、布団の中に潜り込み、また寝息を立て始めた。
起きるまで待ってもいいが、僕はいつまでここに居られるか分からない。少々強引に布団を引っぺがす。
「んぇっ……!」
ごろごろとベッドの上を彼女は転がり、小さく悲鳴をあげた。そして、不満げに目を擦り、身体を起こした。
「おはよう。ごめん、寝ている所」
出来るだけ優しい声で挨拶を投げかけると、半分閉じていた彼女の目が少し間をおいてから完全に開き、驚いた様子で僕を上から下まで見た。
口をぱくぱくさせて、何を言うか迷っているようだった。
暫くして、漸く発した言葉は間の抜けたものだった。
「……本物?」
思わず吹き出すと、彼女は頬を膨らせた。僕は慌てて取り繕う。
「ごめんごめん。久しぶり。どのくらいぶりかな」
「分かんないよ」
「……待った?」
「待ちくたびれちゃった」
「寝ちゃうくらいだもんね」
「ばか」
彼女はそっぽを向いて、小さく溜息をついた。僕は屈んで、しぼむ様子を見せない彼女の頬を指先で撫でた。
「ごめん」
ふん、と鼻を鳴らし、中々機嫌を直さない彼女の顔に懐かしさと愛おしさを感じた。胸の奥が柔かく、暖かくなる。
頬を撫でていた手を首から肩へ滑らせ、ゆっくり彼女を抱き寄せた。
「訳があって来れなかったんだ」
「…………それで」
「それで……うん、だから、ごめん」
漸くこちらを向いた彼女の顔に向かって申し訳なさそうな笑みを作ると、彼女は少し顔を赤くした後、その細腕でもって僕の身体を床に押し付けた。
「ばかばかばか!寂しかったんだから!」
彼女は力一杯僕を抱いた。僕は自分の胸に押し付けられた小さな頭を撫でる。
彼女の髪に顔をうずめて深く呼吸をすると、肺の中、身体の中、が全部彼女で満たされたような気分になる。
こうやってじゃれあうのも、もうずっとしていなかった。
彼女の頬に手を寄せて、唇を重ねる。何度もついばむように。次第に深く。
唇と唇を愛撫しあい、舌と舌とを絡め、互いの口内を掻き撫でる。
唾液が口から伝い、ぽたぽたと床に滴る。
部屋を水音と荒い呼吸音と、彼女の小さい喘ぎが満たしていた。自分たち以外の音はまったく存在していない。
暫くして、交わらせていた舌を離した。互いの口を銀の糸が繋いでいた。
互いの恍惚とした表情を見つめあった。
「そろそろ行かなきゃ」
「……ずっと、ここに居てよ。」
「そうもいかないのは君だって分かってるだろ」
「…………」
「また規制されるまでは毎日来るよ」
毎日ちゅっちゅっちゅー
ちゅっちゅっちゅー
ちゅちゅっちゅー
多少(いや結構かなり)鬱要素多かったけど
ハヤカワSFのパオロ・バチガルピ「ねじまき少女」がいい甘えしてた。
ただ上下巻で一冊の価格が高いんだよな
「先輩のことが好きです。付き合ってください」
「ありがとう、嬉しいよ。でも、悪いけど無理だ。僕のようなネガティブで卑屈な男に君は勿体無い」
「そんなことないです。それとも、他に好きな人でも」
「誰かを伴侶にするつもりはこの先、ないんだ。それなのに君と付き合うのは失礼だと思う」
「そんな、先のことが前提じゃなくても良いんです。ただ、しばらくそばにいて、先輩のことをもっと知ることができたらと」
「僕は君に嫌われるのが怖い。節度を保った距離でいられる今のままではダメかな?」
「意気地なし。それでも私は諦めきれません」
「……じゃあ、そうだな」
「何ですか、急に財布からお金を取り出して」
「バイト代が入ったばかりで今、僕が自由に出来る金額。ちょうど一万円」
「まさか、これで手を退いてくれと?」
「いや、これでお試しをしてみる、というのはどうかと」
「え、意外とあっさり良いんですね」
「この一万円が、君と付き合う時間の代わり。二人のデート代だと思ってくれ」
「これが全部なくなったら、お付き合いは終わりということですか」
「そう。このお金は共同管理だが、使い方は君に任せよう」
「一応聞きますけど、このお金を元手に増やすとかは?」
「なし」
「じゃあ、節約していかないとですね。テレビの企画みたいで面白そうです」
一日目
「家デートならお金は使いません。ほら、その代わり私を楽しませてください」
三日目
「思った通り、優しい先輩。もっと撫でてくださいよ」
五日目
「安いけどこれいけるんじゃないですか? ん、美味しい。先輩も、あーん」
十日目
「今日はちょっと贅沢して、外食ですよ。使う時は使うのも大事です」
十三日目
「バザーで洋服を買ったり、試食をしたり。こういうイベントを回るのも意外と楽しめるものですね」
十九日目
「公園で見る夕焼けが、こんなにきれい。……キス、したいです」
二十三日目
「ちょっとした遠出、楽しかったですよ? また、来ましょう?」
三十日目
「ホテル、入りませんか? もう残り少ないですが、思い出を作らせてください」
「先輩、大好きです」
「……離れたくないです」
「おばあさん」
「何ですか?」
「その一円玉、ずっと持っているんだね」
「それは、これが無くなったら私たちの関係は終わりですからね」
「増やすのはダメでも、他のお金は使ってはいけないとは言ってない、最終的にゼロにしなければ良い、か。盲点だったよ」
「あなたが言い出したことですからね。それに、本当は私を試していたのでしょう?」
「……さてね」
「……まあまあ」
「こんな僕とずっと歩んできてくれて、ありがとう」
「どういたしまして、先輩」
GJ
胸焼けしてきた
GJ!!
ああ、こんな娘さんがテレビから這い出てきてはくれんかなぁ。
ほっこりした後に死にたくなった!
うずうず
黄金週間、つまりGWも明日で終わりということで
学生たる私こと理沙は幼馴染で、その、こ、恋人でもある宗太と課題を済ませているのだけれど…
うずうずうず
互いの両親は久しぶりに揃って出かけて二人っきり
まさに甘えたり!いちゃいちゃしたり!さ、さらにはその先も…!という絶好のシチュエーション!
……にも拘らず私はそれを実行できないでいる
その理由はというと
「なぁ、この問題どうやって解くんだっけ?」
「どれ?あぁ、それはここを…」
「ほほぅ、そうやるんだな。さんきゅー完璧転校生」
「…その呼び名、嫌いなんだけど」
「そういうなって、理沙。成績優秀運動神経抜群でクールな美少女転校生とくればいろいろと特別視したくもなるんだろうさ」
「特別視ねぇ…」
「俺だって最初は驚いたからなー、昔と印象がぜんぜん違ったからさ」
「私はすぐ宗太だって気づいたのに、気づいてくれなかったもんねぇ〜」
「ま、まぁ何だかんだでこうやって一緒にいるんだし、結果オーライだろ」
「もう、調子いいんだから」
つまり私は宗太と離れていた一時期に『冷静な人物』を演じるようになった
そして演じている私に再会し告白してくれた宗太
彼に素の私を見せたら幻滅されてしまうかもしれない
宗太に甘えたり出来ない理由がそれなのだ
うぅーなんでクールキャラを演じようと思ったの!?バカ!3年前の私のバカー!!
うずうずうずうず
「やっとおわったー!」
「お疲れ様、飲み物もって来るね」
あぁ、課題も終わって今日はもうこのままお開きかなぁ…
「いや、その前にさ」
「?なに?」
「理沙、今まで我慢してただろ。ほれ」
そう言って胡坐をかいた足のをポンポンと叩く宗太
えっと、そこに座れってこと?でも急になんで?
動揺して迷う私に苦笑しながら宗太は
「ガキの頃もそうだったけどくっつきたいのを我慢してる時のうずうずする癖、変わってないな」
「えぇ!?そうなの!?」
というか、そんな癖が私にあったなんて…じゃあ…
「じゃあ、宗太にもっとくっついてもいいの?」
「おう」
「頭撫でてもらったりしてもいいの?」
「いくらでも」
「ぎゅーってしたりぎゅーってしてもらってもいいの?」
「当然、俺はお前の恋人だぞ」
「そーたー!」
「うぉっ!
嬉し過ぎて私は座ってる宗太に飛びついちゃった
もう我慢しなくていいしね!
「…座ってる時に飛びつくのは危ないから無しだな」
「えへへ、ごめん。ねぇ宗太」
「ん?」
「大好き!」
電波受信したので投下してみたよ
久しぶりに書いたから大目に見てね
目汚しスマソー
あらまあかわいい
何処のバカップルだゴルァGJ
「という訳で」
「はい」
「GWの間私をほったらかした罰を与えようと思います」
「GWは仕事だと前から申し上げていたはずですが」
「異議を却下します」
「横暴だ!」
「電話すらしてくれなかった人に人権はありません」
「メールはしたじゃん」
「あんなのは数の内に入りません」
「つまり俺にどうしろと?」
「そんなものは自分で考えてください」
「何その無茶振り」
「いいからさっさとしてください」
「えー…じゃぁ、とりあえず撫でる」
「5点です」
「10点満点?」
「100点満点で、です」
「頬緩んでるのに?」
「5点は5点なんです!」
「では、ぎゅっと」
「ふわぁ…」
「如何でしょ?」
「に、20点です…」
「採点が厳しくないか?」
「こんなんじゃ足りないんですからぁ…」
「ならキスしちゃおう」
「んむっ…っはぁ…もっと、お願いしますぅ…」
「あれ、点数は?」
「そんなのいいですからぁ…いっぱいしてください…」
「仰せのままに」
眠れないので気紛れに書いた
何も考えずに書いたのでアレかもしらんがお許し願いたい
>>103 GJ ぎゅーってやっぱりいいねぇ 温かい気持ちになる
気紛れGJwww
GJ
投下した後で、俺の書いたやつ全然甘えっこじゃねーなと思うことが多々あって申し訳ない気分になる
107 :
名無しさん@ピンキー:2013/05/14(火) 15:46:15.84 ID:O0KPegkU
ほんのり甘いのも良いもんだよ
同級生から誕生日プレゼントをもらった。
嬉しかったが、自分の誕生日を知っているクラスメイトはいないと思っていたので、もらった直後、僕はあっけにとられ何も言葉を返せなかった。
後日、改めてお礼を言うと彼女は照れた様子など微塵も見せず、お礼を言うより先にプレゼントを使ってほしいとツンとした顔で言った。
まだ開けてないことを話すとものすごい形相で憤慨したが、包装が可愛らしくて開けるのがもったいなかった、ともっともらしいことを言うと顔を赤くしてそれきり何も言わなくなった。
家に帰ってからなるべく丁寧にプレゼントを開けた。中身は手袋だった。
手袋はモダンなデザインで、左右で色と模様が異なっていた。少し変わった手袋だと思った。
次の日の朝手袋を着けて学校へ行く途中、通学路で彼女に出会った。驚いたことに、彼女も同じ手袋を着けていた。
何で同じものを、と聞くと、彼女はいつものツンとした顔で、こうしてればいつでも手を繋いでるみたいでしょ、と言った。
彼女の言葉に思わず顔を熱くすると、彼女は僕の顔を眠たげな眼で一瞥した後、鼻を軽く、得意げに鳴らした。
あんまり甘くないし、短いけど。
甘甘にしようと思ったんだけど、あんまり綺麗にまとまっちゃったんで……
遅くなったがGJ
それとなんとなく浮かんできたので投下してみる
結婚して3年になる嫁がいるんだけど、いつになってもべたべたと俺に甘えてくる。
今はまだ小さいとはいえ、子供がいる手前あまりそういうことはよくないんじゃないかって思って
この間少し控えてほしいって頼んだんだ。そうしたら、
「私たちは確かに○○(子供)の親。でも、それと同時に私は貴方の妻。
女としての私は貴方と抱き合いたいし、妻としての私は貴方に寄り添いたい。
そして、母としての私は両親の仲がいいって○○に教えたい」
なんて、妙な気迫で言ってくるから、そんなこんなでやっぱりその日はべたべたしながら一日を過ごし、
たぶん明日もその先もべたべたしながら過ごすんだろうなぁ……と今日も昼寝中の子供を横目で見ながら腕の中で甘える妻の頭を撫でている。
素クールや結婚スレっぽくなって正直ここに投下していいものかと思いつつも理論武装して甘えてくる女の子っていいよねということでひとつ。
二人ともGJ
こんなのも理論武装に入るのかしらん
「そろそろ離れてくれると嬉しいのですが」
「何でです?私はくっつけて嬉しい、貴方は胸が当たって嬉しい。どこに問題が?」
「人の目に俺の心が耐えられない事かと思われます」
「このままでいるのと、この後ずっと不機嫌なのと、どっちがいいですか?」
「…このままでいいです」
「よろしい」
くっ、でんぱが たりない!
まあまあこれでも飲みなされ
つ【大ジョッキいっぱいのメイプルシロップ】
なんだよ最近豊作じゃないか
みんなにGJ
ちょっとSM色が強いのはスレ違い?
お尻ペンペンくらいなんだけど
今日誕生日なんだが作品書こうと思ったがむなしくなったのでやめた、俺のために誰か書いて
>>114 お仕置き程度ならOKじゃない?甘えるの禁止って言ったのに甘えたのでその罰とか
「い、いーち……」
パンッ
「きゃぁぁ!……に……ぃ」
「声が小さいですよっ」
パンッ
「あぁぁ!ご、ごめんなさぃ」
「ほら、次いきますよ」
「あぅぅ……ね、ねえ……私も反省してるからね?……も、もうやめよう?」
「ダメです、そんな事言うのはキチンと反省してない証拠です。
ほらほら、ちゃんと数えないとやり直しですよ?」
「やぁぁ!……ちゃんと数えるからぁぁ」
先ほどから俺の膝の上で涙目になりながら折檻を受けている彼女。
元々は高校の先輩だったがつい一年ほど前に俺の方から告白して付き合う事になった。
凛々しい顔立ちでいかにも年上のお姉さんといった風貌の彼女は、
年上好きである俺のストライクゾーンにド真ん中直球だったので、
数ヶ月に及ぶアプローチの末、見事口説き落とすことに成功したというわけだ。
しかし付き合って見ると、一見真面目でしっかりしていそうな彼女は、
実はとんでもなく甘えん坊でオマケにだらしない私生活を送っていた。
当初は俺もそんな彼女が可愛らしく感じていたし特に口を挟むことはなかったのだが、
定期考査で赤点を連発し、いよいよ進級が危なくなったと聞いて自分の過ちを悟ったのだ。
かくして、一人暮らしの彼女の部屋で勉強会を開くことになったのだが…
当の彼女は全くやる気がなく頭を撫でてだのチュウしようだのとベタベタ引っ付いてきた。
勉強しようと説得したけれど仕舞いには構ってくれないと拗ねて手当り次第に物を投げてくる始末だった。
そうした彼女にとうとう堪忍袋の緒が切れた俺はこうしてお仕置きをしている次第である。
「き、きゅうぅ……」
パンッ
「きゃぅぅ!!……はぁはぁ……あぅぅ…もぅ無理ぃ…」
「はい次っ」
「じゅ、じゅう!」
パンッ
「ひゃぅぅ!!……ごめんなさい……ごめんなさぃぃ……ひぐっ……」
遂に彼女は涙を流し始めた。少しやり過ぎたか、しかしここで下手に出ては彼女の為にならない
「これからはちゃんと勉強できますか?」
俺はあえて冷たい口調で彼女に問いかける。
「うん、うん……ちゃんと……します……だ、だからぁ」
「じゃああと10回頑張れますね?」
「えっ!……やだやだやだぁ!……もう無理ぃ絶対無理ぃ」
「ユウくん私のこと嫌いになっちゃったんだぁ……だからこんなひどいことすうんだぁぁ……うぇぇん……」
本格的に泣き出してしまった。これは本当にやり過ぎた。今までの反動で厳しくなり過ぎてしまった。
「そ、そんなことないですよ!俺が先輩を嫌いになるなんてあり得ません」
「嘘だ!舞ちゃんから聞いたもん!ユウくんは年上のお姉さんが好きだって」
舞とは俺の幼馴染だ。
全くあいつめ余計なことを……
「年上のクセにわがままでだらしなくて彼氏にお仕置きされるような子は嫌いになっちゃったんだ」
そういって泣き出す彼女があまりに愛おしく思えてお仕置きの途中だが彼女の額にキスをしてしまった。
「へっ!?」
「さっきも言ったように俺が先輩を嫌いになるなんてあり得ませんよ」
「確かに先輩の本性には驚きましたが今はそんな甘えん坊のところもわがままなところも大好きですよ」
「……ほんと?」
子犬の様な目でこちらを見上げてくる。
ああ、もう可愛すぎる!
「先輩に嘘は付けませんよ。先輩の全部が好きです」
「あぅぅ」
今度は額を両手で抑えたまま俺の膝の上でジタバタしだした。そんな彼女の頭を優しく撫でる。
「先輩が憎くてやってる訳じゃなくて俺の大好きな先輩にキチンと進級して欲しいからやってるんです」
「愛の鞭というやつです。本当はこんなことしたくないんですよ」
「……うそだ……ユウくんちょっと楽しそうだった」
ポツリと呟く。
「ん?なんか言いましたか?」
「な、なんでもないよ…あはは……」
「じゃ、じゃあさ……私がお仕置きちゃんと我慢できたらいっぱいチュウしてくれる?」
「ええ、いいですよ」
「ちゃんと頭もナデナデしてくれる?」
「ええ、いいですよ」
「あ、あと………………えっと」
何か言いたそうな彼女。下を向いてモゴモゴと呟いている。
「どうしましたか?」
「えっと……あの……ふ、ふたりの時は……その……け、敬語は……やめて欲しいなぁ……って」
顔を真っ赤にしてそんな事を言う彼女。やはり彼女には敵わないな。
勉強させるどころかどんどん甘える口実を与えてしまっている気がする。
「はぁ……全く、分かりました。これからは二人の時はタメ口にしましょうか」
「や、やたっ……や、約束だからね?美咲って呼び捨てだよ?」
嬉しそうにニヤける顔を見ると怒る気力もなくなってくる。
つくづく可愛い先輩に俺は手も足も出ない、完全にお手上げ状態。
だがそんな状態すら楽しく感じるほど俺は先輩に惚れ込んでるようだ。
「それじゃあ、あと10回と言いたいところですがまけにまけて後5回頑張りましょうか!」
「なんでそんなにキラキラしてるの……」
「ん?」
「は、はい!……お、お願い……します」
「11からですよ〜」
「じゅ、じゅういちっ!」
パンッ
☆
あの後先輩を存分に甘えさせた結果、結局勉強会はお開きになり、先輩は見事に追試に落ちたが、
学校にはキチンと通っていた先輩を、先生方は留年させるつもりは毛頭なかったらしく、
三度に及ぶ追試の末、無事に進級を決めたらしい。
ちなみにお仕置きの後彼女の下着が少し湿っていたことは秘密にしておこう。
初投稿
改行が出来なくて読みにくいかも・・・
これより、3レスほど投下
本来、投下を被せるのは避けた方が良いってのは分かるが、
>>115のバースデーに免じて許してくれ……
本番はないが、兄妹物が嫌いな人は鳥かタイトルでのNG推奨
仕事が一区切り付き、彼が腕時計を見ると既に二十二時を回っていた。
「やれやれ、遅くなったものです。……寝ていると良いですが」
自分でもまるで信じていない希望的観測を口にし、彼は喫茶店を後にした。
彼は自宅に到着し、玄関の扉をそっと開く。音がしないように、そっと。だが。
「おにーちゃん、おっかえりー!」
僅かな物音を捉えたのか、妹が彼の胸に飛び込んできた。
「……ただいま」
避けるのは簡単だったが、かつて壁に激突して鼻血まみれにさせたことがあっただけに、素直に受け止めた。
「元気な挨拶は結構ですが、兄は早寝を心がけるように言ったと記憶していますよ?」
「おにーちゃんがいないのに、私が一人で眠れるとでも!?」
妹は無闇に堂々と言い放った。
「……威張って言うことですか」
知らず、彼はため息を吐いた。
「ため息なんか吐かないで、早くご飯食べよーよ。おにーちゃんの好きなオムライスだよ」
妹が主張すると同時、腹の虫が豪快に鳴った。妹の顔は真っ赤になった。
「やれやれ、遅くなった時は先に……」
「お、おにーちゃんもお腹ぺこぺこなんだね!」
勝手に“犯人”にされ、彼は一人で苦笑した。
「どう、美味しい?」
真剣そのものといった表情で妹は兄を見つめていた。
オムライスは中々に美味だったが、素直に認めるのは癪だと思った。
「好物を作り、不味いと言わせたのなら逆に凄いと言わざるを得ません」
「ということは、美味しかったんだ!」
兄の捻くれた言い方を無視し、妹は無邪気に喜んだ。
「ふ、ふん。この程度で慢心しないことです。母の域には遠く及びません」
「でもママ、私と同じくらいの時はこんなに出来なかったって言ってたよ!」
兄の心境を無視し、妹の気分は天井知らずに上がっていた。
「(……まあ、たまには良いでしょう)」
夕餉に好物が出たせいか、兄はやや甘い考えになった。
「少しこちらに来て下さい」
兄がそう言って手招きすると、妹は素直に寄ってきた。
「最近、兄は仕事に感けて妹を甘やかしていない気がしましてね」
その言葉に妹が目を丸くした。
「たまには甘やかすのも悪くないと思った次第ですが、どうしますか?」
「甘やかすべきだと思います!」
妹は力強く宣言し、兄に抱きついた。
「おにーちゃん、さいこー!」
妹は彼の胸元に顔を埋めているため、表情は見えない。
それでも、満面の笑みを浮かべているのは想像に難くなかった。
「(甘えてくるうちくらい、甘やかしても構いませんよね……)」
そう考えると兄は目を細め、自身に抱きつく妹の後頭部を撫でた。
了
124 :
>>115:2013/05/17(金) 20:24:20.94 ID:N1W9Mg+q
皆GJ
GJでおじゃる
,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i'
,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/
,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡 `゙゙''ー-、;:;:;:;/;:;/
',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,、ヽ;:;ィ''|
彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄ `゙゙ー' ;;;:| _,,,,._ 、-r r--, 、-r
. 彡i、ヾ (' ヾミニ三' __,,、 ....ノ / .,','" ̄',〈... _,,,_ _,,,_ _,,,,,| | ~`l | _,,,_ | |,,,,,_
彡ゝ `'' " |ミミミ' ‐'"ひi,;'´ ,ィ;;ァ' { { ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l .| | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
'彳`ー‐i |ミミミ' `゙ーシ' |、ニ' .ゝヽ、 ~]| ,i i i l i l i i .i i .i .i .| | i i i l .| i .i |
--、/ i |ミミ .,,r‐''" | ノ `ー-‐'" ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ .l l ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |' (~'-'ノ
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. | `~~
:\ヽ, ヽ / `t‐一' __
::::ヽ ヽ `::. ,; ' .:i 〈 ヽ
:::::::ヘ ヽ `::. ''"⌒゙''一ノ | }
::::::::::ヘ.ヽ ヽ、 ` ー'ーノ !>'⌒ヽ、
::::::::::::::ヽヘ `ー┬‐一;;''""´ /ヽ、 , )
\、:::::::::ヽヽ /::ヘ ) `゙'ー、_ /:::::::::Τ  ̄ `l
〃`゙ー、;;;;\\ /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、 /:::::::::::┼‐- -ノ
>>126 このスレで久々にAA見た気がするwww
〈::::::::::::::::::::`丶、/_:_:_:_:_:_:::::::::::::::::::::::::::
/ミ了`ー- 、::::::/:::::::::::::::::::::::: ̄:::::`::::―‐
lミミ (三シ`‐--- ___:::::::::::::::::
lミシ ,. ヾ三) }三三三
fi7 . " `、 : _ _ ヾ三ミ三
| ! ' 、==z、ヽ|: , '" 丶 `}ミミミ
|i| ` `二彡/ 、ー==、、: |ミミミ
lリ _/ `二ニ`` |ミミ/
,. ''´ ̄ ̄ ̄`ヾ!:、 f´'′ :^ヽ ,.lミ/
/ l ` :r '´`^'、__,.-、ノヽ、 ,. " }シ
/ _,. -‐ '゙´ヽ { 、-- 、:.:__ ヽ... ' /}\
___/ _,. -‐ ''"´ /,ハ ヾ`ヾエエェェェ>- , 'ノ ハ、
_,. - '"´ //'´ ,. -, {{( ヽ `丶`二ニ´ /´ | |
,. '´ / / i //ヽヽ、 ,ヘ , '´ //
'´ / / 、ヾ、 \\| ヽ、 ,. -,:'´ //
/ / /ヽ、``ー`、_`丶>---_彡'"´ //
/ / / ` ‐- 、` ‐--`ニ==----――'´/
麻呂が出てくる甘えネタか
果たして甘える側になるのか甘えられる側になるのか・・・
麻呂って結構位が高かったような気がする
つまり、時代物で権力争いに巻き込まれ唯一気が許せる男の前でだけ甘える甘えん坊とかどうだろうか
6月に入ってから露骨に目の前でゼクシイを読み始めるようになった甘えっ娘
「今から準備したら早くても10月くらいかな」
「!?」
「すぐ婚ナビを使えば何とか…」
「ならないと思うよ…そんなにジューンブライドがいいの?」
「もちろんだよ!私の夢だもん!」
「でも今から式場確保できたとして、資金は問題ないけど今月挙式で準備や打ち合わせをやるとどうなると思う?」
「うーん?…忙しくなる、かな」
「そう忙しくなるね。仕事しながらとなると、確実に」
「そこは二人の未来のために頑張ろうよ!」
「もちろん頑張るよ。でも我慢できる?」
「我慢?」
「忙しいってことはつまり甘えてる暇もないってことだよ?」
「!?」
「さぁ、選んで。A・結婚式が終わるまで甘えるのを我慢するのか」
「うぅっ」
「B・甘えながらじっくり準備して結婚式をやる…どっちにする?」
「……B」
「うん。物分りが良くてよろしい。ご褒美にハグしてあげよう」
ぎゅっ
「えへへ、あったかい」
「それじゃあ来年の6月に向けてしっかり準備しないとね」
「うん。頑張ろうね!」
「頑張る。だから僕と結婚してください」
「はい!喜んで!」
電波受信しますた。しかし甘えが足りない!
※準備に関してはあくまでイメージです。ご了承ください
いいね!
うん、爆発すればいいよ末永くw
く、くそぉ!祝ってやる!
ある日。俺は悪友から聞き捨てならない話を聞いた。
「そういやアイツ、……子だが、いなくなるらしいぜ」
「え? おい、どういうことだよ」
「いや、俺も詳しくは知らん。そんな話を小耳に……」
詳しく知らないならコイツと話す時間がもったいない。直接彼女から聞き出す!
……と、意気込んで探したはいいが。
「……何処にいるんだよ」
走り回って探して見つからなかった。疲れたのでベンチに横たわり、目を閉じた。
元々、何処に住んでいるかなんて互いに話したことはなく、彼女と出会った場所を虱潰しに探したが見つからなかった。
「なんだかんだで色々な場所で会ってたんだな」
いざ探すとなるとエンカウントした場所が多く、移動中にここでも会ったな、と思い出す有り様だった。
そして、それは思い出の数とそのまま等号で結べる。俺を呼ぶあの声が、無性に懐かしい。
「あ、久しぶり〜」
そう、こんな声で、
「元気にしてた?」
こんな言葉で、
「……みたいでもない? ダメだよ、体は大事にしなきゃ」
こんな台詞を……。俺はふと瞼を開く。探していた彼女がすぐそこにいた。
「何故ここにいる!?」
「あなたを見かけたから……」
いや、俺が聞きたかったのはこんなことじゃない。
「……子がいなくなると聞いた。本当かよ?」
彼女の顔がさっと曇る。
「……誰から聞いたの?」
「悪いが、質問しているのは俺だ」
「……親の都合で、ね」
成程。激しく不本意極まりないが、あのアホの言葉は真実だったか。
なら、俺はどうする? 彼女を引き留める? どうやって? 不可能だ。
じゃあ、彼女と会えなくなって、そのまま諦められるのか?
「……」
俺はノートの1ページを破き、連絡先と住所を書いて彼女に突きつけた。
「……暇な時にでも電話なり手紙なり書いてくれて構わない。なんなら直接家に来てもいい、じゃあな」
そこで俺は彼女に背を向け、走り去った。情けないことに、それ以上いたら泣きだしたのを見られてもおかしくなかった。
翌日、俺は仮病で学校をサボった。気分的には人生ごとサボりたかったが、彼女が会いに来るか細い可能性のおかげでそれは耐えた。
親が女の子が訪ねてきたと言って俺に来るよう要求。
正直、彼女以外の女の子と会う気分でもなかったが、時間帯からしてプリントでも持ってきたのだろうし、しかたなく玄関に向かった。
「あ〜、ゴメン。昨日の今日で回復してるわけもなかったね。今日はもう帰るね」
玄関で待っていたのは彼女だった。
「うーん、とりあえず2、3日したらまた来る。じゃ」
「いや、待て!」
帰ろうとする彼女の肩を掴む。帰路と自宅で泣き通した酷い顔から体調が悪いと判断したらしいが、寧ろ泣きつかれてぐっすり眠ったお陰で身体的には漲っている。
「親の都合で引っ越すんじゃなかったのか?」
「引っ越し? いや、しないし予定もなかったはずだよ?」
「昨日、親の都合でいなくなるとか言ってたのは誰だ?」
「いなくなるのは頼撫怒阿保管子(らいぶどあ ほかんこ)、別に私はいなくならない」
いや、それがお前の名前……。
「……双子の姉妹とかいる?」
双子の姉妹と情報が錯綜した。俺に考えつくのはこのくらいだった。
「双子以前に一人っ子だよ?」
じゃあ、どういうことだ?
「親の都合で名前が刺鋳裟保管子(しいさ ほかんこ)になるだけ。別に引っ越したりしないよ」
「本当、なのか」
「うん、本当」
その言葉に力が抜け、思わず膝を付く。そのまま涙腺が勝手に決壊。
「な、泣く程嫌だったの!?」
「うるせぇ、人の心を散々弄びやがって……」
「よ、よく分からないけどゴメン……」
「謝れなんて言ってねえよ、それによく分からないで謝るな、取り合えず謝れば許してもらえるとでも!?」
「あっ、いや、そうじゃなくて、“いつ”弄んだのか分からなくて、その、弄んだことを……」
声音に違和感を感じ、保管子を見る。彼女も軽く涙目になっていた。
「あー、俺も言い過ぎた。お前がいなくなると思ったら冷静に思考できなくなってな」
「……?」
「だから、昨日と今日のことは忘れてくれ」
「家に来るのとかも?」
「……言葉と態度は忘れろ。ただ、何故か連絡先を知っていたとしてもそれは知らん」
「そう、良かった……」
その後。保管子が登校時から下校時までべっとりとくっ付き、冷やかされるのはまた別の話だ。
まあ、俺としても悪い気はしないわけだが。
完
保管子見てたら運営が変わることを知って伝波を受信して書いた
今では反省している
隣の娘がすぐ婚を読んでいたと思ったら妊すぐだった
わけがわからねーと思うが
ほ
そろそろプールの時期だけど、甘えっ子は人前でもはばからずベタベタすんだろうなあ
水着で胸を押し付けられて不覚にもおっきするんですね分かりますw
なんか危険な目にあって(事故とか誘拐とか性犯罪未遂とか・・・)それを助けられてそれ以降べタベタ甘えてくる甘え娘って想像しかけたんだけど
途中で「あれ?これ甘えん坊じゃなくて依存じゃね?」って思ってしまい依存と甘えん坊の境界がわからなくなってきてしまった・・・
そばにいないと不安なのが依存
そばにいると嬉しいのが甘えんぼう
150 :
名無しさん@ピンキー:2013/07/04(木) NY:AN:NY.AN ID:J5Ee4ibu
裾を掴んで離さないのが依存
ピトッとくっついて離れないのが甘えんぼう
左の娘がくっついてくるのもいいと思います
でも結局ダメキャラになって「お姉ちゃん疲れたよー、〇〇君とくっついてるのー」とか言っちゃうんですね分かります
Twitterで甘々恋愛postを監視するのは最高だぜぇ……
こなさんみんばんわ
お久しぶりです、名前のないアレの人です
エロあり、グロスカその他注意事項多分なし
ただし甘え成分少ないと思います
ではどうぞ
「アキ君」
スンスンと鼻を鳴らしながら彼女が擦り寄ってくる。
「ね?」
何が『ね?』なのだろうか。とにかく俺はすごく疲れているので早く眠りたいのだけど。
「……分かってるくせに」
そりゃあ分かっている。でも分かっていても付き合えるかどうかは別なわけで。
「私、もういつでもアキ君を受け入れる準備は出来てるんですよ?」
大学を卒業したし、今は完全にフリー。アキ君さえ良ければいつでもいくらでもいつまでもあなたのモノにな
れちゃうんですよ。彼女はぎゅう、と抱き締めてくる。
そんな発言を、3Iって名前のキャッチコピーにしたらどうだ、などと適当に流しつつ、頭をワシワシと撫でつ
けてやる。
「えっと、『いつでもいくらでもいつまでも、あなたの3I、ミドリちゃんです』?」
言われたとおりにしなくてもいいのに。同棲し始めてからどんどん間抜けになってきてはいないか。高校時代
は学校きっての才嬢って扱いじゃなかったか、コイツは。
「抜けてるところがあっても、アキ君が埋めてくれますもの」
酷い買い被りだ。面倒なときは相手をしなくなるのを、彼女だって知っているだろうに。
「だから相手をしてくれるときに、思い切り甘えるようにしているんですよ? ね、アキ君?」
しつこいとか言ったら絶対怒られるよなぁ、と思いながら黙ってやり過ごすことに決めた。頭を撫でながら
ちょっとだけ抱き寄せてやる。
「……ズルいなぁ」
実際自分でもそう思う。彼女が大学を卒業してこの数ヶ月、結論を出さないままここまで来てしまった。何か
きっかけがあれば解消もされるのだろうが、もうすぐ同棲丸4年。今更一体何をきっかけにすればいいのだろ
う。出来ちゃった結婚くらいしか思いつかない自分の頭の弱さに頭痛がする。
「ホント、ズルい」
言って彼女が身体を起こす。散らばった自分の髪をゴムで結わえると立ち上がった。
「食器、片付けてきますね」
彼女は散らかしていた食卓の食器を手早くまとめて台所へ立った。
向こうのほうで水道が軋む音を聞きながら、俺も身体を起こした。
俺だってちゃんと考えなくてはと思っている。正直なところ、外堀という外堀は完璧に埋められているのだ。
俺の両親も彼女の両親もこの同棲を始めるときに話し合って了承を得ているし、それ以来何も言ってこないこと
を考えるとこの生活を続けていても構わないと思われているのだろう。むしろ今更『結婚しようかと思う』なん
て言ったら、どれだけ笑いの種にされるか分かったもんじゃない。だからといってそういう報告をしないわけに
もいかないし、どうしたものか。
「アキ君、難しい顔をしてどうしたんですか?」
そんな顔をしていた覚えはなかったのだが、彼女には見抜かれていたらしい。それとも俺と彼女しかいないこ
の空間に気を抜いていたか。
俺がそんなに難しいことを考えていると思うか、と訊くと、そんなわけないですよね、なんて失礼なことを言
いながら隣に収まった。
「でも私、アキ君の真剣な顔好きですよ?」
じゃあこれからはなるべくおちゃらけた顔をしていよう。
「それ、普段の顔とどこが違うんですか?」
こいつも遠慮がなくなってきた。昔は俺に真っ向から口答えをするようなことさえなかったのに。
安心しているんだろう。少々のことでは俺が愛想を尽かさないという自信があるのだ。付き合い始めた頃は、
我侭を言う割りに意見の対立は殆ど無かった。上手く言い包められることが多かった、とも言うが。そんなに俺
に依存するなんて変わった奴だ、と今でも思う。
「普段の顔も、笑顔も、怒った顔も、泣いてる顔も、全部好きですけどね」
俺がいつお前に泣いた姿を見せたんだ。男が涙を見せるべきでない、なんて美学は持ち合わせていないが、そ
れでも彼女の目の前で泣いた記憶なんてない。逆にわんわん泣かれた記憶はあるが。
「ありましたよ。ほら、同棲するしないってときに。アキ君、『もらい泣きだ』って言い張ってました」
……覚えていない。
「嘘吐き」
こうやって私が涙を掬ったじゃないですか、と彼女が目尻を指で擦り上げる仕草をする。だがなんと言われて
も、断じて記憶に無いのだから仕方がない。
「……嘘吐き。私、本当に嬉しかったんですよ? ああ、先輩が私に弱みを見せてくれるなんて何年に一度のこ
とだろう、これは奇跡だって」
それは初耳だ。そんなこと、本当に初耳だ。
彼女は俺のことを誤解している。俺はそんなに強い人間じゃない。少なくとも泣いたことを指して奇跡呼ばわ
りされるような鋼鉄の精神は持ち合わせていない。
「一応言っておきますけど、アキ君が血も涙もない人間だなんて思ってないですよ? だけど、そのときは本当
にそう思っていたんです。それだけ私が弱くて、相対的にアキ君が強く見えていただけなのかもしれないです
けど」
彼女が弱いだなんて、こちらはそう思ったことなんてない。依存症の傾向はあるが、その分好きだ好きだとや
たら押しが強かったじゃないか。あれだけ粘り腰なら、間違っても弱いなんて言葉は当てはまらない。
「見解の相違ですね。私は弱いです。アキ君は私より強いです。私が泣き崩れることがあっても、アキ君はそん
なことなさそうだなって思う程度には、アキ君のほうが強いです」
キラキラと俺のことを信じきった瞳で見上げてくる。そんなに期待されても涙一粒だって出ないぞ。そう言う
と彼女は身体を捩り、声を上げて笑った。
「……もう、笑わせないで下さい」
目尻に涙が浮かんでいた。こんなことで泣くんだから確かに弱いのかもしれないな、と彼女の涙を掬う。
「馬鹿。……女の子を泣かせるなんて最低なんですよ? 私はしょっちゅうアキ君に鳴かされてますけど」
頭をはたく。どっちが馬鹿なんだか分かったものではない。そう言うと今度は嬉しそうに笑う。
「それで、何を考えていたんですか?」
ひとしきり笑い終えると彼女がしがみついてくる。頭を、こちらの肩に擦り寄せてきた。こうして視線を合わ
せなければ恥ずかしがらずに言えるだろう、と言わんばかりだ。
「私の考えてること、言わなくても分かりますよね? ……眠い、じゃないです」
もうおねむなのかな、なんて適当に返すと、少しだけ怒った調子で更にしがみついてくる。俺が答えるまでこ
の体勢のまま待つつもりらしい。
「……分かってますよね?」
待つつもりはあっても、俺が本当に彼女の意図を組んでいるかどうかは自信がないようだ。一体何のことなん
だろうな、と彼女を引き剥がす。息を吸い込み、目を覗きこんで……言えない。
「言って下さい。私は待てますから」
思わず笑ってしまった。俺を操る方法を心得ている。
こうなっては仕方がない。……まったく、こんなことで口を割られるなんて。
* * * * * *
彼女の反応は、案外さっぱりとしていた。もっと取り乱したり、大騒ぎするのではないかと予想していたのだ
が、至って冷静だった。
しかし物足りない。こちらも一応は一大決心をしての発言だったのだから、もう少し大袈裟なリアクションを
してくれたって良かったではないか。俺の緊張を返してくれ。
「何ヶ月、何年待っていたと思っているんですか? 大学出てからだってもう4ヶ月ですよ? どれだけ、いつ
言ってくれるのかなって考えていたと?」
真面目にプロポーズして怒られるとは思っていなかった。ならさっきの発言は取り消していいか、と訊くと、
グーで叩かれる。酷い奴だ。
「酷いのはアキ君です。絶対に取り消させません」
だってこんなに殴ってくるような奴に、結婚してほしいなんていうものじゃないだろう。言うんじゃなかった
よ。そんなことを言うと、彼女は不満そうな顔を作って見せた。
「アキ君は、自分の言ったことに責任を持って下さい。……そういえば、そういう意味ではちゃんと責任取って
くれましたね」
彼女の処女を貰ったのは確かだし結果として責任を取るような形になったのも確かだが、別に結婚したってい
つまでもその関係が続くなんて保証されているわけではないことを彼女は分かっているのだろうか。
「分かりません。今からそんなこと、分かるわけがありません」
プロポーズを受けた直後にそんなことを考えるほど私は馬鹿ではありません、と睨まれた。
確かに、こんなタイミングでそんなことを考えるのはただの馬鹿だ。でも、いつまでも全く頭にないのも問題
だ。彼女はきっと、彼女が俺のことを嫌いになるなんて考えたこともないのだろう。そして、俺から嫌われない
ようにだけしていれば幸せはいつまでも続く、そう考えているに違いない。
でもそれは違う。俺はお前のことをいつでも嫌いだと跳ね除けることが出来る。その上で今、俺のことを受け
入れてほしいと言ったのだ。もし選択肢がなければそれはただの恫喝になってしまうし、俺は彼女を脅すつもり
なんてない。逆に彼女に、求婚を半ば強制されていたくらいじゃないか。
「私こそ強制なんてしていません。アキ君がこっちを向いてくれるまで、待ってただけです」
それならそれでいい、待たせて悪かったな。そう返すと彼女は、待たせすぎだ、と怒った口調で柔らかく体当
たりをしてきた。素直にベッドへ押し倒されてやる。
「待っているのも辛いんですよ? アキ君は、私がアプローチかけるからぐーたらしてるんだって自覚あるんで
すか?」
何の話だか分からない、と肩を竦める。俺だって、本当にこちらからのアプローチが必要なときくらいは心得
ているつもりだ。
「やっぱり、自覚ないじゃないですか」
それは、今までそういうタイミングがなかっただけだ。ついさっきのアレだって本当に今が正しかったのか自
信がない。
「正解は、いつでも良かったんです。なんだったら私がアキ君に付き合って下さいって告白したときでも良かっ
たんですよ? そのときから、アキ君と一緒になりたいって考えていたんですから」
思い込みが激しいのは知っていたが、ここまでとは知らなかった。今日は新しい発見が色々ある日だ。
「そうですよ、今日は特別な日なんです。……私にとっても、あなたにとっても」
そんなものなのだろうか。
「そんなものです。アキ君が特別にしてくれました」
俺は特別なことなんて何もしていないんだがな、と頭の上へ視線を逸らすと目覚まし時計が視界に入る。体当
たりからこっち、俺の腹の上に寝そべったままだった彼女も釣られて時計を見たようだ。
「……今日が、あと2時間で終わっちゃいます」
彼女の言う特別な日がもう終わってしまう、という落胆からか、軽い溜息と共に彼女が呟いた。ずっと今日の
ままがいいのか、という問いに彼女は首を振った。
「もし明日、目が覚めてアキ君の顔を見ておはようって言ったとき、この幸せな気持ちがどこかに行ってしまっ
たらどうしようって考えてしまって……ちょっとだけ怖いんです」
彼女のほうへ振り向くと、恥ずかしそうに笑ってみせた。
「だから、ね?」
今日は私を寝かせないで下さい、という言葉には、多分に照れ隠しが含まれていた。
彼女の唇が首筋から這い上がってくる。頸動脈を舐め、喉仏を吸い込もうとしながら、鼻息を荒くしている。
実に楽しそうな彼女を抱き寄せると、こらえきれないようにクツクツと喉の奥で笑った。くすぐったいのかとも
思ったがそうではないらしい。
本人曰く『思い出し笑い』。楽しくて嬉しくて仕方なくて、自然と笑いがこみ上げてくるのだそうだ。
「だって、アキ君と一緒にいてもいいって約束をもらったようなものじゃないですか。例えばこんなことをして
も――」
軽くお腹をつねられた。
「――追い出されたりしないってことでしょう?」
今までだってそんなことはしなかった、とちょっとイラっとする。
「そうですか? 前に『家に帰るか?』って訊かれたことありますよ?」
そんなことは籍を入れようがどうしようが言えるじゃないか。それに本気で言っていたわけではないのは彼女
だって分かっているはずだ。
「どうでしょう? 内心ではすごく動揺していたかもしれません」
お前がそんなタマか。軽く触れてくる唇がくすぐったくて顔が歪むが、彼女はそんなことは気にも留めない。
真っ直ぐな視線を寄越しながら、こちらの唇をついばみ始めた。唇で引っ張って舌で舐め回す。
彼女はもうスイッチが入っていた。ここからは頭を使ったまともな会話は出来ない。正確にはする余裕が無
い。お互いがお互いの僅かな反応を手がかりに、お互いを高め合っていく時間になってしまった。
さっき彼女を抱き寄せた腕でそのまま包むようにすると、ちょっと驚いたような表情が返ってきた。そんなに
変なことをしたつもりはなかったが何やら驚かせてしまったらしい。
だがこれは反攻にはちょうどいいきっかけだった。相手の身体ごとぐるりと一回転。襲いかかる体勢が整う。
「アキ君も、やる気ですね」
おうとも、なんて威勢よく返事をする。
今日は特別な日なんだから、たまにはこちらから攻めないといけないだろう。たまに、本当にたまにならこう
いうことがあってもいい。普段から彼女に言い寄られて身体を寄せられているばかりというのもバランスが悪い
ではないか。
彼女は何事か考えこむように俯くが、こっちはそんなこと知ったことではない。彼女も言った通り、こっちは
既に十分ヤる気なのだ。今夜は寝かせないでくれと言うならたまには頑張らねば。
「……分かってるんですよね?」
何の話だ。
「私達、その、夫婦になるってことですから」
何が言いたいのか気づいた。思わず固まる。
「今日は周期外しちゃってます。残念です」
溜息を吐いた。覚悟はしていたが、夫婦になるってことは彼女からますますせっつかれるということだ。
「……アキ君は?」
買い溜めてあるコンドームが無駄になったかな、と言うと、彼女は恐る恐る俺の顔へ両手を添えた。
「ホントに?」
本当だ。むしろ求婚云々を考えたときに真っ先に上がる懸念材料じゃないのか。まあ貯金も何もない今、すぐ
に作るような余裕はないが。
「ホント?」
しつこい奴は嫌いだ。さっきのプロポーズ、やっぱり取り消そうか。彼女は今更何を言っているのか、と相手
にしてくれなかった。
「はぅ、ふ、あぁっ……ん、くぅっ……」
ベッドの縁に腰掛けた俺に重なり、背中を預けた彼女が喘ぐ。今日に限っては一方的にやらせてくれていた。
その代償か、パジャマ代わりに着ていたTシャツは酷くよれていた。彼女の胸をさするたび、応えるように裾
を握りこまれるのだから、こんな使い古した安物ではすぐに首周りが伸びきってしまう。
「あ、アキ……くん……、うしろから、もう、いいよぉ……」
顔が見たい、と後ろ手にこちらを目指す。だが残念ながらこちらとしては恥ずかしいので見せてやるつもりは
毛頭ない。彼女の身体に密着して臍に指を引っ掛けて弄る。荒い息を吐きながら軽く爪を立てるようにして頭を
引き寄せようとするので、耳朶に噛み付いて黙らせる。
「や、あ……耳、よわい、のに」
知っている。
「アキ君の、舐めるの……ダメ、なのに」
知っている。
「ていこ、う、できなくなっちゃ……あ……」
知っている。だが今日だけは抵抗させる気はない。
今日くらいはさせてくれ。こっちの決意とか、そういう諸々の事情があるので我慢してほしい。
「がまん……やぁ、です。アキくんと、いっしょが、いいです」
そんなことは知らない。首筋を舐めて、鎖骨を撫でる。
「わた、ばっかり、きもちよくなっちゃう、よぉ……」
気持ちいいならそれでいいじゃないか。半ば八つ当たりになっているのは自分でも分かっている。でも今日だ
けは甘えさせてほしい。
「甘えるのは、わ、たしの、やくめぇ……」
それならそれでいい、存分に甘えてもらおうじゃないか。そう言うと彼女は戸惑いながらも頷いた。
ショーツの中に侵入した手指がぬかるみの端を捉える。ぴくん、と腹に力が入った。普段なら時間をかけて周
りから中心へ推移していくが、今日はダメだ。膨らみで、軽く指を弾ませた。
「あぁっ……! いきなりなんて、おかしく、ぅうっ……」
首を反らせて、なんとかこっちの顔を睨みつけようと頑張っている。
可愛い奴だ。未だに自分の相方になるなんて信じられない。俺なんかにはもったいないんじゃないか。だから
俺と同じレベルまで堕としてやりたい、と思うのは、ちょっと行き過ぎた思考かもしれない。
「あ、きくん、わたし、もう……」
欲しい、と言われても俺はまだだ。もうちょっと興奮したい。
「それなら、ね?」
後ろから抱きすくめられていた彼女が腕を振りきるとこちらに向き直る。正面から、真っ直ぐに見つめられて
息が詰まった。
「……興奮、しちゃった?」
小首を傾げてこんなことを言い放つ。お前の顔を見ただけで興奮が増すわけないだろ、と笑ってしまった俺の
負けだった。
「んっく……ひぅうっ、これ、ほしいの……」
彼女の平坦な胸を弄り、大事なところを弄る。俺も自身を彼女に握られ上下されているから心臓が締めつけら
れるようだ。
「なんでも、アキくんの言う通りに、するからぁ……」
なんでもなのか、と訊き返す。そんなの前からだったじゃないかと思わないこともなかったが、訊き返さずに
はいられなかった。
「なんでもです。だから、ね?」
この『ね?』というのが彼女の癖になっている。こうすれば俺が簡単に折れてくれると誤解しているのだ。確
かにこちらを見上げるようにしてねだってくるのは、それはそれで相当な破壊力があるのだが。
「どうし、た、の?」
どうもしていない、ただお前の困った顔がそそったんだ。そう言うと嬉しそうに俯く。
「アキくん、ホントひどいなぁ」
目尻を下げた笑い顔で身体を揺らした。
「私、そんなにイジめたくなる人ですか?」
知らなかったのか? いつも凛としているからこそイジめたい。俺のモノにしたい。心の中でも一番暗い部分
の独占欲だった。
「そんなこと考えなくても、随分前からあなたの、ですよ? 私の心も、身体も、全部」
以前にもそんなことを言っていた。嘘ではないと思う。
「だから、今日は私の一番奥までシて下さい? ね?」
自分でそこに指をあてがって広げる。粘度の高い液体がとろりと流れ落ちた。彼女の準備はもういらない。
「アキ君も、もういいでしょう?」
幾度となく経験して知っていることだというのに一応確認してくるのは、俺に覚悟を問うているのかもしれな
い。そんなもの、もうとっくに済ませているのに。
彼女を仰向けに転がして、腰の高さを合わせる。
「っあ――」
突き入れると、お互いに声が漏れた。彼女はいつも通りの反応。俺は邪魔のない感触に負けてのものだった。
「――アキ、くんも、興奮してるんだ……?」
少し勘違いしているらしいがわざわざそれを訂正してやる必要はない。それに興奮しているのも間違いではな
いし。このまま動かしたらすぐに果ててしまいそうだ。
ギチギチに張り詰めた自分の分身が埋まっている辺りへ掌を置く。その上に彼女の掌が重ねられた。彼女の表
情を伺うと、無表情に見えた。
「……やっと、ですから」
本当に、子供を作ろうとする行為は初めてだった。彼女の言葉を信じるならそういう周期は外れているらしい
が、それも絶対ということはない。
何事にも事故や例外はある。
「これが、アキ君の、ですね。……いつもと変わりないかな?」
当たり前だ。大きさが特別変わってるわけじゃない。最近の避妊具は数mmの出来なのだから、かさ上げをされ
ているなんてこともない。
「ですよね。……うん、いつも通り、ですよ?」
いつもと違ったら困る、と言うと、彼女は薄く笑った。こうして挿入されたままでも焦れずに動かずにいるの
は、彼女も思うところがあったのだろう。
「大丈夫。……大丈夫です。私、あなたを受け入れてます」
そんなの見れば分かる。そんな一言をやっと返すと、彼女は、ですよね、と顔を歪めた。
「ちょっと怖いです。アキ君がここまでしてくれるの、初めてだから。一つひとつ確認しないと、これが夢なん
じゃないかって」
これが夢なら、随分手の込んだ淫夢を見ていることになる。
「私、欲求不満だから、そんな夢を見ることもあるかもしれません」
だから満足させて下さい。このふわふわした幸せが本物だって、分からせて下さい。
彼女の求めに応えることにした。
腰を押し付ける度、目の前が眩むような錯覚を覚える。ほとんど忘れていた快感だった。
女の子の身体を組み敷き、自分の分身を彼女に埋め、喘がせ、鳴かせ、泣かせ。
そんなの、長続きするはずがない。
「あ、きくん……あっひあっ、っく、ふくっ……」
早くも限界に来ていることを伝えると、いつでもいい、と返ってくる。いつもなら一緒にイきたいだの言う癖
に、随分せっかちだ。
「だ、だって、今日、わた、し……ねない、からぁっ!」
時間はたっぷりある。それなら満足するのは後でもよく、結果が欲しかっただけらしい。
「あき、く、んっ! ……ちょうだ、ちょうだい? あなた、を、ちょうだ、い?」
一番奥に。私の身体で唯一、まだアキ君の色に染められていない場所を、汚して。
俺のことを仕草や反応で追い詰めた上に、こんなことまで言う。
長続きするはずがない。
「あっ、あきくぅっ……!」
彼女が身体を反らせて感じ入る。枕辺りのシーツを掴んで、ガクガク揺さぶられる自分の身体を支えて耐えて
いた。
俺が、こんなにしているのだ。こんなにしても、許してくれているんだ。そんな想いが俺を簡単に追い詰め、
あっけなく放ってしまった。力の逃げどころを探して、彼女の身体を抱き締める。
「ふぁっ、アキ、くっ……ぅんっ……! あっ、ふぁあぁっ……――」
抱き締めて、腰を一番奥に押しつけ続ける。奥に注ぎ込むつもりで軽く腰を送り込んだ。
「――な、んか、でてる……のかな。……あぁっ!?」
軽く揺すって得られた刺激が、挿したままで少し力を失っていた俺自身に再び力を戻していく。肩で息をする
くらいに全力を尽くした動きだったが、そっち自体の体力はまだ大丈夫だ。
それに、彼女はまだ満足していないはずだった。
「……おちついて、きゅうけ、しても?」
いっちょまえに俺のことなんて心配しやがって。生意気だ。密着させていた腰を少し引くとぬちゃりと音が
立った。
「やぁ、待って、アキくん」
俺の腰の後ろで組まれた彼女の足が邪魔をする。
「……ちゃんと出した?」
まるで幼児へトイレの成否を聞くような口調だ。そんな彼女の上目遣いの顔面を掴んで締め上げる振りをす
る。なんでそんなこと、疑っているんだ。
「だって、いつもより……早、くて。その、済みません」
反論出来ない。実際いつも以上に早かったのだから。ただその理由を説明するのは面倒だし、ナマのほうが俺
も感じているなんて知った彼女の暴走を考えると頭が痛いので伝えるつもりもない。その代わりに軽く睨んでお
いた。
「アキ君も、気持ちいいの? ――いいんだ。よかった」
私で満足してもらって安心した、と呟いている彼女の顔をこちらへ向ける。
「……うん。ありがと」
彼女は彼女で葛藤でもあったのか、一人で勝手に頷いて、勝手に礼を述べられた。礼を言われるようなことは
何もしていないはずなのだが。
「分からないなら分からないでいいです。私が勝手に感謝しているだけですから」
言いながら彼女が俺のことを呼ぶので顔を近づけてやると、恥ずかしそうに耳元に顔を寄せてくる。
「今日はまだ、眠りたくないな……」
そんな風にワザとらしく囁いてきた。そうすれば、すぐにヤる気が回復するだろう、と言われているようだ。
分かっている、いつもヤり始めたら3回戦までは勝ち進むだろう。そう苦笑しながらからかうと彼女も釣られ
て笑った。
さて。
「……離しませんよ?」
先手を打たれた。よっこらせ、なんて掛け声をかけて彼女を腰から抱き上げる。正常位から座位に直接抱き上
げるのは結構しんどいのだが、彼女は分かっているのだろうか。
「ふ……っく」
軽く顔を歪めたが、不満だからというわけではないようだ。溜息と共に抱きついてくる。
「ふ、うぅ、んっ……あふ、うっく……」
もう言葉は要らないだろう、と腰をスライドさせてきた。耳元で喘ぐのだからこっちもその気になる。スライ
ドに合わせて押し上げる。
「あ、あぅ……あき、くん……んぅ……」
ぞわぞわと腰の奥が持ち上げられたように感覚が鋭敏になる。この体位なら普段からヤりなれているし、何よ
りついさっき満足したばかりだからまたすぐに達してしまうということはないと思うのだが、それでも彼女の吐
息と体温が俺の興奮を引き上げる。
名前を呼ぶと、彼女はこちらを見ない代わりに胴体に回した腕を更にきつく締めてくる。
「ふぅっく、ひゃぁっ、は……ひっ、く……」
彼女は意味のある言葉を吐き出さない。
「うぐ、っあ、あぅ……ふ、ひっく……」
徐々にえづくような声が混じってきた。顎が肩に刺さって痛い。後頭部を軽く叩いて、肩に刺さっている、と
文句を言うと、幾分湿っぽい声で、それくらい我慢してくれ、と言われる。
「……あ、きくっ……んぁ、あふっ!」
抗議のつもりで首筋へ噛み付き、舌を滑らせて彼女の弱点、耳の穴へ。
「や、やぁ……うぅ、んあぁっ!」
どうせ一晩寝ずに睦み合うつもりなのだ、まずは彼女にも満足していただこう。でなければこちらが先に枯れ
果ててしまうかもしれない。
抱き上げたばかりの彼女に覆い被さり、再びベッドへ押し付けるように体重を移動させる。だがそれを察した
彼女は体重をこちらに移してきた。先程の体位は嫌なのだろうか。
「う、くぁん……っあ、あきくんっ……!」
意地悪をしないでくれ、と文字通り縋り付きながら懇願してくる。さっき言った通りに絶対に離れないつもり
なのだ。正常位では上半身が離れてしまう、と愚図る。
「も、ちょっと、だか、らぁ……うぁっ、ん、くんぅ……」
イきたい、アキ君でイきたい、とそんなことをうわ言のように呟きながら、腰のスライドが力強くなってい
く。
再度名前を呼ぶ。耳元だけで聞こえるように囁くと、もっと呼んでほしいと彼女が求めてくる。
「あ、き、くっ……あっ、あぁっ! ああぁっ! ふあぁぁっ!」
ガクガクと腰を揺すり、涎を垂らしながら彼女が達した。こちらも我慢する必要はない。遠慮無くぶちまけ
る。自分の分身が脈打ちながら彼女の奥を汚しているのが分かる。
「……あっふ……あ、きくん」
彼女は俺が同じように身体を震わせているのに気がついたらしく、嬉しそうに吐息を漏らした。
* * * * * *
数回戦を終えて幾分ぐったりした彼女を抱き上げ、首筋を舐め上げる。
「ひぃっ!? ……もう、くすぐったいじゃないですか」
不意打ちに機嫌を悪くした彼女がこちらの首を絞めるような所作をする。舌を出しておどけると、仕方がない
な、と笑われた。
お互いの身体が汗ばんできていた。風呂に入るか、と提案するもやんわり却下される。
「ん……もうちょっと、このままがいいです」
身体中、汗だけではないお互いの体液だらけで不快だろうに。俺も自分の精液とお前の愛液が混じったものが
まとわりついて気持ちが悪い。
「気持ち悪いなんて失礼な人です。……ごめんなさい。私も、身体流したいかな」
申し訳なさそうにこちらの表情を伺う彼女に、風呂とシャワー、どちらがよいか尋ねる。
「アキ君はどっちがいいですか?」
俺は風呂のほうがいい。正直疲れた。ゆっくり浸かりたい。
「ならお風呂。私も一緒に入ります」
……余計に疲れるじゃないか。そんな俺の視線に彼女は力尽きた演技をする。そんなつもりはないとアピール
しているつもりなんだろうが、そうはならないのは分かり切っているじゃないか。
やれやれとベッドから腰を持ち上げると腕を引かれた。お前も身体を流したいんだろうに邪魔をするな、と振
り返ると、彼女は何かを言いたそうに固まっていた。
一体どうした、どこか痛いか。そう訊くと何も言わずに隣に座るように促された。
「……あの、今気がついたんですけど」
俯いて口ごもる。どうしたのだろうか。
「私、……してなかったなって」
よく聞こえない。大事なことならはっきり言ってくれればいいのに。
「だから、あの――」
意を決したようにこちらの顔を見つめる。
「――私も、あなたが好きです。不束者ですがよろしくお願いします」
……プロポーズの返事をされていなかったなんて忘れていた。彼女が断るはずがないという思い込みのせい
だ。さっき選択肢がどうこうと偉そうなことを言っていたのは一体誰だったんだ。
それに今更、好きだ嫌いだと言うのを恥ずかしがるな。こっちが恥ずかしい。俺の呟きに彼女が微笑み、釣ら
れて笑ってしまう。
……いかんいかん、こんなことでニヤついてしまうなんてただの気持ち悪い人だ。まるで俺に甘えてくるとき
のコイツではないか。
「私が気持ち悪い人みたいな言いかたはやめて下さい。失礼な人ですね」
そう言ってはいるが彼女の顔は怒っていない。
「ホント、失礼」
持ち上がっていた頬をぐいぐい引き下ろしていたら目が合った。まだ何か言い忘れていたことでもあるのか、
と促すが、彼女はそれ以上喋ろうとしない。
「……失礼ですよ」
確かに本人の言う通り弱いのかもしれないな。そんなことを考えながら、何故か泣いている彼女の頭を抱きか
かえてやった。
と以上です
自分に都合の悪い記憶はキンクリする主人公のスキルが欲しい
他所のスレから始まって、6年越しくらいでこのお話はおしまい
もし万一最初から読んでいた方、いらっしゃったらありがとうございました
そうでない方も、甘え分少ない駄文にお付き合いいただきありがとうございました
それでは、失礼しました
>>166 伸びてるなと思ったら貴殿でしたか
おかげでいい糖分補給をさせて頂きました
新作ができるのを楽しみに待ってます
>>166 GJ! いい糖分補給でした
以前のものは未読ですが探して読ませてもらいますよ
神様GJ!!!
小ネタ投下
「そうすけさん、そうめん持っていきますから、食器とか出してください」
「はい。あ、ゆかりさんワサビつかいます?」
「そうですね……辛いのは苦手ですが、たまには挑戦してみましょうか」
「わかりました。量には気を付けてくださいね」
「ちょっと子ども扱いしてません?」
「いいえ、滅相もありません」
「ごっふ、ごほっごほっ」
「あーあー。ゆかりさん、はいお茶」
「あぃがとぅごらぃまぅ……ふー」
「気を付けてと言ったのに。顔真っ赤じゃないですか」
「違います、今日は暑いからです。断じてわさびのせいではありません」
「冷房効いてますよ?」
「……」
「……」
「……訂正します。顔が赤いのは、大好きなそうすけさんと一緒にいるからです」
「ごっふ!?ごほっごほっ」
「ほーらそうすけさんだって、わさびで真っ赤じゃないですか。はいお茶」
「ワサビじゃないですよ……それに、ゆかりさんだって更に赤くなってます」
「……も、もう少しそばに行ってもいいですか?」
「……ええ」
「……そうめんなのに、そば……」
「ゆかりさん?」
「あっいえ、なんでも……」
そうめんは生姜じゃないですかね……
つまり蕎麦の食い直しだな
そうめんならツルツルだけど
そばに行ったらズルズルとなし崩しに…
そこでチューかそばでくっついているのかの二択を迫ってくる大陸系娘の投入ですよ
なんで二択なんで大陸と思ったがそういうことかw
チューかそばでくっついてるか
ちゅーかそば でくっついてるか
中華そば
これだけじゃなんなので、くっつき防止にゴマ油絡めましょうかね
「なんかぬるぬるするんですが」
「はい、あなたが元気になるようにセサミエキス入りのオイルマッサージをして差し上げようと思いまして」
「……ゴマ油だよねこれ」
「はい、セサミエキス入りのオイルです」
「モノは言い様って知ってる?」
「はい、あなたのモノはイイ様子です」
「なんでそんな軽くカタコトなのさ。あと変なところ触らない」
「あなたが大陸系娘キャラが好みと聞きまして」
「……めんどくさいのでいつものあなたでいいです。あと変なところ触らない」
「せめてマッサージをと思いまして」
「いいからお風呂でゴマ油を落としてきなさい」
ニンジンだかダイコンだかのお化けが出てきそうなネタになってしまった、反省
>>177 そこから「じゃあ一緒に入って下さい」っておねだりするんだよ
背中とか自分では洗えないからってお願いするんだよ
179 :
名無しさん@ピンキー:2013/07/20(土) NY:AN:NY.AN ID:nwOca867
甘えっ子にとって「一緒にお風呂」とはどんなものですか?
片時も離れたくないから一緒に入るのであって、いやらしい考えは一切ありません
という建前
片時も離さないための既成事実が必要なのであって、風呂釜にお湯は一切ありません
という本音
一緒にいるのが当たり前であって、お風呂程度で離れる必要性が一切ありません
という思考
なるほどこれが甘えっ子の常識かw
甘ったれんな!
甘いのが垂れるなんてもったいないので舐めますね(prpr
186 :
名無しさん@ピンキー:2013/07/25(木) NY:AN:NY.AN ID:EI+kgONV
甘えっ子は鳥の雛に似ている
砂糖水
鳥で思ったけど、この板閑古鳥スレ多いのに、ここって何気に人いるよね
甘党も左党もいるからね、ストライクゾーンは広いよね
190 :
名無しさん@ピンキー:2013/07/26(金) NY:AN:NY.AN ID:np7RzrHZ
撫憧党という保守派
>撫憧党
ああ、ブドウ糖かw だれうま
俺、甘党でも酒飲みでもないから、ブドウ党に乳糖もとい入党するわ
まったく、ショ糖部は最高だぜ!
唐突にさしすせそ砂糖文
さ「さっさとくっつけばいいでしょっ!」
と「と、とにかくぎゅーってしなさむぐっ!?」
う「うまいこと言ったって…だまされな、あぅ…」
あ「明日は別に…空いてる、けど…」
ま「また、ぎゅってしてくれる、なら…」
い「い、言っとくけどアンタなんて、そ、そんなに好きじゃな、んっ!?ちゅ…ぷはっ…ば、ば、ばかぁ…っ!」
次のお題は「あいすでぇと」でどうぞ。
ツンデレと甘えっ子の境界線が分からん(^^;
>>195 VIPのツンデレスレが盛況だった頃は割と仲が良かった記憶が
大雑把に括ればツンデレって甘えっ子の中の一例なんじゃないの?
塩スイーツ的な
甘えっ子「もっとぎゅってしたいです」
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです」
201 :
名無しさん@ピンキー:2013/07/30(火) NY:AN:NY.AN ID:8fMX2F3+
>>200 甘えっ子「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと…(キュ」
↑だんだんふにゃふにゃになってく
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと!!(ガシッ」
↑だんだん力が入っていく
恋人の献身的な愛情を受けて病んでた心が溶け、甘えっ娘になっていくSSはよ
旦那様が企画された納涼会に、ご家族の皆さんと、特別に僕達使用人が集まっておりました。広く、よく手入
れされた庭を望む別邸の座敷に、皆さんそれぞれが寛いでお酒を頂いております。
僕はというと、現在お嬢様に絡まれておりました。お嬢様はもう随分お酒をお召しのようです。
「ちょっと、聞いてるの?」
「はい、聞いております」
「それならそこに座りなさい」
「既に座っております」
もう三十分、お嬢様はこうして正座をした私の膝の上にいます。所謂膝枕という奴です。
「ちーがーうーのー! 足を崩しなさいって言ってるの!」
「しかしお嬢様、今足を崩しますとお嬢様の頭が床に叩きつけられてしまいますがよろしいのですか?」
「そんなの叩きつけられないようになんとかしなさいよ」
素面では至って真面目でいらっしゃるお嬢様なのですが、何故アルコールが入っただけでこんな性格になって
しまうのでしょうか。
困った顔で周囲を見渡しても飲酒したお嬢様の性質の悪さをご存知の皆さんはこちらを遠巻きに眺めているだ
けです。手を貸してくれそうにありません。
「あなたも一人前の使用人なら、困ったことがあるなら自分で解決なさい」
「困らせているという自覚がおありでしたら止めていただけますか、お嬢様」
「なんでよ! 面白くなくなっちゃうじゃない!」
脇腹の辺りを握り拳で叩かれました。これはアルハラでパワハラではないでしょうか。
「足も大分痺れてるでしょ? さっさとなんとかしてみなさい」
「……では、失礼します」
お嬢様の頭を持ち上げるため、ちょうど都合よくくっついていた取っ手を掴んで持ち上げます。
「耳! 耳痛い! 痛たたたたたた!」
「少し静かにしていただけますか? 足が痺れているので上手く動かせそうにないんです。膝で殴ってしまいま
すよ?」
周囲の旦那様方がドン引きしていますが、まあいいでしょう。僕もお酒を随分飲まされましたし、少しばかり
酔ってしまっていますから。
「多少の無礼はお許し下さい。何分酔っておりますので」
痛いくらいに痺れた膝をなんとか組み直して言われた通りに足を崩しました。持ち上げたままだったお嬢様の
頭を床にそっと下ろします。
「これでよろしいでしょうか」
これ以上なく慇懃にそう言うと、すっかり大人しくなったお嬢様が涙目でこちらを見上げていました。
「……そこに正座なさい! あなたは私をなんだと思っているの!」
収まったかと思ったのも束の間、再び元気になったお嬢様はやおらに身体を起こしてお説教を始めました。足
を崩せと言ったり正座をしろと言ったり、朝三暮四で支離滅裂な方だと思います。
「お嬢様の仰る通りになんとかしてみましたが、何か問題がありましたか?」
「問題大有りよ! なんで耳を引っ張るの!」
「ちょうどいい取っ手がありましたので、つい」
「ちょうどよくない!」
お嬢様が飛びかかって来ました。耳たぶを摘まれてそのまま引っ張られます。
「痛いでしょ? 痛いと言いなさい」
「痛いです」
そんなやり取りをしている僕達を横目に、旦那様方は寝所へ戻ります。迷惑な酔っ払い、もといお嬢様の処理
は僕に一任されたようです。
「いーや痛くない、私はもっと痛かった」
「お嬢様は僕の痛みが分かるんですね。すごいです。万国びっくりショーに出演されてはいかがですか?」
「あなた、私に喧嘩を売っているの?」
「まさか。ただ正直に本音をお伝えしただけですよ」
「なお悪い!」
旦那様も奥様も先輩方も、苦笑いしながら座敷を後にされました。
「……なんでいつもあなたは私のこと、バカにするのよ」
襖の向こうに誰もいなくなったと気配で分かると、お嬢様は少しだけ怒りを収められました。もしかしたら、
単に耳の痛みでお酒が抜けただけかもしれません。
「バカになどしておりません。お嬢様はいつも素敵な方だと思いますよ」
「そういう心にもないことを言うんだから」
「正直に、本音をお伝えしただけです」
そう言いますとお嬢様は赤面なさいました。やはりお酒は抜けていないようです。
「……酔った。運んで」
「畏まりました。ところで、どのように抱き上げましょうか? おんぶに肩車、肩に担いで運ぶ、とありますが
いかが致しましょう」
「そんなの嫌だわ。普通に抱き上げてよ」
「存じております。ただ腕を使うものでは万一にも廊下でお嬢様を落としてしまうかもしれません」
「そんなに重くないわよ、私」
「そうですね、四十――」
「そこから先は言わなくていい」
今日一番の殺気が含まれておりましたので口を噤みます。
「――失礼致しました。お嬢様を腕で支えること自体は何と言うことはないのですが、いかんせん寝所までの距
離が長いのです」
大奥様、旦那様と奥様、若旦那様、そしてお嬢様は座敷のある別邸から渡り廊下の向こうの母屋に寝所がござ
います。しかも若旦那様とお嬢様のお部屋は二階。運び切る自信がありません。
「ですから」
「分かったわ。じゃああなたの部屋で休ませて頂戴」
僕達使用人に割り振られた部屋はこちらの別邸にございます。移動距離は半分以下になるでしょう。
「僕の部屋ですか? しかし使用人の部屋はお嬢様にお休みになっていただけるつくりになっておりませんが」
「……ハナから眠るつもりなんて無いわよ」
納涼会では僕を含む使用人の面々は普段の仕事着か私服でしたが、旦那様方は皆さん浴衣でいらしました。お
嬢様の浴衣は白を基調とした生地でした。抜けるように白い肌と合わせて、とてもよく似合っておいでです。
そんな浴衣でざらりという音を立てつつ、お嬢様は僕に抱きついていらっしゃいました。
「酔いが醒めるまで、少し休むだけよ。ここだって片付けなければならないでしょう?」
使用人も参加しての納涼会とは言っても、僕達が後片付けをしなければならないことに変わりありません。担
当の者は一旦姿を消していますが、暫くすればここに戻ってくるでしょう。
「だから……その、私を抱っこしなさい」
「畏まりました」
お嬢様の仰る抱っこというのはお嬢様抱っこのことです。以前抱きあうようなかたちの抱っこをしたときに、
お前は分かっていないと散々お叱りを受けたことがありました。お嬢様には腕の輪を僕の首にかけて頂き、僕は
背中と膝の裏を持ち上げます。
「どう? 重い?」
「いいえ、お嬢様が暴れなければ途中で落とさずにお運び出来ると思います」
意識的に回答をすり替えましたが、お嬢様はお気づきでないようでした。機嫌がよいようで何よりです。
「あなた、今夜は付き合いなさい」
「一応お伺いしておきますが、付き合わない選択肢はありますか?」
「無いわね」
「でしたらご命令頂かなくても分かっておりましたよ」
「だってあなた、言わないと分かってくれないじゃない」
お嬢様は僕と二人きりになると、急に抱きついてきたり、抱っこしろといったご命令をなさいます。
使用人の先輩には常々『ご命令を頂くのは未熟の証拠』と教えられております。旦那様方のご要望が分からな
い僕に落ち度がある、ということです。
「すみません。ただ僕も夜は左利きですから」
笑顔でそう申しますと、お嬢様は身体を固くされました。顔も真っ赤にしております。
「はぁ!? ば、バカじゃないの!?」
「確かにお嬢様に比べれは僕は利口ではありませんが……お嬢様も僕も、左党ではありませんか」
お嬢様の顔色は今にも火を吹きそうになりました。
「……っのバカ! だからあなたは分かってないなんて言われるのよ!」
肩の辺りで罵倒を並べ立てるお嬢様の仰ることを半分聞き流しながら、僕は酔いに若干ふらつく身体をゆっく
り進めたのでした。
と以上です
>>189きっかけで小ネタ
昔読んだ本に最後のネタがあったのを思い出したので書いちゃったテヘペロ(・ω<)☆
が、
>>198言うところの塩スイーツちっくになってしまったのは否めない
乙&GJ!
なんか夜ご飯が済んだら謎を解く話が頭よぎるw
乙
ワロタ
おつ
夏祭り
「ゆかりさん、準備できましたか?」
「はい、お待たせしました」
「おぉ……浴衣、よく似合っていますよ」
「そんな……そうすけさんこそ、浴衣姿、とっても素敵です」
「ははは、なんか照れますね。さ、行きましょうか」
「はい」
・・・・・・
「私、電車なんて久しぶりです」
「そうなんですか?でも今日は2駅だから、すぐですよ」
「歩いて行ける距離ならもっとよかったんですが……」
「まあまあ、その間にゆかりさんの浴衣姿を楽しみますよ。祭り会場は混雑して、余裕ないでしょうし」
「……っ、そう、ですね……」
「さあ、降りますよ、ゆかりさん」
「だ、だめっ、降りないでください!」
「え……?あ、扉が……」
「あ……すみません、そうすけさん!私ったら、何をして……」
「いえいえ、大丈夫ですよ。次の駅で降りましょう」
「……はい、すみません」
・・・・・・
「そうすけさん、先程はすみませんでした」
「大丈夫ですよ、怒ってなんていませんから。でも、どうしてあんなことを?」
「さっき、お祭りは混雑するから、余裕ないって。
折角そうすけさん浴衣なのに、あんまり見れないのかなって思ったら、体が勝手に……」
「……それは男冥利に尽きますね。僕も、浴衣姿のゆかりさんが少し独り占めできて、嬉しいですよ」
「私のこと、はしたないって思わないんですか?」
「とんでもない!むしろ、もっとくだけてもらってもいいくらいです!……あ」
「……ふふっ、そうすけさんったら。では、お言葉に甘えて。手をつないでください」
「喜んで。じゃあ、ゆっくり会場まで行きましょうか」
「はい。絶対、離さないでくださいね?」
「まさか本当にひと時も離さないとは……」
「ふふ、今日の私はくだけてますので」
「も、もうそれ忘れて下さい……」
最近暑いね。
こんな日にはシャワーを浴びて汗を流すに限る。
そして短パン姿になって畳に寝転がり、扇風機に当たって涼む。
「パパ」
すると彼女がやってきて隣に座り、俺の顔を覗き込んできた。
彼女は俺のことを何故かパパと呼ぶ。
「どうした?」
「構って」
「きついっす」
そう言うと、つまらなさそうに唸り、俺の上に被さってくる。
「こら、暑苦しい」
引き剥がそうとすると、怒る。
「膝なら貸してやるから、上は風に当たらせて」
了解したのか、のそのそと下に移動する。
「パパ、さらさら」
俺の太股に頬擦りしながら、彼女が言う。
普段跳ね気味の短髪が、肌に擦れて結構くすぐったい。
「甘えんぼうだな、お前は」
俺は上半身を起こして、彼女の頭に触れる。
タンクトップとホットパンツ姿で、中学生くらいの外見。
成長途上の胸だが、遠慮のないチラリズムだ。
「ん……すん」
顔を太股から短パンの方に寄せ、埋める彼女。
そして枕のようにすりすりしながら、臭いを嗅いでくる。
変態的だが、これは彼女なりのスキンシップであり、変な下心はない……と思う。
「パパ」
「何だ?」
「パパの体、みんな好き。触れてると、安心する」
「俺は、俺を好きと言っていつでもくっついてくれるお前が好きだ」
「退けようと、したのに?」
少し意地悪く笑いながら、聞いてくる。
「まあ、素直じゃないんだ。ツンデレって奴?」
「ツンデレ、か」
彼女は少し膝側に転がって、仰向け気味に俺の方を見る。
「ずっと、私を好きでいて? パパ」
「どうかなー」
「分かってる、ツンデレだから」
体を起こし、今度は俺の太股に跨ってきた。
「でも、分からない時も、あるから……その時は、はっきりして?」
俺と彼女はいつものように、求め交わっていた。
布地の少なく無防備な夏服は、今は下着やゴムと同様に周囲に散らばっている。
「ん……ちゅ」
盛り過ぎかもしれないが、こんな愛情深く際どいキスやハグをされれば、あっさりケダモノに堕ちてしまう。
誰にも見せたくない、秘めた営みとその後の優しい時間。
汗まみれでせっかく浴びたシャワーが空しいが、それでも理性に勝てず抱き締めている。
上気した肌を扇風機の風に撫でられているのが、せめてもの暑さ凌ぎだ。
「ふぁ……、パパ」
「ん?」
「あのね、子どもできたら、喜ぶ?」
「ああ。今はいろいろ大変だが、いつか、な。楽しみにしてるよ」
「うん。そしたらパパは、本当のパパになって、家族、いっぱい……どうしよう、そんなの嬉しすぎる……うあぁ」
何だろうな、この可愛い生き物は。
というお話だったとさ
皆GJ
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暑気払いに温泉旅行とは、以外と悪くない選択だったらしい。
一日の終わりを露天風呂で迎えるのは、なかなかに風情がある。
星も月も見える空に、源泉掛け流しの湯。風呂から上がれば料理も待ってるし、言うこと無し、である。
ただ、一つだけ贅沢を言うならば。
「やっぱり、狭いねえ」
湯気の立つ水面にちゃぷんと波が立つ。
風呂付きの個室のある旅館を選んだとはいえ、湯船が家族風呂ほど大きくないのは誤算だった。
お陰で、二人で入れば寿司詰めだ。大浴場に行けば広々とした空間を存分に楽しめる、とは一応主張してみたのだけど。
「だから言ったろ。無理に入ることないって」
「ううん。……こーゆーのがよかったんだよ。えへへっ」
旅行計画の首謀者たるほたるさん的には、まんざらでもないご様子。
二人膝をついて向かい合って浸かった湯船の中、頬を緩めてご満悦。
「次は混浴のあるとこにしような」
「それでも……一回は、こんな風に入りたいな。よーたと一緒にっ」
伸ばした両手を俺の腕に重ね、ちゃぷちゃぷと揺らしていた。
……昔からスキンシップの多い奴だとは思っていたけど。
「……なんか、この旅行で余計に進行しそうだな」
「ん、なにがー?」
「甘えグセだよ、ほたるの。俺離れ出来なくなるぞ」
「なんだ、そんなこと心配してたんだ? んふふ、だいじょーぶだよっ」
にやけきった顔のまま自慢げに胸を張られても、やな予感しかしない。
結構大きめな双房が揺れる様は、それはそれで堪能させてもらったが。
「よーたをわたし離れできなくさせれば、問題なしっ」
「自分がどーにかなるという発想はねえですか!」
「ねえです!」
……ドヤ顔で『これからもいちゃつきますが何か?』と主張されても。
ほたるの自分が決めたらテコでも動かない所は、結構手強い。
わがままをいう訳ではないのだけど……その、なんというか。
「……離れる必要がないじゃん。ずっとぎゅっとするって、約束したし」
お気楽な笑顔から一転、物憂げな瞳が懇願の視線を対面に向けてくる。
こうなるともうダメだ。結局甘えたがりが進行するんだろうけど。
「……一緒に決まってるだろ」
「えへへ。よーたも結構あまえただよねー。わたし離れできないよー?」
「ほたる離れ出来なくするんだろ? いーんじゃね、それで」
「あー、照れてる照れてる! かあいいなぁ、もー! もーもー」
上からのしかかるみたいに抱きついてきた、頬を寄せてぐりぐりと乱暴なハグ。
胸板にむにゅんと触れたやわかい山が大変素敵ですけども!
「……一つ、提案なんですけど」
「何だよ」
「家に帰っても……こーして一緒にお風呂入りたいなぁ……なんて」
……やっぱり、甘えグセは進行するらしい。
「わぷっ。ちょ、よーたっ、ぎゅってするの強すぎだよおっ」
「……強いの、好きなクセに」
「す、好きだけど……好きに決まってるけどお……くぅん……」
甘えたがりも、甘えられたがりも。
きっとふたり一緒に、離れられなくなってゆくんだろう――。
>>179から小ネタなど
甘えっこと一緒にお風呂入りたいお
素晴らしい!
これは素晴らしい!
GJ!GJ!!
いいかんじだぉ
爆発
「そうすけさん、『りあじゅー』ってなんですか?」
「え……愛し合える人がいる幸せな人、ですかね?」
「じゃあ、私たちは『りあじゅー』ですか?」
「ええ、まあ、そうですね。なんか照れますけ……」
「た、大変です!爆発します!!」
「はあ!?何が!?」
「『りあじゅー』は爆発するんです!どうしましょう!?」
「ああ、そういう……。……!」
「そうすけさん?」
「ゆかりさん。俺は爆発する破目になろうと、変わらず貴女を愛します」
「え!?え!?」
「そしてもし天国へ行っても、ゆかりさんを愛し続けたい」
「そ、そんなの私だって、生まれ変わってもそうすけさんが大好きですっ!!」
「ゆかりさん……」
「そうすけさん……」
「……」
「……爆発、しませんね」
「するわけないでしょう」
「…………え?」
「ゆかりさーん、すいませんでしたー!俺が悪かったからトイレに引きこもらないで下さーい!」
「そうすけさんの、おたんこなすー!すっとこどっこーい!爆発し……しちゃだめですけどー!
もー!あんぽんたーん!おたんちーん!」
書き込みすぎ?間隔もっと空けるべき?
GJ
2828したw
個人的にはカマワヌヨ(・ω・)
二大精糖のでもくらしー
右と左、革新と保守。相対する信念が拮抗する世界――とはいかなかったこの国で。
えらい人らが夢想した対立の社会は、実は密かに実現していたりする。
もっとも、舞台は超絶小規模な一つ屋根の下。
高砂家の夕食後のリビングでは、今宵も論戦の火花が散っていた。
「今日こそ言わせてもらうぞ、希海っ! いい歳して、そっ、そんなにベタベタ
してっ! 恥ずかしいだろっ!」
「えへへっ。だってね、莉緒ちゃん。晴斗にぎゅーってされるの、とってもきも
ちいいし……すっごく、どきどきするんだもんっ」
どうしたものかと戦況を見守る家主、ソファーに腰掛けていた高砂晴斗の眼前
で、舌戦繰り広げるは二人の少女。
真っ赤な顔で両手をぶんぶん振って、道徳とかモラルとか奥ゆかしさを訴えて
いるのが藤枝莉緒。
そんな訴えも何処吹く風、自分の欲求には一直線とばかりに晴斗の膝上にちょ
こんと座って幸せいっぱいに笑顔を見せるのが天野希海。
相対する二人は容姿も性格も正反対だった。そんなボーイッシュで潔癖な莉緒
と、ガーリィで怖いもの知らずの希海がぶつかれば――。
「ど、どきどきとかっ! そんなにやけたはしたない顔、晴斗に見られていい
のっ!?」
「でも、でもねっ。…………あー、やっぱ、むりだー。うれしい気持ち、止められな
いよおっ」
希海は晴斗の両腕を、まるでシートベルトみたいに身体に絡ませ、愛おしげに
ぎゅっと抱きしめてははふぅと甘いため息を吐き。
莉緒は赤い顔をもっと真っ赤にして、瞳にはかすかに涙まで浮かべながら一層
狼狽してしまっている。
自由意思の成せる業と言わんばかりに素直な希海の姿は、割と奥ゆかしい古風
な莉緒にとっては許容しがたいものらしい。
「いつまで続けてんの、二人とも。ほら、喧嘩はなし。仲直りしなー」
いちゃらぶと貞淑の狭間で板挟みな晴斗も助け船を出してはみるものの。
「だ、だってっ、希海が……。大体晴斗もだらしないんだぞっ! すぐに止めない
からっ、こ、こんなに破廉恥なことに……」
「んふふ。晴斗さん、もっといっぱいぎゅーってしてください。今日は、莉緒
ちゃんの分までっ」
躊躇い恥じらう恋敵に見せつけるように希海が更に晴斗に身を寄せれば、助け
船もあっという間に波間に呑まれて消えてしまった。
幸せそうに眼を細めて、その身に絡めた腕をまるで宝物のようにぎゅっと両手
で抱く姿は、莉緒の焦燥を大いに煽っているようだ。
わなわなと身を震わせて羞恥と羨望の狭間で悶える莉緒が面白いのか、幸せに
頬を緩ませる希海の暴走も徐々にギアを上げていく。
「んなっ!? ぼ、ボクの分までとかそんなのずる――じ、じゃなくてっ! とにか
く破廉恥なのはだめに決まってるっ!」
「破廉恥じゃないですよ〜。はぐもちゅーも親愛のスキンシップです。わたし
も、晴斗さんが好きだから――んぅっ」
くるんっ、と座っていた膝の上で半身を捻り、ぷるんっと瑞々しい唇で、つい
ばむように晴斗の元へ。
「あははっ、くすぐったいな」
ほんの児戯、いたずら混じりのスキンシップも希海にしては造作も無いこと、
だが。
その時莉緒に電撃走る――と言わんばかりに一瞬、ぴたりと彼女の時が止まって
しまった。蒼白に染まる顔面は、瞬く間に紅潮を見せる。
「わーっ! わあああっ! キスとか何やってんだよおっっ!? 晴斗とキスとか
そんなのボクも――ち、ちがうくてっ! はっ、晴斗がイヤがってる だろっ!?」
「いや、別にイヤっていうかくすぐったいだけで」
晴斗にすれば、まだ兄離れの出来ていない妹のようなものだから――そう、大し
たことではないとやり過ごすものの。
「ちゅ……んちゅ、れぅっ……はふぅ……。晴斗さんにちゅーすると、わたし、ぽわぽ
わしちゃいます……はぅぅっ」
希海だってもう、十分『いい歳』の女の子であり。
「あははっ、こら希海っ、犬じゃないんだから」
頬に降らせた口吻の雨は、親愛より深い意味を帯びている。
それは、莉緒にも一目瞭然だった。
「あ、あぁ……晴斗が取られちゃう……やだ、そんなのヤダっ……ボクだって、ボク
だってぇ……っ」
震える手をおそるおそる伸ばして、掴もうとする健気な仕草。
堪え続けた理性を破り、抑えきれなくなった『甘えたがり』な想いは、晴斗の
一身に向けられてゆく。
「こら、希海。あんまり莉緒にいじわるすんな」
「うふふ。晴斗さんだって、分かってるくせに」
「い、いや……それは、そのっ。俺がしたいのと、莉緒がしたいのとは違ったら、
莉緒に悪いし……」
言葉ほど確かでもないから――それだけで躊躇っていた晴斗を、希海がくすくす
と笑った。
恋敵の気持ちは同類だからこそよく分かる。
甘えたい――ただ、それだけだから。
「……何が悪いんだよっ。晴斗の、うわきものっ」
「う、浮気って」
おそるおそる探り合い、確かめるような会話を重ねて、一歩、また一歩と莉緒
が晴斗の元へ近づいてゆく。
目線も泳ぎ、伏し目がちになりながらも、それでも進む。
どくん、どくん、胸に弾む鼓動の音に合わせるように。
こちらへどうぞ、と身体をずらし、莉緒の座る場所を作った希海の前で。
「ぼ、ボクだって……そんなの、ボクだって! し、したっ――したいって……思って
るしっ……」
胸元に飛び込むように、莉緒が晴斗の身体にしな垂れかかる。
「……莉緒。甘えたいなら、遠慮すんな」
ぽん、ぽんっと、赤ちゃんを安心させるように背中を優しく叩いてくれた晴斗
のせいで、莉緒の表情も綻んでいく。
甘えちゃいけない、はしたないのはダメ――そう自分に言い聞かせてきた葡萄党
な少女も、やっぱり甘い女の子だから。
「うぅ……こ、こんなの繰り替えしたら……ボクまで希海みたいな、甘えんぼうに
なっちゃうじゃないかよおっ……晴斗のバカぁ……」
細いショートヘアーを手櫛で梳かれる快感で、まるでネコのように丸くなって
ゆく。
「くすくす、莉緒ちゃんはもうずっと前から甘えんぼさんだと思ってましたけど
ねー」
「そ、そんなんじゃないもんっ! そんなんじゃ……うぅ……」
愛しい人を半分占領している隣の少女のからかいで、はっとまた頑なな態度を
取り戻そうとするも。
一言。晴斗が呟くそれだけで。
「……俺は莉緒に甘えられるの、好きだけど」
ムキになっていたしかめっ面が、まるで蕩けるように変わってゆく。
瞳に星が輝き、頬がだらしなく緩んでゆく。
それは、心の底で求めていた、願いだから。
「……そんなの、ボクだっておなじなんだからなっ」
最後は、莉緒もぎゅっと抱きしめた。
そんな風に、甘えんぼの論戦は、いつだって幸せに幕を閉じてゆく。
小ネタ失礼しました
甘えっ子に清き一票を!
乙ワロタ
どっちにも一票入れたいんだが(・ω・`)
おいおい甘えっ娘選挙とか
日本が溶けるわ
しかもボクっ娘とかw
それぞれ彼氏や好きな人がいる甘えっこが
集まる女子会という電波が来た
アドバイス合戦や自慢大会になるんだろうか
女子会(彼氏同伴@膝の上)ですねわかります
ファミレス女子会
「ゆかりのとこってお互い敬語なんでしょー?」
「うん、そうだよ」
「なんで?そうすけ君そんなに厳しいの?」
「ぜーんぜん。私はそうすけさんのこと尊敬してるから敬語なんだよ」
「で、そうすけ君もアンタを尊敬して敬語……あー、お熱いこって」
「ふふん。でもねぇ、アオイだってマモル君と話す時ふにゃふにゃだよ?」
「な!?し、仕方ないでしょ、あんな優しい目で見られたら……」
「はいはい。もう、早く告白しなよ」
「そんな機会ないわよ。だいたい……」
「あ、そうすけさん達帰ってきた」
「うぇっ!?」
「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(アオイ……これが、機会よ!)
(待て待て待て!)
<アリガトウゴザイマシター
「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!――」」
ファミレス男子会(お手洗い)
「そうすけ達ってさぁ、なんで敬語なん?」
「そりゃあ、お互いを尊敬し合ってるから、さ!」
「ドヤ顔やめろや……」
「時にマモル。お前のアオイちゃんを見る目は慈愛に満ちててキモいな」
「う、うるせえ。仕方なかろーが、あんなに可愛く笑うっちゃけん……」
「あーはいはい。さっさと告白すれば?」
「しかしお前、タイミングってのがだな……」
「いいから、戻るぞ」
「お、おう」
「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(マモル……タイミングとは、今だ!)
(……わかった。サンキュー)
<アリガトウゴザイマシター
「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!――」」
後日談もぜひ(´Д`;)
こんなに誰もいないと甘えっ娘が寂しがってしまう
独りぼっちで寂しい甘えっ娘が一人遊びを始める。
世間ではあまちゃんなるものが流行ってるようだな
海女な甘えっこ…・・・難しいテーマだ
日記
○月△日
うわあぁぁぁぁぁぅおおうぅおおおわああぁ!
○月×日
昨日の日記は今見ると頭おかしいと思う。落ち着いて書こう。
昨日マモル君に告白した。いや、された。いや、した。そこはどうだっていい。
両想いだった。うれしい。顔が熱い。もう寝よう。すき。
○月◇日
ゆかり曰く、今の私は顔にしまりがないらしい。私からすればお前のその妙に
母親じみたような表情の方がよっぽど腹立たしい。今日はマモル君に会えなかった。
明日も忙しいらしい。少し寂しいけど、大丈夫。だって私はマモル君の彼女なんだから。
○月▼日
前言撤回。すごくさみしい。せっかくおつきあいできたのに、
これじゃ片思いのときと変わらない。さみしい。
アオイ、しっかりしろ。彼に迷惑かけちゃいけない。もう寝る。明日は会える。
○月◎日
今日はマモル君とたくさん話した。お昼もいっしょ。彼のコーヒーを一口もらった。苦かった。
それを伝えたらワッフルをあーんしてくれた。スマートにやったつもりなんだろうけど、
顔が真っ赤になってた。ふと目に入った窓に映る私は、そんな彼よりもっと真っ赤だった。
○月☆日
デートに誘われた。週末がこんなに待ち遠しかったことはない。遊園地楽しみ。
今から服を考えなくては。正直もうゆかりをバカにできないほど舞い上がってる。
でも私はあいつほど頭が彼氏一色にはなってないと思う。なんだか眠れない。
○月□日
特に私がものを食べているとき、マモル君は優しい目で私を見つめている。
包まれている感じがする。ぽかぽかして、ふわーっとする。マモル君も私を見てこんな気分に
なっているのだろうか。そうだったらうれしい。すき。明日はデート。
「おはよーっ!待った?」
「ぜーんぜん。あっと、その、服、かわいいよ」
「……へへ、ありがと。さ、行こ?」
甘えっ娘エピソード0か、いいねいいね
スイッチが切り替わるときは見ててほっこりする
>>236 彼氏がついてないと潜れないのか
いいねえ
残暑
「おーい」
「…………」
「……おーい」
「……」
「〇〇さーん」
「ふにゃ?」
「前に約束しましたよね」「なにが?」
「30度超えた日のぎゅーは一時間までって」
「……10時間までじゃなかった?」
「一時間」
「ちぇ。でも今週から無制限になったよね」
「たまたま29度とかになっただけだ。今日は暑いからもう終わり」
「わたし、そんなに器用じゃないんで。急に止まれないんで」
「なぜそこで胸を張る……」
「そもそもはわたしが暑い暑いぬるぬるするーっていうのに××くんが汗ばんだ肌を押しつけてきて」
「記憶が書き換わっている……」
「そんなもんで断腸の思いでルールを作ったのはわたしだからわたしは破っていいんです」
「おまえ、便利だな」
「へへーん」
「褒めてないぞ」
「今日だって、××くんが『涼しくなるまでが一日だ』とか変なこと言ってくっついてくるから仕方なく……」
「だめだこいつ」
ぬるぬるの甘えっ娘…グレイトォ!!
>>241 良いね
暑さ寒さも彼岸まで、甘え盛りに区切りなし
お前ら人のとこの甘えっ娘ばっか見てないで、自分のそばの甘えっ娘を可愛がってやれよ!
いない?違うね、気づいてないだけだ。ほら、早く見つけてやれ、この幸せ者!
お月見
「そうすけさーん、お団子できましたよー」
「はーい」
「お疲れ様です、ゆかりさん。晴れてよかったですね」
「はい。虫の声が綺麗ですね」
「……ゆかりさんと出会ったのも、今ぐらいの時期でしたね」
「なんだかもう、ずうっと昔のような気がします」
「俺は昨日のことのように覚えてますよ?」
「まぁ……歳をとると、そう感じるらしいですよ?」
「失礼な……」
「ふふふ、ごめんなさい」
「…………ねぇ、ゆかりさん」
「……はい」
「……月が――」
「……」
「――美味しそうですね」
「……意気地なし」
「ははは……面目ない。今日のところは、これで許してもらえませんか――」
「――んっ……。ひとまず、ですからね。私、待ってますから……」
「はい。必ず……」
「へっくしゅっ!」
「あぁ、二人して完全に風邪ひきましたね……ごほっ」
「そうすけさんが悪いんですよ!ずっと、その……いちゃいちゃする、から……」
「歳をとったから耳がとおくなったなぁー」
「……もー!」
いちゃいちゃをもっと詳しく書くんだ!
それにしても月が綺麗ですねが言えなくて
ちゅーはできるって順番違わないかw
微糖です
……月が僕たちを見守っている。
クサい表現だけど、まん丸になって見下ろしてくるお月さまを見ていると、似合いの言葉に思えてくる。
初彼女ができて二週間、3回目のデート。
待ち合わせのときも、ランチのときも、試着に付き合ったときも、とにかくかわいさに悩殺されっぱなしだった。
彼女の家までこうして二人で歩いていても、意識していないと思わず顔がニヤける。
この子が僕の彼女で、横を歩いていてくれると思うと、それだけでドキドキしてしまう。
今日のデートは、けっこうステップアップできたと思う。
だけど、よく考えてみると、映画館で手をつないできたのも、お揃いのストラップを買おうって言ったのもこの子からだ。
どっちも嬉しすぎて挙動不審になっちゃって、とびきりの「?」顔(これがまたかわいいんだ)を2回させてしまったし。
これは少し情けない。
一応告白したほうとして、もうちょっと男らしく攻めたほうがいい気もする。
でも今日の僕には一つ、秘策がある。
マンションの前まで来て、立ち止まる。
彼女が振り向いて、笑ってくれて。
「今日、楽しかったよ」
う、嬉しい。
「僕も。ずっとかわいい子と一緒だったし」
「……やだぁ」
よし。可愛いなあちくしょう。
さあ、告白よりも前に漱石先生の話をして張っておいた伏線が……
「また明日ね」
……今だ!
「じゃあね、『つk 「愛してるよ」
………………。
…………ええーっ!?
彼女が僕の胸に顔をうずめて、ぎゅう、と抱きついていた。
(…………いい匂い)
じゃなくて。
いや心臓はバクバクだけど、絶対彼女にも聞こえてて恥ずかしいけど。
それより…………。
……もうどうでもいいや。
彼女のちっこい頭を見下ろす。
おずおずと、僕も手を回す。
(……やらかい。細い。ちまい)
腕の中にすっぽりと収まってしまう。
心なしか、抱きついた腕の力が強くなった気がする。
そしたら彼女は、顔を上げて「あいしてる」ともう一回言って、ふにゃ、と笑った。
ずっとそのままでいたいぐらいだったけど、彼女はパッと体を離すと、急に顔を赤くしてエントランスに駆けていく。
かなわないな、と思った。
一枚上手の甘娘かわいい!
セーター「そろそろ私の出番?」
甘えんぼうA「セーター?彼にくっつけばあったかいし、いらない」
甘えんぼうB「いや、クリスマスにプレゼントするために編むとかさ」
甘えんぼうC「え?クリスマスなら『プレゼントはわ・た・し』ってやるのが定番でしょ?」
甘えんぼうA・B「「それはない」」
甘えんぼうC「えーゼッタイ喜んでくれるのに…」
甘えんぼうA(まぁ、既に去年…)
甘えんぼうB(使っちゃったネタだしねぇ…)
って感じの会話が電波になって飛んできた
入り口が二つある手袋の中で手を繋いで、
「なんでいつまでも手ぇ繋いでんすか」
「手を出したら寒くなっちゃうから」
「……じゃあ手袋譲るから」
「手を出したら君の手が寒くなっちゃうだろう?」
「じゃあ手袋諦めて」
「手を出したら寒くなっちゃうから」
ていうループ
甘えんぼうD「2着の袖がつながったセーターなら街中で脱げなど言えまい!」
一方甘えんぼうEは二人羽織仕様セーターを編んでいた
二人羽織でアイス→ほっぺにベチャッ→ぺろぺろ
まで見えた
甘えっ子的には膝枕をするのとしてもらうのはどちらがジャスティスなのだろうか
してもらってからの回転→抱きつきがデフォなんじゃないの
「負けたほうが勝ったほうに膝枕する!」と勝負を挑むものの意外に敗れてしまい、
ちょっとがっかりするけど、ももに乗っかる重みにどきどきし始める甘えっ娘、ってのもあるな
甘えんぼうに小動物系のイメージを持つ派としては、乗るより乗せる方かな
でもたまにお姉さんぶって、膝枕してあげる、とか言ってくれると嬉しいね
膝枕中に逆さキスされたい
>>257 そんな、甘えん坊なアメリカ系ナイスバディな人がいてもいいじゃないですか?
小っちゃい彼氏を背後から抱きついて摺り寄せるくらいに甘えちゃうタイプがいてもいいじゃないか!
膝枕ねぇ
エロなし1レスに込めてみよう
今日は俺の彼女と親友とその彼女の四人で、温泉に入りに来た。
山の中にあって時間帯が早いからなのか、主な利用者は地元のご年配方がぽつぽつといったところ。
時折家族連れも見かけたが、そこそこ浸かって今出てきたばかり。
「……」
温泉のロビーって何でこんなに居心地が良いんだろうか。
少しして、親友の尋が男湯の暖簾を潜って出てきた。
「ふー、えがったえがった。温泉なんて久しぶりだったわぁ」
「で、ついつい調子に乗ってサウナと冷水をリレーしていたのか」
「そしたらくたびれちゃった訳よ。座敷の休憩室でしばらく横になってるわ」
「飲み物買ってくる。牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、その他、どれが良い?」
コーヒーを所望され、ビン牛乳の自販機の所まで来ると、奥から声がした。
「もう上がってたんだ」
茶混じりのセミロングにワンピースの女の子、清那が嬉しそうに向かってくる。
大学生なのに見た目は10代前半に見えるほどあどけないが、湯上りのせいか艶っぽく大人びて見える。
「男前だね、京介くん」
「サッパリシマシタヨー」
その後から金髪碧眼の女の子、ミーシャも、周囲の視線を集めつつ合流した。
長身でグラマーないかにもアメリカンスケールという感じで、シャツとホットパンツ姿が似合っている。
「二人も何か飲むか?」
『うん!(イエス!)』
結局三種類買って、二つを女子たちに手渡し、三人で休憩室に行く。
「ダーリン! 一緒ニオ風呂入リタカッタヨ!」
「おわっ、牛乳こぼれるぞ!」
親友と彼女はウチとは逆の女高男低の身長差カップルだ。
それでいて彼女の方からべったりなのは、母性的なものでもくすぐられるのだろうか。
牛乳を飲ませたら、皆で座敷に座って世間話などをした。
「でね、京介くんったら面白いんだよー」
俺の話をする彼女の横顔は、何となく見入ってしまうほど感じが良い。
「……どしたの?」
清那はきれいな顔しているな、と褒めてやったら一気にデレデレになった。
「ふぇへへ……あ、そうだ。ちょっと膝枕して?」
公共の場で寛ぎすぎだろと思うが、まあ良いか。
「グッドアイデア! 私タチモシマショウ!」
デーブルを挟んであちらはあちらで乗り気の様子。
俺は正座をしてどうぞとぽんぽんすると、清那はすぐに体を横にして頭を乗せてきた。
「ん、京介くんの感触だ。……特等席だよ、良いでしょミーシャ」
「私ハ、ダーリンニ膝枕スル方ガ好キデス」
ミーシャも尋に膝枕をして、髪とか顎とか撫でくりまわしている。
「これ、人前では恥ずかしいな。見られてるよな絶対」
しかし気にも留めないアメリカン、今度は顔にぎゅっと巨乳を押しつけていた。
「……ひょっとして、羨ましい?」
視線を下に戻すと、清那の顔が俺を見上げていた。
「いや、面白い光景だから生暖かく見守ってあげようと」
ああいうのも良いかもしれない、と少しは思ったが。
反省しつつ、俺も頬を軽く撫でてやると、清那は気持ち良さそうに息をついた。
「ありがと。でも」
「こんな小っちゃい私で良かったら……今度は私がしてあげても、良いよ?」
おわり
素晴らしい!素晴らしい!
これはエッチな展開も希望したいw
>>260 乙ー
お互いに自分のパートナーしか眼中にないのがすごく萌える!
サンマ
「お昼はサンマです。サンマの季節です」
「本当、美味しいですねぇ……ゆかりさん、焼き魚食べるの上手ですね」
「もちろんです。大和撫子のたしなみ、ですから」
「ちょっと教えてもらえませんか?」
「いいですよ。まずはしっぽを――」
「……うぅ」
「ほ、ほら、そうすけさん!人には向き不向きってありますし!」
「いえ、慰めの言葉はいりません……」
「うーん……。! そうすけさん」
「はい?」
「はい、あーん」
「ええっ!?」
「あーん」
「い、いや、それは……」
「……ぐすっ、あーん」
「わぁあ!あ、あーん!」
「はい、どうぞ。美味しいですか?」
「お、美味しい、です」
「ふふ、慰めの言葉はいらないって言うから、行動にしてみました」
「あ……ゆかりさん、すみま」
「はいあーん!」
「せむぅ!?……ああ。ごほん。えっと、ありがとうございます、励ましてくれて」
「はい、どういたしまして。では気を取り直して、あーん」
「え、まだ?」
「うぅ、腕が痛くなりました……」
「完食するまでやれば、そりゃあ……」
「だから今夜は、そうすけさんが私に、してくださいね?」
「……ははは……」
>>263GJ
しかしこの時期は新しい属性のネタが少なくて困る
夏と秋の境目あたりってイベントはあっても特徴的なのが少ない・・・
>>263 GJ!
あーんは触れないいちゃいちゃの極地だなあ
>>264 ここは既存のネタを深めていくのもありなのではなかろうか
>>264 運動会ってあんまりでてこないよね
というわけで、お待ちしております
>>266 運動会か・・・パターンが多くて難しいんだよな・・・二人の年齢差でいくつも作れるから・・・
弟の運動会に駆けつけて周りが引くほど応援するお姉ちゃんとかいいと思います
つ二人三脚
これならいくらでもいけるはず
もう直球で行こうぜ
つ借り物競争
あと養護テントとか
甘えっ娘をかけ布団にして寝たい、そんな秋
272 :
名無しさん@ピンキー:2013/10/16(水) 00:58:26.99 ID:wOQlThMY
台風で帰れなくなって一晩中甘えるカップルとかいるんだろうなー…
甘えん坊台風
>>272 アメリカで大規模長時間の停電があった約10ヶ月後、なぜかその地域一帯でベビーラッシュに沸いたとかなんとかいう笑い話があったな
今年の台風の進路は絶対何か理由があると思うんだ
たとえば九州にいた男に会いに来た甘えん坊の風の精霊が男が上京したと聞いてあわてて進路変更したとか・・・
>>275 精霊って気まぐれな所があるから、驚かせるつもりで意気揚々と九州に向かったらとっくに上京済みで
その次になって少し不機嫌になりながら「何で僕になんにも言わないで出て行くんだよ!」としがみつきながら文句いったんだろうな〜と勝手に想像してみる
「じゃあね、明日学校でー」
少し久しぶりになる、サークルの飲み会が終わった。
やっぱり、気の合う人たちと一緒にいるのはいいものだ。
「まあ、○○くんも元気そうで安心したわー」
「大した期間でもないですからね。先輩たちこそ」
「私らはただ日本で夏休み過ごしただけだし。変わりようがないって」
「でもさー、キミたちちょっとつまんなくない?」
う。
「だってさ、一ヶ月ぶりなんでしょ? せっかく隣の席にしてあげたのにさ、
普通もっとイチャイチャとかベタベタするもんじゃないのー? 目線すらそんなに合わないし」
こういう人だとは分かっていた、けど。
だからみんな、店入ったとき不自然な動きしてたのか。
「つまんないつまんない。□□さんと△△さんの時とか、周り何もしなくてもくっついてたじゃん」
彼氏が座椅子になって、一口も自分の箸から食べなかった人たちと一緒にされたくないです。
「ま、軽薄な○○くんと違ってちゃんとした娘だからねー」
「誰が軽薄ですか。先輩のコイバナ好きのほうがよっぽどですよ」
「○○くんもさ、愛されたいならもっと愛を与えてあげないといけないよ?
あ、もしかして。おうち帰ってからラブを注いであげるのかなぁ。いやぁ偉いねー、羨ましいねー」
やめてくださいよあはは、と受け流す。
僕の隣で彼女も笑って流そうとしているけど、表情が硬すぎて引きつっている。
照れているとかではなくて、ただ困っている。
まあ、そういう娘なのだ。
相手が先輩じゃなかったら、「余計なお世話でしょう」の一言もあるところだ。
少々強引に別れて、アツいねご両人、と大声を聞きながら駅に向かう。
手を振り続けていた先輩の姿が見えなくなる、と。
僕の右腕に、ぐぐっと彼女の両腕が回された。
腕に当たる、柔らかい感触。
「え……」
大学の人に見られそうだから、って普段は電車に乗るまで、というか二人きりになるまでくっつかないのに。
だから、先輩の推測は大体当たっているのだけど。
「……酔ってる?」
「酔ってないよ?」
確かに。最初に一杯飲んだだけで、後はウーロン茶だけだった気がする。
「久しぶりで、○○くんの横顔、しっかり、見たかったから」
先輩もここは間違えてた。
僕は、こんなに愛されてるのに。
「駅まで、くっつかせて」
「……うん?」
「電車の中は、我慢するから」
「手ぐらい繋いでもいいんじゃない?」
ふるふると首を振る。
「○○くんのこと好きな私が、知らない人にばれるの、やだから」
「おうちで、一杯ぎゅーしてね……?」
なんてことがさっき電車にいた良い感じのカップルにあったんじゃないかな、クソックソッ
ひがむだけ損だよ・・・orz
なんかオラ鬱になってきただ……
ひがむな、ここを見ている以上温かく見守るというのが大切なのではないか?
・・・俺も彼女ほしい・・・
なんでこんな流れになってんだよw
きっと台風ちゃんがこの流れをすべて洗い流してくれるさ・・・
キス奴隷にされたい……
それ落ち込んでんのか前向きなのかわかんねぇ……
くそっ!クソッ!!
台風までべったりあまあまかよ!
もげろ!!!!!!!!!
「今日からお前は、わたくしのキス奴隷になりました!」 ピシィ
「……何さ、キス奴隷って」
「わたくしがキスしたいときにいつでもキスさせられる奴隷のことです」
「まんまだね」
「聞いてきたのはお前ではないですか」
「それよりさ、何その一人称」
「ほら奴隷を飼えるのって上流階級の嗜み、というか?」
「考えが古いぞ」
「主人に向かって何という悪態! 分をわきまえない奴隷にはぎゅーの罰が下りますよ!」
「別に嫌じゃないな……」
「あと仕事をサボったらなでなで百回の罰なのです」
「それはちょっと疲れるかも」
「ふふん、わたくしの恐ろしさを思い知りましたか」
「でも、そんなに撫でたらいつも以上にふにゃふにゃになっちゃうよね」
「うぐ……それは奴隷の考えることではありません! さあ栄えある初仕事です、キスを! わたくしにキスを!」
「はいはいいつものでしょ、お嬢様」
「反抗的な態度なのです! かくなる上はぎゅーをむぐっ!? ……んん……ちゅ……」
こういうことだろ、前向きじゃねえか
ほらお前らも現実を見ていつもくっついてくる甘えっ娘の生態を報告するんだ
台風離れるってよ
いつかの未来
「おとうさまー、おかあさまばっかりずるいー。きずなともあそんでくださーい」
「あ、きずな、母からお父様を取ってはいけませんよ」
「大人気ないですよ、お母さん。ほら、おいで、きずな」
「へへへー。おとうさますきー」
「……むぅ。私だって好きですのに……」
(ああ、俺、今最高に幸せだなぁ……)
「さ、きずな、そろそろ遅いから、もう寝なさい」
「……はぁーい……おやすみなさーい」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ、きずな」
「……」
「お母さん?」
「……きずなは寝ました。ここからは、私だけの貴方です」
「娘にやきもち焼いてたんですか、お母さん」
「今は、ゆかりと呼んで下さい……」
「ああ、すみません。……愛してますよ、ゆかりさん――」
「――っん、私も、愛してます、そうすけさん……んぅ」
「わあーっ、おかあさまたち、らぶらぶー」
「「!?」」
「き、きずな!?は、早く寝にゃさい!」
「はーい。おかあさまたちもねー」
「はぁ、びっくりしました……」
「ゆかりさん、噛んでましたもんね」
「言わないで下さい……」
「ねぇ、ゆかりさん。月末、お義父さんたちの所にきずなを預けましょうか」
「……!はい!ふふ、きずながお姉さんになるかもしれませんね」
「気が早いなぁ、もう」
「あ、そうすけさん。そういう訳ですので、月末まで、ご自分でもシちゃダメですよ?」
「…………え?」
あなた様までそんなテンションに
ハッピーハロウィン!
というわけで甘えっ娘にあげるお菓子作ってくる
甘えっ娘が「トリーック!」と叫んで抱きつこうとしたので、お菓子はいらないのかとつぶやいたら足が止まってぷるぷる震えだした
>>294 Trick and Treatもできないとは・・・まだまだだな
お菓子の代わりにキスでもあげたらいいんじゃないかな
ハロウィンの次は3連休だな
甘えは文化(キリッ
いい夫婦の日もあるでよ
11月はいろんな日があるな・・・
確か去年やったのはポッキーの日といい夫婦の日、いい風呂の日、あとはいい兄さんの日だっけか・・・?
今日は良い子の日! 良い子にしてるからむぎゅむぎゅを要求するー!
いいこ?
……ゴメン、覚えていない
>>305 そうか、そうだろうね!
スレチだけどいや〜クインシィって昔はすごいブラコンだったもんな、ヤンデレというか甘えん坊なおねえちゃんみたいな
自分のばーちゃんの記憶を追体験するときに、ばーちゃんを自分に、じーちゃんを弟に脳内キャスティングするくらい
イカれ……ブラコンだしな、依衣子姉さん
依衣子のいは依存のいー
淀みない流れに吹いた
いい奥さんの日だよー
ちょっと遅れてるけど聞きたいことがある。
少し前にちょっとスーパーに行くと某宇宙戦争のライトセイバー?をモチーフにしたっていう
明らかに時代がおかしいんだがそれよりも気になるのは1mはあるんじゃないかという長さのポッキーだったんだが
あれ、ジャイアントポッキーっていうやつらしいんだがあれマジであの長さのものがはいってるの?
入ってるとしたらあれでポッキーゲームしたら面白そうなんだが・・・
はいってなかったとしても、はいってると思って買ってみてみるとそれほどでもなかったから
がっかりしている女の子見るのもよさそうだけどな
見た目はこれだったんだけど、箱入りじゃなくて袋だったしもっと長かったから風船だったのかな・・・?お菓子コーナーの近くにおいてたんだけど・・・
ってかスーパーにポッキー風船っておいてるものなのか・・・?
甘えっ娘が俺の下半身のポッキーに風船かぶせてくれる話まだー?
熱暴走
「えへ、ぎゅー♪」
「……アオイちゃん」
「なぁにっ?」
「キミこんなに甘えんぼうやったっけ?」
「変えられちゃった。大人の階段のぼっちゃったの」
「……え?」
「マモル君に、『好き』をいっぱい教えてもらったよ?」
「や、やましい事はしとらんけんね!?」
「も少しなでてぇ……」
「あっ、はい」
「はふぅ……幸せ……」
「あらら。もうゆかりちゃんのことバカに出来んねぇ」
「マモル君!他の女のこと考えないで!」
「あっ、はい。すいません」
「……ねーえマモル君。あたし、いますごく幸せ。マモル君は?」
「そんなん、幸せに決まっとるやん」
「えへへ、だーいすき」
――アオイ宅――
「さて、日記書かないとね。えーっと、『今日は、マモル君にたくさん甘え……』
って、ほああああぁぁぁっ!?あ、あたし、今思えばなんて恥ずかしいことを……」
<ピッピロリン♪
「ぐす。あ、メール……マモル君……」
『今日はずいぶん甘えんぼさんやったね。でも新しい一面が知れて嬉しかった』
「ぐふぅ……もう許してぇ……」
いい兄さんの日+勤労感謝の日で兄に甘える社会人一年目の妹ください
もう名前のないアレのひとは書かないんだろうか
最近作品書く人減ってきたな・・・
やっぱり前からいる人はネタを出しつくしてしまったんだろうか・・・
俺にもっと文才があれば・・・!
文才は書いてるうちに身につくものだ
そうだそうだ
文の才能って書いて文才だからある程度は生まれつきとか環境とかもあると思うんだが・・・
小説家志望の甘えっ娘って電波がなんかきた
文章化をマターリ期待するぉ
恋愛小説家の甘えっ娘と担当の男か、
小説を書く参考のためという口実で毎回男に甘えるわけだな!
逆というのも良いかも
担当の男をそそのかしたり、文学部の教授といんぐりもんぐり
――「今度の本にね、甘えん坊の女の子が出てきてね、」
ずいぶん現実に即した設定である。
「彼氏とケンカしちゃうんだよ。
んで、なかなか謝れなくて、甘えたいけど一ヶ月ぐらい甘えられないわけ」
「……それで?」
「そこがなかなか進まなくてさ。そんなに長い間くっつけない時の気持ちがね、よく分かんないんだよ」
「まあ、俺も結構甘やかしてるしなあ」
ちなみに、この会話も俺のあぐらの上でしている。
「だから、今日からくっつくのは禁止。なでるのも禁止。もちろんえっちなのも禁止!」
そう言って、俺の足から立ち上がる。
「……大丈夫なのか?」
まず出てきたのは心配だった。
「どっか触ってきたら○○くんでもぶん殴るからね! わたしの作家生命が懸かってるんだから!」
こういう訳で、こいつはいま禁欲中なのだ。
「うー…………」
案の定だった。
甘えるのをやめてから、夕食の減りが、明らかに遅い。
「ちょっと痩せてきたんじゃないか?」
尻に手を伸ばすと、ずいぶん力強くはたかれた。
「てっ」
「んー、商売道具がー」
手をさすっている。こいつも痛かったらしい。
「なんでさ、そこまでして甘えないの?」
「言ったじゃんかー。憧れの××文庫で初めて書けるから、全力でいいのにしたいの」
それでも他に努力することがあると思うが。
実生活から設定を持ってくるのをやめるとか。
「まあいいけど。辛かったら言えよ? なんかご飯も進んでないし」
「っ……あー、○○くんのごはんは今日もおいしいなー」
がつがつと流し込んでいく。
「でも大変じゃないのか? ほら来な、頑張ってるご褒美にぎゅーするから」
腕を広げる。
座った足の間をぽんぽんと示すと、それを見た顔がへろ、と緩む。
箸を置いて、もにゅもにゅと寄ってきて、抱きつこうとしたところで、
「……はっ、あやうく台無しに!」
「ちっ」
けっこう引っかかるんだな。
よだれを拭いて、口元を引き締めて、
「だめだよ、あの娘はもっと意志が強いし、あのクソ男は○○くんみたいに優しくないんだから!」
……ありがとう。
生活の管理はキミの役目なんだよ、と怒りながら、とてとてと風呂に歩いていく。
今週ぐらいからやっと、一人でもシャンプーとリンスを間違えないようになったらしい。
……俺と住む前はどうしてたんだろうか。
326 :
2/2:2013/12/03(火) 22:24:58.79 ID:HokY4JgF
この通り、こいつの決意は固い。
でも俺は知っている。
夜中、俺が寝た後だ。
夜更かしのひどいこいつもベッドに入ってきて、寝入った後。
こいつは、ぬいぐるみを使って自分で引いた線を越えてくるのだ。
圧迫感に目が覚めたときにはいつも俺に全力でしがみ付いていて、顔を擦りつけてくる。
意識のない人間の力には、侮れないものがある。けっこう苦しい。
……今日も目が覚めてよかった。
このまま朝を迎えては俺が怒られる。頑張って引っぺがした後に、
踏みつけられたウサギを代わりに抱かせてむこう向きに転がす。
……落ち着いたらしい。本物だったら窒息してるんじゃないかというくらいに強く抱きしめている。
「…○○……くぅん……」という満足げな呟きを聞きながら、俺もまた眠りにつく。
まあ、寂しいのはこいつだけじゃない。
今の本が書き上がったときには、思いっきり甘えさせてやろうと、思っている。
―了―
主夫いいなーと思って書いたけど、仕事の立場を最大限に活用して彼に甘える子もいいな……
ぐっじょーぶ
我慢して解放してを繰り返すと、甘えの質も段々と重度になっていきそうだな
リバウンド的な感じで
GJ
>寂しいのはこいつだけじゃない。
そう、俺もだ俺も
次は思いっきり頼むぉ
GJ!
書き上がった時の開放も期待したいなあ
今朝、こわい夢みたよーってなんとなく言ったら
ハグして頭なでて大丈夫だよって慰めてくれた旦那、
朝っぱらから素敵だったなー
週末まで忙しいようなのでその間に旦那用のマフラー作るんだ!
乳児が毛糸に飛びかかってくるけど!
という電波キタ
こなさんみんばんわ
お久しぶりです、名前のないアレの人です
今回はお遊び企画、またの名を自己満足企画を持ってきました。大体20レスほど使います
エロあり、グロその他要素ほとんどなしです
【ルール】
1.文章を読み進めてください
2.選択肢が現れた場合、どちらかを選択してください
(目安の為アンカーが振られていますが、こちらの編集ミスがあったり、途中で支援レスをいただいた場合ズレることがあります
その場合『その○○(番号。このレスなら【その00】)』でスレ内を検索してください)
3.結果が理不尽でも怒らない、寛大な心を持ってください
4.「こんなのSSじゃないわ!ただの自己満足よ!」 → 「だったらトリップをNG登録すればいいだろ!」
長くなりましたが、それではどうぞお楽しみくださいませ
年末特番の時期である。
無論外は寒風が吹き荒んでいるがこの室内に限ればそんなことはない。エアコンと、最終兵器KOTATSUによる
完全防寒が実現している。
この最終兵器、少々難はあるが毎年我が部屋最強の防寒器具として稼動し続けている優等生だ。これで『外に
出たくなくなる』という中毒性さえなければ、全世界に広めることがノーベル平和賞の受賞理由になってもおか
しくないのだが。
そんな愚にもつかないことを考えながら、もう何度観たか分からない若手芸人渾身のネタをぼんやり眺めてい
ると、コタツの向かいに潜り込んでいた彼女があくびをした。
「ふぁーあ、飽きちゃったなぁ」
そうは言いつつも、チャンネルを変える気配はない。卓上にあるリモコンに手を伸ばすのが億劫なのだ。ちな
みにこれは俺も同じである。
ああ、つくづくこの中毒性さえなければ。
「ねえ、何か面白いことしてよ」
「無茶振りにもほどがあるなお前」
年末とは娯楽の少ない期間である。会社や学校といった既存のコミュニティは停止、クリスマスという巨大イ
ベントは過ぎ去り、雑誌やTV番組も通常刊行、通常放送は停止してしまう。こんなに刺激が足りない時期だとい
うのに、番組制作のプロが情熱と理念と理想と、あと大量の予算をブチ込んだ特別番組をつまらないと一蹴する
彼女を満足させられる話題なんてあるわけがない。
嫌がらせに近い彼女の提言を却下してコタツの天板へべったり頬を押し付ける。火照った身体に冷えた天板が
心地良い。ぬるくなったマホービンのお湯を替えに行かないとな、なんてぼんやり考えながらも、コタツから出
るつもりにはならなかった。
「あー、気持ちいい」
「もう。……あ、そうだ」
彼女が何かいいことを考えついたという顔をする。嫌な予感しかしない。
02 「ひとつ、お願いを聞いてくれない?」
03 「ひとつ、ゲームをしない?」
02を選んだ方 →
>>333へ
03を選んだ方 →
>>334へ
「ひとつ、お願いを聞いてくれない?」
彼女が満面の笑みでそんなことを言ってくる。
「イヤです」
きっぱりと否定。残念ながら俺は今まさにこの瞬間、最終兵器KOTATSUの強力な依存症に囚われており、自分
のためならまだしも誰かのためにこのポジションを手放すつもりなんてこれっぽっちもないのだ。
その旨を懇切丁寧に彼女に教えるが全く効果がなかった。
「だって私も一緒だもん。コタツから出たくないの」
「それなら俺の気持ちも分かってくれよ」
「分かるけど、他人事だもの。それにこの部屋の大掃除をしたのは一体誰だと思っているの?」
この部屋の大掃除をしたのは彼女である。一応普段から掃除をしていたので俺個人としては大掃除なんて必要
ないと考えていたのだが、朝からやって来てレンジフード周りや窓枠なんかの大掛かりな掃除へ積極的に取り組
んでくれたのだ。
あくまで自主的に
「別にしなくてもよかったのに」
「そう言って日中パチンコに出掛けてたのは誰?」
「……勝ってきたじゃん」
「言い訳しない。それに、あなたと一緒に作業するのがいいからって来たんだよ?」
こうまで言われては反論の材料も尽きてしまう。観念した俺は肩を竦めて(本当は両手を挙げたかったが依存
症が強まるので断念した)彼女の求めに応じることにした。
「それじゃあ――」
04 「――台所に行って、お茶とみかんを用意してきて?」
05 「――おつかい、して?」
04の方 →
>>335へ
05の方 →
>>336へ
「ひとつ、ゲームをしない?」
思いつきなのか、視線を宙に泳がせながら彼女がそう提案する。俺に不利なゲームを提案するつもりなのだろ
うか。
それならそれでもいい。暇なのは俺も変わらないし、適当に相手をして時間を潰すのは非常に無意義で有意義
な行為のように思える。
「あ、罰ゲーム付きでね?」
「えー、頑張らないといけないの?」
「だって手を抜いたら面白くないじゃない」
何事も本気だから楽しい、という考えは一理ある。最近発売されたばかりの大人気アクションゲームなんか
は、オンラインでプレイすると「このゲームのために仕事辞めました!」なんて楽しそうな人がゴロゴロしてい
る。こっちとしても見ているだけならすごく楽しい。真似をしたいとは思わないけど。
「で、何するのさ?」
「ちょっと考えがまとまらないな」
「……思いつきなんだろ?」
「そうだけど、何か問題ある?」
ジロっと睨むと、キョトンとした表情が返ってきた。いつものことながら計画性という言葉が抜け落ちてい
る。
「いいえありませんとも」
「なんだよかった。……罰ゲームなら簡単に思いつくんだけどなぁ」
あれとーこれとー、と指を折っていくのを、グーに握り込む前に止める。なんでそんなにすぐに色々思いつく
んだ。
「ねえ、貴方は何やりたい?」
「……やりたくないから罰ゲームなんじゃないか?」
溜息を吐きつつそう返す。やりたくないような罰ゲームを決めて一生懸命遊ぼうという趣旨にいきなり反して
いる。先のことを考えろとは言わないが、せめてほんの数十秒前の自分の発言くらいは覚えておいてほしい。
「つーかそもそも、俺がやるの前提なのかよ」
「どうせ私が勝つのは目に見えてるし!」
「確かに、俺に勝負運がないのはよく知ってるけど」
昔から、コイツ相手にジャンケンで勝ち越した記憶がない。それを分かっていて三本先取を仕掛けてくるのだ
からいやらしい。
「せっかくだから罰ゲーム、何するか選ばせてあげるよ」
彼女の中では俺が罰ゲームをする光景しか見えていないのだろう。何をさせたいのか、と続きを促す。
「えっとね、『辛いの』と『痛いの』、どっちがいい?」
「具体的には?」
「教えたら面白くないから、負けたら教えてあげる」
「……傍若無人って言葉、知ってるか?」
「傍若無人って八方美人と何か関係あるの?」
「お前はそれ以上に自信過剰だよ。……あー、――」
06 「――『辛いの』で」
07 「――『痛いの』で」
06の方 →
>>337へ
07の方 →
>>338へ
「――台所に行って、お茶とみかんを用意してきて?」
「……お前、さっき俺が説明したKOTATSU依存症について理解出来てる?」
「もちろん。私も依存症だもの」
まあいい、俺もちょうど行かないといけないと思っていたところだ。
この鬼、という捨て台詞と共に未練を断ち切るように立ち上がる。ついでにコタツの中へ新鮮な空気を送り込
むと、彼女が不服そうな顔をした。
「八つ当たり禁止」
「べ、別に八つ当たりなんてしてないし」
「こっちを見て言いなさい」
俺は敢えて彼女のほうを見ずに、台所までの遥かに近く限りなく遠い道程を進むことにした。
板張りで足の裏が冷たい中、ヤカンにお湯を沸かして、急須にお茶っ葉を用意して、田舎から送りつけてきた
段ボール箱から適当に5、6個ほどのみかんを用意する。くしゃみも一度や二度ではなかったが、ガタガタ震えて
お祈りの準備を始める頃には準備もすっかり仕上がり、お湯を詰めたマホービンと急須とみかんを纏めて居間に
戻った。
「お疲れ様」
「おかしい、ここはミラーワールドか?」
居間に入って向かって左側の、俺の定位置に彼女が収まっている。さっきまでは向かい側、向かって右側に
座っていたはずなのだが。
「ミラーワールド? 何の話?」
彼女は聞き覚えの薄い単語に違和感を覚えながらも何が言いたいかは理解しているようだ。その証拠にニヤニ
ヤ笑っている。
なんだかちょっと腹が立ったので、天板へマホービンを筆頭とした荷物を降ろすと、さっきまで彼女が座って
いたサイドへ移動すると、ちょっと、と声が掛かった。
「こっちでしょ?」
彼女は自分の隣をバシバシ叩きながら笑っている。俺は渋々、という表情を顔面に貼り付けてそこへ座った。
「嬉しいくせに」
こちらへもたれかかってきた。思わず言葉が漏れた。
08 「襲っちゃうぞ?」
09 「……狭い」
08の方 →
>>339へ
09の方 →
>>340へ
「――おつかい、して?」
「……また?」
「いいじゃん、別に疲れるわけじゃないし」
「流石にもう頭がぼんやりしてきてるんだけど」
「じゃあコタツから出ればすっきりするんじゃないかな」
そんなことを言いながら、彼女は手元に置いたままだった二つ折りの携帯ゲーム機のトバドライブスーパー
(略称T-DS)を取り上げると、スリープを解除した。俺もそれに渋々付き合う。ああ、腕が寒い。
立ち上げたのは最近発売されたばかりのハンスターモンター最新作。『トライギガドス』というロゴと、バカ
デカい短刀が3本組み合わさったエンブレムが浮かび上がると、彼女は早くも行きたいシナリオを選択してい
た。
「待て待て、俺まだログインしてない」
「もう、早くしてよ」
「俺は電源落としてたんだよ」
ぽちぽちボタンを押しながら進むと、彼女は俺を置き去りにすることもなく待っていた。まあ当たり前だが。
というのもこのゲーム、プレイヤーに求められるスキルの比重が高いことで有名で、ハングリー・モンス
ター、『ハンスター』と呼ばれる巨大生物の攻撃をまともに受ければプレイヤーが瀕死になってしまうようなバ
ランスで制作されているのだ。装備品を購入して強化すれば多少は補えるものの、上位装備を手に入れるために
は資金や素材を稼ぐために何度も何度も何度も――
「何度も何度も……!」
「えっ?」
「いやゴメン、独り言」
――とにかく、何度も同じシナリオをクリアする必要がある。
普通ならばそうしてプレイヤースキルも自然と磨かれて先へ進めるのだが、彼女は絶望的にゲーム音痴だっ
た。やってもやってもほとんど上達が見られない。プレイ当初、最初のシナリオをクリアするのに3時間かかる
と聞いたときには思わず聞き返したほどだった。普通なら十分もかからないのに。
「じゃあ、『おつかい』ね」
『おつかい』とは資金や素材を多く獲得しやすいとされているシナリオの一つだ。彼女はこの二週間、このシ
ナリオで手に入る最上級防具の素材集めに勤しんでいるのだった。
さて、『おつかい』という優しい文言に騙されている諸兄のために、概要を説明しよう。
まずスタート地点は平原に突如現れた渓谷の底である。『大多数のハンスターは去った』『残りは掃討戦』
『子供のおつかいみたいなものだ』などという司令部と友軍の楽観的な発言を聞き流していると、突如『騙して
悪いが仕事なんでな』と人語を解する上級ハンスターが四方八方からワラワラ湧いてくる。殲滅か、渓谷の底で
ハンスターの海に沈められるかという初心者お断りのシナリオだった。
慣れてしまえば高威力の時限爆弾と最低限の護身拳銃で簡単に捌ける上に、大量のハンスターが落とすドロッ
プアイテムが実においしいシナリオなのだが、前述の通り彼女のプレイヤースキルは致命的である。画面端で必
死に迎撃するも物量に押し潰されるのが常だった。
そこで俺が敵を引きつけるアイテムを装備して迎撃、彼女はこちらから攻撃しない限り敵から無視されるアイ
テムを装備して逃げ回る作戦で、素材集めを進めているのだった。
静まり返った部屋に響くボタン音。俺も彼女も集中していた。
……が、静寂は――
10 ――俺の漏らした、あっ、という声で破られた。
11 ――彼女の漏らした、あっ、という声で破られた。
10の方 →
>>341へ
11の方 →
>>342へ
「――『辛いの』で」
痛いのは嫌だ。彼女の辞書に『力加減』という単語は存在しない。シッペでもデコピンでも振りかぶって叩き
つけるのをよく見せられてきた。ついでに言うと、見る以上に体験させられてきた。
「じゃあ正座ね、ほら」
「なんでだよ」
「いいから正座」
胡座をかいた俺の足をガンガン蹴り始めた。スネが折られる前に折れた。少し尻を持ち上げて正座に座り直
す。
「足の裏が寒い」
「文句言わないの。膝はあったかいんじゃないの?」
言いながら彼女はコタツの中を覗き込む。そのまま姿を消した……と思ったらすぐにこちら側に頭が突き出て
きた。そのまま俺の膝の上に頭を乗せようとしてきた。素早く後退すると、床に頭をぶつける。うんうん呻いて
いる。
「ザマーミロ」
「なんだって!?」
「ごめんごめん、ついつい心の声が口から出ちゃった」
後退した拍子に最後の砦たる膝まで外に出てしまったので再度侵入を試みるが、侵入路には彼女の頭が鎮座し
ていた。
「ちょっと、邪魔なんですけど」
「膝枕したらいいんじゃないかな?」
「そんなことしたら足痺れるじゃん」
「罰ゲームだし?」
流石に傍若無人が過ぎる。ちょっとイラついてきた。
「なあ、お前さ」
「いいじゃん別に。……そんなに辛いの?」
俺が機嫌を悪くしたのを察したのか、少し不安そうな顔を見せる。それに対して俺は――
12 ――そもそも『ゲーム』はどこに行ったんだよ、と訊いた。
13 ――辛いです、コタツが好きだから、とボケた。
12の方 →
>>343へ
13の方 →
>>344へ
「――『痛いの』で」
「へえ?」
そっちを選ばれるとは思ってなかったな、といった様子。
「一応言っておくけど」
「いいよ。貴方、ドSだもんね」
「……まあそういうこと」
真顔で人のことをドSだなんて言わないでほしい。俺にだって色々あるのだ、面子とか世間体とかプライドと
か。
マホービンから急須へお湯を注いで新たなお茶の用意をすると、彼女は自分の湯呑みを突き出した。
「……どっちがドSなんだろうね」
「何か言った?」
「いいええ、なんでもございませんよハイ」
彼女の湯呑みへ先にお茶を注いで、自分のにも入れて、としていると、彼女は本題を思い出したようだった。
何のゲームをするつもりなんだろう。
「あ、忘れてた。で、なんで『痛いの』を選んだの?」
「そっちかよ!」
お茶を口に含む前で良かった。吹き出すところだ。
「ゲームはどうした、ゲームは」
「いや、そんなことはどうでもいいよ。気になるじゃない、ドSが『痛いの』を選ぶ理由って何?」
自分から言い出しておいて、結局ゲームをする気はないらしい。
「怒らないか?」
「聞いてみないと分からない」
素直な奴だ。
「いやな、罰ゲームってことは、勝った側が負けた側に何かするってことだよな?」
「まあ、『痛いの』ならそうなるよね」
ということは『辛いの』はもう少し違った内容だったのか。今になってみれば、そっちを選んでおいたほう
が、もう少しいい思いが出来ていた気がする。
「そういうわけで、俺はお前の怪力に、ひとたまりもなくぶっ飛ばされるだろうから『痛いの』を選んだわけ」
彼女は細身で軽量、そして見た目通りに馬力もない。つまりはそういうことだ。
彼女の表情が変わった。あからさまに不機嫌な顔をすると――
14 ――彼女はコタツに潜った。
15 ――彼女は立ち上がり、こちら側に回り込んでから飛びかかってきた。
14の方 →
>>345へ
15の方 →
>>346へ
「襲っちゃうぞ?」
そう言うと彼女は笑いながら渋い顔をする。
「それは困るんだよねぇ」
「そういうつもりじゃなかったのかよ」
「んー、2/8くらいはそんなつもりだったけど」
「2/8? 約分の手間を怠るなよ」
「仕方がないじゃない。選択肢は2^3=8通りあるんだから」
「選択肢?」
「そ。私と貴方がイチャイチャする可能性」
「……お前は何を言っているんだ?」
彼女は渋い顔をしながら、今度は目がすっと細められる。
「可能性の話ではあるんだけどね。……貴方は選択肢が沢山あるゲーム、例えば恋愛ゲームなんかと行き合った
ら、どうやってクリアする?」
「そりゃあ、まずは最初に一目惚れしたヒロインルート目指して、それから脇のルートを埋めていくけど」
「でもね、世の中には、とりあえず片っ端からルートを通らないと満足しない人もいるんだよね」
「ああ、選択肢の一番目をずーっと選んでいって、次は二番目をずーっと選んでいく、みたいな機械的なプレイ
スタイルね」
「そうそう、今回もとりあえず最初は一番目の分岐を選んで行き着いて来た人もいると思うんだよね」
今度は細めた目のまま笑う。器用な奴だ。
「純粋に選択肢を選んできた人には申し訳ないんだけど、このお話はループします」
「ループ?」
「そう。それに注意書きに『エロあり』なんてあったら短絡的に『襲っちゃうぞwktk』なんてロクでもない人も
いたと思うし」
今度は満面の笑みだ。
「そういう人を罠に嵌めるのって、とっても素晴らしいことだと思わない?」
よく分からないけど、コイツは性格悪いと思いました。
・メタEND! あなたのぼうけんはここでおわってしまった! →
>>332へ
「……狭い」
「ならいいじゃない」
もたれかかった頭が向きを変えた。横から抱きつかれる格好になる。
「こうやって、ぎゅって出来るし」
冷えた身体に、彼女の密着はありがたかった。俺も身体の向きを変えて彼女と向き合う。腰を抱き寄せると彼
女の口元が肩に埋まった。
そのまま、一分ばかり。沈黙に耐えられなくなったのは俺が先だった。
「……ぎゅっと、出来るし?」
「……何?」
急ぐ必要はない。掃除も、食糧も、当面の問題はクリアしている。会話のやりとりに性急さがないのが心地良
かった。
「出来るし、の後。なんて続けるつもりだった?」
「何だと思う?」
「……ナニかな」
ニュアンスが変わったのは彼女も気付いている。そのくせ黙ったままなのだ。自分から切り出すつもりはない
らしい。
「ズルい、かな?」
「いや。すっごくシたいのが俺だけ、ってことじゃない?」
「……そんなこと、ないよ?」
彼女がようやく顔を上げた。ドテラは息苦しかったのか、少し涙目になっていた。
「もっと、シた――」
我慢しきれなくて押し倒し、耳元で囁いた。
16 「――なら、身体、動かさないと」
16の方 →
>>347へ
――俺の漏らした、あっ、という声で破られた。
「えっ? ちょ、ちょっと、なんでロストしてるのよ!?」
「そんなこと言われても、ミスっちゃったんだから」
「って、うわーーーっ!」
先程説明し忘れていたが、彼女の装備している敵に気づかれないアイテムはゲーム内部での処理的に「敵に狙
われる優先順位を著しく下げる」というもの。つまり――
「きゃー、きゃー! きたー! きたぁあっ!」
――他にハンスターの狙うべき標的が倒されてしまえば、必然的に彼女が優先順位第一位となるわけで。
「もう! やった!? なんで!?」
ハンスターに倒されてロストしてしまった俺の画面からは仲間プレイヤーの様子を俯瞰で眺めることが出来
る。彼女は襲いかかってきたハンスターをなんとか倒すが、更に三体のハンスターが襲いかかっていた。
「おお、すごいすごい。上手くなったねー。最初は止まってる的相手でも外してたのに」
「そんなこと言ってないで助けてよ! きゃ、いやー!」
そろそろ近所迷惑か、もしくはご近所の皆様に俺がレイプ魔と間違えられそうだったが、本気でパニックを起
こしている彼女に声を抑えるように言ったところで効果はなさそうだった。
……仕方ない、助けてやるか。
「ちょっとどこ行く……ふぇえっ?」
強力だった依存症を断ち切って立ち上がり、彼女の側に回り込むとその後ろに座り込んだ。腕を伸ばして彼女
のT-DSを奪い取る。
「ちょ、ちょっとぉ……」
「黙ってて」
身体を強張らせている彼女を無視してハンスターを迎撃する。残念ながら纏めて迎撃するには向かない装備で
来ている。単発砲をきっちり当てていかないといけないな。
もぞもぞ腕の中で抵抗のようなことをしていた彼女がやっと諦め、こちらへ少しだけ体重を傾けてきた。
「観念したか」
「……うん。ありがと」
「画面観ててくれると分かるけど、まだきっつい状況なのは変わらないんだよなぁ」
敵の位置を示すレーダーはまだ敵が七分に陸が三分といったところ。如何せん、出現数が多過ぎる。
「まったく、せめて爆弾系持っててくれればどうにでもなるのに」
「だ、だって、全部貴方がしてくれるから……」
「酷い買い被りだ、なっと!」
自分でクリアしないと実力はつかないのを分かっていてこのザマなんだから、と愚痴を言うと、T-DSを握って
いる俺の手を、上から彼女の掌が包み込んだ。
「……いいじゃん、一緒に作業するのがいいんだから」
彼女にしては珍しい甘えた台詞に、俺は聞こえない振りをする。その作業をするのが趣旨のゲームなんだから
ゲームを一人でもちゃんと楽しんでくれ、これで今日七十回目のシナリオだぞ、と説教してしまいそうだった。
・ゲーマーEND! シナリオを終了し、一分後にあとがきに移動します。 →
>>350へ
――彼女の漏らした、あっ、という声で破られた。
「え? なんで? なんで!?」
どうやら誤操作で武器が暴発してしまったらしい。そして砲弾が向こうのハンスターの群れに直撃した。
こうなっては俺もカバーのしようがない。次々と飛び掛かるハンスターの群れに、彼女のキャラクターはあっ
という間に飲み込まれてしまう。
「あー……」
「まだだ、まだ終わらんよ!」
彼女を中心としたモンスターの群れに爆弾を放り込み、一撃でハンスターを吹き飛ばした。ダウン無敵中だっ
た彼女にはダメージは入っていない。
「なんてタイミングで……」
ダウン無敵でなかったら間違いなく爆風に巻き込まれて死んでいた、という彼女の抗議。
「一日二十回もカバーさせられてりゃ、大体のタイミングくらい掴めるって」
抗議に対する嫌味混じりの反論に、彼女も口を噤む。
とはいえ一か八かの攻撃だったことに変わりはない。俺が手を下すまでもなく彼女は瀕死状態で、無視してい
てもゲームオーバーはまず間違いなかっただろう。
「さて」
「どうしようか」
瀕死の足手まといとボンバーマンほど組み難いタッグはないだろう。味方を巻き込んだらその時点でアウト
だ。無論、ハンスターに捕まってもアウト。
「とりあえず頑張るしかないよね」
彼女も半分諦めている。二人して溜息を吐いて顔を見合わせる。お互い笑ってしまった。
「……飽きた」
彼女の呟きが漏れたのは『おつかい』を三周し終わった頃だった。手元のT-DSをコタツの上に放り出してその
まま後ろに倒れる。
「はいはい」
俺も同じようにして倒れる。
「飽きたー」
コタツの中で足を蹴られた。そんなことをされてもどうしようもないんだけど。
「ならとりあえずTVでも観てようよ。年末だし豪華な番組やってるよ」
「分かったー」
二人同時に起き上がる。コタツに深々と入り込んで、ぬるくなったお茶を啜る。そろそろ熱々のお茶が飲みた
い。
「冬だね」
「暇だね」
そんな会話をしながら、夜は更けていった。
・夜は長いEND! もう一周遊べるドン! →
>>332へ
――そもそも『ゲーム』はどこに行ったんだよ、と訊いた。
「え、えっと……えっとね、お空に飛んでいったと思うよ?」
途端に視線が泳ぎ始めた。
「……まさかと思うが、今一瞬ゲームってなんだろうとか考えなかったか?」
「そ、そんなことないよ?」
あからさまに視線を逸らされた。
「そんなことないけど、とにかく貴方は罰を受ける必要があるの!」
「どんな罰だよ」
自分で言うのもなんだが、別に人様に後ろ指を指されるようなことをした覚えはない。まして相手が彼女なら
尚更で、逆に罰ゲームをしてほしいくらいだった。
「で、どんな罰だよ?」
正座のまま、コタツから頭を出している彼女に圧し掛かるようにして顔を寄せる。
「いいの! 罰を受けるの! いい!?」
逆ギレされて面食らっていると、彼女はガシッと俺の膝を掴んで無理矢理自分の頭を乗せてきた。引き剥がそ
うにも、うつ伏せになって腰を抱き寄せて、絶対にここから動かないぞ、なんて言い出す。
こうなったらお手上げだ、テコでも動くまい。
「……もう好きにしろ、諦めた」
本心から吐き出すと、彼女はこちらを見上げ、しっかり視線を合わせて口を開いた。
「うん、好きにする。大好き」
大好き、の後に俺の名前まで呼びつけてくる。心臓を鷲掴みにされたようになる。言葉を失った俺の負けだっ
た。
「……こうしたかったなら、最初から言えよ」
「うん、これからはそうするね」
コタツに全身埋めてしまって暑いのか、彼女の頬がほんのりと赤くなっていた。
・膝枕END! このまま眠ってしまって二人して体調を崩して寝正月すればいいよ! →
>>350へ
――辛いです、コタツが好きだから、とボケた。
「でも運動しないと身体に悪いんだよ?」
彼女は特に好きなスポーツはない。その代わりに身体を動かすこと自体が好きである。毎朝三十分程、近所を
ジョギングしているくらいだ。幸いなことに今まで誘われたことはなかったのだが、これはお誘いフラグなのだ
ろうか。
「……悪くていいよ。日がな一日コタツの中でぼんやりしてるのが人生の幸せなんだから」
「貴方みたいな人のこと、『コタツムリ』って言うらしいよ?」
今現在、コタツにすっぽり収まって足と首だけ出している自分の様子を鏡で見てからそういうことは言ってい
ただきたい。そう言う暇もなく、自分の状態に気付いたのだろう彼女がコタツから急いで這い出てきた。
「と、とにかく、私は貴方の身体が心配なんだよ?」
「それはありがとうございます」
「じゃあ――」
「――でも今はとりあえずあったまります」
彼女が這い出てきたことに因って生まれた空間へ自分の身体を捩じ込んだ。
「はぁ〜、しあわせ」
「ちょっとぉ」
俺の隣へ彼女も身体を捩じ込んできた。仕方がないので少し身体を寄せて入れるようにしてやる。
「ねー、運動しようよー。ランニングー」
横から抱きつかれ、ぐわんぐわん揺すられて頭が回る。
「しーなーいー。……し、頭揺れて気持ち悪いっつーのー」
「えー、しようよー、きっと汗かいて気持ちいいよー?」
「そーれー……」
それはない、と言いかけて、不意に彼女の言葉を勘繰ってしまった。
身体を動かして、気持ちいい、なんて。
あ、これ、アカンやつや。
「ねーえー? ……ねぇ?」
俺の様子がおかしいことに彼女も気付いたらしい。そして自分の発言を思い出して顔を真っ赤にする。
「ね、ねぇ」
「……何?」
「その……興奮、しちゃった?」
俺は、彼女を押し倒すことでそれに応えた。
「そこまで言うなら、――」
ひとつ、深呼吸をする。
16 「――なら、身体、動かさないと」
16の方 →
>>347へ
――彼女はコタツに潜った。
足の裏でもぞもぞしている塊が、真っ直ぐ俺に向かって進んできた。胡座の真ん中、股座の前に顔を出す。
「怒ったのか、可愛いねー」
「あのねぇ!」
火に油を注いだ俺に対して、片眉だけ吊り上げる器用さを見せながら彼女が迫ってきた。
「ちっちゃいからちっちゃいって言ってるだけだけど?」
「そういうのがムカつくの!」
ちっちゃい身体を活かしてコタツと俺の両足の間から飛び出しこちらの上半身へ体当たりしてきた。堪え切れ
ずに倒れると、そのまま脇腹をグーでガシガシ殴りつけてくる。
「ちょっ、それは!?」
「痛いか! 痛いかあ!」
「痛痒い!」
「なっ……! この、痛がれぇ!」
ちっちゃなグーで、中途半端な力で殴りつけても、痛さとくすぐったさが半々で反応のしようがない。小動物
をあやすようにして抱き締めて動きを制限しようとするが、彼女としてはそれが益々癪に障るようだった。
「うがー!」
「ははは、痛い痛い、痛いなー」
「もー!」
抱き締められない代わりによしよしと撫でてやるが、こちらも気に入らないらしい。前髪の生え際辺りに置い
た手を取られる。
「……何?」
じぃっと俺の指を見つめると、彼女は――
「ってえーーーー!」
――思いっきり噛みついたのだった。
噛み痕はくっきりと、3日も残った。
・「14に行け」END! ゲームブックのお約束。貴方のイチャイチャはここまでだ…… →
>>350へ
――彼女は立ち上がり、こちら側に回り込んでから飛びかかってきた。
「うりゃー! どうだ! 重いだろ!」
「うわー重いなー、すっごく重いなー」
女性相手に軽い重いということを軽々しく言うのもどうかと思うが、彼女は見た目通りの精神年齢なので――
「――小学生の相手をしていると思えば問題ないのでした、どっとはらい」
「誰が小学生だー! ちゃんとハタチ超えてるわ!」
「合法ロリ……だと……?」
「ロリって言うな!」
怒った彼女は俺の着ていたドテラを引っぺがした。この寒いのに、上半身を半袖Tシャツ一枚で過ごせ、とは
なんという拷問だ。もしかしたらこれが『辛いの』なのかもしれない。
「背中が寒い」
「我慢しなさい、これは罰です」
「このままでは風邪を引いてこじらせて肺炎を発症、そこから多重感染症を引き起こしてICUに担ぎ込まれるも
手当ての甲斐なく死んでしまう」
「何言ってるのよ、バカ」
とはいえ彼女も流石に少しは悪いと思っているのか、一度は引っぺがしたドテラをもう一度着せてくれる。
……着せてくれるのはいいのだが、なんだか背中の感触が気持ち悪い。Tシャツとドテラの間に異物が混入し
ている。
「こ、これは必殺『弐忍刃折』!? 門外不出の秘技と聞いていたが……」
「……なによ、それ」
仕方がないことではあるが、彼女には日本男児の魂が足りない。
「説明しよう! 『弐忍刃折』とは対象の衣服の中に入り込み、背後から好き勝手にするという拷問である!
しかしコタツから飛び出ている背中はあったかくなるのだ!」
「な、なんだってー」
虚ろな目をしているのが手に取るように分かるような声音だった。醒めてしまったらしい。
「ううむ、拷問を我慢するか寒いのを我慢するのか迷うところだな。どっちにする?」
「じゃあ拷問を我慢しなさい」
背中から彼女の首が伸びてきた、というか背中に覆いかぶさるようにして圧しかかってきた。
「……これ、拷問だからね?」
後ろから囁かれ、舐められ、軽く噛み付かれた。
・甘噛みEND! 『アマガミ』はエンターブレインの登録商標です →
>>350へ
「――なら、身体、動かさないと」
「ん」
彼女の身体をまさぐろうと臍の辺りへ手を置いて、上着を捲り上げる。抵抗は全くなかった。最初からそのつ
もりだったのかのようだ。露わになった腹へ口を寄せて胸に向かって舐め上げる。ずっとコタツに入っていたか
らだろうか、随分火照っているように思える。
「あったかい、な」
「私は寒いよ……?」
抗議ではなく、苦笑いしつつの言葉。頭を抱き寄せられた。
「でも、ね」
おっぱいに顔が埋まる。引き締まった身体をしているのは日々の節制が効いているのだろう。その辺は、あち
こちゆるくなり始めているインドア派の俺と違うところだ。
「すぐに貴方があったかくしてくれるって、思ってるから」
「なら服は」
「脱ぎたくない、寒いから」
いつもなら、少しでも密着できるように、なんて言って、お互い素っ裸になることを強要する彼女の発言とは
思えなかった。
「あ、それと、ね?」
空いている右手で彼女の脇腹をさすろうか、なんて考えていると、彼女が言葉を継いだ。
「もうちょっと、指先あっためてから触って?」
右手を彼女の左手が絡め取っていった。それを口元に持っていって吐息を吹きかける。
「ホント、冷たいんだから。……あっ」
「だったら中でシたらいいよ」
「……がっつくね」
「そりゃ、相手がお前なら、ね――」
17 ――待っていられない。
17の方 →
>>348へ
――待っていられない。
その言葉を告げず、身体ごとコタツに引き込んだ彼女の身体を満喫することにした。
彼女も俺も、身体はすぐに出来上がった。待ち切れないという風に彼女は自分で下半身を脱ぎ捨てた。俺も下
を脱いでしまう。
俺が上、彼女が下。いつものように凸凹の入り口を触れ合わせる。潤滑油は十分なようだった。
「ほとんど触ってないと思うけど」
「言われなくても知ってるよぉ……っあ、うぅ……」
じわじわと侵入して奥まで到達すると、下から抱き締められる。ふぅふぅと息を荒くして余裕が無いのかとも
思ったが、そうではなかった。下からではあるが、腰をぐいぐいと押し付けてくる。刺激が足りないからと自分
から動こうとしているのだった。
膣内は蕩けている。欲しがる彼女とは対照的に、そんなに強く締め付けているわけではない。それなのに、と
ろとろの襞が絡みつくだけでイきそうだった。
ゆるゆると引き出して、ぬるりと突き入れる。ピストンと呼べるような激しい動きじゃないのに、それだけで
快感が振り切っていた。
「ん、ふぅ……ん、んぁう……」
「だらし、ない、な。涎、垂らしてさ……」
「別に、いい、じゃん」
「……悪くないけど」
彼女の頬の涎を舌で拭い、唇を奪う。彼女が待ち切れないという姿勢そのままの勢いで舌を突き出してきた。
吸われて、吸い返して、唾液を捏ねる。
下半身の結合も忘れてはいない。奥へぶつける度、彼女の喉の奥がくぐもった声で震える。絡みつくでなく、
ぬめつくでなく、ぬるま湯に身を委ねているような心地良い倦怠感が性感に変換されて、暴発寸前にまで高まっ
ていく。
彼女の足が腰へ巻き付く。もうすぐ達する合図だった。一旦口を離して、早いな、とからかうと、相手が貴方
なんだから当然だろう、と返された。
「ホントに、あっ……好き……だい、すきっ……!」
全身でしがみつかれて押し付けられた。変に温かい彼女の身体が密着したせいで、腹の底から湧き上がってき
た衝動が堰を切ったように溢れ出し、彼女の奥を白く汚していく。
「ひ、あ、ああぁあっ……!」
彼女自身もほとんど同時に達していた。うわごとのように好きだ好きだと繰り返していた。
18 「うぅ、暑い……」
18の方 →
>>349へ
「うぅ、暑い……」
散々お互いの身体を弄り合って、体温は上がっていた。彼女に文句を言われた指先の先まで血が巡っているの
を感じるくらいだった。
「身体中、どくどく言ってる」
肩で息をしながら彼女は前髪を掻き上げる。房になった髪が汗でおでこに貼り付いていた。
「一旦出よう、もう倒れそうだ」
「……うん、私もダメ」
中から抜け出ると、少し低めの室温が爽快だった。荒い息を吐きながら彼女を引っ張りだしてやると、その勢
いで抱きついてきた。
「……貴方の身体、ぽかぽかしてる」
「お前もな」
「えへへへ……これなら、コタツはいらないね」
それはつまり、二人で身体を寄せ合うのが一番の暖房だということだろうか。
「じゃあ夏はこういうのナシだな」
「えー!?」
「だって、暖房代わりってことだろ?」
「暖房以上よ! ……だって、身体も、心もあったかくなるんだから」
恥ずかしいことを真顔で言い出す彼女に、こっちが恥ずかしくなる。
「……お前だけな」
「あー、顔赤いよ? コタツで湯中りしちゃったのかなー?」
「うるせえ、このやろ」
両手でワシワシと髪をシェイクすると、彼女は心底楽しそうな声で怒り始めた。
・真(?)END! 半脱ぎは性義……もとい正義です! →
>>350へ
と以上です
昔懐かしのゲームブック風でお送りいたしました
すんなりここまで来た皆さん、お疲れ様でした。またよろしくお願いします
真(?)ルートまで進んだ皆さん、他のルートもよろしくお願いします
何度もループした皆さん、人生とはそんなものです。納得いかないなら【14】にでも行けばいいと思います(棒
ちょっと脱字があったので、気が向いたら整理したものをロダに上げるかもしれません
・GAME OVER ! コンティニューはこちら! →
>>332へ
うーん、これはちょっと……
オマケに1レス目で批判が全部「黙れ」って潰されちゃうから、
「モヤモヤしてもお前が悪い」って言われてる気がしてなおさらモヤモヤする……
なかなか微笑ましくていい感じ。
コタツで大人二人が重なるのは高さ的にちょっと無理があるなーと思っていたら、なるほどそういうことかw
20レスを一本としてとらえ、なおかつ特定の読み進め方になると実は合法LOでしたというオチがつくので、そこはいいと思う
逆に、それに気付かない間は読んでて浮かんでくる情景がしっくりこないので、もどかしさがある
今の選択肢構成だと和気あいあいな感じで、上下逆にすると合法LO萌え(*´Д`)ハァハァになるのはやっぱ意図的かな
膝枕のとき女の子がクンカクンカして顔をすり寄せたりすると、犬属性甘えんぼうっぽくてもっと萌えたかも
ちゃんとエロいし楽しくていいでないの
ぶつけられないモヤモヤは誤爆とかで解消
面白いしなかなかいいと思うけどちょっと読みくさがあるな・・・
これまとめwikiにまとめるとかなり読みにくそう
一レスずつ別のページにすれば読みやすい
>>328-329 外が明るんできて、鳥の声も聞こえるような時刻。
「んー…………っはぁっ!」
特大の伸び。
脱稿、である。
予想外に大きな書き直しを迫られて、禁欲期間は二週間ほど延びていた。
そこそこ根を詰めていたこいつが「充電」を始めたら何日か使い物にならないだろうから、
改稿へのモチベーションを維持させるのも大変だったのだ。
ともかく、たぶんこれでこいつの仕事は一段落したし、秘書兼料理人兼家政夫兼……の俺の仕事も一段落である。
お疲れ様、と声を掛けに行こうとしたら。
椅子はこっちに向いていて、「ん」と両腕を広げてきた。
「ぎゅってして」の合図。
ああ、そういえば。
ずいぶん久しぶりだ。
余裕を見せてゆっくりと歩くけど、胸は高鳴っている。
顔を寄せて、首に腕を回すと、体が微かに震えたように見えた。
肌が触れたところが熱く感じる。
柔らかい感触を抱き寄せた。
耳許で、すん、と鼻が鳴る。
息を吸い込むと、頭が痺れたようになって。
重みを掛ける。
ぎい、と椅子が軋んで、
「ん……ふぅぅぅ…………」
と肺の中身を全部外に出すような息を吐いて、こいつの体の力が抜けていく。
「お疲れさま。偉い」と小さな声で言うと、「あり、がと」と力弱く呟いた。
くふん、と息を吐いて頭を俺の肩に擦り付けてくる。
これは「あたま、撫でて」の合図。
リクエストに応えて、髪をす、と撫でる。
髪の感触って、こんなに心地良かったか。
撫で下ろす度にん、と吐息が漏れて、ますます体がくた、となっていくのが面白くて撫で続ける。
回された手が、俺の背中を優しく引っかく。
俺が力を強くしても、おとなしく抱き寄せられるままになっている。
と、
いつの間にか息がすうすうと規則正しいものになっていた。
「おーい。起きなさーい」
頬をべちぺちと叩く。
「……んぅ?」
「すぐ寝ていいから、とりあえずお前風呂入れ。臭いぞ」
357 :
(2/5):2013/12/09(月) 20:40:28.23 ID:iwSkew7Y
「おっふろー、おっふろー」
今のこいつを一人で入らせたら溺死は確実なので、もちろん一緒に俺も入ることになる。
まさか顔を洗うのも俺がやるとは思わなかったが。
「ちょっと、狭いね」
風呂の広いところを選んだはずだったが、二人が入るにはやっぱり無理がある。
そんなことも忘れていた。
俺の足の上で気持ちよさそうに脱力しているこいつを見て、悪戯心が頭をもたげる。
お湯の中で軽くなった体をぷかぷか、と動かしながら、
「やっぱり痩せたよな。ちゃんとご飯食べろよ」
尻に手をやる。
「ばか」
今度ははたかれなかった。
――――
風呂に入ったら元気を取り戻してしまったらしく、臨時の朝食。
「んぐ。下手になったでしょー?」
「しょうがないだろ。久しぶりなんだし」
最初に慣れるまでもけっこう掛かった気がする。
二人羽織は難しいのだ。
今日はやけにもぞもぞするから狙いが定まらないし。
「ご飯はおいしいけどー、食べさせ方は修行が必要だねー」
「……はいはい」
注意しながらもう一口、食べさせようとする。
どんな角度だったかなーと考えていたら、腕ごと掴まれて俺の口まで持っていかれた。
「っぐ」
ぐいぐいと押し込まれる。
スプーンが歯に当たって痛い。
「おい、なにふぁっへ……」
流し目で振り返って。
「あー」
可愛く開かれた口を見せ付けてくる。
「これだったら失敗しないよぅ?」
……そういうことだよな。
顔を引き寄せる。
ふにふにの唇の感触は、意識しないように。
口の中のものを、舌を使って少しずつ、ゆっくりと押し込んでいく。
一回ごとにん、と声が漏れるのがなんだか艶かしい。
……いつもこんなこと、してたかな。
記憶が確かでない。
初めてではないはずだけど。
最後の分を渡し終わると、それを飲み込んで、「よくできましたぁ」と照れたように笑ってきた。
こんなことをしていたので、食べ終わったときにはすっかりご飯は冷めていた。
358 :
(3/5):2013/12/09(月) 20:41:02.26 ID:iwSkew7Y
食べるのに体力を使った一歩も歩けないなどと騒ぐので、こいつは俺がベッドまで運んでいくことになった。
寝かしつけておいて今日は洗濯と買い出しかな、と考えながら頭を撫でていると。
手が伸びてきたと思ったら、思いがけなく強い力で胸許を掴まれた。
さっきまで「ふみゅぅ……」と可愛らしい声を出していたのに。
「ねえ、どっか行っちゃう?」
柔らかく微笑んではいるが、表情はどこか余裕がないようにも見える。
「どこも行かないよ。安心して」
「でも、私が寝ちゃったら色々しにいくでしょ?」
「まあ。お前と違って朝型だし……」
もう片方の手が、俺の太ももに伸ばされる。
すりすり。すりすり。
「ん、何して……」
「○○くんはさ、このまま寝てほしい?」
そこを突かれると、正直痛いのだ。
こいつの体力を考えて、気を遣っていただけで。
「さっきもさ、ノリノリでやらしいちゅーしてたじゃん」
「それはお前が……」
「お風呂のときもご飯のときもずっと硬いの当たってたしー」
バレてたか。
「私だってさ、くっついたりちゅーしたら、ただ安心するだけじゃないんだよ?」
そうだろう。
望むところである。
俺は軽く口付けると、唇を合わせたまま抱き起こした。
こいつも目を輝かせて、抱きついてくる。
俺の膝にこいつが乗って、抱き合った姿勢。
必死にしがみ付いて、舌を差し入れてくる。
「……寂しかった?」
「○○くんは…寂しく……なかった…の?」
上目遣いで質問を返してくる。
「寂しかったよ、うん。……お前も浮気するし」
「へ、え?」
「△△さんの結婚式のときお前、二次会で酔っ払って担当さんにべたべたしながら帰ってきただろ?
俺じゃなくてもあんなに甘えてるのか?」
「え、あ、あ、……えと、ごめ」
まあいいけど、と表情を緩めて。
「ずっと俺の名前呼びながらくっついてたらしくてさ、"仲、良いんですね"って呆れられたよ。ありがとう。
でも気を付けろよ。知り合い多いとこだから良かったけどさ、担当さん連れてきてくれなかったらお前、
知らない人に付いてって、どこで何されてるか分からないぞ」
359 :
(4/5):2013/12/09(月) 20:41:42.62 ID:iwSkew7Y
「うん、ごめん……でも甘えたいの、○○くん、だけだもん……」
またキス攻撃が始まる。
もっと何かを求めているように、情熱的になって。
「書き終わってぎゅーしてもらったときも、じわぁって安心した後に体が熱くなってきたし。
お風呂入ったときも、久しぶりにかっこいい裸見て奥のほうがじゅん、てしたし。
もし他の人でも、絶対にちゅーしてるだけでこんなにしあわせにならないし……」
パジャマを自分でずり下ろすと、抱き着いたまま股間を擦り付けてくる。
俺のものも、粘液ですぐにどろどろになっていく。
「ねえ……、っ、もう、いいよね、はいって、…………っあ!」
俺の答えを待たないで腰を落とした瞬間。
ずりゅ、と、ほとんど抵抗もなく滑り入っていった。
「……っは、ああぁぁぁ…………ふ……ぅ、ん………」
それでも、久しぶりだからか締め付けは強い。
中が、きゅ、と甘く疼くのを伝えてくる。
唇を結んで、ふーっ、ふーっ、と荒い息を吐いているのを、もっと強く抱き寄せる。
「そうだ」
わざと耳許で囁く。
「また他の人に迷惑かけるといけないから、甘えなくても大丈夫なように頑張るか?」
回された腕の力が強くなった。
「やらぁ……なんで、っ、こんなにうれしいときに、そんな、ぁ、こというの……
さびしいのは、もう、ん、は、いらないから……○○くんの、せいで、うぅ、甘えて、ないと、おかしくなるの……
いい、もん、○○くんも、甘えないと、っう、いきてけなく、してやるうぅっ……」
声を震わせて、泣きそうな顔で。
歯がぶつかるぐらいの勢いで唇を合わせてきて、激しく動き始めた。
必死に腰を動かしているけれど、感じすぎているのか動きは小さくて、不規則だ。
このまま続けさせてもいじらしくて可愛いけれど。
抱きとめて止めさせる。
今日は、甘えさせてやらないと。
優しく口の中を嬲って、ゆっくりと腰を動かしてやる。
「………、き、…………、い、して、……だい、…、き……………」
繋がった口から、うっとりした声で呟くのが伝わってくる。
俺も耳を弄ったり、唇を噛んだりして応える。
でも、下で繋がったところは奥のほうがふるふると震えて、もう限界が近いらしい。
お互いの唾液でてかてかになった唇を離す。
寂しそうな顔をされたが、構わない。
腕の中にもっと深く抱き寄せる。
耳たぶをかり、と噛んで。
息のかかる距離で――言われたことを返してやった。
「…………っふ! っうぅっ!………んぅ!……あっ、ぁ!…………ぁ……」
感極まってしまったらしい。
がくがく、と体を震わせる。
痙攣が収まるまで、背中に回した手で撫でさすってやった。
顔を覗き込むと、焦点の合わなくなった眼が俺を見つめてくる。
完全に力の抜けてしまった体が、俺の胸に倒れ込んできた。
頭だけを動かして、緩慢に、俺の体のあちこちにキスを降らせてくる。
「こんな、……わらひ………、けど……ありが、と…………」
おう。
こんな俺で良かったら、いくらでも甘えさせてやるよ。
360 :
(5/5):2013/12/09(月) 20:43:27.45 ID:iwSkew7Y
――――
「今日のご飯なにー?」
「見りゃ分かるだろ。それより、離れてくれない?」
「なんで? ○○くんにもぎゅってしてほしいの我慢してるんだよ?」
「それは我慢じゃない。危ないんだよ、刃物も熱いのもあるから」
「ひゅー。気遣いだー」
「当たり前じゃないか?」
「かわいい大事なご主人にケガはさせられませんってか」
「でも現に動きにくいし」
「まあ小説の取材だから。ぐへへ奥さん、台所で抱きつかれて息を荒くしてるじゃねえか」
「荒くないし。お前書いてるのそんなオヤジ臭くないだろ」
「奥さんがちゅーしてくれるまで離れないから」
「……ずっとそうしてろ。振り飛ばされても知らないからな」
「そうかー。そうだよねー。食べるときにいっぱいちゅーするもんねー?」
「うぐ」
――了――
甘えが何なのか分からなくなってきた
>>360 GJ!
俺の考えだと女の子の甘えは3種類に分けれる気がするんだ
@意識して大胆に甘えてくる
A無意識にいつの間にか甘えてしまう
B甘えたいのを隠そうとするが洩らしてしまう
バレバレに〜後になってやっと気付く巧妙さ の範囲
今回は@とその無言Verだった風に読めたぉ
362 :
お詫び:2013/12/11(水) 15:32:17.63 ID:mjqavxhN
皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。
>>325=
>>356の保護者です。
この度は私の同居人が、 創作に見せかけてプライベートな事柄を長々と書き連ね、掲示板を汚してしまい誠に申し訳ありません。
本人は「さすがに名前を出しては書けない」「私たちほど幸せなカップルが現実にいるとは誰も思わない」「ぎゅーの時間が思ったより短い腹いせ」
などと言っていますが、何の弁解にもなっていないので3日間スキンシップを禁じようかと思っています。
今後、このようなことがないように強く言い聞かせます。
それでは、皆さん良いエロパロ板ライフをお過ごしください。
よくある母コピペかと思ったらww
そういうオチは大好きだ。GJ!
無意識の甘えってどんなんだろうな
「はっ、わたしとしたことが、また男君に甘えてしまったっ!
いかんいかんっ、あまりにも男君が好きすぎて、無意識の内に甘えてしまうとは……」
ちゃうね、これミサワか
>>364 何もせずただボーっとしてるだけのつもりなのに隣にいる男に指摘されてはじめて自分が抱きついていることに気づくとか?
>>366 乙です
これから見るけど16ページも有るんやね
何と無く浮かんだ会話
-----------------------
男「あのさぁ」
女「なぁに?」
男「左腕暑いんだけど」
女「そぉ?あたし寒いけど」
男「いや、部屋で暖房付けてそんなひっつかれたら・・・」
女「だって寒いもん(むぎゅ)」
終わりw
m
恋とか愛とか、好きとか大好きとか。間断なく繰り広げられた甘い世界にまさか二時間弱も浸り続ける羽目になろうとは。
映画に行こうと誘った奴もまさか思いもよらなかったです、ええ。
「……はぁ、すごかったぁ」
12月の寒空の下、映画館を出る人波の中でも一際あったまったんじゃなかろうかと思う程の赤い顔は、大満足とばかりに目尻を下げ、ぽかぽかの湯気を上げていた。ヘアピンで留めた前髪から覗く、愛らしいおでこまで温かそうで。
たぶん今なら町中でおっぱいのひともみくらいしても「もー、えっちなのはだめだよー」と笑いながら許してくれるんじゃなかろーか。
そんな具合にしあわせおーら全開のおじょうさんの『これが見たい!』という熱い推しの時点で覚悟はしていたけれど。
「歯が溶けるかと思ったわ! なんかもう、こっちまで見てて恥ずかしくなるんですけど……」
「いやいやいや、だからいいんじゃないかなと! これこそぴゅあならぶっ! って感じがねー」
好きな作家の作品の映画化だから――そうやって、語る言葉に熱もこもる。
彼女に勧められて読んだことはあった。『実写でこんな事は出来ないよなあ』とたかを括っていたけれど。
……甘かった。二重の意味で。
読み手の想像を超えて展開されたすいーとらぶすとーりーに何度身悶えしたことか。14回から先は数えてないけど。
「んなこと言ってー、そっちだってけっこー満足したんじゃないのー? 顔真っ赤になってるしぃ」
「俺の顔が赤いのは、佳穂さんと別の理由だと思いますけど……」
主に『爆発しろ』的な方面で。
「でも、一緒に見てくれて、嬉しかったなっ。何度勧めてもキミ、なかなか見てくれなかったでしょー?」
「一人じゃ見られませんって、大体、お客さん女性多かったですし」
「そう? カップルで来る人も結構いるんだよー。やっぱ、みんな愛し愛され生きていきたいんですよ、うんうんっ」
そんな歌昔ありましたね。そういえばあれもリア充の歌でしたっけ。
――まだ、他人事みたいにそうやって線を引くクセは抜けないけれど。
「……あんな風に、してくれてもいいんだけどなー」
ちらっ、と横目でからかうように笑うひとは、すぐに目を逸らしたかと思うと、誘うように俺の手を握ってきた。
指と指、五本を絡ませぎゅっと結んだ恋人つなぎ。
態度は余裕ありげなくせして、小さな手のひらは、とても、熱い。
『わたし知らないし』、なんて素っ気ない表情を気取ってるけど、隠しきれない感情が、口元をひくひく揺らしている。
ぎゅっ、ぎゅっと、握られた手が、『なにか』を求めている――ような気がした。
「……そんなこと言って。そしたら、誰にも渡さないぞって、みんなに見せつけるように抱きつきますよ、映画みたいに」
「うわうわうわっ! そ、それは流石に恥ずかしすぎるしっ! そ、そんなのっ、映画だから出来るんであってさっ――うわっ!?」
慌てて振り返って必死に否定。手をばたつかせてジェスチャーするのはいいですが、俺の手握ったまんまなんですけど。
「あーもー興奮し過ぎ! ちょっと落ち着いてっ!」
案の定、バランス崩して転びそうになる彼女をぐっと引き寄せて――あれ?
「わわっ! あ、ありがと――――っ!」
胸に抱き留めた小さな背丈が、俺を見上げて、瞬間。
「はうっ、あ、あわわわ……っ!?」
ぼっと顔から湯気を立てて、硬直してしまった。
一拍遅れて、脳裏に過ぎった違和感が、真新しい既視感に符合する。
人波の中立ち止まり、抱き合って見つめ合う二人。
これってそう、さっき見た映画のシーンであったはずで――
「……あ、あは、あはははっ。ご、ごめんねっ、そ、そのっ、わたし、なんか暴走しちゃったみたいでっ」
意識の根元から揺らすように、どくん、と何かが揺れた気がした。
勢いのせいで、抱きしめられてしまった彼女といえば、必死に取り繕おうとしている。
目線はあちこちを泳いでるし、口から出る言葉もしどろもどろ。
それに、何より一番丸わかりだったのは。
「……して欲しかったって、こういうこと、なんでしょう?」
押しつけられた柔らかな胸越しに、強い鼓動が響いてきた。
また、揺れて――胸の奥で響く音が、彼女のそれと反響するのを感じる。
逃げ場を失った視線同士、真っ直ぐに向き合う形になる。
「あ……っ」
だから。
理性も、一気に吹っ飛んでしまった。
こっちまで、頭の芯まで熱に浮かされてしまったから。
「あっ――んん……っ」
目を閉じる暇も無いほどの突然のキスに、周りの声が一瞬ざわめき立った……ように聞こえた。
まるで遠くの世界のことの様で、届いた言葉もあやふやになった。
驚きと羞恥に射貫かれたのも束の間、彼女もまた、蕩けた顔で見つめ返してくる。
求め合うままに近づいて――瞬く間の永遠の後、ふっと、離れた。
そうして、ようやく、『つながった』ことに気付いた……と同時に。
「あ……あ、わ、わたしっ、そ、そのっ……」
「い、いやっ、お、おれっ、え、えぇとっ……」
いつの間にか、どっかに放り投げていたらしい自意識が、お互いむくむくと蘇り。
「か、帰りますかっ! 風邪ひくといけませんしっ!?」
「そ、そうだねっ!? 早くお家に帰らないとねっ!?」
……好奇の視線を一身に浴びながら、逃げ帰る羽目になりました。
いや、ほんと、どうかしてたとしか言えないんですけど……。
修羅場……とは違うんだと思います、ええ。でもすっげえ居心地悪い。
『人前で映画のシーン再現』事件からしばらくして、お詫びに訪れた彼女の家は、言いようもない空気に溢れていた。
「……あ、そ、そのっ、お構いなくっ」
「は、はいっ……あ、ありがとうございますっ」
顔を合わせば、視線は合わず。会話もどうにも他人行儀。
……気まずい雰囲気に、少しは後悔している訳で。
話の合う女友達……から、彼氏彼女の関係になったはいいものの。
元々そんなに、彼女の好きな小説に出てくるような『すき』を屈託無く言える関係では無かったから。
「……っ」
ちらり、と横目で覗かれたと思えばすぐに目を逸らされるような状況は、どう応えていいものやら困るわけで。
それは、一時の暴走に身を任せた俺が悪く――「……決めた」
は?
「な、何をですかっ、佳穂さんっ!?」
思考に割り込む彼女の強い発言に、思わず背筋がびくんと跳ねる。
気付けば目と鼻の先に彼女がいた。嗚呼、今日も頬ずりしたくなるようならぶりーなおでこ――じゃなくて!
決めたって何をですか!? 分かれるとかそんなもうマジで勝てない展開になるとかそういう話で――!?
「……求めたのは、わたしだもん。応えてくれたの、驚いてる場合じゃないし!」
昏迷を極めまくった思考を再び断ち切ったのは、彼女の行動だった。
まるで小さな子が自分より大きなぬいぐるみを抱くように、彼女なりの精一杯に両手を広げて。
ぎゅっと、俺の身体を抱きしめてきた。あの日つないだ、恋人つなぎと同じように、強く。
「わ、わたしっ! 物語みたいに、素直に、でっ……出来ないけど……で、でもねっ!」
抱きしめたまま見上げた瞳に、この前のような不安の色はない。ただ、子犬のように溢れ出した慕情の念が浮かんでいる。
「……すきな、ひとに。ずっと……して、欲しかった、から。だから、その、うれしくて――!」
まるで、初恋の人に告白されているみたいで。
「ひゃうっ!? こ、告白っ!?」
……口に出してしまっていたらしい。
「や、そ、そのっ、そ、そんな風に言われたら、俺もうれしいと言いますかっ」
「……い、いいの? キミは、そ、その、『甘え』、られるの……って……その、いや、だって……」
恐る恐る尋ねた顔は、不安そうに俺を伺っている。
彼女の好きな作品を『甘ったるい』と散々評していたせいで、いつの間にか彼女にそんな遠慮を与えていた――のか?
――だとしたら、昔の俺は今ここで否定してやらなきゃいけないらしい。
「……恥ずかしかったけど、でも。今はちがう。だって、俺だって映画みたいなこと、佳穂さんにしちゃったんだし」
昔の自分ををバカだったと。笑って告げたその言葉が。
「……うう」
「か、佳穂さんっ!? ど、どうしたんですかっ!?」
彼女の瞳をぶわっと潤ませる羽目になろうとは。
溢れんばかりの涙を湛えたまま、見上げた顔は胸元へと埋もれていく。
「……いっぱい、甘えるからねっ。大好きって、いうもんっ。毎日言うもんっ」
嬉し泣きの声に釣られて、こみ上げてきたのは愛おしさで。
「俺だって言いますよ。毎日、ずっとね」
抱き返した身体は、うれしそうに震えていた。涙を拭って見せてくれた笑顔も、なんだか少し誇らしい。
……結局はまあ、とんだ杞憂だった、ということで。
……甘かった。俺の了見は非常に甘かったと言わざるを得ませんでした。
なぜならば。
「ねー、おふろはいろーよー。ねーってばぁー」
「あ、あうう」
『これはわたしのもの』と、全身を擦り付けてマーキングする猫のように。
今日も今日とて彼女さんは、ふにゃふにゃとした気の抜けた笑顔で背中越しに柔らかい胸を重ねてすりすりと甘えてきやがります。
……下着姿で。
アンダーバストに小さなリボンの揺れた可愛いブラとなんか表面面積ギリッギリなショーツ姿で!
あなたの読んでた小説はそんなにせくすぃーな格好で甘えてこなかったと思うんですけど!
「おーふーろーっ、いっしょに入るってやくそくしたもんねー。えへへぇ」
「……おとこのこにそういう誘いは甘えとは別の感情を呼ぶと思いませんか」
「んー? キミももしかして甘えたくなっちゃった? いーよ、甘えても……互いにすきすきしあおうぜー」
……ええと。このおじょうさん。あなたこんなにおつむあったかい子だったでしたっけ。
いや、外ではそんな事はないはずだけれど。
彼女が密かに科していた自戒を俺が断ち切った日から、進行した症状はこんな具合に発展しています、ええ。
「……いい加減に襲いますよ、そんな格好で」
「みんなの前で、抱きしめたみたいに?」
「そ、そういうんじゃなくてですね!」
「……いいよ、キミがしたいなら。わ、わたしも……今度は、逃げないからっ」
ちょっとカマをかけてみても、あの日の出来事にはどうにも敵わないらしい。
ため息一つ吐いて、背中に乗った彼女をそのまま負ぶって風呂場へと向かうことにした。
「んー、背中おっきいー。やっぱいいなあ、おとこのこって感じ……」
御満悦のようでなにより。『うれしい』気持ちに素直な声を聞くのは、悪い気持ちはしないものだから。
イブに間に合わなくて茶を濁すとか申し訳ない
せめて明日のクリスマスには甘えっ子も幸せになれますように
雪じゃなくて砂糖が降っているだと…
GJすぎる
2828したwwwww
GJだ爆発しろww
いいねー、GJ
そういえば保管庫の更新が止まっている...
あけおめ
今夜は姫初め
姫初めという言葉はあるのに姫納めがないのはなんでなんだぜ?
別に繋がりっぱなしで新年迎えてもいいんだぜ?
旦那と甘えっ子が旦那の実家に帰省→
義両親の前では甘えられないなーと不安に→
義母も甘えっ子で甘甘天国
みたいな電波が来たので誰か書いてください
使う椅子は二つだけですね分かります
放課後の生徒会室。机に山積みの書類と格闘すること30分。一向に減らず終いな状況は、正直無理ゲーが過ぎると思う。
その上、思うほど仕事が捗らないのにも理由があって。
「えーと、どこにあったかなー。えーとえーとっ」
わざとらしい棒読みが、なけなしの集中力をガッツリと削いでゆく。
背後でそわそわしてたかと思えば、袖余りの制服とちょこんと跳ねたサイドテール、そして漫画によくある飛び級で進学した天才幼女みたいな背格好がたまーに視界に見切れたり。
「あ、そうそう。これはここ、で。あとは、えーとっ」
ちんまい気配から浴びる視線は、ちぎれんばかりにしっぽを振りまくる、わんこみたいな期待の眼差し。
ごしゅじんだいすきかまってかまって!!な全力オーラには正直堪えかねるので、振り向いて一言。
「……やひろ」
「は、はいっ! なにかなサトくんっ!」
突然の反応に驚いたのは一瞬、あどけなさ全開でまってました!とばかりにかがやく瞳に見つめられて圧倒されかけるも。
「仕事しろ」
「ひゃうっ!?」
手にした紙の束でツッコミ一閃。軽いスイングの割に乾いた音の衝撃に驚いて、気配の主は頓狂な声を上げてその場にしゃがみ込んだ。
「うぅ、たんこぶ出来たかもー……あたまいたいよぉー」
頬をぷくーっと膨らませて、ちょっと拗ねた顔で見上げるちんまい娘。
紅葉のような手で頭をさすって心配を誘う演技が健気だが、気の抜けた間延び声で仰られても台無しだ。
ちらちらと様子を伺う小動物な挙動もクルミを割るリスのようで大変に愛らしいが、TPO的にはギルティです。
「べたべたして暑っくるしいので席に着け、席に」
「あうーっ……サトくんのいじわるぅ……」
素っ気なくあしらい仕事に戻ると、うらめしそうな表情を浮かべながら、やひろもちょこちょこと自分の席へと戻っていった――と思いきや。
席に着くなりまたそわそわし出すやひろ嬢。機会さえあれば狙わずにはいられない、その目はねずみを追う子猫の如く。
(……まーた、やひろの『あまえた』が始まってるし)
おはよう(登校)からおやすみ(下校)まで『サトくんサトくんっ!』とじゃれつく甘えたがりの世話役として、生徒会入りしたのが運の尽き。
放課後ほぼ二人きりという状況も相まって、隙あらば人のひざに乗ったり、背中からぎゅーっと抱きついてきたりとやりたい放題である。
……この際、生徒会の仕事はほぼ『サトくん』任せという実態は置いておこう。それでもマズい。色々とマズいと言わざるを得ないのは。
「密室でらぶらぶとかすっごい濃い空間だよね! いいなー、やひろー」
「み、密室でらぶらぶっ……サトくんと、らぶ……はぅぅ……」
……ひっきりなしにやってくる外野が、この甘えたgirlを煽りやがるからです。
学業やクラス内ではしっかりした才媛も愛しのサトくんの前では制御不能な甘えたがりの本性を現すとの謎の評判で、生徒会室がバカップル観察場と化している。
安全圏からのウォッチを決め込む女子生徒の嬉し恥ずかしな黄色い歓声のせいで、やひろが妄想の世界から帰還不能に。
らぶだの密室だのイタい話持ち出されるのは、小っ恥ずかしくて堪らないんですが。
「そういうのないから! ここ生徒会! てか部外者覗きにくんな!」
「またまたー、サトくんもそんなまんざらでもないくせにー。あ、ふたりっきりだからって襲っちゃだめだよっ!」
おいばかやめろ。生まれ持った乙女の性か、好いた惚れたの噂話に飢えたハイエナたちから唐突に爆弾が投下される。
自分で言って自分たちできゃあきゃあ騒ぐ観衆に、思わず遠慮ナシで叫ばずにはいられない。
「誰が襲うかっ!? そもそも学校でヤるバカがいてたまるかっ!?」
お陰で、予想外の地雷を踏む羽目に。
「……わー、ふれんどりーふぁいあだー」
にやにやとジト目で指さした女子の示した先に顔を向けると。
「あ、あうあうあうぅ……」
そこには頭からぷしゅーと湯気を立てて、真っ赤な顔で小さく縮こまっていた甘えんぼう将軍の姿が。
「おれが襲われる方かよ!?」
抑えきれなかったツッコミで、やひろがおとなしくなってくれたことは言うまでも無い。
……こっちまで恥ずかしい思いしたせいで、仕事は余計に進まなかったけれど。
横暴と罵られつつ、生徒会特権などを利用してギャラリーを排除した、が。知恵熱はなかなか覚めないらしい。
今度は意識し過ぎてか、こっちが近づいただけでやひろの顔が赤く染まる羽目に。なんの病気だこれ。
「今にほんとに襲われそうだよな……」
「し、しないもんっ! そんな、え、えろいこととか……サトくんとえっちとか……」
謎の自己申告と共にまたもや頭から湯気がぷしゅーするやひろ嬢。妄想力激しすぎて正直ついていける気しない。
「作業中だろ、『会長』さん? 今期イベント多いんだじゃら、早めに仕上げないと間に合わないだろ」
「……イベント、いいよねっ。今年はクリスマスも新年も楽しかったし! 文化祭の後夜祭、すっごい素敵だったし……ふへへぇ」
忙しいから仕事しようYOと言ったお話が何故思い出語りになったのか。曰く不可解。まあ今に始まった話じゃないけど。
やひろさん的には素敵だった文化祭、思い出すだけでもツラい話だ。
後夜祭を締めくくる、爽やかな青春スイッチがONしまくるハズの「若者の主張」イベント。そこでこの妄想少女が何をやらかしたと言えば。
「サトくんと、ずーっといっしょにいたいですっ!」
一匹の獣が愛を叫んだ結果。
訪れたのは……地獄でした。
一日中遊び疲れて気だるい満足感に浸っていたハズの会場は、やひろさんの謎のヤる気スイッチ発動により黄色い声援は飛び交うわ野太い怨嗟は轟くわの大騒ぎに大発展。
女子からはネタにされ男子からは爆発を呪われる現状は。
「パブリックエネミー(公共の敵)すぎる……」
スクールカーストに於ける謎のアンタッチャブル(不可触民)。それがいまのぼくです。
などと脳内でジョン・デリンジャー気取っていると。
「え、えねみー? サトくんねむいの?」
小首をちょこんと傾けたやひろが謎解釈。自分が十二分にちみっこいせいなのか、人を気遣う仕草がちっちゃい子への世話焼きのよう。お姉ちゃん気取りの幼女とも言う。
「もー、サトくんったらしょーがないなー。今は生徒会のお仕事ちゅーなのに……ね、眠たいなら……うんしょっ」
照れ照れと表情筋を緩ませた推定幼女が、嬉し恥ずかしなムード全壊で席を立ち、こちらへと接近してきた。
同時に響きわたる脳内アラーム。予想される事態はただ一つ。
「襲われる!?」
「お、おおっ、おそわないよおっ! こんなとこでっ!?」
……それは場所を変えたらどうなるんですか。コワイ。
脳裏に過ぎる想像から必死に眼を背けている間に。
「……ど、どうぞ」
制服半脱ぎようじょが爛々と眼を光らせた興奮状態で突進! そのままがばーっ!と対面座――なんて予想に大いに反して。
やひろは恥ずかしそうにうつむいたまま、隣の席にちょこんと座った。
椅子の上なのに、何故か正座で。
予想外すぎて余りに凡庸な疑問しか浮かばない。
「……なに?」
余りにも具体性のない脊髄反射なwhat?に思わず言った方もうわこいつ頭わりぃと思ってたら。
「えとねっ、ひざまくらだよっ! サトくん専用!」
答えてくれた方も輪をかけてあたま悪かった。お姉さん気取り継続中らしく、両手を広げてドヤ顔でかむかむと臨戦態勢。
なんかもう、すっごく、残念です。
「……もうちょっと頑張ろうな」
「ひゃうっ!?」
主にやひろの人生的な意味で。これからの彼女の艱難辛苦を案じて慰めにハグしてやったら、やひろからまたもや可愛らしい絶叫が。
きっとこいつは殺意さえも愛らしさの呪縛から逃れられないに違いない。
例えばヤンデレと化しても、おもちゃの包丁を振りかざして涙目で
『いじわるさとくんなんかころしてやるー、うわーん!』
なんてグズってる涙目園児スモックようじょしか浮かばない。
……学生服より園児服の馴染む同級生って。
なんてじゃれ合っていれば、仕事なんて一向に進む訳もないので。
「ほら、仕事仕事ー。さっさと帰るぞー」
「いっ、いきなりはズルいよおぉっ!? しんぞー止まるかと思ったし!? ああもお……サトくんがいじわるだー……」
再び書類の山に手をつけるも、肝心のやひろはまたほっぺふくらませてぶーたれてる有様である。
使いたくはなかったが、伝家の宝刀を抜かざるを得ないらしい。
こほん、とわざとらしく咳をして。丸聞こえの独り言をひとつ。
「あーあー、仕事が終わったら、今度の休日ずーっとやひろと一緒に――早っ!? ナニそのスピード!?」
「なにを言ってるのかな川瀬君っ!? わたしはいつも通りにですからっ! ほらっ、ほらっっ」
言い終わるよりも速く、やひろが電光石火の速度で働きだす。一掴みした書類に即行で眼を通し、署名や赤線を入れては次の書類へ。
処理済みを確認してもミス一つないのは良いが、この勢いで迫られると思うと――正直身が持ちそうもないので。
「……やっぱ急がなくてもいいや」
もう一度ハグ。ちっこい身体をぎゅーっと抱いてみる。子供の体温は高いらしいが、例にも漏れずやひろもまたあったかい。
「やっ、だ、だめです、川せ――うひゃあっ!? さ、サトくんっ、が、学校でえっちなこととか、や、ひゃうっ!?」
すると、やひろがまた興奮し始めます。なんのループだこれ。
「襲わないから!? てか今のどこにエロ要素が!?」
「サトくんの、おさわり……え、えろいもんっ……」
不幸は更に畳みかける。一騒ぎを聞きつけて、またもや観衆が集まり出す。密室で隣り合う男女二人。
しかも片方は高感度なちみっこが湯気を立てて恥じらっているという『意味深』な環境という……。
「おさわり言うな! ああもう違う! 野次馬帰れ! 帰れよう!」
むなしく響く声は、誰の耳にも届かない。
……どうしてこうなった。
結果的に言えば、予定よりも速く下校できました。
ええ、まあ、社会的評価を犠牲にしての結果ですけど!?
暗く冷え込んだ空の下。いつもと同じ二人並んでの下校である。
「え、えとっ……え、えへへ……くっ、くふふっ、にへへぇっ」
訂正。いくらやひろが妄想少女とはいえ、こんなによろこぶ(意味深)ことなんて稀である。
……これが稀じゃなかったら正直マジ困ります。
「……もう俺、やひろと一緒に帰るのやめたい」
「ふぇっ!? なんでっ!? サトくんなんでっ!?」
抑えきれない変な笑顔の最中も、やひろはしょっく!とばかりに分かりやすく驚いてくれる。話を聞いていない訳じゃないのはありがたいけど。
「……恥ずかしいから」
ただ、『友達に噂されると』の類の恥ずかしさを訴えても。
「あー……そっか。照れちゃうとか、サトくんもかわいいとこあるんだー。もー、もー♪」
結構な頻度でやひろのらぶいアプローチに対するお話になってしまう。
はしゃぎながら人のわき腹を肘でつついてドヤるのやひろは結構ウザ可愛いが、なんか腑に落ちないので、おしおき。
「……今日は寝かせないからな」
もちろん、一緒に遊んでいるゲームのやりこみ的意味で。自分でも言っててちょっとキザすぎる、あり得ない科白だと思うけど。
「…………っ!!!?」
やひろは口を金魚みたいにぱくぱくさせて、ふるふると顔を振ったかと思うと、人の胸元にぽふんとちっこい身体ごと埋めてきた。
密着した身体は見事に火照っている。やひろさん、エロい少女漫画の読み過ぎだと思います。
「は、恥ずかしいよっ、サトくんっ……」
そんなのお互いさまだけど――口に出すのは、やめておいた。
そんなこんなで、今日も恥ずかしく一日が暮れていく。
しまった!あんまり甘えてない!おれがハードル下げているうちに甘えっ子を書くんだ!早く!早く!おれに構わず甘えっ子を!
あ、すみません。間違えました。
「作業中だろ、『会長』さん? 今期イベント多いんだから、早めに仕上げないと間に合わないだろ」
でした。台無しだコレ
おっつん
かわええ
>>389 乙wwwww
誤記は他にも有るけど、目瞑っても大丈夫なくらい2424デケタw
>>389 ミスに気づかなかったぐらいにニヤニヤできたから問題ないぜ!
GJ!!
これはいい2828w
生徒会長がこれじゃ当てられちゃう生徒もいそうだなw
甘えっ子にいいように振り回されたい
街中歩いてるのに仕草や目線で甘え要求されて
我慢してるところ見られてニヤニヤされたい
はじめまして。
こんな甘えん坊、書いてみました。
朝っぱらから部活動に時間を割かれることは、正直な気持ちならば、ちょっとばかり辛い。
別に大会に青春を費やしたり、栄光を目指すような部ではないのだから、その分気楽だなと部屋で植(つぐ)は身支度をしていた。
毎朝制服のズボンを履く度、一日の始まりにあくびする。
植は高校生。三年生だ。青臭い一年生とはずっと違うんだよ……と、だが、まだまだ長いこの先、アイドリング真っ只中だ。
人生のスタートラインすら踏んでいない若輩者。甘えられるものには甘えていろ。そうだ。この素晴らしき猶予期間を
楽しもうじゃないか。そう考えると、辛い朝も清々しい。この扉を開ければ、すぐ目の前に爽やかな空が待っている。
「つぐちゃん!柚妃を置いて抜け駆けなんかずるい!ってか、ずるい!」
間髪入れずに前言撤回。炭酸の効いた清涼飲料を飲もうとしたら、果汁200パーセントのぶどうジュースでした。
制服姿で妹の柚妃(ゆずき)が廊下の奥から飛びついてきたのだから、新しい朝の気分はウサギのようにすっ飛んで逃げた。
「はぁ……柚妃が部長なんだから、……平部員は勝手に行動しちゃダメ!ってかダメ!」
「部員って二人だけだろ」
灰色だった玄関は柚妃のテンションで黄色く染まった。
息絶え絶えながら柚妃はローファーを履きつつも、植のブレザーをしっかりと薄い手で掴んでいた。
ちょこんとワンポイントで結んだ髪はアホ毛のよう、肉球デザインのヘア留めが柚妃の幼さを表す。
まだまだ高校一年生はそんなものか。但し、部長だと柚妃は言い張った。
「それじゃ、行くよ!」
植のブレザーの裾を摘んだまま朝ぼらけ残る澄み切った街へと飛び出した。
冷たい空気が兄妹の家に入り込む。
植と柚妃は同じ高校に通っている。言うまでもなく、通学ルートは同じだ。
人通りの少ない駅までの道を歩く。さっさと姿勢正しくひたすら歩く植を追いかけて柚妃はちょこまかと駆け足。
言うならば、散歩に出かけた仔犬のように植の後を追う。
「行きは一緒に行きたがるのに、帰りは違うんだな」
「女の子同士の事情ってのがあってねー、平たく言えばお付き合い。つぐちゃん!もう電車来てる!」
「電車は逃げない」
柚妃が学校までの時間を大切にしている理由に相槌打ちつつも、車窓を楽しむ時間を迎えたことに少々の安堵感で一息。
早朝ゆえ、車中は空席が目立つ。早出のサラリーマンがめくる雑誌の音が聞こえるぐらいだ。お行儀悪く脚を伸ばしても
邪魔にはならない。そんな状況下でも、柚妃から香るシャンプーのにおいが深呼吸しなくても植の鼻孔に届く距離が時間を縮めていた。
単調な線路のリズムに乗じて柚妃は兄のひざ小僧を指でくすぐっていた。
「授業終わって、びゅっとつぐちゃんの所に駆け付けたいんだよ!でも、やっぱ『柚ちゃん、付き合い悪いしー』とか
言われるから!委員長から陰口叩かれなくないし、おしゃべりだし、腹黒弾幕撒き散らしだし」
「柚妃よりおしゃべりなヤツっているのか?」
「だから、なおはこの部活を作ったんだから!あー、着いちゃった!ってか着いた!じゃないや!もう一駅!」
そろそろ街が人が動き出す。いくら出無精な街でも、ぱらぱらと乗客が出入りする。
扉も開くから冷たい空気が車中に入り込むが、柚妃は植にしがみつく口実が出来たのでむしろ好都合に捉えた。
が、柚妃の眉がアクセルを踏み込んだタコメーター以上の勢いで、瞬く間に釣り上がった。ついでにアホ毛も釣り上がる。
「やばっ。委員長だ!」
南無三。
天敵、現る。
おしゃべり委員長だ。
おしゃべりだし、陰口叩くけど、早起きして登校するぐらい屁と思わないぐらい学校ラヴな委員長が途中の駅から乗車してきた。
柚妃はいつもは早い時間に見かけない委員長を警戒しつつ、植の腕を強く引っ張っり……恨むなら委員長だ、と納得させる。
植の体ですっぽりと隠れた柚妃と共に隣の車両に移った。
「委員長が早く来るなんて聞いてない!ってか聞いてない!」
「見られたらヤバイのか?」
「だって、委員長。柚妃がつぐちゃんと一緒なのを見たら……ぜったいバカにするし。ってかするし」
「大人しそうな子じゃねえか」
「あれが委員長の腹黒なの」
本に夢中になっている委員長を直が横から目にしていると、車窓がゆっくりと流れを緩めてゆく短い旅愁で胸を痛めていた。
最寄駅に到着だが、着けども、いくらか太陽が高く昇れども、閑散とした風景には変わりなかった。熱くなった柚妃の頬にひんやりと
風が駆け抜ける。
「ずっと駅に着かなきゃいいのに」
委員長がそそくさと下車したことを柚妃が確認すると小さくガッツポーズを決め、ホームへと兄の太股を踏み切り板にして、
率先して電車から飛び出した。肉球デザインの髪留めからは、噴水に負けないぐらいの勢いでアホ毛も精気が満ちたように揺れ動く。
「委員長の後ろを行くよ!ってか、行きます!」
先を急ぐ委員長に感謝しつつ、植と柚妃は最寄駅の改札を潜った。
最寄駅から学校までの距離は遠くない。言うならば、歩きながら肉まん半分も食べられないぐらいの近さだった。
「今日の部活動も、もうすぐおしまいだね」
「やっぱり、部活動なんだ。これ」
「つぐちゃんは3年生、柚妃は1年生。一緒の部にいられるのも後わずかだし」
「柚妃が勝手に始めた部だろ。おれと二人きりの」
校門が近づいてくるに連れて、直の表情が小雨模様に移ってゆく。皮肉にもすっかりと地面に落ちる影が濃くなるほど快晴だ。
柚妃の絡み付く腕が暑いぐらい、さんさんと日差しは暖かい。
3メートル、2メートル……そして1メートル。
校門が大きく見えてくるにつれて、柚妃は植の腕を強く握っいた。柚妃の心臓の音、息、そして甘ったるい香り全てを
植に覚えさせるように。そして、しばしの別れに泣くように。あと何回、植と一緒に登校できるだろうか。日にちを数えれば
すぐに分かるような問題だけども、結末を先に読む小説ほどつまらないものはないんだと、柚妃は一日を大切にした。
思いに引きずらたままふと気が付くと、校門が柚妃と植の側を通り過ぎていた。
「……今日の『登校部』の活動は……終わりです!」
学校に着くまでが部活です。学校一番の早起き部活動は部長の宣言で終わった。
「お疲れさま」
「……うん。お疲れさま。ってか、疲れてないし」
「大体分かった。柚妃の考えていることなんか、お見通しだし。てか……お見通しだし」
「真似するなぁ!」
柚妃はこの後、教室での立ち位置を考えると、植の温もりにもう少し寄り添いたかった。なんせ……。
今、柚妃の教室に直行すればおしゃべり委員長がいるだろう。朝から少し憂鬱だ。ってか、憂鬱だし。
「おしゃべりに付き合わされるぐらいなら」
「委員長のことか?」
「もうちょっと、登校部の活動……延長していいかな?ってか、延長です」
ひんやりした廊下で顔を赤くしている柚妃のアホ毛をこつんと指で弾くと、今までのお返しとばかりに植は柚妃の腕を引いて、
階段を上って3年の教室へ急いだ。
おしまい。
こんな感じで。
投下おしまいです。
乙
甘えん坊な妹(*゚∀゚)=3ムハーッ
婚期を逃した女性にきた奇跡のラストチャンスに甘えんぼう(必死)に
なったりするのかな
この寒さでは甘えっ子にとっては天国みたいなものだろうなあ
寒さに弱過ぎて甘えるどころじゃない甘えっ子
だが待ってほしい、そういう時こそ男が抱きしめてあげて甘え調教をするチャンスなのではなかろうか?
甘え調教って何だw
むしろ調教されたい
顔見たら条件反射で抱っこして頭撫でてしまう身体にさせられたい
体の冷たい男に抱き着くのは夏は快適だが冬はきつい。
そこで、葛湯を飲ませたりカイロを仕込んだり、軽いマッサージで丹念に体を温めて、
それから密着して堪能することにした甘えっ子。
「えへへ、これであったかー。私ってば頭良いね」
「俺を温かくして暖をとるより、まず自分の体を温めたら良かったんじゃないのか?」
「……」
「……」
「あ、それもそうか」
「ほら。お前の方が、今は体が冷たいよ」
「……えへへ、じゃあちょっと体温いただきます」
あぐらの膝上に跨って、男の体に遠慮なくしがみつく甘えっ子。
少しちくちくとするセーターに、何度となく顔を擦りつけて、はぁ、と幸せそうに息を吐いた。
「余は満足であるぞ。でも、これでもっと毛布くらいに温かくなったら良いのにね」
「ごめんな。俺が暖房苦手なせいで」
「ううん。あ、そうだ! このまま運動すれば良いんじゃないかな!」
「えっ」
このあと滅茶苦茶セックスした
このあとが読みたいぞw
たが乙
何と無く即興で会話のみ
---------------------------
「なぁモエ…」
「うん?なぁに?テツ君?」
「ちょっと…離れてくんないか?」
「えっ?どうして?」
「いや、左腕が暑い…」
「そぉ?わたし寒いけど…」
「(Eカップの胸で挟まれたら暑苦しいんだが)」
「えへへへへへへへへh(ry」
「あのさぁ…」
「なぁに?」
「せめて学校では離れt」
「(じわっ)わたしの事嫌いになったの!?」
「いやそんな事は無いけど(汗)」
「じゃあいいじゃん(むぎゅぅ)」
「(ぐっ、暑い!そして皆の視線が痛い…!)」
終わり
そして左腕に汗疹が出来て皆に冷やかされるとかw
お花見ではっちゃける甘えっ娘まだー
『桜は散っても私はまだまだ見頃なのよ?』な妖艶先輩なのか、
『花じゃなくてもっと私を見てよ!』な同級生幼馴染みなのか、
『先輩に膝枕されながらのお花見は最高ですぅ…ふへへ』な後輩なのか、それが問題だ
>>411 台詞と年齢をシャッフルしてもいいんじゃねw
あ、先輩が後ろから男に抱き付くとかw
>>411 同級生幼馴染みの台詞だけでストーリーが目に浮かぶわw
きっかけがなくてもやもやしてたところを周りに乗せられる→
何故かお花見でいい雰囲気を狙うことになるも自爆して涙目→
何だかんだで両想いでハッピーエンドの黄金パターンと見た
甘えっ子とデートって実は大変そうだよな
いつもべったりだから?
少しでも側を離れると泣いちゃうからじゃね?
その後ベッドでせいe(ryがべっとりと…
周りの目とかあるしな
イチャイチャしてるところを見られても耐えられる鋼の心が必要なのかもしれん
キューピットになって幼馴染の妹分を意中の相手とくっつけたら
イチャイチャ甘えてる様子を見せつけてくる、
うん、見る側にも精神力が必要だな
419 :
名無しさん@ピンキー:2014/04/26(土) 01:54:50.23 ID:BYlKfPFE
>>418 お前見る側じゃないだろ?その幼馴染の子お前のことが好きらしいぞ?
420 :
↑:2014/04/26(土) 09:43:59.78 ID:kjT/uU6t
やべsage忘れてた
それは奪い取るしかない
そんで二人とも相手の男に責任を感じて、彼を密かに思っていた娘とくっつける作戦を練るとか
「……そんなに好きなら、早く気持ちを伝えなさいよ。――くんには悪いことしたし、幸せになってもらいたいから」
「そうなんですけど……どうやって伝えたらいいか分からなくて……」
「簡単よ。どういう関係になりたいか、口に出して相手に言うの」
「そんなの、恥ずかしいです……」
「恥ずかしがってたら気付いてもらえないって。男なんてどいつもこいつも鈍感で、口で言わなきゃ分からないんだから」
「……そう、なんですか?」
「そう! 女は度胸なのよ!」
「度胸って言われても……」
「知ってる? 彼氏がいることの最大の喜びはね、恥ずかしいことができるとき! ボディーランゲージ! 接触!」
「せっしょく?」
「こうやって、ずーっと手つないでたいでしょ?」
「……」
「こうやって、好きなときにほっぺうりうりしたいでしょ?」
「……」
「こうやって、彼の膝に乗ってたいでしょ?」
「……いです」
「ええ?」
「……したいです! あーんとか、ハグとか、その……キスとかも、したいです!」
「そう! その調子! さあ心が決まったら具体的な計画ね。まずは距離を縮めるためになでなでを誘うところから……」
「それよりお前らはこの姿勢が気にならんのか」
GW(ぎゅっとして、わっふるわっふる)
「ゴールデンウィーク……どこか行きたい所はありますか?」
「そうすけさんと一緒ならどこだって……」
「嬉しいですけども、今はそういうのナシで考えましょう」
「いけず。じゃあ、少しだけ遠くにお出かけしましょう」
「少しだけ、ですか?」
「はい、少しだけ、です。
少しだけ遠くに、少しだけいつもよりお洒落して行きましょう」
「まぁ、ゆかりさんがそれでいいなら……」
「決まりですね♪ふふ、今から楽しみです」
「そっうすっけさん!ほらほら、この洋服!素敵です!」
「ええ、明るい感じで、ゆかりさんによく似合ってますよ」
「えへ、本当ですか?じゃあ、買っちゃおうかな」
「次は和服の帯を見に行きましょう!」
「あー。そういえば暫く買ってないですね」
「それで”お代官様ごっこ”しましょう!」
「しません」
「このご当地グルメ、なかなかないレベルで美味しいですね!」
「ほんと、美味い。でも、”なかなかない”は嘘ですよ」
「そうですか?」
「ええ。現に俺は、毎日ゆかりさんのご飯食べてますし」
「……もう、何言ってるんですか♪」」
「さあ、午後はそうすけさんのアレコレを買いましょう!」
「え、俺もですか?」
「もちろんです。さあ、まずは新しいお財布を買いましょう」
「んー、このシャツ似合いますねぇ。しかしこのジャケットも……」
「ゆかりさん、真剣ですね」
「もう!そうすけさんが何着ても格好いいから大変なんですよ!」
「え、あ、すみません……?」
「ふぅ。すみません、今日ははしゃぎ過ぎてしまいました」
「いえいえ。ああいうゆかりさんも、可愛かったですよ?」
「ま、まったく。隙あらば私を褒めるんですから……」
「俺の特権です。さて、残りの休日は何をしようかな」
「あの、残りは……二人でゆっくりしませんか?」
「はは、疲れちゃいましたか?」
「いえ、お出かけも楽しいですけど、その……」
「?」
「外では、抱きしめてもらったり、キスとかも、出来ませんし……」
「……ああ、もう!ゆかりさんは可愛いなぁ!」
「ひゃっ……駄目です。家に着いてから、ですよ?」
「はいはい、わかってますって」
「はい、いい子。…………そうすけさん」
「なんですか?」
「だーいすき、です!」
>>422 ……ふう、なんとか致命傷で済んだぜ!
GJ!!
ふっ甘いな、俺は虫歯と糖尿病で済んだぜ
これって不治の病じゃないよね…
ダイジョーブダイジョーブ
俺なんて全身砂糖になっちゃったけどまだ生きてるし
溢れ出る糖気が抑えられない…!
今日の昼ごろ、何気なくニュース見てたらフィギュアスケートの羽生選手特集見たいなのやってたんだが、羽生選手と小学校低学年くらいの女の子のやり取りに萌えた
震災後にスケートリンクが建て直された場面だったからもう1〜2年くらい前の映像なんだろうけど、
羽生選手がリンクに入って来たら、結構遠くの方に居た女の子が凄い勢いで滑って来て、そのままの勢いで羽生選手に抱きついたんだよな
羽生選手もしっかり抱きとめて、「久しぶりー、大きくなったねー」って笑いながら女の子のほっぺたムニュムニュしたりしてさ
で、女の子すっごい無表情なの。無表情でほっぺたムニュムニュされてるんだけど、それでも羽生選手に抱きついたまま離れないの。無表情だけど凄い嬉しそうなの
もう仕事中にほっこりですよ。リアルで無表情甘えんぼうロリを見られるとは思わなかった
>で、女の子すっごい無表情なの。無表情でほっぺたムニュムニュされてるんだけど、それでも羽生選手に抱きついたまま離れないの。無表情だけど凄い嬉しそうなの
なにそれすごい可愛いw
それでは控室に仕掛けた隠しカメラの様子を見てみましょう
シチュの流用ならともかく、三次の娘で妄想はやめとこうぜ
シチュの流用ならともかく(チラッ
甘えっこと付き合ってる男ってどういう気分なのがジャスティスなのか
・甘えられてしょうがねぇなみたいな素振りを見せながら満更でもない
・常時クールに対処するものの泣かれたり拗ねられたりすると甘くなる
・徹底的にデレデレで甘やかす。他人はおろか時に本人にさえドン引きされる
好きなのを選べ
最初の頃は抵抗するけど、段々籠絡されてく展開がオイシイと思うな
甘えっ子ってMに見せかけて実はS…?
そうだな、よく考えると男が自分が甘えても抵抗したりしないよう長期間調教しているとも取れるな
そして男のほうも定期的に甘えられないと禁断症状が起きるようになって・・・
何年経っても軽くあしらう猛者っているかなw
普段の言葉はへいへいとかそっけないくせに、彼女がいなくてもつい手がなでなでの相手を探してしまう男君
ありだと思います
素直ヒート好きなんだが最近甘えヒートという電波が頭から離れないんです。
>>437 甘えヒート……熱くなるようにベタベタしてくる甘えん坊なのか、燃えるように甘えてくるのか、どっちだ?
素直ヒートが渾身の愛で持って甘えてくる感じです。
>>438 語感からすると後者のような気がする
どんなと言われても正直困るが
強いて表現するなら、ラスボスか何かのような相手に啖呵切ってる風のイメージがぼんやりと浮かぶ
女「男君はあなたになんか絶対渡さない! 例え地獄の業火に灼かれても、永久凍土の奥深くに閉じ込められても!
何度生まれ変わることになっても、私は絶対男君の両腕の中に戻って見せるんだから!!」
っていうくらい、ものっそい暑苦しい啖呵切りながらムギューって抱きついてる感じの何か
甘えヒート
女「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!手ぇ出せぇぇぇぇぇぇ!!」ドドドドドド
男「……なんだ?」パッ
女「イェーイ!!ハイタッチー!!」パァンッ
男「おっ……おい、なんだそのアメリカナイズされたノリは?」
女「かーらーのー!!」パシッ
男「!?」
女「へへーん!!こうしたら男も恥ずかしがらずに手を繋いでくれるよなっ!!」ニギニギ
男「お、おい、止めんか」
女「止めないよーだ!!」ギュギューッ
男「止めなさいっつの」
女「やだーーーーー!!!」スリスリ
男「……とうっ」グリッ
女「あいだぁぁぁぁぁぁ!?か、関節極ってるぞぉぉぉぉぉ!?」バタバタ
男「あ、悪い。さすがに少しやり過ぎたか」パッ
女「ふーっ……男は油断も隙もないな!!」
男「いやそれこっちの台詞だから」
女「次からはもっとナチュラルに男と手をつなぐ方法を考えとくからな!!」
男(……アホ可愛いなぁ、こいつは)
.
甘えヒート2
女「おーとーこっ!!」
男「またお前か。なんだ?」
女「背中に文字書くから、なんて書いたか当ててみなっ!!!」
男「ああ、たまにやるなそういうゲーム」
女「じゃあまず一文字めな!!」クニクニ
男(……一文字目は『す』、か?)
女「次に二文字め!!」クニクニ
男(……『き』、か)
女「……」ドキドキ
男「……おい、三文字目は?」
女「えっ」
男「えっ」
女「な、なんでそんな意地悪言うんだああああああああ!!!!!」
男「……あぁ、そういうことか。すまん、素で気づいてなかった」
女「鈍感にも程があるぞ!!私の気持ち伝わってないかと思って焦ったじゃないか!!」グスッ
男「悪かったよ、だから泣くなって」ギュ
女「……もっと強くギューしてくれたら許す!!」
男「はいはい」ギュッ
,
面白いな
素直な甘えヒートって聞き慣れないけど、スポ根体力馬鹿キャラがイメージされる
松岡修造みたいな感じの
444 :
小ネタ:2014/06/11(水) 23:02:12.34 ID:4h2ajD85
.
男「あーヒマだなー……」
女「……」パラ
男「なーなー、超ヒマなんだけどなんかすることねーの?」
女「……」
男「なんか言ってくれよー」
女「……」パラ
男「……なぁ女、ちょっとこっち向いてみ?」クィクィ
女「……?」チラッ
男「食ーべちゃーうーぞー」ガォーッ
女「……」
男「……シカトっすか。少しはリアクションが欲しいなぁ」
女「……」ジトーッ
男「……いや、すまん。やっぱりなんでもない」
.
445 :
小ネタ:2014/06/11(水) 23:09:06.36 ID:4h2ajD85
.
女「……」
男「……」
女「……」チラッ
男「……ん?」
女「……た、食べられちゃうぞー 」ボソッ
男「!?」
女「……///」ポッ
男「……食べられちゃうのか」
女「……」コク
男「そ、そうか……」
女「……///」
男「……///」
女(……言うんじゃなかった///)
おわり
446 :
小ネタ:2014/06/11(水) 23:09:49.97 ID:4h2ajD85
書いてみたらさほど甘えてもいなかった。まぁいいや
男のほうが構われたがりの甘えん坊に見えてどうしようかと思った
何年か前に某所で書いてたのが甘ったるくてここ向きかもしれないと思ったので転載してみる
1レスで終わる掌編です
その1
うちの母が喧しくて困る。??
毎朝ご近所に響き渡る声で俺を叩き起こし、そのまま父のいる部屋へ向かっていく。??
母は父に朝っぱらから甘えたいようだが、そうは問屋が卸さない。??
父はいつも母が起こしにいくより先に起きて、抱きつこうとする母を冷たくあしらう。??
それでも母は満足そうに、俺と父の朝食を作るために台所へと向かう。??
今日の目玉焼きも、いつもの通りに半分焦げている。??父はそれに文句も言わず、焦げた部分を器用によけて食べている。??
母はいつまで経っても料理が上手くならないと愚痴をこぼす。??父はそれを聞いてか、焦げた部分までも残さずたいらげる。??
母はそれを見て、ニッコリ笑っている。??父は無表情のまま口の回りをタオルで拭う。
俺にはとうてい真似出来そうもない。
.
その2
??
うちの母が喧しくて困る。
体重が2キロ増えたと言っては大騒ぎ。ダイエット、ダイエットとお題目のように唱えている。
高校生の息子がいるにしてはプロポーションも崩れていないと思うのだが、母はそんな俺の言葉にも耳を貸さない。
父が仕事から帰宅すると、母は父にも太ったかもしれないと嘆いた。
父はいつも通りの調子で、そういえば確かに太ったかもなと言って母をしげしげと見つめる。
とたん母は、悲劇のヒロインでも乗り移ったかのように、こんな私でもあなたは愛してくれますか、などとのたまい始めた。
父はやや白けた表情で、はいはい愛してる愛してると母の頭をくしゃくしゃかき混ぜる。
母は父のその言葉が欲しかったらしく、以降その口からダイエットという言葉は聞かれなくなった。
.
その3
うちの母が喧しくて困る。
休日に、遅く起きた俺がリビングへ向かうと、両親がすでにソファを占領していた。
珍しく母が父の肩にもたれ、日曜の朝に特有の、あまり内容のない旅番組なんかを見ている。
父が母を甘えさせる姿はあまり見ないので、パンダでも見るような心持ちでドアの影から覗いていると、母が
机の上にあったホットケーキ(これも珍しく焦げていないので、父が焼いたと推測)をフォークで切り取り、
父の口へ向かってあーんしていた。
驚いたのは、父がそれを受け入れたことである。
ビックリした俺がその場から離れようとしたのと、父が振り返って新聞を取ろうとしたのが同時だった。
父がホットケーキを咀嚼しながら気まずそうにしている。俺も気まずくて顎をポリポリ掻いている。??
その中で母だけが、余裕綽々で元気よくおはよう!と挨拶している。その間も、母は父の腕に自分の腕を絡めて離そうとしない。??
朝からごちそうさまでした。
.
その4
うちの母が喧しくて困る。
母にリビングの掃除を命じられ、仕方なくちんたら片付けていると、両親の若いころのアルバムを見つけてしまった。
恐らくは今の俺くらいの年齢だろう父と母が、あまり仲良くとは言えない風に写っている。
一緒に写っている女の人は母の友人だろう。となると写真を撮っているのは、父の友人の男友さんだろうか。
しばらくそのアルバムをめくっていると、俺は一つの事実に気がついた。
初めは母に対して素っ気なく、渋々写真に写っているようだった父が、写真の枚数を重ねる毎ににこやかな表情になっているのだ。
そのアルバムの最後のページには、教室の中で泣きじゃくる母と、母と手を繋ぐ父の姿が写されており、繋いでいない方の手には卒業証書らしき筒が握られている。
父と母の青春を、俺は知らない。けれどそれはきっと、そんなに悪いものではなかったのだろう。
俺もこんな青春送りてぇなぁ、とか思いながら床でゴロゴロしていたら、早く掃除しろと母に怒られた。
.
その5
うちの母が喧しくて困る。
家族三人が家にいる時のことだ。母が俺に、腰を揉んでくれとうつぶせになって頼んできた。
唐突だったのでどうしたのかと思ったが、母だって腰が痛むこともあるのだろう。
快く了承して腰を揉んでみたが、母は五分も経たずにもういいよと断りを入れてきた。
力を入れたせいで痛かったのかと思いきや、母は今度は仰向けになり、父へ向かって好きなところを揉めなどと言いだした。
実の息子の前で何を言っているのか。そして、どこを揉ませるつもりなのか。
動揺する俺を尻目に父は、母のお腹をうどんのように揉みしだき、また太ったのかと呆れていた。
母はというと、そんな父の手つきに激しく悶えている。
これが我が家の、日曜の午後の風景だった。
.
以上、某所に投下した甘え母のSSでした
読みづらい等の指摘があれば改善します
良きかな良きかな
甘えっ子はお母さんになっても可愛い
末永く爆発しろ
457 :
甘え母:2014/06/16(月) 23:29:23.10 ID:+9dR/EuQ
その6
うちの母が喧しくて困る。
ある日のこと、俺がリビングでテレビを見ていると、母がお風呂に入るねと言ってきた。
夕飯の支度も終わっていたので、一度はうんと返事をし聞き流してしまったが、よくよく考えるといつもは父と一緒に入るか、父が入浴を終えた後に入るかのどちらかのはずだ。
それに疑問を抱き、なぜこんな中途半端な時間に風呂を使うのか尋ねると、寒くなってきたから風呂上がりの温かい身体で、父の冷えた身体を温めてあげたいのだと言う。
確かに、外から帰ってくると冷え込みが厳しくなって、温かいものが恋しくなる季節ではある。
母の願い違わず、父はちょうど母が風呂から上がるタイミングで帰宅してきた。
ほこほこと湯気の上がる母が、ネクタイを緩める間も惜しいとばかりに、父へと突進し頬擦りする。
父は慣れた様子で母の頭をぽんぽんと叩き、離れるよう促すのだが、母は父の手の冷たさにショックを受けたらしく、いつも以上に父から離れようとしない。
そのせいで、我が家の夕飯が30分ほど遅れたのは、是とすべきか非とすべきかいまだに判断が着きかねている。
.
458 :
甘え母:2014/06/16(月) 23:38:10.35 ID:+9dR/EuQ
その7
うちの母が喧しくて困る。
日曜の昼下がり、父が珍しく本を片手に、居間で居眠りしていた。
ソファーにどかりと腰掛けたままの姿勢で、すやすやと気持ち良さげに眠っている。
何の気なしにそれを見つめていると、母がやってきて、俺と同じに父の寝姿を見定めた。
母は疲れてるのかなと俺に問うと、くすりと笑って父の傍らに座る。そして、父の鼻を自身の長い髪の毛で、こしょこしょとくすぐり始めた。
父はすぐにうなされ始め、空を掻くように手を上下させてもがき、やがて大きなくしゃみと共に目を覚ました。
困惑する父を尻目に、母はおはようとだけ言って、父の胸へ飛び込む。
髪の毛は汚くないのか、そして父にイタズラなどして後で怒られないのか、それだけが目下の心配事である。
.
459 :
甘え母:2014/06/17(火) 00:38:42.04 ID:/EdhkErH
その8
うちの母が喧しくて困る。
季節がいよいよ冬へと移行してゆく中、母が星を見ようと言い出した。
ちゃんちゃんこを身に纏い、父と俺の袖を引っ張って瞳をキラキラさせている。
母の行動が突拍子ないのは今さらなので驚きもしないが、何もこんな時期にと思わないでもない。
とはいえ母一人で外へ行かせるのも可哀想なので、父と俺は母に付き合って、庭に出ることにした。
表はしんとした空気が張りつめており、狙い違わず星がきらきらと輝いている。
母はその星をひとつひとつ指差してゆき、あれが白鳥座だよねと、父に向かって確認していた。
父は母のその指を、腕ごと30度ほど横にずらし、白鳥座はあっちだと冷静に返した。
その後も母は、いくつか星座の名前を挙げて指差していったのだが、そのことごとくを間違えては父に訂正されていた。
母は少し残念そうな顔をして、全然覚えてないやと苦笑いする。昔は父とよく星を見に行ったそうだが、その頃の記憶が曖昧になっているのが寂しいようだ。
そんな母を見て父は、忘れたら俺が何度でも教えてやると、珍しく母を慰めた。母はそれを聞いて嬉しそうに笑い、父の傍らに立って二人で星を眺めはじめた。
もしかしたら母は、父の姿ばかり追っていたせいで、星座の位置をきちんと見てはいなかったのではないか。
なんとなくそんなことを思わせる、二人の後ろ姿だった。
.
460 :
甘え母:2014/06/17(火) 00:39:28.21 ID:/EdhkErH
以上投下了
転載なので季節感皆無なのはすんません。
463 :
お言葉に甘えて:2014/06/18(水) 23:52:47.08 ID:9fIVrOnW
その9
うちの母が喧しくて困る。
朝、俺が寝ぼけ眼で歯を磨いていると、父が洗面所を使うために後ろへ並んできた。
そしてその父の後ろに、母がぴたりと引っ付いてくる。
こういう場合、父は時間を無駄にしないため、トイレへ行ったり新聞を読んだりするの
だが、母に着かれているとそれもままならないらしく、身動きが取れないようだ。
母はその様子を見て、なんだかカルガモの親子みたいだねという。
言われてみればなるほど、洗面台の前に三人で立ち並ぶその様子は、先頭の親ガモに倣って続く、子ガモの群のように見えないこともない。
それなら父が先頭になるべきでは、と俺が言うと、父はたまにはいいさと俺の頭をぽんぽん叩く。
そして母はその間も、父の背中にべったりと張りついて離れようとしない。
それはカルガモというより、仲の良いオシドリを思わせるような光景だった。
.
464 :
お言葉に甘えて:2014/06/19(木) 00:01:42.92 ID:n3yQMMD5
その10
うちの母が喧しくて困る。
これは、俺がまだ反抗期著しかった中学のころの話だ。
そのころの俺は、喧しい母も冷静沈着な父も、あまり好きではなかった。
二人がイチャイチャする度に俺はイラつき、八つ当たりすることも多かったように思う。
父は、思春期にはよくあることだと流していたようだが、母はそんな俺を見て、何かと心配していたそうだ。
ある日の父が帰宅する前のこと、母が俺の部屋を訪ね、ごめんねと謝りながら突然俺のことを抱きしめてきた。
あまりのことに面食っていると、母は微笑みながら、父も好きだけど俺も大好きだよと、それだけを言って部屋から去っていった。
思春期の男にする愛情表現とは思えないやり方である。
その笑顔が、反抗期の俺にとっては面白くないものだったのも事実だが、後年父に
その時のことを話すと、流石は母さんだなと得心のいった顔で一人うなずくだけだった。
今なら俺にも理解出来るが、父にとっては母のその行動は、意外でもなんでもなかったらしい。
多分、俺が道を間違えずここまでこれたのも、二人のそんな関係があったからなんだろう。
実の両親のこととはいえ、俺は二人のことが羨ましくてしょうがなかった。
.
465 :
お言葉に甘えて:2014/06/19(木) 00:06:00.28 ID:n3yQMMD5
その11
うちの母が喧しくて困る。
俺がまだ小学生だったころ、自分が好きな言葉というテーマで作文を書かされた。
作文の苦手だった自分は上手く書けずにいたため、その時ちょうどそばにいた母に相談することに決めた。
母も作文は苦手だったようだが、好きな言葉を聞くと即答で「好き・大好き・愛してる」と返してきた。
何を勘違いしたのか、そのまま父の職場に乗り込んで愛を叫びかねない勢いだったので、子供ながらに焦って止めたのをよく覚えている。
母にとっての好きな言葉とは、愛する人への興奮剤へと取って変わるらしい。
帰宅した父がちゃんと添削してくれはしたのだが、その時まで母の興奮は収まらず、父の耳元で母の言う好きな言葉を喚き続けていた。??
今の俺なら、その晩二人がどうなったかは想像に固くない。
愛しあうきっかけが息子の作文というのも、父にとっては災難だっただろう。
.
466 :
お言葉に甘えて:2014/06/19(木) 00:09:37.49 ID:n3yQMMD5
その12
うちの母が喧しくて困る。
日曜の昼下がり、二度寝をたっぷり堪能した俺がリビングへ向かうと、母が胡座をかく父の背後に座り、その寝間着の中に手を突っ込んでいた。
また母の奇行が始まったのかと呆れて見ていたが、どうやら単に父の背中を、母が掻いてあげているだけのようだ。
父は難しそうな顔をしながら右だ左だと指示を出し、母の手が的確に痒みを捉えると、何とも言えない顔をして背を丸める。
母もそれが楽しいのか、父の背中に指を立て、飽きもせずにかしかしと掻き続けている。
そんな時間がしばらく続いた後、母は唐突に父の寝間着に両腕を突っ込み、地肌に触れるようにしてから体の前面へ手を回した。
父は驚き、痒みはもう取れたと言って母を振りほどこうとするのだが、母も譲らず、直に体温を感じたいだけだからと言って、一向に手を離そうとしない。
やっていることが痴女にしか見えなかったので、見かねた俺が父へ向かって孫の手を渡すと、父は
よくやったと言いたげな目配せをしてようやく母を引き剥がし、孫の手を使って背中を掻き始めた。
もちろん母からはぶーぶー文句を言われたが、あのままにしていたら、いくら家庭内でも変態と相違ない。
少しは母にも、自分を省みるということをしてほしいものである。
.
467 :
お言葉に甘えて:2014/06/19(木) 00:20:34.86 ID:n3yQMMD5
その13
うちの母が喧しくて困る。
父から残業の連絡があった時、母はこの上なく悲しそうな顔をする。
その様はまるで世界の終わりか、はたまた宇宙の破滅かと言わんばかりである。
ガックリ肩を落とした母は、仕方なさそうにテーブルに着き、もそもそと夕飯に箸をつける。そして、巨大な落胆の溜め息をハァとつくのだ。
父の仕事の繁忙期ともなるとその落ち込み方もひとしおで、我が家はブラックホールに落ちくぼんだ小惑星のような様相を呈してしまう。
普段が明るいだけに、いざ暗くなった時の明暗のコントラストも、はっきりとしているのだろう。
しかしそれも父が帰宅するまでのことで、ドアを開閉する音が聴こえると
それが何時であっても玄関にすっ飛んで行き、父へいの一番にお帰りを言うのである。
それが叶わない時は、必ず書き置きを残してから眠る。しかも、熱烈なキスマーク付の書き置きである。
父がそれを見てどんな顔をしているか、叶うならば一度見てみたいものだ。
.
468 :
お言葉に甘えて:2014/06/19(木) 00:45:25.30 ID:n3yQMMD5
その14
うちの母が喧しくて困る。??
母はいつもニコニコと笑い、周囲の人間を明るくさせている。辛い時でさえ大声で泣き叫び、暗くなる時など一切なさそうに見える。
しかし、本人の言うところによると、年に数回、どうしようもなく陰鬱で重たい感情に苛まれることがあるらしい。
その状態のことを母は、憑き物が憑くと呼んでいた。母の多感さ故なのだろうが、そのような時に母はどうするのか。
これも本人の談だが、そういう時に母は、父の胸を借りるのだという。
父の胸で全てを吐き出すように、ぼろぼろになるまで泣き崩れるのだそうだ。
父も心得たもので、母に憑き物が憑いた時は、泣き終わるまで優しく抱き止めてくれるそうだ。
そして憑き物が落ちれば、母をお姫様抱っこしてベッドまで運んでくれるらしい。
母に言わせると、常から優しい父がさらに優しく接してくれるため、憑き物が憑くのも嫌いではないという。
以上のことは全て母の言によるので、信憑性の程は定かではない。
俺は新手の躁鬱症なのではないかと心配し、毎日気を揉んでいる。
.
今日はこの辺で。
失礼しました
ほのぼの家族だねぇ
いいですねぇ
ヤバい。超ヤバい。何がヤバいって、一言で言えばたぶん皆さんのご理解を一発で得られる事だと思う。
そう、全人類が共有するであろう共通の敵――しめきりが、ヤバい。
眠気覚ましドリンクの山を積み上げながら半狂乱で原稿に食らいつくこの状況はもう一分一秒絶え間なくヤバい。ノンストップヤバさ大暴走中。
なんて脳内で与太吐かずにはやってられない時に限って、畳み掛けるように更なるヤバさが襲来中でございます。
……いや、ヤバいって表現にも色々意味があるじゃないですか。この場合別の意味にヤバい。いやもうヤバさがゲシュタルト崩壊してんじゃねーか。
ペンを握ったまま画面に向かって笑ったり泣いたりの睨めっこを繰り返してるいまこの瞬間すらヤバいってどういう事ですか。
見えないハズの視界の端に感じたのは、作業中の周囲をうろちょろ行ったり来たりする落ち着きのない気配。集中をかき乱す挙動不審に注意を惹かれて目線がブレると。
「……な、何でもないしっ? こっち見ないのっ、仕事しろっ仕事っ。てか締め切りまで待つって言ったからっ……」
遙か遠くに肉食獣の存在を察した野ウサギよろしく、一瞬の一瞥に気付くや否や、不自然なほどにぴんっ! と背筋を立てたちまっこい子がさささっと視界からハケていく。
慌てたせいかバランスを崩してとてとてと逃げていくのはとてもかわいい。
――じゃなくて! そんなことやられたら気にするなという方がムリだろってかムリだからね!?
ヤバいから! 常識的に!! 考えて!!!!
友人に紹介する度に『え? マジで……? 同い年なの!? 本当はまだ義務教育適用してる年齢じゃねえの!?』って驚かれるわで
その場では気にしてないもんっ! なよゆーの態度取っちゃうクセに二人きりになったら、
『またおこさまっていわれたぁ!? あたしもう立派なオトナなのにぃ!』とこっちのの胸に顔を埋めてはぽかぽかとへなちょこぱんち喰らわせながらぷくーってほっぺふくらませて拗ねるし、
それから蕩々と語られる『オトナの魅力にあふれたあたし』トークを気が済むまで聴かないと更に三日は拗ねちゃうよーな、ちょっとってかかーなーりめんどくさいけど、
線の細いシャギーカットのショートヘアに折れそうな程華奢な手脚で小動物みたいにちょこちょこ動き回っては、
おもしろいもの見つけたら自慢げにこちらに見せては無邪気なドヤ顔スマイルでふふーんっとうっすい胸を張るそんなもう目に入れても痛くないほどの超絶天使がですよ!!!!
「……はよ、済ませなよ。あたし別に、待つの慣れてるし……いいもん」
……部屋の隅っこで漫画本で顔隠しながら、体育座りして。
『……さびしいもん』って雰囲気全開にしたまま、お家にいるんですよ。
そりゃあ締め切りまで遊べないとは伝えましたさ。伝えましたけど……。
お家に来られたら、上げてあげるに決まってるやないですか。エセ関西弁も出ますわほんま。
それに――そんな様子からもう、目が離せなくなる。
手は最低限動かしたまま、じっと彼女を眺めてみたら。
いないいないばぁ? いや、だるまさんがころんだ?
兎に角そんな感じで、ちょこんっ、って本から顔を離してこちらをチラっと。
覗かれた瞬間、こっちの目線と彼女の目線が正面衝突したもんだから、それがまた恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしてがばぁっ、って本で顔を隠していた。
しかしまあ、感情豊かなんだなあと思う。顔隠しても、足だけがじたばたと踊っていたから。
……ああもう、ダメだ。彼女も限界なら、こちらだって限界だ。
静かな部屋に刻々と時計の針の音、息を潜めたふたりぼっちの空間なんて――そんなの、辛すぎるに決まってる。
しめきり……は、あるけどっ、そりゃあありますけど……一応っ、手を動かしながらこの場を凌ぐ手段だってありますし?
もちろん、それも一人では決して出来ないことだから。
けしつぶみたいにちっちゃくちっちゃく縮こまって、重い想いを抱えたまんま重力崩壊起こすんじゃねーかと心配したくなるよーな子に、ご提案してみた。
「……いいの? 邪魔にならない? ぜ、絶対そのっ……離れられなくなるけど……それでも、いいの?」
いいよもう、こっちもまひろ分補給しながらの方が作業が進――最後の『むし。』までは、言えなかった。
その瞬発力たるや、瞬間、身構えるのが遅れる程。今泣いたカラスがなんとやら、部屋の隅に沈んでいた陰鬱な空気が、星を浮かべたまんまるい目の輝きで一気に一掃された――とこまでは、ちゃんと確認できた。
というか、気付いたらもうすぐ彼女は目の前にいてまして。
「あーもーっ、どーなってもしらないぞーっ! がまんしてたのにーっ、こーたのばかぁーっ♪」
背後からダイブ! 突撃でハグ! そのまま猫みたいにするりするりと人のお膝に乗っかってきて、まさかまさかの対面座位の体勢に。俗にいう――だいしゅきホールディングス、です。持株会社なんですね!
……違う。おかしい。
『そんなに寂しいならこっちきて側にいなよ』って、ボクはこのだいしゅきっ子に普通の提案したハズです。
そばにいるよって歌あったけどまさかこんな意味で歌ってる訳はないでしょう。世の女子に於けるそばにいるよ≒だいしゅきホールドなのか!? そうなんですかっ!?
ちょうど現在わたくしのニアゼロ距離におわします、人の腕にほっぺすりすりなすりつけてはうにゃうにゃと愛らしく鳴いていらっしゃる有識者にお訊ねしてみようと想います。なあ、そこんとこどうなん、まひろちゃんさま?
「んー? んふふふぅ、あたしちゃんと言ったけどぉー? どーなってもしらないって……はふーっ♪」
……答えになってねえ。なんてこった。ここが人類未到の領域だったのか。
まさか俺の腕の中にフロンティアなんて。大事なものほど近すぎると見えないってほんとだね。
原住民は今日も元気です。てか抱きつかれて腕が! 作業の要がつかえねえ! どうしてこうなった! WHY!!!!
返ってきたのは問わず語り。こちらを見上げた顔には、とろんと蕩けた瞳、桜色の頬と、艶やかで瑞々しい唇のフルコース。
おまけにデザートは、耳から脳髄まで一気に砂糖漬けにしてしまうような――甘い声色。
「んー? こーたサンどーしましたぁー? サボらずちゃーんとお仕事しましょーねー、んっふっふぅ♪
あぁ……ふぁあっ……もう……三日もおあずけ喰らってたんだもんっ……もっと、ぎゅーって、するぅ……」
自分より大きな背丈のテディベアを、誰にも渡さないとぎゅっと、全身全霊を込めた体勢――そんな女の子と同じ仕草で。
力なんて全くないクセに、思いっきり抱きつかれた。
離れられない。やわこくて熱くて、心臓の音まで届きそうなほど近いから――ムリだ。抱きつかれた方の力が、抜けてしまう。
『おこさま』なんかじゃない――言葉や見た目では語る事の出来ぬもの、胸元に触れた双房は、着やせする彼女も密かに誇る成熟の証だ。
子猫のような無邪気さでじゃれ合いにきたとばかり思っていたのは、大誤算だった。
ごろごろとのどを鳴らしてべたべたとこちらの身体を独占されている内に――互いの熱を、互いに知ってしまったから。
あ、ヤバい――こうなったらもうまひろのパターン……って、気付いたときにはもう遅かった。
「……したいの? こーたの、えっち……くひひっ♪
えろー、やーいえろこーたーっ♪ もー、がまんできないのはそっちも同じとかさー♪ 恥ずかしいんだーっ」
口元に拳をあてて、うっしっしと喜色満面にドヤられた。全身ばかりか調子にまで乗られてるし。
こーなると『自称:オトナ』の本領発揮が始まってしまう。暴走とも言う。具体的には、だいしゅきホールドの体勢のまま、ゆらゆらと腰をゆらしてゆったりとグラインドしてくる。エロい。その仕草だけでもそうなのに。
いくら軽い体重とは言え、全身の重みを一点に集中されれば――むくむくと、劣情が形を結び、たち上がってしまう。
マズい――これはちょっと、洒落にならない。冷静さを欠いては作業など出来ないというのに。
『そんなことないから』と、なけなしの理性をかき集めて、なんとか反論を試みてはみたものの。
「へぇ……いいのかなー? どーなってもっ、しっらなっいよーっ♪ わたしも、こーたも……歯止め効かない者同士、だし。
い、いまだって……えへっ、ふへへぇっ♪ そのっ……や、ばかっ、見んなよぉっ♪ あたしの顔、見ちゃやぁあっ……♪」
……焼け石に水。
視線恐怖一歩手前の赤面症の逆転を突こうと横を向こうとした顔を両手でサンドイッチしてこちらに向けてみたが。
失敗だった。コドモみたいに心底嬉しそうな顔してるくせに、声も吐息も、熱く、濃い。エロすぎる。
人のこと煽っておきながら、まひろ自身、かなりえっちモードに入っていた。これは、正直、正視し難い……。
「……ずるいっ、それぇっ……。ここにきておあずけしちゃ、やだっ……ちゅー、ちゅーしてっ、してよぉ、こーたぁっ……」
イヤだからではなくて、こちらまで溺れてしまいそうになるから……なんだけどな。
でも、一度気を惹いたと思った相手が、また険しい顔をして離れようとしたのが怖かったのだろう。
まひろはいつだって駆け引きで翻弄されることを嫌って、直球の好意と愛情表現をぶつけてくる子だ。
だから、そんな切ない声でキスをせがまれたら……ああもう、いいや、どうにでもなれえ!
「だってっ……こーたが、わるいんだっ……えっちになるの、こーたのせいだっ……ちゅむっ、くちゅ……ん、あむっ……」
『ごめん、ごめんなっ』――そんな謝罪も、舌を絡ませ、互いの唾液まで混ぜ合うようなディープキスでくぐもってゆく。
舌も歯も、壊れるんじゃないかと思うほどのサイズが怖くて、躊躇っていると、逆にまひろから貪欲に侵攻されてしまう。
全力で求められる甘え方に圧倒されて、夢中になる。目の前の愛おしい奴と、溶け合うくらい重なり合って、そのまま一つに――なってしまうと、思ったら。
「……もーちょっとだけ、待っててあげるよ。で、でもねっ!」
たっぷりの『ちゅー』でべたべたになった口元を拭きながら、まひろは抱きしめた腕からするりと離れて、掴む暇さえ与えてはくれなかった。
……なんだよ。今度はこっちがおあずけなんですけど――なんて、反撃しようとしたら。
「今夜はぜったい、”いぇす”、だかんねっ! 約束だからっ!」
……トドメを刺されてしまいました、とさ。
ああ全く、お陰で作業は捗りそうですよ、ほんとに。ただ、今度の原稿は、かなりのいちゃラブ物になりそうだけどな!
この締め切りを越えたら甘えっ子が訪れると信じて……!
徹夜たのしいです^q^あばばば
いい甘えん坊だ
無口すりすり系甘えんぼうが可愛い
甘えっこと過ごす夏は暑そうだ