【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ2

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1名無しさん@ピンキー
前スレの容量、超えてしまったみたいです、申し訳ありません。
立てていいものかわかりませんが、立てておきます。
2名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 19:04:23.29 ID:q+ZCycW5
広×梅の続き張っておきます。
ほんと申し訳ないです。
3名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 19:21:40.28 ID:q+ZCycW5
と、思ったんですがこっちでも書き込めないようなので、
ちょっと様子見ます。

前スレのdat落ちを回避出来ないかちょっと調べます。
よくわからないのに、長い物を落としてしまって本当申し訳ありません。

4名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 19:35:21.00 ID:q+ZCycW5
ちょっとの間離れます。
5名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 20:33:25.69 ID:audwEZv9
えっ!!??
えらいとこでおあずけwww
>>1
超乙
6名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 21:54:40.23 ID:q+ZCycW5
>>5
戻ってきました。
スレを見つけて下さってありがとうございます。


他の方がここに来られるかどうか少し心配しています。
本来なら前スレの最後で誘導すべきだったのでしょうが…
不手際申し訳ありません。
dat落ちについてですが、板によって異なり、
大体512kを超えて24時間程度で起こるようなのですが、
回避の方法があるのかどうかはわかりませんでした。
保管庫的なものを作れればとも思ったのですが、
寡聞にしてわかりません。
その方法もこれからちょっと調べてみます。

とりあえず、書き込みは出来るようなので、
続き置いときます。
7続広×梅8:2012/10/16(火) 21:57:48.15 ID:q+ZCycW5
広志は後ろから両手を回し、梅子のブラウスを脱がせブラジャーを上にずらした。
 乳首をつまみ上げ捻るようにすると、梅子はぬるぬるしたそこをひくひくと蠢かせ、すすり泣いた。
 その纏わり付く秘肉の感触を味わいながら、広志は小さく鋭く何度も突いた。
 
 「梅子さん……」
 
 梅子が限界が近い事を知らせるように顎を上に向け、身体を伸ばす。
 これが最後とばかりに上も下も捏ねてやる。

 「もう…だめ……いい……いいの……いい…ああ……あ……んんっ…………はあんっ!」

 ビクンと身体全体を震わせたあと、何度も肩を上下させて梅子は絶頂を示す。
 すぐには去らない快感の残滓が、まだ小さな声を出させる。 

 「ああ…はっ…はっ…あ…」

 その梅子の美しさと淫らさにすっかり魅入られながら、広志はどくどくと精を吐いた。
 

 *
 

 「梅子さんも、人間なんですね」
 「え?」
 「今日、邪なことを考えてるのは僕だけだと思いました。だから、自分を抑えないと思ったんです。
  でも、梅子さんが僕を求めてくれて……本当は嬉しかった」
 
 去り際にした会話を思い出しながら、梅子は一人、残った仕事を片付ける。
 自分を顧みて、顔から火が出る。
 自分は広志以上に、邪で、貪婪な人間だ。
 この間と同じ事を考える。これは褒美なのか、罰なのか。 


 <おわり>
8名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 22:00:00.07 ID:q+ZCycW5
たった1レスで、何だか間抜けなことですが…
一応これで終わりです。

失礼しました。
出来るだけ後片付けしたら、また半年ROMります。
9名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 22:07:11.46 ID:Y8KUieFH
えーそんな、ROMらないで下さい!
広×梅、背徳感あふれるシチュエーションが超好みで萌えます・・・
よかったらまた書いて下さい!
10名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 22:55:29.86 ID:kMlIYpOd
>>1 スレ立て乙です

広梅GJ!
濃厚なの大好きw
この梅子の乱れ具合は最高の御馳走っすw
夕暮れ、隣に住む家族、20m先にいる旦那…
いつ誰が来るかわからない診療所‥
隣にノブが眠る室内での自慰‥
もう最高っす

書き上がったらどんどん投下してください
スレが別れようとも無問題!

前スレの梅子から見たノブもGJ!新鮮でした

ここにきて職人さんたちが大量に落としてくださるので激嬉しいです!
11名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 23:45:45.25 ID:q+ZCycW5
>>9
>>10
ありがとうございます。
すごく、励みになります。


乗りかかった船なので、保管庫のことをちょっと考えてみます。
専用ブラウザなら前スレがdat落ちしても暫く見られるようですが…
折角の皆さんの作品を埋もれさせるのは、惜しい気がして…
もし、出来なかったらすいません。

また明日、ちょっとやってみます。

12名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 01:03:29.23 ID:Nh5lQcT7
前スレ

【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1339855322/

13名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 20:07:31.40 ID:6GSHf/5E
迷子たんたちが、たどり着きますように
14名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 21:26:27.50 ID:vmoLvFDp
11です。

前スレ、まだdat落ちにはなっていないようです。
他の板と比べて新しいスレが立ちにくいからかもしれません。

保管庫は何とかなりそうです。
数日中には形に出来ると思います。
その時にはまだこちらに書き込みます。
15名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 21:52:02.25 ID:6GSHf/5E
ありがとう!
保管庫できるのは嬉しいなぁ!

何から何まで本当にありがとう

甘えついでに落ち着いたら、また新作読ませて下さーい
16名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 22:40:36.13 ID:Nh5lQcT7
助かるわー
スマホでログ保存しようとしたらフリーズしやがって
PCで作業するタイミングがどうしようか悩み中だったんで
17名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 03:04:25.85 ID:ZfNVbEvC
>>1 =11さん
本当に有難うございます!!
全部お任せみたいになってしまって、申し訳ないです。
宜しくお願いします。

広梅も、またまたgjでした!
背徳行為って、凄く萌えるwww
自分はノブ梅書きですが、広梅を読むと転げまわりたくなるほど萌えるw
どうか、また思いついたら投下して下さい。


ついでといっては何ですが、短いやつを投下します。
婚前のノブ梅、エッチ無し(キスあり)です。
18:2012/10/18(木) 03:06:14.18 ID:ZfNVbEvC
「はぁっ」
梅子は自分の机に向かい、新しい論文を見つめながら深いため息をついた。
左肘をついて手のひらに顎をのせ、右手を論文の上においているが、いっこうにページをめくる気配はなかった。
『俺の、嫁なんだからよ』
頭の中では、昼間に信郎が何気なく言った一言がグルグルと渦を巻いている。
本当に私、ノブのお嫁さんになるのよね。
二人の交際は結婚を前提に始まったのだから嫁になるのは当然なのに、改めてそう言われるとどうにも落ち着かない。
部屋の中の空気が重たくなって自分を縛り付けているような、息苦しい、それでいて嫌な気持ちではない不思議な感覚、
梅子は立ち上がると窓を開けて顔を出し、火照った頬に冷たい夜風を当てる。
向かいに建つ安岡家を見ると、二階にある信郎の部屋の電気もまだついていた。
こんな風に確認するのは、今日何度目だろう。
「会いたいな……」
そこに信郎はいるのに、二人を分かつこの僅かな距離さえも、梅子にはもどかしく思えた。
ジュリエットだったら、窓から愛の告白をしている時にロミオが下で聞いているのよね。
ふと医専時代にやった芝居を思い出し、愛しい人の名前を呟く。
「ノブ……」
「おっ、梅子か。ちょうどよかった」
「えっ?」
突然近くで信郎の声が聞こえたかと思うと、一階の庇にあたる屋根の上を忍び足で歩いてくる信郎の姿が見えた。
「ちょっと、何やってるの!?」
梅子は驚いて、しかし家人に気づかれないように小さな声で問いかける。
「何って、梅子が何度もこっち見るから、会いたくなって来ちまった」
信郎は梅子がいる窓の下まで歩いてくると、窓を挟んで同じくらいの高さで向かい合い、満面の笑みで答えた。
下村家の一階にある厠の辺りから屋根伝いに歩いてきたという話を聞いて、呆れながらも梅子は笑う。
「私のロミオは、大胆な行動派ね」
梅子は、何だそれ? と言ってポカンとしている信郎の首筋に抱きついた。
「会いたかった。ありがと、来てくれて」
信郎の腕が梅子の背中に回される。自然と重なり合う二人の唇に、もう初めての頃のようなたどたどしさはない。
息を継ぎながら何度も何度もキスをして、互いの気持ちを確認するように舌先を絡めあった、
離れたくない。このまま、ずっと……。
さっきから感じていた息苦しさの正体は、嬉いという気持ちなのかもしれない。
梅子は信郎の胸に頬を寄せると、来たる日を思い描いて、湧き上がるその気持ちを胸いっぱいに感じていた。

――終――
19名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 12:59:41.43 ID:8xg8s5Gu
>>18
うわーGJGJです!リアルロミオとジュリエット!
20名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 13:49:14.01 ID:Ukdg5WcE
おぉ!なんとロマンチックなノブ
GJ!

情景浮かびますぞ!
毎度すばらしい!
21名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 15:07:25.78 ID:ibuRm0eV
職人さん達乙です
ロミジュリ…壁のシミだった頃を思うとなんか泣けてくるw
だれかノブ梅の長いエロ買いて下さいw
まだまだお互い知らない事いっぱいあるんじゃないかとw

ところでこれはどっちのスレを使うんですか?
22名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 17:43:03.48 ID:YYs3fATs
>>21
前スレが容量超えてるようなので、ここかな
23名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 18:10:58.57 ID:whWZTNe0
>>18 いいいい!GJ なんつーアイディア!隣同士をこういう使い方するなんてすごい!

>>21 ぴんくは容量でも達するエロいとこw
ノブ梅の長エロ、シチュ思いついたから書いてみる
ちょ〜っと時間ちょーだい


他の職人さんのもどんどん読ませてー
本編終って萌えが足りないorz
24名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 01:25:18.41 ID:q+0B4dJl
そういう仕組なのか知らなかった
エロいなこの板w

>>23
待ってますw
25名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 02:51:15.68 ID:9mH6VZZX
>>23
おお、長編とは嬉しい!待ってます!
26名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 10:41:32.55 ID:pOcGdCcq
14です。

保管庫が、何とか形になりました。
いろいろと至らない点はあると思いますが、よろしくお願いします。
何か問題あったら、ここでもいいし、
保管庫の掲示板もスレ立てたので、言って下さい。

http://w.livedoor.jp/umeeroparo/

18>>
GJです。
付き合い出した時の甘い気持ちが満ち満ちてて、いいですね。
27名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 10:42:56.73 ID:pOcGdCcq
あ、直リンしてしまった…ごめんなさい。
28名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 12:02:10.17 ID:2ISovRsL
>>26
乙ですー!
29名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 12:58:35.61 ID:Y8VILltS
>>26 
乙っした!
これで安心 ホッ

職人様、正座してお待ち致しております!
30名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 20:32:30.13 ID:hLqEKVlV
>>26
保管庫を夢中で読んでしまう…
本当にお疲れ様でした!!
31名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 03:21:34.98 ID:vQyoHVCp
>>26
どうも有難うございました!
私も保管庫を読み漁り中(お礼が後回しになってしまって済みません)ですが
どの話も作品に対する愛に満ちていて、萌えながらもホッコリしてしまうw
超お疲れ様でした!!
32甘露梅:2012/10/20(土) 17:56:26.29 ID:E+NGImLe
「診療を終えて玄関を出たらね、『梅子』って声がしたの。
驚いて振りかえったら、ノブが迎えに来てくれてて、また帰りにお汁粉食べたのよ。
やっぱりこれからは真っ直ぐ帰るわ。
弥生さんから見ても太って見えるなんて…。
往診先を知ってるの旦那と言うのも困りものだと思わない?」

(ハイハイ…
幼なじみバカップルの愚痴は今日もノロケ。
当直前に診療所の様子を見に寄った私がバカだったわ。)

弥生は毎度聞かされる愚痴と言う名のノロケに、呆れながら大学病院への道を急いだ。

資料室には、弥生専用サンドバッグが嬉々として待っている。

おわり
33名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 18:01:18.99 ID:E+NGImLe
新作の梅ちゃん先生がついに終わりですね。

記念に新婚時代のノブ梅短編を置いておきます。
34名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 23:33:24.71 ID:bVfJxTmq
自分は明日以降しか見れないがSP後編評判良いみたいで楽しみ

>>32
SPへのワクワク感をさらに高めてもらいました
ノブ梅のほのぼのさと山倉弥生のムズムズさがギュッと詰まっててGJです!
35名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 12:59:56.25 ID:2FFXtQv6
SP後編めっちゃ良かった
ノブ梅の喧嘩〜抱擁がリアルな感じでお互い本当に幸せそうな感じで見てるこっちが照れたw
欲をいえばキスしてほしかったけど、朝ドラ昭和モノで梅ちゃんの世界観じゃなくても仕方ないかな
民放だったら確実にキスしてる良い雰囲気だった
実況でもノブ梅は今日確実にヤるとか3人目できるなってレス多くて吹いた
36名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 20:23:25.26 ID:CS8n9g8z
後編盛り上がったね…w
なんか萌えの宝庫だった
ただせっかくきのやん記者可愛いと言ってたんだからフラグ立ててあげてと思ったw
37名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 22:38:29.72 ID:3L142/Pi
実に萌えだくさんなSPだった!
あれをオカズにパロ10本軽く書けそうな今の気分w
仕事が忙しくなけりゃもっと進むのになぁ

梅子がノブの首に飛びついた時ノブが梅子の腰を掴んで抱き上げるとか、もう鼻血でそうだ
山弥もすごく良かったし、松神も面白くなりそうだし、まさかの陽珠w
キノヤンは確かに心残りだけど、光千は親公認だし、パロ的に考えて
ラストで一気に組み合わせが増えるって実にありがたいw

もう一度見て書くぞー
おりゃー!
38名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 23:15:13.73 ID:DOSKY57A
>>3
おおお!頼もしい!!

自分は後編の威力に創作意欲がむしろしぼんでしまった
弥生さんの涙に張り合えるパロが思いつかん…
保管庫にもまだない山倉弥生の本番は切実に読みたいんだけどなぁ
39名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 23:35:45.97 ID:XLnulxvQ
>>38
張り合わなくとも
そのまま婚前旅行に行かせてくれたら御の字っす
40名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 00:11:12.76 ID:9rLpCKt+
梅ノブの未だ恋人同士みたいなやりとり可愛いw
本当に子供2人いるのかよっていう
見てるこっちが照れたw
あの後はさぞかし燃えたんだろうな…

41名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 01:24:25.87 ID:B1/y+3FO
>>40
近所の人達に見られてパッと離れてたけど夫婦なんだから別にいいのにねw
一気に双子が出来るかもしれない…w
42名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 17:04:22.46 ID:toO56IsQ
ノブの作業着の裾をぎゅっ、と握ってる梅ちゃんとその手を握るノブも可愛かった。
43冷やかしの後:2012/10/22(月) 21:50:24.24 ID:kT+zfTed
「・・あ、そういえばあの2人どうなったかな。。。」

・・・もう、人の心配してやがる。
「ふたりって、山倉さんと弥生さんか?」
「そうなの。お互い、意識し合ってるはずなんだけど。」
「そんなのは、うまくいくときゃ、心配しなくてもうまくいくもんだ。
 俺らだってそうだったろ。」

「そうよね。・・・そうだったわ。」
梅子の顔がほころぶ。
こいつのこんな顔、久しぶりに見た気がする。

「まだ仕事?」
「おう。もうすぐ、一区切りつく。」
「わかった。じゃぁ、お風呂わかしておくわね。」

工場を離れようとする、背中に
「おい、梅子。・・・今晩、、覚悟しとけよ。」

ぽかんとする顔が、どんどん赤くなって
「・・・・・・・・ばか。」

へへ。。早く仕事おわらせなきゃな。
44名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 21:54:33.58 ID:H12k9WPF
きゃーっ!
萌え〜萌え〜
キュンキュンキュン〜〜っ!

覚悟しとけよ・・
覚悟しとけよ・・

どんなことするつもりなのー?
ノブーーーーーっ!

覗き見したい〜〜〜〜っ!
ウルトラGJでしたーー!!
御馳走さまです!!

45冷やかしの後:2012/10/22(月) 22:09:45.57 ID:kT+zfTed
SPの仲直りシーンで何度も萌え死んでいる43です。
おもわずの初投稿をおいしく召し上がっていただけてなによりです。

その夜の詳しくは、他の職人のみなさま何卒よろしくお願いします。
正座して待ってます。
46名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 23:53:00.08 ID:mNmXXmRo
>>43
ひゃー!照れる照れる!も〜なんて可愛い夫婦なんだ!GJです!
47名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 00:50:58.63 ID:a/D5TCEd
>>43
GJ!
喧嘩した後のあのいちゃいちゃぶりからするとあの日の夜は相当燃えたと思うよw
梅子に抱きつかれた時のノブの反応見ると、
梅子が抱きついたのもノブが抱き上げたのもアドリブっぽかった気が

それにしても2人は普段どこでエッチしてるんだろうね
さすがに太郎と新の真横ではできないだろうし一階にはおばあちゃんいるし
やっぱり一時期陽三が寝泊りしてたあの部屋かな?
48名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 01:46:06.87 ID:Ox1/xIf+
>>43
のた打ち回るほど萌えまくった!感動した!!gj!!!
44さんみたいに「覚悟しとけよ」が頭の中をグルグル回ってるwww

本当にいいSPだった。
ノブ梅にも山弥にも、泣かされながら何度も見返したわwww
いいドラマに巡り合えて幸せw
49名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 16:48:32.31 ID:c19jtpMh
>>26
リンクがおんなじアドレスみたいっすよ
50夕暮れ:2012/10/23(火) 16:53:03.60 ID:SPiZVJ8T
「美味そうな匂いだな」
台所の梅子に声をかけると菜箸を握ったまま梅子が振り返る。

「でしょう?今日はポテトサラダも作ったのよ。味見する?」
「ああ、一口もらおうかな。」

ボウルの中から菜箸でひょいっとつまみ上げたポテトサラダを、俺はパクリと口にした。

「うん、ウマい。梅子また腕上げたな。」
「お褒めに預かり光栄です、旦那さま」

嬉しそうに言う梅子の口元には何口味見をしたのかマヨネーズがついている。

「梅子じっとしてろ」
俺は声をかけると梅子の口元をペロリと舐めた。

「今日は少し遅くなるから先に飯食ってろー」

俺は後ろ手にひらひらと手を振り、ポテトサラダよりずっと美味しい味に勢いを貰い作業服の袖を捲りあげた。

「よしっ!さっさと仕上げて早く帰ろう!」

<おわり>

51名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 16:58:48.02 ID:SPiZVJ8T
ノブ梅は、信郎が梅子を美味しく調理するところが絶妙に萌える
書いていても萌えるw

SPは梅子が信郎を調理していたところが萌えた

叱られてハイハイ従うしかない信郎とか、診療所での怒涛の言葉責めとかw

何よそれ開き直る気?と追いかけ飛び付く梅子の運動神経とか、幼い頃の梅子ならあり得んw
嫉妬は偉大だw
52初夜ネタ:2012/10/23(火) 18:35:33.43 ID:gSetij+T
「じゃあ弥生さん、よろしくお願いします!」
いきなりどさり、と背中に何か―――というか自分の夫、山倉真一がのしかかってきた。
瞬間的に、押し倒される、と思った。
「ち、ちょっと待って!―――っていうか一端離れて!!」
「えっ!?まさかここまできて心変わりとか言わないよね!?」
「はいはいそんなこと言わないから!とにかく離れて!そこに座って!!」
いきなり背後から抱き着いてきた男をどうにか振り払い、向かい合う。
今日はいわゆる『初夜』というやつで、まあ当然、そういうこともするんだろうなとは思っていたけど。
「…いきなりすぎない?」
「ん?何か言った?」
「…別に!」
そういうことについて、自分には、映画や小説や、それこそ医学書の知識しかない。
あれが普通、なのかも。
そして―――こんなことを考える自分は、おかしいのかもしれないが。
はっきりさせないと、多分、これから行うあれやこれやに間違いなく影響が出る。
「…山倉さん、」
「真一、ね。」
「あ…そう、ね。じゃあ―――真一、さん」
「うん、何かな」
「えっと…」
妙に神妙な空気に包まれつつ、絞り出す。
「―――…初めてなの。」
「え?」
耳に手をあて、『聞こえない』のジェスチャーをする姿が何故か腹立たしく感じ、思わず声を荒げた。
「だからっ…こういうこと、初めてなの、私!!」
「ああ、そんなことなら…」
「真一さんは!!?」
「はっ!?」
「したことあるの?ないの?どっちよ!?」
ポカン、とこちらを見ている真一を見て、しまった、と後悔した。
だが、もう遅い。
「だ、だって、男の人なら仕方ないって言うけど、やっぱり気になるじゃない!私だけ初めてっていうのも不公平だし、それに、」
「ぶっ…は、あはははは!!」
一気にまくし立てようてしたところを笑われて、頬がかあっと熱くなるのを感じる。
「!!な、何!?何がおかしいの!」
「いやー…弥生さんってかわいいなあって」
「………はっ?」
「安心して、でいいのかな、僕も初めてだ!」
「ぎゃっ」
言いながらこちらに飛びついてきた真一に、今度こそ押し倒された。
電灯の明かりが真一の身体で遮られて、視界が薄暗い。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ごめんこれ以上は無理だ…
色気のあるやり取りとは無縁な方向に…
誰か続き書いてくれー
53名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 19:35:39.63 ID:iY7XL0pr
>>52
すごいww
脳内再生余裕www
GJ!
54名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 21:13:31.32 ID:28Ao1hbl
>>52 リアルな映像が再生ww

中の人たちがこれから先、別のドラマで共演したとしても
こんなに萌え散らかさんだろうなと思うと・・・寂しい。
55名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 23:50:16.04 ID:NMErblr0
>>51
「はい…」と従ってたのツボw
あれが>>43の後逆転するんですねw
56名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 08:03:17.92 ID:hFWAAzb6
中の人にはあまり思わないけど、ノブは性欲強そうだな
職業的にも体力あるだろうし
そりゃあれだけ可愛い嫁さんいたら抱きたくもなるな

梅ちゃん先生は旦那衆が全員嫁の尻に敷かれてるのがツボ
ノブ梅はノブのが年上なのにw
5726:2012/10/24(水) 09:34:11.26 ID:51xpD02d
>>49
本当だ。トップページですよね。 
ありがとうございます。修正しました。


58ノブ梅長編:2012/10/24(水) 12:45:34.54 ID:L+UFaQzz
ノブ梅の長編です

あの家で長編書けるほど濃いのはできないもんで
出産から逆算してこのころかな?と、旅行に行かせました

口淫あり、69あり
59箱根旅行 1:2012/10/24(水) 12:46:15.40 ID:L+UFaQzz
俺たちが結婚して1年が過ぎた。
ひとつのことさえ失敗する不器用な梅子にとって、仕事と家事の両立は修行の日々だったし、成長に付き合う俺も、ある意味修行の日々‥。
お互い助け合っていけば何とかなると思っていたけど‥実際はお袋とお義母さんたちがかなり助けてくれていて、俺たちは甘えっぱなしで一年が過ぎたと言うべきだろう。

とは言っても梅子は梅子なりに精いっぱいがんばってくれていることは、あいつを見ていればよーくわかる。

「始めての結婚記念日に旅行、いかないか?」
俺がそう提案したのは、がんばっている梅子にご褒美をあげたいと思ったから。

梅子は文字通り飛び上がって喜び、俺たちは診療所が二日続けて休みになる5月の上旬‥箱根に来ている。

明日は芦ノ湖までバスで行って関所跡を見るんだ!と、梅子が子供みたいにはしゃいでいる。
こういう所、ガキの頃からちっとも変わらない梅子でホッとするというか、呆れるというか、惚れ直すというか‥。

「ノブー!見て見て!すごく景色が良いわよ!」
梅子は部屋に案内されると、窓際まで飛んで行って大声で手を振っている。

「おぉ!本当だ。窓の下にすぐ川が流れてるんだな。流石は老舗旅館だけのことはある。うん!」
「ねぇノブ、私たちだけこんな贅沢してなんか申し訳ないわ‥。来年はみんなで旅行に行きましょう?」

まぁそう思うのは当然。
甘えっぱなしの俺たちが骨休めしてどうする?って俺も流石に思う‥
でもなぁ梅子…お前はわかっちゃいねぇ。
新婚夫婦が本当の意味で2人っきりになれるのは、旅先しかないってことを‥。
60箱根旅行 2:2012/10/24(水) 12:46:46.43 ID:L+UFaQzz
「お茶入ったわよ」
俺が川を見ながらため息をついた時、梅子がそう声をかけてきた。

「おう、ありがとよ。梅子、今日はこれからどうする?」
梅子が入れてくれたお茶を飲みながら、俺は梅子の顔を覗き込む。

「うーんそうねぇ♪お散歩行かない?」
俺は立ちあがりノシノシと座卓の反対側まで歩み寄ると、梅子の前にドッカとしゃがみこんだ。

「‥そうだよな。お前は絶対そう言うと思った。」
「え?ダメ?じゃどう‥」

俺は梅子の両頬を両手で包み込むとムギュっと真ん中に寄せた。
「おい梅子。ふたりっきりなんだぞ?わかってるか?」

つぶれた饅頭みたいな顔をしながら、梅子が呆れ顔でコクコク頷いている。

「ふぁいふぁい。わふぁったから手をふぁなして。」
梅子は俺の手を自分の顔から引き剥がすと、そのままぐいっと引っ張った。

「はーいノブ、お膝いらっしゃいねー」
俺は態勢を崩して前のめりに梅子の膝に飛び込む形で転ばされ、梅子は飛び込んできた俺を抱えてケラケラ笑っている。

こいつのこう言う所、いつまでたってもガキの頃からかわらねぇなぁ‥
61箱根旅行 3:2012/10/24(水) 12:47:23.64 ID:L+UFaQzz
「で。これからどうするんだ‥?」
俺は梅子の膝を枕にして顔を見上げながら、もう一度聞いた。

「お風呂ってもう入れる時間?夕食の後でお布団敷きに来てくれるって仲居さん言ってたわよね。その前にこっちで敷いちゃうのはなんか恥ずかしいわ。」
梅子は髪を撫でたり、鼻筋を撫でたり、小鼻をつまんだり、豚みたいにもち上げたりと俺の顔で遊んでいる‥。

「いや、布団はこっちで敷くと断っておいた。夕食はこの部屋だから、ふすま閉めときゃ向こうの部屋の布団はわからないだろ‥」
梅子は診療する時みたいに俺の下瞼をひっぱって今度はアッカンベーさせてクッククック笑っている。

「なんかこういうこと明るいうちから話すって、何ていうか‥夫婦なんだなぁって思うわ。」
今度は俺の顔のホクロをひとつずつ指で押しながら梅子は笑っていた。

‥俺はうつ伏せになり、梅子の腰を抱えると下腹に顔をうずめた。

「じゃ、夫婦なことしよう。」
俺は正座していた梅子の足の間に手を入れ、奥にある俺だけの場所を探った。

「ノブ‥ちょっと!お風呂入ってから‥っ」
花芯をツルリと押上げるだけで、梅子は反応を返す。

「そうか?じゃ、30分後に集合!」
俺はガバッと立ちあがり、旅行鞄の中から手ぬぐいと下着を取りだした。

「…ところでお前‥いったい何枚パンツ持って来たんだ?」
一泊二日だと言うのに俺と梅子、合わせて6枚が並んでいる。

「だって、お風呂入る度に替えた方が気分良くない?」
「…おまえ‥そんなに風呂に入りたくなるコトするつもりだったのか。わかった。よーくわかった。」

きっと単純に“温泉に”何度も入るつもりだった“だけ”の梅子をからかうと、真っ赤な顔して「そんなことない!何でもそっちに持って行こうとしないで!私はノブとは違うんだから!」とオロオロしている。
焦る姿もまたかわいい‥あぁぁ〜〜俺の嫁!
家じゃこんな話しはなかなかできない。
俺は思わず鼻の下を伸ばし、カバンの一番底に下着を押しこんでいる嫁の焦っている姿に見とれちまう。

ハッ!梅子。
だから早く風呂!!
62箱根旅行 4:2012/10/24(水) 12:48:09.95 ID:L+UFaQzz
俺はさっさと風呂から上がり、20分で部屋に戻って川に面した奥の部屋に布団を一つ敷くと、俺はゴロリと寝転んで梅子を待っていた。
梅子はまだ戻ってきていない。

…来ねぇ。

どこをどう洗えばそんなに長風呂なのかといつも思うが、梅子の風呂はとにかく長い。
「別に普通よ〜」
そんなに長い時間何してるんだと聞くたびに梅子の頭上には???が舞い踊る。

30分後に集合と言ったはずなのに、すでに1時間は過ぎてる‥

…もしかしてのぼせて倒れたとか?!
流石に心配になって立ちあがろうとした時、部屋の入口からガラリと音がした。

「…ノブ」
慌てて飛んでいくと案の定真っ赤な顔をした梅子がへなへなと座り込んでいる。

「のぼせたのか?」
「うん、そうみたい。昨日、夜中に往診があったでしょ?眠いなぁとは思ってたんだけど、ついうっかりお風呂の中でうとうとしちゃったの。」
そう話す梅子を抱え俺は布団の上にゆっくり寝かせた。

「団扇借りてくるか?窓開けば風が入ってきて涼しいけど、そんなんで追いつくか?」
「ええ、少し寝てれば落ち付くわ。医者なのにお恥ずかしい‥ごめんなさいね‥あの、その、ほら‥」
「あぁ、いい。寝ろ寝ろ。」
俺は手ぬぐいを水で濡らし、梅子の額に乗せてやった。

帳場に頼んで氷水を貰って戻ると、梅子はスースー寝息を立てて眠っている。
俺は腹ばいに寝転びながら梅子の寝顔をマジマジと見入った。
デコ、広いよな。
顔なんか握りこぶしみたいに小さい。
開いてると大きい目は瞑っていると普通なんだよな。
怒るとこの鼻のホクロはすごく怖ぇんだよなぁ。
小さいこの口‥俺がこう舌を動かすと、梅子はこう答えて‥
…早く起きねぇかなぁ‥うーめーこー
63箱根旅行 5:2012/10/24(水) 12:48:46.96 ID:L+UFaQzz
「失礼いたします」

入口からの声に俺はハッと目を覚ました。
梅子の顔を見ている間に俺まで寝入っていたらしい。

「お食事の支度をさせていただきたいのですが、お連れ様の体調はいかがでしょうか?」
「あ、眠ってますので大丈夫です。食事の支度、お願いします。もう起きると思います。」

仲居さん達が膳を運び入れてくれている間に、俺は眠っている梅子の様子を見に行った。

「梅子、食事が来たぞ。起きられるか?」
「ええ‥。もうそんな時間?大丈夫。ぐっすり眠ったつもりなのに、まだ明るいのね。」
目を覚ました梅子は窓際の化粧台に髪をまとめながら身繕いの為に歩いて行った。

隣の部屋には豪華な食事が並んでいる。
俺たちは満腹になるまで、贅沢な膳を味わった。

「いやぁ〜 あの煮ものは旨かったなぁ。」
「いつもが美味しくないって聞こえるんですけど?」
「梅子の料理がマズイなんて俺、言ったこと無いぞ?味はそこそこちゃんとしてる。」
「そこそこって何!」

いつもの夫婦漫才のような掛け合いを繰り広げながら、俺は折った座布団を枕に箱根の案内を見ていた。

「関所は朝一番で行く?私、寄木細工も見たいわ。」
梅子が俺の隣に寝転んで俺の持つ案内書を覗きこんできた。

俺は腕枕で梅子を抱え込む。
「あぁ。関所に行ける程度にしておく予定。」

腕の中で梅子がクルリとこっちを向く。
「行ける程度?」
「あぁ。行けなくなる程がいいか?」

抱き寄せる浴衣ごしの梅子のぬくもりを感じて、オレが勢いづく。

俺は梅子の柔らかく温かい唇をそうっと塞ぐ。

探るように唇を舐め、差しこむように舌を割り入れる。
温かい梅子の舌を俺の下でチョンとつつくと、梅子の下がチョンと返事をする。
クルリと舌を回すと、梅子もクルリと俺の下を回す。
結婚して何度も触れて来た唇。
飽きることのない小さく柔らかく甘い梅子の唇。
64箱根旅行 6:2012/10/24(水) 12:49:19.48 ID:L+UFaQzz
甘く吸われ半開きになった口から切なく溜息のような声が漏れる。
口腔内で繰り返されるのは、幼い頃から繰り返してきた追いかけっこ。
追いかけ、追い詰める。
梅子が逃げるのは“もっと追いかけて”の合図。
俺は梅子の頭を抱え込んで下唇吸いながら、下着の中の湿った裂け目に指を侵入させていく。
そこはいつものように熱い泉が湧き出ていた。
肩を震わせて吐息を吐きだす為に唇を離そうとするのを、俺は逃さないように追いかける。

指先は十分蕩けている場所を梅子が一番喜ぶように掻きまわす。
「はぁっ……」
梅子は慣れた刺激に足を強張らせ加速して自ら高まっていく。

蜜を溢れかえらせる柔らかい襞は俺の指の動きにあわせてひくついて絡みついたり離れたり、素直に快感がどれほどなのかを俺に伝える。
「梅子‥ほら、すごい」
俺は濡れた指を引き抜いて目の前にかざす。
テラテラと光り糸を引く蜜に梅子は耳まで真っ赤になった。

俺は真っ赤に染まった耳たぶを軽く噛む。
「あんっ‥ノブ、耳はダメだってば‥」
「噛んだらダメか?それじゃあ舐めてやる。」
カタツムリみたいな耳の表面を俺は舌先でぐるぐるなぞっていく。
辿りついた耳の中に舌先を捻り込み舐め上げる。
「んんっ……ふぅ……」

梅子は甘い声を漏らして俺の腰に手を回す。
梅子の小さい手は慣れた手つきで俺の膝から太腿にかけてを撫で上げる。

「耳はダメよ、ノブ‥」
梅子の『ダメ』は『いいわ』、『バカ』は『大好き』。

いつものようにトロン溶けた大きな瞳が俺を映し出している。
俺を求め近づいてきた唇を強く吸い、俺は梅子の腿に俺のいきり立っているものを押しあてた。

「布団、行くぞ。」
65箱根旅行 7:2012/10/24(水) 12:49:54.23 ID:L+UFaQzz
布団の上に横座になった梅子の肩に手をかけ、俺は着ていた浴衣の帯をゆっくり解いた。

常夜灯の灯りに映し出される梅子の白い首筋は透き通るように美しい。
肩から浴衣を落とすと、小ぶりの掌にすっぽり収まる乳房が露になる。
普段は丸い柔らかく小さな乳房。

それと同じく小さな乳首は、俺が舐めただけで固くなり、噛みやすいように、捻りやすいように尖ってくれる。

梅子に言わせると「乳首は子宮に繋がっている」らしい。
乳首を刺激した時の濡れ方がすごいけどそんなにイイのかと聞いた時、「それだけでどうにかなりそうなの」と可愛いことを言っていた。

確かに舐めるだけで吐息が出始め、甘噛みすると何度も跳ね上がる。
強く捻れば泣き声が上がり乳首だけで十分なほどに蜜がとめどなく溢れる。

「ぁんっ」
尖りきった乳首の先を舌先でそっと掠めると、梅子は背中を仰け反らせて喜んだ。

薄明かりに浮かぶ白い背中に手を回し梅子の体重を感じながら、乳首をレロレロと舌で舐めながら俺はそっと梅子を布団に横たえた。

自分の着ているものを手早く脱ぐと、梅子の上に跨り横たわる梅子の固く尖った蕾みに赤ん坊のように吸いついた。
「ぁっ‥」
梅子が悲鳴にも似た吐息を上げた。

吸いついても口に含で吸うだだけで、今度は尖った蕾みには触れないままでいた。
含んでいないほうの胸はやわやわと‥そっと揉みしだく。
反対の手で焦らすように‥脇腹から腿にかけて‥手の平でゆっくりゆっくり撫でていく。
俺はそのまま梅子の下着を片足ずつ剥ぎ取り枕元に置いた。
そして茂みの奥にある割れ目に指を滑らせる。

「はぁんっ……」
内股に力を入れ腰を捻りながら、梅子が両手で俺の頭を抱えこんだ。

切なく高ぶっていく梅子の欲情が俺に伝わる。
声にしない梅子の声が聞こえる。
<ノブ、もっと‥>

梅子の切ない身体を宥めるように、俺は固く滾る尖った蕾の周りに舌先を這わせちろちろと円を描く。
止むことなく続くことを知っている梅子の肩が小刻みに震える。

俺は口から蕾みをそっと離し、唾液に濡れる蕾を指の関節で軽く挟む。
そのまま引っ張り上げると小さな蕾はコロンと指の間から抜けおちる。
抜けおちる度に梅子の顎が天を仰ぐ。

唇から溢れる吐息は深さを増し、もっと強い刺激を求め梅子の手が俺の顔を胸に押しつける。
66箱根旅行 8:2012/10/24(水) 12:56:17.31 ID:67PQnHCo
「んぁ……はぁっ」
俺は上半身を梅子の身体から離し、快感に身を捩る妻の姿を眺めた。

ゆるやかに流れる肩から小さな胸への線。
腰から太腿にかけての曲線、薄い繁みのある下腹部のなだらかな膨らみ。
俺しか知らない俺だけの身体。
幼い頃からこの先の未来、全てが俺のものだ。

「ノブったら‥いつまで見てるの?」
梅子が視線に耐え切れずに呟く。

「見飽きないんだから仕方ねぇだろ‥」
「バカねぇ…」
梅子の顔が恥ずかしそうに俺の視線から逃れるように横を向いた。
‥乳首は尖ったまま‥だな。

俺は梅子の横に寝転ぶと、掌でそっと梅子の唇を撫でた。
そのまま首筋‥肩‥乳房‥臍‥下腹‥茂みを、そうっと愛しむ。
横を向いた梅子は、俺を見上げると俺の掌から伝わる感触に切なそうに目を閉じた。

脚の間の閉じた割れ目に分け入る指をおびただしいぬめりが出迎えた。
「‥ぁあ…」
指先で花芯を弄びながら、チュッと唇を吸い、チュポッと乳首を吸い、薄い茂みを舐め、俺は梅子の両脚を開いた。
「今日は閉じるなよ‥」
「ん。あぁあ…」
梅子の指先はシーツを引き掴み、快感のうねりを必死で耐えている。

俺は唇で挟んだ花びらを離すと、鼻先で熟れている花芯を舌先でペロリと舐め上げる。

梅子は即座に反応し脚を閉じるように強張らせた。
「足、閉じるなって言ってる‥」
「はんぁっ……」
俺は左手で梅子の腿を押さえながら、声を出すことに慣れない梅子を導くよう話しかけた。

「梅子、今日は声を出しても大丈夫。誰にも聞こえない端の部屋にしてあるんだ‥」

俺はもっと声を聞きたい。
もっと俺を求めて欲しい。
幸せでいて欲しい。
だから、俺が幸せにしてやりたい。
67箱根旅行 9:2012/10/24(水) 12:58:23.91 ID:67PQnHCo
俺は花芯に吸い付き、舌で転がし押し潰し、歯に引っ掛け、吸いながら口の中で転がし、濡れたそこに息を吹きかける。
「ここがイイのか?」「うん。」
「うん、じゃわからねぇよ‥梅子。もうやめるか?もっとするか?」「うん‥」
「もっとするのか?」「うん‥」

俺は指先で溢れかえるぬめりを花芯に擦り付ける。
人差し指と中指で挟もうとしても、ぬめった花芯が滑って掴めない。

「んくっ!」
ツルリと滑った花芯の刺激が、梅子の身体を跳ね上げた。
ならば‥と何度も俺は滑る花芯をわざと掴みそこなった。

「もっ…やっああ!!くっ‥ぁああアあ!!!」
悲鳴のように梅子が声を上げる。
「そうだ‥梅子。もっと声を聞かせろ」
「っ‥もっダメ、んあぁ!ああ‥あぁアア!!」
俺の頭を締め付けようと梅子の両足がさらに強ばる。

俺はそれでも舌先を押しつけ花芯をそっと剥き上げる。
乱れ泣くような喘ぎ声と共に、梅子の腰がワナワナと震え始める。
唾液にまみれ小さかった芽は充血しぷっくり膨れ上がっている。
「梅子、もっと声を出せ!思うように感じるんだ」
俺は梅子の両手を梅子の胸に与えた。

花芯を舌先で何度も転がし、舌で押し潰しペロンと舐め上げる。
梅子の細い腰は更なる高みを求めて俺の舌先の行方を自ら追い求めている

見上げると梅子は自分の細い指先で乳房を掴み夢中で乳首を捻っていた。

「はっ、はぁっ……ぁあっはぁっぁあっはぁっ!!!」
悲鳴のような喘ぎ声を上げ、梅子が自ら達しようとしている。

俺はビクンビクンと脈打つ花芯をぬめる中指で転がしながら、梅子の悲鳴を唇で飲み込んだ。
「んぐぐぐぅぅ!!!」
くぐもる様な悲鳴をあげ、梅子の体が俺の手を挟んだまま硬直した。

俺は中指の力を抜き、花芯を包み込むようにそっと3本の指で押さえてやった。
1‥2‥3‥4‥5‥6‥7‥8‥ ゆっくり数えながらしばしの休息時間‥
梅子は何度も襲う快感に震えながら夢中で俺の身体に絡みついている。

15を過ぎた頃、押さえたままの指でそっと皮ごと押上げると、緩み始めた身体がもう一度強張り震える。

俺は少し身体をずらすと子宮と繋がっていると教えてくれた乳首を舌先で押しつぶし吸い上げる。
花芯を撫でるようにさする右手、乳首を嬲る左手の指と俺の舌‥
「あ!あ!あ!だめぇ‥もうやっ‥ダメ!それ以上はあああんっ!!」

熱い液をジュンジュンと垂らし、梅子の体はわななくように震え、強張った全身が数十秒で力を失った。
快感に貫かれ放心している梅子の横に寄り添い、俺は汗で額に貼りついた髪をかきあげた。
正体を失い天井を見上げていた瞳はやっとのことで焦点が戻ってくる。

「ノブ…ずるい。もうダメだって言ったのに‥」
梅子が恥ずかしそうに身体を丸め小さな声で呟く。
68箱根旅行10:2012/10/24(水) 13:01:05.70 ID:67PQnHCo
俺は腕の中に梅子を抱えこみながら耳元に呟いた。
「梅子があんなに喜んでくれると、俺は嬉しいんだぞ?ホラ‥」

梅子の腿に当たる俺の固くなったもの。
さっきまで梅子の反応に猛り狂って熱い襞に埋めたいと欲していたものは少し落ち着きを取り戻している。

ハッとこちらを向いた梅子と目があった。
梅子はニヤニヤとしながら俺の屹立したものを小さな暖かい手の平で包みこむ。
「ノブ‥仕返しするわよ?」
「あ?ああ、喜んで仕返しされてやるよ」

たかがこんな会話で俺の下腹は重さを増し、ドグンドグンと脈打ってしまう。

精がみなぎる袋と竿を同時に握られる心地よさに、俺はうっとりされるがままになる。

「ノブ‥すごい、固くて……もうぬるぬるしてる」
チュッチュッチュッ‥
梅子は俺の上に乗るとそぼ濡れた先端にキスの雨を降らせる。

敏感な鈴口で舌先が遊び、透明な液はちゅるちゅると飲み込まれていく。
俺は肘を突き首を上げ、梅子がどう動くのかを見ている。

もうこのまま柔らかい唇に包まれ、喉奥で果てたい衝動にかられるほどの光景。
足の間に顔をうずめ、無邪気そうに仕返しをする梅子を見ていると、幼い頃と同じ悪戯心がむくむくと湧き起こってくる。

無防備な腰を掴み、俺は自分の方に引き寄せた。

「!?何?」
驚く梅子の腰を問答無用で俺の顔の上に跨らせた。

「梅子も続けて‥」「‥うん」
ジュプ‥ジュルル はうっ‥くっ

部屋の中に、お互いを吸う音と喘ぐ声が交互に響く。
「気持ちいいか?」
「う‥んっ」
俺は尻を抱えながら舌先で蜜壺の熱を楽しんでいる。
腰の窪みや腿の裏あたりに触れると体がびくんびくん反る。
その度に梅子の口は強くすぼまったり、俺の鈴先に熱い吐息を吐きかける。
梅子は夢中でオレを舌で扱く。
手を伸ばして顔を撫でると、口の中に目いっぱい俺を受け止めている頬は凹み汗でしっとりと濡れている。
69箱根旅行11:2012/10/24(水) 13:03:18.44 ID:67PQnHCo
まるで子供が飴を舐める時のように、梅子はゆっくりと舌で包み、舌先で弄ぶ。
それに反応するように俺はより一層充血し脈打ち大きく張りつめる。
俺は一気に昇り詰めないように目の前の梅子の蜜壺に意識を集中させるしかない。
咥えきれなくなったのか、俺の刺激が強すぎるのか、梅子が口を離し喘ぐように深呼吸をしている。
それでも両手は挟むように竿を持ち、袋の中身を転がしている。
呼吸を整えた梅子が上下に頭を動かしている。
ジュブジュブと音が聞こえる‥

「うぅっ‥」
俺ももうそろそろ‥

溢れかえる蜜壺は呼吸をするかのように俺の指を2本咥えパクパクと蠢いている。
梅子は背を丸め腰をぶるぶる震わせ俺の竿を握りながら喘いでいる。
「や、はぁ……ダメ‥今度は‥んんっ…私のあぁあんっ」

俺の顔を跨ぎ、自分から押しつけ、快感を求め愛撫を受ける俺の梅子。
梅子の蜜壺は俺の指を咥えこんだまま丸い臀部は自ら小刻みに揺れている。
震える襞に舌先を捻りこむとそこは吸いつくように俺を迎え入れた。

「梅子‥いいか?」
「うん‥ノブ…き‥て。」

俺は昂ぶる気持ちのまま梅子を顔の上から降ろすと、布団の上に仰向けに寝かせた。

ひざ裏を掴み、花芯を撫で、十分潤っていることを確認し最奥までぬるりと突き入れた。

根元までズブリと飲み込んだら腰を揺らし互いを擦りあわせる。
俺たちは深く繋がったままチュプックプッと音を立て互いを貪りあう。

「ノブ‥すごい…奥に…あぁっ!」
俺は腰を捻りグリグリと奥に向かって押し当てる。
「ううっあうっ‥」
苦しそうに呻いていた梅子の喘ぎが、吠えるような声に変わり始めた。
下腹は波打ち、俺を咥えた襞は逃がすまいと締めつける。
「梅子、熱い。すごく締まってイイ」
「うん‥ノブも…イイ‥あぁあ…すご‥く‥」
ふたりの荒い息遣いとぴたぴたと肌のぶつかり合う音が部屋に響いている。

ぬるぬるして滑り落ちそうになるほどの蜜が溢れ、泡立っている。
俺は肉襞をえぐり沈めた肉茎を入り口まで引き戻しては、また進んで鞘におさめることを繰り返している。
グンッと貫き、グリッと捻る。
奥にある小高い丘を俺の先で

「ノブ‥もうダメ‥壊れちゃう……あぁあ……」
俺は腰を振る度ににちゃぬちゃと水音を立てるそこに更に激しく腰を打ちつけた。
「梅子‥聞こえるか?」
「うん…き…こえっあぁん!」
俺は乳首を摘み上げる。
舌は首筋に流れる汗のしずくを掬いとる。
「ふぁあっ!んーっ!んーーーっ!くっ‥あぁあっ!!!」
俺が握っている汗ばむ梅子の膝は、手から逃れたくて震えている。
俺は膝を解放してやり、もう好きなようにさせてやった。
70箱根旅行 ラスト:2012/10/24(水) 13:05:50.65 ID:67PQnHCo
「くぅうっ!!ぁふっ……ぐうっ……はぁあっんっうぅぅ‥」
俺の手から逃れた梅子の両足が俺の腰を挟み、俺の動きに合わせて締め上げる。
灼けるような熱い襞に俺の全身の神経は飲み込まれていく‥。
身を震わせすすり泣くほど本能の赴くままのめり込む、梅子のこんな姿は俺しか見られない。

俺を包みこんだ梅子の襞は圧力を増し、俺はこれ以上無く膨れあがり解きはなつ時を迎えようとしている。
俺はもう片方の指先で溢れかえるぬめりを掬い、膨れた突起を擦り上げ更に追い込む。

「あっあっあっあっあっだめぇぇぇえええっっああ、あああんんっ!!」
「梅子っ……くっ」
俺は梅子の口を唇で塞ぎ、がくがく震えるその身体の一番奥深くに全てを解き放った。


「はぁっはあっ‥んんっふうっ‥」
俺たちは汗にまみれ、荒い息づかいで口もきけず抜くこともせずに重なりあっている。


結婚し梅子と俺はお互い始めての相手として、2人でお互いを満たす為に求めあってきた。
どうしたら嬉しいのか、どうしたら良いのか、どういうのは嫌なのか、俺はそういうこともできるだけ言葉にして話し合いたい。
これはきっと梅子も同じだと思う。

「良かったか?」
「……うん」
頬を染めた梅子が穏やかに微笑む。
俺は柔らかい頬にそっと触れた。
吸いつくような肌を頬から顎‥首筋から鎖骨と撫でまわす。
感じたままの余韻を残しツンと立っている小さな乳首を口に含みながら丸い膨らみをそっと揺らす。
くすぐったそうに笑っていた梅子が気持ちよさそうに深く息を吸うとそっと目を閉じた。


梅子の中からそっと俺を引き抜くと、混ざり合った白い液がたっぷりと溢れだしてきた。

俺は自分のものを拭きとると、力なく横たわる梅子の足の間も拭きとってやった。
梅子は手洗いに行くと立ちあがって行った。
俺は下着と浴衣を身につけると、枕元の水を飲み干した。

‥今日、梅子の口から漏れた長く途切れることのない極まった喘ぎを、この先俺はずっと忘れないだろう。

浴衣を着て戻ってきた梅子が俺の腕の中に潜り込んできた。
「明日、関所行けるか?」
「行けるわよ。バカねぇ。お手洗いに歩いて行けてたでしょ」
梅子がニコニコ笑っている。

俺は梅子の足を挟み、右手で左の頬を包みこんだ。
親指の腹で瞼と眉間をそっとそうっと撫でてやる。

瞼を閉じた梅子の意識がゆるるりと落ちていき、くぅくぅと寝息を立てるのを確認すると、俺はそっと灯りを消した。

月明かりが障子に川辺の影を映しだす。

「子供、今度こそ出来てるといいな‥梅子。」

<おわり>

途中、規制にかかったため諸々失敬…
71名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 13:39:17.49 ID:/Pw9YJ3B
山倉弥生の続きが読みたい…!!
職人さん、どうかお願いします!
72名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 13:55:31.02 ID:/Pw9YJ3B
ああああリロってなかったらすごいの来てた!
ノブ梅の良さが凝縮されてますね
積極的なノブと翻弄される梅子がたまらん…GJです!
73名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 17:35:48.42 ID:kMARV3S6
>>70
良かったっす
いちゃいちゃバカップルぷり
7470:2012/10/25(木) 00:23:51.03 ID:Idf45LHL
感想ありがと

忙しくなるので当分書けなくなるのが残念というかw
その割になんだか書いたことあるようないつものパターンに落ち付いてスマソorz

年末ぐらいには落ち付くかもしれないのでその頃までに山倉弥生ペアの濃いのがあると嬉しいなぁ

スレ立ってから数作書いたけど、いつも感想いただけて嬉しかった
作品同様にほのぼのしたスレ、楽しかったっす
ぢゃノシ
75名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 18:23:19.10 ID:yarwnXzv
初めて書いたのでおかしな箇所があるかもしれませんがご容赦下さい
勝手に冷やかされた後の続き書きました
ノブ梅です

パロって書いてみたら面白いですね
76名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 18:24:24.29 ID:yarwnXzv
「覚悟しとけよ」
その言葉がずっと頭の中を支配していた
別に初めてじゃないのに…
まるで初夜を迎えた時のような、気恥ずかしいような待ち遠しいような不思議な感覚に包まれていた
そっと指輪に目を落とし愛おしい者にそうするように頬ずりをする
太郎と新はすやすやと穏やかな寝顔で眠っている

「2人共寝たのか」
お風呂から出た信郎が襖を開け室内に入り声を掛ける
「ええ」
2人の寝顔を見ながら微笑んで梅子は返事をした
ニヤニヤと信郎が梅子を見てくる
「な…何?」
「いやー梅子も楽しみにしてくれてたんだなって」
いたずらっ子の様な顔と上目遣いでそんな事を言ってくる信郎に慌てて
「ノブのばかっ いつも寝かしつけてるでしょ」
と少し拗ねてプイッと後ろを向いてしまう

もう…そりゃドキドキしてたのは本当だけど
指輪を触りながら、嬉しさといじっぱりな気持ちが入り乱れる
何しろ誤解とはいえ色々と錯綜してしまったのだから
77名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 18:25:31.54 ID:yarwnXzv
そんな梅子を信郎は後ろから軽く抱きしめながら、優しく髪を掻き上げ指で梳きその毛先に口づけを落とす
髪を辿るように口づけは移動し梅子の耳に吐息がかかる
「梅子…」
愛おしい器官のように舌は這い回り、耳たぶは軽く噛まれ、その穴の中までしゃぶり尽くされる
「あぁ……」
それだけで梅子の身体の芯にジンとした疼きが生まれてくる
恥ずかしいからと意地を張っていた気持ちが氷解していく
身体を軽く抱きしめていた腕は解かれ、大きい手が梅子の身体を撫で回していた
やがて右手は浴衣の狭間から進入し鎖骨を経由しその下の膨らみを包み込む
既に敏感に尖った乳首には指が微かにだけ触れるように、わざとポイントを外しながらまわす様に揉まれる
「あ…いじわる…」
信郎はそんな梅子の言葉にフッと笑いながら、白い太ももを撫で回していた左手をそのまま下半身の中心へと移す
既にそこは蜜に溢れヒクヒクと収縮を繰り返しながら信郎の長い指を待っていた
一指し指と薬指でクリトリスを挟みながら中指で芽を擦られる
「あんっ…やっ…はぁ……」
と同時に今まで直接の刺激を避けられていた乳首を捻り上げられてしまう
「きゃっ…あん…い…い…ノブ…」
左手の三本の指は梅子の奥深くをまるで信郎自身のそれであるかのようにピストン運動を繰り返し壁を擦り上げだす
背中が弓なりになってしまうのを信郎の両手が愛撫と共に引き止める
「ノブ…まっ…はぅ…む」
このままではイってしまうと言葉を発しようとした梅子の唇を信郎の唇が塞ぎ息を奪ってしまう
「ん…」
お互いの味を知り尽くした舌が絡み合う
グチュグチュと厭らしい音が響く中梅子はこのままイってしまうのを耐えていた
「…ノブ…いや…あ…」
深いキスの合間に息も絶え絶えな梅子が必死で言葉を紡ぐ
「何が嫌なんだ?」
信郎が唇をくっつけたままそっと問い返す
「…指じゃなくて…あ…わかってるくせに…」
縋るような目で見つめてくる梅子が愛おしくてどうしても言わせたくなってしまう
78名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 18:26:33.18 ID:yarwnXzv
頬は上気し目が少し潤んでいる
「指じゃなくて何だ?」
熱い梅子の中を激しく出入りしていた指がわざと緩慢な動きに変わってゆく
梅子は快感の中、ノブのいじわる…ばか…と心の中で繰り返す
堪らず斜め後ろに手をまわし信郎の中心を弄る
それに触れるとグンと勢い良く上に向いて飛び出しドクドクと脈を打っている
ノブもこんなに感じてる…そう思うといっそう梅子の体の芯が熱くなり信郎が欲しくなってゆく
我慢も限界に達し、必死でイクのを耐えていた梅子の身体がガクガクと震え出す
その様子を見ながら、早く梅子の中に入りたいと逸る気持ちを抑えながら信郎は梅子が降参するのを待っていた
「お願い…」
「ん?」
優しくいじわるな問いに梅子が叫ぶ
「…ノブのでいかせて…ノブが欲しいの!」
その言葉と同時に梅子の上半身が前に倒され、信郎の今まで梅子の中に入りたくて堪らなかった硬く太いモノが突き刺さる
「あぅっ!…はぁ……きゃあぁっ!」
衝撃に思わず梅子の口から甲高い悲鳴が上がる
そのまま信郎は梅子の腰を持ち一心不乱にパンパンと自身の腰を打ち続ける
「梅子……気持ちいいか?梅子の中は…相変わらず熱いな…」
ハアハアと息を吐きながら信郎が梅子に問う
疼きの中心をやっと満たされ、奥を擦り激しく突いてくる信郎の快感に酔いながら梅子は嬌声を上げ続ける
「いい…いい…」
うわ言の様にいいと啼きながら、支えていた腕はその役目を果たさなくなり、顔を布団に預けてしまっていた
そんな梅子に覆いかぶさり両手で乳房を揉みしだき、ツンと膨れた乳首摘み上げながら信郎は腰をグルリと回す
「はぁ……んっ」
奔放な動きに翻弄されるように梅子も腰を動かす
「もう駄目…いっちゃう……いっちゃう…あん」
信郎を伝い梅子の愛液が滴り落ちる
梅子の中は激しく収縮し信郎のモノを締め付け、繋がった箇所からは泡が見える
「う…イクぞ…梅子」
腰を限界まで引き思い切り蜜の溢れる中心へいきり立つモノをぶつける
「あぁんっ!いくぅっ!」
その瞬間梅子の頭の中は真っ白となり身体が硬直した
「うっ……はあっ」
少しでも奥へ、と願いながら信郎は梅子の中へと愛情を解き放った
ああ…入ってくる…
信郎の熱い放流にうっとりし快感の余韻に浸りながら梅子は身体の力が抜けていくのを感じた
79名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 18:27:34.25 ID:yarwnXzv
梅子と信郎は繋がったまま重なるように布団に横になった
息が整うのを待たずに信郎は梅子の白い首筋、肩、背中へと刻印を落としていく
その度クチュ…という音がやけに大きく梅子の耳に届く
「ノブ…」
「ん〜?」
熱心に梅子の肌へと舌を這わしながら答える
「太郎と新、起きてないわよね?」
どうやら大声を出してしまい2人を起こしたのではないかと心配してるらしい
「起きてねーよ。流石俺達の子供だな」
妙に得意気な顔をした信郎に梅子もおかしくなってしまいクスリと笑い声が漏れる
「梅子…余裕だな。まだまだいけそうだな」
スルリと身体に手が伸びてきて梅子は少し慌てる
「さっきイッたばかりなのに…もう?」
「覚悟しとけって言っただろ」
その言葉通り梅子の中におさまっているノブの分身が段々重量を増していくのが伝わってくる
すぐに口を塞がれ舌が歯の裏を探る
それを追うように梅子も信郎の咥内を舌で愛撫する
お互いの唾液が混ざり合い唇の端を伝っていく
それに構わず角度を変え舌だけで結びつく
まるでキスだけでセックスしているような感覚…
あまりの気持ちよさに梅子の脳裏にぼんやりとそんな事が浮かぶ
信郎は繋がったまま梅子の身体の向きを変え乳首を転がすように舐める
「あんっ!」
痛いくらいに刺激に敏感になっているそこを口に含まれ舐められ軽く噛まれ、胸を突き出すように身体をくねらせる
そんな梅子の痴態に信郎の腰の疼きも強くなり腰を突き動かす
80愛情5:2012/10/25(木) 18:29:08.49 ID:yarwnXzv
「梅子…綺麗だな…」
己の愛撫に感じてる様を隠そうともせず、喘ぎ声を上げる姿に思わずいつも思っている本音が零れ落ちる
思えば頑なに本当の事を言わない自分のせいで無駄に梅子を苦しめた
頭から信用しようとしない梅子にカチンと来たのは本当だ
でもこれが逆の立場なら自分も信じたいが激しく動揺してしまうのは間違いないだろう
俺もかっこつけて男のプライドってやつを梅子より優先させちまったんだよな…
そんなもの愛する者の前では何の役にも立たないというのに

……でも本気で怒って嫉妬してくれた梅子は俺を愛してるって事だよな

ヘヘッとそんな呑気な事を考えながらしっとりとした梅子の肌を味わいクリトリスに手を伸ばす

「あ…ダメ…」
もうすっかりぷっくりと膨れているクリトリスを信郎の指がギュッと摘んだり押し潰したりする度声が止められない
中を掻き回され胸の飾りをいたずらされながら信郎の頭を掴み髪を乱す
「ん……おかしくなっちゃう…」
もう自分が何の言葉を発しているかわからなくなってくる
気にしない振りをしていた
あの2人の姿に最初から嫉妬していた自分に
何もなくてもただ女性といるノブにさえこんなに心乱されるなんて…
子供を2人持ち、弥生の相談を受けながら羨ましがられている自分がどれだけ幸せ者なのか本当にはわかってなかった
わかり過ぎていると思っていたのは幻でやっぱりどんなに幼い頃から居ようとと2人は別の人間だ
別の人間なんだけど…こうやって繋がって抱きしめられていると本当に一つになっていると思える
そう思うと梅子の胸は一杯になり、自分を穿つ信郎を意識して締め付け腰を揺らし更に貪欲に信郎を求める
81愛情6:2012/10/25(木) 18:30:42.20 ID:yarwnXzv
信郎は梅子の両足を更に開かせながら肩に持ち上げた
これ以上隙間が無い程ピッタリと繋がり合う
なかなか動こうとしない信郎を朦朧としながらも伺う
「ノ…ブ?」
少し間があった後、耳元に顔が寄せられる

「梅子、愛してる」
「!」

その言葉と同時に信郎の動きが激しくなる
先程のお互いの名残が混じり合い、梅子の中を出入りする度ゴボゴボと厭らしい音を立てる

愛してる…
初めて言われた訳じゃない
でも…でも…

「私も…私も…」
縋り付きながら全身で愛を伝える
吐息を奪い合い腰を互いに打ちつけながら絶頂へと向かっていく

「出すぞ…!」
そう呻いた信郎の声を遠くに聞きながら梅子はうわ言のように声に出していた

「ノブ愛してる」
82愛情7:2012/10/25(木) 18:32:07.33 ID:yarwnXzv
時間がどれくらい経ったのか
夢中で愛を確かめ合った2人は放心しながらも目を瞑り顔を寄せ合っていた

「ノブ…あのね」
梅子がつぶやくように言う
「指輪ありがとう」

また御礼を言う梅子に信郎は目を開く

返事が返って来ない事を不思議に思い、梅子は目を開き信郎の方を見た
すると真っ直ぐにこちらを見ていた信郎と間近で目が合う
その目の色が真摯でいつも冗談を言う明るい信郎の目の色とは違っていた
『プロポーズの時の目のよう』
あの時の事を思い出し、家庭を築いた今を感慨深く思う

「やっぱり口に出さなきゃいけないな」
梅子の指輪が嵌まった左手を取りながら視線を外さないまま信郎がつぶやく
「形なんてなくても気持ちさえあればいいと思ってた」
優しく手を握り締めてくる
「俺も新幹線を見に行きたいって言って欲しいって思ってたくせにな」
穏やかに微笑みながら語る信郎を梅子は凝視する
上手く言葉が出てこない
そんな梅子の様子をわかっているかのようにポンと両手を重ねる
そしていたずらっ子の目になり「怒った梅子はほんとに怖かったぞ」と笑う
その笑顔を見ていると何故だか頬に温かいものが流れる

「梅子、俺はずっと梅子しか見てないし愛してるんだぞ」
慌てながら
「勿論太郎や新や家族みんなや蒲田の町を大事に思ってるぞ」
と少し赤くなりながら早口で言う
ちょっと目を逸らしながら「梅子もそうだといいんだけどな」と少し小さめの声が届く
 
とめどなく流れる涙で視界がぼやける
「私だって同じよ…」 
不器用な愛し方じゃない
ノブはちゃんと私に必要な言葉をくれる
頬を流れる涙を拭う信郎の指に手を重ね、少し微笑みながら梅子が言う
「ノブを愛してる…………ノブのバカ」

「なんだよソレ」
テレ隠しにちょっと拗ねた振りをしながら、意趣返しとばかりに信郎も笑う
「まあ確かに俺は梅子馬鹿だけどな」

クスクスと笑いあいながら軽い口づけを交わす
「え?ノブ?!」
そういえば繋がったままだった
梅子は中で存在を主張する信郎に気付き驚く
「覚悟しとけって言ったしな」
「もう…明日仕事なんだからね!ほんとにノブのばか」

2人は笑い合いながら強く抱きしめ合った

8375:2012/10/25(木) 18:42:05.87 ID:VTzea+eI
タイトル「愛情」で番号つけたのに失敗しちゃいました
失礼しました
>>76から愛情1です

84名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 19:26:18.73 ID:nksXdYoj
まさかの抜かず3…?ゴクリ
85名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 19:52:50.22 ID:qRQRMeE7
ひゃー濃厚だわー!ノブ…絶倫!
8643:2012/10/25(木) 21:40:00.27 ID:LUHkse+m
ノブ…恐ろしい子っっ

私の用意した覚悟程度じゃ足りなかった。
すごいの有難うございます。
87名無しさん@ピンキー:2012/10/26(金) 03:15:37.01 ID:e6Vj+5mg
こんなテンポで長編を2つも読ませてもらえるなんて贅沢すぎる!

>>74
“いつものパターン”って前もノブ梅を読ませていただいてたんだろうか?
ドラマにここまでハマったのは確実にこのスレのおかげ
ノブ梅書く人は正統派の人が多い印象でどの作品も安心して読ませてもらってた
ドラマ同様確実にいつも美味しいなんて凄いことだよ
また時間が出来たらノブ梅でも山倉弥生でもいいからぜひ読ませて欲しいです
丁寧なのにテンポもよく何よりノブ梅の空気があったかい長編にあらためてGJ!

>>75
初めてでこの完成度って…エロ部以上に事後の純情部にキュンとしてしまった
なのにその後も盛り上がりがw ノブどんだけww
88幼い日の約束:2012/10/26(金) 22:21:45.83 ID:6uNhwS86
「ただいま。」
「今日はどうだった?」
「まったく…今日も一日研究熱心な松岡夫妻に振り回されっぱなしよ!」
「アハハ!そりゃ大変だったね…こっちは変わったことは無かったよ。お義父さんと、次は八方尾根行こうってことになったからね、やぁちゃん♪」
「また、そんな約束したの?私、スキーは嫌だし寒い所は行きたくないって言ってるじゃない、真ちゃん!」
「ハイハイ、機嫌直してよ♪チュッ☆」
「あなた、いつもそうやって誤魔化すんだから…」


…弥生お嬢様はご結婚なさって優しいお顔の日が増えられましたよ。
いつも御二人本当に仲良くしておられます。

弥生お嬢様はお小さい頃に大奥様となさったお約束を覚えていらしたのでしょうねえ…

「弥生さん、貴方は貴方が一日中お小言を言いたくなる殿方と結婚なさいね。貴方の可愛い笑顔を引き出してくださるのはそう言う方よ。覚えていてね…。お婆様との御約束よ?げんまん。」

8975:2012/10/27(土) 02:31:00.72 ID:DOgNAOjj
感想ありがとうです

>>86
設定を作って貰ったので書き易かったです
どういう方向で覚悟しとけを表現しようかと悩んだけど、まあ普通な方向にしましたw
色々なプレイさせてみようかとも思ったんですがw
処女作でそれじゃ節操なさすぎなのでw

職人さん達は凄いですね
いざ書いてみて改めて思いました

山倉と弥生は仲良くやってるみたいですね
松岡夫妻?…という事はw
90名無しさん@ピンキー:2012/10/27(土) 11:59:02.84 ID:pbWdawF2
山倉と弥生の新しいの来てたね
GJ

↑さん、ゼヒ普通じゃ無いのも頼みますw
91名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 01:03:04.62 ID:SnfWR5nx
>>90
ノブ梅は夫婦だけになんていうか背徳感が無いんですよ 
まあだからこそラブラブHな方向になりがちというか
それはそれで大好きなんですがまあエロパロ板なので…
そこを夜は変貌してエロエロになるっていう方向も有りじゃないかと
時間あったら挑戦してみます
92名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 01:25:17.91 ID:158NXAnT
いつも職人さんありがとうございます。触発されて、初めて投下させて頂きます。
山倉×弥生。エロはなしです。ごめんなさい。
93あなたがすき 1:2012/10/28(日) 01:25:53.02 ID:158NXAnT
医局の中は窓から差し込む夜半の月明かりに照らされ、ひどく静かだった。
一人掛けの椅子に背を預け、山倉は目を閉じている。弥生はその横顔をぼんやりと眺めていた。
濃い顔立ちではあるが整った顔立ち通った鼻筋や、淡く影を作る長い睫毛。。黙って瞑目している
横顔はきれいだと思う。緊急で運び込まれた患者を必死に手当てた疲れが滲んでいたとしても。
常は横に流されている前髪も、額を隠す様に乱れている。
こうしているとまるであの初めて気持ちが通じ合った夜に巻き戻ったみたいだった。
けれど、違う。
弥生はそっと立ち上がると、足音を忍ばせて山倉の傍へと歩み寄った。
普段やかましい男は、半分眠っているみたいに大人しい。否、本当に眠っているのかも知れない。
懸命に処置をしていた患者の容態は峠を越えた。山倉は前日も夜勤を引き受けており疲労が
蓄積されていたのだろう。医局に戻って緊張の糸が切れたらしく、椅子の背もたれに身体を預けたまま
ぐったりとしている。
山倉さん、と呼びかけ様とした唇は、声を発さないまま閉じられた。その代り、そぅっと伸ばした指先で頬に触

れる。山倉の瞼はぴくりともしなかった。
今の二人は所謂「結婚を前提としたお付き合い」を始めたばかりではあったが、これまでの長い友達以上恋人未

満だった時期が邪魔をして、弥生は今一つ素直に山倉に甘え・甘やかされる関係に慣れない。
空気を読まないというか順応性の高い山倉は、独り楽しげに弥生さん弥生さんと何かとちょっかいを
出してはすげなくされる事すら楽しんでいる様だったが。
すきだと言われて、すきよと返した。多分が付いてはいたけれど、それが弥生にとっても偽らざる気持ちだ。
指を頬からそっと滑らせ、今度は意外と柔らかい唇に触れる。キスをしたのは、まだ片手で数えられる
だけの回数だ。山倉とキスをするのは照れくさい。勿論嫌じゃないし、本音を言うとしたいと思う。
けれど自分からねだるなんて出来やしないし、女の気持ちが分からない事に定評のある山倉はわざわざ
「弥生さん、キスしてもいい?」と尋ねてくるから頷くことも出来ずに素っ気ない態度を取ってしまうのも
ままあった。
本当はちゃんと好きなのだ。多分なんて曖昧な単語はもう必要がない程に。
好意がだだ漏れな山倉が相手だけに、一緒になってデレデレと甘くはなれない。それが弥生の性格だ。
素直になれたのはあの夜限定の魔法だったんじゃないか、なんて馬鹿げた妄想が浮かんで、
弥生は小さく溜息を落とした。
――私だって、……ちゃんと好きなのに。
肘掛に手をついて、弥生は山倉の寝顔を覗き込んだ。相手が眠っている時ですら感情は舌に乗らず、
声になって口から外に出はしなかった。
94あなたがすき 2:2012/10/28(日) 01:26:28.89 ID:158NXAnT
いい加減で、調子が良くて。けれど医療に対して誠実な山倉が好きだ。
小心者で、けれど優しくて。全身で弥生への愛を現してくれる山倉が好きだ。
弥生さんと名前を呼んでくれる声も、常のおおざっぱさとは打って変わった慎重さで触れてくる唇も。
「……すき」
微かな囁きと共に、弥生は惹かれるがままに唇で山倉に触れた。
ほんの数秒の短い口づけ。はっと我に返った弥生が慌てて身体を起こそうとしたけれど――
「やよーいさん」
「た、狸寝入りしてたの?!」
朗らかな声が弥生を呼んで、反射的に言い返した。
きつい眼差しを向けられても柳に風な山倉は、ふにゃっと解けるみたいに笑って見せる。
「ううん。今、起きた。ほらお姫様を起こすのは王子様のキスだって」
「その理論だとあなたがお姫様で私が王子様になるんだけど」
「あ、そうか。逆だね」
言いながら山倉は弥生を自分の膝に乗せるみたいに抱き上げる。悔しいかな体格差がものを言って、
弥生は逃げる事が出来なかった。山倉の太腿の上に座わらされ、見下ろす形で向き合う。
「逆だけど、嬉しいな」
「……何が」
「弥生さんからキスしてくれて。初めてでしょ?」
「は、じめて、よ」
見ている方が恥ずかしくなる様な柔和な笑みを浮かべる山倉に、弥生は己の頬が熱くなっているのが
分かった。夜目にも赤さが分かったらしく、山倉はざくっと指摘してくる。
「顔、赤いよ」
「誰の所為よ」
「僕だよね。赤くなってる弥生さんも可愛いなぁ」
「……莫迦」
引き寄せられかけて、弥生は山倉の肩に強く手をついて突っ張った。無理強いはされず腕の長さ分の
距離が保たれる。
このストレートさが憎らしいのだ。弥生が肩肘を張ってしまう自分を持て余しているのに、山倉は持前のおおら

かさそのままに接してくる。いっそ腹が立つのは、しおらしくなれない自分でいいのかと、
負い目に思う気持ちがあるからだ。そんな拗ねた気持ちが口を突く。
「私、可愛くないわよ」
「可愛いよ?」
95あなたがすき 3:2012/10/28(日) 01:27:29.91 ID:158NXAnT
きょとんと眼を丸くして山倉が言い返してきた。心底理解出来ない言葉を聞いた表情だ。
むっと眉を寄せて弥生は切り返す。
「可愛くない。私が自分でそう思っているんだもの」
「んー、その辺は個人の受け取り方の相違なんだろうなぁ。松岡君ならまず『可愛さ』の定義を求める所
なんだろうけど」
一旦言葉を切って山倉はじっと弥生を見上げた。嘘のない眼差しから視線が逸らせなくなる。
「そういうまどろっこしいのは置いておいて。弥生さんが自分で自分を可愛くないと思うのは弥生さんの
勝手だけど、僕が弥生さんを可愛いと思うのは僕の勝手なんじゃないかな」
「なによそれ。私が自分で可愛くないって認めてるのに!」
「受け取り方は僕の自由だろ。弥生さんがどう思っていようと、僕にとって君は可愛い人なんだから」
「じゃぁどこがそう思うのは言ってみなさいよ」
「そういう意地っ張りな所」
迷わず言った山倉に弥生は二の句が告げなかった。
つっと伸びた指が頬を掠め、髪に触れた。二度、三度。あやす優しさで撫でられる。そうされる度に
心の中にある頑なさがコーヒーの中に沈めた角砂糖みたいにほろほろと溶け出す気がした。
本当は好きなのだと、また思う。つっかかるのは自信がないからなのも弥生は自覚していた。
もう一度、山倉は弥生を安心させるみたいに微笑んだ。
「真っ直ぐ甘えるのが下手な所も可愛い。弥生さんが突っかかってみせるのって、甘えてくれてるからだよね」
「――っ」
「って、梅子さんが言ってたんだけどね」
「ちょっと!」
一瞬感動しかけたのが吹っ飛んで、弥生は思わず山倉の白衣の襟首を掴みあげるだった。自制出来たのは
奇跡に近い。
「分かってるのも本当だよー。好きな人の事だからね」
反則だ、と弥生は思う。緩急をつけられてしまえば太刀打ちできなくなるのだ。これを天然でやるのだから
山倉は恐ろしい。
「だからいいよ。弥生さんが自分を可愛くないって言っても、僕はそう思わない。これだけは弥生さんが
どう言おうと変わらないからね」
珍しく患者の前で使えと言いたくなる真剣な顔で念押しをされて、弥生は張り合うのも馬鹿らしくなって
あからさまに嘆息した。
96あなたがすき 4:2012/10/28(日) 01:28:05.70 ID:158NXAnT
息を吐くと力も抜ける。そのままぐったりと山倉にもたれ掛りそうになりながら――やられるが一方でなるもの

かと弥生の負けず嫌いさが火を噴いた。
キッと強く山倉を睨む。そしてそのままもう一度。
「……んっ」
山倉が喉の奥で声を上げた。口が塞がれていれば喋れない。
押し付けるだけの口づけに山倉が虚を突かれたのは数秒だけ。弥生に振り払われない程度にそっと背中に腕を回

して細い身体を抱き寄せる。ここが医局であるとか、一応は当直の最中であるとか、そんな状況は完全に吹っ飛

んでしまっていた。
触れ合う唇が同じ温度の体温を分け合う。暖められて、心の奥になる気持ちがゆるやかに溶けて流れ出した。
僅かに離れた唇の隙間。弥生は目を伏せて囁く。
「私、可愛くはないけれど……」
山倉さんが、ちゃんと好きだわ。
微かな声はいとしい恋人にだけ聴こえればいい。そうしてそのままぎゅっと抱き着いた弥生は頬の火照りが
冷めるまでの間、山倉の腕の中に素直に収まる事にした。


<終わり>
97名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 01:29:07.72 ID:158NXAnT
メモ帳からコピーしたのですが、改行おかしくなってる箇所が
いくつかあってすみません。脳内でくっつけてやってください。
98名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 01:47:44.23 ID:Vatde6s7
自分なんかが言うのはおこがましいけど、的確な描写の流れるような日本語にびっくりした
SPの雰囲気そのままの2人にしんみりしたりほっこりしたり
梅ちゃん先生スレの奥深さを感じました GJです!
99名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 01:51:07.35 ID:dAf4h1U5
山倉弥生きてた

会話が凄くらしいですね
本編から繋がってても全然おかしくない
いや〜GJです
100名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 15:55:14.94 ID:NW1SMfFF
山倉弥生に2828が止まらない…!!
細やかな描写が素晴らしいです
本当にGJ!!!
101名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 20:23:21.12 ID:8heom8Ow
本編→SPと見たけど、やっぱりノブ梅子大好きだ
最初は2人共子供っぽいやりとりばかりだった幼馴染2人が結婚して子供2人できてもラブラブって凄く良い
ルックスも身長差もお似合いだし是非他でも恋仲として共演してほしい位だ
あと設定ではノブのが年上なんだよなぁ
それも萌える
102名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 23:03:11.14 ID:7pjvtLcE
本スレとの誤爆?
パロ的には「中野人が他の作品でも」とか関係無いんだけど…
103名無しさん@ピンキー:2012/10/28(日) 23:39:28.07 ID:dvXZorCD
104名無しさん@ピンキー:2012/10/29(月) 01:17:50.17 ID:rcW4Hs8b
SP後の話を書くのに手間取っていたら、怒涛の投下祭りがあったようでwワショーイwww
山弥もノブ梅も、それぞれに可愛いなぁw

52さんの書くように、初夜の弥生は、きっとあんなだろうと余裕で想像できました。

70さん エッチの仕込みのために、布団こっちで敷くと言っておくとか、端の部屋取るとか何かと気の利く信郎さんエロ杉ワロスw
自分も幼馴染夫婦ってところが萌えポイントなので、共同作業で高ぶる様に転がりましたw

75さん 大型新人現るw いやー、このスレ本当に凄いね。色々な書き手さんが書いてくれて、読んでて凄く楽しい!
覚悟しておけの信郎さん、超信郎さんwww たーーすーーけーーてーーwww
まじめな話、気持ちのいいセックスと深い愛情でした。普通じゃない方も、ぜひお願いしますw

88さん やぁちゃん・真ちゃん……www うっかり萌え死ぬところだったわw 山倉なら舅とも姑とも上手くやれそうだよね。

92さんの山弥は、本当に自然で、映像化ヨユーでした! 本当にこの二人には幸せになってもらいたい!

たくさんあったので、まとめて感想を書いてしまい申し訳ないです。
どれもこれもじっくり堪能させていただきました! ご馳走様でした!!


私も投下。ノブ梅 エッチ・口淫ありです。
いっとき陽造が使っていた現空き部屋について、幸を書くときに、寝室の手前にあると書いてしまいましたが
嬉を書くときによくよく検証したら、階段を上がってすぐが梅子の部屋で、空き部屋は奥でした。
今回も出てきますが、本当は奥です。お恥ずかしい……。
105結1:2012/10/29(月) 01:19:06.07 ID:rcW4Hs8b
縁側に掛けられた風鈴が、チリンと涼やかな音を一つ立て、梅子の胸へ静かに染みる。
ほんの少し前のイライラや不安が嘘のように、夜は静かな姿を梅子に見せた。
正枝にも話をして安心してもらい、子供たちも良く寝ている。
浴衣姿で髪を横に結った梅子は、団扇をゆったりと動かしながら、仕事を終えて風呂に入っている信郎を居間で待っていた。
そんな梅子の脳裏には、さっき信郎から貰った指輪が浮かんでは消えたりしている。
きれいだったなと思う一方で、気になることも一つあった。
いったいどんな顔をして、信郎はあの指輪を買ったのだろう。
本音を言えば、横にいて、その姿を見る事ができなかったのは残念だ。
けれど、自分だけだったら、きっとそんな日は来なかっただろうとも思う。
朝起きて、仕事をして家事をして、夜になったら寝るだけの繰り返しの中に、きっとあの指輪はなかった。
指輪の裏側に英語で刻まれた、信郎の気持ちを見る事も。
美しい宝石はもちろん嬉しいけれど、その気持ちこそが、信郎から貰った大切な宝物。
いいや、気持ちは多分、常に信郎にはあったのだろう。しかし……。
「私、何にも見ていなかった……」
自分の気づかぬ信郎の気持ちを形にしてくれた山川へ感謝をしつつ、梅子は穏やかな顔で目を閉じた。
信郎が風呂から上がったら、どんな話をしようか。テレビもつけずに思いを巡らせていると、遠くから列車の音が聞こえてくる。
本当に、静かな夜だった。

しばらくして、首に引っ掛けた手ぬぐいで頭を拭きながら、信郎が風呂から出てきた。
「お茶、飲まない?」
居間に座っていた梅子から声をかけられた信郎が、おっ、と軽く驚いたような返事をする。
「寝てなかったのか?」
家長の席に座った信郎がニヤリと笑い、テーブルの上に置いてあったジャグを手にした梅子が、少し照れたように笑った。
「たまには、二人で話をするのもいいかな、って思って」
麦茶で満たされていく二つのコップを見つめる梅子に、そうだな、と信郎は頷いた。
コポコポと音を立てて麦茶の注がれたコップを一つ手渡し、風鈴がまた一つチリンと鳴った。
「あれ、どうした?」
「しまったわ。タンスの中の、子どもたちの臍の緒が入っている所」
梅子は微笑んで答え、何だよ、と信郎も笑った。
「せっかく買ったのに、使わねぇのかよ」
うん、と梅子は恥ずかしそうに下を向いた後、目を細めて信郎に自分の気持ちを伝える。
「だって、大切な宝物だから」
そっか、と信郎が答えると、二人はポツポツと話を始めた。
106結2:2012/10/29(月) 01:20:04.88 ID:rcW4Hs8b
久し振りに面と向かってする二人の会話は想像以上に手探りで、梅子を驚かせた。
いったいどれだけの気持ちと言葉を、過ぎた日々の中に置いてきてしまったのだろう。
「あーあ。ずっと一緒にいるから、ノブの事は何でも知ってる気になっていたけど、そんな事ないわね」
左手で頬杖をつきながら、本気でガッカリした様子の梅子がため息をつく。
コップの横に置かれていた梅子の右手を、信郎の大きな手が包み込んだ。
「だったらこうやって、お互いにまた知りあっていけばいいじゃねぇか」
梅子は信郎の手を握り返すと、うん、と嬉しそうに頷いた。

手を握り合ったまま、またしばらく話をしていたが、どちらともなく指をモゾモゾと動かし始めた。
梅子がフフと笑うと、そろそろ行くか、と信郎が言う。
二人して立ち上がり、信郎が戸締りをしている間に、梅子はコップとジャグを台所へ片付けた。
それから待ち合わせでもしたかのように揃って階段を上り、上りきったところで先へ行った梅子が振り返る。
後に続いた信郎が一つ頷いて、梅子の両肩に手を添えると、軽く押して寝室の先にある空き部屋へと向かっていった。
傍からは、子供っぽく遊んでいるような姿に見えるだろう自分たちの格好を想像して、梅子がクスリと笑う。
「今日は特別に、運転手の役ゆずってやるよ」
背中を押す、子供の頃は決して運転手役をゆずってくれなかった信郎が冗談めかして言うと、二人して声を忍ばせて笑った。

信郎が梅子を押し込むように空き部屋へ入り、後ろ手で襖を閉めると、振り返る隙も与えずに梅子を背後から抱きしめる。
痛いほど強く、梅子の全てを丸ごと抱きしめるような信郎の腕に、梅子もしっかりと摑まった。
梅子の頭へ押し付けられた信郎の鼻が髪の匂いを嗅ぐように息を吸い込むと、梅子の中で僅かに残っていたモヤモヤが
吸い取られるように気持ちがスッと晴れていく。
「ノブ……」
透明になった梅子の心が、信郎で満たされていく。また、満たされる事によって、今まで乾いて固くなっていた事に気づいた。
……寂しかった。梅子は、鼻の奥がツンとするのを感じて目を伏せた。
「離さないでね……」
梅子がポツリと言うと、ああ、と信郎が応える。
「当たり前だろ。梅子は、俺のもんだ」
信郎の腕が締めなおされ、梅子はコクリと頷いた。
「ノブも、私のものなんだから」
梅子もそう言うと、頭の上で笑ったような信郎の息遣いを感じ、満足そうな信郎の声が頭に響く。
「ああ。それでいい」
二人は向き直ると、さっき工場で邪魔をされた口づけの続きを始めた。
107結3:2012/10/29(月) 01:22:24.93 ID:rcW4Hs8b
信郎が布団を敷いている間も、梅子は信郎の袂を掴んで後ろにくっついていた。
医者なんかになって、昔からは想像もできないくらいしっかりしたかと思えば、全く変わらない部分もある。
ガキの頃も、心細くなると、梅子のやつはこうやってくっついていたな。
信郎は、お下げ髪をした小さな梅子を思い出しながら、仕上げの枕をポンと放ると梅子のほうへ振り返った。
「ほら、敷けたぞ」
「ん、ありがと」
上目遣いで礼を言う顔は子供の頃の面影を残すが、くいっと上がった顎から首にかけてのラインは艶かしく、信郎は生唾を飲み込んだ。
ちらりと覗いた鎖骨が女の色香で信郎を誘い、腹の奥から湧き上がる興奮が信郎の中で駆け上がった。
たまらず信郎は梅子の口を貪ると、華奢な体を抱きかかえて、布団の上へと横たえる。
「好き……」
自分の瞳を覗き込んで気持ちを伝えてきた梅子に、信郎は激しい口づけで応えた。
腰紐を解き、浴衣の前を開いてくと、形の良い胸と子供を二人も産んだとは思えない細い腰がスルリと現れる。
「やだ…。恥ずかしい……」
梅子は頬を染めて目を潤ませ、電気を消して、と小さな声で言った。
何でだよ、と信郎が聞くと、若い体でもないし恥ずかしいわと答える。
「いいじゃねぇか。もっとよく見せろ」
信郎はわざと上半身を起こしたまま、仰向けに横たわった梅子の体をなぞっていく。
首筋から鎖骨、丸い胸を巡って頂点をくすぐり、腹部の谷へ滑り落ちる。
信郎の長くしなやかな指が各所を通るたびに、梅子は声を漏らして体をよじった。
昔は少し骨ばった部分があった体も、ほどよく肉がつき女らしい丸みが増した。
若くて弾力のあった肌は、しっとりと手に吸い付くように滑らかだ。
梅子に声をあげさせながら、そんな梅子の全てを味わえる事に、信郎は優越感のような物を感じる。
さんざん焦らした後で、両方の乳首を擦りながら唇へ吸い付くと、梅子は信郎の頭をギュッと抱え込んだ。
「あ…っ、いい…!ノブ……っ!」
口を解放してやると、素直な反応を言葉で伝えてくる。
恥らうばかりだった初めの頃も可愛らしかったが、直接手ごたえを感じさせてくれる今の反応は、よけいに信郎を燃えさせた。
梅子がもっと喜ぶよう、信郎は乳房を鷲掴みにすると、強く吸い上げて軽く歯を立ててやる。
「んっ、ん…――っ!!」
すると梅子は爪を噛んで声を殺し、それだけで気を遣りそうなくらい腰をはねさせる。
信郎は構わずにもう片方の乳首に噛み付くと、梅子は枕の端を掴んで顔を埋め、泣く様な声を上げて全身を振るわせた。
108結4:2012/10/29(月) 01:23:25.30 ID:rcW4Hs8b
信郎の手が下着に掛けられ、梅子は閉じていた目を薄っすら開けると、高い位置から自分を見下ろす信郎の姿が目に入った。
真剣な眼差しで、瞳に興奮の色を宿す。そんな目で見られるだけで、梅子の胎内にはぞぞぞと快感の波が押し寄せる。
信郎の手によって下着もすっかり剥ぎ取られ、自分を食べてしまいそうな目で見る信郎の前に、梅子は一糸まとわぬ姿を晒した。
一方の信郎は浴衣を着たままであり、梅子は羞恥に耐えかねて体を隠そうとしたが、信郎の手によって遮られる。
肘を曲げバンザイをしたような姿で布団に繋ぎ止められた梅子は、まるで標本箱の中の蝶のようだった。
「ノブ……」
黙って自分を観察している信郎の名を、梅子が不安そうな声で呼ぶと、信郎は倒れこむように梅子の耳へ口づけた。
「きれいだ」
熱い吐息混じりの言葉を耳に吹きかけられ、あ、と小さな声を上げて梅子は背中を弓なりに反らせる。
そのままベロリと首筋を舐められると、顎を仰け反らせて湿った息を吐き出した。
そうして無防備に開かれた胸の先に尖る物が、信郎の次の標的となる。
下から上へ舐め上げたり、グルグルと舌を絡ませたり、思い切り吸い込まれたり、少し痛いくらいに歯を立てられたり。
手の動きを封じられたまま次々と快楽を与えられ、梅子は腰を捻ってよがった。
「もう……、ノブ…っ!」
腰を揺らして懇願する梅子の胸元で、何だ、と応える信郎の声が楽しそうに聞こえる。
ああ、と梅子は固く目を閉じ、観念して信郎が待っているだろう言葉を口にした。
「お願い…ノブ。もう……っ、下も……っ、下も触って…っ」
胸元から目の前までぬっと顔を近づけてきた信郎がニヤリと笑い、なみだ目で口を尖らせる梅子の唇を奪った。
「んっ!ンんーーっ!……っ!」
出口を閉じられた梅子の嬌声が、突然鼻から響く。
前触れもなしに梅子の体の中へ入ってきた信郎の一番長い指が、無遠慮に梅子のぬかるみをかき回し始めたのだ。
梅子は自由になった両手を信郎の頭の後ろに回し、自分の方からも信郎の口へ吸い付いた。
「ああっ、ノブっ……!そこ…気持ち……いいっ…」
中を擦る指が2本に増やされ、親指でも肉芽をいじられると、それだけで梅子は達してしまう。
信郎は、梅子の中が流動している間も指を抜かずにいて、収まってくると再び擦りあげる行為を繰り返した。
「あ…そんなにしたら……。だめ…、ノブ……!だめ…やっ…!」
待って、と梅子は自分を責め立てている信郎の腕にすがりつくが、信郎の指は梅子の中で水音を立て続けている。
それどころか、内側にある梅子の敏感な部分をゾロリとなで上げながら、当の信郎は笑っているような気さえした。
これほど執拗に責められるのは初めてで、自分がどうにかなってしまいそうだ。
「お願い…、ノブ……!聞いて…!」
このままだと、今日も……。信郎の下で必死に梅子が訴え、ようやく信郎の指が動きを止めた。
「ノブの事も…、喜…ばせ……たいの…」
荒い息の中でどうにか梅子が言葉をつなぐと、信郎は梅子に差し込んだ指を今まで以上の速さで抜き差しし
ああ、といって梅子が気を遣るとようやく中から引き抜いた。
109結5:2012/10/29(月) 01:24:54.15 ID:rcW4Hs8b
「もう…、ノブの意地悪……」
梅子はグッタリと横になりながら、力なく頬を膨らませて信郎に文句を言った。
「何でだよ」
梅子の横へ座っている信郎が、自分の腰紐の結び目を解きながら、おそらく訴えを分かった上で笑って応えた。
「いいじゃねぇか。梅子を喜ばせるのが、俺の楽しみなんだからよ」
「私もそうしたい…。ノブにも、気持ちよくなって欲しいの……」
いつもしてもらうばかりだから、と梅子は放り出した腕の先にある信郎の膝を、細く伸びた人差し指の先でくすぐった。
「じゃあ、梅子もやってくれよ」
目を細めて笑う信郎の顔を見て、梅子の下の口からドロリと涎がたれる。
梅子はノロノロと上体を持ち上げると、信郎の下まで這っていった。
信郎の腰紐を外して浴衣を脱がせていくと、中から引き締まった体が現れる。
脱いで初めて分かる厚い胸板も、目で見て分かるほどの腹筋も、思ったよりも太い上腕も、逞しい前腕も、
全てが自分の体と違い、男らしく、また美しいと梅子は思った。
梅子は浴衣を脱がせながら信郎の肌に手を滑らせ、うっとりと見つめてため息をついた。
誰も知らない、私だけのもの……。
梅子は膝で立ち上がり信郎に口づけると、その口を下へ向かって這わせていく。
首筋や胸元を舌の先でチロチロと舐めたら、信郎の体がピクリと反応した。
へそにも口をつけて、いよいよ目指していた部分へと到達すると、そこは下着をピンと張って梅子に存在を主張している。
下着の上から一度キスをして、下着を外すと、収まっていたものが頭をもたげて顔を出した。
頭の先からぬらぬらと滴る透明な汁を、小さな舌先で舐めあげる。
苦くて少ししょっぱい味が口腔に広がるが、梅子はそれが堪らなく欲しいと感じ、両手で根元を押さえてパクリと口で咥えこんだ。
梅子、と大きな手で自分の頭を撫でる信郎の、気持ちがよさそうな声を聞く。
梅子は嬉しくなって、口に入りきらないそれを思い切り頬張ると、歯で傷つけないよう慎重に唇でしごきだした。
信郎の口からは、湿った吐息が漏らされるようになった。
梅子は目を閉じ、信郎の反応を感じながら、信郎に快楽を与えている満足感と興奮が頭の中で交錯している。
もっと、もっとノブを喜ばせたい。
口をすぼめて、舌も使い、信郎を更に高ぶらせようと一心不乱に舐め上げていたら、突然口が弾き飛ばされる。
一段と強度を増した信郎のものが、一回り大きくなったようで、雄雄しく天を向いていた。
「欲しい……」
梅子は握り締めた信郎自身を濡れた瞳で見つめながら、思わず熱いため息混じりに呟いた。
110結6:2012/10/29(月) 01:25:52.30 ID:rcW4Hs8b
「来いよ、梅子」
信郎に言われるまま、梅子は信郎の肩に手をかけて、胡坐の真ん中にそそり立つ信郎の上をまたいだ。
梅子の腰に信郎の手があてがわれ、そこへ座るように促される。
欲しいんだろ、という信郎の問いに、梅子は黙って頷いた。
ゆっくりと腰を下ろす梅子の入り口に信郎自身が当たったかと思うと、入り口が押し開かれ肉壁を擦りあげながら信郎自身が侵入してきた。
梅子は歓喜と安堵の入り混じったような息を漏らして、ズブズブと信郎を受け入れていく。
「気持ちいいか?」
「うん。気持ちいい……」
向かい合って繋がる二人は、お互いの額と鼻の頭を突き合わせながら、軽くキスをして囁きあった。
ときおり信郎が動くと、深く入り込んでいる信郎自身が子宮を突き上げ、梅子の体の奥底へ快楽が重たく響く。
「あ…」
何か変、と梅子は眉を寄せ、信郎の肩に爪を立てて顔を埋めたかと思えば、膣中をヤワヤワと震わせて果ててしまった。
「梅子…。もしかして、気を遣ったのか?」
力の抜けた梅子の体を支えながら、信郎が驚いて尋ねる。
動くと言っても、特に激しく突き上げたりはしていない。
信郎が不思議がっていると、力が抜けたはずだった梅子の手が、再び信郎の体に食い込んだ。
「おかしいの…私。……ノブ…ああっ!」
梅子のほうも戸惑いを覚えていた。
生殖器官が自分とは別の意思を持ちはじめたかのように、勝手に収縮して痙攣し、達してしまう。
それが自然の波のように、なんども引いては押し寄せてきた。
自分の体のことなのに、もう自分ではどうにも抑えきれず、梅子は快楽の渦に飲み込まれていく。
「ノブ…、ノブ……」
うわ言のように自分の名前を呼ぶ梅子の両脇から腕をまわし、信郎は不安定な梅子の体を抱き寄せた。
固い筋肉で覆われている信郎の腕でしっかりと支えられ、梅子は安心したように再び気を遣る。
「も…だめ……」
ノブも来て、と梅子が囁くと、信郎は支えていた梅子の体を布団へ寝かし、梅子の膝を抱え角度をつけて梅子を突き上げた。
「いくぞ」
信郎は具合のいい角度を見つけたようで、梅子にいやらしい音を立てさせながら、激しく何度も自身を叩き込んだ。
声を殺しつつ、梅子は甲高い声で鳴くと、信郎の腕をギュッと掴んで下腹に力を込める。
「欲しい……っ!ノブっ…!たくさん…頂戴……!あぁっ…、あっ…」
「梅子っ…、梅子……っ!」
二人はしっかりと抱き合ったまま揃って絶頂を向かえ、信郎の精を飲み込みながら震える梅子へ、信郎は愛しそうに口づけた。
111結7:2012/10/29(月) 01:26:52.34 ID:rcW4Hs8b
信郎は手馴れた様子で梅子の始末をしてやると、汗で張り付いた髪をすいてやり、フッと笑った。
物言いたげな顔をしている信郎に、なぁに、と梅子は問いかける。
「いや。梅子も、俺の事を自分のものだって思ってたんだな」
そんなに想ってるのは俺の方だけかと思っていた、と信郎がニヤニヤしながら梅子を見る。
だって、と言って、梅子はここ数日の嫌だった気持ちを思い出した。
「ノブは……仕事はできるし、たまには優しいし、まぁまぁ格好がいいし……、もしかしてコロッと好きになっちゃう人がいるかも
 って考えたら、誰にも…取られたくないって思っちゃって……」
信郎は自分の後始末をしつつ、時々おいおいと突っ込んだりして、申し訳なさそうに話す梅子を見て微笑んだ。
「ねぇ。ノブも、私の事……自分のものだと思ってるの?」
梅子は体を横向きに倒すと、頭をもたげて信郎の顔を覗きこんだ。
「それくらい思ったっていいだろ。夫婦なんだから」
悪い事でも聞くように、躊躇いがちに尋ねてくる梅子に対し、信郎は自信満々で答える。
「だいたい梅子は誰にでも優しいし、料理は今ひとつだけど、愛嬌があってそこそこ美人だし、
間違って惚れちまう男がいるかもしれねぇだろ。でもこいつは俺のもんだ、って。 誰にも渡さねぇ、って思ってる」
やはり梅子も途中で突っ込みをいれたが、最終的には目を三日月の形にして、フーンと笑った。
「良かったね、私たち。結婚できて」
梅子がニッコリ笑い、そうだな、と信郎も笑った。

音を立てずに空き部屋を抜け出し、寝室の襖をそっと開けると、二人の子供たちがすやすやと寝息を立てている。
梅子と信郎は子供たちに慈しみの目を向けた後、梅子がポツリと言った。
「次は、女の子がいいな……」
「えっ!」
梅子の後ろに立つ信郎が、思わず驚いた声を出す。
「梅子、まさか……」
金魚のように口をパクつかせる信郎を見て、梅子はプッと噴出した。
「出来たら、の話よ」
信郎は胸を押さえて大量の息を吐き出し、何だ、と言って複雑な表情の笑顔を見せる。
梅子は自分の布団の上へ腰を下ろし、欲しいとは思っているのよ、と信郎に言った。
そうか、と信郎もその場に座り、梅子の布団の橋にゴロリと寝転ぶ。
ここで寝るの? と梅子が聞くと、もう動けねぇと信郎が言うので、仕方ないわねと梅子も横になった。
「次は、女の子……」
眠たそうな声でそう言いながら伸びてきて、梅子の下腹部を撫でてくる信郎の手を、梅子が軽くペンペンと叩く。
「何やってるのよ」
「さっきの、俺の子種に言い聞かせてるんだよ……」
「ばかっ」
寝ぼけたような声で答える信郎に呆れて言うと、風邪ひかないでねと声をかけ、梅子は重たくなってきた目を閉じる。
そうしてお腹にあてがわれた信郎の手へ自分も手を重ね、ぼんやりとした予感を感じながら、深い眠りへと落ちていった。

――終――
112睡眠不足:2012/10/29(月) 11:14:58.38 ID:znhXQvKg
「…っ…」
みしっ…

「っ…ッ…」
みしっ…
きしっ…

きっ…ぎっ…きっ…


…若いんですからそりゃそうでしょう…。
でもこの年寄りが目を覚ますほどですからねぇ…。
あの二人と一緒に千葉に行けば良かったかしら…。

もっと静かにと頼むのもおかしなもんだし、あれでも控え目なんでしょうし…。

梅子に頼んでぐっすり眠れるお薬お願いすれば伝わるかしら…。

下村家の睡眠を蝕んできたとは知るよしも無い二階の二人の甘い夜は今宵も更けて行く。


113名無しさん@ピンキー:2012/10/29(月) 11:18:47.58 ID:znhXQvKg
>>111さんのを読んでいたら倍賞ばあさん大変そうだなぁ書いてみました。

始めて書きましたが楽しいものですね。

お目汚し失礼しました。
114名無しさん@ピンキー:2012/10/29(月) 20:25:10.99 ID:AOoUflBv
>>111
いいねぇ!GJ

跨る梅子とかすごい妄想でハフハフするw
ノブ梅は、お互いをがっつり求めるからこそ、な、深く濃いのが読めるからありがたいキャラw
これからもよろしく〜

>>112
濃厚ノブ梅を下で聞かされてたから建造夫妻は千葉へ、ってかw
新しい切り口で面白かった
115名無しさん@ピンキー:2012/10/29(月) 21:25:35.35 ID:YePjOYyL
職人さんのノブ梅きてる〜!
やっぱり表現力というか文章力が凄い
エロイんだけどエロの中にも情緒があってほんわか幸せな気持ちになりますね
梅子も積極的でいいw

正枝さん気になってましたw
絶対煩くて寝れない日があるだろうと
でもちゃんと理解をしてくれそうなキャラだから面白い
正枝さんもそろそろ3人目かしら…とか思ってそうw
116名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 01:59:32.31 ID:GEXtA9wA
111です。
感想を有難うございます!
あの爽やかエロ夫婦を見れなくなって寂しい日々です。
今思えば、毎日贅沢だったなー。
また思いついたら書きますので、宜しくお願いします。

それから……、
ごめんなさい!おばあさまwww
あれでも一応声を抑えているんですよw
でも、木造だから確かに軋むかな、家がw

余談ですが、104で書いた空き部屋の位置(他)を保管庫の方で訂正しました。恥の上塗り;
117名無しさん@ピンキー:2012/10/31(水) 23:18:49.11 ID:QWfu9Ap+
80話の頑張って松岡の肩に寄りかかって精一杯甘えてみた梅子に
甘えられてる事に全然気付かない松岡を見て思った
もしあれが松岡じゃなくノブだったらノブはニヤニヤでれでれしながらも不器用に抱きしめるんだろうね
SP後編で自分の服を掴んで甘えてきた梅子に照れながらぶっきらぼうに答えて手握ってたし
118では。:2012/10/31(水) 23:52:23.12 ID:m//xCx3+
「では、よろしく。」
「はい。よろしくお願い致します。」



「あの、こういった場合はもう少し弱い方が良いみたいです。」
「ああ?そうなのか?失敬。先日はもう少し強くと言ったから…。」
「はい、先日は強くで今日は弱くお願いします。」

研究熱心なあの二人はきっとこんな夜だろうねw
119名無しさん@ピンキー:2012/11/01(木) 01:10:46.15 ID:RGXpz6oE
「この位がいいんだろうか?」
「はい…気持ちいいです」
「なるほど。では、ここは」
「そこは…もっと強く…」

外からドアにピッタリ耳をつけ、盗み聞きしていた山倉と弥生は、中の2人が交わす会話に思わず興奮する。

「な、何してるんだろう、あの2人は…」
「ナニしてるんでしょうね」
「…弥生さん、それは親父ギャグというやつかな?」
「さあね。でも、神聖な病院でこんな行為に耽るなんて、許せないわ」
「でも、僕達2人も…」
「あんたの根性がないから、結局あそこ止まりだったでしょ!さ、行くわよっ」

突然弥生が、ドアをバタンと開いた。

「病院内で私達より先に進むなんて、そんなこと許されるとっ……え?」

目の前に繰り広げられていたのは…研究への協力の礼として、神田の肩をせっせと揉んでいる松岡の姿だった。


ちゃんちゃん



つい乗っかりたくなって
ありきたりでスマン
120名無しさん@ピンキー:2012/11/01(木) 12:22:07.65 ID:+LcXk9Vr
「いい?」
「んっ」
「じゃここは?」
「…んっ…そこもっ…と」
「あああっ…んっ…ひくっ…ゃん…っぅん…」
「辛いか?」
「はぁっ…ちがっ…ああっ」
「クッ…イキそうだ」
「ダメまだっ…あぁっ」
山倉と弥生が松岡と神田の声に聞き耳をたてている頃、薄明かりの中で信郎と梅子のクライマックスが近付いていた。
信郎は梅子が同時にイケるよう、グラインドする腰の動きに合わせ背後から回した手を割れめに潜りこませ、ぬめる肉芽をこすり上げていた。

「はあっ…んっ…ダメッああっ…イヤッ…あああんっノブっ…それ以上…ダッ…メっ…あああイッちゃう…きゃうっんん」

梅子の白い背中が震えながら仰け反り、信郎は熱い中に精を解き放ち、深く息を吐いた。

♂♀♂♀♂♀
それぞれの夜だぁねw
リレーに乗らせていただいたけど面白かったw
121名無しさん@ピンキー:2012/11/03(土) 20:11:57.94 ID:xaL3TCJ/
連作面白いね
122名無しさん@ピンキー:2012/11/04(日) 06:35:44.08 ID:Yyi9PcKg
SP終わってから山倉に本懐とげさせたくて頑張ってるけど結構難しいです
どなたか2人の本番読ませていただけないかなぁ…
連作もどんどん続けて言って欲しいw新作まだまだ読みたいよー
123夫・山倉真一 1:2012/11/05(月) 16:01:49.47 ID:yVKfOC7e
「弥生さん、お風呂空いたよ!」
論文の資料を見ていた私に、髪を拭きながらニコニコと夫が声をかける。

「はいはい。窓は開けておいてくれた?」
立ちあがった私の身体を、慣れた手が引き寄せそのまま抱きすくめられた。

「仰せのままに。遅くならないでよね。」
囁きながら真一さんがそっとくちづけ、ブラウスの上から胸を揉みしだかれる。

「んもう!何してるのよ‥ お風呂の時間位は待てるでしょ!」
「うーん‥待てない。うちの奥さんは最高にセクシーで可愛いからすぐに襲いたくなっちゃうんだよ。」 
「それでも!お風呂入ってくるから‥待ってて…」

私は全力で私に愛情を示してくれる真一さんに、まだ照れてしまう。

‥結婚してからと言うもの真一さんの“人に対する優しさ”100%は私に向かう愛情となり、うれしいやら鬱陶しいやら…

マメというか、甲斐甲斐しいと言うか、食事を作っている時間に帰宅できれば手伝ってくれるし、食器を洗う時も手伝ってくれる。

「2人でした方が時間がかからないでしょ?」と当たり前のように手伝ってくれるのは、梅子から「山倉さんが羨ましいわ。ノブは子育てには協力的で優しいけど家事はしないもの。」と言う言葉を考えても贅沢な悩みなんだと思う。

梅子には言えないけど、一緒にお風呂に入ろうとか、手をつないで買い物に行こうとか、テレビを見る時は僕の腕の中が指定席だから‥とか…あれこれ言うのをなんとかやり過ごす毎日と言うのもため息が出ることもあるわ…

特に夜のアレときたら…

今日もあんなことになるのよね‥
私は真一さんの手や唇の感触を思い出し、湯船の中の自分の乳房にそっと触れてみる。
私がそっと触れただけで固く尖る乳首‥
思いだすだけでジンジンしてくる下半身‥

後で彼が丹念に口にする場所を丁寧に洗い、私は寝室に入った。

静かな部屋の中にかすかな寝息が聞こえている。
(寝息?)
大きなベッドに近寄ると大の字をかいて真一さんが…眠ってる?

「真一さん‥」
耳許で囁く。
真一さんはちょっと眉をしかめただけで目を開ける様子が無い。
(昼間、急患でバタバタしたと言っていたから疲れていたのね。…そんな日もあるわ。身体、丁寧に洗ってきたのにな‥)

私は真一さんの隣に寝転がると、目を瞑り浴衣の合わせから手を滑らせて彼が口に含むはずだった片方の乳房にそっと触れてみる。
(…軽く歯を立てた時、スゴイのよね。)
真一さんの歯が噛むように乳首を強く摘むと、似たように背中を稲妻が走る。
(でも本当はこんなんじゃないのよね‥。片方を噛みながら片方を捻って‥そのまま下に…)

私は真一さんがするように、掌を這わせ下着の中の割れ目に手を滑らせた。
きちんと洗って拭いたはずなのにもうヌルヌルしている。
クリトリスをやんわりと撫でると拡がる、じわじわとした快感。
(は……ぁ……そう、こんな…)
124夫・山倉真一 2:2012/11/05(月) 16:03:18.51 ID:yVKfOC7e
ふっと視線を感じ、私は目を開くと同時に手を下着からあわてて出した。
頬が上気するのが自分でもわかる。

「…そんなに僕が欲しかった?」
真一さんが意地悪く訊ねる。

「そ‥そんなわけじゃ!」
「じゃあなんで?」
「…だって…そうなんだと思ってたから‥」
「ウトウトしただけだから、次からは起こしてよ?自分でするのを見せてもらうのも良いけど、僕が喜ばせてあげたいんだからね?わかったかい?」
嬉しそうにニヤニヤしながら夫が私の唇にそっとキスをした。

あっと言う間に着ているものはベットの下に放りだされ、一瞬でわたしは裸にされた。

「は……ぅくっ」
乳首が柔らかく温かい唇に包まれる。強く吸い、甘く噛む。私は快感に全身が震えた。

唇が左の乳首を、右手の乳首を燃えるように愛撫する。
左手が脚を擦る。

胸の突起を強く吸った後で彼の舌が乳房全体をチロチロと舐め回す。
乳首を交互に甘噛みし、優しく溶けるように撫で、擦る。
執拗な繰り返し‥それだけで私の身体は蕩けそうになる。

「最近、ちょっと痩せたでしょ?」
言いながら手は腹部に伸び、脇腹や骨盤を軽く撫でて指が下半身へと向かっていく。
これから襲う甘い衝撃と、辛いほどの痺れる快感を知っている身体から吐息が洩れた。
(あぁ‥これ…これよ…)

彼の右手が焦らすように繁みの上で円を描いている。
唇が繰り返す胸への愛撫も続いていたけれど、私はジンジンとしたあの快感欲しくてたまらなかった。

私は真一さんの頭を抱きながら、もじもじと閉じ合わせた脚を動かす。
意地悪な手がわざとソコを避けるように太腿を這っていく。

唇が乳房から脇腹へ舐めながら辿っていく。
くすぐったい大きな快感の波がわたしの全身を貫く。

脇腹を過ぎ、繁みの横を舐めながらついに腿まで辿りつく。

「……っ!」
彼の両手が私の膝を掴み両脚を曲げるように押し広げる。
「やめて。こんなの恥ずかしいわ‥」
「大丈夫だよ。いつもと少し変わるだけだ。それにほら、身体は嫌がってない‥」
彼の手が触れたソコは彼の手を通してでも、どれだけ濡れて溢れているのか十分伝わる。

「…や……っ」
恥ずかしさで私は頬が熱くなる。快感で目を開いていられない。

「どうして欲しい?弥生さん、言って…」
「‥言‥言えないわよ」
「そう?言わないならしないよ?」
(もう!何なの?今夜はいつもにも増してすごいわ…)
「……って」
「聞こえないよ」
「……サワッテ……」
「ここかい?」
大きな手の長い指が患者に触る時とは違う強さで濡れた割れ目を撫で上げた。
125夫・山倉真一 3:2012/11/05(月) 16:06:00.95 ID:yVKfOC7e
「……んッ!」
軽く触れられただけで悲鳴をあげたくなる程に感じてしまう。

「じゃ、これは?」
今度はクリトリスをぎゆぅっと押された。
「ぁんっ……!!」
押されただけなのに頭の奥が痺れる。
つるりと滑りこんだ長い指が、私の内部をゆっくりと掻き回す。
同時に親指がクリトリスをも掻き回し同時に刺激を与えていた。
全身を血液が駆け巡る‥身体全体がほんの少しの刺激にわななく。

「んふぅ…」
彼の指の動きはいつも巧みで、研究対象の私に質問しては臨床を繰り返す。
彼が導き出した答え…小刻みな振動、それを強弱をつけて繰り返す。

「あ、あぁ、あぁー」
押さえることのできない快感にどうしても声が上がり、呼吸は乱れ全身が震えだす。
(指…だけなのにっ‥あぁっ‥まだ指だけっ‥なのに…)
「は……ぅう……んん……ッ!!」
クリトリスを強く挟まれた瞬間、私は達してしまった。

「今日はすごい敏感だね」ぐったり放心する身体を抱きしめられるのは心地よいと伝えた時から、夫は必ず達した私をぎゅうっと抱きしめてくれる。
「……ん……」
荒い呼吸のままやっと頷く。

「イッてからの弥生は、もっとセクシーになるんだけど、今日は最初からすごくセクシーだ。」
浴衣を着たままの夫が、ニコニコとそう告げる。
(そう言えば、私だけが裸!)

「あ、ごめんなさい。私だけ‥。あなた浴衣もまだ…」
「あぁそうだね。」
着ていたものを脱ぎ捨てた夫のペニスが隆々と立っている。
「えっと…どうして欲しい?」
「あぁ、すぐ挿れさせて。」
真一さんが仰向けの私に覆い被り、愛液を掬い亀頭をクリトリスにぐりぐり擦り付ける。

「あぁぁ…」
ぬめる彼のペニスの太い先が、指先とは違う快感を伝える。
彼のペニスがツルリと滑りこみ、じわじわと押し広げながら侵入してくる。
いつもの圧迫感と満たされて行く感触。
「あっ……はぁっ……」
根元まで入って止まった彼の侵入に、わたしは大きく息を吐く。

男性を知ったのは夫が初めてだったけれど、相性を問われたらきっと間違いなくピッタリなのだと思う。
だってこんなに‥気持ち良い。
浅く深く真一さんがゆっくりと動きはじめた。
肉壁を擦りながらゆっくり引き、子宮めがけて突き刺すように挿し入れ円を描くように捻る。

「あ、あ、あっはっ、は、はぁぁぁ……っ」
何度も何度も同じように突き上げられ、さっきとは違う大地を這うように全身を満たして昇って行く快感に私は気が遠くなりかけた。

「ぁぁぁ……っ……。や、やぁん……っっ!」
動きを止め、身体を折り曲げた彼が私にキスをする。
舌を絡めてわたしも応える。
挿入したままのペニスがドクンドクンと脈打つのを感じる。

乳房を優しく揉み再び堅くなった胸の尖りにキスをしチュポンと離れる。
「あんっ‥」
一度イッた私は、前よりずっと我慢ができない。
126夫・山倉真一 4:2012/11/05(月) 16:11:11.08 ID:yVKfOC7e
「弥生‥今日は本当にすごい。キツイ位だよ。」
名前を呼ばれただけで胸が高鳴るのに、そんなことを言われると恥ずかしさと彼を喜ばせているという実感で胸が一杯になる。
そして…こういう時、夫は私を呼び捨てにする‥

「……やよい」
「ぅ……んっ」
私たちは抱き合い、お互いの腰を擦り付け夢中で動いていた。
動くたびに真一さんが押さえているだけの指に、クリトリスが刺激され言葉にできないくらいの快感が身体の表面を駆け巡る。

「くふぅ……ん……。あ、あぁっ」
身体の中の彼のペニスがもたらす地響きのような快感と、クリトリスからの光のような二つの快感が絶え間なく襲ってくる。

(もうだめ‥おかしく…なり…そ、う)

「ハァッハァ…やよいっ」
「うんっ…あぁあ……あっあっあっ」

真一さんの動きが容赦なく激しさを増した。
彼がもっと気持ち良くなれるよう、私は自分の中をきゅっと締めつけながら腰を振った。
その方が私も彼をもっと感じるから…。
…欲望のままに。
夢中で…。

「……っ!! 」
「あぁ……あっ……!!!」
高い声と低い声が同時に洩れ、私の全身が震えると同時に、しがみついていた彼の身体もブルッと震えた。

真一さんが私の上にどっさりと覆いかぶさってきた。
「すごかったよ、弥生さん。僕、すんごい疲れた。けど、このまま居させて…」

私の頭を自分の腕の中に抱き入れると繋がったままで居られるように、私の足を自分の足の上にそっと乗せてポンポンと押さえた。

「これでいい?それとも上に乗っかっちゃう?」
「これでいいわ。上になんて重いわよっ!」

うっすら汗の匂いのする夫の鼓動が聞こえる胸に抱かれているうちに、私はうとうとまどろみ始めた。

真一さんは私の良い所も悪い所も全て知って、いつも愛してくれる。
常に私に声をかけ、足りない私の言葉を彼の言葉が補ってくれる。

私も彼の全てを愛して行く。
真一さんのように言葉にするのは面映ゆいけど、私の気持ちは彼が代弁してくれるから。
2人でいれば大丈夫。

「弥生さん、眠っちゃうの?疲れ切っちゃうほど良かったんだね。僕もだよ、弥生さん。ずっとこうして愛してあげるからね。眠るといいよ。後のことは僕に任せて…」

――終――
127名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 17:14:50.64 ID:yxRDfaL1
山倉乙!
新作GJ
128名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 23:49:05.49 ID:5e1ZlqbS
お疲れさまです(*´∀`*)
129名無しさん@ピンキー:2012/11/06(火) 02:53:05.43 ID:hZeNWvnQ
保管庫の管理人さん乙です

山倉弥生本番キタw
良かったね

是非女性陣の男性陣に対する下半身事情の愚痴と惚気が聞きたいw
でも松岡さんが参加できないか…
勉強の為に参加とかどうだろう?
130名無しさん@ピンキー:2012/11/06(火) 20:13:28.16 ID:PpPoSdl9
とてつもなく萌えたGJ!
普段強がってる分、こういう時にしおらしくなっちゃう弥生さん可愛い
131名無しさん@ピンキー:2012/11/06(火) 23:05:58.82 ID:HrD0Muv8
やっと書き込める
めちゃ濃くて甘かった…待ってて本当に良かったです・涙
ありがとうございました!

そして、どうかこれからも職人さんの投下が続きますように…
やっぱり梅ちゃん先生大好きだー
132名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 01:39:35.84 ID:fycFgsTv
超gj!!!
良かったな、山倉!そして、123さん有難う!!!
エチも勿論よかったけど、その前の普段から気が利いて優しい夫な山倉も萌える!
山倉を好きになってしまいそうだwww
弥生が幸せになれたのも、本当に嬉しい!

リレーも面白かったね。
三組三様で、それぞれが「らしい」
無節操だけど、どのカプも好きだし萌える。
何度も美味しいドラマだったよ。
自分もまだまだ梅ちゃん先生が大好きだーーー!!!
133名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 13:33:02.23 ID:8VWeX19w
>>129

梅「もう、ノブったら酷いのよ。この前なんて、1回の挿入で3回も射精して」
弥「(ゴクリ)それって、……抜かずの3発ってやつ…?」
梅「そうなの。もう、私ビックリしちゃって」
弥「ちょっと梅子!信郎さんに何食べさせてるんだか教えなさいよ!!」

こうですか、分かりません><
134オツカレサマ:2012/11/07(水) 18:23:50.77 ID:AB6yvMge
「ねぇ梅子…普通はひと晩に何回するのかしら?」
「普通がどうだかわからないけど…うちは最高で3回。と言うか1回で3回‥が、最高。」
「1回で3回って??…もしかして入れっぱなしで3回ってこと?はぁ…そうなのね。それじゃうちが多いとか、山倉が性欲強いという訳ではないのね。」
「山倉さんはどうなの?」
「ひと晩に2回が最高だけど、1回が長いと言うか、とことん許してくれないと言うか…私ったら何言ってるんだろう…」
「山倉さんもなのね。ノブもそこは同じよ‥」
「ありがたいんだけど、疲れが翌日に残るのよ。」
「うん。すごく良くわかるわ‥」
「はぁ…」「ふぅ‥」

オツカレサマ
「今日もがんばろ!」と言ってた通り、今日もがんばってネ♪

外の人達は、ワクワクテカテカしながら“ガンバル”みなさまを応援しているよ!
135名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 21:27:15.01 ID:PKJ8nKK2
>>133
>>134
GJ!
そうそう!
そんな話ししてそうだ!
136名無しさん@ピンキー:2012/11/09(金) 22:46:34.00 ID:tU5eRdOQ
ノブは職業柄体力あるだろうから連続3回とか余裕そうだな
梅子は華奢だから体力的にきついだろうけどw
SPも終わってもうこれで二度と続きないか暫くはないと思うと寂しいなー・・
凄い久しぶりにカプ的な意味で萌えたドラマだった
137名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 00:29:56.21 ID:JMICmsXn
朝ドラあんまり見たことなかったけど、
SPで山倉弥生にすんごく萌えたーツンデレ好物!
職人さん、山倉に本懐を遂げさせてくれてありがとんw
138名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 01:38:45.61 ID:0UT+0cFD
松岡を押し倒して男としての松岡を研究する神田を書こうとしたけど、ちっともエッチな方向に行かないんだよ…

数々の松岡作品の素晴らしさ、マジ神だと痛感

松岡職人さんはまだいるかなぁ
松岡の新作読みたいっす

弥生への講義は本当に秀逸だった
139名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 10:29:48.61 ID:lqFd18/6
SP後編ラストで幸吉に「お前はいいな、順風満帆で」って言われたノブが
テンション高く「いいだろ〜(ニヤニヤ)」って答えてるの見てどれだけ幸吉の目の前で梅子といちゃついたんだと萌えたw
あれは3人目もできたな

>>133>>134を見て今度は男組で嫁の夜の様子で盛り上がってるのが見たくなった
ドラマでも何度か男達でみかみに集まって各自嫁の愚痴大会してるようなw
140名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 23:28:17.85 ID:CwosA313
>>133>>134を読んだらこの会話の続きでのろけまくってるのが浮かんでしまったので投下したいと思います。
御二人から勝手に御借りして申し訳ないです。


「あ、でも」
「何?」
「次の日になって、無理させたかなって気にしてるノブは何か…可愛いのよ」「え、そうなの?」
「うん、やたらと気を遣ってくれてね。この前は久しぶりにお互い時間が有ったから買い物に付き合ってくれて、帰りに家族分のケーキまで買ってくれたの」
「へぇ…あ、でもちょっと分かるかも」
「弥生さんも?」
「医局で他の先生に気付かれないように然り気無くサポートしてくれて…助かってるのよね」
「そう…良かったわ、幸せそうで」
「そうね…梅子が新婚時代にあんなに浮かれてたのが今なら納得できるかも」「え?私そんなに浮かれてた!?」
「相当なものだったわよ。幸せですって顔中に書いてあったわ」
「…そうかも」
「まぁ、今も十分幸せそうな顔ね」
「あんな風に求められると、私はこの人に必要とされてるんだって思えるし…いつも以上に甘やかされると、あぁ、愛されてるなぁって実感しちゃうのよね…自惚れかもしれないけど」
「山倉さんなんて普段があぁじゃない?夜の男らしい部分は私しか知らないと思うと…嬉しいのよね、やっぱり」
「ふふ、改めておめでとう弥生さん」
「ありがとう、梅子も仲直り出来て良かったね」
「うん。あ、そろそろ時間よね。じゃあ、またいつでも来てね」
「えぇ、落ち着いたら家にも遊びに来てね。それじゃあ」

ー終わりー
141名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 23:59:43.93 ID:mrLflTpa
>>140
エロっぽい内容なのに、2人は幸せなんだなと思ったら泣きそうになった
梅ちゃん先生はこの雰囲気がいいんだよなぁ…

>>138
どうも自分の作品を褒めてもらえたようなんだが…恐縮してしまうなぁ
エッチな神田さん
、いいじゃないですか!是非読みたい
エロイ事だと解らずにエロイことしちゃってる神田さんはかなり可愛いと思う 頑張って!
自分は山倉弥生が一向に終わらず…世界を半分忘れてるのかも 復習せねば
142名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 00:05:26.77 ID:fc4hy5fs
おおお〜〜!GJGJ
いいねいいねぇ〜〜!

ぶっちゃけ、ここのお陰で梅子、ノブ、松岡の三人への思い入れというか
自分の中のキャラ補完が進んだのは間違いない

ドラマのパロって初めて見たけど
昼間はぶっきらぼうでも、夜はねぇ〜ppだったり、松岡ったら〜kkって相乗効果があったのは
職人さんの手腕もあったんだよなぁと感謝しきりっす
143ハジマリ ノ ヨル:2012/11/12(月) 01:22:54.66 ID:crE4UeH+
二人は傘の中に気恥ずかしい空気を纏いながら帰路についていた。

「ずっと‥ずっと一緒に居て…」「あぁ。」

『あれはOKってことだよな?結婚…結婚してくれるって言ってたんだよなぁ?一緒に居てって言ってたしあれはOKなんだよなぁ…いいんだよな?なんだか夢の中に居るみたいで信じられないって言うか…』

信郎は歩きながらグルグルグルグル一人考え込んでいた。

「ノブ‥ちょっと診療所で待っててくれない?」
「あ‥あぁ、そうだな。うん、ちょっと寄って行こうかな。」
途中で小雨になった雨に包まれながら二人が下村家の前に着いた時、梅子が信郎にそう告げた。
梅子は面会が許されたことを建造に知らせ、信郎が悶々としながら待つ部屋に戻ってきた。

「お待たせ。ねぇノブ、私たち結婚するってことで良いのよね?」
梅子が子猫のような丸い瞳で信郎の目を覗きこんだ。

「あぁ。付きあうかどうかを飛び越して結婚だなんて言うから驚かせちまったか?
俺は‥俺と同じで色々ダメな梅子ががんばって勉強して医専に合格して医者になって‥同じ医者の松岡さんと付き合った時…ああ梅子はもう俺とは違う世界に行っちまったんだと、どこかでそんな風に思ってたんだ‥」
診療所のベッドに腰かけながら、信郎は俯いてそう呟いた。

「そう…だったんだ‥」
「あぁ。‥医専に行って俺の知らない所で楽しそうな梅子が遠くなったって言うか。俺の知らないことがどんどん増えてるって感じてた。
勝手だよな。お前がここで診療所を開くことを決めた時、俺が知ってる梅子が戻ってきたみたいで嬉しかったんだ。見合いの日のことも…梅子は梅子のままだなぁって…。」
大きな背中を丸めながら、信郎は思いのたけを素直に言葉にしていた。

「バカねぇ…ノブ。」
「悪かったな、バカでよっ!」
信郎は梅子の居ない方にぷいっと顔をそむけた。

「ねぇノブ…私はノブもすごく成長したと思ってるわ。今は諦めず懸命に取り組んでる。自分にしかできない仕事がしたい‥ノブはそう言っていたでしょう?
私も同じよ。だからノブの気持ちが良く分かるわ。内容が違うだけ‥医者も工場の仕事もやりたいことは同じよ。そうでしょ?」
梅子は改めて言葉にしてこなかっただけの思いを優しい声で信郎に告げた。

「…ありがとな、梅子。お前にそう言ってもらえると嬉しいよ。すごく嬉しい。」
「…ねぇノブ。今までは改めて言葉にしなくてもって思ってたけど、これからは嬉しいことも嫌だと思うこともノブのことをもっと知りたい。私も知って欲しい。そんな夫婦に…私はノブとそんな夫婦になりたいな‥」
梅子は足をブラブラさせながら、隣の信郎にそっと肘を押しつけた。

「あぁ…そうだな。………あのな…梅子、俺たち‥まだ他にも知らないことがあるんだ。わかるか?」

「え?そんなのある?」
梅子は大きな目をきょろきょろしながら真剣に考えている。

「あぁ。俺たちはまだ、なんだその、男と女としてはお互いをまるっきり何も知らねぇ…」
「あ‥そ、そうね。確かにそういう面は…し‥知らないわね‥。」
信郎の言いたいことにピンときた梅子は耳まで真っ赤にしながらコクコク頷いていた。


「その、なんだ。えっと‥」
信郎は隣に座る梅子に顔を向けながら声をかけた。
微笑みながら梅子が信郎の首筋にスルリと飛び込んできた。
「ノブ、これからもよろしく!」

信郎はそんな梅子の細く温かい身体をぎゅっと抱きしめた。
「あぁ。ずっとこうして二人で年をとって行こう。」

信郎の瞳には梅子が映り、梅子の瞳には信郎が映っていた。
信郎は梅子の唇にゆっくり丁寧にくちづけをした。

幼馴染みのふたりが、結婚を前提に男と女として一歩ずつ近づいた、はじまりの夜だった。
144名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 01:29:17.33 ID:crE4UeH+
「雨のプロポーズ」の後から両親達に結婚すると告げるまでの時間のどこかを、いつか書きたいなぁと思ってました

>>141 さんが“二人が幸せ”と梅子と弥生のことを書いていたのがヒントで書けました ありがとう

あの夜、二人がこんな風に始まって「家族」になる絆を作っていたら嬉しいなってことで
ノブ、梅ちゃん末永くお幸せに〜〜
145名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 20:42:24.94 ID:iMMquYaZ
>>143
わ〜、こういうの読みたかった!ありがとう!
手も握らずにいきなりプロポーズだからどう進んだのかすごく気になってました
その日のうちにキスとか良いですね〜

ノブ初夜が雑魚寝でだめになっても平気だし
次の日の二人っきりの初夜でもリラックスしているし
結婚前に色々すんでるのかなと思っていた

あと梅子と弥生は医学書を片手に夫の体を探検するんじゃないかと思う
146名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 13:32:50.38 ID:wd3srWMo
>>143
GJ!やっぱノブ梅好きだ
理想の夫婦

>>145
結婚して初めて2人でノブの部屋にいる時、ノブが
「やっと2人になれたな」って言ってたからあの時まではまだ何もしてない気がした
あの時ノブも梅子も明らかに意識し合ってぎくしゃくしてたし
頭ごつんの後キスと初H済ましたんだろうなと思った
147名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 20:33:06.31 ID:jwt+ctjA
>>143
GJ!!!!!

工場の前で旦那、嫁っていちゃついてたのはこう言うシーンが合ったからなんだと思える

ありがとうございます!
148名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 23:15:53.47 ID:/dxnVxHf
>>138
神田さんはきっと山倉あたりに適当にノセられるんだろうなw
松岡はうろたえながらも「研究のため」とか言われてしまって
先輩研究者として協力すべきなのだろうけれども、いやしかし……
とかなんとか頭がぐるぐるになって硬直しているんだねw

スレが盛り上がっているから自分の出番は無いと思ってたけど
また松岡書きたくなっちゃうなあw
どうせSS書くならキャラの名前を置きかえれば何の二次創作にも使えるようなのじゃなくて
「そのキャラ達ならではの話」が良いなあとか思っているんだけど、難しいんだよなw
149男性陣の下半身事情at帝都大:2012/11/14(水) 00:44:18.27 ID:g+mpwwk0
帝都大学内廊下
山倉「中谷くーん」
広志「山倉先生。お久し振りです」
山倉「前にもらった試供品、役に立ってるよぉ」
広志「試供品……」
山倉「ほら、アレだよー。……ヒポクラッシュZ」
広志「ああ。お役に立てて、光栄です」
山倉「ここだけの話……、妻も喜んでるみたいだよ」
広志「それは、よかったです。また、お持ちします」
廊下を歩いて近寄ってくる松岡
山倉「あ、適任の人が来たよ。こないだ言ってた薬の話、してみたら?」
広志「こんにちは、松岡先生」
松岡「やあ。こんにちは」
山倉「松岡君に、勧めたい薬があるんだ」
松岡「治験の話なら、まず狭山教授に言ってから……」
山倉「いいんだよ。君に、治験者になってもらいたいんだって」
自分の鞄から薬の箱を取り出す広志
広志「こちらなんですけれど……」
松岡「…ヒポクラマックスβ?」
広志「はい。『倒木も起こす』をスローガンに研究開発してまいりました。多くの男性の役に、必ず立てると思います」
松岡「それを、なぜ僕に?」
山倉「お年寄りに突然試したら、刺激が強すぎて危ないかも知れないでしょ。
   だから、健康な成人男性で枯れてる人っていうのを探してたんだって」
広志「品質には、自信があります」
松岡「なるほど。僕はどちらかと言うと性欲が無い。セックスをしたいかと言えば、特にしたくない。
   セックスの良さが分からないからしたいと思わないが、してみないと良さが分からない。
   ……この堂々巡り。ドーナッツの穴に通じるな」
山倉「ほらね。その答えが、身をもって体感できるんだよ。楽しいと思わない?」
松岡「確かに」
ひょっこり顔を出す神田
神田「何をしているんですか?」
山倉「新しい研究の話だよ」
松岡「一つの命題の答えが、僕自身をもって分かるかも知れないんだ」
神田「それは、興味があります」

――終――
150名無しさん@ピンキー:2012/11/14(水) 14:55:49.20 ID:1LEuQ+cK
>>149
GJGJ!!
倒木松岡、ちょーワロタ
海苔噴いた

ここから山倉、広志、松岡、梅子まで広がって書けそうなお題で「膝枕」クラスの展開力ありそう!
職人のみなさま、治験使ったエロ待ってます
151名無しさん@ピンキー:2012/11/14(水) 21:35:56.94 ID:5Aum11sc
>>149
山倉ヒドイ!
>健康な成人男性で枯れてる人
・・・ってwww
152名無しさん@ピンキー:2012/11/15(木) 00:47:15.25 ID:aBMxkNY9
是非ノブ竹夫加藤の義兄弟夫婦の夜事情談話が見たい
普通は実の姉と妹の性生活なんか聞きたくないだろうけど
周りの痴話喧嘩や恋愛が大好きな竹夫は嬉しそうに聞きそうw
153名無しさん@ピンキー:2012/11/16(金) 02:08:06.32 ID:XBRF2mS8
梅子と弥生の色疲れの話いいですねw
ノロケてるんだが愚痴ってんだかw両方かw

ノブ梅は恋人期間はしっかりあったと思うけど本編であまり描かれてないので
逆に妄想しやすいかもですね
LIKEからLOVEになる過程っていうか

確かに義兄弟の下半身事情談義も知りたいw
竹夫が乗り気で(姉妹なのにw)初めは臆してた2人も最後には乗って相談や惚気話しそうw
そして最終的に3人とも怒られそうw
154名無しさん@ピンキー:2012/11/16(金) 03:42:10.85 ID:o/gqZ47J
ノブと梅子はプロポーズから結婚まで半年あったとナレで言ってたから
その半年で色々済ましてるんじゃないかな
Hは結婚してからじゃないとダメ!って時代だったかは分からないけど
昭和モノの朝ドラだから恋愛パートは全体的に純粋すぎるのが残念
抱き合ったり手握るのが限度だからなぁ
155治験について  松岡敏夫 1:2012/11/19(月) 00:35:40.53 ID:SVe4+gIZ
僕は風に揺れる木の葉のようにゆらりゆらりと揺れている。
それでいて温かく包まれ幸福感に満たされているような…胎児は母体の中でいつもこんな感じなのだろうか。

「ご自宅に戻られた方が良いと思います。」

弥生さん→山倉君を経て、今は僕が指導を担当している神田さんの声に引き戻され僕は目を開いた。

「松岡先生、論文が完成するまで忙しかったですし今夜は無理をせず帰られた方が良いと思います。」
「あぁ‥ありがとう。眠ってしまうとは情けない。今日はこれで帰るとしよう。」
「当然です。医師が不健康な状態で正確な診断はできません。」

まっすぐ僕を見て、少し怒ったように神田さんが早口でまくしたてた。

「松岡さん、当直なら私が代わるわよ。もう少しまとめたいことあるし。」
弥生さんがそう声をかけてくれた。

確かに院内でうたた寝をするなど、普段の僕には考えられない。
論文の仕上げで忙しかったことは確かだが、原因は昨夜のアレにあることは明白…

僕は当直を弥生さんに頼み、早々に病院を出て駅に向かう道を歩き出した。

「…松岡先生。待って下さい。」
神田さんが後から走って僕の隣に並んで歩きだした。

「資料集めはもう終ったのかい?」
「いえ、今日は別の研究テーマについて資料を集めるつもりです。」
「そうか。…ところで別のものとは初めて聞くが、テーマは何だい?」
「松岡先生です。」

…「え?」
僕は思わず立ち止った。

「私は今、松岡敏夫と言う人物についても研究をしています。」
「え‥あぁ。指導を担当している助教授である僕を研究していたのか‥面白い。
客観的に見た僕について、そのうち是非聞かせて欲しい。」
僕は再び駅に向かって歩き出しながら、研究者として他者の姿勢について学ぼうとする神田さんの熱心さに感心していた。

「お話するにはまだ資料が足りません。そこでなのですが、今日少々お時間を頂けますか?」
「今日かい?あぁ、そういうことなら相談に乗ろう。では喫茶店で…」
「いえ、その段階はすでに病院内の観察で資料が揃っています。今日はご自宅を見学させて下さい。」
「自宅?僕の?」
「はい。生活環境を見れば多くのことがわかります。」
「…ふむ研究者の生活環境か…一理ある。では一緒にくると良い。」
「ありがとうございます。」
僕たちは特に話すことも無いまま並んで無言で電車に乗りアパートに辿りついた。

「ここだ。どうぞ入りなさい。」
「お邪魔致します。」

片付いていると言うより部屋の中を埋め尽くす本の山以外はおよそ何もないと言うべき、殺風景な部屋だがこれらの資料は自慢できるボリュームだ。

神田さんは「部屋の中を見させていただいても?」と聞くが早いか、熱心に僕の部屋を眺めて回りながら、いつもの手帳にあれこれ書きとめている。
実に感心できる姿勢だ。

「では、これまでの経過を聞かせてもらおうか。僕という医師は指導を受けている君からどう見えているのだろうか。」
僕はいつもの僕の座布団に腰を降ろした。

「はい。研究者として尊敬すべき点が多く見受けられます。ドーナツの穴など斬新なテーマは私には無かった視点でした。
研究者の一部には他者の意見に耳を傾けないケースもありますが、先生は必要だと思えば柔軟に受け入れることができ、特に第一内科の先生方には松岡先生を見習っていただく点があるように思います。
ただ患者さんとの対話については山倉先生のようにもう少し暮らしぶりについて聞きとりを行い、生活習慣についてもっと積極的にデータを集める必要を感じます。」
156治験について  松岡敏夫 2:2012/11/19(月) 00:36:18.33 ID:SVe4+gIZ
「なるほど。山倉君が患者さんの話を熱心に聞いているのは、生活習慣を聞きとっているという訳か…ふむ。参考にしよう。」

「やはりそうお答えになりますね。」
神田さんはそれまでずっと見ていた手帳から目を外すと僕をぐいっと見上げてきた。

「僭越ながら、先生は常にそうやって思考錯誤を繰り返し成長を続けていらっしゃいます。研究対象として終りが無いらしいと言うことを確信したと同時に、そういう松岡先生だから私は好きなんだと言うことも今日はっきり確認できました。」
「は?」
「先生、それでですが‥」
神田さんがジリジリと僕ににじり寄ってくる。

「神田さん、近い。」
「松岡敏夫さん、あなたの男性としての機能を調べさせてください。」
「え?あ?何を突然…いや、急にそう言われても、僕としては‥むっ」

畳から腰を浮かせにじり寄ってきた神田さんが、僕の首筋に飛びつき唇を合わせて来た。
僕は急な出来事に固まったまま、この展開はこの先どうすることが正解なのかを思案した。

「先生は何もしなくて結構です。私が調べますのでじっとしていて下さい‥」
神田さんは僕の耳元でそう囁く。

「いや、神田さん‥そういうことでは無いと…おわっ!」
細い身体のどこにそんな力があるのか、僕は神田さんに押し倒された。

「いや、ダメだって。こういうことは愛するもの同士が‥することで…神田さん?」

神田さんは何も言わず僕のズボンに手をかけ股間に滑りこんでしまった。

「神田さん…だからダメだと言っている…」
僕は神田さんの手を押さえたが神田さんの手はすでに求めているものに到達している。

「さっき申し上げたように私には愛情がありますしこれは研究です。遠慮はご無用です。」

こともあろうに僕のズボンを脱がそうとしている神田さんを見た時、中谷君から貰った治験薬を飲んだ昨夜の感覚が蘇り…不覚にも僕のモノはドキンと脈打ってしまった。

僕は慌てて目を逸らし、神田さんを急いで制止した。
「遠慮しているのではない。こういうことはお互いの了承の上に行われるべき行為であって…」

「先生…先生の身体は違う反応を示しています。」
「…いや、まず手を…。男性としてそういう刺激に反応してしまう当然のことで…」

細い指に刺激され、脈が早くなりつつある自分の股間から意識を遠のけようと、かろうじて搾り出した言葉に神田さんの瞳がさらに輝いた。

「反応するのが“当然”なのですね。良かったです。」
そう言うと、神田さんはおもむろに立ちあがってスカートのホックに手をかけた。

「待つんだ神田さん。」
はっきり制止する声に、神田さんが手を止め僕を見降ろして呟いた。

「先生が先日話して下さったドーナツの穴についての考察の答えが私にも出たんです。
ですから先生がなぜ私にあの課題を与えて下さったのかについても理解しました。私の誤解でないなら先生が拒まれる理由は無いと思うのですか?」

「あのテーマを与えた理由については素直に認めよう。君に好意を抱いていることは間違いない。
ただものごとには順序と言うものがあると思っている。」
「ですから私はこうして男女として長くお付き合いをできる相手なのか、身体的相性について予め調べたいとお願いしているのです。」
「全く、君と言う人は…」
有無を言わせない口調。
この頑固さ。
僕は彼女の中に自分の中にある一面を見た気がした…同胞と出会ったような感覚とでも言えば良いのだろうか。
もしかしたら結婚というのはこう言う相手とするものなのかもしれない。
そう言えば信郎君が梅子さんのことを“似た者同士”と言っていたか‥。
157治験について  松岡敏夫 3:2012/11/19(月) 00:37:39.34 ID:SVe4+gIZ
「…神田さんわかった。僕は経験上、どちらも幸せになることが男女が付き合う上で重要だという結論に至っている。
君が僕との相性を研究した上で答えを出したいと言うのならば、僕もその研究に協力しよう。
ただ、その前に少し話しを聞いてくれ。」

僕は彼女と二人で治験薬を試そうと決意した。

「実は先日、ヒポクラテス製薬の中谷君から治験の依頼を受けた。それがこの薬だ。」
僕はこの間受け取ったヒポクラマックスβを神田君に差し出した。

「これは『倒木も起こす』をスローガンに研究開発した男性向けの薬だそうだ。」
「倒木?男性向け?」
「あぁそうだ。この際だからはっきりと言おう。僕は研究が第一でどちらかと言うと性欲が無い。
セックスをしたいかと言えば、特にしたくない、と言うか、セックスの良さが分からないからしたいと思わない。
が、してみないと良さが分からない。ドーナッツの穴の研究と同じだ。」
「あぁ!それであの時!」
「そうだ。あの時はこういった内容だから詳細を話さなかった。職場で交際前の女性に話すことではないと思ったからだ。だが、この状況になれば話しは別だ。神田さん、君…この治験薬の実験をしようと誘う僕に協力するかい?」
「あの…先生、それは私だから治験の協力を頼むと思ってよろしいでしょうか?」

「あぁそうだ。君だからドーナツの穴についても話したし、この治験についても誘っている。」
「はい、喜んで協力します。」
神田さんの目が輝いている。

「よし、では有益な研究結果が出るようお互い最善を尽くそう。」
「はい。」
「ところで、実は昨夜この薬を一人の時に飲んだデータがある。」

僕は昨夜の結果を記したメモを神田さんに渡すと、中谷君から受け取ったヒポクラマックスβをゴクリと飲んだ。

神田さんは時計を見ながら脈診をしたまま、薬を飲んだ時間、体温、脈拍数を今日の日付と共に記入している。

「平常時は記入しましたので、体内に変化を感じたら教えてください。先日の数字と比較します。」
神田さんはいつの間にか鞄から聴診器までとりだしている。
僕は目を閉じて自分に起こる変化を待っていた。

先日一人で飲んでみた時は、脈拍の上昇まで15分だったはずだが…

「いかがですか?」
「あぁ、少し高揚感が出てきたように感じるが脈は速くなってきただろうか?」

「そうですね、少し早くなってきたように感じます。昨夜と条件を整えたデータで比較する必要があるのなら…あの…私は居ない方が良いのでは?」

ドグン!
「いや、良く考えてみたら条件を整えることは最初から不可能だった。君がここに居て、僕たちの関係が変わった時点で昨夜とは全く条件が違う。」

「はっ!そうでした。私の存在が研究の邪魔に…。では今日は失礼致しま っ!」
僕は帰ろうとする神田さんの手をがっちり掴んだ。
「いや、今日を初日として協力してもらおう。記入を頼む、薬効があらわれ始めた。」
「では倒木が…」
神田さんが僕の足元に視線を移した…そこにはズボン越しにもわかる半立ちしたモノがあった。

僕は部屋の奥に行き、押し入れから布団を取り出した。
「神田さん、こっちへ。」
「はい。」
神田さんはメモと鉛筆を片手に布団の脇に立っている。
僕は神田さんのブラウスのボタンを一つずつ外し始めた。
「自分でできます。」
「いや、ボタンを外したいと言う欲求が浮かんでいる。」
「そうですか、ではお願いします。先生の服はどうしますか?」
「僕の服は君に頼もう。」
「わかりました。」
158治験について  松岡敏夫 4:2012/11/19(月) 00:38:26.33 ID:SVe4+gIZ
ドグンッ!
「身体が熱くなってきた。記入は後でにしてくれ。」
「はい。鼓動が早くなっています。」
神田さんが僕の心臓の上に手を重ねて鼓動を触診した。
ドグンッ!!!

僕は身体の底から込み上がってくる熱い欲望のまま、堰を切ったように神田さんの着ていた残りの服を脱がしショーツ一枚になった彼女の唇を貪った。
唇が欲しい。
身体に触れたい。
一人の時とは確実に違う。
相手が居る時の性欲と言うのはこう言うものなのか…

両手で小さな頬を挟んで唇の中に這い進む。
神田さんの細い身体を抱きかかえ占有したい欲求が沸き上がってくる。

「んっ、んっ、はふぅ」
呼吸が続かなくなった神田さんが離した唇から唾液が細い糸を引いたのを感じる。

僕は頬を包んでいた手で細い肩を撫でた。
神田さんの肌は赤ん坊のようにしっとりしている。
小さな乳房…この小さな膨らみが愛しい。
そこに触れたい…ツンと尖った乳首に僕はそっと触れた。

「んっ」

裸電球に照らされ目を瞑ったまま立っている神田さんの身体がビクリとする。
そんな神田さんを見ただけで僕の血流がますます上がるのを実感する。

僕は神田さんの身体を抱きしめ、そっと布団に横たえた。

女性の身体と言うのはこんなに柔らかく、こんなに小さく、肌のぬくもりはこんなに甘美なものだったのか。
これは薬の影響で感じているのことなのだろうか。
薬が無くても同じなのだろうか。

僕は横たわる神田さんの小さな膨らみを掌でそっと包みこんだ。
もう一方の手が彼女の性に触れたくなる。
僕はショーツの中に指を滑り込ませた。

柔らかい下腹のその先にある割れ目をなぞると神田さんから甘い声が上がった。
彼女のそこはしっとりと潤っている。
この割れ目に指を入れると良いのだろう。
僕が人差し指を動かすとグチュリと水音がした。
とても温かい、いや、熱いと言うべきだろうか、この滑らかな指触り、指にまとわりつく液体がとても甘い味がする、そんな気がする。

「んっくっ」
「痛いかい?」
「んはぁ‥いえ…初めてではないので‥」
「以前にも試したことが?」
「はい。」
「そうか。」
僕は彼女が試したいと頑なな態度だった理由が以前に交際したのであろう人間との失敗からくる経験なのだと悟った。

僕は自分の中を駆け上がってくる黒い感情に従い、指をズブリと捻りながら奥まで挿し入れた。
指をくるくると円を描く様に回す。
時折、中にある丘のようなものに指先が当たる。
そのたびに神田さんが声を上げる。
159治験について  松岡敏夫 5:2012/11/19(月) 00:39:25.89 ID:SVe4+gIZ
「あっ、…う、んんっ…」
「良いのだろうか?」
「ううっ‥はい…」
内側をあらゆる角度で擦りあげているうち、水音が一層大きくなる。
丘を突くと声が大きくなるので僕は一点を集中して擦る。
強く弱く、早く遅く。

「うう、んっ、あ、あっ、ああああ…」
「挿れても良いだろうか?」
「はっ‥っい‥」

僕は彼女の足の間に膝を入れると、両脚を掴み僕の脈打つペニスを握りしめた。
昨夜は自分の手の感覚だけで十分官能的な夜だった。

女性の身体の中で…それを想像するだけで血流が増す。

グチュッ‥

僕はメリメリと彼女の中を押し広げて進んで行った。

神田さんは小さなうめき声を上げながら、シーツを強く掴み胸を仰け反らせている。
あぁ…凄い。
自分の掌に包むのとは全く違う感触を味わいながら僕は彼女の一番奥まで辿りついた。
自分一人でする時ならどんどん扱きあげるが、女性器の中は一刻も早く射精したいと言うのとは違う長く留まりたいと思う感情も一方で沸くことを知った。

ゆっくりこすりながら腰を引き、次の瞬間腰を大きく繰り出した。
ドンッ!と行き止まりの扉を押すような感覚‥
「あぁぁぁぁぁ〜〜〜っっっ!!!」
神田さんが叫び声にも似た声を上げた。

僕は腰の動きを止めて神田さんに問いかけた。

「すまない。大丈夫だろうか?」
「いえ。‥先生の大きくて。全部入れようとしないでください。」
「痛いかい?」
「痛いと言うより、苦しくて辛いです。」
「そうか。ならば手加減をするように努力する。」
「お願いします。ただ、苦しいだけではなく、心地よさもありますので誤解しないでください。」
「ではこういうのはどうだろう。」

僕はそう言うと一旦引き抜き、神田さんの身体を僕の上に跨らせた。

「君が苦しくないように加減すると良い。」
「はい。」
神田さんは僕の胸に手を置きながらゆっくりと腰を落として行く。
チュクッとお互いの粘膜が触れた。
滴るほどに濡れていた膣口に僕の亀頭が音を立てて沈む。

神田さんは眉間を寄せ固く目を閉じながら腰を落としきった。

「今度は大丈夫かい?」
僕が聞くと神田さんが目を開いた。
そして楽しそうに切なそうに微笑む…それは病院の中では見たことも無い、始めてみる子供のような無防備な笑顔だった。

きっと自分も今、こんな風に笑っているのだろう。
僕は泣きたくなるようなこみ上げてくる嬉しさを感じていた。
こみ上げてくるこの感情もヒポクラマックスβの影響なのだろうか…

神田さんの膣が僕を抱きしめるように柔らかに絡み付いてくる。
僕は神田さんの腰を掴むとくいくいと前後に動かした。
160治験について  松岡敏夫 6:2012/11/19(月) 00:40:06.37 ID:SVe4+gIZ
「ううっ……」
神田さんがそのわずかな動きに声を上げた。
「先生、動いてもいいですか?」
「あぁ好きなようにするといい。遠慮は要らない。」
「はい…」
答えると同時に神田さんがゆっくりと僕の目の前で上下運動を始めた。

緩やかでリズミカルな動きがペニス全体を擦り上げてくる。
せがむように吸い付いてくる膣壁の感触に僕はは目のくらむような快感を感じる。

「くっ‥あぁ…はっ、あああっ」

神田さんは腰を振る速度をどんどん増して行く。

僕は彼女の小さな乳房の先に尖って揺れている淡い乳首をそっと摘んだ。

「あぁ…!」
神田さんが悲鳴のような声を上げた。
僕はその声に押され胸を鷲掴みにしながらコリコリとした可愛い乳首を指先で捏ね回す。
そして胸を掴んだまま、グンと腰を突き上げた。

「あぁうっ!」
最奥の感触と共に響く嬌声。

目の前にある神田さんが訴えるような切なげな目で僕を見ている。
僕は答えるように更にもう一度腰を突き上げた。

「ぁひゃっ!」
細い首を仰け反らせ、神田さんが僕の上で踊っている。

僕は本能のままにグイグイッと何度も子宮口を目掛けて突き上げる。

「せ‥んせっ、あんっ!」
そう言いながら神田さんも腰を持ち上げては落とす動きを繰り返す。

僕たちは同調した。

ぶちゅっぐちゅと鳴る音が部屋を満たし、僕の腿を温かい液体が濡らして行く。

僕はやはりもっと動きたくなって、彼女の腰抱き動きを静止するよう手で告げた。
そして胸に体重をかけ背中を支えもう一度彼女を横たえた。

僕はツルリと抜けたペニスを彼女の温かい膣にもう一度挿入した。
温かくキツク吸いついて僕を歓迎してくれる。

「っ、せんせい…!」
僕はゆっくり腰を捻りながら捻じ込んで行った。
ゆっくり離れようとすると、行かないでとキツく吸い付いてくる。
奥まで突きあげるのが苦しいと言っていたが、今は彼女自身が飲み込むように僕を求めてくる。

膣内の蠕動がどんどんと小刻みになって来ている。
僕も精巣から射精管へと精子が込み上げてくる。
そしてそれが尿道へと運ばれペニス全体が痙攣し始める。
射精が近そうだ…

「っ、くうっ…!!」
161治験について  松岡敏夫 7 Last:2012/11/19(月) 00:41:56.53 ID:SVe4+gIZ
突然のこととはいえ、避妊具さえ無い状態で膣内に射精する意味を医師の僕は十分知っている。
最後の瞬間、僕は膣からペニスを引き抜き彼女の恥丘の上に射精した。

僕らは二人、折り重なりながら貪るように口を吸い合った。

なんだかんだと言いながら跳ね除けることも抵抗しなかったのも、結局は自分もこの時間を堪能したからだ。

快楽に溺れてしまっただけとしてもしても、お互いの身体が融け合うような心が満たされるようなこの感覚は、一人で排泄行為として自慰をする時とは全く別のものだ。

折り重なり舌を絡ませあいながら僕はそっと身体を抱く手に力を込めた。
鼻を鳴らしながら神田さんも唇と舌を押し付けてくる。

「先生、私と交際して下さい。」
神田さんはそう言うと勢いよく僕の唇に飛びついて来た。

「はい。こちらこそ。よろしくおねがいします。」

僕はパーセンテージを考えることなく笑顔になり、遺伝子を残すための営みだけではない行為をし、神田さんとのこの夜をあっと言う間に過ごした。

理論より実践か…一理ある。

中谷君にはもう少し資料を集めてから結果を報告しよう。

_おわり


松岡のキャラを松岡に近づけるのがとても難しく…
至らない点多くてすみません<(_ _)>
162名無しさん@ピンキー:2012/11/20(火) 02:02:55.87 ID:oGLKZbhC
おお、投下来てるじゃないか!
前にこのカプで苦労してるって言われてた方かな?
しかも他の作品ともコラボしてる?w
神田さんぐいぐい押してるのに松岡受け入れすぎwww
あの2人だから会話にはムードがなかったりするけど、中身はすごく色っぽくてそのギャップが良かった
神田さんのポーっとした顔可愛いよね
それをお父さんみたいに見守る松岡が浮かんでこの2人もなかなかいいなと思えたよ GJです!
163名無しさん@ピンキー:2012/11/20(火) 12:55:03.31 ID:TCcPcW+4
おお〜!!!!
新作だ!
ヒロシの薬使った松岡神田GJ
エライエロいw
ガタイ良い松岡に抱かれる神田は体格差も萌え要素ある!

新作はやっぱりいいねえ
投下ありがとう
気づくの遅れてスマソ
164名無しさん@ピンキー:2012/11/20(火) 14:08:36.95 ID:O/h1WKC4
長編乙乙!

以前松岡が難しいと書いていた職人さんっぽいけど
あれから話しを手直ししてくれたってことなのかな?
GJです!

まさかのヒポクラマックスβ登場でびっくりした
コラボ作品面白い

また投下待ってます
165名無しさん@ピンキー:2012/11/24(土) 01:18:32.65 ID:weqKD4Bx
>>155

なかなか気づかなくて済みません。149です。
続きを書いてくださって、有難うございます!!
凄く嬉しいです!
倒木がいよいよ立ち上がりましたねwww
ガタイが良くて巨根の松岡とチワワのような神田のエチは、萌えますなw
166名無しさん@ピンキー:2012/11/25(日) 00:27:25.39 ID:6n4Elqvj
女性がオリキャラです
オリキャラ気に入らない方はスルーしてください
エロは軽いです
167素顔 1:2012/11/25(日) 00:28:49.08 ID:6n4Elqvj
ソファーで経済論を読む僕のもう一つの手のひらを、女中のまなみが丁寧にマッサージしている。

「坊ちゃま、本日もお疲れのようですね。」
「あぁ、今日も忙しかったからね。」
 
指先を使う小さな作業で凝った筋肉を親指を器用に使って揉みほぐしているまなみは、僕が用意した彼女専用の椅子に浅く腰かけている。  

やはりこの椅子はまなみに似合っている。

「今日は客が多かったようだね。」
「はい、今日はとても盛大なお茶会でいらっしゃいました。」
「そうか。次は出ないと母のご機嫌が悪くなりそうだな。まなみにとばっちりは行かなかったか?」
「心配いただきありがとうございます。奥様はとても楽しそうになさっていらっしゃいました。」
「そうか、ならば良い。仕事が長引いて帰宅時間が遅くなってすまないな。納品が済めば少し落ち付く。少し休みをもらい別荘に行こうと思うのでそのつもりでいなさい。」
「はい。楽しみでござます。」

まなみは口元をほころばせている。

「…まなみ」
 
僕はまなみの目を見ながら膝頭にそっと触れた。
まなみは目を伏せ、それでも僕の左手をマッサージしている。
 
ゆっくりそっと親指で撫でる。
 
スウッと息を吸い、まつげを震わせまなみが僕を見上げ、困ったように首をかしげてほほ笑む。
168素顔 2:2012/11/25(日) 00:31:36.38 ID:6n4Elqvj
そう、これは合図。
 
体をずらし、椅子に浅く腰かけ直した僕は、すっと腕を伸ばし、スカートの中の柔らかい内腿をしっとりと撫で上げる。  

マッサージしていた僕の手のひらを、まなみは目を瞑り肩を強張らせながら両手で握りしめている。

彼女は女中でありながら、僕に妙な虫がつかない為の相手として与えられた<役割>も務めている。

僕の過ごす世界は未だに古い古い時代を継承していることが多い。
仕方のないこともあるが、一方で実に不愉快極まりない。

「坊ちゃま‥」

僕は奥にある暖かく湿った布に辿りついた。
 
「あっ…」  

まなみは視線を下げ眉根を寄せている。

「ベッドへ行こう、今日はこれで休む。」
「はい。」
僕の声にまなみが従う。

表向きは僕付きの女中と主としてこの家の中で過ごしている。

長子に対する彼女の務めについては、代々踏襲されている公然の秘密だ。
この家に務めるものは、起こるすべてのことについて絶対の口外無用を求められる。

僕は幼い頃から乳母に育てられ、幾多の家庭教師についてありとあらゆることを学んできた。

…現在行っている、社会勉強「町工場での修行」が明けたら本格的に経営に加わって行く予定だ。

そして、あの大きな組織を引き継ぎ誰も僕に異論を唱えられなくなった時、僕はまなみを正式に妻として迎える。

「世界のキノシタ」 

そう、僕は木下財閥唯一の跡取り。

明日も蒲田の工場にオールバックと作業着で<キノヤン>として修行に行く。

僕の素姓を知っているのは、安岡家の実に気の良いおかみさんだけだ。
169168:2012/11/25(日) 00:33:17.20 ID:6n4Elqvj
すみません 終りのサイン入れ忘れました。

キノヤンが書きたくて妄想してみましたw
髪を降ろしたキノヤンは御曹司でもまるっきり違和感ないですw
170名無しさん@ピンキー:2012/11/27(火) 01:35:48.03 ID:UAa50aQK
確かにキノヤン、素性が全く分からないもんねw
こう言うのもアリだね!gjでした。
それにしても、おかみさんだけ知ってるのに突っ込むべきか、全く知らされていない父子に突っ込むべきか迷うwww

つい触発されて、自分も書いてしまいました。
しかし、キノ梅ですが、寧ろキノ梅の方はお気をつけ下さいと言うか、済みませんというか……。
どうか笑って許してやってくださいw
171夢 1:2012/11/27(火) 01:37:56.88 ID:UAa50aQK
「もうっ、今月これで2回目ですよ」
クリクリした目をこっちに向けて、梅子が言う。
「軽いからすぐに治るとは思いますけど、気をつけて下さいね」
「はぁい」
小さい子供に諭すような口調が、ぼんやりした頭の中に入ってきて、俺は間の抜けた返事をした。
かわいいなぁ。
白くてスラッとした指で、節ばった俺の指に包帯を巻いてくれる。
触れるたびに、何だかひんやり感じる白い指。白魚ってのは、こういうのを言うんだろうなぁ。
こちとら、蒸し暑くてベタベタしてる上に、ただでさえ機械の油やらで真っ黒に汚れていて、まるで別の生き物みてぇだ。
なのに、あの男ときたら……。
「ちょっと、聞いてますか?木下さん」

名前を呼ばれて、ハッとする。
木下さん、だって。
まだ女学生みたいな顔をした梅子が、ジッと目線を合わせたまま自分の名前を呼んだ。
俺はデレッと伸びてしまった鼻の下を慌てて引き戻し、真顔を作って冷たい手を握り返した。
「梅子先生。いや、……梅子さん」
「はい」
キョトンとまん丸な目をした顔へ、出来る限り格好つけた顔を近づけて言う。
「以前から、お慕い申し上げておりました」
俺が更に顔を近づけると、梅子はパッと横を向く。
「だめよ。いけないわ、木下さん。私には……」
「いいじゃないっすか、梅子さん」
いける。俺は、真っ白な顔に挿した朱の色を見逃さなかった。
強引に口をつけると、思ったとおり梅子は拒まなかった。
冷たい唇を、夢中で吸った。
白粉とか、つけてんのかな。消毒液の匂いの奥に女の香りを感じて、頭がクラクラする。
キンヨクテキに結ばれた髪の横にある、細い首筋にも口を這わせた。
あ、なんて漏らす声までかわいらしい。
あー、畜生!俺だって、俺だって……!
真っ白な白衣を無理やり脱がせると、中から真っ白く透き通る肌が出てくる。
俺はまぶしく光る梅子の体を、真っ黒な診察台へ押し倒し、好きだとか何とか言ってみる。
「…優しくして。……初めてなの…」
なんていう梅子の口を自分の唇でふさぎ、雄雄しく起つ倅をブスリと突き刺すと、真っ赤な鮮血がパッと散った。
固く閉じた梅子の目からポロポロと真珠のような涙が零れ落ちるのも構わず、興奮が勝ってしまい、抜き差しを続けた俺は、
ついに夢にまで見た梅子の中へ欲望をぶちまけてやった。
172夢 2:2012/11/27(火) 01:39:45.20 ID:UAa50aQK
「……あぁーあ。またやっちまった」
俺は自分で汚してしまった右手の包帯を、寝転がり、天井を向こうに見ながら眺めた。
どうしようもねぇな、俺。
抱えていた蕎麦殻の枕を、忌々しく放り投げる。
反動をつけて上半身を起こすと、苦虫を噛み潰したような顔で汚した包帯を取っていき、無造作にゴミ箱へ放り込んだ。
ゴミ箱から少しばかりはみ出た包帯が、こっちを見ているようで舌打ちをする。
だいたい、俺とあの人とは、住む世界が違う。世界どころか、まるで別の生き物みてぇだ。
それなのに、あの男は。幼馴染だかなんだか知らねぇけど、あっさり結婚するだなんて言い出しやがって。
俺は立ち上がると、冷蔵庫からとっておきのビールを取り出し、栓を抜いて瓶のまま口をつけた。
苦い泡が胃の中で広がって、遠慮のないゲップが一人暮らしの部屋の中へ響く。
窓の外は、やたらと濃いオレンジ色で、まだまだ夏の空からはべた付く風がノロノロと入ってくる。
頭に浮かぶのは、梅子の顔か、信郎の顔か。俺はヤケクソのように、ビールをもう一口飲み込んだ。
別の生き物と思っていたから、何も考えずにいたのによ。
あいつでよければ、俺でもいいじぇねぇか。なんて、思っちまう。
昼間にいちゃついていた二人の姿が胃の辺りでムカついているので、さっきよりも大きなゲップで吐き出してやると、
表の喧騒を覗き込むように窓のサッシへ腰を下ろす。
階下の通りには子供の集団やら家族連れやらが、何が楽しいんだか笑いながら歩いてやがって、俺はそれを横目で見つつ再びビールを飲み込んだ。
そう言えば、あの二人は、どういう顔をして子作りするんだろうな。
何日かまえに信郎のヤツが結婚するなんて言い出すから、ついからかって女の抱き方をレクチャーしてやったのを思い出す。
いつもの仏頂面で知ってるなんて言ってたけど、ありゃまだ女を知らねぇな。
玄人相手とは言え、自分の方が信郎よりも先を行っている事に、僅かな優越感を覚える。
しかし、それも最後のビールの泡と共にはじけて消えた。
……むなしい。
俺は空になったビール瓶を抱えたまま湿気た畳の上へゴロリと転がり、瓶に口をつけて一息ボーッと吹いた。

――終――


済まん、木下www
幸せにしてやるどころか、とてつもなく虚しい事になってしまったw
途中からの梅子は、木下の妄想の中の梅子なので、本当の梅子とは少し感じが違います。念の為。
173名無しさん@ピンキー:2012/11/27(火) 19:33:18.14 ID:4KYr8Atg
>>167>>171
両者乙!面白かった

個人的にキノヤンが梅子に惚れる設定でノブの目の前でちょっかいかけて
ノブ激怒みたいな流れを放送で見たかった
あんな可愛い女医がいたら女好きのキノやんは手出しそうだけど
さすがにノブの幼馴染→嫁には手だせなかったのかな
174名無しさん@ピンキー:2012/11/27(火) 19:36:37.86 ID:mC/Wl59I
きのやんの新作がふたつも来てる!
職人さんありがとうありがとう!

きのやんが御曹司とかすごい発想力だし、ノブに嫉妬するきのやんは、スピンオフにありそうな展開でどちらもGJ

もう一度ドラマ見直してきのやんのシーンをチェックしたくなったw
175名無しさん@ピンキー:2012/11/28(水) 00:09:45.13 ID:Bol9PRpd
怒涛のきのやんラッシュ!
お話がコンスタントに投下されてた頃思い出してすごく嬉しい

御曹司きのやんは、中の人の何かのドラマをみての発想かな?
自分にとってきのやんはリーゼントで女に振られ続けるイメージしかなかったので斬新だった

梅子に横恋慕きのやん リアルにありそうww
無理やりシーンに地味に欲情してしまったよ GJ!
176168:2012/11/28(水) 23:14:59.66 ID:8kUgX65l
感想ありがとうございます
御曹司にしようと思ったのは、名字しかないからw
誰かと恋愛関係持つには木下さんで通すか、坊ちゃまかなぁとww

キノ梅GJです!>>171
キノヤンはあのイチャイチャ夫婦の被害者ですなw
177名無しさん@ピンキー:2012/11/30(金) 04:22:35.12 ID:NXNK5eNU
171です。
感想有難うございます。

実は、今まで一度もキノ梅について想像した事がなかったのですが
168さんのお陰で、新しい扉が開けましたwww感謝します!

梅子にちょっかいを出す木下と怒るノブも、確かに楽しそうだねw

さて、お次はノブ梅です。
エッチ成分軽めですが、宜しくお願いします。
178路 1:2012/11/30(金) 04:24:06.81 ID:NXNK5eNU
「行ってきます!!」
太郎の元気な声が響き、幸吉の手がその小さな頭をグシャグシャとなで回す。
「それじゃ親父、お袋、留守中頼むな」
ある秋晴れの土曜日、下村家の玄関前には、よそ行きの服装に身を包んだ梅子たち一家4人と、それを見送る幸吉達の姿があった。
「おうっ、行ってこい」
「気をつけてね」
幸吉と和子が信郎夫婦へそう言うと、梅子がよろしくお願いしますと頭を下げ、傍らに立つ正枝へ心配そうに声をかけた。
「おばあ様……」
「私の事はご心配なく。夜は幸吉さんたちも来てくれるし、明日は久し振りにお友達たちと銀座へ行くの」
正枝は鼻でフフンと笑い、何でもないわという顔をする。
気をつけて行ってらっしゃいと言う正枝と、大きく手を振る幸吉、和子を振り返りながら、4人は家を後にした。

「あれは、傑作だったな」
「もう、そんなに笑わないで」
座敷の上座に腰を下ろして笑う信郎に、象の物まねをしながら走り回る太郎。そして、太郎を見ながら手を叩いて笑う新。
賑やかな3人に囲まれて、梅子は頬をプッと膨らませる。
信郎に催促されて入れたお茶を出し、自分の分を一口含んでから、梅子はお茶請けに用意されていた菓子へ手をつけた。
「あ、これも梅」
パクリと一口食べた後、口に広がる爽やかな梅の味を確かめるように断面を覗き込む。
かじった後の菓子を見ると、やはり元々は梅の形をしていたようだった。
残りの分も口に入れて、熱いお茶で流し込み、ハァッと一つ大きな息をつく。
「まさか、自分が象と同じ名前だとは思わなかったわ」
4人は今、新幹線を見るために小田原の旅館へ来ていた。
初めは日曜日に日帰りで見に行くつもりだったのだが、子供もいるからゆっくりして来いと正枝や幸吉からも勧められ、
先に小田原で一泊する事にした。
土曜日の診療後に簡単な昼食を取ってから出発して、特急こだまで小田原まで着くと旅館へ直行するには少し早く、
小田原城に隣接する動物園へ行き、ウメ子と言う名の象と出会ったのだった。
そして、目が似てるとか、よく食べる所が似てるなどと言って、旅館についてもなおからかわれていた。
「お父さん、象さん大きかったね」
「おお。それにしても、お城に象がいるなんてな」
走り寄ってきた太郎を抱きかかえた信郎が、大げさに驚いた顔をして太郎と同じ目線で話をしている。
梅子は、はいはいで寄ってきた新を抱きかかえると、そんな自分の家族を見回した。
旅館の一室という限られた空間が、いつも以上に家族を一つの固まりのように感じさせる。
その家族が共に笑いあっていられる幸せをひしひしと感じ、梅子は顔をほころばせた。
179路 2:2012/11/30(金) 04:24:50.51 ID:NXNK5eNU
「ふふ。よく寝てる」
「昼間に大騒ぎしたから、疲れたんだろ」
8畳の客室の真ん中に、端から端までみっちりと敷き詰められた4組の布団の上を、子供たちが転げ回るようにして眠っている。
子供たちが起きていた時の賑やかさが嘘のように、客室には静かな時間が訪れた。
梅子と信郎は、窓際にある板張りのスペースに2つ置かれた1人掛けのソファへ、それぞれ座っていた。
「お疲れ様でした」
冷蔵庫から出したビールの栓を抜き、部屋に置かれていた質素なコップへ2人分注ぐと、梅子と信郎は向き合ってそれを傾ける。
「いよいよ明日ね」
梅子はビールを一口飲んだ後、上唇をペロリと舐めて目を細めた。
「ノブの大仕事を見るの、本当に楽しみ」
信郎はコップに口をつけながら上目遣いで梅子を見ていたが、コップを持つ方の腕で口を拭うと、こう言った。
「俺の、じゃねぇ。俺たちの、だ」
え、と言って一瞬キョトンとした梅子へ笑いかけ、ほら、と言うように信郎が視線を向けた先には、太郎と新が寝ている。
「俺一人で手に入れたもんなんか、何もねぇよ」
子供たちが寝ている向こうの壁には、鴨居にハンガーでつるされた信郎の上着と梅子のワンピースが誇らしげに並んでいた。
長いような、短いような、二人で歩いてきた時間が一続きの路のように思い起こされ、思わず目頭が熱くなる。
「自分の手柄だと思って、大威張りで見てやりゃいいんだ」
シンミリとしてしまった梅子へ、信郎がクシャッと笑ってみせるので、梅子も「そお?」と言いながらフフフと笑った。
「あ、そうだ」
突然何かを思い出したように梅子が声を出すと、コップを口へ運ぼうとしていた信郎が驚いて中のビールをこぼしそうになる。
「何だよ」
「ね、ちょっとビール飲むの待ってくれる?」

「そんなに風呂に入りたきゃ、箱根まで足を伸ばしゃよかったな」
「そんな贅沢言えないわよ」
梅子と信郎は、二人で立つのがやっとというくらいの狭い洗面台の前でいそいそと浴衣を脱いでいた。
すぐ横にある風呂場からは、ジャージャーと水の出る音が聞こえてくる。
反対側にある襖の向こうはシンと静まり返っていて、子供たちが起きてくる気配はない。
体をぶつけ合いながらどうにか全部脱ぎ終えて信郎が風呂場の戸を開けると、風呂場全体が湯気で満たされており、
カランから流れ出る湯は浴槽の半分以上まで溜まっていた。
「小せぇな。これ、本当に二人で入れんのか?」
「は…、入ってみなきゃ、分からないわ」
一瞬、あ、と言う顔をした梅子は、すぐに強がって見せると、信郎の背中を押して
客室に備え付けられたおそらく一人用の浴室へと二人で入っていった。
180路 3:2012/11/30(金) 04:25:44.92 ID:NXNK5eNU
「こういう事がやりたかったのよ」
狭い洗い場に大きな信郎を座らせて、残りの更に狭い場所へ膝をついた梅子が、得意げな顔で信郎の背中をこすっていた。
大人しく背中を洗われている信郎も、悪くねぇな、などと言いながら笑い、子供の頃は兄弟3人で背中の流しっこをしていたとかいう
梅子の話に耳を傾けていた。
「さっきだって、男湯と女湯で別れちゃったでしょ。ノブと一緒にお風呂へ入った事がなかったから、二人で入ってみたかったの」
それに、と話の途切れない梅子が桶で湯をすくうと、続く言葉は背中を流す湯の音と同時に聞こえてきた。
「気持ちって、たまには言葉や形にすることも大切だなって思ったの」

信郎一人が入っただけで、湯船から大量の湯が流れ出た。
「これじゃ、二人は無理かしら?」
現実を見て梅子はガッカリしたが、信郎は何でもないと言った風に、平気だろ、と梅子へ手を伸ばす。
「ほら、来いよ。二人で風呂、入りてぇんだろ?」
梅子は信郎の手を取り、信郎の膝へ座るような格好で湯船に身を沈めた。
しかし、やはり狭い風呂のこと。
梅子の胸より上はすっかり湯の上へ出てしまっており、後ろから信郎が露出した肩口へ湯を掛けてやっていた。
信郎の親切を嬉しく感じる一方、求める気持ちも湧き上がってきてしまい、梅子は赤らんだ頬を信郎から逸らす。
そんな気持ちを知ってか知らずか、髪を上に結わき上げ、露になっている梅子のうなじへ信郎が口をつけた。
あ、と声を漏らした梅子が潤んだ瞳で振り返ると、信郎は当然のような顔をして言い放つ。
「普通は、こうなるだろ」
「普通は、こうなるのかしら……」
二人は、風呂場の蒸気で湿り、熱く火照る唇を重ね合わせて、舌と舌とを絡ませる。
梅子の肩へ湯を掛けていた信郎の手が、梅子の腕から体を弄りだし、乳房を揉みしだくと、硬くなった部分が梅子の尻に当たる。
「じゃ…じゃあ、お布団の方に行く?」
慌てて立ち上がる梅子の腰を、座ったままの信郎の手がガシリと掴んだ。
「もう、もたねぇよ」
「ちょ…っと、ノブ……!」
体を支えようと湯船の縁に手をついた梅子は、自然と信郎へ尻を突き出すような格好になってしまい、そこへも信郎は口をつける。
「大きい声出すと、向こうに聞こえちまうぞ」
きっといたずらっ子のような顔をして笑っている信郎の声に釘を刺され、梅子の抗議の声は行き場を失った。
「ばか……っ」
信郎は梅子の中に長い指を差し込むと、反応を見ながら調整でもするように、角度を変えつつ抜き差しを始める。
声が漏れないよう梅子は必死に耐えていたが、信郎に弱点を探り当てられると一気に攻め立てられ、あっと言う間に限界まで追い詰められた。
「お願い…、ノブ…っ!もう……堪忍して…」
朦朧とする意識の中であれこれ姿勢を変えさせられたらしく、信郎の顔にまたがるような格好で、とうとう梅子は気を遣ってしまった。
181路 4:2012/11/30(金) 04:26:43.37 ID:NXNK5eNU
ザバリと立ち上がった信郎が、梅子の尻を自分へ引き寄せるようにして、蕩けきった梅子の中へ背後から自身を突き立てる。
「あぁ…。ノブ……、熱い……!」
熱を持った信郎の中心が、梅子の中を侵食していく。
信郎がもっと自分の奥まで入っていけるよう、梅子は体を差し出すように、信郎へ尻を突き出した。
グラグラと上手く力が入らない梅子の体を支えつつ、信郎は梅子を突き上げながら、揺れる二つの膨らみに手を伸ばす。
後ろから伸びる信郎の手がツンと尖った乳首へ刺激を与えるたびに、子宮がキュッと縮こまる。
締め上げる内部は、自分の中に納まる信郎の形をはっきりと捉える。
体をよじって信郎の方へ顔を向けると、信郎も熱い口付けで応えた。
足元で波を立てる湯の音と、繋がる上下の口からこぼれる水音が狭い浴室内に充満し、耳を犯す。
このまま二人で溶け合って、一つの固まりになってしまいそう。
「梅子……っ」
耳元で、信郎が自分の名前を呼ぶ声を聞く。
真剣に、心の底から発したその言葉からは、口下手な夫の想いが伝わってくる。
「ノブ…ノブ……っ!」
梅子も頂点を目指して信郎の全てを受け入れていると、耳元へ熱い息を漏らしていた信郎の口が思いもよらない言葉を呟いた。
「……愛してる」
「……!!」
突然の、初めて聞く言葉に、梅子の体を電気のような快感が走る。
梅子は自分を支える信郎の腕にしがみつき、信郎からの最後の一突きに後押しされるよう、真っ白に広がる絶頂へ向かって飛び立った。

同じ布団の中へ入ってきて、ニコニコと何時までも笑ったままの梅子に、何だよ、と信郎が言う。
「だって……」
梅子がモジモジとしながら、たまにでも言ってもらえると嬉しいものよ、と応える。
「たまにはな」
もういいだろ、と信郎はぶっきら棒に言って、ゴロリと背中を向けてしまった。
きっと照れている信郎の顔が目に浮かび、梅子はクスリと笑う。
梅子は信郎の広い背中に顔を寄せて後ろから手を回すと、信郎の背中の厚い筋肉が鼻に当たり、幅の広い体は手が回りきらない。
小さい頃に電車ごっこで追った背中は、いつの間にかこんなに広く、頼りがいのある背中になっていた。
きっといつも、私や子供たちのことを守ってくれている背中。
腰の辺りの生地をキュッと掴んだ梅子の手を、信郎は振り向かずに優しく包み込んだ。
どこまでも、この背中について行こう。
そう思って目を伏せる梅子の顔は幸せに満ちていて、連なって横になる家族の姿は、まるで一つの列車のようだった。

――終――
182名無しさん@ピンキー:2012/11/30(金) 23:39:21.91 ID:b7nn3rsJ
ノブ梅新作キター!

バックからの描写がなんともエロい

自分から求めざるを得ないほど高めてくれるノブGJ

萌えたー!
投下乙華麗!
183名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 00:45:43.15 ID:fjsS67uz
ノブ梅新作キテタ!
やっぱ王道だよなぁ…
旅館にお泊り・一緒に入浴の非日常エピで、良い意味でドラマの年代感が薄れてエロが際立った気がするw
いまだに新作生み出してくれる職人さんには本当に感謝してます GJでした!
184名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 01:34:09.43 ID:3IT6vR4C
乙です!

お風呂一緒に入るってエピは旅行とか行かないと無理ですね
新鮮でした
Hするだけなら自分もなんとか描写出来るんだけどw
そこに至るまでの描写を細かく描けるのが職人さんならでは
新幹線観に行く設定で終わりをそれに繋げてるのも流石です
SPの流れを思い浮かべて読むとジーンときますね
ありがとうございました
185名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 02:18:43.31 ID:3m+6bbfe
すみません
癒しのぶ梅の後ですが、キワモノです 

このキャラは初登場じゃないかな?
合意の上での拘束あり 

嫌いな方はスルーして下さい
186名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 02:23:45.65 ID:3m+6bbfe
ギッ 
「くっ…」
ギッ
「…あっ」
ギッ
「‥ぅんっ」

私の動きに合わせロープが擦れる音がする。
彼の持つ紅い色をした蜘蛛の糸が私の体を絡めてゆく。
「雪子の白い肌は紅が本当に映えるね‥」
滑るようにしなやかに、身体には太く紅い蜘蛛の糸がめぐらされ、私はベッドの上に“大”という文字になるよう両手首と両脚首を捕えられていた。

体が震える。
いえ、記憶が蘇り全身が痺れる。
空気が冷たい。
なのに身体が熱い。
「痛くは無いかい?」
私の頬をそっと撫でそう問いかける彼の声は、いつものように優しい。
お互いの良さを求めて行くうち、私たちはここに辿りついた。

「縛られるだけで感じるのは相変わらずだね。雪子」
甘い吐息がかかる鼻先で囁かけられ、私の奥がキュンと締まる。
いつもよりずっと優しく、まるでガラス細工に触れるよう、そっと寝かされているだけなのに眩暈がするほど胸が高鳴る。

一言が一神経を研ぎ澄まし、彼の指先が這った場所はどこも火傷をしたように熱く蕁麻疹のようにむず痒い。
快感と言うのはある程度の速度で昇るから良いのだと、こうして縛られて初めて知った。
長い時間少しずつ与えられる快感は、もどかしくじれったい。
だからこそ、余計に高まり、だからこそ。
目を開いている時では得られない喜び、刺激にだけ集中することで得られる相乗効果。
そっと閉じた目の上に乗せられるスカーフは、シルクの滑らかさと冷たさで私の快感を更に高める。
「シーツにまで垂れてきているよ。雪子は本当にエッチだね。」
自分でもわかっている状態を言葉に出され、心臓がビクンと反応する。
同時に乳首が痛いほど固くなってしまった。
早くここにも触れて欲しい。
痛いほど強く噛んで欲しい。

「ほら…」
彼がピチャピチャと聞こえるように音を立て、触れて欲しい場所をかき混ぜる。
「あっ、ああぁ!んっっ!!」
ギシッ
腕に力を込めても、足を閉じようとしても紅く太い糸が捕えて離さない。
紅い蜘蛛の巣の中で、私は彼によってじっくり捕食されてゆく。

自分でもわかるほど溢れている蜜を、彼の指が掬い取る。
それをたっぷり塗られ、奥に閉じ込めてある一番敏感な粒を皮ごとヌルヌルと捏ねる。
日本の指でゆっくりと撫で上げ、指先でキュッと摘まれる。
「んあぁ!んっ!!はふっ…」
片手で広げられ、指先で更に奥にある真珠の粒を露にされる。
空気が冷たい‥
グチュッヌチャックチュクチュッ
「ああんっ!ああぁー!んっっ!!」
グチュッヌチャックチュクチュッ
ギッギッギッ
「ダメ!ああっ!ダメッ!んんんんっ!!」

手を閉じたくても、脚を閉じたくても許されないもどかしさ。
脚を閉じればこの駆け巡る嵐のような快感から解放されるのに‥私には自由が無い。
この永遠の快感‥これがイイ。
グチッヌチッピチャピチャッ
「あんっ!ああぁんっ!んーーーーっ!!」
187名無しさん@ピンキー:2012/12/02(日) 02:24:46.55 ID:3m+6bbfe
グチュッヌチャックチュクチュッ‥

私は自分の心が求めるまま、腰を左右にひねり、彼にモットを要求する。
彼は敏感な粒から手を離すと、紅く太い蜘蛛の糸から両脚だけを解放した。
私は脚を閉じるといつでもイキそうな程に痺れている粒が、勝手にイかないようそっと脚を恥じらうような幅まで合わせて行く。

「っ!?」
足の拘束を解いた彼は私の両足を肩に担ぎ、顔を深く埋めると真珠の小さな粒を吸い上げた。

「っーーーー!!!!」
ペロリと舐められ、ジュルリと吸われ、フッと息を吹きかけられただけで、彼の頭を両脚で挟み腰を上げて私は達してしまった。
「今日もいい声だ」
全身を震わせ荒い息で喘ぐ私に休む暇もくれず、彼の舌は深い所を目指し更に侵入してくる。
一度達した後の、舌がかき回す爆発的な感覚から逃れようと、腰を動かし足をばたつかせても彼は腰を掴んでびくともせず、私のことを捕えて決して離さない。

…もうそれ以上はダメ‥おかしくなる‥望んでいることだけど‥うぅうううう゛
鼻先で擦られ舌で舐められ4度目の時に意識が飛んだ。

「雪子、大丈夫?明日は一日眠ると良い。子ども達の世話も家事も僕がするから安心をし。」
優しく頬を撫でられ呼び戻されて目を開いた。

「だからね、今夜は何度でもイッて良いよ…」
私は親同士の話し合いで政略結婚のように夫と結婚した。
でも彼は私を気に入り、とても大切にいつでも優しく愛してくれる。
私も彼を愛している。
運命の紅い糸が結ぶ縁があるなら、こういうことを言うのだろうと思う。
それほど彼との暮らしは全てがマッチしているのだから‥

「…ね。もう入れて‥中であなたを感じたいの‥」
彼に頼んだ。
両手を繋がれたまま、まだ下半身は心臓が移動したように熱く脈打っている。
…待ち望んでいた夫のいきり立つ熱いものが入ってくる。

「はうっ!あぁぁっ!!」
ギッ
身体を反らせた反動で腕のロープが更に食い込む。

「俺のものだ…この白い肌もこの跡も。愛してる雪子、愛してる。」
「あぁ、あぁ、はぁっ…くっ、んん…っ」
彼の刻むリズムは熱を帯び一層激しくなる。
ギッギッギッギッ
ロープが軋む音がその動きを追う。

「はぁぁーーーっふぅうううーーっ」
私は全身が震え痙攣しているように昇り詰めて行く。

彼の動きが激しさを増す。
あ、あ、もう……
「…………!」

全身を貫く痺れるような感覚。
私は声にならない絶頂を迎え、同時に私は体内にドグンドグンと脈打つ温かい夫の体温を感じた。

夫が私から蜘蛛の糸を取り去り、私は小さな子供のように彼の腕の中に抱えられた。

「綺麗だ」
「あなたがそうしてくれるの。」
「そう言ってくれると嬉しいよ、雪子。ゆっくり眠るといい。」
「ええあなたも。おやすみなさい。」
--おわり--
188名無しさん@ピンキー:2012/12/04(火) 06:15:49.68 ID:o592V0Vk
投下来てる!
雪子の本格エロパロって初めてだよね 
おっとりした外見と反する気の強さが魅力だったけどM女化に最適な人材だったとは!
赤い糸が鮮やかにイメージされていやらしくかつ美しかったです 
意外な人物のエロパロもいいなぁ〜

途中まで相手がわからずハラハラしながら勝手に妄想を広げたのでそれも書かせてもらうと
実は相手は伊藤で離婚も雪子とのことがバレたのが原因
帝都大病院に現れた伊藤はさらに弥生をロックオンし、全てわかってる読者が「逃げてー逃げてー」状態になるのも楽しいかもw
189名無しさん@ピンキー:2012/12/04(火) 22:58:11.58 ID:rU5nQmAr
GJ!
実は自分も最初、相手は伊藤さんだと思ってたw
なんかあの人「夜はすごいんです」という印象を勝手に持っている
性癖が合わず離婚とかありそうw
190168:2012/12/05(水) 00:43:11.40 ID:HwyXhJkn
すっすみません

確かに伊藤にすれば面白かったですねー!
北極の滝に打たれてきます

雪の白と紅い縄ってとこが浮かんでもう一気にががーっとw

お詫びにノブ梅を一つ投下しておきます。
191名無しさん@ピンキー:2012/12/05(水) 00:45:01.92 ID:HwyXhJkn
あ。やってもーたw
192ノブったら 1:2012/12/05(水) 00:47:34.40 ID:HwyXhJkn
ぐちゅ…ぴちゃっ‥じゅるる…

いつもこの音を聞くたび恥ずかしい‥
私の立てる音、ノブが立てる音‥

うっとりと私の乳首を頬張るノブが与えてくれる喜びに息を上げるしかない私を見上げ
ノブはいつも優しく鎖骨辺りをトントンとイイコイイコしてくれる‥

恥ずかしい・・・いつまで経っても慣れないこの音‥でも辞めないでねノブ…

胸を離れたノブが優しく熱い目で真上から私を見下ろしているわ‥
私の旦那さんはなんてかっこいいんだろう‥

隣の部屋の子ども達に聞こえないように、またノブが小さな声で呟いているわ‥

「梅子‥我慢しないでもっと聞かせて」
恥ずかしくて手のひらで顔を覆った私を見下ろしたノブがひとつ溜息をついた‥

「ふぅ。これだからなぁ‥」
呆れたような声色は優しいけれど、そう言った時のノブがどうなるのか
長い付き合いの私は知っているわ‥

「そうやってる時の梅子がどんだけ可愛いかお前気付いてないよな。」
ノブはそう言うと大きな手で私の身体のラインをこうして撫で
いつものように濡れたソコにたどり着いて‥

ヌチュ‥クチュッ
「んっ・・・!」
ほら‥私の身体はビクンビクンと跳ねてしまうの‥

「ほらどんどん溢れてくるよ梅子…」
ピチャ‥グチュッ‥グチュッ‥

「んっ、はぁぁっ‥っぅはあぁ‥」
入り口で弄んでいたノブの長い指先が、中に向かって絡みながら‥まるでネジのように入って来るわ‥
どこをどうすれば私が声を上げるのか、ノブは知り尽くしている‥
いつものように知りつくした手が、私の背中を何度も跳ね上げる
「はぁん、んんんっ、ふぅぅっぅん・・・っ、あっ!」
くちゅっ ぐちゅ・・ぐちゅ、くちゅくちゅ

3本の長い指は自在に動いてそこかしこをかき混ぜる‥
私は自分を見失いそうで怖くなるのよノブ‥

「梅子、凄い。締まって指が食いちぎられそうだ。」

背の高いノブは私の身体の上を自在に動き回り、一番敏感な所を舐めていたかと思うと、一瞬で耳元へ囁きに訪れる‥こんな風に‥

「いつでもお前が欲しい。お前は?お前はいつも俺が欲しいか?」

頬や耳にキスを降らせながらノブが今日も甘えているわ‥
痛いほど勃っている乳首を摘まれて甘い痛みと強い快感が全身を貫く‥
「あんっ、はうん!っ‥わからないの?」

手足の力が抜ける代わりに全ての神経がノブから伝わる快感に集中しているって言うのに…
これほどなのに‥ノブに伝わって無いのかな…

「わからねぇよ。はっきり言わなきゃわからねぇ‥」
「ぅうっん‥」

親指一本で私の乳首を左右に弾き続けるノブ‥
193ノブったら 2:2012/12/05(水) 00:48:39.77 ID:HwyXhJkn
「はっきりなんて…んんっ‥恥ずか‥し‥っいわ‥」
「聞きてぇんだ、どうなのかをさ。」

胸から伝わる電流で痺れて私は金縛りにあったように指一本さえ動かすことができないと言うのに‥
これ以上どんな言葉が言えると言うんだろう‥
「ぁあぁぁん」
ヌチュッ

私が立てる水音とノブが出させる私の吐息が、静まり返った部屋にずっと響く‥
ノブの嬉しそうな笑む吐息が耳許でくすぐったい‥

「あっ…ぅんっはあっ、あっ‥」

首筋を唇でくすぐられ、左手で乳首を摘まれ、右手は水音を立てる秘所を弄んでいる‥
太股には固いモノがノブの熱を伝えてくる‥

「聞いてくれたら‥答えるから…だから‥んっ!はぁ‥」
私はやっとそれだけを伝えたけど‥
ノブがいつもあんなに…あんな風に言うなんてできっこないわ‥

だって…ノブの手は、唇は、固いモノは、私から言葉を奪って声にならない声しか上げさせてくれないじゃない‥

「どこがイイ?」

耳もとで囁き首筋にキスの雨を降らし続けるノブ‥
左手が胸や脇腹、お臍の辺りを優しく這っているわ。

内腿を撫で上げた指先は入り口で遊びさっきからもっと激しく水音を立てている‥

ノブ‥ノブ‥スゴクキモチイイ‥ソコ…ソコガイイ…オカシクナリソウナホド‥
「ふぅぅんんっはぁぁっんんんっうぅぅぅっ」

「梅子?ん?」
子供に聞くような優しい声が聞こえる‥

「んんっああんっ」
胸が‥胸がドキドキする‥

「そこ。今のトコ。ノブ‥ノブ‥すごく‥んんっ‥気持ちいいよ。あんっ‥おかしくなりそうな程‥」

「ここか?こういうのはどうだ?」
ノブは入れた指を私の中で折るように、今度は広げるように中をかき回している

「ぁぁっ!んんんっ!」

まるで新幹線の部品を作っている時みたいに、ノブは私のことも思考錯誤を繰り返す‥

ヤメナイデ‥モット‥

「梅子‥今ちょっと面白いもんを作ってるんだ。今度出来上がったら試させてもらうから協力してくれよな。」

ノブッタラ‥ナニヲイッテイルノ?

「あああんっ!!」

――終――
194ノブったら:2012/12/05(水) 00:49:42.51 ID:HwyXhJkn
ノブったら一体何を作ってるんでしょうww
195名無しさん@ピンキー:2012/12/05(水) 06:16:27.56 ID:fRxS+8BL
す、すごいテンポで新作が…嬉しいです!

翻弄される梅子に翻弄するノブ、いいですねぇ
ここのスレのおかげですっかりノブはテクニシャンで絶倫なイメージになってるw
(やらしい問いつめももちろんセットでw)
試作品を試され身悶える梅子と完成に向けて改良を重ね続けるノブをまたよろしくお願いしますww

それと雪子ssですが伊藤案はネタとして書いたつもりでした汗
物語としては雪子の相手が結婚相手で正解だったと思います
伊藤なら雪子は日陰の身決定で苦い後味になったはず
退廃的なのに幸せも感じられる絶妙なさじ加減にあらためてGJ!
196194:2012/12/09(日) 16:51:31.20 ID:wXH2hlaJ
感想ありがとうございます!

ノブは手先器用だし、職人気質でのめり込んだらあれこれ工夫して常に最高を目指すだろうしw

続き書けたらまた落としますノシ
197名無しさん@ピンキー:2012/12/11(火) 17:01:56.49 ID:rE+xcHUS
久しぶりに来れたら新作来てた〜!ありがとう!

ノブ梅は太郎と新と一緒だとちゃんと夫婦に見えるのに二人きりだと途端に付き合ったばかりの初々しいカップルに見えるのが萌えるw
SPの後半を観てそう思った
198名無しさん@ピンキー:2012/12/13(木) 15:01:49.66 ID:/X0zjIiG
ずっと迷子でした
今から全部読ませてもらいます!職人さんありがとう!
199名無しさん@ピンキー:2012/12/13(木) 16:35:06.60 ID:r644bs3p
>>198
おかえりなさい!
到着祝いにひとつ投下

オリキャラ登場で、パラレルな世界だと思って下さい
作品設定から離れるのを嫌な方はスルーして下さいな

エロはありません
幸せにしてあげたかったので書いてみました
200名無しさん@ピンキー:2012/12/13(木) 16:39:10.12 ID:r644bs3p
コトン… 僕はポストに1通の封筒を投函した。

「ヒロ君、待った?」
「いや大丈夫だよ。行こうか。」
僕らは待ち合わせて仲人の家に向かおうとしていた。

「梅子さん、仕事はちゃんと休める?」

「ええ、大丈夫よ。友達が私の休む間は引き受けてくれるそうよ。お土産催促されたけど。ふふ‥ヒロ君、梅ちゃん先生にはお手紙書いたの?」

「あぁ、さっき投函したよ。」

「会ってみたいなぁ〜。私と同じ名前の梅ちゃん先生に!
あの時、私を呼ぶ声にヒロ君が振り返っていなかったら、私たち出会ってなかったのよね。梅ちゃん先生に私も感謝しなくちゃ!でしょ!?」

「あぁ、そうだね。着いたよ、ここだ。」

『拝啓 梅ちゃん先生

桜の花も散り、新緑がまぶしい季節が訪れております。御無沙汰致しております。お元気でいらっしゃいますでしょうか。
御挨拶もしないまま、私は転勤で大阪に来てから2年もの時が過ぎました。

過日は美味しいおはぎを本当にありがとうございました。
おはぎの味が嬉しかったのは、甘いだけではなく、梅ちゃん先生が私を思ってくださった気持が多く込められているからだと感謝いたしております。
お母さまにもよろしくお伝えください。

あの頃の私は本当に未熟でした。
私を救ってくれた医療で私も誰かを救いたいと思いながらも、上手くいかないことに焦りを感じ必死でした。

私は梅ちゃん先生が話してくださった<生きていればきっと良いことがある>と言う言葉に支えられここまで懸命に生きてきました。
良いことなんて無いじゃないかと、どこかで世の中を恨み先生に感謝しながらも生きていることを苦しく思って居ました。

倒れた時、生にいただいたおはぎは優しい味でした。
子どもの頃、お世話になった先生の家の味を思い出しました。
だからこそ私は子どもの頃のような気持で一から出直そうと、新天地大阪への異動を願い出ました。

新しい土地で私は生きていること、健康に食事ができることの幸せに満たされながら仕事を続けています。

突然ですが、この度大阪で出会った女性と結婚することになりました。
偶然ですが相手の名前は梅子さんと言います。

空襲で家族を失った私に家族ができます。
生きてきて良かったと心からそう思います。
梅ちゃん先生のお陰です。
本当にありがとうございました。

9月、東京出張に参る予定がありますので必ず御挨拶に伺います。

敬具

中谷広志』

--おわり--
201名無しさん@ピンキー:2012/12/18(火) 21:34:33.98 ID:GrxjTBzE
保守age
202名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 18:19:01.13 ID:MvgfywMA
しばらく来てなかったけど新作にすごくテンション上がった!
気になってた広志のその後が映画のラストシーンみたいに描かれててジーンとしたよ
細々とでもいいからこんな風に梅ちゃん先生の世界がssによって続いていくといいなぁ…
203名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 22:38:33.67 ID:tLzhbv/i
CMの梅子と光男がまるでノブに内緒で不倫してるかのようでドキドキしたw
遠くから撮ってるシーンとかキスしてるようにしか見えなかったw
204名無しさん@ピンキー:2012/12/21(金) 22:53:44.03 ID:iW/EyXIe
広志は色々な意味で一番スペシャルに出て欲しかったなぁ
ここで幸せな結末を観れた気がするよ、ありがとう

そして、自分は信梅の投下を。
ひさしぶりなので御手柔らかに願いますw

スペシャル後編の仲直りの後です
205信郎×梅子 1:2012/12/21(金) 22:55:55.80 ID:iW/EyXIe
すっかり眠りに就いた太郎と新を見つめながら、梅子は穏やかに微笑んだ。
新と並んで夢の世界の住人となっている太郎が、ここ数日妙に聞き分けが良かったことを思い出して、梅子は一人溜め息を吐いた。
きっと、子供なりに感じることが有ったのだろう。
可哀想なことをしてしまった。
「ごめんね…」
きっと、明日起きたら安心して笑ってくれるだろう。

「二人とも寝たのか」
風呂から上がってきた信郎は、二人の息子を見ると目を細めた。

「うん」

起こさないように二人の息子の小さな頭を撫でる信郎の表情はこの上なく穏やかで、梅子は気付かれないように笑みを深める。
こんなに良い父親になるなんて、想像出来なかった。
大体にして、自分達が母となり父となる等、想像さえしたこともなかったから、それも当たり前なのかも知れない。
昔から、ぶっきらぼうでも面倒見は良かったから。
そんな信郎にくっついているのが、幼い梅子には楽しかった。

「ノブ」

お父さん、と子供達の前で呼ぶのも慣れたのに、未だに子供の頃からの呼び名の方が自然な気がするのは、きっとノブも同じなのだろう。

「なんだ?」

子供達から梅子へと視線を向けた信郎を見つめ返す。
あんなに悩んでいたのが嘘のように、自然に言葉を交わせることが嬉しかった。

「ありがとう」

伝えたいことが沢山ありすぎて、結局はそれしか出てこなかった。
信郎に不器用だと言った自分も、相当に不器用な人間らしい。

「おう」

それでも、嬉しそうに笑ってくれた信郎には、伝わったのだろう。
206信郎×梅子 2:2012/12/21(金) 23:00:30.76 ID:iW/EyXIe
見つめあう二人の距離が自然と縮まって、信郎の手が梅子の頬に触れた。
その手に導かれるように目を閉じると、信郎の唇がそっと重なる。
ただ重ねただけで、どんどん鼓動が早まり、信郎が触れる唇と頬が熱を持ったように熱い。

唇を離した二人は、堪らずに笑いあった。

「…何だろうな」
「…何なのかしらね」

数え切れない程交わしてきた口付けも、まるで初めてのような恥じらいと緊張が二人を包む。
まるで、何もかも全てが初めてで、手探りだったあの頃に戻ったようだった。

「初めての時みたい…」

ただ唇同士を重ね合わせただけの、信郎との初めてのキス。
それだけで、梅子は蕩けてしまいそうな気持ちになって。
キスという行為自体にも、そんな自分のことも恥ずかしくて、暫くはまともに信郎と話すことも出来なかった。
そんな自分の姿を思い出して、梅子は小さく笑う。

「なんだよ」
「何でもない」

そんな梅子を見て不思議そうに首を傾げる信郎を、梅子は穏やかな表情で見つめる。
そうやって初めてを積み重ねて、私たちは今ここに向き合っていられる。

「ノブ…」
「ん?」

鼻の奥がツンとするのを感じた梅子は、信郎の胸に顔を埋めた。

「好きよ…」

声が震えるのは、泣きそうだからじゃない。緊張しているからだ。
207信郎×梅子 3:2012/12/21(金) 23:03:56.88 ID:iW/EyXIe
「梅子」

ノブはきっと気付いている。
それでも、何も聞かずにただ抱き締めてくれる。
温かい体温と、微かな工業用油の匂い。
前に、信郎が梅子は消毒液の匂いがすると言っていたのを思い出した。

「俺も…愛してる」

多分、私の想いを全て分かっている訳では無いのだろう。
それでも、一番欲しい言葉を、必要な時に必ずくれる彼が好きだ。

「ノブが側に居てくれると…嬉しい」

まだ、信郎への気持ちを意識し始めた頃、姉兄にそう言ったことが有った。
あの時の自分とは、きっと違う。
嫉妬したり、ちょっとしたことで不安になったり。
こんなにも、この人を愛してるー…

信郎の浴衣の袖を引っ張ると、それに気付いた信郎が梅子の顔を覗き込む。
近くなった距離に、今度は梅子からキスをすると、それを合図に何度も繰り返される行為に、やっと距離感が元に戻ったように梅子は感じた。
長い口付けが終わると、梅子は満たされた気分で信郎の胸に頬を寄せた。
208名無しさん@ピンキー:2012/12/21(金) 23:05:23.05 ID:iW/EyXIe
以上です。お付き合い頂きありがとうございました。
209名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 02:39:56.13 ID:HmB68HMA
光梅CMはこんなもの全国区で流していいのかと思いながら身悶えてたよ〜

そして久々のノブ梅!
「好きよ…」の言葉が胸にしみじみ来た
しっとりしたキスも抱擁もホントあの2人には似合うんだよなぁ…
やっぱりノブ梅はいいなぁと再確認させてもらいました GJ!

最近梅ちゃん先生が懐かしくなってアレコレ漁ってたら前に書いたお話が出てきたので自分も投下していきます
きのやんssに触発されて作ったもののちょっと悪ノリかもと投下を見送ってた
賑やかしになればいいけど
210もう一つの顔1:2012/12/22(土) 02:43:35.72 ID:HmB68HMA
夜遅くに往診に呼び出された梅子は、所々点る街灯に照らされた道を足早に、帰宅の徒についていた。
ふと…人の気配を感じる。

「ねぇ…もう帰っちゃうの?」
「悪いな、明日は朝が早いんだ」

少し先の電柱の影に隠れて、親しげな男女が何やらイチャつき合っていた。

『こんな時間に往来なんかでベタベタするなんて…日本人として恥ずべきことだわ!』

男女の付き合いに関してはそれなりに古風な考えを持つ梅子は、今時の若者の行動に眉を寄せる。

「もうちょっとだけでいいから、一緒に居てよぉ…」

すがる女に、男が慣れた仕草でキスをした。
梅子がその光景から目を離せずにいると、
触れるだけかと思ったその口づけはやがて深くなり、遠目にも舌を絡ませあっているのがわかってしまった。
真っ赤になって、梅子は足を早める。そ知らぬ顔をして、さっさと通り過ぎねば!

「いい子だ…」

女の頬に手を当て、甘く囁く男の声に、梅子は違和感を感じた。
あの声、どこかで…。

2人の真横を駆け抜けようとして、梅子は思わず隣の様子をうかがってしまった。
うつむく女にぴったり体を密着させ、耳元で「また、イイコトしような?」などと艶っぽく囁いている男の顔を見て、
梅子は思わずその者の名を呟いてしまう。

「き…のした、さん…」

その瞬間ぱっと顔を上げた木下と、梅子の視線が合う。
一瞬ぎょっとした顔になりながらも、しかしすぐ諦めたように、伊達男めいた歪んだ笑顔を木下は梅子に向けた。

「じゃ、な」

抱き寄せていた女の頭をぽんぽんと撫で、梅子とは逆側にくるりと女の体を向け背を押すと、
女は照れくさそうに笑いながら「またね」と木下に告げ、そのまま駆けていった。
211もう一つの顔2:2012/12/22(土) 02:48:37.34 ID:HmB68HMA
しばらく気まずい沈黙が流れる。

「往診?」

少し間を空けてから、梅子は自分が問いかけられていることに気付く。

「えっ?…ええ」

まだ事態がつかめず、ドキドキする心臓を抱えながら、梅子が肯定する。

「まいったなぁ…こんな時間に、知り合いが外をうろついてるなんて思いもしなかった」

そう言いながら、木下が歩き出す。
帰り道が同じ方向のため、梅子も共に進むしかない。

「…か、彼女ができたんですか?」

あまり個人的なことに立ち入ってはいけないかもしれないと思いつつも、梅子は聞かずにいられなかった。

「彼女って言うか…大人の割り切った付き合いって言うか…」

いつもの開けっぴろげな物言いとは違う、色気さえ感じさせる低い声音で木下が答える。

「大人の…」

意味が今一つつかめないながらも、梅子はそれ以上そこに突っ込んではいけないような気がした。

「きっ、木下さんったら、もてないみたいなこと言ってて、案外いい人いるんじゃないですか。
 言ってくれればいいのに…」

いつもの木下との会話に戻そうと、努めて明るく言う梅子だが、男の方に顔を向けることがなぜかができない。
今日の木下は、自分の知っている木下とはどこか違う
ちょっと気が短くて、情けないところもあって、でも、安岡のお父さんや信郎への恩義も忘れない、本当は律儀で熱い男。
それが梅子の知る木下だった。
しかし、今隣にいる男は、世にすれ、簡単に女性のことも捨ててしまいそうな、どこか危うい雰囲気を醸し出している。

「言っただろ、大人の付き合いで、紹介できるような間柄じゃないって」

いつもよりずっと距離の近い木下の口調にとまどい、梅子はそれ以上言葉を続けることができない。
ふいに、木下の体が近づいたかと思うと、あまりに自然に肩を抱かれた。

「こんな遅くに呼び出されるなんて、医者って仕事も大変だよな…」

肩の手が移動し、くすぐるように首筋を撫でられて、一瞬梅子の体に電流が走る。
密着している木下の体からは、外国の酒の匂いと、若い男特有のフェロモンのような、頭の奥をしびれさせる独特の香りがした。

「…あんまり、無理すんなよ?」

ぐっと顔を近づけられ、片側だけ口の端を吊り上げたニヒルな笑顔を見せられて、梅子の胸がドキンッとはねる。
顔を寄せたまま、木下は秘め事を囁くように声を落とす。

「…なぁ…ちゃんと信郎さんに可愛がってもらってんのか?なんなら俺が…」

いつの間にか首の後ろに回されていた手に、さらに顔を引き寄せられる。
すぐ目の前に木下の顔があった。
…木下はなかなかに甘いマスクをしていたのだ…と、今頃になって梅子は気付く。
男の唇から艶っぽく漏れる息が、梅子の唇にかかる。そして、その唇がさらに近づいて…。
信郎以外の男性からの、梅子にとっては初めての口づけを、今まさに受けようとしていた、その時。
212もう一つの顔3:2012/12/22(土) 02:51:53.73 ID:HmB68HMA
「おーい、梅子かぁ〜?」

急に遠くから自分の名を呼ばれて、梅子はハッと後ろを振り返った。
少し先の街灯に照らされて、ポケットに手を突っ込んでプラプラとこちらへ歩いてくる夫の姿が見えた。

「ん?きのやんじゃねぇか」

信郎の言及に梅子はドキッとするが、
回されていた手はすでにやんわりと下ろされ、木下との間には適度な距離が保たれていた。

「なんだ、きのやんが付いててくれたんなら、俺が来る必要なかったなー」

夫ののん気な言葉に、今頃梅子の胸に申し訳なさが湧き上がってくる。
恐々と隣の木下を見上げると、表面上はにこやかな笑顔を浮かべてはいるが、目の底に怪しい光を宿している気がして、思わず体がすくんでしまった。

「旦那さんが来たんなら、俺はお役ゴメンかな。じゃ」

立ち去ろうとする木下に梅子がホッとしたのもつかの間、悪戯めいた手にするりと腰の裏を撫ぜられる。

「んんっ」

梅子の咽喉から色っぽく漏れてしまう息。

「どした?どっか痛ぇのか?」

何も知らない夫の言葉に、ただひたすらに自分を恥じ、赤くなった顔でうつむくしかない梅子だった。
213もう一つの顔4:2012/12/22(土) 02:58:59.16 ID:HmB68HMA
<後日談>

「お〜い、ちょっと診てやってくれよ」

昼休みに、珍しく夫が医院に顔を出した。
肩を押されて一緒に入ってきたのは…。

「すんません、ただの二日酔いなんっすけど…」

あの、木下だった。

「珍しいよな、きのやんがここまで前の日の酒をひきずるの」
「俺、外国の酒に弱いみたいなんすよ。飲んだ日の記憶もいつもなくなっちまうし…」
「高い酒は体に合わないってか?」
「ははは、安上がりな体で良かったんすかねぇ」

「…昨日、私に会ったのは?」

思わず梅子が尋ねると、

「え?梅子さんと…??」
「ああ、きのやん、往診に行った梅子を送ってくれたよな」
「そうでしたっけ?」
「俺とも会っただろ?」
「??」

木下は本当に覚えていないらしい。

「けど、俺、結構遅くまで飲んでたはずですよ?
 仕事とはいえ、女性がそんな時間に出歩くのって、危なくないんっすか」
昨日の言動を忘れ去り、真顔でそう問う木下に、

「ええ、夜はどんなオオカミに出会うか解らないって身にしみてわかったから、今後は気をつけるつもりです!!」

梅子の突然の大声に、信郎と木下はポカンと口を開ける。
214もう一つの顔5:2012/12/22(土) 03:02:03.45 ID:HmB68HMA
「えっと…そだ、二日酔いの薬」
「あ、いや、もういいっすから」

場を取り繕おうとする信郎の袖を、木下が懸命に引っ張る。
梅子の不穏な空気を察し、木下は完全に及び腰になっていた。
そんな木下を梅子がジロリと睨む。
更に身を縮める木下。

気休め程度にしかならない薬を渡して、梅子は2人を診察室から追い出した。

工場へ戻る道すがら、木下が情けない声を出す。

「俺、梅子さんになんか悪いことしたのかなぁ…?」
「いやいや、昨日遅かったから寝不足で機嫌が悪いだけだって。
 それより、きのやん、洋酒なんて、昨日どこで飲んだんだよ?」
「あ、ちょっと通りを外れたとこに安く出す店見つけたんですよ。
 信郎さんも、今度行きますか?」
「おお〜、行く行く!」

一方、男共のそんな会話も露知らずの梅子は…。

「…あの時はちょっとカッコイイな、なんて思ったのに…あんなにビクビクしちゃって!
 でも、よかったのよね、木下さんにドキドキするなんて、私がどうかしてたんだわ。
 やっぱり、私にはノブが一番!
 一瞬とはいえ、他の男性に揺れたりして、ごめんね、ノブ…」

今日(の夜)はとことん信郎に優しくし、要求があるならなんでも聞いてやろう、と、
浮気をした男そのままの罪滅ぼしを考えてしまう梅子であった。
215もう一つの顔6:2012/12/22(土) 03:05:41.54 ID:HmB68HMA
<そのまた後日談>

やっと診察が終わり医院を出たところで、弥生は声をかけられた。

「…今帰りですか?」
「あら、信郎さん。ええ、今日は患者さんが多くて、こんな時間に…」
「いつも梅子のためにすいません」

軽く頭を下げてから弥生に顔を向けた信郎の口元で、白い歯がキラリと光った。
映画俳優のような堂にいったその笑顔に、弥生は戸惑う。

「もう遅いし、送っていきますよ」

自然な仕草で信郎に背中を押された。
普段男性との接触などほとんどない弥生は、その手の温もりにドキリとする。

「あ、あの…」

距離の近さに身を硬くしながら、弥生は信郎の体から微かに酒の香りが漂よってくることに気付いた。

「信郎さん、酔ってます?」
「ウチの木下と少し飲みに行った帰りなんです。
 ……いつか弥生さんとも行けたらいいな」

背中にあったはずの手がいつの間にやら伸びて、弥生は信郎の腕に包むように抱き寄せられていた。
甘い言葉をささやき、女を金づるにしてしまう男が世の中にはいると言うが、
今日の信郎はまるで…。

「もちろん…梅子には内緒で」

そう耳元に囁かれ、弥生はゴクリと咽喉を鳴らす。
強烈な魅力を放つ悪魔の誘惑に、弥生はこくりと頷くしかなかった。


もちろんさらなる後日談で信郎の記憶がなくなっていることが判明。
やっぱり自分には山倉しかいないと弥生も再確認し、その後ほんのちょっぴりだけ山倉に優しくなりましたとさ。

めでたし、めでたし…?
216名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 03:14:22.73 ID:HmB68HMA
今頃気付いたけどカップリング注意の前置きし忘れた…

木下×梅子(未遂)
信郎×弥生(未遂)

ってなるのかな?

どちらもあくまで未遂ってことで気分を悪くされる方が居ないことを祈ります
217名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 20:50:34.74 ID:OCfouuDH
ありがたや、ありがたや。
神様が2作品、後日談まで投下してくださった…

嬉しくて泣けてくる…

SPノブ梅は安心して展開をワクワクほぅほぅニヤニヤ楽しめる。
やっぱりあの二人は年月が過ぎても子どもが何人になっても夜は新婚生活の初々しさを感じる。
良い作品をありがとう!
キノヤンの話しは、そう来たかーっ!と身悶えしたw
翻弄される梅子目線でオオカミを楽しんだ!

酔ったノブに弥生がクラクラするのも最高に可愛かった!

やっぱりこの作品は面白いし、ここの職人さんの作風が自分好みで読むのが楽しいし嬉しい。

暇があったらまた是非投下お願いします。

重ね重ね本当にありがとう!!
218名無しさん@ピンキー:2012/12/23(日) 18:10:10.26 ID:YgE6IAZJ
ノブ梅感想感謝です!

あの夫婦は可愛いイチャイチャもしっとりした雰囲気も夜のエロもどれも似合うと思いますw
書いた身で言うのは恥ずかしいんですが、梅子の「好きよ…」は自分でも気に入っているので、触れて貰えて嬉しかったです。ありがとうございます。
219名無しさん@ピンキー:2012/12/25(火) 18:47:41.56 ID:AdtwESQ/
お礼遅くなりましたが、きのやんssへの感想も感謝
遊びを許してもらえるスレで良かった…
再放送もあるしさらなるssの投下を期待したくなるところだけど終わったドラマスレが賑わうのはなかなか難しいよね
自分自身もずっと山倉弥生のSP後を書き進めてるんだけどなかなか完成させられない
他にも密かに書いてる職人さん居られるのかなぁ?
220名無しさん@ピンキー:2012/12/25(火) 23:08:40.50 ID:coFdqJlH
書いてますが、萌えが足りずに光男千恵子の将来を書いては消しての繰り返しです‥
携帯のCFで萌えためて書きあげたいなぁとw

試作品を作っているノブもいつか描こうと思ってますが、まずは光男かな

いつになるか‥
待っててね〜
221名無しさん@ピンキー:2012/12/25(火) 23:14:18.11 ID:Re6VmlUB
職人さん達乙です
アイデアが豊富ですね

自分もノブ梅の濃厚エロ(やってるだけw)でも書こうかと思いながら忙しく…
年明けSP観てから書こうかな
222名無しさん@ピンキー:2012/12/25(火) 23:37:22.83 ID:coFdqJlH
>>219
山弥のその後、待ってます!
がんばってください

>>221
濃厚やってるだけエロ!!
いいですねぇ〜〜
お待ち致しております

光男はエロが書けなくて手が止まったので
CFの光男のオトナっぷりに、CF制作スタッフに感謝したい程デス♪
223名無しさん@ピンキー:2012/12/26(水) 02:19:09.84 ID:JRPNoJTY
219ですが一人でタラタラ書くのはヤバいと今さら思い知った
不満足な出来ながら分割してみたら29個に分かれちゃったよ…確かに間延びしてるとは思ってたんだ
総合のSP放送までには落とすけど話を引き締める道のりは長そうです

しかし濃厚ノブ梅も初の光男千恵子もこれから読めるかと思うとワクワクする 
聞いて良かったよ ありがとー
224名無しさん@ピンキー:2012/12/26(水) 03:08:21.14 ID:R5CRHLuv
>>218
やっぱり、信梅はいいですねぇ。gjです!
子供が二人もいるのに、読んでてソワソワしちゃうほど初々しくて、それが嫌味じゃないんだもんね。
理想の夫婦だなぁ。

>>219
精力的に書かれてますね!山弥も好物です!楽しみにしてます!!
それにしても、ジゴロチックな木下ウケルwww
つーか、何て酒を出す店なんだ。恐ろしいw

>>221
やってるだけの信梅、メチャメチャ読みたいwww
何時までも正座待機しておりますw

光千も楽しみにしてますね!
気長に待ってますので、書けたらぜひ!!

自分もまだまだ梅ちゃん大好きで、一人でシコシコ書き続けておりますた。
――が、……ホノボノお好きな方、どうも済みません。

何やら無性に陵辱物が書きたくなって、広梅で挑戦してみました。
一部痛みを伴う描写もありますので、何れも苦手な方は超ご注意下さい。
225堕天・壱 1:2012/12/26(水) 03:09:56.31 ID:R5CRHLuv
「気をつけてな」
ボンヤリとした信郎の声を聞きながら、梅子は黙って頷き床を出た。
カーデガンも羽織らずに寝巻きのままで部屋を出ると、冷え切った冷気が襲ってくる。
梅子は身震いをしながらも階下へ向かい、誰もいない居間で鳴る電話の受話器を取った。
「はい。安岡です」
人が寝静まったような時間にかかってくる電話は、ほぼ夜間往診の依頼で間違いない。
受話器を耳に当てたまま、ちらりと隣の部屋の隅にあるものを確認する。
新が生まれた後くらいから、寝ている子供たちを起こさないようにと、夜間往診用の着替えを一揃え下の階に用意しているのだ。
梅子が患者の様子を聞こうと受話器の向こうへ耳をそばだてると、一言だけ助けを求める小さな声が聞こえ、プツリと電話が切れてしまった。
相手は名乗らなかったが、聞き間違えようのない声だ。
確か病歴はなかったはずだけれど、いったいどうしたというのだろう。
話も出来ないほど、悪い状態にあるのだろうか。
嫌な予感を振り払うように、梅子は急いで服に着替え、勝手口と診療所の鍵を手に一人家を出た。

まだ冬よりも前だというのに、夜の空気は凛と冴え渡り、吹く風が頬をこわばらせる。
明るい満月の夜だった。
白衣を着込み、重たい往診鞄を提げた梅子は、辻に立つと月明かりを頼りに小さな紙に書かれた字を確かめた。
目の前で二手に分かれた道を見ながら、診療所を出る前に確認した地図を思い出し、左の道を選んで進む。
こうしている間にも、電話の相手は苦しい思いをして自分を待っているのではないかと思うと、梅子の足は自然と速度を速めていた。

梅子がたどり着いたのは、一軒の小さなアパートだった。
名刺の裏に書かれた住所のアパート名と、看板に書かれている名前を交互に見比べる。
近所へ越してきたという話を聞き、名詞の裏へ住所を書いてもらったものの、実際に来るのはこれが初めてだ。
共用玄関の戸を開け建物の中へ入ると、そこはまるで誰も住んでいないのかと思うほど、真っ暗でしんと静まり返っていた。
ふと、下駄箱の上へ置いてある一台のピンク電話が目に入った。この電話で、彼は自分に助けを求めたのだろうか。
梅子は逸る気持ちを抑えて靴を脱ぎ、軋む廊下を、なるべく音を立てないように歩いた。
部屋の番号から察して、階段を上らずに、闇に目を慣らしながら一階の廊下を進む。
手前の部屋から順にドアの脇へ掛けられた表札を見ていき、一番奥にあった104号室の表札を確認してノックをした。
返事はないが、ドアの上部にある窓からうっすらと光が見え、中には電気がついているように思われる。
ドアのノブに手を掛けると鍵は掛かっておらず、ドアはすっと部屋の内側へと開かれた。
226堕天・壱 2:2012/12/26(水) 03:10:54.89 ID:R5CRHLuv
「広志くん?」
梅子が、殆ど闇に覆われている部屋の中を恐る恐る覗き込みながら、部屋の主に声をかける。
すると、部屋の奥にある机へ向かっていた広志の驚いた顔が、唯一の明かりである卓上ライトに照らし出された。
「梅子さん……。何で…」
「何で、じゃないわ。あんな電話をかけてきて」
一瞬呆れた顔をした梅子は、身じろぎも出来ない様子で目を見開く広志を見て、すぐに顔を緩めると部屋の中へと入ってきた。
「何か、あったの?」
梅子は静かに鞄を置くと、ライトの明かりが届くくらいの位置まで来て座り、出来るだけ優しい声で問いかける。
寝込むような病気ではなさそうだが、広志の様子に少し気になるところがあった。
「何でもないです」
机へ向かったまま肘をつき、梅子とは逆側に顔を向けてしまった広志の姿を見て、梅子は広志の心に残る傷へ思いを寄せた。
元気を取り戻して働いているように見えたが、やはりまだどこかで無理をしているのかも知れない。
梅子は、広志が話をしてくれるまで待とうと考えた。
顔もあわせないまま二人の間に長い沈黙が訪れ、梅子は初めて入る広志の部屋の中を見回す。
元々普通の家だった物を改築したのか、ドアを開けて僅かにある板間と畳の間で左右のちょうど真ん中に不自然な柱が1本ある。
3畳ばかりの部屋の中はウナギの寝床のように縦長で、梅子から見て右手側の壁に向かい机が置かれ、机に向かう広志の椅子と
左側の壁に挟まれるようにして薄い布団が折りたたまれていた。
押入れもないようで、30センチ幅程度の板間へ置かれた小さな箪笥の引き出しから衣類の端が見えているところや、
その脇に洗濯物が放置されているところなどが、いかにも独身の男性らしい。
ドアにすりガラスのはめ殺し窓がある他は、左手側の壁の天井近くにお義理ばかりの明り取りがあるくらい。
もしかすると元は納戸だったのかもしれないこの部屋には、昼でも光が届かないのではないだろうか。
広志の普段の暮らしぶりを想像しながら、鴨居に吊るされた見覚えのあるスーツや、机の横に幾山にも積まれた医学書などを見ていたとき
ようやく沈黙が破られる事となった。
「……どうして、来たんですか」
重たい口を開いた広志の声は、はっきりと苛立ちを孕んでいた。
どうしてって……、梅子は広志の意図するところを考えようとしたが分からず、姿勢を正して自分の当然だと思う答えを伝える。
「医者の、仕事だから」
227堕天・壱 3:2012/12/26(水) 03:11:43.89 ID:R5CRHLuv
「仕事なら…!」
勢いよく立ち上がった広志は思わず声を荒げそうになり、慌てて口をつぐむと苦い顔で舌打ちをした。
「呼び出されれば、こんな夜更けに、男の家でもノコノコ行くんですか」
「勿論よ。患者さんから呼ばれたら、行かないわけにはいかないわ」
立ちはだかるように梅子を見下ろし、ごく小さな声ではあるが叱責する口調の広志に対し、梅子も毅然とした態度で応える。
「梅子さんは、馬鹿です……」
梅子の視界が一瞬暗くなり、次に見えたのは天井だった。
覆い被さるようにして見えるのは、広志の顔。真っ暗な、底の知れない瞳の色だった。
気づくと左右の手首をきつく掴まれ、畳の上に押し倒されていた。
「黙って無視してくれれば、諦めもついたのに……!」

「お願い、広志くん。この紐を解いて」
紐のようなものは、洗濯物の山にあったネクタイか何かだろうか。
広志に押し倒された梅子は、頭の上へ上げさせられた両腕の手首を、不自然な柱の向こうで括られてしまった。
自由のきかなくなった梅子の腹の上へ跨った広志は、悪い夢の中にいるような顔で梅子を見ている。
梅子は早鐘のように鳴る心臓を深呼吸で何とか落ち着かせつつ、興奮しきった様子の広志を刺激しないように、
なるべくゆっくりと静かな口調で語りかけた。
「お願いよ……」
広志は辛そうに目を瞑ると、肺に溜まっていた悪い気を吐き出すように、ため息を一つついた。
「そうですね。……では、治験に協力してください」
「え……?」
一瞬、その言葉は今の状況に馴染まないような気がして問い返す。
「我が社で、アメリカの薬を改良したものです。一次審査は下りて、いよいよ治験の段階に……」
逃げ出したくとも逃げられない状況にあって、医者として普段耳にするようなこの話は、
まるで梅子を元いた日常へ導いてくれる明るい道筋のようにも感じられる。
梅子の頭の中で、治験と言う言葉だけに焦点が当てられ、それがするすると腑に落ちていった。
「……分かったわ。約束する」
だから、と梅子が再び紐を解くように訴えようとした声は、「それでは」と言う広志の声にかき消された。
「さっそく始めましょう。それが終わったら、帰って頂いて結構です」
228堕天・壱 4:2012/12/26(水) 03:12:38.55 ID:R5CRHLuv
広志は突然立ち上がると、板間の方へ歩いていった。
身動きの取れない梅子は暗い天井を凝視しながら、音を頼りに広志の行動を探った。
板の上で何か重たい物を引きずるような音がする。
音の方向からして、恐らく箪笥を横にずらし、ドアを塞いだのだろう。
梅子と広志のいる部屋は、完全に外部から遮断された密室となってしまった。
梅子の緊張は極限まで達し、今にも切れてしまいそうな糸のように張り詰めていた。
再び梅子の視界へ入ってきた広志の手に、白い物が握られている。
広志は一旦梅子の横を通り過ぎ、卓上ライトを机の端ギリギリに据えて梅子を照らすような位置に調節すると、
白い物と薬方を一包み持って戻ってきた。
ライトの光を遮るように梅子の目の前へしゃがみ込んだ広志の顔は、翳っていてよく見えないが、薄っすらと笑っている気がする。
下の方から顎をつかまれ悲鳴を上げようと開いた梅子の口へ、そうするよりも先に異物が飛び込んできた。
広志によって捻り込まれた、恐らく手にしていた白い物。綿で出来ている。これも洗濯物だろうか。
「あまり声を出さない方がいいですよ」
それでも喉の奥から声を出そうとする梅子の耳へ、広志が口を近づけて囁く。
「安岡先生は、夜の回診と称して間男の家へ通っている、なんて噂を立てられたくは無いでしょう?」
梅子の背中や脇から、冷たい汗が流れ落ちた。
そんな事は、絶対にない。でも、世間はどう思うだろうか。
「ご家族のためを思うなら、静かにしていた方がいいです」
駄目押しをされた気がした。梅子の脳裏に、信郎たち家族の顔が浮かぶ。
狭い町のことだ、そんな噂が立ったら、あっと言う間に家族の耳へも入るだろう。それだけは……。
すっかり大人しくなった梅子へ、下卑た笑いをたたえながら、広志が薬方を見せつけた。
「治験をしたいのは、この薬です」
広志は、普通に商品の説明をするような調子で話し始めた。
「この固形の薬剤を女性器の内部へ挿入し、膣液で発泡させて使います。
いわゆる殺精子剤と呼ばれるもので、避妊の目的で使用します」
梅子の経験上、馴染みのない薬だったが、広志の言いたいことは分かった。
やはり、自分と性的な関係を持ちたいと思っているのだ。
229堕天・壱 5:2012/12/26(水) 03:13:38.64 ID:R5CRHLuv
「膣液は……、かなり湿っていますね」
スカートをたくし上げ、下着を取り払ってしまうと、広志は梅子の中を確認するために指を突っ込んできた。
そうはさせまいと必死に膝を閉じて抵抗を試みたが、かえって広志の興奮を高めてしまったらしい。
広志は左手と右足を使い梅子の膝を割らせると、抵抗は無意味だと言わんばかりに、見せしめのように大きく開脚させられてしまった。
普段隠れているヒダの奥まで冷気が入り込み、陰部が全て開かれてしまった事を感じる。
信郎にすら見せた事のない姿で、女の部分を覗きこまれている。広志の視線が、胸を潰しそうなほど、梅子の心拍数を上げさせた。
広志は梅子に突き刺した指の角度をあれこれ変えながら、梅子の様子を観察するように、指の腹で膣の中をゆるゆるとなぞる。
感じてはいけない。そう思い、梅子は体を硬くして反応を抑えているが、指を抜き差しされている膣から勝手に濡れた音が溢れてしまう。
息苦しさの中で感じるものは恐怖なのか、それとも興奮なのか。それすらも、朦朧とした意識の中で区別がつかなくなっていた。
「……僕からの電話の前に、信郎さんとされていたんですか?」
わざと大きな音を立てながら、広志が聞く。
その通りだった。だが、覗かれたくない部分を覗かれたような気がして、梅子は首を横に振る。
「じゃあ、少しは喜んでもらえているんでしょうか」
案外、梅子さんはいやらしいんですねと言って、広志は濡れている梅子の膣内を嬉しそうに指でかき回した。
梅子の胎内で滴る、自分と信郎の混ざり合った愛液が、他人である広志に弄られてクチュクチュと音を立てる。
たまらない羞恥心と背徳感で、中からどんどんと蜜が溢れてしまい、梅子は目の前が暗くなっていくのを感じた。
不意に膣をかき回していた広志の指が抜かれたかと思うと、今度は無機質な固形物を挿入される。
これが治験薬……。
梅子は体の奥で薬が発泡するのを、緊張と恐れで混乱している頭の中とはどこか別の、フワフワとした場所で感じていた。

再び梅子の腹へ馬乗りになった広志の手が、梅子の白衣のボタンへかけられる。
白衣の前をすっかり開いて着込んでいた赤いセーターを捲りあげると、ブラウスのボタンを上から3つ4つ外した。
前をはだけてブラジャーを下ろされ、ポロリと顔を出した梅子の乳房が、肌寒い部屋の空気に触れて粟立った。
服の隙間から引っ張り出した梅子の両乳房をしばらく眺めていた広志は、中央へ顔を埋めると、自分の顔を挟むように両脇の乳房を寄せる。
ずっとこうしたかった、という広志の声が耳に入り、梅子の子宮がズキリと疼いた。
もしかすると、広志は子供の頃に失ってしまった母親の影を自分に求めているのではないか。
パクリと口に含んだ乳首をチュウチュウと音を立てて吸い上げるのは、子供の頃の時間を取り戻したいからなのではないか。
そんな風に思い広志を見ていた梅子に気づき、広志はギロリと睨みつけるように梅子の目を見ると、空いている方の胸へ手を這わせてきた。
広志は手のひらで乳房全体を撫でるようにしながら、乳首の先端を何度も掠める。
そんな広志の手の動きに子供の陰はなく、性的な快感を与えようとする雄を感じて、梅子は思わず目を伏せた。
230堕天・壱 6:2012/12/26(水) 03:14:39.77 ID:R5CRHLuv
自分の全てを知っている慣れた信郎の指使いとは異なり、広志の手は、梅子の感じる部分一つ一つを手探りで探しているようだ。
そのいつもと違う感じが刺激となって、脳へ新しい快楽として伝わってくる。
やがて広志は、吸い上げられて充血しコロコロと膨れた乳首から口を離すと、手で触れていた方の乳首に噛み付いた。
「ん…、ふ……っ…!」
同時に膨れた乳首を抓られて、梅子の喉から辛そうな声が漏れる。
広志は噛み付いた乳首をベロリと一舐めしてから、座ったまま上体だけを起こすと、支配者のような顔をして梅子へ微笑みかけた。
泣き出しそうな顔をしている梅子の両方の乳首を抓って引っ張り、乳房の形が変わるまで引っ張りあげたところで、両手を離す。
引っ張りあげては離すという行為を繰り返しながら、梅子を高ぶらせようとしているようで、広志はあの手この手を打ってくる。
摘み上げる前の乳首の先を爪で掻いたり、爪で弾いたり、舌で舐めあげたり、優しく擦ったり。
梅子も次にどんな刺激を与えられるのか全く予測が出来ず、気持ちを逸らしたいのに、意識してしまってどうしても逸らせなくなっていた。
「んっ、んんっ……っ!」
「気持ちいいですか? 梅子さん」
そう広志に言われ、よがってしまった自分に気づき、梅子は驚いた。
いやらしく腰をくねらせてしまっていた気もして、あまりの恥ずかしさに冷や汗がドッと出る。
「乳首が敏感なんですね。それとも、そういう体に仕込まれたんですか?」
ニヤニヤといやらしく広志に問いかけられ、梅子は頬に熱を感じた。
信郎との性交は、あくまでも愛情の確認が目的だ。愛し合って、信頼しあう者同士が行う行為だ。
仕込まれる、という言葉は不適切だと梅子は思った。
けれど、どれ程大層な言葉を揃えても、自分の晒している醜態を取り繕う事は出来そうにもない。
現に、こうして信郎以外の人間に弄られても、快感に身をよじってしまうのだから。
浅ましい自分の姿を想像して、梅子の顔が更に赤みを増す。
『こんな事、いけない』
そうは思うものの、軌道に乗って走り出してしまった欲望を止めるのは、既に困難なことのようにも思えていた。
しかし、閉じてしまっていた瞼を開けた梅子の目に、ズボンを下げて天を向く広志の陰茎が映ってハッとする。
『だめ! それだけは、絶対にやめて!』
梅子は鼻を鳴らして訴えるが、広志は無慈悲にも、約束ですからとだけ言って梅子の中へ陰茎を沈めていく。
梅子の中の肉壁が、男の形で押し広げられていく。
『嫌っ!』 梅子は心の中で叫び、これは悪い夢だとばかり、現実を拒むように再び目を閉じて顔を横に背けるが、
すっかり濡らされてしまった梅子の膣は、そんな気持ちとは裏腹にあっさりと広志を受け入れてしまった。
231堕天・壱 7:2012/12/26(水) 03:15:18.78 ID:R5CRHLuv
「梅子さん……っ!ずっと、こうしたかった…。こうやって、あなたを……」
グチュグチュと大きな水音を立て、むき出しの広志が何度も何度も梅子の体に突き立てられると、
馴染みのない陰茎に膣壁を擦りあげられている快楽が電気信号のようになって、梅子の脳へビリビリと伝わる。
「んんっ!!……ん、んーーっっ!!」
梅子は眉間に深い皺をよせ、顎を大きく仰け反らせた。
「本当は…、声だけ聞ければよかったんです。それなのに、わざわざ……」
あなたが悪いんだ、あなたの所為だ。そんな風に言って、広志は梅子の体を責め続けた。
広志の若くて固い陰茎は、梅子を激しく追い立て、乱れさせる。
それでも梅子は、額に脂汗を光らせながら、口の中へ詰められた異物をかみ締め、果ててしまわないように気をしっかり持とうとした。
……ああ、でもなぜ、よりによってこんな日に……。
今日は、梅子へ月に一度訪れる『たまらなく欲しくなってしまう日』だった。
まだ家を出る前、信郎にまたがり腰を振っていた自分の事を思い出す。
前戯の時には指で、事に至ってからは信郎の物で、何度も何度も頂点までいかされたはずなのに。
自分の中にある女の部分が、新しい快感を掴もうと、あっさり手を伸ばしてしまう。
突き上げられて、感じてしまう。こんな事、本当はしたくないのに。
自分をこんな酷い目に合わせて、いったい広志にどんな目的があるというのだろう。
そんな梅子の心の声が聞こえたのか、広志の口からその答えが漏れた。
「……好きです。…どうしようもなく。…梅子さん、助けて……」
『広志くんが、私を……。でも、それならどうしてこんな酷い事を……?』
自分の上でがむしゃらに腰を振り続ける広志に対し、気づくと梅子は疑問の眼差しを向けていた。
「……そんな目で見ないで下さい」
再びいらだった声を出した広志が舌打ちをして視線を泳がせると、一箇所に焦点を集め、いい物があると呟いた。
広志は梅子の両膝を裏から押し上げて、膝小僧が顔の両脇へつく程に梅子の体を丸めさせると、陰茎を突き刺したまま
梅子の体にのしかかるようにして、板間の方にある何かを取ろうと手を伸ばす。
広志がゴソゴソと何かを探っている間、息苦しいのと、深々と刺さった陰茎が子宮口を圧迫するのとで膣が痙攣しかける。
広志が体を戻したので果てる事はなかったが、手にした物がチラリと見え、梅子は助けを請うように鼻から悲鳴を漏らして体を硬直させた。
「隣に聞こえるほどの声は、出さないで下さいよ」
梅子は目を見開き、何とか逃れようと身をよじろうとするが、両手も腰も捕らえられてはどうしようもない。
広志に狙われているその部分は、完全に無防備な状態で孤立する、獣の前の餌同然だった。
次の瞬間、梅子の喉奥から悲鳴があがり、両目は固く閉じられた。
232堕天・壱 8:2012/12/26(水) 03:18:13.66 ID:R5CRHLuv
アルミの冷たい洗濯バサミが、梅子の左右の乳首をきつく締め上げている。
逃れられるはずもないのに、それでも逃げようとバタつく梅子の腰を両手で掴んだ広志が、乱暴に腰を打ち付ける。
「ああ…っ、凄い。梅子さん、……凄く…締め付けられる」
それは、梅子にも分かっていた。
痛みと恐怖で全身に広がる硬直は体の内部まで達し、締まる膣が梅子の中で暴れる広志を捉え、濁流のように快感が押し寄せる。
いけないと頭では分かっていても、女の部分が男の精を搾り取ろうと、喉を鳴らすように流動を始めてしまう。
ああ、もう出そうだという広志の声を聞き、それだけは、と懇願する目で訴えながら梅子は必死で首を横に振った。
「中で、……出しますよ。梅子さんの中に射精しないと、治験に…ならない」
絶望に染まった梅子の瞳を見ると、広志は満足そうに口の端を上げ、あっ、あっ、と声を上げながら
脈打つ陰茎を梅子の膣奥へ念入りに何度も押し込んだ。
梅子も逃げるためではなく、ビクンビクンと腰を跳ねさせて、とうとう気を遣ってしまった。

その後どうなったのか記憶が定かではないが、梅子は服を着て鞄を抱え、息をするのも忘れるような勢いで家路を急いだ。
走っても、走っても、すぐ後ろで広志の声が聞こえる気がする。
「喜んでもらえたようで、嬉しいです」
違う、違う、違う! そんなんじゃないわ!
頭の中では何度も繰り返しそう思ったが、感じてしまった事実は否定しようがなかった。
夫以外の人間に犯され、他人の精液で膣が汚されるのを、恍惚として受け入れてしまった。
それが揺るぎない罪の証拠のように、梅子の心をベッタリと黒く塗りつぶす。
罪人を照らし出すサーチライトの如く、どこまでも自分を追いかけてくる丸い月から逃れるように、梅子は夜道を一目散に走っていた。
家の前までたどり着いた梅子は、自宅ではなく診療所の方へ飛び込んだ。
鞄を落として冷たい床の上にガクリと膝をつくと、広志の精液と溶けた薬がドロリと膣から流れ落ちる。
やっぱり、悪い夢なんかじゃない。
「…………どうして…」
呆然として呟く梅子の、頭のずっと奥の方で、広志の声が響いていた。

梅子さんは、僕にとって女神なんです。
だけど、僕は飛べないから。

――終――
233名無しさん@ピンキー:2012/12/26(水) 20:25:42.67 ID:sYuHqa+E
スゴい!
GJなんて軽い言葉は嫌な位GJ!

自分、陵辱も拘束も洗濯バサミも大好物なので楽しませてもらいました!
ゾクゾクするよ。
しかもアルミの冷ややかさがイイw

ヒロシはあの暗いひねた表情がこういうストーリーを連想させるよね。
個人的に可愛がりたいキャラw

2のパロじゃなかったら反発必至な作品だろうから、書いてくれたことに感謝します。

投下ありがとう
234名無しさん@ピンキー:2012/12/27(木) 02:12:17.98 ID:yFRC4fdi
224です。感想有難うございます。
オールスルーも覚悟しつつ落としたので、感想をいただけて正直ホッとしていますw
どうも有り難うございました!
235名無しさん@ピンキー:2012/12/27(木) 02:27:41.99 ID:+2QrYxT1
陵辱モノ書いてる人がいたとは!
なんか最後の文でほろ苦くなってていいね
壱ってことは続いたりするのかな?
236名無しさん@ピンキー:2012/12/27(木) 22:02:48.99 ID:cxhsaD4R
文章力高いですね!
職人さんは表現力が豊かだなと

洗濯バサミとかもいいの?w
どこまでエロ表現オケなのかわからないから躊躇しちゃうんですが…
過激なエロも大丈夫なのかな?
変態っぽいノブでもいいかな?w

人によってどこまで大丈夫かわからないから…
237名無しさん@ピンキー:2012/12/28(金) 00:15:19.81 ID:OEIQcMKy
私は、趣味はそれぞれだと思うので、存在するだけでありがたい職人さまはお好きなように書いていただき、落とすときに予めポイント予告していただけたらありがたいです。
子どもじゃないんだからあとは読み手の自己責任かな?と。

と、いうわけで。
あんなノブ、こんなノブ希望!
238名無しさん@ピンキー:2012/12/28(金) 03:04:40.39 ID:53rsNdb1
変態っぽいノブwww 何それ、新しいw
せっかくエロい板なので、過激なエロも読みたいな。ぜひ、よろしく!!

ホノボノもいいんだけど、過激も読みたい。色々あると嬉しい。贅沢病スマソ

>>235
一応こういう場なので、拒否反応が多かったら無理かなと思いつつ続きもちょっとづつ書いてます。
様子を見ながら、たまに落とさせて貰えればと思っております。
239名無しさん@ピンキー:2012/12/28(金) 21:03:17.66 ID:cHxHLy3t
もしかして梅ちゃん先生でらめえぇぇぇとか来るんだろうか?w楽しみww

>>238
陵辱の後、梅子・広志の悲しみがどう転がっていくのか気になってるんだ
ここからのエロもあるのかな?とか
続き気長にお待ちしております!
240名無しさん@ピンキー:2012/12/28(金) 21:40:33.51 ID:OEIQcMKy
ひんぬー梅子でパイズリするにはどんな手段があるんだろw
この作品の女優陣では難しいなパイズリorz
241名無しさん@ピンキー:2012/12/29(土) 00:43:01.63 ID:R178rxw6
「あれ?うまくできない…」
「おい梅子、何してるんだ?」
「男の人はこういうことを喜ぶって、お義母さんが…」
「…悪いが、お前じゃ無理だと思うぞ?」
「どうして?」
「そりゃ、お前…」

沈黙

「いや、頑張りゃできるかもしれねぇ。おい、もっと寄せてみろ」
「う、うん…こうかな?…ねぇ、ノブも上下に動かしてみて」
「お、おうっ(肉が足りねぇ…)。な、先っぽとか舐められるか?」
「う、うん、ちょっと動かないでね…(寄せたままチロチロ)ろう?」
「…ああ…たまんねぇ…(視覚的に)」

こうでしょうか?
242名無しさん@ピンキー:2012/12/29(土) 11:40:08.51 ID:HAoanWJq
うわわわ!!
スゴいのキター!

回数重ねた夫婦だからこその会話が実にそれっぽくてGJ!

ノブと梅子の声が聞こえてくるw
243名無しさん@ピンキー:2012/12/30(日) 22:52:41.96 ID:Yrv2i/lf
太郎妊娠中

「おい梅子…ちょっと試したいんだけどよ」
「ん…何?」
「俺を喜ばす為ってやってくれた事あっただろ」
「ああ、あれね…ちょっと待って」
「ああ(これは良いかもしんねえぞ…)」
「(挟んで上下に動かす)気持ちいい?」
「ああ…たまんねえ…(想像以上に気持ちいいなコレは)」
「あ…ん…ノブそんな…乳首こすらないで…」
「(梅子の乳房を寄せて揉むように乳首を己のペニスに擦りつける)この方が梅子も気持ちいいだろ?」
「あぁ…そうだけど…ん…」
「もっと動かすぞ(顔に出したい…)」
「ノブ…顔に出して!」
「!!」
「ああん」
「(うっ我慢できねえ)……出すぞっ!」
「きゃぁっ………あ…ん…」
「ふ…ぅ…」


「梅子…なんで顔に出すとか知ってたんだ?」
「だって、お義母さんが男は顔に出したいものだって」
「まあそうだけどな…(おふくろ何梅子に吹き込んでんだ…嬉しいけどよ)」

「ふふ、お腹の子も喜んでるかな」
244名無しさん@ピンキー:2013/01/01(火) 23:34:24.61 ID:3RzLRueo
梅ちゃん先生で顔射なんてハマるわけな……有りだったw
ちゃんとしたお話形式のよりヤらしい感じがするのは自分だけ?
続いてどんどん別バージョン考えてみたいと思ったのに思いつかないのが悔しい!

今年もこのスレが賑わって沢山のssを読ませていただけますように…
245名無しさん@ピンキー:2013/01/03(木) 00:15:54.82 ID:Qe37GFh3
新作乙 GJでした!

弥生のパイズリはダンナが相当悦びそうw
246名無しさん@ピンキー:2013/01/03(木) 01:16:07.78 ID:3PgG+twc
>>244
Hしてるとこだけ描写してるからねw
247名無しさん@ピンキー:2013/01/04(金) 00:03:03.20 ID:QGDTgFo6
おおー、年越し前にエロいの来てたんだねー!
遅くなっちゃったけどgjでした!
それにしても……
和子www嫁になんて教育をしてるんだw
どれ、和子の乳は…なんて録画を見返してしまった自分が嫌いになりそうだw

ノブ梅で顔射とか考えた事なかったけど、想像してみたら結構いけるー!
やっぱり、美しいものが穢されるのっていうのがいいのかな。
248名無しさん@ピンキー:2013/01/04(金) 18:02:40.98 ID:S71eqybL
弥生の顔射も気になる
パイズリからでもフェラからでも美味しくいただける予感
職人さま、ぜひ…
249名無しさん@ピンキー:2013/01/05(土) 22:20:21.23 ID:06CF4OTS
ノブ梅大好きなので新作増えてて嬉しい
どれも萌える

ノブ梅にはまったのが2人が結婚する前後あたりからだから
改めて初回から見ると
梅子が男から手紙貰ったと言うとムッとした顔したり
建造芳子が松岡を松子の婿にって話を梅子の婿と勘違いして機嫌悪くなったり
その後も松岡と梅子見て嫉妬でイライラしてるノブに萌える
途中で違う子と付き合っても梅子の事ばかり気にしてるし
ノブ梅が夫婦になって2人がいちゃついてるシーン見ると
初回から梅子ラブなノブが報われて本当によかったと思う
250名無しさん@ピンキー:2013/01/05(土) 23:59:24.70 ID:Z54XeXzH
そーなんですよ!
ノブは、町工場な自分ちと大学病院の医者な梅子んちと、男として引け目を感じて一歩を踏み出せない感じを受けてたから、自分にしかできない仕事と言う誇りを持てたのは嬉しかった。
そんなノブを小さい頃から見てきた梅子が支えて新しい家族として幸せなのが嬉しい。

だからノブが梅子の身体にのめり込むのも嬉しいw
251名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 01:22:52.38 ID:tpfFuZl4
自分も子供の頃からずっと一緒でお互い励まし合ったり喧嘩してた2人が夫婦になって
あんなにラブラブな事が凄い嬉しいし萌える
ドラマではノブは初回の方から梅子に惚れてるの分かるシーン多かったけど、
梅子もノブ大好きだよなぁ
ノブが他の女性可愛いって言ったり浮気疑惑を目撃すると涙目で頬膨らませて
ぷんすか怒ってるのがめちゃくちゃ可愛い

ノブは絶対性欲強そうw
仕事上体力ついてるし体格差あるから色んな事できそうだな
252名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 01:45:43.46 ID:WNNQNkwY
診察台に手をついてバックとか、点滴吊るし掴んで片足上げるとか、ノブ提案の試行錯誤をあの二人ならしているに違いないw
普段そんなことしません的な梅子だからノブで乱れると萌えるw
253名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 04:42:06.47 ID:Z1MNoMA9
診察台に手をついてバックから…
これちょっと思った事あるw
あと工場の道具使って梅子にソフトSMするとかw
ただ道具の種類がよくわかりませんガクッ
254名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 07:20:04.92 ID:yjoHWTg4
お年始がわりのノブ梅を落とします。
松の内に間に合ってよかったw

いちゃいちゃエッチ(軽め)です。
255姫初め 1:2013/01/06(日) 07:21:51.39 ID:yjoHWTg4
「じゃあ、もう一人作る予定なんですか?」
「べっ…別に、その、特別に頑張るとかじゃなくて。……自然に出来ればいいかなーって…」
夜更けの下村家の台所では、梅子と静子の静かな会話が続いていた。
今日は、元旦。朝からみんなで下村家へ集まり、賑やかに過ごしていた。
集まりが終わった後は、帰省中の芳子も今日ばかりは長男の嫁である静子を立てて早々に自室へ下がってしまい、
梅子と静子の二人で食器類の後片付けをしている。
小さな子供がいる松子たちは夜になると自宅へ帰っていったが、酔っ払って二階の空き部屋で寝てしまった竹夫の家族は、
下村家で一泊する事となってしまったのだ。
「あのっ、ほら。自分が三人兄弟だから。三人くらいがちょうどいいかなーって思って……」
もともと弥生以外の人間と夫婦の込み入った話をした事が無い上に、フーンと言って目を細める静子の表情がやけに艶かしくて、
さっきから梅子は妙にソワソワした気持ちで話をしていた。
「梅子さん、羨ましい。信郎さんが優しそうで」
「そ…んな事もないのよ。子供の面倒は見てくれるけど、家事は手伝ってくれないし」
しかし、単に夫婦の事を話題にしているだけで性的な話をしているわけではないはずだ、と努めて笑いながら梅子は話を続けていた。
「でも、竹夫さんはいつも仕事で忙しそうにしていて、家に帰るとすぐ寝てしまったりするんですよ」
「ああー」
梅子の頭の中へ、竹夫と建造の顔が並んで現れ、思わず合点が言った表情で声を出してしまう。
確かに、竹夫は家庭よりも仕事を優先させそうだし、頑固で自分を曲げる事もしなさそうだ。
結局、竹夫も父も似た者同士と言う事か。梅子はうんうんと頷きながら、布巾で拭いていた皿を、拭き終わった皿の山へ重ねた。
「大晦日もそんな調子で。うちは、兄弟を作ってあげられるのかしら」
次の皿を手にとって拭き始めていた梅子の手が、ピタリと止まる。
不意に、昨晩信郎から激しく求められた事を思い出してしまい、子宮がキュンと疼いた。
一瞬ボーっとしてしまった梅子の手から持っていた皿が滑りかけ、ハッとして「どうかしら?」と、どうにか笑ってみせる。
「梅子さんって、かわいいですね」
クスリと笑って見つめてくる静子の視線が、梅子の心を見透かしているようで、まるで裸にされるような恥ずかしい気持ちになった。
そんな気持ちを隠すように、目を細めてフフフと笑ってみせる。
その後も、梅子はしばらくぎこちない会話を続け、早く片づけが終わってくれることを心の中で祈っていた。

「有難う、静子さん。あとは戸締りの確認だけだから、先に上がって」
ようやく全ての食器が片付き、お先にと言って階段を上がっていった静子の後姿を、梅子はホッとしながら見送った。
「さてと」
梅子が玄関の方へ向かって歩き出すと、濡れてしまった下着が下半身に擦れてヒヤリとした感覚が伝わった。
同時に、火種のように燻っていた欲求が胸の奥が燻すように、モヤモヤと苦しい気持ちになる。
戸締りを確認した梅子は、その火を沈めようと大きなため息をつき、そっと階段を上り始めた。
256姫初め 2:2013/01/06(日) 07:27:36.84 ID:yjoHWTg4
だいたい年末にこそあったものの、秋から仕事で多忙を極めた信郎とは、それまでしばらくご無沙汰だった。
自分でもおかしくなってしまったのかと思うほど渇望する夜もあったが、家族のために忙しく働く信郎の負担になってはいけないと、
先に寝てしまう信郎を起こすようなことはできなかった。
だから、期待してはいけない。今晩だって、きっと寝ているはずだ。せっかくの休みだもの、体を休めないと。
そう思って襖を開けると、梅子は足元を見てギョッとした。自分の布団で、信郎が寝ているのだ。
「こんな所で寝ちゃって……」
梅子はドキドキする胸を押さえ、きっと何か事情があるのだろうと自分に言い聞かせるように呟き、襖を閉めた。
「……布団、暖めといたぞ」
「ノブ……! 起きてたの?」
寝ているものと思っていた信郎から急に声をかけられ、更に驚いた梅子はその場に力なく座り込んだ。
「あ……」
ビチャッとした感覚が伝わって、蕩けてしまった下半身がすっかり下着を濡らしてしまったのが分かる。
やっぱり、そういう事でいいのかしら? でも、こんな日に? 二日も続けて? やっぱり、寒いから暖めておいてくれただけかも。
期待はしたいけれど、違った場合に酷くガッカリしてしまいそうで、どうにも期待しきれない。
梅子が想像と否定を頭の中で渦巻かせていると、信郎の目がパッと開かれた。
「どうした、梅子。早く来いよ」
「ノブ……」
目を細めて不適に笑う信郎の顔を見て、溶けてしまいそうな気持ちになり、梅子は信郎の待つ布団の中へと潜り込んでいった。

布団へ入ると、冷たくなってしまった足を暖めてくれるように、信郎の温かい足が絡みついてきた。
抱き寄せられて目を閉じると、チュッと軽い口づけを受ける。
ゆったりと背中から腰を撫でられると、もうそれだけで全てを預けてしまいたい気持ちになる。
けれど梅子の体から力が抜けきることはなく、顔を上げると、梅子を覗き込んでいた信郎と目が合った。
「でも、大丈夫かしら。その……」
声が、と心配をする梅子へ、信郎はケロッとした顔で「大丈夫だろ」と答える。
黙って信郎と顔を見合わせていた梅子の耳にも、地鳴りのようなイビキが聞こえてきた。
竹夫達が使っている部屋は襖で遮られている上に廊下を挟んでいるにも関わらず、だ。
「竹夫兄さん、昔はイビキなんてかかなかったのに……」
「まぁ、だいぶ酒が入ってるからな」
確かにこれならば、同じ部屋にいるはずの静子や子供には気づかれずに済むかも知れない。
「でも……」
うちの子達も、と言いかけた梅子の唇を、さっきよりも深い口づけで塞がれる。
その口は頬を滑るように伝い、梅子の耳元で熱い息を吐いた。
「欲しいんだろ? 三人目」
257姫初め 3:2013/01/06(日) 07:29:33.63 ID:yjoHWTg4
「ああ……、ノブ…」
脳の芯まで蕩かされてしまったように、梅子は頭の中が真っ白になり、細い両腕を信郎の頭に巻きつけた。
信郎の口が再び梅子の口を覆うと、その舌を深く突き入れてくる。
深く口づけたまま、信郎の手のひらが梅子の胸を摩りだし、見つけた小さな突起を寝巻きの上から摘み上げる。
「んっ…ふ……」
梅子の鼻から歓喜の息が漏れると、小さな両手で信郎の頬を包み込み、梅子も舌を絡ませて自分も求めている事を信郎に伝えた。
信郎と一つになれる喜びで、硬く閉じた目の奥にジンワリと熱を感じ、梅子の目の端が薄っすらと濡れる。
やがて下半身へ伸びてきた信郎の手に内腿をなぞられ、梅子が両足を開くと、信郎は梅子の濡れた下着の底を少し持ち上げた。
丸い信郎の先端が何度か割れ目をツルツルなぞったかと思うと、そのままスポンと梅子の中へ入ってきた。
「あ……」
その時を待ち望んでいた梅子の隙間が、一瞬にして信郎で埋め尽くされる。
衣類は全て身につけたまま、信郎だけが梅子の体の奥深くへ入り込んでいる。
その違和感と快感がグチャグチャに溶け合う体の中で、信郎の存在だけがはっきりと際立っていた。
もっと信郎を体の奥まで取り込もうと梅子が腰を擦り付けると、信郎も梅子の両肩を押さえ込むようにして、一段と深く入り込む。
「んっ…んっ……」
信郎の肩から滑り落ちた手を自分の肩口にある信郎の手へねだる様に纏わりつかせると、信郎もそれに応え、
互いの指を交互に挿し込むようにして二人はしっかり手を握り合った。
「梅子…っ」
信郎の手に力が込められ、梅子の中を抜き差しする速度が速まる。
「ノブ……っ!いい。…来て……っ!」
梅子の足のつま先がピンと伸びると、信郎は一番奥まで突き入れた腰を更に何度か押し込んで、二人は同時に気を遣った。

「まさか、こんな日に始めると思わなかったわ」
梅子の両脇に肘をついて、優しい視線で見下ろしながら梅子のおでこ辺りを撫でている信郎へ言う。
家の中に大勢人がいるのにと言うと、信郎はすぐさま「何で」と返した。
「一年の計は元旦にあり、って言うだろ」
極めて真面目な顔の信郎を見て、梅子は思わずプッと噴出してしまう。
噴出した形の口を、そのままチョンと信郎の口へつけ、梅子は三日月のように笑った目で信郎へ微笑んだ。
「ノブ、大好き。今年も宜しくお願いします」
信郎も満足そうに笑ってこちらこそ宜しくと言うと、何だか眠くなっちまったと梅子へ覆い被さり、数秒後には軽いイビキをかき始めた。
梅子は信郎の体重を受けながら、全身に幸せが満ちていくのを感じ、体を少しずらすと信郎にくっついたまま目を伏せた。


――終――
258名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 19:55:07.35 ID:hhqKG5Zb
>>254
乙です

年明けからめでたいw
梅子の期待を裏切らないノブであったw
梅子と静子の描写が巧いですね〜
259名無しさん@ピンキー:2013/01/06(日) 20:48:45.54 ID:g69q90Mc
>>254
ありがとうございました!
情景が見えるようで萌えますw

新年早々こんなノブ梅読めて嬉しかったです
260名無しさん@ピンキー:2013/01/07(月) 04:56:54.30 ID:CDC3iyfi
竹夫のいびきの響く中密かに進められる秘め事にドキドキした
ノブ梅の押し殺した息遣いが聞こえてきそうなのがたまらんww良いものをありがとう!


弥生さんのパイズリも考えてみたけど…

「?弥生さん、何してるの??」
「いいから、じっとしてて!」
「…?ね、ねぇ、電気点けてもいい?」
「ダメ!」
「……」
「今日誕生日でしょ」
「うん」
「…だから」
「一体、何してるのっっ!?(電灯に手をのばす)」
「点けたら別れるわよっ!」

梅子に入れ知恵されても、照れ屋の弥生さんのことだからこんな感じでは…
261名無しさん@ピンキー:2013/01/08(火) 00:35:05.09 ID:/nQ5lIWn
>>954

大人びてる静子が純粋梅子をからかう姿が目に浮かぶw
ノブはいつも欲望のままに梅子を求めてるんだろうな

梅子がノブを直接的に誘ってるのが書きたいけど、
なかなかイメージができないw
梅子はHしたくても照れまくって言い出せずもじもじしてそう
あと太郎に「赤ちゃんはどうやったらできるの?」と聞かれて固まるノブ梅とか
ドラマでしてほしかった
262名無しさん@ピンキー:2013/01/10(木) 23:21:51.63 ID:T9Mpm4nL
ノブ梅新作来てた〜!
梅ちゃんの期待を裏切らないノブwww
三人目は梅ちゃん似の女の子希望w

>>260
弥生さん可愛いよ弥生さん
スペシャルまで我慢した山倉さんが報われたねw
263名無しさん@ピンキー:2013/01/11(金) 03:07:40.62 ID:J4EWnyMw
254です。
遅くなってしまいましたが、感想有難うございました。
竹夫は2日の晩にでも、静子に吸い取られちゃえばいいと思いますw

>>260
うわーっ!メチャクチャ可愛い!!
誕生日だからサービスしちゃおうと言う発想が新婚さんらしいw
それが上手く伝わらない不器用な所と、それでプンスカしちゃうあたりが如何にも弥生らしい。
きっと山倉も可愛いと思ってるだろうなぁw ご馳走様でした!

さて、梅子と光男が出ているCMを見て何となく思いついた物を書いてみました。
光梅……というか、基本歩いているだけですw
会話も取り込めればよかったのですが、そこまで出来なかったのでイメージでw 光男の方言もイメージでw 
「俺」と表記してありますが、「オラ」と「オレ」の間くらいの発音で変換して頂けると助かります。
264恋ごころ 1:2013/01/11(金) 03:09:06.13 ID:J4EWnyMw
「光男くん」
声をかけられ、足を止める。
振り返ると、軽やかに走りよってくるあの人の姿が見えた。
「梅子さん」
夜学へ向かうためにしか通る事のない商店街で、わき目も振らずにまっすぐ前の道だけを見ていた自分の世界が、
パッと開けたような気がした。
「光男くん、足速いのね。追いつくの大変だったわ」
「どうも人ごみは苦手でぇ」
自分の周りには、店や物や人がひしめき合っていて、たくさんの絵の具をデタラメに混ぜたような世界があった。
そんな雑然とした景色の中に、梅子さんの姿だけが白く浮き上がっているように見える。
「お出かけですか?」
「そう。足の悪い患者さんに、お薬を届けに。学校と同じ方向だから、途中まで一緒に行きましょ」
梅子さんが、自分の横に並んで歩き、笑顔で話しかけてくれる。
その、花がほころんだような笑顔を独り占めしているという優越感が心の中で顔を覗かせて、俺は自分の未熟さを痛感した。
「顔が赤いみたいだけど、風邪ひいてるんじゃない?」
下から覗き込むように、曇りのない表情で梅子さんが聞いてくる。
「いやぁ、梅子さんと二人で歩くの、緊張してしまってぇ」
少しおどけてみせると、梅子さんは「どうして?」と笑っていた。
考えてみれば、こうして梅子さんと二人きりで外を歩く事など、今までになかった事だ。
二人で話をしながら歩く道は不思議と短く、いつの間にか商店街を過ぎて川沿いの住宅地までたどり着いた。
本当に風邪がはやっているから気をつけてねとか、いま学校でどんな勉強をしているのとか、
大きな目を丸くして聞いてくる梅子さん。クルクルと変わる表情や、笑うと出てくる小さなえくぼ。
弾むような心持で会話を楽しんでいたはずが、いつの間にか、俺は梅子さんの表情に気を取られていた。
『かわいいなぁ』
そう思った瞬間、社長の奥さん相手に何を考えているのかと、自分でも驚く
「光男くん」
「はいぃ」
突然梅子さんが足を止めて、ジッと俺の顔を見つめてくる。
梅子さんの瞳に吸い込まれているうち、何故だか昔見た記憶が急によみがえってきた。
まだこっちへ来たばかりで、押入れの中で寝ていた頃、朝がきてうっかり襖を開けてしまった時に見たもの。
信郎さんに寄り添って眠る梅子さんの、安らかな寝顔。まくりあがった袖から覗く、白くて細い腕。その先にある肌。
悪い事をしたと思ってすぐに襖を閉めたが、その光景は写真のようにはっきりと頭の中で残っていた。
265恋ごころ 2:2013/01/11(金) 03:09:49.62 ID:J4EWnyMw
そんな事、思い出しちゃなんねぇ。そう思えば思うほど、記憶の中の梅子さんがどんどんと迫ってくる。
長いまつげ。桃色に上気した頬。サクランボのような唇。想像が勝手に膨らんで、いまにも破裂してしまいそうだ。
本物の梅子さんも、かかとを上げて背伸びをして、顎を思い切り上げて出来るだけ俺に近づこうとしているようだった。
「……やっぱり、いつもと違うわ」
必死で頭の中に現れた記憶をかき消そうとしているのに、梅子さんへ自分の考えた事が知れてしまったのかと肝を冷やす。
梅子さんの後ろで流れる川のせせらぎが、やけに大きく聞こえてきた。
俺の口の中は一瞬にしてカラカラになり、少しでも湿らせようと喉を動かすけれど、砂漠のように乾燥してしまって唾液の一滴も出てこない。
精一杯気を張って表情を崩さずにいると、真剣な顔をした梅子さんが、諭すように俺へ話しかける。
「……具合が悪かったら、我慢なんかしないできちんと言ってね」
「ああ……」
俺は無表情を貫いたが、脇からドッと汗が流れ落ちてきた。
それにしても梅子さんは、俺のためにこんなに真剣になってくれていたのか。
ホッとした胸の中は、途端に春が来たみてぇな暖かさになって、その中からもう一つの感情が生まれてくる。
『梅子さんに、触りてなぁ』
湧き上がった想いが両手を支配しそうなところをグッと堪え、ズボンの縫い目に沿って行儀よく並ばせる。
かわりに思い切り背をかがめると、俺は出来るだけ梅子さんの顔の近くまで寄って言った。
「本当に悪い時は、まっさきに梅子さんの所さ行きます。だすけ、心配しねぇで下さい」
「そう。分かったわ」
梅子さんは弓の形に目を細めて、柔らかく微笑んだ。
「それじゃ、私、この家へいくから。勉強、頑張ってね」
ああ。梅子さんが足を止めたのは、俺に用事があったからではなかったのか。
「いってらっしゃいませ」
俺は無性に寂しい気持ちになった事を不思議に思いながら、深々と頭を下げ、たった今嗅いだ梅子さんの匂いを心へ焼き付けていた。
道の端では、タンポポの花が黄色く咲いていた。


――終――
266名無しさん@ピンキー:2013/01/11(金) 19:19:25.29 ID:32d5Lsl8
>>261
光男と一緒に梅子にときめいたよ〜
『かわいいなぁ』 ←年下の光男がついこう思っちゃうのがツボだ
ほのかなエロスもいいね もう触っちゃえよと思ってしまったww
267名無しさん@ピンキー:2013/01/11(金) 19:23:37.87 ID:32d5Lsl8
ミスった!
もちろん>>263の間違いです すんません!
268名無しさん@ピンキー:2013/01/12(土) 02:35:35.83 ID:0q1mVAL8
>>260
なんかメッチャ想像出来る…w
弥生さんなりの愛情が伝わってきますね

光男にとって梅子は初恋の人かな?

SP後には焦らされ梅子とちょいSなノブを書きたいです
想像が文章についてかないのがもどかしい…
269名無しさん@ピンキー:2013/01/12(土) 18:25:27.70 ID:1ORjnGOX
梅ちゃんがレイプされて妊娠しちゃうようなハードなの誰か書いて!
270名無しさん@ピンキー:2013/01/12(土) 21:26:37.69 ID:Qdzh7Ero
>>269
ハードセックスのSSは好物なので今までのようにこれからも書きますが
梅ちゃんが誰にレイプされて誰の子を宿すか考えると
この作品に関してはピタリと手が止まります

松岡に嫉妬してノブがっていうのは考えたこともあるけど
それもなんだかこの作品では書きたく無くなるなぁと没ネタっす

個人的にですが、誰が誰とくっついたとしても
わずかでも幸せな香り、ってのが存在しないと
<梅ちゃん先生>って大前提が成立しないので書き終わりません

書いてても最終的には登場人物を笑顔にさせてこその梅ちゃん先生なんっすよ

誰か他の職人さんがその気になってくれるといいでつね
271名無しさん@ピンキー:2013/01/12(土) 23:13:25.90 ID:VhLpTHjK
ノブに無理やりってのどうよ
ケンカしてて、梅子が「そんなことでごまかさないでよ!」みたいな

あーでも最終的には無理やりにならない感じがする〜w
272名無しさん@ピンキー:2013/01/13(日) 06:23:01.89 ID:NOUQIwZu
263です。感想有難うございます!
>266
子供が出来ても歳を重ねても、梅子の「かわいらしい」って部分は損なわれないような気がするんですよねー。
きっと光男には分かってもらえると思いました。266さんにも分かってもらえてよかったですw

>268
焦らされ梅子とちょいSなノブ見たい!!楽しみに待ってます!
あと何となく、光男は初恋を故郷で済ませてるような気がしています。

>271
何それ、イイーww 喧嘩からエチーの流れ萌えるw
「ノブのバカっ……っ!…あっ、……あ…もう…そんなトコ……」みたいなの書きたくなってきたw

広梅陵辱シリーズ化を密かに企んでいる自分でも、さすがに最終的には落し所アリと思ってからようやく落したんだぜw
273名無しさん@ピンキー:2013/01/13(日) 07:47:50.56 ID:V9kANsRM
なんかまた賑わってきてて嬉しいなw
前に山倉弥生をSP再放送までに落とせたらと伝えさせてもらってた者ですが…
すみません 短くもならずむしろ文章足さないと今のままじゃ読んでもらえる表現にまで達して無い気がします
自分がまとめられる分量じゃなかったっぽいので、今回は諦めようかと ヘタレでホントごめん

代わりに話題の陵辱系にトライしてみました
書く分には結構面白いけど読む方はどうなんだろう…?
269さんは好みの陵辱系ssのヒロインの名前を梅子に変えて一人楽しんだほうがドンピシャを読める気がするけど
嫌味じゃなくてね コアな趣味はなかなか理解されないんだよ…自分も幸吉芳子は受け入れられないだろうと書くの諦めたもんw
274梅子陵辱もどき1:2013/01/13(日) 07:52:41.25 ID:V9kANsRM
後ろから押さえつけられ、梅子は思わずかたわらのベッドに手をつく。
男の硬くなった性器が尻に擦り付けられる。

「ずっと…こうしたかったんだ、梅子先生…」
「だ、ダメ…」

男の節だったごつい手がスカートの中に入ってきて、下着を手荒に下ろした。
いつのまにか潤っていた梅子の女性器に、猛ったものが侵入してくる。

「だめぇ…」
「本当に嫌だったら、こんなにならないよな?」

男の挿入に合わせて、梅子の内側から溢れ出た液が、ぴちゃぴちゃと音を立てる。

「いっつも澄ました顔で患者を診てるこんな場所で」
「あっあっ」
「こんなことされて、梅子先生は感じちゃうのか?」
「んっ、やっ、やめ……あっ、あぁっ」

ピストンが早くなる。
普段試すことのない後ろからの挿入に、今まで感じたことのないような高ぶりを梅子は感じていた。

「なぁ…そろそろ3人目、出来てもいいんじゃねぇか?梅子先生」

力強く突き上げながら、男が梅子の耳元に囁く。

「まっ、まだ二人とも手がかかるから…」
「でも…今日はちょっと我慢できそうにねぇなぁ…」

梅子の中を侵食していた物体が、その体積をさらに増す。

「なっ、中はダメ!」
「どうして?な、言えよ」

男の腰の動きが更に早くなる。

「『だ・し・て』だ、梅子先生」
「あっ、んっ、んっ」

深く突き入れられながら、首筋に甘くキスされると、梅子は何も考えられなくなってしまう。

「あっ、ん、だっ…」

男が耳をすましているのがわかる。

「だっ…し、てっ……あぁっ!」

ご褒美だとでもいうように、梅子の奥深くまで男の硬い凶器が突き入れられる。
大きく数度侵されて、梅子の内側が激しく収縮を始めた。
男の体がブルッと震えるのと同時に、己の中に熱い生命の源が注がれるのを梅子は感じる。

「……次は、女の子だといいな、梅子先生」

男の満足そうな声を、薄れゆく意識の中で梅子は聞いていた。
275梅子陵辱もどき2:2013/01/13(日) 07:56:23.07 ID:V9kANsRM
<種明かしなその後>

「もう、ノブ!悪乗りしすぎよっ!!」
「何でだよ、梅子だってたまには場所変えてするのに賛成したじゃねぇか」
「だっ、だからって、患者さんになりきることないでしょ!」
「その方が雰囲気でるじゃねぇか」
「おまけにっ、なっ、中で…」
「まぁ、そろそろいいかなって。…ただ…」

信郎は床を見つめる。

「これ、シミになったらヤべえなぁ…」
「きゃっ!」

下着を上げるのも早々に、床に滴った二人の体液を拭くための雑巾を、探しに走る梅子でした。

ちゃんちゃん。
276名無しさん@ピンキー:2013/01/13(日) 08:06:20.02 ID:V9kANsRM
ちょっと前にノブ梅話に花が咲いてたのをかなり参考にさせてもらいました
レス見返したらあの台はベッドじゃなくて診察台って言うのか
勢いで作るとやっぱ荒くなるなぁ…
277名無しさん@ピンキー:2013/01/13(日) 11:11:11.48 ID:d5f+/iPQ
今日再放送やるね
278名無しさん@ピンキー:2013/01/13(日) 19:46:02.41 ID:7FIw1Qf8
>>276
こういうの好きw
ノブは色々パターンを考えてそうw

陵辱系と梅ちゃんの世界観が融合してる
個人的には>>270に同感
どこまでパロが許されるか難しいけど…
ノブの方の不倫(咲江さんと)とか考えてみたけど説得力ある内容に持っていけなかった
あと需要もないだろうし
279名無しさん@ピンキー:2013/01/14(月) 11:04:45.49 ID:A71DsqhI
>>274
おおおおおお!
乙乙GJ
御馳走さま!
SPのあとだから余計に美味しいww

ノブはこのスレなりのノブ像ができあがっちゃってるねww

>>278
私も色々なシチュエーション考えてみたけど
結局サッドエンドは書けない作風なんだと諦めたよ
アブノーマル書いても恍惚が必要w
280名無しさん@ピンキー:2013/01/15(火) 00:15:04.34 ID:g8PSmfMO
>>279
SMでも愛ある?SMじゃないと梅ちゃんワールドじゃない気がして…

SPがハッピーで終わったから余計にパロでも悪い気がするし
妄想を補完するのって難しい
281名無しさん@ピンキー:2013/01/15(火) 17:26:56.26 ID:QP/g/i4w
ノブ梅のやることは、シチュプレイも楽しそうでいいねw

ごちそうさま
2821:2013/01/16(水) 22:33:41.48 ID:sbOg9a54
「どこ舐めて欲しいか言えよ」
暗闇の中、広げた足の中心から妖しく囁かれる。
机の上に乗り足首をつかまれ膝を大きく開かれた状態で身動きが取れない。
ヒクついている中心に息がかかる度、どうしようもなく震えが止まらない。
「あ…ん……あそこ…を…」
「あそこ?わかんねーな」
指で中心を大きく開かれクリトリスが剥き出しになる。
見られている恥ずかしさと、それ以上の恥ずかしい箇所を見られている事への快感とで、蜜が溢れるのが自分でもわかる。
「何もしてないのに感じてんのか?」
ニヤリと少し意地悪くかすかに笑いながら、甘い蜜を流すそこをじっと見つめている。
「欲しいのか?穴がヒクヒクしてんぞ」
その言葉に更にドロリと蜜が流れ出し、穴の奥がきゅんと疼きだす。
細かく観察しながら言葉で責めるだけで、一向に愛撫をしてくれないのがもどかしい。
「ん…い…や…いやらしい事ばっかり言って…あぁ…」
「いやらしい事言われるのが好きなんだろ?」
甘い蜜を嗅ぐように鼻を近づけるが何も行為をしようとはしない。
「…っそんなこと…」
「そんなこと?じゃあこのままでいいんだな?」
「いやっそんな…お願い…」
腰が勝手に動いてしまいそうになるのを必死で押さえていたのも限界に近い。
両足がぶるぶると震えている。
頭を抱いた手が無意識に舐めて欲しいと股の間へ誘うよう動く。
「言えよ」
確信を持った目で射抜かれる。
身体が燃えるように熱く喘ぎ声が絶え間なく口から漏れる。
もう…っ…
「ノブッ…舐めてっ…おま○こ舐めてぇっ…!」
2832:2013/01/16(水) 22:34:39.99 ID:sbOg9a54
強烈な快感が突き抜けようとした瞬間、ハッと意識が一気に浮上した。
唖然と天井と見上げながら、心臓がドクドクと強い動悸を打っているのが耳にまで伝わる。
一瞬何が起こったのかわからなかったが、どうやら自分が夢を見ていたのだと気付く。
慌てて隣を見る。
まだ薄暗い中、太郎も新もノブも眠りの世界に入っている。
もしかしたら自分の声が漏れていたのではないか、一瞬焦った梅子だったがどうやらその心配は杞憂だったらしい。
安心すると、ぐっしょりと下着が濡れ、快感がまだ沸き起こっている身体へと気持ちが集中する。
まだ鮮やかに残る記憶が梅子の身体の中心を刺激する。
3人を起こさないよう、そっと布団を抜け、すっかり濡れてしまった下着をそのままトイレへと向かう。
トイレの鍵を閉め、ホッと息をつく。
そしてそっと指を濡れた下着の中へと伸ばす。
クリトリスがぷっくりと膨らんで愛撫を待ち望んでいた。
片方の指でクリトリスを刺激し、もう片方の指で抜き差しを繰り返す。
「んっ…んっ…ふぅ…んっ」
乱れた寝巻きの襟を噛み声が外に漏れないよう必死で押し殺す。
夢の内容を描きながら自分の指をノブの指に変換し激しく奥を突く。
「欲しいだろ?」
ノブの声が頭の中に響く。
欲しい…っ
声にならない叫び声を上げながら梅子は自らの指でのぼりつめた。
2843:2013/01/16(水) 22:35:30.26 ID:sbOg9a54
あんな夢を見るなんて…それにあんな言葉…
汚れてしまった下着と寝巻きを着替えながら、梅子はまだはっきりと覚めない夢の端を思い出していた。
淫らな夢を見てしまった理由は、はっきりとしている。
ここ一ヶ月、ノブに抱かれていないからだ。
特にお互い忙しいわけではない。
太郎と新を身篭っていた時でさえ、軽く触れ合ったり口で奉仕したり…交わりが途切れた事は無かった。
もう2人も子供がいて、毎週のように抱かれるなんて、そんな夫婦の方がもしかして珍しいのかも…?
松子姉さんはどうなんだろう?静子さんは?
そう考えてハタと顔が赤くなる。
(こんな事ばかり考えてるからあんな夢見ちゃうんだわ…)
それでも打ち消そうとすればする程、薄れていくはずの夢が鮮やかに蘇る。
梅子は、休診の日に弥生に相談してみようかと思いながら、朝食の準備の為台所へ降りて行った。
2854:2013/01/16(水) 22:36:17.33 ID:sbOg9a54
「なんていうか、梅子の所は相変わらずよねえ」
差し入れのドーナツを頬張りながら弥生が半ば呆れたように呟く。
「そんなんじゃないのよ、というかそうじゃないから困ってるんじゃない」
反論の声がどこか小さい。
そういう状態になっていくのはある意味当たり前、その意識が梅子自身あるからだ。
いつまでも新婚のような間柄であるはずがない。
夫と妻という役割に父親と母親という役割も出来、お互いの事だけを考えているわけにはいかないのだ。
ただ、父親と母親になってからも夜の営みは普通にあったわけで…
シュンとした梅子を見て、弥生も少し姿勢を正す。
「でも女の影は無いわけでしょ?」
「うん…飲むのもみかみだし、休みの日は子供達連れて遊びに行ってくれるし…心当たりないの」
流石に見た夢の事までは話さなかったが、ぱったりと営みが途絶えてしまった原因がわからず梅子は途方にくれていた。
「うーん…そうねえ…ねえ、梅子からその…誘ったりはしてないの?」
弥生ならきっとその質問をするだろうと思っていた梅子はすぐに返答した。
「それが…最初は疲れてるからかなってなんとも思ってなかったの。でもいつまでたってもその…すぐ寝ちゃうし。」
お茶を一口飲んで息をつく。
「怪しい行動取ってたら文句も言えるんだけど。ご飯の時も普通だし、言い出すのが遅れちゃったから今更聞けなくて…」
「まあ、そうね、タイミングってものがあるものね」
「もし私から誘って万が一…拒否されちゃったらって思うと…怖くて…」
そんな拒否なんてしないわよ、と弥生も励ましたかったが、安易に言える状態じゃないと一瞬言葉が出なかった。
しんみりとした空気になったのを振り払うように弥生は梅子を見つめて力強く言った。
「精力付く食べ物だらけにしちゃいなさいよ!」
2865:2013/01/16(水) 22:37:12.66 ID:sbOg9a54
進展があったらまた報告するという事で相談は終わり、梅子は帰路についていた。
(こうやって夫婦は死を別つまで一生を過ごしていくのかな…)
母に相談してみようかとも思ったが、実の母親にこういう問題は相談しにくいものだ。
あるいはお義母さんになら…でも必要以上に心配されてしまうかもしれない。
その事でノブを叱咤して義理で行為を行われるのも虚しい。
自分から誘って様子を見るのが一番だが、それは最後の一線のようで…踏ん切りがつかないでいた。

その日の夕食も何事もなく穏やかに過ぎた。
「おかわり」
そう言って差し出される茶碗を受け取りながら、ノブの指を見つめる。
もう長い間触れてくれない指…つい考えてしまう頭を振りながら梅子は茶碗にご飯をついで渡す。
笑顔で喋りながら、どこか満たされない思いに囚われ、そこから抜け出せてない自分を梅子は感じていた。
2876:2013/01/16(水) 22:38:01.90 ID:sbOg9a54
だからなのか。
一旦箍が外れてしまった心は止めようが無い。
太郎と新を寝かしつけ「おやすみ」
そう言い、ノブが当たり前のように布団に入り、寝息を立て始めた。
それを見届け、梅子はそっと隣の部屋に来ていた。
布団を引き、その上に力が抜けたように座り込む。
子供達やノブがいる横で自慰など出来るわけがない。
ノブが寝ている横で自慰など…目の端がじんわりと滲んでくる。
どうせ気付かれない。
ここで身体を慰めた後、自室に戻ればいい。
そうして毎日を過ごしていれば、いつかノブも気が向く時が来るかもしれない。
自らの身体を抱き締めながら梅子は自分がとてつもなく惨めに思えた。
だが、そうするしか今の自分には選択肢が無いのだ。
そう言い聞かせ、左手を浴衣の隙間から胸へ、右手を下着へと差し入れた。
暗く悲しい気持ちを裏切るように既に身体は熱く溶けていた。
動かす手をノブの手だと、この小さい手があの大きい手だと、梅子は目を閉じ吐息を漏らした。
いつもノブがしてくれたように、乳房を揉みながら胸の先を捻り上げる。
「あぁっ…いいっ…」
同時に茂みの奥の濡れた場所へ指を滑らす。
「そこ…ノブ…触って…」
思わず口をついて出た愛しい者の名前…昼間とは違う夜の顔が浮かんでくる…
と、部屋の襖が音もなくスッと開いた。
サッと襖を閉め部屋の中へと入って来る。
自慰に耽っていた梅子は、目の前に立つ人物を認識した途端、凍りついた。
「っ!」
それは今まさに梅子の頭の中、激しく梅子を抱いていたノブだった。
288名無しさん@ピンキー:2013/01/16(水) 22:39:12.00 ID:sbOg9a54
続きます

また後で

タイトル浮かばない…
289名無しさん@ピンキー:2013/01/16(水) 23:04:52.57 ID:+XfrVOf/
ノブ梅新作キタ
続き楽しみに待ってます
290名無しさん@ピンキー:2013/01/16(水) 23:11:55.23 ID:MyaLlNY/
なんという寸止めwww待ってるよーw
2917:2013/01/17(木) 02:24:24.72 ID:+cp13Ic2
「どうした?続けろよ」
ピタリと動きが止まった梅子に対しまっすぐ見つめて言い放つ。
その目は欲望に濡れていた。
梅子は何が起こっているのかわけがわからなかった。
人目を忍び自慰をしていて、そこに何故かノブが現れた…
「どう…して?」
秘部に手をやったまま唖然と問いかける。
だがその問いにノブは答えない。
「感じてるんだろ?見ててやるよ。続けろよ」
いつものノブと感じが違う。
何がなんだかわからない。
ただ混乱する頭の中、自分を見つめてくるノブの熱に一旦冷めた身体が火照ってきたのがわかる。
「指を動かせ。気持ちいいんだろ?」
「ん…はぁ…」
操られるようにその言葉通りに感じる部分を指で探る。
「どこ弄ってるんだ?」
卑猥な言葉に更に身体が火照るのを感じる。
「胸…と……あ…」
「胸となんだ?」
まるで夢の再現のような、やりとり。
これは現実?
それとも自慰をしたまま寝てしまい、あの夢の続き?
夢でも何でもいい。
このまま熱に浮かされていたい。
梅子はぼんやりと快感に流されるまま指の抜き差しを繰り返す。
胸の先をきつく摘む。
ノブに見られているせいだろうか。
「あぁっ…!」
あっけなく梅子はいってしまった。
2928:2013/01/17(木) 02:25:59.46 ID:+cp13Ic2
力が抜けダラリと布団に座り込んでいた。
と、ノブがこちらに近づいてくる。
梅子の身体を軽々持ち上げ、月明かりの見える机の上にちょこんと乗せた。
そして荒々しい手付きで梅子下着を下ろし、両足を広げさせた。
「やっ…」
恥ずかしい体勢を取らされ、とっさに膝を閉じようとしたのを両腕で止められる。
暗闇とはいえ、月明かりで微かに秘部が見えているはずだ。
「どうした?今更だろ?」
まるでそうする事が当たり前のように恥ずかしい部分をじっと見つめてくる。
(夢と一緒だわ…)
あの時は願いが叶わなかった。
夢は所詮夢でしかない。
いつかは覚めてしまう。
これも夢?
もし願いを言ったなら、また覚めてしまう?
それとも…
2939:2013/01/17(木) 02:26:40.97 ID:+cp13Ic2
逡巡していると眩しい光で一瞬視界が白くなった。
ノブが電気スタンドを点けたのだ。
「え…あ…ノブ…!」
夢じゃない。
これは紛れもなく現実だ。
でも…本当に?
それでも頭はぼんやりと霞がかかったように欲望に支配されている。
淡い茂みを掻き分け、両指で広げられ、中が空気に触れたのがわかる。
(見られてる…)
下半身を照らすライトの光で何もかも暴かれている。
目を瞑っていても、あそこをじっと見られているのを感じてしまう。
そう思うと、子宮が疼き腰が誘うように動く。
そのくせ口からは
「やめて…恥ずかしい…」
嘯いた呟きで欲望を隠してしまう。
「ほんとはこうされたかったんだろ?」
見透かされたかのような言葉を投げかけられる。
「よく見えるな…梅子のここ。すげえな…グチャグチャに濡れてる…」
「ああんっ…」
早く舐めて…!そう願うが夢と一緒で一向に触れる気配が無い。
(嫌…夢と一緒の結末は嫌…)
「何もかも見えるぞ…あそこも後ろも」
何を言ってるのか見当がつき、ゾクッと快感が全身に走る。
「どうして欲しい?言えよ」
上擦った声で問われる。
ノブも興奮してる…そう思うとどうしようもない愛おしさが溢れ出し、ノブの髪を掻き乱しながら叫んでいた。
「ノブッ…舐めてっ…おま○こ舐めてぇっ…!」
29410:2013/01/17(木) 02:27:34.79 ID:+cp13Ic2
熱い蜜の壺に勢いよくノブの舌が進入してくる。
掬い上げるようにピチャピチャと溢れ出て来る蜜を美味しそうに舐め上げる。
「あ…ん……そ…こ…」
クリトリスをキュッと摘み上げられながら芽を割って入った舌で擽られる。
「あんっ…いいっ…いいっ…もっと…」
同時にもう片方の指がピストン運動を繰り返し、じゅぶじゅぶと音を立て続けている。
少し膨らんだ箇所に指が行き当たり、梅子の喉が反りっ返った。
「ひぃっ!」
「ここか…」
夢と同じようにニヤリとノブが笑う。
「…あんっそこっ…気持ちいいっ…気持ちいいのっ…もっと!」
酔ったように梅子が叫ぶ。
太くて長い指が快感の壷を付く度、梅子の身体がびくびくと跳ね上がり嬌声が止まらない。
「美味しい…」
梅子の秘所を貪りながらノブも酔ったように囁く。
(ああ駄目…そんなこと言われたら…)
「きゃぁっ!…もう…もう…イクッ…!」
3本の指で激しくピストン運動をされクリトリスを舐め上げられた梅子は啼きながら達った。
295名無しさん@ピンキー:2013/01/17(木) 02:31:00.14 ID:zdzwFdOR
まだ続きます
すみません
296名無しさん@ピンキー:2013/01/18(金) 18:16:07.96 ID:J14Dhw0o
触らないで待ってます…ッ…
29711:2013/01/18(金) 23:26:57.92 ID:rsIwvVPm
3本の指を銜え込んでいた穴は激しく収縮を繰り返し白濁とした液が流れ出ている。
梅子の身体は未だビクビクと震え、意識も朦朧とした様子だった。
「大丈夫か?布団に移るぞ」
そんな梅子の身体をノブは布団に移動させる為に持ち上げる。
優しく宝物を扱うように布団に下ろすと、今までの空白を埋めるように梅子の白い肌を貪りだした。
「ノ…ブ…」
意識がはっきりとしだした梅子は、我慢出来ず積極的にノブの広い背中へと手を回し肌をまさぐる。
太腿の辺りに熱い塊が当たる。
すかさず手を伸ばし、扱き上げる。
「うっ…もたねえかもしんねえ…1回イカせてくれ梅子…」
(ノブも余裕ないのね)
そんな嬉しい言葉に梅子はノブの熱くて太いペニスを頬いっぱいに銜え込んだ。
(ああ…久しぶりのノブの味…美味しい…)
恍惚とした表情で一心不乱にノブのモノを舌や口の中で愛撫している梅子の顔をノブもまた欲情に濡れた目で見つめていた。
「梅子…はっ…だ…出すぞ…!」
「ノブ…ん…出して…飲ませて!」
喉に濃い白濁とした体液がドクドクと流れ込んでくる。
決して美味しいものではないのに、ノブのものだと思うと一滴たりとも勿体無いと思ってしまう。
竿を扱きながら、ちゅっと最後まで吸い付いて梅子はノブを味わった。
29812:2013/01/18(金) 23:28:12.79 ID:rsIwvVPm
2人は薄明かりの中、無言で白湯を飲んでいた。
喉が渇き身体から熱と水分が失われたのを感じたからだ。
身体の中を染み渡るように水分が広がり、少し体力が戻った気がする。
ホッと一息ついた梅子だったが、身体の芯に渦巻く情欲はまだ鎮火していないのを疼く下半身で嫌がおうにも思い知らされていた。
理由は一つ。
『ちゃんと』抱かれていないからだ。
何回もいかされた。 
でもあの熱い楔で穿たれない限り、決して欲望の火は消えないのだ。
(ノブはどう思ってるのかな…)
そもそもずっと夜の生活から遠のいていたのに、何故今日いきなり…
しかもノブが寝たのを確認したというのに…
聞かなければいけない事がいくつもある。
なのに今は頭の中はぐるぐるで…と、梅子の手から湯のみが取り上げられた。
「なあ梅子」
「…な、何?」
「本番は今からだからな」
獲物を追い詰める肉食動物のようなノブの目に、梅子の心臓はドキリと跳ね、そして子宮の奥がズシンと甘い疼きで満たされる。
梅子の穏やかだった表情が、トロンとした目つきに変わっているのをノブは見逃さず、まるで想定内のように不敵に笑った。
29913:2013/01/18(金) 23:29:01.32 ID:rsIwvVPm
「あ…ノブ…う…はん…」「梅子…もっと声だせよ…ここが感じるんだろ?」
寝巻きの浴衣を脱ぎ捨て、全裸で絡み合いながら深いキスを繰り返す。
片方の乳房の乳首を下で転がしたり吸い付いたりしながら、もう片方は指でクリクリと捏ね回す。
「んあっ…感じるわ…そこいいの…もっと乳首くりくりしてぇ…!」
「こうか?乳首吸われるのも好きなんだろ?」
「あん…好きぃ…」
ノブの頭をまさぐりながら梅子は腰をうねらせ、恥ずかしげもなく思うままに嬌声を上げていた。
首筋を吸われ、背中を唇で辿られながら梅子の秘所は愛撫するまでもなく潤っていた。
「どこに入れて欲しいんだ?」
ここまできてまた意地悪を言うノブ。
それでも梅子は両手で場所を広げながら「ノブ…ここに入れて…」と惜しげもなく晒した。
「っっ!!」
性急にいきり立つペニスをあてがい一気に貫く。
「っ!きゃあっ…あぁん!あんっあんっ…いい…あんっ…いいっ…」
腰をグラインドさせたかと思うと一心不乱に突き続けたりと攻撃が止まらない。
先ほど見つけた弱いスポットも的確に把握しており、達っしそうになると腰の動きを弱め、また弱いポイントを攻撃するという繰り返しを行う。
「おかしくなるぅ…ノブぅ…」
「ここでいかせて欲しいか?」
それはノブが指で見つけ、梅子が敏感な反応を示した場所だ。
「そこでイキたい!いかせてノブ!」
お互い腰を激しく打ち合いくねらせながら、頂点へ登りつめようとしていた。
想像では感じ得なかった体温や汗の匂い、触れ合う肌のどうしようもない熱さが今身近に感じられる。
ちょっと前まで近くにいたのに遠く感じていた夫。
それが目の前で微笑んで抱きしめてくれている。
胸の奥がじんわり温かくなって、それだけで内部がキュッと締まってしまう。
そっとノブが梅子の耳元に口を寄せる。

「いじっぱり梅子、すごく待っちまったじゃねーか」

「っ?!」

ノブが腰を強く打ちうけ梅子のGスポットを攻め立てた。
「きゃああああああーーーーーーー!!!」
300名無しさん@ピンキー:2013/01/19(土) 21:50:51.50 ID:q69AX5nW
>>269
梅ちゃんがレイプされるっての俺も希望します。
最後の最後まで泣きながら嫌がってくれそうだよね。
レイプ魔の子供を妊娠してしまって思い悩む梅ちゃんとか最高。
301名無しさん@ピンキー:2013/01/21(月) 01:31:21.08 ID:rg08ZiyB
続くのかなぁ?
302名無しさん@ピンキー:2013/01/21(月) 02:27:34.91 ID:xjq69N69
ノブ梅の事ですか?
続くけどスレ占領したら悪いので他のパロ落ちるの待ってたり
303名無しさん@ピンキー:2013/01/21(月) 09:15:30.00 ID:VfnWW7LP
>>302
投下ありがとうございます
2話同時進行だとせっかくの世界感が混乱します
仕上がっているのなら終りまで一気に投下をお願いできますか?
30414:2013/01/22(火) 03:41:05.09 ID:cP99iJTb
薄っすらと暗闇の底から記憶が浮上してきた梅子は一瞬、今いる場所が何処でどういう状況なのか把握するのに若干時間を要した。
自室の布団の上に新しい寝巻きを着て横たわっている。
先程まで激しい情交を重ねていたとは思えないさっぱりした空気。
やっぱり…夢?
でも下半身の満足具合がどうも現実感を伴う。
起き様とした時、部屋の中にノブが入って来た。
「おう、起きたか?」
ノブも先程のフェロモンを醸し出す空気はなく、さっぱりとした風情だった。
…余りにもいつも通りすぎてなんだか腹が立ってきてしまう。
「濡れタオルで拭いたから気持ち悪くないだろ?」どこか満足気な口調でまるで一ヶ月間が無かった事のように振舞われている。
(ノブの気が向いた時だけの性処理道具なんかじゃない…!それに…なんであのタイミングで…!)
気が向いてくれるまで待っていようという殊勝な梅子の思いは最早彼方に吹き飛び、混乱で心乱れていた。
一向に言葉を発さない梅子を流石に不信に思い、ノブは不信に思い梅子の顔を覗き込む。
「っ!!」
そこには両目からポロポロと涙を流す梅子の頼りない風情とは裏腹な強い眼差しがあった。

「…う…梅…子。もしかしなくても怒ってんのか?」
「!当たり前じゃない!」

思わず声を荒げてしまい、慌てて隣に寝る子供達を気にする。
大人しく寝てる2人を見ていると自然と涙が浮かんでくる。
「…どうして?…どうして?…ノブの考えてる事わからない…」
どんなに子供の頃からの付き合いでも夫婦となり子供を授かろうと他人の気持ちを理解する事など出来ない。
「ずっとほっとかれて…私の事飽きたのかと思うじゃない…」
こんな明け透けな話を夜が明ける前にするなんて思ってもみなかった。
「なのに突然、部屋に入ってきて…あんな…あんな…」行為を思い出し、つい顔が赤らんでしまう。
「ちゃんと説明してくれないと、納得いかないから。」
赤くなった顔をさりげに隠しながら梅子はノブに詰め寄った。
そんな梅子の身体を後ろから軽く抱きしめながら耳元に呟いた。
「怒らないか?」「怒るような理由なの?」「さ、さあ…どうだろうな…はは…梅子も人の親だ、医者だ、そう怒るのはよくない」
ノブの顔が若干引き攣っていた。
30515:2013/01/22(火) 03:42:20.42 ID:cP99iJTb
「ええええええぇーーーーーー!!」
「ばっか、梅子声でかい!」
とっさに梅子の口をノブは手で覆った。
「だってぇ…本当にそれだけの理由なの??」ぽかんとした顔で梅子はノブの顔をマジマジと覗き込む。
「…わりいかよ」拗ねた様子でノブが顔を背ける。

『マンネリを避ける為の第一の工夫』
1、週2〜3回営みをしている夫婦はわざと少し距離を置いて相手の出方を見てみる。
  我慢できなくなった相手がどういう行動を取るか観察する。
  この場合、新しい男の影が現れないか注意する事。
  相手から誘ってきたら大成功です。
  あなたは愛されています。

「……ねえ?これ誰からの受け売り?」
ジト目で追求してくる梅子に逆らえず、つい「まあ…なんだな、き…が付く奴か…な?はは…」
ガックリと梅子は肩を落とす。
(なんだったんだろう…この一ヶ月の私の悩みって…)
そんな梅子の気も知らないでノブはノブで葛藤をぶちまける。
「最初はタカ括ってたんだよな、そんなに梅子が我慢できるわけないって」「ちょっノブッ」梅子は頬を膨らます。
「まあまあ。一週間くらいしたら甘えて布団にでも入ってくるんじゃないって期待してたのにそんな様子はねえしよー」
ブツブツと焦らなかった(と思ってる)梅子への不満が止まらない。
「昼間も普通に診察してるし。何にも問題ない顔して生活してて、みっともねえけど、こっちも意地になっちまったんだよ」
振り返るように少し遠い目をしながら語るノブ。まさかそんな思いを抱いて生活してたなんて。
「ま、流石に生理には逆らえないからどうしようもない時は1人で処理したけどよ」はーあ、とため息をつきながらノブは話す。
「1人って…その、店とかじゃなく…?」おずおずと梅子が聞くと「1人も1人だよ!この世にトイレがあって感謝だよ!」
やけっぱちのようにノブが洗いざらい、ここ一ヶ月計画していた事を一つ残らず喋り出していた。
30616:2013/01/22(火) 03:43:32.66 ID:cP99iJTb
「梅子は身体が疼く事無かったのかよ?」
直球の質問に、淫らな夢を思い出し言葉に詰まる。
「普通に寝て起きてご飯用意して仕事して家事して…りっぱに主婦と医者両立してたよな」
そんな事はない…頭の中が厭らしい妄想で溢れていた時もあった。
でもノブは梅子が厭らしい夢を見る程、欲求不満になっていたとは露ほども気付いてないようだ。
「だから馬鹿みたいな実験はもう終わりにしようかと思ってたんだよ、そしたら…部屋抜け出すじゃねーか」
「寝てたと思ったのに…狸寝入りだったのね、もう〜」
梅子はあの時のせっぱつまった欲求を思い出し、身体の芯がきゅんとなった。
「それとなく様子伺ってたら、俺の名前呼んでるしよ〜待ったの無駄じゃなかったとつくづく感動したな、あれは!」

ガッツポーズを取りながら無邪気に喜んでるノブの姿を見ると、冷えてイライラしていた心が氷解していくようだった。

ぽすんとノブの身体に体重を預けながら、梅子はポツンと問うた。
「ノブ…」「ん?」「もし最後まで私が何も行動起こさなかったらどうしてた?」「…そりゃあ反応があるまで第二、第三の計画を実行に移してたな!」
悪気なく無邪気にそう答えるノブを見ていると、もしかして普通の夫婦の基準で考えるのがそもそも間違い?と梅子は思いあたってしまった。

「ノブ…回りくどい事しなくてもあの時のように求めてくれたら…いつでも私は幸せなのに」
ふふ…と穏やかな顔で微笑む梅子を一瞬ボーッと見惚れたノブはハッとなり「本気か?」と真剣な顔で聞き返した。
ノブも梅子に飢えていたわけで、その飢えが肉食動物のように梅子を喰らわせた。
「…本当よ。わかってるくせに。」その清らかさと淫蕩さをあわせた微笑を見つめ返しながら耳元に囁いた。
「じゃあ今晩は騎乗位な」
30717:2013/01/22(火) 03:44:25.88 ID:cP99iJTb
しばらく時間が取れず、電話での報告にしようかとも考えたが、やはり直接説明した方が良いだろうと梅子は弥生の元をまた訪れていた。
一体どう切り出そうか悩んだ梅子だったが、どう切り出した所で叱られそうな呆れられそうな気がしたので素直に報告した。

「プッ……………クックックッ…駄目…やめて、私を笑い死にさせないでよ〜」
恐る恐る様子を伺うと、お腹を抱えて笑っている弥生の姿が目に入る。
「やっぱりそんな事だと思ってたわよ、うんうん」
「弥生さん怒るかと思ったのに」梅子も安心してケーキを口に含む。
差し入れのショートケーキを食べながら弥生はうーんと腕を伸ばす。
確かに犬も食わない夫婦喧嘩で一生やってなさいと思わないでもない。
でも絶対などという事はこの世にはない。
山倉との仲を見守ってきてくれた梅子だからこそ、万が一にも不幸なピースがあってはいけないのだ。
実の所、弥生も今回ばかりはかなり心配していた。
元々、幼馴染で男女を意識してなかった2人だ。時が過ぎ、また意識しない状態に絶対戻らないと誰が保証出来るのだろう。
セックスレスの状態になるかならないなんて誰にもわかるわけがない。

「それにしても…信郎さんって精力的っていうか工場切り盛りしながら夜の生活まで勉強熱心ってパワフルね」
改めて弥生が感心したようにため息をつく。
そんな弥生の感想にどう答えようか、この間しっかりと「騎乗位」を体験させられた事を思い出しながら頬を赤らめていた。
そして弥生はふと思い出した途端勢いよく梅子に聞いた。
「もしかして精力つく食べ物だらけにしちゃってないでしょうね?危険だわ!」

家への帰り道…この前は暗く悲しい風景だったのに。
何も変わらないはずの風景がこんなにも違って見えるなんて。
足を鎖で囚われ、重く暗い先が見えなかった道が、翼でも生えたかの如く軽やかな足取りで遠くまで光で見通せる。
ふいに「梅ちゃん先生、お出掛けかい?」そう近所の人に聞かれる。
「ええ、友達の所まで。」にこやかに会話を交わしながら、ここで愛する家族と暮らしていく喜びを改めて感じる梅子であった。

終了
308名無しさん@ピンキー:2013/01/22(火) 03:45:19.32 ID:cP99iJTb
長くなってすみませんでした。
お言葉に甘えて投下します。
Sで強気でかっこいいノブを書いて見たいと思い始めたはいいですが
オチがオチだけに、いつものノブに…アレ?

触発された山倉弥生を読んでみたかったりもします。
失礼しました〜。
309名無しさん@ピンキー:2013/01/22(火) 18:44:22.36 ID:FQpdf/9i
いや〜最後まで楽しませてもらいました!チャレンジ精神を感じる意欲作にGJ!!

303さんも言いにくいことをうまく伝えてくれてありがとう
ちょっとずつ投下が続いてると、遠慮してSSはもちろん書き込み自体が少なくなるもんね

「な…舐めて…僕のおち○ちん舐めてぇ…!!!」
と山倉が身悶える山倉弥生バージョン来ますかね?w
310名無しさん@ピンキー:2013/01/22(火) 19:29:05.56 ID:z32+JU9Z
>>309
ちょこちょこ投下ですみませんでした
容量オーバーしたらどうしようとちょっとビクビクでした
どうしようかと思ってたので、はっきり伝えて貰って良かったです
なかなかコンパクトに纏めるのが難しいですね

職人さんの投下待ってます
311名無しさん@ピンキー:2013/01/22(火) 23:35:48.07 ID:qf2qMjwI
>>310
303です
長編だと連続投稿規制にかかることもあるので
続けたいのに続けられないのか、書き上げながら送信しているのか、はたまた遠慮してらっさるのかw
お願い!焦らさないでBY梅子 みたいなカンジでついwww
わがまま書いてスミマセンでした<(_ _)>

作品はもうなんつったって濃厚ですばらしいノブ梅神作!
御馳走でしたw
コンパクトじゃなくて全然構わないので次回作も正座でお待ち致しております!

情景描写が丁寧なので脳内映像がとっても良く浮かびます。
こういう風に書けたらなぁ〜と羨望で嫉妬ですヨw

>>309
温かいお言葉ありがとうございます
他スレで2作品同時進行に遭遇したことがあり
その時は全くテイストが違うものだったので両方落とし終わるまで読むのも待った経験がw

山倉ならすごいエロいこと大声で叫びながらおねだりしそうw

最近どうにも枯れててorz
ネタはあるんですけど膨らまないのでございます‥
でも山倉旦那が大声でああしてこうしてってねだるのをわかったから黙れと言う弥生‥
なんだか書けそうな気がします!
ちょっくらがんばってきます

ちなみに‥
他のスレを見ていると、500Kで容量オーバーっぽいので、480k位から次スレを考えても良いのかもしれません
現在は263kと専ブラに表示されてます

長文失礼いたしやした〜
312名無しさん@ピンキー:2013/01/23(水) 00:16:36.42 ID:x67zXT2a
>>310
乙!
ノブ梅大好きな身なので最高でした
できたらのでいいですが、いつか「騎乗位編」も見たいですw
313名無しさん@ピンキー:2013/01/23(水) 02:26:02.37 ID:HC4t6Lsa
>>311
500Kでオーバーなんですね
保管庫があると思いながらも自分の作品の容量で落とすのも忍びないと様子伺いながら投下というメンドクサイ事でダラダラと
失礼しました
今度から長編でもサクッと落としてみます

弥生さんがSMの女王に思えてキタw

>>310
どうもです
ありとあらゆる体位を試してみたいですね(フフフ…)
314うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
315名無しさん@ピンキー:2013/01/26(土) 04:35:07.03 ID:muNQAU4S
新作お待ちしてます
316名無しさん@ピンキー:2013/01/28(月) 15:50:32.81 ID:bV0uwW7i
保管庫管理人です。
個人的な事情で2ヶ月も放っておく形になってしまい、申し訳ありません。

また編集をはじめました。
至らない点が多いかと思いますが、よろしくお願いします。
317名無しさん@ピンキー:2013/01/28(月) 21:09:00.40 ID:CnF94FVs
>>316
ありがとうございます
助かります

皆さん文才があってうらやましい
ノブ梅子で見たいシュチュエーションは沢山頭の中にあるのに
それで話を作ろうとすると全然出来ないorz
318名無しさん@ピンキー:2013/01/29(火) 17:27:50.89 ID:q46A8q4f
>>316
乙です
よろしくお願いします

>>317
気にせず投下されてみてはどうでしょう?
それかネタ振りしてみるとか
319名無しさん@ピンキー:2013/02/01(金) 03:35:31.37 ID:DxOui8wk
>>316
いつも一方ならぬお世話になっております。どうも有難うございます。
アップくらいのお手伝いは、などと思っておきながらダラダラとやらずじまいでした。
お任せしっぱなしで済みません。

ようやくBOX3巻をちょっとづつ見始めたんだけど、ノブ梅結婚前は録画していなかったから、
けっこう忘れていることがあった。婚前もやっぱり可愛い二人だw
その辺りも拾えればな、と模索中。
320名無しさん@ピンキー:2013/02/02(土) 02:34:14.16 ID:sFCDes1p
あ…新しい物語が読みたい…エロじゃなくてもいい…何でもいい…誰か……と禁断症状が出てきましたw
今も書き進めてくださってる職人さんがおられると信じて、完成までの時間稼ぎに昔書いてたのでも読んでやってください

前スレで『アメリカに旅立つ前の最後の切ないキス』ってリクエストがあり、
メロドラマ風なのを一作書かせてもらったんだけど平行してこちらも書いてた
松岡と梅子が帝都大の病院に電車で通ってるのか確信が持てず日の目を見ませんでした

こっちはメロドラマと言うより辛気臭いかも エロもない
けど新しい話も思い浮かばないので勘弁を
頼まれもしないのに梅子バージョンも書いてる それもいずれ落とさせてください

>>316
作品まとめて読み返せるって今更ながらにありがたいことだと感じてます
どうかこれからもよろしくお願いします!
321接吻(松岡)1:2013/02/02(土) 02:36:28.25 ID:sFCDes1p
1日の仕事を終え、松岡は職場である大学病院を後にする。
門を抜けようとしたところで、くっと袖を引かれた。

「梅子さん…」

留学のために別れた彼女がそこに立っていた。
開業して忙しいはずの梅子が、なぜ大学病院などに訪ねて来たのか不思議に思っていると、

「写真が、出来たから」

彼女が四角い封筒を掲げてみせる。
久しぶりに会う梅子は少し痩せて見えた。
…いや、おそらくそれは気のせいだろうと、松岡は思い直す。
自分で別れを切り出しながら、梅子には自分との別れに気を沈めていて欲しいと、どこかで願っているのだ。
そんな身勝手な自分を松岡は恥じた。

「ありがとう」

封筒を受け取ろうとして、すっとそれを引かれる。

「?」
「…駅まで、少し歩きましょうか」

自分の同意も聞かずに、梅子が歩き出す。
慌てて松岡はその後を追った。

途中で数軒の喫茶店を目にし、松岡はその度にお茶にでも誘おうかと思案する。
けれど、お茶と言うよりは、もう夕食の時間だ。
自分とはすでに別れた女性を2人きりの食事に誘うのはどうなのだろう…。
それは常識的に考えて、おかしなことではないのだろうか?
生来の生真面目さゆえに妙なところが気になり、松岡は行動を起こすことが出来ない。

駅が向こうに小さく見えてきて、松岡はがっかりした気持ちになった。
もうすぐ梅子とは会えなくなる。3年…いや、5年だろうか。
何を、とは解らないが、何かを、もう少し話していたかった。
思えば駅へ向かう道中、ほとんど会話らしい会話をしていない。
梅子は怒ったように自分の少し先を行ってしまう。
やはり、突然別れるなどと言った自分を許せずにいるのだろうか。
写真を撮った日は、あんなに晴れやかな笑顔を見せてくれていたのだが…。
322接吻(松岡)2:2013/02/02(土) 02:37:44.16 ID:sFCDes1p
と、ふいに梅子が角を曲がった。
細い路地を、梅子はズンズン進んでいく。

「う、梅子さん?駅は向こう…」

自分の声など聞こえないかのように、梅子は駅からそれた道を突き進む。
もう、そこがどこだかは解らないほど何度か角を曲がったところで、
ようやく松岡の手が梅子をとらえた。

「どこに行くんですか…?」

どこか距離のある口調になりつつ手を引こうとするが、梅子はそれに抵抗する。
どうしたのだろうかと梅子の顔をのぞき込んで、松岡は息をのんだ。
梅子は泣いていた。

「どうしたんですか?」

梅子はただ首を振る。
まるで、梅子自身もその涙の理由が解らないかのように、首を振りながら、目からは涙の粒を落とし続ける。

付き合っていた頃ならば、いくら鈍い自分でも、泣きじゃくる目の前の女性を抱きしめるぐらいのことはしたと思う。
けれどもう自分は、そんなことを許される身ではない。
ただ呆然と泣く梅子を見守るしかない。

「松岡さんとは…何の思い出もありません」

梅子の小さな声が耳に届く。
松岡には、その言葉の意味が始め理解できなかった。
梅子が医専に在学している頃から、自分は梅子と顔見知りだった。
幼馴染みの彼よりは歴史が浅いだろうが、普通に考えて、彼女と過ごした年月は充分に長く、
それに伴い、それなりの量の思い出もあるはずだと思う。

梅子の言葉にすぐさま反論しかけて、小さな肩を震わせて泣く梅子を見た松岡は、動かしかけた唇を止めた。
思い出…それはどういう意味なのだろうか。
323接吻(松岡)3:2013/02/02(土) 02:39:37.48 ID:sFCDes1p
どこかで自分の心の中にも引っかかっていたこと。
“お付き合いをしている”その事実に胡坐をかいて、恋人らしいこととはどこか無縁の自分達だった。
抱き合ったことはある。けれど…実際その程度だ。
別れを決めてからは、むしろそれで良かったのだと、思い込もうとしていた。

思い出とは、そういう意味なのだろうか?
けれど、今更それを言われても、どうしろと言うのだろう。
たとえ憎み合って別れたわけではないにしても、もう自分達は恋人同士ではない。
今更思い出が出来たところで、辛いだけではないか。
…少なくとも、彼女にとっては。

2人とも何も言葉を発することなく、ただひたすら静寂だけが続く。
不意に、勢いよく自転車が角を曲がり、こちらに向かってきた。
耳障りなベルと共に、2人に近づく自転車。
とっさに松岡は梅子を自分の方に引き寄せた。

小さな体が自分の腕の中にすっぽりとおさまる。
その感触は、初めて梅子に抱きつかれたあの瞬間の感触を思い出させた。

本当に不器用な恋だったと思う。
まるで初めての恋愛のように、互いの姿を見るだけで嬉しく、それをまたお互いに伝え合った。
いつまでもそんなこそばゆい思いのまま、相手を思い続けていたような気がする。
きっとこの人と生涯添い遂げるのだと、ついこの間まで信じていた。

自転車はとうに通り過ぎていた。
けれど、抱きしめた手を離せない。
梅子がそろそろと顔を上げる。

今まで、これほど近くで梅子の顔を見たことはなかった。
黒々としたまつげに縁取られた大きな目。緩く結ばれた小さな唇。
初めて出会った頃と変わらない、幼さの残る顔だ。
あまりに愛おしい、とその瞬間思ってしまった。
324接吻(松岡)4:2013/02/02(土) 02:41:08.74 ID:sFCDes1p
気付けば、梅子の小さな頭を片手で鷲づかみにし、引き寄せていた。
上からかぶさるようにして、戸惑う形に開かれた唇に自分の唇を押し当てる。
梅子の手がすぐさま松岡の胸を押し返そうとするが、ずっと手にしていた封筒の存在に気付き、力を緩める。
夢中で口付けを深め、舌を押し入れると、梅子の小さな舌に触れた。
たまらず柔らかく絡めると、おずおずとだが、梅子の舌もそれに応える。
こんな風に、むさぼるように梅子を求めたことは無かった。
それまで理性で押さえ込んできた様々な欲望が、この瞬間一気に噴出してしまった。
…だが、そんな時間も長くは続かない。

ハッと我に返った松岡が、梅子の体を解放する。
不意に拘束を外されて、よろけた梅子の腕を、松岡は慌ててつかんで支えた。

「……すまな…」

謝罪の言葉が口をついて出ようとして、梅子の小さな手にそれを阻まれる。
梅子が腕を引いたので、松岡は急いでつかんでいた手の力を緩めた。
梅子が、ずっとその手に握っていた封筒を、松岡に差し出す。
松岡は、それを黙って受け取るしかなかった。

寂しげで、それでいてどこか満足そうにも見える微笑みが梅子の口の端に浮かぶのを、
松岡は不思議な気持ちで眺めた。
それは奇妙に『女』を感じさせる表情だった。
少女にしか感じられなかった梅子も、一人の立派な女性だったのだと、今頃になって松岡は知る。

「…さようなら」

そう言うと、梅子はくるりと背を向け、フラフラと歩いていこうとする。
その姿を追いかけかけて、松岡は立ち止まる。
たぶん、もう追いかけて行くことはできないのだ。
自分達が同じ道を進むことはないと、そう決めたのは自分なのだから。
325接吻(松岡)5:2013/02/02(土) 02:43:08.33 ID:sFCDes1p
少し行ったところで案の定駅への方角を見失い、道行く人に頭を下げて尋ねる梅子の姿を、
松岡は胸を掻きむしられるような気持ちで眺める。
見慣れた、そそっかしく、守ってやりたくなる梅子の姿がそこにはあった。

角を曲がりその姿が見えなくなって、松岡は、ただ一人ポツンと取り残されてしまった自分に気付く。
ふと手にしていた封筒を開け、薄暗い街灯の下で写真を眺めると、そこには柔らかく微笑む梅子と自分の姿があった。
今思えば必死で別れを納得しようと、2人とも懸命に自分の心と闘っていた。

梅子と触れあったことで、今も胸には苦い切なさが残っている。
けれど、梅子との歴史を考えれば、この胸の痛みこそ、2人の別れに相応しいもののようにも思う。
彼女も今、同じ痛みを感じているのだろうか…。

もう一度写真に目を落とす。
先ほどの出来事など知りようもない、写真の中の自分と梅子が、ただ穏やかに微笑んでいる。

…きっといつか、この写真のような微笑を2人とも取り戻せるだろう。
それまではもうしばらく、この切ない痛みを感じていよう…。

松岡は写真を封筒にしまい、大事そうにかばんに入れると、
一つ大きく息を吐いてから、梅子と同じ駅への道を、一歩また一歩と踏みしめるようにたどった。


326名無しさん@ピンキー:2013/02/02(土) 10:13:25.99 ID:sFCDes1p
自分の話を読み返して松岡編だけだと訳がわからないと今頃気付いた…遅すぎる…
梅子編も続けて落とします
327接吻(梅子)1:2013/02/02(土) 10:16:23.40 ID:sFCDes1p
ついポロリと松岡と写真を撮ったことを弥生に漏らしてしまった。
この間出来上がった写真も取り上げられ、じっくり眺めた後で、弥生に同情を寄せるような視線を投げかけられる。

「この写真を撮ったら、別れることを納得出来ちゃったわけ?」
「そういう訳じゃないけど…でも、松岡さんとのことは、いい思い出にしようって、そう決めたの」
「思い出ねぇ…」

弥生は納得のいかないように、写真をジッと見つめる。

「男と女が付き合って、良い思い出だったって、簡単に別れてしまえるなんて…。
 梅子は松岡さんと本当の思い出を作っていないから、そんなことが言えるんじゃないかなぁ…」

ポツリとそう呟く。

「…本当の、思い出?」

梅子の問いに、ついいらぬ言葉を漏らしてしまった弥生がハッとする。

「う、ううん!梅子よりずっと経験の少ない私が言えることなんかじゃないわ。
 …それに、何も無い方が、お別れするにはいいのかもしれないし…」
「…何も無い?」

自分の失言を何度も訂正しながら、弥生が帰った後で、梅子は何度もその言葉を思い出していた。

「何も無い…」

確かに、松岡と自分の間には、男と女らしい何かは無かったように思う。
抱き合う程度のことがその中に入らないことぐらいは、奥手な自分にも解る。
そんな付き合い方が自分達には自然で、今まではそれでいいのだと思っていた。
けれど…自分は松岡と確かにお付き合いをしてきたと、それなりの出来事もその中ではあったと、言えるのだろうか?
自分と松岡との付き合いは、一体なんだったのだろう…。

いまさらそんな疑問が湧いてきて、梅子はため息をついた。
せっかく写真を撮って、自分の気持ちを整理したというのに。

この写真を松岡さんに渡して、それで今度こそ終わりにしよう。
梅子は揺れる心を鎮める為に、無理やりそう考えることにした。
328接吻(梅子)2:2013/02/02(土) 10:17:54.50 ID:sFCDes1p
病院から男性が出てくる度に、ハッとする。
けれど、また違う人だった。
梅子は、ふぅと息を吐く。

手にした封筒を開け、中の写真を見る。
自然な笑顔を見せる自分と松岡。
突然の別れを何とか受け入れようと、松岡に写真を撮ることを提案したのだ。
いまだに、なぜ別れなければならなかったのか、梅子には良くは解っていない。
けれど、松岡がそう心を決めたからには、その思いを変えることはできないのだろうと、
それだけは、長く付き合ってきた人間として、悲しすぎるほど理解できた。

ぼんやりと目の前の舗装されていない地面を見つめていると、
目の端を見覚えのある背広姿が通り過ぎようとする。
梅子は、思わずその袖をつかんでいた。

「梅子さん…」

しばらくぶりに聞く声。
その姿は、特にやつれるでもなく、最後にあったあの日から変わり無いように見える。
袖をつかむ手に一瞬松岡の大きな手が触れて、梅子は慌ててその手を離した。

「写真が、出来たから」

言い訳がましく、白い封筒を掲げて見せる。


「ありがとう」

差し出された手にそのまま渡そうとして、梅子は瞬間ためらう。
…この写真を渡してしまったら、それで、もう終わり?
気が付くと、意地悪をするように、松岡の手が届きかけた封筒を引っ込めていた。
329接吻(梅子)3:2013/02/02(土) 10:19:48.33 ID:sFCDes1p
「?」
「…駅まで、少し歩きましょうか」

そんな言葉しか思い浮かばなかった。
自分の行き当たりばったりの行動が恥ずかしくて、松岡の答えも聞かずに歩き出してしまう。
少し後ろを松岡が付いてきているのを感じて、ホッとする。

せっかく会える時間を引き延ばしたというのに、松岡に何も話しかけられない。
口を開こうとすると、

『梅子は松岡さんと本当の思い出を作って無いから…』

弥生の言葉が思い起こされて、言葉に詰まる。
松岡の顔をもう一度きちんと見たいと思うのに、視線さえも上げられない。
松岡が時折あたりをキョロキョロ見渡したりするのに気付き、
自分ほどにはこの状況を望んではいないのだと落胆に近い思いを感じる。

やがて、駅が遠くに見えてきてしまった。
封筒を渡し、別々の電車に乗ってしまえば、もう数年は会えなくなる。
そう思った途端、足があらぬ方向を向いた。

「う、梅子さん?駅は向こう…」

松岡の声を背中に聞きながら、それでも梅子は進むしかなかった。
…何のためにかも、自分でもわからぬままに。
330接吻(梅子)4:2013/02/02(土) 10:22:29.65 ID:sFCDes1p
何度目かの角を曲がり、どこを歩いているのか解らなくなったところで、
手に強い力を感じた。
松岡に手を引かれていた。

「どこに行くんですか…?」

他人行儀なその口調に梅子は寂しくなる。
どこに行こうとしているのか、そもそも松岡とどうしたいのか、梅子自身にもよく解ってはいなかった。
いつも筋道立てて物事を考え、冷静に行動する松岡には、
こんなゆらゆらと揺れる気持ちは理解してもらえないだろう。そう、梅子は思う。
顔を見て…自分がこの人とこれまでお付き合いしてきたという事実を、もう一度確認しておきたかった。
いや、単純にもう一度、顔を見たかった、それだけなのかもしれない。
私は松岡さんと会って、どうしたかったのだろうか…いくら考えても答えが出てこない。
ただ、自分が松岡との別れを未だに受け入れられて無い事実だけが、悲しいくらいに迫ってくる。

どんどん頭が混乱してきて、自然に涙が溢れていた。

「どうしたんですか?」

動揺を感じさせる松岡の声。
その声がどこか優しく響いて、ますます涙が止まらなくなる。
涙の出る理由など説明は出来ないのだと、それも言葉に出来なくて、梅子はただ首を振ることしかできない。

松岡が内心かなり困り果てているのがわかる。
松岡からは、今までも不器用なりに様々な優しさを受け取ってきた気がする。
自分なりに一生懸命松岡にぶつかったし、松岡も愛情を返してくれたように思う。
けれど、現実を見れば、それはままごと遊びのような付き合い方で、
弥生に『何も無かった』と言われても反論できないような、
世間からみれば、その程度の付き合いでしかなかったのかもしれない。

松岡との関係はそんなものだったのだろうか。
せっかく気持ちのけじめをつけた気でいたのに、それがグズグズと崩れ落ちていく。
331接吻(梅子)5:2013/02/02(土) 10:25:02.00 ID:sFCDes1p
「松岡さんとは…何の思い出もありません」

ふと、そんな言葉が口をついて出ていた。
本当は色んな思い出があるし、それら一つ一つを大切に思っている。
けれど、わずかな、自分と別れる事を決めた松岡を責める気持ちが、
そんな相反する言葉となって現れた。

松岡は身動きもせずに、自分のそばにたたずんでいる。
付き合っていた頃ならば、泣き続ける自分を抱き寄せるくらいのことはしてくれたと思う。
…いや、それも今となっては自信が持てず…。
松岡の自分に向ける気持ちがどれほどのものだったかは、もはや知りようもない。
『何も無い』再び弥生の言葉が甦り、梅子は打ちのめされたような気持ちになる。

傍らの松岡がハッと顔を上げる気配がする。
次の瞬間、乱暴なベルの音と共に、何かが突進してきた。

気が付くと、松岡の胸の中にいた。
2人目掛けて突っ込んできた自転車が遠ざかっていく。
反射的に、松岡の顔を見上げた。
馴染みのある心配そうな顔が自分を見つめている。
次第に松岡の表情が変化していく。
泣きそうな顔で目がすがめられたと思った途端。

松岡の顔がありえないほど近くにあった。
大きな手に頭の後ろを強くつかまれ、逃れることが出来ない。
その行為を映画で見たことはあったが、自分自身がする行為だと思ったことはなかった。
松岡の唇が思いのほか柔らかいことに、梅子は戸惑う。
とっさに松岡を押し返そうとするが、手にある封筒に気付き、力を入れることをためらってしまう。
せっかく2人で撮った写真が少しでも曲がってしまうのは嫌だった。

唇の重なりが深くなり、柔らかなものが口の中に入ってくる。
それが何かも解らないままおずおずとそれに触れる。
優しく舌を絡められて、気が遠くなる気がした。

『何も…なくはない。…もう』

そんなことを頭の隅で考える。
松岡と別れたことさえ忘れて、梅子は始めての口づけに甘く酔った。
332接吻(梅子)6:2013/02/02(土) 10:41:29.35 ID:sFCDes1p
終わりは突然やってきた。
自分のした行為の意味が解らないとでも言うように、呆然とたたずむ松岡。
その顔を見た途端、全てが終わったのだと梅子は理解する。
ずっと胸の奥にくすぶっていた思いが、ようやく行き場を見つけられたような。

私は目の前のこの人のことが好き。
この人もきっと。
けれど、お別れするしかないのだ。

我に返った松岡が慌てて拘束をほどく。
体の力が抜けてしまっていた梅子はその場に崩れ落ちそうになるが、
松岡の手がすぐさま伸びてきて、梅子の手をしっかりとつかんで支えた。
そのまま松岡が謝りかけるのを察し、梅子は松岡の唇を、自由になるもう片方の手で急いで塞ぐ。
謝られるようなことは、何もされていない。
むしろ…その行為によってやっと、松岡とそれだけの関係を築いていたのだと、確信が持てたのだ。
そのことが解ってよかった。…たとえ、それが別れを決めた後であったとしても。
切ない喜びが梅子の胸に湧き上がる。

「…さようなら」

やっとこの言葉を搾り出して、梅子は松岡に背を向けた。
雲の上を歩くようなおぼつかない足取りで、一歩一歩進んでいく。
今抱き寄せられたら、何もかもが崩れてしまいそうで恐かったが、
再び松岡に抱きしめられることはなかった。

ぼんやりした意識のまま道を進み、すぐさま先がわからなくなって、人に道を尋ねることになる。
…同じ駅に向かうのに、どうして2人で一緒に帰れないのだろう?と、今更そんなことを思ってしまう。
『一緒に帰ればいいじゃないか、梅子さん!』
願望からか、そんな松岡の声が背後から聞こえた気さえする。
けれど…松岡が追いかけてくることはない。
これが別れるということなのだと、じわじわとその実感が湧いてくる。
あまりの寂しさに思わず振り返りそうになって、その衝動を懸命に胸の中で止めた。

あの角を曲がれば、もう松岡さんの姿を見ることは出来ない。
それでも、私は…。
あふれ出しそうな涙をこらえながら、

……さようなら。

梅子はもう一度その言葉を心の中で呟くと、強く次の一歩を踏み出した。


333名無しさん@ピンキー:2013/02/02(土) 10:49:09.45 ID:sFCDes1p
最後の最後になってまた変な箇所を見つけ修正
松岡と梅子におこる状況を同じにするのが地味に難しかった
辻褄合わないところがまだ残ってたら完全にこちらのチェックミスです 
脳内でうまく書き換えていただければ…
334名無しさん@ピンキー:2013/02/02(土) 11:19:41.62 ID:p/RuHufw
>>333
いや〜、素晴らしく良かったです!!
どちらの視点からも溢れんばかりの気持ちが伝わってきて、もう…
ほんと読んでるこちらも作品の世界に引き込まれて息がつまりました
是非またこんな作品を読ませて下さい ありがとうございました!
335名無しさん@ピンキー:2013/02/03(日) 01:54:06.36 ID:tIZjtwsh
>>334
暗めの話だしエロもないのでちょっと心配してましたが、熱い感想をいただいてこちらの方が感激してしまいました 
本当にありがとう…思い切って投下して良かったです
最近全然新しい話が浮かんでこなくなったんですが、また書けたらいいな…

他の方の作品も切実に読みたいです
336名無しさん@ピンキー:2013/02/03(日) 04:18:28.83 ID:ndEWcupy
>>333
乙です
シリアスで切ないですね
これを乗り越えて2人は成長したんだと勝手に脳内変換w

自分も書き進めてるんですがどうもエロバカっぽい話にしかなかないんですよね…(遠い目)
これはノブ梅だからかも…?汗
光男くんと千恵子ちゃんの話とかも考えたりしてると梅ノブが入ってきてなにやらエロ方向へw

他の方も新作お待ちしてます
337信郎1:2013/02/03(日) 10:40:43.56 ID:lmcBiLDQ
「ちくしょう、梅子のヤツ…おかしいじゃねえかよ…クソッ!」
トイレの中で1人、信郎はブツブツと行き場のない苛立ちを言葉に発し、紛らわせていた。

話は少し遡る。
みかみで珍しく木下と2人飲んだ時の事だ。
木下の女性問題の話に流れ、周りを巻き込みやんややんやと大盛り上がりした。
"男盛り、見目も良い木下が何故結婚出来ないのか"
その議題は「すぐ他の女性に目移りする」「意外と純情でもたもたして愛想をつかされる」等正反対の意見がぶつかりあったりした。
嘆いた木下は「いいよな〜社長のとこはよぉ」とつい信郎の夫婦間について愚痴る発言をしだしてしまった。
「俺のとこは関係ないだろ」と信郎はこれ以上何か言われないうちに店を御いとまする事にした。
「そろそろ帰るわ」「それがいいよ、梅ちゃんや子供達も待ってるだろうしね」
挨拶をし、下を向いている木下を連れ店の外に出る。
余りに木下が酔っ払ってるようだったら送って行くべきか信郎が思案し「きのやん、送っていった方がいいか?」と声に出そうとした時
「夫婦になって子供が産まれても変わらないモノなんてあるんすかね?」
妙に冷静で静かなつぶやく声が聞こえてきた。
「き、きのやん?」不審に思った信郎が恐る恐る尋ねると、木下が勢いよく肩を掴みながら突如熱弁を奮い始めた。
「だってそうじゃないっすか。2人きりの世界ではいられないわけっすよ。女房は子供が大事になって旦那なんて邪魔に思い始めるもんなんすよ」
この発言に、振られ続けた木下がついに女性不信に陥ったのかと信郎は心配してしまった。
「きのやん、あのなあ…必ずしもそういう夫婦ばかりじゃないと思うぞ」
諭すように語りかける信郎を制し木下は言った。
「じゃあ、社長は梅子さんを満足させてる自信があるんすね?!」
「っ!!」一瞬たじろいだ信郎は胸を張って言い放った。「ある!!」
「…ほんとっすか〜?」木下が疑いの眼差しを向ける。
「おまえ一体何知ってるっていうんだよ、うちは上手くいってるよ」
「…そう思ってるのは信郎さんだけだったりして…案外梅子さんの願望と食い違ってるかもしれないっすよ〜」木下の悪魔の囁きが止まらない。
「なんだよ、梅子が俺に嫌々付き合ってるっていうのかよ」不安になってきた信郎が少し怯えたように問う。
「いやいや逆っすよ。満足させてると思ってても案外女って奴は貪欲ですからね。物足りないっていうかマンネリの可能性も…」
「そっ…そうなのか?」「そうっすよ、子供が生まれると夫婦から父母になるわけっすよ。旦那から子供の父親の比重が重くなるわけですからね」
「…つまり…?」「つまり、男と女いうより家族の一員になって惰性の愛情になる可能性があるって事っすよ」
338信郎1:2013/02/03(日) 10:41:40.74 ID:lmcBiLDQ
信郎は木下のこの言葉に衝撃を受けていた。
まったく危機が無かった訳ではない。その度、夫婦間の愛情を確認し合ってきた。
それが気付かぬ内に義理と化してる可能性があるという事なのか…?
だが流石に演技か演技じゃないかくらいは区別がつくつもりだ。しかし…
言葉を失った信郎に木下が声を潜めて優しく囁く。
「良い案があるんすよ。お互いがどれくらい求め合ってるかわかる簡単な方法が」

思いもよらない話の展開になり、信郎は家への道すがら、頭を整理していた。
木下の提案は簡単だ。
それまでしていた夜の営みの回数を減らせというものだ。
繁忙期など、お互いの体調を考え控える時期も今までにはあった。 
だが特にそういう事情がない場合は3日と開けずに梅子を抱いていた。
今はそういう時期だ。
実際昨日激しく求めたばかりだ。
こちらとしても控えるというのはかなり辛い行為になってしまう。
だが信郎は楽観視していた。
きっとすぐ梅子は降参して自分から布団に入ってきてくれるんじゃないかと。
梅子は俺に遠慮なんかしたりしない。
きっと我慢出来なくなったらそれなりに行動を取ってくれるはずだ。
「よし!」
俺達は大丈夫だと信郎はまんまと木下の口車に乗り実験を開始する決意を固めてしまった。
「何故か結婚出来ない木下」のアドバイスだという事は頭からすっかり抜け落ちていた。
そして当の木下は帰り道…
「あれ?今俺しゃちょーに何かアドバイスしたような…?うん?気のせいか……あ〜つうか結婚してぇ!」と1人叫んでいた。
339信郎3:2013/02/03(日) 10:42:40.40 ID:lmcBiLDQ
始めの一週間は信郎も我慢出来た。
心に余裕も有り、まだ相手も不信に思わないだろう範囲だからだ。
梅子の様子を伺っても、変わらず冗談を言って笑ったりちょっと文句を言ってきたりする。
極めて平和だ。
布団に入って挨拶をしても笑顔でお休みと言ってくれる。
これといって梅子がリアクションを起こすような事はなかった。
信郎としては、一週間でも反応を示してくれるかと期待していただけに少しガックリきてしまった。
(そりゃご無沙汰な事は今までもあったよ。ただそれは忙しい時で暗黙の了解っつーか…やめとこう的な話になってたしな…)
悪い考えを振り払うように頭をガシガシと掻いて、信郎は布団に潜り込んだ。

二週間経った。
相変わらず梅子からの反応は無い。
夜、布団に入るとお休みの言葉を言い、梅子の反応を背中で探るってみる。
が、新をあやしたりし、寝息が聞こえるようになると梅子も寝てしまってるようだ。
なんだか寝たフリをしてずっと背中に神経を集中させている自分が情けなくなってくる。
ただ少し口数が減ったような気がしないでもない。
朝の挨拶や連絡事項など最低限は会話しているが、その次が続いてない気がする。
ただ笑顔は変わらない。
家族に見せる顔も穏やかで、何か悩みを抱えているようにも見えない。
この時点で何か言っていいものなのかどうかもよくわからない。
きのやんに相談しようかとも思ったが、「俺達は大丈夫だ」と見栄を切っただけに相談するのも癪だ。
少しだけこんな事するべきじゃなかったという思いが信郎の心を掠めていた。

三週間経った。
この頃になるとすっかり信郎自身も自分で処理をしないと辛い状態になっていた。
先の見えない性生活がこんなにキツイものだとは思っていなかった。
せめてあと一週間仕事を頑張れば、ご褒美が待っているというのならなんとか我慢も出来る。
だが今の梅子との交わりが一切無い状態ではそれも無理というものだ。
情けないが仕事への支障まで出てきてしまう。
「う…ふぅ……は………ん…あ……」
トイレに篭り信郎は自慰に耽っていた。
「はあ…は…うぅ…はあ…はぁ…はぁっ…」
梅子の淫らに乱れる姿を思い浮かべながら激しく男根を擦りあげる。
溜まっていた濃い精液が勢いよく噴き出されるのをちり紙でおさえる。
「うぅっ!…はあ…はあ…はあ…」
大きく肩で息をしながら、信郎は自分が始めた事とはいえ、この生活に限界を感じていた。
340信郎4:2013/02/03(日) 10:43:37.58 ID:lmcBiLDQ
一ヶ月が経とうとしていた。
夜の生活以外は日々順調に流れていた。
信郎はこんな賭けみたいな真似は止めてしまおうと思ってもいたが、反面このままで終わらせてしまうのも納得いかないでいた。
てっきり、梅子はすぐ根をあげて自分に甘えてきてくれると信じていたからだ。
そうしたらすぐ種明かしをして笑い話にするつもりだった。
梅子がそんな賭けなんて自分達には関係ないと笑い飛ばしてくれると思っていたからだ。
自分達は変わったりしないと。
だが現実はどうだ。
夜の営みが全くなくなったというのに何も変わらない生活が続いている。
梅子は仕事をきちんとこなし、家事と育児と変わりなく一生懸命だ。
布団に入っても、もう当たり前のようにそのまま寝てしまう。
こんなはずではなかったのに…
当たり前にしていた行為が最早どういうきっかけで始まるのかさえわからなくなってしまった。
逆に誘うと拒否されてしまうのではないかと、すっかり悪い方へ悪い方へと考えてしまうようになっていた。
食事を取った後、相変わらずこっそり1人で性欲の処理を済ませる。
身体はスッキリするが気持ちはスッキリしない。
むしろ終わった後はどっと惨めな気持ちになってしまう。
(梅子は俺が欲しくないのか?)(俺が求めなくても平気なのか?)
この考えに支配され信郎の頭の中はぐるぐると答えの出ない迷いの中を彷徨ってしまっていた。
この問いを梅子に投げかける勇気と自信が今の信郎からは消えかけていた。
341信郎5:2013/02/03(日) 10:44:43.48 ID:lmcBiLDQ
一ヶ月以上が経った夕ご飯時の事。
「おかわり」と差し出した茶碗を梅子が受け取る時。
何故か少しの間梅子が自分の手をじっと見ていた。
ハッっとしたように慌ててつぎに行った梅子を少し不思議なおももちで眺める。
(今のは…)
なんとなく自分の指に見惚れていたような気がするのは勝手な思い込みか?
何事もなかったように茶碗を受け取る。
今更旦那の指に見惚れるなんて…だが自分は今でも妻のしぐさに見惚れる事がある。
日常のささいなやり取りの中でドキッとしてしまうのだ。
そんな時、まだまだ自分の知らない梅子の顔があるのだと思い知らされる。
もうそろそろこんな馬鹿な真似は止めよう。
そんな事をつらつら考えながら食事は終わった。

いつものように挨拶を言うと布団に横になる。
寝たフリをしつつ、だが目はしっかりと覚めている。
なんとなく、今日はいつもと違う予感がして、余計に目が冴えている。
しばらくすると、そっと布団を抜け出し、部屋を出て行く梅子の気配がした。
(トイレか?)
そう思いながらも妙に気になり、信郎も布団を出、部屋をそっと抜け出した。
トイレに行った様子は無い。では何処へ…?
不思議に思っていると廊下を挟んだ部屋から微かな物音がする。
(もしかして…?)
確信に近いものを感じながらソッと襖を開け、気付かれないよう中の様子を覗き見た。
廊下側は明かりをつけてないので暗闇だ。
部屋の中は月明かりが照らされうっすらと明るく様子が見える。
「っ!」
衝撃のあまり声が出そうになるのを必死で堪えながら目が離せない。
見間違いではない。
敷いた布団の上で梅子が自慰をしていた。
342信郎6:2013/02/03(日) 10:45:33.16 ID:lmcBiLDQ
寝巻きを少し乱し、自らの手で身体を慰めている梅子がそこに居た。
小さな手が胸を弄り、もう片方の手が下半身へ埋められている。
「あぁっ…いいっ…」
嬌声を上げる梅子から催眠術にでもかかった様に信郎は目が離せないでいた。
(梅子も自慰をしていたのか…)
ある意味当たり前な事実に信郎はやっと気付いた。
下半身へ伸ばした手を動かしながら梅子が舌足らずな声で求めた。
「そこ…ノブ…触って…」
「!!」
その言葉を聞いた瞬間、信郎の身体が一気に熱くなった。
自分の名前を呼びながら自慰をしている梅子…
一気に梅子に対する猛烈な欲情が信郎を支配した。
だが、熱い身体とは裏腹に頭は不思議な程冷静だった。
そして信郎はそっと襖を開けた。

自分の見ている光景が現実ではないような、なんともいえない表情を梅子はしていた。
そんな可愛い顔を見ていると、つい意地悪な言葉を言いたくなってしまう。
「どうした?続けろよ」
このまま、自分を思いながら自慰をする梅子を見ていたい。
震えながら「どうして…?」と聞いてくる梅子を無視し、
「感じてるんだろ?見ててやるよ。続けろよ」
欲望のまま挑発する。
「指を動かせ。気持ちいいんだろ?」
先ほどの言葉から、きっと俺の指と思いながら弄くってるはずだ。
そう確信した信郎は「どこ弄ってるんだ?」わざと卑猥に問いただす。
「胸…と……あ…」
「胸となんだ?」
容赦なく質問をする。
梅子の指が秘部を激しく出入りしているのが見える。
もう片方は胸の先をこね回している。
熱に浮かされた様に両手で自分の良い場所を愛撫する梅子は淫らで、そして綺麗だった。
自分がジッと見つめているのを梅子も嫌という程感じ取り、身体を熱くしているのがわかる。
やがて「あぁっ…!」と声をあげ、梅子はイッった。
343信郎7:2013/02/03(日) 10:46:16.01 ID:lmcBiLDQ
放心している梅子を抱き上げ、明るい月明かりの映る机の上に梅子を乗せた。
もう我慢など出来ない。
荒々しく下着を下ろし、両足を広げさせる。
「やっ…」
案の定、梅子は恥ずかしがった。
だが今更だ。
一旦火のついた欲望を止める事など出来ない。
ふと横に置いてある電気スタンドが目に入る。
躊躇もなくそれを点し、よく見えるように梅子の中心へと向けた。
梅子が驚いた声を発したが、構わない。
薄い茂みの奥を両指で広げて観察する。
薄いピンクのヒダとクリトリスがピクピクと震え、愛液が滴り落ちていた。
(感じてるな…梅子)
「やめて…恥ずかしい…」
そんな言葉はもう偽りだとわかっている。
「ほんとはこうされたかったんだろ?」
言葉とは裏腹に梅子の秘部は溢れんばかりの蜜を机にまで滴らせていた。
だからもっと厭らしい言葉を言ってやる。
「よく見えるな…梅子のここ。すげえな…グチャグチャに濡れてる…」
「ああんっ…」
我慢できずに梅子が啼いた。
「何もかも見えるぞ…あそこも後ろも」
ヒクついてる穴の更に奥にある蕾も身体が連動するのか伸縮を繰り返していた。
何の事を言ったのか検討がついたのだろう。
その瞬間背を反らし、ビクッと身体を震わせた。
「どうして欲しい?言えよ」
信郎自身の声も欲望の色を隠せず、すぐにでも梅子を味わいたくてしょうがなかった。
それが伝わったのだろうか。
信郎の髪を掻き乱しながら梅子が叫んだ。
「ノブッ…舐めてっ…おま○こ舐めてぇっ…!」
344信郎8:2013/02/03(日) 10:47:04.93 ID:lmcBiLDQ
久しぶりの梅子の蜜の壷を存分に味わう。
次から次へと溢れ出る蜜を掬い上げるように舐める。
ヒダの隙間からぷっくりと膨らんだクリトリスまで舌で丁寧に愛撫する。
(梅子の味だ…)
梅子はずっと「いい…そこいいの…あ…ん…」と愛撫に蕩けている。
きっと自分が今何を発しているか自覚がないかもしれない。
自分に抱かれている梅子を見ると、今までの不安が吹き飛んでいく。
愛おしい気持ちの中、3本の指で抜き差しを繰り返す。
梅子の良い所はどこか探しながらもう片方の指でクリトリスを摘む。
可愛らしい芽を舌で擽りながら梅子の嬌声を聞いていると、指が少し膨らんだ場所に行き着いた。
途端、梅子の身体が仰け反った。
(見つけた)
「ひいっ!…あんっ…そこっ気持ちいいの…もっとぉ…!」
狂ったように梅子が乱れる。
ますます蜜でしどしどに濡れた厭らしい部分に舌も差し込む。
「美味しい…」
つい口をついて出てしまう。
そんな信郎の言葉にますます感じてしまったのか、梅子は信郎に腰を突き出し信郎の指の動きと合わせながら腰を振る。
そして「きゃぁっ!…もう…もう…イクッ…!」と叫び、思いきり身体を震わせながら達った。
信郎の方へ抱きつく様倒れ込み朦朧としている梅子を抱え、布団にそっと下ろす。
そして梅子の白い肌に吸い付き跡を落としていく。
ずっとこの白い肌を貪りたかった。
爆発しそうな身体の中心を必死で抑えながら舌を這わせていると梅子の腕も自分の身体をまさぐっていた。
そしてその手が下へ伸び、そそり立つ男根を扱き出す。
「うっ…もたねえかもしんねえ…1回イカせてくれ梅子…」
情けないが我慢出来そうにない。
すると舌と口と手を使って俺のモノをいかせようとしてくれている梅子が目に入る。
先端を舌で割り、竿を口で食み、袋まで美味しそうに嘗め尽くす。
(気持ちいい……ああ…厭らしい光景だな…梅子のこんな姿を見れるのは俺だけだ)
そんな独占欲と共に信郎は梅子の口の中へ全てを注ぎ込んだ。
345信郎9:2013/02/03(日) 10:47:48.96 ID:lmcBiLDQ
今すぐにでもちゃんと梅子を抱きたかったが、久しぶりの交わりで一気に事を運びすぎたせいか、身体が水分を欲していた。
2人して無言で白湯を飲む。
ゆっくり飲みながら、これで一息ついたらまた梅子を抱こう。
そう思い、信郎が様子を伺うと、梅子は何か考え事をしながら湯のみに口をつけていた。
まだ情事の後が残る淫靡な空気をまとい、どこかソワソワし、まだ満足していないように見える。
梅子に伝えなければいけない。
だけどそれはもう少し後だ。
梅子の湯飲みを取り上げ、梅子に「本番は今からだからな」と告げる。
すると梅子の表情が一気に女の顔になり、欲情に濡れた目つきになった。
やはり梅子の方もちゃんと抱かれたいのだ。
そう確信し、笑った。

お互い着ていた服を脱ぎ全裸で絡み合う。
舌を絡め合い深い口づけの合間に耳元に囁く。
首筋を辿り乳房とその先端を指と舌で翻弄する。
ツンと立った乳首を舌で転がし吸い付くと、啜り啼くような声をあげる。
もう片方を指で摘むと「もっと」とせがむ。
一切の遠慮が無く欲しいがままお互いを求め合った。
「どこに入れて欲しいんだ?」
そんな意地悪をわざと言っても、自ら足を大きく開き「ここに入れて」と懇願する。
そんな梅子が愛おしくてたまらない。
濡れたそこを一気に自分のモノで一杯にする。
俺だけのものだ。俺だけの…
そんな思いが頭の中を駆け巡りながら、梅子の感じる部分を引き出す。
「あっ…ああん…あん…いい…ノブっ…気持ちいい…ノブ…」
うわ言のように「気持ちいい」と繰り返す梅子。
感じるポイントを攻めると啼き咽ぶように乱れる梅子。
俺って本当頑固だよな。
でも梅子。
おまえだって俺に負けないくらい頑固だぞ。

「いじっぱり梅子、すごく待っちまったじゃねーか」
そう囁くと、一瞬驚いた梅子にクスリと笑いながら、信郎はいっそう強く梅子の感じるポイントを突いた。
「きゃああああああーーーーーーー!!!」
梅子の達する声を心地良く聞きながら、信郎は梅子の中に深く命を注ぎ込んだ。
346信郎10:2013/02/03(日) 10:48:32.72 ID:lmcBiLDQ
意識を手放してしまった梅子の身体を濡れタオルで丁寧に拭き、新しい下着と寝巻きを身につけさせる。
そして自分も汚れを拭き、綺麗に身支度をし、汚れ物を洗濯機の所に持って行ってから部屋へ戻った。
すると梅子が少しぼんやりとはしているが、意識を取り戻していた。
ホッとし、声を掛ける。
だがなんだか様子がおかしい。
一言も発さない梅子を不審に思い様子を伺う。
すると。
涙を流しながらもどこか怒った表情の梅子がいた。
(これは…もしかしてもしかしなくても怒っている?!)
おそるおそる尋ねると強い口調で
「当たり前じゃない!」と返ってきた。
それが大きい声だったので慌てて子供達が起きないか確認する。
そして、梅子は堰を切ったように泣きながら心情を訴えてきた。
それはあまりに正当な言い分だったので、信郎も覚悟を決めた。
後ろからそっと抱きしめ、自分をも苦しめたあるテストの内容を話す事にした。

案の定、梅子は驚きの声を上げた。
まあ、当たり前だ。
自分も最初はそんな事をするつもりなんてなかったわけだから。
だが。
そんな問題、自分達には関係ないと思ってみたものの、思ったように事は運ばなかった。
想像では梅子がすぐに誘ってくれると思っていたのだ。
そう思うとつい今まで溜めていた不満が口をついて出てしまう。
自分がどれだけ悶々とした日々を過ごしていたか、ありのままを正直にぶちまけた。
それをポカンとした顔で梅子は聞いている。
そんな梅子に身体が疼く事はなかったか質問してみる。
言葉に詰まる梅子をよそに、「俺ばかり馬鹿みたいだと思ったよ」とつい愚痴ってしまう。
でも苦労は報われたのだ。
梅子も俺を求めてくれていた。
改めて感動している信郎に梅子がもたれかかってくる。
そして「もし最後まで私が何も行動起こさなかったらどうしてた?」と質問してきた。
なんとなく、いたずらな気持ちになり「…そりゃあ反応があるまで第二、第三の計画を実行に移してたな!」と答えてみる。
本当はそんな余裕なかったけどと思いながら。
347信郎11:2013/02/03(日) 10:49:15.53 ID:lmcBiLDQ
(あ〜俺いっぱいいっぱいだったな…情けねえ)
改めてそんな事を秘かに思っていた信郎に梅子が呟いた。
「ノブ…回りくどい事しなくてもあの時のように求めてくれたら…いつでも私は幸せなのに」
穏やかに自分に微笑む梅子に思わず見惚れてしまう。
それはとても優しく真剣な目の色をしていた。
だから慌てて「本気か?」と自分も真剣に聞いてしまう。
そんな信郎を見つめながら鮮やかに梅子が微笑んで答える。
「…本当よ。わかってるくせに。」
…ああ、わかってる。もう間違わない。
だから俺は梅子に囁く。
「じゃあ今晩は騎乗位な」

「おはようございます」
「ああ、おはよう」
いつもと変わらない安岡印刷所の朝が始まる。
「あ、信郎さんおはようっす」
「きのやん」
「はい?」
「あのアドバイス助かった。ありがとな」
笑って信郎が肩をポンと叩く。
…………
(…俺、やっぱりなんかしちゃった?でも御礼されるんだから役立ったって事だよな。やるな!俺!)
と1人ご満悦なきのやんなのでした。

348名無しさん@ピンキー:2013/02/03(日) 10:50:44.17 ID:lmcBiLDQ
>>282の信郎編です
>>282はタイトルついてないので、もし保管庫に入れて貰える時が来たら梅子編という事で宜しくお願いします

>>338
は信郎2の間違えです
すみません〜
349名無しさん@ピンキー:2013/02/04(月) 22:04:47.75 ID:TD/RVwh2
>>348
一気に世界に浸らせてもらいました
梅子もそうだったけどノブも相手を思って悶々とするのがかわいいなー真面目で一途ですよね二人とも
とぼけたきのやんもいい味出してくれてましたw
このスレってホントいろんな作品を読ませてもらえるのでありがたいです

他にも新作書いてる方がおられそうなので楽しみにしております
光男&千恵子って初かも?エロでもバカでもシリアスでも、どんな作品も大歓迎ですよっ!!!
350名無しさん@ピンキー:2013/02/04(月) 22:33:40.17 ID:pXBVQCZs
職人さまがた、いつもGJです。
きのやんも幸せになってほしい〜と思いましたw
351名無しさん@ピンキー:2013/02/04(月) 22:57:08.87 ID:21y4Jeoi
松梅のなんとももどかしい不器用な恋愛が好きだったので、とてもうれしいです。
ドラマでは成就しなかったけれど、せめてキスくらい(ほんとは男女の関係も)させてあげたかったなとの
思いが強いので妄想の世界で書いていただけるとありがたいです。
352名無しさん@ピンキー:2013/02/04(月) 22:57:55.99 ID:21y4Jeoi
松梅のなんとももどかしい不器用な恋愛が好きだったので、とてもうれしいです。
ドラマでは成就しなかったけれど、せめてキスくらい(ほんとは男女の関係も)させてあげたかったなとの
思いが強いので妄想の世界で書いていただけるとありがたいです。
353名無しさん@ピンキー:2013/02/05(火) 02:48:16.13 ID:YM5GA517
>>333
切な萌え〜。あの笑顔の写真の裏にはこんなエピソードがあったに違いない、と思わせられる力作。
二人の成長していく過程にしみじみとさせられる、美しいお話でした。gjです。

>>348
エロ信降臨wwwイジワルS信郎に萌え転がった!
やっぱりあの二人は、お互いを心から求め合う、ディープでグッチョグチョの体液交換がよく似合うねw
それでいて、事後はサッパリしてるところもまたいい。いいノブ梅でした!gj!

>>336
ある夜更け、光男と千恵子が工場の前で立ち話をしていると、閉まっているはずの診療所へコソコソと入っていく人影を発見
そして>>274を目撃、みたいな妄想をしてしまったw
354名無しさん@ピンキー:2013/02/05(火) 21:03:32.86 ID:oaaOphh5
>>353
自分と同じ事考えてる人ハケーンw
光男と千恵子の話を考えてる時に>>274みたいなシーンを目撃
それから…みたいに話を組み立ててましたw
ただいきなりエロもなんだから、キスシーン見て2人も意識し始める…くらいの方がいいのか
どっちがいいか悩んだりw
SPで2人にも進展があったらもっと良かったのにな
355騎乗位1:2013/02/06(水) 06:02:06.74 ID:G7K1077H
コトコトと台所から平和な朝の食卓の準備の音が聞こえてくる。
信郎は太郎と新を抱えて食卓に連れて来ると、太郎を子供用の席に座らせた。
そして新を正枝に預ける。
「重くなってきたわね〜」正枝がのんびりと微笑みながら抱きなおす。
「梅子に似ると小柄で信郎さんに似ると大きくなるわね…どっちかしらね〜」
そんな事を言いながら2人をあやすと、笑いが起きる。
「おまたせ〜」
食卓に朝食の良い香りがしてきて、いつもの下村家の朝が始まった。
席について食事をしていると、たまに梅子と信郎の目が合う。
お互い自然に反らしたが、『今晩は騎乗位』この台詞がお互いの頭から離れてはいなかった。
信郎は一層張り切り、「ごちそうさま!行って来る。」と太郎と新の頭を撫でてから裏側から出て行った。
梅子はそんな信郎を見ているだけで胸のドキドキが止まらず、期待に胸を躍らせていた。

「梅子先生、午前の患者さん以上です」
千恵子は状況を伝えた後、診察の終わった患者の対応をしている。
そんな千恵子を見ながら「立派になったわ…」と感慨深い思いと同時に、光男くんとの関係が進展しているのか、ふと気になった。
まだ進路も定まっていなかった頃から見守ってきた2人…。
どうやらデートすらまだのようだが、お互いが意識し合っているのは間違いない。
(こういう場合、やっぱり光男くんの方からグイッと来て欲しいところよね…)と勝手に2人の将来図の妄想をしてしまっていた。
「ハッ」と我にかえり(いけないいけない。お節介になっちゃう)と冷静になってみる。
でも実際の所、誰かが積極的に動かないと進展しないのではないか、という思いも梅子の中にはあった。
(って私も今晩を思うと違う事考えてる場合じゃないのよね……安心しちゃったから、つい人の事まで気になっちゃうのかしら)
自分が幸せな分、周りの皆も幸せであって欲しい…そんな思いが梅子の胸を満たしていた。
それに、相手がきっと信郎だからだ。
私の事を常に考えてくれているという信頼が故、心に余裕が出来るというわけで、それが大いに関係しているのかもしれなかった。
356騎乗位2:2013/02/06(水) 06:03:27.49 ID:G7K1077H
午後の診察を終え、仕事の整理、片づけを済ますと急いで自宅に戻る。
「ただいま〜」
「おかえりなさい」正枝が孫の面倒を見ながら出てくる。
休憩時間など時間が空いている時を見つけては遊び相手になるが、やぱり寂しいらしい。
しばらく纏わりついてじゃれるが、お隣から幸吉と和子がやってくると太郎は懸命に向かって走っていく。
和子も新を抱きかかえあやすように歌をうたってやる。
そんな光景を見ながら、梅子は夕ご飯の支度を進める。
一瞬弥生の『精がつくもの』を思い出してしまったが、(明日の仕事の為にも止めておこう…)と頭から消し去る梅子であった。

食事が出来上がってもノブが帰ってこない…
(様子見に行ってみようかな)
なんだか焦る気持ちで「今日はノブ仕事たて込んでるんですか?」と質問してしまう。
「いや〜…もう少ししたらあがるから先帰っといてくれって言ってたしよ〜もうすぐ帰ってくるって、梅ちゃん」
そう言われると、いつもより特に遅いわけではないだけに「やっぱり見に行って来ます」とは言いにくい。
訳のわからない焦燥で胸が苦しくなりそうなところに「ただいま〜」信郎が帰ってきた。
「何やってたんだい、ノブ」
和子に問われ、「明日の作業がやりやすい様に簡単な準備を済ませてたんだよ。ちょっと数多いから少し時間くっちまった」と苦笑している。
ハアーッと息をついて席に座る信郎の顔を見た途端、梅子は力が抜けるような反対に漲るような、不思議な感覚になりながら笑顔で答えた。
「おかえりなさい」

片付けをし、最後にお風呂に入る。
きっと先に信郎が太郎と新を寝かしつけてくれているだろう…
そう確信しながら、階段を登っていく。
寝室に入ると、案の定、太郎と新は眠りの世界に深く入り込んでいるようだった。
そして2人を穏やかな目で見ていた信郎がこちらを向いた。
「梅子」
その一言で、信郎が何を言いたくて何を求めているのか全てわかってしまう梅子であった。

「ノブ……ここ…で?」

何度も子供達の横で行為をしてきたが、なんがか今回はためらいがあった。
「あっちの部屋いくか?」
そう信郎に提案され、熱に浮かされたように無意識にコクンと頷いていた。
357騎乗位3:2013/02/06(水) 06:04:24.88 ID:G7K1077H
そこはすっかり2人だけの空間になり、いいようのない濃密な空気に溢れていた。
信郎は性急に布団を敷く。「あっ!」
梅子の手を引くと抱き込みながら、布団の上で濃厚な口付けを仕掛ける。
「梅子…」「あ…ノ…ブ…ふうん」
くちゅくちゅと唾液を交換し合う厭らしい音が響き渡る。
梅子も縋りつくように信郎の背中や首筋に腕を回しながら必死で口付けに答える。
お互いの唾液の味を存分に味わいながら、手の平は厭らしく身体を這いずりまわる。
口付けをしたまま、信郎がゆっくりと後ろに倒れる。
梅子が覆いかぶさるような姿勢になると自分の身体に信郎の熱い塊が当たる。
梅子の細い指が信郎の寝巻きの前を拡げくつろげると…中から勢いよくペニスが飛び出してきた。
それは腹まで反り返った状態で、こんなにも自分を欲してくれてるのかと梅子は愛おしそうに愛撫を始める。
「梅子」
爆発しそうな程の勢いなのに信郎は冷静な声で梅子に命令する。
「跨いで自分で俺のモノ入れてみろよ」
一瞬何を言われたかわからなかったが、理解した途端顔が赤くなる。
「すぐ欲しいんだろ?」
自分だってこんな状態なのに…でも梅子の身体は操り人形のように信郎の腰を跨ぎ、熱い塊を中心に感じていた。
「梅子」
少し柔らかいトーンで囁かれる。
「梅子自身で俺のを入れてくれ。感じてる所を自分で突くんだ。乱れるおまえが見たい」
「っ!」
張り詰めた糸が切れたように、梅子は信郎のそそり立つペニスを掴み自らの1番感じる場所へゆっくりおさめていく。
信郎は手伝おうとも動こうともしない。
焦れた梅子は自ら腰を振り、感じる場所を探るように腰をグラインドさせていた。
小ぶりな乳房が揺れながら乳首がピンと立っている。
だがそれには触れずに、一心不乱に自らの上で腰を振る梅子を眺める。
「ひっ…あんっ…あ…ああんっ」
やがて気持ちのいい箇所を見つけたらしく、恍惚とした表情でピストン運動を繰り返す。
「ノ…ブ…手伝…って」
途切れ途切れの声で信郎に助けを求めてくる。
限界が近いのか、だんだん信郎の方に倒れてきながらそれでも腰を振っている。
「厭らしい眺めだ…梅子…」
だが最後まで信郎は手を貸さずに、梅子が1人で登りつめるのを一瞬たりとも見逃さないよう見つめていた。
そして…
「ひっ…ノブのが当たってるぅ…そこぉっ!わたしの厭らしいとこに当たってるのっ…あぁん…もうダメぇっ!」
口の端から涎を垂らし、涙を浮かべながら梅子は真っ白な世界へ達した。
358騎乗位4:2013/02/06(水) 06:05:17.35 ID:G7K1077H
ふと梅子が目を覚ますと、半裸のまま信郎の上に重なったままの状態だった。
達した後、一瞬気を失っていたのだろう。
信郎が優しく梅子の髪の毛を撫でていた。
(1人であんなに乱れるなんて…だってノブが…ノブが…)
その先の文句をどうつけようかという考えに陥っていると、信郎が無言でジッと梅子を見つめているのに気付く。
(っノブ…ノブのその目で見られると…)
やはり夜の信郎は雄の顔をしていて、一瞬何をどう話掛けていいかわからなかった。
(ノブの上で腰振って乱れまくるなんて…恥ずかしくてどうしたらいいの)
そんな梅子の葛藤を見透かしたように、信郎は「今度はこっちからだな」と梅子のおでこに優しくキスを落とした。

「ああんっ…ああ…またくる…またくるの!ダメ…気持ちイイ…ノブ…は?…きもちい…い?」

今度は信郎から積極的に腰を動かし、突き上げたりグラインドさせたり腰を持ち深く突き刺すように落としたりする。
そして信郎が起き上がり対面座位のような格好になる。
深く奥まで繋がりあっているのが息をする度に芯まで伝わってきて、梅子は信郎の首筋に縋りつきながらすすり啼いていた。

「すげー気持ちいいよ…梅子…おまえの中たまんねえ…は…あ…すげ…ぇ」

うねる梅子のアソコの気持ちよさに信郎はすっかり虜になり、無心に腰を動かしていた。
とても2人子供を産んだとは思えない、信郎から子種を全て吸い取ろうかとするようにキュウキュウと締め付け波うっていた。

「はぁっ…ノ…ブ…気持ちいい?」
「うっ…あ…あ…気持ちいいよ…梅子は?」
梅子は信郎の顔を両手で挟み、深く唇を合わせながら「幸せ」と囁いた。
「そろそろ…いくぞっ!」
その声と共に梅子は体内の奥深くに奔流が押し寄せてくるのを一緒に達した余韻の中受け止めていた。
359騎乗位5:2013/02/06(水) 06:06:04.95 ID:G7K1077H
「やっぱ1回じゃ終わらせられなかったな…悪い」
後始末をしていると、信郎がポツリとそんな事を言ってきた。
「…ノブ…」
(そんな事気にしてたなんて…最中はあんなに強気なのに)
そう考えるとおかしくて、愛おしくて、梅子は思わず噴出してしまった。
「っ!笑うなよ。こっちは一応考えてるんだよそれなりに」
そんな言葉にふと思い出す。
「ねえ…もしかして…今日、明日の準備してたのもこのせい?」と問いただしてみる。
「…………」
長いこと無言だったが「どっちの時間も削るわけにはいかないんだ、時間は限りある。どうやり繰りするかは自分で考えるしかない」
それを聞いた梅子はそんな不器用な信郎を改めて愛してると心の底から思う。
自分の事を思ってくれる余り、時に誤解を生んだり、ややこしい事になっちゃったりもするけど。
それが信郎である限り、悩む事は=愛しているという事だと学んだ。
「…無理しなくても…時間はいくらでもあるのに」
「しょうがねーじゃねーか。俺が抱きたいんだよ梅子の事」
不器用だけど時に驚くほどまっすぐな言葉をくれるノブ。
ぎゅっと抱きつきながら梅子も嘘偽りのない言葉を信郎に告げる。
「私もね、いつでも抱かれたい…ノブに」
お互い見つめ合いクスリと笑いあう。
「遠慮は無しだな」
「遠慮は無しよ」
「今更だな」
「今更よ」
2人は改めて抱きしめ合いながらキスを交わした。

終わり
360名無しさん@ピンキー:2013/02/06(水) 06:06:45.70 ID:G7K1077H
梅子編、信郎編の続きの騎乗位編です。

光男と千恵子をノブ梅巻き込みながら書いてみたいものです…
ハードルが高そうですが
361名無しさん@ピンキー:2013/02/06(水) 06:58:54.99 ID:R/X+yvX9
>>347
安岡印刷所じゃなく安岡製作所ですね
362名無しさん@ピンキー:2013/02/06(水) 21:21:25.45 ID:mvOPu63l
>>333
>>348
>>360
一気に読ませていただきました
やはりこの作品の職人さまたちは原作からの妄想が素晴らしく自分好みw
読んでて自分ならこうなって欲しいのにってことにならないところが嬉しい
ノブ梅の阿吽の呼吸というか、夫婦だからこその慣れた大胆さも良いお味でござんす

自分、まとまった時間がとれない状況なので書きあげるのにもう少し時間かかる‥
少しずつしか書けないストレスに心折れそうだったからすごくイイ刺激になった
363名無しさん@ピンキー:2013/02/07(木) 19:27:16.42 ID:xOJgCi72
>>362
360ですが感想ありがとうございます
自分も職人さん達に楽しませて貰ってる1人なので拙い文章ですが盛り上げたく書き込んでます

新作お待ちしてます
364名無しさん@ピンキー:2013/02/07(木) 23:32:32.69 ID:ASjOzZn6
怒涛の新作ラッシュ嬉しい!
どれも皆様の文章力が高すぎてうらやましい
365名無しさん@ピンキー:2013/02/11(月) 23:55:46.96 ID:Git5ygHZ
職人さま、新作を楽しみに待っております…
366 忍法帖【Lv=5,xxxP】(1+0:8) :2013/02/12(火) 10:43:14.98 ID:vOkYdQ4F
ビリビリ
367名無しさん@ピンキー:2013/02/17(日) 08:50:01.98 ID:IXDiIiZM
新作待ちage
368名無しさん@ピンキー:2013/02/26(火) 00:13:37.02 ID:SX7A/+iY
以前山倉×弥生の「あなたがすき」を投下させて頂いた者です。
その節は感想をくださった皆様、ありがとうございました。
今回もエロなしですが、保守がてら山倉×弥生を投下させて下さい。
369あまいひと 1:2013/02/26(火) 00:14:16.36 ID:SX7A/+iY
手も好きだな、とふと思う。
視線の先に鉛筆を握る柔らかい指先があった、という分かり易い状態だったけれど。
横顔も好きだ。親友である梅子の様な見るからにふんわりとした柔らかさはないけれど、弥生の横顔は
すっとした頬のラインがシャープで美しい。と山倉は思う。だが美しいだけではない。研究室や医務室では
凛々しく引き結ばれた唇が、どれだけ柔らかいのかを知っている今となっては弥生の全てが可愛く感じる。
思う心はそのまま視線になって、山倉の眼差しはそのまま弥生の横顔に注がれていた。
「……こほん」
小さく落ちた咳払いにも、山倉は反応せずに頬杖をついたままじっと弥生を眺める。こんなに美しくて
可愛い……外見だけでなく内面も、素敵な女性が自分の恋人なのだと、世界中に大声で叫びたくなる。
本当にやれば弥生にこってり絞られるだけで済まないだろうからと自制する理性も今では備わっていた。
「……こほん、こほん」
「松岡さん、風邪?」
弥生がくるりと振り返り、山倉を素通りして咳払いを繰り返している松岡に声を掛ける。
どうして僕じゃないんだと、山倉は思わず松岡を振り返った。二人分の視線を一気に受け、松岡がびくっと
肩を震わせながら弁解をした。
「い、いや、そうじゃないんだが」
「風邪なら早めに薬を飲んだ方がいいわよ」
「そうだよ、松岡君」
だからそうじゃないんだと、松岡は云い連ねずにただ肩を落とした。
松岡にしてみれば、山倉がじっと弥生を見つめているその状況にサインを送っていただけなのだが、
当の弥生が気にしていないのならば、これ以上つっこむのはよそう。と自衛の本能が働いた。
「そうだな。まずは外の空気を吸ってくるよ」
立ち上がり、懸命にも研究室から逃げた松岡の後姿を見送ってから、弥生はさて……と言いながら山倉に
向き直った。双眸がキッときつく上がっている。
「山倉さん」
「どうしたの、弥生さん」
「あなた、こっちを見過ぎなのよ」
どんなに鈍い人間でも、そうあの松岡でさえ気付いた山倉の熱視線に、敏い弥生が気付いていない訳がない。
だが空気が読めない事には定評のある山倉は、大げさな位に驚く。
370あまいひと 2:2013/02/26(火) 00:15:06.98 ID:SX7A/+iY
「弥生さん、気付いてたの?」
「気付くわよ、普通。何か用だった?」
「ううん、違うよ。僕の恋人はキレイで可愛いなぁ、と思って見てただけなんだけど」
と言い終わる前に、弥生の頬がぱっと赤くなる。耳までを桜色に染めて弥生は思わず叫んだ。
「こ、こんな所でそんな事っ」
「こんな所もなにも、弥生さんはいついかなる時だって可愛いじゃないか」
ぱっと立ち上がった山倉は、弥生の前に跪くと視線を合わせた。何時まで経っても初心さが残る恋人は、
急な愛の告白に戸惑って、いつものきつい態度を取れなくなっていた。
山倉は目を細めながら弥生の手を取ると、そのほっそりとした指先に唇を寄せた。
「弥生さんが可愛いから、いつも僕は困ってるんだよ。今だって本当はもっと色々したいのを
轍の自制心で我慢しているんだから」
「……ばか」
目の縁を赤く染めながら、弥生は困った様に眉根を下げた。そしてほんの少し唇を尖らせて拗ねたみたいに
山倉を見る。
「そんな事言うの、この世であなただけだわ」
物好き、と囁きながらそっと背を丸める弥生を山倉は抱き留める。どちらからともなく、唇が触れ合った。
柔らかいそれを食みながら山倉は陶然と口づけに酔う。頬を指先で撫でると、擽ったそうに弥生が身を捩った。
そして唇を合わせたまま、小さく甘い声が制してくる。
「これ以上は、」
「仕事が終わってから、だね?」
「分かってるなら、さっさと仕事に戻って」
睨んでくる目は潤んでいて、もう一度腕の中に閉じ込めてしまいたくなるのを山倉は堪えた。照れ屋の弥生に
これ以上ここで無体を働けば、今夜の約束どころか当分手も繋がせて貰いたくなるだろう。尻に敷かれている、
という自覚はある。幸せだから尻の下にいるのは上等だ。
「はいはい、仰せのままに」
ぱちんと一つ気障にウィンクをしてから、山倉は弥生の額にちゅっと唇で触れて自分の机に戻る。
文句を言われるかと思ったが、弥生は額を抑えたまま一瞬泣きそうに目を眇め、ぷいっと横を向いてしまう。
371あまいひと 3:2013/02/26(火) 00:15:42.99 ID:SX7A/+iY
怒っているのではない、というのが分かる程度には長くて深い付き合いだ。その照れた表情も、
やっぱりいとしくて好きだと思う。
今日はきっと心からの愛を囁いても、弥生は恥ずかしいと言って逃げないだろう。
ならば思う存分に――身体ごと、愛を伝えさせて欲しい。
この世で一番いとしい恋人は、懸命に平常心を作ってレポートに向かっているが、睦言の名残が
まだ薄く朱に染まった耳朶に残っている。今夜はまずあの耳朶に口づける事から始めようと、心に決めて
山倉は自分の仕事へと意識を戻した。
ドアの外では一番の被害者である松岡が、部屋に入る切っ掛けを失っている事に、二人が気付くのは
それからニ十分程経ってからだった。



<終わり>
372名無しさん@ピンキー:2013/02/26(火) 22:24:10.07 ID:c+IT9aVf
あああああ、新作がぁぁぁあああ!!!
久しぶりに梅ちゃん先生の世界に浸らせてもらいました!
山倉弥生はドラマでももう少しエピ見たかったから本当に嬉しい
むず痒い2人の日常をありがとーーー
373名無しさん@ピンキー:2013/02/26(火) 23:31:48.04 ID:cK+Ej1UW
山倉弥生大好きです、ありがとう〜〜!
ツンデレな弥生が可愛くてもうもう
山倉の気持ちわかるw
そして時間潰して戻ってきたのに入れない松岡に同情するw
374名無しさん@ピンキー:2013/03/18(月) 19:48:22.78 ID:LJb0MoBK
職人さんいなくなっちゃった?
375名無しさん@ピンキー:2013/03/30(土) 21:19:05.06 ID:UeIQXnTx
職人さん降臨を待ちつつ保守
376名無しさん@ピンキー:2013/04/09(火) 22:28:18.84 ID:eowOI75O
ラブラブなノブ梅話が見たいです
377名無しさん@ピンキー:2013/04/16(火) 22:47:59.54 ID:j1NPd7LH
梅ちゃんが酷い目にあっちゃうようなのも期待。
378名無しさん@ピンキー:2013/05/05(日) 03:45:02.08 ID:hoByqtAi
仕事が忙しくて、ずいぶんご無沙汰してしまいました。職人の内の一人です。
少し時間が出来たため、小ネタですが久し振りに書いてみたので投下します。
ネタ元は『ドラマ』という雑誌に載っていた梅ちゃん先生18〜19週の台本です。
カットされた部分を拾って引き伸ばしてみました。
余裕ができたらまたエロいの書きたいと思いますが、今日のところは取りあえずノブ梅・婚前・エッチ無です。

と思っていたら、規制に引っ掛かって書き込みできないでいる内にもう一本糖度が高めなのを書いてしまいました。
こちらもエチは無しです。連投済みません。
379:2013/05/05(日) 03:46:15.69 ID:hoByqtAi
「行ってきます!」
ガラリと勢いよく開かれた玄関扉の音とともに、やけに朗らかな梅子の声が通りへ響いた。
「おっ、梅子」
それと同時に、ちょうど居合わせたとでも言いたげな表情の信郎が、長い両腕をブラブラと前後に揺すりながら梅子の方へ歩み寄る。
「あ、ノブ。おはよう!」
朝日のようにまぶしい笑顔を向けられて、自然と鼻の下が伸びてしまった信郎は、息継ぎを忘れた空っぽの肺で小さくおっと返事をした。
何しろ結婚の約束をした雨の晩から休みを挟んで、初めて迎える朝だ。
見慣れているはずの梅子の顔が不思議といつも以上に可愛く見えて、どうにもこうにも落ち着かない。
梅子を待っている間も胸の辺りがモゾモゾしていたが、今やそれが腹の底を抜けて尻にまで達しているような気がする。
自分の方へ近寄ってきた梅子の顔をちらりと見ると、ブラつかせていた手で腰のあたりをさすりながら明後日の方向を向いて言った。
「あー……。どうだ、調子は」
「うん。すっごくいいの」
期待以上の好感触を得て、「そうかー」と思わず能天気な声を出し梅子を見ると、梅子が畳みかけるように話し始めた。
「あのね、昨日、竹夫兄さんや松子姉さんと被害者の方の家へお金を返して回ったの。そうしたら、誰も訴えないって。
 おじさん、刑務所に入らなくても済みそうなの」
ああ、そっちの事かと少し落胆しながらも、心の底から嬉しそうに話す梅子の顔を見ると、何だか心が落ち着いてくる。
梅子はそうやって人の心配してるのが似合うよ、と、先日自分で話した言葉がそのまま信郎の頭の中へ浮かんだ。
いつしか信郎の顔から浮ついた部分が消えると、穏やかに笑いながらウンウンと梅子の話に耳を傾けていた。
「ありがとう。ノブのおかげよ」と言う梅子に「よかったな」と声をかけ、信郎が梅子の肩へ手を伸ばしかけた時――。
「おはようございます」
二人の間へ割って入るように現れたのは、看護婦の相沢だった。
「あ、相沢さん。おはようございます」
相沢にも同じようにニコリと微笑んで、じゃあねと診療所へ入っていく梅子。その残像を、信郎はしばらく見送っていた。

『まぁ、約束はしたんだし。そんなに焦ることもないだろう』
足取りも軽く、幸せそうな顔をした信郎が裏口から自宅の庭へ回ろうとすると、幸吉と和子の話し声が聞こえてきて何気なく足を止めた。
「うーん。どれも、帯に短し、たすきに長しって感じだなぁ」
「こないだの人がべっぴんさんだったから、比べるとねぇ」
茶の間に座って、何かを見比べている両親の姿が見える。
もう見合いなんかすんなと言っていた舌の根の乾かぬ内に、どうやら二人して次の見合い相手を考えているようだ。
『こりゃ、呑気に構えてらんねぇな』
信郎の顔が一瞬にして梅干を頬張ったような表情に変わり、腕を組むと、暫く物陰から二人の様子を眺めていた。
380:2013/05/05(日) 03:47:12.18 ID:hoByqtAi
「それでは先生、行ってまいります」
昼食をとるために出かけていく相沢のピンと伸びた背中が、安岡製作所の角を曲がって消えていく。
表に出て、数時間ぶりの日光をいっぱいに浴びて両手を上げると、梅子はうーんと言って大きく伸びをした。
「おい、梅子」
「きゃっ」
下村家の母屋と診療所の間にある井戸の陰から突然声をかけられ、思わず梅子の口から悲鳴が上がる。信郎の声だ。
信郎はキョロキョロと通りの様子をうかがいながら、ゆっくりと大きな体を現す。
「もぉ、なぁに?」
梅子はドキドキと鳴る胸を押えて驚かされたことへの抗議をすると、立ち上がって傍へ寄ってきた信郎の顔を見上げた。
見上げるのはいつもの事だけれど、いつもより首の角度が急なのは、信郎の位置がいつもより近いせいだろう。
「どうしたの?ノブ」
抗議もそこそこに、いつもと様子が違う信郎の心配をすると、信郎は初めて見せるような真面目な様子で話し始めた。
「どうしたじゃねぇよ。……梅子、俺たちのこと親に話したか?」
信郎に言われた瞬間、梅子は両手を口に当てて「あ」と大きな声を漏らした。
そう言えば……。陽造の事で忙しかったとはいえ、あんな人生の一大決心を忘れてしまうなんて……。あの夜の……。
「まだ……。陽造おじさんの事で頭がいっぱいだったから」
梅子が頬を赤く染め、恥ずかしそうに答えると、信郎は耳打ちをするようにかがんできた。
信郎の顔がやけに近い。信郎の瞳の中に映る自分の姿を見て、梅子の心臓は改めてドキドキと高鳴った。
「いつ話す?うちのオヤジとオフクロ、懲りずにまた見合い相手を探し始めてんだよ」
「えっ!?」と驚く梅子に、信郎は黙ってコクリと頷く。
「大変!早く話さないと」
「ああ、けど、いざとなると……。なんか、照れくさくてな」
信郎が頭の後ろを掻きながら、顔をクシャクシャにしかめた。面倒くさいことがある時の、いつものノブだ。
もぉ、と口を尖らせて言ってみたけれど、確かにみんなに言うのは照れくさい。ノブと……、結婚だなんて。
「うん……。でも、早く話さないとね」
もじもじと揺れていた梅子の体が、ピタリと止まった。小さな両肩には、信郎の大きな手が添えられていた。
信郎の両手に、グッと力がこめられる。
「よし。みんな集めて、ちゃんと話そう」
「うん」
まっすぐ、真摯に向けられた信郎の視線の中に、梅子は幸せそうに微笑む自分の姿を見た。

――終――
381祝福:2013/05/05(日) 03:47:59.14 ID:hoByqtAi
行方の分からなくなっていた兄の竹夫が見つかり、駄目になってしまいそうだった会社へ取引先から救いの手が差し伸べられると知った晩、
梅子は幸せな気持ちに包まれていた。
「竹夫兄さん、そういう人が見つかってよかった」
何よりも兄を支えてくれようとする静子という存在に、心から祝福したい気持ちがあふれ出て、言葉となって口からこぼれる。
「俺も。見つかってよかった」
枕を並べ、黙って梅子の話を聞いていた信郎が呟いた。
その言葉は短いけれど、「好き」などとは決して言わない夫からの、確かな愛の言葉だった。
嬉しくなった梅子は「私も」と応えると、満ち足りた笑顔を信郎に向ける。
寝ようとして一旦は目を閉じたが、胸の奥からこみあげてくる温かな気持ちが睡魔を追い払ってしまい、どうも寝付けそうにない。
布団の端に置いていた左手の小指に信郎の小指がほんの少し触れ、梅子の小指が反応を示すと、信郎の小指もそれに応じた。
小指同士を何度かじゃれつかせた後、信郎の手が梅子の手を包み込んで、梅子も信郎の手を握り返す。
「……ノブ」
頭だけを信郎に向けて名を呼ぶと、信郎も目を開いてゴロリと体を寄せてきた。
「梅子……」
広げられた信郎の両腕の中へ、梅子も転がって体を収め、顔をうずめて胸いっぱいに信郎の匂いを吸い込んだ。
目を閉じて顔を上げれば、思った通りに唇が重なる。久し振りの、口と口とを貪りあう性的な口づけ。
子供が出来たと告げてから、夜の営みを求められることがなくなっていた。
飢えた欲望を少しでもいやすように、差し出された信郎の舌へ夢中になって吸い付く。
もっと、もっと。ノブと繋がりたい。そう思い、深く信郎を求めていた梅子の口が、ふと緩んだ。
梅子の反応に気づいた信郎がスッと口を離して、どうしたとやさしく問いかける。
「何か、いま、お腹が動いた気がしたんだけど……」
まだ時期じゃないし、きっと気のせいだと説明すると、信郎が触ってもいいかと聞いてきた。
梅子が黙って頷き、信郎も少し緊張した顔で頷く。信郎の大きな手が、そっと梅子のお腹の上に当てられた。
「ここに、いるんだな。俺たちの、子供」
子供の頃から共に落ちこぼれだった自分たちが大人になって、途中いろいろあったけれど結婚をし、新しい命を授かった。
「本当に、不思議ね」
お腹を撫でながら布団の中を覗く信郎の視線があまりにも優しくて、目の奥がジンと熱くなってくる。
泣いてしまいそうな顔を見られないよう、目の前にある信郎の頭を抱きしめると、信郎の腕が梅子の腰へと回された。
「大切にするからな」
その言葉が向けられているのは自分なのか、お腹の子供なのか。どちらかは分からなかったが、どちらでも梅子は幸せだった。
「……有難う」
感謝の言葉とともに、梅子の目からポロリと涙がこぼれ落ち、梅子はその喜びを噛みしめていた。

――終――
382名無しさん@ピンキー:2013/05/05(日) 12:03:55.80 ID:ad8Y1dwh
>>378-381
乙です。
エロがなくても読ませますねぇ。
次作を待ってま〜す。
383名無しさん@ピンキー:2013/05/07(火) 23:58:49.47 ID:h769/yzu
朝ドラの空気そのままで感動した!
モロのエロなしだからこそ良いようにも思う。
が、やっぱり実際はエロにも飢えてるなぁ…。
384名無しさん@ピンキー:2013/05/09(木) 00:28:14.51 ID:/b5GkllS
378です。
レス有難うございました!
エロいのも少しずつ書き始めていますが、久々なのでかなり苦戦中w
385名無しさん@ピンキー:2013/05/10(金) 13:14:16.44 ID:RDeu+7IU
梅ちゃんの世界に飢えているので
小ネタでも大巨編でも
人の道に外れかけたドエロでも純愛でも
何でもありがたい
ワクテカで待ってます!
386名無しさん@ピンキー:2013/05/11(土) 21:30:50.06 ID:BL4OOz0B
わっ!
新作2本も!!
ありがとうございます

次も楽しみにしてます
387名無しさん@ピンキー:2013/05/16(木) 15:55:52.92 ID:kBFuI41j
おー新作きてた!
やっぱりノブ梅は可愛いのう
是非エロも読みたい
388名無しさん@ピンキー:2013/05/17(金) 03:06:34.39 ID:63St1hhi
ノブ梅に苦戦している傍らツラツラ書いていたのが先にできたので、突然ですが金子×梅子です。
お忘れの方の為に、金子とは…帝都大で梅子がインターンをしていた頃、外科にいた講師です。
エチ描写は一応有り。金子がSな感じになっております。
389金子のおかず 1:2013/05/17(金) 03:07:32.61 ID:63St1hhi
気が付くと、夕暮れ時。俺たちは2人で白衣をオレンジ色に染めながら、長いこと水道のところへ立っている気がする。
「無理です。もうできません」
「甘ったれたことを言うな!」
まるでそこは、世界中に2人きりしか存在しないような空間で、耳に痛いほどの静寂の中、俺は大きな声を出した。
「貸してみろ」
俺は、赤剥れになっている下村梅子の手からタワシを取り上げ、こうだ!と言って自分の手を激しく擦る。
えぇ、と声を詰まらせながらも、下村が決して目の光を失う事はない。
そんな下村の顔を見て、俺の下腹からメラメラと炎のような何かが湧き上がってきた。
「柔らかい部分から鍛え上げれば、手を擦るくらい何でもなくなる!」
「あっ……」
下村の腕を絞り上げる。袖をまくると、細くて白い上腕が現れ、そこへ力いっぱいタワシを擦りつけた。
「痛っ……!」点々と赤く、うっ血した筋が下村梅子の白い腕に浮かび上がる。
「ここじゃ不満か。なら、こっちはどうだ」
下村が着る白衣とブラウスの両方を掴んで左右に引きちぎり、中で澄ましていた白くて小さな胸をさらけ出した。
恐らく他の誰にも触れられたことのないだろうその部分は、真っ白くツルっとしていて滑らかな豆腐のようでもある。
俺は下村の腕を再び絞り上げると、きれいな胸にタワシをあてがって生唾を飲み込んだ。
「やめて下さい!」と言う下村の声にますます興奮し、勢いよくタワシを滑らせると、誰にも踏み入れられたことのない
新雪の上へ俺のつけた赤い道筋がいくつも現れる。
ここはどうだと、豆粒のような乳首も擦ってみたら、下村の口から「ああ」と気の抜けたような声が漏れた。
「何だ、感じているのか」馬鹿にしたように言ってやると、脂汗を浮かべた下村が悔しそうにこちらを見る。
「こんな事で手は鍛えられません!」唇を噛み締めた下村が、俺から逃れようと全身を左右にひねり必死の抵抗を見せ始めた。
「口だけは達者だな。まったく、岡部さんの所へ検査材料を届けるくらいしか役に立たないヒヨッコのくせに」
俺を睨み付けてくる下村の面構えをもっと崩してやりたいと思っていたら、妙案が思いついて「そうだ」と思わず口に出る。
「下村、これから俺の体液を岡部さんの所へ持って行ってくれ」
下村は何を言われているのか分からない様子で、戸惑いの表情を浮かべた。
「精液だよ。これから、お前が採取するんだ」そう言うと、俺はズボンのファスナーを下げて椅子へドカリと腰を下ろした。
「あの……、容器は…」
おずおずと尋ねてくる下村を見て笑いそうになるのを堪えつつ、容器はないと伝える。
「お前自身が運ぶんだ」
下村を足の間に跪かせ、左手で下村の後頭部を強引に押さえつけて、右手で取り出した一物を小さな口へとねじり込む。
俺の物を咥えさせられ、心底嫌そうな顔をしている下村を見ると、この上なく心が弾む。
「待てよ。口がふさがっていると、岡部さんに説明することができないな」
俺はわざとらしくそう言って、俺の股間に埋もれていた下村を強引に立たせ、後ろ向きに方向を転換させて細い腰を無理やり引き下ろした。
390金子のおかず 2:2013/05/17(金) 03:08:01.13 ID:63St1hhi
「きゃああっ……!」
いきり立っていた俺の一物が、槍のように下村の膣口へと突き刺さる。刺された下村の傷口からは、鮮血がダラリと垂れた。
「あ……、あ…………」
「いい子にしていれば、じきに気持ちよくなる」
緊張しているせいか、痛みに耐えているせいか、全身を硬直させた下村の腰を強引に上下させて俺の物を抜き差しすると、
処女であろう下村の中は極端に狭く、痛いほどに俺の陰茎を締め上げる。
「もう少しだ……。もう少し……」
下村の口からは、ハッハッと犬のような短い呼吸音が聞こえるだけで、喜んでいる様子など少しも見えない。
下村の中へ出入りする俺の物は真っ赤に染まり、まるで、俺が下村を貪り食っているかのような錯覚に陥る。
やがて、悲鳴のような、泣き声のような、喘ぎ声のような、小さな声が下村から聞こえてきた。
肉の薄い小さな尻を、指の跡が残るほど強く鷲掴みにして、抜き差しのスピードを更に上げた。
真っ暗なトンネルの先で、針の穴ほどに見える出口に向かって必死に走るよう、無我夢中で陰茎を摩擦して刺激を与え続ける。
「ああっ、もう出すぞっ!いいな!!」
そう言う俺の声に続いて、下村は「え」と疑問の声を漏らしたが、お構いなしに腰を引きおろしてドスンと俺の上に座らせると、
小さな壺の中へ溢れるほどの精液を注ぎ込んだ。

「……ふうっ」
ティッシュの上へ放出された大量の精子をしばし眺め、下村の様子に変化がないことを確認すると、俺は自由にしてやっていた
一物をズボンの中へと戻す。
「下村梅子!」
丸めたティッシュを投げつけながら、大きな声を出して名前を呼ぶと、机に突っ伏して寝ていた下村が驚いて顔を上げた。
上げた頭へちょうどよくティッシュが命中して、床へ転がる。
「まったく。宿直中に居眠りするとは何事だ!」
「あっ、済みません」
完全に寝ぼけた顔をして口の端を腕で拭う、何とも無防備な下村の姿を見て、俺は噴き出しそうになるのを堪えるのに必死だった。
「眠気覚ましだ。そこのゴミ箱の中のゴミ、焼却炉の中へ入れてこい」
そう言われた下村は、眉を八の字にして「えぇ」と嫌そうな声を上げた、
焼却炉は病院の建物の裏で、昼でも鬱蒼として気味の悪い場所にある。こんな夜中に行くのは、男の俺ですら気が引ける。
「あ、そこの床に落ちたティッシュも拾って捨てておけよ」
わざと普通にそう言って、下村に俺の精液をたっぷり拭き取ったティッシュを拾わせた。
そして、嫌々出ていく姿を見届けると、医局に女がいるのも悪くないなと思いつつ、手についていた精液の残りを
下村が座っていた椅子の座面へと擦りつけた。


――終――
391名無しさん@ピンキー:2013/05/17(金) 11:38:56.12 ID:oaGhe1Uo
甘さのない凌辱は苦手だが
忍耐強く最後まで読んだら一本とられた
チカラワザGJ!

可哀想な梅ちゃんキボンヌさんも
これで納得してくれるといいが
392名無しさん@ピンキー:2013/05/19(日) 01:03:31.04 ID:UfWdRqRl
388です。読んでくださって、有難うございます。
初めにネタばれ入れちゃうと面白くないかな、と思ったのですが、忍耐を強いる結果となってしまって申し訳ないです。

色々な人のおかずにされて、あちこちの脳内でえらい目にあっている(が、本人は全く気付いていない)梅子、
と言う妄想が自分の頭の中にあり、これもその中の一つでした。
もう、帝都大なんて、第二内科以外は変態の巣窟のような妄想が繰り広がっておりますw

次はド直球かませるように頑張ります。
393名無しさん@ピンキー:2013/05/28(火) 05:30:39.85 ID:VWfHxLyY
意外なところで山倉×梅子なんてないかな
一度は嫁に所望したこともあったし
妄想される梅子ならありかなと
394名無しさん@ピンキー:2013/05/31(金) 22:59:24.69 ID:oAajawuK
「じゃあ梅子さんで!」
なつかしすなあw
395名無しさん@ピンキー:2013/06/16(日) 04:48:00.45 ID:Pcq9vGhM
ノブ梅でエチ・口淫有。
SPで信郎が竹夫から「半径100メートルの男」と命名された晩の話で、この話の後に縁側で弥生との西瓜食べ&惚気に続くという流れです。
ヤキモチ焼の梅子可愛いwと思いつつも、そこに手こずりましたが、「梅子、ノブにベタ惚れ過ぎwどんだけwww」と
結局視聴当初の感想から広げていきました。

山梅も面白そうだなと妄想を初めてメモを溜め始めたものの、つい面白い方向へ脱線してしまう。山倉恐るべしw
396欲 1:2013/06/16(日) 04:51:02.80 ID:Pcq9vGhM
ある初夏の夜。闇を四角く切り取るように扉が開き、にわかに下村家の玄関前が賑わう。
夕飯を食べに来ていた松子と竹夫の家族が、それぞれ家へ帰るところだった。
何か特別の日と言うわけではなく、たまには土曜の夜を、こうして兄弟の家族が集まって過ごしていた。
「じゃあ信郎君、また飲もうね」
「今度は100メートル圏外を目指しますか」
お酒の入って陽気になった加藤と竹夫が大きな声で別れを告げ、子供を連れた松子と静子が苦笑いで会釈するのを、
梅子と信郎が見送っていた。
2組の家族が安岡製作所のある角を曲がっていき、梅子と信郎は目を合わせて微笑みあう。
微笑みあいながら、いましがた仲良く別れの挨拶を交わしていた信郎と竹夫や加藤たちについて、梅子はふと思った。
元々は義理の兄弟と言う関係でしかなかった3人組は、今や揃うと連れだってみかみへ飲みに行くのが定番となる程の仲だ。
――みかみで、また私たちの悪口を言ってたんでしょ。
食事の時に静子がした話を思い出し、梅子も真似をして釘とやらを刺してみようかと思ったが、何故か口から言葉は出てこなかった。
何かモヤモヤしたものが喉の奥につかえているような気がして、立ち止まり、喉をさすりながら顔をしかめる。
「どうした?」
玄関に入りかけた信郎が振り返り梅子へ声をかけると、梅子は「ううん。何でもない」と首を振ってつかえる何かを飲み込み、
信郎の背中に寄り添うようにして家の中へと入っていった。

「悪いけど、先に休ませてもらうわね」
祖母の正枝が、さすがに疲れた様子で自室へ下がっていった。今まで大勢で賑わっていた家の中が、急にガランとする。
梅子は二階の部屋へ布団を敷いてくると、信郎たちを呼びに居間へ戻った。居間には誰もおらず、おや、と思い隣の部屋を覗く。
するとそこには、半分夢の中へ落ちかけた太郎を抱っこする信郎の姿があった。
信郎は体をゆっくりと揺らしながら、太郎の背中をポンポンと叩いていた。
視線は、足元へ敷いた布団の上ですでに寝てしまっていた新へと向けられている。
体が大きく揺れた際に、信郎の表情が見て取れた。とても、愛情のこもった目をしていた。
襖の横で様子を見ていた梅子は、幸せそうに微笑むと、小さな声で信郎へ話しかける。
「お布団、敷けたわよ」
「おっ」新へ注いでいた視線のまま、信郎が振り返る。梅子の胸が、何故だかズキンと痛んだ。
太郎を抱いた信郎に続き、梅子も新を抱いて階段を上る。
部屋について布団の上へ寝かせると、二人ともスゥスゥと安らかな寝息を立てていた。
「ああ」と声を出して、信郎は自分の布団の上で胡坐をかき、後方へついた腕で斜めになった体を支える。
そして、梅子と信郎は子供たちの様子を確認すると目を合わせ、黙って目を細めあった。
「お疲れさん」
寝巻の用意をしていた梅子は、信郎から労いの言葉をかけられると、嬉しそうにして更に目を細めた。
397欲 2:2013/06/16(日) 04:51:36.06 ID:Pcq9vGhM
「ノブ、お風呂は?」
「俺は、いいかな」
何だか眠たくなっちまった、と言ってゴロリと横になってしまった信郎へ、もう、と言いながらも梅子は微笑んだ。
「ほら、着替えて」と梅子が催促しても、当の信郎は「んー」と生返事をするばかり。
そのうち梅子が「しょうがないわね」と言ってポンと叩いた信郎の足から靴下を脱がせ始め、
信郎は腕を枕にしてそんな梅子の様子をニヤニヤと眺めていた。
やがて、ほとんど梅子の手伝いによって信郎が着替え終わると、梅子は自分の寝巻と信郎の脱いだ服などを持って立ち上がる。
「それじゃ、お風呂に入ってくるわね」
横向きに寝転がりこちらを見ている信郎の満ち足りた顔を確認しながら、梅子は静かに襖を閉めた。

襖を閉めると、梅子はフゥと小さなため息をついた。
階段を下り、足早に脱衣所へと向かう。早く風呂に入りたかった。
さっきから胸の辺りでつかえたままになっているモヤモヤを、汗とともにさっさと洗い流してしまいたかった。
脱衣所で衣服を脱ぎ、結っている髪をピンで手早くまとめる。
浴室へ入るとき、引き戸のガラスに映る自分の顔が見えた。何だか疲れていた。
洗い出しの床は夏でもひんやりとして、足の裏から頭の先までピリッと引き締まる気がする。
けれども、モヤモヤが胸の辺りから動くことはなかった。
洗い場でしゃがむと、湯船から熱い湯を一すくいしてザバリと体へかけた。
持って入った白いタオルへ石鹸を擦りつけ、泡をたてて腕から洗い始める。
若い頃のようなハリを失いつつある腕からは、小さな泡たちが弾けて、力なくダラリと垂れた。
次に、タオルを移動して、円を描くように乳房を洗う。
元々胸が大きいほうではないので垂れて下がることもなさそうだが、押し戻すような弾力はなく、擦られるままに揺れている。
服を着ている分には変わりなく見える体型も、こうしてみると、どこもかしこも昔とは違う。
洗っても、洗っても梅子の胸からモヤモヤが消えることはなかった。
「はぁっ……」梅子は大きなため息を一つつくと、体中の泡を湯で流す。
分からない振りをするのにも、疲れてしまった。
ドブンと湯船に入り、滑り落ちるように鼻までつかる。
脳裏に浮かぶのは、夜の工場で楽しげに話していた信郎と山川の姿。
艶やかな長い黒髪に、新しい世界をキラキラと映すような瞳。
本当は分かっていたのだ。
「私、あの人に嫉妬している……」
398欲 3:2013/06/16(日) 04:52:10.15 ID:Pcq9vGhM
風呂から上がった梅子は、信郎や子供たちの眠る部屋まで戻ると、自分の布団の上へ座ってその様子を眺めていた。
愛する夫と、可愛い子供たち。
壁を背にして子供たちの方を向いて寝ている信郎に、寝かせた時とはまるきり別の位置で、同じような格好をして寝ている子供たち。
こんなに幸せな光景を前にしても、まだ梅子の胸はスッキリと晴れないでいた。
ふと、風呂に入る前に見た信郎の顔が脳裏をよぎる。
梅子が嫉妬などという感情を抱いているとは、微塵も思っていないだろう。もちろん、知られたくもない。そんな事。
なぜ自分がさっき玄関前で言葉に詰まったのか、梅子にはもう理解できていた。
梅子は濡らしてしまった襟足あたりの髪の付け根を拭きながら、重たい息をハァっと吐く。
ノブの目に、山川はどう映っているのだろう。自分は、どうなのだろう。
ノブが、その瞳に他の女性を映すなんて我慢できない。けれど、自分がそんな事を考える女だなんて、ノブにだけは思われたくない。
不安な黒い想いがチクチクと胸を刺し、一方で信郎への恋慕が身を焦がす。
ノブに触りたい。ノブに抱きしめられたい。ノブが好き。大好き。
まるで、年端もいかない娘の恋心のよう。なんで今更、と梅子の口からはため息ばかりが浮かんでは吐き出される。
ノブの気持ちが知りたい。こんなに近くにいるのに、なんでこんなに遠い気がするのだろう。
梅子は堪らなくなって、ソロリと立ち上がり、信郎の横へ並ぶように横たわると、その顔を覗き込む。
目も口もしっかり閉じられていて、軽くいびきをかいている。
「ノブ……」梅子が手を伸ばして、そっと信郎の頭部を撫でる。その手が頬に差し掛かった時、指先にゾリとひげの感触が当たった。
よくよく見ると、小さなしわが目立つようになってきた。一言でいえば、ノブも老けた。
子供の頃からずっと、こんなになるまで一緒にいたのは、この私だ。
『ノブは、私の物なんだから』
そんなことを考えながら、恋しい信郎の頬をゾリゾリとなぞっていると、寝ている信郎の手が伸びてきてその辺りをポリポリ掻いた。
慌てて手を引っ込めた梅子は、少しだけ横にずれて、信郎の胸に頭を寄せる。
目を閉じて、匂いを嗅ぐ。わずかな埃の匂いと、少し酸っぱい汗の匂い。その奥に、いつもより濃い信郎の匂いがした。
ノブで全身を満たしたい。匂いだけじゃ、足りない。
梅子は信郎の体に細い腕を回して、キュッと力を込めた。
「……ん?……梅子か……」
確認のような、確信のような、信郎の寝ぼけた声が頭の上から聞こえてくる。
梅子は頷いて、信郎の寝巻を掴む。信郎の腕が梅子の体を包み込んだ。
「どーした……」
まだ酔いが残っているのか、何時になく上機嫌な声色で信郎が聞いてくる。
自分の背中をさする信郎の手の感触を、梅子は息をのんで感じていた。上下に数回移動した後、軽く叩きだす。
ポンポンと梅子の背中を叩く信郎の手が、徐々に速度を落としていく。
そうじゃないのに、寝かされてしまいたいわけじゃない。もっと……。ノブの、……ばか。
399欲 4:2013/06/16(日) 04:52:41.84 ID:Pcq9vGhM
梅子は肘をついて上体を起こす。信郎の腕は、まだ梅子の背中にあった。
片手で信郎の頬を支え、顔を覗き込むようにして口をつける。髪がハラハラと流れ落ち、二人を世界に閉じ込めた。
うっすらと開かれた信郎の口へ、梅子は濡れそぼった口を深く押し付ける。
舌をもぐりこませ、二人の唾液がまじりあった。信郎のは、ビールの苦い味がした。
犬のようにして、わざと音を立てて味わいながら、寝巻の裾を割って信郎の上へまたがる。
梅子の尻に信郎の硬くなった物が当たり、梅子は顔を上げて信郎の様子をうかがった。
カーテンから漏れる月明りで、薄らと見える信郎の顔。多少眠たそうではあるが、その時の顔にはなっているようだった。
「俺、風呂入ってねぇぞ」梅子の下で浅い息をしている信郎が、少し苦しそうな表情を見せる。
「うん」梅子は大きな瞳で信郎を見つめ返して、コクリと頷く。それが、始まりの合図となった。

梅子は再び信郎の方へと倒れ込み、ゾリゾリする顎へ軽く口をつける。
襟の間から手を差し込んで胸に手を乗せると、口を喉に這わせていって、露わになった鎖骨の辺りにも口をつけた。
触れあっている男女の部分を強く密着させて、擦るようにずらし、信郎の足の方向へ移動する。
足の間に座り込んだ後、信郎の足首の方から腿まで撫で上げるようにして、裾を開いていった。
下着に手をかけ、信郎の様子を見る。きっと期待しているのだろう。頭だけ持ち上げて、信郎も梅子の様子をうかがっていた。
中心部に顔を近づけて下着を下ろしていくと、蒸れた信郎の分身が顔を表した。
何度かついばんでから一息に咥えこみ、そのまま下着を下ろす。
自分よりも体が大きな信郎の下着を脱がすのは、一気にと言うわけにはいかなかったが、口で中心を咥えたまま最後まで下げた。
梅子の口からは、今にも零れ落ちそうな水の音が絶え間なく聞こえてくる。
信郎の中心は、梅子の口の中へ飲み込まれたり、押し出されたりしていた。
しょっぱかった物の味がすっかり抜け落ちるくらい、唾液を溢れさせた口腔で何度も舐めあげる。
水を啜るような音を立ててからいったん口を離し、裏の筋を舐めあげ、亀頭の下を舌の先でくすぐる。
「……気持ちいい?」梅子が聞くと、「ああ」と切ない返事が返ってきた。
再び信郎にしゃぶりついてビショビショに濡らすと、口の中の、パンパンに膨らんだ信郎の先端にある割れ目を舌で刺激する。
信郎の口から湿った吐息が漏れて、梅子は頭を抑えられた。
「梅子……、もう……」
「……なに?」口を離した梅子が、右手で信郎自身を拘束しながら問いかける。
「……梅子……」信郎が再びかすれた声で梅子の名前を呼び、両手を梅子の方向へ広げた。
梅子は自分の下着も外し、誘われるようにして信郎の体の上を這い上がる。
すっかり硬くなった信郎の中心部まで来ると、梅子は上体を起こして馬乗りの姿勢で、腰を浮かせながら信郎を見た。
入りたそうな顔をしている。中心にそびえる分身も入りたそうにして、梅子の粘液に身を擦りつけてきた。
暗がりの中で一瞬目を合わせた後、すぐに目を閉じて唇を重ね、腰を落とす。
両手で信郎の頬を覆い、信郎の口腔に溢れた唾液を吸い上げて舌を絡めとると、生々しい性の匂いを混じりあわせた。
400欲 5:2013/06/16(日) 04:53:16.67 ID:Pcq9vGhM
柔らかな肉が押し広げられていく。梅子は全身で信郎を感じながら、ゆっくりと、ゆっくりと信郎を飲み込んでいった。
「んっ……ふ…、あぁ……っ…」梅子の口から吐息が漏れる。
根元から信郎の全てを体の中へ納めた後で、もうひと押しするよう腰を沈めると、信郎の先端に子宮口が突き上げられる。
「あ……っ。はぁ…っはぁ……ンっ…あぁっ……」
胎内を揺さぶられる快感に、開きっぱなしの梅子の口からは喜びにむせぶ声が漏れ出した。
梅子が腰を揺らすたび、濡れた蜜壺からいやらしい水音が溢れる。
「…っはぁっ……はぁっ……は……っ」部屋には二人の荒い息が響いていた。
信郎は梅子の下から両腕を伸ばし、襟元を開かせて夜目にも真っ白な梅子の乳房を露わにした。
次に、梅子の乳首をかすめる程度の距離で、両手の人差し指をクルクルと回転させる。
「ん……っ、ふう……っ…」
乾いた快感が、突き刺すように梅子を襲う。とっさに親指をかんだ梅子の口から、熱い吐息が漏れた。
しばらく同じ刺激を梅子に与えていた信郎は、梅子の様子を見極めながら、親指と人差し指で乳首をつまむと、コリコリといじり始める。
梅子の腰の動きが、一段と速くなる。倒れ込んでしまいたくとも、信郎の腕がつかえ棒のようになっていて、それを許さない。
「ノブ……、ノブ……」
吐息のように信郎の名前を囁き、薄らと目を開けて信郎を見下ろす。信郎は、とても優しい、さっき下の部屋で見せたような顔をした。
「気持ちいい……」
梅子が湿った息を吐き出すと、濡れた言葉が同時に漏れた。優しく微笑んでいた信郎の口の端が、ニッと上がる。
快楽を送り込まれてぷくりと膨れた乳首を、信郎は親指と人差し指を交互に動かしながら、強くしごき始める。
「だ…駄目……っ、ノブ。そんなにしちゃ……あっ…」
慌てて掴んだ信郎の前腕は鋼のように硬く、梅子を追い詰めるために内部の筋肉を休むことなく動かしていた、
信郎の瞳へ欲望にぎらつく光が見える、もう逃げられない。観念した梅子の下半身がブルブルと震えだす。
「ああっ……」梅子はかすかな悲鳴を上げて、顎を天に向け、背中を弓なりに反らせた。
「待て……、梅…子っ……」
下にいる信郎の呻くような声が耳に入り、一瞬ハッとして体中に入っていた力を抜く。
「あんっっ……」一瞬強く突き上げられた後、梅子の中から信郎が勢いよく飛び出した。
「そんなにしたら、すぐ出ちまうだろ」
突然体の一部が抜け落ちたような感覚に、体が混乱する。同時に、心には寂しさと心細さが襲ってきた。
もしかして、泣きそうな顔をしていたのかもしれない。やさしく肩を抱かれて、信郎と上下が入れ替わった。

「あんまり、大きな声出すなよ」
追い込まれた信郎が、焦った様子で自分の腰紐を外し、寝巻を脱いでいく。
梅子も弾かれるようにして前をはだけ、袖から腕を抜き、信郎を迎えた。
挿入に合わせて、信郎の体が重たくのしかかってくる。肌と肌が重なり合い、ぬくもりを伝えあう。
401欲 6:2013/06/16(日) 04:53:58.43 ID:Pcq9vGhM
空気に触れて冷えた信郎が、熱く蕩ける梅子の中心で、存在感たっぷりに押し入ってきた。
一つになれた喜びと安堵感に包まれる瞬間。梅子の目の端を、一筋の涙が伝っていった。
信郎は自分の両腿で梅子の臀部を押し上げるようにして、入り口を大きく開かせると、いったん抜きかけた陰茎を一気に突き入れる。
「ん……っ!」飛び出しそうになった声を、指を噛みしめて押し殺し、梅子は苦しそうに眉根を寄せた。
「ノブ……。あ……っ、ノブ……」
奥深くまで突き上げられ子宮を揺さぶられるたびに、梅子はうわ言のように信郎の名前を呼ぶ。
信郎は息を荒くして梅子を貪っていた。梅子は下がってきた信郎の首筋にしがみつき、囁くような声で信郎の耳元へ切ない気持ちを叫ぶ。
「好き……、ノブ……っ。……大好き……っ」
信郎の顔が、梅子に向けられる。信郎は大きく口を開き、梅子の言葉ごと口を吸い上げた。頭の中が、真っ白に弾けとぶ。
梅子の意識の全てが、緩急をつけて律動する信郎自身に集中する。足がピンと伸びて、天を向いたつま先が内側に丸まった。
腕を立てた信郎の上腕を掴んで、両足を大腿部へ絡みつかせる。
「ノブ……、あ…駄目……!も…う、……お願い……」
尻を鷲掴みにされ、腰を激しく打ち付けられる。何度目かで信郎が動かなくなると、梅子の中の信郎自身が爆ぜた。
息を切らして倒れ込んできた信郎の背中へ手を滑らせ、汗ばんだ体を抱きしめる。
信郎の物は、まだ梅子の中でビクビクと脈打っていた。
「嬉しい……」
生身の信郎を受け入れて、その吐き出される暖かい精を直接受け止められる喜び。この時の気持ちは、優越感だったかもしれない。

「あーっ、もう動けねぇ」
事が終わると、信郎は梅子の横へと崩れ落ちた。長い信郎の手も足も、力がすっかり抜け落ちているようでダラリと伸びきっている。
「しょうがないわね」梅子は起き上がりながら寝巻を引寄せて身にまとうと、傍らの信郎を見て微笑んだ。
ティッシュを取りかけた梅子が、「そうだ」と言って信郎の脱いだ寝巻を掛けてやり、階下へ行って持ってきたものは濡らしたタオルだった。
「ノブ、お風呂に入ってないから。こっちの方が気持ちいいでしょ」
一瞬ひやりとしたのか、信郎は顔をしかめたが、すぐに心地よさそうな表情をして目を閉じた。
梅子が丁寧に体の方まで拭いてやり、下半身の汚れもきれいに拭き取って下着を履かせ、寝巻も着せてやると、
信郎は寝たままの状態で大きく手を広げた。
「ん」子供が催促するような声を出す信郎の懐へ収まるように横たわると、梅子は信郎に力強く抱きしめられる。
「ありがとうな」顔の見えない頭の上で、信郎が呟いた。
「もう、不器用なんだから」梅子が言うと、「しょうがねぇだろ」と信郎が返す。
こんな不器用なノブに、人を騙したり嘘をついたり出来るはずがない。山川さんの事だって、ノブには隠す事なんて何もないはずだ。
そう思うと梅子の胸からモヤモヤしたものが薄れていき、信郎にしがみついたまま目を閉じて、安らかに意識を手放していった。

――終――
402名無しさん@ピンキー:2013/06/18(火) 01:02:40.77 ID:2vP4M4Pk
久しぶりにのぞいてみたら新しいの来てた〜
梅子の幸せなのに不安で切ない感がよく出ててよかったです!
403名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 12:59:15.34 ID:Lpaw5fUl
なんだこの完成度…
記憶が薄れつつあった分より強烈に
あの二人の良さを思い出させてもらいました
ただただ感謝です GJ!!
404名無しさん@ピンキー:2013/06/20(木) 18:36:09.86 ID:ByPiQi2A
ノブ梅新作キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
読み応えもありとても萌えました
ありがとうございました
405名無しさん@ピンキー:2013/06/23(日) 01:45:57.66 ID:ZrWvwb2U
395です。感想どうも有り難うございました!
ノブ梅は私のツボど真ん中だったので、いまだに梅ワールドで妄想をしながらメモを溜めたりしています。
また落とさせてもらうことがありましたら、よろしくお願いします。
406名無しさん@ピンキー:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
とんでもなく長い話があるんだが…この微妙な過疎り具合なら落としても許されるだろうか?
407名無しさん@ピンキー:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:MYwOkTAA
下半身が風邪をひくから早くしてくれください
408406:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
いつも半分投下を諦めつつまとめてるのであんまり期待は…
あと本番にいくまでかなりかかるので下半身はとりあえずしまっておいてくださいね

あまりに長いので導入(1-10/34)・本番前半(11-21/34)・本番後半(22-29/34)・番外編(30-34/34)と
4回に分けて投下しようかと思います
途中トンデモ展開ありますが基本ドタバタコメディだと思ってお読みください

SPの山倉と弥生が抱き合うシーン→結婚報告の間の山倉弥生初エチ話です
409SP抱擁後山倉弥生1/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「弥生さん、お疲れ様!」

自分の代わりとして安岡医院の午前の診療を終えた弥生に、
梅子は握ったばかりのおにぎりと、甘く味付けた卵焼きを差し出した。
そして、温かな茶を注いだ湯飲みも二つ、自分達の前に置く。
この間松岡から嬉しい報告を聞いた梅子は、弥生の口から直接その話を聞くことができる今日をとても楽しみにしていた。
千恵子が居ては話しにくいかと、昼食をみかみに食べに帰ってもらう手はずまで整えていた。
しかし…弥生はうつむいたまま、梅子が用意したおにぎりにも、お茶にさえ、手を伸ばそうとしない。

「…どうしたの?」
「うん…」
弥生の暗い表情に、梅子は首をひねる。
『松岡さんからは、弥生さんと山倉さんはうまくいったようだって聞いていたけど…』
自分からは何も話し出しそうにない弥生の姿に、梅子はわざとらしいくらいに明るく喋り始める。

「そうだ!あの2人は元気にしてる?…あ!新しく来た先生も…えっと…神田さんってお名前だったかしら?」
弥生は梅子をチラリと見ると、深くうつむいてしまう。
そして、
「……こないだ、山倉さんにあらためて『好きだ』って言われたわ…私も一応…『好きよ』って返せはしたんだけど…」
「えっ!?あっ、そ、そうなのね!」
突然の弥生の告白に、梅子は慌てて相槌を打つ。

「…でも、だめ。山倉さんに会っても、今までみたいに自然に振舞えない
 私があまりに素っ気ないから、山倉さんも最近は神田さんの誘いを断らなくなってる。
 …明日もどこかのコンサートに行くみたいよ」
そう言って弥生は、置かれた昼食を避けながら机に突っ伏してしまう。

思いがけない弥生の告白に、梅子は思わず身を乗り出した。

「そっ、そんな!だって、弥生さんはちゃんと山倉さんのことが好きなんでしょう!?」
机にへばりついたまま、弥生がコクリと頭を動かした。

「…でも、だめなの。どうしても意識しちゃって、山倉さんの顔を見れないの。
 そんなの知られたくないから、話しかけられても、ついキツイこと言って彼を遠ざけて…。
 きっと山倉さんも、自分を素直に慕ってくれる神田さんの方が、私なんかよりずっと可愛いと思ってるわ…」
そう言ってから、ゆっくりと顔を上げた弥生の頬には、涙のつたったあとがみえる。

梅子の脳裏に、頑なに男性を遠ざけていた学生時代の弥生の姿が甦った。
「大丈夫よ、山倉さんはちゃんと弥生さんのことが好きよ…」
慰めは要らないとでも言うように、弥生はきつく首を振る。
年を重ねてもやはり不器用にしか生きられない友達の姿が、梅子には愛おしく、切ない。

「弥生さんと山倉さんは、絶対に大丈夫だから…」
梅子は弥生の震える肩を、自分の小さな手でそっと包み、
呪文のように何度も、その言葉を囁き続けるしかなかった…。
410SP抱擁後山倉弥生2/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「どういうことなの!!」
「ぼっ、僕に言われてもっ」

もっともな松岡の言葉に、梅子は受話器を持ったまま、思わず浮かしていた腰を、そろそろと落ろす。

「僕の方が聞きたいくらいだよ。弥生さんは山倉君のことが好きなんじゃないのか?」
「好きよ、当たり前でしょう!」
「それであの態度では…。鬱々としてる山倉君に神田さんは猛アタックを続けているし…」
女版松岡であるらしい神田が、研究のごとく恋愛にのめり込んでいたとしたら…。
梅子はその情景を思い浮かべ「あぁ…」とため息をつく。
そして今日弥生に聞いた胸の内を松岡に打ち明けると、松岡も梅子と同じく大きなため息をついた。

「…けど、魂が抜けたような山倉君を神田さんが押し切るのも、もう時間の問題だと思うんだが…」
「そんなの、絶対にダメよ!」
「だが、もはや打つ手は…」

確かに、散々策略を巡らせてやっと結ばれた二人が、不本意とはいえ自らの意志で離れてしまっているのだ。
一度切れた糸を再び結びつけるのは、かなり難しいことのように思われた。
何か、二人が猛烈に相手を求めずにいられなくなるような、そんな出来事でもあれば…。

ふと梅子は、夫の浮気を疑った時のことを思い出した。
子供が二人も出来、安心しきっていた自分が、夫の大切さを再確認することになった、ほろ苦くも甘い、あの出来事。

「……嫉妬…そう、嫉妬よ!神田さんが積極的なのは、むしろ好都合かもしれないわ」
「どういうことだい?」
「山倉さんと神田さんを部屋に閉じ込めて、怪しい雰囲気にさせるの。
 それを弥生さんに見せれば、きっと弥生さんも神田さんになんか渡せないって、必死になるはずよ!」
「…梅子さん。それは、転びようによっては、かなりの修羅場と化すんじゃ…」
「ええ、それが狙いだもの」
「……」
411SP抱擁後山倉弥生3/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
『そりゃ君はその現場にいないから平気だろうが』
松岡の無言の突っ込みに、梅子は慌てて言い訳する。

「だって、これが一番効くはずだから…」
「それはまるで、自分が経験したことがあるような口ぶりだが」
「……あっ、あるわよ?」
「…その経験は、最近のことだろうか?」
「そ、そうだけど…」

微妙な沈黙が流れる。
それは、酔った松岡と山倉が家に来た時に一瞬感じた、あの居心地の悪さにどこか似ていた。
松岡と梅子はもう友達同士のはずなのだが…ただそれだけとは言いがたい過去も、確かに存在している。

「…わかった」

松岡の言葉によっておかしな空気が掻き消え、梅子はホッとした。

「…ただ、思わしい結果にならなかった場合、やけ酒でベロベロになった山倉くん、もしくは弥生さんが
 またそちらに厄介になるかもしれないが、それはよろしく頼む。では」

ツーツーという、相手が受話器を置いたことを告げる音声を聞きながら、
梅子は自分の話が松岡を怒らせたような気がして仕方がなかった。
…だとしたら、松岡は一体何に怒ったというのだろう?
そんな答えを出しようもないことを、梅子はしばらくの間、ぼんやりと考えずにはいられなかった…。
412SP抱擁後山倉弥生4/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
―次の日。

梅子の無謀な提案を、松岡は律儀にも聞き入れるつもりでいた。
都合のいいことに、今日の宿直は山倉と弥生になっている。
二人の間に一波乱起こし、またあの日のように結びつける―
…その後、また二人に溝が出来ない保障はないが、
意外に面倒見のいい松岡は、自分が今の状況に見て見ぬフリができないことも、充分に自覚していた。

「神田さんが我々の研究の下調べも積極的にかって出てくれるお陰で、実に研究に没頭しやすくなったと思わないか?」
早速、松岡は山倉に仕掛けてみる。
一度心を通じ合わせた相手に、無視されるか厳しい指摘をうけるかしかない対応を受け続けていた山倉は、
松岡の言葉の意味を考える気もなさげに、「…ああそうだね」と形だけの同意を送る。

「特に君の先日の論文は学会の発表間近になっても手付かずで、神田さんの尽力抜きでは完成できなかったかもしれない」
「…ああ確かに」
「今神田さんは資料室にいるようだが、ちょっと行って肩でも揉んであげたらどうだろうか?」
「肩?…まぁ…そうした方がいいなら…」
よく考えれば奇妙な提案なのだが、今の山倉に正常な判断力などなかった。

「僕と弥生さんの分も含めて、しっかりいたわってきてくれよ」
「…弥生さん…」
山倉はその言葉に反射的にぼんやりと松岡を見たが、

「わかったよ…」
結局重い足取りで医局を後にした。

松岡の事前調査では、神田は馴れ馴れしく人に触れられることを嫌う。
いや、嫌うと言うよりは、苦手としていると言った方が正確かもしれない。
自分が興奮した時はガシッと人の手を握って「閃きました、松岡先生!」などと声を張り上げるが、
年配の医師が挨拶も兼ねて気安く肩を叩こうとした時などは、わかりやすく身をかわそうとし、かわし損ねて肩に触れられると、ビクン!と体を震わせる。
試しに『肩こりと全身疲労の関係性を調べるために』などと適当な理由をつけて、松岡が肩を一揉みしただけで、
「あっ、…ぁぁ…」と聞きようによっては色っぽい吐息を漏らした。
あの独特の反応……人に誤解を与えるには充分すぎる。

とりあえず、始めの作戦は成功だ。
松岡がニヤリと微笑むと、山倉と入れ違いになるように弥生が戻ってきた。
さて、次の作戦に取り掛かるか…。
松岡は弥生に近づき、コホンと一つ咳払いをする。

「弥生さん、君に意見を聞きたい事例があるんだが…資料室に掲載された書籍があるので、一緒に来てくれないか?」
松岡をどこか精気のない瞳で見つめる弥生。
しばらく考えた後で、申し出を断ることさえおっくうだとでもいうように、
「…いいわ、行きましょう」
気だるげに荷物を机に置くと、こちらも足取り重く部屋を出て行く。
らしくない今の二人の姿をあらためて目の当たりにし、やはりこれは一肌脱ぐしかないな、と決意を新たにする松岡だった。
413SP抱擁後山倉弥生5/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「…だ、ダメです!」
「どうして、いいじゃないか、これくらい」
「絶対にダメです!!あんっ」
「あ、結構いい感じ?こういうのは??」
「あ、あ、」
「ほら、ここをこうするのも結構いいでしょう?」
「ふぁ…ぁぁ…」

資料室の扉の向こうで繰り広げられる、なにやら妄想をかきたてられる山倉と神田のやりとり。
狙ったとおりの状況に、弥生の後ろについた松岡がまた悪い笑みを浮かべる。
『これで、弥生さんの嫉妬心に火がついてくれれば…。』

「…どうやらお取り込み中のようよ。行きましょうか、松岡さん」
「え?」
嫉妬どころか、事態の充分な把握も出来たとは思えない状況で、
弥生は早々にその場を立ち去ろうとする。

「い、いや、もうちょっと様子をうかがってから…」
松岡を残し、弥生はスタスタとその場を後にする。
松岡は、慌ててその後を追うしかない。
414SP抱擁後山倉弥生6/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
一方、山倉と神田は…。

「まいったな。松岡君と約束しちゃったんだけど…君の肩を揉んで日頃の労をねぎらうって」
「生憎、私は人に肩を揉まれる事を好みません。ですから、その行為で労をねぎらうことは不可能です」
「…なるほどねぇ」

山倉は、神田の肩の上で揉む形に掲げていた手を静かに下ろすと、
目の前の机に何冊もの本を積み上げている神田の横に腰掛けた。
松岡の前では少しの精気も感じさせなかったが、やはりそこは山倉。
女性の前では、それなりには覇気が戻ってきている。

山倉は、大げさにため息をついた後で、
「…あ〜ぁあ、こないだコンサートに誘われたから、少し好意でも持たれてるのかと自惚れちゃってたよ」
「?…自惚れていただいて、構いませんが?」
神田は真顔で問い返す。
言葉の真意がつかめず、思わず「ん?」と山倉が神田の顔を近すぎるほどにのぞき込んでも、神田はその距離を離そうともしない。
結果、自分の積極性を拒否されないことに慣れない山倉の方が、むしろ自分の方からそろそろと体を離すハメになった。

「…神田さんって変わってるなぁ…」

山倉の呟きに、
「よく言われます」
と、神田がまたしても真顔で答える。

「僕はいいけど、本当に好きな相手ができたら、肩ぐらい揉ませてあげた方がいいと思うよ」
すっかり先輩顔になって、山倉がしみじみと語りだす。
「ちゃんと態度で示してくれないと、男は自分は好かれてないんじゃないかと不安になる生き物なんだ」
「…望まない行為を受け入れるかどうかと、良好な恋愛関係に、何か相関関係が?」
「ある。…大いにある!!」
山倉は、ねぎらいに肩もみなどもちかけたら、一瞬で弥生に拒絶される自分の姿を思い浮かべながら
「本当に…拒絶はかなりこたえるよ…」
と力なく答えた。
「はぁ……なら、揉んでください」
「…え?」

神田は山倉に背を向け、肩をさらす。
それは…神田なりの愛の告白のように、山倉には受け取れた。

山倉は、じっとその後姿を眺める。
好きな相手からの徹底した拒絶に、
一度気持ちが通じたと思えた矢先のことだけに、山倉の心は、自分でも気付かぬうちに疲労しきっていた。

無防備な神田の両肩に、ふらふらと山倉の手が伸びていく――

「…しかし、妙ですね。以前松岡先生に肩を揉まれた時も、そういう行為は好まないとお伝えしたはずなんですが…」
神田の呟きに、山倉の手がピタリと止まる。

「それは……確かに妙だね」
一瞬の間をおいた後、山倉の目に、久しぶりに鋭い眼差しが戻ってきた。
415SP抱擁後山倉弥生7/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「ま、待つんだ弥生さん!」

廊下を早足で駆け抜けていた弥生がピタリと足を止める。

「…松岡さんにお願いがあるの」
「なんだい?今日の僕は、かなり面倒臭い願いでも聞くつもりでいるんだが」
自分に似合わない恋愛事情の橋渡しなど、一刻も早く終わらせてしまいたい松岡のその言葉に、
「…今日の宿直を変わってちょうだい」
前のめりな姿勢でうつむいたまま、弥生がしぼり出すように告げた。

「理由を聞いてもいいだろうか」
「こっ、こんな気持ちで山倉さんと二人になりたくないからよっ!!」
振り向いた弥生の瞳から、さすがの松岡も驚くほどの量の涙がぽろぽろと零れ落ちる。

「自業自得よね?私が山倉さんを遠ざけたんだもの…。
 若くて可愛い女の子がいたら、誰だって面倒くさい女より、そちらを選ぶわ」
「い、いやあれは…」
作戦が完全に裏目に出たのを悟り、松岡は慌てた。 
しかし…たとえ自分がこの状況を仕組まなくても、
肝心なところになると、どこか自分を低く見積もってしまう弥生の胸には、
いつかはこんな思いが溢れ出したのではないか?

「……世間の物事に疎い僕が、人の恋愛事情に口出しできるとは思わないが…。
 それでも友人として言わせてもらえるなら、弥生さん、ちゃんと素直になるんだ。
 山倉君は振られても、ずっと君を好きで居続けたんだぞ?
 今、山倉君が例えほんの少し神田さんに惹かれていたとしても…君も山倉君を諦めなければいいだけじゃないか」

核心をつく松岡の言葉に、弥生の強がってきた仮面が、少しずつ剥がされていく。
そんな弥生の気持ちを表わすように、強張っていた体からも、次第に力が抜けていく…。

「……できない。自分を好きじゃないかもしれない男の人を思い続けるなんて、そんな辛いこと、私には…」
今にもその場に崩れ落ちそうな弥生をじっと見つめつつ、あえて松岡は弥生には酷になる考えを伝えることをやめなかった。
「なら、スッパリと諦めるんだ。
 男のことなんてもう考えずに、医学の道を極めるのもいい。
 …やがて山倉君は誰かと結ばれることになるかもしれない。
 君はそれを遠くからただ見ていることになる。
 だが、そんな人生が有ってもいいと、僕は思うが?」

あえて極端な選択肢を、松岡は示してみせた。
その生き方は、どこか松岡自身の生き方にも通じていて、
言った後でそのことに気付いた松岡は、思わず自嘲の笑みを口元に浮かべる。
もしあの時、留学を断っていれば…考えても仕方のないことが自然に松岡の頭をよぎった、その時…。

突然、「うっ」と弥生の咽喉が鳴り、その肩がはねた。
そして、「あ、ぁ、ぁ、あ」と嗚咽を漏らしながら、弥生はその場で号泣し始める。

「あっ、いやっっ、も、もちろんこれは一つの例えであって…」

大泣きする女性の扱い方など知るわけもない松岡は、弥生そばでオロオロと動き回るしかない。
416406:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:4s+puGEB
ごめん連投規制入った
前より厳しくなったのかな?
417SP抱擁後山倉弥生8/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「と、とにかく中に入って…」

松岡は、廊下のど真ん中で泣きじゃくる弥生を、目の前の医局に押し込んだ。
そして、引き出しをあちこち探って、やっと見つけたハンカチならぬ医療用のガーゼで、弥生の涙をぬぐおうとする。
その松岡の胸にとりすがって、弥生は泣き続けた。

梅子に初めて抱きつかれた時は、頭が完全に真っ白になった松岡だったが、
数年の年月を経た今は、少しばかりの成長を見せ、
不安でいっぱいなのだろう弥生の胸の内を思いやり、
安心させるように、両手でしっかりと弥生の体を抱きしめることが出来ていた。

弥生が落ち着きを取り戻すまで、松岡はじっとそのままでいた。
やがて、小さくしゃくりあげる程度に呼吸が落ち着いたのを見計らって、松岡は再び語り始める。

「…好き合っていても、結ばれないことはある。
 人が結ばれるにはきっと…なんと言うか、“神様の後押し”のようなものがいるんだ。
 …僕と梅子さんには、それがなかった」

しんみりとした松岡の口調に、弥生は思わずうずめていた胸から顔を上げ、松岡を見つめる。

「…でも、君達にはあるかもしれない。
 どうせなら、それをちゃんと確かめてから、その後でいくらでも泣いたらいいんじゃないだろうか」

珍しく、神などと言うあやふやな存在を、松岡は持ち出してきた。
すべてを理詰めで考える松岡でさえ、梅子との事に関しては、理屈だけでは納得できない何かがあったのかもしれない。

松岡が、自分の胸の中におさまっている弥生に、ゆっくりと視線を落とす。
静かに見つめあう二人―

やっと正気に戻ったかのように、弥生がかすかに微笑んだ。

「…そうね。全てを決め付けるには、まだ…“データが足りない”のかもしれないわ」
松岡らしい口調を真似てみせるほどの余裕をようやく取り戻した弥生は、松岡に向かってニヤッと笑って見せる。
「今頃知ったけど、松岡さんって案外お節介ね?」
「ああ、僕もそういう自分の性質を、最近知ったばかりだ」
抱き合ったままで、二人はふふふと笑い合った。

…その時、ふと視線を感じて松岡が顔をそちらに向けると、開け放したドアの向こうに、無表情で自分達を見つめる山倉が立っていた。
418406:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:4s+puGEB
また規制…
次からはもう少し細かく区切って投稿するよ
すまない
419名無しさん@ピンキー:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:q6p/5DNl
>>418
期待して待ってますよー
420SP抱擁後山倉弥生9/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「あ、いや、これは…」

まずいところを見られたという思いと同時に、
神田はどうしたのだろう?という素朴な疑問が、松岡の胸に宿る。
松岡の視線をたどって山倉に気付いた弥生も、自分達のことよりもまず相手の状況に気が回ったようだ。

「山倉さん、どうして……か、神田さんは?」
「神田さんには僕なりに心づくしの接待をして、納得して帰ってもらったよ。
 でも、聞けば神田さんは人に触られるのが嫌いで、それは松岡君も知っているはずらしいじゃないか」

山倉が一歩前に出る。

「松岡君、一体どういうつもりだい?」

感情を押し殺したような、冷たい山倉の瞳。
松岡と弥生は、背筋に冷や汗が流れ落ちるのを感じた。
この男が本当に怒るとこうなるのだと、長い付き合いながら、2人は初めて知ることとなる。

「松岡君は、弥生さんのことが好きなのか?
 そうじゃないなら、出て行ってくれないか、弥生さんに話があるんだ」
「え?」と弥生が体を強張らせる。
とてもじゃないが、今までに見たこともないような、こんな恐ろしげな山倉と2人きりにはさせられたくない。
弥生が松岡の白衣の袖にそっとすがりつくと、山倉の眉間がぴくっと動き、その表情がさらに険しくなった。

松岡は、山倉の視線から弥生を守るようにさりげなく背中に隠すと、
「…僕なりに弥生さんのことは大事に思っている
 君が弥生さん1人を残し、何を話すつもりなのか…そしてその内容によって、君が何を…。
 …いや、僕なりに君の事は信じているつもりだ。
 だが、その状態の君と弥生さんを2人だけ残して、僕だけがこの場を立ち去るわけにはいかない」

お互いに譲らず、静かに睨みあう2人―

意外にも、先に視線を外したのは、山倉の方だった。
伏せた視線からは、先ほどの険しさが消え、どこか寂しげにも見える。

「……頼むよ、君がライバルになったら、僕には勝ち目がない。
 今は席を外してくれ」

しばらく山倉を見つめていた松岡だったが、やがて「わかった」と低く呟いた。
不安げな弥生を残し、松岡が部屋を後にしようとする。
開かれたままのドアを出て行こうとしたところで、振り向きもせずに松岡が声を張り上げた。

「山倉君を信用して、一応は席を外すが…。
 弥生さん、無体なことをされたら、ちゃんと叫んで僕を呼ぶんだぞ!外にいるから!!」
そして、パタンとドアが閉まった。

やがて静かに山倉が近づいてきて、弥生は身を固くする。
421SP抱擁後山倉弥生10/34:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
「…どうして、松岡君の胸で泣いたりするんだい。
 僕がいるのに…」
「あっ、あなただって、神田さんと―」
「神田さんと?」

先ほどの松岡との会話を思い出し、また意地を張りそうになった弥生は言葉を続けられなくなる。
黙り込んだ弥生に、山倉がふぅ、と小さくため息をついた。

「…僕は君のことが好きだ。
 たとえ君が別の人のことを好きでも」
「まっ、松岡さんのことは誤解よ!」
「…君が僕のことを好きでなくても」
最近山倉を避け続けてきた弥生は、途端に後ろめたい気持ちになる。

「あの夜、君に好きだと言われて本当に嬉しかった。
 たとえその後で気持ちが変わったとしても責められないけれど…ずっと希望は持ち続けていたから、やっぱり悲しいかな…」
「だ、だから、私は…」
「けど…将来有望な松岡くんが相手なら、本当は2人のことを応援しなきゃいけないのかもしれないね…」
思いつめた暗い表情で、完全に自分の世界に入ってしまった山倉が呟く。

「……もし、本当に私が松岡さんのことを好きになったとしたら……山倉さんは、応援してくれるの?」
心を試すような弥生の問いに、山倉は何も応えず、ただギュッときつく眉を寄せる。

いつも見てきた、どこか飄々とした山倉の姿は、そこにはなかった。
切羽詰った瞳をして、自分の中に渦巻く激しい思いを必死に押し殺そうとする山倉の姿を見て、
どこかで山倉を信じ切れなかった弥生の心に、ようやく確信が芽生え始める。
そして、心に生まれた余裕によって、今までフィルターがかかっていた弥生の瞳に、偽りのない山倉そのものの姿が映し出される。

『……よく見ると、この人、意外に美形じゃない?
 それに、それなりにモテだってするのに……こんなに私のことを好きで。
 前途有望な若い子との可能性も捨てちゃって…』

うつむいていた山倉が、ふいに視線を上げた。
二人の視線がようやくしっかりと結ばれる。
寂しげな山倉の表情が、弥生には愛おしくて仕方が無かった。

『……もう、どうしようもない』

弥生が力強い足取りで自分に近づいてきた事に、山倉は意外な顔をする。

「そこ、座んなさい」
「…え?」
「聞こえなかった?座んなさい」
「あ、はい…」

人差し指で指し示された椅子に、素直に山倉は腰掛ける。
さっきまでの険しさも切なそうな寂しさも消え、いつものようにどこかとぼけた表情で、山倉は弥生をきょとんと見つめ続ける。

弥生は、椅子に座らせた山倉の頬を両手でしっとりと包み込むと、ゆっくり顔を引き寄せ、その乾いた唇に口づけた。
…初めは呆然としていた山倉だったが、やがて弥生の行為の意味を悟り、自らも口づけを深くする。
2人はしばらくの間、必死になって唇を重ねあった。


…意地を張り続けた長い時間を埋めようとでもするかのように、自らの情熱の全てをかけて。
422406:2013/07/12(金) NY:AN:NY.AN ID:Nik0hElX
一応導入部終了です
色んな意味で時間かかりすぎすまぬ

どうも時間を空けると連投も大丈夫っぽいのかな?スレ事情に詳しくなくてホント申し訳ない

普通の作品なら完結してる量があと最低3つは来るので(連投しやすいようにもう少し分割するかもです)
異論があるのは承知だが指定分割分投下後、他の方の作品投下があるなら、ぜひお願いしたく思ってます

>>419 応援感謝!
423名無しさん@ピンキー:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:E4teVwmw
>>406
おおーっ、新作(しかも大作!)来てたねー!!
山倉×弥生も大好きよ!
告白したのに、まだ不完全で、切なくて、でも大好きでーって二人の揺れる心がビシビシ伝わってきました!
不器用な弥生がヒロインならではの展開に、萌えまくりですw
帝都大トリオのやり取りも、本当に大好き。ℊjでした!!
あの抱擁から最後の結婚報告までの間にも、ドラマがあったんだねぇ。続きも楽しみに待ってます!
424406:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
おお!
導入部はかったるいだろうと思っていたのに思わぬgjすげー嬉しいです

本番前半(11-21/34)だけ本番前編(11-17/34)本番中編(18-21/34)に分ければ後編はそのままでもなんとか一気投下可能ではないかと
後編でちょっと展開が変わるのでそこまで頑張ってお付き合いもらえると大変ありがたい
425SP抱擁後山倉弥生11/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
やがて…座ったままの山倉の手が弥生の体を引き寄せてきた。
そして、弥生にされたのと同じように、今度は自分が弥生の両頬を挟みこみ、さらにやたらめったら熱く口づけてくる。
それは、単なる口づけと言うよりも、何かを予感させるような…。

「ちょ、ちょっと…」

ぶちゅ、ぶちゅ、ぶちゅっ。

「あ・の・ね!」

ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ。

『え、えっと、これって…』

弥生が、これは、口づけ程度におさまらないのではないかと不安を感じ始めたところで、ようやく山倉の唇が離れる。
はぁ、はぁ、と荒い息遣いのおさまらない山倉が、椅子から立ち上がりながら、睨むように弥生を見つめる。

「やっ、弥生さん…」
「な、なに…?」
「あ、あの、」
「なによ…?」

少し言いづらそうにしつつも、山倉は必死で自分の思いを伝える。

「もう少し、していい?」
「は?」
もう少し?
意味がわからないながらも、山倉のあまりの迫力におされて弥生はうなづいてしまった。
この部屋に入ってきて初めて、山倉がニコッっと笑顔を見せる。

弥生に再び熱く口づけながら、山倉の手が弥生の胸元へ伸びる。
白衣のボタンを外し…ブラウスの上からそっと弥生の胸に触れてきた。
426SP抱擁後山倉弥生12/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
『え!?』

驚きに体を反らす弥生にも動じず、山倉はその柔らかい胸を服の上から揉み始める。
『ちょ、ちょっと!』

鼻息も荒く、顔を紅潮させた山倉は、さらにスカートからブラウスを引き出し、手を忍び込ませると、再び揉み込む。
やがてその手は、胸を覆う下着の中まで浸入し…。

『ちょちょちょちょちょ』
おもわず後ずさった弥生の足に、そばにあった椅子が当たって、高い音をたてて倒れた。

「…ふにゃ……あ?やっ、弥生さん、どうしたっっ!?」

閉じたドアの外から、突然大きな声が響いき、思わず二人の動きが止まる。
律儀にも、松岡はドアの外での待機を続けていたらしい。
…が、連日の研究の疲れに、眠ってしまっていたとみえる。

「だ、大丈夫っ、何でもない!!」
弥生が動揺しながらも声を張り上げると、

「そうか…ならいい……むにゃむにゃ…」
再び眠りについたらしい松岡に、2人は胸をほっと胸をなでおろした。
427SP抱擁後山倉弥生13/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
「あの、えっと…」
弥生の戸惑いを感じさせる声に我に返った山倉が、そのまま服の中に突き入れていた不届きな手をそろそろと退けようとすると、
「いっ、いいわ、続けて!」
「え?」
「…そっ、そのまま続けて」
思いつめたような表情で、山倉の手の張り付いた自分の胸元を弥生は見つめる。

そもそもこんな自体になったのは、自分が人間としてあまりに未熟だったせいだ。
あの松岡と梅子でさえ、思いが通じた後は、自然に付き合いを深めていったではないか。
弥生は原因を作ったお詫びとして、それなりのことは、と覚悟を決めた。
それに、この部屋で出来ることなどたかが知れている、という甘い見込みもわずかにあったことは否めない。

「いや、でも……これ以上すると、止まらなくなるし…」
『ははは!』と照れ隠しでもするように、山倉はいつものような、必要以上の爽やか過ぎる笑顔を作った。
「止まらなく…って、どうなるの?」
今度は真顔で弥生が尋ねる。
「え?だから……そういう行為に繋がるって事で…」
「そういう行為……?」
弥生は眉を寄せる。
「この場所で?…そんなことできるの??」

まるで新しい治療法でも尋ねるような気安さで、弥生は再び山倉に問いかける。
どうも、色気というよりは、研究者特有の好奇心といった動機からの言葉のようだ。
そして、想像もつかない、とでも言うように弥生はしきりに首をひねる。
428SP抱擁後山倉弥生14/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
「えっと、うんと……もしここでするとしたら…」
弥生の気持ちが冷めないように、慎重に弥生の様子をうかがいながらも、
山倉はとりあえずといった風情で倒れた椅子を起し、その上に座ると―

「例えば…僕がこう座って」
弥生が事の重大性とは不釣合いなほど、素直に『うんうん』とうなづく。
「弥生さんは、こう」
弥生に自分の閉じた膝をまたがせ、自分の太ももに腰を下ろさせる。

「何よ、これ?」
「いや、本当はもう少し前に来てもらって」
「?」
慎重に弥生の腰を自分の方へに引き寄せていく山倉。
山倉の股間の上に座る形になって、やっと弥生が事の意味に気付く。

「いや、僕も写真でしか見たことないんだけど!」
山倉は頬を染め、エヘッと笑う。
『どこでこんな写真をみるのよ!』と、すかさず弥生は心の中で突っ込んだ。

しかし、屈託ないその笑顔に、もうすっかり、いつもの気取りのない山倉に戻っていることを知り、
弥生は不思議なほどにホッとする自分を感じた。
よかった…元の私達に、ようやく戻ってこれたみたい…。

久しぶりの気の置けない会話に、弥生の心の底から、じわじわと嬉しさが湧き上がってくる。
今までずっと自分を求め続けてくれていた山倉の思いに、弥生は今こそなんとかして応えたいと思った。

「こっ、ここまで来たんだもの。い、いいわ…し、しましょう!」

弥生のありがたすぎる申し出だったが、今度はなぜだか山倉の方が憮然とした表情になった。
「…弥生さんって、もしかしてこういうことをしたことがあるのかい?」
そして、『絶望』と顔に墨で書かれるがごとく、暗澹たる顔になっていく山倉…。

「あっ、あるわけないでしょ!!」
とんでもない疑問に慌てて弥生が叫ぶ。
その途端、

「ん〜、弥生さん、どうかしたのかぁっ!?……むにゃ」
「なっ、なんでもないわっ」
半分眠りながらも、律儀に弥生を気にかけ続ける、なんとも面倒くさい存在の松岡であった―
429SP抱擁後山倉弥生15/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
弥生を膝にのせたまま、山倉が神妙な顔でシーっと指を立てる。
「経験もないのに、初めてをこんな体勢でする気になるなんて……弥生さんは無謀だなぁ〜」
山倉はすっかりいつもの飄々とした顔に戻り、大げさに呆れてみせた。
先ほどの思いつめた表情は、弥生が今までの経験からその行為が出来ると判断したのかと、万が一の心配をしたためだったようだ。

「だ、だって!!」
山倉がそうしたいというのなら応えたいと、弥生なりに必死に覚悟を決めたのだ。
しかし、声を上げる度に、
「ん…?やよいさーん、大丈夫かぁーい……むにゃ」
と、ドアの外から敏感に反応する松岡に、
「…やっぱり、ここでは無理だよ、弥生さん」
山倉がため息と共に肩を落とす。

「……うん、また場所を変えて挑戦しよう!」
自分にも言い聞かせるように、山倉が力強くうなずいた。
どうやら、愛する人の真意を知り、その体にも予想以上に触れられて、山倉のエロ心はそれなりに満たされてしまったようだ。
そんな山倉に、さすがに弥生も気がそがれ、腰を降ろしていた膝からおりようとする。

…が。
「この機会を逃しちゃうと、私のことだから、また怖気づきそうな気もするけど…」
独り言のように、思わず漏れた弥生の本音に、
「そっ、それは困るっ!!」
山倉は慌てて弥生の腕をつかむ。

「…でもなぁ…初めてでこの体勢って、やっぱりかなり負担が大きいし…」
「へぇ、山倉さんって、”こういう行為”にずいぶんお詳しいのね?」
弥生の冷たい視線に山倉の表情が固まる。
そして、しばしの沈黙。
微妙な空気が2人の間を流れる。

『女が勇気を出して「する」って言ってるのに、それをためらうなんて…』
『美味しすぎる据え膳を前に、こっちがどれだけの我慢をしていると…』

せっかく全てを捧げると決めたのに聞き入れられないもどかしさと、
相手を気遣ったのに理不尽に投げかけられる皮肉に、
二人とも少々不機嫌さを隠せない。
430SP抱擁後山倉弥生16/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
…しかしいつも通りに、結局先に折れるのは山倉だった。

「…弥生さんに辛い思いを、させたくないんだよ。
 懲りてもうしないとか言われても悲しいし…。
 でも、これを逃してチャンスをふいにするのも…ああ悩む」
人生の一大事とでもいうように、山倉が頭を掻きむしりながら身悶える。
「初めての私がこの体勢でするのは、絶対に無理?」
弥生がそっと尋ねると、
「僕もこの体制での経験がないから確かなことは言えないけど…力の加減が難しそうだから、ちょっと痛いかもしれないよ?」
『他の体制なら経験があるんかい!』という怒りをおさえつつ、
「…い、いいわ…」
弥生がゴクリと咽喉をならした。
覚悟を決めたそんな弥生の言葉に、

「そっ、そうか!…じゃ、さっそくスカートの中の下着を脱いでもらえますかっ!!」
急に慎重な態度を変え、目を爛々と輝かせる山倉。

「え゛え゛ーーーーーっっ!?」
「やよ…」
気を抜いて大声を出せば、もちろん登場の松岡!!

「何でもない、大丈夫ーー!!!」

叫びながらも、弥生は懸命に、予測も無いこの事態に腹をくくるのだった…。
431名無しさん@ピンキー:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:21Dxwi+z
つC
432SP抱擁後山倉弥生17/34:2013/07/13(土) NY:AN:NY.AN ID:e+QpxppO
神妙な面持ちで部屋のすみっこに移動すると、山倉の視線を気にしながらも、弥生はそろそろとスカートの中の下着を脱ぎ捨てる。
そして、もじもじしながらも山倉の元に戻ってくると、『こっち見ちゃだめ!』と

でも言うように、山倉の顔を横に向けさせ、その膝にまたがった。
これ以上にないほどにドキドキしながら、弥生は山倉の太ももの上に腰を降ろす。
しかし…よく見れば山倉の姿は先ほどと何も変わらないではないか。
椅子に腰掛けたままの山倉は、上にキチンと白衣をはおり、下のズボンにも変化が見られない。

「……?どうして、あなたは準備してないのっ!」
自分はこんなに恥ずかしい姿でいると言うのにっ!!
(もちろんスカートを履いたままなので弥生の見た目も特に何も変わっていないのだが、今の弥生にそのことに気付く余裕はない…)

「してるよ?」
落ち着きはらった山倉が
白衣の前を左右に開くと、ズボンのチャックの中からは―

「きゃ!!」
と叫びかけた弥生の口元を、予想をつけた山倉の手がすばやく押さえた。
ギロリと弥生ににらまれて、
「だ、だって…下を全部脱いでたら、耐性の無い弥生さんがビックリするかと思って…」
的外れの思いやりから、結局街中(まちなか)の不審者のそのものの格好になっていた山倉は、
弥生に睨まれ、さすがにシュンとするしかない。

「えっと…しやすさを考えると…僕の方は下を全部脱いでた方がいいと思うんだけど…」
色々思案した上で出された山倉の言葉に、弥生も少し考えた上で『…ウン』と小さくうなずく。
山倉は、自分は大切な部分をスカートで隠したままの弥生を責めもせずに、
少し弥生に腰を上げさせると、座ったまま器用に下半身を左右に浮かし、
鼻歌でも出そうな嬉々とした様子で、ズボンと下着を一緒に下ろしていく。
間の抜けたその光景は……もはや喜劇に近い…。

そんな、隠微さのかけらも醸し出せない二人ではあったが、準備が整ってくると、
さすがに少しずつ緊張した面持ちになってきた。
弥生は白衣にまだ微妙に隠れている山倉のその部分が気になりつつも、とても直視することができない。
しかし、弥生を膝に乗せたそのままの状態でいるわけにもいかず、
二人は自然に視線をそっと合わせると、眼で合図を交わした。
弥生は、頬をほんのり染めながら、山倉にそろそろと近づき、そのモノの上へとゆっくりと腰を上げていく。
スカートによって、微妙に見え隠れしながらも、2人の性器がかすかに触れあったのがわかった。
2人ともが咽喉をゴクリと鳴らす。
山倉が片手で支える彼自身の分身に、弥生は自らの秘所を押し当て、ゆっくりと腰を降ろしていく…。
433406:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:+KAgyHgh
変な場所に空行入ってしょぼんとしつつ作業を終えたんだが「つC」の意味がわからず気になって調べたら…
431さん、ありがとう…嬉しいです
今思うと17/34の終わり方もなんだかだし、21/34も中途半端なとこまでですが投下もう少し頑張ります
ID変わってるだろうし大丈夫じゃないかな…ちなみにハチャメチャな後半部でさじを投げる方がおられるのは覚悟してます
434SP抱擁後山倉弥生18/34:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:+KAgyHgh
しかし…何度試みても、全く・ちっとも・少したりとも、入って行ってはくれない。

「……どうして?」
「…だって、弥生さん全然その気になってないんだもん」
予想内だとでも言うように、意外と平然とした様子で山倉は答えた。
「そっ、そんなことないわっ」
「その気にさせられない僕も悪いんだけど…」

そう言って、山倉は少し寂しげに笑った後で、弥生の胸にそっと顔を埋めた。
そして、その小さく華奢な体を、きつく抱きしめる。
うっ、と弥生は体を固めた。今頃になって普段の弥生の勝気さが戻ってくる。
しかし、『なにするのよ!』と今更怒るわけにもいかず…。

「はは…すごいな。弥生さんにこんなこと出来るなんて…」

胸に顔をつけられたまま喋られると、振動が伝わってきて、弥生は変な気持ちになった。
さらにスリスリと顔を押し付けられ、弥生はたまらずギュッと眼をつむる。

「弥生さんの匂いだ…」
胸に鼻を押し付け、その香りを思う存分クンカクンカ嗅いでから、
山倉は胸から顔を離すと、今度はブラウスのボタンを楽しそうに外していった。

明るい照明に照らされながら、目の前で下着姿を男に見られ、弥生の顔がさらに赤くなる。
最後には胸を覆っていたその下着まで外されて…。
435SP抱擁後山倉弥生19/34:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:+KAgyHgh
「や、やだっ…」
「…弥生さん……綺麗だ…」
陶酔しきった山倉の声を聞き、胸を隠そうとする弥生の腕に力が入らなくなる。
素肌に直接男の熱い息がかかり、弥生の体が大きく震えた。

山倉は愛おしそうに弥生の胸の膨らみ全体にくまなく口付け、やがてはちろちろと舌で舐め始める。
そして、突然赤ん坊のように先端をチュッと吸われ、弥生は堪らず自分の口を手で押さえた。
もう片方の胸も絶え間なく手でまさぐりながら、山倉は乳首を吸い続けることをやめない。
何度も出そうになる声を、弥生は必死に抑える。

「…声、出せばいいのに…」
拗ねるように弥生を見上げる山倉に、
『忘れたのっ!?ドアの外にはまだ、松岡さんがいるのよっ!』
押し殺した声で、弥生が指摘する。
山倉はしばらく考えて……ふいに、「松岡くーん!!!」と突然声を張り上げた。

「ば、ばかっっ」
胸をはだけた姿で、慌てる弥生。
「すまないがっ、夜の見回りの代行をお願いできないかな!!
 もう少し弥生さんと大事な話があるんだっっ」
「むにゃむにゃ……わかった…」

フラつきを感じさせながら、コツコツとした足音が遠ざかっていく。
「これでしばらく帰ってこないよ」
山倉は、満面の笑顔を弥生に向ける。
「もう…あなたって人は…」
この対応には、弥生も思わず苦笑いを返すしかなかった。
436SP抱擁後山倉弥生20/34:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:+KAgyHgh
山倉が、勢いを増して弥生への胸攻撃を再開する。
息が止まるような刺激に身を任せながら、弥生も山倉の白衣に手を入れ、山倉のシャツのボタンを外していく。
「僕の体なんか見ても、楽しくないよ?」
弥生の行動が意外だったのか、山倉が思わず笑ったのがわかった。
それでも、弥生は手を止めなかった。

やがて山倉の意外に逞しい上半身があらわになる。
あの晩抱き合った時にも、山倉はそのイメージほど華奢ではないようだと弥生は感じていた。
体の厚さもあり、こうして間近で見ると、体格だけならあの松岡よりもガッシリしているかもしれない。

『山倉さんって、ちゃんと男の人なのね…』
いつも山倉を手玉に取ってやり込めていた弥生は、思わぬ山倉の逞しさを見て、不思議な感覚に陥る。
そして、少しだけ恐くもなった。
山倉がこちらの気持ちなど全く無視して、強引に全てを求めてきたら、物理的にも抵抗できないんじゃないだろうか。
…今の自分の感情では、精神的な抵抗も難しそうではあるが。

「どうしたの?男の体が珍しい??」
自分の体に見入る弥生に、山倉は動きを止め、首を傾げる。
「松岡君と違って、鍛えてないからね。
 あんまり自慢できるものではないかな…」
山倉は恥ずかしそうに笑う。
弥生も、患者としての男性の裸は何度となく見てきたが、
“そういう目”で見たことはないので、山倉の体が褒められるものなのかどうかはわからない。
ただ…。
弥生は山倉の顔と、その下に繋がる体を交互に見比べる。
山倉さんはれっきとした男の人で、私は彼とこれから――

今頃になって、目の前の男といたすであろうその行為が、リアルに迫ってきた。
弥生の心臓がドクンッと鳴る。
自分の胸に触れている山倉の手のひらが、触れ合う脚と脚が、生々しい感触となって弥生の心を揺さぶる。
弥生の体がブルッと大きく震えた。
そして…もうすでに慣れた仕草で乳首に吸い付こうとする山倉を、つい身を引いて避けてしまった。
437SP抱擁後山倉弥生21/34:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:+KAgyHgh
「弥生さん…?」
ぐっと身を乗り出して自分を覗き込む山倉から、弥生は顔を背ける。
「どうしたの?…顔、急に真っ赤っかになっちゃったよ??」
「う…うん…」
弥生は火照った頬に両手を当てる。
やがて、弥生はしっとりとした視線を山倉に注いだ。
2人の視線が今までに無いくらい熱くからまる。

「あのね…」
その続きを言い出すのを迷うように、弥生は視線をさ迷わせた。

瞬間的に山倉の頭に浮かんだのは……『やっぱり、やめましょう!』という弥生の残酷な言葉…。
弥生の今の状態を見ればその可能性がないのは明らかなのだが、
虐げられてきた歴史の長い山倉がつい悲観的な発想をしてしまうのは、当然の性だった…(涙)

「……ぎゅっとしてくれる?」
うつむきながら、弥生が小さく呟く。
「え?」
弥生の体が山倉にゆらりと倒れ込んでくる。
山倉にしっかりと抱きとめられて、弥生は満足そうにゆったりとした呼吸を繰り返した。
そして先ほど山倉が弥生の香りに夢中になったように、弥生は山倉の首筋に鼻を擦り付けると、大きく息を吸い込む。
まるで山倉の香りに酔いでもするかのように、弥生の体からどんどん力が抜けていく。

弥生に柔らかい胸や腹を擦り付けるように押し当てられて、今度は山倉の心臓がドクンと鳴った。
それは、わざとやっていると言うよりは、どこか動物的な、弥生の本能からの行動のように思えた。
山倉は弥生の白い体を抱きしめながら思う。

『…弥生さん、急にどうしたんだろう?これじゃまるで…』
普段の弥生と“その言葉”には余りに隔たりがあり、一瞬山倉の思考が止まる。
しかし、どう考えてもその言葉以上に適切な単語が思い浮かばなかった。

『…まるで……発情してるみたいだ…』

そっと弥生の体を離して顔をのぞくと、意識が飛びかけているような、トロンとした弥生の目と視線が合った。
「なにかしら……変な感じ……体が熱くて…」
うわごとのようにそう言うと、また山倉の体に自分の体を重ねようとする。
弥生の体中から、えも言われぬ色香が漂ってくるのを感じて、山倉は戸惑いのあまり目をぱちくりさせる。

やがて、山倉の顔にじわじわと染み出すような笑顔が広がった。

『…今日の弥生さんは…とんでもなく綺麗だ……』
438名無しさん@ピンキー:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:jOyEDzWY
431だけど、わざわざレスありがとう
山倉弥生が大好きなもんで、先が読みたくてw
今晩も期待してます
439名無しさん@ピンキー:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:Gr05kOP5
私も正座して待ってます
440406:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
>>438>>439
こんなチンタラした話に期待までしていただき本当にありがたいです!
ただ特にこの後の展開は正座して読むような内容では決してありません
願わくば気持ちよく「ズコー」っと脱力し、その後苦笑していただきたい
その辺りどうぞよろしくお願いします…
441SP抱擁後山倉弥生22/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
その時――
廊下から微かにカツーンカツーンという、革靴の音が聞こえてきた。

『…こっ、こんな大事な時にっっ!!…松岡君、恨むよぉぉおぉ…』
それでもさすがに、この行為をこのまま続けるわけにもいかない。
意識もおぼろげな弥生のブラウスのボタンを、山倉は懸命にとめようとする。

弥生の唇がゆらり…と山倉の唇に近づき、心ならずも山倉はそれをよけた。
弥生はなおも唇を寄せようとする。
一方、革靴の音はどんどんと近づいてきていた。

あまりの甘い拷問に、山倉は半分パニックに陥りながら、
「弥生さんっ、まずい、まずいから…」と懸命に弥生の誘惑をかわしつつ、
弥生の衣類を元通りにしようと必死に試みる。
絡みつく腕を引き剥がしながら、膝に乗せているこの体勢がまずいのか、と
弥生を膝から降ろそうとしたところで…。

「え?」
トロリとしたモノが、山倉の脚に触れた。
弥生の体内から溢れ出たそれは、山倉の太ももを伝い、糸を引きながら床に落ちる。
解っているのかいないのか、弥生がさらに腰をすり寄せてくる。
山倉のそそり立つものに、粘液を滴らせた弥生の性器がぴちゃりと音をたてて押し付けられた。

その瞬間、山倉の背筋にビリリッと電流が走った。
さらにその甘く潤った器官を、自分の張り詰めた性器に擦り付けるような動きをされ、山倉の最後の理性が吹き飛ぶ。

『…二人のこんな大切な時間を、松岡君なんかに邪魔されてたまるものかっっ!!!!
 この行為をやめずに彼を追い払うには……もう、こうなりゃ恥も外聞もないっ。 
 弥生さん、僕達は一蓮托生だ……いいね??』
442SP抱擁後山倉弥生23/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
山倉は見てはいけないモノを見でもするかのように、眩しげに目をパチパチしばたかせながら、
弥生のスカートを大きくまくし上げて二人の体が接する場所を覗き込んだ。
そして、弥生のなめらかな尻を片手で持ち上げると、自分の角度ももう一方の手で調整しながら、その狙いを定める。
クチュ、と山倉の先端がめり込むと、弥生がハッとしたように目を見開いた。

山倉はゆっくりと弥生の秘めた場所に自分を埋め込んでいく。
以前とは違い、充分な潤いに満ちたその器官に、すんなりと山倉の先端部分が挿入された。
やがて、まだ広がりきっていない弥生の内部に先端の膨らみを全て呑み込ませるのが難しくなると、
一度後退し、山倉は慣らすようにゆっくりと再び弥生の中へと進行した。
ふくらんだ先っぽを全て呑み込ませると、急に弥生体全体が震え、弥生が抵抗するように床に足を踏ん張り、身をよじった。

「弥生さん…痛いのかい?」
弥生は首を振りながら、山倉の腹に手を置き、体を離そうとする。
卑猥な形の先端部分が弥生の体から顔を出すと、それが完全に抜けきらないうちに弥生は動きを止めた。
その状態のまま、弥生は何度も緩く首を振る。
痛いのか、気持ちがいいのか、その両方なのか…もしかしたら、弥生自身にもわかっていないのかもしれない。
しかしそんな二人の格闘をよそに、松岡の足音はすぐ近くまで迫ってきていた。

「やっ、弥生さん!!」
片手で弥生の体を支えながら、もう一方の手で山倉は弥生の顎をとらえ、その目を覗き込む。
「…弥生さんは僕を好きだよね?僕を信じてくれるね??」
ジッと弥生を見つめると、かすかにだが、弥生がうなずくのが解った。

「大丈夫、痛くないから。……ほら、入って…、く」
弥生の腰を少し強引に引き寄せ、先ほど呑み込ませたところまで、もう一度ゆっくりと自分を埋め込んでいく。
そして、さらに奥深くを、山倉は丁寧に探っていった。
唇を噛もうとする弥生に、なだめるように口づけし、いやらしく腰を揺すりながら結合を深める。

「…んんっ」
かなり深くまで浸入されて、たまらずに弥生が喘ぐ。
弥生を追い詰めるように、少し速度を上げ、山倉は柔らかい襞の間を突き進む。

「あっ、ん…んっ」
弥生のあげるその声には、辛さだけではなく、甘さも漂っていると山倉には思えた。
初めてに違いない弥生でも、体の奥底で感じたり出来るものだろうか…?
医者であっても経験が豊富とは言えない身の山倉には、女体の反応は未知数な要素が多すぎる。

しかし、山倉は祈るように、慎重に己を突き入れ、引き出し、再び己を埋め込む作業を繰り返す。
そして、細かく振動を与えるように腰を震わせると、
「あっ、あぁあ、ん!」
と弥生がひと際大きな声をあげた。

弥生の状態に嬉しさも感じつつ、『…しかし』と山倉は思う。
松岡にあえてこの状況を“正しく”伝えるためには、こんな音量では足りないはずだ。

「もっと…もっと気持ちよくなるんだ、弥生さんっ!」
山倉は、弥生が発する快感を示すサインに全神経を集中させ、
弥生の体全体に快楽を埋め込むべく、自分の体全てを使って弥生をとことんまで高めようと集中した。
443SP抱擁後山倉弥生24/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
気を抜くとまぶたがくっ付きそうな睡魔に襲われながら、松岡は懸命に歩を進める。
山倉君と…弥生さんはちゃんと、話せたんだろうか…?
何度も足をふらつかせながら、松岡は病棟を回りきり、もと居た医局の前に戻ってきた。

…と、なにやら部屋の様子がおかしい。
あれは…弥生さんの声?
女性の悲鳴にも近い声が、切れ切れに聞こえてくる。

ま、まさか、山倉君が弥生さんに……暴力を!?
眠気も吹き飛び、松岡が思わず駆け出しかけたその時、

「…あっ、あんっんっ…あ、やぁっ」
「は?」
「やっ、ああっ、ん、あ…ぁ、あ、あぁっん」

それは…明らかに、女性がある特定の行為の中だけで発する…。

「…やっ、弥生さんっ」
切羽詰ったような山倉の声。
そしてその荒い息遣いに合わせるように、歴史のある建物の床がギシギシと軋みをたてる。
「え、えぇっと…これは…」

「あ、だ、め、ぁんっ、おくっ…あっ、んっ、や、や、ま倉さ、ん…お、奥っ、が」
「こっ、ここ?」
「やぁあっっん、だ、めっ」


うわぁあああああぁあああああ!!!!!!!!


血相を変えて踵を返し、その場を走り去ろうとする松岡の後ろから、息を弾ませる二人とは違う声が廊下に響く。
「あら?松岡先生、まだお帰りになられてなかったんですか?」
すぐそばの部屋での乱痴気騒ぎが聞こえていないかのような、神田の涼やかな声が辺りに反響する。

「なんです?山倉先生達はこんな真夜中に取っ組み合いのケンカですか?
 私が止めてきましょう」
「だめだぁぁああああ!!!!!」
「は?」
尋常ではないテンションの松岡の制止に、まるで事態の解っていない神田が首を傾げる。
444SP抱擁後山倉弥生25/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
「どどどどどうして神田さんがここにっ」
そう言いながら瞬間移動のように神田の元に滑り込んできた松岡が、神田の腕を引っぱる。
「いっ、行こうっ!」
「いえ、私は山倉先生に用事がありまして…」
「な、なんだってっ!?」
松岡の声が荒くなる。

「山倉先生は好きな男に肩を揉まれるべきだとおっしゃったのに、
 私が揉んでいただこうとすると、自分にはその権利がない、とおっしゃいました。
 一応その理由をあれこれ話してくださいましたが…しかし、私には山倉先生にはその権利が有ると思うのです。
 なぜなら、その権利を与えるのは、その行為を受ける私自身であって…」
くどくどと自論を繰り広げようとする神田に、松岡が形相を変えて声を被せる。

「そんなに肩を揉まれたいなら、僕がいくらでも揉むっ!
 恋愛感情と肩もみの気持ちよさの相関関係が知りたいなら、後で資料でも何でも探してやるっっ!
 だから今は僕の指示を聞くんだ。神田さん、君は一刻も早くここを立ち去れっっ!!!」
「…しかし、その指示の根拠が私には…」
「医学界には厳格な年功序列があることを忘れるな!!先輩の言うことには素直に従うんだっ」
松岡が凄みをきかせて神田の肩をぐぐぐと握り込む。
さすがの神田も、その迫力に押されて、珍しくも素直にコクコクとうなずいた。

「やっ、あ、あ、あ、あ、あっ、んーっっっ!!!」

「急げ!!!」

ひと際大きく響き渡る弥生の嬌声を背に受け止めながら、二人は脱兎のごとくその場を逃げ出したのだった。
445SP抱擁後山倉弥生26/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
二人分の走り去る足音を聞きながら、山倉はようやく腰を突き上げる速度を緩めた。
弥生はと見れば、初めての性交にもかかわらず、あまりにも激しく追い立てられて、
ピクッピクッと床につけた足を痙攣させながら、下腹部を支配する鈍い痛みと、それ以上の快感に、
まぶたを閉じつつ、山倉にダラリと上半身を任せている。

「…むっ、無茶してゴメンっ。もう、大丈夫だから…」
避妊もせずに始めてしまった行為に、射精だけはと我慢してきたが、それももう限界に近い。
山倉は、ゆっくりと弥生の体を持ち上げ、その体から抜け出ようとした。……が。
「えっ?」
「…んんんっ」
弥生の体がさらに上からしなだれかかってきて、またもやその内部に己を深く突き入れてしまう。
弥生の最上級の切ないため息が山倉の耳元に注がれる。
「だ、だめだ、弥生さん、もう、もたないっ、か、ら」
しかし、山倉を使って更なる快感を得ようとでもするように、弥生はさらに腰をくねらせた。

「だっ、だめっ…だっ…」
「……だ、い…じょ、ぉぶ、」
弥生のその言葉に、思わず山倉は相手の顔を凝視してしまう。
「ちゃん…と、…けい、算した、か、ら」
「…え?い、いつ、そんなの…」
「い、ま」
息を上げ、うわずる声で切れ切れに弥生が答える。
山倉とて医者の端くれ。女性の月経の周期によって安全な日が割り出せることは知っていた、が…。

「でっ、でもあの方法は、確実性がもう一つで…」
…いつもならこんなセリフを吐くのは、山倉ではなく弥生のはずなのだが…。
「……ん…ちょ、だ…いっ」
弥生がぎこちなくも懸命に体を上下に揺すって、途切れてしまった快感を取り戻そうとする。
もどかしそうに腰を揺らめかせる度に、ぷっくりと膨らんだ乳房が山倉の目の前でぷるぷると揺れる。
そんな光景を目の前に突きつけられて、山倉の我慢が続くはずもなかった。

山倉は素早く弥生の腰に腕を回す。
そして、ぐっぐっぐっと大きく腰を上下に揺すって、再び弥生を突き上げ始めた。
弥生も懸命に山倉にしがみつきながら、山倉自身をもっと奥深くまで呑み込もうとする。
二人は呼吸を合わせ、共に高みを目指していく―

「で、る…っ」

山倉の呟きに、本能的に恐くなったのか、かすかに弥生が腰を浮かせた。
しかし、山倉の力強い腕がそれを許さない。
細い腰をしっかりと自分の身に引き寄せると、まるで弥生を孕ませる目的でもあるかのように、
放出の度に大きく腰を回して、内部にぬめる自分の分身の先をこすりつける。

愛する男の体液を体の内に浴びせかけられながら、弥生は例えようもない幸福感を味わっていた。
ほどなく、内部の細やかな収縮が始まる。二人は、お互いの体を強く抱きしめ合いながら、その絶頂の時を分け合った。
446SP抱擁後山倉弥生27/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
は、は、は、とまだ息も絶え絶えの二人の耳に、かすかにだがまたしても足音が聞こえた。
―松岡と神田が、病院で許されるはずもない破廉恥極まる行為を止めるべく、戻ってきたのだろうか?

「せっ、先生っ!患者さんの容態が急変しましたっっ」

まだ距離のある廊下から、切羽詰った声が届く。
その声は、違う階で夜勤に詰めている看護婦のものだった。
二人は瞬間的に結合をとき、慌てて身なりを整えだす。
焦りのあまり、チャックを上げきれない状態で、山倉はドアをかすかに開けると、声を張り上げた。

「病室は!?」
「こっ、この病棟2階の、一番奥です!」
「すぐ向かうっ」

脚に残った二人の体液でしっとりと湿っていくズボンを白衣で隠し切った山倉は、
愛する人の体を気遣い、しばらくここで待機するように声をかけようと振り向いた。
そのお相手である弥生は、震える手で懸命にブラウスのボタンをとめようとしている。

「…大丈夫かい?」
手伝おうと山倉は手を伸ばすが、
「だっ、大丈夫よ!」
弥生が硬い声でそれを拒む。
しかし、全身が小刻みに震えているので、何度挑戦してもボタンは一つもとまらない…。

「弥生さんは、ここで待っててくれたらいいから。ちょっと行って来るよ」
「私だって医者よっ、行くわ!」
責任感の強い弥生らしい答えではあったが、手の震えは大きくなるばかり。
そこには、さきほどの快感に酔う甘やかな姿はもう無く、強がりを言い強情ばかり張る、いつもの弥生の姿だけがあった。

山倉の脳裏に、今まで見てきた彼女の様々な姿が走馬灯のようによみがえってきた。
決して女性であることに甘えず、男性と肩を並べて一生懸命にここまで歩んできた彼女を自分は知っている。
確かに弱みを人に見せないのは弥生の美点だが、その分男社会である医療界で、ずいぶん無理もしてきただろう。
今まで彼女の表面的な態度に振り回されて、自分一人で悩んでみたりもしてみたが、この人とこれからも共に生きていくなら…。
447SP抱擁後山倉弥生28/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
山倉は、すぅっと大きく息を吸い込むと、
「弥生さんっ!」
突然大きな声で呼びかけた。

「僕のことが好きかい!?」
にらむような目で尋ねられ、弥生は勢いに押され素直にコクンとうなずく。
「“今日のこと”はもう無かったことに出来ないよ?それでいいんだね!?」
先ほどまで二人でむさぼり合っていた行為を思い出して、思わず弥生は頬を赤らめた。
そして、今度は覚悟をしたように、しっかりと山倉の目を見つめ、うなずく。

「なら…」
山倉は弥生の元にずいずいと歩み寄ると、胸元のボタンを丁寧にとめ始める。
「…もう少し甘えてくれないと」
山倉の声に、もう厳しさはない。
綺麗にボタンのとまったブラウスをスカートの中に器用に入れ込んで、上から白衣のボタンをとめると、
「さ、行こう!」
山倉が弥生に手を差し出した。
弥生はその手を思わず見つめる。

「大丈夫、手を握るのは人が居ない間だけだよ」
山倉は弥生に顔を寄せると、二人きりの時以上に人前では照れ屋になる弥生を安心させようと、そっと囁いた。
弥生は目の前の山倉をじっと見つめると、大きく首を振る。
やはり外で手をつなぐのは恥ずかしいのかと引っ込めかけた山倉の手を、今度は弥生の手がしっかりと包み込んだ。
「早く、行かなきゃ!」
そう言って山倉の手を引き、弥生の方が先に外に飛び出す。

廊下で待っていた看護婦が、手を繋ぎ合って走ってきた医師二人を見て、目をパチパチとしばたかせる。
人の姿が見えても、弥生は山倉の手を離そうとはしなかった。
「今日だけだから、ごめん!」
すり抜けざまに山倉が看護婦に謝ると、
「……あら、今日だけでいいの?」
先を行く弥生が、山倉を振り向きもせずに問いかける。
だが、山倉の想像では、今弥生の顔は真っ赤に染まっているはずだ。
「いいんだ…二人きりの時に弥生さんが甘えてくれるなら、僕はそれだけで充分なんだ」
山倉の呟きが聞こえたのだろう、山倉の手の中の弥生の手がピクッと反応を返す。
その会話は、数時間前には考えられなかった、あまりに2人らしい愛に溢れたものだった。
448SP抱擁後山倉弥生29/34:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
一つだけ明かりのついた病室の前に着くと、二人はどちらからともなく手を離した。
「…この勤務が終わったら、二人でどこかに行こう」
そう言ってから、「遅くなりました!大丈夫ですか!?」と医者の顔になって、山倉が病室に入っていく。

明日は確か、神田さんとの約束があったんじゃないのかしら?
弥生は山倉も忘れているらしい事実に思い当たるが、
『…まぁ、いいか。その時は、「私のために、神田さんとのコンサートは断って!」って…甘えればいいのよね?』
山倉の言葉に忠実に従うつもりの弥生は、一人うんうんと頷く。

そして弥生は、一度深く息を吸い込むと、「遅くなってスイマセン!!」
いつもの『真面目な澤田先生』に心を戻して、一足先に患者の容態を確認している山倉の元に駆け寄った。

―二人の息の合った応急処置のお陰で、無事患者は危機を脱する。
遅れて駆けつけた看護婦は、的確な処置の後も病室の他の患者達の動揺を懸命に鎮めようとする医師二人を、じっと眺めた。
そして、その真剣な対応に…病院でいちゃつくなどもってのほかだが、今日だけは見逃してやろうと、仏心を出すに至ったのだった――



…もちろん、『山倉先生と澤田先生がどうやら付き合いだしたらしい』という噂が帝都大病院中に広がるのは、時間の問題ではあったが…。






一応『終』

許してもらえるなら番外編へと続く…
449名無しさん@ピンキー:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:HXoQNQJk
406さん
乱痴気騒ぎw良かったよー。
二人がようやく結ばれるのを、萌えながらも幸せな気持ちで読ませていただきました!
番外編も心待ちにしております。風邪ひく前によろしくw
450名無しさん@ピンキー:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:PqAsO+AV
>>448
山倉弥生、凄く良かったです!
二人らしい会話がドラマ放送当時を思い出させたよー
帝都大メンバー大好きだから嬉しいな
番外編も楽しみにしてます!
451406:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
あのドタバタは自分でもノリノリで書いた部分なので受け入れてもらえてホント嬉しい
番外編は細切れ展開なので、無理を覚悟で落としてみます

内容的にもう風邪をひくおそれはないと思われwどうかしまってくだされww >>449
帝都大メンバー全員の幸せを願って書いた番外編なので満足してもらえるといいな… >>450
452SP抱擁後山倉弥生30/34(番外編 松岡神田1):2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
<後日談>

朝の診察が終わり、松岡が医局に戻ってくると、山倉と弥生が二人そろって近づいてきた。
部屋には、他に神田もいて、こちらの様子を気にしてじっと見つめている。
山倉と弥生の二人は、お互いに目配せすると、松岡と神田の目の前で、あろうことかそっと手を握り合った。
朝から昨夜の出来事を懸命に思い出さないように努めてきた松岡は、思わず顔を引きつらせる。

「そっ、そういう訳だから、うん!」
「あの…ご心配をおかけして、ごめんなさい」

しおらしく頭を下げた弥生はともかく、頬の緩み切っている山倉は、わざとあの痴態を見せ付けて、あの場から自分達を遠ざけたのではないか?
松岡はそんな憶測を頭の中で繰り広げるが、この展開では、今更それを責め立てられもしない。

「神田さん、これは返すよ。今日はこれから二人で別のコンサートに行くつもりなんだ…ごめんね」
山倉が一枚のチケットを神田に手渡すと、
「そうですか…なるほど」
神妙な顔で神田は返されたチケットを見やる。

「…ごめんなさい」
神田が山倉のことを気にかけているのを知りながら、
今更こんな形で自分の気持ちを明らかにすることを弥生は申し訳なく思い、再び神田に頭を下げる。
「いえ」
神田は弥生の後ろめたさなど気付かぬように素っ気無く返事を返すと、そばに居る松岡に向き直り、
「では、よろしければ松岡先生、どうぞ」
「え?」
「昨日の『恋愛と肩もみの関係』のお話もお聞かせいただきたいですし」
「あ、ああ…」
よく解らない話の流れに、松岡は思わずチケットを受け取ってしまっていた。

「じゃ、お先に…」
山倉と弥生が部屋を出て行こうとする。
外に出る瞬間、弥生はパッと握っていた手を離したが、そういう照れ屋の弥生の姿も好ましいようで、
山倉がやに下がった顔で弥生の頭をポンポンと撫でるのが見えた。

松岡の全身から、力が抜けていく。
あの二人をくっ付けるために必死で策を練った自分が、滑稽に思えて仕方がなかった…。
453SP抱擁後山倉弥生30/34(番外編 松岡神田2):2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
「松岡先生」
突然神田に呼びかけられ、松岡が振り向くと、
「私はずっと山倉先生は興味深いと思ってきたのですが…」
「…あ、ああ」
あの積極的な姿を見れば、鈍い松岡にも神田が山倉に興味を持っていたことは解る。

「実は、私は男性から、頭ごなしに怒鳴られた経験がありませんでした」
急に話題が変わって松岡は戸惑うが、昨日の自分の神田への対応を思い出し、
「あ、あれは少し事情があってだな…」
「松岡先生も、大変興味深いです」
「は?」
「今日のコンサート、よろしくお願いします」
深々と頭を下げる神田に、
「あ、いや、こちらこそ」
松岡もつられて礼を返す。

「山倉先生と澤田先生ですが、やはり松岡先生の判断は正しかったですね…」
その後も、神田は相変わらずマイペースに言葉を続ける。
「え?」
「最近お二人の仲が思わしくないのは私も感じていましたが、派手なケンカをした方がキチンと仲直りができるのですね」
自分を尊敬の眼差しで見続ける神田の視線に、松岡は居心地が悪くなる。

仲直り…確かに二人はあの行為で仲直りをしたのだろうが…。
あああああ!!思い出したくもないっ!!!
しばらく、人の恋愛なんぞに首はつっこまないぞ!!!!
決意した松岡は、神田に向き直ると、

「神田さん!君が『恋愛と肩揉みの関係』を考えるのはまだ早い。
 考察を深めるなら、別のテーマにしたまえ」
「はぁ……例えば?」
「そうだな、まぁ今の君なら、『ドーナツの穴の存在意義』あたりから始めるといいんじゃないだろうか」
「ドーナツの穴…?」

松岡の言葉に神田は首を傾げる。
『ドーナツの穴の存在意義』以上に、『自分にとっての松岡の存在意義』が気になり始めてしまった神田を残し、
松岡は昼食も取らずに、午後の回診へと一人トボトボ旅立っていくのだった。
454SP抱擁後山倉弥生32/34(番外編 信郎梅子1):2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
<おまけ>

「嫉妬心?」
「そう、弥生さんも嫉妬すれば、山倉さんに積極的にならずにはいられないと思って」
子供達を寝かしつけた後で、信郎は妻を自分の布団に招き入れていた。
幼い頃と変わらないキラキラした眼で、梅子は信郎に今日の出来事の報告をしていた。

「へぇ…」
信夫が思案顔になる。
「あれ?ノブはそう思わない?」
「嫉妬は…結構辛いからな」
そう言うと、信郎は遠い眼差しになる。

「松岡さんが酔って家に来たことがあっただろ?
 もう梅子とは何でもないって解ってるのに、やっぱり気になったな」
信郎はその時の自分を思い出して苦い笑みを浮かべる。
「でも、弥生さんには幸せになってほしいし、嫉妬でうまく行くんならいいのかもしれないな」
「うん…」
「俺なんかにはすごく素直なのにな…山倉さんには素直になれないのか…」
「…待って、ノブに素直ってどういうこと?」
梅子はうずめていた夫の胸からぱっと顔をあげ、詰め寄った。

「ん?医院を手伝ってくれてるだろ?患者が居ずに暇な時とか、外の空気を吸いに出てきたりするから、声はかけるぞ。
 あの人好奇心が強いのかな。工場まで入ってきて機械とか結構熱心に見てるぞ。…どうした、梅子?」
妻が険しく眉を寄せるのを、信郎は不思議そうに眺める。
「…やっぱり、良くなかったかも…」
「あ?」
「嫉妬を利用するなんて、私、酷いことした…」
「なんだよ、急に」
「弥生さんでも…私の知らないところでノブが女の人と何か話してるのは…」
「…気になるってか」
梅子がコクンとうなづく。
455SP抱擁後山倉弥生33/34(番外編 信郎梅子2):2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
ふぅ、と信郎が大きく息を吐いた。
「…何やってんのかな、俺達」
信郎がしみじみと呟く。
「子供が2人もいて、ずっと夫婦してんのに」
「…そうね」
少しだけ恥ずかしそうに、視線をさ迷わせる梅子の頬に、信郎は手を当てる。
きょとんと夫を見つめる梅子。

「大丈夫だ、嫉妬して得ることもある。
 俺は、俺と結婚して幸せだって梅子の気持ちを知ることができた。
 きっと弥生さんだって、嫉妬から何かつかめることもあるさ。
 梅子だって、俺への嫉妬と引き換えに、あれがあるんじゃねぇのか?」

信郎が顔を上げ、引き出しの1つを見つめる。
そこにはいつも大事にあの指輪がしまわれていた。
梅子は、あの時の胸の苦しさと共に、信郎に愛されていることを実感した安堵感を思い出す。

「結局、『終わり良ければ、全て良し』、なんだよ」

信郎が安心させるように妻の頭をぽんぽんと撫でる。
そして、包むような優しい加減で、若い頃と未だ変わらず折れそうに華奢な妻の体を、その逞しい腕でそっと抱きしめた。
涙が出そうな幸福感の中で、梅子の胸の一部分がチクチクと痛む。
その時、梅子の胸に浮かんでいたのは……『良し』に終われなかった、昔の恋人の姿だった。
信郎と結婚したことを後悔したことなど一度もないが、
松岡のことを考えるたびに、時々言いようのない切なさがこみ上げる。

せめて…松岡さんにも素敵な人が見つかれば…。

梅子は愛しい人の胸に顔を埋めながら、
山倉や弥生以上に先行きの心配な松岡の幸せを心から願うのだった。
<おまけ2>…時系列では(番外編 信郎梅子)と同時期

「くしゅんっ」
神田と共に、とりあえず例の大騒ぎな医局を後にした松岡が意外に可愛らしいくしゃみをした。

「先生、お風邪ですか?」
「いや、この時期に風邪もないだろう。たぶん誰かが僕に対して噂話か、良からぬ事でも考えて…」
「先生、季節によって風邪をひかないという説は正しく有りません。少ない時期があるというだけです。
 訂正してください」
弥生から指摘された、自分と目の前の女性の共通点を少しずつ悟りながら、
「…わかった、今のは失言だった、訂正する」
「『くしゃみは噂話をされたから』というのも、根拠の無い迷信なので、できれば訂…」
「訂正する!」

先ほどの山倉と弥生の病院内でのとんでもない行為で頭がいっぱいだった松岡は、
神田の生真面目さに多少いらだち始める。

『しかし…あの状況をケンカととらえるとは、あまりにも社会経験が少なすぎるのでは…』
松岡は、神田の全く動じた様子の無い横顔を、薄暗い廊下の元でじっと見つめる。
そのあどけない顔つきやスラリとした体型だけならば、医局の連中に騒がれてもいいほどの可憐さなのに、
個性的過ぎる性格が知れるやいなや、彼女をそういう対象としてみる輩(やから)は消え失せたようだ。

『彼女が、あまりに世間のことに疎すぎた昔の自分と同じならば、
医療とは別にも、それなりの教育が必要かもしれないな…』と、松岡は一人考える。
ここでもお節介な姿を見せてしまう、なんとも報われない(…いや逆に、もしかしたら思いがけず報われることがあるかもしれない)、
とことん人の良い松岡敏夫なのだった…。
457406:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:vSWlWERz
異常に長いパロは以上です
これだけ長い話に付き合ってくださった方、本当にありがとう!
こっちの事情で投下のテンポをドンドン早めちゃって申し訳なかった

梅ちゃん先生の世界がこのまま忘れられていくのは寂しいので松岡神田の公式SPとか…無理だよなぁ…
458名無しさん@ピンキー:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:mDyh483L
なんとなんと!全方位的に幸せなお話をありがとう!
(一組はまだ未定ですがw)
帝都大チームだけかと思ったら信梅まであってGJです
459名無しさん@ピンキー:2013/07/17(水) NY:AN:NY.AN ID:ces81XJA
今回はこれで最後にします 406です
やっぱ投下を意識しないとダラダラと長くなると痛感 反面教師にしてください
でも書きたいこと全部詰め込んだので458さんの全方位的な幸せって表現に通じたと目が潤んだ
完走&感想に本当に感謝します
460名無しさん@ピンキー:2013/07/17(水) NY:AN:NY.AN ID:7ati+yWY
406さん、どうも有難う!
最後まで楽しく読ませてもらいました!!
やっぱりドタバタと大団円が梅ワールドの真骨頂だよね。
SPラストの「ドーナッツの穴」にも繋がっていて、流石です。
ノブ梅も幸せそうで何よりwww gjでした!
461名無しさん@ピンキー:2013/07/17(水) NY:AN:NY.AN ID:UU5haxJI
>>459
いやー、良かったよー
梅ちゃん先生という作品の空気が溢れていて嬉しかった
思わずスペシャルの録画を見直したけど、406さん上手く繋げて作ったねぇ
このぐらいの長さ、私的には全然OKなのでまたお待ちしていますよ
462名無しさん@ピンキー:2013/07/20(土) NY:AN:NY.AN ID:B/0kXbKn
この書き込みペースなら許されるかな…しつこく406ですスマン

肯定的な感想ホントありがたい 投下はホント迷ってたから(34分割ってw)
エロパロスレの基準とちょっと(かなり?)外れててもココには受け入れてくれる方が絶対いると思うので
書いてて落とすの迷ってる方の後押しになったらいいなぁ…

自分は最後に残ってたこの書きかけを半分趣味で仕上げたから新作となると厳しい感じです
いくつか出ていた『○○書いてるけど…』を信じてここのチェックは続けるので職人さん方マジでお願いしますよー!
463名無しさん@ピンキー:2013/07/20(土) NY:AN:NY.AN ID:0pqEulhQ
乙です
連投規制きびしかったりするから分割も仕方ないさ!
梅ちゃんワールド炸裂していたので、読むのは全然気にならなかったよ
ありがとうございます
464名無しさん@ピンキー:2013/08/17(土) NY:AN:NY.AN ID:+JL2EEis
連投はイカンとずーっと待ってたけどもう無理ぽ
長いの落としたのスレ活性には逆効果だったかなとひそかに凹んでます
職人さん方また何か読ませていただけると嬉しいです どうか頼みます…

>>463
長らくお礼言えずに申し訳ない&ありがとう
465名無しさん@ピンキー:2013/08/19(月) NY:AN:NY.AN ID:aAYtMyl/
>>464
逆効果なんて事はないと思うよ!
喜んでる書き込み沢山あるし自分をはじめ皆嬉しかったはず!
…単にこのスレを見ている職人さんがもういないのだと思います
終わった作品だしスレが過疎るのは仕方ないね…
466名無しさん@ピンキー:2013/08/19(月) NY:AN:NY.AN ID:emb/WxiY
>>465
かなり肩の荷がおりたよ ありがとう
終わった作品…そうなんだよなぁ…
こんだけ話読ませてもらえてありがたかったと思うことにします!
467名無しさん@ピンキー:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:k4LafACm
またまたご無沙汰しておりました。
395でポロリと漏らした「つい面白い方向へ脱線してしまう山梅」を恥ずかしながらコッソリ落としに参りました。
悲しいくらいにエロくなくて済みません。単なる帝都大話になっているかも;

もう少しでノブ梅と広梅が書きあがりそうなんですけれど、足りなくなりそうだったら次スレを立てさせてもらっても
いいでしょうか?
468山倉の夢1:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:k4LafACm
「スプリング、ハズ、カム……?」
「そう。春が来た」
「春が、来た……」
カフェのテラスと言うにはいささか侘しい佇まいのテーブル席で、外套を着こんだ学生服姿の僕の講義を、
セーラー服におさげ髪の梅子さんが熱心に聞いていた。
どんぐりのような目をクリクリさせて、眉間に深いしわを寄せ、頭をフル回転させていると思われる表情が実に好ましい。
拙いながらも懸命な姿勢で勉学に励む梅子さん。君は、そんな風に男性も愛するのだろうか。そんな風に想われる男の、何と幸せなことか。
そう思ったとき、ふと僕の心へ隙間風が吹き込んだ。
「僕には、春が来なかったけれどね……」
髪を弄りながら、軽く俯く。恐らく他には大げさに見えてしまうだろう愁いを帯びた僕の表情を、梅子さんは見つめ続けている。
「あれから、僕の心は凍てついた冬のままなんだよ」
梅子さんの目へチラリと視線を返すと、梅子さんは大きな目を更に見開いてから、赤面して下を向く。
「あれは……。あの時は、突然だったから……、その……」
「確かにあの時、僕は松子さんへ結婚の申し込みをしに行った。
ああ、しかし、君と言う気まぐれなクピドの矢が僕のハートを射貫いてしまった。それ以来、僕は哀れなる恋の奴隷だ」
テーブルの上で左右の指をモジモジと絡ませている梅子さんの両手を、僕は優しく包み込んだ。
「今の、君の気持ちを聞かせてほしい」
「あの、私……」
バラ色に上気した顔を上げ、うるんだ瞳で答えようとしていた梅子さんの腹が俄かにグウと鳴った。
「ごめんなさいっ!私、お腹がすいてしまって」
「ははは。全く構わないよ。好きなものを、好きなだけ頼むといい」
そう言って僕は右手を高く上げ、パチンと指を鳴らす。
すると、店の中から前髪をカーラーで巻いた割烹着姿のマダムが現れ、僕らのテーブルにはふかし芋、まんじゅう、お汁粉、クリームあんみつ、プリンアラモードにチョコレートパフェ、上等な白いクリームのケーキに、色鮮やかなソーダ水などなど、あらゆる甘味が運ばれた。
梅子さんがキラキラと瞳を輝かせ、興奮しているのが分かる。この店も、なかなかやるじゃないか。
「そうやって美味しそうに物を食べている君は、最高に美しい。まるで、天使のようだ」
鼻の頭にホイップをつけて笑う梅子さんを見て、僕は両手を広げて褒め称えた。
「ねぇ、梅子さん。僕はこう思うんだ。これからの女性は、強く、逞しくあらねばならない。
医者を目指すのならまず覚えておいてほしい。生きる事の中にこそ、人間のレゾンデートルがある。生きる事、すなわち愛だ」
梅子さんの鼻へついたホイップクリームを人差し指ですくい、わざと見せつけてから自分の口へ運ぶ。
それを、梅子さんはうっとりと見つめていた。僕は迷わず、立ち上がると彼女の頬へ両手を添える。
「さあ、梅子さん。新しい時代に高らかなファンファーレを鳴らそうじゃないか。いざ、口づけを」
目を閉じ、梅子さんの吐息がかかりそうなほど顔を接近させたとき、ファンファーレならぬけたたましいベルの音が僕の側で鳴り響いた。
469山倉の夢2:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:k4LafACm
「…………時代考証がめちゃくちゃだ……」
だいたい、あの店には今だってあんなメニューはないだろう。
暗くて狭い部屋の中、ぐるぐる巻きの湿気た煎餅布団を抱えて、僕こと山倉真一は目を覚ました。

「ああ、無い」
医局前の廊下に並んだロッカーの中をしばらく漁った後、つい周囲への遠慮がない音量かつ情けない声色の独り言が漏れた。
「どうしたんだい?山倉くん」
ロッカーの蓋を閉めると、陰に隠れるように、更に言うと前かがみになって立っていた松岡さんの顔がぬっと現れた。
しゃがみこんでロッカーの中へ半身を突っ込んでいた僕は、確かに怪しかったろう。
そして、はたから見たらきっと松岡さんも怪しかったに違いない。
「ああ、松岡さん。おはよう」しかし僕はさして驚かずに、まずは朝の挨拶をしてから立ち上がる。
「実は下着を汚しちゃってさ。着替えがあったような気がしたんだけど……」
名残惜しそうにロッカーの方へ視線を向けたまま、頭を掻き掻き松岡さんへ不審な行動の説明をした。
「下着を汚したの?」
「そうだよ。夜勤明けでさ、ちょっと仮眠したらやっちゃったんだよね」
男同士だし、気の置けない友人でもある松岡さんが相手だったったので何気なく会話を進めていったところ、
思いがけず松岡さんがいつも以上に眉間のしわを深く刻み、眼光鋭く見つめ返してきた。
まあ、いつもこんな調子だったかもしれないなと思いながら我らの医局へ入ると、僕の背後へピタリとついたままの松岡さんが、
ガッシリとした体をやけにコソコソさせながら更に近づいてきて耳打ちをする。
「……君、夜尿症?」
「どうしてそうなるのさ」
自分の席へ座ろうとしてズリ落ちかけた体を、僕はかろうじて机へついた両手で支えることが出来た。
「夢精だよ、夢精」
本当に、松岡さんと言う人は優秀な医者でいい人物だけれども、少し変わっている。
しかし、変わっているくらいの方が、研究者としてはいいのかもしれない。
僕は椅子にきちんと座りなおすと、いつもの日常を始めるつもりで書きかけの論文を取り出した。
「ああー、……夢精。……で?」
「で、って?」
思わず振り返ってみたら、自分の席には座りながらも、すっかり体をこちらへ向けている松岡さんと目があう。
僕らは黙って、そのまま何秒か見つめ合った。
松岡さんの日常は、どうやらまだ訪れていないらしい。
「あー、もう勘弁してくれよ。いくら松岡さんだって、そういう時あるでしょ?」
さすがに照れる気持ちも湧いてきて、悶えながら大きな声を出してしまった僕の耳に、思いがけない言葉が舞い込んだ。
470山倉の夢3:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:k4LafACm
「実は、あまり身に覚えがない」
「え?」
僕の目から目玉が落ちなくて、本当によかった。
「だから、以前から興味を持っていたんだ。ぜひ、話を聞かせてくれないか」
訂正しよう。少しではない。変わっている。うっかり松岡さんの生い立ちから現在に至るまでを想像しそうになって、頭を振る。
「相手は誰なんだい」などと問いかけながら目を爛々と輝かせる松岡さんの顔をマジマジと見つつ、一方で僕の頭の中には、
先ほど夢で見た梅子さんが思い出されていた。
恩師の息女にして、僕らの同僚。何よりも、目の前にいる松岡さんとお付き合いをしているらしい、と言う点から非常に言いづらい相手だ。
「松岡さんが、……あまり聞きたくない相手だと思うよ」
僕は言葉を選びながらやんわりと断ったつもりだったが、どうやらそれは松岡さんへ新たな疑問を与えてしまったらしい。
僕から話を聞き出そうと前のめりになっていた姿勢を垂直に起こし、腕を組んでブツブツと独り言を言い始めてしまった。
「僕が、……聞きたくない…………母?」
松岡さんが数十秒の考察の上に導き出した答えが余りにも的外れだったため、僕はうっかりと口を滑らせる。
「違うよ、もう。梅子さんだよ」
しまった、と思ったときにはもう遅かった。
松岡さんは、衝撃的なシーンのシェイクスピア役者のような仰々しさで、立ち上がると頭を抱えて苦悩し始めた。
「梅子さんと……、君が……」
「松岡さん、夢の話だからね?」
たしなめる様に、極々穏やかな声で話す僕の顔を、松岡さんは何故か二度見返してウンウンと頷いた。
「ああ。ああ、そうか。で、君は夢の中で梅子さんと性的な行為に及んだ、と」
「違うよ。性行為なんてなかった。ただ、話をしてただけ」
「えっ?」
「僕が梅子さんの家庭教師みたいな事していたのは知っているでしょ?その時の夢だよ」
それだけは断言しておかなければならない。僕がきっぱり言い放つと、何故か松岡さんはパチパチと目を瞬かせ、何か思いついたような顔をした。
「夢の中で、君が梅子さんとどんな会話をしていたか興味があるな」
夢の中ねぇ……。すっかり観念した僕は、松岡さんの興味を満たすため、記憶の糸を手繰りだした。
が、ボンヤリとしか憶えていないけれど、夢の中の自分は、さすがの自分でも歯が浮くようなセリフを並べていたような気がする。
「あー、それはちょっと言いたくないな……」
ガクリと頭を垂れた僕は、突然間近に迫った質量を感じて顔を上げる。
とうとう立ち上がった松岡さんが、僕の前に立ちはだかるように迫り、分厚い手で僕の両肩をガッシと掴んだ。
「なぜ。君はさっき、性行為はなかったと言った。性行為もなく、夢の中の会話だけでも人は射精することができるのか。
 だとすれば、現実の会話の最中にだって射精できるのだろうか。それは、万人に当てはまるのだろうか。
 ……どんな会話がそれを可能にするのか。山倉くん、もったいぶらずに会話の内容を教えてくれないか」
471山倉の夢4:2013/08/23(金) NY:AN:NY.AN ID:k4LafACm
医学的興味の塊になってしまった松岡さんが次々とまくし立ててくるので、些かうんざりした表情になってしまった顔を摩りながら返す。
「梅子さんとの会話だって、普通の会話だよ。全然性的な話じゃない。たぶん、疲れてたんだと思うよ。
 疲れてる時って、射精しやすいじゃない。それくらいは、松岡さんにだってわかるでしょ」
すると突然大きな音を立ててドアが開き、その方向を振り返った僕らは一瞬ギョッと目を見開いた。
石か岩のように表情を強張らせた松岡さんの横で、僕はサッといつもの顔色を取り戻し、いかにも自然に挨拶をする。
「やあ。おはよう、弥生さん。今日は一段とおきれいで……」
「話しかけないで。汚らわしい」
弥生さんは鬼のような表情でギロリと睨み付けて、それ以上口を開くことを許さないとばかりに話を遮り、僕と松岡さんの前を横切って行った。
自分の席について医学書を開き、身じろぎもせずに目を落とす弥生さんの後ろで、密やかと言うには少々大きな声で松岡さんが話しかけてくる。
「この状況から察すると、僕らの話を聞いてしまったのだろうか……」
「多分ね」
全くひそひそ話になっていない会話を背後で繰り広げられ、弥生さんはさらに苛立ったようで、開いていた医学書を力いっぱい閉じて言う。
「ああ、もう!男の人の頭の中には、そんな事しかないのかしら!」
「それは違うな」僕はすかさず否定すると、弥生さんの横へ椅子とともに移動した。
「仕方ないんだよ、弥生さん。そういう事は男性の機能なんだから。確かに松岡さんの探求心は尋常じゃないけど、
君も医者なら、医学的な観点から受け入れるべきなんだよ」
もっともらしく結論付けられたと僕は思ったのに、なぜか弥生さんは表情を一ミリも動かさず、陶器の置物のように固まっている。
もしかすると、相手が梅子さんだったという部分がまずかったのかも知れない。
僕は最高の笑顔を弥生さんへ向けて言った。白い歯を眩しく輝かせる自分の顔が、自分でも容易に想像できた。
「たまには弥生さんだって登場するんだよ」
僕は最後まで言い切る事ができただろうか。よく分からないうちに、バチンと重たい音が室内に響いて、目の前が暗くなる。
それは、僕の顔と分厚い医学書がぶつかる音だった。
「それ以上言ったら、もう一発お見舞いするわよ」
「ふぁい。済みません……」
弥生さんが乱暴に席から立ち上がり、いちいち大きな音を立てて部屋から出ていくのを、緊張した面持ちの松岡さんと
真っ赤になってしまった鼻を押えた僕はいつまでも見送っていた。

――終――
472名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:vsyKUrFz
山倉も松岡も初期は本当に変人だと思ってたの思い出しましたw
夜尿症?に爆笑 絶対松岡は真顔で聞いてるよねww
弥生さんの潔癖さもイイナー   
ほんとGJです!
(ひとつだけ、山倉は松岡を最初から君呼びだったような…記憶違いだったらスンマセン)

次スレについては467さんの作品が入らなかったらやっぱり立てて欲しいです 是非読みたい!
声があがってた光男千恵子をしつこく待ってたりもしたり…そっちは望み薄かなぁ…
473名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:CJwa72Bf
さっそくレスして下さり、どうも有難うございます!
そして、ご指摘も有難うございました;
DVDを見返して、保管庫の方もシレっと直しておきました;
真剣に思い違いをしておりました。うー、恥ずかしい……!

次の作品も期待して頂いて、本当に有難いです。
もう少しと言いつつも、ノブ梅・広梅を同時進行で書いていたりして
もうちょっと時間がかかるかもしれませんが、こっちはエロいのが書けていると思っているので、
落とさせてもらえたら嬉しいです。

光チエはまだ書いた事がないんですけれど、ちょっとDVD見ながら模索してみますね!
474名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:RJgD8lMi
>>471
久し振りにスレを覗いたら新作きてたー!職人さん乙!
山倉はこういう話がほんと合うね〜
(呼び方は確かに松岡くんだった気がするよ)
帝都大メンバーが皆そろうとほんと面白いわ

職人さん、首をながーくして待っていますので、これからも投稿よろしくお願いいたします!
475名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:Mqr44qQH
夜尿症www松岡なら言う、絶対言うw
職人さんいつも楽しい話をありがとね
476名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 02:12:02.32 ID:SosjVC1c
467=473です。
広梅の方はとうに書きあがっているものの、●持ちでスレ立てが出来無さそうなため、投下を見送っております。
そうこうしている内に、光チエが書けたので繋ぎに落とします。チューと言うほどものもでもないのは有り、エチは無しです。
477初 1:2013/09/24(火) 02:13:09.66 ID:SosjVC1c
「ちょっと、帰りにくくなったね」
「そうだね」
光男がすっかり伸びた元いがぐり頭をグリグリと撫でまわし、「いやぁ」と言って参っている横で、千恵子は何やら嬉しそうな顔をした。
月の明るい、ある夜の事。みかみの前には、深刻そうな顔で縁台に座る梅子と、そんな梅子へ話をする一人の女性がいた。
信郎との浮気が疑われている、雑誌記者の山川だ。
仲睦まじいことで有名な安岡夫婦に立った、ちょっとした波風を、今や狭い町内で知らない者はいないだろう。
その波風の最先端を目の当たりにしては、知らない顔で通り過ぎることなど出来るはずもない。
光男と千恵子は、遠目にも見つからないよう、なるべく他家の軒へくっついて身をかくした。
話し声の聞こえるような距離ではないので、身振りなどから様子を探ろうと、光男は梅子たちの方を注意深く見つめる。
「こんな時に、こんな事言っちゃダメだとは思うんだけど……」
どうしたものかと思案する光男へ、千恵子が語りかけた。振り返ると、千恵子は自分の事を見つめていたようだった。
「光男君と一緒にいられる時間が少しでも増えて、ちょっと嬉しい」
自分へ寄り添って微笑む千恵子の心中を察し、光男もふと微笑み返した。

光男と千恵子は、元々仲が良かったものの、付き合っていたというわけではない。
安岡家の波風に巻き込まれ、少しの間だけ二人で映画に行ったことにされていたが、それまで実際に二人で出かけることなども無かった。
千恵子が工場に顔を出し、二人でその話になって、「ならば」と実際に出かけてみたのが前の日曜の出来事である。
蒲田の駅前で映画を見て、その後喫茶店で話をしただけの事だったが、行ってみると予想以上に楽しい時間を持つことが出来た。
店の子だけあって、千恵子はいろいろ気働きも出来るし、光男はそんな千恵子を可愛いと思ったりもした。
その後、昨日今日と、光男が夜学から帰ってくる頃になると千恵子が近くまで迎えに来ていて、二人で話しながら歩いた。
『もしかして……』と、若い二人が互いを意識するのに、長い時間は必要ないようであった。

「あっ……」
互いに見入りそうになっていた光男と千恵子が、揃って小さな声を漏らす。
山川が突然走ってその場を去り、それを見送るようにしてから、梅子が自宅の方へと歩き出したのだ。
二人は黙って頷き合うと、みかみの前まで歩を進めた。今まで梅子と山川のやり取りがあった縁台が、ポツリと月に照らされている。
千恵子が、ハアッと大きな息をついた。
ようやく思い切り息ができるように感じたのだろう。その事は、光男にも理解できた。何しろ、今の今まで息の詰まる場面を見ていたのだ。
「梅子先生、どうしたかな……」千恵子は、急な展開の、その先を気にしているようだった。
「うん……」光男の頭の中には、信郎の姿があった。
光男は、信郎を社長や旋盤工の先輩として尊敬しているだけでなく、兄のように慕ってもいた。そんな信郎にかけられた疑惑である。
もちろん信郎は否定をしているが、嘘の片棒を担がされた上に、町の噂では信郎が浮気をしたと決まったような話になっている。
真相が知りたい。言葉にする事こそないものの、いつしか光男はそう思うようになっていた。
478初 2:2013/09/24(火) 02:13:46.62 ID:SosjVC1c
安岡製作所が見える、映画館の看板がある角まで来て、二人は足を止めた。
工場の引き戸が開いたままで、中の明かりが入口の前を明るく照らしているのだ。
工場の横にある窓も開いていて、中の様子が少しだけ窺える。梅子も信郎も、中にいる姿がチラリと見えた。
中の様子は気になるが、梅子や信郎に見つかってはいけないし、まだ人通りが無いわけでもない時間だ。
「無理に近くまで行かなくても、これくらいの距離から見ていようか」と問おうとして、光男は千恵子の方を見た。
視線を合わせてきた千恵子の顔が、興奮しているのか緊張しているのか、昂っているようでいつもと違う。
光男の心臓はドキリと高鳴った。そう言えば、さっきからずいぶん千恵子との距離が近い。
「ここで、いいかな」緊張した面持ちになった光男が聞き、光男を見つめたまま千恵子が頷く。
その姿は、もはや街灯の下で語らうアベックにしか見えず、たまに通る人たちも一瞥するがさして気にも留めずに通り過ぎて行った。
「あのね、家の両親って、あんなでしょ。だから、梅子先生たちって、私の理想っていうか、憧れなの……」
光男の方へ体を向けたまま、千恵子が言う。その表情の中に不安の色が見て取れて、光男は千恵子の継ぐ二の句に耳を傾けた。
「だから、もし何かあったらと思うと……。ちょっと怖くなってきた……」
「大丈夫だよ」光男は自分にも言い聞かせるようにして、千恵子の肩に手を置くと、その体を工場の方へと向けさせる。
二人は縦に頭を並べ、窓から見える工場の中で何が起こるのか見極めようと、そろって目を凝らした。
梅子と信郎は、先ほどからくっついて話をしているようだが、何をしているかまではよく見えない。
ちょうど工場の方へ向かう通行人にくっついて、直接中を覗こうか、と考えた時である。
梅子が信郎に抱き付いて、信郎が梅子を抱え上げた。梅子を下ろした後もなお、二人は抱き合ったまま離れないでいる。
それを見た光男の頭の中へ、いつも工場で聞く信郎の声が聞こえてきた。
「こんなもの、直しゃまだ使えるだろ」
信郎も、その父の幸吉も、大概の物は壊れても直して、再び使えるようにしてしまうのだ。
きっと何事もそうなのだろう。普段の生活も、長い人生も、直しながら大切に重ねていって、きっと本当に壊してしまう事はないのだ。
そんな二人の仲を他人がどうのと言う筋合いはないし、そもそもあの二人の間には噂のように他人の入る隙などないのではないか。
「やっぱり、いいな」梅子と信郎の繋がりの深さを改めて確認し、こみ上げるものを感じて視線を向ける。
そんな光男の視線を受ける梅子と信郎は、運悪く抱きあう現場を目撃され、野次馬となった通行人から囃し立てられていた。
「よかった!」千恵子が、心底嬉しそうな笑顔を向けてくる。光男は、そんな千恵子へ軽く屈んで口をつけた。
唇が触れた一瞬と、見つめ合う静寂の間。光男たちのいる街灯の光の中は、工場の前の喧騒から切り離された別の空間のように静かだった。
「何か、強引……」
言葉とは裏腹に、何やら嬉しそうな様子の千恵子へ、光男が右手を差し出す。
「帰ろうか?」
「うん」
二人はそっと手をつなぎ、道を歩き始めた。

――終――
479名無しさん@ピンキー:2013/10/02(水) 00:31:55.83 ID:Ivej18LF
気づくの遅くなったがこの二人に似合う微笑ましさでイイ!
光男千恵子のカプは最終的には光男が動くと思ってたんだ〜
手を取り合っての後姿もハマってると思う
480名無しさん@ピンキー:2013/10/07(月) 00:33:33.62 ID:0zqWaroH
感想有り難うございました!
一応妄想して書いてみたんですけど、こんな初々しい感じ止まりになってしまいました。
私も、光男は芯がしっかりしていると言うか、根が頑固なので、
いくときには男らしくグイグイいくに違いないと思います。
481名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 19:48:15.22 ID:8zyMkwPa
しかしエロパロスレは、あまちゃんに勝ってるんだ・・・
482名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 21:35:48.76 ID:yBJiBO2Q
光男千恵子ゴチでした。
なんかこう、頼れる感じだな光男!

ところで新スレが必要なら挑戦してみましょうか?
職人さんに安心して投下していただきたいし。
483名無しさん@ピンキー:2013/10/16(水) 00:37:15.29 ID:+374gHHW
>>481
どっちも好きだからいいよ。
484名無しさん@ピンキー:2013/10/28(月) 02:32:27.48 ID:zo5+d6uL
482さん
480です。有り難いお申し出を頂いていたのに、長らく気づかなくて済みませんでした。
スレ立て、一応トライしてみます。
だめだったら、お願いしてもよろしいでしょうか。
485名無しさん@ピンキー:2013/10/28(月) 02:50:03.87 ID:zo5+d6uL
次スレ立てられました!!

【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1382896091/
486名無しさん@ピンキー:2013/10/28(月) 02:51:19.65 ID:zo5+d6uL
467で「もう少しでノブ梅と広梅が書きあがりそう」と言っていた広梅の方から先に投下します。
が、いつぞや書いた凌辱物の続きとなっております。何とか次回作までで纏められそうなので、苦手な方はどうかスルーしてやって下さい。
あと、「凌辱物がお好きな方に読まれて恥ずかしくないように」という事を目標にしましたので、プレイの内容は酷いと思います。
一応広梅なんですけれど、凌辱調教(広志はそのつもり)なので、後半に第三者も参加します。
劇中の登場人物ではありますが、このスレに登場したことのない人です。ノーマル好きな方は、色々要注意です。
487堕天・弐 1:2013/10/28(月) 02:52:49.61 ID:zo5+d6uL
「弥生さん、お疲れ様」
梅子がお盆の上に熱いお茶と饅頭を乗せて、診療所へ顔を出した。
すっかり日暮れが早くなり、暗くなった通りは人影もまばらで、静かな診療所内には達磨ストーブの火を燃やす音だけが聞こえていた。
「いつも、ごめんなさいね。弥生さんも忙しい時期なのに」
「気にしないで。忙しいと言っても、式は来年だし。結婚後も、今まで通りに仕事を続けるつもりだしね」
弥生は勧められた饅頭を頬張りながら、幸せそうに顔をほころばせた。
結婚式の準備や、旅行の計画、今晩も一緒に食事へ行く話など、晴れやかに山倉との話しをする弥生の顔を見て、梅子は目を細める。
「人を愛するって、相手を思いやるってことよね」
「どうしたの、梅子。何だか様子が変ね」
医者らしく梅子の様子を観察した後、弥生は梅子の耳元まで顔を近づけ「信郎さんと、また何かあったの?」と問いかける。
患者の椅子に座って話を聞いていた梅子は、「そんな事ないわ」と笑顔を見せたもののやはり元気がなく、「心配かけてごめんなさい」
などと言って、更に弥生を心配がらせた。
「ほら。ノブね、例の雑誌に取り上げられてから注文が増えたって言って、とても忙しそうなの。だから、ケンカをする暇もないのよ」
「なら、いいんだけど」無理に明るく振舞おうとする梅子に対し、弥生は複雑な笑顔を返すと、饅頭を置いてお茶をゴクリと飲み込んだ。
「そういえばノブも、今日は給料日後の金曜日だからって、久し振りに工場の人たちと飲みに行くんですって」
梅子が両手をパンと鳴らして空気を引き締めると、山倉さんを待たせても悪いから、今日はもうお終いにしましょうと提案した。
「千恵ちゃんも、上がっていいわ。今日はもう患者さんも来ないだろうし、後は私に任せて」
弥生はチラッと掛け時計を見る。時刻はそろそろ5時45分になろうとしていた。確かに、今日はもう誰も来ないだろう。
「じゃあ、梅子。悪いわね」
弥生がコートを着込んで外へ出ると、木枯らしが吹きつけてきて、思わずコートの襟を立てる。
足早に駅へ向かう途中、安岡製作所の角を曲がる際に何気なく診療所の方へ視線を向けると、中へ入っていく一人の男性の姿があった。
「あれは確か……」弥生は一瞬怪訝そうに顔をしかめたが、強い北風に背中を押されるようにして、自分を待つ山倉の元へと急いだ。

弥生と千恵子を見送った後、火を消そうとストーブの前へしゃがんだ梅子は、ダイヤルへ伸ばした手をふと止めた。
たまに会う弥生だからこそ気づくのか、たまに会う弥生にまで気づかれるのか。――いつも傍にいる人には、自分の様子がどう映っているのか。
そんな思いが頭をよぎり、達磨ストーブの中で揺れる炎をボンヤリ眺めて、ハアッと苦しそうにため息をついた。
本意では無いとは言え、犯してしまった過ち。あの時の彼は魔がさしただけだと思い籠め、蓋をするように閉じ込めた記憶。
けれど、早く忘れなくてはと思う一方で、白衣についたインクの染みのように、その跡はなかなか消えないでいた。
信郎の姿が、網膜の奥へ現れる。胃の底で不安がモゾモゾと蠢き、梅子は寒気を覚えて体をきつく抱きしめた。
「いけない。しっかりしなくちゃ」梅子が両手で頬をパンパンと叩くと、突然ガラッと音がして診療所の戸が開かれた。
「こんばんは。どうしましたか?」
出来る限りの明るい笑顔を作って立ち上がった梅子の顔が、冷たい風とともに入ってきた人物を見た瞬間に凍り付く。
「……広志くん!」
488堕天・弐 2:2013/10/28(月) 02:53:24.00 ID:zo5+d6uL
そこにあったのは、自分に消えない跡をつけた張本人である広志の姿だった。
「ごめんね、広志くん。今日は、もうお終いにしようと思って……」
努めて落ち着いた口調で話そうとする梅子の声が、緊張で上ずってしまう。
「今日は、信郎さんもいないですしね」そう言うと広志は、戸の鍵を内側からかけてしまった。
唖然としている梅子へ、みかみのご主人と世間話をしただけですと言って、広志は重たそうな鞄を持ったまま上がり込んでくる。
「……どうして、来たの……」自分を通り越して診察室へ入っていく広志を目で追いながら、固い声で梅子が尋ねた。
「どうして?」
広志は梅子の目を見つめたまま鼻先で笑い、机の横へ鞄を置くと、梅子の椅子へドカリと腰を下ろした。
「僕たちがやっている事は、治験です。治験の後でどのような作用があったのか、確認するまでが仕事ですから」
広志は胸のポケットから黒い手帳を取り出して中を開き、ボールペンを持って聞き取りを始めた。
「どうですか?体調は。変わったところはありませんか?」
梅子の椅子で足を組んだ広志は、医者然として梅子に尋ね、顔をこわばらせた梅子が別に無いわと答える。
そのまま幾つかの質問をした後で、さてと、と広志は言った。
「今日の分を始めましょうか」
手帳を再びポケットへ戻した広志が薄らと笑い、梅子の瞳が暗くかげる。
しかし、梅子はうつむき加減だった視線をまっすぐにして白衣のポケットの辺りをきつく握りしめると、絞り出すようにして声を出した。
「あ……っ、あのね、広志くん。私……」
「梅子さんは、医師なんですから。1度や2度で治験のデータが取れない事くらい知っているでしょう」
聞く耳など持たないと言いたげな広志は、話しをする梅子の方へ視線を向けることなく、屈んで自分の鞄から薬方を取り出した。
「でも……、こんな事をするとは……」
「治験に協力するといったのは、嘘だったんですか? 梅子さんは僕に、嘘をついたんですか」
診察室の入り口から動けないでいる梅子は、強い渇きを覚えて喉を上下に動かすが、潤う事なくかえって喉が張り付いた。
乾いた梅子の口から発する言葉は掠れ掠れで、広志の強い視線と口調によっていとも簡単に遮られてしまう。
「そんなつもりじゃないの。でもね、広志くん……」
「梅子さん。医療の発展は、多くの臨床試験の積み重ねなんです。誰かの犠牲の上に成り立っているんです。
 梅子さんは人を犠牲にして、知らない誰かを踏みつけにして、上澄みの綺麗な部分だけが自分の物のような顔をするつもりですか」
「そんな事ない!」
梅子は思わず大きな声を出して広志の発言を否定すると、詰め寄るように2,3歩歩み寄る。
広志も黙って立ち上がり、やはり2,3歩歩み寄って梅子と顔を突き合わせた。
二人が黙って睨み合う間で、時計が6時を告げる鐘を鳴らす。
「早くしないと、ご家族が心配して覗きに来るんじゃないですか」
広志はベルトのバックルを手早く外し、ベルト自体をベルト通しから引き抜いた。黒い革のベルトが、広志の左手からブラリと垂れ下がる。
「さっさと始めましょう」
489堕天・弐 3:2013/10/28(月) 02:54:02.86 ID:zo5+d6uL
「広志くん。私、やっぱり……」
広志の右手が、後ずさりをした梅子の細い手首を捉える。梅子は慌ててその手を引き戻そうとした。
けれど、その勢いを利用されて体が半分回転し、広志へ背中を向ける格好になると、体側に両手を添わせた状態で括られてしまった。
革のベルトが前腕に食い込み、上半身の動きを封じられてしまう。
広志の手が梅子のボタンへかかり、抵抗できないまま胸を大きくはだけられ、ブラジャーから引っ張り出された乳房が露出した。
「大声を出したりしたら……。分かりますよね?」抑揚のない声で、広志が背後から呟く。
梅子はハッとして家の勝手口へ通じるドアへ目を移した。
表の戸は先ほど広志が鍵をかけてしまったが、こちらの鍵は開いたままだ。いつ祖母の正枝や子供たちが入ってきてもおかしくない。
「こんな姿を、見られたくはないでしょう?」
梅子の上半身は強引に診察台へ押し付けられ、広志へ向けさせられた臀部もスカートを捲りあげられてすっかり丸見えになっていた。
「……広志くんだって、人に見られたら困るんじゃないの……?」
「僕は構いませんよ。梅子さんと一緒なら、どんなに堕ちたとしても」
荒くなる息を押し殺して気丈に振舞おうとする梅子を一言で突き放すと、広志は口を使って薬方を開き、中から薬剤を取り出す。
そして梅子の下着を膝まで一気に下ろし、キラキラと濡れ光る秘部目がけて薬剤を押し込んだ。
広志が梅子の膣から勢いよく指を抜き、その手で梅子の白くて丸い尻をビシッと叩くと、梅子が「あっ」と辛そうに息を漏らす。
「こんな状況になったのは、梅子さんのせいですよ。あれから梅子さんが、ちっとも僕のアパートへ来てくれないから」
そう言ってまた梅子の尻を叩き、梅子の尻には広志の手の跡が赤く浮かんだ。広志は「お仕置き」と称し、梅子の尻を叩き続ける。
梅子が激しく抵抗しないと見るや、尻を叩く手は休めずに、梅子を押さえつけていた手を秘部に突っ込んで中の濡れ具合を雑に確認した。
そろそろいいかなと言って、広志は赤く腫れた梅子の尻を掴むと、蕩けた梅子の入り口へ亀頭を押し付けて先端だけを差し込む。
早く済ませたかったら自分で動くようにと言われた梅子は、暗涙に咽びながらも、体の中へ広志の陰茎を沈めていった。
「ううっ……、く…っん。あ……んん……ふっ!」嗚咽と愛嬌の混じったような吐息を漏らして、梅子は必死に腰を使う。
尻を叩かれ、締まる膣が広志を咥えて離さない。信郎が激務に追われているせいで寂しい思いをしている体が、勝手に快楽を求めてしまう。
「ほら、しっかり腰を振らないと終わりませんよ。梅子さんだって、邪魔が入らないうちにイッてしまいたいでしょう?」
梅子の両肩を掴んで上体を起こさせ、放り出されたままの乳房を鷲掴みにすると、広志は先端で震える乳首を引っ張って力いっぱい捻りあげた。
「嫌っ!駄目よ。もうやめて……」これ以上責められると、気を遣ってしまいそう。いけないと思っても、快楽の波がそこまで押し寄せていた。
梅子はのけ反って反応し、激しく腰を上下させて「あっ」と一言甲高い声を上げる。尻の動きが止まり、精を搾り取るための痙攣が始まった。
広志は舌打ちをして梅子を縛るベルトを掴み、早駆馬のようにして梅子の腰を強引に動かすと、ヒクつく膣中に欲望の汁を撒き散らす。
全ての精子を吐き出しきった後で、広志がふやけた陰茎を抜き取る。梅子の膣口はだらしなく開いたまま、中から広志の精液がダラリと零れた。
「全く。お行儀が悪いな」広志は意地悪く言い、垂れてきた自分の精子を手のひらで掬って三本の指を使い梅子の中へ押し戻して笑った。
再び流れ出す前に、膝の辺りへ残されていた梅子の下着を引っ張り上げ、ちゃんと飲み込んでくださいよと言い放つ。
そして、ろくに後始末もしないままズボンを履くと、梅子を縛り付けていたベルトを外し、自分のズボンへ通した。
一言だけとってつけたような礼を言って広志が去っていき、一人残された梅子は両手と膝を床について、ガクリと項垂れた。
「どうして、こんな事に……」梅子の膣の中から解けた薬と広志の精液がダラダラ流れ出て、粗相をしてしまったように下着を濡らしていた。
490堕天・弐 4:2013/10/28(月) 02:54:37.03 ID:zo5+d6uL
「いやー、やはりここのカレーは旨い!」
新橋の駅で待ち合わせをした山倉と弥生は、最近山倉が気に入っている、東銀座にあって異国情緒溢れる内装のインド料理店へ来ていた。
「特に、今日みたいに寒い日はカレーを食べると体が温まるね。この香辛料がいいのかな?」
二人の前には、楕円形の銀の皿に盛られた真っ黄色なライスとカレーがあり、山倉の方はスプーンでよく混ぜ込んである。
それを次々と口に運びながら話し続ける山倉とは対照的に、弥生は食も進まず口数も少なかった。
「どうしたの、弥生さん。今日は元気がないね」
とうの昔に気づいていた山倉がついに問いかけると、弥生は強がったりする事も無く「うーん」と唸った。
「元気がないのは、梅子なのよ」弥生はビールを数口流し込んでから、今日会った梅子の様子を山倉へ話し始めた。

「あれ、梅子は」
師走も半ばになったある日。土曜の仕事を終えた信郎が庭から下村の家へ戻ると、正枝が太郎たちと食事の用意をしていて、梅子の姿がなかった。
「何だか用があるって、大学へ行ったわよ。今朝、急に呼び出されたみたい」
「はぁ」茶の間に座って新を膝に乗せた信郎は、正枝の話を不思議そうな顔で聞いていた。

「ここは、どこ!?」見知らぬ、ホテルの客室のような場所で目を覚ました梅子は、思わず声を出した後で悲鳴を上げた。
何も着ていない状態で部屋に一台しかないベッドへ寝かされ、両手首に結わかれた縄で、そのベッドに繋がれている。
「お目覚めですか。時間通りです」と広志が返事をしたのは、自分の足と足の間からで、今まさに膣の中へ薬剤を挿入される所だった。
「広志くん!これはどういう事なの!? 話し合いをするんじゃなかったの?きちんと説明して!」
梅子は罠にかかった野生生物のように広志を睨み付けながら、一方で、本当に何故こうなってしまったのかを思い出そうとしていた。
『梅子さんが悪いんです。それなりの方と結婚していれば、僕だって諦めがついたはずだ。それを、何もあんな……』
『よして、そんな言い方。ノブの事、何も知らないくせに』
ついさっきまでしていた会話が、朦朧とした頭に蘇る。そうだ、確か自分たちは、品川駅前にあるホテルの喫茶店で話をしていたはずだ。
広志から数日振りに電話があり、梅子もきちんと話をするべきだと呼び出しに応じ、喫茶店で話をしているうちに意識を失って、その後……。
梅子の目にぼんやりと、室内にあった椅子の上へ立った広志が、梅子の服やバッグをクローゼット内上部の棚の奥へ押し込み始めるのが映る。
それが終わると、広志は椅子を元の場所へ戻してポケットから豆絞り二本を取り出し、梅子が括りつけられているベッドの端に腰を下ろした。
「話なら、さっきしたじゃないですか。それに、今日はいつもと違うんです。梅子さん」
広志は、ベッドに固定してしまって動く事のできない梅子の頬を撫でながら、「そんな怖い顔をしないで」と言って妙な笑顔で顔を近づけてくる。
「薬の効能を、もっときちんと確認したくて。僕と梅子さんの相性が悪くて、たまたま妊娠しないだけかもしれないですからね。
 今日は別の方に精子を入れていただこうと思っています」
「え……」絶句している梅子の口に、広志は豆絞りを捻って猿轡にして噛ませ、意地悪く笑ってみせた。
「声は出さない方がいいですよ。声で素性がばれてしまうといけないですから」
カッと見開かれた梅子の目も、もう一本の豆絞りで覆い、頭の後ろで結び目を作りながら耳元で囁いた。
「梅子さんも、よくご存知の方です。楽しみにしていて下さい」
491堕天・弐 5:2013/10/28(月) 02:55:19.06 ID:zo5+d6uL
梅子の顔を隠してしまった広志は、いやらしいな梅子さんは、などと言いながらビショビショに濡れてしまった膣の中を乱暴に指でかき回した。
梅子は拒絶の声を上げるが、その抗議は、どんなに叫んでももう言葉にならない。
広志がシッと言って梅子を黙らせると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「静かにしておいた方がいいです。身元がばれてしまうのは、お互いに都合が悪い」
そう言われて梅子は息を止めるように黙りこくり、全身を硬くして訪問者の音を聞いた。
「本日は、お忙しいところを有難うございます」
まずは客を招き入れる広志の声、そして挨拶を交わす年配と思われる男性の声が聞こえる。
「こちらが治験に協力してくださる一般の方です」
二人の足音が、ベッドへ近づいてくる。おそらく二人して、全裸でベッドへ括り付けられている私の体を見下ろしているのだろう。
「薬は既に入っております。後は、先生の精子をたっぷりと女の中へ入れてやって下さい」
広志によって自分が物のように説明されるのを聞き、梅子は体ごと跳ね上がらんばかりに心臓を高鳴らせた。
「先生はお顔が広いですから、万一のことを考え、女には目隠しをしておきました。どうかお取りになりませんように」
広志が念を押すと、一緒にいる男が分かったと答える。やはり、どこかで聞いた事のある声だ。
「それでは、私は終わるまでドアの外におりますので。思う存分お楽しみ下さい。医学の発展のために……」
広志が話し終えるとドアの閉まる音が聞こえ、梅子は無防備な姿で誰だか分からない男と二人きりにされてしまった。
視界を奪われ敏感になった聴覚が、男の服を脱ぐ音まで捉える。
「ふん。商売女じゃなさそうだが、金のためか。それともただの好き者か」
あからさまに人をバカにしたような口ぶりで男から侮辱されていると言うのに、梅子の息はどんどんと上がっていってしまう。
「どちらでも構わんか。しかし、こんな格好で興奮するとは。これは、好き者の方だな」
男がベッドに上がってきたようで、ギシ、ギシ、とスプリングが鳴りベッドが揺れる。
「まあ、せいぜい楽しませてもらおう」
男の声は、もう梅子の顔のそばから聞こえてきた。梅子の頭の中は真っ白になり、相手がどこの誰かなどと考える余裕は無い。
知らない男のベタベタとした手が、梅子の体の上を這い回る。
あまりの気持ち悪さに梅子が体を大きくよじると、男は囃し立てながら更に全身を弄ってきた。
「売女め、どうだ、気持ちいいか」そんな事を言っては、男は梅子の体中をつねったりくすぐったりしている。
『違う! そんなんじゃないわ!』
梅子が逃げようとすればするほど男の興奮を煽るようで、つねる指に力が入り、乳房や尻を平手で叩いてきたりする。
男は叩いて揺らされる乳房の先端を指で数回しごいた後、唾液の溢れる口へ吸いこんだ。
「これは、子供を産んだ女だな。コリコリとして旨いわい」敏感な乳首を男の唇や舌で転がされ、声を殺す梅子の鼻息がどんどんと荒くなる。
その内、男は何か思いついたように梅子の両膝を立たせると、思い切り開脚させて中を覗き込んできた。
「ああ、この泡みたいなやつが薬か。全く、こんな物が本当に効くのかねぇ」
確かにそうだ。アメリカで使われているからと言って、100%の避妊が出来るわけでもない。
まあ俺は実験に協力してやっているだけだからな、と男がイチモツを梅子の膣に突き立てると、梅子の中に衝撃が走った。
492堕天・弐 6:2013/10/28(月) 02:55:47.56 ID:zo5+d6uL
広志の物とも、もちろん信郎の物とも全く違う異物が、自分の内部に入り込んでくる嫌悪感。
径は太いが丈は短く、まるでジャガイモをねじ込まれているようだ。
「年増の割には、…なかなか具合がいい。おおっ、よく締まるわ。ほれ、どうだ、気持ちいいだろう。どうだ!どうだ!」
『ああ、嫌。嫌よ……』 梅子の目を覆う豆絞りが薄らと濡れ、額には脂汗が滲んだ。
梅子が拒否しようとすればするほど、膣壁に力が入ってしまい、ますます男の陰茎の形をはっきりと捉えてしまう。
「いやらしい女だ。そんなに俺の精子が欲しいのか。もっとよがらないと、中に出してやらないぞ」
お喋りな男で、梅子の膣を陰茎で擦りあげている間中、ずっと卑猥な言葉を投げかけてくる。
必死で逃げようとバタつかせる梅子の足を捕らえると、男はあっと言う間に足首を掴んで、高々と持ち上げ開脚させてしまった。
「こりゃ、いい眺めだ。俺のお宝が出入りしているのが、よぅく見えるぞ。ほれ!」
梅子の足を大きなVの字に開いた男は、わざとグチャグチャ音を立てるように、梅子の中を出入りしている。
しばらくすると男は梅子の足を高く持ったまま閉じさせ、左手に両足首を任せて、持ち上がっている梅子の尻を右の手できつく叩いた。
尻への痛みで膣がキュッと締まり、これから受け入れる物を予感して、胎内が震える。数日前、体がそう覚えてしまった。
「俺の精子は濃いからな。メリケンの薬なんか、効かないかもしれないぞ。ほれ、孕め!孕め!!」
興奮しきった男は、大声を出しながら梅子の尻を馬のように何度も叩き、短いストロークで梅子の体を突き上げる。
『駄目!やめて!!』梅子の鼻から、悲鳴が漏れる。それを聞いた男が、いい声だと喜んで、更に激しく腰を打ち付けてきた。
梅子が全身を硬直させると、男は梅子の両足を折り曲げるように覆いかぶさってきて、掴んだ梅子の腰を自分にグイと引き寄せる。
「ほうら、しっかり受けろよ!たーんと出してやるぞっ…!」
ようやく男が最後の言葉を発した時、この男の声の主が、梅子の頭の中に閃いた。
『小学校の…教頭…先…生……』
教頭は梅子の両膝を持ち上げるようにして子宮口を開かんばかりに陰茎を押し付けると、ダラダラと何時までも射精し続けていた。

――「愛してる。梅子さん……」
広志の声で目を開くと、目隠しが外されていてホテルの部屋の景色が見える。どうやら自分を犯した男の姿は、既にないようだった。
「ああ。目が、覚めましたか? 僕が後からチェックアウトしますから、梅子さんは早く服を着て帰ってください」
梅子は整理のつかない頭であたりを見回すと、ベッドの上には既に自分の服とバッグが置かれていた。
「こんなの、愛でも何でもないわ……」
グッタリとした体を起こし、縄の跡がついた手首を摩りながら力なく梅子が言う。広志は一瞬泣きそうな顔をして、梅子の衣類を突き出した。
「……僕は、信じています。いつか、きっと……」
心の中にドロドロと黒いタールが流れ込んできたような気分で、やけに体が重い。梅子はどうにか服を着て、力なく部屋を後にする。
外は、冷たい冬の雨が降っていた。


――終――
493名無しさん@ピンキー:2013/10/28(月) 02:58:13.14 ID:zo5+d6uL
意外とまだ500に届かなかった。調子に乗って、ノブ梅の方も投下します。
光男が同郷の友達や女の子たちと遊びに出かけ、遅くなって怒られた日の昼間のお話です。
そう言えば、行ったことあるのかなーと思う場所があり、書いてみました。エロ有です。
494外 1:2013/10/28(月) 02:59:10.53 ID:zo5+d6uL
ある冬の日の休日。下村家の玄関では、梅子と芳子が、出かける松子夫婦を見送っていた。
玄関扉の磨りガラスから差し込む暖かな日差しの中で、大きな外套を着た松子が大きなお腹を抱えて
靴を履きにくそうにしていると、そそくさと加藤がその靴を履かせてやる。
そんな様子を、梅子たちは上がり框から眺めていた。
「松子、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫よ。少しは動いた方がいいって、お医者様も言っているでしょ?」
心配そうな顔をする芳子へ笑顔で答えると、その隣に立つ梅子へと、松子は目配せをした。
「だけど、もういつ生まれてもおかしくないんですから。無理は絶対にしないで下さいね」
そう医者らしく言う梅子に向かって、松子は「はぁい」と返事をする。
「あの、僕もついてますから。何かあったら、すぐにこちらへ連れ帰ります」
松子の傍らで、下村家へ営業マンとして来ていた頃と変わらない低姿勢の加藤が言うと、芳子の顔がホッと緩んだ。
「そうね。加藤さんが一緒ですもの。大丈夫ですよね」
「だけど、お父さんのいない日で本当によかったわ」と苦笑いをする芳子に「本当に」と松子は微笑み返す。
お昼は外で食べるわね、と芳子に言った松子が、そのままの柔らかな視線を自分の足元へいる夫へ向けた。
「あなた、母の前では本当にいい人みたい」
自分の靴を履かせてくれている加藤へ松子が言うと、加藤は少しおどけた様子で「そりゃないよぉ」と応える。
気分転換に散歩がしたいと言い出した松子が、加藤を呼び出したのは1時間も前だっただろうか。
外光に照らされる松子の幸せそうな顔を、梅子は眩しそうに見つめていた。

「松子さんたち、出掛けたのか?」
梅子が自室へ戻ると、ゴロリと横になって煎餅をかじりながら雑誌を眺める信郎の姿が目に入った。
「うん」と気のない返事をして襖を背に座った梅子は、部屋の中央に置かれたテーブルへ両肘をついて頬をのせる。
松子姉さん、出掛けるのにお化粧をして綺麗だったな。それに、光男君と出掛けた女の子たちも。
寝転がる信郎の向こうにある鏡台は、蓋が閉まっていて自分を映す事はない。
しかし蓋が開いたとしても、そこに映し出されるのは化粧もしていない自分の姿だ。
『私もたまには、おしゃれして出掛けたい』
天気のいい休みの日だというのに、自分はやる事もなく家でボンヤリだなんて……。
何だかとてつもなく世間から取り残されているような気になって、梅子の口から思わずため息が漏れた。
「どうかしたのか?」と間延びした信郎の問いに、「何でもない」と、梅子は再び気のない返事を返した。
ふーん、と横目で梅子の様子を見ていた信郎が煎餅をバリッとかじると、「そうか」と言って体を起こし、
「分かったぞ」と梅子に向かって手にした煎餅の半分をブラブラと揺らしてみせる。
「俺が、光男と一緒に出掛けた女の子たちを見て可愛いって言ったから機嫌が悪いのか」
突然聞こえた信郎の言葉に、梅子はこれ以上ないというくらい眉を八の字に寄せて、口を尖らせた。
「違うわよ、バカっ!」
495外 2:2013/10/28(月) 07:13:57.29 ID:zo5+d6uL
引っかかるものなど何も無く、時間がサラサラと無為に流れ落ちていく。下の階から、時計の音が空しく鳴った。
つまらない。梅子はテーブルの上に置かれた菓子器から煎餅を一枚とってバリッとかじった。
信郎は相変わらず雑誌の記事に目を落としている。
しかし、雑誌をギリギリまで自分に引き寄せていて、梅子の方からは中身が全く見えない。
「何を読んでいるの?」そう問いかけようとした時、信郎が読んでいた雑誌をバサッと閉じて口を開いた。
「ちょっと出かけるか」
「え……?」
それが自分へ向けられた言葉だと理解できるまで数秒間キョトンとした後、梅子は嬉しそうに顔をほころばせて頷いた。

「えらくご機嫌じゃねぇか」
「ふふふ、そう?」
ちょっとそこまでと信郎が言ったのでとっておきの余所行きではないが、お気に入りの赤いカーデガンに今年初めて袖を通し、
ハンドバッグを持って口には珍しく紅をさしている梅子の足取りは、明らかに軽やかだった。
「こんな風に出かけるの、本当に久しぶり」
梅子はニコニコしながら信郎の横へピタリとくっつき、信郎もまんざらではない表情で、二人は初々しささえ漂わせて歩いた。
気が付くと駅までたどり着き、ちょっとそこまでと言っていたはずの信郎が何故か電車の切符を購入している。
「どこまで行くの?」
梅子が尋ねると、信郎は「まぁまぁ、いいじゃねぇか」と言葉を濁す。
何かおかしいなとは思いつつ、せっかくの遠出だからとあまり深くは考えずに、梅子は信郎と一緒に電車へ乗り込んだ。

信郎に促されて降り立ったのは、川崎駅だった。
信郎がたまにお肉を買いに行く場所とか、安岡製作所の取引先がある場所として知ってはいるが、梅子にとっては初めての場所だった。
駅前が賑やかなのは蒲田と同じだけれど、何だか匂いが違う。梅子には、そんな気がした。
道行く男性たちは皆、梅子の全身をジロジロと眺め、隣にいる信郎と目を合わせると、フイと視線を外す。
梅子は信郎の傍を離れてはいけない気がして、スタスタと先を進む信郎の上着の袖を掴み、なるべく地面を見つめながら歩いた。
「ねえ、ノブ……」
いよいよ不安になった梅子が見上げると、信郎はキョロキョロと何かを探しているようで、梅子の問いかけにも気づかない様子だった。
「ねえったら……」
そう言って信郎の腕をつかんだ途端、信郎の歩く速度が上がり、そのまま引っ張られるようにして、ある建物の敷地内へと入っていく。
ブロック塀には何か看板が掛けられていたようだが、とても店には見えない。そこは、うらぶれた旅館のような佇まいだった。
大きな型板ガラスがはめ込まれた引き戸を信郎が慎重に開くと、広めのたたきの奥に薄暗い廊下が続き、その薄暗闇の中からひっそりと
仲居のような恰好をした初老の女性が現れた。
女性が小さな声で「ご休憩ですか」と尋ね、信郎が緊張した声で「はい」と答える。
梅子は訳が分からないまま、信郎とともに建物の中へと通された。
496外 3:2013/10/28(月) 07:14:26.10 ID:zo5+d6uL
「では、ごゆっくり」
梅子たちを部屋へ案内してくれた女性がお茶の道具を用意して去っていくと、信郎はその場にドカリと腰を下ろして、大きく息をついた。
明かりはついているもののやはり薄暗く、湿気てかび臭い部屋で、次の間には布団まで敷いてある。いったい、ここは何なのか。
バッグを持ったまま立ち尽くしていた梅子は、一人で安心したような顔をしている信郎の隣へ膝をつくと、腕を揺すって問いかけた。
「ちょっと、ノブ。何なの、ここは」
「あー。……こういう所だ」
「もうっ。ちゃんと言ってくれなきゃ、分からない」
大きく頬を膨らませる梅子の顔を覗き見た信郎は、自分の頬をさすりながら、面倒臭そうな視線を梅子へ向けた。
「分かった。ここがどういう所だか教えてやる」
「なっ……、何よ……?」
正座をする梅子へ向かい、信郎が胡坐をかいたままジリジリと距離を縮めてくる。
更に、梅子は信郎の長い腕で体を巻き取られ、体と体が押し潰されそうなほど密着しさせられた。
信郎の顔が、どんどんと近づいてくる。さっきの面倒臭そうな顔とは違い、何だか妙に切迫している。
「え……?」
唇と唇が触れあった瞬間、女性があの時に上げる独特な声が、他所の部屋から漏れ聞こえてきた。
流石の梅子にも、ここがどういう場所なのか理解ができて、掌に汗が滲む。
でも、どうしてこんな……。ただ、天気のいい休日に外へ出掛けたかっただけなのに。
自分の心臓の音が、やけにうるさく聞こえる。閉じた瞼の裏が、やたらと赤く見えた。
「痛えっ!」信郎は弾かれたように梅子から顔を離すと、咄嗟に自分の口を手で覆った。
「痛ってーな! 何すんだよ!」
「バカっ!」
驚いている信郎の体を両手で押し戻し、梅子は膨れ面でベーッと舌を出す。
「何するんだは、こっちのセリフよ! こんな昼間から、こんな所で……、こんな……」
「仕方ねぇだろ」
真っ赤な顔で抗議する梅子の手を取った信郎は、「こんなになっちまってるんだからよ」と言って自分の股間に押し当てる。
「きゃっ」
梅子は慌てて手を引っ込め、「知らないっ!」と言ってぷいと信郎に背を向けた。

「知らない。勝手にすれば」
どうすればいいんだという信郎の問いへ、梅子は背中を向けたままぶっきら棒に答えた。
「ああ、そうかよ」
面白くなさそうな信郎の声が、背中越しに聞こえる。
帰るのか、ふて寝でもするのか。背後にいる信郎の行動を感じ取ろうと、いからせていた梅子の両肩が、ビクリと持ち上がった。
「ちょ……っと、ノブっ!」
497外 4:2013/10/28(月) 07:14:55.35 ID:zo5+d6uL
ふり返ろうとしても、身動きが取れない。後ろから信郎にぐるりと抱きかかえられてしまった上に、頭へ鼻先を押し付けられている。
「何……してるのよ……っ」
徐々にずれてきた信郎の鼻先から、梅子の耳元に熱い息がかかり、口から出た文句は甘く途切れてしまった。
「勝手にしてるんだよ」
勝ち誇ったような信郎の声を、耳の穴のすぐ横で聞く。梅子の心臓は大きく鳴り、全身の血管に血が巡って体が火照る。
どうにかその手から逃れようと、梅子が体をよじればよじる程、信郎の腕に力が入った。
信郎の腕をどかそうとしても、その固い前腕筋はビクともせず、かえって力の差を思い知らされてしまう。
信郎は左腕の力を緩めぬまま、右腕をソロソロと動かして、衣服の上から梅子のふくらみを撫でた。
左のふくらみを全体的にクルクルとなぞり、中心部へ向かって収束していく。達した中心部は、指先だけでくすぐられた。
プックリと大きくなってしまった突起が、衣服の下から主張をし始め、信郎の指先に見つかって摘ままれる。
衣服と擦れる感覚も相まって、その先端に鋭い刺激が襲うのを、梅子は息をつめて堪えていた。
信郎が梅子のカーデガンを脱がしていく。梅子は、動かない。
それ以外の物全ての時間が止まってしまったような空間で、信郎の指だけが動き、梅子のブラウスのボタンを外していった。
上から4つ目のボタンが外れると、信郎の手が露出した梅子の柔肌へと這わされた。
右手は左胸、左手は右胸へスルリとブラジャーの中へ滑り込んで、一分の狂いもなく人差し指と中指の股へ突起を挟み込み、
大きな掌で乳房を覆うようにして掴むと、緩急をつけて揉みしだく。
敏感な突起を指の股で圧迫されて、梅子の口から「ああ」と熱い吐息が漏れた。
それでも動かないでジッとしている梅子を追い立てるように、信郎は梅子の突起を挟んだまま指を交互に動かしたり、
人差し指の腹でクルクルと撫でたりしてくる。
小鳥のくちばしの様にした左手で突起が啄まれ、更に身を固くする梅子の腹部を、次なる場所へと向かう信郎の右腕が伝っていった。
「は……っ」与えられる快楽を期待したように、梅子が苦しそうに息をつく。
梅子の膝へとたどり着いた信郎の手が、梅子のスカートの裾から中へ潜り込んだ。
徐々にスカートが捲られていき、その白い太ももが露わになっていくのに、もはや梅子に抵抗する様子はなかった。
すっかり現れてしまった太ももの上を、信郎の長い指が軽くなぞり、核心的な部分へと迫ってくる。
ピタリと背後についた信郎の息遣いから、興奮しているのが分かる。そう感じる梅子もまた、興奮していた。
信郎が下着の所まで到達すると、呼応するように梅子の太ももが自然と開かれ、信郎の指が梅子の形に合わせて上下に動かされる。
「だめ……」
自制が利かなくなってきたことを自覚して、梅子は自分の下半身へ伸ばされた信郎の腕へ手をかける。
「どうして」下着の上から梅子の溝をなぞっていた信郎の指が、隙間から中へと侵入した。柔らかな茂みをぬけて、秘部へ到達する。
「梅子だって、こんなになっちまってるじゃねぇか」
信郎はその指の長さを十分に使って、梅子の亀裂を大きく擦りあげると、梅子の隙間からサラリとした露が溢れてきた。
いくら梅子が声を殺していても、信郎の指が動くたびに溢れる水音が響き、感じている事実を物語ってしまう。
「もう……、だめ……」
梅子は全身から力が抜けるのに任せ、とうとう信郎に体を預けた。
498外 5:2013/10/28(月) 07:15:22.49 ID:zo5+d6uL
静かに布団の上に横たえられて、信郎が覆いかぶさってくる。怖いくらい真剣な顔をするので、梅子は黙って瞼を閉じた。
自分の唇で梅子の唇を割った信郎は、中で戸惑っていた梅子の舌をサッと絡め取る。
「んっ……」
絡めあう舌と舌の上で唾液が混じりあい、梅子の喉がゴクリと鳴った。行き場を求める梅子の手が、信郎のシャツをグシャリと掴む。
頭の中が痺れるような口づけに、梅子も酔い始めている。思えば、キス自体も久し振りだった
里帰り中の松子が隣の部屋を使っているので、夜の営みのないことが普通のようになってしまっていた。
もしかすると、信郎にはずいぶん我慢をさせてしまっていたのだろうか。
唇が離れていく。梅子が薄らと目を開けると、腕を立てた信郎が、側面の壁に向かってもう片方の腕を伸ばしていた。
「なる程。これが仕掛けか」
「ノブ……?」
梅子が様子をうかがうと、ニヤッと笑った信郎は、梅子のスカートと下着を一気に脱がせ、四つん這いになるように促した。
促されるまま壁に向かった梅子は、思わずドキリとする。
不自然な場所にある窓だと思っていたものの、障子を開くと、その内側には鏡が張られていたのだ。
鏡に、髪を乱した自分の姿が映る。中途半端に脱がされたブラウス、ずらされたブラジャーからはみ出した乳房。
だらしなく紅の滲んだ梅子の口から、湿った吐息が漏れる。
鏡の中の信郎は自ら服を脱ぎ捨て、再び男臭い顔に戻っていて、梅子の背に覆いかぶさると、その白い首筋に吸い付いてくるのが見えた。
「あ…」信郎の侵入を、器官が直接感じ取った。自分の見えない場所で、信郎の硬く逞しい物が体の中へ押し入ってくる。
信郎の腕が、後ろから梅子の腹部へと回された。信郎の指が肌の上を軽く滑るだけで、梅子の肌に粟が走り、腹部がキュッと緊張する。
信郎は梅子の腹へ自由な曲線を描いていた手を下へ移動させ、探り当てた秘粒を指の腹でゾロリと撫で上げた。
「ああっ……っ!」
始めて上げる、抑制のない声が自分の耳にも響き、梅子はハッとして目を開ける。
「どうした。もっと声出せよ」
鏡越しに、自分を背後から犯す信郎の視線が、いやらしく絡みつく。
同時に、欲を貪る自分の顔も目に入り、たまらず再び目を閉じた。
「駄目……っ。やめ……、ノっ……あぁっ!」
深く、奥の底まで。信郎は尖った先端で梅子の中を突き刺しながら、長い指を使ってゆっくりと、プクリと膨れた梅子の粒を擦ってゆく。
「声、出せ。梅子……っ」
梅子の吐息には、悲鳴に近い愛嬌が混じりだした。
「やっ……、ああーっ!あっ……やめ……てっ……!」
信郎が律動を止め、後ろから梅子の耳に鼻を擦りつける。熱い息が、耳にかかる。
「やめていいのか?」信郎が梅子の耳元で囁いた。信郎の声はとても意地悪で、鏡に映るその顔は甘く微笑んでいた。
自分の中を押し広げたまま、信郎は動かない。胸の奥がざわついて、妙な寂しさに襲われる。梅子は目を閉じ、掠れた声で懇願した。
「……やめないで……」
信郎は両手で梅子の臀部を掴むと、ひくつく梅子の内部目がけて激しく腰を打ち付け始めた。
499外 6:2013/10/28(月) 07:16:00.66 ID:zo5+d6uL
「あっっ……、ヘン!……ヘンに…なっちゃう……!」
猫のように背を反らせて高く突き出した梅子の腰を方手で抱えると、信郎はもう一方の手を再び梅子との結合部へ回す。
二本の指で淫唇を左右に広げ、曝け出された淫核を真ん中の指で捏ね回しながら、腰の速度を速めて一気に梅子を昇り詰めさせる。
「あああーっ、あーーーっ!!」
梅子の口からは、とめどなく昂った悲鳴が上がっていた。
「梅子っ! いくぞ!」
興奮しきった声で信郎が宣言すると、潮時を感じた梅子の中が大きくうねりだす。
「ああっ、ノブっ! ノブ……、きて…っ!」
信郎は梅子の細い腰を思い切り引き寄せながら、最後に一発、腰をドスンと打ち込んだ。
その瞬間、どこの部屋の誰よりも大きな声を出して梅子が果てると、ようやく満足した信郎は自身の欲望を梅子の体内へと迸らせた。

精を吐き出し切った陰茎を梅子の中から抜き出し、信郎が自分の後始末を始めてもなお、梅子はうつ伏せになったまま動かないでいた。
「……何で、こんな所を知ってるのよ」
枕へ顔を押し当てたままの梅子が問いかけ、「雑誌で見たんだよ」と下着を履きながら信郎が答えた。
なるほど、と梅子は思った。家で熱心に読んでいたのは、こういう記事だったのか。
「何だよ。まだ怒ってるのか」
呆れたように信郎が言うと、梅子が何やら小さい声で返事をして、「えっ」と信郎が聞き返す。
「もうっ。動けないのっ」
顔も向けずに梅子が突然大きな声を出し、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった信郎は、梅子の腹が鳴る音を聞いてプッと噴き出した。
「そう言えば、昼飯まだ食ってなかったもんな」
下着だけを身に着けた信郎が梅子の始末を始めながら、様子を窺うようにして、「何か食っていくか」と話しかけた。
梅子は「ふん」と鼻から息を出し、信郎とは逆の方へ顔を向ける。
「梅子。顔、鏡で見えてるぞ」
信郎がそう言っておかしそうに笑う。鏡の中に、自分の後ろで笑う信郎がいて、うっかり目が合ってしまった。
頬を赤らめた梅子がゴロリと信郎の方へ体を転がし、信郎の足を手で軽く小突いた。
「もうっ、プリンアラモード」
「え?」
「プリンアラモード。ご飯の後に、食べさせて」
梅子が偉そうに言い、信郎が目を細める。梅子も目を細めると、引き合った二人の唇が軽く触れあう。
「たまには外もいいわね」「たまには外もいいな」
同時に声を発した二人は「何よ」「何だよ」と言い合いながら、固く抱き合うと、深い口づけを交わした。


――終――
500名無しさん@ピンキー:2013/10/29(火) 03:34:50.69 ID:dvr+fnEv
投下の途中で新スレに移行するくらいかと思っておりました。
以外に容量を喰わなくて、内心焦っています。
スレ立てのタイミング、早すぎましたね。
本当にすみません。勉強して出直します。
501名無しさん@ピンキー:2013/10/30(水) 00:37:34.02 ID:0KB675FQ
donmai
502名無しさん@ピンキー:2013/11/03(日) 02:56:40.62 ID:I7P8HFj8
>>500
新スレありがとう!

広梅はガッツリ陵辱だったね…読み応えあったよ
ラストのほろ苦がやはりいい
すれ違う心の着地点をぜひ見届けさせてください

ノブ梅は「あー、これこれ」感がたまらなかった

明暗分かれてる梅子どちらも読めて嬉しいような混乱するような、やっぱり嬉しいですw
503名無しさん@ピンキー:2013/11/04(月) 03:30:57.77 ID:SYs6yZLG
500です。感想有り難うございます!

広梅の方は、次くらいには何とか上手いこと纏めたいと思っております。
ノブ梅は、超亀ですが、271さんのレスから妄想を広げさせてもらいました。

さてさて、スレ埋めに一本書いてみたのを投下します。
インターン時代の話で、梅子への妄想シリーズ・篠田編です。篠田目線で、AVっぽい内容になっています。
因みに篠田とは、建造が担当していた気管支炎の患者で、自分は死ぬと思い込んでいたおじさんです。
504元気になった証拠 1:2013/11/04(月) 03:31:54.49 ID:SYs6yZLG
「篠田さん……。これは、かなり熱を持っていますね」
深夜の病室で、卓上ライトの明かりに浮かび上がる下村先生が、困った顔をしてため息をついた。
「今晩は、担当の看護婦がいないんです」
「そんな。頼むよ、先生。こんなになってたら、眠れないよ。ねっ」
俺は病床の上に横たわったまま、顔だけ少し起こして、両手を合わせてお願いをした。
「……しかたない。私が処置します」
一段と深いため息をついた先生は、つき終ると、いつものように柔らかく微笑んでそう応えてくれた。
後光が輝いて見える。俺の顔も、パッと明るくなった。
「本当!? 済まないなぁ」

「それでは、始めます」
「よろしくお願いします」
下村先生が仰々しく言うので、こっちも思わず畏まって応える。
先生のちっちゃい手が、俺の浴衣の裾を恐る恐る開いていく。
覚束ない手つきで、なかなか上手にパンツを下げられないでいる。まったく、何をやらせても可愛い先生だ。
ようやくパンツを下げ終えると、いよいよ先生の手が俺の一物を握る。ひんやりしていて、バカに心地よい。
おっかなびっくり手を動かし始めたので、わざと力んで一物を動かすと、先生は「あ」と小さな声を出して驚いた。
これは、男慣れしていない。想像通りだ。
「なかなかいいよ、先生」
「そ……そうですか?」
俺がちょっと褒めてやると、はにかんで頬を赤らめた。
「本当、本当、筋がいい」
「でも、担当の看護婦ではないので、その……特別な技とかは、ないんですけど……」
「ああ、あの、おっぱいで挟み込むやつ?」
そう尋ねると、先生は顔を真っ赤にして俯いた。先生の中に、劣等感が垣間見える。
まあ、こうやって見ても、確かに大きくは見えない。
「ちょっとさ、おっぱい出してみてよ」
「ええーっ」
興味本位でお願いしてみると、先生は本気で困った時に見せる、思い切りまゆ毛を八の字にした顔になった。
それでも渋々と胸元を肌蹴てくれる。いやはや、何とも親切な先生だ。有り難い。
初めて対面した先生のおっぱいは、確かに小さかった。ツルツルペタンと言うほどではないが、これでは男の物を挟む事など出来ないだろう。
「色が白くて、つるっとしてる。乳首も慎ましやかで、色もいい。先生、こりゃあ、品のあるおっぱいだ」
俺がお世辞を言うと、先生はホッとしたように微笑んだ。
505元気になった証拠 2:2013/11/04(月) 03:33:41.03 ID:SYs6yZLG
「ちょっと、ここさ、それで擦ってみてくれない」
人差し指で、先生の胸の先に小っちゃくついている桜色のポッチを指さした。
担当看護婦が持つ技を持たない先生は、「ええ」と言いながらも、それを承諾してくれた。
小豆の粒程度の小さいポッチが、亀頭の上に擦りつけられる。
豊満な女の胸で挟まれるのとは全く違うものだが、これはこれでいける。
「気持ちいい。気持ちいいよ、先生」
俺の反応が良かった事で気を良くしたらしく、先生は一生懸命に小さな粒を擦りつけてきた。
「なあ、ちょっと触ってもいいかな」
了解も取らないうちに、亀頭の上で固くなってきた小粒を、ちょんと指でつついた。
「あっ……」と可愛らしい声を漏らしたので、調子に乗って摘まんでやると、その手をピシャリと叩かれた。
「もうっ。駄目ですよ、篠田さん」
拗ねたように頬を膨らませる先生も、実に可愛い。
「そうだな。悪かったよ。じゃあ、普通にやってもらおうか」
俺はニヤケた顔をはばかる事も無く言ってやった。先生は、また困った顔になったが、意を決したように頷いた。

「いやぁ、極楽だなぁ」
下村先生の上品そうな口へ、俺の赤黒い一物が出入りしているのを、立てた枕で上体を斜めにして眺めている。
小鳥のように可愛らしい舌で、チロッ、チロッと竿を舐められると、何だかくすぐったくて仕方ないが、それもまた楽しだ。
先生の口は入り口も小さければ中も狭いようで、思い切り頬張っても肥大した俺の亀頭をようやく含むくらいだったが、
懸命に頭を上げ下げする先生を見ていると気分的には満足だった。
ただ、そうは思いつつも、先生の女を試したくて仕方がない。下の口も、きっと小さいだろうな。なんて事を、ずっと考えていた。
「それにしても、篠田さんのここ、大きいですね」
先生が、なかなかいかない俺に疲れたようで、口を外して呆れたように言う。
先生の手の中にある俺の物は、今や鋼の様にガチガチに固まって、幾筋もの血管を立たせ、雄々しく反り返っていた。
「そうだろう。田舎じゃ、オロチの篠田って言われて、ちょっとは名が知れてたんだ」
下村先生の視線が俺の一物へ、熱っぽく絡みつく。俺は、賭けに出る事にした。
「大きさもそうだけど、自慢はこの反りなんだよ。大概の女は、こいつで腰を抜かすほどによがり狂うんだ。……どうだい、先生?」
俺の目を見る下村先生の視線が、トロンとしている。こいつは、分がいい賭けだ。生来の博打好きな血が騒いだ。
「俺のこいつ、試してみないか?」
担当の看護婦なら、まず間違いなく軽くあしらわれる所だ。だが、勝てる勝負と見込んだ俺の勢いは止まらない。
黙って考え込んでいる下村先生へ熱い視線を送り続けていたら、思った通り首を小さく縦に振った。
506元気になった証拠 3:2013/11/04(月) 03:34:40.87 ID:SYs6yZLG
ベッドに上がった下村先生は、下着だけ外した状態で俺の上へまたがった。
その恰好が、ライトに照らされ、隣との仕切りになっている白いカーテンに映し出される。こいつは、特等の影絵ショーだ。
隣の奴は鼾をかいているが、その隣やそのまた隣は分からない。どうだ、羨ましいだろう。優越感が、俺の一物を更に大きく膨らませる。
先生は眉間にしわを寄せて、そんな俺の一物を握り、その目標に向かって慎重に腰を下ろしていく。
先生の緊張している様子につい悪戯心を起こし、ベッドへくっつけていた尻を持ち上げて腰を浮かす。すると、先生の手がスルリと滑った。
中に、入った。亀頭の先へ久し振りに受けた女の感触に、俺も俺の息子も打ち震える。
先生は、短い息をはっはっと吐きながら、ノロノロと腰を進めていく。
「でも、意外だったな。先生、こういう事を経験済みだったんだ」
俺は両腕を頭の後ろで組んで、懸命に俺を受け入れようとしてくれている下村先生を、下から眺めた。
「ああっ……、は…っあはい……。研修で……一度……」
俺が投げた質問に、先生は苦しそうに答えた。この先生は、本当に素直で、いつも一生懸命だ。
またこの、一切の余裕が無いって感じが、そそられる。
「はあ、研修で。医者っていうのは、色々勉強するんだな」
しかし、一度しか貫通していない先生のここは、針の穴の様にきつい。おまけにほぼ処女同然だから、固い事この上ない。
こんな女を抱くのは何年振りだろう。熟した女もいいが、こう言うのも悪くない。青い果実、ってやつか。
俺はその果実の奥の奥まで味わってやろうと、今にも折れそうな細腰を両手で支えて、そっと先生の進む手助けをした。

随分と時間をかけて、先生が体の中にどうにか俺の8割くらいを収めた。
その後上下運動を始めたんだが、ギッタンバッコンとベッドが軋んでしょうがない。
「先生。このままじゃ煩くて隣の人の迷惑になる。立ってやらないか?」
先生はもう物を考える余裕も無いらしく、俺に言われるままに「はい」と返事をした。
「先生、付き合ってる男はいるの?」
挿入したままで移動する滑稽さを気づかせないよう、俺は話をしながら下村先生を誘導した。
「あっ……っ。まだ……いな…い……です」
「へえ。てっきり松岡とか言う先生か、山倉とか言う先生と付き合ってるんだと思ってたよ。あんたたち、仲良いだろ。
特にあの松岡って先生こそ、立派な物を持ってそうだからな」
「わ……分かるん…ですか……?」
「分かるとも。同じ男同士だ。あれは巨根に間違いない。だからさ、今からこうやって色々試しておかないと、
いざ付き合ったからと言って、いきなりやったら先生壊れちまうよ」
そんな会話をしながら、先生の体を支えてやって、二人してベッドから降りた。
さて、どういう格好でしてやろうか。
女を後ろから突きまくるのもいいが、俺の自慢は何といっても日本刀のようなこの反りだ。やはりここは、正面からいこう。
俺と繋がったままの下村先生を窓際に立たせると、尻っぱしょりをしてグンと中を突き上げた。
507元気になった証拠 4:2013/11/04(月) 03:35:34.08 ID:SYs6yZLG
ここぞとばかり、腰を我武者羅に打ち付けないのが大人の男の余裕ってもんだ。
俺は先生を高く突き刺したまま、先生のはだけていた胸元を更に大きく広げると、両方の掌で桃色の小さい乳首を愛撫してやる。
後ろへ伸ばした両手を窓の桟について体を支えている先生は、唇を噛み締めて声を押し殺していた。
俺の中でちょっと意地悪してやろうという気が起きて、腰をかがめ、先生の片方の乳首を口に含んだ。
「はぁっ……!」
先生の口から、熱い吐息が漏れる。流石の研修とやらも、ここまではやらないだろう。
俺は構わずに、口を尖らせて小さな乳首をチュウチュウと吸い上げたり、舌を大胆に動かしてレロレロと舐めてやったりした。
「ああっ、はぁ……っ……」
先生の股から、堰を切ったように愛液が溢れ出てきた。
頃合いだと思った俺は、先生の腰を掴み、膝も使って、大きく何度も突き上げる。
俺の先っぽを、先生の奥にぶち当てる。腰を掴んでギリギリまで引き抜いてから、何度も何度も、奥までぶち当ててやった。
「ああーっ、あんっっ……はぁ……んっ」
「どうだい、先生」
「凄い……です……。篠田さんのあそこが、お腹…の……気持ちいい…所に…あっ……いいっ!」
頬を紅潮させた先生は、うわ言のようにそう呟く。
女が満足していると俄然張り切ってしまうのが、男の性だ。
俺は額に噴きだした汗を拭いもせずに、一心不乱になって腰を動かし続けた。
「あ。……あぁ…篠田……さん……」
見ると、固く閉じられていた先生の目の端から、きれいな涙の粒がポロンと零れた。
「どうしたんだ、先生。辛いのか?」
俺が聞くと、先生は首を横に振った。
「元気に……なられ…て、本当に……よかった……」
俺の頭の中が、白く破裂した。
なんて可愛いんだ。先生!下村先生っ!
「俺が元気になった証拠だ!先生、受け取ってくれ!!」
壊れた機械のようになって、俺は腰を動かした。物凄い勢いで、動かしまくった。
「ああ……あーーっ…そんな……篠田さんっ!……篠田さ……んっ!」
先生が俺の名前を呼ぶ。先生の下の口からは、ジュブジュブと絶え間なく男を出し入れする音が聞こえてくる。
「あっ、先生……!もうっ……もう…出そうだ……っ」
いつの間にか、俺も目を閉じていた。目の前が真っ白だ。先生の喘ぎ声と、自分の心臓の音だけが聞こえていた。
「あぁっ……、避妊具!忘れてた……!篠田さん、ちょっと待って……!駄目です!待って!あ…あっ……ンん……」
「駄目っ!待てない!!ああ、もう出る!!ああっ。あっ……ああ……」
508元気になった証拠 5:2013/11/04(月) 03:37:10.01 ID:SYs6yZLG
ここの所、下村先生にお世話になりっぱなしだよなぁ。
誰もいない外来の待合で、タバコの火をくゆらせながら、思わず苦笑いがこぼれる。
気持ちのいい自慰で果てた後の一服が、肺の中へ重く落ち込んで、深く沁みる。
真っ白いケムリをフーッと吐き出したところで、突然後ろから声を掛けられた。
「あっ、篠田さん。またこんな所で、タバコなんか……」
それは、ついさっきまで自慰のネタにしていた下村先生の声だった。
「ああ……あ…先生。こりゃ……どうも……」
ようやく落ち着いてきた心臓が、また再び早鐘を打ち始める。
「駄目ですよ。夜はきちんと寝ないと、治るものもなかなか治りませんよ」
そう言いながら、先生は空いているベンチに腰掛けて、俺と向かい合った。
俺は、自分の挙動が怪しまれないか、右手に匂いがついたままじゃないか、なんて事を考えてマゴマゴしてしまう。
「篠田さん、本当にお元気になりましたね」
俺の顔をジーッと見ていた先生が、「ふふっ」と笑った。
こんな俺なんかの為に。そう思い、胸がジーンと熱くなる。
元気になって早く女房と子供の所には帰りたいが、命に係わる病気じゃないと知ると、退院するのが名残惜しい。
「下村先生と会えなくなるなんて、寂しいなぁ」
つい口が滑って、心に思っていた事を聞かれてしまった。
すると先生は、「もうっ」と言ってから微笑んで、頬っぺたを膨らませてみせながら立ち上がった。
「バカな事言ってないで、もう寝て下さい。消灯時間、とっくに過ぎているんですから」
立ち去る下村先生の後姿を眺めて、ふとまた息子に元気が戻った事を感じる。
本当に、俺、元気になったな。
最後にもう一度、大きく煙を吸い込んで、俺は灰皿で煙草を揉み消した。


――終――
509名無しさん@ピンキー:2013/11/06(水) 00:37:56.46 ID:ZRlZDqPB
普通の陵辱モノより陵辱感を感じるのは何故なんだろう…
ひたすら上手いなぁ…と感心して読んでるんだけど
過去の流れからこのヘビー路線に他の人がどれだけついてきてるかちょっと心配になってきた
503さんは今筆が乗ってる感じだしこのままいって欲しくもあるんだけど…
新スレでもう少し他の人の意見を聞けるといいなぁ〜
510名無しさん@ピンキー:2013/11/11(月) 02:54:46.50 ID:jrg4fd+I
度々済みません503です。
気付くの遅くなってしまいましたが、感想有り難うございました。
凌辱感を感じられるのは、いつも落とさせて頂くノブ梅の幸せ感とのギャップが
あり過ぎるせいですかね。
堕天も、次くらいには本当に完結させようと思っておりますので、
何卒ご容赦を。しばらくしてからポツンと落としたいと思います。
そもそも、堕天・弐を落とし切ってスレ2が埋まると目論んでいたのに、
なかなか埋まらず焦る日々。

スレ埋めに……と思っていたものが、
梅子への妄想シリーズ・重岡助教授編で、更にAVっぽいというか
ハードかも知れない感じでした。危ない所だった…w
いま慌てて別なやつを考え中です。もうしばらくお待ちください。
と言うか、本当になかなか埋められない……。
511名無しさん@ピンキー:2013/11/15(金) 22:46:37.23 ID:r4jyWfDX
職人さん、乙です
続けてくれてたんですね最近気付いた
自分も素人文章丸出しエロ書いてたんだけど、また書いてみようかな?
でも文章力が追いつかないという
いや〜職人さん凄いっす
512名無しさん@ピンキー:2013/11/18(月) 02:47:45.22 ID:C8ojs0cT
しつこくて済みませんが503です。
感想をどうも有り難うございました。そして……
511さん!ぜひ書いてください!
他の職人さんのお話も、ずーっと読みたいと思っておりました。
本当に楽しみにしているので、ぜひぜひよろしくお願いします!
513名無しさん@ピンキー
>>512
ちょっと頭整理して作品観返して(時間ないけど)頑張ってみます