女の子が露出する/させられる小説 その7

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538名無しさん@ピンキー:2013/12/22(日) 10:32:12.28 ID:gS6bDtRg
野球拳道部の女子主将、塗木間来瑠子は悩んでいた。
先輩が引退して、部員が団体戦エントリーに必要な
5人未満になってしまったからだ。
いやぶっちゃけ女子は主将の来瑠子ひとりぼっちだった…
なんとか、新入部員を、学年を問わず入部させなければ。
そうだ。学園祭でイベントをひらけば…

 とか?

ユースト配信とニコ生配信で、アイドルになれる!とか?
539名無しさん@ピンキー:2013/12/22(日) 10:55:39.09 ID:BQMTJ8Rd
「おんせん部!」かよw
540名無しさん@ピンキー:2013/12/22(日) 19:27:19.87 ID:vMSZlNKW
冬の風物詩、全国女子野球拳道高校選手権大会が、
京都市東山区の清水寺の舞台で行われました…



 ちょっと寒すぎるか。


今年も、日本全国から女子高生が集まって競う
野球拳の最高峰、九段下から見上げる北の丸公園の
大きな玉ねぎの下、女子高生ならだれもが憧れる
日本武道館で女子野球拳道高校選手権が行われます。

 …ペンフレンドにチケット送っても振られそうだな。


 やっぱさいたまアリーナかな。
 それとも北富士演習場。
541名無しさん@ピンキー:2013/12/22(日) 20:55:01.54 ID:DH04iwTm
前回のあらすじ
弟が不良女に虐められていることをしったヒロインはイジメは止めるように頼んだ。
不良女はイジメではやめる代わりにとんでもない条件を言い出す。
それは女なら誰もが嫌がるあの女子野球拳道高校選手権にヒロインが出場することだった


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その言葉を聞いたヒロインは無意識のうちに手で胸を隠し、不良女を睨みつけた。
「そ、そんなことしてアンタになんの得があるのよ」

顔を真っ赤にし怒るヒロインの顔を見ながら不良女は、
「そんなこと決まっているじゃない。あの大会の学校代表メンバーはいつも候補者不足で困っているし、
もし私が候補者を探してくれば学校へのポイントが稼げるというものよ。
出席日数も足りなかったし丁度いいわ」
と、涼しい顔で言う。

「あんたはいいだろうけど、私はどうなるのよ」
「もちろん貴方にもメリットは有るわよ。弟のイジメは無くなる。
もし代表チームが勝てば学校の知名度も上がり教師たちも喜ぶ。誰も損はしないわ」

「勝てばいいなんてそんな簡単に言わないで。負けたら裸なのよ……」
あの大会はヒロインも見たことがある。
負けた女子生徒が羞恥にまみれながら裸になるシーンも何度と無く見てきた。
一瞬自分が大量の観客とカメラの前で肌を晒すシーンを思い浮かべて
ヒロインは寒気を感じた

「お姉ちゃん、助けて」
か細い声で助けを求める弟
その姿を見たヒロインは1つ深呼吸をし言った。
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うん、自分が書いても原案木っ端微塵にしかならないですね。
この先の話は弟と不良はグルで姉をハメたとか言う例によって胸糞悪い展開しか思いつきません
だめだめー
542名無しさん@ピンキー:2013/12/23(月) 07:39:09.73 ID:lYCVT02f
姉が露出の悦びに目ざめたらhappy end。
543名無しさん@ピンキー:2013/12/23(月) 16:45:37.75 ID:u7jqcYAt
前回の話はどこ〜
冗談はともかく、それだと他の女の子たちは大会にいかないよな
家族のためにヒロインが犠牲になる流れはわかりやすいけどさ
544名無しさん@ピンキー:2013/12/24(火) 12:51:59.22 ID:UKxOu6JD
正義感もいいけどここはカンジのごとく金のために行く
たまには腐った性格の主人公もまた一興
545名無しさん@ピンキー:2013/12/24(火) 23:25:14.79 ID:2pZtbQU5
公式野球拳大会とか、ありえない設定なんだし
だったらトコトンありえない路線で突っ走った方が、逆に清々しくて良いような気がする

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 『徳川の世継ぎが決まる』

 それは日本のみならず全世界を驚愕させるに足る一報だった。
 古より日本最大の財閥として栄え、先の世界大戦でも大型人型兵器『マシン兵器』を発表と同時に
量産して戦線に投入。圧倒的性能で西欧諸国をアジア圏から退け大東亜圏の礎とし、同時に国際連盟の
新常任理事国に日本政府を加えさせた立役者。
 そして現在では世界屈指の財力を誇る『徳川コンツェルン』の名を知らぬ者はいない。

 その徳川家の世継ぎが、子息達の中から選ばれ決定された。
 まだ代を継ぐのは先だとは言え、様々な者が各々の思惑と共に動き始めている。敵に回した際の
為に、懐柔して味方にする為に、密かに尻馬に乗るために、皆が一斉に世継ぎの少年の全てを知ろうと
躍起になって諜報という名の触手を伸ばす。

 そして、そんな大人達の業深い企みとは本来無縁だった筈の少女達にも動き出す時が訪れた。
546名無しさん@ピンキー:2013/12/24(火) 23:27:13.26 ID:2pZtbQU5
 「もちろん、出場するに決まっていますわ!」
 母親譲りの大きな胸を張りながら彼女、セリオ・明日菜・オクタヴィアスは周囲の級友達に高らかに
宣言して見せた。
 「ほ、ホントに?」
 「マジかよ!」
 「遅かれ早かれ出場を決めるとは思ってたけど……」
 「さすがは明日菜ちゃん、即決だね」


 『野球拳大会』

 
 どんな褒美でも望むままという徳川の世継ぎ決定を祝うイベントの一つというのが表向きの顔だが、
実際には世継ぎの君の伴侶を座を巡っての争奪戦と化している恒例行事である。
 この大会にエントリーし世継ぎの君に自分自身をアピールできると自負出来るほどに容姿が良く、
負けた場合に全裸姿を全世界に披露するリスクを背負えるほどの覚悟があり、数多のライバル達を退けて
勝利を掴めるだけの頭脳と才覚と臨機応変さを持ち合わせた者が望むのは世継ぎの君の正妻。
 やや打算的とは言え、家柄や財産や縁故と言った余計な要素を全て排除し、同じ少女同士が完全に対等な
立場で競い合い最高の玉の輿を得る機会。
 自信があるのなら、このシンデレラストーリーを逃す選択肢など存在しない。
 そして明日菜には彼女なりに十分な勝算がある。
 「明日菜ちゃん、無理しなくてもお姫様なんでしょ?」
 「前にも申しましたけど、王家からは遠い血筋で貴族とは名ばかりですのよ。だからこそ徳川と契りを
結び、再興を果たしたいのですわ」
 「でも勝てないと裸だよ? オールヌードだよ? ほんとに勝てるの?」
 「作戦とかあるの?」
 「負けた時とか恐くないの?」
 「出場する以上、当然ながら勝ちに行きますわよ。けれど、万が一途中で破れたとしても肌を見せる
ことなど恐くなど……いえ、むしろ望む所ですわ!」
 西欧人とのハーフだが、黙っていれば西欧人そのものという容姿を明日菜は持っている。サラサラと
流れるようなプラチナブロンドの髪と白い肌、そして深く澄んだ碧眼と日本人離れしたモデル顔負けの
体型。更に貴族らしい優雅な立ち振る舞いや教養も身につけた彼女は魅力の超新星だ。
 「たとえ勝負に敗れて正妻の地位を横取りされたとしても、それ以上の寵愛を受けることが出来れば
何の問題もありませんもの。いえ、それこそ私の足下にも及ばない女が優勝という名目で妻の座についた
所で所詮は『お飾り』止まり。私が愛人になった暁には陰で日向で小馬鹿にされ後ろ指を指され、孤独な
寝室で夜な夜な寝具を涙で濡らす日々しか待っていませんことよ」
 それ以前に負ける気も全くしませんけれどね、とウインクも忘れない明日菜が最初の参加者となった。
547名無しさん@ピンキー:2013/12/24(火) 23:29:15.53 ID:2pZtbQU5
 同じ頃、ショックの余り早退した瞳子はドン底まで沈みお気に入りのヌイグルミを涙で濡らしていた。
 「ひどい、ひどいよぉ〜!」
 初めて出会った小学校でで一目惚れ。そのまま一途に想い続けていたというのに、この仕打ちは余りに
酷すぎる。
 「私なんかじゃ絶対ダメだよぉ〜!」
 野球拳大会の決定から半日も経っていないというのに、早くも学校の駐車場に次々と高級車が現れて
事務所の前に長蛇の列が出来上がっているという噂は瞳子の耳にも届いている。
 つまり出場資格の一つである在校生となる為、正妻の座を狙う少女達と親が編入試験の手続きに殺到して
いるのだ。
 「しくしくしくしく……」
 ずっと一緒にいた(近すぎたせいで家族扱いされ女の子として見られていないような気がする)
 それだけで幸せだった(結果、ずっとこのままが良いと思っている、と思われてるらしい)
 下手に告白して関係を壊したくなかった(だから彼の誤解を解く努力を全く行っていない)
 「しくしくしくしく……」
 更に、野球拳大会で勝ち上がる自信もこれっぽっちもない。ましてや好きでもない人の前で肌を
晒すなんて絶対出来ない。負けて裸にさせられた上に肝心の彼に『軽い気持ちで参加して人前で服を脱ぐ
ような女の子』と軽蔑され、他の子がお嫁さんになるなんて絶望以外の何物でも無い。
 「しくしくしく、しくしくしくしく……」
 「って、いつまでも往生際悪くメソメソするだけなら自分の部屋でやりなさいよっ!」
 「だ、だってぇ〜!」
 リビングで落ち込んでいたら母に怒られた。
 「だってもさってもありません! どう考えても幼馴染みって立場に甘えて何もしなかった瞳子の自業
自得でしかないでしょう!?」
 「でもぉ〜!」
 「こうなったら綺麗すっぱり諦めるか、一か八かで大会に出るかの二択しか無いの! その調子で
ウジウジし続ける気だったら容赦なく家から追い出して寮に入って貰いますからね!」
 「そ、それだけはヤだよぉ〜!」
 小学校の頃からの習慣で毎日迎えに行って一緒に登校したり、自分で作ったお弁当のオカズを食べ
て貰ったり、どちらかの自室で一緒のテーブルで勉強したり出来なくなってしまう。
 「じゃあ覚悟を決めなさい! これが最初で最後のチャンスなんだからね!」
 そう言い切り、すっくと立ち上がった母はバッグを片手に玄関へと向かう。
 「え? ちょっと……お母さん、まさか……!?」
 「もう形振り構ってる余裕はないでしょ? どうしても無理だったらギブアップすれば上着一枚でも
済むんだし自分の気持ちと正面から向かい合ってみなさい」
 間違いない、保護者権限でエントリー手続きに向かう気だ。
 「でも、まだ心の準備が……お母さん待ってぇ〜!」
 思わず追い掛けようと腰を上げた瞳子。
 「あら瞳子、そんな情けない顔で外を歩くつもり? 百年の恋も冷めちゃうわよ?」
 「はぅっ!!」
 真っ赤に泣きはらした目で外に出ることなど出来ない。
 こうして瞳子は二番目の参加者となった。
548名無しさん@ピンキー:2013/12/24(火) 23:31:13.60 ID:2pZtbQU5
あとは実妹と、私怨の子とやらだっけ?
549名無しさん@ピンキー:2013/12/25(水) 20:53:01.46 ID:IJ7p4YhQ
確かに細かいことは気にしないでその世界の常識を上手く書ければ十分な感じはしますね。
そういう意味でも徳川の世継ぎはなかなか。突っ込んだら負け
550名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 00:14:43.67 ID:CbnMMSxK
徳川の世継はともかくその方法が野球拳なのは突っ込みどころしか無いと思うがw

まぁ個人の好みの問題なんだろうけど
551名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 00:22:11.21 ID:+d7ixMHS
創作テーマみたいなものが与えられたことでスレに活気がw
たまにはこういうのも良いね
スレに毎日新しい書き込みがあると楽しい
552名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 01:58:42.87 ID:zKj7dbwV
すみません。前に、横暴なリクエストをした者です。
あれから、すこしずつ書いてみたりしているんですが、一向に終わる気配がないので
どうしたものか、と悩んでいます。
妄想散文を、文章化してくれてたり、野球拳を考察してくれている方。ありがとうございます。
別に私の為ではないのは分かっているのですが、一応お礼申し上げます。

ところで、
自分で言って何なんですが、どうも書いててNTR物っぽくなるんですよね。
脱がされる対象が「好きな子」「幼馴染」「妹」で野球拳ですので、どうしても
そっち描写になってしまうんですよ。
もしかしたらスレ違いかな〜と思ってしまって……。
どうでしょう?アリ何でしょうか?
553名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 04:45:02.64 ID:THTbSA5n
露出ってのは、そういう傾向があるもんじゃないの?
554名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 10:33:43.30 ID:CbnMMSxK
見せる露出でかつ異性パートナー持ちならまぁ多少はそうなるわな
ただそれが「彼女の裸を他人に見られて興奮する彼氏」となってくると
NTR要素と言うか臭いが一気に強くなる。以前の凛子さんなんかこのタイプだったよね
ここまで来ると好みの差がはっきり出るんじゃないかな

ただまぁメインが露出であればここで問題ないでしょ
555名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 19:43:26.96 ID:xwLw5ZjB
>>494
> いつもならカットする余計なプロローグやクドイ描写も全て入れた、

そこがよかった
露出にいたるまでの過程を詳細に書き込んでくれると
登場人物の心情が深く想像できて興奮する
追い詰められていく状況や心の動き重視されているものがいいな

> 今回のヌードモデル指名の設定は結構気に入っているので、
> 続きなり別話なり、何か書ければまた投下したいなとは思っていますがさて。
> のんびりと待っていてください。

俺もこの設定は大好物
逃れられるのか逃れられないのか
そして逃れられないことが決まってのその場に至るまでの流れ
今度はどんな子だろう
ぜひ読みたい
556547:2013/12/26(木) 21:06:30.14 ID:Nmgebm1Q
実妹は簡単に浮かんだけど、私怨の子は駄目だった
私怨の中身が思い浮かばないからキャラも立たない生まれない

あと俺自身の脚本力も全然足りない
カイジ風のカード式野球拳の予定だったけど劇的な展開を書けるほどの頭脳が無い
これが上手く演出出来ないと肝心の露出というか脱衣が盛り上がらないから文字通り『お話にならない』状態

あとは>>552に任せて読み専に戻るよ

>自分で言って何なんですが、どうも書いててNTR物っぽくなるんですよね。

観客を登場させる時点で避けて通るのは不可能だと思われ
どうしても抵抗があるなら野次を飛ばすモブ程度の扱いにして、お触り禁止にすればソフトになるんじゃないかな?
557名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 21:41:26.23 ID:zyQxAaBC
そういえばちょっと前に露出趣味の少女二人に露出について教える的な夢を見たことあるなぁ
極端に短いスカートを穿かせたりして結構楽しめた夢だった気がする
そんな感じで「露出を教える」ってシチュいいよね
558名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 23:40:43.80 ID:BjNeugc0
>>553さん>>554さん>>556さん
それを聞いて安心しました。
私も凛子さんの話は好きです。露出趣味持ちで、相手を引き込む魅力がある。なんて、凄く興奮しますね。

>>556さん
ご苦労おかけしました。

>実妹は簡単に浮かんだけど、私怨の子は駄目だった
 私怨の中身が思い浮かばないからキャラも立たない生まれない

という事は、実妹案はある。という事ですよね?
ここまで書いてもらえたので、それ以上は、縛るより自由に書いてもらいたいです。
というか、これはこれで良いものですよ。


書いてる野球拳の話が詰まったので、それとは別の話を書いてみたんですよ。
ちょっと投下したいと思います。
559天使と悪魔。1:2013/12/26(木) 23:45:17.80 ID:BjNeugc0
「う〜〜悪魔悪魔っ」
今、悪魔を見つけて、全力疾走している私は、大天使ソフィー様に仕える
ごく一般的な、見習い天使。
強いて違うところをあげるとすれば、全然うだつが上がらないってとこかナ……
名前はリリア。リリアちゃんだヨ!

そんなわけで、地上界にある平凡な学校に、やって来たのだ。

・・・

「あっいたいた」

ふと見ると、窓の中に一人の地上人が座っていた。
やんっいい男……。


私の姿は見えていないだろう。
もし見えていたら、窓の外から美少女が見えている事に、何か反応があっていいはずだ。
「晶。今日は、家寄ってく?」
「いやいいよ。友達とゲームする約束してんだ」
女が、男に話しかけている。

「新しいお菓子を考案したんだけど、食べたくない?」
「あー……。だったら7時頃「シュクレ」に寄るよ」
「分かった。じゃあ遅れたら、あげないからね」
「……気をつけるよ」
そう言うと、男は教室を出ていった。女が一人、教室に佇む。
よし。今だ!

「天使。リリア参上!!」
「ぎゃー!!」

あれ?登場の仕方間違えたかな?

「私は天使リリア。大天使ソフィー様のしもべ。聖なる意志により、
悪魔であるあなたを捕まえに……あ、マズイ」

タタタ……と足音がしたかと思うと、さっきの男が戻ってきた。
「どうした春花っ!何かあったのか?!」
「天使……。そこに天使が……」

「天使?何言ってんだ?どこに居るんだよ」
「あれ……いない。さっき、いきなり出てきたのよ!本当だって!」
「落ちつけよ。ホラ」
そういって男は手を差し出す。春花と呼ばれた女は、黙ってそれに捕まり、身を起こした。

「疲れてるのか?一緒に帰ろうか?」
「絶対居たんだって……。あ、うん、ちょっと疲れてるみたい。家まで送ってくれない?」
「仕方ない。ゲームはあきらめるか……」
携帯電話を取り出し、少し操作した後、男は女の鞄を持って、一緒に歩き出した。

空中をヒラリと舞うと、私は屋上に移動した。
姿を見られても、記憶を消せば済むが、最低限の人数に抑えるべきなのは必然。
私の、うだつのあがらないのは、こういう失敗の多さにある。
屋上から下校する二人を見つめる。
「あの男……晶くんだっけ?あの人、使えるかも」
560天使と悪魔。2:2013/12/26(木) 23:52:38.80 ID:BjNeugc0
・・・・・

人気のない道。
電灯が切れかかっているので、薄暗い。そんな道端で、私は姿を現した。
女の家からの帰り道なので、絶好のチャンスだ。
「はあ?」
前口上を言ってから、私は彼に援助を求めた。しかし、つれない反応である。
「だから、木崎春花は悪魔なんだよ。協力して!リリアを助けて!」
「春花が悪魔?お前が天使?何言ってんだ。子供のくせに」
「子供じゃない!見た目は幼く見えても、リリアは子供じゃないよ!」

「ふ〜ん。じゃあ証拠は?お前が天使だって言う、証拠を見せてみろ。それなら信じる」
「飛んでるじゃん!ほらっほらっ」
「……飛べるのは、分かった。じゃあアレも天使なのか?」
晶くんは、遠くを指さす。カラスがカァカァ鳴いている。
「あれは、鳥だよ」
「じゃあお前も鳥だ」

「いいわ。とっておきを見せてあげる。ホラ」
「……ただのマジックペンだろ。落書きするのか?『天使』って額に書くのか?」
「なんでやねん。いいから見てて」
そう言うと、私は近くの塀に大きな大きな円を描いた。うん、我ながらいい出来。
「おいっ落書きすんなよ。怒られるだろ!って何押してんだよ、ちょ…待てよ!」
思いっきり後ろから押すと、円の中にキムタクかぶれが消える。
私も、後に続いた。

「あれ?ここ俺んち?まさかワープしたのか?」
ワープホールから出ると、開口一番、晶君は叫んだ。私がくぐった後、ワープホールが消える。
「そういう事です。リリアはすごいでしょう。納得したかね?」

「すごいのは、そのペンだろ。まあ、普通じゃないのは納得した」
「疑り深いな〜モテないぞ君!」
「ほっとけよ。それより何だっけ?手伝って欲しいって、言ってたな」
「そうそう。あの悪魔を捕まえるのです」
「で、その悪魔が、春花だ。って言うんだな?」
「協力してくれたら、キスくらいしてあげてもいいよ!」
「ガキのキスはいらん。で、証拠は?」

「……また?」
561天使と悪魔。3:2013/12/26(木) 23:56:02.01 ID:BjNeugc0
・・・・・

次の日になった。
私はあの後、すぐ眠ってしまった。子供は9時には寝てしまうのだ。
起きた時、ベッドに寝かされていた。晶君が譲ってくれたのだろう。優しい。

「このレンズを通して見ると、その印が見えてくるんだな?」
「そう!『悪魔発見レンズ』です。覗けば、ハッキリと悪魔の証拠が見えます」
「……もし春花が悪魔だったら、お前は春花を、どうするつもりだ?」
「別に春花さんには何もしません。でも、悪魔はやめていただきます」
「人間に戻すって事か?」
「理解が早くて助かる〜。そうです。憑き物が落ちれば、ただの人間です」
「悪魔の印が見える……ねえ。そういえば、そんなゲームがあったような……」
私は両手で大きく×を作った。

「学校のお昼休みまで待て」と言われたので、おとなしく待っていた。
中庭の、ベンチ近くの木の上で、私はぼんやり待っていた。
「おーい。リリアー」
呼ばれてハッと目を覚ます。日差しが暖かくて、眠ってしまっていたらしい。
「どう?見つかった?悪魔の印」
「いや。全然」

「どうして!そのレンズを通せば、絶対に見えてくるはず!!」
「無かったんだから仕方ないだろ。春花が悪魔じゃなかったって証拠じゃないのか?」
「……本当にちゃんと見た?」
「見たよ。席が近いから、簡単に見れるしな」
「……その時の春花の格好は?」
「制服に決まってるだろ」

「あーそれじゃあダメだよ!ちゃんと裸に引ん剥いてないと!」
「授業中に、裸に出来るわけないだろ!」
これだから地上人は!

「仕方がない。リリアが手本を見せましょう。この天使リリアの!」
「……なんか不安だな……」

・・・・・

「春花。今いいか?」
「何?晶。急用?」
「ちょっと体育倉庫まで、ついて来て欲しいんだけど」

女子グループの中で、弁当を食べていた春花に、晶は話しかける。
女の子の間で「キャー!」という声が上がったが、慣れっこなので放って置く。
周りの男達も、「キャー!」という声を上げたので、女子にキモがられていた。
春花はまんざらでもない顔をして、俺についてきた。

「体育倉庫に用事って……何?もしかして変な事?」
「昨日、春花が言ってただろ。天使を見たって」
「あ、そうそう。本当に見たんだよ?」
「実は、俺も見たんだ」
「そうなの!?」
「それで、その天使を捕まえて、体育倉庫に縛りあげてるから、春花に見てもらおうと思って」
「……そこまでしなくていいんじゃない?」
562天使と悪魔。4:2013/12/27(金) 00:03:38.95 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

体育倉庫に着くと、晶は春花に中に入らせ、その後ろからリリアが首尾よく眠らせた。
「時計型・天使麻酔銃です」
「それはいいのか?」
リリアは大きく○を作った。

俺は体育倉庫の鍵を掛けた。
その後ろで、リリアが春花をどんどん脱がしていく。半信半疑だったが、本当にやるとは。
脱がされた服は、随時、俺の方へ投げてくるので、見なくても春花の状態が分かる。
上着、シャツ、スカート、ブラ、そしてパンツ。あ、温かい。
みるみるうちに、春花は裸になっていた。しかし、トレードマークの赤いリボンと、白い靴下は、
なぜか取られていなかった。
「取っちゃ駄目でしょう。天使の常識です」
そういうもんか。

はいどうぞ。と言って、リリアは俺を促した。
目の前に、裸の同級生がいる。俺の心臓は、鼓動が止まりそうなぐらい、大きく鳴っていた。

「失礼します……」
そう言ってから、俺は春花の体を、レンズごしに調べ始めた。
まず、目に入ったのは胸。制服の上からじゃ確認できない、その胸。
想像より、ずっと大きかった。これが世に言う隠れ巨乳か。
ピンクに近い乳首と、その乳輪までバッチリ見えた。乳輪は大きめ?
あどけない顔で眠っている春花。罪悪感が重くのしかかるが、止めたいとは思わない。
ここには印はないな。
レンズを覗いて確かめる俺に、リリアは大きく×を作った。

「何やってるの!もっと近づかないと見えないでしょ!」
「もっと近くって、充分近いだろ」
「君は、地面の蟻を観察する時も、そんなに離れてするの?」
「そんなに近付かないと駄目なのか?!」
563天使と悪魔。5:2013/12/27(金) 00:08:59.64 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

吐息がかかる距離まで春花に近づくと、俺は息を殺した。
近い、近すぎる。これだと、もう春花の体しか見えない。ていうか、おっぱいしか見えない。
俺は平静を保つのに苦労した、後ろでリリアが見つめているからだ。
子供の前で、はしたない事は出来ない。もし、いなかったら、何をするつもりかは言えないが。
レンズ越しに見ると、体がより鮮明に見えた。産毛までクリアに見える。
昼休みが終わるまで、まだまだ時間はある。俺は、ゆっくり調べていった。

綺麗な髪に、長いまつ毛、可愛い耳、小さい鼻に少し潤んだ唇。吐息が少し、俺にかかった。
首筋に移動し、鎖骨、肩、腕、綺麗な手に移動する。
両手とも調べ終わると、おっぱいの再確認。ここは少し時間を掛けた。
脇を調べる際、もしかしたら腋毛が生えているかも、と思ったが、そんなことなかった。
剃っているのかどうかは、分からないが。
胸の下、肋骨の辺りを経て、お腹、そして脇腹を調べる。少し肉が付いているが、太っているわけ
ではないようだ。へそが、可愛らしく上下していた。
そして、ついにお腹の下に移動する……。

「まだ?」
急にリリアに話しかけられて、俺は心停止しかけた。
「これからがいいところなんだ。静かにしてくれ」
そう返事をする。リリアは、つまらなそうに小さく○を作った。
俺は気を取り直して、作業に戻る。

そこには毛があった。
高校生になって、生えていないと逆におかしく見られる毛は、当然のように存在していた。
友達の、それも異性の毛を拝む機会なんて、そうそうあるもんじゃない。
適度に生えそろった毛は、エロ雑誌で見る毛より、ずっと少ない。
そのため、毛を通して肌色の部分がよく見えた。そこには一本の筋が見える。これって……。
見てはいけないと思いながらも凝視してから、俺は足の方へ移動した。
あまり長い事見ていると、近いせいもあって、春花の体の匂いに、ダウンしてしまうかもしれない。
ふともも、膝、向こう脛、靴下を脱がせて足の先まで見た後、丁寧に靴下を履かせ、俺は作業を一旦中断した。
心地よい満足感が、俺の心を支配した。

「終わった?どうだった?」
「いや、まだ背中の方を確認してない」
「じゃあ、早くして」
「……手伝ってくれ」

俺とリリアは、力を合わせて春花をうつ伏せにした。
俺は上半身を持っていたので、少しおっぱいに触れてしまった。
564天使と悪魔。6:2013/12/27(金) 00:14:17.17 ID:Gd0B7gh7
顔を横に向けてうつ伏せで眠る春花。
全く起きるそぶりを見せないので、本当に大丈夫なのかリリアに聞いてみる。
「大丈夫。推理が終われば、自然に起きる仕様だから」
推理って何だ?

春花は、普段からリボンを使って髪を束ねている。後ろから首のところ、うなじは見えない髪型だ。
俺は、その邪魔な髪の毛を寄せて、春花のうなじを確認した。
妙に色っぽい、別段イヤラシイ場所ではないはずなのに、だ。
そこから下に降りていくと、肩甲骨のあたり、背中の部分になる。
ゆっくり上下をくりかえす背中。産毛が見える程見つめると、やっぱり変な気持になる。

腰のあたりまで移動した後、俺は深呼吸を2回して、お尻の方に回った。
大きい。というと失礼になるかもしれない。しかし、視界いっぱいに広がる尻は、
やはり大きい。
思わずペタペタと触ってしまって、慌てて手を引っ込める。
弾力を確かめただけ。やましい事などなにもない。自分に言い聞かせた。
レンズを覗くと、俺は真剣に満ちた表情で、作業を続ける。
徐々に下の方へ……下の方へ……。

……このアングルは、ヤバイんじゃないか?
少し足を開いた春花のお尻を、下から覗く。ふとももの肉のおかげで、なんとかセーフと言えるような状態だ。
これ以上足を開くと、見えちゃうんじゃないだろうか。あっちの穴とか、こっちの穴とか……。

想像するな!想像してはいけない!!

俺は、精神力をフルに使って、目線を尻から移動した。
そのまま、足早にひかがみを経由して、ふくらはぎを調査。やっと作業を終了させた。
男子高校生には目の毒だ。最後にもう一度だけ、お尻を一瞥してから、リリアにレンズを返した。

待ちくたびれたリリアは、レンズを受け取ると、
「遅かったね……」と文句を言った。

「悪魔の印?は、なかったぞ」
「は?」
「だから、ないって。体のすみずみまで見たけど、どこにもなかったよ」
体のすみずみ……と、自分で言って置いて、さっきの光景を思い出してしまい、俺は動悸が激しくなる。

「本当に、ちゃんと見た?」
「見たって。で、なかったって。お前の勘違いじゃないのか?」
「う〜」

リリアは少し考え込んでしまった。
565天使と悪魔。7:2013/12/27(金) 00:18:11.15 ID:Gd0B7gh7
俺は、裸のままの春花を見て、せめて服を被せておこうと考え、制服の上着を脱いだ。
服を着せてあげてもいいんだが、その勇気は俺にはない。

「悪魔の印……隠れる……いや、あるはず……でも、見えない……」
リリアは考え込んでいる。
もし、春花が悪魔なら、今、封印してもいいんじゃないか?それとも、眠っていると駄目なのか?
だったら起こした方がいいのか?でも裸だし、それにはまず、服を着せないとな……。
俺が思案に暮れていると、リリアは、ポンと手を打ち。

「お風呂だ!」と言った。

「何の話だ?」
「だから、お風呂だよ!春花はお風呂に入ってないから、垢が溜まってるんだ!だから見えない!」
「探偵のまねごとか?そんなもの推理に入らないよ。それにシャンプーの香りもするし……」
あ、また思い出してしまう……。ヤバイヤバイ。
「ちゃんと洗ってないんだよ。だめだねー。体は綺麗にするものだよー?」

そう言ってリリアは、春花に対し、いつの間にか取りだしたシャワーノズルを向けた。
「綺麗キレイしましょ!」

「ちょっと待ったーーー!!」
「何!?」
「何はこっちのセリフだよ!こんなところで、春花を水浸しにするつもりか!?」
「お湯だよ?」
「水浸しでも、お湯浸しでも一緒!体育倉庫で、春花を洗おうとすんな!」
「分かった分かった。そうだよね。こんな狭い場所じゃだめだよね。外でやろうか」

言うが早いか、リリアは体育倉庫の扉を、勢いよく開けた。
まさかの行動に、俺は動けない。外に誰もいないのを確認もせず、リリアはチョークのような物を取りだすと、空中に円を描く。
昨日描いた円と、同じくらいの丸が出来あがると、そこから大きな水の球が、空中に吐き出された。
566名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 00:21:30.32 ID:MIEkUgBf
支援
567天使と悪魔。8:2013/12/27(金) 00:22:36.43 ID:Gd0B7gh7
何だ?何をするつもりだ?
リリアは、素早く春花の前に行くと、俺の上着を剥ぎ取り、その小柄の体躯で、
春花を持ち上げ、水の球に投げつける。
バシャッ、と音がして、春花はその中に閉じ込められた。

「リリア!その水は何なんだ!」
「お湯だよ?」

大きな水の球の中に、春花の体が見える。透明の液体は、春花の体を隠すことは出来ず、揺ら揺らと浮いている。
こんなことをされても、いまだ眠りから覚めない春花。
しかし、問題は、ここが密室ではなく。外だ、という事だ。しかも学校。
誰かに見られる可能性は、十二分にある。

「おいリリア!春花を洗うというのは理解したから、せめて別の場所でやれ!」
「別の場所?」
「そうだ!こんな場所じゃ、春花の裸が、誰に見られるか分からないだろ!」
「誰にも見られない場所。に、行けばいいんだね?」

リリアは、お湯の球に命じる。すると、お湯はどこかに移動を開始した。
「ちょっ……待てよ!そのまま移動するのか?!」
「アレすごいんだよ。入ったまんまで、勝手に汚れを落としてくれるんだから」
「目隠しか何か、ないのかよ!」
「え?景色が見えないと、『フワフワ露天風呂』の名が廃っちゃうよ」
名称とか、どうでもいいから!

春花は、浮かぶお湯によって、どんどん先へ進んでいく。
当の本人が無関心を貫いているのは、眠っているからに他ならない。
このままではマズイ!マズすぎる!
知らず知らずのうちにストリップを披露するなんて、春花にとっても、俺にとっても、大問題だ。

「リリア。アレに、ストップするように言ってくれ!」
「一度命令したら、そこに行くまで、命令は出来ないよ?」
「じゃあ、アレは、どうしたら消える!?」
「洗い終われば、勝手に消えるよー」
「じゃなくて、移動を止める方法は!」
「あれ?どうやるんだろう?忘れちゃった」
「あーっもう!!だったら、アレの行き先を教えろ!!」
「……『誰にも見られない場所』……でしょ?」

そうしている間にも移動を続ける春花。体を洗うはずなのに、髪にリボンを付け、靴下を履いたまま。
裸以上にエロチックさが増している。
俺は頭を働かせた。誰もいない場所……誰もいない場所……。
体育館?理科室?音楽室?トイレ?職員室?図書室?だめだ、考えても答えが出ない。
誰もいないような気もするし、誰かいそうな場所ばかりだ。

「あー。多分……」
「多分、なんだ?早く言ってくれ!!」
「屋上じゃないかな?昨日、誰もいなかったし……」
昨日?お前は昨日、屋上で遊んでたのか?いや、今はそんな事を言っている場合じゃない。
春花が誰かに見られる前に、なんとかしないと。

リリアと口論していて、ふと気が付いた。
春花はどこだ?いつの間にか視界から消えている。
リリアが正しいかは分からないが、今はそれを信じるしかない。屋上なら人がいない、と、俺も思う。

「行くぞ!」
俺はバカ天使とともに走り出した。
568天使と悪魔。9:2013/12/27(金) 00:27:09.25 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

「なんだあれ?」「水が浮いているぞ」「中にいるの、アレは女の子じゃないか?」
「おーい裸の女子が浮いてるぞー」「あれ…春花じゃない?」

昼休み終了間近、もうすぐチャイムが鳴る。
もしも、チャイムの鳴った後なら、俺はこんなに焦らなかったかもしれない。
授業が始まれば、生徒も教師もどこかの部屋に吸い込まれていくからだ。
しかし、まだ授業前。
春花と湯球の存在は、廊下にいる生徒の発見により、教室にいた生徒まで引き連れて来てしまう。
俺が急いで階段を駆け上った先は、もう人だかりが出来ていた。

「通してくれ!お願いだ、ここを通してくれ!」
無理やり先を進もうとするが、湯球に追いつくようなスピードは出ない。
人の山の頭の上に、湯球の断片が見える。という事は、もう春花の裸は皆に見られているんだろう。
俺は進みながら、リリアに叫んだ。

「リリア!湯球をストップさせる方法、思い出したか!?」
「う〜んとねー。え〜とねー。あ〜んとねー」
「早くしろ!ボケてる場合じゃないんだ!」
「あっ思いだした!」
「どんな方法だ?早く教えてくれ!」
「あのシャワーボールの中から、出ればいいんだよ」
「出れば?それは春花本人じゃないと駄目ってことか?」
「無理矢理出しても止まるよ?じゃないと、緊急時に助からなくなるからね」

緊急時は今だろうが!そんな大切なことを、忘れてんじゃねーよ!
俺は殴りたい気持ちを抑えて、春花の方へ向かった。

湯球の移動は、いつのまにか止まっていた。
目的地に着いたわけではないようだ。人の群れが邪魔になり、移動が困難になったからだろう。
そのおかげで、俺は春花のもとに行けたのだが、

「おっぱい丸見えじゃん」「女の子があんな事やってるなんて……」「UFOだ!宇宙人の仕業だ!」
「特ダネ、キターーーー」「男子は見ないであげてよ!女の子が可哀想じゃない!」「俺にもあとで画像くれよな」
「可愛い子だな〜あんな子いたのか〜」「春花!どうしちゃったのよ!」

ほとんどの奴が、ケータイ片手に好奇の視線を送り、新聞部の奴は我先にと、シャッターを押している。
他の女子は、野次馬になるか、誰かが止めるのを待っていた。
教師が来ていれば、生徒を撒く事は出来たかもしれないが、その影はなし。

「春花!いま助けるからな!」
俺は周りの行動を諌めるより、春花を助ける方を選び、湯球に飛び込んだ。

春花は笑っていた。大笑いしていたわけじゃなく、クスクス笑いだ。
リリアの言う通り、この湯球は、体を洗う為のものなんだろう。お湯によって体が磨かれ、それが
くすぐったく感じる。春花も同じ感覚を味わっているらしい。眠っていても、くすぐったくは、なるのか。
湯球に入っても、息は出来るし、視界もクリアだ。こんな所で使わなければ、良いお風呂なんだろう。
学校で、皆に見られながらでなければ……。
569天使と悪魔。10:2013/12/27(金) 00:32:20.78 ID:Gd0B7gh7
俺は春花の手を引っ張って、なんとか外に出そうとする。
手を取り、ザバッとまず俺が外に出る。
すると、急に歓声が上がった。
「いいぞー晶!」「やるじゃねぇか!見直したぜ!」「晶君サイテー」「素晴らしい!!」
皆が、俺に賞賛を送る。
お前達、誰も助けようとしなかったじゃないか。と訝しんだが、そうではないようだ。

俺が春花の体勢を変えたせいで、丸めていた体を、大の字のように広げてしまっていたのだ。
女の子の非難の声が聞こえるはずだ。俺が辱めているように見えたのだろう。

皆の反応に、一瞬、体が凍ってしまったが、すぐ首を横に振る。これが最善の策なんだ、と自分に言い聞かせる。
握っていた手に力を込め、春花を引っ張りだす。
「リリア、手伝ってくれ!」
周りの奴らは当てにならないと踏んで、俺はリリアに助けを求める。
「はーい」
人ごみの中からリリアが現れる。皆、リリアに視線を送った。
裸の女の子も珍しいが、高校に、小さな、しかも美少女が現れれば、注目を集めるのは無理もない。
そのおかげで、ほんの少しの間、春花への眼を逸らさせる事が出来た。

「リリアは俺の体を引っ張ってくれ!」と俺は言おうとした。
しかし、それは途中までしか言えなかった。
リリアの物凄い力が俺にかかり、一気に俺と春花は吹っ飛ばされた。
春花が湯球から吐き出され、湯球は消え、
春花は、俺が手を離してしまったせいで、裸のまま、野次馬の方へ飛んでいった。
リリアが俺の服を掴んでくれたので、俺は宙返りを体験後、床にたたきつけられ、気を失った。
570天使と悪魔。11:2013/12/27(金) 00:39:06.59 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

「はーい。審判の時間ですよ〜悪魔さ〜ん」
地上人の山を掻き分け、私は春花の元へ移動する。
悪魔と判断するのには、悪魔の印を見つなくてはならない。でも、天使の私が
そんな事をする必要なんてない。
今すぐ、悪魔を取り除いてあげればいいだけ、その方が、私も楽でいい。
やり方が面倒なので、出来れば穏便にしたかったけど、まあいいや。

方法1の「悪魔の自白」が無理なら、
方法2の「大衆の悪魔」でいこう。
大勢の人間が、悪魔を悪魔と認めてくれれば、悪魔憑きを消し去る事が出来るはずだ。
晶君は伸びてしまっているけど、人間なら、周りにたくさん集まっている。
晶君、もう少しだから、ちょっと辛抱しててね。
宙を飛んで、そこら辺にいた男達にキャッチされた裸の春花を指差し、私は大声で叫んだ。

「聞いてください!その人は、この学校の生徒ではありません!」

「彼女は、実は人間ではないんです!本当です!」

「彼女の事を知っている人はいますか?本物の彼女は今、別の場所にいます!」

「聞いてください!私は見たんです!とても気味の悪い生物が、さっきの水のボールに入っていくのを!」

「あれは人間ではありませんでした!黒い体に赤い目、爪は伸びて、舌が飛び出て……あれは……」

「……そう、あれは悪魔のような奴でした!それが、水の中に入ったとたん、彼女の姿になったんです!」

「どうして裸なのか、それは、その悪魔が服を着ていなかったからです!」

「いまは眠っていますが、目を覚ましたら、本物の春花さんに、なりすます筈です!」

「そうなってからでは遅いんです!そうなったら、悪魔は、春花さんの居場所をなくしてしまうでしょう!」

「本物の春花さんは、今、自宅にいます!本当です!」

「どうか皆さん!私に協力して、一緒に悪魔退治の手伝いをして下さい!」

私は、精一杯演技した。幼い見た目の私が何か言っても、きっと誰も信じてくれないだろう。
でも涙混じりで、必死にアピールしたならどうだろう?私は、良い反応を待った。

……。
……どうやら上手くいったみたいだ。
春花を掴んでいた男の手は、少し乱暴な持ち方に変わった。
疑心になっている者は、流されていくだけなので放っておいていい。
女達の反応も上々だ。明らかに、目から心配の色が消えて、冷やかになっている。
興味がなくなったのか、どこかに行ってしまう者もいた。おそらく教室に戻ったのだろう。
チャイムはとっくに鳴っている。今ここにいるのは、好奇心の強い人間だけだった。
571天使と悪魔。12:2013/12/27(金) 00:46:07.03 ID:Gd0B7gh7
「手伝うって、何をすればいいのかな?」
春花を支えている男の一人が言う。何もそんなに大勢で、女の子を支えなくてもいいのに。
見れば、体のあちこちに手を添えて、胸やお尻を撫でまわしていた。

「ここにいる皆さんで、その悪魔に呼び掛けるのです。『悪魔よ去れ!』と」
「それだけでいいのかい?そうすれば、悪魔はどうなるんだい?」
「悪魔は居場所がなくなり、消えてくれます。でも安心です。本物の春花さんは、自宅にいるので」
「じゃあ、皆で叫ぼうか!本物のこの子、春花ちゃんの為に!」
「待って下さい!それと、もうひとつ条件があるんです!」

……晶君は、体のすみずみまで調べたと言っていた。でも、一つだけ、アソコだけは調べていない。
恥ずかしがる理由は分かるけど、調べるときは、ちゃんと調べないといけないよ晶君。
まあ、わたしが春花だったら、恥ずかしくて死にそうになるかもしれないけど。

複数の人間が『悪魔よ去れ!』と、『悪魔の印に向かって叫ぶ』のが、退魔の条件なのだ。
つまり……。
私は、春花の体を譲り受けて、床に寝かし、皆に見える様に春花の足を広げると指でアソコを開いた。
「皆さん!ここに向かって、さっきの言葉を言ってください!!」
あまり力を入れたくないけど、ちゃんと見えないと印が反応しないかもしれない。ゴメンね。春花。


……どうしたんだろう。皆動かない。さっきの話を聞いてくれていたはずなのに……。暗示が足りないんだろうか?
少しの間、誰もが固まって動けないようだった。
その時、誰かが、春花に向かってカメラのシャッターを切る。それにつられて、誰かが声を上げた。

「早くしないと、悪魔が起きちゃうんじゃないか?」
「そうだよ。そうなったら、困るのは本物の方だぜ?」
「なんかアソコって変な形してんだな。悪魔だからか?」
「やり方はどうかと思うけど、信じてみる価値はあるんじゃない?」

私は、じっと待っていた。暗示が解けたとは思えない。
早く、印に向かって叫んでほしい。そんな気持ちを押し殺して、私は待った。

「ゴメン。疑っているわけじゃないんだ」
「そうそう。あまりに突飛な事するからさ」
「悪魔よ去れ。そう皆で言えばいいんだっけ?」
「この写真は、新聞には載せられないな……。いや、修正すればいけるかな?」
「あんなとこ開かれたら、悪魔でも風邪ひいちゃうんじゃないかな」
「皆!そろそろ始めようぜ!本物のあの子の為に!」
572天使と悪魔。13:2013/12/27(金) 00:56:53.05 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

あ……さ……

あ………され!

あくま……され!

あくまよされ!

「…?」
薄ぼんやりと、なにか声が聞こえる。
たくさんの声、声、私に呼び掛けてる?私、眠ってたんだ……。
なんだか体がスッキリしている。まるでお風呂に入った後のよう。それに、服も着ていないように感じる。
……あれ?本当に着てない?私、今、裸なの?
視界が開いていく。
周りの声もよく聞こえる。とてもうるさい。

……私、どうして裸なの?
……私、どうして股を開かされてるの?
……私、どうして皆に見つめられているの?
……皆、どうして私を悪魔扱いしているの?

分からない。どうして私が悪魔と呼ばれているのか。
睨みつけるような眼、あざ笑うような眼、ニタニタと気味の悪い眼、どの眼も、私を人間扱いしていなかった。
クラスメイトが、醜い動物を見るような眼が、私を突き刺す。やめて!やめて!
そんな顔で見ないで!指さして笑わないで!カメラでこんな格好の私を撮らないで!
フラッシュが眩しい。目を開けていられない。ううん、開けていられないのは、そのせいだけじゃない。
私は、泣いていた。よく分からないこの状況に泣いていた。皆の仕打ちに泣いていた。
私は、声もあげれず、ただただ静かに泣いた。……そして、また意識を失った。
573天使と悪魔。14:2013/12/27(金) 01:00:15.58 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

……突然の大声に驚いたのか、春花は、目を覚ましたかと思ったら、また気を失ったらしい。

私は、春花の上に毛布を被せて、床に寝かせた。もう裸でいさせる必要など、全くないからだ。
さっきまで叫んでいた人間達は、いまは落ち着いた様子で、口々に何か言いあっていた。

私は……。
茫然としていた……。

手順を間違えた訳じゃない。悪魔を消滅させる方法としては、いささか乱暴な手だったが、間違ってはいないのだ。
それなのに、悪魔の影も形も、春花から現れなかった。
私の考えでは、この後、悲鳴を上げて現れる悪魔を、「天使の吸引機」で吸い込む。それで終わり。
しかし、待っても待っても、そんな気配は微塵もない。

春花は悪魔じゃなかった……。

どうして悪魔だと思ったんだろう?晶君は「悪魔じゃない」と言った。私は信じなかった。
今まで春花を悪魔だと決めつけていた頭が、急に冷えて、私は怖くなった。
自分の犯した失態に対して、怖くなった。
春花は、泣き濡らした顔で眠っている。泣きたいのは、こっちも同じだ。

「ねえ」

問いかけられて、私はそっちの方を向く。血の気が引いた私は、ロボットの様に返事をした。
「どうして悪魔退治をしたのに、それは春花の姿のままなの?」
完全に消えるのに時間がかかる。と私は言った。
「じゃあ、悪魔退治は成功したんだね?」
そう。と答える。
「大きな声出しちゃったけど、大丈夫かな?」
人よけをしているから大丈夫、と答えた。これは本当だ。
「他に手を貸す事はないかい?」
私は「倒れている晶君を運んで欲しい」と答えた。いつまでも床に寝かせていては可哀相。
そして、この事は内緒にして欲しい。とも言った。私の事も、春花の悪魔が現れた事も、秘密に……。

皆が散りじりに消える。晶君も運ばれていった。私は、動けずに呆然としていた。

・・・・・

気がつくと、廊下には誰もおらず、いつの間にか春花の姿も消えていた。
チャイムが鳴った。教室から人がたくさん出てくる前に、リリアも姿を消した。
574天使と悪魔。15:2013/12/27(金) 01:04:20.92 ID:Gd0B7gh7
・・・・・

俺が目を覚ますと、全てが終わっていた。
リリアはどこかに消え、春花は……春花は、学校に来なくなり、顔も見せなくなった。

春花の家である、洋菓子店「シュクレ」に何度も行った。
学校に来ない。携帯も繋がらない。春花は一体どうしたのか。
春花の両親は、事情が全く分からないらしく、俺が来た事を喜んでいたが、春花は、俺を歓迎してはくれなかった。

「誰にも会いたくない」

俺が聞けたのは、この一言だけだった。
おそらく春花の声だと思う。おそらく、というのは、喉が枯れているような声だったからだ。

心配したの、俺だけではない。
クラスの仲の良かった女の子達は、皆、春花をお見舞いに行ったらしい。
なにか知っている奴はいないかと、学校で聞き込みをしたが、分かったのは、俺が気を失う前の事だけ。
その後の事は、知ってか知らずか、誰も語らなかった。

新聞部の奴にも聞いてみた。
あいつらは、自前のカメラで、春花の裸体を撮りまくっていたから。しかし、返答は芳しくなかった。
「彼女は悪くない。悪いのは悪魔。それだけだ。写真?勿論捨てたよ」
本当かどうかを確かめる術は、俺にはなかった。

……そして2週間が経った。

・・・・・

「あなたが志島晶さんですね?」
妙齢の女性に話しかけられて振り返る。スーツ姿で、きちんとした身なりの女の人だった。
「俺に何か用ですか?」
「はい。先日は、私の部下がご迷惑をお掛けしたようで」
「……なんの事です?」
「見習い天使リリアの事です」

俺は、自分の家に彼女を案内した。聞きたい事は山ほどあった。
玄関でいいと断るその人を、俺は強引に居間に連れて行った。座った方が、ゆっくり話が出来る。

「リリアの上司って事は、あなたも天使なんですか?」
「はい。このような形で姿を見せるのは、極稀ですが」
「リリアは、どうしたんですか?」
「彼女は降格しました。今は、上位天使にきつく絞られているところです」
「……あいつは罰を受けるような事をしたんですか?」
「はい。一人の人間を魔女裁判にかけ、狂わせてしまいました。天使あらざる行為です」
「……その人間って、春花の事ですか?」
「はい。そのとおりです。悪魔の疑いを掛け、憑き払いまで行いました」

「俺は、その時の事を知らないんですが……」
「……詳しくは話せませんが、裸の彼女を、大勢の前で辱めました」
「春花が学校に来ないのは、そのせい……?」
「……直接の原因はそうです。私は、その木崎春花さんの件で、今日参りました」
「どういう事ですか?」

彼女は、見定める様に俺に目をやると、平坦な調子で言った。

「彼女は、もうこの世にいません」
575名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 01:13:58.26 ID:WdOWriEz
支援
576名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 01:17:40.33 ID:KVQfNkvY
まぁいいんだがageてんのはわざとなのか?
577天使と悪魔。16:2013/12/27(金) 01:18:49.13 ID:Gd0B7gh7
世界が凍った。
どう解釈しても、いい意味に取れない。冗談を言う人にも見えない。
「彼女は今、天界の、私達の所にいます」
「どういう!……いえ、どういう事ですか?春花は死んだんですか?それが学校に来ない理由?それが
あんたが謝っている理由ですか?!」
息を荒げるのを必死でこらえる俺を、彼女はじっと待ち、やがて語り始めた。

「死んだのではなく、転生をしました。私がそうするよう勧め、彼女は承諾しました。
私はこれから、彼女が生きてきた痕跡を消そうと思っています」

「その前に、リリアについてお話します」

「彼女の事は覚えていますか?彼女も、以前この世を生きた人間であり、あなたの友達でした。
今から、5年程前になります。彼女は、交通事故に遭いました。瀕死の重傷の彼女を見つけた私は、いてもたってもいれず、
彼女を転生させました。その時は、それが最善だと思ったのです。そして同時に、彼女に対する記憶を全て、この世から奪いました。
死んでからは転生が不可能なのは、おかしく聞こえるかもしれませんね。
死んでから転生するかどうかは、私の領分ではないので、するかどうか定かではない。だから、私が動いた。という事です。
その時、私は未熟で、彼女の痕跡を消す事は出来ても、記憶を消す力が不完全でした。
天使になった彼女は、天界から時々、地上界を覗いていました。あなたを、です。
不完全な記憶の消去は、あなたへの恋心を消してはいませんでした。もちろん幼い恋ですが。
彼女は、あなたの傍に春花さんがいる事を、嫌っていたんです。そして、悪魔と決めつけ、実力行使に出たのです。
私が見つけた時、リリアは泣いていました。自分がした事を分かっていても、それをどうにかする力は、未熟な彼女にありません。
多数の人間に見られた記憶も、消してはいませんでした。
見つけるのが遅すぎたので、結果は散々な事になっていました。なにより、一人の人間が傷つき、衰弱死寸前までいっていたのです。
私は彼女に提案しました。転生して、天使にならないか、と。彼女が承諾してくれれば、以前の様に、あとは記憶を消すだけでいいからです。
両親からも、戸籍からも、知人の記憶からも全て、です。
上手くは伝え辛いのですが、局所的な記憶の消去と、根源的な記憶の消去では、確実性が段違いなのです。
彼女は転生を決めました。酷く悩んだようですが、ある条件をつけて……」

「その条件って……?」
「あなたに、彼女に対する記憶の消去の有無を聞く事。です。春花さんは、リリアの時の様に、記憶を無くす事を拒み、
他の人の記憶から自分が消えるのは承諾しましたが、あなたに対しては、直接それを聞いてからにしてほしい。と」
「……そうですか」

「あいつが……春花が撮られた写真も、消せますか?」
「勿論。全て消し去ります」

俺の承諾を得ると、彼女は立ち上がった。
指を立て、何かを唱えた。一瞬光が瞬くと、それで全て終了したのか、彼女は座り直した。
578天使と悪魔。17:2013/12/27(金) 01:26:10.71 ID:Gd0B7gh7
「春花は、天使になって上手くやってますか?」
「はい。リリアが泣くほどに元気でやっています」
「今度、顔を見せるように言ってください」
「喜ぶと思います。リリアはまだ当分、地上に来れませんが」

それから少し話をしてから、ソフィーという名前らしいその人は、席を立った。
リリアに対する記憶に関しては、俺は「忘れたままでいい」と言った。あいつが以前の俺を忘れているなら、俺も以前のあいつを忘れたままでいい。
見送りに外に出たが、彼女は通りを歩いて帰って行った。リリアのように飛んで帰らないところを見ると、しっかり人間になりきっているんだな。と思った。

・・・・・

皆の記憶から木崎春花は消えた。
俺の隣の席は、空席になり。そのままでは不自然なので、そのうち机ごとどこかに運ばれていった。
春花の両親に子供はいない事になっていた。俺は今でも、たまに「シュクレ」に買い食いに行く。
聞くと、春花の部屋だった場所は、もうすぐ生まれる子供の為の部屋になるらしい。気が早いんじゃないかと、俺は思った。

それから1週間ほどしてから、春花の姿をした天使が俺の前に現れた。

「私は天使ハル。大天使ソフィー様のしもべ。聖なる意志により、あなたに裁きを下しに来ました」
「あれ?俺なんかしたって?」
「体育倉庫で、私の裸じろじろ見たでしょ!ネタは挙がってるのよ!」
「えっ何でそれ知ってんの?」
「リリアが全部白状したの。全く、酷い奴よあいつは。当分こき使ってやるんだから!」
「で、俺にはどんな裁きがあるんでしょう?」
「う〜ん。思いつかないわね。また今度考えとくわ。それより、新作のお菓子を作ったの。食べる?」
「もちろん」

あいつの笑顔が見れるようになって良かった。
誰も知らない天使の顔を見て、俺は、心からそう思った。


おわり。



申し訳ありません。
「その時は、それが最善だと思ったのです。」
の前に、
「死亡してからは、転生させられないので」
という言葉を入れ忘れてしまいました。
579名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 01:28:21.01 ID:zvAB0ChT
久々の大作、お見事であった!!
580名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 01:29:54.08 ID:Gd0B7gh7
支援してくださった方ありがとうございます。

>>576さん
私のミスです。以後気をつけます。
581名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 07:58:44.82 ID:YFxtjT4y
582名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 11:15:56.73 ID:MIEkUgBf
おつかれー。
このスレでファンタジーものは珍しく新鮮でよかったです

話は変わるけどそろそろ次のスレが必要なんじゃ
583名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 18:30:23.51 ID:le/T85Fo
建てた
女の子が露出する/させられる小説 その8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1388136591/
584名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 19:05:56.31 ID:KVQfNkvY
>>583
585名無しさん@ピンキー:2013/12/27(金) 19:17:28.12 ID:naFAj8Fh
容量の問題があるのか
乙あんど梅
586名無しさん@ピンキー:2013/12/28(土) 00:11:19.09 ID:08+s80sB
>>583
乙。そして、さようなら〜スレ7
埋めついで一言。

:番台少年の片思い
:クラスへの謝罪
:教室の支配者
:クーラーの代償
:ヌードモデルに選ばれた姉

色々と拙いものに付き合ってくれてありがとうございました。
わざわざ感想を書いてくれた人たちに深く感謝を。
587名無しさん@ピンキー
>>586
クラスへの謝罪、クーラーの代償、ヌードモデルは特に面白かった。
中でもクラスへの謝罪は今でも思い出すとドキドキするよ。
野球拳への導入もそうだけど、
あなたは本来リアリティのない展開に説得力を持たせる動機付け、設定作りがとても巧い。
新スレでも楽しみにしています。
それだけじゃなくて、自分でも何か投下できればいいのだけど。