キモ姉&キモウトの小説を書こう!part42

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの

お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。

主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。

■関連サイト

キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html

キモ姉&キモウト小説まとめサイト
http://matomeya.web.fc2.com/

■前スレ
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part41
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1327280972/

■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
2名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 22:23:08.60 ID:b8gl11mC
1げと

乙やでー
3名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:28:57.82 ID:EJSPgA7R
1なんてゲットできるかぁ
4名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 08:23:12.36 ID:bMccUhNX
早漏乙
まだ100k以上あるだろ
5名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 22:55:39.45 ID:4JewYiKJ
作者のHPにノスタルジアの新作来てるな
もうこっちには上げなくなったのか?
6名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 22:56:50.88 ID:4JewYiKJ
sage忘れすまん
7名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 23:26:27.27 ID:2PZVeuEp
他の作者もサイトあれば追えるのにな
三つの鎖の作者はサイトなかったっけか?
8名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 16:00:01.93 ID:YcDbUsXw
おゆきさんのHPってどこにあるの?
9名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 22:21:56.90 ID:3NYhAMjv
10名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 00:21:05.71 ID:zFf87555
女児殺害に関する秘密の暴露で同行願いますからの流れは好みだった
すげえいい子だ
11名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 14:41:59.16 ID:eDKEYMzY
最近このスレを知って保管庫の作品いくつか読んでみた
続きが気になってつい終わりまで読んじゃうし名作揃いだと思うんだが最後にキモ姉妹(主に妹)が死ぬ展開が多くて後味があまりよくない
ここの住人はキモ姉妹が勝つ結末よりもキモ姉妹は死んで兄もしくは弟がまっとうな道をいく方が好きなの?
12我 不死鳥カカッテコイヤ∂:2012/05/11(金) 15:05:12.16 ID:QUzQCr8T
そんなわけねえだろバカタレが
13名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 16:10:30.04 ID:BW4DN34a
ここに書き込む前にきちんと前スレ埋めろカス
14名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 22:23:02.46 ID:sytDs0XH
>>11
最初は妹END前提で書くけど、
次第にそういう結末の方が綺麗なんじゃないかと思えてくるんだよ
まぁ、自己満足ですな。俺の場合だが
15名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 04:28:55.38 ID:BbF1MP6D
>>14
作者さん?
作品名教えてよ
16名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 21:11:31.18 ID:ErFmiWl5
つーか完結が難しい上にエンドはかなり悩むね
エンドで悩んで書かなくなった作者さんも多そう
俺も悩んでるけど色んな理由で姉妹を死なす予定はないけど
そういうのも綺麗かなとも思っちゃうし
でもハッピーエンドもあるからいいのでは?
17名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 21:19:40.79 ID:w0YAkVIY
キモ姉妹スレでキモウト、キモ姉が死んで何がハッピーか
18名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 23:34:51.74 ID:g4WUFTW4
キモ姉妹は悪人だからこそキモ姉妹。
そんな彼女らにふさわしい花道を用意するのもキャラクターに対する書き手の情なのかもね。
あと綾はハッピーエンドといえばハッピーエンドのような気もする。
19名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 00:06:31.47 ID:jAxRn5Ff
>>18
キモウト「この(泥棒猫との)戦いが終わったら、私は母になりたい」
20名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 00:09:59.02 ID:Efne8fZ+
21名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 03:11:03.34 ID:foKcpial
>>20
兄のほうから積極的に迫ってるんだよなあ
22名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 11:46:47.26 ID:UtZKaAV4
(キモ姉妹にとっての)ハッピーもBADも両方いける
23名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 18:43:25.50 ID:fFNbEExH
質問。
兄弟が死んだ後、姉妹が兄弟の事を思い出に代えて、新しい人生を歩み始めるような結末はOK、それともNG?

姉妹にとっては兄弟が死んだ時点でBADだけど、長い目で見ればベストな結末というのはここの趣旨から外れずに済む?
24名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 18:46:14.47 ID:0vqimCM7
それはアウト
立ち直ったらダメだ
25名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 18:50:43.19 ID:UBdgBzqJ
>>23
むしろそこからスタート
兄弟を生き返らせる為に頑張るんだよ
26名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:05:00.53 ID:OPGYqQEf
>>24
アウトってなんだ?別にアウトじゃねーだろ
27名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:25:50.79 ID:XuuSEDQD
サイレントヒルに行こう
28名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 21:57:53.40 ID:IeUgbHpG
>>23
過程がキモければ結末は改心しても良いと思うよ
実際にそういう作品も多くあるし
ただそこからダラダラ続けたらスレチになるんで注意しておくれ
29名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 01:07:33.58 ID:S6zsYUvS
>>28
けど注意書きがあったとしても荒れる可能性もありそう
前に注意書きありで少し荒れた事あったし

こっちも荒れる可能性ありだけど、泥棒猫に兄弟取られてしまう(姉妹の死は省いて)結末どうなんだろ
30名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:04:59.26 ID:bQkfzoiH
>>29
エピローグは泥棒猫視点か・・・
31名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 11:04:23.09 ID:KhgxTDB1
エピローグは数年後に飛んで
兄(もしくは弟)は泥棒猫とくっついて家庭をつくっている
ある日夫婦で歩いていると偶然姉(あるいは妹)とすれ違う
幸せそうな姉(もしくは妹)は子供を連れていた
その子供はどこか自分に似ていて……みたいな含みのある終わりならいいな
32名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 11:20:47.62 ID:S6zsYUvS
個人的な意見だけど最終的にキモくなくなるとこのスレに反する気がしてきた

となると変に>>23や俺、>>31みたいにはしない方が無難かもな
33名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 11:40:58.89 ID:Ni1vQYdV
>>31
兄弟の種がいつの間にか盗られてたオチ良いな
34名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 21:57:54.82 ID:k2pPhYnm
殺しはデフォなの?
35名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 00:12:21.97 ID:mCeH86jt
殺しを躊躇わないほど兄を大事に思っているっていう可愛さ
36人格転生  ◆qtuO1c2bJU :2012/05/16(水) 05:05:08.79 ID:bRnHXood
投稿します
37人格転生 37:2012/05/16(水) 05:06:39.52 ID:bRnHXood
「如月薫…さん、だっけ?」

妹から出た言葉のそれは、もう由衣のフリをするものではなかった。
表情も由利のそれに戻っている。

「はい、由利様」
「あなた何者なの?」
「ただのメイドでございます」
「笑えない」
「ですが、そう答えるしかございません」

薫さんからは、いつものほんわかした雰囲気はなかった。
おっとりした笑顔もどことなく影があった。

「なぜここがわかったの? GPSは切ってる。兄さんの携帯も普段はGPSはオフのはず」

自分の携帯に目をやった。確かに普段はGPS機能は切っている。
由利は俺以上に俺を知ってるところがある。

「GPSの発信元がどこか考えれば、聡明な由利様ならおわかりになられると思います」
「…まさか…軍事衛星?」
「近年では別に珍しくもないかと」
「一般人にすることじゃないわ」
「由利様は特別ですから」
「私達の使用人って言うのはやっぱり嘘だったのね。忠誠うんぬんも…」
「嘘ではございません」
「このっ…! どの口さげて…!」

不味い! 由利が薫さん目掛けて突っかかろうとするのを、必死に止める。

「殺してやる!」

後ろから由利を全力で羽交い絞めにした。

「おい! 落ち着け!」
「兄さん、どいて! そのメイド殺してやる!!」

物凄い勢いで俺の両腕が引っ張られる。
くそ、このままじゃ…

「良也様、由利様をお離し下さい。そのままでは話しづらいですから」
「…え?」

ポカンとするしかなかった。なんでよりにもよって狙われてる薫さんが。
でも今こいつを離すと本当に何をしでかすかわからない。

「ちなみに離すと行っても会話のほうではございません」

さっきまでの由利との会話が崩れる音がした。
盗聴までされてた? でもどうやって?
いや、今はそんなことはどうでもいい!

「…殺す!」

今の一言で由利に油を注ぐことになる。
殺意は本物だ。止めないと!
ヤバイ…腕の感覚が無くなってきた…
38人格転生 38:2012/05/16(水) 05:08:08.18 ID:bRnHXood
「少し落ち着きませんか?」

薫さんは、そう言ってから左手でスカートを託し上げた。
その太ももから現れたのは…黒い拳銃…嘘だろ?

夜の闇に紛れたメイド姿のそれは酷く歪な光景だった。
そして左手に持った拳銃をこちらにそっと構える。
同時にカチリと引き金を引く音。

あまりにも信じられない光景に力が抜けていた。
由利を見ると同じようだった。

「ど、どうせ、オ…オモチャでしょ?」

由利の言葉を信じたかった。こんなことありえない。

「いいえ、中身は鉛ではありませんが麻酔弾が入っています。象一頭を眠らせることができます」

自分が小刻みに震えてることに気づく。
銃口がこちらを鋭く睨んでいる。

しばらく静寂が支配した。数秒が数分に感じるくらいに。

ちらっと由利を見ると、その表情はいつもの冷静な由利に戻っていた。

「…ここで撃てば警察が来るわ。どう説明するの?」
「そうですね。それは困ります」
「随分と余裕ね」
「とんでもございません」
「苛つくわ。全部あんたの手の内なんでしょ?
どこの組織かは知らないけど警察は支配下。
それにその銃もサイレンサーみたいだし。
何よりこの時間帯でここ一帯の人影を完全に消せるなんて尋常じゃない」

そう言えば周りには人影は一切ない。気付かなかった。
薫さんと拳銃と向い合った俺たちしかいなかった。

「話し合えばわかります」
「何よ、その銃口を突きつけたままの平和協定は!」
「言葉のままです。臨戦体勢を解いて下さいませ。手元が狂ってしまいます」
「素直に撃つって言いなさいよ! メス犬!」
「汚い言葉をお使いになるものではありません」
「メス犬はメス犬でしょ? 組織でしか生きられない犬を犬って言って何が悪いのよ。
メイド姿がお似合いよ。どこに言っても使用人は使用人ってわけ?
海外ではメイドの犯罪も多いし、あんたも同じ。
使用人以下のメス犬よ!」
「…」

その言葉で薫さんの表情が微かに変わったのがわかった。
しかしその動揺を消すようにゆっくりと瞬きをした後、銃をこちらに構え直す。
39人格転生 39:2012/05/16(水) 05:09:26.92 ID:bRnHXood
「話し合いは無理なのでしょうか?」
「あんたに私は撃てない。私が先に動けばあんたを刺し殺せるわ。弾が当たらなかったら終わりよ。正当防衛も成立する」
「ボールペンでは無理かと存じます」
「撃てるもんなら撃ってみなさいよ!」

由利には怒りの感情が支配していて恐怖がないみたいだ。
が、危険過ぎる。万が一、弾が当たったら死ぬ。
弾丸が鉛じゃない保証はどこにもない!
妹が死ぬ!

「由利、やめろ…!」

言葉を出すことでいっぱいいっぱいだった。
くそっ! しっかりしろよ、俺!
なんでさっきから動悸が止まらないだよ!

「こういう事はしたくありませんでしたが…」

薫さんはそう言いながら銃口を、俺の方に向けた。

「なっ?」
「…!!」

心臓が止まったかと思った。
体の震えも止まった。声も出せない。
黒い拳銃にしか目が行かない。
全身の血が引いた。

「やめてっ!! 兄さんは関係ないっ!!」
「ですが、こうでもしないと話し合いに応じてもらえませんから」
「お願いだから兄さんに向けるのはやめて!」
「でしたらペンを捨てて、少しだけお下がり願います」
「わかったわ…話すから…なんでも話すから…やめて…」

そう言いながら由利は力なくペンを地面に落とした。
カツンという音がやけに大きく響いたあと数歩下がる。

「ありがとうございます」

俺に向いた薫さんの左手の拳銃が下がる。
少しだけほっとした。
でも腕を下ろしただけで銃は握ったままだ。
いつでも撃てるってことだろう。
それにしも仕草や扱い方が明らかに素人じゃない。
40人格転生 40:2012/05/16(水) 05:11:38.27 ID:bRnHXood
「単刀直入に訊きます。研究論文の中にあった装置はどこですか?」
「研究所…だと思うわ。姫乃総合病院の中の…」
「なるほど。完成はしてるわけですね」
「…っ!」

由利は困惑した表情を浮かべる。
でも何を言ってるのかさっぱりわからない。
装置? 一体何の?

「か、完成してるとは言ってないわ」
「こちらにお渡し下さいませ」
「だから…完成は…」
「研究所の職員は全員、由利様しか知らないとおっしゃっていました」
「そんな…こと…言うはずが…!」
「自白していただいたので情報は正確です」
「…っ! みんなは無事なの?」
「ええ、ご安心下さい。今の由利様のようにご家族に協力していただく形を取らせていただきました」
「もし何かあったら…!」

由利に怒りの表情が戻る。
だが一呼吸置くと少し落ち着いたみたいだ。
反面、俺は落ち着かなかった。
何が起こってるのかさっぱりわからない。

「彼らは大丈夫です。それより時間がありません。装置の場所を教えて頂けますか?」
「だから研究所の中に…」
「どこにもないとのことです」
「何を根拠に…」
「病院と所内は現在も探索中ですし、職員らの証言もございます。由利様しか知らないと」
「わかったところで手遅れよ」
「どういう意味でしょうか」
「あれは由衣にしか使えない」
「そのための人格統合ですか?」
「…! どこまで知っているの?」
「研究員に話をお聴きしました」
「やっぱりスパイがいたのね」
「由利様と由衣様を守るためです」
「物は言い様ね。でもあんたは勘違いしてる。人格統合するのはあれを使う為じゃない」
「では、なんのために?」
41人格転生 41:2012/05/16(水) 05:13:36.38 ID:bRnHXood
由利は一息吸ってから答えた。

「このプロジェクトから降りるため…私が研究していたのは、あんなプロジェクトのためじゃない」
「考え直す気はございませんか?」
「ないわ。あとの研究はあなたたちに任せる」
「残念ですが誰でも良いというわけにはいきません。素質と知識と経験を同時に持ちあわせた方は、現在は由利様しかいないのです。それを理解されてるのは由利様ご自身ではございませんか?」
「だから?」
「もう一度戻って頂くことはできないでしょうか」
「いやよ。それにあと少ししたら私達の能力はなくなる。それも訊いたんでしょ?」
「……はい」
「あと眠くなってきたから、もう時間もないみたい」
「……そうですか」
「それと最後だから兄さんと少しだけ話させて、もう…気を抜いたら睡魔に襲われそうだし…お願い」
「わかりました。ただし条件があります」
「何?」
「今後、私が由利様と良也様の保護者兼使用人になります。正確には監視対象と言った方が良いかも知れませんが、それを受け入れてくださることです」
「…冗談きついわね」
「信用して下さいとは申しませんが、本当に私の任務はお二人をお守りすることなのです。忠誠を誓うと言ったのも本当なんです」
「…私が認められると思う?」
「由衣様なら認めてくださると思います」
「…! あの子はバカだから…! 卑怯よ…! それに統合後はどうなってるかわからない…! それより兄さんと話をさせて…眠いの…認めるから…お願い…!」
「どうぞ」

由利が眠そうな目を擦りながら俺の方を向く。
ただ眠いと言うよりしんどうそうだ。
息遣いも少し荒い。

「…兄さん」
「…ああ」
「愛してました…家族としても異性としても…」
「俺もだよ」
「…異性としてもですか?」
「それは…」

本当は嘘でも好きだと答えてやって方がいいのかもしれない。
でも…こいつに嘘をつく方が何より最低な気がする…

「いいんです…ただ、覚えていて欲しいんです…例え私がどうなっても、これからも好きだということを…」
「わかった」
「好きです…愛してます…兄さん…」

そっと体全体で抱きしめてくる。すごく心地の良い妹の匂いがした。

「俺も妹としてお前を愛してる…今までもこれからも…」

これが精一杯だ。由利をきつく抱きしめた。
その瞬間、由利の体が俺の方に落ちた。
意識が無くなったみたいだった。

そのあとのことはあまりよく覚えていない。
薫さんの手配で家に帰るときも何も考えられなかった。
42人格転生 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/16(水) 05:14:25.34 ID:bRnHXood
投稿終わりです
43名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 11:06:45.76 ID:n82TKKTx
>>42
まだ前スレが埋まってないみたいだからここより前スレに投下すべきな気が…
44名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 11:45:36.27 ID:fJs2ChTf
>>42
乙です!
45名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 06:24:50.71 ID:x77TuK5/
>>42
おつ!薫許すまじ
46 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/19(土) 21:07:33.05 ID:6A/eOGsd
>>43
すみません
埋めネタの短編用意しました
過去スレに放り込んでおきます

毎度読んでくださる方ありがとうございます
なんでも感想おkなのでよろしくお願いします
47名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 11:42:26.98 ID:ZaAFXgv5
書き込みすらない
48名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 12:03:06.70 ID:0vmepGrP
>>42
亀レスだが、乙
>>5
前回荒らしッポイのが投下直後、いちゃもんレベルの叩きをしてたからなぁ…
49名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 12:05:24.48 ID:O2nXa4kF
'`,、('∀`) '`,、
50名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 16:39:31.14 ID:kiWzb/cJ
なぜ
51名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 16:42:53.12 ID:/B8kQJZP
弟「51なら姉さん死亡」
52名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 17:08:31.33 ID:9aFoNvgz
妹「計画通り」
53名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:57:29.69 ID:PgpUqOBY
姉1「単純に弟想いってだけでブラコン扱いなんて……あの娘酷いよね?仕方ないよね?」ぺろぺろ

姉2「そうそう、姉弟仲が良いだけだっつーの!なー♪」ちゅっちゅっ

弟「ちくわ大明神」

姉2「メス豚の解体ショーくらい、いい加減に慣れろよー」ヨシヨシ
54関西から来たキモウト 続 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/24(木) 06:03:55.86 ID:kPoXlL7t
投稿します
55関西から来たキモウト6 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/24(木) 06:05:12.39 ID:kPoXlL7t
俺にはたった一人の血の繋がった可愛い妹がいた(過去形)

俺は東京、妹は大阪で離れながらも家族の絆があった。
離れ離れでもいつも連絡を取り合っていた。
大和撫子を思わせる丁寧な文面のメール。
ショートカットの髪をかき分けながら天使のように微笑んでいる写真。
内面の性格も良ければ、外見の姿も可愛い。

…自慢の妹のはずだったんだ。

「あはははは! ほら、みいや! 言った通りや! 継投が悪いねん! はよ代えへんからや!」

家のマンションのテレビが置いてあるリビング。
目の前にはあの写真とそっくりの妹が、ソファの上に寝転んだ姿勢ではしゃいでいる。

「これで今日も阪神の勝ちや! 巨人はもうカスピッチャーしかおらんわ! あとはイジメやな!」

テレビで東京ドームの巨人阪神戦を見ながらゲラゲラ笑ってる妹。
もちろん俺にチャンネルの選択権はない。
もうちょっと大人しくできないもんかね。
黙ってたら可愛いのに。

「ふぅ〜試合も決まったし…」

妹がリモコンでテレビを消してから、こちらを向く。

「お兄、ご飯どうするん?」
「ああ、なんか頼むか」
「いっつも外食なん?」
「そうだけど」
「もったいないやん。ウチが作るわ。栄養偏んで」
「でも食材あったっけ」
「ん、冷蔵庫ん中、適当に探すわ」

そう言ってキッチンに入って行く妹。
56関西から来たキモウト7 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/24(木) 06:06:53.30 ID:kPoXlL7t
その時、俺の携帯が鳴った。着信名は幼馴染の彼女である翔子。

「もしもし」
『有? 私だけど今日一緒に歩いてた女誰なの?』
「ああ、妹だよ。大阪から来た。どこで見た?」
『皇居の近く。腕まで組んで恋人同士みたいだったわよ』
「あれは神菜が無理やり…」
『あんなことすると周りに勘違いされるでしょ! 今後一切しないで! いい?』
「わかったよ」
『それにここでは一緒に住むんでしょ?』
「そうだけど」
『あんたね。一週間前に私と付き合い始めて、いきなり違う女とデートした上に同居とかふざけてんの?』
「相手は妹だって…」
『10年も離れて暮らしてたんでしょ? むこうに妹って感覚なかったらどうすんのよ!』
「そりゃ考え過ぎだって。神菜は妹過ぎるくらい妹だよ」

そう。あの慣れ慣れしさは、俺が兄だからだ。
だから神菜も気も使わない。反面俺は気を使ってるわけだが…

『どうだか。有もデレデレしてたじゃないの』
「誰がするんだよ…」

神菜との軽い観光名所巡りは、確かにちょっとは面白ったが、総じてウザかったのに。
そんなことはありえない。

『凄く可愛かったし内心ドキドキしてたんじゃないの?』
「あのな〜」

俺が喋ろうとした瞬間、後ろに神菜が見えてびっくりした。
さっきまで料理をしていたのかエプロン姿で右手に包丁を持ってる。
いつのまにいたんだ?
それに目付きが違う気がするが気のせいか?

すっと俺の携帯が、妹に取られる。

『有、聞いてるの? むこうがあんたを男として見てたら…!』

それを聞きながら神菜は淡々とした口調で言った。

「見てたらどうなるって言うん?」

しばらく、その場を静寂が支配した。

そんな中、俺はなぜか昔のメールを思い出していた。
57関西から来たキモウト8 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/24(木) 06:12:29.06 ID:kPoXlL7t
『件名:お兄さんへ255 差出人:神菜 二年前

元気ですか。私はあまり元気ではないです。
実は一週間前にクラスの男子から告白されたんです。
誰にも相談できないのでお兄さんに相談します。
私には好きな人がいるのですが結ばれることは不可能なんです。
だからその男子と付き合ってもいいかなと思っています。
本当に好きな人は絶対に手が届かない存在なんです。
胸が痛いです。最近、部屋で泣いてばかりです。お返事待ってます』

『件名:RE:お兄さんへ255 神菜 二年前 送信済

俺は元気だよ。神菜はあまり元気じゃないみたいだな。でも良かったじゃん。
神菜を好きでいてくれる奴がいるって、それは神菜が可愛いくて性格もいいからだよ。
とにかくプラスに考えたらどうかな。
その告白された男子より、本当に好きな人のことを考えるべきだと思う。
神菜の本当に好きな人のことは知らないけど、それが本当に無理な恋なのか。
それを考えたらいいと思う。無理ならさっさとあきらめる。好きなら頑張ってみる。
可能性があるなら頑張れ! 応援してるぞ! あんまり泣くなよ!』

『件名:RE:RE:お兄さんへ255 差出人:神菜 二年前

ありがとうございます。頑張ってみます。もう吹っ切れました。
告白してくれた男子には悪いですが、丁寧に誤ろうと思います。
無理かもしれないですが頑張ります。

お兄さん、本当にありがとうございました。大好きです。
この意味も変えてみます。あはは、意味不明でごめんなさい。
また明日から頑張れそうです』
58関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/05/24(木) 06:13:22.50 ID:kPoXlL7t
投稿終わりです
59名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 09:32:30.20 ID:BiRKM1Xq
>>53
お姉ちゃん二人にチュッチュッされたい

>>54
Gj
幼馴染も強気で泥沼楽しみ
60名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 14:56:38.51 ID:DPQGyBsM
>>58
GJです。続き物だったんですね。
ですが、

>「もったいないやん。ウチが作るわ。栄養偏んで」
>告白してくれた男子には悪いですが、丁寧に誤ろうと思います。

これらは誤字だと思いますので、差し出がましいようですが、申し上げさせていただきます。
61名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 19:58:48.68 ID:2PT3wkmh
続き物って言うより急遽書いたって感じじゃないの
62名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 21:50:22.75 ID:iQFb7v6K

ひょっとして偏る(ん)では方言かも
63名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 02:45:44.16 ID:scIP9fES
「かたよんで」(偏るよ)だろうね
64名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 08:09:54.51 ID:U3Yc0p+M
>>58
関西弁も女の子が使うと可愛い不思議
続き待ってます
65名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 09:18:18.68 ID:uKKijySF
>>58
乙です!
66名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 16:19:47.25 ID:FmF0GMbA
>>58

意外とだらしなそうな兄貴だ
逆にキモウトはだらしなそうにみえてしっかりしてそう

>>64
姉妹にとっちゃ関西弁使う兄弟も可愛いんだよ!
67名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 17:45:05.87 ID:Lz8J+mKh
関西弁批判
6860:2012/05/25(金) 18:41:03.50 ID:gQaz1PBB
>>62-63
考えてみりゃそうですね。失礼しました。

余談ですが、前回「おおきに」は今の若い人は使わない、と神菜が話していたのは意外に思いました。
当方現在京都に住んでいますが、京都では使いますので。まあ、大阪と京都では違うのですかね。
69名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 18:57:29.02 ID:Lz8J+mKh
まぁ、おおきに自体京都弁だからな
てゆーか京都でも今時若い子はおおきになんて使わねーだろ
70名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:34:45.31 ID:YNXP1AHT
猛虎魂を感じる
71名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 20:16:34.46 ID:D4HJpxJl
'`,、('∀`) '`,、
72名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 22:44:01.79 ID:iKOYomK+
京都に住んでる人間が「かたよんで」を誤字と言ってしまうのはどうかと
73名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 00:51:51.55 ID:zw1AIpgb
というか方言云々で叩くってもうね
アホかと
74名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 00:54:59.97 ID:4RjMVyQb
>>73
'`,、('∀`) '`,、
75名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 01:04:02.56 ID:ootzidZh
叩き認定ンゴwwwwwwwwww
76名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 20:05:15.49 ID:NdxDYz3j
過疎る気配が凄まじい
77名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 20:25:07.26 ID:+/1Hk4hK
そら声の大きなお客様しかいなけりゃそうなるよ
78名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 21:15:51.80 ID:CuxcKPHG
お姉ちゃんにオンブしてもらうのは弟の常
でっかいキモ姉は最高
79関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:36:27.43 ID:NxPjrPjo
投稿します
80関西から来たキモウト9 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:37:13.00 ID:NxPjrPjo
「とにかく、お兄とアタシは今、家族会議中やから切んで」
『なっ…? ちょ、ちょっと待ちなさ…』

―プツ

神菜はそう言いながら俺の携帯を操作した。
そのあと俺に向かって、ひょいと携帯を投げてきた。

「お兄は今、大事な時期やから、その女とは電話ナシな。メールだけにしとき」
「大事な時期ってなんだよ…あ、着信拒否になってる。ヤバイって」
「ええやん。メールはできるんやから」
「よくないって! あのな、こんなことしたら…」

―ドン! ドン! ドン!
―ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!

ほら…こういうことに…
ドアを叩く音とチャイムの音が連続で鳴り始める。
そう、マンションのお隣さんだから幼馴染なわけで…

「ん? なんなんいったい?」

そう呟いてから玄関に向かう神菜。まずい。

「おいっ神菜! 俺が行く!」
「どうせセールスかなんかやろ。ウチが追い払うわ」
「ちょっとその前に包丁置けって!」
「あ、ごめん。忘れてたわ」

それをテーブルに置いてから玄関に向かう神菜。
だから俺が行く…と言おうとしたときにはもう遅かった。
玄関のドアをチェーンは付いたまま、少し開いた状態で対応していた。

「ん? なんなんアンタ?」
「有の彼女よ! 開けなさい!」
「セールスちゃうくて宗教か。夜中に非常識で迷惑やで。ほんじゃ」
「なっ? ちょ…」

―ガチャン

すると、またチャイムとノックが鳴り響く。

「うっさいなー、なんなん? もう!」

もう一度ドアを開ける神菜。

「ちょっと有! 開けて! 中に入れて!」
「うわ、エロ〜、いきなり中に入れてとか考えられへんわ〜」
「卑猥なのはあんたよ! 有! ちょっと! ドア開けて!」

結局、なんだかんだで幼馴染の翔子を家に招くのだった。
81関西から来たキモウト10 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:38:10.56 ID:NxPjrPjo
「こいつは妹の神菜。こっちは幼馴染の翔子」

二人にお互いの紹介をする。
さっきから睨み合いはしないものの、険悪なムードを漂わせながらテーブル越しに座っている。
二人ともまともに話す気がないみたいなので、俺が全員の紹介をするしかなかった。

泉水 有こと俺。身長も体重も一般男子平均値だ。
泉水 神菜こと妹。身長155pで小柄でスレンダー。顔は可愛い系だと思う。生まれも育ちも大阪。
鳴瀬 翔子こと幼馴染。身長165pで大柄で良い体格。顔は美人系。生まれも育ちも東京。

ここでは敢えて性格の紹介を省く。

先に切り出したのは神菜だった。

「引越しそばくらいないん?」
「あんたは引っ越してきたわけじゃないでしょ」
「まだわからんで。一緒に暮らすかも知らんし」
「は? 本当なの、有?」

俺に振るなよ。

「いや、詳しくは父さんに訊かないと…」
「一週間だけって言ってたじゃない」
「いや、それも…」
「なんなの? はっきりしなさいよ」
「いや、だからさ…」

翔子の鬼のような形相が怖い。
ちなみに怒った顔も美人とは翔子のような女子を言うんだと思う。
幼馴染で見慣れてしまっているが、神菜と一緒でかなりルックスはいい。
ただ同じルックスや体型でも二人とも正反対だ。
神菜のショートカットの髪型と対比して腰まで届きそうな長い髪のロング。

「やめや。お兄が困ってるやろ。ウチらにもわからへんねん」
「あなたには訊いてない。有、どうなの?」
「アタシ夏休み中はここにおるで」
「あなたには訊いてないって言ってるでしょ! 本当なの、有?」

だから俺に訊くなって。

「わからんって言うてるやん。アタシもわからんって事はお兄もわからんってことや」
「…あなた一年なんでしょ? 私と有は三年。先輩にはちゃんと敬語使ったら?」
「尊敬でけへんから別にえーやん」
「このっ…」
「翔子、落ち着けって。神菜も煽るなよ」

とりあえずテーブルに置いてあった包丁をしまっといてよかった。
同族嫌悪か知らないが二人ともかなり性格が似ている。
まあ神菜の方は今日になるまでわからなかったけど。

「この子、本当に有の妹なの? 性格真逆じゃない」
「失礼やな。誰がどう見ても兄妹やん。顔もよう似てるし」
「あなたね…さっきから…」

まずい。翔子が切れかかってるのがわかる。
幼馴染が故に表情と空気で読めてしまうのだ。
逆に神菜の方はメールは全然参考にならないので読めない。
82関西から来たキモウト11 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:39:19.13 ID:NxPjrPjo
「とりあえず、あんた、もう帰りや。ウチも眠いしお兄にしてもらうこと、やまほどあんねん」
「…」

翔子が無表情で黙る。まずい。危険レベルが急激に上がっていく兆候だ。
それも危険指数はこれまでとは比較にならない。

「ウチらの夕飯もまだ作ってる最中やねん。前からお兄はうちも料理食べたいゆうてたし、邪魔や」
「…フフフ」
「何笑ってん? キモ…」
「ふふ…そこはね。いつもは私の席なの。ふふ…」
「なんなん? この女…」
「ふふふ、うふふ…」

俯き加減の翔子からプチンと聴こえない音が聞こえてきそうだ。まずい…
もちろん神菜にそんなことがわかるはずがない。
俺は怖くて黙るしかなかった。

「いい? はっきりさせといてあげるわ、神菜ちゃんだっけ?」
「気安う呼ばんといて」
「そんなにお兄さんのことが好き? メールでは一途だったわよね」
「…!? お兄、見せたん?」

神菜の質問にぶんぶんと首を振る。
携帯の中は翔子はもちろん父さんにも見せたことがない。

「とりあえず私と有が結ばれたときの為にも練習はしてた方がいいんじゃないからしら。
 私のこと『お姉さん』って呼んでみてよ。ね? 神菜ちゃん」
「…」

今度は神菜の方が黙る。
表情からは…何も読めない…
ただ只事じゃない気はした。

「…人のメール盗み見とか最悪やな」
「有の話を聴く限りじゃ、必要だったからね。有にもあなたにも」
「最低や…」
「あなたは妹。有が抱きたいのは私なの。ごめんね。
 所詮あなたは妹で、あなたがやってることは無駄な努力。
 有が妹のあなたを異性として好きになることはありえないの。
 ちゃんと言ってあげないとダメと思ってね。
 勘違いしてそうだから」

こんなの見たくなかった。翔子のそれは明らかに女として神菜を見下しているものだった。
神菜もうっすらと涙目になってる。ここに来て気弱な妹も見たくなかった。

そして知りたくもなかった。妹が女として俺のことが好きな事実を。

でも思えばそういう気配はメールからもあった。
無意識に目を逸らしていたのかもしれない。

「ひぐっ…帰れ…! 帰れーーーっ! くんなっ! 二度と来んなッ! はよ帰れっ!!」

ちゃんと気づいてやってれば、泣き叫ぶ神菜を見ずに済んだのかも知れない。
翔子がメールを覗いた事実も。

気づいたら翔子はいなかった。

神菜はずっと『好きんなってゴメンな』と俺に謝りながら泣いていた。
83関西から来たキモウト12 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:40:11.93 ID:NxPjrPjo
『件名:お兄さんへ756 差出人:神菜 12ヶ月前

いよいよ夏休みです。

今年もお母さんにお兄さんの所に行けるように頼んでみます。
ただ会えるだけで楽しみで仕方ありません。

きっとお兄さんと会ったら、色々な何かが変わると思うんです。

本当は大阪じゃなくて東京のお兄さんの高校を受験したいです。
私立でもいいなら受けられるんですけど残念です。

もし今年が無理でも来年は高校生ですから、一人でも絶対に東京に行きます。

その時はよろしくお願いします(_ _;)』
84関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 03:40:35.60 ID:NxPjrPjo
投稿終わりです
85名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 07:59:50.81 ID:CrjUqgCV
Gj
幼馴染も強敵だな…
86名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 10:27:03.69 ID:05ClexsD
幼馴染みも十分ヤンデレですね
お疲れさまです
87関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 11:35:33.28 ID:NxPjrPjo
サンクスです。追加投下します。
88関西から来たキモウト13 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 11:37:24.11 ID:NxPjrPjo
私は勝ったんだろうか。ふと、ため息をつく。

暗い部屋のノートPCの画面に有の家のリビングを映し出す。
どうもあの子はあのまま泣き疲れてそのまま眠ったようだ。
有の介抱にも嫉妬しないくらい落ち着いている自分に気付く。

『巨人まさかの9点差をひっくり返す大逆転! これで一位の順位が入れ替わりました!』
『これは球史に残る一戦かも知れません。誰がこんなことを予想したでしょうか』
『敗因はやはり阪神の慢心ですね。二軍上がりの投手を見ていつでも打てると思ったのが間違いでした。そもそも…』

ぼんやりとあの子の予想した試合を見る。
あの子は8回の表で阪神の勝ちだと予想した。
当然だろう。12対3で勝っていたらだれでもそう思う。
加えて8回の表で交代した2軍上がりの名前も知らない投手が出てくれば、誰でも敗戦処理に走ったと思うのは当然だ。

だけど私は『巨人が勝つ可能性が広がった』と予想した。

あの投手は身体能力的には問題ない選手だったし、今年の巨人と阪神のチームの出塁率と長打率はほとんど変わらない重量打線同士だ。
阪神の投打が緩むのは目に見えた。
実際、夏のビジターの連戦で主力を休ませて、抑え投手も昨日の激投で出ないことが明らかだった。
この時点で阪神のチーム出塁率と長打率が半分以下、予想防御率が5点台になったが、巨人は変わらなかった。
統計学的に見れば巨人がチーム予想打率が5割の状態だったのだ。
これだと何が起きてもおかしくない。

あの子はそれが見えていなかった。

 兄を思う気持ちと一緒で、『感情だけで見ているから』こういうことになる。

あの子は二年前の私だ。
有に付きっきりで一途だったあの頃の私。
二年前のそんな私に屈辱的な敗北感を与えたのがあの子だった。

きっかけは有が私に誤送信した一つのメールだった。
89関西から来たキモウト14 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 11:38:46.23 ID:NxPjrPjo
『件名:神菜ヘ256 差出人:有 二年前

こうやってメールでしか話せないのってちょっと寂しいな。
電話は父さんと母さんに止められてるけど、お前が必要なら公衆電話でもスカイプでも使えばいい。
バレたら怒られるだろうけど、今、お前は辛い状態だろ?
告白された男子のことはちゃんと吹っ切れたって本当なら安心だけど、
その本当に好きだけど無理だと言ってた奴のことの相談にも乗るぞ。
いつでも連絡入れてきてくれ。あ、俺もお前のこと好きだぞ』

この時初めて妹とのメールのやり取りを知った。
そして直感的に感じた。件名の数字を見れば二人の親密度がわかった。
この妹が兄に家族としてではなく異性として好きな事も。
『好きだけど無理だと言っていた奴』とは間違いなく有のことだ。

そしてその二人の積み重ねの大きさに、私は恐怖した。
少なくともこんな濃密なやりとりを、有としたことなんて私は一度もなかったから…
私はすぐに有の携帯を無断で借り、メールのデータを自分のPCにコピーした。
妹とのやりとりも逐一チェックした。

でも、時が経つごとに、こちらとは超えられない線があることに気づいて安心していた。
あの子はどんなに頑張っても東京には来れない。
メールだけのやりとりだけなら許してやるのが恋人というもの。

そう思っていた。今日の朝に来たあの子と有の二人の様子を見るまでは…

「お兄、ほら、皇居やで! 広ぉ〜」
「こら、くっつくなって」
「えーやんえーやん」
「あはは…で、まだどっか行くのか?」
「あったりまえだのクラッカー!」
「…」
「なんなん? そのリアクション? そんなときはこうや」

有の肩を思いっきりはたいた後で、あの子が眩しい笑顔で笑う。

「何世紀前のギャグやねんって!」
「痛ってーな」
「ほら、やってみ?」
「無理」
「ほらほら〜叩いてや〜」
「お前はマゾかい」
「お、ええツッコミやん!」

どこから見てもカップルのそれだった。
私は見つめるだけだった。
あまりにもお似合いのカップルだったから。

しばらく呆けながら二人を観察していた。
渋谷のハチ公前からマンションに帰るまで全部。
どの観光名所でも二人はベストカップルだった。

途中、嫉妬と憎悪で、胸が破れるんじゃないかと思ったほどだった。
二人はカップル…それもお互いを知り尽くした恋人同士そのものだった。
90関西から来たキモウト15 ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 11:40:11.46 ID:NxPjrPjo
私にはあんな笑顔で話してくれたことなかったじゃない!
私にあんなフランクに接してくれないじゃない!

…あの子は危険だ…私があの子から有をおぞましい近親相姦の道から救ってあげないといけない!

それに、あの子は有と血が繋がっているんだから。
そしてそれがもっとも危険なのだ。

すでの私の想い込めた料理の中には私の血、愛液などがあり、有の体は私の物と言えるけど、そんなのとは比較にならないくらいあの子の血は、有と共有しあっている。
私が負けている点はそこだ。そしてそんなことは絶対あってはいけない。
有のためにもあの子を切り離さないといけない。
最悪の場合は殺してでも…

―ピンポーン

家の玄関を開けるとそこには有がいた。

「翔子、頼みがあるんだけど」
「何…?」

嬉しさより戸惑いを感じた。
有から見たら私は妹を泣かせた幼馴染の彼女だ。
あの子に嫌われるぶんにはいいけど、有にも嫌われたんじゃないだろうか気が気じゃなかった。
91関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/05/29(火) 11:40:43.74 ID:NxPjrPjo
投下終了です。
92名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 12:04:23.79 ID:iLn2Gl/+

投下が早くて嬉しい
93名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 14:37:09.65 ID:nwE/I0qD
ただちょっと短いな
94名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 18:42:10.28 ID:LiMCLD3t
とりあえず話はエロに入ってからかな
95名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 20:53:42.18 ID:44oi5kze
なぜGJの一言が書けないのか
96名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 00:12:29.46 ID:CmTWaS15
普通にGJより素直に感想でいいと思うんだけど
批判はNGだけど懇願程度なら作者さんもそんな気に病まないと認識してるんだけどどうなんだろ
97名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 01:33:22.73 ID:IqrZFV5q
素直なレスがGJとは限らないしね
次に期待ならとりあえずは労いを込めて乙
投下を賞賛するならGJで、内容まで賞賛するなら+感想
合わなければ批判はせずにスルーと使い分けてる

個人的には投下した時に無条件に乙orGJだけ書かれても無いよりはましと思うだけかな
98名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 01:34:28.23 ID:k0wrP3rM
gj
99名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 09:08:58.18 ID:8RX9xb1l
>>91
乙乙!
100名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 09:31:24.95 ID:fuBMRvyS
まぁ続けて欲しいって気持ちがあるなら、批判しようが絶賛しようがGJか乙って一言ぐらい付け足すわな
101名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 13:16:25.09 ID:cVJZk8Ms
キモウト対ヤンデレ期待乙
102名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 13:45:32.40 ID:bJMS7Z6A
ヤキモウト
103名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 19:51:19.16 ID:koh9drGc
GJです。
関西人でエロと言ったら「巨人阪神戦を見ながらネチネチ前戯する」という某芸人政治家を思い浮べてしまいました。
104名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 21:58:22.18 ID:0D1ZRusH
「引き分けは妹とキスするようなもの」
105名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 00:57:21.07 ID:8VlWOruH
>>104
いやー一事は彼女とするのかと思って日や冷やしましたねー
106名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 00:59:03.27 ID:IEpyqH4I
808 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2012/05/31(木) 21:45:58.20 ID:XR1k1Tju [5/5]
★A tie is like kissing your sister.(引き分けは受けいれがたいものです。)
アメリカ人にとって、引き分けはとても受けいれがたいものらしい。
A tie is like kissing your sister.(引き分けは自分の妹とキスをするようなもの)という文章がクリシェとして存在するほど。
道徳的に気持ち悪い、という意味。ウィキにも載ってる。
それによると、1953年ごろ海軍のフットボールコーチが使っていた頃から広がったらしい。


妹「おかしい。こんな事は許されない」
107名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 20:26:38.99 ID:4cmPe2Uu
>>106
妹「"A tie is like kissing your older sister."の間違いに違いない」
108名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 20:29:20.89 ID:/8w2fNdq
妹「え? I like kissing your sisterですって? 仕方ない兄さんですねえ」
109名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 02:58:00.61 ID:8Bg5sMby
A tie is like kissing your sister.(絆とは姉妹と接吻するが如きものなり)

親愛の情は積極的に行動で示してこそである、という意味。脳内に載ってる。
110名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 13:56:59.02 ID:+MsW+qjC
>>108
゚・゚*・(゚O゚(☆○=(`◇´*兄)o 寝言は寝て家!
111 ◆oooKtAjPjg :2012/06/02(土) 14:33:14.33 ID:odPLZqiD
( ´Д`)=3
112名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 15:20:56.71 ID:Ptv0725y
いや、tieとはネクタイのことかもね。
これからはクールビズの季節だから妹とのキスはなくなるんだろう。
113名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 09:09:26.57 ID:jEn/RhUb
"A tie is like kissing your sister"
tieは〈人などを〉束縛する,拘束する.と言う意味もある
それを踏まえてこの英文を単語ごとに和訳すると
A tie(捕まった) is like(好き) kissing(キスする) your(あなた{犯人}は) sister(姉)
つまりこれはキス魔のキモ姉に監禁された弟からのSOSだったんだよ!
114名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 09:13:33.31 ID:6pQdN2CJ
な、なんだってー!
115名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 09:44:13.46 ID:WAblTA4P
お姉ちゃんの監禁は躾だから犯罪ではありません
言う事聞かない弟は檻に入れて反省させないと
116名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 12:30:43.61 ID:8IFylBQT
お願いだから誰か投下してよ
117名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 13:33:37.83 ID:XJUvl6Gp
>>116
言い出しっぺの法則、どうぞ
118名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 19:42:21.80 ID:NXiiqtjo
長編ってみんなどれくらい書いてから投下し始めるんだろ
完結させてから定期的に投下?
119名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 23:52:30.91 ID:8IFylBQT
>>118
そんな人いないと思うけど…
多分書き始めた時は完結のしかたも曖昧に考えてると思うよ
書いていく過程で完結なんて変わるから
120名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:01:07.19 ID:QoKj8ipK
お姉ちゃんと妹どちらが価値あると思う?
妹は両親にねだれば出来るけどお姉ちゃんは出来ないよな
121名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:36:59.00 ID:OyZWkRbl
お姉ちゃんは逆に弟を頼めることできる
122名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:44:45.40 ID:TXvon3ny
思いつく話が姉モノばかりで困る
前スレで姉モノを書いたから、今度書くときは妹モノにしようと思ってたんだがなあ
123名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:46:20.29 ID:QoKj8ipK
姉モノばかり思いつくのは姉神様のご加護だよ
124名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 01:00:49.59 ID:wpbL6lMy
姉を追い求めるのは甘えたい願望があるから
125名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 06:00:23.77 ID:twTpOXgv
はよ
姉物はよ
126痴女109号:2012/06/05(火) 03:42:07.24 ID:2HPc1QEF
投下します。
127魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:43:01.40 ID:2HPc1QEF

 ……マジで気が狂いそうだった。
 とにかく痛い。
 痛すぎる。
 激痛なんて日本語は、まさしくこの瞬間のために生み出されたんじゃないかと思えるほどだ。
 具体的には、血が滴る傷口に固形物を無理やり突っ込まれて、さらに上下前後左右にえぐられる感じと言えば少しは想像できるだろうか?
 あまりに酷すぎる痛みの前には人間は無力になると、どこかの小説で読んだが、どうやらそれは正しかったらしい。
 この拷問が始まって最初の数分は、痛さのあまり陸揚げされた魚みたく体をのたうたせることもできたが、今ではもう、腕も足も麻痺したかのように力が入らない。
 出来ることと言えば、せいぜい歯を食いしばって、眉間が引きつるほどに目を閉じるくらいだ。

 もっとも、見方を変えればこの激痛に助けられてるとも言える。
 この非現実的な痛さのおかげで、俺はいま、自分の情況を冷静に認知するという、人間として当然の理性の働きから解放されているとさえ言えるのだから……。



「兄さん、誰が目をつぶっていいと言ったんですか? ちゃんと上目遣いに、あたしを見なさいと“命令”してあったでしょう?」



 その声と同時に、傷口をえぐっていた固形物の動きが止まり、俺の髪は強引に引っ張り上げられる。
“あたし”という女言葉がまったく似合わない、変声期を経た男の低音ボイス。
 それも当然と言うべきか、俺が瞼を開いて最初に視界に飛び込んできたのは、醜く歪んだ嗤いを浮かべる男の顔だった。
 もっとも、この男の名誉のために言っておくと、彼はオカマでもゲイでも同性愛者でもない。
 何故それが分かるかと言えば、俺はこいつをこれ以上ないほどよく知っているからだ。
 いや……もう取り繕っても仕方が無いので、この際ハッキリ言ってしまおう。

 眼前にいる男は「俺」――すなわち世間から俺自身と認識されているはずの存在だった。



 俺はいまセックスをしている。
 もっともそれは、いわゆる恋のときめきとか愛の営みなどといった情感とは完全に無縁な一方的な性行為――つまり、いわゆる強姦というやつだ。
 俺はこの男に押さえつけられ、無理やりにチンコを挿入されている。
……とだけ言えば、完全にホモによるホモレイプにしか聞こえない情況だが、そうではない。
 なぜなら、俺の意識はいま女の――妹の肉体に封じ込められているからだ。
 そして、妹の体になった俺の処女膜をレイプしているこの男の名は佐藤明――つまり、早い話が「俺」であり、さらに正確に言えばこいつも「俺」そのものではなく、俺と意識を交換した一歳下の妹――佐藤静香なのだ。


「自分の甘酸っぱい“初体験”の相手をちゃんと見なさいよ兄さん。せっかく女の子にしてあげたんだから、こんな一生に一度のイベントでそんなひどい顔されちゃ、殿方に失礼ってもんでしょ?」


 そう言いながら妹――の憑依した「俺」――は、そのまま俺――の憑依した「妹」――の唇に、貪るようなディープキスをした。
 それが自分自身のものである事を理解しながらも、初めて飲まされる「男」の唾液の気持ち悪さは、吐き気を催させるに充分なものだったが、これ以上こいつを挑発したくない一心で、俺は懸命に我慢し、その汚液を嚥下した。
128魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:50:01.15 ID:2HPc1QEF
「「「「「「「「「「「「「「「「

 俺の妹――静香は確かに“普通”の枠内に収まる女ではなかった。

 静香はいわゆる“魔法少女”という存在であったらしく、俺とこいつがいま互いに肉体交換を成立させているのは、もちろん常識的な物理ではなく、静香の非常識な“魔力”とやらのおかげであるらしい。
 らしい……というのは、そこら辺の詳細な事情は、こいつの兄である俺も知るところではないからだ。
 もちろん俺は、自分の妹が生まれたときからこんな化物じみた超能力を発揮する存在ではなかった事を知っている。
 だから、静香がこんなパワーを獲得した過程に関しては、俺は何も知らない。おおかた、どこぞの神か悪魔かフェレットかに貰ったとか、そんなところだろう。

 しかし、妹のやつが小学生の頃から玩具めいたステッキを振り回して、近所の爺さん婆さんにお節介を焼いていた事や、クラスメートのトラブルを解決していた事は俺も知ってる。
 まあ、こいつがここまでガチの魔法少女だったとは俺も今朝初めて知ったんだが。
 もっとも妹が「リリカル〜〜」さんや「〜〜マギカ」さんみたく、変身してどっかの誰かとバトルするために魔法少女をやってたんだとしたら、さすがに兄として少しは心配しただろうけど、どうやらそうじゃないらしいという話なので、俺も安心してたんだが。
 でも、その、なんだ……そこら辺はどうでもいい。
 俺が静香に関して普通じゃないといいたい部分は、そんな“些細”なことではないからだ。


 妹が明らかに常軌を逸している最大の点は、俺に向ける異様な情愛だった。
 

 あいつが生まれながらの魔女ではないとさっき言ったが、とはいえ、このブラコン(という言葉で括るには妹の感情はあまりにも攻撃的だったが)に関しても実は、俺はまったく気付いていなかった。
 というより、そこまで妹の存在に関心など無かったと言ってもいい。
 だから数ヶ月前、こいつから、
「あたし、兄さんが好きなんです」
 という、愛の告白めいたカミングアウトを聞かされても、俺としてはどういう顔をしていいかわからず、目をぱちくりさせながら、
「いやいや、何言ってるんだよオマエ、そりゃ人としてダメでしょ?」
 と、半笑いで漫才のツッコミめいた拒絶をしてしまい、わんわん号泣されてしまったのだが、しかし当時普通にカノジョさえいた俺からすれば、他にどう答えればよかったのか、今でもわからない。
 だからこいつが、その翌日から明らかに俺から距離をとるようになったのも、その方がまあ面倒臭くなくていいかな、とさえ考えていた程なのだ。
 そりゃそうだろう。俺にだって気まずさはある。なにしろ俺は、妹をフッてしまった兄なのだから。


 事態がおかしくなったのは、その一週間後からだった。
 食事の時間にさえリビングに下りてこず、俺を避けていたはずの静香が、その日から全く何事も無かったかのような顔をして俺の前に顔を出すようになった。
 それだけではない。
 ことさら俺にべたべたとスキンシップを図るようになり、まるで幼児のような無邪気さで俺に甘えるようになった。
 俺の登校下校に可能な限り自分も同伴しようとしたり、昼休みに弁当を持って俺の教室に現れたり、夕食時にわざわざ俺のテーブルの隣に座ろうとしたり……等々といった風にだ。

 まあ、俺も一度は妹を拒絶してしまった身だ。これ以上こいつの泣き顔を見るのも本意ではなかったし、これでも一応兄貴である以上、人並みに家族愛も兄妹愛も持ち合わせてるつもりだった。
 なにより、そんな程度のスキンシップなら、まだ俺としても全然許容範囲だったからだ。
 だが……困った事に静香の言動は日増しにエスカレートしていった。
 家族として同じ家に住んでいるにもかかわらず、俺の携帯に一日に何十件もメールをよこし、眠れないと言っては夜中に枕を持って俺の部屋に押しかけ、背中を流すといっては俺が入浴中の風呂に乗り込んできたりした。
 挙句の果てに、俺のカノジョに嫉妬して暴言やら罵倒やらを吐くようになったとくれば、さすがにもう笑って済ませるわけにもいかない。
129魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:51:29.23 ID:2HPc1QEF

 で、言っちまったんだよ。
「もういい加減にしようや」
 ってさ。
「これ以上はもうシャレにならんぜ静香。どっちにしろ俺とオマエが結ばれるなんて結末は普通に在り得ないんだから、そろそろ前の俺たちに戻ろうや」
 で、挙句がとどめの一言だ。
「ぼちぼち気も済んだろ?」


 我ながら酷いことを言ったもんだと思う。
 さすがに静香はショックを受けた顔をしてたが、それでも俺は発言を撤回する気にはならなかった。
 なぜなら俺は何一つ間違った事は言ってないのだから。
 あいつが俺の言葉を聞いて何を思ったかはわからない。
 でも、多分泣いたんじゃないかとは思う。
 多分……というのは、それから静香は自室に閉じこもったきり出てこなかったからだ。  
 晩飯も食わず、風呂にも入らず、部屋のドアに鍵をかけて、いくら呼びかけてもアイツは返事一つ寄越さなかったのさ。

 それが昨日の夜の出来事だ。
 で、今朝目が覚めたら、俺は女に――「妹」になってたってわけだ。

 
」」」」」」」」」」」」」」

 驚いたかと訊かれれば、そらそうだと言うしかないが、それでも実は、前後不覚になるほど動揺を覚えていたというわけでもないんだ。
 無論それは俺が鋼鉄の精神力を所有していた――などというわけではない。
 たまげた――というより、あきらかに在り得なさ過ぎるシチュエーションに現実感が全く沸かず、なにか悪い夢を見てるような感覚しかなかったからだ。
 この身を貫く破瓜の激痛も、むしろ現実感の喪失に一役買ってたと言ってもいいだろう。

 だから何が言いたいかといえば、つまり、そんな野郎にパジャマのボタンを引きちぎられてベッドに突き飛ばされたとしても、ここにいたのが普段の俺だったなら当然のように反撃したはずだったってことなのさ。
 実際DQNやヤンキーを気取るわけじゃないが、そこまで喧嘩と無縁な学生生活を送っているわけじゃない。十代後半の青少年として当たり前の血の気くらいは持ち合わせているつもりだ。

 だがまあ……この体が思ったとおり動かないんだわ全く。
 今から考えれば、朝イチの起きぬけってのも原因の一つなのかも知れないが、この妹の体ってのが、さっぱり動かねえ。まるで背骨に鉛でも詰まってるみたいだ。ギニュー隊長のボディチェンジよろしく慣れない体じゃ自由に動けないとか、そういう設定なのかも知れん。
 まあ、もともと妹は体育会系の部活もやってないし、スポーツが得意だとも聞いてねえ。
 むしろ家でポエムでも書いてるのが似合うようなキャラだと思ってたんだが……よくよく考えれば、俺は静香の事を本当に何も知らなかったんだなと心底思い知らされたよ。

(まあ、普段大人しいやつほどキレれば何するかわからんって言うけどさ)
 そう思いながら目を開ければ、そこには「俺」に覆いかぶさって懸命に腰を振る男がいる。
 まあ、てめえの顔と言ったところで、一日数回鏡越しで見る程度の顔だ。付き合いこそ長いが、クラスメートや部活のチームメイトたちと比べても、さほど馴染みがあるツラというわけじゃない。
 そんな見慣れぬ男が、必死にエクスタシーをこらえながら腰を使っているザマは、ある種の滑稽ささえ含んでおり、破瓜の激痛に身を晒しているさなかとはいえ、思わず笑えてくる。

(そういや、アイツとはじめてヤった時も、実際に突っ込んで五分と持たなかったっけな)
 一応、カノジョ持ちの俺は、年頃の青少年のサガというか……早い話が童貞じゃない。
 まあ、海千山千のおっさんというわけでもないので、何百回も経験があるわけじゃないが、それでも性行為に対する自分の肉体の感度も当然わかってる。つまり早い話が……俺は結構早いし、受けに回ると割と弱い。
 だから、この眼前の男が(というか、その「中」にいる静香が)かなりの努力を費やしながら、射精をこらえているという想像が、たまらなく俺の笑いのツボを刺激する。
 が、俺のその反応は、静香を必要以上に挑発しちまったらしい。
130魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:53:22.74 ID:2HPc1QEF


「なによ、その顔……ッッ!!」


 その声と同時に頬が張られた。
「何がおかしいのよ!! そんな人を小馬鹿にしたような顔して……兄さん、自分の立場がまだわからないの!?」
 いや、わかんねえって。
 こんな意味不明なシチュエーションで、冷静に状況判断なんて出来るわけねえだろ。
 俺はどこにでもいる当たり前の高校生なんだぜ?
「つーかよ……俺のツラでその口調で喋るなよ……キモさが一周してもう笑うしかないんだよ……」

 
 その瞬間、俺をレイプし続ける「妹」の顔色が変わった。
 どうやら俺はこいつをからかい過ぎたらしい。眼の光が怒りから殺意と呼ぶべきものへと変化を遂げる。
「いい加減にしなさいよ……ッッ!!」
 その言葉と同時に、正常位で俺に覆いかぶさっていた「妹」の左手が「俺」の首をガッキとつかみ、頚骨も砕けよとばかりに枕に押さえつけて、「俺」の呼吸とおしゃべりを封じてしまう。
 いや、こいつの攻撃はそこで終わらない。
 さらに残った右手を握り締めると、その拳を俺の鼻っ柱に叩き込んできやがったのだ。
「ふざけないでよッッ!! ふざけるんじゃないわよッッ!! なんで兄さんはいつもいつもそうやってッッ!! あたしの言うことを真剣にッッ!! 真剣に聞いてくれないのッッ!!」

 三発目。
 四発目。
 五発目。

「兄さんがそんなだからッッ!! 兄さんがいつもいつもそんなだからッッ!! あたしはッッ!! あたしはこうするしかッッ!! こうするしかなかったんじゃないのッッ!!」

 六発目。
 七発目。
 八発目。

「こうなったのは兄さんのせいなんだからねッッ!! 兄さんの自業自得なんだからねッッ!! あたしは悪くないんだからねッッ!! 兄さんが!! あたしの告白を笑った兄さんが全部悪いんだからねッッ!!」



……まあ「中」にいるのが妹であるとはいえ、客観的な絵で言えば、平均的な体力を持つ男子高校生が、一歳年下の女の細首を押さえつけながら、ガチの下段突きを顔面に入れているのだ。
 おそらくあと一分その状態のままだったら、俺は多分死んでいただろう。
 状況描写が「死んでいただろう」という推測文なのは、俺は結果的に死ななかったからだ。 
 九発目のパンチを入れたその瞬間、射精をこらえていた「妹」の集中力が途切れたためだろうか……「俺」の膣内にねじ込まれていたペニスが一気に暴発しやがったのだ。


――どくん!! どくんっ!! どくんっっ!!


「〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!」
 眉間に皺を寄せ、歯を食いしばって懸命にエクスタシーをこらえた「妹」は、その後しばし瞑目していたかと思うと、そのまま「俺」の首を絞め続ける左手もろとも脱力し、荒い呼吸に身を震わせながら「俺」の体に覆いかぶさってきた。
 重ね合わせるバスト越しに「妹」の心臓の鼓動が、まるで早鐘のように鳴りまくっているのがわかる。
131魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:56:01.87 ID:2HPc1QEF

(よっぽど良かったらしいな)
 などと冷静に考える余裕が、何故その時の「俺」にあったのか――それはもう、自分でもわからない。
 処女膜破れたてのバージンまんこにチンコを突っ込まれて、ピストンされ続ける痛みなどとは全く異質な、直接的な“暴力”によるダメージにさらされ、俺はもう身動き一つ出来ない。
 熱いザーメンを中出しされて気持ちよかったかって? 
 それどころじゃねえよ、まったく。
 切れた唇や鼻血は当然のこと、歯も何本か折れているだろうし、窒息しかけていた喉や気管も焼け付くように痛む。ぶん殴られた衝撃で脳震盪も起こってたのかもしれない。
 が、そのとき俺の頭にあったのは暴力や強姦の痛みではなく(いや、それらの傷も充分痛かったが)たった一つの疑問だった。


――静香のやつは、俺と肉体を交換した謎パワーを使って、なぜ俺の心を支配しないのか。
――なぜ静香は、その“魔法”で、俺を自分に惚れさせないのか。


「……そんなことして、何の意味があるのよッッ!!」


 その叫びと同時に「俺」の顔面がポッと温かくなり、鼻や唇や口内から痛みがみるみる消えていく。
 重い瞼をむりやり開くと、「俺」に手をかざしてピンク色の魔力光を浴びせている「妹」が見える。
 これはアレか、ホイミかべホイミか。
「魔法で好きになってもらっても!! 魔法でむりやり好きになってもらっても!! そんなの意味ないじゃないッッ!!」
 おいおい、待て待て。
「だからあたしは……だからあたしは、兄さんの心にまでは手を出さないッッ!! 魔法で愛してもらっても、それはあたしにとっても兄さんにとっても――いや、あたしの魔力自体に対しても侮辱でしかないからッッ!! だから断じてそんな事はしないッッ!!」
 いや、だからちょっと待てって静香……心には手を出さないとか何かいい台詞っぽく言ってるけど、それでお前が今やってるこの肉体交換の上のレイプって行為が、少しでも正当化できるとでも……。

「でもね……!!」
「妹」の口元がニヤリと歪んだ。

 10発近くぶん殴られた顔の傷は、もうほとんど痛みを主張しない。口の中でカラカラ言ってた折れた奥歯もいつのまにか治っていたようだ。どうやら奴のホイミの威力は本物のようだ。
 まあ、元をただせばこの顔は「妹」にとっては自分の顔なのだ。明日以降の日常生活に支障が出るような痕をそのままにしておくはずも無いだろう。
 だが、こいつがホイミで回復させたのは、あくまで殴打の傷だけだ。
 処女をぶち抜かれた内臓を引き裂かれたような激痛に関しては、まったく放置のままだ。


「兄さんにはあくまで、もっともとっと苦しんでもらいます。これからの日常は、今日の処女喪失なんて比較にならないくらい辛くて痛くて恥ずかしい目に遭ってもらいます。その上で兄さんを、あたしに惚れさせてみせます!」
「へ……?」
「兄さんを犯して犯して犯しぬいて、あたしなしでは生きていけない体にしてあげます!!」


 妹が兄に告げるにはあまりにも異様な宣言ではあるが、しかし現に俺は、今やこいつに手も足も出ない。おそらく静香がその気になれば、ただの人間に過ぎない兄など、死体さえ残さず消し去る事も造作も無いのだろう。
「…………そっか」
132魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 03:59:11.20 ID:2HPc1QEF
 かすれた声で俺も答える。
 ならば、俺にできる事なぞ知れている。
 せめて兄としての余裕を気取って苦笑を浮かべながら、気の利いた言葉の一つでも返してやるくらいか。
 というより、この状況においてもなお、俺はこの「妹」に一分の恐怖も抱いていなかったのだ。

 理由を訊かれれば、やはり静香に対する兄としての信頼があるとしか言いようが無い。
 どれほど怒り狂っていようが、やはりこいつが俺に対して、取り返しのつかない真似をするはずが無いという、「家族の絆」とでも呼ぶべき無言の確信があるからだ。現にさっきの撲殺未遂のときも、最後の一線を越える寸前でこいつは俺を解放したじゃないか。
 それに何より……俺には、こいつにどんな目に遭わされても仕方の無い理由がある。
 俺はこいつを泣かせてしまったのだ。
 静香に女性としての魅力を感じていたかと訊かれれば、真顔で俺は首を横に振るしかないだろう。だが、それでも兄として、妹を傷つけた男を許すわけには行かない。たとえそれが「俺自身」だとしてもだ。
 だからこそ、安易に許されたいなどと思えるわけが無かったのだ。


「いいぜ……存分にやれよ……それでお前の気が済むならな……」


「妹」の目が、一瞬何かに射抜かれたように動揺する。
 だが、さっきの会話で理解したが、こいつは魔法で俺の思考を読める。
 俺の本音が静香への贖罪だと瞬時に知った妹は、さらに怒りに口元を歪ませると、
「上等よ……じゃあ思う存分好きにさせてもらうわ……!!」
 と呟き、いまだ血まみれまんこに挿入しっぱなしになっているチンコをさらに激しく動かし始める。
(ぐうッッ!!)
 再開された激痛に俺は思わず目を閉じ、歯を食いしばる。
 いや、それだけではない。
「妹」は、ふたたび掌にピンク色の魔力光を溜め、「俺」の下腹部にそれを押し当てる。
 その瞬間だった――。



「ひゃあああああああッッッ!!! なっ、なにこれ……ひぎいいいいいいいいッッ!!!」



 下半身から俺の全身に向けて発信されていた激痛が、突如その姿を変えたのだ。
 そう、男として知るセックス――射精感の数倍、いや数十倍のエクスタシーが、俺の全身をまるで嵐のように蹂躙し、翻弄したのだ。
 生傷を木刀で直接えぐりまわされるような痛覚が、その瞬間に俺自身も未経験の膨大な快感に変換されたのだ。それこそ俺の理性などひとたまりも無かったと言うべきだろう。
「はひっっ!! はあああああああっっっ!!!」
 あえぎ声など叫ぶ余裕も無い。「俺」の口から出るのはまさしく悲鳴だった。
 もしも今この瞬間、この家の前を通りすがった通行人がいたなら、最悪の場合警察に通報されていたかも知れなかった。俺の声はまさしく理性をなくした者にしか出せない叫びのはずだったからだ。
 

『どう兄さん? いま兄さんが味わっているのが、いわゆる“女の悦び”というやつよ』


 駄々をこねる幼児のように首を振り、息の続く限りわめき散らしてエクスタシーの海で溺れ続ける俺の脳髄に、静香の囁き声がダイレクトに届いてくる。
 これもおそらく妹の魔法のなせる業なのだろうが、むろん俺に返事をする余裕などあろうはずがない。
『兄さんが泣いて許しを請うまで痛い目にあわせてやろうと思ってたけど……気が変わったわ。そんな単純な痛みなんかで許してあげない』
 そうテレパシー(?)で俺に宣告しながら、「妹」はさらに深くチンコを突き立て、二度目の射精を容赦なく子宮にぶち込む。
133魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 04:01:01.16 ID:2HPc1QEF

 その一撃――というより、まんこ深くに直接ぶち込まれた熱い生ザーメンの感触によって、これまでに倍する快感が俺の意識を襲い、とどめを刺す。
(これがいわゆる“絶頂”ってやつか)
(中出しが気持ちいいってのは結構マジなんだな)
……などと考える余裕は、今度こそ無かった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
 もはや声すら出せず、口や瞼を閉じる事さえできずに涙やよだれを撒き散らしながら「俺」はエビのようにのけぞり返る。
『発狂寸前になるまで追い込んであげる。痛みの何十倍もの気持ちよさでね!!』

 その声とともに、俺は意識を失った……。


「「「「「「「「「「「「「「「「「

 口から泡を吹き、マラリヤ患者のように痙攣しながら失神した「兄」……いや、自分の肉体を見下ろしながら、あたしはそこで始めて血まみれのペニスを引き抜いた。
 その途端、どろり――という形容詞が意図せず浮かぶほどの様々な液体が、あそこからこぼれ落ちる。その光景……というより、その大量の体液が発する臭気に、さすがの私も顔をしかめざるを得ない。
 赤いのは初体験での出血として、白いのは二度の射精で排出された精液や、おそらく本気汁というやつであろうか。そして黄色いのはやはり尿なのだろう。気持ちよすぎると失神と同時に失禁してしまうことは珍しくないとレディースコミックに描いてあった通りだ。
 魔法で多少は快感を増幅したとはいえ、ここまで自分の肉体が敏感だったとは、さすがに自分のことながら驚かずにはいられない。
 でも……、
(あたしと兄さんの体が、こんなに相性がよかったなんて)
 そう思うと、あたしの心が何か暖かいもので満たされていく。


「$%&’>?”#」


 脱ぎ捨てた服からステッキを取り出し、呪文を唱える。
 立ちくらみのように目の前が真っ暗になり、次の瞬間、あたしは尻餅をついていた。
(肉体交換って初めて試してみたけど……結構くらくらするんだ)
 目を開けてみてみると、元の姿に戻った兄さんは相変わらずベッドの上で失神したままだし、あたしの股間は、それはもうスゴイ事になってる。
 なにより、さっき兄さんを失神させたアクメの余韻が、まだ体の芯に残ってる。意識の入れ替わりでそれも大分リセットされたはずだけど、それでもまだ足元がおぼつかないくらいだ。
(はやくシャワーを浴びよう……)
 そう思って引き出しから新しいショーツを取り出し、お風呂場に向かう。すでに全裸になってしまっていることだし、むしろ早く熱いお湯を浴びないとこのままじゃ風邪を引いちゃうかも知れない。
134魔法少女マジカルしずか:2012/06/05(火) 04:03:22.38 ID:2HPc1QEF

 股間から溢れるジュースはまだまだ止まらない。
 振り返って見てみると、廊下に点々とこぼれた水滴みたいに光ってるのがわかる。
 途端に恥ずかしさが溢れて、あたしはステッキを振って雑巾を出し、急いでそれらを拭き取る。
『!”#$%&’(?』
 ステッキに搭載された人格AIのレイジューノ君が、魔法で蒸発させればいいじゃないかと念話で言ってくるけど、あたしは無言で首を振る。
 この魔法というパワーはあまりにも便利すぎて、使い慣れすぎると日常にちょっと思わぬ支障が出そうなので、あたしはなるべく使わないようにしてるのだ。
 もっとも、兄さん相手にこんな使い方ができるなんて、昨日までは思いつきもしなかったのだけど。
(兄さん……)
 いかんいかん、兄さんのことなんか思い出したら、とてもじゃないけど終わらない。雑巾がけをしながら水をこぼして回ってるみたいな状況になっちゃう。
 あたしは構わず浴室に飛び込んでシャワーの蛇口をひねり、熱いお湯を頭から浴びた。
 

 
 わかってる。
 なんで興奮が収まらないのか。
 これからのことを思わずにはいられないからだ。
 魔法を使うなら、出来るプレイの選択肢はそれこそ無限だ。
 二人とも透明人間になって授業中の教室でだって本番ができるし、審議中の国会や公演中のコンサートホールとか、リビングで夕食中の両親の前でだってできる。
 あたしのクリをペニスサイズに巨大化させて兄さんのアナルに挿入することだってできるし……いやいや、兄さんの体を人形サイズに縮めて、一日中あそこにバイブレーター代わりに入れっぱなしにすることだってできる。
 それこそ、どんな不可能なプレイだって無茶苦茶なプレイだって思いのままだ。なんといっても、あたしは“魔法少女”なのだから。

 でも、魔法を使ってあたしを愛させるっていうのだけはNGだ。
 そんなことで簡単に終わらせてなんてあげない。
 兄さんが心からあたしを愛するようになるまでは、徹底的にやってやる。
 その結果、兄さんがどうなったとしても許してなんかあげない。ストレスで心が壊れたら治せばいいし、自殺したとしてもすぐに生き返らせるだけの話だ。
(そうだ……どうせなら、兄さんをもっともっと追い込んでみよう)
(兄さんの友達を全員洗脳しよう、みんなが兄さんに嫌うように)
(いや、どうせなら兄さんを女にして、その友達全員にマワさせるっていうのもアリかな)
(どっちにしろ兄さんのカノジョには、一番ひどいやり方で兄さんを裏切ってもらわないとね)

 べとべとだった体はとっくの昔にシャワーで洗い流されていたけど、考え始めたら、もう止まらない。
 あたしの興奮は、どうやら当分収まる事は無さそうだ……。
 
 
135痴女109号:2012/06/05(火) 04:05:46.90 ID:2HPc1QEF
以上です
お粗末さまでした
136名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 08:01:13.92 ID:H3jt2/cx
>>126
GJ!
兄妹入れ替わりひゃっほい(・∀・)
137名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 21:24:25.01 ID:k6Dl6FhC

しかしこの妹は怖いな
女の情念がすごい
138名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 11:25:48.35 ID:+F3Rg93y
>>135
乙です
139名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 23:21:26.63 ID:1meBl71s
風俗いってきちまったよ
緊張で立たなかったよ
助けてキモウト
140名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 01:15:51.11 ID:3RzFe2oQ
妹「なあ」
妹「おい」
141名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 19:18:21.39 ID:eZ154u3p
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/kimosisters/1/335-341
前投下した催眠姉の前日談です。前のは催眠術成分が足りないと思ったので
今回のは催眠術成分を増やしてみました。あとエロいです。前よりエロくしたつもりです。
もしよろしければお読みください。
142名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 19:20:26.41 ID:eZ154u3p
すいませんこちらのミスでageてしまいました。申し訳ございません
143名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:22:06.16 ID:QdS7kAzs
>>141gj!
ところで避難所のはここで感想で良いの?

やっぱり親子二代キモ姉は良い物だ
144名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 00:02:55.26 ID:E8s6Mt//
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/903.html

ヤンデレのSSだけど、キモ姉に通じるものがある
145名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 00:08:27.98 ID:dQzKkj32
通じるものがある、じゃなくて完全なるキモ姉ものだな
146関西から来たキモウト16 ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:46:24.33 ID:FdkUhPFU
投下します
147関西から来たキモウト16 ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:47:09.09 ID:FdkUhPFU
…目が覚める。ここはどこなんだろう。
ベッドに手をつき周りを見回す。
いつもの景色と違う。いつもの匂いとも違う。
アタシはどうなったんだろう。やけに頭が痛い。

『あなたは妹。有が抱きたいのは私なの。ごめんね。
 所詮あなたは妹で、あなたがやってることは無駄な努力。
 有が妹のあなたを異性として好きになることはありえないの。
 ちゃんと言ってあげないとダメと思ってね。
 勘違いしてそうだから』

「…っ!!!」

すぐに思い出して吐き気を催す。

(あの女…八つ裂きにしたる…!)

強烈な殺意と共に、その時のお兄のアタシを見るなんとも言えない顔を思い出す。

(アタシの想いは終わったん…?)

そのあとに続くのは深刻な悲しみ。悲恋?
それも、もとから報われることのない。

『神菜の本当に好きな人のことは知らないけど、それが本当に無理な恋なのか。
 それを考えたらいいと思う。無理ならさっさとあきらめる。好きなら頑張ってみる。
 可能性があるなら頑張れ! 応援してるぞ! あんまり泣くなよ!』

「お兄…う…ぐす…ぅ……」

涙が止まらない。頭が痛い。胃がムカムカする。

(無理とちゃう! 無理とちゃう! 可能性があるなら応援してくれるって言ってたやん…!)

でも…やっぱりアタシは妹…世間では認められない。
可能性は考えた。結婚はしなくても、一緒に暮らすようにすること。
親が離婚したあと戸籍を変えること。別の国に移住すること。

どれも現実的じゃない。
そもそもお兄がアタシを女として見てない。
結ばれるという前提条件がすでに無いのだ。

「お兄…お兄さん…ウチのお兄…グス…」

だから一番の目的はアタシを好きにさせることだったのに。
涙でぼやけた過去のメールの文字を見直す。
まだメールがなくて手紙のやりとりをしていた時の文章も、今では全部携帯の中に入っている。
それを見ながら思う。あの頃のままでいれたらどんなに良かったか…

『おにいへ
 とうきょうはどんなとこ? おもろいん? うちもこんど行くで。
 おにいとけっこんしたら、どっちですんだらええんかな。
 いまからなやんでいます。おにいだいすき!
 そっちからもあいにきてや!』

結局あの頃、両親はうまく行くことはなく時間と距離だけが過ぎて、文字でしか離せなくなった。
でも実際の距離が遠くなって時間が経つごとに、アタシはお兄との心の距離が近づいていった。

なんでも話せる相手。一番大事な相手。
思春期に入った頃には、もうお兄を一人の男性として愛していた。
148関西から来たキモウト17 ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:48:13.10 ID:FdkUhPFU
なんでも話せる相手。一番大事な相手。
思春期に入った頃には、もうお兄を一人の男性として愛していた。

―ガチャ

遠くからドアの開く音がした。誰な? お兄?

アタシは急いでベッドに寝転び毛布にくるまった。
気付かなかったけど自分の服と下着が汗でびっしょりで気持ち悪かった。
頭痛も治りそうになかった。
149関西から来たキモウト18 ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:49:15.04 ID:FdkUhPFU
「ただいま」

俺は玄関から妹を寝かせた自分の部屋に向かう。
正直気まずい。神菜が俺を男として見てる。
そんなことを意識してしまうと、なぜか緊張してしまう。
いつも通りにしてればいいのに。

『ゴメン…好きんなってゴメンな、お兄、好きやねん…ゴメン…』

くそ。神菜の泣き顔を思い出すたびに心が締め付けられる。
ドアの前に立つ。持っている大きな手さげ袋を見る。
中にはさっき翔子から借りてきた服が入っている。

『服? こっちに来る時、持って来なかったの?
 ま、いいわ。ちょっと待ってね。あの子の身長だと…』

翔子は意外にも親切に、神菜用の服を貸してくれた。
神菜が夏風邪を引いたみたいと言ったら、自分にも責任があると目を逸らしながら謝っていた。

―コンコン

自分の部屋のノックをするなんて始めてだ。

「神菜、入っていいか?」

返事がなかったので入った。神菜は寝ていた。
まだ意識がないんだろうか。相当ショックだったみたいだし。
ベッドの側に座って神菜の額に手を当てる。

「…ん…っ」

神菜の息が漏れる。起こしてしまったと思ったがそのまま寝息を立てている。
それにしても凄い熱だ。汗も酷い。
俺は熱を計るため、体温計を手にとった。
神菜の左肩に手をやり、その脇に当てた。

「…ん…んぅ…ぅ…ぅん…」

妹の声がやけに色っぽいので、こっちまで変な気分になりそうになる。
体温計を固定するために肩と腕を抑えたままじっとする。
待ってる間にふと妹の胸に目が行く。
上下してる胸の膨らみが、小さかった妹も女になったんだと改めて意識させる。

―ピピピ

体温計が鳴ったので温度を見る。

「40度!? ヤバ…! 医者呼ばないと…」

携帯をポケットから出そうとした瞬間、腕を掴まれた。

「か、神菜?」
「医者は呼ばんでええよ」
「…でも、こんなに高熱…」
「熱やないから」
「無理すんなよ」
「ちゃうってホンマに」
「でも…」
「もっかい体温計貸して」
「あ、ああ」
150関西から来たキモウト19 ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:49:40.55 ID:FdkUhPFU

神菜は何度か深呼吸をしたあと、目を閉じて自分の脇に体温計を当てて計り直す。



「38度1分…?」

神菜の体温は下がっていた。それでもかなりの熱だけど。

「さっきの40度はなんだったんだ?」

妹を見つめながら質問する。

「お兄が触るから…」
「え?」
「お兄のせいで熱上がっただけやから…」
「悪い」
「謝ることちゃうから、ええ」

つまり…そういうことか…?

結局、神菜はそのあと大人しく着替えたあとバファリンを飲んでから眠った。
服の着替えのとき『あの女の匂いがする』って言ってたけど。

はあ、しばらくは安静だけど、これからどうなるんだろう。
151関西から来たキモウト ◇qtuO1c2bJU:2012/06/13(水) 15:50:17.82 ID:FdkUhPFU
投下終了です
152関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/13(水) 19:44:00.14 ID:aUp/Gq/k
トリップ訂正
153名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 21:37:54.74 ID:g+CgYzZM
>>150
投下乙です
あの女の臭いワラタ
154名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 22:43:17.96 ID:uU0y1i4Z
GJ
健気なキモウトだ
155名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 23:36:21.63 ID:jRsreZn4
GJ
無理せず、頑張って続けてください
156名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 00:30:25.41 ID:FvZRT5ss

最後の台詞がまんまあの元祖キモウトですねw
157名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 09:10:48.44 ID:DQmK98YB
>>151
乙です!
158関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/14(木) 13:11:55.00 ID:qQl/qzLP
投下します。
159関西から来たキモウト20 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/14(木) 13:12:50.49 ID:qQl/qzLP
アタシの風邪と熱が引くのに3日間かかった。
これからの事を考えるのには充分な時間だった。
この家のことを知るのにも。現実のメールじゃないお兄を知るのにも。

…そしてあの女の事を知るのにも。

悪かったのは、あの女の服のおかげで、匂いが体に付いてしまったことだけだった。
あれからその匂いがエイトフォーだとわかって服と下着は全部元の袋に戻した。
本当は燃やしたかったけど住宅問題でできなかった。

今はこっちに来た時の服を着ている。
他の服と下着はお兄と買い物と称したデートで一緒に色々買った。
やっぱりお兄といるときが一番話せるし落ち着けるし楽しい。
服も選んでもらったりした。
店員にカップルと間違えられた時に、お兄がアタシのことを妹だと紹介したのは複雑な気分だったけど。
今は仕方ない。今は。

それにしても聞けば聴くほどあの女の怖さがわかった。

鳴瀬翔子。高校3年17才。隣の住人でお兄の幼馴染。
成績優秀、運動神経抜群、積極的で負けず嫌い。
口ケンカでも素のケンカでも男子に負けたことがないらしい。
当然クラスの女子のリーダー格。人望もあるらしい。

お兄がこちらに来たときは、すでにマンションの隣に住んでいたらしい。
話を聞くたびに幼馴染と言う事に、自分が強烈に嫉妬しているのがわかった。
それを抑えるのには一苦労だった。

アタシはお兄の妹で肉親という不利な状況にいる。
普通にしていたら間違いなく、お兄はあの女のものになってしまう。
メールと現実の差は大きい。あの女との過去の話を聞くたびに落ち込んだ。

「最初からあいつは怖かったよ。いきなりそいつに向かってグーで殴ってたし」
「…ふぅん」
「そのあと俺に手を出す奴はいなかったよ。それが上級生でも」
「…そうなん」

最初、お兄が転校後に関西弁でからかわれていたのを助けられたのがきっかけだったらしい。
聞けばお兄は大阪にいるときでも、いじめられっ子みたいだ。
アタシは物心はついていたけど、そんなことは知らなかった。
お兄は小さい頃から大人しい性格だったのは知ってたけど。
家族に気を使って話せなかったらしい。

今でも大阪には良い思い出はないと言ってた。
『アタシといるとき以外は』とフォローしてくれたけど。
アタシもお兄といるときは楽しかったし、そう信じたい。
でもお兄が幼馴染としてあの女と過ごして来たことを思うと冷静ではいられなかった。
160関西から来たキモウト21 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/14(木) 13:14:38.44 ID:qQl/qzLP
「なあ、お兄」
「なんだ?」
「看病してくれて、ありがとうな」
「気にすんな。当たり前だろ」
「…お兄…なんでそんなに優しいん?」
「何言ってんだ」
「アタシのこと気持ち悪ないん?」
「なんで?」
「その…アタシ…お兄のこと本気で好きやねんで」
「…う、うん」
「お兄はアタシのこと…どう思ってるん?」
「あ…俺は……」

途端に怖くなった。もし拒絶されたら気まずくなってしまう。

「あはは、ええねん。ええねん。ウチも今はお兄とおれるだけでええから。変なこと言ってゴメンな」
「あ、ああ…」

お兄の表情は困惑気味だ。やっぱり告白は早すぎたと痛感する。
当初の予定が狂ってしまった。あの女のせいで強引に告白させられたのは最悪だった。

お兄を振り向かせるには、『妹は性の対象外』というハンデと常識がネックになる。
でも、この三日間でだいぶん落ち着いて、これからの方針を考えることができた。

今も実行に移している。メールで聞いたお兄の好きな料理を一緒に作って食べる。
これらはお兄を育てると宣言したことに添っている。
実際、お兄は外食ばかりだったから料理も教えている。
キッチンで一緒に料理をしている時に、お兄の手や体に触れて指導するときに、たまらない幸福感を感じる。
最近はマシになってけど、初めは下着が濡れっぱなしで食後には履き替えないといけないほどだった。
代えがないのであの女の匂いのする下着は履きたくなかったので近くのコンビニで買ってきた。

「面倒くさいからラーメンにしようぜ」
「ええけど。でもせめて野菜は入れよや。ほらネギ切ってみ。こっちもおんなじように」
「麺だけでいいじゃん」
「あかん。野菜も入れんと。白菜ともやしも入れんで」

でも問題はこれから。嫌でもあの女と顔を会わせないといけない。
近くのコンビニに買い物に行くだけで、隣のマンションのドアが開くんじゃないかと怖くなる。

「あ、野菜なくなってるやん。買ってくるわ」
「麺伸びるぞ」
「すぐやから。んじゃ行ってくる」
161関西から来たキモウト22 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/14(木) 13:15:20.46 ID:qQl/qzLP
素早くコンビニに行って買い物をして帰ってくる。この間10分かかってないと思う。
ここは二階なのでエレベーターを使わずに階段なので早く行ける。

「ただいま」

ドアを開けた瞬間。背筋が冷たくなった。

「おかえり、神菜ちゃん。元気になってよかったね」
「…あ…あ…」
「そんな怖がらなくていいのよ。仲直りしようと思って来たんだから」
「え…そんな…」
「ふふ、さあ、3人で食べましょ?」

突然のことで思考が追いつかなかった。
同性から見てもスタイル抜群の綺麗な黒髪の美人。

でも、それが怖くてたまらなかった。
立ってるだけでやっとだった。
162関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/14(木) 13:15:52.22 ID:qQl/qzLP
投下終了です。
163名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 21:43:01.21 ID:+mHMABP3
乙です
それにしても、このキモウトはかわいいな
164名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 21:01:58.62 ID:/ooF6pLh
人離れが深刻
165名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 21:06:45.31 ID:ksW9USqv
かわいい
166名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 00:24:38.89 ID:mSNNYgxz
GJ!
弱いキモウトもいいですね
167名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 00:30:12.25 ID:78J1gf24
未来から来たけど明日狂もうとがくるよ
168名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 09:16:24.80 ID:zS1B8jcu
>>162
乙乙!
169名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 12:26:08.98 ID:grcMRhX4
>>167
キタ――(゚∀゚)――!!
170名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 00:03:07.02 ID:LMl1HHvD
狂いもうとまだー?
171名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 03:26:47.87 ID:aNFKvHaj
>>167
絶対に許さない
172名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 19:51:21.80 ID:AtLBK6uz
別れ話を持ちかけた彼女が蜉蝣の話し出して結局死んだんだけども
娘とか周囲の人間に元彼女の面影が出てきたうんぬんかんぬん
って話のタイトル何だっけ
173名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 06:28:31.91 ID:+FGHx/e7
黒い陽だまり だと思う
174関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:11:26.89 ID:U8zyW0CA
投下します。
175関西から来たキモウト23 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:14:19.33 ID:U8zyW0CA
この子を追い込んであげないといけない。
それも徹底的に。二度と兄である有を愛せなくなるように。
近親相姦の嫌悪感という常識はお互い兄妹にもある。
それを利用して徹底的に想いをズタズタにしてやるのだ。
私のそんな雰囲気が伝わったのだろうか。
目の前の有の妹、神菜は私にかなり恐れを持っているみたいだった。

「あ…あの…来てたんですか…」

ふふ…敬語になってる。
なんだかこの子が可愛く見えてきたのは気のせいだろうか。
まあ有と目元が似てるのもあるんだろうけど。
でもそんなことは関係ない。この子が危険な事に変わりはない。
有の妹と言う目で見るのではなく、一人の女として見るべき。
だから今日来たのも理由がある。

「友達も連れてきてるの。紹介するわ」
「…え? 誰なん…ですか」

怯えてる怯えてる。そりゃ怖いわよね。
でもね。あなたはここではヨソ者なのよ。
それを思い知らせてあげる。

「普段私と有とも仲のいい友達よ。私達の仲も公認してくれてる子。見たら驚くわよ」
「…っ! …ほんなら挨拶してきます」

そんな険しい表情してたら相手もびっくりするでしょうに。
するとリビングで神菜が美佳と顔を合わせたようだ。

「あ! テレビの!」
「お邪魔してます。初めまして。泉水君と翔子のクラスメートの宮野美佳。よろしくね」
「し、知ってます! 女子高生実業家のミミちゃんですよね?」
「そのアダ名はやめて。美佳でいいよ」
「あ、じゃあ、美佳さんでええですか?」
「うん、よろしくね」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。泉水有の妹の神菜って言います」
「そんなにかしこまらなくていいってば。翔子に強引に連れてこられただけだし」
「翔子…さんにですか」
「うん、あなたの歓迎会。ようこそ東京へ」
「そんな…こっちこそ…」
「それと関西弁可愛いね」
「…ありがとうございます」

その光景を見ながら思う。私はね、これくらいの子を呼べるくらいここでは人望があるの。
あなたみたいな、ちんちくりんとは訳が違うの。とにかく今日の作戦はこの子の戦意を喪失させること。
いかに私に逆らうことと、有を好きになることが無意味かを教えてあげないといけない。
私はその一歩を切り出す。

「ほら、あなたのお祝いに一緒に食べましょう」
「でも…うちとお兄の二人前しか作ってへんですし…」
「大丈夫。さっきの麺は伸びきってたから全部捨てといたわ」
「…え?」
「私が作るわ」
「え…え…」
「あなたのために。いいわよね?」
「う…うん」
「敬語忘れてるわよ」
「は、はい」

それで料理の腕の差も見せてあげる。私の料理はあなたとは根本的違うんだから。
176関西から来たキモウト24 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:18:06.12 ID:U8zyW0CA
なんだかんだであの女の料理を食べてしまった。悔しいくらい美味しかった。
そこら辺の外食なんか行くくらいなら、みんな、この女の料理を食べたがると思う。
たぶんお兄も。お兄はこんな料理をいつも食べてきたんだ…

アタシじゃ無理なん? 泣きたなってきた…

それにしても本当に美味しくて食事が進んだ。
横にいる美佳さんが絡んでくるほど。なぜか酔っ払ってるし。
さっきまで携帯で話してた仕事の話はいいんだろうか。
今日中に2億のリターンがどうとか言ってたけど。

「神菜ちゃんってホント可愛いね。ねえ泉水君。この子頂戴よ。私の妹にするから」
「いや…神菜の自主性を重んじてるから」

お兄ヘタレすぎ…自分じゃわからんから妹に全部任せるってゆうてるもんやん…
あと、美佳さんもウチの胸触るのやめて欲しい…

「有、別にいいんじゃないの? 美佳なら神菜ちゃんを大切にしてくれると思うわよ」

このアマ…死ね! 百回死ね!
さっきまでも散々アタシのけもんで三人で喋るように仕向けてたくせに!
美佳さんがフォローしてくれへんかったら完全にぼっちやったわ!
どこが歓迎会やねん!

「神菜ちゃんでいいかな?」
「は、はいっ!」
「お兄ちゃんは好き?」
「え、はい…好き…です」

なんで突然そんなことを訊くんだろう。美佳さんには関係ないのに。
それとは関係ないが、お兄とあの女が、離れたところで仲良く喋ってるのに目が言ってしまい、どうしても嫉妬が抑えられない。
悔しい…アタシは所詮妹…妹に過ぎない…あかん…また泣きそ……

「本気で?」
「ど、どういう意味ですか?」
「そのままの意味かな」

美佳さんは笑顔で真っ直ぐに見つめてくる。
なんだろう、この感覚。なんかとても優しい感じがする。
そして凄く落ちついた感じ。
さっきも一緒に喋ってたけれど、何か他人じゃない感覚がする。

「さっきも話したけど私には弟がいるの」
「はい、テレビでも見たことあります」
「でね、これがまた可愛くて大好きなのよ」
「そうなんですか」

ブラコンと言うやつだろうか。人のこと言えないけど。
でも真剣じゃないんだから参考にならない。

「泉水くんを見つめてる神菜ちゃん。完全に恋する乙女の顔だったけど」
「え…そんなん…ちゃいますって…」
「私にはそう見えたんだけど見間違いかなぁ」
「きょ…兄妹仲がいいってよくあることやと思いますし」
「そうだね。でも本気で結ばれたいと思ってる人もいるよ」
「そんなん、ごく一部ちゃいます?」
「私みたいに、いるところにはいるのよ」
「…冗談きついです…」
177関西から来たキモウト25 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:21:40.46 ID:U8zyW0CA
お兄と翔子がテレビを見ながら盛り上がってる。

これからこんなん見なあかんの?
耐えられへん…また泣きたなってきた…

「ううん、もちろん家族としても好き。でもそれ以上に異性としても好き」
「でも本気ちゃうんでしょ」
「本気なんだけどな」

どうせからかってるんやろと思ってしまう。
それともあの女から全部聞いたんちゃうかって。

「たぶん私のことは信じてくれないと思うけど」
「…」
「でも一言言っとくよ」
「…」
「私ね、神菜ちゃんみたいな子嫌いじゃないわ。むしろ好き。大好き。あなたは報われない恋だと思ってるようだけど、それは違うわ。少なくとも私はちゃんと見てるから」

気が付いたら景色がぼやけていた。例え冗談でも認められた気がして嬉しかった。

「ほら泣かない」

ハンカチを渡される。そして視界からあの女が見えないように座ってくれる。

「ぅぐ…な…なんで…そんな優しいん…ですか? 関係ないのに…」
「関係あるのよね。神菜ちゃんみたいな子、結構いるのよ。もちろん少数だけど」

あ、翔子がこっちに気付いた。

「あと、ここは盗聴されてるわよ。気をつけて」
「…え?」
「それとこれ」

メモを渡される。

「頑張ってね」
「は、はい」

すると横からあの女が話しかけてくる。

「随分仲良くなったのね」
「まあねぇ、この子可愛くて面白いし」
「確かに関西弁だけは面白いわね。芸人みたいで」
「あのさ、あんまりこの子いじめないであげてよ」
「別にいじめてないわよ。何聞いたか知らないけどその子の被害妄想じゃないの」
「だから、そうやっていじめないでって」
「…ふん」
「まあ気持ちは分からなくもないけど…」

そのあと美佳さんは帰ってしまった。

そしてアタシは翔子が帰るまで生き地獄を味わうのだった。
散々お兄といちゃつきながら思い出話をされて、使用人みたいに扱われて。

それに最近のここでの暮らしなんかまったくわからないから完全に置いてけぼりだった。
もうお兄のことはあきらめた方がいいのかと何回も思わされるくらい。
178関西から来たキモウト26 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:23:33.26 ID:U8zyW0CA
「えっと…お兄! パソコンあるん? アタシも使いたいんやけど」

さっき美佳さんから渡されたメモにはURLとIDとパスワードが書いてあった。
どこのサイトか知らないけど。

「あ、ちょっと待ってくれ。持ってくるから」
「確かノートやったっけ?」
「ああ」

しばらくしてお兄が自分の部屋からノートPCを持ってくる。

「もうちょっと待っててくれ」
「なんで? 普通に使えるやん」
「いや、ちょっとログインの設定するから」
「う、うん」

確かにお兄も一人の男子だ。
見られたくないものもあるのかも。
でもお兄のお気に入りとかも見てみたい。
えっちなのもあるんだろうし、どうゆうのが好きなのか知りたい。

設定が終わってアタシも使えるようにしてくれた。
これからはリビングに共用PCとして置いてくれるらしい。
お父さんの部屋にもあったけど勝手に使ったらダメみたいだ。

「じゃ俺、風呂入ってくるから」
「うん、わかった」
「先に入るか?」
「ううん、あとでええよ」

ホントは一緒に入ってみたいけど…
お兄の体、意外とたくましかったし…
あ、抱きついた時の感覚が…濡れてきた…
あかん、まずはパソコンに集中集中。

雑念を振り払う。

「ログインと」

パスワードの設定は別にええか。見られて困るもんないし。
そして例のURLを入れるとサイトが出てくる。

「え?」

思わず声を出してしまった。
179関西から来たキモウト27 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:25:59.71 ID:U8zyW0CA
―Kimo a Net

キモ ア ネット?

タイトルからしておかし過ぎるけど、IDとパスワードを入れてもっとびっくりする。
会員制の掲示板だけど、こんな掲示板見たこと無い。

・泥棒猫を社会的に抹殺する方法23(377)
・兄萌えVS弟萌え(864)
・姉妹でも女として見られたい33(122)

以下に続く一見変なスレッドの数々。

「なんなんこれ…?」

信じられないものを見てしまったのと同時に『そういうサイトの掲示板』だと気付く。
夢中で読む。

・妹は幼馴染に勝てるか?5(262)

これだ。クリックして読んでみると、アタシと同じ境遇の人が何人もいるのがわかった。
みんな、よく考えてると思った。それにみんな真剣で本気だった。
私のやり方がいかに悪かったかもよくわかる。

『幼馴染相手に妹が真っ向勝負なんかしても勝ち目がないよ』
『まずは相手を知らないとダメ』
『ちゃんと敵の強さを測ったほうがいいよ。無意味に敵を大きくしたら余計に自信を無くすから』

全部自分に当てはまってる。
アタシは夢中で今の状況を書き込んだ。
何か今の状況を変えれるレスポンスがくるかも…

「おい、神菜」

そう、アタシは真っ向勝負したからダメだったんだ。

「神菜ってば。風呂開いたぞ」

ちゃんとあの女のことを知るべきだ。

「おーい」

あの女だって隙はある。アタシにだってチャンスはある。みんなの言うとおりだ。
勝手に敵を大きくして諦めかけてた。

「神菜!」

肩に手の感触がしたと同時に叫んでいた。

「ぎゃあああああああああ!!」
180関西から来たキモウト28 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:29:04.14 ID:U8zyW0CA
あのあと、ちゃんとお兄には謝っておいた。
それにちゃんとパソコンにもパスワードを設定した。
あのサイトは危険過ぎる。でも…それと同じくらい可能性を感じていた。

あれから毎日、寝るときはお兄の部屋で寝ている。
お兄は代わりにお父さんの部屋で寝ている。

このことも考え用によってはチャンスだ。
あの女…翔子のことも知れるし。お兄のこともよく知るチャンス。



あれから数日ずっとあのサイトを見ていたが、みんなの勧めで見た『キモウトになろう』というスレッドがためになった。
ちょっと引いてしまう内容だったけど、逆にあれくらいしないとあの女には勝てない。
みんなも応援してくれてるし心強かった。

あれからだいぶと周りの環境を変えられたと思う。
盗聴器の場所は全部わかったし。盗撮だってされてた。
この家はあの女の巣にされかけてた。
そりゃお兄だって骨抜きにされても仕方ない。
はっきり言ってあの女は異常だ。

でもそれがアタシのチャンスでもある。
今日の作戦もそのひとつ。

「ふぅぅ〜」

大きく深呼吸を付く。
そして絶叫している心臓の音を抑え、ドアに手をかける。
初めは何気ない気配を装って。

動け。怖がるな。

あの女に取られてもいいん?

絶対イヤや!!

「ふんふん〜ふーん」

お風呂場のドアを開ける。
偶然を装え。

「ふーん…あっ!」
「か…神菜?」

お湯に浸かってるお兄とまともに目が合う。

「あ…お兄…えっと…」
「ご…ごめん」
「え…いや、アタシの方こそ…」

自分でも声が震えてるのがわかる。
動悸が止まらない。お兄の引き締まった体。
つ…次の行動を取らないと…
動いて! 動け!
181関西から来たキモウト29 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:30:53.74 ID:U8zyW0CA
「あっ…!」
「ちょっ…神菜?」

上手くバスタブの方に倒れ込めた。やった…!

「大丈夫か…」
「あ、うん。ちょっと滑ってもうて…」

このアングルで。
あのお兄のお気に入りのサイトの子と同じ上目遣いで…
胸を隠しながら少しだけチラッと見せて…‥
お兄はこういうシチュエーションが好きなはず…
いける…いける…大丈夫…

「ちょっと…動けるか?」
「うん。あ…痛っ!」
「どうした?」
「あ、あかん…ひねったかも…」
「マジか? 見せてみ……ろ!?」

と動きが止まる。そう、お互い裸なのだ。
アタシの左足首を見る時、お兄の目がアタシのあそこに目が行ったのを見逃さなかった。
でもちょっとは意識してくれてると確信した。

「痛っ…」
「…ちょっと…腫れてる?」

自分であらかじめ左足首を強く叩いておいたのだ。
お兄もなんだかんだでアタシの体を見てる。
チラチラ胸を見てる。たぶん意外とある思ってるに違いない。
アタシはかなり着痩せするし。

「ご…ごめんな…お兄」
「いいって…き、気にすんな…きょ…兄妹だろ」
「う…うん」

やった。お兄の声も震えてる。意識してくれてる。
今度はアタシのことを見ようとしてない。

「シ…シップ持ってくる」

お兄が出ようとするのを体で全力で止める。

「…あっ」

体をお兄に絡ませる。後ろから腕を、お兄の胸に絡めて、おっぱいをお兄の背中に押し付ける形になる。ああ幸せ…
自分の心臓の音が外まで鳴ってる感じがする。
182関西から来たキモウト30 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:33:30.70 ID:U8zyW0CA
「お兄、ちょっと待って…お願いやから…」
「神…菜…?」

最後のひと押し。見たらお兄はさっきから勃起してる。隠そうとしてるけどまるわかり。

「たぶん、こんな機会もうないから…お願いあんねん…」
「…なんだ?」
「アタシ妹やし…お兄と結ばれへんってわかってるから…お願い」
「…っ!」

あかん…心臓麻痺おこしそう…

「思い出…ちょうだい…抱いてくれへん…?」
「それは…」
「もう…帰るから…明日…大阪帰るから…お願いやから…」

ここからは何も計画は立ててない。
泣いて頼むしかなかった。

お兄…お願いやからセックスして…

「…」
「…」

あ、唇…お兄の顔がせまる…
見つめ合ったあと軽くキスをしてくれた。

「お兄、好きやってん…ずっと…好きやった…ちゅ…ちゅ…ん…」
「ん…わかってた…ん…ちゅ…ん」

こんな夢あるんや…お兄と舌を絡め合ったキス。
夢中でお兄の口を貪る。

「ん…好き…おにい…ちゅ…ん…ん…」
「…ん…んぐ…ん…んう…ん…」

アタシが唾液を送るたびに、お兄もそれを返してくれる。
顔や耳、首…全身を触りまくる。お兄も同じようにアタシの首から触っておっぱいを揉んでくれる。

「ん…ん…きもひいい…もっと…お兄…んーーーーーーーー!!」

お兄の指がおめこを触った瞬間、目の前が真っ白になる。

「お…おい…だいじょうぶか?」
「あ、あれ…アタシ…今…イったん…?」
「触って…大丈夫か…?」
「う…うん…もっと触って。おめこ触って」
「そっか、関西じゃそういうんだっけ」
「え? あ…お、おまんこ触って…」
「神菜…それ反則…」

お兄がぎゅっとアタシを抱きしめてくれる。
幸せ…あれ? なんでアタシ泣いてん?

「お前すげえ可愛いよ。俺、お前が妹じゃなかったら絶対告白してる」
「う…うえぇぇん…うん、アタシは…アタシはもう告白したわ…ぐす…」
183関西から来たキモウト31 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:35:38.66 ID:U8zyW0CA
お兄の指がクリに触れる。

「んっ…あん…!」
「ここでいい…のか? これが…クリトリス?」
「うん…あんっ…合ってるで…ん…」

お兄のおちんちんがギンギンに勃起してる。

「お兄…入れて…セックスして…それ入れて」
「う、うん…」

お兄がアタシの腰を両手でつかむ。それだけでイキそうだった。
逞しいおちんちんが、おめこの膣口に触れる。

「行くぞ」
「う…うん…来て…あっ!」

入ってくる…! ぐちゅぐちゅに濡れてたので、覚悟してた痛みじゃないけど…

「い…痛!」
「あ、ごめん」
「やめんといて…そのまま入れて…もっと深く…お兄のん深く…」
「ぐ…締まる…出そう…」
「ええよ…大丈夫やから…中でもええよ…」

お兄のおちんちんがお腹の中でいっぱいになってくる。中にお兄が入ってる。

「あっ…」

全部入った。

「…え?」

突然、お兄が動き出す。

「あんあん…! あんっ! お兄! 激しっ…あん!! あん! …あんあん!」

されるがままだった。お兄に膣の中まで侵される感覚を感じるだけだった。

「ああん! お兄! いい! もっと! お願い! あん! お兄! 好きやから! あん!」
「やばっ…でるっ!」

お兄の顔が歪む。その顔を見るたびに女の幸せを感じる。
お兄とセックスしてる! やっぱ兄妹同士って気持ちええっていうのホンマやった…
だんだん痛みより快感が勝ちだしてきた。

「出してもええで! 出して! 中に注ぎ込んで! あん! ああぁん! あん! あん! お兄! お兄!」
「神菜! 神菜! 出る! 出すぞ! 神菜! 好きだ!」

…お兄が『好き』って言ってくれた…
…もう死んでもええわ…

「ぐっ! 出るっ!」

お兄の射精と一緒に、お兄の背中に足を絡めつける。

「あぁぁーーーーーーー!!」

膣に…おめこに大量射精されてる…なんなん、この満足感…
お兄とセックス…お兄と…幸せ…
184関西から来たキモウト32 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:38:11.20 ID:U8zyW0CA
終わったあと、お互いダランとなって横に寄り添いあう。

でもここからが問題でもある。
お兄のことだから絶対に妹とのセックスを後悔する。
それだけはさせちゃいけない。

楽しく振る舞え。

これが一番重要だとあのサイトでも書いてあった。
この状況を楽しむんだ。

「お兄…よかった?」
「あ…あのさ…神菜…」
「ほら、言ってみ? よかったん?」
「え…あ…」
「ちなみに具合が悪かったとかゆうたら鉄拳な」
「う…良かった…良かったよマジで…気持よかった」
「やったぁ!」
「ったく…喜ぶところかよ」

よかった。ちょっとは安心してもらえた。

「お兄…」
「何?」
「ちょっと熱ない?」
「まあ風呂場だしな」
「ほら、お兄、ちょっと来て」
「わっ、なんだよ」

お兄の手を引っ張ってリビングに連れ出す。
ちなみにお互い服は適当にしか着てない。

「お兄、ゲームしよ」
「へ、なんの?」
「大人のゲーム」
「は?」

ちなみに概要は、アタシが小声で『ほら言って』と言ったことを、一字一句お兄が言うというゲームだ。
アタシが『ほら言って』と言えばどんなことでも一字一句間違えずに言う。
間違えたらおあずけか終了。これもお兄を落とす技術としてあのサイトにあった。

何より重要なのはあの女に見せつけることだ。

お風呂場でセックスを選んだのは、あの女の監視から逃れるためだ。
盗聴器と盗撮器はリビングとお兄の部屋とキッチンにある。
ちなみにアタシがお兄の部屋で寝始めてからは、あの部屋にパソコンを持って行って、盗聴盗撮を全部できないようにした。
盗聴盗撮器の前に大きい荷物を置く。これだけで充分だった。
185関西から来たキモウト33 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:39:44.14 ID:U8zyW0CA
『しゃぶれよ』
『え…嘘…お兄…』
『口でしろよ』
『う…うん…んちゅ…これでいひ…?』
『ん…気持ちいいよ、神菜…』

「何よ、これ…?」

目の前で起こってることがわからなかった。
理解できない。これは何かのアダルトビデオだ。
そうだ。映像に変な電波が紛れ込んでるんだ。

「違う…これは有とあの子じゃない…なんでこんなのが入ってるの?」

目の前で乱れた服でいる兄妹。リビングで兄が妹にフェラチオを強要している映像。
兄が壁にもたれ掛かり、その前に妹が膝まずいて懸命に口で奉仕している。

『ほら、自分でもオナニーしろよ』
『うん…わかった…ん…ちゅ…ちゅる…ちゅぽ…』

妹が自分の胸とあそこをいじりながら、兄のペニスにむしゃぶりついてる。

『ん…ちゅぽ…ん…ん…おひい…お兄…ん…ちゅ…ちゅる…』
『神菜…イク…イきそう…』
『ん…イって…お兄…んーーー!!』

今度は兄がイマラチオしながら妹の口に精液をぶちまける。
それを美味しそうに飲む妹。

『だ、大丈夫か?』
『ぅん…こくん…ん…おいし…』

違う。これは違う。別人だ。

でも…どうして…どうしてこんなに有とあの子そっくりなのよ!!

―ガシャン!

思い切り近くのガラスコップを壁に投げつける。
186関西から来たキモウト34 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:41:02.52 ID:U8zyW0CA
そのあともこの出来の悪い三流AV動画を見続けた。

妹がテーブルに手を付き、後ろから兄に犯される場面。

『お兄! 気持ちええから! もっと! 後ろから! ついて! もっと! ああん! あんあんあん!』
『神菜! お前の体、最高だよ!』
『ああん! 嬉しい! もっと! あん! あん! いいっ! お兄のザーメンもっと体にちょうだい!』
『ぐっ…出る!』

ペニスを引きぬいて妹の背中に精液をかける兄。
うっとりした表情で後ろを振り向きながらそれを見つめる妹。

『あはっ…お兄、別に中でも良かってんで…』
『いや…出し過ぎたら妊娠するかもって』
『だから今日は大丈夫やって。もっと中に出してや。お兄を感じれるもん』
『神菜…』

甘く抱きしめ合う兄妹。腕を絡ませ合いながらディープキスしあう二人。
私がAV監督でも、もっとマシなものを作る。

妹がキッチンの台にお尻を乗せて、兄がそれを正常位でつく場面。

『お兄! いい! 食べて! もっとアタシを食べて! あん! いい! あんあん!』
『く! ヤバイって…俺、変になるって!』
『ん! あん! 変になったらええやん! あん!』
『出すぞ? 中に出すぞ!?』
『うん! 来て! お兄のん来て!』
『ぐっ…!』

妹は足を兄の背中に絡ませながら、ぎっちりと兄の腰をホールドしている。
お互いきつく抱きしめあいながら、兄は精液を妹の中に出し続けている。

『お兄! お兄…! 離れたない! 離れたない!』
『俺もだ! ずっと俺といろ!』
『ホンマに!?』
『ああ、俺の恋人としていてくれ!』
『ああん!! お兄! お兄! お兄! 嬉しい! 本気なん?』
『ああ本気…ぐっ…出る!』
『あーーーーー! お兄のんがお腹の中に入ってくる! ああ! お兄! 好き! 大好き!』
『俺もだ…愛してる神菜…ホントはずっと好きだったよ…女としても見てたことある…』
『うん。お兄…うん。ありがとう。お兄…大好きアタシのお兄さん…』

―ブチン

それは映像が切れた音なのか、自分が切れた音なのかわからなかった。
187関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/23(土) 23:42:00.61 ID:U8zyW0CA
投下終了です。
188名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:51:12.73 ID:70NtL9u8
>>187gj
経済姉のミミとキモアネットはインパクト凄いぞ
とうとう兄をNTRして見せつけたが幼馴染はキレてしまったか…
次回は修羅場だ
189名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:56:47.06 ID:RAcUUx2c
GJ面白かった
関西在住だけどおめこという言い方は初めて聞いたぜ…
もちろん地域差があるんだろうけど
190名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 01:16:07.29 ID:0d8Ree5Y
GJです。
翔子が次回どう動くか見物ですね。
僕は幼馴染萌えでもありますから、ここがキモ姉妹スレとはわかっていつつもついつい応援したくなってしまいました。
余談ですが、幼馴染で翔子というと某召喚獣ラノベを思い出してしまいます。
191名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 02:43:37.12 ID:IWD/aERq
乙。
なんだかんだで踏み込まずに最後まで情事を見届けたのか
192名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 17:23:28.59 ID:Afjx3vga
キモ姉がへたれ弟に幼馴染NTRエロゲや秒速五センチメートルとか見せたら
予想外に覚醒して幼馴染に告白して誰にも渡さないとか言い出して姉涙目
193名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 18:49:47.35 ID:PaNwn5nO
>秒速5センチメートル
あれほどアニメでする必要性を感じなかったアニメも珍しい
194名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:21:29.56 ID:Ptj0Tr6A
海外じゃキモアネットみたいなサイトはあっても不思議じゃないと思うんだけど
195名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:33:40.35 ID:Xb2qxEGN
>>193
秒速は兵器として運用すべき
196名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:40:37.76 ID:Ptj0Tr6A
忘れてた
お疲れgj
197名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 00:02:32.27 ID:Afjx3vga
>>195
対幼馴染用兄弟洗脳兵器
見ると幼馴染に幻滅する
198名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 00:15:20.86 ID:Bu/nA7yu
>秒速5センチメートル
もそうだけど、これからは方言萌えの時代が来るで!

前に九州行ったとき女子高生らがきゃっきゃしててその方言に萌えた経験がある
199名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 00:16:31.52 ID:1BClR+KG
よく言った!だがエセは嫌いじゃ!
200名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 00:51:12.55 ID:RaF3wZiN
>>198
坂道のアポロン
鹿児島弁しゃべる女生徒萌え
201名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 03:35:40.19 ID:fGo3yN11
秒速は人物やストーリーはおまけで、それら以外を見るもんだから
背景のきれいさとかモノの動きとか
202名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 05:13:43.28 ID:9+AEl+lh
>>197
妹「ね、わかったでしょ?幼なじみなんていっても、離れちゃえば冷めちゃうんだよ」
兄「バカ言うなよ!!そんなこと、そんなこと、あるもん、か……」
妹「でも、もう手紙もメールも向こうからは来ないし返信も1日とかかかるんでしょ、電話は留守電だし」
兄「あ、新しい環境で忙しいんだよ!」
妹「へえ?もう何ヵ月経ってるの、もうとっくにあっちに馴染んでるよ、兄さんとのことはもう過ぎた思い出になってるよ。それで新しい男の人がいるに決まってるよ」
兄「やめろよう! うう……」
妹「かわいそうな兄さん。……わたしはどこにもいかないよ?……ね、ぎゅってしてあげるから」
兄「……」
妹「(ニヤリ)」
203名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 05:47:28.32 ID:0cvCQxCi
>>202
良いじゃん良いじゃん
妹が連絡止めてて幼馴染が帰って来た頃には既に妹にNTRてそう

好きなのに引っ越した幼馴染が悪いキリッ
204名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 12:44:01.86 ID:Hofrrff7
幼「引っ越しは親の都合だから。それを私のせいにして浮気どころか近親に走る障害者はこっちから願い下げだわ。
気持ち悪いからもう目の前に現れないでください。
あっ、それと昨日私告白されたの。その人と付き合う事にするから、それじゃ」

こんな感じの事を言われたら、この先妹や姉とどれだけイチャつこうがモヤモヤするはず
205名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 13:03:22.74 ID:0cvCQxCi
>>204
姉妹の偉大で無償の愛に勝る女などいるのだろうか?
姉妹と付き合えば他の女は全部芋
206名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 13:38:18.17 ID:fGo3yN11
>>204
それこそ姉妹の思うつぼってやつでは
207名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 23:46:09.13 ID:9RWnIIk2
ヤンデレな幼馴染ってSSでもエロゲでも少ない気がする
キモ姉もかなり少ないね
エロ漫画では多い印象があるんだけど

キモウトは安定して多い

希少価値順に

キモ姉>ヤンデレ幼馴染>キモウト

かな

幼馴染でも同学年が多いけど「姉」的幼馴染と「妹」的幼名馴染もいるよね
208名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 01:38:43.68 ID:YAa1DaU3
「あ、あのね。今日、たっくんの担任の先生からプリントを色々、預かっているから……これ。ちゃんと見といてね」
「……」
(はあ……)
パソコンに向かっている拓巳に歩み寄って、鞄からプリントを取り出して差し出すが、彼は相変わらず気づいていない振りをしているのか、無言でモニターに向かってネットゲームを行っているだけであった。
「ねえ、たっくん。そろそろ学校に行かないと駄目だよ。今なら出席日数もまだギリギリ何とかなると思うからさ……」
恐る恐る、愛奈は拓巳に声を掛けるが、拓巳は一向に見向きもしない。
「ほら、たっくんを虐めていた子達ももう学校に来ていないって。だから、もう大丈夫だよ。もうすぐ中間試験も始まるし、たっくんなら学年トップだって余裕でしょ」
「…………」
愛奈も出来るだけ、優しく拓巳に説得を試みるが、拓巳は相変わらず無言のままであった。
拓巳を虐めていた子達が学校に来ていないというのは嘘ではなく、既に学校を自主的に中退して実際にもう学校に来ることは無い。
愛奈と拓巳の通っている学校は地元でも偏差値が低い高校なせいか、不良っぽい生徒も多いが、そういう生徒はすぐに中退していなくなってしまう。
なので、拓巳の様に急に学校に来なくなってしまう生徒もさほど珍しくはないので、他に拓巳の事を気に留める者もいなかった。
悲しい現状だが、拓巳はもうイジメ以前に学校の雰囲気に馴染む事が出来ず、廃人の様な生活を続けていく内に登校する気力を既に失ってしまっていた。
「行くのが怖いなら、お姉ちゃんが一緒に学校に付いていくようにしてあげるから……ね、お願い……」
愛奈は拓巳の肩に手を置いて揺すり、おねだりする様な口調で
しかし、拓巳は何も言わず、マウスをクリックしているだけ。
「…………これ、置いていくからね」
流石に呆れたのか、愛奈は嘆息しながらプリントを机に置き、この部屋を出る事にした。
「あんな、動物園みたいな所、行きたくない……」
「えっ?」
愛奈がドアノブに手を掛けて、部屋を出ようとした所で、拓巳はモニターを見ながら消え入りそうな声でそう呟き、愛奈も振り向いて拓巳の背中を見つめる。
「……じゃあね」
何秒か見つめた後、何処か嬉しそうな声を出してドアを開き、部屋を出た。
「たっくん……」
何日、いや何週間ぶりだろうか?実に久しぶりに拓巳が自分に語りかけたので、愛奈も心から安堵し、ドアにもたれ掛かりながら、ホッと胸を撫で下ろす。
本当に嫌われてしまったのではないかと恐れていたが、自分の事が嫌いで学校に来たくない訳ではない様だという事――そして、何より拓巳の声が聞けた事が嬉しかった。
だが、拓巳が立ち直る為には自分が何とかしないと……。
「プロットでも考えるか……」
ここで考えても埒があかないので、愛奈は自室に戻り、気晴らしがてらに次の号で掲載する漫画のプロットを練り上げる事にした。

「……」
姉が出て、ドアが閉まった所で拓巳は無言で振り向き、愛奈が去った後のドアをじっと見つめる。
そして、愛奈への罪悪感で拓巳も胸が締め付けられ、吐き気がしそうになっていった。
愛奈は自分が引き篭もるようになってからも、決して自分をなじる様な事は言わず、今みたいに優しく学校に行くように説得してくれる。
だが、その姉の態度を見る度に、姉への罪悪感と劣等感で胸が痛み、却って彼女への心を閉ざす要因へとなってしまった。
自分が甘えているのはわかっている。このままではいけない事も十分、わかっている。
だけど、拓巳はどうしても家から出る気になれず、
(……もし、見捨てられたらどうしよう……)
今はまだこんな自分にも親身にお世話してくれるが、いつか愛想を尽かれて、出て行ってしまうかもしれない。
ましてや愛奈は既にプロの漫画家なのだ。こんな何の取り柄もない引き篭もりの弟をいつまでも面倒を見てくれるとは考えられない。
実は拓巳は彼女が連載している漫画を一度も見たことはないのだが、ネットでどの程度の評判かは調べていて、現役の女子高生という事でかなり話題になっていた上に、漫画自体の評判も良かった。
このまま売れっ子になってしまえば当然、卒業後は自立してこの家も出て行ってしまい、自分の事も見捨てられてしまうのは確実だ。
もし、そうなったら自分を庇ってくれる人も親身にお世話をしてくれる人もいなくなる。
両親は引き篭もりを続ける様なら、恐らく家から出て行けと言って、追い出されてしまうだろう。
そんな恐怖に怯えながらも、一歩踏み出す事が出来ず、再びモニターに目を向けて、気を紛らわすようにネットゲームに興じ始めたのであった。

209 ◆wBXWEIFqSA :2012/06/26(火) 01:41:50.38 ID:YAa1DaU3
すみません、誤ってうっかり書き込んでしまいした!
しばらく経ったら、また一から投稿しなおしますので、これは無視して下さい。
210 ◆wBXWEIFqSA :2012/06/26(火) 01:50:46.95 ID:YAa1DaU3
スレ汚し、申し訳ありません。
キモ姉ものの新作を書いたので、改めて一から投稿します。
エロありです
211二人だけの世界に 1:2012/06/26(火) 01:53:19.32 ID:YAa1DaU3
「ふう……やっと、仕上がった……」
ちょうど時計の針の日付が変わった頃、自室の机で作業を終えて、ペンタブを置いてふっと息をつき、軽く背伸びをする。
高校二年の中里愛奈は『aizato』というペンネームで月に8ページほど、女子高生のゆるい日常を描いた漫画を連載している、先日、デビューしたばかりの4コマ漫画家。
幼い頃から絵を描くのが好きで、漫画家になるのが夢であった愛奈は去年、新人賞に応募して佳作を受賞し、現役の女子高生ながらもプロデビューしたのであった。
ゆるい日常系の漫画のイメージに違わない可愛らしいキャラを描く画力と『現役の女子高生漫画家』という宣伝文句でかなり注目を集めており、編集からも将来有望な新人と一目置かれている。
「でも、まさかこんなに早く夢が実現しちゃうなんてね……」
机に置かれていた自身の漫画が掲載されている雑誌を手に取って、自作に目を通し感慨に耽る。
幼い頃からの夢とは言え、流石に高校生でデビューできるなど夢にも思わなかったので、愛奈も未だにこれが夢なのでは無いのかと思うときもある様だ。
しかし、これは紛れも無い現実なのだ。
「うーん……後はこの原稿を編集さんに送って……って、もうこんな時間か……明日も学校があるし、早く寝て……と、その前にちょっとジュースでも飲んでくるか」
漫画誌を置いて、台所に行き、軽く喉を潤してから明日に備えて寝ることにする。
だが、誰もが羨む様な順風満帆に見える彼女には一つ、大きな悩みがあった。
「あ……」
部屋を出た所で、愛奈は弟の拓巳とバッタリ会い、一瞬見つめあった後、拓巳はバツの悪そうな顔をして目を逸らし、逃げるように愛奈の向かい側にある自室に引っ込んでしまった。
「はあ……また遅くまでゲームかしら……」
溜息を付きながら、弟の部屋のドアを少し見つめ、階段を下りて台所に向かう。
中里拓巳は愛奈の一つ下の弟で同じ高校に通っている……のだが……。
「たっくん……いつまで、ああしてる気なのかな……」
愛奈は冷蔵庫から取り出したジュースを飲みながら、憂鬱な気分で拓巳の事を考える。
彼女の弟、拓巳は現在不登校中で、ほとんど家に引き篭もっている状態なのだ。
拓巳は第一志望の高校に落ち、二次募集で愛奈の通っている高校に入学してきた。
彼も最初の内は真面目に学校に通っていたのだが、愛奈の通っている学校は元の第一志望の高校より学力的に大きく見劣りしているので、
授業のレベルが彼にとってはレベルが低すぎたという事と全般的に無気力な雰囲気が漂っている為、拓巳も段々学校に行く気をなくしてしまい、更に気弱そうな外見が祟ったのか、
イジメにあった事もあり、6月頃から度々学校を休むようになり、7月に入ってから完全に不登校になってしまった。

既に夏休みも終わり、10月に入ろうとしているが、一向に学校に行く気配が無い。
愛奈も何度か説得しているが、既にやる気をなくしてしまっており、何を言っても聞く耳ももたず、ひたすら自室に篭ってネットやゲーム、漫画に耽る毎日を送り、完全に引き篭もってしまっていた。
「どうしよう……?このままだと、出席日数まずいよね?何とか明日からでも学校に行かせる様にしないと……」
また可愛い弟と一緒の学校に行けると喜んだのも束の間、すぐに不登校になってしまい、完全に無気力になってしまった拓巳の身を愛奈は誰よりも案じ、最近は夜も眠れないくらいに愛奈も思い詰めていた。
元々、この家は両親が仕事で不在がちなため、姉である愛奈が家の事も一手に引き受けているので、拓巳の面倒も全て彼女が見ている様な状態であった。
「……何とかしないと……」
最早、口癖になってしまった言葉をぽつりと呟き、コップを置いて自分の部屋に戻っていった。

「たっくん、ちょっと良い?」
「……」
翌日――学校から帰ってきた愛奈がノックをして部屋に入ると、拓巳は愛奈に返事どころか、見向きすらせず、ただ生気を失った目でパソコンに向かいながら、ネットゲームを漫然とプレイしていた。
弟のその様子を見て、愛奈も心がズキリと痛む。
元々、内向的な拓巳であったが、最近は自分とも殆ど会話すらしないので、彼女の心は押し潰されそうになるくらい傷ついていた。
何か、怒らせるような事をしただろうか?
どれだけ考えても思い当たる節が無く、自分との会話を拒否する拓巳に思い悩み、胃が痛くなるような思いをしていた。
212二人だけの世界に 2:2012/06/26(火) 01:54:26.38 ID:YAa1DaU3
あ、あのね。今日、たっくんの担任の先生からプリントを色々、預かっているから……これ。ちゃんと見といてね」
「……」
(はあ……)
パソコンに向かっている拓巳に歩み寄って、鞄からプリントを取り出して差し出すが、彼は相変わらず気づいていない振りをしているのか、無言でモニターに向かってネットゲームを行っているだけであった。
「ねえ、たっくん。そろそろ学校に行かないと駄目だよ。今なら出席日数もまだギリギリ何とかなると思うからさ……」
恐る恐る、愛奈は拓巳に声を掛けるが、拓巳は一向に見向きもしない。
「ほら、たっくんを虐めていた子達ももう学校に来ていないって。だから、もう大丈夫だよ。もうすぐ中間試験も始まるし、たっくんなら学年トップだって余裕でしょ」
「…………」
愛奈も出来るだけ、優しく拓巳に説得を試みるが、拓巳は相変わらず無言のままであった。
拓巳を虐めていた子達が学校に来ていないというのは嘘ではなく、既に学校を自主的に中退して実際にもう学校に来ることは無い。
愛奈と拓巳の通っている学校は地元でも偏差値が低い高校なせいか、不良っぽい生徒も多いが、そういう生徒はすぐに中退していなくなってしまう。
なので、拓巳の様に急に学校に来なくなってしまう生徒もさほど珍しくはないので、他に拓巳の事を気に留める者もいなかった。
悲しい現状だが、拓巳はもうイジメ以前に学校の雰囲気に馴染む事が出来ず、廃人の様な生活を続けていく内に登校する気力を既に失ってしまっていた。
「行くのが怖いなら、お姉ちゃんが一緒に学校に付いていくようにしてあげるから……ね、お願い……」
愛奈は拓巳の肩に手を置いて揺すり、おねだりする様な口調で
しかし、拓巳は何も言わず、マウスをクリックしているだけ。
「…………これ、置いていくからね」
流石に呆れたのか、愛奈は嘆息しながらプリントを机に置き、この部屋を出る事にした。

「あんな、動物園みたいな所、行きたくない……」
「えっ?」
愛奈がドアノブに手を掛けて、部屋を出ようとした所で、拓巳はモニターを見ながら消え入りそうな声でそう呟き、愛奈も振り向いて拓巳の背中を見つめる。
「……じゃあね」
何秒か見つめた後、何処か嬉しそうな声を出してドアを開き、部屋を出た。
「たっくん……」
何日、いや何週間ぶりだろうか?実に久しぶりに拓巳が自分に語りかけたので、愛奈も心から安堵し、ドアにもたれ掛かりながら、ホッと胸を撫で下ろす。
本当に嫌われてしまったのではないかと恐れていたが、自分の事が嫌いで学校に来たくない訳ではない様だという事――そして、何より拓巳の声が聞けた事が嬉しかった。
だが、拓巳が立ち直る為には自分が何とかしないと……。
「プロットでも考えるか……」
ここで考えても埒があかないので、愛奈は自室に戻り、気晴らしがてらに次の号で掲載する漫画のプロットを練り上げる事にした。

「……」
姉が出て、ドアが閉まった所で拓巳は無言で振り向き、愛奈が去った後のドアをじっと見つめる。
そして、愛奈への罪悪感で拓巳も胸が締め付けられ、吐き気がしそうになっていった。
愛奈は自分が引き篭もるようになってからも、決して自分をなじる様な事は言わず、今みたいに優しく学校に行くように説得してくれる。
だが、その姉の態度を見る度に、姉への罪悪感と劣等感で胸が痛み、却って彼女への心を閉ざす要因へとなってしまった。
自分が甘えているのはわかっている。このままではいけない事も十分、わかっている。
だけど、拓巳はどうしても家から出る気になれなかった。
(……もし、見捨てられたらどうしよう……)
今はまだこんな自分にも親身にお世話してくれるが、いつか愛想を尽かれて、出て行ってしまうかもしれない。
ましてや愛奈は既にプロの漫画家なのだ。こんな何の取り柄もない引き篭もりの弟をいつまでも面倒を見てくれるとは考えられない。
実は拓巳は彼女が連載している漫画を一度も見たことはないのだが、ネットでどの程度の評判かは調べていて、現役の女子高生という事でかなり話題になっていた上に、漫画自体の評判も良かった。
このまま売れっ子になってしまえば当然、卒業後は自立してこの家も出て行ってしまい、自分の事も見捨てられてしまうのは確実。
もし、そうなったら自分を庇ってくれる人も親身にお世話をしてくれる人もいなくなる。
両親は引き篭もりを続ける様なら、恐らく家から出て行けと言って、追い出されてしまうだろう。
そんな恐怖に怯えながらも、一歩踏み出す事が出来ず、再びモニターに目を向けて、気を紛らわすようにネットゲームに興じ始めたのであった。

213二人だけの世界に 3:2012/06/26(火) 01:55:29.60 ID:YAa1DaU3
「えっと、あの資料集は……」
翌日の放課後、漫画の参考資料を探すため、愛奈は地元の図書館に出向いていった。
学校の図書室では蔵書数が少ないため、資料探しには良く市立図書館を利用するようになっていた。
「あった、あった。後は……」
お目当ての資料を見つけた後、他に参考になりそうな資料は無いかと、漫然と本棚を見つめながら歩いていく。
そして、一冊のある本が目に入った。
「……ん?何、なに……『私はこれでひきこもりを脱出しました』……」
ふと、目についた本を手に取り、その場でパラパラと捲って目を通していく。
愛奈が手に取った本は長期間、ニート、ひきこもりをしていた人達が、どの様にしてそれを脱出していったかの体験談を綴った物であった。
拓巳を立ち直らせるきっかけがあるかもしれない――
愛奈はどう思い立ち、藁にも縋る様な思いで、その本に目を通していった。

(うーん……どれもあまり参考になりそうにないな……)
だが、読み進めていったのは良い物の、まだ高校生の拓巳が参考になりそうな体験談は無くかった。そして、しばらく読み進めていくととあるサブタイトルが目に付いた。
『不登校からの脱出――友達の支え』
――!?これだっ!
本のタイトルを見た瞬間、食い入るようにその本を手に取り、読み進めていく。
この体験談は、本の主人公はやはり拓巳と同じ様に受験に失敗して、底辺の高校に入ってしまい、やさぐれて不登校になってしまったと書いてあった。
プライバシー保護の為に多少事実をぼかしていると注意書きが書いてあるとはいえ、実体験を基にしているのなら必ず何か糸口があるはずだ。
そんな彼が立ち直ったきっかけを作ったのが、幼馴染の女友達の存在。
同じ学校に通っていた彼女が、親身に彼の相談に乗り、まずは彼女が朝、彼に制服だけを着せて、そして一緒に校門まで強引に連れて行くなど徐々に慣れさせ、最後はめでたく不登校を脱出して、高校も卒業し、今はその幼馴染の女子と結婚して家庭まで持っていると言う。
「ふーん、何か漫画みたいな話……」
漫画家の自分がこんな感想を漏らすのも変な感じがしたが、この話自体は実際に漫画みたいに面白いとは思ったので、カウンターに行き、資料集と一緒にこの本も借りる事にした。

だが……。
「はあ……でも、この話は参考になりそうにないな……」
溜息を付きながら図書館を出て、先ほど借りた小説の表紙を見つめる。
不登校の子が治ったのは、幼馴染の彼女の支えがあっての事。
拓巳には支えてくる幼馴染や彼女など居ない。顔は童顔で姉の目から見ても悪くないとは思っているのだが、内向的な性格が祟って、女子の友達も皆無と言って良かった。
男の友達は勿論いたが、高校に入ってからは完全に疎遠になってしまい、今、行っている学校には仲の良い友達も居ない。
両親も仕事で不在がちなので、拓巳を献身的に支えてくれる人など誰も……
「いや……私がいるじゃない……」
そうだ。いつもそばにいる姉の自分がやらなくて、誰がやるというのだ。
と、愛奈は思ったが、今までだって、少なくとも自分なりには拓巳を立ち直らせようと頑張っていた。
だけど、拓巳の心を揺り動かす事は出来ず、却って自分が説得する度に、益々内に篭ってしまっている様な気もしていた。
今までのやり方では駄目だ……他に何か良い方法は無いかと悩みながら、重い足取りで家へと向かう。
(そうだ。たっくんもこの本に出てきた子みたいに、彼女でも出来れば……)
ふと、愛奈は思い立ったが、彼女を作らせると言っても、拓巳には親しい女子など居ないし、愛奈もこんな理由で友達を紹介するのも気が引けた。
「……それに、たっくんが彼女だなんて……」
拓巳が他の女と仲良くしている所を想像すると、何故か胸がずきりと痛みだす。
生まれてから、ずっと一緒にいた大切な弟。
そんな大事な拓巳を他の女に任すなど、出来るだろうか?
(嫌……だよ……)
絶対に出来ない。たっくんは私の……私だけの……他の誰よりもずっと、私が大事に思っている。
214二人だけの世界に 4:2012/06/26(火) 01:57:25.39 ID:YAa1DaU3
でも、彼女でも作って拓巳に新たな生きがいを与えないと、すぐに立ち直るきっかけは作れないかもしれない。
出席日数は足りてるだろうか?確か、3分の1以上欠席したらアウトだと聞いた事があるので、今はまだ大丈夫だが、あまり猶予も無い。
でも、他に方法が思いつかない。たっくんに生涯を捧げる覚悟で親身に支えて立ち直らせる事の人物か。
今、拓巳に必要なのは一生を捧げる覚悟のある女性の存在なんだ。そんな人が何処に……。

「…………ふ、ふふ……そうだよ……ここに……」
そうだ、ここにいるじゃないか。拓巳をずっとそばで支えて、彼を導いてくる女性が。
彼が生まれてから、ずっとそばについて見ていた人が。
ぐるぐると目の回るような葛藤の中で、愛奈が導き出した答え――
通常なら、まず出しえない方法であったが、拓巳の事を考えていく間に様々な感情が彼女の胸の内に錯綜していき、そのやり方しかないと結論付けてしまった。
それは愛奈の心が壊れた瞬間でもあった――

「……たっくん、お風呂沸いたからそろそろ入ってー」
「……」
夕飯を食べ終わった後、自室のベッドで寝そべりながらテレビを見ている最中に愛奈に風呂に入る様に告げられたので、拓巳はむくっと起き上がり、部屋を出て浴室へと向かう。
いつも、夕飯の食器の片づけを終えた愛奈が先に風呂に入り、それからしばらく経った後に拓巳が入るので、入るのは少し夜遅くになる。
今日もいつもと同じ時間に、いつもと同じ様に愛奈に入浴を促されたので、言われるがまま、拓巳は風呂に入っていった。

(よし、入ったみたいね……)
愛奈はこっそりと浴室へと向かい、拓巳が風呂に入った事を確認する。
どうしよう……?いや、何を迷う必要があるのか。拓巳を立ち直らせる事が出来るのは自分しかいないじゃないか。
(そうだ……これはたっくんの為……たっくんの未来を守る為なんだ……)
彼女は改めて意を決し、浴室のドアの前に立って衣服を脱ぎ始めた。

ガラっ
「っ?なっ!」
拓巳が洗髪して頭を流し終わった直後、突然ドアが開いたので、振り向いてみると、そこには一糸纏わぬ姿で、少し頬を赤らめながら肌を晒して立っている姉の姿があった。
「……え?ど、どうしたの……?」
「えへ……ひ、久しぶりにさ……たっくんと一緒にお風呂に入りたいなって……思って」
「は、はああっ?ちょっと、何で急にそんな……」
あまりにも突然の事で困惑して固まっている拓巳を余所に、愛奈はドアを閉めて、拓巳の後ろに腰を落とし、風呂桶を手に持って自らの体に掛け湯をする。
(うっ……)
その様子があまりにも色っぽかったので、思わず見入ってしまう。
愛奈の肌は珠の様に白くて、見るからにスベスベとした美しい肌をしており、胸の膨らみも恐らく同じ年頃の女子高生よりもやや大きく、腰のくびれも
今まで愛奈のスタイルなど気にもしたこと無かったが、その姉の美しいばかりの裸体に拓巳は視線を逸らす事が出来なかった。
「……くす……ねえ、たっくん。お背中流してあげようか?」
「ふえっ!い、良いよ……」
「ふふ……遠慮なんかしないで……ほら」
「あっ、ちょっと……」
愛奈は半ば強引に拓巳の背中に
(うう……恥ずかしい……)
何とか追い出したいとは思ったものの、突然の事で頭がパニックになって何も言葉を出すことが出来ず、俯きながら、愛奈のされるがままにゴシゴシと丁寧に背中を擦られていく。
こうして姉弟で一緒にお風呂に入るのは何年ぶりだろうか?小さい頃は良く一緒に入っていた。だけど、何故急に……?
「……じゃあ、流すね?」
背中全体を丹念にスポンジで擦った後、愛奈は拓巳の背中を湯桶で流す。
「……もう良いでしょ、恥ずかしいから、いい加減に出てよ……」
「くす……えい♪」
「ちょっ!何だよ……!」
愛奈は拓巳の言う事を無視し、流し終わったばかりの背中に頬を預ける。
「たっくん、大きくなったね……この背中……前に見た時より、ずっと逞しくなってるよ……」
「い、一体なんなの?いい加減に離れて……」
ぎゅっ
流石に我慢できなくなった拓巳は愛奈を強引に引き剥がそうとするが、愛奈はそれを阻止するかの如く、拓巳の肩をぎゅっと掴み、更に乳房を背中に押し当てる。
(あ、愛奈お姉ちゃんの……お、お……)
巨乳という程ではないが、その背中からでも十分に感じとる事が出来る肌理細やかな肌触りとふくよかな感触に、拓巳に鼓動も自然に早まっていく。
愛奈の肌は手入れが行き届いているのか、本当にスベスベとしていて、触れているだけで頭がぽおっとなるぐらいに気持ち良く、その感触の虜になりかけていた。

215二人だけの世界に 5:2012/06/26(火) 01:58:58.75 ID:YAa1DaU3
たっくん……今まで、本当にごめんね……」
「は?」
「私、今までたっくんとちゃんと向き合っていなかった……たっくんが悩んでいる時も気を遣ったつもりっだんだけど、何処か一歩引いた態度で接していた……だから、こうなったのも私のせいなんだって、気づいた……」
「なっ!?そんな事……!」
(違う!何で、愛奈お姉ちゃんがそんな……)
こうなったのは全部、僕のせいだ。僕が受験に失敗して、それで勝手にやさぐれて、学校に馴染もうともせずに、ふてくされて勝手に引きこもって……。

ただ、ただこんな自分が情けなくて自己嫌悪に悩まされ、それに苦しみ、しかも姉が高校生でありながら、漫画家デビューした事で、姉に対する劣等感や嫉妬も拭い難い程、
出てきてしまい、拓巳は愛奈にも心を閉ざすようになり、それが益々自己嫌悪を生み……といった具合で益々閉じこもってしまった。
「だから、どうしたんだよ……どうして、愛奈お姉ちゃんが……」
「私ね……もう、逃げないよ。たっくんともちゃんと真正面から向き合う事にした。だから……」
愛奈は拓巳から一旦、離れてすっと立ち上がり、
「これからはずっとたっくんのそばにいるよ……たっくんのそばにいて、ちゃんとお世話して、悩んでいることやして欲しい事があったら何でもしてあげる」
「あ、愛奈お姉ちゃん……?」
拓巳はふと、愛奈の方を振り向くと、愛奈は頬を赤らめて若干俯きながらも、自らの全裸を隠そうともせず、拓巳に見せ付ける。
元々、愛奈はおっとりとした目つきをしていたが、湯気に当てられているせいもあるのか、そのトロンとした目は立ち眩みがする程の色気を拓巳に感じさせていた。
「それが出来るのは……たっくんのそばにいてあげられるのは私だけだから……私しかいないから……」
拓巳が振り向いた所で、愛奈は拓巳の右手をすっと手に取り、そのまま左の乳房に押し当てる。

「ひっ……!」
初めて触る姉の胸。湯気で火照っているからかマシュマロの様に柔らかかった。
「ふふ……私の胸……良いよ……ううん、私の体、たっくんの好きにして良い……これから、私の全てはたっくんの……拓巳の物だから……」
愛奈は乳房に当てられている拓巳の手をぎゅっと握り、強引に掴ませる。
拓巳も自然に愛奈に添えられている乳房を揉み始め、姉の均整の取れた白く美しい裸体に目を奪われていた。
自分の姉の裸がこんなにも美しいとは想像すらしていなかったので、呆然と見惚けていたのだ。
「ふんっ……あっ……たっくん、もっと強くしても良いよ……ほら、もう一つの手も……」
「ね、ねえ、冗談はいい加減にしてよ!僕はもう出るから……」
愛奈がもう片方の手を握ろうとした所で拓巳も正気に戻り、慌てて手を離して立ち上がる。
そして、愛奈の元を横切ろうとした瞬間――
「うわっ!うっ……!」
(えっ?な、何……?)
拓巳は愛奈に強引に壁に押し当てられ、気がついた時には愛奈の顔が拓巳の眼前にくっついており、そして唇には柔らかい物が接触していた。
「んっ……うっ、んん……」
(こ、これって……)
「ん、ちゅっ、んく……ちゅっ、ぷちゅっ、ん、ちゅっ……ちゅっ、んちゅ……」
愛奈は拓巳の肩に手を添えながら顎をくいっと上げて、ぎゅうぎゅうと拓巳の口を貪っていく。
拓巳もだが、愛奈に取っても初めてのキス――
当然、愛奈も慣れている訳ではないので、ぎこちない舌使いであったが、それでも拓巳の体内に自分の愛を流し込むかの様に必死で舌を駆使し、唾液を絡めながら拓巳の口に吸いついていった。
216二人だけの世界に 6:2012/06/26(火) 01:59:50.85 ID:YAa1DaU3
ん、んちゅっ、んっ……ん、くう……ちゅっ、ちゅぷっ……ん、んく……」
「ん、んく…………」
あれから、数十秒は経っただろうか?ようやく、愛奈は拓巳から唇を離し、うっとりとした細目で彼を見つめる。
拓巳は呆然とした表情をして、自分を惚けた表情で見つめている愛奈を見ながら、固まっていた。
「……冗談じゃないよ……私、たっくんの事、好きだよ……多分、生まれたときからずっと……今日、やっと自分の気持ちに気づいた……」
「な、何だよ……どうしたんだよ、おかしいよ……」
「くす……うん、おかしいかもね。弟に対して、こんな事をするなんて……でも、良いの。私がたっくんのお嫁さんになって……たっくんを元気にしてあげるって、決めたから……私しかいないってわかったから……」
「……」
何処か焦点の合わない目をしながら、信じられない様な言葉を次々と口にしていく愛奈を唖然と見つめる事しか出来ない拓巳。
本当に狂っているのではないか?不登校の自分がそう思うのも少しおかしな気がしたが、今の愛奈が正気ではない事は誰の目にも明らかであった。
何故、こんな事に?自分のせいでおかしくなったのか?と、心で思って絶望的な気分が胸を支配しようとした所で、すかさず愛奈が、
「たっくんのココ……大きくなっているね……」
「ひっ……!」
姉の肌と今の濃厚な接吻で、いきり立っていた拓巳の肉棒を右手で優しくなぞると、拓巳も思わず体をビクつかせて、声を上げる。
「本気だよ……だからね……こんな事だってしてあげるんだから……」
愛奈はゆっくりとしゃがみ込み、拓巳の肉竿を手で握り、擦っていく。
「……ん、んん……どんどん、元気になっていくね」
「あう……ちょっと、もう……」

姉の柔らかい手で握られ、摩られている肉棒には、自分でするのとは比べ物にならないぐらいの心地良く、姉にされているという背徳感も混ざり合ってどんどん膨張し、先走り液が早くも滲み出てきた。
「ん、ん……はむっ……」
自分の手で気持ち良くなっている拓巳の一物が堪らなく愛おしく感じたのか、嬉しそうな目で見つめながら、パクッと口に含む。
「ん……ん、ちゅるっ……ん、ぶちゅっ……ちゅっ……」
(ああ……これがたっくんの……弟のおち○ちん……)
実の弟の肉竿を口で奉仕している事に、愛奈の心はゾクゾクする様な背徳感と興奮に見舞われ、手で押さえながら、本やネットなどで得た知識を元に口内で唾液と舌で竿を絡めながら無我夢中で擦っていく。
「ん、ちゅっ、んふう……じゅっ、じゅるっ、んちゅ……ん、むふう……じゅるっ、んちゅ、じゅる……」
「あ、ああ……」
口内で竿を嬲られ、途方も無い快楽に襲われながら、愛奈が自分の一物に口で奉仕している姿を、何が起きてるのかわからないといった顔で眺める拓巳。
ほんの昨日まで、愛奈が自分にこんな事をする素振りなど全くと言って良い位、見せていなかった。
(ああ、そうだ……これは夢なんだ……)
愛奈お姉ちゃんがこんな事をする筈がない。悪い夢でも見てるんだと、思った瞬間、
「ん、じゅるっ、じゅるっ、ちゅっ、んふう……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、んふうっ……へへへ……たっくんのおち○ぽ、美味しいよ……ん、はむ……」
愛奈はそんな拓巳の気持ちを察したのか、肉棒を一旦口から出し、先端にキスの雨を降らせながら、ウラスジをゆっくりと舌で嘗め回していく。
これは夢ではない。いや、夢では味わえないくらいの気持ち良さを与えてあげる。今の愛奈はその一心でフェラチオを行ったいた。
「じゅっ、ちゅぷ……ん、ちゅるっ……ん、じゅっ、じゅる……」
初めてとは思えない舌使いヌルヌルとした口壁に絡みつかれ、拓巳の肉棒は瞬く間に射精に追い込まれていく。
「じゅっ、ちゅるっ……ん、ちゅぷ……ん、じゅるっ、んちゅ……ふふ……好きな時に出して良いからね……ちゅっ、はふ……じゅっ、じゅる……」
「あ、あぐう……」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、竿を軽く握り、先端部分から滲み出ていたカウパーを舌で舐めとった後、再び口に咥え、先程以上の勢いでスロートを開始する。

217二人だけの世界に 7:2012/06/26(火) 02:00:36.92 ID:YAa1DaU3
既に限界まで膨張していた肉棒は愛奈の口内の舌と口の粘壁との摩擦で、追い討ちを掛けるような猛烈な快感が全身をほとばしり、拓巳は立ちくらみを起こしそうになった。
「ん、じゅっ、じゅる……ん、ちゅっ、ちゅるっ、じゅるっ、ん、ん、じゅるっ……ちゅっ、んちゅっ、ん、んふう……」
(うっ……!もう……)
「ん、じゅっ、ん、ちゅぷ……ん、んふうっ……!」
愛奈が上目遣いで拓巳を見上げ、その可愛らしい視線にドキッとした瞬間、遂に愛奈の口内に精液が解き放たれた。
(ん、くう……これがたっくんの……ん……)
口内に何か妙な味の液体が放出されたのを感じて、すかさず顔を前に出して口の奥まで竿を飲み込み、放たれた拓巳の子種を一心不乱に飲み込んでいく。
そんな姉の様子を見て、益々胸が熱くなったのか、放たれる精の勢いは留まる所を知らず、どんどん愛奈の口内に吸収されていった。

「じゅっ、ん、んちゅう……ん、んんう……ん、んふ……」
「はあ……はあ……」
ようやく、射精が収まった後も愛奈はしばらく拓巳の肉竿をじっと手で掴み、口に含んだまま余韻に浸っており、愛する人の精の味を堪能していた。
「ん、んく……はあ……いっぱい、出してくれたね……嬉しいよ……ちゅ……」
ようやく、愛奈は肉棒を開放して満足気な顔で亀頭にキスし、その柔らかい唇が触れた触れた瞬間、体に電流の様な物が流れ出て体がビクっと震える。
「……ふふ、まだ満足できない?」
「は……?」
「遠慮なんかしなくても良いよ……私の全てはたっくんの物なんだから……」
と、俯きながら呟くと愛奈はすっと立ち上がって、浴室のドアの縁に手をついて、お尻を突き出す。

「な、何……?」
「わかってるんでしょ……?早く、たっくんのおち○ちん、私の膣中に挿れてえ……本当の意味で思いっきり愛し合おう、ね?」
「……」
愛奈は拓巳にお尻を突き上げながら、手で既に濡れそぼった秘書を指で開き、艶かしい視線と声で拓巳に一線を超えるように誘ってくる。
既に弟と関係を持つ事に何の躊躇いもなかった愛奈は、早く早くと餌をおねだりする犬の様な心境でお尻を振りながら、拓巳と性交する事を待ち望んでいた。
そんな変わり果てた愛奈の様子を呆然と、見ている拓巳。
「ねえ、早くう……お姉ちゃんのエッチなおまんこにたっくんのちょうだい……」
「あい……な……お姉ちゃん……」
愛奈が蕩ける様な声でおねだりをしているのを見て、拓巳の中で何かが弾けた。
「ねえ……きゃっ♪」
遂に我慢しきれなくなったのか、切れてしまったのか、拓巳は愛奈の腰を手で思いっきり掴んで、手で竿を掴み、愛奈の秘所へと突き当てた。
「はは……やっと、その気になったんだねたっくん……嬉しい……あふっ……」
もう完全に何かが壊れてしまったのか、無我夢中で先端を膣穴に突き当てて、一気に挿入しようと試みる。
夢か現実かというのもどうでも良い。とにかく目の前にいる盛った雌を犯すことで拓巳の頭は一杯であった。
「うっ、ああん……もっと優しく……あっ、やん……はっ、はぐああああああぁぁぁぁっっっ!」
愛奈がお尻をくいっと上げた瞬間、遂に拓巳の男根が愛奈の膣中に挿入され、処女膜を貫通する。
初めての証である破瓜の血が滴り落ちていき、遂に姉弟は超えてはいけない線を超えてしまった。
「ひぐううっっ!あっ、いたあああっっ……あっ、うぐあ……」
初めてであるにも関わらず乱暴に挿入されたので、予想していた以上の激痛に見舞われ、流石に苦悶の声を上げる。
だが、今の拓巳にはそんな愛奈の心境は知ったことではなかった。
「はぐっ……あっ、やああっ!そんないきなり、あっっ!はあああっっ!」
挿入してすかさず、本能の赴くままに腰を突き動かしていく拓巳。

218二人だけの世界に 8:2012/06/26(火) 02:01:31.61 ID:YAa1DaU3
まだ痛みが残る膣内で激しくいきり立った肉棒が激しく蹂躙していき、愛奈は快感とも苦痛とも取れない声を浴室内で張り上げていった。
「うがああっっ!はんっ!いや、そんな慌てないで……あっ、はんっ!あっ、はっ、はんっ……もっと優しくう……はっ、いたっ、はああああっっ!」
あからさまに苦しそうな顔をしている愛奈の髪の毛を拓巳は思いっきり掴んで、持ち上げながら子宮を思いっきりついていく。
愛奈のほうから誘ってきたんだ。だから、勝手な事を言うなと言わんばかりに子宮を男根で思いっきり突きまくった。
「ふはっ!あっ、ああーーっ!そうよっ!それで良いんだよっ!私の体はたっくんの……私の全部、あなたの物だからああっ!あっ、はあああっっ!」
まだ痛みはあるものの、拓巳が自分と体を重ね合わせてくれている事が何よりも嬉しく、愛奈は拓巳とセックスしていると言うこと自体に異様な興奮を覚え、ヨガリ狂う。
「はふんっ!あっ、はあああっっ!う、んああっっ!あっ、ああああっっ!」
(これが……これが愛奈お姉ちゃんの……)
次第に愛奈の体も出来上がってきたのか、拓巳の男根を包んでいる膣肉が徐々に締め上げられ、その柔らかい肉に締め付けられる快楽でますます、肉棒の摩擦が激しさを増していく。
「ふああっっ!たっくんの良いっ!良いよ……弟のち○ぽ……お姉ちゃんを犯しているうううっっ……はっ、うはあああっっー!」
更に愛奈はお尻を突き上げ、結合部から淫らな水を噴出しながら、腰を振りまくって実弟に淫らな様子をこれでもかというくらい見せ付ける。

もう、愛奈も拓巳も目先の快楽に完全に囚われ、繋がったまま果てる事しか考えていない。
「はふうう……あっ、ひゃんっ!あっ、うぐああっっ!あっ、はあああっっ!あっ、イク……そろそろ、イっちゃ……あっ、あああっっ!」
「くっ……」
愛奈の膣中の締め付けは益々厳しくなり、愛液とも絡み合って、拓巳の肉棒は二度目の絶頂を迎えようとしていた。
「うふっ……出すんだね……良いよっ!早く、私の……エッチな愛奈お姉ちゃんのおまんこに……いっぱい、いっぱい……はっ、うがあああーーっっ!」
「う……うわああああああああああっっーー!!」
「はぐっ、はっ、あっ、イクウウウウっっ!あっ、んはああああああぁぁぁーーーっっ!!」
拓巳は愛奈のお尻を掴んで絶叫しながらラストスパートを掛け、それからまもなく愛奈も嬌声を張り上げてお尻を突き上げ、ほぼ同時に達する。
「んああっっ!はっ、やあああああぁぁぁぁっっ……」
愛奈の子宮に先端を思いっきり突き当てて、精液をガンガン流し込み、愛奈も息を切らしながら、拓巳の精が胎内に溢れてくる感触を味わう。
膣壁で優しく包まれた肉棒から湧き出た精液は先程以上に愛奈の中に飲み込まれていった。
「はあ……はあ……たっくんの……私の中にいっぱい……はあ……」
「はあ……はあ……」
ようやく収まった後、拓巳も愛奈も繋がったままがっくりと腰を落とし、そのままの状態で息を切らして余韻に浸る。
男女の仲になれた事に愛奈は今まで感じたことの無い至福感で一杯になっていた。

「くす……たっくん……本当に良かったよ……」
「はあ……んっ……っ!!」
愛奈がドアの縁に手を付きながら、後ろで息を切らしている拓巳に優しく声を掛けると拓巳もハッと我に帰った。
「ふふ……どうする、たっくん?もう一回やろうか?たっくんの好きな様にして……」
「あっ……あ……」
「たっくん?」
拓巳は青ざめた顔をしながら体を震わせ、自分と愛奈が繋がっている部分にじっと目を向け固まっている。
「ねえ、どうしたの……顔色が……きゃっ!」
「……っっ!」
バタンっっ!
拓巳はすぐに肉棒を引き抜いて、目の前にいる愛奈を突き飛ばし、走って風呂から逃げ出す。
そして、そのまま部屋に駆け込み、拓巳はベッドに蹲ってしまった。
「あーあ……くす……たっくんたら、恥ずかしがり屋さん」
(でも、そんな所もとっても可愛い)
愛奈は慌てふため拓巳を見て、心底穏やかな顔をして微笑む。
あんな姿も今の愛奈には堪らなく愛おしく感じていたのであった。

219二人だけの世界に 9:2012/06/26(火) 02:02:44.58 ID:YAa1DaU3
「起きて、たっくん……朝だよ……」
「ん……」
ゆさゆさと体を揺すられ、目を開けると、愛奈が穏やかな笑顔を浮かべながら、拓巳の事を見下ろしていた。
「くす……やっと、起きたね」
「…………っ!」
しばらくボーっとし、目が覚めた後、すぐに飛び起きてベッドから後ずさる。
「あっ、あ……あ……」
「?どうしたの、たっくん?そんなに青い顔をして……」
「え……?あ、いや……」
きょとんとした表情を見せ、首を傾げている愛奈を見て、ハッと落ち着きを取り戻す。

(夢……だったのかな……?)
まじまじと制服姿に着替えている愛奈を見つめる。見た所、愛奈にいつもと変わった様子は無い。
毎朝、このぐらいの時間になると起こして学校に行くよう促し、拓巳がベッドに蹲ったまま無視していると、溜息を付きながらすぐに諦めて学校に行く。
これがここ最近のパターンであった。
「もう……急に慌ててびっくりしたじゃない……」
「ご、ごめん……」
少し呆れた様子の愛奈を見て、思わず謝罪して顔を逸らす。
(何だ夢だったのか……)
その愛奈の顔を見てそう思い、ホッと一息つく。
良かった……あんな事、実際に有り得る訳無いじゃないか。と、必死で言い聞かせ、いつもの様にベッドに蹲ろうとした所、
「さ、そろそろ朝御飯にしようか」
拓巳の肩を手で掴み、朝食に誘おうとしたが、拓巳は無言でそれを払いのけ、また掛け布団に潜り込もうとする。
「くす……台所まで行くのが面倒なんだよね?だから、今日はここまで二人分の朝食を持ってきてから……」
(え?持ってきた……?)
いつもとは違うパターンの言葉を聞いて、一瞬振り返る。
普段は朝食に限らず、夕食も愛奈が食べ終わって、しばらくしてから台所に行き、ラップに掛かっている食事を一人で食べている。

それなのに、今日になって何故……と、不審に思った瞬間――
「……んっ!んんっ……!」
拓巳が自分に顔を向けた所ですかさず愛奈は拓巳の肩に手を添え、拓巳の唇に柔らかい物が接触してきた。
「ん……ん、んふっ!……っ!な、何を!?」
すぐに拓巳は愛奈を引き離すと、愛奈はもじもじと照れくさそうな顔をしながら、
「えへへ……私とたっくんはもう恋人同士なんだから、このくらい普通でしょ?」
「は……?」
その言葉を聞いて、再び全身から脂汗が滲み出て、呼吸が荒くなっていく。
「夕べ、お風呂場で……あんなに愛し合ったんだもん……あは……弟とこんな関係になっちゃうなんて、バレたら私も学校に行けなくなって連載も中止になっちゃうかも。でも、たっくんと一緒なら別に構わないかな……」
愛奈は拓巳の体に擦り寄り、指で胸の辺りをなぞりながら、甘える様な口調で呟いていく。
「昨日の事……もしかして、まさか……」
「うふふ……ちゅ……さ、早く朝御飯食べよ。今まで気が利かなくてごめんね。こうやって、私がこの部屋まで持ってきて食べさせてあげれば良かったんだよね」
頬に軽くキスした後、愛奈はテーブルに並べてあったスープの入れてある皿を取り出し、蓮華ですくって、
「はい、あーん。お姉ちゃんがたっくんに全部食べさせてあげるからね」
無邪気な笑みで拓巳の口に持っていくと、拓巳はガタガタ震えながら、その愛奈の異様な様子を見つめる。
「ねえ、どうしたの……?昨日からずっとおかしいよ……何があったのか教えてくれよ」
震えながら、哀願するように訊ねると、愛奈はニコリと微笑み、
「私、ずっとたっくんのそばにいてお世話するって決めたの。今まで本当にごめんね。不安だったんだよね?私が何処かに行っちゃうんじゃないかと思って。
でも、もう大丈夫だよ。私はたっくんの伴侶になって死ぬまで支えてあげるって、決めたから……」
220二人だけの世界に 10:2012/06/26(火) 02:04:17.81 ID:YAa1DaU3
「違うっ!そんな事思って……」
いや、思っていた。愛奈に見捨てられたら、自分はどうなるんだろうと?死ぬしか無いんじゃないかと思い詰めていた。
だけど、そんなのは勝手な甘えだと自分でもわかっていた。
ましてや、こんな関係になりたいと望んだ事は……。
「これからはたっくんの好きな事、何でもしてあげるよ。学校に行きたくないって言うなら行かなくて良い。もちろん、一緒に行きたいけど、私はたっくんの嫌がる事はもう無理にはしないからさ……」
「違う!違う!そんな事、思ってない!僕は……そんなこと……」

「……」
愛奈から出る異常な雰囲気を肌で感じ、目に涙を浮かべながら必死で否定する拓巳を見て、愛奈は蓮華を一旦、スープの入っている皿に置き、
「大好きだよたっくん……怖かったんだよね……だから、ずっとお姉ちゃんがそばにいてあげるからね……」
拓巳を優しく抱きしめて、頭を撫で赤ん坊をあやす様な声で拓巳を包みこむ。

「ち……違う……」
その愛奈の異常なまでの優しさは今の拓巳には恐怖の対象でしかなかった。
何で、こんなおかしくなったのか?自分が学校に行かなくなってしまったからか?
愛奈を邪険に扱ってきたからか?考えれば考えるほど、思い当たる節が出てきて、罪の意識で狂いそうになっていく。
「もう、止めてくれっ!」
拓巳は遂に耐え切れなくなり、愛奈を思いっきり突き飛ばして、引き離す。
「…………ふふ……じゃあ、そろそろ行くね。食器は台所に置いておけば良いよ。帰ったら私が片付けるから」
愛奈はすっと立ち上がり、制服のリボンを整えて、鞄を手に持つ。
「あ、今日は放課後、編集さんと打ち合わせがあるからちょっと遅くなるんだ。本当にごめんね。それじゃ、行ってきます」
愛奈はそう告げて軽く拓巳にキスした後、軽く手を振って退室し、拓巳を一人残し学校へと向かった。
バタン
「…………うっ……う、う……」
閉められた部屋の扉をしばらく呆然と見つめた後、拓巳はベッドに崩れ落ち、そのまま涙を流す。
自分のせいで姉がおかしくなってしまった。その罪の意識に押し潰されそうになり、ベッドから動くことが出来なかった。
221 ◆wBXWEIFqSA :2012/06/26(火) 02:06:03.78 ID:YAa1DaU3
以上です。
投稿ミスしてしまい、申し訳ありませんでした。
222名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 02:18:46.22 ID:kSO8oAPS
>>221
乙。リアルニートの弟を持つ身としてはなかなか
興味深かった。キモ姉最高
223名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 09:50:07.84 ID:VNqGRg+h
えらく話数進んでんなと思ったらレス数か
1話は投下しますから以上ですでいいの
224名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 12:40:32.08 ID:KXEIALdN



家にはリアルニートの妹がいるが正直邪魔
225名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 12:55:36.74 ID:dllRRemc
>>221
乙。いつも思うんですがキモ姉妹の兄弟でも罪を感じるキャラとそうでないキャラがいますが
このへんってどう考えて書いてるんでしょうかね
226名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 13:03:57.66 ID:dllRRemc
自分がリアルニートだったときは自分からも他人からも嫌われてたけど
身内(両親)のおかげでヒキニート脱出できた身分としては確かに興味深い話だ
そのときに姉や妹がいれば嫌われていたと思うし

身内に菩薩のような姉がいても同じように脱出できたんだろうか
今となっては永遠の謎だ
227名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 13:49:42.68 ID:V8K8UEmJ
Gj
優しいお姉ちゃんが狂ってく場面が良いね

ニートキモ姉妹が最強
228名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 10:09:01.27 ID:jFcpDmw9
>>221
乙乙!
229名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 22:10:21.27 ID:X/qSP7d/
ちなみに俺は現在進行形絶賛47歳童貞ニートで〜す★
因みに高卒だにょ!
230名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 22:14:38.36 ID:kSz9/nLI
あひょ!
231名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 22:29:01.72 ID:pV9bCK4i
50歳を越えても20代にしか見えない吸血鬼キモ姉
232名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 23:18:07.81 ID:jSLPtax0
>>229
その歳でニートは死刑モノ
233関西から来たキモウト 最終話  ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:27:19.25 ID:WH4SfJSE
投下します。
234関西から来たキモウト35  ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:28:58.54 ID:WH4SfJSE
妹の体に夢中だった。

「あん! いい! もっとついて! お願いやから! もっと! もっと来て! お兄! 好き!」

神菜の体は最高だった。小柄でスレンダーだけど、このむっちりとした尻が俺のペニスに当たるたびに、妹は嬉しそうに喘ぎ声をあげる。
その肉付きの良い尻を後ろから掴んで、必死に自分の下半身に打ちつける。
正直、何回精子を出しても出し足りない。

「あんあんあんあん! いい…お兄…! いい! あんあん! あん! …そこ…もっと!」
「…ぐ!」

もう精液を妹の膣の中に、生で出すのに同意も得なくなった。
きゅっと少し締まるマンコの中に、自分の欲望をありったけ込めて打ち出す。
思い切り神菜に覆いかぶさりながら、後ろから胸を揉む。
神菜の背中のラインとうなじが、たまらなくエロかった。
柔らかくて華奢だけど肉付きが良くて、何度抱いてもたまらない。
何度精子を出しても飽き足らない。

「あぁあぁ…来てる! …お兄のん来てる! お兄の精子中に出てる…!」

神菜は俺の方を向いて半べそで笑う。処女だからたぶん痛みもあるんだろうに。
何回もセックスするうちに、初めは体だけしか意識がいかなかったのに、気持ちも思いやれるようになってきた。
オナニーだとイッた後に冷めると言う状態になるけど、神菜とのセックスではあまり感じなかった。
ただ神菜に夢中だった。神菜が淫らに喘ぐ仕草。神菜が俺の顔を見つめながら懸命に腰を振る姿。
こんなのを見ていると正気ではいられない。ただただ神菜を求めた。

「お兄…好き…お兄…お兄…」
「俺もだ…神菜…好きだ…」

後背位を崩したあと神菜を抱きながら振り向かせて唇を塞ぐ。

「ん…」
「ちゅ…ふふ…お兄って可愛いねんな…」

神菜が可愛く微笑むと、俺もそれに釣られて軽く笑ってしまう。

その時だった。

―コンッ…

小さな音だったけどやけに大きく聴こえた。
音の方を振り向くとキッチンの方から風が流れてきた。

ザーッと雨の音もする。雨が振ってるのか?
次にペタペタと濡れた音がキッチンの方から聞こえてくる。
そして、その音が近づいてくる。
なんなんだ一体?

キッチンの電気は消したままでなのでわからない。

神菜を見ると険しい顔をして音のする方向を見ていた。
俺たちは裸のままだった。

濡れた音が止まる。こちらのリビングからはちょうど見えない位置で。

「有、ちょっといいかな? …用事があって…」

翔子? まさか隣の部屋まで聴こえてた?
急いで服を着ようとする。
235関西から来たキモウト36 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:29:48.00 ID:WH4SfJSE
「ちょっと待ってくれ…」
「別にええよ。出てきいや」
「おい、待てって…」

トランクスを履いて神菜にTシャツをかけようとした時に、翔子がリビングの明かりに姿を現した。

「おまえ…なんだよ、それ…」

翔子は雨でボトボトに濡れて長い黒髪からタイトな黒いシャツとスカートまでびしょびしょだった。

「…さあ…何かしらね…よくわかんないわ…」

声もかすれている。壁に持たれながら話しかけてくるその姿はやけに弱々しい。
俺は服を着替え終え、神菜にもそれを急かした。
神菜は翔子の方を睨みながら着替えている。

「ベランダから…来たのか?」
「ええ…小学生以来かしら…」
「二階だぞ、ここ…」
「昔はよく、こうやって来たじゃない…」
「あの時とは…」

違う、と言おうとした時、びしょ濡れの姿で気付かなかった翔子の表情に気づく。
泣いてる? こいつが泣いたことって中一の時以来じゃないか?

「…そう…違うよね…もう…あの時とは…」

こいつが泣くことはありえない。それだけ俺は…罪深い事をしたってことか…?

「お兄っ!!」

神菜の声でふと我に返る。見るとすでに着替え終わっていた。

「お兄、翔子…さん、濡れてるからお風呂場連れていくで」
「あ、ああ…」
「あと、お兄は部屋に戻ってて」
「わ、わかった…」

神菜は翔子を連れてリビングから風呂場に入った。
236関西から来たキモウト37 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:31:32.35 ID:WH4SfJSE
目の前には今すぐにでも首を絞め殺したい関西人女がいる。
有の匂いが体の奥まで染み込んだ女。
殺せるなら千回は殺しているだろう。

…でも今はそんな気力はなかった。

「…私の負けよ…」
「思てへんくせに」
「…これは本当。完敗だわ」
「はよ風呂入りや」
「悪い…わね…」
「…大丈夫なん?」

この子にも罪悪感と言うものがあるのだろうか。
こちらを覗きこむ表情は明らかに心配した表情だ。

…罪悪感…そう…近親相姦の罪は重い…

風呂に入ろうとした時にマットに血が付いているのを見る。

「ここで…?」

後ろに倒れそうになるのを後ろから支えられる。

「倒れるんやったら、あとにして」
「…くぅ…」

負けたんだ…本当に…この子に…たかが妹に…私が…

シャワーで涙を隠しながら泣くしかなかった。

「笑いなさいよ…あなたは勝ったのよ」

必死に振り絞って声を出す。

「笑われへんわ…アタシがあんたの立場やったら死んでるから…」

やめなさいよ!
そんな哀れなモノを見つめる目をしないでよ!
散々、有と獣のように交わった雌豚のくせに…

「アタシ大阪帰るから…」
「…!? なんでよ…」
「お兄とは結ばれへんから」
「そんな冗談…」
「冗談ちゃうよ」

何この子。何考えてるの?

「めっちゃ泣いたんやろ? 目も声もおかしいし」
「だから、なんなのよ」
「試合に勝って勝負に負けるっていうやん」
「意味がわかんない」
「あんたのこと見て思たわ。あかんって」
「だから…」

さっぱり…わからない…
237関西から来たキモウト38 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:32:15.76 ID:WH4SfJSE
「お兄がどんだけ、あんたの事思てるかわかる?」
「…」
「あんな、お兄な。セックスの最中な…」

思わず目をつむって耳を塞ぐ。
そんなの聞きたくない!

そうしてるとシャワーがやむ。
見ると神菜が蛇口を止めていた。

「ほらバスタオル」
「あ…ありがとう」
「ふぅん、あんたでも言えんねんな。初めて聞いたわ」
「…何を企んでるのよ」

用意されていた、私の貸していた服を着ながら尋ねる。
中学の頃の服なので結構キツかった。
特に胸元が圧迫されて…

「その服かてそうやけど、それ着たアタシ見て『懐かしい』とか言われんねんで。たまらんかったわ」

確かに中学の頃はこの服で有とよく遊んだ。
中1の頃は私の方が成長が早くて、よく身長のことを口にしていた。
すぐに追いぬかれちゃったけど。
服を着終わったので髪の毛を拭く。
こういう時だけは長い髪は損だと思う。

「キスかて、してたんやろ? お兄もお兄でファーストキスちゃうて正直に答えんでもええのに…!」

していた。あれは一緒に高校に合格した日の夕方。
公園でウトウトしていた時だったので有は気づいてないと思ってた。

「お兄は譲ったる」

…!?

「でもな…」

胸ぐらを掴まれて顔が近くなる。

「お兄はアタシのもんや…だから絶対に幸せにせえ…せんかったら…ぶん殴りに来るからな…ぅぐ…」

なんでこの子が泣いてるのよ?
泣きたいのはこっちよ…
でもこの子が演技でもなく本気なのはわかる。

「なんでなの? なんで有を諦めるの?」
「気ぃ変わる前に、はよ返事せえ!」
「…」

この子が私なら…きっと…

「はよ、せえ! アタシはお兄と寝てんで! あんたは二番目やねんで!」

最後は自分が愛した人。兄の幸せを願うんだと思う。

「…ごめんね、神菜ちゃん…有は…あなたのお兄さんは絶対に幸せにするから…」
238関西から来たキモウト 最終話 ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:34:17.45 ID:WH4SfJSE
「ただいまー!」

私は約束通り7時に帰る。今日は大学のレポートで忙しかったのだ。でも、そこにはいつも有が待っていてくれる。

「おかえり、翔子」
「ご飯は?」
「いや…今日はさ…」
「なんなのよ、もう」

ふと玄関の靴箱に見慣れない靴がある。

「おねえーーーーっ!!」
「わっ…」

どんっ…とぶつかって来る人影が…

「神菜? あんた、また来てたの?」
「おねえに会いたかってん!」
「お『にい』の間違いでしょ…」
「ツンデレなおねえ、ええわ〜」
「あんっ…胸を揉むな。胸を」
「ええやないか、ええやないか」
「良くあらへんわっ!」

ときどきこの子の言葉が移ってしまう。

「お前ら、俺がいるところでいちゃつくなよ」
「「黙ってて」」
「…はい」

神菜の食事は悔しいくらい美味しかった。もう私の腕じゃかなわないと思う。
食事が進むこと。進むこと。三人で喋る話題も楽しいし、豪勢な料理も。
だって、とっても美味しいから。そう、眠たくなっちゃうほど。

「私…ちょっと寝る…よ…」
「「おやすみ」」

私はその場に寝転んだ。今日は疲れた。
なんか夢の中で声が聞こえる。

「お兄、眠ったん?」
「ああ、たぶん」
「まだ、この女騙されてるん?」
「まあ神菜の言うとおり処女は守ってるよ」
「アホやな、この女。ウチらはやりまくってんのに」
「でもまさか本当に神菜の言うとおりになるとは…」
「結婚してからしか処女は貰えへんって?」
「信じられないよ」
「そんなもんやって、女って。アタシかってそう言われたら守るで、たぶん」
「でも…ん…」
「お兄…ん…ちゅ…愛してる…」
「やめろ、起きるって…ん…」
「そのスリルがたまらへんねんって…お兄ィ…ん…好きってゆうて…お兄…」
「ん…好きだ…好きだ…神菜…」
「入れて…もう、ウチこんなやねん…」
「行くぞ…」
「うん…来て…お兄…来て…アタシのお兄…お兄さん…ん…」

なんだか終わりそうにない夢だった。
〜終〜
239関西から来たキモウト ◆qtuO1c2bJU :2012/06/28(木) 04:36:12.89 ID:WH4SfJSE
投下終了です。

最後まで読んでくれた方、本当にありがとうございます。
これからも書くと思うので、よろしくお願い致します。
240名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 07:39:49.15 ID:7e4txKdG
オチひでえwww
241名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 07:40:25.52 ID:rMdRzmIk
GJ
お兄洗脳されてるw
お疲れ様でした
242名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 08:01:06.87 ID:nMF7b+T7
>>238
面白かったw
243名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 13:49:08.75 ID:JhhAt5/v
>>239
乙でした!
面白かったです
244名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 19:40:32.97 ID:W5kBxGnq
これは翔子に同情せざるを得ない
でも面白かった!
245変名おじさん ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:00:38.72 ID:ZqEP/v7T
投下
246妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:04:12.05 ID:ZqEP/v7T



────────最近よく眠れない。



連日に渡って記録を更新する、記録的熱帯夜の持続がまた一つ日をまたいでの朝。

「よぅ。起きたか?」

粘るように湿った、不快な熱気の中で目が覚めた。
全身がダルく、意識が重い。

「・・・・・・・・・」

視界を開くと、所々が明るく照らされた室内が映り込む。
じっとりとした静寂を乗せた空気が、差し込んで反射する光に熱を上げ、シミのついた天井が白く塗られていた。
早朝から押しかける陽気に室温がじりじりと上昇し、夏の夜明けを遅れて知らせてくれる。
室内は眩しい程に明るく、部活の朝練やラジオ体操があれば、果たして間に合ったかどうか。

「朝だぜ、アニキ」

起き抜けの意識が醒めるまで数秒、緩く眼球を巡らせるうちに、片腕の異変に気付いた。
隣からの声。
熱のある重さが、鈍く左腕に痺れを置いている。

「お?」

首を左に傾けて、発見。
視線が絡み、合わされた焦点に、呼ばれていた意識と肉体の現実が結びつく。
薄手の布団をどけると、相手は乗せている頬を緩ませてから、何故か笑った。

「起きたか? ・・・・・・寝惚けじゃないな、起きたか。今朝も早起きで助かるぜ」
ボ ク
一人用であり男物の布団を掛けただけのベッドの上。
下ろしていたはずの兄の腕を横にして敷き、
肘の裏に頬を、上腕に手を添え、体をこちらに向けている妹。
目鼻の先にある顔が機嫌よく猫のように笑み、
微かな身じろぎに合わせ、くしゃりとした茶色い短髪が僕の腕を擦る。
笑いながら細められた目は、それでも閉じずに、じぃっとこちらを見詰めていた。

「イスミか」
「おうよ」

呼ばれ、1つ下であり1人だけの妹、衣澄(いすみ)が応じる。
問いでもない僕の声に、律儀かつ涼やかに答(いら)えが返った。

「おはようからおやすみまで暮らしを世話する、揺り籠の時から墓場の先まで永遠の妹。
 我が家の長女にして最年少、アニキのイスミこと────────アタシだぜ」

そんなことを言って。
男のように頬を吊り、にっかりと、日向(ひなた)の笑みを妹は浮かべる。
寝巻き代わりに貸してやっている────強奪されてそうなった────男子制服の白シャツが、衣擦れの音を立てた。
遅れて口元に手を運ぶ所作は少女のそれで、
それが羞恥によらない意識と、まだ伸びきらないような腕の細さが、少年の性を匂わせる。
247妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:05:37.77 ID:ZqEP/v7T

「ふっふ」

どこかで聞いたようなセリフに続くのは、
反応を見ながらの誇らしげな、悪戯と得意気を噛んだ笑い。
少年染みた稚気が覗くのに嘆息を返せば、妹は手を下ろして破顔した。
花の美しさではなく、この季に咲く向日葵のような、燦燦とした陽気が暑気を払う。

「おはよう」
「うん。実におはようだぜ、アニキ」

言って眩しさに顔を背けると、我が家の二階奥の子供部屋、対岸の壁沿いにもぬけのベッドが鎮座していた。
剥がされた、のではなく内部から蹴り上げられたらしい布団が歪な“へ”の字に凹んでおり、
伸ばされないシワが、持ち主の気質を見る者に訴えている。

「またかい?」
「まただぜ?」

左のイスミではなく逆の右、壁に向けた声の反射に即応の答え。
外見の熱に比べて冷ややかな手指が、痺れたままの僕の腕をぐりぐりと弄った。
文字ではなく何か即席の図形を描こうとして、細部を忘れたか飽きたかですぐに止めてしまう。
離された人差し指は、かと思うと中指を添えて、兄の寝巻きの袖を摘んだ。

「昨日までと同じく、明日からも続く毎日のように。
 今日のアタシもアニキの目覚めを助けに来たぜ。さあ褒めてくれ」

こちらが苦しくない程度に、引っ張って催促する。
その声はお遣いを済ませれば駄賃がもらえると疑いなく信じている子供のようで、
ねだるための甘さや媚びはなく、無邪気さの響きに占められていた。

「ヤればデキる子、元気の子。
 頑張った妹を褒めるのは兄の義務、褒められるのは妹の権利さ。
 アニキは知らないかもしれないが、何を隠そう、アタシは褒められて伸びる妹(タイプ)だ」
「知ってるよ」
「お、そうだったか? 流石アニキだな。へへ」

頬でも掻き始めそうな、仄かな照れに浮ついた声。

「でもさ。じゃあ、ほら」

ごろ、と。
妹が身を転がし、痺れのある腕から重さが消えた。
思わず戻そうとした顔に途中で影が落ち、重さに代わる圧力が心臓に置かれる。

「知ってるんなら、今日もさ。いいだろ?
 アニキのアタシへの愛は減るもんじゃないし、アタシのアニキへの愛は増えるんだからさ」

見れば。
衣擦れの音も、シャツが引かれて覗きそうになる肩も、その下も気にせず。
僕の胸に左手を添えたイスミが、甘えた視線を落としていた。
マット上の右手と合わせて上体を起こし、
兄の片足を両膝でホールドしながら、微かに息を吹く。

「な?」

上目遣い、ならぬ落とし目遣い。
湿った吐息のかかる距離、僅かに下を向けば微かな膨らみが見える位置。
落ちそうになる瞳を持ち上げるのは────────兄か男か、きっと『何か』の意地だろう。
248妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:07:25.53 ID:ZqEP/v7T

「・・・・・・・・・増えるんだ?」

呑んだ息を肺に詰め、誤魔化しと、間を稼ぐために問えば。

「増えるぜ?」

迷いのない返答に戸惑う。
どうしたものか首を巡らそうとして、
胸に置かれていた妹の片手が外され、かと思うと倍になって枕ごと押さえられた。

「じーらーすーなーよーーー」

掴んだ枕を左右に振る、悶えるような揺れながらの抗議。
ゆらゆらと言うよりはミキサーのように頭ごと視界が振られ、股下に置かれた妹の片膝が股間に擦れる。
流石に限界だった。

「わかった、わかったから」
「ほんとかぁ?」

答えようとして、問答を重ねればまた焦れかねないと思い、口の動きを手に替えて伝える。

「へへっ」

期待の視線を落とす瞳に指先を伸ばし、ほんの少し、頬を撫でてから横へ。
くしゃくしゃした茶染めの短髪に、手櫛を挿して掻き混ぜてやる。
突風の中で乾燥させたような波形の髪を持つ妹だが、
見た目に反して枝毛なんかが絡むこともなく、指先は抵抗を受けずに頭皮を撫でた。

「んぅー」

いつもの様に髪を擽ってやり、
いつもの通り頭を掻いてやる。
愛撫というにはやり方が荒く、ぞんざいと言うには印象が弱い、じゃらす程度の手遊びだけど。

「イスミ。今日もありがとう。・・・・・・こんなところでいいかい?」

それを受け、要請した形で褒められる妹はと言えば。

「はっはー」

許可を待つために添えられたままの兄の手を取り、何故だか、挑戦的に笑うのだった。

「アニキはシャイだけど、最終的には素直だな。そういう所は大好きだぜ」

ちなみに。
妹から僕への人物評のボキャブラリーは、『好き』と『大好き』と『好き好き大好き超大好き』しかない。
1人の人間として当たり前に存在する兄の短所には、本人曰く『嫌よ嫌いも好きのうち』、だとか。

「・・・・・・・・・」

朝から思春期同士の兄の布団に入ってきたり。
わざわざ兄に褒めてとねだったり。
キス寸前の距離で平然と会話を続けたり。
■■■したり。
思うに家の妹は、きっとどこか────────とても危ない。

そう思考を重ねると、昨日までと明日からのように、今日も。
ようやく枕元で、遅れた目覚ましが跳ね起きた。
249妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:09:26.77 ID:ZqEP/v7T

おおよそ休日のみを例外とする以上の様な遣り取りに関して言えば、
元々から僕は朝が弱いので、早寝早起き体育会系の妹に兄起こしの指令が両親より下されたことに始まる。
とは言え、我が父母からして週5日勤務体制をかれこれ数年に渡って妹に継続させるつもりはなかったはずで、
だとすればそれはむしろ妹が望んでやっていることだし、起こされる僕としてもそうだろうと思うが、
そういった点から考えれば、ある意味においては妹の異常っぷりが理解し易いだろう。
家の妹は鳶が鷹を産む、
いやむしろ寄生したエイリアンが腹をぶち抜いて産声を上げたかのようなパワフルさを持つ人間だが、
同時に兄から送る人物評としては、パワフル以上に『誠実』なのがこの妹だった。
思春期にもなって反抗期に突入する風もなく、趣味は運動、主食はお米、
(頭脳以外は)成績優秀天真爛漫。
そんな、画に描いた餅の世界にいるヒーローのような女傑が。
ひどく真っ直ぐな反面、兄としては見ていていつも危なっかしい。
・・・・・・・・・危なっかしいだけで、実際に危ない目に遭っている場面はお目にかかったことがないけれど。
何せ少女に少年を足したような容姿と性格のくせに、
馬力だけはそこらの少年(のごっこ遊び)ヒーローの10倍はあるやつだ。
僕が初等部の中学年に上がる頃には低学年の妹の方が喧嘩が強かったし、
そんな時分に言いつけられた、

『イスミちゃんは強い子だからね。
 イジメられてる時には、イスミちゃんがお兄ちゃんを助けるのよ?』

という言葉に対し、

『わかった! やつざきにする!』

と真っ先に兄のプライドを破り裂いてくれた存在でもある。
故にこの場合、実力の問題ではなく、
そう言い付けられれば仮に人並みの腕力しかなくとも命令に従っただろう実行力を僕が確信できることと、
そのような言いつけ類を未だに守っている妹の精神性をこそ、異様とすべきだった。

家の妹の特徴、『兄が好き』。

妹が両親から指令を受けたのも、それを継続しているのも、おそらくはそのため。
その一、とかナンバリングをして順序立てるまでもなく。
僕から見た妹の異常性は全て────────この点に集約される。





夏の最中、眩しい朝日に熱を上げていく通学路を兄妹で歩く。

「ふー。食った食った」

学生鞄を持った右手を肘から上げ、手首から先を反らし、
まるで不良がするような持ち方で今日の教材を肩と背中に乗せた妹が、左手でお腹を叩きながら前を行く。

「本当に。毎朝毎晩、よく食べるね」

今朝の食事はサラダに味噌汁、目玉焼き、ウィンナー、
白米を一膳と和洋折衷の一食分を済ませてから牛乳を飲み、更には焼いたトーストをバターで二枚。
いつもと変わらない健啖さも慣れたもので、兄としては妹へ思うところもあるけど、
その子供らしい食欲は家族として見ていて微笑ましく、声をかけるにも喜色が浮かぶ。
250妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:11:40.25 ID:ZqEP/v7T

「成長期だからなっ。
 アタシはまだまだ育つぜー? 超育つぜー?」

かけられた声に、ぱっとイスミが振り返る。
ステップを踏むような軽快な動きに遅れ、履いたスカートの裾がふわりと広がって落ちた。
にしっ、と、また性に似合わない、
だけど妹の顔には馴染んだ笑みを浮かべてから、どうしてか楽しそうに口を開く。

「その時はアニキに揉ませてやるよ。むしろ揉んでくれ」
「ぶっ!?」

噴き出す。
家の妹は少女だけど少年のようで、そして少年そのままに性に関して遠慮がない。
性別はきちんと女の子でありながら、そんな自分を、まるで男同士のノリで出してくる。

「止めなさい。
 イスミもいい歳なんだから、そういう言動にはいい加減に気をつけないと」
「お? 何だ何だ、アニキも『そういうことは好きな人と』っていうクチか?」
「それは・・・・・・そういうことを話したりしたりするならね。
 年頃なのは分かるから興味を持つのは止めないし、何かあれば相談にも乗るよ。
 こんな兄で力になれるならだけど」
「ふーん。アニキは寛大だな。かーちゃんなんかは最近うるせーのに」

それは年頃の娘がこんな言動してたら当然だと思う。
お前は知らないだろうけど、母さん、
お前のいない所じゃ途方に暮れて父さんとお前が嫁ぐ時のこと相談してるからな。
────────正確には嫁に行くんじゃなくて婿を迎えることで一致してるけど。

「流石はアタシ、今日もアニキに愛されてるぜ」

親の心子知らず。
繰り返すが、親の心子知らず。大丈夫、僕も味方だよ母さん。

「けどな」
「ん?」

炎天下に鈍く、ドサリと鞄の落ちる音。
不意に。
するりと近寄ったイスミが開いた両手を伸ばし、こちらの頭を抱き寄せようとして。

「んー」

座りが悪かったのか身長差が辛かったのか。
一旦手を離し、そして何事もなかったかのように抱きついてきた。
動作自体が一瞬で抵抗できず、
しかも気付いた時には脇や横腹ではなく僕の両腕ごと体をガッチリとホールドされ、
乙女らしからぬ力で兄の抵抗ごと封殺している。
と言うよりも、腕力ではなく関節を極めるように、力を入れる場所に密着されて解(ほど)けない。
分かってはいたけど流石イスミ、恐るべし妹ホールドだ。

「アニキがアタシの力になれないなんて・・・・・・なってないことなんてないさ。
 アタシはアニキがいれば100人力だし、アニキのためなら100万馬力だ」
「それはまた凄い力学が働いているね」
「代わりに、アニキがいないと力が出ないけどな!
 愛と勇気が友達で、アニキだけがアタシの愛する人なんだぜ?」

妹が笑う。
屈託なく、迷いなく、朗らかに。
それはこの夏の太陽のように眩しく、何より嘘がない笑顔だった。
251妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:14:50.23 ID:ZqEP/v7T

「だからこの胸だって、どうせならアニキに育てて欲しいのさ」

嘘のない笑顔で────────ホールドを解いた妹は、
こちらの鞄を持ってない方の手を取り、自分の胸に当てる。

「ちょっ」

慌てて離れようとするが、離れる以前に手を放すことさえできない。
おまけに、飛び退こうとした足先もいつの間にか妹の靴に踏まれ、離脱を封じられていた。
どこの漫画だ。

「いっしっし。アニキは純情だな」

ニヤニヤと悪ガキを思わせる表情で、
ぐいぐいと兄の手を己の胸に運んで押し付ける妹。
まだ薄く、押すとすぐに硬さに触れる部分が、それでもほんの少しの柔らかさを伝えてくる。
ついでに言えば、胸骨ではない固さの突起物が2つ、兄の手に触れた。

「それと。
 アタシを呼ぶんなら『お前』じゃなくて『イスミ』、な」

何とか引き剥がそうと息んだり踏ん張ったりする兄の奮闘を流し、涼やかに告げる妹。
見上げてくる瞳、いつも嘘のない表情の顔がほんの少しだけ冷めてから、再びぱっと華やぐ。

「アタシはいい子だけど思春期だからな。
 ちゃんと名前を呼んで可愛がってくれないと、
 グレてアニキにだって噛み付いちゃうんだぜ?」
「ペットかい!」
「アニキが望むならにゃ。にゃははー」

あと噛み付くのは犬なんだから泣き声は統一しなさい!

「それよりも、いい加減に放さないと・・・・・・!」
「おお、そうだった────────ほい」
「うわっとっとっと!?」

奮闘の甲斐あって────そう思いたい────ようやく自由になるマイハンド。
しかしいきなり開放されたのは込めていた力も同じで、
勢い余って背後に倒れようとするのを渾身の力で踏ん張り、
何とかブリッジをやろうとして途中で急制止したような姿勢で留まる。
背中、いやむしろ腰が痛い。

「お前なあ!」
「あー、また言った。ちゃんと呼んでくれないとリテイクでもう一回だぜ?
 アタシは構わないけどな。さあ、何度でもアタシの胸を揉むがいいぜアニキ!」
「む」

覆せない力関係を再現される可能性と、妹の無駄な熱血のおかげで頭が冷えた。
替わって炎天下の運動で噴き始めた汗に視界が滲むが、この際、
通行人が痛々しい視線を投げてくる姿もぼかしてくれるのでよしとしよう。

「・・・・・・イスミ」
「なんだぜ?」

冷静になるべく天を仰ぎ、溜息を吐く前に瞳を熱線に焼かれて顔を戻す。
お天道様が見てる、と昔の人は言ったが本当なら恥ずかしさで悶死しそうだった。
252妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:18:32.12 ID:ZqEP/v7T

「理由はなんでもいいから、さっきみたいな言動と、
 特に他人に胸を触らせるような真似は控えなさい。分かったね?」
「了解であります!」

元気良く、挙手式の敬礼で応える妹。

「けどアニキから求められたらいいよな?」

拳骨を振り下ろす。

「分かったね?」
「むー」

頭を殴られて痛い、と言わない辺りが妹の強度証明だった。

「分かったね?」
「あーもうっ、分かった分かった。分かってるって。
 YESシスター、NOタッチ。触らせません初夜までは。それでいいんだろ?」
「・・・・・・はぁ」

全く分かっている気がしなかった。

「本当に駄目だからね?」
「大丈夫だよ。もうしないって。
 アニキに怒られるのが、アタシには一番恐いんだからな」

何故か晴れやかな顔で自信満々に言って背を向ける妹。
落とした鞄を拾った二歩目にはふんふんと機嫌よく鼻を鳴らし始める。

兄としては。
妹の口にしたそれが真実、理由になることこそが、むしろ一番恐かった。



まだ明るい夕方、放課後の空気と校舎を背に、帰宅する学生の群れに混じる。

「お疲れ、アニキ」

校門を出たところで、妹から自然に声がかかった。
もたれかかっていた壁から背を離し、兄の隣へと歩み寄る。

「相変わらず早いね。・・・・・・待たなくていいのに」
「アタシが待ちたいだけだから、アニキは気にしなくていいんだぜ?」

夏の夕刻は日没にまだ遠く、十分に強い日差しの中、妹は朝と変わらない眩しさで笑みを浮かべた。
妹と僕とでは、通う場所の経営は共通でも学び舎が違う。
妹は三年、僕は一年。ただし、教育課程における中高の等級が別だった。
そのせいか、いや、それなのに、
放課後の訪れが早い妹が兄を待ってから帰る構図が、すっかり日常になっている。

「じゃあ、帰ろうか」
「おう!」

帰り路を、兄妹2人で歩いて行く。

「それにしても暑いね」
「まったくだぜ」
253妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:21:31.57 ID:ZqEP/v7T

朝早くに昇った太陽は、まだしばらく地平線に触れる気配もない。
それでも傾いた角度のせいで光が顔によく当たり、
学び舎の熱気から開放された頬に額に、早くも汗が滲み始めた。
一方で同意した妹の見た目は涼やかなもので、
やれやれとでも言いた気な語調にも、疲労や倦怠の重さはない。
この快活で活発な妹も汗をかく程度には普通の人間だけれども、
体力の違いか体質かそれとも気力なのか、
同じ汗に塗れても、不思議とさっぱりした印象を損なわない存在だった。

「熱帯夜も続くしね」
「だな。寝苦しくてかなわねえ」

夏場に入ってからというものここ数年の猛暑は依然として継続しており、昨夜も気温は高く、
エコ、節電と共に健康や夏風邪対策を利用とした冷房の温度制限を設けられた兄妹部屋では、
連日の真夏い睡眠時間が続いている。
兄妹の寝起きは同じ部屋であるかして、上げる不満も共通だ。
どれだけの熱帯夜に見舞われても妹の元気は変わらない、という違いはあるけれど。
この季節の深夜に毎日起き出して体調を損なわない頑丈さが、妹の個性の一つである。

────────寝苦しさで言うなら僕の方は暑さによるものではないし、
今時にひどい寝汗をかかずに済んでいるからまだマシ、という見方もあるが。

「・・・・・・う」

嫌な記憶を思い出して背筋が震える。
妹の視線が前を向いていたおかげで、見咎められないのが幸いだった。

「今日はどうだった? 授業とか、休み時間とか」

勘の働く妹に察知されるのも困るので、自分から意識と空気を変えて話題を出す。
別に誤魔化しただけでもなく、実際に気になることでもあった。

「んー? 別に。普通だぜ?」
「普通って。前に聞いた時もそうだったじゃないか。おま・・・・・・っ、イスミも学生なんだから、
 授業のこととか友達のこととか、それなりに話すこともあるだろう?」
「いやー、アニキに話すほどのことなんてないぜ? マジでマジで。時間の無駄だし」

これである。
母親ならずとも、性意識に関してでなくても、家の妹の心配なところだった。

妹は語らない。
兄と、自分以外のことを。
精々の例外は家族である両親のことくらいで、不思議と妹が口にするのは兄と、自分のことだけだ。
本当に不思議なくらいに。
妹は、『他人』を語らない。
興味がないというよりも。
生きていれば嫌でも目に付く存在を、そうしようと意識もせず無視するそれは、
まるで最初からそれに価値がないと思っているかのようだった。

兄より一つ年下の、一つ下の教育課程で、妹はどんな日々を過ごしているのか。
傍にいない今、過去からの距離は遠くて、思い出してもあやふやな像しか描けない。
半年ほど前までは、僕も確かにそこに居たのに。
だが思い返してみても、当時から妹との会話に変化がない事実に、今になってぞっとすることがある。
普通に考えて、学生なんて同性の友人と放課後を共にしたり、兄や姉のことなんて煩わしく思って当然なのに。
254妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:24:36.26 ID:ZqEP/v7T

「そんなに気になるか? アニキが。アタシの授業態度とか交友関係とか」
「妹のことだからね。兄としては当然だよ」
「ふーん?」

ボリボリと。
年齢に似合わない頭の掻き方をした妹が僕を見上げ、
何かを探ろうとするでもなく、本当にただ見詰めてから破顔した。

「気になるんだ。へー、ふーん。
 アニキってばアタシのことが気になるんだ。へへっ」
「ごめん。今どうしてそんな反応をされるのかの方が気になってる」
「何でもないぜ?」

向けられたニッコニコとした笑顔には、思いっきり『何でもある』と書いてあった。
たまに、この妹は喋らせるより顔を見た方が早い。

「まあでも、他ならぬアニキに気になると言われちゃ仕方がないなっ。
 アニキに隠し事なんてするつもりないし、アタシにはアニキに見られて恥ずかしいところなんてない!
 よしアニキ、何でも聞いてくれ。ちなみにアタシは処女だ」
「し────────いや、聞いてないから」

何を思ったか途端にテンションを上げて寄ってくる妹。
兄の横に並んで分かりやすくぶんぶんと手を振って大仰に歩く。
『知っている』と、そう言いかけたのを知られずに済んだのだけがよかった。

「で? 何が聞きたいんだ?
 アニキのためなら何でも言うし、
秘密の話だったらこのアタシ、閻魔様に舌抜かれようと喋らないぜ?」
「いや、そこまでしなくていいけれど」

この妹、少なくとも僕の前で口にすることは大体本気だから怖い。
一々、好意と覚悟が壮絶に過ぎる。
あと閻魔様は嘘を吐いた時にそうするはずだから、
沈黙を貫きたい相手にそういう拷問をするわけじゃないぞ?
妹よ、人間は舌がなきゃ喋れないんだ。

「そうか・・・・・・アタシも、舌がなくなるのはちょっと困るからな。
 あんまり重大な秘密でないなら助かる。で、アニキはアタシの何を聞きたいんだ?」
「ん? ・・・・・・ああ」

なんのかんので、気がつけばいつの間にか妹に喋らせるのではなく、
こちらが何を聞きたいのかという目的を晒す流れだった。
妹の普段の級友との遣り取りなんかが知れればそれでよかったのだけど。
考えてやってるのでも天然でこうなるのでも、どちらにせよ恐ろしい妹である。

「そうだね。特にこれ、と決まって聞きたいことがあったわけじゃないんだけれど。
 それじゃあ、イスミもいい歳だし、女の子なんだし、クラスのことも含めて恋愛事なんかは?」
「興味ねー」

即答で一刀両断だった。

「え? なに? アニキそんなこと聞きたいのか?」

げんなりした顔で落とされる両肩。
歩幅が一気に短くなり、目に見えてテンションが下がっていく。
ある意味では態度から表情から、生粋の正直者だった。
255妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:27:10.41 ID:ZqEP/v7T

「あー、でも『アタシの恋愛』が気になるのか・・・・・・?
 ふむ? うんうん。どうしてアニキが?」
「思春期じゃ一番多くて大切な話題だし。繰り返すけど、妹のことだからね」

下落したテンションを何とか回復させて質問を飛ばしてくる妹。
思えば兄妹でするにはデリケートな質問だった。
それにしたって、本気であんな反応をされるとは思っていなかったけど。

「なんだ。そういうことか・・・・・・・」

そしてまた落ち込む妹。
ただしさっきより復活が早く、すぐに上げた顔を向けてきた。

「うーん。けど本当に何もないぜ?
 イケメンがどうとか、やっぱり付き合ったり人を好きになったりしないといけねーとか、
 アタシそういうのに興味なんてねーし」
「だろうね・・・・・・」

聞いておいて同意できる自分が恨めしい。

「? 変なアニキだな。へへ」

首を傾げて笑う妹。
敗北を喫した兄の顔を、そんな愉快な表情で見ないで欲しい。
何がおかしいのか、機嫌と歩調を取り戻した妹は僕の隣から前えと行き、
ふと立ち止まると夕暮れには明るい太陽を背に、ぱっと振り向いて微笑んだ。

「────────でも」

それから、兄の顔を見ながら後ろ向きに歩き出して。

「アニキがアタシのことを心配? してくれるのは嬉しいけどさ」

手を後ろに回し、腰を曲げ、普段より見上げる姿勢を取って。
やはり夏のような向日葵のような、曇りない爽やかな笑顔を満面に浮かべた。

「アタシはアニキの世話で忙しいからな。
 ううん、それで忙しくしていたいのさ」

真夏の帰り道。
その姿はしっかりと照らされ、陽炎もなく確かで。

「だからアタシが興味あるのは、アニキのことだけだよ。
 これからも、生まれてから死ぬまでずーっとな」

そんな、年頃の女子にはあるまじきことを言って。
嘘もなく、妹は笑っていた。
そんな妹の、変わらない、似たようなフレーズで繰り返してきた告白を受けて、僕は。

ああ、やっぱり。
我が家の妹は、真っ当な思春期の中にいないと。
そんなことを、思う。
256妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:31:29.89 ID:ZqEP/v7T





そして────────夏の夜が来る。





帰宅して、時間を潰して、妹も手伝った夕飯を家族で囲んで、食べ終えたらまた時間を潰して。
合間に家族や妹との会話を挟みながらそんなルーチンを済ませた僕は、
明日は少し早いらしい両親の後、妹より先の順番で浴室にいた。

「・・・・・・」

夏の夜の、こもったような空気の中、シャワーの立てる水音が耳を叩く。
低い天井から投げられる光と、ツルリとした壁に囲まれた視界に、辺りを曇らす湯気はない。
風呂上りにはできるだけ汗を掻かずに済むよう、夏は水風呂に近い温さで浴びることにしていた。

「・・・・・・・・・」

ざっと頭髪を濡らし、シャンプーを塗りこんで頭皮を揉み、泡立て、一日分のケアをしてから十分にすすいで。
一旦シャワーを止め、自分の髪から体から零れ落ちる水滴を見詰める。
軽く頭を振ると、壁に叩きつけられた雫が弾けた。
一呼吸置いてから軽く顔を洗い、何となくさっぱりしたところでまたぬるま湯を止める。
世間では、風呂に入った時にどこから洗うかは色々とパターンがあるらしいが。
僕は(多分)オーソドックスに上から順に済ませる方だった。
ただ、もしも人と違う所があるとするなら。頭、顔ときて最後に。
体を洗う時だと思う。

「────────」

幾つか分けて置かれた石鹸の中から一つを取り、
表皮、正確には垢などを擦るためのネットに入ったそれを手の中で揉み、泡立てて肌に当てる。
ごしごしと。ごしごしと。
利き腕の右で握った石鹸を左腕に当て、肘から肩、手首の間を走らせて更に白い気泡を立てながら、
十分と思ったら肘やその裏、次に手首から先の手に。
引いては押して。
手相などの元になる〜線、少しでも汚れの落ちにくい溝になりそうな部分を丹念に擦りたてながら、
指の先、爪の間までを意識して磨き上げる。
左腕が終わったら、石鹸を持ち替えて右腕に。
それが済めば位置を首に上げ、順番に下へと作業場所を落としていく。
首筋を赤くならない程度に擦り上げ、両肩を往復し、
自分ではそう生えていないと思う両脇をしっかりと立てた泡で包み、
体の前面は勿論、背中の方も交互に両手を伸ばして擦っていく。
最低でも、同じ場所を10回は擦るようにして。

「・・・・・・・・・」

他の場所の垢を十分に擦り、必死に立てた泡で一杯に包んで。
残された部分、自分の男性器と周辺を見下ろして手が止まる。

「どうなんだろう」
257妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:34:31.02 ID:ZqEP/v7T

これが大きいのか小さいのか、形状が普通なのか、自分ではよく分からない。
無修正のAVなんかを見るほどネットにはハマってないし、
これから機会はあるだろうけど高校に上がって今まで、誰かと見せ合ったこともなかった。
男性の魅力か、それに直結する要素の一つではあるらしいけれど。
正直、よく分からなかった。

「・・・・・・」

それでも、洗う。
丹念に、入念に、丁寧に注意深く。
刺激よりも、ただ清潔にすることだけを考えて。
洗って。
洗って、洗って、洗って、洗って、洗って。
洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、洗って、
洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って洗って────────流して。
もう一度、頭から水のようなお湯を被って、
汚れも泡も何もかもすっかり流されるだけの時間を置いてから、シャワーを止めて全身を見ていく。
一頻(しき)り確認をして、当たり前だが目立った汚れや洗い残しがないことを実感してから、
ようやく人心地がつけた。

「ふぅ・・・・・・はあ」

心なしか酸素の薄く感じられる空気で何度か呼吸をし、握り締めていた石鹸を戻して────────傍にあるスポンジを手に取る。
さっきまでの石鹸とネットのように強烈に垢を落とすのではなく、もっと細やかに柔らかく、肌の汚れを取る物。
掌より大きく厚いそれをぎゅっと握り、シャワーをかけて汚れを取りながら湯に馴染ませていく。
十分に水分を含んだところで軽く絞り、
シャンプーやリンス類のボトル置き場から自分用のボディソープを出して塗り掛け、
奥まで吸ったタイミングで揉み込む。
すぐに泡が立ち始めたので、柔らかな面を肌へ当てた。
そうして、後は先程までの動作をもう一度、今度はゆっくりと優しく繰り返す。

腕を洗う。肘を洗う。手首を洗う。掌を洗う。手の甲を洗う。指を洗う。指先を洗う。爪を洗う。
首を洗う。肩を洗う。鎖骨を洗う。脇を洗う。背中を洗う。胸を洗う。腹を洗う。
尻を脚を、太腿を膝を、脛を脹脛を踝を足を、踵を指を爪を爪先を────────性器を洗う。

スポンジで擦るだけではなく、時には手にボディソープを乗せて、
広げた液を伸ばして馴染ませ、皮膚に直に塗りこんで。
僕は僕の肢体を洗う。
洗浄というよりも、儀式のように。



連日の猛暑と熱帯夜。
猛暑日なんて言葉が流行り、そして定着した夏という季節。
中でも昨年のそれから、僕のこの時期の入浴は長くなった。
原因は、ちゃんと綺麗にしておかないと熱帯夜では寝汗やそれによる臭いが気になるから。
家族にはそう説明しているし、嘘は、言っていない。
ただ、何でそれが気になるのかという、原因の原因を話してないだけで。
男子でも年頃の子にはそういうこともあると、理解されていた。
少なくとも両親────────妹以外には。


258妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:37:50.61 ID:ZqEP/v7T


「アニキー」
「!?」

急に、風呂場の外の扉が開く音がして。
妹が────────イスミが、水滴に濡れた扉一枚の向こうに、立っていた。

「どうした?」

当然ながら、浴室の扉は内外を見通せる作りにはなっていない。
だから、びくりと跳ねた僕の背中は見られてないはずで。
平静に努めて、なんとか普段の声で応じられた、と思う。

「いつもよりちょっと長い気がしたから見に来たんだぜ。のぼせたりしてないか?」
「大丈夫だよ。もう洗い終わって上がるところ。待たせた?」

必要がないので、風呂場の向こうの明かりは消えている。
水滴をつけた扉の曇りの先、ぼやけた明かりを受けた影が、ゆらゆらと揺れて首を振った。

「ん。別にアニキの好きに入ってくれていいけど、
 アナシも『アニキの後に』早く入りたいからさ。そんだけ」
「悪いね。今出る」
「了解。けど相変わらずアニキは綺麗好きだな」
「・・・・・・ただでさえ朝も夜も暑いし、汗臭いのは嫌だからね」
「アタシはアニキのだったら『汗臭いのも好き』だぜ?」
「僕が気にするんだよ。・・・・・・ん、終わった」

最後にシャワーをさっと浴びて洗浄を終えた。
反転すると、妹が出て行く気配。
扉────正確には二つ折りになる戸────を引き、脱衣所のスペースに出てタオルを手に取る。

(・・・・・・)

ちらりと、横にある洗濯籠に目を落として。
風呂場から漏れる薄明かりに照らされた中身の一番上、入る時に脱いだ僕の上着。
そこに何の変化もないことに、今日も安堵する。










そうして夏の夜が深まる。
静寂(しじま)の中で、熱と闇を上げながら。









259妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:41:46.80 ID:ZqEP/v7T

ぴちゃぴちゃと、音がする。
真夜中の、とうに就寝の時間を迎えた部屋の中。
輝いた陽が熱だけを残して夜に呑まれた、
何処(どこ)をも見えない暗闇に、深夜にあるはずの静寂を破って水音が響く。
シャワーや雨のそれとは違い、小さくゆっくりとした、そして粘着質な液体の混ぜ音。
今日も夕方のニュースキャスターが声高に伝えた、記録的猛暑と熱帯夜の記録に入れられるだろう夏の晩。
夢幻に置いた意識を焙るような熱が、全身を舐めしゃぶる。
粘っこく、偏執的なまでに隙間なく僕を味わう人の舌。
真夏の夜気を思わせるこもった熱を吐き、はふはふと興奮で切れる呼気を漏らす唇から伸びた器官が、肢体を浚う。
つう、と糸を引いた唾液がまた一つ、僕に落ちて広がった。

「ああ、アニキ・・・・・・」

大きく服を乱された体の上から、熱情に焼けた声が落ちてくる。
やがて妹の手によって晒された肌の上に吐息が吹かれ、強く唇の感触が皮膚を這う。
吸い取るように唇がすぼめられて引っ張られると、次いで押し出された舌が兄の上を嘗め回した。
突くように触れさせた舌先を押し広げて回転させると一旦引き、口内に溜めた唾液をまぶして滴らせる。

「寝汗。取らないとな」

余った唾を啜り込む音が響くと、暗い声が静かに部屋の中を這った。

「暑いって、寝汗がひどいって言ってたし。
 汗・・・かいたままだと、体に悪いからな。風邪引いたら、困るし。
 アニキも困るよな?」

ごしごしと、腕で口を擦ってから呟きを漏らす。
言い終えた唇は、合わさると再び兄の上に戻った。
おそらくはまだ伸びきっていない手指が胸に添わされ、脚がこちらのものへと絡み合わされる。

「それで看病するのも、アタシは嫌じゃないけど。へへ」

兄の体に寄り添った妹が、ふぅふぅと荒い息吹を吹きかけてくる。
くすぐったさを押さえ込み、心臓と呼吸を落ち着かせるのが難しい。

「アニキのため」
「アニキのため」

先に垂らしていた唾液に、また舌が触れた。
舐めるようにして塗り広げ、その上からもう一度舌を乗せて、汚れを取るかのように擦っていく。
徐々に、下へ下へと向かいながら。

「・・・・・・んんっ」

時折、体越しに妹の震えが伝わり、
舌を出す口ではなく、股間の方からも粘った音が聞こえる。

「起きたら汗に濡れてないように。アニキが気持ちよく起きられるように」

薄い寝巻きの上をたくし上げられ、腰からはずり下ろされて。
普通ならどれだけ深く寝ていても起きるだろう、長く執拗な愛撫が続く。

(まだ終わらない、か)

心中で溜息が漏れた。
どうやら、今日も寝苦しい夜になりそうだ。
260妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:45:52.74 ID:ZqEP/v7T

切欠は、幾つか前の夏。
続く猛暑による熱帯の夜に襲われるあまり、
ふと『寝汗がひどい。寝苦しくて困る』と、妹の前で漏らしたことによる。
それを聞いた妹は────────イスミは、自分もそうだと同意した後に、
『何とかしようか?』と尋ねてきて。
『出来るなら』、と。まだ妹の異常を完全には把握していなかった、兄の油断が始まりだった。

それから、不思議と寝覚めの悪い、けれど途中で醒めることもないない眠りが続いて。
どんなに暑い夜も、何故か起きた時にはひどい寝汗をかくことがなかった。
それで一つ二つの夏が過ぎ、『盛られ続けた睡眠薬』に慣れと抵抗が出来て、
夜毎の悪夢、妹のしていることに気付けるようになったのが、ようやく去年のこと。
夏の間は毎日毎日、兄の布団に潜り込み、寝具と寝巻きを剥いで、晒した肌を舐めしゃぶる。
唾液を塗布し、舌を出して、緩慢にじっくりと、時間をかけて隅々まで。
垢を舐めるという妖怪のように、兄の身に浮かんだ汗を丹念に舌先で掬い取って。
味わい、飲み込み、熱された吐息を吹いて恍惚に酔う。
最初の覚醒が、薬の効果の抜けきらない金縛りに似た状態でなかったら、
気付いた時の反射的な反応だけで全ては────────少なくとも僕と妹の間の何かは、終わっていただろう。
それくらい、訳が分からなかった。

「頼まれたからな」

こんな呟きを聞かなければ。

「アニキに頼まれたんだから・・・・・・アニキのことを頼まれたんだから、ちゃんとやらないとな」

家の妹に、悪意はない。
兄のことを好きすぎるのも、『他人』に興味がないのも、きっと妹には自然で、意識さえ働かない行為なのだ。
だからきっと、これも同じ。
兄に頼まれたからやる。兄のために。それだけのために。
方法を指定されなかったから、最大限自分にとっても好いようにしているだけで。
そこに悪意はない。
あるのはただ、どうしてこの方法を選んだかの、行為の理由があるだけで。
好意という。
ただそれだけで。それほどの。

「好きだぜ、アニキ」

かふ、と。
熱中のあまりの酸欠を思わせる喘ぎを経て、妹が告げる。

「好きだよ。好きだ。
 言えないけど────────アタシは、アニキのことが好き」

夜の告白を、妹は朝には続けない。
何故ならこれは告白ではなく、誰にも聞かせてはいない独白で、
僕が起きているなど、妹は思っていなかった。

「結婚とか、色々とできないけど。
 それでも・・・・・・好き」

以前、聞かれたことがある。
『眠っている途中で目が覚めたりしてないか?』と。
妹としても、最初こそ切羽詰った上での暴走だったのかもしれないが、
後で冷静になって流石にマズイと思ったのだろう。
それは、そんなに張り詰めてしまうまで想いをひた隠しにしてきたということでもあるが。
普通は、死にかけてでもいない限り、毎夜こんなことをされていれば幾らなんでも起きるから。
何をどう調達して使ったのかは知らないが、
妹の盛った薬にも耐性のつくことが記してあったか、自分で調べでもしたのかもしれない。
261妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:49:33.04 ID:ZqEP/v7T

いずれにせよ、妹も不安ではあったようで。
しかし。
その内心も、僕が一言、『そんなことはない』と否定して、それで終わるものだった。

「はっ・・・・・・はっ・・・・・・」

それ用の訓練でも受けた人間相手でもなければ狸寝入りをしたところで、
これだけ触れた上で色々とすれば反応で起きているかは分かる。
反射を抑えるなんて特殊な行為は、僕にはできない。
まして妹は腹芸の出来る性格でもなく、互いに化かし合いをしているのでもなければ、
とうに僕が起きていることに気付いていておかしくない。
なのに気付かない理由は一つ。
僕がそう言ったからだ。

「ああ。アニキの味がする」

つうっ、と。
右腕に触れた舌先が、手首までを滑った。
それから半端に開かれた掌で何度も何度も円を描き、
裏に回って手の甲に乗ると、れろれろとあちこちを走る。
それが終わると今度は先端へと駆け、中央に寄っている指を三本まとめて咥えてから、ゆっくりと吸い立てた。

「汗と、匂い。あんまりしないのが勿体ないな・・・・・・」

唾液を満たした口内でしばらく含み、浸るほどに湿ってから舌に乗せる。
中指から人差し指、最後に薬指という順番で舌先を走らせてから絡ませ、
汚れをこそぎ落とそうと慎重に引いていった。
時折、単にそうしたいのか甘噛みを含ませてから、ようやく解放。
後ろ手に持っていたタオルで余分を拭いて、すぐに小指、親指へと移った。

「アニキ。変に長く風呂に入るようになっちゃったし。体も、すげーよく洗ってるよな」

ちょうど右手が終わったところで。不意に、ぴたりと動きを止めて。

「気付かれてるのかな・・・・・・?」

闇の中で影としか見えない首を傾げ、そしてはっきりと横に振った。

「んなわけないか。起きてないって、アニキが言ったんだし」

そして先程をなぞるように左腕に舌を伸ばし、左手へ。
疑問は完全に処理したとばかりに、作業へ没頭する。

(本当に。怖いくらいだ)

それだけのことで、妹の中の問答は終わっていた。
兄がそう言ったから、事実が違うはずはない。
疑念を挟む余地すらなく、不安も悩みも、もしもの可能性すらも、それで全てが終わっている。
正直、どうしてこうまで妹に好かれているのか、理由の分からない好意は恐ろしい。
だけど。
同じく理由の分からない信頼を『家族』から受けて、妹の行為を両親に話したり、
あるいは本人に問いただすことが、僕にはどうしてもできなかった。
妹の口にしたセリフ自体、単なる独り言で、こちらの反応をうかがっているのでもない。
262妹朝妹晩 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:52:32.42 ID:ZqEP/v7T

おまけに。

「本当は起きてるなら、起きてるけどアタシには嘘を言った方が、
 アニキには都合がいいってことだしな。
 許してくれているなら、嬉しいけれど。
 何か理由があって、アニキにはその方がいいなら、別にいいさ」

疑わないだけでなく、疑わずに騙されていてもいいとまであっては。
妹の、兄に対するには行き過ぎた行為も、
ほんの少し僕が耐えれば害にはならないと、信じるしかなかった。
妹の行動自体、『兄に頼まれて』初めてしたことで、今のところは夏に限定される。
機会さえあればすぐにでもこうしたい衝動を、妹は今までずっと抱えて、抑え込んできたはずで。

「アタシはアニキのことが好きだから。
 アニキがいいなら、それでいいんだ。アタシはアニキの妹だからなっ」

誰にともなく主張して、妹は続ける。
ごそごそと。
ベッドのスプリングを軋ませる移動は、少し下がったところで止まって。

「射精(だ)したら、流石に汚れちまうもんな。
 射精す時は、お嫁さんにするもんだし。
 あーあ。アタシのも、どうせならアニキに破って欲しいもんだぜ」

兄の股間に吐息を吹いた。

「でもま、我慢我慢。・・・・・・・一生、我慢だぜ。んっ」

そのまま、触れるだけのキスを残して、足の方へと移っていく。

「好きだよ、アニキ」
「せめて夢では聞いて欲しいな」

家の妹の特徴、『兄が好き』。
それは愛より恋で、家族よりも遠くから。

何より問題なのは、万に一つ、いつか自制を越えた妹に来られた場合、
妹の強さとこの狂気に、抵抗できる気がしないこと。
毎朝毎朝、起こされる度のスキンシップと。
毎夜毎夜、眠る度のこの痴態。
僕の夏は────────よく眠れない。


263変名おじさん ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 00:54:42.52 ID:ZqEP/v7T
投下終了
初めて書いた入浴シーンが誰得なものになりましたが、妹にペロペロされるお兄ちゃんには必要な気遣いということで一つ
264変名おじさん ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:18:59.67 ID:ZqEP/v7T
投下
止まったら規制です
かなり趣味的な描写をしておりますので、少しでも嫌悪を感じた方には申し訳ありません
内容はキモ姉だと思いますが、念のためご注意とスルー、ブラウザバック、閉じるなどのご用意を願います
265蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:20:35.93 ID:ZqEP/v7T

透徹とした陽射しに世界が浮いていた。
高く遠い白雲の群に、蒼穹を行く飛行機の線。
空と大地が見はるはかす彼方まで世界を切り分け、蒼緑の線が真っ直ぐに飛んで境界を交える。
透明感のある陽光が生命の緑を輝かせ、明るく澄んだ視界を、噴きだす汗と陽炎が濁す季節。

見上げれば白蒼の空、見詰めれば目を焼く太陽。
見渡せば濃く青く茂る草葉。
燦燦と日の笑う日本的な夏────────土の匂う田舎道で開いた手を、生温い風が緩く撫でる。

「おーい」

どこからかミンミンと響くセミの声。
掲げ、左右に振った手から落ちる影は、ぐっと色濃い。
自己主張の強いお天道さまは遮るとそれだけ世界が暗く、同時に翳った視界の中、すっと頭の冷える気がして心地良かった。
言葉そのままの手旗で合図する度、太陽が隠れては顔を出す。
幾度も切り替わる明暗は、茹だるような暑さの中、意識を保つ貴重な刺激だ。

「おー・・・・・・・・・・はろん、つっきー」
「もう。その呼び方はやめてったら」

人の疎(まば)らな通学路。
アスファルトで舗装もされず、木々や畑に挟まれた、車1台が通るかの狭い道。
呼びかけた相手は振り向くと、その声のように頼りない足取りで向かってきた。
純白を基調に、縁(ふち)を取る水色で暑気を払う女子制服が太陽を頂く。
降り注ぐ陽射しを受け流すスカートは青く浮き立ち、
膝下にほんの少しかけられた陰影から伸びる足は艶かしく、袖から出る両腕は輝かしく、白い肌からは生気が匂う。
ただ。
暑さにやられての、寝起きのような気怠げな声だけが、見た目の涼気を下げていた。

「詩姉(しいねえ)」
「んーぅ?」

ふらつく首で支える頭部に、乱れ気味のボブカットと半眼の双眸を載せて。
詩姉────姉である葉木鳥 詩歌(はぎとり しいか)の顔が、右に傾く。

「? ぅーん」

そのまま、ぐりん、と半回転で左に行ってから、元の位置へと戻った。
半落としの目蓋(まぶた)の、更に下から視線が上がる。

「熱いよねー。太陽。・・・・・・・・・何さ?」
「太陽はいつでも熱いから、それ自体は夏の暑さに関係ないけどね。
 うん。ちょっと、元気ないかなって」
「・・・・・・・・・・ーお」

不可思議な発声の同意に首肯が続くと、縦に曲がった首をそのまま地面を向き、隠れた顔がゴシゴシと擦られる。

「っんー。いやぁいやあ。
 明日から夏休みと思ったら、少しでも早く夏休みを楽しみたいあまり、テンション先取りしちゃってねえ。
 つい徹夜して、もう」
266蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:21:26.96 ID:ZqEP/v7T

もう一度僕を見た姉さんの目は開かれていたけど、だいたい会話文三行目めくらいの頃にはもたなくなっていた。

「ねむくてくむね」

一瞬、魂が抜けたかのようにがくんとフラつき、言い終えた口から、長く細い吐息が夏空へと上る。

「むうぅうぅう。ヤバい。この眠気はマジでヤバいよー。
 ねえつっきー、月陽(つきひ)、月陽様。
 どうかこの姉の眠気か重量を学校まで肩代わりいや肩車してくれませんでしょうかー?」
「こらこら。
 確かに明日からは夏休みだけど、今日は学校、そのための終了式なんだから。ちゃんとしないとダメだよ姉さん」
「半徹くらいで寝るか起きてるか迷った挙句、寝ないでかつちょっとだけ早めに出て学校で寝ようと思った私がバカだったかー。
 ・・・・・・おおっと手が滑ったー」

うへあー、と吐息気味の声に遅れて抱きついてこようとする姉。
芯のない上体と共に揺れながら繰り出された両手はゾンビのようで、思えばそれはそれで夏の風物詩であるホラーのようでもあったけど、
単に疲労しているだけの姉の力は弱く、軽く払うと横に流れてつんのめった。

「わっとっと」
「ほら。ちゃんと立って」

右手に持った学生鞄の重さで重心が寄り、転びそうになったところで肩を掴んで引き寄せる。
眠気のせいで体に意識が行き届いていないのは確かなようで、予想より重い手応えの代わりに、反射的な抵抗もなかった。

「え? わっ────あう」

倒れようとしていた体を後ろから引っ張られ、
その場でターンする形でこちらに向く────────タイミングで眠いまま揺らされたせいかカクンと姉さんのヒザが抜け、
ぶつかるように、こちら側へと倒れこむ。

「あ。ごめん」

服越しにボクの胸へと顔が沈み、生地を抜けて「わぷっ!?」という声と吐息が伝わる。
「けど、これで目は覚めたんじゃない?」
「うう。つっきーがいぢめる。弟がグレた・・・・・・死にたい」
「前は夏休みまで死ねないって言ってたじゃない」

余裕ある姉の抗議に気持ち小気味良く返して、体を離す。

「うだーぁ」

姉は心底ダルそうだが、それを声にして訴える余力はあるようだった。

「唸る元気があるなら大丈夫だね。ちゃんと自分で歩きなよ?」
「つっきー、ここは給食のオカズとデザートで手を〜」
「だーめ。それに小学生じゃないんだから。今日は午前中で終わるし、学食も購買も開いてないよ」

そもそもうちの学校に給食制はないので、姉の訴える通り、確かに睡眠不足で意識まで参っているのかもしれない。
それとこれとは別だけど。
267蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:23:29.06 ID:ZqEP/v7T

「ほら。手は打たないけど、代わりに引いてあげるから。
 頑張って自分の足で夏休みを迎えに行こう」
「あうおうえぉ〜」

関節の具合が怪しい姉の手を取って歩き出す。
触れてみると汗を浮かべたこちらに比べ、握った手は少し冷たくて涼やかだった。
前から体温の低い人ではあったけど、徹夜で更に体調を崩しているのかもしれない。
先に出た姉に追いつくのに時間がかかったし、通学路も既に半分くらいまでは来ている。
戻るにも距離は同じだ。なら、万一の時のためにまだ保健室のある学校を目指すのが正解だと思う。

「せめて鞄は持って上げるから」

どの道、人一人を背負って歩くことも出来ないし、両親も今頃は職場への準備中だ。
田舎道の交通量じゃあ運よく気前のいい車が通るのも期待できないから、出来るのは急ぐことぐらい。
本格的に熱射病にでもなりそうだったら、救急車に頼るしかないけれど。

「今日からしばらくは学校ともお別れなんだし。
 さ、2人で行こう────────姉さん」
「おー」

受け取った鞄を手に足して、もう片方で姉の手を引く。
我が姉ながら情けない限りだけど、普段はもう少ししっかりしているし、こんな日だからこその気の緩みと思って笑うとしよう。

「・・・・・・」

今日は終了式。明日からは夏休み。
行く道に緑が濃く、見える空は青く高い。
両親の方も休みになれば、家族水入らずで出掛けることもあるだろう。
今日一日、いや午前中の半日だけを行って過ごせば、帰りも2人。

(姉さん、出不精だからな。何て言って外に出せばいいか)

僕たち姉弟の夏が、始まる。





268蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:25:01.80 ID:ZqEP/v7T

学校長による長い挨拶に始まった終了式が、予定通り学校長による長いお別れの言葉に終わって。
幾らかの仮眠────居眠りともいう────を取り、1学期最後の教室や校内の清掃作業を済ませた頃には、
葉木鳥 詩歌の頭も幾らかの冷涼さを取り戻していた。

(今朝のはどう考えても醜態だったなぁ)

掃除で体を動かしたこともあり、五感、思考ともにそこそこに冴え、かえって夏らしい辺りの熱気や降りかかる日差し、
夏休みを前にした同級生たちのざわめきがよく感じられる。

(『月陽ちゃん』どうしてるかなー)

勢いも荒くがたがたと椅子を引いて立ち上がり、足早に、あるいはゆっくりと旧友と談笑しながら教室を出て行く足音と話し声。
先ほどHRを終えて夏に解き放たれた学生たちは、早くもそれぞれが憚りなく大連休を謳歌するための行動に移っていた。
帰宅を優先し身軽になってから午後より友人と繰り出す者、今まさにその予定を話し合っているグループ、以上のいずれでもない一匹狼。
おおよそ25名前後で1教室を、学年で2つ。
これが彼女の通う田舎校の小学から高等まで通じる大体の編成であり、分散していくその輪の中にあって、彼女は今一人、のんびりと椅子に座っていた。

(夏休みはどうしよっかね)

その姿を評すなら、同じ単独行動をしている者でも一匹狼というよりは暢気な羊に近い。
同級生たちがそれぞれに帰っていく放課後にして夏休み、
詩歌はスカートの端ごとはしたなく足を前に投げ出して椅子に腰掛け、背を丸めながら机に頬杖をついていた。
全身がだらしなく弛緩しており、一人なら一人なりに趣味に没頭するなどの予定を決めている一匹狼なはぐれ者と違い、
こちらは群からはぐれた羊がぼうっと草をムシャりながら牧羊犬を待っているに等しい。その隣に、朝────の登校────を共にした弟の姿は無い。

何と言ったところで詩歌と月陽は姉弟であり学年が違うため、彼女の弟の姿は基本的に学び舎の別の場所にあり、
どこか頭の緩い姉を案じた弟が彼女を迎えにやってくる、というのが姉弟の下校の習いである。
よって彼女は終了式という学生有数の晴れやかな日においてまで、主に本人も気付かぬ怠惰により、習慣のまま弟を待っていた。

(あんまり外に出るとダルいけど、月陽ちゃんに太った? とか聞かれるのも勘弁。
 却下却下。家族で旅行くらいはあるとして、月陽ちゃんに買い物でも手伝ってもらおうかな〜。
 ・・・・・・水着とか?)

にへら、とその顔が笑う。
そして『いやんいやん』とボブカットを振り乱して軽く悶えると、
途中、動かした視界に誰も映らなくなっていたことに気が付き、首を傾げた。

「およ?」

長期休暇前の最後の清掃を経て、けれど1学期分の傷みと思い出を残した教室の内部。
カーテンを引いた窓からは全開の日差しが床を射し、反射して電灯に当たって光らせている。
窓ガラスの向こうからは遠く蝉の唱和が聞こえており、校内で小さく響いていた。
彼女が覚えてない名前の蝉の鳴き声をたっぷり数回分ほど聞いて、ようやく詩歌は辺りの静謐に気付く。
269蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:26:52.26 ID:ZqEP/v7T

「およよ?」

横に傾げた首を後ろに捻ると、目視した壁掛けの時計ではHRの終了から10分近く。
本日はどの学級学年も進行は同じであるし、遅くなければ、いつもなら弟が来ている間隔だった。

「何か用事かな〜」

それだけ確認すると、幾つかのプリント類を詰め込んだ学生鞄を手に取り、既に一つしか開いていない出入り口に向かう。
弟にも都合があるし、友人と話し込んだり、
時によっては所属する委員や日直の関係で教師から放課後に用事を申し付けられたりして、来れない、もしくは遅れて来ることがある。
あるいは、学年の違いによるその日の授業数の違いからくる放課後の訪れのズレなど。
そういう場合は────弟の月陽が非常に悩むが────幾らか待って沙汰がなければ、姉一人で帰宅する取り決めになっていた。
長子たる詩歌からすれば憤懣たるところもあるが、
彼女自身その抜けた性格には自覚があるし、可愛い弟と共にする時間をみすみす減らすのも惜しい。
彼女の好きなことと言えば弟たる月陽を可愛がることと彼に構われることであり、
よって現状では言いたい文句を胸に秘めて膨らますに留め置いていた。
余談だが、彼女の人生最大の不満は、小さい頃は幾らでも呼ばせてくれた『月陽ちゃん』という愛称を、
思春期の訪れとともに弟に禁じられたことにある。

「一人で帰るのも久し振りぶり」

扉を閉めて蒸し暑い廊下を行きながら、廊下側の窓の外、青空に向けて思考を飛ばす。
葉木鳥 詩歌は弟のことが大好きだ。
彼は姉のダメだったり抜けているところをよくフォローしてくれるし、
それも今朝のように甘やかさず、厳しすぎずの親切な距離で接してくれる。
本人は大抵のことは人並より上手く出来るし、それでいて性格は控えめで爽やかなのが、姉の中の女子的評価では高ポイントだった。
自慢の弟である。正直言って嫁にでも婿にでも欲しい。
詩歌と月陽は2人とも進路が進学志望であり、余程のことがなければ経済事情的にも将来2人暮らしだが、
弟が同居してくるまでの一年間をどうするかというのが、目下両親の悩みごとだった。
詩歌が志望校に受かったら先に地理を憶えさせる名目で弟を派遣して一緒に物件を探させる話もあり、
その実、諸々の契約や生活環境の整備を姉に任せるのは不安、という考えである腹は彼女も把握している。
ただし彼女もその辺の危惧は同じであるし、
何より受けるものを受けた後の時期を2人の住まい探しで弟と共に出来るのはハッピーなので、
今のところ賛同の意を諸手で示していた。

暢気、陽気、空気。

それが彼女の性格と、主にそのオーラについていけるものがいない級友内での扱いである。
1○歳にして趣味の構成がネットサーフィンと家庭用ゲームで二分される乙女であるため、
特に地方都市の更に遠方の田舎では無理からぬことだった。

「ん〜〜〜?」

そんな彼女が二階にある教室を出て廊下を渡って階段を下り、悠々と靴箱の前で履物を換えた後、
持って帰らなければ一夏放置されることになる上履きを自然な動作で置き去って校庭に出た時、
炎天下の直射日光の中、視線の先に移ったのは愛する弟の姿だった。
ちょうど校門を出るところのようで、
270蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:28:20.81 ID:ZqEP/v7T

「あれ?」

しかし出た先で右に曲がってしまう。
詩歌の少し頼りない頭脳によれば記憶された帰り道は左であり、彼女は今日一番の角度で、首を横に傾けた。
更には弟の横では影が動いており、校門を構成する塀ですぐに途切れたが、衣服は女子の制服に見えた。
弟と影と、二者の距離は近く、また弟の姿も追うように影の方向へ消えたため、
女子らしき何者かが帰宅とは別の向きへ弟を先導しているかにも思える。

「・・・・・・・・・」

しばし姉の胸中にざわめきの風が吹き、心中が陽炎の如く揺れた。

「んーーーぅ?」

校庭と校舎を囲む塀、壁に沿って植えられた幾つかの樹に留まる蝉の声が響く中、
しばし、正午近い真夏日を頭上に置いて熱を上げる。
詩歌には別段、姉を迎えに来なかったことや、それを放って何かをしている弟を咎めようという心算はない。
弟が姉を大切にしてくれるように彼女は彼を大事に想っているし、
そのプライベートも他家の兄弟姉妹よりは尊重している。
蔑ろにされたとか、気に入らない、ということではない。
むしろ。

「何だろ?」

不意に生じた感情が何で、何故なのか、他ならぬ本人にも判然としなかった。
故に。

「────────うん。行ってみよっ」

弟の私生活を侵すというよりも、自身にも理由の分からない意識の波紋を解明するために。
彼女は先ず何となく、彼女らしく、深く考えずに弟の後を追うことにした。
珍しく、弟に関することにだけ発揮する行動力を発揮して。
彼女は、追ってしまった。

その恋に向かって。





行き着いたのは、姉弟の通う学校の裏に茂る林の中だった。
田舎にあっては活用する術がなく、また景観の一つとして、学生のための緑を残す名目で放置された木々の林立。
登れるほどには高く、しかし登るには不親切な掴みのない幹から伸びた枝葉が、幾重にも折り重なって空を隔てている。
夏の眩しい木漏れ日がさらさらと隙間から注ぐために明るさはあり、
ただ濃密な土と植物の匂い、視界を満たす木立の感覚が遠近をズラし、
果ての見通せない奥行きが、どこか陽の下とは違った感覚を意識に抱かせていた。
通う校舎をぐるりと取り囲む壁を、正門から出て半周分と少し。
程なく到着したのは近所の子供の遊び場にして虫取り場の一つで、
しかしながら夏休みを迎えたばかりの学生が連れ立って向かうには不釣合いなスポット。
271蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:31:12.41 ID:ZqEP/v7T

「どうしたのかなー?」

学校を囲む塀はそれぞれ一辺が相応に長く、しかも付近を通ると隠れる場所が何もないため、
随分と距離を開けての追跡となってしまった。
弟ともう一人────尾行しながら確認した────先行していた女子は、既に中に入っている。
場所といい組み合わせといい、特に相手の片割れが彼女の弟ということもあり、
詩歌の頭脳では珍妙、という感覚がアスファルトにかけた水の如く煙を上げていた。
よく知る人間の追尾を始めた時点ですわ『探偵物!?』と浮かんだ興奮は既に日光に焼かれており、
気だるい意識で体感する体内温度は発汗を受けてなお上昇中にある。
それでもなお足を進める気力の源泉を、彼女はまだ知らない。

「昔、月陽ちゃんと遊んだっけ」

近場の子供ならおおよそ共通する思い出を引きずり、葉鳴りする影の中へ頭を入れた。
視界が一気に翳り、同時に強い木漏れ日のおかげで瞳が明暗の調節に戸惑う。
枯れた物、落ち立ての物、茶と緑の入り混じった木の葉を稀に木の根ごと踏みつけて行く。
獣道、というよりは近所の子供の踏み分けた道が続いており、ふと思いついて脇に逸れた。
よほど人目を忍ぼうと思わなければ対象はある道を真っ直ぐに進んだはずで、
幾ら周囲が薄暗いにしても正直に進めば見つかるだろう。
他人といるところを尾行などとバレた日には弟の拳骨をもらうこともあり得たので、
姉は弟にして大事な人間に折檻されるという二重の恐怖を回避すべく、
出来るだけ足音を殺しながら木々の隙間を縫うことにした。
林の中は人の暮らしから遠いだけ田舎においても静かで、外部より暗い視界は他の五感を研ぎ澄ます。
幸いに外ならば生温いとしか感じないよく風が木々の上を浚い、ざわめく枝葉が足音を消してくれるため、
警戒しつつも足早に進むことができた。
ほどなく、木や地面とは違う色彩を捉えた気がして、足を止める。
耳を澄ますと、女性のものらしき高めの声が聞こえてきた。

「・・・・・・く館の裏とかって定番だけど、誰か残っている人がいるかもしれないし。
 他の生徒に見られるの、恥ずかしいから。ここなら、誰も来ないかなって・・・・・・」

傍の木の幹に背を預け、半身を出して視線を送る。
来たことのある子供には目印の一つになる、林の中でほんの少し開けた、最も木漏れ日を浴びる歪な円形のステージ。
距離の分、幾本かの樹木で切られ、狭められた視界の奥にスポットライトの如く光を浴びて立つ誰か。
詩歌と同じ作り、同じ学校の制服を着た女生徒だった。
遠いせいで全体がはっきりとしないが、ぱっと見て見覚えは薄い。
在籍数の少ない学校であるために同学年の顔くらいは記憶しているし、
学年が違っても一度も見たことのない顔というのは少ない。
とすると、一つか二つ下か。
状況で見て、弟と同じ学年の可能性が高かった。

「それよりも。こんな所まで連れて来て、何の用なのかな?」

と、件の人物の声がする。
詩歌の視線が音源を求めて走り、意識の集中が上がった。
が、どうやら女生徒から少し離れているようで、木による死角に入るのか姉からは見えない。

「雉間さん」

弟────────月陽の言葉はそこで止まる。

272蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:33:57.08 ID:ZqEP/v7T

(雉間・・・・・・?)

記憶を検索して。

(クラスメイト。だっけ)

過去の会話から、思い当たる存在を挙げる。
姉の知らない、行かない弟の教室での話を家で聞く時に、出たことのある名前の気がした。
日直か何かでのペアでもあったか。
そう言えば、弟が風邪を引いた時に届け物をしてくれた級友がそうだったような。
名前と人物は分かったが、しかし状況との繋がりの不明さが、詩歌の頭に混乱を付する。
「えーっとね。分からない、かな?」

可愛らしい声音が響いた。
照れと媚と主張と、僅かの抗議を含んだ。
見れば、手を後ろに、腰を曲げ、視線の先の誰かを上目で見るかのような姿勢。

「うん、分からない、じゃなくて決められないよね。
 どうなのか。ちゃんと言わないと・・・・・・告白、しないとさ」

背を戻し、居住まいを正しての内容には緊張の色。
浅く早く息を吸い、胸に手を当てて目を閉じる。

「雉間さん?」

セリフの変わらない弟の声には困惑の調子が混じった。
それを聞いた相手の方は、ふっと双眸を開き、正面にいる彼を見詰めて。

「私、雉間 ■■■はずっと月陽くんのことが好きでした!
 私と、付き合ってくださいっ!」

────────暗転。









音がする。
音がする、音がする、音がする。
揺れる音、擦れる音、震える音、噛み合う音、漏れる音。
バラバラな音が、肉の上げるそれぞれの音が、千切れた意識を接着する。

「ぃ、ぁ」

一瞬、暗闇が視界を覆った。
林の薄暗さ、なんてものではなく。
刹那で深海まで落ちて海面を見上げたような、秒の間に両目を失ったような。
天地が砕け、足が浮き、体が飛びながら落下したかの如く。
あり得ないはずのことを体験した衝撃が全身を打ち据え、過ぎてなお痺れとして絶え間なく震えを起こしていた。
木に預けた背が感触を失って揺れている。
いつの間にか握り締めていた拳の爪先が肉を引き、込めた力に関節が軋みを上げている。
力の全てが両手に吸われたかのように、感覚の消えた他の部位が支えを求めてカタカタと震えていた。
歯の根が噛み合ってカチガチと連続で鳴り立て、肺が刻まれた呼気を吐き出す。
273蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:36:05.19 ID:ZqEP/v7T

「ぁ────────あー?」

何が起きたか以前に、自分に何が起きているのか理解できない。
何がどうなってこうなっているのか。

(確か、あの女の子が、月陽ちゃんに■■しようとして・・・・・・)

意識に、電流。
脳が焼けたような頭痛が彼女を襲う。
ギリギリと、その記憶を閉じる万力が持ち主の頭蓋を締め上げていて。

(っ・・・・・・の。ふざけるなぁあっっっ!!)

事実と、痛みと。言葉はどちらに対して吼えたのか。
兎に角、意識は忘れるなどと許さぬと、弟に関することを失わぬと、彼女の方がそれを壊した。

「こく、はく」

ぜい、と。喘ぎながら搾り出す。

(そっか。そうだ。月陽ちゃんがコクハクをされて)

酷薄と黒白と刻薄と文字が躍る。

(告白されて)

誤魔化しさえ捩じ伏せ、100倍にも思えた数秒を経て、ようやく事実を見詰めた。

「え────────なんで?」

見詰めた事実は、ただ彼女の意識が認めるものではなくて。

「なんで月陽ちゃん告白されてるの?」

彼女の認識を露呈させる。

「なんで」

先程の痛みに対するよりも長く、ずっと長く時間を置いて。
それでも、出たのがそれだった。

「何で、月陽ちゃんが、告白」

口にすることで、無理矢理に現実を精神に染み込ませる。
無意識に。だからこそ抵抗なく。

「────────」

ぽっかりと。
口を開け、呼吸を止め。
木漏れる日の光の先、切り取られた夏の空を見上げる。
そこには、風が流れていた。雲が通っていた。空は青かった。
その全てを、認識しない。
何も何もない世界の中で、ただ自分だけがある。
そんな無しかない、何も無いせいでかえって集中した時間を過ごして。

274蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:42:25.96 ID:ZqEP/v7T

「何で・・・・・・? 私」

彼女は根本的な問題に立ち返った。
同時に愕然とする。
彼女は驚いた。何に? 弟が誰かに告白されたことに。
彼女は驚いていた。誰に? そんなことに驚いた自分に。
何故?
何故? 何故、何故か?
そもそもどうして、姉である自分が、弟が告白されたという事実にこうも動揺しているのか?

理由/原因は明白だ。
これまで弟が誰かに告白する、されるという事態を、彼女は考えたことがなかった。
そのことに驚く。
そう、理由/原因は明白だ。

では、理由/原因の理由/原因は?

明確ではない。
自分の弟が誰かに告白する/されるなど、想定するまでもなく常識。
いつかは訪れる必然。
いや、そもそも。
弟の事前に、自分のそれからして考えたことがあって通常。
だが────────ない。
なかった。
彼女の中には弟の恋愛に関してはおろか、自身のそれを思考したことすらなかった。

「ひゅっ」

息を飲む。
自分は弟+(と)自分の恋愛に関して考えたことがない。考えたこともない。
では何故か?
それは何故か────────────────不明。
分からない。分からない。分からない!
彼女、葉木鳥 詩歌の心が、生まれて初めて、そして最大の悲鳴を上げる。

「ぎ、ぁ」

胸が裂けた。
彼女の精神の、肉体ならその部位に当たるパーツが弾け飛んだ。
押し上がり、膨れ上がり、生まれようとするモノの圧力を受けて。
だが生まれない。
それは殻に包まれている。それは押さえつけられている。それは何かに封じられている。
故に孵化なくして外界に出ることはなく、飛翔なくして生くること叶わず、開封しなくては生じない。
殻の名は常識であり、押さえているのは倫理道徳であり、封じているのは法だった。
膨張の内圧と封殺の外圧が鬩ぎあって苦痛を生む。
それを消し去るには、生まれたモノを真に産み出すには、今この瞬間にも自身を殺しかねない痛苦を殺すには、
それを塞ぐ鍵を開け、扉を外に放たねばならなかった。
鍵の名は狂気。
故に彼女はその何たるかを自覚し、自認し、自己にしなければならない。
275蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:45:13.05 ID:ZqEP/v7T



結局、葉木鳥 詩歌は、
彼女の弟のクラスメイトからクラスメイトである彼女の弟への告白という、
客観的には微妙極まりない絵図の展開からどれほどの時間を停止していたのか。
少なくとも、告白した少女に対し、受けた方が理由を聞くなり困惑を示すなりする時間は過ぎただろう。
結果として。

「好きだから。月陽くんのことが好きだから。
 気付いちゃったから、言わないと苦しいし、
 伝えて、付き合って欲しいから告白したの」

肝心の弟の言葉を不覚にも省略し、一方で幸運にも、彼女の世界はそこから再開した。
詩歌の一連の狂態は、あちらの2人がお互いの目の前に集中していたこと、
衝撃と苦痛とゆえに詩歌が大声を上げることが叶わなかったことにより、幸い気付かれずに済んでいた。

(・・・・・・)

聞こえてきた声。
そも詩歌の痛みを作り出した原因を産んだ少女の言葉。
自らに向けられていない想いの丈を、それでも意識に受けた彼女は。

(好きだから)

ありふれたそんな言葉に、不思議と意識を寄せていた。

(好きだから。好き・・・・・・だから)

当然の話だ。
好意があるから、それを伝える。
伝えて、結ばれたいと想い、願う。
恋の携わる限り、誰もが行い、行われていること。

(好きだから。私は)

恋に、想いに悩むのは相手のことが好きだから。
そんな必然を、真理を前に、詩歌は自分を照らし合わせて。
じゃあ私は? なんて可愛らしく、ほんの少しの脱力と共に、乙女チックに思ってから。

(私────────『も』・・・・・・?)

鍵を、外した。



276蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:50:38.78 ID:ZqEP/v7T
※ミスりましたので>>274の後からやり直しで。>>275の前にこちらが入ります



「ぁ、ぁ、ぁ」

現在進行形で彼女はそれに失敗している。
許されない許されない許されない。
そんな他人の声が、刻み付けられた教えが、彼女の内から湧いていた。
何を何に対して何で言っているのか、彼女には既に不鮮明。
内界の軋みに、在るものの崩壊に、破綻の修繕と構築の切り貼りを耐えるに手一杯で、とても考える余力はない。
狂気とは最初からそう在るもの、あるいはそう成るもの。
でありながら後者は、狂気とは正気から移るものでありながら別物への変化であり、
そこにある断絶を手助けなく踏み越えることは至難も至極。
要は不可能。
常識に生きてきた人間が突然に非常識に馴染むことは不可能であり、それが可能なのは土台が違うそもそもの狂人。
状況に他人に天運に天性に負ぶさり抱えられて初めて、人はそれまでと全くの別物にたどり着ける。
彼女は狂気に気付かなければならない。
何故それがそうなのか、何がそうなのかを知らなければならない。
だが生来の狂人でない彼女が自力でそうするには、彼女の抱えるものは遠かった。
あと一押し。
ほんの僅か、論理立っていなかろうと破綻していようと、閃きのような一手さえあれば辿り着く。
天啓のような、託宣のような。
そんな幸運。
しかし舞台は森にもならぬ林の中、役者は3人、されど彼女は他の2人に知られていない。
無論第三者四者が登場するような神のご都合はなく、彼女は独り。
そんな状況で彼女に味方する幸運、常識においては奈落へのとどめとなる凶運があるのか?
────────ある。

天啓は天でも地でもなく、横合いから彼女を殴りつけた。
277蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:52:22.28 ID:ZqEP/v7T



結局、葉木鳥 詩歌は、
彼女の弟のクラスメイトからクラスメイトである彼女の弟への告白という、
客観的には微妙極まりない絵図の展開からどれほどの時間を停止していたのか。
少なくとも、告白した少女に対し、受けた方が理由を聞くなり困惑を示すなりする時間は過ぎただろう。
結果として。

「好きだから。月陽くんのことが好きだから。
 気付いちゃったから、言わないと苦しいし、
 伝えて、付き合って欲しいから告白したの」

肝心の弟の言葉を不覚にも省略し、一方で幸運にも、彼女の世界はそこから再開した。
詩歌の一連の狂態は、あちらの2人がお互いの目の前に集中していたこと、
衝撃と苦痛とゆえに詩歌が大声を上げることが叶わなかったことにより、幸い気付かれずに済んでいた。

(・・・・・・)

聞こえてきた声。
そも詩歌の痛みを作り出した原因を産んだ少女の言葉。
自らに向けられていない想いの丈を、それでも意識に受けた彼女は。

(好きだから)

ありふれたそんな言葉に、不思議と意識を寄せていた。

(好きだから。好き・・・・・・だから)

当然の話だ。
好意があるから、それを伝える。
伝えて、結ばれたいと想い、願う。
恋の携わる限り、誰もが行い、行われていること。

(好きだから。私は)

恋に、想いに悩むのは相手のことが好きだから。
そんな必然を、真理を前に、詩歌は自分を照らし合わせて。
じゃあ私は? なんて可愛らしく、ほんの少しの脱力と共に、乙女チックに思ってから。

(私────────『も』・・・・・・?)

鍵を、外した。




278蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:54:49.60 ID:ZqEP/v7T

葉木鳥 詩歌は弟のことが大好きだ。
それは生まれてからずっと、Likeという意味で。
詩歌は彼女の弟────葉木鳥 月陽────以上に姉や家族にって良い弟はいないと思っているし、
流石に世界一とまでは言わないが、男としてもいい線にいると考えている。
仮に世界の誰にとってそうでなくとも、彼女にとってだけは弟は素敵な男の子だった。
そんな弟を彼女は姉として家族として個人として人間として愛してきたし、今日もその想いは変わらない。
慈愛で友愛で姉弟愛で家族愛で隣人愛で人類愛で博愛で、凡そあらゆる「性」なき愛で彼女は弟を愛し続けてきた。

ただし。

それは今日までの過去であって今日からの未来ではなく、昨日までの事実であって明日からの現実ではない。
一般的な兄弟を姉妹を、兄妹を姉弟を見ればわかるように、子供同士の家族の関係とは特に流動的だ。
さっきまで仲良く遊んでいた幼子が次の瞬間には喧嘩していることなど珍しくない。
兄弟姉妹間での愛憎は子供が子供である間に目まぐるしく変化するものであるし、
稀なことではあるが『反転』もすれば、元あったモノの変化と言うよりも『追加』されることもある。
恋と愛は矛盾しない。
人間として敬愛していた相手に恋を抱くことがあるように、優劣はあっても並存はする。
なら。
それが家族愛と異性としての思慕との間に起こっても────────ないということは、『無い』とする。





静止した木々の間で、詩歌は息吹を感じた。
それは芽吹くものの産声。
認められ、理解され、受け入れられたモノの、殻が割れる音。
ただし、それは鳥の雛ではなく。
殻は殻でも蛹の殻。
何年も地中にあって育ち、不完全ながらも変態を遂げて変貌する存在。
夏の代名詞。
この季節にそれとなり、求愛に泣き叫び、そしてそれとして死ぬ生物。
元の愛を残したまま、新たな変化で恋を得た。
それはまるで蝉のような、恋の歌。

「私、月陽ちゃんのことが好きなんだ」

告げる。
誰かにではなく、今は愛し恋する弟にでもなく、ただ己に。
口にした認識は実感として溶けて、嘘のように彼女へと馴染んだ。

「愛してるだけじゃなくて・・・・・・好、き」

あえて可愛らしく、ちょっと上げて発音をしてみる。
声は小さく。
だけど、自分自身には十分に響いた。

「ふふ、ふ。うふふふ、ふ」

理解してみれば何のことはない。
好きだから。
何もかもが、一切合財、ただそれだけの話だった。
279蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:56:43.29 ID:ZqEP/v7T

弟のことが好きだから、他との恋愛なんて考えなくて。
弟のことが好きだから、誰かと弟の恋愛なんて考えなくて。
弟のことが好きだけど、弟との恋愛なんて考えられなくて。
弟のことが好きなのに。
弟のことが好きなのに、弟のことを愛するばかりで。
そんな自分が可笑しくておかしくて異常(おか)しくて、
信じるどころか考えてみることさえできなくて。
それで。
とうとう、こんなところまで来てしまった。

「ふふ、ふふふふっ。ぷふっ! ぷふあはははははははっ!」

右手で腹を抱え、左手で口を押さえた。
笑う嗤う哂う咲う嘲う。
可笑しくて堪らない。
オカしくて堪えられない。

「あー・・・・・・・・・」

爆発させると止まらないから、ガス抜き程度に笑い散らして。
べったりと唾液のついた手を口から離し、スカートでゴシゴシと擦る。
それでようやく、生まれ変わって初めて見る気持ちで、恋しい弟とそばの女の方を向いて。

「雉間さん、だっけ? ありがとう。お礼は言っとくね」

瞳の死んだ笑顔で、殺す/感謝する相手を見詰める。
混沌の笑みだった。
そこに感情の色は無く、しかしおぞましい、いまだ何をどこまで焼くかも定かでない意志が燃えていた。
湧き上がる感情を押さえ込み、ぽっかりと空いた穴にありったけのどす黒いものを詰めて。
280蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 01:58:16.74 ID:ZqEP/v7T

きっとそれは、死刑囚に最後の晩餐を施す気分で笑んでいる。
感謝する、だが殺す。
感謝する、けど殺す。
感謝する、しなくても殺すと。
殺意が固まりすぎて、決定事項の他などどうでもいいから。
冷静になれて振り切れて、詩歌にも分かっていた。
すっきりした頭で掘り出した記憶から考えても、おそらく弟は告白を受ける。
姉としては誇らしく愛らしく素晴らしく爽やかでイケメンでスキルがあって飾らなくて謙虚で最高で最愛で恋しい弟な弟だが、
さっぱりし過ぎるくらい爽やかで能力があって顔のいい人間というのは、田舎過ぎる田舎だとかえって倦厭されるところがある。
芋っぽさや土っぽさのない人間は浮くとでも言えばいいのか。
都会に上京して慣れてない地方民の振る舞いというか。
とにかくそんな感じで、弟は少々恋愛に疎かった。
良すぎる性格も、それ目当てで異性に近付いたりしないさせない方向で作用したのかもしれない。
ので、わざわざ夏休み直前、このタイミングで決意を固めてきた相手、
緊張を全開にしながらも正面からアタックしてきた子を、無碍に扱うとは思えなかった。
相手が並一通りの対応で退くとも。
そう考えれば今日、この日この時、この時間に自分がいられたのも類稀な幸運ではなかったか。
そんなことを思うし、ある意味でそれは間違っていない。

もしも彼女がこの光景を直接目にしなかったなら。
その場にいるのではなく間接的に知ったのなら、こうはならなかった。
芽吹いた芽は、芽吹いただけでまだ小さく、同時に弱い。
これで彼女が大事な弟の口から交際の事実を告げられたなら、
彼女は弟の前であるだけに最大限に姉としての立場を発揮し、その意識からその恋を祝福しただろう。
口にした言葉は、反故にはできても戻せはしない。そして、一度零した言の葉を破るには勇気がいる。
もし、彼女がこれを知るのが直接、この場でなかったのなら。
鬩ぎあう意識と無意識は、彼女が祝福を口することで後押しを受け、
他ならぬ弟に向けた言葉を反故にする勇気は、姉には持てなかっただろう。
ならば芽吹いた恋と────────嫉妬の芽は伸びきらぬまま手折られ、
二度と種を開くことはなかったはずだ。
要はタイミングと確率の問題。
稀有な土壌が埋めていた珍しい種が、すんでのところで世に出る機会を得たという。これはそれだけの話。

「んー?」

不意に。
隠れていた木の幹に、どこからか飛んできたセミが止まった。
珍しいな、と詩歌は思う。
田舎で夏のセミなど珍しくはないが、この林の辺りではあまり見かけなかった。
この林は近所の子供の遊び場にして昆虫コレクションの狩場であり、
コレクションなどとは言ってみても、アリの巣穴に水や爆竹を突っ込むような虐殺場でもある。
この辺では、特にタチの悪い子供がセミを捕まえ、適当な壁や、アスファルトの道路に叩きつけて殺す、という遊びをやっていた。
そこまで来ると少数派だが、そのために遊び場を探し回った連中が目をつけたのがこの林で、
カブトやクワガタを狙う傍ら、自慢にならない邪魔者の駆除とばかりに殺し回ったことがあり、
たまたま子連れで遊びに来た大人が林中に投棄されたセミの死骸の山に驚いて、
まさか変質者────小学校で飼われてる動物を殺したりする────でもいるのかとPTA、学校全体の議題、問題になったことがある。
そのせいでこの林で生まれたセミが壊滅して次が生まれなかったのか、
生物的な本能や何らかの手段で危険を知って回避しているのか、この林に限ってはセミは相当に少なかった。
今の彼女にとっても、それはどうでもいいことだが。
彼女が斟酌しないよう、セミも彼女の事情は知らない。だから鳴く。
281蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 02:00:23.89 ID:ZqEP/v7T

セミが鳴く。セミが泣く。セミが哭く。
それを詩歌は聞き。
喧しさに、見つかるかと思って捕まえて握り潰す。
木の葉でも掴むような、枯れた音を立てて鳴き声は止まった。
地下で数年を過ごして地上にようやく出た命を一瞬で潰し殺し、滲んだ体液と一緒に死骸を振り捨てる。
またスカートで拭い、余計に汚れがついたと、彼女が感じるのはその程度だった。
見直してみて、今や雉間何某(なにがし)の前には弟が歩み寄っており、身振り手振りからは承諾の様子が伺える。
それを見て、くすくすと、セミの鳴き声より不快な、濃く森に染みる笑みを、姉は漏らした。



生まれるのは祝福のはずだった。
満ちるのは誇らしさであるはずだった。
叫ばれるのは歓喜でなければならなかった。

大好きな弟が告白されている。
大好きな弟が誰かに好かれている。
大好きな弟が誰かに愛されている。

それが実るのか続くのかは分からないけれど。
彼女の愛する弟に、彼女以外の人間が好意を寄せていることは、
弟を愛する彼女の価値観と、その弟そのものの価値を肯定するものだ。

嗚呼、だから/なのに。
私はこんなにも奪いたい。
282蝉恋歌 ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 02:04:00.92 ID:ZqEP/v7T

それは秘してきたものに非ず、この瞬間に生まれ出たモノ。

「なに」

それは産声を上げた感情に対して。

「何なの?」

それは弟の前に立つ女に向けて。

「なーにっかなー?」

あの女、と。唇が歪む。

「何にしよう?」

それは狂気の/凶器の選択。

「あ。お夕飯もだ」

そんな家庭的な悩みも同列に並べて。
歳相応に家事を任され学ばされている長女は、弟に振舞う料理と、その彼女の解体の仕方を平行させる。
壊れたものは戻らないし、羽化したセミは蛹にならない。

「先ずはそっちの準備をしないとね」

夏の風物詩にして代名詞でもある蝉というものは。
長年を地中で過ごし、人でさえ気の遠くなるような時間を経て地上で羽化を迎え、人間にはあまりに短い残りの生を鳴いて過ごす。
ただ、その鳴き声は蝉以外の存在にとっては必要でもなければ美しくもなく、時に煩わしくさえあるものだ。
よって特に好まれる虫に比べ、彼らはぞんざいに扱われることが多く、彼女がしたように、短い寿命を更に一瞬で握り潰されることもある。
それは真っ当な倫理観に立てば、残酷だといって差し支えないだろう。
しかし。
同時に事実として忘れてはならない側面もある。
蝉の寿命は、たとえ生き延びても一夏に過ぎない。
だから。
常識という人の立つ場所から飛び立った彼女が、そこに戻れることも、長く留まれるわけもなく。

「ふーんふっふふーん♪」

まるで今を鳴く蝉のように。
長年を経て夏に羽化し、
夏の終わりに死ぬ恋が────────始まる。


283名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 02:08:02.03 ID:Wv1o//Hv
乙。寝る前に読むには少し難しいな
284変名おじさん ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 02:08:26.59 ID:ZqEP/v7T
投下終了
今夜の投下も終わりです
例によって二本とも短編です
285名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 02:10:19.72 ID:BN6jh+Po
乙でした
変名おじさんがまた書いてくれるようになって嬉しいです
286変名おじさん ◆lnx8.6adM2 :2012/06/29(金) 02:12:08.25 ID:ZqEP/v7T
>>283
相変わらずの面倒くささで申し訳ありません・・・・・・。
それでもお読みいただけたこと、ありがとうございました。

それでは、酉を外して寝ます。
287名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 02:47:36.51 ID:7E2kw710
おつでした
288名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 05:16:43.30 ID:OuVN3LOj
うわ〜〜すげえ久しぶりッスね!!
相変わらず読み応えのあるSSあっざーす!!
今後ともまた書き上げ次第投下してくれるならすげえ嬉しいですわ!!
289名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 08:05:16.91 ID:3m50fAD1
乙乙!
290名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 15:35:39.51 ID:MzfGTFam
けつまんこい!
291名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 22:38:26.44 ID:U3PG5K1d
>>286
相変わらずの変名っぷりに感心します
…褒めてねえな、これ

前者のキモウトはギリで自制効いてる状態が長いのに後者のキモ姉は自覚即ぶっちぎりと言う対比がよかったっす
292名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 04:52:41.65 ID:sw2C5PVk
狂もうと読みたいなー
293名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 01:12:43.95 ID:iDt6yUCC
七夕の願い事にすれば?
294名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 01:19:03.83 ID:a1luDJs+
オネガイ♩
295 ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:52:35.77 ID:59aEqMpl
狂もうと深夜に投下させてもらいます
296狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:53:48.08 ID:59aEqMpl

「まだかなぁ…」

腕時計に目を落とし、静かに呟く
空ちゃんに優くんを呼んでくるから待っていてほしいと言われて、30分
公園のベンチで待たされているのだが…。
優くんどころか空ちゃんも帰ってくる気配を感じない

「もしかして騙されたのかな…」
あり得る…
あの二人の妹だし…

先ほど優くんに電話したのだが、携帯を解約したのか繋がらなかった
優くんの家も引っ越してからは知らないので、私は空ちゃんの言葉を信じて待つしかないのだ…


「お姉ちゃんどうしたの?」
空ちゃんが消えていった道路へ目を向けていると、広場でサッカーをしていた男の子達が話しかけてきた
小学生…高学年だろうか?

「なんか、気分悪そうな顔してるけど?」
「そんな顔してた?」
「うん…大丈夫?」
まったく知らない小学生なのに、心配そうな表情を浮かべている
それが可愛らしいくて、優しく頭を撫でてあげた

「ありがとうね、大丈夫だから遊んでおいで」
「うん…気分悪かったら声かけてね!」
大きく手を振り広場へ戻る小学生達に手を振り返す

あの頃の子供達は純粋だから下心なんてないのだろう
同世代の男は殆ど下心丸出しで話し掛けてくるから、嫌気がさす
297狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:54:41.85 ID:59aEqMpl
あの子達もそんな大人になるのだろうか?
そう考えると、自然と子供達から視線を外していた

「そう言えば…優くんと会った日もこんな感じだったっけ」
ふと脳裏に学生の頃の優くんの顔が浮かんできた
まだ少しだけ幼い優くん…

――たしかあの時も私はこんな感じで気分が優れなかった
公園のベンチで一人座り込んでボーっとしていると、一人の男性が話しかけてきたのだ

それが優くんだった…

――大丈夫?顔色良くないけど、気分悪いの?

些細な言葉だったけど、そんな言葉に胸が軽くなったのを今でも覚えている
それからよく話すようになっていつの間にか優くんを好きになっていたのだけど、今の今まで恋は成就する事なく…
それどころか、一度フラれてしまっているのだけどなかなか諦められないのが現状になる



「ッ――い――おい、姉ちゃん!」

「はひっ!?」
突然耳に入り込んできた声に体が飛び上がる
耳を押さえて立ち上がり、横に目を向けた
298狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:55:34.14 ID:59aEqMpl
「姉ちゃん、どうした?何度も呼び掛けたのに無視するなよ…」
頬を膨らませた空ちゃんがベンチに片足を乗せて私を見上げている

「ご…ごめんね?ちょっと考え事してて」
空ちゃんの存在にまったく気がつかなかった…
苦笑いを浮かべて、謝罪する
そして空ちゃんが連れてきたであろ後ろに居る人物に目を向ける


「久しぶり……で良いかしら?」
「そうですね…お久しぶりです零菜さん」
空ちゃんが連れてきたのは優くんではなく、零菜さんだった
何となく分かっていた…多分優くんには私が此処に来ていることすら知らされていないのだろう

「空、あなたは優哉の所へ帰ってなさい。すぐに車で迎えに行くわ」
「はいよっと。姉ちゃん嘘ついてごめんねー」
悪びれる事なくあどけない笑顔を浮かべたまま、私に手を振り人混みの中へと消えて行った
空ちゃんが見えなくなるまで見送ると、視線を零菜さんへと戻す
長く綺麗な黒髪が冷たい風に舞い、横へ靡いている
やはりいつ見ても日本人形のような美しさを感じる
同じ人間かと疑いたくなるような顔だ

「それで?優哉に何か用だったの?え〜と…」
「杉原 薫です。優くんに用事と言うよりは、貴女に用事がありました」
299狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:56:17.75 ID:59aEqMpl
零菜さんがベンチに腰掛けるのを確認すると、続いて私も隣に腰掛ける

「それで零菜さん…貴女に……」
話を続けようと思い零菜さんに話しかけようとすると、おもむろに零菜さんが広場の方に微笑みながら小さく手を振った
誰に手を振っているのだろう?そう思い、話を中断させて私も零菜さんが手を振っている方角へ振り向く
広場に目を向けると、先ほどの小学生達が此方へ手を振っているのが見えた
一瞬私も手を振ろうかと思ったけど、小学生の顔を見る限り綺麗な零菜さんに手を振っていると言った感じだったのですぐに視線を反らした
子連れの女性達も此方を見てヒソヒソと話している…零菜さんだと気づかれて居るのではないのだろうか?
サングラスも帽子もしていないので、多分バレバレだろう…
何故今日に限って隠すようなモノを身につけていないのだろうか?
前会った時は誰か分からないほど、ガッチリと変装していたのに…

「ふふ…可愛いわね」
「そうですね…それで優くんの事なんですが、何故優くんを病院から退院させるような事をしたのですか?」
手を振り終わるのを待って再度話を再開する
それでも零菜さんは私に目を向けない
300狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:57:13.28 ID:59aEqMpl
顔を前に向けて、今度は主婦達に小さく手を振っている
主婦達も小さく頭を下げて、笑顔で子供達の相手をしだした

「たしか、貴女にも弟さんが居たわよね?」
「居ますけど…」
自然と手に力が入る
「そんなに構えないで。もう貴女の弟に何かしようなんて思ってないわよ」
「そうですか…それが何か?初めに言いますけど、貴女方みたいに歪んだ感情を向けてませんから」
そりゃ弟なんだから大切に決まっている
喧嘩もよくするけど、年の離れた弟だから他人より可愛がっているかも知れない…だけど所詮は弟
血の繋がった相手と恋愛などなる訳がない

「他人とは違ってね…家族は一度歪むと元に戻らないのよ」
「それは言い訳ですか?優くんはずっと悩んでましたよ?
由奈ちゃんの事を…今思えば妹の話の中には貴女も混じっていたんですね」
私はずっと由奈ちゃんだけの事だと思っていた…
だけどお酒が入ると決まって「同じように産まれてのにどうしてこうも変わってしまったんだろう…」と呟いていたのだ
あれは由奈ちゃんに向けてではなく、一緒に産まれてきた零菜さんに向けての言葉だと今なら分かる
301狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:57:54.73 ID:59aEqMpl
「優くんは苦しんでいます。
苦しんで…苦しんでっ…優くんの幸せを邪魔してるのは間違いなく貴女達です!!」
隣に座る零菜さんを睨み付け、息荒く言い放つ
「はぁ……由奈を連れてこなかったのは正解ね」
零菜さんは私に目を向ける事もせず小さく呟いた
「貴女は他人だから分からないでしょうね……優哉の本心が」
「優くんの…本心?」
「貴女は優哉に笑顔を向けられる事はあった?」
「そりゃ…ありますよ」
普段優くんは私の前では笑う事が多かった気がする
二人で遊ぶ時は特に……だから私は優くんに惚れたんだと思う
あの笑顔を見ていると優しい気持になれたから…

「優哉はね…不愉快な時や疲れた時、めんどくさい時は決まって愛想笑いを浮かべるのよ」
「愛想笑い…?」
「えぇ、貴女は優哉の本当の笑顔と愛想笑いを区別できたのかしら?」
「区別って…私は愛想笑いなんてされた事はありません!優くんはいつも楽しく私と一緒にッ!」
…決まってる
私は優くんと恋人同士になれるまで、関係を築き上げてきたはずだ
告白を断られたのも、絶対に二人が絡んでるはず
愛想笑いされてたなんて考えたくもない…
302狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:58:49.79 ID:59aEqMpl
「貴女に向ける笑顔と由奈に向ける笑顔の違い教えてあげましょうか?
貴女に向けられた笑顔は建前…由奈に向けられた笑顔は愛情からくるものよ」

「は…はは…優くんも由奈ちゃんを好きって言いたいんですか?あり得ませんね…あり得ないです!!
優くんは悩んでましたよ!?私に相談してたんですよッ!どうすれば由奈ちゃんを引き離す事ができるかってね!」
優くんもそんな歪んだ感情を持っていたなんて考えられない
私に相談する必要性も感じられない
どうせまた零菜さんが話をすり替えようとしているに違いない

「ほら…所詮貴女は他人なのよ。家族に通ずる歪んだ愛が全て肉欲だと思ってるの?」
「はぁ?貴女さっきから言ってる意味が…」

「簡単な話よ。優哉の歪んだ感情は建前の上に成り立つ依存。兄だから何をされても妹である私達を引き離せないの」
「な、なんですかそれ…やっぱり優くんの優しさにつけ込んでるだけじゃないですか!」
やはりろくな人間じゃない
優くんを守れるのは他人である私しかいない
303狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 02:59:47.00 ID:59aEqMpl
「私達が立ち去らない限り自分自身からは動けない。
だから由奈も放さない。
優哉に執着する由奈や執拗に迫る私が優哉のもとを離れないから、可愛い妹達を手放せない。
兄だから妹達を突き放せないという建前で行動している病人なのよアレは。


――だから妹である私との肉欲にも溺れる」

………え?
肉欲に溺れる?
「ちょ、ちょっと…溺れるって貴女まさか…」
「そうよ?ちょっと前に優哉と身体の関係を持ったわ」
隠す素振りすら見せず…自慢するように話す零菜さんを凝視する

「う…嘘よ…嘘…優くんがそんな…」
優くんに限ってそんなことあり得ない
優くんがそんな獣みたいなことする訳が…
でも本当に優くんがそれを望んでたら…

「優哉に対してもその程度なのね貴女…つまらない…本当につまらない女ね」
立ち上がり私を見下ろす…凄く冷たい目をしている

「わ、私は本当に優くんの事が好きで!」

「貴女と私達ではどうやってもつり合いが取れないのよ。天秤に掛けると貴女なんて軽すぎて空に飛んでしまうわね」
ゴミでも見るような目で私から視線を外すとスタスタと歩き出してしまった
304狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:00:37.91 ID:59aEqMpl
「待ちなさいよ嘘つき女ッ!私は優くんを絶対に諦めないから!!!」
ベンチから立ち上がり、零菜さんを睨み付けた
立ち止まり此方へ振り返る零菜さんの目は先ほどの目とは違い、何処か哀れみさえ感じる

「貴女って不思議な事言うわね。それは女の意地かしら?
優哉が世界で一番由奈を愛しているのも事実、私が優哉とセックスしたのも事実
空の兄になろうとしているのも事実

そして、これから先貴女と一生会わないのも事実よ」
「ゆ、優くんに会わせてください!また、優くんに酷い事をして騙してるんでしょ!?
貴女達は妹なのに何故優くんを困らせるような事ばかりするの!?」
感情を剥き出しにして、零菜さんに詰め寄る

「少し、落ち着きなさい。貴女周りが見えないの?」
「これが落ち着いて……っ」
いつの間にか、広場で遊んでいた小学生や主婦達が遠巻きに此方を見ていた
怒りで熱くなった顔が恥ずかしさで熱くなる
周りの視線に耐えられず、無言のままベンチに座り直した


「まぁ、視線を集めてくれたのは感謝するわ」
「何がですか?」
私の質問に答える事なく、またスタスタと歩いて行く

「ちょっと待ってくださいよ!まだ話が終わった訳じゃ…?」
305狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:01:18.75 ID:59aEqMpl





「――はぁ、はぁ、はぁ、あぁぁぁッ!零菜ちゃあああんっ!」
歩き出す零菜さんの目の前にパーカーを深く被った男性が突然立ち塞がった

「ぁ…光作さ…ん…」
零菜さんの後ろ姿が小さく震えると、ゆっくり後ずさる
「れ、零菜ちゃん!ご、ごっごごめんね!?あんまり会いにこれなくて!」
「れ、零菜さん?(なにこの人?目が血走ってる)」
太った体に尋常ではない汗の量
見るからに“アブナイ”人だ

「光作さん…貴方警察は?」
「警察?警察って……あッ!(この人…ニュースで写ってた人!)」
たしか零菜さんをマンションから突飛ばし、優くんの目に硫酸を流し込んだ人

「零菜さん…危ないから後ろに(どうしようっ!誰か助けて!)」
零菜さんの後ろ姿に隠れるように携帯電話を取り出すと、主婦の人達に分かりやすく警察に電話する様に助けを求める
主婦の人も異変を感じとってくれたのだろう、子供達を抱き抱え携帯を取り出すと、一度大きくコクッと頷き離れて行った

「そんなことはどうでもいいんだ!これで僕達は結ばれるんだろッ!?キミを悲しませるヤツはもう何もできないんだからあああああッ!!!」
306狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:02:32.78 ID:59aEqMpl
唾を飛ばしヨタヨタ歩み寄ってくると、零菜さんに抱きついた…いや、しがみついた

「ほら…そんなに大声ださないで光作さん。これで鼻を押さえて落ち着いて」
しかし、零菜さんは大声で助けを求める事なく…まったく取り乱す事なくポケットからハンカチを取り出すと、優しくハンカチを男性の鼻に押し当てた

「私はやったんだ!私は!スー、ハーッスー!ハーッ、やってや、ったんッスーッ……は〜…あぁ…零菜ちゃッ…ぁ…ぅ」
鼻息荒く零菜さんのハンカチに鼻を押し付け息を吸う
一瞬目がトロンとすると、大粒の涙を流したままその場にヘナヘナと崩れ落ちた
それでも零菜さんの足を放さない…よほど零菜さんに執着しているのだろう
遠くから小学生達も此方の様子を伺っている
男子達は皆木の棒を持ってるあたり、助けに入ろうとしているのだろか?慌てて、手をかざして近づかないように伝える

「ふひ…これで結婚でぎる…零菜ちゃと結婚でぎ…ひひ…許してもらえ…る…っ」
周りが見えていないのか、零菜さんだけを見ている

「……(ぁ…警察だッ!)」
道路に数台のパトカーが停車した
パトカーの中から警察が出てくると、周りをキョロキョロ見渡しながら此方へ歩いてきた
307狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:03:37.07 ID:59aEqMpl
零菜さんにも見えているはずだ…
「零菜さん…もうすぐですから刺激しないよy「まだ終わってないじゃないッ!!!」
突然零菜さんが聞いたこともない大声を張り上げた
男も私も…警察官達も皆身体をビクつかせてその場で止まった

「光作さんごめんなさい…私嘘つきました。
実はもう綺麗な身体じゃないんです」
「は…え?ど、どういうことなん…」
その場に膝から崩れ落ちると、零菜さんは顔を両手で覆って震えだした
先ほど錯乱していた男は打って変わってオロオロしている
男も状況を把握できていないようだ
私も意味が分からない
綺麗な身体じゃない?
優くんと寝たっていう話のことだろうか?
だとしたら確かに綺麗とは言えないかも知れない
それにこの人と零菜さん…もしかして恋人同士なのだろうか?
だとしたら後悔していてもおかしくない…

「本当は…あの日…兄と身体の関係を持ってしまったんです…ぅう…」
「う…嘘だろ?嘘だといってくれよ零菜ちゃん!!!私がッ初めての男になるんだろ!?結婚して毎日ずっと抱いてやるって約束したじゃないがぁ!」
零菜さんを立たせると、キスしようと顔を近づけた
「いやっ!」
それを零菜さんが突き飛ばす
308狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:04:35.26 ID:59aEqMpl
男は尻餅をつき転倒すると、険しい表情で零菜さんを見上げている

「兄が見てる…兄がずっと私を見ているのよ」
「見てる?見える訳がない!わだじが目を潰したんだ!だから見える訳が無いだろぉ!?」
震える指で道路へと指差す零菜さん
その指の先を追っていく――



「優…くん?」
間違いない…あれは優くんだ
反対の歩行道路に車椅子に乗っている優くんが視界に飛び込んできた
しかし、此方を見ていると言った感じでは無い
寧ろ下を向いている

「ああああああああああああああああッ!!!!!!!」
「ッ!?」
大きく叫び立ち上がると、ポケットからナイフを取り出し男は優くんに向かって走り出した

「ちょっと零菜さん!?優くんが危な――ッ」

――警察を振り払い、走っていく男
目に写るのは彼女を奪われた憎き塊なのだろう

――大好きな人が危ない

憎悪を振り撒きながら優くん目掛けて走っていく

――それを見ても私は動けなかった
怖かったのだ…あの男から向けられる憎悪がもし私に向けられたらと思うと、足がまったく動かなかった

――警察達が必死に止めようするが男は止まらない
309狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:07:48.49 ID:59aEqMpl
――止まらない止まらない止まらない止まらない止まらない止まらない止まらない止まらない――


…ふふっ


「れ…零菜さ……今…」
男の叫び声に混じり小さく…はっきりと耳に入ってきた笑い声
全身に鳥肌が立ち零菜さんから一歩後ずさる
ゆっくりと此方を振り向き男を指差すと、ニヤァと笑みを浮かべながら零菜さんは呟いた

――あれが悪欲にまみれた人間の罪よ

その言葉と同時だっただろうか?
キィィイっという耳鳴りのような凄まじいブレーキ音と共に男の身体が一瞬にしてトラックの下に吸い込まれた


「キャアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
ぐちゃっと何かが潰れる音と真っ赤に咲く花のような液体が飛び散る
一瞬誰の悲鳴だと疑いたくなるような自分自身悲鳴に心臓が大きく揺れ動いた

「お姉ちゃん達大丈夫!?」
小学生達が安全だと分かったのか、棒を捨てて此方へ走ってきた
震える私の手を力強く握りしめ、私の周りに寄ってきてくれた
それが何より有難い…今は一瞬でも気を抜けば気絶してしまいそうだ

「お姉ちゃんほら」
「あ、ありがとう…」
通行人がトラックの周りに群がるのを横目で確認しながら子供達の手に引かれてベンチに腰を落とす
310狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:08:42.36 ID:59aEqMpl
「うぅ…ぅ」
死んだ…目の前で人が…
まだ死んだか分からないが、あれは絶対に助からない

「私達家族はこれで成り立ってるの。他人からの愛情なんて微塵の有り難みも無いわ」
人が死んだにも関わらず、無関心な目で事故現場を眺めている零菜さん
本当にどうでもいいみたいだ

「優哉は貴女の命を脅かしてまで手にいれたい欲なの?本当に大切な欲は憎しみになって現れる…あの男みたいにね」

「……」
何も言い返せない
私と零菜さんの“欲”の違い…それは“欲深さ”だと思う
優哉くんに対する独占欲…優哉くんに対する愛欲…私は零菜さんや由奈ちゃんに全てにおいて浅い
いや…二人の場合は底無しなのかも知れない

だとしたら数年会った“他人”ではもうどうする事もできなかった…
優くんを好きだけど…私には欲が足りなかったのだ

「今度こそサヨウナラ…つぎ優哉を探したり近づこうといたら貴女も殺すから」

「……」

貴女も…か…

私の前から遠ざかり警察に何かを話すと、一切此方を振り向かず一人公園から外へ歩いて行った
事故現場にも目を向ける事なく…

今度こそ、本当にもう会うことも無いだろう
311狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:09:56.61 ID:59aEqMpl
「みんな、ありがとうね」
ゆっくりと立ち上がり小学生達にお礼を伝える
道路側へと視線を向けると人混みの隙間から小さく優くんの姿が見えた
それを暫く眺めていると、派手な車が優くんの前に止まりあっという間に優くんを連れていってしまった

「……」
優くんともこれでお別れ…せめて最後に会話ぐらいはしたかったけど…
ため息を吐いて携帯を取り出すと、優くんの番号を消した
呆気ない…零菜さんが言うように私と優くんの関係はこんなモノで繋がっていたなんて…
メールの受信ボックスを確認する

残ってるメールは優くんのものばかり…

メールの送信ボックスを見てみる

これも優くんのばっかり…

データフォルダーを見てみる

入ってる写真も殆どが優くん…


「うぅ…フラレたんだ私…ぐすっ…う…ああああッ」
今まで涙なんて流さなかったのに、決壊したダムのようにポロポロと涙が溢れた
零菜さん達とは比べられないかも知れないけど、私だって優くんに一生懸命愛情を向けたのに…
優くんには伝わらなかったのだろうか?
それが何より悲しい

「ぐす…なんでっ………電話?」
優くんとの思い出を一つ一つ消していると、邪魔するように電話がかかってきた
312狂もうと ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:16:58.18 ID:59aEqMpl
「もしもし…」
涙を拭いて携帯を耳にあてる

『姉ちゃん?お母さん家にいないんだけどご飯どうするの?』

「あぁ…私が何か買って帰る。何がいい?」

『う〜ん…それじゃ駅前の弁当屋でエビフライ弁当買ってきてよ!あのエビフライめちゃめちゃ美味いだ!』

「そう…わかっ………ねぇ?」

『ん?なぁに?』

「エビフライさ…私が作ってあげようか?」

『えぇ…弁当屋のでいいよ』

こいつ…

「…私が作るから、家で待ってなさい」

零菜さんが言う肉欲以外の歪んだ愛が未だによく分からない

だけど…

『えぇ!?だからy「うるさい!私が作るって言ったら私が作る!」

このイライラする気持と零菜さんの言う“欲”と何か関係があるのだろうか?
だとしたら、突き止めたい
私が弟に向ける愛情と優くんが向ける妹達の愛情の違いを確かめたい…

「それにはまず、あの子に私のエビフライを美味しいって言わせなきゃね…」
携帯を切り鞄の中に放り込むと、流した涙の後を踏み締め踵を返してデパートへと向かった
313 ◆ou.3Y1vhqc :2012/07/07(土) 03:18:09.21 ID:59aEqMpl
ありがとうございました、投下終了です
後二回で多分終わりです
314名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 03:29:23.45 ID:qzJR95Dh
キタ――(゚∀゚)――!!
315名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 21:11:54.28 ID:dw5MTaUy
>>313
GJです!薫がキモ姉サイドに片足突っ込んで退場していくとは予想外
316名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 21:54:49.25 ID:kccoLfss
>>313
乙乙!
317名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 22:49:42.28 ID:RMPqE0LD
Gj
キモ姉になったか―
お姉ちゃんのエビフライ食べたくなった
318名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 00:23:05.94 ID:w7RIZY+l
キモ姉にはなってない
なるかならないかは各々の妄想次第
319名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 00:26:31.40 ID:w7RIZY+l
そう言えば、他に完結しそうな未完結作品ってどれぐらいあるんだろ?
320名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 04:21:30.93 ID:DzBGYDiC
狂もうと…


自分涙いいっすか?
321名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 06:21:35.43 ID:gTmSwXIb
>>313
GJ!
あとちょっとで完結か…期待してる!

>>319
現在進行形で完結しそうで完結してないもの、長いもの、なんか続きそうなもの

・理緒の檻、貴方だけを愛し続けます、ノスタルジア、三つの鎖、姿見村、転生恋生
 妹が病んだ原因、淫獣の群れ、俺の妹がこんなにとびっきりに変態なわけがない
 ハルとちぃの夢、妹嫌い、傷、未来のあなたへ、人格転生

近年完結したのは

・姉妹間作戦、青年の詩、少女の季節、水野兄妹観察日記、血啜青眼、
 血は争えないシリーズ、悪質長男、裏切られた人の話

最近、完結したのは

・同調義妹シリーズ、幸せな2人の話、『きっと、壊れてる』、
 狂依存、後悔した人の話、関西から来たキモウト、狂もうと(完結予定)

抜けてるのあるかも…

書き手さんGJです!
いつも見てます!
応援してます!
322名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 06:22:48.65 ID:5sFi+RgP
俺キモウトと同じくらい、キモ弟が好きなんだけど、そういうのはスレチ?
323名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 06:27:38.21 ID:gTmSwXIb
追記:永遠のしろ、虎とあきちゃん、も続きそうな作品
324名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 06:35:45.88 ID:gTmSwXIb
別にここでもいいと思われ
キモ姉を相手にするだけで
ある意味弟もキモウトだよ
325名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 08:12:00.15 ID:w7RIZY+l
>>321
>>323
ありがとう
こうやって見ると、いっぱいあるんだなぁ…懐かしい作品も完結してほしい
って言っても古い作品の書き手はもう皆オッサンって言われる歳になってるんだろうな…
326名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 13:28:27.71 ID:1FBAdxW2
未来のあなたへは終わってると思ってた
凍月さんはホントに戻ってきてほしい
327名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 15:47:45.03 ID:clH9mlgy
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/kimosisters/1/342-344
七夕にちなんで書いてみました。短いものですが、お読みくだされば幸いです。
328名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 13:43:52.86 ID:uBkaykJ+
>>321
デンドロはどういう分類になるんだろ?
本編は終わっていて外伝が残っていたようなするけど。
329名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 16:51:47.49 ID:8oI1g6fv
三つの鎖まだかなまだかな
330名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 17:31:45.29 ID:HKkcWwKQ
>>327
ごめん
なんつーか、どう感想を返していいかよくわからん・・・
331名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 18:25:47.81 ID:BzLnzmS3
そこはまず投下した事にGJって書いてやれ
332名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 21:07:34.93 ID:upJrv5P9
風見でーす
333名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 23:59:21.35 ID:addNKJoL
>>327
話自体はまとまってるし面白いです。でも短いんで膨らませてほしいです……お願いします
334名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 21:38:05.05 ID:fg12+CLM
家の姉は床にあるシミを蜘蛛と間違えて遠くからシミに向かってスリッパ投げてた強者だけど、天然な姉SS希望
335名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 23:50:47.42 ID:SYjas2sS
>>333を狙う女郎蜘蛛だったんだろ
姉ちゃんはラミアとかそんなんだな
336名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 15:15:54.55 ID:o2Ic6JnP
>>334
白い猫だと思って近付いたらコンビニの袋だったコピペ思い出した
337人格転生 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:51:33.83 ID:KEXA8M/t
投下します。
338人格転生42 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:53:02.67 ID:KEXA8M/t
今日で丸二日。あれ以来、由利…由衣は目を覚まさないままだ。
俺は薫さんと交代で由衣の世話をしている。
由衣の部屋のベッドに寝かせたまま、ずっと眠り続けている。

「なぜ何もお尋ねにならないのですか? なぜ私について詳しく訊かないのですか?」
「そりゃ知りたいですよ。でも俺がそれを知ったとして、由衣が早く目覚めるんですか」
「申し訳ございません…お許しください。あの時の事に関してはなんなりと罰は受けます」
「その言葉は由利に…言って下さい。俺には何が起きてるのかわからなくて…」

俺の顔を見ながら困った顔をする薫さん。たぶん俺はもっと困った顔をしてるんだろう。
あれから俺も寝ていない。眠れたと思っても気づいたら3時間経ってただけだった。

「それに薫さんの秘密を全部教えてくれって言えば、教えてくれますか?」
「それは…すみません。それは由利様の思いを踏みにじることになりますので」
「なんですかそれ。訊けって言って教えられない? それが由利の思い? ざけんなよ!」
「…本当に申し訳ございません」

くそ…人に当たっても仕方ない。
俺自身が由利と由衣のどっちに対応すればいいのか、考えていたのもある。
とにかく頭が整理できてない状態だ。

「…当たってしまって、すみません」
「いいえ…当然の事です。
 これは私の推察になりますが、由利様は良也様を守られたのだと思います。
 一連の事について巻き込みたくなかったのでしょう」
「由利も言ってました。そのうち分かるって」
「…そう言ってもらえると助かります」

深々と俺にお辞儀をする薫さん。
保護者兼使用人か…恐らく由利と由衣に秘密があるんだろうけど。
両親に連絡を取りたいと言ったけど却下された。
電話も繋がらない。爺ちゃんにも繋がらなかった。

ベッドで眠っている由衣を見る。

由衣のことだって、医者に連れて行こうと何度も薫さんにお願いしたが受け入れられなかった。
本当は今日の朝でも目覚めないんだったら、薫さんを無視してでも連れて行くつもりだった。

と、思っていたら、さすがに薫さんも誰かに家に来るように連絡を入れていた。
そのあと明らかに民間の医者じゃない、ラフなスーツ姿の男が薫さんの指示を受けて診察に来た。

由衣はきちんと呼吸はしている。すぅすぅという寝息も一定で普通に眠ってるとしか思えない。
339人格転生43 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:55:09.33 ID:KEXA8M/t
ん…声が聞こえる…

「お兄ちゃん…起きて…お兄ちゃん」

…!

その声で飛び起きる。
この感じは由衣か?

「由衣!?」
「わっ! びっくりした…」

起きてる。由衣だ。間違いない。
目を開けてこっちを見ている。

「ちょっとどいて。重いから」
「あ、ごめん」

どうも俺は、由衣のベッドに倒れ込むように寝ていた。

「よいしょっと」
「おい、大丈夫か…」
「なんか体ダルい…」
「そりゃそうだろ。丸3日寝てたんだし」
「3日? で、今何時?」
「朝の8時半」
「学校行かないと!」
「無理だって。休んどけよ」
「いや! お兄ちゃんと学校行ってご飯食べる!」

結局そのあと遅れて学校に行く事になった。
薫さんが送っていくと言ってくれたけど、由衣はいつもどおりに学校に行く事にこだわった。

あと、薫さんとの一件についても、特に何も言わなかった。
承知済みみたいな感じだった。
薫さんは頭を下げていたけど、由衣はこだわってない感じだった。

それより御飯作って、って感じだった。
今のケースだと由利の言っていた1番目のケースが近いんだろうか。
由衣の性格が大きくでていて、由利の知識はあるという状態に見える。
340人格転生44 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:56:10.98 ID:KEXA8M/t
その日の学校はかなり違った。
何しろ由衣のいつものパターンが違う。
クラスにも来なかったし。二人とも遅刻だった。

「ふぅ…」

ため息を付く。とりあえず由衣と由利がいなくなるという最悪の状態はなくなった。
でも、これからどうしたらいいんだろう。
昼休みまでそんなことを考えていた。

周りを見ると、今日は愛理も休みだということに気づく。
ふぅ…由衣のせいで友達少ないんだよな、俺。
クラスの同性にも由衣の告白騒動で嫌われてるし。
異性からもシスコン野郎認定だしな。
せめてどこかの世界みたいに、親友Aとかいないのかよ…
この昼休み、どうして過ごしたもんか…

「はぁ…」

またため息をつく。

「大丈夫? 幸せ逃げるよ?」

声の方を見る。こいつも数少ない友人の一人だ。
そうかなり小さい友人。身長140くらいのクラスメートの女子。
由衣が来てもかまってくれるし、俺のこともシスコン扱いしないし。
愛理とこの子くらいだよな。

「神咲…久しぶり…」
「なんで休んでたの?」
「ん…いろいろあってさ」
「愛理ちゃんと、どっか行ってるのかと思ったよ」
「は? なんで愛理?」
「え、月曜から一緒に休んでるし…」
「あいつもずっと来てないのか?」
「…うん」
「さつきちゃんは?」
「来てるよ」

あとで、さつきちゃんに訊くか。
すると今度は神咲から質問してくる。

「由衣ちゃんは来てるの?」
「ああ、今日一緒に来た」
「そう…よかった…!」

そう言ってニコッと微笑む。
ぶっちゃけ小学生にしか見えないことは黙っておく。
おさげがよく似合ってる。小さいけど本当いい奴だ。

「じゃあさ。逆に一緒に向こうのクラスに行ってみようよ?」
「おまえも弟いたんだっけ?」
「うん!」
341人格転生45 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:57:24.36 ID:KEXA8M/t
下級生のクラスに行くのは勇気がいる。
逆の立場を考えると、本当に由衣は勇者だったんだな。
二人で由衣のクラスを覗きこむ。

「由衣坊の復活を祝うでー!」
「おっしゃー!」
「あははあはははは!」
「ハッピバースディ〜トゥーユー〜イー〜」
「誕生日ちゃうわ!」
「いいじゃん。もう誕生日でもさ」
「だよねー由衣がいない間、あたしら寂しかったよー」

なんだこのハイテンション?
どっかの異次元世界に放り込まれた錯覚に陥る。
でも良かった。由衣が幸せで。見るとちょっと涙ぐんでる。
くそ…うちのクラスも見習って欲しいぜ。ちょっと悲しくなってきた…

「よーし! こうなったら合コンしようぜ!」
「いいね!」
「えーマジー?」
「あたし由衣ゲットー」
「ちょっと! 由衣坊はウチのんやで! あんたらは別グループや!」

前言撤回。なんか流れがおかしくなってきた。このリア充どもめ…
素直に喜べない自分が悲しい。
とりあえず由衣が元気そうで安心したからいいか。

一緒に来た神咲を見ると、真剣な目でクラスを見ている。
決してちっちゃいから、隣にいても見えなかったわけじゃない。
なんなんだ? 由衣を見てるわけじゃなさそうだけど…

「おい神咲、帰るぞ」
「う…ん…もうちょっと…もうちょっとだけ見てく」
342人格転生46 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 19:59:00.89 ID:KEXA8M/t
放課後。それは突然だった。

「ちょっと! 美里クン!」
「な…なんだよ…」

神咲の声に思わずびっくりしてしまう。
小さい割に声量あるんだな。
アニメ声だし声優にでもなればいいんじゃないか?

「由衣ちゃん達、クラスで合コンするんだって」
「そっか。まあ騒げばいいだろ。あいつも嬉しいだろうし」
「それでも由衣ちゃんのお兄ちゃんなの?」
「え? なんで?」
「由衣ちゃんが心配じゃないの?」
「へ?」

神咲は涙目で必死になってる。
ひょっとして男子の方はそういう目的なのか?
だとしたら話は変わってくる。

「場所はどこだ?」
343人格転生47 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:00:52.31 ID:KEXA8M/t
俺と神咲は学校を離れたあと、一緒に由衣たちをつけることにした。
しばらくすると由衣達のグループを見つける。
男子二人に由衣を含めた女子三人。
全員見知った顔なのは偶然か?

男子2人は知り合い。一人はある先輩の弟。もう一人はここにいる神咲の弟だ。
女子3人も知り合い。さつきちゃんと最近関西から転入してきた子だ。
で、由衣と合わせて合計5名。

その5人は仲良くカラオケボックスに入っていった。

「カラオケか…」

思ってたより健全で安心した。俺は帰ろうとするが神咲に手を引っ張られる。

「おい…ちょっと…」

由衣たちが部屋を決めたあと、俺は神咲に引っ張られる形でとなりの部屋に決まる。

「おい、神咲。なんだよ、これ?」
「由衣ちゃんがどうなってもいいの?」

目が真剣だった。

「なんだそれ?」
「久しぶりに再開したクラスメイト」
「たった3日だろ」
「いやでもカラオケで盛り上がる中」
「別に普通だろ」
「二人は見つめ合いながら」
「イメージしにくいんだが…っていうか誰と誰がだよ」
「じゃあちょっとこっち見て」
「ん?」

神咲の方を見る。
自分の口に右人差し指を当てている。
344人格転生48 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:01:50.80 ID:KEXA8M/t
『たっくん、久しぶり』
『ああ、美里こそ…』

…あれ? 今、なんかイメージが…
カラオケで他のみんなが盛り上がってる中、由衣が神咲の弟と話してる。

『休んでたけど大丈夫か? 一身上の都合で聞いてたんだけど』
『うん、ちょっと家で色々あって…』
『相談に乗るけど?』
『お兄ちゃんにね…フラれちゃったの…ぐす…』

違う。これは由衣じゃない。
由衣はこんな事言わない。
こんな可愛い仕草はしない。
それに今の由衣は由利もいる状態だ。
このイメージは全然違う。

『わかるよ…俺も姉ちゃんなしじゃ生きていけないし…辛いよな』

つーかこれが神咲の妄想だとしたら相当痛いな。
どんだけブラコンなんだよ。正直引く。
っていうか何、気安く由衣の肩に触ってんだよ。

『もうあたし家に帰れない…気不味いし…お兄ちゃんに会わす顔ないよ…』
『美里…いや…由衣って呼んでいいか?』

よくねえよっ! なんだよ! この超展開は!

『うん、いいよ…あたしも、たっくんって呼んでいい?』

二人の顔と唇が重なり合おうとする瞬間…
345人格転生49 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:08:51.64 ID:KEXA8M/t
「―よくないっ!!!」


神咲の叫び声で、それまでのイメージが真っ白になって一瞬で消えた。

「うわっ! びっくりしたっ!」
「はぁはぁ…何たっくんとキスしようとしてんの…ダメ…そんなのダメ…はぁはぁ…」

神咲を見ると額に冷や汗をかいて呼吸をしていた。
そのミニマムな体が大きく揺れていた。

「そんなに苦しむなら、無理に妄想させようとすんなよ…」
「こ…こういうこともありえるってことなの…」
「わかった…協力するよ。で…何したらいいんだ?」
「じゃあとりあえず…」

ちなみに俺も少し鼓動が早くなっていたのは内緒にしておく。
第一、俺は神咲みたいなシスコンじゃない。
346人格転生50 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:09:47.66 ID:KEXA8M/t
なんで俺がこんなことしないといけないんだろう?

「あの、店員さん…いいですか?」
「何でしょうか」

目の前にはメガネをかけた女性の店員さん。
嘘だとわかってても、すげえ緊張する。

「あの…一目惚れしました。ちょ…ちょっとでいいですから俺と話してもらえませんか?」
「…へ…は? …な、何?」
「と…とにかくこっちです」
「ちょ、ちょっと…!」

そして、そのまま手を引いて、神咲のいたカラオケルームに連れて行く。

「ただいま」
「あ、美里クン、おつかれさま」
「…ああ」

子供みたいにオレンジジュースを飲みながら近づいてくる。
店員さんは俺と神咲を見比べながら変な顔をしている。

「あなた、私に好きとか言っといて、ロリ…そういう人だったの?」
「…黙って!」
「女だったら誰でもいいのね…こんな中学生相手に…」
「あたし高校生だよ! 制服着てるでしょ!」

神咲は怒りながら、さっきと同じく口に指を当てる仕草をする。

「…!? …えっと…あれ…」

店員さんの表情が変わる。
すると神咲はニッコリ笑ってから言った。

「いい? これからメールで隣の部屋の状況を教えて? ケータイ貸りるね?」
「はい、わかりました。どうぞ。ドリンクはいかがなさいますか?」
「ん、もうひとつオレンジジュース。美里クンは?」
「お…俺? じゃ、じゃあコーラで。あ、ゼロで」
「ご注文ありがとうございます。ではごゆっくり下さい。
 あ、ケータイはこちらのアドレスに連絡すればよろしいんですね」
「うん。頼むね」
「了解しました」

何事もなかったように店員さんは去っていく。
一体何したんだ?
347人格転生51 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:11:06.72 ID:KEXA8M/t
「おい、今の…」
「催眠術」
「バカ、そんなのあるわけ…」

でも神咲の真剣な幼い顔を見ると何も言えなくなってしまう。
そうだ。現実に今のを見てしまったんだ。
あれは明らかに催眠術そのものだったじゃないか…

「でも…どうやって…」
「相手の心理を乱した状態にするの。そのあと目を見つめて催眠状態に持ってくだけ。はぁ…疲れたぁ…」

ルームの黒いソファにゴロンと倒れかかる。

「こんな特技があったなんて…」
「特技っていうのかなぁ」

そのオレンジジュースを飲む仕草に釣られ、俺もコーラを飲みながら考える。

「でも、そんなに気になるんなら直接たくやに催眠術かけた方が早いんじゃねえの?」
「…早くない。すぐに解けちゃうし…忘れちゃう…」

その幼い顔が寂しそうな表情になる。
こんな神咲は珍しい。

「じゃあ、あの店員さんも…」
「うん、役割終わったら覚えてないと思う」
「ふーん、催眠術って言っても万能じゃないんだな」
「…っ!」
「それに本気でできたら卑怯だもんな」
「…ぅう…」

神咲の表情がますます暗くなっていく。
やばい。ちょっと話題を変えるか。

「でもさ、そういうのって夢があっていいよな。良かったら俺にも教えてくれよ」
「え?」

はっとした表情になる。よかった。表情戻って。
なんか神咲の泣きそうな表情見ると、小学生泣かせたような罪悪感感じるんだよな。
無駄にちっこくて可愛いしな。

「催眠術。あいつらが歌ってる間、俺らも暇だろ」
「う…うん」
348人格転生52 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:13:11.22 ID:KEXA8M/t
気づいたら俺の意識はボーっとしていた。なんだか夢の中にいるみたいだ。

「あ…本気でやったら、かかりすぎちゃった…どうしよ…」
「ん…あ…神咲…?」

目の前の神咲はハッキリしてるんだけど、周りの景色がボヤけて見える。
そう、ピントが神咲にしか合ってない。

「あの、これが催眠状態。さっきやった手が重いとか言う暗示は催眠がかかりやすくするためなの」
「ふぅん…そっか…なんかフワフワしてて気分がいいよ…」
「たぶん美里クンはかなりかかりやすいんだと思う。たっくんの場合は2ヶ月以上かかったし完全にはかかんなかった」
「たくやにも…かけたことあるんだ?」
「うん」
「どんなのかけたの…? ふわぁ…」

体がポカポカして気持ちいいなぁ…

「それは…どうせ覚えてないからいっか…」
「すぅ…はぁ…ああ…体浮いてる…」
「あたしを『犯して』って。あたしの体、気持ちいいよって。最悪でしょ? あたし本気で弟好きなんだ」

へえ、こんな幼い体を…
神咲って小柄で140くらいしかないけど胸は大きよな…
このつぶらな瞳で上目遣いされたらひとたまりももないだろうな…

「…そっか…姉弟同士で恋愛感情か…由利と同じだな…」
「由利? 誰?」
「…妹」
「由衣ちゃんの他にもいるんだ」
「…いや…由利は由衣だよ」
「え…?」
「…で、その弟とはどうなったんだ?」

この魅力的な幼い体をどうしたのか…
犯したのか…? こんな小さくて柔らかそうで気持ちよさそうな体…
こんなロリとセックスするって犯罪じゃないのか?

「抱いてくれたよ。でも…」
「…!!」

処女じゃないのか…?
それより神咲のこの幼い体を…
…抱いたのか?

「向こうは覚えてないの…うぅ…」

バカ、こんな子を泣かすなよ…
この小さな身体を守ってやりたくなる…
俺も抱いてみたい…このカラダを…

「…どういう風に誘ったんだ?」
「あ…え…あの、あたしのカラダ気持ちいいよって。フェラしてあげるって…何言わせるのよ、もう!」

その瞬間、頭がクリアになると同時に、神咲をソファに押し倒していた。
覆いかぶさって神咲の幼い顔を見つめる形になる。
349人格転生53 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:15:52.06 ID:KEXA8M/t
「きゃっ…」
「これ、催眠だよな?」
「え、う…うん」

目を逸らしながら答える姿が可愛い。

「さっき俺に犯してって命令したよな?」
「え…し…してない…」
「したんだよ」

その柔らかそうな唇を塞ぐ。
神咲は信じられないという表情をしてる。
構うもんか。誘ってるんだろ?

「ん…んん…ちゅ…」
「…ん…んっ…」

一方的にその幼い唇に懸命にキスする。

「ん…や…やめて…あたしはたっくんが…」

唇を離して神咲を見つめなおす。
俺は意地になっていた。絶対に神咲を抱くと。
こんなところでやめるほど人間できてない。

「…じゃ、教えてくれよ…」
「え? 何を?」
「セックス…俺童貞だし…」

くそ。むちゃくちゃ恥ずかしい。
きっと俺の顔は真っ赤になってると思う。
神咲の顔をまともに見れない。

「…いいの?」

その言葉でもう一度、その幼い顔をまともに見ることができた。

「初めて…あたしなんかでいいの? 処女じゃないし、催眠術で無理やり弟抱くような変な女だよ?」
「…姉弟で愛しあうのがそんなにおかしいか?」

由利だって同じだった。
実の妹じゃなかったら本気で抱いてもいいようないい女だった。
あいつは本気で俺のことが好きだった。
それを変とかおかしいとかで片付けたら、あいつに失礼だ。
由利は…もう由衣の中にいないんだろうか…?
今の由衣は由衣と由利が一人になっている状態だし、まだどっちかわからない。

「美里クン…?」

怖い顔をしてたんだろうか。
その幼い顔は上目遣いになってこちらを伺っていた。
その唇に軽くキスしてから答えた。

「初めては神咲がいい…一年の時からずっと可愛いと思ってたし…好きだったよ…」

照れくさいけどハッキリと告げた。神咲の顔が真っ赤になる。

「あ…ありがと…あたしも…たっくん以外なら美里クンが一番…気になってたかな…」
「…」
350人格転生54 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:17:24.20 ID:KEXA8M/t
コツンと頭を優しく叩いてやる。

「え? 何?」
「別に…なんでもない」

この場面で他の男の名前を出すなって。
正直っていうか、純粋なのところまで子供みたいだな。
それがこいつの良い所なんだろうけど。
改めてその呆けてる小学生みたいな顔にキスをする。

「ん…ちゅ…ん…美里…クン…」
「神咲…ん…ちゅ…ん…好きだ…ん…」
「あたしも…ん…好き……んちゅ…」

お互い顔を離す。神咲はとろけた顔になっていた。

「良也って呼んでくれ…俺のこと」
「う…うん。あたしも瑠璃子…瑠璃でいいよ」
「じゃあ、みんなが呼んでるみたいに瑠璃でいいか?」
「うん…良也クン…」

神咲…いや瑠璃のカラダを食い入るように見つめる。
低身長の割にナイスバディとでも言えばいいのか…
ちっこい割にエロいカラダしてる…

「ぬ…脱がすぞ…触っていいよな?」
「う…うん、ど…どうぞ」

由衣の世話で女子の制服の脱がし方は知っていたので、簡単に脱がすことができた。
お互いにパンツ一枚になる。瑠璃は胸を隠しながら俺の体を凝視してる。
瑠璃のカラダは華奢で小さくて壊れそうだったけど、すごく魅力的だった。
程よく出た胸。程よく締まったウエスト。
今すぐにでもむしゃぶりつきたくなるような尻。

「瑠璃って意外といいカラダしてるよな」
「…意外って何? 小さいってこと?」
「ああ…って、痛てっ!」
「ひ…人が気にしてることを!」

ポカポカ叩いてくる。全然痛くないし。

「…あっ!」

その腕を取ってから、ソファにもう一度倒す。
そして、おっぱいに顔を埋める。

「ひゃあっ! ちょ…あん…舐めないで…ぅん…あん」
「…ほら、乳首立ってるぞ」
「や…ちょっと…やだ…あん…うふん…ん…」

徐々に舐めるのを、瑠璃のカラダをおっぱいから大事な部分に移していく。

「あん…ちょっと…そこは…」

パンツを足にずらして直接大事な部分を舐めていく。
おまんこは愛液でぐっしょり濡れていた。

「あん…ん…あ…やだ…んん…あは…ん…良也クン…うん…」

はっきり言ってもう我慢出来なかった。
351人格転生55 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:19:29.73 ID:KEXA8M/t
「い…入れていい?」
「う…うん…って、ちょっと待って!」
「…え?」

嘘? ここに来て生殺し?

「あの…ナマは…今日たぶん危険日だし…」
「…嘘だろ…」
「ゴム持ってない…」

そんな殺生な…俺も持ってないし…
持っとけばよかった…じゃあ口でしてもら…

「あ、大丈夫!」
「え?」
「こっち見て」

瑠璃は自分の唇に人差し指を当てる。

「…あ」

少しだけクラっとする。でもさっきほどはかかってないと思う。
…っていうか、今、意識したけど、もう催眠覚めてる?

「ちゃんと目と指見て」
「ああ」

そのあとブツブツ『出さない方が気持ちいい』と何回もつぶやきながら、俺の目をじっと見つめてくる。

「うん。大丈夫」
「何が大丈夫なんだ?」

すると瑠璃は顔をモジモジさせながら苦笑いで言う。

「セックス…大丈夫…入れていいよ…」

その言葉にリミッターが切れた。

「きゃっ!」

俺は瑠璃を正面からソファに押し倒して、パンツを脱いでからペニスをヴァギナに押し当てた。
その入り口はぬるぬるで、すぐにでも俺を受け入れる体勢が整っていた。

「い…入れるからな…?」
「う…うん…やさしくね?」

ゆっくりと膣に挿入を開始した。
瑠璃のまんこはキツくて入りにくいかと思ったけど、少しづつ入っていった。

「ん…おっきい…あん…入ってる…ぁん…」
「はぁはぁ…動くぞ…」

中の締め付けがキツくてすぐにでも、膣内に精液を注ぎ込んでしまいそうだ。
すぐにでも出したい。この幼いカラダをむちゃくちゃにしたい。
射精したい。普段の純粋な少女が俺のザーメンに塗れる姿を見たい。
352人格転生56 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:21:19.38 ID:KEXA8M/t
でも…中出しはヤバイ…く…
理性を必死で保ちながらゆっくり加減しながら腰を振る。

神咲瑠璃子という女の子を想いながら、優しく抱いていく。

「あん…ん…あん…うん…気持ちいいよ…」
「く…俺も…で…出そう…」

1年の時からこの子は有名人だった。
どう見ても高校生には見えないどころか中学生にも見えなかった。
そんな子と今セックスをしている。
ぬちゃぬちゃと膣内が俺のペニスを圧迫する。
気持ちよさで思いっきり腰を振りたい。
中に何度でも射精したい。

「あん…うん…いい…いいよ…美里ク…良也クン…優しい…」
「く…ホントはもっと激しく動きたいよ…でも動いたら出ちゃうから…」
「ん…あん…うん…優しんだ…好き…由衣ちゃんが羨ましいな…あん…」
「そういや…隣の部屋で由衣たちは歌ってるんだっけ…」
「うん…あん…そ…そうだったね…じ…時間もないかも…あん…」

すっかり忘れてた。あまり時間もないのかも知れない。
もし由衣達にこの声が聞こえてたらと思うとゾッとする。

「もし隣に聴こえてたら…あたし達…どうしよ…あん…あん…」
「考えてること一緒かよ…くっ…出そうだ…」
「だ…出していいよ…ぅふん…あん…」
「…え?」
「出せなくしてるから…それに…あたしもイキそう…あん…ぅふん…」
「出せなく?」
「うん…さっきの…あん…催眠術で…かけたから…大丈夫…あん…」
「ぐ…出そう…信じるからな…」

瑠璃の幼いカラダを持ち上げて、俺が腰を振りやすい体勢を作る。
俗にいうバックという体勢だ。
俺は後ろから瑠璃の腰をガッチリと掴み、瑠璃はソファの背もたれに手を掴んでいる。
瑠璃のきついマンコにしっかりと挿入してから用意をする。

「激しく行くからな…声出すなよ?」
「うん…大丈夫…来て…」

そこで瑠璃のケータイが鳴った。

「あ、あの店員さんからだ。たっくんと由衣ちゃん達あと10分くらいで部屋から出ちゃう…早くしないと…」

それが合図だった。俺は後ろから瑠璃の口に手を当てて声を出さないようにする。
さっきまで瑠璃に思いっきり我慢していた分、腰を振りまくった。
俺の腰を瑠璃の幼い尻に打ち付ける音が鳴り響く。

「んー! んん! ん…うん!! ぁん! んー! んん! ん!」
「くっ…う…」
「んー! んー! ぅんぁん!! ん!」
「ほら…声出す代わりに俺の指かめ…く…瑠璃の中キツ…」
「んーーー! んーーー! んん!!」

声を押し殺す瑠璃は涙目になりながら俺の指を噛む。
痛いけどこの程度なら快感の方がよっぽど上だ。
もし声が漏れて、あいつらにこんなとこ見られたら終わりだ。
353人格転生57 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:24:49.44 ID:KEXA8M/t
「なあ…今の俺らのしてるとこ…あいつらに見つかったら、どんな目で見られるんだろうな?」
「…ん? んーーーーーーー!!! いぃ!! んーーー!!」

そう言った瞬間、瑠璃のマンコが急激に締まった。

「んーーーーーっ!!」

瑠璃もビクンビクンッと背を逸らしている。
俺もそれと同時に射精した。つもりだった。

「は……はぁ…はぁ…」

ぐったりした瑠璃はソファに倒れこむ。
あれ…? でも射精の快感はあるのに出してない?
それより寸止め感があって変な快感が続いている。
瑠璃のマンコも丸見えだけど精液は見えないし…

「はぁはぁ…じ…時間ないよ…良也クン…こっち来て…あたし、ちょっと動けないから…」

俺は言われた通り瑠璃の側に寄る。

「しゃぶってあげるから、おちんちん出して…」
「あ、ああ…でも俺まだイッてないんだけど…」
「いいから、おちんちん口に入れて…早く…時間ない…」

瑠璃にペニスを向けると、瑠璃は俺を見てから指を自分の口に当てた。催眠術?
それからブツブツ『出した方が気持ちいい』と何回もつぶやきながら、俺のチンコをくわえ込んだ。

「ん…ちゅ…ちゅぽ…ちゅ…ちゅる…ちゅ…ん…」
「くっ! あっー!」

瞬間、寸止めの快感が無くなって、普段の感覚に戻る。
ヤバイすぎるって! 気持よすぎる!
瑠璃が上目遣いで俺のチンコに手を添えながら上下にしゃぶる。

「ちゅ…ん…おいひ…ん…だして…口の中に…はして…ちゅ…ん…ちゅぽ…ひひよ…ん…ちゅ…」
「…くっ…出るっ!」
「ん? んんーーーー!」

本来、膣内に出していただろう分を、そのちいさな口の中に注ぎ込む。

「んー! かはっ…う…はぁ…はぁ…うぅ…はぁはぁ…かはっ…はぁはぁ…」

少し咳をしがなら瑠璃は上目遣いで、口から出した両手の中のザーメンを俺に見せてくる。

「いっぱい出たね」
「ああ…」
「ごめん、いっぱいだったから、ちょっとしか飲めなかった」
「…そこまでしなくていいって…」
「ううん…したかったから…良也クンの初めてだったし…」
「神咲…あ、いや…瑠璃…」
「あ…」

思わずその幼い体を抱きしめていた。
もう一度嘗め回すように瑠璃のカラダを見る。
この子とセックスしたんだ。俺の初体験…
354人格転生58 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:26:12.08 ID:KEXA8M/t
「ど…どう? よかった?」
「ああ、初めてが瑠璃で良かった」
「あ…あたしも実質初めてのようなもんだから…」
「…そっか」

向こうは覚えてないんだっけ? 俺もこの体験を忘れるのか…?

「俺も瑠璃としたこと忘れるのかな?」

とてもそうは思えないけど。ここまでの瑠璃との行為は鮮明に覚えてるし。

「わかんない…美里ク…良也クンはもう催眠状態解けてるし…」
「じゃあさ、またしようぜ」
「う…うん…そだね…でも…」

瑠璃は一瞬嬉しそうな顔をしたあと沈んだ表情になる。
弟のこと気にしてんのかよ。そんなに好きなのかよ。姉弟だぞ?
だったら俺と付き合ったほうが…

『愛してました…家族としても異性としても…』

…! 由利の告白が鮮明に蘇る。

兄妹だから好きになるってこともある。俺はそれがわかってるはずだ。
ここで付き合おうと言うのは簡単だけど、今の考えだと由利…いや、瑠璃の気持ちを踏みにじることになる。

「ごめん…あまりにも瑠璃がよかったからさ…」
「あ…ありがと…」
「それにこれ以上おまえとセックスしたら捕まりそうで…」
「む…! どういう意味?」
「俺、ロリコンでもシスコンでもないしさ…」
「良也クン…歯食いしばってくれる?」
「…ああ」

俺は覚悟をして目を瞑る。
そう、こいつとは今までの関係の方がいい。
このことも催眠でなかったってことだ。

―ちゅ…

え? 頬に鉄拳が飛んでくると思ったら、予想外のものが飛んできた。
小さく『ありがと』とも。それも、その幼い頬を赤らめて。
これなら頬を引っ張られた方が、まだ破壊力があったと思う。

そのあと、お互い急いで着替えて、あの店員に料金を済ませてから由衣たちのあとを追った。
355人格転生59 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:28:42.04 ID:KEXA8M/t
「状況はどうだ?」

そこのコンビニで買ってきたアンパンと牛乳を、一見、女子小学生にしか見えない相棒に差し出しながら問う。
場所は巨大モニターが見える駅前の繁華街。
俺達は歩道橋の椅子に座って、近くで仕入れた小さい望遠鏡をお互いに使って、由衣たち一年生グループを観察していた。

「今、女子グループと分かれた模様。なお、たっくんの貞操も無事な模様。オーバー」
「そ…そうか…」

ここまでブラコンだと、もう感嘆するしかない。

「で、由衣は?」

真っ先に妹が気になる俺も、人のことは言えないのかも知れない。

「だから女子グループとは分かれたってば。さつきちゃんと神菜ちゃんも一緒に帰っていったよ」
「何ぃ? じゃあ、俺がここにいる意味ねーじゃん」
「あっ…!!」
「な、なんだ?」

一年グループの男子二人が若い二人のOLに囲まれていた。

「あーっ! たっくんナンパされてるーっ!」
「しっ…声がでかい…」

俺もその方向を見る。でも、あれってナンパって言うより…
瑠璃とアイコンタクトを取って頷きあったあと、その場に近寄る。

「ほらシンちゃん、一緒に食べに行こうよ」
「ちょっと…姉さんってただでさえ有名なのにこんなことしていいの?」
「いいのよ。ほらほら、翔子だって一緒に行きたいって言ってるよ」
「え? 本当ですか?」
「まあね。美佳がうるさいし」
「あの、いつも姉が迷惑かけてすみません」
「いいのよ。こっちもかけてるから」

ありゃりゃ、今日は知り合いとよく会う日だな…どこのOLかと思ったらミミ先輩と翔子さんじゃん。
スーツ姿だけど、なんか用事だったのかな?

宮野美佳、通称ミミちゃんこと女子高生実業家。マスコミでも有名になってる。
その横にいるのが校内一の秀才。生徒会長の翔子さん。ミミ先輩の親友だ。
二人とも俺たちの先輩に当たる。二人とも超美人の高校3年生。
あれだけ際立ってると、逆に周りの人が引いてしまうよな。

「姉さん、あんまり翔子さんの邪魔しちゃだめだよ」
「してない、してない。むしろこっちの邪魔してくるくらいだから」
「すみません翔子さん。こんな姉ですがこれからも仲良くしてやってください」
「ふぅ…別にいいわよ。いつものことだし」
356人格転生60 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:30:57.65 ID:KEXA8M/t
で、瑠璃の逆ナン疑惑を受けてる二人の後輩。
一人はミミ先輩の弟の新一。ミミ先輩がシンちゃんって呼んでる奴だ。
実はこいつ、ミミ先輩の親友の翔子さんに惚れている。
こいつはかなりのしっかり者だ。
一年のクラスでも由衣が迷惑かけてるんだろうけど、きちんと文句も言わずに俺に報告してくれる良い奴だ。
でも翔子さんって聞いたとこによると幼なじみがいるらしいぞ。
大丈夫か? 俺は応援してるぞ。頑張れ新一。

「あの、たくやくんも一緒にどう? いつも弟が世話になってるお礼するわ」
「え…いいんですか?」
「いいよね、シンちゃん」
「っていうか、来てくれないと僕が困るよ」

で、肝心の瑠璃の弟のたくや。瑠璃いわく、たっくん。
こいつはミミ先輩が好きなんだよな。
さっきからラブラブビームをミミ先輩に送ってる。

「あの、ミミ先輩、俺、また世界情勢とかの質問あるんですけどいいですか?」
「ん? いいよ。今度は何?」

おいおい、たくや、そうやってミミ先輩の胸ばっかり凝視してると嫌われちゃうぞ。
ちらりと瑠璃の方に目をやる。

「…っ!」

自分の制服のスカーフを噛み締めてる。どこの時代の小学生だよ、お前は。
まあ、あの弟はミミ先輩にベタ惚れだからな。気持ちはわかるぞ。

しょうがない。ちょっと手を貸してやるか。

「あのー! 先輩方! ちょっといいですかー?」

あのあと適当に先輩の注意を俺に引いてうちに、ミミ先輩に電話が入ったところで夕食会をぶち壊すことに成功した。

「もしもし、え…何? それ本当なの? 冗談じゃないの? 1時間後に発表!? 嘘でしょ? …え、ええ…わかったわ。ありがとう。感謝するわ」

俺たちに断ってから、もう一度電話をかけ直すミミ先輩。

「私よ。今すぐ全部ドルを売って円に替えなさい。ええ全部。責任は私が取るわ。わかってる。一番初めじゃないと意味が無い。情報が出てからじゃダメ。あ、今からそっちに行くから」

てへっと舌を出して、ごめんねと言ってから、弟の新一と親友の翔子さんを連れて帰っていった。

瑠璃…感謝しろよ。

「ミミ先輩…カッコいいよなぁ…」
「たっくん?」
「なんだ、姉ちゃんと先輩か…ぐえっ!」

瑠璃の腹パンチがたくやの鳩尾に決まっていた。

「たっくんのバカバカバカ!」
「いてて! 俺が何したんだよ!」

姉弟仲がいいって素晴らしいことだよな。
って、俺、そんな瑠璃としちゃったんだよな…
いや、それはなかったことだ。
たくやがミミ先輩が好きな理由は想像が付く。
こんだけ子供っぽい姉がいたから、反動で大人な先輩を好きになっちゃったんだろう。
ホント人間関係って複雑だよな…
でも、もうこれ以上複雑になることはないだろう…たぶん。
357人格転生61 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:32:34.50 ID:KEXA8M/t
「なあ、俺ってここにいる意味あんのかな?」
「わかんない。でも良也クンって意外と使えるから、もうちょっと一緒にいてよ」
「俺はおまえの助手かよ! 嫌だよ! 帰る! もう由衣もいないし!」
「ふぅ…シスコンだなぁ…」
「く…お前にだけは言われたくないぞ…」

瑠璃は望遠鏡をこっちに放ると、コンビニ袋からアンパンと牛乳を出し始める。
牛乳を飲みながらパンをかじるその姿はどう見ても小学生だ。

なんだ? とすると、こいつは小さな名探偵の女の子バージョンで、俺は幼なじみの男バージョン?

「ほら良也クンもアンパン食べなよ。おいひいよ…んぐ……おいしぃ…」
「おまえな…それも俺が苦労して買ってきたヤツだし」
「細かいなぁ」

だんだん腹立ってきた。
こいつを相手にしてるとアホな由衣を相手にしてる気になってくる。
ちょっといじめてやろう。

「…」

後ろから見えない位置に忍び寄る。
神咲は小動物のようにパンを食べながら、紙パックの牛乳を置く。
その瞬間、後ろから胸を鷲掴みにしてやった。

「ひゃあっ!」

さらに神咲が半分も食べてないパンを横取りして、全部口に入れる。
コンビニの袋も取り上げてやった。

「あぁ! ひどい! 何すんの!」
「元はそのパンも俺のだ。半分食えただけで感謝しろ。あとは子供らしくちびちび牛乳すすれ」
「うぅ…ひどい…あたし子供じゃないもん…」
「アホか、酷いのは俺じゃねえ。俺を振り回してるお前だ」
「あんなに愛し合った仲なのに…」
「ぐ…」

冗談でもそれを言われると…

「ていっ!」
「あっ…」

そのスキに袋を奪われる。そしてまたパンを取り出す。
く…こいつ、なかなかのやり手かも知れない…

「あと言うの忘れたけど…」
「んだよ?」
「うしろに由衣ちゃんと神菜ちゃん来てるよ」
「は、そんなウソにひっかかるか。帰ったんだろ。パンは全部俺が食ってやるから返せ」
「あ、やめて…ひどいよぉ」
「だからなぁ…酷いのは…」

「…兄さんの方です」

背中から氷を刺された感覚がした。

そーっと後ろを振り向く。
そこには妹がいた。
心臓が止まるかと思った。
358人格転生62 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:37:25.98 ID:KEXA8M/t
由利…? 由衣…?

一瞬どっちかわからなかった。

「お兄ちゃん、楽しそうだね」
「ゆ…由衣…?」
「ん? なんか私の顔についてる?」

まじまじと制服姿の由衣を観察した。
時間が時間なら夕暮れの今の時間は、由利との交代のはず。
でも人格が合わさったから…
さっき兄さんって聞こえたような気もしたし…

「先輩、るりと付き合ってんの? 胸揉んだあとキスしてたやん」
「な…ちが…」

すぐ横にいた神菜にもすぐに対応できなかった。
この子は最近関西から転入してきた子だ。
打ち解けやすい性格ですぐに由衣とも仲良くなっていた。

くそ…いつもなら、ただのイタズラと間接キスだろ、と反論してるのに…

「…何が違うの? お兄ちゃん」
「ひっ…」

表情は由衣のものだけど、オーラが全然違う。これは由利の雰囲気だ。怖い。
隣にいた神菜が、瑠璃のほっぺをつつきながらチョッカイを出しているのにも関わらず、周りには温かい雰囲気がない。
朝はあったのに…なんで…

「瑠璃ちゃんと何があったのかな?」
「べ…別に…ちょっと…からかってただけ…だよ」

うまく声が出せない。
ちっちゃいお姉さんに筆下ろししてもらいました、なんて冗談でも言ったら殺されかねない。
背中から冷や汗が止まらない。

由利の怖さは知ってるけど、『今の由衣』の怖さはそれ以上だ。
家族でも身の危険を感じるレベルの圧迫感。

「…私もパンちょうだい」
「あ、ああ…いいよ。瑠璃…神咲が持ってる袋にいっぱいあるから…」
「瑠璃? そう…瑠璃…ちゃんが持ってるんだ。じゃ、貰ってくる。神菜〜! 私も混ぜて〜!」

そう言ってから由衣は神菜と瑠璃がじゃれあってる中に入って三人でキャーキャーしてた。
心なしか時折、由衣の瑠璃を見つめる目がキツくなっていたのと、女子同士のスキンシップのボディタッチで、本気でプロレスの技をかけていたように見えるのは気のせいだろう。
瑠璃が涙目になって痛い痛いと言うたびに神菜に止められていた。

それにしても、やっぱ瑠璃には先輩としての威厳なんかこれっぽっちもないんだな…

でも問題はそんなことより…
359人格転生63 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:39:43.68 ID:KEXA8M/t
本当に、由衣…なのか…?

由衣は俺に嫉妬なんかしないはず…
それとも由利なのか、あるいは両方か…
少なくとも付き合いが最近である神菜にはわからない程度と考えると…

でも、さつきちゃんなら何か気づいているかも知れない。
どうもカラオケのあと急用ができたらしく、飛んで帰ったらしい。

―『ビー!!! ビー!!! ビー!!!』

そんなことを考えているときに、ビルの巨大スクリーンから耳鳴りがするくらいの警報音が鳴り始める。

『速報をお伝えします。速報をお伝えします。ただいま百九十一代日本国皇帝が崩御されました。ただいま百九十一代日本国皇帝が崩御されました』

周りに大反響するエコーと同時に巨大スクリーンにアナウンサーの顔がアップで映る。
俺達はおろか、周りのごった返している歩行者全員が足を止めてスクリーンを見上げていた。
…崩御? 死んだってことか?

『…となっており崩御されたあとの宮内庁の記者会見後…以下の放送は自粛されます。
 …となっており崩御されたあとの宮内庁の記者会見後…以下の放送は自粛されます』

そんなことよりさっきアナウンサーが言ったことと…何より映像が信じられない。

『…旧皇室典範である新日本国憲法、皇帝条文により、国家元首には姫乃小路愛理様が即位されることになり今後は…』

…愛理?

記者会見で毅然と答えているのは間違いなくクラスメートの愛理だった。
皇帝家の着物を着て、独自の化粧をしているだけで全然違う。
目の前に移されてる見知った顔の次期女帝は、形容できないくらい綺麗だった。

愛理…皇帝家と繋がりがあるのは知ってたけど…
少しは似てると思ってたけど、あの愛理だなんて信じられない…

昔と違って今は皇帝家が閉じられている。
余程の身分じゃない限り、皇帝家の人間でも特に、直系の血筋は今はマスコミには開かれていない。
なんでも歴史の教訓とかなんとか言ってたような。

それにしてもなんで愛理なんだ? 次期皇帝の座は普通なら皇太子のはず。
つまり愛理が、あの愛理様で皇女だったとすれば、愛理の父親である皇太子が引き継ぐのが普通だ。

それに、あいつ、学校はどうすんだ?

…待てよ…さつきちゃんはずっと愛理に付いていた。

じゃあ、さつきちゃんは愛理が皇女だって知ってたってことか?
俺が愛理にあまりにも馴れ馴れしくしてる時に睨まれたことも何度かあったし。
ただのお嬢様の扱いにしては仰々しすぎたし。

さつきちゃんが急用で帰ったのも、この報道のためか?

少しずつ周りの人だかりも動き出してきた。
そんな中こっちに走ってくる見覚えのある人物が…
360人格転生64 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:41:38.70 ID:KEXA8M/t
「由衣様! 良也様!」

それはシックなメイド姿の薫さんだった。
立ち止まって俺と由衣の手をひく。少しだけ息が乱れていた。
あれだけ走っても少ししか乱れてないのも凄いけど、その速度がすごい。

「は、早く家にお戻り下さい…ここは危険です…」
「か、薫さん、ちょっと落ち着いてください」
「帰ってからです! 早く!」

俺は薫さんに着いて行く。

「由衣坊ちょっと! ケータイ忘れてんで!」
「あ、ありがと神菜。あとで連絡する」
「…なんかわからんけど絶対やで」
「うん…」

由衣もケータイを神菜から受けとったあと、俺たちについてきた。
歩道橋の下には黒い1000ccはあろうかというバイクが止まっていた。
かなり大きいバイクだ。でも、そこには警官2人が違法駐車の取締をしていた。

「警視の如月薫よ。そこをどきなさい」

薫さんは警察手帳を見せながら警官たちに言い放った。
警視だって? あの手帳って本物なのか?
警官たちはそれを見ると敬礼していた。

「念のため、あとで私の身分を確かめなさい」
「は! お勤めご苦労様です!」

薫さんはそれに股がったあとエンジンを吹かせたあと、俺と由衣を乗せる。
本当に警官だとしたら3人乗りは良くないと思うんだけど…
それにしても…マジで何者なんだ? この人…
361人格転生 ◆qtuO1c2bJU :2012/07/12(木) 20:42:10.06 ID:KEXA8M/t
投下終了です。
362名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 21:23:03.18 ID:3FG+7Ryu
乙です!
363名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 21:35:42.96 ID:xv+6VpDS
長編は投下が途切れると今までの話忘れてしまうから正直アレ
364名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 21:45:50.91 ID:LTuG0a9O
gjです!
365名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 22:05:43.00 ID:9u2OJZr2
>>361
乙乙!
366名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 22:24:45.57 ID:RHTMjqht
>>361
乙。他作品の登場人物が出てうれしい
細かいことでもうしわけないが、目上の人にご苦労様は普通使わない
367名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 01:47:13.21 ID:bJG05d+z
でも、お勤めお疲れ様でしたじゃあ可笑しいだろ…
ヤクザ映画とかでも「お勤めご苦労様です、兄貴」とか言うし、お勤めの後に続けるならお勤めご苦労様が適切だろ。
368名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 02:16:27.86 ID:dqA9fpK1
>>367
確かに。それ意外の適当な言い回しがわからん。
日本語って面倒だ。
369名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 12:24:48.68 ID:QNXCG28n
敬語の遣えないキャラなんだろ
370名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 14:28:58.35 ID:5WdO9/US
まーた批評家様の揚げ足取りが始まってしまうのか
そら書く人も少なくなるわな
371名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 18:19:13.71 ID:yR8GU+kA
>>366
よう火種。
さっさと消えろカス
372名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 20:14:23.71 ID:dG4qUkzK
ttp://oshiete.goo.ne.jp/qa/885186.html
ここに目上の人に対するねぎらいの言葉が乗っていますし、参考にしてみては
いかがでしょうか
373名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 20:14:59.06 ID:dG4qUkzK
すいません上げてしまいました申し訳ないです
374名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 20:30:10.53 ID:YYxzg5dj


このメイドさんが本当に警視だとしたら
公僕なわけだから国民に仕えてるわけだから
国民の為に働いてるわけで
その意味で言うならご苦労様は正しいかと

警官の上司だったら知らないけど
仮に上司じゃなかった場合ならご苦労様でおkだと思われ

ってお勤めご苦労様ですは一つの慣用句になってるかも
社会人でも研修でご苦労様よりお疲れ様と言うべきなのは習ったな
でもお勤めご苦労様ですの場合はぶっちゃけどっちでもいいような気もする
375名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 00:05:17.33 ID:eefiwt76
復旧
376名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 15:16:09.17 ID:LWA68dn1
GJです。
キャラクター総出演といった感じですね。

言葉遣いに対する指摘は誤字脱字に類するものかと思いますので、そこまで目くじら立てることでもないかと。
実際にこういう場面で警察の人がどう言うかは存じ上げませんが。
377名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 15:52:48.38 ID:gzUbhMbP
キモ姉と結婚したい
378名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 20:36:02.78 ID:q+UcCWTT
ドイツが…キモ姉妹に乗っ取られたのか?
379名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 20:47:20.82 ID:uhvgXKYE
諸君、私は弟が好きだ。
380名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 22:13:52.74 ID:gzUbhMbP
これは世界中のキモ姉妹一斉発起来るぞ
381名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 22:23:40.69 ID:0JnwQuCc
キモウトが来ましたゾイ
382名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 08:13:55.60 ID:ObIs3FEt
なるほど、ドイツで近親相姦が合法化されれば
キモ姉妹も、きもくはなくなるのか?いやないか
383名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 08:19:12.48 ID:iru45MU3
>>382
これからのキモ姉妹はドイツ国籍取得がトレンド
姉妹とは結婚出来ないなんて言い訳する兄弟に正式に結婚出来ると教えてやる
384名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 16:52:14.24 ID:o3LttEck
甘いですね。オランダの方はすでに合法。さらに結婚まではできなくても配偶者と
同じ権利まで取得できるらしいです。本当かどうか走りませんが大麻、同性婚認めているほど
寛容な国だしありえんことはないかな
385名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 07:07:51.84 ID:7uiEgeDP
でもオランダでも合法ではあるものの大麻も良くないものって感じはあるらしいね
同性婚や近親婚も同じかも
キモ姉妹の恋愛は、まず社会の倫理や価値観と戦わないといけないからある意味可哀想だ
そこが萌えるんだけどねw
昔では時代によっては近親相姦は普通だったらしいけど

キモ姉妹「こんな世の中じゃ…」
386名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 14:27:37.45 ID:gADFE2Mh
ドイツの場合って罰則付きだろ?
日本の場合、民法で公式の婚姻は出来ないってだけで、
罰則も何もないから、日本でも兄妹姉弟間の事実婚なら出来るで
387名無しさん@ピンキー:2012/07/17(火) 00:27:56.59 ID:dMvQDK7z
真剣に議論してるお前らに引く
388名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 00:59:35.44 ID:80ST1kQR
 
389名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 08:46:11.55 ID:dYZpKCrm
キモ姉妹スレに来たと思ったらドイツ法を語るスレだった
390名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 11:38:54.22 ID:3iFYiIBQ
タイムマシンで問題にならない時代までさかのぼるか
391名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 13:11:30.38 ID:YS/6yezb
現代の都市部なら、隣人同士の付き合いも薄いから事実婚状態で良いなら、
兄妹姉弟で愛し合っていても、隠し通せそうだがな

昔の方が周りの眼が厳しそうだが・・・
392名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 14:28:21.16 ID:Nu4+zVxd
ドイツから来たキモ姉なら愛せる自信がある
っていうか海外のキモ姉妹ってすげー好み別れそうじゃないか?
アメリカから来たキモウトとかでも日本人以外だとキツイと思うぞ
韓国から来たキモウトとかマジすぎて大荒れするんじゃないか
中国からならまだアリかも

荒れそうならこのレススルーしてください(´Д`)
393名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 15:50:10.97 ID:BB/E/+Vr
>>392
世界各国のキモ姉(腹違い)が集まりバトルロワイアルで勝利したキモ姉は四年間弟を好きに出来る大会
394名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 17:49:34.51 ID:henpYj4D
弟を欲するならば、汝、自らの魅力をもって、最強を証明せよ
395名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 19:39:34.34 ID:CoGcVQsY
弟の子供をハラミンピック
396名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 22:57:10.36 ID:HI5klKy0
>>393
想像してみた

ケイト・クロケット…アメリカ出身。陽気で粗野。
      ボクシングで鍛えた素晴らしいプロポーション。
      「ヘイ!かかってきな!」
ジョディ・サンドロット…フランス出身。貴族でやや高慢。
         剣で戦うを主とするが鎧の下は傷を付けられてないとかなんとか。 
        「はは〜ん」
ニャンニャンシー…チャイナ出身。小柄。ポニーテールの妹。
     素早いも身のこなしの拳法使い。
     「アニキーー!」
アンナ・アネスキー…ロシア出身。大柄、寡黙、強面の姉御。
      しかし熱い情熱を秘めてる。
      その体躯に合ったパワーとレスリング技で戦う。
      「やさしくフォールしてあげよう」
(名称未定)…ジャパン出身。主人公。
       いきなり現れた姉妹に商品扱いされる。
       行方不明の姉を探している。
       「2月2日、キョウコを連れ去ったのは貴様か!」
キョウコ…主人公の姉。
     何者かに連れ去られたらしい。
シュバルツ・シュヴェスター…ドイツ出身。覆面のくノ一。
          主人公を何かと助けてくれる。
          「未熟!」
アレイスター・ビアトリー…スウェーデン出身。
        妹扱いからランクアップを狙っている。
        狂気を宿して総合格闘術を使う。
        「スウェーデンでは修正無いのが当たり前だよ!」
ミカ・アメムラ…主人公の幼馴染。
     降って湧いた邪魔者の排除をせんとする弓道家。
     「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえ!」
当方不敗…主人公の師匠。
     なんかの流派の達人でロリ婆?
    「流派当方不敗は 姉者の風よ 全身清潔 天覇狂乱 見よ!当方は赤く燃えている!!」 
397名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 23:27:55.04 ID:eYb9qDtm
喪男がカチカチ書き込んだのかこれ...
398名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 23:28:41.46 ID:BB/E/+Vr
>>396
パチもんエロゲだなw

ブレンパワードのイイコ姉ちゃんはキモ姉で良いの?
399名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 23:47:30.17 ID:tX+DhIly
>>396
見てみてえwww
このまま短編なり長編なり書いてみたらどう?
400名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 23:48:33.16 ID:cyuHzsoY
ドイツとくノ一って何か関係あんのかw
401名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 01:10:38.20 ID:mKqmPnl3
ゲルマン忍術だな
402名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 01:58:15.91 ID:bbISm3E4
全キモ姉妹入場ッッッッ!
403名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 10:19:03.51 ID:8xtRCZcU
これは・・・Gガンダムっぽいですね・・・たまげたなあ
404名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 10:24:23.63 ID:Je6hX9WN
デスアーネー
405名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 22:31:23.37 ID:kQwRKtBa
気持ち悪すぎる妹
406名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 15:22:58.90 ID:jlF1R0wR
ねえちゃんと昨日風呂入った?
407名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 22:53:11.24 ID:htZ/arT4
うへへ、入ってなぁ〜い
408名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 01:30:18.24 ID:OPuPTJGV
>>397
嫉妬?
409名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 02:49:56.58 ID:QWB4uYtM
>>396 どこのGガンだよww
410名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 03:14:31.51 ID:920+W669
自己再生自己進化自己増殖(弟を使って)するデビルお姉ちゃん
アルティメットお姉ちゃんが弟が告白される所を目撃しておかしくなった
411名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 03:35:33.47 ID:okGeeaEH
ロンドンキモ姉ピックがみてみたい。
賞品は弟くんに犠牲になってもらおう。
412名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 08:40:40.66 ID:an2SlM1Q
なんだよこの流れ
413名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 09:28:40.44 ID:vHTXrvux
俺の萌えの遥かに斜め右に飛んでるから全然同感できない
414名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 19:40:23.58 ID:f5wBR55J
ハイリスクだがキモ姉妹から逃げ出す方法はただ一つ

公園のベンチに座ってるツナギのいいおとこに助けを求める

流石のキモ姉妹もあの男には勝てまい…
415名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 22:38:07.60 ID:U99sj0ko
ケツ処女失うどころかそういう趣味と勘違いしたキモ姉妹がペニパンつけて突っ込んでくる未来しかみえんぞ
416名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 00:13:32.45 ID:DNbXocTj
姉(妹)に襲われてから女性恐怖症になった弟(兄)が
中性的なイケメンと仲良くなる



いろいろあってホモセックス開始



弟(兄)「ち・・・ちんこが無ェ!」

姉(妹)「残念だったな、男装だ」

こうか
417名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 00:16:55.49 ID:yRWizM+w
>>416
信じきっていたイケメソがキモ姉の男装とか、どんだけ節穴なのかw
これやられたらもう何も信じられなくなって対人恐怖症になるか、
完全に陥落して依存状態になってキモ姉ウハウハになるだろうなw
418名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 13:07:07.81 ID:IVwK9vHd
弟が中性的なイケメソで好みのタイプが室伏みたいな娘なら…
419名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 20:02:12.40 ID:PUy7ecBp
夏休みなのに書き込みすら無い
420名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 20:35:54.36 ID:mR2mWFOV
おっさんONLY
421名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 06:35:30.79 ID:rFKpMa1H
大学生はまだ試験に追われてるんじゃ?
422名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 15:27:27.67 ID:R/EN+LL+
ここ18禁だもんね
423名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 15:28:24.22 ID:js6TuUyA
うん
424名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 16:39:11.85 ID:kDYSKUnT
オッサンの群れか
ポケモンボールいくつあってもたりないな
425名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 18:29:03.05 ID:0LzZKa4H
数多のトラップや妨害から逃げ延びてき連中がモンスターボール程度で捕まるとでも?
426名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 00:38:49.76 ID:z16cQ7ao
でもその中にキモ姉キモウトの小説が入っていたら?
427名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 12:19:05.24 ID:0ytNLklH
ポケモンの乱数調整みたく、性格、能力、特性を意図的に生まれ来る子をキモ姉妹に…流石に無理な設定だ
428名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 17:59:04.87 ID:+nEAyV1R
姉「弟は高校なんか行かなくて良い!」
姉「弟は家庭を守って姉に養われてれば良いんだ」
そんな昔気質のキモ姉
429刈流兵法免許皆伝:2012/07/30(月) 19:16:15.78 ID:Yi2rWi+o
血啜青眼って奈良原さんの設定や術理解説をパクった泥棒小説だよな。
しかもパクリ指摘した人をニトロ厨呼ばわりしてハナチラ本スレにまで出しゃばってファンになりすまして馬鹿にしてたし。
まあ今は何故か2次創作って事になってるけど。
剣術の技の仕組みとか背景設定考えるのにどんだけ奈良原先生が苦労して世に出したと思ってるんだか。
430名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 19:57:32.91 ID:PnWNnAge
>>428
表ではバリバリのキャリアウーマンだけど家帰ればぶっ壊れなキモ姉か
どっちかってぇと現代感バリバリじゃね?
431刈流兵法免許皆伝:2012/07/30(月) 20:12:13.96 ID:Yi2rWi+o
ハナチラはるろ剣を筆頭に妙なトンデモ術技ばっかだった剣術ものに
徹頭徹尾リアリティを求めた初めての作品だのになぜ穢すんだか。
432名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 22:11:25.96 ID:DlrLPvcu
>>428
ニートの夢妄想爆発だな
433名無しさん@ピンキー:2012/07/30(月) 22:12:10.86 ID:qvpJHoPE
>>428
はよ
434名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 00:10:15.37 ID:6IdKKeq5
>>429
下段青眼も村正のパクリだしな
435名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 08:35:59.47 ID:eQhtu8Pk
やっぱり村正から入って来たにわかが多くなったんだろうな
436名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 12:30:00.74 ID:al+W8xQj
夏厨
437名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 13:02:47.47 ID:khyLh6tA
エロゲや漫画しか読んでなくて世界がそれらだけで構成されててこそニトロ厨
438名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 15:34:33.65 ID:eQhtu8Pk
>436
自己紹介乙。
439名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 15:40:39.82 ID:j2G4lbSJ
440名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 16:08:03.40 ID:rdji4MLI
鬼哭街もあるいみキモウトもの
441名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 18:49:04.81 ID:vPhicboC
ある意味どころかヒロインで黒幕でって完璧じゃねーか
おまけにルートは妹一本結魂ENDだし
442名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 20:17:42.81 ID:0tbeeI08
443名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 20:19:42.97 ID:x6CmH5nN
444名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 22:14:13.13 ID:2GRT+15l
お姉ちゃんが刀で泥棒猫を殺す展開…そんなエロゲあったな
445名無しさん@ピンキー:2012/08/01(水) 06:44:30.54 ID:Kp5/faf3
>>429
この捏造嘘つき荒らしまだいたのかwww
すげえな
446名無しさん@ピンキー:2012/08/01(水) 07:53:24.00 ID:BEUec9c+
夏だなあ
447 ◆axD6XMHmbg :2012/08/01(水) 08:23:16.20 ID:NAQ6TciU
>>446
夏厨死ね
448名無しさん@ピンキー:2012/08/01(水) 12:10:01.32 ID:N14I4Qeb
イガラスと赤音がこの小説見たら刈流を汚すなと言いそう。
449名無しさん@ピンキー:2012/08/01(水) 23:50:33.66 ID:VgNg230f
過疎
450名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 03:32:22.26 ID:HwXaCWFc
やはりキモ姉妹は智略キャラになりがちだな
たまには脳筋系も見たい
451名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 06:00:48.39 ID:DeaieSV0
>>450
キモウトなら「無題2」とか「妹はアマゾネス」とか。
452名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 10:59:49.13 ID:1f5CaRUU
策略など使わない脳筋キモ姉だと現代物だと逮捕されちゃうんだよな
簡単に脱獄出来る死刑囚キモ姉まだ?
453 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/02(木) 19:09:21.38 ID:4kAaeefJ
ながれをぶった切って投下します。
454 ◆CFijSuuGxoVc :2012/08/02(木) 19:11:11.38 ID:4kAaeefJ
『どうやったら、二次元の中に入れるのか』

今日の議題はこれだった。
「モニターに頭を突っ込めば」
「それは何度もやった、液晶が薄いから、ブラウン管のモニターわざわざ買ったけどだめだっただろ?」
42インチ液晶、29インチ、32インチブラウン管、3台おしゃかにした。

「LANケーブルを自分に挿す」
「それもやっただろう、体中のアナというアナに、ハブから何本も挿したじゃないか」
別の世界が開きそうになったけど。。。

「電話回線を、「同じことをいわせるな」

「催眠術で、「それでは、脳内再生とかわらん」

「例の神社にお参りして、」
「去年も、今年もいったじゃないか」
いわゆる聖地巡礼ってやつだ

うーーーーーーーーーん

3人同時に唸る。
「だめだ、何も思いつかん。」
「真剣に考えてるのか?、我々はこれだけ愛しているのに、「み○びちゃん」や「○ク」、はてはオリキャラまで
このあふれんばかりの愛を注ぎ込み、フィギュアと呼ばれる芸術品を通して、脳内再生はされるものの
目の前には何も存在せず、ホログラフィでは触れられず、この熱い思いを・・・」
リーダー的存在のめがね野郎が雄叫びを上げるように演説をぶちあげる。

「決まっているでしょう?できることはすべて行い、無謀と言われても行ってきた。だからこそ我々は」
バンダナをつけたメガネ2号はこぶしを胸に涙を流さんばかりに叫ぶ。

「うるさいな、とりあえず落ち着けよ。また隣から怒鳴り込まれるぞ、困るのは2号だろ?」
と説得するのは、オレ
頭ぼさぼさで、不健康そうな青白い顔なオレ。
「どうでもいいけど、腹減った・・・」
とつぶやく。

「そこに、ラーメンがあるからそれでもくっとけ」
と2号
「まあ、いい。そういえば夕飯まだだったな、とりあえず今日の定例会議はこれぐらいにしておこう。2号飯にしよう」
「勝手に食べてくれ、買い置きがまだあるから、いつもの場所だよ」

















455【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/02(木) 19:17:24.08 ID:qympa4ev
うわ、いきなりミスった。ごめんなさい。続きます。

そうここは、2号のアパート、いかにもオタクといわれる部屋。
2次元への愛がいっぱいの、ポスター、フィギア、同人誌にDVDの山。所狭しと置かれてある。
閉め切った部屋はかび臭くいやな湿気でいっぱいだった。

今日は俺たち3人の定例会議だった。時刻は夜の9時を過ぎたところ。
夕方に集まった後飯も食わずに熱い議論?を戦わせ、いつもの結論?に落ち着いた。結果は何も出ていない。
世間一般に言われる、いわゆるオタクと呼ばれる世界にどっぷりつかってる。

ところで前述の仲間を含めて自己紹介をしようってそれほどのものではないが。
3人は同級生で、同じ大学に通う1年生である。
リーダーとオレは高校時代からの付き合いで、2号は大学に入ってからコミケがらみで知り合った。
サークルというほどのものではないが、2号の部屋に定例会議と称して
週に2〜3度集まってはオタク談義に精を出していた。

いつからだろう、気が付けば2次元の魔性に取り込まれ、戻ってこれなくなった。
いや違うな逃避したら戻ってこれなくなった、だよな。

現実世界は厳しい。高校入学したころまでは普通だった。
小太り気味ではあったが、ごく普通に高校に通い
ごく普通な生活をし、ごく普通な付き合いで、友人も普通だった。

けれどもある日を境にごく普通な生活は変わった。

そうあいつら「鬼」が結託して、オレを追いかけるまでは。


【リアル鬼ごっこ】姉妹達の性戦。
その日、普通に授業を受け、帰宅部だったオレはいつもの通りに、
幼馴染の陽子と秀樹と一緒にブラブラと帰っていた。

「にいちゃーん」
ポニーテールの少女がとびかかってきた。

ゴフッっといういやな声を出しながらおれは吹っ飛びそうになった。

「・・・ごっほごほげほ・・ててめえなにすんだ!
「愛情表現だよ、兄ちゃん。いつものことでしょ、いい加減慣れなよ」

慣れるもくそも、毎日こんな不意打ちされたら

「そーだよ、ヨシ。毎日毎日やられたら警戒するでしょ、フツー」
「そーそー、兄ちゃんのお腹やーらかくて気持ちいいしー」
「ウンウン、それは同感」
腕を組み妙に納得している陽子。隙あらば、人のお腹を触りに来る変態、もとい、近所に住む幼稚園からの腐れ縁。

「だから、クラブに入りゃよかったんだよ。なんで水泳やめちゃったんだ?そのせいでぶくぶく太りやがって」
「おまえだって空手部はいらなかったじゃんか」
「オレはいいんだよ、道場の方が忙しいからさ」
同じく幼稚園のころからの腐れ縁。秀樹は空手2段の道場跡取り息子。

水泳やめたのは、単にめんどくさくなっただけ、おかげで1年経つかた経たないかで、
10kgは太ってしまった。やっぱ運動は大切だね。

「で、何か用か?」
「ひっどーい、一緒に帰ろうって待ってたのにそんなこと言うの?メールしたでしょ」

メールねぇ、と携帯をみると、メール着信26件、いつものごとくたまってる。
どれがどれだかわからないから、そのままほったらかし。

「あーごめん、メール見るの忘れてたわ」
「もう、いつもそうだよね、だいたい兄ちゃんは、」
とお説教が始まる。いつものことだね。はいはい。

軽くスルーしながら、
「さて、ス○バでも寄ってかえろうぜ」
「えースタ○より、モ○バの方が、うーんフレッシュ○スかなぁ」
「俺は、腹減ったし、ファミレスの方がいいかな」

「ちょっとお、置いてかないでよ、姉ちゃんが寄り道せず帰ってこいって言ってたでしょ。」
と俺の左手をからめとり、ズルズルと引っ張って行かれた。

「また明日ね〜」
「明日古典あるから、辞書忘れんなよ、蛍ちゃんまた後で〜」

と友人達はあっさりといつものごとく手をふった。
そうですか、助けもなしですか、まあ何をしても仕方がないのはよくご存じで
さすがは幼馴染ですね。

「ところで、わが妹よ、いつまで俺は引きずられれば?」
「兄ちゃん、重くなったね。いいトレーニングになるよ。」
こいつは、妹の蛍(けい)15才中学3年生。
空手3段、さっきの秀樹の道場へ通っている。
将来は秀樹の嫁さんにと道場主である秀樹のお母さんから本気で誘われてる。
秀樹曰く、俺なんかかなわないし、そんな気も一切ない。恋心なんてなく、どちらかといえば、恐怖心の方が勝ってるよ。
お願いだから蛍ちゃんにはだまっててね。とのこと。

顔も兄というひいき目を差し引いても、かわいい。
身長も俺とほぼ変わらず、女性としては高身長のスレンダーガール。
髪はスポーツ少女のくせにロングで、ポーニーテールにまとめてる。
一度邪魔にならないのか?と聞いたことがあるが、これはこれで武器になるからと、よくわからない回答。
ムチにでもするんだろうか?

筋肉質なのかというとそうではなく、どこもかしこもひきしまっているが柔らかい。
なぜそんなことを知っているかというと、このような過剰なスキンシップがあるからだ。
ちなみに俺の左腕に絡めてはいるが、スレンダーなおかげで、何か当たっているな?
という程度のつつましやかな感触があるぐらい。

「何か失礼なこと思ってなかった?」
「ん?あいかわらずスレンダーで、かーいーなって」
ほぼ棒読みではあるが、そんなことを返してみる。

「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜かーいーなんて、そんな本当のこと」
オレを解放し、両手をほほに当てクネクネと腰を振っている。

いやそんな漫画のようないかにもなカッコ。
スルーしてさっさと家路につく。

「だーかーらー待ってってばぁ」
ポニーテルを揺らしながらかけてくる蛍。
モテるはずなのに、なぜオレなんかに?
そう、昔から重度のブラコン患者である。
小さなころからまとわりついてきたが、中学入ってまで一緒に風呂に入ろうとしたり、添い寝して来たり
さすがに両親に止められ、部屋も別れさせられたが、その後もあきらめず元気に突撃してくる。

色々説教らしいことも言ってはみたが、あまりの頑固さに、両親共々俺もあきらめてしまった。
そのうちそのことが普通になり、なれてしまった。
たまに目が血走って獣のようになるのは、さすがに引くが。。。


そうこうしているうちに我が家に到着。
「ただいま〜」
・・・・タッタッタッタッタッ
「・・・・ゴフッ」
「おっかえり〜〜〜、ヨシ君♪」
とびかかるのはうちの血なのか?

俺の胸にスリスリとほほを擦り付けるのは2つ年上の光(ひかり)姉さん。
高校三年生18歳、わが高校のミスコン2年連続第一位。
今年はグランドチャンピオンとかで出られなかった。
さすがに周りの羨望と嫉妬があったのか、学校側が配慮したのか。
その上学業優秀。こちらも3年間一位の座を一度も明け渡してない。

もっとレベルの高い高校にも行けたはずだが、
本人曰く、家から一番近いし、歩いて行けるからとのこと。
なんだそりゃ?まあ俺も同じ理由だったのだが。

ウェーブのかかった明るい茶髪のセミロング。身長もこれまた俺と同じくらい。
わが兄弟姉妹はほとんど同じ背丈である。
そのくせ出るところは出て、ひっこむとことはひっこんでる。
いわゆるボンッ、キュッ、ボ〜ンのグラマラスボディってやつ。
現在DからEになって肩がこるのが悩みだそうな。
いちいち嬉しそうに報告されても困るが。
おっとりとした外観そのままに、おっとりとした性格ではあるが、秀樹の道場の師範代でもある。

当然道場主であるおばさんも秀樹の嫁にと誘っているのかと思っていたが、
秀樹曰く、『・・・夜叉』
との一言でそれ以上語らなかった。
何があった?秀樹。
トラウマになるようなことがあったのだろうか。

「ちょっと姉ちゃんなにしてんのよ、兄ちゃんから離れてよ〜」
と蛍がオレを引っ張るが、姉はびくともしない。

そうやっぱりこの姉も立派な?ブラコン患者でした。
こちらも両親共々俺も、以下同文。

「え〜蛍ちゃんはずっと一緒だったんでしょ〜、お姉ちゃんにもヨシ君成分わけてよ〜」
「ずっとじゃないわよ、帰りにチョコッとだけよ。蛍もまだ足りないんだからー」

普通2人のかわいい、美人な2人から迫られたら、
それこそ『これなんてエロゲ?』と喜ぶような状況なのだろうが、
毎日毎日やられると、もうなんというか、うっとおしいだけで、

「え〜じゃあじゃあ、二人で半分づつでどお?」
「しょーがないなあ、じゃあ姉ちゃんは右ね。蛍は左。」
「えへへ、ヨシく〜ん」
「にいちゃ〜ん」
なんだこりゃ、いい加減うっとおしいが、とりあえず二人を引きずりながら、自分の部屋へ入る。
しかし、まとわりつかれ着替えようにも、着替えられない。

「・・・・・いい加減にしていただけないでしょうか?、お二人とも」

「え〜まだ足りないよぉ」
「・・・・・姉ちゃん、姉ちゃん」と蛍が姉の袖を引っ張る。

「そんなこと言うヒトは、わかってるよね?」

「・・・ごめんなさい」
「やーい怒られたぁ。」
「蛍も同罪」
「ええ〜なんでなんで、姉ちゃんが悪いんでしょ?」
「やめろといって、やめなかったのは蛍も同じ」
「・・・ごめんなさい」
こうやって二人とも素直に謝るのはいいんだけどねえ。まあ5分ともたないが。

「とにかく着替えるから、出てっていただけないでしょうか」

「え〜手伝うよ」
「蛍がやるからいいよ、姉ちゃん」
「え〜そんなこと言って、また独り占めしようとしてんでしょ」
「兄ちゃん嫌がってんじゃん」
「そんなことないよね〜、蛍ちゃんのこと嫌がってるんだもん。ヨシ君はそんなこと言わないもん」
「蛍にもそんなこと言わないわよー!」
ギャーギャーとふたりしてじゃれあってる。
まただ、ふたりとも寄ると触るとこれなんだから、まあ仲いいのかも知れないけど。

「はい、正座」

ピタリと言い合っていた二人がこちらを向いて正座する。
さすが空手家?二人ともビシッと綺麗な正座してこちらを見上げてる。
なんか、2匹のワンコがお座りして「待て」を言いつけられているような顔。
そういう、愚直というか、素直というかそういうところはかわいいのだけれど。

「とにかく、俺はこれから着替える。手伝いはいらない。わかった?」
二人を覗き込むように、ワンコをしつけるように言いつける。

「「ええ〜」」

「今日は俺の家事当番だから、、何食べたい?二人の好きなもの作ってあげるから」
と二人に近寄り、中腰で頭をやさしく撫でてやる。

二人とも目を細めて、嬉しそうにおとなしく撫でられながら

「う〜ん、ヨシ君の食べたいものでいいよ〜」
「兄ちゃんが作ってくれるなら、なんでもおいしいからー」

「よし、なら冷蔵庫みてから決めるよ、じゃあ、解散」

「ぶ〜、もっと撫でて欲しいよ〜」
「ぶーぶー、もっともっとぉー」
「はいはい、後でね〜」
「絶対だよ〜」
「約束だからねー」

「二人とも道場の時間でしょ?早く支度して、夕食おいしいもの作っとくから」
「「は〜い」」

二人を送り出した後、夕食の準備に取り掛かる。
さてうちの今現在この家にいる家族構成は、俺たち3人兄弟。

両親はというと、今年の初め二人してオーストラリアに移住してしまった。
子供をほったらかして何考えてんだと思うが、事の発端はこの家だった。

築うん十年の建売住宅。去年ローン完済したそうな。
完済記念とかで、両親が浮かれて、オーストラリアへ1週間ほど旅行にいった。
その後すぐに、なぜかオーストラリアで仕事をすることになり、さっさと移住してしまった。

いい加減にもほどがある。

高校受験があったが、やっぱり日本より海外ってのも興味があったし、
当然一緒に行くもんだと思ってたのだが、2人でいくからお前は残れとのこと。
海外ってだけでやっぱり惜しくもあり、そっちに一緒に行きたいと主張したが、

父曰く、てめーで稼いで、てめーで行きやがれとのこと。
行きたいって旅行って意味じゃないんだけど?
でもやっぱり同じことを言われた。

育児放棄じゃないのか?これ?
その癖、蛍や、光姉さんには永住しようぜと誘ったが、
二人とも、ヨシが日本にいるならいかないと断ってしまった。

ザマミロ。オヤジ、どんだけ俺のこと嫌ってんだよ。

母さん曰く、かわいい子には旅をさせよ。男の子は独り立ちするものよと、
やんわりと微笑みながら、そのくせ圧迫するような黒いオーラが背後から立ち上り、
結局何も言えなかった。
ようするに2人きりになりたいようだ。いつまでも新婚気分でラブラブでよろしいこった。

母さんからは、二人をよろしく。でも孫はまだいらないから〜
とありがたい言葉を頂戴し、

オヤジからは、とにかく逃げろ、やばくなったら、うーん。まあ子供できなけりゃいいや。あきらめろ。
と投げやりな言葉をかけられ、

どんな両親なんだよ。ほんといい加減にもほどがある。

出発前日の夜、母さんはリビングで姉妹2人となにやら話し込んでした。
たまたまお茶を飲みに来たオレをみて、3人の目が鋭く光り、
ビビった俺は這う這うの体で、自分の部屋に退散したのは忘れたい思い出。食われるかと思った。ホント。。。
いったい何を相談していたのだろう。

次の日、オヤジは娘二人から離れるのは忍びないといいながら玄関でだだをこねていたが、
母さんに押し切られというか、引きずられ旅立っていった。
オヤジより母さんが強いのは、うちの男性蔑視、女尊男卑家系なのだろうか?
そういえば、ばあちゃんもつよかったな。。。オヤジはいわゆるマスオさんで入り婿らしい。。。
さてと、結局姉さんの好物である、肉じゃがと、蛍の好物である出し巻卵、
それからさんまを焼いて簡単に済ませることとした。
まあ二人とも育ちざかりで、食べることは食べるので、量だけは大目だけどね。

「ただいま〜ヨシ君」
「だだいまー兄ちゃん」
といいタイミングで2人が帰ってきた。

「お帰り、ちょうど夕飯もできたから、シャワー浴びて着替えといで」
「ん〜わかった〜、でもその前に、ただいまのギュー」
「蛍も〜」
「はいはい」
とふたりを軽くハグして頭をやさしく撫でてやる。毒されてきてるよなーオレも。

そんなことを考えながら、ふたりに胸をスリスリされていたが、
そのスリスリが段々上に上がってくる。
オレの顔に近づいてきたところで、

「はーい、ストーップ、飯が冷めるから、はやくシャワー浴びといで」
「ぶ〜っ。もっとマーキングしなくちゃ、姉さんのフェロモンが消えちゃうよ?」
「えー蛍の匂い、嫌なの?こんなにいい匂いなのに」

「はいはい後で、後で、お腹減ってんでしょ?」

「「は〜い」」

二人があきらめて風呂に行く。
なぜかうちは建売のくせに風呂場だけはでかい
。『5人入っても大丈夫』とは、この家のキャッチフレーズだったそうだ。
母さんいわく、女の子2人いれば、私を含めて一緒に入るくらいじゃないと、
いつまでもあんたたち風呂に入れないわよ。
と言っていた。
うーんたしかに時間かかるもんな。
おかげで湯船はゆったりとして、3人ならんで入れるもんし、

いや、今は一人だよ。

突撃対策として、できるだけ二人が道場に行っている間に入るようにしているしな。
道場の練習がないときの攻防戦は大変だけど。

二人が入っている間に味噌汁を作ってと。

ん?また知らない小瓶が増えている。
なんだこれ、調味料か?
光姉さんか、蛍か?

やばそうなので、中身を確認。無色透明。これだけでもう廃棄確定。

他にはないだろうな?塩、こしょう、七味に、一味、あとは、山椒に、ガーリック、
こんだけありゃいいだろってまだあった。

なんだこれ?なんか粉砕したような、ああもう、廃棄廃棄。
やばいものはすべて廃棄だ。

前みちゃったもんな、二人が何やらゴソゴソしてたの。
二人とも碌なことしやがらん。後で説教してもいいけど
後が怖そうなので、とりあえず知らんぷりで廃棄。

そうこうしているうちに味噌汁も出来上がり、二人がでてくるのを待っていた。
何気なくポケットの携帯をみる。
メールが32件。
確認すると、光姉と蛍の二人からがほとんど、そのうち一件が陽子と、秀樹。
陽子からは、明日の授業のことと、今度秀樹と3人で買い物に行こうとの誘い。
簡単に週末ならOKだと返事。

秀樹からは、一言

『逃げろ』

はっ?

なにがあった?着信は1時間前。あわてて電話してみる。
2人が帰ってきてぼちぼち30分が経つ。

つながった。

「おいどうした?」
『・・・逃げろ、とにかくすぐに』
「どうしたんだよ?今どこだ?」
『俺のことはいいから、今すぐそこから、逃げろ、じゃないと二人に』

いきなり切れた。というか聞こえなくなった。
濡れた髪のままの姉が後ろからオレの携帯をひったくったのだ。

「ど〜したのかな?ヨシく〜ん、お姉ちゃんに見とれてるの〜?」
いつもの口調ではあるが、声が低い。
これは?
「ま、またバスタオル一枚で、な、なにしてるんだよ」
思わず声が震えてしまった。

やばい。頭の中で逃げろと警報が鳴り響く

「なーに姉ちゃんにみとれてるのよー、蛍のこともみてよー」
こちらもまた声が低い。かっこうはバスタオル一枚。
どころか、見えてる見えてる
ちょっと寂しい胸が、ゲフンゲフン。

「け、蛍もほら、風邪いひいちゃうからすぐに頭もかわかして、
寒い胸がじゃなかった、寒いから、ほ、ほら」

「うふっうふふふ」
「ふふふふふふふ」

二人してオレに寄ってくる。やばい、これはやばい。久々にやばい。まさか二人同時攻撃とは
まわりを見舞わし、自分の部屋に逃げ込むか、いや、この二人の方向だ。
突破できない。逃げ込んだとしてもこの状態ではドアをけ破られる。
そうなれば、監禁必至、童貞必死。

リビングの窓、開けっ放し、
そこだ!

ダッシュで、リビングの窓から脱出する。
振り返りもせず、ふたりが飛び掛かってきたが、間一髪庭から表へ飛び出した。
はだしのまま、しばらく走って、後ろを振り返る。それ以上はさすがに追ってきてはなかった。
463 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/02(木) 20:00:48.11 ID:4kAaeefJ
はいとりあえず1話投稿終了です。
誤字脱字、表現間違いその他もろもろごめんなさい。

一応2話までは書き溜めてるので、今夜もう一度投下します。
それでは
464 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/02(木) 22:16:34.25 ID:4kAaeefJ
>>462の最後は以下に修正です。

ふたりが飛び掛かってきたが、間一髪庭から表へ飛び出した。
はだしのまま、しばらく走って、後ろを振り返る。それ以上はさすがに追ってきてはなかった。

と、とにかく秀樹のところに避難しよう。

何度も見直したつもりなんだけど、なれないPCで打った上に焦って投下したら見落としてました。
ごめんなさい。他にも意味不明なところも多々ありましたが、脳内変換でお願いします。
2話目はもう少し構成してから投下します。今日中にはなんとかけりつけたいところですが
465 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/02(木) 23:07:46.10 ID:4kAaeefJ
とりあえず2話目投下。見直したつもりですが。
とりあえず行きます。
忘れていた。そう二人は月経直前だった。

どういうことかというと、
まずは、光姉が中一のとき、初潮を迎える直前の日、オレは姉につかまった。
いつものごとく、抱きつかれてスリスリされていたが、おれの股間をまさぐり出した。
その上大事な大事なマイサンを引っ張り出して、愛おしそうに舐めようとした。
オレはびっくりして大声を上げ嫌がった。
ほぼ母さんの目の前での犯行だったため、すぐに取り押さえられた。
姉は母の部屋に連行され、2時間ほど2人は出てこなかった。
その後、母に呼ばれ、母のベッドで眠る姉を見ながら、母にこう告げられた。

母さん曰く、あなたは何も知らなくても大丈夫、母さんがいるからね。
けど、母さんがいないときは、秀樹君のところにでも行きなさい。
秀樹君のおうちには、いつでも行けるように私から言っておくから。
とのことだった。

姉の身に何が起きたのかわからなかった。
それを知るのは、それから2年後、蛍の時だった。
蛍が小6の秋、同じく、いつものようにじゃれつかれていたのだが、
またも股間に手を伸ばされ、大事なマイサンを引っ張りだされ、咥えられそうになったとき、
(なぜに同じシュチエーションなのかはしらんが)
姉が登場。蛍は姉に押さえつけられ、母の元に連行されていった。

母の部屋に、今度は母と姉と蛍3人で入り、またも2時間ほど出てこなかった。

その後、オレが呼ばれ、蛍が眠るベッドの前で、姉も交えて話された。

月経直前になると異常に興奮が高まり、どうしようもなく性欲が高まって、
理性が吹っ飛び、自我を抑えきれなくなる。
特に我が家の血筋はその症状が目に見えて濃厚で、母も若い時にはどうしようもなかった。
ただ、子供を産んでからは、人並みになった。とのことだった。

「だからね〜お父さんはがんばったのよ〜きゃー、高校入ってすぐに知り合って、即結ばれてぇ〜
今思い出しても。いや〜ん」
なにが、いや〜んだ。年頃の娘、息子の前で何のろけてやがりますか。
なんだこの母は?

姉をみると、顔を赤くして、何故か潤んだ目をしてオレを見つめていた。

なに、なんなの?あんたモテるんだから、よそでお願いします。
あなたなら速攻解決でしょ?
と思いながら、にじり寄ってくる姉をよそ目に 母にこう言った。

「とにかく何とかしてくれ」

結局、予定日前に、母が2時間ほど部屋に監禁?した後は、
普通?にイチャこらされる程度のスキンシップで収まっていた。
生理日からは、二人ともよほど重いのか、ほぼ動けなくなり、オレに構うこうとができなくなる。
おかげでそれからの1週間程度は俺にとって二人の負担が一人に減り、俺のストレスも軽減された。

両親が出て行ってからは、二人の予定日はカレンダーに書き込まれ、
その前後日の3日間は、オレは秀樹の家に泊まりに行くことになっていた。

まさか二人重なるとは。たしか予定日は2〜3日後だったような気がするのだが。
わりかし二人とも正確な周期だったはずなんだけどなぁ。
と普通の男子が知らないようなことを考えながら、とぼとぼと秀樹の家に向かう。

「ヨ〜シ君、み〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っけ」
「兄ちゃ〜〜ん、どっこいっくのかなぁ〜〜〜〜」
!!!
秀樹の家の前にいる二人。
町はそろそろ晩秋で冷えるこの時期、ふたりともタンクトップに短パンで
月の光に照らされた、光る白い肌を露出させ
っておいおい風邪ひくぞと呑気なことを思った。

まいった。逃げこめるところがない。
やばい、裏から逃げ込むか?
いや、二人相手ではさすがに分が悪い。
と、とにかく今は逃げることが優先だ。

そのまま踵を返し、ダッシュする。
くっそー、体が重い。水泳やめてからこっち体使ってなかったから、
ものの5分とすぎないうちに息が切れる。

どうしよう、振り返ると、
二人とも涎をたらしたオオカミのごとく、ものすごい形相で追っかけてきている。

「にっいっちゃ〜〜〜ん。まって〜〜〜蛍の密はおいしいよ〜〜〜〜」
「ヨッシく〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。お姉ちゃんの方がおいしいよ〜〜」

・・・・・だめだこりゃ。

こんどGPS機能のついた発信機でも探しに秋葉に行ってみようかな。
秋葉か、いったことなかったよなあ、
秋葉といえばメイドか、それもいいなぁ。
とそんな危機感が薄れるようなことを考えながら必死で逃げる。

そうこうしているうちに、この辺では一番大きな公園に逃げ込む。
幸いこの国にはいないはずのホームレスの人もいない公園だ。

しばらく走って、後ろを確認。
よし、いない。そっと木陰に伏せる。まさかのスネークのように。
息を整え、辺りの気配を伺う。5分、10分、どれぐらいたっただろう?

辺りに気配もなく、そろそろ大丈夫かな、
さてこの後はどうしよう。

公園の公衆トイレ。確か綺麗だった。障害者用トイレなら、簡易ベッドもあったし。
ああ、でもあそこは夜中鍵がかかっているんだよな。

漫喫は、とポケットをまさぐる、小銭がいくらかあるだけ。
まいったな。

他のやつに泊めてもらうにも、携帯もないし、だいたい今何時だろう。
とにかくここを離れた方がよさそうだ。

ペロ〜〜ン。
「うひゃうっ」
変な声が出てしまった。

首筋にべっとりと涎が。

「に〜いちゃ〜ん、おいしいよ〜、おかわり〜〜〜〜〜」

ペロペロ〜ン。
「ヨシく〜ん、お姉ちゃんは首だけじゃいやだな〜。もっといろいろペロペロしたいよ〜」

お前ら妖怪アカナメか?
そんなあほなことを思いつつ、
二人が覆いかぶさってきた。

背中にムニョンと柔らかい感触。
またノーブラか。気持ちいい〜
じゃねーよ。それどころじゃねーよ。

「にーいーちゃーん、私だってあることにはあるんだからねー。オラオラー」
と頭にちっぱいの感触。
妹よ。やっぱり寒いよ。ってんな場合じゃねーよ。

「いいでしょ〜、おねえちゃんのおっぱい。もっときもちいい事しようよ〜」
足れてもしらねーぞ。もったいないお化けがでて来ちゃうぞ。

だめだつっこみの魂がオレを焚きつけるって話進まねーよ。
ともかく必死で抵抗しつつ

「なんでわかったんだよ、わからないように伏せてたのに」
「そんなの、匂いでわかるよ、ヨシ君」
「わからないわけないじゃない、兄ちゃんのこんないい匂いを」

お前らやっぱりワンコだろ。いや今の二人はワンコじゃないな、オオカミだな。
オオカミも人に慣れて飼えるとかいってたし。

ん?ワンコなら、
!!!!!
おおその手があったか、下手すると逃げられんかもしれんが、背に腹は代えられん。
イチかバチかだ!!

うつ伏せ状態から仰向けになり、二人を受け入れる。ように見せた。

「まあ、まて、ふたりとも、このままじゃあ二人を愛せないから」
「愛するだなんて〜嬉しすぎ〜。お姉ちゃんがもっと愛してあげるよ〜」

「まあいいから、今ズボン脱ぐからちょっとどいて」
「そんなこといって逃げるだろ、兄ちゃん」
ガルルという威嚇の声が聞こえてきそうな声。

「今更無駄だろ、この状況じゃ。それにズボン脱いだら逃げられないよ」
「それもそーよねえ。いいわぁ、ヨシ君のストリップ、それだけで、ああ〜ん」

女の子座りしてへたり込む光姉
それを見た、蛍も

「ズボンを脱ぐ、ハアハア、いいよ兄ちゃん、いっきに、いっきにいっちゃって」
同じくへたり込む蛍。オヤジくせえな、おい。
とにかく、ズボンをゆっくり脱いで、

「フゥフゥ、はやく〜、じ、じらさないでよ〜」
「ハァハァ、何これ何これ、濃厚な、に、匂いが・・」

ここまでとは。。。兄ちゃん情けなくて涙も出てこねーよ。

しかしホントにこの二人ワンコのうまれかわりじゃないだろうか。
お座りをして餌を前にしたワンコたちが涎を垂らして「マテ」をしているように見える。

とにかく、手を打たないと、焦るなぁ、焦るなぁ・・・
ズボンを脱いだとたん、飛び掛かろうとした二人の機先を制し、

「マテ」

条件反射か、二人が止まる。

「もう1枚だから、ここで止まっても面白くないぞ、匂いも、味も堪能したいだろ?」

「におい・・・これ以上のもの?」
「あ、味も芳醇な、におい以上の?」

「・・・そうだ」

「「フォ――――――――――――――――――――――――」」

ふたりで雄叫び上げるなよ・・・
なんでこんなことに、
ちょっと気持ちが萎えるが、ここは明日のために、未来のために我慢だ。
と自分にいいきかせる。

さてパンツに手をかけてって
二人の目は飛び出さんばかりに凝視している。

一気に脱いだパンツを
「ほ〜ら早い者勝ちだ、1日はいて、その上、走り回ったから汗とその他もろもろで濃厚だぞ」
二人の目の前でフリフリさせる。
二人の目線はパンツに釘付け。

ヨシいける!

「そーお〜れーーーーーー」

と振りかぶってパンツを丸めて道の方へ投げる。
二人はそのまま、パンツへととびかかっていった。

今だ!

ズボンをひっつかみ、マイサンがぴったんぴったんいってるが、気にせず反対方向へダッシュ。
後ろも見ずに必死で逃げる。
これで警察にでもつかまったら、下半身露出した男の事案が発生とかなんとか・・・
ああいやだ、まだオレには未来があるんだ、あるはずなんだ!

公園の反対側に飛び出したオレは、とにもかくにも、ズボンをはいて、ダッシュ!

・・・のはずが
は、はさんだ。
こ、これは、や、やばい。
チャック、YKKめ、なんて頑丈なんだ。
しっかりしろマイサン。
傷は浅いぞ、後で舐めてもらえば

って違う!
だいぶオレもいっちゃってるかも、思考が混乱してるんだろう、たぶん。

とにかく逃げないと。どれだけ時間が稼げるか、わからない状況だ。
その時、

「ヨシ?、ヨシなの?大丈夫?」
うずくまる俺に声をかけてきたのは陽子だった。

「だ、大丈夫。ちょっと挟んだ、いや、そのダッシュしたから腹がいたくなっただけ」
と股間を押さえる。

「陽子こそ、なんだこんなところに?」
「秀樹から、ヨシがやばいから探してくれって」

あ、あいつ、秘密しゃべりやがったな?

「ええっと、どこまで聞いてる?」
「あの二人が凶暴になって暴れる。毎月一回そうなっちゃうから、
ヨシが一晩だけ泊まりに来るんだけど、その日を忘れてるみたいだから、探してくれって」
暴れる?ああ、そうか、秀樹にも言ってなかったな、

毎月一回『盛る』って

まあまだその方がいいか、とにかくこの場所から離れないと。
「とにかく、逃げないと。陽子、どこか隠れるようなところしらないか?」
「うちに、うちに来ればいいよ」
「いや、でも」
「秀樹んちは、だめなんでしょ?だったらうちならかまわないから」
「わかった、とにかくここから離れよう」
二人でとにかく逃げる。

マイサンが悲鳴をあげてるけど。
ちょっと短いけど2話終了です。
ありがとうございました。
3話以降は出来るだけ早めに投下してとっとと終わらせたいと思います。
お目汚し失礼しました。
472名無しさん@ピンキー:2012/08/02(木) 23:45:18.99 ID:1f5CaRUU
新作GJ
発情期キモ姉妹はキモイ
まだキモ姉妹いるのかな?
473ブラック☆プラチナスオード:2012/08/03(金) 01:24:51.85 ID:7kwQwBc1
まあ盗作厨のお陰でエロパロ板でも刃鳴散らすの知名度が上がった事については感謝してやらなくもないが。
474名無しさん@ピンキー:2012/08/03(金) 03:11:38.75 ID:M7MIguC4
これは…幼馴染さんも発情フラグですね
僕もチャックで挟んだわけじゃないんですけど痛いんですよ…
どうしてでしょうかね(^ ^)
475名無しさん@ピンキー:2012/08/03(金) 09:05:59.97 ID:7cV+WC5C
>>471
乙乙!
476 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/03(金) 09:22:40.83 ID:a/3ngw9W
さて3話目です。これでホントに書き溜め終了からっけつです。
やっぱり短いです。
この先の展開どうしよう。
行きます
股間を押さえ、這う這うの体で、なんとか陽子のうちに逃げ込めた。
玄関でなんとか息を整える。

「とにかく、あがって今日両親いないけど、お茶くらい出すよ」
「ハァハァ、ごめん。できれば、冷たいもの水でもいから」
「うん、わかったリビングでまってて」

勝手知ったる幼馴染の家。とにかくあげさせてもらう。
リビングに入りソファに寝っ転がる。

どうしてこうなった?

そんな益体もないことを考えつつ、息を整える。

気がつきゃ、身体のアチコチが痛い。

「お待たせ〜って」
ガシャンとコップが落ちる音。

慌てて起き上がり音のする方を見ると、陽子が顔を両手で押さえて
こちらをみていた。指の隙間から。
耳まで真っ赤なのはなぜだ?

「あーあー、大丈夫かよ」
「大丈夫じゃないわなよ、そ、それよりあんた、なんでそんなもの」
「はあ?何言ってんだよ、落ち着けよ」
「落ち着けるわけないしょう?と、とにかくそれしまってよ。それとも見せつけたいの?」
「わけわかんねーこと・・・ん?見せつける?」

陽子の視線の先は俺の・・・マイサンがぐったりしてる。
うっわ忘れてた。つーか痛いよこれ!!いろんな意味でイタすぎる。

ヒリヒリとした痛みと人間としての尊厳というか、羞恥心というかとにかく痛かった。

「早くしまってよ。早く」
「いや、そのしまいたくても、挟んじゃってしまえないんだよ、動かそうにも痛くて・・・」
「ええー!大変じゃない。ちょ、ちょっとまっててペンチ、いや、釘抜きかしら」

ちょっと待て。釘抜きってなんだよ?
何を抜くんだよ!
てか抜けねーよ!!
つーか、オレの、オレのマイサンは釘並みなの?
・・・モノスゲー傷付いたんだけど!
せめてポークビッツぐらいってどうでもいいわ。

「えっとロウソクか何かある?なければ、油、そうサラダオイルでもいんだけど。」
「ロウソク!そっちのケがあったの?そんな赤いロウソク、低温ロウソクなんてないわよ」

やけに詳しいなおい!つーかそっちのケてなんだよ。ああーもう!!

「何考えてんだかしらないけど、チャックにロウソク塗って滑りやすくすんだよ」
「ああ、そういうことね、ちょっとまってて仏壇に確かあったはずだから」
「ついでに消毒薬か傷薬も一緒にたのむ」
「わかったー」

なんなんだよいったい。とソファに腰掛ける。
とにかくなんとかしないと、痛すぎる。
足を広げ、股間を見る。マイサン頑張れあと少しだから

向こうの部屋からなにやらガシャガシャとモノが落ちるような音がするが、あえて気にしないでおこう。
しばらくして陽子がロウソクと薬箱をもって走ってきた。

「おまたせ、さあ、こっちむいて」
「いいよ、オレ一人でできるから」
「ちゃんと見ないと、大事なところなんだから困るでしょう」
「大事なところだから見せたくないんだよ」
「何を今更、散々見せつけといて」
「見せつけてなんか」
「いいから、こっち向いて見せなさい」
力ずくで両手を股間から外され、マイサンはぐったりしたまま、初めましてのご挨拶。

・・・・・

いやあの、ちょっと陽子さん?
「何よ?」
真っ赤な顔してそんな見つめられても、つーかー何その目、なんでそんなに血走ってるのでせう?

おもむろに、ソファに座らされ、股間を凝視されるの図
ほんと『これなんてエロゲ?』
チャックに挟まれてなければ、すごくエッチなシュチエーションなんだけど、
わがマイサンはピクリとも反応しない。そらそうだわな。

とにかく、いつまでもこうしているわけにもいかず、
「お〜い陽子さ〜ん?、とにかくロウソク貸して?」
「え、あ、あそうか。ちょっとまって今やるから」
「いや、貸してもらえれば、」
「いいから!!」
もう、好きにしてください。

そっとマイサンに触れる陽子。
「へーこうなってんだね」
興味津々はいいけど、やさしくしてね。
・・・

マイサンを持ち上げ、チャックにロウソクを塗っていく。
微妙に痛いが気持ちいい。
こころなしか、マイサンに生暖かい息がかかってるような。

ゴリゴリとチャックにロウソクを塗っていく。
文字通り息が詰まるような時間。
陽子の顔はうつむいているために、どんな表情をしているかはわからない。
ただ、マイサンをやさしく持っている手が、やたらと熱かった。

「ちょっとひっぱるわよ」
「・・・痛くしないでね」
普通逆なんじゃない?このセリフ。
馬鹿なことを考えてって

イタ、いだダダダダだぁあ。か、カワが引っ張られて、仮性だけど、裏筋がってああああああああああ

「あと、もうちょっとだから、ああもうこの!」
「うぎゃ、ちがう、そっちを引張たら、おいまて、握るな、握力強すぎ、潰れるから、
マイサンが、息子が、竿が、皮がががががががががあああああああああああああぁぁぁぁぁ・・・」

「うるさい、えーい!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
「や、やったわ!外れた、はずれたよ、ヨシ!」

外れた?マイサンは無事なのか?さっきから痛みがって

「・・・いつまで握ってらっさるのでせうか」
「あっご、ごめ、だだ大丈夫?」
大丈夫じゃないから、どんなSMだよ。陽子さん、いや陽子様っていわなきゃいけないの?

とにかく股間をのぞく。挟まっていた皮のところは、赤く内出血しているが、
特に竿本体は無事なようだ。よかった。

「と、とりあえず消毒して傷薬を」
「いやいいから、とりあえず、切れてもないし、出血もしてないから」
「うそ、ちゃんと見せなさいよ」
「いやだからもう大丈夫だから」
「大丈夫ならみせられるでしょ?早く!」

有無をいわせない力強い言葉におさえつけられてしまった。
しぶしぶ足をひらき、そっとマイサンを持ち上げ見せる。

「んーよく見えないけど、ちょっと手を放しなさいよ」
あーもー好きにして〜
陽子の右手で再度持ち上げられた。マイサン。
でもヒリヒリした痛みのせいか、ピクリともしない。大丈夫かマイサン?傷は浅いぞ

「ここかなあ?」
「イタッ痛いって。や・さ・し・く・シ・テ」
馬鹿じゃなかろか、ボケてみたけど。

「これかあ、これなら大丈夫そうだね」普通にスルーかよ・・・

ペロ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

「な、なにすんだよ」
「いや、痛いところなめたらなおるってばっちゃんが」
「どんな民間治療法だよ、それは傷だろが?それにここは」
「いや同じでしょ、なんかしょっぱいけど、なんとも言えないあとを引くような」

ペロペロ

「いや、もういいから、大丈夫だから」
必死で陽子を頭を押さえ、引っペがそうとする。

「いいから、黙って、じっとしときなさい!」
「いやあの、」
「なにこれ、しょっぱくて生臭くて、なのに離れられない」
それでもマイサンはぐったりしたまま。ガンバレ!マイサン
いやがんばったら色々ダメなような気がする。

・・・ちょっとまて、
落ち着け、状況を整理しよう。
1.光姉さんと蛍に追いかけられて、パンツを囮にして逃げだした。
2.そのあと、ズボンを履いたら、チャックにはさんだ。
3.陽子に見つかり、陽子の家に
4.そのあと、水をもらうはずが、マイサンをペロペロ?
?なんだこれ?
色々はしょったけど、結果はこうだよな?
・・・・・ダメじゃん。やっぱ色々おかしいよな!いや男子高校生的にはありなのか?
「あのー陽子さん」
「あに?いま忙しいんだけど」

舐めるのに?まあいいや、いや良くないんだろうけど

「じゃあ、お耳だけ貸してもらえます?直ぐに済むので」
「手短にね」

何様だよ、やっぱ女王様って呼ばなきゃダメ?

「今、何をなさってるのでしょうか?」
「はあ?治療でしょう?」

そうですね。ありがたいことですね。

「治療ですか?ではその治療方法とは?」
「わかんないの?舐めてんのよ」

そう、傷口につばつけるようなものですね。

「いや、だからナニをなめてるのでしょうか?」
「決まってるでしょ、チャックに挟んだあんたの・・・ナニ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二人のあいだに深い沈黙が流れる。

「・・・あのお分かりいただけましたでしょうか?」

ガバっと顔を上げ、俺を見つめる陽子

なんだ?思わずのけぞりそうになったが、次の瞬間、陽子が飛びかかってきた。

「もうだめ、もうだめよ、我慢できない」
な、なんだ?スイッチ?スイッチ入った?

「こ、こんなの見せつけられて、味あわせられて我慢できるわけないじゃない」
いや、味わったのはあんた勝手にって

ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の瞬間、俺は口を塞がれ、口の中を蹂躙される。
うにゅうにゅとうごめく舌が俺の口の中で暴れてる。

「ん、んちゅ・・・ん、んん・・・・・・ちゅっ・・・んうぅ・・・」
「んーーーん、ん〜〜〜〜っぷはあ」
はあ、はあ、息が、酸欠気味なのか、頭がぼぉっとしている。

「なによっ、そっちからもちゃんと返してよぉ」
というわけで、3話終了です。
やっぱり短いですね。どんどん短くなっていってる。
とりあえずHシーンは難しいですね。なかなか思うように進みません。
この後の展開どうしよう。とにかくできるだけテンポよくいきたいなと思ってますけど。
それではまた、お目汚し失礼しました。
482名無しさん@ピンキー:2012/08/03(金) 11:02:49.82 ID:H0ptwOo8
戒厳閣下なら原爆投下してるレベル。
483 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/03(金) 12:05:45.37 ID:a/3ngw9W
そんじゃ、あの、怖い方が来る前にとっとと終わらせます。
またも短いです。とりあえずこれで第一部完ということで
行きます。
「いやあのね、どうしてこうなったのかは聞かないの?」
「なにが?、そんなのどうでもいいじゃない」ハァハァ
いやいやいや、聞くでしょ?普通疑問に思うでしょう?

「とりあえずね、一旦落ち着こう?」
「落ち着いてるわよ。私が冷静なわけないじゃない」



いやそうですね、冷静じゃないですよね、取り乱してますよね。
わかってんじゃん。自覚ありまくり?

「何をいってるか、おわかりでせうか?」
「わかってるわよ、あんたのことが大好きで、今まで我慢して我慢して我慢して我慢して我慢してえぇぇぇぇ」

いや何もおわかりじゃないですね。とにかく、防波堤がぶっ壊れ、感情の波があふれ出していることはわかった。

「いやそれはわかったけど」
「わかってない!、私がどれだけ、どんだけ、どんだけぇ〜〜〜」
セリフにすると某タレント持ちギャグの繰り返しですが、まあ惚れられてるってのはわかった。
ところどころそんな気がするようなことはあったんだけど、てっきり秀樹に惹かれてるんだと思ってた。
まあ、悪い気はしない。
しないけどな。

「ずっとずっとずっとず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとよ。どんだけ長かったか」
「気が付いたら好きだった、けどヨシのまわりにはあの二人がいた。かなうわけないじゃない」
「あんなにきれいで、あんなにかわいくて、おまけにスタイル抜群の優等生、私がかなうわけないじゃないのよ」

「陽子・・・」
「でも、でもね、いつか、いつかは私に振り向いてくれる、きっとヨシは私のこと好きになってくれるはず」
「けれど、いつまでたってもあの二人がまとわりついて、ヨシは振り向いてくれなかった」
「いやでも、陽子」
「いやでもじゃないわよ、・・・そうよね、振り向いてくれるなんてないわよね。あんな二人が傍にいるんだもの」

・・・・・

何も言えなかった。
あいつらのことブラコンブラコンって呼んでたけど、オレだって立派なシスコンだったんよな。
嫌がるそぶりして、結局はあきらめたフリして喜んで受け入れていたんだもの。

陽子をそっと抱きしめた。
陽子は火のついたように泣き出した。
オレの胸のシャツがあっという間に濡れてしまった。

うううううええ〜〜〜〜ん、うぇうぇうぇううううう。うわ〜〜〜〜〜〜〜ん

オレはだまってやさしく陽子の頭を撫でる。

ぶええええええ、うぼああああああああああ、ぐおおおおおおおおおおおん

ええ?いやあの、、なんか違わない?
ここはサメザメと泣いて、いいシーンになって、
お互い見つめて、そのままキスして、
なんじゃかんじゃと朝チュン、事後報告みたいな流れじゃないの?

これじゃ獣の雄叫びだよ。雰囲気台無しだ!

あ〜あ〜も〜なんだかなぁ。オレのまわりはそんなメルヘンは望めないのか?
しばらく陽子の魂の叫びは続いた。
そのうち咆哮がなくなったなと思ったら、泣き疲れてそのまま寝てしまったようだ。

やれやれ・・・

やさしく、そっとソファに寝かせてやる。
陽子の顔を見つめる、顔のアナというアナから、水分が吹き出して、その跡が残っていた。

かわいい顔が台無しだな。
キッチンに行き、タオルを濡らして持ってくる。やれやれと、そっと顔を拭いてやる。
涙と涎と鼻水と、百年の恋も冷めちゃうぞ、これじゃあ。

そうだよな、気が付いたら秀樹と3人いつも一緒で、何をするにもどこに行くにも一緒。
光姉さんや、蛍よりも一緒にいる時間ながかったもんな。

大丈夫だよ、陽子は、光姉さん、蛍と同じぐらい大切な人だよ。

やさしく前髪を上げておでこにキスをする。

けど、なんだかなあ、薄々気づいてはいたけど、まさかオレなんかだとはなぁ。
「そうよねぇ、まさか陽子ちゃんも、ヨシ君好きとはね」
「蛍は知ってたよ。陽子姉ちゃんが、兄ちゃんを好きなこと」

・・・・・・・・・・・・・え?

「どっからわいた!」
「わいたなんて、人聞きの悪い、虫じゃないんだから〜」
「そーだよ。いったでしょ?兄ちゃんの匂いがわからないわけないって」
「てか、なんでじゃなくて、どっから見てた?」

「ん?兄ちゃんが「陽子姉ちゃんは、私たちと同じぐらい大切だって」」
え?オレ口に出してた?

「それぐらいわかるわよ〜」
お前らワンコやオオカミどころか、九尾のキツネのような妖怪変化かよ!

それはまあいい、あんまりよくないような気がするけど・・・

「で?」
「なにが?「で?」なの?」
「どーすんの?」
「なにが?」
「いや、これからどうすんの?オレを襲うの?」
「襲うなんて、そんなことしないよ兄ちゃん」
「そ〜よ、かわいい弟を傷つけたりしないわよ〜」

どの口がほざいてやがりますか、さんざん人を追い掛け回してくれたくせに。

「なんか、走り回ってたら、こ〜ムラムラ?っていうの」
「そーそー激しい情熱は、激しい運動したら消えちゃった」

なんだそりゃ?情熱ってああいうことを言うのか?
いったいなんだったんだよ。

「ちょ〜っと、公園の木とか、街灯とか〜」
「ベンチとかー、トイレのドアとかー」
「まあ、大した問題じゃないけどね〜うふふ」

ん?今なんつった?木とか街灯とか、ベンチとかトイレって何をしたお前ら・・・
「さあもう、夜があけるし〜。お姉ちゃん、さすがにお腹減っちゃった〜」
「蛍もー、兄ちゃんの料理食べてないもんね。早く帰って食べよ―よ」

つか、今何時って5時半かよ。どんだけ逃げ回ってたんだ、オレ。

「とにかく、陽子このままじゃ風邪引いちゃうから、ベッドに寝かせてくるよ」
「じゃあ、お姉ちゃんがしてあげるよ」
「蛍がしてあげるから、あ、でもそうなると、兄ちゃん独り占めされちゃう」
「いや〜ん、じゃあ蛍ちゃん、陽子ちゃんをお願い〜」
「うるさいよ、陽子が起きちゃうだろ?じゃあ二人は、ここを片付けてくれ」
「「は〜い」」

やけに素直だな。まあいい。
さてと陽子を抱っこして、と。そっとそ〜っとね。

勝手知ってる幼馴染の家。陽子の部屋に入る。
久々だな、前は女の子した部屋だったけど、わりかしシンプルになっちゃったな。

そ〜っとベットに寝かせ
「ねぇ」
「ん?起きちゃった?ゴメン」
「やっぱり私、二人にはかなわないかな?」
「んん〜そんなことないよ」
「そっか、大切な人だもんね」
「・・・聞いてたのかよ」

クスクスと笑う陽子。やっぱ笑顔方が好きだな。
「・・・そんな、好きだなんて//」

あれ?また声に出してたの?オレ

「以心伝心ってやつだよ、兄ちゃん」
「やっぱり〜陽子ちゃんも〜私達の〜『仲間』だよねぇ〜」

またお前らは、ん?『仲間』?

「そうよ〜『仲間』よ〜、ヨシ君好き好き連合の〜」
「そうだよ、兄ちゃん大好きっこ倶楽部のー」

なんだそりゃ?いつからオレはアイドルになったんだ?

「そっか、そうだよね、『仲間』なんだよね」

「うふふふ〜」
「えへへへー」
「あはははは」


なんだ?こりゃ?大団円ってやつなのか?
・・・いや違う、違うよな?

オレはこの3人から襲われて、逃げ回ってたヘタレだよな。

鬼畜な考えかもしれないけど、
これから3人で修羅場になって
3人が戦っている隙に、オレは逃げ出して、
秀樹のところに逃げ込む
それで助かった。ホッ

てな展開じゃないの?

そういや、ワンコの習性って『群れ』を作って『仲間』を守るんだよな。
一緒に『狩り』をして、『獲物』は均等にわける。

なんだ、そういうことか、こいつら『仲間』ってことは?

3人の目が一斉にオレに向けられた。
その眼は、ギラついた獣の目だった。
というわけで、投稿終了です。第一部完ということになります。
お目汚しにもならなかったかもしれませんが。

やっぱり短くなってしまいました。
小一時間ほどで書き上げたのでこんなもんですんません。

今回の作品は、緻密なものは考えず、ラノベのような、
明るく軽量かつスピーディーな展開がテーマの一つです。
全体的に書き込み描写をかなり端折ってますので、読みにくいかもしれません。
そこは脳内変換で、補足していただけると幸いです。

いややっぱりHシーンは難しい。もっと話を広げて行くつもりだったんですけどね。
いや安易に流されるのもなんだかなーと思ってたら、なぜかこうなってしまいました。
反省はしてます。

まだ続けるつもりではありますので、
今後の展開については脳筋2人組みどうなるかは、本当にわかりません
その時はお目汚しご容赦ください。

批判についてはドンドンお願いします。これだけ稚拙なものは自覚しているつもりですので
ただ他の人に迷惑になるようなものだけはお避け下さい。
あくまで私宛としうことで。

それでは、また。ありがとうございました。
489名無しさん@ピンキー:2012/08/03(金) 13:02:59.57 ID:8VM4NV1H
一部完結乙
久々にに策を使わないタイプのキモ姉妹だった
490 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/03(金) 13:27:28.52 ID:a/3ngw9W
>>489
つーか力技で押し切ったような。
まあこんな頭を使わない、おバカな作品もありかなと思ったもので。

491名無しさん@ピンキー:2012/08/03(金) 19:06:36.83 ID:6drpFcW0
>>490
おまえ何様だ!
って書こうとしたら書き手本人だったw
492 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/03(金) 19:21:15.02 ID:lyyR3hhx
>>491
すいません。自覚してますw
いや、その他人様にいわれたほうがいいんですけどね。
って別にMではありませんがw


一応続きも書こうとしてるんですけど、
もうちょっと展開できるようにしたいですが、どうしても他のキャラが動いちゃって、
このスレと別の方へ走りそうになって困ります。

コンビ設定ミスったかなぁ。
まあせっかくですので、キモ姉妹と、もうちょっと遊んでみます。
どう動くかですね。動いてくれるかですけど。



493名無しさん@ピンキー:2012/08/04(土) 00:48:28.90 ID:qbr204pS
なんかこういうタイプ(?)の作品久々だな








あかん…自分涙いいっすか?
494名無しさん@ピンキー:2012/08/04(土) 00:51:47.42 ID:3hyzeS79
>>493
夏だなぁ
495名無しさん@ピンキー:2012/08/04(土) 02:26:09.41 ID:WUfekF7r
>>493
ここは18禁だよ僕?
496名無しさん@ピンキー:2012/08/04(土) 09:43:37.81 ID:qpV+QF31
>>493
もっとくわしく。
497名無しさん@ピンキー:2012/08/04(土) 10:01:53.98 ID:i+cb+wu4
>>488
乙でした!
498 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/04(土) 18:05:48.31 ID:qpV+QF31
すいません。第一部完と言いながら、続きになってしまいました。
今回もかなり粗いです。やっぱりおかしいです。
行きます。
わが姉妹だけでなく幼馴染の陽子まで巻き込んでの逃走劇だったが、
結局は朝になり、日が昇ってしばらくしたところで、
わが姉妹は、見事に月のモノが来て、あえなく撃沈。
陽子もなぜか一緒に月のモノがきてこちらも撃沈
おかしいな、まだ来週だったはずなんだけど。とは陽子の弁。
やっぱり 「うつる」のかな?お月さま。
とにかくありがとうお月さま。

そのまま3人とも陽子の家で寝込んで、なぜかオレも看病と称して付き合わされた

そんな状況でナプキン装着をオレの目の前でしようとした二人を
オレと陽子でトイレに押し込んだ。二人とも外でそんなことしてないだろな・・・

「う〜しんどいよ〜お腹おもいよ〜」
「だめだー兄ちゃんなんとかしてー」

ここは陽子んちの客間兼仏間
畳の上に客用ふとんが三つ。
そう三つ。

「私こんなに重くなかったはずなんだけどなぁ・・・」
なぜか、姉妹と並んで、陽子まで。
自分の部屋で寝てりゃあいいものを、まあ看病するこっちとしては楽でいいけどね。

「ヨシ君、お水〜あとお薬も〜」はいはい
「兄ちゃん、蛍もー」はいはい
「ヨシ、私にもお願い」あーもう

お水3人前ご注文いただきましたー。喜んで―。。ハァ
「陽子、薬は?ああ、薬箱の中にあるか?」
「んー入ってるから、すぐにわかるはず」

めんどくさいので、ピッチャーに水と氷を入れ、人数分のコップをお盆にのせて
薬箱をぶら下げて持っていく。
ふすまを開けた途端、静かになったような気がした。

「・・・さて3人で何をよからぬ相談をしてたのでしょうか?」
といいつつ、部屋の隅に追いやったテーブルの上に水ののったお盆を置く。

「え〜なんのことかな?そ、そんなことあるよ、ないよ」
「姉ちゃん、なにいってんのあるわけないでしょ」
「そーよ。何言っちゃってくれやがりますか」

・・・・・お前ら、動揺しすぎだろ?
特に姉さん、あんた、学校一の秀才だろが
勉強できても、頭がいいとは限らないんだな。

陽子も陽子だ。
どうしたんだ?常識人陽子はどこにいったんだ。
お前まで毒されてるのか。


まあいい。
「ほら、水と薬、順番に起き上がって飲んでください」

「ちなみに口移しとか抜かした奴は、1週間は口をききません」

「「「えええええええええええええええ」」」

やっぱりか・・・それぐらいは読めるわ。

「そんな、せっかく一番の権利を勝ち取ったのに・・」
陽子・・・今までそんなノリじゃなかっただろ?なんかイキイキしてない?
何してたんだよ、ホント

「あーもー、もう知らね。もー知らんわ。勝手に3人で飲んでくれ」

「ヨシ君、ヨシ君、怒っちゃや〜」
「ほらー陽子姉ちゃんがいらんこというからだー」
「ええー私のせい?蛍ちゃんだって、本気出すって言ってたじゃない」
「ええーだいたい姉ちゃんだって」
「お姉ちゃんのせいじゃないも〜ん」

ギャーギャーとさわぐ3人。子犬がじゃれついているように見える。
お前らしんどいんじゃなかったのか?

「ちょっと出かけてくるから、着替えとかその他諸々家かえって取ってくるから」

「は〜い。早く帰ってきてね。ヨシ君いないと寂しいよ〜」
「兄ちゃん、兄ちゃん、夜用ショーツ忘れないでね」

妹よ、そんなもの兄に頼むな。いや必要であるとはわかるが。

「お姉ちゃんのも、場所もわかるでしょ〜」

わかる自分も悲しいが。。

「・・・・ヨシ」
・・・そんな目で見るな、陽子。
下着買うたびに、いちいち説明されて、おまけに下着ファッションショーされて。
その上、今は洗濯までして、タンスに戻してるんだから。
心境は母のようなものですよ。

「あ、ナプキンも忘れないでね。蛍のはロ○エの夜用だよ」
「お姉ちゃんのは〜、ウィ○パー〜、いつものところにあるから〜」

おまけにナプキン安いからって一緒に並ばされるオレの身にもなってみろよ。
もう〜あの周りの目、嫌すぎだよ。いつまでたっても慣れないよ・・・


「陽子ちゃん、陽子ちゃん、ヨシ君はね。お姉ちゃんのことならなんでも知ってるんだよ」
「蛍のことも、とーぜんだよ。陽子姉ちゃんは教えてないの?」

「・・・教えるわけないでしょう?」
「「ええ〜〜、そんなんで愛してるなんていえるの〜」」

なに煽ってんだ、このバカ姉妹は!ホント碌なこといわないよな。

「ヨシ、ナプキン洗面所の下の棚にあるから持ってきて、生理用ショーツは、私の部屋のタンスの一番上の右側だから」

・・・・・陽子。お前チョロすぎだろ?
簡単に口車にのるんじゃないよ。

「私もヨシに隠し事なんてないもの、むしろ色々知ってほしいもの・・・」
そんなウルウルした目で見上げられても、そんなこと知っても困りますけど、ああもう。

「わかったわかった」
「ヨシ・・・ありがとう、やっぱりヨシだね」
そんな顔で微笑むなよ。

陽子どうしたんだよ。だめだ、はやく何とかしないと、
バカ姉妹にどんどん毒されていってる。

とにかく、下着とナプキンだよな。
陽子の部屋に入ってと、これかな?タンスの一番上のって、
おおー百花繚乱。
ど、どれだ?なんかいい匂いするな。
ってだめじゃん。オレホントにだめじゃん。
あったこれだ。とつかみあげると一緒にブラが釣れた。

おおーCの70か、結構あるんだな、あいつ。
ってだめだ、さっさと持ってかないと、みつかったら何言われるかわからん

とにかく、ブラを戻してって

ん?・・・・・なんだこの背中に突き刺さる視線。
振り向いたら、なにかあるんじゃないか?
どう考えても、気のせいじゃないよな、なんか汗出てきた。
ここは2階、あの窓から飛び降りてもなんとかなるよな。
たしか庭は土だったし。

「ヨシ・・・」
「ひゃいっ」
声が裏返ってしまった。恐る恐る、ギギギと首をまわし、声のした方に振り向いている。
そこには陽子が

「そんなに気に行ってくれた?」
「はあ?」
「私のブラ、それお気に入りなんだよ。ヨシがいつか見てくれるって思って買った勝負下着」

何をいってやがりますか、このヒトは?なんでそんなに目が潤んでらっさるのでそうか?
スイッチ入っちゃった?

「ああ〜ヨシ君、そんなに陽子ちゃんのブラがよかったの?陽子ちゃんコレどこで買ったの?」
いやいや違うでしょ姉さん?

「下着なんかより生の方がいいよ、兄ちゃん」
お前は、ホント斜め上にいくね。ちょっとは話の流れってものを、いくら寒い胸だからって

ていうかいつの間に二人ともオレの両脇に座ってやがりますか?
ホントこの二人は、気配もなく。

「むー、身体がこんなに重くなかったら、ナマ乳でせまれるのに、ああでもいいのか、乳は関係ないもんね」
やっぱりネジたりないんだろうか?
とかわいそうな視線で蛍を見つめる。


ポヨン

背中にのしかかる重みと柔らかな感触。
「ヨシ〜いつまでかかってんの?はやくナプキンとショーツ、履かせてくれるんでしょ?」

いやいやいやいやいや、そんな約束1ミリだってしてないよ。
いつ決まったんだそれ?なあ陽子さん?

「え〜お姉ちゃんもしてく「しねーよ」」

「蛍は、してくれなくていいよ」
やっぱりやさしいな、お前は。いや当たり前か?

「蛍はやさし〜く、あそこをキレイキレイしてく「ぜってーしない」」
やっぱ、間違いだった。少しでも嬉しくなった俺の気持ちを返せ!

くっそーどいつもこいつも

「陽子、これ置いておくから、実家に帰らせていただきます」
どこかの切れた嫁か?

「いってらっしゃ〜い、早く帰ってきてね〜」
「兄ちゃん、ショーツ忘れないでよ」
「ヨシ、待ってるから」
・・・・・何を?とは聞けなかった。
終了です。ありがとうごウザいました
504 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/04(土) 19:27:50.79 ID:qpV+QF31
ごめんなさい。できたところ一気に行きます。
だめだ、やっぱスレ違いかな
さて、家に戻ってみると、リビングの窓は開けっ放し。
バスタオルはころがって、どこで着替えてんだよ。
あーもーあいつらもうしょーがないなあ。

そうだ、オレのケータイは、ああった。どこまで飛ばしてんだよ。と廊下から拾い上げる。
幸いどこも壊れてはなさそうだ。

着信13件。秀樹と陽子からだった。
陽子はいいとして、秀樹には連絡してなかったな。

時刻は8時過ぎ、まだ授業ははじまってない。
さて昨日のことなんて言おうかな?

オネーチャンダヨー、ケイダヨー、フタリアワセテ ヨシクン ラブダヨー

なんだこれ?
着信ボイス?仲いいなって違う
あいつら、また勝手に・・・・

ま、とにかく着信だ。

「はい?」
『おお、ヨシか?大丈夫だったか?怪我ないか?』
「毛ああ、おかげさまでなんともないよ。ゴメン心配かけたな」
『そっか、それはなによりだった』

「でも逃げろってよくわかったな」
『ん?そりゃそうだよ、氷の微笑がうちの道場で暴れまわってくれたからな』
「氷?」
『なんだよ知らなかったのが、その名の通り、氷のような微笑のまま、冷徹にして確実に、
相手の弱点につけこんで完膚なきまでに叩きのめす、『氷の微笑』』

「・・・」ダサッ

『とにかくさ、お前んとこの二人が暴れまわって、道場全員やられちゃって、いや当然俺もだよ。
さすがに母ちゃんはやられなかったけどさ。』
「すまん、さっそく謝りに」
『ああ、いいのいいの、母ちゃん曰く、受け身も取れずやられるのは、
鍛練が足りていない証拠だって逆に怒られたぐらいだから』
「いやでも」
『ああ、なんか母ちゃんが変わってくれって』

なんだろ?もしかしてお怒りでしょうか?

『あーもしもしヨシ君、久しぶり』
「ご無沙汰しております。この度はうちのバカ姉妹がとんでもないことしでかしまして」
『ああ、そのこと?そのことはどうでもいいのよ、うちのやつらが弱すぎたんだから、
ああ、ちょっと秀樹、あっちいってなさい。母ちゃんヨシ君と大事な話があるから』
「大事な話?ってなんですか?」
『ああ、聞こえてた?そうよ大事な話よ。あなたの大事な姉妹について』

「・・・」

『あなたの大事な姉妹の『盛り』については知ってるわ』
『あなたのお母さんもそうだったし、たぶんそうなるんじゃないかなって思ってた』
『で、前にあなたのお母さんからその話を聞いて、やっぱりって思ったの』
『だいたいこの道場に通い始めたきっかけも、『盛り』を軽減させるため、身体の“内”にこもったものを
できるだけ“外”に発散させるために、私から勧めたんだから』

なるほどねぇ。

「そうでしたか、でも母のことも知っていたって?」
『あら知らなかった?あなたのお母さんとは私は幼馴染で、高校までずっと一緒なのよ』
「はあ、さいで、」
『あなたのお母さんもうちの道場に来てたのよ?中学までは、それはもう強かった。
それこそ全国レベルで。もしかしたら史上最年全日本チャンピオンになってたかも?』
「そこまで・・・」

『そうよ、でもね、そんな大会にも出ずに、街で暴れまわってたわ。街のチンピラ相手にゴロまいて一度も負けなかったし、
つかまりもしなかったけど。』

「なんですか?その黒歴史は、一言も聞いたことないんですけど」
『そりゃそーよ、だれが、息子にそんな黒歴史教えるもんですか、私だって』
「ってことはおばさんも?」
『おばさんじゃないでしょ?友里さんでしょ?まあいいわ、そうよ、一緒に暴れてた。元祖“氷の微笑”よ』
とカラカラとわらった。
命名はあなた方でしたか。

「なにしてんですか、本当に若気の至りですね」
『でも外見は普通の女子中学生だったから、ばれなかったもん』

もんじゃねーよ、もんじゃ、いい歳ブッコいてなにいってやがりますか

『なんかいった?でもね、高校に入った途端ピタっとやめちゃって、
そうあなたのお父さんと付き合い始めたら、もうピタッとね』
「はあ、なるほど」

『私もそんなにいい男とも思えなかったんだけど、ああ失礼よねこんな言いじゃ』
「いやいや、いい男なんてめっそうもない。ゴミ虫以下ですから、うちのオヤジは」
『あいかわらず仲悪いわね。まあそれで唯を問いただしたのよ』
唯というのはうちの母です。今更ながらはい。

『そしたらね、赤い顔して俯いてモジモジやってんのよ、今までそんなことしたことないし、
何気色悪いことやってんだーっていったら、どういったと思う?』

「・・・・・」
『だってあの人のことを思うだけで濡れちゃうからって』
・・・・・母よ、やっぱり昔からそうだったのか。

『息子からしたら、おんなおんなした母親ってのは気持ち悪いだけかもしれないけど、母親だって女なのよ』
そりゃまーそーだ。でもなぁ。そんな母さんの生々しい部分は聞きたくなかったわ。

『話がそれちゃったわね。そうそう、で、そんなにすごいんだって聞いたら、
それはもう、相性ばっちり、一生離さないから、でもあなたなら貸してあげてもって、いらんチューねん』
なぜに関西弁?

『で、はじめてそこで、生理日前に身体が疼いて、どうしようもなくなってしまうことを聞いたのよ』
「なるほど・・・そういうことでしたか」

『本当はね、こんなこと言わない方がよかったけど、昨日あの二人すごかったから、
もしかして、ヨシ君食べられちゃったかも?って』
「いやいやいや、すんでのところで、助かりました。」

『本当に?食べられてもよかったのにぃ〜』
「何をいいやがりますか?時間切れで撃沈でしたから、今、陽子んちで3人並んでうんうん苦しんでます」

『陽子ちゃん?ああ、昨日そっちに逃げ込んだんだ。すぐに見つかったでしょ?』
「なんでわかるんですか?」
『だってあの二人がヨシ君のこと見失うわけないじゃない』
なんだかわかるようなわからんよーな、でも妙に納得してしまった。

「でも血のつながった姉妹ですから結ばれるってのはちょっと」
『そんなこと気にしてたの?そんなこと別に気にしてもしょーがないじゃない』

「世間一般には、そんな禁忌ゆるされませんよ」
『世間体なんて気にしてどうするの、本当に好きならそんなの関係ないわよ、それに』
いったん会話がとまる。?どうしたんだろう

「おば、じゃなかった、友里さん?」

『ああ、ごめん、電波悪かったみたいね。それにそうよ、あの二人ならどっちか選んでくれなんていわないでしょ?』
「そういや、一度もそんなこと・・・」
『あなたのお母さんもそんなこといってたけど、『仲間』と認めたら『共有』するのも全然苦にならないんですって』
・・・なんかそんな感じには見えるけど、そういえば、陽子のことも『仲間』とかなんとか

『だから嫉妬とかそういうのは本当にないらしいのよ。いいじゃない家庭内ハーレム、男の夢でしょ?』
「・・・友里さん、いくらなんでもそれは」
『まあ時間はたっぷりあるんだから、食べられるのもいいかもよ?あなたから食べた方が、あの娘達も喜ぶだろうけど』

「・・・・」
『まあ、あなたはそんな甲斐性もないでしょうけどね』
「まったくそのとおりで」

『で?秀樹に替わる?私は言いたいこと言ってすっきりしたし』
「あ、お願いします。今日3人の看病で休むつもりなんで」
『オッケー、秀樹ーヨシ君今日学校休むからよろしくってぇ、(わかったー)わかったってさ』
いや替わってないんだけど、まあいいか

「じゃあ、よろしくお願いします。でもほんと親子ともどもご迷惑をかけてすみませんでした」
『いいよ、いいよそんな。おかげでこっちも色々助かってるから、ん助かってるじゃないわね、勉強になる。かな?』
「?とにかく、近日中にはご挨拶にお伺いしますので」
『まあ、そんな堅苦しく考えないで、いつでも遊びにいらっさ〜い、あの人もまってるから』
「はい、じゃあ失礼します」

勉強、ね。そうよ世間体なんて気にしなくていいの。私もおかしな『仲間』だもの。
違う『仲間』だけどね。

そんなことを考えながら、
「秀樹、いつまでのたくたやってんだい!遅刻しちまうよ!」
「母ちゃん携帯返してくれねーから、出られなかったんだよ」
「ほら、早くいっといで、あ、陽子ちゃんも体調不良で休むってさ」
「え?陽子なんかあったのか?」
「ちがうよ、おバカ、女の子の日だよ」
「え?・・・母ちゃんそんな艶めかしいこといわないでくれよ」
「うるさいね、チェリーがキャンキャン吠えてんじゃないよ、さっさと学校いっといで」
「チェリーで悪かったな。とにかく、いってきまーす」

やれやれ、まだまだ青臭いガキだね、うちのバカ息子は。
陽子ちゃんか、秀樹あんたどうすんの?
まあ振られたら、酒でものましてやるかな。
さて、今日も一日頑張りますか
509:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/04(土) 19:39:01.04 ID:qpV+QF31
スレチとすすまないのと、とりあえず週末でケリつけたいけど。
とりあえず次行きます
私は、ヨシ君が大好き。どれくらいっていうとそれこそ食べちゃいたい
ってゆ〜か〜食べるんだけど〜。性的な意味で♪
食べられちゃったほうが嬉しいけどね。

ヨシ君とは2つ違い。ヨシ君が生まれたときの記憶がなぜかある。
2歳になるかならないかの記憶なんてあるわけないのに。

なんでだろう?

ヨシ君がうまれたのは、5月こいのぼりがまだ空で気持ちよさそうに泳いでた。
いつもは、ばあちゃんが迎えに来てくれるのに、なぜか父さんが、保育所に迎えに来てくれて
病院に連れてかれた。

母さんが疲れた顔をして、なにかくしゃくしゃの顔した人形を嬉しそうに見ながらベッドで寝てた。
「あなたの弟よ、これからよろしくね〜」
お・と・お・と?お人形のなまえ?
「そうよ、おとうとよ、大切にしてあげてね?」

覗き込むと、真っ赤なくしゃくしゃの顔をしたおとうとが、こっちを向いていた。
「さわってみる?」
「いいの?」
「いいわよ、そっとね?」
おそるおそる、手を伸ばしてみる。やわらか〜い
「ねぇ、やわらかいでしょう?そっと大事にしてあげないと壊れちゃうからねぇ」
ふ〜ん、そうなんだ。大事にしてあげないとダメなんンだ。
その時伸ばした手を、おとうとがキュッとつかんだ。
びっくりしたけど、なんだか、温かくて、湿っていて、そのくせくすぐったいような気がした。

「おとうとくんも、光ちゃんのこと気にいったみたいね。これからは光お姉ちゃんだからね」
おねえちゃん?ひかりおねえちゃんなの?そっかー。
ひかりがんばる
「頑張ってね、おねえちゃん」

なんてね。あの時のヨシ君かわいかったなぁ。
私もヨシ君みたいな赤ちゃん産めるかなぁ〜
ねえ、ヨシ君
ってあれ?

ヨシ君?ヨシく〜〜〜ん。

もう、すぐどっかいっちゃうんだから。
でも、いいの。絶対お姉ちゃんのところに戻ってくるんだから。
あ、蛍ちゃんと陽子ちゃんも一緒だったね。
4人で楽しく暮らせればいいんだし、

あ、でもすぐに家族が増えて、お姉ちゃんと蛍ちゃんと陽子ちゃんで、
カワイイかわいいヨシ君の子供を産んで
一緒に暮らすんだぁ〜。
そしたら絶対、楽しいよね〜幸せだよね〜

でもそれじゃあ、お金足りるかなぁ〜。
ヨシ君の稼ぎだけじゃ無理かな?
ヨシ君あれでもプライド高いからな〜。
男が稼いでなんぼのもんじゃ〜とか言いそうだし。
そんなこと気にしないで、傍にいるだけでいいのに〜。


仕方ないなぁ。じゃあやっぱりまたあれで稼ぐしかないのかな〜
今の貯金で十分だと思うけど、あれすると、ヨシ君と一緒の時間が減っちゃうから嫌なんだけどなあ〜
まあ、みんなの幸せのためにガマンガマン。

携帯を取り出し、ポチポチとどこかにかける。
あ、もしもし〜そう、わたしだよ〜
え?この口調でわかる〜?
そう、その気にはなってないけど、ん、そうまたお金稼ごうかな?って
え?仕事モード?疲れるから〜嫌なんだけど〜

「わかった。じゃあ例のファイルから行くよ」
「そう、メールしてくれるかな?うんそう。クライアントからの仕様書と

何やらいつものぽよよんモードからシャキっとした口調にかわた光。

彼女は凄腕のプログラマー兼開発者。車、家電、PC関連、半導体、重電や、プラントetc...
ありとあらゆる分野から、制御系は言うに及ばず果てはエロゲまで
ソフトと呼ばれるものすべてに関与していた。
ある家電メーカーの全ての製品の基本格子はすべて彼女が設計しプログラムしたものである。
ただし、外資系、海外系のものに限ってではあるが。
彼女曰く、日本のものは別に自分がやらなくても誰か他の優秀な人がやるし、
本音は?周りにバレたら、鬱陶しいでしょう?それにヨシ君との時間が無理やりさかれたりしたらいやだもん。
だそうな。
実際、彼女の知り合いでマネージングをしてくれている1人を通して以外は一切仕事をしていない。

またその発想や判断思考力だけでなく、スピードについてもチーム編成で半年以上かかるような仕事でも
ものの5日で仕上げてしまう恐るべきスピードの持ち主であった。

そう人は敬意をこめてこう呼ぶ「SuperComputer光」

「ダサっ2位じゃダメなんですか?とか言われそう。」

「そんなことないも〜ん。別にそんな風に呼ばれなくても結構ですぅ〜。」
「はぁ、そう」

「ヨシ君に〜やさし〜く、ひかりって呼ばれただけでもう〜〜きゃあ〜〜」
「勝手にいってなさい。というか、あなた仕事モードから元に戻ってるわよ?」

と霧江さんがいった。この人はわたしのまねーじんぐをしてくれている人

「そんなにヨシ君とやらがいいかねえ。」

「もう最高だよ〜霧さんには紹介してあげてもいいかなぁ?あぁでもでも〜紹介だけだよ?」
「遠慮しとく、もしそれで光に正拳突でもされた日にゃ、あの世にまっしぐらだもんね」

「そお〜?さいっこ〜に可愛くて、カッコよくて、愛おしいのに〜」
両手をほほに当て体をクネクネさせる光
「わかった、わかったそのうちな。この仕様書に目を通してサインしといてね。同じものメールで入れといたけど
締切はそうね、来週末でいいかしら。」

「え〜週末はヨシ君とみんなで遊ぶから〜木曜日でもいい?」
「木曜日って今週の?明後日じゃない。いくらなんでも実質2日しかないわよ。ちゃんと内容読んだ?」
「読んだよ〜本当は1日もかからないと思うけど〜、学校あるし〜、ヨシ君成分も補給しなくちゃいけないし〜
だから2日あれば、なんとかできるよ〜」

「はぁ、わかった・・・。とりあえずクライアントには来週末って言っとくけど、早い分には問題ないわ。できたら連絡ちょうだい」
「ん〜わかった〜、ありがと〜霧さん」
「じゃあ、これで」
と伝票を持ち颯爽とスーツ姿で立ち上がる霧江。

「ねえ、光」
「な〜に〜」
おいしそうにアイスティーをすする光
「やっぱり一度ヨシ君に合わせてくれる?」
「い〜よ〜、でも合わせるだけだよ〜。変なことしたらダメだからね〜」
「わかってるわよ、じゃまた連絡するわ。仕事の方はできたら連絡よろしくね」
「は〜〜〜い、ばいば〜い」

相変わらずよくわからない娘だなと思いながら、
これだけ優秀な、自分なんかがかかわらなくても、世界のトップに立てるような娘が、
ご執心のヨシとやらに興味が湧いた。
「いったいどんな人なんだろう」

そう思いながら、すぐに頭を切り替え携帯で次の仕事の確認をとる。
「そう私、例の件OKよ。来週末にはできるから、ええお願い」
いつのまにかそんな思いも仕事で薄れていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なにしてんだよ、道場はどうした、道場は?」
「え〜今日は休みだよ〜」
「蛍は道場にいったぞ」
「だ〜か〜ら〜今日は学校で用事があったから休んだの〜」
「用事ってまさか、このことのためにか?」
「ち〜が〜う〜、本当に用事があったの、それが早く終わっただけだよ〜」

場所は我が家の風呂場
風呂の扉をはさんでの攻防である。
当然、オレは風呂の中、姉さんは脱衣所だ。

「早く終わったって、抜け駆けしていいのかよ」
「抜け駆けなんて〜そんな〜、たまにはお姉ちゃんも甘えていいじゃな〜い」
「たまに?たまにだと?いつもいつもベタベタしてんじゃないかよ」
「お姉ちゃん、知ってるんだからね〜、蛍ちゃんといつもイチャイチャしながら帰ってるって〜」
「そ、それは、別に好きでやってるんじゃないからね」

そういや、姉さんとはあんまり一緒に帰ったことなかったな。色々忙しいのかと思ってたけど
これだけべったりのくせに、学校ではあんまりくっついてこないしな。なんでだろ?
やっぱ人目が気になるのかな?

「ねぇ〜ツンデレなんていいから〜、あっそういうのが好みなら〜お姉ちゃんもそうしよっか〜?」
「いやちげーよ、ちげーから」
ああもう。どう言えば分ってくれるから、って本題からそれてんじゃないか

「ちょっとお姉さま」
「ん〜?な〜に〜?」
「ここは風呂場、オレは今風呂に入ってるよな」
「うん?そ〜だね〜」
「オレは男だよな?」
「そ〜だよ〜立派なオスだよ〜」
オスって立派かどうかは知らないけれど、こないだの釘抜きの件もあるしな・・・
って今はそうじゃないだろ

「で、姉さんは女だよな」
「そ〜だよ〜。こんな豊満ボディで〜、おいしいそうに〜、たわわに実った女の子だよ〜」
たわわはいいとして、女だ、おんな、あるべきモノがあって、ないものはない。正真正銘の

「じゃあ、見ず知らずの男と一緒に風呂に入りたいか?」
「そんなわけあるわけないじゃない。ヨシ君以外に見せたくないし〜一緒になんて〜、
あっでもでも〜そういうプレイしたいなら〜ちょっと考えてもいいかなぁ〜?露出ぷれいってやつ〜?」

姉よ。それはいくらなんでもマニアック過ぎないか?いったいどこでそんなこと憶えてくるんだよ。
「え〜ヨシ君の机の2番目の引き出しの裏に張ってあったカラフルなご本にくっついてたDVDでみたよ〜」
え?今なんと?
「だ〜か〜ら〜」
いやいやいや、あれは秘蔵中の秘蔵だぞ?どうやって?鍵もかけてたし。
「そんなの、あんな簡単な鍵と場所、すぐにわかるよ〜」

くっそ〜隠しても隠しても簡単にみつけやがるなあ、姉さんといい、蛍といい。
やっぱ鼻が利きすぎやがる。こんどコーヒーと一緒に隠しておこうか?

ぺロ

「うひゃう」
「ん〜〜〜今日の一番搾りは格別おいしいよ〜」

「まて、色々まて、どうやって入った?」
「ん〜〜〜?鍵開けて、ドア開けて?ん〜〜ペロペロ」

い、いつのまに?
「だってヨシ君、話に夢中で、ドアにかけてた力抜いたでしょ〜?だからソッと入ってみた〜」
この姉は、本当に隙を的確についてきやがる。ってか背中に柔らかい感触が・・・

「でどこなめてんの?」
「ヨシ君の首裏〜おいしいよ〜」

はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
思わず深いため息が出てしまった。
とにかく、この状況をなんとかしないと。ぐずぐずしてると蛍も帰ってきちまう
そうすると、状況がさらに悪化。最悪の場合、ああ考えたくない。

「姉さん」
と振り返り、向きあって両肩をつかみ、追い出そうと
「は〜い、なんでしょう〜?」

「なんで全裸?」
久々にまじまじと上から下までばっちりとじっくりと眺めてしまった。

グラマラスボディ、ミスコンNo,1 
大きな胸なのに重力に逆らい、ツンとあがった形のいいバスト
ピンとたったピンクの小粒コー○ック、いやごめん。
胸にくらべ小さめの淡いピンクになったイチゴ
流れるようなきれいに括れたカーブのラインを醸し出すウエスト
ほんのおまけのようにつつましやかな、くぼんだお臍
その下には薄っすらととした、やや茶色がかった、若草山(野焼き後?)
女性特有のやわらかな、かつとけてしまいそうな白さをもった、瑞々しいふともも
きゅっとくびれた足首。
さくら色した、足の爪。

「いや〜ん、そんなに見つめられると、お姉ちゃん、それだけでもう〜〜〜いっちゃうよ〜〜」

はっやばい。どこに行くというのだこの姉は、オレはオレで思わず見とれて別の世界に行っていたが

「なんで全裸で弟に見られていっちゃうんだよ」
「だって、だって〜見られてるだけで興奮しちゃって〜。全裸なのはお風呂だも〜ん」

そりゃ、そうか、て違う。せめてバスタオルとかさぁ
とにかくこの場を離れないと

「え〜い」
えっ?身体が、動かない。
なんで?
「痛くないでしょ〜?ちょっと間接きめてるだけど〜」
「えっちょっとまって空手に関節技ってあったっけ?」
「え〜知らなかった〜?うちの道場は実践型総合格闘技だよ〜。一応空手道場ってなってるけど〜」
初めて聞いたぞ、そんなもんしらんかったぞ。そりゃチンピラ相手の実践でも負け知らずだわ
てか実践型ってなんなんだよ。

「あんまりしたくなかったんだけど、最初はヨシ君から〜って決めてたし、けど大丈夫だよ〜
す〜ぐその気になるからね〜、そしたら〜ヨシ君もがまんできなくなるから〜
ちょ〜っとじっとしててねぇ〜。す〜ぐ気持ちよくしてあげるから〜」
いつの間にか、タイルにマットがしかれ、横になってオレの上には姉さんが覆いかぶさっていた。

ってこんなのうちにあったか?
「こないだ〜知り合いの人にもらったの〜ろーしょんまっとっていうんだって〜」
どんな知り合いだ、どんな。
それより、動けない。どこをどう決めてるんだ?

「ついでにろーしょんももらったから〜ほら〜」
嬉しそうに上半身を起こし、馬乗りになった姉が、鎖骨のあたりから、胸にかけてローションをかけていく。
どこで、そんな仕草ややり方どこで憶えてきた?それも知り合いか?

「違うよ〜ヨシ君の部屋の壁の隙間に入ってたDVDみたの〜。で、こんな風にして欲しいのかな〜って」
どうやって見つけるんだよほんと。あれ、隠そうと隙間に入れてみたけど、キレイに挟まって
取れなくなっちゃったんだけど。どうやって取ったんだよ。
しかし、馬乗りになられてるのに動けないってどこの関節きめたらそうなるんだよ?

「それは〜ひ・み・つ♪」
妖艶な笑みを浮かべ、あやしい手つきで、右手にローション、左手は胸から下にゆっくりとローションを撫で伸ばしていく。

「うふふふ〜どお?お姉ちゃん、キレイ〜?」
確かに、キレイというにはあまりにも妖艶で、
しかも悪魔の笑みを浮かべたサキュバスのような
見る者を全て石にするゴーゴンの瞳のごとく
見蕩れてしまった。

「ヨシく〜ん。お姉ちゃんのお尻になにかあたってるよ〜うふふ」
あ、アレ?久々にみたせいか、マイサン、まかしとけ!とばかりに元気に豪快に主張していた。
ああ、マイサンよ!あれだけ一緒に訓練してきた仲じゃないか、なんでこんな時に

ジョウカンノ メイレイハ ゼッタイダ ヘンジハドウシタ

サーイエッサー!
てオレ下士官なの?いつ立場逆転したんだろう。

そんなことより、あほな考えが出来る理性さんがいるうちになんとかしないと。


「さ〜いくよ〜〜、こ〜すれば〜気持ちいいんだよね〜」
とオレに再度覆いかぶさり、胸を押し付け擦り始める。
な、なんだこ、これ!!
ムニムニムニョ〜ンと柔らかいものが、俺を胸を撫でていく。
気持いいどころの騒ぎじゃない。

「ん・・いや・・・なにこれ・・・擦れてぇ・・ヨシ君の胸に擦れて・・・」
熱い吐息を俺に吐きかけながら、姉はさらに体をくねらせていく

「あぁ・・んくっ・・・んはあ・・ダメはああぁ・・・ヨシ君、ヨシ君、お姉ちゃん、お姉ちゃんおかしくなっちゃうよ〜」
ふと沸いたいたずら心に、姉の耳にふ〜〜っと息をかけてみる。
「〜〜〜〜〜ダメ、ダメよ、ヨシく〜〜〜ん。〜〜〜〜〜〜はぁああ〜〜〜〜〜〜ダメ〜〜もうもうもう、あああああああああ、いやああああああ」

「身体をビクビクと震わせ、明らかに絶頂を迎えた光だったー」

・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

「お姉ちゃんずーるーいー、蛍に内緒で兄ちゃんといいことするなんてー。ちなみにさっきの耳ふーは蛍だからねー」
「お前いつのまに?」

「さっきから呼びかけてるのに、全然気づいてくれないんだもん。ふたりで夢中になってるからだよ。今度は蛍の番だからね」
とあわててトレーナーを脱ごうとする。が、

「おいおい、お楽しみのところ悪いんだけど、せっかく人が遊びにきたのに、お茶の一つもださないのかい?この家は」
「おばさん」
「おばさんじゃねーだろ?友里!何度教えたら憶えんだよ。まあいい。
蛍と一緒にきたら、待てど暮らせど返事はないし、蛍は走って風呂に行っちまうし、もしやと思ってきてみれば、やっぱ食べてるじゃん」
「食べてません。食べられるところだったんです!!」
「まあいいや、とっとと着替えてお茶くらい出してよ。あ、蛍はこっちきな。まだ話は済んでないんだから」
「えーまあ師匠がいうなら仕方がないか、蛍がお茶出してあげるー」
テテテと音がするように蛍が走っていった。

「さあ、その失神してる光もどうにかしないとな、よっぽどよかったんだな、さっさと洗って着替えさせてやらないと風邪引いちまうぞ」
「ああ、そうですね。失神してたのか・・・」
「それとも何か、お楽しみはこれからだ!て続きするかい?」
「んわけないでしょ?すぐにいきますから、リビングで待っててください」
「んーわかった。ところでヨシ」
「なんですか?」
「立派になったな」
「?」
「しっかり男になったって言ってんだよ。それだけ立派なモンもってりゃ、女の一人や二人鳴かせられるわ」
そうここは風呂場、当然オレは全裸で、先ほどの上官どのは、ン?ドウシタ、トツゲキスルノカ?とばかり怒髪天を衝く状態であった。
あわてて股間を押さえるが、ばっちり見られてしまったワケで。
「まあいいから、健康な証拠だ、とにかく、光をなんとかしてやんな。その上で話があるからリビングで待ってる」
そのまま踵を返し颯爽と風呂場を後にした友里さん。

とにかく、この状況をなんとかしないとと、オレはシャワーで姉さんのローションを流し、
途中で姉さんが正気に戻って、再度迫ってこようとしたが、事情を説明して、無理やり先にあがってもらった。
オレもシャワーを浴びていちもくさんに着替えてリビングに向かった。
517:【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/04(土) 19:55:07.35 ID:/eFrxbgq
投稿終了です。
えらそーなこといって軽いノリで書いたらやっぱりスレチでした。
週末にケリつけてしまいます。
もうちょっとだけですのでご容赦を。ありがとございました。
518名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 05:02:37.89 ID:HEWdrEg2
519名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 08:51:16.99 ID:FxFl665K
>>517
乙乙!
520 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/05(日) 16:09:36.00 ID:SlGgb7fY
続きです。投下します。
521名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 16:12:07.20 ID:tds/dSo8
「いや、久しぶりだな、この家は」
そういいながらコーヒーをすする友里さん。
ショートカットでGパンとロングTシャツといったラフな格好ながら、綺麗という言葉が似合う
引き締った身体であるが、出ているところは出ている。
これで母さんと同い年というのは信じられない。まあうちの母さんも若いっちゃ若いけど。

「で師匠〜なんのようですか〜」
「ん?用がないと来ちゃいけないのか?遊びにきたつーか唯に言われて様子を見に来たんだけどね」

「母さんに?ですか。」
「そうだよ、しばらく帰れないし、様子を見てくれって。」

「ふーん、でも師匠さっきはそんなこと一言も、むしろ兄ちゃんに「それはいいから!ところで光満足したか?」
あわてて蛍の口を手で押さえた友里さん。もごもごと暴れる蛍。
「うふふ〜すごかったよ〜もう〜〜〜さいっこ〜あれでしばらくはおかずに困らないわ〜//」
姉さん、本人目の前にして、そんなはっきり言われても・・

「姉さん。あれっきりにしてくれ。心臓に悪い」
「そーだよ、次は蛍の番だよ。ずるいよ。蛍一人のけものなんて」
「そ〜ね〜蛍ちゃん一人寂しい思いさせるのはかわいそうよね〜」
「じゃあじゃあ、お部屋でじっくり、しっぽりいきたいよねー。ね、兄ちゃん」
オヤジ臭いなやっぱりお前は。
「ね、兄ちゃんじゃないよ。友里さんも笑ってないで、なんとか言ってくださいよ」

友里さんは、いつのまにかビールのロング缶を片手に、ソファであぐらをかいて笑ってる。
「ビールなんて、いつの間に、あーもーなんとか言ってください」
「あははは、相変わらず仲がいいねあんたらわ。ビールはさっき買ってきたんだよ。土産だよ2ケース買ってきた。」
「蛍も1ケース持ったんだよ、褒めて褒めてー兄ちゃーん」とスリスリ
蛍を押さえながら
「いやいや、お土産にもらっても、うちは全員未成年なんですけど」
「何いってんだ、ビールなんて水と一緒だぞ、チェコなんてコーラよりビールの方が安いんだから」
いやいや、値段とかの問題じゃなくて

「あーなんかつまみ欲しいなあ、ヨシ頼むわ。こっからはガールズトークだ。今日は泊まるからな、女子会だ」
「ええ?なんすかそれ?おうちは大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫、今日からあの人の田舎での法事だ。秀樹も一緒についてったから」
「ええ〜行かなくていいんですか?」
「あーいーのいーの。私はどーせ出入り禁止だからね」
どういうことだろう?まあ複雑な事情みたいだから聞いちゃだめだったのかな?

「ああ、すいません。夕食にしましょうか。晩御飯まだでしょう?友里さん。その間に風呂でもどうですか」
「風呂ねえ、一緒にはいるか?」
「・・・勘弁してください。」
友里さんは、カラカラと笑いながら
「蛍一緒にはいろーぜ」

ああ。そういうことね。というか絶対からかってるだろ
「いいよー師匠背中流してあげる」
「ああ、光も一緒にな」
「ええ〜お姉ちゃんはさっき、ヨシ君と一緒に〜、ポッ」
ポッじゃねーよ。入ったつっても結果的に軽くシャワーあびただけでしょうが
「いいから、一緒に入ること。いいな」
「は〜い」
やっぱり師匠に対しては素直だな。

さてと飯つくるか、
「ヨシ、後で話がある」
友里さん?
すれ違いざまに小声でささやいて、手を振りながら風呂場に行った。
523名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 16:22:09.84 ID:Xxnm42jS

3人一緒に風呂入ってる間簡単に夕食を作り、つまみになるようなものも何点か用意した。
遅いなと思いだした小一時間ほどたって、
「よっしく〜ん」と光姉さんがかけてきた。
そのあと友里さんに支えられて蛍がリビングに入ってきた。
3人とも色違いのタンクトップに短パンといったラフな格好で上気した桜色した肌
をさらしている。どれもこれもひきしまった柔らかそうなキレイな肌をさらしている。

飛びついてきた光姉さんを軽くいなして、
「蛍?どうした大丈夫か?」
「あー大丈夫、大丈夫ちょっと湯あたりしただけだけだから」
と友里さん。

あわてて水をのませソファに寝かせる。
水でしぼったおしぼりで顔を拭いてやると
「ありがとう兄ちゃん。大丈夫だから・・・ふぅ」
と耳まで真っ赤に染まった顔になりながら、
でもなぜか艶っぽい顔で熱い吐息を吐く。

「おーいヨシ、蛍は大丈夫だから飯にしよーよ」
「いやでも」
「ヨシ君、姉ちゃんが見とくから大丈夫だよ〜、師匠にご飯あげてよ〜、うるさいし〜」
「兄ちゃん、姉ちゃん、もう大丈夫だから、気にせずご飯食べて。蛍ももうちょとしたら食べるから・・」
「そっか、じゃあとにかく飯にしよう」

そういいながら飯の用意をする。
結局10分ほどしたあと復活した蛍をいれて楽しい夕食となった。

食事も終わり後片付けをしていると、リビングに移った3人はなにやら楽しそうに話していた。
いつもなら、光姉さんか、蛍がまとわりついてくるのだが、そんなこともなく
おかげでいつもよりも早く片付けることができた。
・・・ちょっと寂しいような。
ああ、毒されつつあるよな、やっぱりシスコンが悪化しているのかな。

と思いながら苦笑しつつ、3人のところへ向かった。

「おーやっときたか、ヨシお前ものめのめ〜」
「兄ちゃーん、おそいよー」
「まったよ〜ヨシく〜ん〜」
と早速二人がからみついてくる。
って酒くさっ。お前ら、さては

「友里さん、何飲ませてるんですか、ってそれオヤジのバカラじゃないの?」
ビールの缶が山積みになった横に、空になったウィスキーの瓶が3本転がっていた。
どっから出してきたんだよ。

「えっそこにあったよ」
あーあー知らねーぞ。高いのばっか選んで飲んで。かくしときゃよかった。。。
当然二人はベロベロで、ぺろぺろ。
ぺろぺろ?

ってなに人のほっぺたなめてんだ。あーもー
「いや〜ん、もっとなめるの〜」
「兄ちゃーん、なら蛍のなめてー」
といいつつ、タンクトップの胸元をずり下げ、寒い胸を顔に押し付けてくる。
ってやっぱノーブラかよ。
525名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 16:24:32.78 ID:+f4OJZrR
「いや、久しぶりだな、この家は」
そういいながらコーヒーをすする友里さん。
ショートカットでGパンとロングTシャツといったラフな格好ながら、綺麗という言葉が似合う
引き締った身体であるが、出ているところは出ている。
これで母さんと同い年というのは信じられない。まあうちの母さんも若いっちゃ若いけど。

「で師匠〜なんのようですか〜」
「ん?用がないと来ちゃいけないのか?遊びにきたつーか唯に言われて様子を見に来たんだけどね」

「母さんに?ですか。」
「そうだよ、しばらく帰れないし、様子を見てくれって。」

「ふーん、でも師匠さっきはそんなこと一言も、むしろ兄ちゃんに「それはいいから!ところで光満足したか?」
あわてて蛍の口を手で押さえた友里さん。もごもごと暴れる蛍。
「うふふ〜すごかったよ〜もう〜〜〜さいっこ〜あれでしばらくはおかずに困らないわ〜//」
姉さん、本人目の前にして、そんなはっきり言われても・・

「姉さん。あれっきりにしてくれ。心臓に悪い」
「そーだよ、次は蛍の番だよ。ずるいよ。蛍一人のけものなんて」
「そ〜ね〜蛍ちゃん一人寂しい思いさせるのはかわいそうよね〜」
「じゃあじゃあ、お部屋でじっくり、しっぽりいきたいよねー。ね、兄ちゃん」
オヤジ臭いなやっぱりお前は。
「ね、兄ちゃんじゃないよ。友里さんも笑ってないで、なんとか言ってくださいよ」

友里さんは、いつのまにかビールのロング缶を片手に、ソファであぐらをかいて笑ってる。
「ビールなんて、いつの間に、あーもーなんとか言ってください」
「あははは、相変わらず仲がいいねあんたらわ。ビールはさっき買ってきたんだよ。土産だよ2ケース買ってきた。」
「蛍も1ケース持ったんだよ、褒めて褒めてー兄ちゃーん」とスリスリ
蛍を押さえながら
「いやいや、お土産にもらっても、うちは全員未成年なんですけど」
「何いってんだ、ビールなんて水と一緒だぞ、チェコなんてコーラよりビールの方が安いんだから」
いやいや、値段とかの問題じゃなくて

「あーなんかつまみ欲しいなあ、ヨシ頼むわ。こっからはガールズトークだ。今日は泊まるからな、女子会だ」
「ええ?なんすかそれ?おうちは大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫、今日からあの人の田舎での法事だ。秀樹も一緒についてったから」
「ええ〜行かなくていいんですか?」
「あーいーのいーの。私はどーせ出入り禁止だからね」
どういうことだろう?まあ複雑な事情みたいだから聞いちゃだめだったのかな?

「ああ、すいません。夕食にしましょうか。晩御飯まだでしょう?友里さん。その間に風呂でもどうですか」
「風呂ねえ、一緒にはいるか?」
「・・・勘弁してください。」
友里さんは、カラカラと笑いながら
「蛍一緒にはいろーぜ」

ああ。そういうことね。というか絶対からかってるだろ
「いいよー師匠背中流してあげる」
「ああ、光も一緒にな」
「ええ〜お姉ちゃんはさっき、ヨシ君と一緒に〜、ポッ」
ポッじゃねーよ。入ったつっても結果的に軽くシャワーあびただけでしょうが
「いいから、一緒に入ること。いいな」
「は〜い」
やっぱり師匠に対しては素直だな。

さてと飯つくるか、
「ヨシ、後で話がある」
友里さん?
すれ違いざまに小声でささやいて、手を振りながら風呂場に行った。

「ほら、二人とも、友里さんいるんだから、友里さんも笑ってないでなんとかしてくださいよ」
と二人を引きはがそうと四苦八苦する。
「わはははは、相変わらず惚れられてるねー。まあいいことだわ」
これだけ飲んでいるのにほんのり桜色程度にしかなっていない胸元の谷間が妙に色ぽい

「いいことじゃないですよ、おかしいでしょこんなの」
と蛍を引っぺがし、光姉さんを押さえつける。

「まだそんなことをいってんのかい!!」
ビクッ
3人とも動きがとまった。

いきなり怒鳴りつける友里さん。

「「・・・・・・」」
「ど、どうしたんですか友里さん」

「ヨシ、こないだもいっただろ、そんなことはどうでもいいだろって」
「それは、」
「いいから黙って聞きな、3人とも」
いきなり真剣な表情で話しだす友里さん。
二人もいつの間にか、床に正座して真剣な表情で友里を見ている。

「ヨシ、こないだ話しただろ、世間体なんて気にするな、お前の思いはどうなんだって」
思いなんていったかな?と思った。

「どこまでニブチンなんだい。そこまでいわないとだめなのかい?しかたないね」
「だいたい、こんなにかわいい女の子二人から迫られて、お前はなんとも思わないのかい」
「・・・・・」
「お前のここは、役に立たないのかい?」
!!

ガッとオレの股間がつかまれた。
な、なにを・・・

「さっきは元気だったじゃないかい。立派なもんだったよ?なに?こんなんじゃ刺激がたりないかい」

と、股間を撫でさすり、オレに顔を近づけ、頬をベロっとなめる。
!!
う、動けない。なんで?どこも押さえられてないのに。

「それとも何かい?こんなおばさんじゃたたないってか?
これでもまだ街歩いてりゃ、ナンパの一つでもされるんだけどね」
とズボンのベルトをはずし、チャックを下し、手を入れてくる。

「ゆ、友里さん、いくらなんでも、それは」
「師匠!!」
「師匠、だめだよ!それは私たちの」

「やかましい!!!」

「お前ら3人、そろいもそろってボンクラだろ!!姉?妹?近親相姦?禁忌?世間体?」
「そんなものどうでもいいだろ?お前らの気持ちはどうなんだい?」

・・・・・・

「蛍は好きだよ。兄ちゃんのこと。いやヨシのこと」
「お姉ちゃんも。ヨシ君のこと愛してる。ヨシ君さえいれば他に何もいらない」

「そうか、まあそうだよな。改めて聞くほどのものじゃないわな。でお前は?ヨシ」
妖しい笑みを浮かべ、舌舐めずりしながら聞く友里さん。

・・・・・・・・・・・

オレは、オレは・・・いったい。どうなんだ?
たかだか十数年生きてきて、気がつきゃ光姉さんと蛍がいるのが当たり前で
うっとおしいと思いながらも、もっと強く拒否すれば

「ん、んちゅっ、ちゅっ、むちゅ・・・ちゅるっ・・ぢゅるっ・・・」

・・・え???

「んむぅっ、ぷっはぁ。なんだ元気じゃないか?」
股間からはオレのモノが屹立し、怒髪天をつくがごとくそそり立ち、妖しく濡れて、ひかっている。

「ゆ、友里さん、な、なにを・・・」
「ふふ、調べてやったんだよ。なるほど、二人が夢中になるのもわかる気がするよ」
うふふと妖艶に笑った口についた涎を妖しくしたで舐めとる。
右手は、オレのモノから離さず擦り続けている。

なんだなんだ、いったいなんなんだ。友里さん酔ってるのか?
いや酔ってるとしてもおかしいだろ?
友達の母親がオレのを咥えるなんて、
それに反応するなんて、
いや、でもこんなことされたら、
むしろ、それは、それを・・・・・・
おかしすぎるだろ!!!!!!!!!!!

「ほら、私は何も強制はしていないぞ。いつでも逃げられるんだからな」
・・・動けない。
なんで?なんで??なんで???

「そうか、いいんだな、さあじゃあ始めようか」
なにを?なにをだ!オレはオレは・・・

「ん、んく、んちゅっ、ぢゅるっ、むちゅっ・・・ぢゅる・・ちゅる」
「むちゅっ・・・・はん・・うちゅ、ちゅっ・・・んちゅっ、ぢゅる、ぷはっ」
痺れるような快感が背中を走る。
オレのモノは限界までにそそり立ち、怒張という言葉がふさわしい。
痛い、痛い痛い痛い、イタイ、イタイイタイイタイイタイイタイ・・・

何が?
痛いじゃなくて気持ちいいだろ?
何を言ってるんだオレは・・
おかしい、おかしいだろ?
おかしいのは今の状況だろ?

「さあ、二人ともどうした?おいしいぞ?こんなにおいしいものは私も初めてだ」
右手はそのままオレの股間をやさしく撫でつける。
光姉さんは、涎を垂らし両手を自分の股間を押さえ、蕩けるような顔をしてこちらを見ている。
蛍も左手を股間に、右手の3本の指を愛おしいそうに舐めながら、喘いでいる。

「友里さ・・ん、もう・・・、だ・だめ・・・だよ。ひ・秀樹に・・秀樹になんていったらいいんだよ」
「まだそんなこといってんのか?馬鹿がっ」
吐き打てるようにいう。

「さあ、二人とも、もういいぞ、こっちも限界みたいだしな、ビクビクいってるぞ」
その言葉を聞いたとたん、右から光姉さん、左から蛍が飛びつくようにしてオレのモノを舐めあげる。

「そうだ、そうだよ。いいだろ?気持ちいいだろう?さあ、本能のまま、おもむくまま、身を任せてみろよ」
「くっくく、くくくくく、くっははははっあははははははは」
と、狂おしそうに、身をよじり高らかに笑いあげる。

「ん・・・むちゅっ、ちゅるっ、んちゅ、ちゅっ・・・おいひい、おいひすひるよ、にいひゃん、ああ」
「ちゅるっ、ぢゅるっ、んちゅっ・・・ぷはぁ、ヨシ君ヨシく〜ん、いいよビクビクいってるよはぁあ、んんん・・・」

やめろ、やめてくれよ、おかしいだろ、オレ達中のいい兄弟姉妹じゃないか、
やめろよ、首や腕や頬なんて舐められてもいいけど、これは違うだろ?
待って、待ってくれよ・・・ああ、ああああ

「はは、気持ちいいか?気持ちいいだろ?なあ?本能さらけ出せばいいんだよ。
人間なんてケダモノなんだから、いやケダモノ以下か?さあ、私も楽しませてもらうか、さあ狂宴の始まりだ!」

タンクトップを脱ぎ棄て白い形のいい乳房を露わに、妖しく笑う。
「さあ、お前もされてばっかりじゃ面白くにだろ、私も気持ち良くしてくれ」
と胸をオレの顔を押し付けてくる。

オレは、オレは、オレはぁぁぁ!!!

「そうだ、そうだよ、その顔だよ、もっと、もっとだ!その顔を!いい顔をして私を楽しませてくれ」
口をふさがれ、口の中が蹂躙される。

「んく・・・ん、んちゅ・・・んん!むちゅっ・・・・ん、ちゅっ、ぷはぁっ、ああぁ!」

「ちょ・・ちょちょっと・・・ああああ・・ああんっ!はぅっ!やっ、あん、あああああ・・・・」
「師匠だめだよ〜、独り占めは〜」
「ひょうだよ、ぷはぁっ・・・・師匠感じてるの?ここ、短パンから染み出してるよ」

光姉さんが、友里さんの胸を揉み、耳をアマガミしている。
蛍が、友里さんの短パンの中に左手を入れ、あやしく動かしている。

「いいのぉ?師匠〜いいんでしょう〜これ、ここがぁ〜」
「師匠、気持ちいいでしょう?さっきしてくれたもんねぇー蛍のこといっぱいしてくれたもんねー」

そうか風呂場で・・・

「いや、あああ・・・はあああああ・・だめぇ・・やぁ・・・ひううう」
「そう〜いいの〜じゃあ、ここはぁ〜」
「ああん・・・はっ!ああぁんっ!はっ、あんっ、はふっ・・・あっ、あああ」
「あああダメ、ダメよ、あんたたち、ああ、ちょ・・ちょっとふああ・・・んんんんん」

ガラガラと崩れて落ちるビール缶やコップ。
3人は絡み合いそのまま床に倒れていった。

はぁはぁはぁはぁはぁ、いったいオレは・・・
ソファに座ったままその様子を見ていた。
本能?ケダモノ?それ以下?
何言ってるんだ?

3人は妖しく絡まる蛇のようにからみあっている。
「はふ・・・んちゅっ、ん・・・ああああ、ダメ、師匠、そんなとこ・・むちゅっ、ん……んん!」
「はぁっ!ああっ!そこ・・・蛍・・んちゅっ・・ちゅっ、ちゅっ、んちゅっ」
「はん!あん!やっ・・・あん!いい・・・お姉ちゃん・・ここ・・・あん!はふ、あんっ、はっ!あっ、い、師匠ぉ・・あ、
あっああん!」
529 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/05(日) 16:32:33.10 ID:QFdD/JOL
投稿終了です。
ちょっとは近づいたかなと思いましたが、やはりずれてました。
週末でと言いましたが、終わりそうにないです。
まだ続きます。ごめんなさい。
530 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/05(日) 18:43:32.29 ID:SlGgb7fY
続き行きます。



はあはあはあ・・息が、息が、く、苦しい・・・
ダメだやっぱり、
犬ですら禁忌を犯さないっていうのに。
人間なんだよ。人なんだから、こんなのおかしいよ。
その時、ほほを伝わる熱い何かが流れていた・・・

3人はまだ絡み合っている。
今なら逃げられる。

逃げる?
いいのか?
こんな状態で・・・
ほっといていいのか?

「はあっ・・・ あっ、ああああんっっ!!あっ、やっ、ん・・はあぁんっ!」
「はふん!あん!やっ・・・あん!いい・・・いいよ・・・そこ、そこあん!はふあっ、あっ!あ、あっああん!」
「ああああ、やあ、ん・・・はっ、あっ、ん、あっ、はああぁぁぁん・・・」
3人は夢中になって絡み合っていたまま、
まるでナメクジの交尾だ。
ヌメヌメと絡み合い、妖艶なにおいを立ち上らせ留まることをしらない。

不思議と惹かれず、胃から酸っぱいものが上がってくる。

その時はっきりと
胸の奥になにか足りなかった空間に、隙間に
ピッタリと何かが嵌ったようなような気がした。

“逃げよう”

今すぐここから離れる。
そう

“逃げる”んだ!!

ズボンを押さえ、その場からそっと立ち上がり、玄関に向かう。
後ろから、さっきよりひときわ大きな嬌声が聞こえている。
「あああ、ダメ、本当にダメだから・・イッ・・イっちゃ、イッチャウからイイイイッ!はあっ!あああああぁぁぁぁんっっっ!!!」
「ダメ、一人でイかないで、し、ししょう〜、蛍も、蛍も、蛍も・・・・もうもうもう・・イイイヤッイイ・・・やああああ」
「あん!あ!アアッ!もう・・もうもう・・・お・おねえ・・ひ・・ひかりも・・・うう・・やっやあ・・もうあああああ」

振り返りそうになるが、頬を伝わる熱い何かがそれを邪魔して、そっとドアを閉めた。

ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう・・・・
なんなんだよ。
おかしいだろ?おかしいよな?
あんなキレイな女達に囲まれて、絡まれて、奉仕されて
何もせずともいい状態で、快感の海に溺れて
男の夢ハーレムなんじゃないかよ
ふつうなら喜び噎んで喚起の声を上げるんじゃないのかよ?

違う!違うんだ!!
なんで、なんで、なんで・・・・・・・・・

涙が止まらなかった。


必死で走る。どこに向かって走るのか?わからない。
とにかく逃げるんだ!

頬を流れる熱いものはそのままに
胃から湧き上がるものを何度も何度も押さえ

本能?そんなモノ?
オレは、オレは、ただ今の関係が、仲のいい関係が続けば
二人ともなんだよ。嫌なのかよ。
しらねーよもう。

気がつけば、公園にいた。
ベンチに腰掛け頭を抱え一人、たたずんでいた。

なんだよ、このシーンは
馬鹿じゃなかろうか。安っぽい三文芝居じゃないか。
これはいったい。なんなんだよ。
ふと家のことを思い浮かべる。
まだあの狂宴は続いているのか?

逃げる?何から?
逃げる?どこへ?
逃げる?今の状況から?

このまま流されてもいいんじゃないか?
このまま歓喜の波に流されて。
このまま快感の海に溺れて。

・・・ウェッ
そんなことを考えるたびに酸っぱいものがのどの奥から上がってくる。

もう嫌だよ・・・
おかしくなりそうだよ。
どうすれば?

誰か、助けて
助けてくれよ・・・


どれぐらいそうしてただろう。
突然頭を何か暖かいものに包まれた。

「ヨシ君・・・」
「・・・・・姉さん」
「・・・大丈夫だよ、もう大丈夫だよ」
頭に回された手を振り払い、振り返る。
「何が大丈夫なんっ、・・・・・」
と叫ぼうとしたが、途中でその言葉は詰まって・・・

姉さんのうつむいた顔からは、なにかが落ちていた。

「兄ちゃん、大丈夫だよ。兄ちゃんの嫌がることをしない。」
「蛍・・・」
今度は右側から頭を抱えられ薄い胸に抱きしめられた。

「ごめんね。兄ちゃん。蛍、兄ちゃんの嫌がることしちゃったね。いじめちゃったね」
オレの頭に熱いものが流れ落ちている。

「ヨシ君、ほんとごめん」
オレの膝に、顔をうずめる。膝が濡れていく。
「ごめんね、ヨシ君は、今までお姉ちゃんの嫌がること、蛍の嫌がることなんて絶対にしたことなないのに」
「ゴメン、ゴメン本当にゴメン」
そう言いながら、静かに泣く二人。

・・・

「だから、だから・・・兄ちゃん」
「ヨシ君、ゴメン、謝っても許してくれないのはわかってるけど、ゴメン」
「いいんだよ、兄ちゃん、もう蛍も許してくれなんていわない。けど出ていくなんていわないで」
「出て行くのはお姉ちゃん達二人だから・・・だから」

・・・・・・・・・・・・・

オレは馬鹿か
本能?
禁忌?
気持ち悪い?
そんなことの前に、かけがえのない二人を泣かせてどうするんだよ。

大事な姉妹だろ?

「・・・何言ってんだ、二人とも」
「「え?」」

「出ていくも何も、家族だろ、兄弟姉妹だろ?」
「ヨシ君・・・」
「兄ちゃん・・・」

「それにオレも二人を泣かせるなんて」
「いいよ、兄ちゃんを泣かせたし、お相子だよ」
「お姉ちゃんは泣かせてないもんね。」
「何いってるのよ、姉ちゃん、二人のせいだよ」
「兄ちゃんもなんとかいってよ」
ははははっ
やっぱり家族だよな。血のつながった家族だよ。

「帰ろうぜ、家に」

立ち上がり、二人の手を取る。
二人とも嬉しそうにオレの手を取り一緒に歩いた。

この時、オレは幸せだったのかもしれない。
いや勘違いしてたんだ。
オレは本当に馬鹿だった。
この後起こることを思えば、この時“逃げれば”よかったんだ。

でもそうはしなかった。

二人は大切な、大事な、何にも変えられない『姉妹』だったんだから。
535【リアル鬼ごっこ】姉妹達との性戦 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/05(日) 18:57:43.96 ID:SlGgb7fY
終了です。ありがとうございました。

お目汚し失礼しました。
536名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 03:47:41.90 ID:9vRdkbBk
最後が気持ちよかった
537名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 09:14:02.77 ID:ffDf/8X9
>>535
乙です!
538名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 09:15:58.01 ID:dfCsHXtx
539名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 10:20:28.53 ID:peHOtC/T
>>538
VIPから拾ってきたんか
540名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 17:23:46.52 ID:cJEpsCx2
VIPから拾ってきたんか()
541名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 17:25:41.46 ID:IE+9BNuq
キモいから出てけよ
542名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 18:25:57.84 ID:peHOtC/T
キモいから出ていけよ()
543名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 18:43:49.90 ID:rKxU34vM
きっしょ
544名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 19:41:22.73 ID:cJEpsCx2
>>542
臭い
545名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 20:43:52.08 ID:/iDNrOz1
安価で弟をレイプするVIPキモ姉
546名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 21:56:10.49 ID:peHOtC/T
>>544
山猿
547名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 21:59:31.45 ID:/2i6n7bv
>>546
くせぇ
548名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 22:17:32.69 ID:cJEpsCx2
>>546
厨臭
549名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 22:22:24.12 ID:peHOtC/T
>>547-548
自演くっさ
550名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 22:27:46.20 ID:peHOtC/T
>>548
腐った精子臭+加齢臭+腋臭=童貞魔法使いニート
551名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 22:38:13.72 ID:/2i6n7bv
>>550
うわぁ
552刈流兵法免許皆伝:2012/08/06(月) 23:28:55.50 ID:vr9G/Qbb
それで盗作者の奈良原先生への謝罪はまだですか?
553名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 23:30:39.38 ID:t58q8eNj
夏だなぁ
554名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 23:54:00.42 ID:bUyP0hkp
おいおい小学生か
555名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 03:54:46.33 ID:DmZZjaHI
書き手少なすぎんだろ
556名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 08:29:48.60 ID:VmfWp9RD
>>555
じゃあ書け
というか書いてください
557名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 19:01:13.51 ID:gNLBMOS7
>>550
厨房丸出しだな
558名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 06:04:47.65 ID:DdqbL1jD
お前等のレスなんかよりss投下の方が嬉しいよ
559 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:29:11.47 ID:/gOh4pbX
とりあえず空気を読まず投下します。
560名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 17:31:41.14 ID:PZi4BEYw
はいどうぞ
561雪の華1 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:33:04.15 ID:/gOh4pbX
「そろそろ部屋にもどらないとまた寝ちゃうぞ」
「ん………」

眠い目をクシクシとこすりつつ、かなりおねむなのであろう。
オレの膝に腰かけ、あぐらの中にすっぽり収まった、ハムスターのようなしぐさをしているのは華(はな)
2つ違いの身長140程度の小さな姉。

そのまま寝返りをうつようにそのままオレの胸によりかかった。

「だめだぞ、今日は運ばないぞ」
「んん……すー、すー」

ああ、毎度のことながら仕方ないな。
と読んでいた文庫本を閉じ、こたつの上にあったTVのリモコンを取りTVを消す。
こたつを消して、そっと壊れ物を扱うようにやさしく抱え上げる。

「ん……」
よく寝てるな、これでまた朝までぐっすりだろうな。嬉しそうな顔して俺の胸に顔を擦り付ける。
どんな夢みてんだか。

小さな華を胸にだき、そっとベットに寝かせつけた。

「太郎…そんなことしちゃだめだ………」
いったい夢の中で俺は何をしているんだろう。
これだけでかくなっても小さな弟のままなのだろうか?
そんなことを思って姉を見ると
融ける雪のようなやんわりとした微笑みを浮かべていた。

「おやすみ姉さん」

そっと起こさないように扉を閉めた。

【雪の華】
562雪の華2 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:33:54.28 ID:/gOh4pbX

「だめだ、もっと大きくするんだ。それじゃまだ頭が小さすぎるだろ?仕方ないな太郎は」
「だってお姉ちゃん、これ以上大きくしたら、重くて動かないよ」
「いいから、もっと大きくするんだ。ほら、一緒に押せば、動くから」
必死で、雪玉を押す二人。公園には、昨日降り積もった雪で遊ぶ子供たちの声が響いていた。

「誰にも負けないおっきな雪だるまをつくるんだろ?」
「でも、もう十分大きいじゃないか、」
「まだだ、ほらあいつらもっと大きなのを作ってるじゃないか」
と赤いミトンの手袋で、公園の片隅を指差す姉。

「う〜ん。じゃあもっと大きくしないとダメだよね」
「そうだ、まだまだだよ。そ〜れ」
二人一緒に雪玉をごろごろと押す。
どれぐらい押しただろう

「よーし、これぐらいならいいだろ」
自分たちの肩くらいまで成長した雪玉を眺め、満足そうにペタペタとたたく。

「でもこれ、下の体より大きいよ?」
「なら、これを体にすればいいんじゃないか」
「そっかーお姉ちゃん頭いいー」
「それくらい常識だ。じゃあ、こっちはおいといて、そっちを上げるぞ!太郎、向こう側へまわれ」
「はーい」
「いくぞ、そーれ」

二人で雪玉を持ち上げようとするがビクともしない。

「うーんお姉ちゃん、動かないよ」
「おっかしいな、もう一度、そーれ!」
二人で顔を真っ赤にして雪玉を持ち上げようとする。少しだけ浮いた雪玉はすぐに地面に張り付いてしまった。

「やっぱりだめだよ、お姉ちゃん……」
「しょうがないな、ちょっとだけ小さくするか」
と雪玉を削り出す姉。弟もあわててそれに倣う。

二回り程小さくなった雪玉を不満そうに見つめながら
「これなら上げられるだろ、ほら太郎、こっちに並んで今度こそあげるぞ」
「うんわかったお姉ちゃん。今度こそだね」
「そうだ、今度こそ、いくぞ、そーれ!!」

またも真っ赤な顔をして持ち上げる。今度はさっきよりも上がった。

「それもう少し」

と胸にまで持ち上げたとき、雪玉がそのまま向こうへ何かに引っ張られたように力が抜けた。

「うわっ!!」
「お姉ちゃん!!」

―――それは一瞬の出来事だった。
太郎の方から衝撃が来たと思ったら気が付いたとき、華は雪玉の横にうつ伏せになっていた。

何が何だかわからず、しばらく雪の上でもがいていたが、顔をあげてみるとそこには太郎の姿はなく
雪玉だけが、いや、太郎はの黒いズボンと靴だけが見えていた。

「太郎?……たろう!!」

華は狂ったように必死で雪玉を掻く、太郎、太郎と叫びながら。
563雪の華3 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:36:02.84 ID:/gOh4pbX

……………………

…………




「………太郎、……太郎」

姉さん大丈夫だよ。そんな心配しなくても

「たーろー、たろーおってば」

もう、大丈夫、俺動けるからほら、と寝返りを打つ

「うわわわ、太郎、寝ぼけてんじゃない。いい加減起きろ!」

ボスン、ボスンと太郎の横腹の上で飛び跳ねている。

うーん、と反射的にもう一度寝返りを打つ。

「わわわ、もう何時だと思ってるんだ、遅刻してしまうぞ!」

ふと我に返り、顔を上げると、腹の上には制服姿の華が飛び跳ねていた。

「………姉さん、おはよう」
「おはようじゃない。早く起きろ。遅刻するぞ!」

傍らの目覚まし時計をみる。
「…まだ6時前じゃないか、遅刻どころか、まだ小一時間寝られるよ」

「だめだ、私が遅刻してしまう。今日は大事な模試の日なんだから」
「………姉さん、遅刻どころか日曜じゃないか」

「だから、大事な模試だといってるだろうが」
「………俺関係ないよね?」

「関係大有りだ!外を見ろ!大雪だぞ。こんな大雪の日に私ひとり出かけたら、どうなってしまうかわからんだろうが」

………姉さん。子供扱いするなといつも言っているくせに

「それで、送っていけと?」
「さすが太郎、よくわかってるな」

そんな大雪なら模試ぐらいいいじゃないか、もしかしたら中止かもしれないのに。
564雪の華4 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:38:11.03 ID:/gOh4pbX

「わかったから、とりあえず俺の腹の上からどいてくれるかな?それにさっきからパンツ見えてるから」

華が視線を太郎から自分の股に移すと、飛び跳ねていたせいか、スカートがめくれあがって、真っ白なショーツが見えていた。

「……な、なに見てんだ。この変態////」
とあわててスカートを押さえつける。

「大丈夫だよ、そんな子供パンツみてもなんとも思わないから」
「………!っ子供パンツ!しっけいな、見てみろ、このレース!高かったんだからな!!」
売り言葉に買い言葉、スカートをまくりあげ、見せつけるように、太郎の顔に向かって器用ににじり寄っていく。

「ああもう、わかった、わかったから」
とにじり寄ってくる華の腰をつかみ上げ、腹筋よろしく起き上がりながら、華をリフトアップする。
まるで子供を高い高ーいとするように。

「なにすんだ、放せー」
「はいはい」
とじたばた暴れる華を自分の膝の上に下してやる。

「もう、太郎が素直に起きないから、こんな恥ずかしいことになるんだ」
「それは、姉さんの勝手でしょ。とにかくおはようございます」
「ん…おはよう」
とおじぎした太郎の頭にポンと手を乗せ撫でつける。
そんな手をそっとやさしくつかみ、スカートの上に戻してやった。

「さあ、起きて着替えるから、姉さんは下で待ってて。すぐ行くから」

「うむ、わかった。すぐ着替えろ」
といいつつ膝の上から動かない。

「姉さん、どいてくれないと着替えられないよ」
「うむ、そのまま着替えていいぞ」

「………わけがわからないよ。もういいから、ほら」
と再度両手で華の腰をつかみリフトアップし、自分もベットから降りて、華をやさしくベットおろし腰掛けさせる。

「さあ着替えるから、下行っててね」
「うむ、私にかまうな、着替えていいといっておるだろうが」
「………見たいの?」
「見てくれっていうのなら、その見てもいいが、いや別に特別見たいというわけではないぞ。
あ、そうだ、一人で待ってるのもなんだし、リビング寒いからな。だから…」
565雪の華4 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:40:51.75 ID:/gOh4pbX


「あーわかったわかった、ちょっと待って」
「おお、そうか。見くれっていうなら見てあげないこともないが」
「もういいから、さあ下りよう。一人は嫌なんでしょ」
「下りようって着替えておらんではないか」
「いいんだよ、後で着替えるから」
と、うーんと身体を伸ばす。手が天井に届いていた。

「時間がないといっておろうが」
「模試は何時から?」
「9時からだ。」
「場所は?」
「隣町の○○予備校」
「じゃあ、電車で一駅だし、ここから30分で着くよね」
「でも大雪だから、」
「歩いても1時間かからないし。まだ6時だから大丈夫だよ」
「むぅ………」

「そんなかわいい顔してもだめだよ」
と華のほっぺたを両手で押さえて、ふくれっ面をつぶす。

「……かわいいなんてそんな//」
「いいから下りよう」
と華を持ち上げ、片手で抱っこする。

「もう、子ども扱いするなといつもいっておろうが」
ぽかぽかと胸をたたく。

「じゃあ、下そうか?」
「………ん、そのままで……いい//」
「ははは、姉さん、やっぱりかわいいな」

そんな毎日のやり取りをしながら、リビングに下りて行った。
いつからだろう、二人の立場が逆転してしまったのは…
おとなしく太郎に抱っこされ、首に手を回しながらそんなことを考えた。
566雪の華5 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:42:26.26 ID:/gOh4pbX

いつもいつも太郎は私の後を追いかけてきた。
どこに行くにもお姉ちゃんお姉ちゃんとしつこいぐらいにまとわりついて来た。
そんな太郎をかわいいと思いながら、たまに邪見に扱ったりもしたが
太郎は離れるどころか益々離れなくなった。

けれど、ある大雪の次の日、雪玉につぶされそうになった私を助けた太郎。
結局太郎は、周りの大人たちに助けられ病院に運ばれた。大した怪我もなく念のために3日ほど検査入院するにとどまった。

病院の太郎のベッドで泣きじゃくる私に太郎は
「ごめんねお姉ちゃん。心配かけたね。大丈夫だよ。今度からは、怪我しないようにするから。」
「僕がお姉ちゃんを守るから。だって男の子だもん」

私が守るべき太郎。それが逆に助けられた。
それまで私は守るべきか弱い存在として認識してた「小さな太郎」
がいつの間にか男として、私を守るという。おかしなことだと思った。

守られるべきは太郎のはず。
それからの私は、太郎から離れずなにをするにしても、嫌がってもまとわりついて離れなかった。

そんな私と太郎をみて母がどう思ったのか、太郎を柔道に通わせた。
当然私もついていくと駄々をこねたが、めずらしく太郎が怒って絶対にだめだと言い張った。

嫌われたのかと思ってしばらく意気消沈し、太郎にもしばらく近づかなかった。
太郎もそんな私をみて何かいうかと思ったが、何も言わず二人の距離は離れて行った。

そんな私を不憫に思追ったのか、母が後でこっそり教えてくれた。
「お姉ちゃんを守るために強くなりたい、どうすればいいの?」
と太郎から尋ねられ、近所の柔道場に通わせることにしたと。

私は驚いて母に尋ねた。
「私が守らないといけないのに、なんで?お姉ちゃんなのに?」
「華は女の子でしょう?女の子を守ってこそ一人前の男の子なのよ。女の子は男の子に守られるかわりに愛してあげればいいの」
愛するってなんだろう?そう母に聞きたかったが、
その言葉をきくと胸の奥がほんのり熱くなって、なんだか聞いちゃいけないようなそんな気がした。

「そっと見守ってあげてね。太郎は男の子なんだから」

太郎が中学にあがるころには、身長がグングン伸びだした。
私をあっという間に追い越し、とどまることを知らなかった。
高1になった今でも身長は伸びているようだ。

それに合わせて、男臭くなった。
あんなに小さくかわいかった太郎。

それが、気が付いたときには男になっていた。
風呂あがりに半裸の太郎を見たとき、ドキッとした。
それだけにとどまらず、太郎のまとっていたものからは、オスの匂いが立ち上っていた。

それ以来、男として認識してしまった私は、どう接すればよいのかわからず
ことあるごとに太郎につらくあたった。

それでも太郎はやさしく受け止めてくれた。

もう…ダメだった。
567 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/08(水) 17:44:57.96 ID:/gOh4pbX
投稿終了です。ありがとうございました。
568名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 21:42:40.64 ID:ci7iPfjy
Gj
ロリキモ姉期待
569名無しさん@ピンキー:2012/08/08(水) 21:46:58.14 ID:pJ1+q6BY
570名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 03:22:08.88 ID:zyFXrnrv
gj
571名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 09:36:52.76 ID:8/fCQvFY
>>569
コイツなんなの?
572名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 10:14:49.83 ID:ZxXZRtAI
>>567
乙乙!
573 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:05:13.01 ID:ve1pbSGr
続き投下します。
574雪の華6 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:08:06.33 ID:ve1pbSGr
「トースト、バターにする?ジャム?」
「ジャムでたのむ」
「はいはい」
そういいながら、イスにちょこんと座り、TVを見ながらマグカップを両手で持ち、
ホットミルクをすする。その様子はまるで木の実をかじるリスのように見える。

「で、雪はどう?」
「今年初めての雪なのに、大雪になってしまったようだ」
「そう、電車はどう?」
「どうやら止まっているようだな」
「今日は模試も中止なんじゃない?予備校に電話してみれば?」
「まだ、こんな時間だから繋がらないだろう。もう少ししてからかけてみる」

時刻はまだ7時前。

「一応自覚はしているんだね…」
「何が?」

「とにかく、今日はもうやめて家でゆっくりしたら?」
「そうはいかん、これでも受験生だからな。それにセンター試験の頃もよく雪降るだろう。予行演習だ」

「予行演習って…。ということは姉さん、やっぱりセンター試験にも俺ついていかないとダメなの?」
「当然だ。私に何かあったらどうするんだ」
「どうするって大丈夫だろう?子供じゃないんだし」
「そうだが、いいのか?私を……」
「……姉さん。」

「私を…まもっ………いや、いい。」
声が掠れつつ小声になる。私はどんな表情をしているのだろう。
俯いて、哀れな子犬役になっているのだろうか。

そんなとき、あたたかな何かに包まれた。

「わかってるよ姉さん。姉さんを守ってくれる人が現れるまで、姉さんを守るのは俺だよ」
「………そうか」
太郎の暖かな胸に抱きしめられ、ゆっくりと頭を撫でられた。

………守ってくれる『人』か。
今は太郎がいるけど、この先いつかは私もそんな人が現れるのだろうか?

いや太郎にも…。太郎に、そんな人がいてもおかしくない。
そんな…でも…そうだ……それが普通なんだ。
私より守りたい人。守らなければならない人。私以外に………そうあの日みたように。
575雪の華7 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:10:06.60 ID:ve1pbSGr
……………………

…………




私は高1ぐらいまでは太郎のことをできるだけ無視していた。

けれども、それは表面上であり、気が付けば
太郎のことを目で追っていた。
太郎のことを考えていた
太郎が私のことをどう思っているか
小さな胸がはじけそうなくらい、太郎のことでいっぱいだった。

でも、どうすればわからなかった。

ある秋の日だった。
一人、帰り道を歩いていた。

その日も太郎のことを考えぼんやりとしていた。

ふと前をみると、曲がり角から見覚えのある大きな後ろ姿をみつけた。
その影からもう一人女の子が見えた。
仲よくふたりで話しながら、時折女の子がじゃれついているように見えた。

太郎だった。

誰?
誰なんだ?
なんで?どうして?

その場所にいるのは、私のはずじゃないのか?
太郎の横には私がいるはずじゃないのか?

私を………
私を守ってくれるのではなかったのか?

嫌だ………
嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。そんなの嫌だ!!
太郎の隣は私だけのはず。

でも……

太郎、こんなに近くにいるのに声もかけられないなんて…

太郎、たろう、た…ろ………

気が付けば、熱い雫がほほを伝って流れ落ちていた。
胸の熱くなって、鼻の奥がツンとなってどうしようもなかった。

何も考えられなかった。ただその場を動けなかった。

どれぐらいそうしていただろう。
影が舗道にのびて、夕日が照らしていた。
576雪の華8 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:11:56.02 ID:ve1pbSGr

「姉さん?」
顔を上げると太郎が心配そうに私を覗き込んでいた。

なぜ?

「姉さん、どうしたの?」
声が出なかった。
なんで太郎はそんな顔をしているんだろう?

あの子は?

「大丈夫?姉さん」
太郎そんな優しくしないでくれ、私はどうすればいいんだ?

あの子のことはいいのか?

「そう…」
太郎はそっとしゃがみ、黙ってハンカチで私の顔を拭いてくれた。
太郎そんな優しくしないで、そんな資格は私にはないはず。

そう私じゃないだろう?

けれど何もいえなかった。

胸の中は言葉が詰まって、はじけそうになって苦しいのに。

太郎はこんなにも私のことを思ってくれているのに。

私はどうすればいいんだろう。
私は太郎のことを思っているのに
私は太郎のために何をすればいいんだろう。

なにができるんだろう。

「帰ろう」
一言そういって私の手を握ってくれた。
大きな手がやさしく、温かくつつんでくれた。

のびた陰を舗道に並べ、黙って夕闇の中を太郎と歩いた。
手を繋いで、いつまでもずっと……。

でも、そばにいたらまた泣きそうになった。

風が冷たくなって、冬の匂いがした。
そろそろこの街に太郎と近づける季節がくる。
またあの頃のように、
二人より添うことができるのかな……。

今だけなら、そう今ならそれが、きっと……。
そんなことを考えながら、歩いた。
577雪の華9 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:14:06.87 ID:ve1pbSGr
……………………

…………



「………………姉さん、姉さん?大丈夫、姉さんってば」
「ああ…すまん。考え事を…そう考え事をしていた」
「そう、ならいいんだけど、本当に大丈夫?風邪でもひいたのかな?」

んん?どういうことだ?目の前に太郎の顔が、近い、近い、ちかーい!なんだなんだなんだ?
わわわ………。

あわててぎゅうっと目を瞑る。
おでこに温かい感触と、熱い息が鼻にかかる。
目をうっすらとあけるとそこには、やわらかそうな唇。
ああ………もう………。

「んーーー熱はないようだね、顔は赤いけど、のぼせちゃったかな?暖房熱すぎた?」
「………………」
「姉さん?本当に大丈夫?」

そういいつつ微笑みながら、おでこを離す太郎。

「あ………ああ…………って、その、なにするんだ、私は子供じゃないぞ!!」
「あはは、それだけ元気なら大丈夫だね」

そっと当てられていたおでこを触る。
そこには当てられた感触と太郎の熱が残っているような気がした。

「雪どうなのかな?」
そういいながら、太郎がリビングのカーテンを開けた。

そこには舞い落ちてきた雪が、窓の外をずっと、
降り止むことを知らないかのように、街を染めていた。
578 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 11:15:28.53 ID:ve1pbSGr
投稿終了です。
あいがとうございました。
579名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 11:43:49.97 ID:RPCRekxr
徐々に姉がキモくなってきた
Gj
580 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:40:37.72 ID:ve1pbSGr
続きいきます。
以下投稿開始
581雪の華10 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:41:47.89 ID:ve1pbSGr

「どうだった?」
「うむ、とりあえず1時間遅れでやるそうだ」
「そう、やるんだ、でもやっぱりやめた方がいいんじゃないかな」
「ダメだ。大事な模試なんだ。この時期の判定で決まるからな」
「そっか、じゃあ早めに出ようか。支度するよ。ちょっと待ってて」
と太郎はキッチンをかたずけ、洗面所に向かった。

時刻は8時前、2時間前だが、早めに出るにこしたことはない。

「で、姉さんは何をしているのかな?」
もう一度、顔を洗い、髭をあたったところで、歯ブラシに歯磨き粉をつけながらそう言った。

「何をと言われても、太郎を待ってるのだが」
太郎の背中に持たれるようにしている。背中といっても太郎のほぼ尻のあたりに華の背中が来ているが。

「寒いでしょ?おとなしくリビングで待ってれば」
「………いや、でも、その、なんだ。そう太郎が寂しいかと思って、な…」

歯ブラシを口に咥え、振り返る太郎。
じっと華を見る
その眼は愛おしいものをめでるようにやさしげだ。

「……なんだ?何か、私についているか?」
顔が真っ赤になっているのがわかる。ほほが熱い。

ぷはぁ、ぺっ、ガラガラガラ…ぺっ
と洗面台に向き直し口をゆすぐ

「ふふふ、姉さんが一緒にいるから寂しくないよ」
「……なっななっ何をいうんだ」
と背中をポカポカとたたく華。

「ははは、姉さんが言ったんじゃないか、ほら」
とそっとしゃがんで、タオルで華の顔をやさしく拭いてやる。

「姉さん、ジャムがついてたよ。もう一度顔洗った方がいいんじゃない?」
「……………」
頭から湯気が立ち上るくらい、顔が真っ赤になっていた。
な、なんだこれは、何をされているんだ私は。

「しょうがないな、ほら」
お湯を出してタオルを絞り、そっと顔を拭く。
太郎のなすがままになっていた。

恥ずかしさと愛おしさと太郎の思いで、いっぱいいっぱいになって
何もできず立ち尽くしてた。
582雪の華11 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:44:34.76 ID:ve1pbSGr

「それぐらいにしておきなさいよ、太郎。華が機能停止になってるわよ」
「母さん」
ニマニマと笑いながら、母が洗面所の入り口に立っていた。

「おはよう、太郎、華もいつまで固まってるの?でかけるんでしょ?」
「おはよう、母さん。そうだね。朝食済んだから後は父さんと二人でゆっくり食べて」

「ありがとう、あんまり華を弄るんじゃないわよ?ほら、華、は〜なってば」

「はっ………。あ、母さん、なんで?アレ?」
「おはよう華。朝から愛されてるわね」
「え?あ、お、おはよう。…愛される?ええ愛されてるのか?ああ、私は、私は………」
再び真っ赤な顔をして固まる。

「母さんこそ姉さんのこと弄ってるじゃないか。ほら姉さんもう少しだから」
とタオルでもう一度真っ赤になった顔をやさしく拭きあげる。

「ん、きれいになったよ。今日もかわいいね」
………
聞こえているのかいないのか、華は固まったままだ。

「………太郎、それわざと?わが子ながら、あきれちゃうわね。さすが父さんの子。
でも、いつまでもそんなことやってると、出かけられないわよ?」
「そうだね、姉さん着替えてくるから待っててね」

「かわいい……かわいい……太郎が私のこと…かわいい」
真っ赤な顔をしてブツブツといいながらかたまったままの華

「ほら、華も、愛しい太郎はいっちゃったわよ」
「えっ!あ、あれ?た、たろう?どこいっちゃったんだ?太郎?」
とまわりをキョロキョロする華。まるで、ハムスターが周りを警戒するようなしぐさで。

「はぁ、落ち着きなさい、華」
としゃがみ、両手を私の肩に置いた。

母は華と違って170近い。ちなみに父も180はあるだろう。
なぜか華だけが小さい。両親の祖母は両方小さかったが、隔世遺伝なのだろうか。

「いい?華。前にも言ったけど、守ってもらうかわりに、あなたが太郎を愛するんでしょう?」
「……でも母さん、私達は実の姉弟だ。血のつながった姉弟だ」

「そんなこと言われなくてもわかってるわよ。私が生んだんだもの。そういうことを言ってるんじゃないわよ」
「え?」
「女の子は愛されて、愛することができて一人前なのよ。どちらか一方だけじゃだめなの」
「それがどんな相手でもいいの、自分で愛することができて、愛されるならば……ね。」

よくわからなかった。
どんな相手でもいい。それじゃあ

「許されない恋?棘の道?禁忌?倫理?そんなことどうでもいいの」
「後はわかるわね♪」
とウィンクされて
「さあ、頑張ってらっしゃい。王子様がお待ちかねよ」

「姉さん?出かけるよ?どこにいるの?」
と玄関で声がする。
「はい。じゃあ行ってきます」
とぴょこんとお辞儀して、てててと洗面所からかけていった。
583雪の華12 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:47:05.68 ID:ve1pbSGr

街は白く染まっていあたりはシンシンという音が聞こえるような雪が降っていた。

それ以外の音は聞こえず、朝の喧騒はなかった。
日曜日の朝というだけでなく、雪がすべてを覆い隠しているようだった。

「結構積もってるな。長靴で正解だった」
「姉さん、傘挿した方がいいよ」
「挿してるじゃないか」
「いや、一本だけだと、姉さん方に雪が積もってるよ」
とやさしく華の肩を払う。

何故か、二人は1本の傘で相合傘。
太郎が何をいっても受け付けず、1本の傘でと華が言い張った。

「いいんだ。この方が暖かい気がする」
「そうかな?濡れて余計に寒くなるような気がするけど」
「男のくせにゴチャゴチャとうるさいやつだな。気にするな。私がいいと言ってるんだからいいんだ」

せっかくのチャンスなんだ。活かさずしてどうするかと思いながら、
太郎が傘を挿している方の手にぶら下がるように抱きついた。

「わわっ危ないよ。転びそうになったじゃないか。しょうがないな姉さんは」
「ふふ、なんとでも言え、この方が楽だし暖かい」
「楽かもしれないけど、暖かくないよ」
「なに、この姉の温もりを感じないとは、薄情なやつめ、ってうわわわ」
足を滑らせ、後ろにひっくり返りそうになるが、
太郎が傘を投げ捨て慌てて、受け止める。

「ほら、姉さんそんなはしゃいでるから、そんなことになるんだよ。大丈夫?」
「ううう、すまん。大丈夫だ」
「よかったね。受験生の禁句言わなくて済んだね」
とカラカラと笑う太郎。

「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないか」
と思いながら状況を把握する。ん?抱きしめられてる?んんん?太郎の顔が・・・顔が・・・

真っ赤な顔をして固まる華。

「どうしたの?姉さん。足でもひねった。大丈夫?」
「ううううう、大丈夫大丈夫だから、そ、そんな心配しなくてもいいから、は、早く、早く離れろ」
「もう、どうしたいの?くっつきたがったり、離れろって言ったり」
「いいから、離れろ、いやそのままの方が、でも………」
「もう、しょうがないな。じゃあこうしよう」
584雪の華13 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:50:47.60 ID:ve1pbSGr
そっと華を持ち上げ、抱っこする。

「これで大丈夫でしょ?転ぶこともないしね」
「わわわ、何するんだ!!公衆の面前だぞ、それに太郎が転んだら私まで転んじゃうじゃないか」
「ああ、大丈夫だよ、周りに誰もいないし、俺は、父さんの草野球のシューズ履いてるから」
「ええ?いつの間にそんなものを。父さんに叱られるぞ」
「いいんだよ。古くなったものをもらったんだから、雪の日のためにね。これスパイクになってるから」

「いやでも、そのなんだ、は、恥ずかしいじゃないか、子供じゃないんだから……//」
「そんなに嫌なの?じゃあ下そうか」

「んんー…………、でもその、せっかく太郎が……その」
「わかったわかった。たしかにこれじゃ前が見難いし、バランスが悪いから一旦下すよ」
「ええ〜?下すのか?」
あきらかに意気消沈した華。下されないように、あわてて太郎の首に手を回してしがみ付く。

「もう、姉さん、どっちなの?とりあえず、一度下りて体制を立て直したいからさ」
「………わかった」

渋々太郎の首に回した手をほどき、そっと地面に下された。
せっかく太郎に抱きついて、太郎の匂いに浸れたのに。なんて馬鹿なんだろう私は
と軽く凹む華。

太郎は傘を拾い上げ、そっとその場にしゃがんだ。
「さあ、姉さん来て、背中にどうぞ」
「ええ?おんぶ?」
「そうだよ。さあ早く」
モジモジと太郎の大きな背中を見る。

「でも、スカートだから、その中見えちゃうだろ…」
「さっき防寒対策で分厚いタイツはいただろう?パンツみえないから大丈夫だよ」
「いや、でも……」

「どうしたの?姉さん。やっぱりやめとく?」
「誰も嫌だとは言ってないだろう。ちょっとまて」
とあわてて太郎の背中におぶさった。

大きなダッフルコートの背中はちょっと湿っていた。

「あ、ちょっとまって」
とマフラーを外す太郎。

「はい、もう一度、そう、それでいいよ」
そっと立ち上がり、軽々と華を持ち上げる

「姉さん、悪いけどさ、マフラー巻いてくれない?姉さんごとさ」
「へっ?な、何をいってるんだ?マフラー巻けって。だいたいそんな二人分なんて巻くほど長くはないだろう?」
「何言ってんのさ?去年姉さんがくれたマフラー、長めに編んだからっていってたじゃないか」
585雪の華14 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:52:39.73 ID:ve1pbSGr

そうだった。
去年慣れない編み物を友達に習って、クリスマスプレゼントとして作ったのだ。
誰にあげるんだと散々からかわれながら、どれぐらい編んでいいのかわからず、
思ったよりも、いやかなり長くなってしまった。
その時太郎は、ものすごく喜んでくれて、これだと姉さんと一緒に巻けるねと微笑んでくれた。

「姉さん?悪いんだけど早く巻いてくれないかな?寒いんだけど」
「ああ、すまんすまん」
慌てて巻こうとするが、自分の巻いているマフラーが邪魔なのに気付いた。

「すまん、太郎これ持ってくれるか?」
と自分のマフラーを手提げかばんに入れ手渡す。
その後、太郎のマフラーを自分を含めて巻こうとしたが、

よく考えれば肩越しに太郎の顔に密着させないといけないことに気付いた。

「姉さん、まだ?寒いんだけど、早くしてよ」
太郎にせかされ、真っ赤な顔をしながら、そっとマフラーをまいていった。

暖かい。
太郎の温もりだ。
なんだろう、安心する匂いがする。
ひくひくと鼻を鳴らす。
ちょうど太郎の左耳の裏のあたり。

「姉さん、くすぐったいよ。ちょっとだめだよ」
くすぐったそうに身をよじらせ、文句を言う太郎。

こんないい匂い、嗅げるときに嗅がないと。今度いつ嗅ぐことができるかわからないじゃないか
と必死に鼻をひくひくさせる。
鼻息がよほどくすぐったかったのか、太郎は笑い出す始末。

「くくく、もう、姉さん、いい加減に………」
と振り返る太郎。
当然、鼻をひくひくさせていた華にぶつかり…

――――― 一瞬の出来事だった。

何がなんだかわからず、二人はそのまま固まった。

太郎のほほに暖かい感触が
華の唇にもやわらかい感触が

華は太郎のほほにキスをしてしまった。

それも口唇に近いところで、もう数センチずれていたらお互いのファーストキスになっていたはず。

先に気付いたのは、太郎だった
我にかえった太郎はあわてて前を向き直し、そのまま歩き出した。
耳まで真っ赤にして。

華はしばらく固まっていた。
気づいたら、太郎が歩いていた。
ゆさゆさと華を揺さぶりながら、ゆっくりした足取りで

なんだったんだ?今のは?夢?夢なのか?でも、唇に残る感触は、温かくて柔らかった。
首に回した左手を自分の口唇にあてなぞってみる。
確かに感触があった。
586雪の華15 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 17:58:13.46 ID:ve1pbSGr

「ごめん。姉さん………」
何を謝ってるんだろう?

「姉さんの大事な唇………」

…………………………………!

「き、きに、きに、気にするな!じ、じ、事故、そう事故だから」
「でも……」
「いいから、気にするな、犬にかまれた、いや舐められたとでも思ってくれていいから……」
「そんな、犬だなんて、姉さん。ゴメン…」

なんで謝るんだ、太郎…。
そんなに嫌だったのか。
そんなに気持ち悪かったのか。
そんな、そんなに………。

「姉さん?」

いつの間にか、また頬に流れる雫。
私はこんなに泣き虫だったろうか?
私は嬉しかったのに、こんなに拒絶されるのがつらいなんて

「…すまなかった。太郎。もう…下してくれ。一人で……、ひとりで…行けるから」

「姉さん……ゴメン。そんなに…嫌だった?」
「えっ?」

すっとしゃがみ、そっと華を放す。

「ゴメン、そんなつもりじゃなかったんだ。そんなつもりじゃ…」
大きな太郎の背中が小刻みに揺れる。

「ち、ちがっ」
「ごめんね…、本当にごめんね…。俺、俺、姉さんを傷つけ…ちゃったんだよね…。」
「守るはずなのに、傷つけちゃったんだよね…」

こちらを振り返らず俯いて、しゃがんだまま小刻みに肩を揺らす太郎。

そんな太郎を見た途端、愛しい気持ちが胸の奥から湧いてくる。
首にまわしていた手をほどき、そっと太郎の頭を胸に抱きしめた。
587雪の華16 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 18:01:17.49 ID:ve1pbSGr

「………太郎は泣き虫だな。昔からそうだった。小さい太郎のままじゃないか」

「太郎。私が太郎のこと嫌なわけないじゃないか」
「で、でも……」
「太郎がいつでも私を守ってくれた。太郎がいると安心できるんだ。どんなことでも乗り切れる気持ちになるんだ。」

「姉さん………」

「太郎、笑顔のときも、涙に濡れているときも、いつもいつでもそばにいたいんだ」
「太郎、私はずっと一緒にいたい」
「けれど太郎は気持ち悪いだろう。実の姉からこんなことを言われて」

「そんなっ」

「いいんだ、私は姉、太郎は弟だ。けれど私は……。」

それ以上は言葉にならなかった。
言いたいのに、なぜか言えなかった。
自分の勝手な思いを、愛しい人に押し付けるわけにいかなかった。

そっと太郎の頭を放し、伸びていたマフラーを外す。

「太郎すまなかった。だから泣かないでくれ。私のために、いや気持ち悪いだろうけど」
「姉さん!」

―――――次の瞬間、太郎の顔が目の前でいっぱいになった。

白い息が二人の間から立ち上り
あふれ出す感情が、
温もりのある感触が、
熱くなった胸の奥に満たされていく。

一瞬の出来事だったと思う。けれど、ずっといつまでも続くように、と祈りたくなった。
そう、ふたりの時間が止まるように、と。

………。

すっとはなれていく太郎。

嫌だ離れないで、私から離れないで、私との時間を動かさないで。
もっと、もっと、もっとぉ………太郎。

ふたりの間には、つーっと透明な露の橋ができていた、がやがてそれも…。

「…ゴメン、姉さん。俺は、俺は姉さんを守るって決めたんだ。なのに姉さんを傷つけて」
「……まだ、言う……のか………」

口の端に残る愛しい露を、人差し指でそっとぬぐう。

「違うよ。姉さん。そういう意味じゃない。姉さんの気持ちにずっと気づいていながら、気づかないふりをしてきた」

「太郎………」

「怖かったんだ。禁忌、倫理、世間体、そんなものは関係ない」
「けれど、それを無視して姉さんに押し付けるなんてとてもできなかった………」
「傷つけたくなかった。姉さんにつらい思いなんてして欲しくなかった。だから俺は……」
588雪の華17 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 18:03:03.37 ID:ve1pbSGr

「もう、もういいよ。もういいんだ。太郎。その気持ちだけで私は……」

そう私は、太郎のおかげで知った。
誰かのために、何かをしたい、と思えるのが愛ということを知った。
だから、私はこんなにも、満たされている。

私は太郎からこんなにも愛されている。
だから、

「太郎、私は、あなたを愛している」

589 ◆dtvnEZ7OsY :2012/08/09(木) 18:03:39.98 ID:ve1pbSGr
投稿終了です。
ありがとうございました。
590名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 23:32:06.09 ID:8/fCQvFY
親はいったいどんな気持ちで弟に太郎、姉に華なんて名前つけたんだろうな
太郎とかめんどくさかったのかw
591名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 23:44:30.20 ID:9XLG/S6c
>>590
本名太郎といいますがなにか?
ちなみに従兄弟に花ちゃんがいますがなにか?
592名無しさん@ピンキー:2012/08/09(木) 23:46:01.50 ID:KLnBxs8I
>>591
気持ち悪いよ、お前
593名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 02:52:41.25 ID:HIbfSwt3
>>589
GJこんな姉がほしいです。どこかに落ちてないだろうか……
最近投下多くてうれしい限り
594名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 10:00:03.63 ID:2PnPCPQw
まぁまぁ、ss投下された直後だしほっこりしようず
何はともあれGJ!
595護国炎虎@刈流兵法免許皆伝:2012/08/10(金) 22:40:56.80 ID:s9VyaOV/
それより、じすりせいがんの作者の公式謝罪マダー!?
ほんと調剤編とかわけわからんオナニー小説書いた奴と同類だわ

596名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 23:13:15.02 ID:5V6wNKrK
奈良原先生も可哀想に。
調剤編みたいなキャラの性格や設定ガン無視の駄文見せつけられちゃって。
597護国炎虎@刈流兵法免許皆伝:2012/08/11(土) 04:50:09.18 ID:lXv54MFl
そもそもエロ無し作品はその手のスレでやりゃあいいんだよ
598名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 10:32:14.16 ID:w2UqTXHk
姉と妹どちらが人気あるのだろうか?
599名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 18:24:57.65 ID:mpi6GuKL
>>589
乙乙!
600名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 19:28:37.73 ID:nDMHKK5E
弟しか友達いない根暗キモ姉ちゃんと一緒にタンスに入りたい
601名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 19:37:05.66 ID:M/jv7V1E
た、タンス?
602名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 19:44:04.72 ID:nDMHKK5E
>>601
中に人入れるのタンスて言わない?
押入れじゃないよ
603名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 22:40:25.31 ID:w2UqTXHk
残念ながら聞いたことないな
タンスは衣類をしまうものだろ
604名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 00:31:25.00 ID:6BALbWXI
妹「もしかして・・・クローゼットのことをタンスと・・・」

妹「ま、まさかね・・・」
605名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 02:35:55.61 ID:DK7yQp+C
実の兄にルパンダイブをするキモウトはこのスレ的には有りですか?
606名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 03:13:20.32 ID:0FtT4KUr
不二子ちゃんポジにルパンダイブ→残念、それもキモウトだ
607名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 05:26:03.62 ID:kwp8KGHe
>>597
下段青眼の解説とか村正のモロパクリだわ
608名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 05:38:59.61 ID:GN55yB7z
>>604
クローゼットは日本語で何て言うの?
ドラえもんみたいに押入れがお姉ちゃんの部屋
609名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 08:04:58.95 ID:LFJDvkqn
>>608
戸棚じゃない?
610名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 14:51:36.84 ID:/wphxDqb
某スレで炎虎師範の存在を知りました
遅まきながら、全面的に支持させていただきます
611名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 15:23:56.65 ID:E5wa8SKz
>>605
コミカルな作品向けだね。
いいんじゃない?というか、その情景を想像して微笑ましくなってしまったw
612名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 16:17:02.16 ID:/wphxDqb
私もやっぱり二次創作は二次創作の専用スレに投下するべきだと思います
一次創作のスレに二次創作物を投下すれば、ただのパクリと判断されても仕方がないのではないのでしょうか
それに謝罪がないのはまずいことがあるからではないでしょうか?
盗作を認めてしまえば、それまでの名声が地に落ちることになりますから
さっさと認めて一から出直すことを提案します
処置が早ければ早いほど直りも早いのは、なにも外傷に限った話ではないでしょうから
613名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 16:18:49.90 ID:Ijji+RjT
私は三次創作がいいと思います
614名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 16:24:58.67 ID:GN55yB7z
何時も考えてるんだけど何でファンタジーやSFのキモ姉妹物少ないんだ?
殆ど現代物だよね
615名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 16:37:13.34 ID:/wphxDqb
それは私たちがあたかも現実にいそうな妹に妄想を託しているからであって
ファンタジー世界のキャラクターに「俺の妹」としての現実味が感じられないからではないでしょうか
需要があるのはどこの誰だか知らない他人の妹ではなく、あくまで「俺の妹」なのです
そして「俺」は現代の存在なのですから
616名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 16:50:33.40 ID:GN55yB7z
>>615
そんな理由があったのか
世界観を説明しなくて良いてのもあるのかな
SFで昔姉弟は結婚出来なかったんだよとか良さそうな気がする
617名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 17:05:01.57 ID:/wphxDqb
逆に現代の姉弟が「昔姉弟は結婚できたんだよ」と嘆くのが正しいのです
未来に行くほど近親相姦は医学的にも倫理的にも厳しくなるでしょうから
如何に少子化対策といっても無理があります
618名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 17:20:07.12 ID:GN55yB7z
>>617
でも結婚は出来ないが子供作っても罰則はないんだよな
大体誰が近親結婚出来ないなんて法律作ったんだ
619名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 17:29:10.68 ID:/wphxDqb
法律を作るのは、私たちが選んだ私たちの代表である国会議員の先生たちです
すなわち、近親結婚を禁じる法律を作ったのは私たち自身なのです
もし近親結婚をしたいのなら、近親結婚を認めようという議員を当選させましょう
それが現代の民主主義の仕組みなのです
それより、近親相姦は禁じられているからこそワクワクするのではありませんか?
620名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 17:46:04.51 ID:GN55yB7z
>>619
キモ姉的には禁じられてるからワクワクとかはないな
お姉ちゃんが政治家になってマニフェストは姉弟結婚の解禁で
ライバル党は兄妹結婚の解禁で政争
621名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 17:49:07.64 ID:/wphxDqb
キモ姉は年を食っているからそれだけ焦っているのです
世の男にとっての女の魅力とは若さですから
最後に勝つのはいつだって妹なのです
姉など滅びてしまえばいい
622名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 19:27:04.10 ID:LFJDvkqn
はぁ?憎たらし妹なんてポイっだ!
623名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 19:48:02.81 ID:/wphxDqb
あら何を焦ってらっしゃるのかしら、お姉さま
クスクス
624名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 21:01:17.56 ID:3dM1UKz2
雑談はよそでしてくださいよ
625名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 22:17:01.82 ID:vfZwtOij
ニトロ厨だか夏厨だか知らないが、誰にも相手にされてないんだって気づけよ、な
626名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 22:31:20.01 ID:/wphxDqb
うふふ、か〜な〜り〜動揺なさってるみたいですねぇ、お ね え さ ま
627名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 00:31:10.30 ID:wkyJltBJ
自演大杉ィ!!
628名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 01:16:18.08 ID:zV+NHbAc
もうここもアカンか
ヤンデレスレの二の舞かよ
629名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 01:34:32.53 ID:KfU+ZSZk
もうだめだとか言ってる暇があったら投下するかGJせんのん
630名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 06:45:47.76 ID:8CX+1bPM
暴君キモ姉に虐待されて奴隷にされたい
631名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 14:11:03.63 ID:0D6xfWa3
>>545
カメレスもいいところだけど、こんな感じで?
間違えて妹にしちゃったけど

以下投稿します。
632「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:12:26.20 ID:0D6xfWa3
〜兄サイド〜

今日から夏休み
とはいってもこれといって何があるわけでもない。
帰宅部である俺は学校行事は登校日があるぐらいで、特にはない。
友達からバイトにも誘われたが、それは8月初旬の1週間。夏祭りの準備と売り子ぐらいだそうな。

それまでは特に何もない。しょうがないので、家でダラダラと過ごすことにした。
ただし俺の部屋にはクーラーがない。年代ものの扇風機が1台あるだけで…。
バイト代でクーラーをつけるのがとりあえずの目標だ。
いまどきの高校生の目標ではないと思うが。

まあ、することもなく、高校野球の地方選をTVでみることもなくぼーっと見ていた。
633「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:14:36.30 ID:0D6xfWa3
〜妹サイド〜

「兄貴に安価で迫ってみる」

1:名前:イモ禁[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

今日から夏休みなので、唐突だが兄貴に迫ってみようと思う。
何をすればいいか、考えたが、よくわからないのでみんなに助けて欲しい。

以下スペック↓

兄貴
17歳高2
身長160足らず。
本人は160pと言い張っているが、どうみても見えない。
体重、3サイズしらない。
彼女無=年齢
顔はかっこいいと思うが、周りいわくフツメン

イモ禁
15歳高1 
3サイズは秘密だ
顔はカッコいいらしい。


>>5最初はソフトにたのむ


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
なんだと…?腹筋じゃないのか?

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
ネカマ乙!

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
カッコいいだと?
写真うぷ!!
話はそれからだ


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
( ゜∀゜)o彡おっぱいうぷ!

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!おっぱい!

634「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:15:21.70 ID:0D6xfWa3

7 名前:イモ禁 [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
おまいらたのむ真剣なんだ。

うぷはしない。
3サイズは88、59、89

たのむ!
>>12 君に決めた!!

8 名前: [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

騙されるな、カップが大事なんだ。
それと身長だな。
カッコいいとかいわれてるのなら、でかいのか?
マリみて状態だなwww

9 名前:イモ禁 [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

>>8
Dかぷ
身長は180だ。
中学のころから、女に言い寄られた数は…


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

リア充め!


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

ブラを服の上から装着
兄貴の反応を見る。
何か言われたら、ブラを外し、Dカプ、Dカプと言いながら胸を押し付ける



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

>>11 リア充ならぬ、りあ百合だなwww



14 名前:イモ禁 [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

把握した。
では逝ってくる。
報告はあとで


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
>>12うはwwwwww

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
>>14逝ってら〜
うは、楽しみwwwww

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
>>12 どこがソフトなんだよwwwwwwwww
635「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:16:00.03 ID:0D6xfWa3


〜兄サイド〜
TVをぼーっと見てたら、突然視界がさえぎられ、妹が、俺の前にたっていた。
妹を見上げると、なぜかTシャツの上にブラをつけて…

何をいっているのかわからないだろうが、俺にもわからない。

妹と目があったが、なぜかじーっと見返された。
思わず目をそらした。
やばい、これはやばい。何も言わない方がいいかもしれない。

「兄さん、暑いね」
「……………」

目が逝っている。
まさしく文字通りおかしいぞ
やっぱり暑さでやられたのだろうか?

いたたまれなくなって、ソファから立ち冷蔵庫に麦茶を取りに移動。
なぜか妹もついてきた。
はっきりいって怖い。
麦茶を一気飲みしてとりあえず落ち着こうとしたあと、突然妹が

「兄さん、何かいうことは?」
「……とりあえず、麦茶のむか?」

と麦茶の入ったボトルをつかもうとした瞬間

「Dかぷ、Dかぷ、Dかぷ…」

なにかブツブツと呪文?を唱えながら迫ってきた。
頭をつかまれ、顔に胸を押し付けられた。
いや、押し付けられるというものではない、
気持ちいいはずであろうムニムニとした胸の感触が…
何か、妹が逝っているようだったがよく聞こえん。

あ、熱い、暑いじゃなく、熱い!
い、息が……


…気が付いたら、ソファに寝ていた。クーラーが効いているはずなのに汗びっしょり。
周りを見回すが誰もいない。夢だったのか?

必死で妹の胸をもみしだいた感触があったが、
あれも夢だったのだろうか?

真夏の白昼夢。リアルすぎる。
うーんたまっているのか?
妹で欲情するとは、不覚だった。
仕方ない、とりあえず、トイレだな。
636「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:20:03.99 ID:0D6xfWa3
〜妹サイド〜

「安価は絶対、安価はぜったい」
そういいながら、つけていたブラを外し、Tシャツの上から付け直す。
うまく装着できない。ただでさえ少しきつくなってきたと思っていたところなのに

胸がちょっと苦しいが、なんとか完了。
姿見をみると、ちょっと綻びもあるし、これでは色気もなにもない。

ブラを外すして鏡をみると、なぜかTシャツに固くなった二つの突起が。

………。
「このままで押し付けても………デュフフフ」
「う〜ん、兄さんが興奮して、私の胸をモミしだく。それだけで三日は逝ける…グフフ」

でも安価は絶対だ。勝負ブラを装着し、これでいいかな?と鏡を見る。

なんか間抜けだ…。
さっきまでのテンションが下がるが、でも気をとりなおして、リビングへ突撃!

リビングのソファに座り、TVをぼけっとみている兄。
その兄の前に立ちはだかりとりあえず、反応を見てみた。

見上げる兄との視線と一瞬絡みあったがすぐにそらされた。
どういうことだ?恥ずかしがっているのだろうか?
何も言われなかったので、とりあえず声をかけてみた。

「兄さん、暑いね」
「……………」

なぜか反応がない。照れているのだろうか?
何かいうだろう?ふつうは。
でも何も言われず、兄の顔に汗が流れて行くのが見えたぐらいだ。

そのまま兄は何も言わず、立ち上がり、キッチンの方へ
私もその後についていった。

冷蔵庫から麦茶のボトルをだして、コップに注ぎ一気に飲み干した。

じっと見ていたが、何も言われなかった。
反応がないというのは、これでつらいもの。
それが愛しい兄なら、なおさらだ。
身もだえしそうになりながら、とりあえず兄の反応をまたなければならないが、
たまらず言ってしまった。

「兄さん、何かいうことは?」
「……とりあえず、麦茶のむか?」
637「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:20:55.03 ID:0D6xfWa3

反応があった!
私に麦茶を進めてくれた!正直嬉しかった。
ああ、そうだセリフセリフ

「Dかぷ、Dかぷ、Dかぷ…」
といいながら、兄の頭をつかんで、私の胸に押し付けた。

熱い…。胸が熱い。
兄の息が胸にあたる。
くすぐったい。
「…ふぅあ………」
思わず声がもれてしまった。
こんなにも熱くなるなんて
兄が暴れていたが 頭を抱える腕に力を入れて押さえつける

「…うっ…うぁ…はあぁ……ふぁはぁ…」

胸が、胸が気持ちいい。
なんだろうと思ったら、兄に胸をもまれていた。

なにをいってるのかわからないだろうが、私も(ry

「あぁぁ、はぁ〜ん……あぁ、ふぅぅぅ、イや、ああ〜」
「…に、兄さん、いぃよ…イヤ…あ…だめだ…こ…こんなところで…あぁいいぃ〜」

兄は一層胸を揉みしだく。
だめだこのままでは、兄さん、兄さん、兄さん…。
「ううあ、ああああ、いやああああああああああああああ」

兄をぎゅうっと抱きしめ、私は逝ってしまった。
今までない快感が私の体を駆け巡り、その場にしゃがみこんでしまった。
しばらく身体が痙攣していたようにびくびくとしていた。
股間が熱くなって、短パンまで熱く染み出ているのがわかった。
こんなにも兄さんがテクニシャンだったなんて。
もっと早く迫ればよかった。
そう思いながら、胸に抱えた兄をみると、ぐったりしていた。

アレ???
638「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:26:49.03 ID:0D6xfWa3
61 名前:イモ禁 [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
というわけで報告は以上だ。

想像以上に良かった。
さすがはVipper

>>12 ありがとう

さあ時間の許す限り兄にせまるぞ
お次は君だ!
>>70たのむぞ


62名前: [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

うはwwwwwwwwwwwww

GJ!>>1
いや、>>12かWwwwwwwwwwwwww


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
GJ!!>>12



64名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
GJ!!!!!!!!!>>12


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

なんというスキルwwwwwwwwwwwwwwwwwww
まさにVipperのかがみだな>>12wwwwwwwwwwwwwwwwwww



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

ここまで>>12への賞賛のみwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>12GJwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


639「安価で兄貴に迫ってみる」:2012/08/13(月) 14:27:48.18 ID:0D6xfWa3
以上、てな感じになりました。
後は誰か頼む。
640名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 17:05:30.55 ID:zxkrAuaU
なんか、死ねば? って感じの出来だな
作品云々の前に、文章としてきちんと成立していないただの文字列だよ
ちゃんと読んでほしいのなら、ちゃんと書かなくては
641名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 17:19:45.75 ID:0D6xfWa3
>>640
すまない。
あとは頼んだ。
642名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 17:30:35.06 ID:8CX+1bPM
乙!
しかし姉ではなく妹で書いたのは重罪
なので続きを書きなさい
643名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 18:27:20.06 ID:TFvZJYir
この程度で乙とは、スレのレベルが知れてしまうなw
ここはレベルの低いカス書き手の集まりなのか?
644名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 19:00:19.19 ID:htz44Y8c
高校野球の代表が選挙で決まるとは、なんという民主主義w
察するに、この書き手さんの母国は朝鮮ですね?
645名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 19:20:22.82 ID:XUX284c1
>>643
ごたくはいから書いてくれ。
夏厨が多いんだから、これだという手本を見せてくれ
646名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 19:42:07.74 ID:PMSus6ga
お前はよくやった
姉じゃなく妹に徹してくれたことに感謝する
正直、姉なんてババアに萌えるのは理解できない
密かに姉から慕われているというだけで、おぞましくて虫酸が走るくらいだ
647名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 20:39:29.38 ID:6GPn63xh
お前は慕われないけどなw
648名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 20:49:33.39 ID:4LFtoObK
以前から思ってたんだけど、どうしてキモウトとキモ姉が同じスレで並列してるんだ?
全く別のジャンルだろうに
両方が出てくるならまだしも、片方だけの作品とかおかしいだろ
次スレからはキモウトスレとキモ姉スレでハッキリと分けることを提案する
649名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:28:03.14 ID:6GPn63xh
>>648
間違いなくどっちも過疎るわ
650名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:31:23.85 ID:YzRw3yLQ
だな
651名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:40:59.03 ID:H0w9JkQo
けど、キモウトは読みたいけどキモ姉は読みたくないって住民がいるんだから
どちらも立てようと思えば分断も止むをえんだろう
652名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:41:38.24 ID:8CX+1bPM
同じ穴クグって来た姉と結婚とかロマンチック
653名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:44:42.46 ID:E8vYy/ql
キモ姉支持派のマナーの悪さというかデリカシーのなさが今日のいざこざを招いたんだろうな
特に>>652みたいなアホがな
654名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:47:20.29 ID:8CX+1bPM
スレを過疎らせたくてしょうがない様子
これはキモ姉妹を憎む人間の犯行に違いない
655名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 21:50:37.00 ID:6GPn63xh
>>651
さぁ?お前が初めてなんじゃないの?
今までそんなことで駄々こねるヤツ見たことないし
656名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 22:09:01.70 ID:R1Djgbrz
実の姉なんて妄想にしても有りえんだろ
余程の重度の童貞じゃない限りw
キモいのは姉じゃなく、お前の方だよ
657名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 22:16:36.52 ID:XUX284c1
どっちでもいいから、誰か書いてくれ
もうこっちはまともな作品に飢えてんだよ。

まともっていうのも変だけどw
658名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 23:30:35.43 ID:/0bvPEvn
妹!!妹!!
妹こそ至高!!生まれてからずーっと共にある妹こそ兄と添い遂げることが許される!!
659名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 00:17:15.71 ID:EEmdUuG7
>>639
自分でもひどすぎたと思ったので、誰か書いてくれないかと重思ったけど。
とりあえず姉で書きなおしてみた。
660「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:18:05.74 ID:EEmdUuG7
〜弟サイド〜

今日は珍しく姉がからんでこない。

いつもなら、暑苦しいだの、汗臭いだの、うっとおしいだの
とか言うくせに、まとわりついてきて、気がつけばベタベタしてくるあの姉が、

外に出かけようとしたら、いつの間にか一緒についてきて、あれこれ言いながら、
腕を組んだり、まとわりついてくるあの姉が

うっとうしがって、逃げだそうとすると、延々2時間近く説教され、いつの間にか
一緒に添い寝することになって、
ぶつぶつ言いながらも一緒に寝たら、挙句の果てに、なぜか、腕枕までさせられ、
釈然とせず、文句を言うと、またも説教が…。

まあ言い出したらきりがないので、止めておくが、そんな俺にベッタリな姉が
部屋にこもってでてこない。

さすがに心配になって、部屋のドア越しに声をかけて見た。

コンコンとノックをしながら
「姉さん?どうしたの?大丈夫?熱でもあるの?」
「うるさい、大丈夫だから、それどころじゃないんだ」
耳を澄ますと何やらカチャカチャと音がする。
レポートでも書いているんだろうか?

とりあえず体調が悪いとかそういうことではなさそうなので、ほっておくことにした。

まあ、鬼の居ぬ間になんとやら。
とりあえず、リビングのクーラーで涼みながら、まったりしよう。
661「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:18:41.43 ID:EEmdUuG7
〜姉サイド〜

弟君が何か言ってるけど、まあいいわ。それどころじゃないしね。

うふふ、今日は両親も親戚の法事で帰ってこないし、これはチャンスね
そうと決まれば、計画実行だわ。
さあ、みんな私のために力を分けて頂戴。ふふふ…。

「弟に安価で迫ってみる」

1:名前:デレ姉[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

夏休みで朝から弟と二人きり
両親も今日でかけていない。
こんなチャンスは二度とはない
だから弟に迫ってみようと思う。

以下スペック↓


16歳高1
身長160足らず。
本人は160pと言い張っているが、どうみても見えない。
体重、3サイズしらない。
彼女無=年齢
顔はかわいいと思うが、周りいわくフツメン

デレ姉
18歳高3
3サイズは秘密だ
顔はカッコいいらしい。
なぜか同姓にはもてる。

>>5最初はソフトにたのむ

2: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

>>1おまいの家には鏡はないのかwwwwwwwwwww

3: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

とりあえず( ゜∀゜)o彡おっぱいうぷ

4: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

( ゜∀゜)o彡゜おっぱい!おっぱい!

5: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
まて、せめてBサイズを教えろ
あとカップもだ。
話はそれからだ

6: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

同姓にもてるのなら、身長もあるのか?
662「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:19:12.05 ID:EEmdUuG7

7:名前:デレ姉[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

>>5  89、Eカップだ。
弟を思いながら、一人で育てた。

>>6 180cm、
弟以外には興味はないのに、正直迫られて困る。正直キモい。

お前ら、こっちは真剣なんだ。たのむ。
こちとら弟一筋16年なんだ。この辺でケリをつけたい。

>>12
たのんだぞ

8: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
ガチキモ姉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
Ksk

9: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
キモ姉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

10: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

まさか本当にキモ姉が実在するとは…
安価下

11: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
耳をアマガミして、ぺろぺろ

12: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
ブラを服の上から装着
弟の反応を見る。
何か言われたら、ブラを外し、Eカプ、Eカプと言いながら胸を押し付ける

13: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
ksk
安価下

14:名前:デレ姉[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
>>12 把握
では逝ってくる。
健闘を祈っておいてくれ

15: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
>>12うはwwwwwwちょっおまwwwwwwwwwww

16: 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

>>14行くのかよwwwwww
wktk
663「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:19:43.33 ID:EEmdUuG7
〜弟サイド〜

ソファに寝っ転がって、うとうとしてたら、姉が突然覆いかぶさってきた。
「なにすんだよ、姉さん、暑い、暑いよ」
「あ、違った。ついいつもの癖で…」
何が違ったんだかよくわからないが、とにかくいつもどおりではある。
少し安心した。いや安心したらダメだろ。
まあそれはいいとして平和な俺の時間は終わったようだ…。

姉が身体を起こしつつ、なぜか俺の腹の上に座る。
見上げると、なぜか、フリル全開の白いブラをTシャツの上からつけ、あやしげな微笑みを浮かべた姉。

「…姉さん、それ流行ってるの?」
といった途端、

「Eカプ、Eカプ、Eカプ、Eカプ、Eカプ………」
何やら妖しげな呪文を唱えながら、俺に迫ってきた。

次の瞬間、目の前が暗くなったと思ったら、柔らかい何かに包まれた。

なんだこれ?

温かくて、柔らかくて、いい匂いがして……
と思っていたら、だんだん苦しくなってきた。
暑くて、いや熱くて息が、息が出来ない…。

俺は必至でもがいた。
姉を押し返そうと両手で何かをつかむ。それは、ふにょんと柔らかい感触が…。
姉が何かうなったようだ。

気にせず両手に力を入れ、なんとか姉を押し返そうとするが、今まで以上の力に押し返され…

何度かそれが続いたが、俺は意識が遠くなって…。

気がつけば、一人ソファに寝ていた。
あれはいったいなんだったんだ?
夢なのか?でもあの柔らかい感触はたしかにリアルな現実のものだ。
今でもこの両手に感触が残っている。
いつものことながら姉が迫ってきたと思ったのだが…。
リビングを見回しても、姉の姿はどこにもなかった。

寝汗をかいたらしく、Tシャツの腹の部分からべったり濡れていた。
664「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:20:18.67 ID:EEmdUuG7
〜姉サイド〜

「さて安価もらったけど、こんなので、弟君がその気になってくれるのかしら。
とにかく、やってみるか、安価は絶対だしね。」

とTシャツを脱ぎ、ブラを外した。
姿見に映った私を見ると、我ながらいいおっぱいをしていると思う。
ツンと上向いて、大きいながらも重力にさからいつつ、ハリのある胸。
「これなら弟君も満足よね。弟君を思いながら一人で頑張ったかいがあるってものよ」

弟君とうまくいったら、お礼としてUPしてあげてもいいかも?
とそんなことを思いながら、タンスの中から勝負ブラを取りだした。

「高かったんだから、やっぱり、色は清純な白だよね。総レースで、かわいいの。
弟君のために選んだブラ。きっと気にいってもらえるわよね。」

とブラをつけそうになるが、安価を思いだし、ノーブラでTシャツを着る。

白いTシャツから薄っすら透ける、ほんのり桜色がかったものがちょっと硬くなって
はっきり主張していた。
「これだけで迫ってもいいかも?いやいやせっかく安価もらったんだし、安価は絶対だよね」
と、勝負ブラをつけようとするが、キツイ。

ん〜最近きつくなってきたとおもってたけど、やっぱりTシャツの上からだと無理があるのかしら。
そんなことを思いながら、なんとかブラをつけ、姿見を見る。

「う〜んなんだかおまぬけだよね。でも、弟君をその気にさせるため、頑張るよ」
と無理やりテンションをあげ、いざ出陣!
665「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:21:00.23 ID:EEmdUuG7
弟君は、リビングのソファで寝ていた。
う〜んやっぱりかわいい。寝顔もいいわぁ。
とそっと、弟君に覆いかぶさった。

「なにすんだよ、姉さん、暑い、暑いよ」
弟君起きちゃった…。

「あ、違った。ついいつもの癖で…」
あー違った。安価だ、安価。
とにかく、この格好見てもらわないとと身体を起こす。
なんていってくれるのかしら?
と期待に文字通り胸を膨らませ弟君の言葉を待った。

「姉さん、それ流行ってるの?」

………弟君それはないよ。もうちょっとブラについて何か言ってくれるとか
って違う違う、セリフ、そのあのセリフを言わないと。

「Eカプ、Eカプ、Eカプ、Eカプ、Eカプ………」
さあ、ブラを外して弟君に突撃よ。

弟君の頭を抱え、顔に胸を押し付ける。
弟君の熱い息が私の胸にかかる。
弟君が動くたび、胸が一緒に動きなんだかくすぐったい。

「…はぁ……」

声がもれちゃった…。気持ちよすぎるよ。

弟君がもがいている、なんだか…
だんだん…気持ちよすぎる…の…が…くる…ん…んん……。
ああ、何これ………。

弟君激し…激しいよ…だめ…だよ、そ…そんな……。

顔からこぼれた胸をはげしくもみしだく弟君。
そんな弟君に私は感じさせられ……

全身の力が一点に集中したと思った途端、
次の瞬間、今まで感じたことのない絶頂感につつまれ
身体が自分のものではないような痺れに似た何かにおそわれた。

が長くは続かなかった。
そのまま力が抜けていき、弟君と一緒にソファに倒れこんだ。

…どれぐらいそうしていただろう。
気がつくと、弟君の上に覆いかぶさっている私がいた。
どうやら、失神していたみたいだ。まだなんだか身体が痺れているような気がする。

胸に抱いた弟君をそっと離すと、弟君のかわいい寝顔が見えた。
愛おしさで胸がいっぱいになって、そっと弟君の頬にキスをした。

もう、お姉ちゃんをこんなに喜ばせるなんて…、こんなの初めてだよ…。

そう呟きながら、身体を起こすと、濡れていた。
私の短パンどころか、弟君のTシャツにまでパンまで染み出ているのがわかった。

そっとソファから降りて、もう一度弟君の頬にキスをした。
666「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:21:56.94 ID:EEmdUuG7
61 名前:デレ姉 [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
というわけで報告は以上だ。

想像以上に良かった。これで1カ月は生きていける
さすがおまいら

>>12 ありがとう。本当に感謝しているぞ


62名前: [] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx

うはwwwwwwwwwwwww

さすがはキモ姉
いや、>>12かWwwwwwwwwwwwww


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
キモ姉キモ姉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
GJ!!>>12



64名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:20xx/07/21(土) xx:xx:xx.xx ID: xxxxxxxxx
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
GJ!!!!!!!!!>>12
667「弟に安価で迫ってみる」:2012/08/14(火) 00:28:55.38 ID:EEmdUuG7
以上
今もう一度冷静に読み返したけど、あんまり変わらなかったような気がする。

言われてみて必死で書きなおしてみたけど、やっぱり無理だった…orz

やっぱり俺には無理だ。これ以上どうやっても書けない。
だれかこのコンセプトで引き継いでくれ。
本当に頼む、妹でも姉でもいいから、続きがというか、このコンセプトで読みたかったんだけど、
誰も書いてくれなかったから書いてみたんだけど…。
安価シリーズで書いてくれ!!
誰でもいいから頼みます!!

668名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 00:34:03.34 ID:fqvqXpIc
投下Gj
題材的に小ネタ止まりかな
これで続けるの難しい
669名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 00:50:16.76 ID:EEmdUuG7
>>668
そっか、Vipか、SSでやらないと
やっぱりこれだけ過疎ってたら、人にも頼れないし、ネタにもつまるか
あきらめるしかないのかな?
ためしにあっちでやってみるよ。
あっちなら俺ぐらいでも受け入れてもらえるかもしれないし
ありがとう

670名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 01:26:00.95 ID:L8SjpAXc
せっかく書いたんだから堂々としてにょう
671名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 10:13:16.44 ID:0yOxoR2e
>>667
乙乙!
よかった
672名無しさん@ピンキー:2012/08/14(火) 22:07:04.93 ID:3vGMH6lA
>>667
GJです。良いものを読ませていただきました。
あと、細かいようですが、同姓じゃなくて同性ですね。
673人格転生 ◆qtuO1c2bJU :2012/08/15(水) 10:00:09.39 ID:TmVM8sVd
投下します。

>登場人物

由衣(ゆい)   妹、基本アホの子、多重人格で由利(ゆり)という天才の人格があったが…
良也(りょうや) 兄、本人いわく普通の高校生、由利が言うには完璧な人間らしい
薫(かおる)   メイドさん、家族不在のために雇われた使用人兼保護者、警察関係者?
愛理(あいり)  クラスメート、ハードボイルド口調のクールな委員長でお嬢様だったが…
さつき       由衣の親友、愛理を慕っているがこの子にも秘密が?

>これまでのあらすじ

妹の由衣は元気なアホの子。
だが夕方には由利という別の人格になる多重人格障害を持っていた。
そんなとき、両親不在と兄の良也の負担を減らすという家庭の事情で家政婦を雇うことになる。
やってきた家政婦はバリバリのメイド姿の如月薫という綺麗な女性だった。
これに由衣は歓迎するが、由利は拒否する。由利は内情を知っているようだったのだ。

由利は天才であり、兄に内緒で何かの研究をしていた。

それが原因なのか由利は、由衣との人格を統合することになる。
そこでなぜか、ただの家政婦だった薫が、由衣と由利の人格統合を止めようとした上に
由利の研究していた装置のありかを聞き出そうとする。
だが由利が言うには由衣しか使えないので使い物にならないらしい。

由衣と由利は人格統合直前に、由利は兄に想いを告げ眠ってしまう。

そして起きた時には人格が統合されていた。
いつもどおりの日常を送り始めようとするが、クラスメートの愛理が皇帝だったことが世間に知れ渡る。
由衣と良也も大通りの巨大スクリーンで知ることになる。

そこに現れたメイドの薫は、危険が迫ってると言って、由衣と良也の身を案じて家に連れ戻す。
674人格転生65 ◆qtuO1c2bJU
リビングのソファに座り、さっき薫さんが出してくれたスポーツドリンクを飲む。
俺と由衣は隣に座り、薫さんは対面に座っている。
あれから家に戻ってきて、待っていたのは薫さんの説教だった。
それも俺ではなく由衣に対して。

「由衣様、なぜあのような危険な真似をされたんですか?」
「い、言ってることわかんない…」
「お惚けにならないで下さい。由利様の人格はあるのでしょう? でしたら私の言っていることがわかるはずです」
「…」

由衣は苦虫を噛んだ様な表情をする。
そして俺の方をチラチラと見てくる。
このへんの仕草は由衣そのものだ。

「そのために由衣様の携帯が…」
「だ、黙って!!」

由衣のでかい声にビビってしまう。
少なくともこんな『由衣』は見たことがない。

「あ…ごめん…」
「やはり、わかっておられるんですね」
「…うん」
「由利様の記憶はございますか?」
「…」

なぜか黙る由衣。俺もそこが聞きたいんだが…

「質問に答えていただけないなら…」
「…な…こ、今度は何? ま、また銃向けるの?」

俺の腕に体を寄せながら怯える由衣。
まあ、こんな態度を取っていれば由利の記憶があると言ってるようなもんで…
薫さんは目を閉じてため息をつく。

「次からは気をつけて下さい。何かあればまた駆けつけますが」
「う…うん、だから…」
「わかっています」
「あ、ありがとう…」
「いいえ、とんでもございません。では夕飯の支度をします」

って、なんか勝手に解決してるし。
こっちは全然わかんないわけで、もっと踏み込んだこと知りたいんだけど。
薫さんは由利は俺を巻き込みたくなかったって言ってたし、どうにも聞けない。
人格統合の際、由衣が眠ってる時も肝心な部分は一切答えてくれなかったし。