立場だけの交換・変化 5交換目

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1名無しさん@ピンキー
いわゆる人格が入れ替わる「入れ替え」や性別が変化するTSではなく、  
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統の小説や雑談などをするスレです  

たとえば成人会社員と女子小学生の立場が交換されたり、  
AV女優と女子高生の立場が交換されたり、  
ペットと飼い主の立場が交換されたりと、  
周囲は立場の交換に気づいていたりいなかったり  
交換や変化の内容はさまざまです  



本スレから旧スレの立場に変化したスレ  
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1310791923/
2前スレ934:2012/04/30(月) 16:44:35.93 ID:B0vmHrQC
スレ立て乙です。
これで気兼ねなく投下できる!
……とか言いつつ
3前スレ934:2012/04/30(月) 16:51:38.48 ID:B0vmHrQC
多分ペースはボチボチでしょうけど(途中書き込み失礼)。

厳密には立場交換と言えるか微妙だけど、
●ケガ人♂と看護師♀の立場交換
→両手両足の骨折で病室から出られず退屈な患者に、魔法の心得のある看護婦(ただしドジっ娘)が
  「ケガ人としての立場」だけを自分に一時移し替えたつもりが、なぜか名前や社会的身分まで
 交換されてしまい、元患者がにわか看護婦さんをやるハメになる……なんてネタもありですかね。
4名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 16:55:31.68 ID:uLM1h0OI
その場合立場だけ入れ替わると、
両手両足を骨折したままで看護師として働かなくちゃいけなくなるのか…?
「ケガ人としての立場」が変わると歩けるようになってしまうんだろうか?
5名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 19:33:50.56 ID:DpeewetM
>>4
その辺はグノーグレイヴの「カルテ」を見ると良いよ
純粋とは矛盾色って言うサイトにあるから
6名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 19:45:14.80 ID:WmyJUFZP
そういやそこはTS物含めたカオス系統が多いよな

自分の趣味とはあまり合わないからほとんど読んでないけど
7前スレ934:2012/04/30(月) 20:58:01.83 ID:B0vmHrQC
>4
発案者としては、「ケガ人という立場」(形相・属性でも可)を、看護婦が一時的に我が身に
移し替えることで、患者を健康な状態にして、しばし気晴らしさせてあげるつもりだった
(余談ながら、このふたりは恋人同士)……というつもりだった(類感呪術の応用?)が、
一個人の特定の立場「だけ」を限定して移し替えるのは、半人前魔女な彼女には難しく、
「ケガ人」だけでなく「看護士」「女」「個人の名前」という部分まで一緒に入れ換えてしまった
──と想定してます。
で、この魔術の行使には手による複雑な動作も必要なので、ケガをしてる「患者」な
魔女には使用できず、しばらく彼氏が「看護婦」として勤めることになる……という流れ。
仕方ないので、彼女は彼氏にキスで仕事に関する記憶の一部を譲渡します。
……設定固めると書きたくなるぁ。
8名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 00:43:03.53 ID:isIoY2ZI
「そこはとあるお屋敷」の人復帰してくれないかな
全作品が好きだったんだが
9名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 12:10:12.14 ID:3DqfIegH
>>8
女装スレで投下されている話し違うの?
たぶんその作者だろう
このスレ立てたのもその作者だし、特定できないが気配と言うか
書き込みから雰囲気がその作者なんじゃないかと思えるものは度々見るから健在だろう


10名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 21:21:15.17 ID:lJ5qvKF5
#チロルの描写がいまいちスランプ気味なので、昔ネタふりしたものをSS化してみる!

『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』

 駅前繁華街……から見て裏道にあたる通りの端っこで営業しているバー”TRABULANCE”。
 店構えはちと小さめだが、オーナーの趣味か内装が古き良きジャズ喫茶を思わせる作りで、店内に流れるBGMもジャズやブルース、あるいはイージーリスニングなどが主体の、流行に真っ向からケンカを売った店だった。
 もっとも、だからこそ懐古趣味の変わり者や、ちょっと通ぶりたい人間に支持され、そこそこの客入りを得ている。
 そんな店だから、客層も落ち着いた品の良い(あるいはおとなしい)人間が多いのだが……。
 「ふぅ〜……ゥィック!」
 酒場である以上は、飲み過ぎたり、悪酔いしたりする人間は、やはり不可避なのである。
 「もう、詠くん、飲み過ぎだよ?」
 連れの女性の呆れたような言葉にも、青年はボンヤリした視線を返すばかり。
 じつはこの酔っぱらってクダ撒いてる青年──詠一の方は、とある総合病院に勤める新米医者で、しかも院長の息子だったりする。
 金持ちのボンボンで職業が医者となると、キザで鼻持ちならないハンサム……というのが物語なんかのお約束だが、詠一の場合は生憎それにはあてはまらない。
 顔立ち自体はそこそこ整っているが、背が低く童顔なため、20代半ばになった今でも学生(それも大学生ではなく高校生)と間違われることもしばしばだ。
 性格も、甘ったれなところは確かに坊ちゃんっぽいが、強引とかプライドとか言う言葉とは縁の遠い、むしろ他人とブツかることを極端に忌避するヘタレといってよいタイプだ。
 対して、女性──英美の方は詠一と同い年の幼馴染で、現在は同じ病院の小児科の婦長をしている。
 癖の強い髪を首筋にかかるくらいのショートカットに切り揃え、意志の強そうな瞳が印象的な女性だ。容貌も、可愛いというよりは美形あるいはカッコいいと評した方が似合うタイプ。実際、看護学校時代は後輩にモテモテだった。
 ふたりは幼稚園の頃からの同い年の幼馴染で、高校までは同じ学校に通っていたのだ。と言っても、色恋めいた関係ではなく、どちらかと言うと「強気で優等生な姉貴分と弱気で地味な弟分」といった方が似合う関係だったが。
 成績に関しても、英美が3年間学年首位だったのに対して、詠一はどうにか上の下という程度だった。
 高校卒業後、英美はそのまま看護学校に入り、その後正看護師の資格を得て、詠一の家が経営する病院に就職。
 一方、詠一は何とかかんとか地方の大学の医学部に滑り込み、そこでの精進の結果、医師免許取得に成功し、余所でのインターンを経て、今年実家の病院に晴れて医師として帰って来た……と言うワケだ。
11『Nursing Samba』:2012/05/04(金) 21:22:10.84 ID:lJ5qvKF5
 このふたり、決して仲が悪いワケではないのだが、互いに複雑なコンプレックスめいたものを胸中に抱えているのも事実だった。
 「はぁ……そりゃ、勤め始めたばかりで仕事に慣れてないから、ストレスが溜まってるのはわかるけどね」
 溜息をつく女性の言葉の何かが琴線に触れたのか、青年はすわった目付きで愚痴を垂れ流し始めた。
 女性の方も最初は酔っ払いの言うことだからと「ハイハイ」と適当に流していたのだが、それが10分以上続くと、さすがに堪忍袋の緒が切れたらしい。
 「いい加減にしなさい! 詠くん、アンタ、どれだけ自分が恵まれてるか、わかってないの?」
 高校始まって以来の秀才と呼ばれ、また本人にも密かに自負があったにも関わらず、金銭的な事情で医大への進学をあきらめ、看護師への道を進むことに「妥協」した太田英美。
 「なんだよ、それなら僕なんかじゃなくて英美さんが医者になればよかったんだよ!」
 対して、自分に医者は向いていないと思い、どうせ医療に携わるなら看護師の道の方が良かったと思いつつも家庭環境がそれを許さず、結果的に医者に「なってしまった」初瀬川詠一。
 互いが本音を隠さず話せば衝突は必至だったと言えよう。

 酔いに任せた醜い口論が始まるか……と思いきや。
 「ふむ。それでは、おふたりが立場を交換してみると言うのはどうでしょう?」
 カウンターの内側でグラスを磨いていたはずの”TRABULANCE”のマスターが、ふたりの前にコトリとグラスを置いたことで、気勢が削がれた英美たちは口をつぐむ。
 「立場を…交換?」
 いくらか理性が残っていた英美と異なり、ホロ酔いを通り越して潰れる手前まで来ている詠一は、ボンヤリとマスターの言葉を繰り返した。
 「ええ。隣りの芝は青く見えるもの。一時的にお互いの立場になれば、自分が羨望していた相手の立場が、それほど気楽なものではないと思い知ることができるでしょう」
 「そんなコト、できるワケが……」
 「それが可能なんですよ」
 英美の否定をさえぎるようにマスターが割り込み、自信ありげに片目をつむってみせる。
 「そちらに今お出ししたカクテルを、おふたりが半分ずつ口にすれば、たちまちおふたりの「立場」が交換されます。御二方とカクテルを作った私以外の人には、太田さんが初瀬川さんに、初瀬川さんが太田さんだと認識されるようになるんですよ」
 「そんな馬鹿な。マスターの冗談でしょ」と否定する一方で、英美の心の中で「それがもし本当なら……」と期待する気持ちがなかったと言ったら嘘になるだろう。
 考え込む英美を尻目に、すっかり酔いの回った詠一が、「そりゃいいや、ハハハ!」と珍しく大胆に躊躇いなくカクテルグラスの中味を半分ゴクゴクと飲み下す。
 「ヒック……これで、あとはひでみさんのばんれすよ〜」
 得意げな詠一の表情を見た英美は、引っ込みが付かず、自らもグイッとグラスの残りを飲み干した。
12『Nursing Samba』:2012/05/04(金) 21:23:43.49 ID:lJ5qvKF5
 「それで、マスター、このあと……」
 そう言いかけたところで、英美の意識は途切れ……。
 次に意識を取り戻したのは、”TRABULANCE”の営業時間が終わる、そろそろ看板という時間だった。すでに、ふたりのほかに客は残っていない。
 「え、ヤダ、うそ。私、あのまま潰れちゃったの!?」
 それほど度の強いカクテルだとは思えなかったのだが……。
 「ええ、その通りですよ、英美さん……いえ、英一さんとお呼びするべきですかね」
 マスターの意味ありげな視線を辿り、自らの身体に目を落とした英美はハッとする。
 なぜなら、そこには見覚えのある色合いは高価なアルマーニのジャケットとスラックスを身に着けていたからだ。
 (まさか、私と詠くんの身体が入れ替わった!?)
 慌てて胸元に手をやったところ、幸いにして(あまり大きくないのが悩みの種ではあるが)乳房の存在が感じ取れたのでホッとする。おそるおそる股間を探ってみたところ、こちらも女性のままだった。
 ふと傍らを見れば、先程まで自分が着ていたはずのヴィヴィフルールのレディススーツをだらしなく着崩した詠一の姿があった。
 胸の膨らみがほぼ皆無(僅かな盛り上がりはたぶん、寄せて上げるブラの影響だろう)なことから、身体は男のままのようだ。
 「ちょっと、詠くん、起きなさい。マスター、いくら何でもこんな悪戯……!」
 ヘタレな幼馴染を揺さぶり起こしつつ、マスターに抗議する英美だったが、マスターは慌てず、身分証を確認してみるように言う。

 英美のジャケットの胸ポケットには、「初瀬川英一」名義の免許証が入っていた。貼られた顔写真は、髪を短く刈り込んだ英美そのものだ。ふと頭のあたりが随分さっぱりしていることに気付く英美。どうやら、この写真同様の髪型になっているようだ。
 まだ寝ぼけ眼の詠一の傍らのハンドバッグを探ると、そこには「太田詠美」名義の身分証が入っていた。よく見れば、かなり寝乱れてはいるものの、今の詠一の髪型はさっきまでの自分のものに違いない。
 混乱してすっかり酔いも醒めたふたりに、マスターは「ご覧の通り、おふたりの立場を交換しましたよ」とニヤリと笑う。
 「ま、まさか、本当にこんなコトができるなんて……」
 「もしかして、ずっとこのままなんてことは……」
 蒼い顔をしてふたりを「心配無用」となだめるマスター。
 「今日はもう材料がないので無理ですが、来週あたりにもう一度おふたりでご来店いただければ、同じカクテルを作って差し上げますよ。それを飲めば元の通りです」
 元に戻れる方法があると知って、ようやくふたりは安堵する。
 「先程も言った通り、基本的に、今のおふたりの立場は完全に入れ替わっています。ですから、元に戻るまでは太田さんは初瀬川さん、初瀬川さんは太田さんとして行動してくださいね」
 最後にそう言うと、「そろそろ看板ですので」とマスターはふたりを店から追い出したのだった。

-つづく-

#「ケガ人♂と看護師♀の立場交換」の方は、「看護婦しちゃうぞ♪2」ってことで、コレが終わったら書きます。
13名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 22:09:27.60 ID:yY92cHaB
>>9
どうしてそんなの分かるんだよ
おまえハッカーなのか?w
14名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 23:02:08.33 ID:3DqfIegH
>>10
新作乙
続きも楽しみにしている

>>13
いやID見たら分かるから
とあるお屋敷を書いた作者と同じ作者かどうかは文体で何となく
15名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 00:13:29.09 ID:UlgcfvGX
>>10
GJすぎる・・・!!
抵抗しながらもその立場に染まっていく姿を楽しみにしてますw
16名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 02:32:32.45 ID:UMwvbHku
>>10
GJ!
やっぱりコレが立場交換の醍醐味だなぁ
続きも楽しみです!
17名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 10:09:40.29 ID:ydhUtGNO
>>10
乙です
18名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 11:35:55.55 ID:rc5tI8kT
>>8
どう見ても本人かKCA氏です。本当にありがとうございました

本当にここは馴れ合いと自演の板だよな
別に良いがたまに呆れる


それとは別として>>10の話しは面白い
続き期待のGJ
19名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 01:05:01.72 ID:CiqR/yWv
8だけど本人でもないしKCAでもないよ。純粋にあの人の作品が好きだったんだよ…
今じゃHPも消されて見れないし

わかったよ、あんま言わんようにする。すまんな
20名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 01:49:13.36 ID:MeaUSetV
本当だ閉鎖されてる
だが過去ログ見れば問題ないだろうし、某支援所の図書館にも作品置いてある
他スレでやってるらしいから書くの辞めた様子では無いだろう
良く分からんがさーにん氏も何か考えがあるんじゃないか?
メアドとか公開してる作者なんだからファンならメールとかしてみれば?
21名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 20:33:17.02 ID:qn9HXeKq
まあそこまで好きって訳でもないからなぁ
今まで通り過去ログ漁るわ

>>20
サンキュー
22名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:39:15.48 ID:wPZihx8+
何時もならそろそろ本人が降臨しても良いはずなんだが
23名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 23:25:53.90 ID:Cs0Bkcif
あんまし雑談してっと作品の邪魔になるって怒られるから
作者さんが書いてくれるの静かに待ってよ
24『Nursing Samba』2:2012/05/13(日) 12:34:02.32 ID:2X8rPk32
『Nursing Samba』2

 「な、なぁ、どうしよう、英美さん……??」
 ”TRABULANCE”から出て(というか追い出されて)、混乱した頭を落ち着けるべく24時間営業してるマ●ドに入ったふたり。
 幸いにも2階の客席に人影はほとんど見られなかったので、隅の方の席で小声で話すぶんには問題ないだろう。
 「どうしようって……このまま帰るしかないんじゃない? 店員さんの反応とか見る限り、マスターの言ったことは事実みたいだし」
 オロオロとプチパニック状態に陥っている青年に比べると、彼女の方は随分と肝が据わっていた。
 「まぁ、私はともかく、キミの場合はそのまま素でも女に見えないことはないかもね」
 クスッと笑われて顔を赤くする青年。
 「男仕立てのスーツでマニッシュに決めている」と主張できないでもない彼女(しかも刈り込んだ髪型とあいまって結構似合っている)に比べて、自分がどう見ても女装しているのは明らかだったからだ。
 前合わせが男性物とは逆で、しかも随分と丈の短い──腰に届くぐらいしかないジャケット。色もラベンダーパープルで普通の男物のスーツにはあまり色合いだ。
 その下に着ているブラウスも、ツルツルした肌触りのポリエステル製で男のYシャツとはまるで着心地が違う。ボタンの付き方も反対だし、袖口や襟元に細かいレース飾りがついていることが、如実に女物であることを主張していた。
 胸を軽く締め付けられるような感覚からして、おそらくは下にブラジャーも着けさせられているのだろう。
 しかしながら、それらはボトムの違和感に比べれば、まだ些細なものだった。
 今の彼は、男性ならまず一生縁がないはずの「タイトミニスカート」を身に着けているからだ。
 学生時に文化祭や運動会などで余興的に女装させられる男もいないわけではないだろうが、そういう時は大抵、女子制服か体操着(ブルマーかスパッツ)あたりが定番だ。あるいは、いかにもコスチューム然としたメイド服や舞台用ドレスとかだろう。
 しかし、今、彼が履いている(履かされている)のは、ごく普通に街角を歩いているキャリアウーマンっぽいタイトミニなのだ。しかもその下にベージュのパンストまで履かされいるので、恥ずかしさはさらに倍増だった。
 彼女の慰め(からかい?)の言葉はともかく、いかに自分が童顔とは言え、見る人が見れば「男が女装して表を歩いている」状態に間違いないだろう。
 「こ、このまま帰るって……英美さん本気!?」
 「うん。キミも既にわかっているはずだけど? 現在、私達ふたりの立場は、入れ替わっているんだから、私が初瀬川家に、キミが病院の女子寮の私の部屋に帰るのが妥当だと思うよ」
 元々、太田英美はしっかり者ではあったが、突拍子もない非日常的事態に、ここまで冷静に判断を下せるとは、実は自分でも驚きだった。
 「それに、お店で飲んでる時も言ってたよね。私は看護師よりも医者に、逆にキミは医者よりも看護師のに、本当はなりたかった。だったら、コレはまたとないチャンスじゃない?」
 あるいはそれは、歪な形とは言え、見果てぬ自分の夢が叶ったことへの喜び故か。
 「それは……そうだけど……」
 その点を指摘されると、青年の方も否定はできない。確かに、「看護師として働く」ことを望んでいたのは事実だからだ。
25『Nursing Samba』2:2012/05/13(日) 12:34:50.46 ID:2X8rPk32
 「でも、いきなり今日からしばらく英美さんとして暮らせって言われても……」
 「そうでもないと思うよ。じゃあ、聞くけど、キミが今住んでいる女子寮の部屋がどこかわかるかな?」
 「へ? そんなの205号室に決まって……あれ?」
 自分は英美から部屋の番号まで聞いたことがあったろうか?
 「じゃあ、明日、と言うかもう今日だけどの勤務予定は?」
 「朝番で9時出勤──だけど、今日は婦長会議があるから30分早めに入らないといけないはず……」
 「今担当している患者さんで一番の難物は?」
 「807号の高木さん。言葉と視線によるセクハラがヒドいって部下の子たちからも苦情が絶えない……って、ええぇっ!?」
 彼女の問いに、スラスラと答えてしまってから、ハッと口を押さえる。
 「ね? 私がキミ、キミが私として暮らすのに必要な知識は、すでに頭に入っているみたいなんだよ」
 彼女はニヤリと不敵に笑った。
 「あるいは、何でもいいから医大での専攻科目のこととか思い出してみなよ」
 「えっと……」
 そう言われて、懸命に学生時代の勉強を思い出そうとするが、浮かんでくるのは「看護学I」とか「栄養学概論」といった看護師に必須の知識ばかりだ。
 「そ、そんなバカな……」
 「な? わかっただろ。今は私が新人医師の
 茫然とする「詠美」の肩に手を置いて、「英一」は楽しそうにそう言い聞かせるのだった。

#此処までで起承転結の「起」、終了。「承転結」については、たぶん1回ずつで済む予定。
#そしてODssスレに誤爆してしまった罠。ハズカシー
26『Nursing Samba』2補足:2012/05/13(日) 12:42:10.43 ID:2X8rPk32
#しかも最後の一文、脱字してました。正しくはこう↓

 「な? わかっただろ。今は私が新人医師の初瀬川英一、そしてキミが小児科婦長の太田詠美なんだよ」
 茫然とする「詠美」のなれなれしく肩に手を置いて、「英一」は楽しそうにそう言い聞かせるのだった。
27名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:16:59.60 ID:ucnT6OxE
28名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:22:48.69 ID:rqsGnNog
>>24
久しぶりに来てる!!ヒャッハー!
乙です(・∀・)
29名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 22:52:43.97 ID:2tpeDw82
>>24
GJです!

今回は男性主展なんですね
学校際で先生も巻き込んで先生に制服を着てもらって、
生徒がスーツを着ると言うのもありましたよ。
男女ではなく女同士でしたけど。
30名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:11:50.61 ID:oCPgaM1c
>>24

良い感じになってきた
31名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 23:21:33.65 ID:bCNR2kBQ
>>24
あらやだ、興奮するやん
32名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:33:19.86 ID:JbI4Ige7
【その1】
終業のチャイムが高らかに鳴り響くと、生徒たちはけだるい午後の授業から解放された喜びから一斉にざわめきだす。
私――田村あかりもまた、学校に通っている最大の理由へと思いをはせながら、
机の中の教科書やノートをカバンの中に詰め込んでいく。
「あかりん、今日も練習?」
手早く帰り支度をしていると、友達のひばりが声をかけてきた。
「うん♪ 大会も近いし、これから毎日一生懸命練習しないとね」
「新体操界期待の新星、『御神原の妖精』サマでも練習しないとダメかー」
「期待されているからこそ、練習しないとダメなのよ」
「そっかー。帰りに『にゃんこ』のパフェでも食べてこうかと思ったけど、それなら無理だよねー」
「ごめんね」
生クリームとフルーツたっぷりなにゃんこのパフェは気になるけれども、
それ以上に大会のほうが気になる。
「期待してますよ、『御神原の妖精』サマ♪」
「また明日ね!」
軽く手を振ってひばりを見送り、黒板の上にかかっている時計に目を移す。
「うわ! もうこんな時間だ!」
気がついたら時計の針は4時10分前をさしていた。
練習開始の4時きっかりまで、もうそんなに時間がない。
もしも時間までに着替えを終えて準備完了してなかったら、あの鬼コーチに何を言われるかわかったものじゃない。
教室から新体操部専用の練習場まで大体3分。そこから更衣室で速攻着替えて髪を整えるのに5分。
いける。
そう確信した瞬間、私は教室を飛び出していた。
思い思いに下校する生徒たちを避けながら廊下を走り、階段を駆け下り、
そして渡り廊下へと向かう角を曲がろうとした瞬間……
「キャッ!」
「うぉっ!」
なにか大きな壁のようなものにぶつかって、私は大きく転がった。
「いった〜〜〜〜〜」
派手に吹き飛ばされたけれども、壁のようなものがやけに柔らかかったおかげでなんとか怪我をしないですんだ。
「だ、だ、だ、大丈夫?」
壁のようなものはぬっと手を伸ばし、私を引き起こそうとしてきた。
よく見ると同じクラスの大沼だ。
いつものようにふうふうと息を切らしながら、相撲部らしいぶよぶよと太った巨体を揺らしている。
「まったく危ないわよ! 怪我したらどうするのよ!」
「そ、そ、そうは言っても、は、は、走ってきたのはそっちなんだな」
「そんなこと知らないわよ!」
「そ、そ、そんなこと言われても困るんだな。
 じゃ、ぼ、ぼ、ぼくは部活に行くから……」
まるで逃げるかのように、大沼はどこかへ――たぶん相撲部へ――行ってしまった。
「ああっ! もうこれじゃ遅刻じゃない!」
私と一緒に吹き飛んだカバンを拾いあげ、私も慌てて練習場へと走り出した。
33名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:34:10.79 ID:JbI4Ige7
【その2】
既に練習場の中は練習前の緊張した空気で満たされ、
脇に併設された更衣室からは同じ新体操部で練習に励む仲間たちがレオタードに身を包んで練習場へと向かっていた。
先輩たちは練習用の地味なものではなく本番用のカラフルなものを着用しており、
今度の大会に懸ける思いが全身から伝わってきている。
「先輩方、ごきげんよう」
いつものように、新体操部伝統のあいさつをして皇室に入ろうとしたその時、
ドアの前にいた向井先輩が凄い形相で食いかかってきた。
「ちょっとあなた! どこに入ろうとしてるのよ!」
「えっと……どこって更衣室ですけど?」
あまりにも当たり前な質問に、面喰らいながら答えを返す。
「『更衣室』じゃないわよ! ここは新体操部の更衣室なのよ!?」
「ええ、だから着替えようと……」
「なんであなたが! 新体操部の更衣室で着替えようとしてるのよ!」
「え?」
「だ・か・ら! なんであんたが新体操部で着替える必要があるのよ!
 痴漢にしては堂々としすぎて、思わずスルーするところだったわ!」
何を言ってるのかまったくわからない。
痴漢? なんで? どこに?
あの優しかった向井先輩が、なんでこんなに、まるで変態男を見るかのような目で私を怒鳴りつけるのだろうか。
あまりの出来事にパニックを起こしていると、新体操部の仲間が私と先輩のやりとりを遠巻きに見つめているのが視界に入った。
その目は、やはり先輩と同様に汚らわしいものを見るもので、
まるでいつだったか練習風景を盗撮しようとしてつかまった男を眺めていたものとまったく同じものだった。
「ご、ご、ごきげんようです」
しばらく身に覚えのない罵倒を浴びせかけられ、逃げ出したくなったそのとき、
この場に似つかわしくない巨体をゆすって、あの大沼が現れて更衣室の扉を開けて入って行った。
「あ! なんで大沼が更衣室に入っていけて、私はダメなんですか!?」
「なんでって、あなたは部外者で大沼は部員だからに決まってるでしょ!」
「あれのどこが新体操部員なんですか!?」
「どこがって、どこからどうみても新体操部員じゃない!」
いい加減このやりとりにうんざりしたような表情を浮かべた先輩が、
もはや悲鳴にも似た叫び声で私を怒鳴りつける。
「あー、うちの田村がご迷惑をおかけして申し訳ない」
すると、今さっき更衣室に入っていった大沼と同じぐらい大きな体の男が、
刈りこまれた頭をかきながら頭を下げて私と先輩の間に割って入った。
その男はほぼ全裸に近く、太った体には泥で汚れた廻しだけを身に着けている。
学校新聞で見たことがある。相撲部の部長だ。
「あんたんところはどういう部員飼ってるわけ!?」
「まったくもって面目ない」
頭2つ分は違う巨体にもまったくひるまず、相撲部の部長に向かって吼えまくる向井先輩。
その向井先輩に平身低頭謝りつつ、相撲部の部長は私をひょいと担ぎ上げた。
「こいつは責任もって回収いたしますので、今日のところは勘弁してもらえんでしょうか」
今日だけよ! と言い残し、向井先輩は練習場へと入って行った。
かたや私は、まるで荷物か何かのようにそのまま相撲部の部長に担ぎ上げられたまま。
段々と遠ざかっていく更衣室から出てくる部員たちに混じって、
まるでコント番組のように場違いな肥った男のレオタード姿がいたような、そんな気がした。
34名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:35:33.12 ID:JbI4Ige7
【その3】
「まったく、お前はなにやってるんだよ」
「……すいません」
訳もわからず、相撲部の稽古場の片隅で正座させられて説経される私。
何か言い訳しようとすると口答えするなと殴られてしまうため、もう抵抗するのも諦めた。
「お前のようなヤツが新体操部員だなんて、天地が引っくり返ってもありえないのにな」
嫌らしく笑う相撲部の部長の言葉に、稽古している他の相撲部員たちは声を上げて大笑いする。
もう疲れた。早く帰りたい。
「ま、もうこのぐらいでいいか。稽古するぞ。
 廻し締めてやるから、早いところ脱いじまいな!」
「え?」
「え? じゃない! また殴られたいのか?」
「……はい」
しかし、どこで着替えればいいのだろう。それにこんなところで裸になるなんて。
そう思いながらもじもじしていると、またも部長の雷が落ちた。
「すいませんすいません!」
殴られるよりはマシとばかりに、慌てて制服を脱ぎ始める。
「おいおい! 脱ぐなら隅っこでちゃんと脱げよ!」
部長が指差す先には何個も籠があり、そのいくつかには乱暴に脱ぎ捨てられた制服が無造作に投げ入れられていた。
私もそれに倣うようにブレザーを投げ入れ、ブラウスのボタンに手をかける。
家族でもない男の人の前で裸を晒すなんて……と、恥ずかしさで顔から火が出そうになるけれども、
そんな私の様子なんて誰も気にせず黙々と稽古を続けている。
意を決してブラウスとスカートを脱ぎ、スリップも籠に入れ、ブラジャーも外す。
パンツ1枚になったところでどうしようかと右往左往していると、
いつの間にか廻しを持った部長が横に立っていた。
「ほら、とっとと脱いじまいな!」
言われるがままパンツも脱ぎ、生まれたての姿を部長に晒す。
すると部長は私の股間に薄汚い幅広の厚い布をあてると、慣れた手つきで素早く私に廻しをつけていく。
しばらくすると、土俵よりも少し高くなっている板の間に張ってある大きな鏡には、
長い髪を頭の両サイドで結んだ髪型――いわゆるツインテールにしたスレンダーな少女が映っていて、
わずかに膨らんだ胸を恥ずかしそうに隠していた。
身に纏っているものはわずかに廻しだけ。
あまりにも現実感のない自分の姿を客観的に確認して、私はさらに恥ずかしくなってきた。
「なぁに胸を隠してるんだ! 誰もてめぇの胸なんか見やしねえよ!」
部長がそう高らかに笑うと、私に生まれてはじめての相撲の稽古をつけるのだった。
35名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:36:16.87 ID:JbI4Ige7
【その4】
週1の終業ホームルームも終わり、クラスメイトはようやく長い授業から開放された喜びでざわめきだす。
しかしそんな喜びとは無縁な私は、まるで今日の空模様のようなどんよりとした気持ちでいっぱいだった。
のろのろと机の中身をカバンに詰め込み、1つ大きくため息を吐く。
「あかりん、今日も稽古?」
「うん……」
けだるそうに帰り支度をしていると、ひばりが声をかけてきた。
「そっかー。帰りに『にゃんこ』のパフェでも食べてこうかと思ったけど、それなら無理だよねー」
「ごめんね」
「いいよ気にしないで。だってあかりんは『御神原のイノシシ』だもんね」
じゃあねと手を振って、ひばりは教室を出ていった。
私もまた、重い足取りでとぼとぼと歩き、稽古場を目指す。
ふと目に入った掲示板には学校新聞が張られていて、そこには廻しを締めて恥ずかしそうに立っている私の写真に
『御神原のイノシシ! 田村あかりさん都大会優勝!』という見出しがつけられていた。
横には同じように別競技の大会の様子を撮影した写真が張られており、
『御神原の妖精 全国大会へ』という文字が躍っている。
その写真の中では、あと少し動いたらはじけ飛ぶのではと思うぐらいに張りつめたレオタードを着た、
まるで相撲取りのような体格の坊主頭が満面の笑みを浮かべてフィニッシュのポーズを決めていた。
36名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 03:39:06.95 ID:JbI4Ige7
新スレから本スレに立場が変わったので、リハビリがてらに投下

>>24
この後「詠美」は仕事だけじゃなく合コンだとか
いろいろ女性としての経験を経験を積んでいくのかと思うとドキドキです!

続き期待しております!
37名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 16:01:53.36 ID:IFmJEbST
お、お、乙なんだな
38名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 22:02:40.10 ID:0aGUaEmO
部活での立場だけが交換ってなかなか変則的で面白いな
39名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 22:47:12.26 ID:cmfsRxZl
>>36
GJです!
新体操をしているなら、あかりちゃんはきっと小柄ですよね。
小柄な体型の女の子が相撲で巨体の男子を打ち負かしているかと思うと、ちょっと見て見たい気もします。
面白いお話しでした。
40名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 23:32:21.82 ID:qTyIZZWE
>>32
素晴らしい
41名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:33:12.51 ID:gyzeyTKV
>>24 >>32 両作品ともGJ >>24は続きに期待

ありきたりかもしれないが御曹司と新人メイドの立場交換のような話しを読みたい
社長と新人OLの立場交換もいいな
42名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 23:39:08.54 ID:FxbnBu0u
それいいな
メイドとお坊ちゃんの立場交換
43名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 01:41:32.84 ID:22qkKwKy
>>42
初代スレの「そこはとあるお屋敷」、「次期当主はメイドさん!?」が該当
44名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 16:14:44.97 ID:UXgJPv2B
過去作品も良いとは思うけど
主人の立場になったギャルみたいな性格のメイドが好き勝手にやって最後にしっぺ返しもらったり
メイドの立場になった主人が態度を改めず無理矢理従わせれて恥辱をなめるみたいな話しがないものかと
個人的にそんな話しを期待している訳だが同士は居るだろうか?
45名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 18:55:59.19 ID:RWeQBLM1
俺も下克上で思いっきり虐げられるシチュは好きだけど語り合えればそれだけでいいかな
46名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 22:24:22.44 ID:GuayMJ1q
見も蓋もない話だけどメイドと主人の入れ替わりならTSFで読みたい
だけどそこをあえて立場だけの交換で書く所が凄いと思う
47名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 22:58:03.57 ID:KFpF4QiL
じゃあTSスレに行けよって思うくらい身も蓋もないなw

俺は立場交換の方が羞恥心が煽られる分だけ好みだが
48名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 23:37:13.13 ID:00nqlB9u
立場って対等や平等ではないから交換とかして見たくなる
だから違いが大きいほど面白いんだと思う
男と女だったり大人と子供だったり強い者と弱い者だったり
49Nursingの人:2012/05/19(土) 23:46:55.00 ID:Dm+9ApXT
>>48
あくまで「自分は」ですが、交換した(された)「立場」の側から「自分」が浸食される恐怖(とその裏に潜む愉悦)みたいなのがエロいな〜、と思ってみたり。「たとえ立場を入れ換えられても、自分自身は何も変わってない!」と思っているのに、実は……みたいな。
自分がこれまでココに投下してきたSSでも、おおよそソレを意識していたつもりです(必ずしも主眼ではありませんが)。
50『Nursing Samba』3:2012/05/20(日) 03:02:07.50 ID:VpaZZIg4
#そして3話の投下。

『Nursing Samba』3

 「来ちゃった……」
 初瀬川総合病院女子職員寮の205号室。表札に「太田詠美」と書かれたその部屋のドアの前にまで来て、まだ「彼女」は二の足を踏んでいた。
 「しょうがない、よね?」
 100近く数えられるほどの躊躇ののち、ハンドバッグから取り出した鍵を差し込み、ドアを開ける。
 意を決して、「彼女」が部屋に入ると……目の前には、少々飾り気には乏しいものの、間違いなく若い女性が暮らしていると思しき空間が広がっている。
 「うぅ、なんか、罪悪感……」
 心持ち頬を赤らめつつ狭い玄関で靴を脱ぐと、「彼女」は室内に足を踏み入れる。
 8畳程度の広さのワンルームで、クリーム色の壁紙とベージュのカーペットで無難な色彩にまとめられている。
 玄関からは見えない位置にベッドとドレッサーが置かれ、反対側の壁際にやや大きめのタンスが本棚がある。ベッドカバーの色は淡い空色だ。
 部屋の余白の中央には2メートル四方くらいの毛足の長い絨毯が敷いてあり、その上にローテーブルとクッションが置かれている。クッションに座ると本棚の一角に設置された液晶テレビを観るのにちょうどよい位置なのだろう。
 「女の子の部屋」と聞いて連想されるぬいぐるみやマスコット人形、あるいはファッション雑誌や男性アイドルのポスターなどは見当たらないが、スイートピーが活けられている簡素な一輪ざしは、男の部屋にはあまりないものだろう。
 全体に清潔感は感じられるが、女らしさ(あるいは女臭さ)は乏しい印象だ。
 「──ふふっ、英美さんらしいや」
 「このような状況」になって以来、初めて「彼女」はクスリと笑いを漏らすと、それで緊張がほぐれたのか、いくぶん肩の力が抜けたようだ。
 時刻はすでに午前2時を回っている。
 明日の朝は会議があるから8時半には出勤しないといけないのだ。色々考えるべきことはあるものの、とりあえず今日はもう寝ようと考え(あるいは深く悩むことを放棄して)、「彼女」は、「化粧を落とすために」洗面所に向かった。
 1ルームとは言え、一応玄関から部屋までのあいだに短い廊下のようなものがあり、そこの右側が台所(と言っても幅50センチ足らずの流しと電気コンロがあるだけだが)、左側がトイレ&洗面所&シャワー室になっている(ちなみに風呂は1階に共同の大浴場がある)。
 「彼女」は、レディススーツの上着を脱いでハンガーにかけてから、洗面所に足を運んだ。
 メイク落としを使い、顔をぬるま湯で洗ってから、なにげなく鏡を覗き込んで、「彼女」──いや、「太田詠美」という立場になった青年は、ふと我に返り、真っ赤になった。
 「え? あれ、ボク……えぇっ!?」
 軽いパニックになる「詠美」。
 部屋に入るまであれ程ためらっていたのが嘘のように、たった今まであたかも本当にこの部屋の主であるように振る舞っていたはずなのだが。
 「どうして? な、なんで!?」
 自分のとった行動自体は覚えているらしい。ただ、そんな真似がなぜ出来たのかが、「詠美」には理解できていないのだ。
 言うまでもなく、これは例の「立場交換のカクテル」の副次的効果だ。本来の自分を強く意識しない限り、ふたりは現在の立場にふさわしい行動を無意識にとってしまうのだ。
 そして、日常的な習慣については、人間は意外とあまり意識せずに行動しているものなののだ。
51『Nursing Samba』3:2012/05/20(日) 03:02:31.60 ID:VpaZZIg4
 これから一週間、「彼女」が「初瀬川総合病院の小児科の婦長・太田詠美」として暮らすためには不可欠な措置とも言えるが、この時の「詠美」は、自分の自我同一性(アイデンティティ)がグラリと揺らいだような、不安な気分でいっぱいだった。
 「ボクは……ボク、だよね?」
 すでに化粧を落としてスッピンになったはずの鏡の中に映る自らの顔は、けれど髪型が変わっていることもあいまって、どこかいつもより女性的に感じられる。
 「そんなはずはない」と首をフルフルと振りつつ、まるで鏡から逃げるようにして、「詠美」は狭い洗面所から出て、部屋に戻る。
 「はぁ〜疲れたなぁ」
 そのままボフンとベッドに仰向けに身を投げる。
 今日(正確には昨夜)は、本来それ程アルコールに強い方でもないのにストレスに任せて痛飲し、そのあとマスターから「例のカクテル」を飲まされてしばし潰れ、目が覚めたと思ったらこんな状況──幼馴染の女性と「立場を入れ換えられて」いたのだ。
 あまり神経がズ太くない「詠美」としては、もう限界だった。
 「脱がないと洋服が皺になっちゃう」と頭の片隅で考えながらも、「彼女」はそのまま泥のような眠りに引きずり込まれていくのだった。

 * * *

 ──PiPiPi……

 ベッドサイドに置かれた目ざまし時計の音で、泥のような眠りから強制的に起こされる。
 「うぅ〜ねむい……」
 それでも今日は朝から週に一度の婦長会議がある日だ。ベテラン揃いの各科の婦長の中では自分が一番年下なのだから、遅れるわけにはいかない(いや、年長なら遅刻してもいいとうワケでもないが)。
 いまだ半覚醒状態のまま、それでも渋々ベッドから身を起こす。
 「あちゃー、昨日、このまま寝ちゃったんだ」
 ブラウスはともかくタイトスカートまで皺くちゃになっている。これはもうクリーニングに出すしかないだろう。
 余計な出費に落胆しつつも、プチプチとブラウスのボタンを外し、スカートのホックとジッパーを下ろして脱ぎすてる。
 下着にパンストという、はしたない(見ようによって扇情的な)格好のままタンスを物色し、替えのブラジャーとショーツを取り出す。勤務中はあまり色の濃い下着を着けられない(でないとナース服から透けて見える)のが、看護師という職業の不自由なところだろう。
 とりあえず、オフホワイトのフルカップブラと同色のショーツをベッドの上に並べてから裸になり、下着をランドリーボックスに入れてか、シャワーを浴びる。
 時間がないのでゆっくり洗っている暇はないため、サッと汗を流しただけで上がると、バスタオルを一枚の格好のまま、ドレッサーの前に座り──そこで「詠美」は、はたと我に返った。
 「な、何やってるんだ、ボクは!?」
 どうやら、寝ぼけ眼のまま無意識に動いていたため、またも身体が勝手に「太田詠美」に相応しい行動をとってしまったらしい。
 鏡には胸を隠すようにバスタオルを巻いた自分の姿が映っており、昨夜以上に女性的に見え、「詠美」は顔を赤らめた。
52『Nursing Samba』3:2012/05/20(日) 03:02:53.74 ID:VpaZZIg4
 確かに、成人女性の朝の支度の仕方なんて、独身かつ恋人もいない詠一が知るばすもない。だから、ある意味、助かることは助かるのだが……そのメリットを踏まえても、「自分の身体が勝手に動く」と言う現象は、やはり不気味だし遠慮したい。
 「このまま流されてちゃマズいよね……」
 もし女としての行動が無意識にしみついてしまったら、元の詠一の立場に戻ってもかまっぽい仕草とかが出るかもしれない。それは勘弁してほしかった。
 「これから出来るだけひとつひとつの行動をキチンと意識しよう!」と意気込む「詠美」だったが……。

 orz

 ベッドの上に置かれたランジェリーを前にガクリと膝を折る。
 下着も含めて女物の衣服をまとい、社会人女性として恥ずかしくないメイクをすることなど、正気(しらふ)のままの「詠美」には不可能だろう。
 あるいは時間をかければ不可能ではないかもしれないが、すでに会議の8時半まであと30分を切っている。情けないが、先程の誓いを反故にせざるを得なかった。
 「し、下着とお化粧は仕方ないよね……」
 それでも気を取り直し、タンスから極力無難なモスグレーのパンツスーツを引っ張り出し、パンツルックなのをいいことにストッキングも省略し、ヒールが低めのバレエパンプスを履いて寮を出ることで、ギリギリ妥協したのだが……。

 .......orz

 病院の女子更衣室で、ロッカーのナース服と純白のストッキングを前に、抵抗は無意味と覚るのであった。

 * * *

 さて、朝から無用に精神的な疲労を背負い込むハメになった「彼女」だが、半ばヤケクソ気味に開き直り、こうなったら「太田詠美」になりきって「婦長」としての立場を全うしようと決意した途端、不思議と事が巧く運ぶようになっていた。
 ある意味当然だろう。
 昨日までの「太田英美」は、若いながらも有能な小児科婦長として上司・同僚・部下・患者のすべてから信頼されていたのだ。
 その知識と技能を受け継いだ詠美に死角があろうはずもない。
 そればかりではない。「彼女」が持って生まれた気配り上手(裏を返せば小心で気にしすぎ)な性格は、看護師という職業にうってつけであった。
 そのぶん、能率と規律を優先するであろう本来の「英美」に比べれば(不慣れなことも加わって)、効率性という面ではいくぶん劣っていたかもしれないが、周囲に与える心証の良さは、デメリットを補ってあまりある。
 それに、もともと詠一は看護師になりたいという密かな夢を抱いていたのだ。その夢が(一週間限定とは言え)叶ったのだ。張りきらないワケがなかった。
 詠美は、日を追うごとに「太田婦長」としての立場に、やり甲斐と充実感を感じるようになっていた。

 さらに、いくら諦めて「太田詠美」の立場を受け入れたとは言え、やはりふとした弾みに自分の言動を省みて恥ずかしさを感じずにはいられない。それがまた、傍から見ると、微妙な初々しさを醸し出しているのだ。
 おかげで、ナースステーションでは、詠美のいない時をみはからって、ナース達は「あの堅物婦長が最近優しい、と言うかなんか可愛い!」「男か? 男でもできたのか!?」とコッソリ噂されてるくらいだ。
53『Nursing Samba』3:2012/05/20(日) 03:03:14.09 ID:VpaZZIg4
 それら諸々の相乗効果のおかげだろうか。それまでの「英美」はどちらかと言うと上司として頼られることはあっても、プライベートでは敬遠されがちだったのだが……。
 「あら、貴女たちも上がり? お疲れ様」
 「あ、太田婦長、あたしたち、これからカラオケ行くんですけど、婦長も来られませんか?」
 ──こんな風に部下ナースたちに誘われることになった。
 「うーん、そうねぇ……」
 本物の「英美」であれば、角が立たないようソツなく断るところだろう。
 しかし、詠美は彼女ほど勤勉でも孤高でもKYでもなかった!
 「ありがとう、ご一緒させていただくわ」
 「部下との交流も円滑な人間関係には不可欠だよねー」と考えてOKする。
 ノリで誘ってみたものの、まさか了承されると思わなかったのか、一瞬茫然とするナースたち。それでも、さすがに誘いを引っ込めることはせず、恐る恐る詠美も連れてカラオケボックスに行ったのだが……。

 「♪つかまえてほしい〜」
 伸びのあるテノールで、数年前のヒットナンバーを歌いつつ、軽くフリまで入れて見せる。
 仕事中とは異なる、意外に遊び慣れた詠美の雰囲気に、皆の緊張も徐々にほぐれていった。
 (このあたりは、高校卒業後、看護学校でも一心不乱に優等生を貫き、そのまま就職した英美と、地方の大学へ通うために下宿したのをいいことに、大学生の頃はそれなり遊んだ詠一の違いだろう)

 「すごーい、婦長、歌が上手ぅ〜」
 「あはは……ありがと。さ、次は鈴木さんの番ね。それと仕事中じゃないんだから、「婦長」じゃなくて太田でいいわよ」
 おかげで、部下の娘たちとの距離も随分と縮まったようだ。
 (嗚呼、なんか、こういうのいいなぁ……)
 「詠一」の時も、医者同士で飲みに行くことなどはあったのだが、新米医故の悲しさ、相手は皆先輩で、おまけにかなり高級なクラブの類いに連れて行かれることが多く、「詠一」はどうにも馴染めなかったのだ。
 むしろ、今みたいに大人数でワイワイやってる方が性に合っている。

 ──しかし、この「立場交換」も、予定通りなら明日で終わり。明日の深夜には、ふたりでまたあの店に行かねばならない。
 (もうちょっとこのままでもいいのになぁ……)
 就職以来、初めてと言ってよいほどの充実した毎日に、つい、そんなコトを考えてしまう詠美なのだった……。

#というワケで、やや駆け足ですが起承転結の「承」の部分でした。
54名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 06:37:43.20 ID:exRsEQdR
>>50
GJです!
看護士長の仕事は患者の担当の振り分けやシフトなどの人事、
書類仕事にムンテラなど夜勤が少ない代わりにある意味医者よりも大変だったりしますからね。
しかも小児科はもっと大変。
詠美さん頑張りましたね。
次回は英一さんの番ですか?
看護士はプライドの高い人も多く英美さんもそのタイプでしょうから医者としても頑張れるでしょうね。
楽しみです。
55名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 18:43:25.27 ID:7480+Ydr
>>50
乙です

前スレ埋まったから最後の『男子中学生や男子高校生とアラサー女性の立場が交換された世界になりますように』が叶うな
56名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 23:17:01.89 ID:0yh28KDz
>>50
続きGJ
いつもより女装描写薄いのはやっぱり女装に文句言う奴がいるから?

>>55
自分の願いは自分で叶えよう
このスレは書き手不足なんだから
楽しそうでは有るけどな
欲を言えばアラフォー主婦やキャリアウーマンだともっと好物
57名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 00:33:24.59 ID:CLQJW+ns
その話を蒸し返すな馬鹿が
58名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 14:36:26.53 ID:WxrxsHlQ
>>50
乙!乙!
いつの間にか看護婦にしかっかり染まってふと我に返り恥ずかしがるの良いね
ナース服で人前で看護してもその時は平気でも後から恥ずかしいとか鉄板だな

>>57
そう言うふうに一々突っ掛かるから余計空気悪くなるんだよ
作者宛てのレスなんだし横やりしないでスルーしとけ
59名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:07:51.66 ID:h/1J+fq1
>>50
続き乙
本人よりも上手に立ち回っている
もしやもとに戻らないパターンでは?
60名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:53:36.11 ID:TcSQTX7o
最近知ったコミックなんですけど、ここのスレに該当する内容かもと思い紹介します。

タイトル:「幼稚園からやりなおしっ!」

国の新たな施策により高校生までICで管理されることとなった
子供ID制度におけるうるう年のシステムエラーによって
16歳にして4歳児の幼稚園生として扱われる女子高生のお話しです。

高校生なのに幼稚園児の立場にされてしまうのって、このスレっぽいお話しですよね。
61名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:59:34.86 ID:56AIx7sn
認識バグがあるのは管理コンピューターで、人々はその娘が16歳の娘だとも理解してる感じだけどね
62名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 23:57:33.00 ID:R2XmotW+
フリージングとかはこのスレ的にどうなんだろう?
戦う女の子と言うのは珍しくないけど、パートナーの男子はおまけ的サポートで
少年漫画とかでの男女の立場が逆っぽい感じ
完全女性上位
63名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 07:00:55.71 ID:Rhz+LsDo
それはここじゃないと思うぞ
ここは個人同士の入れ替わりが中心で、そっち系とは全く毛色が違う

どっちかと言えば↓のスレじゃないか?

体格、体型、社会的立場が逆転してしまったら?2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1320589864/
64名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 07:04:25.70 ID:Rhz+LsDo
もしくはここだな

【男女】あべこべ世界妄想スレ【逆転】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1333118365/


質問するのは勝手だが、せめて>>1と投下されてる作品くらい読めばいいのに・・・
65名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 07:43:09.67 ID:SLk/75Z4
はいはい、スレチスレチ
そう言う分化したスレもあるがここの注意書きには、そんな事は書かれてない
勝手にお前さんが思い込んで人に押し付けてるだけだよ
66名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 18:15:25.19 ID:lKa609sW
こんなんでスレチ扱いとかこのスレも嫌な空気になったよなぁ…
今でこそ女装しかないけどそもそも初代スレの>>1が投下した一番最初の作品は男装モノなんだよ
動物との交換も>>1のテンプレ的にはOKだし集団対集団の入れ替わりも普通にOKな空気だった
なんでもありの空気が好きだったんだが妙な連中が湧いてきたせいでスレがどんどん分化して排他的な空気が蔓延してるし
マジで連中は腐女子か何かなの?
67名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:04:28.64 ID:ilR7vFse
あまり腐女子を揶揄しないで下さい。
女装ものに関しては女子より男性の方が愛好者多いですよ。
801板ですら男ばっかりで逆に女子は入り辛い空気になっていますし。
女装好きは腐女子見たいな決めつけ止めて下さい。
男の娘なんて男性向けジャンルそのものじゃ無いですか。

それはともかく今日のドラえもんは該当かも
68名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:04:54.08 ID:OVQR4Aoo
今度はそういう荒らし方なのか。なかなか趣向を凝らしてくるなあ
女装のことなんて誰も書いてないのにわざわざ蒸し返してきてるしw

>>62の言う女尊男卑社会なんて完全にスレチだろ
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統だぞ
69名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:19:21.80 ID:+vf/h5ng
サーカス団員が団長以外立場逆転してしまって
ピエロの立場になった踊り子とか
像の立場になった空中ブランコ娘とか
獣使いの立場になった像とか
そんな妄想してみた
7062:2012/05/25(金) 19:28:12.42 ID:uKVUV1/u
スレチでしたか、それは失礼しました
フリージングは女尊男卑ではないですよ
少年漫画で言う所のヒロインとヒーローの役割が逆の様な感じの作品なんですけど
71名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:36:10.96 ID:ilR7vFse
>>68
腐女子を悪く言う発言に一言言いたかっただけです。
あなたの方こそそう言う煽りで荒そうとしているのでは無いですか?
72名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 19:57:44.68 ID:26QJNVGr
>>70
完全女性上位って言葉に反応して女尊男卑って書いたんだが違うのか
得意気に即レスってよっぽど嬉しかったのかな

ぐぐってみたが、該当非該当以前の問題じゃないかこれ
このスレで何を語りたかったのか全く理解できない


>>71
不快にさせて申し訳ないが貴方に言ってないのです
その上のレス
73名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 20:32:29.85 ID:COMfEKeK
レスが伸びてたから新作投下かと期待したのに何だよこの流れ(´;ω;`)ブワッ

ケンカはもうやめて別の話しようぜ
74名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 20:32:36.72 ID:SLk/75Z4
>>72
なかなか煽りが巧いな
75名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 01:44:48.47 ID:44Zo1ikz
スレチスレチって
お前らの心がすれちまってるよ
76名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 02:13:37.41 ID:IH/ZYg97
スレチ馬鹿と認定厨の立場交換
77名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 02:23:10.06 ID:IH/ZYg97
スレチ馬鹿だとスレチ認定された方に見えるorz
スレチ扱い馬鹿と腐女子認定厨の立場交換に訂正します、フリージングの人には実に申し訳ない
寝ぼけ頭で慣れん事はやるもんじゃないなw
78名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 03:39:01.64 ID:6A4kaBPm
フリージング
http://bit.ly/ioB50p

流石にこれについてここで意見を求められてもなあ・・・
スレチ馬鹿だの認定厨だの言ってる奴って、煽られて頭に血が上った奴と
もしくは単に荒らしたいだけの便乗犯にしか見えない
確かに64や72みたいな感じで煽られたらムカッと来るかもしれんが

ここは何でも受け入れる仏様みたいなスレになったのか
スレチと言うのも、誘導もしちゃいけないのか
いちいち荒れるからスレが分かれてるのに、誘導したらキレるっておかしいわ
79名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 10:48:09.89 ID:IH/ZYg97
両方気に入らないだけなんだが、何で荒らし認定されるんだよw
んなこと言ったらお前は昨日からスレチ連呼してる奴が反論する奴全員荒らし扱いしてるようにしか見えん
大体スレチの話題でいちいち荒れるのってスレチ扱い馬鹿が暴れてるからだろ

個人的にはヒーローとヒロインの立場交換語る方向にでも持っていけたら良かったなとか思ってるんだが
自治厨気取りが颯爽と現れて偉そうに誘導してくれたおかげで台無しだよ
80名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 11:41:41.33 ID:2gV8AVzt
ヒーローとヒロインの立場が入れ替わるなら、能力も入れ替わるけど身体はそのままだから
体力とか魔力みたいなものは元のままで能力を上手く扱えないような展開がいいな
ヒーローしか使えない武器に振り回されたり、発動出来るけど知識が乏しくて直ぐに使えない魔法とか
このスレ的にするなら呪いか何かで立場が入れ替わって本人達以外には入れ替わった相手の姿に見える感じかな
かなりの戦力ダウンになる敵の作戦
装備も入れ替わりになるから女装男装にもなって
入れ替わったのがばれると恥ずかしいから他の人の前ではお互いの振りをしていると
いつの間にかなりきりが板についてきてしまうとか
81名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 14:39:32.72 ID:IH/ZYg97
俺は守る立場と守られる立場が逆転して…みたいな感じが好きだな
勇者と姫で考えると、姫の立場になった勇者が敵に捕らわれて勇者の立場になった姫がそれを助けるとか
82名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 14:47:02.54 ID:Gx2zbmDw
守る立場と守られる立場の逆転だと
「姫神の誤算 少年に憂鬱のドレス、少女に騎士の剣」という女子向けラノベがあった
立場交換という視点からもびったり該当だったんだけど、
内容はちょっとがっかりだった
(作品自体は楽しめたけど、立場交換ががっかり)
83『Nursing Samba』4:2012/05/26(土) 23:29:11.65 ID:lEBqBHpN
#いろいろな考えがあるもみたいですが、自分はssを投下するのみ。

『Nursing Samba』4

 ここ数日、「彼」は非常にご機嫌だった。

 「心配なさらずとも、単なる風邪ですよ。熱を下げるお薬出しますので、それを飲んで、あとはゆっくり睡眠をとってください」
 インターンを終えて間もない新米医師ながら、その診察は的確で自信に満ち……。

 「初瀬川先生、次が午前中最後の患者さんです」
 「おや、もうそんな時間か。ありがとう。では、次の人を診たら昼休みに入ります。
 水橋婦長もそろそろお昼に行かれてもいいんじゃないですか?」
 看護師に対しても気さくにかつ気遣いを忘れず……。

 「初瀬川くん、今日はどうだい、コッチは?」
 「お、いいですね。ご一緒させてください」
 先輩医師に誘われ、高級クラブに連れてこられてもアタフタしたりせず、如才なくホステスと会話しつつ、先輩を立てることも忘れない。

 「頼りがいがある」「優しい」「今時の若者にしては礼儀正しい」などなど、患者・看護師・医師たちからの評価は総じて高い。

 院長を務める「彼」の父親も、「頼りなかったアイツも、ようやく腰が座ってきたか」と感慨深く、息子の「成長」を歓迎している。
 無論、本人もそんな空気を肌で感じとっているから、上機嫌になるのも無理なからぬところだ。

 それに……。
 「やっぱり、男の方が服とか化粧に気を使わなくていいぶん楽だなぁ♪」
 日常面でも、いくつかのストレスの素がなくなった事を心から歓迎していた。

 ──そう、言うまでもなくこの人物は、太田英美がその幼馴染・初瀬川詠一と「立場」を取り替えた姿である。
 とあるバーのマスターに怪しげなカクテルを飲まされた結果、ふたりの身体自体はそのままなのに、英美は「初瀬川病院院長の息子で新米内科医師の初瀬川英一」、詠一は「英一の幼馴染で小児科看護婦長の太田詠美」と、周囲に認識されるようになってしまったのだ。
 しかも、念の入ったことに、人々の認識だけでなく、過去の文書記録やコンピュータの登録データなどまでもが、ふたりが現在の立場にあることを「証明」しているのだ。
84『Nursing Samba』4:2012/05/26(土) 23:29:54.54 ID:lEBqBHpN
 この「立場交換」そのものは、ふたりが明確に意図したものではない。どうせマスターの冗談だと思って気軽にOKしただけだ。
 しかし、同様に「詠美」になっている詠一が今自分が置かれている立場に(少なくとも当初は)非常に戸惑い、恥じらい、四苦八苦していたのに対して、英美の方は立場交換の直後から、非常に積極的かつ好意的に、「英一」としての自分を受け入れていた。
 なぜなら、「裕福な家の子で男性の医師」である「初瀬川英一」という立場は、彼女が切望していた欲求のほぼすべてを満たしてくれたからだ。
 いや、「英美が疎ましく思っていた属性を手放すことが出来た」から言う方が正確か。学生の頃から金銭的に苦労し、医療の道を希望しつつも医師になれず、看護師になるしかなかったのだから。
 無論、看護師という職業も医療現場で必要なことは十分認識してはいる。だが、それでも彼女は本当は医師になりたかったのだ。ひと昔前の、司法試験に合格できず、法曹ではなく司法書士や行政書士の道を選んだ人間なら、彼女の気持ちが多少はわかるかもしれない。
 もっとも、新司法試験になって以来、両者の合格率は逆転しているらしいが。
 また、ジェンダー面に関しても、理知的でサバサバした気性の彼女にとっては、湿度の高い「女同士の付き合い」は精神的負担になる部分が多かった。働く社会人女性として相応の服装は揃えていたものの、本音を言えば化粧や着飾ることにもあまり興味はない。
 真性のGIDの人間のように、自分の身体や「女性であること」自体に嫌悪感があったワケではないが、「男に生まれた方がよかった」程度の願望はしばしば抱いていたものだ。
 高校卒業以来の長年潜在的に抱いていたそれらの不満が(一時的とは言え)一気に解消されたのだ。「英一」がこの状況を歓迎しないはずがなかった。

 (こんなに愉快な気分になったのは、高校生の時以来かな)
 さらに、同い歳の幼馴染である詠一が慣れない女性看護師・詠美としての立場に戸惑っている様を見るのも、彼の甘えた性根や愚痴につきあってきた身としては爽快だった。
 もっとも、「彼女」が戸惑っていたのも最初に1、2日だけで、3日も経つとすっかり「太田詠美」としての立居振舞が板についてきたようだ。
 (うーん、ちょっと残念。まぁ、コレはコレでありかも)
 多少疎ましく思ってはいた面はあるものの、それでも一応もっとも親しい友人のひとりなのだから、本気で苦しめたいわけでもない。現在の境遇を「彼女」なりに楽しんでくれているなら、それはそれでいいことなのだろう。
 (でも、これなら……)
 「英一」が密かに考えている案を実行に移しても問題はないだろう。
 ニヤッと不敵に微笑む英一の様子は、すっかり若い男そのものだった。

 * * * 

 「えーっ、そんなぁ!?」
 例のカクテルを飲んでからちょうど一週間後の日曜の夕方。
 バー”TRABULANCE”で「英一」と待ち合わせしていた「詠美」のケータイに、「彼」からのメールが入っていた。
 遅れるという連絡かと思って読んでみたところ、どうやら急用が入って、今晩はそちらに行けそうにない……という内容だったのだ。
 「英一さん、来られないのですか?」
 カウンターの向こうでグラスを磨いていたマスターが、思わず声をあげてしまった「詠美」に声をかける。
 「え? あ、うん、そうみたいです……」
 場違いに騒いでしまったことが急に恥ずかしくなったのか、やや委縮しながら「詠美」がモゴモゴと口ごもる。
 「本当なら今日は、マスターに元に戻してもらうはずだったのに。ねえ?」
 「ははは、お仕事なら仕方ありません。それに、あのカクテル──"リバーサルシフト"の材料はおふたりの分は確保してありますから、いつでも都合の良い時にいらしてください。私が店に立っている時なら、いつでもお作りしますよ」
 年中無休のこの店だが、週に1、2日くらいは不定期にマスター以外の人間がバーテンダーを務めている。その日がマスターの休日なのだろう。
85『Nursing Samba』4:2012/05/26(土) 23:30:26.38 ID:lEBqBHpN
 「ありがとうございます。それにしても──ふぅ〜、これでまた、二人の休みが合う日までしばらくこのままかぁ」
 複雑な表情で手の中のグラスを見つめる「詠美」。
 「そうおっしゃられる割には、私には嬉しそうに見えますが」
 「ない!? そ、そんなこと……」
 ない、とは断言できなかった。
 立場を交換した当初こそ戸惑いや羞恥を感じたものの、開き直って「太田詠美」としての役柄(たちば)になりきって過ごすこの一週間は、思ったよりも快適だったからだ。
 どうやら、自分にとって看護師という職業は天職だったらしい。

 また、初瀬川家から出ての寮でひとり暮らしできていることも、あの家に息苦しさを感じていた詠一にとっては、まるで大学時代に戻ったような解放感があった。彼の父も母も善人だし、立派な人格者ではあったが、だからこそ融通の効かない面も多々あったからだ。
 (委員長気質な英美──「英一」さんなら、そのあたりも気にならないんだろうけどね)
 むしろ「彼」の方が町の名士・初瀬川家にはふさわしい気がするくらいだ。

 (それに……普通に暮らしている分には、女性の方が何かと得だよね)
 紳士の国イギリスの「レディファースト」ほどではないものの、現代日本でも、若い女性は女性車両やレディースデイを例に挙げるまでもなく何かと気遣われ優遇される機会が多い。
 男性としてはどちらかと言えば小柄で非力な部類に入る詠一だが、「詠美」としてなら力仕事の多い看護師としても、まったく問題はない。もちろん「なよなよしてる」と馬鹿にされることもなく、むしろ「淑やかで繊細」と褒められるくらいだろ。
 本音を言うなら、「詠美」とて、もうしばらくこのままでいたいとは思っていたのだ。ただ、「彼」に比べると小市民的な、「彼女」の良識(?)が異議を唱えていただけで。

 「別に構わないのではないですか? その服、よくお似合いですよ」
 「彼女」の心を見透かしたかのようなマスターの言葉に、頬を染めて俯く「詠美」。
 今日の「彼女」の服装は、先週の(英美の)カッチリしたスーツ姿とうって変わって、春らしいフェミニンな水色のシフォンドレスだった。半袖だが襟ぐりはやや深めで、肌を隠すためか白いストールを羽織っている。
 内跳ね気味にブローした髪にフェイクパールのカチューシャを飾り、足元も無色に近いストッキングと相応にヒールの高いレディスサンダルを危なげなく履きこなしている。無論、それほど濃くはないがキチンと夜用のメイクもしている。
 2週続けて同じ服装で逢うというのもどうかと思った「詠美」が、乏しい知識を絞って精一杯考えた結果のコーディネートだったが、正直、本物の英美より数段オシャレだ。20代半ば過ぎにしてはやや若めの格好だが、童顔気味な「詠美」には似合っていた。
 (だ、だって、今の「わたし」は太田詠美なんだもん。そう周囲に見られている以上は、それにふさわしい格好や行動があるのは確かだし。
 うん、これは、現在の立場上、仕方ない、仕方ない)
 そんな風に自分に言い訳しつつ、詠美もまた、心地よい「現状」に甘んじることを選ぶのだった。

 ──そんな自分の選択を悔いる日が来るとも知らず……。

-つづく-

#「転」の回ですが、むしろ「承」の続きと言ったほうが正解かも。本当の意味での「急転回」は、次回の冒頭で……。
86名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 23:55:24.65 ID:YW+lFqcp
>>83
その通り!
作者が一番さ
SSの続き乙です
87名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 00:00:38.92 ID:wxKbLqNK
>>83
乙です
急展開の続きも待っています

一連の流れは2ちゃん的なやり取りだけど直ぐにムキになるのどうにかならないのだろうか
一般的に人が嫌悪感を持つようなネタ以外は大目に見て良いと思うのに
やたら人を攻撃するのはどうなんだろう
88名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 08:30:46.79 ID:hkiimuBP
乙です!

だからいちいち話を蒸し返すなって
またスレチ認定された奴らが暴れだすぞw
89名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 10:03:52.90 ID:GDboOP5m
ここはSSとそれに関する事以外書き込み禁止になっているんだよ
それが分からない奴はここに来てはいけない
90名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 10:55:50.65 ID:3eaVOx/X
                           _,====ミミミヽ、
                         ,,==≡ミヽミヾミミミ、ヾ、
                       _=≡≡三ミミミ ミミヾ、ソ)),,》  .
                     彡彡二二三≡ミ-_ ミミ|ノノj )||ヽ, )、
                 __,,,,,,,,,/彡二二二    ,- __ミ|/ノ ノノノノ) ||
                -=二ミミミミ----==--'彡 ∠ミミ_ソノノノノ ノ
                  //>=''"二二=-'"_/   ノ''''')λ彡/
        ,,/ ̄''l       彡/-'''"" ̄-=彡彡/ ,,-''",,,,,,,ノ .彡''"
       (,  ,--(      彡 ,,-- ===彡彡彡"_,-_   ヽ Υ
       ヾ-( r'''''\    //=二二''''''彡ソ ̄ ∠__\ .\ソ  .|
         \;;;;  \   Ζ彡≡彡-'''',r-、>   l_"t。ミ\ノ,,r-v   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           \;;;;  \  彡""彡彡-//ヽ" ''''''"" ̄'''""(エア/  /
            \;;  \'''''')彡ヽ// | (tv   /|  , r_>'|  <一体みんな誰と戦っているんだ
             \;;;  \'"  \ ,,"''-,,ノ,r-", /  r'''-, .j   \
               \;;;  \ /,,>--'''二"''' r-|   二'" /  __  \______
                \;;r'""彡_l:::::::::::::::::::::: /./_   " / ̄ ̄"===-,
                  )''//rl_--::::::::::::::::/:/ヽ"'=--":
91名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 11:17:08.74 ID:azdwYES6
キチガイが自分の気に入らない意見や考えを「スレチ認定」して暴れて
そんで、そういうキチガイ相手に反論しようと無駄に熱くなる輩がいる

互いに自分が正しいと思い込んでる自治厨だから、まとまる訳もなく、スレが荒れるだけでしかない

つまり、両方死ね
92名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 11:45:49.92 ID:3eaVOx/X
だな、とりあえず雑談用のスレ立ててみた
スレチ認定して回るキチガイがウザかったら向こうで好きなジャンル語ろうぜ
先に言っとくがスレチはこのスレに行けという意味ではないのでここで雑談するならするでOKだからな
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1338086415/l50
93名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 12:03:40.79 ID:hkiimuBP
>>62はある作品はこのスレ的にどうなんだろう?って質問して
次のレスで別スレのほうがいいんじゃないかと誘導した(一言余計な感はあったが)

ここまではどこのスレでもあることだし、素直に従っとけば荒れずに済んだ話なんだけどねえ
今更どっちが悪いとかは心底どうでもいいことではあるが


未だに煽られたのを引きずってスレチ扱いする奴はキチガイ!!って喚いてるのは呆れるわ
上で挙げられた作品は気に入らないというレベルじゃなくて、本当にこのスレとは無関係な代物なわけで
今までのスレチ議論とは訳が違うのに、何故かそっちに持って行こうとするのが不思議でならない
94名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 12:07:57.61 ID:hkiimuBP
>>92
気持ちは分かるけどさ・・・
それ、エロパロ板で立てるようなスレじゃないと思うの

スレ違いどころか板違いだよそれ
95名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 12:16:12.31 ID:3eaVOx/X
板の趣旨からは外れていないので何ら問題はない

88 名無しさん@ピンキー [sage] 2012/05/27(日) 08:30:46.79 ID:hkiimuBP Be:
乙です!

だからいちいち話を蒸し返すなって
またスレチ認定された奴らが暴れだすぞw



こんな煽り入れといて今更グチグチ自分のこと正当化しても遅いと思うよ
その一言余計なのが皆の癇に障ったんじゃないかな
それと俺はあの煽り合いに参加してないから
96名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 12:20:58.49 ID:azdwYES6
ぶっちゃけ、キチガイが現れても、スルーすれば良いだけの話だろ

余計な事してる時点で、キチガイと変わらん
97名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 12:22:49.60 ID:hkiimuBP
板違い認定でも怒るのかよ・・・

俺が悪かったからもうやめようぜ
98名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 13:42:28.77 ID:b6WrI4V+
ここまで全部携帯とスマホを使いながらPCでも書き込んでる俺の自演


それはそうと今回のSSもすげー良かったわ
GJ
99名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 13:54:37.03 ID:TAcNi62d
そうだぜ
せっかく投下してくれたこの作者の作品をスルーして騒ぐなよ
今回も素晴らしい作品なんだからよ
もっと作者や作品を褒めろ
100名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 17:02:07.58 ID:YJe8LZ4Y
こんなニッチなスレですら喧嘩になるのに、
世界から争いを無くすなんて、土台無理な話だわなw
101名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 23:52:31.76 ID:Yg6EpQhk
>>83
GJです!
詠一さん頑張って。
仕事のプレッシャーに負けそうになる事もあるかも知れないですけど、男の人には頑張って欲しいです。
でも詠美としての立場が良いなら英美さんもそのつもりの様なので良いとは思いますけどね。
ちょっと男気ある所も見て見たいなとか思ったり。
でも今の立場では無理ですね。
102名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 05:27:22.75 ID:xkQyUIbx
>>83
続き期待のGJ
この場合何時ものように生理とかも入れ替わっているのか?
しかし回りから女としか見られない事を良い事に女装を楽しむようになると末期だな
元に戻っても女装癖は確実についたかと
103名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:32:51.78 ID:2or7eCL/
このスレ書き手は3人とか言われてるけど意外に閲覧者は居るんだな
104名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:48:19.01 ID:5kCsDX1g
そう言えば今まで母親と息子の立場交換って言うシチュのSSは無いな
父親と娘のは名作があったのに
105名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 00:52:30.04 ID:mt22UqO8
このスレでの雑談は禁止だ
106名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 07:49:04.90 ID:NaL4n8nn
また出た
107名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 16:52:39.63 ID:W/kzuzIo
ところで>>69が凄く良いと思わないか?
108名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 17:11:11.11 ID:NaL4n8nn
いいなこれ、見落としてた
動物と調教師の逆転とかいいかもしれん
109名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 17:34:19.62 ID:mt22UqO8
スルーされたから自演か
そもそもスレチ
110名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 22:01:16.31 ID:NaL4n8nn
え、何なのこいつ…
111名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 22:19:40.00 ID:PrwP9nSV
>>108
怪力担当男がバニーガールの服を着るとか…
112名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 23:43:47.93 ID:g3F1wFL1
動物との逆転だけだと足りないから妄想ストーリーを少し

外国でよく子供にくぎを刺す時に使う言葉に「悪い子はサーカスに連れて行かれる」と言うのがあるが
それは実は一つの真実が隠されていた

サーカスの団長は実は人さらいで子供を捕まえて奴隷として売っている奴隷商だった
その人さらいの方法と言うのが動物と子供の立場を入れ替えてしまうと言うもの

親は動物を自分の子供と思いそのまま帰り、交換された子供は動物として連れて行かれてしまう
その子供を売っても立場上は動物なので問題無くペットや家畜の様にしか回りからは思われない
だが取引相手もその動物が動物の立場になった子供だと知っているので立派な奴隷が手に入ると言う訳

そんな魔術的な事件に挑む特別権限を持つ少年探偵
だがそこに現れるライバルの女怪盗
女怪盗は団長と共謀し少年探偵を罠にはめ、自分と立場を取り替えてしまう
突然お尋ね者の女怪盗の立場にされてしまった少年探偵は保安官達に追われる身となってしまい
身を引くしかない状況に陥る

果たして少年探偵は無事この事件を解決する事が出来るのか

とかなんとか
113名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 23:45:55.96 ID:UrHFsKsK
今書き込みするとすぐ変なの沸くからしばらく静かにしていようぜ
114名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 23:52:24.84 ID:3DLUsGNj
>>113


>>114
相手しなければ良いだけ
むしろそうやって作品投下を邪魔するのが目的な気がするし
115名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 00:12:56.13 ID:VtPPECWR
前スレでちょっと語られてた姫とオークの立場交換なんて割と面白いと思うんだよな
スレ見つけた時には既にタイミング過ぎてたんだがあの会話には入りたかった
116名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 07:25:57.31 ID:1IEKXZbt
昔荒らしまがいのことをしてたことがあったが、
そういう行為をしてる時って何を言われても全然応えないどころか
それにどういう切り返しをしようかと考えるからな
上手く煽って相手が更に釣られてきたら楽しいんだこれがw

とにかくスルーを徹底しとけってことだ
117名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 12:17:26.50 ID:JkzSZvjh
荒しをした事を自慢げに語るとか…
118名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 16:55:53.60 ID:LQJ7Z+xO
『人間』と『人形』の逆転

…そういえば昔人間とダミー人形が逆転した動画あったよな
消えちゃったけど
119名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 17:44:44.00 ID:mFIZ1jkS
>>116
わざとそういう風に書いているのかも知れないけど
もう少し空気を読んだ書き込みをしようよ
120名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 18:15:28.36 ID:VtPPECWR
少なくともスレチや荒らしの話題が一番スレチで荒らしなのは万人の認めるところだろう
121名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 19:39:49.08 ID:Jb0n/NI4
たった4レスで3人釣られてるようだと今後の改善は絶望的ですね
122名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 19:49:36.73 ID:+OOhcOZr
このスレは雑談禁止だと言うのにお前ら馬鹿なの?
雑談スレ出来ただろうが

>>112
責任もってちゃんとSSにしてくれ
出来ないとか言うなよ
123名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 21:00:16.75 ID:nnx/el64
>1によると
 「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統の小説や
 【雑談】などをするスレです

って雑談も対象にしてそうだけど。

雑談スレを立てた>92も
 先に言っとくがスレチはこのスレに行けという意味ではないので
 ここで【雑談】するならするでOKだからな
って書いてあるけど。

まぁ、雑談っていっても、立場変化に関連した雑談に限定して、だろうけど。
124名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 21:36:27.54 ID:VtPPECWR
しかし雑談スレって板的に結構グレーだな
こっちと語る範囲が違うからギリ大丈夫みたいな理屈らしいけどせめてスレタイ何とかしてくれ…
125名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:42:30.55 ID:6iqZyhbm
>>121
4レスってどの4つの書き込みを指して言っているんですか?
それに反応して書き込んでいる人が3人との事ですが、その書き込みはどれに当たるのでしょうか?
126名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:51:08.99 ID:kXTJqs27
>>121>>125が自作自演で荒らそうとしてるようにしか見えない
余計な事するなとか散々言われてるのに、煽り行為やめないとしないし
127名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 10:15:08.59 ID:7bXZKwA6
とりあえず煽っている奴は案外アホな厨房だと言うのは分かった
計算でそう見せているなら凄が、あり得なそうだな
128名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 16:05:58.74 ID:BAQ5ppU/
荒らしは雑談スレに行って文句ぶちまければいいのに
立てた奴には悪いがこっちで話ができるなら文句無いだろ
129名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 21:24:45.86 ID:VEshCPJu
立場交換で男の立場になった女がモテる話しとかないかな
男の立場になっても持ち前のファッションセンスで女性受けするお洒落をしたり
適切な気遣いや細やかさで人気になるみたいな
逆に女の立場になった男は最初は女として男におごらせたり女性優遇のサービスを満喫するが
お洒落や化粧を面倒くさがってしないでいるうちに人が離れていってしまう対照的な結果になるとか
130名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 16:14:03.43 ID:+BmL39/A
一生懸命スレの流れを修正しようと頑張っているところを悪いが、もう静かに作者が作品を投下してくれるのを待とう
医者と看護婦の続きを待っているので作者様続き頼みます
131名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 17:48:10.30 ID:cKUui0dp
せっかく沈静化したっぽいんだから雑談ぐらい許して差し上げろ
いつもどおりが一番だよ
132名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 23:55:39.97 ID:1PYbLUT2
OLの姉ちゃんが鼻たれ小学生と立場交換される様な話しが見たいな
133名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 00:00:33.34 ID:XcdjwYgb
じゃあ俺は男子を蔑む女子が男子の立場になってかつての女子の仲間に蔑まれ
いつの間にか馬鹿にしていた男子に馴染んでしまうのが見たい
134名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 13:32:23.36 ID:AJdDcKv8
確か初代スレの方にオタク男と入れ替わったモデルの話があったと思うがそれが一番近いかな

個人的には、男って最低!みたいなこと言ってる高飛車な女子がキモオタと立場逆転して
自分の意志とは関係なく自分の立場になったキモオタに興奮して襲いかかるみたいなのが好きかな
135名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 22:08:15.31 ID:IOTj/JFX
男の立場になった女の話しは1スレ目のOLと男子中学生の作品が最高過ぎるよな
AV見てAV女優に欲情して男の気分でオナニーとか最強だろ
136名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 15:56:51.96 ID:qcoBpgSa
シスコンの弟が立場交換で姉の夫になろうとしたら、手違いで姉の娘と交換してしまい
女児としてあつかわれ恥ずかしい思いをするも、その立場を利用して姉に甘える見たいな話しを見たい
137名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 16:33:52.10 ID:s/M7ZPA4
ではこちらはロリコンなオタクが目当ての子の母親か父親と立場交換をしようとしたら
その女児と立場交換になってしまい、何故か本人より女児がノリノリで
自分が女児として過ごす事になってしまう話しを希望
そして逆にロリコンに悪戯され反省する
138名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 18:12:19.21 ID:6mi5GSFh
幼女と入れ替わって自分の立場になった幼女に性的なイタズラされるってのはロマンだよな
立場交換って割とSM系のジャンルに近い気がする
139名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 22:52:00.25 ID:PCqlyRjH
女児もの人気ありそうだな
俺はギャルとの立場交換ものとか読みたいな
家にも帰らず遊び回っている様なギャルとそれを補導するはずの高校教師とかで
140名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:02:08.16 ID:IKNo0mCA
やっぱ大浴場でしょ。
男の体のまま当たり前のように女湯へ…とか、
女子生徒が恥ずかしがりながら男湯へ…とか。
141名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 00:02:08.63 ID:SpZ07Z7k
堅物の教師がじわじわとギャルに染まっていくわけですね
想像するだけでたまらんな
142名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 02:12:59.70 ID:kJ/UH1mp
むしろ記憶は変わらないまま口調や性格がパッと変わるのも面白いかもしれん
143名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 17:49:29.11 ID:/Hkk/mgi
二つを一緒にしてギャルと女児の立場交換
ギャルになった女児は全く知識無しに純心な状態のまま男に遊ばれ
女児になったギャルは、遊ぼうにも子供あつかいされ相手にされず出来る事も女児レベルの事しか出来なくなり
親に反抗するも全く出来ない状況に
144名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 18:55:42.81 ID:kJ/UH1mp
性別跨いで不良男子と女児の立場交換とか
145名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 22:42:18.36 ID:ZDPNMEU5
ならば俺は2つをこう会わせるぜ
ロリコンのオタクとビッチなギャルとの立場交換だ
146名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 23:18:04.09 ID:9dhYyu+V
死人と立場が入れ替わり、死人がクラスに一人いる
その死人が誰かは誰にも解らない
死人本人にも
死人の立場は無自覚に押し出される様にどんどん入れ替わっていき
最後に死人が死人の立場に戻った時、そこにはお互いの立場がバラバラに入れ替わっているクラスの姿がある
おかしいと思いつつもその立場のまま過ごし、元に戻れる事を願って同じ一年をまた繰り返す
そんな異様なクラスがどこぞに存在するらしい
147名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 13:04:23.63 ID:M5PyhiXl
アナザーのパクリ?
転校生の男子が眼帯少女の立場になってクラスから居ない者あつかいされるのか
下手な奴と立場交換になったら死ぬな
148名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:01:47.61 ID:Y6bL6w/9
クラスの中には先生もふくまれるよな
若くて可愛い副担任と熱血漢で暑苦しい担任が入れ替わったりしたら面白いな
先生が生徒になるのもいい
可愛い副担任が馬鹿でスケベな男子生徒になったり
熱血漢が気弱少女になったり
149名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:40:01.38 ID:ck/sxVYt
女装山脈の村では男の子が女の子として過ごす習慣があるって設定から思いついたんだが
特定の地域に入ると立場が強制的に変化するって面白いんじゃないの
150名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:42:12.28 ID:v5wCQ67f
Anotherの設定だと被害は家族にも及ぶはず
と言う事は看護婦の姉と立場が入れ替わる奴とか居たりする訳か
父親と入れ替わる女生徒や母親と入れ替わる男子もいる訳でカオスだな
151名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:43:40.79 ID:7THbIUTV
違う人になるという意味で「Another」か、いいなぁ
152名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 01:15:09.68 ID:5BlRPxLF
>>149
たとえば、神社に行ってお参りしようとしたところ、777人目の参拝者は強制的にその神社の巫女さんと立場が入れ替わる
……というか巫女にされる。
 (しかも立場の変化については、なった当人しか気が付かない)
次の777人目が来れば、元の立場に戻って帰れるんだけど、巫女でいるあいだは神社から出られない。
参拝客が多い神社ならいいけど、めったに客の来ないさびれた神社だと悲惨だなぁ。
153名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 14:09:05.30 ID:E2Ndob4t
立場交換のおきているクラスのまわりは立場が入れ替わっている状況を変に思わないが
転校して来た主人公だけは知覚できるんだな
自分も立場交換に巻き込まれるけどまわりに合わせてとりあえずその立場を演じて
この立場交換の謎を解いて行く話しになるのか
154名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 17:43:11.03 ID:ArEkoVId
自分の立場になった人間が死んだらもう元の立場に戻れないのか?
それは困るな
主人公は自分の立場になった人間が殺されないようにいろいろ手助けすると
回りから見ると危険にさらされる主人公をいろんな人間が手助けをしていく様に見える感じになるのか
脈略もなく主人公を手助けする人物が次々現れるのはこう言う仕組みだったのか
155名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 21:36:18.79 ID:UzB6mayo
今週の絶望先生が人格の入れ替わりの話で面白かった
よくこんな設定思いつくなー
156名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 22:02:39.78 ID:rT8SyX64
あれは入れ替わりに入るのだろうか
157名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 23:34:58.24 ID:xMGOH15V
>>154
なんか話しがいろいろ混ざってる気が

そう言えば絶望先生も死人の話しだったんだよなたしか
勝手に改蔵でも入れ替わりと見せかけて、お互いに相手になったと思い込まされていた
と言う落ちの話があったっけ
158名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 23:52:33.58 ID:E4EOxcp8
このシチュが該当するのは禁書のエンゼルフォールと過去スレで貼られてた海外のコメディドラマぐらいか
159名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 16:50:17.30 ID:c2rVGBA5
>>158
ドラえもんを忘れてはいけない
160名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:39:29.84 ID:f3pjC6Q3
自分が違う立場になってみたい
具体的には可愛い女の子の立場になってちやほやされてみたい
161名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:59:13.48 ID:P1eXXtx6
そこで空かさず俺は合意の元で女児と立場を交換して、自分の立場になった女児と
いけない遊びをしたいと言う
主に自分がおもちゃにされる方向で
162名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 00:36:55.17 ID:SclPYDAg
むしろ俺は自分の立場になった女児に勉強教わるとか泳ぎを教わるとか能力の逆転的なのを堪能したいな
163名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 15:53:47.51 ID:2Ir0JFgr
俺は他人の立場を入れ替えて端で見てニヤニヤしていたいぞ
入れ替えられた当人達は気が付かないで俺だけは分かる感じで
164名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 16:35:52.06 ID:/FG9P489
逆に立場を入れ替えた犯人だけど
立場逆転した人以外気付いてないようにしてるから
自分も気付いてないふりをしながらにやにやする

主に妹と友達とかクラスメイトとか
165名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:47:22.28 ID:v/n3cqAm
>>164
それ>>163と同じ、逆になってないって
そんな間違いをする君は、お漏らしして泣いている幼女と立場を入れ替えてやろう
166名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 23:03:22.58 ID:3uAM4L7I
ロリコンが多いなぁ
167名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 08:00:18.88 ID:INQuZlFb
ロリコンはみんなょぅι゙ょの立場になって身体能力も思考力もその立場にあったものになり
たくさん苦労して大変な目に遇うといいよ
168名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 12:41:01.45 ID:19l4wyvR
父母兄妹の四人家族が父と妹、母と兄で立場交換されて日常生活を送るのを観察したい
兄が中学生ぐらい、妹が幼稚園ぐらいで
169名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 13:23:45.55 ID:Ruv+1774
>>167
自分の立場になった幼女に面倒を見てもらえるなら、願ってもない
言う事を良く聞く良い子になって、思いっきり甘えてべったりしたい
お兄ちゃんの事好きだから何でも頑張る健気な子になるよ

お兄ちゃんと言っても見た目が女の子なのが重要
身体の入れ替わりで自分の姿の幼女に甘えるのはなんか嫌だ
170名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 16:19:51.32 ID:2GANnNHK
このドM共め!俺も同感だが

今の姿のままで幼女になってみたい
そこから女子小中高校生になれるとか想像しただけでやばいわ
171名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 16:40:40.33 ID:19l4wyvR
やっぱ隠れてただけでM属性持ってる奴沢山いるんだなww






俺も立場交換して幼女に幼女扱いされてイタズラされたいです
172名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 23:14:05.93 ID:ydQD1i73
もうみんなょぅι゙ょに立場交換して幸せに暮らしなよ。
取り合えず大人になってみたいょぅι゙ょ集めたから、交換してもらいたい人は一列に並んで。
173名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 23:26:53.58 ID:19l4wyvR
はい
174名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 23:31:37.96 ID:ydQD1i73
>>173
はい、あなたはちょっと意地っ張りだけど泣き虫で夜のトイレが怖くておねしょしちゃう
4歳のょぅι゙ょと立場交換になりました。
早速今夜おねしょしない様にね。
175名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 01:13:49.89 ID:SMH4fJaj
#ょぅ゛tょモノでなくてスマヌ。看護婦物の続きです。

『Nursing Samba』5


 人間というのは、ちょっとしたことにストレスを感じる繊細な存在であると同時に、矛盾しているようだが、よほど過酷な環境でもない限り、次第に慣れる生き物だ。
 普通──いかにその相手が子供の頃からよく知っている幼馴染とは言え──性別も環境もまるで異なる相手と「立場」を入れ換えられたら、たいていの人間は、狼狽え、戸惑い、弱気になるものだろう。
 まぁ、なかには「英一」となった英美のように、なった瞬間からノリノリでその立場を満喫する人間もいないわけではなかろうが、普通は「詠美」となった詠一の如くオロオロあたふたするのが常識的な反応だ。

 もっとも、ご承知の通り、その「彼女」もまた、3日と経たずにすっかり「詠美」としての日常に馴染んでしまったワケだが、これは取り替えた立場が双方の潜在的欲求に沿うものだったことが大きい。
 いかに、魔法(?)の力の補助で、立場に伴ってそれにふさわしい知識やスキルが身に着くとは言え、それが本人が望まない、そしてまったくそれまで無縁のものであれば、やはり馴染むにはそれなりの時間はかかったことだろう。
 パソコンに例えるなら、知識やスキルを収めた「データディスク」を与えられたとしても、ハードディスクにあたる自分の脳や身体に「読み込んでコピー」し、さらに自らが使いやすいよう「最適化」するには、それなりに時間がかかるものだ。
 その点、このふたりの場合は、互いの身の上をよく知る幼馴染であり、ともに同じ病院で医療の現場に携わっていたことで、少なからぬ知識が共有されていた分、新たに「インストール」する「データ」が比較的少なくて済んだ。
 さらに、ダウンロードされた「データ」を使う人間の方も、待ってましたとばかりに積極的に使いこなす気満々(=現在の立場を密かに羨望していた)のだから、結果は明らかだろう。

 しかし──こんな言葉があることもご存知だろうか?
 「美人は3日で飽き、ブスは3日で慣れる」

 * * * 
176『Nursing Samba』5:2012/06/10(日) 01:14:32.86 ID:SMH4fJaj
 あのバー”TRABULANCE”で立場を交換してから1週間目の日曜の夜は、ご存知の通り「英一」が都合で来られず、例のカクテルを飲むことができなかった。
 ふたりとも、本音を言えば、もう少しこのままでいたいと考えていたので(表面的にはともかく)喜んで翌週も「英一」「詠美」としての暮らしを続けることとなった。
 さすがに入れ替わって1週間も経つと、最初の頃の新鮮味はなくなるものの、それでも長年夢想していた「医師」「看護師」という立場だけに、両人ともその役割を果たすことに意欲的だった。
 そして次の週の日曜は、運悪く「詠美」が夜勤の当番だった。しかも、日付をズラそうにも夜勤を代われる人間がいない……あるいは、それも「まだ戻らないこと」への言い訳なのかもしれないが。

 ──そして、ふたりが立場を交換してから3週目の週末。
 「英一」と「詠美」は、開店早々の”TRABULANCE”に連れ立って来ていた。
 「おや、おふたりとも、今日はエラく早いですね」
 ……どうやら、彼らが一番客だったらしい。顔馴染みのバイトの青年が椅子の配置を直しているところだった。
 「マスターは?」
 どこか焦ったような雰囲気を漂わせながら「英一」が尋ねる。
 「あ、今日はお休みだそうですよ」
 青年が答えるのとほぼ同時に、店の奥からマスター不在時の代理を務める女性バーテンダーが現れた。
 「芽久美さん、マスターの連絡先とか知らない?」
 いつも以上に真剣な目付きをした「詠美」の言葉に、芽久美と呼ばれた女性バーテンダーは首を傾げる。
 「一応、ご自宅の電話番号はうかがってますけど……」
 無理を言ってそちらにかけてもらったが、案の定と言うべきかマスターは不在だった。
 「おふたりとも、マスターに何か用があったんですか?」
 「じつは……」
 「詠美」が事情を説明しようとするのを「英一」が押しとどめる。
 「いや、どうしてもと急ぎ言うわけじゃないんだ。ただ、少し約束していたものがあってね。芽久美さんの方から、ボクらが近々例の件をお願いするつもりだって、伝えておいてもらえるかな?」
 「ええ、それは構いませんよ」
 代理バーテンに伝言を頼むと、ふたりは”TRABULANCE”を出た。
177『Nursing Samba』5:2012/06/10(日) 01:15:16.83 ID:SMH4fJaj
 そのまま帰る気にはなれず、いつかのように人気の少ないマ●ドの2階に入るふたり。
 「それにしても、どういう風の吹きまわし? 「詠美」くんは、小児科の婦長さんとして巧くやってると聞いてたんだけど」
 「本物」よりも数段格好良くスーツを着こなした「英一」が、すっかり男の口調で目の前の「詠美」に問う。
 「──今だって小児科の看護師は、わたしにとって天職だと思ってます。婦長という立場も大変だけどやり甲斐はあると思いますし。でも……」
 口ごもる「詠美」の言葉を「英一」が引き取る。
 「ずばり、人間関係に疲れた、かな?」
 「……近い、かもしれません」
 比較的我の強い本来の英美に比べて、「詠美」は格段に他人の目や感情を気にする方だ。だからこそ女性同士のコミュニティーに「本物」以上に馴染めている反面、嫉妬や中傷などドロドロしたものに、超然とした英美より傷つきやすいとも言える。
 また、「標準以上の容姿を持つ若い(まだ20代半ばなのだ!)女性」である英美の"立場"を受け継ぎ、かつ「本物」よりもフェミニンな装いや仕草に抵抗感が少なかったため、今の「彼女」は男性の視線を少なからず惹きつける存在なのだ。
 いかに頭(きおく)では「男とは"イイ女"につい目がいってしまう存在」だとわかっていても、嫌悪とも羞恥ともつかない違和感が湧き起こるのは致し方ないだろう(もっとも、自分が「それなりに"見れる"存在」だということはナチュラルに自認しているようだが)。
 そして、そんなこと──男性に注目されるというだけで自分に反感を持つ「同性」(この場合は女性という意味だ)がいるというのも、「詠美」としては納得し難いことだった。
 「生まれつきの女なら、そういう理不尽に対する耐性がそれなりにあるんだけど、心優しくピュアな「詠美」ちゃんにはキツいか。まぁ、「男」としては見る側の気持ちはわからなくもないかな」
 肩をすくめる「英一」の視線の先で、はてな顔になって小首を傾げる「詠美」。
 その様子は、セーラーカラーの若草色のワンピース(しかもパフスリーブでスカート丈も短め!)という格好や髪のリボンとあいまって、「彼女」にまるで二十歳前後の小娘のような可愛らしい印象を与えていた。
 (そりゃあ、男共の目を惹くはずだ……)
 男子の理想の女性像自体は千差万別だろうが、その類型のひとつ「ちょっと天然だけど、歳の割に可愛らしくて、優しいお姉さんタイプ」を今の「詠美」は素で体現しているのだから。
 「それでも、看護師としての立場は気に入っているんだよね? その格好見る限り、女の子してるコト自体もイヤじゃなさそうだし」
 「ぅ……」
 どうやら図星のようだ。そう言えば、服装のみならず、ナチュラルなメイクの方もなにげに本来の英美より巧いかもしれない。事情を知っている「当事者」である「英一」から見ても、今の「彼女」は普通に「結構魅力的な若い女性」にしか見えないくらいだ。

 「この世はすべて等価交換──とまでは言わないけど、何かを得れば何かを失うのは世のならいだ。その程度の不便や不合理なら甘受すべきだと思うけどね」
 したり顔でそんなコトを言う「英一」に論破されかけながらも、「詠美」はささやかな反撃を試みる。
178『Nursing Samba』5:2012/06/10(日) 01:15:47.65 ID:SMH4fJaj
 「!」
 どうやらコチラも図星のようだ。
 「英一」の場合は、「詠美」と比べればある意味贅沢な悩みと言えたかもしれない。
 立場交換以後、「彼」は確かに「初瀬川病院院長の息子」と言う立場に恥じない勤務ぶりを示した。それは周囲の多くが認めるところだ。
 ──しかし、同時にそこには、「あの院長の息子である」と言う前提条件が常に厳然とそびえたっているのだ。
 「英一」の父・初瀬川杜夫は、「多少裕福と言えないでもない」程度の中流階級の家庭に生まれ、苦労しつつも腕のいい外科医になり、名家の娘ながら看護師として世のために尽くしていた「英一」の母・晶子と出会って結ばれ、今の病院を設立するに至ったという傑物だ。
 ある意味、サクセスストーリーの体現者と言えるかもしれない。
 しかし、親が偉大であればある程、子供への有形無形のプレッシャーは小さくない。
 そんな環境に疲れ果てドロップアウト寸前だった本物の詠一と比べれば、「英一」は遥かにスマートかつクレバーに成果を成し遂げていたが、それでもストレスを感じないわけではないのだ。
 あるいは自身の能力に自負がある分、「親の七光」扱いされることに本物より納得がいかないのだろう。
 そんな苛立ちのせいか、一昨日、「英一」は些細なミスを犯してしまったのだ。誤診……という程のものではなく、外来の患者に出すべき薬の処方箋を少し書き間違えた程度のものだ。
 幸い薬局の方でミスに気付き、連絡してきたので即座に修正できた(そもそも仮にそのままだとしても大事には至らなかったろう)が、医師となってから初の過ちは少なからず「英一」の心に影を落とした。
 そう、医師は患者の健康、ひいては命に責任を負うべき存在なのだ。無論、それは看護師だって同じだと言えるかもしれないが、理想論はともかく現代日本で、担当医と担当看護師、どちらが患者に対して責任が重いと見られているか……と言えば自明だろう。
 そのことを忘れて、ただ単に自身の才智をひけらかすように医師の立場を満喫していた自分が、「英一」は猛烈に恥ずかしくなったのだ。
 自らの思い上がりへの反省の意味を込めて、「そろそろ元に戻りませんか?」という「詠美」の提案に、一も二もなく合意したのだ。

 「く……はは、「詠美」くんも言うじゃないか。こりゃ痛烈なブーメランをくらったもんだ」
 それを自覚してなお強がれるのが「英一」の精神的な男前(タフ)さだろう。詠一なら、もし同様の事態になればズーンと落ち込んで出勤拒否状態になっていたかもしれない。
 「ま、いずれにせよ、もうしばらくボクらはこのまま過ごすしかないワケだ。
 ならば、変に落ち込んでいぢけてるよりは、開き直ってそれまでの日々をより大切に過ごす方が前向きな生き方と言えるんじゃないかな」
 「はぁ〜、立場が変わっても「英一」さんはたくましいですねぇ」
 「「詠美」くんがデリケート過ぎるのさ」
 幼馴染同士、ある意味、慣れたやりとりをしつつ、ふたりはなぜかいつもと違う感覚を覚えていた。
 周囲にはよく誤解されるのだが、これまで英美と詠一の間には艶めいた男女のやりとりは皆無だったと言ってよい。幼稚園時代からのつきあいながら、ふたりの関係は長らく「気が強く優秀な姉」と「地味で小心な弟」とでも言うべきものだった。
 また、英美は高校時代、詠一は大学時代に、初めての恋人ができ、その時、処女と童貞は失っている(もっとも、どちらも長続きはしなかったが)。
 けれど。
 男性の「英一」としての立場から、女性の立場になった「詠美」を見ると、今までに感じたことのない不思議な感情(あるいは欲望)を感じるのだ。その点は、「女」としての目で「英一」と接する「詠美」の方も似たようなものだった。
179『Nursing Samba』5:2012/06/10(日) 01:16:29.22 ID:SMH4fJaj
 だからだろうか。
 女子寮の前まで「詠美」を送って行った「英一」が、別れ際に衝動的に「彼女」の唇を奪ってしまったのは。
 異性との性交経験もあるいい歳をした大人にとっては、ほんの冗談か悪フザケのような軽いキス。
 しかし、ソレが唇を「奪った方」と「奪われた方」にもたらした影響は小さくなかった。
 自宅に帰った「英一」は、身体(というか下半身)に妙に溜まった熱い衝動を冷ましきれず、悶々としたまま夜遅くにようやく眠った──のはいいものの、その晩「彼女」を抱く(性的な意味で)夢を見た挙句、翌朝「夢精」としか言えない現象を体験。
 一方、おぼつかない足取りで部屋に入った「詠美」は、ほわんと緩みきった表情で夢うつつのままネグリジェに着替えて眠りに就き、「彼」と遊園地で(まるで学生みたいな)デートをしている夢を見て、翌朝目覚めたベッドの上で真っ赤になって身悶えていた。

 互いに対する感情を否応なしに自覚して、そのことに気を取られたせいか、先週までの「悩み(ストレス)」が心に占める比重が軽くなり、結果的にふたりとも「いつもの通り」に近い状態で勤務できるようになったのは、不幸中の幸いと言うべきか。
 ((とりあえず、告白するなら、キチンと元に戻らないと))
 月曜が終わる頃には、両者ともそんな結論に達し、次の日曜こそはマスターにふたりで逢おうと考えていたのだが……。

 ──Prrrrrrrrr……
 (ん、この番号は、詠美くんか)
 「はい、もしもし英一です」
 「英一さん……お願い、助けて!
 水曜日の深夜、そろそろ寝ようと思っていた「英一」のもとにかかってきた「詠美」からの電話が、そんな予定を打ち壊すのだった。

-つづく-

#非常に難産な割に萌えどころの少ない回。事態が二転三転してます。普通のSSなら、3回ぐらいに分けて両人の心理描写を行うべきなのでしょうが……ソレやってるといつまで経っても終わらないので強引にまとめました。
#次回はエピローグを含めた結の回です。
180『Nursing Samba』5:2012/06/10(日) 01:23:44.23 ID:SMH4fJaj
#しまった! >>178の直前に、以下の「詠美」の台詞が入ります。

 「で、でも、「英一」さんだって、何か不都合があったから、急きょ元に戻ることに同意したんですよね?」
181名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 07:56:56.51 ID:9jq49Wsh
182名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 18:40:43.97 ID:F3qCHsC1
>>172
どんな幼女と交換されるか気になる
183名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 20:31:19.14 ID:24yHlyeO
>>175

続き待っていた
危うく雑談しかないスレになるとこだった
184名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 22:37:34.43 ID:PjQ2zDT8
>>175-180

続き待ってるよ
185名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 23:34:34.58 ID:oUQNzPcd
>>175
GJです!
隣の芝生は青いと言うのは立場交換ものではお約束ですよね。

看護師の人間関係で大変なのは実は仕事に関する確執が多くて、
特にリーダー的位置づけの人は何かあると物凄く陰口を言われます。
そう言うのをうっかり聞いてしまったら詠美の様な人には堪えるかもですね。

そして最後の引きの展開はもしかして何時ものお約束のが来てしまいましたか?
次の展開も楽しみにしています。
186名無しさん@ピンキー:2012/06/10(日) 23:43:23.59 ID:TxMDAWuw
>>182
返事して並ばないと立場交換してくれないんじゃないか?


と言う訳でロリになりたいので172氏お願いします!
187名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 01:45:53.26 ID:TV1C9J01
俺の最近の妄想では立場交換+性器交換が主流なんだが誰か分かる奴おらんか?
例えば幼女と大人の男が立場交換すると、
幼女の立場になった男は股間がつるつるの一本筋に、男の立場になった幼女は股間に大人の男性器が…って感じ
過去スレ見る限りでは分類的には立場交換の範疇に入る筈
188名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 07:08:32.74 ID:mG/zFd8T
189名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 07:38:29.33 ID:WVWAsLjh
キタ━(゚∀゚)━!
非常に続きが楽しみです!

元に戻らないほうがいいなあ・・・|д゚)チラッ
190名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 13:11:42.87 ID:L+C5E/Ue
>>187
その妄想は良いと思うし分かるけど、このスレ荒れやすいから
身体の部分交換が入ると騒ぐ人がいるかも知れない
もしそのSSを書くとしたら専用スレのないSSに投下して
投下したことをここと男女の性器だけが逆転のスレで報告する感じにすると荒れないかも
191名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 21:29:34.29 ID:TV1C9J01
うーむ、SS書くためのインスピレーションが欲しかったんだがなぁ…
スレチ野郎マジ許すまじ
192名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 21:53:21.54 ID:zElZ9xpy
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○重複スレには誘導リンクを貼って放置。ウザイと思ったらそのまま放置。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。              。   Λ_Λ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ


この先の展開に備えて貼っておきますね
193名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 22:07:50.66 ID:mY2meDtX
幼女との立場交換もいいが、職場の同僚♀とかとの交換もいいよな

普段から仕事で接してる人に恥ずかしい姿を晒したり
別人に扱われるシチュエーションも想像したらたまらない(;´Д`)
194名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 22:15:25.78 ID:TV1C9J01
>>192
一言余計だったすまん
195名無しさん@ピンキー:2012/06/11(月) 23:34:50.54 ID:V2jXmvju
>>175
乙です
同じ職場の知り合い同士の立場交換良いですね
続き期待してます


せっかく作品が投下されているのに幼女の話しばかりしていないで作品にコメントした方がいいのに
作品にレスしてから雑談するのがエチケットだろう
196名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 00:00:08.14 ID:71AJJiFF
>>175
お話しをありがとうございます。
素敵なお話しのお礼に作者様には少し身体が弱くて良く病院にお世話になり
優しく診察してくれるお兄さん先生に恋心を抱くちょっとおませなょぅι゙ょと立場交換を体験してください


さて、ょぅι゙ょと立場交換したい方が居る様ですので御希望通り立場交換しておきます
>>186の人は男の子にちょっかいを出され過ぎて男の子が苦手になってしまった引っ込み思案の
人見知りだけどお兄ちゃんだけは大好きなブラコンなょぅι゙ょと立場交換になりました

>>182の人は興味がある様なら並んで下さい
立場交換はなってみないとどんなょぅι゙ょと交換になるかは解らないから

197名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 02:52:06.71 ID:PY09Do3e
関係無い作者を巻き込むのは駄目だろう
幼女にして続き書けなくする気か?
まずお前が幼女になっとけ
198名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 09:00:23.91 ID:IRqwWdn8
>>195
ロリコンに大人の女の話について無理にコメントさせても儀礼的っぽくて微妙なんじゃね
抜いた話に全力で乙するのが普通というかなんというか

>>175
乙でござるよ!
199名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 21:44:50.55 ID:NqO8PBaM
ちょっと待て その一言が 荒れる元
200名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 22:42:04.12 ID:MojhwP0n
病院に行くと幼児が医者や看護師をしていて、ごっこ遊びのようだけど仕事はきっちりしていて
付属の幼稚園に行くと大人が園児服を着て楽しくお歌やお遊戯をしている光景
そんな立場の入れ替わり風景があっても良いよな
201名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 22:42:14.77 ID:IRqwWdn8
ちょっと待て この一言で 荒れるのか?
202名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 23:12:00.50 ID:ZqTQMIB+
本日のNG推奨 ID:IRqwWdn8
203名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 23:38:35.20 ID:e57kWk1D
取り合えず立場交換になるなら女性看護師と幼女のどっちと交換したい?
204名無しさん@ピンキー:2012/06/12(火) 23:53:44.08 ID:IRqwWdn8
>>203
間を取って女性看護師の立場で幼女プレイで
205名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 01:12:59.96 ID:T3qId0ia
>>203
実際になるならやっぱ幼女と立場交換したいな
そんで自分の立場になった幼女と一緒に入浴したい

そんなわけで>>172さんお願い
206名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 23:05:20.36 ID:kElRimOD
立場交換で衣装が入れ替わるなら、色気たっぷりなムチムチなおばさんが子供服着たり
ギャルがくたびれたおばさんの格好したり、真面目そうな女子高生が露出の多い派手な服とか
幼稚園児がビシッとしたスカートスーツに、OLが赤ちゃんの格好みたいな
そんなカオスな状態がみたい
207名無しさん@ピンキー:2012/06/13(水) 23:22:25.57 ID:CU78HGwr
>>206
女子が男子の競泳パンツ一枚で泳いだりまわしで相撲とか
プロレスで上半身裸で格闘とかもいいよな
208名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 04:38:06.06 ID:I7v9iCox
>>207
昔に入れ替え魂さんが出した同人誌でそんなのがありましたよ。
209名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 14:34:17.96 ID:ZmX7toiq
kwsk
210名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 23:09:25.59 ID:BDCY7LPn
スポーツ系の立場交換いいな
少年野球を見に行くとおばさん達がユニフォーム着て一生懸命プレイをしていて
ジムのエクササイズに行くと男子高校生がレディースウェアを来て汗を流し
おっさんがヒップホップダンスを女の子の格好で頑張る
そして競馬はスポーツだと言いおやじ丸出しな服装で馬券を買って競馬に興じる女児
211名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 23:37:35.96 ID:oOeYrbar
異性のスポーツでやってみたい競技ってある?
212名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 23:46:33.65 ID:BDCY7LPn
>>211
チアリーディングのチアガールとか
213名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 22:35:14.34 ID:SFb/bVDt
ラクロスとかやってみたいなあ
214名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 22:53:28.01 ID:TVMVi6mA
男子ラクロスは格闘技も同然だよ
215名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 23:16:37.74 ID:SFb/bVDt
男子じゃねーよw
216名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 23:29:39.52 ID:WUTliDCf
やっぱり女子新体操でしょ。
実際はとんでもなくきつくて厳しいらしいけど.
217名無しさん@ピンキー:2012/06/16(土) 02:09:09.94 ID:hFaRdqhF
女子相撲とかやりたいっす
218名無しさん@ピンキー:2012/06/16(土) 13:51:16.45 ID:b5GpZehL
逆に女でアメフトってよくない?
運動能力とパワーがアメフト選手になって活躍する
試合に勝った後に立場交換した相手を軽々と肩にのせてアピールとか
219名無しさん@ピンキー:2012/06/16(土) 18:12:32.64 ID:7SnFYVJz
チアとか新体操とか人に見せる競技ってのは魅力的だよな
220名無しさん@ピンキー:2012/06/16(土) 22:34:25.18 ID:KnE7/6Zu
女子としてなぎなたとかやってみたい
バトントワリングでパレードとかも捨てがたいな
男子でもやってやれない庫とはないけど、やっぱり女子の競技だから
221名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 00:00:10.42 ID:Tvf/7gNP
なんか朝おんスレ見たいな流れになってる
女の立場になりたい男が多いのか
222名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 00:19:25.46 ID:M6w4XcFq
男の立場にされてどぎまぎする女の姿もいいよね
223名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 00:43:44.81 ID:9eeYLqbh
じゃあ大人の男の立場にされた幼女の話しでもしようぜ
224名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 02:17:19.10 ID:z9Nc/nKO
【その1】
「なぁ井沢。今日、飲まね?」
5限目の授業が終わると、悪友の紀藤が声をかけてきた。
「悪いな、今日はバイトなんだ」
「あー、そうなんか。今日は暑いから、パーッとやろうかと思ったのになぁ」
「また今度誘ってくれよな」
じゃあなと手を振りながら紀藤と別れ、急いで下宿のアパートへと戻る。
さっとシャワーを浴びて汗を流し、綺麗なシャツとジーンズに着替え髪を整える。
そしてカバンの中身を入れ替えてから壁にかかった時計を見ると、ちょうど出発の時間となった。
徒歩でわずか5分ほどの通勤時間。それさえもやけに長く感じてしまう。
走り出しそうになる心を抑えつつ角を曲がると、
どことなくヨーロッパにありそうなつくりをした白壁がまぶしい家が見えてきた。
低めの塀の向こう側に見える広々とした庭には手入れの行き届いた芝生が青々と茂り、
白いベンチと椅子がまるで避暑地のような風景を演出している。
石造りの門に備え付けられた防犯カメラ付きのインターホンを鳴らすと、
中から上品そうな女性が出てきた。
「いらっしゃい。今日もよろしくお願いしますね、先生」
「お邪魔します」
にっこりとほほ笑む女性にこちらも愛想よく返事をして靴を脱ぐと、
廊下の先にある子供部屋の扉から、ぴょこりと小さな頭が顔を出した。
「あ、先生来たー」
小走りできるほど長い廊下を、ぽてぽてと足音を立てながら少女が駆け寄ってくる。
白地にラメが混ざったピンク色のプリントが施された、女の子らしいTシャツ。
3段のフリルになったデニムのミニスカートから伸びるすらりとした脚はサイハイソックスに包まれ、
まぶしいばかりの絶対領域を演出している。
「こんにちは、ゆかりちゃん」
「先生、今日もよろしくお願いします」
ぺこりと下げる頭にあわせて、軽やかに揺れるツインテール。
いつもながらドキリとさせられる瞬間だ。
「ねぇねぇ早く早く!」
「こらこら、そんなに引っ張らないでくれよ」
腕に組みついてぐいぐいと引っ張るゆかりちゃんを、少し困ったような作り笑顔で見る俺。
しかし実のところ心臓はバクバクと高鳴り、勃起がばれないようカバンを前に持ってくるのが精いっぱい。
そう、俺はロリコンなのだ。
見た目こそ普通だが、真正のロリコンだと断言できるほどのロリコンな俺が、
まさに理想通りの『天使』に腕を組まれて大丈夫なはずがあろうか。
いや、ない!
しかし、ここでロリコンであることを悟られてしまったら最後、
この天国のようなアルバイトを首になってしまうに違いない。
生き地獄のような天国を味わいながら、ゆかりちゃんの勉強部屋へと入って行った。
225名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 02:19:14.64 ID:z9Nc/nKO
【その2】
「先生、ここはどうやればいいの?」
「あー間違えちゃったー」
「うーん難しいなぁ・・・・・・」
表情をコロコロと変えながら、算数の問題を解くゆかりちゃん。
難しいところや間違えたところを机を覗き込むように立つ俺に聞いては、また問題を解いていく。
時折、Tシャツの隙間から鎖骨や胸元がちらちらと覗き、脚を動かすたびに絶対領域が白くまぶしく輝く。
瞬間瞬間、かぶりつきの距離で晒される無防備な姿をしっかりと網膜に焼きつける。
最高最上のオカズの数々に、家に帰るまで耐えられるかどうか不安になってきたが、そこはそれ。
表面上は平然を装って、その実いろいろなものを我慢しながら彼女に勉強を教えていく。
「終わったーっ♪」
こちらが用意しておいた学習用プリントの最後の問題を解き終わり、
それだけでご飯が何杯でもいけちゃいそうなほどステキな笑顔を見せるゆかりちゃん。
「はい、お疲れ様」
よくできました、と、ごく自然に頭を撫でる。
よし! 触れた! 今日は帰ったらすぐにこの手でヤる!
「ところでさ、先生」
内心浮かれまくっている俺の顔を、上目使いで覗きこんでくるゆかりちゃん。
「先生って、ロリコンでしょ?」
ドキリ! あまりの言葉に心臓が一瞬止まってしまったかのような衝撃を受けた。
「な、なにを言うんだ」
「だってさ、ずっと私のTシャツの隙間を覗き込んだり、太ももチラチラみたりしてたでしょ」
「み、見てない! 絶対見てない!」
「うっそだー。あれで見てたのバレてないつもりだったらスゴイよ?
 首はノートに向けようと頑張ってるのに、顔は胸を見ようと必死だったし」
あの完璧な偽装が、バレバレだったのか。
「ロリコンだとか胸を見られたとか騒いだら、先生どうなっちゃうかなー」
「そ、それは勘弁してくれ……」
もしここでゆかりちゃんに大声でも出されたりしたら、俺の人生は終わってしまう。
さっきまでの天国はどこへやら、今はこれから俺はどうなってしまうのかで頭の中がいっぱいになる。
226名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 02:20:06.59 ID:z9Nc/nKO
【その3】
背中に一筋、冷たい汗が流れ、早鐘のように脈打つ心臓の音が耳障りで叫び出したいほどだった。
そんな俺をまるで獲物を狙う猫のような表情で見つめながら、ゆかりちゃんはゆっくりと立ち上がると、
思わず俺は飛びのいて床に正座してしまった。
「ま、先生はそこそこカッコいいから、騒いだりしないけどね」
彼女は正座した俺の顎に指をかけ、無理やり顔を引き上げた。
そして生殺与奪の権利をすべて握った状態を楽しむように微笑むと、
俺の目線に合わせるように上半身だけかがめた。
Tシャツから胸元がちらりどころではなく覗き、まだブラもつけていないかわいらしいおっぱいが丸見えになった。
「あ、また覗いた!」
「ごめん!」
「ま、見えるようにしたんだけどね♪ そのためにわざわざノーブラにしたわけだし」
さらりとびっくりするようなことを言ってのけるゆかりちゃん。
女性は小悪魔なんてというけれども、小学生にして魔性っぷりをみせつける彼女は本当に恐ろしい。
「で、ね、先生。ゆかりに大声出されたくないでしょ?」
無言でぶんぶんと首を縦に振る俺。
「でも、私のような小さい女の子のこと、間近でもっとよく見たいって思ってるでしょ?」
さすがにそれには首を縦に振れない、と我慢していると、ゆかりちゃんが
「大声だしちゃおっかなー」
と、とぼけた感じで背伸びをするので、慌てて首を縦に振る。
「ホント? 嘘ついたらママ呼ぶよ?」
嘘じゃない! と、そのまま振りすぎてもげるのではないのかと思うぐらい全力で首を振る俺。
「そこまで言うなら、じっくり見せてあげようか?」
ニヤリと笑う彼女、ごくりとつばをのむ俺。
空調の音だけが静かに響く。
「ちょっと待ってね……あった!」
ランドセルをごそごそと漁り、クリアファイルに挟まった古びた紙切れを取り出す彼女。
「ちょっと目をつぶっててね」
言われるがまま、何が起きるのかドキドキしながら目を閉じる。
すると、額になにかごわごわしたものをつけられ、それ越しにじんわりと温かいものが押し当てられた。
「じゃあ行くよ」
そう言ってゆかりちゃんはなにやらよくわからない呪文じみた言葉をつぶやくと、
「えい!」
と1つ気合を入れる。
すると、目を閉じているにもかかわらず太陽をマトモに見たよりもまぶしい光が俺を包み込んだ。
227名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 02:20:49.40 ID:z9Nc/nKO
【その4】
文字通り目も眩むほどの光の洪水に翻弄されていると、どこからか「眼を開けていいよ」という声が聞こえた。
溢れる光で霞んだ目をゆっくりと開けていくと、
「あ、あれ?!」
目の前にはさっきまでの服装とは打って変わって、無地の白いデニムシャツにジーンズを見に纏い、
長い髪をそのまま後ろに流しているゆかりちゃんが立っていた。
「い、いつ着替えたの?」
「着替えてなんかいないよ? 最初からこの格好だよ?」
「だって、さっきまではTシャツにスカートだったはず……」
「やだなぁ、それは自分の格好じゃん」
「え?」
「ほら、こっち来て見てみなよ」
部屋の隅にある大きな姿見の前に引きずり出された俺は、自分のとんでもない格好に驚いた。
白地にラメが入ってキラキラと光るピンク色を基調とした文字が踊る女の子らしいTシャツ。
デニム地ながら3段のフリルになっていてかわいらしい、ミニのティアードスカート。
太ももの半ばぐらいまで覆うサイハイソックスは適度な締めつけで、
いつも見る自分の脚よりも引き締まって見えた。
極めつけは髪型で、少しだけ伸びた髪を頭の両脇で小さなプラスチックの飾りがついた髪留めでくくり、
ぴょこんと跳ねた状態になっている。
そう、見栄えこそ違うが、今の俺はさっきまでのゆかりちゃんとまったく同じ格好をしていたのだ。
「雄介ちゃんはホントかわいいよね」
長い髪が鬱陶しいのか、手近なゴムで髪をまとめながら彼女は俺の姿を見て微笑んだ。
「雄介ちゃん……?」
「だって、君は小学5年生の橋口雄介ちゃんだろ?」
「何言ってるんだ、俺は大学生で……」
「大学生? 寝ぼけてるのかな?」
と、彼女は俺のポケットから見慣れた財布を出し、学生証を突きつけた。
授業の出席や図書館の貸し借りなどに使う見慣れた学生証のはずなのだが、
そこに書かれている名前と写真が俺のものではなかった。
「ほら、大学生は私のほうでしょ?」
よく見ると名前欄には「井沢ゆかり」と書いてあり、
写真も髪の毛こそ短いがゆかりちゃんが証明写真独特の真面目かつどことなく間抜けな顔で写っていた。
「そんな手の込んだいたずらして……」
あの短時間に、よくここまで手の込んだいたずらをしたもんだと感心していると、
突然勉強部屋のドアが開いてゆかりちゃんのお母さんが入ってきた。
「あ、え、こ、これは……」
愛娘の部屋に女装している男がいるところを見られたら、このおっとりとした若い母親は卒倒してしまうに違いない。
しかし、どうやって言いつくろえばいいのだろうか。
そんなことを考えていたら、彼女はさも当たり前のように俺を見て
「あら、休憩中?」
と、微笑むだけ。
「ええ、切りのいいところまで終わりましたし、雄介ちゃんもしっかり問題解けているので
 ここら辺で少し休憩しようかと思いまして」
慌てる俺を横目に、まるで他人のように自分の母親に話しかけるゆかりちゃん。
その不自然な状況を自然に受け流して、彼女は机の上にティーカップとクッキーの乗った皿を置いた。
「あらあら。じゃあちょうどよかったわね」
これでも飲んで一息ついてくださいね、と微笑みながら部屋を後にするゆかりちゃんの母親。
去り際に、俺に対して「ちゃんと勉強するのよ」と念を押すのを忘れない。
「これは……一体どういうことなんだ?」
「実はね、私と先生の『立場』をいれかえたの」
「『立場』を入れ替えた?」
「そう、家庭教師に来ている大学2年生の先生という立場と、勉強を教わっている小学5年生の女の子という私の立場を、そっくりそのままね」


【つづく】
228【】の人:2012/06/17(日) 02:27:24.88 ID:z9Nc/nKO
アイデアを温めてた
・セレブ主婦と男子中学生(セレブ主婦視点)
・姫とオーク
・男子高・女子高のせいと交流
・立場交換バラエティ番組

を後回しにして、ロリコンと小学生の立場交換
珍しく【つづく】になりました
この後は入れ替え後の小学校生活、ラストの全3回になる予定



>>175
最後、どういう決着になるのか楽しみでなりません
やっぱりお互い立場交換したままになるのでしょうか
229名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 07:39:08.32 ID:9eeYLqbh
乙!いいゾ〜コレ
230名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 07:58:45.33 ID:aGGsV/Ej
乙乙乙
231名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 08:23:51.41 ID:PszuRUfy
うむ、よくやった
超GJ
232看護婦SSの人:2012/06/17(日) 14:07:02.91 ID:C0YUn5Kb
ヤッター、キタコレ!
【】の人、GJです。
続きへの期待に今からワクテカが止まりません。
この感動をココに来る皆さんとわかちあいたいので、ウチの第6話を投下するの夜にズラしますね。

 ……セレブ主婦と男子中学生もいいなぁ。
 セレブ主婦側主導で、「上品な奥様」の立場にされてうろたえる男子中学生の様子をコッソリ覗き見て
 ケタケタ笑うおねーさん(おばさん?)とか、胸アツです。

 女子校の生徒会長の座(じつは激務なうえ、公私ともに気が抜けないのでストレス溜まりまくり)を押し付けられた、
 ヘタレな新任男性教諭……という話は、自分も設定考えたことあります。
233名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 16:40:47.70 ID:pyW6dcWw
>>228
やっぱりあんたは最高だぜ!
どんな話しになるか続きが楽しみで仕方がない

>>232
続きの話し期待
生徒会長と先生の立場交換良いね
先生になった生徒会長が凄い出来る先生になって信頼されていくのが目に見える
234名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 23:34:20.63 ID:Tvf/7gNP
>>228
GJです!
ゆかりちゃんの服可愛いですね。
子供服のティアードスカートは流行みたいで、【】の人さんのセンスが光ります。
次の展開が楽しみです。

>>232
続き私も楽しみに待っています。
235名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 23:40:15.01 ID:9eeYLqbh
立場交換した時に地味に身分証とか持ち物に書いてある名前とか入れ替わるシーンフェチなんだが、分かる奴いる?
236名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 23:46:22.10 ID:iRIkjF4U
二大作者様が降臨なされている
ありがたやありがたや

ようやく嵐の季節が終わって実りの季節になるのですな
237『Nursing Samba』6:2012/06/18(月) 00:48:25.64 ID:wnJvR6P0
#いつから……コレがフェチ系エロSSだと勘違いしていた? どう見てもB級心理ホラーサスペンステイストです。どうしてこうなった……。

『Nursing Samba』6

 「まったく。あんな死にそうな声で電話してくるから、どんだけ大変なコトになってるのかと思ったら」
 ジロリと睨む「英一」の視線から逃げるように布団の中で恥ずかしそうに縮こまる「詠美」。
 「そもそも、元医師で現役看護師のクセして、どうしてこの程度のコトに気づかないんだい?」
 すでにだいぶ曖昧になりつつある女子寮の間取りなどの記憶を頼りに、他人に見つからないよう苦労してこの女子寮に忍び込むハメになったせいか、「英一」の言葉にはいつもにも増して棘がある。
 「うぅ、だってぇ……」
 「そもそも、医療に携わる者としてに関する知識はちゃんとあるはずだよね? 小児科だってそろそろそういう微妙な年頃の女の子はいるワケだし」
 「──はい、すみません」

 あの電話のあと、声だけでもわかるいかにも苦しそうな状態の詠美を見捨てるわけにもいかず、英一は女子寮の詠美の部屋に駆け付けたのだ。
 パジャマ姿で蒼い顔をした詠美に迎えられて入った、「太田英美」の部屋だったはずの場所は、わずか3週間ほど持ち主を変えただけとは思えぬほど様変わりしていた。
 ベッドやタンスなど大きな家具類の場所に変化はない。しかし、カーテンやベッドカバーはピンクとオレンジの暖色系に変わり、タンスには某有名兎のポスターが貼られている。隣りの本棚には、同じくその兎ほか何体かぬいぐるみが並んでいるようだ。
 お手製らしきレース編みのカバーがかかったローテーブルには、一輪刺しの代わりに鉢植えのポインセチアが飾られ、窓際にもハーブか何かの小型プランタンが見受けられる。
 詠美らしいと思いつつも、後日元に戻ったあとそれを自分が引き継ぐとなると、「似あわないなぁ」と心の中で嘆息する「英一」。
 ともあれ、今はここへ来た目的を果たすのが先決だ。
 いくつかの問診と、簡単な聴診&触診だけで「彼女」の体調不良の原因は察することができた──パジャマの前をはだける際、なぜか「詠美」が微妙に恥じらい、それに釣られて「英一」の心拍数も少し上がったことは、ここだけの秘密だ。
 「鈍い下腹部の痛みと周期的な偏頭痛。乳腺の緊満感。全身のダルさ。精神的な抑鬱と不安感。そして……何より、肛門以外の排泄腔からの出血。
 産婦人科はボクの専門外だけど、これだけ条件が揃えば、どんなヤブ医者だってたどりつく結論はひとつさ。
 詠美くん、キミは月経──いわゆる「女の生理」を迎えているんだよ」
 「や、やっぱり!? でも、まさか、そんな……」
 「詠美」も薄々心あたりはあったのだろう。ただ、あり得ない現実に目を逸らしていた、というところか。その証拠に、じくじくと出血する股間にはナプキンがあてがわれ、ショーツもサニタリー用の履き込みの深いものを着用していたのだから。
238『Nursing Samba』6:2012/06/18(月) 00:48:47.94 ID:wnJvR6P0
 「信じられない、という顔をしているね」
 「だ、だって、英一さん、わたしたちは……」
 「うん。今は立場を入れ換えているものの、本来はボクが女で、キミが男だ。周囲の認識はともかく、身体自体は変わっていないはずだね──少なくとも3週間前の時点では」
 意味ありげに言葉を切る「英一」を、すがるような視線で見つめる「詠美」。
 (嗚呼、詠美くんにこんな顔されるとゾクゾクするなぁ。抱きしめて慰めてあげたいような、もっと恐がらせて涙目にしてやりたいような……)
 愛護欲と嗜虐心の複雑なアンビバレントと言ったところか。

 しかし、そんな気配は露ほども覗かせずに、「英一」は一見冷静に説明を続ける。
 「だが……そもそも「立場」とは何だろう? キミを例にとれば、確かにあの立場交換した夜の時点でのキミの心の大半──自我認識や性格は確かに「初瀬川詠一」だったろう。
 しかし、記憶は? あの時点でも、少なからぬ"手続き記憶(無意識の動作)"と"意味記憶(知識)"が、「太田英美」のものと入れ替わっていたことは、キミも知っているはずだ。個人的体験や出来事に関する"エピソード記憶"のごく一部もね。
 まるで、モザイクかパッチワークのような記憶の混在を抱えつつ、なのにキミとボクは、目立った破綻もストレスもなく、これまで一ヵ月近く過ごしてきた。いくら、ボクが元々男勝りで、キミに女々しいところがあったとは言えね。
 それはつまり……キミの中に「初瀬川詠一」でも、もちろん「太田英美」でもない、新たな「太田詠美」という人格が形成されていったからではないだろうか?」

 「そ、それは……」
 反射的に反論を述べようとして果たせず、「詠美」は目を伏せた。
 「……そう、かもしれません。けど、それが身体にまで及ぶものなんですか?」
 「うん、ここまでの説明は最初のとば口みたいなものさ。
 さて、別の側面から見てみようか。例の免許証、身分証を見ればわかる通り、周囲の認識だけでなく、世間における立場自体も、ボクらは入れ替わってしまっている。
 念のため、家のアルバムを確認してみたんだけど、小・中・高と確かにボクは「英一」としてズボンを履き、学ランを着て学校に通っていたようだよ。
 幼馴染であるキミが写っている写真も何枚かあったけど、子供の頃からスカートやワンピースを着ていたし、制服も女子のものだった。髪も高校卒業の頃までは背中くらいまで伸ばしていたみたいだから、間違いなく女の子の「詠美」として育ったんだろうね。
 となると、「太田英美」の例から考えて、小学五年生の春にキミも初潮を迎えているはずなんだ。ほら、覚えていないかな? その時、キミもお見舞いに来てくれたんだけど」
 そう言われてみると、覚えているような気がする。
 当時の「詠一」は、皆勤賞が狙えるほど元気な「英美」がいきなりお休みしたことを心配して、夕方6時ごろ太田家にお見舞いに行ったのだ。
 ベッドで寝ている「英美」とそのお母さんといくらか話をして、帰りがけにタッパーに入った赤飯をもらったはずだ。
 (あれ? でも……)
 なぜだろう。「赤飯をおすそ分けにもらって帰った」のではなきく、「自分のうちで炊かれた赤飯を、あまり食欲のない状態で、お父さんたちと一緒に食べた」ような気がする。
 (そりゃ当然だよね。だって、あの時のお赤飯は、わたしが"女の子"になった記念のお祝いだったんだか…ら……?)
 そんなはずはない。ソレは「英美」の記憶のはずだ。
 それなのに──どうして「その時の事」が、これほど鮮明に思い出せるのだろう。
 (それに、あの頃から、わたしも少しずつ女の子らしい体型に……って、違う!)
 ソレは自分の、「初瀬川詠一」の記憶であるはずがない!
 しかし、さりとて、このフワフワするような初々しい昂揚感は、一体誰の記憶(もの)だと言うのか?
 「太田英美」でもなさそうだ。当時の「英美」は、傍から見ていた限りでは、むしろ女の子らしい丸みを帯びた体型になることを疎ましく思っていたようだから。
 そうなると、つまりコレは……本来存在しないはずの「太田詠美」の記憶!?
239『Nursing Samba』6:2012/06/18(月) 00:49:09.81 ID:wnJvR6P0
 「思い当たるフシがあるようだね」
 アルカイックな微笑みを浮かべながら、さらなる理論を「英一」は展開する。
 「ところで……よく、人間の細胞がおよそ6年で全身の細胞が入れ替わるなんて言われているよね。もっとも、コレは個人差や部位ごとの差異が大きい話で、最短の小腸上皮なら50時間、肌は28日、筋肉や肝臓などは60日程度で入れ替わる、と言われているんだ」
 「あ、そうなんですか」
 6年説の方は聞いたことがあったが、部位ごとの周期については「詠美」も詳しくは知らなかった(看護学校の教科書には載っていたかもしれないが、そこまで覚えていない)。
 「うん。で、ここからはボクの推論になるんだけど……「25歳の女性・太田詠美」という「立場」の人物の身体で再生される細胞の性染色体は、XXかXY、はたしてどっちなんだろうね?」
 「!!」
 「英一」の言葉の意味を「詠美」は理解した。
 「それは……つまり……」
 このまま立場交換した状態が続けば、肉体的にも自分は女性に、「彼」は男性に近づいていく。そう言いたいのだろうか。

 「その証拠のひとつが、キミが今回迎えた生理さ。ボクも──「ご婦人」の前で口にするのは少々はばかられるけど、つい先日「夢精」を体験したばかりだしね。
 それに、ほら」
 いつの間にか体調不良も忘れてベッドに起き上がっていた「詠美」の手をとり、ポロシャツを着た自らの胸に当てる「英一」。
 「え、英一さん、何を……………え!?」
 見かけ上は男性にしてはやや不自然な曲線を描く(もっとも上着で誤魔化せるレベルだが)「英一」の胸部だったが、そのささやかな膨らみには脂肪特有のやわらかさはなく、まるで筋肉の塊り──いわゆる鳩胸のように感じられる。
 「こうなったおかげでブラもサラシも必要がないのは楽でいいね。まぁ、元々たいしたブツじゃなかったけど」
 「い、いつから……」
 「さぁ、いつからだろう。徐々に変わっていつの間にか、というのが正解かな。それに、ボクだけじゃないよ。キミの方だって、さっき触診した限りでは、随分と乳腺が発達してきている」
 「え、ウソ……!?」
 確かにちょっと胸が膨らんできたように思ったこともあったが、てっきりブラジャーを日常的に着けていることによる一過性の変形だとばかり思っていたのだ。
 「このままだと、胸が膨らみ、おそらく乳房ができるだろう」という「英一」の推察。
 その事を知った「詠美」の心をよぎったのは、「恐怖」でも「嫌悪」でもなく、まぎれもない「喜び」だった。
 (な、何を考えてるんですか! わたし達──「僕ら」は、今週末には、必ず元に戻るんです!)
 「これで着られる服のバリエーションが増えそう♪」などと浮かんだ考えを否定するべく、「詠美」はギュッと目をつぶる。
 「混乱しているようだね。まぁ、無理もないか」
 おそらく、「詠美」の心理などまるっとお見通しだろう「英一」が、一転優しい声で「彼女」の髪を撫でる。それだけで、たちまち乱れた心がスーッと落ち着いていくのを「詠美」は感じた。
 「それにしても、初めてだからかもしれないが、キミの月経前症状はずいぶんと重いようだ。とりあえず明日は病院を休みなさい。ボクの方から巧く言っておいてあげるから」
 そんな「英一」の気遣いを聞きながら、色々な意味でいっぱいいっぱいになった「詠美」は、再びベッドに横たわり、先程飲んだ鎮痛剤の影響もあって、そのまま眠りの世界へと沈んでいくのだった。
240『Nursing Samba』6:2012/06/18(月) 00:49:28.18 ID:wnJvR6P0
 * * * 

 木曜丸一日休んだことが良かったのか、「詠美」の月経による体調不良は幸いにして金曜には多少復調し、何とか遅番に出勤できるようになっていた。
 無論、身体の芯のダルさや下腹部の鈍い疼痛は残ってはいるが、偏頭痛と精神的な不安さがなくなったので、騙しだまし働くことは可能だろう。
 自分がこんな状態になったことで、改めて「詠美」は、自らの知る看護師たち(その99%が女性だった)の偉大さを再確認した。
 おそらくは、彼女たちも月に一度は必ずこんな苦しみを抱えているはずなのに、そんなことを感じさせずに、笑顔で患者たちの看護をしていたのだから(もっとも、コレは初瀬川病院の看護師たちのモラルが概して高い、という事情もあるが)。
 「……まがりなりにも婦長なんだもん。わたしも、負けてられないわよね」
 そんな義務感のおかげか、奮起した「詠美」も自らの苦境を表に出さずに看護師としての仕事に励むことができた。
 いや、むしろ「体調を崩した女性のつらさ」を身をもって実感したせいか、周囲から見れば、その優しさや他者への労りにはいっそう磨きがかかったように見えた。
 その変化は、部下たちの「詠美」への好印象&信頼を生じさせ、彼女たちのさりげないフォローもあって、「詠美」は何とか大過なく生理期間を乗り切ることができたのである。

 「鈴木さん、吉野さん、睦月さん……それに他の皆さんもありがとう」
 土曜の夜、勤務時間があけて女子更衣室で私服に着替える際に、「詠美」は改めて小児科のナースたちに礼を言った。
 「そんな……いつも婦長にはお世話になってますから」
 「そうですよぉ。むしろ差し引きなら私たちの方が絶対借りが多いですしぃ」
 「でも、太田さん、いつもはアレが軽い方なのに、珍しいですね」
 当たり前だが、やはり生理であることは部下たちには気づかれていたらしい。
 「ええ、最近ちょっと悩み事──というか考えないといけないことがあったから、そのせいかもしれないわね」
 ストレスなどが月経などに及ぼす影響については、「詠美」も知識として心得ていた。
 「あぁ」「ははぁ〜ん」「なるほど」
 部下の三人娘の生暖かい視線に、ちょっと不審を覚える「詠美」。
 「な、何かしら? その「やっぱりね」的な反応は」
 「いえ、だって、婦長のお悩みって、若先生がらみでしょう?」
 この病院で、「院長先生」と言えば初瀬川杜夫を、「初瀬川先生」と言えば英一(詠一)の兄で外科のホープたる初瀬川信夫(しのぶ)を、そして「若先生」と言えば初瀬川英一を指す。
 「違…う、とは言えないわね」
 英一と詠美が幼馴染で今も親しいつきあいをしていることは、この病院の人間なら周知の事実だが、看護師たちが微妙なふたりの関係の変化を嗅ぎ当てたのは、やはり「女の勘」と言うヤツなのだろうか。
 もっとも、「変化」自体はふたりの立場交換という別の理由があるのだが、それをここで口にするワケにはいかないし、何よりここ最近に限れば、「英一」との関係に関して色々思うところがあるのも事実だ。
241『Nursing Samba』6:2012/06/18(月) 00:50:02.20 ID:wnJvR6P0
 「婦長、デート、がんばってくださいね〜」「よかったら、月曜にでもお話聞かせてください!」という三人娘の暖かい(?)声援に見送られて、「詠美」は病院を出て駅前繁華街へと歩き出した。
 いちもより一日早いが、今日は”TRABULANCE”で「彼」と待ち合わせしているのだ。

 「そこのお嬢さん、ボクとお茶しませんか?」
 途中、聞き覚えのある声に呼び止められる。
 「あ、英一さん! いまあがりですか?」
 「うん。ちょうど病院から出たところで、キミが前を歩いて行くのが見えたから、ちょっと急いで来たんだ」
 イエイガーのピンストライプスーツを、ラフにならない程度に軽く着崩し、短めに切った髪をアップバングにまとめた今の「英一」伊達男っぷりからは、「彼」の本当の素性など微塵も窺えない。
 「英美」だった頃から姿勢が良い人だったが、「英一」の立場になってから、以前にもましてピンと背筋が伸び、立ち姿からさえ自信が満ち溢れているようだ。
 そんな彼の様子に数瞬見とれていた「詠美」だったが、ハッと我に返る。
 「そ、それにしても、20代半ばの女に「お嬢さん」はないんじゃないかしら」
 紅くなった顔を誤魔化すように、そんな言葉を口にする。
 「いやいや、詠美くんなら、まだ二十歳でも通るさ。今日の格好もなかなか可愛いらしいしね」
 手放しで褒められて、頬を染める「詠美」の様子は、確かに「可愛い」と評するに足りるものだった。
 プライドグライドのシャーリングドレス風ワンピースに、白いニットボレロを羽織り、ここ数週間で随分伸びた髪は少し長めのローレイヤーボブスタイルに整えている。7センチヒールのオープントゥパンプスを履いても、ごく自然に淑やかに歩けるようになっていた。
 実を言うと、「詠美」のここ最近のコーディネートの参考は、プライベートで行動を共にする機会が増えた部下の娘たちの影響だ。二十歳そこそこの子が多いので、自然と「詠美」も幾らか若作りになっていたが、それがまた童顔気味な「彼女」にはよく似合ってもいた。
 「もぅ、またそんなコト言って……」
 真っ赤になりながらも、「彼」に寄り添い、店までの道を歩く「彼女」。
 誰が見てもそれはお似合いの一対と言えただろう。本人達も、そのことは重々自覚していた。

 ──だからだろうか。
 おなじみの場所に着いた時、店の扉に「当店は事情があって閉店致しました」という張り紙があっても、ふたりが思ったほど動揺せずに済んだのは。

-つづく-

#以上。クライマックス的エロ&エピローグは次回に持ち越します。もうちょっとだけ続くんじゃよ!
242名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 06:39:28.35 ID:yk5aVfLG
>>235
わかる
243名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 06:52:00.08 ID:qPqD94nO
>>241
おお、また更新されてる!
イイヨイイヨー(・∀・)
244名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 20:20:05.68 ID:vhgX9no2
乙です!
GJです!
245名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 20:38:50.95 ID:yQ8MQMPx
GJ
期待通りの良い展開
最後にも期待
246名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 22:10:22.71 ID:L2l6p4Zz
>>235の案から徒然なるままに紡いだ妄想。
 小学5年生の幼馴染の男女が主人公。少年・充(みつる)は、スポーツが得意で元気(勉強は少々苦手)なクラスのリーダー格。少女・みちるは頭はいいんだけど、内気で運動音痴。泣き虫なみちるを、いつも充の方が守ってやっていた。
 ある時、一緒に登校する途中に転んで涙ぐむみちる。「わたしも充くんみたいに強くなりたい」と呟く彼女を励まそうと、充は胸の名札を取り換えっこして「これで今はお前が充なんだから、元気出せ」と強引に言いくるめる。
 単なる口実のつもりだったが、暗示にかかったのか見違えるほど元気になったみちるが、逆に充の手を引いて学校へ急ぐ。なぜか、何もないところでコケそうになる充。
 学校でも、みちるは充の席に座り、彼の友人達と親しげに話をしている。
 とりあえずみちるの席に座る充。なぜか無性に寂しい気分になったところに、隣席の少女・紗弥が話しかけてくる。何を話していいかわからず、口数は少なめになったものの、意外なほど紗弥との会話は楽しかった。
 チャイムが鳴り、そろそろ本来の席に戻ろうとする充だが、みちるは動かない。担任の先生が入って来たが、ふたりが勝手に席を取り替えていることを別段咎めない。仕方なくそのまま授業を受けるハメに。
 教科書を広げ、ノートを取っている時にふと気がついたのだが、今日に限ってなぜか授業がよくわかり、眠くもならないことに内心驚く充。一方、みちるの方を見ると、珍しく眠そうな目で欠伸をしている──いつもの自分のように。
 そして、3時間目の体育の時間、なぜか女子に囲まれて更衣室に連れて行かれる充。手にした体操鞄の中身は、いつの間にか女子用体操服が入っている。無論、胸の名札には「みちる」の名前が……。
 このあたりで、さすがに充もヘンだと気が付くが、周囲に「自分は充だ」と訴えても、誰も取り合わない。もちろん、みちるの方は男子体操服姿で、しかも結構活躍している。対して充はなぜか体が思うように動かせない。
 体育の授業が終わり、更衣室に戻った充のロッカーには、2時間目までみちるが着ていたはずのブラウスとスカートが置かれていた。しかも、いつの間にか下着も女児用のものに変化している。
 やむなくそれに着替えて教室に戻った充の目の前には、先程まで自分が着ていたはずのTシャツと半ズボン姿でクラスの男子とフザけるみちるの姿があった。
 4時間目、よく見ると教科書やノート、ランドセルもいつの間にか、みちるの名前が書かれた彼女のものを使っていることに充は気付く。
 そして給食の時間。今日のメニューは大好きなカレーライスなのに、なぜかあまり食べられない充(辛いし、すぐお腹いっぱいになる)。対してみちるはモリモリお代わりしている。
 昼休みも、充の友人達と外にドッジボールしに飛び出して行くみちる。充は、何か言わないといけないと思いつつ、なぜか口に出せない。しかし、紗弥が声をかけて女の子グループの輪に入れてくれたので、ホッとする。
 6時間目の家庭科の時間、それまで裁縫なんてしたことないはずなのに、手際良くエプロンを縫いあげる充。家庭科の先生に褒められ、周りの女の子達にも感心されて、満更でもない気分に。
 そして放課後。みちるは「いつものメンバー」とサッカーしに行ってしまい、仕方なくひとりで帰ろうとしたところ、紗弥に誘われて彼女の家に遊びに行くことになる。
 よそのお家にお呼ばれして最初は緊張していたものの、紗弥も「充と同様に」本とマンガが好きなようで、ふたりは色々盛り上がる。彼女の母親も優しく、とても美味しいお手製のクッキーを振る舞ってくれた。
 夕暮れ時、家に帰り、自分の部屋にランドセルを置いた瞬間、ここが充ではなくみちるの部屋であることに気付く充(意識せず、ここに帰って来ていた)。

──と、ここまで考えついた。235の意図からはちょっと外れるかもしれんけど。
247名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 22:27:09.26 ID:/DJxXpAS
>>237
GJ
男が女の生理になるのを書かせたら右に出るものは居ないな
立場交換のジャンルじゃまさに最強専売特許ってやつだ
248名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 22:29:54.64 ID:/DJxXpAS
>>246

ナイス妄想
249名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 23:50:38.64 ID:0rHhFFiz
>>237
GJです!
こうなるとあとはウエディングにまっすぐ一直線ですね。
甘々でラブラブなハッピーなちょっとバカップル展開に期待せずには居られません。


あと、こう言う質問をするのもなんですがエロパロなので良いですよね。
大人でも夢精ってするものなんですか?
オリモノ見たいに知らないうちになるものなのでしょうか?
アホな事聞いてすいません。

250名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 23:55:31.60 ID:Jq4O+G3G
個人差はあるだろうが、10日もオナニーしてなかったら夢精するぞ
251名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 02:06:40.91 ID:tdAbUKPV
pixivに立場交換モノがあった

あと恥辱庵のweb連載の新作も立場交換モノだった
252名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 16:53:31.69 ID:Xdk1O4J6
>>237
GJ
完結まであと2話位か
期待している

>>251
もしかして18禁ファルターかかってるのか?
検索しても見つからない
立場交換のイラストなんて貴重だからな
面倒だがID作るか
253名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 20:05:46.90 ID:+eCI4SJf
18禁でも見つからないから立場交換のタグとかは付いてないのかもしれんな

というわけで>>251様kwskお願いします
254名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 20:14:44.21 ID:tdAbUKPV
>>253
Pixivだけどイラストじゃなくて小説ね

小説には>>237の人のもある
255名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 21:40:01.05 ID:5F8mw5e6
多分自分の願望が入るからなんだろうけど男が女の立場にされる話って好きだ
他にも男が女の立場に変化する話ってないか?
なかなか検索しても見つからないので教えてほしい
256名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 22:02:33.36 ID:+eCI4SJf
>>254
そういえば小説もあるんだったな
完全に忘れてたわ( ´∀`)すまんね
257名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 23:43:19.42 ID:jHBnaJuz
>>250
そう言うものなんですか、教えてくれてありがとうございます。
セックスレスが続くと朝に旦那のパンツが汚れているなんて事がある訳ですか。
ちょっとSSのネタに出来そうですね。
258名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 23:58:27.10 ID:pefurEIl
母親と思春期の息子が立場交換して
息子が朝ごはんを用意して母親を起こしに行くと慌てた様子で後で食べると返事
その後男子制服に着替えた母親がそそくさと洗濯機に寄ってから朝ごはんを急いで食べて学校に
気になった息子が洗濯をする前に調べてみると母親の履いていたトランクスに夢精の跡が…
259名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 07:13:21.39 ID:2MQmnWlD
立場交換物自体マイナーだし、定義もはっきりしてないから
小説サイトを漁ってもなかなか見つからんね

10年くらい前に家族間の立場交換を書いた小説をどっかで見たんだが
どんなサイトだったか全く覚えてない(´・ω・`)
260名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 18:26:04.97 ID:g208nJNM
261名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 18:31:31.29 ID:MiRVZKKy
>>255
当然KCAのSS保管庫は知っているよな?
ここに作品投下してる作者のブログ
立場交換で検索すると直ぐ出てくるし
前はここに投下していた作者のHPがあったけどいつの間にか消えた
このジャンルのサイトとか作品はここの過去スレを見れば大体のものは解るようになっているよ
262名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 19:17:35.22 ID:E/gOkahF
>>260
ありがとう
だが、俺の記憶ではこれじゃないんだよな・・・

この作品と同じ母親視点なんだけど、中学生の息子と高校生の娘がいて
家族間で毎日ランダムに入れ替わる(母親以外は変化に気付いてない)内容だったような。
そして、オチが女子高生の格好をした夫を見てため息をつくって感じ

正直昔のことだから、俺がミスキャストを読んで湧いた妄想に記憶が置き換わったって
可能性も否定できないし、やっぱ記憶違いなのかな・・・(´・ω・`)
263名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 19:32:32.50 ID:/wdP6Fua
>>262
ttp://web.archive.org/web/20050906034507/http://inquest.systems.ne.jp/novel/cast1.htm
これだね

らんおう氏のThe Strange Theaterに掲載されたオリジナルのほう
>>260はそれにインスパイアされた人の作品
当時あった掲示板には、らんおう氏による「小学1年生のクラスがランダムに入れ替わった」やつが掲載されてた
264名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 19:50:43.60 ID:E/gOkahF
>>263
あ、これです!ありがとうございました!

それにしても、結局ミスキャストって・・・しかもINQUESTって・・・
散々過去スレとかでも話題になってたのに、自分の不甲斐なさに呆れる(´;ω;`)
すみません、お騒がせしました
265名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 23:30:23.64 ID:ONIt9fpe
ミスキャストはネットでこの手のSSの金字塔みたいなものだよな
似たようなシチュを見ると全部ミスキャスト思い出してしまう
最近は立場交換で生理の話し見ると全部KCA氏を思い出す
266名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 00:31:59.01 ID:c+YdnOn/
思い出すもなにも立場交換のSS書く人間自体が数えるほどしか居ないし、生理の話を書くのはKCAだけだろうに
生理話しが好きなのは分かるし作者を讃えたいのも分かるがほどほどにな
267名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 07:10:24.34 ID:j4lQXepH
らんおうさん、本格的に復活せんかねぇ
268Kのつく人:2012/06/21(木) 20:01:43.24 ID:V92JbvnM
>>266
異議あり! そもそも私が立場交換の指標のひとつに生理をからめ始めたのは、ここの過去スレに投下されてた「ありふれた日常」にインスパイアされてのことです。かの氏は、もうひとつココに生理時の立場交換短編を投下されてたはず。
私の専売特許ではないので、その点は、ご了解お願いします。
269268:2012/06/21(木) 20:04:09.35 ID:V92JbvnM
……よく考えてみると、266より265に言う方が適切だったかも。すみませぬ。
270名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 21:08:41.89 ID:zeoe7lZL
>>268
そうは書いても読者に根付いた、生理=KCA氏と言う図式は変わらないだろうな
先に書いた作者より生理の描写が良くてそこにファンが付いたんだろう
生理作者の称号はKCA氏のものなので、ありがたくなくとも呼ばれてやってくれ
271名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 21:45:02.95 ID:qTTu1e/c
                     /j
                   /__/ ‘,
                  //  ヽ  ', 、
                    //    ‘  ! ヽ             …わかった この話はやめよう
                /イ       ', l  ’
               iヘヘ,       l |  ’
               | nヘヘ _      | |   l            ハイ!! やめやめ
               | l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
               ゝソノノ   `ー‐' l ! ¨/
            n/7./7 ∧        j/ /     iヽiヽn
              |! |///7/:::ゝ   r===オ        | ! | |/~7
             i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ..     nl l .||/
             | | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr '         ||ー---{
              | '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧       | ゝ    ',
      , 一 r‐‐l   γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___  ヘ  ヽ   }
    / o  |!:::::}     / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ     ノ
   / o    ノ:::::∧   /ヽ  o  ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 /   /
   /    ノ::::::/    /::::::::ヽ  o  ヽ:::| o {::::::::::::::Υ   /
272名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 04:37:35.08 ID:wqqJSEm6
KCAさんのお話しの魅力は甘くて幸せなハッピーエンドにあると思います。
立場交換に戸惑いつつも次第に馴染んでいってふいに元の自分を思い出して慌てたり、
ちょっと調子にのって楽しんでみたり、
そんな描写が良いのだと私は感じています。
273名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 14:51:40.99 ID:J44PlcAN
このスレの作者の傾向は立場交換によって生じた異様な事態が変に思われない倒錯した世界観な描写が好きなのと
立場交換によって入れ替わった相手の立場にじわじわと馴染んで行くところが好きなのと
男女間での立場交換で女装になるのが好きなのとに大まかに別れていると俺は見ている
それぞれ作者の好みがそのまま描写に現れているから読み手はそこの感性が合えば傑作に感じるだろう
TSやODとかMCなんかのジャンルでもそう言うのあると思うし
今回のはたまたま生理の描写に反応しただけで悪気は無いだろう
ただのファンコールみたいなものだな
そして作者はそれについて生理の描写には先駆者がいるからと謙遜しているだけ
つまる所は作者の書いたものが面白くて評価されているだけで
更にそこに少し茶々を入れた書き込みがあっただけの話しなので荒れている訳じゃないさ
SSを読んでどんなふうに感じるかは読む人間の感性なので人それぞれ良いんじゃないか?

>>271
はいはい、あなたは引っ込んで居ようね
274名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 17:38:38.79 ID:PXhTl5JQ
誰もあなたの考えなんて興味ないからいい加減自重してくれよ
275名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 18:06:31.03 ID:eFx0/xcy
>>274
君の書き込みの方が邪魔になるからROMってなよ
なんでそう刺激する様な書き込みする?
触れたらダメって今までで散々分かってるでしょ?
276名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 18:22:34.10 ID:n+Mh4OnA
極論言うと>>265から俺の書き込みまで含めて全員邪魔だよ
エロパロ板で信者行為すると大概荒れるから自重した方がいい
普通の荒らしとは違って自覚無いというか作者に乙するのは悪いことではないから対処しにくくてドロドロした空気になりがち
サイトやってる人にはそっちにコメントした方が作者的には嬉しいんじゃないかな
277名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 22:51:40.06 ID:Z1/ELRAO
女子高生見てたら立場交換したいという妄想に駆られる
何であんなに彼女らは楽しそうなんだろうか
278名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 23:16:14.55 ID:n+Mh4OnA
俺は女子小学生みてたら立場交換したくなる
279名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 23:38:39.48 ID:GZFSBciJ
ほんとに信者とかやめてくれって感じだな
特に>>272のやつの信仰行為
馴れ合い通り越して本当に宗教信者だ
まさに教祖と信者の関係と言えばぴったりな例えだ
280名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 23:46:02.92 ID:Ur60NmWW
と、ろくにsageることも出来ない奴が申しております
281名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 23:48:40.12 ID:J44PlcAN
>>279
俺が言うのもなんだが止めろ
しかも上げてまでするな
282名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 00:48:51.08 ID:jy9Rh7RS
俺は通勤通学の時間に歩いている人を見ると立場をいろいろランダムに入れ替えてみたくなるけどな
女子小学生なサラリーマンとかも面白いがハーパン姿の男子小学生なお姉さんとかも好くないか?
チャラい男子高校生はあえてどこかのお母さんにしてみる
283名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 01:15:35.76 ID:FUzcOzVj
http://pochi.x.fc2.com/k_kisekae2.html

あべこべスレに貼られてた着せ替えなんだが体型とか色々いじれてうまくやれば立場交換っぽい画像も作れるかも
俺は水着で色々試してみた
284名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 02:58:21.25 ID:6HEiiaRG
おお!すごいなコレ
男装できたらもっと最高だが
285『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7:2012/06/23(土) 22:18:25.79 ID:EIqa+aet
#いよいよラストスパート! にしてはややアッサリめですが。

『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7

 ”TRABULANCE”があったはずの場所、今は閉鎖されたテナントのドアの前に、しばしボンヤリたたずんでいたふたりの男女──「初瀬川英一」と「太田詠美」は、気がつけば、「詠美」が「英一」にすがりつくような形でふたりは腕をからめていた。
 どちらから顔を見合わせ、何となく互いの意志を読み取ったのだろう。寄り添ってその場を立ち去っていく。
 ふたりが足を運んだ場所は、恒例のマ●ド……ではなく、駅をはさんで裏側にあるホテルだった。ラブホと言うほど安っぽくはないが、ビジネスホテルと言えるほど機能的でもない。地方都市にありがちな中の下クラスの宿泊施設だ。
 とは言え、築年数がまだ浅いのに加えて、経営者がしっかりしているのか、ホテル内は清潔に保たれており、不愉快な想いはせずにすみそうだ。

 「これから、どうしようか?」
 ダブルベッドに並んで腰掛けながら、そんな台詞を吐く「英一」。
 「クスッ……英一さん。この期に及んで怖じ気づいたんですか?」
 「彼」にピトッと寄り添って座る「詠美」の方が、珍しくからかうような言葉を投げかける。
 「ばか、ソッチじゃない。もっと未来の──今後のボクらの暮らしのことだよ」
 こんな時でも身体の疼きを押さえて、あえて理性的な話をするのが、ある意味男らしく、いつもふたりのあいだでイニシアチブをとる「英一」、いや「英美」らしかった。

 「正直、ボクもキミも、現状このままの立場で暮らすことに異論はない。それは確かだろう。
 けれど、この状態が半永久的に続くのかどうかすらわからない。たとえば一年後、あるいは十年後に、唐突に元に戻ったら? それに、ボクらの歳ならそろそろ家庭を持ち、子供を育てることも視野に入れないといけない……って、聞いてるのかい、詠美くん!?」
 真面目くさった顔をして言葉を紡ぐ「英一」を尻目に、「詠美」はボレロを脱ぎ、その白く滑らかな肩から二の腕の肌を露出すると、立ち上がってほのかに赤面しつつもワンピースのボタンをプチプチと外し始めていた。
 「ええ、聞いてますよ。でも、たぶんですけど、わたしたち、このままなら元の立場には戻らないような気がします」
 「その根拠は?」
 英一にじっと見つめられて、ペロッと舌を出す「詠美」。普通なら25歳の女性がやっていい仕草ではないが、「彼女」にはよく似合っていた。
 「ん〜、なんとなくです。強いて言うなら、「女の勘」でしょうか?」
 「ヲイヲイ、”おんなのかん”って……」
 呆れかけた英一だが、よくよく考えてみると、案外間違ってはいないのかもしれない。
 昔から理詰めで動く自分と対照的に、感受性豊かな「詠一」は自分の感性を大事にするところがあった。男社会ではそれが受け入れられない反面、女社会においては別段珍しくもなく、「詠美」が水を得た魚のように女性としての立場に馴染めた理由かもしれない。

 「──そうか、女の勘なら仕方ないな」
 ならば、ここは「男らしく」度量を見せて、恋人の勘を信じるべきだろう。
 苦笑しつつ、そう思いきった 英一 は、自らもジャケットを脱ぎ捨てて、 詠美 の肩を抱き寄せるのだった。
286『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7:2012/06/23(土) 22:18:55.81 ID:EIqa+aet
 * * *

 パンプスとワンピースを脱がせ、ブラスリップとショーツ、それとパンティストッキングだけの姿にした詠美を、英一はゆっくりとベッドに押し倒す。
 それだけで、まだ何もしていないと言うのに、見慣れた幼馴染みの顔が見る見るうちに上気してゆく。
 先程の態度からして、先に「覚悟」を決めているはずなのに、それでも少し恥ずかしげなのが、いかにも内気な詠美らしく、そこが逆にいとおしい。
 そして同時に、「彼女」が黒目がちな瞳をしばたたかせて僅かに目を伏せると、「無垢なる色香」とでも言うべき不思議な魅力があった。

 (うっ……コイツ……なんで、こんなに可愛いんだ)
 二十代半ば(そして肉体的には♂である)とは思えぬ詠美の愛らしさに、英一は視線が釘付けだ。心臓がバクバクと音を立て、頭と下半身の両極にどんどん血が集まっていくのがわかる。
 「英一さん……」
 もっともそれは、詠美の方も同じらしく、恥ずかしそうにもじもじしながらも、潤んだ視線でうっとりと英一の顔に見惚れている。
 しばし互いの目の中にお互いの姿を焼き付けたのち、詠美はまぶたを震わせながら、静かに目を閉じた。
 (! こ、これはッ!!)
 内気な幼馴染からのキスをせがむサイン。
 その可憐な姿に、英一の心の中で何か得体のしれないモノが蠢くのを感じる。

 ──プツン!
 (き、キレたッ! ボクの中の決定的な何かが、今の切れたッ!)

 どこぞの少年マンガの主人公のような台詞を思い浮かべる英一。
 ──もっとも、キレたのは理性とか自制心とか呼ばれる類いのモノだろうが。

 小さく震えながら英一のアクションを待つ「彼女」に、英一はもはや何の躊躇いもなく、唇を重ねて……いや貪っていた。
 「んん……ん……」
 以前、詠美の部屋の前での軽いバードキスとは比べ物にならない濃厚なベーゼに、詠美は一瞬ビクンと身を強ばらせたものの、次の瞬間には緊張を緩めて、「彼」に身を委ねる。
 十数秒後、ふたり唇が離れて唾液の透明な橋がかかる中、詠美は薄く目を開けると、熱い吐息を漏らしつつ、恥ずかしそうな笑顔を見せた。
 「もぅ……英一さん、いつも突然なんだからぁ」
 文句を言いながら、うれしさが隠せない詠美。そんな初々しさ、英一は愛おしくて堪らない。気が付けば、英一は股間の一部が熱く硬化し尖っているのを感じていた。
 「詠美くん──いや、詠美! 好きだ!!」
 「欲望が熱く固まってムラムラする」という男特有の感覚に苛まれつつ、それでも恋人に大事な言葉だけはキチンと告げる英一。
 「ああ、英一さん……わたしも、大好き……」
 詠美のその言葉を聞くより早く、再び英一は「彼女」の唇からまぶた、耳朶、うなじ、首筋から鎖骨の辺りへと、至るところにキスの雨を降らせる。
 情熱的なキスの嵐に、詠美は頬を上気させながら、恋人のなすがままになった。
287『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7:2012/06/23(土) 22:20:15.28 ID:EIqa+aet
 そして、詠美の身体から余分な力が抜けたころをみはからって、英一は唐突に、その掌をスリップ越しに詠美の胸に滑らせる。
 「ひゃんっ!」
 仰向けになっている状態では"膨らみ"と言えるような隆起はほぼ皆無ではあったが、それでも、男の胸板とは明らかに異なる柔らかな脂肪の感触と、小指の先程の大きさに尖った乳首の勃起は、「彼女」の身体が本来の性を踏み外しつつあることを雄弁に物語っていた。
 「あぁン……英一さぁん……」
 何より、英一が肌蹴させた胸に舌を這わせ、左の乳首を摘みつつ、右の乳首をコリッと甘咬みしただけで、ビクンビクンッと快楽に身を震わせるその様こそが、詠美がまぎれもなく「女」になりつつある証だった。

 「いい……いいよ、詠美、最高だ!」
 自らの指先ひとつで恋人を楽器のように「鳴かせる」ことができるという悦楽に、英一はもはや夢中だった。
 小さく絶頂して力の抜けた詠美の身体をいとも簡単にひっくり返し、うつ伏せにさせると、今度はその背中、そして尻を攻略し始める。
 純白のスリップの裾をめくり上げ、ラベンダー色のサテンのショーツと淡いベージュ色のパンストに包まれた詠美のヒップを、絶妙な力加減で撫で回す英一。
 「詠美のお尻も綺麗だよ。ちょっと小ぶりだけど、ぷりっとした弾力があって、でも柔らかくてて……いくら触っていても飽きないかも」
 大きく広げさせた脚の間に立ち、背後から両掌で円を描くように揉みしだいて、シルクサテンの光沢に包まれた恋人の尻の丸みを堪能する。
 「あ、はぁッ……え、英一さん、そんな、いやらしい手つきで……はぅン!!」
 抗議をしかけた詠美だったが、愛撫する英一の手つきの巧みさに、たちまち声が蕩ける。
 「さて、そろそろご開帳してもいい頃合いかな」
 やや履き込みの深いショーツに両手をかけて、スルりと引き下ろす。
 「ひゃあっ………だ、ダメぇ!」
 詠美は、羞恥から本能的に短い悲鳴あげたものの、逃げ出す素振りは毛ほども見えない。
 ホテルのほの暗いランプの灯りの下で剥き出しにされた詠美のヒップは、綺麗な丸みを帯びていた。こちらも、立場交換の影響が早くも及び始めているのか、とても肉体的には男のものだとは思えない綺麗な桃尻だった。
 汗に濡れキラキラしている左右の白い尻肉。尻の谷間には、やや縦長の小さな後孔が息づいている。詠美のソコは、排泄器官とは思えぬ鮮やかなピンク色で、小さくプクリと膨らんでいた。
 ツルツルの会陰の下に付いた小さな袋が、彼女の本来の性別を遠慮がちに主張していたが、こちらもほとんど産毛しかなく、まるで精通が始まる前の小学生のような未成熟さだ。その向こうに見える陰茎も、硬く充血しているのに親指程の長さと太さしかない。
 それを確認した瞬間、もはや英一の認識の中では、詠美は完全に「女」へと分類される存在となっていた。

 英一の中に、この弱々しく愛らしい存在を、無性に自分のモノにしたい、思う存分貪りたいという男性的な本能が湧きあがる。
 本能が命ずるままに、英一は自分のズボンを脱ぎ、トランクスも下ろした。
 「キャッ……え、英一さん、それ……?」
 恥ずかしそうに目を逸らしつつも、完全には離しきれないといった様子の詠美に苦笑しつつ、英一は答える。
 「ああ。ボクの方も今はこんな感じなんだよ」
288『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7:2012/06/23(土) 22:21:21.47 ID:EIqa+aet
 ちょうどソーセージのような色と形と大きさを持つ肉の塊り。今の英一と大差ない子供サイズではあるが、まぎれもなく陰茎と呼べる代物が、英一の股間に雄々しく屹立していた。
 「先週の日曜辺りから、急にクリトリスが大きくなり始めたんだ。まぁ、解剖学的には元々、ペニスと同源の存在だからね」
 務めて冷静さを装う英一だが、その目に宿る熱情は隠しきれない。

 僅かに怯える恋人の後孔をチョンと指先でつついただけで、彼女の口から「ふあぁぁぁんッッ」と甘い艶声を出させる。恐ろしいほどのテクニシャンっぷりだ。無論、それは女性の感じるツボを「身をもって」心得ているからに他ならないだろう。

 詠美の身体から強張りが抜けたタイミングを見計らって、英一は、堅く尖ったソレの先端を、恋人の孔へあてがい……突き込んだ!
 「あひぃン!!」
 「くふ……き、きついッ……!」
 「侵入」は決してスムーズではなかったが、英一がじっくり詠美の身体を愛撫し、蕩かしながら根気よく腰を進めたおかげで、程なく詠美の体内に英一の突起が完全に埋没する。
 さほど大きくはないはずだが、それでも詠美は身体を杭で貫かれているような違和感と熱さを感じていた。
 「は……はふぅ……え、えいいちさんが、わたしの中に……」
 (こ、これが、女として男に抱かれる、ってコトなの?)
 愛しい恋人の分身を受け入れられた事が、精神的な安堵感に繋がるのだろうか。詠美は、華奢な肢体をわななかせながら、どこか満たされたような甘い吐息をこぼしていた。
 背後から見る限りでは、その媚態はもはや完全に女性そのものだ。いたいけな少女を後背位で犯しているみたいで、英一はよりいっそう興奮してきた。恋人の体内に包まれたモノが、早く快感を欲しいと訴えてくる。
 英一は、密着する腸壁の蠕動を感じながら、自らの腰を前後させ始めた。

 ──ジュプッ……ヌプッ……ピチョッ……

 ずるずると疑似男根が引きずり出されるのにつれて、詠美の肛門粘膜がめくれ返る。本来は一生味わうはずのないその異様な感触を、詠美の身体は「快感」として受け止める。

 「ひっ……ああぁぁぁ……き、気持ちイイっ!」
 
 ──ヌル…ジュプ、ジュプ……ジュプッ……ヌルッ!

 その反応に気をよくした英一が、さらにピストン運動を速め、それに伴い、詠美のお尻から腰、背筋、さらに脳髄へと、甘美な痺れと熱が広がって行く。
 「え、えいいち……さはぁん……あああぁぁんん……わ、わたし、もぅ……あたま、じんじんしてるのぅぅ!」
 「くっ……詠美のなか、すごく、イイよ!」
 元より、詠美だけでなく英一の方も相応の快楽のフィードバックは得ている。
 それでも、懸命に腰の動きを加速させると、抽送に合わせて腰の奥から鈍くて強いナニかがが溜まっていくのを感じた。
 突起の根元が焦らされるような軽い痺れ。本能的に、快楽の頂点が近づいていると解る。 思考が鈍くなり、もうひたすら腰を振り、詠美の中に肉棒を突き込むことしか考えられない。
289『Nursing Samba 看護婦しちゃうぞ♪』7:2012/06/23(土) 22:21:49.41 ID:EIqa+aet
 そして──その時が訪れた。
 「ひぃやはあぁぁぁぁンーーーえ、えいいちィ、クる! キテるのぉ……あぁぁぁぁぁッッッ!!!」
 ついに詠美は、英一の「肉棒」によって、初めて「女としての」絶頂へと飛翔する。
 一応まだ健在なはずの「彼女」の性器からは、透明な液体が滴り落ちるのみだが、それでもビクンビクンと身体を小刻みに痙攣させる様子から、「彼女」がイッたことは明らかだった。

 そして、ほぼ同時に英一も、強い放出感に包まれた。
 震える詠美の尻を抱きながら、キツく締めつける腸粘膜のさらに奥へと、その熱い感覚を解き放つ!
 「あぁ……わたしの、なかで…えいいちさんのが………ビクビクってしてるぅ……」
 悦楽のあまり半ば思考を放棄しながら、詠美はただただ、自らの体内に注ぎ込まれる熱い体液の感触にわななき続けるのだった。

 * * *

 何度かの交わりを経て、ようやく互いに(性的に)落ち着いた状態になったのち、詠美と英一は、ゆったりと寝物語(ピロートーク)を交わしていた。
 「さっきの話だけど……」
 やがて、話が途切れた一瞬の隙をついて、英一が思い出したように切り出す。
 「え、なぁに?」
 もはや完全に英一への愛しさ(+彼の性戯)の虜となった詠美は、甘えるように彼の体に身を寄せる。言葉づかいも丁寧語から、随分と甘ったるい口調に変わっているようだ。
 (なるほど、コレが「彼女」の考える「可愛い恋人」像なのか)
 頭の片隅でそんなコトを考えつつ、それも悪くないと頷きつつ、英一は言葉を続ける。
 「たとえ一年後、あるいは十年後に元に戻っても、さほど問題にならないようにする方法があるんだ。しかも、それを実行すれば、ボクらの両親も安心するだろうし」
 「それって……! もしかして!?」
 驚いたような期待するかのような表情に変わる詠美。
 「たぶん、キミの想像通りさ。
 結婚しよう、詠美」
 「──はい、喜んで、英一さん♪」

 それから程なく、ふたりが家族や友人たちに祝福されつつ式を挙げ、幸せな家庭を築いたことは言うまでもない。
 初瀬川英一は、若手ながら院内でも有数の腕利き医師として頼りにされる存在となり……。
 初瀬川(旧姓・太田)詠美は、結婚後も2年間婦長を務めたのち、出産と育児のため引退。子供たち(ちなみに男女の年子だ)が小学校に入るころ、再び病院に復帰する。

 ふたりは、あれ以来二度と「マスター」と会うことはなかったが、自分達の人生最大の恩人として、感謝の気持ちを絶やすことはなかったと言う。

-おしまい-

#というワケでようやくエンディング。
#ホントは、結婚式にマスターが来て、「遅くなりましたが、コレをどうぞ」とカクテルを差し出す展開も考えていたんですけど……まぁ、あとの展開がカオス過ぎるので却下しました。
#次回は、ちょっと間を置いて、『Secret Karte 看護婦しちゃうぞ♪U』(ケガ人♂と看護師♀の立場交換)か、『名札は必ず胸につけましょう』(小学5年生の幼馴染の男女の立場交換)、もしくは頓挫してる『替玉お断り』を再開するか……。
#いずれにしても他の方の投下も期待しています。
290名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:13:39.07 ID:IYhdY7Au
>>289
超GJでした!
逆転した倒錯感のあるSEXですが、気持の通じ合う愛の営みは良いですね。
この後の新婚生活も覗いてみたい所ですが他のお話しの主人公達のご多分に漏れず
ラブラブで甘々な生活なんでしょうね。
良いお話しをありがとう御座いました。

もし書けるのでしたら個人的に『替玉お断り』の続きを読みたいです。
でもそこは書く方の書きたい話しを書かれるのが一番ですので、
良いお話しがあればお願いします。

291名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:34:45.15 ID:LkSVYjGT
信者行為すんなって言われてんのになんでやんの?
バカなのか?
292名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:46:09.97 ID:IAAcjc9/
SSをほめる書き込みや作者に感想を言う書き込みが駄目なら何を書き込みするんだよ
293名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 23:59:02.54 ID:FUzcOzVj
その辺が微妙だから対処しにくいんだろうな
少なくとも全く関係のない時に個人名上げるのはまずアウトってことでいいの?
あと以前あった自分の好きな作者じゃないとかで叩いてたのは誰がどう考えてもダメでしょ
普通に感想言ったりするのはこの作者が最高!他はクソ!みたいなこと言わない限り大丈夫だと思うよ
294名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 09:11:55.85 ID:5nzyuAqw
男は黙ってNG登録ですよ

>>285
超乙でした!
次回作も楽しみにしてます(・∀・)
295名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 18:11:02.74 ID:1d212y4I
じわじわと体が入れ替わるのがアリなら
性器だけ最初から丸ごと交換もアリじゃね?
296名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 22:03:05.20 ID:ZCNNGsje
>>289
297名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 22:07:24.68 ID:ZCNNGsje
なんか面倒臭い制約が出来たな
このスレはSSとネタ以外は要らないってか
感想なしじゃ作者も書く気なくなるだろアホが
298名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:21:37.08 ID:5nzyuAqw
いや、別に禁止も制約もないから感想書いとけばいいんじゃね?

上の奴はSSの直後にわざと別の話を始めたりだとか煽ったりとかする
いつもの方だから放置しとけばいい
299名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:30:46.06 ID:1d212y4I
興味無いSSが投下された時に上の書き込みにレスするなら何回かやったことあるんだがダメだったのか?
300名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:33:18.96 ID:78d/KnOW
人がいないのによく荒れるスレだなここは
それでも立場交換と言う題材が好きで来てしまう訳だが


>>285
完結乙でした
次回作も期待しています
301名無しさん@ピンキー:2012/06/24(日) 23:59:32.44 ID:7EiIkfos
荒れても過疎らない不思議
これは何か立場交換と言うものが関係しているのか?
302名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 21:41:03.17 ID:qJFsYe8P
>>285
GJ
立場交換のエロって表現やりにくいのに上手く書いているな
303名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 23:01:16.33 ID:FUxd1OY8
>>299
流れを自分の好きな話題に変えるのは普通にありだよな
書き手のための板ってわけじゃないし
SSが投下されたからと一々レスしなくてもいいだろう
304名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 23:18:57.59 ID:4/nLKDiE
まあたまに乙ラッシュで会話が途切れたりするしなぁ
俺はそんなタイミングに出くわしたらあえて会話繋げるようにしてるだけから別に悪気はないよ
305名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 23:24:05.17 ID:nrViUpkt
pixivの人、少しずつ話が上手になってきてる気がする
やっぱり書いてたら上達するのかな
306名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 23:37:54.34 ID:iSHYU5OT
渋とかやっている人のはあまりここで言わない方が良いんじゃないか?
渋でやる人は匿名での書き込みが多い2ちゃんとか好きじゃない人多いし
あえて渋でやると言う事はここではあまりとか思っているんだと思うよ
307名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 07:38:22.91 ID:LWafcqza
ft-type2の写真で遊ぶ掲示板がひっそりと毎日更新されてるな
この人のはカオスなのが多くて好きだわ
308名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 18:13:47.89 ID:/xBoIBLm

更新して無いぞ?
309名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 20:18:37.25 ID:gKVID7HK
写真であそぼう
session1(ネタ制限有り) [最新書込 2012/06/26 20:01:53 ]
310名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 22:40:00.41 ID:/xBoIBLm
あ、見つけた
ども、サンクス
311名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 23:29:33.60 ID:BnDsGiAe
アイドルとおっかけの立場交換を想像してちょっと笑ってしまった
AKBみたいな大人数のグループとおっかけとの交換で
ステージでおっかけがオタ芸をしているのを見て可愛い女の子が声援をとばすの
おっかけにも序列みたいなのがあるだろうから、ちゃんとリーダーとかエースもいて人気が高かったり
アイドルの子はおっかけの握手を並んで嬉しそうにしたり
私物プレゼントの抽選とか死に物狂いで参加するみたいな逆転現象
312名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 23:47:18.46 ID:1G1IVZWq
逆転関係になる立場交換っていいな
先生と生徒とか

だからロリもの家庭教師の立場交換の続きには大いに期待している
313名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 23:54:21.00 ID:swJqwcI9
悪いヒモの男と無理やり風俗でも働かされているキャバクラ嬢の立場交換で
立場逆転みたいな話はどう?
男は立場逆転で嬢に捨てられると生きていけないと思い込み依存して
嬢はその気持ちが無くなり今までのお返しとばかりに男にキャバクラと風俗で働かせ
そのお金で悠々自適し男の自由な生活を楽しむ
314名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 05:11:54.62 ID:elm2Qe/X
>>311
アイドルたちはお気に入りのファンが気分よくオタ芸出来るよう、
客席から精一杯歌ったり踊ったりして必死にアピールするわけか
315名無しさん@ピンキー:2012/06/27(水) 19:05:08.19 ID:EmKRFWkE
女の子はオタに声をかけて欲しくてダンスやカラオケを練習するのか
そして男はトップオタを目指して養成所に通ったり日々レッスンをして努力すると
容姿の価値観が逆転していて見た目がダサければダサいほどかっこいいとされ
バンダナハチマキはシュシュなみにマストアイテムでみんなしている感じだろうか
316名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 21:16:53.03 ID:aOmFPSJW
そういやポケモンの新作の劇中劇にポケモンが人間をボールに入れて支配するなんてのがあった
317名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 23:24:58.69 ID:ojHF/Bb5
版権キャラの立場交換ものもありかもな
なんか好きなキャラでこのスレでの意味合いで立場交換して見たいキャラある?
俺はブリキュアで敵との立場交換みたいなのとか面白いかなと思う
318名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 23:53:17.81 ID:pHI+Kajx
>>317
ちょっとマイナーなのかもしれないけどDOG DAYSって言うアニメのキャラで、
レオがミルヒの立場になってみんなの前で恥ずかしながらアイドル衣装で歌うとか
シンクがそうなるのも楽しいかも。

シンクになったミルヒが抜群の運動神経を発揮してって言うのも楽しいかも。
あとガウとベルが立場交換になってベルになったガウがベルの超ドジっ子属性に
なってしまうとか。

ちょっと妄想してしまいました。
ほとんどの人が解らない話しでごめんなさい。


319名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 01:26:36.90 ID:NhdzqBOv
>>318
最高じゃないか・・・!
イケメンミルヒとかたまらんね
320名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 22:16:22.06 ID:TwS19FuD
エヴァでやったら面白いかも
ミサトの立場ではしゃいでみせるシンジとか、アスカなゲンドウとか破壊的なキャストとか
レイが冬月だったりマリが加持だとかカオスな感じで
ペンペンがヒカリでとかは自分の趣味
321名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 23:34:18.48 ID:BLt6D3Gm
クレヨンしんちゃんでしんのすけとななごお姉さんの立場交換も面白いかもしれん
322名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 23:43:10.72 ID:fJfkDkVo
しんのすけと女キャラなら割と誰でも面白そう
323名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 23:48:46.59 ID:KDYOvLZz
ドラえもんならジャイアンとしずかちゃんとかも
のび太とジャイ子と言うのもあり?
324『名札はキチンと付けましょう』:2012/06/30(土) 04:12:46.32 ID:WNIygvww
#前後編で2回予定の中短編です。

『名札はキチンと付けましょう』

 入学式も無事に終わり、そろそろ桜の花びらも散る、そんな季節。
 「ほら、みちる! 急がないと遅刻するぞ!」
 「あ、待ってよぉ、ミッく〜ん!」
 朝の通学路を小学校高学年くらいの少年少女が連れ立って走っている。
 傍目にはなかなかに微笑ましい光景なのだが……。

 「ひぅんッ!」
 ──ベシャッ!

 女の子の方が豪快に素っ転んでしまってはそうも言ってられない。
 「ふぇえ〜、痛いよぉ……」
 セミロングヘアの前髪を水色のカチューシャでまとめた女の子は、涙目になっている。
 「あぁ、もぅ、みちるはいつまで経ってもドジだよなぁ」
 男の子の方は慣れたもので、女の子の手をとって助け起こすと、パンパンと服についた汚れを払ってやる。ピンクのトレーナーに膝丈のデニムのスカートという比較的カジュアルな服装だったのは幸いと言うべきか。
 「グスッ……ミッくん、ありがと」
 「ったく。転ぶのは仕方ないけど、俺らももう五年生になったんだから、コケたくらいで泣いたりすんなよな」
 「だってぇ、痛かったんだもん。女の子は、でりけーとなんだよ」
 「なんだ、そりゃ。だいたい、同じ女だってウチの郁美とかは、傷だらけになっても平気でサッカーしてるぜ」
 少年──充(みつる)のひとつ年下の妹は、まだ4年生になったばかりだが、早くも地元の少年サッカーチームでの活躍を期待されている逸材なのだ。ちなみに充自身も同じチームのスイーパーを務めている。
 「……泣きたくなくても、勝手に涙が出ちゃうんだよぉ」
 女の子──みちるの方も自分が泣き虫だという自覚はあるのか、反論の言葉は弱々しい。
 「ふーん、そんなもんかねぇ」
 幼い頃からやんちゃで、すでに2回も骨折し、捻挫や擦り傷・切り傷は数え切れず経験してきた充は、この歳にしては痛みや苦痛に滅法強い。
 また、肉体的耐性ばかりでなく精神的にも、お転婆な妹やドジな幼馴染の面倒を長年みてきたせいか、小五の少年とは思えぬ我慢強さと義侠心を持ち合わせており、クラスでも男女問わず一目置かれているのだ。
 「はぁ〜、わたしも、ミッくんみたく強くなりたいなぁ」
 幼馴染の彼と比べて、自分が心も体もあまりに弱いと痛感しているみちるは、ガックリとうなだれる。
 「わたしも、ミッくんやイクちゃんみたく本田さん家の子供に生まれたかったよぉ」
 充たちの家──本田家は、父が大学時代はラグビー部のレギュラー、母が体操の選手だったというアスリートの家系だ。気性もカラッと陽気で明るい、絵に描いたような仲良し家族といった雰囲気だ。
 対して、みちるの育った木田家は、この地方の旧家の流れを汲み、それなりに裕福ではあるものの、どこか窮屈な印象があった。
 実際しつけはそれなりに厳しいし、父も母も物静かであまり感情を表に出さないせいか、子供としてはどうしても情が薄いように感じられる。
 なまじ、子供の頃から出入りして、本田家のにぎやかさを知っているだけに、羨望の念を抱いてしまうのだ。
325『名札はキチンと付けましょう』:2012/06/30(土) 04:13:15.87 ID:WNIygvww
 「うーん、そんなコト言ってもなぁ……」
 歳よりはいくぶん大人びているとは言え、そこはやはり小学生。落ち込んでいる女の子を励ます巧い言葉は出て来ないらしい。
 「あ、そうだ!」
 少年は青いビニルケースに入った名札を己れの胸から外し、少女にも同じことをするよう促す。
 「これ、今日一日、貸してやるよ! これを付けてる限り、今日はオマエが”本田充”ってわけさ!」
 無論、いくら小学生とは言え、本気でそんな理屈が通ると思っていたワケではない。妹分的なポンコツ系幼馴染みを元気づけるための、ちょっとした「ごっこ遊び」。少年としては、その程度のつもりだった。
 しかし……。
 「ホント!? わーーい♪」
 先程まで凹んでいた少女は、少年の心遣いに予想以上に喜んだ。
 「じゃあ、ミッくんは、コッチの名札付けて、今日は”みちる”になってね」
 キラキラした目で、赤いビニルケースに入った自分の名札を差し出す。
 「お、おう……わかった」
 この年頃の男の子としては、女の子の持ち物を身につけるということに抵抗がなかったワケではないが、歳のわりによくできた(あるいは苦労性の)少年は、断れば少女が落胆する──下手するとまた泣くだろうことを悟っていた。
 内心の躊躇いをふりきって、少女の名前が書かれた赤い名札をつける。
 それを満足そうに見た少女も、少年の青い名札を胸に留める。
 「あ〜、ゴホン! これで、今日は僕が本田充だよ。さぁ、行こう、ミッちゃん!」
 ノリノリで「充」になりきった(とは言え、本来の充とは少々口調が異なるが)少女が、少年の手を引いて走り出す。
 「あ、うん、わかった…わ、みつるくん」
 いきなりの少女の変貌に苦笑しつつ、調子を合わせてそう答える少年。
 (あーあー、張り切っちゃって。そんなに急ぐと息切れしてまたコケるぞー)
 そんなことを考えていたのだが、唐突に引っ張られたせいか、逆に自分の方が転びかけて慌てるハメになる。
 だが、少年は気付いていなかった。
 何気なく提案した他愛ない「ごっこ遊び」。それが、どのような影響を自分達にもたらすのかを……。

 * * * 

 「はぁ、はぁ、はぁ……」
 予想に反し、「本田充」になりきった少女は一度も転ぶことはなく、それどころか少年が全速力でついていくのがやっとという程の速さで学校まで走りきった。
 おかげで、小学校の下駄箱まで来た時には、少年の方が肩で息をしている始末だ。
326『名札はキチンと付けましょう』:2012/06/30(土) 04:13:38.96 ID:WNIygvww
 (ふぅ、ふぅ……そう言えば、昨日のテレビの番組で「驚異の催眠術の世界」とかやってたけど)
 催眠術とか暗示がかかった人間は、とんでもない馬鹿力を出したり、割り箸を肌に当てられただけで火箸と思ってヤケドしたりするらしい。「思い込みの力ってスゲェー」と他人事のように思っていたのだが……。
 (もしかして、今のみちるも似たような状況なのかな?)
 息が整うまでそんな事を考えていたせいか、気付けば少女の姿は消えている。しかも、下駄箱を見ると「本田」の名札の所に上履きはなく、みちるの青いスニーカーが入っていた。
 「まぁ、そんなことだろうと思ったよ」
 小さく溜息をつきながら、「木田」の名札の下駄箱から赤いラインの入った女子用の上履き(もちろん、みちるのものだ)を取り出す少年。靴のサイズは少年と同じ23なので、とくに問題なく履くことができそうだ。
 とは言え、さすがに他人、それも女の子の靴を履くのは多少なりともためらわれたが、幼い頃からよく知るみちるのものなので抵抗は少ない。
 意を決して、白いハイソックスに包まれた足先を突っ込む時、少年の背筋をゾクゾクッと不思議な感覚が走った。
 (あ、なんだろ……単に女子の上履きはいただけなのに、なんかヘンな感じ)
 彼があと2、3歳年長なら、それを「快感」だと認識しただろうが、幸か不幸か、少年はそのテのことにあまりに無知だった。
 目を閉じて、その「感覚」が鎮まるのを待つ。幸いにして、10数えるかどうかという短時間で、少年を襲った「違和感」は収まった。
 少年は目を開き、女子用の上履きを履いた自分の足先をしばらく眺めたのち、爪先を交互にトントンと軽く床に打ちつける。すでに諸々の違和感は消えて、上履きは少年自身の持ち物のように足に馴染んでいた。
 何となく首を傾げつつ、少年は黒い合皮のストラップシューズを、みちるの下駄箱に入れるのだった。

 * * * 

 5-Aの教室に入ると、案の定と言うべきか少女は本来の少年──「本田充」の席に座っていた。いつものおとなしい姿とは裏腹に大きな声でしゃべり、周囲に明るく笑いかけている。
 ただ、予想外だったのは、周囲にいる人間──充の友人達も、何らいぶかしむことなく「充」になりきっている少女と楽しげに会話していたことだ。
 この桜庭小学校では、クラス替えは4年生になった時に一度あるだけで、1〜3年生と4〜6年生の各3年ずつ同じ顔ぶれで過ごす。少年と少女が所属している5-Aは、4-A時代からクラスの結束が固く、この歳にしては男女の壁も比較的低いほうだった。
 そう考えると、気のいい少年の友人達が、「充」のフリをした少女に話を合わせてやっているのかもしれない。
 となると、ここでいきなり割って入ると言うのも「ヤボ」というものだろう。この歳にして空気を読む能力がなかなか高い少年は、やむなく本来の少女──「みちる」の席に座ることにした。
327『名札はキチンと付けましょう』:2012/06/30(土) 04:14:07.86 ID:WNIygvww
 「おろ、今朝はめずらしく、ふたりいっしょではなかったのでありますか?」
 隣席に座っている女子が、興味深げに話しかけてくる。
 「あ、いや、玄関まではいっしょに走って来たんだけど……」
 苦笑しつつそう答えると、隣の女子──門倉紗弥は目を丸くした。
 「え!? 木田さんが、途中で転ばずに学校まで走って来られたのですか?」
 ある意味失敬な言葉だが、かすみは一日2、3回は転ぶことを日課にしてるようなものなので、あながち否定できない。
 「うん。それどころか、すごいスピードだったよ」
 「ほぇぇー」
 紗弥がポカンと口を開けて感心しているのも無理はない。体育の時間のかすみの実技の成績は惨憺たるものだったからだ。
 「まぁ、それはさておき……今日は珍しく積極的に会話してくださるのですね」
 言われてみれば、確かにこれまで紗弥と親しく話したことはないかもしれない。
 いかに男女の仲が比較的良いクラスだとは言え、まったく垣根がないわけではない。
 趣味が近いスポーツ少女とかならともかく、紗弥は小柄な体つきで軽くウェーブのかかった髪を腰まで伸ばし、いつもフリルやリボンの多い服(ゴスロリと言うらしい)を着た、いかにもなインドア派だ。少年とは、これまでほとんど接点はなかった。
 「おや、わたし、これでもバレー部に所属しているのですよ?」
 「! ちょっと意外かも。バレエ部じゃなくて?」
 「ふふふ、如何にこの学校がリベラルでも、バレエ部までは存在しないのですよ〜」
 もっとも、小学校に入るまでわたしも一応たしなみ程度には習っておりましたが、と付け加える紗弥。それが本当なら、基礎体力や柔軟性があることは確かなのだろう。

 本人にも意外だったのだが、打てば響くような紗弥との会話は、妹や妹分(かすみのことだ)との気のおけないおしゃべりとは違った方向で、予想外に楽しいものだった。
 会話の中で、彼女が「水戸川少年探偵シリーズ」が好きだと知ってから、さらに話が弾んだ。
 マンガはともかく本などあまり読まない少年も、10歳の誕生日に貰ったその子供向け文庫のシリーズだけは愛読していたからだ。
 「やっぱり、『魔人コング』で花澤マミに変装した大林少年が誘拐されるシーンはドキドキするよね?」
 「そうですね〜。しかも、その直後にあのピンチですからね〜」

 ──キーンコーン、カーンコーン……

 この桜庭小学校で採用されているややレトロなチャイムの音ともに、先生が教室に入って来る。
328『名札はキチンと付けましょう』:2012/06/30(土) 04:14:34.02 ID:WNIygvww
 「あ……」
 慌てて少年は本来の席に戻ろうとするが、少女の方は「本田充」の席に座ったまま、キョトンとした顔で彼の顔を見上げるばかりだ。
 「おーい、早く席に着けー」
 担任の上智先生が促したため、仕方なく「木田みちる」の席に座る少年。
 「よーし、みんないるな。欠席者はナシっと。それじゃあ、一時間目は国語からだ」
 (うわ、テキトーだなぁ)
 そういうおおらかな先生だからこそ、生徒ふたりが勝手に席を交換していると言うのに、特に咎めることもなく授業を開始するのだろう。
 (ひょっとして、本気で気づいてないとか……)
 ──近眼かつウッカリ者なこの先生なら、ないとは言い切れないのが恐い。
 そんなコトを考えつつも、目は黒板に向かい、手はキチンとノートをとっている少年。
 普段なら、1、2時間目の授業、とくに国語なんて眠くて仕方ないはずなのに、今朝はなぜか頭が冴えて、授業に集中できている。
 (もしかして、陽の当たるいつもの席が悪いのかな?)
 ポカポカと心地良い暖かさを提供してくれる窓際の「充」の席は、ある意味絶好の居眠りスペースではある。
 そんなコトを考えつつ、チラとその席に目を走らせると、少年の代わりに今そこに座っている少女も確かに生アクビを繰り返しているようだ。
 (それにしても珍しいなぁ。みちるがノート取るのサボるなんて)
 そのコトに微妙な違和感を感じつつも、少年は再び授業に意識を向けるのだった。

-後編に続く-
329名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 11:55:47.66 ID:EJhpDXhP
GJ
いいところで後編に(´・ω・`)

続きを待ってます!
330名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 22:20:59.72 ID:Q1QujQv0
>>324
GJです!
いつの間にかみちるになっていく充の様子を想像しわくわくしてしまいます。
体育の時間が楽しみです。
水泳だったらもっと面白いかもとか思ったり。
331『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:03:17.77 ID:WNIygvww
 * * * 

 そして迎えた3時間目。
 「木田みちる」の席に座っていた少年は、なぜか周囲の女の子達に連れられて、とある部屋の前まで来ていた。
 「ちょ、ちょっと待ってよ。どうしてこんなトコロに……」
 「? 次の時間は体育なのですよ?」
 紗弥に逆に不思議そうに聞き返されて言葉に詰まる少年。5年生になって最初の体育の授業だが、その事はもちろんわかってる。
 「あ、もしかして忘れてるのかな。ここはね……」
 紗弥とは逆の側の隣席に座っている女子──花取玲が、カチャリと部屋のドアを開ける。
 「女子更衣室だよ♪」
 桜庭小の慣習では、体育などでは5年生以降男女別に着替える慣習になっており、実はこのクラスの女子たちも初めてこの更衣室を利用するのだ。
 そのため、これまでよりひとつ大人になったような気分で周囲の女子達は、どことなくはしゃいでいるが、少年はそれどころではない。
 女子が共謀しての悪気のないイタズラなのかもしれないが、純情な少年としてはたまったものではなかった。
 とは言え、更衣室のかなり奥の方に押し込まれてしまったので、目立たないように抜け出すことは無理そうだ。
 あきらめて渋々そのまま体操服に着替え……ようとして、持って来た体操バッグが見慣れない橙色であることに気付く。
 (あれ、いつも使ってる体操バッグ、緑じゃなかったっけ?)
 これ幸いと、バッグが自分のものではないことを周囲に訴えて、更衣室から抜け出そうとした少年の目論見は、しかしアッサリ失敗する。
 「だって、これ、あなたのカバンでしょ」
 「中に入ってる体操着にだって、ほら、ちゃんと「木田みちる」って胸の名札に書いてあるのですよ?」
 女の子たちは口々にそんなコトを言ってとりあってくれない。
 その名前──"木田みちる"は自分の本当の名ではない……と反論したかった少年だが、なぜか委縮したように抗議の声が出ない。
 授業時間も迫っているので、仕方なく黙々と体操着に着替えることに専念する。
 体操服の上着の形自体は男女とも差はなく、白を主体にした半袖のポロシャツなのだが、襟の色は男子が紺、女子が臙脂色になっている。もちろん、今少年が着ている体操着の襟も赤かった。
 そしてボトムはブルマーでこそないものの、黒いナイロン製の五分丈スパッツだ。肌の露出自体は男子のショートパンツと大差ないのだが、身体にピッタリと貼り付くような感触は、まったく異なる。
 ──下半身をキュッと締めつけるようなその独特の感覚に、少年が背筋を震わせ、ちょっと気に入ってしまったのは、ここだけの内緒だ。
 ともあれ、体操服への着替えなぞ男女問わずたいして時間がかかるものでもない。
 程なく、着替え終わった少年は、紗弥たちと女子と一緒に体育館へと移動した。
 教室で着替えた男子は、先に体育館に来ており、めいめい今日の授業の課題であろうボールで遊んでいる。その中には、男子の紺襟の体操服とショートパンツを着た少女も混じっていた。
 普段なら運動が苦手な少女は、目立たぬように隅っこで大人しくしているはずなのだが、今の彼女は軽快な動きで「充」の友人たちとボールのやり取りをしている。
 そして、先生が来て、体育の授業開始となった。今日はバスケットボール(正確にはミニバス)だ。
 「本田充」になりきっている少女は、素早いドリブルで立ちふさがる男子を抜き去り、そのままゴールリングにジャンプシュートを何本もキメている。
 反対に少年の方は、慣れないスパッツが気になるのかどうも動きに精彩がない。女子チームに混じって試合に出ているのに、シュートはおろかパスカットやリバウンドでも、背が高い女子に競り負ける始末だ(ちなみに少年・少女ともに身長は150センチちょっとだ)。
 それでも何回かいい位置にいる味方にパスを通すことはできたため、結果的には少年の属するチームが勝利し、彼も「ナイスパス!」とチームメイトの女の子達に称賛されたのだが。
 スポーツ万能で、サッカーのみならず球技や体操・徒競走などなんでも来いのはずの少年にとっては、その程度で評価されるのはある意味屈辱のはずだが、なぜか気にならない。
 むしろ、「体育の時間に初めて褒められた」かのような嬉しさがこみ上げてきて、自然と笑顔になったくらいだ。
 そんな浮き浮き気分のまま体育の授業が終わり、更衣室で着替えることになる少年(と女生徒たち)。さっき一度着替えたことで開き直ったのか、今度は少年もためらうことなく更衣室に足を踏み入れ、着替えを置いたロッカーを開ける。
332『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:03:55.31 ID:WNIygvww
 体操服の上を脱ぎ、キャミソールの上から白いブラウスを羽織り、ボタンをとめ……ようとして、微妙にとめづらいことから、ふと我に返る。
 (! この服……)
 あまりに自然に着替えようとしていたが、これは紛れもなく女物──それも「みちる」が朝着ていたものではないだろうか? その証拠に、ブラウスの下に置かれたピンクのトレーナーとデニムのスカートには、間違いなく見覚えがあった。
 (ま、まさか……こっそり忍び込んで入れ換えたの!?)
 仮にそうだとしても、いったい誰が、なんのために?
 少女ではありえない。少女の方は、自分たちが体育館を出た時もまだボール遊びしていたのだから、先回りなんてできっこない。
 それに──いくら彼女がはしっこくても、「知らない間に自分の下着まで女児用のものに変える」なんて手品みたいコトが出来るとは到底思えない。
 スカートをはいてからスパッツを脱ぎ、その時ついでに確かめてみたのだが、やはり普段の白いブリーフではなく、前開きのない女の子用のパンツ(ショーツ、と言うらしい)を、いつの間にか履いていた。
 一体どうしてこんなことになっているのだろう。
 疑問に思う一方で、不思議と「恐い」とか「腹立たしい」といったネガティブな感情は湧いて来ない。むしろ「次は、いったい何が起こるのか」と、遊園地のビックリハウスに入ったかのようにワクワク感を覚えている少年は、何気に大物なのかもしれない。
 ブラウスの上からトレーナーをかぶり、慣れぬ手つきでスカートの裾を整えたのち、カバンの上に置かれていた水色のカチューシャを手に取ると、少年は一瞬のためらいの後、頭にはめるのだった。

 * * * 

 教室に戻ると、少女が「本田充」の服を着て、友人たちとフザケあっていたが、その程度はもはや予想の範囲だったので、少年も動じない。
 4時間目は算数の授業だったが、よく見ると教科書やノート、ランドセルもいつの間にか、みちるの名前が書かれた彼女のものを使っていることに少年は気付いた。
 そして給食の時間。今日のメニューは「充」が大好きなカレーライスなのに、なぜか少年はあまり食が進まなかった。なんだかいつもより辛いし、すぐお腹いっぱいになってしまったのだ
 対して、少女の方は、いつもの小食ぶりが嘘のようにモリモリお代わりしていた。
 昼休みに、現在進行中の「この事態」について話し合いたかった少年は、少女に声をかけようとしたのだが、一歩遅く少女は「充」の友人達と外に飛び出していく。手にボールを持っていたことからして、校庭でドッジボールでもしに行ったのかもしれない。
 外まで追う気にはなれず、なんとなく手持ち無沙汰に立ち尽くす少年だったが、幸いにして紗弥が声をかけて女の子グループの輪に入れてくれた。
 話題は主に最近流行りの女児向けアニメや少女漫画、あるいはアイドルが出演しているテレビドラマなどだったが、ひとつ年下の妹がいて、そういうアニメや漫画についてもいくらか知識があった少年は、何とか話についていくことができた。
 「へぇ……木田さんって、いつもひとりで難しい本とか読んでるイメージがあったけど、意外に話せるんだね」
 この女子グループのとりまとめをしている玲が、ちょっと驚いたように、そんなコトを言う。
 「それは誤解よ。"あたし"だって、女の子らしいことに興味はあるもの」
 今の状態で「自分が木田みちるではない」と主張しても、ヘンに思われるだけだろう。
 10歳とは思えぬエアリード能力の持ち主である少年は、あくまで「本田みちる」としてそう答える。本物のみちるとは、少々言葉使いが違うが、さすがにその程度は勘弁してほしい。
 昼休みが終わる頃には、それまでほとんど交流が(充にせよみちるにせよ)なかったとは思えないほど、玲や紗弥たちの女子グループと打ち解けていたのだった。
333『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:04:25.84 ID:WNIygvww
 5時間目は理科の時間は特に何事もなく進み、6時間目は家庭科室へ移動しての家庭科の時間だった。
 とは言え、小学校のあいだはさほど難度の高いことをするわけでもない。5年生になって初めての家庭科の授業ということもあって、今日はタオルをいわゆる並縫いで縫って雑巾を作るだけだ。
 いや、それだけなのだが──大半の10歳前後の子供にとっては初めての「お裁縫」であり、また、不器用な人間というのはいるもので、そここで悲鳴やあきらめの声が上がっている。
 無論、それとは逆にこの手の作業が得意な子も当然いる。「木田みちる」とみなされている少年は、どうやら後者だったようだ。裁縫なんてしたことないはずなのに、手際良く縫い目もキチンと揃えて雑巾を縫い上げていく。
 「あら、木田さんはとてもお裁縫が上手ねぇ、お母さんに習ってたの?」
 「いえ、初めてですけど」
 少年の仕事ぶりは家庭科の先生の目にとまって褒められ、周りの女の子達にも感心される。照れくさい一方で、満更でもない気分になる少年。
 悪戦苦闘する女生徒たちに「コツを教えて」とせがまれ、面倒見の良さを発揮して丁寧にアドバイスすることで、「木田みちる」の「女としての株」がいっそう上がることになったのは、皮肉というか喜劇と言うべきか微妙なところだろう。

 * * * 

 家庭科室から教室戻り、ホームルームが終わると、もう放課後だ。
 「おーい、充ぅ、今日はクラブの練習の日だろ? 早く行こうぜ!」
 「うん、わかってるよ!」
 「充」になりきった少女は、「みちる」の立場におかれた少年が口を挟む暇もなく、「いつものメンバー」とサッカーの練習に行ってしまった。
 (おいおい、大丈夫なの?)
 体育の時間の活躍ぶりを見る限りでは、あの「充」でも問題はなさそうだが、逆にそれはそれでシャクな気もする。とは言え、今の状態でサッカークラブに顔を出そうと思うほど、少年はKYな性格ではなかった。
 仕方なくひとりさびしく帰ろうとしたところで……。
 「木田さん、よかったらウチに遊びに来ないですか?」
 「えっ、いいの?」
 紗弥に誘われて、急きょ彼女の家に遊びに行くことになる。
 紗弥の家──門倉家は西欧風のちょっとしたお屋敷だった。
 「ただいまー、です」
 「お、お邪魔します」
 初見の、しかもこんな大きな家にお呼ばれして、最初こそ緊張していたものの、元より紗弥とは波長が合うし、彼女の母も急な客である「みちる」にもとても優しく、美味しいお手製のマドレーヌを振る舞ってくれたので、ほどなくリラックスすることができた。
 ダイニングでおやつを食べたあとは、紗弥の部屋に行き、小説やマンガの話で盛り上がる。
 門倉紗弥という少女は、とても頭が良く博識だが、それを鼻にかけることもなく、ユーモアや茶目っ気も十分に持ち合わせた、非常に話していて気持ちのいい子だった。
 本来アウトドア派であまり本など読まない少年も、気が付けば彼女に進められて何冊か小説を貸してもらうことになっていた。
334『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:05:22.91 ID:WNIygvww
 「お夕飯も食べて行かないですか?」という魅力的なお誘いを涙を飲んで断わり、夕焼けの中、「自宅」に帰る。
 「自室」に入って「いつもの場所」に「赤いランドセル」を置き、ボフンとベッドの上に、スカートの裾を撫でつけながら腰かけ……たところで、少年は我に返った。
 「あ、あれ?」
 まったく見覚えがない──と言うわけではないが、あまり見慣れてはいない、女の子らしい内装の八畳を軽く上回る広さのこの部屋は、言うまでもなく木田家のみちるの部屋だ。
 「自然にココに帰って来ちゃってたんだ……」
 それはつまり、無意識に近いレベルで少年が自分を「木田みちる」だと認識しているということを意味する。
 「どうしてこんなコトに……って、原因はひとつだよね」
 無論、元凶として思い当たるのは今朝の「名札交換」しかあり得ない。
 ベッドカバーの上に仰向けに寝転びながら、胸のトレーナーから外したピンク色のケースに入った名札を手に取り眺める。
 たぶんみちるの母親の手だろう達筆な文字で書かれた「木田みちる」と言う名前が、妙に馴染み深いものに感じられる。
 いや、無論、「本田充」と「木田みちる」は幼馴染だから、馴染みがあるのは当然なのだが……。
 (なんでだろう。コレがホントに自分の名前みたいな気がする……)
 今日一日、いや半日ほど(やむを得ないとはは言え)「みちる」として、受け答えし、振る舞っていたせいだろうか?
 しかし、そもそも、どうして他の人まで、名札を取り替えただけの自分達をそれぞれ名札の人物として扱ってくるのだろう?
 さらに突っ込んで考えようとしたところで、コンコンとドアがノックされる。
 「あ、はい」
 「みちるさん、晩御飯の用意ができましたよ」
 どうやら木田家の家政婦の桃子さんが呼びに来てくれたようだ。
 「わかりました。すぐに行きます」
 そう返事をしてベッドから起き上がる。
 放課後、門倉家で洋菓子を御馳走になったせいか、あるいはいつもの充のように運動していないせいか、それほどお腹は空いていないが、ここで「食べたくない」などと言えば、パパやママ──みちるの両親に無用の心配をかけることになるだろう。
 鏡を覗き込んで、簡単に髪と衣服の乱れを整えてから食堂へ降りていくその様子は、もはやすっかり「そろそろお年頃の女の子」そのものだった。

 * * * 

 本当は、本来の自分の家である本田家に行って、「充」として過ごしているはずの少女とも話をしたかったのだが、しつけのきびしい木田家では、たとえ隣家の幼馴染と言えど、夕飯後に訪ねるのは礼を失する──ということで許可してもらえなかった。
 手持ち無沙汰になったため、仕方なくノートと教科書を取り出し、学習机に向かって、今日の復習と宿題に取りかかる。
 授業中にも感じたことだが、成績優秀で真面目な「木田みちる」の立場にいるせいか、頭が冴えて簡単に勉強がわかり、問題が解ける。おそらくは、「本田充」の運動能力が著しく向上しているのと同じような理屈なのだろう。
 2時間ほどで今日の復習、宿題、さらに軽い予習まで済ませたところで、ちょうどお風呂に入る番になった。
335『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:06:01.58 ID:WNIygvww
 やや古い気質の木田家では、家長である父親が一番風呂で、そのあとは、みちると母が適当な順番で入るのがならわしだった。ちなみに今日は「みちる」がラストだ。
 タンスから適当な着替えのショーツを見つくろってパジャマと一緒に持ち、浴室へ向かう。
 本田家の場合、母親が替えのパンツその他を出しておいてくれるので楽チンだったが、「色とりどりの下着」から「自分で考えて選ぶ」という作業も、それはそれでおもしろいかもしれないと感じる。「みちる」の立場になりきり過ぎだろうか?
 まぁ、もっと言えば、ウブで純情なはずの彼が、いかに幼稚園に上がった頃からの幼馴染とはいえ、女の子の下着を平然と手に取りセレクトしている時点で、十分におかしいのだが。

 「もしかして、身体まで変化してるんじゃあ……」という懸念に反して、風呂場で裸になると、そこには見慣れた少年、"本田充"の裸身があった。
 ──見慣れた? いや、自分の身体だからそのはずなのだが、妙に気恥しく落ち着かない。
 頬が赤くなるのを感じつつ、極力首から下、とくに下半身を見ないようにして身体を洗い、浴槽に入る。
 白い入浴剤の入った風呂に浸かりながら、なんとはなしに胸に両掌を置いて、触ってみる。当然のことながら、膨らみはまったく感じられない。10歳(そして男のコ)なら当然ともいえるが……。
 (でも、門倉さんとかは、小柄なのに結構「ある」んだよねー)
 なぜか微妙に負けたような気分になってきたので、慌てて考えるのを止めて風呂からあがる。
 身体をキチンと拭いてから、デフォルメされたウサギのバックプリントが入った白いショーツを履き、七分袖&七分丈のクリーム色のフリルの多いパジャマを着る。
 髪は襟が隠れる程度の長さなので、丁寧にタオルで拭いて水気を取り、冷風モードのドライヤーで乾かしながらブラッシング。さすがに小学生なので、化粧水の類いは不要だ。
 いろいろあって疲れたので、今日は早めにベッドに入ることにした。

 * * * 

 ──長い長い夢を見た。
 それは、子供の頃から身近にいたはずの少年でさえ知らない、少女の心の軌跡。

 少年との出会いは近くの幼稚園。
 ドジな少女が軽いいじめに遭いかけているのを、少年が助けてくれたのがキッカケだった。
 その時の彼女は、本当に人見知りがひどく、せっかく助けてくれたはずの男の子にもお礼のひとつも言えずに泣き出してしまう。
 ──いや、そのはずだったのだが。

 『ダメだよ。助けてもらったら、「ありがとう」って言わなきゃ』
 夢の中の少女に宿る少年が、強引に史実を変える。

 「あの……ありが、とう」
 「お礼なんて、いいよ。ぼくは、ほんだみつる。きみは?」
 「あたし……きだ、みちる」

 本来は、それ以後「人見知りなまま、少年のあとを仔犬のようについて回る」はずだった少女は、少年といくらか対等に近い友誼を結ぶことになり、少しだけ積極的になった。
336『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:06:26.08 ID:WNIygvww
 ふたつめの分岐点は、小学校に入った直後。
 3つ年上の従姉が出ているバレエの発表会を、少女は母親と共に観に行く。小学4年生ながら、彼女の従姉は素人目にも達者な演技を見せ、その様子に少女は魅せられた。
 発表会が終わったのち、母と叔母、そしてその従姉を交えてお祝いにレストランに行った席でのこと。
 従姉のおねえちゃんの演技が素敵だったことを、少女は口下手ながらも懸命に表現しようとする。
 彼女の称賛をうれしそうに聞いていた従姉は、「そうだ! みちるちゃんも一緒にバレエ習おうよ!」と提案してきたのだ。
 思いがけない言葉に、思わずキョドり、母と叔母の方を窺う少女。叔母は賛成、母は少女が望むならOKといった様子だった。
 この時、本来の歴史では、少女は「でも、わたし鈍くさいし……それに、ちょっと恥ずかしいから」と断わるのだが。

 『でも、本当は自分も習ってみたいんだよね、バレエ。だったらお願いしようよ!』

 「あたし……やってみたい、です」
 こうして、本来の歴史では後日オルガンを習うところを、少女はバレエに精を出すことになる。
 少女は確かに生来の運動神経自体はあまり良いとは言えなかったが、単純な反復練習にも文句を言わず、また身体の柔軟性については人並み以上だったことから、ゆっくりと着実にバレリーナとして成長していく。
 それに伴い、基礎的な運動能力も相応に向上したため、4年生に上がるころには「運動音痴なドジっ子」という汚名も返上していた。
 また、同じバレエ教室に所属していた縁で、門倉紗弥とも低学年の頃から友誼を結ぶことになる。

 そして、最後の分岐は、まさに昨日のあの場面。
 すでに、極端に内気な人見知りでも、毎日何度もコケるほどドジでもなくなった「木田みちる」は、ちょっと通学路で転んだくらいで、もう幼馴染の少年になりたいとは願わなかった。

 【じゃあ、この名札は、もういらないかな?】
 気が付けば、「みちる」の前に「充」が立ち、自分の胸に着けた青い名札を指差していた。

 そして「みちる」は力強く答えた──。

 * * * 

337『名札はキチンと付けましょう』後編:2012/06/30(土) 23:06:45.97 ID:WNIygvww
 翌朝。
 「いつものように」、みちるが本田家に幼馴染を迎えに来ていた。
 「みつるくん、早くしないと遅刻しちゃうわよ!」
 「う〜、わかってるって。僕だって遅刻は御免だし」
 軽快に駆ける「少年」のあとを、「少女」も危なげない足取りで追走する。
 「おぉ、おはようございます。今朝もご夫婦仲良く登校なのですね」
 校門近くまで来たところで、クラスメイトに声をかけられた。
 「あ、あはよ、サヤちゃん」
 「おはよう、門倉さん。それと「夫婦」扱いは止めてほしいなぁ」
 笑顔で挨拶するみちると、苦笑いする充。
 「?? どこからどう見てもラブラブカップルなのですが?」
 目をパチクリさせる紗弥の言葉に、「少年」は絶句し、「少女」は顔を赤らめる。
 「ら、らぶらぶって……」
 「ち、違う! 僕とミッちゃんは単なる幼馴染で……」
 「まぁまぁ、仲良きことはうるわしきかな、なのですよ〜」
 「いつも通り」そんな会話を繰り広げながら下駄箱で上履きに履き替える3人。
 ふと、みちるが手をとめて自らの履く上履きをしげしげと見つめている。
 「どうかしたのですか、ミッチー?」
 「画鋲でも入ってたとか」
 「違うわよ! うーん、履いたとき、なんかこう、ヘンな感じがしたのよね。背筋がゾクッとするような……」
 「風邪ですか?」
 「おおかた、風呂上りにお腹出して寝てたんだろ」
 「乙女がそんなことしますかッ!」
 ワイワイ騒ぎながら教室へ急ぐ。
 その後、木田みちるが、自分の上履きや体操服に違和感を感じることは二度となかった。


-おしまい?-

#以上。最後が難解に思えたらすみませぬ。
#前後編は仕上げましたが、オマケ的後日談を日曜深夜に投下するかも。
338名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 23:52:53.14 ID:Q1QujQv0
超GJでした!
みちるはお嬢様だったんですね。
みちると充が良い感じに合わさって二人ともいい方向に性格が改善されましたね。
充の方は小学生から女子の気持ちが解るようになって同級生から見たらすっごく大人で
モテそうです。
でもみちる一筋ラブラブなんでしょうね。
この後のラブラブっぷりが想像されてしまいます。
339名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 23:57:20.73 ID:YPlk/mjB
女子小学生の立場になりたい
340名無しさん@ピンキー:2012/06/30(土) 23:59:31.07 ID:AhUdI1zw
不審者発見
通報しました
341名無しさん@ピンキー:2012/07/01(日) 14:34:16.87 ID:DcG4Emt7
そして連行されるおっさんの立場になった女子小学生
342名無しさん@ピンキー:2012/07/01(日) 18:26:11.15 ID:eIUQHbJU
しかもいつの間にか児童と先生との立場が入れ替わっている
343『名札はキチンと付けましょう』-2years later-:2012/07/01(日) 22:55:04.27 ID:UWYtVOo5
#以下、オマケ。このスレ的には蛇足だったかも……。「前後編でお腹いっぱいっス」という人は読み飛ばしてください。


『名札はキチンと付けましょう』-2years later-

 入学式も無事に終わり、桜の花びらも散り始めた──そんな季節の、午前8時を少し回った頃合い。
 「今日はだいぶ余裕があるから、歩いていけるかな」
 「そうね、のんびり歩いても15分もあれば余裕で着くだろうし」
 中学生らしき男女が制服姿で並んで通学路を歩いていた。

 「それにしても……今更だけど、ウチの通学路って、随分桜の樹が多いんだね」
 真新しい紺色の詰襟を着た「少年」──本田充が、感心したように言う。
 「あら、毎日通ってるのに、今頃気づいたの?」
 丸襟の白い長袖ブラウスに真紅のリボンタイ、ライトグレーのスカートと山吹色のニットベストという服装の「少女」──木田みちるは、呆れる。
 「いや、いつも走ってるから、あんまり景色見てる余裕がなくてさ」
 「ふーん、だったら、せめてあと5分早く起きてくれると、あたし達も余裕を持って登校できると思うんだけど?」
 「うッ……善処シマス」
 語尾が片言になってるあたり本当に「少年」が善処するかはいささか疑わしい。長い付き合いなので、それは「少女」にもわかっていたが、あえて追求する気はなかった。

 「あ……」
 一見何もないその場所に来たところで、ふと充が足を止める。
 「ん? どうかしたの?」
 「ここ、さ。見覚えあるだろ。ホラ……」
 充に促されて、辺りを見回したみちるも、「あぁ」と気が付く。
 「2年前のちょうど今頃だよね」
 何が、とは聞かない。ふたりとも、十分わかっていたからだ。
 そう、この場所は、「かつての本田充と木田みちるが名札を交換した場所」だった。
344『名札はキチンと付けましょう』-2years later-:2012/07/01(日) 22:56:12.59 ID:UWYtVOo5
 あの日──名札とともにふたりの名前や立場まで入れ替わってしまった日の翌日から、小学校を卒業する前日まで、ふたりは自分達が入れ替わったという事実にすら気付かずに、楽しく日々を過ごしていた。
 いや、正確には「木田みちる」の立場になった元・充は、最初の頃は時折そのことを思い出してはいたのだが、「本田充」となった元・みちるがあまりに活き活きしていたのに加えて、自分も現状に不満がなかったため、あえてそれを口に出さなかったのだ。
 しかも、5年生の夏休みに、「みちる」に初潮が訪れ、それとともに胸も少しずつ膨らみ始め、女の子らしい身体つきになり始めた。
 逆に「充」の方は、毎日のようにサッカークラブで練習しているせいか、引き締まってはいるがガッチリ筋肉のついた男子の体型に成長していく。
 この状態で元に戻ってもお互い不幸だろうし、そもそもどうすれば戻れるかもわからないので、「みちる」もあえて「立場交換」の事実を思い出さないようになったのだ。
 ふたりは依然として仲の良い幼馴染みだったが、それでも"本物"より活発でしっかりした「みちる」が、「充」に依存するようなことはなくなり、それぞれ男友達、女友達と行動を共にする機会も増える。

 ──だが、小学校卒業式の前日、誰もいない放課後の教室に呼び出された「みちる」は、「充」から思いがけない言葉を聞くことになる。
 「ねぇ、このままでいいのかな?」
 「え?」
 「僕たち──ううん、わたしたち、このままだと、一生互いに入れ替わったまま過ごすことになるんだよ?」
 「! みつる…じゃなくて、みちる、思い出したの!?」
 「……うん」

 本当は自分も薄々違和感を感じていたこと。
 それでも、今の"本田充"としての立場を手放したくなかったので、目を逸らしていたこと。
 けれど、その立場を奪ってしまった"本物"の充への罪悪感はあったこと。
 いよいよ卒業の日が迫っていたたまれなくなったこと。
 泣きべそをかき「ごめんなさい」を繰り返しながら、"本物"のみちるが懺悔する。

 「この名札を、もう一度取り替えっこしたら、たぶん元に戻れるんじゃないかな?」
 それは、「みちる」も考えてはいた。
 この名札こそが、ふたりが立場を交換した象徴だったからだ。
 そして、卒業して中学に行けば、ふたりがこの名札を付ける機会もなくなってしまう。そうなったら、たとえこれを交換して胸に付けても、おそらく何も起こらないだろう。
 直感だが、おそらく間違っていないはずだ。
345『名札はキチンと付けましょう』-2years later-:2012/07/01(日) 22:56:40.71 ID:UWYtVOo5
 しかし、「みちる」は、ついと「充」から距離をとり、踊るような足取りで教壇へと上がる。
 「ねぇ、みつるくん。今のあたしのコト、どう思う?」
 ワザと女の子口調で悪戯っぽく問いかける。
 「え? ど、どうって、言われても」
 「うーん、じゃあハッキリ聞くけど、あたしのコト、好き?」
 「な!? そ、そりゃあ嫌いじゃないっていうか、その、一番大事で気になる女の子と言うかなんと言うか……」
 顔を真っ赤にした「充」は気持ちを明言しなかったが、その反応だけで十分だった。
 「それじゃあさ、あたし、可愛い?」
 3月下旬ということで春めいてきた気候に合わせ、今日の「みちる」はオフホワイトのロングTシャツ風ワンピースに、ピンクチェックのレギンスとライトカーキのフード付きパーカーと言う活発な印象でキメている。
 この2年で随分伸びた髪を頭頂部よりやや左でサイドポニーにまとめているのも、眉毛を整え、薄く色のついたリップで唇を彩っているのも非常によく似合っていた。
 「う、うん、可愛いと思うよ」
 無論、お世辞ではなく本心だ。
 彼らの学年では、「みちる」と仲が良い紗弥や、隣りのクラスの武内ちはや、田川ククルなどが美人の例に挙がることが多いが、個人的には目の前の「みちる」もひけはとらないと思う。
 「あは、ありがと♪ それじゃあ最後の質問ね。みつるくんは、今の生活が嫌かな?」
 「そんなコトは絶対ない、けど……」
 地元のサッカーチームのリベロとして活躍し、地区大会の決勝まで進出した。
 志藤や原口といったチームメイトとは、学校でも親しくつきあって、「男同士」楽しく馬鹿話やスケべな話なんかをしてる。
 勉強は少々苦手になったが、「みちる」が受験勉強を教えてくれたおかげで、地元の名門私立である星河丘学園に合格し、春から一緒に中等部への進学も決まっている。
 正直、否定的な要素はどこにもない。
 でも……これらは本来、"本物"の充が受け取るべき栄冠なのだ!

 「んー、それはちょっと違うんじゃないかな?」
 右手の人差し指を唇に当てて、ちょっと考え込む素振りをする「みちる」。
 「確かに、あの日、名札を交換したことで、あたし達は色々な立場や素質を引き継いだわ。でもね、だからって、その立場に甘えて何も努力しなかったら、みつるくんはレギュラーの座を守れた? 決勝まで行けた? 星河丘に合格できた?」
 「それは……」
 違うと思う。少なくともそう断言できる程度には、「充」だって悩み、努力してきたつもりだ。
 「だよね? 決勝戦はあたしも応援に行ったけど、あの試合で相手のシュートを何本も邪魔した功績も、最後の最後で敵をフリーにしちゃったミスも、それはすべてアナタが負うべき責任で、同時に誇るべき過去だと思うもの」
 学年でもTOP10に入る成績を誇るだけあって、「みちる」の言葉は小六と思えぬほど難しかったが、何とか「充」にも理解はできた。
 「そしてそれはあたしだって同じよ。「みちる」になって、勉強も、バレエのお稽古も……それにおシャレにだってがんばってきたつもり。
 全国模試で300番以内に入ったのも、小学生お料理大会で銀賞をもらったのも、『くるみ割り人形』の舞台でクララ役を演じたのも、大事な大事なあたし自身の思い出だもの」
 教壇の上で目をつぶり、胸の前で両手をギュッと握りしめる「みちる」の姿が、「充」にはとても眩しく感じられた。
 「だから──誤解しないで。あたし達は、「仕方なく今の立場のまま暮らす」んじゃないわ。自分で望んで、あたしは「木田みちる」の、アナタは「本田充」の人生を歩むの」
 キッパリと断言する「みちる」の姿からは、かつて憧れた充の片鱗が感じられた。
 しかし、今の「充」は自分だ。そして、自分ももう幼馴染に漠然と憧れだけの頼りない子供じゃない。
 「……うん、わかった。キミがそう言うなら、僕らの名札は、このままにしておこう」
 本田充としての言葉遣いに戻り、「少年」は大きく頷く。
346『名札はキチンと付けましょう』-2years later-:2012/07/01(日) 22:57:14.74 ID:UWYtVOo5
 そして、翌日の卒業式で、「少年」は本田充として、「少女」は木田みちるとしての卒業証書を受け取ったのだ。
 思い出のあの名札は、みんなと一緒に埋めるタイムカプセルに入れてきたから、少なくとも同様の手段で元に戻ることはできないだろう。

 「──さ、行きましょ。いつまでも立ち止まってたら、また遅刻寸前になっちゃうわ」
 「うん、そうだね」
 懐かしい思い出のスポットから、ふたりは歩き出し、桜庭小ではなく星河丘学園へと向かう。
 「ぐーてんもーげーん、なのですよ、おふたりさん」
 「あ、おはよう、サヤちゃん」
 「おはよ、門倉さん」
 校門近くで、同様に星河丘に入学した紗弥が合流するのも、小学生時代と変わらぬ流れだ。
 「そう言えば、今日から一年生も部活参加OKなんだっけ」
 校内のあちこちに貼られたクラブ勧誘のポスターを見て、そのことを思い出す。充はもちろんサッカー部に入るつもりだった。
 「ミッちゃんは、部活どうするの? 星河丘は基本、全員クラブ必修みたいだけど。門倉さんと同じバレー部? それとも、得意な家庭科部とか?」
 「バレー部ならば歓迎するのですよ〜」
 自分も新入生のクセに先輩風を吹かせる紗弥。
 「アハハ、ありがと。でも、もう入る部活は決めてるんだ。あたしね、バレエの経験が活かせる新体操部に入ろうと思うの」
 確かに、「身体を綺麗に動かして演技する」、「リズム感と柔軟性が必要」といった項目は、共通していると言えなくもない。実際の新体操選手にも、バレエ出身者は少なくないのだ。
 「でも、ウチの学園の新体操部って、レベル高いですよ? 高等部は全国大会の団体戦に何回も出場してるみたいですし」
 「上等よ! せっかく新しいこと始めるんだから、それくらいの方が挑戦しがいがあるわ。それに、聞いた話だと、時々OGの早川美幸が練習覗きに来てくれるんだって」
 みちるはオリンピックレベルで著名な新体操の選手の名前を挙げる。
 「早川美幸って……あの"遅咲きの桜姫"!? 僕だって聞いたことある有名人だよ。あの人、ウチの卒業生だったんだ」
 「そ。みつる君だって、日本代表の栗原や長友がサッカー部のOBだって知ったらテンション上がるでしょ?」
 「そりゃね。まぁ、ウチのサッカー部はそこまで傑出してないみたいだけど、その分、レギュラーになれる可能性も高そうだし、がんばるよ」
 そんなコトを話しながら、今日も彼女達の中学生ライフが始まるのだった。

-今度こそ本当におしまい-

#以上、やや説明過剰気味な後日談でした。最後の人名はお遊びのカメオ出演(初代スレの『要12歳』とか覚えてる人いるかな)。無論、努力家のみちるちゃんもがんばって、新体操部でメキメキ頭角を現し、のちに二代目"桜姫"の名前を襲名することになるのはお約束。
347名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 01:14:16.21 ID:kgioXWb9
GJ!
大好きなお話でした!
348名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 07:13:39.72 ID:o3GEVEFL
乙でした!
やっぱり入れ替わったまま終わるのが良いですね
349名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 13:31:24.33 ID:pT2POVc8
ドラえもんの該当話探してるんだけど
あべこべの星、苦労スイッチ、入れかえロープ(初期)、タチバガンぐらいか?
350名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 18:48:54.15 ID:2/Hz264y
クロス・スイッチというズバリなものがある
というか今ざっとぐぐった限り、これの翻案が苦労スイッチっぽい?
351名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 20:28:11.19 ID:Etck6k/Y
>>346

面白かったがもっとフェチ描写があると最高だった
6年生なら生理になるところとか
352名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 20:45:42.56 ID:pT2POVc8
>>350
多分そうかな
苦労スイッチの方ではジャイアンの立場になった静香ちゃんがあぐらかいたりしてて楽しめた
353名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 22:21:21.52 ID:+09UKqgr
オトコンナも微妙に該当
354名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 22:52:19.45 ID:wkvrc1s1
凄く古い漫画なんだけどまじかるタルるートくんっ言う漫画で
立場を入れ替える魔法アイテムがなかった?
確かスパルタな女先生と本丸が立場交換して本丸が好き勝手する話があった気が
355名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 22:54:50.70 ID:pT2POVc8
19巻のいれかえる棒かな?
356名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 23:02:42.58 ID:wkvrc1s1
>>355
19巻だね
詳細ありがとう
古本屋とか探してみる
357名無しさん@ピンキー:2012/07/02(月) 23:22:55.63 ID:/BDhjJIW
>>343
超GJでした!
期待を裏切らないハッピーエンドに大満足です。
あまくて美味しいお話しをありがとうございます。
みちるは新体操に打ち込む少女になるみたいですが、
充の方はどんな男子になるんでしょうね。
358名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 23:17:19.24 ID:9OBOJ2+c
大長編ドラは原作のどっかに旅行に行く系の話がよく元になったりするので是非あべこべの星で一本映画作って欲しい所
359名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 23:27:46.32 ID:lUFIh7hx
電車の中でだけ男女の立場が入れ替わる痴漢電車とかあったら面白いな
痴漢が出来ると乗り込んだ男が逆に女に痴漢され抵抗出来ない状態に
されるがままに痴漢される女性の気持ちを味わう事になる
360名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 23:43:12.41 ID:9OBOJ2+c
+乗り込んだ瞬間ランダムに立場が変化とか
男性会社員が女子小学生の立場になることもある
361名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 23:53:08.15 ID:pCmSBStn
ギャルの聖地のショップがオヤジ憩い場の歓楽街と立場が入れ替わる
オヤジは派手に着飾りファッションを求めショップに集い
ギャルは仕事帰りのスーツ姿で酒を酌みかい、スナックでママと語らい楽しむ
362名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 23:57:43.34 ID:KOBmmr0O
ギャルとオヤジもいいけど
主婦と男子学生とかのも面白いと思う
363名無しさん@ピンキー:2012/07/04(水) 21:16:11.69 ID:L0jx6Gji
月に3日ほど誰かと立場が入れ替わってしまう体質の主人公の話しとか良くない?
364名無しさん@ピンキー:2012/07/04(水) 22:18:46.11 ID:H3r7vKwn
生理になるとそれを相手に押し付けるように立場交換になる訳か
相手は特定の人物で男がいいな
兄か弟とか幼なじみとか
父親って言うのもいいね
身近なところで立場交換になってお互い四苦八苦する話が面白そう
365名無しさん@ピンキー:2012/07/04(水) 23:14:14.77 ID:M3vZo8/P
みんな妄想力が高いな
妄想が妄想を取りこんで自分のものにして行く力に感服する
366名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 01:38:37.50 ID:vddh4MhL
そうする事でこのスレは伸びて内容も増えて行くんだよ
あくまでインスピレーションを受けての個人の妄想
後からの書き込みがその妄想の公式みたいな事じゃなくてネタの雑談みたいなもの
367名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 02:59:08.60 ID:I/BGba3h
母親と息子の立場が入れ替わって息子として成長していく母親を母親として見守る息子
368名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 12:20:07.80 ID:ns+iAWsA
そこは娘の彼氏が気になって父親が立場を交換してデートに行くと
そこには息子の彼女が気になって立場を交換した相手の母親がいた
ってパターンはどう?
369名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 22:26:24.73 ID:tfEUhUkH
なんとなくバカテスで立場交換になったら面白いとか妄想した
370名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 23:19:04.78 ID:43SzFr4R
声優とアニメキャラの立場が交換
声優はアニメキャラの声にあわせて演技する
371名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 23:29:32.42 ID:QsYU0tIy
クラスの人と出席番号順に立場交換していくとか面白そう


立場交換ではなく入れ替わりなら某リレー小説であったが
入れ替わりの対象が男子から女子になる直前の引きまではすごく良かったのに
作者が変わった途端クソみたいな展開になったのは今でも思い出すと不快になる
372名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 07:25:34.01 ID:OdUuc98o
↑のがっかりTSは俺もうっすらと記憶があるわw

まあスレ違いになるからそれは置いておくが、この設定はかなりそそられるよな
性格の暗いぼっちの主人公が、その姿のままでイケメンリア充や不良だとか
色んなタイプの女子になってそれぞれの立場での生活を強要されたりするのは個人的にツボ
373名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 12:30:04.35 ID:aSqgdBDY
がっかりは仕方がない
人にばかり期待せず自分でも書かないとな
そしてケチをつけられ自分の事を棚に上げてイラつくと

ただの愚痴だよ
スルーしてくれ
374名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 12:46:22.70 ID:kTKAvNFH
>>371
そいつは今でも見れる?
よければ教えていただきたい
375名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 20:21:40.19 ID:dfDSInT3
肉便器な女子と暴力で人を従わせている男子との立場交換や
クラス中からイジメられている男子とイジメの首謀者の高慢ちきな女子との立場交換
たまにこんなハードな立場交換も見たい
376名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 23:22:53.61 ID:1bpgndoM
男体化の属性もある俺としては女の子を無理矢理男の立場にして恥ずかしいことをやらせたい
377名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 23:23:58.66 ID:WWi1Oukp
そう言うのだとファンタジーRPGみたいな世界で
栄光ある勇者と落ちこぼれの低級サキュバスとの立場交換みたいなのが良いな
勇者が一転して魔物たちの慰みものの立場にみたいな
378名無しさん@ピンキー:2012/07/06(金) 23:33:58.61 ID:1bpgndoM
なら気高い姫と下品な魔物とかもいいかもしれん
379名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 00:40:30.48 ID:lihuW+FC
>>376
入れ替わりと違って着替えとかで相当羞恥心を煽られるのが
立場交換の魅力だと思う
380名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 16:53:31.16 ID:CqrkYNxj
今夜は七夕なので恒例の

『世界中の男女の立場が入れ替わった世界になりますように』
381名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 17:13:42.69 ID:TJJ5TqhN
>>379
分かるぞ

男女の立場が入れ替わった世界になりますように
382名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 19:38:02.72 ID:YpgrJCtc
>>377
 自分も昔、同様の妄想は抱いたことがあります。

 人類最後の希望である少年勇者モーガンと仲間達は、苦難の末、魔王軍をじりじりと押し返しつつ、その四天王を次々に破り、四天王最後のひとりにして紅一点であるフェイを倒しにその城に辿りついた。
 しかし、城の各部に仕掛けられたトラップで4人の仲間達は分断され、モーガンはフェイと一対一で戦うことを余儀なくされる。
 一進一退の攻防が続く中、一瞬の隙を突いてフェイの「能力」がモーガンにヒット! サキュバスである彼女の魅了(チャーム)→吸精(エナジードレイン)のコンボを受けたモーガンは弱体化し、ついに敗北。
 意識を喪った彼をフェイは秘密の隠し部屋に連れ込み、太古の秘儀で自分と彼の立場を交換する。魔族でも下等と蔑れるサキュバスの立場に嫌気がさしていた彼女は、自分が「光の精霊の守護を受けた少年勇者」になり変わり、陽の当たる場所へと立とうと言うのだ。
 目を覚ましたモーガンは(身体自体は元の少年のままなのに)、サキュバスらしいボンテージ姿で隠し部屋の鎖に繋がれていることに気付く。
 滑稽な彼の姿を嘲笑いつつ、勇者の装備を着たフェイは自らの企みを語り、憤慨するモーガンに彼が愛用していた聖剣の刃を押し付ける。モーガンは、なぜか愛剣の光に恐怖を感じ、剣が軽く肌に当てられただけで火傷のような激痛が走る。
 「これでわかったでしょう? もう貴方は光の勇者じゃないの。闇の中を這いずる「淫魔の女」に過ぎないのよ!」
 高らかに哄笑した後、「貴方は殺さない。その男の身体のまま女淫魔(サキュバス)としてこの魔界の底辺で生きていくといいわ」と言い残して、フェイは「勇者」として隠し部屋を去る。
 その後、「勇者」フェイは、巧みに他の「勇者の仲間」と合流。魔族の内情をよく知る(元幹部なので当然だが)「彼」は、ついに魔王を倒し、人間界を救った英雄として華々しく凱旋する。
 1年後。もともと頭脳派でもあったフェイは、立場を利用して巧みに国王に取り入り、王女の婚約者にして次代の王候補としての地位を確立。我が世の春を謳歌している。
(もともと肉体的にはサキュバスなので、ふたなりち●こ生やしてピーすることも得意。勇者の仲間はソレで虜にし、姫もすでにその毒牙にかけられている)
 いよいよ明日は婚礼の儀式──という満月の晩に、自室のバルコニーから空を見上げて感慨にフケっていたフェイの前に、黒い翼を翻した魔族の女が降り立つ。
 「何奴? ……! まさか貴様は!?」
 そう、それは1年前とは見違えるほど妖艶に、そして禍々しい力に満ち溢れた姿になった──けれど、確かにかつての少年勇者の面影を色濃く残したモーガンだった。
 ……てな感じの闇に堕ちた(落とされた)元勇者の復讐話にしようかなーと。
 もちろん、魔界で「淫魔」の立場になった彼はエロエロで悲惨なメに遭います。
383名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 20:03:42.75 ID:/RPTchOF
>>382

お話として読みたいです!
384名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 20:36:51.48 ID:IqNxIOwx
個人的な趣味で申し訳ないがショタに官能的なエロいボンデージ着せるっていいな
反対にロりが皮パンビキニパンツに上半身革ベルトだけとか毛皮の袖なしだけの蛮族スタイルっていうのもいい
それで恥ずかしがるがどうにもならない

385名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 20:38:15.84 ID:IqNxIOwx
あと七夕なので
『世界中の男女の立場が入れ替わった世界になりますように』
386名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 21:17:32.05 ID:b2O7eASm
『世界中の男女の立場が今以上に極端に逆転しますように』
387名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 22:50:34.08 ID:ah3p4MfE
俺はみんなの願いとは少し違って
世界中の人々が女子小学生の立場になります様に
これでお願いしたい
388名無しさん@ピンキー:2012/07/07(土) 23:17:29.88 ID:hFHfmztn
俺的には女性はみんなエロガキの立場になった方がたのしいな
だから「世界中の男は女の子の立場に、世界中の女はエロガキな男の子の立場になりますように」
と願わせてもらう
389名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:51:34.75 ID:b6b1a+OZ
せっかく七夕で願ったのだから小ネタを
390名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:52:16.71 ID:b6b1a+OZ
『立場交換スレ住人が望んだ七夕の願いは』

今日は日曜日。
何時もなら惰眠を貪り、怠惰に過ごしてもなんの問題もない休暇のはず。
だがこの日ばかりはそうは行かなかった。

それは七夕の次の日であった事だ。
別にそのこと自体は特に大きな影響がある訳ではない。
問題はその七夕で妙な願いが天に通じてしまい顕現してしまったのだ。

『世界中の男女の立場が入れ替わった世界になりますように』
『世界中の男女の立場が今以上に極端に逆転しますように』 
『世界中の人々が女子小学生の立場になります様に』
『世界中の男は女の子の立場に、世界中の女はエロガキな男の子の立場になりますように』

これらの願いがそのままではないが、折衷されて叶えられてしまったのだ。
そんな馬鹿な事とと思いつつも世界はその願いのままに行動する事を余儀なくされた。
有り得ないと思いつつも、みな抗う事が出来ずにその様になろうと行動してしまっていたのだ。
それは不条理極まりないが、確固たる不文律として人の行動の根源に刷り込まれてしまっていた。
391名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:53:34.88 ID:b6b1a+OZ
だから外を見ればおっさんが女児服を着て歩いていたり、おっさんの様な格好をした女性が我が物顔で
堂々と道の真ん中を歩いている。
見た目は威厳のありそうな壮年の男性が主婦の姿で家事をし、リビングで新聞を広げる男物の和服を着た
小さな女の子に媚びへつらう様子もある。

公園では女子小学生の集団が居たが、その中身はおばさんだったり中学生位の男子とか
プロポーションのいい美女や仕事一筋の堅物そうな男性、女の子には見えない活発そうな男児に気弱そうな青年
そんな様々な人物が女児服を着て女子小学生をしていた。

とても異様な光景である。

そして総じてこの世界で価値観に違いがあるのは、男性の立場になった者の尊厳が大きく優遇され
逆に女性の立場になった者の尊厳は小さく扱われると言う事である。
言う所の男尊女卑の価値観だ。

ただその中身は本来の性別ではない事の方が圧倒的に多く、女装している男性が
男装をしている女性に従っていると言う光景が日常的光景とされる。
女尊男卑と言った方がしっくりくる価値観だ。
392名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:54:41.90 ID:b6b1a+OZ

節電対策で日曜営業をしている会社では元々はそれなりのポストだったであろう男性がOLの制服に身を包み
せわしなくお茶くみや雑用で働いている姿があり、クールビズな男性ファッションをした女性にお尻を撫でられたりとセクハラを受け
愛想笑いを浮かべると言った仕事風景が見られ、
スーパーではやり手のサラリーマン達が女性店員の制服にエプロンをつけパートに精を出し、病院ではナース服を着た男性が
スラックスにワイシャツの上に白衣をまとった女性の指示に意見をする事もせず従い忙しく動く。
これが当たり前になってしまっている。

歓楽街ではメイクやヘアスタイルをきめてドレスで着飾った男性が女性を喜ばせる為に色々なサービスを提供していて、
そこでは当然風俗もあり男女の役割は逆転していた。
しかも女尊男卑がある為にそこで働く男性は女性からの扱いは通常よりも更に度を増して軽視されて見られ、
好き放題される事も多い。
近年その状況を改善して行こうと言う試みがあると、たまたま目に入ったローカルな新聞の小さなコラムで先ほど知る事が出来た。
393名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:55:44.39 ID:b6b1a+OZ

なんともおかしな世界になってしまった事だ。
自分とて例外ではない。
おかしいと思いつつも今自分は隣のマンションに住む幼稚園の女の子の立場になってしまっていた。
朝も早くからアパートのチャイムが鳴らされ、何かと思い開ければ姿だけは知っている近所の幼稚園女児の姿。
お兄さんと立場が交換になったと言われ、最初はなんの事かと思ったが直ぐにそれは決まっている事だと気がついた。
七夕の願いで世界がそうなったと。

やってきた幼稚園女児と着ているものを交換すると自分は女児の住んでいるマンションへ戻った。
サイズが全然違う筈の服は何故かそのまま着る事が出来たが、この不条理な世界ではそう言うものかもしれない。
幼稚園女児はそのままアパートで男性として暮らすのだろう。

自分はこのまま幼稚園女児となった。
立場交換したあとの家族も普通ではなかった、自分より年下の女子高生位の女の子が父親で小学生高学年位の男の子が
母親らしい。
後は小学生4年生の兄が居るのだが、その兄は清楚なお嬢様の様な外見な女の子だった。
だがそう言う立場設定なのかとても下品でスケベな行動をしなければならない様でギャップの激しさは人一倍ある。
394名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 21:56:47.05 ID:b6b1a+OZ

先ほど母親な男子小学生に連れられ買い物に出かけた時、同じ幼稚園に通う男子園児の立場になった女性にあったが
いきなりスカートめくりをされた。
しかもカンチョーと指で尻をつかれ、最後にもう一度スカートめくりをされてしまった。
こんな事をされても、この世界では男が怒られる事はない。
幼稚園児でも男は男だからだ。
男の立場で居る事のアドバンテージはとても大きい様だ。

明日から幼稚園に通う訳だが、こんな事が毎日くり返されるのだろうか。
自分のものになったぬいぐるみを抱きしめながら考えてみたがどうにもならなそうだ。
せめてパンツは可愛いのを穿いて行こう。


                                             ――完――




395名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 22:00:42.78 ID:0jA0FKmF
ヒャッハー!乙!
396名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 23:02:45.95 ID:+llXm3K3
このスレの勢いで家庭教師とロリの立場交換の続きが来てくれないだろうか
立場が入れ替わって家庭教師の立場になったロリにロリの立場になった家庭教師がロリとしてあつかわれるのが見たい
当人同士の立場交換で二人が絡む話が好きだから
397【】の人:2012/07/08(日) 23:24:38.30 ID:wKsg4KaE
>>396
さいきんちょっと忙しくて、全然書きすすめられませんでした
近いうちになんとか
398名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 23:29:14.90 ID:+llXm3K3
>>397
ありがとうございます
ワクテカしながら待ってます
399名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 23:48:19.02 ID:F11lbCP5
男性の立場になった女性が恥ずかしながらも段々と男の立場に染まっていく話しもいいな
逆に男はノリノリで女性の立場を楽しみ馴染む方向で
400名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 04:19:41.39 ID:Y6Y1sfF9
>>390
まさにお祭り状態!乙です
もしかしたら前スレで最後の方に学校での立場交換を書いた人?
あれも良かったです
また書いて下さい
401名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 06:47:39.67 ID:ntOxhlRE
いいねぇ… 本当にいいねぇ
402名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 08:23:25.53 ID:HVBGOtI3
乙!
403名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 22:32:13.31 ID:BgkFHyMj
ギャルゲーよりのエロゲーでみんなからモテモテの主人公だけど
実は攻略キャラはみんな主人公の立場を狙って自分と立場交換しようと近付いて来ている
立場交換された後もゲームは続き攻略されてしまう逆転恋愛アドベンチャーゲーム
404名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 23:15:35.30 ID:JmFFgBDf
褒められると悪い気はしない
あんなのでいいなら気が向いたらまた書きたい
405名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 23:42:59.79 ID:6UoVz1/f
正直性癖が近いと思われるので期待してます
406名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 23:30:14.24 ID:8rx2zAwX
それは服装倒錯の性癖?
女装男装や外見に合わない服装とか俺好きなんだよな
勿論立場交換によるあべこべなのも好きだけど
407名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 23:37:26.78 ID:Kq/iZn9g
んー何というかSSから感じられる方向性みたいな感じですかね
あんまり具体的なものではないでござる
408名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 23:39:33.15 ID:qHnr8d1S
>>406
その服装倒錯ってのわかる
女子が競泳パンツやまわし姿で上半身裸のかっこうを恥ずかしがりながらしてるのとか良い
あと美人や美少女がオヤジみたく下品で粗暴な行動をするとかな
場末の居酒屋でよっばらってどんちゃん騒ぎな美人集団みたいな
409名無しさん@ピンキー:2012/07/10(火) 23:49:29.34 ID:KzfTh4Ey
細かい所を気にしていないが、要望みたいなのを拾って適当に書いているだけなんだが
細かい描写ならここでストーリー書いている書き手が一番だろう
俺は気が向いたらちょこっと書いてるだけ
410名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 02:11:20.99 ID:4sop0W/d
最初406が作者かとおもった
匿名掲示板はたまにややこしい

それにしてもここの住人は某強制女性化スレとは別なんだな
てっきり同じかとおもってた
あっち凄い炎上しててな
411名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 02:15:41.30 ID:vKznjG2O
見てきた
何だこれは…たまげたなぁ
412名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 22:44:43.13 ID:/SYVa8fq
余所は余所
何だかんだでこのスレは地味に伸びるし作品もある
荒れる事もあっても良いスレだと思う

各自好きな妄想で楽しもうよ
最近俺は出会い系で立場逆転になる様な立場交換を妄想する
413名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 23:32:59.38 ID:DPL5yAhp
立場交換でも逆転ものが好きだな
414名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 01:10:39.71 ID:YifdXpXo
「男女立場交換実習」が義務化された世界、
学校で男女ペアを作って一週間ほど立場を交換する。
制服交換はもちろん、生理・運動能力も交換する。
415名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 03:58:03.88 ID:e9mfYNl8
席替えではなく立場替え。くじで今学期の立場を決める。
「不良男子」から「生徒会長の女子」へ。
真面目に生活しなければならない元不良は、不良を必死に演じる元生徒会長と恋に・・・

自分じゃない自分を演じなければならない感じが好きです。
416名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 22:54:38.57 ID:yFR5kBzs
家族交換ならぬ家庭交換
家庭環境が違う2つの家族が入れ替わる事になり立場も入れ替わる
住む家も持ち物も全て入れ替えで、父親の仕事も母親も同様
子供も同じ立場交換だけど、子供に関しては年齢が大きく違って居たり
男女の違いがあっても立場交換

女子高生が幼稚園児とか男子中学生が女子大生でおしゃれに四苦八苦とか面白くない?
417名無しさん@ピンキー:2012/07/12(木) 23:24:32.62 ID:BJ1OGWWn
小さい子供が無邪気に立場交換
園長先生と取り替えっこして偉くなって大はしゃぎ
園児になった園長は困ってさあ大変
418名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 23:22:44.92 ID:MyfFKfWp
相撲取りと女子高生の立場が入れ替わったら相撲中継の視聴率も上がるかも
代わりに雑誌の読者モデルとかで相撲取り載っている事にねるけど
土俵で恥ずかしながら裸でぶつかり合う女子高生が国技の国
419名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 23:33:00.14 ID:Yk1rt4ia
アメフトでチアガールと選手の立場が交換
防具の重さであまり動けないし、パワーも出ないから試合がつまらなそう
420名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 23:35:17.01 ID:t6LDqO1N
熟女と青年の立場が入れ替わり
熟女が「オバサンいいケツしてんねぇ」みたいな感じで青年の尻を揉みしだく
421名無しさん@ピンキー:2012/07/13(金) 23:56:57.32 ID:fGucPp+6
男女の立場交換で満員電車でに女が後ろに立つだけで嫌がる男性
何かあるとすぐチカンあつかいして冤罪でも駅の事務所に連れていかれる
普段でも男女平等と言い女性が有利になる事には文句をつける
だが男性が優遇されるサービスは喜んで受け入れ利用する
422名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 23:56:41.39 ID:JegiijyF
男を敵視する様な女性団体と男が立場交換になったら凄いな
過激な動物保護団体と動物が立場交換になったらもっと大変だな
423名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 22:25:47.78 ID:hQuKegXv
海水浴で大人と子供の立場が入れ替わる
父親が女児水着で無邪気に遊び母親は海水パンツでトップレス
浜辺でバーベキューの用意をして父親らしさを見せる女児に日焼けしない様にUVカットなファッションのワンピース水着な男児
車の運転も子供がやって家に付いたらお疲れ様の一杯
良く遊んで日焼けした大人たちは水着の跡がくっきりお風呂で染みる
424名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 02:55:16.22 ID:p4j1noCs
家族で立場交換は児童書とかで本当にありそうだよね
お互いの立場になってそれぞれ大変さを理解し合うみたいな内容で
お母さんと男の子がお話しになりやすそう
425名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 08:24:50.92 ID:EWQ3LVyX
ttp://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=mh0kokQbHqk
> 大島から高利で100万円を借りるなら何を担保にする?という質問に?、
> 「命名権。返せなかった場合、僕も『大島優子』として働く。AKBのコンサートにも出ます」と話し、
> 会場を沸かせた。 

このはっそうはなかったわー
応用効くか?

>>424 探せば本当にありそうな。
426名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 22:00:49.71 ID:1wra4Xe9
借金の形に望まない立場交換をされる略奪系の立場交換とか
TSとかODで借金の形に身体のパーツを奪われるとかあるけど
名前を取られると立場も一緒に取られてしまう的な話しが思い付いた
427名無しさん@ピンキー:2012/07/16(月) 23:59:01.68 ID:STg53RoA
おそ松くんに該当があった
428名無しさん@ピンキー:2012/07/17(火) 14:25:44.59 ID:jeIMrCY/
>>427
おつむの中身が入れ替わるって言うのなら知ってるけど立場交換のは知らない
よかったら詳細希望
429名無しさん@ピンキー:2012/07/17(火) 16:46:29.97 ID:+60pu0xk
その話の入れ替わり方がまんま該当なのよ
430名無しさん@ピンキー:2012/07/17(火) 19:57:50.42 ID:jeIMrCY/
>>429
あれ一応精神入れ替わりなんだけどな
でも身体が入れ替わっても服装と行動も心の方のままだし
身体が入れ替わっている事について当人達は何も思っていない状態だからな
あの町中の人が入れ替わっているカオスな光景は確かにこのスレの立場交換と同じ感じかも
431名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 22:21:27.65 ID:kOQCgSeH
再教育が必要なので小学生からやり直しと言うネタたは良くあるが
逆に小学生に社会の大変さを教える為に職業体験ならぬ立場体験をする
ただし入れ替えでなるので小学生が大人の立場になると大人はその小学生の立場になる
432名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 22:28:57.65 ID:90Ra2CnJ
立場の交換じゃなくて、変化でもいいなら……

教育実習生が、性教育実習生になるとかどうだろう?
433名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 23:25:04.56 ID:5ocdkVQO
おそ松くんの兄弟間で立場交換してる姿が頭に浮かんだw
434名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 05:20:57.52 ID:/z7z4QWg
ほとんどかわんねーw
435名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 15:16:22.54 ID:T+6SSKxW
>>432
それ、ただのエロ小説じゃね?
もしくは、それなんてエロゲ?
436名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 22:18:36.22 ID:FeW6l10N
>>435

言われてみれば……じゃあ保健体育の教育実習生とソープ嬢が逆転と直そうかな?

て、変わらないか。
437名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 23:17:12.33 ID:VTk0tPWw
AVとお笑いの立場が入れ替わり、芸人のコントを見て男子は興奮し
エロ映像を見て大笑いする
438名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 23:57:40.85 ID:xLlCL1Op
>>374
亀で申し訳ないが、あれから探したけど見つからなかった
結構有名なサイト?の投稿小説だったと思うんだが・・・

あの話の前半だけまた読み返して後半の妄想を膨らましたいのに
そういう時って見つからないんだよな
439名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 07:09:02.95 ID:fBA7li3s
>>436
重箱の隅をつつくようで申し訳ないが、それって肉体入れ替わりでも良くね
教育実習生が今と全く別の環境に陥って戸惑う話なんでしょ?

「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統って
年齢とか性別とかのギャップがないとなかなか旨みが見いだせないよな
440名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 13:15:29.27 ID:bBnKMQLL
つまり幼女と立場交換したいと申すか
441名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 14:24:17.92 ID:D1qh/ngC
スレタイは『交換』『変化』ってあるけどスレは大体『交換』だな

ここでひとつ、男が街で可愛いなと思った女性を攫って家具とかにしちゃう。
意識はあるのに声は出無いし身体が動かない。しかも身体は硬くなっている。
便座になった女は毎日口に糞尿を出されたり、ボーリングの球になった女はマンコに指をつっこまれて投げられる。とか
442名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 20:58:31.38 ID:jRkIekmm
>>441
それはこのスレでは新しいな
性質が変化しないで人のまま物になると言うのは良いね
変化させた本人以外分からない状態で、他の人間が座るとこの椅子なんか軟くて生温かいとか感じたり
このボーリングの球変な形してて転がりにくいと言われたりしてボーリング場の店員が処分するかどうか
考えた末、あえて転がりにくい球としてチャレンジ用に置いておくとか
いろいろ妄想が広がる
443名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 21:27:07.32 ID:UHMijpj0
ピンは男性で、球は女性とかだったら
球が可愛かったら優しく受け止めた上で倒れてくれるが、
おばさんとかだったら避ける(しかも倒れない)みたいな感じか

いかん、変な方向にしか妄想が働かない
444名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 21:57:19.07 ID:ZcXtEa+5
そのままだがオナホやバイブに立場変化させるのは?
普通過ぎか

男性を服として着る女とか女性をバイクにして乗る男とかそんなのは思い付いた
445名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 22:00:41.91 ID:Wr9Db/v8
人を物にするスレってあったような
446名無しさん@ピンキー:2012/07/20(金) 23:44:34.85 ID:l2FzVW8e
立場だけの交換、変化なんだからこのスレでは物にされても人間の意思はあるんじゃない?
人間なんだけど椅子なんだと思っていて椅子になりきるみたいな感じで
回りも人間なんだけど椅子として扱うみたいな
肉体変化はなくて、あくまで立場が椅子になると
447名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 00:03:57.99 ID:UHMijpj0
椅子が動いた!
448名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 08:33:02.68 ID:A4W/2I7L
人から物への変化と聞いて人間の尻の穴に花を挿して
人間花瓶をやってのけたAVを真っ先に思い出した
449『思いやり学習』1:2012/07/21(土) 22:15:14.83 ID:zwzcd7p8
以前過去スレで挙げられていた「情操教育を目的とした『思いやり学習』で男女が入れ替わる」というネタが非常に滾ったので、勝手ながら書かせていただきました。


『思いやり学習』1

「よーし、それじゃ出席取るぞー……っと、その前に」
教室に入ってきた担任の三浦先生は、開きかけた出席簿を閉じた。代わりに、小さな銀色の箱を教壇の上に出して話し始めた。
「みんなも知っての通り、今日は初めての『思いやり学習』の日だ」 
思いやり学習。その言葉を聞いて教室中がざわめいた。
ここ最近、他人を思いやる力を育てるをモットーに、文部科学省が推進しているカリキュラムだ。
去年から一部の中学校で始まっていたけど、うちの学校でやるのは今日が初めてだ。
みんな、誰とペアになるかでキャーキャー騒いでいる。先生は慌てたように付け加えた。

「待て待て、ペアはくじ引きで決める。これから男女別に分かれて、この箱から引いてもらうからなー」
えー!という声が教室中から上がる中「ちょっと先生!」と勢い良く手を挙げる女の子がいた。
学級委員長の立花さんだ。いつ見てもおさげの編みこみがすごい。わたしには真似できないや。
「男子とペアなんて絶対イヤです!わたしの体、どんなことされるかわかんないじゃないですか」
そーよそーよ、という声が女子から上がる。三浦先生は苦笑いしながら口を開いた。
「んー、どうもみんなの中で、思いやり学習に誤解があるみたいだな。
 立花の考えてるのとはちょっと違うぞ。誰か、わかる奴いるかー」
はい、とわたしは手を上げた。

「じゃ、斉藤」
「あ、はい。……思いやり学習とは『お互いの立場を身を持って体験することによって、
 円滑なコミュニケーションと相互理解を促すこと』を目的にした授業です。
 思いやり学習で交換されるのは、二人の『社会的な立場』『身体能力と生理現象』『記憶の一部』のみで、外見は全く変化がありません」
「おー、斉藤は先生より説明がうまいな。よし。あんまり時間もないし、さっそくくじ引き始めるぞ」

それからわたしたちは、先生が持ってきた銀色の箱からくじを順番に引いていった。
箱はまるで電車の券売機のように、色違いの番号が入ったくじを次々に出していく。
男子は青い番号。女子は赤い番号。同じ番号同士を引いた男女がペアだ。
「やった、鈴城さんとじゃん!おれツイてる〜!!」「お前ずりーぞ!おれのと替えてくれ!」「やだね、おれが鈴城さんと替わるんだよ」
「んー、なんかドキドキする…」「わたしもー」

わたしの番が来た……23番。
「おっ、先生とだな」
三浦先生がにっこりと笑った。
わたしは変な男子と当たらなかったことにホッとしながら、誰と交換になったか友だちとおしゃべりをはじめた。
そんなとき、ちょっとした騒ぎが起こった。

「ちょっとなんでよ!なんであたしがこんなスケベと!」
委員長が金切り声を上げる横で、助川くんがにやにやしている。どうやら二人はペア同士になったらしい。
よりにもよってスカートめくり常習犯の助川くんと、真面目な委員長がペアになるなんて。いったいどうなっちゃうんだろう。
「先生、すぐに交換してください!」
「ん?ああ、全員引き終わったなー」
三浦先生は委員長の言葉を違う意味で取ったらしく、説明書を見ながら、箱に付いているボタンを操作し始めた。
450『思いやり学習』2:2012/07/21(土) 22:18:27.51 ID:zwzcd7p8
カチッ

「ん?」「えっ?」

一瞬頭がくらっとした。おそるおそる眼を開くと、あたりの様子がまるで違っていた。男子は女子の、女子は男子の制服を着ている。

「えっ、お、おれが、女子の格好してる……あっ!」「わっ、すごーい。学ランなんて初めて…だっけ??」
セーラー服を着た坊主頭の野球部員が、自分のことをおれと言った後で、しまったというような顔をした。
まるで、女の子にふさわしくない言葉遣いをしてしまったかのように。
日に焼けた顔を恥ずかしそうに真っ赤に染めて、スカートから覗いているすね毛の生えた足をきゅっと内股にしている。
こちらでは学ランをを着たポニーテールの女の子が、しきりに首を傾げている。
今まで着慣れた服なのに、どうして初めて着た気がしたのだろう、といった風に。学ランの胸は、男子にはない膨らみがあった。

驚くみんなに気を取られていたわたしも、ようやく自分の格好を見た。
汗をよく吸う白いポロシャツに、動きやすいベージュのチノパン。さっきまで三浦先生が着ていた服を、そのまま着ている。
どう考えても大人の男性サイズの服が合うわけがないのだけど、ちゃんとわたしの身体に合う大きさに縮んでいるようだった。
汗っかきの三浦先生の体質まで交換されたのか、わたしの体からは汗臭い男の人の臭いがぷんぷんしていた。

「へへ、いつものお返しだっ!」「いやあ!!このエッチ!変態!スケベ!!」
あっちでは、「委員長」と「助川くん」が大声で騒いでいた。
「委員長」なんだけど実際の見た目はセーラー服を着た助川くんが、涙目のにきび面で怒鳴っている。
「助川くん」なんだけど見た目はおさげ頭の委員長は学ラン姿で、にやにやといやらしい笑みを浮かべていた。
どうやら「助川くん」が「委員長」のスカートをめくったらしい。
なんだか変な感じがするけれど、いつもどおりのような気もする。
わたしがこれからどうしようかと迷っていると、教壇の上にあった「まずは出席をとること」と書かれたメモが眼に入った。

「ほれほれ、席につけ—。出席をとるぞー」
わたしは騒いでいるみんなをどうにか席につかせると、いつも三浦先生がしているように出席を取り始めた。
男子の名前を呼ぶと女子が、女子の名前を呼ぶと男子がそれぞれ返事を返してくる。
「じゃあ、斉藤」「はい」
わたしの出席を取ると、セーラー服を着た三浦先生が元気よく返事をした。
大人の男の人の低い声なのに、三浦先生は女の子っぽく高めの声色を使って返事している。
バリっとした短髪にわたしがさっきまでつけていたヘアピンをしていて、スカートの裾から見える足は、クラスのどの「女子」よりも毛深かった。
全員の出席を取り終えると、わたしはクラスに向けて話を始めた。

「どうだー、他人になってみた感じは。先生もさっきまで斉藤だったんだけどな、なんだかこっちのほうがしっくりくるよ」
わたしが冗談交じりにそう言うと、みんなも思わず笑った。
手元にある「思いやり学習:先生の一日」というメモを見ながら、わたしは話を続けた。
どうやら三浦先生が、自分と立場を交換した生徒のために、前もって作ってくれていたらしい。

「さて、みんなには今日一日、ペアになった人の立場で生活してもらう。
 といっても普通に授業を受けて、ペアになった人の部活に出るだけで構わない。
 そのまま家に帰って貰って、明日の朝、またホームルームの時間を使って元に戻る。
 その後でアンケートも書いてもらうからなー、他人の立場をしっかり体験してくるんだぞー」
 
わたしはそうまとめると、教室を出て職員室へと向かった。
451名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 22:24:25.15 ID:zwzcd7p8
思いやり学習、ひとまず今日の投稿はここまでです。まだ続く予定です
452名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 22:36:36.89 ID:6L3HQmjb


委員長と助川はいい夫婦になりそうだなw
453名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 22:45:30.97 ID:MXHQg3kD
乙です
面白い
続きが期待なSSですな
454名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 23:19:10.89 ID:FUqNTcK+
良い感じの立場交換だな
クラスに変態な奴とかいたら楽しそうだ
455名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 23:33:11.89 ID:z1yOVBOu
いいねこれ
水泳の授業とかやったりしないかな
456名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 23:49:40.42 ID:0tj8+1es
GJです。
先の展開がとても楽しみなお話ですね。
続きにとても期待です。
457名無しさん@ピンキー:2012/07/21(土) 23:51:51.42 ID:N0ImvcPr
期待。先生になった主人公と生徒との絡みに特に期待。
一日ってのが勿体無い気がしなくもないけど、楽しみに待ってます。
458名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 00:51:54.27 ID:o/58iU0A

凄く続きに期待
459「思いやり学習」3(三浦先生):2012/07/22(日) 22:32:59.80 ID:hhEtmlhc
「先生、すぐに交換して下さい!」
くじ引きが終わると、委員長の立花が俺に詰め寄ってきた。
そうだな。くじも引き終わったし、さっそく交換してみよう。
俺は教師用に配られた教材マニュアルを参照しながら、くじ引きも兼ねた「立場交換箱」を操作していった。
…よし、これで完了だ。ボタンを押すと箱が微かに振動し、俺の視界が一瞬暗くなった。

「えっ」
次の瞬間、妙に下半身がスースーする感覚を覚えた。
驚いて自分の体を見ると、紺のセーラー服と胸元に付いた赤いタイが眼に入った。それに胸を締め付ける感覚がある。
胸元を覗いてみると、ふわっとした女の子のいい匂いが鼻をくすぐると共に、かわいらしい薄ピンクのブラジャーが見えた。
「やだ…うそみたい」
俺の口から女言葉が漏れる。それにも気づかないまま、さらに下半身を確かめた。
プリーツ加工された紺色のスカート。そこから白のハイソックスを履いた、俺の毛深い足がにょっきりと出ていた。
成人男性サイズの上履きには「斉藤 小夜子」と可愛らしい字で名前が書かれている。
俺の立場が斉藤と入れ替わったのだ。

「すごい…本当に入れ替わってるんだわ、わたしが斉藤さんと」
流暢な女言葉を話していたことにようやく気づき、俺はびっくりして喉を抑えた。
まるでオカマのように、無意識に一オクターブ高い声を出してしまっている。

「ほれほれ、席につけ—。出席をとるぞー」
俺の立場になった斉藤が、まだ騒いでいる連中をなだめて自分の席に付かせていった。
立花と助川は立場が変わってもやっぱり言い合いをしている。
斉藤が無理やり口喧嘩に割って入り、それぞれの席に付かせていた。
あいつらも、今回の思いやり学習で何か学んでくれればいいのだが。

俺が斉藤の席に着席すると、前の席にいた後藤が振り返った。
野球部の練習で鍛えた広い肩幅は、今はセーラー服に包まれている。
濃い眉を下げて、困惑したような表情で話しかけてきた。
「入れ替わると、言葉遣いもかわっちゃうんだね……わたし、さっき男言葉使ったらむずむずしちゃった」
「うん。なんか不思議だよね。声はそのままなのに」
俺も自分の言葉遣いに戸惑いながら返した。ふとそこで、なんとなく気になっていたことを訊いた。
「あとさ、胸が重い感じしない?」
「あ、するする!見た目は男の胸なのに、なんかこう、おっぱいの重み?みたいなの感じるよね」

もう少し話していたかったが、斉藤が出席を取り始めたので二人とも前を向いた。
斉藤が点呼すると、男の名前には女が低い声色で返事をし、女の名前には男が高い声色で返事をしていく。
「じゃ、斉藤」「はい」
斉藤の名前が呼ばれると、俺も女のような声色で返事をした。教壇にいる斉藤と眼が合う。
汗染みのある俺のポロシャツには女の子らしい乳房の形が浮き上がっていたが、本人は何も気にしていないようだった。

「じゃあみんな、他人の立場をしっかり体験してくるんだぞー」
出席を取り終えた斉藤はこれからの予定を話すと、職員室へと戻っていった。
クラス中が再び騒ぎ始める前に一時間目のチャイムが鳴り響く。一時間目は…数学か。
みんなが慌てて教科書とノートを準備するなか、俺もうさぎのマスコットが付いた鞄を開けて準備した。
460「思いやり学習」4(三浦先生):2012/07/22(日) 22:36:28.56 ID:hhEtmlhc
そうこうしているうちに、引き戸がガラガラと開いた。
背の低いずんぐりした初老の男性教師、数学担当の山川の代わりに、眼のパッチリした背の高い女子が入ってくる。
三組の嶋田だ。確か部活は新体操部だったか。レオタード姿の嶋田を、何度か廊下で見かけたことがあった。
だが今は、ノーブラで男物のカッターシャツを着て、グレーのズボンを履いている。

「あー、日直。号令を」
黒板の前に立つと、山川独特の抑揚のない喋り方で嶋田が声を発した。
号令を終えて全員が着席すると、嶋田は今日の授業は教科書の54ページ目からだと告げた。
図形の証明問題の単元だ。声はかわいいのに眠くなりそうなほど平坦な口調で、嶋田は授業を進めていった。

「えー、このとき頂点Bを通る直線にA、Cから垂線を下ろすことによって——」
一、二度詰まることはあったが、教科書をちらりと見ると嶋田は何事もなかったかのように授業を再開した。
記憶の一部も入れ替わっているので、ささいなきっかけがあれば「思い出す」のだ。
「では、練習問題2を解いてみるように。九時十五分になったら答え合わせをする」
俺はページをめくり、練習問題を解き始めた。中学レベルの数学なら、楽勝もいいところだ。
「右の図でAB//CF,AG=CEのときGD//BFとなることを証明しなさい」
 
 ………?? 俺はもう一度問題をよく読みなおした。
「右の図でAB//CF,AG=CEのときGD//BFとなることを証明しなさい」

「えーっと……」
何度読んでも、中学レベルの問題だ。数学から離れてる俺でも余裕で解けるはずの、さほど難易度の高くない問題。
それはわかる。なのに、よく頭に入ってこない。おかしいな……どうしたんだ?俺は。
教科書とにらめっこしていると、前の席の後藤がカリカリと速い速度でシャーペンを動かしていた。
野球一筋であまり数学の成績はよろしくなかったはずだが、その動きには迷いがない。
あっ……そういうことか。俺はようやくそこで、斉藤が数学を苦手にしていたことを思い出した。
あいつは文系科目は優秀だったが、数学は赤点をとったこともあったはずだ。
交換対象の『身体能力』に、頭脳も含まれていたということなのだろう。

俺は教科書の前のページを何度も読み返したりしながら、数学が苦手になってしまった頭でどうにか問題を解いていった。
ようやく後少しで解けそうになったところで時間切れになり、嶋田が答え合わせを始めた。
なんてこった……途中まで解いたところも、解き方を間違えていた。
「よく復習しておかなきゃ…」
俺は溜め息をつくと、正しい解き方をノートに取り始めた。
461名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 22:40:07.38 ID:hhEtmlhc
今日の投下はここまでです。
感想をくださった皆さん、ありがとうございます。続きを書く上でとても励みになりました。
三浦先生は体育の先生という設定なので、プール編も準備していますよ。
それではまた後ほど。
462名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 22:45:50.22 ID:eq15PHVV
良いね
GJだね
すごく良いよ
463名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 22:53:41.14 ID:GfZ2frEM
凄く、素晴らしいっす!
乙が6乗するぐらい素晴らしい
464名無しさん@ピンキー:2012/07/22(日) 23:28:30.58 ID:zOvOG/LZ
乙!ペース早くて嬉しい
465名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 02:54:41.44 ID:QOzSN/vI
乙です。
このネタ1スレ目から出てたからついに文章にしてくれる人が現れてくれて嬉しいです
466名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 10:37:48.98 ID:j+3gXhkt
倒錯感がたまらん
467名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 12:51:47.84 ID:scH51ahe
名作の予感
468名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 13:03:10.83 ID:1b/epwNh


水泳ということは、惜しげも無く上半身を晒す"男の子"たちと、胸の大きさが気になりだす"女の子"のやりとりが見れる訳ですねw
469名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 16:32:05.00 ID:1Dw0CG7v
GJ!
男女交換で先生と生徒とかたまらんね
立場交換の理由とか思わず納得するリアリティーがある
作者まじ天才
こいつは名作になる!
470「思いやり学習」5:2012/07/23(月) 22:43:25.28 ID:2gyrOolJ
朝のホームルームを終えたわたしは、職員室へと向かった。
三浦先生のメモによると、今日の一時間目はどのクラスも体育の授業がないらしい。
それと朝の内に業者が体育用品の納入に来るので、それを受け取るようにとのことだった。
「ふぅー、ここが俺の席か」
三浦先生の席について職員室の中を見回すと、わたしみたいに先生と入れ替わった生徒が何人かいるようだった。
人数が偶数だったクラスの先生や、そもそも担任を持っていない先生はそのままみたいだけど。
業者が来るまではゆっくりしていて構わないとあったので、しばらくここで落ち着くことにした。

「あ、三浦先生。おはようございます」
近くの席にいた、音楽の佐藤先生が声を掛けてきた。担任を持っていないので、佐藤先生はそのままだ。
清楚な印象のきれいな女の先生で、男子からの人気が高い先生だ。裏表のない飾らない性格で、女子からも好かれていた。
「おはようございます。これから授業ですか」
「いえ、今日は時間割が変則なので、なしになったんです。三浦先生は?」
「俺は二時間目から水泳ですよ。こうも暑いと今から入りたいくらいです」
わたしは佐藤先生のブラウスの谷間に眼をやった。なぜか動悸が早くなる。
そういえば…と佐藤先生がなにか言いかけたので、視線をそちらに戻した。

「今日の思いやり学習、三浦先生は入れ替わりました?」
「……どっちだと思います?」
逆に訊いてみた。佐藤先生はうーん、と少し考えてから口を開いた。
「入れ替わって…ないと思います。うん、三浦先生のままですよね。そうでしょう?」
佐藤先生が自信あり気だったので、わたしは苦笑いを浮かべながら答えた。
「じつは俺、うちのクラスの斉藤なんですよ」
佐藤先生はえっと手を口元に当てて驚いた。
「全然わからなかったです。本当に斉藤さんなんですか?」
「ええ。…ほら、髪だって肩まであるし、背も佐藤先生と同じ位ですし。腕だってこんなに細いじゃないですか」
「うーん……言われてみればその通りなんですけど。でもなんだか、三浦先生って感じしかしないんですよ。不思議ですねえ」

佐藤先生はひとしきり感心すると、さらに質問を続けた。
「それで、実際のところどうでした? 他人の立場になるって」
「どう言ったものかな……頭では自分が斉藤だってわかってるし、心や性格まで入れ変わったわけじゃないんですよ。
 ただ、今まで通りに女の子の言葉で話そうとすると、どうも気持ちが悪いというか……自分に馴染んでない感じがするんですよね」
「じゃあ、試しにやってみてもらえます?」
「いいですよ。…わ……あー、ゴホン。わたしは斉藤小夜子っていいます。趣味はピアノで、幼稚園の頃から習っています」

わたしが元の自分の話し方を意識しながら口を開くと、近くで立ち話をしていた教師たちがぎょっとした顔でこちらを見た。
他の人から見たら、三浦先生が急に女の子っぽい声色で、女の子みたいな自己紹介を始めたようなものなのだろう。
「将来の夢は おいしいケーキと紅茶を出す、かわいい喫茶店を……あー、コレ以上は勘弁して下さい。モーレツに恥ずかしい」
わたしは自分の顔が真っ赤になっているのを感じながら、口を閉じた。
全部自分のことなのに、今の「立場」にはそぐわない話し方と内容だからか、違和感しか無い。
佐藤先生はクスクスと笑っている。

「ふふっ。ちょっと行ってみたいかも、三浦先生がマスターの喫茶店。それとも三浦先生がウェイトレスをしてるのかしら?」
「からかわないでください。俺が一番変な感じがしてるんですよ。自分の将来の夢なのに……」
わたしはちらっと左腕を見た。いかにも男らしいデザインの、ごつごつした防水スポーツウォッチ。
それがわたしの細い手首にはまっている。そろそろ業者が来る時間だ。
「さて。俺はちょっと用があるんで、この辺で」
「ええ。それじゃあ『三浦先生』をがんばってくださいね」
「はい、ありがとうございまっす!」
471「思いやり学習」6(斉藤):2012/07/23(月) 22:45:11.83 ID:2gyrOolJ
わたしは佐藤先生と別れると、正面玄関へと回った。ちょうどスポーツ用品店の白バンが着いた音がした。
「やー、三浦さん。毎度ありがとうございます。立端スポーツです」
バンから降りてきたおじさんが、ニコニコしながらわたしに近づいてきた。わたしのことを完全に三浦先生だと思っているらしい。
わたしが何て話したものか迷ってると、ふっとこのおじさんの名前とエピソードが浮かんできた。
「ああ…朝からお疲れ様です、立端さん。そういえば先週の草野球、觀ましたよ。惜しかったじゃないですか」
わたしがそう言うと、立端さんというおじさんは、そうなんだよねえと悔しそうな顔をした。
「でもま、あそこでサヨナラが出たらしゃーないですよ。
 ……三浦さんがうちのチームに入ってたら、逃げ切れたかもしれませんが」
「いやあ、俺は部活で手一杯なんで」

立端さんが冗談だよと笑う。二人で親しげに話をしながら、バンに積んである荷物を確認し始めた。
新しい体操用マット。石灰の粉。新品の軟式テニスボール。体育館で使う大きなモップ……などなど。
「じゃ、運んじまいますか」
わたしは立端さんと一緒に荷物を玄関まで運ぶことにした。
まずは新品の体操用マットに両手を掛ける。何人かの友だちと一緒じゃなきゃ片付けられなかったマットが、わたしひとりでも軽々と持てた。
「おお、さすが現役の体育教師ですな。私じゃあとてもとても」
「いやあ、体力だけが取り柄ですから」
軽口を叩き合いながら、次々に荷物を運んでいく。
あっという間にバンが空っぽになってしまうと、立端さんが持ってきた伝票にサインをした。
「はい、確かにいただきました。今後ともご贔屓に願います〜」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします」
バンが走り去ると、わたしは腕まくりをして荷物の山の前に立った。
いつものわたしならあきらめそうな量の荷物だったけど、三浦先生の腕力になった今なら、ちょっと手間だなあ…程度にしか感じない。
「さて、プールの前に一汗流すか」
わたしは細腕に力を込めると、荷物を体育倉庫に運び始めた。
472「思いやり学習」7(三浦先生):2012/07/23(月) 22:47:06.88 ID:2gyrOolJ
キーンコーンカーンコーン。
いつものようにチャイムが鳴る。普段は仕事の区切り目として意識している音に過ぎなかったが、今の俺にとっては開放感満点の音楽だった。
休み時間になり、クラス中のみんなが出歩きはじめる。俺も斉藤の席でううんと伸びをした。
…妙に胸が突っ張る感じがする。俺は斉藤の立端だったことを思い出し、ブラの位置をこっそり直した。
今朝も後藤と話したが、見た目は男の胸なのに重たい感じがするのだ。いざ女性の立場になってみると、胸はこんなに重みを感じるものなのか。

「ね、次体育だよ。いっしょに行こ」
その後藤…いや、今は読書好きの女子「鴨志田」が俺に話しかけてきた。
そういや斉藤と鴨志田は仲がよかったっけな。俺も頷くと、水着やタオルが入った水泳鞄を持って廊下に出た。
廊下は女子の制服を来た男子と、男子の制服を着た女子でごった返していた。
ふざけて走り回る女子や、他のクラスのカッコイイ女子を見に来た男子にぶつからないようにしながら、渡り廊下を渡ってプールへと向かう。
更衣室のドアを開けると、俺たちが一番乗りのようだった。

「ふー、あせもができそう」
セーラー服を脱いで、上半身はブラ一枚になった後藤が呟いた。ブラの隙間から、引き締まった胸板が見える。
俺もごそごそと制服を脱ぎ始めた……うぅっ、絵的にけっこうキツイものがあるなぁ。
後藤ならふざけて女装しているだけに見えなくもないが、俺の場合は完全に変質者だ。
日々の運動で鍛えている肉体。それがかわいらしいピンクのブラと、小さなレースが付いたパンティを履いているさまは、滑稽を通り越して犯罪的だ。
もちろん俺のイチモツはパンティに収まりきらず、ぶらぶらとはみ出していた。

「あつーい、はやくはいりたーい」「日焼け止め貸してー」「いいよー」
がやがやと他の男子たちが更衣室にやってきた。狭い更衣室なので、俺たちは隅に移動した。ええい、こうなったらとっとと着替えちまおう!
ブラのホックを外し、パンティをずり降ろす。すっぽんぽんの自分の体を見ると、ようやく普段の俺に戻った気がした。
右腕に力をいれてみる。血管が浮き上がり、中学生では到底敵わないであろう筋量の上腕二頭筋が姿を表した。

「どうしたの?」
「あ、うん。ちょっと二の腕が気になって。最近ぷにぷにしてきたかも」
俺は悩ましく溜め息をつくと、自分の二の腕を摘んだ。前言撤回。今の俺は、どこまでもお年頃の女子だった。
473名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 22:51:26.40 ID:2gyrOolJ
本日の投下は以上です。次回は水着回!
たくさんの乙をもらえてびっくりしています。楽しんでいただけたなら幸いです。
それではまた。
474名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 22:57:15.66 ID:UKnbNDTA
乙乙乙!
海パン姿の「男子」が「女子」のスク水に興奮したりするところとか見たいお
475名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 22:59:15.86 ID:ChYC9AKP
乙っす
かつてない名作になりつつあるな
次回も楽しみ
476名無しさん@ピンキー:2012/07/23(月) 23:17:55.36 ID:1b/epwNh


もう不思議時空
477名無しさん@ピンキー:2012/07/24(火) 07:51:21.15 ID:aoQj5lSF
超乙

1日後もアンケートやって、互いに戻りたくないってなったら延長できるとか
そんな措置があるといいなあ
478名無しさん@ピンキー:2012/07/24(火) 10:18:41.56 ID:Ar8CYcsy
乙!
色々とサイコーだわ!
479名無しさん@ピンキー:2012/07/25(水) 07:40:15.96 ID:vjIkWbDu

この倒錯感がたまらない
480名無しさん@ピンキー:2012/07/25(水) 11:43:39.81 ID:hAfR3U3O
GJ
いいねえ
楽しませて貰ってます
481『思いやり学習』8(斉藤):2012/07/27(金) 23:08:40.49 ID:lES5Dnib
「ふー、あちいあちい」
荷物運びを終えたわたしは、ポロシャツの胸元をぱたぱたさせながら更衣室にやってきた。
全身からぷうんと男の人の汗と脂の臭いがする。
力が強いのはいいけど、わたしの体がこんなに男臭くなっちゃったのは、ちょっとショックかも。
よし。授業には早いけど、早めに脱いじゃおう。わたしはポロシャツの裾に手を掛けた。

「よっと」
裾に手を掛け、裏返しにしたまま一気に脱ぎ捨てる。
ここ最近また大きくなった、わたしの胸がぷるんと揺れた。
そういえばブラも何も付けてなかったのに、全然乳首が痛くなかった。これも立場交換のせいなのかな?
うすい桜色をした乳首に触れてみる……指のおなかで押してみても、摘んでみても、肉を触っている感じしかしない。

見た目と感覚にギャップがある自分の体に感心しながら、わたしはチノパンも脱いでいった。
バサッとベルトごと床に落として半裸になると、思った通り三浦先生のパンツを履いていた。
立場交換する前は、三浦先生が履いていたグレーのブリーフ。
それが今は、わたしの女の子としての大切な部分を包んでいる。

それを見ていると わたしは自分が女の子なのか、それとも男の人なのか、なんだかわからなくなりそうだった。
とりあえず汗でじっとりと湿ったブリーフも脱いで、三浦先生の競泳パンツを手に取った。おそるおそる両足を通していく。
毛のうっすらと生えたわたしのあそこが、今度はブーメランタイプの競泳パンツに、当たり前のように包まれてしまった。

    ※
    
「つーかさ、女子とプールって初めてじゃね?」
「うおお、おれキンチョーしてきたあ!」
「やっべ、すげーたのしみ」
着替えを済ませてプールサイドの日陰で涼んでいると、着替えた「男子」たちがぞろぞろとやってきた。
やっぱり「男子」は着替えるのが早い。学校指定の競泳パンツに、水泳帽、そしてゴーグル。
ぱっと脱いでパッと着て、それでおしまい。
女子は日焼け止めを塗ったり髪を束ねたり、脱いだスカートの皺を気にしたりして、色々と時間がかかっちゃうけど。

……でも、ここにいるのはカッコつきの「男子」たちだ。
歩くたびに鞠のように胸が弾んでいる子もいる。ほんのりと膨らんでいるだけの、控えめな胸をしている子もいる。
本当ならスクール水着で隠すはずのその胸を、みんな恥ずかしがらずに堂々と晒していた。
競泳パンツは女子のウエストに合わせて縮んでいたけれど、ヒップのほうが大変なことになってしまっていた。
たぶん、骨盤の出た女の子らしい体型には対応してないみたい。
女の子のむちむちしたおしりに、男子用の競泳パンツが食い込んでしまっていた。

「あーやっべ。我慢できねー」
「お前、こんなとこでシコんなよ〜」
委員長の立花さんは、にやにやと半笑いを浮かべながら、競泳パンツを生地の上から弄る真似をした。
控えめな大きさだけれど、形のきれいな胸がたゆんと揺れる。
仲が良かった由佳ちゃんは、そんな委員長の悪ふざけを見てゲラゲラ笑っていた。
他のみんなと同じく、スクール水着の日焼け後がくっきりと肌に残っているのに競パンを履いている。
女子たちの服装もしぐさも、わたしたちが普段引いてるエロい男子そのものだった。
482『思いやり学習』9(斉藤):2012/07/27(金) 23:09:30.06 ID:lES5Dnib
「おっ、来たか?」
プールサイドに座って雑談していた「男子」たちがざわめく。
更衣室の出口からスクール水着を着た「女子」の体のラインがちらりと見えた。
けどすぐに中に引っ込んでしまった。

「なんだよ、まだかよー」「三浦せんせー、女子まだっすかー」
「…そうだな、ちょっと時間かかってるな」
わたしは腕時計を見ると、更衣室の方へのしのしと歩き始めた。
歩くたびにわたしも胸が揺れるけど、普段と違って全然気にならない。
でも逆に、股間が気になって仕方がない。
それの"位置"が…なんだかとても気になっちゃう。右に行きすぎても変な感じだし、左に行きすぎても変な感じ。
わたしは水着の上からぐりっと女の子の大事な部分を押して、クリトリスの位置を直した。

「おおい、そろそろ授業はじめるぞ—」

どうしよ、みうらっち来ちゃったよー
はやくはやく
なんかはずいよー
ね、わたしのヘアゴムしらなーい?

低い声の「女子」たちがきゃぴきゃぴと騒いでいる。
わたしが出口でしばらく待っていると、ようやく「女子」たちが出てきた。

「きゃっ! 三浦先生…近いです……」
恥ずかしそうにうつむきながら、スクール水着を着た後藤くんがそう言った。
野球部の練習で真っ黒に日焼けした体に、紺のスクール水着がぴっちりと張り付いている。
わたしよりずっと筋肉のついた腕をもじもじさせ、女子の視線を意識したのか胸を隠した。
全体のサイズが大きくなっているとはいえ、こっちもスクール水着の構造の想定外だったみたいで、
後藤くんのおちんちんの形がくっきりと浮かび上がってしまっていた。
男らしいと思っていたのに、ころんとしていてかわいいサイズだ。

「ちょっとお! 三浦っちったら更衣室覗く気ぃ? そーゆーのマジ引きなんですけどぉー」
ぷりぷりとほっぺを膨らませながら、小川くんがわたしに食って掛かってきた。
男子の中でも小柄で、まだ声変わりもしていないおとなしい子だったのに、
クラスの女子グループのボス的な「有栖川さん」と入れ替わってしまったせいで、かなりテンションが高くなっている。

「ははは、あんまり遅いから心配になってな」
「もー、やめてよねー」
わたしたちが話しているうちに、男子たちがプールサイドに出てきた。
みんな女子の視線を気にしているようで、胸を腕でそっと隠したり、男子同士でひそひそと内緒話をしている。
女の子っぽい振る舞いのせいで、もっこりした股間が余計に目立っている。
三浦先生もすぐに見つかった。たくましい足を内股にして、女の子らしくおしとやかに歩いていた。

「うおおお!」「きたああ!」「っしゃあ!もっとコッチ向け—」
「えっ…うん…」「きゃっ!」「ちょっと、やらしい眼でみてんじゃないわよ!」
女子たちが男子のスク水姿に歓声を浴びせると、男子たちの反応は色々だった。
照れたり、はにかんだり、怒ったり。いつもの教室よりずっと賑やかだ。
わたしはどうしてプールの授業が普段は男女別なのか、その理由がわかった気がした。
「そんじゃ、準備体操はじめるぞ—」
わたしはやれやれと肩を鳴らすと、プールの授業を開始した。
483『思いやり学習』10(三浦先生):2012/07/27(金) 23:10:31.06 ID:lES5Dnib
「おーい男子連中ー、あんま女子に見とれんなー。思いっきり引かれてるぞ—」
プールサイドで整列している間、チラチラと「女子」を見てくる「男子」。
あんまりにも露骨な態度だったので、斉藤が冗談交じりにそう言うと、男子も女子も笑った。
「男子」達はその言葉で大半が前を向いたが、どこかじっとりとした視線をまだ感じる。
なんだかひどく自分が無防備な気がして、俺は腕で胸を隠した。

「それ、入っていいぞー。まずはゆっくり歩いてみろー」
準備運動とシャワーを済ませると、水に体を慣らすために、さっそくプールに入ることになった。
「きゃっ、結構つめたーい」
スク水の股間をもっこり膨らませたスポーツ刈りの男子が、なよっとした仕草で水に足を入れた。
「うおっ、きんもちーな」
こちらでは、膨らんだ胸を見せつけるように、女子がじゃぶじゃぶと水飛沫をあげていた。
中にはもそもそと競パンを弄り、チンポジを直している女子もいた。…この場合はクリポジというべきなのか?
プールサイドの日陰では、今日が「女の子の日」の子と立場交換した男子達が、体操着を着て見学していた。

「やっぱ、プールってきもちいー♪」
女子の立場でのプール、ということで少し緊張していたが、そう悪いものではなかった。
ギラギラした夏の日差しも、プールの中ではずっと和らいで感じる。
生徒達に混じって授業を受けていると、まるで自分が学生時代に戻ったかのように錯覚しそうになる。
もっとも下半身に眼をやると、スクール水着のナイロン生地に浮かび上がる男性器の輪郭と、毛深い下半身が強烈な存在感を放っていたが。

「ひゃっ」
不意に後ろから胸を揉まれ、俺の口から野太い悲鳴が漏れた。
ごつごつした男の手が、柔道で鍛えた俺の大胸筋を揉んでいる。
「いいなあ、わたしも小夜子ちゃんくらい欲しいや。どうやったらこんなに大きくなるの?」
変声期を迎えた低い声で、無理に女の子っぽい声音を作りながら、後藤が俺に訊いてきた。
その間も、後藤の指先は俺の胸をやんわりと揉んでいる。野球部の投球練習で豆ができた指が、俺の乳首をコリッと弄った。
体の奥のほうから快感が込み上げてきて、俺はスク水を着込んだがっしりした腰をくねらせた。
「んもう、由佳ちゃんたら。こういうのやめてよぉ」「ごめんごめん」
俺が何気ない調子を装って言うと、後藤はあっさりと手を離した。なんだか太腿の内側あたりに、じわぁっと痺れるような感覚が残っていた。
484『思いやり学習』11(三浦先生):2012/07/27(金) 23:15:21.30 ID:lES5Dnib
「おーい、一旦みんなあがれー」
遊んでいた俺達に、斉藤が号令をかけた。ぞろぞろとプールサイドに上がって整列すると、斉藤が口を開いた。
「じゃいいかー、今朝のペア同士で少しだけ泳いでみよう。自分の体力がどれだけ変わったのか知る、いい機会だからな」
斉藤の提案で、立場交換したペアで一緒に泳ぐことになった。ただし、いきなり25mは危ないので斉藤は制限を掛けていた。
「決して無理はせず、苦しかったらすぐに立つんだぞ。泳いでいいのは…ここから青いラインまでだ」
斉藤は15mを示す青いラインを指さした。この距離なら、運動が苦手な「女子」でも十分に泳げるだろう。
一応水泳の時間は遊びだけでもいいぞとメモに書いておいたのだが、斉藤は自分なりに授業の形を作ってくれたようだ。
もし俺が立場交換していなかったら、きっとこんな感じの授業をしていただろう。斉藤はだんだん俺の立場が様になってきているようだった。

「っし、負けねーかんな」「わたしだって!」
わいわい騒ぎながら数組のペアがプールに入ると、斉藤がホイッスルを鳴らした。
スク水を着た男子達と、競パンを履いた女子達が一斉にスタートする。
すぐに、女子達が男子達をみるみる引き離していく。
運動部の男子連中は必死で泳いでいたが、バシャバシャと派手な水飛沫を上げるばかりでなかなか進まなかった。

「っしゃあ、おれの勝ちだぜ!」
可愛らしく膨らんだおっぱいから水滴を垂らしながら、プールから沢木が上がってきた。
運動に縁がない女子特有の、ふっくらとした脇腹が競泳パンツの上に乗っている。
休み時間はいつもノートに絵を描いてるおっとりした生徒だったが、今はがぜん男らしい。

「うーん、勝てるとおもったんだけどなあ。あたしって結構筋肉あるのに…」
だいぶ遅れて、水泳部の千葉が水から上がった。凛々しい顔が曇っている。
逆三角形に整った水泳部らしい体格に、スク水をぴっちりと着込んだ様は、ある意味水泳部らしかった。
そのスク水の胸元には「2-1 沢木」というゼッケンが付いている。
大会での入賞記録もある水泳部のエースは、立場交換によって帰宅部の女子並の運動神経になってしまっていた。
女子並みの力しか出せなくなった自分の体を、不思議そうに触っている。
485『思いやり学習』12(三浦先生):2012/07/27(金) 23:16:09.65 ID:lES5Dnib
「次、やってないペア入れー」
あれから何組も競争したが、みんな同じ結果だった。
どんなに逞しい男子でもすぐに抜かされ、女子が先にゴールする。順調にみんな泳いでいき、最後に俺と斉藤が泳ぐことになった。
「よーし、先生も本気だすからな」
斉藤はきゅっとゴーグルを掛けた。俺もこくりと頷くと、ゴーグルを掛けた。同時にスタートする。
立場が逆になってるとはいえ、体は元のままなのだ。どうにか根性を振り絞れば、あるいは…!

そう思っていた俺は、女子中学生という自分の立場をまざまざと思い知らされることになった。
腕の動きがぎこちない。普段なら簡単にクロールできるはずが、まるで筋肉自体がその動きに慣れていないようなぎこちなさだった。
フォームが崩れているため重心の位置が悪く、足がだんだん水中に沈んでいく。
浮かび上がろうと思って激しくバタ足しても、水飛沫が立つだけでたいした推進力にならない。
焦る一方で、息継ぎのタイミングもしだいにずれていく。ついに思いっきり水を飲み込んでしまい、俺はパニックに陥った。
いままで何人も指導してきた「運動が苦手な女子」の水泳フォームそのものを、まさに俺がやらかしてしまっていた。
体育教師としては考えられないような、出鱈目な泳ぎ方だった。

「っ…くるし」
ようやく15m地点にたどり着くと、俺は飲んでしまった水を口から吐き出した。
とっくに着いていた斉藤は心配そうにこちらを見ている。
「顔色が悪いな……大丈夫か? とりあえず上がろう」
もう他に泳いでいるペアもいないため、そのままプールを横切ってプールサイドへと上がった。斉藤に付き添われ、ベンチへと腰を降ろす。
「落ち着くまで、ゆっくり休め」
そう言われてポンとタオルを肩に掛けてもらうと、その頼り甲斐のあるしぐさに俺の心臓が高鳴った。
なんだ…? 斉藤の顔を真っ直ぐ見るのが、とても恥ずかしい……
いつの間にか斉藤を「頼れる年上の異性」として意識してしまっていたことに気づき、どぎまぎしながら返事をした。

「ありがと、三浦先生」
顔を真っ赤にした俺が低い声で呟くと、こちらにスク水を着た助川がずんずん歩いてきた。なんだか不機嫌そうだ。
「ちょっと先生。わたし、まだ泳いでないんですけれど」
「ん? おお、悪かったな。そんじゃ、準備してくれ」
「そうじゃなくて……いないんですよ。助川くん」
真面目な委員長の立場になった助川は、イライラした様子で自分の姿を探していた。
486名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:33:20.66 ID:lES5Dnib
お待たせしました。今回の投下は以上です。
個別にレスはしませんが、頂いた感想は全て目を通しています。こちらこそ感謝です。
次回は委員長回を予定しています。スケベな男子が授業を抜けだして向かった先はもちろん……
それでは、また
487名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:35:38.48 ID:P9AQGW9D
今回も乙でGJ
毎回楽しみで仕方がない
488名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:57:01.06 ID:eguPrEmD
最高だぜ!
次回も期待
489名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:57:48.01 ID:J6ftYDCJ


てっきり、立花さん(委員長)は女子で一番の巨乳の持ち主かと思ってました
生真面目委員長の服の下には、いやらしい身体が隠れてるギャップと

そして、立場交換によって、『助川』として変態行動を取ってる自身が誰よりもエロい身体の持ち主というおかしさという意味で
490名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:59:20.37 ID:J6ftYDCJ
ごめんなさい
自分の欲望の押し付け書き込みになってしましました

委員長が貧乳設定が駄目という訳じゃないです
あんまり気にしないでください
491名無しさん@ピンキー:2012/07/27(金) 23:59:54.59 ID:7TUR8DUw
乙!
492名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 01:53:42.74 ID:OJPrHDao
乙です!
次が待ち遠しい
493名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 06:26:38.13 ID:+VMRRZdM
いよいよスケベ委員長の本領発揮!
元の自分の制服や下着にも興奮しちゃうのか!?
494名無しさん@ピンキー:2012/07/28(土) 07:02:03.17 ID:rslkUiIy

なんか色々いいわぁ
絵で見たいね、この状況w
495『思いやり学習』作者:2012/07/28(土) 07:48:45.54 ID:yMotSBU4
>>489
>>490

自分の胸のサイズにコンプレックスのある真面目な女の子が、
スケベな男の子の立場になることで、コンプレックスが性的な嗜好に変化。極度のおっぱいソムリエに変わってしまうさまを想像してみて欲しい。
委員長を巨乳にするか貧乳にするかは悩みどころでしたが、この路線を書きたくてこっちになりました。
496名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 01:26:23.24 ID:43flSBHk
#382のネタを前後編の中短編にしてみました

『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』

 ここグラジオン大陸に南西に位置する小国ロザルスの王都クラインは、明日の慶事を控えて華やかな雰囲気に包まれていた。
 此処で言う"慶事"とは、王女オーガストと救国の勇者の結婚式が行われることを指す。

 「ふふふ……ついに、ここまで来た、か」
 王城で二番目に高いバルコニー(無論、一番は国王夫妻の居室だ)から夜空の満月を見上げながら、不敵に笑う勇者。その様子は、勇者と言うよりむしろ何かの陰謀を企む悪役といった風情だ。
 「おっと、独り言は自重しないと、な」
 自分でもそのことに気付いたのか、顔つきを改め真面目くさった表情で改めて月を見つめる勇者だが、それでも純白の騎士装束をまとったその背中からは、どこか隠しきれない歓喜──いや、愉悦のようなものが滲んでいた。

 だが……。
 『ふん、いい気なものだな』
 「誰だッ!」
 いずこからか聞こえてきたその声に、勇者は素早く警戒体勢をとりつつ、辺りを油断なく見まわす。
 (声の聞こえてきた方角は……)
 「頭上(そこ)かッ!?」
 城の方を振り返るように見上げる勇者の目に、本丸と隣接する尖塔の頂き──王国旗が翻るポールをつかんで急勾配の屋根に立つ人影が映る。
 人影は一見、15、6歳の金髪の少女のように思えた。しかし、全身から漂う魔の気配と、左右の耳の上から生えた褐色の角が、「彼女」が決して人ではないことを物語っている。
 「お主、魔族だな。どうやってこの城の結界をすり抜けたッ?」
 『──フッ』
 馬鹿にしたように魔族の少女は微笑う。バサリ……という羽音とともに、彼女の背中に暗赤色の翼が翻った。
 「その翼……サキュバスか!?」
 サキュバスは、淫魔とも夢魔とも呼ばれる種族だ。魔族の中ではおおよそ中級の下位クラスに位置する。一見したところ、人間、それも極めて美しい女性と酷似した姿を持つが、本性を現すと頭に角、背中に蝙蝠のような翼が生じる。
 暗黒系と精神系の魔術を得意とすると同時に、その素早い身ごなしと鋭い爪で格闘戦も決して不得手ではない。ハーピーなどの鳥人族には及ばないものの、巧みに空を飛ぶ事もできるため、なまなかな冒険者では苦戦することは必至だ。
 ただし、比較的体力が低いことと、魔術・体術・飛行ともそれをもっとも得手とする魔族には及ばない、ある意味器用貧乏であることから、ハイレベルな冒険者なら1対1でも決して倒せぬ相手ではなかった。
 尖塔から翼を広げて空中に躍り出た魔族の少女は、革製の編み上げコルセットとビキニボトム、同じく黒革の長手袋とオーバー二ーブーツという、いかにもサキュバスらしい服装を身に着けている。
497『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』:2012/07/29(日) 01:27:13.92 ID:43flSBHk
 種族の特性から豊満な身体つきの多いサキュバスにしてはスラリとした体型で、乳房の膨らみもやや控えめではあったが、それでもウェストはキュッとくびれ、胸や腰のラインは柔らかい丸みを帯びているため、十二分に魅力的だった。
 しかし──。
 『ハッ! よもや一年足らずで、この顔を見忘れたか?』
 「! き、貴様は!?」
 急降下するサキュバスの両手には、どこから取り出したのか漆黒の短剣が握られている。
 腰に下げた長剣を抜き放ってそれを迎え撃つ勇者。

 ──カン! ギィン! ギリリッ……

 二本の黒刃と一筋の銀光がめまぐるしく交叉する。

 『ハハハハハ! 逢いたかったぞ、我が勝利を盗んだ者よ!』
 「まさか生きていたとは……とっくに魔界の片隅で塵芥にまみれて命を散らしていると思ったよ」
 『死ねるわけがないだろう! すべてをお前に奪われたままで!!』

 * * * 

 魔王を討ち果たした勇者が王都に凱旋する1年余り前、勇者モーガンとその仲間たちは人間界に侵攻してきた魔王軍の四天王のうち3人までを倒し、そのまま冥宮を通り抜けて魔界へと足を踏み入れていた。
 目指すは魔王の首。
 実力主義かつ血の気が多く、人間に比べて統制がとれているとは言いがたい魔王軍は、力をもって君臨する魔王が斃れれば大混乱の内に瓦解するだろう。
 実際、人間界への侵攻軍も、指揮する四天王を倒しただけで散り散りになったのだから。
 しかし、魔王城に赴く前に、どうしてもこの城塞の主──四天王の最後のひとりであり、魔王軍の参謀格とも言える女将軍フェイを倒しておかねばならない。
 さもなければ、これまでも散々その智謀で彼らを苦しめたフェイのことだ。どんな罠を仕掛けてくるかわからないし、何より最強の敵である魔王と対峙した際に、彼女が魔王を援護すれば明らかに不利になることが目に見えている。
 少数精鋭による頭(トップ)の各個撃破。これが彼らの基本方針であった。
 しかし、今回ばかりはその方針が裏目に出た。
 城塞の各部に仕掛けられたトラップで4人の仲間達は分断され、モーガンはフェイと一対一で戦うことを余儀なくされたのだ。
 あるいは、純粋に剣技や魔術などを総合した「武力」に限れば、モーガンの方が秀でていたかもしれない。
 しかし、若く──人間で言えば20歳そこそこに見えても、フェイは100歳近い歳を重ねた女怪だ。心理戦や揺さぶりにかけては一日の長、いや文字通り大人と子供ほどの差があった。
 一進一退の攻防が続く中、僅かな隙を突いて、ついにフェイの「能力」がモーガンを捕捉する。
 レイピアとマンゴーシュを持って巧みにモーガンの聖剣を受け流すフェイと鍔迫り合い状態で睨み合いになった……と思った瞬間、モーガンはなぜか一瞬棒立ちになる。
 その隙を逃さず、フェイの右掌がスピード勝負のために兜を捨てていたモーガンの頬に伸ばされる。
498『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』:2012/07/29(日) 01:27:43.15 ID:43flSBHk
 触れられたのはほんの刹那。しかし……。
 「くっ……力が抜ける……」
 「あはは、ご愁傷さまだねぇ、勇者の坊や」
 サキュバスである彼女の視線による魅了(チャーム)から吸精(エナジードレイン)の洗礼を受けたモーガンは弱体化し、ついに敗北するのだった。

 全身の精気を抜かれ意識を失った少年勇者を、しかし淫魔は殺そうとはしなかった。むしろ優しいとさえ言える手つきで抱き上げると、そのまま城の隠し部屋へと運ぶ。
 武装解除し、丈夫なシャツとズボンだけの格好にしてから、きっちり縛り上げ、部屋の床に描かれた魔方陣の中央に安置する。
 「くくく……いよいよ、私の悲願が叶う!」
 抑えきれない哄笑をもらしたのち、フェイはゆっくりと禍々しい呪文を詠唱し始めるのだった。

 * * * 

 「うっ……ここは……」
 意識を取り戻したとき、モーガンは一瞬自分の状況がわからなかった。
 だが、薄暗い部屋に両手を後ろ手に縛られている──いや、手枷を付けられているらしい状況から、どうやら敵に捕らえられたようだと理解する。
 (落ち着け。殺されていないということは、まだ望みはある。僕を捕らえた者が交渉を持ちかけてくるかもしれないし、仲間が助けに来てくれるかもしれない)
 焦る気持ちを抑えて、極力平静を保とうとするモーガン。
 と、その時。
 「おやおや、囚われのお姫様は、ようやくお目覚めかな」
 芝居がかった物言いとともに、何者かが部屋の入り口に姿を現す。
 暗い部屋の中から逆光になっているので、はっきり姿は見えないが、そのよく響くアルトボイスには聞き覚えがあった。
 「くっ、フェイ……か?」
 モーガンの言葉尻が疑問形になったのは、目の前の人物がいつも──と言っても、実際に顔を合わせたのはこれが3度目だったが──の、いかにも女魔族らしい露出の高い衣装(コスチューム)ではなく、武骨な鎧に身を固めているようだったからだ。
 「ああ、その通りだが……ふむ、こう暗くてはどうにも見づらいな。”光り在れ”!」
 フェイが"灯り(ライト)"の呪文を詠唱したため、部屋の中が一気に明るくなる。
 一瞬その眩しさが瞳に突き刺さるように感じたモーガンだったが、しばし瞼を閉じたのち、恐る恐る開いたところで、己が目を疑うハメになった。
 何故かと言えば。
 いつの間にか彼の前に歩み寄っていたフェイらしき人物は、白銀色に輝く甲冑(プレートメイル)を着込んだうえ、左腰に長剣を佩き、右脇に羽飾りのついた兜を抱えた、いかにも戦士然とした格好をしていたからだ。
 いや、それだけなら奇異に思うことはあっても言葉を失うほどではない。
 フェイの格好は他ならぬモーガン自身の装備をそっくり模していたのだ。
499『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』:2012/07/29(日) 01:28:08.60 ID:43flSBHk
 「何でそんな格好を……。
 ! もしかして、僕に化けて仲間に合流して、内側から葬り去るつもりか!?」
 魔族の中には、擬態能力や変身魔法を心得ている者もいると耳にしたことがある。サキュバスという種族自体、角と翼を消せば容易に人間に化けられるのだし、淫魔の中でも最上位に位置するフェイが変身の術を心得ていてもおかしくない。
 慌てて立ちあがろうとしたモーガンは……しかし、後ろ手に手枷で繋がれているせいで果たせず、ガクリと膝まづくハメになった。
 「ふふっ、なかなか鋭いねぇ。でも、40点ってトコロかな」
 ニマニマと嫌な笑顔を浮かべたフェイが、モーガンの前に片膝ついてしゃがみ込む。
 「ほら、よく見てみな。この甲冑と剣に見覚えはないかい?」
 「何を言って……」
 モーガンの言葉が途切れる。
 「そ、そんな……バカな!?」
 目の前の女魔族が装備しているのは、外見を真似た紛い物などではなく、間違いなく"ー選ばれし勇者"だけが身に着けることができる聖鎧と聖剣──つまりいつも彼が着用しているはずの勇者装備だった。
 「なぜだ? それは勇者である僕以外の誰にも装備できないのに! まして、邪悪な魔族なら触れただけで、苦痛とダメージを受けるはずだ!!」
 レプリカなどではないことは、そのふたつが発するオーラのようなもので分かる。
 「ほほぅ。それじゃあ、つまり今は私が聖なる"勇者様"なんだろうさ」
 「何を戯言を……」
 「くくく……まだ気付かないのかい? 哀れな捕らわれの"女淫魔"モーガンちゃん?」
 「──は?」
 このサキュバスはいったい何を言っているのだろう?
 「ほら、自分の身体をよく見てみりゃ、わかるさ」
 あざけるようなその言葉に、反射的に視線を落としたモーガンは、再度自分の目を疑う。
 彼の体は、先刻まで眼前の淫魔が着用していたはずの、下着と見まがうほど露出の高いレザーコスチュームに包まれていたからだ。
500『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』:2012/07/29(日) 01:28:50.67 ID:43flSBHk
 「な、何だコレは? さてはお前の仕業だな! 僕を恥ずかしめようという魂胆か!?」
 女装というのもおぞましい格好をさせられ、羞恥と怒りのあまり、拘束された不自由な身体を懸命によじるモーガン。
 もっとも、半年近くも太陽の昇らぬ魔界を旅してきたせいか随分生白くなってしまった肌もあいまって、発育途上の小柄でスラリと引き締まった少年の体躯には、サキュバスの露出過多な衣装も存外マッチしていたのだが。
 「あはははは! よく似合ってるじゃないか、セクシーだよ♪」
 「クッ……」
 視線だけで相手を殺せたらという程の憎悪を込めて睨むモーガンを、フェイはどうどうとなだめる。
 「言っとくけど、私が着替えさせたわけじゃないよ。術の結果、あるべき格好に変わっただけさ──アンタも、私もね」
 至極上機嫌に笑うフェイの姿に、先程までの怒りも忘れて、嫌な予感を覚えるモーガン。
 「? ど、どういうコトだ?」
 「ふふふ……もちろん、説明してあげるよ」
 篭手をはめた手で、グイとモーガンの顎を持ちあげ、顔を覗き込むフェイ。
 「さっき、アンタが気を失ってるあいだにね、私とアンタの間にある禁術をかけたのさ。
 ”因果交換(チャンゲクス)”──対象ふたりの身分や立場その他を入れ換える、失われた儀式魔術をね。そして見事に成功した」
 「え? え?」
 「つまりね、今は私が"精霊の祝福を受けし勇者"で、アンタが"魔王軍四天王の紅一点のサキュバス"なんだよ」

 -後編に続く-

#とりあえず後編は日曜中に……投下できるといいなぁ。
501名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 07:26:28.60 ID:oHPSmmoh
>>481
>>496
どちらもGJ!

続き、期待しております
502『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 後編:2012/07/29(日) 22:34:06.68 ID:43flSBHk
#本作の"淫魔"モーガンの容姿は、今は無き『ドルアーガ・オンライン』のサキュバスのイラストを黒翼&貧乳にした格好を想像してもらえば幸いです(知らない人はググルと吉)。対して、"勇者"フェイのイメージはFFTのアグリアスをより長身にした感じ。

『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 後編

 「今は私が"精霊の祝福を受けし勇者"で、アンタが"魔王軍四天王の紅一点のサキュバス"なんだよ」」
 目の前の女魔族フェイのその言葉が、モーガンには到底信じられなかった。

 確かに服装・装備こそ取り違ってはいるものの、依然として目の前のフェイは(角と翼は仕舞っているようだが)妖艶な若い女性の姿をしていたし、自分も淫魔らしいボンテージ衣装を着せられているとは言え、きちんと人間の男の身体のままなのだ。
 そのことは真紅に染めた革のビスチェで締めつけられたペタンコの胸や、股間にキュッと食い込むビキニショーツの下の窮屈な"息子"の感触からも明らかだ。
 「ハンッ! 何をバカな……」
 もしこれが、たとえばふたりの魂を入れ換えた──つまり、フェイの意識がモーガンの身体に宿り、モーガンの魂が女淫魔の身に移されたとか言う状況なら、彼もまだしも納得しただろう。
 しかし、今は単に衣装を取り替えた着せ替えごっこをしているようにしか見えないのだから。
 「ふふっ、疑ってる──いや、信じてないようだねぇ。でも、よく考えればわかるんじゃにいかい? そもそも、私とアンタを比べて見れば、随分と背丈も体格も違うはずだろう?」
 ちなみに、体格はともかく背丈に関してはモーガンの方が頭半分ほどフェイより低い。伸び悩んでいる背丈のことは少年の密かな悩みの種だ。
 「……何が言いたい?」
 「あはは、背が低いコトを気にしてるのかい? でももう心配無用さ。"女淫魔(サキュバス)としては"、そのくらいの方が可愛いよ」
 「戯れ言を……」
 「くくっ、まぁ、聞きなよ。そんな風に身長差があるはずなのに、私がこの勇者の鎧をピッタリ着こなせているのはなぜだと思う?」
 「!!」
 そうだ。本来なら、(遺憾ながら)体格で劣るモーガンの鎧を、女にしては長身かつグラマラスなフェイが着ればパツパツになるはずなのだが……そんな様子はまったく見えない。
 「な……どうして?」
 「無論、私がこの聖鎧の主──"勇者様"だからさ。それと同じ理屈で、アンタもその服がピッタリ身体にあってるだろう?」
 確かに、女淫魔の装束は余ったり余分に締めつけたりすることもなく、モーガンの身体を包み込んでいる。
 「だいたい、さっきアンタも言ってただろう。魔族であるはずの私が聖なる装備を身に着けるなんてコト、普通ならできるはずがないのさ」
 理に適ったフェイの言葉が、少しずつモーガンを追い詰めていく。
503『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 後編:2012/07/29(日) 22:34:36.91 ID:43flSBHk
 「こ、これは何かの間違いだ! そうだ! お前が何らかの秘術で聖鎧や聖剣の力を無理矢理封じ込めて……」
 「往生際が悪いコだねぇ。じゃあ、コレを見な」
 スラリと腰の聖剣を抜き放つフェイ。
 「ヒッ!!」
 思わず小さく悲鳴をあげてしまうモーガン。
 頼もしい愛剣の刃も、いざ自分に向けられるとなると一転不安をもたらす。
 いや、それだけではない。見慣れたはずのその白銀の聖なる輝きが目に入った途端、なぜかモーガンの胸中に抑えきれない恐怖と不快の念が湧き起こったのだ。
 「あはは、心配しなくとても切りつけたりしないよ。単にアンタの肌に軽く当てるだけさ」
 その言葉通り、剣の腹の部分を剥き出しのモーガンの肩の部分に、ペトリと触れさせるフェイ。
 ──しかし、その反応は劇的なものだった。
 「ぎぃやぁぁぁーーーーーッ!!!」
 灼熱の焼け火箸を押し付けられたような、圧倒的な熱と痛みがモーガンを襲う。苦悶のあまり、手枷の鎖が許す範囲でのたうち回る少年の姿を、フェイは愉快そうに見守っている。
 「ど、どうして……」
 ようやく苦痛の呻きをかみ殺すことに成功したモーガンに投げられた言葉は非情だった。
 「これでわかったろう? 今のアンタは魔界の片隅を這いずり回る薄汚い淫魔に過ぎないのさ」
 告げられた"事実"をようやく実感したのか、茫然とするモーガンを前に、フェイは積年の想いを吐き出し始めた。
 能力だけなら上級に手が届くはずのサキュバスという種族が、魔界の階梯で中の下程度に留まっているその理由──すなわち、男の精を摂取せずにはいられない淫蕩な性(さが)のこと。
 サキュバス風情と見下されるのが嫌で、必死に実力をつけ、ついには魔王軍の四天王にまで昇りつめたこと。
 それほどの地位を得ても、口さがない魔族には未だ色眼鏡で見られること。
 腐りきった魔界への嫌悪と地上への憧れ。
 そして……。
 「! そうだ。成り立てほやほやの淫魔のアンタに、元先輩としていいことを教えてあげるよ」
 不自然なほど優しい口調で、フェイはモーガンの耳元に囁く。
 「実はね、単に生きてくだけなら、サキュバスも絶対に男の精が必要ってワケじゃないのさ。ただ──サキュバスは、他人の精をすする以外に、自力で魔力を回復することができない。それが弱肉強食の魔界でどれだけ致命的なコトか、わかるだろう?」
 「………」
 無論、聡明なモーガンには、その意味は十分理解できた。
 「それとね。サキュバスは、初めてすすった精気の持ち主に絶対服従──と言うか精神的に逆らうことができないのさ。どんなに屈辱的な命令にも、ね」
 「……!」
 さらに明かされた秘密にモーガンは動揺を隠しきれない。その表情をフェイは間近で楽しそうに見守っていた。
504『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 後編:2012/07/29(日) 22:35:14.33 ID:43flSBHk
 「……たとえ、お前の言った事が事実だとしても、僕の仲間たちが、きっとお前の嘘を見抜いてくれるさ!」
 確信はないが、それでも残った気力をかき集めて虚勢を張るモーガン。
 「ふむふむ。確かに、いくら私が演技達者でも、普通ならそれほど接点のなかったアンタにーなりすますことは難しいだろうね。
 でも──今の私には、"勇者として王都を立って以来の旅の記憶"がキチンとあるんだよ」
 「え?」
 「当然だろう。今の私は"ロザルス王国の期待の星"たる"勇者"なんだから。
 それはアンタもおんなじことさ。意識を集中すれば、さっき私が語ったような"サキュバス"としての過去の記憶を思い出せるはずさ」
 (もっとも、それをすればする程、勇者だった時の記憶は曖昧に揺らいでいくだろうけどね)
 と、その部分は胸の内で呟くに留めるフェイ。明らかに悪意の確信犯であった。

 「さて、"親愛なる後輩"へのレクチャーも終わったことだし、そろそろ私は行くとするよ。
"城の中ではぐれた仲間"と合流して、魔王を倒しに行かないと」
 「! 僕を殺さない、の?」
 「ああ。安心しな。"四天王の最後のひとり"は、私が倒して消滅したってみんなには言っておくよ。魔族といえど、"抵抗する力もない女性"を殺すのは勇者としては、少々いただけないからね」
 ニヤリと笑うフェイだが、無論モーガンとしては感謝する気にはなれない。
 「そうそう。その手枷の鎖もいい加減錆ついてるから、根気良く引っ張ってれば、そのうち千切れるかもしれないよ。まぁ、半日やそこらじゃ無理だろうけど。飢え死にする前に、外れたらいいね。
 それと、魔術を使うのはオススメしないよ。今のアンタの体には精気=魔力がほとんど残ってないから。そんな状態で残りの魔力を使い果たしたら……男の精をすすることしか考えられない正真正銘の淫乱痴女になっちまうだろうね」
 身を翻し、隠し部屋の扉から出て行きながらフェイは言葉を続ける。
 「ああ、サービスでこの扉は特別に開けたままにしといてあげるよ。ほとんどの者は避難させたけど、下働きの下級魔族はまだ何人か残ってるはずだから、そいつらの誰かが見つけてくれるかもしれないね」
 一見親切に聞こえる申し出だが、無論裏がある。フェイは、助け出されたモーガンが、サキュバスとしての本能に負けて、それらの下級魔族の精を口にすることを期待しているのだ。
 もし衝動に流されてそんなコトをしてしまえば、モーガンは初めて精をもらった者に隷属するハメになる。
 かといって、精気吸収(それ)をしなければ、精霊の加護を無くした華奢な少年の武術の腕前では、そもそもこの魔界で生き抜くことすら難しかろう。
 汚辱に塗れた淫魔性奴として生きるか、痩せ我慢してボロ雑巾のように行き倒れるか。
 どこまでも悪意に満ちたフェイの姦計だった。

-完結編に続く-
--------------------
#むぅ、やはり今日中に書き上げるのは無理でした。無念。
#最後の部分──冒頭の戦いとその結末は、明日明後日くらいになんとか。
505名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 23:38:41.18 ID:GAUPrMO1
超GJです!
ちょっとダークなドキドキする展開ですね。
女淫魔姿のモーガン君、少年の好色なボンデージ姿に萌えです。
モーガン君はサキュバスとしてどう生きて行くのでしょう?
完結編に期待です。
506名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 23:51:53.04 ID:vnMjdIbg
乙っす
続きが楽しみですな
507『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 完結編:2012/07/31(火) 02:42:32.44 ID:dSQsOg4X
#ラストです。エロもそうですが、見ようによっては若干グロめの表現があるかも。

 * * * 

 そのあとの事は世間一般に知られている通りだ。
 "勇者フェイ"とその仲間たちは(フェイが魔王の弱点や隠し技なども熟知していたこともあって)、激戦の末に魔王を倒して凱旋し、ロザルス王国を始めとする人間界が平和を取り戻した。
 "魔王を討ち倒した勇者"の立場と、魔王軍参謀であった頃の知略を十全に活かして、フェイは巧みにロザルスの宮廷を立ち回り、ついに王女の許婚という地位を手にした。
 明日の婚礼が終われば、間接的にではあるが王位継承権すら手に入るし、そうでなくともオーガスト姫は"勇者様"にメロメロなので、女王として即位した彼女を操ることはたやすいだろう。
 ただし……。
 「まさか生きていたとは……とっくに魔界の片隅で塵芥にまみれて命を散らしていると思ったよ」
 その前にこの過去のしがらみを断ち切る必要があるだろうが。

 『死ねるわけがないだろう! すべてをお前に奪われたままで!!』
 憎悪と憤怒に端整な顔を歪めて、フェイに襲いかかるモーガン。
 角と翼を生やしたその姿はまさにサキュバスそのものだ。ややボリュームに欠けるものの、一年前に別れた時と異なり胸元も女らしく膨らみを帯びている。

 もっとも、その点はフェイの方も同様で、この一年のあいだに随分と筋肉質でゴツゴツした身体つきになっているのだが。
 下半身──性器に関しては、元々サキュバスは疑似的男根を生やす術を心得ていた(主に女性を相手にする時に使うのだ)ので、"生やした"状態で立場交換したから問題はない。
 女体のツボを心得たフェイの性戯で、王女はもちろん、元旅の仲間で現在は王族剣技指南役の地位についている女剣士も骨抜きにしてある。
 さらにはこっそり男色の嗜好を隠し持っていた僧侶(現在は城付きの司祭となっている)も籠絡してあると言うのだから、その悪辣さは、流石元魔軍参謀と言うべきか。
 (唯一、王都に戻って早々に旅に出た女魔法使いだけは落とせなかったんだが……まぁ、貧相な体つきだったから、さして惜しくはないか)
 戦いのさなかに、そこはかとなく失礼なことを考える余裕すら、フェイにはあった。
508『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 完結編:2012/07/31(火) 02:43:14.08 ID:dSQsOg4X
 ふたりの戦いは一見膠着状態のようにも見えた。
 それは、ある種、1年前の魔界での戦いの再現とも言えた──もっとも、両者が採る戦術そのものはまるっきり逆になってはいたが。
 絶対的な膂力と剣技ではフェイの方に分があり、対してモーガンはその身軽さと飛行状態も含めた3次元的な動きでフェイを翻弄している。
 だが……フェイには勝算があった。第一に、戦いが長引けば城の第三者による介入が見込めること、そしてサキュバスは決してスタミナ面で優秀とは言い難いこと。さらに、淫魔が得意とする精神系・暗黒系の魔法に対し、自分は耐性があること、だ。
 あの戦いでフェイが勝てたのは、あくまでモーガンに魅了の視線で一瞬の隙を作って、そこに畳みかけたからだ。当然、自分が同じことをされぬよう十分警戒している。
 だから、その勝利を確実なものとすべく、淫魔化した少年に揺さぶりをかけることにした。

 「ふふふ、それにしても可愛いオッパイだねぇ。まさか、そこまで立派にサキュバスとして成長するとは……」
 嘲るようなフェイの言葉に、モーガンの視線が一層キツくなる。
 「てっきり、キミは淫魔に堕ちるくらいなら死を選ぶと思ってたんだけど。それとも、自害を躊躇っているうちに、城に残された下級魔族達に助けられたのかな?」
 「──黙れ」
 「で、今のキミのマスターはどんな男(オス)なんだい? 年中さかりのついた豚鬼(オーク)かい? それとも、ちっぽけな犬鬼(コボルト)かな? ああ、伝令に浸かっていた小鬼(インプ)と言う可能性もあるねぇ」
 ワザと最下級の魔物の名ばかり挙げるフェイ。実際には、もう少し上のオーガやトロール辺りなのかもしれないが、それにしたってこうして淫魔化が進んでいる以上、純真で初心だった元少年勇者が誰か男の精をすすり、その者に隷属しているコトは確かなのだ。

 しかし、意外なことに少年(今の姿を見るとそう呼んでよいか躊躇われるが)は逆上するでもなく、むしろかえって冷静になったかのように見えた。
 「ああ、そうだな。確かに、我はアレを──男の精を口にした。しかし、我は我だ。たとえこの身が闇の眷属へと堕ちようと、我以外の何者にも従うつもりはない!」
 高らかに宣言するモーガンの言葉に、困惑するフェイ。
 「それは……どういうコト?」
 考えられるケースとしては、マスターとなった男が不慮の事故などで死ねば、その者に隷属していたサキュバスは「一応」自由になれる。
 しかし、一度男の精の味を覚えたサキュバスに、ソレを我慢することなどできようはずもなく、結局は新たな主人を選ぶハメになるのが常だ。
509『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 完結編:2012/07/31(火) 02:44:08.73 ID:dSQsOg4X
 「あの時は、怒りと恥ずかしさと嫌悪感で狂いそうになったよ──よもや自分で自分のイチモツを口で慰めるハメになるなんて考えたコトもなかったからな」
 「!!」
 そう、禁断の術でフェイと因果を交換されたモーガンだったが、当時は未だ肉体自体はごく普通の人間の少年のソレだったのだ。
 幸か不幸か誰にも発見されないまま、あの隠し部屋で丸二日近い時間を鎖に繋がれて過ごしたモーガンは、すさまじい渇望と身体の疼きに苛まれながらも、それでもこの窮地を抜けだす方法を考え続けた結果、天啓の如く精気の補給源が身近にあることに気付いたのだ。
 躊躇はほんの一瞬だった。
 後ろ手に繋がれた不自由な姿勢のまま、身体をくの字に折り、自分自身の下半身に顔を寄せるモーガン。熟達した男娼なら一度は実演させられたことがあるだろう変態的プレイ、いわゆる「セルフフェラチオ」を試みたのだ。
 あの時、否応なしに口にするハメになった、自らの男根と先走り、そして吐き出した白濁液の味を、モーガンは一生忘れることはないだろう。
 それほどまでに屈辱的で吐き気がするほど気持ちが悪く──なのに、うっとりするほど甘美だったのだから。

 両目から大粒の涙をこぼしながらも、夢中で自らのソレを舐めすすり──幾度かの絶頂の後、何とかサキュバスとしてまともに活動するに足る精気(=魔力)を摂取したモーガンは、魔術で手枷を壊し、隠し部屋から脱出した。
 本来なら、すぐにでも偽勇者と仲間達の後を追いたかったが、自分のものとは言え精気をすすったせいか、急速にサキュバスとしての"立場"に馴染み始めた少年の身体は、勇者だった頃のような無理が利かなかった。
 焦る気持ちを無理矢理抑えつけ、城塞の私室に残されたフェイの財産──それは、黒魔道書だったり軍略書だったり、あるいはサキュバス用の武器防具だったりした──を検分する。
 フェイが言い残した通り、意識を集中すれば、"魔王軍四天王のひとりである淫魔の女将軍"の過去を思い出すことができた。もっとも、その行為の裏側に潜む危険性についても、すぐに気付いたので、以後は必要最低限のみ行うようになったのだが。

 モーガンが、ようやく今の自分の身体と魔力の扱い方に慣れた頃、「魔王が勇者に討ち取られた」という噂を耳にすることになる。正確には、城塞に戻って来た元フェイの(そして今はモーガンの)部下である魔物が教えてくれたのだ。
 そして、魔王軍が瓦解し、勇者達が意気揚々と人間界に引き挙げたことも。
 彼らは──当然のことだが──モーガンを「自分達の上司」として扱い、今後の方針を問うてきた。
 「魔王を倒す」という目的を見失い、胸にポッカリ穴が空いたようになったモーガンは、周囲に流されるままに四天王唯一の生き残りとして魔軍の残党をまとめ、混乱した魔界の治安維持に努めた。
 トップが知将タイプだったせいか、フェイの配下には比較的話のわかる(つまり脳筋ではない)タイプの魔族や魔物が多く、モーガンもさほど苦労することなく、彼らを掌握することができたのは幸運だった。

 こうなっては仕方がない。思うところは多々あるが、「魔王を倒して、人間界を救う」という目的は一応達成されたのだ。冥宮は塞がれたが、幸い人間界からの逆侵攻もないようだし、残された自分は魔界(ここ)の平和のために尽力しよう。
 今や「元魔界軍四天王の紅一点」という立場になったモーガンは、そう考え行動することで、辛さを忘れようとしたのだ。
 元勇者の身で魔界の平和の為に尽力するというのは色々間違っている気がしないでもなかったが、いざ身近に接するようになると、魔族と言えど決して血も涙もない殺戮マシンではないことを、モーガンは理解するようになっていた。
 そして、立場こそフェイから受け継いだものの、陰謀家でSッ気の強いフェイと比較すると、(多少スレて屈折した部分は生じたにせよ)格段に素直で性格の良いモーガンは、自然と部下達からの人望(魔望?)も篤くなっていった。
 魔王軍崩壊の混乱に乗じたこともあって、わずか半年余りでモーガン配下の勢力は、かつての魔王軍の半分近くに匹敵する勢いにまで成長していた。
510『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 完結編:2012/07/31(火) 02:44:32.51 ID:dSQsOg4X
 もちろん、その過程で全てが綺麗事で済んだわけではない。ここは「力こそパワー」の魔界なのだ。指揮官と言えど、時には最前線に出て戦う事を強いられることもあった。そして戦うとなると、サキュバスには大量の魔力が必要となるのだ。
 「自家発電」では追いつかず、戦いの前には、やむなく自軍の精気に溢れた若者達を「贄」として精気を絞り取る。無論、吸い殺したりはしないが、相手は数日間寝込むほど衰弱する。
 (もっとも、彼らからすれば「憧れの女将軍」の口に出させてもらえるのだから、むしろご褒美だったかもしれない)
 そうやって他の牡(おとこ)の精気を飲み下す度に、自分の身体が少しずつサキュバスらしく変貌していくのが分かった。両耳の上に小さな角が生え、肩甲骨の上に瘤のような膨らみが生じていることに気付いたとき、モーガンはいつか人間界に戻るという望みを捨てた。
 以来、いっそう精気吸収に積極的になり、口だけでなく後孔も使用するようになった結果、「因果交換」の術抜きで見ても、今やサキュバス以外の何者にも見えない外見へと変貌──いや「成熟」したのだ。
 男根自体は変わらず股間に残って機能しているが、元来サキュバスにはふたなりの者も多く、そうでなくても疑似男根を生やす術もあるのでまったく問題にならない。

 新たな魔界の実力者として、(完全に幸福とは言えないまでも)存外充実した第二の人生を歩み始めたモーガン。そのままであれば、「彼女」が再びロザルス王国に足を運ぶことはなかっただろう。

 「チッ、そのまま薄暗い魔界の女王を気取っていればよかったものを」
 一騎討ちの合い間にモーガンの身の上話を聞かされたフェイが吐き捨てる。
 「それほどまでに、私に対する憎しみは捨てられなかったのか?
 (おかしい。そろそろ誰かが戦いの気配に気づいてもよいはずだが)」

 「そういう気持ちが無い、と言えば嘘になるであろうな。しかし……」

 ──疾風よ光輝と共に解放せん(ティル・ウェイ)

 モーガンとの会話に気取られていたぶん、その呪文に気づくのが遅れた。
 フェイの背中に灼熱の光球が叩きつけられる。
 いかに光属性に強い勇者と言えど、本来は広範囲殲滅呪文である「核撃」の魔術を対個人用に集束してぶつけられては、さすがに軽くないダメージを受ける。
 思わぬ痛みに顔をしかめ、フェイの動きが止まる。
 ふた振りの黒刃を携えたモーガンの前で、それはあまりに大きな隙だった。
 「それ以上に、お前のやろうとしていることが許せなかった」
 淡々と述べるモーガンの左刃が頸動脈を、右の刃が脇腹から心臓にかけてを、ズブリと切り裂く。
 「ガハッ……」
 それだけで、「紛い物の勇者」は呆気なく斃れた。
511『堕ちた少年勇者〜淫魔姫の罠〜』 完結編:2012/07/31(火) 02:44:54.01 ID:dSQsOg4X
 「協…力者が……いたのか……」
 かろうじてまだ息はあるようだ。
 「さもなくば、お前が言ったとおり我がこの城に入れるワケがなかろう? ついでに、隠密結界もその者が張ってくれたので、誰にも気取られることはないぞ」
 「ったく、勇者を廃業しても、相変わらず人使いが荒いんだから」
 モーガンの背中からひょっこり顔を出したのは、トンガリ帽子に黒ローブという、童話から抜け出して来たような魔女ルック姿の、辺境を放浪しているはずの魔法使いだった。
 「なる…ほど………お主は……私が本物の勇者でないことに……気づいてたのだな」
 「ま〜ね。これでも、あたしはコイツがペーペーの冒険者見習だった頃からの知り合いだし」
 そう。他のふたりの仲間と異なり、女魔法使いのジルレインだけは、「勇者になる前のモーガン」を知っているのだ。それ故、彼から"勇者"の立場を奪ったフェイに対する違和感を抱き続けることができた。
 「ははっ……ぶざま、だな。しかし……私が…このまま死ねば……因果交換の術は……解け、な……」
 最期の捨て台詞を言い終える前に、フェイの命が尽きる。
 「……わかっている。覚悟の上さ」
 ポツリと呟くと、モーガンは背の黒翼を広げ、夜空に飛び立つ。
 「わわっ、ちょっと待ちなさいよ!」
 慌てて手にした魔法の杖にまたがって、「彼女」を追いかけるジルレイン。
 満月の光に照らされ、ふたつの影はそのまま闇夜の中へと消えて行った。

  * * * 

 大陸暦982年七の月朔日、ロザルス国王女の婚約者である勇者フェイは、婚礼の朝、変死体として自室のバルコニーで発見される。
 彼の者の死は、魔王を殺された魔族の報復だったとも、平民出身の彼の台頭を疎む国内勢力の暗殺によるものであったとも言われるが、真偽のほどは定かではない。
 落胆したオーガスト姫はそのまま修道院に出家し、王位は彼女の異母弟であるワイール王子が継ぐこととなった。

 そしてそれからおよそ10年近い歳月が流れた大陸暦991年、魔界を統一した女王からの親書が若き新王のもとに届くことになるのだが……それは、また別の話である。

-劇終-

#以上。シュミに走った結果、グダグダになって申し訳ない。
512名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 08:47:57.19 ID:N52df0T6
gj
513名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 18:41:13.29 ID:yK+Qxis0
GJ!これくらい凝った作品も良いと思います!
514名無しさん@ピンキー:2012/07/31(火) 23:07:23.42 ID:um2Q4c0X
乙です!
超JGでした!
モーガン君強いですね、いろんな意味で。
モーガン君の女君主ぷりももっと見たかったですね。
このお話しの後に大陸間和平が実現するころには娘でも生まれているのでしょうか?
また読みたくなる大変面白いお話でした。

あと、プロットの段階で何方かが言っておられましたが、
少年勇者がサキュバスの服を着せられるのってありだと思います。
515名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 00:00:28.44 ID:yjV7Dzps
JGってなんだ?
516名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 03:31:42.96 ID:okhGucX1
あれだ、業界用語的な。
517名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 06:44:44.22 ID:H2qF7ezc
このスレの振興のために、改めて初代スレからSSと立場交換シチュを回顧してみた。
正式タイトルのないものは仮称です。

・横川昭義・小島由香里:女子大生⇔男子中学生(のちにOL&高校生)
・エイプリルフール:高校生兄⇔小学生妹
・まことまこと:男子大学生⇔デパート勤務OL
・いとこ:中学生の従姉弟同士の立場交換
・幼キ華ガ紡グ想イ:同い年(12歳)の女の子同士の立場交換
・仲澤佑香:女子高生⇔営業課長
・さくら保育園:保育園児⇔その家族?
・一瀬歩美:父⇔高校生娘
・父の日:家族の立場交換(父⇔小学生姉、母⇔保育園弟)
・雪谷のぞみ:カリスマ美人ギャル社長⇔47歳専業主婦
・合コン:看護学生⇔医大生(看護師・医師になって再会)
・結婚式:新郎⇔新婦
・家出少女福森あかね:家出女子高生ギャル⇔青年
・女子高生・渡良瀬和己:継父⇔高校生娘
・そこはとあるお屋敷:幼馴染同士の立場交換(主人♂⇔メイド)
 →続・そこはとあるお屋敷も
・次期当主はメイドさん!?:従姉メイド⇔後継者候補の従弟
・他人の皮を被る:男性同士(立場乗っ取り?)
・人気モデルの堕落:女性モデル⇔デブヲタ男
・要12歳、職業・女子高生:女子高生従姉⇔小学生従弟
・家族立場交換:父⇔小学生娘 ※その続きもアリ
・ランダム校風変化:お嬢様女子高⇔不良男子校
・新世界:オタク文化⇔女の子のファッション文化
・あの時間:キモヲタ⇔女子小学生
・振袖:父⇔娘
・ミーちゃん:動物⇔女の子
・替玉お断り:高校生兄⇔中学生妹
518(つづき):2012/08/05(日) 06:45:34.55 ID:H2qF7ezc
・ありふれた日常:会社の同僚の男女の立場交換  →(分岐)そして日常な非日常へ
・愛憎相克:メイド⇔貴族令嬢
・影武者姫:姫⇔侍女
・宿なし汚ギャルは電波系:男性教諭⇔汚ギャル
・なりきらされる世界:ランダム交換?
・ゆあ・ゆうじぁりー:伯父⇔小学生の姪
・告白:男子学生⇔その想い人の恋人である女子高生
・黒の誘惑と白への回帰:戦隊のヒロイン⇔悪の女幹部
・花嫁な父:父⇔娘
・彼女たちの立場:幼稚園児⇔OL
・是ぞまさに善悪相殺?:魔法少女⇔悪の女幹部
・同窓会:不良学生⇔優等生少女の数年後  →その後の話も
・その日常は:会社員の姉⇔弟
・泳げ、チハヤちゃん!!:高校生兄⇔小学生妹
・気が付いたら……悪の女幹部!?:新米ヒーロー(♂)⇔悪の女幹部
・立場同一性障害:19歳女性⇔45歳男性
・おねしょ:小2妹⇔中学生兄
・甘い恋人:飼い犬⇔飼い主の恋人
・うめネタ:新郎の父⇔新婦
・令嬲志願:幼馴染同士の立場交換(お嬢様⇔庶民の少年)
・重装王女の追想:姫将軍⇔従騎士♂
・世界を救う聖女様だって、シたい時はあるモン!:勇者パーティーの修道女の少女⇔敵方ボスの女教皇
・女子トイレ:女子トイレ⇔男子トイレ
・模試:女の子の遊び⇔男子高校生の勉強
・取り替えっ子:小6兄⇔隣家の小4女子
・妹の部屋:中2兄⇔小5妹
・立場の振り分け:普通の男子生徒⇔遊び好き女子生徒
・未来にキスを:男子専門学校生⇔女子小学生
・晴れ着:父⇔娘
・新年交換会:いろいろ
・君が司厨長で給仕娘が僕で:兄⇔妹
・男と女の立場が逆転:男子学生⇔女子学生いろいろ
・Nursing Samba:幼馴染同士の男性医師⇔看護婦長
・御神原の妖精:女子体操部員⇔男子相撲部員
・家庭教師:男子大学生の家庭教師⇔女子小学生の教え子
・名札はキチンと付けましょう:男子小学生⇔女子小学生
・立場交換スレ住人が望んだ七夕の願いは:いろいろ
・思いやり学習:女子中学生⇔男性教諭
・堕ちた少年勇者:少年勇者⇔サキュバス

結構やり尽くされた感はあるかもなぁ。そして、自分(K)、悪の女幹部好き過ぎだろう(笑)。
「思いやり学習」と家庭教師の話の続きが読みたいです。
519名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 10:02:52.41 ID:CzuYCsyR
これだけ出尽くしたなら後はひっそりとしていてもいいな
いつか無くなるのさの気持ちでまったりと天寿を待つ老人の心境で行こう
このスレは良いスレだな
520名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 11:22:40.52 ID:zCPm/UKM
ネタがかぶっても、作者が違えば切り口も違うし
結局のところ楽しめればおk
521名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 12:55:04.21 ID:rV42IFcL
熟女と立場交換したい
522名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 14:58:57.18 ID:jOZWwzMO
シチュエーションが同じでもキャラの性格とかで差別化図れるしな
組み合わせ方は色々あるし結構幅の広いジャンルだと思うよ
何が言いたいかと言うと上品なセレブミセス達がアホな小学生男子になってる話が見たいです
523名無しさん@ピンキー:2012/08/05(日) 22:08:24.74 ID:yjV7Dzps
何を読みたいか言っても良いなら俺は宿なし汚ギャルは電波系の続きが読みたい
こうして見ると途中で続きがなくなった話しがちらほらあるよな
524名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 01:32:19.13 ID:yzHgP8zs
途中で終わってて続きを読みたいのはいっぱいあるけどとりあえず今は思いやり学習の続きが気になって仕方がない
525名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 06:52:28.61 ID:vJg5Zd9u
俺はお嬢様学園の入れ替わりをもっと色んなパターンで見たい
526名無しさん@ピンキー:2012/08/06(月) 23:19:15.82 ID:RtdHLmwa
強制立場交換ものが見たい
立場交換で辱しめるやつ
遊び人で適当なギャルと生真面目かつ気難しいオヤジの立場交換もいいな
527名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 02:59:32.59 ID:e88OdNoS
>>526
強制立場交換の話しはついこの前に投下されたばかりだろうに
まだ欲しがるとは相当好きなんだな
528名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 23:57:09.40 ID:YHM3QN9k
幼女との立場交換でも語ろう
529名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 02:04:57.28 ID:HizzeZDy
幼女との立場交換も捨て難いとは思うが俺は塾女とショタが好きだな
ついでに言うと性教育的なシチュが好き
530名無しさん@ピンキー:2012/08/12(日) 09:25:17.73 ID:4Va3AaSs
今更だが、昨日から休みになってサイトまわりして気づいたが
つるさんの彼女の因果律番外編に街灯があった

正直、彼女らが立場交換を始めたばっかの頃の番外編を読みたい
531思いやり学習13(委員長):2012/08/13(月) 17:04:57.95 ID:iMz358zc
わたしは、立場交換を甘く見ていたんだと思う。
「身体は入れ替わらないけど、立場だけが入れ替わる」って聞いて、どこか安心してしまっていた。
まあ、それでも助川の立場なんて嫌で仕方なかったけど……でも、替わるのが立場だけなら、普通に生活すればなんてことない。
そんな風に考えていた自分を、ひっぱたいてやりたい。

「くぅ〜っ!これが立花のブラか!」
私は誰もいない女子更衣室で、自分が今朝まで付けていたブラの匂いを嗅いで興奮していた。
上半身裸で、競パンだけを履いた姿。普段なら恥ずかしくて人前に出れないような姿なのに、わたしはさっきまでその格好で水泳の授業を受けていた。
そのうえ、授業を途中で抜け出して…女子更衣室に忍び込んで下着を漁っていた。

やだ…本当はこんなことしたくない。わたしは女の子なのに。こんな…変態みたいなことっ!
何度もやめようと思っても、どうしても……あぁ……したくなっちゃう。
入れ替わってからのわたしは、ずっとこうだ。
自分の性格まで交換したわけじゃないのに……「女子」のことを考えるといやらしい気持ちになってくる。
授業中に斜め前の「女子」を盗み見て変なところを堅くしたり、あんなに嫌だったスカートめくりを自分がやって「女子」に怒鳴られたり。
そんなことはしたくない。でもそれを我慢しようとすると、身体が爆発しそうなイライラが溜まっていって……結局してしまう。
きっと斉藤さんが言っていた「生理現象の交換」で、わたしと助川の性欲が交換されてしまったのだと思う。

わたしは荒い鼻息を立てながら、右手を競パンのなかに滑りこませた。
わたしのその………あそこの中に指を入れて、堅くなり始めたところを弄る。
やっ、こんな…不潔だわっ!でもっ…!わたしは肩で息をしながら、自分のあそこを弄り続けた。
「フーッ…フーッ!うおぉ……立花ぁ」
弄りながらスク水を着た助川のことを想像すると、なんだかたまらない気持ちになってきた。

「あっ、あっ。もうちょい…なんかねーかな」
わたしはうわ言のように喘ぎながら、そわそわと落ち着きなく視線を動かした。
後少しで何かが出てくる…そんな感覚がある。けど、それにはまだなにか物足りない。
……手に持った自分のブラをつい見てしまうと、顔が自然ににやけてしまった。
やだ…はやく元に戻りたい。自分のブラの匂いを嗅いだりしてないで、ちゃんと胸に付けたい。
せっかく育ち始まったのに、形が崩れちゃったらどうしよう。

「あ」
わたしの口からまぬけな声が漏れた。
「そうだ、付けてみりゃいいんじゃねえか」
げへへ、とわたしの顔に下品な笑みが広がっていった。
右手を競パンの中から引き抜く。ねっとりとした糸が人差し指から床に垂れていった。
嫌な予感しかしない。「胸の形を崩したくないから」という私の思いは、スケベな助川の立場のせいで全然違うものになっている気がした。
熱に浮かされたような気持ちでブラを胸に当て、ホックを留め始めた。
普段付け慣れているのに、なぜかモタモタと慣れない動きになってしまう……ようやく付けられた。
バクバクとわたしの心臓が激しく鳴っていて、外にいるみんなに聞こえてしまいそうな気がする。
普通にブラを付けただけなのに、なぜかイケナイことをしているという罪悪感と興奮がわたしの体を焦がした。

ブラを付け終わっても、わたしの手は止まらなかった。
次に競パンをすとんと床に落として脱ぐと、無地のパンティを手に取り、足を通していく。
股の間にフィットすると、なんだか圧迫感を感じた。こう、肉の塊に布が食い込むというか……棒のようなものがパンティの隙間から出ている気がするというか。
荒い呼吸のまま、紺のセーラー服とスカート、最後に白のハイソックスを履いていった。
「あー、やべえ。やべえよ……」
普段のように女子の制服を着ただけなのに、わたしは猛烈な恥ずかしさを感じていた。
そのままフラフラと鏡の前に立つ。鏡に映った姿を見て、衝撃のあまり男言葉が漏れた。
「うおっ!……おっ、おれが立花の制服を着ちまってるぅ!!」
532おもいやり学習14(委員長):2012/08/13(月) 17:11:37.33 ID:iMz358zc
鏡に写っているのは、立場交換をする前のわたしの姿だ。襟にはキチンと糊の付いたセーラー服。学校指定の長さに抑えたスカート。
お母さんがいつも綺麗に洗濯してくれている、白のハイソックス。なのに、なのに……
「やっべー、おれ変態じゃねえか!」
変態。鏡を見たわたしの頭に浮かんだのは、その言葉だった。
女子の制服を着た自分が、とんでもない変態にしか思えない。まるで、男子が女子の制服を着ているような感じ。
わたしはそこで、自分の感覚がだいぶ助川の立場に馴染んできているのに気づいてしまった。
今のわたしにとっては、男子の制服が当たり前になっている!さっきまで胸が崩れるのを気にしていたはずなのに、いつの間にか乱暴な手つきでブラを制服の上から揉んでいた。
「くぅぅ〜!これで立花にもうちょっと胸がありゃあなー。あ、いい匂い……」
わたしは自分の制服の匂いを嗅いだ。制服が放つ女の子らしい甘い匂いに混じって、ツンと汗臭い男子の匂いが混じっている。
助川のものに替わってしまった、今のわたしの体臭だった。

「うおっ!おれ、立花だったのにっ!今は助川になっちまって、チンポ弄りたくてしょうがないんだよなっ!」
一番わたしが聞きたくない言葉を、わたし自身が口にしていた。
自分で言った言葉なのに、聞いただけでわたしの体が熱くなっていく。助川の立場になったわたしが、わたし自身の興奮を煽っていく。
鏡の中では、いやらしい顔をしたわたしが、ごそごそとスカートの中に手を突っ込んでいた。
パンティの隙間から指を差し入れ、もう痛いほどに堅くなっていたそれを…くりっ、クリトリスを弄ってくぅ…ん!
ひあっ、あっ、すごい。自分の制服が恥ずかしくてたまらなくて、なのにすっごく、ゾクゾクしてきてっ!
「おっ、うおっ!すげえ、女装オナすげーよ!」
自分が女なのか男なのかわからなくなりそう。やっ、わたしは、女の子……なのにっ!
「うおお…おれは……男っ、だっ!おおぅ!!」
もっと欲しいっ!可愛い子の下着がもっと欲しいのっ!あぁんっ…!!
たまらず眼の前のロッカーを次々開けていき、他の子の下着を物色していく。
他の子に迷惑を掛けないように、自分の下着を漁っていたことは、もうわたしの頭から吹き飛んでいた。
533思いやり学習15(委員長):2012/08/13(月) 17:13:07.13 ID:iMz358zc
「くひっ!Dカップめーっけ!」
気がつくとクラスで一番胸の大きい、綾瀬さんのブラを手にしていた。いやらしく舌をくねらせ、ぺろぺろとブラの内側を舐める。
ほんのりと汗のしょっぱさが感じられて、また頭が沸騰しそうになった。
綾瀬さんはチアをやっていて、練習中に大きな胸が勢いよく弾んでいるのを何度か見たことがある。
胸があまり大きくないわたしからすれば、羨ましい限りだ。もっとも今は、柔道部の本郷くんと立場を交換してしまっているんだけど。
そのせいでわたしの頭に浮かんだのは、チアガールの姿をしている本郷くんの姿だった。
太い首と坊主頭のがっちりした体つきなのに、なぜか……んっ…今の私にはとても……あっ、そそっちゃ、うぅん!!
身体の奥から何かが込み上げてきた。ピン!と背筋を伸ばし、わたしはクチュクチュと高速で指を掻き回した。
わたし、いったいどうなっちゃうの!? 女の子なのにっ……自分の制服着てるだけで興奮しちゃって!
頭の中は女装した男子のことでいっぱいで……はぅうー!でも気持ちいいよぉ!!

わたしの腰がガクガクと揺れる。足をがに股にして、割れ目にすごい速さで指を出し入れした。
んっ、ああっ、ふあっ、しゅごっ、お、お母さん、お父さんごめんね。わたし、変態になっちゃうっ!!
しゅごいよお!わたしの頭ばかになっちゃうっ!!こんなに気持ちいいなら、ずっと助川でもいいっ!!
あっ、あっ、出るっ! な、なにか出ちゃうっ!やっ、あんっ!んふっ………!んあぁぁぁ〜!!!!
「うおっ!イクッ!!おれ女装オナでイクゥッ!!!!」
頭の中が真っ白になった。ぶしゅっ、ぶしゃぁという粘っこい音とともに、わたしのパンティからどろりと白い粘液が溢れだす。
今までに味わったことのない、圧倒的な開放感と快感にわたしは包まれていた。初めて味わう男の快感に、思わず腰が抜けてしまった。
よりにもよって人生最初のオナニーを男としてしちゃうなんて。でも……気持よかったぁ。

けれどすぐに快感の余韻は冷めていって、わたしは冷たくベトつくパンティを履いた、女装変態男だという自分の立場を思い出した。
「なにやってんだ……おれ」
泣きそうな気持ちになりながら、汚してしまった自分の下着と綾瀬さんのブラを片付けていく。
このまま助川でもいいと思ってしまったのは本当に一瞬で、このときのわたしはまだ気づいていなかった。
片付けながら、わたしのクリトリスがまた堅くなっていたことにも。
534思いやり学習16(三浦先生):2012/08/13(月) 17:15:14.15 ID:iMz358zc
水泳の授業中に『助川』がいなくなるという騒動は起こったが、結局無事に見つかった。
いったいどこにいたのだろう。探し始めようとしたら、にやけながらふらっと現れたのだ。
もっとも、俺の立場になった斉藤にこってりとしぼられていたが。

その体育が終わった後も、俺は女子中学生として授業を受け続けた。
数学の時は授業についていくのにいっぱいいっぱいで気づかなかったが、他にもいろいろなところに変化が起きているようだった。
国語の授業で長めの文章をノートにとっていると、自分の筆跡がいつもと違うのに気付いた。
「誰が見ても読める字を書いて欲しいものですな」と教頭からチクリと言われていた俺の悪筆が、丸みを帯びた、可愛らしい文字になっている。
「なんだか女の子の字みたい」
クマのキャラクターがプリントされたシャーペンを握り直し、続きを書き始めたがやはり丸っこい字のままだった。
どうやら筆圧自体が女の子のものに変わってしまっているらしく、字の濃さもだいぶ薄い。

午後にあった音楽の授業も妙な感じになっていた。
今日は合唱の練習だったのだが、立場交換のせいで主旋律である軽やかなソプラノを男子が、主旋律を力強く支えるべきバスを女子が担当することになったのだ。
実際に歌ってみると、これがなかなか大変だった。
俺も含めた男子連中は、裏声を使って「女の子らしい」声を作ろうと必死だった。
変声期を迎えたばかりの男子にはキツイいものがあったようで、皆濁ったような、掠れたような歌声になってしまっていたが。
一方女子は、元々高い声を「男の子らしい」低い声にしようと懸命になっていた。
こちらは男子ほどの聞き苦しさはなく、なんだか宝塚のような凛々しい雰囲気の歌声になったが……
立場交換した男女の歌声が合わさると、男らしさと女らしさが全部混ぜこぜになって、聞き苦しいことこの上なかった(アルトの子たちはまだ大丈夫な方だったが)。

数体国理音社。今日一日の授業が全て終わり、ようやく放課後になった。
535思いやり学習17(斉藤):2012/08/13(月) 17:22:24.62 ID:iMz358zc
「よし来い、本郷!」「うっす!!」

放課後に入り、部活の時間になった。
三浦先生が顧問をしている部活は柔道部。なのでその三浦先生の立場になったわたしは、柔道部の顧問になってしまっていた。
柔道なんて体育で少ししかやったことがなかったけど、いまのわたしはこう…熱血顧問というものになってしまってるみたいだ。
だれている部員を見ると腹が立ってすぐに注意したし、熱心に練習に取り組んでいる部員を見ると、もっと強くなって欲しいという気持ちが湧いてくる。
今も柔道部のエースの本郷くんの乱取り相手になっていた。

本郷くんは県大会まで出たこともあって、元の私なら一瞬で投げ飛ばされていたと思う。
でも三浦先生の身体能力になったわたしは、ことごとく本郷くんの技をさばいていた。
襟を引き付ける、と見せかけての大外刈り。さらに大外刈りをかける、と思わせての背負投げ。
本郷くんが仕掛けてくるフェイントをすぐに見抜き、次の手を塞いでいく。互いの襟を、帯を取り合う攻防がしばらく続いていた。
けれど、本郷くんが右足を踏み出して組み直そうとしたその時。そこを狙ってわたしも後退し、追ってきた本郷くんに払い腰を掛けた。
綺麗に払い腰が決まり、柔道場の畳がダァン!と威勢のいい音を立てた。受け身を取った本郷くんは、仰向けになってハアハアいっていた。
柔道着は乱れ、クラスでも一番の巨乳が荒い呼吸で揺れていた。本郷くん…の立場になっている綾瀬さんは、滴る汗を拭いながら立ち上がり、柔道着を直した。
「もう一本お願いしまっす!」「おう!」
わたしも胴着の乱れを直すと、再び『本郷くん』と組み合った。
536『思いやり学習』作者:2012/08/13(月) 17:25:53.96 ID:iMz358zc
だいぶ間隔が開いてしまいました。思いやり学習、本日の投下は以上です。
そろそろ学校パートも終了し、次回から帰宅編に移ります。
三浦先生として帰宅した斉藤さんを待ち受けていたのは……?
それではまた後ほど。
537名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 18:35:33.37 ID:8I2w9W47
乙です!
538名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 18:38:26.76 ID:6iaBkBkG
GJ
待った甲斐があった!
自分の制服来ただけなのに女装オナニーとはGJすぎ!
539名無しさん@ピンキー:2012/08/13(月) 19:18:21.03 ID:ep2zxecx

すごい措置感が良いイイ!!
とても良かったです
続き期待しています
540名無しさん@ピンキー:2012/08/15(水) 02:44:21.70 ID:d7v5NB24
乙です!
続き期待してます!!
できれば、生理とかトイレとかの男女の差が大きいものの話も見てみたいです
余力があったらお願いします
541『思いやり学習』作者:2012/08/15(水) 22:49:03.74 ID:UXzkaUdF
いつもみなさんの感想に感謝です。とりあえず生理関係についてのお返事を。

>>540
生理は斉藤さんがその日じゃない設定にしちゃったんで、難しいかな…?と思いますが、トイレは出したいですね。
「どう見てもチンポのままなんだから、立ちションも余裕だろ」と思った三浦先生。
立ったまま小便しようとするも、既に女性器と立場交換してしまった自身の男性器は、びちゃびちゃに小便を撒き散らすだけに終わってしまうとか。

それと帰宅編では斉藤さんと三浦先生にそれぞれエロを用意してあげたいので、次の投稿まで少し時間がかかりそうです。
斉藤さん→帰宅するとそこには三浦先生の若妻が。斉藤さんは男盛りの体育教師の性欲に耐え切れず、同性であるはずの三浦先生の妻に欲情してしまう。
三浦先生→未定。斉藤さんにエロい姉がいる?ことにしようかと思っていますが、まだ変わるかもしれません。アイディア求む。

帰宅編が終われば翌日、そしてエピローグで終了です。あと少しだけお付き合いくださいませ。それでは
542名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 07:45:28.46 ID:NHSMAt0f
>>541
生理ネタは委員長の方でいくのはどう?
543名無しさん@ピンキー:2012/08/16(木) 14:45:16.19 ID:2zmnl7K+
三浦先生はベッドの中で水泳の授業のやり取りを思い出して「三浦先生」のことを妄想してパンツ濡らしてるところをお姉ちゃんに見つかるとか
544名無しさん@ピンキー:2012/08/17(金) 02:26:45.22 ID:hPPHKsVQ
>>541
生理の描写は思いつけばぐらいの感じで思っててもらえればいいですよ

三浦先生は既婚者なんですね
てっきり佐藤先生といい感じになってそういう事にって感じになるのかと思ってました
545名無しさん@ピンキー:2012/08/17(金) 16:13:07.77 ID:EJHQ0mnh
委員長が助川家に帰ってからのスケベ少年っぷりも凄そう…
546名無しさん@ピンキー:2012/08/18(土) 07:17:22.66 ID:w9exG7Ay
うぉ、しばらく見ないうちに『思いやり学習』の続きが!
委員長になってる助川くんの心理も知りたいところですね
547名無しさん@ピンキー:2012/08/19(日) 08:33:05.19 ID:tppGsMaZ
上で挙げられてる「あの時間」みたくロリコンと美幼女の立場交換だけど、幼女の立場になったロリコンが色々ひどいメや恐いメに遭う話とかどうだろ?
「ゆあ・ゆうじぁりー」でもちょっと描写があったけど、他のロリコンにストーキングされて襲われるとか、周囲に子供としての遊びや行動しかさせてもらえない感じ。
画策したのは美幼女の側で、「キモいアイツを懲らしめて」と神様なり妖精なりに頼んだとか。
逆に、ロリコンの方が悪魔やランプの精に「●●ちゃんの立場になってロリライフを堪能したい!」と願ったけど、いざなってみると想像してたのと違う……という流れもアリか。
「もうロリータライフはコリゴリでござる」と痛感したロリコンだったが、じつは当分(1ヵ月とか1年間とか)元に戻れないとわかって悲鳴をあげる……というオチもいいかも。
548名無しさん@ピンキー:2012/08/19(日) 10:37:29.95 ID:N3kWqpGN
酷い目に遭わせるのは大人の男の立場を手に入れた幼女がいいな

前者ならロリコンの立場になった幼女が直々にお仕置きして懲らしめる
立場が戻れば捕まるのは自分なので助けも呼べずロリコンに襲われる幼女の気持ちをたっぷり味わう

後者なら双方の合意がないと戻れなくて、ロリコンライフを満喫してる幼女はなかなか戻りたがらない
機嫌を取るためにロリコンな幼女の言いなりになる幼女なロリコンとか
549名無しさん@ピンキー:2012/08/19(日) 20:05:13.43 ID:7rThWZLv
いっそ両方
550名無しさん@ピンキー:2012/08/20(月) 06:01:22.22 ID:5QIsomhG
むしろ幼女の立場になったロリコンが
幼女同士の交友に「幼女最高」となる方がいい。
551名無しさん@ピンキー:2012/08/20(月) 22:45:27.08 ID:8ODS/CDR
まだおねしょするぐらいの幼女が父親と立場交換して
おねしょした父親を叱りつけて尻を叩いたりとか
幼女は普通にチャック下ろして立ちションする一方で
一人でおしっこできない父親を抱きかかえて足を広げておしっこさせるとか
552名無しさん@ピンキー:2012/08/22(水) 21:49:21.10 ID:pnOSPMKJ
ロリコンの立場になった幼女が自分の立場になったロリコンに欲情するとか
553名無しさん@ピンキー:2012/08/25(土) 14:05:39.71 ID:CSRYuwcr
今更だが女性器と立場交換してしまった男性器という表現にグッときた
554名無しさん@ピンキー:2012/08/25(土) 14:28:25.13 ID:XRrH2M9/
幼女の立場になったロリコンが自分の身体や周りの幼女に欲情するとか
555名無しさん@ピンキー:2012/08/25(土) 21:31:52.66 ID:Llc862FM
 以前、ネタだけ披露した『ハイティーンアイドルの戸惑』(女性アイドルと男性マネージャーの立場交換)を、最近のココの風潮のロリッ子系と合体させて、『ジュニアアイドルの退屈』というのはどうだろう。
 子供服モデルからテレビ番組の子役でブレイクして、もうすぐCDデビューも決まっている11、2歳のいわゆるジュニアアイドルの子(某まいん役の福原遥みたいな感じ?)が、あまりの忙しさに不平を漏らす。
 マネージャー(三流大卒・22、3歳)は、色々彼女の機嫌をとろうとなだめすかす(実はロリコンなのでロリっ子の傍にいるだけで幸せ)が、彼女の機嫌は直らず。
 さすがに、仕事に穴を開けるわけにはいかず、困り果てたマネージャーに、「じゃあ、これから一週間、わたしの代役をやってよ」とロリっ子アイドルは提案。何かのお遊びか、と気軽に頷いたマネージャーだったが……ってな感じ。
556名無しさん@ピンキー:2012/08/25(土) 21:37:14.47 ID:CSRYuwcr
年はいっそ小学校低学年ぐらいの方がいいかな
557名無しさん@ピンキー:2012/08/25(土) 22:16:17.16 ID:63HoJBuD
>>553 いいな、それ。kwsk
558名無しさん@ピンキー:2012/08/26(日) 21:37:33.20 ID:/N0cTvyM
銭湯で幼い娘の裸が見られないように立場交換
559名無しさん@ピンキー:2012/08/28(火) 15:45:00.77 ID:/IbgIY97
性欲のせの字も知らなそうな幼稚園女児が性欲真っ盛りの近所の男子高校生の立場になって
子供特有の好奇心と男子高校生の性欲が合わさった男子高校生な女児が女児な男子高校生に色々なイタズラを仕掛ける
560名無しさん@ピンキー:2012/08/28(火) 19:44:17.06 ID:BcqFRI8M
最近勢いないね
ネタも似た様なのばっかりだし
ネタ出す人も暑さで参ってるのかな
561名無しさん@ピンキー:2012/08/30(木) 22:42:39.84 ID:gDL3Wcac
ダッチワイフと本物の嫁が逆転。

嫁の相手もせずダッチワイフばかり相手する旦那に嫌み、
嫁はダッチワイフと立場交換する。
最初はダッチワイフになった嫁(もちろん身体は動かない)とあつあつだったが
嫁になったダッチワイフの良妻ぶりにダッチワイフになった妻は捨てられる

ダッチワイフじゃなくてラブドールもありだな
562名無しさん@ピンキー:2012/08/31(金) 18:45:47.71 ID:55lId76e
そういえば何気に夫婦間の立場交換って少ないね
なんか萌えるシチュ無いかな
563名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 11:05:30.61 ID:a+lSfsHK
セクハラばっかりしてくる舅に対して怒った嫁が立場交換。
尻を撫でたり授乳シーンを見せろと喚いたり、今まで自分がされてきたことを舅に仕返しできてすっきり。
元に戻ろうとしたが機械の操作を誤り、夫や姑、赤ちゃんも巻き込んで立場がチグハグに入れ替わってしまうとか。

「まったく、須磨子さんのせいでひどい目にあったわ」
姑の立場になってしまった夫がぷりぷりと怒っている。女物の着物を着て、白い割烹着を付けた姿で。
「すみませんお義母さま。わたしが至らないばっかりに」
私になったままの舅が、酒焼けした濁声でしおらしく謝った。脂ぎったスケベ顔が、今は曇っている。
「ばぶぶ、ばぁ」
舅の立場になってしまった娘は、ベビーサイズになった舅の服を着ている。にやにや笑いながら、赤ちゃん言葉で何事か呟いた。
「もう、お父さん!この期におよんでまたそんなこと!」
夫が姑になりきってぺちりと娘の手を叩いた。
「まあまあ、当面はこのまま暮らすってことでいいじゃないか」
夫の立場になってしまった私は、半ば面倒くさそうにそう言った。
赤ちゃんの立場になってしまった姑がぐずりだしたので、舅は席をたった。
そろそろミルクの時間だったはずだ。開いている部屋で授乳してくるのだろう。
まだ揉めそうだったので強引にその場を切り上げ、夫の実家を後にした。

……3年経った今でもそのままだ。
そろそろ二人目が欲しいねと舅と話している。
後輩からの飲みの誘いも断り、今夜辺りまた舅と子作りに励むつもりだ。
私に組み伏せられ、瞳を潤ませて喘ぐ舅の姿が脳裏に浮かぶ。
かつて夫のものだった男物のスラックスの中で、私のクリトリスが堅く勃ち上がり始めた。
564名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 20:06:44.65 ID:0it2Xl6y
男子社員のセクハラに悩まされてきた女子社員が社内の男女の立場を丸々交換
565名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 21:33:38.04 ID:BrUVT8mD
iPhoneユーザーのアップル社員とAndroidユーザーの女性社員の立場交換
566名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 22:11:49.69 ID:QvEFCqDo
携帯交換するだけでいいだろw
567名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 22:53:36.96 ID:BKhe380h
店員と客が逆転 「店員は神様」

店員が物を売ってくれるように媚びる
568名無しさん@ピンキー:2012/09/01(土) 22:57:04.20 ID:SOEgqOF2
>>563
いいね
569名無しさん@ピンキー:2012/09/03(月) 23:18:43.54 ID:J9dI8hZt
小学生の娘と立場交換した父親が初潮を経験
中学生の息子と立場交換した母親が精通を体験
570名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 03:06:21.84 ID:M8+SGWKa
交換日記とか交換留学生とか
そういうキーワードでなんかできそうな予感
571名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 07:29:10.63 ID:lOCyzXaA
>>570
クラスメイトなんだけど、
 かたや学年一の優等生にしてキツい性格の委員長な眼鏡っ娘(実は外すと美人)、
 かたやちょぃヲタ趣味な地味・内気・平凡系男子
──で、ある日、超常現象的ハプニングで立場が入れ替わってしまい、
何とか日常をやり過ごすため、互いに「交換日記」をやりとりするようになって……とか。
次の満月の夜まで立場交換が周囲にバレなければ元に戻れるんだけど、
「委員長娘」になった男子は、なかなかその立場をまっとうできない。
対して、「凡人少年」になった女子の方は、気楽な立場をむしろ謳歌し、
次第に「別に元に戻らなくてもいいかな」と考えるようになり……。
572名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 09:48:31.56 ID:ztUPeUtO
「メガネ外すと美人」ってのも、ある意味、立場交換に近いと思う

実際、メガネブスがメガネ外して美人になるなんてなかなかありえないし
逆に、美人はメガネかける事で若干地味になるかも知れんけど、あくまで地味美人になったレベル

でも未だに「メガネ外すと美人」がありうると本気で信じこんでる人が多いのが現実の不思議
573名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 09:53:47.42 ID:ztUPeUtO
すいません
立場交換でなく、立場変化でした
574名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 21:28:44.91 ID:/GnC2m7O
地味女子でひっそりと過ごしてた少年が、メガネ外すと可愛いと言われて
突如脚光を浴び、女子としての立場を存分に楽しむようになる
方や凡人少年はその事実を知りいたたまれない気持ちになる

結構いいシチュだと思うけどな
フィクションの世界に現実を持ち込む必要はないよ
575名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 22:00:15.80 ID:sYWLlpcX
現実で起こっている立場変化の話してるだけじゃないの?
このスレじゃ立場交換という異常事態が起きても皆気にしないのが面白さだけど
現実には大して変化してないはずの脱めがね行為で皆が「美少女になった」と大騒ぎするというまさに事実は小説より奇なり状態になってるのを指摘してるだけでしょ?
576名無しさん@ピンキー:2012/09/07(金) 23:11:06.14 ID:5FWgOnyW
じゃあ眼鏡を掛けるとデブス女が眼鏡美男子の立場になるとか
リボンを付けるだけでキモオタが幼稚園女児の立場になるとか
ネクタイを着けるだけで女児がサラリーマンの立場になるとか
577572:2012/09/07(金) 23:43:08.80 ID:ztUPeUtO
>>574
>>571さんのアイデアを否定してる訳じゃないんですが、勘違いさせてしまったらスイマセン
ただ皆、ごく普通にあるあるネタみたいな感じで「メガネ外すと美少女」ネタを挙げるけど
実際あまり無いシチュなのに不思議で不思議で、つい書き込んでしまいました
578名無しさん@ピンキー:2012/09/08(土) 00:00:45.20 ID:3g/YtzZ8
子ども大学に大人幼稚園
ちょっとだけ気になります
579名無しさん@ピンキー:2012/09/08(土) 10:05:15.94 ID:kriudGZO
>>576
いいね! 
金持ちだし顔も愛想もいい男と大学時代に知り合い、結婚したものの、
実は夫がマザコンなヘタレだと知って落胆する妻。
しかし、そんな夫も、就職した会社ではバリバリ働いている様子。
実はその秘密は、彼が出社する際、締めているネクタイにあった!
このネクタイを締めると誰でも「典型的なヤリ手のサラリーマン」
と周囲から見られ、自分でもそれらしく行動できるのだ。
「そう言えば私も、結婚してから、彼のお母さんにもらった
 エプロンを毎日着けてるけど……」
これを着けていると苦手なはずの家事がはかどり、なぜかダメオな
夫に対する愛情が湧いてくる気が……。
一計を案じて、夫が寝ている間に女装させ、その上から自分がしていた
エプロンを着けさせる妻。自分は夫の背広を着てネクタイを締める。
目が覚めた夫は、まるで愛情一杯の新妻のように甲斐甲斐しく、
家事や妻の世話をする。
妻も堂々と夫の会社に出社し、夫の立場で仕事をこなすのだった……。
580名無しさん@ピンキー:2012/09/08(土) 14:19:58.14 ID:C3SZvI94
鬼畜眼鏡を思い出した
581名無しさん@ピンキー:2012/09/08(土) 23:28:40.67 ID:NtjF5hc3
はるか遠い未来、人間とロボットの立場が入れ替わる
それまでロボットは労働力として量産され壊れてもパーツを交換して修理され従事していたが
機械の反乱によりその社会は一変する

クローンやバイオ技術によって人間は簡単に再生され、死んだとしてもバックアップによって復活
ロボットに従事する労働力として人間は存在させられる
そんなSFってありそうだ
582名無しさん@ピンキー:2012/09/08(土) 23:49:51.00 ID:qOxltNBu
>>581
その逆転によってメイドロイドが主人だった人間と立場が交代
人間は男なのにメイドロイドのメイド服を着させられご奉仕する事に
メイドロイドに可愛さを求めたばかりに自分がその恥ずかしい行動をとらされる
そのネタで自分の趣味で妄想してみた
583名無しさん@ピンキー:2012/09/09(日) 23:58:09.85 ID:4b5/Rmps
ガテン系の工事現場の兄ちゃんとage嬢なキャバクラの姉ちゃんの立場交換で
お互いの仕事があべこべになるとか良い
584名無しさん@ピンキー:2012/09/09(日) 23:59:37.28 ID:R8PEnfuI
高校と幼稚園の間で思いやり学習
585名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 18:20:43.50 ID:T+g8eZdf
理由が難しいので却下
586名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 20:13:07.51 ID:Jv542pOM
>>583
キャバクラに行くと、汗と泥で薄汚れたランニングと作業ズボンを身にまとったキャバ嬢が出迎え、
盛り髪にドレスを来たガテン系兄ちゃんが道路工事してる

というのを想像したが、なんか違うかもしれんw
587名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 23:01:04.04 ID:Qca4Rjpv
キャバクラに行くと嬢がガサツなほど豪快に振舞い酒を勧め
工事現場に行くとスワロフスキーとかでデコった重機や土木機械でエレガントに作業
男性は豪快で明け透けなお酒を楽しむためにキャバクラに通い、女性は工事現場の煌びやかさを素敵に感じる

こんな感じ?
588名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 23:18:56.88 ID:pRVYj+pe
そこは普通にキャバクラに行くとドレスにばっちりメイクをきめたごつい兄ちゃんか働いていて
工事現場では線の細い姉ちゃんが泥だらけで汗水たらして働いているで良いんじゃない?
589名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 23:24:32.40 ID:+F9KDH46
職業が入れ替わるなら上司と部下が逆転とか
590名無しさん@ピンキー:2012/09/10(月) 23:43:31.70 ID:zZuboRTE
>>589
そう言う立場交換なら管理職の男とOLとか
キャリアの女性と雑用課と揶揄されている庶務の男性との立場交換とかが見たい
591名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 12:33:35.37 ID:q8RnkquA
>>588
ただ交換するより、1箇所だけ「元のまま」の方がカオス感がでるかな、って

まぁこの辺は個人の好みだけど
592名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 23:17:18.97 ID:9ZjYjE1K
学校の文化祭にて最大功労者に贈られる恩賞で立場交換の権利を得た女子生徒
立場交換とは言っても学内限定で相手の承諾がなければ行えないものだが
女子生徒は強かで担任の若い男性教諭の弱みを握り、事ある毎に立場交換をさせて男性教諭に女生徒の立場を押し付け面白がる
特に体育が好きではない女生徒は体育の授業は必ず立場を押し付け入れ替わったりしており
授業で体操の時なんかはレオタードを着て恥ずかしながら女子の体育に参加しる男性教諭の姿が


みたいな話の妄想
593名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 23:40:22.54 ID:uLEZUIiN
学校内で好きに立場交換出来るなら保育園から小中高果ては大学まで揃っている超巨大学園で
いろんな人と立場交換をして行くような話しがいいな
いろいろ妄想が広がるから
594名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 23:46:30.16 ID:CNW4PiL+
学校での立場交換なら前スレの劣等生ギャルと優等生男子やデブス女子と陸上部男子の立場交換が好きだな
能力が逆転して今まで見下してた相手に見下されるのはかなりグッと来るものがあった
595名無しさん@ピンキー:2012/09/11(火) 23:58:05.94 ID:5jmumPX4
学園ものだとダーク展開も良い

親の権力をかさにした女子生徒が好き勝手をし教師の威厳も届かない高校で
業を煮やした先生達がその女子生徒グループと立場を奪うように立場交換をしてしまい
くたびれたおっさん教師の立場になってしまった女子生徒をしり目に先生たちは
女子高生として今までの鬱憤を晴らす様に元女子高生に見せつける様に楽しむとか

おっさんが女子高生のギャルの格好をしているのを見ながら、おっさんとしてコケにされる
元女子高生
女子高生の立場になった先生達に悩まされながら、いつの間にかおっさんとしての生活の染まって行く
596名無しさん@ピンキー:2012/09/12(水) 21:52:00.99 ID:GW8ebH6x
立場交換で能力が入れ替わらないのも良いかも
男子柔道部員と合唱部女子の立場が入れ替わり、お互い四苦八苦すると言うのも
本人達はおかしいとおもっていても周囲が入れ替わった立場で接して来て仕方無しにそうする様な展開で
597名無しさん@ピンキー:2012/09/12(水) 22:15:44.83 ID:yO/AzTjO
デブスとの立場交換はその後の生活が気になる
598名無しさん@ピンキー:2012/09/12(水) 22:48:42.63 ID:KytaXdep
真面目な人間がギャルの立場にされるのは大好物
599名無しさん@ピンキー:2012/09/12(水) 23:23:59.11 ID:t6ySxsb2
立場交換で逆転劇って言うのがなんかぐっと来る
立場逆転で恥辱をあたえられる展開で、女装で恥ずかしい格好をさせられている感とかあるとなお良い
600名無しさん@ピンキー:2012/09/13(木) 23:38:25.87 ID:t0ZooK+3
たまに元気になるなこのスレ
ネタも良いがSSの続きも見たいところ
601名無しさん@ピンキー:2012/09/14(金) 07:20:27.82 ID:5nDPLh6C
気づけば思いやり学習も前の投稿から一ヶ月経ってるな
602名無しさん@ピンキー:2012/09/15(土) 23:36:17.18 ID:QO7EQkMQ
ネタとか雑談で盛り上がっていると必ずそんなのよりSSをくれと水差す奴いるよな
強く言っている訳ではないがそう捉えざるを得ない書き込みかと
603名無しさん@ピンキー:2012/09/15(土) 23:43:28.86 ID:PhKnFK+m
気にし過ぎ
何でも噛み付くの止めような
604名無しさん@ピンキー:2012/09/15(土) 23:57:15.31 ID:j3z2Ed8L
男子ハンマー投げの選手と女子体操選手の立場交換
605名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 00:05:18.11 ID:6beFyXdz
幼女系でいいネタ無いかな
606名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 08:55:16.18 ID:3YbmH7we
このスレは幼女⇔大人派が多いな

そんな俺は男女の世界的派
607名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 11:53:58.39 ID:rBRKBy+e
俺はどっちでもいいけど、羞恥心が欲しい派。
「こんな服装をしなくちゃいけない」
「こんなことをしなくちゃいけない」みたいな
恥ずかしさに萌える。

「思いやり学習」はすごい萌えるけど、
例えば機械の不調とかで
ひとり冷静さを保ってる生徒みたいなのがいたら
もっと萌えるんだろうな…と妄想する。
608名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 23:13:15.93 ID:v6tvmvCG
〜が多いとか言うけど本当の所はそれぞれ同じ人が主張しているだけかと
609名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 23:19:10.17 ID:6beFyXdz
幼女ネタが好きな奴は俺の他に少なくとも三人以上はいるはず
他のネタは知らんが
610名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 23:29:07.66 ID:t373Q5n5
そう言うの当てにならないよな
趣味が重複しているとか普通にあるし
SSあってのエロパロ板なんだから作品の傾向を見た方が良い気も
611名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 23:56:10.05 ID:B6Crfjsz
そうなるとストーリーがしっかりしていて立場交換によってハッピーエンドになるパターンかここの主流となるな
スレのSSの傾向から読みごたえのあるものが好まれていると言う解釈が出来る
確かに文章は巧いに越したことはないよな
612名無しさん@ピンキー:2012/09/16(日) 23:59:13.20 ID:v6tvmvCG
なんか偏ってるよそれ
613名無しさん@ピンキー:2012/09/17(月) 08:47:30.89 ID:nZu+RGhd
まあつまり妄想するだけ妄想してssを投下するだけ投下するのが理想だわな
614名無しさん@ピンキー:2012/09/17(月) 20:15:41.98 ID:Yep4voRB
妄想に触発された人がクオリティ低くても1レスで終わる短編でもいいからSS書いて
SSに触発された人がさらなる妄想を書き込む
これならスレが賑わうかな
615名無しさん@ピンキー:2012/09/17(月) 23:46:54.94 ID:5y36U7Ro
立場交換じゃなくてままごと見たいに役割が決まって
それが勝手に振り分けられて強制的にやらさせる見たいなの好きだ
616名無しさん@ピンキー:2012/09/17(月) 23:59:05.10 ID:tF3T2EL4
「君明日から女子社員な」とか
「お前明日から女子新体操部だから」とか
「あんたは明日から妹だから幼稚園」みたいなノリ?
617名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 21:41:55.66 ID:rKOU9Obn
誰かとの入れ替わりではなくその立場を体験するみたいな感じでの立場交換てのもいいな
強制好きには物足りないかも知れないが絶対なれない立場になってみたいとかあるよな
俺だと女子高生の立場になってみるとかしてみたい
618名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 22:35:04.15 ID:+UGbUiJv
>>616
そういう事すら言われたりすることもなく
ただ、ある時に突然当たり前のように別の人として扱われるようになるのがいいな
619名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 23:40:51.11 ID:nFDKljea
朝起きたら女子高生の立場になっていて、仕方なしに女子の制服を着て高校に行くと
実はビッチで性処理係な立場で回りから犯されまくるとかそう言うのかね?
620名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 23:49:28.01 ID:6Zyr0/+3
男女での立場交換は鉄板なのか
621名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 23:52:05.81 ID:+UGbUiJv
後半のビッチだの性処理だのはあんまし興味ない

ごくごく普通の生活を強要されるだけの異常な状況ってのが個人的には好み
622名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 02:26:40.75 ID:C+38+DAI
>>620
倒錯感とか不条理感が強調されがちなジャンルではあるが、
イケメン男子と立場交換して憧れのあの子を寝取る…みたいな
わかりやすいエロ展開もアリなんじゃないかと思う。
623名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 02:50:31.89 ID:aoPJf/7t
立場交換だけじゃなくエロい過激なシチュエーションは欲しい所だ
でも男同士の立場交換の需要はほぼ無さそうだけどな
NTR属性ある奴なら立場交換で彼女をとかもありだろうが
624名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 21:39:43.39 ID:GDH0MTe4
エロい過激なシチュエーションというと今までやられてた女が立場交換で男に反撃するみたいな
男の立場になった女が女の立場になった男を力ずくで屈服させてエロいことをする
625名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 23:42:21.50 ID:jvlVdrLo
エロゲ―の調教もので立場交換で立場逆転みたいなのは面白そう
調教する筈の男が逆にメス奴隷として調教する筈だった女に調教されて行く
恥辱感は半端無いだろうな
626名無しさん@ピンキー:2012/09/19(水) 23:59:29.65 ID:ku4wRbf9
兄妹逆転ものの立場交換とか
エロゲー的なお兄ちゃん大好きな妹が立場を交換して妹の立場になった兄を可愛がる
兄の女装とか妹得
627名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 02:35:27.30 ID:oUPVH6Ds
この場合お兄ちゃんな妹がセクハラじみたことまで世話してくれるといいな
将来大きくなるように今のうちからおっぱいをマッサージするとか
穿いてるパンツが可愛くないと力ずくで脱がされて動物柄のかわいいパンツ穿かされたりとか
文句を言うとお兄ちゃんの言うことが聞けないの?とエッチな罰ゲーム
628名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 06:45:32.24 ID:prYSSCS4
板の趣旨に関係なく、エロが必要派と不要派がいそうだな

俺がこのスレのSSに求めるのはエロではないが
629名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 07:38:06.81 ID:D/rQ/AZB
「立場だけ入れ替わる」ってことは、
逆にいえば「身体は入れ替わらない」ってことだからな。
普通のTS的エロが通用しない部分も多いし、
気を抜くと「そこまでやるなら、身体も入れ替わってる方がエロくね?」みたいな展開になりがち、のような気がする。
630名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 18:13:33.52 ID:LudTSefG
甘いものを食べているとしょっぱいものが食べたくなったり
薄味のさっぱりしたものばかり食事に出るとこってり濃い味が欲しくなるのと同じで
結局はいろんな立場交換ものが読みたいと言う事かな
好きなものに味付けを工夫して楽しむ見たいな感じ
その好みを雑談しているだけだよ
631名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 23:36:00.16 ID:jC7w88LZ
エロゲー的な過激な路線でこう言うのはどうだろう?
普段は装っているが実はヤンデレでお兄ちゃん大好きな妹が兄に彼女が出来たのをきっかけに
兄と立場交換をして兄を監禁して妹として調教
兄の彼女はペットの犬と立場交換してまう
父親と母親はゲーム的にモブ扱いなので不審には思わない仕様
632名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 23:49:18.66 ID:bTW5R0vN
立場交換を仕掛けた側以外は交換され立場に引きずられる見たいな感じだと面白いな
元の自我もあるんだけど交換された立場での行動を無意識にしてしまう見たいな
633名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 14:36:02.07 ID:imAui7VF
立場交換自体がエロいんだよ
ただ、他人には強制しない
自分は変態だという自覚もある
634名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 23:21:18.20 ID:TIp7uQNE
そうだよな
立場交換さえあればそれでいいな
ストーリーがどうだとかシチュエーションがどうとか細かい事はいらない
635名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 23:36:13.82 ID:MRimvkzP
ストーリーやシチュエーションがなければ

「A氏とB氏が立場交換になりました」
終わり

で終わってしまうけどそれで良いの?
636名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 23:38:39.63 ID:YgCOziHz
ある意味ストーリーとシチュエーションがキモだよね
その中核にあるのが立場交換だけど
637名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 23:59:30.67 ID:90ySHCh9
立場交換ってひと言に行ってその内容や解釈は幅がある気がするな
能力も入れ替わるとかは今までも話しにあったけど
立場が交換される事で外的要因、周囲の生活環境も交換される場合とかの
パターンもあると思うんだ

衣服が交換になったり住んでいる所が入れ替わったり、相手の家族が自分の
家族と言う事になったり

本当に立場だけとなると衣服は入れ替わらないし、住んでいる所や家族や友人
などの周りの環境も変わらないけど、立場は相手のものになっている見たいな
感じになるのではないかと

今まで通りだけど立場だけが違う
これが最もシンプルな立場交換なのかも
638名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 20:33:39.75 ID:xrsAWmXA
俺は熟女とか幼女とかとにかくアンバランスな立場交換にそそられる
639名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 22:34:43.99 ID:xXoVk6N8
妻(29歳)と息子(12歳)の立場が入れ替わっているのに気づかないで普通に生活する夫(40歳)の話を
思いついたんだが、書き込んでもよいものなのかどうか。
640名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 22:42:22.98 ID:xrsAWmXA
是非とも頼む
641名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 22:46:12.10 ID:U/90BaVX
楽しみに待ってる
642名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 22:52:48.50 ID:kY62Q9Zj
(17歳の女学生を襲ってんじゃねえよ、おっさんw)

と年齢見て一瞬思ってしまったw
643名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 23:13:35.43 ID:xPePtg4l
>>639
ここに書き込みしないでどこにすると?
黙ってSSを投下してくれてOK
644名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 23:31:28.98 ID:Yh5JmdaV
>>638
熟女と幼女の立場交換なら同性でも面白いな
最初のスレに主婦のおばさんとギャル社長の立場交換の話があったが他にあったか?
645名無しさん@ピンキー:2012/09/22(土) 23:59:25.22 ID:rBWx/1uZ
最初のスレを見たら沢山あると思うけど?
646名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 12:18:09.49 ID:hJDUCANg
お話しを投下します。
内容は女児と男性の立場交換でエロは無しです。
男性視点の一人称で立場交換後の女児の出番はほとんどありません。
647銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:21:29.21 ID:hJDUCANg

 時刻は夕方。
 俺はその日の疲れを近所の銭湯で流していた。
 客の入りは夕食前の利用者でそれなりに賑わっている。
 アパートの部屋に浴室がない訳ではないが、たまに広い風呂にも入りたくなるのだ。

「こら、希美(のぞみ)。湯船で騒いだら駄目だぞ」
「は〜い、お父さん」

 子供用に浅めの浴槽で温いお湯の入った風呂で女の子が父親に注意を受けている。
 けっこう大きい子だが小学3年生か4年生ぐらいだろうか。
 父親について男湯に入っているのだろうが、最近は児童保護の観念とか何かで止められてもおかしくない年齢に見える。
 もっとも俺はロリコンではないからどうでもいい事なんだが。

 そんなどうでもいい事をぼんやり考えながら、身体も充分に温まった俺は風呂を上がる事にした。
 お湯をサバっと音立たせ立ち上がると、浴場を後にするべく歩き始めたのは良かったのだが浴槽の縁をまたぎ、
 足をついた際の事だ。

「うおっ!」

 影になって見落としていたが踏み出した足の先に洗面器が置いてあったのだ。
 そこに足を乗せた俺はそのまま滑り前のめりに転倒。
 両手をついて負傷は免れたが何ともばつが悪い。
648銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:22:53.63 ID:hJDUCANg

「お兄ちゃん大丈夫?これ落としたよ」

 しかも転んだ拍子に腕にしていたロッカーのカギを飛ばしてしまったらしい。
 さっきの女の子が拾って渡してくれた。

「ありがとう、大丈夫だよ」

 俺は恥ずかしさに照れながらも女の子から鍵を受け取ると浴場を後にして脱衣場に向った。
 床にぶつけた膝が少し痛い。
 これは後で変色するな。

 そして脱衣所のロッカーの前、自分の服を取り出そうと鍵を開けようとしたのだがどうにも鍵が入らない。
 場所を間違えたかと思ったが、自分の記憶で間違えなくこのロッカーだ。
 怪訝に思い鍵の方の番号を確認してみると、俺が服を入れたはずの場所とは違う番号だった。

 その番号のロッカーを探すと一番低い位置にその番号は見つかった。
 こんな場所に服を入れた覚えは無かったが、一応鍵を入れてみるとカチャリとロックが外れた。
 中を覗いて見るとそこにあったのは女の子用の子供服?

649銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:24:02.77 ID:hJDUCANg

 これはどうやらさっきの女の子の悪戯に引っかかったらしい。
 鍵を拾った時に自分のと取り替えたんだな。
 してやられた感だよ、女の子に言って鍵を戻して貰わないと。
 まったく、さっきの転倒といい今日はアクシデントがあるな。

「おや、希美。もう上がって来ていたのか」

 女の子の服が入ったロッカーを閉めて浴室へ戻ろうとした時、いきなり声を掛けられた。
 確かこの人はあの女の子の父親だったはず。
 不味い、このままでは俺は娘のロッカーを開けて物色している不審者にしか見えない。
 これはトラブルに発展する事態だ。

「いえ、あの、違うんですよ。鍵がですね、取り替えられていたんですよ、悪戯で」

 しどろもどろになりながら俺は良い訳をしたのだが、父親は不思議そうな顔でこちらを見ている。
 当たり前か、本当の事だとしてもいきなり納得される様な事ではない。
650銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:25:12.30 ID:hJDUCANg

「何を言っているんだ希美?」

 父親は俺に向ってそう言った。
 一瞬女の子がここに来たのかと思ったが、父親はお間違いなく俺を見てそう言ったのだ。
 他に声を掛けられる人物は近くには居ない。

「あの、希美って俺の事ですか?」

 恐る恐る尋ねてみる。
 言っておくが間違っても俺の容姿はあの女の子とは似ていないし、間違うのはおかしい話しだ。
 ましてや女の子の親が間違う訳がない。

「何だ?何かのごっこ遊びか?希美はお前に決まっているだろう」

 言い切った。
 何だこの異常な事態は?
 もしかして親子で俺に悪戯をしかけているのか?

「冗談は止めて下さいよ。親子でどっきりとかそう言うのですか?」
「希美、ごっこ遊びもいいが、お母さんが夕食を用意して待っているから早く着替えて帰るぞ」

 ダメだ取りあおうとしてくれない。
 本当にどう言う悪戯なんだか。
651銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:26:34.88 ID:hJDUCANg
 
「もういいですから止めて下さいよ。鍵を返して貰いに行きますから」

 埒が明かなそうなので女の子の所へ戻り、自分のロッカーの鍵を返して貰う事にした。
 鍵を返して貰えばこの良く解らない悪戯も続かないだろう。

「こら待ちなさい」

 俺が浴場へ戻ろうとすると、それを見た父親に肩を掴まれ呼び止められた。
 まったくしつこいな。
 
「いい加減にして下さい。悪戯としても程がありますよ?」

 俺は苛立って肩にあった父親の手を払うと文句を言い放った。
 
「希美、本当にどうしたんだ?」

 まだ続けるか。
 良い根性している。
 更に文句を言ってやろうと俺が口を開きかけたその時、今度は横から老人が口を挟んできた。

「お穣ちゃん、お父さんの言う事はちゃんと聞かないといかんぞ」

 お穣ちゃん?
 この爺さんも俺が女の子だって言うのか?
 いったいどうなってるんだ。
652銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:27:34.23 ID:hJDUCANg
 
 文句を言おうとした俺の気は老人の声掛けによって殺がれ、代わりにこの事態に対する疑問が頭を駆け巡る。
 取り敢えずみんな俺の事を女の子だと思っている様だが、その意味が全く解らない。
 
「すいません。なんかこの子遊びに夢中になってしまっている様で」
「いやいや、子供と言っても女の子はおしゃまさんだったりするものだからの」

 父親が声を掛けてきた老人に言葉を返すと、老人も言葉を返した後ロッカーを開け着替えを始めた。
 本当にこの二人は俺の事を女の子と思っているのだろうか?
 悪戯で担ぐにしても老人まで一緒になってするとは脈絡が見えない。
 
「ほら、身体を拭かないと風邪ひくぞ。髪も乾かさないとな」

 考えを巡らせていると父親にバスタオルを掛けられた。
 そしてごしごしと湯上がりの身体をバスタオルで拭き取られる。
 この父親は本当に俺の事を娘として扱っている感じだ。
653銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:28:56.94 ID:hJDUCANg

 されるがままに身体を拭かれていると、不意に小さな人影が視界の隅に見えた。
 
「あ!」

 思わず声を出してしまったが、間違いない。
 あの女の子だ。

「ああ、さっきはどうもありがとうね」
 
 俺の声に女の子は答えるが、雰囲気がさっきの女の子とは違っていて何だか男の様に錯覚する雰囲気だ。
 しかも女の子は俺のロッカーを開けて俺の服を着ているじゃないか。
 その光景に俺は慌てて止めようとしたのだが、おかしなことにそれが出来ないのだ。

 女の子に言いたい事は沢山ある。
 今すぐ俺の服を返して貰ってこの事態を終わらせたい。
 なのに何故か何も出来ないのだ。

「じゃあね、希美ちゃん」

 そうこうして何も出来ないうちに女の子は俺の服を着て行ってしまった。
 俺はと言うとそれを追いかける事も出来ずに見送るだけだ。
 やがて俺の服を着た女の子はこの場所を出て行き完全に見えなくなった。
654銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:32:00.34 ID:hJDUCANg

「おや、悪いな希美。父さんお前の替えの下着持って来るの忘れたよ。
新しいのには家に帰ってからパジャマに着替える時に取り替えてくれ」

 はっと、父親の声で我に帰る。
 ちょっと待てよ、俺の服は女の子が着て行ってしまって俺はその女の子として扱われている。
 と言う事は俺が女の子の服を着るって言う事なのか?

 いやいやいや、流石にそれは無いだろう。
 大の大人が女の子の服を着るとかそんなの。
 そう思いつつも何故か手には女児用のショーツをもっていた。

「ほら、早く着ないと風邪ひくぞ」

 父親に急かされる。
 これを履くのか?女児のパンツだぞ?使用済みだぞ?履いたら変態だぞ?
 そう思っていても身体は勝手にそれを履こうと動いている。

 背筋にじわっと嫌な感じが走る。
 がその女児用のショーツをを履こうとする俺の動きは止まらない。
 そしてついにそれを俺は履いてしまった。

 うう、人生詰んだ気がする。
655銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:34:14.25 ID:hJDUCANg

 女児用のショーツは俺の股間をしっかりと覆っていた。
 だがこれは着替えの最初に過ぎない。
 この上に可愛いプリントがされたノースリーブの肌着を着て、キュロットのティアードスカートを履く。
 よりによってどうしてスカート何だよ。

 ネオンカラーのロゴが入ったTシャツの上にリボンモチーフの付いたカーディガン、
 最後の決め手はドット柄のオーバニーソックスだ。
 着たくは無いのに何故か全部着てしまった。

 鏡張りの壁の方をちらっと見ると女児の服で完全女装した俺の姿が見え、げんなりする。
 程無く変態の図だ。

 しかもこの服は他人が着ていたものだ。
 風呂に入り身体を洗ったので自分の体臭が消えた分、余計に元の持ち主の匂いと言うのが気になる。
 まるっきり自分が変態になってしまった感がやるせない。
656銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:37:59.29 ID:hJDUCANg

「ほら希美、こっちに来なさい。髪を乾かしてやろう」

 父親には相変わらず俺が娘に思えている様で対応は変わらずだ。
 30円で5分動く電源で備え付けのドライヤーを使って俺の髪を乾かしてくれる。
 女の子の服を下着まで着てしまった事で、もうなる様にしかならない気分になっていた俺はもう流されるままだった。

 髪が乾くと女児用のハイカットスニーカーを履いて父親に連れられ銭湯を後にした。
 このまま外に出るのは痴態を晒す様で憚られたが、いざ外に出てみると誰も俺の事を変だとは思わないらしく
 気に止める気配もなかった。

 途中知り合いらしい人間に出会ったが、その人も俺の事は父親の娘の希美だと認識していた様だ。

 
 家に着いたら着いたでこの家の母親も俺の事は娘の希美として、まったく普通に接して来た。
 
 俺はそのまま希美として食卓に着き、知らない家庭で小学生の娘として夕飯を食べ、
 促されるままに女の子のパジャマに着替えると希美の部屋へと入る。
 
 希美の部屋は学習机やベッド、カーテンにラグマットに至るまで全くもって女の子感万歳なインテリアで、
 可愛いぬいぐるみやスィーツをモチーフにした小物があったりと絵に描いた様な女の子の子供部屋だ。

 男にとっては居心地のいい空間では無いはずなのだが、そうだと言うのに何故か馴染みの場所に感じてしまい、
 慌てて気を取り直す。

 そこで一度ベッドに腰掛け、今の現状を振り返ってみる事にした。
657銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:39:41.98 ID:hJDUCANg

 まったくもって不思議な事だが、周り全てが俺の事を女の子の希美の立場であるとして接して来ている。
 原因と言うかきっかけはおそらくあのロッカー鍵なんだろう。
 それが解ったとして今のところ解決方法は無い訳だが。

 それと俺の行動だが、どうやら希美として本来の希美とは掛け離れた行動は制限される様なのだ。
 女の子用の食事では当然量が足りないのでお代わりをしようと思ったのだが、
 お腹は物足りないと言うのに何故か言い出せなかった。
 別に遠慮をしてと言う事では無く言葉が出なかったのだ。

 それと俺は別に食べ物の好き嫌いは無いのだが、ニンジンを食べるのに何故か抵抗を感じた。
 実際に食べて不味いとは感じなかったのだが、箸の進みは悪く避けようとする感覚があったのだ。
 残さず全部食べると母親と父親、両方からが褒められ何とも言えない気分を味わってしまった。
 どうやら本物の希美はニンジンが嫌いなのだろう。
658銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:41:56.35 ID:hJDUCANg

 しかし今日はこれで良いとして明日はどうなるのだろう?

 俺は机に向い明日の時間割を調べてランドセルの中の勉強道具を入れ替える。
 希美は小学2年生なのか。
 机の上にあったネームを見て名字が三枝(さえぐさ)である事も知る。

 俺は希美と言う女の子の事を全く知らないと言うのに、周囲は俺の事を希美と言う女の子の立場であるとして接して来る。
 困った事にこの事態の解決の糸口がまったく掴めないのだ。

 せめて俺の服を着て銭湯を出て行った本物の希美に会う事が出来れば良いのだが、
 制限されているのかそう行動する事が全く出来ない。
 流されるままに俺は周囲から小学2年生の女の子、三枝希美としての立場で扱われるしかないのだ。

 明日はその希美としての立場で小学校に行かなければならないだろが、果たしてどうなる事やら。
659銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:2012/09/23(日) 12:46:32.31 ID:hJDUCANg

 不安に感じながらも俺は希美のベッドに潜り込んで布団をかぶる。
 時刻はまだ午後9時になったばかりだ。
 全然眠たくは無いのだが、ベッドから起きる気も湧かない不毛な感じ。

 つい枕元にあったデフォルメされた大きな犬のぬいぐるみを抱きしめてしまい、その行動に自分で呆れる。
 そう思いつつもぬいぐるみを抱いたままなのは、これも本物の希美が何時もしている事なのだからだろうか。
   
 いっその事眠ってしまいたいのだが、目をつぶっても俺の身体に眠気は全く来ない。
 逆に頭に余計な考えが浮かんで来てしまい悪循環だ。

 女の子の部屋で女の子のパジャマを着て女の子のベッドで寝ている俺。
 しかも下着まで女の子のでぬいぐるみまで抱いている。
 のたうち回りたい状況だが、これが現状なのだ。

 どうにもならないなら、希美としての立場を受け入れてしまった方が楽になれるのだろうか?
 でも、そうしてしまったら俺と言うアイデンティティは確実に無くなる。
 いや、あの本物の希美が俺としての立場になっているのだとしたら、
 俺のアイデンティティはあの希美に備わると言う事になるのか?
 
 はぁ、実体の解らない事態を想像で考察した所で不毛だよな。
 あ〜、眠れない。

 本当に銭湯で何がどうして俺の立場が女の子になってしまった訳のか…。
660名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 12:48:33.77 ID:hJDUCANg
取り合えず以上です。
続きの小学校登校編は今のところノープロットで予定はありません。
お目汚し失礼しました。
661名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 15:37:28.81 ID:/5EII9+l
乙乙
662名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 18:03:13.19 ID:o0uOMhSG
父親に必死に説明しても、ごっこ遊びで片付けられちゃうところがよかったです。
乙でした!
663名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 18:48:37.78 ID:X6wu+dbo
なんだろうな
シチュエーションは良いのにコレジャナイ感がなんかな
ともかく乙
664名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 21:59:01.39 ID:w4H2N9be
乙!
希美チャンとの再会シーンとか見たいです!
665名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 23:38:23.36 ID:x/R7/OzK
乙なんだが>>639が投下予告しているのにどうして横入りのように投下した?
作品が投下されたら他の作者は24時間は投下しないとか一応暗黙のルールみたいなのあるから分かっておいてくれ
俺は>>639の話を楽しみにしていたからな
666639:2012/09/23(日) 23:51:54.10 ID:SgFavCCf
>>665
いや、>>639は「思いついたから書いてみようかなあ」レベルのコメントであって、別に「投稿予告」じゃないので。
そこで書き込みを躊躇われたら・・・・・・正直困る。

最初の書き出しだけは作ったので投下してみるけど。
果たして需要があるものやら。
667名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 23:52:42.82 ID:SgFavCCf
「行ってらっしゃい、あなた」
「ああ、行ってくる」

 玄関で靴を履き鞄を手に取る。毎朝繰り返しているいつもの行為、いつもの挨拶。
 それなのに何故か強い違和感にとらわれてふと振り返る。
 動きやすい上着と長いスカートにエプロンを重ね、長い黒髪を首筋で一つに束ねた、
いつも通りの妻の姿。もうすぐ三十路なのに相変わらず若々しく、一緒に歩いていると
よく親子に間違われる、相変わらずの美雪が少し怪訝そうに自分を見返している。
 なんだか少し恥ずかしくなり「行ってくる」と繰り返して、首を振りつつ家を出た。

 職場は中学校。ここに就職してからかれこれ二十年近くになる。
 妻との最初の出会いもここだった。やや小柄なながらも大人びた顔をした少女で、入
学式のときから「可愛い子がいるね」と職員室で少し話題になっていたと思い出す。
 その子がまさか中学卒業と同時に自分のところに転がり込んできて、紆余曲折の末に
結婚に至るとは思いもしなかったが。
 出会いの当時は自分は教員になってから数年目。今や立派なおっさんだなとトイレの
鏡の前で苦笑する。腹がみっともなく出たりしていないのは救いだが、妻とは違い普通
に年を食った40がらみの男が映っていた。
668名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 23:52:54.87 ID:SgFavCCf
 朝に感じた違和感を抱えつつ、その日の授業と課外を終了。
 いつもの毎日。繰り返す日常。
「ただいま」と帰宅し、食卓に移動するところで息子に出くわす。
「おかえり」とこれも毎度の挨拶。いつもの日常……それなのにまたあの違和感が襲う。
 小学6年になる弘は母親似のおっとりした感じの少年で、本を読むのが好きなせいか
色が白い。近頃は身長が伸びてきて妻とほぼ並んだので、双子のような印象すらあった。
 ただこんなにも美雪と同じ顔だったか、自分の記憶に自信がなくなる。
 流石に男女と年齢の違いもあるし、見分けがつかないほどではないはずなのだが。

 今朝の妻とぴったり同じ怪訝な表情で見返してきたのに気づく。
 それはそうだろう自分の妻と息子をまじまじと見つめる父親とか、自分でも不審に思う。
「随分身長伸びてきたな。何センチになった?」
 無理やり思いついた疑問を投げて、誤魔化してみる。
「154.6cmかな」
 12歳男児の平均身長より少しだけ高いその身長は、美雪の身長とぴったり同じだった。
669名無しさん@ピンキー:2012/09/23(日) 23:56:02.43 ID:SgFavCCf
今回作成分はここまで。

遊園地に家族で出かけるイベントは思いついたけど、他に続けるネタがあるか、続けてよいものかは悩み中。

ホモセクシャル描写はいれないほうがいいんかなあ。
670名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 00:00:45.57 ID:x/R7/OzK
>>669
乙!
続きが楽しみな出だしだ

だけどあなたまで24時間ルール無視してどうするの
前の他の作者の投下から24時間経つの待たないと
671名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 00:03:49.59 ID:a5Iu/m3G
>>647乙!
>>667も期待してる


で、24時間ルールってなんだ?
672名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 00:19:21.43 ID:o58jn8rd
>>671
投下ルールとは何か、と考える瞬間にだけID:x/R7/OzKの思考に現れる幻想だ。
普段はそんなものは存在しない。
673名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 05:43:43.49 ID:XBgbz81n
>>671
「別の人のSSの投下は間を開けないと、前のSSに感想がつきにくい」
という謎理論から生まれた、
「別人のSS投下はある程度間を開けよう」という、スレによっては
ぼんやり守られてる慣習法のようなもの。
ちなみに、このスレではこれまで特にテンプレなどに入れられたことはない。
第一、24時間は長すぎるだろう……。
674名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 06:15:05.94 ID:tqR4xxxx
「24時間制限」とか難癖つけて、作者のやる気を削ぐのが目的の愉快犯だからスルーで良し
"女同士の入れ替えスレ"とかでもいちいち難癖つけてスレを荒らしてる奴がいるし、多分同じ奴の犯行
675名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 20:07:57.57 ID:1F6sumGk
なんでも決めつけて荒らしにするのは直ぐに攻撃的行動に出る見たいで好ましくないかな
今回の事は仕方がないと思うけど他の人の作品投下後直ぐに作品を投下しないと言うのは
ちょっとした譲り合いのマナーみたいなものだと思うよ
お互い様の気持ちと言うかそんな感じの
今までこのスレは書き手が数人しか居なくてお互いに交流をもってやっていたから問題無かったけど
最近は新しい書き手も増えて賑わって来たからこのスレも初心に返る事も必要だと思うんだ
ふたば型の掲示板と違ってここは一つの板に皆で書き込むから気遣いみたいなのもあるとね
もし人と話をしている時に自分が話終わって相手の反応を見ようとした時
直ぐに横から別な話をされたら嫌だと思うよね?
多分そう言う事なんだよ
あと24時間待つのはそんなに長くないと思うよ
作品を見て自分も書きたいと思って書いて投稿するとしてもそれを直ぐに投稿せずに
こんなのを書いたので次に投稿したいと書き込みをしてから時間を置いて投稿すると良いかも
このスレの書き手は多く無いので物凄い順番待ちとかにはならないから
このスレの流れは速く無いからそれぐらいの余裕で良いと思う
これからもこのスレの作品や雑談を沢山楽しみたいので皆さんも初心忘れないで下さい
676名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 20:54:44.86 ID:QBZZH9rs
なんとも押し付けがましい気味の悪い長文だな
二人分乙すりゃいいだけなんだから人が投稿してる最中に割り込まなきゃ自由でいいだろ
677名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 22:29:17.06 ID:yOfvPoec
この場合>>676の方が嵐だな
まあ2ちゃんなんだし無作法にやってればいいんじゃね
野次や罵り上等、気に入らないものは文句をつけて徹底排除
これでOK

って事でお前ら目障りだからここに書き込むな
678名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 22:49:36.19 ID:ZCipcKAG
早く僕にパンツ履かせて…
寒い…
679名無しさん@ピンキー:2012/09/24(月) 23:28:12.70 ID:xdrIKRpI
ところでSSの感想とかもうないのかな?
せっかくのSS投下の賑わいがこんなやり取りで流れてしまうのはもったいない

銭湯のお話しは女の子の立場にされてそれを強要されている感があって良いと思うし
父親と妻子の話しはこれからどう展開するのか楽しみ
680名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 03:39:34.04 ID:0y65VsIN
蒸し返すようで悪いけどさ
このスレを立てた人やSS書いた作者はこの件どう思ってるんだ?
外野がとやかく言うより当事者が意見したものが尊重されるべきだと思うんだ
681673:2012/09/25(火) 13:59:48.17 ID:l9fO9CCh
時々ここに投下してる作者Kです。
673に書いた通り、24時間は長すぎる。開けるにしても、3〜4時間くらいかな。
書いたSS投下するのもテンションってありますねん。書いてしばらく寝かせておくと、徐々にテンション下がって続き書く気がなくなることもあるし。
682名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 14:56:13.35 ID:x7A4eCtf
作者さまの意見優先という事で
24時間ルールは無視(というか気にしない)という事でよろしいのかな?
683名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 17:55:42.36 ID:0y65VsIN
まだ結論には早いだろう
このスレで一番多くのSSを書いている作者の意見だとしても
他の作者やスレ主の意見も聞かないと
684【】の人:2012/09/25(火) 18:03:03.60 ID:q08Z3v9+
どうも、多忙&体調不良で全然書きすすめられない人です

1のスレ立てをした身からすると、
「それぞれ適当に時間を開ければいいんじゃね?」と思う訳です
685名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 18:35:09.75 ID:+grZ2xRS
アナタが全ての始まりか…
まあ個人の裁量に任せたほうが新しい人も入りやすくていいでしょうしね
686名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 23:34:08.19 ID:Kxn0zbh3
たまにこちらにお話しを投稿させて頂いていた者です。
この問題にについての私の意見ですが、
673さんや【】の人さんがおっしゃる通り24時間に拘らず間を見て投稿で良いと思います。

でも被せる様な投稿は控えた方が良いかなと思いますけど。
一般的な会話での応対論的マナーからの見解ですけどね。
ざっくり言うと相手の空気を読むと言う事でしょうか。

でもここは趣味の場ですし、皆さんそれぞれラフにされて良いかと思います。
687名無しさん@ピンキー:2012/09/25(火) 23:51:38.63 ID:3TCOcF3M
どうでもいいからSSの続きが見たい
688名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 01:08:09.00 ID:YHwdMYOx
>>683
そもそも作者でもないお前が何偉そうにあれこれ指図してんだ
ただの名無しでしかない以上、口出す権利はねえんだよ
689名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 01:17:26.07 ID:yzYpLrHQ
せっかく終わりそうなのに空気読めよ…
690名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 01:49:48.82 ID:Et8gjen+
母息子の立場交換で息子のおっぱいを吸う母親とか倒錯的な感じがしてエロいと思う
家に赤ちゃんがいて母乳が出るとなおよし
691名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 22:27:38.63 ID:J4XZjPx2
書き手のうち3人の意見が出たところでこの件は解決だな
また>>690みたいなネタの話しとかで盛り上がろうぜ
692639 2回目1/3:2012/09/26(水) 22:32:27.27 ID:RVlfPKF5
 慣れない洗い物を済ませ、親父が書斎に篭ったのを確認し、子ども部屋のドアをノック。
「弘。入るわよ」
 いつも僕が言われていた台詞で、僕の部屋に入る。なんだかとても変な気分。

「ふー。つっかれたー」
 子ども部屋のベッドの上に座った僕を、ゲーム中の(僕の格好の)ママが、横目で見た。
「座るときはお尻の下に手を回して、スカートがシワにならないように気をつけること。
股を開かない。あと口紅つけてる時に唇なめないように言っただろ……ああっ、カツラは
外しちゃダメだって」
「だって……今ママとふたりだけだし」
 バレないようにとビクビクしながら女装姿で初めて一日を過ごして、家事もやってクタ
クタな僕に、気楽にいちゃもんを次々と投げてくるママ。
「一瞬だって気を抜いちゃダメ。心からきちんと『美雪ママ』になり切らないと。今だっ
て僕のこと、心の中で『ママ』って呼んでるんじゃない?」
「…………」
 心の中を読み取る能力まであるのかこの女(今は外見だけなら男の僕そのものだけど)。
693639 2回目2/3:2012/09/26(水) 22:32:46.97 ID:RVlfPKF5
 化粧はなんだかとても気持ち悪いし、カツラはやたらと蒸れるし、ブラジャーはなんか
痒いし、スカートは足にまとわり付いてきて歩きにくい。歩き方から気をつけないといけ
ないというのに、あの、靴! たった30分買い物のために歩いただけなのに、足は今で
もムチャクチャ痛い。
 友達のママと会って、女の格好でママのフリで笑顔であいさつとか何の罰ゲームかと。
「でも、一応ばれなかった(と思う)し……」
「一日でばれてたら大問題。気づかないフリしてただけかもしれないし」
「そう言う『弘』は今日はどうだった?」
 なんとか反撃の余地はないか探ってみたり。
「こっちは大丈夫」
「いじめとかあってない?」
「……んー。教科書の間にぬれ雑巾がはさんであったくらいで、かわいいもんだよ」
「ちょっと」
 現場にないからシリアスさは分からないけど、でも実際にそれをされたのが自分だったら、
泣いていたかもしれない。
「うん、本当に、かわいいもんだよ」
 それだけのことをされたというのに、むしろ相手を愛おしむかのように笑顔で語るママ
を見て、なんだか生まれて初めて尊敬できるような気分が少しした。
694639 2回目3/3:2012/09/26(水) 22:33:08.73 ID:RVlfPKF5
「で、どうするの? 今ならどうでも引っ込みが付くけど、やめる?」
 黙った『私』の顔をのぞきこみながら、『弘』が少し不安げにきいてきた。ゲーム画面
では、放置されて敵につっこんだ自機が盛大に袋叩きにあっている。
 ただ、これの回答は決まってる。『私』は、ゆっくりと首を振った。
「ううん。最後まで貫いてみる」
「最後ってこの場合一生って意味だけど、それでも?」
「ええ……でもやっぱりダメだったときは……その時はゴメンナサイ。ちゃんと叱ってね」
 12歳の男の子が、29歳の女性のふりをするのは大変だと、今日一日だけで痛いほど
に感じたわけで。それでも……それでも、もう一度決めたことでめげたくなかった。
「親父、結構あれで鋭いから凄い注意しないとだね」
「あ、それは私も思った。朝とかいきなりばれたかと冷や冷やしたし」
「一応『暗示みたいなもの』をかけてるから、余程のことがあっても大丈夫だと思うけど」
「何その『暗示みたいなもの』って。あと余程のことって何なの」
「……余程のことって何かと言われると……セックス」
 僕が初めて『私』として過ごしたその夜。その後一気に会話がグダグダになって、結局
『暗示』が何なのか、何でそれが可能なのかはきけなかったわけで。

「明日は僕は学校休んで、ママが立派な『女』になれるよう、特訓に協力してあげるよ」
 部屋を出るとき、最後に笑顔でママがそう宣言するのを聞いて、何かこのままめげても
良いような気分が襲いかかってきたのでした。
695639:2012/09/26(水) 22:36:57.34 ID:RVlfPKF5
40親父が主人公だと、どうしても萌える内容にならないことに気づいていきなり方針転換。

我ながら、とてもいい加減ですみません。
696名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 22:56:58.82 ID:J4XZjPx2
>>692
良いね!
GJ
697名無しさん@ピンキー:2012/09/26(水) 23:55:54.51 ID:Egq+G4c2
12歳の男の子が母親として頑張る様子が楽しみです
698名無しさん@ピンキー:2012/09/27(木) 19:21:55.92 ID:rXs3jjcH
続きが楽しみだ
親子で入浴とかしないかな
699名無しさん@ピンキー:2012/09/29(土) 09:46:11.07 ID:ORw3kRJq
銭湯の人も母子交換の人もGJ!

銭湯の主人公は夜寝ている間に変な夢とか異変が起こらないか期待。
母子交換は父親に常に些細な違和感を持ちつつ気付かないとかいいなぁ。

あ、もちろん、話の流れによると思うので、作者の人は気にしないでください。
単なるファンの妄想じゃけぇ。
700名無しさん@ピンキー:2012/09/29(土) 14:00:09.58 ID:awA9P+xW
12才だと精通を経験することになるのはお母さんの方になりそう
701639 3回目1/3:2012/09/29(土) 22:42:54.50 ID:nMDSe7x4
「なーなー。凄いきれーな人が来てたけど、あれ誰かのアネキ?」
「さっき先生と話してた弘そっくりの人? それなら弘のかーちゃんだな」
「……へ?」
 授業参観の日。
 何故か唐突に僕(※こと坂本弘、を演じる私美雪)の机の周りに人が集まってきた。
「あー! どっかで見た顔と思ったら、坂本とゲキ似なのか。なんで俺気付かなかったん
だろ。わけーし美人だし優しそうだし、うちのババァと代わってくんねーかな」
 もらった『授業参観のしおり』も渡さずに捨たし、なぜ参観の日程をママが知っている
のか……と一瞬考えかけて笑いそうになる。
 そういえばほんの1週間前まで、ママは弘だったんだ。知らないはずがなかった。
「弘、嬉しそうだなー。今まで一回もかーちゃん来なくて、不満顔してたもんな」

 そうこう話しているうちに、後ろのドアからママが入ってきて他の親たちと同じ列に混
じった。
 僕(たち)の視線に気づくと、軽く笑顔で頷いただけで視線を教室の前に戻す。
 手を振ったり、写真を撮ったり、子どもに話しかけたりする親が多い中、そんな落ち着
いた様子はかえって目を引いた。
 いつものママと変わらない、地味でシンプルなワンピースの姿。化粧もごく控えめ。お
しゃれした母親が多い中これも珍しい。
 それでも29歳という年齢より更に若く見える「ママ」は、30台後半〜40台前半がメイン
層な母親たちに混じって、一番瑞々しく女らしく綺麗に見えた。
(自画自賛かそれは)
702639 3回目2/3:2012/09/29(土) 22:43:17.91 ID:nMDSe7x4
 自分自身への突っ込みをスルーしつつ、授業が始まる。
 班を組んでの社会の研究発表。
 視線をずらすと見える位置にママが立っているのは狙ってのことなのか。

 今までママが授業参観やPTA関係に参加したことは一度もない。今回も同様にスルー
して、顔見知りと会う要らないリスクを増やさないこともできたはずだった。
 というかむしろ、欠席のほうが自然だ。
 −−坂本君のお母さん、今日は珍しい。来ていらっしゃったんですね。
 −−ええ。これまで私の事情で、寂しい思いをさせてたのを反省しまして。
 授業開始の前にかすかに聞こえた、私のフリをした弘の発言が頭の中でリフレインする。
何だ。私なんかよりよっぽど立派に「母親」してるじゃないの。

 そんな事を考えていたせいか、急に発言の順番が回ってきて頭が空白になってしまった。
 一瞬見当識を見失いかけた自分の視界に、安心させるように笑いかけるママの顔が。
(……僕は坂本弘。小学6年の男の子。あの女の人は美雪ママ)
 自分に言い聞かせて、なんとか立て直す。
 その後はまあ、普通に授業を終えることができたので省略。
703639 3回目3/3:2012/09/29(土) 22:43:38.37 ID:nMDSe7x4
「なあ、坂本。お前んちに行ってもいい?」
 帰宅しようとしたところで、なんだか一部男子生徒が集まってきた。
「これからPTAがあるから、今日だと弘のかーちゃんは居ないんじゃ?」
「そっか。んじゃまた今度!」
「お前それ現金すぎ。下心みえすぎ」
 大笑いの中、僕が何もしゃべっていないうちに、何故か明後日の放課後皆でうちで遊ぶ
ことにさせられてしまった。その後三々五々と解散。

 帰宅の方向がかぶる智明(僕が唯一名前で呼び合う級友で、何度もうちに来たことがあ
るのでママの顔も知っている)と二人だけになった時、口を開いた。
「なあ、お前のかーちゃん……ガッコの男子トイレから出てきたのを見かけたんだけど」
 思わず噴き出さなかった自分を褒めてあげたい。言い訳を考えること2秒。
「……いじめの件は、僕だけで解決するから気にしないでって言ったのになあ。何も現場
に突っ込んでいかなくても」

 で、その日の夜。
「……だってさ。気をつけてよ。あれでうまく誤魔化せたかどうか、とっても不安」
「ごめんなさい。習慣でつい。女子トイレに入るのって恥ずかしいし」
「ママは女子なの。男子トイレに入るほうが恥ずかしいの」
 これまでのことで謝りたかったけど、今日のことで感謝を伝えたかったけど、PTAで
何かなかったか不安で聴きたかったけど、まず説教になってしまったことに少し自己嫌悪。
704639:2012/09/29(土) 22:53:03.75 ID:nMDSe7x4
>>697
「母親として頑張る」ってなんなのかなあ、と考えて出てきたのが授業参観だったので書いてみました。
他にどんなシチュエーションがあるだろう……

>>698
「12歳の男の子」は、多分母親との入浴を嫌がるだろうなというので残念ながら取り入れ断念。他の人に
是非書いて欲しいなあ(他力本願)。

>>699 は、大体どうするかは既に決めているのですが、文章の流れによって変わるかもです。

>>700 肉体的な入れ替わり・変化は、今回はパスでご了承ください。
705名無しさん@ピンキー:2012/09/30(日) 18:01:07.05 ID:a+KRkSIK
GJ!
乙です。
思わぬ事態で大人の世界を知って行くものですね。
母親としての世界ですけど。
このまま経験を重ねて行くと、
将来は奥さんの気持ちの分かる良い夫になれるかも知れませんね。
706名無しさん@ピンキー:2012/09/30(日) 23:00:09.38 ID:a+KRkSIK

12才だと小6か
その年だと女物のパンツとか履いたら勃起しそうだな
中坊とかのエロい盛りなのを揶揄して風が吹いても勃つ年頃とか言うし
707名無しさん@ピンキー:2012/09/30(日) 23:22:08.45 ID:5Rj2ZIjv
なかなか面白い展開にGJ
あと母親になった子供にやって欲しいのはママさんバレーとかフィットネスで水泳とか
社交ダンスなどなどの主婦が通うカルチャー系かな
習い事と言えば子供もあるか
男の子は何かやってたりはないの?
708名無しさん@ピンキー:2012/09/30(日) 23:38:44.21 ID:FZTABtHG
709名無しさん@ピンキー:2012/09/30(日) 23:56:37.69 ID:a+KRkSIK
710名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 00:00:08.63 ID:9aUQRCr1
!?
711名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 00:01:33.67 ID:5Rj2ZIjv
何でも良いから感想を書こう
712名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 00:07:36.46 ID:9aUQRCr1
じゃ乙
713名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 02:23:51.04 ID:9aUQRCr1
自演バレざまあwwwwwwww
偉そうに24時間ルールとかバカな奴も一生ROMしてろww
おまえら消えろよw
714名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 02:31:42.80 ID:9aUQRCr1
消えないぜwwwwww
715名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 02:34:54.84 ID:9aUQRCr1
いちいち感想なんて書かない俺最強wwwwww
強要すんなw
716名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 02:38:37.56 ID:9aUQRCr1
作者様は偉いんだぜwwww
崇め奉つれwww
717名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 02:40:15.10 ID:9aUQRCr1
ふう
気が済んだwwww
718名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 19:32:10.92 ID:7ZLTF+O0
伸びてるかと思えば何だこれ
ある意味新しいな
719名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 19:40:26.32 ID:ana/8TUl
過去ログ漁ったらこいつの自演ぽいのがゴロゴロ出てきて笑った
720名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 19:41:22.29 ID:/8OE8dX5
やはり、故意に荒らしてたキチガイだったんだな
721639:2012/10/01(月) 21:40:32.79 ID:quN3xMx5
今回は、ホモセクシャル描写が少し入っているので、苦手なかたは2/3を飛ばしてください、ということで。

>>707
色々アイデアありがとうございます。
ピンと来るものがあれば入れてみたい所存。
722639 4回目1/3:2012/10/01(月) 21:40:56.65 ID:quN3xMx5
「僕が欲しいもの、ねえ……妹?」
 土曜の夕食の席。話の流れはよく憶えていないが、弘がそんなことをぼそりと呟いた。
 少し気になり、食後書斎にお茶を運んできた妻に尋ねてみる。
「妹が欲しい、って、意味を分かってて言ったのかな」
「さあ、どうでしょう」
「まあ弘も年頃だしなあ。最近の若い子は知識が豊富なことが多いし」
 それから少し会話を交わしたあと、ふと思いついたことを口にする。
「久々に、構わないか?」
 少し戸惑ったように沈黙したあと、美雪は「……ええ」と首肯する。
 いつもと同じ毎日の中、ほんの少し混じった非日常に、心が躍るのを感じた。

 この前の朝覚えた違和感の正体を突き止めようと、妻の様子を目で追う日々。長い結婚生
活を経て、気にも留めなくなっていた部分の再確認。そんな中、何故かとても新鮮な印象を
受ける妻の若々しく美しい姿や、ちょっとした仕草に対し、年甲斐もなくドキドキしていた。
 40歳の男が、それも13年も連れ添った妻に使っていいものか悩む表現だが、そう。
 私は今、妻に対して(愛というよりむしろ)初恋のような感情を覚えていた。
723639 4回目2/3:2012/10/01(月) 21:41:18.31 ID:quN3xMx5
 随分と昔の流儀どおり、布団に2人で横たわり電気を消す。
 殆ど光の入らない暗がりの中、名前の通りに白く輝く美雪の肌だけが見える。
 か細い柳腰を引き寄せ、ついばむように唇を重ねあう。何年もブランクを置いてしまった
せいもあるのか、少し戸惑うように身体を強張らせていた彼女だったが、やがてすべてを受
け入れるように四肢を弛緩させ、その繊手で抱き返してきた。
 少しだけ入ってくる光によって、美雪の長い睫が、白い頬に陰を落とす。
 最初は軽かった接吻が、次第に息をするのも忘れて貪るようなものになる。

 つけていたブラジャーを少しずらし、乳首を擽る。まるで思春期を迎える前の少女のよう
な薄い胸を、そういえば美雪は気にしていた。だが、首の曲線や、薄くなだらかな肩と併せ、
和服に映える彼女の姿態を、私自身はむしろ好ましく感じていた。
 背中に回した手が伝えてくる肌触りは滑らかで瑞々しい。妻の持つ「若々しさ」というの
は多分に、この肌に拠るものなのだろう。私が普段接している(無論直接触るような機会は
ないが)女子中学生たちと比べても遜色ないどころか上回るほどだ。

 頭の中で、微かな警告音が鳴っているのを感じた。妻との性交時にいつも覚えていた、幼
すぎる少女を犯している背徳感に近い懐かしい感覚。『今お前は人としてやっちゃいけない
ことをやってるんだ』という思い。ただ、何か違和感(また、違和感だ)がある。
 しかしその背徳感も違和感も、今はより強く自分の分身を滾らせるだけだった。
 妻の好んだ後背位に切り替え、その分身を妻の穴にねじ込む。
「……っ!」既に寝たであろう弘を気遣ってか、低く抑えた、声にならぬ声が部屋に響いた。
724639 4回目3/3:2012/10/01(月) 21:41:40.09 ID:quN3xMx5
 腕の中に美雪を抱きながら、彼女のことを考える。
 歴史好きという点で興味が合い、比較的仲良く、と言っても生徒と教師の一線を越えるこ
となく会話していた中学の学生時代。
 卒業後身を寄せる先として、それ以上の関係でもなかった私を選んだのが何故か良く分か
らない。
 家庭内での暴行(性的含む)から、その時既に処女でなかったことは知っている。色々奔
走して一旦家庭内に返したものの、一年後再び私の元に返ってきた時彼女は懐妊していた。
 そういった経緯からか、極端に人に付き合うことを怖がり、少ない知り合いには依存する
傾向があるようだった。……最近直す努力をしているようではあったけれども。
 写真に写ることと、医者にかかることを極端に嫌う人でもあった。
 家事全般が得意で料理が上手く、特に煮付けが絶品。書道や珠算の腕もかなりのもの。
 弘も外に習い事に行くことなく、妻に教えてもらっていた。生来手先の器用な息子は、12
歳で私なぞより遙かに上の水準に達していたと思う。

 ……と、そこまで考えたところで正体不明の違和感がまた湧き上がってくる。
 何か重要なことに気づいていないような、重要なことを忘れているような、間違ったこと
をやっているような、良く分からない感情。
 それでも。それでも、この日常を守る為美雪と弘を守る決心をした所で……眠りに落ちた。
725名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 22:33:21.80 ID:10YgQYPT
GJ!
こう言う描写展開ありだと思う!
これからどうお話が収束していくのか楽しみです。
726639:2012/10/01(月) 22:41:42.19 ID:quN3xMx5
(投下してしまってから読み返してみると・・・このおっさん十分やばいですな。これで中学教師とか、
よく犯罪起こさなかったもんだと)
727名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 22:45:43.61 ID:10YgQYPT
705と706は自分だけどあとは違うんだけど。
あと710もそうか。
別に荒そうと書き込んでいるんじゃなくて母子立場交換の話が面白いと思って
ちょっとサクラしてみただけで何時もしている訳じゃないです。

家族のPC使っても家庭内では同じIDになるのは始めて分りました。
そのことを聞いたら弟に馬鹿にされましたが…。
悪い事は出来ないものです。
728名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 23:07:10.65 ID:9aUQRCr1
>>719
>>720
なにおまえら俺を特定した気になって得意げになってんの?wwwwwwww
他の奴を一緒に犯人あつかいとかマジでバカだなwwww
729名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 23:56:16.49 ID:7ZLTF+O0
これは真性だな

>>722

荒らしに負けるな

730名無しさん@ピンキー:2012/10/02(火) 08:02:07.63 ID:22Bmg3GZ
>>719>>720
煽り方がなってないな
そう言う時はこう言ってやるんだ

>>728
あまえ必死だなw

さてどうキレてくるか
どうぞ
 ↓
731名無しさん@ピンキー:2012/10/02(火) 22:09:36.37 ID:fZSVUsjT
ID:9aUQRCr1=ID:22Bmg3GZ

別人だとしても、煽り合いでスレをわざと荒らそうとしてる時点で有罪
732名無しさん@ピンキー:2012/10/02(火) 22:44:52.50 ID:T6Bqkjnf
それ以前になにかあると叩かずにはいられない気質が問題かと
このスレの住人のほとんどはスルー出来てるのに変に騒ぐから
今度はなにかあってもスルーで
733名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 01:39:12.30 ID:5BOwKGiG
>>724
いいなぁ、こういう展開。
旦那は、たぶん潜在意識的には真相に気付いてるのに、
表の常識が「いやいやいや、そんなバカことあるはずない」と否定して、
危うい平衡を保ってるのかも。
もし、そうだとすると、セックスも乗りきっちゃったし、
今後は余程致命的な事実を突き付けない限り、旦那さんにはバレないかもね。

──むしろ問題は、弘として生きることになる美雪のほうかなぁ。
女性と結婚すると即バレ……いや、百合娘なら黙っててくれるか。
734名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 02:25:30.53 ID:R41otcFv
自演乙wwww
735733:2012/10/03(水) 03:17:53.28 ID:5BOwKGiG
 いや、別人なんだが──もっと言うと、Kです。
 しばらくこちらに投下しない間に、有望そう(なんて言うと上から目線でナニですが)なSSが投下されたなぁ……と思いきや、この荒らされ方は残念ですね。
近隣の強制女性化スレとかに比べると、まだマシな方なんでしょうが。
 ちなみに、私の方は、以前ダイジェストでネタ出しだけした「フルメタルプリンセス」か「ホームメイドロイド」を、キチンとSSに仕上げようかと画策中。
 新規のネタとして江戸川乱歩先生作品のオマージュを考案してます。

 女学校に通うとある富豪の令嬢(15)の誘拐未遂事件が発生。
 富豪は名探偵に娘の護衛と事件解決を依頼し、探偵は快く引き受ける。
 令嬢とちょうど背格好の似た探偵の少年助手(13)が、影武者に選ばれ、
 犯人が捕まるまで令嬢の代役を務めることになる。
 最初は慣れない「年頃の良家の子女」という立場に、おっかなビックリ
 だった助手も、一週間が過ぎる頃には、巧くその立場に馴染んでいた。
 ──しかし、助手は知らない。
 「別の場所に匿われている」聞かされていた令嬢が、実は探偵のもとで
 「名探偵の少年助手」という彼の本来の立場を演じていることを……。
 1ヵ月が過ぎる頃、油断していた隙をつかれて、誘拐される「令嬢」。
 もっとも、探偵はコレを見越して「彼女」に常に尾行をつけていたので、
 程なく、犯人は捕まり、「令嬢」も無事に救出される。
 これで、令嬢役も終わりか……と微妙に寂しい気分になった「彼女」
 だったが、どうも周囲の様子がおかしい。
 事情を知らない他の人々はともかく、富豪夫婦や敬愛する探偵までが、
 「彼女」をまるで令嬢本人かのように扱うのだ。
 事情を聞こうと口を開きかけた時……。
 「先生、警察の方が、説明して欲しいことがあるそうです」
 富豪宅の応接間のドアを開けて、探偵の「少年助手」が姿を見せる。
 「え!?」
 驚く「彼女」を尻目に、探偵は「助手」と連れ立って富豪宅を辞去し、
 「彼女」は「令嬢」として屋敷に取り残されるのだった……てな展開。

問題は、「なぜ、探偵達がわざわざそんなコト(立場交換の継続)をするのか」の巧い動機づけが思いつかないこと。そのヘンが思いついたら、筆が進みそうなんですが。
736名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 04:16:51.69 ID:R41otcFv
偉い作者様の登場でつねwwww
737名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 05:29:28.05 ID:tsH7rKrY
>>735
「フルメタルプリンセス」と「ホームメイドロイド」期待してます!
個人的には「ホームメイドロイド」が気になります……。
738名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 05:47:08.24 ID:R41otcFv
自演お疲れちゃ〜んwwww
739名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 21:16:48.74 ID:P0dFUcAu
多分これスレチ認定で荒らしてた奴だろ
母子交換の作者さんを追い出すのが目的だろうから作者さんには負けないで欲しい
740名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 23:02:33.79 ID:IxIgV7Q4
昔のこと蒸し返すってお前どこまで根に持ってるんだよ・・・
741名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 23:05:21.00 ID:JAin5Wp2
>>737
IDがtsHとな
そのIDでTSスレに書き込めば何かTSする現象に遇うやも
742名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 23:08:41.20 ID:D5LHz8dy
もうその手の話題に触れない方が
スルーですよ
743名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 23:10:38.10 ID:P0dFUcAu
では純粋に作者様に乙ということで
744名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 23:34:40.14 ID:R41otcFv
バ〜カwww
ここは雑談禁止なんだぜwwww
745639 5回目1/3:2012/10/04(木) 21:56:17.20 ID:ZidHtmle
 日曜日は結局、親父の居る時以外ずっと寝込むハメになってしまった。痛くて。
 「構わないか?」と言われ、意味も分からず怪しまれないよううなずいたらあの展開。相
談したママも色々道具とか出すし、旦那と息子のHをあおるとかどんな母親なのかと。
 まだお尻に異物感が残ってるてるけど、いつまでもこれじゃいけないと起き上がった月曜
の昼下がり。化粧を済ませてママの……じゃなかった私の服を着て外に出る。

「この間うちの子がお邪魔してすいません。クッキー美味しかったって言ってましたよ」
「こんにちは。ありがとうございます。お口に合って嬉しいです」
 声をかけてきたのは、弘の同級生の母親で八百屋をやってる鈴木さん(38)。
 昔からのママと同じ生活を繰り返すなら、買い物はスーパーで……になるんだろうけど、
最近は少し足を伸ばして(小さな)商店街まで行くことが多くなっていた。
 美味しくていい食材が安く手に入る。家計を預かる主婦として、そういう節約が何か楽
しくなってきた今日この頃。と鈴木さんの旦那も奥から出てきて声をかけてきた。
「美雪ちゃん、今日は一段と綺麗だねえ。なんか良いことでもあった?」
(良いこと……”良いこと”?)突如、意味不明の羞恥心に襲われて、顔が真っ赤に。
 12歳の息子を持つ母親として、29歳の大人の女として、正直アリエナイこの反応。

 これはバレるかも。どうやって誤魔化そうかと動かない頭を動かそうとしていると、
「きゃーー!! 可愛い。ひょっとしてオメデタとか?」
「いえ……そんなんじゃなくて、昨日、何年かぶりにアレしただけなんですけど」
「あらあらご馳走さま」
 何でか、すごい評判が良くてびっくり。あげく買い物途中のおばさん達も追加で何人か集
合して、私そっちのけで私と夫の話をネタに大盛り上がり。
746639 5回目2/3:2012/10/04(木) 21:56:35.96 ID:ZidHtmle
「そういえば前から気になってたんだけど、坂本さんて地味につくりすぎてない?」
「あ、それ私も思ってた。服も化粧もやりようでもっと綺麗にになると思うんだけど」
 ころころと変わる話の中、唐突にそんな流れになった。
「わざとそうしてるなら悪いんだけど、一度でいいからきちんとした姿みたいわあ」
 これが『本来のママ』なら断ってたんだろうけど、今は私がママなんだ。正直自分でも興
味が沸いてきて、「お願いします」と頭を下げた。

 まずは斜向かいの化粧品店に移動。買い物かと思いきやいきなり実演が始まる
「前々から綺麗だと思ってたけど、あなた本当肌綺麗ねー」
「若いっていいわよねえ」
 (そういえば29歳が「若い」というのは、ママとしての生活で驚いたことの一つだった)
「そういうレベルじゃないわよ! お肌の曲がり角越えてるのに、完全にハタチ前の肌だも
の。ねえどんなお手入れしてるの?」

 美容院・下着屋はパスしてもらって(今でも十分冷や汗モノなのに、速攻バレる)、服屋
……は幾つか試着してサイズがあわずに子供服屋に移動。結局白のワンピース、赤いふわっ
としたカーディガンという組み合わせに。アクセントに黒い太目のベルトを追加。
 お店の人たちは皆一様に「タダで持っていきなさい」と言ってくれたけど、それだと何か
悪くて頼み込んで、化粧品代・衣装代を払わせてもらった。結構痛い出費。
 最後鈴木さんの旦那さんから山芋、里芋、ニンニク、アスパラ、玉ねぎ、ニラ、エリンギ、
(それに八百屋なのに何故か)牡蠣、レバーの入った袋を渡されてようやく帰宅。
747639 5回目3/3:2012/10/04(木) 21:57:03.49 ID:ZidHtmle
 「僕」がまだ幼かった頃、世界で一番綺麗な人はママだと思っていた。成長するにつれそ
んなことは思わないようになっていたけれども、ふと覗き込んだ姿見の中にいた「女性」は、
懐かしいその気持ちを呼び出すのに十分な可憐さだった。
 「私」が「僕」だった時、「可愛い」「綺麗」「女の子みたい」という声が大嫌いだった。
お洒落なんてとんでもないと思ってた。でも今は何だか女として、もっと素敵になりたい。
素直にそう思える自分がいた。
 化粧を色々やりなおして、タンスの奥にしまってあった服を取り出して、自然に見える表
情やポーズを探して、鏡の前で没頭する。
 ……弘が帰ってくるまで、食事の準備も忘れるとか、主婦失格やらかしたりしましたが。

「そういえば弘、この頃いじめはどう?」その日の夕刻。ふと質問してみる。
「あ……そう言えばまだお礼言ってなかったね。もうすっかりなくなったよ。美人のママの
笑顔とクッキーの餌付けが効いたみたい。また来たいって言ってた。……ありがとう」
「良かった……」
 私は心から嬉しくなって、弘を胸に抱きかかえた。
 主婦の楽しみ、女のときめき、母の嬉しさ……そして妻の悦び。
 本来「僕」にとっては無縁だったはずのものが、つい半月前までは想像すらしなかったも
のが、今は「私」の大切な宝物になっている。
 『あの日』まで残り半月。どうか。せめて。その日までこの安息が続きますように。
748名無しさん@ピンキー:2012/10/04(木) 23:59:07.05 ID:waYjYvtH
749名無しさん@ピンキー:2012/10/05(金) 22:57:10.11 ID:dLb5BUNQ
乙です。
ハッピーエンドに向って物語は進行中ですね。
でも最後の一文が気になります。
何か起こるのでしょうか?
750名無しさん@ピンキー:2012/10/05(金) 23:31:44.29 ID:hPLOjn9q

どんな事が起きるのかワクテカで続き待ってる
エロい展開を期待
751名無しさん@ピンキー:2012/10/05(金) 23:49:37.43 ID:pNSFeYa+
またサクラでつか?wwww
それが自演だバカwwwwwwww
752639 6回目1/3:2012/10/06(土) 20:12:37.43 ID:0p2lrewE
 『入れ替わり』なんて、成立しないと思ってた。
 すぐにばれるか、投げ出すだろうと思ってた。
 だから、半月が何事もなく過ぎたのはとても意外で。この前夫婦の営みをけしかけてみた
のは、半分位は「これでばれるか、諦めてくれるかな」という考えからだったのかもしれない。
 それが、今日の晩飯である。

「……へ?」
「へ?、って私が言いたいわよ。何でそういうことになるの」
「いやだって、今日の夕食『今日もセックスしましょう』って口に出してるのと一緒だから」
 牡蠣と里芋とアスパラと玉ねぎとエリンギの入ったスープ。ご丁寧に副菜もニラの卵とじ
とトロロで見事『精がつく食べ物』の大行進。スッポンがなかったのがいっそ不思議なほど。
 そうなんだ、と驚くママに詳細説明。
 これは僕がうっかりしてたかもしれない。ママがあまりに自然にママなものだから、「29
歳の女性」の知識がないのが当然ということが、意識の外になってしまってたのかも。
「……で、今晩はどうするの? また誘われたんだよね」
「………………また道具貸して下さい」
 顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに言う。もしこれが自分が言ったら『何カマトトぶって』
と思う光景だろうけど、「彼女」の可愛さはそんな意識を吹き飛ばすほどだった。

 ママが出て行ったドアを眺めつつ、胸の中にモヤモヤした感情があるのに気づく。
 僕は、一体、誰に対して、どういう内容の、嫉妬を抱いているのだろう?
753639 6回目2/3:2012/10/06(土) 20:12:58.97 ID:0p2lrewE
 それから一週間の時間が、穏やかに流れた。
 ママがますます綺麗になって、髪もばっさりと切って(自毛が伸びたのでカツラを外した
ということだけど)、いってらっしゃいの挨拶がキスに変わり、親父が柄でもなく帰宅時に
時折花を買ってくるようになったのが変化なくらい。
 あと、ママが「近所の用事」で家を空けることが多くなった。

 体育の授業が終わって校庭から教室に帰る、そんなある日の最中のひとコマ。
「あ、あれ坂本のかあちゃんじゃね?」
「うわー本当だ。すげぇ可愛い」
 視線を向けると……なんか凄い格好をしたママがいた。僕に気がついて手を振る彼女に対
し駆け寄る男子たちに巻き込まれる形でを追いかける。
 アリスファッションというのか。水色の少女らしいワンピースにエプロンを重ね、頭には
大きなリボンまで付けてる。化粧も若い感じでまとめ、ともすると僕らより幼く見えた。
「あらこちら美雪ちゃんの息子さん? 本当に似てるわねえ」
「息子の弘です。母がいつもお世話になっています」
「あらあら、これうちのに爪の垢煎じて飲ませたいわ。将来ハンサムになりそうだし、凄い
有望株」
754639 6回目3/3:2012/10/06(土) 20:13:22.12 ID:0p2lrewE
「今日はどんな用事ですか?」
「お母さんからは聞いてない? 私たち、主婦で劇団の真似事やっててね。今日は1年生相
手に公演してきたとこ。どうしても出れない人がいて、頼み込んで出てもらったの」
「あなたのお母さん、本当に凄かったわよお。役に完璧になりきってて」
「そんな、噛みで噛みで台詞もとちるし私申し訳なくて」
「美雪ちゃん、そんなの気にしない気にしない。受けてたから大丈夫」

「あと凄いと言えば、スタイルもよ。これ私の娘の9歳の時の衣装なんだけどさ、それが
ぴったり入るってどういうこと? ウェストなんかかなり絞ったし」
 いつも身体のラインを出さない服ばっかり(痩せ過ぎて貧相に見える)のママには珍し
くフィットした服だと思えばそんな理由。元の持ち主だと多分膝丈だったスカートが、ミ
ニスカートに見える。そこから覗く長い足は折れそうなくらいキャシャだ。
「年甲斐もなくこんな服でごめんなさい。似合ってないよね?」
 ぶんぶんぶん、と思わず一斉に首を振る周囲の一同。
「フツーに、うちの女子に混じって違和感ないですよ」
「いや、こんな可愛い女子いないから、逆に違和感バリバリだろうと」

 その後チャイムがなって慌てて教室に戻り、結局次の授業を体操服のまま受けるハメに
なってみたり。
 そんな、日常風景。
755639:2012/10/06(土) 20:17:50.04 ID:0p2lrewE
>>707
なんか、「習い事」をするのはイメージが合わないな、と色々考えてみて、乏しい引き出しから
「ママさん劇団」を出してみました。
まともに描写できてなくてすみません。

>>750
エロいこと・・・マトモにかける自信ないかなあ。需要あるかどうかも謎ですし。
756名無しさん@ピンキー:2012/10/07(日) 23:12:11.57 ID:CWlI6j0S
乙です。
もう完全に馴染んでますね。
これ元に戻れるのでしょうか?
757名無しさん@ピンキー:2012/10/08(月) 02:17:15.01 ID:H7n1NuXS
乙でした。オラ、ワクワクしてきたぞ!

でも、『あの日』まで残り半月……って言葉が気になるよね。
期限付きかと思いきや、2回目で
「最後ってこの場合一生って意味だけど、それでも?」とか言ってるし。
この母子は、どういう約束したんだろう。
758639 7回目1/3:2012/10/08(月) 21:56:48.31 ID:cLe05pFE
「お待たせしちゃってごめんなさいね」
 そう言って扉を開けて出てきた妻の姿に、自分の年も忘れて胸の高鳴りを覚えた。
 フリルの付いた白いブラウスに淡いピンクのニットのカーディガン、水色のキュロットパ
ンツとまるで少女のような姿。美雪の雪のような白い肌にその衣装はよく映えた。
 最近短く切った髪に付けられた髪留めと、控えめに揺れるイヤリングくらいが年相応。

 今日は美雪の誕生日前の週末。前々からの計画通りの、酷く久しぶりの家族旅行(課外担
当の代行を快く引き受けてくれた同僚に感謝)。戸締りをして駅への道を歩く。
 荷物を持ってないほうの手に、そっと妻の手が触れてきた。少し冷たさを感じる小さな手。
繊麗なその指に無骨な自分の手を絡ませると、妻が微笑みながら握り返してきた。
「そう言えばその服は……?」
 思わず抱きしめて接吻したくなった自分の気持ちをそらすため、そんなことを訊いてみる。
 弘の育児につききりで地味な服ばかり着ていた昔の話。お洒落したい年頃だろうにと半ば
贖罪の気持ちもあって色々服を妻に贈ってた時期があった。結局一着も着ないで、私が根負
けして終わったのだが。もう記憶も曖昧だが、これはその時の服だった筈。
「やっぱり変? ちょっと若作りしすぎちゃったかな」
「いや……凄く綺麗だよ」
 最近感じてなかった違和感がふと襲う。だがそれは、具体的な形を作る前に……「もう。
そんなにゆっくりしてると電車が来ちゃうよ!」という弘の呼び声にかき消された。
759639 7回目2/3:2012/10/08(月) 21:57:21.92 ID:cLe05pFE
 最初の目的地民俗博物館の見学を終えて、次の目的地の遊園地に到着したのは3時のこと。
 遊具に幾つか乗り、トイレに行って戻ってみると美雪のところに撮影機材を抱えた男達が
集まっていた。
「あ、私たち雑誌○○の撮影スタッフなんですが、うちの『街で見かけた美少女』シリーズ
にお嬢様のご写真を使わせていただけませんでしょうか」
 名刺まで出してくる彼らを、「妻はそういうの嫌うので」と、押し問答して追い払う。
「ごめんなさいね。きちんと断れなくて」
「まあしょうがないさ。それより弘は?」
「弘は先に行って待ってるって。私たちも行きましょう」

 「行くってどこへ?」と聞き返しても笑ってはぐらかされているうちに、何かファンシー
な建物の裏口に連行。ご丁寧に『坂本様ご一家』の案内板まで出ていたりする。
 先に奥に入っていった美雪に取り残され、少し途方にくれつつ近くの職員に質問を。
「はい、こちらは童話の中のキャラクターになって頂いて、写真撮影を行うアトラクション
でございます」
「ここに予約とってること、親父には内緒にしてたからねー」
 奥の着替えスペース?から「王子様」衣装の弘がニヤニヤ笑いながら出てきた。
「さあさあ、親父も着替えて着替えて」
「え? は? 私も?」
760639 7回目3/3:2012/10/08(月) 21:57:48.12 ID:cLe05pFE
 着替えて弘と待つこと暫し。奥の通路から衣擦れの音とともに「美しい花」が出てきた。
 それが美雪であることに把握するまで数瞬かかる。私の呆けた顔が面白かったのか、口元
に手を当てて笑うと、視界一面に薔薇の花が咲いたような錯覚がした。
「奥様、物凄くスタイルがよろしいものですから。合う衣装があって良かったです」
 ロココ調基本だが時代考証無視の、所謂「童話のお姫様」そのもののピンク色のドレス。
大きく膨らんだスカートが、玻璃細工のように繊細な上半身の華奢さを強調する。
 軽く波打たせた、腰まで届く長い金髪のカツラの上に、ティアラが輝く。
 背中の描く女らしい弧と、息をするたびに豊かな胸(詰め物をだろうか)が上下する様子
がびっくりするほどセクシーだ。

「では、撮影会を始めますよ。こちらへどうぞ」
 てっきり室内で内々で行うと思っていただけに、係員に案内されて行った先が半屋外の小
さな舞台だったのには驚いた。双子のような絶世の美少年・美少女(身内の欲目だが)の王
子様&王女様の登場に、ギャラリーが沸いて写真の音が鳴り響く。
 その後狼の着ぐるみ姿の私が奥から登場すると、一瞬置いて爆笑の渦に。通りすがりの人
たちも集まり、いつの間にか人だかりになっている。半分自棄になりつつ色々ポーズを。
 最後には、ドレス姿の美雪を「お姫様抱っこ」の形で抱きかかえてみる。
「これ、教え子たちには絶対見られたくないな……」
 そのままこっそりぼやくと、妻は莞爾と笑い、そして私の口につけていたパーツを取って
キスをしてきた。絶対に人前ではしたくない、舌同士を絡ませる濃厚な口付けを。
 (教え子達に見られたくないな……)周囲の歓声を聞きつつ、内心繰り返しそう思う。
 でも、いつもの毎日、繰り返す日常の中で、この日は一生忘れない思い出になるのだろう。
761639:2012/10/08(月) 22:03:12.74 ID:cLe05pFE
こんなアトラクション本当にあるんだろうか、と思いつつ最初(>>669)から考えていたネタの消化。

>>756
なるほど、少し見えてきました。次回に反映してみたいと思います。

>>757
読み込んで頂いているようで汗顔の至りです。そこも、次で盛り込めるといいなあ。
762名無しさん@ピンキー:2012/10/08(月) 22:40:16.71 ID:8E1hwKQ7

続き頑張れ
763639 8回目1/3:2012/10/09(火) 23:29:36.15 ID:zoSdng0f
 太陽も落ち、あたりが暗くなるころあい。私たちは今日泊まる温泉宿に到着した。
 家族ゆっくり混浴で楽しめる貸切の露天風呂と料理が売りの、そんなに大きくないお宿。
 畳敷きの、12畳くらいの部屋に通されて荷物を置く。はしゃぎ過ぎたのか少しぐだって
いる夫と息子の様子がそっくりで、なんか笑いがこみ上げてきてしまう。
「食事の前に温泉かー。気を抜くと寝てしまいそー」
「私は化粧落として行くから、先にお風呂行っていてね」と言っても伸びて動く様子がない。
 まあ仕方がないかと思いつつ、部屋の隅においてあった化粧台の前でいつものように化粧
を落とす。さて温泉に行くかと思った瞬間。鏡に映る自分の姿に、ぐらりと目まいがした。
 とっさに近くの座布団に顔を押し当てられたのは幸運だったのかもしれない。

(──僕は坂本弘なんだ! 12歳の男で、女なんかじゃないんだ!)
 暴れながら大声で叫ぼうとする自分を、他の自分が全力で押さえつける。一方で同時に、
これを実際に声にしたら破局だったな、と冷静に観察する自分もいた。
(僕は美雪ママじゃないんだ! 何でみんなして、僕がいないように扱うんだ!)
「マ・マ・は・だ・い・じょ・う・ぶ・だ・か・ら。安心して先に風呂に行ってて」
 何事かと慌てて近寄ろうとする親父に、僕の格好をしたママが宣言する。妙に焦点を失っ
た瞳で親父がそのまま部屋を出て行ったのに気づく余裕もない。
(皆「美雪」には親切にするけど、「僕」は無視してばかり! なんで、なんで、なんで!)

 ショックを受けた。
 ここ一月を「坂本美雪」として過ごし、それが当たり前のような気分になっていた。でも
心の奥底のどこかにあったストレスが、いつの間にかこんなに大きくなっていたなんて。
 ふと、柔らかな手が、優しく背中をさする感触がした。
「じゃあ、『入れ替わり』はもうギブアップする?」
 久しぶりに聞く、『弘』ではなく、ママの、優しい声。
764639 8回目2/3:2012/10/09(火) 23:29:55.38 ID:zoSdng0f
「火曜日の“坂本美雪の30歳の誕生日”にいなくなるのは、坂本弘じゃなくて坂本美雪。あ
なたは『弘』として残って、私は『美雪』としていなくなる。最初の予定に戻るだけ。
 私とあなたが『入れ替わ』って、いなくなるのが『坂本弘』で、あなたが『美雪』として
残る……発想としては面白かったけど、あなたの心が無理って言うなら、それはやっぱり無
理だから」
「……ママがいなくならない、ってのはダメなんだよね」
「うん、できない。どっちにしても居なくなるのは私で、残るのはあなた。どっちでも、私
にとっては『1ヶ月の入れ替わり』でお仕舞い。あなたが残る一生を、『弘』『美雪』のど
ちらとして過ごすのか。それだけの問題で、私はその行く末を見届けることもできない」

「…………ママは、僕が耐えられない、ってのは予想してた?」
「それは半々、かな。正直いうと、もっと早くに限界が来ると思ってた。でも、大丈夫だっ
た。だから最近は、この日常が永遠に続くように錯覚するほどだった」
「……」
「大体あなたはねえ、頑張りすぎなのよ。美雪なんてロクな人間じゃないのに、自分の『理
想の母親』『理想の女性』のイメージを無理に乗せて、それを演じようとしてたでしょう。
 他人になりきるだけでも大変なのに、一瞬も休まずに『理想』通りに振舞うなんて無茶よ」

 ああ、そうか。
 ママの声の響きだけを楽しみつつ、言葉を半分聞き流しつつ、ようやく自分が本当に何を
辛いと思っていたのか腑に落ちる。同時に、身体から力が抜ける。
765639 8回目3/3:2012/10/09(火) 23:30:14.19 ID:zoSdng0f
 僕はこの一ヶ月、変な勘違いをしてたみたいだった。
 「坂本美雪」というペルソナを生み出して、それをかぶって、演じて、しがみついている
だけで、「坂本美雪になりきって」いたつもりになってたのか。
 そこには「僕」はどこにも存在しない。親父から「愛してるよ」と言われるたび、「美雪」
の友人・知人が増えるたび、「美雪」が愛される喜びと同時に、「僕」が置き去りにされて
いるという、心の奥底でこっそりと感じていた絶望的なまでの孤独感。
(あなたが残る一生を、『弘』『美雪』のどちらとして過ごすのか。それだけの問題)
 「弘」に戻る選択肢は、何故かもう、心の中にはなかった。
 「坂本美雪を演じる」んじゃない。「坂本美雪になり切る」のですらない。
 「坂本美雪になる」……いや、「坂本美雪である」。
 心のどこかで、カチリと何かが鳴った。それが、何か扉を開けた音なのか、扉に封をした
音なのか、自分でも判然としなかった。

「ありがとう……『弘』。ママね、ようやく、今更だけど、決心ついた」
 何分くらいそうしてたのだろう。私は大きく息を吸って、そう言って立ち上がった。
「お父さん待たせちゃったね。早く行ってあげないと、のぼせてるかも」
 「弘」は暫く母親の顔で何か言いたそうにしていたけれども、首を大きく振って、
「ひどい顔してるよ。水でも飲んでまずは落ち着いて」
 とコップを差し出してきたときにはもう、12歳の少年になっていた。
766名無しさん@ピンキー:2012/10/09(火) 23:34:02.75 ID:m5cL9tGX
乙つ
767639:2012/10/09(火) 23:34:15.66 ID:zoSdng0f
いらない描写をくっつけまくってたら、全然話が進まない状態に。
色々切って短くするのも考えたけど、ここで一旦投下してしまいます。

これで話が1周分のびてしまった・・・みっともなや。
768名無しさん@ピンキー:2012/10/10(水) 03:02:23.11 ID:6wEy5crK
乙です。
うわ……何か思ってたよりヘビィだ。だが、それがイイ!
完結まで突っ走っちゃってください。
769名無しさん@ピンキー:2012/10/10(水) 22:23:54.92 ID:FCLRFlXS
>>735
自分だったら「富豪の令嬢(15)」がそもそも、「探偵の少年助手(13)」(A)の前にいた、別の「探偵の少年
助手」(B)だったことにするかなあ。

以前あった別の事件の際に、助手Bが「本来の令嬢」に入れ替わっていたんだけど、その裏をかかれて
まんまと「本来の令嬢」が誘拐されてしまう。
助手Bは探偵が『本来の令嬢を取り戻すまで』の期間の約束で令嬢へのなりすましを続けるはめになっ
ていたと。
助手Bのほうは、「助手Aが成りすました令嬢」=探偵が取り戻してくれた「本来の令嬢」と信じ込んでいたりとか。

……ただこれだと、「入れ替わり」に厳密にはしないんだろうか。
770名無しさん@ピンキー:2012/10/10(水) 23:41:44.01 ID:Qi5esjTu
1人何役も大変だなwwwwwwww
771名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 00:58:22.31 ID:/wo0gEQc
「一人何役」っていうより、少年助手Bの名前が例えば「水城信一郎」で、助手Aの名前が「小林瑞樹」。

Aは最近探偵事務所に入っていて助手Bの存在を知らず、Bの助手時代と同じ服を着せられて
「ミズキ少年」と呼ばれていたので、Bが事務所に戻ったあと同じように「ミズキ少年」と呼ばれて
いるのを見て勘違いしていた、という話。

ますます「入れ替わり」から離れていくよ。
772名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 01:07:32.32 ID:3Lbvrl2s
>>771
>>770は荒らしだから触れぬが吉
ID:9aUQRCr1,ID:R41otcFv>>751みたいな事をずっと繰り返してる

どうせ>>770も「自作自演でスレを盛り上げてるwwww」みたいな意味で言ってる可能性が高い
773名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 08:34:14.95 ID:/wo0gEQc
・入れ替わりである
・きちんと整合性が取れている
・魔法的な手段によらない

の3つを同時に兼ね備えるのって大変だな。なんかパズルを解いてる気がしてくる。
どれか1つを諦めれば楽なんだけど。
774名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 22:53:01.60 ID:r8q3n4hr
>>763
乙です。
急転する心理状態にシリアス展開でドキドキです。
775名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 23:35:15.80 ID:Qfl+mBCC
スルーするんじゃなかっの?wwwwwwww
776名無しさん@ピンキー:2012/10/11(木) 23:55:33.69 ID:Q95OGzI8
現実で立場交換と聞くと配置転換を連想するな
立場交換を英語カタカナ表記にするとポジションチェンジになるんだろうか?
777639 9回目1/3:2012/10/12(金) 23:55:29.11 ID:sB/fBgX3
 満天の星空の下、綺麗な鼻歌の歌声が響く。
 今はもう誰も知る人もいない、古い古い民謡。ママが好きで、時折歌っていた歌。
 先ほどの取り乱しようが嘘のようにご機嫌で、細い指先で僕の頭を洗っている。
「さあ、綺麗綺麗」
 最後に洗面器に汲んでいたお湯で、頭と身体の泡を洗い流す。
「おちんちんは洗ってないから、お湯に浸かる前に自分で洗ってね」
 僕の背中に指先を這わせて、髪の毛に指を絡ませて、泡の落ち具合を確認しながらそう言
うと、岩に座って湯涼みしていた親父が、抑えた笑い声を上げた。愉快そうだ。

 股の間を洗って海パンを履きなおし、意外に大きな石造り風の浴槽に浸かったのを優しい
目で見届けたあと、バスタオルを解いて自分の身体を洗いはじめる。
 立ち込める白い湯煙の中、なお白い滑らかな肌とほっそりした後ろ姿から漂う、女の色香。

 少し冷えすぎた親父が湯船に浸かりなおした頃合。身体と髪を洗い終えたママは、バスタ
オルを胸高に結んだ姿でお湯に入り、親父の身体の中に身を収めた。
 目の前に現れた、なだらかな曲線を描く長く細いうなじのラインに、親父は一瞬戸惑った
ようだった。けれども、すぐに後ろから手を伸ばして身体を優しく抱きしめる。
 アップに纏めた髪から零れた漆黒の後れ毛が、雪のような肌に映える。玉のような水滴が
肌の上で踊る様子は、宝石箱を連想するほどだ。
 親父の厚い肩と胸の中に、すっぽりと収まる薄く狭い肩。回された逞しい腕に添えられた
すんなりとした指。目を閉じてうっとりとしたママの様子とあわせて、それはとてもとても
素敵な芸術品のようにも見えた。
778639 9回目2/3:2012/10/12(金) 23:55:57.77 ID:sB/fBgX3
「うわ、王子様?」
 湯上り後、ラウンジで涼みながらママが更衣スペースから出てくるのを待ってると、なん
か突然近くで女の子の声が響いた。
 見返すと中・高生くらいの姉妹?が駆け寄ってきて、「やっぱ、あの遊園地の王子様だよ」
「また見れるとか、超絶ラッキー」「頭小さーい。足ながーい。肌すべすべ」「浴衣姿でも、
なんか王子様!って感じだよね」「あたしたち菊の間なんですけど、あとで遊びに来てくれ
ません?」「写メいいですか?」「ケー番交換してー」と騒いでる。

「お姫様もきた!?」「うわ目の前で見るとありえないくらい細いし」「神様、どうやった
ら人はこんなに綺麗になれますか」「人じゃなくて女神様かも」「そうかー」
 ママが出てきて落ち着くかと思いきや、ますますハイテンションになる2人組。終始押し
まくられた僕とは違い、大人の女の余裕を見せて応対しているところは流石だけれど。

 「食事終わったら菊の間に来てねー」結局姉妹?の母親が呼びに来るまでハイテンション
は止まらず、手をぶんぶん振りながら嵐のように去っていく。
 「お父さんも案外カッコよかったよね」「でも親子というのは予想外すぎた」「双子の姉
弟と、それを囲う中年オヤジって予想は外れたかー」「いや最初からソレはないかと」
「若いっていいわね……」
 まだ姦しい2人の背中を見ながら呟いた言葉はあまりに自然で、一瞬スルーしかけた後、
(あなたまだ12歳でしょ! おまけに本当はちん○のついた男だし!)
 とすべてを台無しにする突っ込みを入れかけたけど、流石に自重。
779639 9回目3/3:2012/10/12(金) 23:56:19.61 ID:sB/fBgX3
 白い絣のはいった撫子色(ちなみに男用は桔梗色)の温泉浴衣と中紅色の羽織を一分の隙
もなく着こなし、ピンと背筋を伸ばした嫋やかな姿。
 口に朱をさす薄い化粧だけなのに、晴れやかな表情の顔はとても綺麗で、辺りの空気まで
一緒に光り輝くよう。
 座るときも浴衣の裾に自然に右手を回して、膝をきちんと閉じた正座姿。クロダイの塩焼
きの身をほぐして舌鼓を打つが口紅に乱れが出る様子もない。
 さっきの突っ込み未遂の名残からか、「ママ」の様子をつい伺ってしまう。でも、ほんの
一ヶ月前の、慣れない女装に戸惑う少年の姿は、もうどこにも見つけることができなかった。

 僕の視線に気がついたのか、ママはにっこりと笑うと食べていたクロダイの身を一つまみ
箸でつかむと、にこりと笑って「あーん」と差し出してきた。一瞬悩んだ後、美味しく頂く。
 秋の海の幸を中心に、楢茸入りの鍋などを並べた料理は、話に違わぬ美味しさだった。
「……弘も本当に年頃になったなあ」
 やり取りを見て忍び笑いを漏らしつつ、親父がそんなことを言う。
「ええ。少し前まで両手に抱けてた気がするのに、もう身長で抜かれそうなくらい」
「お前も、あんまり弘を誘惑しすぎないようにするんだぞ」

 あんなに楽しそうな親父を見るのは久しぶりだ……と思いながら、食事を終えたあとは布
団にダウン。先ほどの姉妹が「もう寝ちゃったんだー。残念」「おやすみなさい」と言って
たのは、夢に入る前のことか後のことかも判然とせず。
780639:2012/10/13(土) 00:09:15.81 ID:ec+LMq6P
>>698 結局書いてみました。

色々他に描写したい要素を注ぎ込んで長さを調整していたら、いつの間にか少ししか残らなくなっ
ていたのは申し訳なかったりします。

親父とのイチャイチャ馬鹿ップルぶりも結局そんなに描けなかったしな・・・
湯船のところ、挿入なしの炬燵かがりみたいなイメージなんですが、筆力不足でうまく伝えられな
かったような。難しいものです。
781639:2012/10/14(日) 01:26:47.67 ID:1cZrPn19
>>777
GJ、と反応がなかったので一人寂しくフォローしつつ、次の投下です。

ホモセクシャル描写がありますので好まないかたは1/3だけ読んでくださいな、と予防線を張りつつ。
782639 10回目1/3:2012/10/14(日) 01:27:07.24 ID:1cZrPn19
 星空の下、鈴虫たちと唱和するかのように、静かな唄声が夜道に響く。
 風呂場でも歌っていた、何故か懐かしい民謡のような曲。
 少し寂れた温泉街の道は、戌の刻前にそぐわず人通りも完全に途絶え、私と美雪、2人だ
けの足音が幽かに残る。
「『星降る夜』って表現があるけど、本当にそんな感じになるのね」
「ここは海も近いし、街灯もあるからまだまだまだかな。もう少し山のほうに行けば……」
「行ってみる?」
「今から直接は無理だな。きちんと準備しないと流石に寒い」
「そっか、残念。じゃあまた今度お願いね」
「いつか最高の星空をプレゼントできるよう、色々考えておくよ」

 町外れのラブホテルに『ご休憩』を取って突入し、荷物を置く。『大人の男性』として悠
然と導こうとして失敗し、きょろきょろしている様子は傍から見るとさぞ滑稽だっただろう。
「こんな所入るのは初めてだから、何か恥ずかしいな……」
「あら意外。もっと経験豊富だと思ってた」
「お前以外とセックスしたことないからな。美雪が初めてなら、私も初めてだ」
「ここ、コスプレサービスなんてやってるのね。フロントに行ってきていい?」
「お前が興味持つとは意外だな。一緒に選ぼうか?」
「ううん、びっくりさせたいから。ここでTVでも見て待ってて」
 何が契機か分からないが、多分この一月、意識して『変わろう』としていた美雪。特にこ
の旅行で見せる姿はくるくる変わり、まるで万華鏡を覗いているかのようだ。
 そして──自分に素直になろう──私はその万華鏡の煌きに今、すっかり魅了されていた。
783639 10回目2/3:2012/10/14(日) 01:27:22.98 ID:1cZrPn19
「遅くなってごめんなさい」
 そろそろ様子を確認しようかと思い始めたころ、美雪が戸を開けて戻ってきた。驚いて声
も出ない私を見て、『してやったり』とでも言いたげな顔をしている。
 ぴったりした黒いチャイナドレス。ノースリーブからは薄い肩がむき出しで、ミニスカー
トは下着が見えそうなほど。そして大きく開けられた胸元からは、豊かな胸が覗いている。
「その胸は?」
「お昼のドレスのパッドを無理言ってもらってきたの……やり過ぎたかなって反省してマス」
 私の手をそっと取って、自分の胸?に当てさせる。それは感嘆するほど柔らかで頼りなく、
でありながらしっかりとした質量を伝えてきた。
 実物に触れたことがないので不明瞭だが、頗る精巧なのだろう。パッドごしに美雪の鼓動
が伝わってきて、こちらまで脈搏が早くなる。

「小さいのを気にしていたのは知っているが、そんなことしなくていいのに」
「胸がないほうが好み? 前々から思ってたけど……私の身体で欲情するってロリコン?」
「それ、実は努力して気づかないふりをしてるんだから突かないでくれ……」
「『謹直な坂本先生』ってご近所で有名なのにね。周りに私より魅力的な娘が大勢いて大変」
「それはない」美雪の言葉に、きっぱりと反論。
「美雪より魅力的な女性なんて、三千世界どこを探してもいやしない。その胸まで含めてね。
……私はお前だけのものだよ。愛してる、美雪」
 そして、時を忘れるほど、長い長い接吻を。
784639 10回目3/3:2012/10/14(日) 01:27:40.68 ID:1cZrPn19
 二人の唾液が糸を作り、宙に留まったあと、落ちる。陶然とした表情で暫くそのままじっ
としていた美雪だったが、ベッドの上で正座になり、(完璧な作法で)合手礼をしてきた。
「不束者ですが、これから末永く宜しくお願いいたします」
「なんだ突然、新婚初夜みたいに」
「……新婚……そうね。そうかも知れない。色々あって、私『坂本美雪』は、今日初めて生
まれたようなものだから、今日初めて夜を迎えるのかも」
 茶化そうかとも一瞬思ったものの、その姿はとても神聖なもので、
「こちらこそ、至らないことが沢山あると思うけど、一生大切にするとここに誓います」
 本心から、その宣誓を。

「何時も通り、明かりを消そうか?」
「いえ、今日はこのままで……」
 半ば衝動に身を委ねる形で細い腕を掴んで華奢に過ぎるその身体を下に組み敷き、耳を、
首筋を、肩を、貪るかのようにキスを行い、舌を這わせる。
 その度に身体を弓なりにしなわせ、あるいは長い脚を私の身体に絡ませて喘ぎ声を響かせ
る。熱い吐息が身体にかかる。こんなに乱れた美雪も、やはり記憶にない。
 昔、少し語ってくれた『12歳の時のトラウマ』からなのか、美雪はいつもセックスの時は
恬淡としているところがあった。まるで罪悪感に苛まれるかのように。だが、今。
 先程の「今日初めて生まれたようなもの」というのは多分、そのトラウマを乗り越えるこ
とが出来たという宣言なのだろうな、とふと思った。
785名無しさん@ピンキー:2012/10/14(日) 17:45:45.53 ID:gRCZE7P4
乙です──が!
クッ……ここで切られると、いいところで暗転するテレビドラマのようなもどかしさが、こう、ね。
簡単にでもいいので、もうちょっとだけ描写を……妄想の燃料としてッ!
786名無しさん@ピンキー:2012/10/14(日) 23:28:19.55 ID:TAAhIg8M
乙です。
良い雰囲気出てますね。
いろいろな意味で。
787639:2012/10/15(月) 00:36:43.54 ID:m1vIAruG
えー。こげなもので宜しいでしょうか、と思いつつできたものを投下。

ほぼホモセクシャル描写一色なのはご容赦を。嫌いなかたは2/4だけ読んでください。
788639 11回目1/4:2012/10/15(月) 00:37:11.49 ID:m1vIAruG
 「女がイク」という状態そのものは知識として持っていた。
 ばれないがために、いつか演技できるようにネットの動画などをこっそりと色々眺めて貯
めてきた知識。でも、それが今、まさに自分の体に起きているというのが信じられない。
 瞼から頬、顎から喉、脇から二の腕まで、全身を蹂躙しつくすかのようなキスの雨と嵐。
その度に、自分の口から、女性そのものの甘い嬌声がほとばしる。
 止めようと思っても止まらない。全身に電気のようなものがビリビリと走る。頭の中は真っ
白で、「牝」の本能だけが体を支配する。

 長く熱い愛撫のあと、今度は私からあの人の股間に顔を近づける。
 半分だらりとしたそのモノに唇を近づけ、思い切って口に咥える。途端、堅さと大きさを
増す逞しい物体──

「顎が外れるかと思った……痛たたた」
 そのままフェラチオに入りたかったのに、大きくなった彼のモノは私の口に先端すら収ま
らず、抜き出してもらうのに一騒動という大失態。
 羞恥心と痛さで涙目になりつつ、お詫びするはめに。もう、うまく行かないことだらけだ。
「あなたのあそこ、大きすぎ」
「そんなことないと思うぞ。むしろお前の口が小さすぎるんだ」
 「無理する必要はないんだから」という声を無視して、半分意地で再挑戦。今度は無理に
咥えるのはやめて、鈴口に溜まった先走り汁を丹念に舌で舐め取り、タマタマを舌の上で転
がす。両手を使って竿の部分を圧迫。

 今日初めて間近でみることになった最大サイズの彼のモノは予想していたよりずっと大き
く、こんなものが何度も自分の体の中に入ったことが信じられない。
 普通のフェラチオの予習は無駄になってしまったけれども、それ以外の貯めた知識を総動
員してあの人の男性を刺激する。意図通りに感じてくれる様が楽しくて……なんだか可愛い。
 そしてフィニッシュ。すべて口で受け止めようとして失敗し、かなり顔や手にかかってし
まってみたり。
789639 11回目2/4:2012/10/15(月) 00:37:26.96 ID:m1vIAruG
 逞しい胸に抱かれながら、緩やかなキスを交わしながら、満たされた気分で考える。
 「美雪である」──さっき、そんな決心をしてはみたものの、実はそれですぐに何か変わ
るとは思っていなかった。でも。

 今までどこか、心の底にこびり付いていた『自分は、本当は坂本弘という男である』とい
う認識、それによって導かれていた『男に抱かれるのは嫌だ』という嫌悪感。でも今はその
嫌悪感がどのようなものだったかすら、もう思い出すこともできない。
 「坂本美雪が愛されている」=「坂本美雪は、私なのだ」=「私は愛されている」という
式を頭の中で整理して、ようやく愛を受け入れてきたこれまで。
 それが今は、「私、坂本美雪が愛されている」とダイレクトに繋がってくる。
 「愛してる」と囁かされるたびに、頭よりもまず心と体が反応し、胸がドキドキして頬が
熱くなり、下腹部がジンジンと熱を持つ。

 もう一つ、『坂本弘の考える理想の女性』としての「坂本美雪」は、どちらかと言えば自
己主張が少なく大人しめで、そして性的にウブにすぎる面が強かった。
 それが今日生まれてきた、言わば「新しい坂本美雪」は、好奇心が強く、嫉妬心や独占心
もあり、そしてひどく性的に貪欲ですらあった。
 それはもしかして、「人に愛されない。認められない」ということに対するトラウマの裏
返しの場所に生み出された心の動きによるかのものかもしれない。
 「愛されることを欲する」──でも、『女である』というのは、あるいはそういうことな
のではないだろうか?
 予想もしなかった、美雪という自分自身に、少しの戸惑いと大きな喜びを覚える私がいた。
790639 11回目3/4:2012/10/15(月) 00:37:45.84 ID:m1vIAruG
 彼にはベッドにそのまま寝そべってもらって、跨る形で体を浮かせる。
 後背位しか経験のない私にとっては、とても新鮮な騎乗位への挑戦。
 昨日の夕方から実は、ネットで調べた通り股間を接着して外見だけは女のあそこのように
してはいたけど、「穴のような場所」には実際には何も入らないから慎重に。
 わざわざミニスカート付きの着衣プレイを選んだのは、挿入部を隠して「入れている穴が
違う」ことを気づかれないように、という配慮。服選びに時間がかかったフリをしてトイレ
でアナルにローションを仕込んだりとか、こういう場所では「私が普通に女の子だったらな
……」と流石に思わさせられた。
 位置をあわせて、再び大きくなり始めた彼の分身に秘孔をあわせる。
 先ほどの(私の顔より大きい)イチモツのサイズが頭を過ぎり不安になるものの、ゆっく
りと腰を降ろして挿入を受け入れる。彼の視線が、私を優しく包んでくれるのが分かる。

 私の体を壊すのが怖いという思いからか、これまで自宅でやっていた後ろからの挿入は、
実はそんなに激しいものに至らなかったのは確かだ。
 その思いやりは嬉しいけれども、今の私にとっては物足りなくすらある。
 今までになく堅く強く怒張する彼のものに、脚の力をさらに緩めて自分の体重すべてを預
ける。快感が全身を貫く。先ほどの快感さえさざ波だったかのような、更に大きな大波。
 もはや言葉にならない絶叫のような嬌声が響く。
 腸壁のヒダの一つ一つが、彼の分身を求めてきつく縛りつけ、あるいは愛撫する様子が分
かる。さっき抜いたばかりでなければ多分、この時点で射精していたのではないだろうか。
 けれども今は確かな硬度を保ったままで。その灼けるような熱さが全身に伝わってくる。
791639 11回目4/4:2012/10/15(月) 00:38:00.96 ID:m1vIAruG
 少し落ち着いて腰を振る。最初は意識的な動きだったはずなそれは、いつの間にか制動の
効かないものになっていた。体を揺らすたびに大きく偽胸も揺れて、下から見上げる視線が
ついそこに行ってしまう様子もまた愛らしい。

 ただ、辺りを観察する余裕があったのはそこまで。全身から快感が、電流がのようにほと
ばしり、駆け巡る。指の一本一本、あるいは髪の一本一本までがその電流に支配される感覚。
まるで拷問のようにすら感じられる強い快感。脳がショートし、体が彼を求めて暴れだす。
ふと快楽が薄くなる瞬間もあるけれども、すぐにまた押し寄せる快楽の大波が意識を消し飛
ばす。頭の中はもうとっくに真っ白。絶頂を通り過ぎて苦しいくらいなのに、体は更なる快
楽を求め、腰を大きくくねらせる。
 私の穴から発した波紋が、全身で反響しながら大きく高まる。心臓はありえないくらい早
く強くバクバクして壊れてしまいそう。脳はもうとっくにパンクして快楽を受け入れられな
い状態なのに、直腸内の肉がぎゅっと引き締まって彼の分身を絞り上げ、その感覚がまた快
感として押し寄せる。
 まるで無限ループにはまってしまったような、快楽という名の苦痛の、あるいは苦痛とい
う名の快楽の渦。それは確かに、無限とも思える長い長い時間。

 頭の中だけでなく視界も白くなり、キラキラと空気自身が輝きをもって光を放ちはじめた
ころ──ようやく熱いほとばしりを腸壁に感じたその瞬間、私は最後の快楽の大波に飲み込
まれる形で、意識を失った。
792785:2012/10/15(月) 23:31:03.85 ID:2BJxIh86
GJ!
おお、これこれ。こういう描写を求めてました。
やればできるじゃないスか! ←エラそう
793639 11.5回目1/2:2012/10/17(水) 00:24:20.83 ID:1njwnMnm
「智明、おはよー」
「はよ。……って何その荷物」
 月曜朝の通学中の僕こと木村智明が声に振り返ると、何か大きな包みを抱えた弘が登場。
「ん。金曜女子にクッキーもらったお礼にって、アップルケーキ作ってきた」
「すげーよな、お前。やりすぎじゃねーか」
「確かにそうかも。まあ余ったら智明にも食べさせるから。あ、鈴原おはよー」
 小学校入学から近所にいて、まあ友だちの一人と言っていいこいつ、坂本弘。
 この1ヶ月で、これくらい人が変わった奴はいないだろう。
 ほんの少し前までは、僕以外にアイサツしてるころもみたことがないくらいだったのに。

 いや本当に「人が変わった」のかもだが。
 ここにいる「弘」が、友だちの弘じゃなくて、そのかーちゃんが化けてるのでは、って、
自分でも「漫画の読みすぎか」って突っ込みたくなる突拍子もない思いつき。
 でもそんなこと本当に出来るかどうかも怪しくて、弘がかーちゃんといっしょにいるとこ
ろも見たし、じゃあ今度はあのかーちゃんは何者なのかというのもナゾすぎた。
 何かあるごとに「ママ、ママ」って言ってマザコンと馬鹿にされてたのが、実際にママが
出てきて『あの母親なら仕方ないや』って皆で納得したとか。
 いじめの後メソメソしてたのが、すごく堂々と対応するようになったとか。
 「誰かが弘に化けている」とか、漫画みたいなことはなしで、やっぱフツーに、心がけが
変わっただけなのかも。うん、そうに違いない。まあ、たぶん。
794639 11.5回目2/2:2012/10/17(水) 00:24:36.10 ID:1njwnMnm
「それで親父がさ……って、あれ?」
「んー。またラブレター?」
「そうなのかな。まあ、あとで見てみるか」
 昨日のまでの旅行の話とか聞きつつ、朝のゲタ箱を明けると封筒が一つ。最近多い。しか
もちょっと前までとは違って慣れた様子なのがどうにも憎らしい。

 『クラスのいじめられっこ』から『クラスの王子様』へ。
 まあ、昔から体育ではどんくさいけど、顔と頭が良くて足も長いし、背も高いほうだし
(最近あんまり伸びてないぽいが)、わりとスペックが高いほうだとは思ってたけど、短期
間にこうも周囲からの態度が変わられるとびびってしまう。
 前までクラスで一人本読んでて、「ネクラ」とか言われてたのが、「知的でステキ」みた
いな扱いに一変してたりするし。女心はマジよくわかんない。
 お菓子をプレゼントされたら、手作りでお返しするところとかもポイント高いらしい。

「クッキーありがとう。お礼作って来たからみんなで食べてみて」
 そのお返しの包みを解く2限目のあとの休み時間。男子も寄ってきたのであわてて「クッ
キーもらった人は2切れ、そうじゃない人は1切れね」とか後だしで制限を入れてる。
 先生が寄ってきたので注意するかのかと思ったら、美味しく一緒に食べてるし。
「智明、はい、あーん」
 そう言ってニヤニヤ笑いながら、一切れを僕の口に差し出すのはカンベンだったけど。
 なんか「キャー」「絵になるー」って騒いでる女子もいるし。女心マジわかんない。

 こんな日々がずっと思っていたころの、懐かしい思い出の話。
795639:2012/10/17(水) 00:28:56.37 ID:1njwnMnm
最終話まで一応書き上げてみたのですが、

「これコスプレ女装してるだけの話じゃん。弘に化けたママって、完全に解説役してるだけで、『入れ替わり』
している意味まったくねーじゃん」

と気づいて少し番外編投入してみました。ドウダカナー。


なんかドン引きされてる気配もあるし(考えすぎ?)、どうしたものやら。
796名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 00:43:50.70 ID:K7Ox8GDL


ホモセックス描写なんて他の場所じゃ気持ち悪いかもしれませんけど
このスレの独自の雰囲気(立場入れ替えによる倒錯感)が打ち消してるような物だし
あんまり気にならないっすよ
797639 11.5回目3/2:2012/10/17(水) 20:53:08.59 ID:1njwnMnm
 ただ、「弘が変わった」と言っても、具体的に『何が変わったのか?』ってわかんなかっ
たり。プレゼントのお返しをマメにするのは昔からだし、凝り始めると見境をなくすのも。
 無口でやけに大人びていて、そのくせパニックになりやすいのも変わらない。
「んまいね」差し出された1切れを、結局手で奪って食す。
「結局、ママに半分くらい手伝ってもらったからね」
 そっか。前だと「またママ、ママってきもー」「マザコン坂本ー」だったけど、今は
「坂本くんのママかー。この間劇で学校きたとかで、妹がすっかりファンになってたわ」
「あん時か。確かに可愛かったなー」「えー。男子直接みれたの? ずっこーい」
 ってことに。変わったのは、実は本人じゃなくて回りの反応だけなのかもだ。

 放課後、弘がこっそりと校舎裏に移動してたのを見つけ、つけていってみる。
 「朝のラブレターなのかな? どんな子だろう?」って好奇心だったんだけど、いたのは
うちのクラスの男。それも弘のいじめの中心人物の伊藤だった。
 最近気を抜きすぎていたのかも。女子人気が気に喰わない奴も、そりゃいるだろうし。
「……本当にお前、男なのか?」
 途切れ途切れの声を聞き分けようと注意してると、突然伊藤が弘におそいかかって、服を
無理やり脱がせにかかってきた。助けに出るか迷っていると、なんか伊藤が気を失う。
「誰?! ……良かった。智明か」物音を立てた僕に驚き、弘がこちらを振り返った。
「大丈夫だった?」
「うん、防犯グッズ用意してたからなんとか。人がいっぱいいたらまずかったけど」
 肩とかむき出しになった状態で、少し慌てたように言う弘。
 この時もし正しい対応ができてたら、その後が変わっていたのか、今でも僕は疑問に思う。
798639 12回目1/3:2012/10/17(水) 20:53:30.01 ID:1njwnMnm
 温泉宿を取っておきながら、両親揃って朝帰りという暴挙をかましてくれた旅行のあと。
 僕は美雪時代、少し心残りだったことを実行に移すことにしてみた。
 「お願いだから、火曜の夜は早く帰ってきてね」と言っておいた親父が帰ってきたのが7
時過ぎ。その親父の漕ぐ自転車の後ろに乗って、商店街の一角にある貸衣装店へ。

「なんか、人いっぱい来てますね」
「『商店街のアイドル』美雪ちゃんに、孝行息子が最高の誕生日プレゼントするっていうん
で、皆はりきっちゃってさ。八百屋の鈴木さんまで押し寄せてきて『何か手助けできないか』
って。まあうち狭いから、人は最小限にしてもらって。で、こちらがお父さん?」
「です。こっちは『ついで』なんで適当にお願いします」
「いやいやいやいや……○○中学の坂本先生ですよね? いつも娘がお世話になってます」

 やたらに口の回る店主と親父が衣装スペースに移動したのを見守って、こちらも移動。
 5時前に先に連れてきて準備を始めておいてもらっておいたママは、予想に反して今ちょ
うど最後の仕上げに取り掛かるところだった。
 何人かの女性たちが取り巻いて、真剣な様子で調整をしている。
 僕の両親は、結婚式を挙げたことがない。(行きがかり上仕方なかったとはいえ)、親父
がそれに罪悪感を、ママが残念だという感情を持っていることは知っていた。
 白一色なのにどこか絢爛な印象を与える白無垢に身を包み、完璧な花嫁として今ここにい
る「坂本美雪」は、たぶんその代償行為。
 若松に鶴の刺繍もつややかな打掛と綿帽子の、白百合のようなほっそりとした姿の主が私
=美雪でなく、弘⇒美雪であることに、少し嫉妬のような感情を覚えるけれど。
799639 12回目2/3:2012/10/17(水) 20:53:46.31 ID:1njwnMnm
 着付けも終わり、親父の様子も見てこようかとした所で、ママに呼び止められ2人きりに。
「ドレスのときも思ったけど、女の衣装って凄く重いんだね」と軽く笑ったあと、
「とうとう、お別れか」真剣な面差しで、囁くように言う。
 その表情と声の様子は少年そのもので、清らかな朱唇から出るには酷く不釣合い。
「ママ、『弘』の地が出てるよ」
「分かってる。これが最後だから……。最初の案だと、今日僕がママになる予定だったっけ」
「そう。それで僕が、『準備期間』のために1ヶ月前倒しにする案を出して」
「1ヶ月間ママが僕に成りすまして、サポートするって話を聞いたときはびっくりしたけど、
うまくいったもんだね。僕に『成り切って』いるのを見るたび、内心凄いと思ってた」
「今の様子見れば、準備がなくても立派にママは美雪になれたと思うけどね」
「多分無理だったと思う。『きちんと女になれているか』って、時々あったママの測るよう
な視線、あれがなければとっくにもう挫けてたはず。親父は目線を誤解してたみたいだけど」
「あれね。本当に親父、鈍いんだか鋭いんだか」
「……ママ、きちんと見守ってくれてありがとう。この1ヶ月じゃなくて12年の間も」
「……泣いちゃ駄目。せっかくの綺麗な化粧が崩れちゃう」
「うん……ありがとう……本当にありがとう……」

 紋付袴に着替えた親父と並んで、2人が結婚式のような姿で小スタジオに立つ。
 『ママの30歳の誕生日プレゼントに』ということで小遣いから依頼した撮影会。広くない
店内にはびっしりと人が押しかけてきていて、それは本当の披露宴のようにも見えた。
800639 12回目3/3:2012/10/17(水) 20:54:03.06 ID:1njwnMnm
 撮影の依頼は3枚だけだった筈なのに、シャッター音がひっきりなしに鳴り続ける店内。
 フラッシュの嵐の中で、ママがあでやかに微笑んでいる。先ほどとはうって変わってその
表情は完全に、愛する人との結婚に幸福に輝く「女」そのもの。
 華奢な体に細い頸、なで肩に小さな頭。微かに柔らかく黄色みを帯びた絹作りの白の衣装
があまりに良く似合うその姿は、温泉で会った姉妹ではないけどまるで女神のよう。
 幸せで緩む表情を引き締めるのに苦心している親父も、いつになく若々しく、しかし頼り
になる新郎そのものに見えた。

「弘くん、君もあの中に入りなよ」
 小スタジオの片隅で様子を見ていた僕に、店主さんが声をかけてきた。
「いや、こんな格好だし、あの2人の邪魔しちゃ悪いし」
「大丈夫だって、気にしない気にしない。今日は君がMVPなんだ」
 ジーパンにシャツという、“普通の男の子の姿”をしている自分を示して拒否しようとし
ても、何かしつこく押し出そうとしてくる。
 どうやってそれを切り抜けたかは記憶にないけど、なんとかやり過ごして熱気のこもる店
をそっと出た。
 裏手に隠しておいた荷物を肩に担ぎ、冷たい夜の空気の中、大きく深呼吸。

 『坂本弘』(あるいは『坂本美雪』)はこれでお終い。
 そして私は、「美雪」として過ごした18年間と、「坂本弘」として過ごした1ヶ月──
 そして多分、人生の中で一番幸福だった時間に対してサヨナラを告げて、歩き始めた。
801639:2012/10/17(水) 21:07:46.50 ID:1njwnMnm
蛇足の蛇足追加分(一回削った部分だけど、ないとなんか落ち着かなかったので)と、最終回一歩
手前投下。次でラストになります。

「地銀支店長の妻で元ミスコン優勝者、自分の美貌に自信を持ってたけど最近流石に曲がり角、専業主婦
であることをいいことに過去PTAを牛耳っていた伊藤天馬君(12)のお母さん、伊藤春海さん(41)に対し、
彼女を嫌ってた勢力に担がれて対抗馬にされて『女のバトル』に巻き込まれる(けど、あんまり自覚がなくて
変な調子になる)美人人妻、坂本美雪29歳(うそ)」

 とか書いてみたかったことは色々あるけど、うまく構成に組み込めなかったのが心残り。

>>796
慰めありがとうございます。

そういえばこのスレ、pink鯖にあるわりには過去直接的な濡れ場描写自体が少ないんですね。
男同士とかあったかどうか・・・
暴走しすぎてすみませんでした。
802名無しさん@ピンキー:2012/10/17(水) 22:54:28.47 ID:VwBuyhYH

途中反応が無かったのは読者が引いたのではなく飽きただけかと
もともとこのスレは書き込み多くない
803名無しさん@ピンキー:2012/10/18(木) 07:01:21.83 ID:xJar4wPl
連作になると、心の中で乙とは思っているが
毎回毎回レスするのもなあ・・・という微妙な心理が生まれる
レスが欲しいのなら投下回数を(大体目安で)5回以下に抑えてコンパクトにすべき

とりあえず連作でも読んでる奴はいるから心配するな
804639:2012/10/18(木) 20:03:23.98 ID:Gfpn4AX3
難しいもんですねえ。
まあ、最終話投下して〆ますです。

「母親と息子が、見分けがつかないくらいそっくりってどんな状況?」
って、無駄に複雑に考えすぎてしまったかもか思いつつ。
805639 最終1/3:2012/10/18(木) 20:03:43.72 ID:Gfpn4AX3
 その葬儀は、故人の希望もあり小規模なものだったが、中学の教務主任・教頭を謹直に勤
め上げ、退職後は地域の振興に身を捧げた男性を慕って多くの参列者が訪れていた。
 それでも混乱が起きていないのは、故人の遺徳というものだろう。
 喪主である、残された妻の元にも多くの人が詰めかけ、お悔やみの言葉を述べている。

 その中で「中学時代の生徒だった」という、弔問者の中の一人の男性が差し出したプリン
ト用紙。それを渡されて眺めた彼女は、一瞬、間をおいてプッと噴き出した。
 紙に印刷されていたのは、古い雑誌の『街で見かけた美少女』と題されたコーナー。それ
に大きく掲載された、狼の着ぐるみ姿の男性に抱かれた王女の格好の女性、そして小さく王
子姿の少年を収めた写真。
「ああ、懐かしい。……これはどこで?」
「実はこれ、ずっと中学の裏掲示板に画像ファイルで残されていたもので、多分教え子は皆
知ってたと思います。……このお姫様が奥さんですよね?」
 その言葉に、目尻に涙をうかべて一層ころころと笑い声をあげた。
「あの人確か、この時『教え子に見られたくない』って言ってたのに、そうなの。……ええ、
そうよ。この狼があの人で、恥ずかしながら姫様しているのが私」
「今もお変わりなく綺麗なんですね」
「還暦過ぎのおばさんを口説いてもいいことありませんよ」
 そう言った和装の喪服姿の未亡人は、40絡みのその弔問者から一回り以上若くすら見える。
 写真の中の、ともすれば少女に見える姿よりは流石に年を経ているものの、それが成熟と
していよいよ女としての美しさに磨きをかけているようだった。
806639 最終2/3:2012/10/18(木) 20:04:00.75 ID:Gfpn4AX3
「……で、こちらの少年は?」
「私たちの息子の弘です。この写真のあとすぐにいなくなるんですが、夫は最後までずっと
気にかけていましたよ」
「……やっぱりそうですか。多分そうじゃないかと思ってたんですが、中々言い出せなくて。
覚えてますでしょうか。僕は木村智明です」
「ああ、智明さん! もちろん覚えてますよ。何度もうちに遊びに来ていただいた。すっか
りいい男になって。すぐに分からなくてごめんなさいね」
 その後しばらく昔話に興じていた彼女だったが、参列者に混じってセーラー服の13歳くら
いの少女が通り過ぎた瞬間、驚きに目を見開き、「そこのあなた!」と叫んで駆け出した。
「……誰だったんでしょうね?」
「弘さんの娘さんとかかな? 顔がそっくりだし、年齢的にも合う」
 突然喪主に取り残されて驚いた参列者たちだったけれども、「そういう話に割り込んだら
悪い」という結論に達して、そのまま式を進めることにあいなった。
           :
「……驚いた。本当に、少しも変わらないのね。今はなんて名乗っているのかしら?」
 少女に追いつき、人気のいない部屋に連れ込んだあと、ため息と一緒にその言葉をつく。
「ミユキ。読みは一緒だけど、深い幸せって書くの」
「そう、深幸さん。私たち、美雪と深幸で、一緒の名前なのね」
「でも、驚いた。すぐに私と分かってくれたんだ。もう30年経つのに」
「分からないわけないじゃない。まあ驚きはしたけど。本当に変わってない」
807639 最終3/3:2012/10/18(木) 20:04:13.84 ID:Gfpn4AX3
 30年前のあの日、「ママ」が教えてくれた話。
 美雪が不老不死の人間で、12歳の性徴前の姿のままずっと生きていること。
 流石に誤魔化すのが厳しくなってきているので『30歳の誕生日』の日にいなくなること。
 弘は100年に1度彼女のもとに父親なしで生まれてくる子どもの、18人目で初めての男児と
いうこと。
 彼女の子どもは彼女と同じように12歳まで成長し、しかし不老でなく、そのあとは第二次
性徴を経ずに緩やかに老いるはずだということ。
 あまりに荒唐無稽で、昔の弘自身どうして信じたのか不明なくらいだけど(或いは父親に
妻であると信じさせた「暗示」を使ったのか)、後から見ると見事にそのままだった。

「1つずっと不思議だったのが、美雪……今は深幸さんと同じ姿の子どもって、クローンっ
てことなのよね。ならなんで弘は男だったのかって」
「それは私にも謎。あるいは実は最初から女で、外性器が男の形をしてただけなのかもしれ
ないけど、私たちはお医者さんに診てもらえない体だから」
「『実は最初から女』……そうなのかもね。私が、弘という男の子だった時のことを思い出
そうとしてみたんだけど、もうどこにも見つけられないの」
「……結局、あの人には、あなたがもともと弘だったことはばれなかったの?」
「どうなのかしらね。最後は気づいてたフシもあったけど、そのまま棺桶に行ったから」

 それから長い会話のあと。お別れの際。
「それで美雪さん。『坂本美雪』としての人生は幸せでしたか?」
 セーラー服の少女が問いかけた言葉に、喪服姿の女性は瞼を閉じてこれまでの人生を追憶
するかのように長い沈黙を重ねたあと、
「……ええ、とっても」
 そう、最高の笑顔で答えたのだった。
808名無しさん@ピンキー:2012/10/19(金) 00:35:37.93 ID:6ljPOOlQ
乙彼様ざんした。
不思議な味わいのお話ですね。
でも後味は悪くないと思います。

私もそろそろ何か書こうかなぁ。
小六の男の子が、夏休みに高校生の姉につきあわされ、
姉の親友の学生証を借りて身分を偽り、遠隔地で女子高生としてアルバイトする
(その間、本物の親友は弟くんの代わりに塾の夏期講習受けてる)
──というのは、このスレ的にアリなのか。
809名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 13:06:55.06 ID:c4WESpCE
なんでこのスレでアウトである可能性があるのか、逆に疑問かもー

是非に行ってください。
810名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 15:24:36.46 ID:eUw5t9hT
是非とも書いて欲しいが

しいてあげるなら小学生男子⇔女子高生は以前もあったということくらいか
811名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 18:59:34.39 ID:R+W4IfB1
じゃあ幼稚園男児⇔女子高生とか
812名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 19:32:30.46 ID:c4WESpCE
そこら辺のかぶりは気にしないでもいいと思うんだ。
813名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 20:06:53.89 ID:A8x8Hn0k
戦隊ものでレッドとピンクが着装ツールを取り違えたまま同調させてしまう。
初期化再同調は不可能なシステムとして作られているためそのまま任務につくことに。
女性隊員は本来希望していたレッド(リーダー)となり実力で信頼を勝ち取っていき、
レッドとしての訓練しか受けて来なかった男性隊員はミニスカ付きの戦闘スーツで
情報処理とサポート役につくが、、、

というようなのはどうでしょうか?
自分も周囲の人達の認識も変化しない 戦隊内の役割と戦闘スーツのみの交換
814名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 21:15:03.01 ID:8ub6AD+J
>>807
乙GJでございます
なんか不思議な読後感でありました

次作品も期待しております


>>808
わっふるわっふる


>>813
Kの人かな?

自分も周囲の人達の認識も変化しないのに、
役割が変わったことで変化していく立場と人間関係っても面白いなぁ

亭主関白なサラリーマンの旦那と専業主婦な妻の夫婦
旦那が失業した&妻が働きはじめることで変化していく夫婦の関係
そして正社員としてバリバリ働く妻と、それを支える専業主夫の旦那となったとき
この夫婦は一体どうなっているのか? とか
815名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 23:34:05.78 ID:b3ZY2+7l
デブスの女子との立場交換を書いた作者にまた書いて欲しい
816名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 23:39:44.84 ID:R+W4IfB1
禿同
応援してる
817名無しさん@ピンキー:2012/10/20(土) 23:56:18.62 ID:uAe2O2nc
幼稚園児とOLとか見たいな
ストーリーとか要らないから入れ替わってその立場にあたふたする場面が見たい
818名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 01:20:56.82 ID:9g3zg7y0
>>813
設定聞いただけで興奮しますた。ぜひ頼む。
>>814のもいい。
819名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 03:54:41.56 ID:c+HWVSKt
立場交換がある物語ではなく立場交換そのものが見たい
設定があるのはいいがそちらを重視した話しの展開にするとだれる感じがする
書き手が書きたいものを書いて良いんだが読む方にとってはサービスみたいな描写があった方が嬉しいので
何が言いたいかと言うとエロパロでは大作的な作品より短編の方がニーズあるかもって事
820名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 09:23:49.37 ID:yThYjcAo
この手の作品って山場が最初と最後の方にくることがすごく多いから
長くなるとダレることが多い気がする

かといって短いと描写不足になるわけで、結局作者の好きに書くのがいいんだろうな
821名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 20:48:17.91 ID:nNKt1tYu
俺で良ければチンコにピンと来るシチュがあったらその辺だけ一レス程度で暇な時に書くか
822名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 21:57:35.03 ID:wDEH6ue7
読み物としてストーリーは重要だと思うけどな
逆に立場交換だけあってその後どうなったのかが書かれない話しは物足りない気がする
しっかり書かれていて何かテーマや旨趣がおり込まれている話しが好き
823名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 22:49:01.49 ID:x/4PGYmY
>>821
ギャルと優等生とか陸上部とデブスのSS書いた作者ですか?
ぜひまた書いて下さい
824名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 22:54:28.07 ID:nNKt1tYu
いや、俺じゃないです
一レス程度でいいならハードル下がって挑戦しやすいかなって思っただけな
825名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 00:26:30.92 ID:VPIHmQ4w
>>824
そう言うの歓迎
1レス話とか面白いし
前にもあったから大丈夫だ
826名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 19:44:07.28 ID:2cSSV9ZW
ヤクザの姉御と新米警察官の立場交換
827名無しさん@ピンキー:2012/10/22(月) 22:49:25.90 ID:rB7+bAKi
ネタは賑かしになるし歓迎だが
1行ネタと1レス話は別物なので混同しないようにな
828808K:2012/10/23(火) 03:11:22.26 ID:/jmzHfrp
#上に書いたネタで書き初めてみました。ちなみに813は私じゃないです。

『ポニーテールは伊達じゃない!』

 突然だが、ウチの家系、鶴橋家は魔女の末裔らしい。
 ──いや、そんな「中学生にもなって、何言ってんの?」的な目で見ないでほしい。
 もっとも、2年前まだ小学5年生生だった頃に、晴海(はるみ)姉ちゃんから初めて聞いた時は、僕も同じような目を姉ちゃんに向けてたんだろうけどさ。

 「あ! 香吾(きょうご)、アンタ、信じてないわね?」
 僕の視線に含まれる憐憫と軽蔑の意を敏感に感じ取ったのか、姉ちゃんはすかさずヘッドロックをかけてきた。
 「イタタタ……ギブ、ぎぶっ!」
 当時中学2年生ながら、ソフトボール部のエースとして鍛えていた姉ちゃんの馬鹿力はあなどれず、その頃はまだ体格でも10センチ近く劣っていた(近頃ようやく2センチ差まで追いついた)僕は、早々に白旗をあげるしかなかった。
 「ふぅ〜、ヒドいメにあった」
 「才色兼備な優しいお姉様の話を、信じないアンタが悪いんでしょうが」
 いや、そう言われても、ねぇ?
 もっとも、少々気まぐれでゴーマイウェイな点があるとは言え、確かに晴海姉ちゃんは文武両道を体現してるような女の子だ。
 身内の欲目を差し引いても、外見も十分「美人」の範疇に入るし、学校の男友達にも「いいなぁ、鶴橋んちの姉ちゃん」なんて羨ましがられる。
 時折その思いつきで振り回される事があるとは言え、僕も姉ちゃんのことは嫌いじゃないし、姉弟仲も悪くないと思う。
 仕方なく、姉ちゃんの話を詳しく聞いてみたところ、多少は僕にも納得がいった。
 「魔女」とは言っても、別段、杖から撃った魔法弾で地面にクレーター作ったり、希望と絶望の相転移で化物化したりするような、物騒なものじゃないらしい。
 「そうね、現代日本風にいえば、生薬配合による薬物生成と、催眠暗示に長けた一族……ってところかしら」
 色んな薬効を持つ薬を作り出し、また他人と対峙する際は暗示で行動を束縛したり催眠術で幻を見せたりする──つまりは、そんな技術を代々継承してるらしい。
 「それ、魔女って言うより、むしろ忍者っぽくない?」
 「あはは、言われてみれば、そうかも。まぁ、体術関連は護身(たしなみ)程度だけどね」
 たしなみ程度でも一応やってるんだ!?
 「ええ、さっきアンタにかけたのが、ウィッチ・ヘッドロックよ」
 ほかにも、ソーサレス脇固めとかヘキセン三角締めなんかがあるらしい……一体どこまで本当なのやら。
829『ポニーテールは伊達じゃない!』:2012/10/23(火) 03:14:32.38 ID:/jmzHfrp
 で、その後、秘密の地下室で色々怪しげな薬──毛生え薬だの惚れ薬だのを見せられ、その効果も強制的に実体験させられたんで、半信半疑から七信三疑くらいにはなったんだ。
 実は姉ちゃんの女の子離れした身体能力も、自己暗示で潜在能力の一部を解放しているためらしい。
 六年生の運動会の時、僕も一度、その暗示とやらをかけてもらって、効果は十分に分かっている──もっとも、翌日はその反動で全身筋肉痛になって一歩も歩けなかったけど。
 ちなみに、この「技術」って代々鶴橋家の女性にのみ継承される習わしらしく、姉ちゃんは田舎のおばあちゃんからならったんだとか。父さんも、僕同様存在は知ってるものの、自分ではほとんど使えないんだってさ。

 まぁ、限りなくうさん臭い技術だけど、その効果は身をもって知ったし、僕も運動会の時みたく時々お世話になったりもしてた。
 中学に入ってからは、主に定期試験前の勉強時に「精神集中できる暗示」を姉ちゃんにかけてもらうことで、かなり効率的に試験勉強できたし。

 まぁ、そんなこんなで晴海姉ちゃんには色々「借り」があったのは確かだよ。
 でも、だからって……いきなり「アンタ、夏休みにバイトする気ない?」って言われてもねぇ。
 「姉ちゃん、僕、まだ中1だよ」
 ちなみに誕生日は9月23日、秋分の日の頃だから、七月現在の時点では12歳だ。
 そりゃあ、自宅とか親戚の家業の手伝いくらいなら、やってる中学生もいるだろうけど、基本的に法律で中学生のバイトって禁止されてなかった?
 「その点は心配ないわ」
 ニヤリ……といかにも「悪そう」な笑みを浮かべた姉ちゃんの手には、一枚の学生証が握られていた。
 よく見ると、姉ちゃんの友人でウチにもたまに遊びに来る、朝日奈恭子さんの名前が記されてている。
 もしかして、経歴詐称!? それって犯罪だよ!
 「ふっ、イカサマはバレなきゃ、イカサマじゃないのよ」

-つづく-

#確かに、以前、『要12歳』とか『』で、小学生男子-女子高生の立場交換は書いてるので、中一男子-高一女子の交換に変更してみました。あんまし変わらんかも(笑)。
830名無しさん@ピンキー:2012/10/23(火) 23:26:48.11 ID:ykRXIsxw
来ましたわこれ。「そーきたかー」という感じですが。とりあえずwktkして今後の展開に期待。

スレ容量が満タンに近づいていたりしますが。
831名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 10:46:02.96 ID:hbvEtQ61
うぐぐ。スレ立てできんかった。
どなたか次スレ頼む!
832名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 11:37:35.57 ID:nULQc8N2
まだ十分余裕ある
今から立ててもこのスレ埋まるまで保守が必要になって二度手間
容量490近くまでになってからで大丈夫
もしくは書き込み数が980こえるとか
833『ポニーテールは伊達じゃない!』 2:2012/10/25(木) 01:03:29.56 ID:3ChkJRdS
#このスレが終わるまでに完結させるのは難しいかも……と思いつつ2話投下。

『ポニーテールは伊達じゃない!』2

 晴海姉ちゃんいわく、せっかく高校生になったんだし、この夏休みにアルバイトでもしようとツテをたどって、電車で7駅ほど離れた場所にある観光地の旅館で、友達と一緒に仲居さんのバイトする段取りをつけたんだとか。
 「バイトって言っても、3食+寝る場所付きなうえに、夜7時以降はフリーで週に1回お休みももらえるという好条件よ! これを逃す手はないでしょ」
 問題は、3人で行くはずだったのに、ひとりがどうしても無理ということになったらしい。
 「そこで、アンタの出番ってワケ」
 "ニタリ"という形容が似合いそうな、いや〜な笑顔を浮かべる姉ちゃん。
 ま、マズい。この表情をしてる時の姉ちゃんは、紛れもなくホンキだ!
 「へー、そーなんだー、でも、ぼくは、あさってから、じゅくのかきこうしゅうに、とまりこみでいくことになってるんだよねー」
 内心冷や汗をダラダラ流しつつ、とりあえず、正論で抵抗を試みてみる。ちょっと棒読みっぽくなっちゃったのは勘弁してほしい。
 「ふぅん……そうなの」
 「うん、そうなんだ。受講料ももう支払っちゃったし、サボるわけにはいかないよねー、そんなことしたら、父さん達に叱られちゃうし」
 「──確かに、それはそうね」
 お、諦めてくれたかな?
 「いやぁ、残念だなー、僕も行きたかったんだけど、別の用事があるんだから、仕方ないよね。代わってもらうワケにもいかないし」……と、ここぞとばかりにまくしたてる僕に、姉ちゃんはニッコリと微笑みかける。
 「そう。なら、安心しなさい。アンタの代わりに夏期講習を受けて来る人材は確保してあるから」
 ……ヘッ!?
 「代わってくれる人がいるなら、アルバイトする障害はないわよね。アンタも、本当はやりたかったみたいだし──ねぇ?」
 一見笑ってるけど瞳だけが笑っていない物騒な表情を向けられた僕には、両手を挙げて無条件降伏するほかに、選択肢は残されていなかったのでした、まる。

  * * * 
834『ポニーテールは伊達じゃない!』 2:2012/10/25(木) 01:04:23.50 ID:3ChkJRdS
 半ば(というか99%)無理矢理、僕から「アルバイトを手伝う」という言質をとった姉ちゃんは、今回の件に関する詳しい経緯を説明してくれた。
 元々は、中学時代からの親友の長津田雪(ながつだ・ゆき)さんと、高校に入って仲良くなった朝日奈恭子(あさひな・きょうこ)さんの3人で、一緒にバイトをするつもりだったらしい。
 ところが、土壇場になって恭子さんが「やっぱり、わたしに接客業なんて無理ですぅ〜」とヘタレた。どうやら、恭子さんって、軽い男性恐怖症の気味があるらしい。
 「そうなの? 家に来たとき、僕とか父さんとは割と普通に話してたみたいだけど」
 「父さん達くらい年配か、年下のあまりゴツくない男の子なら、比較的マシらしいんだけどね」
 姉ちゃんたちとしては、むしろそれを改善する目的もあって、このバイトを選んだらしいんだけど、本人が嫌がってるのに強要しても逆効果だろうし、バイト先に迷惑かけるのは本末転倒だ。
 しかし、雪さんの妹さんの友人のお父さんがオーナーをしているというその旅館には、女子高生3人がバイトすると伝えてあるし、先方もそのつもりでいるだろう。
 「だ・か・ら、アンタに恭子の代役を頼みたいのよ、香吾」
 いや、さっきのって、絶対人に頼みごとする態度じゃないよね!?
 ──そう思っても、口に出せないのが弟という身分のツラいところだ。
 「けど……僕に、恭子さんの身代わりなんて」
 「大丈夫よ、アンタ、背丈も体型もおおよそ恭子と似たようなモンだし、顔だってちょっとボーイッシュな女の子で通るわ」
 ぅぐっ! 人が気にしてることを……。
 確かに、僕は、身長160弱しかないし、顔も母さんによく似た女顔だってよく言われるけどさ(ちなみに、姉ちゃんは父さん似。なのに、割かし美人に見えるのは不思議だよね)。
 「それに、念の為、"魔女"の技術(ちから)も使ってあげるから、周囲からも女子高生にしか見えなくなるし、心配ないって」
 うーん、姉ちゃんの"魔女"としての腕前の確かさは知ってるし、それなら周りも誤魔化せるのかなぁ。
 「でも、恭子さんの方は、それでいいの?」
 よりによって男子中学生の代役なんて……。
 「ああ、平気よ。むしろ、どちらかって言うと、ソッチが狙いね」
 姉ちゃんいわく、半月間、男子中学生として生活してれば、ちょっとは男性恐怖症もマシになるだろう──という目論見らしい。
 「あらかじめ、周囲の男子を異性と意識しないような、弱い暗示もかけておくつもりだしね」
 つまり、これは人助けでもあるのよ。ドゥー・ユー・アンダスタン?
 そう、畳みかけられては、僕も頷かないわけにはいかない。
 それに……本音を言えば、この歳で「住み込みのアルバイト」を体験できるという状況に、ちょっと好奇心をくすぐられているのも事実だ。
 結局、僕は、改めて姉ちゃんの企みに協力することを約束することになった。
 ──それが、僕のひと夏の不思議な体験の始まりだと気付かずに。

-つづく-

#以上、状況説明終わり。次回がいよいよ、入れ替わり(立場交換)の始まりです。
835名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 07:42:48.49 ID:BBjDQM8M
GJ!
久々に自分好みの話が出てきた!
836名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 19:45:27.05 ID:eYvoU+9Q
今朝ゆあ・ゆうじゅありーの続きが書き込まれてた夢を見たから来てみたんだが……
やはりただの夢だったか……

>>833
次の本番がすごく楽しみっす!
837名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 22:54:48.23 ID:jXmXhY9R
自演くせえ
838『ポニーテールは伊達じゃない!』 3:2012/10/28(日) 18:42:39.62 ID:q+UyIPNN
#相変わらず理屈っぽいので、萌えられない方がいたら済みません。

『ポニーテールは伊達じゃない!』3

 夏期講習が始まる日の朝、僕は晴海姉ちゃんと、姉ちゃんの親友でウチにもよく遊びに来る長津田雪さんに連れられ、合宿用の荷物が入ったスポーツバッグを抱えて、朝日奈恭子さんのお家を訪ねていた。
 「まぁまぁ、晴海ちゃんに雪ちゃん、わざわざ恭子を迎えに来てくれたのね……あら、そちらの男の子は?」
 「あ、ウチの弟の香吾です。香吾、ホラ、挨拶」
 姉ちゃんに促された僕は、とりあえずおばさん──朝日奈さんのお母さんらしき女の人に「こんにちは」と頭を下げておく。
 「コイツも今日から猪狩沢で夏期講習合宿があるらしいんで、駅まで一緒に行こうと思いまして」
 「まぁ、そうなの。感心ねぇ……あ、ごめんなさい、ささ、上がって上がって」
 朝日奈さんが10数年歳をとったらソックリになりそうな、おっとりした雰囲気のおばさんは、僕らを快く招き入れてくれた。

 勝手知ったる他人の家と言うか、姉ちゃん達はそのまま2階に上がり、「恭子ちゃんの部屋(はぁと)」と言うプレートがかかったドアをノックする。
 「恭子ぉ、入るわよー」
 「ひゃ、ひゃいッ!」
 中に居る朝日奈さんのカミカミの返事を聞く前に、姉ちゃんはドアを開けていた──姉ちゃん、それノックの意味ないから。
 晴海姉ちゃんの部屋とは(いい意味で)だいぶ違ういかにも「女の子」らしい柔らかな雰囲気の部屋に、僕らは足を踏み入れた。
 もちろん、中には部屋の主である朝日奈さんがいて、僕たち三人を迎えてくれる。
 「い、いらっしゃいましぇ」
 あ、また噛んだ。
 「グーテンモーゲン、恭子! もう準備は出来てる?」
 「えっと、その、はい、たぶん……」
 自信なさげな朝日奈さんの答えとともに、姉ちゃんは懐から取り出した親指大の小瓶の蓋を取り、中味をパパッと周囲に振り撒く。
 「うん、念の為の人払いはコレでよし、と。じゃあ、恭子、時間がないから早速だけど始めるわよ。心の準備はいい?」
 「は、はい……やってください」
 いつも気弱な朝日奈さんにしては、珍しく決意したような表情だ。
 その返事を聞いた姉ちゃんは、床にレジャーシートを引くと、その上に椅子を置き、朝日奈さんを座らせる。髪を束ねていたリボンを解くと、背中の半ばくらいまである朝日奈さんの綺麗な栗色の髪がふわっと肩に広がった。
839『ポニーテールは伊達じゃない!』 3:2012/10/28(日) 18:43:04.98 ID:q+UyIPNN
 「雪、例のものは?」
 「──ちゃんと借りて来た」
 長津田さんがバッグから取り出したのは……ハサミと、水色のビニールシート?
 姉ちゃんが、ソレを朝日奈さんの首元に巻き付け、ハサミを手にした長津田さんが、朝日奈さんの背後に回る。
 まさか、と僕が思うまでもなく、長津田さんがサクッと朝日奈さんの髪にハサミを入れ、柔らかそうなその長い髪が切り落とされる。
 「!」
 一瞬息を飲んだのは、僕か、それとも朝日奈さん本人か。
 長津田さんは、そのまま手際よく朝日奈さんの髪を切り揃えている。
 (そう言えば、長津田さん家って、商店街の美容院なんだっけ)
 こんな風に手際がいいのも、門前のなんたらなのかなぁ。
 ──などと僕がくだらないコトを考えているうちに、朝日奈さんの髪はロングから心持ち長めのショートカットに整えられていた。
 「どう……ですか?」
 「うんうん、なかなか似合ってるわよ、恭子」
 「──ボーイッシュでキュート」
 姉ちゃん達の言う通り、短くなったその髪型は意外と朝日奈さんにマッチしていた。いつもより、ちょっとスポーティで活発そうにも見える。
 「そ、そうですか? ちょっと照れくさいですね」
 はにかみながら、朝日奈さん自身も満更じゃないようだ。
 「切った髪は、これに入れてっと……」
 姉ちゃんがカバンから取り出した広口瓶に朝日奈さんの髪を入れると、中の液体にたちまち髪の毛が溶けて、透明な液がウィスキーみたいな濃い琥珀色に染まった。
 「うん、これでよしっ、と。じゃあ、恭子、それに香吾も。今着てる服を脱ぎなさい」
 ──へっ!?
 「姉ちゃん、冗談……だよね」
 「ん? いやいや、本気と書いてマジよ、マジ」
 姉ちゃんいわく、これから僕は「朝日奈恭子」に、朝日奈さんは「鶴橋香吾」に、と立場を入れ換えるのだから、当然服装も交換するべきだと言うのだ。
 そのためにこそ、朝日奈さんも到底男子には見えない長髪を切ったのだろう。
 「そりゃあ、理屈は分かるけど……」
 姉ちゃんだけならともかく、此処には朝日奈さんや長津田さんもいるのだ。さすが裸になるのは恥ずかしい。
 見れば、朝日奈さんも、年下とは言え一応男である僕がいるせいか、真っ赤になっている。
 「ふぅー、このままじゃラチがあかないわね。いいわ」
840『ポニーテールは伊達じゃない!』 3:2012/10/28(日) 18:43:29.75 ID:q+UyIPNN
 ──パチン!
 姉ちゃんが指を鳴らすと、たちまち意識がもうろうとしてくる。
 (しまった! 姉ちゃん、"暗示"を……)
 頭の隅で微かにそう考えるものの、すでに僕の意識の大半は半ば居眠りしたようなボーッとした状態になっている。
 「じゃあ、雪は恭子を手伝ってあげて。あたしはコイツを脱がせるから」
 そんなことを言いながけら近づいてきた姉ちゃんに、命じられるまま、僕の身体は勝手に動いて、次々に服を脱いでいく。
 程なく、僕はパンツ一丁履いてない素っ裸になってしまった。
 姉ちゃんの暗示で心が麻痺しているせいか、恥ずかしさもあまり感じないのが不幸中の幸いだ。

 けれど……。
 「うーん、意識のないまま着替えさせちゃうのは、ちょっと面白くないわね」
 また、姉ちゃんがトンデモないことを思いついたらしい。
 「雪、そっちはどう?」
 「──問題ない。服はすべて脱がせた」
 「じゃあ、コイツの服を渡すから、恭子の服をこっちにちょうだい」
 「了解」
 僕と朝日奈さんが着ていた服をそれぞれ持ち主と逆の方に持ってくると、姉ちゃんは再び「パチン」と指を鳴らした。
 「──! な、何すんだよ、姉ちゃん!!」
 大いに抗議したいところだが、フリチン状態ではそれもままならない。
 「いつまでも躊躇ってるアンタたちが悪いのよ。あんまり時間もないコトだし、ほらほらチャッチャと着替える!」
 この状態では、何を言っても無駄だろう。仕方なく、渡された女物の服に着替えることにした。
 僕はベッド、朝日奈さんは勉強机の方を向いて、互いに背中合わせの状態なので、振り返らなければ互いの裸は目に入らないのは、不幸中の幸いだった。

 僕は、ベッドの上に積まれた衣類の小さな山から、白いレース飾りのついた女の子用パンツ──"ショーツ"って言うんだっけ? を手に取り、一瞬思考がフリーズしかける。
 「こら、香吾、グズグスしてないで早く着替えなさい!」
 姉ちゃんに急かされることでフリーズの解けた僕は、覚悟を決めて、ドキドキしながら、そっとショーツに足を通す。
 腰まで引き上げると、形はいつも履いてるブリーフと大差ないはずなのに、着心地は全然違うのがよくわかった。
 ふわふわと柔らかくて薄い生地のせいか少々頼りないけど、同時にぴったりと股間に優しくフィットする着用感が、なんだか気持いいかも。さっきまで朝日奈さん本人が着てたほのかな温もりが残っているのも、心地よさをプラスしてる感じ。
 (うぅ……なんかクセになりそうで、ヤバいかも)
841『ポニーテールは伊達じゃない!』 3:2012/10/28(日) 18:43:54.13 ID:q+UyIPNN
 フルフルと頭を振って、ヘン気持ちになりそうなのを振り払い、伸ばした手が摘みあげた白いモノは……。
 「──ぶ、ぶらじゃあ」
 絶句している僕を見かねたのか、「貸しなさい!」とひったくった姉ちゃんに指示されるまま、ストラップに手を通すと、ブラのカップが胸にピッタリ密着する。
 あとで聞いたところ、朝日奈さんってAAカップらしい。高一でAAって……。もっとも、そのおかげで、パッド一枚入れただけで違和感がなくなってしまったのだから、まぁ良しとすべきなのだろう。
 いつまでも下着姿(それもブラとショーツ!)でいるのは恥ずかしいので、そのまま服を着ようとしたところで、姉ちゃんに止められた。
 「ちょっと待った。服着る前に、アンタの頭にコレを使うわ」
 と、さっきの広口瓶に入った琥珀色の液体を、姉ちゃんは僕の頭にブッかける。
 「わわっ、何すんだ……よ?」
 ムズムズした違和感が僕の頭を襲い、同時にゾワリとした感覚とともに髪の毛が猛烈な勢いで伸びているのがわかった。
 「これは……毛生え薬?」
 以前、姉ちゃんに実演されたことがあるから、すぐにその液体の正体に思い至る。
 「そ。ただし、恭子の髪の毛をブレンドした特製品よ。その証拠に、ほら」
 姉ちゃんがひと房すくいあげた僕の髪は、本来の僕の黒くて堅めの髪とは似ても似つかない栗色で、軽くウェーブのかかったやわらかそうな髪質になっていた。
 「これで、学生証の写真の恭子とよく似た髪型になったでしょ。さ、着替えを続けて続けて」
 「はぁ……わかったよ」
 ここまできたらヤケだ。僕はおとなしく「朝日奈恭子」になりきるべく、残りの彼女の服に手を伸ばした。
 若草色をした半袖のワンピースは、胸元のボタンを外して足を突っ込むだけで着れたんだけど、普段のと逆のボタンをとめるのに少し手間取った。
 それに襟ぐりがやや深めで、セーラーカラーになってるのは涼しくていいんだけど、襟の部分がそのまま伸びて、胸元で結ぶリボンになってる構造なのが巧く結べない。
 「もぅ、ちゃんと覚えなさいよ」
 仕方なく、姉ちゃんが手伝って結んでくれる。
 そのあとは、白いレース編みの靴下を履いてくるぶしで三つ折りにするだけ着替え完了だ。
 「──まだ終わりじゃない。ココに座って」
 長津田さんに言われて、先程の朝日奈さんと同じ椅子に腰かける。

 ふと、朝日奈さん本人のほうを見ると、こちらも僕の服に着替え終わっていた。
 ライトグレーの無地のTシャツの上にダンガリーシャツをボタンを上から3つ開けて着て、ボトムは膝丈のカーゴショーツ。頭にはブルーのアポロキャップ。
 ティーンの少年の夏場の定番とも言える服装だが、朝日奈さんは「ちょっとキュロットみたいですね」と、あんまり違和感は感じてないらしい。
 スカートで足元が落ち着かない僕とは大違いだ。
 「──頭はあまり動かさないで」
 長津田さんの指示に従って、真っ直ぐ前を向く。
 長津田さんは、先程のハサミで、僕の伸びた髪の長さを揃えてくれてるみたいだ。そのあと、軽くブラッシングしたのち、朝日奈さんがさっきまでしていたリボンで、僕の長い髪はポニーテールに結わえられた。
842『ポニーテールは伊達じゃない!』 3:2012/10/28(日) 18:44:40.25 ID:q+UyIPNN
 「よしよし、これでふたりの立場交換の準備は整ったわね。それじゃ、"暗示"をかけるわよ」
 僕と朝日奈さんは向かい合わせに立たされ、両手を胸の高さに上げて掌を合わせるよう指示される。ちゃんと手を合わせたのを確認してから、姉ちゃんが、僕と朝日奈さんの肩に左右の手を置く。
 「そのまま動かないでね……エイッ!」
 姉ちゃんの気合いとともに、手から何か不可視の"気配"みたいなものが伝わって来た──ような気がした。
 「これでよし、っと。これで、アンタは「朝日奈恭子」、恭子は「鶴橋香吾」として、周囲の人には認識されるはずよ」
 え? 暗示って……僕らに対してかけたんじゃないの?
 「本人にも影響があるけど、どちらかと言うとこれは、アンタ達を見た人に対してかかる暗示ね」
 そんな非常識(バカ)な……。
 「疑うなら、恭子のお母さんに会えってみれば? アンタのことを娘だと勘違いするはずよ」

-つづく-

#とりあえずここまで。蝸牛の歩みですが、何とか立場交換の場面までたどりつけました。
843名無しさん@ピンキー:2012/10/29(月) 06:35:19.23 ID:GRVZ53a8
乙!
続き待ってます(・∀・)
844名無しさん@ピンキー:2012/11/04(日) 13:45:05.78 ID:o5nyV6UO
一週間近くレス無しとかお前ら好き嫌い激しすぎるぞ
845名無しさん@ピンキー:2012/11/04(日) 22:35:37.55 ID:VvkFpDgl
>>844
そんな事言ったら作者の立場無いだろ
846名無しさん@ピンキー:2012/11/04(日) 22:52:59.73 ID:o5nyV6UO
だったら乙しろってこった
847名無しさん@ピンキー:2012/11/04(日) 23:44:26.60 ID:xVgmUwcm
作者自演乙www
848ポニーテイル作者:2012/11/05(月) 00:39:50.30 ID:GYhivchI
846は私じゃありませんが、無理に乙しなくても結構ですよ〜(いや、乙貰えると嬉しいのも確かですが)
しかし、本音を言えば、百の乙より、むしろどなたか他の方のSSが読みたいッ!

そう言えば、新奇なシチュ考えてて、「王子と乞食」ならぬ「王女と殺し屋」というのが浮かびました。
漫画の「MURDER PRINCESS」だと実際に身体が入れ替わってたけど、魔法なりなんなりで立場だけ入れ替わって、
王女の立場になった元暗殺者の命令で、姫の命を狙う暗殺者として国から追われて、森やスラム街に身をひそめ、
憔悴していくお姫様……というのも、アリかも。
その場合、本来の王女は
 1)とても驕慢で下々の者に厳しいワガママ姫
 2)とても上品で心優しい、プリンセス・オブ・プリンセス
のどちらがいいんだろう。
849名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 00:54:43.36 ID:mcX4dn/B
>>848
元暗殺者の追手と絡ませるなら優しいお姫様
それとは無関係の浮浪者とかと絡ませるならわがままお姫様かな?
850名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 12:11:53.60 ID:eYsYbbDT
(今478KBだから、変に感想・雑談書き込んでこれ以上容量を増やすとサドンデスが発生する状況なんで、
早く投下していただいて次スレに無事移行したいと思う複雑な状況)
851名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 22:32:12.02 ID:U6Fs+gia
荒らしが居るのはともかく天然で空気が読めない奴が居るのは何ともし難いな
天然だから自覚ないし指摘があると感情的に言い返すし
ここは一応年齢制限のあるスレなのだから荒らしではないなら大人の振舞いを心掛けて欲しい所
852名無しさん@ピンキー:2012/11/05(月) 23:05:40.71 ID:f+TanaRy
荒らし予備軍ってところか
ダメだコイツと思った時点でスルーでいいんじゃないかね
反応してるのも自演だと思い込んで適当な妄想でも投下して話題変更
853『ポニーテールは伊達じゃない!』4:2012/11/06(火) 02:03:53.21 ID:pS3LTmsy
#そろそろ残り容量がヤバげではありますが……。

『ポニーテールは伊達じゃない!』4

 僕らの住む河崎市から、急行で7駅ほど離れた場所に、避暑地にしてぷち温泉街でもある「猪狩沢(いかりさわ)」と呼ばれるリゾート地域がある。
 今時の避暑地として見ればやや垢抜けないし、温泉保養地としても泉質が微妙という中途半端な場所なんだけど、それでも夏冬の長期休みの時期にはそれなり以上の客が来るらしく、臨時の人手が欲しいみたい。
 で、そこにある旅館のひとつを経営してるのが、長津田さんの妹さんの親友のお父さん、ってことらしい。
 「──ダウト。朝日奈恭子は私のことを「雪さん」と呼ぶ」
 「そうね、あたしのことも「晴海さん」だし……アンタも"恭子"してる間は、そう呼ぶのよ!」
 「わ、わかったよ、ねぇ…じゃなくて、晴海サン」
 猪狩沢へ行く途中の電車の中で、他のふたりとそんな風な会話を交わす。
 え? 「本物の」朝日奈さん?
 うん、さっき駅で別れて、本来僕が行くはずだった夏季講習合宿に行ってもらった。
 それにしても、さすがに中一用の講習は高一にとっては退屈なんじゃないかなぁ。
 「まぁ、主目的はソッチじゃなくて、「男子中学生の日常に触れる」ことだからね。それと、恭子の一人称は"わたし"よ」
 そ、それはちょっとさすがに恥ずかしい気が……。
 「──それほど無茶な話ではない。そもそも、"僕"や"俺"という一人称が公的に許されるのは学生の間だけ。社会に出れば、男女問わず"私"を使うのが日本では一般的」
 う……言われてみれば、確かに。
 「そーゆーこと。じゃ、ソレを踏まえて、元気に自己紹介いってみよー!」
 晴海姉ちゃん、ノリノリだよ。仕方ないなぁ。
 「わ、ワタシの名前は朝日奈恭子、恒聖高校の一年生です。えっと、趣味は、ポプリ作りとハーブティーを集めること?」
 「なんでソコで疑問形になんのよ。まぁ、いいわ、続けなさい」
 え〜、まだやんの? うーん。
 「今回は、お友達の晴海サンと雪さんと一緒に、こちらで働かせてもらうことになりました。短い期間ですが、よろしくお願いします」
 そう言って、(想像上の雇い主に向かって)ペコリと頭を下げてみせる。
 「ふーむ、雪、どう思う?」
 「──75点。お辞儀をする際は背筋を伸ばしたまま、腰を折る方が綺麗。それと、両手を身体の横にピンと伸ばすより腰の前で揃える方が女性的に見える」
 「まぁ、合格点ギリギリってトコね。精進しなさい、"恭子"」
 き、キビシぃ。
 ちなみに、こんな風に騒いでいても平気なのは、ね…晴海サンが「人に注目されなくなる術」を使ってくれてるからだったりする。
 いくつか知ってはいたけど、魔女の技術って、ほんと便利だなぁ。僕も女なら、いろいろ教えてもらえてたのに。その点は、ちょっとだけ残念かも。
854『ポニーテールは伊達じゃない!』4:2012/11/06(火) 02:04:28.20 ID:pS3LTmsy
 * * *

 バイト先とのファーストコンタクト(?)は、あっけないほどスムーズに済んだ。
 「貴女たちが、オーナーの紹介で来てくれたアルバイトの子たちかしら?」
 目指す旅館の受付で来意を告げると、すぐさま30代半ばくらいの優しそうな女性──この旅館、"喜多楼(きたろう)"の女将さんである新海(にいみ)さんが、来てくれた。
 新海さんに連れられて応接室に入った僕らは、簡単な質疑応答の末、無事にココの短期バイトとして採用してもらうことができたんだ。
 いくらコネとは言え、さすがに向こうも非常識な人材はノーセンキューだったらしい。その点では、一応最低限のラインは越えていると判断されたみたいだ。
 「貴女たち、高一ってことは15歳くらいかしら。みんな随分しっかりしてるのね」
 まぁ、雪さんはいつ見ても年齢不相応に落ち着いてるし、晴海ね…サンも、こういう場面で猫かぶるのは巧い。
 本来中一の僕も、さっきの電車の中で予行演習しておいたおかげで、それなり礼儀正しく自己紹介とかできたと思う。
 「服装の乱れもないし、気立ても良さそうだし……鷺澤オーナー、いい子たちを紹介してくれたわ♪」
 新海さんの柔らかな視線がくすぐったい。
 でも、朝日奈さんの部屋で着替えたワンピースの上にサマーボレロを羽織り、あまりヒールの高くないクリーム色のエナメルシューズを履いた僕や、膝丈の白いサマードレスと上品なパンプスを着用した雪さんはともかく。
 ミントブルーのノースリーブ&デニムのホットパンツ、足元も素足にストラップサンダルという晴海サンの格好は、はたして「ちゃんとした服装」なのだろうか。
 「……なによ?」
 「い、いえ、何も」
 「うふふ、夏場ですもの。鶴橋さんくらいの服装でも全然問題ないわ。でも、お仕事中は和服に着替えてもうから、動きにくさや暑さは覚悟しておいてちょうだい。
 それじゃあ、明日から2週間、よろしく頼むわね。多岐江さん、この娘たちに、今日のうちにいろいろ教えといてくださる?」
 新海さんは、傍らに控えた、いかにもベテランといった風な40歳前後の仲居さんに声をかけた。
 「畏まりました」
 「多岐江さん」と呼ばれたベテラン仲居さんに連れられ、僕ら3人は神妙な顔で従業員控室のひとつに入っていく。
 そこで僕らは、改めてアルバイト向けの従業員規則を聞かされ、業務に関する説明を受けた。
 と言っても、所詮はバイト。簡単に言えば、
 1)お客さんに出す朝昼夜の食事の配膳と片付けの手伝い
 2)廊下や裏口など、室内以外の場所の掃除
 3)お客さんから預かった汚れ物の洗濯
 ──の3つが主な仕事で、あとは買出しなど臨機応変に仕事がフられるらしい。
 もちろんお客さんに対する言葉遣いなども指導された。もっとも、こちらも無理に謙譲語や古風な言い回しなどを使おうとせず、普通の丁寧語ベースでもいいと言われたので助かるかも。
 えらくハードル低いなぁ。いや、ひょっとして以前の学生バイトが、それすら満足にできないほどヒドかったのかも。
855『ポニーテールは伊達じゃない!』4:2012/11/06(火) 02:05:01.04 ID:pS3LTmsy
 そこまでは、まぁ、いいんだけど……。
 「では、次に、仲居としての制服である着物の着付けについて説明します」
 それこそ旅館の浴衣以外に和服なんて着た経験のない男に、いきなりハードルが高いですよ!? いや、相手からしてみれば、僕は「高校一年生の女の子」なんだろうけどさ。
 (そう言えば、本気で誰も、僕のこと男だなんて疑わないんだなぁ)
 つくづく姉ちゃんの"暗示"はスゴいな──「僕が女顔過ぎるから女装してたら女の子にしか見えない」という可能性はスルーする方向で。
 幸いにして、この"喜多楼"の仲居さんの制服は、キチンとした紬の着物とかじゃなく、上下に分かれた、簡易着物とか二部式着物とか言われるタイプだった。

 とりあえず荷物を奥の長机に置いてから、僕たち3人は多岐江さんに促されて、服を脱いで長襦袢に着替えることになった。
 うん、正直、鶴橋香吾としては、いくらそのうちひとりは姉とは言え、年上の女性3人と一緒に着替えるなんて、メチャクチャ恥ずかしいんだけど、此処で拒否するわけにもいかないしね。
 白い長襦袢自体は、それこそ旅館の浴衣かバスローブみたく、腰紐でとめればいいから、それほど着るのが難しい代物じゃない。ブラとかショーツとかの下着類も、着けたままでいいって言われたし。
 けど、そこからがひと苦労。ボトムは巻きスカートみたく、巻き付けてマジックテープをとめるだけで楽ちん(もっとも、僕の場合、スカートそのものに慣れてないんだけど、それは今更だ)なんだけど、上衣がねぇ。
 結局、何事も要領のいい、ね…晴海サン以外、つまり雪さんと僕──おっと、そろそろ気をつけて"ワタシ"って言うことにしよっと──ワタシは、着物の上を3回ほど脱いだり着たりするハメになった。
 「ふむ……着崩れもししてませんし、帯の形も整ってますね。。いいでしょう、合格です」
 多岐江さんから合格と認めてもらってから、ワタシたち3人は、今日からしばらくお世話になる従業員用の部屋へと案内されたんだ。

 連れて行かれたのは北向きだけど、窓が大きく風通しが良さそうな、四畳半くらいの和室だった。決して新しくはないけど、手入れはいき届いてるみたいだし、今は夏だから日当たりが悪い方がむしろ居心地よさそうだ。
 でも……。
 「え、3人一緒なの!?」
 「当然でしょ、あたし達はお客じゃなくて従業員なのよ。泊めてもらえるだけでも、好待遇ってモンよ!」
 そりゃそうかもしれないけどさ。
 晴海サン──姉ちゃんは、まぁいいよ、家族だし。でも、雪さんは嫌がるんじゃない?
 「──問題ない。この事態は想定済み。私は、貴方の事を信頼している」
 高校からの友人の(本物の)朝日奈恭子さんと違って、雪さんは中学に入った直後に晴海姉ちゃんと知りあって、一ヵ月も経たないうちにマブダチになってた。だから、ウチ──鶴橋家にもよく遊びに来るし、本人的には僕のことを弟みたいなものと見てるのかもしれない。
 確かに、僕だって、雪さんのことはもうひとりの姉みたいに思ってる部分もあるけど……。ちょっとフクザツな気分。
 「まぁ、アンタに、フラチな真似するような度胸も甲斐性もないとは思うけど、念のために、ホラ」
 差し出された姉ちゃんの掌を反射的に覗き込んだ僕は、そこから漂う刺激臭に思わず鼻を押さえて涙目になった。
 「ぶわっ!! な、何、コレ」
 「性的反応抑制効果のある香水よ。ん〜、端的に言うとね……あたしが中和する薬作るまで、アンタ、当分勃たないわね」
 へっ!?
 「安心しなさい。一生そのままってワケじゃないわ。家替えたら、キチンと中和する薬作ったげるから」
 オーマイガー! 神様、僕って、そんな過酷な十字架(うんめい)背負わされるほど、悪い事した記憶はないんですけど。トホホホ……。

 ──そんなこんなで、とにもかくにも、僕、もといワタシ達のアルバイトライフは幕を開けることになったんだ。

-つづく-

#以上。なにげに色々ヒドい晴海姉ちゃんでした。
856名無しさん@ピンキー:2012/11/06(火) 02:52:40.38 ID:fRQ16C52


立場だけの交換・変化 6交換目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1352137904/
857ポニテ作者(長文御免):2012/11/07(水) 15:55:39.58 ID:6LJ6vYHi
ちょっと皆さんに聞きたいのですが……すみません、
正直に言うと、今書いてる「ポニーテイルは伊達じゃない」、
しばらくエロ萌える展開になりそうにないです。
一応、次の回は視点(というか語り手)を、香吾の立場に
なった恭子の側に移して、向こうの気持や現状を説明する
回にしようかと考えています。
ただ、以前の『要12歳』の"美幸16歳"とは異なり、今回、
男の子になってる恭子は、かなり弱気で大人しい性格の子と
設定してるため、ストレートなエロ展開にはなりにくいかと。
かと言って、"恭子"の立場の香吾側も、姉ちゃんによって
「汝卑猥ナル事ヲ禁ズ」的な術かけられちゃいましたからね。
このスレは、直接的性行為より特殊フェチ嗜好が主体とは言え、
そちらも当分濃くなりそうにないし……。
(一応、構想としては終盤──バイト/合宿から帰って、
 登校日のため、元の立場に戻って登校・生活してみた
ものの、ふたりともしっくり来ない……という辺りで、
ソレっぽい雰囲気の展開は入れる予定ではありますが)
ぶっちゃけ、このままココで続けてよいものか悩んでます。
(あ、ココから撤退した場合、自ブログで続ける気で
ありますので打ち切りにはしないつもりです)
858名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 16:03:42.91 ID:po/0r0ge


エロ萌えは大事だと思いますけど、絶対にないと駄目という訳でもないですし
何より、作品を投下してくれるだけでも御の字ですよ
859名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 19:07:42.66 ID:ytT4PK/d
じゃあ間を取ってブログのURL貼ってくとかどうかな
860名無しさん@ピンキー:2012/11/08(木) 23:19:18.33 ID:/yrVGuYh
そもそもこのスレに来る人って、「常識」とか、「日常」とか、「立場」とか、「自分自身」とか、「あたり前のこと」とか、
そんなものが別のものに摩り替えられていく描写のほうにエロスを感じる人が多いんでないかなあ。

直接的エロ描写のある作品のほうがむしろ少なかった記憶?
861名無しさん@ピンキー:2012/11/09(金) 00:03:07.91 ID:Vr+48DQb
作者の嗜好≠住人の嗜好
862名無しさん@ピンキー:2012/11/09(金) 00:12:13.20 ID:1pWLyyLz
作者は気にしないで好きに書いたらいいのでは?
こんなのを書いて欲しいとか言われても書けない場合が大概だろう
もし書いたとしても読者から見てなんか違う感が出てしまう事もあるしな
これを書けばうける見たいなネタはあっても連載だと結局は文章の書き方かと
863名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 20:54:10.57 ID:iLNsmaam
SSが投下されるだけでも充分ありがたいので好きにやって下さい

自分だけかもしれないが、エロは飛ばすことが多いのでなくても特に問題ないです
864名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 23:59:19.88 ID:W/E0KgU/
一つ言わせてもらうと、自演に失敗して荒しが付け入る隙を作ったという意味では「例の方」にも多少責任があると思う
荒しをまた刺激しかねないから沈静化するまでは出しゃばって欲しくない
865名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 00:49:06.45 ID:6Nr6fCym
責任も何も全部そいつのせいだろ
なんか自分はあなた達とは違います的なウザさとキモさが嫌だ
特定の作者とべったりして褒め合いとかしてるのもウザい
スレの古参で貢献しているような顔をしているが書いているものは似たような女装ものばかり
そしてすぐ自演とかほんと止めて欲しい
866名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 01:03:28.19 ID:26cZile8
男女の服装が逆転

部長「山田宏君!伊藤美樹君!この接待にすぐむかってくれ!」
2人「はい!!」
山田「時間が無い!走っていくぞ!先行くからな!」
伊藤「ええ!」

・・・


伊藤「走るの遅いね…先ついちゃった」
山田「このスカートは走りにくいんだよ!」
867名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 08:59:49.40 ID:MkqD3qwI
>>864
そういう書き込みで荒らしが同調してくることを学習してくれ
相手はたった50分で反応してここまで嬉しそうなレスするような粘着だぞ
あるいは同一人物なのかもしれんがな

誰が原因だとか犯人探しは全く無意味だし、それで荒らしがいなくなるわけでもない
色々文句言ったあとで残るのは誰も書き手のいないただの荒れ地だからな
868名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 10:00:30.53 ID:PRMDwcTN
>>867
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。              。   Λ_Λ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
869名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 00:46:39.15 ID:q0pA5MPA
>>867
俺は>>865の奴とは別人ですよ
直接書かないと分かって貰えそうにないから新スレ立つまで書かなかったんだが
要は荒らしの出方考えて空気読んでくれってことです
870名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 08:02:23.22 ID:z5X5VFZs
>>869
ディスるアンチが居るようだがあの作者は充分空気読めている気がする
素人くさい書き込みとか計算してやっている感じがあるがな
少なくとも俺はあの作者の書くSSは好きな方だからまた書いて欲しいが
お前も変に粘着すると荒らしと一緒だぞ
871名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 13:04:13.99 ID:igSI9uOu
>>869
空気を読むって解かってるか?
空気を読むって言うのは雰囲気を悪くしない様にするって事だぞ
空気読んで新スレが立ってから言いました見たいな事を宣っているが誰が悪くて誰に責任があるとか
糾弾したとしても雰囲気が悪くなるだけで何が改善されると思っている?
869が槍玉に挙げている「例の方」にしても869に言われるまでもなく書き込みを自粛している様だぞ
その「例の方」懇意にしている作者の作品が投下されても何時もならある「例の方」の書き込みらしき感想も見られてないだろうに
それを掘り起こして書き込まずにいられない奴の方が空気読めてないと言うんだ
869の方が自覚した方が良いぞ
872名無しさん@ピンキー:2012/11/12(月) 21:30:36.36 ID:F/LhyANN
おまえら必死だなw
自演でつか?www
どうみても>>869が言っているのが正しいだろ
自演野郎は来んなって事だ
873名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 07:36:56.60 ID:xZF9nsKf
…本当に空気を読めないやつ
半年以上居るだろうに一向に成長が見られない
874名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 14:08:19.60 ID:/iebUxMR
そもそもこのスレ荒らし以外にもキチガイやらメンヘラやら厨房やら多すぎるんだよ
875名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 19:44:05.31 ID:uPrMvQB1
メンヘラはともかく後は全部まとめて同じ荒らしみたいなものだろ
しかしあれだな、書き手が擁護されて厨房が叩かれるのはスレへの貢献度の違いか
まあ、普通に考えてそれなりに面白く感じる作品を投下する書き手とただの厨房とでは
どっちの肩を持つかと言えば言わずもがなだがな
876名無しさん@ピンキー:2012/11/13(火) 21:00:22.05 ID:/iebUxMR
貢献度以上に信者の有無だな
コイツらがキチガイみたいに騒ぐから荒らしが面白がって余計こじれる
作者からしても迷惑だろう
877名無しさん@ピンキー
勝手に作者が思っているとか決めつけちゃ駄目だって
その作者は当然このスレ見ている訳だし意見があるなら作者本人が言うさ
今のスレの流れからしてその書き込みは厨房くさいって言われるぞ