【国破れて】戦火の中犯される娘達5【senkaあり】

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133嘆きの天使

「なかなかのが手に入ったな」
「ああ、首領様もお喜びになるだろう」
軍用の大型四輪駆動車の貨物室に押し込んだ三人の美少女に目をやり、
シドと10代の男――カンが顔を見合わせ下卑た笑みを浮かべる。

「このメスガキどもを船の前で下ろしたら今度はあそこに行くぞ」
運転席と助手席で軽口を叩いている部下に後ろからハンが冷たい声で言った。

「はっ!」「イエッサー!!」
びくりと体を震わせ、背筋を伸ばすシドとカン。

「あそこにもコイツらくらいの獲物がいるといいな」
「ああ、楽しみだぜ」
ごくりと喉を鳴らす二人の視線の先には小高い丘の上に建つ小学校があった――

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シドとカンは港に着くとそこに停泊している明らかに漁船ではない
灰色に塗られた船に三人の美少女を運んでいく。

「ど、どこに連れてくの…?」「いやぁぁ…た、助けてぇ…」「助けてママぁぁ…」
涙を流し、抗う少女達を肩に担いで船へと上がる。

「これからオマエたちが行くのは「楽園」さ。俺たちの祖国だ」
「この卑劣な国に移り住んでしまった愚かな祖父たちのせいで散々苦労してきた……
 だが、それももう終わりだ。元々我が祖国の領土であったこの島を奪還して
 国に帰れば俺たちは祖国に錦を飾れる。オマエたちを手土産にな」

(が、外国の人だったの…?私たちと同じ言葉を喋ってたからわからなかった…)
呆然とする唯。

「わ、私たち、が、外国に連れて行かれるの…?」
愛菜が体を震わせる。

「だ、大丈夫よ愛菜ちゃん…私がついてるから…」
生徒会副会長として最後まで毅然としようとする美郷。
だがその瑞々しい体は恐怖に震えていた。

「楽園に行くのはオマエらだけじゃない。淋しくはないさ」
シドは島にたった三人だけの女子中学生たちに向って意味ありげに微笑むと
船底に作られた倉庫を出て行った。