【俺の妹】伏見つかさエロパロ23【十三番目のねこシス】
ksk
ksk
ksk
KuSoKa?
ノンノン
KyousukedoiteSoituKorosenai
ksk
ksk
kskで始まるスレってどうなのよksk
まとめwikiって、エロパロのはずなのにエロ無しのが多いのは何で?
11 :
名無しさん@ピンキー:2012/02/27(月) 10:49:16.86 ID:2hp1ESiN
陵辱系はまとめない管理人の方針なのでどうしても非エロと小ネタがほとんどで、残りが純愛系だからです
とりま乙
つーかエロパロなのにまとめでエロ有りとか説明に書いてあるのが笑える
ksk to 1000
ksk
なんで凌辱系等は駄目なんだろう?
注意書きさえ書いておけば、良いんじゃないかと思う。
縛りが多いと、人が少なくなるのは当然の事なのに…
例のあの人とか隔離したいからじゃね
2ch脳の電波系は怖いから
>例のあの人
ヴォルデモート様……
腐女子的日本の名作
夏目漱石 「こころ」
先生の好きな人→K Kの好きな人→先生
今年も梅田の309で恐怖なんてちんけなもんじゃねえものを味わっちまった
10巻発売も決まったので久々に来たけど閑散としてるのね……
新刊はまた鰤SS書きたくなるような鰤ネタあるといいなぁ……
近親エロ厨の巣窟
まだスレがあったことにびっくり
途中から読んでないけど書いてもいいんかな。書くならあやせのだけど
せっかくここもスレたったんで、vipと迷ったがこっちに投下
他の人がうpするならもう少し推敲しても良かったんだけど
一発目に一応景気づけに
10巻で島流しになる京介の原因を個人的に予想。
某のアニメでちらっと見た一瞬だけ見たみんな大好き
例の歯磨きを参考に
京介×桐乃で
"9 +1/2"
時に・・・何か自分の環境を劇的に変えた出来事が起きた場合、
とてつもなく劇的に変わったと思える場面に遭遇した時、
その事を・・・・その出来事自体を"運命"なんて大げさな言葉で呼ぶ必要は、
実は・・・全然、本当にぜんぜん、、そんな必要なんて無いのかもしんない。
それは
一度目は、思い出したくもない過去、疎遠になったキッカケ
二度目は、初めて、人生相談したあの日
三度目は、……………
その日の夕方、あたしはリビングでソファーに寝転がりながら、親友のあやせと
電話で話していた。
『本当に、桐乃ってさぁお兄さんの話するのが好きだよねぇ?』
「はぁ?何言ってんのっ、、、、そ、そんなわけないじゃん。
た、たまたまに決まってるんでしょ。あやせ、マジでそれっ勘違いだから!」
いつからかな?
あたしは、あたしが事あるごとに(京)介・・あいつの話をいつもしてしまっている
自分自身に気付いたのは……。
『ふぅ〜ん。まぁわたしも桐乃とお兄さんの話するの嫌いじゃないんだけどね』
「………………………」
いつからかな?
女友達が京介の事を褒めたり、京介と親しくしていると……
いつも嫉妬してしまう自分に気付いてしまったのは。
『桐乃……どうかした?』
それでも黒いのがあたしの為に京介と別れた後、最近少しだけ、ほんとうにちょっぴり
だけど、京介が楽しいなら……兄貴が楽しいなら、黒猫やあやせと親しく話していた
としても、あたしも一緒に喜べる様な気が、そうしなきゃいけない気がしてるのだ。
「何でもないから。ううん、、、本当に何でもないってば」
その時、『ただいま』という声がした。
今日はお母さんはお父さんと一緒に出かけて家には居ない。
リビングの扉が開くと京介が電話中のあたしの顔を見て、何か言いたげな顔をしたが、
いつもの様に、少し微笑むと冷蔵庫からパックのお茶を出して飲み始めた。
あたしは少し、緊張する………前だったら、あいつに"人生相談"する前だったら
同じ緊張でも、それは100%不快感だったハズ。
でも今は違う、同じ緊張でも本当にぜんぜん違う。
その事が分かったのは最近、それとも………?
あたしは間抜けにも、京介の顔を見て、携帯で話しているその口元に自然な笑みが
溢れてる自分に
……ああ、、そうか……
あたしはあいつの顔を見ると、いつのまにか自然に笑顔になってるんだ、、、
今日………その事にあたし自身、やっと気付いた。
またいつものパターンで、二階に上がろうとするあいつを、思わず呼び止める。
「ちょ、ちょっと待って。喉……渇いたからさ、あんた、飲み物取ってよ」
「へいへい……あれ、冷蔵庫に飲みモン何も入ってねぇぞ。
さては………おふくろの奴、忘れてやがんな。
しゃーねぇ、まぁ後で自分で紅茶でも煎れて飲んでくれ」
振り返って、また二階に上がろうとするあいつ。
「ま、待っててば。あたしは喉渇いたって言ってんのっ!」
「へ?だから何だよ、まさかおまえ自分の兄貴をパシリにでもするつもりなの?」
別段、怒った風の感じはなく京介は肩をすくめながら言った。
あたしは無言で、京介が持っているパックのお茶を引ったくると口を付けて飲んだ。
「おま、ちょ、な、何やってんの?」
あからさまに驚く京介。
「あれぇ〜なぁに、何?あんた?へぇ〜妹のあたしと関節キスとか意識しちゃって、
動揺しちゃってんの?(笑)キ(モ)……」
最近もうすっかり言わなくなった言葉を、結局最後まで言わずに、
冷たいお茶と一緒に飲み込む。
何でだろう、兄貴には文句言うよりもこうやって驚かせた方が楽しくなる。
"誓ったことが一つだけ"
同じ緊張なら、不快になるよりも楽しくしたい………超当然なコトなんだけど
あたしはやっとそんな当然のコトが分かってきた様な気がするのだ。
"あの時、こころの中で決めた…………こと"
あの頃、もう絶対戻れないと思っていた昔に戻っている様な錯覚、
懐かしくて、
暖かくて、
切なくなる感覚
そんな事をぼんやり考えていると、暫くして受話器のあやせの呼びかけに
ようやく気付いた。
『本当にどうしたの?今日の桐乃ちょっと変だよ?』
ううん、違うよあやせ。多分、、、、、"昨日"までのあたし方が変だったんだから
あたしは飲み干したお茶のパックを、やっぱりぼんやりした顔をした兄貴に返すと
「おかえりなさい」と言った。
あやせとの電話の後、
「え?親父達、居ねぇの?おいおい、受験生の子供スルーでよく留守にするよな」
「もう、うちらも子供じゃないんだしさ、それと食事代はあたしが預かってるから」
「何か相変わらず、俺よりもおまえの方が兄妹の姉みたいな扱いだよな〜」
「ぷ(笑)、何それ?……あたしの弟になりたいアピールとか?」
「辞めろ!そんな願望ねぇよ!ったく……んで飯はどうするよ、おまえ何食いてぇの?」
「………ま、まだ決めてない」
「んじゃ、適当に俺が買って………」
「却下。あんたの選んでくる物センス無いんだもん。大体ヨーグルトはプレーンに
決まってるのに、苺味とか選んでくるしさ」
「ヨーグルトで俺のセンスをディスのは辞めてくれ。まぁ…………ならおまえがさ」
「あ、あのさ………」
「あん?な、何だよ?」
「い、一緒に買い物行かない?まだ何食べたいかわかんないけど、スーパーで
買い物しながらだったら決められそうだしさ」
京介は一瞬呆気に取られた表情をした後、あたしの額に手を当てて神妙な顔をした
「べ、別に熱なんてないっての。あたしの提案にな、何か文句でもあんの?あんた」
「べ、別に……無いけどよ。……………まぁ良いか」
買い物し終えて、
「結局散々迷った挙げ句、カレーかよ。大体、カレーならレトルトで良いのに……
はぁ〜俺が今から作るのかよ、ったく」
「チッ……文句多すぎ、出来合いの物は食べたい気分じゃないんだからしょうがない
でしょ。それに誰があんたに作ってって頼んだっての。カレーくらいあたしにだって
作れるに決まってんじゃん、バカにするなっつーの」
今、あたしが意地になってるのには、それなりに理由が……ある。
さっき、あやせと話してて話題になった人。
あの………人のこと。
お菓子作りが趣味のあやせの師匠。
彼女の料理の腕はあたしも知っている。
負けたくない……それが今までの行動原理だったけど
それがあるキッカケで、最近余計にその思いが強くなった気がする。
だから、少しづつだけどお母さんの手伝いもしてきた。
走ることも、勉強も……そんな風にしてきた。
だから料理だって……………
「……………」
とまた神妙な顔で、京介があたしの顔を見た。
「だから熱はないから。あんたはそこで地味面しながら待ってれば良いんだから。
あんた、あたしを誰だと思ってんの?眉目秀麗、才色兼備………痛っ」
包丁で野菜を剥いている時に、指を切ってしまった。
「馬鹿野郎!……包丁使いながらベラベラ喋ってよそ見しってから。ほら見せてみろ」
あたしの指もとを強く持って、傷口をティッシュで押さえて
手際よく、消毒するとそのまま器用に、包帯まで巻いてくれた。
「あ、あんがと……あんた……そういう事は、意外に器用だよね」
「まぁ〜な。俺は色々不器用な妹持ってるからな」と優しい笑顔で京介は言った。
「はぁ?ちょっと何調子乗ってんのっ!今はちょっとミスっただけなんだから。
本当はお母さんも上手って褒めてくれたんだから!何も知らない癖に決めつけんな!」
少しイラッとしてあたしが思わず大声を出すと……京介はあたしの頭に手を乗せながら
「まぁちょっとくらい、俺が勝ってる所あっても良いだろ?
とにかく、おまえは大人しく座ってろ。取り合えず続きは俺がやるからさ。
わかったか?」
「……………わ、わかった」
兄貴が作ったカレーを食卓に並べて、
「いただきます……」「……いただきます」
「うん………うめぇな。伊達にカレーばっか食ってる家族じゃねぇな、俺ら」
「そ、その野菜はあたしが切ったんだからね。感謝しながら食べないよ」
「へいへい……おまえが傷だらけになりながら切ってくれた野菜と思うと、
通常の三倍は旨く感じるわ」
「う、うざっ……つ、次はさ、ちゃんと作るつもりだから!
そん時は今日よりあんたが作った地味なカレーなんかよりも何千倍も美味しく
作るつもりなんだから、ちゃんと覚悟しとけっての。
つーか、冗談ぬきでマジで超絶品なんだからね!わかってんの?」
「ああ………もちろん、期待してるぜ。しかし…………俺ら………」
「?」
「……………いや………何でもない…わ」
あたしはいつまでこうやって、兄貴と一緒に食事が出来るんだろう?
ふと、ガラにもなく不思議な感慨があたしを襲う。
物心がやっとついた小さかった時も、ロクに話をしなくなった時も、
こうやって、ぎこちなくだけどまた話すようになってからも…………
あたしと京介は毎日毎日、向かいってご飯を食べてきた。
夕焼けに照らされた兄貴の顔を、あの時のしかめっ面じゃなく
……気付くと笑顔で見れる様になったその顔を
………笑顔で見て貰える様になれた、あたしがその顔を見ていると
…………あたしは
「だ、大丈夫か…………桐乃?おまえ……指がそんなに痛むのか?」
「え?」
「い、いや……………」
気が付くと……頬が濡れていた。
何で…?
事あるごとに不機嫌になってきたあの時の方が…本当は泣きたかった筈なのに
今は嬉しい筈なのに、一度意識し出すと……あたしは慌てて目を拭った。
「………う、うん、、、ちょっと、、だけ」
今、あたしが考えている事を……目の前のこいつに正直に言える筈が無かった。
「き、救急車でも呼ぶか?」
「大げさ過ぎ……なわけないでしょ!ちょっと痛いだけだから、ほ、ほんと大丈夫だから」
「そ、そうか………我慢出来なくなったらいつでも言えよ?」
泣き顔を見られたから?
同じ緊張なら、不快になるよりも………
「ねぇ、指痛いからさぁ……あ、あんたが食べさせてくれない?
あ、先に言っとく、、、べ、別に、熱は全然ないから!」
「あ、良いぜ………痛いんだからしゃーないわな。ほれ口開けろ」
「な゛……あ、あんた……な、に……はむ」
「……………ま、全く、本当に不器用な妹を持つ兄貴は大変だぜ」
冗談と言い出すタイミングを失ったあたしは、結局最後まで
兄貴に食べさせて貰った。
超恥ずい事なのに、何でだろう……。
やっぱり熱があるのかもしんない………あたし。
***
しっかし今日の桐乃は変だ。
断固として変だ。
本当にどうしちまったんだ、あいつ?
そりゃ最近の俺ら兄妹は……昔は繋がってる血すら凍るほどの凍てつく世界に
住んでた様なもんだから………それに比べたら多少は、ほんとうに多少だが
普通の兄妹って感じがしなくもなかったんだが。
今日の桐乃はそれにしたっておかし過ぎる。
それにいきなり、泣きだしやがって………あのやろう……まったく訳が分からない。
やぶ蛇になることを覚悟しつつ、俺は妹の部屋の前に立つと決心が鈍る前に
ドアをノックしていた。
「桐乃ちょっと良いか?あのさ………」
「え?あ、、ちょ、ちょっと忙しいから、、それと今入ってきたら、
あやせに言いつけて絶対にっブチ殺して貰うからっ!」
「げぇ゛、わぁったよ……」
何だよ、どうせお気に入りのエロゲーでもして、あっちの世界にでも行ってる所を
俺に見られるのが嫌とか………そういう事だろう。
チィ……まったく、ちょっとでも心配して損した気分だぜ。
まぁそもそも、妹の心なんて色々思案した所で、分からない事は結局、分からないのだ
バカバカしくなった俺は結論を出す事を早々に諦めて、さっさと風呂に入って
早めに休む事にした。
脱衣場に行こうとした時に、部屋でエロゲーをしていた筈の妹が仁王立ちしている。
「おまえ何やってんの?」
「あの、、さ……あ、あんたにちょっとお願いあんだけど?」
桐乃の指は、俺が何重にも巻いた包帯で痛々しかった。
そっか、食事するのも大変で泣くくらいだもんな。
俺は得心した顔で
「あ〜〜歯を磨けってことか、そっかおまえ利き腕の指に包帯巻いてるんだもんな」
「…………」
「そういや、おまえが小さい時は俺がちゃんと磨いた確認してやったんだよなぁ」
努めて明るい風を装って俺は桐乃がいつも使っている歯ブラシを取ったのだが………
「それで、ちゃんと出来てないから、結局俺がいつも磨いてやってたよな、うんうん」
ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛……あれ?なんだこれ??
「違げぇし……何が悲しくて、あんたにあたしが歯磨いて貰わなきゃなんないの?
そもそも、あたしの歯ブラシは電動だし、、妹に、、変な想像しないんで欲しいです
ケド?(嘲)」
「へいへい、悪かったな………んで頼みってなんだよ?」
何か、いつのまにか普段の桐乃に戻ってる様な気がして安心したが、
まぁこれでこそ俺の妹なんだよな。
ってことで同時に、俺も普段の様にぶっきらぼうに言葉を返す。
「超、嫌なんだけど、この指だとしょうがないしぃ、、さ。
だからさぁ、、髪洗ってくんない?
マジで滅茶苦茶、不本意で凹みそうなんだけど、、、しょーがない、、から」
「え゛?」
「はぁ?だから髪、、、洗えっつってんの、何回も言わすととか超ありえない」
「歯磨くのはダメで、髪洗うのは良いのかよ……大体」
「ぜ、全然違うでしょ、何に?あんた、、何か文句あんの?」
「だ、だってよ………おまえと一緒にふ、ふ、風呂に………」
「ば、馬鹿っじゃないのっ?!何であんたなんかと、、やっぱ超キモ、キモ、キモ。
ちょっと、、あやせ、、、」
携帯を取りだそうとする桐乃を必死に止めた、今日が俺の命日になるのだけは勘弁だ。
死亡の原因がこれじゃどう考えても、俺の魂も成仏出来ないだろう。
「んじゃ…………どういう意味だよ?この季節に庭で水浴びでもすんのか?」
「なっ……なわけないでしょ!、シャンプードレッサーでって意味!」
そういや、桐乃が朝シャンするのに便利だからって自分で工事費出したんだっけな。
しかし中学生で我が家の改築工事すらやってしまう妹。
それに比べて、俺の部屋には未だにエアコンすら無い。
我が家にも、歴然たる較差社会が存在するのであった。
「な、何だよ。洗面台でって意味か。それを早く言えよ。危うく冤罪で
殺される所だったじゃねぇか」
「勘違いしてるあんたが悪いんでしょ。マジで、そういう発想するだけでも万死に
値するんから!あ〜あ、最悪過ぎ……ほらいつまで突っ立てんの、早くしてよ」
やれやれ……。
他人の髪など洗った事がない俺は、いや大昔に目の前にいるこいつの髪を
歯を磨いてやった事と同様に洗った記憶が微かにあるが、まぁ遠い記憶の彼方の話だ。
それにしたって………我が妹はシャンプー、リンス、コンディショナーはもちろん
その他得体の知れない、俺には絶対に分からない数々の容器を洗面台に並べていた。
「あつ……ちょっと熱いじゃん、あんた、あたしを火傷させるつもり?」
「あ〜悪りぃ悪りぃ」
「今度は冷たい、ちょっとこんなんじゃ風邪引くでしょ、真面目にやれっての」
「………………(・ω・;)」
「あんたと違って、あたしの髪は超繊細なんだから、優しく洗ってよねぇ、
ちゃんと、わかってんの?」
「………………(゚Д゚)ケェ」
「だから痛いってば、優しくしろっつーの……女の髪は……」
「…………………(怒)………お客さん、痒いところとかないですか?」
「ふ、ふ〜ん、もう少し下の方もちゃんと洗ってよ…あっ…ちょっと……」
「щ(゚Д゚щ) 」
「く、くすぐったい…から……だから……首とか……さ、触らないで……」
「!」
「あっ……ぁ……はぁっ……耳も…さ、触るなって……さ、触らないでぇ…ン
あ、あたし、、耳たぶとか……よ、弱いっ……ン……ンだからぁ……」
「!!!」
「ぎぁっ…ハハハッハハハァ、や、辞めて……辞めれぇって言ってるでしょ!!!!」
桐乃が文字通り………のたうち回った為、洗面台の鏡はもちろん、壁、床一面にも
水しぶきが土砂降りの雨の様に飛び散った。
ついでに、妹の鉄拳もスコールの様に俺の顔面に降り注いだ。
「痛ぇ……殴ることねぇだろ。おまえがお願いするからやってやってんのによ!!」
「はっ?こんな時にチャンスと思ってセクハラする変態、シスコン、犯罪者予備軍の
あんたが何言ってくれちゃってんの?
………妹のあたしに、、え、、え、エッチな事するとかマジで、マ・ジ・で・
信じんらんない!!!!」
売り言葉に買い言葉、桐乃に釣られて俺は軽率な(今思えば本当に)軽率な一言を
桐乃に対して俺は言い放った。
「おいおい…大体、自分で妹って言ってるじゃねぇか。何が悲しくて妹にセクハラ
しなきゃならねぇんだよ?!あやせの奴もよく、俺に対して"セクハラ"って言うが、
あいつも大概自意識過剰だとは思うが、あいつが言うならまだ分かるがよ。
何で妹のおまえに、頼まれて……したくもねぇ事した上で、そんな事言われなきゃ
いけないんだよ。てめぇ……がそもそも」
☆ブ チ っ !☆
多分、勘違いや幻聴の類なんだろう、しかしその時の俺は確かに、桐乃がキレた音が
それこそ目に見える様に、劈く爆音の様に聞こえたのだった。
その後、爆音の後は脆弱が……訪れる。
桐乃はずっと無言だった。
でも俺は………さっきの勢いは何処へやら………みっともなく……それこそ
小さい犬がキャンキャン吠える様に大声で、空しく言葉を吐いた。
「おい、な、な、な、何やってるんだよ?
お、お、お、お、おま………ちょ、ちょ………
き、桐乃?き゛…りの…おまえ……」
やっぱり相当格好悪かった。しかしそれでもその時の俺はそうする以外に
やる事なんて思いつきもしないし、そもそもやる事なんてなかっただろう。
桐乃は無言で、目には食事をしていた時の様に涙を浮かべ………
何故か口元は不敵な笑みを浮かべ
(最近見せてくれる可愛らしい笑顔とは明らかに違う、不気味な……
こんな表情の妹は今まで見た事はない、『黒猫ならもっと上手に
描写出来るのだろうが』、とにかく…嫌で駄目な予感しかしない笑みだった。)
自分が身につけていた………さっき暴れたことで、びしょぬれだった服を脱ぎだした。
途中までは濡れたから脱ごうとしていると思った、でも違った。
あいつは、妹は、桐乃は……
一番上に羽織っていたパーカーを脱ぎ、シャツを脱ぎ、Tシャツを脱ぎ………
俺が呆気に取られていたが、それで終わると予想してた限界をいともたやすく超え
ショートパンツも全くの躊躇いもなく脱ぎ捨てた。
俺は何を言ってるのかも分からず、本当に言葉を忘れてしまった様に
ただ、無様に……口を開けてうなり声を上げていた。
目の前にはブラとショーツだけの姿の桐乃がいた。
間抜けにもブラもショーツもお揃いのピンク色………なのかと言う感想
アレ?この気持ちは何なんだろう?
それは………禁忌
何かは知らんが、絶対ぇにヤバイ何かだった。
それは今の状況に対する認識なのか?それとも俺自身の心のことなのか?
それとも両方で、同時にその心象が混ざり合って新たな危機感が出来上がって
ますますその予感を高める……俺の心臓の鼓動と完全にシンクロして。
……とにかく、俺は一瞬固まったが、このままで……は……と思い
今まで桐乃の為に、桐乃のピンチの度に決心した時の自分の気持ちを思いだして
大きく息を吸って、何とか心を奮い立たせて、上ずる声で桐乃に問うた。
「な、何のつもりなんだよ?いくら兄妹だってやって、やって良い事と……悪」
もしこのまま桐乃が無言のままだったら、どうなっていたか分からない。
しかし桐乃は……
「あ、あれ〜?な、なんでビビってんの?あたしは妹なんでしょ?
そ、それなのに………言ってる事が、、、違うじゃん。
あたしは妹だから、妹、、、、だからさ!!!!」
「悪かった…………い、妹は関係ない……関係なかった」
「はっ?あんた何、、、言ってる事コロコロ変えてんの?
あたしは妹だから、、、妹って言ったじゃん!!!!」
「お、おまえは妹だけど、そうなんだけど……でも桐乃は桐乃だから………」
「だから何?」
「だから………」
「………」
桐乃は俺の言葉を催促する言葉の代わりに、腕を、手を、指を……まるで言葉を紡ぐ様に、
本当に何かを俺に語りかける様に動かす……その先には触れてはいけない聖域があった。
「お・ま・えは特別なんだ!妹だけど、桐乃で……桐乃だけど妹で!
おまえは……おまえ……は………俺にとって………俺の……」
「ぷ、ぷぷ……何それ?意味が全然分かんないんですけど?
あんた動揺し過ぎて、日本語忘れちゃったんじゃないの?」
桐乃は目元に貯めていた涙をあふれ出さんばかりに、声を上げて笑い出した。
「………ああ」
その時の俺は日本語どころか、完全な放心状態で本当に何も考えられない状態だった。
だから桐乃がやっと普通に笑ってくれている事に気付くまでに相当の時間がかかった。
「ねぇ……もう1回言って……あんたにとってさ……あ、た、しは……?」
「へ?え……」
「はぁ〜ぁ………………………もう良い」
俺は無意識に、本当に何も考え(られ)てない状態のままでポツリと声を出した。
「桐乃は、おまえは………俺にとって特別…………だ……よ」
「あはっ……結局、またシスコン宣言聞かされちゃった。ったくそんなのとっくの昔に
知ってるっつーの。あんたは何必死になってんの……馬鹿じゃん?」
「お、おまえな……まぁ…………」
しかし、完全にビビっていた俺はそれ以上反論する事を辞めた。
これ以上、何か遭ったら……絶対に洒落になる筈がなかった。
でも……
「まぁ……人間素直が一番だと思うからさ。あんたも最近はまぁまぁ素直じゃん?
今も……え、えっと……超…うれ……」
「へ?」
「あ、あたしが(は)優しいからさ……素直だったご褒美あげる……ほれ」
桐乃はさっき一度ならず二度までも思いとどまった筈の境界線を
今度こそ完全に一気に超え俺の視界を無慈悲に、冷徹に侵略してきた…………
「\(^o^)/」
喜んでるわけではない、本当に俺は卒倒しかけたのだ。
「どぉ?メチャクチャ綺麗でしょっ?ま、まぁ……この質問とか愚問っだけどさぁ」
「お、お、………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………え
………………………………た……しかに……き、綺麗……だ、…けど」
桐乃がブラとショーツを脱いだ後に、登場したのは生まれたままの姿なんかではなく
いささか……もしそのものを……単体を初めて見せつけられていたら、
充分反応に困ったであろう際どいチューントップの水着だった。
「ねぇ、、ほらぁ〜か、かわいいっしょ?」
普段なら色々返答に困っただろうが、もはやそんな些末な事は(価値観の麻痺で)
気にもならずまたもや純粋に素直な気持ちで……
「ああ………おまえ、やっぱ普通に可愛いわ」
とか言ってた始末の俺であった。
「途中だったんだから、、、最後まで続き、、してよね」
この条件の不条理さと不自然さに……桐乃が何を考えてるのはさっぱり分からなかったが
とにかく俺はその後、水着のままの桐乃を慎重に、まさに爆発物を解体するかの
如くの神経を使って髪を洗ってやった。
時々、桐乃の息遣いを感じた気がするが、
水音と心音でそれが現実のものなのかどうか、確かめる術は俺には当然無く
…………結局、俺も桐乃も一言も口を聞かなかった。
やれやれ、こんな姿、親父達(あやせにも)に見つかったら確実に殺されるだろうな。
やっと一段落すると、何故か俺も桐乃もなおも無言のまま、同時に歯を磨き始める。
「………………………」ゴシゴシ
「………………………」ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛
「…………………(何か言おうとしたが断念)」ゴシゴシ
「…………………(何か言った気がするが判別不能)」ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛
俺は先に磨き終わると、辺りに散乱している桐乃の服を片付け
ついでに雑巾で、カオス化した洗面所一帯のエントロピーを下げる為の作業を始めた。
それを水着姿で見ていた桐乃が風呂に入る直前
「お゛ぅ゛に゛ぃじ゛ゃん゛・・あ゛びが・とぅ・・マ゛ジ・ぅ゛で゛しが゛っだ゛」
ヴィ゛ィ゛イ゛ィ゛ン゛
と電動歯ブラシを口に入れたまま、何事か呟いた。
しかしこいつ、歯を磨いてる時ですら、
俺の悪口やら悪態を吐かなきゃ気が済まないのか?
………とその時の俺はいつもの様…に……は……今更もう
濡れた床を雑巾がけしていると、風呂上がりの妹が俺の前を通り過ぎる時
「後で、、、あたしの部屋に来て」
と今度はちゃんと聞き取れる声で言った。
俺は「…………わかった」とだけ答えた。
その時の桐乃がどんな表情で、どんな気持ちでその言葉を言ったのか?
床を見つめたまま、、自分の手を見つめることしか出来なかった俺には分からなかった。
俺がやっと顔を上げたのと同時に、桐乃の部屋のドアが閉まる音が……とても、とても
遠くの方で聞こえた(様な)気がした。
おわり
GJ!
乙!今回も面白かった。
前半切なく、中盤ハラハラ、終わりはきっちりと、構成うまいな〜。
乙!
クオリティ高いな。
45 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 03:59:57.28 ID:3Go6diU7
すげえ。エロがないことだけが心残りだが
読ませる文才があるわ。読みやすい面白い
46 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 04:00:26.78 ID:3Go6diU7
すまん上からだった。
本当に面白かったですありがとう
名作GJ
乙
これは昨夜はお楽しみでしたねコースだなw
"関節キス"→"間接キス"
"ディスの"→"ディスるの"
ちょっと誤字とかヌケが気になった。
これは良い!
寂れたスレに希望の光が…
(´:ω;`)
復活の兆し為り…!
まとめサイトにあげれば良いじゃん
なにやってんだか
バカの復活の兆しってかw
わざわざロダ使うなら、前スレの何ていう作品を修正したのかくらい書けよ・・・
57 :
52:2012/03/13(火) 21:25:36.02 ID:wU/RbWuY
wikiを編集するのが面倒だったので。
修正したのは、前スレの947から「なるようになるしかない」です。
でわ。
贅沢言うなよ、投稿してもらえるだけ、マシじゃないか。
という訳で、何て言う作品か教えて頂けると有り難いです!
そんな投下されりゃ何でもいいなんて考えは持ち合わせとらん
二度と来るな
滅茶苦茶自分勝手な奴が湧いてる・・・
自分で言ってりゃ世話ない
玉石混淆、数が増えなきゃ面白いのも増えないでしょ
wikiの編集はページ編集からやれば簡単だと思うが。
タイトル告げずにアップして
「前ここに投稿されてたアレだよ、アレ。タイトル? DLして自分の目で読んで確かめろ」ってやり方なら
その前スレに人気作がアップされていた場合、それに便乗して、どんなつまんない作品でも、もう一度目を通させることができるな
>>52がタイトル書かなかったのはただのミスだろうし、そこまであざといこと考えてたわけじゃないだろうけどね
つうわけで、ドンマイ
即日レスで文句言ってる奴等はどんだけココ見張ってんだよw必死過ぎだろ
お前らの醜い内輪もめ見るに堪えない
67 :
52:2012/03/14(水) 18:25:15.68 ID:JHmuCqqj
wikiのほう、編集していただいてありがとうございます。
wikiとか、よくわからないので助かりました。
でわでわ。
ページ編集で開けば、後は項目をコピって内容変えるだけだから
そんなに難しくないと思うが
プレビューで見れるし、タイトルさえ間違えなければ編集は出来るし。
このペースでうpされたら良いな
こっち読み過ぎて原作のエピソードとパロのエピソードが頭の中で区別つかなくなってる
ここもなかなかしぶとく生き残ってるスレだね
71 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 14:00:19.74 ID:khhJgl5D
あやせの母乳飲みたい
72 :
その1:2012/03/23(金) 01:38:27.56 ID:rNpZra6H
題名「私の家に来ていただけますか?」
・前回アップした、「なるようにしかない」の続きみたいな
話です。
・京介xあやせ
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「私の家に来ていただけますか?」
あやせから、そんな文面でメールが来た。何故だろうか。
「近親相姦上等の変態兄貴」と誤解されている訳だから、
生真面目なあやせから、わざわざそんな誘いがあるわけが
無いのだが…気がついたら、あやせ宅まで来ていた。
「お兄さん…、来るの早すぎじゃないですか?」
「君の真摯なメールを読んだら、もう、ここに着いていたよ?」
「もぉ、何を言ってるの…早く上がってください」
「おう」
階段を上がって、あやせの部屋に招かれた。がちゃりと
後ろ手に部屋の鍵が閉められた。こ、これは…。
あやせは思い詰めた表情でイスに座った。
「とりあえず、ベッドの上にでも座ってください」
「ああ。それで、どんな用件なんだ?」
いい匂いがする。きめの細かいシーツがひかれてる。
「私が桐乃を好きなのを知っていますよね?」
「あ、ああ。まさか、俺はここで始末されるのか?」
「馬鹿言わないで、黙って聞いてください。お兄さんが
桐乃をち、治療?してから何かこう、大きな差を感じる
んです」
「ち、治療な。ああ、あれか」
他人から"あの"ことを言われると冷や汗が出るぜ。
「大きな経験をこなした余裕というか、感覚の差?そう
いうのを感じて、辛いんです」
「まさか、その…」
「同じような体験をすれば、わたしも桐乃と同じとこに
立てると思うのです。ですが、誰でもいいってわけには」
「それで、俺に相談って訳か。でも、俺が言うのも何だ
けど、大事な相手に捧げるべきじゃないのか?」
「以前、結婚してくれとか言ってましたよね?それなら
ば、できるってことですよね」
「俺の側としては、可能ではあるがあやせはどうなんだ?」
部屋に漂う、いい匂いが強まった気がする。あやせは、
ほんのり赤くなっている。
「わたしは、むしろ…いえ、決心してるんです」
勢いや思い違いであれば、キスでもすれば俺を突き
飛ばすだろう。よし。
俺は、ベッドからすっくと立ち上がり、あやせに向かい、
腰をかがめて、その可憐な唇に俺の唇を合わせた。
意外と激烈な反応がなかった。あやせは戸惑いの表情だ。
「これ以上のことをするんだぞ?いいのか?」
「続けて、ください…。」
周りにソフトフォーカスがかかるようなこんな子を、
どこぞのチャラ男にあやせが抱かれるくらいなら、俺が
してやんよ!
73 :
その2:2012/03/23(金) 01:39:05.06 ID:rNpZra6H
「これも、用意しました」
「この箱は、アレか」
プラスチックフィルムを開いて、個別になったパッケージ
を見つめつつ、気を取り直す。浮気じゃない。そう、あやせ
に特別な体験をさせてあげる手伝いをするだけ、それだけだ。
あやせをお姫様だっこして、ベッドにそっと座らせる。
抱きしめてみると、華奢だ。部屋着を脱がし、下着姿に
して、ベッドに寝かせた。俺もパンツ一丁になった。
あやせを見つめながら、優しくすべすべした手足をなで、
髪の毛をなでつつ、
「きれいだよ、あやせ」
なんて言葉をかけて、キスして、舌を割り込ませて、あ
やせの舌を弄んでいく。やさしく乳房をもみほぐしていく
とあやせから甘いため息が漏れる。
ブラジャーを外し、むき出しになった乳房をもみつつ、
突き出した乳首を口に含み、舐めると声が漏れる。
「どうかな? あやせ」
「思ったより…。」
大丈夫そうだな。なめらかなおなかをなで、パンツを脱
がし、その付け根の淡い茂みを優しく包んだ。
あくまでソフトに乳房の愛撫をしつつ、熱を持ち始めた、
そこを刺激していく。
ふーふーとあやせの息が荒くなってくる。
両太ももを開き、湿ったそこをやさしく舐めていく。
頭をもたげたクリトリスを舐め、ひだをかき分けて、
透明な液体を垂らし始めた膣口に舌を入れていく。
指の腹でクリトリスを弄りつつ、蠢き始めた膣の中を
探っていき、吸ったり出し入れしているうちにあやせは
背筋を反らし、ひとしきり呻いた後、荒い気を吐きつつ
ぐったりとした。
コンドームのパッケージを破き、すっかり漲っていた
俺のちんちんに根元までしっかり装着した。
「少し、痛いかもしれないぞ」
「はい…。」
うるおい、熱くなったそこにちんちんを当ててぬめりが
まんべんなく着くようにして、あやせに覆い被さり、
抱きしめて、腰を沈めるように挿入していった。
何度かあやせは苦痛を感じていたようだが、奥まで
たどり着いた。やさしくキスをして、乳首をもみほぐ
した。そろりそろりと動き始めるとあやせは俺の背中に
手を回し、抱きしめてきた。徐々に中のこわばりは無く
なり、あやせは、あっあっと絶え間なく小声を漏らす
ようになってきた。
74 :
その3:2012/03/23(金) 01:39:32.86 ID:rNpZra6H
熱に浮かされたようにあやせの顔は上気し、汗が流
れる。熱を持ったあやせの中に自分のものが溶けてし
まったような例えようのない快感は長くは続かず、
どうしようも無い衝動が上がって来たのでがむしゃら
に腰を使って、悲鳴のような声を上げるあやせの一番
奥でびゅーびゅーと射精した。
「どう、だったかな?がんばってみたんだが」
「はぁはぁ。この、充実した感じ、こういう体験を
桐乃もしたんですね。お兄さんに頼って、ほんとうに
良かった…。」
あやせは泣いていた。やさしくキスをする。
「あの…さ、このことを桐乃に言うのか?」
「いいえ、絶対に言いません。あくまで桐乃と同じ
感覚で居られることが大事ですから。というか、
お兄さん?」
「はい?!」
「わたしが将来、誰も良い人が居なかった場合、
責任をとって結婚するんですよ? わかりましたか?」
「えぇっー!」
「そんな覚悟も無しにわたしを抱いたんですか?
うかつ過ぎですね」
どうしてこう、女ってやつは後出してトンデモナイ
ことを言い出すのだろう。
「さあ、終わったんですから、さっさと服を着て
ください」
「へいへい」
コンドームを外して、口を縛って、ティッシュで
ちんちんを念入りに拭いた。あやせのもきれいに拭
って、それぞれティッシュにまとめて捨てた。
無言でそれぞれ服を着て、ほっとした。
窓を開けて換気をして、俺は帰ることにした。
さっさと部屋を出ようとする俺の背中にあやせは
抱きついてきた。
「本当ですからね?結婚のこと」
「ああ、美人のおまえなら俺なんか不要だよ」
ドアの鍵を回し、廊下に出た。二人で階段を降り、
玄関の靴を履いて、
「じゃあな、あやせ」
「今日は、本当にありがとうございました。では、
さようなら」
歩きながら、また墓穴を増やしてしまったなあと
後悔した。
まあでも、こんなモテ期は一瞬で、将来ぼっち
だったりするんだろうな、と夕闇の中で漠然と思
いつつ帰った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おわり
うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ
ш(´[]`)шオーш(´[]`)шマイш(`[]´)шガー
びゅーびゅーw
78 :
72:2012/03/24(土) 04:56:42.30 ID:S6YrfqIh
懲りずにまた、上げましたw
初めて、wikiを編集してみましたが、うまくいったかどうか。
前作の誤字等も編集してみたり。
今回は短時間で仕上げたので微妙かもしれません。
>>77 一度に多く出す人は、そんな感じです(^^;
でわでわ。
GJ!
ヽ(≧ワ≦)/オオォォオォォオォォオォォオォォ
81 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/24(土) 14:30:48.87 ID:GSY8u41n
あやせが恋しいよォ
>>72 桐乃編、もう一回ここに書いてくれよ。
どこで読んだらいいかわからん。
びゅーびゅーという擬音が女子中学生への熱き想いを雄弁に物語っている
文章の調子から考えればびゅーびゅーで正解だろう
>>85 ありがとう!
てか、それ読んだことあったわw
どちらも面白かったよ。
また続編書いてね!
・・・d( ̄  ̄)
88 :
その1:2012/03/28(水) 23:46:50.41 ID:4iTwGg3k
題名:「沙織からの誘い」
・京介x沙織
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
このところの騒動で沙織にずいぶん、負担をかけたなあと思っている頃、1通
のメールが届いた。
「京介殿、個人的に相談したいことがありますので、誠にご足労でありますが、
拙宅までいらしていただけないでしょうか?」
あの沙織が? 高級マンションでのお嬢様姿を見ているだけに、妙に期待して
しまう俺だったので、承諾の返事をすぐに出し、週末の15時頃に向かうことと、
なった。
「さて、着いたな。携帯で知らせるか」と沙織に電話すると自動ドアが開いた
ので、ちょっとしたホテルみたいなエントランスに入り、所在なげに待ってい
るとエレベーターから沙織が現れた。
「よぉ! 来たぜ」
「こんな所まで呼びつけて、申し訳ございません。付いてきてください」
「ほいほい」とエレベーターに乗った。
ぐるぐる眼鏡ではなく、ゆったりとしたドレスを着たお嬢様スタイルだ。
どうも、沙織が緊張しているのが俺にも伝染して、無言のまま最上階へ。
「こちらです」
「ああ…。」
なんだここは。海が見え、周囲が一望できる巨大なリビングに広い部屋。
セレブだっていうのがイヤと言うほど判る。
招かれるまま、革張りのソファーに身を沈めると窓の外に雲が流れる風景に
圧倒される。こんな所に住んでみたいもんだぜ。
沙織は紅茶を入れたポットを持ってきて、カップに注いでいく。
芳香が立ち上り、ふっと気持ちが楽になる。
そして、沙織は何気なく隣に腰を下ろした。ほんわりと包まれるような温か
さが心地よいな。
「それで、相談って?」
「はい。自分なりに、自分のできることを頑張ってしていても、何だかんだで
京介さんが大半を解決してしまいます」
「そうか? 大して役立ってないと思うがな」
俺こそ、沙織に尊敬してしまうことだって多いし。
「それで何でも自分で解決しようとしないで頼ってしまうことも、時にはいい
かと思いまして……、京介さんに甘えようかと」
沙織はしなだれかかり、俺の方に首をもたげてふわっと何か誘われるような
香りが漂った。
「誰だって、疲れるときはあるもんな。お前は良くやってるよ、沙織」
髪の毛をやさしくなでてやる。
「心地よいです」
午後の気だるさも相まって、蜜のような時間だ。雲間に日差しが差し込んで
来て、いい雰囲気だ。
紅茶が冷めないうちに飲んでしまおう。ハーブが入っているのかな?変わっ
た風味だった。
雲の形が変わってしまう頃、沙織は立ち上がり、するっとドレスを脱いでし
まった。午後の逆光の中、全裸だ。
度肝を抜かれているとくるっと振り返り、俺に背中を向けて密着して座り、
蛇のように首に腕を回して、濃厚なキスをしてきた。
沙織から、甘く熱い息が漏れる。
とろけるような微笑みで俺を見つめている。
89 :
その2:2012/03/28(水) 23:47:39.37 ID:4iTwGg3k
「沙織…、お前」
「お嫌ですか? 京介さん。そうでなければ、いつも空回りで寂しい沙織を
慰めて欲しいのです…。」
微熱を帯びた柔らかい尻が俺の股間を刺激して、困惑する。
「ここには、私と京介さんしか居ませんし、ひとときだけの事です」
またかよ!という気持ちだ。でも、沙織は交際範囲が広いようで、親しいつ
きあいは俺たちだけだって言ってたっけ。その中で男性は俺だけとなれば、仕
方ないのか。
「判った。一度だけ、だからな?」
「はい…では、どうぞ…。」
沙織は、妖艶にほほえんで俺の手を弾力のある乳房に、熱い股間に、導いた。
後ろから、なめらかな首筋に舌を這わせ、キスをして乳房を舐め回していく。
小さく喘ぐ沙織の顔を見上げながら、乳首を吸い、舌で転がす。
沙織は、ずるっとソファーから落ちて向き直り、俺のズボンとパンツを脱が
してフェラチオを始めた。女性のしっとりとした指で握られ、たおやかな舌で
舐められると根元に響く感じだ。全体を丁寧に舐め上げられ、生暖かい口の中
に俺のが入り、蠢く舌が亀頭をねぶり、吸われるとおかしくなるくらい気持ち
いい…が、何だかどっと上がってくる射精感が来ない。
「うふふ。お父様にもらったハーブが効いてるみたいですね」
「や、ヤバイ奴なのか?」
「ドラッグや脱法ハーブではありませんよ。どこでもらってきたかは知りませ
んけど、灰になるまで楽しめますわ。わたしも避妊のための薬を飲んでますし、
さあ、続きはベッドの上にしましょう」
「そうか、判った」
思ったより軽い沙織をお姫様だっこして、ベッドルームまで連れて行った。
ブルーサファイアのシルクシーツに沙織を横たえるとグラビアのようだ。
俺は、本能的に抱きつき、お互いのからだを感じ合うとめちゃくちゃにして
やりたい衝動が突き上げてくるので思うがままに乳房を揉みしだき、乳首を
こね上げ、脇の下に顔を埋めてキスをし、指先まで舐め上げたり、脇腹から腰、
太ももまでキスして、きれいな足先まで舐めてみたり、俺は謎ハーブでおかし
くなってるんじゃ無いかと正気を疑うが、沙織は、歓喜の表情で歌うように喘
いでいた。
「どうだ、沙織。愛されているか?」
「ええ、とっても幸せですわ。京介さん」
沙織の両膝を大きく広げて、もわっとした匂いがする淡い茂みの奥を舐めて
いる間、沙織は俺のちんちんを握ってゆっくりしごいている。
愛液もねっとりしてきたし、もういいだろう。
「じゃあ、入れるぞ」
「どうぞ、ご存分に…」
へそまで反り返ったちんちんを握り、膣口になじませて押すと吸い込まれる
ように中に導かれ、肉襞に飲み込まれたような感触に背筋がゾクッとした。
腰を使って行くと沙織の腰もつられるように動き、長い足が俺の腰を挟み
逃さない。いつもより低い声であぁーあぁーと喘ぎ、時折、息を堪えている
のは軽くいってるのだろうな。
汗ばむ沙織に俺は体を起こし、沙織の両腕をつかんで浅く深く腰を使って
まんべんなく沙織の女を堪能する。
うっかり射精してしまう心配が無いから大胆にできるが下腹が熱く、尿意
のような感じが高まってくる。今までに無く張り詰めたちんちんは沙織の中
に馴染んで自分の物じゃ無く別の生き物みたいだ。
そういえば、座位ってしたこと無いなと思って、腰を落としあぐらをかき、
沙織を起こして、濡れそぼる沙織の中に下から突き上げた。
「あ、すごい…」と言いながら、沙織はキスしてきた。下から回したり、
突き上げたりしながら、口でもつながっている感じ。沙織は、首を下げて、
俺の乳首を吸ったり舐めたりするので、淫らな気持ちになって"あっ"とか
声が漏れてしまった。
「京介さん、可愛いですわ」
「ば、馬鹿、へんなことすんな」
照れ隠しに沙織の乳首を甘く噛み、乳房をこね回してやりながらも腰が
止まらず、俺の陰毛は沙織の濃い愛液でびちょびちょだ。
90 :
その3:2012/03/28(水) 23:48:02.43 ID:4iTwGg3k
いつの間にか夕闇が部屋を満たしていた。沙織の光るような目が、俺を
見つめ、俺の目はそれに囚われたかのようだ。
汗もべっとりしてくるような感じで俺の気力も限界に近くなってきた。
沙織の目もとろんとしてきて、はぁはぁと喘ぐばかりで朦朧としている。
ハーブの効果は切れてきて、俺の腰から暴走しそうな塊が抑えきれない
ので沙織を押し倒し、正常位に戻ってラストスパートとばかりにぐだぐだと
なった沙織の腰に暴力的に打ち込んで行き、沙織も呻くような、名残を惜しみ
抗うような声で高まっていき、沙織の中に俺のがぐっと掴まれ、強烈な塊が
ちんちんを駆け抜け、沙織の一番奥で爆発した。
目の前が真っ暗になり、意識が上下に揺さぶられる。沙織も息を詰めたまま
時折、荒い気を吐くばかりだ。そのまま俺の意識は暗黒に飲み込まれた。
目が覚めたら、沙織が見つめていた。
「小一時間ほど、寝てしまったようですね。うふふ」
沙織がキスしてくる。
「ああ、そうだったのか。俺はもう、ヘロヘロだよ。沙織は満足したか?」
「灰に、なっちゃいました」
「まったくだな、アハハ。まあ、なんだ、シャワーでも浴びるか」
「そうですね、でも、腰が抜けてしまって…。」
「だっこして連れて行ってやんよ!」
たいへん腰が頼りなかったが、これまた洗練されて広いバスルームで
軽くシャワーを浴びて、ボディシャンプーでいちゃいちゃと洗いっこし
て、和気藹々と汗だのなんだのを落として、すっきりした。
「沙織もさ、こんなにストレスをため込む前に俺たちにできることで
発散していこうぜ」
「今更、恥ずかしくなってきました。でも、京介さんが居てくれて良か
った」
やさしく抱擁して、和んだところで今日はお別れだ。
一緒にエレベーターで降りて、エントランスに来た。
「遅くなると桐乃がまた不機嫌になるからな」
「ほんと、うらやましいですわ。最後にこれを…」
「カード? なんだこりゃ?」
「カードキーです。京介さんがいつでもここに来られるように、です」
「変な意味じゃ無く、役立つときもあるだろうからもらっておくよ。
じゃあな!」
「ごきげんよう。また、皆さんと遊びましょう」
「ああ、またな!」
自動ドアを出ると夕凪が心地よい…が、ずいぶん腹が減ったよ。
足早に駅に向かいながら、俺は誰かを選ぶことができるのだろうか、
それとも強引に決められちまうのか?なんて当て所なく考え居たはずが、
いつの間にか夕飯のメニューは何か?に支配されて、帰宅していた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おわり。
素晴らしい。
沙織SSはもっと増えるべき
いつもながらヤッたあとの空虚な感じが面白い
93 :
88:2012/03/30(金) 20:05:09.06 ID:rizyIR1d
今までのと違って、お嬢様だから激しく…かなーと思って出来たけど、引くかな?
と思ってましたが、好評が2つあっただけでも良かったです。
何人も京介はしてしまってますが恋愛についてぴんときてないし、自分が恋して
ない故、相手の心もつかめないでしょうから…という暗喩を付けてあります(^^;
桐乃も同様なんですが。
とりあえず、一通り気が済んでしまったので俺妹では、おしまいかな?って感じで。
でわでわ。
94 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/30(金) 23:20:48.29 ID:thdmur4M
読んでないので聞き流してもらって結構なのだが、もう少し行間を増やした方が見やすいと思う。
少し固まり過ぎてる印象を受ける。
あと量を・・・
なんかムラカミっぽい
96 :
88:2012/03/31(土) 18:57:13.31 ID:M046wDoj
>>94 そうですね。wikiの方をちょっと編集してみました。
>>95 ムラカミって、村上龍ですか?1冊くらい読んだ気がします。
ハルキですよ
98 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 11:46:22.83 ID:UeuaIMUG
黒猫のおっぱい飲みたい
「ねえねえ、超かわゆいアタシが大活躍したアニメの第二期が始まるんだって?」
「桐乃様。ひとつ大きな間違いがございます」
「んあ? 何が間違ってんのよ!? アンタ?」
「桐乃様は第一期の配信13話と14話では1ミリたりとも活躍されておりません」
「し、仕方ないじゃん! アメリカに行ってたんだし」
「桐乃様。見苦しい言い訳は止めていただけませんか?」
「うっさいなあ。アタシが活躍しなければ第二期も成り立たないっつーの!!」
「ひょっとして、桐乃様の目は節穴でございますか?」
「フシアナァ!?」
「桐乃様。第一期全16話中で活躍したのは皆勤の私、高坂京介でございます」
「ア、アンタみたいな地味男が主人公なんてあり得ないし!」
「桐乃様。原作は私の一人称形式であり、タイトルも『俺の〜』でございます」
「え!? つまりアンタが主人公ってコトなの?」
「この程度の真相がお判りにならないとは、桐乃様はアホでいらっしゃいますか?」
「うっさいなあ! なんでアンタにそこまで言われるワケ?」
「桐乃様は正直、ズブの素人よりレベルが低くていらっしゃいます」
「あ! それにアンタとアタシでユニットを組むんだって!?」
「失礼ながら桐乃様。本日は4月1日でございます」
「あ‥‥‥」
「その話を眉唾に思わないとは、相変わらずレベルが低くていらっしゃいます」
「うっさい! うっさい!! うっさい!!!」
「桐乃様。あなたのレベルの低さを皆様にお伝えしないほうが良いかと」
「ま、まさか‥‥‥第二期の話も!?」
「桐乃様。バカも休み休み言え、でございます」
「そ、そうだよね。いくらなんでも‥‥‥ねえ?」
「桐乃様。要らぬ不安を煽るくらいなら、引っ込んでいてくださいますか」
「ぐぬぬぬ‥‥‥」
「桐乃様。第二期、ヨロシクお願いいたします」
「え? ああ、こちらこそ‥‥‥ヨロシク、ね」
『第二期はこのあとで‥‥‥?』 【おしまい】
また、争いの日々が始まるのか…
101 :
その1:2012/04/02(月) 01:13:28.96 ID:kPfGgXW5
もう書かない積もりだったけど、なんとなく出来ちゃったので(^^;
題名「黒猫の様子がおかしい」
・京介x黒猫
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
土曜の午後、昼飯を食ってから、まったりと自分の部屋で、YouTube見たり、
2ちゃんねるを覗いたりしていたら、瑠璃から携帯にメールが来て、”今から
行ってもいい?”と来て、断る理由も無いので”いいぜ”と返した。
しばらくするとインターホンが鳴ったので階段を降りて、玄関を開けた。
「今日もいい天気ね…。」
「ああ、上がれよ」
何か、ちょっと様子がおかしい気がするが、まあ、いいか。
「そうさせてもらうわ」
階段を上がる途中、シャツが引っ張られると思ったら、瑠璃がつまんで
付いてきていた。どうしたんだろう?と思いながら、俺の部屋に入った。
瑠璃は、後ろ手に部屋の鍵を閉めた。
「なんか…、さ、どうしたの?」
今日は甘い香りが強い。そこが定位置とばかりにベッドに座る瑠璃が、
ぽつぽつと言葉を漏らす。
「緊急事態なのよ。あらぬ事をしてしまいそう…。」
瑠璃は目を閉じ、何かを思い起こしているようだ。
「あなたとこの間、愛し合ってから、私の中にあなたが居座ってるの」
瑠璃は、イスに座っている俺を見ながらけだるそうにベッドに横たわる。
「それは…、私のからだを温めたり、元気をくれる一方、私の心を操り、
その…私の手を乳房や陰部に導くの。ねぇ、京介…。」
俺の目は、瑠璃の小さい顔に釘付けになり、語る内容で俺の頭をぐらぐら
させていた。部屋が温まり、湿度を増したかのようだった。
「あぁ…それは大ごとだな、瑠璃」
俺は、イスから立ち上がり、ベッドに腰掛けた。そして、小ぶりだがもう
その弾力、柔らかさを知っている乳房に左手のひらを乗せた。
瑠璃は、俺の手のひらに自分の手のひらを重ねて、動かした。
「…ふぅ。あなたの手のひらが私の中から飛び出してしまいそうな物を止め
てくれそう、よ」
やさしく手のひらを揺らし、右手で瑠璃の髪の毛をなで続ける。
「それは…、瑠璃がまだ扱い切れてないだけじゃないかな」
俺は右手を首筋、肩、腕となでていき、湿った指先で指を絡めた。
「あなたの愛撫に沿って、私の中の物も流れていくわ…。」
「じゃあ、ちゃんとしないとダメだな」
陶然としてきた瑠璃の服を丁寧に脱がしていき、裸にした。
「あなたとこうしていると自然な気持ちになるわ」
じっと見つめる瑠璃を前に、俺ももどかしく服を脱いで、同じ裸になった。
瑠璃は起き上がり、
「そして、あなたのペニス。とても気になるの」
俺のちんちんを瑠璃は握り、しげしげと眺めて舐め始めた。とても倒錯的
な光景で、俺のはぐんぐんみなぎっていった。
しっとりとなめらかな舌が俺のを這い回り、とろりとあふれ出した先走り
汁を舐め取り、吸った。
「びくっとしたわ、…んふぅ。この淫らな物が私の膣に入ったのね。口の中
だとどうかしら」
102 :
その2:2012/04/02(月) 01:14:13.49 ID:kPfGgXW5
俺は、瑠璃がセックスしているように自分の口に出し入れしているのを
黙ってみているしか無かった。やがて、瑠璃のほおは紅潮し、喘ぎ始めた。
「おかしいわ。何故こうしたくなるのかしら。気持ちいいし。あぁ、気だ
るくなってしまったわ」
瑠璃は、くたりとベッドに横になった。俺は、ベッドに乗って、瑠璃の
妖気にかどわかされたように淫らな唇に吸い付き、舌を絡め合った。
「京介…、あとは好きにしてちょうだい。もう、何も考えられないから…。」
なめらかなのどにキスをして、手のひら全体でやわやわと乳房を揉み、
手のひらに当たる乳首を転がす。乳輪をぐにぐにとつまみ、乳首を指先で
弄ると瑠璃は薄目になり歓喜の表情だ。
乳房にまんべんなくキスして、乳房を揉みながら乳首も舌で愛撫してい
るとちょろっと乳首から乳が出た。
片手で乳房を愛撫しつつ、脇腹、腰、太ももと撫でていくと瑠璃が甘い
ため息を漏らす。
撫でる手を太ももがきゅっと挟むので手をそのまま上げて股間を手の平
で包んでなで回すと息が荒くなってきたので、両手で足を広げて、股間に
顔を埋めて舐めた。瑠璃はシーツをつかんで快感に耐えている。
淡い茂みから顔を出したクリトリスに吸い付き、ぐりぐりと舐めながら
ひくひくしている膣口に指を入れて中をかき回したり肉壁をぐりぐりと
していると瑠璃はたまらない表情だ。空いた手で体のあちこちを撫でて
瑠璃の反応を愉しんでいると、
「もう…、入れて。あなたのこれが欲しくて堪らないの」
瑠璃は、俺の根元まで先走り汁でぬるぬるになったちんちんを握りな
がら俺に訴える。
「ああ、判ったよ」
俺は枕元に隠したコンドームのパッケージを破き、まだ握ってる瑠璃
の手を引きはがし、装着した。そして、ちょっと乱暴なくらいの勢いで
瑠璃の中に挿入したら、ぐっと引き込まれた。
103 :
その3:2012/04/02(月) 01:14:42.26 ID:kPfGgXW5
「あぁ…、いぃ…」
瑠璃の目に一筋の涙が流れる。覆い被さって抱き合いながらお互いの
肌までも感じ合い、一つにつながった。
瑠璃の足は腰に絡みつき、両手は俺の背中をまさぐって居た。
ディープキスをしながら、瑠璃の呼吸は荒くなり、どんどん高まって
いく。
体を起こして、太ももを抱えながら浅く深く腰を使い、ふるふるして
いる乳房を揉み、さらに腰を使って行くと苦しげな喘ぎ声になり硬直し
て、軽くいったようだ。
そのまま瑠璃を裏返して、バックで突いていく。お尻の肉をこねなが
ら、ずんずんと。
「気持ちいいのが止まらないわ…。」
「俺たちは、相性がいいってことだよ。きっと」
瑠璃の体を起こして、後ろから乳房をわしづかみしながら、ツンと
立った乳首をこねながら腰を使い、クリトリスを探り、弄ると悲鳴の
ような声で瑠璃は喘いだ。
これだけすれば、瑠璃の中の物も十分だろうっていうか、俺がもう
限界だ!
瑠璃を仰向けに戻して、正常位で汗だくになりながら、腰のスピード
を上げていくと瑠璃の歓喜の声は高まり、熱い奥底で俺は弾けた。
何度も何度も出すたびに瑠璃は背中を震わせた。
瑠璃の上に覆い被さったまま、ちょっと寝てしまったようだ。
「おかしな気持ちは、すっかり消えてしまったわ、京介」
「それは良かった。本能でこうなっちゃうけど、俺は瑠璃を愛する
気持ちで、しているつもりだから」
「…十分、伝わってきたわ。そうよね、ちょっと言葉に出来ないけど、
京介とならやっていけそう」
「これからもよろしくな、瑠璃」
「愛してるわ、京介」
気持ちを込めたキスをして、和んだ。
こっそり家の中を探って誰も居ないことを確認して、窓を開けて換気
してから、二人でシャワーを浴びて汗を流した。
名残惜しいが、桐乃が帰ってきてややこしくならないうちに瑠璃に
帰ってもらった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おわり。
w(≧◇≦)w オオオオォォォォーーー!!!
>>103 いい!
桐乃が帰ってきてややこしくなったバージョンも読みたい。
黒猫メインのエロSSってすんげー久々に見たな
>>101-103 エロいSS乙です
桐乃&麻奈美、あやせ、沙織は話が繋がってる形になってましたが、黒猫は別なんですね
不思議と狂った様な感じが良かったです
108 :
103:2012/04/03(火) 00:05:25.23 ID:IqDE1oPN
話が繋がってるのは沙織のでおしまいで、これは別世界と言うことで。
何個か好評でうれしいです。
長年の高度な妄想で高まりに高まってる黒猫が京介と実際にエッチした後は、
行き場の無かった性欲を持てあます状態でって感じで、オナニーもしたことない
んじゃないかな〜とかとか。
桐乃と揉めるような話…、うーん、思いついたら書くかも?
でわでわ。
コンコン!
「京ちゃん。勉強してる?の?あれ?何を…きゃー!きゃー!」
「うわっ!?麻奈実!いや!これは違うんだ!」
「えっ?えっ?き、京ちゃんもそ、そ、そ、そ、そんなことするんだ。」
「あぅぅ。いやその、勉強に疲れたからちょっと息抜きしようかと…」
「ふーん。そういう系の女の子が好きなんだ…」
「えっと、えっと、その、なんだ、たまたまコンビニに行った時にあったのが、巨乳眼鏡っ子系の雑誌だったんだが」
「…じ、じゃあ。そんな写真じゃなくて私じゃ駄目かな?」
「えっ?」
「//」
おしまい
>>110 ほほえましいです。というか京介が出しっぱなしだったか、が気になりますw
112 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 19:28:52.23 ID:7pCApmNI
コンコン!
「京ちゃん。勉強してる?の?あれ?何を…きゃー!きゃー!」
「うわっ!?麻奈実!いや!これは違うんだ!」
「えっ?えっ?き、京ちゃんもそ、そ、そ、そ、そんなことするんだ。」
「あぅぅ。いやその、勉強に疲れたからちょっと息抜きしようかと…」
「ふーん。そういう系の女の子が好きなんだ…」
「えっと、えっと、その、なんだ、たまたまコンビニに行った時にあったのが、巨乳眼鏡っ子系の雑誌だったんだが」
「…じ、じゃあ。そんな写真じゃなくて私じゃ駄目かな?」
「えっ?」
「//」
てす
ネタ振り
もし「俺の妹が『双子』だったら…」…
設定
桐乃と桐○(1話OPに出てた黒髪桐乃)は双子、
小さい頃は二人共よく自分に懐いていたが桐乃だけ公式と同じ
黒髪はアニメと同じく甲斐甲斐しく兄の世話好き家事・料理好き
桐乃・桐○、二人とも読モで、文武両道設定だが
桐乃が武断派、黒髪が文知派、
エロゲ―関連は二人共知っていて家族皆に秘密だが
黒髪は純愛エロ好き、しかし内容のハードさは別問題w
だれかこれでSSを…
そこまで考えたら自力でできるだろ・・・・
とりあえずお前が黒髪好きってのは分かった
>>115 二人揃って○○中のなんとかシスターズとか呼ばれているのか
黒髪の桐乃って要するにあやせだからな。
中学生でエロゲーするのが許される設定の為に
勉強は桐乃の方が出来るのかも知れないが
家事やら内面の女の子らしさはあやせの方が上だし。
まんまエロゲーの普段は勝ち気だがあの時はMの茶髪で姉と
黒髪のお淑やかで実はどSだけど、結局Mの妹とか
テンプレ化されとる。
>>116 設定とかは思いつくんだけど、いざ構想ねろうかと思うと何も思いつかんw
…いきなりエロシーンとかなら直ぐ思いつくがw
とりあえず設定追加…書き忘れだが
性格的にはムックにあった黒髪桐乃小説と同じで
・黒髪桐乃が妹
・互いを呼び捨て
・ネコ・タチ、どっちもイケて
・京介に対しては誘い受け、桐乃に対しては、やや、お姉ちゃんっ子
(桐乃の京介への想いは察していて、
わざとイチャついて桐乃の関心を引き結果的に
一緒に交らせる様に事を運ばせる)
第一、いねぇ奴を妄想して創造するんだから
ストーリー性がそれほど重要でもない。
だから設定にそれだけ自分の趣味をぶち込むなら
別にエロだけで良いから、まず自分で書くべき。
京介を3人に分身させて、桐乃と3Pとか言ってた奴も
とうとう自分では書かなかったしな。
>>122 つーかそれじゃあ4Pじゃないか
そりゃ書けんわな
>>121 3〜4話に別けて、ノーマル、百合、3Pとかそれぞれにエロシーンを入れたらどうか?
何にせよ、けっこうなボリュームなるから気長に行けばいいんじゃないかな。
>京介を3人に分身させて、桐乃と3P
なにその偽MIDI泥の会
公式がSLみたいな話で爆笑した
二次創作以下の原作が世の中にたくさんある中、俺妹は作者以外の誰にも出来ないようなことをし続けて
常に予想も付かない斜め上を突き抜けてきたのに、最近は予想の範囲内で
しかも「これやったらつまらんなあ」って話ばっかりになってきたな
お前らSL66氏に謝罪しろよ
SLさんごめんなさい
まだあの人書いてたんだ
SLみたいな話って、どんなのよ
132 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 19:36:38.65 ID:VgjjZKOq
slの続きって無いの?
確か クゥワ とかいうやつ
Fy08o57TSs氏の「風」の続きはないのか?
原作がいくらクズ化しようと、SL作品の価値がカスより上がるわけじゃないぞ?
SLが残念なのと原作が残念なのはまた違うレベルだとは思うけどねぇ。
(´・ω・`)何時まで過去の人の話をグダグダと続けるんだあんたらは
三木のあやせ押しがキモ過ぎる
>>139 ムリがあるよな。引きの告白なんて3回目だと苦笑しか。
黒猫が京介と桐乃がセックスしてもいい発言といい、なんだありゃ?
141 :
その1:2012/04/13(金) 01:03:13.96 ID:dRdJtRZ1
題名「逃げ場にならない一人暮らし」
・全3〜4回予定。
・今回は、京介xあやせ
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アレは、まずかった。調子に乗っていたよ。昨夜、桐乃が小生意気なことを言うので、
しっかり"懲らしめて"やったのはいいが疲れて、寝坊しちまった。
母親が起こしに来た時、桐乃が俺の隣で寝ていたわけで。
もちろん、パジャマを着せて寝かせたので最悪の誤解を避けられたものの、家族会議
となり、来年の大学受験を控える俺に不安を感じた両親が、模試でA判定取るまで近く
のアパートに隔離されることとなってしまった。
まあ、このところの桐乃にちょっとウザさを感じていたり、少々落ちてきた成績に不
安を感じていたので渡りに船というとこが、正直な気持ちだ。
部屋の荷物を段ボールにまとめて親父が借りてきた軽トラックに積んで、アパートに
運んだ。自分の部屋はたいした荷物が無いので小1時間ほどで引越しを終えてしまった。
部屋はホコリっぽかったので軽く掃除をしてから、段ボールを開けて机や棚の位置を
決めて、元あったように再現していく。
あらかた終わった頃、携帯が鳴ったのでディスプレイを見ると桐乃からだ。
「何だ? 引越しなら、終わったぞ」
「じゃあ、タイミングが良かったね。引越しそば持って行くよ」
「ああ、もう夕方だし、ちょうど良かったよ」
散らかっていた物をまとめ、カラになった段ボールをまとめて押し入れに入れている
頃、玄関のチャイムが鳴ったので慌てて、ドアを開けに行った…が?
「おじゃまします」「お久しぶりです」「邪魔よ、どいて」「きょうちゃん」とか、
どたばたと大人数の女子がお越しですよ?
「あの、桐乃? これはどういう…。」
「せっかくだから、声かけてみたらさ、みんな来た」
「みなさんで、おそばや天ぷらを買ってきました」
「このエビ天は、大きくておいしいですよ」
「ネギも持ってきたわ」
「鍋や食器、箸ももってきたよ」
俺が唖然としている間にそれぞれがエプロンを着用し、台所で桐乃が水の入った鍋
を火にかけ、ネギがあやせの異様に切れる包丁で薄く切られ、山盛りになっていき、
絶妙のタイミングで麻奈美がそばを上げ、ざるで水切りしていく。
天ざるが人数分、瑠璃がてきぱきとテーブルに並べて準備が整ったようだ。
俺はテーブルに座っているだけしかなかったが、みんな台所に並んでいる。
「どのエプロン姿が一番好み?」
「はい?」
あ、なんかみんなの視線がコワいですよ?
「みんな似合ってるけど、強いて言えば、桐乃の桜色がいいかな?」
桐乃は当然という顔してやがる。
「相変わらずのシスコンっぷりですわ」
「きょうちゃん、あたしは?」
「別に問題ない。ま、まあ、せっかくのそばが伸びちまうぜ?」
複数のため息を受けつつ、みんなでいただきます、だ。
142 :
その2:2012/04/13(金) 01:04:00.19 ID:dRdJtRZ1
天ざるは、大変うまかった。食後のお茶は沙織が入れてくれた。
桐乃がしょうが無いなーってかんじで話を切り出した。
「それで、話があるそうよ。あんたも大変ね」
「な、何の話だ?」
…俺は、壁ドンされないようみんなを抑えるので手一杯だった。
何だかみなさん、俺の一人暮らしの世話をしたいようですよ?
それは大変ありがたいのですが、全員は不要です。
俺が口を出すと話がまとまらないので女子のみで分担、当番?を決めてもらい、
今日は、みなさんに感謝しつつ、帰ってもらうことにしました。
引越しやら先ほどの騒動ですっかり疲れたので風呂を沸かして入ることに。
湯船に浸かっていると今日の疲れが溶けていくかのようだ。
ぼーっとしているとカチャカチャとか妙な金属音がして、カチリと何かが
回り、風がひゅっと抜けた。な、何だろう?とビビっているとぱさりぱさり
と服を脱ぐような音がしたら、風呂のドアがガシャっと開いた。
「ひぃっ!」
「情けない声、出さないでください」
「あ、あやせ? 俺、戸締まりしたよね?」
「あの程度のシリンダーなんて…。」
平然とシャワーを浴びているよ。どういうこと?!
「ちょっと詰めてください。よいしょっと」
あやせは俺の前に割り込んできてざざーっと湯がこぼれた。
「今日、みんなで集まったのはお世話の件もありますけど、もっと大事な
ことがあったのです」
「うん」
「正直、腹立たしいことですが、みんなあなたに対して恋愛感情を持っている
んですよ。でも、あなたは誰にも本気で恋をしない」
あやせは俺の手に指を絡めてくる。
「成り行きでセックスしてしまったが、恋愛になるとは思ってなかったんだ」
「麻奈美さんは違いますよね」
「ああ。そこまで知ってるのか。恋人だ!と言ったものの、むぅ」
「抱いたからと言って恋愛になるわけじゃ無いんですよ。あなたがしてくれた
ことや人柄や全てがあって好きになって…わたしをあなたの心に住まわせて
欲しくなったりするんです」
あやせの真摯な思いに俺は、打たれていた。
「あなたのことが好きになって…でも、抱かれたら幻滅したりするかなって
思ってしてみたら、もっと好きになってしまったの」
143 :
その3:2012/04/13(金) 01:05:30.94 ID:dRdJtRZ1
「俺は、あやせにかなう男なのか?」
「ええ、今のところ。でも、この状況のあなたはダメです」
ちょっと、目の前が暗くなってきた。
「そんな顔しないで…。今の、精一杯の思いの、わたしを抱いてください」
熱く、柔らかなものが俺に抱きついている。これが今のあやせ。俺のことを
全身で好意を表してくれる女の子。
俺は、どうすべきか?
いや、悩むことなんて無い。目の前のあやせのからだに聞いてみればいいさ。
湯船からあやせを抱き上げ、俺は出た。シャワーを浴びて、バスタオルで
体を拭いた。布団を引いて、あやせを寝かせて、明かりを常夜灯のみにした。
赤っぽい薄暗い光の中のあやせの裸身に俺は覆い被さり、抱き合って肌と
肌を合わせるとあやせのかぐわしい体臭が漂い、熱意が伝わってくる。
「あやせ…」
「京介さん…」
自然と唇が合い、甘くてたおやかな舌が絡み合い、熱い息を吸う。耳元や
首筋に唇を滑らせ、ふわっと立ち上るフェロモン臭に俺の心は動かされる。
小さめのあやせの胸に耳を当て、熱い鼓動を感じ、柔らかな乳房に気持ち
が癒やされる。手のひらでもそれを味わい、大事な物のように乳輪をつまみ、
立ち上がった乳首をやさしく弄り、舐めるとあやせは甘い吐息を漏らした。
手のひらで確かめるように、このなめらかで柔らかなからだが俺を愛して
くれるのか?と撫でていき、思いつくままキスをしていくとあやせの身体から
力が抜けていき、されるがままだ。
そんな姿にムラムラしてあやせの可憐な唇に自分の陰茎を押しつけた。
ちろりと舌が先を舐めただけで出してしまいそうだけど、やめられない。
69の体勢になり、お互いの熱く昂ぶった性器を舐め合った。
愛撫していくうちにあやせは喘ぐばかりで舐められなくなってきたので、
俺は起き上がってコンドームの箱を探して、1枚取り、装着した。
この前とは違って抱きたい、入れたいという思いであやせの膣に張り詰めた
ものを当てて、熱くぬめるそこにぐーっと挿入すると、たまらない感触で俺を
受け止めて蠢いた。その熱い刺激が俺の陰茎を痺れるような快感を与え、無我
夢中にさせて、呻いてるあやせとさらに深く繋がって動いていく。
144 :
その4:2012/04/13(金) 01:06:33.78 ID:dRdJtRZ1
声を堪えて喘ぐあやせに愛おしさを感じつつ、乳房をわしづかみにし、乳首
をこねり、唇を貪りつつも、あやせは身をよじりながら俺の手を離さない。
肌が溶け合うようなたまらない一体感で俺も喘ぐように腰を使い、健気な
思いに応えようと必死になったが、やがてどうしようも無い高まりにぞくぞく
しながら、耐えきれなくなった声を上げるあやせの奥で、俺は何度も何度も
弾けた。
「あやせの思い、熱かった」
「はぁはぁ…恋をすれば、相手にして欲しい、したいことって出ると思うん
です。わたしにそういう思いをぶつけてくれましたよね」
「ああ、恥ずかしながらな」
「それでいいんですよ、京介さん」
「あやせ…」
名残のキスをして、部屋の明かりを明るくしてシャワーを浴びた。
あやせは、ささっと服を着て、
「泊まるわけには行かないので」
「おやすみ、あやせ。俺もまじめに考えるよ」
「ふふふ。では、おやすみなさい」
手を振ってあやせは、帰って行った。それにしても俺は、あと4人も思い
を受け止め、選ばないといけないのかと思うと気が重かった…が、初日から
だらけてはいけないので気持ちを切替え、寝る前に勉強は、ちゃんとした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
つづく
別の作品のSSが進まない間に新刊が出て、つい、勢いでw
145 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/13(金) 01:18:50.53 ID:59U+AOUL
よかったよ
あやせとイチャイチャしたい
これ全員分あるんだろうな
黒猫のを早く読みたい
続き希望
同じく真・沙織版も希望
148 :
その1:2012/04/15(日) 00:48:00.29 ID:U1vRJCIi
題名「逃げ場にならない一人暮らし(2)」
・全3〜4回予定。
・今回は、京介x黒猫
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
翌朝、そろそろ起きないとなと思っていると例の不審な物音と共に玄関のドアが開いて、
「おはようございます、京介さん」
「…ああ、おはよう、あやせ。朝からご苦労様だな」
昨日に続いて、ラブリーエンゼルと朝から会えるなんて俺は幸せ者だなと思いながら、
布団から起き上がり、窓を開けて、布団をたたんで押し入れに仕舞った。
キッチンの方を見るとてきぱきとあやせがパックに詰めてきた朝食を皿に盛りつけてい
るところだった。
輝いてるなあ、いい光景だと思いながら、席に着いた。
TVを点けて朝のニュースを見ながら、あやせと朝食だ。昨日のことが微塵も無く、
はつらつとしていて、時折、顔を赤らめたりしているのが初々しいな。
朝食が終わり洗い物は俺がやった。それくらいは出来るしさ。歯磨きも済ませた。
昼用の弁当をもらい、あやせはもう、出かけるようだった。
「では、これでおいとまします」
「ああ、朝食や弁当、ありがとな!」
「あの…。」
あやせはもじもじしている。む?これは、あれか。
チュッとキスをすると正解だったようで、あやせは輝くような微笑みだ。
「行ってきます!」
「気をつけてな!」
さて、俺も遅刻しないようにしないとな。弁当を鞄に入れて戸締まりして、登校した。
学校から帰る途中、合い鍵を人数分作った。あやせは要らないと言うかもしれないが、
そのうち、絶対通報されるって。
帰宅して、今日の課題と受験勉強をしているとチャイムが鳴ったのでドアスコープを
覗くとあやせだ。用意しておいた合い鍵を渡すと特別な物をもらったように喜んでいた。
他愛も無いことを話しながら俺は勉強を続けて、あやせが作った夕飯が出来たので、
一緒に食べた。後片付けして、弁当箱も洗ってあやせに返した。
「では、お勉強の邪魔にならないうちに帰ります」
「ホント、ありがとな。おやすみ、あやせ」
当然のように可憐な唇にキスをし、
「おやすみなさい、京介さん」
と部屋にいい匂いと暖かな雰囲気を残してあやせは去って行った。いい子だなあと、
思いつつ、勉強を再開した。かなり眠くなってきたので風呂を点けて、PCを立ち上げて、
メールや沙織たちの掲示板を覗いているうちに風呂が沸いたので入った。
明日は、誰が来るんだろうと思いながら、風呂から出て、寝た。
149 :
その2:2012/04/15(日) 00:48:28.75 ID:U1vRJCIi
目覚まし時計を止めて、ぼんやりと起きたら、ピンポーンとチャイムが鳴った。
ほいほいと玄関に向かって、ドアを開けると瑠璃が居た。
「おはよう、京介」
「ふぁー、おはよう、瑠璃。今日はお前なんだな」
「そうよ。上がらせてもらうわ」
部屋に上がった瑠璃に何となく違和感があると思ったら、制服が違うんだな。
「セーラー服なんだな、新しい学校の制服は」
「ど、どうかしら? 前のブレザーの方が…好き?」
後ろ手に鞄を持って、瑠璃がふりふりとしてる。
「いや、これはこれで素晴らしい」
「…っふ…そうかしら、ふふふ」
さて、瑠璃の朝食は、和風だな。用意が出来たところで"いただきます"、だ。
静かな朝にもぐもぐと朝食を食べつつ、
「…こうして、あなたと静かに暮らしてみたいわ」
「そうだな…、俺は和食が好きだし。この味噌汁もいい出汁出てるよ」
母親の味とは違う、淡いが心を満たすような味わいは、瑠璃が俺を思う気持ちが
入ってるからだろうか。
「どうしたの? 急に見つめたりして」
「特別においしく思えてさ」
「あなたのために作ったんだもの…。 当然だわ」
瑠璃はまじめな顔でそう言った。こういう感じもいいな。
朝なのであまり和んでも居られない。朝食を食べ終えたので片付けて、弁当を
受け取った。そうそう、合い鍵も渡さねば。
「ほい、これ。必要だろ?」
瑠璃は、渡された手のひらの上の鍵をじっと見つめている。
「…いいの? あなたの部屋に自由に出入りできてしまうのよ?」
「信頼の証さ」
得意げな俺に、瑠璃は俺の胸に顔を埋めて…ふるふるしている。喜んでるのか?
「…っふ…ありがたくいただいておくわ。さて、もう行かなくちゃ」
「ああ、うちから遠いんだものな」とチュッとキスを。
昨日のあやせと同じ感覚でしてしまったら、瑠璃はぽぅっと赤くなった。
「…もぅ、いきなりなんだから。行ってきます。」
「気をつけてな〜。」
さてさて、今日も遅刻しないようにしないとな、と登校した。
150 :
その3:2012/04/15(日) 00:49:03.70 ID:U1vRJCIi
昼休み、麻奈実と弁当を食う事になった。
「いい天気だね〜、きょうちゃん。 あ、そのお弁当、瑠璃ちゃんのでしょ?」
「ああ、そうだよ。 俺に合わせて肉とか増やしてくれたんだぜ」
「ちょっと味見させてね。 むむ、これは?…なかなかの物」
「そうか? 麻奈実の料理とはちょっと違うよな。お前のもよこせ」
「どれでもどうぞ。 アパートの生活は、どう?」
「何の不自由もないぜ。 桐乃も居ないから落ち着いて勉強できてるよ」
「桐乃ちゃん、来てないんだ。 そうか〜、ふうん」
何に納得してるんだか。 いつものようにほんわかとした雰囲気で昼休みを終えた。
授業を終えて、まじめに勉強するべくまっすぐアパートへ帰った。
ドアの鍵を開けると、すでに靴がある。
「おかえりなさい、京介」
「ただいま〜、瑠璃。 来るの早いね」
「あなたと二人で過ごせる時間は、出来るだけ長くしたいから」
そうか、そうだよな。鞄から弁当箱を出して瑠璃に渡す。
「弁当、ありがとな。おいしかったよ」
「当然よ。 きれいに食べたようね…。」
空になった弁当箱を見て、満足げだ。俺は着替えて、机に向かう。
瑠璃は、夕飯の準備しながら、洗濯機を回している。そういえば、昼間は誰も
居ないから、洗濯も干したりも出来ないんだよな。
脱水が終わり、洗濯物を干し終えた頃、
「夕飯が出来たわ」
「ああ、そろそろ飯にするか。」
いい匂いのするおかずが載っているテーブルに着く。
高坂家だと食事中は会話がないが、瑠璃のところもそうなのかな。しずしずと
食事が進み、お茶を飲んで一息だ。食べ終えた食器を片付け始めたので、
「洗い物は、俺がするから」
「…判ったわ」
おとなしくテーブルに座ってる瑠璃も、あやせ同様、話があるんだろうな。
二人分だから洗い物もすぐ終わってしまったので、テーブルに戻り座った。
「それで、あやせから話を聞いたんだけど、瑠璃はどうなんだ?」
「…っふ…私はあなただけを愛しているし、あなたにも私だけを愛して欲しいの。
でも、あなたは好意によって揺れ動くだけで誰のものでもない状態よ。」
「確かに、ぐうの音も出ないくらいそういう感じだよ」
「あなたが誰かを選ぶと他の4人は、その資格を失い闇に飲まれるようなもの。
でも、選ばれた人は幸せだし、何の引け目もないわ」
「俺は、ハーレムやれるほど度量も甲斐性がないから、そう言う感じかな」
151 :
その4:2012/04/15(日) 00:49:42.45 ID:U1vRJCIi
「あなたの歓心を得るにはどうしたらいいのかしら。血の契約でも必要なの?」
「厨二やオカルトは、止めていただきたい」
「今日のお弁当や夕飯は、どうだったかしら…。あなたの心に何か残った?」
「そうだな…味付けとかじゃなく、よく判らないが…大事なものがあった気がする」
瑠璃は俺をじっと見つめ、そして、意を決したようにこっちに来て、
「それは……。」
瑠璃は俺の首に手を回し、キスをしてきた。
唇が吸い合って舌が絡み合い、流し込まれた瑠璃の唾液と俺の唾液が混じり合う。
その味というか変化には、何か、神秘的なものを感じてしまう。
乳児が母乳を求めるような、大事なもののように。
「…っふ…いい表情だわ。ねぇ、もっと濃い何かを感じた?」
誇るような、すがるような顔の瑠璃。甘い香りが濃くなってきた。
「ああ…。何だろう、もっと欲しくなる気がする」
確かめるようにもう一度、ディープキスをした。
「それは、甘美な毒よ。あなたの魂を侵し、生涯にわたって効果が消えないの。
定期的に摂取しないと死に至るのよ。それでもあなたは求めるの?」
「毒でも微量なら薬と言うしさ、今は、もう、その何かをもっと知りたいんだ!」
「いいわ、出し惜しみなんてしない。あなたの手で私の大事なものを受け取り
なさい」
艶然と瑠璃は微笑み、するすると服を脱いで全裸になった。
瑠璃の妖気にかどわかされたような気がするが、いや、俺は大丈夫さ。
布団を敷いて瑠璃の身体が痛くならないようにして、コンドームを用意する
くらいの心遣いが出来るほどには、な。
俺も裸になった。
瑠璃は、膝立ちになり、俺の半立ちのペニスを握り、そして、フェラチオを
始めた。
「あなたのここにも私の毒を染みこませてあげるわ」
さっきのキスをした唇が俺のを咥えている。先から生暖かいものが蠢き、
俺のペニスにじわじわと甘美な快楽を送り込んでくる。
ゆるやかに舌でねぶられ、口に出し入れされていくうちに、熱い物がこみ上げて
来て思わず、膝がガクガクするほど出してしまった。
「けふっ…熱いものが私の喉を降りていくわ。さあ、どうするの?京介」
淫らなことを言う瑠璃に我を忘れ、布団に押し倒した。
152 :
その5:2012/04/15(日) 00:50:36.28 ID:U1vRJCIi
あの感じがどこからくるのか、どこで味わえるのかあちこちをなめ回し、
キスをして確かめてみた。
はぁはぁとかすれるように喘ぐ瑠璃の小ぶりな乳房を手の平でぐにぐにとこね回し、
左右の乳首に吸い付いた。
指先で乳首を弄りつつ、あの唇に舌を入れ、ぬめぬめと吸い合った。
胸の間からずーっとへそ、そして、淡い茂みの奥まで舐め下ろし、そして
愛液のこぼれる膣口を吸うと、んっんっと呻く瑠璃にもっと濃い何かを感じた。
クリトリスをやさしく弄りながら、舌を使い、指を中に入れながら、しっとり
とした太ももに舌を這わせていたら、瑠璃の顔は赤らみ、唸り始める。
「ねえ、そろそろ…あなたの物を私に…。」
「出来れば、生で入れてみたいんだ」
「それは、私だけを選ぶ覚悟が出来てからよ」
「仕方ないな」
俺はコンドームを装着して瑠璃の膝を立て、熱い膣口に当てて、挿入した。
小柄な裸身が俺の下で喘ぎ、逃れるように身をよじる。抱きしめるように
しながら、瑠璃と一体になってこの特別な感覚を逃さないように味わった。
やさしく首筋を撫で、キスをして甘い唾液を味わい、乳房をこねて、ぴんと
立ち上がった乳首を柔く噛んだりすると背筋がはねるように反応する瑠璃が
愛おしい。
浅く深く瑠璃の中を動いている俺の胸の中に、温かい水のような潤いが生ま
れてくる。これが瑠璃と俺との愛情なのだろうか。
瑠璃は、どう感じているのだろう。
ふぅふぅと喘いでいる瑠璃は薄目を開けて陶然としているようだから、同じ
ような気持ちなのかなあ、とか思っている間にまた、どうにもならない衝動が
抑えきれなくなってきたので、腰のスピードを速めて、瑠璃の喘ぎのリズムに
合わせ、一番奥にどくどくと射精した。
「…温かで、瑠璃に包まれているような気持ちだ。これは毒じゃ無いだろう」
「…っふ…毒が効き始めてる証拠よ。私を選べば、もっと甘美な世界に行ける
のよ?」
「この毒がいい物かどうか判らないが、強烈な誘惑に負けてしまいそうだぜ」
「ふふふ。さあ、シャワーを浴びたら、ちゃんと勉強するのよ」
「そうだな。色香に負けて成績が落ちたなんて恥さらしもいいとこだぜ!」
「…っふ…その意気よ」
瑠璃を抱き上げて、風呂場に入って、ボディーソープで洗いっこして、
シャワーですっきりと気持ちを切り替えた。
「今日はこれで帰るわ。しっかり勉強してちょうだい、京介」
「ああ、いろいろ感謝だぜ。おやすみ、瑠璃」とキス。
「おやすみなさい」と、闇に飲まれるように瑠璃は帰って行った。
こんな魅力的な子ばかりを俺は本当に選べるのか不安になってきたが、
まあ、一通りみんなの気持ちを受けてみないと判らないからな。
とか思いつつ、俺は遅くまでちゃんと勉強したさ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
つづく。
何とか、続き物の2つめが出来ました。
どうでもいいことですが、友人から、ちんちんとかおちんちんは幼児語だから変えた方がいいというので、
陰茎、ペニスとか使ってみましたがどうでしょうか?
自分としては、そのときの勢いで適当に選んでますが。
次は、沙織かな?ちゃんと書けるやら。
154 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/15(日) 01:21:12.36 ID:ykE0ky+J
お疲れ
このヤリチンめ
淡々とした描写がなんか可笑しい
軍オタでアニオタでラノベオタの俺が考えると、何処かでかならず自衛隊が出てしまうorz....
158 :
その1:2012/04/17(火) 20:11:07.73 ID:aQuWVuq1
題名「逃げ場にならない一人暮らし(3)」
・全4回予定。
・今回は、京介x沙織
・18禁
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
連日これでは、身体が保たないんじゃ無いか?と思うこの頃だが、否応なく朝がきて、
無情にも目覚まし時計が俺をたたき起こすのだった。
ふぁーねむい。起き上がって布団をたたんでいた所、ドアを控えめにコンコンとノック
されたので、ドアを開けに行った。
「おはようございます、京介さん」
「ああ、沙織か。俺は眠いよ…。」
沙織の胸に俺はもたれかかった。こんな所に天国があったなんて知らなかったよ。
「うふふ、甘えん坊さんですね…。でも、こんな所を他人に見られたら困りますよ」
と、俺はくるっと向きを変えられて現実に戻り、沙織に背中を押されて部屋に入った。
沙織は、トートバッグの中からいくつかパックを取り出し、電子レンジで温め、棚から
皿を出して手際よく並べ始めた。
「何だか、お疲れのようですね。食後にこれを飲んでください」
と2000錠も入ってるでかい瓶を置いた。エビオス錠?
「ビール酵母で健康に良いんです。さあ、朝食にしましょう」
テーブルには、きれいに盛りつけられた温かい皿とジュースが並んだ。
「そうだな。へー、オムレツと、こ、これってモーニングステーキって奴?」
「ええ、元気が出ますのよ。脂身の少ないフィレ肉を使ってますから胃にもたれませんし」
「すげぇなあ。金持ちはいい物食ってるぜ」
付け合わせのポテトやサラダまでもレベルが違う気がしてきた。
「さあ、冷めないうちにどうぞ」
「いただきまーす!」
朝から、ナイフとフォークを使うなんてアパートの台所には違和感バリバリだけど、
沙織が座っているだけで、それらしい雰囲気になってしまうのが大したものだ。
上質な肉だけに噛むほどにうまみが染みて、ぼやけていた脳を活性化させるなあと
味覚に浸っていた俺を、沙織は微笑みながら見つめていた。
「沙織は、こんな朝食をあのマンションに一人で?」
「そうなります。 だから、こうして誰かと朝食と言うだけで、とても楽しくて…。」
「うちは家族一緒だから、想像も付かないな。ふーむ…。」
そんなところにいる自分を想像しつつも質は高いが量はたいしたことない朝食をあっさり
と食べ終えて、沙織がごっそりと盛ったエビオス錠をもらい、なんとかジュースで流し込んだ。
「こんなに飲んで大丈夫なのか?」
「1日30錠が基本ですから、多すぎるってほどじゃないですよ? これはお昼のお弁当
ですので、どうぞ」
保温が出来るちょっと重いくらいの弁当箱だな。
159 :
その2:2012/04/17(火) 20:11:33.06 ID:aQuWVuq1
「ありがとう。朝からありえないくらいうまかったよ、ごちそうさま」
「うふふ。昨夜から準備しておいた甲斐がありました。では、そろそろこれで。」
「ああ、気をつけてな」
すっと寄ってきて、柔らかなキス。
「はい、行ってきます…。」
ふわっといい匂いを振りまいて、沙織は去っていった。
その残り香にほんわりとひたっていたら、そろそろ危険な時間だ。俺は慌てて準備し、
部屋の戸締まりをして階段を駆け下り、学校に登校した。
特にどうということもなく午前中を終えて、昼休みは今日も麻奈実と。
「今日のは、ちょっと変わった弁当だぜ」
サーモスだったか?大ぶりの弁当箱だ。何段も容器が入っているぜ。
「すごいねー。おかずとスープが冷めてないね。沙織ちゃんのだっけ?」
「おう。今朝も豪華だったよ」
「今日も一口ちょうだい。ふむ〜みんなすごい気合いだね。きょうちゃんの好みが
変わっちゃうんじゃないかなあ」
麻奈実は、むむむ?としている。
「そうだよなあ。どうなってしまうのか」
「ねえ…やっぱり、桐乃ちゃんは、ちらりとも来ない?」
「ああ…そのせいか、スゴイ平和だ。 あいつが気を遣うとは思えないが…。」
「たぶん、近々、おどろくような事があるよー麻奈実は予言するよ。」
「むぅ。何が起きるんだ!?」
とか話しつつ、微妙な心持ちで昼休みを終えて、授業を終えたらさっさと下校した。
帰り道にスーパーに寄って買い物した後、ぷらぷらと歩いていると桐乃の姿を見かけた。
何処かに出かけて行くようだった。しゃれた格好だったのでモデルの仕事とかかな?と
思ったのでスルーしてアパートに帰った。
着替えて、今日の課題とか片付けていると、こんこんとノックが。
「おかえり、沙織」
「ただいま、京介さん。ちょっと遅くなりました」
何も言わずともおかえりのキス。
「かなり遠いからなあ、お前のマンション」
「でも、ぜんぜん辛くないですよ? ふふふ。 早速、夕飯の支度しますから」
「ああ、頼むよ」
明らかに楽しそうな沙織を尻目に俺はまじめに勉強を続けた。
しばらくしてから、後ろに気配がして柔らかな手が肩に置かれた。
「ご飯ですよ、あ・な・た」
「お、オイ! 驚かすなよ」
おどろいて振り返る俺に沙織は満足げだ。くそー。
160 :
その3:2012/04/17(火) 20:12:11.85 ID:aQuWVuq1
テーブルには、色とりどりの料理が並んでいる。華やかだなあ。
「あのさ、今回は変なハーブとか入れてないよな? 念のため。」
「もちろんですわ。あのときはとんでもない事をしてしまって、済みません」
沙織は、立ち上がって深々と頭を下げている。
「いや、めったに出来ない経験させてもらったので、そんなに謝らなくても」
「お父様に詳しく聞いたんですが、あれはいわゆる"秘薬"で、タントラや房中術でも
使われるようで、用法を間違えると死に至る事もあるとか…後で冷や汗をかきました」
「タントラ? ぼうちゅう?」
「いえ、性のエネルギーで秘儀、秘術を行うというたぐいで、あとでググってみれば、
おおよそ判ると思います。それはいいとして」
ああ、本題に入るんだな。
「私の姉の話を以前したと思いますが、ああいう人だから相談事も出来ないので、今まで、
本当に頼りになる、あり得ない状況にも対処できるパートナーを求めて、サークルや友人
を作っていたのですが、なかなかそういう人が居なかったのです」
苦労と絶望が頭をよぎったのか、表情が曇ってきた。
「きりりん氏を中心とした、今までの事であなたならその可能性がありそうだと思って、
綿密に計画と準備をして、招待したわけなのです」
神妙な顔で沙織が語り続けている。
「俺は、試されていたのか?」
軽い怒りがこみ上げてきた。
「…でも、あのときの言葉、思いは本物です。 そして、あんな展開にも京介さんは対処でき、
大変、満足の行く結果を私に下さいました」
沙織はあのときの事を思い出したのか上気した顔で、晴れ晴れと俺に思いを語っている。
「あなたなら、私のパートナーになれる存在だと思います。だから、私の事をもっと知って
欲しい、あなたの事をもっと知りたい、独り占めしたい!と思っているのですよ」
「そう、だったのか、沙織」
「はい、京介さん…。まことに身勝手な願いですが」
熱く思いをぶちまける沙織の姿に俺は打たれて、無謀にも何とかしてやりたいと思った。
「俺は、平凡な人間だよ。たいしたことが出来るわけじゃねえ。でもさ、沙織には何か、
してやりたくなるんだ」
「京介さん、今は…沙織を抱いて下さいませんか? この間のことが忘れられなくて」
恥じらう沙織が愛おしい。思わず、立ち上がって、後ろから抱き締める。
「ああ、抱いてやるともさ!」
いそいそと布団を敷いて、コンドームも用意して。
お互い、裸になって抱き合い甘く熱いキスを貪った。
そして、我慢できなくなった沙織は、布団に四つん這いになって、俺に陰部をさらけ
出して尻を上げて長い足の付け根にある、熱く濡れたひだを指で広げながら、
「避妊薬は飲んでありますから、沙織のここに、京介さんの熱い物をぶち込んでください。」
161 :
その4:2012/04/17(火) 20:12:49.81 ID:aQuWVuq1
その強烈な媚態に俺のファルスは瞬時に張り詰め、反り上がった。
沙織の素晴らしい柔らかさの尻を掴み、一気に挿入すると熱い肉壁が俺の物を迎えて、
ぐっと締め付けてくるのを押しのけて奥まで入れた。
沙織は背筋を震わせて、感じ入ってる。
「あぁ…、いい…。」
腰を掴み、焦らすようにゆっくり出し入れしていく。
「俺はさ、沙織。もしかしてこういうことしか期待されてないのかな」
「はぁ、ふぅ…これもあなたとの大事なこと。私と話したり、遊んだり、時には、あぁ…、
難しい、ことも、頼むかもしれません。でも、あなたが出来る範囲でしてくだされば」
たわわな乳房を弄び、乳首を弄りながら沙織の中の磁力を帯びたようなたまらない感触を
味わいつつ、
「今の俺には想像も付かないけど、はぁ…、楽しいこともあるかな?」
「あなたに抱かれて、あぁ…んんっ、私は体中が幸せでいっぱいですよ。だから、はぁはぁ、
二人で出来ることは、楽しいこと」
「そうだな、そんな気がしてきたよ、沙織」
自信を持ってぱんぱんと沙織の溶け合ったようなような中に漲ったファルスを突き入れ
ていくと沙織の太ももに濃い愛液がしたたり落ちていく。
「あぁ、逞しいですわ、京介さん」
沙織の身体を起こして、腕を掴みながらずんずんと。汗の流れる首筋を舐め、振り向いた
沙織と舌を絡ませ、キス。
「京介さんの上に乗りたいです…。」
「わかった」
俺は寝そべり、沙織は俺にまたがり、淫らな顔をしてファルスを握って挿入していた。
「手をつないで、京介さん」
指を絡ませ、しっかり握って、沙織はぐいぐいずんずんと思うがままに俺のを弄び、
歓喜の表情で喘いでる。そんな沙織も綺麗だなと思う。
汗だくになり、沙織は倒れ込んできたら乳房が近いので揉みながら乳首を吸ったり、
舐めたりしていると膣が反応して沙織は、ぎゅっと抱きついてきた。
「もう…、そろそろ…いいか?」
沙織がうなずいたので、沙織の下から出て正常位に戻して、抱き合い、密着しながら、
激しく沙織の中を暴れ回り、沙織の喘ぎ声に合わせて、奥に突き入れ、激しく射精した。
何かをやり遂げたような爽やかな気持ちだ。沙織にキスをして、頭を撫でてやる。
「京介さんも、気持ちよかった?」
「もちろんだよ。今もまだ俺のが余韻で痺れてるよ」
「うふふ。独りよがりじゃないですよね」
「そうだよ、沙織」
シャワーで汗を流して、ふたりできれいに洗って出た。
162 :
その5:2012/04/17(火) 20:13:37.28 ID:aQuWVuq1
窓を開けて換気し、さっきまでのことが嘘のように沙織はお嬢様に戻っていた。
「では、お勉強のお邪魔にならないうちにおいとまします」
「沙織のこと、よくわかったよ。じゃあ、おやすみ」
ぎゅっと抱きついてきて、キス。
「おやすみなさい、京介さん。沙織はパートナーを心待ちにしてますよ」
「ああ、じゃあな!」
華やかな雰囲気を残して沙織は去って行った。
窓を閉めて、気持ちを入れ替えて勉強しているが毎日生涯の約束みたいなことに
なっているが、どうなってしまうのだろうか?と思いつつ、激しい運動をした後は
自然な眠気が襲ってくるので、そんなに頑張れずに寝てしまった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
次回、最終回。
最終回は、たぶん、エロなしになると思います。桐乃はどうするか?ご期待ください。
163 :
その1:2012/04/17(火) 22:04:58.84 ID:aQuWVuq1
題名「逃げ場にならない一人暮らし(4)」
・全4回の最終回。
・京介と桐乃とその他大勢。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
まあ、その後もみなさんのお世話になりながら、模試までに間、誰ともセックスもせず、
清い毎日でしっかりと勉強をして、無事、A判定をゲットだぜ!
この、印象深くて奇妙な毎日ともおさらばだよ。押し入れから畳んだ段ボールを出して、
組み立てていって、荷物を積み込んでいく。
これで、終わるんだ…と思うと何だか寂しくもなるなあと感慨に浸っていると、携帯が
鳴ったので取るとディスプレイには桐乃と出てる。
「何か、久しぶりだな。元気か?桐乃」
「それはこっちのセリフよ。それより、A判定記念パーティをそっちでするから、そこで
待ってなさいよ?」
「ああ、みんなでか?」
「そうよ。じゃあね!」
引越祝いと同じような騒ぎになるのかねえと思いながら、段ボールに詰める作業を続け、
あらかた終わった頃、チャイムが鳴ったのでドアを開けたら桐乃だ。
「なんだ、疲れた顔しているかと思ったら元気そうじゃない」
「俺は、A判定をやり遂げた男だからな、ふん!」
「そうね。さあ、大家さんに話を付けてあるから、庭でパーティをするの。早く来なさい」
「ああ、今、行くよ」
桐乃の後について、階段を降りていくとアパートの庭に簡易テーブルとクロスが掛けられ、
和風洋風の料理や和菓子とか誰が何を持ってきたのか一目瞭然という感じの皿が所狭しと並
んでいた。
みんなそろってるな。一同に揃うと感慨深いよ、俺の未来の嫁たち。
ジュースの入ったコップを渡されて桐乃の音頭で、
「では、京介のA判定とアパート追い出し記念で、かんぱーい!」
「「「「かんぱーい」」」」
大変、晴れ晴れとした気分だ。ジュースがやけにうまい。
「それで、京介。誰に決めたの?」
「えっ?! 誰にって…。」
「あんた、2ヶ月近くこんなに可愛い女の子たちに毎日お世話されて、何とも思わなかっ
たの? せっかくお膳立てしてあげたのに。ひょっとしてホモ?」
「なわけあるかっ! その、何だな、誰にと言うとだな」
オイオイ、みんなきらきらした目で俺を見つめてるよ。
「正直、魅力的すぎて俺にはまだ、決められないよ。というか後半、勉強に集中してて、
色恋なんて頭の片隅にも、無かったぜ…。」
「お兄さんのことだからそんな感じだと思ってましたけど、かまいませんし」
「京介、誤魔化さなくてもいいのよ。堂々と契約について説明なさい」
「私のパートナーは、京介さんですから」
「きょうちゃん、まだ、あたしが恋人だってみんなに言ってなかったの?」
みなさん、すいませんでしたと俺は、雰囲気的に土下座した。
164 :
その2:2012/04/17(火) 22:05:16.93 ID:aQuWVuq1
「あはは、何、土下座してんのよ。やっぱりね。あたしはさ、京介の全てを見てきてる
わけで、最後は…ちょっと言えないことまで飽きるまで知ってしまったし」
「お、オイ、桐乃、何を言い出してるんだ?」
俺は、震えが来ていた。
「だから、はっきりした。あたしに必要な男は、"京介"じゃ無いの。あんたには言葉で
言い表せないくらい感謝してるけど、兄妹であっても恋愛対象じゃ無いわ」
庭は、しーんとしている。
「この2ヶ月の間、考えてさ、そしてもう、あたしは行動に出ているの。自分にふさわ
しい男を探している。あ、御鏡なんて変態は眼中に無いからね?」
「やっぱりね、きょうちゃん、この間、言ったこと、当たってたでしょ?」
「麻奈美、さすがだぜ。うすうす感づいていたんだな」
「そう。でも、桐乃ちゃんのじゃましちゃ悪いからはっきり教えなかったよ」
「ありがとう、麻奈美さん。まあ、そういうわけよ。あたしは見限ったけど、あなた
たちはどうなの?」
「わたしもお兄さんも桐乃みたいにスーパーマンじゃありませんから」
「あんたみたいなビッチには京介の肝心なところが見えてないみたいね。哀れだわ」
「きりりん氏、わたしはあなたの知らない京介さんを知ってますよ」
「きょうちゃん、あとでこの2ヶ月の間のこと、全部教えてね?絶対だから」
ふらふらと立ち上がり、一時はどうなるかと思ったが、何だよ、俺は生きてていいの?
と周りを見回したら、あやせも瑠璃も沙織も麻奈美もやさしい表情だ。
「今までありがとう、京介!」
桐乃は、唇にキスしてきた。俺と桐乃の目になぜか涙が流れた。
これで、正常なんだよな。
「はい、これであたしの言いたいことはおしまい! さあ、飲み食いしながらあんたの
2ヶ月間を根掘り葉掘り聞こうじゃ無いの!」
まーこの後は、大変な騒ぎとなり、ご近所から怒られたりしたが、誠に楽しい宴となり、
宴のたけなわな頃、親父の軽トラックが来て、親父に彼女たちの関係を聞かれ、また、
お父様にご挨拶を!とか冷や汗でまくりで、俺の2ヶ月間の刑は、終わったのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おしまい。
桐乃と黒猫のレズスカが見たい
166 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/17(火) 23:00:53.40 ID:zFMV0Bff
おつかれ
167 :
164:2012/04/18(水) 21:00:38.42 ID:zS4Qr1e5
10巻の構成というかキャラの変化などがどーしても気に入らなくて、今までの作品を伏線に使って、
ひとまとまりの物語にしてしまいました(^^;
ハーレムエンド的ですが、それぞれの女の子に京介は十分なものを与えていると思うので、
ありがちですが、誰と結ばれるかは読者の好みと言うことで。
桐乃については、まあ、こういう子じゃないかな〜という勝手な押しつけですので済みません。
というわけで、拙文を読んでくださった方、ありがとうございました。
でわでわ。
うめ
169 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 21:49:19.79 ID:WhxYixyH
俺は桐乃に切り出した。
「お前、なんでもひとつ、いう事聞いてくれるって言ってたよな?」
「言ったけど。で、なに?」
「実はな、一緒にお風呂に入って欲しいんだ」
「は!?ばっかじゃないの?ふざけないで!」
「おれはいたって真面目だ。桐乃、一緒に風呂に入ろう!なんでもひとついう事聞いてくれるんだよな?」
「うっ、、、そうだけど。。」
俺は話し合ってもラチがあかないと判断し、桐乃の腕を掴んで風呂場へと引っ張っていった。
脱衣所で硬直する桐乃の前で、俺は服を脱ぎ、裸になった。
「さあ、お前も脱ぐんだ」
「ちっ」
桐乃は渋々服を脱ぎ始めた。
そして下着を取ると、すぐに腕で大切な部分を隠してしまった。
「さあ、風呂に入ろうぜ!」
俺はまた桐乃の腕を掴み、浴室へ入った。
「ちょっ!あんたなにぼ、ぼ、勃起してんのよ!?」
顔を真っ赤にした桐乃が口ごもりながら言った。
「女の裸を見れば、男なら誰でもこうなるんだよ」
「妹の裸に欲情するなんて、、、この変態!」
「なんとでもいうがいいさ。さあ、お兄ちゃんのチンポを洗ってくれ」
「ちちち、ちん、、、そんなのするわけないでしょ!」
「お前、約束を破るのか?もし俺が賭けに負けていたら、おれは一生お前の奴隷になるところだったんだぞ!」
「うぅ、、、くうぅ、、、分かった。洗えばいいんでしょ、このシスコン!」
桐乃は仁王立ちしたおれの前でひざまずき、チンポに近づいた。
「臭っさ!なに?この匂い!めちゃめちゃ臭いんだけど!」
「ふっふっふ、この日のために、おれは一週間、チンポを洗っていない!」
「なに偉そうに汚いこと言ってんのよ!だいたいあんた、毎日風呂に入ってたじゃない」
「風呂には毎日入っていたさ。しかし、チンポだけは洗わなかったんだ!このくっさいくっさいチンポを桐乃に洗ってもらおうと思ってな」
「全くもう、なんなのよ!キモ!キモキモキモ!」
桐乃はそう言いながらも、俺との約束を守るため、観念したようだった。
「じゃあまず、両手で石鹸をよく泡立ててくれ。そして、優しくチンポを包むようにして洗うんだ。金玉は特に丁寧に扱ってくれよ。」
「こ、こう?」
桐乃は右手でチンポを優しく掴み、揉み揉みと軽く握るようにして洗い始めた。左手は金玉を下からさするように転がしている。桐乃の細くて長い指がチンポに絡みつく様子を見て、俺の亀頭は破裂しそうに膨張した。
「桐乃、、、めちゃめちゃ気持ちいい。頭がおかしくなりそうだ」
「もう十分おかしくなってるでしょ!」
「次は、右手でチンポを上下にしごいてくれ。左手は今のまま、金玉をさすっていてくれればいい」
「うん。こんな感じでいいの?」
桐乃はチンポを上下にこすり始めた。あくまで軽く握っているので、激しい刺激ではないが、石鹸の滑りとあいまって、脳みそが蕩けそうな快感が走る。
ニュプ、ニュプと音を立てながら桐乃は無言で俺のチンポをしごいた。
俺は目線を桐乃の胸へ移した。両手を使っているので胸は丸見えだ。
小ぶりではあるが、プリプリとした質感の両乳房が突き出している。そしてまるで子供のような小さい乳頭。その周りを淡い色の乳輪が囲っていた。乳頭は心なしか、硬く尖っているように思えた。
俺は両方の乳頭をそっとつまんでみた。
172 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 21:51:08.47 ID:WhxYixyH
「あっ、、、や、、、なに触ってんのよ!」
「いいだろ、これくらい。減るもんじゃねえし」
乳頭はやはり硬くしこっていた。乳頭を人差し指と親指でクリクリとくじったり、乳房をそっと掴んで揉みしだいたりした。
桐乃は切なそうな顔になり、吐息を漏らしている。
その顔を見ていると、快感がこれ以上なく高まり、チンポが爆発しそうになった。
「桐乃、チンポ気持ちいいよ!少し強く握って、しごくスピードを上げてくれ!」
「なに?これでいいの?」
桐乃は慌てたような顔をしながらも、チンポをしごくスピードを上げた。
「ああ、もうダメだ、いく!いくいくいく〜!」
ドビュッ ビュルッ ビュルッ ビュッ
精液が激しく吹き出し、桐乃の顔から胸にかけてかかった。
「なに!?これ精子?汚いなあ、もう!」
怒る桐乃の顔を見ながら、息も絶え絶えに俺は言った。
「桐乃、、まだだ。精液を最後の一滴まで搾り取ってくれ、、」
「はいはい、わかった、やればいいんでしょ」
口調は投げやりだが、真剣な顔つきで桐乃は俺のチンポをしごき、最後の一滴まで搾り取ってくれた。
「桐乃、ありがとな」
「このあたしがこんなことしてあげたんだからね、感謝しなさいよね!」
ああ、感謝してるよ。こんなに気持ちよい射精は生まれて始めてだもの。
俺は言った。
「俺のお願い、まだ続きがあるんだ」
「ええーっ!?」
---続く?---
初投稿なので、色々とやらかしてしまいました。すみません。m(_ _)m
もう遅いですが、
京介×桐乃
18禁
タイトルは「お願い」
です。
男子なら、何でも言うことを聞いてもらえるというと妄想が高まるところですね。
ありそうな桐乃の台詞、情景が想像できる描写がいいと思いますので、続編を期待します。
乙
ワッフルワッフル
GJ
ごちそうさまでした。
出来れば、お変わりお願いします!
>「俺のお願い、まだ続きがあるんだ」
きりりん氏にげてぇーッ!!
>>174-178 ありがとうございます!
反応があるとまじで励みになります!
続きも頑張って書いてみます。
タイトル『続・お願い』
京介×桐乃
18禁
『続・お願い』
・前回までのあらすじ
桐乃との賭けに勝った京介は、桐乃と一緒に風呂に入り、くっさいチンポを洗ってもらったのだった。
「俺のお願い、まだ続きがあるんだ」
「ええーっ!?」
驚く桐乃を尻目に俺は畳み掛けた。
「お前の身体を洗わせてくれ」
桐乃はみるみるうちに頬を紅潮させ、ぷるぷると肩を震わせた。
「嫌っていったら?」
「お前はワガママだけど、約束は守るヤツだ。だから嫌とは言わない。だろ?それに、一緒に風呂に入るってことは、つまり身体を洗いあいっこするってことだろうがよ」
「くうぅ〜 わかった!洗わせてやるわよ!」
こいつ、素直になったなあ。
ほんのちょっと前までは考えられないことだったよ。桐乃と俺の関係は、この一年半くらいの間に劇的に変化していた。
「じゃあまず、股を開いてくれ」
「い、いきなり!?恥ずかしいんだけど!」
「いいからいいから」
俺は桐乃の両膝を掴んでグッと左右に開いた。
「京介、、、あんたに見られるなんて、、、屈辱」
おれは腰を屈め、桐乃の陰唇に顔を近づけた。
くんかくんか
そこからは刺激的な小便の匂いと、蒸れた女の匂いが漂ってきた。
これがカリスマ女子中学生読モのマンコの匂いか。。臭いと言えば臭いが、妙に興奮する匂いだ。言い忘れていたが、俺はまだ童貞である。女性器の匂いを嗅ぐのも初めてだ。俺は夢中になって初めて嗅ぐいやらしい匂いを鼻腔中に吸い込み続けた。
たしかこいつ、今日も陸上の朝練と夕方の練習やってきたんだよな。かなり匂いが濃厚なのはそのせいもあるのだろう。
はぁ〜 くんかくんか
「ちょっと、いつまでそんなとこの匂い嗅いでんのよ!」
「あ、すまんすまん。洗う前に、お前のありのままの匂いを嗅いでおきたくってな」
「全く、手が付けられない変態ね!」
さてと、桐乃の罵倒を受けたところで、洗体に取り掛かるとするか。
俺は両手で石鹸をよく泡立て、桐乃の背後に回った。後ろから抱きつくようにして両の乳房をそっと掴む。少し硬く感じられるほどに張りと弾力があり、未熟な果実を彷彿とさせる。普段は大人びて見える桐乃だが、やはり身体はまだまだ子供なんだな。
俺は十分に乳房の質感を味わった後、肌に触れるか触れないかという限りなく優しいタッチで乳房を撫で回した。
石鹸がぬめり、滑らかに肌をすべる。
スムーズに撫で回すが、乳房の中心で幼い乳首が指にひっかかり、その存在を主張する。その感触が楽しくて、俺は何度も何度も乳首の上に指を滑らせた。
乳首が段々と硬く尖っていくのがわかる。俺は硬くしこった乳首を指の間に挟み、引っ張ったり転がしたり爪の先で引っ掻いたりして弄んだ。
気付くと、桐乃は無言で吐息を漏らし、肩を大きく上下させている。こいつ、感じてやがる。俺は初めての愛撫で桐乃が感じていることがとても嬉しかった。
さあ、そろそろ他の部分も洗わなきゃな。俺は桐乃の首筋、両肩、両腕、腹、背中、と肌に触れるか触れないかのタッチで洗っていった。
あ、途中でワキの匂いを嗅ぐのも忘れなかったぜ。甘くて、とてもいい匂いだった。
俺は桐乃の前に回り、両脚を洗い終わった。
残るは、股間と尻だ。
どちらも魅力的な部分だが、俺はまず尻から洗うことにした。
こいつの尻は、まったくいい形してやがんだよな。桐乃は普段家でホットパンツを履いていることが多い。そういう時、俺は桐乃の背後に回り、尻を盗み見ていた。あのとびっきり形のよいケツを今から触ることができる!
俺は桐乃を立ち上がらせると正面から抱きつくようにして尻に両手を回し、ヌルヌルと撫で上げた。
胸と胸が密着し、桐乃の心臓の鼓動がドクドクと感じられる。頬と頬が触れ合い、桐乃の火照りが伝わってくる。
俺は尻の谷間に指を滑らせ、肛門をそっと撫で回した。肛門はヒクヒクと脈動し、俺の指を弾き返してくる。
俺はいたずら心で、桐乃の肛門に優しく指を突き入れた。
「あっ!バカっ!」
桐乃が思わず声を漏らす。
俺の右手の中指が第一関節まで、桐乃の肛門に押し込まれている。ギュッと肛門に締め付けられる感触が心地よい。俺は指をゆっくり出し入れしてみた。
「あ、あ、あ、や、や、やめてってば!」
桐乃は敏感に反応し、しがみ付いてくる。胸がぎゅうぎゅう押し付けられ、俺と桐乃の乳首が擦れ合って甘美な刺激が走る。
俺のチンポははち切れんばかりに屹立し、桐乃の滑らかな下腹部に押し当てられていた。
いかん、このままだと暴発してしまうかもしれん。
おれは肛門から指を抜くと、桐乃から身体を離した。
ちょっと調子に乗りすぎてしまった。肛門の中に石鹸の泡が入ってしまったのも心配だ。後で綺麗に洗い流さなくては。
気が付くと、桐乃が息を荒げて俺を睨み付けていた。こういう時のこいつの目は、親父にそっくりだ。俺は、今やっている事が親父にバレたらと想像してゾッとした。チンポも縮み上がってしまったよ。
「桐乃、やりすぎちまった。ごめん!」
「ふんっ」
桐乃がプイと横を向く。
俺は、なだめるように桐乃の身体にシャワーをかけ、石鹸を洗い流していった。
石鹸の泡が流れ落ちた後の桐乃の身体は輝かんばかりの眩しい光景だった。さすがモデルというべきだろうか。均整のとれた身体、スラリと伸びた手脚。キュッと締まったウエスト。そして小ぶりではあるが、綺麗に整い上を向いた乳房。どこをとってもパーフェクトだった。
俺はあらためてドキドキと心臓が高鳴るのを感じた。
さて、おれはこれからちっとばかし言い出しにくいお願いを口に出さなければならない。
その「お願い」を桐乃が承諾してくれるかどうかは、賭けだった。
しかし俺は断固とした態度で、それを切り出した。
「桐乃、俺の顔に小便をかけてくれ!」
「はぁ!?あんた自分でなにいってるか分かってんの!?」
「ああ、分かってるつもりだ。もう一度言う、小便をぶっかけてくれ!」
「あんた、シスコンだけじゃ物足りなくて、スカ、、、スカ…の趣味まで持っちゃったの!?」
「なあ桐乃、小便をぶっかけられるのなんて、スカトロのうちに入らないさ」
「入る!!」
桐乃は固く目を瞑り、しばらく考えているようだった。
「分かった。それが本当に、あんたのやって欲しいことなのね。いいよ、かけたげる。感謝しなさいよね!この変態!!」
俺は桐乃を浴槽に腰掛けさせると陰唇に顔を近づけた。
桐乃は恥ずかしそうに目を瞑っている。俺は静かに「その時」を待った。
数十秒後、プシューっという音とともに熱い飛沫が俺の顔面を打った。
俺は口を開け、黄色い露を味わった。口内から鼻に抜けてアンモニア臭が走る。
小便は薄くしょっぱかった。
味を確認した後、俺は顔を動かし、顔中まんべんなく桐乃の小便を受け止めた。
小便は身体を伝い、チンポにかかった。気が付くと俺のチンポはカチカチに硬く反り返っていた。
女子中学生の、読モの、そして妹の、小便をかけられて、おれはこれ以上なく興奮していた。
さあ、最後の部分を洗うとしますか。
俺は桐乃と自分にかかった小便をシャワーで洗い流した。そして石鹸を泡立て、桐乃のマンコに手を延ばした。
桐乃の陰毛は薄く、生えている範囲も狭く、ワレメは丸見えだ。
身体を洗った時と同じく、触れるか触れないかの非常にソフトなタッチでワレメをなぞった。
何度も何度も優しくワレメをなぞるうち、石鹸の滑りとは違う、なにか別の滑りが感じられたような気がした。
桐乃の顔を見上げると、ハァハァと息も絶え絶えに、真っ赤な顔をして何かを我慢しているような表情だった。
俺はワレメの上部にある、小突起をそっと撫でてみた。
「ひっ! うっ、、、くっ」
桐乃が声をあげる。やはりここは気持ちいいのだろう。俺はクリトリスを人差し指と親指で優しく摘み、クリクリとくじった。
「はあぁんっ! や、、、あぁっ」
「桐乃、気持ちいいのか?」
「バカッ、あに、、き、、、、はんっ、、、うぅ」
俺はクリトリスの皮を上方に引っ張りあげ、むき出しの豆を指の腹で擦った。指を震わせるようにして、何度も何度も。
桐乃は俺の身体を挟むように両脚をピンと伸ばし、身体をビクビクと痙攣させ、気をやったようだった。気がつくと、桐乃は浴槽のふちから浴槽内に倒れ込むところだった。俺は慌てて桐乃の身体を抱きとめた。
桐乃は脚に力が入らないようだったので、床に座らせた。
「お前、イッたのか?」
「、、、、イクとか、、よくわかんないけど、、、頭が真っ白になって、、、身体が言うこと聞かなくなって、、、今もまだ、身体に力が入らないの」
俺は珍しくしおらしい桐乃の態度に少しばかり驚いていた。
イッたことにより、いつもの強気な態度をとることが出来なくなっているんだろう。
紅く染まった桐乃の顔を見つめて、俺はあらためて思った。こいつは、やっぱり、めちゃめちゃ可愛いな。そりゃ、カリスマ読モになるわけだわ、、、丸顔だけど。
俺は動けなくなっている桐乃の下半身をシャワーで洗い流し、肛門にも下から流水を当て、軽く指を入れて綺麗に泡を落とした。
ぼうっとした顔の桐乃に、少しづつ表情が戻ってきたようだった。
俺は桐乃の目をしっかりと見つめてこう言った。
「桐乃、続きを始めよう!」
「へ!?これで終わりじゃないの!?」
終わりじゃないんです。
---続く---
寝る前にふぅ
ごっちゃんです
188 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/23(月) 03:26:37.50 ID:Dr9YndSq
おつかれ
放尿プレイとは上級者だなw
>「桐乃、続きを始めよう!」
中村声で再生された
京介の本当の性癖は、それだったのか!w
だから桐乃が押しつける妹物のエロゲーに浮かない顔だったんだなー。
>>192 続きはまだですかのう?
暖かくなってきたとはいえ、全裸待機はツラい
>>193 あわわ、すみません!
今日はとりあえず服を着てください。
明日、書き込みますので。
あやせのが欲しい。すぐエロじゃなくじらす感じで。
じらしは重要やね
>>194 もっと改行した方がいいと思うよ
その方が読みやすいから
京介×桐乃
18禁
『続々・お願い』
・前回までのあらすじ
桐乃と風呂に入ることに成功した京介は、桐乃の身体を洗ったり、小便を浴びたりしたのだった。
--------
「桐乃、続きを始めよう!」
「へ!?これで終わりじゃないの!?」
終わりじゃないんだな、これが。
「次は、俺の乳首を舐めてくれ」
「は?京介、あんた男でしょ?乳首なんか舐められて感じちゃうわけ〜www 恥ずかしいヤツwww」
「桐乃、乳首舐めを馬鹿にする者は乳首舐めに泣くっつってだな、、、」
われながら、何を言っているのかさっぱりわからん。
「は?わけわかんない。なに考えてんの。。。う〜ん、まあ、いいケド。あんたが女の子みたいにアンアン喘ぐとこ、見たいしねwww」
桐乃はしゃがんで俺の腰に腕を回し、乳首を舐め始めた。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぱ、ちゅぱ
うおぉおぉぉぉ!これはすごい!想像していた以上に気持ちいい!
何故だろう、乳首を舐められているだけなのに、下半身(主にチンポ)にまで痺れるような快感が。
「はぁ、、、はぁ、、、あんっ」
情けない、、、情けないが、思わず喘ぎ声を漏らさずにはいられない。桐乃の顔を見下ろすと、案の定、ニヤニヤと蔑んだような目で俺を見上げていた。
「変態もここまでくると、ワラけてきちゃうwww」
何も言い返せない俺。
ただ、ただ、この快感に身を任せたい。それだけしか、頭に浮かばなかった。
「はぁ、はぁ、桐乃、、、乳首を甘噛みしたり、空いてる方の乳首を爪でカリカリしたりキュッて摘まんだりしてくれないか、、、うぅ」
「はいはい、変態さん。ママが乳首たくさんイジメてあげまちゅからね〜www」
桐乃が乳首に歯を立て、絶妙な力加減で甘噛みしてくる。同時に綺麗なピンクに塗られたネイルの先で乳首を摘まんでカリカリと刺激してきた。
「くぅっ、、、!」
あまりの快感に身体に痺れが走る。ここは天国か?天国なのか!?
だいたいなんだよ、この絶妙なテクは?お前、処女だろ?これは生まれ持ってのセンスなのか?こいつ手先は不器用なはずなんだけどなぁ。
性技に長けた妹、というのは、兄としては複雑な気持ちにならざるを得ない。
俺はそんなことをぼうっとする頭の中で考えていた。
何時の間にか俺のチンポは、石柱のように硬くそびえ立っている。
亀頭のワレメからはヌラヌラとした液体が滲み出していた。
ここで、ひとつ言っておきたいことがある。
俺はそもそもここまでエロい事を桐乃に要求するつもりはなかったんだ。『はぁ?お前なに言ってんの?』と思われるかも知れないが、本当なんだぜ。
いや、たしかに今桐乃にやってもらっていることは、実は何度も妄想していた。それ以上の事も、、、。だけど、本当に桐乃がこんな事してくれるとは、思っていなかったんだ。
ただ、一緒にお風呂に入る。それだけなら、なんとかお願いを聞いてくれるんじゃないかと思っていた。それ以上のことは、出たとこ勝負の勢いだった。
いや、くどくどと言い訳がましい事を言うのはこれくらいにして、話を先に進めよう。
これは、すごく言いにくいことなんだが、、、
俺は桐乃に欲情している!
妹に、性的欲求を感じている!
ここまでのことをやらせておいて今更何をと思われるかも知れないが、口に出して言うのは物凄く抵抗があるものなんだ。妹がいるヤツなら、分かってくれると思う。
俺は今まで、このどうしようもない欲望を、隠し続けてきた。他人には勿論、自分自身にさえも。
お互いに嫌いあっていた、否、無関心だった一年半前。
そして、桐乃との関係が微妙に、劇的に変わったあの人生相談。
あれから俺たちは、いくつかの出来事を経て、その心の距離を縮めたり、時には離れたりしながらも、少しづつお互いを必要とするようになっていった。
そして、最近あったひとつの出来事、、、あやせからの告白。
その時俺は、あやせの気持ちよりも先に、桐乃の事を考えていたんだ。黒猫と付き合う時にも、実は桐乃の事が頭の中に浮かんでしょうがなかった。
あの時は無意識だったが、さすがに今回のあやせの件で、自分自身に桐乃へのなんらかの気持ちがある事を認めざるを得なくなった。
俺は桐乃の事をどう想っているのだろう。実は、自分でもよく分からない。
恋愛、、、これだけは口にしたくなかったが、俺は桐乃に恋愛感情を抱いているんじゃないのか?
そんな事が頭の中をよぎってからは、底無しの泥沼にはまったように苦悩の日々が続いた。
それとも、、、もしかしたら、これは単なる性的欲求だけなのかも知れない。桐乃は、改めていうのもなんだが、とんでもなく可愛い。
スタイルもいい(特に尻が好きだ)。
そんな異性が常にそばにいるのだ、欲情してもおかしくないだろう(いや、おかしいんですけどね)?
とにかく俺は、恋愛経験も乏しいし、自分の桐乃に対する気持ちが、恋愛なのか性愛なのか、自分自身でも分からないんだ。
だから、、、
だから、そこのところをはっきりさせなくちゃならない。
恋愛感情についてはさて置いて、俺は桐乃に欲情している。
それだけは、どんなに認めたくなくても、事実だと、認めなくては。自分自身に嘘をつくのはやめなくては。
そう考えて、俺は桐乃との賭けに勝ちひとつだけ叶えてもらえるお願いを、『一緒に風呂に入る』ということに決めたんだ。
自分自身の欲望を桐乃にさらけ出して、その先に何があるのか?
それはまだ分からない。
ただの性欲ならば、欲望を吐き出し切ってしまえば、それでケリがつくのかも知れない。
そして、欲望を吐き出した後になお残る感情があるとすれば、それは恋愛なんじゃないだろうか。
それを見極めるために、俺は自分自身の欲望をありのままに、桐乃にぶつける必要がある。
だから俺は、キッパリと桐乃に告げなくちゃならない。
「桐乃、そろそろ先へ進もうか?」
「えっ!?」
---続く---
>>197 アドバイスありがとうございます。
少し改行を増やしてみました。
こんな感じでどうでしょうか?
寸止め感が多いですが、乙なんじゃないかと。
桐乃は、どこまで京介に応じてくれるか期待です。
>>206 ありがとうございます。
次回はエロで突っ走ってみます。
京介×桐乃
18禁
『続々々・お願い』
・前回までのあらすじ
桐乃に乳首を舐めさせながら、京介は桐乃に対する想いをめぐらせるのだった。
--------
「桐乃、そろそろ先へ進もうか?」
「えっ!?」
俺は浴室の床に寝転ぶと、桐乃に言った。
「俺の方にケツを向けて顔に跨ってくれ」
「あ、あ、あ、あんたまさか!?」
「そのまさかだよ。69だ。お前から借りたエロゲの中でも兄妹同士で舐め合いっこしてるシーン、あったよな?あれをこれからやるんだよ」
「ばかじゃん?あれはあくまでゲ・エ・ム!二次元と三次元を一緒にするなっつーの!」
桐乃は断固として拒否する構えだ。こういう時、俺はそれ以上なにも出来ない。否、出来なかった、今までは。過去、黒猫や沙織に言われたっけ、ヘタレだと。でも今の俺はヘタレてなんかいられないんだ。
俺は桐乃の腰を掴んで自分の方へと引き寄せる。
桐乃はバランスを崩し、俺と近距離で顔を見合わせた態勢で倒れてきた。
俺は素早く体を入れ替え、顔を桐乃の股間に潜り込ませる。
腰をグイと引き寄せると桐乃の陰部が眼前に露わになった。
「なっ、なにすんのよ!」
「こうするんだ!」
俺は桐乃のマンコにむしゃぶりついた。最初のうちはただただ夢中で舐めまくった。
「やめて!やめて京介っ!」
桐乃が泣きそうな声で懇願してくる。桐乃がこんな態度をとることはなかなかないので、俺も一瞬怯んだ。
誰よりも大事な妹を泣かせてまで、これはやるべき事なのか??
これ以上ことを進めたら、これまで築き上げてきた俺たちの関係はあの冷戦状態にまでバラバラに崩れ去るんじゃないだろうか?
否、もっと酷い関係にまで、、、関係とすら呼べないようなものになってしまうんじゃないだろうか?
だとしても、、、だとしても、先に進むしかねえ!これは俺の気持ちを確かめるための行為であると同時に、桐乃の気持ちを確かめるためのものでもあるんだ。
その結果が破滅だとしても、おれは最後まで見届けなくてはならない。後戻りは、、、出来ない!
俺は夢中でむしゃぶりつくのをやめ、できる限り優しく、桐乃に対する気持ちを込めるようにマンコを舐め始めた。
「うっ、、、うっ、、、京介、、、やめて」
桐乃は完全に泣きじゃくっていた。
俺は心を鬼にして、かつ泣きじゃくる桐乃をいたわるように、マンコの筋に舌を這わせた。
そのうちに、ピッタリと閉じていたマンコが、仄かに開き始めた。
控え目な小陰唇が露わになり、めくれ上がる。
そしてついに、、、!
俺の舌にあたたかいぬめりが感じられた。
それは膣口から、少しづつではあるが、溢れ出してくる。俺はそれを何度も何度も舌で掬い、吸い込み続けた。
十年以上に渡る俺たちの冷戦を、、、固く冷たかった氷を、熱い舌先で少しづつ溶かすように。
桐乃はひっく、ひっくと、しゃっくりのように嗚咽を漏らしていた。
桐乃がまだ幼かった時のことを思い出す。大泣きした後、桐乃はよくこうやって嗚咽を漏らしていたよな。おれはそんな時、どうやって慰めていたんだっけ?
失われた記憶を取り戻すかのように、俺は心を込めてめくれ上がった小陰唇を舌でなぞり、膣口に舌先を差し込み、溢れ出る思い出を体内に取り込んだ。思い出は、甘酸っぱい味がした。
桐乃の嗚咽がとまった。
「京介が、、、なに考えてるのか、、、あたしにはわかんない。でも、、、うまく言えないけど、、、」
「桐乃、、、」
それ以上、会話は続かなかった。
桐乃がなにを言おうとしたのか、それは分からない。
ただ、沈黙の中で、なにかふたりの気持ちがひとつになったような気がした。
無論、おれの独りよがりな思い込みかも知れないけれど。
俺はさらに先へ進むため、桐乃の核心へと舌先を伸ばした。
「くぅっ、、、うっ、、、ぁん」
先ほどの嗚咽に似た、しかし微妙に異なる声が、桐乃から漏れた。
そこは、柔らかな包皮に包まれた、弾力のある小突起だった。
包皮から露出した部分を俺は優しく優しく、舌先で包むように舐め上げた。
何度も何度も。幼かった桐乃の頭を撫でていた時のように。
「きょ、、京介ぇ、、、ひっく、、、だめぇ、、、はぁんっ」
俺は包皮を優しくつまみ上げ、桐乃の核心を大きく露出させた。
すでにそれは、かたく膨らみをましている。
俺のかたく尖らせた舌先に反発するかのようにコリコリとした感触が伝わってくる。
俺は核心を唇で優しく包み、吸い上げた。
「あぁっ、、、ん、、、だ、、、ダメぇ、、、はぁんっ、、、京介ぇ」
俺は唇で吸い上げた核心を舌先で上下左右に素早く弾く。桐乃の切なそうな声が高まってゆく。
「あぁんっ、、、はぁんっ、、、京介ぇ、、、いっ、、、き、気持ち、、、いいよぉ」
何時の間にか桐乃は俺のチンポに指を絡ませ、敏感な先端に口づけをしていた。
下半身にゾクゾクするような痺れが走る。
桐乃は舌先を尖らせ、亀頭のワレメにチロチロと差し入れてくる。
優しく、味わうように。
童貞の俺が言っても説得力がないかも知れないが、性行為というのは、無言のコミュニケーションではないだろうか。
俺は桐乃の舌先から、無償の優しさを感じた。それは言葉を交わすよりも明確に伝わってきたんだ。
桐乃は次に、唇をすぼめて俺のチンポを根元まで吸い込んだ。
灼けつくような快感に、声が漏れる。
「桐乃ぉ、、、はぁ、、、はぁ、」
「京介ぇ、、、あんっ、、、あんっ」
桐乃は唇をすぼめたまま、顔を上下に動かし、俺のチンポを優しく包んでしごき上げた。
口内では舌が亀頭に絡みつく。
唾液がジュプジュプと淫靡な音を立てる。
俺たちは、すれ違い、ささくれだった心を癒すかのようにお互いの核心を優しく舐め合った。
どうやら桐乃が先に絶頂に達しようとしているらしい。
もはや言葉にならない声をあげながら、しとどに俺の鼻先を濡らしている。
俺もすでに限界に達しそうだが、最後の気力を振り絞って、桐乃の核心を吸い上げた。
「あぁぁあぁぁ〜!らめぇぇ、、、!」
桐乃がひときわ高い声をあげた瞬間、俺の顔面に熱い飛沫が降り注いだ。絶頂に達し、失禁してしまったようだ。
俺は桐乃の尿道口から滴り落ちる雫を舌で綺麗に舐め上げた。
桐乃はすでにフェラチオを続けるのが困難なようだ。
俺は立ち上がり、桐乃を座らせ、桐乃のぽかんと空いた口にチンポを挿し入れた。
桐乃はなんとか舌をチンポに絡ませてくれた。それだけで、充分桐乃の気持ちは伝わってきた。
俺は桐乃の手を取りチンポを握らせ、その上から自分の手でチンポをしごき上げた。
「桐乃っ、、、桐乃ぉ、、、いっ、、、いく!いくいくいくぅっ!」
ビュルッ、、、ビビュルッ、、、ビリュッ、、、トクン、、、トクン、、、」
頭の中が弾けるような激烈な快感を伴い、精液が桐乃の口内に弾け飛んだ。
桐乃は、嫌そうな顔もせず、チンポを吸い、それを最後の一滴まで飲み干そうとする。それがこれまで行ってきた行為の当然の終結とでも言うかのように。
やっと、、、やっと、、、俺たちは、、、俺たちの心は、ひとつになれた。
そう、確信できた。
お互いに、しばし座り込み、快感の余韻に浸っていた。
桐乃が先に口を開いた。
「汗でメイクがぐちゃぐちゃになっちゃったからさ、、、メイク落とすね」
そういって、メイク落としで顔を洗い始めた。
俺はまだ荒い息を少しづつ整えながら、その姿を見守っていた。
メイクを落とした桐乃は、、、
ぐっと幼く見え、幼少期の面影を残していた。
メイクをバッチリ決めた桐乃は、勿論最高に可愛い。
が、俺はなんだかメイクを落とした今の方がより可愛く見える。
普段こいつは家の中でも朝からキメキメだからな。素顔が見られるのは貴重なんだよな。
おれは桐乃の素っぴんを眺めながら、微笑まずにはいられなかった。
「なにジロジロ見てんの?恥ずかしいからあんま見ないでよ」
そう言う桐乃の言葉に棘はなかった。
純粋に、恥ずかしそうに、頬を赤らめていた。
こんな表情を浮かべる桐乃を、俺は、何があっても守り抜きたい。そう思った。
「京介、、、」
「ん、なんだ?」
「まだ、、、続きがあるんでしょ?」
「!!!」
---続く---
朝から、乙です。徐々に京介の心情が語られ、否応なく桐乃がそれに巻き込まれるのがエロいですね。
次回は、いよいよでしょうか?期待してます。
『風』の続き読みたい
kwa『火』書く気ないのかなぁ
読めないのかな・・・・・
>>215 全裸待機してた甲斐がありました
良かったです
続きを期待してます
>>217 内容的に受け付けない人が多そうな作品ではあるけど、続きが気になるので完結して欲しいですね
京介×桐乃
18禁
『続々々々・お願い』
・前回までのあらすじ
京介のお願いは桐乃との69へと進展していく。行為の中で、ふたりは気持ちを通じ合わせていったのだった。
--------
「京介、、、」
「ん、なんだ?」
「まだ、、、続きがあるんでしょ?」
「!!!」
続き、、、そう、この行為には、まだ続きがある。
だが、それを桐乃が切り出したことに、俺はたじろいだ。
桐乃は頭を洗いながら、こう言った。
「京介、まだあそこしか洗ってないでしょ。他も早く自分で洗って、、、あたしの部屋に来て」
そう言い残し、桐乃は浴室を出て行った。
俺は手早く全身を洗い、脱衣所で服を着て、台所へ向かった。
冷えた麦茶を飲むためだ。
さっき桐乃に部屋に誘われてから、心臓がドキドキして喉が渇いてしょうがない。
俺はゴクゴクと麦茶を飲み干すと、大きく深呼吸して、気持ちを落ち着けようと努めた。
そして桐乃の部屋へ向かった。
ノックをすると、「入って」の返事。
俺は初めて桐乃の部屋に入った時のように、否、それ以上に緊張していた。
桐乃の部屋に入ると、例の甘ったるいにおいがする。それは、今の俺にとって催淫剤のような働きをした。
緊張が解きほぐされ、チンポが勢いよく屹立していくのが感じられる。
桐乃はベッドに腰掛け、ドライヤーで髪を乾かしていた。
「座ったら?」
桐乃がベッドの端を指差して言った。
「ああ、、、」
桐乃から少し離れた位置に腰掛ける。
あれ?ふたりの間の空気が、明らかにぎこちない。
さっきまでは、心が通じ合ったと確信していたというのに。
桐乃は無言のまましばらく髪を乾かしていた。
ドライヤーを置いて、桐乃がポツリと問う。
「京介、もしかしてあたしが素っぴんの方が好き?」
俺は正直に答えた。
「ああ、、、素っぴんの方が好きだ。なんつーか、昔、まだ仲良かった頃のお前を思い出すっつーか、懐かしいっつーか」
「ふーん、そう」
またしばらく無言の時が流れる。
「あたし、メイクしてないと幼く見られるからヤなんだケドさ。まあ、あんたシスコンな上にロリコンだしね〜。たまには素っぴんでいてあげても、、、いっかな」
「俺は断じて、ロリコンじゃねぇよ!」
何度か桐乃の前でシスコン宣言しちまってるから、ロリコンの方しか否定出来ないのが悔しい。
とは言え、先ほどまでのぎこちない雰囲気は少し薄らぎ、妹の部屋のベッドに腰掛けているという気まずさも紛れてきた。
桐乃はというと、、、俺とは目線を合わさず、もじもじとして所在なさげだ。
無言のふたりの間に、仄かにあたたかい空気が流れた。
突然だが、男女の間に生まれる一番エロい瞬間って、どういう時だと思う?
それは、、、セックスで絶頂に達する瞬間などではなく、ふたりの男女がセックスなんて知りませんよ〜ってな態度から、お互いに身体を求め合うように激変する、その瞬間なんじゃないかと思うんだ。
その一番エロい瞬間が、今から訪れようとしている。そんな気配が、濃密に感じられた。
黒猫と付き合っていた時にはついぞ感じたことのない気配だった。
あれは今考えれば、おままごとのようなものだった。
表面上は、なにも起こらない、起こさない、という態度を取り繕っていながらも、桐乃と俺の間にはいつその瞬間を迎えるかというピリピリとした緊張感が走っていた。
さっきまで浴室でしてきた行為は、いったんゼロにリセットされていた。
これから行おうとしている行為は、完全に一線を越えるものだ。
普通の男女ならまだしも、俺たちは兄妹だった。
無言のまま、ふたりの間にある一線を越える気配が、濃密さを増してゆく。
後は、どちらがその口火を切るか、だけだった。
「「あのさ、、、」」
ふたりの声が重なる。
桐乃にその先を言わせるわけにはいかなかった。ここから先は俺がやらなければならない。
「桐乃、、、お前を抱きたい!」
「、、、、、、、、、うん」
桐乃から承諾の言葉が発せられた次の瞬間、俺は桐乃をベッドに押し倒していた。この瞬間を逃したら、永遠に手を出せないような気がした。
俺は不器用に桐乃のキャミソールをたくし上げ、ブラジャーを露わにした。ブラの外し方に自信がないので、上にずらして美乳を露出させる。
子供のように幼い乳首、淡い乳輪。おれは夢中でそれにむしゃぶりついた。舐め上げ、噛み、吸う。つまみ上げ、捏ね、転がす。
桐乃が両手を俺の頭にまわし、優しく頭を撫でている。そんなに慌てないで、落ち着いて、と言うように。
俺はとても落ち着いてなどいられなかった。まるで全身の血が炭酸で泡立ったかのように痺れる感覚。
頭の中が真っ白で、目の前の双丘にむしゃぶりつくしか出来ない。
しかし、そんな不器用な俺の愛撫にも、桐乃は少しずつ反応してくれ始めた。
俺の頭を撫でていた手に、次第に力が入り、ギュッと掴み、胸に押し付けてくるのがわかった。
「はぁ、、、はぁ、、、京介、、、」
チュバ ジュルッ チュウ チュウ
「、、、ぃぃ、、、気持ち、、、ぃいよぉ、、、」
桐乃の声が徐々に高まってゆく。
俺は桐乃の身体から漂ってくる香水と体臭の混じった、甘い香りに陶然としながら、無我夢中で桐乃の美乳をむさぼり続けた。
どのくらいそうしていたろう。俺は、ついに胸への愛撫だけでは我慢できなくなり、桐乃のホットパンツを荒々しく脱ぎとった。
下着には、うっすらと染みができている。震える手で俺は下着をおろした。
まだまばらで、細く柔らかな陰毛が、恥丘に生えている。
俺は陰毛を撫でた。
サワサワとした感触が心地よい。
そしてその下にある、めくれ上がり、テラテラと濡れ光る桐乃の陰部。妹のマンコ。
俺は薄い小陰唇を両手の親指で左右に押し拡げた。
パックリと口を拡げたそこは、扇情的なピンクに色づいている。
小さく口を開けた膣口からだろうか?わずかな淫臭が漂っている。
桐乃のここは、すでに俺を受け入れる準備が整っているようだった。
俺は、桐乃の顔の前にチンポを突き出し、シャブってくれるように頼んだ。
桐乃は俺のチンポをためつすがめつしながら、言った。
「これが京介の、、、あそこ。さっきはちゃんと見られなかったケド。なんか、変な感じ。すごく男らしい感じがする」
そう言って桐乃は俺のチンポをしゃぶり始めた。
極限まで勃起していたと思われたそれは、桐乃の巧みな愛撫でさらに硬度を増し、張り裂けんばかりに怒張した。
さあ、お互いに準備は整った。
桐乃がほとんど聞き取れないような声で囁く。
「きて、、、京介」
俺は、、、
(A)桐乃の処女を奪うことにした。
(B)桐乃の処女は、守らなくてはならない。
おれは、
(A)桐乃の処女を奪うことにした。
桐乃の膣口にはち切れんばかりの亀頭を押し当てた。
お互いの性液が混じり合い、ヌメヌメと滑る。
ぐっと押し入れようとした時、桐乃がポツリと言った。
「京介、、、まだ、してないことがあるよね?」
まだ、してないこと?
俺はしばし、頭の中に答えを探した。
そしてそれはすぐに見つかった。
心の通じ合った男女が、まず行うべき事。
キス
俺は桐乃の頭に腕を回し、顔を近づけ、そしてその魅惑的な唇に、唇を、、、重ねた。
それは驚くほどプルプルと柔らかかった。
数秒の後、唇を離す。桐乃の目を見つめて俺は言った。
「いくよ、桐乃」
「、、、うん」
心の通じ合った男女が最終的に行う行為へ。
俺は改めて桐乃の膣口に亀頭を押し当て、グッと腰を突き出した。
「!!!」
桐乃が苦しそうに目をギュッと瞑る。
「いっ、、、いっ、、、うっ」
『痛い』と口に出すのを何とか堪えているのだろう。
俺はと言えば、まだ亀頭が膣口に押し入っただけだというのに、すでに暴発しそうなほどの快感を覚えていた。
こんな時、おれにはチンポの暴発を抑える、とっておきの裏技があった。
しかし、それを今、ここで使うのは非常に憚られた。
なぜならそれは、幼馴染の麻奈実の顔を思い浮かべるというものだったからだ。
イク寸前でも、麻奈実の顔を思い浮かべると、なぜか、チンポは若干の勢いをなくし、落ち着くのである。
そんな事を考えているうちに、おれのチンポは、何時の間にか落ち着きを取り戻していた。
俺は少しづつチンポを桐乃の膣内に押し入れ、戻し、押し入れ、戻し、ということを続けた。
「くっ、、、うっ、、、」
桐乃は声を押し殺して痛みに耐えている。
ごめんな、桐乃。
これは俺たちの関係を進めるために、どうしても通らなきゃならない道なんだ。
でも、本当に、ごめんな。
少しづつ、ほんの少しづつ、チンポを桐乃の狭い狭い奥に進めてゆく。
しとどに濡れそぼった膣内ではあったが、上部にざらざらとした感触があり、勃起したチンポには苦しいほどの快感が与えられる。
きつくギュウっと締め付けられ、膣内の繊細な凹凸が、チンポにダイレクトに伝わってくる。
少しづつ、少しづつ、奥へ。
何時の間にか、桐乃のかたく瞑った両目からは涙が溢れ、頬を伝っていた。
俺はなんとか桐乃の痛みを和らげようと、桐乃の一番敏感な肉芽を親指の腹で優しく撫でた。
桐乃の身体がびくんと痙攣する。
この行為が、果たして桐乃の痛みを和らげることに繋がるのか、確信はなかったが、俺にできることは今はこれくらいしかなかった。
チンポをジワジワと出し入れしつつ、桐乃の肉芽を優しく撫で続けた。
「あぁっ、、、はぁん、、、ぁん」
桐乃から、快感ともとれる声が漏れ聞こえ始めた。
「桐乃、大丈夫か?痛いんだろ?」
「大丈夫だから、、、京介、、、最後まで、続けて」
俺は意を決し、桐乃の最奥部にまでチンポを押し入れた。亀頭が滑らかな器官に押し当たった。
あまり時間をかけては、桐乃の痛みが長引くだけだ。
俺は肉芽への愛撫を続けつつも、腰の動きを早め、最後の時を迎えることにした。
きつく狭い桐乃の膣内に、痛いほど締め付けられながら、俺はスピードを早めてチンポを出し入れした。
熱く燃えるような快感が後頭部から背中に走る。
チンポはますます硬度をまし、膣壁との摩擦で爆発までのカウントダウンが始まった。
「京介っ、、、京介ぇ、、、あぁあぁぁんっ」
「桐乃っ、、、気持ちいい、、、桐乃ぉ」
桐乃の膣がギュウっと狭まり、チンポが食いちぎられそうに締め付けられた。
頭の中が真っ白になった。
「いく、、、い、、いく、いくぅ、、、いくいくいく、、、桐乃ぉぉっ!」
ドビュッ ドビュッ ドビュッ ビュクッ ビュルッ ビュッ ビュッ ドク ドク トクン ピュッ トク
俺は最後の一滴まで桐乃の膣内に精液を吐き出した。
身体に力が入らない。
倒れこみ、桐乃とかたく抱き合った。
「はぁ、、、はぁ、、、はぁ、、、京介、、、終わったの?」
「はぁ、はぁ、はぁ、桐乃、、、あぁ、これで終わりだ」
こうして俺の「お願い」は、完結した。
---おわり---
〜GOOD END〜
いやあ、ついに完結ですね。京介の願いは全て完遂したわけですか。
おそらく、桐乃には苦痛に近い行為だったけど、京介の思いをしっかりと受け止めたのは、
何でしょうね。
お疲れ様でした(^^)
>>233 最後まで読んでいただけて、ありがとうごさいました!
一応の完結はしましたが、エピローグと、TRUE ENDを書こうかと思っていますので、もう少しお付き合いいただければ幸いです。
桐乃編を全て終えたら、あやせや黒猫の話も書いてみたいのですが、そちらは少し先になるかも知れません。
おつです
麻奈実とばっちりだろw
なんだよ裏ワザってw
『風』の続き超読みたいぜぇ?
ワイルドだろぅ?
>>236 すみませんm(_ _)m
麻奈実でチンポが萎える、という感じにも読み取れますね。
わたしの意図としては、麻奈実の事を考えると、ほのぼのして過度な興奮がおさまる、というつもりで書いたのですが、書き方が悪かったですね。
特に麻奈実好きの方には、申し訳ない事をしました。
>>243 なかなか叙情的ですな。珍しくサスペンスな引きで続きが気になります(^^)
あやせルート的なのを書いてみたが
長くなりそうなのとエロ要素まで辿りつけるかどうか微妙な展開なんだが
エロ無しのもオーケイなのか、ここは?
とりあえず書いてみる。駄目だったら続きは書かないのでよろ
※10巻ネタバレを含みますので、10巻見てない方はコテハンをNGで
京介×あやせ
10巻直後より
そんなあなたの事が好きです。
新垣あやせ。
俺の妹、桐乃のクラスメイト。ファションモデル仲間であり、モデルだけあって見た目は極上。
俺の好みにクリティカルヒットを生み出すオーバーキルな容姿――反面、性格に難があり、
人に手錠を掛けて火で炙るなんて事をしでかすとんでもない女。過去を思い返すと痛い目にばかり合わされていて、
彼女が包丁を持っているだけで、心が落ち着かなくなる。そういう女の子。
関係は、桐乃の友達、という桐乃を介さないと成り立たない関係、だった。
その関係が変わるだろう一言を、あやせは言った。
「……俺の事、嫌いだったんじゃないのか」
ずっとずっと、そう言っていた筈だ。
「ええ、嫌いですよ」
あやせは続けて言う。
「でも、大好きなんです」
笑顔で、こちらをしっかりと見て。
「……さっきより、大がついたな」
「あ、ほんとですね」
対して、俺はその笑顔が見られず目を逸らしてしまう。
告白されて。好きと言われて。胸は確かに高鳴る。
けど、不思議と動揺はなく、まるで想定していたかの様な。
そういう心境だった。
何より、まず俺の脳裏に浮かんだのは――
「……桐乃ですね」
あやせは、俺の心を見透かすかのように俺を見つめる。
「桐乃との約束が、お兄さんにはありますから」
そう。俺は、桐乃と約束をしたのだ。桐乃との関係が一旦落ち着くまで、俺は新たな彼女を作らない。そう、決めた。だから――
「そうだ。俺は桐乃と約束をしたんだ。だから、」
「付き合う事は出来ない、とあなたはそういうんですね」
「ああ、悪い……」
約束の事は誰に聞いたのかは知らないが、あやせは知っている。その事を知った上で、
思いを告げてくれたのだろうかと考えると、切ない感情が俺の胸を締め付ける。
例え付き合えなくても、と。
「そういう事だから、その気持ちは、嬉しいんだが……」
「どういう事です?」
「いや、だから、桐乃と約束があるから」
「わたしはしてませんよ?」
ん?
「わたしは、桐乃と約束をしてません。だから、わたしが誰かと付き合う事は、問題が無い筈です」
んん?
「いや待て、でも俺は約束を――」
「――なぜあなたの約束を、わたしが守る必要があるんですか?」
そう言われると、確かに無い。
ならあやせが誰と付きあおうと、いや、俺と付きあおうと問題ないのか。
いや、おかしいだろう。そうすると、俺が桐乃との約束を破ってしまう。
あれ、でもあやせは何か約束を破った事になるのか?
「な、無いな」
そう、これは俺の約束であってあやせの約束ではない。
俺にとって不都合であっても、あやせにとって不都合では無い。
あれ、待て。何かがおかしい。俺は思考を纏めようとした所で、
「そうでしょう。なら問題はありません。わたしは、あなたが好きです。
お兄さんが好きなんです。そして、わたしはあなたのそばにいたい」
畳み掛けるように、あやせは言う。
「例え、桐乃を敵に回したとしても」
それは、
「駄目だ!」
認められない。俺が、桐乃から親友を奪うなんて、そんな事は間違えている。
「……」
「あやせは、桐乃の親友だろう? そうだ。確か言っていたじゃないか」
前に黒猫との口論で。
「桐乃が嫌がっている事をするのなら、親友は失格だって――」
――そうか、だから敵に回しても。
「――親友の座を引いても、か?」
そういう事なのか?
あやせは、あくまで毅然としたまま、こちらを見続けている。
桐乃から嫌われる事を、あんなに恐れていたのに。
どういう心境の変化だ。
「いえ、違います」
あやせは、はっきりと言った。
「わたしは、桐乃の親友です。それは、変わることはないでしょう」
きっぱりと。宣言した。
「だからこそ、わたしはそれを理由に身を引いたりしません。そしてお兄さんの一番も決して渡したくありません。それが、桐乃の嫌がる事であっても」
その強い目の輝きは、誰かを思い出す。そう。かつて、妹が浮かべた光。
自分の趣味も、親友も、どちらも手に入れると言った妹の。
「わたしは、桐乃も、お兄さんも、どちらも手に入れます」
正直に言おう。
その宣言の前に、俺はどうしようもなく、惹かれてしまった。
妹との約束を、確かに破棄してしまいそうになるぐらいに。
強さ。そうか、あやせは、桐乃と同じフィールドで戦ってきたんだ。
モデルとして、時にライバルであったりした筈だ。
親友であり、戦友である彼女は、あの桐乃とタメを張れるぐらいに、理不尽で、そして、どこまでも努力家なのだろう。
そして、同時に悟った。
俺は、妹にもずっとずっと惹かれていたのだ。あの目の輝きに。
成し遂げるというその強さに。
その強さを、輝きを失わせるぐらいであれば、俺なんて幾ら罵倒されたっていい。
笑顔でいてくれるなら、それでいい。
その妹に対して抱いていた想いが、そのままあやせへと向かう。
何故、蹴られても、罵倒されても、俺はあやせの好感度が落ちなかったのか。
桐乃と似ているからだ。
好きな人、好きな事の為には努力を惜しまない。
必ず、手に入れるべきものは手に入れる。
「あやせ……」
「お兄さん……」
この時は、桐乃との約束を破棄してしまってもいい、と。
そのぐらいに心を動かせされていた。
だから、俺はあやせを見て。
そして、そこにあるヘアピンに気付いた。
桐乃から、貰ったというそのヘアピン。
それは何故、貰ったものか。
桐乃が大事にしていて、数がもう残り少ないヘアピン。
なのにそれを何故あげたのか。
それは、それは。
京介の邪魔をすんなぁっ!
「……ッ!」
慌てて、一歩引く。
今、何をしようとしていた。
あやせの肩に手を掛けて、引き寄せて。
今、何をしようとしていた、高坂京介!
「……」
静かな目で、俺を見続けるあやせ。
その視線を見ていられずに俺は、目を背ける。
「わ、悪い。やっぱ、あれだ。うん、考えさせてくれ」
この期に及んで考えさせてくれ、だなんて我ながら情けない。
思いっきり好感度を下げてしまった気がするが、それはそれで仕方ないのだろう。まだまだ、未完成な男なのだ、高坂京介という男は。
恐る恐るあやせの方を見る。
「いいですよ」
予想に反して、あやせは笑っていた。
「ふふっ、確実に断られるという状況から、考えて貰える状況まで進展したんですよ、お兄さん」
目を細めて、嬉しそうにこちらを見て、ウインクをして見せて。
「どう考えても、これはわたしの勝ちでしょう。楽しみにしていてくださいね」
そう言いながら、あやせは踵を返していく。
「わたし、桐乃に負けませんから」
つづく
>>249 駄目かどうかは、最後まで書いて、それが読まれてから判断されるので、
時間がかかってもいいから、がんばって書いてください(^^)
次の日。
俺は風邪を引いていた。馬鹿は風邪を引かないと言われてる事から、風邪を引いた俺は決して馬鹿ではない、と言える所ではあったが、
「あんた、本当バカ? 何、あれ? ちょっと普通に引いたんですケド。何、死にたいの? 殺してあげようか?」
等と妹に罵倒されても全くもって言い返せないのが今の心境である。
何があったか、少し思い出してみよう。
あれから俺はあやせを追いかける事が出来ず、ただ呆然とそこに立ち尽くしていた。
頭の中がぐちゃぐちゃして、とても思考が纏まらず、後悔なり懺悔なり何なりで青ざめたりしながら、
しかし、心が火を付けられたように熱かった。
あやせ。見た目は、とても好みな女性。そして、性格もまた好みだったのだと気付いた、女性。
黒猫に告白された時。そしてデートを重ねた日々。その時も胸は高鳴り心は熱かった。
だが、あの時の心は暖かい、何か湯たんぽのようなそういう熱さだった。
なら今のこの燃え尽くすような熱さは何なのか。
余りに熱く、恐らく顔も真っ赤になっているだろうこの状態をどうにか脱したくて、俺はそれから家に帰り、
もう冬にもなろうという時期なのに関わらず、風呂に水を張り、そこに身を沈めた。
そこから数十分後。
寒さの余りガタガタ浴室で震えて気を失いそうになってる所を、桐乃に発見され、母親に自殺の疑いをかけられ、父親に無言でため息をつかれ、
そのまま服を着せされ、布団に連行され、気を失うようにして眠り。
今に至るという訳だ。
一晩寝た所で、寧ろより悪化していて、歩きまわる事はおろか、満足に立つことさえ出来ない状態の俺の隣で、最大ボリュームで延々と俺を罵倒し続けているのが桐乃。
流石に文句を言うだけではなく、お粥を持ってきてくれたり、額のタオルを交換してくれたりと中々甲斐甲斐しく面倒を見てくれてはいるのだが、
ここまで延々と罵倒されていると休まるものも休まらない。
「……桐乃」
「ん、何かして欲しいの? ほら言ってみ?」
黙れ、とはいえなかった。こうして俺が声をかけると直ぐに心配そうにこちらを覗きこみやがるのだ、この女は。そんな顔を向けてくる奴に、文句など言えようもない。
何より、俺自身、バカな事をまるで否定出来ない訳で。
「なんでもない」
「ん、分かった」
まるで母親のような優しい微笑みを俺に向けて、桐乃はテーブルにノートパソコンへと視線を戻す。
ノートパソコンに映しだされているのは当然、エロゲだ。
桐乃曰く、人を看病するのならこのゲームは必須というものらしく、展開としては看護師である妹が、兄を甲斐甲斐しく奉仕する作品な訳だが、間違えても病人の兄の側で妹が嬉々としてプレイするものではないと思うんだが。
そんなゲームをしながら、ブツブツ俺への文句を言いつつ、会話の端々に「菜々ちゃんかわいー!」だの「うひょー、たまんねえこれ」とか織り交ぜてくるものだから、ただの罵倒よりもどっと精神的に疲れていく訳だが。
しかしこれはこれで悪くない、なんて思うほどドMに染まった訳ではないが、まあ、こいつらしいな、と思って少し、心が暖かくなる部分もあり、とりあえず何も言うまいと思う訳だ。
「はぁはぁ、あーもう! 菜々ちゃん最高、どうやれば画面の中に入れるかな、うはっ、駄目だ、鼻血でそ、うひひ」
「やっぱ戻れてめえ!」
//
//
夜。
熱が大分引いてきて、自分で歩けるようには回復してきたので、桐乃を自分の部屋に帰し、一人安静してた訳だが、昼にひたすら寝ていたせいか、目が冴えてしまっていた。
とはいえ夜中なので、徘徊する訳にも行かず、PCを起動させる程の気力はなく、やる事はせいぜい、頭を使って思考する事だけだ。
そして当然考えるべき事は、昨日の事だ。
あやせ。もう昨日の事は、桐乃と話したんだろうか。その割には、桐乃に変わった所は見受けられなかった。ならまだ黙っているのか。しかし、いつかは話すのだろう。その時、桐乃はどういう反応を返すのだろうか。
怒るのだろうか、それとも――。
携帯の着信音が部屋に鳴り響く。
桐乃が取りやすい位置に置いておいてくれたので、特に動かず携帯を手に取る。
何となく予感はしていたが、あやせからのメールだった。
文面としては、昨日の事は特に触れず、桐乃から聞いたのか風邪の事を心配するメール。
結果が出てほっとしたのが今頃出たのかも知れない等と風邪の原因を推測しているが、まさかあやせとの事が原因だとは言えず、どう返したものか、と頭を悩ませていると、また着信音が鳴った。
またあやせからのメールだった。
なんだろと思い、開いてみると添付ファイルがついていた。
「ぶはっ!」
あ、あやせ、いや、てめ、俺を殺す気か、つか、なんで、えええ?!
そこには、ナース姿のあやせの画像がついていた。
何故あやせがナースの服を持っているのか、そしてどういう意図でこの画像を送ってきたのか分からないが、少なくともせっかく下がりつつあった俺の体温が再び向上したのは間違いない。
別にナースフェチとかそんなんじゃないんだが、これは破壊力がありすぎる。
無意識に画像を保存してしまい、尚且つ待受にしてしまいそうになるぐらいヤバい画像だった。
「……何を考えてやがるんだ」
桐乃に負けないとは言っていたが、何、そういうバトル?
こうあやせには健全な方向性で頑張って欲しかったがコスプレかよ。
桐乃も前にメイド服とか割とノリノリで着ていたが、流石にナース服は着てこなかったぜ。
いや、ナース服とメイド服と言ったら、後者の方がアブノーマルな感触はあるが……。
つか、返信しづれえ。
どう返信すればいいんだ。この最初のメールの返信で作ってた、そんな心配しなくても大丈夫、ありがとうなとかいう平凡なメールをこれに返していいのか?
だからといって、ナース服、最高でした、とか返したらセクハラで訴えられそうだしな……。
「ナース服、最高でした、と」
ピ、送信。
はっ! いかん、セクハラを辞めると決意した筈なのに、ついそのまま送ってしまった!
いやでも待て待て、俺は単純に褒めただけだ。セクハラじゃない。そもそも送ってきたのはあやせだ。俺が欲しかった訳じゃない。俺は悪くない筈だ。
トゥルルル。
電 話 か か っ て き た !
どうしよう、と悩んでみたが、取らないと取らないとで怒られそうだ。
俺、病人なんだぜ、なんでこんな悩ませる。
ふぅ、と息を吐き、覚悟を決めて電話に出る。
「はい、高坂です」
「わたし、あやせです。あなたの家の前にいます」
「ひぃっ!」
メリーさんかよっ!
「冗談です」
しかも冗談かよ。慌てて飛び起きて、窓を覗きにいってしまったじゃないか。
無論、ときめきとかじゃなく、恐怖ゆえの行動だ。
「ちょ、ちょっとお兄さん。なんかドタバタした音が聞こえましたけど、まさか窓に確認しにいってませんよね?」
「……月が綺麗だな」
「月が綺麗って……、あ、あれですか、そのI love youの」
「違うっ! なんでこの流れでそんなロマンチックな解釈が出来る!」
「そうですか。残念です」
しゅんとした解答が返ってくる。
……あれ?
いつもであれば、「なんて破廉恥な事を言い出すんですか、この変態!」とか続く筈なんだが。
「な、なあ、あやせ?」
「月が綺麗ですね」
ぐはっ! こ、この流れでこの台詞、だと……!
「あ、ああ。そ、それよりもあやせ?」
「わたしがお兄さんに告白してる事よりも重大な案件ですか?」
「…………」
「あ、もしかして知らないんですか。月が綺麗ですね、というのはですね。そ、その、あ、愛し」
「知ってるから! 大丈夫、知ってます!」
この女、前々から恐ろしいとは思っていたが、今、別の意味で戦慄している。
「そうですか。ところで……」
あやせは、ここで会話を一旦切り、そして真剣な口調に変わった。
「わたし、あなたの家の前にいます」
月を見ていた視点を、下げる。
暗闇。そこに携帯の明かりでぼんやりと映し出される女性の姿。
同じく、月を見上げていた視線を、こちらに向けて。
「家に、入れてくれますか?」
とここで一旦切ります。というか、とても長くなる事に気付いたので、
>>241さんみたいに直接wikiに投下した方が良さ気な気がしてきました。
当方、wikiに詳しくないので、ちょっと勉強してきます。
>>250 ありがとうございます。
お陰で続きを書く勇気が少し持てました。
続きでようやく少しエロっぽい展開になれそうな感じです。
>>254 乙です
もし
>>254さんが良ければ書き終わった後でまとめwikiに編集しますので
このままここに書き続けてくだしあ
>>245 つ、続きがすごく気になる・・・。あやせかわいいよあやせ。
>>253 ええよーええよー
おまいさんのオナニー超いいカンジだよー
もっと見せてくれー
>>254 いい導入の仕方ですね^^楽しみにしています
>>254 乙ですエロシーンはよーw
>>256 な、なんてこった…でもこんな桐乃もいいかも(オイw
261 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:20:30.62 ID:v8PRIWoi
>>254 乙。久々に骨のある奴が読めそうだな。
無理に投下せんでもやりやすい方で良いと思うよ。文句言う奴は見えなくすればはかどるし。
なんにせよ長文頼みます
リビングに誰か居たら、断る。
少しでも誰かが起きているような気配がしたら断る。
そういう、断る理由を幾つも考えながら、階段を降りていく。
静かだった。誰もいないぐらいに静かだった。
もう皆、寝静まったのか?
確かに夜は遅い。だが、まだ寝静まるには早い様な気もする時間帯。
しかし、人の起きているような気配は感じられず、まるでこの家に自分しかいないような錯覚に陥る。
結果として、俺は断る理由も特に思いつかない儘、玄関まで辿り着いてしまった。
……今からやろうとしている行動は、余りに危険だ。
あやせが、まだ家にいて、それで来ていいですかといっているのなら、確実に断っただろう。
しかし、現実、彼女はもう家の側まで来ていて。
(こんな夜中に、中学生の女の子を一人外に放置する訳にはいかないだろう……)
なら中学生を夜、家に連れ込む事はどうなんだ。
いや、連れ込まなければいい。彼女の家まで送ろう。
それが一番、最も無難で、安全な提案だ。
玄関のドアを静かに開ける。
ひんやりとした外気が、家に入り込んでくる。
そして、少し開けたドアを覗きこむ様に、
「こんばんは、お兄さん」
あやせの顔が見えた。
やはり寒いのか、少し肌が白い。だが、頬は心なしか赤く。
眼は潤んでるかのようにさえ、思えた。
「……あやせ」
俺はそう呼びかける。
「何ですか、お兄さん」
あやせはそう答える。
どちらの声も、囁くような音量。
しかし、しっかりと耳に入り込んでくる。
俺は小さく息を吐いて、あやせに告げる。
「俺が送っていくから、あやせは帰るんだ」
息は白く、幻のように消えていく。
俺のその言葉に、あやせを息を飲んだ。
そして直ぐに表情を崩すと、こう言った。
「その格好でですか?」
……?
その格好、って。あ、そうか。先程まで寝てたんだから、俺はパジャマじゃないか。
更に言えば、ジャケットとか上着とかを忘れている。
「……今すぐ着替えてくるから、待ってるんだ」
「それなら寒いから玄関で待ってていいですか」
彼女の言い分も一理ある。玄関の扉を大きく開き、あやせを迎え入れる。
「お邪魔します」
小さな声で、そう呟き、そしてガチャリ、と閉まる扉に鍵を掛けた。
「……? あやせ?」
「お兄さんは、中学生を夜中の家に連れ込みましたね?」
「お、おい、何を言ってるんだ?」
あやせは背を向けて、ご丁寧にチェーンまで掛けていた。
「戸締りはしっかりとしないと駄目ですよ」
背筋が凍る様な、そんな感覚がした。
あやせは、帰る気がない。それは明確な意思表示。
「あ、あやせ。駄目だ。帰るんだ」
だが俺もここで引くわけにはいかなかった。
大体、桐乃に見つかったら、一瞬で色々な関係が瓦解する。
俺がただ変態と言われるだけならそれでいい。だが、あやせまで罵倒されてしまうのは論外だ。
彼女は親友を続けていくとまで言っていたのだからそれは決して望む展開ではない筈だ。
「お兄さんの部屋、2階でしたよね」
俺の言うことに耳を貸さず、靴を脱いで上がろうとするあやせ。
そのあやせを止めようとして肩に手をかける。
そこでタイミングを測ったかの様に、何かがコロンと地面に落ちた。
「あ。いけない」
あやせが、それを拾う。
「間違って鳴ってしまったら、問題ですからね」
抑揚のない口調。こちらを決して見ていない。
そして手に持っているそれは、
「……防犯ブザー」
気のせいでも何でもなく、この時、背筋は凍った。
わたしの言うことを聞かなければ、鳴らしますよという、そういう意味だろうか。
流石のあやせだって、そんな強要はしない筈だ。
分別はある奴なのだ。
「お兄さん。お願いですから、部屋まで入れてください」
そんな分別がある奴が、ここまで必死に頼むのだ。
恐らく俺がここで断っても、防犯ブザーを鳴らさないだろう。
肩に手をかけているから分かる。彼女は細かにだが震えている。
俺が、ここで断ったら彼女はちゃんと家に帰ってくれる。
けど、ここで断る事がどうしても出来なかった。
彼女がここまで来た理由。どうしても果たしたい何か。
そしてここで断る事が、彼女の何かを傷つけてしまうだろうという確信。
「……分かった。階段、暗いから気をつけろよ」
いざ見つかったら、俺の人生を投げ出してでもこの娘を守る。
そう決意を固めて。
//
//
俺の部屋。
電気をつけようかと悩んだが、月明かりのお陰かカーテンを開けているだけでそれなりに明るい。
見つかるリスクを考えると、とりあえずは電気を付けないでおこう。
「あやせ、この部屋の壁は薄いんだ。だからここでも声のトーンは下げておいてくれ」
「わかってます。桐乃に聞こえちゃいますからね」
お客様用のクッションを、あやせに差し出し、俺は床にそのまま座る。
ベッドに座るという選択肢もあったが、何となく彼女と同じ視線で話した方がいい気がしたからだ。
お互い座りあい、暫しの無言。このまま無言が続いてしまうと、話が続けづらくなってしまう。
だから俺から切り出した。
「こうして夜中に人を連れ込むのは、久しぶりだ」
「……他にも誰かを?」
しまった。話題の選択を間違えた。あやせの声が怖い。
暗くても分かるが、眼の虹彩が欠けている。
「いや、正確には連れ込んだじゃなく、忍びこまれたというか」
「……」
あやせの沈黙が、恐ろしい。
因みに、俺の部屋に忍び込んだのは桐乃の事だ。あの時が、初めての人生相談だったな。
「そして、逆にお兄さんが忍び込んだんですよね」
「ああ、そうだった、ってなんで知っている……!」
そして妹の部屋へ夜中に忍び込んだ兄がこちらとなります。
「桐乃に聞いたんですよ」
「あ……あいつ」
普通隠すだろ。何を話してやがるんだ。そこまで兄の世間体を失墜させたいのか。
「楽しそうでしたよ、桐乃。そして、嬉しそうでした」
へいへい、そうだろうよ。俺の弱みを掴んだんだからな、そりゃ嬉しいだろう。
「ねえ、お兄さん」
なんだよ。
「今日、一日中、桐乃に、看病を、してもらったんですよね?」
「……!」
光を失ったあやせの瞳が、こちらをじっと見ている。
気のせいか、あやせから黒いオーラさえ見えている気がする。
これが闇の力なのか、黒猫! ダークエンジェルの降臨?
「答えてください」
「あ、ああ。まあ、そうだな。ブツクサと言いながら、看病してくれた、のかな?」
文句を言っている時間の方が百倍長かったが、一応、看病はしてくれていた。
ひんやり。空気が冷えていくのが分かる。
え、何、この空気。
逃げ出したい。この部屋から。俺の部屋なのに。逃げ出したい、とても。
「お兄さん」
「な、なんでしょう」
「なんでベッドで寝てないんですか」
おまえを迎えに行ったりしてたからだよ!
「ベッドで寝てください」
「いや、そのお客さんがいるし」
「ベッドで寝なさい」
「は、はい」
あやせ怖ええ!
有無も言わさず命令形かよ。
まあ、考えてみれば俺も病人だしな。心配してくれてるんだろう。
全く眠くないので形だけだが、横になっていれば少しは安心してくれるだろう。
そんな訳で、俺はベッドに横になることにした。
しかし、なんだこの展開。
訳分からねえ。どうなるっていうんだ。そしてあやせは何が目的だ。
てっきり人生相談でも始まるのかと思っていたんだが。
「お兄さん、手を上にあげてください」
ベッドに横になった俺に、あやせはそう声をかける。
「? 上に? こうか?」
言われた通り、上に手をあげる。と同時にあやせの手が俺の手を掴み、
ぐきぃ!
無理やり頭の上の方へと倒される。
「いっ!」
な、何をしやがる、え、何、今からリンチ!?
涙目であやせに文句を言おうとあやせの顔が間近にあった。
もう鼻と鼻がくっつきそうなそんな距離。女性の匂いが鼻腔を撫ぜる。
「あ…やせ?」
ガチャリ。
え?
手を動かしてみる。
ガチャガチャ。
ええ?
ま、まさか。
「逮捕しました」
目の前のあやせがそんな事を言う。
その言葉から、確信を得る。俺は今、手錠を掛けられた。
懐かしいひんやりとした金属の感覚。これは手錠だ。
「な、なんで?」
当然の疑問を、あやせに投げかける。
「お兄さんがしっかりと安静してないからです」
いや、だからそれはあやせを迎えにいったからで。
それまではちゃんと寝てましたよ、ええ、ほんとに。
「それと、もうひとつ」
「も、もうひとつ?」
「お、お兄さんが逃げないように」
いや、ここは俺の部屋だし。確かにさっき逃げたくなったが、手錠を掛けられるレベルじゃあ無かったんだが。
「きっとお兄さんは、止めるでしょうから」
止める?
「な、なにを?」
あやせは答えない。虹彩が欠けていた瞳が、今は潤んでいる。
頬もこの暗さでも分かるぐらいに赤く、染まっている。
風邪でも引いたのか、なんて言える訳も無かった。
部屋を徐々に支配していくこの空気は。
「お、お兄さん」
「あ、あやせ?」
手を動かそうなんて思えなかった。徐々に近づいていくる端正な顔。
何が起きようとしているか分かっているのに判ってない感覚。
脳みその奥が、痺れたように働かない。
「おにぃ、、さん」
そして。
そしてそして。
自分の唇が塞がれる感覚。あやせは、眼を閉じていた。俺は眼を閉じることが出来なかった。
脳が働かない。分かるのは、この艶めかしい感覚。
唇に唇が触れているというその感覚。しっとりとした、柔らかいそれが、俺の口を塞いでいる。
「……ん、ぅ」
何が、起きている? 疑問が何度も何度も沸く。その度、唇の感覚がそれを打ち消していく。
鼻にかかったようなあやせの声。そう、あやせだ。俺は今、あやせと、あやせと?
――京介の邪魔をすんなぁっ!
「……!」
ガチャ、ガチャ!
手が、動かない。
ガチャガチャ!
手が、動かない!
「……」
あやせの眼が、開く。唇を離さない儘。
俺はその眼をしっかりと見つめ、いや睨み返す。
あやせ。俺はお前を桐乃のようだと思った。
しかし、決定的にお前と桐乃は違う。
桐乃は、こうやって相手を動けなくして唇を奪うような真似はしない。
俺の妹は、そんなやつじゃない。
「んんんんっ!」
あやせっ!
あやせの瞳は、静かに光を失っていく。
失意? いや、そこに宿るのは決意。
更に覆いかぶさるように、あやせは態勢を変える。
唇を塞いだまま。
瞳は俺の瞳を覗きこんだ儘。
「――っ!!」
ぬるっ、とした感触。俺の唇を、何かが割って入ろうとする。
舌だ。俺の理性は叫ぶ。舌が入ってこようとしている。
しかし、俺の身体を支配している感覚は、まるでそれを理解しようとしていない。
口を開けては駄目だ。開けたらきっと、駄目だ。
俺の唇をなぞるように、あやせの舌が動く。
くちゅ、ちゅ。
淫猥な音が、部屋に響く。元々熱で浮かされていた身体が、別の何かにより更に浮かされていく。
気持ち悪いようで、気持ち良い。
脳の理性が、徐々に剥がれ落ちていく。
あやせは上半身を俺に覆いかぶさるように、口付けを重ねていく。
あやせの身体の感覚が、伝わってくる。
しっとりとした、重み。柔らかい、暖かさ。
この手錠がなければ、思わず抱きしめてしまうようなその感覚。
兄貴が剥がされ、男で上書きをされていく。
俺は、泣いていた。
男の癖に、馬鹿みたいに泣いていた。
なんで泣いているのか分からなかったが、しかし涙が止まらなかった。
「……お兄さん」
唇を離す。一本の線が、俺とあやせの唇を繋ぎ、そして切れた。
「ごめんなさい」
あやせはそう言う。
でも俺は何も返せない。
「わたしは……嫉妬しました」
あやせの、告白が、始まった。
「桐乃、凄く楽しそうにわたしに報告をしてきました」
あやせが身体を起こし、俺の上から離れる。
「京介を、看病してあげたんだって。おかゆ、食べさせてあげたんだって。熱で浮かされながら」
言葉を、ゆっくりと紡いでいく。
「あたしの名前を呼ぶんだって」
ぞくん。あやせの眼が壁へと向けられる。その瞳は、とても穏やかとは言えなかった。
この壁の向こうには、桐乃が眠っている。
「俺が…桐乃の?」
そんな記憶は無かった。だが、言ってないとも言えなかった。
「はい。おかしいですよね。そういう時に言うのは、愛しい人の名でしょう?」
あやせは、俺へと視線を戻す。
「別にわたしの名前じゃなくてもいいです。でも、なんで桐乃なんですか」
それは……。
「こんな薄い壁一つ隣で寝ている妹の名を、何故、あなたは言うんですかっ!」
俺は、何も返せない。
「それを聞いた時、わたしは許せなかった。桐乃も、あなたも」
「熱に浮かされた時に妹の名を言うあなたを、そして、それを嬉しそうに語る桐乃を!」
彼女の、独白は終わらない。
「なんで、ですか?」
あやせは、俺の唇に指を添えて。
「なんで、わたしが、キスをしてる時でさえ」
唇の形になぞって。
「桐乃を思い出すんです?」
俺は、、何も、返せない。
「知ってますか?」
……。
「今日、この家に桐乃とお兄さんしかいないんですよ?」
……え?
「桐乃が言ってました。詳しくは聞いていませんが、お父さんの同僚が何か大変な事になってしまって。それで両親二人で行ったらしいです」
……それは、
「……知らなかった」
道理で。
まるで一階に人の気配を感じられなかった訳だ。
「今日、桐乃とお兄さんは二人きりだったんです」
だから、だからか。
頑なに、この部屋に来ようとしたのか。
「そうです。邪魔をしにきてやりました」
こんな夜中に。
桐乃から話を聞いて、我慢出来なくなって。耐えられなくて。
家が厳しいだろうに、それを抜けだして。
寒さの中、こんな夜中を独りで。
ただただ、俺と桐乃を二人きりにさせない為に。
「……そうだったのか」
「……はい」
あやせの告白が終わったようだ。
なら、ここからは、
「桐乃。起きてるんでしょ?」
俺が……ってあれ?
「あ、あやせ?」
桐乃が起きてる、ってどういう事?
「お兄さんと二人きりの今日を、桐乃が見逃す筈がないじゃないですか。
例え、なんの行動が出来なかったとしても、おとなしく眠りにつけているとは思えません」
いや、つ、ついてるんじゃないかな。
「あやせ、何か思い違いをしてないか。確かに俺は、そのこんな時に桐乃を思い出してしまうような、シスコン野郎だが、桐乃は、別に兄と二人きりだからといって」
それで眠れなくなるような……。
ガチャ。
扉が開く音。
――ああ、なんで俺の部屋に鍵は付かないんだろうな。
「……桐乃」
「死ね。キモい」
パジャマ姿。確か桐乃が気に入っていた柄のものだ。
夜だというのに、心なしか化粧がされているような顔で。
少し沈痛そうな表情を浮かべて。
俺の妹が、そこに立っていた。
wikiの勉強してたら気付いたら眠ってしまっていて、今更ながらの投下。
>>255さんありがとうございます。
とはいえ、今回投下してみましたが、ヤバい長さですね。
もう少し、文章を短くしてみようかと模索中。
またエロを期待していた人、ごめんなさい。
当初はエロ展開の予定だったのですが、何回書きなおしてもエロにならなくて。
今後の展開でも一応エロは予定してるんですが、道のりが長すぎる訳で。
因みに今日はこれから仕事なので、暫く更新はありません。半端な所で申し訳ないです。
おいーーーっ!
何てところで途切れさせるんだっ!w
長さは別にこんなもんじゃないかな?
エロも同じくらい長かったら更にいいんだけど…とりあえず超乙っ!!
そして…
_ ∩
(*゚∀゚)彡 3Pっ!、3Pっ!!二穴ッ!!!二穴っ!!!!(ペニバン付けて)
⊂彡
272 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 08:19:26.12 ID:S5ZpKIoW
>254
続きがめちゃくちゃ気になります。
個人的にはエロくなくてもエロくてもいいです。
エロくなくても十分面白い、ってくらい面白いです。
続き、楽しみに待ってます。
乙乙
例えエロ無しでも十分面白いよ。
ここのローカルルール把握してないが、そのまま投下しておkじゃなかったかな?
むしろ気にして短縮するようなことはしないで。
続き楽しみにしてます!
まだ風邪が治ってない京介が涙目で不幸ですが、良いんじゃないでしょうか。
削るほどムダがあるって感じじゃないので、この調子でがんばって下さい(^^)
275 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 14:13:07.22 ID:ilHdKUhf
>>270 乙。いいわあ、すげーいい。
前に純愛以外は投下すんなとか長文は死ねとか言うキチガイがいたが、そんなのは気にしなくて良い。
こっちにどうどうと投下して欲しい。
遂行は必要だろうけど、頼むから必要な部分まで削るようなマネだけはしないで欲しい。
>>270さん乙です
>>255だけど他の誰かが代わりにやってくれたみたいだ
纏めてくれた人ありがとう
エロカワ先生のトコのSS、途中から纏めのと違い始めたな
沙織も近々落としそうだ
278 :
名無しさん:2012/05/16(水) 08:55:54.19 ID:mNtzZLc6
はよ
はよ
>>279 石は、あと4個ですか、期待です。いちゃいちゃ感が良いですね。
どうでも良いですが、桐乃は女の子なので、マスターベーションじゃなく、オナニーの方がいいんじゃないかと。
>>280 海外のエロサイトだと女の子でも「マスターベーション」って表記してあるよ
>>281 あ、さっそく自慰に直ってた。ご苦労様です。
自分としては、マスターベーションはセックスのための自習だとおもうので、あのシーンだと日本語で言う
自慰かな?と思ってたら(^^;
283 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 18:31:56.46 ID:BWT0cfek
なんだよその俺用語定義?
>>284 乙です
フラ〇ス書院の解説ワロタ
あと細かいが麻奈「実」だからね
>>282 お前の解釈だけで世の中回ってたら世話ねえんだけど
>>284 いや〜あやせの気持ち、スゴイ共感しましたw
沙織と黒猫の新たなコンビが次は、何をやらかすかとても楽しみです。
また、よろしくお願いします(^^)
>>285 ありがとう!今帰宅してびっくり!訂正しときますた!
>>287 沙織はけいおん!でいったらむぎみたいな暗躍ポジに収まりそうなのにそういうSSが見当たらない・・・w。書き時は今なのかっww。
そんな事を言っている暇があるんなら
とっとと筆をとるんだ
>>284 乙!
前半は凄く面白かったけど、途中からちょっとキャラ崩壊っぽくなったのが個人的にはもったいなかったかな。
でも楽しませてもらったよ!
桐乃。
俺の妹。容姿は淡麗で、兄の目から見ても美人で、少し丸顔の、妹。
生意気で、くそむかつく女で、我儘で、自己中で、それで、
とても素直じゃない、妹。
「……なんで、あやせがここにいるわけ?」
その妹が、じろりと俺を睨む。
「な、なんでって……」
なんでだ? 特に理由は無かった。いや、俺と桐乃が二人きりだから?
それを邪魔、しにきた、と説明したら、なんで邪魔をしにくる訳、となるよな?
そうすると、こうあやせが俺の事を好きだと告白して、とかそういう説明になる訳で。
「……」
「なに黙ってんの?」
俺が脳みそをフル回転させて思考している間にも、桐乃の追求は止む気配が無い。
というか、なんで妹に言い訳めいた事を考えねばならないのか。
いっそ開き直ってやればいいんじゃないか、と思う。
「俺が連れ込「わたしが説明するね」」
俺が言おうとした言葉を遮るように、あやせが言葉を重ねる。
そして横目でちらりと見て、何やら呟きながら、あやせは桐乃を真っ直ぐ見る。
桐乃はあやせの申し出に文句も言わず、あやせへと視線を移した。
「桐乃」
「……なに」
桐乃のあやせに対する態度は冷たい。怒っているんだろうか。しかし怒る相手が違うだろう。
親友を奪ってしまった俺にこそ、その冷たい態度は向けるべきだ。
そう桐乃に言おうとした所で、あやせが切り出した。
「気付いてた、よね?」
はじめから、とあやせは続ける。
その言葉に桐乃はぴくりと眉を動かした。
寧ろその言葉に大きな反応を返したのは他ならぬ俺だった。
「き、気付いてた?」
何に? どこから?
「お兄さんが玄関に向かった辺りから、桐乃は気付いてたよね?
ううん。お兄さんが窓に向かったタイミング辺りから。
それこそお兄さんの携帯が鳴った時から、桐乃は気付いてたよ、ね?」
「……」
桐乃は何も答えない。
なので、俺から質問をあやせにぶつける。
「そ、そんな早くから気付いてたら、止めるだろ」
だってこいつ、桐乃だぜ? 少なくとも俺の部屋に来る前には止めるだろう。
「いえ。桐乃は止めません」
しかしあやせはそう断言をする。普段の桐乃を知らないからだろうか。
こいつは、この手の妨害は惜しまない。余程俺が嫌いに違いないと確信持てるぐらいに。
俺が納得しない顔をしていると、あやせが更に説明をしていく。
「逆に問いますが、お兄さん。いつもの桐乃だったら、今の態度は変じゃないですか?」
「今の態度?」
仏頂面でこちらを睨みつけている桐乃。怒っている。いつも通りだ。
……いつも通り?
「そう、わたしがお兄さんの部屋に夜中に関わらず居るという異常に対して、余りに冷静すぎる」
なるほど、とつい感心してしまう。そうだ、桐乃ならこんな異常事態に遭遇した場合、
「……少なくとも俺は何らかの攻撃を受けているな」
問答無用で俺を蹴り倒し、あやせを遠のけて、俺にありとあらゆる罵詈雑言をぶつけている所だろう。
「つまり、かなり早い段階から気付いていた」
「しかし、それなら、何故止めなかったんだ?」
俺は首を傾げる。確かに気付いていた可能性はあり得る。そもそも壁が薄いからだ。
桐乃が起きていて、特に音楽とか聞いてなかったのであれば、携帯の着信ぐらいは聞こえてしまう。
気付こうと思えば気付ける。なのに何故このタイミングまで出て来なかったのか。
「……分からないんですか? そもそも今回、数週間お兄さんの面倒を見させて貰いましたが、
幾つか納得行かない点があるんです」
納得が行かない点?
「何故、桐乃は一度も来なかったのでしょう?」
……それは、そもそも、桐乃との仲が原因で一人暮らしが始まった訳で。
いや、待てよ。それは初めの段階で桐乃が馬鹿馬鹿しいと一蹴している。
現に俺が一人の時に、桐乃が一人で来ている。
「……気にならなかった、だけじゃないか?」
「ある意味では、それが解答だと思います。ですが、わたしはこう考えます。
桐乃は気になってはいた。しかし、桐乃は知っていた訳です。お兄さんが決して――」
「――あやせ」
あやせの台詞が言い終わるよりも先に、桐乃があやせの名を呼んだ。
それだけであやせは、言葉を止める。
「勝手にあたしを決めつけないでくれる。特に、このバカの前で」
ちらりと俺を見て、桐乃はあやせに告げる。
その言葉にあやせは直ぐ従った。
「なるほど。そうですね。お兄さんは、バカで単純な変態ですから止めておきましょう」
酷い言われようだ。しかし、俺が馬鹿なのは間違いないようだ。
あやせよりも俺の方が桐乃と一緒に過ごした時間は長いと思う。
それなのに関わらず、あやせの方が全然、桐乃を知っているんだと感じた。
全てをあやせから教えて貰わず、自分で気付かなくては。
またあやせに、なんで生きているんです、と言われてしまう。
「……あやせ。一つだけ聞かせて」
「はい」
「なんで、兄貴を泣かせたの」
俺がそんな自省をしていると、既に桐乃とあやせは次のフィールドに移っていた。
「今回、色々と許せない事がある。けど殆どはきっといつかは許せる。でも、これはずっと許せない」
「……」
「なんで、兄貴を泣かせたの?」
泣いたことは会話に出した記憶が無い。だから桐乃が気付いたとすればこの部屋に入ってきた時、
俺の顔にある涙の跡を見たのだろう。
ただそんな事はどうでもよくて、ただ妹が、俺が泣いていた事に対して一番怒っている事に、なんだか不思議なような、そんな気分に陥った。
会話が聞こえていたのであれば、キスをした事だって聞こえていただろう。
手錠を掛けられている姿も見ただろう。
夜中に俺の部屋に来たことも、何もかもひっくるめてただ一つ。
――兄貴が泣くのはもっと嫌!
そう、桐乃が言った事を覚えている。
今更ながら、あの時の言葉は混じりっ気なしの本音だったんだ、と痛感した。
そして、恐らく、桐乃とあやせ、二人の関係を今後も続ける上で、ここはキモだという事。
ちらりとあやせを見る。俺に手錠を掛けた時の様な、気丈さは今のあやせには見受けられず、
寧ろ若干青ざめているように見える。まるで魔物の逆鱗に触れてしまった事に、今始めて自覚したとばかりに。
――全く。
今回はまるで、よく分からない状況だ。当事者でありながら、しかし俺が一番状況を把握してない。何故、桐乃が気付いていたのに止めなかったのか、そしてあやせが何故、気付かれていたのにこんな強行手段を使ったのか。
色々と俺が関わっているんだろうが、さーっぱり分からない。
このバカ野郎とも最低の屑とでも好きに言えってんだ。
いいだろう。いつもの事だ。
必要なのは、ほんの少しの覚悟と、最後までやり通す信念。
俺は、全力で自分の腕を引っ張った。
グキッ!
「……」
迸る痛み。それもその筈、俺は手錠を掛けられている。その上で腕を引っ張ったのだ。
手加減なく。その結果、手錠に擦られて手首が擦り切れたように痛いのと、そして肩の関節が少しズレたようなそんな痛みが走る。だが、声を出す訳には行かない。
今、痛いんじゃない。今まで、痛かったんだと、そう自分に言い聞かせる。
激しい痛みを全力で抑えこみ、その上で俺は平静な声で言ってやる。
「あー、桐乃?」
「……」
邪魔すんな、とばかり桐乃がこちらを睨む。
しかし、直ぐに俺の表情に気付く。
「あんた……」
桐乃の浮かべた表情に対し、俺は出来る限り平気そうに返す。
「話は結構。大いにやってくれていい。だが、さっきからな、腕が痛くて痛くて、涙が止まんねえだわ」
実際、涙が出そうなぐらいな痛みだった。というか、出ていた。視界が霞む。
「さっきからよ、まるであやせが俺を泣かせたみたいな言いがかりをつけてるがよ?
勘違い乙。俺がさっきから泣いてんのは痛えからだよ。痛さ故の涙。オーケイ?
幾らお兄ちゃん大好きっ娘でもよ、勘違いで人を怒るのはお兄ちゃん頂けないな」
あやせがこちらを呆然と見つめている。そして何かを言おうと口を開く。
させるか。
「あーあー、いや確かにな、あやせが手錠なんて掛けやがるから、あやせのせいってのは分からなくもねえけどな。
でもよ、この手錠があったから、俺の中の野獣が押さえつけられたって訳。俺も男だから、こんな夜中に美少女が訪問してきたら、
こう歯止めが効かなくなるんだよ。んで手錠が掛けられてるのに関わらずあやせを襲おうとしてこの有様。
そういう点でもあやせが魅力がありすぎるせいってのも、まあ、あるかもな」
あやせが目を見開く。
「お、お兄さん、それは」
そして桐乃へと。
「ち、違うんだよ、桐乃。お兄さんは」
だが桐乃への言葉は虚しく。
「――そっか」
桐乃によって、打ち砕かれる。
「あやせ、襲おうとしたんだ」
「お兄さん、駄」
「ああ、そうだ」
――沈黙。
見つめ合う形の、俺と桐乃。
青ざめた表情のあやせ。
「あんた、あたしと――」
桐乃が何かを言いかけ、拳を握り締める。
強く強く拳を握りしめて。
言いかけた言葉を飲み込み。
「――もういい、信じてたあたしが馬鹿だった、こんのクソ兄貴!」
代わりに別の言葉を吐き出して、桐乃は部屋を出ていく。
外へと出ていくのかと危惧したが、隣の部屋に入っていく音がし、そして鍵を掛ける音まで聞こえた。
「お、お兄さん、なんてことを」
あやせが青ざめた表情で、俺へと呟く。
「ちっ、勝手に切れやがって。桐乃の奴。悪いな、あやせ。後で謝らせるから」
そう俺が返した所で、あやせが首を振る。
「ち、違います。お兄さんが、桐乃にああいっちゃ……わたし、とんでもない事を」
「なんだ、別にいつもの喧嘩だぞ。喧嘩つうか、理不尽に桐乃が切れるだけで」
「いつもの喧嘩なんかじゃないです。ああもう、桐乃はお兄さんが相手だと冷静さを無くすから」
あやせは、頭を抱えて、俺に言う。
「桐乃とお兄さんが築きあげてきた一年が、崩れ去ったかも知れないんですよ?」
真剣な顔をして言うあやせに、俺がなんて返したかは覚えていない。
ただあやせの心配しすぎだって、という感じで真剣に聞き入れていなかった。
だが、直ぐに思い知る事になる。
変わらない関係など、無いという事に。
良くも悪くも、関係というのは変わり続けていくのだと。
と、ここで一区切りとなります。
本当は、適当にエロに繋げようとしていたんですが。
一番初めに書いたのは、桐乃と京介が手錠を嵌められ、あやせに各々襲われるルート。(性的な意味で)
二番目に書いたのは、桐乃が京介とあやせの営みが見たいという事で、桐乃がひたすら視姦。
あやせと京介の絡み。
どちらも書いておいて、しっくりこなくて色々考えた結果、今回のルートになったという訳で。
エロシーン期待してた人には申し訳ないです。
その内、ボツネタであげようかな、とか思ってます。
この後は欝ルートか大団円かで考え中。エロさ重視なら欝ルートなのですが果たして。
何はともあれ、全然終わらなくて非常に申し訳ないです。
目障りだと感じたらコテハンをNGワードに入れてくれればと思います。
>>296 いや〜修羅場のシーンなど、なかなか読ませるじゃないですか。キャラクターは生き物なので作っていく上で、
うまく動いてくれなかったりしますが、自分としては、ここまではタメなのでいい具合にエロシーンに繋がる気が
しますから、時間をかけて練って欲しいなとか(^^)
298 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 03:15:12.39 ID:M78rzN7B
>>296 わずかな救いがあるなら鬱ルート希望。エロとかじゃなくそうういうのに餓えてる
。
逆に人間関係が完全に破壊されてどうしようもなく墜ちるんなら大団円希望
>>296 乙!
もはや本格的な作品になりつつあるようだから、納得いく方向で突っ走って欲しい。
エロパロ板だからエロ需要は高いとは思うが、自分はこの際その有無は気にしないです。味わい深くなるなら何でも可。
桐乃。
俺の妹。容姿は淡麗で、兄の目から見ても美人で、少し丸顔の、妹。
生意気で、くそむかつく女で、我儘で、自己中で、それで、
とても素直じゃない、妹。
そんな妹の姿を何故か後ろめたい気持ちが邪魔をして見る事が出来ない。
「……なんで、あやせがここにいるわけ?」
その妹が、じろりと俺を睨む。
「な、なんでって……」
なんでだ? 特に理由は無かった。いや、俺と桐乃が二人きりだから?
それを邪魔、しにきた、と説明したら、なんで邪魔をしにくる訳、となるよな?
そうすると、こうあやせが俺の事を好きだと告白して、とかそういう説明になる訳で。
「……」
「なに黙ってんの?」
俺の後頭部にひしひしと視線を感じる。
これを真っ向から受けてたら、苛々度数が一気に高まる事は確実だが、
幸いにして俺は背を向けている。お陰で、落ち着いて思考が出来るってもんだ。
「あやせがここにいたら、何か不味いのか?」
そう俺は冷静に切り返す。
「ま、不味いに決まってるじゃない。何考えてんの?」
お、少し動揺してるようだ。その動揺が俺を更に冷静にする。
「なんで不味いんだ?」
「それは……」
ついに桐乃が口籠る。勝った。ふふん、と笑みを浮かべてやりたくなる。
よし、ここに勝利宣言を告げよう。
「キスしたりとか抱きあったりとか、そ、そういう破廉恥な事が
起こる可能性を心配してるんですよね、桐乃は」
「「ぶはっ!」」
言っておくが、破廉恥云々は俺の台詞じゃないぞ。寧ろその台詞を聞いて、
俺と桐乃が同時に口を抑え頬を赤らめるなんていうシンクロをしてしまった。……やっぱ兄妹だな。
「だ、だだだ、抱きあうって!」
桐乃がめちゃくちゃ動揺している。
「は、破廉恥だなあ、ああ、実に破廉恥だ!」
俺も色々動揺している。
「因みに聞いてたとは思いますけど、わたし、お兄さんとキスしました」
「「なっ!」」
「更に舌まで入れました」
「「えぁっ!?」」
い、入れさせてませんよっ!?
いかん、あやせの独壇場になりつつある。
ここは止めねば。流れを我が手に。
「え、ええええ、えっちは?」
「ぶっ!」
桐乃から予想外の爆撃発言。
聞いてどーする!
「こ、これからです!」
「マジでっ!」
驚く俺。
驚いてどーする!
「え、えええ、えええと、あの、その、え、誰と誰が!?」
少なくとも俺とお前じゃねえ事は確かだ!
「お、おお落ち着け、桐乃」
俺を落ち着かせてくれ!
「わたしと、お兄さんが」
ここで冷静にあやせが、とんでもない事を言い切る。
「あ、あたしは!?」
え、そこ台詞違くね!?
「近親相姦をわたしが許すとでも?」
ですよねー。というか、何か色々とズレてねえ?
この部屋の中、世界の常識と凄い勢いでかけ離れていってね?
「ず、ずるいっしょ。あたしだってその、権利ぐらいあるし」
「ねえよっ!?」
何いってんだこの女。これがエロゲ脳か。
「じゃ、じゃあ見る。見るだけでいいから!」
なんだその食いつきは。おい、妹、本当にお前は桐乃か?!
妹スイッチがよく分からない方向に入っちゃったみたいだな。
まあ、しかし桐乃がここまで混乱していると逆に俺は冷静になれる。
あやせもきっと、冷静さを取り戻してるだろう。
「仕方ないですね。親友だから特別に許可しちゃいます」
しちゃいますじゃねえよ!?
駄目だ、こいつら何とかしねえと。
ガチャ。
ん?
ガチャガチャ。
そうだった。俺、手錠を掛けられているんだった。
……あれ? 何か、あやせと桐乃の目が怖いんだけど。
待って、おかしい、おかしいだろ。ヤバい、なんか泣きそう。
美少女に貞操の危機を狙われているのに何か泣きそう。
「……お兄さん、気持よくしてあげますね」
ひぃっ!
あやせは、淫靡な笑みを浮かべると、動けない俺の首筋へ舌を這わせた。
ぞくぞくとする感じ。頭の後ろの方がピリピリと痺れる。
これが快感という奴なのか。全身に力がはいるようではいらない感覚。
「ぁ…あ」
ぬめり、舌の感覚が直接的に肌を刺激する。生暖かい。息が間近で聞こえる。濡れた箇所に息が当たりひんやりと。柔らかい唇の感触。ぬめり。
ヤバい、と俺の脳内で警鐘が鳴る。
この状況になって、俺の愚息はまるで立っていない。
怯えてるのか、違う、言うなれば嵐の前の静けさ。分かる、本能的に。
こいつは来るべき時に備えてやがる。
俺に覆いかぶさるようにあやせ。
耳たぶをはむり、くわえる。背筋がぞくぞくとする。力が抜けていく感じ。もどかしい。身体が変な動きをしてしまう。俺キメエ。
「ん…きょうすけぇ」
桐乃が悩ましげな声を出す。お前、何をし……がっ!み、見てないぞ。俺は見てない!!
「ふふっ」
あやせは、俺に覆いかぶさった状態で、ブラウスのボタンを外し始める。
月明かり。あやせの白い肌が、綺麗に映し出される。
胸元の露出度が、…あがった。
「……綺麗、だ」
たったそれだけで、動悸が激しくなる。控えめな胸。ただ、少しボタンが
外れていくだけ。それなのに、なんて、綺麗なのだ。
「…な、何を言ってるんですかあなたは」
あやせが照れたようにそっぽを向く。
よく見ると白い肌が少し赤みを帯びている。それが、とても扇情的で。
「……!」
俺の愚息が、のそりと起き上がった。
上に覆いかぶさっているあやせにはそれがすぐ分かったようだ。
そしてあやせの反応を見て、桐乃にも分かったようだ。
「うぁ…兄貴変態馬鹿死ね」
人の営みを視姦してるてめえには言われたくねえよ!
「……」
ここで何かコメントをすると思いきや、あやせは顔を真赤にして、俺を見たり下の愚息が当たっている当たりを見たりしている。
「お、お兄、さん」
白い肌。美少女。頬を上気させ。肌蹴たブラウス。月明かり。ベッドの上。俺の愚息。そこに当たる彼女の躰。太もも。湿った。熱い。
「……あやせ」
世界が嫌に鮮明に見える。けど、思考はまるで浮かされたよう。
「お……にいさん」
呼びかけに静かに答え、る。あやせ。
手錠がモドカシイ。興奮が不規則。鼓動がウルサイ。
あ、ああああ、あああ!
がちゃがちゃがちゃがちゃ
飢えた獣の様に。
「見て、ください」
止まっていた手。動き出す。ゆっくりと。時間が止まったような。でも動いていて。
肌が、肌が、肌が。白い、赤い、下着、ずれて。
美しい? そんな言葉など。
ただただただただ。触れたい。触れたい。触れたい。
「あ、やせ」
俺の静かな慟哭。だが内心が崩壊したような欲求。
あやせは静かに笑うと、その控えめな白い胸を。
俺の顔に。触れさせ。触らせ。そして、舐めた。
柔らかい、しっとりとした。月明かりは確かな色は分からない。
だがそれはあやせの、あやせの間違いない、色で。
含み、舌を、転がし。吐息。あやせの吐息。
「あやせ、気持ちいいの?」
イモウトの言葉。あやせは首を振る。そして頷く。俺の頭を腕で抱き寄せて。
「気持ち、良いです、よ?」
しっとりと。少し汗ばんで。柔らかくて、いい匂い。甘い、女性の匂い。
がちゃがちゃがちゃがちゃ
拷問だ。褒美だ。
あ、ああああ、ああああ!
気が狂いそうになる。目の前のもの触れたくて、触りたくて。もどかしい。
舌じゃ駄目だ、手で感じたい、抱きしめたい、触れたい。
「まだ、駄目です」
あやせは言う。
わたしが先です。
あやせが言う。
いたずらっぽく笑って、あやせは少し躰をずらす。
愚息が擦られる。たったそれだけで、凄く気持ちよくて。漏らしてる錯覚すらした。
「まだまだ、焦らしてあげますね?」
取り敢えず待たせたお詫びに、桐乃が兄貴の涙の後に気付かなかったルート。
お詫びの癖にここまでで終わらせる焦らしプレイ。
俺が書くエロシーンはこんな感じなので、そう期待しないでくださいませませ。
鬱ルートと大団円ルートの両方を書いて、気に入った方を投下しますので。
それでは、駄文乱文ながらここまでお読み頂きありがとう御座います。
>>304 京介を縛っている手錠は、アニメにおける白い光線や湯気みたいなモンですかねえ。
何となくほとんど苦痛のうちにエロシーンが終わってしまいそうなのでもうちょっと楽しませてあげてもいいんじゃないか?
なんて思います。がんばれ〜(^^)
>>305 あやせが大胆になれてるのは手錠のお陰という裏設定が
後、京介があくまで襲われていたという位置関係が必要だった都合上です
またアブノーマルの初体験という裏テーマがあったり
まあ、没ルートなのですけどね
>>284 乙五つ星☆☆☆☆☆!
原作が宇宙人も魔法使いも出て来ない日常(?)を描いているので
この様にシュールでエキセントリックな展開はすごく新鮮だね
>>307 大変良かったです。大爆笑です(^^)
なんかこー、あやせが人類は衰退しましたの6巻の孫娘みたいな楽しさです。
>>309 あ、書き漏らした。■レストランの所、「100極倍」とあるけど、「100億倍」だよね?
wikiだと直せると思うので、些末ながら。
ゲームやってきたが
ゲームのネタバレありの作品は投下可能なのかね?
断り入れずの投下は×
そうでなくても叩かれるかもしれんけどね
まだ発売直後だし
313 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:07:25.26 ID:Mwrg6EiV
新作発売しましたね。まだやってないけど
知らない人は初めまして
知ってる人はお久しぶり
衝動に駆られたので投下します
314 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:07:55.56 ID:Mwrg6EiV
パラレルワールド、もしくは違う世界線だと思って読んでいただけると嬉しいです
これは、一人の少女を想い、そしてその兄に恋をした、そんな自分の気持ちに嘘をつき、
自分を抑え生きていた少女の物語。
本筋では語られることのない未来
あるかもしれない時の流れ
そんなIfの世界
「ねぇ桐乃、きょう一緒に帰れる?」
体育の授業の後、クラスの女子全員が更衣室に集まり制服に着替えている。その中でひと際目立つ存在で、私の親友である高坂桐乃に声をかける。今日はモデルの仕事は入っていないはずだから、帰りに一緒に買い物に行こうと思い声をかけた。
「あー……ごめんあやせ。今日部活なんだよね……」
モデルであり、陸上部のエースでもある桐乃は男女問わずクラスの人気者で、
そんな桐乃と友達でいられることを私は誇りに思っている。
「…あ、そっか、記録会近いんだっけ?」
「うん、ここ最近ちょっと調子悪かったからタイム落ちててさ、
このままじゃ代表落とされちゃうし気合い入れなきゃなって」
以前、桐乃と私は一時期絶交……というレベルのものじゃないけどちょっとしたケンカをしていて、
このままじゃ本当に絶交してしまうんじゃないか、そう心の中で思い始めて、
すぐに収まると思った小さなケンカが、だんだん大きくなっていくことに恐怖し不安になり焦り、そして絶望しかけたその時、彼が私を救ってくれた。
「桐乃なら大丈夫だよ。いつもこんなに頑張ってるじゃない。」
「あやせの言うとおりだって桐乃。つか頑張りすぎじゃね?最近さ……ってちょ、お前ら着替えんのはえぇって、加奈子も一緒に行くからちょっと待てヨ」
そう、彼。私がどれだけ罵倒しても、どれだけひどいことをしても、彼は大きな優しさで包んでくれた。
それは決して私だけに向いた優しさではないけれど、その時の私には十分すぎるほどのものだった。
「あたしさ、いま兄貴と賭けしてて。次の大会で地区新記録更新したらエタナーのオーダーメイドのアクセ作らせてくれるって」
「はぁ!?なんだよそれー、あいつになんでそんなことができんだヨ?」
桐乃は中学の中頃から彼の話をよくするようになった。
以前から時々聞いていたけど、最近は聞かない日がないほどに増えた。それも笑顔で
「へっへー、実はあたし技師で一人友達がいてさ、あいつもなんか最近仲良くなっててさー
。……でも、なんていうかさ」
「……あんだよ」
「兄貴が最近またあたしのことでいろいろやってくれてるみたいなんだよね。それもあたしの知らないところで」
最近、私が彼と話をしていると、彼もまた私と同じで桐乃の事を一番に心配してくれている。
ぜったい口には出さないけれど
「……あやせ?」
「へっ?…あ、ごめんね。今ちょっと考え事してて」
「ちゃんと前みて歩かなきゃ危ないって、怪我でもしたら大変じゃない。ほらもうすぐ教室だしさ」
「うん、ありがとう桐乃」
「ホント気を付けてよ、もうあんただけの体じゃないんだから」
自己紹介が遅れました
新垣あやせと申します。
今年卒業する高校3年生です
そして
私、もうすぐ結婚します
315 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:09:20.19 ID:Mwrg6EiV
「そっか、桐乃ちゃん部活なんだ〜。それであやせちゃんと加奈子ちゃんの二人で来たんだね」
帰り道、私と加奈子は食材を買って田村屋へ向かいました。
「それにしても加奈子ちゃんはともかく、あやせちゃんは私なんかが教えなくてもいいくらいにお料理上手なのに、
食材まで買ってきてもらっちゃって」
「ちょ、師匠ってばヒドくね?あたしだって結構作れるようになったじゃんかー」
「加奈子ちゃん、この前作ったきんぴらを食べたおじいちゃんがなんて言ったか覚えてる?」
「すいませんでしたっ!」
私たちはここしばらくの間、学校帰り田村屋で麻奈実さんに料理を教えてもらっています
「いつもありがとうございます、麻奈実さんも大学やお店が忙しい中、
こうして時間を作ってくれて本当に感謝しています」
「いいよいいよ、こうしてみんなでお料理するの好きだから」
みんなというのは、今ここにいる私たちと桐乃、ブリジットちゃんそして、黒猫さんの6人のこと
桐乃を中心にして色々なことがあってそれが私たちを繋げるきっかけになった
そしてそこにはいつも彼がいた
「あ、そうだ。あやせちゃん」
麻奈実さんに話しかけられる
「きょうちゃんが『今日もバイトで帰り遅くなる』って。きょうちゃん最近ずっと帰りが遅いよね」
麻奈実さんは彼と同じ大学に通っていて、こうして彼からの言伝を聞いたりしている
「いつもありがとうございます。なんだか最近バイトの時間増やしてるみたいで……学校のほうに影響が出ないなら
いいんですけど……」
「きょうちゃんなら大丈夫だよ。ああ見えて結構頑張り屋さんだから」
兄妹そろって見えないところで努力して、苦労して、周りのために頑張っている。
そういうところがすごく似てるんだよね。二人は否定するかもしれないけど
「…なぁ、食材を囲んで女子会もいいんだけどヨ、そろそろ始めねーか?」
「そうだね、じゃあ今日は……煮物でもしてみる?もう何度もやってるけど」
316 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:09:53.14 ID:Mwrg6EiV
加奈子が暴走しそうなところを私と麻奈実さんでサポートして、なんとかおいしいと言えるものができた。
「今日はありがとうございました」
「ううん、またいつでも連絡してね」
「じゃ、お言葉に甘えてまた来るぜ師匠」
「加奈子ちゃんはもっと頑張ろうね。あやせちゃん、きょうちゃんによろしく言っておいて」
「はい。おじゃましました」
私は田村屋を出た後、途中まで加奈子と一緒に歩く
「なんで、すぐうまくならねーんだろ?」
「そんなすぐには上手になれないよ。もっと練習しなきゃ」
「へいへい……、あのさあやせ」
加奈子があらたまった様子で話を変える
「なに?」
「失礼かもしれないけどさ、お前ちょっと前に比べてかなり表情が丸くなったよな。
優しくなったっていうか……あ、悪い。前は優しくなかったとかじゃなくてさ、
なんかこう雰囲気っての?」
加奈子がらしくない話をして私は少し驚く。でも
「……そうかもね」
私もだけどさ、加奈子は気づいてないみたいだけど、加奈子自身も前は他人の変化なんて気にも留めなかったのに
優しくなった。そういわれるようになったのは、きっと彼のおかげ
彼の優しさに感化されたのか、それは私にもわからないけど、たぶんそうだと思う
「やっぱ恋する乙女は違うねぇ、うひひ」
無意識のうちに私は顔を赤らめる
「あーああたしも早く進路希望に『お嫁さん』とか書きてーなー」
「ちょっと、加奈子っ、あんまり大きな通りで言わないでよ」
「へいへい。っと、加奈子はここでいーぜ。じゃまた明日ガッコでな」
そういって加奈子は一人歩みを進める。
「うん。またね」
私は目の前にある鉄でできた階段を上り、見た目通りの少し古い扉を開け中に入る。
中では桐乃がすでに待っていてお風呂上りなんだと思う。顔が少し火照っている
「あ、おかえり。あたしかなり汗かいちゃって、先お風呂入っちゃった」
私は自分の靴を備え付けの棚にしまう、一応確かめたけど靴は一組しか入っていなかった、
彼はまだ帰ってきていない
「電気つけたままだからあやせもお風呂入っちゃって」
「うん、そうだね。あ、桐乃。今日バイトで遅くなるって」
「あー、そうなの?あいつなにしてんだか……」
ここが今私が住んでいる家。扉の横のポストには『高坂』と書かれています
317 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:14:16.38 ID:Mwrg6EiV
「ふぅ……」
お風呂に浸かって私は肩の力を抜き、胸をなでおろす
「早く帰ってこないかな……」
田村屋でもいったけど最近毎日彼の帰りが遅い
それにかなり疲れている
バイトの時間を増やしているって言ってたけど、いったい何のために?
お金も大事だけれど、私は一緒にいる時間がもっと欲しいな…
「ただいまー」
浴室の扉越しに彼の声がする。帰ってきたみたい
「誰もいないのか?でも電気はついてたし…買い物にでも行ったのか?」
私も早く会いたかったので浴槽から出ようとすると
彼が浴室の前で脱ぎ始めたのがシルエットになっていて、私はそのまま硬直してしまった
そうしているうちに彼が浴室の扉に手をかける
「誰もいないなら今のうちに風呂に……あ」
彼が一糸まとわず生まれたままの姿で扉を開ける
その瞬間クーラーで冷えた空気が室内の空気と入れ替わるように入ってきた
彼の体は少し筋肉がついたのか、以前に比べ大きくなったように見える。
「っ、ご、ごめんっ!」
そういって彼は扉を閉める
「あやせが入っているのがわからなくて……ホントにごめんっ」
…………
「あ、あの、もしよかったら、い、一緒にどうですか?」
「へ?」
彼はいきなりのことで声が裏返った返事をした
「い、いえ、私も入ったばかりですし、お兄さんも一緒に入ったほうがお互いにいいかな、と思って」
彼は少し考えたあと
「……本当にいいのか?」
「はい、後ろを向いてますのでその間に入ってください」
そういって私は扉に背中を向ける
「お、おう……」
再度扉の開く音が浴室内に響き渡る
「シャワー浴びたら出るからな」
彼は言いながらシャワーを出し髪を洗い始めた。
「ちゃんと入らないとだめですよ」
すこしの間彼は黙り、そのあと、わかった、とだけいってシャワーを浴び続けた
318 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:14:52.25 ID:Mwrg6EiV
彼が浴槽に入ると私と背中合わせになる形になった
彼の背中は見る以上に大きく感じた
「…あのさ」
「…あの」
二人の声が重なり
「あやせからでいいぞ」
「お兄さんこそ」
お互いに譲り合う
このやり取りもこれまで幾度となく繰り返してきた
「……じゃあ私から」
「おう」
「今日、麻奈実さんのところでお料理して、今日はそれを持ってきたので晩御飯に一緒に食べましょう」
「おっ、楽しみだな。あやせは料理うまいからなー」
「ふふっ、じゃあ次はお兄さんの番ですよ」
そういうと彼は少し考えて
「あとで渡すものがあるからさ」
とだけ言ってまた黙ってしまいました
これは最近わかったんですが、一緒にいる人に合わせて話すみたいで
特に私と二人きりでいるときは、意外にも結構静かなんですよね
「わかりました。じゃあ桐乃が帰ってくる前に私が先に出ますね」
「あぁ、そっか、あいつもどこ行ったんだか」
私は彼が後ろを向いている間に、浴槽から出る
「じゃあ、お先に。ゆっくり休んでくださいね、最近疲れてるみたいですし……」
彼は自分の手で顔を覆い隠し私からは顔が見えないようにして答える
「そう見えるか?」
「そうですよ。最近ずっと帰りが遅いじゃないですか。もしも何かがあったら、って考えると……」
彼は顔から手をはずし笑顔で言う
「悪い、心配かけさせたな。ほら早く乾かさないと風邪ひくぞ」
「はい、」
私は彼の言うとおりに浴室を出る
319 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:15:16.90 ID:Mwrg6EiV
部屋着に着替えてからすぐ桐乃が帰ってきた
「たっだいまー」
桐乃の手にはアイスが入ったコンビニの袋が握られていた
「おかえり。急に出て行ったりしてどこに行ってたの?なにか一言言ってくれればいいのに」
「ごめんごめん。テレビ見てたらアイス食べたくなっちゃって、冷凍庫見ても入ってなかったしさちょっとコンビニにまでひとっ走り。はいこれあやせの分」
私は桐乃と同じものを受け取る
「ありがとう桐乃。でも食べるのは晩御飯のあとにしてね。お兄さんがお風呂終わったら食べられるように準備してるから」
「ん、わかった。……って兄貴帰って来てたんだ」
桐乃はそういいながらアイスを冷凍庫に入れる。
「うん。桐乃と入れ替わりに来たんじゃないかな?誰もいない間にお風呂って言ってたし」
晩御飯の準備とはいっても今日作ってきた料理を温めるだけなのでそんなに時間はかからなかった
「誰もいない間に?ってことはあやせがお風呂入ってるときだよね。……つまり」
桐乃がしたり顔で言う
ばれてしまった、絶対に
「あ……い、一緒に入ったりはしてないよ!ホントだよっ!」
「あやせ……自分で言っちゃダメじゃん。バレバレだって、顔真っ赤だし」
「うぅ〜……」
「で、どこまでいったの?もしかして…」
もう隠せない。私は顔を赤くしたまま
「ただ、一緒に入っただけだよ……背中合わせで」
そう言うと、桐乃はあきれた様子でため息をつき
「なんで、若い男女が一つのお風呂に一緒に入ってなにもないのよ……なんかこうラッキースケベ的なイベントがあるはずなのに……あ、兄貴にとってはあったか。一瞬とはいえあやせの裸見れたんだし」
そう言われて私は思わず桐乃の背中を軽くたたく
「ちょっと桐乃そんな風に言わないでよっ」
「ごっごほっ、あ、あやせ……あやせのは軽くないよ……」
どうやらツボ(?)にあたったらしく桐乃が咳き込む
「ちゃんと手加減してるはずなんだけどな…」
「そんなこと言ったって、この前加奈子だって気絶しちゃったじゃん」
「偶然だよ、偶然」
私たちが居間で話をしていると、彼が浴室から出てきた。
「お、桐乃ただ…いま?」
「おかえ…り?」
「どうして二人とも疑問形なんですか。それじゃ晩御飯持ってきますね」
台所に用意しておいた料理を取りに私は居間を離れた。
……居間を出たとき、桐乃と彼が耳打ちで何かを相談しているみたいで、ほんの少しだけ以前を思い出して怖くなった
二人で何かを隠している。私の知らない何かを
どうして内緒にするの?私が触れちゃいけないことなの?
……ううん。きっと桐乃がなにか相談しているんだ。今日学校でも、自分のことで動いてる、って桐乃が言ってたし
きっとそうですよね、信用してますよ。二人とも
320 :
ヤコロ:2012/05/18(金) 15:17:29.03 ID:Mwrg6EiV
とりあえずここまで
駄文失礼しました
タイトルを付け忘れたので一応
「3年後のif」でお願いします
>>320 乙です!肌にはりつくような素敵な文章でした!
322 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 01:24:05.46 ID:5kvs7xVz
>>320 乙だが注文にいいすか。
文章空けてください
>>320 乙乙!
>>322 の言う通り行間を適当に空けて「間」を作ったり
極端に長い行は途中で折り返して2行にした方が読み易い
あれから数日が経った。
結論から言おう。
あやせの予想は的中していた。
朝。
「よ、よう。桐乃」
「……」
夕。
「ま、まだ怒ってんのか?」
「……」
夜。
「おい、いい加減にしろ、いつまで餓鬼みてえにふてくされてんだよ」
「……」
とまあ、こういった具合だ。一貫して無視を決め込んでいる。
舌打ちすらしない。まるで俺の存在などそこにないと言わんばかりの態度だ。
これは想像以上にキツい。だがまだここまではいい。
どうも、あやせに対しても同じように振舞っているらしいのだ。
「桐乃が……わたしと挨拶をしてくれないんです」
あの騒動から三日後の夜。あやせは電話口にて、そう切り出してきた。
「授業とかで、必要な時には話してくれるんです。口調も別に普通で。でも普通なんです。
普通の友達に、普通に話しかける。……普通の距離感を持って」
それが普通の友達なら良かったのかも知れない。ただ、桐乃とあやせは自他共に認める親友同士である。
だからこそ、その距離を置かれた様な桐乃の態度に、あやせは酷く衝撃を受けたらしい。
あやせ、桐乃大好きだもんな……。
その事を思い返し、忌々しく呟く。
「……ったく。桐乃の奴」
なにやっているんだ。一年前にあれだけ必死に繋ぎ止めた親友に対し、次は自分から突き放そうと
するとは。お前の趣味に対し、ここまで歩み寄ってくれたってのに。
くそ、俺の予定と違う方向に進んでいるな。
最悪、俺が嫌われても仕方ない、桐乃とあやせが親友であってくれればそれで良かったというのに。
「あやせまで避けるとは、な」
想定外の最悪だった。
確かにあやせの行動は少しやり過ぎていた。
それは否定する気なんて無い。
しかしだからといって桐乃に直接何かをした訳ではない。
そこまで怒る程の物なのだろうか。
分からず、沙織に相談をしてみようとも考えた。
だが、桐乃は既にあやせを俺に取られたと解釈してかねない。
そこで俺が沙織に相談なんて持ちかけたら、沙織まで取られてしまうと思いかねない。
一番初めのオフ会で、ぽつんと一人残されていた桐乃。あの時の姿が重なる。
今回は俺が原因である以上、桐乃の助けにはなれない。
だから沙織たちには桐乃の助けになってほしい。
今喧嘩している妹相手にこんな事を考えるなんて、俺のシスコンレベルも相当だな…と苦笑を浮かべる。
なら麻奈実に相談をするのはどうだろう。
あいつなら必ず相談に乗ってくれる筈だ。そして力になってくれる事だろう。
だが、あいつは今、俺と同じ受験生で忙しい身だ。また今回の件を説明する為には、
あやせが部屋に来た事とか全て話す必要がある。果たして話していいことなのだろうか。
少なくとも誰彼構わず言いふらしていい事ではないのは確かだ。
そもそも、あやせがなんであんな強引な事をしたのか。
これは直接、本人に聞いたほうがいいだろう。
……よし。大体の方針が決まってきた。
桐乃が無視をしてくる以上、まずはあやせから詳しい話を聞こう。
時間を見れば、まだ夕方を回ったばかり。今の時間なら家に居るだろう。
という訳で、早速、あやせに電話を掛けてみる。
トゥルルル。
数回の呼び出し音の後、あやせが電話に出た。
「……はい」
「あやせか。俺だ」
あやせが酷く落ち込んでいる事が、電話越しでも分かる。
やっぱまだ桐乃の態度は変わってないようだ。
「どうか、しましたか?」
「お前の声が聞きたかったんだ」
「殺しますよ?」
「声が聞きたかっただけでっ!?」
こわっ!
通報しますよがまだ可愛く見れる言動だった。
心の余裕が無い分、言動もいつもより危険度が増している。
「……あ。す、すみません。ちょっと最近苛々してて、ついお兄さんにあたる真似を」
「大丈夫だ。分かってる。桐乃の事で悩んでるんだろ?」
あやせが機嫌悪い時には、余程の用がない限り話しかけない方が賢明だと学んだよ。
はい、と声のトーンを落としながら答える。
「桐乃、あれからずっと、挨拶をしてくれません。いえ、わたしからすれば返してくれます。
でも今まではわたしを見かけたら桐乃の方から挨拶してくれてたのに」
進展、なしか。
「俺の方も相変わらず、だ」
やれやれ、今回の怒りは結構根が深いらしい。
なんであんなに怒ってるんだか、あいつは。
「そう、ですか」
沈んだ声で、あやせが返す。
「……」
「……」
お互いの沈黙が続く。…このまま黙ってても仕方ないか。
「あやせ」
あやせの名を呼び、俺は聞きたかった事を聞き出す事にした。
「なんであんな事をしたんだ?」
出来る限り責める口調にならないように気をつけながら言葉を続ける。
「決して責めている訳じゃないからな。部屋に招き入れる決断をしたのは俺だ。責任の所在なら俺にある。
俺が聞きたいのは、桐乃に嫌われたくないのに、なんであんな事をしたのかという理由だ」
夜中に俺の部屋に来て、手錠を掛けて、キスまでして。
あれだけ俺を嫌っている桐乃からすれば、汚らわしいにも程がある行為だろう。
少なくともその行為の後、桐乃が怒らない理由がまるで浮かばない。
……。
再びの沈黙。だんまりか。余程言いたくない事なのだろうか。
言いたくないなら仕方ないか。そんな事を無理矢理言わせても意味が無い。
いつか言いたくなったら言ってくれ、とこの会話を終わらせようとした所で、
沈黙を守っていたあやせが、ようやく口を開く。
「予想外、だったんです」
「予想外? 何か?」
桐乃が怒る事がか?
「てっきり、キスをした事で怒られるんだと思ってました。けど、実際は違った」
そうだ、桐乃が怒った原因は、
「俺が泣いてた事に関して、桐乃はキレていた」
いつだったか、桐乃は言った。
――兄貴が泣くのは、もっと嫌!
確かにあんな本音、言いふらしているとは思えない。
だからあやせは、予想できなかったんだろう。
「はい。お兄さんが泣いてて、桐乃はそこに怒っていた。それも本当に心の底から」
わたしに見せたことのない目つきで、真っ直ぐと睨んできた、と。
「つまり、あれか。キスをした事で怒られるのであれば、どうにか出来たのか?」
「はい。桐乃を、説得するつもりでした」
「けど、それ以外の原因で、しかも本気で怒っていたから」
説得も何も出来なかった、と。
桐乃を説得、ねえ。何か説得できるだけの何かを、あやせは持っていたのだろうか。
怒られると分かっている事をして、その上で説得する、それがあやせがあんなことをした理由か。
無茶しやがる。
「でもお兄さん。桐乃が怒っているのはそれだけじゃないんですよ?」
「え?」
「もちろん、わたしがお兄さんを泣かせたことも凄く怒っていると思います」
「でもそれだけじゃなくて、他にも怒ってる理由がある、と」
桐乃が怒っている理由。
俺を泣かせた事。これは桐乃本人がそう言っていた。
しかしそれだけじゃないと言う。
思い返してみる。
確か、俺があやせを襲おうとした、と告げた時に顔色が変わっていた。
そりゃそうだ。
妹の親友の貞操を奪おうとしたんだ。それは怒るだろう。
でもそれなら何故、あやせまで避けられるんだ?
予想外というなら、俺にとってここが予想外だった。
てっきり、俺を変質者呼ばわりして、寧ろあやせには過度に接触して俺から守ろうとするだろうと、
俺は踏んでいた訳だ。だから、ああやって憎まれ口を叩いた。
だが、予想に反して、桐乃はあやせに対しても怒っている。
「……実は、わたしは桐乃が何に怒っているか気付いてます」
「なに!?」
「そしてお兄さんにそれを教えて、誤解を解かせればきっと仲直りも出来るんじゃないかと思ってます」
なんだと…?!
「それなら、すぐに教えてくれって。お陰で悶々とした日々を過ごしちまったじゃねえか」
ふぅ、とため息をつく。なんだ、問題解決じゃないか。
「……です」
しかし、そんな俺に対しあやせが返した答えは意外なものだった。
「嫌です」
「な、に?」
予想外の予想外、そして想定外。一瞬、俺はあやせが何を言っているのか分からなくなった。
同じ日本語喋ってるんだよな。
「お兄さん…、ごめんなさい。ごめん、なさい。わたし、言えません。ごめんなさい」
声は徐々に涙混じり。
「お、おい、あやせ?」
「わたし……」
プツ、ツーツー。
電話を切られた。
そして切られる直前、確かに俺の耳はあやせの漏らしたつぶやきを捉えた。
わたし、なんてみにくいんだろう。
ワタシ、ナンテミニクインダロウ。
それは、到底あやせと結びつかない単語に思えた。
別ルートじゃないのに名前に別ルートと書いてしまってがっかりしてます。
という訳で別ルートじゃない本ルートを投下
相変わらずエロが無いです
というかもしかすると最後までエロが無いかも知れません
設定に凝り過ぎたと反省
展開は
>>298さんに答えて、欝ルートを予定してます
もし今後もエロが書けそうになかったら、少し投下の方針を変えたいと思います
テキストに書いてUpとかで
それでは、今回もお読み頂きました人にお礼と感謝を
329 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:26:00.83 ID:qIBFoPPR
登場人物
新垣あやせ 高坂京介 五更日向
語り
新垣あやせ
久々にやってみます。
330 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:26:55.40 ID:qIBFoPPR
わたしが、お兄さん‥‥‥、もとい、親友である桐乃のお兄さんが勉強のために
借りたアパートに幾度となく通い詰めて早数週間。
その間には色んなことがあったけど‥‥‥、お兄さんの周りは女の人が多かった。
桐乃と顔を合わせるのは別におかしくはない。だって二人は兄妹なのだから。
桐乃がお兄さんのアパートに居たって何も不思議じゃないし。
麻奈実お姉さんがアパートに来たのも、まあ、おかしくはない。
お兄さんとは幼馴染みだというし、あれくらいは‥‥‥おかしくないよね。
黒猫さん―――。一時はどうなるかと思ったけど、お互いに解り合えた、と思う。
お兄さんってば、あんな口調の人とよく付き合っていたものね。
わたしも仲良くしたいとは思うけど、先のことなんてわたしにも解らない。
沙織さん―――。あんな綺麗な人、モデルにもそうは居ない。
でもお兄さんは、沙織さんにはあまり興味がないようだった。
どうしてだろう。でも、わたしはちょっと安心した。どうしてかな。うふふ。
加奈子―――。なんであの娘が?
お兄さんに加奈子のお目付役をお願いしたのは、確かにわたしだけど、
あの展開はないんじゃないの? まったくもう。
沙也佳ちゃん―――。ちょっと驚いちゃったけど、悪い娘じゃないと思う。
でもお兄さんが居なかったら、わたしだけじゃどうなっていたかなあ?
でも、これからもわたしのことを応援して欲しい。
日向ちゃん―――。あのマセガ、いや、ちょっとおませで可愛らしい娘。
お兄さんはロリコンじゃない、と思うけど、大丈夫‥‥‥よね?
それにしても、黒猫さんにもあんな頃があったのかなあ?
331 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:28:12.10 ID:qIBFoPPR
そうそう。お兄さんはテストで見事にA判定を取ったので、お父様との約束通り、
アパートを引き払ってご実家に帰るらしい。片付け物のお手伝いに来たけど、
あまり荷物も無いから、代わりにわたしが料理を作ることになった。
お兄さんが材料の買い出しに行っている間、わたしはわたしにできることを。
お兄さんの部屋に出入りできるのもあと少ししかないから‥‥‥。
軽く片付け物とか、掃除とか、色々やっていると‥‥‥部屋のドアが開いた。
ドアから射し込む外の光でシルエットになっている男の人は、お兄さんだ。
「ただいま」
「お帰りなさい」
い、いやだ!! いつの間にか、ふ、ふ、夫婦みたい!!
「どうした、あやせ?」
「な、何でもありません! あ、お部屋を掃除しました」
「おう、ありがとうな。買い出しはこれでよかったのか?」
お兄さんが買ってきてくれた食材を使って、早速、手料理を作ることに。
最近わたし、料理を勉強しているんですよ!
「材料を買ってきてもらって聞くのもなんですが、何を食べたいですか?」
「あ・や・せ♪」
ドスッ―――
「じ、じょ、冗談だって、あやせサン‥‥‥」
鳩尾を抑えながらお兄さんは苦しそうに呟いた。
332 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:30:09.59 ID:qIBFoPPR
「う、うぐぐ‥‥‥ん? ああ、部屋、片付けてくれたんだ?」
「ええ、ほんの少しですけど」
「ちょっと散らかってたもんな。ありがとな‥‥‥んん!?」
お礼を言い終わったお兄さんが動揺している。
「あのー、あやせサン?」
「何ですか?」
「その、あのー、つまりだな‥‥‥これ‥‥‥」
お兄さんが指差した先には‥‥‥わたしの‥‥‥下着‥‥‥。
な、な、な! なんてこと!! わたしの最高のお気に入りなのに!!!
そう思った途端、口よりも先に足と手が先に動いた。
ぱあああああん
「ぶおっ!!」
「ブチ殺されたいんですか!? この変態!!」
お兄さんの頬にわたしの平手が炸裂した。そして自分でも理不尽だと思う罵声。
「なんかすげえ、既視感があるんだけど」
お兄さんは、今度は頬を抑えながら、意味のわからないことを呟く。
もう泣きそう。折角のわたしの最高のお気に入りだというのに。本当にもうっ!!
333 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:31:11.59 ID:qIBFoPPR
「あの、もうひとついいですか、あやせサン?」
今度はお兄さんが表情を曇らせながら、わたしに訊く。
「何ですか?」
「あ、いや、なんでもない」
動揺してる。動揺してる。
「あのさ‥‥‥見た?」
「何をですか?」
「あ、いや‥‥‥この辺にあったモノ、どこに行ったのかなあ?って思って」
「それなら、ここに纏めておきましたので、はい―――」
「取らんでいい!!」
わたしが片付けたモノを取った瞬間、お兄さんは大慌てでわたしを制した。
お兄さんに手を払われた格好になったわたしが体勢を崩したせいで、
片付けモノの中から何かが落ちた。
―――おしかけ妹妻〜禁断の二人暮らし〜
それは、見るからにいかがわしい感じのゲーム。
「これって‥‥‥お兄さん?」
「ちょ、お前!」
「きゃっ!」
「危ねえ!」
ドタッ―――
334 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:32:22.42 ID:qIBFoPPR
慌てたお兄さんと縺れ合って、わたしがお兄さんに押し倒されたような格好に。
ワンピースが胸元までたくし上げられ、ブラジャー越しにお兄さんの掌の温もり。
わたしの太股の間にはお兄さんの‥‥‥腰が‥‥‥。
まるで、わたしが初めてお兄さんと会った日に目撃したあの光景と同じ。
「お、お、お兄さ‥‥‥」
「あ、あ、あや‥‥‥」
わたしもお兄さんも声にならない声しか出ない。
まさかこんな‥‥‥こんな、想定外な‥‥‥。
あまりのことに、『変態!!』とか『ブチ殺します!!』の言葉が出ない。
「こ、これは事故だ! お前だってわかるだろう!?」
今まで見たことないほどに大汗をかいて弁解するお兄さんが
わたしから離れようと、わたしの胸に当てた手に力を入れて体を起こした。
「ひゃっ! い、今、わたしの胸を揉みましたね!?」
「バカ言え! そんなことするわけ無いだろ!!」
パシャッ―――
「ん? 何だ? 今の音」
「話を逸らさないで下さい! ブチ殺されたいんですか!?」
「いや、なんか、カメラのシャッターの音が聞こえたような」
「そ、そんな言い逃れが通用すると思っているんですか?」
「いや! 確かに聞こえたぞ」
お兄さんが怪訝な顔をして、部屋の中を見回す。
そして部屋の一点―――バスルームのドアに目が釘付けになった。
335 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:33:19.57 ID:qIBFoPPR
「そこかあああああ!」
お兄さんが浴室のドアを開けると、日向ちゃん―――黒猫さんの妹が居た。
手にはデジタルカメラ。そして悪ぶる様子もなく、
「や、やほー、高坂くーん、超絶好調じゃーん」
「‥‥‥ここで何をやっているんだ?」
「えっとねー、“黒天使”さまの“使い魔”でーっす」
「“堕天聖”だろ、いい加減覚えろよ。それに第一、そのカメラは何だ?」
「ああ、コレ? けってーてき瞬間を撮れって命令されたんだよねー」
「く、黒猫のヤツ、自分の妹に何をさせやがる! お前も言いなりになるなよ!」
「だってえ、『いい? わたしの命令に従わないと地獄に落ちるわよ』って
脅されたんだもん」
「呆れたもんだ」
がっくり肩を落としているお兄さんは、日向ちゃんに向き直って続ける。
「まさか、そのカメラでさっきの場面を!?」
「うん。撮ったよ」
「それ、黒猫に見せるつもりか?」
「ふふーん、どうしようかなあー!?」
「そのカメラ、よこせ!」
「きゃー! 高坂くんにレイプされるー! おまわりさーん!!」」
「お前、俺の世間体を人質に、なんてことを言いやがる!」
「お、お兄さん!? わたしばかりか日向ちゃんまでも!? この変態!!」
「あやせ! お前一体何を見ていたんだよ!?」
336 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:34:43.67 ID:qIBFoPPR
「それにしてもこんなことをやらせるなんて、まるで悪魔じゃないか!」
お兄さんはとても呆れた様子だ。
「うん‥‥‥確かにアレは悪魔だと思う。とりあえずこの写真は―――」
「そこまでです―――小娘」
「ぐ、ぐ、ぐえええ」
「おい、何やってんだよ」
「ちょっとお、マジ苦しい!! 聞いてな‥‥‥ひっ!!」
日向ちゃんがわたしと目が合った瞬間、顔が硬直し、目は涙目になっていた。
そんなにわたしって怖いのかなあ?
「あやせ、やり過ぎだ! 殺す気かよ!?」
わたしが日向ちゃんを殺すだなんて。
いやですね、お兄さん。そんなことするわけないじゃないですか。
「これは消させてもらいます」
わたしは咽せている日向ちゃんからカメラを取り上げ、速攻で画像データを消す。
「ああー、折角撮ったのにい!」
「すげえな、あやせ。よくそんな早業で画像消せるな」
「このくらい普通です。慣れてますから」
「ああ、そうなんだ‥‥‥」
「ええ」
お兄さん。そんなに顔を見つめられたら、わたし恥ずかしいじゃないですか。
337 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:35:25.24 ID:qIBFoPPR
まあ、本当に最後の最後まで色々あったけど、なんとかお兄さんに料理を
作ってあげることもできたし、日向ちゃんにはおとなしく帰ってもらった。
「じゃあ、お兄さん。わたしもこれで失礼します」
「おう、ありがとうな。まっすぐ帰るんだろ? 送っていくよ」
「いえ、友達と会うことになってますので、ここで失礼します」
「そうか。じゃあな」
お兄さんのアパートを後にした。
あ、もうこんな時間。待ち合わせのお店に行かなきゃ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
わたしは、待ち合わせのお店に向かった。
お店に入り、待ち人を探して店内を見渡していると聞き覚えのある声。
「やほー、こっちこっちー」
声の方を見るとテーブルを一人で占領した日向ちゃんが手を振っている。
「ちょっとー、遅いよー! ひょっとして高坂くんとあの続きを‥‥‥?」
「そんなこと、ありません!」
「うっわ! 全否定? まあいいけどさ」
相変わらずのマセガ、いや、おませな娘ね。
「あ! さっきのアレ、聞いてないよ! 超、苦しかったし!」
日向ちゃんは、わたしのネック・ハンギング・ツリーに不満げな様子。
お兄さんに悟られないためにも、あの場面では仕方なかったのよ。
338 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:36:10.52 ID:qIBFoPPR
「それで‥‥‥例のモノは?」
「はい、コレね」
日向ちゃんはポケットからデジタルカメラを取り出し、わたしに手渡した。
中身を確認するとそこには、半裸で床に倒れたわたしに覆い被さるお兄さんの姿。
そう。あの瞬間を切り取った写真だ。
「すげー。どう見ても高坂くんに襲われてるし」
「よく撮れてますね」
「でしょ? でしょー? わたしカメラマンの素質があったりしてー」
とりあえず、当初の目的は達成かな。
「でも最初は困ったよね。てっきり高坂くん、あの下着をくんかくんかしたり、
頭に被ったりすると思ってたのに、全然しないんだもん」
「お兄さんはそんな変態みたいな事しません! 紳士なんですよ!!」
「へー、もしかして変態紳士ってやつ? すっごーい」
折角用意してきたお気に入りの下着なのに、お兄さんに通用しなかったのは
想定外だった。お兄さんはわたしの下着でそういうことを絶対すると思って、
その決定的瞬間を日向ちゃんに撮ってもらう予定だったのに。
でも結果的に予定以上の成果があったから、結果オーライかも。
「とりあえず約束通り、好きなものを注文して下さい」
「じゃあ、ミックスパフェの5段重ねトッピング!」
まったく、体型のことを気にしない小学生って最高ね。
339 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:36:58.89 ID:qIBFoPPR
「でもさ、高坂くんがカメラの音に気付かなかったらどうなったのかなあ?」
「それはわたしにもわかりません。音に気付くなんて想定外でしたから」
「もしかして、あのまま、あたしの目の前でエッチを―――」
「しません!!」
まったくもう。そんなことあるわけ無いじゃないですか。
お兄さんは理性的なんですよ。せいぜい、こんな感じでしょ。
『あやせ、ごめん。大丈夫か?』
『ええ。大丈夫です‥‥‥きゃっ! いやだ!』
わたしは乱れた服から覗く躯を隠そうと、身を捩らせながら両手で隠す。
『こっちを見ないで下さい!』
『わ、悪い!』
―――お兄さんに背を向け、服を整えていると、わたしの両肩にお兄さんの手が。
「ひゃっ!?」
『あやせ‥‥‥』
「い、いやだあ! 何をするんですか、お兄さん!?」
『きれいだよ、あやせ』
「そ、そんな‥‥‥きゃっ!」
―――お兄さんはわたしを軽々と抱き上げ、布団にわたしを横たえた。
『あやせ‥‥‥』
「お兄さん‥‥‥」
―――お兄さんの両手がわたしの躯を包む衣を剥いでいく。
340 :
『悪魔の使い』:2012/05/25(金) 00:37:55.26 ID:qIBFoPPR
「お兄さん‥‥‥ブチ殺し‥‥‥ま‥‥‥ああ‥‥‥」
「こうして、黒髪の美少女は高坂くんに、しんしょくされてしまったのです」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥!!!!!!!!!
「そこまでです―――小娘」
「ぐ、ぐ、ぐえええ」
今日二回目のネック・ハンギング・ツリー。
「ぢょ、ぢょっと、みんな見でるっで!」
日向ちゃんの言葉で我に返って周りを見渡すと、お店のお客さんの耳目を
集めていることに気付いた。
「まったくもう! どこからわたしの想像に割り込んだんですか!?」
「“お兄さんに背を向け、服を整えていると―――”からかな?」
「もう、信じられません!」
「ていうか、あたしの言葉に完全シンクロして、妄想ノリノリだったしぃ」
「く、くぅっ!」
さすが黒猫さんの妹だけありますね。もう限界です。
さて、一通りのプロットが片付いたところで、日向ちゃんを諭すことに。
「わかっているとは思いますけど、このことは誰にも秘密ですよ」
「でも、あたしってさ、口が軽いからどっかで喋っちゃうかも知れないよ」
「そんなことは許しません」
「どうしようかなー」
「‥‥‥いい? わたしの命令に従わないと、地獄に落ちるわよ」
ほんの、ほんのちょっとだけ、日向ちゃんを睨みつつ優しく諭してあげた。
日向ちゃんは半泣きの表情で呟く。
「“黒天使”どころか悪魔だし。第一、囮のカメラを用意するなんて普通じゃないよ」
「え? このくらい普通ですよ? お兄さんもカメラが二つあるとは思わないし」
「怖すぎい。ねえねえ、その写真、一体どうするの?」
「‥‥‥聞きたい?」
「ひいっ!!‥‥‥いや、聞きたくない」
「実は、この写真を‥‥‥」
「だから、聞きたくないっての!!」
さっきもそうだったけど、どうして日向ちゃんといい、ブリジットちゃんといい、
いきなり怯え出すのかしら?
でもこれで、お兄さんの弱みも作ることができたし。
もし、わたしの涙で心がお兄さんの動かなかったときは、
この写真で‥‥‥うふふ。
『悪魔の使い』 【了】
あやせと日向の掛け合いおもしれーww
こういうテンポのいい正統派コメディは久々だね。乙!!
>>329 なかなか面白かったです。
ただ、京介が買い物に行く理由、突然下着が落ちていた、押し倒されたとき半裸などの流れからして、
あやせがシャワーを浴びる必要があって、その間に京介が買い物、京介、買い物から帰宅、替えの下着を京介が発見、
バスタオル1枚のあやせともみ合って半裸とか、そういう流れだと自然かも?
346 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 02:11:34.79 ID:CRv683H9
>>345 オリジナル?かと思ったら公式だった(キャラ的な意味で)
内容もよかったよ。お疲れ
>>345 く、黒猫っ十年以上純血を保ってたの?(^^;
だから、桐乃と同じくらいの禁忌を犯す気になったのかーw
>>348 黒猫は、田亀源五郎までカバーしてるのかと思うと笑えてきますw
「俺の奴隷」ボイスできりりんがハッスルしてるSSください
著書が酷いw
どうせなら
「一夫多妻制)まで踏み込んで欲しかった…w
354 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 22:59:00.85 ID:9XLKnQWY
>>351 こういう描き方もあるのかと読んでて感心したわ。
面白かった。お疲れ
きりりんを性奴隷にしたい
>>352 ×…「一夫多妻制)まで踏み込んで欲しかった…w
○…「少子化対策で一夫多妻制施行」まで踏み込んで欲しかった…w
>>351です。皆さんありがとう(^^)。
一夫多妻の件ですが、京介のハーレムのイメージって受動的というかあくまで能動的じゃない気がしてボツに・・・。でも少子化云々は入れるべきだった!w
私の履歴書の背景には桐乃とは決して結ばれないことを悟り悲しみにくれる京介。そこにあやせがそっと寄り添う。
時が過ぎあやせのことを世界で二番目に愛せるようになった京介に入り込む婿養子と政治家の話。
・・・これ以上悲しい思いは誰にもさせないっ。
個を取り除き理想に殉じた独りの政治家の誕生だった・・・みたいなw。
>>358 すっかり甘甘な仲で良かったんじゃないかと。
幾度目かの関係だと思うのに京介が"痛くないか?"なんて聞くのは巨根だからですか?w
360 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 17:01:44.25 ID:6+7SHM+8
>>358 「」は一行に1つ
「」の後に地文を書くことは勧められない
多少なり掛け合いというか、突っ込みが欲しいところ
おつかれ
>>359さん。どうもです。たぶんアストロン化してるのかと(ぇw。
>>360さん。アドバイスありがとうございます。次回からそうしますね(^^)。
>>358 シロップを直飲みしたくらい甘々だ…w
桐乃は京介にデレてもお兄ちゃんって言わないんじゃないかって気がするけど、
兄の日と掛けているのかな。
>>358殿、超乙!
リク希望というか
>>351の別世界バージョンで
『「一夫多妻制」を施工して実例第一号として
家族甘甘な日常&夜の大輪か…もとい、「妻達全員と同時な営み」なSSが見たいっすw
>>363さん。 が、がんばれたら・・・w。私の力量だと・・・あははw。
>>362さん きりりんは天下無敵のおにいちゃんっ子です!(力!)w。
>>364 警視庁は、イザって時のために、発動条件の婦警を用意しているんですね?w
次回は、このスレにふさわしいエロが入ってることを望みます!
>>366さん たぶん三部作になるかとw。
>>367さん すみません、エロパロ版にふさわしくないものをまた投下しちゃいましたてへぺろw。
>>369殿、続編、超乙っ!
>>364 >>368な「並行パラレル」みたいなの有りならば
「桐乃、エロい夢オチ前提で『桐乃、【多数のお兄ちゃん達】と(和)輪姦(乱交?)』」も可能?(チラッ)
(以前まとめにあった【「妹輪姦エロゲ―」の影響で、夢で京介達と…】と似たような感じで
夢で妹キャラを自分、男たちをどうするかによってSSの方向性が…
「モブキモ夫」だとダーク輪姦物w、全員京介だとハードイチャラブ物でw。ちなみに全員京介のイチャ二穴・三穴希望w)
>>368 半分くらい読んで、ぜったい、"続く"だろうな〜と思ってました(^^;
最終回までエロが無さそうですねえorz
>>372 ちょ、先生?、京介発動編が省かれて、なんか人の心を取り戻した京介がみんなを助けて?
沙織が暴走って、飛ばしすぎ(^^;
まあ、誰も死ななくて良かったので乙、か。
>>375 マレに旦那が絶倫すぎて秘部が炎症起こすので〜てな妻が婦人科に来たりするようですが、
京介のストイックさは、内なる獣を解放させないためだったのかw
海外動画で水鉄砲のように数mも出す人が居ますが、この京介だともっと飛びそうです(^^;
>>375 乙です
この京介なら他にもフェイトそんとか田村姉弟とかも餌食にしていそうでワロタ
>>345 内容が酷いな……。
京介と桐乃は昼間から何してんだ仕事してないのかとか、黒猫は黒猫でいい年なんだから友人宅とはいえアポなしできたりしないだろうとか。
総じて物語の展開や設定に蓋然性がなく、黒猫と息子を関係させるためだけにそれ以外を都合良く揃えた体が見え見えで釈然としない。
>>348 これも同様に蓋然性がないなぁ……。
書き方としては面白かったと思うけど、SSではないよね。その分背景が窺えるような要素がもう少し欲しかったと思う。
あやせ以外の他のヒロイン勢が協力するなら、流れ的に+重婚OKな感じになるかと思ったのにそうでもないし、
なんでみんな協力してたのかの理由付けが窺えない点はマイナス要因だろう。
著書の題名も酷いけどここから窺えるのも重度のシスコンだから、なおさら展開的に+重婚OKじゃないとしっくり
来ない流れかと。
とゆーか、こんな著書を書いている政治家はイヤだ。誰が票を入れるんだ。
応援しそうな特殊性癖を持ってるヤツらは少数派のマイノリティだろうし、なんで総理になんてなれたのかも不可解。
>>378 アドバイザー(笑)様チィーッス!
わざわざエロパロの作品にまで噛み付くとかマジパネェっす!
きっと
>>378様は「エロパロ道」を極めたお方なんでしょう
是非とも
>>378の書いた俺妹の作品を読んでみたいものだ
ぶっちゃけ好きでもないキャラを題材にエロパロ書かれたら、そのキャラ好きからは微妙に感じる時はある
批判するなら、お前が書けってかw
ここが批評会なのか出された作品を自分好みなら堪能し自分好みじゃなきゃスルーする場なのかによると思うんだが
少なくとも批評会ではないな
好みでなければスルーすれば良いだけ
読み手のみんなは投下された作品を読みたいだけで
偏った個人的感想なんて見たくもないハズさ
>>378 大昔の韓非子っておっさんが儒者を批判して書いた本に、こういう趣旨の格言がある。
「「相手が受け入れやすいような言葉」を用いない助言は、「自分は賢いんだ」という他人へのアピールか、自慰行為のどちらか」
この板はオナニーのための板だけど、まことに残念なことに君のタイプのオナニーは管轄外なんだ。
VIPでやれレベルのものにもそれに噛み付く奴にも律儀に構ってやるんだからお前らけっこう優しいよな
読み手に対する、コイツらキメエ!みたいな誹謗中傷ならスルーするんだが
燃料を投下してる人を批判するのにはつい抗いたくなる不思議
>>382 その典型が凌辱SSで、このスレはそれを躍起になって追い出した立場だったな
陵辱スレに逝け
スルーする技能のない奴も出て行ってくれると助かります
黒猫レイプSSなら歓迎、イチャラブはNG
色んな嗜好があるもんだね…
自分の好みを表明するのは結構だけど
好み以外を誹謗中傷していると投下が
減って自分の首を絞める事になるぞ
黒猫もいいが桐乃やあやせ、加奈子も犯したいわ
桐乃のクロネコレイプケータイ小説や黒猫のキリノ性奴隷同人誰か書いてほしい
>>396 まとめのSS保管庫にある「俺の妹がこんなにエロ可愛いわけがない」読んだか?
凄く良いぞ
>>396 紅茶屋ってサークルの同人誌もいいな。凌辱ではないがエロい。あとたくじの同人誌かな。
SL久しぶりだな、お前は他人のSS誹謗で蓋然性という言葉を使いたがるのですぐわかったぜw
SL氏再降臨なのか?
他人の批判してる暇があったら前作の続きを書いていただきたいのだが
これまでの批判云々はともかく、俺も氏の作品は是非完結まで書ききって欲しいと思う
いや2度と来ないで欲しいんだけど
また自演で地ならししてたりしてな
もうトンズラしてるだろ
まあまあ、落ち着いてSSの投下を待とうぜ
自演扱いされてもうたw
あの人、すぐに人を挑発しにかかるから、作品は良いのに勿体無い。
ま、スレが荒れないのが一番だが。
ここはみんな落ち着いてスルーする事だな
ゲームをコンプした人も多いだろうからゲームから着想して
SSを投下する人が出て来ると信じている
じゃあ全員ポテ腹妊娠で
五更さんちの一番下の娘にポンポングラフィックがあるのは驚いたが
まとめwiki見てみたが、エロじゃない奴も多いのな
つい電車の中でニヤニヤしてしまった
つか異様にクオリティの高い奴もチラホラいてビビる
俺もあのクオリティで書ければな
412 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 22:04:59.32 ID:dz9mM2jF
京介と日向のマジ恋愛ものとか一度で良いから読んでみたいものだ
413 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/19(火) 23:43:02.62 ID:Qlz7tuSi
純粋すぎて面白みがない。
タマキとの浮気SSはよくできてたな。
京介による黒猫・桐乃・あやせ調教が見たい
416 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 22:45:59.97 ID:9qmeGPPZ
>>414 京介のキャラが180度ぐらい違うssが昔連載されてたな。未完だけど。
サンクス
こんなものがあったのか
つか、それってエロカワ先生のやつでね?
探してたんだ…さんくす
つか、ちょっと改定してるんだな…続きが早く見たいぜ
415です
>>418 正解!
改定されて加奈子が和姦になりそうだね
おれは早く沙織の善がってる処&多人数プレイの
二穴・三穴(基本男は京介だけだから他の子のペニバンor双頭ディルドー装着の子で)シチュがみてェ…
本スレで話してる時に思いついた一幕を書いてみた
桐乃が留学する予定で、その先に京介を連れて行こうとしている設定
エロとは無縁なのでおつまみにもならないが投下してみる
「あたしは、あたしの夢を叶える。そんでもってあんたとも離れない。そう決めたの。文句があったとしても言わせない。絶対に、後悔はさせない。だから、京介。あたしに付いてきて」
いつか、聞いた台詞だった。無茶苦茶で、強引で、強欲な宣言。
あの時は、誰を相手に言っていたか。
「……エロゲーと同じぐらいに、か」
我ながら、このタイミングに相応しくない返しだと思う。
だが桐乃はその言葉を聞いて、「馬鹿じゃん」と呟いた。
「……エロゲーよりも、あんたが必要に決まってんでしょ」
そりゃそうか、と普通の奴が相手なら納得出来る。だが、言った相手が他ならぬ俺の妹だとすると話は別だ。エロゲー、エロゲーよりも必要だって言ったのか?
あの桐乃が?
「…………」
俺を相手に?
「…………」
実感がまるで沸かない。というか、展開に頭がついていけてない。
今、こいつは何を言った? 俺になんて言った?
頭が真っ白になってしまっている俺の前で、桐乃はまるで全力を出しきったかのように息を大きく吐き、耳まで真っ赤に染めた顔で、ぷいとそっぽを向いた。
そして改めて、横目でこちらを見やる。まるで親の仇を見る様な強い輝きだ。
「…………」
「…………」
數瞬、お互いの間に沈黙が訪れる。やがて桐乃が口を開いた。
「で?」
「……で、とは?」
「…………」
俺を睨む瞳により鋭さが増した。視線で人を殺さんとばかり、俺を睨みつけて、
「あんた馬鹿? ちゃんと脳みそ入ってんの? 決まってんでしょ、返事。……答えなさいよ。言っておくケド、断る権利なんてあんたには無いから」
なんじゃそりゃ。
断る権利が無いなら、返事を聞く必要だって無いだろう。
……いや、そうじゃないな。そうであったとしても、こいつは聞きたいんだ。俺の口から直接。長年、兄をやってんだ。そんぐらいは分かる。
だから、答えた。
「断る」
「な……ッ! な、なんで! つか断る権利無いって言ったじゃん、聞いてなかったワケ?」
「聞いてたっつーの。その上で、断るって言ってんだよ」
俺ははっきりと妹の目を見据えたまま、そう返した。
その俺の言葉を聞いた桐乃は、目を僅かに見開き、顔を伏せて「そっか」とだけ呟いた。
まるで、想定していたかの様に、桐乃は取り乱さなかった。コイツなりに、無茶を言っているという自覚があったのだろう。なんせ、これは一日二日の話じゃない。確実に人生に影響がある範囲での、要求だ。この高坂京介という男の人生を左右するレベルの、要求だ。
だから、当然断られるという事は、想定していたのだろう。
それでも。
親への説得。住む場所の確保。生活する為の貯蓄。断られるという前提では、無かったのだろう。これはコイツなりに、全力を出して俺を説得する為の準備だった。
俺を本気で、連れて行こうとしていた。
……馬鹿な奴だ。俺が付いて行く筈がない事ぐらい分かっていただろうに。
「桐乃」
「…………」
「おい、桐乃」
「…………何?」
伏せたまま、顔をあげない。……構わない。聞いているのであれば、話を続ける。
「一つだけ、答えろ」
「…………」
沈黙。即ち、肯定。
「俺は、おまえの何だ?」
「……なにって」
伏せたまま、桐乃は言葉を紡ぐ。
「あたしの……大事な人?」
バッ……!
「こっ恥ずかしい事言ってんじゃねえ! そういうんじゃなくて、こう、もっと違う意味合いでの質問だ!」
落ち込んでいる時の桐乃は、いつもより扱いが難しい。なんて言うか変に素直というか、子どもっぽいというか、とにかく扱いに困る。こいつは偉そうで、生意気なぐらいがちょうどいいと痛感する。
「……?」
桐乃は分からないという言いたげに小さく首を振る。やれやれ。自分から切り出すと中々台なしなんだぜ。
「分かった。いいか、俺が答える。俺にとっての、おまえが何なのか……。耳をかっぽじってよく聞けよ?」
俺の言葉を聞いたのか、よく聞こうとしたのか、顔を上げる。目が潤んでいた。泣いていた、のだろう。よくも悪くも俺の胸の動悸が激しくなる。くそ、不意打ち過ぎる。
「おまえは、俺の妹だ!」
何度となく、言ってきた言葉。俺の本心からの言葉で、そして真実。
その言葉に、桐乃はまた顔を伏せようとする。
いいぜ、分かってんだよ、そういう態度をするって事をさ。
「お前は、俺の妹だ! ムカつくし、クソ生意気だし、傲慢だし、ワガママだし、蹴ってくるし、騒がしいし、正直一緒に居るなんて想像するだけでストレスマッハな、そんな妹だ!」
「……うっさい」
イラッときたようだな。よし、そんぐらいのおまえが、おまえらしい。
「でもな――」
そのクソムカツク、俺の妹に告げてやろう。
さあ、聞くがいい。これが、俺の汚らわしい本音だぜ!
「大事で大事で大事で、大事で堪らねえ、特別なんだよ、おまえは! 俺にとって、命にかえても守りきりてえ、そういう大事なヒトなんだよ、てめえは!
分かってんのか、さっきのおまえの台詞で、俺の心臓が止まりそうになった、死ぬんじゃねえかって思った、そんぐらいに心が高鳴ってんだよ、悪かったな、俺はな、てめえにトキメイた!
ドキドキした、恋する乙女のように、おまえに惹かれちまったんだよ! ふざけんなよ、俺をこんなに気持ちにしやがって、この際だからいってやらあ、俺はなあ、シスコンなんかじゃねえ、兄貴なんて高尚な人間なんかじゃねえ!
妹だからってだけで、おまえを大事にしてきたんじゃねえんだよ!」
なんて、酷い言い草。
今まで大事に積み重ねたものを、俺はいま、ぶち壊している。
ああ、どんな暴言すら、受け入れよう。
「俺はなあ――、おまえが、大好きだぁあああああああああああああっ!!!!」
兄として、妹を大事にしてきた。それは、嘘じゃない。
でもさ。違うんだよ。俺はさ、自分の家に居る、このとても可愛い女の子を。
兄と妹の関係でもいいから、このとても可愛い女の子とずっと側にいたかった。
そんな、下心だらけの、兄失格な男なんだよ。
全てを、吐ききった。覆い続けた清らかな言い訳を、醜い本音で叩き壊した。
「…………」
桐乃は何も言わない。或いは言えないのか。
伏せられた顔は、ただ黙するのみ。
「…………」
「…………」
何も言うことが出来ない、そんな沈黙。
そもそも俺は何をしたかったんだっけ、と思考を働かせた所で、桐乃が口を開いた。
「キモ」
……だよな。おまえならそういうだろうと思ってたぜ。
思わず苦笑してしまう。
「でも、あたしも充分キモいから」
「あん?」
訝しげに俺が桐乃を見つめると、いつの間にか顔をあげていた桐乃が不敵に笑む。
そして、静かに息を吸い込むと、彼女は言った。
「あたしだってねぇ! あんたのことが、」
そこで言葉を切り、かぁああ、と顔を真赤にして、顔を背けて。
「だ、大好きだっての」
そう付け足した。
「お、おま……」
そうやって照れられる方が破壊力たけえわっ!
俺を殺す気か!?
そう俺がワナワナと震えていると、桐乃はこちらを横目でみやって、「つか」と続けた。
「あんたの主張は分かったケド、じゃあ、なんであたしの誘いを断るワケ? 意味分かんないだけど」
ん? ああ、あの事か。
「当たり前だろ。あんな誘い、断るっての」
全く、責任すら独り占めしようとすんだから、どんだけ強欲だっての。
「一緒に、行こうぜ桐乃。仕方ねえから、最後まで付き合ってやんよ」
「―――」
この時、桐乃がどんな顔をしてたって?
そんなの決まってんだろ。俺の……なんだろうな?
……ああ、そうか。別に妹でいい。今は、まだ。
だから、この言葉で示させて頂く。
俺の妹が、こんなに可愛いわけがない。
投下してから気付いた
合間合間の改行すっかり忘れてた
縦書きで書いてたのをそのまま投下してしまったぜ、読みにくくて悪い
まあ、見難いオナニーだが、取り敢えず見せつけてやったので俺は満足だぜ
>>425 乙
俺はこーゆーの好きだから楽しめたわ
ニヤニヤがとまらん
アニメ二期はよ
>>425 乙!
もうこれが原作のEDで良くね?ってレベル
すごくこの2人らしいし、ニヤニヤが止まらんw
>>425 おっつー
おいおい、きりりん可愛すぎだろ
>>425 おつー
ニヤニヤできるSSは大好きだぜ
>>425 いいね、きりりんがふと見せる一途な表情を想像してニヤニヤでしたよ
まぁエロパロスレらしく原作ちっくにエロい方向ならば俺的には満点だったぜ
俺のオナニーをニヤニヤしながら見てくれてサンキュー!
調子づいた俺はさらなるオナニーを晒しに来たぜ!
相変わらずエロは無いけどな……! エロを書くの苦手なんです、ハイ。
これが、俺のさらなるオナニーだぜっ!
「なあ、前から気になっていたんだが」
リビングで、足を組みながらファッション雑誌を見ている桐乃に対し、俺はそう切り出した。
今日は、両親共に家を留守しており、俺と桐乃の二人で留守番をしている。
無論、桐乃と二人で留守番なんて望んでいるわけでも無く、どこかに出かけても良かったんだが、残念ながら赤城も麻奈実も捕まらず、
別段何か買いたいものがある訳でもなし、家で留守番するという選択肢を選ばざるを得なかっただけだ。
目の前で、ファッション雑誌を真剣に吟味している桐乃もまた、同様だろう。黒猫や沙織、あやせとかが今日偶々皆忙しくて、仕方なしに家で留守番しているのだろう。
だから渋々、まるで仲の良い兄妹のように、二人で留守番をしているという訳だろう。
特に二人、会話をする訳でもなく、リビングで各々雑誌を読みふけっていたのだが、少し会話をしてやってもいいかという気分にもなったので、気になってた事を切り出したのが今だ。
「…………」
そして相も変わらず無視を決め込んでくれている妹様。ったく、会話もする気がないんだったらリビングじゃなくて自分の部屋に篭ってりゃいいのにな。俺の部屋と違って、
自分の部屋にエアコンあるんだからさ。俺は当然、扇風機を回しても生暖かい空気が循環しかしないサウナのような自分の部屋から逃げるという理由があってリビングに居るだけだがな。
「おまえって、本当に妹が好きなわけ?」
相手が無視していても、敢えて会話を続けてやる。確実に聞こえている筈なので、このセリフで間違いなく、食いつく事が分かっていたからだ。
「今更、何いってんの、あんた」
ほらな?
「なに、なになに、あたしの妹に対する講釈を聞きたいってワケ? 仕方ないな、特別に教えてあげる。いい? 妹はね――」
「すとーーーっぷ! 聞きたくねえから! つかまだ俺の話終わってねえからっ!」
俺が慌てて桐乃の話を止めると、明らかに不満気に眉を潜める。余程講釈をしたかったと見受けられる。だが、勘弁してくれ。前に無理やり講釈を聞かされて気付いたら
2時間以上経っていた俺からすれば、もううんざりだという感想しか持てない。
しかも桐乃に言わせれば、まだ導入編、序章しか話してなかったというんだから俺のうんざり感が分かるだろう?
「ちっ……なによ、言いなさいよ」
それだけで舌打ち。いらっと来るが、これでいちいち文句を言っていたら話が終わらないので、驚異的な自制心を発揮しながら、俺は本題を切り出した。
「前に、おまえが黒猫の妹に対し、色々と暴走してたのを見て思ったんだけどよ」
暴走なんてしてないし、と言いたげな桐乃の視線を感じたが、無視する。あれが暴走じゃなかったらおまえの真の暴走はどんだけなのかと想像するだけでも恐ろしい。あれで暴走だと思わせてくれ。
「別に、兄と妹、という組み合わせじゃなくても、姉と妹でも、そのなんだ、おまえにとって妹扱いになるわけだよな?」
「当然っしょ。妹は妹だし」
心の底から当たり前の事を言っているという表情で、桐乃が断言する。
「じゃあさ、沙織はどうなん?」
沙織も確かちゃんと姉が居た筈だ。つまり、彼女は妹という事になるよな。
「……あ、あー、沙織はその、別っしょ。その、知り合った時は妹だと思ってなかったし、それに未だにお姉さんに会った事無いし、なんて言うか妹だという実感が無いっていうか」
ふむ、なるほど。
「じゃあ、瀬奈は? あれは初めから赤城の妹だって認識はあったんじゃないのか?」
いつの間に仲良くなってたから具体的な経緯は知らないが、赤城の妹だって事は知っているよな。お兄ちゃん連呼してたりする事もあるし、実感は嫌という程沸くはずだ。
「せなちーは……その、友達だから?」
「じゃあ日向や珠希ちゃんは友達じゃないと?」
「そりゃその……友達、だけどさ」
良かったぜ。妹だから友達もクソもないとかそういう宣言をされたりしたらどうしようかと思ったぜ。逆にそれ、妹に対して失礼だからな。
「それとさ、俺が知らないだけかも知らないけど、ブリジットにもおまえ、その、萌えてたよな? あいつ、別に妹じゃないだろ」
「…………」
「この事から推測するに、おまえは妹キャラが好きなんじゃなくて、同性に対するロリコ」
「すとーーーーっぷ! それ以上続けんなっ! 何言っちゃってんの! あたしは、妹が好きなの、ただそれだけなんだから変な事考えんな!」
俺の言葉を遮り、凄い勢いで捲し立ててくる妹。いや、なんでこいつがこんなに怒ってるのかが分からないんだが、これは俺が鈍いからなのか、普通の人は分かんのか?
つか自分の妹が「妹が好き」なんて事を考える方が余程変な事じゃねえか?
「…………なあ?」
「…………何よ?」
なんで顔を赤らめて顔を背けてるんだ、こいつは。何か恥ずかしがる要素が今の会話にあったのか?
「なんで、そこまで、妹が好き、という事に拘るんだ?」
「…………」
そこで黙りこんでしまう。まるで何か言い難い事があるような、それでそれが言えないようなそういう態度。前に何故妹が好きなのかと聞いた時は分からないと言っていたが、
今回はそもそも妹が好き以外の可能性が提示されている。それなのに、何故、妹が好きという選択肢に縋るのか。つか、自分より年上の妹とかが居ても本当にこいつは悶えるのだろうか。
まあ、エロゲーのヒロインは全員18歳以上だがな。
「……き、聞きたい?」
「いや、そこまで凄い聞きたい訳じゃないんだが」
なんでそんな恥ずかしがってる顔で、ちらっとこちらを見てるんだ、こいつは。
なに、なんのイベント始まってるの? 妹に「妹が好きな事に何故拘るのか」と聞いたらなんかイベントが始まるのが高坂京介の人生なのか? イベント発生条件複雑過ぎだろ。
「そ、そう」
あれ? いつもの桐乃ならここで俺の意見など聞かずに一気に捲し立てる筈なんだが。あっさりと引き下がったな。
……こうあっさりと引き下がれるとなんだか、気になってくるよな。俺だけじゃないよな?
「……やっぱ聞かせてくれ」
別に妹が「妹が好きな事に何故拘るのか」が気になっている訳じゃないからな、マジで。
桐乃は背けていた顔をこちらに戻し、俺を真っ直ぐと見つめた。瞳が心なしか潤んでるように思える。それに顔も赤く見える。え、なに、なにがはじまんの?
俺の中の警鐘が、危険という悲鳴を上げている。嫌な汗が背中に滲んでいる。え、え、何、ちょっと完全に先行きが予想不能なだけに、どうすればいいのかすら分からない。
き、聞かねえ方がいいんかな。でも、聞くって決めたしな、今更こう引くのは……。
そんな俺の心境を知ってか知らずか、桐乃は俺をしっかりと見据えて、少しコクリと喉を鳴らして、徐ろに切り出した。
「……あたしが、――妹だから、よ」
「…………」
いや、そうだよな? 妹だよな? え、なに、実は妹じゃない設定だったのか?
で、なんでこいつは言っちゃったみたいな顔してんの?
ここで安易な台詞なんか不味い気がする。しかし、他に選択肢なんて無くないか?
ゴクリ、し、仕方ない。頭に浮かんだ台詞をそのまま返すしかない。
「そ、そうか。確かにおまえは俺の妹だもんな。で、だから、妹が好きな事に拘りたい、んだな。そうか、わ、分かった」
全く分かってないが、このまま話を終わらせる事にする。なんか空気が危険だ。
「…………」
桐乃はこちらをじっと見つめている。潤んだ瞳に、俺の顔が写っている。頬が赤く、息づいかいも何だか艶かしい。ソファの端と端で座っていた俺と桐乃。だが、
桐乃が距離を詰めてきている事に気付く。二人の距離は、今、近付いていた。
不味い。何が不味いのかまるっきり分からないが、不味いという状況だけは分かる。この空気はぶち壊したいが、壊し方を誤ると、とんでもない事に成りうる。そういう危うさ。
か、考えろ高坂京介。ヒントは、妹が好きな事に拘るのは、桐乃が妹だから。
ん、待てよ? 何かに気付いた。そう、些細な違和感を感じる。待てよ。そうだ。
俺は、桐乃が妹ゲーをしていて、妹の可愛さを語っていて、その妹キャラと桐乃がまるで違っていて、自分で自分のダメ出しをしてんのか、
或いは妹という自覚が妹ゲーをしている時はないのだろうと考えていた。何故なら、自分が妹だという自覚をしていて、妹ゲーが出来るとも思えなかったからだ。俺が、
兄という自覚あって妹ゲーを攻略するのに精神的に疲れるのだから、ああやってゲームを楽しめるという事は、ゲームと現実を、2次元と3次元を別に考えていて――。
「な、何黙ってんのよ、な、なんか言いなさいよ」
思考に耽っていた俺を、黙りこんでると判断したのだろう。桐乃が、不安げに俺に話しかけてくる。待ってろ。今、頭がフル回転しておまえの事を分かろうとしてんだから。
2次元と3次元は違う。ゲームと現実は違う。だが、桐乃は現実でも妹が好きで、日向とか珠希に悶えていて。現実でも妹が好きで。ゲームで妹が好きだから、
現実の妹が好きになったのか? それとも現実の妹が好きで、いや、自身が妹だから、妹が好きで……待て、待て。
「自分が妹だという自覚があって、妹が好きで、妹ゲーに嵌って、そして、それを俺に――」
――エロゲーは、俺と妹の愛の絆。
――禁断の愛を集めていて。
――全てが兄妹の恋愛を描いた作品。
可愛さを求めているのであれば、年下の女性が好きである、でも問題はない筈だ。
だが彼女は妹である事を求めた。年下の幼馴染が居る作品とかじゃ駄目だった。妹である事。つまり可愛さじゃなく、その設定にこそ重きをおいた。兄と妹が結ばれる関係。妹ゲーとは妹を攻略するゲーム。いや、
自身が妹の立場だと想定すると、妹が兄に攻略されるゲーム。それも、兄の選択肢を、自分が望む選択肢を答えさせる事が出来る。つまり、それは――。
「ば、馬鹿じゃん」
俺の思考が結論に向けて収束しつつあったのを止めたのは、桐乃の短い言葉だった。
「な、何か変な勘違いしてんじゃないの? べ、別に深い意味なんてないっての」
――――。
その言葉を聞いた瞬間、全身からどっと汗が吹き出した。変な事を考えてしまっていた自身に対する羞恥だろうか。それか、緊張が溶けて安心した為か。決して、
何か残念の様なそういう気持ちは無い。だって、そんなの、気持ち悪いじゃねえか。そうだろう?
「だ、だよな? 悪い、悪い。ははっ、ふう、冷や汗かいたぜ」
「…………」
明らかに安心した態度の俺に、桐乃が何か複雑な表情を向けている。
「桐乃?」
その時の俺は完全に油断をしていた。桐乃が直ぐ近くに座っている事。潤んだ瞳。赤くなった顔。そういう全てが頭から完全に消えていた。
「やっぱ、嘘」
桐乃が俺の肩に手を掛ける。油断していた俺は、その動作に反応が出来なかった。そのままその手に体重を掛けられる。たかが女子中学生の、
しかもモデルをやるような細身の体重などとたかが知れていた。それでも、油断をしていたからだろうか、あっさりと押し切られる。
「え?」
ソファの肘掛けの部分に背を付けるような形になる。そのまま、体重を掛けられ続けたら、俺はソファから落ちてしまう。だから、自然ふんばろうとして顔を持ち上げる事になる。
そこには妹の顔。……避ける暇なんて無かった。
「……ん」「……!」
唇に感触。柔らかく、しっとりとした感触。蕩けるような甘美な感覚。だが精神を支配したのはそんな甘いモノでは無かった。
慌てて、桐乃の肩を押し戻す。そして言葉を続ける。
「わ、悪い! 避けられなくて、た、他意は無かった、すまん、本当に悪かった!」
俺の頭の中は真っ白だった。そこにあったのは罪悪感。妹のキスを奪ってしまったという行為。まるで自分に非はないのだが、
男と女ではキスの価値が違うだろう。俺にとってこれはファースト・キスになる訳だが、もし桐乃にとってもこれがファーストキスになるのであれば、
俺はとんでもない事をしてしまった。事故であったとして、まるで非がなかったとしても、妹のファーストキスを自分が奪ってしまったというその事実が、余りに重い罪悪感を生んだ。
殴られても、蹴られても、甘んじて受けてやろう。妹の気が済むまで、とそこまで覚悟をしていた。
「馬鹿じゃん」
俺の言葉を全て聞いた桐乃は、ただそうと呟いた。顔を伏せているので表情は見えない。今の桐乃の中では俺に対する怒りで渦巻いているのだろう。
「くっ……すまない」
俺は悪くない、被害者だ、と言っても良かった。だがそれは出来なかった。例え、それが理不尽であっても、兄としての自分の心が、
それを許さなかった。妹の始めてを兄が奪うだって? このクソ野郎が、死に晒せ、と俺の兄の部分が全力で俺を罵倒する。
そんな俺を、
「馬鹿! 本当にあんたは馬鹿! 馬鹿、馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! いっぺん死んだらどうなの!
分かってない、どうせあたしが怒っている理由だって分かってない、それがムカツクの! あたしの気持ちを、勝手に決めんな!
分かる? あたしが怒ってんのは、悲しいから! 悲しいから怒ってんの……!」
桐乃は、涙を流しながら罵倒する。
悲しい、から? 俺にファースト・キスを奪われて?
「やっぱり、分かってない! 兄妹だから分かる、あんたが何を考えてるのか、今ははっきり分かる! でもね、それがあたしを傷つけるの! 分かんないの? なんで分かってくれないの?
あんたが分かってくれるなら、それで、全てを許せるのにっ!」
言葉の本気さが、ひしひしと伝わってくる。どれも掛け値なしの本音で、想いだった。
でも俺には分からない。桐乃が何を言っているのか分からない。いや、分かろうと、してないのか。
「あんたが……、あんたさえ……っ!」
俺は桐乃を抱き寄せた。
「……!」
そして、出来る限り優しい声で、俺は伝えた。
「悪い、……悪い。分からねえ。確かに、おまえがなんで泣いているのか。きっと俺は全然分かっちゃいない。
でも、駄目なんだ。嫌なんだ、おまえが泣いているのか。だから、ほら、泣き止んでくれ」
頭を撫でてやる。小さな頃、よくこうやって妹を泣き止ませた。その事をふと思い出す。
「……死ね。ホント、あんたはなんで、……こうなの?」
言葉は刺々しい。しかし、態度として嫌がる素振りを見せなくて。俺の胸に顔を押し付けながら、桐乃は大人しく頭を撫でられていた。
「本当にな……。どうして、俺達は、こうなんだろうな」
すれ違っているような、そういう感覚。もしかすると俺のこういう行動さえ、妹にとっては酷い行いなのかも知れない。けど、俺はこうするしか出来ない。
でもさ、信じてくれよ。俺は決して、おまえを傷つけたい訳じゃない。
おまえが、大事なんだよ。
そういう想いを込めて、優しく、妹の綺麗な髪を撫でてやる。
「……フン、今は……別にいい」
想いが通じたのか、桐乃の言葉から刺々しさがなくなったように思える。
「今は、あんたの妹で居てあげる。でもね、いつまでも続くと思わないでよね」
それは、いつかの別れを示唆しているのか、それとも。
まあ、いい。今、この時間が俺は嫌いじゃない。
だから、暫くてもいい。俺を、おまえの兄で居させてくれ。
いつか、その関係が終わってしまうその時までは。
本当はコメディにしようと思ってたら何故かこんな展開に。
もう一つシリアス展開を書いてたからそれとのギャップをつけようとしたのに俺のこの指が
どうしても桐乃と京介をくっつけようと抗うのだった
という訳で俺のオナニーでした。エロシーンが無いという方はスルー推奨!
>>437 乙!
今回もこの2人らしさが出てて良かった
こういうちょっと切ない感じのも好きだよ
>>438 なんだと、こんな場所があったのか!
ありがとう、教えてくれて
まとめwiki見てたがエロ無しもあったからここでエロなしも補完してるんだと思ってたぜ!
441 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 21:19:48.12 ID:zFOLrmpP
いい!!
俺のハートにグットキタ!!
442 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/23(土) 22:30:08.98 ID:NiT3RADu
>>437 ハゲ乙。
やべーわ。リアルに情景が浮かんで来たわ。
ロリコン疑惑で展開する発想は無かったわ。
またなんか書いてくれ。すげー面白かった
感想ありがとうな!オナニーのしがいがあったぜ!
>>442 >>438が教えてくれたスレにちょっと長めのなのを投下したので、見てってくれ
まあ、ニヤニヤ展開じゃないが
今後もニヤニヤ系のはこっちで投下して長めのストーリーものはあっちで投下してこうかなって思ってる
その時も読んでくれよな!
444 :
総帥:2012/06/24(日) 04:36:11.67 ID:oxTedmYS
今更だけど途中で煮詰まって逃亡するのだけは勘弁して欲しいよな。
新刊出て話に矛盾が生じてしまうのは仕方がないんだからさ。
>>425 ,.へ
___ ム i
「 ヒ_i〉 ゝ 〈
ト ノ iニ(()
i { ____ | ヽ
i i /⌒ ⌒\ i }
| i /((;;゚;;)) ((;;゚;;))\ {、 λ
ト−┤. /::::⌒(__人__)⌒:::::: \ ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_ | | | | ,. '´ハ ,!
. ヽ、 `` 、,__\ `ー'∪ _/ " \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ / ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | み な ぎ っ て き た │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
447 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/25(月) 00:01:29.05 ID:2ZDluket
>>443 観てきたぜー。
構成は変わらず上手くて読みやすいんだが、いかんせん内容がテンプレ過ぎて寒気がした。
意外性とまではいかないけども展開の読めない話が読みたい。次に期待
>>447 貴重な意見を有難う!
確かに型をハメすぎた感じはして、キャラが窮屈なんだよな
下手にストーリーを考えず俺が思うキャラで好きにやらせた方が性にあってるかもしれん
ネタ振り
ダーク的な感じで高坂家自宅に監禁調教モノ
以前、大介が捕まえた悪人たち(チンケな窃盗団)が、逮捕され組織を壊滅された恨みを忘れず
「何時か復讐してやる…」と思っていた…
ムショでは改心した振りで摸倣囚を装い早く出所…
そして名と見た目を変えて生活してたがとある雑誌を見て
面白い復讐を思いついた…
(桐乃が自宅近くで兄とモデル友達と一緒に映っていて何故か大介も映っていたのが不味かった…)
自宅を突き止め、さてどうするかと思案している内に
御都合的に「大介が長期出張」、
更に「高坂家の町会が旅行、しかし高坂家だけ不参加(即ち町の高坂家付近は完全に無人)」という情報を入手
以前大介に捕まり怨みを持ってる出所仲間を集め
宅配を装い強襲!…、家に居たのは奴の妻と息子と娘、その友人だけだった…
そして俺達は薄ら笑いを浮かべてこいつらを…
>>449 A.A嬢「ふぅっ。今日はいっぱい埋めたので、とてもいい運動になりました♪」
とりあえず京介の、「やりすぎだ馬鹿!」のセリフはあるな
??「家族や友人が見てる前でせんぱいが犯されるんですね!」
>>450 素晴らしい! なんて俺得な展開なんだ!
即座に茶化す流れになって
全然陵辱エロくならないお前らに乾杯…orz
誰か描いて…
ちなみに犯人達は強襲時6人、後から更に輪姦要員で更に10〜14人追加で
陵辱は苦手なので俺は書けないんだな
という訳で俺は俺の出来るものを投下していく
桐乃って普段何を考えてるかよく分からんよねー
でも、こんな事を考えてるじゃないかねー的な
エロ無しなんで、エロ希望の場合は俺のトリップをNGしておいてくだされ
窓から、空を見上げる。
空は輝かんばかりに青色が広がっていて、あたしの気持ちをどこまでも憂鬱にする。
……やっぱ、無理だったのかなぁ。
今頃、皆はトレーニングを積んでいるのだろう。ここで一勝も出来てないあたしが、こうして部屋から窓を見つめていて。
勝利を重ねている人たちは、今もまたトレーニングを連れて、速くなっていく。
差が、また開いていく。
なんとかなる、と思っていた。当然、楽勝とは想像してなかったし、絶対キツいって分かっていた。けど、それでもなんとか届く。指の先だけでも触れる事が出来る。そう考えていた。
だが現実はどうだ。あたしは、友人たちに連絡さえ取れず、一勝すら奪い取れず、部屋の中から空を見上げている。
悔しい。当然、悔しい。勝てないのは悔しい。結果を出せないのは悔しい。
けど、勝負の世界に情けなんてないし、だからこそ、あたしはここまで没頭が出来る。
自分の成長を実感できるのだ。
そもそも、自分が何故、こんな走る事が好きになったのか。
きっかけは、遠い過去の事だった。
「このゆび、とーまれ!」
あたしは、この言葉が好きだった。
理由は今でも分からない。ケド、兄貴がなんか新しい遊びを考案して、指を頭上に伸ばし、そう声を上げる。
そうすると堪らなく嬉しくなって、あたしは必死で兄貴の側に近づいて、指に手を伸ばすのだ。そんなあたしを見て、兄貴はあたしの手が届く位置まで指を下ろしてくれる。
時には意地悪をして、わざと届かない位置で止めたりするケドも、あたしはそういう兄貴の行動が好きだった。
「へへっ、つぎはなにをやるのー?」
でもいつからだろうか。その指を一番に掴むのはあたしじゃなくなっていた。
兄貴と同じ年の、女の子。
あたしでは届かない位置の指を、当たり前のように掴む。
どんなに離れた位置に居ても、一番に兄貴の近くまで来て、その指に触れる。
それが、……とても嫌だった。
理由は今でもよく分からない。ただ、凄く悔しくて、悔しくて。
当時、まだ足が遅かったあたしは、誰よりも速く兄貴の近くにいけるよう、走る練習を始めた。そして、決めたのだ。この女の子よりも、兄貴よりも速くなってみせようと。
それから沢山、走った。いつからか、走る事自体が好きになっていった。
けど、練習に没頭すればする程、皆で遊ぶ時間が無くなっていった。
ある時、運動会で一位を取った。お父さんも、お母さんも喜んでくれた。沢山褒めてくれた。
けど、あたしの目に止まったのは、観客席で一緒にじゃれ合っているあの二人。
それから、それから。
あたしは、いろんな事を頑張った。
勉強も沢山した。走る事も続けた。今からしてみると焦っていたように思える。
結果を、結果を出さないと。あの日、届かなかった指にあたしは届かないままなのではないか。
しかし、一度ズレてしまった関係は、あたしの努力とは無関係に、離れていく。
ある日、あの女の子と喧嘩をした。……思い出すだけで、嫌になる。
分かっている。悪いのはあたしだった。けど、それでもあたしはそれを認める訳にはいかなかった。
今までの努力が全て水の泡になってしまう事をあたしは恐れたのだ。
ある時、道端でチラシを見つけた。
そこには、こう書かれていた。
兄と妹の、切ない恋愛ストーリー。
その時、何かがあたしの身体を貫いた。それから、あたしは何をしていても、それが気になって仕方なくなった。だから、小遣いとお年玉を貯めて、それを買った。
幸いにして、勉強という名目であたしの部屋にはパソコンがあった。
そしてプレイして、何かがあたしの中で満たされるのを感じた。
それは、なくしてしまった兄妹関係を、埋めるようなそういう行為だったのかも知れない。
次から次へと作品が出るのを全て買うのには、お金が絶望的に足りなかった。
その時、ファッション雑誌に目を止める。
……綺麗になれば、もしかしたら。
そのついでにお金まで貰えるなら一挙両得だと思って、応募した。
結果として、どの行いも離れていく関係を止める事は出来なかった。
自分の努力が報われない事に苛立って、八つ当たりする事も多くなった。
そして、そして。兄妹の冷戦は、そうやって始まって行ったのだ。
「あれ……?」
気付けば、あたしは泣いていた。
青かった空は、少し夕刻の色を帯びていて、あれからかなりの時間が経っている事が分かった。
「なんで……あたし、泣いているんだろう」
今は泣く事なんて何もない筈だ。兄妹の関係だって、ずっと良くなった。
ううん、分かってる。
きっかけは、全部、兄貴だった。
走ることも。
妹が好きなのも。
モデルを始めたのも。
きっかけは、全部、兄貴だった。
あたしは、その今までを、捨てようとしている。
兄貴に、昨日送ったメール。
あれは、決別のメールだ。
兄貴から始まったあたしを、終わらせる為の、決別のメール。
他ならぬ兄貴によって、あたしの今までを、捨ててもらう。
これは、必要な事だった。
あたしは、自分の力で歩き出さないといけない。
いつまでも兄貴の後を追いかけていてはいけない。
そうしないと、兄貴をいつまでも頼ってしまう。
だから、だから。
「…………ッ!」
この涙を、あたしは止めないといけない。もう泣いているあたしを慰めてくれる人は居ないのだから。
頭を撫でて、頑張ったなと言ってくれる手は無いのだから。
それから、どれだけ経っただろうか。
窓を見ると、既に夕刻の色合いをしていた。
……そろそろ、ルームメイトが戻ってくる。あの子に泣きはらした目を見せたら何を言われるか分からない。効果があるか分からないが、目薬を差して顔を洗う。
よし。これでいつものあたしだ。
夜。
あたしは、兄貴と一緒に居た。
兄貴はあたしのベッドで、既に寝息を立てている。
「ったく。……あたしのベッドなんだから、もっと緊張ぐらいしなさいよね」
しかもあたしと二人っきりだっていうのに、あっさりと寝入ってしまった。
あんだけ恥ずかしいセリフをあたしに放っておいて、よくもこうも眠れるものだ。
エロゲーだったらエッチシーンが始まっても可笑しくないイベントだったと思うんだケド。
べ、別にそういう展開を期待してるワケじゃないけど! キモいし!
でも、でもさあ?
あんな恋人に向けるみたいな言葉をあたしに向けておいて、こうあっさりと眠られるとなんて言うか、アレじゃん?
つかドキドキしちゃったあたしが馬鹿みたいじゃん?
いやドキドキって当然、襲われるかも知れないという恐怖感からだかんね?
因みに、兄貴があたしのベッドを使って、あたしはリアのベッドを使う事になっている。
というかあたしがそう決めた。リアは別に気にしないだろうけど、やはり全く知らない他人の男に使われるよりは、あたしに使われる方が良いに決まってるし。
それに兄貴がリアのベッドで眠るという事に、何だか強い抵抗感があったからだ。
「…………」
こうして起きててもなんだし、あたしも寝ようかな。
そう考えて、リアの布団の中に潜る……が、眠れない。
や、やっぱ他人の布団だと眠りにくいって。ホラ、枕が変わると眠れないって言うじゃん?
別に兄貴がいるせいで落ち着かなくて眠れないって訳じゃないんだケドさ。。
……そ、そう、枕。枕が違うからいけないんだ。
だ、だからこれは深い意味なんてない。
リアの布団から身を起こし、そーっとあたしのベッド……兄貴の寝ているベッドに近づく。
「……ふん。間抜け面晒しちゃって」
兄貴の寝顔をチラッと見やる。気持ちよさそうに寝ている。
何だかムカムカしてきた。
だ、大体あんたね! こんな場所まで迎えに来る、フツー?
お陰であたしの決心が滅茶苦茶じゃん!
せっかく、せっかくさー!
あたしがあんたに頼らなくても大丈夫になろうとしてたのにさ……。
……言っておくけど、手遅れだかんね。
もう無理だから。唯一のチャンス、あんたが捨てたんだから。
もう、離れてやんないんだから。
寝ている兄貴の顔を覗き込むようにして、顔を近づける。
あんたが、……悪いんだから。
近づけて、近づけて、あと少しで唇と唇が触れ合うという所で。
顔を横にずらして、兄貴の頬へキスをする。
…………。
自分の行為に、耳まで赤くなっているのが分かる。
ま、こ、こここんぐらいなら、この国なら、当たり前だよね?
…………。
何だかそこに立っていられなくなって、あたしは慌ててリアの布団に戻る。
あのまま、兄貴の顔を見続けているとより危ない事をしでかしそうになる。
…………。
今夜はあたしにとって、長い夜になりそうだ。
とここまで。
原作読んでてここに来るような人なら補足しなくても分かるだろうけど、
海外に行った桐乃を迎えに行った日の出来事を想定
原作部分は抜いてあります
書いてたらすっごい長くなってしまったので、、
今回書いて思った事
……やっぱ女は何を考えてるか分かんないわ
>>463 乙!
ちょっと切ないけど桐乃の健気さにきゅんってなった。
◆ebJORrWVuoの描く桐乃はやっぱいいね、
もう公式サイドストーリーで良くね?って思うw
>>463 乙乙! アニメと原作が一番盛り上がっていた頃を思い出した
「とここまで。」と書いてあるけどこれで終了なら「おわり」
続くのであれば「つづく」と明記した方が良いな
そうすれば投下終了したのに感想のレスが付かなかったり
投下途中で別人の投下が始まったりしなくてすむぞ
感想サンクス
>>465 なるほど。次からは気をつけるぜ、ありがとう
他にも幾つが書いてる訳だが
知識が必要な展開は難しいよな…
>>466 知識が必要な展開にあえて持ち込む必要はないと思うぞ
専門知識のある読み手にとっては面白いだろうけど
そんな読み手は1割にも満たないハズだからやっぱり
普遍的な展開が好まれるんじゃないか?
もっともここはエロパロスレだからエロが一番受けるんだがww
こんばんは。携帯からですが投下いたします。
属性:18禁、黒猫、自慰
〜まほうのつえ〜
私ことHN黒猫は、ご存知の方もあろうかと思うけど同人作家でもあるわ。
・・知らない?「黒猫・同人」でググってきなさいな。
すぐに私の圧倒的なる力を思い知るでしょうから。
妹達の面倒を見る傍ら、今日もネーム書きにできるだけ全力を注ぐ・・
睡魔が私を作業限界へ誘うまで。
しかし睡魔に加えてもうひとつの魔が私の身に憑依し始めたらしいの・・。
現し世では肩凝りと呼ばれるそれが。
・・・・お待ちなさいな。
重りがついてないから肩凝りなんてしないだろう・・・・と?
ふぅん・・あなた、生きながら石像となって無限の刻を過ごしたいのかしら。
ちなみに我が位階は既に昇格しているわ。Bかpp
泣いてないわよ。
そんなことは委細全くどうでもいい話よ。
泣いてないわ。
ともかく平たく説明すれば、最近肩凝りがひどくなった、という訳なの。
妹達に肩をもんでもらうというのはそれはそれで幸せな解決策なのだけれども。
珠希では力が弱すぎるし、日向は日向でやたら力任せでかえって痛くなる・・
第一私の魔力記述のために、無垢な妹達に負担をかけたくはないの。
という訳で市販の電動マッサージ器でごまかす事にしたわ。
ただし深夜に作業するのだから、妹達の眠りを妨げな"い"
よ"う"に"でき"る"だけ"静"か"な"も"の"を"
選"ん"だわ"わ"ーわ"ーわ"ー
ワ"ーレ"ーワ"ーレ"ーハ"ー
ウ"チュージンダー。
・・やれやれ、少しは肩も楽になったわ。
音が案外静かな割に強力な刺激があるのは助かるわね。
・・何よ、いかがわしい刺激をしているんじゃないかって?
下賎な発想だこと。まあ、最近は18禁同人でもざらに見かけ・・
・・・・違うわよ。そんな卑猥な同人を買い集めたりしてないわ。してないわ。ないわよ。本当よ。
いいえ、画力に優れた作家の作品を参考に資料として買うことは
あるけれどやましい目的で買ってないわ。本当よ。
マスケラの良い作品があれば当然購入しているわ、たまたまそれが18禁だったというだけのことよ。
そういえば・・この間も良作を見つけたわ。有名サークルではないけれど・・
夜魔の女王が漆黒の手に落ち、尋問されるシーンが・・。その、・・。
うん・・これよ。ああ、気高い女王が四肢を拘束されて・・。
嘲笑う漆黒の手で聖杖により局部を嬲りものにされるの・・。
・・こ、こんな感じの姿勢かしら・・?
椅子の上だと少し無理があるけれど、この際かまってられないわ。
・・ああ、なんて屈辱的な・・。高貴なる夜魔の女王が・・脚を広げられ、
上体を反り返るような姿勢で・・。
身を守るべき魔力の黒装束も引き裂かれて、漆黒に見下ろされているの・・。
私はついに、部屋着のジャージを足元まで引き下ろす。
「フハハハハ、無様なものだな、クイーン・オブ・ナイトメア!」(裏声)
妹達は既に寝静まったはず・・できるだけ小声で、傲慢なる漆黒の嘲笑を読み上げるの。
「や、止めなさい、厭らしい。不浄なところなぞ触らないで・・あッ!」
画中の漆黒と、デスクの前の私の右手が、ひまわりの種のような陰核をこね回す。
「だめ・・よ・・それは言えないわっ・・・・異界への扉なぞ・・貴方に教えてなるもの、です、かぁああっ・・!」
「あまり強情を張ると・・死ぬことになるぞ?死にたいと懇願するほどの苦痛を経てな・・」
「あら、そんな事が貴方にっ・・ひぅ!」
悲鳴を上げたのは、漆黒の指がジャージの中に押し入り、乳首をひときわ強く捻り上げたから。
ついに私はたまらずショーツを足首まで引きずり下ろす。
透明な液がとろりと糸を引いて・・全く、我ながら厭らしい肉体だこと。
「フハハハハ、随分と凛々しい姿になったな、夜魔の女王・・」
漆黒・・いえ、漆黒と一体化を果たした私の指が、
控え目な肉の割れ目から粘液をすくい取り、陰核になすりつけ・・擦り上げるの。
「ッあ!・・ひっ!・・・・ん、んぅんんぅ!」
必死に声を殺すように努力しながら・・
漆黒の指は更に早いピッチで陰核を責めさいなむ。
「ぁっ・・く、ひぅ・・こ、こんな・・下劣な肉の、悦び、くらい、・・でっ・・んっ!」
「はははっ!なかなか満更でもないと?
いや・・これは失礼、やはり女王様にはこの程度では物足りなかったようですなぁ?」
漆黒の嘲笑すら気持ちいいわ・・精神を麻痺させる呪文なのかしら・・。
震える手でマッサージ器を取り上げる・・。
「あっ・・そ、それはまさか・・聖杖っ!!」
「お察しの通り・・眷属のものならば軽く触れただけで雷に焼かれるこれを・・
こんなになってしまった所に用いたら・・どうなってしまうかな?」
「やっ・・や、やめ、止めなさいッ!」
漆黒の手は無情にマッサージ器のスイッチを入れる。
低い、でも重い震動がうなり始める。
「さぁ・・お楽しみくださいな・・女王陛下」
「だっ・・だめ、やめて、お願いよ、やめ、・・・・」
漆黒は、遂に私の哀れな陰核に聖杖を宛てがった。
「ッ!!っぐッ〜〜〜〜〜」
たまらず腰が跳ね上がる。
脳裏にパチパチと火花が跳ね回るのが実感として分かるわ・・。
マッサージ器を一回外す。
「はぁ、はっ、はぁ、はぁ・・」
今思い浮かんだ考えを実行するためのアイテム・・
夜魔の女王のカチューシャと、手鏡がデスクの上、すぐ手の届く距離に。
「はぁっ・・はぁっ・・はっ・・」
「だめ、駄目よ・・そんなことを・・」
震える手でカチューシャを頭にセットし・・
「だめ、こんな・・まるっきり変態じゃないの・・」
股間の下に手鏡を据える
「だめっ・・」
ばくん、心臓が爆ぜるように跳ね上がる。
そこには高貴なる夜魔の女王が、濡れた性器をさらけ出し、
これから嬲りものにされるのを心待ちにしていたから。
「っ・・ぁっ・・・とっても・・・い、・・厭らしいわぁっ・・」
そう自分で嘲笑するだけで、私の控え目な作りの性器はひくひくと勝手に蠢く。
「・・どうした?聖杖で焼かれるのがそんなに気に入ったのか?」
「・・そ、そんな、こと・・」
「だったらたっぷりとくれてやる、穴という穴から体液を噴き出して悶え死ねっ!」
聖杖がふたたび陰核に宛てがわれた。
「ひ、ひひぃっ・・!」
あぁ、凄いわ・・性器全部に電気を流されてるみたいよ。
鏡の中の私・・女王の性器が、聖杖に震動させられ、細かくびりびりと震えるのが見える。
真ん中の、まだ何も知らない孔から、たらりたらりととめどなく液が分泌されて・・全く厭らしいわ・・。
「く、ぁ、あふっ・・!」
強烈な刺激に堪えながら、
聖杖を陰核の上でゆっくりと転がす。
「ひ、あっあ、あっ・・す、素敵っ・・!」
鏡の向こうに居るのは中学生、五更瑠璃でもなく、
HN黒猫ですらない。
「す、凄いっ・・凄いわ。すごく・・か、感じるの・・。ひぃぅッ!」
だらしなくよだれすら垂らした口元に
卑猥な微笑を浮かべながら、
聖杖に性器をいたぶられる・・
淫乱なる夜魔の女王が確かにそこに居たわ。
「ッア、・・ひっ!き、気持ちいいッ・・!だ、ダメぇっ・・!」
しかし、私の世界観に少し異変が起きた。
【気持ちいいんだろ?】
突如、漆黒の顔と声が、平凡な雄のそれに変わる。
「・・・・な、何故っ・・!」
それは、そう、何度か逢ったことのある・・あのビッチ女の兄・・!
【気持ちいいならさ、遠慮なくいっちゃえよ。無理しないでさ】
「〜〜〜・・ッ!!だ、・・ダメ!」
イメージの中の彼は、漆黒の装束をまとったまま、そして・・優しい微笑を崩さないままで、
私の性器を聖杖で弄ぶの。
「・・・・はっ!ッん、〜〜だめ、だ、だ・・めッ!!」
彼が漆黒になり代わった瞬間から、私の昂ぶりはどんどん抑制が効かなくなる。
「・・まさか、だ、駄目・・な、名前はッ・・呼ばないで・・ッ!!」
【大好きだよ、瑠璃。】
「・・いッ!!いっちゃ、あ、いっちゃうわ、ぁ!
あっあぁーーーーーッ!!!」
激しい衝撃が、下半身全体に通り抜ける。
「・・・・くっ!・・んっぅ・・・・!・・・・・・・んふぅ・・・ッ」
あごを反らし、全身で痙攣しながら、なお最後の力を振り絞り聖杖を宛てがいつづけ、止めを刺す。
自らの止めを甘受しながら・・
私はまぶたの裏に
【可愛いよ・・・・瑠璃】
また、かの雄の優しい微笑を見ていた。
〜〜〜〜〜〜で〜〜〜〜〜〜〜
翌日、私はいつものように夕食の支度をしていた。
昨夜?何のことかしら・・いつものように眠くなるまで執筆活動に励んでいただけよ?
「ねー・・ルリ姉?」
何やら相談顔で日向が台所に入ってきた。
「どうしたの?」トントントントン
私はキャベツを刻む手を止めないで答える。
「あー・・あのさ?」
「どうしたの?言いたい事があれば遠慮なく言ってみなさい?」トントントントン
「あー・・、じゃあぶっちゃけ言うとね・・聞こえるんだ。」
「何が?」トントントントン
「・・・・ルリ姉のえっちな声とか、なんか音とか。」
トントントントントントントントンどかっ!
「あ、危なっ!ルリ姉、ちょっと、ちょっとだけ包丁止めよ!危ないからっ!」
私はキャベツを脇によけ、玉ねぎの皮を手早く剥く(二秒)。
瞬時に私は玉ねぎのみじん切りに移行する。
「な、何のこここコトかシら」ザクザクトンジャクザクトントントン!
「あ、ルリ姉!泣かなくていいからね!あ、あのさ!
ルリ姉も年頃なんだから、ひとりえっ・・そーゆー事すんのも分かるから!
だ、だから・・その、な、なるべく静かにやってね。
たまちゃんに説明とか困るからさぁ・・。」
「あら、心配かけてごめんなさい・・玉ねぎを切ってたら目が痛くなって・・」ザクザクザクトントンザクザク
「いや今明らかに玉ねぎ切る前から涙出てたよね!」
「泣いでひゃいわよ・・」ジャクザクザクトンザクザクザクトントン
「だから泣かないで!だ、誰にもぜーったい!内緒にしとくから!」
「そう・・気をづける"わね・・」ザクザクザクトントンザクザク
今やオニオンペーストになった玉ねぎを切り刻みながら、
私はマッサージ器をどうやって処分しようかという、
ただその事だけを一生懸命考えることで自我の崩壊を防ぐことにした。
「あ・・それはそうとさぁ・・?」
「何かじら"・・?」トントンザクトンザクザク
きっとこの哀れな姉を慰めてあげようというつもりなのね?
「ルリ姉ってドSかと思ってたらドMだったんだぁ〜」ニヒヒ
トンザクザクザクトンがきょん!
包丁がまな板に妙な角度で突き刺さる。
そのコンマ数秒後、壁掛けからおたまを取ると、
「そりゃあどうりで弄ると面白い反応するわけだぁ〜ウンウン。なるほどぽッきょおッ!」ぱこーん!
我ながら素晴らしいヘッドスピードで日向の脳天にヒット。
私は、あくまで冷静にきびすを返し、日向の為のスペシャルレシピ
「ピーマンのピーマン詰め」の調理に取り掛かった。
【おわり】
「そんなぁーっ(泣)!」
以上です
黒猫は爆発的な妄想力を武器に励んでいるんだろうなぁ(何を)と思った次第で。
スレ汚し失礼しました
>>468 乙! スレ汚しなんてとんでもないスッゲー面白かった
惜しいのは序盤の黒猫の口調が「らしく」なかった事
携帯からの投下で推敲も難しかっただろうからその辺り気を付けて次回はPCからの投下を期待しる
>>474 乙!
テンポ良く読めて楽しませてもらいました。オチもいいねw
皆様ありがとうでござる。
黒猫氏の口調は心得たつもりでも難しいでごz
難しいですね。
>>477 乙
これはなかなかのGJ
おまいが汚したのはスレでは無い。黒猫のあそこだけだ!
この調子で次回作も期待
>>467 いや病院ネタを考えてたんだが外傷で入院した事がなくてね
専門的とまでいかなくても常識的な知識ぐらいは欲しい
エロは今、ちょくちょく書いてるぜ
そのうち投下する予定
>>479 地道にググってネタを拾うしかないね
俺は交通事故で入院した事あるけど役に立ちたくても伝える術がない
また自己満足作品が完成したので、投下するぜ!
今回は非常に長い。しかし、なんとエロ展開が……。
あるとかないとか。
長いので、気を長くして読んで頂ければと。
それでは、投下を開始します。
病院での診断結果は打ち身だった。
一週間が過ぎても痛みが続くようであればまた来てくれとの事で、右手を包帯でグルグル巻きにされた俺は、馴染みの医者にお礼を言って、病室を後にする。
桐乃は……まだ居た。
「よ。……待たせたな」
ひょいと右手を上げて、桐乃に声を掛ける。
「……別にあんたを待ってたワケじゃないし」
じゃあこの何もない待合室で一体何をやっていたというのかねえ、こいつは。
「そーかよ。じゃあ、そろそろ帰ろうぜ」
俺がそう促すと、何か文句ありげな視線を俺に向けていたが、やがてコクと小さく頷く。
立ち上がって俺の横に並ぶと、そこで気付いたように言った。
「あれ、あんた、会計は?」
…………。
「さて、座るか」
すっかり会計の事を忘れていた俺は、頬を指で掻きながら、今しがた桐乃が座っていた席へと腰を落とす。
「あ、あんたねぇ……って何あたしの席座ってんの! あたしが座れないでしょ!」
「あれ、おまえは帰るんじゃなかったのか?」
「はぁ? 何言って………」
…………。
ガスッ!
「いってえ!」
こ、こいつ、思いっきり俺の足を踏みつけやがった!
「おま、怪我人になんて仕打ちを!」
「あんたが生意気な事、するからでしょ!」
「おまえが素直に言わねえからだろうが!」
「あたしはいつだって素直だっての!」
くぅ、可愛くねえ……!
無言で睨み合う俺と桐乃。そんな二人の横に、一人がやってくる。
訝しげに桐乃と二人でその第三者を見やる。
看護士だった。
「病院内ではお静かに」
……ごもっとも。
帰り道。
「ったく、あんたのせいで怒られちゃったじゃない」
「はいはい、俺のせいですよ」
結局、無言で睨み合いながら、しかし桐乃は帰らなかった。
俺が会計を済ませると、横に並んできて、肩を並べて帰路についている。
……本当、俺達の関係は変わったよな。
思わず苦笑が零れてしまう。
「なに笑ってんの、キモいんですケド」
相変わらず、妹は憎まれ口ばかり叩くけど。
それでもそこに会話があって、こうして二人で帰る事が自然に出来るようになっている。
今の俺達なら、誰から見たって兄妹に見えるんじゃないだろうか。
「…………」
自然と笑んでしまう。今度は桐乃も何も文句を言わなかった。暫く俺を見ていたが、やがて、静かに微笑むと俺と同じように前を向いた。
同じような事を思っているのだろうか。
そうして、決して心地悪くない沈黙で歩いていると分岐路に付いた。
「んじゃ、一ヶ月後な?」
まだ模試の結果は出ていない。だから当然の言葉として俺は桐乃にそう投げかけた。
「はぁ? 何言ってんの?」
対して桐乃は訝しげな表情で俺を見やる。
「何って……。ほら、俺は一人暮らし先に帰らないと行けないしさ。結果も出てないし。……まさかおまえを家まで送っていけとか言うつもりじゃねえだろうな」
そこまでしたら兄妹じゃなくて恋人だ。
「違くて。あたし、今からあんたの家に行くつもりなんだけど」
はぁ? 何言ってんだ?
「俺の家に来て、なにすんだよ?」
言っておくが、娯楽要素は全くないぞ。いや、桐乃ならあのフィギュアを見てるだけで数時間を潰せる可能性があるが。……フィギュア目当てか?
「……ホント、あんたって察しが悪いよね」
横目で呆れたように見やる桐乃。そう言われても、分からないものは分からない。
「あんた、その手でどうやってご飯とか用意するつもりなワケ?」
…………。
右手を見やる。包帯だらけの手。がっちり固定されていて、動かす事もままならない。というか動かすなと言われている。安静が、大事だと。
「な、なんとかなるんじゃね?」
「なんともならないから」
そんなもんかね。まあ、確かに少し考えただけでも、幾つかは不自由はしそうである。
ん? という事は……。
「つまりこういう事か? 俺が不自由するだろうから、おまえが面倒を見てくれるって」
「すっごく、気が進まないんだケドね。でもホラ、あたしって優しいじゃん? 流石に放っておけないっていうか」
俺だっておまえに面倒見てもらいたくなんかねえよ! 大体、桐乃、おまえは忘れているぞ。
「別に大丈夫だっての。あやせだっているしな」
そう、俺にはここ十数日甲斐甲斐しく面倒を見てくれている天使がいるのだ。
「あやせなら来ないよ」
「な、なんでっ!?」
「……キモ。あんたね、あやせが嫌々ながらもあんたの面倒を見てくれたのは、あたしが試験が終わるまで監視役も兼ねて面倒を見てあげて、とお願いした結果なワケ。つまり、試験が終わった今、あやせがあんたの面倒を見る理由なんて一欠片もないの」
「…………」
思わず膝から力が抜けそうになる。
おおおお、なんてことだ。なんで俺は試験に挑んでしまったのだ。あやせとのドキドキワクワク共同生活が終わってしまうなんて。
つかさり気に嫌々だった事を強調すんなよ。傷つくだろうが。
「ちょ、マジで凹まないでよ。つか、あたしが面倒見てあげるって言ってんだから喜びなさいよ」
喜べねえよ。どこの世界に超絶美少女に面倒見てもらっていた毎日が、妹にバトンタッチされて喜ぶ兄が居るっていうんだ。
赤城なら喜ぶかも知れねえが。
……まあ、それでもあれか。こいつだって嫌だろうに、俺が怪我なんてしちまったから面倒を見てやろうとしてくれてる訳だ。感謝こそすれ、文句をいうのはお門違いか。
「……そうだな。んじゃ悪いけど、頼むわ」
俺がそう返すと、桐乃はそっぽを向いて、フン、と呟いた。
「これ……、どういうコト?」
家に帰った俺は、桐乃に尋問を受けていた。
桐乃が指を差しているのは、洗面所の歯ブラシ。
一つのコップに青の歯ブラシと、ピンクの歯ブラシが2つ仲良く刺さっていた。
「こ、これはだな……」
何故俺は浮気を見つかった彼氏のようにわざわざ弁明をしなくてはならないのかと思いながらも誤解されてしまうとあやせにも悪いので素直に説明する。
そう、このピンクの歯ブラシはあやせのだ。
「あやせが、モデルたるもの、ご飯を食べた後には歯磨きが必要なんですって言って自分の分を買ってきたんだよ」
俺も何か同棲しているカップルみたいだから止めたんだが、断固としてあやせが譲らなかったんだよな……。
「……あ、あんた、あやせと一緒にご飯食べてたワケ?」
「あん? まあ、毎日って訳じゃなかったけどな」
流石に作るだけ作らせて帰らせるのは酷だろう。感想も言いたかったし。
「…………。ま、まさか」
桐乃は暫く考え込んでいたが、そう呟くと流し台の下を開ける。
そこには食器が幾つか並んでいた。どれも、2つずつ。
「…………」
ま、まあ、二人で一緒にご飯を食べるんだから、食器も二つずつあるよな?
桐乃は無言で、ガスコンロの下の引き出しを引く。
そこから箸を取り出す。大きさが違う、しかし柄が同じな箸が二つずつ。
「みょ、みょうとばしって……」
……みょうとばし? なんだそれ?
桐乃が何か焦っている顔をしている。そして、部屋を見渡し、ベッドを見つけると近づいていく。
「……。さ、流石に枕は無いか」
ほっ、としたような息を吐く桐乃。しかし、直ぐに布団の上に乗っかっているヌイグルミを見つける。
「…………」
「そ、それヌイグルミ……だってよ。な、なんか見守られている気がするから、とかそんな理由で」
「…………」
桐乃は無言で、その『ヌイグルミ』のカバーを外す。そして中から取り出したのは……枕だった。
……やっぱ枕じゃねえか! くそ、あやせに騙されたぜ。道理で四角い訳だ。
「…………」
どうも桐乃の様子が可笑しい。何か焦っているような、というか少し青ざめている。
「い、言っておくが、全部あやせが用意したんだからな?」
こんな可愛らしい趣味なんて、俺持ってないし。
「わ、分かってるっての。だ、だから問題なんだってば」
問題……?
「…………。……!」
また考え込んだ桐乃、だが突然顔を上げると慌てて風呂場へと向かう。
そして、俺を手招きすると、とあるものを指さす。
女物のシャンプーとリンス。ボディシャンプーまである。
「……それは」
事情を説明しようと思ったが、それを制するように桐乃が言う。
「分かってる。これも、あやせの、なんだよね? だってあやせが使っている銘柄と一緒だもん」
桐乃の声が少し震えている。どうしたんだろうか。さっきから様子が可笑しいし。
「おい、桐乃。おま」
「ね、ねえ、京介?」
え実は具合が悪いんじゃないのか、と続けようとした所を、桐乃に被せられて言葉を止める。
「なんだ?」
「あ、あんた、……あやせに何かされてない?」
「何もしてねえよ! って、あれ?」
俺があやせに、じゃなくて、あやせが俺に何かされてない、なのか?
「それなら……、色々面倒みてもらったけど」
そもそも世話を焼く様に言ったのは桐乃だろうに、されてないもクソもないだろ。
「いや、そ、そういう意味じゃなくてっ! あー、もうホント察しが……いや、この場合は察しが悪いからこそ良かった、のかも知れない」
さっきから桐乃が何を言っているのかが分からない。
大丈夫か、こいつ?
そして、頭を抱えて座り込んでしまう。
「お、おい」
「……放っておいて。今、すっごく後悔してるから」
何に対して後悔してんだ?
いつもにも増してよく分からん妹様だな。
「よく分からねえが、そのシャンプーとかリンスの類は、一度あやせが雨に濡れてうちにやってきてだな、そのままじゃ流石に不味いだろうと思って、シャワーを貸した時に……」
この辺りの話は、日向がちゃんと説明していれば桐乃は知っている筈だ。
特に驚きもせず、話を聞いている。
「俺のしか無くて、俺と同じ匂いだと嫌だからって、次の日に買ってきたんだよ」
「……なんでまたここでシャワーを浴びる時を想定してんのよ。フツー、次からシャワーを借りなくてすむ方面で考えるでしょ」
……それもそうだな。
俺が素直に納得していると、桐乃が突然立ち上がって、俺の方へと向きなおった。
そして俺の胸ぐらを掴む。
「って待って、あんた、もっと詳しくその時の状況を教えて」
「そ、その時の状況、って……」
「あやせがここでシャワーを借りた時の話!」
詳しくって……既に日向から説明されてたんじゃないのか?
「だから、俺の家に来る途中で雨に振られて……」
「傘」
「あん?」
「あやせは、いつもそういう時の為に折りたたみ傘を持ち歩いてるの。髪を濡らしちゃうと、痛めちゃうからって……」
……その割には、ズブ濡れだったが。
「ちょ、ちょっと、あんた! ひ、日向ちゃんが帰った後、どうなったのか言いなさいよ」
胸ぐらをぐいっと掴み、怒っているんだか怖がっているんだかよく分からない表情で俺に命令をする。
ひ、日向ちゃんが帰った後?
「……ゴクリ」
「な、何喉を鳴らしてんの? え、な、ななな、なんかあったワケ? ねえ!?」
「な、なな、何もねえよ。ただ……」
桐乃の剣幕に押されて、普通に否定だけしていればいいものの、つい言葉を続けてしまう。
しまった、と思った時にはもう遅い。桐乃は、目を細めて睨みつけて。
「ただ?」
そう聞き返してくる。……こうなれば、しらばっくれるのは難しいだろう。
「……あ、あの時、あやせ、……下着まで濡れてたから、その、俺が貸したの、スウェットだけだったから、その……」
俺が言わんとする事が分かったのだろう。一瞬、頬を染めた後、サァーっと青ざめる。
「あ、あんた……、手、出したりとか、……した?」
「するかっ!」
どんだけ信用ねえんだよ!
「確かにいつもよりドキドキしちまったけど、いつもどおり一緒にご飯食べて、適当に雑談して、それでさよならだっての。何もねえよ」
「…………あんたが真のヘタレだって事がよく分かった」
なんでそこで貶されんだよ!? まるで手を出さない方が悪いみたいじゃん!
「…………」
「…………」
そして訪れる沈黙。くそ、なんだってんだ。何を誤解してんだか分からねえが、青褪められる事なんて何もしてねえぞ。
プラトニックな関係だったての。
何やら真剣な表情で考え込んでいた桐乃が、チラと俺を見て、ふぅ、と息を吐く。
よく分からないが、ようやく何も無かった事を信じてくれたんだろうか。
「あんた、ちょっと出てって」
「唐突に俺を家から追い出すんすか!?」
何、一緒の家に居る事がもう嫌だって意味?
俺泣くよ?
「ああ、違くて。ちょっと、ここから……出てって」
ここって……。脱衣所から?
「あ、ああ」
良く分からないが、従う。な、なんだ。家探しでもすんのか?
風呂場の上とかに別にエロ本とか隠してねえよ?
俺が脱衣所から出た事を確認すると、風呂場の桐乃は無造作にシャワーの蛇口を捻った。
ザァアアアアア! 当然の様にシャワーから水が出る。
「――っておまえ、何やってんだ!?」
桐乃は服を着ている。だから、当然、びしょ濡れになる訳で……。
「あーあ、手が滑ってシャワー出しちゃって濡れちゃった。下着までぐちゃぐちゃ。……あんた、服貸してよ」
……幾ら鈍い俺でも、桐乃の意図が分かった。あの時のあやせの行動の再現だ。
だからここで求めているのはあのスウェットだ。
だが――
「あ、あのな。桐乃。ひ、非常に言いづらいんだが、あのスウェット。あやせが洗濯して返すからって言って持って帰っちゃってないん、だ」
「はぁ!? さ、先に言いなさいよ!」
いや、無理だろ! 予告されてた訳でもなしに、言えねえよ!
「だから今あんのは……俺のパジャマぐらい?」
薄手の。前をボタンで締めるワイシャツタイプの。
「…………」
桐乃が目を見開いて、少し引きつった笑いを浮かべている。
いや、俺は悪くないだろ、どう考えても。
でも流石に下着もなしにこれを着させるのはなぁ?
「な、なんなら、俺がひとっ走りコンビニまで行って」
「……分かった。それ、持ってきて」
「へ?」
「あんたのパジャマ。それ着るから」
で。
目の前に居るのは妹。
俺のパジャマを羽織って、袖が合わずぶかぶかの。
しかも恐らくそのパジャマの下には何も……。
……ゴクリ。
って何を喉を鳴らしてんだ、俺は! 目の前に居るのは妹! ただの妹!
意識するな、妹、妹、そう、妹だ。
「へ、へっ、結構似合ってんじゃねえか」
「……ウザ。何、こういうのが好みなワケ?」
……わりと。
妹じゃなく、仮にあやせがこんな格好していたら、悶絶してしまうかも知れん。
そうか、あの時、ちょうど今みたいに服を切らしておけば……。
「……何か変な事、考えてない?」
「ぶはっ! な、何も変な事考えてねえよ!」
少なくともおまえでは。
「ふーん」
なんか疑っているような、そんな視線。けど問いただそうとはしない。
……。つか、桐乃、顔赤くね?
「おい、桐乃。おまえ、熱あるんじゃねえか?」
そう言えばさっきまで様子おかしかったしな。
「へ?」
きょとんとする。そして、慌てたように手を振って言う。、
「ね、熱、無い、ほんと」
なんでカタコトなんだよ。
「う、うっさい! 察しろ、馬鹿!」
あやせのヌイグルミを掴んで投げつけてくる。
それをキャッチしながら、
「察しろって……」
考える。顔が赤い。しかし熱が無い。なら何故、顔が赤いのか。
…………恥ずかしいからに決まってるじゃねえか!
「わ、悪い」
うわ、そうだよ。俺以上に、桐乃の方が恥ずかしいわな。
「こ、これでも羽織っておけ」
そう言って毛布を渡してやる。
これで温かいし、身体も隠せるだろう。
「う、うん」
素直に頷いて、毛布を羽織る桐乃。
ふぅ。これで一息つける……。
……つか、何やってんだ、俺ら。
「飯でも……食うか」
そろそろ夕飯時だし。
「あ、あたし、何か作ろうか?」
桐乃が珍しい提案をしてくる。こいつ、料理作れたのか?
……まあ、完璧超人の妹様だからな、料理ぐらい朝めし前なのだろう。
「いや、あやせの作りおきがある」
チンするだけで食べられるようになっている筈だ。
「…………あ、そう」
途端に機嫌が悪くなっていく桐乃。自分が役に立てなくて悔しいのだろう。
ったく、仕方ない奴だ。
「俺、左手じゃ箸使えねえから、何なら食べさせてくれ」
「え……、ええっ!」
あれ? 驚きすぎじゃね?
「あ、あーんって事?」
…………。
「い、今のなし!」
我ながら考えなしの発言だった! 反省する!
「し、仕方ないなぁ、あ、あんたがそういうんだったら、と、特別にあたしが食べさせてあげても、イイケド……」
何故か知らないが嫌にノリノリな俺の妹は俺の撤回を聞かずに、いそいそと料理の準備を始めるのであった。
罰ゲームの様な夕飯を終えて、一休み。
桐乃はしっかりと食べ終わった後の食器を洗ってくれている。
……こういう所を見ると、あやせが言っていた学校での桐乃が、とても気が効いて面倒見がいいという意見も少しは分かる気がする。
何を言うまでもなく自然と、俺の分の食器まで片付けて今、洗ってくれている。
これも俺の右手が使えない事に対する気遣いだろう。
……この右手が使えないというのは思いの外、苦痛だというのがようやく分かってきた。
だから今回の妹の申し出は、とても有難かった。
「ふぅ……ここのお湯の出が少し悪くない? 水道見てもらう?」
「いや、特に不自由してないし、こんなもんじゃないか?」
「そうかな……?」
蛇口を見て、首を捻る桐乃。
やがて、納得が言ったのか手を拭きながら戻ってくる。
「お疲れ」
感謝の気持ちを込めて労ってやると、桐乃はそっぽを向いた。
「別に……当たり前の事だし」
家族が困っていれば、それを助ける。
兄が困っていれば、それを助ける。
それが当たり前。
……そして俺達の中で、ずっと無くなっていた慣習。
何だか心が暖かくなるのを感じた。
「さて、夕飯も食べた事だし」
「ん、何かするのか?」
もしかして帰るのだろうか、とも過ぎったが、俺はそれを口に出さず、違う事を口に出していた。何故だろう、と考えるまでもない。
模試までの一ヶ月。俺は殆ど桐乃と会っていなかった。元々の事情が事情だったし、勉強の邪魔をする訳にいかないという事情もあった。
だから、久しぶりにあった妹ともう少し一緒に居たい、という思いがあったのは否定出来ない。基本、俺はシスコンなのだ。それはもう否定出来ない。
「何って……決まってんでしょ」
どうやら帰る気は無いらしい。少し安心する。
「決まってるって……この家、特に何も無いぞ? 人生ゲームとかですらないぜ?」
一応、勉強するという名目でこの部屋を借りている訳だしな。娯楽要素は持ち込めなかった。
「何いってんの? あるでしょ、ゲーム」
…………。ま、まさか。
「押しかけ妹妻。どうせ、あんたロクに進めてないんでしょ? それに右手がその状態じゃ薦めづらいだろうし、あたしが手伝ってあげる」
……やっぱ桐乃、もう帰ってくれ。俺は心の中で深々と息を吐いた。
で。
「はい、どっち選ぶ?」
「んー、下だな」
「いやここは上でしょ」
「…………」
結局二人でエロゲーを進めていた。
他にやることもないのもまた事実だったしな。
そんで、右手を俺が使えないので、俺の後ろに桐乃が立って、俺の代わりにマウスを操作してくれている、という訳だ。
イメージとしては二人羽織のような感じだろうか。
ただ、この右手、俺の要望を全然聞き入れず、勝手に選択肢を選んだり、ボイスを最後まで聞くまでクリックしなかったりして、終始俺を苛々とさせてくれる。
確かに椅子に座って、パソコンに向いているのは俺で、構図だけ見たら俺がプレイしてるっぽく見えるが、それは見えるってだけで、実際の所、妹がプレイしているといって過言ではないのだろうか。
それにさっきから、結構気になってるんだが……。
桐乃がマウスポインタを上に持って行こうとする時、前に乗り出すのか、その、背中に当たるんだよ。アレが。
だからさっきから下の選択肢を要望してんのに、まるで聞きやがらねえ。兄のさりげない気遣いに気付きやがれってんだ。
仕方ない。真っ向から指摘してやるか。遠回しに伝えてもこいつ、察し悪いからな。
「なあ?」
「何よ、今いい所なんだから、画面見てなっての」
「さっきからおまえのおっぱいが当たるんだが」
「パッ……!」
桐乃が激しく動揺している。
それもそうだ。いきなり妹に対し、おっぱいは無いだろうおっぱいは。
どんなセクハラ兄貴だよな。
……弁解させて頂く。
本当は胸と言おうとした。だが、言う直前に胸というと嫌らしくないかと考えた。そこで、口に出し切る直前に路線を変更したのだ。
その結果セクハラ発言になってしまったのだ。
……はい、弁解の余地なしですね。
「…………」
黙りこんでしまった桐乃。怒ってるんだろうか。怒ってるんだろうな。
今現時点で殴られてないだけで、奇跡なのかも知れない。
ふぅ、これでゲームは終了かな。まあ、仕方ない。桐乃も納得するだろう。
なんて思っていたのだが、予想に反して桐乃はゲームを続けていく。
位置も変わらず、そのままだ。
「お、おい桐乃」
「……今、良い所だって言ったでしょ」
ここからじゃ妹の表情は見えない。
良い所って言ったって……、なあ?
まあ、選択肢で上を選ばなきゃいい話か。
そう楽観的に考えていると、早速選択肢が現れた。
当然、下だな。
「桐乃、下の選択肢を頼む」
「…………」
カーソルが迷いなく上を選んでいく。
ふに。
それと同時に背中に柔らかい感触。
「な、おまえ、聞いてなかったのか?」
「…………」
桐乃は答えない。こいつ、何を考えてやがるんだ?
「もう一度言うが、おまえの胸が俺の背中にあたってるんだよ。少しは気にしろって」
「……馬鹿じゃん。あんた兄貴でしょ。あたしの胸が当たっても……兄妹なんだし別に良くない?」
いつもは俺が言っているような台詞を、桐乃が吐く。
「いや俺が良いか悪いかじゃなくて、おまえがこう兄貴に胸があたってても良いのかって話であって――」
「そのあたしが良いって言ってるんだから、良いじゃん」
……それもそうだな。
いや、待て待て。本当にそうか? 幾ら兄妹って言ってもこう、駄目じゃないか?
俺が納得してないのが分かったのだろう。桐乃は苛立たしく頭を掻き毟り、
「ああああ、もう! あたしが良いって言ってんだから良いでしょ? このヘタレ!」
何故、妹に胸が当たる事ぐらい良いじゃんと罵倒されているのだろうか。
俺、間違えてないよね?
「俺が気になっちまうんだから、仕方ないだろ。分かってくれよ、妹だからとかそういう問題じゃないんだっての」
仕方ないので俺が折れてやる。ったく、面倒臭い奴だな。
「……あ、そう。分かった。……なら、あたしが前に座る。それなら胸が当たらないし、問題ないでしょ?」
「あ、ああ、まあそうだな」
前に座るって意味が若干分からないが、つまりは位置を交代しようと、そういう話だろ?
桐乃がプレイしているのを、俺が後ろで見る。正直、見たくもないんだが、納得しないと煩そうなので取り敢えず振りだけでもいいので納得してみせる。
「そんじゃ、交代しようぜ」
そう言いながら俺が立ち上がろうとすると、桐乃が俺を制す。
「はぁ? 何いってんの。あたしが前に座るって言ったでしょ?」
「前って……いや、だから俺が後ろに立つって話だろ?」
「違くて。……くう、本当に察しが悪いんだから、あんたは。つまり、」
と口で続けて桐乃は行動で指し示す。
「こういう事!」
そう言って桐乃は俺の上に座った。
……。ええと、状況を再確認しようか。
俺、椅子に座っている。桐乃、俺に座っている。
「って、人を椅子代わりにしてんじゃねえ!?」
俺、一応怪我人なんだぜ?
「うあ、なんかゴツゴツして座りづらいんだケド」
そりゃ椅子になるように作られてませんから!
そ、それにこの体制は不味い。何か不味い。
妹の体温がこう間近に感じられて、こう柔らかいお尻の感触が、こう、な? 分かるだろ?
大体考えてみれば、今、こいつ、下着を付けてねえじゃん。
うあ……、いや、落ち着け、落ち着くんだ高坂京介。
そして静まれ、海綿体!
「な、何、耳元でハァハァ言ってんの? マジキモイ」
お ま え の せ い だ ろ う が !
もっと気にしろっての、俺だって男なんだぜ? くそ、普段はこれでもかってぐらい勝手に意識してる癖によ、なんでまたこんな時だけ……。
とそこまで考えて気付いた。よく見ると、桐乃の耳が赤い。
つまり、こいつも恥ずかしがっているという事か?
「お、おい、桐乃。どうしたってんだ? なんか変だぞ?」
恥ずかしがってないならまだしも、恥ずかしがってるならやらなきゃいいのに。
今日は桐乃の行動がいつも以上に分からない。
「……うっさい。ゲーム続けるから、ちゃんと見てなさいよ」
そう言って、マウスを動かし会話を進める。
……正直、ゲームに集中できる状態じゃないんだが。
全身に密着している身体。伝わる体温。ほのかに香る匂い。それが例え妹だったとしても、意識するなって方が無理だ。
し、しかしここでちんちん固くしてみろ。俺は生涯桐乃に馬鹿にされつづけるぞ?
そう、これは兄のプライドを掛けた勝負なのだ。
ふっ、読めたぜ、桐乃。これは、俺を陥れる為の罠だな。
そうと分かれば、俺は全力で別の何かに意識する。そう、確実に萎えてしまう何かに。
……萎える何かを探し求める。萎える。つまり自分の趣味からかけ離れたもの。そして想像しやすいもの。何か無いか、何か……。
……! そして辿り着いた。これは萎える。が、積極的に想像するのが躊躇われる。
だが、背に腹は変えられない。
……すまん、親友。今、俺は修羅となる。
そう、赤城とのBL展開を想像する。そう、俺と赤城は恋人同士。今日も、俺と赤城は二人きりで……。
『ねえ、お兄ちゃん。なんでこれおっきくなってるの?』
ギクッ。お、おっきくなってる、かな?
い、いや、まだだ、まだこう寝ぼけ眼の状態。まだ、騙せるぞ。
ほら、赤城、もっと俺を萎えさせろ!
想像の赤城が俺を抱きしめる。
………………これはこれで、ダメージがでかいな。兄としてのプライドを守る代わりに、俺の精神はボロボロに燃え尽きてしまいそうだ。
もぞ。少し妹が俺の上で動く。
こすれるなにか。
…………………………。
な、なんだこれ。俺の精神と関係なしに、身体が、勝手に反応していく。
お、おさまれ、俺の海綿体、静まるんだっ!
くそ、赤城、抱きしめるだけじゃ足りない。もっと俺を、俺を。
想像を加速させ、赤城と裸で抱きあう。こ、これなら。
しかし萎えていく精神と対照的に盛り上がっていく下半身。
おおおおお、俺は今、赤城を想像しながら、ちんちんを固くしている、だと!?
このままだと燃え尽きる以前に砕け散る。兄としての尊厳以前に男としての尊厳が消失してしまう。
妹の心底軽蔑した視線で、サイテーと言われるまで数秒前と言われるところか。
さようなら、俺の平穏ライフ。こんにちは、俺の変態ライフ。
遠い目で、桐乃からの死刑宣告を待っていたわけだが。
「…………」
カチ、カチ。
桐乃は、黙々とゲームを進めている。
ま、まさか気付かなかったのか? げ、ゲームに集中しすぎて?
いやでも今声あげてたし。
俺のその葛藤を見透かしてか、ようやく桐乃が声を出す。
「き、気にしてないから」
俺の方を見ずに、桐乃はそう告げる。
「こう、男は、……仕方ないんでしょ?」
俺の方をチラッと見て、桐乃はそう告げる。
「今、エロゲーしてるワケだし? し、仕方ないって」
……すまん、俺が今、勃っているのは、エロゲーのせいじゃないんだ。
つか全然ストーリー見てなかったし。
……そうか、エロゲーを見て勃っている事にすれば、ギリギリ兄貴としてのプライドが保てる? まさか敵からそんな助言を貰えるとはな。
よし、エロゲーに集中しよう。
「…………ん」
なるほど、この展開だとそろそろエッチシーンだな。
「……あっ……」
しかし一人暮らしの野郎の家によくこの妹は押しかけてくるよな。
大体なんで裸エプロンなんて展開になんだよ、ありえねえだろ。
「……んんっ」
「………き、桐乃さん?」
さっきから桐乃が変な声を上げているので、エロゲーに集中しきれない。
つか否が応にも現実を意識しちゃうだろ。
「ご、ごめん。その、あんたのが当たって……」
…………。
「あ、またビクンってした」
あああああああああっ! そうだ、まだ俺の息子、全力で妹に対して体当たりしてたわ!
勃起しすぎて麻痺してんのか余り感覚が無い。
「わ、わわわ悪い」
「べ、別に良いって。あたしこそ変な声出しちゃって、ごめん」
かぁ、と顔を赤くする妹。
俺も負けじに赤くなっているのだろう。
「あ」
そして桐乃がそこで何か気付いたように声を上げた。
「な、なんだどうした?」
赤くなってしまっている自身を誤魔化すように俺は桐乃に話しかける。
「……あ、あんたのパジャマ、汚しちゃってる、カモ」
へ?
顔を真赤にして俯いてしまう桐乃。
そ、それって……。
「…………」
俺は何も答えられない。
妹も黙りこんだまま。
カチ、カチ。
ゲームはしっかりと進んでいく。
やがて。
ゲームは佳境を迎える。
『お、お兄ちゃんの事が、ずっとずっと好きだったの』
カチ、カチ。
可愛らしい妹ボイスで、ゲームの妹がそんな台詞を吐く。
その台詞に対し、ゲームの兄貴は、暖かく受け入れる。
『嬉しい。こんな気持になれるならもっと早く言えば良かった』
カチ、カチ。
イベントCGが入り、妹の全身が映し出される。
『ね、ねえ、お兄ちゃん』
カチ、カチ。
『わたしと、……エッチしよ?』
カチ、
…………。ゲームが、止まる。
桐乃が、画面を見ず俯く。マウスを握る手は、クリックを押さない。
喉が、カラカラに乾いていく。緊張感だけが、場を支配していく。
心臓はずっと早鐘を鳴らし、このまま壊れてしまいそうになる。
やがて、桐乃が口を開く。
「ね、ねえ、兄貴」
俺は答える事が出来ない。
「あたしと、……
プルルルルルッ!
そのタイミングで携帯が鳴り響いた。
良い所だったのに、と俺は思ったのだろうか。
それともこの携帯に安心したのだろうか。
音の主は、俺の携帯だった。
「……、出るぞ」
妹に一応、了承を取る。妹は俯いたまま、コクリと頷く。
電話を掛けてきた相手は、あやせだった。
何故か寒気がしたのは何故だろう。
「は、はい、もしもし」
『あ、お兄さん。わたしです』
「ど、どうした?」
『どうした、って……ほら、あたし夕飯を作りに行くの遅れちゃって。お兄さん、お腹空かせてるかな、って思って』
……あれ?
「今日も、来るつもりだったのか?」
『なにを言ってるんですか。せっかく模試も終わったんですから、今日は少し豪勢にしようと思ってるんですよっ』
横目で、桐乃を見やる。これだけ近くに居るのだ。会話が聞こえているだろう。
桐乃は、目を見開いて、俺を見つめる。そして、口を動かす。
あ、た、し、は、き、い、て、な、い。
『少しお酒も良いかなーって思って、度数弱めですけど、買ってあるんです。あ、少しだけですからね?』
桐乃が、何処となく震えている。何故だろう。
そして、俺もさっきから寒気が止まらない。
『まあ、こんな日ぐらい少しハメを外してもいいかなー、なんて。 ……ところで、お兄さん?』
先ほどまでの上機嫌な声から、打って変わって声のトーンが下がる。
『 桐 乃 と 、 何 を し て い た ん で す ? 』
終わり。
はい、エッチシーンを期待した人、ごめんなさい
今回はここまでです
別に焦らしているわけじゃなく俺の力量的に……
こんだけ展開を長くしてようやくエッチシーン手前までこぎつける事が出来たという
しかしこれだけ長文だと、wikiとかに投下した方がいいのだろうか
スレのルール的にどうなっているのだろう
>>480 ありがとう、まさしく交通事故ネタなので是非聞きたい所だったが……!
腕折ったら、風呂って入れるのかね?
GJ!面白かった
にげてー!兄妹わりと真剣ににげてー!
桐乃はガサ入れで歯ブラシやら食器やら、そんな平和なブツ探してる場合じゃなかった・・。
497 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 01:24:14.44 ID:0vfjPA9o
>>495 脈絡なくアッハンウッフンだけされるより百倍増しだ。
導入あってこそエロパロだ。相変わらず読みやすくてめちゃくちゃ面白いぞ。
お疲れ
いいよすごくいいよ!
新しい才能のおかげでエロパロの面白さが留まるところを知らない!!
展開が面白いなぁ。続きが楽しみ!早く書いてくれー
>>480 です
乙乙! すごく楽しく読めた 面白かった
ギプス付けたままでもビニール袋で保護すれば風呂にも入れるよ
ただ温めると患部が汗をかいて痒くなるから気を付けた方が良いな
SL「そろそろ俺のターンかな」
S(沙織)&L(リア)ですねわかります
リアは1エピソードだけで終わらせるには惜しいキャラだったよなあ……
>>495 イイヨーイイヨー
続き楽しみだ
なんか活気のあったころのエロパロスレを思い出した
>>501 京介が大学、桐乃が高校に進学した時に、中学生になったリアが
メスの匂いをプンプンさせて来日して、修羅場になる素晴らしい
未来が俺には見える…ぞ?
>>503 リア「お兄ちゃん超好き!」
京介「おまえは中学になっても変わらんな」
リア「そーかなー。おっぱいとか大きくなったんだけどなー」
京介「身体的なところじゃなくだな…」
風呂場でばったり。
京介「うおっ!」
リア「……」
京介「な、なんだリアか。悪い、すぐ出ていくな?」
リア「き、」
京介「き?」
リア「きゃあああああっ!!」
京介「わ、わわ悪い」
バタン
京介「……リアが、裸を見て悲鳴を上げるなんて」
リア「あ、あれ…ど、どうしたんだろ、へ、変な気持ち」
という展開が一瞬で走馬灯のように駆け巡った
リア「お兄ちゃん超好き!」ダキッ(あれ…?)
京介「あーもう、抱き付いてくるんじゃねえ!」
リア「え、あ、うん…」(何だろう…?)
京介「ん?なんか顔が赤くないか?熱でもあるのか?」
ピタッ
リア「!!だ、大丈夫だよ!わ、わたし行くね!」(何でこんに胸がドキドキするの?)
という続きの展開の電波を受信した
>>491 くそ、桐乃め、中々クリティカルなダメージだったぜ。
だが、まだ俺の最後の防波堤、太ももにより、立ち上がろうとするそれを全力で抑えつける。
勃起してしまうのは仕方ない、だがバレなければいい。あれ、でもさっき擦れたよな?
つまり桐乃がまた動いたらこう、バレちゃうんじゃね?
つか、今思ったが、さっき擦れたってさ、何処と?
…………。
今、桐乃は俺の上に座っている。となると、俺の海綿体の上にあるのは……。
下着を履いてないから、薄布一枚の先の……。
おおおおおおおおおおおおおおっ!
よく分からない衝撃が俺の身体を突き抜ける。ありとあらゆる理性と自制が、一気に突破される。もうどうにでもなれ、という気分になって。
俺のリヴァイアサンは、俺のビックフットの拘束を振り切り、地上へと飛び出した。
「……っ!」
そして、迷いなく、目の前の双丘の間へと突っ込んでいく。
「んあっ……!」
ビクン、と妹の身体が跳ねた。
……………………やっちまった。ぜってえ、バレた。つか、可愛い声あげてたし。うわ、最悪。完全に兄貴失格。
文章に抜けがあったのでこっそり追記
491と492の間です
どうにか脳内で補正してくだされ
>>508 くっ… とんだ伏兵が潜んでおったわ…
どうしてくれるんだ、性欲を持て余す!
それはともかく、大作乙でした!
回を重ねる毎にクオリティも読み応えも上がっていって正直すげえとオモタ
また今回も桐乃と京介のやり取りに2828しちゃったよ、オチにはしてやられたけどw
すごく面白かったんであやせの妨害が入らなかった分岐も読みたいw
プルルルルルッ!
そのタイミングで携帯が鳴り響いた。
良い所だったのに、と俺は思ったのだろうか。
それともこの携帯に安心したのだろうか。
音の主は、俺の携帯だった。
「……、出るぞ」
俺は桐乃に確認を取る。桐乃は俯いた儘、微動だにしない。
この距離で俺の言葉が聞こえないという事は無いだろう。つまり、微動だにしないの答えは――
「……ああ、くそっ! わーった、出ねえよ」
――出てほしくないという意思表示に他ならない。
携帯画面に表示されている名前は、新垣あやせ。
く、あやせ、すまん。あとでかけ直すから今だけは許せ……。
着信のボリュームだけを下げて、音が鳴らないようにして、そのままパソコンの横に置いた。
それを見ていた桐乃が、小さな声で確認をしてくる。
「……良いの?」
決して良くはない。
だが、仕方ないだろう。俺の妹が目の前で、無言で自分の意志を主張していたのだから。
兄としては、その主張を無視する事なんて出来る筈がない。
「ああ。大丈夫、後で事情を話せば許してくれるだろ」
本当の事情を話したらあやせがマジギレして俺が瞬殺される事は間違いないので、なるべく嘘をつかずに、しかし誤魔化す方法を考えておかねばな。
「……ほれ。そんな顔してねえで、ゲーム、続けんぞ」
「そ、そんな顔って、どんな顔よ……」
泣き笑いの様な、その表情だよ。その表情を見ていると何だか胸が痛くなるんだ。是非、やめてくれ。
「大体……、続けるのは、ゲームなワケ?」
その桐乃の一言に、今、どういう場面だったかを思い出す。
途端に、かぁ、と自分の顔が赤くなるのが分かる。
うわ、突然の電話で忘れてたが、そう言えば、そういう状況だった。
やべえ、これじゃ、なんて言うか、こう、妹に催促してる変態兄貴じゃねえか。
死ねよ、俺。おとなしく電話に出ておけよ。
桐乃だって、ちょっとした気の迷いというか、冗談だったに決まっているのに。
「げ、ゲーム以外に何があるってんだよ」
明らかにわざとらしいが、変態兄貴の汚名を避ける為に、あくまでゲームの続きを要求してみせる。
そう、別に妹の、なんだ、ああいうのを期待して電話に出なかった訳じゃないしな。
「……あ、あんたって、本当へたれだよね」
桐乃が呆れたように、そうと呟く。心の底からうっせえ、と言いたい。
ふぅ、と桐乃が息を吐くと、再び顔を上げた。何処と無く不安げに揺れていた顔が、いつもの勝気な瞳を宿す。
「分かった。あたしも覚悟を決めた。……ここまでやって、あたしも引き下がるワケにはいかないっての! 全国の妹ユーザーが待ってんだから、この先の展開を…ッ!」
よく分からない決意を表明する桐乃。全国の妹ユーザーって誰だよ。この部屋、全国ネットで放送でもされてんのか。そしたら俺、自殺するしか無くね?
……か、監視カメラとかねえよな?
「…………え、えいっ!」
やたら気合入った掛け声と共に、桐乃は自分の股へと掌底を放った。
より詳細を言うなら、そこにある俺の息子にだ。
「ぐ、ぅ……き、桐乃、何を……」
お、お、おまえ、男のここはピュア・ハート以上にデリケートなんだぞ……?
つか、女の子が掛け声と共に野郎の股間に手を伸ばすんじゃねえよ。
「あ、ご、ごめん! い、痛かった?」
そう言って桐乃は、俺の息子を擦るように撫でる。
「…………ッ!!」
俺は慌てて桐乃の手を止める。
「お、おまえなぁ?」
「…………」
途端、身体を硬直させる妹。
……? なんでだ?
改めて自分の態勢を見る。俺の前に桐乃。桐乃、俺の息子へと手を伸ばしている。
その腕を止める俺の手。つまり、構図を簡単に言うなれば……。
まるで後ろから俺が桐乃を抱きしめているような形だ。
はっはっは、違うっすよ? これは、偶々というか。
事故って言うか……。
構図だけじゃなく、実際に抱きしめているような感触がする。
柔らかい、女の子の身体。薄布一枚で隔てただけの感触。体温が直ぐに感じられて。
「…………ッ!」
気付けば、抱きしめる手に力を篭めていた。目の前にある身体を、力強く抱きしめていた。
内から湧き出る強い衝動に、まるで抗えなかった。
だって、仕方ないだろう。
俺の腕にすっぽり収まってしまう女の子が、俺の上に乗っていて。
裸に布一枚纏っただけの格好で。
こんなの、我慢できる筈がない。
「……京介、痛いよ」
桐乃が小さく声をだす。
その言葉に理性を取り戻す。
「す、すまん! お、俺……」
慌てて、桐乃から離れようと腕を解く、
その腕を桐乃が止めた。
「もっと、……優しく、してよ」
桐乃は耳まで真っ赤にして、俯きがちに、しかしそう言う。
な、なんだ、この可愛い生き物は。
本当に俺の妹か? 実は違う誰かなんじゃないのか?
……寧ろ、そうであってほしい。
「…………」
「……京介?」
でも、目の前に居るのは妹だ。
俺の、妹なんだ。
妹を、兄が襲ってどうするんだ。
そんなのは二次元だけで。
そもそも、この一人暮らしの発端を考えろ。
「……、駄目だ」
これでエロゲーみたいな展開をしてしまったら、あの時の親父の信頼を裏切る事になる。
俺に任せてくれた、その信頼を裏切っていい筈がない。
「…………馬鹿。信じらんない」
俺の言葉を聞いて、桐乃がブルブルと身体を震わせる。
妹は、短い兄の拒絶から、全ての意を汲み取ったのだろう。
ああ、分かってる。分かっていた。
鈍いふりをしていただけで、今日の桐乃は明らかに俺を挑発していた。誘惑をしていた。
それを気付かない振りして、何も起こらない事を期待して、そして妹にここまでやらせて。
その上で、断ろうとしている。なんて、最悪。なんて非道な兄貴なのだろう。
どんな綺麗事を言ったって、俺が兄貴失格なのは到底変わらない。
「桐乃、俺は――」
「…………」
桐乃は、無言で俺の海綿体を撫でた。
「ががっ! き、桐乃、て、てめえ!」
凄い快楽が俺の背中を駆け抜けていった。油断しているとイッちゃいそうなレベルだった。
ゆ、油断ならない奴……。
「い、いいか、桐乃、俺はな――」
すりすり。
「おおおおおおおお、まった、たんま、タンマ!」
「……何よ、言ってみ?」
桐乃は、にひひ、と生意気な笑顔を俺に向ける。その笑顔はなるほど、可愛かった。
つか、こんな間近でその笑顔は反則だ。
だ、だが、屈する訳には――
「…………ッ! 〜〜ッ!!」
妹の執拗な攻撃は続く。俺の息子の頭を優しくスリスリと撫でながら、しかもそれを太ももで挟んでくる。
もう敏感になってしまっている俺のソコは、暖かく柔らかいモノに挟まれて、正直、ヤバい。
しかも、開いた手で、ソレを自分側に押し付ける。つまり、桐乃にアレに、自分のソレが……。
「…………く、や、やめろ」
そして、はっきりと分かった。分かってしまった。俺のソレ越しに、桐乃のアレが……濡れている事が。
「……で、どうすんの?」
にやにやと笑って桐乃は言う。頬が真っ赤で、耳まで真っ赤なのに。挑戦的な眼は、俺を見据える。
指でくりくりと、俺の刺激の強い部分を弄り回す。
絶対分かっててやってないと思うが、それ、スゲエ気持ちいいんだからな……っ!
気持よすぎてヤバい、脳の奥がびぃーんと鳴っている感じがする。変な声が出てしまいそう。
こ、これ逆レイプじゃね? 俺、妹に汚されてねえ?
「あーあ、あたしのここ、びしょびしょ。どうしてくれんの?」
ど、どうしてくれるのとおっしゃられても。
「責任、と、取りなさいよ。兄貴でしょ?」
兄貴だから、責任を取れと。いや、兄貴だから責任が取れなくて。
理性と欲望の間で揺れ動く。しかし俺の中の兄が、欲望を封じ込めようとする。
だから、妹が、それをぶち壊す。
「ううん、絶対、責任を取らせる。もう、決めた。
あんたが、どう足掻いても兄貴で居続けるというのであれば、あたしは、どうあってもあんたに責任を取らせてみせる。
あんたの身体をどこまでも気持ちよくさせてあげる、あたしを、犯させてあげる。感謝しなさいよね」
エロゲーでも言わないだろうとんでもない台詞を、俺を真っ直ぐ見ながら桐乃は宣言した。
「あたしの身体の味を、あんただけに味わわせてあげるんだから……!」
俺の……を、桐乃の……に押し付ける。ぬる、とした感触。服越しとはいえ、服がまるでもう機能してない。
生暖かい湿った感触が、俺の……に纏わりつく。
「は……ァッ! ん、……んんっ!」
そしてそれを挟んだり、腰を動かしたりして、桐乃は俺の……を弄ぶように支配していく。
その動きのまま、桐乃は抑えていた俺の左手を、自分の胸へと押し付ける。
柔らかい感触が、俺の手のひらから伝わってくる。
桐乃は俺の手に自分の手を重ねて、俺の手ごと、自分の胸を揉んだ。
むにゅ。なんとも言えない柔らかい感触が、俺の手にダイレクトに伝わってくる。
なんだこれ、こんなに柔らかいものなのか、そして弾力があって。
桐乃が胸を揉みしだく、その行為すべてが俺の手を通して。
気付けば俺は自分で揉んでいるのか、桐乃に使われているのか分からなくなってしまった。
俺の中の兄貴は、今でも必死で俺を止めている。罵倒をしている。
しかし、それに対して、桐乃の行動が、体温が、柔らかさが、吐息が、俺を支配する。
「……ふ、ふふん。あ、ッ、あたし、の、…直で、……触りたい、ぁ、でしょ?」
俺の返事など、妹は待っていなかった。シャツの隙間、ボタンの隙間から自分の手ごと、俺の手を侵入させる。
服の中の温度は、この部屋よりも熱い。しっとりした、空気。
そして、そこにあった感触は先ほどとは比べられない感触。
しっとりとした触り心地、布じゃない、生き物を触っている、感触、柔らかさがダイレクトで、俺の理性をジリジリと焼く。
やめろ、なんて、もうなかった。もっと。もっと、もっと。もっともっともっと。
触りたい、俺の意思で。
――やめろ、俺は桐乃の兄貴なんだぞ!? 兄貴が妹を襲うなんて、ありえねえだろ!
…………。
――今直ぐ、やめて離れろ、そして叱って終わらせろ! それが兄としてやるべき事だ!
…………。
――親父の信頼を、裏切るのうるせええええええええええええっ!!
「桐乃、俺はおまえが好きだ」
「…ん、ぁ…………、……え?」
「俺は、おまえが大好きだ」
「え、えええ、え?」
「悪い。もう手遅れだ。分かった。もう分かった。分かっちまった。自覚しちまった。駄目だ。分かっちまった。俺はさ、桐乃」
「…………」
「おまえと、結婚したい」
「ええええええええええっ!? ちょ、と、飛びすぎ、待って、待ってこ、心の準備が……!」
「うっさい。おまえの心の準備なんか知らねえ。いいか、てめえ、よく聞けよ……!」
俺は、俺の意思で桐乃の胸を揉む。揉む事の出来ない右手は、桐乃の腰へと回し抱き寄せる。
桐乃のうっすらと赤み帯びた首筋へと唇を這わせると、桐乃の身体がぴくんと跳ねた。
「この身体に、俺以外の誰かが触るなんて許せねえ。分かるか、それは本当に兄としての感情か?
否、違う、兄なら、自分が触る事だって想定しない筈だ、だからこの感情は紛れもなく兄としてじゃない、俺の感情なんだよ」
左手を桐乃の服から抜き、桐乃の顎へと手を伸ばす。そして這わせるようにして唇に。
「この唇も、この身体も、全て俺が頂く、俺のものにして、俺以外になんて決して渡さねえ」
なんて醜い本音だろう。汚らわしい下衆の言い分だろう。
でも、もう止められない。
「何より、てめえの想いが、俺以外の誰かに向けられるなんて、死んでも嫌だ、頼む、頼むから、俺を見ていてくれ、俺の側にいてくれ、おまえは前に言ったな、一番じゃないと嫌だと、それなら俺はこう言おう」
顔を真赤にしている桐乃の顔を、後ろから覗きこむようにして見つめる。
「……おまえのただひとつの特別に、俺をしてくれ」
ギュッ、と桐乃の身体を抱きしめる。もう抑えきれなかった。この薄汚れた衝動を撒き散らした。
数秒後に桐乃が俺の手から離れてしまうかも知れない。それが怖かった。
桐乃はただ、兄をからかっているだけだったかもしれない。
一夜限りの関係として、近親相姦に憧れただけかもしれない。
ただの好奇心だったのかもしれない。
そのどれでもいい。
怖いし、悲しいけど。
ただ、俺を桐乃の特別にして欲しい。
一番よりも、唯一へ。
その瞳で、俺を見続けて欲しい。
それだけで、俺はどんな障害だって怖くなくなるから。
「…………」
「…………」
桐乃を抱きしめた格好で、二人は沈黙だった。
あれほど吹き荒れていた感情も、今は静かだ。
煩悩でさえ、今この時は静まり返っている。
暫くそうして、時間を過ごした後、桐乃は俺から立ち上がる素振りを見せた。
あ……。
離したくなくて、手に力を込めてしまう。それを優しく桐乃はどかした。
そして、桐乃は俺から離れた。
離れていく桐乃を俺は眼で追う。
まるで捨てられた子犬のような視線だっただろうと自分でさえ思う。
数歩離れて、桐乃は俺の方へと向き直った。
「……ちゃんと、全身見えてる? これ、ゲームだったらイベントCGだから、ちゃんと見てなさいよ」
そう言いながら片目を閉じて、少し息を整えて、そしてゆっくりと服のボタンを外していく。
「言っておくけど、差分とか無いから、ロードも無いから。セーブも無いから。やり直しなんてさせないんだから」
一つ一つ、静かにボタンを外していく。
「というか……今更、他のルートなんて選んだら、あたしが許さないから。絶対邪魔してやるし。つか、どんな選択肢を選んだって強制あたしルートだから」
やがてあらわになっていく、綺麗な、桐乃の裸体。
その姿に見惚れてしまっている俺を、くすっ、と桐乃は笑う。
「……あんた、あたしの特別にして欲しいって言ったよね?」
「ああ……。言った」
「ごめん、それ無理」
「なッ……!?」
ここまでやって!? え、強制バッドエンド!?
この展開でその台詞無くね? 凄いショックなんだけど。ヤバい泣きそう。
「てかさ……、本当、あんた、気付いてなかったんだね」
桐乃は今まで見たことがないぐらいに、優しい表情をしていた。
それはとても綺麗で、見ているだけで、胸の高鳴りが止まらない。
「……とっくの昔に、あんたはあたしの特別、だっていうのにさ」
そう言って、上着を、はらり、落とす。そのまま、流れるように下のスボンへと手を掛ける。
「大体さ、あんた、あたしをなんだって思ってるわけ? 電波女みたいにビッチだって思ってるわけ? それ、超ムカツクんだけど。何、あたしが誰にでも、あ、あんなエッチな事、するって思ってんの?」
するする、とズボンを脱いでいく。……あの部分はやはり濡れていた。
俺がそこを見ているのに気づくと、2倍速で脱いでズボンをベッドの下に放ってしまう。
「……あんただけに、決まってんじゃん」
全てを脱ぎ捨てた桐乃は、ベッドの上へと身体を載せて、横たえる。
「本当さ…、あんたの告白、いや、嬉しかったけど、ホント、馬鹿じゃん」
桐乃はクスクス笑う。
「あたしは、さっきからずーっと、あんたに告白しているつもりだったんだけど、あんた、全然分かってなかったなんて。
鈍感にしても行き過ぎでしょ。まあ、そのおかげであんたの言葉聞けたし? イイケドさ」
力を抜いている様子で、天井を見るように桐乃は、俺を見る。
「で、あんた。いつまでそこでボケーとあたしを見てんの? 見惚れるのは分かるケドさ」
照れた様に微笑んで、桐乃は俺に言う。
「あたしと、エッチしよ?」
それからって? 続きがどうなったかって?
まさか続きを話さないつもりじゃないだろうな、って?
そのまさかだ。言っただろ、桐乃を誰にも渡したくない。
これはそんな醜い兄の、主観の物語。
ここから先はトップ・シークレットだっての。
まあ、それでも端的にこの先の展開を言うならさ。
分かってるだろうが、この台詞しか無いわな。
俺の妹が、こんなに可愛いワケがない、ってな。
完
或る分岐の先2 でした
あの電話を取るか、取らないかそれでエロゲっぽく分岐を分けられないか、
という意図で付けられたのが実はこのタイトルでして
なんて裏話はここまでにして
一応エッチシーン?はあったけど、エッチシーンが無いという締め方
少なくとも京介視点でその部分が語られる事は無いです
とまあ、余談はここまでにしてひとまず完です。読んでくれた皆様には感謝を
518 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 01:56:22.62 ID:/l1pfe9a
>>517 先に電話取った展開読んだからどうしても比較してしまう。物足りないw
でもこれはこれで十分面白いよ。読みやすいし。
紀梨乃の遠回しもいいし、京介の突っ走った感がいいわ。
お疲れ
GJ。
うおおおぉおお!
うおおおぉあお!
エロいのにちょっち切ねぇ!
なるほど・・桐乃攻略ルートはこの分岐で2な、メモメモ
1・電話に出る
2・電話を無視する
>>517 GJ!
最近投下が少なくて雨乞いをしていたのだが突然現れた天才のおかげで
このスレに良作の集中豪雨が降ってきた
これからは気温も上がるので全裸待機にはもってこいだな
521 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/29(金) 08:41:40.65 ID:MESRC8l5
>495
もうなんか凄いなー。作者が原作で出来なかった事をここでこっそり書いてるみたい
sokodeyamenaide
tudukiwokaitekudasai
kanasisadebokumonuretyaisoudesu
>>517 GJ!
イイもん読ませてもらった!
個人的にはエロシーン描写なしは好物なのよね
目に見える形にならないからこそ、想像でどこまでも膨らませることが出来るからさ
※ただし、そこに至るまでのシチュや描写が良い場合に限る
このきりのは じつに えろいな
いいぞもっとやれ!
おねがいします
感想ありがとう!
やっぱ感想貰えると嬉しいしモチベーションあがるな!
>>518 物足りないのはエロさかボリュームか……!
エロさならすまないとしか言えないが、ボリュームなら幾つか削った部分もあるのが裏目に出たか……!
>>519 因みにあの時点でどちらにしろあやせから電話が掛かってきているという事実は変わらない訳で
……つまり
>>520 お褒めに預かりまして光栄でございます
俺としましても他の人の作品がそろそろ読みたいので豪雨が続いてくれればいいんだが
>>521 最高の褒め言葉をありがとう
俺もまとめwiki見て、「これ、原作者書いてるんじゃね?」とか思った事があり
俺もいつかはそう思われたらいいなあと思っていたので素直に嬉しいです
>>522 zonbunni nuretekudasai
>>523 同意!
俺がエロシーンを余り描写したがらないのもその辺りに理由がありますな
>>524 稚拙ながらエロさを感じて貰えたなら幸いでござる
今回はここで打ち止めだけど、そのうちまた投下出来ればと……!
このスレの全盛期を知らないのが残念だが
ここが盛り上がればいいなあ、と思っているので
ガンガン投下を希望してるんだぜ
幾つかまだまだ書いているけど、暫く投下できそうにないので
誰かよろしく!
う、打ち止め・・?
まだだ!あやせの鉈エンドorナカにダレもいませんよエンドが・・???
>>526 なに? あやせのナカにダシてもいいですよエンドだと?
>>526 一応裏シナリオで書いてたんだが
その、あやせファンを敵にまわしかねないので…
あやせファン的には、ファンでもない人にあんま愛の無いのを書かれても困るけど
書き手も読み手も、完全にギャグとして割り切るタイプの作品ならありだと思う
原作者自身もやってることだしw
>>529 ふっ、何を隠そう、俺はあやせファンだぜ
それが故の葛藤なんだ
構成、やっぱ変えようかな
遅くなったけど
>>517乙!
これ以上ない最高のSSでした!
>>509で分岐編リクエストした甲斐あったぜw
京介が誘惑に抗って最後まで兄で居続けようとしたり、
桐乃がそれを分かった上で京介の壁を壊そうとしたり、
その辺を含めたギリギリの駆け引きが、すごくこの2人らしかったと思う。
細かい息づかいまで伝わってくるようだったし、
こういう描写の方が直接的なエロ表現を入れたSSよりよほどエロいと思うよ。
ん、
>>517を読み返して気付いたケド、
「少なくとも京介視点でその部分が語られる事は無い」
ってことは、桐乃視点ならあるってことか!?(wktk
>>532 おまい天才w
では早速作者様きりりん主観で、よがりまくってる艶話を…w
理乃センセアダルト小説デビューっすかw
自分のえっちを赤裸々に語って出版・・やべ、めいどちょうセンセに一歩追いつくぜ(何を
トゥルルル。
電話の呼出音が聞こえて、わたしは安堵の息を吐いた。
良かった、掛かりました。電話とか切ってる可能性もあるかなって心配だったんですよ?
……現に桐乃は電源を切ってましたし。
でもさすがお兄さん。こうしてわたしが電話する事、分かってたんですよね。
全く、ハラハラさせてくれます。何度もお兄さんを疑ってしまいました。
でも数々の誘惑を断ち切っていくお兄さんの姿、格好良かったですよ。
やっぱ、こうでなきゃっ。
……しかし、中々出ませんね。どうしたんでしょうか。
ここは渡りに船とばかり、わたしの電話に飛びつく筈なのですが。
桐乃、可愛いですものね。桐乃の誘惑に、お兄さんもタジタジな筈。
だからこうして、このわたしが助け舟を出してあげたのに……。
仕方ないので、一旦電話を切ることにする。。
携帯の電波があると干渉してしまってよく聞こえないらしいからだ。
携帯の電源を切り、再び前にある機械から伸びるスピーカーに耳を当てる。
『体……、続けるのは、ゲームなワケ?』
『げ、ゲーム以外に何があるってんだよ』
……。うーん、これはどういう状況なのでしょうか。
一旦、さっきの感じは終わったみたいですけど。
あ、わかった。わたしからの電話を切っ掛けに軌道修正を試みてる訳ですね。
電話に出なかった事は覚えておきますけど、桐乃を傷つけるのも本意ではありませんし。
特別に許してあげる事にします。……次やったら、お仕置きが必要ですけどね。
『……あ、あんたって、本当へたれだよね』
お、お兄さんになんて事を言ってるんですか、桐乃は!
いくらお兄さんだってそこまで直接的に言われたら誘惑に気づいちゃいますよ!
……確かにお兄さんはヘタレで鈍感な天然女たらしですが。
あの時の事を思い出すと今でもムカムカしてきますし。
『分かった。あたしも覚悟を決めた。……ここまでやって、あたしも引き下がるワケにはいかないっての! 全国の妹ユーザーが待ってんだから、この先の展開を…ッ!』
……あれ? 桐乃?
そこ、諦めないんだ。ふーん。桐乃、そんなにお兄さんが好きなんだ。へー、お兄さん想いなんだね。
ミシッ!
あ、と気付いた時には無意識に目の前の機械を強く握りしめていた。
いけないいけない。
『あ、ご、……ん! い、……った?』
電波の調子が悪くなってしまったのか、目の前の機械の調子が悪くなった。
うまく音声を流してくれない。
ここから先が大事なのに、どうして機械はわたしを裏切るのだろう。
『……と、……優しく、してよ』
ギシッ!
……今、聞こえた声はなんだろう。優しくして、って何? ねえ、何? 何を?
今、何が起きてるの? 早く、早く早く早く。
ガンガンと床に叩きつけてあげると、調子を取り戻したのか、再び音声を流しはじめた。
『……で、どうすんの?』
何が? 何が、どうするの?
状況が分からない。なので耳を澄ます。げ、ゲームを続けるか、って事だよねっ。
『あーあ、あたしのここ、びしょびしょ。どうしてくれんの?』
桐乃?
『責任、と、取りなさいよ。兄貴でしょ?』
ねえ、桐乃。何を言ってるの?
『ううん、絶対、責任を取らせる。もう、決めた。
あんたが、どう足掻いても兄貴で居続けるというのであれば、あたしは、どうあってもあんたに責任を取らせてみせる。
あんたの身体をどこまでも気持ちよくさせてあげる、あたしを、犯させてあげる。感謝しなさいよね』
…………。
夢。これは夢。こんな、気持ち悪い事、桐乃が言う訳が無い。
こんな気持ち悪いモノ、わたしの親友じゃない。
なんて醜悪。桐乃は、そんな事言わない。わたし知ってる。そうだよね、桐乃。
「あはっ! あはははは! やだなぁ、桐乃。駄目だよ、そんな……行動しちゃ」
わたし、許せ無く鳴っちゃうから。
全く。そろそろ、お兄さんを助けに行かないと。そう、助けに。
こんな事もあろうかとちゃんとこの機械用意しておいて良かった。
本当は、黒猫さんとかそういう人対策だったんだけど……。
ふふ、駄目だよ、桐乃。桐乃が言ったんだよね。お兄さんを、監視しろと。
その桐乃がこんな事をしちゃうなんて……お仕置きが、必要だよね。
何がいいだろう。これかな。これかな。これは駄目だ。桐乃、モデルだもん。
見える位置に傷とか残ったら大変だもんね。
『桐乃、俺はおまえが好きだ』
ガチャガチャ。
……あれ? 今、何か聞こえました?
気のせいですよね。
『俺は、おまえが大好きだ』
…………。
ガン、ガンガン。おかしいですね。混線してるんでしょうか。
『悪い。もう手遅れだ。分かった。もう分かった。分かっちまった。自覚しちまった。駄目だ。分かっちまった。俺はさ、桐乃』
駄目、駄目、駄目、早く壊れて、続きなんか聞きたくない、早く、早く、ねえ、早くッ!
『おまえと、結婚したい』
……………………………………あはっ。
200メートル。
それぐらい離れた場所に、誰も使ってない倉庫があって。
そこが、わたしの隠れ家だった。
これ以上離れると電波を受信出来ないとかで、寒くて暖房が効かない部屋だけど。
桐乃に依頼された以上、わたしは、監視を続けていた。
そして、今日、ようやく監視をしてた甲斐があった事が起きた。
監視して、イケナイ事をしているのが分かったなら、お仕置きを与えないと。
桐乃からの依頼だもん。手を抜いちゃ駄目っ!
しっかり、最後までやらないと。
電波を受信する機械は、今は無残にもぼろぼろになってしまって何の音も発さない。
だから、直接、聞きに行かないと。しっかりと監視しないと。
わたしは、200メートルの道のりを慎重に歩いていった。
あくまで、監視が目的だから、見つかってはいけない。
もしかして、特に何事も無く、桐乃があの部屋から出てくるかも知れないしっ。
そしたら……。わたしが、桐乃の代わりに、お兄さんにお仕置きをしないと。
ふふ。全くもうっ。仕方ない人なんだから。
玄関。結局、ここに辿り着くまで、桐乃は部屋から出て来なかった。
つまり、中にはまだあの二人が居る。
…………。
合鍵を使って、静かに鍵を開ける。全く音を立てない。
何故かわたしは昔からこういう事が得意だった。
音を立てずに、部屋に侵入する。
そして、侵入した瞬間から、わたしは酷く嫌な気分を味わう事になる。
「な、なに盛ってんの……? ば、馬鹿じゃん」
「う、うっせえ。自分の好きな子にあんなん言われたら……さ、盛るっつうの!」
二人の聞きたくもない睦言。
咄嗟に飛び出してやりたくなる衝動を抑えて、わたしは二人に見つからないように、脱衣所に身を潜めた。
「きゃ……っ! あ、あんたももっと優しくしなさいよ!」
「す、すまん。ち、力加減難しいな……、こ、こうか?」
「違うし! あ、あんたねぇ? わざとやってんの?」
「やるわけねえだろ!? くそ、エロゲーだとこうすんなりいくんだけどな」
ボフッ!
「あ、あんたねぇ!? ふ、ふつうこの場面でエロゲを参考にするっ!?」
「さ、さっきイベントCGがどうだとか言ってなかったか?」
「あれはあれ! これはこれなの!」
…………。
ムードもへったくれもない二人ですね。こう色んな意味で聞きたくありませんでした。
やっぱ、こういうのは雰囲気のあるホテルとかでロマンチックにしたいですよね。
しかし、いい雰囲気であれば邪魔もしやすかったのですけど。
「だああああっ! 駄目だ、よし、おまえに任せたっ!」
「ちょ、あんた、今凄いあたしの好感度下げたんですけどっ!?」
「く……、だ、だって仕方ねえだろ。余りにもおまえの身体がエロくて歯止めがきかねえんだよ。
思いのまま、力任せにやっちまいそうになっちまうんだよ、くそ、悪かったな!」
「え、……あ、そ、そうなんだ? え、エロい?」
「激エロだな」
……よし。程よく苛々が溜まって来ました。
邪魔するのには頃合いですね。
「……あ、あやせと比べてどっちがエロい?」
…………。
「な、なんでここであやせが出てくんだよ?」
「だ、だって……。あんた、あやせみたいのタイプでしょ?」
「な、何故それを……っ!」
…………。
はっ! いけない、聞き耳を立ててしまいました。
というか、お、お兄さん、そこは否定するところですよっ!
ってなんでわたしがお兄さんに助言しないといけないんですかっ!
も、もう。こ、この二人は……。
「実際あやせが先に誘惑してきたら、あんたコロっていってたんじゃないの?」
「…………」
「なに真剣に考えてんのよっ!? ちょ、ホントあんたって……! ひ、否定しなさいよ、嘘でも!」
…………。
「あやせは、確かに俺のストライクな容姿をしているな。それは認める」
み、認めちゃうんですか。
「み、認めるんだ……」
「でもな! 仮にありえない話だがあやせが誘惑をしてきたとしても、俺は誘惑に屈しなかったぞ」
「な、なんで……?」
……というか、わたしなりに頑張ったつもりですが、誘惑にすらなってなかったんですね。
ぶち殺してやりましょうか。
「……おまえと約束をしたからだよ。おまえとの関係を何とかするまで、誰とも付き合わねえっていったろ?」
60点の回答ですね。ここで、「おまえが好きだからだよ」とか言えれば良いのに。
……まあ、そういうお兄さんだったら逆にここまで女たらしになれないと思いますが。
お兄さんは、愚鈍で馬鹿で察しが悪くて変態でセクハラだからこそ、女たらしなのですから。
「そ、そか。……じゃあ、その約束がなかったらあんた、あやせにコロっと行ってたんだ」
「ああ!」
「し、死ねっ! あ、あんたはいっぺん死んで、お願いだからっ!」
…………。
この場面で、あんな爽やかに「ああ!」って断言出来る馬鹿ってお兄さんぐらいしかいないですよね。
ホントにもう、馬鹿なんだから。
「お、落ち着けって。ありえない仮定の話をしたって仕方ねえだろ。大体、あやせは俺の事嫌いなんだしさ……」
「……本当にそう思ってんの?」
「あん、どういう意味だ?」
「……絶対教えてあげない」
…………。
「ふーん。まあ、どっちでもいいけどな。今の俺はおまえしか見えてない訳だし?」
「……バッ! 〜ッ!」
「あ、やっぱ訂正させてくれるか?」
「……え?」
「これからの俺は、おまえだけしか見ない。誓うよ」
…………。
「俺はおまえが好きだ。とても、な。来世までとは言えねえけどさ。でもさ、今生の俺の全てを掛けておまえを大事にする。絶対だ」
「あ、あんた……」
…………。
「さて、そろそろやらせてもらうぜ。もう我慢できそうにない」
「……や、優しくしなさいよっ!」
「もちろんだ」
…………。
そう言えば……、近親相姦は、罪じゃなかった、んでしたっけ。
結婚は出来ないけど、近親相姦自体は、罪じゃなかった。
一度禁止になったのに、敢えて禁止が解除されてるんですよね……。
…………わたしは、認めませんよ。
兄妹でなんて、気持ち悪いし、生理的に受け付けられません。
断固として反対しますし、絶対賛成なんてしてやりません。
けど……犯罪じゃないものを、通報はできませんよね。
お兄さんは、勉強をちゃんとしてました。
そして、桐乃の約束を守りました。
……だから、おしおきなんて出来ませんよね。
今、今だけは見逃してあげます。
でも、それじゃ桐乃もお兄さんも幸せになれないという事、忘れないでください。
一ヶ月。それがわたしが目を瞑っておいてあげる猶予です。
いいですか。お二人の長い戦いは、まだ始まったばかりなのですから。
せいぜい、今の内にいちゃついておいてください。
脱衣所にあったもうひとつの機械を回収して、わたしは静かにこの場を後にする。
わたし、負ける気ありませんから。
胸に一つの決意を秘めて。
完
>>532 残念、あやせ視点でした
といっても補間シナリオで書いてたのでエッチシーンとしての追加はなく
一応原作の展開へとつなげる為の閑話みたいなものですが
桐乃視点でのエロは難しいですね
桐乃イメージ先行で書いているとこう、なんて言うか……
ちょ、いた、痛いってば!
なにこれ、え、エッチシーンってこう、い、痛いけど気持ちいい、みたいな感じじゃないワケ?!
イメージと違うんですけどっ!?
が、我慢すべき? 我慢すればそれが快楽に? ってそれただの変態じゃん……!
う、でもき、京介気持ちよさ、そう?
し、仕方ないから我慢してあげよう。少し、こう感じてる振りとかしてあげようカナ?
という感じで男が知りたくない裏事情とか出てくるかも知れないし難しいですね
541 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 00:44:31.83 ID:AAQe+gEh
至る所で聖人君子扱いされてるが、誘われればコロっていく程本能に忠実な方が京介らしい期がするんだよ。
先に電話取らない方を仕上げるのかな?視点切り替えも上手いね。
お疲れ
あやせだけに流血シーンかガタガタ・・と思ったら
流血したのは桐乃ですかそうですか成る程!
(↑我ながら市んだほうがいいと思う)
乙カレ〜
なんかこの二人らしくてすごく良かった
あと
>>540みたいな桐乃、普通に可愛いと思うw
544 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/03(火) 04:45:05.16 ID:HikdZmlc
>>540 あやせのヤンデレが全開ですごいいい!
桐乃視点も可愛くて、これはこれで凄くすきです
>>540 天才乙! 今回も気持ち良くニヤニヤさせて貰ったぜ
>>533 同様俺も桐乃視点のスケベシーンを期待していたんだが
あやせ視点でも着実にエロの核心に近付いているのが良いな
>>540を読んじまった。
・・俺は、よりによって妹の初体験の手記を覗き見るなんて最低の兄貴だ。
それにも増して最低なのはそのときの俺だ。
・・は、ははははっ。身勝手にもほどがあるだろう。俺。
ていうか、桐乃に借りたエロゲだったら、
小●生のバージンでもだんだん・・
大概気持ちよくなるもんじゃねぇの?話が違ぇぞ!
・・こんなときはあいつにこう相談してみるか。
“SEXするときはどうやったら気持ちいいんだ?“
麻奈美「・・、ぇ、あ、あぅ・・えっと、い、痛いらしぃ・・ょ、」ゴニョゴニョ
どうにも要領を得ない。
ならば、あいつならこの手の知識も豊富そうだし、
何よりいつも的確なアドバイスをくれる頼りになる奴だ。
沙織「・・!あ、あのですね、その、現実の、せっ、SEXはやはり
え、エロゲとは・・ち、違うものと聞いたことがあり、
・・・・。
いえ!ち、違う、と認識はしておりますわ
あの、はい。」
しどろもどろだ。こいつにしては珍しい。
黒猫「・・・・・・・・・・最低」ツーツーツー
とりつく島もない、とはこの事だな。
瀬奈「それならおしr」ピッ
間違えた。
あやせ「・・・あ、(ミシッ)・・・あな、た・・・・(メキッ)・・・・死に(パキ)」ツーツーツー
携帯を握り潰したらしい。気の短い奴だなあ
>>541 電話取らないルートか
確かにバッドエンド的に終わらせていたけど、続けられなくもない
今度時間が出来たらそっちのルートでも書いてみようかな
>>540 感想全部書くと長くなりすぎるので一言
「乙!」とだけ伝えておこう!
面白かった!
>>540 3連作乙!
最初あやせガチヤンデレルートかと思ってgkbrしながら読んでたら、
あやせの目を通して桐乃と京介の想いの深さを浮き彫りにするとは…
予想外の展開で魅せてくれるね。やっぱ神だよw
>>532は最初あやせ視点って書こうと思ったんだけど、
桐乃視点を書いてくれるのを期待してああなりました^q^
>>540だけでもすごく桐乃らしくて可愛いし、
地の文なしで桐乃の心理描写と京介とのやり取りだけでもいいので桐乃視点も希望w
>>546 ワロタw
「もちろんだ」
京介はとても優しい声でそう言った。
……この兄貴は、こういうところがズルいと思う。
いつもはダラけたような感じで、誠実さの欠片も感じられなくて、あたしをイラッとさせる癖に。
こういう時だけ、誠意の篭ったような声で、そんな台詞を吐くのだ。
そんな声出されたら、抵抗なんて出来ない。
恥ずかしさの余り、力が入ってしまっていた足から力が抜ける。
ああ、つ、ついに……あたしはエッチを体験しちゃうんだ。
エロゲで幾度となく体験はしてきたけど、でも実際とはぜんぜん違う。
何より襲う側じゃなく、襲われる側としてなのだ。
「い、行くぞ?」
あたしの大切な部分に、熱いモノが突き当たる。
「う、うん」
そしてあたしはそのモノの侵入を許可する。
入り口部分を熱いものが入ろうとした時、ピリとした痛みが走った。
けど、そんなに痛くない。この程度なのだろうか。
それよりも熱いものが入ってきているという高揚感の方が強かった。
うあ、うあああ……。は、はいってきてる、今、あたしはエロゲのヒロインと一体になってる。
分かる、分かるよぉ、今なら、エロゲのヒロインたちの心境が。
お、おにいちゃん、はいってきてるの、分かるよ? という気分をまさに今体感しているのだ。
「き、桐乃。大丈夫か、痛くないか?」
京介はそんなあたしを気遣って声を掛けてくる。エロゲの主人公みたいだ。
「う、ううん。ちょ、ちょっと痛いけど、そんなでもない、カナ? ……全部、入ったの?」
少し痛いけど、健気に主人公の為に我慢するあたし。
「……い、いや、まださきっぽも入ってないけど」
……はい?
え、さ、さきっぽも入ってないって……?
え、え、ちょ、あ、あんた待ちなさいって……!
「……〜〜ッ!!」
い、いったああああああああっ!!
い、痛すぎるんですけどっ!?
しかもまだ入ってくる……って!?
「た、たんま……!」
「え、お、おう! つ、つか大丈夫か、おまえ、半泣きだぞ?」
大丈夫なワケないでしょっ!
メチャクチャ痛いっての! あ、あんた殺す気!?
「……ちょ、ちょっと待ってて。い、今、覚悟決めるから」
そ、それでも止めるワケにはいかない。
このヘタレ兄貴の事だ。今止めるっていったら、次の機会まで数年ぐらい期間を置きかねない。
その間に違う女に唆される可能性がある。
べ、別にさっきの兄貴の言葉を信じてないワケじゃあ……無いんだけど。
でもすっごい不安なんだよね。
それに兄貴の意思を関係なしに襲われる事もあるかもじゃん?
想像してみる。
それはそれはサイアクだった。
襲われたのに関わらずそれに対して責任を感じちゃってあたしから離れていく京介。
幾らあたしが声を張り上げて止めても、京介は…………。
「……桐乃、無理しなくても」
「うっさい! 今覚悟決まった! うっし、さあ、来なさいよ! あたしは、負けないからっ!」
「うお、お、おお。わ、わかった」
あたしの気合の入り方に、京介は少しビビってるようだ。
……ま、まあ、ちょっとあたしも気合の入れる方向が少し間違えてた気もするけどっ。
で、でも仕方ないじゃん。あ、あんたが盗られると思ったら……。
ぐぐぐ、兄貴のが少し入ってくるだけで、激痛が止まらない。
涙が出そうになるのを堪える。泣いたらこのバカは絶対に止める。
な、泣いてみせるものか……っ!
あ、あんたはあたしの、なんだから……!
声も涙も我慢して、それこそ永遠とも思える時間を我慢して、ようやく動きが止まった。
「……ぜ、ぜんぶ、はいった?」
「ああ……。桐乃、ありがとうな。……すっげえ気持ちいい」
優しい表情でこちらを見ている。ただそれだけで、先ほどの苦痛が報われた気がした。
今だって痛い。ホント痛い。マジ死ぬって感じ。
エロゲのヒロインたちみたいに、少し痛いけど、気持ちいい方が強いの!みたいな台詞は全く出てこない。
痛いって感覚だけで、全然気持ちよくなんてなかった
でも……。
「………う、動かないの?」
「え? いいよ、無理すんなって。それにこうしてるだけでも凄い気持ちいいからさ」
京介の顔を見ていると、心が凄く嬉しくなる。
気持ちいいと言われるだけで、痛みが感情で上書きされていく。
……あの兄貴が、あたしで気持ちよくなってる。
あたしはまだまだ痛いし、少し動かれただけで涙が出そうになるけど。
「動いて……いいよ」
「大丈夫だって」
…………。
ムカッ。
「動けって、言ってんの! 早く動きなさいよ!」
「うえ!?」
あたしの言葉にたじろぐ京介。
「だ、だって痛いんだろ? おまえ、すげえ痛そうな顔してんぞ?」
「痛いに決まってんでしょッ! は、はじめてなんだからっ! それまで指だって入れた事なかったし……!」
けど。
「でもムカツクの! あんたに気遣われているのか、なんかムカツクの……!
いいから、動いてっ! あ、あんたが気持ちよくならなきゃ……」
いくら、気持ちいいって言ってくれても。
そこに遠慮があるのなら、あたしはそれを壊したい。
「あんたが全力であたしを愛してくれなきゃ嫌ッ……!」
「き、桐乃……」
「いいから、動いて……っ! あんたはね、あたしで気持ちよくなる事を考えればいいの!
んでもってあたしを気持ちよくしてくれればいいから……!
全力で、あたしで気持よくなってよ……!」
手加減なんてしないで。
遠慮なんてしないで。
あんたが、男で、あたしが、女だって信じさせて。
兄があんたで、妹があたしで。
それでもその垣根を超えたんだって。
男のあんたで、妹のあたしを愛して。
「……ッ! く、わーった、わかったよ! どうなっても、知んねえからな、このバカッ!」
兄貴が、あたしの腰を抑える。
「言っておくが、俺の全力はヤバいぜ……?」
「ふん……、やってみなさいよ。あんたの全力ぐらい、あたしが受けきってみせるっての」
息を吸う。そして、覚悟を決める。
ハッタリじゃないってところを見せてみせる。
言っておくけどね……、あたしの愛の深さを舐めんなっての!
「……桐乃、愛してる」
「…………、ッ!!」
あたしがつい力を抜いてしまったタイミングで、京介の攻撃は始まった。
手加減が無い、激しい攻撃。
一挙一動があたしの身体にもたらす痛みはどれも激痛。
痛い痛い痛い痛い痛い……でも、負けない!
兄貴が、あたしの身体で果てるまで、この勝負は終わらない…!
「…………」
「へっ……どうした。止めて欲しいなら、素直に言えよ?」
「……ちゅーして」
「…………ッ!!」
こちらに情けを見せようとした京介に、あたしからも攻撃を仕掛ける。
京介のが、あたしの中でビクンと跳ねた事が分かる。
ふっ、これがエロゲ仕込みの技よ! 大抵の主人公はこれで逝っちゃうんだからっ!
しかし、一度跳ねただけで京介は耐え切った。
流石は幾つものエロゲーを乗り越えてきただけある。
あたしの攻撃を耐え切った京介はあたしを見て不敵に笑って反撃に転じる。
「よ、よし。わかった、ちゅー、してやる」
「……え、〜〜ッ!!」
あたしの返事も待たずに京介があたしの唇を塞いだ。
そして。
……あたしの中の何かが弾けた。
「ど、どうだ」
「……たりない」
「え?」
「もっとちゅーして。たくさんちゅーして。ちゅー。早くちゅーして」
「き、桐乃?」
あたしの正気を確かめるような表情をしてる暇があったら早くあたしにちゅーして。
戸惑ってる暇があるなら、早くあたしにちゅーして。
「お、おまえ、なんか目が据わってるぞ」
「うっさい。あんたがしてくれないなら、あたしからするから」
「へ? おわっ、いきなり起き上がるなって……」
身を起こして、京介の首へと手を回す。ホールド、成功。
「き、桐乃さん? そ、その笑顔が怖いんですが」
「ん〜? んー……」
笑ってるカナ? んー、まあいいや。ちゅーしよ。
「ちょ……、ッ! た、た、ッ!! すと、ッ!!!」
京介が何かを喋ろうとするがそんなのはどうでもいい。
どんな事より、ちゅーが先。ちゅーしてから物事は考える。
それだけが真理で、それだけが摂理。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、……ちゅ、ちゅ、ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ。
キスして、キスして、キスして、何度も何度も唇を合わせる。
キスする度にあたしの中で京介のがぴくぴくと跳ねる。
それも面白くて、更に沢山のキスを重ねる。
「好き、好き、好き、好き、好き好き好き好き好き……好き」
一つ好きと言って、一つキスを重ねて、何度もキスを重ねている内に、徐々に後退っていた京介はついに布団に仰向けに倒れてしまう。
体勢が変わってあたしが、上。
「お、おい、き、桐乃……?」
あたしが、上。ふ、ふひひ。あたしが上。ふひひひ。
なんか下でバカ兄貴がなんか言ってるけどどうでもいいし。
あんたは、これからあたしにキスされ続けるんだから覚悟してなさい。
ぺろ、りと舌舐り。兄貴の唾液の味がする。
胸がきゅんきゅんする。あそこもじゅんじゅんする。
「兄貴……兄貴兄貴兄貴兄貴兄貴」
頬に、鼻に、瞼に、額に、顎に、首に、耳に。
沢山のキスの嵐を降らせる。
その度に京介が照れた様な表情を浮かべるのが堪らなくあたしを興奮させる。
「ふひひ、でもやっぱここだよねー」
兄貴の唇をなぞる。ここが一番、キスしていて気持ちいい。
「き、桐乃、わ、わかった、お、おれの負けでいいから……」
「うん? なにいってんの? なんか勝負してたっけ?」
「し、してた……よな?」
ふーん。ま、いいか。
キスしよ。
兄貴とキスしよ。
京介とキスしよ。
キスしてキスしてキスしてキスして、そこから考えたっていいよね?
「ちょ、俺の話を聞けって、これ以上ちゅーされると俺の限界が……」
「うっさい」
チュッ。
京介のがおっきくなってびくびくっとしている。
チュッチュッ。
でもそんなの知らない。
チュッチュッチュッ。
唾液と唾液を混ぜて。
糸が引きあって。
口元がベタベタで。
でも目がギラギラで。
唇を何度も何度もあわせていく。
あたしが、正気に返ったのはそれから数時間後の話で。
その時、京介は何か凄く疲れきっていて。
何か下が偉い事になっていて。
よく分からない内に、何か京介は大変だったらしい。
「ふーん。なんか知らないけど、疲れてるならあたしがちゅーしてあげよっか?」
「断固として断るッ!」
「えー」
これから先、あたしと京介には様々な障害があるだろう。
それだけは間違いない。殆どの人があたしたちの敵となり、仲を裂こうとするだろう。
でもそれはたった、それだけの事だ。
京介の隣にあたしが居られるのであれば、世界を敵に回したって構わない。
ただ、それだけの事。
それに隣に京介が居るって分かれば、あたしはなんだって変えられそうな気がするから。
目を閉じれば見えてくる。
苦難の果て、笑顔に囲まれて祝福されるあたしたちが。
「……どうした?」
「……別に」
――繋いだ手は、もう離さない。
本来の予定になかった桐乃視点シナリオを書いてみたので投下してみました
俺の中で桐乃はキス魔
エロよりも愛の告白よりもキスが一番好きだと思ってたりする
今度こそ、これで続かないだろう。というか続きようがないかと思われる
電話を取ったルートは、今現在は保留、というかそろそろ別の作品に手を掛けたいので
これで締めとさせて頂こうかと
ここまでお付き合い頂いた方には感謝
もうちょっとで境地に達しそうなんだ・・・・・
はよ
>>552 乙乙! スゲ〜おまけktkr
おまいさんの本気のおまけ受け取ったぜ、ありがとう!
>>557 ヤバい、禁断の関係に……!
許されざるエロス…が……あ?あれ?何故かエロく無いぞ!
でもある意味高坂兄妹らしくもあると言うかwこれも面白い。
乙!その別の作品とやらも楽しみにして待ってます!
最近SS大量投下で幸せ。
>>557 色々賛辞を言いたいが一言でまとめよう
・・・・えっち
きりりんエロゲ脳過ぎるww
563 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/05(木) 07:05:59.64 ID:Iu9zbmxH
この男前すぎる思考は間違いなく桐乃本人!
いやーつくづく凄いな
>>557 キタキタキタキターーッ!!(アニメの桐乃状態)
桐乃視点、言ってみた甲斐があったw
発想も行動もいかにも桐乃らしいエロシーンで最高でした!
そしてここから俺妹プラスの展開に繋がるのか…(違
乙
>>563 なるほど、これは実は桐乃の書いた小説だったわけか
確認なんだが、このスレは作品として最長何レス分までオーケイなんだろうか
1000
>>567 おーけい、分かったぜ
1000を超えないよう気をつけるぜ
1000なんて簡単に超えちゃうから気をつけろよ!
>>569 気をつけるぜ!
時々スイッチ入ると気付いたら50ぐらいは書いてたりするからな
ようやく三連休が近づいてきたんで近々投下するよん
という訳で、やたら長い作品がひとまずの区切りを迎えたので投下します
1000レスを超えないように調整するのは大変でした
というのは冗談ですが
かなーり長いので、長すぎるという方はトリップでNGにして頂ければと
それは、暫くスレを占領してしまいますが、ご容赦を
桐乃が事故に遭った。
俺がお袋からそう聞いたのは、リビングで呑気に漫画雑誌を読んでいた時だった。
「ど、どういう事だよ、お袋!?」
電話の向こう側に居るお袋に向かって、つい問い詰めてしまう。
桐乃が、事故に遭っただって? あいつが? おいおい冗談だろ?
嫌な汗が背中から滲み出ている。
じょ、冗談じゃねえ。……嘘だろ?
「わたしもまだ詳しくは分からないんだけど――」
お袋の話を聞くと、こうだ。
今現在、桐乃は強化合宿中であり、事故に遭ったのは合宿先である事。
桐乃はどうもスランプを迎えているらしくて、無理をしている様子だったとの事。
そしてある時、桐乃が道路の脇を歩いていると、そこで何かを見つけて飛び出して。
そして車に轢かれたというのだ。
「ざっ――けんなっ! 引率の先生とかいんだろーが! そいつらは何やってんだよ、ええ?
スランプ迎えてる奴を放ってんじゃねえよっ!!!」
「わ、わたしに怒んないでよ。それに、直ぐに救急車とか呼んでくれたりしたみたいだし、そう悪く言うものじゃないわよ」
くっ、確かに。
お袋の言い分で少し頭が冷えた俺は、冷静に状況を把握する事にする。
「……悪い。で、桐乃は今どこに? 容態は?」
「今、病院で検査してるみたいなんだけど、結果はまだ出てないって。
取り敢えずお母さん、その病院に行くつもり。もしかしたら入院とかになるかも知れないし……」
「…………俺が行く」
「え?」
「俺が行く。その病院を教えろ」
この時、俺は全然冷静じゃなかった。
こうやってお袋と悠長に話している事自体にも苛々してきていて、あまつさえお袋に対してキレそうにすらなっていた。
「……あんた」
「……んだよ」
「ふふっ、なんでもない。分かったわ、あんたに任せる。……お兄ちゃんだもんね」
「はん、うるせえ……当たり前だろ」
そう、俺は兄貴だ。であれば、妹が困っているならどうするか、なんて決まってるだろ?
俺はお袋から桐乃が居る病院を聞き、必要なものを鞄に突っ込み、慌ただしくも家を後にした。
桐乃が居るらしい病院は、俺の家から電車で2時間程掛かった先にある、山の中にある病院だった。
決して軽くはない荷物を背負いながら、山を登っていく。
どうせ、桐乃の事だ。やってきた俺の顔を見て、うんざりする事だろうよ。
だが今の俺はその顔が見たくて、仕方ない。あいつの悪態が、聞きたくて仕方がない。
俺ってもしかするとドMなんじゃねえのか。
……シスコンでドMってどんだけだよ。
山を登りながら、俺はそんな事を考えていた。
……分かってる。どこかで最悪の可能性を想定してしまっている自分が居る。
少しでも油断すると想像してしまうのだ、悪態すら付けないような状況の妹を。
だから、悪態をつく桐乃の姿を脳裏に焼き付けながら、俺は山を登っていく。
1時間程、歩いただろうか。
どうやら目的地の病院に辿り着いたようだ。
空は赤く染まっている。
考えなしにここまで来たが、面会時間とか大丈夫なんだよな?
最悪、忍び込むしかねえな。
病院の構造を外見でひと通り観察し、非常階段の位置、下水パイプの位置、などを記憶しながら、病院内へ向かう。
「高坂、桐乃さんですね。はい、念の為、何か身分を証明出来るものを提示できますか?」
「が、学生証でいいっすか?」
「はい、大丈夫です。……はい、確認が出来ました。家族の方であれば、特に面会時間に制限はありません。必要があれば、毛布を貸し出しますので言ってくださいね」
それは泊まっていっても大丈夫という事なのだろうか。
……まあ、そこまで長居はしないだろう。
それにこうやって面会が許される辺り、どうやら最悪の事態では無さそうで、俺の目的の大部分は果たされたとも言える。
つか、一応あいつの着替えとか適当に突っ込んできたけど、そこまで大事じゃなかったんじゃね?
ちょっと突き指とかのレベルだったら俺、超恥ずかしくね?
大体、これを用意したのが俺だってバレたら、あいつ絶対キレるし。
何勝手に部屋漁ってんの、つかなにこれ、あたしの下着じゃん。な、何考えてんの! と台詞まで想定出来る。
うっせえ、こっちも慌ててたんだよ。
想像の妹とのバトルを繰り広げながら、俺は教えられた病室へと向かう。
病室の扉を軽くノックして開ける。
そこには、幾つものチューブが繋がれた姿があった。
「…………」
え?
なにこれ。え、これ、桐乃なのか?
う、嘘だろ?
こちらからだとよく顔が見えない。
しかし確認をしたくない。
俺がそんな葛藤をしていると、俺の気配に気付いたのだろう。
チューブに繋がれた女の子が、俺の方へと振り向いた。
「あなた……、誰?」
……。
あれ、俺誰だっけ?
つか、目の前に居るこの女の子は……桐乃、じゃない。
入ってきた扉を、数歩下がり、改めて病室を見る。
306号室。
俺が受付で教えて貰った番号は、305号室。
……。やっべ、部屋間違えた。
「す、すみません! 部屋、間違えました!」
っかしーな、ちゃんと数えたんだけどな。
「……ふふ。なーんだ、残念」
その女の子は、小さく笑う。何処と無く儚げな雰囲気を持つ女の子だった。
桐乃より、年下だろうか。容姿だけで見ると、とても若い。けど、雰囲気は大人びていた。
なんだか凄く恥ずかしくなってきたので、俺はもう一度謝罪を述べると慌てて部屋を出ていった。
305号室。次はしっかりと目視して、部屋に入る。
「…………」
部屋に入ってきた俺を、初っ端から睨みつけている桐乃。
「よ、よう」
俺が呼びかけても、ガン無視で俺を睨みつけている。
……あ、あれ、なんでこいつイキナリ切れてんの? つか俺が部屋に入る前から切れてたよね?
「……部屋間違えるなんて、最ッ低!」
いかん、バレてる!?
「いや、あれな、そのわざとじゃ、ないんだぜ? ちゃんと部屋を数えて入ったし?」
「あんた、こういう病院だと不吉な番号を敢えて抜いている事があるって知ってる?」
「…………」
そういう事スか。
つか、考えてみればそうだよな。おいおい、高校生しっかりしろよ、中学生に指摘されてどうする。
「……フン、どんだけあたしに会いたかったってのよ」
どうやら妹の中では、俺が妹に会いたい余りに部屋番号の確認を怠った、と解釈されているらしい。
「けっ、言ってろ。ちょっと荷物が重くて疲れてただけだっての」
正直の所、妹の解釈が当たっている気がしなくもないが、それを認めるの癪だったので、適当に誤魔化して、本題へと入る。
「で、……症状はどうなんだ?」
そう言いながら、桐乃の姿を一瞥する。特にチューブとかには繋がられていない。
一見して分かるのが、片腕を覆っている包帯。
「……別に、大したこと無いし」
桐乃は何処か不貞腐れたように、唇を尖らせてそう返す。
「それ、……痛いのか?」
視線で包帯を示して、桐乃に問いかける。
「んー。今はそうでもない、カナ。ちょっと挫いただけだし」
ふむ、特に嘘をついているようにも思えない。別に入院とかそういうレベルの話じゃない、のかね?
だとすると俺が必死こいて持ってきたこの荷物が無駄になる訳だが……。
「ただちょっと頭とかも打ったから、一日入院する感じ」
なるほど。詳しくは知らないが検査入院とか言う奴なんかね。
「ま、元気そうで良かったよ」
それは嘘偽りない本心からそう思った。
「元気じゃないっての。この怪我のせいで合宿無駄にしちゃったし、怪我治るまで、モデルの仕事も出来ないし、ホント、最悪……」
桐乃が不満げに足をバタバタさせる。
元気はありあまってるようだ。だが、スランプ気味だとも聞いていたし、ここで数日とはいえ大人しくさせておくのもいい機会かも知れない。
「……てかさ」
「あん?」
「なんで、あんたなワケ? てっきりお母さんが来ると思ってたんだけど」
何故俺なのか。
…………。
特に理由はないな。
「別に俺でもいいだろ。なんだよ、不満なのか?」
「不満だっての」
……は、はっきり言い切りやがって。
少し傷ついたぞ。
「あ……べ、別にあんたが来た事が不満なんじゃなくて、その……」
俺の表情に気付いたのか桐乃が少し慌てたようにそう言い繕おうとする。
「へっ、別にいいっての。不満で悪かったな」
おまえが俺の事を嫌ってるのは分かってるしな。不満なのは分かる。
事故って心細い時に、嫌いな奴に来られてもそりゃ嫌だよな。
不満だって言いたくなるだろう。
「ち、違うって言ってんのに。ふんっ……、で、どうするワケ?」
「どうするって?」
「これから。あたし、別に重症って程でもないし、正直一人でご飯とか食べれるし、大丈夫なワケ。
一応服とか持ってきてくれたみたいだけど、それを置いていけばもう用無いじゃん?
だから……どうすんの?」
なるほど。桐乃は検査入院で一日泊まる。とはいえ検査であり、何か重症な訳ではない。
身の回りの事は出来そうだし、もう帰って大丈夫なんじゃないの、という意味だろう。
……そんなに俺を早く帰らせたいのか。
どんだけ俺を嫌ってるんだ、こいつは。
俺だってな、貴重な夏休みをこんな事に使いたくねえよ。さっさと帰って、雑誌の続きを読みてえさ。
「……どうせ、あんたは……帰るんでしょ?」
「いや、帰らない。ここに泊まってく」
「えっ……?」
桐乃が意外そうに目を見開く。
うるせえな、俺も自分の答えにびっくりだよ。
でもさ、何の役に立たなくてもさ、妹に帰れって遠回しに言われてもさ。
検査入院ってのは、何かがあるかも知れねえから受けるんだろ?
これで帰ってから実は何か見つかったなんて聞かされたら、俺は絶対自分を許せねえから。
結果を聞くまでは帰らねえ、っての。
あくまで自分の健やかなる夏休みの為にな。
「と、泊まるっていってもさ。ここ、ベッド一つしかないし、あああたし、あんたと寝るのはちょっと……」
「おまえは何を想像してんだっ!? 一緒に寝るなんて考えてねえよ!
さっき、受付で毛布貸してくれるって話だったし、適当に椅子にでも座りながら寝るよ。
この季節だし風邪も引かねえだろうしよ」
相変わらずぶっ飛んだ発想する奴だな。
おまえの脳内ではドラマでよくある家族が泊まっていくシーンはどうなってんだと言いたいわ。
「あ、ああ。そう。……で、でも椅子で寝るのも辛くない?」
「大丈夫だ、慣れてる。勉強しながら寝るなんてしょっちゅうだしな」
おまえに借りたエロゲーをしながら寝ててノーパソの一部をよだれだらけにした事もあるぐらいだ。
……無論、内緒だけどな。
つか、どんだけ俺を帰らせたいんだこいつは。お兄ちゃん泣くぞ。
そんな俺の回答にそれなりに納得したのか、「あっそう」と簡単に言葉を切ると桐乃は俺から視線を外した。
「じゃあ……、なんかする? ここでぼーっとしてるのも何でしょ。
あたしも暇つぶしの相手欲しかったんだよね。ここ、ケータイも繋がらないしさ」
ん? と思い、ポケットから携帯を取り出してみる。
確かにアンテナが立ってない。
「げ、マジだ。道理でお袋からの連絡が来ねえわけだ。悪い、ちょっとお袋に電話してくるわ。
その間に何するか考えておいてくれ」
「あ、お母さんに心配かけてごめんね、って言っておいて」
「へいへい」
お袋には素直なんね。ったく俺だって心配したんだっての。
心の中で溜息をつきながら、部屋を出る。
確か、受付の所に公衆電話あったよな……。
お袋に報告を終えて、再度桐乃の居る病室の前まで戻ってきた。
ドアをノックしようとした所で、視線を感じた。
視線は、右の方から……さっき俺が間違えて入った部屋の方からする。
視線の方へと向くと、その部屋から女の子が一人顔を出していた。
さっきの女の子だった。
「…………」
「…………」
無言で見つめ合う俺と少女。
一向に何かを切り出す素振りを見せない少女。
俺は頬をぽりぽりと掻いて、少女の方へと歩く。
そして少女の視線の高さまで頭を下げて、聞く。
「どうした? 何か困りごとか?」
「…………」
少女は何か言いたげな表情を浮かべるが、直ぐに首を振る。
そうして、部屋の中へと戻っていってしまう。
一瞬、後を追おうかと考えたが、しかし赤の他人がそうそう部屋に入っていいものじゃないだろう。
やれやれ、年下の女ってのは何を考えてるのか分からねえな。
桐乃が居る病室の前まで戻り、ノックをしながらふと思った。
あれ、さっきの女の子、さっきまでチューブに繋がってなかったっけ? 歩きまわって大丈夫なのか?
「遅い! いつまであたしを待たせるわけ? さっさと入って来なさいよ」
そんな思考は、妹の文句によって打ち消された。
はいはい、ったくうちの妹様はワガママなんだからよ。
//
ふと、外を見るともう暗くなっていた。
……山の中の夜って何だか、少し怖いよな。
夏だっていうのに、少し背筋が寒くなる。
「ちょっと、あんた、ちゃんと聞いてるワケ?」
よそ見をしている俺に対し、妹の不満が飛んでくる。
「へいへい。聞いてるっての」
あれから、部屋に戻ってきた妹が提案した、二人でやる暇つぶしとは何だったか。
なんと、妹の合宿話を延々と聞かされる事だった。
というか初めはエロゲートークを始めようとしてきて、流石に病院でそんなトークはやめろ、公衆の場だぞと必死で窘めた。
そんで無難な話として合宿話になった訳だが。
「でね、リカがー、こう地元の彼氏に――」
自分と面識がない人物の話を聞かされても、全く面白くない訳で。
せめて、あやせとか加奈子が出てくるならもっと聞く気になれるんだけどな。
そんな訳で適当に相槌を打ってやってるのが今だ。
「そういえばさ」
「ケータイで夜中に話してて……なによ、せっかく良い所なのに」
話の腰を折られた事に眉を顰めながら、俺を軽く睨んでくる。
「おまえ、スランプなんだってな」
どうせ、合宿話を聞くなら、知っている奴、つまりは妹の話を聞こうと思ったのだ。
直接、スランプの当人にスランプなのかって聞いていいことなのか分からなかったが、このまま退屈な話を聞かされるのも苦痛だしな。
「べ、別にスランプじゃ……」
「じゃあ絶好調だったのか? 今は満足の行く結果を出せてると?」
「それは……違うけど」
結果を思い出したのだろう。悔しそうな表情を浮かべている。
しかし、こいつがスランプねえ。何があったんだか。
「原因は分かってるのか?」
まあ、原因が分かってたらスランプとは言わないだろうが、一応聞いてみる。
そして予想通りに首を横に振る桐乃。
だよなあ。原因が分かってれば、とっくに自分で解決してるよな。
「……なに、あんた。なにかできないかって考えてるわけ?」
「ん? ……そうだな」
お節介だとは分かっている。だが、妹が困っていて兄が何もしないのは違うだろう。
……昔なら、こうやって素直に考えなかっただろうな、と思う。
こう、桐乃がスランプだと俺に八つ当たりされたりで被害を被るから仕方なくやっているんだ、とか言い訳してたかもな。
今だってそういう考えもある。だが、俺は妹と仲良くしたいと思った。
こうやって、物を解決して、少しでも仲良くなれるのであれば、それは悪くない事だと思ったんだ。
だから、相手が迷惑顔をしてようと、俺は何かを手伝おうと決めた。
「俺、おまえが走ってる姿見るの、結構好きだからな。だから、なにか出来ることがあったら協力するわ」
そしてそれも俺の本心だ。
口で言うほど走ってる姿を見ている訳ではないが、リアとの闘いの時とか、純粋に魅せられた。
走る姿を見て、綺麗だと思ったぐらいだ。
……絶対言ってやらないけどな。
「ふ、ふーん。そ、そうなんだ」
俺から目を逸らして、そう返してくる桐乃。
兄からそう言われても不快なだけか。
仕方ない、いつかはこういう事を言って喜んで貰えるようになれればいいんだがな。
「そうなんだよ。で、原因が分からないまでも、こう心当たりっていうかそういうのはないのか?」
「心当たり……って訳じゃないケド。こう……もやもやしてるのは、あるかな」
お、それじゃね?
そりゃもやもやしてるものがあったら、練習にも集中出来ないだろうしよ。
これは案外早く解決できそうだしな。
「よしっ、そんじゃそれを言ってみろよ」
「い、言えるワケないでしょっ!」
桐乃が顔を真赤にして俺を怒鳴ってくる。
ええ、理不尽じゃね!? 何、そんな恥ずかしいもやもやなの?
…………。
「そうだな、お兄ちゃんが悪かった」
「あ、あんた今なに想像した!?」
いや、だってねえ。こう恥ずかしいもやもやって。
こういう発想になってしまうのは男だけかも知れないけどさ。
「あ、あたしがもやもやしてんのは、そういう変なのじゃないからっ!」
「んじゃ何故言えねえんだよ」
「そ、それは……」
桐乃は、顔を横に背けて、チラとこちらを見やる。
ん? もしかして、……俺が原因なのか?
俺が気付かない内に、桐乃の邪魔をしちまってるのか。
「悪い、桐乃」
「え?」
「俺が原因だってなら、出来る限り治すからよ。ちゃんと言ってくれよ」
「…………」
俺なりに誠意を込めた台詞だったが、桐乃は俺の言葉に何か呆れたようなそういう表情で俺を見ている。
なんだよ、何か間違えたってのか?
実は俺、まるっきり関係なかったとか? ただの自意識過剰?
…………うわ、恥っず。
自分では見れないが、俺、今顔赤くなってね?
うわうわ、そうだよな、妹のもやもやの原因が兄なワケねえよな。
あー、やっちまった。
桐乃の顔を真っ直ぐ見れず、つい顔を背けてしまう。
「あ、あんたさあ」
「……な、なんだよ」
罵声っすかね? 分かってます、今の俺はキモかった。
「察しがいいんだか、悪いんだか……分かんないよね」
「ご、ごもっともです」
遠回しに察しが悪いのよあんたは、と言われてるんだろうか。
桐乃は、そういって窓から外を見やる。
俺もその視線を追って、外を見る。
外はもう真っ暗だ。
そう言えば、夕飯はどうするんだろう。
桐乃の分は出てくるとして、俺の分は無いんじゃね?
この辺、コンビニとか無いだろうしな。
最悪、飯抜きか……。
「高坂さーん」
部屋のドアがノックされ、女性の声がドア越しに聞こえた。
看護士だろう。
入っていいですよ、と返事をすると二十代半ば程の看護士姿の女性が入ってきた。
こういう格好の女性を見ると何故か胸がときめくのは俺だけじゃない筈だ。
「お風呂空きましたが、入りますか?」
「あ、はーい。入ります」
桐乃が余所行きボイスでそう答える。
へえ、病院って風呂あるんだ。
俺も入れんのかな?
山登ってきて、こう汗だくなんだよね。
「なあ、風呂って俺も入れんの?」
「ちょ、あんた、何いってんの?」
俺の純粋が疑問を、桐乃が慌てて返す。
何か不味いことを言っているんだろうか。
「あら、お兄さんもお風呂に入りたいんですか?」
「そ、それなりには。こう、汗を掻いてしまいまして」
「ふふっ、それは助かりますね」
え? 助かるって?
俺が汗かいてるとこの看護士さん的に助かる事があるのか?
……極度の匂いフェチとか?
「じゃあ、お兄さんもお風呂に入ったらいかがです?」
「え、いいんすか?」
「ちょ、ちょっと――!」
何か桐乃が慌てている。なんだって言うんだろう。
「ええ。それでは、妹さんはお任せしますね」
何か含み笑いを浮かべて、看護士さんがそのまま部屋を出ていく。
「ま、待ってください、看護婦さん!」
桐乃がその背に呼びかけるが、気付かなかったようだ。
「おい、桐乃。今は看護婦じゃなく、看護士って言うんだぜ?」
「そんなのどうだっていいっての! あ、あんたね、何とんでもない事してくれちゃってるワケ?」
「んだよ、俺が何をしたってんだ?」
さっきから桐乃が慌てている理由が全く分からない。
俺が風呂に入ると不味いのだろうか。
「ここの風呂は、一つだけなのっ! つ、つまり、あんたが風呂はいってあたしも風呂入るってのは……そういう事なワケ……!」
…………。
今、こいつ、なんつった?
「は、ははは、何言ってんだよ、そうだったら看護婦さんが許すワケねえだろ。幾ら兄妹だって言ってもよ」
「看護婦さんじゃなくて、看護士さんだって」
いや、どうでもいいだろ、それ。つかさっき俺が指摘したことじゃん。
「だ、大体、もしそうだとしてもよ、別々の時間帯で入れば良くね?」
別に一緒に入らなくちゃいけない理由なんてない。
入浴時間が決まっているのであれば、一人頭の入浴時間が減ってしまうが、俺としては汗を流せればいいので、3分もあれば充分だし。
「あ、あんた。このあたしを一人でお風呂に入れる気?」
「いや、一人で風呂ぐらい……あ」
そこでようやく気付いた。
そうだ、今の桐乃は片腕が包帯で巻かれている状態。
一人でお風呂に入るってのは中々どうして大変な事なのだろう。
――ふふっ、それは助かりますね。
あ、あの看護士、だからあんな事を言っていたのか。
つまり、自分の代わりに俺が、片手が使えない妹の風呂の手伝いをしてくれるから。
ってそれって問題じゃね? いや色んな意味で! 職務放棄じゃねえか!
「わ、悪い。今から看護士さん呼び戻してくるからよ」
慌てて椅子から立ち上がり、看護士さんを追おうとした所で、桐乃に裾を掴まれた。
「……いい」
「いいって……んなワケあるか!」
「いいって言ってんでしょ!」
な……なんだと?
こいつ、今自分で何言ってるか分かってんのか?
俺と一緒に風呂はいる事に対して、いいって言ってんだぜ?
「……あんた、言ったでしょ。なにか出来る事があったら協力するって」
「それは言ったけどさ、これとは話が別だろ」
「ふーん……、嘘つくんだ」
そういう問題じゃ、と桐乃に言い返そうとしてようやく気付いた。
桐乃の奴、目が据わってやがる。
もうどうにでもなれと覚悟を決めちまった目だ。
こうなった桐乃は、頑固だ。
俺の中に絶望が生まれる。
おいおい、嘘だろ?
なんで高校3年にもなって、中学3年の妹を風呂に入れなきゃならねえんだよ……。
//
脱衣室。
沢山の人が入る事を想定はされてない為か、銭湯ほど広くはない。
しかし、看護士と二人で入ることを考えてか、一般的な家庭よりは広い脱衣所。
そこに、俺と桐乃は居た。
「な、なあ、今ならまだ引き返せると思うぞ?」
「……うっさい。やるって決めたの。ほら、さっさとやる」
さっさとやるって言ってもな……。
今、何をやる事を強要されてるのかって?
妹の服を脱がす事を強要されてんの。
はは、笑えちまうよな。
……はあ。なんでこんな事に。
言っておくが全然嬉しくないぞ。ただひたすらに気まずいだけだ。
やれやれだぜ。
「……んじゃ、手を上げろよ」
「う、上から脱がすんだ」
「し、下からの方が抵抗あんだろうが……!」
上だけ着たまま下だけ脱がすなんて……いやそういう趣味はあるけどな?
恐らく世の中の男性の多くが共感してくれる筈だ。
だが、だからこそここでそんな選択肢を選ぶ訳にはいかないんだよ!
「ん」
そういって手を上げる桐乃。
……合宿に来てただけあって、脱がしやすい服を着ている。
上着の裾に手を掛けて、上に持ちあげていく。
当たり前の事だが持ち上げればそれだけ、服の下から桐乃の肌が覗く。
…………。
はっ! だ、駄目だ。肌なんて見ている場合じゃねえ。
俺はただ黙々と任務を遂行してればいいんだよ。
心を無にして、ゆっくりと上着を脱がしていく。
途中でブラジャーとかが見えて激しく動揺したが、表向きは非常にクールだった筈だ。
包帯に当たらないように上着を抜いていく時が中々スリリングだったが無事クリア。
一仕事終えた気分だが、その結果、上半身がブラと包帯だけになった妹が目の前にあった。
「…………」
「…………」
背中ごしとはいえ、こう、なんていうか、……なんていうかだよな。
何だかもどかしい気分になってくる。
「つ、次は下を脱がすからな」
「う、うん」
桐乃が履いているのは、ホットパンツ。
この時点でもう下着みたいなもんだ。今度はそう抵抗が無いだろう。
ホットパンツのボタンを、背中から抱きつくような形で外してやる。
……嘘、全然抵抗あるわ。
なんだかさっきより脱がしてる感覚が艶かしい。
それに背中から手を回しているせいで、こう背中が目の前にあって。
あ、コイツ、肌綺麗だな、とか思ったりしちゃったりして。
何度か格闘しながら、ホットパンツのボタンを外し、チャックを下げて。
ようやく下ろす段階になる。
ゴクリ。知らずに喉が鳴る。
緊張で喉がカラカラだ。
よし、や、やるぞ……!
決意を固めて、ホットパンツを下げていく。
そしてすぐに現れるのはピンク色の下着。
…………。
色々と思考がパニックになりそうなのを我慢しつつも、ホットパンツを下げていく。
無事、足元まで下げた時は目を瞑ってたぐらいだ。
「ほ、ほら、足上げろ。取るから」
「う、うん」
最後は足首から抜き取って……よし、終了。
「よ、よし、じゃあ入るか」
「え……ま、まだ下着があるんですけど?」
下着まで脱がせって言うのかよっ!?
勘弁してくれ。
「し、下着のままじゃ、風呂入れないか?」
水着みたいな感じでさ。
「は、入れるケドさ」
じゃあ、それでいいじゃねえか……!
つかこの台詞は俺から言うもんじゃねえだろ!
内心、そんな事を叫びつつ、俺は自分の服を脱ぐ事にする。
……あれ、俺はどうしよう。
桐乃が入院するかもと服は持ってきているから濡らしてもいいとして。
俺、自分の服は持ってきてねえぞ。
さっき、患者用の服を貸して貰えたからパジャマとしては大丈夫だが……。
下着までは貸してもらってない。
…………。
「き、桐乃、こっち見んなよ?」
「え、う、うん」
「ってさっそく見てんじゃねえか!」
油断も隙もない奴だな。なんでうんと言いながらこっちに振り返るかな。
桐乃の姿を監視しながら、俺は服を脱いでいく。
無論、下着もだ。
下着まで脱ぎ捨てて、貸して貰っていた手拭いを腰に巻く。
これで完璧だ。
いや、超恥ずいけどね。これでも。
「も、もう見てもいい?」
「駄目に決まってんだろ、つか、風呂入ってる間はずっと見んな!」
どんだけ見たがってんだよ、こいつは!
双方の準備が揃ったので、早速風呂場に入る。
予想していた通り、湯船もそこまで広くはなく、ただ二人が入れる程度には広めにとられている。
患者によっては、横になった状態でしか入れない人も居るだろうからな。
……言っておくが、別に、桐乃と一緒に湯船に浸かろうなんては考えてないからな。
「よ、よし、ちゃっちゃと済ませるぞ」
「……ちゃんと優しくしてよね」
……こいつはなんていちいち紛らわしい台詞を吐くんだ。
周りに聞いている人が居たら誤解すんだろうが。
まあ、誰も聞いてないとは思うけどさ。
「へいへい。んじゃ、早速だが、……ええと髪から洗えばいいか?」
桐乃が普段、どういう順番で身体を洗ってるかなんて知らない。
というか知っていたら問題だ。
なので、桐乃に順番を聞く。
「うん。いつも髪から洗ってるかな。そっから上半身、下半身って感じ」
なるほど。……なんだか徐々に難易度が上がっていく感じがするな。
因みに今、桐乃の包帯はビニール袋で覆ってある。
当然、濡らさないようにする配慮だぜ。
「冷たっ! ……うわ、次は熱ッ!」
俺はシャワーの温度を手で確かめつつ調整していく。
しばらく格闘しようやく納得の行く温度になった。
よし、こんなもんだろう。
若干温い気もするが、熱いよりはマシだろう。
軽く桐乃の背中にシャワーを浴びせながら確認する。
「どうだ、湯加減?」
「ん、悪くないかも」
妹様から湯かげんのお許しを貰ったので、次は頭から浴びせる事にする。
こうやってると何だか昔を思い出す。
本当に小さい頃、こうやって妹を風呂に入れた気がする。
……懐かしいな。あれから、随分と身体が成長したんだな、こいつも。
そんな感じでしみじみと思い出を噛み締めていたら、気付いた。
というか、気付いてしまった、というのが正しいか。
……下着、透けてんじゃん!
考えてみれば当然だった。水着と下着は違うのだ。
水に濡れれば下着は肌に張り付いて、透けてしまう。
つまり、全身を今こうやって濡らしている以上、桐乃の下着が透けてしまっている訳で。
何だかこう扇情的な感じをもたらしていた。
「……どしたの?」
俺の動きが止まっている事に気付いたのだろう。
桐乃からそんな声を投げかけられる。
……桐乃は今、頭から濡らされていて、まだ気付いてないんだろう。
「い、いや、なんでもナイヨ」
「…………?」
めっちゃ訝しんでる。
「い、いいから、ホラ、このまま髪洗うからな。病院のシャンプーで良いよな?」
「……しかたないっしょ。そんかわり、丁寧に洗ってよね。デリケードなんだから」
「へいへい、任せろって」
備え付けのシャンプーから適量を手に垂らすと、手で泡を立ててから、桐乃の髪を洗いに掛かる。
……こいつの髪、すげえ柔らかいな。
泡立ちも凄くいい。これはシャンプーが良いからというより、髪がいいんだろうな。
「…………」
「…………」
お互い無言で、俺は髪を洗い続ける。
今のところ、不満は出てないからこの洗い方でいいんだろう。
「……あんたさあ」
「あん?」
「意外と、髪洗うのうまいじゃん」
「マジで? 美容師になろっかな」
「調子にのんなっての。あんたのセンスで髪切ったら大変な事になるっしょ」
そんな他愛もない会話を続けながら、ひと通り髪を洗い終える。
そろそろ洗い流すか、とシャワーに手を掛けたところで、桐乃が話しかけてきた。
「……ねえ?」
「ん、なんだ? まだ洗い足りないところあるか?」
「違くて。……あんたにとってさ、あたしって……」
こちらに背を向けているから、桐乃の表情は見えない。
「あたしって……なんなのかな」
…………。
質問が漠然としすぎて、何を意図しているのかは分からなかった。
俺にとって、桐乃が何なのか。
すぐに回答は出た。だが、その答えを果たして求めているのだろうか。
「俺にとって、おまえは……」
ザァアアアアア、シャワーを桐乃の頭から掛ける。
「――だぜ」
丁寧に、髪から泡を流してやりながら、俺は答えた。
「ちょ、聞こえ、し、シャワー、止め」
何か不満が聞こえるが、俺はシャワーを止めない。
俺が止めないという事が分かったのだろう。
大人しくシャワーを浴び続ける桐乃。
綺麗に洗い流し終わりシャワーを止めると、それを待ってたのか桐乃が口を開く。
「……あとで、もっかい聞くから。聞こえなかったし」
「聞こえない方が悪い。何度も言わねえよ」
「あんたがシャワー浴びせるからでしょ……!」
おまえが変な質問をしてくるからだよ。
桐乃の文句を聞きながら、次の段階として身体を洗う。
と言っても、洗ってやるのは背中ぐらいで、前なら片手で充分洗えるだろう。
備え付けのスポンジに石鹸を擦りつけ、泡を立たせて、桐乃の背中にあてがう。
「ひゃん! ちょ、なに?!」
「変な声を出すんじゃねえ! ただ背中洗うだけだっての!」
こっちが「なに?」って聞きたいわっ!
髪と同じように優しくやろうとしたのが裏目に出たか。
無造作に力を込めて、ごしごしと洗う事にする。
何やら桐乃から、もう少し優しくだの要望が来たが無視。
ひと通り洗ってやり、シャワーで洗い流してやり、そしてスポンジを桐乃に渡す。
「……なに?」
「スポンジだよ、見りゃ分かんだろ」
「じゃなくて、なんであたしに渡すワケ?」
「まだ前洗ってないだろ。前なら自分で洗えるだろうから、渡しただけだ」
ったく察しが悪いやつだな。なんでこっちが気遣ってやらねえとならねえんだ。
背中ならまだしも前は色々と不味いだろうに。
と脳内で悪態をついていると、予想外の桐乃からの返しがあった。
「……洗って」
「…………はあ?」
「洗って、って言ってんの」
あ、あのなあ……。
「桐乃、よーく考えろ。前を洗うってのはな、こうなんだ」
「なによ」
あーもう、ホント察しが悪い奴だな……ッ!
「……おまえのおっぱいとかそんなのも洗う事になっちまうだろうが!」
「……ッ!」
桐乃は俺の言葉に息を飲む。
ったく、直接的に言わないと分からねえのか、想像力ねえんじゃねえのこいつ。
「だから、前は自分で洗えって言ってんだよ」
「……知ってるし」
「あん?」
「それでもいいから洗えって言ってんのよ、馬鹿兄貴ッ!」
………………へ?
気付けば桐乃は、こっちに振り返っていた。
「あーもう何意識しちゃってるワケ!? いいから妹の胸ぐらい洗いなさいよ、男でしょ?」
…………。
「な、何黙っちゃってるワケ? つーか、何処見てんの?」
…………。
「…………」
お、俺は悪くないからな?
振り向いたのは桐乃だし? 急に振り向くもんだから、こっちだって対応出来ねえし?
だから桐乃の透けてるブラに目が釘付けになっちまったとしても、俺は悪くないハズだ。
「…………見たいワケ?」
俺が脳内で必死に言い訳をしていると、桐乃からそんな提案がなされた。
「み、見たくて見てるワケじゃねえよ?」
なんて言うか男の性っていうか。つい、目が行っちゃうんだって、ホ、ホントだよ?
「……確かに透けちゃってるケドさ。肝心なところとかは全然透けてないワケだし? それでも釘付けになっちゃうワケ?」
確かに、肝心の胸のところは厚い生地なのか、まるで透けてない。
だが、そこ以外は容赦なく透けていて、なんて言うか実にエロい。
それが妹であっても同じ事だ。
「というか、これじゃおっぱい洗えないよね……?」
そう言いながら、桐乃が手を後ろに掛ける。
お、女の子がおっぱいなんて口にするんじゃねえよ、と突っ込もうとして桐乃の行動における意味を察する。
「ま、待て、桐乃、おま、何をするつもりだ……ッ!」
俺の質問に、桐乃は顔を赤くしながらも、不敵に微笑む。
「なにって? ……こうするに決まってるでしょ!」
そう言って、桐乃は自分の背にある何かを外した。
はらりと、背中に回っていたブラの紐が前に降りてくる。
ブラ自体は、桐乃の胸に吸い付いているのか、落ちる事は無かった。
実際、先ほどと見えている場所はそう変わらない。
だが、状況はまるで違った。
「……お、俺、そろそろ上がるな?」
ヘタレと言われても構わない。
つーか妹とこんな雰囲気なんてオカシイだろ。
「……逃げるんだ?」
桐乃は目の前のブラを手で抑えるようにして、そう言ってくる。
逃げるに決まってんだろ。
「お、おまえな、そういう冗談は俺だけにしておけよ?」
そう言いながら、去ろうとする俺の足を桐乃が掴む。
「おわっ、あ、危ねえだろっ!」
「逃げんなっ!」
ブラを抑えていた手で俺の足を掴んでる訳だから、当然ブラがゆっくりと肌を滑るように落ちていく。
「お、おい、ブラ落ちんぞ?」
「そんなのどうだっていい! いいから、あんたは逃げんな! あたしを置いていくな!」
「……桐乃?」
俺の足を掴む手が、強い。そして桐乃の言動も何故か必死だった。
「あんたにとって、あたしが妹だってなら、変に意識しなければいいでしょっ!?
妹の裸なんて見たって、あんたは何とも思わないんでしょ?
だったら逃げないでちゃんとあたしを見て」
……それは、そうだけど。
妹の身体なんて見ても、別に何とも思わない。それは、確かに俺の中の回答だ。
実際、今にも落ちそうなブラを見たところで、俺の海綿体は起き上がろうともしていない。
俺は去ろうとする足を止めて、真っ直ぐと桐乃と向き直った。
その態度を見て、桐乃も俺の足から手を離す。
俺の足から離れた手は、それでもブラを抑えようとはしない。
「……分かった」
「え?」
「見てやる。おまえの事をちゃんと。……それが俺の答えだ」
俺の言葉に、桐乃は目を少し見開いた。
それが傷付いたような表情に見えたのは俺の気のせいだろうか。
桐乃はそのまま僅かに俯いて、手で拳とキュッと作る。
「……じゃあ、見なさいよ」
落ちきらず、ただ桐乃の胸に乗っているような状態だったブラに手を掛けて、一瞬だけ躊躇した後、あっさりと桐乃はブラを取った。
「……っ」
ブラの下には、まだまだ成長途中の、それでも確かに存在を主張している胸があった。
穏やかでなだらかな膨らみ。そして、その頂上でつんとしたピンク色の乳首。
俺はその姿をじっ、と見やる。
桐乃はただ俺の視線を受け止める。
「……なんか、感想とか……無いワケ?」
俯いたまま、桐乃は俺にそう声を掛ける。
「成長したな、桐乃。俺が前に見た裸はもっともっと餓鬼っぽかったよ」
「……それだけ?」
がっかりしたような声音で、桐乃はそう呟く。
全く、どんな回答をおまえは俺に求めてるのか。
「……綺麗だ、と思った」
「…………」
「まだまだ成長は足りねえけど、女神のようだと思ったよ」
それは俺の偽りのない感想だ。
ただまだ女神と形容するには成長が足りないけど。
言うなれば、まだ子どもの女神を見ているようだった。
「……そう」
喜んでるのか落ち込んでるのか、複雑そうな声音。
まだ桐乃にとって満足の行く回答では無いらしい。
俺を目を閉じて、そして、一番初めに感じた感想を言う事にする。
「あぶねえ、と思った」
「え?」
「後、数年経った時のおまえの裸じゃなくて良かったと思った」
「……なんで?」
そこでなんでって聞くかね。
「餓鬼の頃より、ずっとずっと色気があって。正直さ、少し興奮しちまった。
あと数年後のおまえの身体だったら、きっと欲情してた。
おまえを襲っちまってたかも知れねえぐらいに」
これは兄として失格なのだろうか。
どうなんだろうな。成長した妹の身体に欲情しちまうのはやっぱアウトか。
仮に親父がそんな事言い出した日には通報しちまいそうだもんな。
俺は桐乃を女として意識している部分が、確かにあるという事だ。
兄にも、関わらず。
そういう気持ちに気付きたくないから、俺は早くここから逃げたかったってのに。
うちの妹は酷な事をしてくれる。
「……そっか」
妹は、端的に俺の感想に対してそう返す。
まだ俯いた侭。
「じゃあさ、……改めて、あたしの身体を洗ってよ。こうして兄貴に身体を洗って貰えるのは……今だから出来る事なんでしょ」
兄妹として、こうやって風呂場で居られるのは今だから。
将来的にはこうやって風呂場で居られる事は出来ない。
それでも二人、風呂に居るのであればそれはもう、兄妹としてではなく。
「……分かった」
これが、最後だ。俺と桐乃が一緒に風呂に入るのは。
兄貴として妹の身体を洗ってやれるのは。
断る理由なんてなかった。
だから、俺は頷く。
桐乃は俺の返事に、こくりと頷く。
「そんじゃ、手で洗ってよ」
「おう……ってなんでだよっ!?」
超ハードルあがってんですけど!?
少ししんみりした空気を変えたかったのも知れねえけど、それちょっと方向性間違えてるから!
「妹の成長した身体、触りたくないの?」
「そういう問題じゃねえ! つかそこではいって言ったらそいつ兄貴超失格だから!」
「少し欲情した時点で、兄貴として失格だと思うんですケド」
グサッ。
今の桐乃の言葉、すげえ胸に刺さった。
だよな、俺、兄貴失格だよな……。
せっかくいい兄妹になろうと決意した矢先に……。
「ちょ、マジで凹まないでよ。じょ、冗談だってば。ほら、顔あげなっての」
がっくり項垂れている俺の髪を掴んで、くいっと持ち上げる。
「ちょ、てめえ! 男のデリケートな髪になんてことをしてくれてんだっ!」
「あんたが項垂れてんのが悪いんでしょ。ほらほら、ちゃっちゃか洗いなさいっての」
「あー、もうヤケだ! わーったよ、洗ってやんよ!」
石鹸で手をぐしぐしと泡立てて、準備OK。
よし、と桐乃を向き直ったところで目が合う。
「……おい、背中向けよ?」
「はぁ? なんで。背中はもう洗ったでしょ」
「そ、それはそうだけどよ」
こう背中から洗った方がなんて言うか健全かなあ、って思ったんだが。
いや、寧ろその方が嫌らしいか?
「それにあんたの反応見てたいし」
「…………」
ぜってえ動じねえと俺は心に誓った。
「ようし、やったろうじゃねえか!」
スイッチが入ってる俺は、そんぐらいじゃ怯まねえぜ。
早速俺は、桐乃の……腕から洗い始めた。
ヘタレっていうな、畜生。
腕、腹、脇腹、脇、肩……と黙々と洗っていく。
その間、桐乃はニヤニヤと性格の悪そうな笑みで俺を観察していた。
けっ、頬を真っ赤にしながらそんな表情したって無駄だっての。
「そろそろじゃん?」
「…………」
なんでこいつはこんなに乗り気なんだ?
おかしいだろ、いつも俺が裸みたらマジギレすんじゃん?
理不尽に家を追いだそうとすんじゃん?
くそ、ここで躊躇したら現時点でもガンガン意識しちゃってるって思われちゃう訳で。
そうだ、目の前に居るのはただの妹。それ以上でもそれ以下でもない。
おっぱいぐらい、洗っても何の問題もない。
全然意識なんてしてねえよ、という感じで無造作に桐乃の胸に手を伸ばす。
「な、なんか嫌らしい手つきしてるんですケド」
「気のせいだ」
そして、桐乃のおっぱいに手が触れた。
ピクッ、と震える桐乃の身体。
ビクッ、と震える俺の身体。
「わ、悪い、なんか変だったか!?」
「……あんた、びびりすぎ。少しぴくってしただけっしょ」
「…………」
確かにどんだけビビってんだ俺は。
恐る恐る犬に触っている赤ん坊みたいなリアクションしてしまった。
コホン、胸の内で咳払いを一つし、冷静さを取り戻しながら再チャレンジ。
…………ぷに。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
や、やわらけえ! なにこのやわらかさ! マシュマロ? 神のマシュマロ?
でもこの肌触り、しっとりとして温かい、なんなのこれ。
こんなのが地球上に存在してるなんて信じられん。
「ね、ねえ?」
やべええ、超やべえええ、なにこれ! 信じらんねえ!
押したら返ってくるぞ、これ! ぷるんってしてんの、マジぷるん。
よく効果音でぷるんって使われてるけどマジぷるん。半端ねえ!
「ちょ、ちょっと……ん、……あ、あんた」
女ってすげえ、こんな神秘を胸に備えてるなんてマジやべえ!
想像以上のぷにぷにだわ、一日中触っててえぐれえだ……!
「す、すとーーーっぷ!」
「――ハッ!」
桐乃に声を張り上げられ、ようやく俺は我に返った。
「あ、あんたねえ、なに妹の胸を夢中でもみくだいちゃってるワケ?」
ぷにぷに。
「って揉むな! いったんあたしのおっぱいから手を離しなさいっての!」
桐乃に手を叩かれて、名残惜しくも俺は妹のおっぱいから手を離した。
「すまん、余りの柔らかさにちょっと我を失ってた」
「そ、そんなに柔らかいっけ?」
「いや、ただ柔らかいワケじゃないんだ。こう適度に弾力があるっていうか、なんつうか凄かった。正直感動した」
「……あんたの言動に正直引くんですけど」
おっぱいの素晴らしさを語ったら妹に引かれてしまった。
当然ですよね。
俺も桐乃にちんこの素晴らしさを語られたら引くもん。
「…………」
「……ん?」
気付いたら桐乃が俯いている。
もしかして俺の余りのキモさに身体を洗って貰ってる事に後悔してるのか?
……いや、これは俯いてるんじゃない。
下を……俺の下を見てる!
「……げっ!」
俺の下、別にそそり立ってはない、すこし、ほんのすこーしだけ大きくなってる気がするが少しだけだ。
問題はそこじゃない。
こう手拭いが微妙にはだけて、その隙間からこんにちわしているという事が大きな問題だ。
知らない内に、俺の海綿体と桐乃は顔合わせをすませてしまったらしい。
「ね、ねえ。あんたも触ったんだからさ、あた」
「却下!」
おまえにちんこの素晴らしさなんて語られても困る!
いや、語らないと思うけどさ。
「なんでよ、ズルくない? 散々触っておいて」
言っておくが触らせたのはおまえだからな。
「俺が触ったのはおまえの胸だ。だから俺の胸なら幾らでも触っていいぞ」
「んじゃ触る」
男の胸なんて触りたくないと突っ張られるかと思ったが、予想に反して桐乃は乗り気だった。
「へえ、やっぱ男の胸にも乳首あるんだ」
そりゃあるよ。何を言って――ああ、確かにエロゲの野郎には基本乳首描かれてねえな。
つか現実で男の水着とかで上半身ぐらい見てんだろ、なんでエロゲのが優先されてんだよ。
ていうか、俺の乳首をそう興味津々で弄り回さないで頂きたい。
別に乳首で感じるような事はないか、なんか擽ったいっていうかもどかしい気分になってくる。
……あれ、もしかしてこれが感じてるって事なのか?
「すとーーーっぷ!」
「ちょ、なによ!」
「うっせえ! 終了、ここまで!」
危うく妹に乳首を開発されちまうところだったぜ……。
そ、そろそろ次の箇所に行くとしよう。
上半身は終わったし、次は下半身だな。
あー、下半身な。
下半身か……。
チラ、とこれから洗おうとしている箇所を見やる。
…………ッ!
ばっちし透けてるよ! うわ、マジ勘弁してくれ!
確かに肝心の部分は二重構造なのか丸見えって訳じゃねえけどさ!
さっきのブラより比較にならねえぐらい透けてんだよ!
分かるかな、分かるよな!?
「つか、今思ったんだけどさ、あたしの胸を触ったからあんたの胸を触らせるって事はさ。
あんたのその、ち、ちん」
「言わんとしている事は分かったから今直ぐ口を閉じろ女子中学生」
ちんこなんて女の子が口に出すんじゃねえよ。
つか、俺のちんこがどうしたって?
ちんこを触るならおまえのなんかを触らせればいいとかそんな話か?
だが断る。
正直に言おう。
さっきのおっぱい触りからおっぱい触られで、俺の海綿体が目を醒ましかけている。
後少しでもスイッチが入ったら一気に覚醒してしまうだろう。
いいかね、あくまで今回は兄妹最後の入浴なのだよ。
そういうしんみりとして切ないシチュエーションな訳だ。
ここで、俺の海綿体がパオーンしてみろ、台無しだ。
「っておまえはなんで脱ごうとしているワケ!?」
そういう俺の深遠なる配慮を無視して、あろう事か桐乃は自分の下着を脱ごうとしていた。
「え、だってあんたの見ちゃったし。あたしも見せた方が良いのかなーって」
あっけらかんとそんな事を言い出す桐乃。
こ、こいつ、羞恥心とか麻痺してんじゃねえだろうな。
「み、見せなくていい、大丈夫だ」
「でもパンツ越しじゃ洗えなくない?」
「洗える、マジ洗える、こう布越しに洗うから! つかやっぱそこも洗うの?」
俺の主張そっちのけで、桐乃は脱ごうとしていたが、流石に片手で濡れた下着を脱がすのは難しかったらしい。
じーっと俺を見る。
「ねえ」
「いやだ」
どうせ、脱がして、とか言うんだろ? 分かってんだよ。
「いやだって言われても……、あんたのそれ、お、おっきくなってない?」
…………。
ソウデスネ。
終わった……、俺の人生、終わった。
そうか、あれか、そうだよな。女が下着を脱ごうとしているシーンってこう、なあ。
そうだよなあ……。
さようなら、兄としての俺。
はじめまして、変態としての俺。
「……ふーん、欲情しちゃったんだ」
「…………」
「妹に対して、欲情しちゃうなんて、マジありえなくない?」
侮蔑の言葉を俺に向けながら、しかし妙に嬉しそうに俺を見やる桐乃。
「う、うっせえな! 仕方ねえだろ、妹は妹でもな……、……ッ!」
しまった、何か言ってはいけない事を言いかけた気がする。
「……妹は、妹でも?」
ふざけていた声音から、一気に真剣な声音まで下がる。
「妹は、妹でも……なに?」
ジリジリ、と桐乃は俺に近づいてくる。
眼は真っ直ぐと俺の目を射竦めている。
俺はそんな桐乃から逃げようとジリジリと後ずさる。
「なんで逃げるワケ?」
そんな俺の行動を非難しながらも、桐乃は容赦なく俺に近づいてくる。
対して俺は背後がもう壁になってしまいこれ以上逃げる事が出来ない。
「そ、それはな……」
桐乃の動きを止めたくて何かを言おうとするが頭がまわらない。
確実に俺との距離を縮めていく桐乃。
俺を追い詰めておいて、尚も近づいてくる桐乃。
こ、これ以上近づいたら――。
桐乃の眼は、少し潤んでいる。
その瞳に吸い込まれそうになりながらも、俺は必死で何か縋る物を探す。
何か、この展開を脱出する方法は無いか――。
―――あった。
「桐乃」
「…………」
桐乃は答えない。ただ俺に近づいて。鼻と鼻が触れ合うような距離。
俺は言った。
「ここは、病院だ」
ピタ、と桐乃は動きを止める。
「ここは患者とかが入る場所だろ……、そういうのは良くない」
ホテルとかとは違うのだ。
それに監視カメラはないにしても音声ぐらい聞かれている可能性もある。
桐乃は超至近距離で俺を睨む。
俺はただ真っ直ぐと桐乃を見やる。
やがて、桐乃は俺から離れた。
チッ、という舌打ちと共に。
「……まだ終わりじゃないから」
桐乃はそう宣告する。
「今日はもう聞かない。でも、家に帰ったら、続き、するから」
決して忘れたワケじゃないと。
俺が漏らしてしまった失言。
それを家に戻ったら改めて聞き出すと。
やれやれ、と俺は思う。
実のところ、俺も何を言おうとしていたのかは分からない。
単純に考えれば、……なのだろうけど。
そう言おうとしたのだろうか。
けど、今はこうして結論までの時間を稼げたのでよしとする。
そして、俺もまた聞かなくてはならないだろう。
その聞かれたタイミングで、同じように。
俺が止めなければ、おまえは俺に何をしようとしていたのかと。
続く。
という訳で、こんだけ長々と書いた上で
結末まで持っていけなかったという力量不足を痛感しつつ
ぶっちゃけ半分も予定した結末まで進んでないです
場合よっては幾つかシーンをカットしようかなと思ったり
ようやく前に言ってた病院云々の話が投下出来て個人的には満足です
とはいえ最近、自分ばっか投下しているので、そろそろ自重すべきかと思ったりなんで
何かあれば遠慮なく書き込んで頂ければと
それでは長文乱文、最後までお読み頂いた方には感謝を
( ´ー`)y━・~~~
>>597 乙です。
京介爆発しやがれ。
(性的なryではなくて)
ち◯こに石鹸つけて、ま◯この中を洗ってくれ。
>>597 自重なんかしないでもっとやりたまえ
ところで病院で合体してもええんやで
>>597 乙乙!
朝から良いもの読ませて貰った
おかげで身も心も勃起もといオッキした
>>597 乙!
きりりんずいぶん迫るな。家に帰る前にもう一波乱あるか?
自重なんかせずに早く続きを投下してくれ!
>>597 乙!!
やっぱり◆ebJORrWVuoの描く桐乃と京介は最高だわw
息を飲むようなギリギリの攻防戦がめちゃくちゃエロいっすw
シーンカットも自重も不要だよ。
このクオリティのSSなら心ゆくまで読みたい。
607 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 17:03:39.93 ID:omSzfv5e
>>597 んーとだね、
・事故の必要性
・オリキャラの必要性
の2点かな気になったのは。
仲を急接近させるのに事故を利用するのはいい手なんだけど、散々乱発されすぎてぶっちゃけて言えば安易すぎる。
話の構成がVIPで書いた京介リンチと変わらないよね?
テンプレのごとき展開に加え、キャラを不必要に傷つけるのはみてて気分いい物じゃない。
次いでオリキャラ。現時点で登場させる必然性が全く見いだせない。
不幸キャラと軽傷な桐乃を比較させるならそれは不快としか思えんし、
京介との仲が発展するならそれは俺妹スレでやるべきではない。
まして今までレベルの高い作品を書かれてきただけにこの選択には正直ガッカリ。
なにか狙いがあるなら聞きたいところ。
もちろん予想を裏切る展開もあるかも知れないから読み続けるけど。
>>607 評論家大先生キター!
まだ完結していないんだから御託並べるんだったら完成後にすりゃいいじゃねぇか
書き手のヤル気失くす様なコメント書くなカス
それにオリキャラったって隣の病室の女の子だけだろ? 目くじら立てる必要無いんじゃねぇの?
>>607>>608 二人とも、
>>1の後半をよく読んで
・・とは言え、あまりに凄い上からなので、
自分も一言くらい言いたくなったのも事実だけど。
>>608に全部言われたけれど・・。
610 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 19:11:46.85 ID:omSzfv5e
>>608 ただ部屋を間違えただけなら文句はないが、会話したってことは絡ませる気満々じゃねーか。
SLの災厄を忘れたわけじゃあるまい
おお、中々手痛い指摘を頂いているぜ
必要性に関しては今から投下する部分で語るつもりだが
絶対に必要だったかというと正直、頷けない
ただ個人的に第三者を出す事である人物のある部分を語ってほしかったというのが意図
何はともあれ、書き上がったのでちょっと精査したら出すぜ
また長いのでご勘弁頂ければと
あれから、各々で背中合わせで自分の身体を洗った。
その間、どちらも無言で、ただただ作業をお互いにこなすという形だった。
ひと通り、お互いが洗い終えたらどちらかが言うでもなく共に湯船に浸かった。
背中合わせでの形でだ。
「……もう少し、足を曲げられねえか?」
「無理。我慢して」
流石に背中合わせで一緒に入るのは狭い。何とか浸かれたが体育座りの形で小さくなる必要がある。
なら一緒に入らなければいい訳だが、何故か一緒に入っている。
正直俺は入る気がなくて、さっさとあがろうと思っていたんだけどな。
俺が身体を洗ってる間に、先に身体を洗い終えた桐乃が湯船につかり。
そして身体を洗い終わり、立ち上がったところで、桐乃が俺に湯船に入ると思ったのだろう。
身体を前にずらし、一人分が入れそうなスペースを空けた。
特に出る訳でもなく、ただ無言でスペースを空ける桐乃の行動に、一緒に入るという選択肢を突きつけられて、こうして一緒に入る事にした。
背中合わせなのは……何となく最後の抵抗だった。
何に対しての抵抗だったのかは分からない。ただ、殆ど全裸で、桐乃の方を向いて入る気にはなれなかった。
俺の海綿体はこれでもかってぐらい膨張をした侭、収まらないというのもある。
……いいや、何に対して抵抗なのかは分かってるな。
桐乃の方を向いて入ったら、とても我慢が出来る気がしなかったからだ。
しかし、俺は決して襲いたい訳じゃない。
兄妹の関係を大事にしたかった。ここで襲ってしまっては、大事に育ててきた兄妹の関係をまた壊してしまう事が分かっていた。
だから、兄として男の俺に対する抵抗。
それがこの背中合わせだった。
…………。
こうやって桐乃と風呂に入るのは最後だろうな。
そう思うと、こんな形でお互い無言に過ごしてしまう事が、とても勿体無く思えてしまう。
しかしこの結果にしてしまったのは自分だ。
桐乃を異性として見てしまっているこの駄目な兄貴が悪かったのだ。
いつから、異性として桐乃を見るようになったのだろう。
ラブホに一緒に行った時だろうか。
それとも海外に行ってしまった時からだろうか。
お互いが無視しあってたあの頃からだろうか。
……それとも初めからか。
「……ねえ?」
「……なんだ?」
そんな思考に没頭している俺に、桐乃が話しかけてくる。
「……ごめん」
そう、桐乃が謝罪をした。
何に対しての謝罪なのか、まるで分からなかった。
「謝るのは俺の方だ。……悪かった」
だからそうやって返す。すると桐乃は静かにうん、と答えた。
そうして、幾らかの会話をこなし、最後の兄妹風呂は終わりを迎えた。
それから、風呂を出て、桐乃に服を着せる段階になって、ある事に気付いた。
……桐乃がパンツ履いたままだと、新しいパンツ履かせられなくね?
流石に濡れたパンツの上から新しいパンツを履かせるのは苦行過ぎるだろう。
桐乃もその事に気付いたのか、無言で替えのパンツを見ている。
「……ねえ、悪いけど脱がせて貰えない?」
桐乃がそう言ってきたのを断れる筈も無かった。
しかし、正直にいってこれはヤバい葛藤を心の中に生んでいた。
桐乃に背中を向いて貰って、俺は桐乃のパンツに手を掛ける。
水で濡れていて、桐乃のおしりがくっきりと見える形になっている。
更に、少しだけ大事な部分にも張り付いていて、輪郭が見える状態になっていた。
……これを意識するなって方が無理だろ。
出来る限り目を逸らしながらも、しかしパンツを脱がす力を込めていく。
肌に張り付いた下着というのは中々どうして、簡単には脱がせなかった。
大体なんで女のパンツってのはこんなに小さいのかと。
それでも何とかしてピンクの下着を脱がしていく。
そうすると生のおしりが目の前に見えてくる訳で。
目を逸らしたり、目を瞑ったりと、色々と抵抗をしながらも脱がしていく。
見ないようにするのが大変だった。
物理的じゃなく、精神的に。
見たくない筈がなかったからだ。
正直、この葛藤で死ねると思いながら、俺は驚異的な精神力で見る事なく、パンツを脱がした。
やりきった達成感があった。
男として後悔する部分も多々あったが、しかし兄としては満足だった。
「……脱がしたぞ」
背中を向けてそう言ってやる。
「……うん」
桐乃がそう応えて、タオルで身体を拭く。
これでようやく一息入れられると思いながら、自分の身体を拭き、さっき脱いだ下着を履いていく。
一度脱いだ下着をもう一度履くって、なんだかすげえ抵抗があるよな。
正直、近くにコンビニがあったら下着を買いに走りたいぐらいだ。
だが生憎として近くにコンビニがありそうな場所ではなかった。
あれ? 履く?
俺がそれに気づいたのと同時に、桐乃から声を掛けられた。
「……あの、履かせて」
…………。
今まで妹から出された要望の中で、これは最大級の難易度じゃないだろうか。
さっきのおっぱいを洗うのも中々の難易度だったが、なんだろう。
おっぱいを触る、というのと、こうしてパンツを履かせるというのは質が違う。
何故なら、パンツを履かせるというのは脱がせる以上に、見なくちゃいけないからだ。
手を引っ掛けて引き下ろすのとは違う。
「……分かった」
それでも断る訳にはいかない。今は俺しかここに居ないのだ。
改めて桐乃へと向き直る。
湯上りで、全身を本来の色合いより赤く染めている桐乃の裸体。
全裸だった。
せめて上半身だけ着させるべきだったが、今更遅い。
なんせ着せるのは俺だ。下半身裸の桐乃に上を着せるなんて、難易度高いってもんじゃない。
そういう意味では、難易度的にまずは下から責めるのがいい。
おっぱいはなんとか今見ても耐えられるレベルだ。
まだそんなに大きくないしな。
替えの下着は、既に桐乃の足元に落ちていた。
一応履こうとしたのだろう。
パンツの穴に、片足は通っている状態だ。
……ここまで出来れば、自分で履けるんじゃないか?
そもそも片腕を使えなくなった事がないので分からないが、どれも面倒臭いながら、どうにか片手ででも出来る気がしなくもない。
その面倒くさい、というのが桐乃にとって誰かに手伝ってもらう最たる理由なのだろうが。
まあ、いい。
それこそいまさらだ。身体を洗うのだって、結局俺にやらせた。
何か甘えたい時期なのかも知れない。こうやって服を着せるのだって、これが最後だろうし。
感傷的な想いを胸に宿しながら、桐乃にパンツを履かせる為に、桐乃の後ろでしゃがみこんだ。
うわ、やべえ!
感傷的な想いで精神防御を試みたが、この体勢になって即効で防御は突破された。
だって、生尻ですよ、いや、それはさっきも少しだけ見たけど。
その下に、若干影で見えなくなっているものの、その、あれがある訳で。
見ないようにする、とかそんなんじゃなく、自然と目に入っちゃうんですよ?
アレが。
ピッタリと閉じてて、今はただ線しか見えないけども。
つか、線が見えてるってだけで、もうアウト。
最近はさ、ネットで無修正の画像なんて幾らでも手に入る訳ですよ。
だから、こういう構造になってんだ、へえ、とかは思うことはない訳だが。
こうして目の前にあるってのは、それだけでどうしようもないものだ。
見たい、そして、触りたい。
そういう欲求がどこまでも身体の内から湧いてくる訳だよ。
下着がある、という防衛ラインがなくなってしまっている以上、もう直ぐだった。
これは、さっきの葛藤の比じゃなくて、既にもう見て、しまった訳で。
――視線がそこに釘付けで、身体は硬直したように動けない。
明らかに不味い衝動が身体を駆け抜けている。
見たい、触りたい、指を入れたい、中を堪能したい、挿したい、入れたい。
強烈な衝動。頭がそればかりになって、もうどうしようもなくなってしまいそうで。
もう変になりそうだった。
そんな俺の様子に気付いたのか、中々行動しない俺の様子を訝しんだのか、桐乃がチラリと俺を見る。
慌てて視線を逸らしたが、桐乃には見られてしまっただろう。
俺が何処を凝視していたのか。
桐乃も固まった様に、俺を見ている。
そして、片手でソコを隠すようにして言う。
「な、何見てんの、ば、バカ」
その言葉は怒気を孕んでなかった。
なんて言うか、照れ隠しのような、甘い感じの罵倒。
「わ、悪い、桐乃」
そして、俺もそれに対する謝罪じゃなく、今から行う行動に対しての謝罪で返す。
「俺、もう我慢が出来そうない」
「え? えええ!? そ、それって……」
桐乃が慌てて俺から一歩離れる。
「だから、そ、その……」
「だ、駄目だって、ここ病院だから、その、ね?」
何を想像しているのか知らないが、断るポイントはそこかよ。
家だったらいいってのか。
いや、駄目だろ、兄妹なんだぜ?
あれ、それじゃ今から行う行為は兄妹の関係を守ったままなワケって?
そう、俺が今から行うのは、ヘタレ オブ ヘタレと形容されてもおかしくない内容だ。
つまり――
「が、頑張って自分で履いてくれないか?
おれ、その、ちょっと……抜いてくる」
そう、全力逃亡だ。
兄としての決断、だと思うかも知れないが、その実、違った。
これは男としての俺の要望だった。
一刻も早く抜きたい、出来るなら目の前の子を襲いたい。
でもここは病院だ、ヘタレな俺としてはこんな場所でそんな行為を敢行できる勇気は無い。
だから苦肉の策として今から即効で着替えてトイレに直行し、今の行為を思い浮かべて一発抜く。
これが俺の考えた最良の策だった。
……うるせえな、ここが病院だってのに抵抗があんだよ。
どこかの誰かに言い訳をしながらも、俺は桐乃の返事を待った。
「……ぬ、抜いてくるって」
そこに突っ込んでくるのかよ。
あ、てか考えてみれば抜くことまで説明しなくて良かったんじゃね?
適当に腹痛とか言ってれば良かったんじゃね?
……俺って実は馬鹿なのか?
「き、きにすんな。と、とりあえず自分で履いてくれって事だ」
「あ、あああ、あたしもなんか手伝う?」
ぶっ! な、な、なななな何を言い出しやがるんだ、こいつは!
て、て、手伝うってなんですか、なんですかその魅力的な提案。
つかこっちを向くな、この全裸女!
「だ、だだだ、大丈夫だ、ひとりで出来る、こ、こんなん直ぐだ」
「で、でも、ほら、出したら汚しちゃうし、ほ、ほら、飲んであげるとか出来るし、ちょ、ちょっと興味があるし」
――――。
こ、こいつの手伝うってそういうレベルかよ?!
俺はちょっとこう、なんだ、見せてもらうとか、せいぜい手こきレベルだったのに!
さ、流石はエロゲマスター、俺の予想を遥かに上回る提案をしやがる。
つか、こいつの脳内ではここで出す気だと思ってんだな。
「え、いや、その……いやいやいやいやいや、いいっす!」
すっげえええ魅力的な提案でしたよ、はい。
なんて断ったかのかというと、パニクってたのもあるし、今の言葉だけで逝きそうになってたからだ。
口に含まれる以前に、目の前で見られるだけで出しちゃうんじゃないだろうか。
そんな訳で、もう出そうになってた俺は、取り敢えずパジャマを手にして、トイレに逃げ込もうとした。
「ちょ、待ちなさいって――!」
が、その俺を桐乃が止める。
……俺のあそこを掴む形で。
「あ」
よ、よりによってソコを掴むな……ッ!
桐乃の手によって起こされる刺激に、爆発寸前だった俺の海綿体は、一気に臨界を迎えた。
「ちょ、な、なんかビクビクしてんですケド、だ、大丈夫なワケ?」
……全然大丈夫じゃないっすね。
圧倒的な快感と圧倒的な後悔を同時に感じたのなんて始めてだぜ。
圧倒的な快感ってのは、こう、我慢に我慢を重ねた結果、他人の手によって逝かされる快感。
これは、病みつきになっちゃいそうな快楽だ。
こうやって半賢者モードの状態になっても、まだドピュドピュと放出を続けている。
で、圧倒的な後悔とは何か。
妹の手で逝かされた事? いやそれも確かに後悔に値するかもしれない。
だが、それよりも……。
改めて状況を説明しよう。
俺は、下着を持ってきていない。
近くにコンビニも無い。
今、俺は下着を履いている。
後は……分かるだろ?
//
「だから、ごめんって。そろそろウザいから凹むなっての」
あれから、病室に戻り、桐乃はベッドの上。
そして俺は部屋の隅で体育座りをしていた。
全力で凹み中。
え、下着はどうしたって?
はっはっは。
……今、ノーパンですが何か。
え、下着はどうしたって?
取り敢えず応急処置として、ビニール袋に突っ込んで固く縛っておいた。
ただ季節が季節なので、明日にはそのままゴミ箱行きかも知れない。
いや洗おうとも考えたんだよ。ただ、ここ公共の場じゃん?
誰もが使う洗面所で、汚しちまった下着を洗いたくないじゃん?
少なくとも俺は誰かが精液塗れの下着を洗った場所で歯磨きはしたくねえよ?
因みに俺が応急処置をしている間に、桐乃はしっかりと下着を履いて、それどころか、あらかた着替えを済ませていた。
ボタンは流石に留められなかったようで、俺が留めてやった。
……やっぱ普通に着れんじゃん。なんで俺が脱がしたりしたんだか、とやはり思ったが、甘えたい年頃だったんだろうと適当に結論付けておいた。
そして今、病室に戻ってきた絶賛賢者モードの俺は、色んな後悔に塗れてこうやって部屋の隅で凹んでいる訳だ。
妹に手コキで逝かされてしまった。
下着に中出ししてしまった。
病室なんていう公共の場でノーパンの高校生♂=俺の現状。
凹む要素は幾らでもあった。
桐乃がさっきから謝ってくれているが、正直、桐乃が悪い訳じゃない。
いや、こうなんていうか、人をボッキさせてくれやがった事は責任があると思うが。
しかしどれも自制出来なかった自分のせいとも言える。
「はぁ……。そういや、飯ってどうなんだ?」
だがここでいつまでも凹んでいても確かにウザい。
桐乃が悪い訳でない以上、桐乃に迷惑を掛けるのもなんだ。
家に帰って自分の部屋で存分に凹む事として、今は一時的に忘れよう。
「さあ? 昼間は普通に看護婦さんが持ってきてくれたケド」
ふーん。じゃあ、時間的にそろそろ夕飯が来るって感じか。
「どっかに売店とかねえの? どうせ俺の分の夕飯はねえだろうし、何か買ってこようかと思うんだが」
「受付の所にあるっちゃ、あるケド。もう閉まってると思う」
なるほど。つまり俺の飯は抜きか。
まあ、仕方ない。そもそもこうやってパジャマと毛布を貸して貰えただけでも僥倖だ。
俺の計画性の無さがアダになっただけだしな。
「あたしの分、分けたげよっか?」
「いいよ。気持ちは受け取っておく。だが、おまえは怪我人なんだからちゃんと食っとけ」
「でも、あんた、あんなにいっぱい出したんだからお腹空いてんじゃないの?」
「ちょ、おま……!」
イキナリなんて事を言い出しやがる……!
誰かに聞かれたらどうすんだ、誤解ですとも言えねえんだぞ、事実ですなんて言うわけにもいかねえだろ……ッ!
それに人がせっかく忘れようとしている事を……ッ!!
俺の心の叫びが少しは通じたのだろうか。
桐乃は、あ、という感じに口を閉じると、頬を赤くしながら、俺から目を逸らした。
「ご、ごめん」
「い、いや、いい。とりあえず忘れてくれ」
「え、あ、う、うん……」
なんでそんな歯切れ悪いんだよ。
眼は泳いでるし、態度だけ見ると寧ろ記憶に焼き付けておきました的な感じなんですけど。
まさかそこまで非道じゃないよね? 桐乃にも良心ってのはあるよね?
カリビ○ンコムが可愛く思える程、俺の中の黒歴史なんだぜ?
まあ、流石に桐乃もお袋とかに「京介があたしの手コキで逝ったんだけど」とか言いふらしはしないだろう。
そうなったら、問題になるのは俺だけじゃなくおまえもだからな。
……い、言いふらさないよな。
ね、念の為、あとで釘を差しておくか。
俺が心の中でそんな疑心暗鬼を迎えていると、扉がノックされた。
桐乃が、他所行きボイスで返事をすると、看護士さんが扉を開けて入ってきた。
「はい、夕ごはんですよー」
そう言ってトレイを運んできた……が、デカい。
明らかに一人分じゃない。
「え、これ、多くないですか?」
ついそう突っ込んでしまう。
その突っ込みを待ってたとばかりに看護士さんが答える。
「ふふっ、ここって若い入院患者が居なくて、皆、そんな食べないんですよね。
で、今日は若い患者が居ると料理長に伝えたら張り切っちゃって」
そんなんで張り切ってこんなに大盤振る舞いして良いのか?
つか、大丈夫かこの病院。
「ここ、独自の畑を持ってるんですよ。だから、食材は余っててたまに近所に配ってるぐらいなんですよ。
そして、ここの料理長は昔、いっぱしのレストレンのシェフだったんです」
「へえ、確かに今日のお昼に食べた料理はとても美味しかったです」
いや、桐乃、そこは同意するところじゃなくて何このご都合主義と突っ込む所じゃね?!
しかも割とどうでもいいご都合主義だな……。
何はともあれ、夕飯に困りそうには無さそうだ。
「因みにまだまだありますから」
「いやいやもう要らねえからっ!? あんたらにとっての若者はどんだけ食うことを想定してんだよっ!」
別の意味で、夕食には困りそうだった。
//
すっかり膨れたお腹を擦りながら、椅子に浅く腰を掛ける。
「ふふ、すっかり平らげて貰えたようですね」
食べ終わった食器を片付けながら、看護士さんが笑う。
……人間、頑張れば出来る事って意外に多いものだ。
明らかに食い切れそうにないご飯を平らげる事も、出来たりする。
正直、ちょっと気持ち悪いが。
「そういえば、看護士さん」
さっきから少し気になっていた事を聞いてみる事にする。
「なんですか?」
「他に若い入院患者が居ないって言ってましたけど、隣に居ますよね?」
若い少女。改めて考えてみるが、あれは大体妹と同じ年頃じゃないだろうか。
まあ、確かに沢山食いそうにはなかったけど、若い患者ではあるだろう。
「…………え?」
しかし俺がそう言った瞬間、看護士さんの顔が引きつった。
何だか嫌な予感がする。
「……そうですか。あなたには、見えるんですね」
え、え、え、ありがちだけど、まさかこれって。
「ゆ、幽霊とかそういう話ですか?」
「ちょ、あんた、何を話し始めてるワケ!?」
俺が話したくて話してる訳じゃねえよ!
「……そうですね。あなたには、見えた」
俺の質問に対しての回答なのか、或いは確認なのか看護士さんは何度か頷いてみせた。
「俺、霊感とか、そういうのないんですが」
多分。だって今まで見えた事無いし。
「あの子は、霊感とかそういうので見えるって訳じゃないんです。
……そうですね。あの子が見せたいと思った人にだけ、見えるといいますか。
条件があるんですよ」
……条件?
ふと桐乃を見る。……耳を防いで目を閉じてやがる。
こいつ、こういうホラー、本当嫌いなのな。
「そう、あの子はですね、妹だったんです」
「マジで!?」
おまえ、耳を塞いでたんじゃねえのかよっ!
読唇術か!?
妹という単語にイキナリ反応をしてみせた桐乃に、若干看護士さんは引いている様子だったが、それでも話を続けた。
「ええ。本当に仲の良いお兄さんが居まして。元々病弱だったその子は、それでもお兄さんが見舞いに来ると目一杯にはしゃいでみせて。
それはそれは、可愛らしい笑顔で。とても見てて微笑ましい光景でした」
桐乃は黙って看護士さんの話に耳を傾けている。
俺は俺で、他所の話をこうして勝手に聞いていいものかなんて考えてたりしたが、話の内容が気にならなくもないので黙って聞くことにする。
そもそも看護士さんの守秘義務ってのは大丈夫なのだろうか。
「そして、ある日。お兄さんが……事故で亡くなってしまいました」
「な、なんで」
「……妹さんを見舞いに来る途中で、妹さんが欲しがっていた本を抱えて、車に轢かれてしまったそうです。
当時の話で聞く限り、本が坂道を転がってきて、それを追うような形で人が車の前に飛び出したという事でした」
「…………」
桐乃が、俯く。
俺は、続きを促した。
「それで、妹さんは」
「それから徐々に容態を悪くして……。ある日、病院を抜けだして……」
当時の事を思い出しているのか、苦渋の表情を浮かべている看護士さん。
そこにあるのは後悔なのだろう。
「……お兄さんが事故にあった現場の直ぐ近くで、力尽きて倒れている妹さんが発見されました」
…………。
俺も桐乃も、ただ黙っている。
「それから、数日後。病院で幾つかの目撃情報が語られました。黒髪の女の子を見た、と。
あの妹を見たという申告が出てきたのです。
そして、それを申告してきたのは、どの人物も……」
何となく、答えが分かった。
「兄、だったという事ですね」
「……はい。といっても、全てのお兄さんが見えてた訳じゃなく、なんて言いますか。
とても仲のいい兄妹の兄だけが、見えてたみたいですね」
仲の良い兄妹。
果たして、俺達はそんなに仲の良い兄妹だろうか。
少なくともその女の子には俺たちが仲の良い兄妹に見えたのだろうか。
いや、そもそも初めに見た時、俺はまだ妹に会ってなかった。
仲が良いかなんて……ああ、そうか。
妹の為に、こんな荷物を持って必死にやってきたその姿が……被ったのかも知れない。
「……黒髪の、女の子」
桐乃が繰り返す様に呟く。
何故か少し青ざめているようだ。
「どうした、桐乃。……怖いのか?」
そんな怖い話にも思えなかったが、怖がりな桐乃にとっては怖い話だったのかも知れない。
「な、何でもない」
しかし、桐乃は首を振って、それを否定する。
まあ、桐乃だからどちらにしろ肯定をする事はないだろうが。
看護士さんはそんな俺達を見て、優しく微笑むと最後にこういった。
「決して悪い霊って訳じゃないです。だから安心してください。もし、また見かけたら……頭でも撫でてあげてください」
//
幽霊、か。
俺は今回、始めてそれを見た訳だが、高揚感も無ければ恐怖も無い。
確かにあの女の子にそんな悪意は感じられなかった。
始めてあった時、残念がっていたのは本当の兄じゃなく違う兄だったからだろう。
あの子は本当の兄が迎えに来てくれる事を未だに待っているのかもしれない。
「ねえ、あんた、……何考えてんの?」
そんな事を考えていると、桐乃からそう質問を投げかけられた。
「別に。……ただ、な」
「……さっきの話?」
「……まあな」
桐乃の方に視線を向けると、桐乃が何だか複雑そうな表情で俺を見ていた。
「その子……。お兄さんが本当に好きだったんだろうね」
「かもな」
「だから、……今も待ってるんだ」
どうやら、桐乃も同じような結論に達したらしい。
そう、今も待っている。
お兄さんが、迎えに来てくれる事を。
「ねえ、あんた」
そして、桐乃が言う。
「まさかと思うけど……」
「……そのまさかだ」
呆れたように、言う。
「ホント……お人好しの馬鹿よね、あんた」
「ほっとけ」
そう、俺はお節介を焼こうとしている。
その幽霊の女の子に。
だって、悲しいじゃねえか。
妹が兄を待ち続けてるだけなんて。
兄だって、そんな事を望んじゃいねえ筈なんだ。
俺は干していた自分の服を掴むと、桐乃へと振り向いてこう言った。
「んじゃ、ちょっと行ってくるわ」
「…………」
対して、桐乃の返事は無かった。呆れてるんだろうか。
「あ、あんたは……」
「あん?」
「絶対に戻ってきてよね」
何を今更。
軽く笑ってみせて、俺はそのまま病室を後にする。
隣の病室に目をやってみるが、そこに姿は見えない。
今は、まだ。
//
夜。
街灯が幾つかあるとは言え、道は暗かった。
そう、俺は今、外を歩いている。
特にこれといってアテがある訳じゃなかった。
暫く歩いて、何も見つからなかったら帰ろうと思っていた。
ただ、なんというか兄の直感がこの先に何かがあると告げていた。
今日、登ってきた道。
妹の事で頭が一杯だった上り道。
そこを今下っている。
看護士さんの話じゃあ、兄は妹を見舞いに行く途中に事故ったって話だ。
住んでた場所によるが、恐らくは街の方から登ってきた筈だ。
妹が欲しがっていた本を買ってきたのだから。
道は決して複雑じゃない。
となれば、ここを下っている途中に、その問題の現場は見つかるだろう。
そして、俺は見つけた。
街灯の下、置かれた花束。
タイヤのブレーキ痕。
そして――
//
京介が病室を出ていった。
全く、本当にお節介なんだから。
相手が幽霊であっても何とかしてやろうなんて馬鹿じゃんと思う。
さて。それじゃ、あたしも動かないとね。
恐らく京介は事故現場を見に行こうとしているんだろう。
そこに兄が何かを残してないかと考えたりしてるんだろう。
本当……お人好し。
ただ、その為に妹を一人にしていくってのはどうかと思うけどね。
あたしは、ベッドから足を下ろしてスリッパを履くと、そのまま病室を後にする。
向かうは隣の部屋だ。
あたしは、確認しなくちゃいけない事がある。
//
一人の男が立っていた。
自分の事を棚にあげていうが、こんな真っ暗の中、街灯の下にただぽつんと立っていると不審人物もいいところだ。
ただ、顔は非常に穏やかで、優しい表情を浮かべていた。
好青年という印象だ。
歳は俺より少し年上という感じか。
「……よう」
俺はそいつに声を掛ける。
そいつは、黙って俺の方を見た。
人違いだったらどうしようとも思ったが、俺はそのまま、言葉を続ける。
「妹の為だってなら、手を貸すぜ」
だが俺は殆ど確信していた。こいつが、あの黒髪の女の子の兄だって。
だって、よく顔が似ている。
若いのに、大人びた雰囲気。
『……違うよ』
その男はそう声を出した。
つか声、出せるんだ。
考えてみれば、黒髪の女の子とも俺、話してたもんな。
「違う? 何がだ?」
『僕は、忠告に来たんだ。君にね』
……忠告?
『今の僕には妹を助ける事が出来ない』
「な、なんだよそりゃ」
妹思いのいいお兄ちゃんだったんじゃないのかよ。
『僕はここから動く事が出来ないんだ』
「……どうしてもか?」
『どうしても、さ』
その声色には苦渋が込められていた。
『けどね、まだ諦めてない。だから僕はこれからも足掻き続ける』
しかし強い決意が感じられた。
「……そうか。それで、俺が何か手伝える事は?」
『無いよ』
ねえのかよ。
『少なくとも、僕が妹の事は何とかする。君だってそうだろう?』
「…………」
まあ、そうだ。妹の事は、兄が何とかする。
それが俺の信義でもある。
だから、助けはいらないというのか。
『そして今も妹の為に何とかしようとして君と話している』
「……なんだ、結局助けが欲しいんじゃねえのか」
『違う。いいかい、君はもう妹に会うな』
……嫉妬?
『違う。妹は……君に目をつけている。いいか、妹は長い孤独から錯乱している』
「幽霊でも錯乱すんのか?」
『するんじゃないかな。現にしている訳だし』
そうだったのか。
「それで?」
『……妹は、君を兄として捕えようとしている』
……なんだそりゃ。
何か黒猫と話してるみたいな気分になってきたな。
『君の妹が、今、俺の妹と接触してる』
「……どういう事だ」
『くく。いきなり目の色を変えたね』
「茶化してんじゃねえ、念仏唱えんぞ」
『ははっ。いいかい、君の妹はね――』
//
「……やっぱ、あんただったワケ」
306号室。
あたしの部屋の隣。
あの馬鹿が間違えて入った部屋。
今、そこの部屋の主とあたしは対峙していた。
『それについては謝罪するわ。でも大怪我にはならなかったでしょ』
黒髪の女の子。
あたしと同じぐらいの歳に見える。
綺麗な黒髪、色白の肌。まるで何処かの邪気眼女を思い出す。
顔を見ると、それが違う事が分かるんだケド。
あたしは、この女を見ている。
そう、それはあたしが合宿中に道を歩いていた時の事。
あたしの視界の前に突然現れて、そして、そのまま車が走ってきている道に飛び出した。
咄嗟の事によく分からないながらも、助けなきゃと思って、あたしはその女を突き飛ばそうとして。
……今、こうして病院に居るってワケ。
「……目的は、あいつなんでしょ」
『見かけによらず、頭は良いようね』
言っておくけど、あたし県内トップクラスだからね。
「なんで、あいつなワケ?」
『だって良いお兄さんじゃない』
……どいつもこいつも。あいつの事をいいお兄さんだって言う。
あいつのどこがそんなにいい兄貴なワケ?
あんな、死んだ目で冴えない顔したような地味顔の奴なんて、幾らでも居るっしょ。
……まあ、確かに?
たまーにやる気を出した時とか、真剣な表情をしてる時とかはさ、ちょっと、カッコイイかも、とは思うケド。
それにそういう時に出す声が、とても真剣で優しくて……。
時々、凄い優しい表情であたしの頭を撫でてくれて……。
馬鹿で泣き虫で、ヘタレで、変態の癖に兄でいようとして、でもでも、それでも……凄い優しい表情を浮かべてくれる人。
でも、それはあたしだけが知っていればいい事。
「あたしはね、あたし以外の口からあいつの褒め言葉を聞くとムカムカすんだよね」
『……歪んだ愛情ね』
何処と無く呆れた様な表情を浮かべられた。
「うっさい。大体、あんた、あいつの何を知っているワケ? どう考えても殆ど知らないっしょ」
『……あの人が、優しいことを知っているわ』
う……。確かにそれは重要な部分だ。
「で、でもヘタレだし」
『最終的に貴女を傷つける結果になる事を恐れてるだけでしょ』
「え、そ、そうなの?」
『……貴女の方が、あの人の事、何も分かってないんじゃなくて?』
むぐぐ。く、悔しい。
つか口調があの電波女と似てない? 何か凄いムカツクんですけど。
まさかあの糞猫の生霊じゃないよね? そうだったら殴るんですけど。
『私の方が、あの人のことを分かってあげられる。貴女と違って』
「う、うるさい! だ、大体、あんたにはお兄さんが居るんでしょ!?」
『居るわ。けど、それが何?』
「だったら、べ、別にあいつは要らなくない?」
黒髪の女は、真っ直ぐな笑顔で答えた。
『居るわ。だって、兄と違ってずっと一緒に居られるでしょう?』
…………。
「な、なにそれ。兄とだって、ずっと一緒に居られるじゃん」
『居られないわ』
「なんで!?」
『理由が必要?』
ギリ、歯を噛み締める。
言われなくても、……分かってる。
ケド、こうやって指摘されるのは凄いムカツク。
だって、だって、それはあたしらの問題で、あんたらには関係ない。
いいじゃん、夢を見たって!
これだけ色んな成果を出したじゃん、だから一つぐらい許してよ。
想像でも、それが嘘の関係であっても。
まるで恋人みたくなりたいと願ったって良いじゃん……っ!
恋人になりたいなんて……思わないから、せめて。
まるで恋人の様な兄妹になりたいと願ったって……良いじゃん。
『……私もね、兄と結ばれたいと願ったわ』
「え……」
『けどね、それが双方の関係にとって果たしていいことなのかしら?』
「…………」
…………っさい。
『自分の事だけじゃなく、相手の事も考えた時に』
「うっさい!!!!」
あたしの怒鳴り声に、黒髪の女の子が怯んだように目を見開く。
「そんなん知ってるって言ってんでしょ!
でも、そんなんで割り切れないから困ってんでしょっ!?
大体ねえ、そんなの知ったこっちゃないのよ、相手の気持ち、そんなのわかんないっ!
あいつが何を考えてるかなんて、全く分かんないっての!
だって、あいつ、シスコンだとか、妹が大好きだとか言ってる癖に、たったの一度も……!
たったの一度も、あたしを好きだなんて言ってくれてない!
じゃあ、何、あたしが妹じゃなくなったら、なんなの!?
あたしは、あいつにとって何になるの!?
妹だから傍においてくれるワケ!?
妹だからあんなに優しく髪を撫でてくれるワケ!?」
ここ数日、抱えていたもやもや。
京介が、あたしを海外まで迎えに来てからずっと続いているもやもや。
あいつにとって、あたしは何なのか。
それがずっとずっと分からない。
「もしそうなら、そうだっていうなら…………ッ!
ふざけんなって思うっ!
嬉しいけど、悲しいのっ!
だって、だってそれじゃ、それじゃあ、あたしのこの気持ちは……ッ!
気持ちはッ……!!」
ボロボロと涙が出て止まらない。
悲しい、凄く悲しい。
自分で言ってて気付いてる。
あいつが、なんであたしに優しくしてくれるのか。
そのわけを。
それを認めたくなくて。
それが認められなくて。
あたしは今回の入院をチャンスだって思った。
これが、唯一無二のチャンス。
現状を、あたしが望む方法に変えられる絶好のチャンス。
だから、だから。
「……あんたなんかに絶対渡さない」
ガチャ、扉が開かれる。
「桐乃……ッ! 無事か!」
「…………!」
そこに息を切らした人物が、入ってきた。
言うまでもない、あたしの兄貴。
全身を汗だくにして。
風呂に入ったばかりだというのに……。
「馬鹿じゃん、無事だっての」
//
「馬鹿じゃん、無事だっての」
桐乃は、そういってケラと笑って見せる。
しかし、その表情に反して、桐乃の頬には幾つもの涙が流れていた。
「…………」
そして、その桐乃と対峙している黒髪の女の子を見やる。
その女の子は既に桐乃を見ていなかった。俺を真っ直ぐと見ている。
『待っていたわ、お兄さん』
「……ああ、俺も会いたかったぜ」
その視線に対して、真っ直ぐと睨み返してやる。
こいつの兄貴と話して知った、こいつの目的。
俺を兄として捕えようとしている……いや、俺を兄の器に仕立てあげようとしている。
未だにどういう意味なのかは良く分からないが、分かる事は一つ。
こいつは兄と会いたいのだ。
そして俺に対してなんちゃらして、あの場所に捉えられている兄を移して?
なんだっけか、依代? 媒介?
正直、良く分からない。
黒猫ならあっさりと「ふっ、そういう事ね」とか言いそうな感じだが生憎としてあいつは今ここに居ない。
ただ重要な一点。
こいつが兄に会いたいという事だけは分かった。
だからよく分からないなりに、協力するって言ったんだが。
――君にも妹が居るんだろう。なら、それは出来ない。君の妹が悲しむだろうから。
と彼は言っていた。
……あいつが悲しむのであれば、残念ながらそれは出来ない。
俺の人助けは、あくまで妹が悲しまない範囲内で、と制約が決まっているからな。
だから、俺は俺なりに、妹が悲しまない方法で最良を果たすだけだ。
『こうやって、私に会いに来てくれたって事は』
「うおおおおおおおおおおおッ!!」
『きゃ、なに!?』
相手が幽霊というのは始めてだが、何事もやってみないと分からない。
人間、意外と出来る事は多いものだ。
俺は、その女の子の身体をがしりと、掴んだ。
「え?」
桐乃がぽかんとした声を上げる。
……ああ、あとで桐乃に怒られるんだろうな、俺。
まあ、悲しまれるぐらいなら、怒られる方がいい。
『え、え、え?』
そして、俺はその小さな身体を、強引に抱きしめた。
「え、えええええっ!? ちょ、あんた、な、ななな、何してるワケ!?」
『〜ッ!? ! ? ?? !!』
じたばたともがく身体を強引に抑えこみ、そして片腕で女の子の両腕を塞ぐ形を取ると、そのまま、残った手で。
『な、なにをするつもり……ぁ』
くしゃ。
頭を、撫でてやった。
「……悪い、俺はおまえの兄貴にはなれねえ」
『………………』
優しく、兄が妹にするように、髪を撫でてやる。
「けどな、兄貴だったら、妹にこうしてやりたい筈なんだ」
『…………ひっく』
そうだろ、あの兄貴もまた、ずっとこうしてやる為だけに、足掻き続けているんだ。
その幽霊の制約なんかで、よく分からない地面に縛り付けれれて尚、成仏せずに。
「だからな、約束する。あんたの兄貴は、必ずここに辿り着く」
『ぐず……ほ、ホント?』
先ほどまでの大人びた雰囲気がなくなり、女の子は歳相応の言葉で俺に聞く。
「ああ。だからな、待っててやってくれ。あんたの兄貴を、信じてやってくれ」
『…………』
「兄ってのは……泣いている妹の為ならどこからだって駆けつけてみせるんだからよ」
現に俺だって、海外まで迎えにいったんだぜ?
もしあれが、魔界だったとしても、きっと俺は迎えにいった筈だ。
だって、妹が泣いているんだぜ?
それ以外に理由が居るか?
『……わかった』
こくんと頷く姿。
途端に、俺の腕が宙を撫でる。
ふぅ、と目の前の姿が消えていく。
「…………あれ?」
もしかして成仏すんの?
あれ、いや、成仏した方がいいだろうけど、あれ、迎えにくんの、待たねえの?
『待つよ、ずっとずっと』
声だけが、そう響いて。
そして、そのまま、完全に気配を消失した。
…………。
「……ふぅ、どうにかなったな」
「…………」
「で、なんでおまえは泣いてんだ?」
「…………ッ!!」
ブォン、という恐ろしい音を放ちながらスリッパが飛んできた。
「うおっ!? あ、あぶねえ! な、何しやがんだ!?」
「うっさい! 馬鹿! 大体、何抱きついてるワケ!? 信じらんないっ!」
「いや、俺もまさか幽霊を抱きしめる事が出来るなんて思わなかった」
一応気合入れてみたんだが、あの気合が大事だったんかな。
「そういう問題じゃないっての! この、こんのっ!」
もう片方のスリッパを武器に、俺に攻撃を開始する桐乃。
よ、予想以上にキレてやがる。
何があったって言うんだ。
「大体、あの女! 結局兄貴が好きなんじゃん! くそ、何、これ、あたし嵌められたって事!?」
「な、なにされたんだ?」
「うるさい! うるさいうるさいうるさい!! あー、もう、なに、これ、ムカツク、ムカツクムカツクッ!!」
「お、落ち着けって。ほら、ここ病院だから、これ以上騒いだら不味いって!」
流石にそろそろ苦情の一つでも飛んできそうだ。
「うううう、もういいっ! あたしは寝るから、あんたはここで一晩過ごしてッ!」
「げ、マジかよ……!?」
「マジだから。ほら、ついて来ないで。あたしはあたしの部屋に戻るの。あんたはここに居るの。もう決まった事だから」
「いやいや、山の中ってさ、何か予想に反して結構寒いんだよね。ここ、暖房点けていいか分かんないしさ」
「そんなのあたし知んないし。じゃ、そういう事だから。付いてきたらノーパン変態野郎って叫ぶから」
そう言って肩を怒らせながら、桐乃は病室を出ていく。
「…………」
あれ、俺は一体どこで選択肢を間違えたんだろうな。
妹と仲良くしようとしてた筈なんだが。
つか、妹の部屋に毛布置いてきちまったし。
ここのベッド使っていいのかも分かんないし。
汗で身体冷えてきたし。
……グズ。あれ、俺もう風邪引いたのかなあ。
――結局。俺はそこで床に体育座りで座り込みながら朝を迎えたのであった。
//
翌朝。
待合室にて、引率の先生に必死に頭を下げられてどうしたものかと思っていると看護士さんたちの話し声が聞こえた。
昨日の夜、どこかでポルターガイストみたいな現象が発生したらしい。
誰も居る筈がない病室で男女が騒ぐ様な音が聞こえたんだとか。
…………。
遠からず間違えてないし、正直に言わなくて大丈夫だよね。
結局、桐乃の検査入院の結果、脳波などに異常は無いとの事。
無事で何より。
引率の先生は、朝一で俺に謝りに来た。
昨日は、既に面会時間が過ぎていた事から会いにこれなかったとか。
……全然気付かなかったな。
何度か電話したらしいが、あいにく電波が無くて掛からなかったし。
ただ先生はそうは判断しなかったらしくて、怒っていると思ってこうして朝早くから来てくれた訳で。
やっぱ、人の文句を言うもんじゃねえな。
悪い先生には思えないし、入院費を全て払うとか言ってたが、俺は断っておいた。
一応、貯金全額下ろしてきたし。入院費はどうにか払いきれそうだったしな。
冷静じゃなかったとはいえ、先生の事を悪く言っちまった負い目もあったので、これでこっそりチャラにしておく。
さて。
今、俺達は病院を後にしている。
たった一日、時間にして24時間にも満たない時間しか俺は居なかったが、色々あった。
結局、何かは変わったんだろうか。
それはまだ分からない。
桐乃は、根に持つ方なので多分、家に帰ったらもう一騒動が起きそうに思う。
でも、まあ、それでいい。
死んだ後も、一緒に居たいと願う兄妹を見て、俺は考えたのだ。
兄妹関係も、親子関係や、そして恋人関係に匹敵する程の重みを持った関係なんだと。
俺より先にがんがんと進んでしまう妹。
身軽なもんだ。
それに対して俺は、桐乃の為に持ってきた荷物。そして、合宿の時の荷物を纏めて持たされて。
ひぃひぃ言いながら、妹の後を付いて行く。
でも今は文句を言うまい。
こうして、足が前に動くだけ、妹の後を追えるだけマシなのだろう。
だから今は、こうして妹の後を追いかけていく。
こういう関係も、俺は決して嫌いじゃないのだから。
つづく。
という訳で、病院編は終了
正直、オリキャラ云々よりも幽霊を出してSF要素を出しちゃった事の方が
こう駄目かなあ、と思っていたりするのが本音
というかオリキャラの定義がよくわからないんだが
例えば看護士とかはオリキャラになっちゃうんかな?
黒髪の女の子はモデルが黒猫で
お兄さんはモデルが御鏡だったりするがこれもオリキャラになるっていうなら
今後は出さないように気をつけようと思う
しかし、結構シビアなんだな……正直すまなかった
SLが何なのか未だによく分かってないが、何かあったんだな
という訳で、次回作でこの作品は終わりを迎える予定ですぜ
ここまで読んでくれてありがとう