不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17

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495淫魔と彼女 第4.5話 (1/2) ◆Z.I6wxAf7R03
ある、月曜日の、昼下がり。

澪は学校を休んで、彰が学校に行った後の、彰の家―須見家にいた。
小さな応接間で、彰の母・詠歌と、膝を突き合わせている。
その事を、彰や遥は知らない。

「ええっと、ですね―」
澪は細い透明な糸を左手に持っていた。
先から数センチのところを指でつまみ、先を自分の左耳に突っ込む。
そのまま、耳の中をこしょこしょとひっかくような仕草をする。

「―これです」
耳から引き抜かれた糸は、指先から、まるで針のようにまっすぐ鋭利に伸びていた。
そしてその先に、数ミリ大の真っ赤な軟体生物が刺さっていた。

「蟲、か」
糸を受け取り、その先に刺さった蟲をしげしげと眺める詠歌。
「はい。耳奥に寄生し、非常に強力な催眠音波を出して、宿主を自由に操ります。
 これ自身は意思を持たず、別にある母体の意思によって遠隔操作されるタイプですね」
「結構、貧相な作りだね」
「ええ。ですので母体が近距離にいないと発動しないと思われます」

ふぅん、と言って詠歌が糸を返すと、澪は再びそれを左耳に突っ込み、蟲を自分の耳に戻した。

「律儀に耳に戻すわけ?」
「奴隷の義務ですから」
「なにそれ」
ケラケラと詠歌は笑う。
496淫魔と彼女 第4.5話 (2/2) ◆Z.I6wxAf7R03 :2012/09/11(火) 22:36:16.39 ID:nt+bbflJ
それで、と、澪は言葉を続ける。
「この蟲を埋められた者は強制的に、遥さんと、魂の所有契約を交わさせられます。
 対する遥さんは…あの様子だと、操られてるか、真の意味を理解してないんでしょう。
 耳の蟲については気づいてもいなさそうです。
 恐らく、『中の蟲(コ)』から宿主への、純粋な好意なんではないでしょうか。
 淫魔としての、ですけど」

はぁ、とため息をつく詠歌。
「なるほど。『中の蟲』ハルカから遥ちゃんへの、プレゼントってわけだ。
 誰かを誘惑して精を取る、なんてできない遥ちゃんが、いつでもありつける「食料」ってことだね。
 ありがた迷惑な話だなぁ。
 じゃあ、遥ちゃんがその気にならない限り、大きな問題にはならないってことか」
「そうですね。ただ今後、遥さんが変質した場合は、どうなるかわかりません」
「…そうだね」
しばしの、沈黙。

「…だから、自ら、奴隷になっちゃったんだ」
「はい、おかげでお尻の穴を差し出すハメに」
「体張ってんねぇ…」
苦笑する詠歌。

「…確かに、澪ちゃんクラスの退魔師の魂をエサにし続けられるんなら、遥ちゃんが飢えることは、しばらくは、ないだろうね。
 生活のために奴隷を増やす必要はなくなるし、誰だっけ、絵理ちゃん?の魂が食いつぶされる心配も、なくなるわけだ」
「はい。それに…
 私なら、他の退魔師を追い払ってあげられますから」
「こらこら、そんなこと言っていいの?」
「社(やしろ)に知られたら、追放どころじゃ、済まないでしょうね。ウフフ」
ニヤニヤしながら訊く詠歌に、いたずらっ子のように笑う澪。

「いやー、本当に変わり者だね、澪ちゃんは」
「それはお互い様ですよ、『先輩』」
今度は互いにクスクス笑う。

ひとしきり笑うと、ふぅ、と詠歌は一息ついて、虚空を見つめる。

「まぁ、遥ちゃんは、ウチのカワイイ嫁候補だからね。立派な淫魔に育ってもらわないと」
「はい。私にとっても、大事な親友ですから。変に道を踏み外してもらっては、困ります」

詠歌が、柔和な表情のまま、澪に向き直る。

「うん。これからも、遥ちゃんを、よろしく。あと、ついでにウチのバカ息子も」
「はい。任せて下さい。先輩」
澪は詠歌に応じて、ニッコリと微笑んだ。

「それにしても―」
詠歌は窓の外を見上げ、つぶやく。

「いい友だちに囲まれて、良かったね。遥ちゃん」
497395 ◆Z.I6wxAf7R03 :2012/09/11(火) 22:43:24.23 ID:nt+bbflJ
以上です。
第4話はオチ(+第4.5話)まで読まないと、澪の堕ちた過程がわかりにくいかもです。
更に、裏設定やら書ききれてない細かい設定やらてんこ盛りだったので、どこまで伝えられたか
不安ではあります。どうでしょう。

なお、第4.5話をもって、この話は第一部完、です。
続きを書くかどうかは今のところ全然わからないので、この先の展開を簡単にあ
とがきっぽく書いておきます。

澪が奴隷になった事により、遥の「食生活」は一気に改善しました。

実は退魔師としての澪は、ダメダメ淫魔の遥よりずっと格上の存在で、現時点で
はハルカよりも強いです。
そんな澪が、霊力たっぷりの精を日々捧げてくれることになり、遥は彼女とエッ
チをしてさえいれば、使い魔としてのお勤めを十二分に果たせるようになります。

それは裏を返すと、澪とのエッチが遥にとって欠かせない「日常食」になるとい
うことで、そこには当然、絵理がセットでついてくるので、遥の性生活は、当面、
親友であり、奴隷でもある2人がメインのパートナーとなります。

こうして、淫魔、人間、退魔師の3人の女の子が、たまにハルカさんの乱入で弄
ばれつつ、来る日も来る日も、それぞれの体に(澪はちょっと変則ですが)寄生
した触手を使ってイチャコラする生活がスタートします。
(ここでの「淫魔」「人間」の区別は >>494 に書いた通りです)

そして遥は、たまに彰にラブラブな精を捧げ、そしてたまに、ハルカも絡んで他
人を巻き込んで何かやらかし、彰を困らせる、という高校生活を送るんだろうと
思います。

その中で、遥はハルカに指導され、ハルカとちょっとずつ融合し、淫魔として、
成長していきます。


ということで、以上です。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。