パワポケでエロパロ24

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1名無しさん@ピンキー
ようこそ、「パワポケでエロパロ」スレへ。
当スレッドは野球バラエティゲーム『パワプロクンポケット』シリーズのエロパロスレです。
SS(エロあり・なし)、小ネタ、妄想などを投稿したり、投稿されているのを見て楽しみましょう。

前スレ
パワポケでエロパロ22(23スレ目)
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1314626290/

SS保管庫wiki
http://pawapokeeroparo.wiki.fc2.com/
避難所
http://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/bbs/3390/l50
議論スレッド
http://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/bbs/3389/l50

1.「sage進行」
・sageの方法はE-mailの欄に[sage]と入力
・テンプレを見ているかどうかを見分けるための意味合いが強いです。
2.「人を選ぶ内容の作品は投稿前に注意を呼びかける」
・特にNTR、レイプ、リョナなどは先にレスしといた方が無難です。
・苦手な人は、注意が出ていたら読み飛ばすか、専ブラならNGすること。
3.「煽り・荒らしはスルー」
4.「無自覚な荒らしにならないこと」
・1〜3を守れていても、「他人の作品を"過剰に"貶して空気を悪くする」等、
 マナーがあまりにもない場合、無自覚だろうと煽り・荒らしだと判断されます。注意しましょう。

2名無しさん@ピンキー:2011/12/15(木) 00:22:50.45 ID:m6rCN1mQ
FAQ
・作品を投稿したいんですが
ちゃんと書き終わりましたか? 未完成ではありませんか?
よし、なら投稿しましょう。

・○○ネタなんだけど、需要あるかな?/書いていいかな?
まずは投稿しましょう。スレ違いでない限り、大抵は需要があります。
なくてもスルーされるだけです、気にしないでまた投稿してください。

・台本形式ってダメなの?
台本形式でも良い作品はあります。結局はキャラ崩壊していないか、扱うネタはどうか、そして『面白いか』です。

・エロなしSSってダメ? 雑談ってダメ?
エロなしSSはローカルルール的にはグレーです。禁止されてはいませんが……ケースバイケースでしょう。
雑談は「萌え談義」「エロ妄想」などはローカルルール的に問題なしです。ただしやりすぎるとウンザリされます。

・wikiって何なの?
有志の管理人が、このスレッドに投稿された作品をまとめてくれています。
一部のページ以外は誰でも自由に編集することが可能ですので、手伝ってあげると喜ぶかもしれません。

・あの、俺の作品がwikiにまとめられてないんですけど……
基本的にwikiの管理人が一人でまとめる、という風潮があるので、どうしても遅れてしまうらしいです。
一刻も待てない、という人は自分でwikiを編集すると良いでしょう。

・遅れてしまうって割には、俺の後から投稿された作品もまとめられているけど?
もしかすると、管理人や他の編集者が載せ忘れているかもしれません。
報告してあげましょう>(ttp://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/d/%a5%b3%a5%e1%a5%f3%a5%c8%a4%cf%a4%b3%a4%b3%a4%c7)
wikiを編集できない事情があり、ここに書き込む場合は、その旨を書いておくと荒れにくいかもしれません。

・報告しても載せられないんだけど? というかスルーされました
もしかしたら「テンプレを守れていない」などの理由により、荒らしと見なされたのかもしれません。
自分のレスを見返し、ageていないか、マナーのない行動はしていないか……
つまり「荒らし扱いされるようなことをしていないか」を確認しましょう。
書き込んだ時には何も問題ないと思っていても、冷静になればかなりイタイことをしてしまっていた、なんて良くある話です。
3名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 03:00:46.80 ID:XfnO9uuD
1乙
4名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 21:32:20.89 ID:5oivU4HM
>>1

14裏の桜華と14裏主とのイチャラブに期待。
5名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 21:41:13.72 ID:VO9QXiJh
>>1
巫女コス漣ちゃんは正義
6名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 22:54:21.73 ID:L53BvxBj
うたのんには敵わない
7名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 03:30:42.66 ID:+gWNCwXD
ブラックホールズ強過ぎ泣いた
守備がどんなに頑張っても抑えきれない
8名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 12:57:01.23 ID:ToNNVndP
フィンチーズは守備に関して外野はモブ仲間の能力がそこそこ高いから大丈夫なんだけど
内野は仲間の能力が低くくてとれる球もとれないことがあるから困る
東郷君のエラーで何度ヒットを打たれたことか…
だから、守備を何とかしたいなら遊撃のグシと二塁のタケルは仲間にしておいた方がいい
あと、井石も強化方法が簡単だから踏襲の場合はでるだけ強化しておく楽だ
打撃は魔打法のお陰で楽になってるから守備さえ補えばまず負けることはないぞ


どうでもいいが、勝手にパワーアップするモブの木村君は何者なんだ…
9さすらいのエロパロ作者が書くただのパロディ:2011/12/17(土) 16:25:20.73 ID:sdZPzzrf
一応載せます。場違いでしたらすみません。あと以下の注意をよく読んでも読むといえる海より心の深いひとは読んでください。
・非エロ
・鬱注意
・文法おかしいところあり
・続き書くかは反応次第
・この作品はさらBAD ENDから1年後を描いた作品
・実名球団あり(つまりパクリ) etc


「桜散る空に」

「ピーンポーン」
「はい。」
門の横につけられたカメラ付きインターホンから声がする
「小波です。中に入れてもらえますか?」
「小波様ですね。お待ちしておりました。どうぞお入りください。」
すんなりと入れた。やはり昨日連絡しておいてよかったと思いながら門をくぐる。
「そういえば一年ぶりだな…この門をくぐるのは…」
そうつぶやくと、俺は空を見上げていた。



親切高校は昨年の成績から転落、地方大会一回戦負けという結果に終わった。その原因はドラフトで一位指名確実といわれたキャプテンの連続失投にあるという。
しかし昨年の甲子園での成績が評価され、プロ野球球団全12球団中5球団が一位指名をした。その後、抽選で交渉権を獲得したのは数年連続最下位の弱小球団、「横浜ベイスターズ」であった。
「やったー!!でやんすー!キャプテンが指名されたでやんすー!」
「皆でキャプテンを胴上げだ!」
わ〜っしょい!わ〜っしょい!
自分の体が宙に舞う。普通の高校野球球児なら自分が指名されて喜ぶはずだが、おれは何も感じなかった。

「バイバイッ!」
ダッ………

俺はあの出来事から、笑うことも、泣くことも忘れてしまった。
10名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 18:00:09.52 ID:zxgv2REA
>>9
別に投下しても大丈夫だけども
投下するときにはsageて、>>1-2のここのテンプレを読んでから頼む
11名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 18:56:08.60 ID:ku6XJBKj
イタイ子が来ちゃったな…
12名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 19:21:48.03 ID:rai7RptU
>>8
パワポケで木村でキャッチャーと言えば…後は分かるな?
13名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 19:50:21.35 ID:qyKGzZhr
五十鈴・漣・桜華・若葉が出るのに
唯一はぶられた瑠璃花・・・
14名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 20:09:28.31 ID:/ZweBVe4
>>13
瑠璃ちゃんはほら、ダッ主とイチャイチャしてたから出れなかったんだろう
15名無しさん@ピンキー:2011/12/17(土) 23:42:42.30 ID:6k8z7+p/
・・・なんでつぐみ死んでしまうん?
16名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 01:11:10.48 ID:nPzKLexL
…なんで白瀬8主に看取られないん?
17名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 01:26:59.70 ID:iC2jIzSN
>>16
アルバムで白瀬が向かった場所に8主がいたら素敵だと思うね
18名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 07:18:01.64 ID:74zVHraG
今回懐かしい人達出まくりだったなぁ
14から入る人にはさっぱりだろうけど

ところできりちゃん何か可愛くなった?もしかしてやせt
19名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 08:45:21.75 ID:ZC379Elh
>>8
ただの別人
冴花の腹違いの弟
ミスターKの生まれ変わり
好きなの選べってことだろ
20名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 19:01:01.26 ID:D2+ssXSV
>>18
キリちゃんは監督がキャプテンブラックとインパクト強いキャラだったのがなぁ…
21名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 19:02:16.13 ID:iC2jIzSN
>>6
そういえば、今回裏格好の舞台なのに詩乃出なかったな

キリちゃんのDSグラがスラッとしてて驚いたw
イベントも可愛いなあ、今作どのサクセスでもいけるじゃん
22名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 00:33:06.87 ID:40iOTkZN
KONAMI・俺っ子・馬鹿までの要素が被ってるアンナのせいでハンナが巨乳だと思えてしまう。
23名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 19:13:33.10 ID:o4X2mAIF
>>22
夏海と違って女の子って14主がすぐわかったから、実は歳の割りに乳ましいのかもな
巨乳俺っ娘はたまらんよ

そろそろ准の誕生日も近い

24名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 20:56:14.92 ID:Ovw3PFFW
成程、あの顔見たら普通は女の子だってすぐに分からんもんね。
ヒカルは女だって分からなかったから、少なくともヒカル>ハンナと。
…ヒカルもそうだけど、もっと可愛くしてやれよKONAMI…

准の誕生日プレゼントは風来坊さん一日所有権でオナシャス。
25名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 21:08:01.63 ID:0ixiqclm
さやかちゃん攻略してて久々に書きたくなったがエンディングまで辿り着けない・・・このままじゃロリショタエロになっちゃうぉ
26名無しさん@ピンキー:2011/12/19(月) 21:28:06.60 ID:8C9s5uQr
>>24
成長するにつれて、より女らしくなっていってドキッてするのがいいんじゃないかな、青春だぜ
というか二人とも十分可愛いと思うのは俺だけかな?バレンタインのヒカルとか特に可愛い

あと乳はハンナ>ヒカルだと思うぜ、ヒカルはイベントでも「着替えでも、堂々としてればそうそう女だとれない」らしいし
まあ成長期だから、これから成長するかもしれないけど
27名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 07:36:55.15 ID:/+Fv0qpu
姫子やハナも忘れないでやってくんろ
28名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 10:36:32.30 ID:a3ae67BN
正直14の彼女候補はどう見ても女に見えないヒカルにハンナ、内容薄すぎる准、
もはやいる意味すら分からないハナと不作過ぎたな。
ほぼさやかと姫子二択とか本当にどうしてこうなった。
29名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 13:06:21.74 ID:1hbsvV3X
忘れ去られた響子

14の彼女は後日談向きだろうし外見はそこまで気にはならないけどなあ
妄想のしがいがあるというか、中身は結構乙女だし

ハナはまあ、エロパロとして難しいなあ
つぐみ生存ルート(ハナBAD)の方が書けるかも
30名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 15:55:38.34 ID:A7HUw6KM
>>22
赤毛と爆弾も同じだな。
31名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 18:37:58.48 ID:BJoJs0W9
>>28
完結編だから初出キャラの描写が薄くなって過去キャラ中心の話になるのはある程度しかたない気がする。
完結編でもないのにそうなった11なんかは論外だが…
32名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 18:49:24.74 ID:OOEUUVZ/
14出て20日なのに未だに作品が1つも投下されていないとは
…まぁロリだから書きづらくはあるだろうけど
33名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 20:03:19.05 ID:ST5vNn2f
たぶん問題はあんまりいちゃいちゃしてないことが問題なんだと思う
友達の延長上というか、小学生だから仕方ないってのはあるかも知んないけどね
姫子とさやかは十分いちゃいちゃしてるといえるけど
あと10主が結構話題をかっさらっていったのもあるかも

やっぱりダッシュみたいに後日談で中学生以降の話を書くのがやりやすいかな?
思春期だし性の目覚めというか、瑠璃花とかそういう後日談のSSが多い気がする
34名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 20:25:31.24 ID:VDxa7CCF
書き手もやりこんでるんじゃないの?
書こうと思う程パワポケが好きなんだし。

札侍の設定はエロに生かせると思う。
35名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 21:40:49.28 ID:/+Fv0qpu
ようこ先生、今回出てないのかなぁ
36名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 21:41:29.80 ID:yTN+agsY
結構自由に戻したり札にしたりできるみたいだしな
これは使える
37名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 23:57:20.38 ID:1hbsvV3X
ヒロインの数も歴代随一だしな
38名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 08:23:12.00 ID:CPJuV+9u
>>33
ダッシュの正史彼女は瑠璃花とか言われてるけど友達になっただけだよな。
成長したダッシュ主がほかの女の子に乗り換える可能性もある。
モモコとさくらとわんこは無理だろうけど。
39名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 10:03:24.41 ID:Im2gjkHw
>>33
ダッシュ彼女は小学生時から可愛いから後日談系も違和感なく想像できるけど、
14はそういう訳じゃないから誰てめぇになる可能性が高くて難しそう…

個人的には14の彼女関係より10主の爛れた生活や9主の幸せな十年間の方が妄想しやすい。
40名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 12:54:42.10 ID:koOYUUhb
>>39
十分かわいいと思うけどなあ
41名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 16:13:12.75 ID:6MYcxrKn
>>38
後から乗り換えたとか可能性の話を始め出したら
のりか以外の正史彼女なんて考える意味がなくなっちゃうじゃないですか
42名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 18:20:38.84 ID:IElWcJlN
>>39
姫子とさやかと准ディスってんじゃねーよ
少なくとも姫子と准はおねショタな訳だし成長云々は関係ないだろ
やっぱり作中恋愛関係にならないし、イチャイチャ分がほとんどないから文章にするほどたぎるものがないってのが大きいと思う
43名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 19:36:53.96 ID:K51FrQ49
結局はモチベーション、妄想、ネタ次第、浮かぶときには浮かぶもんだよ

さやか・姫子は既にイチャイチャしてるから考えやすいし、阪奈・光はこれからどうイチャイチャさせるか考え甲斐がある
何事もチャレンジ精神が大事、じっくりと考えましょうさ
44名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 23:42:50.80 ID:lLa+pChw
准はレッドの方が妄想できるな
三十路だけど准かわいいよ三十路だけど
45名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 23:52:41.27 ID:Zn3RQOkp
筆下ろしはロマン
46名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 07:43:34.93 ID:ReSaSGo0
>>44
実際准が男やもめになったレッドこと9主と会ったらどうするんだろな。
47名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 17:13:49.61 ID:hi3w1IR7
>>44
三十路だから可愛いとの説も
社長辞めた後の維織さんは風来坊のおっかけ始めたっぽいし准も付いてったりしないかと妄想が止まらん
48名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 18:50:16.65 ID:/CUA3AYy
でも風来坊の心にはもう別の誰かが永住してるかも知れないんだよな…切ない話だ
それでなくてもヒーロー業再開で色恋を避けるかもしれないし、と思ったらヒーロー達リア充ばっかりだった
49名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 19:47:03.16 ID:nj+eUQmU
もうすぐクリスマスか
投下予定してる職人さんとかいるかなぁ
50名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 20:31:30.38 ID:eqB2L+6U
>>48
リア充ヒーロー達に気を使ってクリスマスで一人パトロールするレッド想像したら悲しくなった。
ところで真央ちゃん8月から喧嘩判明してクリスマス時もまだ仲直りしていないっぽいけど
7主は一体何をしでかしたんだろうか。

>>49
マゼンタ「メぇぇぇ〜〜〜リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!
ひゃぁーーはっはっはっはっはぁーーーっ」
51名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 21:47:54.52 ID:1tvFq8c7
>>50
お好きなのをどうぞ
・ヒーロー業関連
・真央のヒーロー業の影響で7主が野球関連で我慢していた事
・7主がかまってくれなかった
・7主がちょっといじめすぎた(性的な意味で)
・クリスマスに高校の先輩と後輩(東と春香)と出かけてしまった
・週刊誌に・・・(←10主複数人としてカズの愚痴の理由にも使えそう)

8月と12月で別のケンカなのかもしれない
52名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 22:08:59.47 ID:/r0TpfEA
>>48>>50を見てこんなのを思いついた。
クリスマス当日 新婚ほやほやの11主邸

11主「…………
朱里「…………

カズ「…………
ナオ「…………
サラ「…………

朱里「で、何でアンタはここにいるのかしら? 新婚ほやほやの夫婦の邪魔しないでくれない?
カズ「一人でさびしゅうて。(´・ω・`)
朱里「……あの馬鹿とヨリ戻したんなら、そっち行きなさいよ。
カズ「……クリスマスは娘さん優先で会えへん……不倫の辛い所やね(´・ω・`)
ナオ「クリスマスに父親が不倫はトラウマ物ですから、流石のナオっちも自重するのです。
サラ「……さやかちゃんは私達の将来の義娘になるかもしれませんしね……
朱里「わかったからとっとと帰れこの愛人s。

――あの世――
しあ〜ん「夜に夢枕に立って、背景を高校時代に変えれば……イケる!!

53名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:00:14.71 ID:PEygb2w9
11主の場合、シズヤを普通に嫁にしてる可能性もあるしなあw
54名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:03:19.77 ID:Vz6EwBHB
さすがにそれはシズヤが好きで現実逃避してるとしか・・・
逃避するぐらいならエロパロ書こうぜ
55名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:14:19.53 ID:RFrugKTb
正史は投げ捨てるもの

エプロンシズヤ・巫女レンの破壊力がパねえっす
桜華も裏の格好を着せてみたくなる
56名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:17:11.34 ID:dyqZ5r5f
シズヤは公式で別個体言われちゃってるから正史ではないと思う
でもパラレルとしては全彼女に可能性があるわけで…

華音は抜きで
57名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:33:00.16 ID:4yHngU7k
考察wiki見てるとシズヤルートも普通にありえそうだし逃避というのはそれこそいいすぎな気がするぜ
ま、正史なんて各人が勝手に思ってりゃいいんだし無理に否定することはないさ
58名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:42:55.60 ID:/fgiueur
割と本気で11主は誰ともくっついてないんじゃないかと思ってるな、俺
でも朱里が記憶失ってたりシズヤが11をベースにして主婦やってる姿を見る限り、
この2人とはかなりのところまで進んでいたんじゃないかなあと考えている
つまり何を言いたいかというと3Pって素敵だよねということだ
59名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:44:33.26 ID:Vz6EwBHB
考察wikiでも主婦シズヤなんて妄想はよそでやれとか書かれてるじゃないですかー
正史を好きに思えばいいのは同意だが、ぐだるだけじゃ逃避だとしか言えん
60名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:49:36.74 ID:ReSaSGo0
>>48
男やもめ9主が准や維織に対しどういう風に会話するのか妄想のし甲斐があるよね。

>>58
ONZMとKNDRと11SYUの3Pか…
61名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:49:49.40 ID:1tvFq8c7
おまいらその妄想をSSで書いてくれ

皆一人一人の正史があって良いじゃないか
ここはエロパロだ、なんでもアリなんだぜ
62名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:50:50.39 ID:S9CNhz+5
好きに思えばいいというだけのことをいちいち逃避という言葉使ってディスってるように見えるから反発されるんじゃね
ぶっちゃけ正史以外のルートは逃避です、なんて言われたらエロパロ書く気力も減退するわw
63名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:51:55.64 ID:RFrugKTb
いっそ11主も増やせばおk
このスレは正史に囚われないのだよ

正史云々言ってたらしあーんや薫は救いよう無いじゃないですか
64名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 23:55:02.94 ID:T1KmDCyJ
>>63
俺はむしろ志半ばで死亡ってシチュに萌えるので
男っ気もろくになく死んでいったその二人は大好物だな
65名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:01:30.93 ID:8gvxhn5Y
>>61
まったくもってその通りだし、逃避するためにエロSS書いてるのは自覚してるけど
人からはっきり「逃避だろ」って言われると正直結構ダメージ来るんだよなあw
66名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:06:25.86 ID:ULQefVzo
考察wiki云々は無粋
俺の10主は奈桜とイチャコラしてますんで

そういや、阪奈がもっと幼い頃って犬井と甲斐が疑似夫婦状態だったんだな
これは良いネタ
67名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:06:41.00 ID:U/e8QxHL
そもそもエロ「パロディ」なのに正史どうこう言われても困る
ここはパロディスレなので正史がどうだからとかいうのは総合スレとかでお願いします
68名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:10:52.75 ID:098CjrHp
正史云々の話はここらで切り上げようぜ

それより無限のエロの可能性を秘めたさやかについて語ろうぜ
中高生の時辺りにレンからいろいろと聞いて、14主とエロに走るに違いない
69名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:13:41.74 ID:e4E+Xalq
まあSS作者さんのモチベーション下げないように
逃避なんて言葉は気軽に使わんほうがいいってことはよくわかった
>>54はメロンパンの刑に処す

…てーかメロンパンって不思議に興奮するんだけど誰か同士はいないだろうか
脳髄に直接苦痛を叩き込んでるからえぐいけど、あれが快楽だと考えると興奮して来るんだが
70名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:17:21.79 ID:2zQwwst8
>>69
その部分だけ取り上げれば確かにエロく感じないこともないが、
あのエンディングの脳髄見ちまったらとてもじゃないが抜けねえよw
71名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:19:07.54 ID:U/e8QxHL
直接快楽を叩き込むのはいいんだけど表情とか反応がないのはどうもな
メロンパン状態じゃないならいけるんだが
72名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:20:39.85 ID:Anwu7iT9
>>65
それでもいいじゃないか
ただ己の萌えに従って書き記すのみ、それで良いのさ
>>69
ジオットさん、こんな電子の海でなにしてんすか
73名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:21:50.02 ID:7v3o7weB
つまりまとめると、さやかの脳髄に直接快楽を叩き込んで
公衆の面前でアヘらせる公開羞恥調教を施し
無限の可能性を痴女方面に開花させてやればおkっていうことか
74名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:22:03.59 ID:ULQefVzo
>>71
脳に直接なんかそれっぽいもの繋いで、映像化・電子化するとか
75名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:24:14.14 ID:WHzPEMWF
メロンパンとか脳髄に直接とか、弾道がどんどん下がるような流れだな…
76名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:41:54.80 ID:skWuqjA3
ホンフー×カズなんか14見てたらアリだと思った
リョナ注意になるかもだけど
77名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:42:59.60 ID:7v3o7weB
そういえばホンフーって男だったっけか
言われるまで忘れてたぜ
78名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 00:57:12.53 ID:FNZTXqRk
ホンフーさんが掘られるのはよ
79名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 01:01:18.94 ID:Iu3RkEqy
ちんこないけどな

ホンフーさんがちんこ切っちゃったのってやっぱ死んだ恋人に心をささげて
他の女に邪な想いを抱かないように、っていう感じでやったのかね
80名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 01:04:38.92 ID:bFx/glmD
小説のほうの東方不敗なのかと思った
81名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 01:08:16.12 ID:gKKQax+i
>>79
ホンフー「私の愛撫は凶暴です」
82名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 01:12:45.97 ID:qcVDECxn
クリスマスにいちゃついてるカップルとか分子レベルで消え去ればいいよね
83名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 01:34:56.46 ID:OIO94swB
>>82
マゼンタさんなにしてはるんですか
84名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 03:16:01.28 ID:Iu3RkEqy
ラブブライカー4号誕生の瞬間であった
85名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 04:49:21.55 ID:Syd9VBaE
これ宇宙船の中で間違いなく隠れてさやかちゃんとちゅっちゅっしてるだろ…
86名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 11:48:38.10 ID:u16zggZa
>>85
それが怖くて10主は反対したんだろうなww
父親の影で、母娘の間ではこんな会話があったんではなかろうか。

五十鈴「いいか、『さやか。ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん』だ。
     二人きりの宇宙船はまさにチャンス……一気に既成事実を作ってしまえ!
さやか「うん! わかったよお母さん!
五十鈴「私はそうやって、お父さんを勝ち取ったんだ……お前なら出来る!

87名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 12:00:38.18 ID:XprIzu7k
>>86
10主はさやかもだが、14主の身も案じて反対していたのか。
自分みたいな事にはならないで欲しいと…
それと五十鈴だけでなく、レンもさやかにそういう事教えてそう。
88名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 13:05:54.38 ID:FvUuxC6h
>>87
漣ちゃんは失敗したっぽいがな…w。
それにしても12主は男前すぐる。
89名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 13:35:31.41 ID:cfff2BD1
失敗したにしてはベタ惚れが覚めてないような
どちらかと浮気なのか未だ片想いなのか12主AI説なのかハーレムなのか…
90名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 14:47:36.76 ID:ULQefVzo
相手がピンクの彼氏と同一とは限らないさ
どう考えるのも自由よ
91名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 16:22:42.90 ID:WHzPEMWF
>>88
虎視眈々とNTRする準備をしているかもしれんよ。
92名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 17:33:57.17 ID:L9n0uADl
13の冴花を投下します。名無しの女の子視点です。
93落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:35:00.28 ID:L9n0uADl
 あたしは落ちこぼれた女の子である。名前は言えない。
どこで生れたかたぶん聞いたことがある。
何でも普通の病院でおぎゃーと泣いて生まれたことだけは間違いない。
あたしは二年前始めて挫折というものを経験した。
しかもあとで聞くとそれは人生という旅路の中で一番重要な出来事であったそうだ。
この挫折というものは時々あたし達若者を再起不能にするという話である。
しかしあたしはある希望を見出したから別段絶望するということも無かった。
ただ旧友に嘘をついて見栄を張ったこともあったが少し前に本当のことを言ったばかりである。
ある人が落ちぶれても絶望しなかったのがいわゆるあたしの指針となったのだろう。

 ……とまあ、古い文学をオマージュしたあたしの自己紹介はどこか置いといて。

「そういえば、最近どうなの?」
 六月某日の放課後。野球部の部室にて。
 ちくちくちいくとボールを繕っていたあたしは、
何の脈絡も無く、目の前に座っている木村さんに問いかけた。
「どうって、何が?」
 突拍子のない質問にも全く慌てる様子を見せず、
木村さんは手際よく練習着の穴をふさぎながら、仏頂面で返事をしてくる。
 少しだけ気圧されちゃったけど、怯えをボールと一緒に放り投げて、あたしはにこやかに笑った。
「何がって……もちろん、木村さんとキャプテンのことよ。
最近は二人を町で見かけたって噂も聞かないな、って」
 あたしがキャプテンと口にした瞬間、木村さんの顔がより一層険しくなった。
そして台詞をすべて言い終えると同時に、きりりと目じりを吊り上げて睨みつけてくる。
 野球部のキャプテンと、そのマネージャーである木村さん。
二人が付き合っていることは、いわゆる公然の秘密という奴である。
 本人達がそうだと明言したとは聞いていないけど、
ちょくちょく二人であっているのを目撃されているし、
木村さんとキャプテンが話をしているときは、二人とも明らかに普段より柔らかい表情をしているからだ。
94落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:36:12.84 ID:L9n0uADl
「別に、何も変わっていないわ」
 木村さんは明らかに話題を打ち切ろうとしていたが、あたしは彼女の意向を無視すると決めていた。
何故なら、カッコいい恋人を持つ幸せな女の子が、
友人からいじられることを拒否するのは世の理に反していると思うからである。
「そうなの? 目撃証言が全く無くなったのは、変だと思うなあ」
 もしこの高校が都会にあったなら、あたしの指摘はあまり説得力のないものだっただろう。
 だが、残念ながらここは田舎なのだ。
二人が近場で会っていればすぐに目撃証言が出るし、町で落ち合う約束をしたとしても、
『木村さんが駅に向かっていた』という証言や、
『いつもよりおしゃれをして電車に乗っていた』という話が、
必ずどこかから沸いてくる。それはもうぞこぞこと、どこからともなく。
「…………ええ。そうね」
 彼女もそれを十分に理解しているのだろう。
隠しても仕方ないかしらと前置きをして、木村さんはやや悲しそうに眉を傾けた。
「彼とは、秋まで会わないってことに決めたの」
「会わない?」
「甲子園を目指す以上、私に構いすぎるわけにもいかないでしょう?」
 さも当然といわんばかりの態度の木村さんに、あたしは大仰にため息をついた。
 やや苛立った様子で、木村さんがあたしを睨み付ける。
「何か、言いたいことでも?」
「ううん。ただ、なんだか厳しすぎるんじゃないかな……」
「それぐらいしないと、甲子園なんていけるわけないでしょう?」
「そうなの?」
「そうなのよ」
 自信満々で頷く木村さん。あたしと彼女のどちらが野球に詳しいかと聞かれたら、
彼女のほうが詳しいのは間違いない。反論することは出来そうになかったため、あたしは話題を変えることにした。
「それはそれとして、ちょっと気になったんだけどね」
「何?」
「もしかして、最近はエッチもしてないの?」
 あたしがした質問は、別におかしなものじゃなかったはずだ。
年頃の女の子なら、猥談をすることは決して珍しいことじゃあない。
雑談をすれば恋愛談話になる可能性は高いし、
恋愛談話になれば猥談に向かうのは必然とすらいえるし。
95落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:37:01.47 ID:L9n0uADl
 ところが木村さんは、まるであたしが途方も無く淫らな言葉を口にしたかのように、
顔を真っ赤に染めて黙り込んでしまった。
 まるで、中学生の女の子みたいだなあ。そんなことを思うあたし。
「……木村さん?」
 どうにかごまかそうとでも考えているらしく、木村さんはハンカチで額の汗を拭い始めていたのだが、
そんなことを全く気にしないふりをして、あたしは彼女を呼んだ。
ゆっくりとハンカチをしまい、こほんと咳払いをして木村さんはあたしを再度睨み付けてくる。
「いきなり、何を言い出すのよ」
 ぎろり。そんな効果音が聞こえてきそうなほど鋭い、木村さんの瞳。
……怖い。そう思ったのは確かだったけど、あたしはできるだけ無表情を装いながら、視線を木村さんの右手に向けた。
「……その指、大丈夫?」
「え? ……ええ。大丈夫よ」
 あたしの言葉に、木村さんはそそくさと手を握って親指を隠す。
先ほどあたしが『えっち』と口にした瞬間、彼女は指を滑らせて、縫い針で怪我をしてしまっていたのだ。
「そうなんだ。よかった……えへへ」
「…………」
 それを指摘したこと自体に、深い意味があるわけではないが、手綱を握ることに成功した。
木村さんが若干慌てているのを見て、珍しく優位に立っているのを実感しながらあたしは彼女に笑いかけた。
「さっきのことだけど、真昼間の教室ってわけでもないんだし、そんなに変な話じゃないと思うな」
「…………」
 少し納得したように視線を下向ける木村さん。
「実は人に見られるのが好きなの。とか言われたら困っちゃうけどね」
「…………………………」
 何故か顔を真っ赤に染める木村さん。
「そこまでディープな話をしよう、ってわけでもないんだから」
 むむむ。とでも言いたげな木村さん……ようやく観念したのか、ふぅ、と溜息をついて、
木村さんはどこか投げやりな口調で言った。
「ええ。そうよ。最近は、エッチもしてないわ」
「そうなんだ…………それって、危ないんじゃない?」
「危ない?」
「誰かに取られちゃうかも」
「まさか!」
 鼻で笑う木村さんでは会ったが、目が泳いでいるのは確かだった。
まあ、それも無理も無いだろう。キャプテンの周りには、これでもかというぐらい可愛い女の子がそろっている。
96落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:38:12.82 ID:L9n0uADl
 ……実のところ、あたしがキャプテンにアプローチをかけなかったのもそこらへんが原因だ。
性格。スタイル。顔立ち。資産。その他もろもろ。あたしが逆立ちしても勝てないような女の子達ばかり。
 人生が不公平であることに今更不満は言わないが、チャンスぐらいは欲しかったと思う今日この頃。
 ……閑話休題。ようするに、あたしの言ったことは、ありえないことじゃないはずだ。
「そう? 結構良くある話だと思うよ?
 『俺の彼女さぁ、ぜんぜんやらせてくれないんだ』
 『お前ならほかの女もより取り見取りだろ』
 『そう言えばそうだな』…………みたいな」
「…………」
 一人芝居を終えて、あたしが木村さんに視線を戻すと、
彼女は顔色を真っ青にして、まぶたを半分閉じていた。
涙が見えているわけじゃないけど、今にも泣きそうに見える。
「ご……ゴメンね。そんなに不安にさせるつもりじゃなかったの」
 慌ててフォローすると、木村さんははっと目を開き、手の甲で目元をごしごしと擦った。
気合を入れるようにあたしを睨み付けてすくっと立ち上がる。
「大丈夫よ。それより、そろそろ今日の作業は終わりにしましょうか」
「あ、うん。そうね」
 木村さんをからかおうなどと思ったことを反省しつつ、あたしも立ち上がる…………これでもあたしは、
ここにいる理由を作るのに手を貸してくれた木村さんには感謝しているのだ。
彼女は今でも怖いと思うことがあるし、少々変わったタイプの人間であることは間違いないが、
決して悪い人間ではない。尊敬するところも多いし、
知り合ったことは、確実に人生においてプラスだったと思うし。
「それじゃあ、ボールの籠はこっちに運んでくれる?」
「うん。……あ、練習着はどうするの?」
「練習着は……そうね。ハンガーでそこの壁にかけてくれるかしら?」
「はーい」
 さっきまでのことを全く気にしていないかのような木村さん…………彼女はいい人だと思うのだが、
こうやって弱みが見えたと思っても、すぐに立ち直ってしまう(ように見せている?)ところが、
あたしには少し不満だった。弱みを握りたい。とかそんなわけではないが、
友人なのだから少しぐらい話の種になる弱点を知りたい。何てことを思ってしまうのだ。
 …………とはいえ。
97落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:39:12.55 ID:L9n0uADl
(どうしてこうなるのー!!)
 スカートとパンツを降ろされて、左手を壁について身体を支えている木村さんが、
キャプテンに後ろから激しく突かれているのを見ながら、あたしは心の中で絶叫した。
「しかし、驚いたなぁ。まさか、冴花が誘ってくれるなんて思わなかったよ」
「〜っ! ふぅ〜っ! んんっー!」
 あの後、家路の途中で部室に携帯を忘れたことに気づいたあたしは、
気がつけば、狭苦しく、汗臭いロッカーの中に閉じ込められる羽目になっていた。
 部室に置いてあった携帯を手に取った瞬間、
聞こえてきた足音に驚いて慌ててロッカーに飛び込んだのは……まあ、仕方が無いと思う。
もし見回りの先生があたしを見つけていたら、
後日反省文を書く羽目になっていたのかもしれないのだから。
 …………けれど、その後がまずかった。キャプテンと木村さんが部室に入ってきた瞬間、
しばらく様子を見ようなどと思ったことが、今の状況を作ってしまったのだから。
(でも……まさか木村さんが学校でセックスするなんて、想像できるわけないじゃない!)
「あー、やば。久しぶりすぎて……もう出そうだ」
 右手を口元に当てて必死に声を押し殺す木村さんに、
言葉の割には余裕が感じ取れる調子でキャプテンが話しかける。
挿入れてからまだ数分しかたってないのに、ずいぶん早いなあ。なんてことを思うあたし。
「ま、待って……外っ、外にっ!」
「待てない。……出るっ!」
 むっちりとしたお尻(あれだけ大きいと、後ろから突くのが楽しそう)をがっちりと両手で掴んで、
一際腰を大きく打ち込んで、キャプテンの動きが止まった。
 極楽を体現したような表情で、ぶるぶると震える。
「あっ! あ、あ…………入ってくる……」
 口元を押さえていた手を離し、苦しそうな、けれどどこか嬉しそうな表情で木村さんがポツリと呟く。
しばらくして射精が終わったのか、キャプテンが上半身を倒して木村さんの耳元に口を近づけて囁いた。
「はぁ、はぁ…………な、なぁ。このままもう一回、いいか? 久しぶりすぎて、全然治まらないんだ」
 服の上から胸をさわりつつ、キャプテンは子供のような甘えた声で木村さんにおねだりをする。
98落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:40:31.78 ID:L9n0uADl
「ちょ、ちょっと待って。ゴムつけないと、できちゃう……」
「今日は安全日だから大丈夫って言ったの、冴花だろ? ……あ、復活した。動くぞー」
「あっ、やっ。絶対に大丈夫ってわけじゃ……んっ!」
 木村さんを黙らせるためか、キャプテンが先ほどよりいっそう激しく腰を動かし始める。
(うわあ……木村さんの、腰、浮いてる?)
 天井近くに設置されている小さな窓からの月明かりだけでは、十分に良く見えないのだが、
キャプテンが腰を動かすたびに、木村さんの足は宙に浮いているように見えた。
 少なくとも、そう見えてしまうほどに、木村さんは勢いよく腰をぶつけられている。
木村さんはだんだん壁に追いやられ、今ではもう肘を壁にくっつけて身体を支えていた。
「ふーっ! んんっー!! んっ、んんっー!」
 もちろん、手を口元に当てる余裕もなくなっていて。
口からは押し殺しきれなかった嬌声が漏れ出している。
(……やば。濡れてきちゃった)
 目の前で行なわれている本気のセックスに中てられて、
あたしの身体も少しずつ熱くなってくる。
きゅんと、切なくうずく股間をもじもじとさせながら、
指を口に含んで、必死に快楽を耐えるあたし。
 あたしがいっそ、オナニーしちゃおうかなあ。って思い始めた頃、外の状況が変化した。
あれだけ激しくなり響いていた、木村さんの大きなお尻とキャプテンの腰がぶつかる音が消えて、
くちゅくちゅと、ぬちゅぬちゅと、微かな水音が聞こえてくる。
(うわあ)
 視線を戻して見えたのは、濃厚なキスをする二人の姿だった。
キャプテンが木村さんの上半身を持ち上げられるように抱きしめて、
まるであたしに見せつけるかのような構図で、二人はぴちゃぴちゃと唾液を交換していた。
吸いきれなかった唾液が、ぽたり、ぽたりと床に落ちるのも気にしていないらしく、
互いに目を閉じて、隙あらば食べてしまおう、ってぐらいに激しくむしゃぶりあっている二人。
……何て言うかこう、「愛し合っているんだなあ」って感想しか浮かばないぐらいに、
強く繋がりあおうとしているように見えた。
99落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:41:23.12 ID:L9n0uADl
(羨ましいな……)
 肉のぶつかる音が消えたとはいえ、キャプテンの動きが止まったわけじゃない。
ぐりん、ぐりんと円を描くように腰を動かして、木村さんの膣内を掻きまわしている。
まるでおまんこを拡張するかのようなキャプテンの豪快な責めに、
木村さんの理性はもう限界のようだった。
いつもはきりっと鋭く細められている瞳が、とろんと力の抜けた瞳になっている。
「んっ……ふぅ……なあ、冴花。そろそろ本気で動いてもいいか?」
 長い長いキスが終わって、必死に呼吸している木村さんにキャプテンがそんなことを口にする。
 ……今まで、本気じゃなかったんだろうか。
今までのより激しい動きなんてされたら、あたしだったら壊れちゃいそうなんだけど。
「はぁ、はぁ、ふぅ……はぁ……ま、待って。ハンカチ、用意しないと」
(ハンカチ?)
「ああ。俺のを使えばいいよ。……ほら」
 本気で動くこととハンカチに何の関連性があるんだろう?
不思議に思うあたしを無視して(当たり前だ)、
木村さんはキャプテンから綺麗に折りたたまれたハンカチを受け取った。
そして、手慣れた様子でハンカチを口に詰める。
 ……口に、詰める?
「俺としては、冴花が感じてる声も聞きたいんだけどなぁ。……いや、これはこれでいいんだけど」
 キャプテンの口ぶりからすると、どうやら感じすぎて声が出てしまうのを防ぐために口を封じたらしい。
キャプテンが迷うことなくハンカチを渡したのと、
木村さんが妙に手慣れていたことからすると……ひょっとしてこの二人、
こういった場所でセックスするのにやりなれてるんじゃないだろうか?
「よっと……ああ、冴花の尻はやっぱ最高だ。こうやって触るだけで、出そうになる」
「……むぁ」
 もしそうだとすれば、こういったところでするのはキャプテンの趣味なのだろうか。
それとも、木村さんの趣味なんだろうか。
(……そう言えばさっき、木村さんがキャプテンを誘ったみたいなこと言ってたし、
やっぱりアブノーマルなのは木村さんなのかな?)
 あたしのそんな素朴な疑問は、がたり。すぐ近くから聞こえた、そんな音にかき消された。
100落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:41:58.96 ID:L9n0uADl
(まずっ!)
 物音を立ててしまったと思い、あたしは慌てて瞳を閉じ、息を止めて、石のように身動きをとめた。
が、相変わらずあたしが隠れているロッカーはがたがたと音を立てている。
 不思議に思いながら、あたしは目を開いた。
「えっ……?」
 疑問符を音にしたような声が、あたしの喉が零れ落ちる。
声を出したら二人に気づかれるかもしれない。そんな心配は要らなかった。
何故なら、キャプテンが腰を動かすことにより発生した振動が、
あたしの隠れているロッカーにまで伝わって、がたがたと音を鳴らしていたからだ。
「んん〜〜〜〜〜!!!!」
 あたしは息をするのも忘れて、二人の行為に釘付けになる。
片足を抱えられて、おまんこをキャプテンにさらけ出している木村さんに、
キャプテンが斜め下から怒涛の勢いで腰を打ち付けていく。
(あ…………すご……)
 と、月にかかっていた雲が晴れたのか、月明かりに照らされて二人の姿がより鮮明になった。
キャプテンのおちんちんが木村さんのおまんこをずぼずぼしているのが、
くっきりと、はっきりと、ばっちりと見えるようになってしまう。
綺麗なピンク色のおまんこに出たり入ったりする、
黒くて、太くて、長くて、固そうなキャプテンのおちんちん。
 すぶぶと入り込み、木村さんのおまんこから愛液をぴゅっと噴き出させて、
ずぼっ、と音を立てて半分ほど抜け出し、おちんちんに纏わりついた愛液が飛散る。
そんなことを一秒間に何度もやっているのだから、
木村さんの足元には、見る見る小さな水溜りができてしまっている。
(あたしまで、おかしくなっちゃいそう)
 そんなあまりにも扇情的な光景に加えて、耳朶に染み込んでくる音も、酷くいやらしい。
さっきまでは、ぱんっ、ぱんっ、という音だった肉のぶつかる音だったのが、
ばしんっ! ばしんっ! って感じの少し低い音に変わっていて、
木村さんの膣内の奥の奥、ひょっとしたら子宮にまで届いてるんじゃないかっていうぐらい卑猥な音が、
あたしの耳を犯していく。
101落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:42:51.42 ID:L9n0uADl
 ついに我慢できなくなって、あたしは自分の両手を股間に持っていって、
パンツの上からクリトリスをいじり始めた。
狭いロッカーの中じゃ思うように動けないけれど、快楽を高めようと必死で指を動かす。
 おかずにしているのはもちろん、目の前の光景だ。
……とは言っても、頭の中では木村さんとあたしが入れ替わっているが(これぐらいは許して欲しい)。
「あっ、だめぇ!! ハンカチとれちゃ…………あああっ!」
 あたしのパンツが湿り始めて、そろそろ軽くいっちゃいそうだな。ってところで、
いきなりあたしの耳にとんでもない声が届いた。艶の乗った甲高い声の主はもちろん、木村さんだ。
 どうやら、口に詰めていたハンカチが落ちてしまったらしい。
押さえのなくなった声が、確実に外まで聞こえている大音量で部室に響く。
 キャプテンはきっと、ハンカチを拾って渡すぐらいは簡単にできただろうけど、
それをする様子は無かった。今までと同じく。いや、今まで以上に激しく感じる動きで、木村さんを責め続ける。
「だめ、だめだめぇ!!!! おくっ、おくつくのっ、声、でちゃう。でちゃうからぁ!!」
 野生の獣のような、半ばおたけびとなっている嬌声を上げながら、
木村さんが腰を振って、キャプテンの動きをやめさせようとする。
 …………まあ、それが無意味だということは明らかだ。
今の涙目の顔を真っ赤にした木村さんは、女のあたしから見ても凄くいじめたくなっちゃうぐらいだし、
ふりふりと揺れる汗ばんだお尻も、男の子の理性を壊しちゃうのに十分すぎる威力を持っているように見える。
 そして案の定、キャプテンは止まらなかった。
いや、止まらないどころじゃない。やっぱりお尻に理性を壊されちゃったのか、
部室の壁も壊しちゃうるんじゃないかってぐらい激しく、木村さんを突き上げている。
102落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:44:13.08 ID:L9n0uADl
「あーーー!! あっ、あっ、あああーーーーー!!! もうだめ! いく、いくいくいくうぅぅ!!!」
 ついに耐え切れなくなったのか。木村さんが口から泡を飛ばしながら、
だらしのない、快楽に負けた表情で何度も絶頂を宣言する。
 ……それでも、キャプテンは全く止まらない。腰をひたすら振り続けて……
「あああああーーー!!! いっ、いってるのぉ! もぉ、いってるからぁ!! やめ、ごりごり、やめてえええ!!!」
 木村さんが、がく、がく、かなりやばい感じに痙攣しだしたところで、
キャプテンが木村さんをぎゅっ、と抱きしめた。
そして、安全日でも妊娠させてやる! ってぐらい気合を入れた感じに、腰をぎゅううう、って押し付ける。
「あ…………はい、って……だめ、もれちゃ……ああ……」
 どくん。どくん。どくん。そんな音が聞こえたわけじゃないけど、
満足した笑みを浮かべているキャプテンが、木村さんの膣内にたっぷり精液を出しているのは横から見ても明らかだった。
そして、ぷしゃああ。っていう、変な音が聞こえたかと思うと。
「や、やめ……みないでぇ……おしっこ……ああ……」
 木村さんの足元に合った水溜りが、さらに大きくなっていく。
どうやら力が抜けすぎてお漏らししてしまったらしい…………もちろん、キャプテンの足もずぶ濡れになっている。
 さすがにキャプテンも、怒ったりするのかな?
興奮で張り裂けそうな心臓を押さえながら、あたしがどうなるか見守っていると……
「良かったよ。冴花……愛してる」
 心の底から幸せそうに笑みを浮かべて、キャプテンは木村さんの頭を撫で、頬にキスをした。
「………………」
 木村さんが小さく返事をしたようだったが。それはあたしには聞き取れなかった。
まあ、聞き取れていてもあまり意味は無かったと思う。二人がとてもラブラブなことに、間違いは無いのだから。
(……いいなあ)
 今日何度目かの羨望を抱いて、中途半端に高ぶった身体の熱を逃がすように、あたしは小さなため息を付いた。

 その後どうなったかは、特に話すことはない。
行為を終えた二人が片づけをして部室から出て行った後、慌てて家に帰ったあたしは、
何とか終電には間に合ったけど、お父さんからは怒られちゃった。
 次の日キャプテンが友達に話していた内容を盗み聞きしたところによると、
キャプテンは終電に間に合わなかったらしい……きっと、帰る途中にむらむらきて、
また木村さんとどこかでやったんじゃないかって思う。木村さん、珍しくグロッキーだったし。
 あたしはと言うと、セックスを盗み見たことで、
二人とまともに顔を合わせられなっちゃったけど……喉もと過ぎれば何とやら。いつの間にか普通に話せるようになっていた。
まあ、いつまでもぎこちないままってよりかは良かったと思う。
 そして。
103落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:44:51.65 ID:L9n0uADl
 月日はあっという間に流れて、十月某日の野球部の部室。
三年生はとっくに引退したんだけど、やっぱり手が足りないってことで、
あたしは木村さんと一緒に野球部の雑用を手伝っていた。
「ところで秋になったわけだけど……キャプテンとは最近どうなの?」
「…………どうって、言われても。別に、普通よ」
 数ヶ月前と同じようなあたしの唐突な質問に、
数ヶ月前と同じような仏頂面で返事をする木村さん。
あたしはやっぱり大仰にため息を付いて、ふっ、と木村さんに笑いかけた。
「そうだよね。キャプテンと四六時中いちゃいちゃしてるのは、普通だよね?」
「…………からかっているの?」
「えへへ。ちょっとぐらい、いいでしょ?」
「…………」
 さらに顔を険しくする木村さん。そろそろ危険領域かなあ、
って思ったあたしは笑みを消して、練習着へと視線を移した。
木村さんもまあ、ちょっとぐらいからかわれるのは当然だとわかっているのか、
あまり怒った感じのしない声で、別の話題を切り出してくる。
「それより、今日は本当に大丈夫なの? 模試も近いのに」
「ちょっとぐらい息抜きしても大丈夫。ものすごく難しいところじゃないから」
「……――農業大学。って言ってたかしら」
「うん。ニワトリ以外も育ててみたいな、って思うようになったから」
「そう」
「それにレベルを少し落としたら、落ちこぼれるってこともなさそうだよね」
「そういう考えは危ないと思うわよ」
「冗談よ……まあ、全くのウソじゃないけど。それは一番の理由じゃないから」
「それならいいんじゃないかしら」
「えへへ」
 そんな感じに他愛のない雑談をしていると、
ばたん! と扉が勢い良く開いて、誰かが部室に飛び込んできた。
「冴花。ちょっといいか……あれ? 取り込み中だったのか」
 飛び込んできたのはキャプテンだった。
木村さんに何か用事でもあったのか、彼女に近づきながらあたしに会釈してきた。
104落ちこぼれた女の子は見た:2011/12/23(金) 17:45:36.48 ID:L9n0uADl
「こんにちわ。キャプテン」
「こんにちわ……って、もうキャプテンじゃないけどな」
「あ、そうだった。ごめんね」
「ははは。まあ、キャプテンって呼ばれるのは悪い気はしないけどな」
「……それで、急にどうしたの?」
 あたしとキャプテンの会話に割ってはいるように、
木村さんが冷たい声でキャプテンに問いかける。びくりと身体を震わせて、キャプテンが言った。
「い、いや。……あっ、そうだ。俺もこっちを手伝おうかな、って」
 きっと単に木村さんに会いにきただけなのだろう。
目を泳がしつつ理由を述べるキャプテンは、本当のことを言ってないように見えないし。
「……今日の分の練習メニューは終わったの」
「あ…………まだ、終わって無いけど」
「………………」
「行ってくる!」
 木村さんの無言の圧力に、入ってきたときと同じように、キャプテンはばたんと扉を開けて部室から出て行った。
(尻にひいてるのね……)
 ……まあ、あの夜の雰囲気からすると、キャプテンもただひかれてるだけじゃなさそうだけど。
「…………」
 しん。となる部室。あたしはわざとらしくため息をついて、木村さんに話しかけた。
「ねえ、木村さん」
「何?」
「結婚式には呼んでね?」
「………………………………………………………………………………」
 顔を真っ赤にして黙り込む木村さんは可愛いなあ。
そんなことを思っている間に、今日も緩やかに時は流れていくのでした。
105名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 17:46:56.70 ID:L9n0uADl
「冒頭からすると……あたしが死んで終わるってオチのほうが良かったのかな?」
「……いくらなんでも、それは無理があると思うわ」

終わりです。この子の名前が14でわからなくて良かったと思ったのはたぶん私だけ。
106名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 17:55:27.09 ID:u16zggZa
おお、あの青い髪の子に視点を当てたのか……GJ。
にしても、冴花さん濡れ衣だよなぁw 変態なの主人公の方なのにww
107名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 18:17:17.45 ID:nCh4Eo/3
ああー、あの応援のやつか

麻美かと思った
108名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 20:50:04.05 ID:nRa8LWuW
モブ子視点とは新しいなw
109名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 21:25:34.70 ID:ANB0PdJT
GJー。
いやぁ、こーゆーのも新鮮でイイですな。
110名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 23:39:33.48 ID:qcVDECxn
クーリスマスが今年もやってくる〜♪
111名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 23:41:09.06 ID:ULQefVzo
そういや今日は准の誕生日だったような
112名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 01:51:43.94 ID:/HB/MJCm
GJ!
可愛いなあ
113名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 15:18:52.24 ID:z9kcsP+9
メリーセンノヤイバ!
114名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 17:55:51.61 ID:nZmP7Ka/
宇宙船で寂しがってるさやかをペロペロちゅっちゅっしながら姫子をファックしたい
115名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 19:15:04.88 ID:1aSuM/BM
「ジングルベール♪ジングルベール♪鈴がー鳴るーっ♪」

クリスマスソングが鳴り響く街中を抜けて、俺と武美は予約しておいたホテルに入る。
年の半分以上はテントで野宿生活の俺達だが、流石に今日位はと思い
貯金をはたいて、それなりのグレードの所を選んだ。

「いやー楽しいねぇ小波さんっ♪」

「あぁ。悪く無い酒だったな」

チン、と何度めか分からない乾杯をしてグラスに入ったシャンパンを一気に飲み干す。
そこらのスーパーで適当に見繕った物だが、意外と味は悪く無い。
ヘタに高級な物を買うよりも、よっぱど俺達にお似合いだろう。

「いやーでもこうしてると思いだすねぇ。9年前もこうやってお祝いしたっけ」

「毎年クリスマスの時はケーキ位は食べてるじゃないか」

「そうなんだけどさ、やっぱり一番良く覚えてるんだよね。初めて小波さんと過ごした聖夜をさ」

「…そんな色気のある夜だったか?早々に酔いつぶれていた気がするが」

「そーいうのは関係なくて!………まぁ大事な事だけどさ」
116名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 19:27:15.71 ID:1aSuM/BM
照れ隠しなのか、武美もグラスを一気に空にする。
まぁ元々かなり出来あがっていたので、顔が少し赤くなろうが分かりはしないが。

しかし…そうだな、今年のクリスマスはあの時に近い意味があるかもしれない。
寿命タイマー。
武美の体に埋め込まれたそれの所為で、武美はあの年、ある意味『寿命』だった。
俺が何もしなければ、武美はそれを運命と受け入れていただろう。
期限は正月だったと言っていたから、或いは死の恐怖に震えながら迎えるクリスマスもあったかもしれない。

そしてそれは―――今日でもある。

本当の寿命、生きとし生ける物にどうしても、どう足掻いても訪れてしまうそれを
武美はもうすぐ迎える。
本人が気付いているかどうかは分からないが……いや、間違い無く気付いているだろうな。
むしろ武美の方が、俺には気付かれていないと思っているのかもしれない。
117名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 20:54:03.38 ID:yH+j2Jcb
投下途中?にしては時間が空きすぎだな…どうしたんだ
投下は構わないけどマナーは守ってくれよ
118名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 21:58:20.40 ID:vY/RgU5+
書きながらの投下か……そういう時は、メモ帳かワードにまとめてから投下するといいよ。
119名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 22:08:37.18 ID:ggn5HWln
一応テンプレにも書いてあるしね
120名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 22:29:24.87 ID:Rw5biCOJ
いやこれは>>116の直後に武美が吹っ飛んで、
そこで物語が終わったということを示唆する高等テクニックなんだよきっと
121名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 23:32:27.00 ID:TRRwkGj7
性夜の夜に投稿。
武美と友子で陵辱物

【悪夢】

「はぁっ…はぁ…」
「と、友子…大丈夫?」

何もないただの部屋で、友子と武美は大量の男達に犯されていた。
体に、顔に、膣内に精液をぶちまけられ、二人の体は白く染まっている
「おい、これで終わりとか思ってねぇよな?」
「おら!とっととしゃぶれよ!」
武美は無理矢理口の中にペニスを入れられ、もがき苦しむ。
「んんっ……!」
「た、たけっ…」
心配した友子は武美に近寄ろうとしたが、男達に押さえ付けられてしまい、秘部に躊躇い無くペニスを突き入れられる
「がはぁっ!」
「友達の心配なんてしてる暇なんて無いぜ?オラァッ!」
男は気持ちよさそうに腰を動かすと、友子は激しく喘ぎ声を上げる。
一方の武美は吐き出された精液を飲まされて、涙を流していた。
「んぐ……うえぇっ、けほ…」
「吐き出してんじゃねぇ!肉便器が!」
「ぐぅっ!」
武美を殴り倒すと、騎乗位になって武美の秘部にペニスを挿入する
「あぁぁっ……んんっ!」
喘ぎ声を出そうとしたら別の男のペニスが口の中に入れられ、呼吸を止められる。
武美は必死に抵抗したが男達の力は強く、とても対抗出来るレベルじゃなかった。
122名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 23:33:06.58 ID:TRRwkGj7
「ぐっ!だ、出すぞ!」
「俺も…出る…!」
男は二人同時に果てて、武美の秘部と顔が再び白く染まる。
「ぐっ…はぁ…と…友子」
ぐったりとしている友子に、尻を仰向けにしつつ這いずりながら近寄る。
「武美…私なら、大丈夫だから…」
「無茶しないで、友子…ここからは私が、あぅっ!」
喋ってる途中で男に後ろから秘部を突かれた。
武美は痙攣してその場で果ててしまい、友子から引きずり離される。
「あっ!た、武美!っく!」
「休憩時間は終わりだぜ?肉便器ちゃんよぉ」
男二人が友子の腕を掴むと、目の前に別の男が立っていた。
「まだまだ可愛がってやるぜ。―2時過ぎまでな」
時計をチラッと見ると、現在は10時。
「くっ…」
「睨んでも無駄だぜ?お前等は俺達に逆らえないんだからなぁ」
秘部にペニスを当てながら、男は友子の乳房を揉む。
向こう側からは、武美の喘ぎ声が絶え間無く聞こえる。
何も出来ない自分に、友子は涙を流していた。
「じゃあ、続きを始めるとしますか!」

――――――――――――
123名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 23:33:55.44 ID:TRRwkGj7
「つ…疲れた…」
「もう嫌…こんな生活…」
事後、二人は薄暗い牢屋の中に全裸で入れられている。
体や頭は洗って貰えたが、服までは着させてくれなかったようだ
「ねぇ…あのカメラ」
「…気にしちゃダメよ」
武美は天井のあちこちに設置された監視カメラを気にするが、友子は受け流すよう施す。
「きっと、私達の裸を撮って、AVとかで売るつもりなんだよ…」
「いいから!さっさと寝よう!」
友子は武美に言い聞かせると、シングルベッドの中に二人で入って眠りに就いた。



―ガチャ
牢屋に四、五人の男達が入ってくる。
ベッドのカバーを取って裸で寝ている二人を確認すると、男達は裸になって武美と友子をグループで別々に抱き寄せた。
「さーて、夜這いの始まりだぜ」

―二人の悪夢の時間は、決して終わる事が無い。
124名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 23:34:58.49 ID:TRRwkGj7
以上です。
友子単体の陵辱物を書いてたんですが、急にこっちに目覚めました(爆

気が向いたら続きを書きます。…多分
125名無しさん@ピンキー:2011/12/24(土) 23:59:21.91 ID:wW8TKUJX
乙!
こんな性夜だけどやっと表サクセスのアルバムとプロフィールをコンプしたぜ…
やってて思ったけどハンナとハナ以外の彼女候補の攻略難しすぎぃ!
姫子はフラグ管理がやたら難しいし、響子と准はランダムイベントが多いし
さやかはけがになったりガッツが下がったりするし
表で強い選手作るならテルオから野球超人伝貰うだけでいいなホント
さて、次は裏のアルバムとプロフィールも集めるとするか…
126名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 00:13:32.81 ID:NlTsofai
GJ
この季節になると投下ラッシュだな、嬉しいことだね

シナリオを楽しむためにフルダケを容赦なく使ってる俺がいる
127名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 08:49:46.89 ID:de2DVbk4
本当にワンパターンしか書けないだな誰が書いたかすぐわかる
128名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 16:20:47.03 ID:TC0NNQQG
>>115は結局何だったのか
129名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 18:05:05.70 ID:anvUpVqC
もう気にしても仕方あるまい
130名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 19:22:05.54 ID:aybf8SCR
小ネタみたいなものでしょ
131名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 19:54:08.98 ID:svv39fd0
武美と9主の性行って何か激しそう。
132名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 14:25:37.80 ID:p9HKC0vE
133名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 15:11:30.03 ID:dyLAcEA8
>>131
武美と友子はなんとなく百戦錬磨な感じがある
武美はネットからいろんな知識やプレイを持ってくるかもしれないし
134名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 19:54:50.40 ID:k2f8dbcb
9主はどの彼女に対しても優しくしてそうな感じがするなぁ。
逆に12主や13主は何か激しそう。
135名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 19:58:09.70 ID:WxW6G2Ug
>>133
武美は知識はあるけど実戦経験値ない耳年増のほうが萌える
>>134
12はピンク相手だとSイメージがつくがレン相手だとレンの変態プレイにドン引きの図しか想像できないw
136名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 20:14:29.01 ID:3NzZNldk
13主は確実に露出調教してるだろww
137名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 20:28:02.41 ID:7ODBwWpB
聞かれてる方が燃えるんだ、山の中で、教室で屋内スポーツ
もう13主が何やってても驚かんぞ
138名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 20:35:48.44 ID:3NzZNldk
とっさに思いついたerapokeネタ。陵辱要素皆無

なんだかんだで眼鏡の野望を打ち砕き、自由を手に入れることが出来た
各シリーズ主人公とヒロイン達!
だが、彼女達の災難はまだ終わっていなかった。

その相方であるヒロイン達を、環境で変態と化した主人公達が襲う!

やたらと妊娠搾乳プレイに拘る10主!
ドS全開でSMプレイに突っ走る12主!
その方が燃えると露出調教プレイばかりの13主!

ヒロイン達の明日はどっちだ!?
139名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 20:41:39.19 ID:0SAKJxJW
久々にerapokeやってみるかな、うん
140名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 21:33:25.85 ID:7ODBwWpB
大丈夫、レンちゃんなら逆に12主が引くぐらいのドMになってくれるさ
141名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 21:40:09.68 ID:WxW6G2Ug
レンは本当にエロパロ的ジョーカーだな、なんでもできるw
142名無しさん@ピンキー:2011/12/26(月) 23:10:06.51 ID:N5bkZ0KL
11主はNTRとかで達してそうだよな…
143名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:23:54.04 ID:amTe8Xdc
クリスマスネタの遅刻投下行きます。
タイトルは、 ある女の不幸  ―騙しの章―

カズ主人公で、五十鈴の扱いが若干悪いエロ無しSSです。
144名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:24:56.84 ID:amTe8Xdc
 ジングルベル♪ ジングルベル♪ 鈴が鳴る♪

 陽気な音楽と飾りつけ。クリスマス一色に染まったスーパーを、一組の男女が歩いていく。周囲の
人間達の視線を、否応なしに釘付けにしながら。
 単純に、女の背が異様に高いと言うのが、注目を集める理由だった。目測だけで見ても、
190cmはあるだろう。黒いコートに身を包み、姿勢を崩さす歩く姿は、モデルと言っても通用しそうだ。
 対する男の方は、何処にでもいそうな中肉中背の……言っちゃあ悪いが、おっさんである。

「なぁ……俺としては、もう少し肉をがっつりと食べたいんだが……焼肉とか」
「だーめーや。クリスマスって言ったら、ケーキやろ。ケーキ。
 肉もローストチキンで決定!」
「……俺に発言権はないのか……」

 何気なく言葉を交わし、笑いあう。たったそれだけの行為に、どれほどの感慨が込められていたのか、
注目している周囲は気がつく事が出来ただろうか。

 周囲に対する警戒一切なし。ただの女として、人ごみを歩き買い物に興じる……そんな、当たり前の
事が彼女には愛おしい。
 ついこの間まで、彼女には出来なかった事ばかりだ。
145名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:26:13.75 ID:amTe8Xdc
 警戒を怠る事などできなかった。いつ、自分の命が狙われるかわからなかったから。
 人ごみを歩くのは避けていた。周囲の人達を、自分の都合に巻き込んでしまうから。
 そして……『彼』と会話するなどもってのほか。自分への人質に使われてしまうかもし
れないから。

「うひぃ……寒っ」

 支払いを終え、スーパーを出た二人を、雪の混じった寒風が襲った。思わず長身を縮
こまらせる『彼女』を見て、『彼』は苦笑を浮かべた。

「しょうがないなぁ」
「あ……」

 差し伸べられた手のひらを、『彼女』はとっさに掴んだ。
 二人の手は、お世辞にも綺麗とはいえなかった。積み重ねてきた努力によって、血豆が
潰れ、皮が破れて、ごつごつとした手だ。
 男の方は兎も角、女である自分の手のひらがこうなのは、どうなのだろう?
 みっともないとは思わない。ただ、彼女は自分のそういう面について諦めてしまってい
る。自分は、女性らしさや愛らしさなど似合わないのだと。

 だが――少女チックな事を、考える位は、許されるだろう。繋いだ手のひらから、じわ
りと伝わる暖かさに、彼女はそう思うのだ。

「それじゃあ、帰るか。カズ」
「……うん」

 茨城和那と、神無月十蔵。
 恋人達は、離れ離れだった9年間をやり直すかのように寄り添い、笑いあっていた。


「……あいうぃっしゅざめりくりすます♪ あいうぃっしゅざめりーくりすます♪」
「元気だなぁ。カズ……おーい。準備できたぞー」

 某球団寮の近くにある安アパートの一室に、嬉しげな鼻歌が響き渡る。
 鼻歌と共に飾り付けに走り回るカズに、十蔵は笑いながら呼びかけた。コタツの上には
スーパーで買ってきた出来合いのローストチキンが並べられ、ほかほかと湯気と臭気を放
ち、狭いアパートの一室を満たした。

「おー。おいしそうやねえ……ケーキは?」
「あれは食べ終わってからだろ……本当なら、出来合いじゃなくてちゃんとした店で祝い
たかったんだけどなぁ」
「それはしゃーない。お金ないんやし」
146名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:26:52.69 ID:amTe8Xdc
 嘆息する十蔵に、カズは満面の笑みで応じる。

「自業自得で貧乏……こんなプロ野球選手、そうそういないよなぁ」
「……十蔵。お前今、球団の先輩ディスりおったで。水木さんとかいう……」
「あぁ……あの人もそうだったっけ」
「全く、馬鹿なのに株になんて手ぇ出すからや」

 分数の足し算も出来ないのに株に手を出す辺り、やっぱりこの男は馬鹿だと、和那は思
う。結果大損で貯金0。大枚はたいて購入した家も手放す事になったと言う。
 誰もがうらやむセレブな豪邸から一転して、大学生の一人暮らしのようなワンルーム。
絵に描いたような転落振りである。

「返す言葉も無いよ……」
「……うちはこれで幸せやから」

 落ち込む十蔵を励ましながらコタツにもぐりこみ、カズは笑った。不幸の影など欠片も
見せない、幸せ一杯の笑顔が、言葉に偽りがない事を教えてくれる。

「出来合いのもんでいいねん。こういう、ありふれた行事にありふれた形で参加できるだ
けで、うちには十分」
「……カズ……」

 ありふれた行事。それさえも、彼女には遠く手の届かないものだったのだ。
 高校時代――当時は大江と偽名を名乗っていたカズは、超能力に目覚めてから転落する
ばかりの人生を歩んできた。ジャッジメントに追われたり、正義の味方として戦ったり、
ツナミの一員となったり……多くの人の命を奪い、多くの人に命を狙われる。そんな、血
のまだら道のような生活に、彼女の青春は費やされたのだ。

 今年の3月に起きたカタストロフと、それに伴う超能力の消滅。ジャッジメントの解体
により、彼女自身の価値が半減した事でようやく日のあたる場所を歩けるようになったのだ。

「それに、『貧乏二人暮らしで二人三脚』っちゅーのも、愉しいし」

 十蔵と二人で予算とにらめっこして部屋を探し、月の生活費を切り詰めて食費を節約し。
普通に考えれば逆境になる状況も、カズにとっては幸せの象徴なのだ。

「さ。暗い話題は忘れて、食べよ食べよ! ハッピークリスマスや!」
「そ、そうだな! メリークリスマス!」
147名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:28:03.08 ID:amTe8Xdc
 安物のコップで乾杯し、満たされた安物のシャンパンで喉を潤す。
 高級感とは程遠い状況だが、二人の表情は明るい……今までどんなに金を積んでもつか
めなかった瞬間が、ここにあった。

「ぷはー。食べた食べた……」

 ローストチキン、クリスマスケーキを一通り食べつくし、カズはごろりと横になった。

「食べてすぐ寝たら牛になるぞカズ」
「……むしろ、ウチは牛になりたい。主に乳牛」
「おい」

 己の胸を触りながら、カズは嘆息した。八割筋肉で構成された彼女の体は硬く、胸も柔
らかいとはいいがたい。そんなカズに、十蔵は苦笑して、

「俺は、お前の胸好きだけどなぁ」
「……それ、褒めとるん?」
「褒めてる褒めてる。弾力があるおっぱいっていいよな」
「柔らかいおっぱいと比べたらどうなん?」
「甲乙つけがたい感じかな」
「ほほう。即答できるほどに柔らかいおっぱいも経験済みなんやな」
「……!? しまった! 誘導尋問!?」
「ただの自爆やアホゥ……まぁ、あれや。
 アンタとウチの場合、浮気を責めるのも酷やしなぁ」

 高校時代に決別して依頼、カズは十蔵の安全を考えて一切の接触を絶って過ごしてきた
……9年の間に連絡を取ったのはたったの一度切り。
 普通の感覚で言えば、関係が自然消滅したと解釈するのも無理は無い。

「……いや、天地神明に誓って言うが……」
「言い訳せんでええ。そこはあれや、惚れた弱みで諦めとる。あんたは優しいし、その浮
気癖のおかげで救われた人もおるし。
 ……高科さんと芳槻さん、よかったなぁ」

 仲違いし、最近になって和解した高校時代の同級生の名前を出し、和那は本心からそう
言った。彼女達二人を和解させたのは目の前の男が持つ、浮気癖と繋がる人の良さであり、
彼がいなければ取り返しのつかない事態になっていたと言うのが、関係者一同の見解だった。
148名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:28:43.65 ID:amTe8Xdc
「ナオとさら……さらはともかく、ナオはなぁ……」
「なんやねん。まさか……」
「うん、正直に告白するよ。一昨年の同窓会でな。二次会代わりに、二人で飲みに行った
ら……気がついたらベッドインしてた」
「うわぁ……」
「酔った弾みで浮気なんて最低だよな俺。ごめん。本当にごめん……」
「いや、謝らんでええから」

(それ、多分、自分被害者やし)

 多分と言うか、確実に一服盛られた結果だろう。高科が十蔵に好意を持っているのは確
実だし、あの情報屋とつながりのある彼女なら、その位の策は弄する。
 本気で落ち込む十蔵を励ましつつ、高科は次に会ったらシバいておこうと、硬く決意す
るカズであった。

「昔の事なんて、今は忘れよ。今この瞬間はうち一人だけやからな」
「……ありがとう。カズ」
「どの道、あんたに貞操観念なんぞ期待しとらんし」
「ぐふっ」

 地味にダメージを受ける十蔵をよそに、和那は盆の上に皿を纏め、料理の後片付けを始
めた。肉が欲しいと言う十蔵の言葉に偽りは無かったらしく、ローストチキンの骨には一
片の肉片も残ってはいない。

「あ、手伝うよ」
「ええって。うちがやるから……しゃぶりつくしとるなぁ。犬みたいやわ」
「肉に飢えてるんだよ。動物性たんぱく質は筋肉をつけるのに最適なんだぞ?」
「誰が言っとったんや?」
「鬼鮫コーチ」
「今はオフシーズンやろ……まったく。ちゅーか、確実に意味わかっとらんやろ」

 皿の上の骨を一つに纏め、生ごみ用の三角ラックに放り込む……その過程で、カズはふ
と考えてしまった。

(この骨……捨てる前に舐めたら、間接キスやったなぁ)

149名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:28:54.28 ID:AjyWOiI0
天咲乙
そして死ね
150名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:29:41.12 ID:AjyWOiI0
151名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:29:41.29 ID:amTe8Xdc
 考えたのは一瞬。すぐに正気を取り戻し、初々しいを通り越して変態チックな思考に至
った自分に呆れ嘆息する。
 間接キスどころか、それ以上のキスを何度も繰り返したと言うのに……と、そこまで考
えた所で、背後の十蔵に動きが会った。
 本人は、音も無く動いたつもりなのだろうし、実際相当なレベルの隠密行動ではあるの
だが、武術の達人であるカズからすればバレバレである。

「……そのまま胸とか揉んだらドツキ倒すで」
「うぐっ!?」

 とりあえず、ドスの聞いた声で制止しておく。
 夏に似たようなシチュエーションで体を許したら、脱がされて裸エプロンにされた上、
挿れたまま家事とかやらされた事がある。抵抗しようにも、性関連のテクニックの差でね
じ伏せられてしまうから性質が悪い。
 ……一体、何処であんな性テクニック体得したのやら。

「どうせ、夏みたいにする気やろ」
「いやいやいやいや。しないってしないって。冬にやったら風引くだろ。」
「夏でもするな。あんな事……」
「男のロマンを否定するなよ! あれは――!?」

 カズの背後でガサゴソ動いていた十蔵の気配に、軽く動揺が走った。何事かと思い振り
向けば、コタツの傍の小物入れを覗き込んで、凍り付いている。どうも、中身を見るため
だけに気配を消していたらしいが……

「…………ちょ、ちょっと買い忘れたものがあるから、ひとっ走り行ってくる!!」
「はぁ?」

 止める暇もあればこそ。十蔵は傍らにあったコートを引っつかむと、部屋を飛び出して
いった。
 突然の事に、呆然とするカズだったが、すぐに気を取り直した。
 気配を消してまで物を漁るなど、いったい何を探していたのか――疑問符を浮かべなが
ら、十蔵と同じように小物入れを覗き込む。

「あー……」

152名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:30:49.91 ID:amTe8Xdc
 抱いた疑問が一瞬で氷解し、同じように固まる。
 小物入れの内部。いつもこっそり買い足して常備されている筈のあるものが入っている
一角が、丸ごと空っぽだった。
 近藤さん、の相性で知られる薄くてゴム製なアレである。

「……エロい奴やなぁ」

 いいつつも、カズの顔に嫌悪感は無い。
 『今は金欠だから、無責任に子供を作るのは駄目だろ。生でやるのは、貯金が終わって
からにしよう』
 避妊無しでも構わないという和那に応じる十蔵の姿を思い出す。十蔵が、茨城和那とい
う女との将来を真剣に考えてくれている証拠だ。

「〜♪」

 鼻歌交じりで洗物を開始する。仮に彼女の命を狙う第三者がいたなら、簡単に寝首を賭
けそうな浮かれぶりだ。
 ――玄関の前に気配が現れたのは、洗物が全て片付いたその瞬間だった。

「――?」

 一瞬、十蔵が帰ってきたのかと思ったが、すぐにそれを打ち消す音が響く。
 来客を告げる、インターフォンの音。十蔵ならば、鳴らす必要の無いものだ。

「……はいはい。ちょっと待ってなー」

 手についた泡を落とし、手を拭きながらドアフォンへと向う。安いアパートだが、この
程度の設備は備わっているのだ。
 裏を生きてきたものの性か、その最中に扉の向こうの気配をきっちり観察している。

(普通の来客みたいやな……変な気配もせぇへんし)

「はい、どちらさまですか?」
『…………』

 ドアの向こうの気配は、和那の声にしばし逡巡した。

『……あの……ここは、神無月十蔵様のお宅でしょうか?』
「はい、そうです。十蔵やったら、今留守にしてますが……」

 若い、女の声だった。どこかで聞いたような気もするが、そこは重要ではない。
 そう、重要なのは、クリスマスと言う日に若い女が十蔵を尋ねてきたということ……!

(……十蔵、おどれという奴は……!)

153名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:31:25.59 ID:amTe8Xdc
 大体想像がつく。多分、何時もの調子で女性に優しくして、無意識にたらしこんでしま
ったのだろう。学生時代もそうだった。
 芳槻さら、高科奈桜、天月五十鈴……ざっと顔と名前が思い出せるだけでも、これだけ
の女性を無意識でたらしこんでいたのだ。当時自治会長だった神条紫杏も、ころっといっ
てしまった節があった。

 奥底にあるのが彼自身の優しさ、善意である事を考えると、手に負えない問題である。

(とりあえず、この姉ちゃんには一旦帰ってもらって……)

 とりあえず、帰ったら問い詰めようと心に決めた矢先に、受話器から思っても見ない言
葉が聞こえてきた。

『……! 大江……? お前、大江か?』
「へ?」

 呼びかけられた名前は、高校時代に自分が使っていた仮の苗字で。
 高校時代を思い出させる単語と受話器から聞こえる声がつながり、カズの記憶の真相か
ら、一人の女の姿を呼び起こした。

「ま、まさか――天月!? 天月五十鈴か!?」

154名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:32:32.45 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

 なんというミスをしでかしたのだろう……! 己の迂闊さを呪いつつ、十蔵は駆ける。
 ペナントレース終盤、優勝が決まるかと言うタイミングで怪我で離脱を余儀なくされた
時よりも、痛恨のエラーだ。よりにもよって――

(初めてのクリスマスにコンドーム忘れるか普通ぅぅぅぅぅっ!?)

 確かに買い揃えておいた筈なのに、無かった。
 最悪な事に、住んでいるアパートからは薬局がやたらと遠い。買いにひとっ走りしても、
今からでは閉店時間に間に合うかどうか……

(ここまで整ったのにお預けなんて冗談じゃないぞ! くそっ! 何が何でも間に合わせ
て見せるっ!!!!)

 道を爆走するおっさんの姿に、周囲の人々がぎょっとして注目するが、お構い無しだ。
構っている暇など無い。

(プロ野球選手の足を舐めるなぁぁあああああああああっ!!!!)

 兎に角、走る。プロの走塁技術を用い、ただがむしゃらに動かすのではなく、一定のリ
ズムと力学に従った動きで持って……下心を原動力に、無駄な高等技術でもって駆け抜け
て行き。

「はい、お兄さんストップ」
「 ぶ べ ら っ ! ? 」

 こけた。
 そりゃあもう綺麗に、漫画の如く。
 差し出された一本の足に毛躓き、勢いを全て乗せて地べたに叩きつけられた。

「街中を全力疾走なんてしてはいけませんよ? 転んで怪我をしてしまいますから。
 ……こんな風に」
「て、てめぇ……!」

 叩きつけられ、血を噴出す鼻を押さえながら、背後を振り返る。そこには、十蔵が思っ
たとおりの……こういう事を嬉々としてしそうな、知った顔があった。
 ひらひらと振られる手のひらには、見覚えのある『近藤さん』パッケージが握られていて――
155名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:33:09.49 ID:amTe8Xdc
「……てめぇかぁぁぁぁぁぁっ!? てめぇが抜き取ったんかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「転ばされた事より、そっちが先ですか……これ、お返ししますね」

 血なまこになって叫ぶ十蔵に、男は苦笑してパッケージを投げ渡した。
 ――ただし、全力投球で。
 プロの速球も顔負けの速度で飛来したパッケージを、十蔵は眉一つ動かさずに片手でキ
ャッチしてのけた。これでも、ピッチャー返しのダイレクトキャッチには定評があるのだ。
 『神無月が登板する時はセンター返しは狙うな』とまで言われている。

「お見事……やはり、貴方は一流ですね。神無月選手」

 男の発言に、周囲が軽くざわめいた。突然の転倒と叫び声に注目が集まっていた所にこ
の発言である。周囲の人間全てが、目の前の変人と、今年の最優秀防御率タイトル保持者
である神無月十蔵を一致させ、一部では歓声が起こっている。

「……お前なぁ……込み入った嫌がらせするなよ……」

 明らかに故意に行われた一連の行動に、十蔵は深く嘆息しつつ講義した。

「すいません。私……」
「幸せそうな人見ると、意地悪したくなるんだろ?」
「わかってるじゃないですか」
「やりすぎだ! 下手すりゃ鼻の骨ぐらい折るぞ!」
「あんな風に幸せ一杯にいちゃつかれたら、そりゃあねえ」
「尾けてたのかよ……」
「ええ、わりとバレバレだと思ってたんですが……彼女、ちょっと鈍りすぎですねえ」

 十蔵は、ポケットから取り出したティッシュを鼻にねじ込み、立ち上がると、自分を転
倒させた男――ここ数年の間に知り合い親しくなった飲み友達に声をかけた。

「とりあえず場所変えるぞホンフー。これ以上ここにいたら面倒だ」
「奢っていただけるので?」
「話すだけだ! 家でカズが待ってんだよこっちは!」

156名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:34:00.37 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

「いやー、意外なところで会うなー。元気そうで何よりや……あ、何も出せんで悪いけど、かけてかけて。今、お茶淹れるから」
「…………」

 カズに誘導されるままに、五十鈴はコタツの一角に足を入れて腰を下ろす。何処と無く
緊張した面持ちなのは、十蔵の家にカズがいた事に衝撃を受けているからか――

「久しぶりやなー。高校をウチがやめるまでやから……10年振りくらいやなぁ」
「あ、ああ……その位、だな……」
(しばらく会わへん間に、随分と別嬪さんになっとるやないの)

 高校時代に持っていた可憐さをそのまま成熟させた美しさと、若者には無い大人の気品
が合わさって、なんとも色っぽい……特に胸元なんてアレだ。カズにはない柔らかさが想
像できて、軽く凹まされる。
 軽く吹きかけられた香水の香りが鼻腔を直撃し、さらなる敗北感を感じさせ、どんどん
自分が惨めになっていった。

「ほい。紅茶なんて洒落たもんないから、緑茶で堪忍な」
「…………」

 五十鈴は置かれたお茶には手をつけず、言葉を選ぶようにゆっくりと口を開く。

「……えっと、ここは、十蔵の部屋でいいんだよな?」
「そうやで」
「それなのに、何故君はここに?」
「ん。より戻したんよ。それで今同棲中」
「…………」

(あー、やっぱそういう事かい)

 絶句する五十鈴の顔を見て、カズはおおよその事態を把握した。恐らく、彼女も高科と
同じように、十蔵にアプローチを仕掛けているのだろう。

「そういう天月さんは、十蔵に何の用や?」
「……ああ。近くに寄ったんで、顔でも見ておこうと思って……」

(にしてはめかしこんどるなぁ)
157名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:34:41.20 ID:amTe8Xdc
 紫色のドレスにレース付きの手袋。化粧も服装もバッチリそろえ、セレブのパーティに
出れそうな姿である。どう考えても、十蔵とのクリスマスに備えての完全武装だ。
 出来るなら、カズもそういう格好をしたかったのだが……どう考えても似合わないし、
化粧のテクニックも稚拙だ。ここ十年で身についたものと言えば、女らしさとは無縁の戦
闘技能だけである。

 二人の間に気まずい沈黙が下りる。それも当然かと、カズは内心で嘆息する。懐かしさ
に負けて思わず家に上げてしまったカズもうかつだったが、五十鈴の方も気まずいに決ま
っている。
 クリスマスに同棲している女性がいる男の部屋に尋ねていく――どう考えてもお邪魔虫
であり、それがわからない五十鈴ではないだろう。

「……君は……」

 沈黙を破ったのは、おずおずとした五十鈴の言葉だった。

「ん?」
「私に、何か言うことは無いのか……?」
「はぁ?」
「罵られるぐらいは、覚悟してたんだが……」

 まるで、カズが自分を恨んで当然のような口ぶりだった。その言葉でようやく、カズは
自分の思い違いに気がついた。
 目の前の女性は、十蔵という存在を抜きにしても――自分に対して、何らかの負い目が
あるようだ。少なくとも本人はそう考えており、態度に表れているのだ。
 そう言われても、カズの方には五十鈴に含む所など欠片もないわけで……ありえるとし
たら、カズと十蔵が離れ離れになっている間のことだが。

「天月。まさか、お前も高科みたいな事やらかしたんか?」
「……高科、何かしたのか……」
「ありゃ、違うん?」
「……ひょっとして……彼は、君に何も話していないのか?」

 五十鈴の物言いに、暗い考えがカズの内心に浮かび上がった。カタストロフ騒ぎの最中
に彼女を蝕んだ、ある思考……

(まさか、ウチと天月さんの二股……? いや――ないな)

158名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:35:36.72 ID:amTe8Xdc
 浮かび上がった推論は、すぐさま打ち消される。十蔵への信頼と言う美しい理由ではな
い。ぶっちゃけ、十蔵に貞操観念など欠片も期待しちゃいない。色々と、下半身に正直す
ぎる馬鹿野郎なので。
 ただ、同棲している相手に隠れて二股が出来るほど頭のいい男でもないし――二股にし
ては、五十鈴の様子がどうにもおかしい。
 物言いが、まるでカズが知っていて当然、と言わんばかりだったからだ。

「……そもそも、あんたが何をいっとるのかわからんレベルやね。
 ウチがアンタを恨まなあかん理由なんて、一つもないし」
「……そう、か……ふふっ」

 カズの正直な告白に、五十鈴の顔が綻んだ。この部屋に入ってから始めて見せる、五十
鈴の笑顔である。

「嬉しそうやなぁ」
「ああ。嬉しいさ――彼が、私を庇ってくれた事がな」
「かばう?」
「一緒に過ごした年月は嘘だったが、無駄じゃあなかった――なぁ、大江。今から言う事
に嘘は無いんだ。腹の立つこともあるかもしれないが、落ち着いて聞いて欲しい」

 言いながら、五十鈴は自分の手袋を取って見せた。

「お、お前!? それ――」

 そうして現れた五十鈴の手に、カズは目を剥いた。
 常軌を逸して美しいと言うわけではないが、それでもカズに比べれば美しい指先――そ
の薬指に光る、銀色の指輪。それが指し示す事実は……

「あんた、結婚しとったんか……!?」
「ああ」
「いや、いやいやいやいやいやいや! それはあかん! あかんって天月さん! 百歩譲
って横恋慕はいいにしても、不倫は駄目やろ不倫は!
 旦那さんおるんやったら、十蔵の所なんて顔出しちゃあかんて!」
「……何を勘違いしてるのか知らないが……もう、離婚は成立しているぞ。それに――成
立してなくても、不倫とは言わないさ」
「……は?」
「なぁ、大江」
159名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:36:22.66 ID:amTe8Xdc
 パニック状態のカズの心を、五十鈴の続く言葉が凍りつかせた。

「私が、この春まで……十蔵の妻だったと言って、信じるか?」
「ジョークにしても嘘にしても出来が悪いで。それ」

 五十鈴の告白に対し、カズは怒ることさえせずにただ呆れた。

「幾ら離れ離れって言うても、十蔵のニュース位はきっちり把握しとる。結婚なんてしと
ったら流石に気付くわ。アホ臭い」
「……そうだな。いきなりその事を話しても、信じてはもらえないか」

 言いながら、五十鈴はバックから一枚の写真を取り出した。そこにうつっていたものは、
カズの注意を引くのに十分なインパクトがあった。
 病院のベッドの上で、笑いながら子供を抱く五十鈴と、その隣で嬉しそうに笑う十蔵……

「……! おい、自分これ――」
「娘が生まれたときに撮った写真だ……」
「……手の込んだ合成写真やな……」

 次に五十鈴を見たカズの視線に、好意的な感情は一欠けらも残っていなかった。今の彼
女にとって五十鈴は、たちの悪い冗談で十蔵を寝取ろうとするドロボウ猫でしかないのだ。
 ひょっとしたら、離婚のショックでおかしくなったのか――どちらにしろ、会話を続け
る理由は無かった。

「世迷い事ほざきに来たなら帰ってくれんか? 今のアンタと十蔵を会わせる事は出来ん」
「……確立の操作、なんだそうだ……」

 動こうとしない五十鈴を見て、カズは腰を浮かせた。力づくでも彼女を排除しようとす
るその動きを止めたのはそこから続いた一つの言葉だった。

「私の 超 能 力 は」
「……!!!!」
「私も、君と同じように親切印ジャッジメント製の超能力者だったというわけさ」

 動きを止める和那に向けて、五十鈴は笑いかける。裏が無いとは言えない、自嘲と疲れ
の色が濃いネガティブな笑顔だった。

「……まぁ、君とは違って自分では制御できない能力だから、こうして放っておかれているわけだが」
「天月さん、あんた……」

 親切印。超能力。この二つの単語が五十鈴から飛び出した事が何を指し示すのか……そ
れがわからないほど、カズは平和ボケしていなかった。

「……桧垣センセに?」
「いつの間にやら。……さて、何処から説明すればいいかな」
「説明て……さっきから話が全く見えへんのやけど」
「待ってくれ。今から話す……私が、君たちの人生を滅茶苦茶にした経緯についてな」

160名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:39:01.58 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

「……公園の片隅で缶コーヒーですか? せめて、もう少しまともな……」
「恋人待たせてんのに酒なんて飲めるか。奢ってやってるんだから我慢しろ我慢」
「始めてあった時は、洒落たバーで飲み明かしたものですけどねえ」
「男が気色の悪いシナ作るな。この間までと違って財布に余裕が無いんだよこっちには」

 不満顔のホンフーに対し、ジト目で突っ込みを淹れる十蔵。公園の片隅で缶コーヒー片
手の男が二人、ベンチに座って過ごすと言うのは中々シュールな状況だが……相方が女に
も見えるホンフーである。ぱっと見は恋人同士に密会に見えないこともない。

「わざわざ不法侵入してまでコンドーム盗んで、なにがしたかったんだお前は……」
「なにって、意地悪ですよ」
「幸せな人を幸せなまま放置できんのかお前は」

 笑顔でさらっと鬼畜な事をのたまう友人の姿に、十蔵は嘆息した。最近は随分と穏やか
になったものの、底意地の悪さは何一つ変わっていない。

「まぁ、それだけでもないんですがね……飲み友達助け舟の一つでも、と思いまして」
「……何かあったのか?」
「正確には、何か起こるのを防いだ、という所ですね。
 貴方の向っていたドラッグストアで、一組の男女が買い物をしてましてね……まぁ、ク
リスマスをいちゃついて過ごす、恋人同士ですよ」
「それがどうかしたか? 微笑ましいじゃないか」
「問題は、その後ろを女の人が付回しているって事ですね。二人きりのクリスマスなどさ
せるものかといわんばかりに」
「はぁ?」
「横恋慕と言うか、熾烈な争奪戦の真っ只中と言った所ですかね。今頃一寸した火花が散
っている事でしょう」
「他人事のような気がしないなぁ……つーか絶対煽っただろ」
「当たり前じゃないですか。問題は、その女性の名前が『浅井漣』だと言う事ですね」

 放たれた固有名詞に、十蔵の動きが止まった。
 その名前の持ち主の事は、よく知っている……確かに、今日この日にその場所でであっ
たら、厄介な事になっていただろう。

「……こりゃあ、大きな貸しが出来たなぁ。下手すりゃ刃傷沙汰だったか」
「そこまではいかないでしょうが、嫌味ぐらいは言われたでしょうね」
「嫌味じゃすまないよ。前にあったときは、半泣きで罵倒されたんだ……びんたの一発や
二発は」
「事情を知らなかったからでしょう? 今の彼女は大よそを把握してますから」

 何を把握しているかは、言う必要も無かった。彼女と十蔵を繋ぐ事態など、いまやたっ
た一つの喜劇しか存在しないのだから。

「まさか、喋ったのか?」
「そこは、私を信用して欲しいですね」
「信用してるさ。『意地悪』の為にそういう事をしかねない奴だって位は」
161名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:39:35.16 ID:amTe8Xdc
「あら酷い――まぁ、本当の事を言えば、何もする必要が無かったのが真相ですね」

 ひとしきり愉しげに笑ってから、ホンフーはその顔を引き締めた。

「彼女達にはブラックが先に接触していましたし、カタストロフで彼女の超能力が消滅し
た今、少し調べればわかる事ですからね……」
「……そうか……」
「心中複雑のようですよ。関係者一同」
「悪いのは俺だよ。俺がわがままを押し通した結果がこれさ」
「まぁ、比較すれば悪いのは貴方で「いぃぃぃたぁぁぁぁなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」……と」

 会話の最中に割り込んできたのは、裏返り気味の怒声。その直後にホンフーの体が動い
て――十蔵が認識できたのは、そこまでだった。
 重いもの同士がぶつかる音が公園の静寂をぶち壊し、土煙を巻き上げて……気がつけば、
立ち上がったホンフーと、彼と対峙するピンク色のヒーロー姿の影が一つ。

「てめぇホンフー! レンに何吹き込んだぁっ!?」
「あらまあ。彼女と合体してこんな所に来るなんて……ウフフいやらしいですね♪」
『あんたのせいで折角のクリスマスが台無しよぉっ! この落とし前はつけさせてもらう
からねっ!!!!』

 会話からして……浅井漣の横恋慕相手だと言う男性なのだろう。何故ヒーローのような
格好をしていたり、女の声がするのかは知らないが、そうとうお冠のようだ。

「マジで何やったお前……」
「ちょっとしたコスチュームをプレゼントしただけですよ?
 サンタバニーでしたっけ」
「……新品手に入ったら譲ってくれないか? カズに着せてみたい」
「……貴方も歪みないですねえ」

 オープンスケベ全開の十蔵の言葉に、流石にホンフーも呆れ気味である。この会話では
じめて第三者の姿に気付いたらしく、ピンク色のヒーローは動きを止めて――

「え、あ……そ、そこにいるのは、神無月選手……?」
『へ? 神無月!?』
「気付いてなかったのかよ……」

 辺りが見えなくなるほどホンフーの所業に怒っていたのか、今更神無月に注目するピン
ク色のヒーロー。その姿を正面から見てようやく、十蔵は合点が言った。
162名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:39:56.56 ID:amTe8Xdc
「ひょっとして……師走十二(しわすじゅうじ)とピンク、か?」
「どぅぇ!?」

 有名人に名乗ってもいない名前を呼ばれ動転するヒーロー。

「カズからそういう仲間がいるとは聞いてたからな。二人で合体して戦う仲間がいたって」
「カズさんの知り合い……なんですか!?」
『知り合いどころか、カズの男よ。こいつ』
「え!? そうなの!!? う、うっわー! こ、今度サイン頼もうサイン! カズさん
に頼んで――」
『目の前にいるんだから直接貰いなさいよ……』

 人影一つで声は二つ。一人で漫才のような真似をするピンクのヒーローを見て、十蔵は
ふと思いついたことを口にする。

「……なあホンフー。俺とカズでああいうの出来ないかな?」
「貴方が人間やめるなら出来るかもしれませんね」
「……………………………………有りだな」
「本当に歪みがありませんね貴方」

「あれ、けど――」
『ちょ、ちょっと十二! ホンフーにヤキ入れるんでしょ!?
 余計な事考えてる場合じゃあ』
「いや、ちょっと待ってくれよピンク。
 ……神無月選手って確か、結婚してたような……」
『はぁ?』

 和やかに一人漫才を眺めていた十蔵の笑みが消えたのは、その時だった。

『あのねえ……そんなわけないでしょ。
 神無月とカズが付き合ってたのはヒーローの間じゃ誰でも知ってる事よ。カズ放ってお
いて結婚なんてしたら、全員でヤキ入れしてるわよ』
「……いや、けど……」

「……ホンフー」
「説明、してないんでしょうね」

 何も知らないであろう二人の会話を聞き、ホンフーが己の憶測を披露する。

「貴方達の関係は、彼女達には刺激が強すぎると判断したのか……あるいは、これ自体を
敵の攻撃だと判断して、幸せに引退した二人を蚊帳の外に追いやったのか。
 二人には、私から説明しておきますから、先に帰られては?」
「……珍しいな。そんな気遣いするなんて」
「彼女に会いたくて仕方が無い。そんな顔してますよ」
「――頼む」

 それだけを言い残して、十蔵はベンチから立ち上がり、歩き出す。
 ――ホンフーの言う通りだった。今、十蔵は、カズにあいたくてしょうがない。

 自分のしでかした事が取り返しのつかない事だと、まざまざと見せ付けられてしまったから。
163名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:40:31.52 ID:amTe8Xdc
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「……よーするに。天月さんの能力は、心の底で思った事を実現してしまう能力だったんやな?」
「まぁ、総合するとそうなるな……」

 一通り五十鈴の説明を受けて、和那はようやく彼女の能力を把握する事ができた。

「おかげで、十蔵には随分と迷惑をかけたよ……心の底で、野球より私といて欲しいと考
えてしまっていたようでね。
 事故やアクシデントで山ほど怪我をさせてしまった」

 確かに、高校時代十蔵の周りでは一時期不自然な事故が起こっていたが……それが全部、
五十鈴の能力のせいだというのだろうか。

「……それ、偶然とちゃうか?」
「私もそう思いたかったが、生憎桧垣先生のお墨付きだよ。私が運勢を操る能力を持つの
は確実なんだそうだ」
「…………」

 思い『たかった』。五十鈴がどんな心境でこの言葉を選んだか、カズにはわかる気がする。
 もし、自分が原因で、十蔵を追い詰めるような事になったなら……元々、そうなる事を
恐れて十蔵から離れていたカズとしては到底他人事とは思えなかった。

「あんたの超能力はわかったが……それが、ウチや十蔵とどういう関係があるんや?
 全くと言っていい程繋がらんのやけど」
「私は、大江が学校を辞めた後に、彼と付き合いだしたんだ。
 不思議と、周囲の人間は誰も何も言わずに、私達の仲を祝福してくれたよ」
「……は?」

 カズは、自分の目が点になるのを自覚した。辞めた直後に付き合いだした――そんな事
がありえるのだろうか。
 ありえない。確かに、十蔵は下半身に正直な男だし、浮気癖もあるが……別れた直後に
他の女に乗り換えるほど、軽薄ではない筈だ。

「いやいや、幾ら十蔵でも、そんな――そもそも、周囲が何も言わんのはおかしいやろ。
もし十蔵がそうしたとしても、多少のバッシングは……」
「君の事を忘れていたんだろう……私にとって『運良く』な」

 運良く。イントネーションを強められて放たれたその言葉が、五十鈴の内心を浮き彫り
にし、カズの眼前に突きつける。
 彼女が、何故カズの前で緊張し、あんな物言いをしていたのか――

「……ちょ、おま――まさか――」
「ああ。私は……無意識下で能力を使って、十蔵と結婚して、子供まで作ったんだよ」

164名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:41:51.56 ID:amTe8Xdc
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「いや、それはないだろ」

 一人の女性の持つ超能力と、それが生み出した荒唐無稽な悲劇の顛末。
 ホンフーに実力でねじ伏せられて聞かされた後の十二の発言が、これである。

「親切高校って所の事は、カズさんから聞かされてるさ。けど――もし神無月選手の奥さ
んがそういう能力を持ってたら、真っ先に研究対象になるんじゃないのか?」
「それはありませんよ。学校の研究員は、甲子園優勝と同時に彼女の能力が消えたと思っ
ていましたから」
「ほら見ろ。それが真実だろ」

 ホンフーに対する不信感もあってか、十二の表情は詐欺師を見るような代物だ。
 恋人と並んでベンチに座り、馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの態度をとる十二に対し、ホ
ンフーは別段気分を害した風も無くこう切り出した。

「では、彼女の能力が存在するか否かで簡単な思考実験をしてみましょう」
「はぁ?」
「彼女の能力がなくなっていたのなら、君の言う通り全ては偶然になります。
 実験台にもならず、極々普通の結婚をして、幸せに暮らす。
 なら――能力が存在していた場合は?」
「普通に実験対象なんじゃないの?」

 極々普通の正論を口にするピンクに、ホンフーは満面の笑みと共に答えた。

「モルモット。実験台。それを行われる側が、そうなりたいと無意識でも望むと思いますか?」
「…………」
「私の答えはこうです。『彼女は能力を使い、計器に誤作動を起こさせ自分に能力がなくな
ったと周囲に思い込ませ、その能力で周囲を改変しながら好き勝手に過ごす』……理屈に
はあっていると思いますが」
「けど、それはただの理論だ。証拠が無い」
「証拠もあります。携帯電話、持ってますか?」
165名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:42:18.52 ID:amTe8Xdc

 いきなり具体的な答えを返され、十二は思わずポケットに手を当てた。そこには、カタ
ストロフ終焉直後に、ピンクとお揃いで買った携帯電話がある。

「その携帯で、神無月選手の経歴を調べて見お手下さい。
 高校卒業と同時に結婚した事と、最近離婚した事が大々的に書かれていますから」
「……あのねえ。だから! そんな事になってたら私達が――」
「ところでお二人とも、浅井漣さんはどうされました?」
「あんな痴女の事はどうでも――」
「――っ!」

 話を明後日の方向に脱線させるようなホンフーの言動に怒りを露にするピンクだったが、
十二のほうは違った。そんな彼女を見て、ホンフーの言いたいことがわかってしまったのだ。

「おや。師走さんはわかったみたいですね」

 忘却。今ホンフーの口からレンの名前が出るまで、二人は自分がされた事をすっかりと
忘れていた。状況がそうさせていた、というのもあるが――

「……忘れていた……そういう、事か?」
「ええ。運よく、都合よく――彼女の夫である神無月十蔵と、ダークスピアの恋人である
神無月十蔵を結び付かないように忘れていたんですよ。世界中の全員が」

 そんな馬鹿な――返事をする時間さえ惜しんで、二人は携帯を取り出し、ボタンを操作
していく。しばらくして携帯の画面に映った結果は、ホンフーの推論を裏付けるような無
残なものだった。

「そんな……」
「私もいいように操られましたし……私、最初はあの男を殺すつもりで近づいたんですよ」
「はぁ!?」
「だって許せないじゃないですか。ダークスピアという恋人のことを忘れて、一人で勝手
に結婚して幸せになってるなんて。私が一番嫌いなタイプの薄情者ですよ。
 ……近づく度に殺そうとした動機を忘れさせられて、今じゃただの酒飲み友達になっち
ゃいましたけどね」
「も、もしそれが本当なら――最強の超能力なんじゃないのか!?」
「でしょうねぇ。ただ……コピーしたい、とは思いませんね。
 無意識に最愛の相手を操り人形にするような、そんな能力はこっちから願い下げです」
166名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:43:32.05 ID:amTe8Xdc
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「結婚しとったのは、確かみたいやな」

 携帯画面に映し出された検索結果に、その点だけはしぶしぶ認めるカズであった。

「……理屈はわかったけど、納得は出来んな。思い込みなのと違うか?
 正直、うち等が戦っとった敵が、ウチへの嫌がらせに何かした可能性のほうがたかいんやけど」
「まぁ、当事者以外にはわかりにくいだろうな。
 ……霜月選手とは知り合いなんだろ? 今、十蔵とバッテリーを組んでるんだが」

 五十鈴の口から飛び出したのは、カズにとっても既知の名前だ。
 霜月充一(しもつきじゅういち)。心理戦に長けたリード技術が評判の名捕手であり、カ
ズとは間に一人ほど挟んで密接な関係にある男だ。

「朱里の旦那やな。あいつやったら、ウチもようしっとる」
「なら話は速い……私が帰った後で、あの夫婦に話を聞くと言い。彼が一番最初にこの事
に気付いたんだからな」
「あいつが!?」
「……バッテリーを組むようになってから、よく浜野さんと一緒に私達の家に遊びに来て
いたんだ。私の料理に上手いうまいと舌鼓をうって……
 私達と一緒にいる時は十蔵と君との関りを忘れていたらしい。帰ってからは、その事実
さえな……カタストロフで超能力が無くなっただろう?
 あの後に状況の異様さに気付いて、仲間と一緒に色々調べて……真相にたどり着いたん
だそうだ」
「……ほんとう、なんか?」
「ああ。本当だ……」
「……十蔵は、能力の事は知っとるんか?」
「知っているよ」
「じゃあ、離婚したいうんは」
「最初から最後まで、私と彼の間に会ったのは魔法のような体験だった。
 魔法が解けて正気に戻った男がどうするか。その答えがそれだ……頼むから離婚してく
れと、土下座までされたよ」
「離婚したのを黙っとったのは……大体想像がつくわ」

 恐らく、芋づる式に五十鈴の能力にまで言及するのを避けるためだろう。彼が恐れたの
は、その先……五十鈴が言っていた『君たちの人生をめちゃくちゃにした』という言葉の真意である。
167名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:43:54.64 ID:amTe8Xdc
「なぁ天月さん。あんたまさか、ウチがどういう人間か……」
「ああ。私なりに、君がどういう人生を歩んできたか調べさせてもらったよ。知り合いの
力を借りてだがな……私の能力の影響だよ。間違いない」
「……十蔵も、そう思ったんやろうなぁ……そこからあいつがどう考えたか、大体想像つくわ」
「…………」
「『俺のせいでカズの人生が壊れた』そのくらいの事は考えるで。あいつ。
 で、一人で抱え込んでネガティブスパイラル。馬鹿の癖に責任感強いから、逃げ道作れへんねん」
「……君も、そう思うか……」

 神無月十蔵は、優しい男だ。アレほど浮気癖がありながら、カズと五十鈴が彼を見捨て
られないのは、根底にある優しさに惚れ込んでいるからである。
 全ての責任を自分にあると思い込み、ネガティブに沈み込む姿が容易に想像できた。

「――君はどう思うんだ?」
「ウチか? ……と、言われてもなぁ」

 確認するような五十鈴の言葉に、カズは本気で困った。いきなり運命全てが私のせいで
す、とか言われても実感がわかないし、なにより――

「天月さん欠片も悪くないやん……勿論、十蔵もや」
「だが……」
「心の奥底で思うのは仕方があらへんし。ウチかて、何もかも放り出して十蔵と一緒にな
りたいって、何度思ったことか」
「…………」
「いや、この場合悪いんわ十蔵か……こんな重大な事黙って隠しとるなんて」
「……十蔵を攻めないでやってくれないか? これは――」
「わかっとる。一々説明しだしたら、どう足掻いても天月さんの能力に行き着くし……馬
鹿なりに考えた結果なんやろうな。
 にしても、アンタもよく離婚に応じたなー」
「……変に後ろ暗い部分を抱えて仮面夫婦を演じるほうが、娘に悪影響が出るしな。あの
子はその辺の感覚が鋭いから」
「ほうほう。娘さんのためか……ウチなら、十蔵のこと諦め切れんと思うなー。
 母は強し、やな」

 暗く沈んだ場の空気を戻す為の発言は、

「何を言ってるんだ? 私は十蔵を諦めてなんかいないぞ」

 ――顔面直撃の弾丸ライナーで跳ね返された。

168名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:46:00.04 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−


「ういーっす。ただい――」

 ぎろっ

「――ま――」

 ドタバタを潜り抜けて帰ってきた十蔵を迎えたのは、恋人の座りきってドスが利いたま
なざしだった。射殺すような強い視線を前に、十蔵の体が凍りつく。

「えっと……カズさん……?」
「…………」

 おそるそおる語りかける十蔵を無視し、ごろりとベッドにもぐりこみ、頭から布団をか
ぶって不貞寝を決め込む。

「いかがされたので――」
「……天月さん……」
「!?」
「アンタの留守中にここに来たで。能力関連の話も聞いた」
「…………」
「朱里と霜月にも確認した……信じるしかあらへんわ」

 カズの言葉は、不思議なほど自然と十蔵の鼓膜に染みとおった。そして、その胸中をゆ
っくりと絶望が侵食していく。
 一番知られたくない人間に、一番知られたくない事実を知られてしまった――それをカ
ズがどう思ったか。自分で説明すると言いながら、先送りにしてきたツケがこれだ。
 今度こそ、完全に愛想をつかされただろう……自業自得とは言え、拭いがたい喪失感が十蔵を……

「言っとくが、黙っとった事には怒っとらへん。
 あんなもん、ウチがあんたの立場でも話し難いわ」
「……あ、そ、そうですか……」

 満たす前に、カズの一言が吹き飛ばしてしまった。

169名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:46:19.86 ID:amTe8Xdc
「娘さんの事も、あんた等なりに考えた結果見たいやし……そこらへんに関してウチが言
う事はなにもない」
「そ、それなら何でそんなに不機嫌でいらっしゃるので?」
「コタツの上」

 いわれて反射的にコタツのほうを見て――十蔵の動きが、凍りついた。
 そこには、ここにある筈の無い、会ってはならに物体があった。

 その名は、『預金通帳』。
 名義は、『神無月十蔵』。
 離婚の際に五十鈴に手渡した筈のものが、何故かそこにあった。布団に包まったままこ
ちらお向き直るカズ――その瞳は相変わらず怒りに満ちていた。

「株で大損したなんて、嘘やったんやねぇ……奥さんと娘さんに全部気前よく差し出した
そうやねぇ……騙されたわぁ」
「い、いや、それはあの、慰謝料と言うやつでして……」
「返せ。『貧乏二人暮らしで二人三脚』って浮かれとったウチの純情返せ」
「うぐ……そもそも、何故こいつがここに……」
「相場から言って払いすぎやって、天月さんが返しに来たんや……よかったなぁ。明日か
らもう少しいい部屋にうつれるでぇ」
「い、いや折角二人で選んだ部屋だし……」
「知らん。ウチはもうここに住むもん。ええもんええもん。安い女は安い部屋で暮らすもん」

 ごろりと再び背を向けるカズ……完全にへそを曲げてしまっているその様子に、十蔵は
どうしたものかと頭を掻いた。本気で怒っているわけではないのは本当だとしても、この
ままにしておくわけにもいかない。

「……それと、天月さんから伝言。
 『私は十蔵を諦めてなんかいない』そうや」

「……は?」
「『能力を使って無理やり結婚するなんて真似はアンフェアだったから離婚したが、それは、
『仕切りなおすため』だ。
 大江が許してくれると言うのなら、私も気楽に臨める……十蔵に伝えておいてくれ。私
は、もう一度お前と愛し合って結婚して、幸せな家庭を作るつもりだと』」

 それは、茨城和那に対する宣戦布告。お前の彼氏を寝取ってやると言う、あからさま過
ぎる横恋慕の宣言。

「『娘も私を応援してくれているから、一切加減する気は無い』そうや……よかったなぁ、
いい奥さんで。今すぐでも再構築できるやろ」
「いや、そんなこと言われても」

 てっきり恨まれていると思っていた相手からの告白を、恋人からの伝言で聞かされて度
肝を抜かれ、凍りつく十蔵だったが……すぐに思い直した。
 わかってしまったのだ。カズが何故ここまでへそを曲げてるのか。
170名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:47:27.97 ID:amTe8Xdc
「…………」
「なぁカズ」
「…………」
「ひょっとして、嫉妬してくれてる?」

 超能力の影響とは無関係に、五十鈴と過ごしてきた時間に対して、だ。

「……当たり前やドァホ……」

 消え入りそうな涙声で返すカズ……その背中を見て、十蔵は苦笑と共に玄関の鍵を閉め
た。戸締りを確認し、電灯を消し、躊躇い無く部屋に一つのベッド……カズと同じ布団に
もぐりこむ。

「あかん。今日はもう駄目や。恋人騙すような奴にはお預けや……」
「お預けでいいよ。今日は、ただ一緒に眠りたい気分なんだ」
「ウチの胸は天月さんみたいに柔らかくない」
「弾力のある胸っていいよな」
「天月さんみたいにいい匂いせぇへん」
「俺は好きだけどな。カズの匂い」
「……天月さんみたいに料理上手くない」
「二人で一緒に上手くなろう」

 詰問と反論。布団の中で行われた、男女の間で積み重ねられた言葉の押収が進むたびに、
女の口調が綻び、にごっていく。

「ウチ……天月さんほどあんたと過ごしとらん……」

 とうとう鼻声になってしまったカズを、十蔵は朗らかに笑って抱き寄せた。

「これから過ごそう。ずっと、ずっとだ――カズ」

 強く、胸に抱きしめる。彼女の嗚咽を、自分以外の誰にも聞かれないように。
 最愛の人の全てを、自分だけのものにする為に。

171名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:47:51.92 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−


「……考えてみたら、何で神無月選手って離婚したんだ?」
「何言ってるのよ十二……能力で無理やりに結婚させられたんなら……」
「いや……話を聞く限りだと、カズさんの事を忘れてたってだけで、その人を無理に好き
にならせたわけじゃないだろ?
 愛情は勿論あったはずだし、娘さんの事を考えたら、離婚しないほうがいいに決まって
るだろ。そこを押し通したって事は、何か理由が……」
「まぁ、離婚しないほうが社会的には楽に決まってますね」

 ベンチで言い合う恋人達に割り込むホンフーの表情は和やかで、実に愉しげだ。

「ただ、楽をするより逆境に立つより優先すべきことがあったというだけでしょう」

 下手をすれば、それまでの社会的地位を根こそぎ失いかねないリスクを背負ってでも、
手に入れたいものがあり、それが出来るのならば、躊躇い無く突き進む。
 リスクを無視するのではなく正面から受け止める。義務も叱責も全部背負い込んで、押
しつぶされそうになってもなお、掴み取りたいものがある。

「それって……今までの全てよりも、カズさんを優先した……って、事ですか?」
「そういう選択を出来る男だから、私は彼の友達やってるんですよ。でなきゃ、カタスト
ロフの直後に殺してますって」

 笑顔で怖い事をのたまうホンフーだが……口にしている言葉は間違いなく本気だ。

「ちなみに彼、私がそういう種類の人間だって知ってて付き合ってますよ?」
「はぁ!?」
「私が最初、あの人を殺そうとしてた事もね。流石ダークスピアの旦那様。肝っ玉が違い
ますね」

「あー! 見つけましたよー! 十二さーん!!!!」

「げぇっ!? この声は――レン!?」
「あー! そういえば、ホンフー……って、もういないし!?
 もう! 逃げるわよ十二!!」
「なぁ……俺のような安月給サラリーマンの何がレンをあそこまで駆り立てるんだ?」
「それ、私の想いも全面否定してるからね! 後で覚えてなさいよ!」
172名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:48:19.28 ID:amTe8Xdc
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

「…………」

 ぴっ

「ああ、さやかか……うん。今日は出かけてて会えなかったな……
 私のことより、さやかはの方はどうだったんだ? お兄ちゃんとは――」

 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

「…………」
「どうした? 朱里――カズの事が心配なのか?」
「心配なんて欠片もしてないわよ。どうせ、この事をネタにいちゃついてるに決まってる
んだから」
「……そうだな。あの二人なら心配ないよな……
 じゃあ、俺達は、俺達の心配でもしとくか」
「……そうね。メリークリスマス。あなた」



 カタストロフという災厄を乗り越え、結ばれた全ての人達に幸多からん事を。
 メリークリスマス!
173名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:49:18.88 ID:amTe8Xdc
 おまけ

 クリスマスの翌朝。台所に立つ十蔵。手には、ホンフーから取り返し、結局使用しなかった近藤さんのパッケージ。

十蔵「…………

 コンドームを開封し、中に水を注ぐと……
 あら不思議。水筒が割になる筈のゴムから、行く筋もの水が噴出しました。

十蔵「……あのヤロウ

174名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 00:50:06.97 ID:amTe8Xdc
以上です。自分なりに14のストーリとかを解釈した設定を詰め込んでみました。
不自然な所があったらスマソ
175名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 01:00:42.35 ID:AjyWOiI0
>>174
天咲帰れ
176名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 01:08:29.07 ID:64VrQvSl
なるほどねー
10主人公複数説以外でやったわけだ
個人的に10主は浮気性な男で三股くらいいいじゃん派
バカだから許す。一番の理由は夫の帰りを少し不安げな表情で待ついすずがエロく思えるから。未亡人的なエロスを感じる
177名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 01:14:19.89 ID:G9HpX7cP
>>174
GJ!
この難しい題材で書いてくれたということだけでも敬意を表したい

五十鈴は一途だなあ
178名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 01:36:36.42 ID:oIVBcs2D
>>174
GJ、思わず読み耽てしまったよ
ガズも五十鈴も幸せになれるといいな…
179名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 02:13:34.03 ID:mMVsAMtI
>>174
GJ
かなり面白い解釈でした
っていうかこの解釈もアリだよね
180名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 03:01:22.60 ID:wFPXFars
14のさやかのお父さんは火星行き反対ってのが10主が口だしたのかなぁ…って思うが

普通に面白いからこれで良いよ
181名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 07:19:56.84 ID:Cb7qnK1h
ま、正史ではカズは10主に裏切られて傷付きやり捨てられる臭いから悲しいんですけどね
二股ルートもある位だし結局は10主も女なしでは生きられない健全な体育会系男子だったって事ですよ
182名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 10:00:29.01 ID:AjyWOiI0
>>174
天咲二度と来るな
183名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 11:10:42.73 ID:s6bVnvJY
>>181
別に「10主に」と取るような文面じゃなかったろ
あと正史云々は余所でお願い、ここはエロパロスレだから
184名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 11:23:07.93 ID:EZ8g8DHn
いやでもあれはどう考えても・・・
まぁここで正史議論をするのは止めよう
185名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 12:04:14.73 ID:G9HpX7cP
「自分なりに」と書いてあるでしょうに
正史云々はナンセンスよ

大晦日といえばなんだろ?
186名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 13:45:22.02 ID:kFSXHYD9
No.6のカリオペってさ。名前的に女だよな。
ミーナみたいに彼女候補予定だったのかな。
187名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 19:18:39.16 ID:lmMXAch+
姫始めはロマン
188名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 19:27:21.07 ID:uMS9hcn3
姫子と14主の姫始めとな。
189名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 22:21:52.94 ID:NwLtoatX
俺、彼女が出来たんですと言ってレッドに准を紹介する14主
190名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 22:31:57.96 ID:EZ8g8DHn
准の相手はやっぱ9主じゃないと嫌なんだよなぁ・・・
皆はよくネタにするけどそもそもバグなんてない方がよかった
191名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 23:05:16.43 ID:TrFGhWh1
>>189
そういう状況になってもレッドの事だから爽やかに祝福してくれそう。
192名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 23:18:08.70 ID:N5PFd767
正史以外は逃避なんて野暮なことは言いっこなしさ
エロければそれでいいのだ
193名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 23:19:04.57 ID:mMVsAMtI
むしろ真っ先に14主を心配するだろ
コーヒー投げつけられてないかとかマスタード山盛りサンドイッチ食わせられてないかとか
194名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 00:05:26.08 ID:TrFGhWh1
>>193
冷静に考えるとそんなことしてればバグ云々以前にナイスガイの彼女になれる訳が無いわな。
195名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 01:00:16.05 ID:HwxodZsM
>>174
GJ!
196名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 01:03:28.80 ID:+UcaXVlv
さやかトゥルー後、10主が五十鈴の元に帰ってきて、
カズとは友人として決着をつけて妻と仲直りして二人目を作ろうとかもいいな。
10主がいろんな所で叩かれてるけど上手に解釈すればドロドロ感を避けれるかも。
197名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 01:06:54.65 ID:7kXNa3j/
解釈って言うかいかにカズを上手く諦めさせるかが重要になりそうだな
198名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 01:48:45.32 ID:xV6VcNXk
>>174
面白かった。個人的に歴代でも上位に来る名作だと思う。
パワポケSSは初めて?
199名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 04:35:36.23 ID:YDnjdmhf
正直10から皆勤で出てるカズはしつこいしやり過ぎ
カズ好きの人には悪いけどアイツの顔はもう見たくないし例のエンドは心の底からざまあと思ったよ
大体既に家庭を作ってる10主に取り入ろうとするのは卑怯だし恥知らずだよね
200名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:08:12.30 ID:CjDat1Dm
そもそもエロパロでエロなしってどうよ?
しかも数ある作品の一本だけならともかく、全部非エロとか…さすがによそでやれよって思う
201名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:17:03.11 ID:KuDBeTQN
>>199
ぶっちゃけそれはカズだけに限った問題じゃないんだよな
真央、維織のようにずーっと話を引っ張ってる奴もそうだし
紫杏のようの続編でメインにいすぎて新規バイバイさせてる奴もいる
1から時間軸が続いていることの弊害ともいえる

>>200
お前も毎度毎度飽きないなw
202名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:23:41.93 ID:CjDat1Dm
>>201
俺を誰と勘違いしてるんだ?
エロパロなんだから最低限エロはないとだめだろ

単発の小ネタならまだいいが、エロなし長編を次々とあげるんだったら自分のブログとかでやればいいんじゃないの?
203名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:25:12.72 ID:nlDd0Z1S
ここだけじゃなく、長期休みになると毎回エロパロ板には
>>200みたいなのが沸くからねえ
>>174も気にすることはないよ、いい話をありがとう
204名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:42:28.73 ID:bRnJM9Dv
10主関係の話題になるとなぜスレの空気が悪くなるのか…
205名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:47:05.32 ID:FEwvpt33
そんなことより年末だし巫女服について語ろうぜ
ちょうど14裏で巫女服着てるのが4人も出たことだし
206名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 10:51:54.11 ID:joBuQBes
言われてみると、ありとあらゆるキャラが出てくるパワポケでも巫女さんは意外と少ない気がするな
表だと天本さんと詩乃、あとバイトで漣ちゃんくらいか
207名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:01:01.05 ID:qQgQ2DcV
今暴れてるのはいつもの荒らしだ、気にするな
208名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:04:51.56 ID:CjDat1Dm
そのいつもの荒らしって言葉で批判を封じるのやめてくれない?
エロなしはpixivとかでやりゃいいじゃん
209名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:18:13.51 ID:nlDd0Z1S
>>206
人外キャラは豊富だけど、その手のシチュっつーか
装飾記号的なものはそこまで豊富じゃない気がするなあ
210名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:22:14.72 ID:4ZXU+AQg
少ないといえば先輩キャラ
島岡姉くらいだろう ダッシュならいるけど
10なんて同級生縛りだし
211名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:43:15.18 ID:FR9YVXgS
意外と後輩キャラを全面に押してるキャラも春香くらいしかいないんだよなあ
212名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 11:49:57.96 ID:4ZXU+AQg
靖子も一応最初は年上キャラか それどころじゃないが
213名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 12:33:08.65 ID:DowrmbnE
後輩&マネージャー…由紀ちゃん
幼馴染み…明日香
裏社会関係…さとみ
年上…ようこ先生、みなこ
小悪魔…マリコ

初代にしてこの守備範囲

>>201
古い話で申し訳ないが、その点3はうまくやってたと思う
プレイヤーに1の知識がなくても、1・3主の記憶が飛んでるおかげで
1をやっていれば分かる予備知識をも、3の物語で解き明かされていく謎の中に組み込めたから
意外と一本でも楽しめるようにできている
(さすがにさとみルートは1やってないと無理があるけど)
214名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 13:05:42.92 ID:vu4zZedB
あれ?裏サクセスの女王様がいないぞ?
それはともかく3の場合は主人公が一度死んでるからな
215名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 20:23:06.58 ID:ODzWs395
14に智美や亀田がいたらなー
216名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 21:19:19.17 ID:+bvA6WG1
>>205
裏で本業巫女なのに詩乃をシスターで出したのだけは絶対に許さない。絶対ニダ
217名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 02:49:11.80 ID:/MII5Yrz
巫女服もそうだけど、和服がよく似合うキャラは誰だろうな
218名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 03:12:44.88 ID:pRy1y0wi
キャラが和風イメージの天本さん・葉月、公式で和服有の鈴音・シズヤ・桜華はテッパンとして
幸恵・奈津姫みたいな落ち着いたキャラはよく似合うと思う
219名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 04:22:42.17 ID:pRiXrztc
キャラ雑談は萌えスレあるんだからそっちでやれ
220名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 11:37:24.25 ID:NHQiyiWF
自らの手で手錠をして、誘うのも中々イケると思わない?
相手はレンやナオで、わざとπタッチさせたりパンチラしたり
221名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 11:40:17.26 ID:ZkYF05I2
>>220
レンちゃんついにSMプレイにも目覚めたんか…
222名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 11:40:33.07 ID:iIvOHfCc
幸恵さんは普通に着物着ている
私服はデートの時だけ

あと大正編でようこ先制が花魁やってなかったっけ
あれもなかなか良いものだった
223名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 19:51:24.67 ID:Otq6Hl2S
なぜ天本さんに巫女役を渡さなかったのか
九州入りして巫女と聞いて桜花が出てきた時点でオチが想像できていながらも天本さんに期待したんだぜ
224名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 20:03:36.97 ID:ZkYF05I2
14裏は何か色々と微妙な内容だったなぁ。
出てくるキャラも結構裏に出演してるか、つい最近出ているのが多かったし。
ナオサラは久々だけど…博多君に何があったんだろうかと言いたくなる。
225名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 22:36:58.02 ID:T9OFG0ng
尚更って12にいなかったか
226名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 22:52:14.12 ID:Gv0fSBLp
裏も表も、シズヤ・五十鈴・レン・桜華絡みの優遇イベントが12から増えてきて、なんかおかしいなあとは思ってた。五十鈴好きだからいいんだけど。
227名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 22:55:36.80 ID:bZ5g12ij
投下がないと雑談スレと化すな
228名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 23:15:18.34 ID:TyOQDeJ2
書き込みがなくなるよりよっぽどマシだって
229名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 23:52:19.29 ID:CLuVd/nz
ここで投下した作品を、PIXVに転載するのは許可を取る必要があるのか?
投下した当人なんだが……
230名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 23:57:39.06 ID:TQdPn5DQ
必要ないよ。他にもそうしてる人いるし
231名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 00:40:22.70 ID:bTPB5Tg7
>>225
ナオは設定だけなら12にもいた、裏出演は10以来かな
232名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 01:41:03.89 ID:LXMsksWE
>>229
投下した本人なら堂々とその旨向こうにも書いて転載すれば良いじゃないっていうか誰が許可を出すんだよw
233名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 07:20:34.69 ID:lDwdG3Ai
pixivってパワポケSS書いてる人多いの?
234名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 10:56:29.45 ID:fU8JPzH1
意外といるよ。小説探せば結構見つかる。
235名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 11:39:32.15 ID:UieDGh/0
ふむ・・・修正してあげてみるか
236名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 13:43:29.23 ID:5nvEJjpd
>>233
自分書いてます。

pixivに10主×さらの小説上げてるんで良かったら読んでみて下さい。
237名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 16:00:18.03 ID:OsVJQj2v
>>226
7くらいからそういうのが露骨になっていったよなあ
ヒーローやジャジメントとか
238名無しさん@ピンキー:2011/12/30(金) 22:23:20.86 ID:OGsRDPvr
歳末ネタに期待
239名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 19:16:24.32 ID:4WDCRqt+
さやかちゃんの身体中にひたすらチューチューペロペロしたい
240名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 19:24:31.49 ID:JUOQwaIF
>>239
さようなら!お兄ちゃん!
241名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 22:27:25.18 ID:XvTf7UYa
>>240
だが、>>239がさやかちゃんの大好きなお兄ちゃんならどうかな?
242名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 23:17:34.95 ID:czJ3WHno
お巡りさんこいつらです
243名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 23:53:10.48 ID:XvTf7UYa
自分で言ってて思ったんだが、レンの薫陶を受けたさやかなら、14主の汗をぺろぺろしようとしてもおかしくはあるまい。
244名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 00:00:03.85 ID:O1ISfj9E
流石にそれは変態すぎるだろうw
245名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 00:00:46.07 ID:SxURt4FZ
皆さんあけましておめでとう。大晦日ネタ書いてたんだけど、間に合わなかったorz
246名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 00:16:28.20 ID:KGri8tab
あけおめ
>>245
投下したってかまわないんだぜ
247 【大吉】 【1953円】 :2012/01/01(日) 00:38:13.60 ID:w2kdJ/5U
あけおめー。今年もスレが盛り上がるといいな
248名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:12:00.96 ID:qJA32Y3l
あけおめです。
ホントは大晦日のうちに仕上げて投下したかったのですが、年が明けたので新年一発目ということになってしまいました。すいません。
まぁ昨日思いついた即興ネタでロクな推敲もしてないので小ネタ程度と思っていただけるとありがたいです。
では投下します
249名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:12:51.51 ID:qJA32Y3l
「あはははははは、わ、笑いすぎておなかが痛いです…あはは」
「いくらなんでも笑いすぎじゃないか…大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、もうCMに入りましたし。…あははは」
「大丈夫じゃないじゃないか…」
 大晦日、自宅でレンと過ごす楽しい時間。時計の針はもう10時を指していて、今年も残すところあと2時間となっていた。
にこにことかわいらしい笑顔を見せている彼女を見ながら、飲み残していたジュースを飲み干し、小波は席を立った。
「あっ、どこ行くんですか小波さん!ここからこの番組もっと面白くなりそうなのに!」
「風呂に入ってくるだけだよ。もうお湯も冷えちゃうだろうし」
「む〜、だから夕方一緒にお風呂入りましょって誘ったじゃないですか!」
「別にいいだろ。すぐ戻ってくるから」
 彼女の誘いを断ったのにはわけがあった。まぁ単純な理由で、彼女と一緒に風呂に入って、何も無く終わったことが無かったのだ。小波としては姫初めまで彼女との交わりをとっておきたくもあった。
まぁそんなこんなで、年が明けたらすぐに彼女と交わるであろう身体の汗を流そうと、小波が風呂へと向かおうとすると
「あっ!」
「!?」
 何かを思い出したように叫んだレンの声が彼の足を止めた。
「ど、どうしたんだよ急に」
「あの、小波さん。お願いがあるんですけど…」
250名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:14:26.76 ID:qJA32Y3l
「れ、レン…本当にやるのか?」
「はい!一度受け入れてくれたんですから小波さんもやってもらわないと!」
 時計は既に11時半を指しており、今年ももう間もなく終わりといったところ。元気な声で答えながら意気揚々と服を脱ぎだすレンを見ながら、小波もしぶしぶ服を脱ぎだす。
その小波の気の進まなそうな雰囲気を感じ取ってか、レンが声をかける。
「ちょっと小波さん、あんまりノリ気じゃなさそうですねぇ」
「あ、いや、そんなことはないんだけど…」
「ホントですか?『愛する人と最高の快楽を迎えながら新年を迎える!』…いいアイデアだと思ったんですけどね…」
 『年越しを迎えると同時にイキたい!』…それが彼女の今年最後のお願いだった。…こんなこと考え出すのは目の前の彼女だけなのかもしれない…。時々レンについていけないと思うようなときが時々あるんだよなぁ…そんなことを考えながらも
「はい、小波さんこちらは準備万端ですよ!いつでも来てください!」
ベッドに転がり笑顔で誘う彼女を見れば、そんな気持も失せてしまう。そんな自分に少し呆れながらも、小波は彼女の元へとダイブした
251名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:15:33.30 ID:qJA32Y3l
「あっ、ん……やっぱり小波さんの手、やらしいですね…」
「やらしいって…それはお互い様じゃないか」
 左手で胸を弄びながら、下着の上から右手で彼女の秘所を撫でていく。時々もらす淫靡な声に、興奮を高まらせながら
「んあっ…んんんっ!」
 そのまま彼女と口付けを交わす。舌を入れるやいなや、彼女も負けじと激しく舌を絡ませてくる。
「んんっ…小波さん…んっ…」
「やっぱりキスが上手だなぁ、レンは。ずっとこうしていたい気分だよ」
「あたしもです…んっ…でも今回は……あああっ!」
「!?…ど、どうした?」
 突然大きな声を上げるレンの唇から口を離すと、彼女の左手は時計を指差していた。
「き、緊急事態です!もう1分しかありません!」
「…ああっ!いつの間に!!」
 時計は既に11時59分を指しており、無情にもその針はどんどんと進んでいく。
「前戯に夢中になりすぎました!小波さん、早く挿れてください!」
「え、ええええ!?」
 唯一身に着けていた衣類であるパンツを勢いよく脱ぎ捨てながら、彼女が大きく股を開く。…でええい、物足りないが、いくしかあるまい!
「いくぞ、レン!」
「お願いします!…ん、あああん!」
 勢いよく彼女の中へと自分のモノを突き刺す。すっかり愛液で濡れていて、優しく包み込んでくれる彼女の秘所……が、今はそんな余韻に浸っている暇は無い!
「は、早く小波さん!あと30秒です!」
「あ、ああ。それじゃ動かしてくぞ!」
 と、呼びかけるやいなや最初から全速力で腰を動かしていく。それはもうこれまでに無かったかのような速さで。
「んあっ、あっあっあっあっ…小波さん、もっと早くぅ!!」
「だっ、ああっ、き、気持ちいいかレン?」
「あっ最高ですっ…んっ、あっ、ああっ」
 激しく突いていくたびに、早く絶頂を迎えろと言わんばかりに彼女も小波のモノをぎゅうぎゅうと締め付けていく。…時計は既に10秒を切っていた。…が、小波の腰のがんばりあってか、間もなく両者に絶頂が訪れようとしていた。
252名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:16:36.48 ID:qJA32Y3l
「うっ、ああ、出、出すぞレン!レンの方はもう大丈夫か!?」
「んっ、は、はいっ!あたしももうイキますっ!お願いします!」
 彼女の受け入れる声を聞いたとたん、小波は勢いよく彼女の中へと精を流し込んでいく。
「んあっ、ああっ、ああああああああ!」
 それと同時に、レンも快楽に顔を歪めていった。…時計は既に12の数字を通り過ぎ、今も止まることなく進んでいる。
(…成功…かな……)
 心の中で確信すると同時に、小波はレンの体へと身を倒していった。
「くあぁ、疲れた……こんなに早く腰を動かしたのは、初めてだな……」
「えへへ、でもさすが小波さんです。早く終わっちゃいましたけど、気持ちよかったですし…もうちょっと楽しみたかったって気持ちもありますけど」
 にこりと微笑む彼女の顔を見て、小波は改めて成功したことを喜び安堵する。…と同時に、新年を迎えたことに気付いた。こんな姿ではあるが、一応挨拶せねばなるまい
「あ、ああ、レン、今年もよろしくな」
「はい!あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!……でも、まさか小波さんがこんなことするとは思わなかったなぁ…」
「…………え?」
「…中に直接出したじゃないですか」
「…………あ……………」
 下半身の感触を確認する。…彼女の膣内から直接伝わる体温、そして、さきほどその中に勢いよく射精したという感覚の余韻。
「…………」
「あはは、大丈夫ですよ。安全日ですし、こんなこともあろうかとちゃんと…あれ?小波さん?」
「……………………」
「ちょ、ちょっと小波さん!大丈夫ですか!?小波さん!」
 そんなこんなで、小波とレンの新たな一年が幕を開けていくのでした。
253名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:19:52.39 ID:qJA32Y3l
以上です。急いで打ち込んでたんで誤字脱字ありましたら申し訳ありません。
このスレにとってもスレ住民の皆さんにとっても今年がいい一年でありますように!
では失礼します
254名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:59:18.53 ID:KGri8tab
>>253
GJ!
新年から良いものを見れたよ
255名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 08:40:43.18 ID:bN5TEL+l
乙ー。レンちゃんらしいなあw
256名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 09:06:40.20 ID:8lHxbNkD
乙ー。レンちゃんやらしいなあwwww
257 【1956円】 :2012/01/01(日) 09:29:15.94 ID:U2Tdl+bm

今年の俺とレンちゃんの恋愛運だぜ
258名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:33:19.93 ID:JXkaFQNI
ああ、新年になってしまった…
1週間前に14買って、レッドのプロフ見て胸が熱くなって、一応書いたんだけどエロシーンが終わらない
申し訳ありませんが、エロなしとエロありで前後編に分けて投下しますね
259サイボーグ花嫁:2012/01/01(日) 12:36:15.60 ID:JXkaFQNI
「キミの16歳の誕生日に、乾杯」
 公園のベンチで、お互いの缶コーヒーを合わせた。
「缶コーヒーで乾杯なの?」
 言葉とは裏腹に特に不満もなさそうに、笑顔で武美は尋ねる。
この度16歳になった武美。今日予約を入れているホテルまではもう少し距離があるので、
休憩も兼ねてここで二人静かに誕生日を祝う事にした。
「まあ、向こうに着いた時にはもうちょっと豪華にしよう」
 ケーキなんかも用意してもらうのもいいかもしれない。もう蝋燭を年の数だけ乗せる歳でもないが。
いや、微妙なところかな。普通で言えば高校1年生だし。
「そうだね。…そっか、もうあれから6年以上経つんだね」
 遠前町を離れてからのことを言っていた。あの日、商店街の皆から見送られ、武美が大きな荷物を抱えて旅立つ俺の前に現れたあの日。その時から、俺たちは二人でずっと旅を続けている。
 気ままに道先を決めて、色々な人に出会って、たまに勘が外れて道を間違えて、船で海外にも行って、
…ホテル代とか武美にお金を出してもらって(流石に女の子にあまり外で寝させるのは良くないというのもあるが)、
色々な風景を見て、時には船で外国にも行って、困ってるひとを助けて、逆にこちらも親切にしてもらったりして。
 そんな風な事をずっと続けてきた。決して楽しいことばかりではなかったが、俺は今確かに幸せだと感じる。
武美も俺と同じように、これまでのことに思いを馳せているのだろうか、ゆっくりとコーヒーを飲み、ほうっと白い吐息を吐いた。
コーヒーを飲み干した後もしばらく二人で寄り添い座っていた。その間、お互い無言だったが気まずさはない。
「えへへ…」
「どうした?」
「あのね、ずっとこういう日々が続けばいいのにな、って思ってさ」
260名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:37:53.19 ID:JXkaFQNI
 少し照れくさそうに武美は話した。
俺も、心からそう思う。
しかし、かねてから1つだけ、変えようとしていたことがあった。
二人で旅を始めたあの日から、今日のために考えていたことが。

「……いや、俺は少し変化が欲しいかな?」 
「あれ?意外だね、そうだったんだ」
 どんな風に?と武美は尋ねた。今がちょうどいいのかもしれない。
…覚悟を決めるか。俺はコートのポケットにある、小さな箱を取り出した。
世のお父様方誰もが行ったであろう儀式。…あの町を訪れるまで、俺がこういう事をすることになるなんて思わなかったな。


 俺の手に載せられたその小さな箱を見た時、武美は流石に驚いた様子で、そして…悲しそうな表情を浮かべた。表情と同じような声色で話す。
「いいの…?」
「…何が?」
「あたし、もうそんなに長く居られないかもしれないんだよ…あなたと」
 …なるべくお互いが考えないようにしていたこと。
だけどその時はかならず訪れる、おそらく普通の恋人よりも、ずっと早く。
「それよりも、君がふらっと突然居なくなってしまうことの方が怖いように思えてね」
 可笑しな話だ、自分はあの町からふらっと居なくなったのに、彼女にそうされることは嫌だという。
我ながら女々しいと思うが、それでも、伝えずには居られなかった。
「……」
 彼女のことだ、俺に迷惑をかけないように、その時が近づいたらいずれ消えるつもりだったのだろう。
それだけは許せなかった。たとえロマンチックではなくても、最後のその瞬間まで…
261名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:39:34.07 ID:JXkaFQNI

 考えたくないことを考えていると、突然、武美が抱きついてくる。ほとんど突進に近かった。
驚きはあったが、彼女自身の体重がそこまでないため、たやすく抱きとめることができる。
女の子らしい柔らかく、華奢な身体。この小さな、力を込めてしまえば壊れそうな身体の中に、確かに、武美を苦しめてきたものがある。
武美の片手は俺の背中に回され、もう片方は俺の、箱が握られた手を護るように覆われた。
「ごめんなさい、しばらくこのままで居させてください…」
「武美?」
 俺の手をがしりと握り締める、可憐で、柔らかいその手には、力が込められている。手が白くなるほどに強く。
「私はこういう時に泣けないけど、あなたの事を好きって気持ちが溢れそうなことは、伝えたいから…大好きだから…だからこのままで」
「…ああ」
 しゃくりあげる子どもをあやすように、武美の背中を空いた片方の腕を使い、ぽんぽんと手で軽く叩いてやる。
俺たちは時が止まったように、日が傾き始めるまで、ずっと、ずっと、そうしていた。


「…なあ、まだだめなのか?」
「あーまだだね、今でだいたい1%くらいかな?ぜーんぜん好きだって伝えてないや」
 ごめんね、もうちょっと我慢してね?と武美は悪びれた様子もなく笑った。
小さくため息が漏れる。
あれからずっとこんな感じでしがみついて離してくれないのだ。
この調子で歩いていると、ホテルに着くのはもうちょっと掛かりそうに思う。
こら、あまり強くするな、服が伸びる…。
「やれやれ、まだ1%か、じゃあ全部伝わるまであとどれくらいまで掛かるんだ?」
「えー?嫌なの?せっかく愛しの奥様がぎゅってしたげてるってのに…奥様かあ…そっか奥様なんだね、えへへ!」
 俺の顔とプレゼントされた指輪を交互に見ながら一人で盛り上がっている。いや、二人だな。自分自身自然と頬が緩んでいるのがわかる。
「あーやっぱアンタも嬉しいんじゃん!素直じゃないね、ア・ナ・タ?」
今の俺のだらしない顔を見た武美が冗談まじりに指摘した。
「全くキミは…いつまでもこの調子じゃ、いつかどこかの山道で生き倒れてしまいそうだな」
「あはは、えーっと、確かにそうだね、んじゃとりあえず…」
262名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:40:27.91 ID:JXkaFQNI
しばらく考え込んだ後、武美は消え入りそうな声で言う。
 
「明日の朝まで…とか」
武美はふいっと顔を逸したが、わずかに耳元が赤くなっているのが見て取れた。
その素振りを見て、それが武美なりの「お誘い」であるということを、俺は誤解しなかった。

…まったくもうこいつは!

 ぐいっとこちらから武美を抱き寄せる。「わっ」という声とともに俺と武美の距離が更に密着した。
「ど、どうしたの?」
「悪いな、俺も好きだって事、伝えたくなった」
 傍から見ればバカップルに見えるだろうか、はたまた不審者に見えるだろうか。どうでもいい、今この間くらいは。
「これじゃ歩きにくいよ…」
「お互い様だ、嫌か?」
「もう…」
 そう言いながらも、武美は少しはにかみながら微笑んだ。見るものすべてを幸せな気持ちにさせる、そんな笑顔だった。
 確かに俺達の旅はいつ、どういう結末を迎えるのか分からない。
長くは続かないのかもしれない。明日にでも訪れるのかもしれない。
だけど…
 最後のその瞬間まで、一緒にいたい。二人一緒に幸せに。
どんな結末だろうとも、どんな別れになろうとも。
こいつの暖かさを服越しに感じながら、俺はそう強く願った。

「えっと、不束者だけど…」
「いや、その言葉は流石にホテルまでとっといてくれ」
263名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:43:03.75 ID:JXkaFQNI
以上です
後編もできるだけ早く投下できるよう頑張りますので、しばしお待ちを
読む人ごとの武美像が、自分の書いた文章とできるだけ近いことを願いながら
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます
264名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 12:45:49.66 ID:bN5TEL+l
>>263GJ!!
うっかり投下遭遇しちまったぜ

なんていうか……切ないね
265名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 13:21:00.36 ID:KGri8tab
GJ!
新年ラッシュだね
266名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 01:21:07.06 ID:mFeR/XDr
>>263
GJ!
切なさと可愛さの混じった良いSS

正月といえば着物プレイ
正月の夜はこれからだ
267名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 01:32:27.57 ID:gozIRnyp
スキヤキッズの鍋田が真央ちゃんの猫の成れの果てと考えると少し楽しい
268名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 09:06:44.56 ID:NvZcVQ2e
7主  「ほーれ、すき焼き用の肉分けてやるぞ」
スキヤキ「ニャー」
7主  「お前が人間なら一緒に食べられるんだけどな・・・」
14の時の7主が何か発言するたびに具現化しそうで怖いぞww
269名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 11:37:35.20 ID:PN2ojm1O
ちゃんと完成させてから投下しようよ
270名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 11:39:54.19 ID:aUcXw+od
あけましておめでとうございます。
武美の聖夜&元旦SSをwikiに投下しました。
少し>>263さんと趣向が被ってしまったのが申し訳無いですが…。

今年も一本でも多く小説を書けたらいいなと思います。
それでは。
271名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 12:04:34.22 ID:c11iki1o
さやかちゃんにはさみたい
272名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:55:32.99 ID:q7c4z4Xs
投下します。先日投下した『ある女の不幸』の続編で、
タイトルは『ある野球馬鹿の大晦日』

相変わらずエロ無しですがご勘弁を。
273名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:56:17.11 ID:q7c4z4Xs
 私には、好きな人がいます。
 高校のときからずっと、ずっと好きな人……愛している人、と言い換えてもいいかもし
れません。片思いの恋でも、十年以上続けていれば本物になりますから。

 きっかけは、ほんの些細な事でした。部活動に励んでいた私を、彼が呼び止めてくれた
事。そこから、私と彼の些細な交流は始まりました。

 愉しかったですよ、あの人と二人でお話したり、馬鹿なことをしたりするのは。
 楽しすぎて、そこから進むのが怖くなる位に……

 好きだったのに。自覚していたのに、私は、そこから先に踏み出せなかったんです。今
の関係が壊れるのが怖くて……

 気がついた時にはもう手遅れでした。あの人は、遠い所に行ってしまって……普通なら、
ここで諦めなきゃいけないんですけどね。

 けど、諦めきれませんでした。あの人が結婚してからも、私の心にはあの人しかいなく
て……だから……











「と、いうわけで……大江さんの言う事件は、高校の頃から秘めていたナオッちの乙女心
の発露だったのですよ」
「ほぅほぅ」
「あの、それで、お願いしたい事があるんですが……」
「言うてみ」
「ナオッちの純情に免じて、その、私の上からどいてくれるとうれしいなーって」
「駄目や」
「即答!? って痛い痛い痛い! その間接はそっちには曲がりませんよ!?」
「はっはっは。それは違うで高科。この関節はこっちにも曲がる……外せばな」
「外されるっ!? だ、誰か助けてへるぷみー!」
「…………」
「は! 鈴ちん!? ちょっと助けて欲し――!?」
「なぁ、高科……」
「あ、あの――鈴ちん。何故、笑ってるのに目が笑ってないんですか……?」
「知っているか? 一昨年といったら、私と十蔵は ま だ 夫婦だったんだが」
「あ゛」
「幾ら高科がバカでも、その事を忘れていたとは言わせないぞ?」
「…………」
「…………」
「…………」
274名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:56:36.74 ID:q7c4z4Xs






「てへぺろ(・ω<)」
「おっしゃ、台所で『お話』しよか」
「だ、台所は寒いですよ!? 行っても楽しくありません!」
「大丈夫。ウチは愉しくなる予定やから。くくくくくくく」
「字がおかしい!? 後その笑いは怖いからやめて!」
「大江」
「あ、鈴ちん! 助けてくr」
「私も同席させてくれ」
「裏切られた!? というか鈴ちん娘さんはどーしたんですか!! 速く連絡してあげな
いと心配しますよ!?」
「娘ならアメリカでお兄ちゃんと火星に行く為の勉強中だから、心配ない。後、寂しさを
理由に甘えると言っていたから、むしろ好都合だ」
「娘さん既にまっ黒じゃないですかー!」
「辛い事って世の中には一杯あるんやで、高科」
「辛い事は、世の中には一杯あるんだぞ、高科」
「どこかで聞いた台詞ですよ!? 何でそんなに息がぴった――アッーーーーーーーーーー!?」

 一年の終わる日、大晦日。とある安アパートの一室で。
 一人の女性が、二人の女性によって今年最後の地獄を見た。



「ご近所迷惑にならないようにしてくださいねー」

 大騒ぎしながら台所へ出て行く三人に対し、さらはコタツの中からのんびりとした声で
言い放った。最愛の筈の姉の悲劇を前にして、高校時代並のドライっぷりを見せるさらに、
十蔵は頬に汗を流しながら、

「えっと……さら?」
「いいんですよ十蔵君。あの人の事は放っておけば。」
「和解したんじゃなかったのか?」
「私に犯罪者になるような姉はいません……というか、被害者の十蔵君がそんな事でどう
するんですか」
「……というか、俺は薬盛られてたのに今日始めて気がついたんだが……」
「モテモテじゃないですか十蔵さん」
「こんな形で発覚しても嬉しさの欠片もないっつーの。とういか、お前その『新しいおも
ちゃ見つけちゃいました』みたいな笑顔は辞めろ」

 自分の向かい側で心底愉しそうに笑うホンフーに、十蔵はジト目で突っ込みを入れた。

275名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:57:16.67 ID:q7c4z4Xs
 何でこんな事になったのやら。今朝方考えていた理想と現状の大きな差に、十蔵は天井
を仰いだ。本当なら今頃は、カズと二人でのんびりと年越し蕎麦をすすっていた筈なのだ
が……

 まず予定が狂ったのは、昼過ぎだった。なれない大掃除に悲鳴を上げる二人の下に、大
掃除を手伝いに来たと五十鈴が尋ねてきたのだ。
 手が足りないのも事実なら、野球馬鹿と戦闘馬鹿二人では掃除スキルが余りに不足して
いたのも又事実。彼女の訪問はまさに渡りに船だった。

 ……問題は、この後だった。掃除も終わり一息ついた頃に、ナオサラ姉妹がお土産片手
に突撃してきたのである。
 曰く『離婚して寂しい思いしてる十蔵君に、見た目麗しい女性を二人デリバリーですよ
ー』との事。この闖入者の存在が、同居しているカズと元妻の五十鈴にとって面白かろう
筈も無い。
 帰れ、帰らないと言い合っているうちに時が過ぎ、気がつけば外は大雪。今から追い出
すのも気が引けるという事で、全員この部屋で年を越す事になってしまったのである。

 ……ちなみにホンフーはいつの間にか紛れ込んでいた。こいつのばあい、たたき出して
も問題なさそうな気もするのだが。

「というか、お前は本当に何しに来たんだよ。どうせ、幸せそうな俺達に嫌がらせを――」
「いえ、嫌がらせなら終えてきました。別の人たちに。ここには本当に顔見せに着ただけ
でして」
「誰に何やった?」
「文月文七選手知ってます? あの人の恋人をちょっと炊きつけてみました♪」
「 日 本 球 界 の 至 宝 に 何 や っ と ん じ ゃ お 前 ! 」

 メジャーで大活躍中の大投手の名前が飛び出した事に、十蔵は目を剥いて怒りを露にす
る。まさにマジギレ。

「まぁまぁ、落ち着いて……」
「落ち着けるか!!!!」
「じゅ、十蔵君? 落ち着いて……」

 男二人のやり取りを止めたのは、同じコタツに入っていたさらの宥めの言葉だった。そ
こに若干の怯えが隠れているのを見て取って、十蔵はばつが悪そうに、

「あ、あー……すまん、さら。驚かせたな」
「いえ……十蔵君、文月選手とはお知り合いなんですか?」
「とんでもない! ただ、尊敬しているだけさ。
 如月鉄二、皐月東吾、文月文七……この三人が、俺が球界で一番尊敬してる人達さ」
「三人いるのに、一番なんですか?」
「うーん、甲乙つけがたいんだよなぁ。そもそも、選手としてのタイプが全く違うからな」

 十蔵は、ふむとあごに手を当てて、語り始めた――
276名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:57:36.11 ID:q7c4z4Xs
「如月鉄二選手は俺のナマーズの先輩なんだけど……何が凄いって、いまだ現役なんだよ
この人。今49歳で来年50になる。
 今のナマーズがドリルモグラーズだった頃から、ずっと現役で投手やってるんだ。それ
も一線級で。二十八年にわたる実働期間の中で二桁勝利を逃したのはたったの一度だって
言うんだから凄いぞ。サイボーグ疑惑も出たけど、結果は白! 真っ白さ!
 投球フォームはアンダースロー。精密なコントロールとシンカーを中心にした変化球で
打たせてとるタイプのピッチャーさ。実は、俺がピッチャー目指したきっかけでもある人
なんだよ。フォームとか真似たりしたなぁ……タイプ全然違っちゃったけど。
 皐月東吾選手はそもそもピッチャーじゃなくて内野手なんだ。俊足と堅実な守備に定評
があって、特にセーフティーバントは達人の域だよ。内野安打の日本記録を二回も塗り替
えたんだ……俺がプロに入る前に引退しちゃったけどね。
 最後の文月文七選手だけど、この人は言うまでも無くメジャーで大活躍中だ。けど、俺
があの人のファンになったのはプロの時じゃなくて、甲子園出場の時さ。あの人が花丸高
校を率いて甲子園優勝した時に、俺は絶対この人みたいになると決めたんだ。
 メジャーリーグで最多勝投手になった年には、もう日本中が「そこまで」いたっ」

 野球馬鹿の本能全開にエキサイトし、三人の大選手について語る十蔵の後頭部に、いつ
の間にか戻ってきたカズのチョップが一発振り下ろされる。

「何すんだカズ! ここからがいい所なのに――」
「語りすぎや十蔵。芳槻さんが固まっとるで」
「…………」
「あ」

 十蔵は言われて始めて、さらの表情が強張っている事に気がついた。

「……こいつにその質問は機雷だから、気をつけたほうが良いぞ。私の時は一晩中語り明
かされて寝れなかった」
「野球馬鹿やからねえ」

 補足しながら、五十鈴とカズはこたつに座った三人の前に湯気の立つどんぶりを並べる。

「お、年越し蕎麦か」
「ああ。今年は大江もいるし関西風にしてみた」
「全員蕎麦持参やったから、人数分あるでー……流石に、箸は割り箸やけどな」

 どうやら、ナオに対するお仕置きのついでに蕎麦作りに勤しんでいたらしい。笑顔で配
膳する二人の後ろから、よろよろとゾンビのように台所から這い出た影が、さらの隣に潜
り込む。

「うぅ〜」
「で、そこで何故私の隣に来るんですか? 高科さん」
「さら!? 呼び方が高校時代に戻ってるよ!?」
「私に抜け駆――こほん。犯罪者になった姉などいません」
「……混ざりたかった?」
「ぼてくりまわしますよ?」
277名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:58:34.04 ID:q7c4z4Xs
 無理やり二人で一面にもぐりこんだ姉妹で、聞き捨てならない会話が交わされている気
がしたが、十蔵は意図的にスルーした。そうしないと精神衛生上よろしくないような気が
したので。
 こたつの入る面は4つ。十蔵、ホンフー、さらの三人が一面ずつ使用し、空きが一つあ
る中で妹と同じ面に入る辺り、姉妹仲はすこぶる良好のようだった。
 ……十蔵の隣に誰が座るかでカズと五十鈴の間に一寸した火花が散ったが、割愛する。


 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−



「…………」

 ナオの視線に十蔵が気付いたのは、ホンフーが帰宅し、五十鈴とさら、カズの三人が食
事の後片付けの為に台所に立った後だった。なにやら達観しきったような、安堵の満ちた
笑顔で十蔵の顔を見つめているのだ。
 昔からなにやら達観した所のあるナオではあったが、こんな視線を向けられるのは十蔵
も初めてだった。

「どうした? ナオ」
「ああ、いえ……何でもないですよ。見てただけで」
「というか、随分とオシオキされたみたいだけど、大丈夫なのか?」
「……十蔵君。人間の間接って、ぽこぽこ抜けたり嵌ったりするんですねぇ」
「あー、うん。聞いた俺が悪かった」

 ハイライトの消えた目で呟くナオの姿が痛ましすぎて、十蔵は脊椎反射で謝罪してしま
った。よくよく考えたらナオの自業自得なのだが。

「にしても、大晦日当日にアポ無しで突撃とかは勘弁してくれ……」
「あはは。ごめんですよ……けど、安心しました」
「安心?」
「ええ。あんな事の後だから、十蔵君も落ち込んでるんじゃないかって」

 やはり、と十蔵は納得した。ナオの視線の正体とアポなし訪問の真意――薄々、そんな
理由ではないかと思ってはいたが。『あんな事』。十蔵の記憶の中で思い当たる現象は、一
つしかない。
 ジャッジメントの解散とその後の混乱の中である高校の真相が解き明かされた。長年権
力によって覆い隠されてきた事実は、その真相によって子を失った親族の執念によって、
白日の下に晒されたのだ。
278名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:59:22.65 ID:q7c4z4Xs
 親切高校が、ジャッジメントによる人体実験のための施設だった……その事実と、行わ
れていた非人道的な実験の内容が、全て警察の手によって取り押さえられ、関係者は一人
残らず逮捕されてしまった。学校関係者全体からの比率で言えば、実験の事自体知らない
人間の方が多かったのだが……
 彼女達のような、卒業生にとっては到底他人事とはいえないニュースである。十蔵も、
このニュースと無縁で入られなかった。

「十蔵君なんて一歩間違えれば野球人生が終わってましたから、ショックで塞ぎこんでる
んじゃないかと……」
「まぁ、俺はそういうのはされてなかったからな」

 親切高校のニュース発覚後、その卒業生を襲ったのは心理的な影響だけではない。大き
な業績を残した人間には、能力自体への猜疑の目が向けられた。
 すなわち、その能力が人体実験の結果手に入れたものなのではないか? という疑念で
ある。人体実験の内容の中には、当然人間の能力を向上させるようなものも含まれており、
今活躍している卒業生達に疑いの目が向けられるのは、当然の流れだった。
 頭脳で活躍していた人間はまだいい。悲惨だったのは、スポーツの分野で活躍していた
十蔵のような卒業生である。現在の活躍が輝かしいものであるほどに、受ける目線は厳し
いものとなった。
 特に十蔵の場合は、記録更新が期待される球界のエースである。球団側から受けさせら
れた身体検査は一度や二度ではなく、心ないバッシングを受けたこともある。一度などは、
当番と同時に火炎瓶を投げつけられた事さえあった。
 検査の結果が全て白であり、球団関係者やライバルである天道からの擁護もあって、続
投が決定したものの、一時は引退さえ囁かれていた。

「それに、鈴ちんや大江さんの事も心配でしたけど……完全に杞憂でしたねー」
「…………」

 十蔵は何も言わずに、お茶をすすった。現状を間違って認識しているのは明らかだった
が、訂正する必要は無かった。

『神無月十蔵とそのクラスメートに行われた実験は、『惚れ薬』と『記憶操作』の実験。神
無月十蔵はその影響で、当時付き合っていた大江和那の事を忘れさせられて、天月五十鈴
と結婚する事になった』

 そういう事になっているのだ。ナオの中では。

 今ナオが脳裏に浮かべているであろう事情は、言うまでも無く捏造されたものである。
 能力がなくなった今、五十鈴と十蔵の結婚に関する不審な点は、関係者なら皆が気付い
てしまう。調べようとすれば簡単に真相にたどり着くだろう。特にナオの現在の職業は新
聞記者であり、コネもある。
 真相は超能力による因果律改変なのだが、こんな真相が明るみに出れば、五十鈴が狙わ
れる可能性も出てくる。能力を失った彼女では、それに抗う事は出来ないだろう。
 この話は、情報による混乱を防ぐ為にでっち上げた、関係者向けのそれっぽい『偽の真
相』なのだ……あながち嘘八百と言うわけでもない所がミソ。状況に矛盾もなく、大抵の
人間はこれで納得するだろう。
 現にナオは、この情報を真実として認識しているらしかった。
279名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 18:59:44.34 ID:q7c4z4Xs
「……あの……」
「ん?」
「十蔵君は、親切高校に入った事、後悔してます?」
「全然」

 即答だった。親切高校で行われた実験のせいで、最愛の人と自分の人生を滅茶苦茶にさ
れかけた男は、満面の笑みで、力強くナオの問いを否定した。

「え? けど――」
「俺に後悔なんて無いよ。確かに、回り道はしたけど……今はこうして幸せだし。俺の幸
せは、親切高校に入らなかったら得られなかったものだからさ」

 幸せだと、十蔵は言い切った。その心によどみはない、本心からの言葉である。
 確かに、傍から見れば自分の不幸は親切高校に起因している。あそこの人体実験のせい
で恋人である和那は超能力に目覚めさせられ、裏社会の闇に落ちた。五十鈴はその超能力
を暴走させ、周囲の全てを望まず踏みにじってしまった。十蔵もまた、恋人と引き離され
た上に、裏切ってしまった。
 それでも――十蔵は、親切高校に入ってよかったと思っている。

「……その点は、カズと五十鈴だって同じだと思うぞ」

 カズは戦いの果てに手に入れた幸せを謳歌している。十蔵の元妻である五十鈴は、今で
も十蔵を諦めておらず、ポジティブに再婚を目指している。そこに過去に対する呪いも恨
みもなく、ただ未来の幸せだけを求めている。
 誰がどのような幸せの形に行き着いたとしても、幸せは続いていくだろう。お互いの運
命を変えた陰惨な経緯を思えば、信じがたいほどに穏やかで平和な関係がそこにはあった。

「というか、俺のほうは憎まれる覚悟だったのに……俺みたいな男にはもったいないよ。あの二人は」
「……判る気もしますけどね。私達も同じですし……」
「なにがだ?」
「なんでもないですよー」

 言葉の後半が聞き取れず問い返す十蔵だったが、はぐらかされてしまった。

「おーい、準備できたでー」

 台所から声が響き、カズ達が三人揃って居間に戻ってきた。その手には、人数分の紙コ
ップが握られており、こたつの上に並べられる。
 中に注がれているのは、新年の乾杯の為にと姉妹が持ってきたシャンパンである。

「流石にグラスが足りなかったから、紙コップになってしまったが……」
「悪いな二人とも。ご馳走になっちゃって」
「いえ、お気になさらずに……」
「そろそろだな」

 壁にかけられた時計を確認すると、時刻は11:56。今年も残す所後四分だった。

280名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:00:19.11 ID:q7c4z4Xs
「……今年も終わりかぁ」

 呟いて、神無月十蔵は自分の今年を振り返る。
 本当に、色々あった年だった。さらとナオの関係が修復できたり、その為に奔走してい
たのを娘に誤解されたり、娘がお兄ちゃんと火星に行くと言い出したり……この時ばかり
は、男親としてガチで泣いたものだった。
 ブラックたちから接触され、自分と五十鈴の歪な関わりを知ったのは、娘がアメリカに
旅立った直後だったか。あの時は、自分が積み上げてきた全てが崩れ去ったような気がした。
 全てを失う覚悟で五十鈴に離婚してくれと土下座し、ブラック達には、カズには自分か
ら話すから黙っていてくれと頼み込み……自由になったカズと同棲を開始した。
 ブラックたちに頭を下げたと言うのに、十蔵には真相を明らかにする勇気がなかった。
話そう話そうと思って、カズの笑顔を失うのを恐れて先延ばしにしてきた……結果として、
全てをカズが知ったのはクリスマス。それも五十鈴の口体と言うのだから情けない事この上なし。

 実に濃厚な一年である。激動と言い換えてもいい。
 自分の一生の中で、こうも濃密な一年はもう訪れないだろう。最悪の一年だったと思う
……同時に、最高の一年だったと思う。
 今年の初めに、こんな一年になるなど思いもしなかった。ならば、来年の今頃は、一体
どのような状況になるのか。

 時計の針が日本とも12に重なる。激動の一年が終わり、未知の一年が始まる。

「あけましておめでとうございまーす!」
「あけましておめでとうございます!」
「あけましておめでとう!」
「あけましておめでとう!」
「あけましておめでとう! 今年もよろしく!」

 五人の声が唱和し、紙コップがぶつかり合う。満たされたシャンパンで口を湿らせなが
ら、十蔵は、根拠もなしに信じた。強く。強く。
 どんな状況になったとしても、幸せになれると。
 もしもカズに考えうる限りの不幸が襲ってきたとしても、自分が支えてやればいいのだ。
 彼女は自分を愛してくれる。自分も彼女を愛している。
 そんな二人の人生が、バッドエンドになる筈がない。

281名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:01:41.02 ID:q7c4z4Xs


 全員でコタツで雑魚寝し、迎えた新年の朝。窓の外から見える雪は、随分と小降りになってきた。

「これなら、外に出ても大丈夫そうだな」
「――!? 十蔵君、この寒空の下ナオッち達に帰れと!? そこまでして大江さんとい
ちゃつきたいんですかっ!」
「言わないよ。どうせここまで大勢で騒いだんだし、年を越したらみんなで初詣にでも行
こうと思ってな。スノータイヤも交換済みだし、丁度いいだろ?」
「へぇー。大江さん、運転できるんですか」
「いや、カズは免許持ってないぞ?」
「ほへ? じゃあ……」


「俺が運転するんだよ」


 しばしの乾いた沈黙の後に放たれたナオサラ姉妹のコメントは、以下の通り。

「……あの、私、まだ死にたくありません」
「無免許運転は犯罪ですよ? 十蔵君」
「どういうリアクションだ」
「だって、免許取得には、筆記試験が……」
「ちゃんと受かってるって!」

(あー……)
(あー……)

 ナオサラ組と十蔵のやり取りを見て、自分も同じ反応したなとしみじみ思い出すカズと
五十鈴であった。誰もが同じことを考えるらしい。
 ちなみに、筆記試験に受かったのは事実だが……合格するまでに30回位落ちたそうな。


282名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:03:45.17 ID:q7c4z4Xs
以上で終わりです。大晦日に投下できればかっこよかったのになぁ
283名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:06:30.51 ID:q7c4z4Xs
>>281の一行目に、ミスがありました。一行目に、オマケの文字が入ります。
284名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:41:12.25 ID:y6/9yni9
なんかここまで来るとほんと哀れとしか思えんわ
自分の妄想をただ押し付けたいならここじゃなくてチラ裏にでも書いてろよ
285名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 19:43:03.93 ID:wgMbDR1k

SSなんて所詮オナニーなんだよ
嫌なら見るな、NGすればいい
286名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 20:17:55.81 ID:isOhwjOE
>>283
GJ!
こんな風にまろやかな関係ならいいなあ
287名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 20:24:20.80 ID:mFeR/XDr

新年から投下が多くて良いね
>>285
荒らしはスルースルー
288名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 21:12:44.81 ID:OWr72I3a
この人の場合ssを投下するのが目的じゃなくて自分独自の考察を披露したいのが丸分かりじゃん
だったらここはそういう場所じゃないから考察wikiとかに行ってよね
289名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 21:23:46.22 ID:mFeR/XDr
>3.「煽り・荒らしはスルー」
4.「無自覚な荒らしにならないこと」
・1〜3を守れていても、「他人の作品を"過剰に"貶して空気を悪くする」等、
マナーがあまりにもない場合、無自覚だろうと煽り・荒らしだと判断されます。注意しましょう。
290名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 21:31:13.93 ID:qe44cAP1
タエタエェ……
291名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 21:44:28.58 ID:RICo0Sy3
冬休みだなあ
292名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:16:30.64 ID:8byO34NP
エロ無いのならなんでここに投下するのと言う感じはする。
投下すんなとは言わんが毎度毎度似たような感じだと流石にね。
293名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:33:41.87 ID:RICo0Sy3
みんなテンプレ読もうよ…
まったり行こうぜ
294名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:44:04.30 ID:mFeR/XDr
>SS(エロあり・なし)、小ネタ、妄想などを投稿したり、投稿されているのを見て楽しみましょう。

まったり行きましょうよ
295名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:51:53.19 ID:y6/9yni9
作者どうせ今ここ見てるんだろ?
キメェからもうこういうのは止めろよ
296名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 23:54:54.01 ID:ccgmN5d8
GJ!
ナオ可愛いなあ
冬休みももう明けるし平和になるといいねえ
297名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 23:58:46.97 ID:IOMVTxDH
ぶっちゃけこの荒らしとっくに学校なんて卒業してるんじゃないかって気はするが
14が出たから盛り上がると思って戻ってきたんだろうな・・・実際入れ食いだし
298名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 00:12:17.01 ID:eIlrP4vq
>>281
ほっこりしたわー
乙でした!
299名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 00:16:09.88 ID:Wn+Fj5qd
>>282
gj!こういうの好きです
新作も期待して待ってま〜す
300名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 00:25:40.77 ID:UXL96MT/
>>281GJ

暴れてるのはいつもの人だろうね
書き込む前にテンプレをよく読んで、荒らしは黙ってスルーしよう
どうしてもって人は下の議論スレッドでどうぞ
http://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/bbs/3389/l50

初詣といえばどんなシチュかな、着物プレイ?
301名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 00:30:27.88 ID:TdgJzGaR
>>300
振袖プレイも捨てがたいが、これだけではぶっちゃけ夏祭り&温泉での浴衣プレイと大差がない。
やはり初詣、お正月といえば羽つきから派生するお筆くすぐりプレイや、かるたを活かしたいところ。
302名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 01:06:58.81 ID:eIlrP4vq
業が深いな…
303名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 01:07:16.07 ID:eIlrP4vq
すまん誤爆
304名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 01:14:28.15 ID:GOTSmq3z
>>303
誤爆なのか本当にw
305名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 10:28:17.46 ID:RuPSDrlS
こんな10主はどうだろうと思ったので殴り書きする。

10主「そうだ、中東のほうの国籍を取得しよう!」
カズ「いきなりなんやねん」
10主「『一夫多妻おk』なんだろ?つまりみんな俺の妻で万事解決!!」

一同(((!?)))

五十鈴「…まぁ、とりあえず私が正室だな?」
カズ「ナニ言うとんねん。最初につきおうてたのうちやで」
ナオ「間をとってナオちゃんが正室でいいんじゃないですか?」

ミーナ「4人目を一番大事にするそうですよ?」

――あの世
しあーん(むう、アジム潰すべきではなかったかな?)
カイ「悩ましげな会長素敵です」
犬井(カイ…)黙々と素振り

いろいろとおかしいが反省はしない
306クーヴェル:2012/01/03(火) 11:56:05.57 ID:3VNAF4Ch
チラシの裏にでも書いてろよ
307名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 14:22:50.25 ID:GoRzKGvG
>>305
ふざけるなよ
10主がこんなに頭良いわけないだろ!



でも続くのなら絶対に読む
308クーヴェル:2012/01/03(火) 18:51:20.90 ID:3VNAF4Ch
10主×さら期待上げ
309名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 18:54:23.58 ID:wve45rtb
>>307
これがツンデレか……。使わせてもらうわ。

>>305
10のハーレム新展開と聞いてわくわく。
310名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 23:20:17.90 ID:DUVY+htt
麻美は正月のネタに事欠かなさそうな気がする
311名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 00:09:25.57 ID:nkum9nii
年賀状に何かエロい事書いちゃって13主がその通りに動いたりするのか
312名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:00:55.14 ID:4BHVhVeL
>>311

明けましておめでとう!今年もヨロシク!

ところでゆらりから聞いたんだけど、新年の行事の中に姫初めっていうのがあるんだって!よくわからないから良かったら私に教えてくれない?1月3日まで家には誰もいないからみっちりと教えてね!


「ゆらりに言われた通り書いたけどこれでいいのかなぁ。なんで家族がいないことも書かなくちゃいけないんだろ?」

とか?
姫始めの字を間違える所が麻美クオリティ
313名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:24:29.75 ID:6dW1ylqP
初投稿です
12裏のサラの陵辱モノです。

「あっ、んん、やんっ」
魔王城の薄暗い一室に喘ぎ声とも小さな悲鳴ともとれる声が響く。
そこには、一人の少女と彼女を囲むフォイルニスなどの目玉生物や生きている影など大量のモンスターがおり、モンスター達の伸ばした触手が自由自在に少女の肌の上を這い回っていた
「んんっ、んあっ、ああっ!」

314名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:27:35.13 ID:6dW1ylqP
少女の名前はサラ。氷の姫君の異名を持つ魔族だが、現在は銀の盾のメンバーとして魔族討伐の活動をしている。
その時も魔王討伐の為、魔王城のダンジョンを仲間達と探索していたが、彼女は最上階で力付き、オイセレの中に閉じ込められて仲間達の救出を待っていた。

315名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:30:02.28 ID:6dW1ylqP
しかしオイセレとしてさまよっている間にその美しさが魔王の目に留まり、彼女を自らの玩具にしようと考えた魔王により、調教されてしまうハメになってしまったのだ。


いつも着ているドレスは跡形もなくなっており、彼女は全裸だ。そしてその美しい白肌や、慎ましやかだが形の整っている乳房、毛も生え揃っていない初々しい恥部をされけ出していた。
316名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:33:01.56 ID:6dW1ylqP
生きている影が触手を手の形に変形させて、綺麗な胸を揉みしだき、その頂点にあるピンク色の蕾をフォイルニスの触手がクリクリと刺激すると、サラはたまらず声を漏らす
「あっ、ああっ、うあっ、んんん、んんんんんっ!」
(どうしよう、気持ちイイ、こんないやらしく触られてるのに気持ちよくてたまらないよぉ!)
だが、彼女には両手両脚はモンスターの触手に絡み付き、抵抗は全く出来なかった
317名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:35:32.09 ID:6dW1ylqP
フォイルニスの触手は下半身にも伸びる。
まだ何者の侵入も許したことのないピンク色の膣に細い触手が何本も滑り込む
ニュルッ、ニュルルッ‼
「んはああああ!!あっ、あぅ、いやっ!んんん!いやぁ、あっ、あああああああ!!」
(やっ、ソコはコナミさんにもまだ…)
318名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:38:48.16 ID:6dW1ylqP
膣内で触手はいいように動き回り、様々なところを刺激する。Gスポットを執拗に愛撫するもの、子宮口にキスをするもの…
「ああああああっ!お、おくっ、おくグリグリしないでぇ‼」
319名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:41:00.08 ID:6dW1ylqP
モンスター達はただサラに快感を与えるだけでなく、彼女の体を更に敏感にするために触手から強力な媚薬効果のある粘液を分泌し、それが肌や、粘膜を通して彼女の体に浸透すればする程サラの喘ぎ声は大きくなる。
加えて、他のフォイルニス達は大きな目玉から快感を高める光線をサラに浴びせ続けた。
(ああ、体中がヌルヌルして、気持ち悪い…)
320名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:43:46.14 ID:6dW1ylqP
などとサラが考えていると、じゅぼっ、と口にも触手が突っ込まれ、その粘液を無理やり口から飲まされる。
「んんっ、んぶ、じゅぶっ」
次の瞬間身体が更に熱くなり、自然に腰がガクガクと震える。
321名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:46:12.58 ID:6dW1ylqP
体の状態をもはや把握すら出来ていない少女にモンスター達は追い打ちをかける。先端を空洞に変形させた触手がクリトリスに吸い付いたのだ。
ぢゅっ、ぢゅるるるっ!レロレロレロ
「ああああああああっ!!んうう‼だっ、ダメ!ソコダメっ!あっ!あうっ!んくぅうう!イくぅぅぅううううう!!!!」
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッッッ!
322名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:49:27.35 ID:6dW1ylqP
大きく少女の体が仰け反り、絶頂に達した。
モンスター達はどうすれば効率良くサラに快感を与えられるのかが分かったのか、まだ絶頂の余韻が冷めない少女の胸の上で、腹部で口の中で、太腿の上で、そして膣の中でうぞうぞと触手を一斉に動かし始める。
「あああああああっっ!!やめてぇぇぇええ!!わ、わたっ…んんんっ!あっ!ああっ!ひぃぃぃいいいん‼私壊れちゃうううううう!!!!!」
323名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:51:57.70 ID:6dW1ylqP
快感の余り気絶しても、すぐに次の絶頂の波で意識が戻る。絶頂、気絶、そしてまた再び絶頂、そんな攻めは何時間も続いた。
サラがすっかり体力を消費仕切って足腰が立たなくなった頃、ようやくモンスター達から解放された。しかし、本当の恐怖はここからだった。
324名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:54:36.18 ID:6dW1ylqP
フォイルニス達がどこへともなく姿を消すと部屋に鳥の姿をした魔王が入ってくる…
「随分と疲れているようだな氷の姫よ…」
「………………………………」
サラは疲れ切っており、なにも答えることが出来ない。
「どれ程にほぐれているか、私が直々に確かめてやろう」
325名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 01:56:37.75 ID:6dW1ylqP
そう魔王が言い終わると同時に魔王の体が黒い煙に包まれ、それが晴れると何と魔王の姿が人間の男に変わっていた。
「この方が馴染み易いであろう?くっくっく、では私の子を孕んでもらうぞ…」
326名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 02:00:16.98 ID:6dW1ylqP
(そ、そんな…私、魔王に犯されちゃうの?い、いや…)
そう思っても何の抵抗も出来ないサラ、そしてそんな彼女を仰向けにし、彼女の股を開かせる魔王。魔王は自らの肉棒を取り出し、サラの股間にあてがうと…

以上前編です。多少変なところあると思いますが、スルーして下さい。今後編を書いています
327名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 02:09:28.73 ID:KcydVa2u
>>326
乙乙

アドバイスとして一つ
1レス辺りの文章が短いので、文章をもっと1レスにまとめた方がいいと思うよ
そのほうがレスも消費しないし、この文章量なら3レスほどあれば投下できると思う
328名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 02:13:58.31 ID:6dW1ylqP
それがLv(?)が低いとか何とかでコレくらいじゃないと投稿出来ないらしいんですよorz
329名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 02:34:16.75 ID:KcydVa2u
Lvってことは忍法帖かな?えらく急だなあ
それでも半分くらいには抑えれそうだからできれば試行錯誤して頑張ってほしいです
規制が厳しかったら、避難所に投下するのもありかも
http://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/bbs/3390/l50
330名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 02:47:44.67 ID:6dW1ylqP
その忍法帖って説明読んだんですがイマイチわからなくて…
331名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 03:02:08.89 ID:6dW1ylqP
あ、やっぱ大丈夫です。ググってみたらわかりました。
アドバイスありがとうございましたm(_ _)m
33213@神奈川biglobe:2012/01/04(水) 07:49:18.83 ID:8+tJRiyw
ひどいなこりゃwwwww
>>331=荒らし同然
333名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 12:58:59.36 ID:W+x/NuP4
「あっ、んん、やんっ」
魔王城の薄暗い一室に喘ぎ声とも小さな悲鳴ともとれる声が響く。
そこには、一人の少女と彼女を囲むフォイルニスなどの目玉生物や生きている影など大量のモンスターがおり、モンスター達の伸ばした触手が自由自在に少女の肌の上を這い回っていた
「んんっ、んあっ、ああっ!」
少女の名前はサラ。氷の姫君の異名を持つ魔族だが、現在は銀の盾のメンバーとして魔族討伐の活動をしている。
その時も魔王討伐の為、魔王城のダンジョンを仲間達と探索していたが、彼女は最上階で力付き、オイセレの中に閉じ込められて仲間達の救出を待っていた。
しかしオイセレとしてさまよっている間にその美しさが魔王の目に留まり、彼女を自らの玩具にしようと考えた魔王により、調教されてしまうハメになってしまったのだ。
いつも着ているドレスは跡形もなくなっており、彼女は全裸だ。そしてその美しい白肌や、慎ましやかだが形の整っている乳房、毛も生え揃っていない初々しい恥部をされけ出していた。
生きている影が触手を手の形に変形させて、綺麗な胸を揉みしだき、その頂点にあるピンク色の蕾をフォイルニスの触手がクリクリと刺激すると、サラはたまらず声を漏らす
「あっ、ああっ、うあっ、んんん、んんんんんっ!」
(どうしよう、気持ちイイ、こんないやらしく触られてるのに気持ちよくてたまらないよぉ!)
だが、彼女には両手両脚はモンスターの触手に絡み付き、抵抗は全く出来なかった
フォイルニスの触手は下半身にも伸びる。
まだ何者の侵入も許したことのないピンク色の膣に細い触手が何本も滑り込む
ニュルッ、ニュルルッ‼
「んはああああ!!あっ、あぅ、いやっ!んんん!いやぁ、あっ、あああああああ!!」
(やっ、ソコはコナミさんにもまだ…)
膣内で触手はいいように動き回り、様々なところを刺激する。Gスポットを執拗に愛撫するもの、子宮口にキスをするもの…
「ああああああっ!お、おくっ、おくグリグリしないでぇ‼」
モンスター達はただサラに快感を与えるだけでなく、彼女の体を更に敏感にするために触手から強力な媚薬効果のある粘液を分泌し、それが肌や、粘膜を通して彼女の体に浸透すればする程サラの喘ぎ声は大きくなる。
加えて、他のフォイルニス達は大きな目玉から快感を高める光線をサラに浴びせ続けた。
(ああ、体中がヌルヌルして、気持ち悪い…)
などとサラが考えていると、じゅぼっ、と口にも触手が突っ込まれ、その粘液を無理やり口から飲まされる。
「んんっ、んぶ、じゅぶっ」
次の瞬間身体が更に熱くなり、自然に腰がガクガクと震える。
体の状態をもはや把握すら出来ていない少女にモンスター達は追い打ちをかける。先端を空洞に変形させた触手がクリトリスに吸い付いたのだ。
ぢゅっ、ぢゅるるるっ!レロレロレロ
「ああああああああっ!!んうう‼だっ、ダメ!ソコダメっ!あっ!あうっ!んくぅうう!イくぅぅぅううううう!!!!」
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッッッ!
大きく少女の体が仰け反り、絶頂に達した。
モンスター達はどうすれば効率良くサラに快感を与えられるのかが分かったのか、まだ絶頂の余韻が冷めない少女の胸の上で、腹部で口の中で、太腿の上で、そして膣の中でうぞうぞと触手を一斉に動かし始める。
「あああああああっっ!!やめてぇぇぇええ!!わ、わたっ…んんんっ!あっ!ああっ!ひぃぃぃいいいん‼私壊れちゃうううううう!!!!!」
快感の余り気絶しても、すぐに次の絶頂の波で意識が戻る。絶頂、気絶、そしてまた再び絶頂、そんな攻めは何時間も続いた。
サラがすっかり体力を消費仕切って足腰が立たなくなった頃、ようやくモンスター達から解放された。しかし、本当の恐怖はここからだった。
フォイルニス達がどこへともなく姿を消すと部屋に鳥の姿をした魔王が入ってくる…
「随分と疲れているようだな氷の姫よ…」
「………………………………」
サラは疲れ切っており、なにも答えることが出来ない。
「どれ程にほぐれているか、私が直々に確かめてやろう」
そう魔王が言い終わると同時に魔王の体が黒い煙に包まれ、それが晴れると何と魔王の姿が人間の男に変わっていた。
「この方が馴染み易いであろう?くっくっく、では私の子を孕んでもらうぞ…」
(そ、そんな…私、魔王に犯されちゃうの?い、いや…)
そう思っても何の抵抗も出来ないサラ、そしてそんな彼女を仰向けにし、彼女の股を開かせる魔王。魔王は自らの肉棒を取り出し、サラの股間にあてがうと…
334名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 13:00:21.38 ID:W+x/NuP4
見辛いから1レスにまとめてみた。案外いけるもんだな
335名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 13:27:58.49 ID:8+tJRiyw
レベル低いなー
プラゴミさんを見習えよ!!
336名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 13:50:00.77 ID:hZZcjCtZ
>>326
GJ
後半も待ってます
>>333
結構纏まるもんだね
337258:2012/01/04(水) 14:04:07.08 ID:f0iKv39d
三が日までに完成させるつもりが4日になってしまった…
ともあれ、後編完成したんで投下しますね
338258:2012/01/04(水) 14:06:32.97 ID:f0iKv39d
 しばらくその辺をぶらぶらした後、借りたホテルの部屋の前に立ち、
誰が叩いているか分かるよう、お互いが決めたリズムでドアをノックする。
程なくして、内側からドアが開いた。
「どうぞ」
「もういいのか?」
「うん、終わったよ」
 複雑な表情を浮かべた武美が、顔を覗かせる。
彼女の身体のメンテナンスが終わったのだ。精密機器の塊である彼女は、定期的にこういう事をしなければならない。
自分で端子の掃除をしたり、各種人工臓器のチェックをする必要がある。
…そして、その工程をどうしても俺に見せたくないという。
「乙女の体の手入れを、男の人が見るもんじゃないからね〜」
 いつだったか、武美は冗談交じりに話してはいたが。

「…ごめんね、こんな日だし、サボっても良かったんだけど…」
 彼女の謝罪を遮るように抱きしめた。そのまま唇を奪う。軽く、少し触れ合うだけのキス。
大丈夫だ、と短く伝える。
ん、と武美も小さく答えた。
そのまま暫く、武美の身体の柔らかさと暖かさを味わう。
彼女の香りや温度を感じる内に、少しずつ、武美を欲しくなる気持ちを抑えられなくなってくる。
自然と腕に力がこもると、それに反応した武美は少し身体を離した。
「ここじゃ、ダメだよ…ベッド…いこ?」

二人でベッドに腰掛ける。肩を抱き寄せると、彼女も判ったようにこちらに体重を預けてくる。
やがて、お互いに向き合い、どちらともなくキスをした。
先ほどのものとは違う、深く、互いを味わうようなキス。
舌が複雑に絡み合い、相手の唾液を奪い合うように激しいものになるまで、そこまで時間がかからなかった。
339サイボーグ花嫁(後編):2012/01/04(水) 14:07:38.48 ID:f0iKv39d
肩を抱いた方の手はそのままに、空いた反対側の手で武美のセーターを上にずらした。
「ふっ…」
 武美は少し反応したが、抵抗せず、そのままされるがままになっている。
胸元までセーターをずり上げると、彼女のブラが覗いた。
彼女の豊満な胸により、セーターは自動的に胸の上で引っかかるようになっている。
身体を隠すように、武美は俺に抱きつき、結果として、さらに唇、舌の交わりが深くなる。
彼女の少し苦しそうな鼻息さえ、今は心地よい。
「ん…ぅむ…」
 唇は触れたまま、そのままごそごそと作業を続ける。
ブラを少しずり下げ、カップを内に折り曲げると、窮屈そうに収められた乳房が、溢れるように露わになる。
その先端にある、小さな突起に指先で触れる。
「んっ…!」
 どちらともなく顔が離れると、武美が抗議の視線を向ける。
ほのかに上気し、少し呼吸が荒くなっていた。
「もう、相変わらず手際いいんだから…」
「褒め言葉と受け取っておこう」
「…スケベ」
 可愛げなお叱りを受けた後、行為を再開する。
両の乳房に手をあて、中心を親指の腹で優しく撫でる。
指の刺激に反応し、徐々に、自己主張をはじめる武美の乳首。
「ん…んぅ…っ」
 時折、ぴくんと小さく震える武美にこちらも興奮し、片方の乳首を口に含み、吸う。
「ひう!」
 指とは違う、粘膜の感触に顔を反らし、先程より大きく震える武美。
わざと音をたてるように吸い、舌先で転がし、甘噛みし、さらに乳首を形にした。
片方を味わい終えると、もう片方へ狙いを移す。先ほどしたときと少し方法を変えながら、優しくいじめた。
「ふっ…ふん…ひん!」
 武美は自分の指を噛み、刺激に耐えるものの、どうしても声が漏れてしまう。
もっと可愛い声が聴きたくて、武美の中心に手を伸ばした。
340名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:09:27.43 ID:f0iKv39d
「あっ…」
 パンティ越しにそこに触れると、しっとりと熱を帯びているのが判った。
そのままなぞってやると、湿り気が少しずつ大きくなっていく。
 ちらりと武美の目を見る。
俺が何をしてほしいのか察したのだろう、恥ずかしそうにぷいと顔を逸らし、少しだけ、腰を浮かせてくれる。
立ち上がり、座っている彼女に覆いかぶさりながら手早く彼女のパンティを膝のあたりまで下ろす。
更にずり下げ片足を抜かせると、弄りやすいように脚を大きく開かせた。
「これ、はしたない…」
 武美はまたも恥ずかしがるが、健気に脚を開いたままの体制を保っていてくれている。
「悪いな…」
 素直に謝った後、キスをした。
武美のそこを撫でるように触れる。徐々に深く、強く。
入り口に指先を少しずつ侵入させる。さらにじゅん、と愛液が増したように感じた。
「あ、あう…んんん!!」
 手の動きを激しくしていくと、それに応じて、彼女の嬌声を上げる感覚が短くなっていく。
少し上にある突起も弄ると、さらにそれが加速した。
同時に口で乳首を愛撫することも忘れない。
愛液が飛び、俺の手を抑えようとするが、力が入っていない。
彼女を一気に登り詰めさせる。
「あああ、ふあああ、うううううぅぅぅ…っっ!!!」
 普段より1オクターブ程高い声を出し、武美は達した。
「ぁ…あっ…はっ…」
 手の動きを緩めてやると、余韻に浸っているのか、ぴくん、ぴくんと連続して武美が身体を震わせる。
腕を戻して武美を見る。
今の彼女の顔は赤くほてり、先ほどの激しさを物語るように、肩で息をしている。
ブラが下から押し上げるような形になっているので、ただでさえ大きな胸が更に強調され、
先端の乳首は俺の唾液でてらてらと光り、ぴんととがっている。
脚はだらんと力なく放り出され、内腿には先程飛び散った愛液が見える。
…ひどく扇情的な光景で、否が応でも反応してしまう。
341名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:10:35.76 ID:f0iKv39d
「いいか?」
「これ以上、んっ…やったら、先に参っちゃうよ…はぁ、ふっ」
 
 武美をベッドに仰向けに寝かせ、その上から彼女に被さる。
ささっとズボンのベルトを外し、自分のそれを露出させた。
「え…と」
 彼女がなにか言いたそうにしている。どうしたと訊いてやると、思いもよらぬ言葉が帰ってきた。
「あの、不束者ですが、よろしくお願いします…」
「……」
「あれ、どしたの?」
「そういうのは、多分する前に言うんじゃなかったか?」
 特別詳しくは知らないが、そうだったような気がする。
「ありゃ〜、そうだったか、しまったなあ…んじゃあね」
 武美は左手を上げ、俺の頬を撫でる。彼女の薬指にはめられた指輪の感触が、少し新鮮だ。
「…好きだよ」
 短く、ありふれた言葉だが、だからこそじんときた。
「……俺は、君に出会うために生まれて来れたのかもしれないな」
「ちょい大げさ」
「え、そうかな?」
 自分ではそうは思わないんだがなあ。
「でも、うれしいな」

 二人で笑い合ったあと、軽くキスをして、武美の脚を少し開かせた。
自分のそれを彼女の入り口にあてがい、埋没させる。
「ん…っ!んぅ!!」
 いつものように、ぴっちりと絞めつけてくる彼女のなか。
「へへぇ…」
 俺の気持ちよさそうな顔を見て、武美が嬉しそうに小さく笑う。
それがなぜか少し悔しくて、こちらも動き始めた。
最初の方はゆっくり浅く、次第にピストン運動を大きく深く。
342名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:12:19.83 ID:f0iKv39d
「んっ!あっ!はぅん!」
 一突きするたびに武美が声を上げ、こちらが動きを強くすると声も強くなる。
彼女が俺の動きに感じてくれているのが嬉しくて、と同時に彼女のなかの心地よさにこちらも高められていく。
今日は武美に口や手でしてもらうこともしなかったので、限界が早めにきそうだ。
お互いの荒い息づかいが部屋に響きわたる。
彼女のほうは嬌声も上げ、俺の動きに必死に耐えていた。
「ああああ、あぁん!ううぅっ!ひぃん!」
 武美の喘ぎ声が裏返り、愛液の量も増す。
向こうも限界が近いようだ。こちらの背中に腕を回し、強く力を込めてくる。
膣内が俺を高めようとして複雑に動く。お互いがお互いを高めあう。
達する為、奥まで届くよう、強く、深く腰を打ち付けた。
「ゃあ!はひっ、きゃんっ、はんっ、ひあっ!あああぁぁぁっ!!」
「はぁっ、くっ、ぅぐっ!」
 武美が達し、それに釣られるように、こちらも達した。
堰を切ったように、彼女の内部に精液が流れ込む。腰が抜けるような快感。
「ぁっ…はぁ…、んっ…」
 二回、三回と震える俺のものに、少しの時間差で武美が反応した。
やがて波が収まってくると、彼女に衝撃を与えないように、ゆっくりと彼女の方に倒れこむ。
二人共荒い息のまま視線が会い、唇を合わせた。

 
 それからは会話もなく、第二ラウンドへと移行した。
武美が上になる形で、下から突き上げる。
彼女のぷるぷると誘うように揺れる乳房にこちらも激しく興奮してしまい、
何度も何度も突き、その度に武美は可愛い声を上げた。
343名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:13:12.53 ID:f0iKv39d
 事が終わって二人で楽しくバスルームで身体を洗い合い、同じベッドに入り身体が冷えないよう暖めあう。
武美は薬指の指輪をベッドの近くにあるライトの光にかざし、反射してきらきら輝く様を楽しんだ。
「あはっ、すごい綺麗…」
 一緒にシャワーを浴びているとき、あんたよく用意できたねーとか、割と失礼なことを言われた。
お前にバレないように用意するの、大変だったんだぞ…。給料三ヶ月、というのは昔の決まり文句だったはずだが、俺の場合は10倍だ。
「あーもう、ごめんって!でも、すっごい嬉しかったんだよ」
 武美の笑顔に安心してしまったのか、急に睡魔が襲ってくる。
眠ってしまう前に、彼女の顔を少しだけ寄せ、キスをした。
「ふ…」
 いつもの儀式である。
「悪い、結構眠いかも…」
「あーそうだね、今日はアンタ、頑張ったもんねぇ」
 武美はいとおしそうに、俺の頭を撫でた。
「いいよ、休んで。寝顔見てたい。」
「…いたずらとかすんなよ」
「もう、しないって!」
「まったく…」
「もう、奥さんの言うことなんだから信用しなさい」
 ああ、そうだな…。
「おやすみなさい」
「あぁ…おやす…」
 言う前に、意識が深く落ちて行く。ハッスルしすぎたかな…
「えへへ、また夢、叶っちゃった…」
 そうか、そうだったら、俺も嬉しい。
「でもね、もう一つ、もう一つだけ、夢があるんだ」
 一体何だろう、今まで聞いたことがなかった。
「あのね、野球、教えてくれない?それでさ、みんなでやるんだ」
 あの時は参加できなかったからね、と武美は付け加える。
ビクトリーズが二つにわかれたときの、紅白戦のことを言っているのか。
 わかった、また明日な…
「うん…」
 武美が少しだけ、俺を抱く腕に力を込めた。
柔らかい彼女の乳房が俺の胸に当たり、心地よい。
 そうだ、まだまだこれから幸せな日々が続いていくんだろう。
だから、そうだな、明日は…
………
……
344名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:13:58.35 ID:f0iKv39d



……
…ダー…
リーダー…
「リーダー!」
 その声に、俺は目覚めた。
どうやら、少し眠ってしまっていたらしい。
いや、すまんと目の前の男女に詫びを入れる。
「ここんところ、忙しいですからね、リーダーずっとでしょ?」
 男が話す。俺のことを先輩と慕ってくれるいい奴だ。こっちの仕事のほうは向こうのほうが長くやってるはずなんだが。
以前そのことを指摘したら、いや人生の先輩ですからねと返された。俺はそんなおっさんじゃないぞ。
「あの二人にも困ったもんよね、ちょっと平和になったらラブラブ休暇とか言い出すんだもん」
 リーダー交代…とか無責任よね、ヒーローには休息はないのよ!と少し怒ったように女が話す。どの口が言うんだ、と男からツッコミが飛ぶ。
二人は近々結婚するらしい、男のほうから何度か相談を受けたことがあった。
まあ、結局は本人同士の問題だな。
「まあ俺たちはこうして一緒にやれるけど、彼女達はそうは行かないからな…。
で、どうします?疲れてるんなら、俺らだけで現場に向かいますけど」
 色々な混乱で放置された自立兵器の処理、確かに、こいつらならそれほど手こずるはずがない。
「いや、大丈夫だ、それより…」
 夢を見た。昔の夢、幸せな日々の夢。
その夢を俺は絶対に忘れない。そして、忘れない限り、俺は生きて行ける。
「いまは小規模な混乱が連続しているが、これが一区切りついたら、みんなで野球しないか?」
 実はここにいる3人全員が野球経験者だ。
俺たちの知り合いにも野球をしている奴もいる。中にはプロ野球選手も。
今はオフだし、みんなで連絡を取りあって、野球できないかな?

「…素敵ですね」
「いいわね、それ」
 ふたりとも、穏やかな表情になり、色よい返事が帰ってきた。多分、他の連中も了承してくれる気がする。
なんとなく、確信できた。
「まあ、とにかくまずは事件を解決してからだな、行こう!」
「「はい!」」

「あ、でも二人とも合体はなしだぞ」
「「……」」 
345258:2012/01/04(水) 14:17:59.23 ID:f0iKv39d
以上です、お待たせしてすみませんでした
武美のそういうシーンを書こうとする度、胸のパネルの継ぎ目がどういう位置にあったのか
サイトのしつもんコーナーで訊けた時になぜ訊かなかったんだろうと後悔します

折角だしサイボーグ彼女も、もう一つくらい書いてみたいですね
友子とかヒナコとか、でもヒーロー達のほうも書きたいし…
ではまた
346名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:21:38.54 ID:8+tJRiyw
エロが薄いんだよチンカス
プラゴミさんを見習え!
347名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 14:32:04.29 ID:KcydVa2u
>>345
GJ!
エロいなあ、でも切ないなあ
348名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 23:26:23.64 ID:hZZcjCtZ
>>345
GJ
この二人なら旅の途中でどっかで二人きりの結婚式とかやってそうだなと思ったり
349名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 23:43:35.02 ID:CB7zfGS/
>>345
GJ!
ええ話や…
350名無しさん@ピンキー:2012/01/04(水) 23:57:37.77 ID:nkum9nii
>>345
GJ!
いいなあ、武美もレッドも幸せであったと思いたいねえ
351名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 15:47:53.18 ID:z5umYlJ2
>>345
GJ

もし書いていただけるなら友子をリクエストしたいです
352名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:31:45.58 ID:FDASspCt
「いやぁぁぁああああ!!」
10秒ほどして意識が落ち着いてくると、今目に写っているのが見慣れた天井であることに気付いた。
「……………どうしたの、サラ?大丈夫?」
と、イオが心配そうな顔をして声を掛けてくる。
「え?あ、は、はい、大丈夫です…」
今自分がいるのはレヴィン家の寝室で、先程までの恐ろしい光景は夢であったと自分を納得させるまでだいぶ時間がかかった。
(そ、そっか夢か…………)
353名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:32:51.23 ID:FDASspCt
翌日サラはコナミ達の隠れ家を訪れ、今は彼が出してくれたお茶を飲んでいる。
「あの、サラ?体の具合とか大丈夫?…」
コナミが心配そうに声をかけてくる。
「えっ!?あ、はい!全然大丈夫ですっ‼」
「そ、そう?ならいいんだけど……」
354名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:33:55.93 ID:FDASspCt
(どうしたんだろうコナミさん、急に心配して…やっぱり私元気ない様に見えるのかな?でも言えないよ、魔王に犯される夢見たなんて……そんなこと言ったらきっと嫌われちゃう…)
(でもサラあからさまに元気無いよな……イオさんと喧嘩でもしたのかな?何にしても元気づけてあげなきゃ。それに……もしかしたらこの機会に言えるかもしれないし、俺の気持ちを………)
「ねえ、サラ、どう最近は?イオさんのところは楽しい?」
「はっ、はいっ!もちろんですっ!」
「喧嘩とかしてない?」
「…?どうしてですか?」
サラが不思議そうな顔をする。
「いや、サラが元気ないから…イオさんと喧嘩でもしたのかな〜って……」
そう言うとサラが急にしょんぼりとした表情になる。
「………………………………」
「あ、ご、ごめんね!気を悪くしちゃったんならホントごめんね!
355名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:35:15.58 ID:FDASspCt
サラは何も答えない。
「でも悩みがあるんだったら何でも聞くよ?俺全然気にしないから!」
「い、いえ!大丈夫です!」
「そう?でも、やっぱ心配だよ…」
そう言うとサラはブンブンと手を振って答える。
「だ、大丈夫ですっば!そんなに心配していただかなくても…」
気がつくとコナミはサラがその言葉を言い終わる前に叫んでいた。
「心配するよ!自分が好きな娘が元気なかったら‼」
「……………え?」
サラはなんだかポカンとしている
(あ、しまった!つい勢いで…)
「……コナミさんが……………私の…こと…?」
356名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:36:55.77 ID:FDASspCt
「う、うん……まあ、ね………………嫌だった?」
「い、いえっ!わ、わたっ、私も……ひうっ、ぐすっ」
そこまで言うとサラの両目から涙がこぼれ出す。それを見てコナミはどうして良いか分からなかったが、直感的にそうすべきだと思ったのか、サラを抱きしめた。彼女が泣き止むまで割りと時間はかかり、その間ずっと彼女の頭をコナミは撫でてあげた。
「大丈夫、サラ?落ち着いた?」
「……はい、大丈夫です。すみません、急に…でも……その………れしくて…」
サラは消え入りそうな声で呟く。
「え?」
コナミが聞き返すと…
「だ、だから、そのっ、う、嬉しくて‼」
顔を真っ赤にして俯いている彼女を優しく抱きしめる。
357名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:38:04.90 ID:FDASspCt
「ありがと、サラ、嬉しいよ…」
二人の唇が自然に近づき、重なる。しばらく時間がそのまま過ぎたあと、サラが言葉を発する。
「私、昨晩すごく怖い夢を見て…」
「……どんな夢?」
「……その…魔王に、レ、レイプされる夢で…」
「………………………」
コナミは何も言わなかった。
「それで、あ、あの、もしよろしければ、なんですけど…」
「うん…」
「その、このまま…………して頂けませんか?」
「え?つまり、それは、その」
「は、はい、私は全然構わないので…それに!…魔王なんかじゃなくて、コナミさんに私のは、初めてを、あげたいから…」
「分かったよ…」
それだけ言うとコナミはサラの手を引いて自室のベッドに向かう
358名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:41:06.58 ID:FDASspCt
部屋に入るとまず、サラをベッドに座らせ、抱きしめながら唇を重ねる。段々とさっきとは違った深いキスに変わる。唇を十分に堪能すると、ドレスの上から彼女の胸に触れる。
「あっ、んんん、はぁ…」
サラは甘い吐息を漏らし、心地良さを隠しきれない。しばらく胸を撫でた後彼女の服を脱がし、下着だけにする。彼女の肌は雪のように白く、それでいてスベスベだ。
その美しさに当てられたようにコナミはサラの全身を撫で回す。

そのうち胸を重点的に攻め出す。ブラを取り去り、掌で揉み、こね、撫でる。可愛らしい蕾への愛撫も忘れない。
指で摘み、軽く押しつぶし、舌で舐め回し、口に含んで吸う。
「んっ、はぁ、さき、っぽ、気持ち…イイです、あっ!」
359名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:42:18.46 ID:FDASspCt
次にコナミはサラを後ろから抱きかかえるように姿勢を変え、片方の手では相変わらず胸を攻め、もう片方の手で下着越しに股間を愛撫し始めた。土手の肉はとても柔らかく、下着の上からでもその柔らかさが伝わってきた。
クニクニクニ、クニュクニュ
「あっ!?ううん‼はぁ‼」
やはり股間を愛撫した方が気持ちイイのか、先程よりも大きな声で喘ぐ。
次第に下着がじんわりと湿ってきたのを確認すると、下着の中に手を入れ、クリトリスを指先でこねたり、摘まんだりしたあと、土手を掌で揉み込んだり、指で膣内をかき回したりした。
「あっ!ああっ!んんんっ、あう‼」
360名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:43:20.26 ID:FDASspCt

コナミはサラの下着を剥ぎ取る。やはり直接見られることに抵抗があるのか股間を両手で隠すサラ。「ほら、隠さないで?」
「あっ…」
コナミはサラの両手を優しくどける。そしてしばらく彼女のソコをじーっと眺めていたが、堪らなくなったのか勢いよくむしゃぶりつく。そのうち指でも刺激を、加える。肉豆を舐めたり、吸ったりさし、膣内を指でほじくるとサラは我慢出来ず、全身を震わせながら絶頂した。
「あんっ!んんんっ!はぁぁあああううううう‼‼」
暫く休ませてあげるとサラが
「はぁ、はぁ、も、もう挿入て下さい…」
と懇願してくる。
361名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:43:52.44 ID:EBHcAhxO
支援
362名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:44:38.68 ID:FDASspCt
「うん。」
そう言うとコナミは自らも服を脱ぎ、サラのソコに肉棒をあてがう。そこでサラの頭に昨日の夢がフラッシュバックする。
「い、いやっ!」
サラは半ば無意識に顔を手で覆う。するとコナミはサラの手をどかし、頭を撫でながらキスをし、こう言った。
「大丈夫だよ、俺が一緒にいてあげるから…」
そしてサラも笑顔で答えた。
「はい…」
コナミはサラの腰を掴み、自分の腰をぐぐっと前に突き出し、彼女の中に深くまでソレを沈めた。
「あっ!あああああああああ‼」
「うわっ、キツっ!」
それまでの前戯で十分にほぐれていたのか入る時は以外にすんなり
入ったが、膣内はきゅうきゅうとコナミのモノを締め付ける。
363名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:46:07.89 ID:FDASspCt
「サラ、大丈夫?痛くない?」
「んっ、少…し…痛いです…けど…大丈夫…です」
コナミは痛みを和らげてやる為に繋がったままクリトリスを弄くる。
「あうん!?あっ!ソコっ!気持ち…イイです!」
「うあ、サラの中ッ、凄く締まってて気持ちいいよ!」
「あっ!うっ!コナミさんのが中でこすれてッ!」
すると徐々にサラのアソコから愛液が溢れてくる。もう十分だと思ったのかコナミはゆっくりと腰を動かし出す。
そして段々と動きを激しくしてゆくと、溢れ出した愛液が潤滑油となり肉と肉が擦れ合うぬちゃぬちゃ、ぐちゅぐちゅという音が聞こえるようになる。
364名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:47:16.34 ID:FDASspCt
何度もズコズコと肉棒を出し入れすると、コナミは自分の中から何かがこみあげてくるのを感じ、射精が近いのを悟った。
「うっ!ヤバイ、サラっ!そろそろ射精すよ‼」
「ああっ!ふぅぅうんんっ‼うあっ!あんっ!あああああああああああああああ!!‼」
絶頂したサラの膣内がキュッと締まり射精を促し、そして…
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ!
サラの子宮に白い塊が叩き込まれる。
「はぁ、はぁ……サラ、大丈夫?」
「……は、はい……………」
サラは完全に疲れ切っているようで、目が虚ろだ。
コナミはサラと繋がったまま彼女を抱きしめる。
「サラ、俺たちなら何があっても大丈夫だよ。今サラと一つになって感じた。」
「は、はい私もそんな感じがしました…だから……」
「?」
「えと、その……ずっと一緒に居て下さいね?」
「もちろん!」
そう言うと二人の唇は自然と近づき、重なった。
365名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:48:19.96 ID:FDASspCt
………………………………………………………
「そういえばお嬢様?昨日私に買ってこさせたあの薬って何だったんです?言われた通りサラ様のスープに入れておきましたけど…」
「ん?あれは所謂媚薬……」
「え?何でそんなモノを…?」
「何となく……サラが悶える姿が見たかったから…でももしかすると彼女は魔族だから、違う反応が出るかも………」
「例えば?」
「…………Hな夢をみる…とか………」
「は、はぁ………」
366名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:51:38.79 ID:FDASspCt
あ、すみません、書き忘れていましたが今投稿したのは333の続きです。

前半はレイプものだったんですが、後半もサラを虐めるのは可哀想だったので
後半はイチャイチャ系にしました。

いきなり夢オチですみませんm(_ _)m
367名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:52:51.82 ID:EBHcAhxO
投下乙
ところで支援ってあれであってたっけ?
368名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 23:57:00.54 ID:FDASspCt
多分
369名無しさん@ピンキー:2012/01/06(金) 00:17:52.53 ID:c5S8qT0o
GJ
前後編で2度楽しめる
370名無しさん@ピンキー:2012/01/06(金) 00:20:59.84 ID:G9jxydAs
>>366
GJ!
371名無しさん@ピンキー:2012/01/06(金) 17:36:31.65 ID:26Fy/6AS
そういえば14主は山田湯田と義理の親子ってことだから
まゆみと天本さんは14主の義理のおばさんって事になるのかな
372名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 13:44:54.56 ID:gOxby12O
急に静かになったな
373名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 14:43:11.29 ID:pYOKsOWl
vipが活発だったからかな
374名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 01:06:40.73 ID:oQIaLD+y
>>373
vipで何かあったのか?
375名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 01:58:29.24 ID:Ocjv2avg
最近あそこにパワポケSSスレとか建ったりするよな
376名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 02:11:22.28 ID:cLswwmha
スレタイどんなの?
377名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 06:16:16.93 ID:35AKzlXE
個人的に最近ので面白かったのは、マミ「ここは…どこ?」 落田「しあわせ島でやんす」かな
まぁのくす牧場でたまたま見つけたから他の知らないだけなんだけど
378名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 13:52:21.55 ID:50dQ5Hlu
細かいことだけどそれVIPじゃなくてSS速報
14が発売して以来VIPにはたまにパワポケSSスレが立つ
一番最近だと、桜井いつき「好きです、パワポケさん」 とか立ってた
379名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 14:18:05.86 ID:pO7vMTTD
准が9主と再会するSSもあったな
380名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 15:22:11.76 ID:SSxVbZJ/
やっぱ准の相手は9主じゃないとな
381名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 15:32:19.41 ID:A5zLl3/P
成就しないところまで含めて最高だな
382名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 19:02:11.54 ID:rk/sW/fj
どこであれパワポケの二次創作が増えるのは嬉しいね。
まぁvipのは面白い物は珍しいけど。
383名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 19:35:06.23 ID:VRmoo3tB
エロでも非エロでもそうだけど、パワポケってたくさんタイトル出てる割には、二次創作そんな活発じゃないしなぁ。
384名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 20:02:28.92 ID:Zuc9LC3y
ぶっちゃけ准は攻略出来ちゃったら魅力半減していたと思う。
385名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 20:56:03.73 ID:KkO6QfAK
バグバグ言われてていざ攻略可能になったら不満たらたらってのも贅沢な話だよなw
386名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 20:58:00.34 ID:qmbHx+MK
どうしてくっつかないんだよぉぉぉぉぉぉぉっっッ

って煩悶がなくなっただけじゃないか?
387名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:01:51.49 ID:snvgpiT2
9の時点で攻略したいって奴しかおらんやろ
俺は准攻略したいと思わないけど
388名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:22:43.30 ID:pPma1+KB
個人的に准は攻略できないからこそ魅力があると思うんだ。
389名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:25:19.51 ID:DwnmzfIz
でも9の時点で攻略できてたら攻略できない方が魅力的だったとかは言われてないと思うんだ
390名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:37:44.08 ID:+EIQ7vSV
14中ほんのちょっとしか9主関連の話が出てこない准は話題になるってのに
プロフで9主と再会フラグ立ってるのに維織さんがネタにされないのは何で?
所詮は准のおまけだから?
391名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:39:15.04 ID:snvgpiT2
ごめん、ぶっちゃけゆらりとの絡みで引いた
392名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 21:50:45.95 ID:rk/sW/fj
>>390
は?ぶっ殺すぞ
393名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 23:15:29.35 ID:Ocjv2avg
>>390
武美のことを考えるとって人が多いのかも

>>392
その言葉は荒れるから止めんさい
394名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 23:51:06.99 ID:WYW/wDqa
そもそも何か見つけたものが9主だなんて一切根拠ないしね
395名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 00:14:56.99 ID:bLWi7g2W
どう考えるのも自由なのさ
396名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 00:22:07.66 ID:SbU0jjAZ
具現化的に実は生きてた椿だったら•••
397名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 01:24:27.65 ID:RCpUbmy4
>>396
9主より椿のほうが付き合いながいし、あながち無いとは言い切れないんだよなぁ…
なっちゃんがゴンちゃんルート(仮)、夏菜が安藤ルートに突入してるし、
維織が椿ルートに突入している可能性が微粒子レベルで存在する…!?
398名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 02:45:43.31 ID:hrML7Gvn
そもそも雇われてた時期があっただけで面識があったかすら怪しいくらいだろう
ピンクを逃した時点で椿の春は終わったんだ…
399名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 07:15:16.06 ID:zO2Ym+KY
>>397
なっちゃんがどのルートかは完全に不明じゃね? 「家族で引越し」ってくらいしかわからんし。
まああまりいうとまた「正史以外は逃避」の人が来そうだからあまり強く主張はせんけど…
400名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 11:24:49.72 ID:RCpUbmy4
なっちゃんは誰かと再婚して引越しか、誰とも再婚しないで引越しのどっちかだしな。
ハッピーエンドルートはまず無いけどな…レッドにハッピーエンドは許されんのやな…
401名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 12:09:07.09 ID:L4HSM6/4
まあナイスガイにはハッピーエンドよりちょいとビターなのが合うってこった
あー14買いたい
402名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 15:09:11.15 ID:zWdNKiOb
そういや朱里の記憶は戻ったけど、結婚相手の方はどうなんだろう
403名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 17:16:16.45 ID:BqeG7MFM
よっす
初めてここ来た
VIP?のが台本形式重視で、ここが地の文アリ重視ってことでいのか?
404名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 17:29:08.43 ID:rOPmKhDP
・台本形式ってダメなの?
台本形式でも良い作品はあります。結局はキャラ崩壊していないか、扱うネタはどうか、そして『面白いか』です。
405名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 17:54:52.98 ID:dgqw1OJY
>>403
保管庫で知ってるキャラが出てるSS読めば、だいたい雰囲気は分かるはず。
406名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 18:05:26.34 ID:6SfKOQq6
>>403
テンプレを読めない人向けでない事は確かだよ
407名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 20:33:21.52 ID:ffXNkFGq
14のSSが未だに投下されないのが悲しいな。
姫子やさやかのは投下されてもおかしくないとは思ったが…
408名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 20:46:39.92 ID:2Q7NeN2s
まだやりこんでる人もいるだろうけど
少年少女だし題材が難しいのかも、13はほとばしるエロスで書きやすかったかもしれないし
409名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 20:51:22.38 ID:w9T5CHVc
正直14は彼女候補的には微妙だしなー
明らかなハズレ3人に、准もシナリオが微妙。
さやかは流石にロリ過ぎるし(未来という設定ならアリだけど)
姫子もそんなに飛び抜けて良い訳でも無い(というか劣化夏菜)

さぁ叩けよ。
410名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 20:59:14.50 ID:hKWvTuYg
お前がそう思うんならそれでいいんじゃねーの
411名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 21:01:15.74 ID:5qMaHxbl
pixivで10主死ねタグ貼りまくってる奴タンスの角に足の小指をぶつければいいのに
412名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 22:20:01.93 ID:/Jc/egxL
気にしたら負け
413名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 22:51:15.02 ID:mPlCERBE
そういえばさやかトゥルーエンドなら少なくとも3年は14主とさやかは一緒に宇宙かあ
414名無しさん@ピンキー:2012/01/10(火) 23:06:03.54 ID:UX2SLkRq
正直10主もだけど、カズも大分アレだよね…
そもそも何年も音信不通なのに結ばれると思う方がおかしいだろと。

>>413
しかしそれでも高一と中一だから難しいな…
415名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 00:10:24.70 ID:ZH6+0k6q
>>414
カズに関してだけど状況が状況だからそう信じてないと精神的にきついんじゃね
416名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 00:10:30.55 ID:EFWwZWhZ
ダッシュの様にのんびり成長させてけばいいんじゃない
瑠璃花は中1でしちゃうSSあるし深く考えなくてもいいと思うけど
417名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 00:15:36.90 ID:vyX6L3T6
別に絶対エロ入れなければならない訳でも無し
良い感じにいちゃいちゃしてるのなら俺は読みたいぜ
418名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 00:25:43.87 ID:FDvzcULL
あせらずまったり行きましょう
419名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 00:27:21.88 ID:oByE3Zur
宇宙にいるときは、使用済みティッシュはどう処理するんだ?
420名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 13:28:51.01 ID:RQiruYbd
>>411
10主ボコるネタも絵、小説共に増えたしな
まあそれだけ14でのあれやこれやに頭にきた人が多かったってことさ

まあうちの10主はなおさら姉妹と幸せに暮らしてるけどな!
正史?なにそれおいしいの?
421名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 14:33:28.32 ID:wk2DedaB
そういう余計な事言うから現実逃避乙とか言われるんだろうに・・・
422名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 17:45:00.86 ID:9n70jKLG
好きな主人公が叩かれると軽く凹むよな……
423名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 18:13:35.67 ID:uF2Zwbx+
現実逃避乙と言われてもssなんて妄想の塊なんですしおすし
424名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 18:17:09.10 ID:+T7PC0tt
正史は○○だから〜と創作の幅を狭めるのはバカだし、>>420みたいなのも困ったちゃんさ。
妄想はSSでやろうね
425名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 18:18:39.36 ID:9RZeeNh2
10主を叩いてるのって大半はカズ派の人間なんだろうな。残りは面白半分
五十鈴派は最後に戻ってくるからまぁ、イラつく程度で済むし、
他の彼女候補にいたってはそれこそ脳内補完で済むけどカズはそうはいかんからね。
だからってその行き場の無い鬱憤を10主にぶつけるのは関心しないが。
426名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 18:19:40.90 ID:JjE1RZGV
シチュですらない単なる妄想ならチラ裏に。それがSSに昇華したならここに書き込めばいいってことだな
427名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 20:24:25.05 ID:pmB3xFsy
>>421
またお前か
428名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 20:33:43.74 ID:ifsRStVp
>>425
某所見る限り五十鈴派は五十鈴派で「10主との幸せ妨害しやがって!」
てな感じでかなりピリピリしていて傍から見てる分にはおもし…もとい、切ない気持ちになってくるぞ
まあ大半がこの二派であることはおそらく間違いないと思われるw
429名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 20:44:25.36 ID:DT5EqEir
ここってホントにエロパロスレ?
430名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 20:45:12.36 ID:vqcKys/1
各々方の気持ちもよくわからんでもないけど
この話題は結構荒れるからそろそろお開きにしましょうぜ
こういうのは総合スレとかで話したほうがいいかも

アルバムで結婚してるキャラって結構いるけど
結婚生活考えるのってなんだか萌えない?
転生しなおしたばっかりで料理をうまく作れなさそうなシズヤとか

431名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 20:50:46.78 ID:EFWwZWhZ
漣との新婚生活はたまらんだろうな
料理も上手いし、エロいし
432名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 21:04:45.52 ID:9fHb5sAu
典子ちゃん、料理なんていいからこっちにおいで
典子ちゃんのひまわりにたっぷり栄養補給してあげるよ
433名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 21:10:50.43 ID:0QyWGdEr
桜華は13表も14裏も仕事で忙しそうなイメージだから、
結婚してもそれほど一緒にはいられないんだろうな。

だからこそ主人公には限りある時間でたっぷりと桜華を愛してほしい。
434名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 23:21:43.40 ID:FDvzcULL
麻美は料理上手いし、スポーツ医学も出来るようになるから実は良妻なのかも
435名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 23:22:33.82 ID:PIfndmrk
武美はきっと色んな意味で尽くしてくれるタイプ。
436名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 23:29:38.73 ID:poIlKpYt
一切経験がないから掃除も洗濯も炊事も上手くできない朱里
でも平凡な生活が幸せでたまらないとかだと大好物です
437名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 23:41:39.43 ID:fPaMBREN
アルバムで料理してるしリコとはなんだかんだで幸せな結婚生活を送れそう
438名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 00:26:46.37 ID:cpgbXavr
瑠璃花は良妻賢母になりそうだな
439名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 00:56:52.33 ID:HFmqmFXl
レナちゃんもいいお母さんになりそうだ
ナオは夜の方はともかく家事は苦手だろうなあ
あと間違いなく親バカになるw
440名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 01:09:08.69 ID:kL87ojGO
恵理はきっと毎晩酌をして、愚痴も精液も全部受け止めてるんだろうなあ
・・5主は肝臓に気をつけたほうがいいね
441名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 06:52:01.07 ID:dFejdZJp
天本さんとか幸恵さんなんかは家のことは全て任せておいて野球生活を楽しめるような頼れる妻なイメージだなあ
家空けても必ず待っていてくれる、帰れば優しく出迎えてくれると
で夜のほうは一週に一度ぐらい互いの体力尽きるまで濃厚に愛し合ってるような感じだな、回数が少ない分1回が長くて濃いみたいな

昼は清楚でエロの欠片も感じさせないような人が、夜に大好きな男の前でだけ情熱的とか最高だわ
442名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 07:24:59.17 ID:a0kcgpPM
> 昼は清楚でエロの欠片も感じさせないような人が、夜に大好きな男の前でだけ情熱的
確か最高の妻の条件の一つだったな、それ
「昼は貞淑、夜は淫乱」だったっけか
443名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 18:23:13.40 ID:IWjKqCTf
それを言うなら昼は淑女、夜は娼婦、じゃないかね。
淫乱のほうが搾り取られそうな雰囲気はあるが。
444名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 19:46:48.49 ID:Edku/F/v
妙子とかもろそんなイメージ
445名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 20:16:34.62 ID:9v2GMv8Y
昼は淫乱夜も淫乱レンちゃんです!
446名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 20:19:54.88 ID:MXg0z3z+
いつもあなたのそばに、あなたのゆらりです
447名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 22:29:59.12 ID:YKgPxoOm
なんだこのキャッチフレーズ大会w
448名無しさん@ピンキー:2012/01/12(木) 23:32:19.82 ID:QMH5AeNF
カズやら朱里やらは逆に普段はがさつだったりぶっきらぼうだったりするけど、夜は貞淑って感じだな。
449名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 15:27:54.86 ID:53sN3MJ5
○○派とかいうのがそもそもネタでしかないよね。
10主云々もそうだし。
450名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 15:33:32.67 ID:vneVvxt1
なんで折角話が納まってきてたのに蒸し返すの?
こういう空気読めない奴ってガチで池沼なんじゃないかと思う
451名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 15:40:49.46 ID:Xj8vetLL
そんなことより明日からセンターだし勉強会シチュで妄想しようぜ
452名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 16:26:37.54 ID:hFV4MV4l
何の勉強会するのかな(棒)
453名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 17:12:52.51 ID:Mrk7YP29
春閣下、しあーん・いすゞ・妙子・朱里(10の頃)、典子、さえかちゃん、ユラーリィ

勉強会ネタに合いそうなのはこのへんか
主が学生or合法ロリじゃないと、このネタはあわんよなあ
454名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 17:53:26.08 ID:mXaQcXQH
ゆらり「小波君、私達の中で麻美ちゃんだけが試験で可哀想なので一緒に保健体育の勉強でもしませんか?」
麻美「ゆ、ゆらりは何言ってるのかな⁉」
小波「確かに。俺もプロに行くからには身体について勉強しておかないとな」
麻美「大事な試験前に彼氏に裏切られるとは思わなかったんだよ⁉」
ゆらり「冗談です」
麻美「さすがに冗談じゃなかったらすまされないんだよ⁉」
小波「おいおい麻美、親友がそんなことするわけないだろ」
ゆらり「小波君の言う通りですよ。ところで、明日、明後日と暇なのでうちに遊びにきませんか?」
麻美「言ったそばから酷いんだよ⁉」




ダメだオチが思いつかん
455名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 18:45:31.21 ID:rtUaiZB4
>>450
スルーしんさい、荒れるのが荒らしの狙いよ
456名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 23:56:25.53 ID:U3UmwewE
いざ事に及ぶと野獣になりそうな主人公って誰だろう
457名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 23:58:01.25 ID:5FtxFCsd
13主は絶対野獣、断言できる
458名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 00:01:35.00 ID:qeuq9dyQ
>>457
野外プレイ×3がその裏付けwww
459名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 01:26:18.92 ID:rXPNcA/g
13主一択
460名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 01:26:38.99 ID:MY2rSrwL
どう考えても13主しかいねえだろw
461名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 01:51:24.16 ID:PDslIltH
10、13各主の所為で7主辺りが俺の中で紳士キャラになってる
462名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 02:42:52.35 ID:o19e1Efc
7は嫁を自給自足する俺達の鏡
463名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 07:20:52.57 ID:LPCNJBC6
酸素不足イベントからして9主もなかなか事に及ぶと野獣と化すっぽいな
464名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 10:03:00.43 ID:HOzjH915
ダメだ・・・
武美のおっぱいを見てると勃ってしまう・・・
465名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 10:09:52.25 ID:P+AK71q1
>>464
毎日一緒だから大変そうだね風来坊さん…
466名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 11:59:40.67 ID:S0a1UMTa
センター試験の会場になってる教室真隣の空き教室で、その学校の学生が声を殺してヤるシチュが俺の中ですげえ熱いんだが、パワポケキャラだと誰が適任なのかわからん。
467名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:10:11.14 ID:RabWIhFi
13主と桜華
468名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:14:05.25 ID:xf8E6Co8
13主安定www
469名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:17:07.57 ID:mZF15Dqq
流石野外、教室プレイに定評のある13主。
470名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:21:31.07 ID:2ItiGcYS
日出子
471名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:24:22.25 ID:vUFYPotV
ぶっちゃけセンター受けてそうな主人公って12主くらいだけどな
472名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:35:00.28 ID:VaYaKkkF
12主は大学スポーツ推薦ってなかったっけ?
473名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 12:57:33.03 ID:w+y/nTVl
ダッ主と瑠璃花
474名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 13:18:19.92 ID:vUFYPotV
>>472
そうだっけかすまん
じゃあ武美と9主に大検でも受けてもらうか
475名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 13:57:47.59 ID:eNhNLrLI
小杉も大学行ってるから5主
8主は知らん
476名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 15:10:58.55 ID:lct24+y2
>>446
本来センター試験の前日から入校禁止になるところを
敢えて侵入して致すとか強者だなぁおい
477名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 16:02:10.02 ID:bSpLHo7d
>>465
白瀬のぼろぼろっぷりを見てると、
最後の頃は介護疲れ的な意味で大変なことになってそうだ
478名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 18:37:18.65 ID:rXs78ZRC
野獣=13主の満場一致ぶりにワロタ
479名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 20:54:20.44 ID:kw8N0x/U
紳士は11主だろ
480名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 21:32:46.89 ID:HTNXJDFR
>>477
まさか最近まで幸せだったというのは介護に疲れてトドメを…
481名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 22:07:53.81 ID:mZF15Dqq
>>478
野外レイプ!野獣と化した13主だからな。
482名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 23:32:37.12 ID:RabWIhFi
イケメンで野獣って、なんてウラヤマ
483名無しさん@ピンキー:2012/01/14(土) 23:33:27.07 ID:nYA7EulD
>>480
9主被告は武美と2人暮らしだったが、二人旅を初めてから、武美に認知症 の症状が出始め、一人で介護した。
武美は05年4月ごろから昼夜が逆転。徘徊で大神に保護されるなど症状が進行した。
9主被告はヒーロー業を休職してデイケアを利用したが 介護負担は軽減せず、9月に引退。
生活保護は、ヒモなどを理由に認められなかった。 介護と両立する仕事は見つからず、12月に維織さんからのお小遣いがストップ。
カードローンの借り出しも限度額に達しデイケア費 やアパート代が払えなくなり、06年1月 31日に心中を決意した。

「最後のデートに」

9主被告はこの日、車椅子の武美を連れて遠前町を観光し、2月1日早朝、同町河川敷で「もう生きられへん。此処で終わりやで。 」などと言うと、
武美は 「そうか、あかんか。9主、一緒やで」と 答えた。9主被告が 「すまんな」と謝ると、
武美は 「こっちに来い」と呼び、9主被告が武美の 額にくっつけると、武美は 「9主はわしのパートナーや。わしがやったる」と 言った。
この言葉を聞いて、9主被告は殺害を決 意。武美の首を絞めて殺し、自分も包丁で首を切って自殺を図った。
冒頭陳述の間、9主被告は背筋を伸ばして 上を向いていた。肩を震わせ、右腕で涙をぬぐう場面もあった。
裁判では検察官が9主被告が献身的な介護の末に失職等を経て追い詰められていく過程を供述。
殺害時の2人のやりとりや、 「武美の命を奪ったが、もう一度武美の相棒として生まれたい」という供述も紹介。
目を赤くした聖裁判官が言葉を詰まら せ、刑務官も涙をこらえるようにまばたき するなど、法廷は静まり返った。
484名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 00:00:01.13 ID:HaDA0BCq
>生活保護は、ヒモなどを理由に認められなかった。

おいw
485名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 00:05:28.91 ID:TuwsuvA2
聖裁判官w
486名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:21:02.12 ID:0TH+pO7c
チハヤの3Pモノ書いてみました
幼馴染2人が共闘すれば、悪魔ッ子チハちゃんにも勝てます!


〜幼馴染達の夜〜

俺の名前は雨崎優輝。混黒高校野球部の正捕手…だったが今は10月なのでもう引退している。
ところで俺には幼馴染がいる。そいつの名前は小波。
小波は俺が目標として、そしてライバルとして追い掛けてきたヤツだが、夏の地方大会で俺たち混黒はあいつのいる開拓高校に負け、
俺自身もエースである小波に完全に抑えられ、敗北したが悔いは無い。

あと小波は俺の義理の妹、チハヤと付き合っているんだが、これがまた友人であり、兄貴である俺の前で堂々とイチャイチャするんだよ…
487名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:22:53.17 ID:0TH+pO7c
べ、別に嫉妬してるワケじゃないぞ!確かにチハヤは妹とはいえ、あくまで義妹だし、目を疑う程の美人だからそりゃ俺だって変な気になりそうなこともあるさ!
ぶっちゃけ言っちまえば俺はチハヤのことが好きだ!でもあいつが小波と一緒にいてあんな嬉しそうなんだから、あの二人に何かしようなんて思わない。
チハヤのことに関しても俺は小波に負けたことになるが、俺は昔みたいに三人でワイワイできたらそれでイイと思ってる。

でも、だからってこりゃいくら何でもだろ………

「んっ、あっ!こっ、小波くぅん!うあっ!あっ!ソコっ、気持ち、イ…ああん‼」
「こ、こら、チハ!お前もっと声落とせないのか!」
「で、でも!小波君がっ、こんな、あっ!激し…くす…る…から、ああっ!」
「さっきの仕返しなんだから仕様がない、だろ!」
488名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:25:05.79 ID:0TH+pO7c
………………この頃ウチに泊まりに来てくれる小波と妹が、俺を安らかに寝かせる為なのか、こんなBGMを夜になると隣のチハヤの部屋でかけてくれる。どうも、御丁寧に優しい配慮をありがとう…
ってんなワケあるかぁ‼
壁一枚だけ挟んだ隣の部屋で幼馴染と妹がちょめちょめしてるのを子守唄に寝れるほど俺は(というより俺の息子は)不健全じゃないんだよッッ‼

あれか!?俺への嫌がらせか!?俺が何をした!?
確かに以前は二人のデートを尾行したりしたさ!(チハヤに見つかって怒られたけど…)でも今は別に二人がデートしても何とも思わないし、アドバイスさえしてやっている!
何故そんな俺がこんな方法でいぢめられねばならないのか‼

まぁ、でも考え方によるのかなあ…
二人は恋人同士なワケであって、そんな二人がそういうことをして、定期的にお互いを感じようとするのは当然の行為であるワケだし、仕様がないのかなあ…

「こっ、小波くぅぅぅううん!イくぅぅぅぅぅうううううう!!!!」

……(プチッ)やっぱ前言撤回。

やっぱ世の中にはして良いことと悪いことがあると思うんだ。いやいや、別に二人がしていることが悪いと言ってるんじゃないぞ?
ただやっぱりその何と言うか、悪いことにならないとは限らないので、コレは兄として、未来の兄としても注意いてやらねば…!
489名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:26:53.78 ID:0TH+pO7c
数分後、隣の部屋のドアの前に立つ俺。
(何やってんだ俺!早く部屋入って注意しろよ!これも二人の為なんだぞ!)
(いや、でも流石にHの最中に部屋はいんのもなあ〜このまま声だけ聞くのもなかなか乙だろ?)
(ナニ言ってんだよ!さっさと注意だけしてクールに立ち去ればいいじゃんかよぉ!)

……俺の頭の中で天使と悪魔が戦っている!もっとも、どっちが天使でどっちが悪魔なのかはしらないが…

(ええい!迷ってても仕方がない!ここはドアを開けて速攻で注意をして速攻で部屋に戻る…のがイイだろう)
(すーはー、よし!行くぞ!)
バタン!
「お、お前ら!……………………………………………………………………………」
中ではどうやらいつも押されている小波が珍しくチハヤを押さえつけたいるので、立場が逆転なのだろう。チハヤの肩を掴んで布団にチハを押さえつけている小波と押し倒されているチハヤ…
二人もいきなりの事で驚いているのか、こちらを無言で見ている。

「…………………………………」
「…………………………………」

俺も考えていた事をさっきのところまで言って頭が真っ白になってしまった。主にチハの綺麗な裸とか裸とか裸とかのせいで…

「……えっ!?お、おニイ!?え!?ホントに入ってくるなんて…」
「………………………………」
490名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:29:14.22 ID:0TH+pO7c
チハヤは意外と動揺しているのかパニクっている思考が言葉にまで作用して、何を言ってるのか分からない。小波も動揺しているのか暫く黙っていたが、暫くするとニヤリとして口を開いた。

「何だよユウキ、遂に我慢出来なくなって、妹のイくところ見にきたのか?それとも……」

その後コイツはとんでもないことを言い出した。

「混ざりにきたのか?」

一瞬何を言ってるのか分からなかったが、もしかするとこいつの言ったことが行動の選択肢にあったのか、否定の言葉は思いの他早く出て来た。

「バッ!そそそそんなワケないだろっ!何で俺がお前らと…」

そこまで言いかけると小波が俺の言葉を遮って、しかも連続絶頂で弛緩しきったチハヤを起き上がらせ、股を広げながら言う。

「お前の大好きな妹のマンコ、ぐちゃぐちゃに出来るんだぜ?こんな風に…」

すると小波はチハヤの股間に手をやり、チハヤのクリトリスを高速で擦り始めた。

「あっ!ああああああああああ‼‼」

いつもは小悪魔みたいで俺をからかってばかりいるチハが男の指先だけで、あえなくイき果てている様子を見て、俺はほぼ無意識に服を脱ぎ、チハに近づき、だきしめる。
そしてチハの頬を掴み、荒々しく唇を奪う。

「んっ、ちゅぷ、んむ、はむ…」
491名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:30:20.24 ID:0TH+pO7c
無理矢理舌をねじ込むと、チハも最初は嫌がっていたが段々と舌を絡ませてくる。小波も最初は面白そうに見ていたが、急に胸を後ろから揉み出し、そして言う。

「チハヤはやらしいな〜
俺以外の男とでもそんなキスができるなんて〜
これはお仕置きが必要だな〜」
「おい、ユウキ、乳首弄くってやれよ、チハ敏感だぜ?」

俺は言われるままにチハヤの乳首に手を伸ばし、優しくクリクリと愛撫する。

「んんん〜!!ああっ!はああ‼」

胸を堪能した後、小波はチハヤを布団に押し倒し、股間の愛撫に取り掛かる。表明を撫でたり、中をかき回したり、クリを摘まんだり…
そしてその間俺はチハの胸をもっと堪能しようと色々な攻め方をした。乳首を舐めたり吸ったり、吸いながら、乳房を揉んだり…
それからチハの下半身を見ると小波がチハにクンニリングスを施していた。それを見て俺は堪らなくなって言う。

「おい、小波…」
「ん?」
「チハヤのマンコ……俺にも触らせろよ…」

俺はまず本で見た様にチハのマンコを掌全体で包み込み、揉んだり摩ったりする。何の本かは聞くな。
(しかし、コイツのアソコ綺麗だな〜)

「おニイ今変なこと考えてたでしょ?」

チハヤはジト目でそんなことを言ってくる。

「う、うるさい!」

俺は照れ隠しの為にそう言って、急にクリトリスを激しめに弄り出す。
492名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:31:28.04 ID:0TH+pO7c
「あっ、ああっ!お、おニイ!やっ!やめっ!はああ‼」
「うるさいぞ、チハ!そんな妹はこうしてやる!」

俺はもう片方の手を加えて、チハヤを攻める。片方の指を中にぐちゅっと突き刺してほじくり回し、もう片方の指でクリトリスを摘まんでコロコロ転がす。

「んあああっ、あっ!ダ、ダメ!それダメ!イっちゃぅぅぅぅぅうううううう‼‼」
(うわ!チハ可愛いな…)
「はぁ、はぁ、はぁ…」

小波は肩を上下させて呼吸をしているチハヤを抱きかかえて上半身を起き上がらせて、言う。

「……お前らお互いの舐め合ってみろよ。」

俺は驚いて声が少し裏返る。

「はあっ!?そっ、それって…アレか?シックス…」
「ああ、そんでもってさきにイった方が負け、負けた方は相手を好きに出来るとか、どう?」
「い、いや、そりゃいくらなんでも…」
「私はいいよー!面白そうだし!」

さっきまでイきまくってヘトヘトだったチハヤが急に元気になる。

「わ、分かったよ!やりゃあイイんだろ!?」

アレ?気が付くと俺も何だかんだでノリノリになっている?
俺が横になるとチハヤは自分のお尻をこっちに向けて俺に覆い被さる。すると小波が言う。

「言っとくけどチハはメチャメチャ上手いからな?」
「へぇ〜コレがおニイのおちんちんかぁ〜以外と大っきいねー」
「以外って何だよ、うるさいな!」

そう言うと俺はチハヤの花弁に勢い良くむしゃぶりつく。
493名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:32:36.69 ID:0TH+pO7c
「んああ!お、おニイ、不意打ちズルい!あた…し、も負けないんだから!」

そう言うとチハヤも俺のモノを口に含み、舐めたり、激しく吸い上げたりし始める。

(うわ、ヤバッ!こいつ上手すぎだろ!?)

俺も負けじとチハヤを攻めようとするが、下半身に気がいってしまい、上手く舌を動かせない。

(クソっ!このままじゃ…)

小波は暫く面白そうに眺めていたが、することが無いのが面白くなくなったのか

「ユウキキツそうだな?チハは上手だからハンデをやるよ。」
「?」

そう言うと小波はチハヤの上に覆い被さり、チハヤの綺麗な胸を揉み始めた。

「んっ…」

チハヤは始めは驚いたようだったが、小波はそんなに強く揉み込んでいるわけではないので、あまり動揺はしていない。
しかし十分に柔肉を揉みほぐすと、急に激しめに乳首を弄くる。

「んんっ!んぁん!?」

チハヤがびっくりして一瞬口を離す。
チャンスだ!
俺はすかさずチハヤの股間を攻め立てる。
チュッ、チュルッ!レロレロ、クチュクチュ…
俺はトドメとばかりにチハヤのクリトリスを甘噛みした。

「あっ!あうっ!ああああああああああッッ!!‼」
494名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:33:32.54 ID:0TH+pO7c
最後の最後で逆転勝ち。チハヤもハアハアと肩で息をして、ぐったりとしているが、俺もかなり危なかった…
すると小波が口を開く。

「じゃ、チハの負けってことで♪」
「ええっ!?ず、ずるいよ小波君!アレは小波君がおっぱいいじるからで、タイマンなら私負けてないモン‼」
「でも特にルールとか決めてないだろ?それに経験豊富なお前のテクニックで初めてのユウキをあの短時間でイカせられないってどういうことだよ?」
「うっ…」
「それにいつもアニキ虐めてるんだからたまには攻められるのもイイだろ?」
「う、うん、まあ…」
「ハイ、じゃ、早速するか」



俺は正常位でチハヤのマンコに自分のモノをあてがい、勢いよく貫いた。
ズッ!ズブブッ!

「ああああッッ!!んんぅぅううう‼」
「うっ!くあっ!締まる!」

このままでは射精てしまうと、俺は堪らず腰を激しくチハヤの膣内にパンッ、パンッという音を立てて打ち付ける。

「あんっ!ああっ!うあああ‼おニイのイイっ!おニイの凄いぃぃい‼」

俺の理性は脆くも崩れ去った。チハヤ抱きしめて、胸の果実を荒々しく揉みしだきながら、先端の蕾をこね回す。
勿論、腰の勢いを緩めるつもりはない。それどころかさっきより強く、重い一発一発を喰らわせるように剛直を突き刺す。
495名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:34:23.15 ID:0TH+pO7c
「チハ、俺のも上の口で咥えて?」

小波が自分の肉棒をチハヤの口に押し込むと、チハヤはソレを手を添えて舐めたり吸ったりして小波に快感を与える。
射精の感が迫ったので、俺はチハヤの腰を掴み、更に加速して腰を振る。小波もチハヤの頭を撫でながら自分のモノ舐めさせていたさっきまでの優しい行為とは打って変わり、チハヤの頭を押さえつけて挿入の時と同じ様に、喉の奥まで肉棒を押し付るけ様に抜き差しをする。
はたから見たら強姦みたいだ…


そして俺達は2人共射精感を覚えて…

ビュクッ、ビュクッ、ビュブ、ビュルルッ!!
ドクッ、ドプッ、ビュッ、ビュッ!!

口内と膣内に同時に出す。

「ユウキ、まだダメじゃないよな?」
「え!?ま、まあ…」
(コイツまだヤレるのか……)

小波は今度は横になると

「ユウキ、チハを俺の上に置いてくれないか?」

と言う。今度は自分は騎乗位でするつもりらしい。俺はチハヤの脇を抱きかかえ、上を向いて猛っている小波のソレの上にチハヤを降ろして膣内の奥深くに突き刺す。
496名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:35:11.36 ID:0TH+pO7c
「ああああああっっっ!?はぁぁぁあああうううううう!!!!」
「うっ、くっ!」

小波はチハヤに休む余裕さえ与えず容赦なく下から突き上げる。俺も援護射撃をするように、片手を胸にやって弄り、もう片方の手でクリトリスを弄り回しながら、チハヤの可愛い唇にディープキスをする。

「んんんっ!んむっ!んふぁ!お、おニイ、クリちゃんいぢっちゃッ、ああっ‼んあっ!ダ、ダメ、そんなことしち…んむ!」

抗議しようとするチハヤの口を再び塞ぐ。こいつこんだけイきまくってんのにえらく元気だな…
暫くそんな攻めを続けると、チハヤは小刻みに体を震わせ始め、俺の腕にギュッとしがみつく。絶頂が近いらしい。
小波もラストスパートとばかりにチハヤの腰を掴み激しく最奥をつく。
俺がトドメを刺す様にクリトリスをギュッと摘み、小波が腰を動かす速度を更に速め、そして…!
ビュッ!ビュルッ!ドプッ!
小波はチハヤの腰を掴んで数回、大きく、おもむろに腰を打ち付けた。
俺がチハヤの絶頂と同時に口を解放してやると、あられもない絶頂の悲鳴がチハヤの口から飛び出る。

「ああああああああああッッッ!!!!」
497名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:36:05.91 ID:0TH+pO7c
「……チハ、大丈夫か?」
「…………あ、あんまり…」

小波の問いかけにもイマイチ反応出来ない様子のチハヤ。

「いや〜ゴメンゴメン、いつもやられてばっかだからたまにはチハも苛めたくなるんだよ」
「だっ、だからって!…」
「でも気持ち良かったろ?」
「え?えと、うん…まあ…それは………」
「それにアニキの方も満足そうだぞ?」
「うるさいっ!だいたい元はと言えばお前があんなこと言うから…!」
「その割にはノリノリだったな、シスコン兄貴?」
「うっ…」
「ああ、もう!今度はあたしがやっちゃうんだから!2人とも、覚悟しなさい!」
((マジでか!?まだヤれんの、こいつ!?))

そんな風に過ぎて行った俺のとある一日…


…………………………………………………
「ねえねえ、おニイ!今晩もヤろうヨ♪」
「……お前それ浮気じゃないのか?」
「ん〜?違うよ〜?だってコレは別におニイが好きだからとかじゃなくて、おニイを苛めたいからしてるだけだよ♪
それに小波君もたまには夜忍び込んで苛めてヤレって言ってくれてるから彼氏公認だし♪」
「あいつ自分の彼女にナニそそのかしてんだ…」
498名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:38:01.09 ID:0TH+pO7c
以上です、いかがでしたでしょうか?

やはりチハちゃんも女の子なのでたまにはいじめられる
べきだと思って書きました。
499名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 01:52:50.49 ID:pX6lPkcq

チハちゃんいいなあ
500名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 14:38:36.39 ID:1xFRFpYv
>>498
GJ!
501名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 00:33:47.97 ID:xfsyRs+w
まとめwikiにいくつか投稿しておきました。
良かったら読んで頂けると嬉しいです。
502名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 00:58:57.74 ID:NfjK/dAY
>>498>>501
GJです
503名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 01:06:41.72 ID:YA2XcHBY
乙です
前VIPで書いてたやつがあるね
また気が向いたら書いて下さいな
504名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 18:28:38.49 ID:nvdNV5AF
ブラをしていても大きく揺れてしまう武美のおっぱいを妄想してると、勃って仕方がない。
505名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 21:18:03.04 ID:AVlmqZ/H
ヒカルは彼女候補になればもっと可愛いグラにしてもらえたのだろうか。
だとしたらやるせないぜ…
506名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 22:42:53.59 ID:viVfBbIt
5年ぐらいしたら高校時代のカズ似の可愛い子になってるかも

まあ14主のカズへの態度を見るかぎりあんまり期待できないが…
507名無しさん@ピンキー:2012/01/16(月) 23:16:09.21 ID:yRyJWPVQ
5年後

カズ「ヒカル! 天月のところのガキには絶対負けるな!!」
ヒカル「……」
508名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 00:34:29.53 ID:0tXRS7H+
>>506
でも火星から帰ってきた時により可愛くなったヒカルにドキッとなる14主もありじゃないかな
509名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 01:15:13.59 ID:i16sdEVx
ヒカルもハンナもボーイッシュでたまらん
台詞メモる時間作りたいなあ……
510名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 10:16:29.56 ID:XmuGRyjp
>>507
レン「何が始まるんです?」
12主「第三次代理戦争だ」
511名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 14:38:03.93 ID:FlwfuBFC
エロパロ書ける人って官能小説とか読んでたりするの?
512名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 19:45:58.78 ID:TbQ8OvJb
せんせー、ブラバスターは官能小説に入りますかー?
513名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 22:39:45.98 ID:0Q8kuNUA
官能どころか小説すら殆ど読まないわ
ジャンル違いの本なら山のように読んできたがSS書く上では畑違い過ぎて役に立たん
514名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 00:05:46.96 ID:+mRaQqQ1
俺は逆に小説読みまくりだけど小説以外の本はほとんど読まんなあ
エロ系の知識はもっぱらエロ漫画かエロゲから吸収している
515名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 00:52:54.78 ID:62Kstos0
官能小説しか読んでないのに書けない…
516名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 02:11:52.81 ID:Sm7PcWaj
ただ読むだけじゃ意味がない。
それは官能小説に限らない話で、
「どういう風に何を書いているのか」を意識的に読まないと何の足しにもならないよ。
そもそも、SS書くのにそんな勉強は100%必要ない。
それは高校受験するのにセンター試験の過去問を解くのに似ていて、過剰な勉強方法だと俺は思う。

SS書くだけなら、とにかくゴミみたいなSSでもいいから量産するのが手っ取り早い。
517名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 03:04:16.14 ID:Au5qyw5S
一度妄想したことを書いてみて、何度も推敲して追加して修正していくと次第に完成していくよ。
518名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 03:17:35.55 ID:/MmsIlbz
文章書くのって文字にしないと練習にならんからな、これはSSに限った話じゃない
自分で悩みながら書いていくしか文章が上達する方法はない

まずは叩き台になるような「何を書きたいかリスト」を箇条書きで作ってみたらいいんじゃないか
その箇条書きを一つの文章にして、話が繋がるようにすれば一本できあがりだ
519名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 07:14:45.75 ID:LHNPjGkT
いやいやいや、おかしいだろそれ
SS書きたいならゴミ量産しろとかんなアドバイスするの初めてみたわ
がむしゃらにメモレベルのを大量に書いても無駄だよ
1日5000文字以上書くってなら別だけど
520名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 08:36:51.78 ID:OzcvsP5q
SS書きの控え室127号室
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1326196623/

SS全般に関係する話題なら、こっちの方が食いつきいいぞ。
スレの主旨としても適切だし。
521名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 10:07:15.56 ID:/yAscTaW
>>520
誘導ありがとう、ごめんな
一個訂正。1日5000文字じゃねーや、500文字ずつだ
で、全体で5000文字くらいになるようにだ
1日5000文字書くとかどんな暇人だ化け物か俺は阿呆か
522名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:47:00.44 ID:/X27Lg+s
11裏の恵理を投下します。主人公×恵理×主人公です。キャラ崩壊注意
523名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:47:40.32 ID:/X27Lg+s
『ステップ、ステップ、ステップ』

 エリが俺の恋人になって約一年が経った。
ただのクラスメイトという間柄でしかなかった俺達が、
彼氏彼女の関係になるまでにいろいろなことがあったことはいうまでも無い……が、
そのことは今重要じゃあない――――大事なことは四つ。
 一つ、エリが俺の部屋にいるということ。
 二つ、俺の両親が旅行中だということ。
 三つ、明日が休みだということ。
 四つ、非常に重大な話をしようとしていること。
「なぁ、エリ」
「なぁに?」
 ちょこんと座布団に女の子すわりしているエリに向けて、
俺は真面目な顔つきをして真面目な声を喉から搾り出し、
真面目な雰囲気をかもし出しながら声をかけた。
「突然なんだけどさ。俺、増えたんだ」
「え?」
 どうして変な顔をして、わけのわからないことを言ってるんだろう。
そう言いたげにこちらを見て、小さく首をかしげるエリ――――どうやら、
真面目な雰囲気は全く伝わらなかったらしい。
 少しばかり残念に思いつつ、俺はもう一度言葉を繰り返しす。
「俺、増えたんだ」
「……どういう意味?」
 不思議そうに眉を潜めながら、さらに首を横に傾けるエリ。
そんな様子が彼女の魅力を三割ほど増していること新発見して、
人生で稀に味わうことしかできない大きな喜びを感じながら、俺はさらに言葉を繰り返した。
「俺、増えたんだ」
「…………」
 返事こそ無かったものの、三度も繰り返したおかげか、
エリは俺の言葉がどうでもいい雑談の類ではないことを感じ取ったらしい。
自然な形に整えられた眉をわずかに傾斜させ、口元に指を当てて考え込むポーズをとる。
 きっかり十秒後。むしゃぶりつきたくなるぷりぷりとした桃色の唇が小さく動いた。
「……体重?」
「増えてるかもしれないけど違う」
 即座に否定すると、エリはさらに首をかしげた。
「テストの点数?」
「それはむしろ減った」
 さらに首をかしげるエリ。
「借金?」
「怖いこといわないでくれよ」
 さらに首をかしげるエリ。
「甲斐性?」
「それは増えたり減ったりするものじゃないだろ?」
 さらに首をかしげるエリ。
「髪の毛?」
「まだ減る様な年じゃない。……減ってないよな?」
 さらに首をかしげるエリ――――の言葉が気になって、俺はさわさわと自分の頭をなでた。
もちろんごわごわとした感触が、十分な量の頭髪があることを示してくれる。
「う、うん。大丈夫だと思うけど…………あ。もしかして!」
 否定するたびに傾けていたため、ほとんど真横になっていた首を元に戻して、
エリはぱぁっ、っと明るい笑顔を浮かべて俺に笑いかけてきた。
524名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:48:20.88 ID:/X27Lg+s
 つつきたくなるくらい愛らしいえくぼを両手で隠し、
もじもじと、くねくねと身を揺らしながら彼女は言う。
「も、もしかして……もしかして…………あ」
「あ?」
「あ、あいじょう? ……その、あたしへの」
 顔を真っ赤に染めて、『なんちゃって』と小さくつぶやき、
エリは俺から視線をそらした。小さく、『きゃー! きゃー!』なんていってる声も聞こえる。
 熱くなり、高鳴る胸を抱きしめて、俺は身もだえする、
「ど、どうしたの?」
「増えた」
「え?」
「ドンと増えた。だばだばと増えた。増えすぎて破裂した」
「それって……結局減っちゃったんじゃないの?」
 冷静でありながらも包み込みようなやわらかさを持つ優しいツッコミに、
俺は感涙の涙を想像上で流す――――気恥ずかしいのだろう、
照れ照れとスカートのすそをいじり始めるエリの姿が、さらに妄想上の涙を増加させる。
「それで、正解だったの?」
 俺の流した涙が部屋を満たし、溢れ、日本を沈没させ、
終いには無人島でエリと二人きりになる妄想まで浮かべたところで、天使の声が俺を現実に引き戻した。
「え? ……いや、違うかな」
 天使の声は残念ながら答えは違った。俺は力なく頭を振る。
「そうなんだぁ……ちょっと残念」
 しょぼくれる天使――――もはや大事な話などどうでもよくなりつつあったものの、
今彼女を襲おうものなら確実に邪魔が入ることはわかっていたため、俺はどうにか邪念を振りほどいた。
「それで、他には何があると思う?」
「うーん……」
 しばらくの間エリは考えていたが、答えは見つからなかったらしい。
 本当に申し訳なさそうに眉をひそめて、非常に悲しげな光を瞳に写す。
「……ほかに増えるものって言っても、思いつかないよぉ〜」
「まあ、そりゃそうか……見てもらったほうが早いかな」
 無理難題であることは否めなかったため、俺は最後の手段をとることにした。
 リビングと寝室をさえぎる襖へと視線を向ける。
「見るって、何を?」
「ちょっと待ってくれ。……おーい! 聞いてるんだろ、入って来いよ」
 がたんと盛大に開けられるふすま。その先にいた人物とは…………もう一人の『オレ』。
『ようエリ。一週間ぶり!』
 朗らかに挨拶をする『オレ』を、エリはあっけにとられた表情で見ている。
『オレ』が俺のとなりに胡坐をかいて、エリに笑いかけると、
ぱちくりと瞬きをして、白く細い指をふっくらとした頬に持っていき、ぎゅう、とつねった。
 どこか呆けた様子で、ぽつりとエリがつぶやいた。
「痛い」
 うんうんと頷く俺達。
「痛いだろうな」
 俺が返事をする。
「夢じゃない?」
『夢じゃないな』
 もう一人の『オレ』が返事をする。
「で、でもあたし、この前夢でほっぺつねっても痛かったよ?」
「けど夢じゃないぞ。俺もいるし」
 俺が返事をする。
525名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:49:02.39 ID:/X27Lg+s
「小波君ならたいてい夢に出てくるから……」
『それはうれしいけど、これは夢じゃないな』
 もう一人の『オレ』が返事をする。
「……ふぇ」
「ハンカチ!」
『よしきた!』
 見る見るうちにエリの瞳に涙が生まれるのを見て、
俺は『オレ』との抜群のコンビネーションでエリが泣き出すのを阻止しようとした。
具体的には俺が口をふさぎ、もう一人の『オレ』が目元を拭う役割である――――はたから見たら、
二人がかりで襲っているようにも見えないこともないのだが、それはまあどこかに投げ捨てておこう。
「ほら、大丈夫、大丈夫だぞ……」
「んー! んんー!」
『深呼吸。深呼吸……』
「バカだな。口ふさいでるのに深呼吸できるわけ無いだろ」
『バカはお前だ。人間には鼻っていうものがあるじゃないか』
「泣いてたら鼻が詰まるに決まってるだろ」
『絶対とは限らないだろう!』
「……んー! んー!!」
 どうでもいいことで争い始めた俺達を見てだろう、
エリが一所懸命に手足をじたばたさせ、俺達の手から逃れようとする。
これまでの経験からして、泣き出すことは無いだろうと判断した俺達は、
ゆっくりとエリを束縛から開放した。
「ふえぇぇ……ふえぇ……ふえ……ふ…………」
「よし、大丈夫だな」
 もがいて乱れた髪の毛を手で整えつつ、
高級な絹のような(そんなもの触ったことはないのだが)感触を楽しむ俺。
『オレ』もまた、右手でエリの肩を撫でつつ左手でいろいろな所の感触を楽しんでいるようだった。
「ふぇ…………えええええええええええええええっ!?」
『期待通りのリアクション』
「さすが俺の彼女」
『俺のだって』
「ななななななっ!?」
「なんでこうなったかって? いやほら、夏休みに宇宙人と戦った時、なんとかシステムで俺のバックアップとってただろ?
結局あれは使わなかったけどさ、使わなかったクローンは処分するとかいう話が出てたから、うっかり引き取ってみたんだ」
『うっかり引き取られたんだ』
「うかっ! うかっ? うっかり!?」
「いやー、俺もエリのドジが移ったかなぁ」
『男のドジはかわいくないのにな』
「そうだよなー」
「かわっ、かわっ……かわわわっ!」
 どうも錯乱してしまったらしく、エリはまともな言語を発することができなくなってしまった。
「大丈夫だぞー」
『怖くないぞー』
「うかっ! かわわっ!? わーん!!!」
 そんな彼女を俺達がなだめるにはそれなりの時間がかかった。
具体的に言えば、エリにキスをした後えっちな目になるまでの時間の十三倍ぐらいだ。
 泣き止んだエリの頭をさわさわと撫でながら、俺は話しかける。
「落ち着いたか?」
「う、うん。……まだ、心臓がバクバクいってるけど……ひゃ!」
『お、ほんとだ』
 むにむにと、エリの胸を触る『オレ』。
526名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:49:33.39 ID:/X27Lg+s
 それを聞いて。
「……あれ?」
 何か引っかかったのか、エリが首を小さくかしげた。
先ほど傾けすぎた反省を生かしたのか、すぐに元の位置に戻していたが。
「……ところで、今って、学校はどうしてるの?」
「週替わりで行ってる」
『案外ばれないよなー』
 三つ目の質問に答えた瞬間、エリの顔色が変わる。
雲ひとつ無い空のような綺麗な青――――とまではいかないが、
血の気が引いて顔面蒼白になったエリは、青空のように眩しい愛らしさを持っていた。
(余談だが、彼女は若干困っている顔が一番可愛らしい)
「そ、それじゃあ、あたしと……その、えっちしてたのって……」
「……ん? ああ、そりゃもちろん」
『俺達二人とも、エリとえっちしまくってるな』
 大仰に頷く俺達――――若い男女が付き合っているともなれば、もちろんえっちは猿のようにしている。
大体はエリの家(共働きで狙い目なのだ)だが、「こんなところでするの? ……今日だけだよ?」
というやりとりも、ほぼ毎日のように学校で行っているのだ。
 つまり――――
「え…………」
 ふらりとエリの上体が傾く。あまりのショックに眩暈がしたのだろう。
俺達がすぐに支えたため、彼女は打身一つ負うことも無かったが。
「そ、それじゃあ…………」
 ぱたぱたと手で扇を作ってエリの顔に空気を送ると、
彼女は涙で覆われた瞳をぱっちり開いて、唇をわななかせて小さく叫んだ。
「あ、ああああああ、あたし、う、浮気しちゃってたの!?」
「え? ……いや、それは違うんじゃないか?」
「だって! 好きな人が二人いるのって浮気じゃない!」
『……なんだかずれてるような気がするな』
「でもでも! 二人の小波君がいて彼氏のあたしがえっちのたくさんがいっぱいで」
「とりあえず落ち着いてくれ。頼むから」
 またもやしばらくの間、エリをなだめにかかる俺達――――今度は先ほどよりも時間がかかった。
具体的に言えば、愛撫を始めてから十分に濡れるまでの五倍ぐらいだ。
『もう大丈夫だよな?』
「うん……ご、ごめんね。また混乱しちゃって」
「いやまあ、仕方が無いと思う。こっちも悪いからな」
『実は彼氏が二人いたなんてことを言われたら、そりゃ驚くよな』
「彼氏の中身が入れ替わっちゃうぐらい衝撃的だもんな」
 適当にフォローしつつ、エリの頭を撫でる俺達。
興奮して体温が上がって汗が出たためか、さわり心地はどことなくしっとりとしている。
「……とりあえず、あたしが二人とえっちしてたことについては深く考えないことにするね」
 大きな驚きも二度目になると慣れたのか、エリは適当なところで自分を納得――――あるいは諦め――――させたようだった。
だが、俺達にはそうしてもらっては困る理由がある。
『悪いけど…………実は、今日エリを呼んでこのことをばらしたのって、このことについて話すためなんだ』
「え……?」
 不安そうな上目使いで交互に俺達を見るエリ。
なんていうかもう、ひん剥いて両手を後ろ手に縛り、M字開脚させたいぐらいだったが。
どうにか(目が血走り、鼻息が荒くなっていたが)俺達は耐えることができた。
 こほんと咳払いをして、『オレ』が告げる。
527名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:50:23.22 ID:/X27Lg+s
『実はさ、そろそろ限界だったんだ』
「限界?」
「エリに隠し事をするのも嫌になってきてたし、独占欲ってやつでいくら『オレ』相手でもエリを渡したくなくなって」
『ここいらで決着をつけようかなと』
「え? え? ええええええ?」
 にらみ合う俺達を見て、エリが恐怖に顔を歪ませる――――今すぐ眉間のしわに
舌を這わせたい衝動に駆られながらも、俺達はきりりと眉を傾けて、エリに詰め寄った。
「さて。エリ」
『答えてくれ』
『俺と、こいつと』
「どっちを選ぶ?」
「え……えええーーー!?」
 あんぐりと口を開けて、エリが絶叫する。
そして、散々泣き叫んだため真っ赤になっている瞳に涙を再び浮かばせて、今にも泣き出しそうになる。
「泣いちゃ駄目だ、エリ!」
『この前俺と、天丼は二回までって約束しただろ!?』
「ふぇ……ふぇぇぇぇ……」
 二人掛かりで説得した甲斐あって、エリはどうにか泣き叫ぶのをこらえてくれた。
だが、結局無理難題を押し付けているのには変わりないため……
「え、選べないよぅ……」
 エリがそうつぶやいて、回答を諦めたのか、肩を落として縮こまってしまった。
528名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:51:17.24 ID:/X27Lg+s
「まあそりゃ」
『そうだよな』
 うんうんと俺達は頷く――――こうなることは、エリの彼氏である俺達はもちろん予想していた。
「ということで」
『ということだな』
 視線を絡ませて意思疎通をして、俺は『オレ』を隣の部屋へに送り込んだ。
俺がエリの涙を拭い終えてすぐに、『オレ』が戻ってくる。
「? それって……?」
 いぶかしげな表情で『オレ』が手に持っている直径約30cmの黄色い玉を見て、
エリが疑問の声を上げる。
 『オレ』が天井近くにそれを設置したのを確認して、俺はエリに言った。
「今日のために用意したんだ。その紐を引いてみてくれ」
「…………う、うん」
 玉からぶら下がっている紐を、エリがおっかなびっくり引っ張った。
「題して!」
 パン! と小さな破裂音がして、玉が二つに割れた。
 ぱらぱらと、中から色取り取りの紙片が玉から零れ落ち、
『エリ争奪!』
 タイトルが書かれた幕が垂れ下がる!
「チキチキ! どっちがテクニシャンでSHOW!」
 寝室から聞こえてくるファンファーレに合わせてちゃぶ台に片足を乗せ、
決めポーズをとりつつタイトルを叫ぶ俺達!
「わ………わぁーーーー」
 俺達が三日間かけて練習したパフォーマンスを見て、
エリはどこかやけくそじみた表情で拍手をして盛り上げてくれた。
その苦笑いが何よりのご褒美だと思いながら、俺達はさらに叫ぶ。
「ルールは簡単!」
『参加者は俺達!』
「審判はエリ!」
『商品もエリ!』
「……え?」
「エッチをしてエリをより気持ちよくさせたほうが勝ち! と、いうわけで早速スタート!」
『ちょっと待て!』
 自然な流れでエリに飛び掛ろうとした俺を、『オレ』が必死の形相で押さえ込んでくる。
「どうして邪魔をするんだ!」
『俺が先にエリとするに決まってるだろうが!』
「待て、ここは俺が!」
『いやいや、俺こそが!』
「やはり俺だろ!」
『仕方が無い。俺が行くしか!』
「……じゃ、じゃあ、あたしが」
 やはり俺たちが争うのを嫌ってだろう。エリが無理やり流れに乗ってきてくれた。
「どうぞ」
『どうぞ!』
「………………………………ええっと。ううんっと。そのぉ……」
「いや、エリ。無理して何かしようとしなくてもいいから」
『落ち着いたしなー』
 お決まりの流れを一通りこなして満足した俺たちは、争う気力を無くして座り込んだ。
529名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:51:56.95 ID:/X27Lg+s
「しかし、勝負するとは決めてたけど、どっちが先にするかは決めてなかったな」
『ああ。まさかこんな落とし穴が待ち受けているなんて……とりあえず、背の順辺りで決めてみるか?』
「いや、ほとんど同じだろ。ここは知的に五目並べはどうだろう」
『この前3時間やっても決着がつかなかったじゃないか』
「ならバッティングセンターは?」
『今からじゃ帰るのが遅くなりそうだ』
「宇宙囲碁?」
『盤が無いし、やり方も知らないだろ』
「それじゃあ……背の順?」
『無限ループって怖くね?』
「……ねえ」
「うん?」
 真剣に話し合い始めた俺達に、エリが声をかけてくる。
何故か少し頬を赤らめて、エリはもじもじと身体をくねらせた。
「……そ、その。勝負って言うか…………ちょっと興味があるんだけどね」
『興味?』
「三人で一緒にえっちしちゃ……ダメ。かな?」
「…………」
『…………』
 絶句する俺達。もちろん、エリが言ったことに引いたからではない。
むしろ感動に心をむせび泣かせつつ、何度も頷く。
「さすがは俺の彼女。なんてエロい解決方法なんだ」
『ああ。こりゃ凄い……」
「そ、そう?」
「ああ」
『その発想はあった』
「……………………あったんだ」
 エリが小さくため息をついたが、その表情はどこか嬉しそうだった。


 善は急げということで、俺達はすぐさま隣の寝室へと移動した。
エリが布団に足を踏み入れたところで、俺はエリに抱きついた。
緊張でこわばった表情のエリに、強引に口づけする。
エリがぎゅっと目を閉じて頬を赤らめたのを視姦しつつ、
マシュマロのようにやわらかく、もぎたての果実のようにみずみずしい唇に
舌を這わせていく――――と、エリが突然目を開いた。
困ったように眉をひそめ、身体を揺らす……どうやら、
『オレ』が彼女の後ろから服を脱がし始めたのが気になるらしい。
とはいっても、抵抗しているというわけではないので、
制服のブラウスのボタンは一つずつ外れていき、
すぐに純白のブラジャーが露になる。
エリの口内に舌を差し込みながら、俺はホックを外して胸をはだけさせた。
体育の授業で男子クラスメイトの視線を釘付けにしている二つの果実が、ぷるんと震える。
「んっ……んんんっ!!」
 俺がエリの胸を握ると同時に、『オレ』がエリの首筋に口づけをした。
ちゅう、ちゅう、と音を立てて吸いながら、今度はスカートを脱がそうとしている。
俺も負けじと、さらに胸を揉みしだきながら乳首をつねり、
舌を暴れさせていく。じゅくじゅくと互いの唾液が交じり合い、
舌の体温が移りあうほどに、激しく絡めあう。
530名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:52:29.93 ID:/X27Lg+s
「んにゅっ!」
 スカートを降ろし終えた『オレ』が、エリの尻に頬ずりを始めたところで、
エリの瞳がえっちな感じにとろんとして、足がぷるぷると震え始めた。
準備が整ったのを嬉しく思いながら、俺はエリの身体をそっと布団に押し倒す。
「やぁんっ」
 倒した勢いで『オレ』がパンツを脱がしたらしく、エリの性器が露になる。
「おー。なんかいつもより」
『どろっどろだな』
「み、みないでぇ……」
 顔を真っ赤にしながら両手を股間に当てて、
とろとろの愛液に濡れたヴァギナを隠そうとするエリ。
もちろん、そんな抵抗に屈する俺達ではない。
俺がエリの右足を、『オレ』がエリの左足を掴んで、大きく開脚させる!
「きゃ……や、やだ、やだあ……」
 先ほど言ったとおり、エリのあそこはすでにぐじょぐじょになっていた。
ほかほかと湯気すら立ち上ってきそうなぐらいの熱気が、俺達に届いてくる。
 それを見て、俺達は――――
「クソっ! 何で俺達はまだ服を脱いでないんだ!」
『服を着ていることこそ罪!』
 熱く叫び。エリの足を開放して、服を脱ぎ始めた。
十秒もかからずに全裸になった俺は、既に臨戦態勢となっている息子を、すぐさまエリに見せ付ける。
 ぶるん、と揺れる俺の息子をエリは期待に目を光らせて見つめてきた。
「なぁエリ。もう、いいだろ?」
「あ……で、でも……」
 俺が迫りつつ問いかけると、エリは俺から視線をそらして『オレ』へと視線を向けた。
足にズボンが引っかかったらしく、少してこずっていた『オレ』も全裸になって、
エリに愚息を見せつけて……にやりと、笑った。
『いや、俺はまだいいよ。……今日はこっちでやりたい気分なんだ』
 そしてすすっとエリの横に移動して、
エリのとろとろにとけた穴――――その少し後ろの、もう一つの穴を、つん、と突いた。
「ひゅっ! …………こ、こここっちって」
『準備はしてきたんだろ?』
「そうだけど……もももも、もしかして、両方いっぺんにするの?」
『ああ。ただ、先にある程度エリが気持ちよくなってからな』
「え? で、でも、心の準備が――――」
「話が長い!」
 『オレ』とエリが会話をしているうちにゴムを装着し終えた俺は、
待ちきれなくなってエリに飛び掛った。
「わっ! わわわっ! んんんんーーーーっ!!!」
 ずぶりと息子を突き入れる――――ぬるぬるの膣内は、
優しく、ぬっとりと俺のモノを受け入れてくれた。
愛液と体温と肉に包まれて全身が喜びと快楽に震え、何もかも忘れて昇天したくなって――――
「や、やべ……も、もうイキそ……」
『おいこら! この早漏っ!』
「く……くそぉ!!」
 あまりの快楽に腰をプルプルと震わせながらも、
俺は射精するのをこらえて腰を動かし始めた。
ぬぷ、ぬぷとエリの膣内を出入りする息子――――エリが小さく喘ぎ始めたのが聞こえて、
どうにか最低限のプライドは守れたと安心する。
531名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:53:36.34 ID:/X27Lg+s
 ……安心したら、また出そうになってきた。やばい。
『じゃあエリ。こっちも……』
「ふあっ! あっ…………う、うん…………んむっ」
 『オレ』の催促に応えて、エリが『オレ』の愚息を咥えた。
口と、下の口とでどっちに意識を集中すればいいかわからないようで、
いつもよりおぼつかない感じでエリがフェラチオを始める――――ちゅう、ちゅう。
びちゃ、びちゃ。まるでアイスキャンディーを舐めるような、たどたどしい舌使い。
いつもやってくれるディープなスロートとは違って、これはこれで気持ちよさそうに見える。
「くっ…………よっと!」
「んっーー!?」
 そんなこんなで早くも限界が近くなった俺は、
エリの腰を掴んで、ずんっ、と息子をさらに置くまで突き刺した。
子宮にまで衝撃が届いたのだろう。額にしわを寄せて、エリが苦しげに呻く。
それを見て、俺の背中にぞくぞくと震えが走った。
(……なんなんだ、この感じは)
 震えの正体――――それは間違いなく喜びだった。
俺に突かれながらも懸命に『オレ』に奉仕しするエリを見ていると、
嫉妬心が沸くのは確かなのだが――――それ以上に、
二人掛かりでエッチしてることで、女の子を征服してるって気分が強くなったのだ。
「んんっ、んんっ! ふぁっ! ……んむっ。…………んっ、ああんっ!!」
 ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! と、
俺は射精するために、腰の勢いを激しくしていく。
今すぐ精子を吐き出して欲しいといわんばかりに絡み付いてくるエリの膣穴は、
俺に苦しみにも似た快楽を与えてきて、
ぶるん、ぶるんと揺れるエリの胸も、俺の防波堤をがらがらと崩して、
そして――――
「出る……エリ、出すぞっ!」
「んっ、んんっ。んんー!!!」
 爪痕が残るぐらいぎゅっとエリを掴んで、俺は腰を力いっぱい引き寄せた。
どくんっ、どくんっとエリの一番奥に精液を吐き出していく――――もちろんゴムをつけているから、
頭の中のイメージだでだけど。
『だから早すぎだろ……俺まだ全然出る気配無いぞ』
「ふぅ…………仕方ないだろ。エリの膣内が良すぎるのが悪いんだ」
『まあ、エリが悪いなら仕方ないか』
「ふあ…………はぁ。はぁ……も、もうっ…………ばかっ」
 俺達の会話を聞いて、荒い呼吸をしながらも、
エリがほっぺたを器用にぷくりと膨らませる――――非常に残念なことに、
エリはイったわけではなかったようだが、赤く染まった頬に恍惚の笑みを浮かべて、俺達に罵倒という名のご褒美をくれた。
 背中に天駆ける翼が見えそうなほどの愛らしさに軽く感激しつつ、
俺はゆっくりとエリの膣内から息子を引き抜こうとする。
「え? あ……」
 エリの膣内は俺を離すまいときゅうきゅう吸い付いてきたが、
腰に力を入れて、何とか一気に引き抜く。ぬぽっ。と小さな音を立てて飛び出す俺の息子。
「ん…………」
 エリが少し不満げに唇を尖らせて、俺を見上げる。
このまま抜か六とまではいかなくても、もっと気持ちよくしてくれると思っていたのだろう。エロいやつめ。
「安心しろって。後でまたたっぷり気持ちよくさせるからさ」
 そういって、俺は息子が抜けて閉じかけた膣穴に俺は人差し指と中指を差し込んだ。
愛液でぐちょぐちょのやけどしそうなほどに熱いエリの膣内をかき回していく。
「あっ! あっ、やぁっ。ふぁぁぁぁぁぁ……」
『そうだ。ちょうどいいから、しばらくそうやっててくれ』
「ん?」
532名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:54:09.39 ID:/X27Lg+s
 俺がエリのGスポットを探り始めたところで、『オレ』が白い瓶を手に、なにやら準備を始めた。
『ちょっと冷たいぞー』
 よく見ればそれは、『オレ』がこの間通販で注文していたアナル用のローションだ。
ナチュラル的な成分で出来ている、評価が五つ星の。
「ひゃんっ!」
 蓋を開け、とろりとした液体を手に乗せて、『オレ』がエリの蟻の門渡りの辺りに手を伸ばす。
そして俺がくちゅくちゅと弄っている動きに合わせて、『オレ』はつんつんとエリのお尻の穴を突っつく。
「あう…………んっ、んんっ…………ぁぁあああ……」
 始めは目と穴をぎゅっと閉じて身体をこわばらせていたエリだったが、
『オレ』の巧みな愛撫に(こういうのも自画自賛って言うのだろうか?)刺激され、
だんだん身体の強張りが解けていく。
そして『オレ』の人差し指が、第二間接までエリの穴に侵入したとき。
「お、ここら辺かな……」
 俺はようやくGスポットを探り当てて、指で刺激し始めた。すると、
「ーーーーーーーーーーっ!!!!」
 声無き悲鳴を上げて、エリがびくんっと身体を震えさせる。
『いいっ!?』
 それにやや遅れて、声有りの悲鳴を『オレ』が上げる――――ぷるぷると腕を震わせている様子からして、
どうやらエリが軽くイったせいでアナルの締め付けが強くなり、指をいためてしまったらしい。
「だ、大丈夫か?」
『ああ…………千切れるかと思ったけど』
「ご、ごめんなさい……」
『いいって……まあ、俺はもうちょっと手加減して欲しいけど』
「わかった。エリを飽きさせない程度にエリで遊んでおく」
「遊ばないでよぉ〜…………ひゃ!」
 苦笑いを浮かべる『オレ』に宣言して、俺はエリの膣内を程よい感じに弄り始めた。
『オレ』もまた、アナルに愚息を入れる準備を再開する――――
『――――よしっ。そろそろ大丈夫かな?』
「はぁ、はぁ、はぁ……う、うん。きて――――」
 途中、ピンと立っているエリの乳首が気になって、
二人揃ってむしゃぶりついたりしたものの、特に問題なくエリのアナルの準備が整った。
 俺がエリの膣穴から指を引き抜くと、エリは四つんばいになって『オレ』に尻を向ける。
ふり、ふり、と揺れる、中学生らしからぬむっちりとした桃尻に、『オレ』はすぐ我慢できなくなったようだった。
「んっ!! あ、あ゛あ゛あああああああ!!!!」
 無言でエリのアナルに愚息をあてがい、『オレ』が腰を前に進めていく。
ローションが十分に塗られているとはいえ、相当にキツイのだろう。
みち、みち、という音が聞こえてきそうなほどに、ゆっくりとしか入っていっていない。
「じゃあ、俺も……」
 もう一回することも考えて、俺は精液まみれの息子を掃除してもらおうと
エリの目の前に移動して、しょんぼりとしている息子を彼女の鼻先に近づけた。
「ふぁ…………あ……せーえきの、におい…………あむっ」
 汗をびっしりと浮かべて、苦しそうな表情を浮かべながらも、
エリは飛びつくように俺の息子を口に含み。精液をぺろぺろと味わい始める。
「よしよし。エリはいい子だなぁ。でも、もうちょっと強く……うっ。そうそう」
『エリは精液好きだもんなぁ。俺も出した後で舐めてもらえばよかったよ』
 俺がエリの頭を撫でながら指示していると、『オレ』がうらやましそうな声を上げた。
ちゅうー。と一度強くすった後、息子を口から離してエリが言う。
533名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:55:00.73 ID:/X27Lg+s
「ち、違うよぉ。小波君のせーえきだから、好きなんだよ?」
「お、今のセリフって」
『一度は彼女に言ってほしいけど、言ってほしいというとドン引きされそうな言葉第三位ぐらいだな』
「…………一位と二位は?」
「気にするなって。適当に言ってるだけだから」
『そうそう。……と、油断したところでそらっ!』
「んんっ!!!!」
 エリの力が抜ける瞬間を見計らっていたのだろう。
『オレ』が一気に腰を進めた。くぐもった声を漏らし、エリが布団に倒れこむ。
「あ、はぁ……はいってる、はいってるよぅ……あっ! おしり、ずんずんしないでぇっ!」
 アナルに挿れられることは想定していただろうに、
エリは初々しいセリフを口にして、顔を真っ赤に染めた。
それに興奮した俺は、エリの頭を掴んで持ち上げ、ぽかんと開いた口に息子を突っ込んだ。
「んむっ……」
 そのまま、乱暴になりすぎないように注意しながらエリの頭を前後させる。
いつものエリならフェラでも十二分に気持ちよくしてくれるのだが、
集中できていない今は、刺激が物足りなかったのだ。
『あー……やっぱエリのアナルも最高だな。
こんなにエッチな穴なのに、妊娠しないってのが嘘みたいだ』
 腰をぱんぱんとぶつけながら、『オレ』がつぶやく。
背徳感と、膣穴以上の締め付けの強さで天国にも登る心持ちなのだろう。
「んむっ、ああっ! や、やだ。おしり、おしりで、気持ちよく……気持ちよく、なっちゃうよぉ!!」
 だんだんと早くなる『オレ』の動きに耐え切れず、
エリが俺のモノを口からこぼし、エロいセリフを部屋に響かせる。
『もうすでに……気持ちよくなってるじゃないか?』
「そ、そんなぁ、そんなことっ! んんっ!?」
「ほら、こっちも忘れるなって。それに、自分がエロいってちゃんと認めないと駄目だぞー」
「んー!! んんっ、んぅーー!!!」
 俺が再び息子を口に突っ込んだため、エリが言葉を返すことはなかったが、
頭を前後に揺らされながらも、必死に息子に吸いついてくるエリは、否定しようがないほどにエロかった。
『よし、そろそろ出すぞー』
 宣言してすぐに、『オレ』が腰の動きを早めていく。
息子をむしゃぶりながら、エリがこくこくと首を縦に振って――――
「くっ!!」
 『オレ』がとんでもなく間抜け面になって、身体をぴくぴくと震わせた。
恵理もまた、『オレ』の震えに合わせて、ぷるぷると震える――――かすかな震えが息子にも伝わってきて、
まるで俺も射精しているような気分になってしまう。
『あー……出した出した。一週間ぶりだから、すげえ気持ちよかった』
 悟りを開いたかのように澄み切った笑顔で、『オレ』がエリを褒める。
鼻で激しく呼吸していたエリも、俺のほうを許可を得るように見上げて(俺は小さく頷いた)、
息子を口から取り出す。唾液でぬらぬらと光る唇をぺろりと舐めて、『オレ』へと視線を向けた。
「……ふぅ、はぁ……そんなに、良かったの?」
『ああ。エリ最高』
「良かったぁ……えへへっ」
「……なあ、このままもう一回いけそうか?」
 恋人ムード満点の会話を遮って、俺は『オレ』に問いかける。
『オレ』は一瞬不満そうに顔をしかめたが――――すぐに俺の意図に気付いたのか、
にんまりといやらしく笑った。
『ああ。もう一回と言わず三回ぐらいは行けそうだ。……ちょっと持ち上げたほうがいいか?』
「頼む」
534名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:56:21.96 ID:/X27Lg+s
 よっ。と声を出して、『オレ』がひょいっとエリの身体を持ち上げる。
アナルに愚息が入ったままのため、少し刺激されたのだろう。
艶めかしい吐息を吐きだすエリの下に、俺は滑り込んだ。
そのまま回復してびきびきに勃起した息子を、エリの入口にあてがう。
「……ふぇ?」
 ぽかんと間抜け面――――いや、天使面を浮かべて、
エリが疑問の声を上げる。それを無視して、俺は『オレ』に言った。
「けど、大丈夫か? こっちに挿れたら、さっきみたいにきつくなりすぎるんじゃ」
『なぁに。エリに引きちぎられるなら、俺の息子も本望さ』
「さすがだな…………そういってくれると信じてたぞ」
「…………え? えっと? あれ?」
 俺達の熱い会話についていけていないのか、
エリが目を白黒としながら、手足をじたばたさせる。
やはりそれに応えることなく、『オレ』がエリの身体をゆっくりと降ろしていく――――
『よっと……こうか?』
「もうちょっと右」
『オッケー』
「ね、ねえ? もしかして、もしかしなくても……あ、あうううううううう!!!
 俺の息子がずぶずぶとエリの膣内に飲み込まれると同時に、
エリが妙な悲鳴を上げて俺に倒れこんできた。
汗まみれの身体から伝わってくる心臓の鼓動。それを堪能する間もなく。
「うっ!!」
 息子がにゅるにゅるとした肉壁に包まれた瞬間、
今までに味わったことの無い感覚に襲われて、俺は喉から情けないうめき声を漏らした。
 ついさっきまで俺を優しく包み込んでくれていたエリの膣内は、
まるで別の生き物になったかのように攻撃的になっていた。
精液を行って着残らず搾り取ろうとするかのように締め付け、
肉ヒダが無数の舌にでもなったかのように俺を射精させようと蠢いてくる。
『うあ……こ、これやばい』
 『オレ』のほうも似たような状況なのか、無様な呻き声をもらしてぷるぷると震えている。
そして、肝心のエリはというと――――
「ふぁぁぁ……おひりと、おなか、いっぱい……」
 顔を真っ赤に染めて、汗をだらだらと流しながら、
絶頂の四歩ぐらい手前の表情になっていた――――すぐさま腰を打ち上げて、
絶頂という名の愛をエリにプレゼントしたいところではあったが、
何とか踏みとどまって、『オレ』に問いかける。
「動く前に一つ確認しておこう。……これって、交互に動いたほうがいいんだよな?」
『そうだな。同じタイミングだと、バランス取るのも難しそうだし』
 確認を終えて、俺達はエリの身体をがっしりと掴む。
俺はエリの脇の下あたりを、『オレ』はエリの腰を。
「ひゃっ、ひゃめっ。いま、うごいたら、いっちゃう。いっちゃうよぉ……」
 涙をぽろぽろと流しながら、俺を見つめてエリが哀願してくる――――エリのお願いとなれば、
例え虎の巣穴に突撃して、ふかふかもふもふの子供をさらってくるぐらいのことは
躊躇いなく行なうのは間違いないが、えっちの時だけは別だ。
むしろお願いを聞かないほうが、エリは喜ぶし。
『じゃあ、俺から動くぞー。……くっ!』
「んああああああああああ!!!」
 ずぽんと俺が愚息をアナルから引っこ抜く――――アナルは入ってくるときよりも出て行くときが気持ちいい。
以前、エリがそう言ったことがあるのだが、それは本当のことのようだった。
唇をぶるぶる震わせながら大きく喘ぎ、俺に汗と涙を降り注いでくる。
 タイミングを見計らって、俺も一気に腰を引き下ろした。
535名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:56:54.06 ID:/X27Lg+s
「ひぅぅぅ!!!!」
 俺の息子ががエリの中から八分の六ほど抜け出た瞬間、
ぱちゅんっ。と大きな音を立て、『オレ』がエリの身体を揺らす。
つまり、再び愚息をエリのアナルに突っ込んだのだ。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
 唇をかみ締めて、エリはどうにか衝撃に耐えたようだったが。
「ひぁぁぁぁぁ!!!」
 休む暇を与えるつもりなど、俺達にはもちろん無い。
 俺が腰を下ろした瞬間、『オレ』が腰を突き入れる。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
 俺が腰を突き上げた瞬間、『オレ』が腰を引き抜く。
「ひぅぅぅ!!!!」
 今までに聞いたことが無い、艶ののった嬌声と、
今までに見たことが無い、艶かしすぎる苦悶の表情。
その二つが俺の脳を駆け巡り、先ほど吐き出したばかりなのに精液が俺の尿道を駆け上がりたいと叫ぶ――――
「ん〜っ! ふぁぁぁ!!! んんーーーっ!! んああああっ!!!」
 タイミングを掴んだ俺達は、エリをさらに攻め立てていく。
汗と愛液がしぶきになって飛散り、
眼前の二つの果実がぷるん、ぷるんと大きく揺れる。
俺からは見えないが、中学生らしからぬむっちりとした尻肉もふるふると揺れているのだろう。
「おなか、おしり、両方でごりごり、ごりごりするよぉ! すごいのぉー!」
 だんだんとエリもノってきたようで、聞いただけで射精しそうなほどに
淫猥な言葉を叫びながら髪を振り乱す――――とここで、
俺は今更ながらにエリがまだ一回もイってないことに気づいた。
 残念なことに俺の技術が未熟なため、
えっちするたびにエリをイかせているわけではない(優しいエリは毎回イった振りをしてくれる)のだが、
さすがに二人掛かりでイかせることができないというのは、俺達のプライドがズタボロになってしまう。
「……動き、早めるぞ!」
『! ああ、わかった!』
 思考回路が俺と同じ『オレ』もそれに気づいたのだろう。
俺の言葉にすぐさま応えて、腰の動きを早めてくる。
「や、だめっ。早くしちゃっ、やあぁ!」
 エリの言葉に反応する余裕もなく、俺達はひたすらに腰を動かし続ける。
既にタイミングが揃っているのかも怪しいが、効果は抜群のようだった。
俺達の動きで木の葉のように身体をがくがくと揺らしながら、呂律が回らないほどに快楽におぼれている。
「いくっ。くるっ。だめ、だめっ! いくうううううう!!!」
 つま先をピンと伸ばし、エリが絶頂を宣言しても、俺達の動きは止まらない。
熱くたぎるリビドーの全てを注ぎ込むために、ひたすら腰を前後させる。
「ううううっ! ふぁ! ああああああああ!!!!」
 イき続けて相当苦しいのだろう。
エリの表情も、快楽というより苦悶の色が濃い。
だが、それすらも愛くるしい表情としか思えないほどに、俺は――――いや、俺達はエリに染まっていた。
「よし……出すぞ。出すぞっ!」
『俺も、出るっ!!』
「だして! せーえき、早くだしてえええ!!!」
 俺達が限界を口にしたところで、エリは今まで一番淫らなセリフでおねだりしてきた。
耳から脳へ、脳から五臓六腑に染み渡る天使の叫びに俺達も一瞬で上り詰めた。
「くううっっ!」
『うっ……』
 限界まで深く繋がろうと俺と『オレ』はエリに腰を押し付ける。
ゴムを破ると言わんばかりの勢いで、精液がどくっ、どくっと吐き出されていく。
 エリもまた、ガクガクとちょっとやばいぐらいに痙攣して、俺達に絶頂にたどり着いたことを伝えてくれた。
536名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:57:30.45 ID:/X27Lg+s
「ふぁ……あっ、あんっ! ……ふあぁぁぁ……」
 精液を吐き終えた俺達は、興奮冷めやらぬままにエリの身体にキスを降り注いでいく。
非常に辛そうな呼吸をしていたため、唇に触れることこそできなかったものの、
エリの身体はどこもかしこも柔らかく、暖かく、唇に負けない心地よさだ。
あまり刺激を強めすぎないように注意しながら、至高で、完全な、究極の美味を堪能していく。
「ふぁ、はぁ…………二人で、あたし、ぺろぺろ……」
 俺と『オレ』がエリの身体を合わせて三分の一ぐらいを舐め回したところで、
エリが恍惚の表情でポツリと呟いた。
「きもちいいよぉ……もっと、してぇ……」
 快楽の極地にたどり着いた身体に、俺達の優しい動きが心地よいのだろう。
甘えん坊なエリの許可が出たことで、俺達はさらに張り切って
エリの身体をぺろぺろしていく――――そこまでは、良かったのだが。
「はぁ、はあぁんっ・・・んっ!」
 始めのうちはエリも目論見どおり火照った身体を緩やかにクールダウンしていったようだったが、
俺達があらゆるところを舐め尽そうと頑張りすぎてしまったため、再び興奮してきてしまったらしい。
舐める過程でエリの中から抜け出た俺の息子を握って、エリが言った。
「……ねぇ、もう一回、しない?」
「え。いや、それは」
 瞳に情欲の炎をらんらんと燃やすエリにたじろぎながら、俺は『オレ』を見た。
一旦エリからはなれて、台所からスポーツドリンクを持ってきていた『オレ』も、困ったように眉を潜める。
『んー……ちょっと、キツイな』
「さっきあと三回は大丈夫って……」
『あれは嘘だ』
「そんなあっさり」
 歯切れの悪い返答をする『オレ』――――既に、所謂賢者タイムに突入してしまっていた俺達が、
今からエリとえっちをして、彼女を満足させることが出来るかどうかは、怪しいものではあった。
 どうやって断ろうか。いや、エリの頼みを断るわけには。二人揃って悩んでいると――――
「……ねえ、二人とも、こっち見て」
「ん?」
『んん?』
 エリの言うままに彼女に視線を向けた俺達は、あまりの衝撃に小さく呻いた。
「み、見て……あたしのここ、こんなに、ぐしょぐしょなんだよ?」
「なん」
『と?』
 えむじかいきゃく。
恋人にさせたいけれどそういうと引かれそうなポーズの三位ぐらいを占めていること間違い無しのそれを、
布団にねっころがったエリが、実践していたのだ。
 恥ずかしそうにもじもじしながら、両手を使ってくぱぁとピンク色の性器を広げている――――
「ほらぁ……二人とも、お、おちんちん……おっきくなってきてるよ? 入れたいんでしょ?」
 ごくりと唾を飲み込む俺達――――エリの言葉通り、俺達の息子と愚息は再び大きくなり始めていた。
賢者といえども人の子なのだ。こんなエロい誘惑を見せられて、耐えられるはずもない。
「こっちの小波君は……次は、お、おまんこだよね?」
『えっ?』
「そっちの小波君は、おしりでする?」
「どっちがどっちかわかるのか?」
 舐めている途中、ポジションを入れ替えたりしたため(同じところを舐めないように最善の注意を払ったが)
エリはどっちがどっちかわからなくなっていると思っていたのだが。
「う、うん。……愛、かな?」
 きゃーっ。と照れ照れしながら頬を押さえるエリを見て、俺達はもう、辛抱たまらなかった。
「ここまで来たらやるしかない!」
『ああ。俺達の戦いはこれからだ!』
「きゃー♪」
 二人揃って、エリに飛び掛る。
 そして――――
537名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 01:58:11.60 ID:/X27Lg+s
 どうなったかというと。
『吸い取られて……吸い尽くされて……吸い枯れて……』
「でも俺達……エリに従い……尽くします……」
 何度も何度もエリに絞られてしまった俺達は、ゾンビのような状態でコタツに突っ伏していた。
どうにかシャワーを浴びることはできたものの、今日はもう一歩も動きたくない気分だ。
「なあ……エリって、体力……低かったはずだよな?」
『ああ……いつもは、そうだよ……な」
 俺達とは対照的に、エリは全く疲れている様子は無かった。
普通にえっちをしたときだと、大抵エリは疲れきってすぐ寝てしまうのに、
今日はそんな気配がまるで無い――――今も俺達をおいて、台所でなにやらごとごとしている。
「もはやこれって……パライソ七不思議に……加えてもいいんじゃないか?」
『二人の男を……吸い尽くす……魔性の女?』
「……ありだな」
「なしっ! なしだよっ!」
 死にかけの蚊の羽音のような声の俺達とは対照的な非常に元気の良い声で、
いつの間にか戻ってきていたエリが的確なツッコミを入れてくる。
いつもの気弱な感じがなりを潜めた感じの口調に違和感を覚えて、
俺はごろんと頭を傾けて、彼女を見上げる。
「あれ……どうしたんだ。それ?」
『母さん、何か作り置きしてくれてたっけ?』
 自分の家から持ってきたらしいひまわり模様のエプロンを身に着けたエリは、
その手に大きなお皿を抱えていた。鼻の中に美味しそうな匂いが入ってくる。
「えへへ。あたしがお夕飯作ったんだよー。これはスペアリブのマーマレード煮」
「おー。すごいな」
『なんだかよくわからないけど、凄く美味しそうだ』
「そ、そうかな? 他にも作ったんだよ。ちょっと待っててね」
 そういって、エリはコタツに皿を置いた後、再び台所にパタパタと歩いていった。
スペアリブの何とか煮の甘い匂いをかぎながら、俺達は再びコタツに突っ伏す。
「それで……結局、勝負はどうなったんだ?」
『勝負……ああ。そんなのもあったな。エリに聞いてみるか?」
「いや、もう引き分けでいいだろ」
『そうだな…………とりあえず』
 顔を上げて、俺達は見つめあった。
 そして、どちらからとも泣く拳を軽くぶつけ合う。
「もう二度と」
『三人でえっちはしないぞ』
 固く誓い。三度コタツに突っ伏す――――わずか一週間後、この誓いが破られることになるとは。
 うすうす、気づいてはいた。
538名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:01:43.45 ID:/X27Lg+s
終わりです。今年は龍年。パワポケで龍といえば龍目。つまり恵理の年!
ということで恵理の作品が増えると嬉しいです
539名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:03:06.50 ID:GubTDEdp
GJ!エリかわゆい‼
540名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:08:18.89 ID:GubTDEdp
自分も丁度書き終わったので投稿します
さらと10主のひたすらエロエロのSSです

私は今日とても幸せな気分です。なぜならば、今日は私の彼氏さんである小波君と久々のデートだからです!
あ、申し遅れました。
私の名前は芳槻さら、ちょっと引っ込み思案な大学生です。今の彼氏である小波君とは高校の時に出会い、恥ずかしがり屋で人間不信だった私に再び信じる事を教えてくれた…えっと、その…凄く大切な人です!
彼は親切高校野球部のキャプテンで、親切高校を甲子園優勝に導きました。…なので色んなプロ野球団から引っぱりだこ、今はプロ野球で必死に頑張っています。だから今では電話やメールで話は出来ても、なかなかデートは出来ません…
541名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:09:29.51 ID:GubTDEdp
そして今日はそんな大好きな彼とデート…だったんですが、私は一足先に街に来て、何故か私のお姉ちゃんである芳槻奈桜と幼馴染の桜井いつきちゃんといます。

何故かと言うとですね…昨日、デートの前日に2人からこんなことを言われて…

「え?明日のデートに付き添うの?」
「いや、別に2人の仲を邪魔しようってんぢゃなくて…」
「そうそう!単に小波がさらちゃんに変なことしないか見張るだk…」
(ギロリ…)
「ひっ!?…なワケではなくてね?ね?姉御?」
「うんうん、私達がさらに可愛い服買ってあげようと思って…」
「…服?」
「そ、だってさら小波君とデートする時いつも地味な服着てるでしょ?あんまりデート出来ないんだから、直接会う時くらい思いっきり可愛い服でも着て彼氏のココロをうんと引きつけなきゃ!」
「で、でも…恥ずかしいし…」
「もう…そんなんじゃ愛想つかされるかもよ…」
「そ、それだけはイヤっ!」

お姉ちゃんがそう言った時、私はハッとしました。小波君が離れて行くなんて耐えられないです!

「あ、さら、ごめんね!?そんな不安にさせるつもりなくて…大丈夫よ?小波君がさらを捨てる訳ないじゃない…」
542名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:11:48.22 ID:GubTDEdp
「で、でもさらちゃん、小波も多分さらちゃんの可愛い格好見たがるって!」
「……………………………………………………」
「うんうん、さらだって小波君に「可愛い!」って言われたら嬉しいでしょ?」
「それは…うん…まあ…」
「それに可愛い格好で小波君誘惑したら、Hもいつも以上にヒートアップしちゃうかもよ♪」
「お、お姉ちゃん何言ってるの!?」
「ムフフフ〜」
「姉御!何言ってんだよ!もし小波が野獣になってさらちゃんに襲いかかろうとしたらこのアタシが…!」
「……あん?」(ギロリ)
「………2人を応援してあげようと」

……………………………………………そんなこんなで、今は2人に新しい服をコーディネートしてもらっています。

「さらちゃん、さらちゃん!こんなのどう?」
「ええ〜!?これは流石に恥ずかしすぎるよ…それに私あんまり派手過ぎるの苦手だし…」
「そうよいつき?さらにはもっとこう、純情を表す白の服とかが似合ってると思うのよ」
(ピラッ)

お姉ちゃんがいきなり私のスカートをめくりました

「ーーーーーーーーッッ!!
な、何するの、お姉ちゃん!?」
「う〜ん、ピンクのリボン付きか〜充分似合ってるけど、もっと大胆なヤツでもイイわね〜」
「え!?まさか、下着も…?」
「あったりまえじゃない!Hの時に着ていくパンツとブラはメチャメチャ重要でしょ!?」
「う、うん…」
「大丈夫だって!私達がちゃ〜と選んであげるから♪」
(……ホントに大丈夫かな…?)

何となく不安を覚える私でした。


……………………………………………………
543名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:12:59.48 ID:GubTDEdp
(ええっと…あの店の前でイイんだよな…)

俺の名前は小波。まだ駆け出しだけど、一応プロ野球選手だ。今日は俺の可愛い可愛い彼女である芳槻さらと2人っきりでデートの筈だったのだが…

「え?先に街に行ってるの?」
「は、はい、お姉ちゃんといつきに会うことになってて…」
「そっか…じゃ、どこで待ち合わせする?」
「あ、じゃあ×××の前でどうですか?」
「分かった。」
「あと2人がもしかするとついてくるかも知れないんですけど…」
「えっ?そうなの?まあ、別に構わない…けど」
(ったく!久々のデートなんだからナオのヤツ気とか利かせられねーのかよ!)
「ところで、2人とは街で何するの?」
「え!?ええと…それは…ひ、秘密ですッ!」

……とか言ってたけど、何となく気になるよな〜
なんて事を考えていると、聞き慣れた声が聞こえてくる。

「お〜い、小波く〜ん!」

声のする方を見ると、さらの姉である芳槻奈桜がブンブンと手を振っている。隣にはいつきちゃんもいる。

(アレ?さらは…?)
544名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:13:49.85 ID:GubTDEdp
よくよく見ると、ナオの後ろに隠れた人影が見える。

(さら…ナニやってんだ?)
「は〜い、小波君コンニチワ!お久しぶりぶりですね☆」
「ああ…そだな…?」
「ム〜?どうしたですか〜?不思議そうな顔をして〜
ははーん、さては私の美貌に見惚れていたんですね〜?さらという彼女がいながら…はぁ、故意ではなかったとはいえ、己の美貌故に妹から彼氏を奪ってしまうなんて…
ヨヨヨ、罪作りなオンナですね、私は…」
「ナオ…」
「ハイ?」
「良い精神科知ってるんだけど、どうだ?」
「いつき、小波君も勧めていますよ?」
「あ、あたし!?何であたしが…!」
(相変わらずだな〜コイツら…でもさらホントにどうしたんだろ…さっきから何にも言わないし…)
「な、なあ、ナオ?さら、どうかしたのか…?」
「ムフフフ、気になりますか〜?ほらほら、さら〜小波君に何か言ってあげたら〜?」

さらは一瞬だけ顔を上げて俺の方を見たが、すぐに顔を真っ赤にして俯いてしまった…

「もう〜さらったらホントに恥ずかしがり屋さんなんだから〜
ま、ここは小波君にも新しいさらの威力を知って貰う方が早いかな?小波君喰らいなさい、私達の新兵器、new.verさらを‼」

ナオがばっとそこをどくと、ソコには俺の見知らぬ少女が立っていた…
ナッッッ!?コレはッッッッ!?
545名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:15:58.95 ID:GubTDEdp
その少女は顔を見れば紛れもなく芳槻さらだったが、さらは普段からは考えられない服に身を包んでいた…
ヘソが出るか出ないか際どいサイズの純白のシャツ、少しでも腰をかがめればすぐにショーツが見えてしまいそうなくらい短く、ムチムチとした太腿を触ってくれと言わんばかりに露出させた
ヒラヒラのついた白と黒のミニスカ、そして極めつけは大胆なミニスカに対応して、上手く絶対領域を強調している真っ白なオーバーニーソ。

…………………正直な話、鼻血出そうだった…
いや、実際は出てたかもしれない…

「さ、さら…」
「え、ええと…」
「どうですか、小波君?新しいさらりんは…?」

俺は暫くさらに見とれていたが、暫くすると無意識にさらの手を掴んでいた…

「さら!!」
「は、はい!」
「ちょっとこっち来い‼」
「え!?ええ!?」
「小波のヤツどうしたんだろ?」
「………………………………」

俺は乱暴な手つきでさらの腕を掴み、人影のない、ビルの影に連れていった。

「さら!お前何て格好してんだよ‼」
「ひっ!ご、ごめんなさい!」
(ど、どうしよ…小波君凄く怒ってる……)
「まったく…!先に街来てるって言っといてそんな格好で歩いてたの!?」
「すみません…」
「何でそんな格好してんだよ…他の男でも誘惑するつもり?」
「ッ!そんな訳無いです‼私…ただ…小波君に喜んでもらいたくて…でも、やっぱりダメですよね…
こんなはしたない格好までして……」
「…嬉しいに決まってんだろ?」
「…え?」
「自分の彼女が自分の為にそんな可愛い服着てくれるなんて、嬉しいに決まってんだろ!?」
「この服…嫌いじゃないんですか…?」
「当たり前じゃないか‼
…………ただ、許せないよ」
「え?」
「他の男にさらのそんな可愛い格好見せるなんて許せないんだ!」
「小波君…」

さらはよっぽど嬉しかったのか、瞳をウルウルさせている…それも…メチャメチャ色っぽく…
546名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:17:03.27 ID:GubTDEdp
「それに俺、このままじゃ、自分を抑えられないよ…」
「え?…どういうことですか?」
「こういうことをしちゃうかも知れないって事だよッ‼」

俺は遂に我慢出来なくなってさらの唇にいきなり喰いついた。

「んんっ!んむ!んぷっ‼んんんんむ〜!」

さらは不意を突かれて驚いているのか、されるがままに俺の舌に口内を蹂躙されている。
次に俺はさらの後ろに回り込み、お腹を抱きかかえて逃げられないようにしてから、シャツの中に手を潜りこませ、ブラを上にずらして胸を揉みしだく。
出会った頃より、明らかに大きくなったさらのオッパイを荒々しくこねる。

「あれ?さら乳首勃ってるよ?こんな外でされてるのに感じちゃってる?やらしいね〜」
「そんな…コ…ト……ああっ‼」
「これはお仕置きが必要だな〜」

俺はそう言うと、またさらを横から抱きしめて、口に指を突っ込む。そして服を捲り上げ、可愛らしいピンク色の蕾に吸い付く。
チュルッ、チュパチュパ、レロレロ

「んああっ!?んむっ!んんっ‼」

追い打ちをかけるように俺は余ったもう片方の手でさらの下半身に手を伸ばす。スカートをめくるとなんとさらはいつもとは全く違う、ピンク色のシルク製の紐パンを履いていた!

「何だよ、さら…このヤラシイパンティは…?」
「んんん、んむっ!んうう!」

さらは何か言おうとするが俺はそれをさせない。
再び唇を重ねて、さらの口を塞ぐと俺は遠慮無しにショーツの中に手を滑りこませる。そしていつもなら優しくオマンコ全体を愛撫してから膣内に指を入れるが、今日はとても我慢できず、初っ端からオマンコの中を掻き回す。

「んんっ!んんむ!んふぅぅうう!んむ!」

さらもそんなに嫌でないのか、すぐに濡れてきたので感じまくりだ。ただでさえ敏感なさらは今日は更に敏感になっており、あっという間にイき果てた。
547名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:18:08.77 ID:GubTDEdp
「はぁ、はぁ、はぁ…」
(ハッ!しまった!俺ナニやってんだ!いくらさらが可愛かったからって、今のどう考えたってレイプだろ!?)
「さら、ゴメンね!大丈夫!?いきなりでビックリしたよね!?ほんとゴメン‼」
「い、いえ…スゴく気持ち良くて……何より小波君に喜んで貰えて嬉しいです。」
「さら…」
(ホント健気だなぁ、この娘は…)

そこで俺は耐えきれなくなって言った。

「なぁ、さら…もう今日はこのままホテルに行かない?俺…我慢出来ないよ…」
「はい…私も…なんだか今日はそんな気分です。」
「じゃあ、今日はちょっと高めのところでもイイ?多少時間はかかるけど、設備とか良い所知ってるんだけど…勿論俺のおごりで」
「小波君にお任せします」

そうはにかみながら言うさらを見て、あまりの愛おしさに思わず抱きしめた…

……だが一度呼び覚まされた欲望はたった一度の行為では治まらなかった…


…………………………………………………………
私達はやっとお姉ちゃん達の所に戻ってきました。

「へ?じゃあ今日は別の所に行くの?」
「ああ、丁度さらを連れて行きたい所もあったし…」
(流石にもうホテル行くなんて言えないしな…)
「ふ〜ん、そうですかぁ〜」
「な、何だよ…その意味深なニヤニヤは…」
「べぇ〜つにぃ〜?なぁ〜んでもありませんヨ♪」

お姉ちゃんにはどうやら見破られてしまったようです。

「じゃ、じゃあ俺たち急ぐしもう行くからな!」

小波君はそう言うと私の手を引いて歩いて行きます。

「はぁ〜い、楽しんでらっしゃーい♪」
「じゃ、じゃあねお姉ちゃん、いつき」
「さらちゃんバイバーイ、おーい小波ぃー‼さらちゃんに変なコトしたらただじゃおかないからなーーー‼」
(さっきまで思いっきりその変なコトしてたよな〜)
548名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:19:54.13 ID:GubTDEdp
「それでそのホテルってどこにあるんです?」
「うーんと…ここから電車で1時間くらいかな?」
「ふーん…でもどうしてそんなトコ知ってるんです?」
「ッ!えっ!?そ、そりゃあ…」
「それは…?」
「さらが喜びそうなところイロイロ調べてるから…」
「そッ!そうだったんですか〜」

小波君が照れながらそんなことを言うと、私も顔が熱くなるのを感じます。私のことを凄く考えてくれているのは分かるんですけど、ラブホテルのコトでそう言われると…やっぱり恥ずかしいです。

そんな事を考えてる内に駅に着き、私達は電車に乗り込みます。車内は時間帯の割に珍しく満員で結構苦しいです。小波君は私がはぐれないようにする為か、後ろから私を抱きしめてくれています。

(はぁ〜小波君が後ろにいると、凄く安心します)
(うっ、ヤバッ!さらの髪の毛…スゲぇ良い匂いがする。また…ムラムラしてきた…)

暫くして、私が小波君にもたれ掛かると…
小波君が手を私のお腹からシャツの中にモソモソと潜り込ませて来ました!

「えっ!?小波君!?」
「ゴメン、さら…俺やっぱ我慢出来ない」

小波君はブラを上にずらして胸を揉んできます。それだけでなく、乳首をくすぐったり、摘まんだりもされました。
私は胸だけでとても感じてしまいましたが、幸い窓際に立っていたので他のお客さんには見えていなさそうです…
小波君はそれだけでは物足りなくなったのか、片手を下半身へと運んでいきます。そしてパンツの上から私のオマンコをスリスリと撫で回してきます。

「ひゃっ…」

同時に耳を舐めたりもされたので、ビックリしました。

「んっ、や、やめっ!んふぅ!お願いします、やめて下さい」
「ダーメ、さらにはこのままイきまくって貰うからね?」
「そ、そんな…」
「それに静かにしないと他の人にバレちゃうよ?」
「ううっ…」
549名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:21:18.53 ID:GubTDEdp
そこまで言うと小波君は本格的に私の身体を攻め始めました。パンツの中に手を潜り込ませて、クリトリスを直接弄られます。
ギュッと摘ままれたり、指で押し潰されたり、素早く表面を擦られたり…

「んんっ、んんん、んふぁ」

そして小波君が指の動きを速めて…

「んっ!んんんんんんッッ‼」

私は簡単にイってしまいました。自分の口を手で押さえて、何とか声を出さないようにしたつもりだったんですが、もしかすると他の人に聞かれてしまったかも知れません…

「…さら、辛かったら俺の方向いて?」

私は小波君の言われるままに彼の方を向き、彼に身体を預けます。
お互いの身体が過度に密着したそんな状態でも、小波君は器用に私の敏感なところを弄びます。
相変わらず片手で胸を触りながら、オマンコを色々な方法で苛められます。遂には膣内に指を入れられグチャグチャに掻き回されます。
轟音が響く電車の中でもクチュクチュという卑猥な水音が大きく聞こえるような気がします。気が付くと、快感のあまり垂れ出た愛液が私の太腿まで垂れていました。
そして小波君の指が私のGスポットを探り当て、そこを徹底的に愛撫されました。

「んんっ!んふぅ!」

私は耐えきれず小波君の胸へ顔をうずめます。

(ダッ、ダメっ!イくぅ!またイっちゃう‼)

小波君は中指と人差し指でGスポットを弄りながら、掌全体でクリトリス周辺の土手をほぐします。

「んんん!?んんぅぅぅううううう‼‼」

またイってしまいました…

「次は○○駅、○○駅に停車します」

そのアナウンスを聞いて私は顔を上げて小波君に尋ねます。

「わ、私達が降りるの…次の駅ですよね?」
「ん?そうみたいだね?」
(はぁ、よかった〜ようやく解放される…)
「だから…もう一回だけイっとこうか?」
「え?ええ!?」

小波君はそこまで言うと、私を再び逆向きにして後ろから抱え込むような体勢になります。そして乳首を激しく攻めたて、膣内をメチャメチャにされます。

「あっ!ああっ!!」

もう私は殆ど声を我慢出来ていません。もう何回目になるか分からない絶頂の波が押し寄せてき、身体がブルブルと震えてしまいます。

「さら、イきそう?」

小波君の問い掛けに私は声を出せず、コクコクと頷くばかりでした。

「じゃあイく時は声出来るだけ抑えてね?」

そう言うと、小波君は乳首をギュッと摘み、クリトリスを激しく擦り上げました。

「んっ!んあっ!んぅう!んふぅぅぅうううううッッ‼‼」
「良く頑張ったね、さら…」

そう言って小波君は私の頭を撫でて、優しく抱きしめてくれました。
550名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:22:34.00 ID:GubTDEdp
「じゃあ、降りるよ?」

小波君に手を引かれ、意識が朦朧としたまま電車を降ります。すると階段を上がり、改札へ向かう途中、彼は何か思い付いたかのように…

「あ、そうだ、さら…ちょっとこっち来ようか?」

その時の小波君の目にはまだ欲情の火が強く灯っていたようです…


…………………………………………………………
さらの手を引いて向かった先は駅の構内にある障害者用のトイレだ。周りに人がいないのを確認し、ごく普通に入ろうとすると流石におかしいと思ったのかさらが立ち止まる。

「どうしたの?」
「え?いえ、あの、ここって…」
「トイレだね?入って?」
「で、でも…」
「いいから…入れよ」

脅すように促すと、さらは怯えたようにおずおずとトイレに入って行く。
少し可哀想だなと思いながらも怯えた表情のさらはとても可愛いと思ったりもする。俺は自分も入るとガチャリと鍵を閉める。

「あ、あの…」
「大丈夫、何も酷いこととかしないから!それに車内よりこっちの方が落ち着くでしょ?」
「じゃあ、続き…するんですか?」
「まあ、そうなるかな?でも本番はホテルに着いてからのお楽しみだから安心して?」
「え?じゃあ何するんですか?」
「う〜ん、とりあえず下着とかも全部脱いで?」
「ハイ、分かりました…って、ええッ!?」
「ん?脱いで?」
「で、でも…」
「大丈夫だって!酷いコトしないって言ったでしょ?それに、こういうシチュも萌えてこない?」
「わ、分かりました…」

さらは恥ずかしがりながら衣服を全て脱ぐが、流石に鍵が掛かっているとはいえ、トイレで全裸になるというのは恥ずかしいのかなかなか下着を脱がない。

「ほらぁ、早くブラとパンティも脱いで?でないと無理矢理取っちゃうよ?」
「ううっ、分かりました…」

さらが全裸になると真っ白な美しい肌がさらけ出す。

「うわぁ、やっぱりさらって綺麗だね〜」
「もうっ、彼女を無理矢理裸にして何言ってるんですかぁ…」
「フフ、でも良いじゃない。本当に綺麗なんだから。さてと…」
(ゴソゴソ…)
551名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:23:57.96 ID:GubTDEdp
俺はさらを楽しませる為の色んなモノが入った鞄をあさる。

「ああ、あったあった!」
「?」
「今からさらの身体にコレを塗るから、大人しくしといてね?」
「それは?」
「んん〜媚薬?さらの身体をもっと敏感にしちゃう薬♪」
「それ、塗るんですか…?」
「うん、イヤ?」
「いえ、別に構わないです…」

ローションのように少し粘性を帯びたその液体を瓶から手に出して、まずはさらの胸に塗る。

「あっ、ああん!いやん!ヌルヌルしてる…」
「でもそのヌルヌルが気持ちイイでしょ?」

胸全体に広げた後はしっかりと擦り込む為に、何度も丁寧にオッパイをさする。
胸の後はお腹や鎖骨周辺にも塗って、いよいよ下半身に手を伸ばす。最初は秘部に大雑把に媚薬を塗りたくり、次に顔を近づけてより丁寧に塗る。

「やっ!そんな顔近づけちゃ!」
「何言ってるの?こうしないとちゃんと塗り込めないでしょ?」

ワレメを開いて丁寧に塗り広げる。特にクリトリスには多目に塗ってやった。指にもたっぷりと媚薬を付けてナカに突っ込む。膣内の粘膜から直接吸収すればより敏感になるので、膣壁に余す所なく塗る。

「よし♪大体こんなモンかな?」

大体塗り終わるとすぐに効果は現れた。

「あっ、やだっ!身体がッ、凄く熱くて…」

そして俺は最後の仕上げに、媚薬をさらに直接飲ませる。最初は嫌がっていたさらだが、瓶を口に突っ込み、無理矢理飲ませると、あとは飲み込むしかなかった。

「それじゃあホテルに向かおう!」


…………………………………………………………
ホテルの部屋に着くなり俺はさらに休む暇も与えずベッドに服を着せたまま押し倒した。徹底的に快感を与える。絶頂しても休むことを許さず3回程連続でイかせた。
何回かさらをイかせた頃に、このまま短調にするのも面白くないと思い、ホテルのアイテムを物色し、面白そうなモノをいくつか持ってくる。
さらの腕を後ろで組ませて手錠をかけ、目にはアイマスクをして目隠しをする。
552名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:25:45.69 ID:GubTDEdp
「えっ!?み、見えないのイヤです…」
「でも、目隠しされてた方が感度は上がるみたいだよ?ほら…」

太腿をツツーっと撫で上げたり、おへそを指でくすぐったりするだけで、さらは大きな反応を見せた。
俺は次にさらのパンツをずらして、男性器型のバイブを挿れる。
スイッチを入れると先が回転するタイプのヤツだ。

「ああああああああああ!ナ、ナカでおちんちんがッ!ああっ‼暴れて…て…んふぅぅうう‼」

その間上半身は電マで攻めた。敏感になっている乳首にマッサージ器を押し当てる。

「あっ!ああっ‼おっぱい気持ちイイーー‼」

べちょべちょになっているオマンコを見て、もう充分だと判断する。だがまたイタズラ心が発動してさらを苛めたい衝動に駆られる。

「もう充分みたいだね?挿入れて欲しい?」
「は、はい…早く…下さい…」
「じゃあおねだりしてごらん?」
「そ、そんな…」
「ほらほら、早く!でないと挿入れてあげないよ?」
「……わ、私のオマンコに…小波君の…お、おちんちんを下さい!」

さらが顔を真っ赤にして叫び終わると同時に俺はさらを肉棒で貫いた。
俺はそのままひたすら腰を振る。さらの腰を掴んで最奥に砲撃を加えるように剛直を叩き付ける。

「あああっ‼ああっ、あうっ!も、もうダメ…イくぅぅぅうううううう!!!!」
「うっ、くうっ!」

さらの膣圧が一気に高まり、俺の息子に射精を促す。俺も遠慮無くさらのナカに白濁液をぶちまけた。

「ふぅ、気持ち良かったね〜」
「は、ハイ…」
「よし、復活完了♪」
「え!?ちょっ、ちょっと!」

抗議しようとするさらをひっくり返して今度はバックで突く。彼女の腕をぐいと引っぱり、何度も奥を突き刺す。
その体勢で射精したあとは再び後背位でするが、今度は身体を密着させ、胸とクリトリスも弄りながら挿入する。

「あっ!クリちゃん弄ら…ない、で…ああっ‼下さい‼うああああ‼またイっちゃうぅぅぅうううううう!!!!」

ドピュッ、ブビュッ、ビュッ、ビュッ!

さらの絶頂と同時に俺も絶頂に達し、彼女のナカにおびただしい量の精液を注ぎ込む。
553名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:26:31.88 ID:GubTDEdp
今日は久々のセックスであるせいか、俺のモノは全く萎えることがない…
今度はさらを自分の上に座らせ、騎乗位で容赦なく突き上げる。この本位はGスポットにクリーンヒットするから敏感なさらにとってはとても気持ちイイらしいが、イきまくってヘトヘトになっている今の彼女にとっては拷問以外の何者でもないだろう。
何度も突き上げるとさらは自分の体重すらも支えられなくなって、上半身を俺の上に倒して、身体を預けてくる。
俺はさらの背中を抱きしめながら、ずぼずぼと剛直を出入りさせると、段々と射精感が強まる。

「ああ、ヤバい、もう出る!」

ドクン!ドクン!ドクン!

俺は本日4回目の射精をしたが、それでもなかなか収まらず、それから何回もした。


…………結局2人の営みはその後何時間も続いた。終わる頃にはさらは足腰が立たないくらいに疲れていたが、今日程幸せな日はなかったとさ
554名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 02:29:51.14 ID:GubTDEdp
以上です。
ちょっとSな10主君とちょっとMなさらちゃんのSSでした。

555名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 07:54:17.53 ID:TGIebhzJ
>>540>>554
一夜で良作が一気に二つ
両方ともGJ!
556名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 13:58:34.45 ID:6xzbySUc
>>554


10主鬼畜すぎるww
557名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 22:47:36.55 ID:ncPLdTv9
雑談だと伸びるのに、作品投下されると停滞するこの流れはなんだろね。
558名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:12:27.78 ID:TD4Msp5M
それだけSSの出来がイマイチだったんだろう
そう評価されたと判断して次頑張るよ
559名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:31:06.84 ID:oCAX7ClO
上に同じ
魅力が薄いと反応もしずらいしネ
560名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:53:37.29 ID:mYiv0h9n
そういう時はもっとイマイチな小ネタを投下してみる

某時事ネタ(今日デマだと分かったけど)

タイトル『10主が、五十鈴に慰謝料を請求されたようです』

では投下
561名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:54:05.87 ID:mYiv0h9n
カズ「大変や〜!!」
朱里「五月蝿いわね。どうしたの」
カズ「ウチのダーリン(十波)が浮気ばれて性悪女(五十鈴)に慰謝料請求されたんや」
朱里「自業自得じゃない」
カズ「何言ってんねん。浮気相手のウチも一緒に払わなあかんに決ってるやん」
朱里(あれ?新聞に出てたの高科さんとその双子の妹だったような)
カズ「朱里、御免やけどお金貸して」
朱里「幾らぐらいなの?」
カズ「慰謝料五億円、養育費月五百万円らしいねん」
朱里「そんなの無理に決ってるでしょうが!!!」
カズ「何言ってんねん、旦那の十一波は今年一億円プレイヤーになったやん」
朱里「五分の一でしょうが、それに何であのバカの為に大金払わないといけないのよ」
カズ「朱里のケチ! もうええもん、なあリーダー」
真央「……何?」
カズ「確か、リーダーの彼氏って…」
真央「……そんな人知らない」
カズ「まだ喧嘩中かい! そうや白瀬さんは…」
朱里「えっ、何で白瀬さん?」
カズ「ふふふ、白瀬さんはあの何度もメジャーからお誘いがあるのに何故か行かない八波選手の元同僚やねんで」
朱里「それは知ってるけど、先週白瀬さん亡くなったじゃない」
カズ「……え〜と、そうやレッドさん」
九波「えっ? 俺」
カズ「聞いてるで、最近NOZAKIの女社長と付き合ってるんやろ」
九波「でも、俺のお金じゃないしなぁ」
カズ「いや〜、ベタ惚れやって聞いてるで、五億位何とか〜」
九波「それが貯金通帳握ってるの准とゆらりちゃんで…」
カズ「そっか、役立んな、ピン… じゃなくてハンナ」
九波(役立たず…)
ピンク(あれ、私飛ばされた?)
阪奈「俺?」
カズ「犬井さん、ジャジメントの専務やし結構高給とりやったんちゃうん」
阪奈「う〜ん、そうなのかな?」
カズ「莫大な遺産とか貰ったんちゃうん」
阪奈「貰ったけど、貯金通帳握ってるのアカねえとアオねえなんだ」
カズ「お前もか!」
朱里「当り前でしょうが、普通小学生に大金もたせる訳ないでしょうが」
カズ「こうなれば、ヒカル!」
ヒカル「ちょっと待ってよ、僕そんな大金持ってないよ」
カズ「TX何体か売ったら…」
ヒカル「断る!」
562名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:55:28.99 ID:mYiv0h9n
カズ「うううっ、これだけ人が居て、何でたかが五億が出てこうへんねん」
一同(普通でないだろう…)

十四波「ねえ」
カズ「なんや十四波」
十四波「これ少ないけど使ってよ」
カズ「えっ? 二百五十万円もあるやないか! どうしたんやこんな大金」
十四波「うん、紗矢香って僕の彼女何だけど、お父さんから毎月五百万円貰えるらしいんです」
カズ「それは偉く景気が良いんやな」
十四波「それで使い切れないから、半分くれたんです」
カズ「ええんか? 彼女から貰った大切なお金なんちゃうんか」
十四波「紗矢香が困った人がいたら使ってくれって、それにお小遣いは毎月准ねえさんが二十万円くれるので問題ないです」
九波「十四波君後でちょっと話があるんだけど…」

カズ「紗矢香ちゃん何て良い子なんや。それに比べてウチは…」
十四波「困った時はお互い様じゃないですか」
カズ「グスン… うん、有難う」


阪奈「なあ、確か十四波の彼女って確か…」
ヒカル「それはもう、黙ってた方が良いと思うよ」

―完―
563名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 00:57:11.65 ID:mYiv0h9n
1年ぶりに書いた… ただそれだけだけど
564名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 01:12:08.14 ID:QGA7iD6o
>>558
そうかなあ?普通にいい作品だと思ったけど
>>538>>554>>563
GJっす
565名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 01:28:02.60 ID:+wdyQhc3
>>562
GJ!
しかし十二波さんもそろそろ給料上がってんじゃね?
566名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 01:50:57.16 ID:Mdp/aGmI
酷すぎて言葉が出ねえよ!(いい意味で)
567名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 02:58:21.85 ID:0OhGaKUA
エロパロスレにしてはましな方とはいえ、過疎は過疎だからなぁ。
書き手のモチベを上げる為にも、感想とか言って盛り上げた方が良い様な気はする。
投下なければ雑談するしかないけどね
568名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 07:25:33.10 ID:SfZtMVCN
>>562
これはひでえw
歴代主人公どもは駄目嫁に搾り取られる前に結託して逃げろw
569名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 09:25:17.47 ID:ZgsGzeZT
個人的にはあまりにも間隔空いてない投下をされるとどうレスしたらいいものか困るな。片方だけに反応するのもあれだし
しかし自称もっとイマイチな小ネタのほうが反応がいいってのは皮肉というかなんと言うか
570名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 09:42:21.39 ID:Y3Y5elnc
そこは謙遜してんだろ?
さっきの流れで「もっと面白いの投稿するぜ!」とか
言うヤツいねーだろ?
571名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 10:03:06.43 ID:uFo8j+Mu
パワポケは彼女の信者同士の仲がよくないよね
何かと他の彼女を貶すようなレスも色んな所で見られるし
他のギャルゲ、例えば今放送されてるアマガミとかだと何だかんだ皆仲いいのに
572名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 10:16:20.95 ID:kDK1mTHV
アマガミはまだちょっとしかプレイしてないからよく知らないし、くさし合いを追認するつもりもないが、
ギャルゲとかエロゲ(乙女ゲー含む)でキャラ信者同士の仲が悪いなんてよくあることっしょ。

……一応パワポケはスポーツバラエティだっけか。
573名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 11:54:07.98 ID:Y3Y5elnc
またこの事言って良いのかわかんないけど、パワポケはそこで正史って壁があるんだよ
な…
574名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 12:02:26.16 ID:QmvnRdM+
1・3主「正史とは塗り替えるためにあるもの」
575名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 12:05:04.97 ID:Y3Y5elnc
あれ?
1・3主って複数いなかったっけw
576名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 14:16:11.04 ID:o7Tyf7GQ
ちょっと見てない間に投下ラッシュが来てたとは
皆さんGJです
577名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 14:18:20.31 ID:QGA7iD6o
妄想の前には何物も無力よ
だから自分は漣とのイチャイチャライフを妄想するぜ
578名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 20:46:27.25 ID:5Dh5E58M
千羽矢×13主×ハームレス……うーん
千羽矢は攻めだがハームレスは受けなイメージがある
579名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 20:49:57.23 ID:CQLtjBGO
犬井さん相手に受けだけだったからなあ
他にもジオットにも従ってたし
もう千羽矢が13主を攻めて13主がハームレスを攻めてハームレスが千羽矢を攻めればいいんじゃないかな
580名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 23:36:25.41 ID:BxDZ4d8X
>>579
濃厚な3Pだな
581名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 23:40:40.41 ID:ixhq5Ds9
フダガミも忘れたらアカン
582名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 00:39:09.65 ID:+fxfC26p
千羽矢と13主を偶然みかけたハームレスが二人のラブラブっぷりを見せつけられて、
記憶の断片を思い出して嫉妬丸出し、
だけど勇気を持って飛び出せずに苦しんだあとルチアに記憶を消してもらうっていう妄想も。
583名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 00:50:43.57 ID:ir+BY6uU
あの野獣なら3pとか言い出してもおかしくないな・・・
584名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 02:23:30.41 ID:IqlK2Gr4
完全に記憶を取り戻しちゃったハムちゃんがチハちゃんのフリをして13主といちゃつくんだけど
途中から本物のチハちゃんが現れて修羅場
でも結局ハムちゃんの境遇とかにも二人とも同情しちゃって受け入れて仲良く3Pでも僕ぁいいと思うな
男気があって野獣と化した13主なら3Pでも同じ顔の化け物彼女が二人でも許容できそうな気がする
585名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 02:26:07.77 ID:ON63+fSn
チワワの事も忘れないであげてください
586名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 22:05:46.37 ID:8JXAOn9j
世納さんを殺された事で激昂して、ジャジメントに単身攻めに行くも
途中で捕まって、ジオットとホンフーに凌辱される維織さんが見たいです。
その後助けに来た准とゆらりもまとめて犯られるとなお良し。
587名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 23:01:39.13 ID:hjzO3ftx
>>586
いやいやそれだけじゃ駄目だろう

@行方不明になった准をさがしていたリンが捕まるが最後の瞬間に茜に携帯で伝える
A真相を知った茜が雪白にそのことを伝えるが携帯の電波からばれて茜が捕まる
Bそのことを知った冬子が夏菜を引き連れて助けに行くが捕まる
C夏菜が出て行く前に城田残した書置きを、城田の所に遊びに来ていた春香が見てしまい
面白半分に首を突っ込んで捕まる
D夏菜が行方不明なって心配でおろおろする安藤の為に探しに出た姫子が捕まる
Eゆらりが行方不明になって心配になって探しでた麻美が捕まる
F何も知らずにリンの所に遊びに来たナオがリンのマンションで待ち伏せしていた
ジャジメントの工作員に仲間と間違えられて捕まる
Gサラといつきもついでに捕まる


全員凌辱の末、脳姦エンドだろ
588名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 14:10:16.56 ID:pugU2oU7
>>587
その妄想力には感服した

でもメロンパンはパカだったからこそだと思うんだ
589名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 17:41:53.15 ID:n4LssD4+
そうだね。

やっぱり全員旧校舎に閉じ込めて火をつけて絶望的なENDで
590名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 18:25:08.71 ID:XdwVHd+W
>>587
きっちり難を逃れるミーナさんマジパネェ
しかしいつか完全BADルートがあると思ったのによく逃げ切れたもんだ、ミーナ
591名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 18:42:36.29 ID:Ri4qS1l5
ホンフーというかデスマスの能力って結構万能だと思ってきた
「快感を我慢しなさい」っていってイかせまくったり逆に「イきなさい」って言ってオートで寸止め地獄にしたり
592名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 18:58:32.87 ID:9Mv1FmNB
>>587
素晴らしいな。1パートずつ交代で書くとか面白そうだw

>>591
真ルート終盤でホンフーがそんな感じでカズをいたぶってるのを見て興奮した。
593名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 20:01:14.05 ID:pLOifgc8
>>587
その頃一人空き缶投げに勤しんでいる梨子は本当に平和だ
594名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 20:58:13.36 ID:U+eBuzB9
ジオットやホンフーは本編で連れがいるから(死んでるけど)
個人的にエロい妄想に使いづらいでござる一途だし
595名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 21:10:19.50 ID:lE4B34cB
そもそもホンフーは付いてないしね・・・
596名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 21:11:30.68 ID:4C2WQCCu
>>590
パワポケでただの一般人なのに信念折られることなく生き延びた珍しい人だもんな
そしてうなじが綺麗
597名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:14:37.37 ID:n4LssD4+
凌辱出来そうにない

ジオット…死んだ嫁一筋
エアレイド…ジオット一筋
ホンフー…玉無し
ルチア…神様一筋
ジナイダ…多感なお年頃の少女


凌辱得意そう

マゼンタ…リョナ要員
マーカス…ジオットの命令なら手加減一切なし
ハームレス…触手要員

ヒロイン達が鳴き叫びながら主人公の名前を呼んだり、
必死に耐えながら主人公の顔を浮かべるとか全員させるには
人数少ねえ!
598名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:34:47.20 ID:wJ7DZ4YO
どうも、前スレの>262〜308及び>589〜611に投稿したリザークという者です。
冴花ネタの続きの後編が完成しましたので掲載させていただきます。
今回で一応完結となります。どうかよろしくお願いします。

前回までのあらすじ

木村冴花は、プロの世界へと進んだ小波を手助けしたかった。
高校時代から野球を通し相思相愛の仲を築いてきた恋人。その彼がプロの洗礼で苦しんでいるのを冴花は黙って見ていられなかった。
そこで球場まで足を伸ばし、敵チームの戦力を偵察するという行動に至ったのだった。
かつて優秀な野球部マネージャーだった彼女にとってそれは苦ではなかった。

だがその帰り、混雑した電車内で油断した彼女は痴漢達に遭遇する。
迫り来る、男達の利己的な肉欲。絶世の美女と讃えられた母親譲りの豊満な肉体は男たちの欲望のままに弄ばれる。
愛しい人のみを一途に想う、彼女の無垢な心は千々に乱れた。

性の監獄と化した列車内から、辛うじて逃げ出すことには成功する。
だが彼女の身体には、見ず知らずの男たちに享受された官能がはっきりと刻み込まれていた。
冴花は自らを呪い、悔恨の涙を流した。望まぬ男に快楽を与えられ、
気を遣ってしまったという事実に、彼女はショックを禁じ得ない。

そして彼女は決断した。痴漢された事実を秘匿し、小波をこれから欺いていくことを決めたのだ。
それは汚された彼女の事実を知った時、小波が彼女を嫌悪してしまうと恐れたからだ。
冴花はその想い深き故に、最愛の人を欺くのだ……。

だがその嘘が露わになった時、冴花は……。
599名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:36:55.79 ID:wJ7DZ4YO

「Reciprocal affection」(後編)



夕食が済み、私は食器洗いに取り掛かった。一方、小波君は食卓に座ったままテレビに目を向けていた。
テレビのディスプレイ上には、今日の昼間に撮影してきた試合の映像が映されている。
私が提案して、偵察結果を早速小波に見せているのだ。

「………」

彼は食い入るようにテレビ画面に見入っていた。その表情は、真剣そのものだった。
私はキッチンで皿を洗いながらその横顔を見つめた。
愛する人の、神聖にして侵すことのならないその横顔。
私と話しているときの大らかで優しげな目は、今は鋭い眼光を湛えたプロ野球人の目へと変貌している。
その姿は私でさえも近寄り難い、特別なオーラが発せられているが、そんな彼の見せる姿もまた、
彼に心惹かれた要因の一つだった。

(小波君……)

私は映像に見入る彼の姿に、心苦しくなった。切ない気持ちがした。
これから、ずっと、ずっと、彼に嘘をついたまま、生きていくのだ。それはとても辛いであろうことは、今にも感じている。
だけど本当に私は……彼にこのことを隠したまま、生きていけるのだろうか。

今の後ろめたい気持ちのまま彼に接するのは、とても悲しい。先程の食卓での会話はまさにそれだ。
いつもなら彼と好きなように、楽しく会話ができたはずなのに。今の私は彼を欺く申し訳なさと、
隠さなくてはならない緊張感で心の中は精一杯だ。
こんな彼との触れ合いを、これからずっと続けていかなくてはならないのだろうか。
もしかしたら、いずれ限界がきて、彼がこの事を知ってしまう日がくるのかもしれない。
もう、彼には知られてしまう運命なのだろうか。そう考えるとまるで心が板挟みにあったみたいで、胃がきりきりと痛む。

『一体何を隠してるんだよ!俺にも……言えないのか!?』

こんな風に。
もし、今の野球を見ているときのような、真剣な眼差しで彼に迫られたら、私はどうなってしまうのだろう。
その時、その瞬間、私の心の中は究極のジレンマによって壊されてしまうかもしれない――。

考え出すと、負の連鎖は止まらなかった。それに伴い、涙腺がまた決壊し、感情が抑えられなくなりそうになる。
600名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:39:03.75 ID:wJ7DZ4YO

(いけない、小波君が近くに……いるのに……)

今までのように何とか涙を堪えようとする。だけど、今回のそれは強烈だった。彼がすぐそばにいるからなのかもしれない。
本当は彼に私の今の気持ちに気付いてほしいという微かな思いがあるからかもしれない。
だけどそれはやはり駄目、駄目だ……。そう、決めたのだから、私は……。

我慢をしきれず、私は皿洗いの手を止めて、居間を離れようとした。
泣くのなら、せめて小波君の見ていないところで――。そう考えたから。

と、その時だった。居間から出ようとした私の足取りが、食卓床に敷いてあるカーペットに引っ掛かり、奪われた。

「あっ」

しまった、と思ったときにはもう遅く、体の重心は取られて、私は前のめりにそのまま床へと倒れ込んでしまう寸前だった。
いつもなら、こんなところで躓くなんてまずないのに。そんなに今の私は、心穏やかじゃないのか――。
そして迫る衝撃に堪えようと、私は反射的に目をつぶった。



…………



どれくらいたったのだろう。衝撃は訪れなかった。そのかわりに、ふわっとした感触が、私を包んだ、そんな気がした。
私は恐る恐る、目をゆっくりと開いた。視界いっぱいに映り込んできたのは、私の体をすんでのところで受け止めた彼の姿だった。
601名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:41:03.93 ID:wJ7DZ4YO

「こ、小波……君」

「危ない危ない……大丈夫か?」

「あ、ありがとう」

彼が野球で培った常人離れした反射真剣が、私を助け出してくれた。倒れる私を目にして咄嗟に飛び込んできたのだ。
そのことに、私は何とも言えない胸をつかれる思いがした。素直に嬉しかったのだ。
それでも、今の私の表情は彼に見せたくなくて私は顔を床に背けた。
が、それを阻むかのように小波君は私を抱き起こし、私の顔をじっと見つめてきた。

私の心臓がトクンと強く脈打つ。その時彼の目は、鋭さを湛えた真剣そのものだった。
野球に目を向けるときと、同じ目。そんな眼差しが、今は私に向けられている――。

私はそんな彼の透き通るような瞳に吸い込まれそうになった。
恥ずかしさがこみ上げてくるが、目線を逸らしたくても、それができない。
互いの目を見交わしたまま、時間だけが過ぎていく。そして、小波君がゆっくり口を開いた。

「なあ、冴花……何か、あったのか」

「えっ?」

「その、なんだか違う気がするんだ。今日の冴花は、いつもの冴花と。……どこか、つらそうにして……」

そんな、馬鹿な。
私の心の中でドキリと大きな音がたつ。まさか、こんなにも早く、小波君に気付かれてしまうなんて。
心がぎゅうっと締め上げられるような思いがし、胃にツンと鈍い痛みが走る。
それでも、それでも……悟られるわけにはいかない。私は努めて冷静に返答した。

「どうしたのよ、急に。そりゃ、晩御飯なんて普段は忘れないし、カーペットで躓いたりもしないけど」

いたっていつも通りの、冷静な言葉遣いで返した。私はそのつもりだったのだ。

「そんなのじゃなくて……顔だよ」

「……え?」

私は彼の言葉の意味が分からず、そう返した。
が、次の瞬間には彼の言いたい事を察し、心臓が跳ね上がるような思いがした。

「昔……自分でも言ってたじゃないか。顔に出るタイプだ、って。俺が帰ってからずっと、顔が真っ赤だった。
まるで、そう……君のお父さんが亡くなって泣いてた、あの日みたいに」

「そ、それは」

彼の言うとおりだ。彼と付き合い始めた当初はそれが悩みだった。
彼と一緒にいると緊張して顔が赤くなりやすく、ごまかしたりするのに必死だった。
しかし今のこの場面はごまかせそうになかった。
602名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:44:39.10 ID:wJ7DZ4YO
「それにさ……それだけじゃない。何となく、分かるんだ。俺達、付き合いが長いだろ。
だから冴花の様子が何となくいつもと違うって……分かるんだよ。
帰ってから、ずっと君を見てた。最初は気のせいかとも思ったけど、
食事の時に話したりしてるうちに気付いたんだよ。いつもと何かが違う、おかしい、って。
君はそれを……何とか隠そうとしてたみたいだけど」

「っ……」

また一つ、心臓が大きく跳ね上がる。私の心がどんどん焦燥感に駆られていくのが分かる。
封印したはずの心の奥底に、小波君が、入り込んでくる。だけどそこには、彼に最も知られたくない光景があるのだ。
私はまだ、口で拒む。

「し、心配してくれるのはありがたいわ、でも……何も無いったらないわよ」

私は半ばやけになりながらそう言った。

「嘘だ」

「う、嘘なんて……!」

押し問答が続く。私は引かない、引けない。心で決めたことなのだ。絶対に彼に知られたくないと。
すると小波君は目を伏せて、次に意外な言葉を口にした。

「俺、君のことが好きだ」

「え……?」

「俺、高校の時から。冴花のこと、好きになって……今はもっともっと好きだよ。
だから俺、ずっとずっと、君を見てきたんだ。だからもう、確信をもって言える。
今日の君は今まで見てきた君とは違う、って」

「ち、違わないわよ、違ったりなんか……!」

彼のその言葉を受けて、私はもうほとんど泣きそうになりなっていた。
小波君は再び目を開けた。先程と同じ、いや、それ以上の、鋭い、
射抜くような視線を私に向けながら、彼はおもむろに口を開き私にこう言った。

「これ以上嘘を言うのなら……俺は、冴花のことを嫌いになる」

「……っ!」

とても重く、それでいてとても鋭利な、私の心を刺し貫くような一言だった。
私はその言葉に雷に撃たれたようなショックを感じた。
603名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:46:17.40 ID:wJ7DZ4YO

(嫌いになる?)

頭の中で彼の言葉が反芻される。
最愛の人に、ハッキリと、そう言われた。
母を、父を、そして家族を無くし、たった一人の身になった。とても寂しく、とてもつらかった。
そんな私に寄り添うように、そばにいてくれ、いつも私の心のよりどころになってくれた、最愛の人。
その彼に、拒絶された。嫌いになる、とハッキリ告げられた。
心の中でメキメキ、と何かが壊れていくような音がした。

ついさっき危惧した事態が、たった今現実として起こってしまった。
レイプされた事を彼に秘匿する罪悪感。レイプされた事を彼に知られる恐怖感。
二つのジレンマは私の心をじわじわと破壊しようとしていた。

もう、どうしたらいいのか、私には分からない。分からない。分からない。分からない。分からない……。
何も考えられない。頭の中が錯乱し、思考は無茶苦茶にからまり合う。

そして。
今までにないくらいに目頭が熱くなり、自分でも信じられないくらいの涙が目から溢れてきた。

「うわあぁあーーん!!!」

涙と共に口からは叫び声が漏れていく。私は、泣き叫んだ。そうしないと気が狂ってしまいそうだった。

(私にはもう彼のことを想う資格なんてないんだ。体を汚され、愛する人には拒絶され。
私が、一体何をしたというんだろう。どうしてこんな目に遭わないといけないの。
私はただ、小波君のことが……好きだったのに。それなのに、それなのに……!)

心が、崩壊していく。
これまで積み重ねてきたものが、崩落していく。
私はただそれを見ているだけだった。止めようとする意思もまた完全に破壊されていた。
心の中に砂漠が広がっていくようで、とてもとても、辛い。
だけど仕方無いのかもしれない。
愛する人を欺こうとした報いがこれなのかもしれない。
それならば、私はそれを受け入れよう――。

私は心を完全に投げ出そうとした。
その、時。
604名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:48:05.74 ID:wJ7DZ4YO

「冴花っ」

小波君が再び、私を抱きとめた。そして、両腕を回してそのまま力強く私を包み込んできた。

「あ……」

体が密着し、服越しにも温もりが伝わってくる。その暖かさに、ふと私は我に返った。
彼の腕の中で包まれた途端に、乱れた心が鎮まっていくような気がした。
壊れそうだった想いが、温もりを取り戻して再び息を吹き返すかのようだ。
やがて心は不思議と穏やかに落ち着いていく。

「泣くな、冴花は……強い子だろ。……話してほしいんだ。何があったのか」

「わ……わたし……」

「話してくれるな?」

小波君が私の顔を覗き込みながら言った。
先程の突き刺さるような鋭い瞳とは違って、優しく大らかな瞳を私に向けてくれる。
口調はとても穏和で、私に安らぎを与えてくれた。
心の中が洗われるようだった。そして洗い流された負の感情が吐き出されるかのように、涙がとめどなく出てきた。
彼には泣くな、と言われたけれど、それだけは我慢出来そうになかった。

「小波君、小波……君……うっ、うう……」

「冴花」

彼の胸に顔をうずめ、私はさめざめと泣いた。その間ずっと彼は黙ったまま、私を優しく抱きしめてくれていた。

やがて、私はゆっくりと話し始めた。
今日の電車の中で遭った件の一部始終を。もうこれ以上、小波君を欺きたくなかったから――。

覚悟はもう決めていたのだけれど、小波君はこんな話を聞いてどう思っているのだろうか。
レイプをされた、という事実を理解し流石の彼も動揺したのだろうか、
話の途中からはただじっと、黙ったまま私の話を聞いていた。
そんな彼の様子を見て私はとても心が痛んだが、と言っても、話を止めるわけにもいかなかった。

やがて長い時間をかけて、私はようやく全てを告げた。
話が終わっても、彼は何も喋ることなく押し黙ったまま。
私を抱きしめたまま言葉を発することもなく、動くこともない。

私の恐れていた通り、やはりこの件を知った小波君は私を嫌いになってしまったのだろうか。
なんとも浅ましい女だと、私に落胆したのではないだろうか。
私の心中が再び曇り、陰りがさしてくる。
605名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:50:05.95 ID:wJ7DZ4YO

「……どうして、言ってくれなかったんだよ」

と、その時小波君の口が静かに開かれた。それは私が思っていなかった言葉だった。

「そんな酷い目に遭ったのに。どうして、相談してくれなかったんだよ……」

彼の意外な言葉に、私は目を見開いて彼を見上げた。私を見下ろす彼の柔和な瞳が、心にじゅんと染みるようだった。

「い、言えるわけない……あなたに、知られるのが、怖かったから……」

自分でもわかるくらい消え入りそうな声で言った。それは私の本心。私が包み隠そうとしたもの。

「どうして」

どうして?決まっている、それは……。

「あなたが知って……私のこと、嫌いになってしまうんじゃないかって、だから」

だから……決して知られたくなかった。
彼を欺くことをやめたかわりに、今度は私の体が彼を裏切ってしまったということを暴露せざるをえない。
結局は同じことだったのかもしれない。

「私だって、あなたのことが好き……ずっと、ずっと一緒にいたい。
だから、それが壊れてしまうのが、怖かったの。あなたをずっと想っていたかったの……だから……」

「馬鹿っ……違うよ」

「え……?」

小波君が口を挟んできて、私の震えた声が止められた。
私は彼の顔を間近に見上げた。相変わらず小波君は、微かな笑みを浮かべながら、私を見つめている。
その表情が私の心にほのかな安心感を抱かせる。

「ずるいよ、冴花、自分の気持ちばっかり……言ってさ」

「小波君……?」

「冴花がそうやってさ、俺のことを想ってくれてたのと同じで、俺も冴花のこと……ずっと想ってたんだぞ」

「あ……」

小波君の言葉に、私の心が熱く反応する。疑いようのない、素直な想いが形をなしてくる。
606名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:52:13.67 ID:wJ7DZ4YO
「俺……プロに入ってからさ、周りのレベルもぐっと上がって、今までみたいに思うようなプレーなんて、
出来なかった。得意だった野球なのに……苦痛に感じて辛いよ、今もさ。
ふふ、そんな状況なのにさ、俺、野球の最中に……いつも君の事を考えちゃったりするんだよな」

「……うん」

「野球をそっちのけにしちゃうくらいさ、やっぱり俺、それくらい冴花のことが……大好きなんだよ」

ポリポリと頭を掻きながら、小波は気恥ずかしそうに目を逸らした。
顔は少し赤くなっている。彼の心が歩み寄ってきてくれ、私に同調している。それを感じた。

「俺だって君のことが好きだ。ずっとずっと、一緒にいたい。これからもずっと。
だから、俺、絶対に君のことを嫌いになんてなったりしない。
むしろ君が今みたいに悲しんで、苦しんでいたら……絶対に助けてやりたい、支えてあげたいんだよ」

「小波君……っ」

「さっきは嫌いになるなんて言ってゴメン。だけど俺、ハッキリあの時気付いてたから。
だから冴花に、心を閉ざしてほしくなかったんだ」

心を、閉ざす――。私が。
その言葉に私は思い知らされた気がした。
小波君と心は通い合ってると思っていた。だけどそれは私の独り善がりだったんだ。
彼からの想いを、私は本当の意味で受け止めることができていなかった。
汚されてしまった私でも、今までのように変わらず受け入れてくれ、むしろ気遣ってくれる。
そんな彼の優しさを、私は蔑ろにしてしまうところだったのだから。

「小波君……うっ、うううっ……」

「おいで、冴花」

「ごめんなさい……ごめんなさい……うっく、う……」

再び私は彼に誘われるまま、彼の胸に体を預けた。そして、謝罪した。自らの愚を悔いながら。

「怖かったろ、冴花。もう、大丈夫だから……」
607名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:54:45.09 ID:wJ7DZ4YO

彼の想いが、そしてその言葉が、心の中のわだかまりを溶かし、すっかりと消し去っていく。
もう、何も隠すことはない。何も欺くことはない。私の心の曇りは消え、晴れ渡る。
その時本当の意味で、私は彼の心を受け止めることができた。彼の想いが、私の封じ込めた心を救い出してくれたんだ。

それでも。どうしても変えられない事実がある。
無論それは、私が他の男に抱かれたという事実。過ぎてしまったことはもう変えられない。それは私が一番分かっていた。

……だからこそ。
私は、小波君に懇願した。

「……抱いて……」

「え?」

「お願い。私を……抱いて」

「冴花……」

「忘れたいの……このまま体が覚えてしまったまま、そのままは嫌なの。だから、お願い……いっぱい抱いて。たくさん愛して。小波君っ……」

「……うん。分かったよ……冴花」

小波君は私の我が儘にも、にっこりと微笑み返して応じてくれた。
そして、ゆっくりと彼の顔が近付いてくる。私はそのまま、彼と唇を合わせた。

「……ん……っ」

初めは触れ合うだけだったのが、小波君の方から舌を絡ませてくる。
いつの間にか私の口内にまで入り込み、そのまま縦横無尽に這い巡る。
次第に甘くとろけるような感覚が生まれ、私はそれに身を任せた。
彼とのキスはレモンティーの味がした。それは食後に淹れた紅茶によるものだ。

「んん……ん……んッ」

頭が熱っぽくなってきて、なにも考えられなくなってしまいそうになる。今頃私の顔は真っ赤になっているに違いない。
だけど小波君の舌の愛撫は激しくはなく、まるで今の私をいたわってくれるかのようだった。
とろけあう舌の感触に、のぼせていくのを感じた。体から力が抜けていき、床に倒れてしまいそうになる。

それを防ぐように、小波君は一旦口を離すと、私を抱え込んだ。キスの愛撫を途中で中断され、名残惜しい気持ちになる。
そんな私の心中を察したのか、小波君は微かにはにかむと、私を抱きしめたまま急に立ち上がった。

「ひゃっ!?」

突然の出来事に私は驚いた、というのも、今私は、小波君にいわゆる「お姫様抱っこ」をされているから。長いつきあいの中でも、そんなことをされたのは今回が初めてだったから。

「ごめんごめん。でもここじゃ嫌だろ。続きはベッドで、ね」

彼の言葉に、私の体がじんと熱くなるのを感じた。これから、私は彼に抱かれるんだ。好きな人に、抱いてもらえるんだ。そんないけない期待感が胸をよぎる。
だけど、同時に不安もある。他の男に汚された私の体を……彼は本当に受け入れてくれるのだろうか。

懸念する私を、彼はそのまま抱き上げ歩き出した。私はされるがままに彼に寝室へと運ばれていった。
608名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:56:47.04 ID:wJ7DZ4YO

…………



とても……とても悔しかった。
それが冴花の話を聞いた時の本音だった。
彼女を守れず、傷つけられるのを防げなかった不甲斐なさ。そして最愛の女性の身体を穢されたことへの途方もない憤り。
本当は怒り狂ってしまいそうだった。それはもう、心が爆発してしまいそうな勢いで。
もしその痴漢達が目の前にいたら、拳を打ち付けてやりたい。何度も、何度も。
いっそのこと殴り殺してしまいたい。そんな血の沸き立つような衝動が俺の全身を衝く。生まれて初めて感じた、際限なき無限大の怒りだった。

目の前で泣きじゃくる冴花。冷静沈着で聡明ないつもの彼女の姿はなく、今の姿はまるで幼い子供のようだ。
とても、とても……苦しんだんだろう。真実を語ってくれた彼女の紡ぎ出す言葉の節々から、痛いほどにそれを感じ取った。
一番苦しいのは彼女なんだ。理不尽な目に遭って、それなのに俺を気遣って相談なんて出来ずに、
自分で全て背負い込もうとした。全部、俺のことを思ってしてくれた、彼女なりの決断だったんだ。

だからこそ、悔しい。
彼女にそんな思いをさせてしまった、俺自身が憎い。

かつてジナイダに誓った。冴花を守って、二人で生きていくのだと。
その俺の言葉に満足したように、彼女は俺達のもとから姿を消した。俺を心底から信頼してくれていたのか。
だがどうだ。現実に、俺は彼女が傷つくのを見ていることしかできなかった。
それはおろか、俺が原因で死ぬほど辛い思いを抱かせてしまったのだ。

悔しい。どうしようもなく悔しい。俺は冴花の彼女として、失格だ。
ジナイダにも、彼女の亡き父親にも、母親にも……顔向けができない。
怒りを通り越して、俺も泣きたい気分だった。いっそのこと、一緒に泣いてしまおうか。
冴花と一緒に、泣いてしまおうか。彼女の話を聞き終わった時、そんな諦めに似た感情が生まれたのだ。

だけど同時に考えた。俺が泣いてどうなる。俺が泣いて何になる。そんな情けない姿を見せたところで、より一層、冴花に不安を抱かせるだけじゃないか。
彼女はひとりだ。両親を、家族を失い、この世にたったひとりぼっちで取り残されてしまった。
いつも従容でクールさを崩さない彼女が、垣間見せる寂しげな表情を、俺は知っている。
そんな彼女にこれ以上、心を痛める思いはさせたくない。だって俺は世界で一番、彼女を愛しているんだから。
ひとりぼっちの彼女の側にいてあげられるのは、俺だけなんだから。

そう思うと、行き場のない怒りも自責の念も、もとから無かったかのように消えていく。
あとに残った感情はたった一つ。
冴花を安心させてあげたい。冴花の受けた心の傷を、消してあげたい。それだけだ。
609名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 22:58:48.69 ID:wJ7DZ4YO

「お願い……いっぱい抱いて。たくさん愛して。小波君っ……」

その矢先の、彼女からの懇願だった。拒む理由などない。それで冴花を安心させてあげられるのなら。心の傷を少しでも取り除けるのならば。
そしてなにより、俺の思いを冴花に届けられるのならば……。

「よいしょ、と」

居間から抱きかかえてきた冴花を、寝室のベッドにそっと横たえた。
いつも俺達が寝ている寝室に、ベッドは一つ。同棲を始めた時に購入したダブルベッドだ。
冴花は当初顔を赤らめながらダブルに反対していたのだが、結局は俺が押し切って購入に踏み切った経緯がある。

「小波君っ……」

切なげに冴花が呼ぶ。少しでも待たされるのは、今の彼女にとってはつらいのだろう。
彼女に促されるがままに自分もベッドに乗り、そのまま覆い被さる。
そして、先程の続きのキスを交わす。

「冴花っ」

「ん……」

一からやり直す。さっきと同じように、俺は口先だけを軽く触れ合わせた。
瑞々しく柔らかな、冴花の唇の感触。それを楽しみつつ、時折舌を突き出して彼女を小突く。
すると彼女も同じように舌を出してきた。

口の外で舌と舌を絡め合い、互いの唾液が絡み合う。
冴花とのキスは、ほんのりと甘いミルクティーの味がする。食後に彼女が口にしていたものだろう。
そして、それと共に生まれる、甘美な接吻の味。冴花の艶めかしい女性の味が、徐々にとろけだしているのがわかった。

んちゅ……くちゃっ……くちゅ

俺は思い切って、舌を冴花の口内に進入させる。口の中は暖かくそして、より甘い感覚が満ちている。
夢中になって、舌を縦横無尽に動かした。

「くぅ……ん……んっ!」

されるがままに、嬌声を上げる冴花。
声のトーンも低めな彼女が、普段は決して出さない少女のような可愛らしい声。それがさらに俺の嗜虐心を刺激する。

――もっともっと、冴花を喘がせたい。彼女をめちゃくちゃにしたい。
そんな男の欲望が、首をもたげてくるのがわかった。

だが今は、その欲望に全てを任せるような行為は避けたい。俺はそう心に決めていた。
彼女の今の心境を少しでも考えれば分かる。強姦行為をされた冴花、今の彼女はとてもナイーブだ。
無理矢理に体をまさぐられ、性的興奮を強要された彼女は、きっと性交渉そのものに強い嫌悪感を抱いている。
セックスというものにも恐怖感が芽生えてしまったかもしれない。

だからこそ。強引に彼女の体を責めるような真似は、今はするわけにはいかない。
それは彼女をさらに傷付けることになってしまうかもしれないからだ。
今は冴花にたくさん、気持ちよくなってほしい。痴漢達にされたものなどよりも、この俺の手で、
最愛の彼女に最大限の快感を感じてほしい。だから決して欲望に負けず、優しく彼女を導いてあげよう。
彼女の願い通り、俺の抱く思いをたくさん彼女に捧げてあげよう。そう、決めたのだ。
610名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:00:49.52 ID:wJ7DZ4YO

「んっ……ふぅあ……ん……ふっ……あ!」

ゆっくりと、そして丁寧に、彼女の口の中で舌を動かす。
粘膜をなぞり、舌と舌が絡まり、ぬるりとした温かい感触が覆い尽くす。
舌だけでなく、唇での愛撫も忘れない。冴花の唇をくすぐるように左右にソフトにこすり合わせたり、
甘噛みして挟んだりして強弱をつける。
そうしてキスを長くに渡って続けた。決してマンネリになったりしないように、様々に変化を付けながら。

もともと冴花は、激しくするよりも、ゆったりと丹念な愛撫をされる方が感じやすい。
それはこれまで幾度も彼女を抱いた俺だからこそ知っている。
ただ勢いに任せて行っていた最初の頃などは、特に苦労をさせてしまったものだった。
初めて青姦で交わった時など特に。

(それそろかな)

頃合いを見計らい、冴花の口から舌を抜いた。混ざり合った唾液が繋がり合った一本の糸を引く。
そして一度、冴花の顔を見上げる。

頬を紅に染め、早い息をつく冴花の姿が、目と鼻の先にあった。
切れ長の瞳はトロンと潤いを帯び、何とも悩ましい表情を浮かべている。

綺麗だ。綺麗過ぎる……。
彼女の相貌を目にした俺の頭に、そんな言葉が浮かぶ。それこそまさに俺の冴花に対する素直な感想だった。

以前、冴花は俺にこう打ち明けたことがある。「自分に自信がない」と。
それを聞いた俺は最初、彼女の内面的な意味でのことかと思ったが、それは外面的な意味での言葉だった。
冴花の母親はとてつもない美人だったらしい。そんな母から生まれた冴花だが、父親似の方に育ったようで、
自身の容姿にはコンプレックスを持っているようだった。特に父親に似て目つきが悪いと、しばしば気にしていたものだ。

だが俺自身、彼女の顔立ちについてそんな考えに思い当たったことは今まで一度もない。
目つきが悪いと言うのも、俺からすれば切れ長で意志の強そうな美しい目にしか見えない。
それだけじゃない。
色白で艶やかな肌に、均整のとれた顔立ち。その美しさは、彼女の母親にも絶対に引けは取らないはずだ。
結局のところは、冴花が美人の母親を比較対象にしてしまうので、
それがコンプレックスになってしまっているだけなのだ。
少なくとも俺の目線から見ても、冴花だって非常に可憐で魅力的なのだ。

そんな彼女の美しい姿を改めて見せつけられた俺は、またも理性が思わず飛びそうになってしまう。
が、必死にそれを押しとどめた。
611名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:02:43.07 ID:wJ7DZ4YO

「冴花。大丈夫?」

「はぁ……はぁ……うん……」

俺は冴花に声をかけた。冴花は切なげな表情のまま頷いた。やはり俺は気掛かりだった。
彼女がこの性行為で、つらい思いが蘇ったりしないか。痴漢された記憶を呼び覚ますことになってしまわないか。

だが少なくとも今はその心配は無さそうだ。
彼女のうるうると涙を含んだ瞳は、真っ直ぐにこちらを見つめてくれている。
まるでそれは俺の次の愛撫を心待ちにしてくれているかのようだ。冴花は紛れもなく俺を求めてくれている。

「じゃあ、服も脱がせるぞ」

俺は、次の段階へ進むことにした。冴花の肢体を包み隠す部屋着に手を伸ばす。
最初に上着に手をかけた。インナーを上へとたくしあげ、そのまま脱がせる。
それからイージーパンツも下へとすっぽりと脱がせ、あっと言う間に下着だけの状態になる。
ピンク色のレースのブラに、下にはショーツ。先にブラに手をかける。冴花の背に手を回し、ブラのホックを解除する。
これでブラはただ胸の上に乗せられているだけになり、ひょいと手で退けるだけで、彼女の胸が露わになる。

「ブラも、とるよ」

確認のために一応冴花に声をかけた。こくりと小さく頷く。
了承を得た俺は彼女を驚かせたりさせないよう、ゆっくりとブラを取り上げた。

「やっ……」

彼女の顔はもう真っ赤だ。ブラを取ったことで一糸纏わぬ胸を見る間も無く、両手でさっと隠してしまった。
それがまたいじらしいところで、これまで何度も体を重ねてきたのに、
今でもこうして可愛らしく恥じらう姿を見せてくれる。

「冴花……隠さないで?」

「恥ずかしい……」

「大丈夫だから。誰も見てなんかいない。ここにいるのは俺だけだから」

できるだけ優しく、彼女を諭すように声をかける。
いつもならば意地悪く両手を引っぺがしてしまうのだが、今は駄目だから。

「冴花」

「……」

無理強いはしない。待った。彼女が自ら望んで来てくれるのを。
しばしの後、彼女も観念したのか、はたまた俺を信じてくれたのか、徐々に覆い隠す腕をゆっくりと離していった。

さらけ出されたのは、豊かな二つの果実だ。ふっくらと形良く実った色白の乳房。
左右に一対ずつ、ピンと上を向いた小さな蕾のような瑞々しい乳首。
天井の光に照らされ、柔らかに光沢を放つその双丘に俺は思わず見入ってしまった。
これまで何度も目にしてきた冴花のおっぱい。彼女の体の豊かさを象徴する、紛れもない美の要素のひとつだ。
612名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:03:32.87 ID:wJ7DZ4YO

「そ、そんなに……じっと見ちゃ、だめよ」

冴花が消え入りそうな声で言うと、顔を横へ背けてしまう。
それでも俺は飽くことなく、彼女の胸を眺める。
そこから徐々に、彼女の露わになった肌の隅々に魅入って目を馳せていく。

――何度見ても、本当に……きれいだ。

シルクのようにきめ細やかで、しっとりとした潤いを帯びた肌。無意識のうちに、手を伸ばし触れていた。
すっと引き締まり、くびれたお腹まわりに指を這わせる。想像したとおり、否、それ以上の柔らかな感触が返ってくる。

そして俺は、少しの安堵を感じていた。心配を抱いていたのだ。
見知らぬ男達の手に縦横無尽に這い回されたことにより、冴花の美体の妙を乱されてしまったのではないかということを。
しかしあらためて肢体を見渡して、彼女の豊艶な体を壊してしまうような傷跡がついてはいなかったことに、
ほっと胸を撫で下ろした。

だがもちろん体に傷はなくとも、冴花の心の中は大きな傷を負い、彼女を苦しめ続けて今なお残っている。
何としてでも、その傷も治してあげなくてはならない。彼女に惚れた、男として。
俺もまた服を脱ぎ、裸になった。これから冴花と交わるために、彼女を満たすために。

「冴花」

再びベッドで横たわる彼女に覆いかぶさり、彼女の名を呼ぶ。
相変わらず恥ずかしげに目をそらしたままの冴花。名を呼ばれて彼女はちらりと潤んだ瞳を覗かせる。

「冴花。綺麗だよ。月並みな表現しかできないけど……めちゃくちゃ綺麗だ……」

「……変なところ……ない?」

「ん?」

「その……おかしなことされちゃったから……私の体、おかしなところ……ない?」

もしかして冴花も同じことを考えていたのだろうか。言葉の意味に合点がいく。
小さく笑みをつくりながら、俺は冴花へと返答した。

「何も、変なところなんて何もないさ。君は今も。世界で一番、綺麗だよ」

「小波君……」

冴花の表情に明るみがさした。彼女も心配をしていたのかもしれない。
そして今、その悩みの種の一つを取り除くことに成功した。
この調子だ。ここで止まってはいけない、俺はさらに進むことにした。

「胸、触るよ」

「はい……」

両手で彼女の胸に手を伸ばす。久方ぶりに触れる、冴花の乳房。まず最初に両の柔肉を上下に揉み込む。
指先で、強弱をつけて搾りあげながら。もちろん強より弱をメインに、痛みを与えないように、指先の力加減に気をつけながら。

「冴花の胸、すべすべしてる」

「や……んっ、だ、だめよぉ」

言葉のやりとりを時折交えながら、彼女の胸を触れる。言葉の愛撫だ。
今までの時もしてきたが、彼女の気分をより高ぶらせるために、俺はいわゆる「言葉攻め」をする。
気丈に羞恥を押し隠そうとする彼女の被虐心を刺激するために、わざと際どい言葉を投げかけたりする。
もちろん今回は、そういう言動は慎む必要があるのだが。
613名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:04:30.70 ID:wJ7DZ4YO

「柔らかくて、あったかいよ……」

「んっ……やだ……実況、恥ずかしい」

変わりに、彼女を愛でるような褒め称える言葉を選び、懇ろに伝える。
その間も、両手の動きは止めない。的確に彼女が感じてくれるよう愛撫を続ける。
胸を揉みほぐしながら、人差し指で乳首をなぞる。指は、いきなり敏感な乳頭に触れてしまわないよう、
周りの乳輪から中心へと、渦巻くようにじっくりと。

「はぁ、んんん……」

冴花の口からは艶やかな吐息が洩れ出る。かなり効果はあるようだ。
さらに胸への手を進めていく。小刻みに乳首の先に指を当てるようにしながら、冴花の反応を確かめていく。
こりこりとした、硬くすぼまった乳首の感触。それは彼女が大きく感じてくれている証拠だった。

――ここまで感じてくれてるのであれば大丈夫かな。
そう思った俺は彼女の乳首を、親指も用いてきゅっと摘み上げた。左右を同時に。

「ひゃん!?」

刹那、冴花の体が跳ねる。目の覚めるような嬌声とともに。

「ゴメン、痛かったかな?」

冴花に問う。しかしそういうわけではなさそうだ。彼女の表情はとろんと弛緩して夢心地のようだったから。

「だ、大丈夫……」

「痛かったら、言うんだよ」

「うん……」

冴花は頷きながら微かにはにかんだ。愛らしい微笑み。図らずも、またしても理性が飛びそうになる。
しっかりともう一度欲望をこらえて、乳首の攻めを再開する。

「ん、んんぅ……あぁ……んふぁ……あっ」

揉みながら、乳首の愛撫も同時にこなす。優しく搾り上げた乳房、それによって突き出た乳首を、
人差し指でくりくりとこね回す。できるだけ激しくならないように。

「んあっ、はっ、やん……あぁぁ……」

手のひらの中で、揉まれるがままに形を変える淫靡な白い果肉。つんと張った桜色の乳首。
色香の漂う喘ぎ声。それにあてられ、俺自身の欲望も次第に肥大化してきていた。
彼女の淫らな姿に気をよくした俺は、さらに言葉も紡ぐ。

「気持ちいい?」

「んっ、うんっ、……はぁん……」

「本当に、綺麗だ。今までも、これからも、きっと冴花は変わらずに綺麗だよ。
何があっても、冴花のこと愛してるから……」

胸を愛撫しながら、告白までしてしまう。
と、その言葉に、冴花は反応して両手を首に回してくる。
そしてそのままゆっくりと彼女の胸元へと引き寄せられた。
614名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:05:03.11 ID:wJ7DZ4YO

「どうかしたの?」

突然の彼女の行動に、俺は疑問を尋ねた。
もしかしたら彼女の気分を大きく損なうようなことを口にしてしまったのかと、とっさに逡巡する。
しかし目の前の冴花の表情は明るさを湛えたままだ。
彼女はさらに引き寄せる腕に力をいれ、俺の体をピッタリと彼女に密着させてしまった。
熱を帯びた柔らかな乳肉が胸板に押しつぶされ、ぴっちりと敷き詰められる。
その何とも言えない心地よさにどぎまぎする。

「ふふ……やっぱり、違う」

「へ?違うって?」

「あのね、小波君、いっぱい、褒めてくれてるでしょ。その……された時も、同じ様なこと言われたのよ」

「えっ……」

冴花の言葉に、俺は愕然とした。優しい言葉を選んで、愛撫の合間に語りかけていたのは
彼女の心を配慮してやっていたことだった。しかし、数時間前に痴漢をされた時にも同様のことを言われた、というのだ。
衝撃、そして後悔。よかれと思ってしたことが、逆に彼女に嫌な出来事を思い出させることになってしまったことになる。
なんて短慮だったんだと、俺は自らに自己嫌悪した。高ぶっていた自身の欲望も影を潜め、心が落ち込んでしまう。

「あ、そんなに気を悪くしないで。そういう意味じゃないのよ……」

気落ちする俺の顔を、冴花の手がそっと撫でてくる。俺はすがるような思いで彼女を見上げた。

「同じように褒められてもね、違うのよ。あなたの言葉には……何か目に見えない思いが
込められてるみたいで、嬉しいの。私への思いをたくさん込めてくれてるみたいで……」

穏やかな面持ちで冴花は言った。さらに彼女は言葉を続ける。

「何ていうのかな。重みが違うの。あなたの言葉は、私のことを深く知って、
思ってくれてるからでる言葉……私はそう思ってる……」

「冴花」

「やっぱり優しい。今日のあなたは、私のこと、とっても気遣ってくれてるって分かるの。本当に嬉しい……」

彼女の温良な言葉にハッとした。分かってくれているんだ。ちゃんと通じてくれているんだ。
ここまでの愛撫と言葉を通して。冴花に、きちんと思いは伝わってるんだ。心が洗われるようだった。
615名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:06:05.84 ID:wJ7DZ4YO

「私ね、あなたのこと、今よりもっともっと知りたい。それであなたと心から通じ合っていたい……。
だから、もっと想いを届けて。あなたの想いを、私にちょうだい……私を、たくさん愛して……!」

冴花の頬に涙が輝いた。そのままぎゅっと抱きしめられ、顔を肩にうずめてくる。
俺もまた、彼女を強く抱きしめた。密着した彼女の体から、ぬくもりがひしひしと伝わってくる。

「小波君、好き、大好き……愛してる」

「冴花。俺も愛してる。冴花……」

二人で見つめあい、想いの言葉を交わす。そしてもう一度、口付けを交わした。
そして抱き合ったまま、俺は手を彼女の胸元に馳せた。愛撫を再開するために。

もうなすべきことは決まっている。
冴花は言った。俺の言葉には目に見えない思いが込められていて嬉しいのだ、と。
それが彼女に、想いを届けられているということなのならばこの上ない。

しかしその後こうも言った。もっと想いを届けてほしいと。心から通じ合っていたい、と。
ならば優しい言葉をかけてあげるだけでは足りない。今はそれを補って余りあるような、
この上ない快感、充足感を一緒に届けてあげたい。俺はそう結論付けたのだ。

「続けるよ、冴花」

そう言うと同時に、彼女の左胸の乳首を捉えた。

「ふぁあんっ!はあぁ!……あっ、ああっ!」

彼女からはこの上ない反応が返ってくる。乳房を愛でるように、さらに手を動かす。
そして片方の右の乳房にしゃぶりついた。
奇しくもその右胸は、かつて痴漢の男にもしゃぶりつかれた方だ。

「んはぁ!だ、めっ!食べないで……」

本当に食べたりなんか、しないよ。心の中で返事をしながら、口内に収まった乳首に舌を這わせる。
こちこちに隆起した乳首をほぐしてあげるように、ちろちろとこねくり回す。
舌を通して甘い味がする。しっとりと彼女の全身に浮かびだした、彼女の汗だ。
いや、それは汗ではなく男を奮わす女性の甘い香りだ。

「やあっ、んん!ぁ!くぅ!っ!……!っあ!あはぁ!」
616名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:06:48.00 ID:wJ7DZ4YO

彼女の感度も上がってきたのか、心なしか、今までよりも一層嬌声を強めた。
すでにかなり敏感になっているようで、それはいつも以上に早い。こんなにも感じてくれているとは。
あんなことがあったから、逆にそれで今、こんなにも感じてくれているのだろうか。

「んふああぁ!く、だ、だめぇ!小波くぅん!」

「気持ちいいのかい、冴花?」

(……この時二人は知る由もないが、冴花の感度がここへ来て強く高まったのにはわけがある。
女性の性感は脳内の性ホルモンと深く関連していて、怖い思いをしたりドキドキすると高まる傾向がある。
……さらに強姦などの強い恐怖感があると排卵を誘発しやすくなる。
つまり、その時は極めて感度も先鋭化するのだ。

例として、かつてとある国で大停電があり、一晩中どの家も真っ暗だったことがあった。
その出来事の十ヵ月後。その国では出産ラッシュが起きた。
それは停電が起きた夜に暗闇の恐怖の中で孕んだ女性達が出産したからだった。

彼女は電車内で痴漢に遭い、強姦に近い真似をされた。
そのとき感じた恐怖感、そして小波との仲が引き裂かれるかも知れないという苦悩が、
今ようやくなくなったことで、あとに残された先鋭化された感度が徐々に露わになり始めたのだ。

最愛の男性を前にして、今こそ冴花の豊潤な体は、最高の状態を迎えようとしていた。
強姦された時には決して感じられなかった、蕩けるようで、とてつもなく甘美な、愛し合う性の味。
愛する人に与えられるそれを、彼女は待ち焦がれずにはいられなかった!)

「ふぁああ!あん!っあぁ!くうっ!」

胸の愛撫だけで、ここまでよがる冴花。彼女の快感は間違いなく頂点へと登りつつある。
時間をかけ過ぎるのもよくない、一気に畳み掛けよう。すかさず俺は空いた両手を、彼女のショーツに持って行く。

ショーツの上から、冴花の秘めたる局部に微かに触れる。案の定。すでにそこはしっとりと潤いを含んでいた。
これまでの懇切な愛撫と言葉の賜物が、滾々と湧き出る愛液となってあらわれている。
俺はそれに感動すら覚えた。改めて実感したのだ。愛する女性と抱き合い、
愛を確かめ合うということの大切さ、その神秘性を。

「やぁっ!んあんっ!そ、そこはっ!」

くちゅっ。

「んふぁぁーーっっ!」

指先でショーツの上から、秘所をなぞった。それだけで冴花の身体がびくんと大きく跳ねる。
さらに俺は、指全体でショーツを擦り上げた。指が往復するたびに、湿り気が大きくなっていく。
滾々と冴花の秘所から、愛液がとめどなく溢れ出てくるのがわかる。
617名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:08:25.59 ID:wJ7DZ4YO

「っ!んふぅ、ぁ、っんぁ!」

きっと冴花にも我慢が出来ないのだろう。嬌声があがるたび、指先にしっとりと熱を持った愛液が絡み付く。
湧き出る愛蜜はもはやとどまるところを知らない。

「んぁん!やああんぁっ!っ、だ、だめ!おかしくなっちゃう、わたし……!」

薄紫の髪を振り乱しながら、冴花がベッドの上で艶めかしくよがる。
抗議を口にしながらも、その表情には恍惚が満ち満ちている。
この俺の手によって、彼女がここまで快楽に酔いしれ、その身を俺に預けてくれている。
その事実に俺自身も何ともいえない優越感を感じる。

「冴花、気持ちよくなって。冴花……!」

ここぞとばかり、俺はとうとう最後の砦を取り除いた。冴花の濡れきったショーツをずりおろす。
もはや彼女の肢体を包み隠すものはなにもなく、一糸纏わぬ流麗な肢体を、俺は網膜に焼き付ける。
そして最後に、冴花には悪いと思いながらも彼女の露わになった最も大切な場所へ視線を向ける。
彼女の女性器。色香の漂う淫靡な花弁。綺麗な薄紅色に彩られたそこは、しっぽりと透明の愛液で濡れそぼり、
彼女の官能を十二分に体現している。
その蜜壺の入り口に、ゆっくりと指を馳せる。最初にまず中指を一本、出来るだけゆっくりと挿入させる。

「……っ!」

冴花はそれを察したのか、頬を可愛らしく赤に染めて、目をキュッと瞑り、これから来るものに堪えようとしている。
やはり羞恥心がこたえるのだろうか。俺の前でも、あられもない姿を見せるのは恥ずかしいのかもしれない。
無理な真似は今の冴花にしたくないとは思ったが、ここまできたら俺も引き下がりたくなかった。それほどまでに俺の理性のタガも外れかけていた。

くちゅ、と挿入した指を暖かな液体の感触が包み込む。冴花の膣内はとてつもない熱を帯びている。
指をとろけさせてしまいそうなくらいに。
後で自らの逸物が、この愛の湿潤に包み込まれるのだと想像するだけで、興奮が収まらない。

挿入した中指で、彼女の膣壁をなぞる。そのたびに卑猥な音が寝室に響き、いかに中が湿っているかがうかがえる。
618名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:09:40.16 ID:wJ7DZ4YO

くちゃっ。

「ふぁぁあ!」

ぴちゃん。

「んんんぁっ!?」

冴花の喘ぎが、次第にボリュームを高めてくる。確実に彼女は、高みへと上り詰めている。

――もう少し、もう少しだ。冴花。俺が一緒にいる。だから今は、何も我慢なんてしなくていい。
ただ、気持ち良くなってほしい。俺だけに見せて欲しい。綺麗な姿を。
想いを一杯に込めて、俺もまた愛撫の手を奔らせる。
膣内を指で掻き回し、ありとあらゆる性感帯を縦横無尽に駆け巡る。
指も自分の気付かない間に二本、三本と増やし、彼女の大切な女性を飽くことなく愛でる。

ここまでくればもう一つだけ。彼女に絶頂を与えたい。俺の腕の中で、果てさせてあげたい。
それが想いを届けるための第一歩になるから……。

「だめ!私っ、私……小波、君!わたし、イク……!」

「冴花!いいよ、気持ち良くなって……!」

冴花の体はもう止まりそうにない。かつてないくらいに興奮も、感度も高まり、喘ぎ、のたうち、
俺の愛撫を一身にその体に受け、官能を受け入れてくれる。
それがとてもうれしくて、俺ももう止まらない。感極まりそうになる。

――俺は、君が欲しかった。一緒に時を過ごし、喜びも苦しみも分かち、心を通わせたい。
――だからこそ、今は、ただ――冴花っ!!

俺は理性を振り絞って、残りの指先に想いを込めて走らせた。
膣内の彼女の最大の性感帯、Gスポットに狙いを定め、
同時に、空いた指で外側に剥き出しとなったクリトリスを、まったく同時に、攻めあげた――。

「んあっ、ゃあああんっ!?」

その瞬間、布団に横たわる冴花の肢体が、一際大きく跳ねて、弓なりにのけぞった。
振り乱れる髪、揺れる双乳、しなやかな丸い半円を描く、安産型の体。
無垢な心、愛しい男性への一途な想い。
その全てが、その瞬間に弾けて、昇華した。

「んああっ、んはあああああぁぁあぁぁぁあぁっっっっ!!!!」

Gスポットとクリトリスへの同時愛撫。最愛の男性にもたらされた桁外れの快感により、冴花はとうとう絶頂を迎えたのだ。それは、彼女が今まで経験したことのない、長く、そして深い、途方もなく官能的なエクスタシーだった。
彼女が一生忘れられないと思っていた、痴漢達にもたらされた絶頂。忌むべき烙印。そんなものは目の前の圧倒的な官能の前にすっかりと霞み、彼女の頭の中からこの瞬間、消え去っていった。
619名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:13:25.16 ID:wJ7DZ4YO

…………



頭の中は、真っ白だった。
何も考えられない。思考停止。今まで私は何をしていたのか、これからどうなるのか。そんな不安も、思案も、吹き飛んでしまった。
何も身動きは取れない。機能停止。今自分はどんな状態なのか、御しがたいとてつもない力を受けたかのように、体は動かない。

そんな中、ただひとつわかるもの。
ぬくもり。
それは生まれたままの姿の私を、そして冷たく沈んだ心をほのかに温めてくれる、確かなぬくもりだった。
何も考えられなくても、何も身動きが取れなくても、そのぬくもりが私の心を不思議と穏やかにしてくれる。心地の良いぬくもり。
まるで私のことを、守ってくれているみたい。

「……冴花、冴花……」

声が聞こえる。私の一番好きな人の、声だ。
胸の奥が弾み、ぬくもりが私の体に息吹を吹き込む。

「……大丈夫か、冴花……」

もう一度、声がする。夢見心地で、どこからともなく、頭の中に響き渡るような声。
私のことを、気遣ってくれているのだろうか。その言葉に何とも言えない充足感が満ち満ちて、目に自然と潤いが生まれる。

心に空いてしまった、大きな穴。そこに、大きくて力強い、それでいて温和で優しいなにかが、入り込んでくる。
拒む理由などなかった。嬉しい。とっても嬉しい。目から熱いものが零れ落ち、そっと私に寄り添ってくれた、ぬくもりを抱きしめる。

「冴花」

「小波くん……」

意識が完全に蘇ってくる。私の目の前に小波君がいる。心配そうな表情を浮かべている。

(そうだ。私はこの人のもとに。いつもこの人のもとへ返ることを、夢見て……)

絶頂の余韻で、まだ頭がボーッと霞む。痺れたように身体はうまく動かない。だけどそんな中でもはっきりとわかるものがある。
私は、この人にイカされちゃったんだ。深い愛情、温かな愛撫。それを命一杯に受けて、絶頂を与えられたんだ。
私は勘違いしていた。痴漢の男たちに与えられた絶頂は、小波君が与えてくれるそれと同じなんかじゃない。だって、私は。

今の私は……小波君の絶頂で……こんなに。こんなにも、幸せな気持ちになっていられるのだから……。
620名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:15:28.21 ID:wJ7DZ4YO

「冴花……いいかい」

最後の確認を、私に確かめる小波君。そんなこと、わざわざ確認することもないのに、と思いながらも、私は自然と笑みがこぼれてしまう。
もう、私の体はたったひとつのことを望んで切なくよがっていた。小波君と一つになる。それが私の、望みだった。

「うん……来て。私の、中に……」

迷うことも、恥ずかしがることもない。私の素直な思いを、口にした。
それが合図になった。
小波君も下着を脱ぎ捨て、生まれたままの姿になる。そして私の脚をそっと左右に広げ、そこに彼の大きな分身をゆっくりとあてがう。

(来るっ……小波君が、来てくれる……)

「いくよ」

本当に、最後の確認。優しい瞳で見下ろしてくる小波君。野球で引き締められ、屈強な筋を湛えた彼の肢体を前に、私は体がじゅんと疼くのを感じた。
彼が私の最も大切な部分に入ってくる。遥か待ち望んだその時が、とうとう訪れる。

ぬぷっ、ぬぷっ。

卑猥な水音を立てて、すっかり巨きくなった彼が膣内へと押し入った。

「んっはあぁ!あっ、きゃあん!」

一度とぎれた官能が、凄まじい膣内での熱を帯びた摩擦で呼び起こされる。そしてそのまま、私の体が意識外で大きく跳ね上がる。
とても熱い、彼の心を具現化したような塊が、私の奥底にやってくる。

「冴花っ、動くよ」

「き、てっ。小波君っ!」

整えられた正常位。彼が私の大きいお尻を両手で抱えながら、奥深くまで挿入された、小波君の……分身。
準備万端。これで、最後になる。見上げた小波君は、意を決したように頷くと、ゆっくりと動き出した。

くちゅ。ぬちゅっ――。

「あっ、んあ、ああっ」

小波君の初動は、優しく、こちらのペースに合わせてくれるような、膣内の運動だった。いきなり激しくしてくるようなものではなかった。
ゆっくりと、少しずつ。徐々に全身に染み渡っていくような、官能。声を抑えようとすれば、抑えられるかもしれない。
そんな、いつもの彼とは違うゆったりとした、運動だった。

「はぁ、んッ、んっ、ぁあ……ぁ、ふぅ、あぁ……ん」

しかし今の私にはそれが心地よく体へと染み渡っていく。緩慢でソフトな膣内の摩擦、それに伴い、体を鳴動させるような狂おしい官能。
普段の彼の体力に任せた運動にはない、しかし確実に、体の底から拡がっていくような、濃厚な快感。それが私の体にこみ上げて来るのがわかる。

「冴花。好きだよ、……大好きだ」

小波君が、ゆっくりと動きながら私に話しかける。顔がかっと赤くなる、愛しい言葉。まるで言葉の媚薬だ。
その言葉に私の鋭敏さがより一層選り抜かれた気がして、あられもない声があがってしまう。

「んんっ、私も、す、好き。はぁん、だ、大好き……小波君!」

声も途切れ途切れに、私も心いっぱいに返答を返す。その言葉が届いたのか、小波君が小さく微笑み、私もとても嬉しくなった。
621名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:17:41.80 ID:wJ7DZ4YO

離れてしまいそうになった心。引き裂かれてしまいそうになった想い。
それを彼の優しい心がしっかりと引きとめ、繋ぎ止めてくれた。
そして間もなく。再びそれはひとつになる。
心と、そして体も。最愛の人と、ひとつになる。

体の奥底からだんだんと込みあがってくる、とろけるような熱く甘い感覚を味わいながら、私は改めて実感した。愛し合うことの大切さ。想い合う強さを。

高校での小波君との初めての出会いから、今まで。どんな時も胸中に抱き続けたかけがえのない恋心。
それこそが、Reciprocal Affection(相思相愛)――。
もう、私は間違ったりしない。いつでも私には、そばに居てくれる人がいるのだから――。

「小波君、あぁ、小波、くんっ……」

心も体も溶かすような、広く深いゆったりとした官能に、私の体は再び熱い絶頂へと上り詰めようとしている。その時わたしははっきりとそれを再び意識した。
このまま心も体も、一緒につながりあってしまいたい。性の本能が首をもたげ、そう叫んでいる。

「ひとつに……なりたい。私たち、一緒に」

無意識に私は呟いていた。女の性が私にそうさせたのかもしれなかった。しかし今だけは、その思いのままに受け入れたい。
だってその言葉は、最愛の男性に宛てた告白に、紛れもないからだ。

「ねぇ、出して……あっ、んんっ、今日、だけは、膣内に出して……」

夢うつつな意識の中、繋がり合ってからどれくらいの時間が経ったのかはわからない。
だけど広く深く私の体に蓄積された官能は、間もなく溢れ出して、私を洗い流してしまいそうだった。
そんな差し迫った心中で、私は小波君にそう懇願した。

今までいつも、彼との性交において避妊は欠かさなかった。二人の今の生活のこともあり、まだ子供を儲けるのは早いというお互いの総意の上でそうしていた。
だけど今この時だけは、そうして欲しかった。彼の想いを体現した熱い息吹を、注ぎ入れて欲しい。そう本能が告げたのだ。

「冴花……わかったよ、冴花」

「んっ、嬉しい……小波君」

「うん?」

「あんっ……はぁ、ん、ずっとずっと、私のこと好きでいてね……約束よ」

「もちろんだよ。冴花」

心のなかに熱い雫が零れ落ちる。それが心の中を清らかに染み渡っていく。
それが私の心の中の、最後のわだかまりを完全に溶かし去った。

それからさらに長い長い時間をかけて、小波君はゆっくりと私を高みへと導いていった。
622名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:18:32.03 ID:wJ7DZ4YO

「んっ、あああ、んはっ、っつ、い、イくぅ……」

「冴花、っ、俺ももう」

「小波君、んあっ、くぅ、一緒に、小波君、っ」

「ああ、冴花、冴花ぁっ!」

「小波くんぅ、あっ!っあああ、あああぁぁぁあぁああぁあああああぁぁぁぁあぁああああっ!!」

「冴花ぁぁああああっ!!」

こらえきることが出来なくなった、その瞬間。私の頭の中が再び白一色に塗りつぶされた。
そして肥大化したとてつもない熱が全身に広がり、快楽という快楽が全て爆ぜて、私の五感を染め上げていった。

それは先程のそれをさらに上回る、かつてない最大級の快感だった。
未知の絶頂に私の体は打ち震え、脳内に凄まじい電気信号が走り、麻痺してしまうような膨大な量の快感が駆け巡っていく。

びゅるっ、びゅっ、びゅっ――。

下腹部。膣の最奥の子宮が燃え上がり小波君の熱い性を受け入れる。最愛の人の精液が、私の最も大切な中心部にたくさん注ぎ込まれてくる。
圧倒的な性の充足感が満ち満ちていき、うっとりとするような、えもいわれぬ愛しい思いがこみ上げてくる。

「冴花っ。冴花……」

息も絶え絶えになりながらも、小波君がそっと私に覆いかぶさり、両手で抱き起こしてくれた。
そしてどちらからともなく、ゆっくりと唇を重ねた。

――その時、絶頂の余韻で真っ白な中。
私は確かに小波君を見つけた。
肌が重なり合い、想いが通じ合った。
心と体が一つとなって、確かな形となり私の全てをつつみこんでいったのだ。

(こんなにも。こんなにも、気持ちよくなれるなんて……)

朦朧とした意識の中で、私ははっきりと実感した。
この時、小波君と本当の意味で、通じ合うことができたのだと……。
623名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:19:24.57 ID:wJ7DZ4YO

…………



「んんっ……」

不意に私は目が覚めた。
寝起きで思考が停止し、一時的に頭が朦朧とする。
が、それもほんの一瞬だった。ぼやける視界に映る彼の姿を目にして、そして自分の今の姿を認識して、すぐさま意識が覚醒してきたからだ。

私はベッドに横たわっていた。その私のすぐ横には、覆いかぶされた布団に一緒に収まった、小波君の穏やかな寝顔があった。二人とも、一糸纏わぬ生まれたままの姿だった。

ベッドの横のカーテンの隙間からは朝日がもれている。時計に目をやると、間もなくいつもの起床時間を
迎えようとしていた。
あれから、寝てしまったのだ。それも裸のままで。私も、そして彼も疲れていたのだから無理もない、と思う。それでも寒く感じなかったのは、今までずっと、お互い寄り添い合うように、体と体を密着させて眠りについたからだろう。

(小波君……)

私の真横には、まだ眠りの中にいる小波君がいる。すうすうと静かに寝息をたてる表情は、なんだかとても愛くるしいものがある。それを見ているだけでも、とても愛おしい思いがこみ上げて来る。それとともに、昨夜のことが徐々に頭の中に蘇ってきた。

かつてない情熱的な一夜だったと、今になってみれば思う。
だけどそれは紛れもない、確かな輪郭をもった、かけがえのない大切な時間だったと思う。
打ちひしがれた自らの心。それを癒してくれた彼の優しい言葉、そして愛撫――。
それを思い出すだけで、再び目が潤み、体の奥がじゅんと疼くのを感じてしまう。
余韻が残っているのか、体は今でもわずかに熱を含み、切ない想いを抱かせる。
そして心がそれだけでいっぱいいっぱいに膨らみ、羞恥を伴う嬉しさがこみあげてくるのだ。

私はそっと彼の寝顔に近づくと、頬に小さくキスをした。
そうしたかった。そうしてあげたかった。私をこうも幸せな思いにさせてくれる、最愛の男性に。
624名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:20:16.99 ID:wJ7DZ4YO

「むにゃ、んん」

それに目を覚ましたのか、小波君が目を僅かにしばたたいた。
眠りを妨げてしまったことを少し後悔しつつも、私は彼の顔に目を馳せた。

「ん……冴花……」

「おはよう、小波君」

寝起き目を擦りながら、小波君が目覚める。まだ夢うつつな彼の様子が可笑しくて、いたずらとばかり、私はまた彼に唇を軽く添えた。今度は、頬ではなくて彼の唇に。

「わ」

「ふふ……」

寝耳に水。私の不意打ちに一驚したのか、小波君は小さく声をあげた。寝ぼけも相まってのうぶな反応に、私は自然と笑みをこぼした。
そんな彼でも、昨夜はあんなに私のことを……。

「お、おはよう冴花」

「ふふ、ごめんね、驚かせて」

気恥ずかしげな面持ちの小波君。寝起きだから、そうなるのも無理はない。今までも何度かこうやって寝起きの彼を茶化したことがあるのだから。
だけど、彼は私に向き直ったかと思うと、次の瞬間にはそのきまり悪い表情を消し、真剣な表情を浮かべていた。その精悍な目に、思わずドキリとしてしまう。彼も意識が覚めて、思い出したのだろう。昨夜までのことを。

「冴花、その……大丈夫かい」

低く、少し重たい口調で彼が尋ねてくる。私のことを、とりわけ心を気遣っての言葉だ。
どこまでも優しい彼の気配りに、私はまた嬉しくなった。だから私は気持ち一杯の笑顔を作り、答えた。

「うん。私、受け取ったから。あなたの想いを、たくさん」

「冴花……俺も、君の気持ちをもらったよ。たくさん」

言葉でなくとも伝わるもの。相思相愛だからこそつながる心。
彼も私ももう大丈夫。これからどんなことがあっても、きっと大丈夫。
確かに感じたその手ごたえ。私はずっと忘れない。彼と繋がり合うことの幸せを……。

「ありがとう、小波君。愛してる……」

「どういたしまして、冴花。俺も愛してるよ」

小さな声で、そっと彼の耳元にささやいた。小波君は目を細めて明朗な表情を浮かべていた。
そのまま彼がそっと私を抱き締め、そのまま肌と肌を重ねあう。

「んっ、あん……」

繋がった心と体。それを確かめるように、小波君は求めてくる。それは私も同じだった。
再び脳が甘い官能に痺れ、真っ白に塗り潰されていった。
625名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:21:20.86 ID:wJ7DZ4YO

…………



『放送席、放送席。今日のヒーローはもちろんこの人。初のスタメン出場で四打数三安打三打点。期待のスーパールーキー、小波選手です!』

居間のテレビ映像には、夜のスポーツニュースが、数時間前のナイター戦のヒーローインタビューを映し出している。それを傍目に、私はせっせとキッチンで料理に精を出す。
あと数十分もすれば、彼が帰ってくる。それにあわせて、夕食を振舞ってあげなくてはならない。そう思うと料理の手捌きも自然と研ぎ澄まされる。

『本日の八回裏の決勝打。みごとな一打でした!』

『どうも、ありがとうございます。あれを打てたのは……サポートのお陰です』

テレビの中からの愛しい人の声。それを聞いた私は思わず顔が熱くなるのを感じた。
この日の試合。彼が初めて野手としてスタメン出場を果たした。相手の先発投手は運良く、私がかつて偵察した投手だった。彼は私の与えた事前情報を的確に掴んで、その弱点を突くことに成功したのだった。
それが私自身のことのように、嬉しかった――。

(きっと今日も、上機嫌で帰ってくるだろうな。料理、もう一品増やしてあげようかな)

そんな事を考えて頬を緩ませながら、私は料理の手を休めることなく奔らせた。

あれから数週間。彼はシーズン後半の追い上げをかけるチームの原動力にまで急成長していた。私がかき集めた様々な投手のデータがいよいよ活きはじめたのだ。

そして。
私を痴漢した連中も、捕まった。あのあと、あんな思いは他の女性に味あわせたくないという私の思いと、彼に促されたこともあり、警察に届け出たのだ。
痴漢たちは、その手の常習犯だったらしい。今までの同様の手口で何件も同様の罪を犯していたようだが、被害に遭った女性達はその内容ゆえに、被害相談ができなかったようだった。
小波君はそいつらに複雑な思いを抱いているかもしれないが、ともかく、犯人が捕まったことには安堵しているようだった。

今回の件は無論、私にとっては辛く苦しい経験になった。だけどそんな中で私と小波君が確かめ合えた想い。それは紛れもなく、これからの私たちの歩みを支える、大切なものであることは確かだった。
626名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:22:58.98 ID:wJ7DZ4YO
「ただいまぁ、帰ったよ冴花!」

「お帰りなさい、お風呂沸いてるわよ」

愛情とは、欲望に付加されるものなんかでは決してない。
繋がり合う心があり、それが愛になる。だからこそ互いを求めようとするのだ。

「いや、今日は……」

「ん?珍しいわね、ご飯が先?」

「いや、その……それでもなくて」

「えっ!?そ、それって……」

私達は、きっとそれを忘れない。

「実は俺、一回これやってみたかったんだ」

「え、えええっ!?ちょ、ちょっとぉ?」

「冴花、好きだっ、大好きだ!」

「も、もう……バカッ!」

だって、私達は……相思相愛なんだもの。



「Reciprocal Affection」完
627名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 23:26:35.04 ID:wJ7DZ4YO
以上です。長文・稚文失礼しました。
もともとは全編通して陵辱一色にするつもりでしたが、
良心が邪魔して気付けばこうなってしまいました…。

それではこの辺で失礼します。
628名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 00:07:01.75 ID:QcRqJbRY

変に陵辱にするより現実味があっていいよ
629名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 00:16:12.36 ID:qC5H5nYU
乙!

>>597
陵辱される側が余るとシュールになるな
ハムちゃんの触手に期待か
630名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 00:21:05.57 ID:9khz/b+m
>>627
GJ!
631名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 01:36:17.20 ID:P+EzqBKF
>>627
GJです!
続き楽しみにしてました!
632名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 01:42:36.93 ID:1IuxdtKk
上の方でこのスレが過疎ってるって書いてあるけど
これでもエロパロ板の中では勢い上位なんだね
633名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 01:57:03.09 ID:O5LVt3pg
>>627
超乙! これは力作すなぁ。

>>632
エロパロ板の一日の総書き込み数は、最近だと900前後がせいぜい。
板のスレ数は700を超えてる。これで二桁の勢いって相当なもんだよ。
634名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 21:24:13.29 ID:9khz/b+m
>>627
長編GJ!
635名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 23:59:51.94 ID:vChB/Qo8
長編お疲れ様です
さえかわいい
636マゼンタ=シアンと勘違いしていた人:2012/01/24(火) 00:07:21.95 ID:8KZVuktt
何でハムちゃんは記憶がもどるんだろうね
637名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 03:36:11.64 ID:qzOGcwgb
武美は常時ノーブラだよな?
あんなおっきいおっぱいがあったら、ブラをしてると苦しくて仕方ないだろうし
638名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 16:57:02.26 ID:DrJBHY6W
>>637
一応言っておくけどしなきゃしないで辛いよ
639名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 16:59:38.60 ID:gie6tqOU
お前ブラを拘束着かなんかと勘違いしてねーか
640名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 18:08:26.96 ID:3MJmheSn
察してやれ、童貞だ……
641名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 18:09:38.88 ID:EphpUvwP
ブラなしは擦れて痛い事もあるって聞いたけど
でも、着物ならノーブラでありたいね
642名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 21:28:14.83 ID:ouzXBchz
寧ろひんぬーのがブラなし楽よ
643名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 23:43:17.82 ID:ge9Giy8n
つまりナオっちはヌーブラだということか
644名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:54:32.47 ID:rFefffRt
エロ無しネタ書きあがったんだが構わんか?
645名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:58:42.80 ID:PrYEMDMp
>>644
>>1ー2にも書いてるけど投下しても何の問題もないよ
646名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:02:40.92 ID:rFefffRt
いや、前に投下したときに荒れたんで念の為。
ある女の不幸と同じ世界観の作品で、タイトルは『あるヒーロー達の御節風景』です。
647名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:04:04.71 ID:rFefffRt
 日本という国において、東と西では食文化の差が大きい、というのは有名な話ですね。
ウドンの汁の濃淡や、鰻の捌き方、肉じゃがに使う肉の違い……簡単に上げただけでも、
これだけの違いがあります。
 正月の代名詞、おせち料理にいたっては地方単位で細かな差があったりします。最近で
は洋風の御節などもあるようですが……どこの家庭にも、その家を代表する『我が家のお
せち』というべきものがあるそうで。
 些細な事ですが、人間関係のいざこざの原因になったりもするので侮れませんね。特に
おせち料理は嫁姑の諍いになりやすいそうです。食生活は、その人物の個性を彩る重要な
パーツの一つと言い換えてもいいでしょう。

 ジャッジメントとの戦いを生き抜き、カタストロフを解決に導いたヒーロー達も、例外
ではありません。
 何せ、大半が伴侶持ちの上、個性的な人生を歩んできたのだから、その食習慣は千差万
別。ささいな衝突も起ころうと言うものです。
 本日は、そんな男女の些細な諍いの様子を……

「私、ブラックが司会でお送りしようと思います……」
「何してんの真央ちゃん……」







 自主トレを終え、シャワーで汗を流して自室へ帰ってきてみれば、長いモノローグを満
面の笑みで語る伴侶の姿。余りに突拍子もない状況に、文月文七は冷や汗流しつつ突込み
を入れた。言いたい事は山ほどあったが、とりあえず真っ先に聞くべきは、この部屋の有
様だろう。

「これ、俺が出かけてる間にやったの?」
「うん……お義父さんとお義母さんも手伝ってくれた……今は買い物中」
「ああ、さっき家の前であったよ」

 こたつとテレビしかなかった筈の居室が、プロジェクターと巨大スクリーンが設置され
シアタールームへと早変わり。物が少ないとはいえ、驚きのビフォーアフターである。
 唯一部屋の面影を残したこたつに潜り込み、一息つく。こうやって日本の風物詩に触れ
ていると、自分が日本にいるのだとしみじみ実感する。

 文月文七は、MLBで活躍しているプロ野球選手である。彼の立場を簡単にしてしまう
と、たったこれだけの文章で終わってしまう。
 が、ここに賛辞賞賛の言葉を付け加えると、その質量は倍以上に膨れ上がる事になる。
 MLB最多勝投手受賞ピッチャー。サムライピッチャー。守護神(Guardian)。三振製造
機。ミスター103マイル……様々な大記録打ち立て、多くのファンを魅了し続ける超一流の
野球選手なのだ。
 それだけに年俸はどえらい額に達しており、高級マンションの一室を買い取って生活し
ているのだが……これが又見事なアメリカ式の部屋であり、日本らしさなど欠片もないの
である。
648名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:05:06.32 ID:rFefffRt
 それ故に、たまの帰省で味わえる日本らしさは、文七にとってはどんな自然にも勝る癒
し要素だった。それが、最愛の妻と一緒ともなれば倍率ドンだ。

「……それで真央ちゃん。このスクリーンは何事?」
「……文七、御節おいしそうに食べてたから……」
「ああ。あれは――アメリカにも、日本料理を出してくれる所はあるけどさ、大半はなん
ちゃって日本料理だし、本物があっても家庭の味とはいえないしね」
「うん。それはわかってる」

 返事をする真央の顔にはにこり、と自然な笑顔が浮かんでいて。
 笑った事すら誤魔化そうとした昔の真央からは考えられないような反応だ。その良質な
変化を、文七は歓迎していた。

「だから――私の仲間のおせち料理を、こっそり録画したものがあるから、一緒に見る」
「盗撮は辞めなさいって」

 ただ、いつの間にか身についたこのデバガメ趣味だけは頂けなかったが。
 どうせ御節だけに留まらず、色々とあれな光景も録画しているのだろう。ヒーローとし
て活躍していた時代も、仲間たちのあれやこれやを覗いては楽しんでいたのだという。
 真央のその手の行状は、かなり細かい所まで文七の耳に届いていた……主に、被害にあ
った連中からの苦情という形で。

「勘弁してくれよ……レッド達から文句言われるの、俺なんだよ?」
「……大丈夫。ピンクやレッドのお正月もしっかり録画してるから」
「そのどの辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたい」
「それじゃあ、再生開始……」
「スルーですかそうですか」

 あいも変わらずマイペースな妻の姿に、文七は嘆息する。事が露見したら、又『アンタ
ブラックにどういう教育してんのよ!?』とか『お前はブラックに甘すぎるんだよ!』と
か言われるのだろう。まぁ、桃色のヘタレに関しては聞き流しているが。
 真央は炬燵から抜け出して電気を消し、プロジェクターのスイッチを入れて炬燵にもぐ
りこむ。ただし――

「…………」
「ま、真央ちゃん??」

 元々自分が入っていた面ではなく、文七の膝の上へと、体をねじ込むようにしてだ。小
柄な体を膝の上にすっぽりと収めて、のけぞるようにして文七を見上げるその表情は、相
変わらずのポーカーフェイスだったが……文七は、そこに若干の不機嫌を見て取った。

「『一緒に』見る……」

 どうも、最初からこうしなかった事――真央と一緒の面に入らなかった事に対して拗ね
ているらしい。
 ヒーローとしての彼女を知るものなら目を見開くような行動だが、文七にとっては見慣
れたものであった。結婚して以来、文七にしたいしてこういう子供っぽい甘え方をする事
が多いのだ。

「……そうだね。そうしよう」

 膝の上の妻を抱きしめて、スクリーンへと視線を移す。
 矢張り、自分はレッドの言う通り、彼女に甘いのだろう。彼女の愛らしさに負けて、盗
撮と言う行為を『後で自分が怒られればいいや』で済ませてしまう辺りが。
 正直な話、文七にとって盗撮画像など大した価値はない。二人で一緒に過ごす事ができ
る、たったそれだけで、文七と真央は満たされる事が出来る。

「じゃあ、まずはレッドのお正月から……」
649名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:05:28.97 ID:rFefffRt
 @赤いアイツのお正月

 スクリーンに映し出されたのは、広いリビングの一室だった。画面の端に見える窓の外
の風景から察するに、何処かの高層マンションの一室だろうか?
 中央には大きな炬燵がででんと置かれ、その上には豪華絢爛な御節が並ぶ。付き合いで
そういう食事を取ることの多い文七にはわかる。キャビア、トリュフ、フォアグラと言っ
た世界三大珍味が惜しげもなく使われ、伊勢海老松葉蟹金箔……なんというか、豪華すぎ
て引くレベルだった。多分、どこぞの高級料亭から取り寄せたものだろう。
 お金があろうと根が庶民感覚の文七には着いていけない世界である。
 そして、それを前にした人間はと言えば――

『…………』
『……どうしたの? 長月くん……』

 豪華な御節を前にして凍りつく男と、小首をかしげる女性が一人。男の方には見覚えが
ある。あのボロボロの服装は忘れもしない、レッドの人間形態だ。確か、名前は長月九郎
といったか。
 女性のほうにも見覚えが有った。直接の面識はなく、TVのニュースで何度か見た、と
いう程度に認識だが……確かNOZAKIグループの代表の、野崎維織だ。

(レッドの奴、凄い玉の輿に乗ってるなぁ……)

 彼がそういうことを気にする人間ではないと知っていても、そう思わずにはいられない。
NOZAKIといえば、ジャッジメントがなくなった後の社会では、雪白グループと肩を
並べる大企業である。
 そこの社長と一緒に暮らすとは、随分とリッチに――

『い、いやね。この御節の代金を考えたら』
『……?』
『これだけあったら10年は戦っていけると思ってさ』

 なっていなかった。
 確かに豪勢な御節だが、その代金で10年を戦い抜くのは無理だろう。今のレッドの収入
がどれほどかを文七は思い出そうとして――

「あれ? レッドって確か定職についてなかったような……?」
「うん……一応、野崎維織のボディーガードみたいな事はしてるみたいだけど……お給料
は貰ってない。だから、彼はいわゆる……ヒモ」
「うわー。無職ヒモのヒーローかよ。実態知ったら子供泣くぞ」
650名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:05:48.46 ID:rFefffRt
『……食べないの?』
『た、食べるけどさ……いまだかつてない豪華な食事に、緊張してしまって……』
『……食べさせてあげようか?』
『自分で食べるからいいよ』
『残念……』

 無表情に、全然残念そうじゃない口調で呟く女性。対するレッドは、恐る恐るといわん
ばかりに箸を伸ばす。緊張の余り、頬に汗まで浮かんでいた。
 まず摘んだのはフォアグラのソテー。震える箸で口に運んでから一言。

『う、旨い……! これ一口に、一ヶ月の生活費が……!』
「本当にアイツはどんな生活をしていたんだ……?」

 かつてのライバルの惨憺たる有様に、文七の頬を汗が一筋流れて落ちる。高校時代のカ
ッコいいアイツは何処に行ったのやら……
 そんな文七の嘆きなど露知らず、画面の中のレッドは緊張したお面持ちで御節を食べ続
け……代わり映えのしない映像が変化したのは、レッドの口が租借ではなく会話の為に動
いた時である。

『…………』
『維織さんは食べないの?』

 レッドの言葉を聴いて、文七もようやく気がついた――レッドの向かい側にいる維織は、
箸さえ手にせず丸くなったままである。
 問われた側の維織は、眠そうな目をレッドに向けて、短く返した。

『食べさせて』
『…………』
『長月くんが食べさせて。まずは伊達巻……』
『……畏まりました。お姫様』

 苦笑と共に、レッドは炬燵を抜け出して、維織の隣にもぐりこんだ。そして、伊達巻を
箸で取って、そのまま維織の口元に運ぶ。口元に運ばれた食物を、維織は眠そうなまま租
借し始め……シチュエーションだけを見るなら、男女がいちゃついているように見えない
こともないのだが。
 何故だかスクリーンからはそんな甘さなど欠片も感じなかった。
651名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:06:05.41 ID:rFefffRt
「……ねえ真央ちゃん……」
「何?」
「なんか、見た感じだと『二人でいちゃついてる』っていうより、『レッドが駄目な人の世
話をしている』ようにしか見えないんだけど……」
「……多分、その感想であってる……」
「…………」
「どうしたの?」
「いやぁ、どこかで見たことあると思ったんだけど……この維織って人、真央ちゃんに似
てるよね。言動と言うか、雰囲気が」
「……私はあそこまで面倒臭がりじゃない……」
「そうかな」

 頬を膨らませて拗ねる真央の頭部に、文七の顎が乗る。すっかり拗ねてしまった真央は、
リモコンを操作して映像を消してしまった。

「あれ? もういいの?」
「あの二人にこれ以上イチャイチャは期待できない……レッドは死んだ恋人を引きずって
いるし、野崎維織はそれを承知の上で養ってるから、押しが弱い……」
「……やっぱり、御節じゃなくてデバガメがメインなんだ……」
「違う……料亭の御節じゃあ、参考にならない……」
「ああ、確かに……」
「次は、カズ……」
「確か、茨木さんだっけ。あの色々と複雑な……」

 余りに複雑すぎて、ヒーロー業と文七を関わらせようとしない真央が、真顔で相談して
くるレベルである。

「最近恋人とヨリが戻ったから、多分凄い事になってる……」
652名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:06:21.87 ID:rFefffRt

 @ダークスピアのお正月

 画面に映し出されたのは、先ほどまでうつっていたのとは正反対の、狭い空間だった。
一人暮らしのアパートだろうか? 最低限の空間に最低限の家具が並んでいる光景は、文
七が球団寮にいた頃を思い出させる。
 ワンルームの中央に置かれた炬燵に、二人の人間が座っていた。今の真央、文七と同じ
ように、大柄な方が小柄なほうを抱えるように入っているのだ。

『とーしのはーじめーのためしとてー♪』
『……なぁ、カズ……』
『体勢の事なら却下や。逆にするとすーぐセクハラしよるし』

 ただし、文七達とは違い、男女の立場が逆転していたが。
 男も小柄というわけではなかったが、女の方がそれ以上に大柄な為、サイズ的な違和感
が全くない。この男女の場合、男が女を抱えていた方が無理が生じるだろう。
 女性の方は、真央のヒーロー時代の仲間で、名前を茨木和那という。以前に一度会った
ことがあり、その体の大きさに驚かされたものだ。
 一方の抱えられている男は――

「あれ? この男って……」
「神無月十蔵……カズのいい人……」
「ああ、やっぱり彼か」
「知り合い?」
「前回のWBCで一緒にプレイしたんだよ……そうか、彼がなあ」

 初対面は、代表合宿へ向うバスの中だった。あの時は、出会い頭にサインを求められて
かなり面食らったものだ。ピッチャーとしては疑うべくもない一流であり、本人はどう思
っているかわからないが、文七はメジャーでも通用するレベルだと評価していた。
 真央から聞いた話が確かなら、この二人も中々難儀な人生を送っている事になるが、画
面の中の二人はそんな苦難など欠片も感じさせない。
 それだけ、今が幸せと言う事だろう。

 さて、そんな彼らがつついている御節はというと……お雑煮に少々豪華な重箱。そこに
敷き詰められているのはオーソドックスな正月料理である。極々普通のおせち料理と言っ
ていいだろう。
 ――重箱の一段を丸まる占領している数の子の山を除けば、だが。
 好物なのか、十蔵の箸は数の子にばかり伸びて、ぼりぼりと快音を鳴らして租借してい
る。そんな彼を、カズはニコニコと笑いながら見下ろしているのである。

『……どないや十蔵。その数の子には自身があるんや』
『ん。旨いよカズ……こっちも薄味だけどわるくないな。数の子の味が生きてる』
『関西風や……まぁ、レシピ通り作っただけやし、ウチの家の味とは胸張っていえんけど』
『これからは、これが俺達の家の味になるんだよ』
653名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:06:48.69 ID:rFefffRt
「……痛風の人には食べさせられない御節だなぁ」
「…………」

 気がつけば、膝の上の妻は物凄くいい笑顔で画面を見ていた。

「あれ、真央ちゃんどうしたの?」
「……気付かない? あの子の名前は、茨木和那。通称カズ」
「いや、それ位は知って――あ゛」

 言われて始めて気がついた。あの数の子の山に秘められた一種の言葉遊びに。

 数の子→かずのこ→ カ ズ の 子 。

「えっと、と言う事は、あの数の子の山は……」
「子供が欲しいっていう、カズの意思表示……数の子は子宝を祈願して作られるから、間
違ったアピールじゃない……ちなみに、黒豆が健康でゴマメが豊作、栗きんとんが金運……」
「詳しいね真央ちゃん……」
「勉強した」

 誇らしげに胸を張る真央をよそに、画面の中では恋人たちがヒートアップしていく。

『なぁカズ』
『なんや?』
『これだけアピールしといて、セクハラするなってのは、拷問じゃないか?』
『……ウチが言いたいのはな。無理やり、日の高いうちから押し倒すなっちゅー事や。
 というか、何で十蔵がウチの事押し倒せるねん……ただの野球選手にねじ伏せられるほ
ど弱くない筈なんやけどな、あたし』
『――カズ。俺は、ホンフーと飲み友達なんだよ』
『それはしっとる』
『もう、3年の付き合いになるが……その中であいつにいろいろと習ってるんだよ。ルール
に抵触しない範囲の体の鍛え方とか、動体視力の鍛え方とか……
 いやー、中国武術の深遠って凄いよな。おかげで野球も大分上達した』
『……ちょい待ちぃ。まさかあんた――』
『『カズの押し倒し方教えてくれ』って言ったら、喜んで教えてくれました』
『ば、馬鹿や馬鹿やとはおもっとったが、ここまでとは……』

「……驚いた。神無月君はそんなトレーニングをしてたのか」
「……そこが気になるの……?」
「プロ野球選手としては当然ね……武術レベルの動体視力と反射神経が、あのピッチャー
返し処理の秘訣だったのか……」

 野球馬鹿の性か、いちゃついている二人よりも、十蔵の口から飛び出したトレーニング
内容の方に興味をそそられる文七だった。
 真央も彼らの話の中に何か得るものがあったらしく、頷きながら……

「……おせち料理をアピールに使う発想は、参考になった……」
「うん。アレは確かに美味しそうだな……けど、一面数の子はやめてね真央ちゃん」
「大丈夫……私の時は全部数の子」
「…………」

 頑張らなければいけないらしい。色々と。

「次は朱里……新婚夫婦だから、凄いのが見れると思う」
「真央ちゃんは内容見てないんだね」
「うん。私はカメラ仕掛けて回収してきただけだから……」
654名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:07:12.18 ID:rFefffRt
 @サイボーグ花嫁のお正月。

 映し出されたのは、極々普通の和室だった。中央に置かれている炬燵、そこに広げられ
た御節、そこまでは今まで見てきた光景とさほど変わらない。
 大きな差は、炬燵に入って団欒している顔ぶれが違うのと……女性の側の体系に、大き
な変化があった事だった。

『…………』
『…………♪』

 ぽっこりと膨らんだ腹部を愛おし気に撫でる男と、男に全てを委ねて微笑む女性。
 子宝に恵まれた夫婦のありふれた姿がそこにはあった。
 感動的な肖像画を形作る一つのパーツ……若夫婦の顔を見た文七は思わずため息をつい
た。女性のほうは当然知り合いで、真央の昔の仲間だ。ジャッジメント製のアンドロイド
で、名前は朱里といったか。
 問題は、夫の方にも見覚えがあるという事だった。

「霜月君じゃないか……なんで、真央ちゃんのヒーロー仲間は、俺の知り合いと付き合う
確率が高いんだ?」
「……霜月とも、知り合い?」
「WBCの決勝でバッテリー組んだ仲だよ……守備とリードが上手いんだ」

『ごめんね充一……出来あいの御節になっちゃって……』
『馬鹿言うなよ。身重の朱里に無理なんてさせられるわけないだろ』
『そうだけど……あ』
『……うん? どうした朱里……』
『なんでもないわ……ただ、この子達が動いただけよ』
『うわ。本当か? ……気付かなかったな』
『ほんの少しだもの。気付かないのも無理はないわ』

 朱里の手が、膨らんだ自分のお腹をぽんぽんと叩く。それを聞いた霜月は満面の笑みを
浮かべて、朱里のお腹に耳を済ませた。

『ちょっと、充一……』
『このままでいさせてくれよ……こうしてるとさ、来年からも頑張らなきゃ、って思えるんだ』
『こうしなきゃ、頑張れないとでも言うの?』
『家族の重みを知っておきたいんだ。二人分だぜ? 二人分』
655名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:07:29.82 ID:rFefffRt
「……へぇ。双子なのか」
「……もう名前も決まってるみたい……」

『平助、和……元気に生まれてきてね……』
『……ぷっ』
『何よ。いきなり噴出して』
『いや、この間の事思い出してさ……十蔵とカズが顔出した時……』
『ああ。馬鹿二人か』
『『朱里は絶対娘に社長の名前つけると思ってた』……二人とも口揃えて言うんだもんな』
『失礼な事言うわ全く。確かに紫杏とは親友だったけど、子供の名前につけるほどじゃな
いわよ。この子達には、この子達の人生があるんだから……』
『朱里にゃ悪いが、あの人の名前はちょっと縁起が悪いからなぁ』
『……そうね。この子達には、紫杏や私と違って、平和な人生を歩いて欲しいもの』
『お前の人生も平和だよ。これからは、俺がそうしてみせる……昔の辛い事なんて、忘れ
るほど幸せにして見せるさ』
『……うん』

「……うらやましい……」
「…………」

 画面の朱里をじっと見つめる真央が、何を想ってうらやましいと口にしたのか……文七
にはその内容が大体予想できたが――あえて触れなかった。
 夫婦でも、触れてはいけない領域というものがあるのだ。

「……やっぱり、朱里は安定してる」
「安定って、何が??」
「甘い空気に定評がある……普段ツンツンしてるから、二人きりだとでれでれ」

 真央による、本人が聞いたら真っ赤になって暴れかねない評価が下された直後、画面の
中の二人に変化があった。

『…………!』
『お、今動いたな。俺にもわかったぞ』
『……え、ええ……そうね……それと、充一……落ち着いて、聞いてね?』
『どうしたんだよ?』



『生まれそう……』



 画像の中の霜月と、文月夫婦の動きが凍りついた。



656名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:07:48.70 ID:rFefffRt
『う、生まれそうって、今!? 今なのか!? だ、大丈夫なのか朱里!!』

 霜月選手、再起動と共に大パニック開始である。その姿に、スポーツ誌に絶賛される『冷
静沈着な守備の司令塔』としての面影は全くない。

『大丈夫……だと、思う……っ』
『きゅ、救急車を! 救急車を呼ばなきゃ!』
『ば、馬鹿……! 普通の医者じゃ、無理よ……』
『そ、そうか、そうだった! ブラック! ブラックはどこだぁーっ!!』
『この大馬鹿!! それこそ一番呼んじゃいけない相手でしょうが!』
『え!? けど、あいつなら――』
『あのムッツリなら人の出産風景喜んで録画するに決まってるわよ!』

 というか、実際こうやって録画しているわけだけれど。

『いや、幾らブラックでもそこまでは――』
『しないって言い切れる!?』
『……うん、無理だごめん……そ、それじゃあどうすれば!?』

「…………」
「真央ちゃん……あんな評価を受けるまで、どれだけあの二人に迷惑かけたんだい??」
「……私は無実……」
「いや、有罪の証拠が目の前にあるんだけれど」

 本当に、いつの間にこんな趣味がついたのやら……己の妻の事ながら、見当もつかない
文七であった。そのうち、霜月夫婦からの苦情も文七に届きそうな感じである。


『私の携帯に番号が入ってるから……黒野博士の……!
 あそこなら私の体の事も知ってるから――』
『わ、わかった! 他にする事はあるか!?』
『…………手』
『え?』
『手を、握ってて……!』

 二人の視界に移った夫婦のやり取りは、それで終わりだった。文七は油断しきっている
真央の手からリモコンを掏り取ると、すばやく停止ボタンを押す。

「あ」
「真央ちゃん。この画像は後でしっかり処分しようね。冗談じゃすまないから」
「……わかった……」
「というか……出産したのに気付かなかったの?」
「カメラ……留守中に全部済ませたから」
「直接顔をあわせはしなかった、と。今度、出産祝い持っていかないとなぁ」
「甘い空気は堪能できたけど、ここの御節は参考にならない」
「又、お店のものみたいだしなあ……今の朱里ちゃんに手作りを求めるのも酷だし」
「……次は、ピンク……」
「あいつにはなおさら期待できないんじゃないか? 一段ラッキョウとか塩抜きしてない
数の子とか漕げた伊達巻とか普通にやりそうなんだが」
「文七はピンクに厳しい……」
「俺は、あいつが真央ちゃんにした事を忘れてないからね」

 その言葉に嘘はなく、他の連中からの苦情は真剣に取り扱うが、ピンクからの苦情だけ
は全力で聞き流して相手にしていない。文月文七。最愛の妻に関しては意外と根に持つ男
であった。

「……まさかとは思うが、ピンクの奴も俺の知り合いと付き合ってる……とかないよね?」
「その心配はない……ピンクの彼氏は正真正銘ただのサラリーマン……」
657名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:08:06.97 ID:rFefffRt
 @桃色のヘタレのお正月

 スクリーンに映し出されたのは、今までの映像と変わらない、団欒風景――
 ではなかった。

 炬燵の上に御節。ここまではいつもどおりなのだが。
 三人いた。そんでもって、なんか殺伐としていた。

『Zzzzz……』
『…………』
『…………』

 炬燵で丸まって眠りこける男をおよそに、向かい合う二人の女。一人は、桃色のパーカ
ーを着た、そばかすのついた少女……文七も良く知るピンクの人間形体である。もう一人
は、黒髪を腰まで伸ばした妙齢の女性で始めてみる顔だった。

『ねぇ浅井さん。私、貴方に言いたい事があるんだけど』
『なんですか? 桃井さん』
『帰れ』
『嫌です』

 短い掛け合いだったが、それをきっかけに二人の視線がぶつかり合う。ぎしりと、空間
が軋む音が聞こえそうだった。

『……何度も言わせてもらうけどね、十二はわ・た・し・と! 付き合ってるの! 貴方
はお邪魔虫なの!』
『お邪魔虫って……そんな事ないと思いますけどね』
『恋人同士の蜜月を邪魔しておいて、何を言うか』
『じゃあ、逆に聞きますけど……私が来なかったらおせち料理はどうするつもりだったん
ですか?』
『それは、ちゃんと手作りの奴が――』
『一段丸々ラッキョウ。もう一段は塩抜きしてない数の子。最後の一段は全部焦げた伊達巻。
 あんな物を私は御節とは認めません! 十二さんが体壊しちゃうじゃないですか!』

 文七の指摘は全部的中していた。生みの親の面目躍如である。

『け、けど十二は美味しいって!』
『無理してるんですよそれ! 見てくださいこの魘されようを!』

 女性の台詞を聞いて、文七はようやく気がついた……暢気に寝ていると思っていた男の
顔色が、猛烈に悪い事に。これだけ大騒ぎしても目覚めないと言う事は、眠っていると言
うより気絶しているのに近い。
658名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:08:34.10 ID:rFefffRt
(……ひょっとして、食べたのか? ピンクの御節)

 塩抜きしてない数の子やら焦げた伊達巻やらを。そして会話を聞く限りでは、ぶっ倒れ
るほど不味いものを美味しいと評価する気遣いまで見せて。
 全ての推測が正しいとするならば、この男は勇者である。神無月も、霜月も、レッドも
……文七でさえお呼びもつかないレベルの、偉大な勇者である。

『というか、アレは伊達巻じゃなくてもう墨ですよ墨! 大体なんですかラッキョウって。
おせち料理に入れるようなものじゃありませんよ』
『いいでしょ好きなんだから! アンタは小姑か!』
『ええそうです。十二さんの幸せのためなら、この不肖浅井漣。小姑にならせて頂きます!』

 女性の身の上などわからない。だが、一連のやり取りからこの三人の関わりが何なのか
は容易に想像がつく。
 炬燵の中で眠りこけている男を奪い合う二人の女性……既に完成した恋人同士に割り込
もうとする闖入者。この状況を言い表すのなら、一言で十分である。

「……修羅場……?」
「見ての通り……女同士の骨肉の争い……」

 思わず呟いた文七に、真央は何故かほっこりと笑って返した。

「愉しそうだね真央ちゃん……」
「最近、ホンフーの気持ちがわかってきた……人の修羅場って面白い……」
「ホンフーってあの人だよね。この間俺等の修羅場作った人。
 夫としては、ああいう危ない人との付き合いはやめてくれると嬉しいな〜なんて……」
「今度、共同で面白いイベントを企画してるから、文七にも参加してもらう」
「うわぁ、聞いちゃいねぇ」
「……それはそうと、この御節は全く参考にならない……」
「うん。料理でさえないからね。というか、参考にされたら泣くよ俺は」

 食する立場として正直な感想を述べた所、発言者の愛する妻は無表情に一言。

「……泣き顔……見たいかも」
「マジでやめてくださいお願いします」

659名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:08:59.94 ID:rFefffRt
 @黒いリーダーのお正月

 映像が消え、純白のスクリーンに青い光が照らされる。覗き見画像が終わり、見るべき
ものがなくなっても、二人は動こうとしなかった。
 暗い室内を青い光源に照らされながら、ただ互いの体温を感じている。
 言葉もなく、沈黙が続く。居心地の悪いものではなく、穏やかで居心地のいい沈黙だ。
二人で一緒に過ごす事ができる、たったそれだけで、文七と真央は満たされる事が出来る。

 沈黙の中で文七が考えるのは、真央がこんな映像を用意した理由だった。盗撮趣味が高
じたと言うのもあるだろうが、それだけとも思えない。
 文七には、真央にこういう行動に移らせた動機に心当たりがあった。

「みんなの御節よりも、うちの御節のほうが参考になると思うけど。母さんに教えてもら
えばよかったのに」
「……うん……けど、美味しいものを食べて欲しかったから……」
「俺は、真央ちゃんの料理なら何でも食べられる……いや、炭は簡便ね」
「……文七もそうだけど、お義父さんお義母さんにも……」
「…………」

 何気なく呟かれた妻の言葉に対し夫が感じたのは、ああやっぱりという納得だった。
 そんな事ではないかと思っていた。元々、真央は文七の良心に対して気を使いすぎる所
があり、今回の事も母親の手を煩わせたくないという気遣いが働いたのだろう。
 よくある嫁姑問題に見えるが――そんなものでは断じてない。もっともっと深刻で救い
ようのない理由が、真央と文七の家族の間に横たわっている。


「そんなに気を使わなくても――家族なんだからさ」
「…………」
「それとも……やっぱり、『怖い』?」

 文七の問いに帰ってきたのは言葉ではなく、行動だった。小さな体を抱きしめるたくま
しい腕を掴み、きゅっと握る。


「――私は、バケモノ」


 真央の抱いている感情が全て集約された一言だった。真央の心の奥深くに根付いてしま
っている不安の表れであり、夫としては絶対に見過ごせない、見過ごしてはならない言葉
だった。

「真央ちゃん」
「私は、人の願いが具現化した存在……人間とは違う……子供も産めない……
 年をとらず、人外の力をもっている……人の傍らにいれば、必ず別れが来る……」

 以前にも聞いた事のある言葉だった。二人が結婚する前……カタストロフと呼ばれる事
件が起きる前に、二人は一寸した事で喧嘩をしてしまった事があった。
 その時に彼女は全く同じ言葉を言い放ち、こう続けた。

 文月文七は、様々な大記録打ち立て、多くのファンを魅了し続ける超一流の野球選手で
あり、有名人である。
 そんな人間の妻として、自分は相応しくない。
 いや、文七自身がよくても周囲の人間が必ず騒ぎ立てるだろう。今は言いとして、時が
たつにつれてその声は大きくなる筈だ。文月文七の交際相手は、いつまでたっても若いが、
一体何者なのかと――
660名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:09:16.55 ID:rFefffRt
 異なる存在であるが故のジレンマ。それが、真央と文七達の間に横たわっているものの
正体……なのだが。

「……父さんも母さんも、君を受け入れてくれたじゃないか」
「うん。わかってる……けど……」

 その問題は、既に解決しているのだ。仲違いしていた二人が結婚にまでこぎつけたのが
その証拠で、文七の両親等は真央の正体を知った上で、嫁として受け入れている。
 彼女が今更こんな状態に陥っている理由が、文七には想像がついてしまう。

(……朱里ちゃんとピンク、か)

 真央のかつての仲間であり、人ではない二人は、その存在の特異さ故に、伴侶の家族か
ら拒絶されていると聞いた。
 朱里は最初こそ受け入れられたものの、正体の露見と同時に手のひらを返され。ピンク
は最初から、子供も産めない嫁などと罵倒され――いわゆる、『嫁とは認めない』という奴
だ。人間同士の結婚でさえ問題が起こるのだから、相手が人でないとなればなお更だろう。
 彼らの現状は、真央自身のありえたかもしれない未来そのもので。当時抱いていた恐怖
心と不安を、思い出してしまったのだろう。

 小さな妻の体を抱き寄せ、頬を合わせる。

「……文七……」
「父さんも母さんも、真央ちゃんの人間じゃない所までひっくるめて受け入れたんだ。今
更手のひらを返したりしないよ。
 それに、子供が出来ないって決まったわけじゃないだろ? 真央ちゃんは俺から生まれ
たんだ……願えば叶うかもしれないじゃないか」
「……生まれた後の存在を変えることは、困難……」
「やらないよりマシだ……真央ちゃん。俺が、君との約束を破った事があるかい?」
「…………」

 文七は思う。
 確かに、自分と彼女は紆余曲折を経て結ばれ、夫婦となった。両親も彼女を受け入れて、
十分に幸せな人生と言えるだろう。客観的に見ても、文七は人生の成功者と言える。
 だがしかし。文七は、それでも満足していない。するわけがない。

 彼女と自分には、まだ多くの問題が残っている。寿命、子供……それらは解決する当て
のない問題であり、現状で満足するしかない。
 そんな事は百も承知である。承知した上で、文七はなおも思うのだ。

 まだ満足してはいけない。自分が真央を残して消えてしまうなら――その先何百年もい
き続けるのなら。その先何百年を笑顔で過ごせるような幸せをあげればいい。

661名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:09:37.17 ID:rFefffRt
「……そろそろ母さん達も買い物から帰ってくるからさ。一緒にカレーでも作ろう」
「カレー?」
「ああ、母さんが、御節開けだから作るって言ってた」
「……私は聞いてない……」
「そりゃそうだよ。真央ちゃんへのサプライズなんだから」
「え?」
「真央ちゃんがラッキョウ好きなのを、カレー好きと勘違いしてるんだよね……真央ちゃ
んの好物作るんだって、張り切ってたよ。
 父さんも母さんも、真央ちゃんの様子がおかしい事に気付いて、心配してるんだよ。」
「……気付かれてた……?」
「……というか、俺が真央ちゃんに何かしたんじゃないかって疑われたし。
 あれはもう、実の息子より真央ちゃんを溺愛してるね……だからさ」

 ようするに、文月文七という男は――並外れて欲深い男なのだ。
 ビターエンドにまでこぎつけたのなら、さらに幸せを求めなければ気がすまない。ハッ
ピーエンドがまだ遠いなら、這いずってでも近づけばいい。
 もっと彼女を幸せに。もっと彼女に笑顔を。もっと。もっと――
 この欲望を成就させる為なら、幾らでも浅ましく足掻く事ができる。文月文七は、そう
いう人間だった。

「もっと甘えてもいいと思うよ?」
「……ん……」
「…………」
「……話してみる。お義母さんと……」
「そっか」
「……来年の御節は、楽しみにしてて……」

 そう言ったきり、真央は口を閉ざした。沈黙が場を覆うが、そこに不快感はない。
 心地のいい静寂の中、お互いの体温だけを感じられる……そんな時間が、二人は好きだった。
 復讐を司る悪霊は、かつて彼女に言った。
 『具現化されたものと人間の想いなど成就する筈がない』と。
 確かにそれは事実なのだろう。どう足掻いた所で真央と文七の別れは避けられないし、
今が充実していればいるほどその喪失は大きなものとなる。

 かつての真央は、その喪失を恐れて文七と距離をとろうとした。
 今は、違う。
 限られた時間だけの幸せならば、一分一秒でも長く、この幸せを満喫しよう。そう考え
ている。いつか訪れる別れの後でも、この幸せを思い出せるように。

662名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:09:56.76 ID:rFefffRt
 −・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−


「ただいまー。遅くなってすまーん」

 家の中にいるであろう息子夫婦に向けて言うと、父親は抱えた荷物を下ろした。
 中身は、たまねぎにんじんジャガイモ肉。一般的なカレーの材料である。

「やれやれ。寒いったら……」

 肩と髪に降りかかる雪を振り払い、母親の方はホッと一息ついた。外は生憎の大雪であ
り、ライトをつけないと視界さえ有様である。必然的に安全運転を心がける事となり、帰
宅が大分遅れてしまっていた。
 文月文七の両親が憂慮しているポイントはただ一つ。我が馬鹿息子は、可愛いお嫁さん
と和解できたのか、である。
 最近、義娘である真央の自分達への接し方が、何処となくギクシャクしている。どーせ
息子が又何か妙な事をやらかしたのだろうと、出かけに土下座して誤っとけと言い含めて
おいたのだが……どうなったのやら。

「おかえり父さん母さん」
「おかえりなさい……」
「おや」

 奥から顔を出した息子夫婦を見て、父親は思わず声を漏らした。その視線は、しっかり
とつながれた二人の手に釘付けだ。
 母親も、ほぅほぅと感心しつつ、

「……文七。真央ちゃんと仲直りできたんだねぇ」
「いや、俺は元から何もしてないからな」
「真央ちゃん。この変態に変な事されたら、いつでも私達に言ってくれ。対応するからね」
「聞けよ人の話!」
「…………」

 嫁を気遣いつつ息子をこき下ろす義父の姿に、真央は声もなく頬を綻ばせた。

 こんな時間が、いつまでも続けばいい。

 この場に集った人間とバケモノの四人が共通して抱く、切なる願いであった。



663名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:11:09.21 ID:rFefffRt

オマケ 霜月充一君の大混乱

朱里「〜〜〜〜〜っ!
充一「――!!
 は、博士ぇっ! い、『入り口』から! 『入り口』から頭がぁっ!
黒野「……小僧。そこは『出口』じゃからな?
664名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:11:24.36 ID:rFefffRt

以上で投下終了です。相変わらず、書きたい事だけ書き散らした駄文ですが……
真央ちゃんと7主にとっては避けられない問題だと思う。
665名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:15:53.99 ID:PrYEMDMp
>>664
GJ
666名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 02:45:03.86 ID:rFefffRt
補足し忘れたorz
ラストのオマケ、2chのコピペが元ネタです
667名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 09:07:50.34 ID:yiNPE+ig
またお前か
もうくるなよ
668名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 15:35:07.63 ID:wubN3DOS
ssなんて所詮一作者の妄想オナニーの産物なんだしほっときゃいいだろ
取り敢えず作品を投下してくれる人には感謝感謝だね
669名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 16:45:06.63 ID:6ucwjAyv
>>664
乙乙
670名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 16:56:51.35 ID:PrYEMDMp
荒れるから煽るコメントはNGよ、スルースルー
671名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 21:45:00.44 ID:8QQCFGRN
GJ

投下が多いことはいいこと
672名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 00:42:46.17 ID:/VwR6sHR
GJ!
673名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 03:39:52.18 ID:jyobvGcZ
もっとサクセスでサイボーグ彼女が見たかったなぁ
武美や友子はおっぱいがあったし…
674名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 05:41:01.40 ID:lu1aD6A3
>>673
朱里は貧乳から美乳くらいの大きさだと思うんだ
675名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 23:22:18.24 ID:74BPDU6F
美乳というのは大きさの単位なのか?
貧乳かつ美乳という事も有り得るとは思うが。
676名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 23:59:21.76 ID:x9GTrA7M
たぶん変換ミスだろう→微乳

爆乳→巨乳→大きい→普通→小さい→貧乳→微乳→無し

まあ敵から情報を聞き出すため作られた(ハニートラップ的な意味で)友子が大きいのは納得
直接戦うように出来ていない武美も大きくても問題ない

白瀬、甲斐、朱里、マゼンタは戦闘用で大きいと邪魔だから貧乳以下の可能性が高い

ルッカはゴルドマン会長の趣味で作られているからデカイ可能性がある

ヒナコはたぶん普通
677名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 00:57:03.47 ID:K2bX3Ah8
ただし映子さんはデカイ
678名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 23:39:09.53 ID:92ksUlgl
母性溢れてるしな
679名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 01:16:27.51 ID:wsTgikf/
さやかのエロはよ
680名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 17:26:43.27 ID:8+wWusP+
>>678
一瞬

『母乳溢れてるしな』

に見えた
681名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 23:55:04.58 ID:AAraM4rB
そろそろ節分
682名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 02:35:27.11 ID:ivK/FpQB
ああ!パワポケはどうしてこう悪役が魅力的なんだ。ジオットやらホンフーやらデスマスやら。彼らのバックボーンをそれぞれの書き手さんがいろいろ想像して
考察してつくったSSが読みたい。たとえばまとめサイトの亀田の奴。あれはおもしろかったわ。エロなんかなくていいからあーゆーのが読みたい。
さがすところ間違ってるかな俺
683名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 02:49:58.36 ID:dILYhvzh
うん。さすがに間違ってると思うよ。pixivか個人サイト辺りに行ったほうがいいんじゃね
エロ無しもOKではあるけど推奨ってわけじゃ無いだろうし
684名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 03:18:12.60 ID:6eTAQl+B
>>682
考えは別にいいと思うけど、来るスレを間違えてるね
エロなしおkだけど彼女キャラのSSが普通だし
そういう考察SSならPixivとかに投下してる方が多いと思う
685名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 10:44:01.66 ID:9Yc7LgP7
別にpixivって200ちょい位しか作品数無いぞ。
基本あっちも彼女メインだし、小学生の落書きレベルのも少なく無いから
しっかりした考察SSなんて殆ど無いと思う。

まぁ他の所にあるって事も無いんだろうが。
686名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 14:07:34.49 ID:iuBSwvTH
少なくともここにはそういうのは期待しない方がいいかもね

節分ネタってどういうのあるのかな
687名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 14:35:44.81 ID:ivK/FpQB
そっか…哀しいな。みんなそういうの興味ないのか…
688名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 15:05:01.08 ID:6eTAQl+B
>>687
興味がないわけじゃないが、萌えとエロを追求したいですから
でもそういう人もここじゃない所にきっといるから頑張れ
689名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 18:27:37.58 ID:CIhwRHFs
そういうの探したいなら個人サイト発掘するしかないだろうなあ
pixivの小説も数が少ないうえに住民層被ってるからな、数人ここに投下してる作者もいるし
690名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 23:03:34.17 ID:2lms+oHh
面白い文章が読みたい!こうなったら…自分で書くしかない!
SS作家>>687の誕生である
691名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 23:36:16.49 ID:PjFCu7Lz
でも確かに読みたいからな〜
期待してんぜ?pixvで書くならな
692名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 23:56:27.09 ID:PGpE3e3F
興味がないっていうか完全にスレチなんで、やるなら自分がやるしかないわな。
それか他でやってくれりゃ何でもいいよ

>>686
真っ先に考えつくのは
「俺の恵方巻きも食べてみる?」とか「鬼は外! ということでカズと青姦」とか。
他にもいろいろあるけど
693名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 00:51:16.35 ID:fW3gGHQC
>>692
なるほど、恵方フェラか
694名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 01:01:17.04 ID:qTYjA9fo
「お前の豆を食わせろ」もありかな
695名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 05:43:43.47 ID:TIdJ4goK
鬼といえば美咲だな・・・
696名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 21:16:54.15 ID:YPQAiAMt
やっと書き込めるようになったか
697名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 21:17:09.10 ID:OpabtJ5+
鯖落ち直った?
698名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 10:53:23.38 ID:0Wn8mKwz
直ったみたいだな、よかったよかった
699名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 22:25:47.37 ID:2wF1cXbG
節分ネタwktk
700名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 08:29:10.66 ID:ZYztFddY
豆がなければ、クリをいじればよろしい。丸いし。
701名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 18:36:13.59 ID:J2Wf4X8z
節分はプロ野球組はキャンプ直撃だなあ
702名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 00:04:02.26 ID:+RV8SzhW
>>701
それでも友子はやって来る
703名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 00:08:42.35 ID:q14K6ZXp
キャンプっていったら8主×友子か

14主が8主の子供という説があるけど、仕込まれたとしたらここだろうな

14主の育ての親はその時、隣の部屋でその行為を聞いてたんだよな…
704名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 00:36:06.50 ID:q14K6ZXp
ごめん良く考えたら計算あってねーわ
705名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 01:05:15.64 ID:YaVvG3Jn
でも、またバレンタインに友子が来るってのは面白いかも
706名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 02:41:33.52 ID:wHIUa4r6
鷲のわしがキャンプに恋人同伴OK言ってたな
現実に恋人OK球団あるんだから今度は堂々といけるなw
707名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 12:02:24.02 ID:XfFrADeZ
これは嫉妬の嵐だろうなぁ。
708名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 12:36:15.02 ID:VUQEg+ne
??「エロパロスレはわしが育てた」
709名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 18:42:55.60 ID:wyXVQSHS
一ヶ月間、宿舎はラブホテルってわけか……。そそるな。
710名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 19:31:23.80 ID:LjI2COAR
キャンプの休養時間も搾り取られて途中でリタイアしそうだな…
711名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 20:50:34.75 ID:7iBbSATO
>>709
そんなことしたら鬼鮫のアニキが…
712名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 21:00:04.80 ID:rux3RU+A
誰か、桜華のエロSSキボンヌ
713名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 22:12:10.53 ID:YaVvG3Jn
そういえば今日は夫婦の日だったのか
714名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 22:36:17.79 ID:wyXVQSHS
夫婦の日(2/2)といい夫婦の日(11/22)を別々にする辺り、日本って面白いよな。
パワポケの女の子はほとんどがいい嫁になれるから、今日はあんまり相応しくない気がする。のりかとムーミンとミュウは除いて。

しかし、中畑監督までインフルにかかったか……
715名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 23:15:02.32 ID:5ZvfdpSj
カズ「>>714なんやて、天月さん。
五十鈴「……何が言いたい?
カズ「いややなぁ。怖い顔して。
さら「別に、天月さんと10主がいい夫婦ではないとは、言ってませんよ?
ナオ「そうそう。ただ、こういう理論もあるにはあるということで。

カズ&五十鈴&さら&ナオ『…………

14主「……あの、おじさん。殺気が怖いんで、あの人たちを止めてくれませんか?
10主「魔球少年。彼女達に対する俺の発言権は0に等しいんだ……
716名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 23:30:39.56 ID:y7zaJ7Ff
しあーん早く来てくれー!!
717名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 00:17:17.32 ID:OC/CdV+B
>>715
ピンク「夫婦の日なのに甲斐性無しの彼、踏ん切りつかないのよね〜」

真央「……男なんて信じられない……」

朱里「気がつけば私って勝ち組よね〜」





官取「なあ、何で浜野なんだ?」
11主「ビッチ、ストカー、ナマズNTR、前の主人公のお古、術失敗しまくる精霊」
官取「え?」
11主「少々暴力振るう位なら問題ないだろ」
官取「……お前、すごいよ……」


7主「うわ〜ん湯田く〜ん、真央ちゃんが帰ってこないよ〜」
湯田「また、夫婦ゲンカしたでやんすか」
14主「7主おじさんどうしたの?」
7主「14主君、真央ちゃん知らない? ちょっと黒っぽい感じの子なんだけど」
14主「知らないよ」(芹沢ブラックさんなら知ってるけど)
718名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 01:27:52.87 ID:uOkHmUUz
そんなわけで節分ですな
719名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 07:26:21.97 ID:mdZTcE6T
>>717
これはひどいw
まあ性格のよさなら日出子かシズヤなんだろうけど、
実害の少なさなら言えば確かに朱里一拓かもな
記憶失ってる間は抗争に巻き込まれることもないし
720名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 08:48:52.48 ID:XzXmn2Vl
朱里とシズヤならそんなに実害は変わらない気もするけどな
721名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 12:37:18.84 ID:Rdet2ojG
むしろそういうリスク考え出したら朱里は11でまず除外すべき存在になっちまう
記憶失ってくれるまでに何度巻き込まれて殺されるかわからんぜw
722名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 12:53:00.58 ID:pmE15BQl
まぁ他の彼女を貶すような表現は戴けないな
723名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 13:43:28.24 ID:6feI5iNi
2月2日、11月22日になると決まっておセンチになるレッドさん。
724名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 15:15:00.56 ID:lkdh1wXE
五十鈴「思うところがあるので、今年の節分は本格的にやろうと思う。
10主「思うところ?
五十鈴「鬼は外だ。
10主「えっと……
五十鈴「 鬼 は 外 だ 。
カズ「…………←茨木童子の子孫

14主「お、おじさんどうしたんですかその怪我!?
10主「……五十鈴とカズの喧嘩止めようとしたら巻き込まれた。
725名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 17:41:22.34 ID:o45NW/j0
なんか最近五十鈴のキャラが崩壊していってる気がするなw
726名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 18:57:11.49 ID:sTutx/vw
てか、10主ネタが活性化しすぎだろww
面白いけどさww
727名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 00:15:55.52 ID:8k5COoe4
すずちんのオニー!
728名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 01:08:35.31 ID:OyQOk7Kj
カズ「なあ? 十四波そのえらく大切そうに持ってるバットやけど…」
十四波「あれ〜、気になります」
カズ「何処かで見たような…」
十四波「このバットは、あの有名なプロ野球選手の…」
朱里「このバット、親切高校・越後って書いてあるわね」
十四波「えっ…?」
カズ「ああ、そういえばアイツ、お前のところに魔球を打たせろって乱入したんやったな」
朱里「その時に貰ったのね」
カズ「それで見たことあったんか」
朱里「まあ、あの当時あんた暇さえあれば野球部の練習ばっか見てたからね」
十四波「いや、それ違…」
朱里「カズ、あんた今からパトロールの時間でしょ」
カズ「ん…、そうやな…」





十四波「ちょっと、朱里さん何であんな嘘付くんですか! だいたい…」
朱里「そのバット、天月選手のって言いたいんでしょ」
十四波「何で知ってるんです?」
朱里「わかるわよ。まず私とカズと天月さんとあのバカ(十波)は高校で同じクラスだった」
十四波「えっ、そうなんですか」
朱里「次に、私の働いてるスーパーで天月さんとその娘さんと一緒に買い物してたでしょ」
十四波「あれ、見てたんですか」
朱里「最後に、天月さんの旦那さんは昔カズの彼氏だった」
十四波「!?」
朱里「まあ、二股かけられたんだけどね」
十四波「そうだったんですか…」
朱里「そのバット、天月さんの娘さんから貰ったんでしょ。 そんなことカズに言ったら殴られてるわよ」
十四波「危ないところだった」
朱里「あのバカ(十波)が全部悪いんだけどね」
十四波「ひょっとして、紗矢香のパパってモてたんですか」
朱里「不思議なことに、何人か好きだったの居たみたいね」
十四波「朱里さんは?」
朱里「死ぬほど嫌いだけど、それにウチの亭主よりカッコイイ男ってこの世に存在するのかしら?」
十四波(凄いノロケだ…)
朱里「まあ、あんたはあのバカ(十波)みたいに女泣かせる男になっちゃ駄目よ」
十四波「うん、わかった」
ヒカル「ねえ、十四波!」
十四波「うわっ! ビックリした。何だヒカルじゃないか」
ヒカル「ごめんごめん、それより話を立ち聞きしてて思ったんだけど」
朱里(偉く堂々とした立ち聞きね)
ヒカル「紗矢香のママとカズ両方に告白されたらどっち選ぶ?」
十四波「そんなの紗矢香のママに決ってるだろ」
ヒカル「グスン… 十四波のバカ!!!!!!!」ダダダダダダダダ・・・・・・←走って行く音
十四波「えっ? ヒカル何で…」
朱里「……」

729名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 02:43:15.60 ID:ccIIqRpI
>>728
もっと
730名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 03:01:45.79 ID:TwfJdP3W
紫杏「1、0、主、死、ね…っと」(カタカタ

白瀬「あの人パソコンで何してんの?」
寺岡「好きな人に会えるおまじないだそうですよ」
731名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 13:47:42.75 ID:aL6vTQHM
キャラ崩壊過ぎワロタ
732名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 14:36:39.84 ID:ZMf6ecQ9
ヒカルと言えばTXクイーン、ピースメーカー、エアレイドの伏線片付けは酷かったよな
すげーエロそうなの期待してたのに・・・
733名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 14:59:42.14 ID:xgO/zzHa
>>732
その中でエアレイドが一番マシってレベルな時点でもうね。
実際エアレイドは肌の色変えればいい感じだし。
734名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 15:54:50.17 ID:DqNLNR3K
>>732
本編ストーリーをエロ目的で文句を言うなw別に酷くもないし
ヒカルと阪奈は成長した後を考えればいくらでも妄想できるでしょうに、TXクイーン初代がどうやってヒカルを生んだとか
妄想することを諦めちゃそこで終わりだよ
735名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 17:28:01.77 ID:OyQOk7Kj
>>734
TXクイーン初代がどうやってヒカルを生んだとか妄想することを諦めちゃそこで終わりだよ

妄想してみよう

初代TXクイーン=カズの体+紫杏の脳だろ


TX「おお、10主ではないか」
10主「あれ、カズ久しぶり」
TX「うむ、それより久しぶりにあったんだし良いことをしないか」
10主「駄目だよ、俺妻子持ちだし」(それより変なしゃべり方だな、まるで紫杏みたいだし)
TX「大丈夫だ、2人までなら問題ない」
10主「うん、問題ないよね!」(まあ、いいか)

というのは冗談だけど

まあ、普通に考えたら自分が殺されたことも考えて自分の予備の体持って逃げて
死ぬ間際に記憶移したと考えるのが妥当だよね。
 TXクイーンが自分んで生んだんだったら、ヒカルの年齢から言ってどう考えても
合わないからね
 でもそうなると、それを母と呼んでいいのかな〜?
736名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 17:53:31.18 ID:NytSU7N9
>>735
そうだな。達の悪い冗談だ。







……そこはクイーンによる逆レイプだろ常識的に考えて
737名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 19:17:24.75 ID:OyQOk7Kj
>>735
……確かに


10主「しまった… 罠だったのか」
TX「逃げようとしても無駄だ、逃げれば此処にいるTX達が一斉に光線で貴様を焼き殺す」
10主「カズの偽物め! 何が目的だ!」
TX「簡単だ、貴様の子種がほしいそれだけだ」
10主「やめろ! 俺は五十鈴を愛しているんだ!」



“ガシャアアアァァァァァン”←ガラスが割れる音


カズ「こら! TXクイーン貴様の悪事もそれまでや!」
10主「今度こそ本物のカズ、助けて!!」
カズ「大丈夫や10主、ウチが今から助けたる」
TX「カズ… 来たか」
カズ「ウチの愛した人を逆レなんてうらやま…、じゃなかった非道なことウチは許さへん」
TX「まあ、非道かどうか分からんが、この男は最低だぞ今『俺は五十鈴を愛しているんだ!』って言ってたぞ」
カズ「へっ…、どういうこと?」
10主「いや〜、俺高校出て直ぐに五十鈴と結婚したんだ」
カズ「……」
TX「カズ、私はこの男の子種が欲しいだけだ。終わったら直ぐに解放しよう」
カズ「……」
TX「そうだ、なんなら一緒に襲うか?」
10主「カズ駄目だ! こんな奴に耳を貸しちゃ駄目だ!」
カズ『……」
TX「どうするんだ。カズ」
10主「カズ…」






カズ「へへへっ、 さすがクイーン様話がわかる!」


10主「へっ?」

TX「では、襲うとしよう」

10主「やめろ… 来るな… ギャ―――――!」





これも変じゃないか?
738名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 19:36:03.59 ID:l7pAiaZ4
もうそこまで行ったらSSで書けそうだな
739名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 19:47:15.50 ID:NytSU7N9
今気付いたが、それだとヒカルとさやかは腹違いの姉妹ということになる。
姉妹で同じ男を奪い合うとか、胸が熱くなるなwww
740名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 20:06:16.31 ID:r7i3iNsx
エアレイドは口調がエロい
何だっていたしますわぁ(はぁと)
741名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 23:10:28.83 ID:z3LnQMCG
>>739
そういや子供の喧嘩に親が出るっていう諺あったよな・・・・・ふぅ

742名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 23:17:26.04 ID:6l6S2DRz
>>732
その三人の中ではエアレイドが断トツでガッカリしたわ
てか13でわざわざ顔隠す必要なんてなかっただろ
なんなんだよあれは・・・
743名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 23:51:29.34 ID:l7pAiaZ4
エアレイドはジオットとのプレイを妄想
744名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 00:19:17.72 ID:vrs32bLf
エアレイドは設定が設定なだけにしゃあない
緑肌ぱっつん可愛いよ
745名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 00:37:27.62 ID:N8ytv6GZ
pixivでもエアレイドが14の中で1番エロ多いしね
746名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 19:01:22.14 ID:oistIthd
さあ、もうすぐバレンタインですよ
747名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 19:28:42.45 ID:wqm6GaBj
ラブブレイカー、一〇八号、推参!!
748名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 19:33:49.42 ID:cV53fj97
ラブブレイカーズ、出動準備完了!
749名無しの金平糖:2012/02/06(月) 00:16:26.90 ID:a9JxxneW
バレンタイン?ナニソレ?美味しいの?
セトヴァルエンチン?美味しそうだね。
750名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:57:39.26 ID:O7rcYwbl
流れぶった切ってしまい申し訳ないのですが、投下させていただきます。
若干春香ちゃんのキャラ崩壊気味&長い&エロまで遠い&時期外れで重ね重ね申し訳ない。
751名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:57:56.89 ID:O7rcYwbl
『ピッチャー、替わりまして――』
だんだんだんだんだん。場内アナウンスと共に鳴り響く重低音。歓声と悲鳴がスタジアムを席巻する。
開幕戦、九回裏、一点差。こんな燃える場面は、何度も経験できるものじゃない。
「せんぱーい、頑張ってくださーい!」
バックネット裏、特等席から愛する人のエールが飛ぶ。躊躇のかけらもない応援に脱力するも、らしいと言えば彼女らしい。
マウンドには、去年さんざお世話になった相手チームの守護神が登っていた。
――借りを返さないとな。
固まる体をほぐそうと、息を吸って、止めて、吐く。
さわわ。
一陣の春風が背後から吹き抜けると、深呼吸に春の味が混じり、改めて実感した。

長かった冬は、ようやく開けたのだ。

752名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:58:18.80 ID:O7rcYwbl
12月25日。夜。ミルキー通り。
身を切る冷たい風が街を通り抜ける。
灰色の雲は空を覆い、冬特有の陰鬱とした空気を生み出していた。
しかし、そんな枯れ模様など意に介せぬと、街を行き交う人々の表情は幸せに満ち溢れていて、嫌でも今日が特別な日なのだと思い知らされる。
寒い。
もちろん身体もだが、それ以上に心が荒んでいた。

俺にだって。女友達の一人ぐらい居るんだ。

大見得を切って寮を飛び出した手前、おいそれと帰るわけにもいかない。
女友達の一人ぐらい。いるには、いる。
しかも、単にともだち、と一言では済ませたくないぐらいには親しい人が。
とある先輩のお見舞いに行った病院で出会い、再会した時は、財布を落とし泣きべそをかいて探していた。
そのあともう一度、このミルキー通りで偶然見つけて。三回の偶然を乗り越え、正式に仲良くなった人が。
一軍に昇格して迎えたプロ二年目、文字通り命懸けで野球に取り組んだ一年の、数少ない華やかなひとときは、いつもその人と共にあった。
ボーリングでこてんぱんにしたときの、やけくそ気味の笑顔。お返しとばかりに、ビリヤードで俺を叩きのめしたときの、得意気な笑顔。
ミルキー通りでのショッピング。茶色の髪によく似合う若葉の髪留めを贈ったときの、ぱぁっと輝いた笑顔。
そして、ここから少し遠い、老舗の遊園地で乗った観覧車のてっぺんで浮かべていた、寂しげな笑み。
まるでうぶな高校生のように、どこまでも清い付き合いだった。
しっかりと手は繋ぎ、しかしその距離を縮めようとはせず。
決して満足してた訳じゃない。
俺はもっともっと彼女に近付きたかったし、ともだちの一歩先へと到達したかった。望みだってゼロじゃないどころかそれなりにあると思っている。
偶然を積み重ねていくうちに、一年前とは比べ物にならないほど、俺たちは仲良くなった。
今では、出会えばどちらともなく手を取り街中のカップルの一員になり、彼女が時々球場まで応援に来てくれることもある。俺が彼女に熱っぽい視線を送る頻度もずいぶん増え、そしてそれは、向こうも同じようだった。
正直言って、端から見れば既に立派な恋仲なのかもしれない。ふと、そんなことを思ってみたりもするのだが――
「はぁ……」
いくつか、首をもたげる大きな弊害があるのだ。俺は、彼女の連絡先を知らない。
彼女はいつも、春風のように不意に現れて、去っていく。
出会う度に次こそは、と意気込み、そして毎回タイミングを逸していた。
次第に膨らむ不安。
もしかしたら、彼女は意図的に避けているのじゃないか、と。事実、俺が話題をその方向に持っていこうとすると、持ち前の強引さで会話をねじ曲げられている気がした。
今日だって、出来ることなら二人一緒に過ごしたかった。
誘いさえかけられれば、きっと受けてくれるだろう。流石にそのくらいの自信はある。だが、俺には出来ない。彼女を誘うことなどできやしない。
そして何より、彼女は時たま寂しげに笑うのだ。どこか遠くを見つめて、淡く、弱々しく、不安げに。
この微妙なもどかしさが、俺の悩みの種だった。
彼女を掴みきれない。
この一点が、どうしてももう一歩踏み出せず、ただ思慕の情を募らせるにとどまる理由であり。
つまり、俺は片思い真っ最中なのだ。
753名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:58:46.85 ID:O7rcYwbl
ぴゅう。
また風が吹いた。
吹き抜けと化した、遮るものが何もない俺の中身は、寒さをモロに受ける。
(……仕方ない。帰るか)
非情な冷風に急かされて、希望に背を向け、負け犬が傷を舐め合う球団寮へと戻ろうとした時だった。
「あれ?どうしたんですか?こんなところで」
知った声に、背後から呼び止められた。今、一番聴きたい声だった。
「もしかして、暇だったりしちゃいます?」
驚きと、それを上回る喜びに胸を膨らましながら、ゆっくり振り向く。
積み重ねてきた偶然が、また一つ高くなった。
俺の唯一の女『友達』にして、俺の胸を悩ます張本人。倉見春香さんその人が、いつもの人懐っこい笑顔を浮かべ、赤茶色の髪をふわふわ揺らして佇んでいた。
「えぇ、まあ。見ての通り独りですね」
「じゃあ行きましょう!ほら、東先輩もいますから!」
差し出された小さな手。どこに、とも何しに、ともわからない手だが、俺は迷わない。ぐっと握ると、彼女は一段と輝く笑顔を俺に振り撒いて、俺を聖夜の灯りへと引っ張っていった。
今年の聖夜は、ひと味違うらしい。

754名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:59:27.43 ID:O7rcYwbl
「よかったんですかね、俺なんかが居ちゃって」
「まぁ、構わないんじゃないかな」
「まだ来てない人もいますしねぇ」
倉見さんに連れられてやって来たのは、集合場所らしいナマーズパーク前。
どうも話を聞くと、東さんたちの高校同窓会兼忘年会らしい。ピリリリリ。電子音が鳴った。
「あっ、先輩からです。ちょっと失礼しますね」
そそくさと倉見さんは会話の輪を抜け、携帯電話を耳に当てる。
「あ!湯田先輩、遅いですよ!……え?……はい。それは大丈夫です。もう、決めましたから。ですから、その、……手伝って、下さい。はい。ありがとうございます。じゃあ、待ってますね」
……何を決めたのだろう。何を手伝うのだろう。お店か何かの予約だろうか。それに何より、湯田……さん?その名前には、聞き覚えがあった。
「あと来るのは二人なんだけど、そういえば君は湯田くんが苦手だったな」
「え、湯田くん、ってやっぱりあのホッパーズの湯田さんですか?」
「ああ、そうだよ」
湯田浩一。
ポジションは投手。コーナーに変化球を投げ込むサウスポー。ストレートはそれなりだが、甲子園全試合を一人で投げたスタミナは健在で、回跨ぎも可能、ピンチに強く、コントロールも良い……はずなのだが、何故か四球も多く、何より被弾率が高い。
ノーアウトから四球、ヒット、三振、セカンドゲッツーで四者凡退など日常茶飯事。
時には同点に追い付かれたあと延長を一人で投げ抜き勝ち星を得るなど、その投球スタイルはかつて防波堤、時には土嚢と呼ばれた伝説の劇場王を彷彿とさせるのか、コアなファンが多く、親愛を込めて『湯ダコ』『四凡王』、
炎上時には『裏切り者』(ユダだけに)などと呼ばれているらしい。
今シーズンは6勝2敗31セーブの防御率2.83。
最多セーブのタイトルホルダーだ。
クローザーにしては多い勝ち星はいずれも芦沼の後を継いであげたものであり、うち5回は芦沼の勝ちを泥棒したものだが、それでも険悪な話を聞かないのは、湯田さんの人徳なのだろうか。
ちなみに俺は今シーズン、幾度となく劇場の終幕を飾らされてきた。
去年の最終戦、九回ツーアウト6点差から四死球を挟み6連続安打を浴び、1点差まで詰め寄られた挙げ句結局踏ん張り、両チームのファンの胃をこれでもかと痛め付けた、『最後の晩餐』と名高い大劇場のラストバッターも俺だった。
対戦成績は25ー2、打率にしてなんと一割を切っている。

755名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:59:49.37 ID:O7rcYwbl
「……くん、おーい」
「はっ、すいません東さん」
「大丈夫かい?何だか考え込んでたみたいだけど」
「あ、はい。ちょっと……」
野球は頭が良くないとできないスポーツだ。
加えて、キャッチャーというポジションから、俺は相手選手の特徴や、果ては敵チームの采配までを徹底的に叩き込んでいる。
例えば、あのピッチャーはワンポイントでフォアボールを出して帰っていくとか、あのチームは中継ぎをマシンガンのように連発してくるとか、そういうことだ。
ただ、ちょっと詰め込んだ量が多すぎたのか、一度自分の世界に入るとついつい没頭してしまう。
……改めないとな。
ぼりぼり頭をかいて東さんに向き直ると、もう東さんは俺を見ていなかった。
「おや、来たみたいだな」
視線を追うと、暗がりから二人の男が並んで歩いてきていた。仲良く談笑しているうちの一人は、中肉中背にメガネと、今季何度も煮え湯を飲まされた湯田さんだったが、もう一人の姿を俺はにわかには信じられなかった。
――まさか。
――いや、間違いない。あの人は……
「もう、先輩!遅いですよ!」倉見さんがとてとて駆け寄る。
――先輩。もう一人はこの人だったのか。
緊張に汗が吹き出してきた。震える足を必死で抑える。
「ん?あんたは確かナマーズの、何でこんなところに……」
「あ、わたしが呼びました。お友達なんですよ」
「あぁ、なるほど、お友達でやんすか……よろしくでやんす」
湯田さんがなめつけるように俺を見て、手を差し出す。半ば上の空でその手を握ると、湯田さんは倉見さんを連れて少し遠くへ行ってしまった。
何やら二人で話し込んでいる。すると、入れ替わりに、湯田さんよりもひとまわり大きな手が視界に入ってきた。
「初めまして。東さんに話は聞いてたよ。若くていいキャッチャーがいるって。よろしく」
感動に、卒倒しかけた。
甲子園優勝捕手として鳴り物入りで入団し、高卒一年目からスタメンマスクをかぶり新人王を獲得、その後も活躍を続け、今年は首位打者と打点の二冠、キャッチャーとしては驚異的な成績を残し続ける偉大な選手が、俺の、俺の憧れがっ……
「よ、よろろしきしくししおねびゃ」
「あ、噛みましたね今」
「おいおい、緊張し過ぎだろ」
「そうでやんす!基本フレンドリーなやつだから気楽にするがいいでやんす!」
そんなこんなでてんやわんやしながらも、お店へと向かう道中、俺はなんとか会話することができた。
ああ、俺幸せだ。
756名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:00:13.02 ID:O7rcYwbl
「だから、オイラは決してノーコンじゃなくて、一発を避けようとコーナーを丁寧につくが故の四球なんでやんす!」
「それってチキン……」
「うるさいでやんす後輩!さんざんカモられてきたやつには言われたくないでやんす!」
「う」
「あはは、湯田君が苦手なのか。確かに打ちにくいとこはあるよね。よし、その辺も踏まえながら同じキャッチャーとしてちょっとアドバイスをしてもいいかな?」
「ご、後生だからやめるでやんす……」
「もももちろんです!ああありりががとうございまぶゃ」
「あ、舌噛みましたね。痛そうです」
「まだ緊張してたのか」
「……大丈夫でやんすか、後輩」
「でも、確かに湯田くんはもう少し下半身をがっしりさせた方がいいかもしれないな。そしたら自然に球威もコントロールも増すだろうし」
「あはは、スチールさんだって『Oh、ミスターユダナラバットフラナクテイイナ』とか言ってますもんね」
「お、上手いねモノマネ」
「……ぶん殴っていいでやんすか、後輩」
「えー、でも湯田先輩が誰かを殴るなんて想像できませんよ」
「俺は高校時代いきなし殴られたことあるけどね、湯田くんに」
「本当かい?ちょっと興味深いな。話してみてくれないか?」
「……あれは、幸福者への鉄槌でやんす。悪かったと思ってるでやんすよ」
どんちゃんどんちゃん。
通りを離れた所にある居酒屋の一角で、お酒を交わしながら野球トークに盛り上がっていた。予想に反して予約をとっていなかったみたいだが、すんなり入ることができて、料理も美味しい、いわゆる穴場的お店だった。
湯田さんも大先輩も本当に人当たりが良くて、やや部外者の俺にもどんどん話しかけてくれていた。
男所帯だが倉見さんも慣れた調子で、高校時代の思い出話らしきものに花を咲かせていた。
中でも、とりわけ大先輩と喋る倉見さんは独特の雰囲気を醸し出していて、どこかぎこちない倉見さんの表情が、俺に一抹の不安を抱かせる。
……まさか。
「よし、じゃあまずはリードについてからいこうかな。とはいってもこれは俺の持論だから、あくまで参考程度だけど」
だが、そんな俺の不安は、対面の明朗な声に霧散した。
――今日の今日まで雲の上だった、偉大な先輩からの金言だ。すぅ、はあ。三度目の正直、落ち着いて――
「はい、是非お願いしみゃ……」
口の中に鉄の味が広がった。人間、運命には逆らえないらしい。
757名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:01:26.53 ID:O7rcYwbl
夢のようなひとときだった。
憧れの人たちと共に過ごせたクリスマス、叶うことならいつまでも続いて欲しい夜だった。
だが、現実は厳しい。店先を出ると、暖かな空気は凍てつく冷風に吹き飛ばされてしまい、宴の終焉を冷酷に告げられてしまった。
わかっている。わかっているのだ。年端もいかぬ子供じゃあるまいし、時間はどうしようもないのだということぐらい。
会計を終えた先輩たちが、倉見さんを連れて出てきた。
それでも、やっぱり寂しい。
先輩たちもそうだが、何より倉見さんに次いつ会えるのだろうか。
「ふぅ。楽しかったけどあっという間だったね」
「……全くでやんすねぇ。じゃあ、東さん、今年一年の締めとして音頭をお願いするでやんす」
「おいおい、いきなりだな」
湯田さんの無茶な振りに、東さんが咳払いする。
自ずと静まり返る場に、よく通る声が響いた。
「……今年は二人のタイトル獲得と、それから」
東さんは俺の方を見て、にっこり笑う。
「レギュラー奪取もだね。おめでとう。だが、決して満足することなく常に上を目指して欲しい。勿論俺も、来年は今年の分まで頑張るつもりだ」
「怪我も治りましたしね!応援してますよ、東先輩!」
「ありがとう、春香ちゃん。じゃあ、みんな……、一年間、お疲れさま。来年も更なる飛躍を目指そう」
すらすら言葉を紡ぎ、東さんは祝宴を締めくくった。
不測の事態にもそつなく対応する辺り、東さんは万能人だとつくづく思う。
「ふっふっふ、東さん、ありがとうでやんす。しかぁし、まだまだ夜は長いのでやんす!オイラの最多セーブ獲得を祝って二次会でやんす!オイラの奢りでいいからいくのでやんすよ!」 少し酔っているのか、湯田さんが大先輩の腕をわしづかみにしている。
二次会と聞いて俺のテンションも再興しかけたのだが、即座に鎮火されてしまった。
「……気持ちはわかるでやんすが、大人として二十歳になったばかりのぺーぺーをあんまり遅くまでつれ回すわけにはいかないでやんす。それより」
湯田さんが、倉見さんに首をしゃくる。
「春香ちゃんを送っていってあげて欲しいでやんす。いくらクリスマスでも、もう遅いでやんすからね」
「そうだな。よろしく頼むよ」
「は、はい!わかりました。任せてください」
棚から落ちてきたぼた餅に内心ガッツポーズ、散々打ち取られてきた恨みも忘れて、湯田さんに惜しみ無い賛辞を送った。
倉見さんと。無邪気に手を振る想い人と、この聖夜の下共に過ごす時間が、ちょっぴり伸びた。小さくなる背中に、今一度感謝を送る。
はたして念が通じたのか、湯田さんはもう一度だけこっちを振り向いて、消えた。
浮わついた心地で倉見さんの方を振り向くと、上目遣いで俺を見つめていた。
いつもの笑顔で、何かを待ち望むように。俺も微笑んで、右手を差し出す。
今日、彼女からの招待を受け取った手。ならば、彼女を無事に送り届けるのもこの手の役目だろう。
ぎゅっ。
数時間前にも感じた、小さな手のぬくもり。
ほんの数秒、こっそり幸せに浸り、そして。
「行きますか」
「……はい」


758名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:03:36.81 ID:O7rcYwbl
駅までお願いします。
倉見さんはそう言った。ここから駅までなら二十分。できるだけゆっくり歩こうと思った。
「もうすぐ」
おもむろに、倉見さんが口を開いた。
「もうすぐ今年も終わっちゃいますね」
「はい。早いものです」
吐く息は白く、話すたびにもやが混じりあう。
そんなささいな交わりすら嬉しくて、俺はさらに歩を緩めた。
「けっこう遊びに行きましたよね、今年」
「ええ。こないだの遊園地は楽しかったです」
ほのかな街灯が、ほんのり赤い倉見さんの頬を照らす。
二人きりなどもう慣れっこの筈なのに、クリスマスの魔力なのか、不必要なほどどぎまぎしてしまう。
結んだ手の距離も、心なしかいつもより短い。
「……本当に、楽しかった、ですか?わたしと一緒で」
並んでいた小さな肩が、少し後ろになった。ペースダウンした彼女の歩幅に合わせて、もっとゆっくり歩く。
クリスマスの喧騒から離れた裏路地。アスファルトに、靴音がよく響いた。
「もちろんですよ。今日だって、幸せな時間は、残酷なほどあっという間でした」
「そう、ですか……。まったくですよね。時間は、先回りも、後戻りも、できなくって、どうしようもなくって、……残酷、です」
靴音が、どんどん遅くなっていく。何処かに引き摺られていくような声色。何かタブーを踏んでしまったのだろうかと思い、慌てて言葉を継ぎ足した。
「でも、短くても濃密でしたよ。今日は最高のクリスマスでした。湯田さんは面白い人でしたし、憧れの先輩とも話せましたし……それに、何より倉見さんと一緒に過ごせましたから」
慌てたが、取り繕った言葉じゃない、偽らざる気持ちだった。
足はもう止まってしまっている。
倉見さんの返事はなかった。妙な照れ臭さを誤魔化そうとして、再び歩き出す。しかし、繋いだ腕はまっすぐに延びて、俺の足取りも急停止した。
倉見さんは立ち止まったままだった。ほのかに頬を染め、じっと空を見つめている。
キラリ。その目尻が、一瞬光った気がした。
――涙?
759名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:04:02.18 ID:O7rcYwbl
「あ、雪」
倉見さんが、空を眺めたまま、ポツリと言った。
ふわふわふわ。暗白色の曇が落とした無数の白い綿毛が、いつの間にか、ホタルのように暗闇を飛び回っていた。
ひとつ、倉見さんの顔に落ちて、ホロリと溶けた。
残された雫は、倉見さんの目尻に宝石のように輝いている。
さっきの光はこれだったのだろうか。
「ホワイトクリスマスですね……」
「あ、そう言えば……」
ほよほよと、またひとつ、倉見さんの小さな鼻の上に落ちた。俺が小さく笑うと、倉見さんも少し恥ずかしそうに、クスリとした。
まるで恋人同士のような雰囲気に気恥ずかしくなって、思わずうつむいてしまう。
……恋人のような、か。
一体いつまで、俺たちはこのままなのだろう。
俺は、倉見さんが大好きだ。倉見さんだって、俺のことを好いてくれている、とは思う。
少なくとも、お互い友達以上には意識しあっているはずだ。そろそろ一歩踏み出すべきではないのか。幾度となくそう思ったこともある。
だが。俺はやはり看過できない。
倉見さんに時折訪れる影を。俺はこの人をどこか理解しきれていないのではないか、そんな疑問を。
現に、今日だって、大先輩の前で――
「……あの」
はっと我に帰る。
倉見さんが、妙にこわばった面持ちで俺を呼んでいた。
「は、はい……行きましょうか、駅」
「違うんです!」
突如張り上げられた、およそ倉見さんらしからぬ悲鳴。
「ど、どうしました?」
「あの、あのっ、今日ですね……」
「はい」
「今日、これから……」
「これから?」
「そのっ、お時間はありますか!?」
形のいい眉をきゅっとすぼめて、ままよ、と言わんばかりに倉見さんは叫んだ。
唇を噛みしめ、立ち上らせた烈帛の気合いに若干気圧されながらも、俺は倉見さんの意図を図りかねて、一つ尋ねる。
「……どうして、って聞いていいですか?」
「お話し、したいんです」
「俺と、こんな時間に?」
「はい」
即答だった。
倉見さんをもう一度眺める。
固い決意を浮かべた顔に、俺は天を仰いだ。
突き刺さる冷気が、停止しかけた頭を冷やしていく。
倉見さんは、頭のいい人だ。少しそそっかしいところもあるけれど、その利発さは、この一年の付き合いの随所に表れていた。
だから、倉見さんが何の思慮も無しに、俺を誘ったとは思えない。今日はクリスマスであり、もう夜は遅く、何より俺は男で、倉見さんは女性なのだ。
それを踏まえてのお話しならば、よっぽどのことなのだろう。或いは、全てが俺の自意識過剰で、実は俺を完全に人畜無害なお友達としてしか見ていないか、だ。
長い息を吐き出す。
後者だったら寂しいなぁ、なんて思いながら、夜に消える吐息を見送る。
「……わかりました。でも」
ちらっと腕時計に目を向けると、針は、十一時を少し回っていた。
「場所が問題ですね。……ウチの寮とか来ちゃいます?」
口調は冗談染みているが、ぶつけた言葉は真剣そのものだ。
結んでいた手を解き、再び差し出した。覚悟には、覚悟で返す。
間髪いれずに、右手を強く握られた。
「はい、お願いします」
揺るぎない言葉に、俺は微笑んだ。ほっとしたのか、倉見さんも固かった表情を崩し、俺を魅了するいつもの笑顔をくれた。
そして、一緒に歩き出す。駅とは逆の、住み慣れた球団寮へと。
ぴゅうう。
またしても風が吹いた。が、今度は寒くなかった。どうやら、今年の聖夜はもうしばらく続くらしい。

760名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:05:55.35 ID:O7rcYwbl
カラァン。
グラスの氷が、透き通った音をたてる。
寮の自室に、俺と倉見さんは向き合って座っていた。
手持ちぶさたに、氷を入れたスポーツドリンクをちびちび飲む。倉見さんは一言も話さない。
初めは男の部屋など物珍しかったのか、おどおどと目で部屋を眺めていたが、いざ雰囲気が整うと、縮こまってしまった。
俯いて、何かに怯えたように、ただ小さな肩を震わせて。
「寒いですか?」
「……あ、いえ、違うんです。……ごめんなさい、わたし」
「大丈夫ですよ」
「え?」
「焦らなくても、大丈夫です。気付いてないと思いますけど、倉見さん、今とっても恐い顔してます」
「……、迷惑かけちゃってますから」
「そんな心配しないで下さい。……この一年。大して長い付き合いじゃないかもしれませんけど、それでも俺は、いろんな倉見さんと一緒にいたつもりでした。でも」
夜道のやりとりを思い出す。
歪んだ表情。夜を切り裂いた、悲壮な叫び。全てが、俺の知る倉見さんとは真逆だった。
「俺とお話ししたいと言ってくれたときの、歯を食い縛って、今にも泣きそうだった倉見さんを、俺は見たことがなかった。正直、驚きましたよ」
少し苦笑いする。倉見さんは頭をあげて、不安げに俺の胸当たりを見つめていた。
「……だけど、違うんですよね。驚くことなんて何もなかった。だって、俺は知らなかったんですから」
そうだ。結局俺は――
「俺は、倉見さんのふんわりぽかぽかした笑顔を知っています。いつぞやホラーな映画を見に行った時の、びくびく怯えた倉見さんを知っています。
だけど、今日の今日まで、あんなに辛そうな倉見さんは知らなかった」
――俺は、この人の笑顔の外を全然知らないままだ。
「一番知らなくちゃいけないことを、俺は全く知らなかったんです。
倉見さんに言われるまで、俺はそんなことにも気付いていなかった。なのに、俺はこの一年、倉見さんとそれなりに近くなった気でいました。
……迷惑なんかじゃありません。むしろ、俺からお願いします。教えて下さい、倉見さん。あなたのお話しを、もし俺でいいのなら。
俺は、あなたのことをもっと知りたい。もっともっと、あなたに詳しくなりたい。全部聞き遂げます。
たとえどんなお話しでも、俺は今日この夜をあなたに捧げます。ですから……、教えて下さい。俺のまだ知らない倉見さんを」
少し、強引だったかもしれない。だけどもう逃したくなかった。この一年の正体不明の違和感を解消する糸口を、ようやく掴みかけている。
ここで離してしまえば、俺は永遠に倉見さんに近付けない。
夜も遅いというのに俺との会話を望んだからには、たとえ俺のことをどう思っていようと、逃してはいけない、相応に重要なお話しに違いないのだ。
761名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:08:15.18 ID:O7rcYwbl
「あの……」
控えめな声。視線がゆっくりと下がっていく。
まさか、糸口は掴む前に引っ込んでしまったのか、そう思って慌てて目を追いかけると、
「わ!す、すいません、つい」
いつの間にか、俺は倉見さんの手をひしと握っていた。
それも両手で、がっしりと。
頬がひりひりする。見れば、倉見さんも同じようで、真っ赤になっていた。
「いきなり手なんて握らないで下さいよ!不意打ちです!反則です!照れるじゃないですかちくしょー!」
叫ぶと同時に、ぶんと握りこぶしが振り上げられる。
今年何度か目にした、倉見さん独特の感情表現。肉体言語と言うべきか。
とにかく、火照った顔は愛嬌たっぷりだ。
……かわいい。本当に、かわいい。こんな場面でも魅了されてしまうほど、この人はかわいい。
「どうかしました?ぼーっとして」
「……、いえ、何でもナイデス」
まさか見とれてました、とは言えない。それよりもだ。
「踏ん切り、ついたみたいですね」
弛緩した空気にほだされたのか、ひと噴火してすっきりしたのか。らしくなくまごついていたさっきまでとは顔付きが違う。
「……はい」
やんわりと笑う倉見さん。
「まず、ありがとうございました」
「何がです?」
「わたしのお話しを聞きたい、って言ってくれて。わたしの背中を押してくれて。
ようやく決められそうです。……二年前と一緒。結局わたしは一人じゃ何も出来ませんでしたから」
二年前。引っ掛かる言葉だったが、今は気にしていられない。
「そんなことないです。そもそも、倉見さんが俺を引き留めなければ、俺はそのまま駅に送ってましたよ。誰がなんと言おうと、今の状況は倉見さんが掴みとったんです。負い目なんかいらないですよ。胸張っちゃってください」
認めてもらわなくてはいけなかった。倉見さんの振り絞った勇気を、倉見さん自身に。
俺は、申し出をあっさり断ることもできた。と言うか、なにせ時間が時間だ。普通なら断っていた。
倉見さんだって、怖れただろう。断られたらどうしよう、と歩を躊躇っただろう。だけど、倉見さんは止まらなかった。確かに一歩、足を踏み出した。
それは、紛れもない倉見さんの勲章だ。
「……そうですか。わたし、頑張ったんでしょうか?」
「その通りです。倉見さんは、今夜、すっごく頑張ったんですよ」
「えへへ。そう言って貰えると、少し気が楽になりました。
……えっと、じゃあ、もう少し頑張りますから」
「はい。大丈夫ですよ」
「……お願いします」
カランカラン。
倉見さんが、グラスを手に取って、少し口づけた。
小さく喉を揺らして。そして。
「……昔、好きな人がいました。ずっと、好きでした」


762名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:08:48.82 ID:O7rcYwbl
カランカラン。
場末の居酒屋には似合わない、澄んだ音を氷は持っている。
この世の綺麗なものだけを集めて固めた、透き通る結晶。
それは当たり前のように美しいが、残酷なほど冷たくもある。グラスを傾ける。乾いた唇に、凍てつく冷気がしみた。
左手で握りこぶしを作り、開く。何度か繰り返すうちに、少し酒の回った頭にも鮮明に浮かんでくる、鈍い痛み。
後にも先にも、誰かを思い切り殴ると言うのはあれっきりだろう。
忘れもしない、高校時代の後悔のカケラ。
――思えば、爽やかな春風のような子だった。
沢山の人の愛情を一身に受けて育ったのだろうその子は、また自身も愛らしい笑顔を振り撒いていた。
見る人全てを自然と幸せにできる子だった。
そんな子は、時折一段と魅力的な顔を覗かせていたのだ。
それが、一人の男の側に居る時だった。先輩、先輩、と呼ぶことすら心地よかったのか、周りをぴょこぴょこ跳ねながら、春を謳歌していた。
ほとんど毎日だっただろうか、時には堂々と、時にはこっそりと、グラウンドに遊びに来ては大きな瞳を目まぐるしく動かして、ずっと一人の野球部員を見つめて。
誰もが一目見て気付いてしまうほど明らかに、その子は恋していた。
相手は、自分もよく知った人物。
入部当初からバッテリーを組み、クラスも同じ、話してみると気が合い、あっという間に親友と読んで差し支えない間柄になった。
だから。だから安心していた。正直少し妬ましかったが、そいつは真面目で友達思いで、顔もいい。美男美少女、お似合いじゃないか。
そんなことを思いながら、いつも目の端で二人を追っていた。あの子の幸せを願い、また信じて疑わなかった。
だが。
とある日を境に、その子の笑顔は凍りついてしまった。
最初は気のせいかとも思ったが、一ヶ月もしないうちに恐れは確信に変わった。
春のうららかな陽光はぱったり消え失せ、木枯らしのように乾いた笑みを、親友の前で無理矢理張り付かせていた。
763名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:11:22.88 ID:O7rcYwbl
愕然とした。
百八十度変わってしまったあの子に、一体何が起こったのだろうか。
あれこれ考えていると思い当たったのが、学校の文化祭だった。
様子がおかしくなったのは、ちょうどその頃ではなかったか。二人が一緒に出し物を回っているのは知っていた。
もしやと思って尋ねて回ると、文化祭の日に一緒に帰る二人を見た、と言う話を聞いた。

一抹の不安を抱えながらも、後は親友に直接聞くしかなかった。
一体、当日あの子と何かあったのか、と。
返ってきた答えは、受け入れ難いものだった。頭が、理解を拒否した。
爆発的に膨らんだどす黒い衝動に身を任せ、渾身の力を込めて、親友の頬をぶん殴った。
ゴッ、と響く鈍い音。
……元々、腕っぷしに自信などまったくなかった。
体格も力も負けている自分など、喧嘩して勝てる見込みはまるでゼロだった。
にわかに騒然となる教室。
誰かの悲鳴、野次馬の足音。
だがそんなことはどうでもよく、激情に駆られるまま二発目を繰り出そうとした瞬間、倒れた親友を見てしまった。
その顔に浮かんでいたのは、憎悪でも恐怖でもなく。
親友は、ぽかんと口を開けていた。
二発目を撃つには、その顔はあまりに鈍く、そいつとの付き合いは長すぎた。
とうに知っていた。
そいつは、親友は、いたずらに人を傷つけるような人間ではないということぐらい。

振り上げた拳を、力なく落として。
しばし、呆然と立ちすくんで。
額を、床に擦り付けた。
何度も何度も、うわ言のように謝罪を繰り返した。
気づいてしまっていたのだ。
あの子の悲痛な覚悟を踏みにじり、ぶち壊す一歩手前だったことに。
ぶつけた胸のうちを全て無かったことにされて、それでも慕う『先輩』に負い目を残すまいと、必死に笑ったであろうその子の思いを、踏みにじりかけたことを。

親友を殴っている場合ではなかった。
真っ先にその子の元に駆けつけて、溜め込まざるを得なかった絶望を吐き出させるべきだった。頭では解っていた。

なのに、出来なかった。

怖じ気づいたのだ。
その子との繋がりはそもそも希薄、精々『先輩』の友達、程度だった。それに何より、いざ悲哀を露にされて上手く受け止めるだけの自信もさっぱりなかった。
赤の他人が口を挟んでも、傷口を広げるだけかもしれない。
そんな不安に負け、その子をみすみす見殺しにした。
いずれ時が癒してくれるだろう、と無責任に信じて。

とんだ勘違いだった。
時間は、残酷だった。


764名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:12:00.96 ID:O7rcYwbl
カラカラカラ。
二度、グラスを傾ける。
少し溶けた氷は、先程より軽い音を鳴らした。
薄く笑って、目を閉じる。


……結局、卒業してもその子は変わらなかった。
二年前のことだ。
久しぶりに四人で集った時も、変わらず乾いた笑みを張り付かせ、その子は親友にすがり付いていた。
痛恨の極みだった。
その子の心は、思い出の中に置いていかれてしまっていた。
失意の中、時間に取り残されて、たった一つ手元に残った、儚くも華やかだった初恋への未練が、やがて心を過去に氷付けにしてしまったのだった。
だが、その子はまだ、かろうじてひどく自嘲めいた素面を覗かせることがあった。
見るのも痛々しい姿だったが、それは同時に唯一の光明でもあった。
まだ、辛いと感じてくれていた。
まだ、立ち向かってくれていた。
まだ、心を止めてはいなかった。
今度は迷わなかった。
滅多に使わない携帯電話の、一度も使ったことのないアドレス。
たった一文、短いメールを作り、町外れの喫茶店にその子を呼び出した。
ぽつぽつと会話するうちに、長年その子を蝕み続けたしがらみがだんだんと見えていった。
うちひしがれて、自分を誤魔化しながらも辛うじて止まってはいなかった心の歯車に、無数の過去への未練が糸のように食い込み、軋んだ音をたてていた。
高校時代のあの時からずっと、その子はたった一人で苦しんできたのだ。明らかに限界だった。あちこち傷だらけで、今にも止まってしまいそうだった。
もう、ほどくことはできなかった。長い時をかけ、幾重にも絡まってしまった糸は迷路のように複雑で、一つ一つたどる猶予など、その子にはもう残されてはいなかったのだ。

だから。

全てを切った。

大きな刃物で、その全てを乱暴に断ち切った。


反動で、その子は倒れた。体を、心をしこたま打ち付けて。
よっぽど痛かったのだろう、その子は声をあげて泣いた。
……出来ることなら、優しい言葉をかけてやりたかった。
こんがらがってしまった過去への憧憬を一つ一つ丁寧にほどいていって、泣かせることなく元に戻してやりたかったのに。
無力な自分には、叶えられぬことだった。
だが、別れ際のその子は、ペコリと頭を下げて、少し恥ずかしそうに笑ってくれた。
それはまだまだ万全には程遠かったけれど、昔を思い起こさせる、この子本来の笑顔だった。
少しだけ救われたのを、今でも覚えている。
765名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:12:44.41 ID:O7rcYwbl
そっと目を開けると、眩しい明かりが目にしみた。
ポケットから携帯電話を取りだし、受信メールを開いていく。『お友達が出来ました!男の人です!〇><』
『今日はボーリングに行きました!こてんぱんにされました!ちくしょー!〇><』
『今日はショッピングでした!可愛い髪留めを買ってもらっちやいました!〇><』
『今日は遊園地に行きました!ちょっと、昔を思い出しました……』

可愛らしい顔文字もだが、何よりその内容に救われた。
たった一人、取り残されても。過去に、後ろ髪を引かれても。あの子は未来に背を向けなかった。
先の見えないトンネルの中、あの子は土俵際で踏ん張り続けて、なんとか前に倒れてくれた。荒療治を施され、思いっきり転んで、痛くて泣きじゃくって、……それでも、前に。
一度だけ、お友達とのことを直に訊いたことがある。柔らかに笑って、わからない、でも優しい人だと言っていた。その笑顔を見て決めたのだ。
その時の笑顔は、昔に負けず劣らず素敵なものだったから。
この子をもう一度笑顔にさせた、顔も知らないお友達になら、すべてを託せると。
やれるだけのことはやったはずだ。
何とか二人きりを作り出した。もう、手助け出来ることはない。ここから先は、あのお友達に任せるしかなかった。
「どれ、そろそろお開きにしようか」
「そうですね、東先輩。もう遅いですし。おーい、もう帰ろうよ。俺も明日は真央ちゃんと遊びにいくし」
真央ちゃん、か。
何も知らない親友は上機嫌だ。
あのぶん殴り事件の後も、友情は変わらぬまま今日まで続いている。共にヒーローと闘い、甲子園を勝ち上がり、卒業後もリーグこそ違えど同じプロの舞台で頑張っている。
甲子園優勝バッテリーとしてオールスターで対峙した時は、柄にもなく燃えた。暇な時は一緒に飲みにも行く。友情同様、相も変わらず親友はまっすぐないいやつだ。
ただ、酔う度に『真央ちゃん』がいかに可愛いか熱弁をふるうのは勘弁してほしい。
おかげで今では、二人の馴れ初めから何までほとんど覚えてしまった。
まぁ、結果的にそれがあの子の治療に役立ったと言えば役立ったのだが。
それにしても、『真央ちゃん』とは高校一年からの付き合いだったとは。
片手に余るほどの年月が経てども今も変わらずこれだけ熱を上げていては、当時からどれだけ溺愛していたかもはかり知れる。
だからこそ、あの子は完膚なきまでに打ちのめされ――そして守ったのだろう。
歯を食い縛り、失意を内に隠し、『真央ちゃん』に注がれているだろう笑顔を。
あの子自身もさぞ欲しかっただろう親友の心からの笑顔を、決して負い目で曇らせてしまわないように。
弱冠十五歳だった少女が身を挺して、自分の恋心をかなぐり捨てて。
――頼む。いい加減報われてもいいだろう。
一心不乱に祈り、グラスに残ったぬるい酒を飲み干した。
氷は、もう溶けていた。
766名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:13:34.97 ID:O7rcYwbl

お話しは、倉見さんの学生時代を巡るものだった。
高校受験の日に、校門前で受験票を落としたこと。その時に一緒に探してくれた、優しい人、『先輩』との出会い。
その人に惹かれて、難関私立を蹴ってまで選んだ花丸高校へ無事入学できて、飛び上がって喜んだ春のある日。
全ての始まりが、その日だった。
先輩との再会、買ってもらったばかりの携帯電話に初めて登録した電話番号。日々の些細な出来事でも、初めは先輩と話しているだけで楽しくて仕方がなかったそうだ。
でも、だんだん物足りなくなっていって。
ある日観に行った試合での、野球をしている先輩が、とてもかっこよくて。おぼろげだった恋心を、そのころはっきり自覚したらしい。
梅雨も開けて、東さんについてく形で野球部の練習をよく観に行くようになったこと。
あんまり先輩ばかりを見つめていたから、東さんにバレちゃって、今度どこかに連れていって貰ったらどうだ、と言われたこと。
それで踏ん切りがついて、一生懸命台詞を考えて、噛まないように復唱して申し込んだ、初めてのデート。
意外とすんなり先輩は了解してくれて、それからは時々遊びに行くようになった。そんなに頻繁にはいかなかったけれど、
先輩と二人っきりなだけで幸せで幸せで、会うたびますます好きになっていって、落ち着かなくてベッドで足をばたつかせたり、もう四六時中先輩が頭から離れなくなってしまったのだと、倉見さんは語ってくれた。
本当に、微笑ましかった。
お話しの中の倉見さんは、今より少し幼くも、今と変わらない素敵な笑顔で春を謳歌していた。
先輩の腕をとって、あちこちはしゃぎ回る高校一年生の倉見さんが、安易に想像できた。
目を閉じて聞いていたら、きっと俺は笑っていただろう。これがラジオドラマなら、心暖まる傑作だったはずだ。
だからこそ、心配だった。
お話しの中の倉見さんとは違い、今俺のそばに居る倉見さんは、ひどく切なく、寂しげな笑みを浮かべているのだ。
嫌でも解ってしまう。このお話しが、このまま平和に終わらないことぐらい。
だから、俺は笑わない。笑えない。その代わりに、倉見さんをずっと見つめていた。
一字一句聞き漏らすまいと、全意識を、倉見さんに集中させていた。
やがて、お話しは秋を迎えた。
心なしか、倉見さんの顔色に影が増えた。
寂しげな笑みはさらにその色を強めて、まるで笑いながら泣いているようだった。
間違いない。このお話しの山場が、秋にある。
倉見さんに、こんなに似合わない笑みを浮かべさせる出来事が、俺が知らなくてはならない倉見さんが、ここにいる。
一端、倉見さんが語りを止めてグラスに手を伸ばした。
俺も残っていたドリンクを飲み干す。いつの間にか、氷は小さくなっていた。
ほぼ同時にほぅっと息をついて、それがなんだか恥ずかしく、一緒に顔を赤らめて、再び、向き直った。
「じゃあ、もうしばらく、お願いします」
「はい。喜んで」
767名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:14:58.98 ID:O7rcYwbl
「……恋心って、不思議なものなんですね。
好きになればなるほどどんどん膨らんでいって、その分だけ、幸せと不安が同時にやって来るんですよ。
……あれは忘れもしません、10月の初め、東先輩が野球部を引退しちゃって、わたしもちょっと練習を見学しづらくなっちゃった頃です。
出会って半年、わたしはもう先輩に完全に心奪われていて、ひとつ、大きな大きな心配事がありました。
先輩は、誰か好きな人が居るのかな、って。
あまり考えないように努めてたんですけど、いい加減限界だったんですね。
ただの仲の良い先輩と後輩じゃ我慢できなくなって、先輩の特別になりたくて、でも、下手にフラれて今の関係が消えるのも恐くて……、堂々巡りの中、ふと行事表を見たら、文化祭が近づいていました。
渡りに船でした。
文化祭、先輩を誘ってみよう。誰かいい人がいれば、きっとその人と一緒のはず、そして、もし一緒に回ってくれれば、その時は……思い切って、告白しちゃおう、そう計画立てました。一度決めれば後は速かったです。
また台詞を考えて、何度も復唱して、いつもより早く起きて鏡とにらめっこしておめかしして……。受験なんて目じゃないぐらい緊張したまま、到着するなり野球部のお店に直行して、先輩を早速誘いました。
そしたらです。思いの外、あっけなかったんです。
わたしが差し出した手を、先輩は迷うことなく取って、いつものように笑ってくれたんですよ。
もう、有頂天でした。
そんなに広い学校じゃありませんでしたけど、先輩と一緒に回るだけで夢の国のようでした。時々先輩が同級生らしき人にからかわれてて、照れながらも、満更でも無さそうだったのがまた嬉しくて嬉しくて仕方がなかったんです。
もしかしたら、もしかするかも……。そんな淡い希望も抱きました。
それで、二人っきりの帰り道に、夕焼けの河川敷で、尋ねたんです。
先輩は、好きな人は居ますか?って。そしたらですね、思いの外、あっさり答えてくれました。
ふふ、どんな答えが返ってきたと思います?」
……出来ることなら、倉見さんが好きだと、そういう類いの言葉を答えたかった。
だが、倉見さんは、薄く笑っている。
まるで笑うことが唯一の救いであるかのように、悲しみも、苦しみも全て押し込んで、倉見さんは無理矢理笑っている。
俺が知らなくてはならない、この一年の違和感の象徴とも言える、薄っぺらい笑みだった。
そんな倉見さんを目の当たりにして、明るい言葉なんて、かけられるはずもない。断腸の思いで、俺は恐らく正解だろう答えを口にした。
768名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:15:32.64 ID:O7rcYwbl
「……フラれちゃった、んですか?」
しかし、確信に近かった予想に反して、本当に意外なことに、倉見さんは首を横に振った。
「……いいえ。それなら、まだ……。わたしの台詞が悪かったんです。
先輩は、居るよ、って一言、当たり前のように言いました。
そして、わたしがまだなにも言わないうちに、先輩の彼女さん……、『真央ちゃん』って言う人なんですけど……、その人のことを、たっぷり十分ぐらい、微に入り細に入り話してくれました。
よくぞ訊いてくれた、キラキラ光らせた目はそう語ってましたよ。わたしなんかには一度も見せたことのなかった、底抜けに明るい吸い込まれる笑顔で、ちょうど一年ぐらい前に出会ったんだとか、
掴めないけどなんだか放っておけない子なんだとか、とにかく溺愛っぷりをとことんのろけられて。
……あらかたお話しが済んだときには、わたしは相当グロッキーで、頭の中ぐちゃぐちゃだったんですけど、先輩は、その、勿論そう思ってやったんじゃないにしても、すでにギリギリだったわたしに、とどめを……、春香ちゃんは誰かそういう人は居ないのか、
かわいいのに、って、いつもの笑顔で、わたしの知ってた笑顔に戻って、言われちゃいました。
あ、でもですね、わたし、その時は泣かなかったんですよ?
いつもみたいに先輩と別れて、家に返って、鏡の前で一生懸命笑う練習してた時に、ようやく、でした」
「……倉見さん」
「だって、先輩はわたしのことなんかなんとも思ってなかったんですから。わたしが勝手に舞い上がってただけで、先輩に心配かけちゃいけませんでしたし、何より、これだけ思いっ切り眼中にない、って言われちゃっても、それでもわたしは先輩との関係を維持したかった。
だから、わたしは笑う必要があったんです。
先輩が、大好きだったんですよ」
少し、早口になっていた。
乾いた笑みは、あからさますぎる空元気は、あまりにも倉見さんに似合わない。
……それだけ、思い出したくないのだろう。
「バカみたい、ですよね。先輩には一年も前に特別な人がいたのに。もうその席には先に人が座っていたのに。
わたしは一人勘違いして、半年間ずーっと、行き止まりをぐるぐる回ってただけですよ。
気づいた時にはもう遅くて、先輩ばっかり追いかけてたつもりだったわたしには、何にも残りませんでした。
それからの学校生活は、よく覚えてません。
全部、白黒の世界でした。あんなに楽しかった毎日が嘘のように、日々をぼぅっと過ごしてました。
ふふ、かくしてわたしは、フラれることすらできなかったのですよ。わたしの初恋は初めからバッドエンドだったのですよちくしょー!」
叫んで、倉見さんはぶん、とこぶしを振り上げた。
その仕草は、俺のよく知る倉見さんに似ていた。だが、俺にはわかる。この一年、倉見さんの笑顔を側で見てきた俺にはわかる。
振り上げられたこぶしに、まるで勢いがないことを。
張り付かせた笑みが、やけっぱちであることを。
倉見さんは、俺に教えてくれた。
未だ癒えぬ傷をこじ開けて、切ない過去を明かしてくれた。……辛いのだろう。苦しいのだろう。
それはきっと、わざとらしい明るさで、早口で捲し立てることで、やけっぱちの笑みで、思い出から自分を守ってやらなければならないほどに。
「あ、あれ?笑わないんですね」
笑えなかった。
「可笑しくありませんか?
結局、わたしが一人で舞い上がってただけだったんですよ?
終わっていた恋に半年も悩んで、始まってすらいなかった青春に心踊らせて、結局フラれちゃうことすらできなかった。
初めからわたしはただの後輩って決まっていたのに、一人で勝手にはしゃいで、落ち込んで、でも先輩は何も知らなくて。
そんなの滑稽じゃないですか。ほ、ほら、笑えてきませんか?」
笑えるわけがなかった。
「……笑いませんよ」
笑ってはいけなかった。言葉とは裏腹に、倉見さんは見るからに不安で満ちていた。
揺れる瞳で、上ずった声で、俺に賭けていた。
「倉見さんが、本当は笑っていませんから」
笑ってしまえば、倉見さんも笑わざるを得なくなる。そうすれば、倉見さんが遠くに行ってしまう。もう二度と届かない、はるか彼方へ。
769名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:16:04.91 ID:O7rcYwbl
「それより、倉見さん」
「……、はい」
図星だったのか、倉見さんはもう笑っていなかった。
逆に安堵する。あの嘘っぱちの笑みを取っ払わないと、倉見さんと腹を割って話すのは叶いそうになかった。
「もう、終わっちゃうんですか?」
「え?」
「倉見さんのお話しですよ。もう続きはないんですか?」
「…………、どっちだと、思います?」
質問に、質問で返される。
俺は迷わない。もとより答えは決めていた。
「俺は、まだ続くと思いますよ。倉見さんのお話し」
「……どうして、そう思うんです」
訝しむというよりも、すがりつくような、倉見さんの声色。
今度はすぐには返さずに、じー、と倉見さんの目を見つめる。倉見さんがくすぐったいように身震いして、次第に顔中が赤く染まっていった。
「あ、あの?」
若干しどろもどろになって俺をせかす。
ふ、と頬を緩めた。答える前に、素の倉見さんをもう一度見ておきたかった。
「倉見さんですよ。倉見さんが理由です」
「……どういう意味ですか?」
「倉見さんは、ここにいる。今こうして俺の目の前にいます。今を生きている限り、人のお話しは続く。俺はそう思います。……それに」
少し逡巡したが、言葉を繋げた。
「信じたいんですよ。俺の……、いや、俺と倉見さんの一年を。もともと、違和感は感じていました。
どこに遊びにいっても、倉見さん、たまーにぎこちなく笑ってたじゃないですか。
見かけは、ちょっとだけなんです。いつもの笑顔と、その笑みが違うのは。
それに、すぐ顔を引っ込めちゃうんですよ、そっちは。だから、いまいち俺は正体を掴めないままでした。……もどかしかったですよ。
あぁ、どうしてこの人は、時々あんなに寂しそうに笑うんだろう、って。
今ならわかる。あの笑い方は、倉見さんの仮面だったんですね。のっぴきならない現実に迫られて生みざるを得なかった、あの作り笑いは」
「……」
「はたから見る分には、違いなんてわからなかったと思います。俺だって、初めは気のせいかと思った。そのぐらい、よく作られた仮面だった。…
…でも、この一年間、俺に見せてくれていた笑顔を、思わず見とれちゃうぐらい素敵に笑っていた倉見さんを、俺はニセモノだなんて思えない。
垣間見せていた物憂げな笑みや、さっきのやけっぱちな笑みと、俺の大切な思い出が同じなわけない。身勝手な話ですけど、自惚れかも知れませんけど、それでも俺は信じます。
今日まで俺が見てきた倉見さんは、ホンモノだ。
だから、倉見さんのお話しはまだ続く。過去を振り切って、今このときへと至る第二章があるはずだ。あるに違いない。あってほしい……って、ちょっと、倉見さん?」
ぴと。組んでいた手の上に、微かに汗ばんだ小さな手のひらが重ねられた。
ぎゅっと、軽く力が込められる。
倉見さんが、ちょっぴり泣きそうな顔で、俺の手を握っていた。
一方の俺も、かぁっと頬に帯熱する。不意に手を握られてしまい、胸の鼓動が跳ねあがった。
「えへへ。不思議ですね。手って、不意に握られるとあんなに恥ずかしいのに、いざこっちから握ってみるとそうでも無いんですね」
「いや、俺はどっちも恥ずかしいですけど」
「あれ?そうですか?……それより」
倉見さんが少し首をかしげた。ふぁさ、と赤茶色の髪が揺れる。手は、まだ握られたままだ。
「凄いですねぇ。わたし、昔にそうとう頑張ったんですよ?
先輩にばれないようにって、何回も何回も練習して、長い間これで、先輩も、わたし自身さえもずーっと誤魔化してきたのに、たった一年で見破られちゃうなんて思いませんでした」
たった一年、か。
「たかが一年、されど一年ですよ。……倉見さんだって、そうだったんじゃないですか?」
少しだけ、いじわるだったのかもしれない。
傷口をピンポイントに突っついてやると、倉見さんは怯んだらしく、重ねた手が離れた。お返しに今度はこっちから握ってやる。
あっ。そんな呟きと共に、倉見さんの顔もまた赤くなった。
でも、もう慣れてしまったのか、頬こそ染めてはいたが、掴まれた手を離そうとはしなかった。
「えへへ……」
「ははは……」
なんだかくすぐったくて、一緒に笑う。
覗かせた笑顔は、弱々しくも裏のない澄んだもので、願望に近かった俺の推測は確信へと姿を変えた。
この素敵な笑顔が、バッドエンドなわけがない。
倉見さんのお話しは、まだ終わらない。
願わくは、第二章が再起の章でありますように――
「倉見さん」
「……わかってます。続き、ですよね」
「はい!」
770名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:16:28.87 ID:O7rcYwbl
「ちょうど二年前です。一通のメールが、わたしに届いたのは」
二年前。聞き覚えのある言葉だった。
「相手の人とちょっと前に会ったばかりじゃなかったら、さぞかし驚いてたと思います。
だって、高校生の頃に、それもまだ先輩がいた頃に交換したきりのアドレスでしたから、まさかと思って。
――話したいことがある。空いている日を教えてほしい――
たった二行の短いメールでしたけど、気づけばわたしは画面を食い入るように見つめていました。
必死さと言いますか、とにかく心のこもったメールだった気がしたんです。
おかしいですよね。手書きならともかく、メールでそんなこと思うだなんて。
……実は、当時は相当参ってたんですよ。
先輩がプロ野球選手になってから何年も経って、もう昔みたいに気軽には会えなくなっちゃってたのに。
とっくの昔に、わたしも先輩を卒業していなくちゃいけなかった筈なのに。
あと少し、あと少しだけ夢を見ていたい。
そうやって、長年惨めにすがり付いていたツケだったんでしょう。
先輩との接点はどんどん減っていくけれど、一向にわたしは先輩を忘れられなかった。
希望が、見えなかったんです。時が経つにつれて、日に日に昔の足枷が重たくなっていくのがわかって、怖くて仕方がないようになっちゃってたんです。
藁をもつかむ思いでした。その人は、先輩とわたしの数少ない共通の知り合いでしたから、もしかしたら何かあるのかもしれない、
そう思ってすぐにメールを返しました。
……藁だなんて、とんでもなかったです。わたしがいまここに居るのは、その人のおかげですから」
「誰なんです、その人は。俺も知ってる人ですか?」
「正体はばらすな、って言われてるんですよ。……ええ、でも確かに、先輩と、それからわたしたちみんな知っていますね」
そんな人、俺の思う限り二人しか居ない。
なんとなく勘付いているものの、俺は、そうだと思う方ではなく、そうあって欲しい人の名を出す。
「……東さん、ですか?」
半ば予想通り、倉見さんは首を横に振った。ならば、残るはあと一人しかいない。
「その人は、わたしにとある二人のお話しをしてくれました。お話しは、とろける恋物語です。
どこまでも甘く、聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃうくらい濃密な、二人の愛……、
先輩と彼女さん……『真央ちゃん』っていうらしいんですけど……、のお話しですよ。
写真や映画なんかじゃなくて、人づてに聞いてるだけのお話しなのに、脳裏に、鮮明に浮かぶんですね。
わたしと一緒に居た時なんかより、断然素敵に笑う先輩が。わたしにはちっともくれなかった愛情を、彼女さんに惜しみ無く注いで。
気付いてすらくれなかった山盛りの好意を、彼女さんからたっぷり受けとって。
二人手を繋ぎ、熱く抱き合って、揚々と恋愛街道を往く先輩が。笑うことすら出来ませんでした。
思い出の中の先輩すら、わたしから離れていくのが耐えられなくて、耳を塞ぎかけたんですけど、その人は許してくれませんでした。
……とっくに、バレてたんです。高校時代から、その人は先輩の親友として、密かにわたしたちのことを気にかけてくれてたんですよ。
だから、思い出にすがりついていることも、作り出した偽の笑いも、全部わかっていたんです、その人は。
ひとしきり終わったあと、わたし、きつくお説教されました。
――諦めろ。決して先輩は振り向かない。いつまで自分を苦しめる。人は忘れないと生きていけないのだから――
一言一句、欠かさず覚えています。
とっても優しい人なのに、見たことのない厳しい顔してました。
……言われたこと全部、自分ではわかってたつもりだったんですよ。
けど、いざ真っ向からお説教されてみると、本当に突き刺さりました。やっぱり、どこかで目を背けてたんでしょうね。
しかもそのあと、謝られちゃったんですよ?
本当は高校時代に話すべきだった、長い間ひとりぼっちで苦しませてすまなかった、って。
……背負い込んでたもの、全部の糸を切られた感じでした。堪えましたねぇ。机に突っ伏して、どれだけ泣き叫んだか。
でも、今なら思えます。これはどこかで必要なことだった。
そして、本来はわたしが自分でやらなきゃいけないことだったんです。今日だって、いろいろ手伝ってもらっちゃいました」
771名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:17:40.16 ID:O7rcYwbl

思うところもあるのだろう。倉見さんは、恥ずかしげに締めくくった。
俺は、矛盾する……とまではいかなくとも、複雑な感想を抱いていた。安堵と、感謝と、それからわずかな嫉妬心。
俺が、友達以上に倉見さんを求めているが故の、くだらない、けれど抗えないジェラシー。
いかんせん、格好よすぎた。
この人の口から、そんなに格好いい男の話なんぞされてしまっては、たとえ倉見さんの恩人と言えども、正直歪な感情を御しきれない。
東先輩ならよかった。あの人なら、俺はまだすんなり納得、素直に百パーセントの感謝だけで済んだのに。
だが、その人は東先輩ではない。今日一日を振り返ってみても、その人の行動は、明らかに俺たちのためだった。
倉見さんが電話で、「手伝って欲しい」と言っていた人。
待ち合わせに来るなり、値踏みするように俺を見つめて、手を差し出した人。
その後しばらく、倉見さんとなにやら話し込んでいた。
そもそも、俺に倉見さんを送らせたのも、その人ではないか。本来なら年長者の東さんが打つような釘を機先を制して打ち込み、
俺たちを二人きりにした張本人は、去り際にこちらを一度だけ振り返ったではないか。
(カッコつけすぎですよ……先輩)
まったく、オフシーズンにまで借りを作らされるとは思ってもみなかった。
こうなると、来年返さない手はない。
もちろん、野球で、だが。
……それにしても。
夜の小道で、胸に浮かんだひとつの不安。
結局、倉見さんにとって俺は何なのだろう。
文字通り、ただのおともだちなのか、それとも。
もし後者ならば、あとひとつだけ残っているはずだ。ずっと過去を綴ってきたお話しが迎える新たな展開、倉見さんが今ここにいる理由が。
「あの」
「……はい」
「ありがとうございました。わたしの長い長いお話しを最後まで聞き遂げてくれて。
……こうして誰かにお話しできる日が来るなんて、思っても見ませんでした。
これで、一人語りは終わりです。
本当に、心の底からのお礼を言わせてください。
……ありがとう、ございました」
倉見さんは、笑った。
俺のよく知るホンモノの倉見さんだった。
それも、まだ何かを隠している、ちょっといたずらっぽい笑顔だ。
俺もにっこり笑う。
わざわざ「一人」、と言ったのだから。
ならば、あるのだろう。
「じゃあ、残りを」
「はい。あと少しだけ聞いてくれますか?わたしの最後のお話し、わたしも結末を知らない後日談を」
「はい、もちろんですよ」
「こっちのお話しは、短いです。だけど、とっても大事なんですよ。こっちをお話しすることが、今日一番の目的ですから。あ、でも前の二つがオマケってわけじゃないですよ?」
「わかってますよ。昔話は倉見さんなりの精算ですよね。……嬉しかったですよ、話してくれて」
「えへへ、そう言って貰えるとわたしも肩の荷が降りた気分です。……いいですか?」
「ええ。お願いします」
深くうなずいて、俺たちは見つめあった。
互いの瞳に互いを映し、どちらともなく三度手を重ねて。
もう、倉見さん一人じゃない。今度は二人で、足並み揃えて進む。
772名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:18:26.47 ID:O7rcYwbl
「出会いは偶然でした。今年の春です。……どこだと思います?」
「病院、ですよね。ナマーズパーク近くの」
「はい。その通りです。わたしはそこで、とある男の人と出会いました。
……実は、第一印象から特別でした。顔も年も全然違うのに、纏う雰囲気と言いますか、なんだか先輩に似てるような気がするんです。
しかも、前々から東先輩に聞いてはいましたけど、ポジションまで同じキャッチャーだなんて」
そうだ。出会いは三月。開幕間際にオープン戦を怪我で離脱した東さんのお見舞いに行った病院だった。てっきり東さんの付き添いかと思っていたから、邪魔者は退出しようとしたら一緒に帰ることになって面食らったものだ。
それから、二週間後ぐらいだったか。
「……再会した時、倉見さん泣きべそかいてましたよね」
休みの日、ミルキー通りの人の海に揉まれながら必死に探し物をしていた倉見さんを見つけたのは。
「あはは……、あの時は、助かりました。寒い日でしたのに、ずっと手伝って貰っちゃって。慌てふためくわたしを見て、本当に親身になって探してくれましたよね。
あの時、なんだか妙な懐かしさを感じたんです。随分遠ざかっていたものを、忘れかけていた何かを、ふと思い出した気がしたんです。
……よく、似てましたから」
誰に、とは倉見さんは言わない。勿論言われなくともわかる。
「それからも、不思議とよく会いましたよね。
特に約束したわけでもないのに、街中でばったり出会って、そのまま行きずりで遊びに行って。
気のせいじゃありませんでした。
いつの間にか、休みの日はミルキー通りで次の偶然を心待ちにするようになりました。
懐かしいはずです。
この思いは、かつて先輩に抱いたものとそっくりでしたから」
俺とて同じだった。一軍に昇格した今年、明らかに去年と比べフリータイムは減っていたが、たまの休みはほとんどミルキー通りで過ごしていた。
また会えるかな。いや、また会いたい、だ。
淡い期待を胸に、俺も次の偶然を探していた。
「……でも、それだけ恐かったんですよ。
わたしは結局、先輩の代替を求めてるだけなのかもしれない、そんな不安を拭うには、わたしが先輩にしがみついていた時間はあまりに長すぎました。
……だから、わたしはしばらくテストしたんです」
「テスト?」
「はい。映画にカラオケ、ボーリングにビリヤード……、時々わたしが指定したデートコース、あれ全部、昔わたしが先輩に連れていってもらったとこの踏襲なんですよ。
映画のジャンルからカラオケの歌まで、全て揃えました。……黙っていて、ごめんなさい」
絞り出した声で、倉見さんはぎゅうと体を折った。
言われてみれば、倉見さんのレパートリーはどれも少し古く、自分で選んだ和風ホラーには心底怯えていた。
つい腕を組んでしまったりもしたのだが、その辺もいろいろ被っているのかもしれない。
時折覗かせていた寂しげな笑みも、ふと重なる過去の一幕に苛まれるが故のものだったのだろう。
にしても、謝るようなことではない。
どころか、むしろ嬉しかった。今の俺なら、倉見さんの気持ちは痛いほどわかる。
果たして自分が、本当に前に進んでいるのか、それとも未だに囚われのままなのか。
答えの見えない迷路を、俺を供して進み続けてくれたのだから。
773名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:19:00.95 ID:O7rcYwbl

「そんな、別に謝ることないですよ。俺は気にしませんし。それよりどうだったんです?」
「……結果は、出ましたよ。覚えてますか?一緒に乗った観覧車を」
「はい。ちょっと遠目の遊園地の、オープン七年だか八年だかの記念日でしたよね」
当時は、何故近場のナマーズパークを選ばなかったのだろうと思いもした。今となれば、その理由も大体見当がつく。
「あの遊園地は、わたしと先輩が最後に二人で過ごした所なんですよ。……とりわけ思い出の残り香の強い、ずっと避けていた場所でした」
「ああ、だからですか」
「え?」
「俺が倉見さんにはっきり疑問を持ったのも、遊園地だったんです。観覧車の頂上で、倉見さん、とびきり寂しげに、どこか遠くを見てましたから」
そう言えば、観覧車からはあの辺りが一望出来る。倉見さんたちの学校とか、高校時代の馴染みの風景も、ゴンドラのてっぺんから見えていたのかもしれない。
それだけ余計に昔を思い出してしまったのか、あの時の倉見さんは明らかにいつもの笑顔ではなかった。
「あー、やっぱりあそこでばれちゃってたんですね。……先輩と二人で乗った、最後の乗り物も観覧車だったんです。
てっぺん辺りで、先輩わたしにありがとう、なんて言ってくれちゃって。もうすぐ卒業しちゃうけど、春香ちゃんが後輩で良かった、とか。
最後まで、わたしが欲しかった言葉は一つも貰えないままでした。
それで、つい、いろいろと思い出しちゃったんですよ。
なんだか泣きそうになっちゃって、あわてていつもみたいに笑おうとして……、でも、ダメでした。
先輩に負けちゃいました。出ちゃったんですね。はっきりわかるぐらい、ニセモノの方が。……ずいぶん焦りました。
その人には、ニセモノのわたしなんて見られたことなかったはずでしたから。
その人の前なら、わたしはいつも……。
そこまで切羽詰まって、ようやく気づけました。一体、わたしは誰が好きなのか。
その人と一緒だと、どうして楽になれるのか。あと少しなんです。残りは、想いを打ち明けるだけなんですよ」
重ねた手が剥がされた。意図を察して、二人がかりで空気を作る。
倉見さんは軽く深呼吸していた。
俺も背筋を伸ばす。これから来る全てを、一つとして取り零さないために。
目端で捉えたグラスの氷は、もう完全に溶けきっていた。
ごくん、と倉見さんの喉が小さく動く。膝に置いた握りこぶしは、目に見えて震えている。
……無理もない。何年になるのだろう。四年?五年?いや、それ以上か。
気の遠くなるような長い間、倉見さんに深く根を下ろし、蝕み続けた過去。呪縛。そう言っても過言ではない。
その禍根の根元といえる感情に、倉見さんは再び挑まんとしている。
怖いに決まっている。怯えるに決まっている。
またしても、全てが空振りだったなら……。絡み付く恐怖はたくさんあるに違いない。
できることなら手を引っ張ってあげたい。
俺の方から、とうに決まりきった答えを伝えて楽をさせてあげたい。だけど、それは倉見さんにとっても、もう一人にとっても本意ではないはずなのだ。
お互い、密度こそ違えど同じ方向で悩み続けてきたこの一年。単純明快なひとつの気持ちを共にしつつも、
ただひたすらにそれに向かって走ることのできない、複雑怪奇な人の心。
俺だって随分翻弄されてきた。見えない未来に悩みもした。だが、倉見さんは俺の何倍もの時間、俺の何倍もの苦悩を味わってきたのだ。
だから、あとわずかな距離を踏破するのは、倉見さんであるべきだ。
長かったマラソンの、ゴール・テープを一番に切るのは倉見さんの権利だ。
それに何より俺は約束した。倉見さんの話を終わりまで聞き遂げる、と。意を決したのか、倉見さんの唇が、そっと開いていく。
最終章の、未知なるページが。まだまっさらな未来が。そっと捲られていく。
774名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:20:03.41 ID:O7rcYwbl
「好きな人は、いますか?
わたしには居ます。わたしの好きな人は、とっても優しい人なんです。
その人は、わたしの手をとってくれました。わたしの無茶なお願いも、長い長い昔話も、全部受け止めてくれました。
……正直に言って、初めは先輩を重ねていました。きっかけも、先輩との出会いの面影に引っ張られたからです。だから、しばらくわかりませんでした。
わたしは誰を見ているのか。結局、わたしは先輩の後ろ姿に恋しているだけなのか。
でも、今なら。
さっき、自惚れかもしれない、そう言ってましたよね。
とんでもないです。むしろ、わたしがお願いしなくちゃいけないんです。
信じてください。わたしはもう振り返りません。わたしはもう昔に囚われたりしません。
だって、新しい憧れができましたから。
一緒に居るだけで幸せな人との、夢見る未来ができましたから。
信じてください。わたしが好きな人は、先輩じゃないです。
わたしはもう、先輩の前では笑えません。心にもない作り笑いで、先輩も、自分も、何もかも誤魔化さないとやっていけなくなっちゃいました。
だけど、その人のそばなら。自分でも気付かなかったくらい自然な笑顔でいられるんです。
笑うことが、苦しくないんです。
信じてください。大好きです。わたしは、その人のことが……、わたしにもう一度笑顔をくれた、今目の前のあなたのことが、大好きです!!」
775名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:23:16.39 ID:O7rcYwbl
――好きな人は、居ますか?
倉見さんは、どんな思いでこの言葉を選んだのだろう。
数年前、自らを失意の底に叩き落とした言葉。
生まれたばかりの初恋を無情にも断絶した言葉。
倉見さんにとって忌むべき言葉のはずなのに、同じ局面で、同じ目的で、同じ言葉を選んだ。
声をわななかせ、握りこぶしは震えたまま、胸のうちを俺にぶつけてくれた。
俺は報いなければならない。全身全霊で、倉見さんの覚悟に答えなければならない。
そのためには、言葉では足りなかった。
また手を握る?
いや、それでもまだ、倉見さんの覚悟には敵わない。なら、どうする。……決まっている。
「失礼します」
返事を待たず、手を伸ばす。
「……あ」
初めて抱いた倉見さんは、見たままよりずっと細く、頼りなかった。目端に映る真っ赤な頬。きっと俺も同じだろう。
「信じますよ。今さら何を疑えと言うんですか。俺は、倉見さんを信じます」
「……でも、こんなに長々と、先輩のことばかり話してきたんですよ?」
「話してくれたからこそ、です。倉見さん。俺まだ答えてませんよね。倉見さんの質問に。
……好きな人、居ますよ。俺も。出会いは偶然、再会も偶然、だけど次第に、次の偶然を探し求めてまで会いたくなった人が居ます。
いつの間にか、たまの休みはミルキー通りで偶然を期待するようになりました。倉見さんと一緒なんです。偶然ですけど、奇遇ですよね」
今日だって一緒だ。クリスマスといっても、何らいつもと変わらない。
単なる巡り合わせのおかげで、俺は倉見さんと出会えたのだ。それだけに、今ここにいる倉見さんは特別だった。
今このときは、倉見さんが初めて望んでくれた、俺との必然なのだ。
いつ消えるかもわからない偶然をいくつも繋ぎ、正体の見えない違和感をかき分けて、ようやく知り得た倉見さんの過去。もう離さない。
腕の中の小さな必然を、俺は優しく抱きしめる。
「笑顔が素敵な人なんです。思わず見とれちゃうぐらい素敵に笑うんです、その人。
恥ずかしながら、初めて見たときから虜になってしまいまして、多分、一目惚れってやつに近かったです。
……でもですね、その笑顔には時々陰がかかるんです。
俺の大好きなぽかぽかの笑顔とは似ても似つかない、乾いた笑みを浮かべるんですよ。
聞くに聞けない、だけど気のせいじゃない。言いたいことも言えずに、悶々としてました。
だから、俺は嬉しいです。倉見さんが包み隠さず話してくれたおかげで、やっと気兼ねなしに抱きしめられる。
言いたいことも、やっと伝えられる。……虚しかったんですよね」
「!」
776名無しの金平糖:2012/02/06(月) 01:23:36.42 ID:a9JxxneW
序盤はエロなしの小説ですが、投稿します。相手はカズです。
題名は『一閃』で

今日の分の練習を終えた小波(小波 十夫 こなみ とうふ)は、
何故か部室での一件以来色白になった疋田
や荷田、真薄と共に二時間追加練習をしてから寮へと戻った。
荷田「ついに明日は天道との二度目の戦いでやんすね。」
疋田「緊張してるんすか荷田先輩。」
荷田「二度目でやんすからね。して無いわけではないでやんすが、
慣れてきたでやんす。」
小波「真薄はどうだ?」
真薄「すぴーすぴー‥‥」
小波「って寝てるか。まあ今日はハードだったしな。速球対策とか。」
疋田「先輩今日MAX162k/mでしたから、キツかったと思いますよ。」
小波「まあね。でも、それを捕った荷田くんもだよ。‥‥荷田くん?
って荷田くんも寝てるし。」
疋田「俺ももう寝るんで、消灯お願いします。」
小波「俺ももう寝るわ。」
パチン
すーすーすー
小波は夢の中で前の戦いを思い出していた。いくら延長しても勝負はつかず、
お互い全力で戦っていた。しかし、望まれぬ形で勝負はついた。
それは四日目の朝監督から告げられた。
監督「お前ら、よく聞け。昨日の試合の後、天道が怪我をして、相手は棄権した。」
みんな「よっしゃー!!!!!!!」
しかし、小波・荷田・疋田は納得出来なかった。そして、三人は調子を
崩し裁判高校に18・0でコールド負けを喫した。
・・・・・・・・・・・
そして‥‥
小波「さあ、みんな。去年とは違って実力で勝つぞ!!!!!!!」
みんな「おーっ!」
天道「誰に勝つって?」
小波「お、お前は!‥‥‥どちら様?」
天道「天道だよ。去年は怪我で棄権した天道だ。」
小波「ええええええっ⁈」
天道「じゃあな。」
小波「‥‥‥。」
荷田「大丈夫でやんすか?」
そして‥‥
プレイボール!審判の声が鳴り響く。
オーダー親切
一番センター越後◯二番レフト真薄三番サード岩田四番ピッチャー小波五番セカンド官取◯六番ライト疋田◯七番キャッチャー荷田◯八番ファースト宇多九番ショート杉下
先制は星英
一球目ストライクインハイへの直球160k/m二球目ストライク空振りど真ん中からボールになるチェンジアップ三球目ストライクど真ん中スローボール
相手はチェンジアップだと思ったようで手を出さなかった絶好調だ。キレ、伸び、コントロール共に過去最高だ。そして残り二人も三球三振に抑えた。
それは天道にも言えることで、天道も三者連続三球三振で抑えた。そのやり取りは八回まで続いていた。八回、天道がソロホームランを放ったのだ。
今晩はここまでで、失礼します。
777名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:26:44.16 ID:O7rcYwbl
ぎゅう、と首もとがしまった。倉見さんが、俺の上着にしがみついたのだ。
「たった一年、出会いが遅かっただけで、先輩は遠い人になってしまった。
たった一年の差が、先輩を好きになることすら許してくれなかった。
胸いっぱいに膨らんでいたはずの希望が全て、ある日突然シャボン玉みたいに弾けて消えてしまった。……たった一年、その一年が全てだった」
ぎゅうぎゅう。肩のところに皺が波打つほど、強く、強く握りしめられる。
もしかしたらそれは、口に出せない拒否反応なのかもしれない。
倉見さんの防衛本能なのかもしれない。だけど、俺とて今さら止まれない。
「……今日の帰り道です。時間は残酷だ、って倉見さん言ってたじゃないですか。倉見さんもたくさん振り回されちゃいましたもんね。
あまりにも理不尽で、恨もうにも途方が無さすぎて、胸にぽっかり空いてしまった穴をどうしても埋められなかったんですもんね。
……それほど、虚しかった。先輩と、肩を並べることすら叶わなかったことが。初めから、諦めるしかなかったことが。
納得いかなくて、認めたくなくて、虚しかったんですよね」
「……っ」
嗚咽が一滴、微かにこぼれた。倉見さんが体を寄せてきて、完全に密着する肌と肌。
肩口に乗せられていた顎が、胸へと沈んだ。柔らかな髪を愛でながら、ごめんなさい、と心中で謝る。
俺は今一度、倉見さんの傷口に塩を塗り込むような真似をしている。
それが倉見さんにとってどれほどの苦痛なのか、想像に難くはない。だけど、俺だって伝えたかった。
俺なりの、お話しの解釈。何がどうなって、こんなにも長い間諦められなかったのか。
何が原因で、こうも長々と尾を引いてしまったのか。
数年越しの倉見さんの苦悩を理解した上で、俺は倉見さんを信じているのだと。
そして、何より――
「倉見さん。俺、頑張りますから。
今すぐ、とは言えませんけど、失くしてしまった分もお釣りが来るぐらい、倉見さんを幸せでいっぱいにしてみせます。
だから、お願いです。
これからも俺のそばにいてください。もっともっといろんな倉見さんを俺に教えてください。
大好きですよ。倉見さん。俺もあなたが大好きです!」
――俺は、あなたを愛しています、と。
778名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:27:07.50 ID:O7rcYwbl
「ちくしょー……」
くぐもった声が胸に響いた。
倉見さんの涙声だった。
いまいち要領を得ない言葉だったが、そもそも意味なんてないのかもしれない。
「わたし、今日は泣かないって決めてるんですよ……、二年前のあの時、たっぷり泣きましたから……。なのに……」
違った。意味はあった。なんともいじらしい意味が。
「我慢なんてしないでください。おもいっきり泣いちゃってくださいよ。
泣いちゃってる倉見さんも、俺は見てみたいです。きっと可愛いでしょうし」
「あー、ひどい……。人がせっかく必死にこらえてるのに…………、い、意外といじわるなんですねっ、そんなこと言われたら我慢できないじゃないですかちくしょー!
……ちくしょー、ぅう、ちくしょー……」
後ろ手に回された腕が、背中を締め付ける。
俺のことがちょっぴり恨めしいのか、その力は強く、小さな顔を俺の胸板に埋めてまで泣き声を押し殺しているのは、倉見さんなりの意地なのだろう。
でも、涙までは誤魔化しきれない。
倉見さんが、俺の胸で泣いている。
上着が次第に湿ってくると、指通りの良い髪を撫でていると、そんな見たままの現実が形として感じられて。
今は、それだけで十分だった。
779名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:28:22.09 ID:O7rcYwbl
「……ぐす、結局だめでしたねぇ」
ぐしゅぐしゅ。真っ赤に泣き腫らした目を擦っている。
小柄な彼女の小動物然とした仕草はなんとも可愛らしく、やはり俺の目は間違っていなかった。
「でも倉見さん、帰り道も涙ぐんでませんでした?」
雪、と空を見上げた時のことだ。
今にしてみれば、あの頃から倉見さんはどこかおかしかった。
「う、バレてましたか。あの時は、その、クリスマス一緒に過ごせて楽しかった、って言ってくれたじゃないですか!」
「ええ、言いましたね」
「もしかしたら、今度こそは……、そう思って、感動しかけちゃったんですよ。それより!」
「それより?」
大分落ち着いたのか、全部片付いてスッキリしたのか。
だんだん俺がよく知っている、ハイテンションな倉見さんに戻りつつあった。
どころか、いつも、の幅を針が振り切っている気がする。
反動かな、そう思ったが。
「キス!」
「……へ?」
「キスしてください!ぶちゅっと、強烈に!」
違った。ほんのり染めた頬を見るに、照れ隠しらしかった。実感が欲しいのかもしれない。正式に恋人となった証拠が。
「俺から、ですか?」
「はい!ファーストですよ!大事にしてくださいね?」
口早に言い残して、倉見さんが目を閉じた。無防備に放り出された、小さくみずみずしい唇。
弾む胸の鼓動に急かされて、そろっと、軽く、口付けた。
「……あれ?」
物足りないような拍子抜けしたような反応。
「どうしました?」
「いや、その、……あれ?」
わざとらしく聞いてやる。
きょとん。そんな擬音を体現している倉見さんが、なんだかおかしかった。
「……もっかい!」
「へ?」
「もういっかいお願いします!そんな、ちゅ、じゃなくてこう、ぶちゅっと!」
だが、倉見さんは怯まない。立て直しも早い。
闘牛のように、一直線に突き進んでくる。
「なら、倉見さんがお手本を」
俺は突進をかわす。
「えぇっ!……わかりました!」
かわした先に、さらに倉見さんは突っ込んできた。さすがに回避を諦め、ひそかに期待を膨らませて、目を閉じその時を待っていると。
――ちゅっ。
あっさり来て、あっさり終わった。
780名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:29:41.49 ID:O7rcYwbl
「あれ?」
「ふっふっふっ、期待を裏切られる切なさ、身に染みましたか!?」
「……はぁ」
「ならいいです!さあ、三度目の正直ですよ!」
声も高らかに、再び倉見さんが目を閉じた。
軽く深呼吸する。さっきのは確かにからかい半分だったのだが、それはそれとして実際俺の胸は緊張に波打っている。
いかんせん、万事が初めて尽くしなのだ。
片腕で背中を支え、もう片方を顔に添えて。
ちゅう。
三度、倉見さんと口を交わした。今度はそのまま離さない。唇をそっとこじ開け、おそるおそる舌を伸ばしていくと、つん、と倉見さんにぶつかった。
互いにたどたどしくも、正直に。
唾液を交わらせ、舌肉を擦り、粘膜をむさぼりあって。
「ぷはぁ」
「はぁ……はぁ……」
息苦しさに、結合を解いた。
強烈だった。
初めて味わった、女性の肉体。駆け巡る悦楽も強烈なものだったが、何より。
「…………」
「…………」
恥ずかしい。今しがた濃厚なキスを交わした人と向かっていることが、強烈に恥ずかしい。
「……ふぅ」
「しちゃいましたね、キス、ぶちゅっと」
「……気持ちよかった、ですか?」
「ええ。……倉見さんは?」
「あ、わたしも、……とっても」
それきり、会話が続かない。
倉見さんも先の勢いはどこへやら、すっかり押し黙ってしまっている。
沈黙を破るべきか否か、取り敢えず相手を伺おうとそぅっと様子を覗くと――おそらく同じことを考えていたのだろう――図ったようなタイミングで倉見さんと目が合ってしまった。
瞳と瞳の間に、ぴっと引かれた一筋の糸。
気まずくて、恥ずかしくてたまらないはずなのに、不可視の糸に結ばれた俺達は、目をどうにも反らせない。
しばし、視線で会話を交わす。もはや言葉などまどろっこしい。
涙の残し輝く倉見さんの瞳が、妖しく光る倉見さんの唇が、今、一番俺がしたいことを明確に教えてくれている。
「倉見さん……」
かろうじて残った理性を頼りに、ごくゆっくりと衣服へ手をかける。
薄いピンクの鮮やかな、よく似合ったパーカー。
そのチャックに手を触れたとき、ぴと、と一枚、小さな手のひらが被さった。
「あ、あの!」
そのまま、ぎゅっと押さえ込まれる。
嫌悪、とまではいかなくても、倉見さんは明らかに抵抗を示していた。
早まったか――?
押し寄せる苦い後悔に、俺は余程渋い顔をしていたのだろう。倉見さんは慌てて首を振り、困ったふうに笑った。
「あの、そうじゃなくて、……服は、自分で」
めっ。
早まる子どもを諌めるような口ぶりは、未だどこか少女の可憐な面影を残す倉見さんには珍しく、年相応の女性の風格を感じさせるものであり。
(……そう言えば、年上だった)
俺はすっかり手を止め、今さら過ぎる事実を、うまく働かない頭にぼんやりと刻んでいた。
781名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:30:01.19 ID:O7rcYwbl
「あの、目が怖いです」
「……すいません。でも、不可抗力です……」
あのあと。
さすがに恥ずかしいですからと、後ろを向かされ。
妙に生々しい衣擦れの音に欲情させられて。
永遠にも思えた数分を耐え、ようやく目に入れることの叶った光景はあまりにも現実離れしたものだったのだ。
「だって、倉見さんが……」
弁解しようにも、その後が続かない。ベッドの端には、きちんと畳まれた衣服の山。
スカートの奥からは白い足がスラリと伸び、所在無げにぶらぶら揺れている。
ほどよく肉付いたふくらはぎを登ると、悩ましい曲面を描く魅惑の腰つきに、幾分倒錯的な印象を持って俺を惑わす小さなおへそが絶妙なアクセントを加えていた。
……そして、何よりも。危うげに隠された倉見さんの小ぶりなふくらみは、俺の目を奪ってやまなかった。
なんだかんだ言ってもそこを外気に晒すのは躊躇われたのか、倉見さんは胸元を手のひらで覆っていたのだが、それはあまりに中途半端だったのだ。
見えそうで見えない先端、焦れる男を逃さず引きずり込む胸の谷間。だがしかし、倉見さんは決して誘っているわけではないのだろう。
柔らかそうなほっぺたは完熟の色を呈し、形の良い眉は軽く伏せられ、乙女の恥じらいを存分に見せていた。
驚くことはない。
これが、女性の持つ天性の魔性なのだ。
倉見さんとて、立派な女性の一人ではないか。
……そんな意味のない正論を、首の皮一枚繋がった理性は繰り返している。
本当に、ナンセンスだ。
日々の明朗快活な倉見さんから、こんなに色っぽい姿などどうして想像できようか。
このギャップの前には、あらゆる冷静な思考は無力。
ただただ、俺の視線は母性の象徴へと注がれていた。
「もう!そんなに胸ばっかりじろじろ見ても、べつにぜんぜん大きくないですよ!?」
「小ぶりなのも、俺は好きです」
だから、反射的に本心で答えてしまった。言葉をオブラートに包む余裕が、今の俺には無い。
「うわ、そんなにはっきりと……ええそうですよひんにゅーですよバストなのにタイニーですよちくしょー!……あ」
「いや、貧しい、ってほど……で……は」
ちくしょー。
今日何度目だろうか、倉見さんは叫んだ。
ちくしょー。
握りこぶしを作り、腕を振り上げ、天を突きながら、愛嬌たっぷりに。
そう。「腕」を振り上げながら。
たった一枚の胸の囲いは、呆気なく。俺が手を下すことなく、実に呆気なく消えた。
腕の勢いに、倉見さんの上半身が揺れる。当然、支えを失った胸部も同時に――
ぷるん。
控えめな弧を描き。
ぷるん。
小ぶりと言えども、決して貧しくなど無い乳房が。
ぷるん。
肌寒いのか、はたまた緊張か、ツンと勃ち上がった桜色の乳首も露に。
ぷるん。
――揺れた。
腕もそのまま、自分の胸元を見下ろし、倉見さんは固まっていた。
一方の俺はというと。勿論、見た。
全身の神経を研ぎ澄ませていた俺は、鍛えぬいた動体視力で一瞬の躍動を限りなく圧縮し、スローモーションではっきりと倉見さんを捉えた。
ぱきん、と、頭の中で何かが崩れ去った。最初、それは理性だと思った。待ち望んだ宝を刺激的すぎる形で手に入れて、てっきり俺は暴走するのだと思った。
だが、予想に反して俺は飛びかからない。
無防備な倉見さんを組み伏せて、瑞々しい果実に喰らいつき、キスの嵐を降らせようとはしなかった。
なぜ。
答えは単純だった。
崩れ去ったのは、倉見さんへのギャップだったのだ。
782名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 01:31:02.94 ID:O7rcYwbl
「あはははは……」
「む、何を笑ってるんです」
我に帰った倉見さんに、刺々しく睨まれた。
「いやぁ、俺も若造ですけど、倉見さんもなかなか大人になりきれないんだなぁ、って思うとなんだかおかしくってですね」
「うわ、さっきから人が気にしていることをズバズバと……優しさのかたまりみたいな人だと思ってましたけど、結構いじわるなんですね!騙されたー!ちくしょー!」
「騙されたって、人聞きの悪い……」
「まぁそれはもういいです!それより、ほら!」
「どうしました?」
「……やっぱりいじわるですね。とっとと幸せにして下さい!」
「あはは……了解です」
まぁ、これはこれで良かったのかもしれない。
ムードこそあったもんじゃないが、同時にやっかいな緊張も程よくほぐれてくれたのだから。
手始めに、肩にそっと触れた。思った通りの滑らかな手触りにうっとりしつつも、気遣いは忘れない。
「震えてますね。……やっぱり怖いですか?」
「……はい。まぁ、少しは。……優しくしてくださいね?初めて、ですから」
「俺も一緒ですよ。俺だって初めてです」
「あ、そうなんですか。じゃあ……んっ」
返事の代わりに、唇を優しく押し当てた。
忘れかけていた刺激を呼び覚ますために。生暖かい唾液を被膜にした、ぬるぬるの舌を互いに伸ばし、俺達は一足先に抱き合った。
「ふ、ぁ」
「ふふ、倉見さん、喜んで下さい。今なら、大人っぽいえっちな顔してますよ」
「な、なんですかそれはぁ、だれの、せいだと……むあぁ」
「そりゃ、俺のせいでしょう」
軽くあしらって本丸へと向かう。
快楽と羞恥にぷるぷる震える、お椀型の芸術。
触れれば壊れてしまいそうな繊細なバランスを保つ白乳を、おそるおそる揉みしだいた。
むにゅ。むにゅ。
手ごろな大きさのふくらみは薄く汗ばみ、しっとりと手のひらに吸い付いてくる。
ものすごく柔らかいなにか。潤いもたっぷりに押し返してくるなにか。
病み付きになりそうな、異次元の感覚に脳が震えた。世界中の枕研究家は、この、ため息のでる天上の感覚を目指すべきではないか、そんなわけのわからない感動を抱きすらした。
勿論、胸だけで満足はしない。仰向けに寝かせた、目前に広がる倉見さんの真っ白な裸体に覆い被さり、舌を丹念に這わせていく。
「ひゃぁっ!な、なんだか、こしょばくって、ふぁあっ!」
首筋から鎖骨、つつ……となぞるように下り、ここかそこか、倉見さんの悦ぶポイントを探る。時折、ちゅうちゅう啄み、白い布地に赤い斑点を施しながら、
下り、下り、再び二つのふくらみへと戻ってきた。
ぷっくり膨らんだ、おっぱいの先っぽ。
しゃぶられるためにあるその器官に、俺は迷わずしゃぶりついた。
783名無しさん@ピンキー
「ひっ!ふっ、いやっ、ふゃあ!?」
やわやわな果実をつっつき、固めの種は優しく弾く。
上唇と下唇ではみはみマッサージしたりもしていると、今までのどの部位よりも倉見さんの嬌声が熱っぽいことに気付いた。どうやら、ここが倉見さんの弱点らしい。
ならば、責めるのみ。
弱点を責めるのは、何事にも通じる鉄則だ。
野球だって、中継ぎが穴のチーム相手なら、粘って先発を降ろさせる。
コントロールに難がある投手なら待球作戦。
外野の一部が穴のチームならなら、狙い打つのが当然ではないか。
勿論、男女の交わりは相手を打ち負かすのが目的ではないのだから、倉見さんとの約束を破らない程度に、だが。
「も、もう、どうして、んぅ、そこ、ばっかり……っ!!」
ちょっとだけ強めに。実った果肉を吸ったり潰したり。
倉見さんの熱い吐息がかかり、たぎる血が股間へと集まる。
欲望の化身は、硬く、熱い。
「ふゃ、んぁ!あのっ!わ、わたし、もう……ひぅぁ!?ああぁっ!」
そろそろいい頃合いかもしれない。
髪を振り乱し、全身をひくつかせて、倉見さんはすっかり肉欲の熱に犯されてしまっていた。喘ぎ声も切れ切れ、頬には涙が伝い、どうみても限界そのものだ。
かくいう俺も、一年間片思いを続けた人の恥体を目の当たりにし、暴発の恐れなきにしもあらずといったところで、あまり余裕をかましてられなかった。
倉見さんの頬に手を当てる。零れた涙を一筋拭い、髪をさわさわ撫でてやった。
「大丈夫ですよ、倉見さん……安心して……んむ」
最後に残しておいた、取って置き。
もう一度、谷間に顔を埋め、固く腫れ上がった倉見さんの一番敏感なところに口を添えて、
「ひぁっ!?そ、そこはっ…………ぁああああああっ!!!」
甘く、歯を立てた。
小柄な体のどこから絞り出したのか、倉見さんの絶叫が部屋全体に響き渡る。
背筋を反らし、ひときわ大きく跳ねて、倉見さんの絶頂はひとまず止んだらしかった。
「はぁ……はぁ、ほ、ほんとーに」
「え?」
「ほんとーに、初めてなんですか?要領とか……、いろいろ」
「昔から器用な方なんですよ。これでも、うっかり傷つけちゃわないか戦々恐々としてるんですからね」
「あ、覚えててくれたんですか……」
「当たり前じゃないですか。それより」
スカートの下、さらには中に手を差し込み、倉見さんの股部をまさぐる。
「ひっ!?な、何するんですかいきなり!」
「初めてにしては……すごいなぁ、と思いまして」
ひとしきりまさぐった手を明かりにかざすと、てらてら妖しく輝いていた。
生まれつき敏感な方なのだろう。そこは認めるとしても、いくらかぐしょ濡れが過ぎる。
……何も俺は倉見さんを疑っている訳ではない。ただ、倉見さんとてうぶなねんねではないのだから、
日々のルーチンワークの中に時たま挟まるイメージトレーニング(?)があるだろう。
俺はその行為の名前と、仮想相手を倉見さんの口から直接聞きたいだけなのだ。これも結構いじわるかもしれないが。
「ど、どういう意味ですか?」
「そのまんまですけど、……まぁ、単刀直入に聞きますと。……倉見さん、けっこう一人でしちゃったりしてますよね」
質問、と言うより脅迫に近いかもしれない。
相手の否定を想定していない高圧的な態度だ。