孕ませ/子作り/種付/妊娠/妊婦/出産/HR総合【16】
GJGJ!人間同士だと「繁殖」って感じはあんまり無いけど
異種姦の孕ませ出産はもろ「繁殖」だもんなぁ。ほんっとたまらん!
835 :
名無しさん@ピンキー:2013/11/22(金) 22:44:25.41 ID:mrRKKYq7
いいですな。出産堕ちとかたまらん!
一本投下します。
・タイトル
Metamorphoses
・あらすじ
再生医療が発達した、現代よりほんの少し近未来。
ある夫婦の嫁さんが、事故で下半身全損の大怪我をしてしまったが、
再生医療のおかげで元通りに……なったと思ってたら、何かがおかしい。
・属性
夫婦の和姦。脚とか尻とか、描写が下半身偏重。着衣。失禁。
濡れ場は●4から始まりますが、うち孕ませは●16-19です。
・容量
20レス、約52kbです。
・備考
フォントや文字サイズの設定によっては、
●0の傍点(正確には踊り字ですが)が崩れているかも知れません。
読み飛ばす方は、お手数ですがIDでNGしてください。
●0
『この子、本当にわたしの子供、なのかな』
. ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ
妻は、そう言いながら、彼女自身の下腹部を撫でていました。
私がこれから名状いたしますのは、そんな荒唐無稽な話です。
●1
皆さんは、テセウスの船という問題を、ご存知でしょうか。テセウスとは、古代ギリシアの英雄の名前です。
彼はエーゲ海を乗り越え、クレタ島の怪物ミノタウロスを討ち果たし、歴史に名を残しました。
その偉業を称えるため、彼が航海に使った船が、アテネ市内に保存されていました。が、当時の船は木造。
船体は徐々に朽ちていき、市民たちは朽ちた部分を、新たな木材に置き換えていったそうです。
さて、新たな木材に置き換えられたその船と、テセウスが乗っていた船は、同じ物と言えるのでしょうか。
この問題は、私が少年だった頃に流行りました。ちょうど再生医療が、医療現場に実用化され始めたからです。
以前は、例えば足を失ったら、車椅子や義足を使わなければいけませんでした。
それが、自分の遺伝子や体格の情報を元に、失われた身体器官を再生することが可能になりました。
そういう背景で、先のテセウスの船のような問題を、多くの人が考えるようになりました。
もし、自分の身体が事故や病気で傷ついて、自然治癒で回復できない段階まで損なわれたら。
再生医療に頼ることで、身体の欠損を、新たな器官で補うことになったら。
その新たな器官の部分は、果たして自分自身だと言えるのでしょうか。
例えば手足なら、受容できる人が多いと思います。しかし、脳ならどうでしょうか。
脳を取り替えてしまえば、それは取り替える前とは別人になってしまうのでは。
私も、それがどうしても気になって、医学書や哲学書を齧って、挫折したことがあります。
ただ、私が先ほど、流行って“いた”と申し上げた通り、テセウスの船は既に廃れました。
技術的な問題で、脳の再生や移植が困難とされ、そのまま十年以上が経ったからです。
その十年以上の間に、私を含む大部分の素人は、テセウスの船を忘れていきました。
私が、テセウスの船について再び考えるようになったのは、妻が事故に遭った時です。
妻とは大学時代に出会いました。ツンとすました、ちょっとした高嶺の花だった妻に、私は入学早々から心を奪われ、
浮かれた気分のままアプローチを重ねました。そのまま交際を重ね、社会人になってから結婚。
事故当時は、詳しくは伏せさせていただきますが、お互い二十代後半でした。
話を戻しますと、やはり詳しくは明かせませんが、妻は事故によって、腰より下を全て失いました。
妻は生死の境を彷徨っていましたが、病院の方々の尽力で、命を取り留めることができました。
もちろん、しばらく入院することになりましたが。
妻の治療過程で、再生医療を用いて下半身を元に戻す、という話があって、私はテセウスの船を連想しました。
治療費の負担を考えてか、申し訳なさそうな顔だった妻の横で、私は少年時代の空想を思い出していたのです。
私の見知った人が、この治療を受けるのは初めてでした。
昔、本の中で哲学者が主張していたように、意識――を司る器官、すなわち脳――が同一であれば、
他の器官を取り替えても、妻は妻のままなのか。それとも、私の知らない彼女になってしまうのか。
そもそも、下半身を取り替えることで別人になるのなら、事故で身体が上半分だけになった彼女は、
既に事故に遭う前の妻とは別人になっているのでは――取り留めのない理屈が、頭を過ぎりました。
当時の妻は、身体に物々しい装置をたくさん取り付けて、失われた臓器機能を補っていました。
肉体的損傷が無いはずの上半身も、事故前に比べると、弱々しく儚げになっていました。
はっきりとした目鼻立ち――それが澄まし顔に似合っていて、私は妻と出会った頃から見惚れていました。
それが、あの時は目も当てられない程、痛々しく打ちのめされていました。
素人の私から見れば、記憶の中の妻とは、別人かと思えてしまう姿でした。
●2
私は、それ以上の考えを押し殺しました。それこそ少年の空想と同じで、現実離れした思考だったからです。
私は治療費の工面や、妻のリハビリの助けに意識を向けることで、この考えを忘れようとしました。
ただ、その妄想じみた思考は、私の中に、ずっとこびりついていたようです。例えば、妻の髪の毛を見た時。
妻は地毛が黒で、それを茶色に染めて、髪型はショートボブにしていました。
それが入院生活で、髪の毛が伸びるままになり、徐々に黒く長くなっていきました。
以前の私は、妻が髪型を変えたのに気付けず、機嫌を損ねたこともある男でした。
そんな私が、一日単位の、ほんの少しずつの毛髪の変化が、どうしても心に掛かったのです。
妄想過多だ、と言われるのを承知で、正直に申し上げます。
私は、妻の髪色や髪型が変わるだけで、彼女が別人になっていく気がしていたのです。
その後も治療は続きました。
妻の遺伝子情報などを元に培養・再現された下半身を、上半身だけの妻に移植。
問題が無いかどうか、確認する日々が続きました。
経過は順調でした。移植の数日後には、妻は杖をついて歩けるようになっていました。
私も妻のリハビリに付き合って、一緒に院内を歩いて回りました。
リハビリ、と聞きますと、脳神経系の麻痺のように、うまく動かない身体に鞭打って必死に――
という悲壮なイメージが、まだ残っていますが、妻の足取りは軽快そのものでした。
再生医療によって作られ、妻に移植された下半身は、事故前の妻自身のそれを忠実に再現できたようです。
治療が順調に進んでいたため、妻も明るい表情を取り戻していきました。
歩行などの動作や、臓器などその他諸々についても問題が無いと判断され、妻が退院したのは、初夏の時分でした。
私は、妻から指定された着替えを持って、自宅から病院に向かいました。
特に念を押されたのは、綿地の白いタイトパンツ。クローゼットを何度も確認する羽目になりました。
『久しぶりの娑婆だから、お気に入りがいいの』と妻は言いました。
妻は、この下肢をぴったりと覆うボトムスに拘っていました。このタイトパンツの履き心地によって、
今動かしている下半身が、本当にかつての自分の物と同じか確かめようとしている――そんな気がしました。
私がそれを仄めかすと、妻は『ガラスの靴じゃあるまいし』と一笑しましたが。
帰り道の途中、私たちは地下鉄の駅で、エスカレーターに乗りました。
駅構内のそれは非常に長く、首を数十度も曲げなければ終点が見えないほどでした。
私は万一を考えて妻を先に乗せ、私自身は一段空けて、妻から二段下のステップに立ちました。
妻は『そんなにあなたが気を遣うようになるなら、今度は上半身を吹っ飛ばしてみようかしら』などと軽口。
私は苦笑いを返すのが精一杯でした。
下のステップから妻を見上げると、入院前より、やや長めに切り揃えられた髪が目に入ります。
歩行可能になってからは、病院の理髪店にお世話になっていましたが、細かい注文はできなかったようです。
色もブラウンに染められていますが、以前より幾分明るめの色調になっていました。
目線を水平に戻すと、白のタイトパンツに包まれた、妻の下半身が目に止まります。
綿製の生地が、ぴったりと妻の下半身に張り付き、下着が浮き出ないか心配になるほどでした。
尻のこんもりとした盛り上がりが、タイトパンツの生地を縦に走るワンポイントを捻じ曲げていて、
その歪みが妻の持つ肉感を一層強調しています。
尻肉は、服越しにも見て取れる張りで、大きさ以上の存在感。
それを支える脚は、外腿を見れば尻肉に負けず劣らずの張り。一方、内腿には、むっちりと柔らかい脂肪。
妻は学生時代から水泳を続けていて、それでこの下肢を作り上げたようです。
この曲線美に妻が自信を持っていることを、私は独身時代から知っています。
デートの際は、このようなタイトパンツやタイトスカートなど、脚の線が露骨に出る服装ばかりを着ていました。
この、妻が女として振るう最大の武器で、私はまんまと餌食にされたのです。
その武器の威力は、こうしてエスカレーターから見上げていると、以前より増していると思われました。
●3
妻がエスカレーターのステップの上で、軽く立ち位置をずらしました。
右足はそのままに、左足だけを一段下――私が空けておいたステップです――に下ろしました。
妻は右足を一歩前、一段上に出した姿勢で、私に下半身の曲線を見せつけてきます。
元々タイトだったパンツの生地は、姿勢の変化でパンパンに膨れています。
尻肉と腿の境目が、生地が寄せられてできた皺で、くっきりと描かれています。
いや、互いに押し付けられた尻と腿の膨らみが為す陰影は、もう谷間と言っていいでしょう。
この有り様では、完全に下着の線が浮き出てしまっています。妻が気づいていないはずがありません。
私は、ここが地下鉄のエスカレーターであるのに、勃起が収まらなくなってしまいました。
思えば、もう数ヶ月の間、性生活はご無沙汰でした。妻の下半身が“無かった”のですから、仕方がありません。
その状況の私が、妻のこんなセックスアピールを受ければ、たちまちに反応してしまいます。
妻がまた足を動かしました。もうエスカレーターの終点が近いようです。
私は勃起のため足取りがぎこちなく、ステップに押し出されるように、終点のフロアに立ちました。
『あなた、視線が露骨よ。独身の時を思い出すわね。ええ、あの頃もコレに釘付けだったでしょう。
わたしがこういう服着てると、いつもそうだった。ちょろ過ぎて、心配になったぐらい』
追い付いてきた私に、妻は呆れ声で囁いてきました。
どうやら妻も、私の視線のせいか、結婚前の付き合いを思い出したようです。
とは言え、面と向かって指摘されると、私も羞恥心が湧いてきます。
もう公衆の面前で、じろじろ見ることはできません。
しかし私は、妻の足音ひとつひとつを聞く度に、あの下肢がどう曲げられ、伸ばされ、形を変えているのか、
思い浮かべることができてしまいます。自宅までの残りの道程は、気が気でありませんでした。
地下鉄では、同乗者の男の視線が、全て私の妻に向いているような気がして――
女房ならぬ、亭主の妬くほど、ということです。お笑い下さい――男たちの視線を遮るため、
妻を出入口ドア脇のスペースに誘導し、私が妻の姿を隠せる位置に立ち続けました。
地下鉄から地上に出ても、初夏の日差しを避けつつ、歩道の端寄りを、妻の手を引いて歩きました。
妻はいつになくしおらしい様子で、言葉少なに私に従っていました。
自宅の扉を開けてからしばらくのことは、よく覚えていません。
荷物の整理など、やるべき作業をやったはずですが、その後の印象が強く、記憶が霞んでいます。
妻は、キッチンで腰を屈めていました。冷蔵庫の一番下の、冷凍スペースの中を見ていたようです。
腰の屈め方は深く、水泳選手が飛び込み台からスタートする直前の姿に似ていました。
タイトパンツでそんな体勢をとってしまえば、もう何をか言わんや。
私は妻の背後から、ピンと張られたタイトパンツの曲線に触れました。
まだ、布の下の感触を味わうとまではいかない、ほんの軽いタッチ。
『ちょっと、病み上がりなんだから、もっと労ってよ』
私は、妻を背中側から抱き寄せました。
上体を起こさせ、ブラウンのショートボブに顔を埋めると、妻の汗の匂いがしました。
妻はブラウスに包まれた両肩を捩りました。
『ねぇ、シャワーぐらい、浴びさせてよ――はぁ、待ち切れないって、そんなの――もう。
分かってたけど、エスカレーターの時から、か。煽っちゃったもんね』
●4
私は、妻を寝室のベッドに押し倒しました。
退院に合わせて、前日に干しておいたベッドは、初夏の陽気を吸って膨らんでいました。
そのベッドも、倒れ込んできた妻の衝撃で、気の抜けた音を立ててしぼみました。
私は妻を四つん這いにさせ、彼女お気に入りのタイトパンツを引き下ろしました。
現れた下着は、タイトパンツに合わせた白。予想通りです。
これがもし、濃い色であったなら、脱がせるまでもなく、透けて色が分かってしまったでしょう。
『あ、イヤよ。そんな、嗅ぐ、なんて』
私は、妻の尻を両手で挟み、籠っている汗の匂いを、下着越しに堪能しました。
妻は尻肉を強張らせます。膨らみが張りに富んでいるため、
肌を通して感じられる弾力が、私の顔や手を強く押し返してきます。
そこで、私は異変に気づきます。妻の匂い。汗に混じって広がる、覚えのある匂い。
私は、妻の下着越しに、彼女の秘部に指で触れました。
『あ、あっ――』
私は驚きのあまり、心臓の数拍分か、硬直していたと思います。
とにかく、反応が出ませんでした。妻の下着は、指先だけでそれと分かるほど、愛液で湿っていました。
妻は、今まで私が聞いたことのないほど、か細い声を漏らしました。
女性の性欲について、私は詳しくありませんが、妻は私に比べれば、性的に淡白でした。
今まで、こんな愛撫無しの時から、下着の色が変わるほど愛液を染み付かせていたことなど、覚えがありません。
私は、何かがおかしいと思いながら、一方、妻の強烈な痴態に興奮していました。
四つん這いで、尻を天井に向けて突き出したままの妻。
私はエスカレーター以来、ずっと頭から離れなかった丸尻に指をかけました。
『ずっと、舐めるように見てて、そんなに、コレが触りたかったの』
妻の尻肉は、まだ反発が強く、凝った筋肉を解すように、私は指を蠢かせました。
見た目は熟れた果実なのに、中身は外面に反して、青さと堅さが残っています。水泳のせいでしょうか。
強情な妻の尻肉をもっと味わうべく、私は尻の曲線に指を食い込ませながら、天井に向けられた尻の頂きに口付けました。
そこから上へ下へ、どろりと湿った舌の感触で、肌を犯してやります。
タイトパンツに抑え付けられていた汗の塩辛さを感じ、続いて鳥肌を立たせて、肌の引っ掛かりを味蕾で味わいました。
あのパンパンに張った様を誇示するような、強気な尻丘。その布一枚裏にある生々しさを、私はしゃぶり尽くします。
尻肉が解れてきた頃合いと見た私は、顔を妻の肌から離しました。
そして妻の足側で、後ろから手を突っ込んで、妻の股間周辺を弄びました。
乱暴だったのか、そうでなかったのか、それさえ曖昧なほど、私は無我夢中でした。
ただ、妻の愛液を、秘部から、鼠径部、下腹、会陰などに塗り拡げるのが、無性に愉しく、
妻の下着が、べっとりと使い物にならなくなるまで、玩弄を繰り返していたと思います。
また、愛撫が利く度に、私の手が妻の内腿に挟まれるのも痛快です。
力みと柔らかさの混じった圧迫が、私を有頂天まで押し上げていきます。
『何、あなたってば、んっ、あっ、童貞、みたいに、がっつい、てっ、くっ、んんっ』
私が秘部に触れる度に、抑えきれない反射が妻の下肢を駆け巡り、女肉が緊張と弛緩の間を揺れています。
薄暗いままの寝室で、妻の肌と下着が織り成す陰影が、私の手でぐらぐらと右往左往しています。
私はそれに愛液を上塗りしていったわけです。てらてらとしたぬめりが広がり、女の匂いが立ってきます。
最初のうちは、妻も何か声を上げたり、尻を振って私の手から逃れようとしていました。
ただ、この頃には静かになって、ベッドのシーツに突っ伏して、声を殺すだけになっていました。
●5
私は壊れかけの理性を総動員して、妻のタイトパンツと下着を脱がせました。
妻のお気に入りですから、汚したり傷めてしまってはいけません。
もっとも、妻は私にさんざん下肢を嬲られ、下肢を捩っていたので、着衣はただの白いしがらみと化していました。
妻はベッドで、人の字で仰向けになっています。
夏物のブラウスは汗にまみれたまま、タイトパンツを剥ぎ取られた下半身だけが素肌を晒しています。
私はズボンだけをくつろげ、ベッドに膝立ちになって、妻の身体を見下ろしています。
妻とは都合数年、身体を重ねてきましたが、こんな中途半端な格好で挿入したことはありません。
『ね、ねぇ、あなた、その』
話しかけてきた妻の声は、こちらの出方を窺う色をしていました。
私は、妻の所作に征服欲をそそられると同時に、違和感を覚えていました。
一方的に身体を蹂躙される、こんな情事を、本当にあの妻が受け入れているのでしょうか。
かつて私も性欲に負けて、強引に妻を貪ったことはありますが、その後しばらくは口も聞いてもらえませんでした。
『あなた、何か、何か言って。黙り込まないでちょうだい』
なのに、今の妻は、私の野放図な行為を身に受けながら、おどおどとこちらを見上げています。
私は軽い混乱に陥りました。私は、妻がそこにいることを確かめたくなって、
ベッドにくっついていた妻の背中に手を回して、妻の上半身を引き起こしました。
妻の顔が、私の顔と拳一つ分くらいまで近づいています。。
表情が弱々しく、それが、事故直後の妻の様子を思い起こさせて、目を背けたくなった私は、
自分の視線を誤魔化すために目を閉じて、その勢いで妻にキスしました。
『さっき、お尻をさんざん舐め回したくちびるで、そういうことするなんて。いやね』
くちびるを離してすぐに、妻はうつむき気味の顔のままぼやきました。
およそ数ヶ月ぶりのキスがこれでは、妻も立腹でしょう。
ただ、されるがままだった妻が、ほんの少しでも文句をつけてきたことに、私は安堵していました。
『優しく、してよ。久しぶりなんだから』
妻は再びベッドに横たわり、M字型に開脚しています。脛や膝側の線は、つるりと伸びやかで、
内側はそれと対照的に、脹脛と腿の肉が畳み込まれ、弾ける程の肉感を主張しています。
私が妻の肌に塗りつけた唾液や愛液は、もう薄れていましたが、それが却って、潤んだままの秘部を際立たせています。
私の意識が欲望と不安に取り巻かれているのをよそに、私の男根は勃起したままでした。
それどころか、ここ数ヶ月自慰でしか射精していなかったそれは、
今日いきなり妻の色香に中てられて、普段よりも大きくなっていました。
これでは長く持たない、と思った私は、男根を妻の秘部に宛がうと、呼吸を整えながら、慎重に挿入しようとしました。
『ん、あっ、あなた、もうちょっと、だから、奥、奥、にっ』
“しようとした”と申し上げたのは、私が亀頭を押し込んだ程度で、挿入を止めてしまったからです。
妻の秘肉は、およそ今までに経験がないほど、強く男根を圧してきています。痛みさえ感じるほどです。
妻の方も、細く整えた眉根を歪ませて、痛みに耐えている素振りでした。
まさか、移植した下半身に何か異常が――と、私が青くなりかけた時、妻が声をかけてきます。
『ほら、残ってるのよ。コレには、わたしの、処女が』
●6
私が、妻の言葉を飲み込むのに、たっぷり十秒はかかりました。
私が初めて妻を抱いた時は、妻の方が経験が豊富だったので、半ばリードされて思いを果たしました。
私は妻の処女を知りません。が、この締め付けの強さ。堅さ。痛み。妻の反応。
未通と言われれば、納得がいきます。
『こんな形は、考えもしなかったけど、改めて、あなたに』
どうやら、再生された妻の下半身には、処女膜が残っていたようです。
確かに、その女性が経験済みかどうかが、遺伝子情報に反映されるわけがありません。
再生した下半身に、処女膜が残っていても、病院がわざわざ破る理由がありません。
私は逡巡しました。妻の秘肉を、ゆっくりと拓いていくべきか、一思いに突き進むべきか。
処女を抱いた経験はありません。加えて、妻の処女はこの通り特殊な代物です。
『あなた、いいから、お願い。前みたいに、して』
前、というのは、事故前の情事のようです。
この、私の男根の侵入に、悲鳴を上げんばかりに広げられた秘口を、前のように、
勝手知ったる女にするよう行き来しろと、そういうことでしょうか。
私は痛みを黙殺して、妻の秘肉に踏み入りました。妻は脂汗を浮かべながら呻いています。
私の男根でさえ、締め付けで痛みを感じるほどです。妻の秘部に突き刺さる痛みは、さぞ鋭いものでしょう。
私は、男根を秘肉の奥まで沈めると、そのまま動きを止めました。ぜえぜえと荒い息をついている妻。
妻の肩を擦ったり、手を握ったりして、呼吸が整うのを待ちました。
『何よ、あなた、そんな、気障ったらしいこと、してなかったでしょう。
わたしが、こんなだからって、ええ格好しい、しちゃって』
妻は私に笑ってみせました。口元だけの笑みでした。
普段は、きりりと鋭角的な線を描いているまなじりも、この時ばかりは痛みで揺らいでいます。
ああ、これが処女なんだな、と私は心中で呟いていました。
私が腰を動かさないままだった理由は、妻の身体を気遣っているというのもありましたが、
妻の処女喪失を脳裏に焼き付けるのに集中したい、という私情も含まれていました。
驚きで一旦脇に退いていた征服欲が、ぐんぐんと満たされていきました。
私が悦に入ったままでいると、不意に妻が両脚を動かしました。
挿入前にM字に開いていた脚を、私の腰に巻きつけて、下肢をもぞもぞと動かしています。
痛まないのか、と私が間抜けな問いを投げると、妻は私の首にしがみついて、吐息と動作だけで抽送を促してきます。
妻の頭が近づいてきた拍子に、明るいブラウンの髪から、汗とトリートメントの混淆が鼻に押し寄せてきます。
妻をここまで近くに感じたのは、本当にいつ以来でしょうか。
秘肉の感触から察するに、妻は未だ痛みに苛まれているはずです。
ですが、妻は私の腰にがっちりと両脚を組んで、男根に侵された内奥ごと、尻肉を頻りに揺らします。
妻の動きはぎこちなく散発的で、このまま抽送に臨むには、もったいないという気もしました。
が、エスカレーターからずっと焦れていた私の男根は、その刺激に反応し、妻の秘肉を食い荒らそうと藻掻きます。
私はその衝動に引き摺られ、限界がそう遠くないと悟りつつ、男根を打ち付けます。
●7
私が、出そうだ、と囁くと、妻は脚だけでなく腕も私の身体に回してきました。
宣言から数拍と持たず、射精。妻は、男根の動きで、射精を察したようでした。
『ん、んううぅ、だ、して。出してっ、ここに、出してっ』
呻き混じりで、発音は覚束なかったものの、私は妻の言葉を、そう聞き取りました。
私の男根は、脈拍と重なるように、数回に分けて吐精を続けました――が、射精が止まっても、堅さが保たれたまま。
数ヶ月も女を絶たれていた私の男根は、一回の射精で収まりませんでした。
抽送を再開します。私の男根が、妻の秘部を出入りする音が、厚ぼったく、粘着質に変わっていました。
私が妻の中に放った精液が、妻の内壁で擦れて延ばされているようです。
その映像を脳裏に思い描くと、射精で収まりかけた征服欲が、再び噴き出しました。
さっきまで処女膜に閉ざされていた、妻の秘肉、さらに、子宮口や子宮、つまり女性器の隅々に、
今一度私の男根と精液を刷り込んで、妻の奥深くに残しておきたい――浅ましく甘美な願望が、私の意識を走り回ります。
『ん、くうっ、ひ、ひっ! くあっ、ひあぁっ!』
私は、抽送の前後方向の動きを一旦止め、左右の動きを重点に考えつつ、腰で「の」の字を描きます。
妻は、顔には苦悶を浮かべ、喉から掠れ気味の悲鳴を漏らしています。辛かったはずです。
後で風呂に入った時、私は自分の背中に、夥しいミミズ腫れがあるのに気づきました。
しかし、皮膚が削れるほど妻に引っ掻かれても、征服欲に酔った私は、その痛みを感じていません。
精液を刷り込もうと思って、妻の秘肉を行き来したのは、これが初めてでした。
妻の女性器全てに、満遍なく触れておかねば、という欲望に従って、
私は拓かれたばかりの妻の膣内を、襞の一筋一筋を確かめながら、丹念に味わっていました。
『あ、ひあっ、あ、ああっ、そ、それっ、んああっ!』
腰を密着させながら左右に擦ると、妻と私の陰毛がもみくちゃになります。
肌越しに恥骨の堅さがぶつかり、下肢に響き――それらの刺激に、妻の陰核が引きずり回されています。
指先ほどもない快楽器官を、私は妻の反応を頼りに、執拗に付け狙いました。
腰を押し付けて、体重をかけて圧迫したり、腰を細かく動かして、摩擦を加えたりしました。
妻は私の攻撃に対し、腹を絞りだすような嗚咽で応えてきました。
妻の陰核を、ここまで乱暴に嬲ったのも初めてでした。
繊細な場所ですから、愛撫でちょっとでも力を入れ過ぎると、文句を言われてしまうのが常でした。
『いひ、イいっ、ひっ――あ、アっ、んアああっ』
妻の声が、徐々に追い詰められてきました。仰向けの妻の腰が、ぐっと盛り上がっています。
背中から尻にかけての曲線は、緊張感を孕んで、さぞ美しい曲線を描いているでしょう。
妻に正面から抱きつかれている私には、それを目で見ることはできません。
それならば、と私は腕を動かし、妻の素晴らしく引き絞られた腰に手を回しました。
妻の尻肉は、同じく興奮していたはずの私の手よりも、遥かに熱く燃えていました。
その感触を、指を広げ、掌を押し付け――尻肉への狼藉に、妻は秘肉までもが慄き立っています。
あっちこっちからの刺激で、抽送がズレてしまったのか、
私と妻の結合部からは、ぶっちゃべっちゃと、だらしない水音が響くようになっていました。
以前の妻ならば、こんな恥ずかしい不手際をしたら、怒って行為を取りやめてしまったかも知れません。
が、もう妻は羞恥心まで意識が回っていないようでした。
●8
私は、妻の下肢が緊張したのを感じ、同時に一際高い声が寝室にばらまかれました。
妻が絶頂を迎えたのでしょうか。そう思うと、私の欲望も解放され、今日何度目かの射精を遂げました。
男根がようやく打ち止めになったと見て、私は妻の秘肉からそれを引き抜きました。
妻の秘部は、秘口はもちろん、陰核、陰毛に至るまで、白濁液に染まっていました。
私の精液か、妻の愛液か、それらの混合物か、にわかには判断できません。
処女血の赤さは流れ落ちてしまったのか、妻の秘部には見えず、かろうじてシーツに痕跡を残しています。
私の性欲を呼び覚ました妻の両脚は、ベッドの上で幼児のように無造作に投げ出されています。
私の腰に巻き付いていた名残でしょうか。両方の膝関節は、ほんの僅かに曲げられています。
あの曲線美を誇りにしていた妻が、それをこんな不格好な佇まいで私に曝け出していることに、
私は非現実的な趣を感じていました。喪失感とも達成感とも呼べそうな趣は、ともかく心地よいものでした。
妻のこの姿態を目で見た私は、今更になって、妻の身体に精液を注ぎ込んだ実感が湧いてきました。
妻は、子宮や卵巣も再生医療で治しています。生殖機能も問題無いと聞いていますが。
『ねぇ、あなた、どうだったかしら』
妻の声はか細く、しかも混濁していました。
くちびるの微かな動きと合わせなければ、何を言ってるのか推測できませんでした。
妻の意識が戻っていると気づいた私は、秘肉を痛めつけた行為を詫びました。
いくら処女との経験が無かった私でも、妻に相当な負担を強いたことは理解していました。
『あなた。わたしの、どうだったの』
妻は私の謝罪を無視して、さっきとほぼ同じ言葉を零しました。私は妻の視線を見つめ返しました。
“わたしの”とは、どこからどこまで――処女膜のあった秘肉か、秘肉を含む妻の肉体全般か、
妻の肉体全般を含む彼女との情交か――を指しているのでしょうか。私の思考は、疲労と充足で鈍っていました。
すごく良かった――などと、一片の衒いも無い感想が、口から滑り落ちていました。
妻が、あの時どんな返答を求めていたのか、私が知るのはもう少し後でした。
手遅れだったのかどうかは、今の私には、まだ分かりません。
妻が退院して初めてのセックスは、こうして私の記憶に深く刻まれました。
この日以降の妻は、病院で移植後の定期検査を受ける以外は、事故前と大差ない生活へ復帰していました。
違いを挙げるとすれば、妻がセックスに積極的になったことです。
前に申し上げた通り、私に比べると、妻は性的に淡白でした。私が誘いを断られることも、珍しくありませんでした。
逆に、妻から誘いを受けることは、ほぼありませんでした。妻からすれば『させてあげている』という意識でしょうか。
妻は、表には出しませんでしたが。私は不満を抱いていましたが、自分ひとりの胸にしまい込んでいました。
それが、あの処女を奪った日以来、妻から誘いをかけてくる夜が来るようになりました。
私が誘えば、日常では澄ましたままの妻の雰囲気が、たちまちに科を見せてきます。
あまりに食いつきが良くて、以前の素っ気ない態度が、懐かしく思えるぐらいでした。我ながら天邪鬼です。
妻の媚態はストレートでした。風呂あがりのバスタオルを緩く巻くなど婉曲な方で、
私に身体を擦りつけて甘えてくるのです。もっとも感触を味わったのは、やはり脚。
これでやられると、私の嗜好的にも、物理的にも、引き離すのが難しいのです。
こういった妻の変化が、急激であったり、程度が甚だしければ、私も危機感を持ったでしょう。
ですが、この変化は、まるで私の目を窺うかの如く、徐々に現れてきました。
行為の回数も、私が応えられる範囲でした。妻に男として求められ、私はすっかり浮かれていました。
妻の誘惑が――学生時代からの高嶺の花扱いのせいか――どこかぎこちなく、可愛らしいとさえ思っていました。
つまり、性生活の満足度が上がっていたので、私は妻の変化を看過していたのです。
妻の入院中は、わずかな毛髪の変化に心を乱していたのですが。私は天邪鬼な上に現金でした。
●9
繰り返しになりますが、ここまでの妻の変化は、私から見れば、深刻ではありませんでした。
テセウスの船で言うなら、三十本の櫂(オール)を挿げ替えただけで、船体はそのまま、程度の受け止め方でした。
が、私のこんな悠長な認識も、いくつかの出来事によって揺らいでいきます。
最初に思い浮かぶのは、休日の遅く起きた朝の話です。
あの日、妻はジムに行く予定で、私は前日の帰宅が深夜だったため、
妻には『寝かせておいてください。食事などは自分で用意するから』と書き置きして、目覚まし無しで眠っていました。
私が起床し、洗面所に向かうと、すぐ隣りの浴室の磨りガラスに、赤と白の混じったシルエットが見えました。
あちらも私に気づいたらしく『起きたのね。おはよう』とガラス扉越しに妻の声が聞こえました。
私は妻に返事をすると、洗顔料を手に取ろうとしましたが、いつもの場所には見当たりません。
浴室あたりに置き忘れたのか、と考え、浴室の扉に手を伸ばすと、一足先に扉が開きました。
『ほら、これでしょう。はい』
洗顔料を手に持つ妻は、水着だけの姿でした。赤地に白のアクセントが入った、ワンピースタイプの競泳水着です。
もっとも私は、妻に『あなたは上下一緒のタイトな水着なら、何でも競泳水着なのね』と言われるぐらい、
水泳への造詣がありません。私は妻と違って、プールとも海とも縁の薄い生活だったためです。
だから、私は妻がジムでどんな水着を使っているか、見たことがありませんでした。
乾いているのに、妻の身体にぴったりと張り付く、赤と白の化学繊維。
正面からだと、水着は妻の鎖骨から秘部までを覆っていて、肌が見えるのは顔、肩、手足のみ。
となると着用の都合上、背中側はある程度開けてあるのは、さすがの私も推測できました。
私が妻に、どうして浴室で水着を着ているのか、ジムに行くのは取りやめたのか、と聞くと、
『前に、使ってた水着が着られるか、試しておこうと思ったの。
そしたら、イマイチしっくり来なくて。お風呂場の鏡を見たりして、チェックしてたのよ』
妻は身体の向きを変え、姿見に映った自分の身体を見ていました。
私からは、妻の姿が斜め後ろから見えるようになりました。
背中の肌が、水着の深紅と対比されて、私の寝ぼけ眼を抉じ開けてきます。
まずは、ショートカットの先端から現れるうなじが、赤い肩紐を左右に従え、私の視線を惹きつけます。
肩甲骨とその間には、赤く細い水着の締め付けが幾筋か走っていて、拘束具を連想させます。
そして、妻自慢の腰のラインは、赤い締め付けによって、他の着衣よりも急峻な曲線となっています。
そのすぐ下では、ややローレグ気味の水着の縁が、妻の臀部に食い込んでいます。
圧迫されている部分との落差が、尻肉のボリュームをいっそう強く主張しています
『まぁ、入るには入るんだけどね。何か、こう、違和感があるのよ』
きっと私は、妻を怪訝な顔で見ていたのでしょう。声に言い訳めいた響きがありました。
妻は姿見を見ながら身体を捻ったり伸ばしたりしています。どうも尻と脚の周りが気に入らないらしく、
頻りに水着の縁を手で摘んで直し、腰をかがめては戻し、という様子。
この彼女自身の姿が、私にどう見られているか、妻は意識していないのでしょうか。
妻の水着は、普通に外を出歩くための衣服とは全く違うレベルで、妻の女肉を締め上げ、膨らみを絞り出しています。
もう見慣れたはずの私でさえ――むしろ、見慣れている私だからかも知れません――釘付けにされました。
しかも、あの退院直後のエスカレーターのように、今まで妻は私に、自分の身体を見せつけるのが常でした。
それが、この浴室で姿見の自分と睨めっこする妻は、私の視線など埒外のようです。
●10
『その赤と白の水着は、前にジム通っていた時も使っていたのか』と私が聞くと、
妻は姿見を見たまま『そうね。ジム始める時、学生時代のが、色々きつくなってたから』と気楽な調子。
私は戦慄しました。妻のこんな扇情的な姿が、私の知らないところで、衆目に曝され続けていたのです。
まだうっすら残っていた眠気が、嫉妬と興奮にかき消されました。
『あはは、ちょっと刺激的かしら。大丈夫よ、周り女の人しかいないし。そのぐらいは、気を遣ってるから』
曖昧ですが、たぶん私は妻を咎めたのでしょう。妻は苦笑混じりの返事。
男さえ居なければ、という感覚でしょうか。男である私に、無造作に見せながらそう言われても、納得できません。
私は理屈を捏ねる気を無くしていました。妻の知らなかった姿を、また私の手で――欲求が身体を突き動かします。
『え。あ、ちょっとっ、あなたったら。何、そんなに、気になるの』
私は、後ろから妻のくびれに手を回し、抱き竦めていました。
妻は私がふざけていると思ったらしく、姿見越しに笑みが見えました。
が、私が腰を押し付け、朝起ちでは済まない勢いの男根を、妻の尻に埋めてやると、妻は溜息をつきました。
『あの、今は、ね、やめて……今、無いでしょ。出されたら、プールに入れないし』
私は失念していましたが、スキンを切らしているようです。
このままでは膣内射精されてしまうと思ったのか、妻は私の手首を握って、やんわりと拒絶してきました。
私は馬耳東風でした。水着のおかげで、味わいが一変している妻の女肉を、
特に大きく変貌している下肢の感触に、夢中になっていました。
手の指にかかる化繊の加減が、妻の抑圧された女肉の反発に乗せられ、
いつもより乱暴に触っても、滑りと柔らかさでつるりといなされてしまう。
視覚的に強力だった脚刳りなど、手で触りつつ、浴室の姿見でも視姦していました。
『こらっ、悪い人ね! 朝っぱらから、こんなことさせないで』
以前の私であれば、妻の拒絶を無視して身体を触り続ける、とは行かなかったでしょう。
ただ、もう私には『させてもらっている』感覚が薄れており、もう少しいいだろう、と手を止めませんでした。
『そんなに気になるなら、触って確かめてやろうか――って、馬鹿っ、もう!』
私は妻の水着で象られたデルタゾーンを、指で覆い、滑らかな水着の触り心地に任せて摩擦しました。
恥丘の膨らみを、指が食いこむほど堪能します。シュッシュッと、化繊の擦れる耳慣れない音がします。
背中側に突き出された妻の尻肉には、すっかり臨戦態勢の男根を押し付けます。
『もうっ、いい加減にしてよ』
妻は大きく身体を動かしました。
私は、本気でしがみついていたわけではないので、妻の力で腕を引き剥がされます。
振り向いた妻は、釣り気味の目交から頬まで紅潮させて、私を睨んでいました。
久しぶりに機嫌を損ねたか、と私は嘆息しました。
テンションの落ちた私は、きまり悪さもあって顔を伏せてしまい、視界が下にズレました。
狭い浴室の中、妻は私と至近距離で向き合っていて、私からは、競泳水着に包まれた妻の身体の前面が見えます。
水着の張り付き具合など、胸の膨らみどころか、へその窪みの在処が、見ただけで何となく分かってしまう程です。
そして視線はさらに落ち、妻の秘部へ。それは薄い化繊に覆われていましたが、形が露骨に出ています。
私の過去の記憶にある、秘部の姿とそれを重ねるのは容易で、一瞬水着が透けた錯覚さえしました。
と、私はある変化に気づきます。
●11
『ええっ、やっぱり前と違うような気がする、ですって。あなた、どこ見ながら言ってるのよ』
妻の秘部にあたる水着の生地は、うっすらと色が変わっていました。
指の感触では、濡れた気配がしませんでしたが、いったいどうしたことでしょうか。
私の視線が妙だったせいか、妻も気づいたようです。
『なっ、これは……』
妻は、慌てて両手で股間を隠しました。頬の紅潮もひどくなりそうです。
やっぱり変わってしまったかも知れないな、と私が呟くと、妻は屈んだ姿勢から、睨んだ目のまま私を見上げてきます。
妻も、前より自分がセックスに貪欲になった自覚があるのでしょう。
あまり虐めても後に尾を引くので、揶揄するつもりは無いんだ、デリカシーが無くて悪いことをした、
などと言い訳をして、私は浴室から出ようとしました。が、妻は私の腕を掴んで引き止めてきます。
『そ、そんなに変わったとか言うなら、あなたが確かめてみなさいよ』
ついさっき、私の無遠慮な手を拒んだ妻が、今度は逆に、私の手首を握って、彼女の下腹部に押し付けてきます。
どうやって妻の機嫌をリカバリーしようか考えていた私は、予想外の展開に茫然。
妻の表情も、明らかに――しまった、という様子でしたが、妻は意地っ張りなところがあります。
自分の口走った言を、しれっと流せる性格ではありません。
私は妻に、浴室の姿見の方を向かせ、壁に手をつかせました。
私は自分も立ったままで、先程のやり直しのように、後ろから妻の股座に手を伸ばします。
私の指が、そろりと妻の秘部に近づいていくのが、姿見に写っています。
『早く、してよ。時間が、おしてるんだから』
ただ触るのと、触らせるのでは、触覚的にも、精神的にも、心地がまるで変わってきます。
まずは小手調べと、水着の化繊越しに、へその周りに触れただけで、妻の呼吸が、微かながら乱れます。
手を下げていくと、いよいよ妻が水着に作った沁みに触れます。
さらさらとした水着の感触が、いきなりぬらついたものに変わり、私は喉を鳴らしてしまいます。
『あっ、だめ……水着、だめに、しちゃう』
私は左手で、妻の水着の生地をずらして押さえました。そうして生じた間隙に、右手を滑り込ませます。
水着の生地から、妻の陰毛がはみ出て見えると、羞恥のせいか、妻は太腿を強く閉じました。
が、ウエスト経由で手を回している私の両手の邪魔はできません。
水着の沁みが外から見えるほどですから、妻の秘部の濡れ方はかなりのものでした。
差し伸べた指先が、愛液にすぐ纏わり付いて、しかも湯気が出んばかりの火照りに曝されます。
私は空いていた右手を、妻の水着の中に突っ込みます。
水着を突っ張らせる私の手の甲は、自分の手であるのに、得体の知れない闖入者にも見えました。
『んっ……くっ、あ、ふぅあっ』
妻が内腿を閉じたままなので、私は妻の秘肉より陰核を狙うことにしました。
水着の生地に押されて、陰毛に取り巻かれている陰核を探し当て、
まだ甘皮に包まれたそれをイメージしながら、指一本で撫でます。
触れるか触れないかの加減でしたが、妻が私の指を意識しているのは、下腹の反応で分かります。
妻は息を殺していましたが、無駄なことです。
●12
陰核はとても小さな器官です。乳房や尻肉と比べると、触り甲斐では一歩譲ります。
以前から私はそう思っていたので、熱心に触っておらず、妻への愛撫は探り探りでした。
妻は、陰核そのものへの刺激に敏感なようで、慎重にもてなしてやらねばなりません。
が、あまり繊細なやり口だと、触る側として物足りないので、私は手を変えることにしました。
私は、妻の恥丘を、陰核へ追い込むように揉みしだきました。陰核そのものへは触れません。
妻の秘部は大きく歪まされ、果実でも搾ったように愛液が滲み出てきます。
妻の腰がふらつき、尻肉が後ろ――つまり私――に向いて突き出されます。
私は軽い気持ちで、いい具合に近づいた妻の尻肉へ、再び男根を押し付けました。
その時の、姿見から見えた妻の顔からは、もうジムのことなど消え失せていました。
私は右手に力を入れて、妻の恥丘を堪能しました。
尻や腿などの、ツンと張った弾ける感触と違って、恥丘のそれはぷるぷると言った擬態語を思わせ、
私の指をも柔らかく迎え入れてきます。指が埋まる恥丘の肉と、男根で感じる尻肉の対照が面白く、
私はしばらく指で恥丘を拓いていました。妻と私の吐息、ずりずりと肌の擦れる音が、浴室に零れていました。
すると、尻肉を突き出しているだけだった妻が、ほんの少しだけ腰を揺するようになりました。
左右か上下かも定かで無いぐらい小さな幅でしたが、妻が自ら下肢を動かしているのは確かでした。
妻の顔を、姿見を通してちらりと窺うと、この触り方はお気に召さない、と書いてありました。
変化が欲しくなったのでしょう。私は無造作な風で、今まで避けてきた陰核に触れました。
『く、ふぁあっ!』
私の指で陰核を撞かれた妻は、その瞬間、腰から背中までを波打たせました。
妻は上体が傾ぐあまり、吐息を姿見に吹付け、鏡面を曇らせてしまっています。
妻の背中は、水着の締め付けで戒められたまま喘ぎ喘ぎ。もう一度陰核を襲うと、腰までがくんと揺らぎます。
水着の様子は、妻が上体を傾げているので、姿見からは見えませんが、秘部を浚う手の感触で、
しとどに濡れていると分かります。もう陰毛の辺りまで沁みが広がっているはずです。
『んあっ、く、ああっ、いや、それ、ひぁあっ!』
陰核を、指の腹でとんとんと撞かれるのが、妻は堪らないようです。
妻の声は浴室を跳ねて響き、体の負荷を受け止めている肩や尻が、頼りなげに震えています。
勢い付いた私は、もう立ち続けるのでいっぱいいっぱいな妻の内腿の間に、
右手の指を滑り込ませ、既に潤んでいた秘肉に侵入させました。
強引だったか、と思えた私の割り込みには、熱く窮屈な秘肉が待ち受けていました。
いつもより不安定な体勢からか、やや入り口寄りに食い込んだ私の指は、不思議な触感を捉えました。
ざらりとした膣壁の指一本奥で、小さなしこりがあるようで、気になった私は、それを指先で追いました。
『あ、ひっ、んあっ、そ、それだめ、ひ、んんんっ! くああっ!』
同時に、指の付け根から掌の端の方を転げる感触。
陰毛のざらつきに紛れて、陰核が手の圧に抗っています。具合からみるに、陰核は充血しているようです。
私は、秘肉の小さなしこりが、陰核の根本に繋がっているとイメージしました。
外見は小さく控えめな陰核が、本当は秘肉の奥深くまで伸びている――脳裏に描いた妻の姿は、
また私の征服欲を煽りました。指や男根が直接届かないところまで、妻を味わい尽くすつもりでした。
『くっ、ひぃっ、だめ、やぁあっ、もう、だめだって、ひぃっ、ん、んぁ、んんっ!』
妻は、姿見に突っ伏しそうになるのを、私の両腕で辛うじて留めているだけでした。
私は指の腹を使うよう意識しながら、妻の内側のしこりをぐいぐいと追い詰めました。
恥丘の外に据わった方の陰核も、秘肉の責めに巻き込まれて、されるがままに押し潰されます。
●13
がたん、と妻の重心がズレて、私は咄嗟に左腕へ力を込めました。
私たちは体勢を崩しかけましたが、倒れ込むのは間一髪で避けました。妻は膝が笑っていました。
『だめ、え……あなた、離して、だめ、もう、だめ』
私は妻の言葉を耳に入れてはいましたが、聞き入れるのは無理でした。
妻の腰が砕けてしまっているので、立ったまま妻を片腕で支えるのが苦しく、
私はできるだけ優しく妻を浴室の床に下ろしてやるだけで精一杯でした。
『い、あ、だ――めっ、あ――』
妻が浴室の床に座り込む瞬間、妻の秘部に突っ込んだままの私の右手から、生暖かい飛沫の感触が伝わってきました。
水着に包まれた――私が手で乱暴したので、ズレてしまっていますが――妻の秘部から、
さらさらと粘度の薄い液体が、幾筋どころか、幾つもの流れを作って、内腿を流れ落ちていました。
『い、や……こんな、の、わたし、いや、ちがう、のっ』
粗相でへたり込む妻の下肢を、浴室の床に落ちた禁水が濡らしていきます。
妻の下肢を見れば、私の指に受けた陵辱の余韻か、まだ細かく震えていました。
そんな妻の姿によって、私の性衝動はもっと強くなりました。
妻の痴態は、あられもなく、破廉恥であるほど、私の征服欲を煽ります。
この嗜好が、元から眠っていたのか、妻の変化に応じて芽生えたのか、今となっては、私当人ですら分かりません。
消沈する妻とは正反対に、今まで焦らされていた男根は軒昂そのもの。
私はその勢いに従い、狭い浴室で、足腰の覚束ない妻と無理して交わりました。
おかげで妻の一張羅(?)は傷んでしまい、代わりを買い直してやらねばなりませんでした。
ただ、ダメになったはずの赤と白の水着を、まだ妻は保管しています。時折それを取り出しては
あの日のように、うんうん首を捻りながら着ている様子です。さすがに、私の目は避けているようですが。
新しく買った方が気に入らなかったのか、と思って遠回しに聞いても、妻は言を濁すばかりでした。
また『前と違うような気がする、ですって』『そんなに変わったとか言うなら、あなたが確かめてみなさいよ』
という妻の言動も、私の中に引っかかりました。妻が事故を経て変貌している様は、既に語った通りです。
妻もそれに気がついているはずです。が、妻自身は変わっていないと言い張ります。
私も妻を否定するのが憚られ、変わっていない、と口では妻に合わせていましたが、
それは単純に藪蛇を恐れて、することができなくなるのを恐れただけでした。
いつしか私は、以前からそうであった風な態度で、妻とのセックスに耽っていました。
●14
そうして日和見を続けていたある日、また私を動揺させる事件が起きました。
その日、私は妻の通院に同行する予定でした。通院の用件は、妻の定期検査でした。
私たちは車で病院を訪れました。検査は午前中に終わる予定で、その日は私も休みがとれていて、
終わったら二人でショッピングでも行こうか、と話し合っていました。
妻の検査終了を待っている間、私はロビー前の長椅子に腰掛け、本を読んで時間を潰していました。
ロビーには、私が座っているのと同じ長椅子が、ざっと数えて二十脚以上は並べられていて、
椅子に座っている人は、十五人前後で増えたり減ったりしています。
受付、手続き、会計など、番号での呼び出しを待っている様子でした。
ロビーなので、顔見知りになった病院の方が見えることもあり、私は何度か挨拶を交わしました。
一部の看護師さんからは『終わったらデートですか、羨ましい』などと囃され、面映ゆい思いをしました。
検査終了の時刻が近づいてきたので、私は長椅子を立ち、病院の売店へ行きました。
車に乗る前に、飲み物を買っておこうと考えたからです。私が待合室に戻ると、妻が私を待っていました。
私が飲み物を渡すと、妻は『一服してから出かけましょう』と言って、長椅子に座り直しました。
時間に余裕があったので、私は首肯して妻の隣に座りました。
ロビーの長椅子に座って、いくらか時間が経ちました。
私はショッピングで何を見ようか、などと話しかけていましたが、妻の口数が少なく、
気になった私は、顔を横に向けて、妻の様子を窺いました。
『ねぇ、あなた。検査って、どんな風にやってると思う』
妻が受けた検査は、概ね二種類。ひとつは、臓器機能に異常がないか採血して確かめる血液検査。
もうひとつは、実際の身体の様子を見る造影検査。私は、どちらも詳しくありません。
血液検査の結果は、アルファベットで略された検査項目の意味が分かりません。
造影は、超音波や放射線や電磁波など色々あるようですが、機器の仕組みや使い分けの理屈を理解していません。
『エコー検査ってね、生暖かいローションみたいなのを、肌に塗られて、その上から、
レジのリーダーみたいな道具を押し付けられるの。それやってくれた女医さんに聞いたんだけど、
細かい改良はあっても、基本的な原理は、もう何十年も同じなんだって』
妻は、造影の話ばかりしていました。内容も、素人の私でさえ既知のことでした。
話の意図が分からず、私は妻の様子をさらに窺おうとして、どきりと心臓を跳ねさせる羽目になりました。
『今まで、退院してから、あなたに何度も抱かれたけど、それって、
こういう定期検査されてる時とか、全部まるわかりだったのかしら』
妻の瞳はじわりと潤み、頬はしっとりとした血色を湛えています。乾燥気味の病院内から、完全に浮いています。
横目で私の視線を受け止める妻の表情は、夜に誘いをかけてくる時のそれでした。
『お腹の、下の方に、検査器具を押し付けられると、コレが本当にわたしの身体かしら、って、
そう言いたくなってしまうのよ。おかしいかしら。あなたは、どう思う』
●15
私は愕然としていました。
検査のせいで夫婦の性生活が筒抜けだった、との発想は、言われれば考え得なくもないです。
が、この移植された妻の――遺伝子上は確実に同一な――下半身が、妻のものではないとは、どういうことでしょうか。
妻は私の手を握り、彼女の膝小僧あたりを触らせてきました。
服装は、シンプルなカットソーに、膝丈のプリーツスカート。自慢の足はベージュのパンストに包まれています。
足先は、普段よりヒールの低いパンプス。通院を意識してか、妻にしては地味にまとめています。
『わたしね、身体の下半分を吹き飛ばされて、しばらく禄に身動きできないままだったでしょ』
妻の下肢移植前の姿については、最初に少しお話しました。
下肢全損だったため、色々の身体機能を補うため、生命維持装置に頼っていました。
その状況は、私たちが再生医療に踏み切り、妻の下半身が作り直され、移植されるまで続きました。
『それから、コレをつけてもらって、ようやく人並みに生活できるようになった……はずだったんだけど』
妻は、私の手を自分の手で包んで、スカートの上から太腿を撫でさせました。
スカートは薄手でしたが、プリーツのせいで、妻の体温はやや遠く感じられました。
『以前のわたしと同じはずのコレが、いつからか、度し難いほど疼くようになってしまった』
妻の再生された下半身は、申し分ない再現度であったと思います。
退院直後のタイトパンツ姿など、以前の妻と何ら変わらない、と私の目には映っていました。
それが、退院後にセックスを重ねるに連れて、妻の性欲はどんどん膨らんでいきました。
私でさえ察したのですから、当人の妻は、私よりずっと早くから気がついていたでしょう。
『ねぇ、あなたが、嬉々としてがっついてたこの身体は、本当にわたしなのかしら』
退院後の妻の変化は、私も認識していましたが、
それを以って、妻が別人と化してしまった、とは考えられません。
私から見れば、セックス以外ならば、妻は以前のままです。別人と化してしまった――と言うなら、
事故直後に消沈していた姿の方が、よほど別人かと心配させられたものです。
もし別人だとしたら、私は浮気してた扱いになるだろうか――と、私は混ぜっ返しました。
今、私がスカート越しに触れている身体が、妻のものでないなら、そうとも言えるはずです。
そんな馬鹿げた理屈が通っては堪りません。
私が、あれだけ妻の身体に執着していたのは、性欲はもとより、妻に対する独占欲の大きさゆえです。
それを根底から引っ繰り返されるなど、冗談でも受け入れられません。
『ふふ、わたしのご機嫌伺いながらシてたあなたが、そんなこと口に出すなんてね。
もしかしてあなたも、わたしの知らないうちに、身体のどこか取り替えたのかしら』
確かに、退院後の私は、妻の女である部分を、我が物顔で貪っていました。思い当たる節はいくらでもあります。
入院前と比べれば、私とて別人と思われてもおかしくない、変わったのはお互い様です。
『そうね。入院する前と、退院した後。両方の身体の具合を知ってるのは、わたし以外だとあなただけ。
だから、あなたに確かめて欲しい、なんて言ったこともあったわ』
思い返せば、退院後に初めて交わって処女膜を破った時の『どうだったかしら』という妻の問も、
下半身の同一性に対する疑念から、発されたのかも知れません。
私が黙って妻の目を見続けていると、不意に妻は席を立ちました。
『あなたが、前と同じ、と言うなら、今から確かめてもらおうかしら』
●16
私たちは、病院内の多機能トイレに移動しました。
まだ再生医療が広まっておらず、車椅子の利用者が多かった頃に設置されたものです。
妻が言う『今』とは、文字通りの意味でした。自宅どころか、駐車場までも待ってくれません。
病院内で、セックスできる広さのある密室となると、この場所しか使えませんでした。
このトイレは、最近こそ単なる予備扱いですが、開閉がボタン制御なため、
長時間閉めっぱなしにしていると、制御する側に怪しまれます。私たちに時間はありません。
が、妻はそれを問題としていませんでした。
『コレを見ても、わたしのここが、前と同じ、変わっていないって言うのかしら。絶対嘘でしょ。
わたしが、こんなになるなんて、有り得ないもの。ホント、どうかしてる』
妻は、立ったまま乳児用のオムツ交換台に片手を突き、もう片方の手では、スカートをたくしあげています。
スカートの内側。私がパンストだと思っていたのは、ガーターベルトに吊られたストッキングでした。
妻はタイトなボトムスを愛用していたので、服の下がごたつきやすいガーターは、これまで使っていませんでした。
ストッキングを釣っているガーターは、細かいレース付きの瀟洒な風情。
ガーターの上から履かれた下着とも、レースと色を合わせていたようです。
が、妻の豊かで張り詰めた大尻は、それらさえも圧倒する存在感で、インナー全てが引き立て役になっています。
これで変わった、というなら、妻の気が済むまで喜んで付き合うつもりです。
『早く、してちょうだい。あなた、いつも好き放題してたでしょう』
色を合わせて“いた”と敢えて過去形にしたのは、
妻がスカートをたくし上げられた瞬間から、下着の色が変わっていったからです。
私が下着を引き下ろそうと、妻の尻肉に指を降り立たせただけで、妻は挑発的に尻を振りました。
『ん……んんっ、水着も、これぐらい、丁寧に扱ってくれたら、良かったのに』
ガーターを巻き込まないように、そろそろと妻の下着を下ろします。
篭っていた女の匂いが、一気にトイレの密室へ広がり、私の嗅覚にも襲いかかってきます。
ぐっしょりという擬態語が生温く思える下着を、妻の太腿まで下げ、秘部を露わにします。
秘部と下着の間には、二三の筋が糸を引くように繋がれ、私があっと息を飲む間に切れました。
妻の愛液は、精液かと見紛うほどの濁りと粘りで、私は咄嗟にその匂いを嗅いでしまいました。
しまったと思った瞬間、妻のパンプスが私の足甲に食い込みました。
『あなたは、時々そういうデリカシーの無いことするよね。そこは変わらないのかしら』
私は気を取り直して、取り出した男根を妻の秘部に添えます。避妊具は着けませんでした。
私が妻に注ぎ込んだ精液が、病院の検査で露見していたかと思えば、もう今更です。
妻がパンプスを履いているとはいえ、私の男根の方がやや高く、私は前傾姿勢に。
狙いを定め入り口に捩じ込むと、妻の背に覆い被さりつつ、妻の秘肉を割り開いて行きました。
『ん――くあ、ああっ、はあっ!』
妻の秘肉の中は、心臓の拍動と符合しながら、私の男根を四方八方から搾ってきます。
締め付けは非常に強く、処女以来の刺激。ですが、あの夥しい愛液のおかげで、抜き差しは滑らかでした。
私は妻と同様に、オムツ交換台に手を乗せました。そのまま、妻の手に自分の手を上から重ねます。
声は我慢できそうか、と私が囁くと、しばし無言。ややあって、妻の茶色いショートボブが上下に振られました。
私は引き出しかけたハンカチを、くしゃくしゃのままポケットに戻すと、その手で妻の頭を撫でました。
●17
私は、自分の両手で妻の腰を支えながら、抜き差しを始めました。
当初は、妻に覆いかぶさったままでセックスを続けるつもりでしたが、
寄りかかったオムツ交換台が不吉な軋みを上げたので、私はやむなく背を真っ直ぐに戻しました。
『ああ、わたし、戻れないわね。一度、セックスのこと、考えたら、身体が熱くなって、収まらなくて』
妻は手で口を抑えつつも、甘い吐息に混じって、呟きを零しています。
私が男根を行き来させるごとに、秘肉は強請るようにぎゅうぎゅうと私を包み、
パンプスのヒールが、かたかたとトイレの床を鳴らします。
『トイレで、セックスして、気持ちいいって、思って、前の私が、見たら、もう』
こんな調子では舌を噛む、と考えた私は、再びハンカチを取り出して妻に渡しました。
が、妻はそれを手に握ったままにしています。
『ねぇ、コレがっ、私なの。こんな、淫乱な、女が』
妻は、セックスの虜になってしまった自分を、受け入れられていないようです。
その理由が分からないものだから、移植した下半身に原因を押し付けて、
こんな淫乱な下半身は自分の身体ではない、などと妙な詭弁を弄しているのでしょう。
それとも――今はこうして復活しているとはいえ、事故からしばらくは、妻が下半身無しで生きていたのも事実。
以前の下半身を完璧に再現したが、その間に上半身が、下半身無しの状態に適応して、
移植で下半身有りの状態に戻っても、違和感が拭えなくなってしまったのでしょうか。
妻がこうなったのは、移植が関係しているかも知れません。していないかも知れません。
私は、それ以上の考えを押し殺しました。
『あ――ふうぁあっ、あ、お、奥っ、おくダメぇっ、ひ、あ、はあああっ!!』
今、私の目の前で、時雨のように愛液を垂らして、私の男根を咥え込んでいる女が、
私の妻でなかったら、いったい他の誰だと言うのでしょう。それこそ現実離れしています。
だから私は、もう妻が変な考えを起こさないよう、否定しようのない既成事実を作ろうと思いました。
私は妻の耳に顔を近づけて、これから私の子を孕ませる、と囁きました。
今までも膣内射精した経験はありましたが、それは勢いに任せたものでした。
明確に、妻を妊娠させるために性交し、子宮へ精液を注ぎ込むのは、初めてです。
『あ、ははっ、何それ、あなた、まさかそれで済ませようなんて、思っちゃいないでしょうね』
そのまさかだ、と私が返すと――妻は再び笑い出しました。
私は、お前との子供が欲しい、だから、今までお前とセックスしてきたし、これからもセックスして、
絶対にお前を孕ませてやる――私は、妻に抱いていた独占欲を、初めて言葉にしてぶつけました。
『やめて、だめっ、あなた……そんなこと、言われたら、わたし、あっ』
私と妻の子供を孕ませたら、“コレ”が妻そのものだと、嫌でも分かるでしょう。
だいたい、妻の身体は、私とのセックスを欲しているだけです。もし妻がただの淫乱なら、
この女体を駆使して、いくらでも外に男を作れる――身贔屓と思召すなら、お笑いください――はずです。
しかし、妻は私を求めていました。妻は、私との子供を作りたい欲望に、従っているだけなのです。
それを淫乱だと卑下するなら、私のほうがよほど重症でしょう。
●18
『今まで、あっ、あれだけ好き勝手して――ひ、開き直るの、あなたって、人はっ』
もう御託を並べる時間は終わりです。ふらふら彷徨う思考に、妊娠という現実を叩き込みます。
私は、しなだれかかってきた妻のスカートを捲り直し、ガーターを纏った女尻を、両手で直に掴みます。
『あっ――あアっ! んっ、は、ああっ、ふあぁアあっ!』
秘肉を掻き分け、妻の胎内にまず一突き。
孕ませると決めた一念が通って、私の男根は、最初から子宮口を捉えたようです。
『あ、かぁ、かはあっ、しきゅう――入り口、下りて、突かれて、ふ、ふぅあっ』
私の推量は、妻の教示のおかげで、確信に変わりました。
子宮口は秘肉の壁と違って、心持ちふかふかと柔らかく、優しげに亀頭を撫でてきます。
これから、ここに精液を注ぎ込むと思うと、私はその感触が愛おしくてたまらず、
妻を支えると両手をがっちりと保持するよう気をつけながら、子宮口をつつきます。
妻は大きく背を反らしました。籠った嬌声が、啜り泣きのようにトイレに響きます。
いつの間にか、妻はハンカチを口に加えていました。声を押し殺し切れない予感がしたのでしょう。
そうして子宮口を堪能している内に、妻の秘肉に奇妙な変化が起こりました。
私の男根を、秘口だけがキツく締め付けて、それ以外の膣壁がゆるゆると引いて行きました。
私からすれば、亀頭で子宮口と、根本で秘口と触れ合っているだけで、
後はとろとろとした粘膜の海を漂っている風情でした。
これは子宮口が分かりやすく、男根も動かしやすくなったと思い、私は少し強めに子宮口を押しました。
途端に妻の女尻がぐんと落ちて、ガーターベルトが私の手にひっかかり、ストッキングから外れてしまいました。
私はそれを直そうか、と一瞬考えましたが、もうガーターもストッキングも、
妻の愛液や汗や禁水でぐしゃぐしゃに乱れて、どう直そうとも手遅れでした。
妻の足腰が危なっかしくなってきています。浴室でしたように、腰を抜かされては、
さすがに男根も抜けてしまって、せっかくの孕み頃が台無しです。
私は、最後まで妻を離さないよう、まず腰を落として重心を低くしました。
そして女尻を掴んでいた私の両手を、妻の下腹に回します。これで妻が音を上げても、支え切れるでしょう。
妻の下腹――いわゆる臍下丹田の辺り――は、秘肉の中にも負けない、焼けるような熱さと、
心臓が跳ねているような痙攣で、私の手と指を迎えました。それで私には、
妻の肌の下にある子宮や卵巣たちが、懐妊の期待にくつくつと茹だっている様に見えました。
私はその欣喜を感じたくて、妻の下腹を揉み続けました。
冷静に考えれば、単に腹腰筋辺りが引き攣ってたのでしょうが、
妻の肚裏が、隅々まで受胎を望んでいたという点では、問題ありません。
私が、このように長たらしく抜き差しを続けられたのは、前言の通り、
私の男根を包み込む妻の秘肉が、入り口――私からすれば、根本――以外、穏やかだったからです。
そういう現象があると聞いてはましたが、実際直面すると、精を搾り取られるのと異なった充足を覚えます。
言うなれば、いつでも好きなように射精していいグリーンライトを与えられた気分です。
妻の締め付けに追い立てられて射精するのが常だった私にとっては、初めての境地でした。
●19
もういつ射精しても惜しくない、と思っていましたが、何度目かの子宮口への愛撫で、
妻の下肢もがくがくと悲鳴を上げたので、私はもう一度子宮口へ狙いをつけ、
鈴口をぴったりと当てて吐精しました。一射、二射が子宮口を叩きます。射精の悦びが下肢に響きます。
危うく夫婦揃って腰砕けになりそうなところを、最後の気力でこらえながら、精液を子宮に流し込みます。
すっかり綻んでしまった子宮口には、これが効いたようです。妻は気が抜けてしまったのか、
秘口から禁水を迸らせ、それがストッキングやトイレの床でびちゃびちゃと弾けていました。
私は、妻の口からハンカチをどけてやりました。色々と酷い有様でしたが、
表情だけはアルカイックスマイルよりも安らかでした。洗面台の鏡を見ると、私の顔も似たようなものでした。
私たちは、トイレットペーパーで出来るだけの後片付けをして、そそくさと病院の駐車場に向かいました。
もうショッピングどころではありません。
それから帰宅して、車のシートに妻が沁みを作っていたのをからかっている内に、気分が昂って車内で一回。
シャワーを浴びた後の、濡れた髪の妻に欲情して一回。遅い昼食を食べて一回。
後は――とにかく、粘膜が擦過傷でズキズキ痛むまで、セックスに及びました。勿論全て膣内射精です。
あの日以降、私たちはそんな調子で過ごしていたので、妻が子を身籠るのは時間の問題でした。
妊娠が明らかになったのは、あの病院の定期検査でした。
担当の女医さんが、顔を赤らめて“おめでとうございます”を言ってくれた、と妻は微苦笑していました。
今度は産婦人科ですが、またあの病院にお世話になることになりました。
病院の方と出くわしたら、私はどんな顔をすればいいのでしょう。
『この子、本当にわたしの子供、なのかな』
妻は、妊娠初期の殆ど膨らんでいない下腹部を撫でながら、呟きました。
私は、間違いなく私とお前の子だ、と断言しました。すると妻は、呆れ半分の笑顔を私に向けて、
『得意顔しちゃって。まぁ、あれだけ、わたしがおかしくなるぐらい、好き勝手出しとけば、ね。
だから、わたしがおかしくなってても、全部、あなたのせいよ』
言われて私は、それで本望、とだけ返しました。
『そう言うと思ってたわ。それなら、わたしも、ね。あなたのせいなら、おかしくなったって、いいわ』
私も、妻の下腹部を撫でさせてもらいました。
懐胎を前に躍っていた姿から様変わりして、今は静かな温もりが感じられます。
『今度こそ、ちゃんとショッピング行かないとね。色々必要になるし』
最初に買う物は、恐らく服でしょう。妻のクローゼットは、タイトな服ばかりですから。
妻はどんな服を選ぶのか、と思いながら、私は飽かずに妻を撫で続けました。
(了)
●最後に
一括投下するには長いと思いましたが、
前後編に分けると、片方に孕ませ属性が入らないので、一括投下しました。
この長たらしいのを読んでくださった方に、感謝申し上げます。
GJ!
男側の一人称なのに、しっとりした情感があってムラムラした
これはエロいGJ
愛のある良い孕ませでした
力作だなぁ
乙です!
バルーニング現象をSSで書いてくる人がいるとはなぁ。
乙です
480KB超えると一週間の沈黙で落ちるって聞いたんだけど?
最近ここの保管庫って機能してるの?
あれ、480KB超えてるの?専ブラでわからんかったわ
それじゃ次スレ立てないとな
規制されてるかどうかわからんけど、ちょっとトライしてみる
おお〜新スレ乙
ここって即死あったっけ
気をつけないとな
保管庫の人、いま忙しいのかねえ
種の保存
ほ
も
ほm
その攻撃、子宮で受ける!
チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!
どこのボーガーだお前らw
卵子へのダイレクトアタック!
卵子は受精卵となり着床する!
ほ
ほ
ホァーッ!
ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!
結局、保管庫の人がこのスレの投下分を収納してくれるまでは
ここを落とさないよう保守ってことでいいの?