【何発でも】腹責め専門SS・その9【叩き込め】

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505名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 01:05:28.39 ID:hTeVTgIk
早く来月にならないかね。
腹パに参加しないと、このスレ的にも今一動きようがないし。
506名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 01:45:46.49 ID:eHoIXrtq
今回参加サークル多いから、まずどこに並ぶか迷うな。
個人的に女子ボクシングは残ってたら買うったレベルだから、鉄板のコッペパン氏か55氏かな。
507名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 05:46:39.86 ID:P2miYAWq
行けない勢としたら恭子の続きが希望やでぇ…
508名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 12:47:12.28 ID:wkbRhWBm
このスレも何気に容量がキツくなってきたな
完走前に消化か?割と投下があったんだな
509名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 19:00:45.02 ID:LNTA5JFt
55氏、更新完了。
相変わらず重苦しい雰囲気を書かせたら腹責め界一だわ。
知識も豊富で、完全にプロ。
腹パが本当に待ち遠しくなってきた!
510名無しさん@ピンキー:2012/04/09(月) 22:03:44.34 ID:F0ULyyms
腹パの話はもういいわ
同人板ででも専用スレ建てれよ
511名無しさん@ピンキー:2012/04/09(月) 23:56:07.79 ID:fnaV/1+7
55氏のツイッター見れなくね?
何だよ非公開って
512名無しさん@ピンキー:2012/04/10(火) 21:18:12.77 ID:13U671Fy
地方民には腹パのネタは毒にしかならんしな
513名無しさん@ピンキー:2012/04/11(水) 21:25:58.46 ID:9ZLfevTC
55氏活動休止ってマジかよ...
何でこのタイミングでだよ?
意味わからん、過去ログも消えてるし、マジで凹んでる
514名無しさん@ピンキー:2012/04/11(水) 22:00:19.44 ID:ww9yiWqc
55氏はきっとまた戻ってきてくれます。

>>480-486の続き、腹は災いの元・五話後編を投下、23レス予定。
ようやく五話が終わりです。
読んで下さった方、および暖かな感想を下さる方にはいつも本当に感謝しております。
515腹は災いの元 5話 後編  1/23 :2012/04/11(水) 22:01:18.07 ID:ww9yiWqc
1.

「うへぇ、えげつねぇ……流石っつうかよ」
「おうおう、あんな美人が白目剥いて小便撒き散らしてよ……。
 一体何ボルトなんだろうな、あの電流って」
「こういうシーン観られンのが、『クルーエル・ビー』の試合の醍醐味だよな。
 反則なんかまず取られねーし、やたらレベルの高ぇ女が嬲られんのが見放題だ!」

会場のざわめきが、ドームを震わせるほどになっていく。
個人が受け止める容量を遥かに超えた、大波のような圧倒的エネルギー。
その収束点が俺の見知った人間なのだから、全くもって現実味の薄い話だ。

あおいさんは、確かに周囲が興奮するに足る凄まじい状況に置かれていた。
電流の流れるリングポストに腹を密着させられている。
ロープの間から突き出た両腕は、外からリング淵のギリギリに立ったマキに引かれ、
さらに背中から、小芳の幼くも見える白い脚がポストに向けて押し付けてもいた。
そのせいで電流から逃れる事も出来ず、あおいさんは意思に反して乱れていた。
「あああ、はあ゛ああ゛あッあぁぁああ゛っっっ!!!!」
上がり続ける悲鳴が、もう聞いたこともない裏声になり果てている。
体中からありとあらゆる体液を零し、整った顔はまるで溺死する寸前だ。
鍛えている女性特有の肉感的な脚が、限界を表すように痙攣する様は嫌でも脳裏に焼きつく。

そうして散々に痛めつけたところで、あおいさんの身体はようやくリングポストから離された。
ピンクと白を基調としたレオタード型のコスチュームは、あちこちが焼け焦げて破れている。
乳房の下半分、腹部のほとんど、挙句にはチリチリと焦げた陰毛さえ衆目に晒された。
特に腹部はモロにポストへ接していただけあり、まるで赤道直下で日に焼けたような有り様だ。
腹筋の美しく複雑な隆起が、赤銅色から生焼けのピンクまでの陰影で彩られているいる。
開いた臍穴の周囲が捲れ上がり、性器のようにヒクついている様子が衝撃的だ。

その腹筋の様子が映し出された瞬間、当然に煩いほどの反響が沸き起こる。
俺にとっては腹立たしい狂乱。
いつもカラカラと気持ちよく笑い、俺や恭子を実の弟妹のように可愛がってくれる人が、
無残な姿で見世物になっているのだから。
けれども俺がどれだけ苦い思いをしようが、あおいさんの地獄巡りは終わらない。
彼女自身が、惨めなまま敗北宣言をしない限り。
516腹は災いの元 5話 後編   2/23 :2012/04/11(水) 22:01:43.98 ID:ww9yiWqc

小芳が、電流責めから解放されて棒立ちになっているあおいさんの髪を掴む。
そしてそのまま、中腰になるあおいさんをリング中央へ放り投げた。
「あぐっ!!」
背中を打って仰け反りながら呻くあおいさん。
それを見ながらマキがロープを潜ってリング内に戻り、あおいさんの右脚を掴んだ。

「ふぅーん、さすがミサイルキックの名手って言われる臥龍小町の脚。
 アタシもキックやってたから解るけど、しなやかで強い、良い筋肉してるねぇ。
 こんなおっそろしい脚は、潰せる時に潰しとかないとね」
マキは笑いながら言うと、掴んだ右脚を軸に自ら回転するようにして脚を極める。
スピニング・トーホールドだ。
勢いよく脚を開く形となり、すでに半ば破れていたあおいさんのコスチュームが、
更にビリッと音を立てて会陰部までを晒す形に裂ける。
「ぐうっ!!」
当のあおいさんにとっては、その恥辱よりも脚の痛みの方が優先的らしい。
後ろに突いた両手でマットを握り締めるようにし、歯を喰いしばって必死に耐える。
けれども……彼女の敵は一人だけじゃない。

突如身体を覆った団子頭の人影に、あおいさんのくっきりとした瞳が上方を見上げる。
その先には……ごく小さな中華靴でリングポストの上に立ち、マットを見下ろす小芳。
「んじゃ、イキマース!!」
手を振り上げたまま高らかな片言で宣言し、寝転がったあおいさんに狙いを定める小芳。
片膝が曲げられ、チャイナドレスのスリットから白い生脚がより際どく覗く。
その独特の愛嬌と色気に、まんまの乗せられた男と歓声が沸き起こる。

そして小芳は跳躍した。
片膝を曲げたまま空中で身体を捻り、膝を先端にした槍のように下腹を狙う。
「くッ!」
あおいさんは危機を前にもがこうとするが、マキに脚を極められていては動けない。
かくしてその凶器の膝は、深々とあおいさんの腹筋に沈み込んだ。
日々筆舌に尽くしがたい練習で岩のように鍛え上げられたあおいさんの腹筋は、
けれどもその圧倒的な貫通力を前にして全くの無力だった。
517腹は災いの元 5話 後編   3/23 :2012/04/11(水) 22:02:04.26 ID:ww9yiWqc

「…………ア゛………………!!」

鈍い音……いや、“声”が聴こえた。
小芳の膝頭が完全に肉に埋没し、極められたあおいさんの右脚が指先まで一直線に伸びきる。
上半身が腹筋をするようにせり上がり、両腕が強張ったまま宙へ浮く。
小芳がそのめり込んだ膝を、さらにグリリと捻りながら捻じ込んだ瞬間、
あおいさんの口から吐瀉物が噴き上がった。
「がぽっ…ごぼっ、ろ゛っ……ぉえ゛、あ゛…………っっ」
薄黄色いものが散らばり、唇から次々に溢れて喉を流れていく。
目は見開かれたまま、天井のライトを凝視する形で時を止める。

「キャハハッ。あれぇ、あおいの腹筋、こんなに柔らかかったあるか?」
小芳は嬉しげな笑みを浮かべながら、あおいさんの両肩に手をかけて膝を捻じ込む。
その度にあおいさんは、為すすべなく吐かされてしまう。
見た目にはいかにも正統派ニューフェイスといった風なあおいさんの嘔吐。
もう何度目になるのか、胸に突き刺さってくるような衝撃的な光景だ。
ドームが震えている。嗜虐の快感に浸るかのように。

自らの吐瀉物に塗れてぐったりとするあおいさんを、脚を離したマキが立たせた。
首に片手を巻きつけ、無理矢理に引き上げて。
「う゛……!」
あおいさんは反射的にマキの腕へ両手を掛け、スリーパーを外そうとする。
普段のあおいさんのパワーなら一瞬で外せる所だが、
腹筋を痛めつけられた今はほとんど力も入らない様子だ。

「へへ、最高の気分だね。あの臥龍小町を片手で押さえ込めるなんてさ。
 開いた片手は……さてどうしようか」
マキは舐めるようにそう告げながら、片手であおいさんの腰を撫でる。
そしてその指は、無残なリングコスチュームから覗く繁みを撫で回した。
ぶちり、と音がして、かなりの量の毛が抜かれる。
「い゛ぅっ!!」
首を絞められながら、あおいさんが顔を顰めた。
マキはカメラに見せ付けるように毛をハラハラと落として会場を盛り上げる。
かつて恭子からサンドバックにされていた時とは比にならないほど、開き直った悪役ぶりだ。

「ココも面白いけど……こんな所まで、責めちゃおっか?」
マキの指があおいさんの割れ目を撫で、さらに会陰部を伝ってその後ろに滑り込む。
女性器より会陰部を伝ってさらに後ろ……となれば、そこは。
「おお゛っ!?」
あおいさんが、信じがたいといった表情で視線を後ろに投げた。
俺はその表情で確信する。
マキの指が入り込んだのは…………あおいさんの、肛門だ。
518腹は災いの元 5話 後編   4/23 :2012/04/11(水) 22:02:37.23 ID:ww9yiWqc

「おいおいおいおい、あれよ、ケツの中に入ってんじゃねぇーのか!!?」
「うっへぇー、やりやがったぜ!!ずっぷり入ってやがらぁ!!」
「やだー、あおいさん頑張ってーー!!!」

スクリーンに映された映像で、客席は一様に騒然とする。
股座の部分のコスチュームをずらして、マキの色黒な指が入り込む様。
秘部や肛門そのものは映っていないものの、状況から考えれば入っている場所は明らかだ。
指は、手の甲側に伸びたコスチューム生地を張り付けながら、円を描くように蠢く。
マキに背を預けるようにして踏ん張るあおいさんの脚が、かすかに震え始めた。
「いっ、命が惜しいなら止めなっ……!!」
あおいさんが怒りを露わにして、横目でマキを睨み据える。
けれども圧倒的優位にあるマキは、小悪党そのものの顔でその耳を舐め上げた。
「硬ぁい。身体は羨ましいぐらい女っぽいくせに、ここは経験乏しいんだねぇ?」
片手で首を絞め、片手で尻の孔をひらくような動きを見せるマキ。
それに翻弄されるあおいさんに、とうとう小芳までもがにじり寄る。

小芳は、一瞬マキと目配せを交わし、そしておもむろにあおいさんの腹部を殴りつけた。
「あ゛ががばっ……!!!」
首を絞められ、肛門を嬲られて気を散らされながらの一撃はどれだけ効いただろう。
あおいさんは痛ましいほど苦しげに目を細め、唇をへし曲げる。
顔にははっきりと酸欠の様子が浮かんでおり、落とされるのは時間の問題といえた。

「あおいのこの身体にも、随分と借りあるナ。
 内臓ミンチにして、二度とマットで会うないようにするから、じっくりと覚悟決めるね」

小芳はぞっとするような愛らしい笑みを浮かべ、さらに一撃を放った。
普通の打撃に比べてモーションが小さく、けれど脚の踏ん張りがマットに抉れるほどに強い。
おそらくは発勁だろう。
後ろで支えるマキが大きく脚を開いて衝撃を押し留める。
真ん中に挟まれたあおいさんだけに訪れる破壊。

「…………えごぉあああ゛ア゛っ…………!!!!」

顔を歪め、肉感的な身体を震え上がらせるあおいさん。
ひとしきり苦しんだあおいさんを抱えなおし、マキが再度尻穴を穿る。
恥辱と苦痛を極めさせるかのように、悪魔2人の責めは続いた。
あおいさんは苦しみ、悶え、騒ぎ、泣いていた。
こう言ってしまうのは非常に心外だが、このままではあおいさんは、もう『駄目』だ。
519腹は災いの元 5話 後編   5/23 :2012/04/11(水) 22:02:57.96 ID:ww9yiWqc

2.

2対1で嬲られ続けるあおいさんの安否も気に掛かるが、俺には他に気がかりな事もあった。
リングの外で蹲ったままの恭子の事だ。

「恭子!おい、恭子っ!!」
俺は倒れた恭子の傍に近づき、柵のギリギリまで乗り出して声をかける。
相当大声を出しているつもりだし、実際俺の耳には自分の声が煩いほど響いているが、
ドームを揺らすほどの喧騒の中で恭子に届いているのかは疑わしい。
それでもなお叫び続けると、何度目かで恭子が振り向いた。
髪の間から、朦朧としつつ俺を見上げる瞳が現れる。
かろうじて意識はあったらしい。
「大丈夫か!?」
「だ、大丈夫な訳ねぇだろ、このモヤシやろー……。
 只でさえ痛む腹にあおいさんのドラゴンクローは、本気で三途の川が見えたんだぞ」
恭子は薄ら笑いを浮かべながら何とか身を起こそうとし、苦しげな表情で崩れ落ちる。
痛々しいその様は、俺の心臓を握りしめるようだった。

「…………恭子、もう無理すんな」
俺は思わずそう呟いていた。これ以上、恭子が酷い目に遭うのは見たくなかった。
あおいさんはもう見るからに戦えない。そこで恭子もギブアップすれば、地獄は終わる。
何も負けたからといって死ぬわけじゃない。
「もう、負けでいいだろ。相手のやってる事が酷すぎたんだ、何も恥じゃねぇよ」
俺は言葉を続けた。
恭子の瞳が、物言いたげに俺を見る。
しかしついに言葉はなく、俺に背を向けたまま腕で這うように進み始めた。
「恭……!」
「それで良いのか?」
俺がさらに言葉を続けようとした時、突如、後ろから声を掛けられる。
男のものとも、女のものともつかない声。
驚いて振り返ると、そこに居たのは声から想像される通りの中世的な麗人だった。
520腹は災いの元 5話 後編   6/23 :2012/04/11(水) 22:03:46.40 ID:ww9yiWqc

精悍ともいえるキリリと整った顔立ちに、色素が抜け落ちたような、雪のように白い髪。
どこか無機質に見える瞳は深いエメラルド色で、少なくとも日本人でない事は明らかだ。
身長は180cm程度、外人基準で考えればいよいよもって性別の判別が難しい。

「君は、本当にそれで良いのか?」
その人はクールな口調で繰り返す。
俺はそれを耳にした途端、心の中が冷えるように静まるのを感じた。
纏う雰囲気からして只者じゃない事が解る。
恭子やあおいさんにも、格闘の世界に身を置く人間特有の凄みがあるが、それとは格も質も違う。
善玉や悪玉といった概念を完全に超越した、荘厳な佇まい。
ただシンプルに“強い”という事だけが伝わってくる。
そして不思議な事に、そのクールな口調にはどこか聞き覚えがあった。
確実に初対面であるはずなのに。

「……あいつは、俺の彼女なんです。彼女が本当に危ないなら、止めてやらないと」
俺はそう告げる。するとその人は、リングに向かう恭子へ視線を向けた。
「彼女は、それを望んだのか?」
ぞくり、と心に差し込むような言葉だった。
けれども。
「口に出しやしませんよ。恭子は負けず嫌いで、そうそう参ったなんて言わない。
 でも、どう見ても苦しそうじゃないですか。ボロボロじゃないですか。
 傍目に観戦して熱狂するだけの人間なら、無責任にどこまででもやらせるかもしれません。
 でも、俺はあいつの彼氏で、あいつは俺の彼女だ。
 もし俺が止めなかったせいで、あいつに不幸があれば……悔やんだって悔やみきれない!」
俺は、無意識にリングとこちらを繋ぐ鉄柵を握りしめていた。
感情のままに本心を曝け出した興奮で、手が震えている。

「なるほど」
淡々とした声が返ってきた。男とも女ともつかない顔がこちらを向く。
「……解らないでもないよ。愛する者が戦う姿を、ただ見守るしかないという心境はな。
 だが、だからとて、自ら戦いに赴く人間の後ろ髪を引く行為が愛だとは限らない。
 一度君自身の私情を捨て、君が言う“傍目からの視線”で見てみるといい」

そう促され、俺は恭子に目を向けた。
521腹は災いの元 5話 後編   7/23 :2012/04/11(水) 22:04:20.32 ID:ww9yiWqc

髪が乱れ、腹も痛々しいほどに赤く腫れた恭子。
リングに向かいながら、時おり腹を抱えて蹲るその姿は思わず涙が出るほどだ。
それでも、その瞳はまだ死んでいなかった。
前だけを見ている。
リングの上で苦戦を強いられているパートナーを、何百という観衆を視界に抱いている。
それは俺の彼女だという事実を完全に抜きにしても、惚れるくらいに格好良かった。
どうしてだろう。
どうしてあいつは、あんな酷い目に遭ってもなお、リングへ向かうんだろう。

「リングの上が、彼女にとって生を拾える場所なんだろうな。
 たとえ辛くとも苦しくとも、それを超えた喜びが見出せる場所なんだ」

まるで俺の心を見透かしたかのように、静かに言葉が紡がれた。

「……彼女には、君の応援が必要なはずだ。
 親しくなればなるほど、人を応援するという行為には勇気が必要になる。
 例え相手を認めていても、その人間がステージを駆け上がるにつれて不安が膨らむ。
 それは仕方のない事だし、間違った事でもない。
 だが、覚えておくといい。
 こと戦いにおいて、偉大な勝利とは身内からの強い支えによってのみ掴み得るものだ。
 彼女を取り巻く危険や絶望をすべて呑み干した上で、なおその勝利を信じる。
 芦屋恭子を逆境から勝利へ導けるものがあるとすれば、それは君の心意気を置いて他にあるまい」

岩清水のように、静かに淀みなく紡がれる言葉が、俺の心を剥き出しにする。
俺もきっとどこかで、理解はしていた言葉。
それでも心配という名の臆病風に吹かれて、言い張ることが出来なくなっていた言葉だ。
全くその通り。
俺は今までに何度も、恭子の逆境を目にしてきた。でも、恭子はそれに打ち勝ってきた。

奮闘の末ラミアに負けた事だってある。
でもそれをバネにして、俺と恭子はこの世界に漕ぎ出したんだ。
その漕ぎ出した海が想像以上に荒かったからといって、支えるべき俺が及び腰になってどうする。
恭子を、そしてその恭子を支えてきた俺を信じるんだ。
可愛くて、強くて、意地が悪くて、でも根は生真面目で、何事にも一生懸命な恭子。
俺が好きなのは、そんなあいつなんだから。

「 恭子ぉっっっ!!! 」

膝をついて息を整えている恭子に、俺は全力で呼びかけた。
一瞬恭子の背筋が伸び、どこか余所余所しく見えていた顔がこっちを向く。
俺はその恭子に見えるように、力強く自分の腕を叩いた。
「……暴れて来い」
さっきまでの俺なら怖くて口にできなかった言葉。
恭子はそれに一瞬目を丸くして驚き、次に見慣れた面でふてぶてしく笑った。
「おーよ!!」
俺に背を向けながら腕を振り上げ、『クレイジータイガー』芦屋恭子はリングに向けて跳躍する。
気のせいか、俺のすぐ傍からも笑みの零れた気がした。
522腹は災いの元 5話 後編   7/23 :2012/04/11(水) 22:04:50.06 ID:ww9yiWqc

3.

リングに飛び込んだ恭子は、そのままあおいさんを締め付けるマキを蹴りつける。
いつだったかルミに対して放ったミサイルキックだ。
「ちぃっ……!!」
マキはかろうじてガードこそしたものの、たたらを踏んで大きく後退した。

「おおっ、恭子!!!待ってたぞーー!!」
「梅咲はもうグロッキーだ、頼んだぜクレイジータイガー!!」

客から歓声が沸き起こる中、いよいよ恭子がマキ・小芳の2人と対峙する。
マキはともかく、小芳は未だ一度も恭子が勝てていない相手だ。
とはいえ頼りのあおいさんはもはや白目を剥いて虫の息。
ここが恭子の踏ん張りどころだろう。

「あそこでお寝んねしてたら楽に終わったのに、お前も馬鹿あるな」
小芳が手の平を前に向けたまま額に翳す、独特の構えを見せる。
胸から上はがら空きで、打って来いと言いたげだ。
だが打ち込んだ所で容易く攻略できない事は、前の2回で解っている。
「どうすりゃいいんだ……」
俺が苛立って親指の爪を噛みながら呻くと、隣の白髪が口を開く。

「あの娘、一見すると中国拳法に習熟しているように見えるが、その実不完全だ。
 迎撃……すなわちカウンターの精度は高いが、責めの発勁は不得手なのだろう。
 先ほど羽交い絞めのあおいへ放ったものなど、動く相手には児戯にも等しい。
 そしてあの娘は……それを観ていたぞ」

その言葉の最中で、恭子もまた構えを取る。
ムエタイに近い、曲げた腕を顔ほどの高さまで吊り上げる構え。
攻撃的なその腕に反し、膝を曲げた脚はしっかりと地面を踏みしめている。
恭子もまた待ちの構えということか。
遠目にも明らかに、小芳の顔色が変わる。
523腹は災いの元 5話 後編   9/23 :2012/04/11(水) 22:05:27.82 ID:ww9yiWqc

「臆したあるか。持久戦でお前に勝ち目は無し、掛かってくるイイね」
小芳が隙を大きくしても、恭子は乗らない。
まるで獲物を前に機を窺う虎の如く、静かに敵2人を牽制している。
小芳とマキが視線を見合わせた。
その直後、マキが恭子へ飛びかかった。

「シッ!!」
踏み込みながら、拳の先が見えないほどのジャブ。
だが恭子は容易くそれを払いのけ、逆の手の甲で素早くマキの目元を叩いた。
「クッ……!!」
視界が閉ざされてよろけたマキの首は、一瞬にして恭子の腋に抱え込まれる。
「一発喰らって、思い出せ!」
そう声が聴こえた次の瞬間、マキの身体が飛び跳ねた。
恭子の背筋がうねりを見せている、放たれた打撃は下から抉るようなフックだ。
あいつのフックは、サンドバックが物凄い音で軋むんだよな。
「かッ、っハ…………!?」
マキは目を見開き、口から唾液を吐き零した。
そのマキへ、さらにコンパクトかつ強烈なフックが叩き込まれる。
再度、片脚が宙に浮く勢いで跳ねる身体。
「げ、へぇ……っ!!」
マキは虚ろな目をしたまま、恭子が首を離すのに併せて力なく前へと崩れ落ちた。
完全に気を失っているようだ。

「うおっ、キッツっ……!!?」
「オイオイ今の、あの色黒の身体浮いたぞ!?あの細い身体で、なんつー力だよ!」
「かっけぇ!あの娘可愛い癖して、マジに虎みたいじゃんよ!?」

客席からは一様に驚きの声が上がる。
さっきまであおいさんへの被虐に沸いていた空気が、再度闘いのムードに変わっている。
いや、『変えた』んだ、恭子が。

「敵は2人だったっけな。さ、かかって来なよ」

恭子は小芳に向き直り、右の人指し指を二度曲げて挑発する。
その凛々しさに、会場の盛り上がりはいよいよ増し始めた。
少し前の俺に、よく見ておけと言い聞かせたい。これが、これこそが芦屋恭子だ。
524腹は災いの元 5話 後編   10/23 :2012/04/11(水) 22:06:27.50 ID:ww9yiWqc

リングの上にそれぞれの相方がうずくまる状況で、恭子と小芳が対峙する。
恭子の顔に油断は微塵も無かった。頬を脂汗が伝っていくのが見える。
たとえ責めの発勁は拙くとも、それで小芳の脅威が完全に無くなるわけじゃない。
何しろ、序盤に『まだ消耗していない』恭子の猛攻を捌き切った実績がある。

待ちの構えを取る恭子に、小芳の細身が襲い掛かった。
スリットの眩い脚が滑り、鎌を振り上げるような鋭さで回し蹴りが放たれる。
恭子はそれを落ち着いて避け、片脚を上げた格好の小芳の腹部へ右フックを叩き込んだ。
「くっ!!」
肘で防いだものの、顔を歪めて体勢を崩す小芳。恭子はそれを見逃さない。
返す刀で左フック。半ば予想できるのでこれは同じく防がれるが、今度はそれで終わらない。
フックを叩き込んだ際の身体の回転エネルギーを活かした、拳を引き抜くと同時の膝蹴り。
それは拳でぶれたブロックをこじ開け、深々と小芳の脇腹を抉り込む。
ついに、恭子の牙が小芳を捉えたんだ。

「あ゛……っ!?」
硬い膝が折れそうに細い腰をへし曲げ、苦悶の声を漏れさせる。
「貰った!」
恭子の瞳が活き活きとした三白眼に変わるのが見えた。
膝裏にこれでもかと深い溝が刻まれ、脹脛が膨れ上がる。足裏がマットに音を立てる。
そこから始まる、怒涛の連打。
柔肉を打つ音が会場に響く。野生的な暴虐に歓声が沸き上がる。
両腕を身体に引きつけて縮こまる小芳は今、四方八方からバイクに追突されるような感覚に苛まれているに違いない。
恭子の拳が、肘が、膝が、鋼の脛が、小芳の腹筋を抉り込んだ。
「がっああ、あ゛っか……ッは…………!!!?」
小芳の顔が苦痛に歪む。

ただ、苦しげなのは恭子の方もだ。
下剤とあおいさんの掴みで、腹に力を込めるのもつらい状況だろう。
顔には酸欠の色が浮かんでいるし、汗の量も尋常じゃない。
いくら歯を喰いしばって休まず畳み込もうとしても、そこには必ず綻びが生じてしまう。
そこが小芳にとっての反撃の糸口となった。
525腹は災いの元 5話 後編   11/23 :2012/04/11(水) 22:07:08.11 ID:ww9yiWqc

苦しさを必死に堪えて放ったその一撃は、傍目から見ても大振りに過ぎた。
ある意味非常にプロレスらしい技……ナックルアローのようにも見えた。
それは迫力こそ類を見ず、当たっていれば盛り上がったものだろうが、
ガチンコの殴り合いである今はあっさりと交わされる。
恭子の肩に半ば隠れた小芳の唇が、歪に吊り上がるのが見えた。
「まずい、恭子!来るぞ!!」
俺は叫んだが、それで状況が変わる訳も無い。
小芳の手指が毒蛇の口のように折れ曲がり、そのまま掌底気味に恭子の腹部へ叩きつけられた。
「お゛っ……!?」
空振りした格好のまま、恭子が眉を顰めて呻く。

何ともつらそうだが、ただ、それ以上に妙だった。
目尻から涙が零れ、唇が痙攣し、やがては腰までもが瘧に掛かったように痙攣を始める。
俺の位置からは見えなかったが、真実はリングを別角度から映すカメラ映像によって知れる。
鉤状に曲げて叩きつけられた小芳の指……その中指が、深々と恭子の臍を抉っていたのだ。
手首が見えないほどの速度で臍を抉り込むなど、普通なら指の方が折れていてもおかしくない。
手指の細部まで鍛え上げる修行でも積まない限りは。

「あ……ああ、がっ…………!!?」
恭子は情けなく眉を垂れ提げ、力なく視線を下ろして息を吐いていた。
それはまるで、人間がどうしようもない重症を認知した時に陥るような状態だ。
かつて俺が首をナイフで切られた時も、丁度ああいう風だった。

「う、うわっ、臍に入ってんぞ!?ヤベェよありゃ!!」
「本当だよ、腰痙攣してんじゃん、普通じゃねえよ……!!!」

血気盛んだった客の中にも、怖気づく声があちこちで起こり始める。
小芳はその声が飛び交う中で、いよいよ笑みを深めて臍の中の指を抉り回した。
最初は小さな窪みでしかなかった臍の穴が、裂かれるように歪に変形し、中の赤い粘膜を晒す。
「あ、ヒっ…………ひィぐっ…………!!!」
恭子は顔を引き攣らせながら、片手をほんの柔らかに臍を抉る腕に被せ、
もう片手を小芳の肩に掛けていた。
あまりにも痛烈かつ異質な痛みに闘争本能が麻痺し、無意識に許しを求めているんだろう。
526腹は災いの元 5話 後編   12/23 :2012/04/11(水) 22:07:32.19 ID:ww9yiWqc

臍を指で抉られるという不味すぎる状況に、俺の脳は無意識に1,2,3と秒を数えていく。
3秒もごく繊細な粘膜の中が抉りまわされた。
そう絶望した瞬間、恭子の腰からいよいよ力が抜けて小芳に寄りかかるようになる。
すると小芳の別の手の平が、その恭子の胸を掴んだ。
Eカップ、男の俺の手でも十分な揉み応えのある胸だ。
それは骨さえ浮き出しにする小芳の手の平の中で、明らかに形を変えていく。

「がっ、ふああ゛っ!!!い゛だっ、ああう゛っ!!!」
恭子の顔に苦しみの色が上塗りされた。
小芳はそれを楽しみつつ、女の恥を掻かせるように胸を揉みしだく。
何とも荒々しい手つき。ビキニタイプのコスチュームが少しずつずれていき、
恭子の大きくて白いバストが僅かずつ露わになっていく。
そしてついに先までが見える……と、俺も、客も、恭子自身も思った瞬間。
小芳は虚を突いた。
臍から勢いよく指を抜き出し、乳房から手を離し、その両手の底を合わせた状態での捻り込むような突き。
カンフー映画で何度かは見た事のある動きだ。

「……………… こ ほっ ……………………っっ!!! 」

恭子は、為すすべもなかった。
身体をくの字に折り曲げたまま吹き飛び、対角線上のリングポストに背面全体で激突する。
激しい電流をその身に浴びながら、痙攣で細切れになった吐瀉物を噴き、
白目を剥きながら、吐瀉物より随分と白っぽいもの……おそらくは泡を唇の端から吐き零す。
女の子らしく内股になったまま投げだされた脚は何度も痙攣し、
やがてはホットパンツ型のコスチュームと白い脚の間から、黄褐色の液体が溢れ出した。
それは恭子の身体の下に広がっていき、主の身体が電流に震わされるたびに冷たい音を立てる。

「がっ……がぁおっ……!!!お、お゛ッ……おはあ、ぉ゛ごぼおっッっ…………!!!」

恭子の反応は、完全に腹筋を砕かれた人間のものだった。
硬い棒で家畜の如く、腹の肉を徹底的にミンチにされたかのような凄まじい有り様。
今の状態『でさえ』そう思える。
しかし小芳には、恭子をそれで赦そうという様子が見受けられない。
一度でも追い込まれた事がよほど気に触ったのか、あるいは活きの良い獲物と見たのか。
「ふふ、あははは、ふふふふっ…………!!」
あらゆる体液に塗れた恭子の身体は、男好きのするあどけない笑みを前に、
トップロープから逆さ吊りにされてしまう。
527腹は災いの元 5話 後編   13/23 :2012/04/11(水) 22:07:58.89 ID:ww9yiWqc

小芳は、3本ある太いロープの一番上に逆さ吊りの恭子の脚を引っ掛け、
持ち上げた2番目のロープとで挟み込んで固定した。
耐電性を有する特別製のロープは、それだけで弱った恭子の脚の動きを完全に封じてしまう。
「あ……っく…………」
苦しみ悶える恭子の身体を汗が滴った。
艶やかな黒髪は、その汗を吸って海草のようになっていて、
普段のショートヘアからは考えられないほどの質量で逆さに垂れ下がっている。
垂れる格好で力の入った太腿が、やけにむちりとしていた。
ベルトの印象的なホットパンツから覗くそれは、客観的に考えれば性的だ。
ほとんどの男は欲情している事だろう。
俺にはそれを責められない。俺だって、アレが全く見知らぬ女だったらそうなるだろう。
アレが彼女の成れの果てでさえなければ。

小芳は、その無残な恭子の姿をしばらく見世物にしてから、拳を引き絞った。
あまりにも絶望的な光景だ。
粋な映画なら、ここで格好良く正義の味方でも現れるべき局面だろう。
けれども現実は無情なものだ。
その拳は、何の慈悲もなく、既に鎧の役目を果たさない柔な腹筋を抉り込んだ。
「えっ、はぁ゛っっ…………!!」
恭子の顔が苦痛に歪み、かすかな胃液交じりの涎を吐き出す。
極限状態での打撃は一度では済まない。
小芳の拳は何度も何度も恭子の腹部を抉り、ロープを軋ませる。
その音と恭子の苦しみの声だけが、ドームに折り重なるように響き渡った。
会場はざわついている。
清楚そうな恭子への滅多打ちに興奮する人間と、やりすぎではと案じる人間に別れて。
それほどに強烈で危険な状態なんだという認識が、凍りついた胸へ今さらながらにこみ上げて来る。
恭子の姿は、自分が死に近づくのと同じほどに恐怖だ。恐怖で小便が漏れそうだった。
528腹は災いの元 5話 後編   14/23 :2012/04/11(水) 22:08:41.75 ID:ww9yiWqc

「つらいか?」
隣から銀髪が問いかけてくる。
言うまでもない事だ。これで何も感じずにいる訳がない。
それでも、俺はもう、その酷い状況から目を逸らしたりはしない。
「……平気だ」
俺は胸の下から声を絞り出す。
「あいつは、恭子はもっともっと辛いんだ。それを思えば、見守るぐらい……何でもない!」
俺は、精一杯目を見開いて恋人の惨状を受け止める。
やるせない感情で震える拳を抱いたまま。
「そうか。なら、この試合…………まだ解らんな」
銀髪のその言葉が、不思議な事に最後の一押しとなった気がする。
俺は鉄柵を握りしめたまま息を吸い込んだ。

「頑張れッ、恭子おおおぉぉっっ!!!!!!」

精一杯の声を張り上げて、呼びかける。
何回も何十回も、恭子の試合の度、馬鹿の一つ覚えみたいに繰り返してきた行為。
この状況だから……この窮地だからこその、いつもの声援。
それを繰り返す。
周りから奇異の視線が集まってくるのを感じながら、喉が張り裂けそうになっても。
俺の喉が潰れるぐらいで恭子に力が伝わるなら、少しも惜しくはない。
涙が出てくる。変わらない状況に、呼吸は刻一刻と苦しくなり、視界が滲む。
空しい行為なんだろうか。
いつも恭子に期待をかけて、あいつがそれに応えてくれるのを望むのは、馬鹿げてるんだろうか。
別に俺のためじゃなくっていい。恭子自身の為に、このままで終わって欲しくない。
俺のその都合のいい考えは、やはり都合のいい幻想を見せてくる。

2つの女の影が揺れる中、されるがままだった人間の手がかすかに動いた。
何かを掴むように、一度、二度。
指が一本ずつ内へ折り込まれていき、中心に吸い込まれるように強く握り込まれる。
「ううっ……く、ぅううあああああ゛あ゛ッッ!!!!!」
振り下ろすお下げ女に合わせるように、その拳は振り上げられた。
片手でロープを握りしめ、脚を絡ませたまま、身体全体で反り上がるようなアッパー。
「お゛がっ……ッ!!!?」
スリットから生脚が覗き、白い脚がくの字に折れる。
腹部も同じように折れていて、その中に埋もれた拳が、チャイナドレスの女の顎までを突き上げる。
高らかに天を向いたまま、リングを揺らして尻餅をつくチャイナ女。

「うわっ、マ、マジか……!あの体勢から反撃かよっ!?」
「しかも効いてる、効いてるぞ!!!」
「ボロ雑巾みてぇなのに、一体どっからあの力が湧いてくるんだ……!?」

三度逆転した勢力図に、会場が驚きの声で包まれた。
その地鳴りのするようなどよめきで、ようやく俺は目の前の光景が現実なのだと実感する。
恭子が窮地を脱したのだ、と。

全身を使って拳を振り上げた衝撃で、恭子の脚がロープから抜け落ちた。
片腕をクッションにしてリングに降り立ち、膝をついたまま小芳を睨みつける恭子。
その目は死んでいない。
いつだったかあいつを初めて見た時、ジムの中をぐるりと見回していたあの強い瞳だ。
その瞳が何かを探すように周囲を巡り、俺の所で止まる。
そして恭子は、俺を見下ろしたまま、片手で作った力瘤を強く叩いた。
見たか、と言わんばかりに。
当然俺は頷き返す。涙が止まっていれば、もう少し格好もつくんだが。
529腹は災いの元 5話 後編   15/23 :2012/04/11(水) 22:09:11.05 ID:ww9yiWqc

「がっ…………あ、かはッ…………!!」

唾液の糸を口から零しつつ、小芳が呻く。
肘を起点に少しずつ身体を起こして臨戦態勢へ。
不意打ちで相当に効かされているとはいえ、こちらもここで終わる気配はない。
リング入りした時には男に媚を売る色物に見えたが、その実なんという負けず嫌いだろう。
恭子はその様子に険しい表情となる。
あいつだって限界を超えて何とか踏みとどまっている状態だ。
決死の覚悟で構える恭子を前に、怒りを滲ませたまま不気味に手足を揺らがせる小芳。

ただ、その背後を見て、俺は思わず頓狂な声を上げた。
トン、トン、と2回軽く肩を叩き、小芳に存在を知らせる筋肉質の女性。
驚きの余り自然体で振り向く小芳。
その目の前で、ぞっとするほど直球な綺麗さで笑う女性は、
『今度こそ』間違いなく敵の腹へ掌を叩き込んだ。

「あ。あ゛お…………い………………っ!!!!!」

驚愕に震える小芳の身体が、為す術もなく上空へ持ち上げられていく。
「可愛い後輩が根性見せてる前で、この臥龍小町がいつまでも……寝ちゃあいられないよっ!」
長くしっかりとした指が、小芳の腹の中で深い皺を作っていく。
真上に身体を持ち上げた状態での『ドラゴンクロー』。
鷲掴みにする手に自重で胃袋を押し付ける形となる、最も効果的な方法だ。

「がぁ、あっ……!!ぐぁああぁはぐあああああああ゛あ゛っっ!!!!!」

小芳の手足が痙攣し、開ききった唇から唾液が零れていく。
それは次第に濃厚となり、やがては胃液までもを吐き零すようになる。
リング上空へ高々と掲げられたまま、必死にあおいさんの腕を外そうともがく虫のような姿。
「けぉっ…………むぁっが、あごっご、げ…………ぇ」
瞳からは次第に精気が失われていき、上瞼に隠れるようになっていく。

「あたしら竜虎タッグを、ここまでよく追い込んでくれたじゃないか、小芳!
 でも……これで終わりだよっ!!!」

あおいさんの手の平に一層の力が込められた。
必死にその背を蹴りつけていた小芳の脚も、やがてはだらしなく垂れるだけになり、
チャイナドレスの尻の部分がかすかに透ける茶色い盛り上がりを見せていく。
腹部を中心に凝縮されるようなドレスの胸部分には、試合の興奮からか隆起した乳首までが見えていて、
獣の咆哮にも似た客の関心を買う。
もうこれから小芳というレスラーは、可愛らしさよりもエロさを求められるようになるだろう。
あおいさんがようやく小芳を投げ捨てた時のチャイナドレスの肌蹴け具合は、それを決定的なものにした。
530腹は災いの元 5話 後編   16/23 :2012/04/11(水) 22:10:47.00 ID:ww9yiWqc

あおいさんの手でついに小芳が倒され、恭子が安堵の息を吐く。
けれどもちょうどその瞬間、またしても驚愕の声が客席から上がった。
場の熱気に呼び起こされたのか、あるいは並ならぬ執念からか。
恭子にやられて失神していたマキが、腹を押さえながら、唾液を零しながら立ち上がっていたんだ。

「恭子…………!!」
凄まじい闘気を孕んだ視線で睨みつけるマキ。同じ瞳で向かい合う恭子。
キック時代から、俺と出会うよりも前から因縁のあった相手だという。
その間には、何者も入れない。ただ固唾を呑んで見守るだけだ。
「……トリは任せたよ」
それを感じ取ったのか、あおいさんは気絶した小芳をあえて押さえ込む事はせず、共にリングを降りた。

「あんたと闘るのは、これで何度目だろね。最初は中学ン時だっけ。
 それまで喧嘩で負けたことなんか無かったアタシに、最初に土をつけたのがあんただ。
 キックのプロになった時には納得したよ。あんなバカ強いのが、素人なんて変だってね。
 あんた追いかけてキックのリング上がって、叩きのめされてプロレスの悪役に転向して。
 今じゃあこんなナリ」

マキは、自分の黒く焼けた肌やギャング風の格好を差して自虐する。
口元は笑っているが、目は真剣そのものだ。勿論、恭子も。
2人は過去を懐かしむように、しばらく荒い息のままで睨み合っていた。
やがてその均衡を崩し、マキが歩を進める。一歩ずつ、気負わずに。
恭子のすぐ前まで来ると、マキは仁王立ちの恭子の胸に軽く拳を当てた。
「…………最後だ」
マキは息を整え、はっきりとした口調で告げた。
「あんたを追っかけるのは、あんたと闘うのは、これで最後だ。
 どれだけ惜しんだって、もう二度とやってやらねー。
 完全に釣り合い取れなくなる前に、この西浦マキって存在を刻み付けてやるよ。
 テメーの彼氏使って、あたしの為に鍛え上げたその腹ァ……今度こそ食い破ってなぁっ!!」

西浦の叫びにも似た宣言の直後、鋭い前蹴りが放たれた。
俺が恭子の腹を殴って対策をするきっかけともなった、伝家の宝刀。
それを避けられなかったのか、あるいはわざとか。
恭子は鳩尾の辺りでそれを受け止め、苦しげに呻いた。
531腹は災いの元 5話 後編   17/23 :2012/04/11(水) 22:12:28.46 ID:ww9yiWqc

「っぐぐ……!!」
噛みしめた歯を鳴らし、腰を落としてたたらを踏む。
けれどもすぐに、恭子の方も反撃に転じた。
「あああぁっ!!!」
猛然と踏み出しながら拳を叩きつける、喧嘩ナックル。
それはマキの下腹に深々と入り込み、吹き飛ばす。
伸ばした両脚を揃え、尻餅ついたままリングを滑るマキ。
その見た目にも派手な威力は、ドームに幾度目かの熱狂を巻き起こす。

恭子とマキの名前が交互に叫ばれる場内。
照明を浴びるリングの中で、汗まみれの2人が顔をつき合わせて笑う。
殴られたマキも、殴った恭子も体が振り回されるほどに限界なのに、楽しそうだ。
「ふっ!!」
マキのフックが恭子のアバラの下を抉る。
恭子の口から、る゛、と鈍い悲鳴が漏れ、目尻からつうっと涙が零れ落ちる。
「き、効くじゃ、ねぇか……このッ!!」
しかしその目尻はすぐに吊り上がり、マキの腹筋を打ち返した。
腰を千切ろうかという速度でのボディブロー。
「げご、ろ゛っ……!!」
マキの声にも余裕などなく、蛙が握りつぶされたかのような声で光る唾を吐いた。

ド、ドン、と2人の足の裏がマットを叩く音が響く。
その音が鳴った時には、2人のどちらかが相手の腹を抉っている。
額が擦れあうほどの近距離で、息を掛け合うようにして睨みあう2人。
見た目に荒々しくなったマキも、真剣な表情をしていれば昔のあどけない面影がある。
一方は自慢だった長い髪を切り、一方は少女としての外見を捨て去り。
色々な経験を経て容姿が変わっても、この2人の根っこは変わっていない。
532腹は災いの元 5話 後編   18/23 :2012/04/11(水) 22:13:00.71 ID:ww9yiWqc

すでに血塗れのようにも見える腹を打たれながら、なお強気に打ち返す恭子。
ここに来て一番厄介なのはやはり前蹴りらしく、
殴りかかる所で距離を取らされて豪快に空振りするシーンが何度も見受けられた。

やがて、普段なら何発でも耐えるようなマキのボディブローが深々と突き刺さり、
恭子の口から飛沫が上がる。
見間違いならいいんだが、俺にはその中に赤い色が混じっていたようにしか見えなかった。
マキとて普通の人間とは比較にならないほど力がある上に、
元打撃のプロとして効かせる場所という物を恐ろしいほどに熟知している。
その相手から殴られれば、腹筋だけでなく臓器にも深刻な損傷を負う危険性は十分ある。

「っ……!!!ッッ………………!!!!!」
もはや悲鳴も上がらず、恭子は目を見開いたままで痙攣するように呼吸を繰り返す。
何とか踏みとどまろうとするが脚が言う事を聞かず、マキの腰に縋りつくようにして崩れ落ちる。
「ゼッ、ぜひっ、ぇ、ッハ…………!!」
膝を突いた辺りでようやく病的な咳き込みが始まったのが、いかにも危険に思える。
「…………はっ、はぁっ、はあぁっ…………!!!」
倒したマキの方も気息奄々で、上ずった顎から湯気の出るような息を吐き続けていた。
「恭子ぉーっ、踏ん張れぇーー!!」
観客と一体になりながら、俺は声を張り上げる。
苦しい戦いを凌ぎきった末の、宿命の相手とのタイマンだ。ここまで来て負けて欲しくない。

「……立ちなよ、恭子。
 プロレスラーが、リングでみっともなくノビてんじゃねぇ」

マキが恭子を見下ろしながら告げた。
その強い瞳の色は、ただの怒りとはまた違うものだ。まるで……激励するような。
そして、今にも泣き出しそうな。

「お前、あのラミアとかいう奴に勝つんだろ。
 だったら、ちっと汚い手使われた位で、アタシなんかに倒されてんじゃねぇ……!
 根性であいつぶっ倒して、それよりもっと上にいる奴もぶっ倒して、頂点に立ってみせろよ!!
 あたしの夢と誇りを奪ってくなら、せめてどんな時でも憧れのままで居続けろよ!!!
 あたしだけじゃねぇ……あんたの強さに憧れてきた、全員のだ!!!」

とうとう、マキの瞳から涙が零れた。
その涙が恭子の背を濡らし、それに意識を呼び醒まされたかのように恭子が身体を起こす。
ガードを下げて……膝を曲げて、まだやる気だ。
533腹は災いの元 5話 後編   19/23 :2012/04/11(水) 22:13:34.46 ID:ww9yiWqc

「ううぅうあああああああ゛あ゛っ!!!!!」
「おおおおらああああああ゛あ゛あ゛っっ!!!!!」

気合の声が交錯し、恭子とマキの腹に痛烈な拳が叩きこまれていく。
息を荒げて、女らしい乳房を弾ませて、腋を絞って、整った脚線を力ませて。
まるで互いに番長なんて呼び名で呼ばれていた頃に戻ったかのように、総力での殴り合いを繰り返す。
お互いの腹部は真っ赤に腫れ上がっていて、隆起にそって赤い蝋を塗り固めたかのようだった。
けれども、もうお互いに細かな痛みなど気にしている風もない。
ただ自分に残された全力を叩きつけている。
互いの今までを湛えあうように、今を確かめ合うように、そしてこれからを語るように。

「はああっ!!!」
マキの放った拳が恭子の腹部へ抉り込み、その身体をリングポストに叩きつけた。
電流と共に火花が散り、衝撃でポストが吼えるかのように揺れる。
だが恭子は怯まない。自らポストを強烈に足裏で蹴りつけ、その勢いでミドルキック。
こちらもマキの腹部を抉り込み、苦悶の表情を浮かばせながらリング中央に吹き飛ばす。
そしてその身体が何とか踏みとどまった時には、まるで跳躍するかのように恭子が踏み込んでいた。
大きく開いた身体を前方へ向けて収縮させるようにしながら繰り出す、全力の拳。
それが再びマキの身体を吹き飛ばし、対角線上の逆のコーナーポストに壮絶な火花を散らせる。

観客は歓喜していた。
最後の最後に2人の因縁の相手が見せる、女の物とは思えないブン殴り合い。
髪を振り乱して、筋肉の限りを尽くして互いを蹂躙するその姿は、
傍で観ていて震えるなという方が無理な話だ。
鉄柵を握りしめる俺の手が、興奮でぶるぶると震えているのが感じられた。
俺の後ろにいる奴も、その隣の奴も興奮に身震いし、脚を踏み鳴らしている。
クールさを漂わせる白髪でさえ、その瞳に静かな炎を滾らせているのか伝わってきた。
534腹は災いの元 5話 後編   20:2012/04/11(水) 22:18:17.03 ID:ww9yiWqc

いつまででも観ていたいような、身体の芯まで痺れる試合だ。
それでも終わりの時は来る。
もう2人共が限界を露わにしており、最後の一撃に入ろうとしていた。

「いけ、恭子ッ!!!!」
俺が喉も潰れようかというほど叫んだ直後。
マキの脚が跳ね上がり、全身全霊を込めた前蹴りが放たれる。
「きょお…………こおおおぉぉおおっ!!!!!!」
明らかにそれまでとは気合の質が違う一撃。
「……ぐが、がっ…………っは………………ッッッ!!!!」
足の甲までもが水月にめり込もうかというその前蹴りを受け、恭子の身体が吹き飛ぶ。
黒髪で顔が隠れ、手脚が脱力したかのように投げ出される。
もう駄目なのではないかという見方も出来た。そういう声も上がっていた。
けれども、俺は信じる。
俺との特訓で鍛え上げられた恭子の腹筋を。そこから湧き出る、俺達の底力を。

ぎしっ、とロープが軋んだ。
恭子の身体が倒れ込むようにロープに寄りかかり……弾かれる。
その勢いを全て利用し、恭子の脚がマットを蹴った。一歩、二歩。
足先の見えなくなるような加速から、痛烈に踏み込んで恭子は跳躍する。
プロレスのリングに入ると決めて以来、叩き込まれた新しい技。
あおいさん直伝の、交通事故のようなミサイルキック。
「くら……えぇええええあ゛っっっ!!!!!!」
膝を折って畳み込まれた脚が伸びきり、マキの腹部へ叩き込まれる。

「………………ご、ぉっ………………!!!!!」

マキの瞳が折れ曲がる自分の腹部を呆然と見やり、ぐるりと上向いた。
何年ももかけて作り上げられた筋肉質な身体が宙を飛び、ロープに掛かる。
その太いロープのたゆみを以ってしても衝撃は殺しきれず、マキはその間をすり抜けた。
身体をくの字に曲げたまま、リング外の鉄柵へと追突する。
観客が目を丸くして避ける中、マキは鉄柵に寄りかかった状態で止まった。
ぜっ、ぜっ、ぜっ……。
荒い呼吸の音が、無音となったドームに響く。
命を燃やすような熱気の残滓を、会場すべてへ今一度行き渡らせるかのように。
そしてマキは、血の溢れる唇の端を吊り上げて、笑う。


「へ、へへっ、きっつい…………じゃん。
  ………満足だよ、クレイジータイガー………。

     ………………これで、満足…………だ……………… 」


眩しそうにリングを見上げたまま、マキは意識を失って崩れ落ちた。
この瞬間、恭子とあおいさんのタッグの勝利が決まる。
535腹は災いの元 5話 後編   21/23:2012/04/11(水) 22:22:25.83 ID:ww9yiWqc

歓声が沸き起こった。
惜しみのない、豪雨のような拍手が会場中から響き渡る。
恭子とあおいさんを呼ぶ声が交互に続く。
恭子はしばらくその嵐のような歓声に打たれるがままになっていた。
「…………マキ…………」
血に染まった赤い唇が動き、小さく旧友の名を呟く。
勝った事にいまいち自覚がないようだ。

小芳とマキが担架に乗せられて無事に搬送されるのを見届け、あおいさんがリングに上がる。
そしてまだ呆然としている恭子の手を取って高らかに上げた。
「ほら、いつまでシミったれた顔してんだい。勝者の肩書きが泣くよ!!」
そこでようやく、恭子の顔に感情が戻る。
「…………っっ!!!!」
あおいさんに片手を上げられたまま、もう声も出ないほどボロボロのその身体は、
抑えきれないといった様子で悦びを表し始めた。

大歓声に応える恭子と、それを湛える声でドームが沸く。
その騒がしさの中で、俺の隣にいた白髪だけがいつの間にか立ち去ろうとしていた。
「あの……!」
どう声を掛けようとしたのか、自分でも解らない。
それでもとりあえず呼び止めると、その人は階段の中程でふと足を止める。

「君にひとつ、言葉を託そう。
 芦屋恭子に…………そして、君自身にも贈る言葉だ」

俺の方を振り返りもしないまま、銀髪は言葉を続けた。

536腹は災いの元 5話 後編   22/23:2012/04/11(水) 22:23:04.24 ID:ww9yiWqc

4.




「相変わらず、あおいの姐さんは女に人気だなー」

病室のベッドの上、俺の剥いたリンゴを頬張りながら恭子が呟く。
全身あちこちに包帯を巻いた、中々に無残な姿だ。

その視線の先、窓から覗く向かいの病室には、こちらも損傷著しいあおいさんがいる。
ただ彼女は、山のようなファンの女の子達に囲まれながら、
まるで怪我を感じさせない様子で握手をし、頭を撫で、カラカラと笑っていた。
試合をした4人の中でも一番手酷くやられた筈なのに、驚異的なタフネスだ。
恭子のしぶとさも俺には理解に苦しむレベルだが、間違いなくあおいさんはそれ以上。
そのタフさこそ、彼女が一流レスラーたる所以なのかもしれない。

考えてみれば、あおいさんの試合というのは圧倒的な強さで完勝するタイプじゃなく、
相手の凄みをたっぷりと引き出して追い込まれた末に奇跡の大逆転、が定番だ。
振り返るような健康美人のあおいさんがギタギタにやられるからこそ人気が出るわけだが、
それは打たれ強くないとやっていられないだろう。

俺がその女の園をぼけっと見ていると、不意に腕へ痛みが走った。
視線をやると、恭子が俺の腕をつねりながら憮然としている。
こっちとしてはもう三時間もつきっきりなんだから、少しぐらいの気分転換は許して欲しいんだが。

「ところで、モヤシくん?あたしの試合中、ずっと隣にいた銀髪の女は誰だよ」
浮気糾弾のついでとばかりに、恭子が俺を睨みながら訊く。
銀髪の女……銀髪の女……と頭に思い浮かべ、そこでようやくあの人だと気付いた。
「え、あれって女なのか?」
本気で性別の判断がつかなかった俺は、そう返す。
恭子の表情が呆れ顔に変わった。

「はぁ?女に決まってんじゃん、あんな綺麗なの。
 ったく、哲哉は相も変わらずニブいっていうかさぁー……」
言外に何か別の事を求める響きを含ませつつ、恭子が俺の腕を撫でてくる。
そろそろ試合後恒例の、腹を殴りながらの変態セックスがしたくなったんだろうか。
ただもう少しはお預けだ。
未だにゼリー食しか許されないような身体では、さすがに殴りようがない。
537腹は災いの元 5話 後編   23/23:2012/04/11(水) 22:23:31.52 ID:ww9yiWqc

「ねーぇ、ったら、ねーぇ。」
腕を引きつつ艶かしい腹部をちらつかせる恭子の誘惑を撥ね退けながら、
俺はあの銀髪の女の事を考える。
綺麗……か。どちらかと言えば終始怖かったけどな、真横にいると。
本当に神秘的な人だった。人間というより、エルフだとかそういう類にすら思えた。
彼女の最後に残した言葉が、妙に頭に残っている。


『  登り詰めて来い  』


俺と恭子に贈るという銀髪の言葉。
その真意はよく解らないし、果たして解る時が来るのかすら見通しがつかないが、
ともかく今は進むだけだ。

最愛の恭子と歩幅を合わせて、行けるところまで……。




                                END
538名無しさん@ピンキー:2012/04/11(水) 23:08:19.98 ID:VKLJKsky
GJ!堪能したよー
終わってみると臥龍姉さんの腹クローが敵味方に猛威を振るった試合だったなw
この先も立ちふさがってくるかと思えたエセチャイナは意外と簡単に退場したね
結局奴の恨みはなんだったんだろうか
539名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 01:36:58.10 ID:UVcHuTK/
相変わらず素晴らしい乙であります!
55氏は残念だけど、恭子の人も戻ってきてくれたし
きっとまた戻ってきてくれると信じている
540名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 19:53:42.23 ID:bL9rxrUH
盛り沢山の内容に満足!
チャイナが負けるところが使えたわw
今見てきたら55氏の件マジだった•••
腹パ直前でブログ閉鎖とかあり得ないだろ
体調不良とかじゃないといいんだが
541名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 20:54:01.95 ID:3rtxcY49
>>537
GJ!
電流と臍に描写を割いてて良かった
けど55氏の件とで悲喜交々って感じ

昔の女同士の壮絶なバトルスレの職人さんも自サイト持っててたんだけど、凄い粘着アンチに絡まれて投下やめちゃった事があるんだよね
そんな感じでとかくこれ系の自サイト持ちは変なのに絡まれる傾向があるような気がする
しかも女性を滅茶苦茶にする話書いてる割には皆根が真面目で律儀でメンタルが打たれ弱かったりするから気の毒だったりする

いやまあ55氏がそんな奴らに嫌がらせされたとは限らないけど
542名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 22:00:30.17 ID:bJl4FVxo
恭子の人は流石と言うか、よくここまで詰め込めたなと思う。
攻撃内容も様々でよかった。特に握りつぶしは新鮮だったわ。

55氏は何かに巻き込まれたとしか思えんけどなぁ。
閉鎖する2日くらい前にブログの背景(?)を手作りっぽいのに変えてたし、イベント用のSSもとかもうpしてたし、閉鎖する兆候は全く無かった。
俺が言うのもなんだけど特殊な性癖持ちには変な奴も多いし、あること無いこと書かれて閉鎖に追い込まれることも結構ある。
>>541の言う通りイベントで会った55氏は誠実そのものだったから、そこに付け入られたのかもしれん。
いずれにせよ、ただ復活を願うよ。
543名無しさん@ピンキー:2012/04/12(木) 23:01:47.59 ID:ts1Kjleo
ありがとう
今夜のおかずは豪勢だ
544名無しさん@ピンキー:2012/04/13(金) 23:19:02.23 ID:dkYZbuAl
やっぱり55さんブログやめたか
まぁなんと言うか、1番ヤバイやつに気に入られちゃったというかね
あいつはマジで頭おかしいからお気の毒としか言えないけど
545名無しさん@ピンキー:2012/04/14(土) 16:24:00.17 ID:Kocp1ita
一見関係なさそうに見えてスタッフに腹責め性癖の人がいるんじゃないかと思った。

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm17532658

シュールにもなるけどな…
546親友の“現在”    1/8:2012/04/14(土) 18:17:56.51 ID:h5JPT044

俺が和門町に住んでいたのは、まだ小学生の頃だ。
その頃の事を思い出す時、真っ先に幼馴染の久義(ひさよし)が頭に浮かぶ。
家が斜向かいで同い年のため、それこそ生まれて間もない頃から親しくしていた奴だ。

久義は小学生ながらにルックスが良く、腕っ節が強くて、カリスマ性があった。
当然、人気も学校内で噂になるほどにある。
俺は子供ながらに、その久義とつるめる事を誇りに思っていたものだ。
また久義の方も、俺の事を特別だと思ってくれていたらしい。
他に仲良くしていたヤツともまた違う親密さで、俺達はよく2人きりで遊んだ。
強さに差がありすぎるので、暗黙のうちに殴り合いは避けていたが、
何度も喧嘩しては仲直りして、無二の親友だと言い合っていた。
俺の引越しが決まった時は、お互い涙が枯れるほどに泣いたもんだ。

その懐かしい和門町へ、俺は帰ってきた。
親の仕事で転校が決まり、その先がちょうど元いた町だったわけだ。
……ただ俺がいない7年の間に、和門町は変わり果てていた。

道路脇の壁という壁がスプレーで落書きされている。
コンビニは窓が角材で補強されていて、駐車場が不良の溜まり場になっている。
居酒屋や風俗店の並ぶ通りでは、ブレザーを着たままの娘が公然と売春している。
その廃れきった町で、転校初日にして、俺はカツアゲに遭った。
547親友の“現在”    2/8:2012/04/14(土) 18:18:24.07 ID:h5JPT044

「も、もう持ってない。本当だよ」

学校裏にあるタバコ屋の影。
右頬を腫らしながら訴える俺の胸倉を、不良の一人が掴み上げる。
色黒で筋肉質、上腕の入墨に金髪金ネックレスというこれでもかというガラの悪さだ。

「オイオイオイオイ、その冗談は笑えねーわ。
 最低でも諭吉っさんには届かねーと、金じゃねぇだろうがよ?」

そう凄むそいつには、どんな交渉も通じそうになかった。
気性の荒いオランウータンが相手のようなものだ。多分、殺される。
俺がそう悟ったその瞬間、不良が前のめりに倒れ掛かってきた。
地面に組み伏せるつもりか……と思ったが、妙だ。顔が上を剥いている。
男はそのまま俺の襟から手を離し、倒れ込む。
その図体の後ろから現れたのは、制服を着た高校生風の男。
手の形からして、手刀でこの大男を倒したんだろう。

「テメェ、何して……!!」
不良男の連れが怒りに顔を歪め、制服の男に睨みを利かせた。
しかし男の顔を見た瞬間、その表情が変わる。
「あっ……ひ、久義さんっっ!!す、すいませんっした!!」
驚きを隠せない声でそう叫んだかと思うと、一目散に逃げ出す不良達。
俺はその様子に疑問を覚えると共に、叫ばれた名前にも気を引かれた。

「久義…………!?」

俺は腰を抜かしたまま、目の前の制服男を改めて見上げる。
髪を金色に染めて逆立て、制服のシャツを胸を見せるように肌蹴た格好。
腕の筋肉も太く、一見するとさっきの連中の仲間にも思える。
だが意識してよくよく見れば、その顔の作りも目の印象も、確かに俺の知っている久義だ。

「あん?」

久義の方はすぐには気付かなかったのか、俺の顔を一睨みし……
数秒の後に、ようやく目を見開く。
548親友の“現在”    3/8:2012/04/14(土) 18:18:47.37 ID:h5JPT044

俺の窮地を救ったのは、やはり幼馴染だった。
7年の間に何があったのかを語ろうとはしなかったが、
現状としてはその腕っ節の強さから、この界隈でも一目置かれているようだ。
不良漫画の定番のように、この和門町にもいくつか勢力がある。
久義もその内の一つに属していて、トップに近い立場らしい。
その久義と歩けば、あれだけ肩で風を切って歩いていた連中が猫のように大人しい。
何十という不良が久義に向かって会釈した後、俺の顔を物珍しそうに覗き込んでいく。

「この辺りにも、スカッとしねぇ連中が増えた」
久義は煙草を咥えながら呟いた。
その声色も、背中の大きさも、態度も、昔とは違う。
顔さえ覗けなければ、俺の全く知らない人間だと言っていい。
一歩歩み出せば並べる距離で歩きながら、なんとその背中は遠い事だろう。

「……喰えよ。結構イケるぜ」
俺が俯きがちになっていると、久義は知り合いの屋台から牛串を一本取って俺に寄越した。
ほとんど振り向いてはいないが、かすかに見知った瞳が覗く。
その瞬間、俺は心で感じた。
見た目はどれだけ違っていても、中身はやはりあの久義だ、と。
俺は何故だか涙まで出そうになり、それだけはグッと堪えた。
549親友の“現在”    4/8:2012/04/14(土) 18:19:13.75 ID:h5JPT044

勢力が複数あるという話の通り、久義の威光が届くのも街の一角に限られているらしい。
通りをいくつか抜けた辺りから、徐々に久義に挨拶する人間も少なくなっていく。
それどころか、無言の圧力を掛けていく人間すら現れはじめた。
そしてついに、面と向かって対峙する奴まで。

「勝負しろ大柴久義、今日こそその首を頂くっ!!」

そう言い放ったのは、驚くべき事に女だった。
それもそこらで売春をしているタイプとは違い、真面目に部活でもしていそうな黒髪の子。
格好も陸上部が着ているようなランニングシャツにスパッツで、拳にはバンテージを巻いている。
腰はよく締まって太腿もパンと張っていて、いかにも身体能力は高そうだ。
それを前に、久義もポケットから拳を抜く。
「また鍔崎の差し金か?……ったく、下らねぇ」
言葉とは裏腹に、久義の表情は活き活きとしはじめていた。
闘争そのものを愉しんでいるのか、この女とやり合うのが楽しみなのか。

「っはァッ!!!」
女は躊躇なく久義に向かって飛び込んだ。
基本はボクシングだろうか、浅い姿勢で思わず仰け反りたくなるような踏み込みが来る。
ワン・ツーが風を切る音をさせている。
それを捌いた久義の腹を狙うフックも、打ち返しとは思えないほどに早い。
けれども……久義に勝てないのはその時点で明らかだった。
攻撃が全て久義に先読みされている。
久義は冷静に反撃に出た。
裏拳気味に放たれたブローを女が紙一重でかわした瞬間、その腹部に本命のフックが叩き込まれる。
550親友の“現在”    5/8:2012/04/14(土) 18:19:31.98 ID:h5JPT044

「ぉ、ごっ……!!?」
完全に意識外だったんだろう。
拳を半ば以上臍の上に埋めさせたまま、女は身体をくの字に折って倒れ込んだ。
「…………ッは……!!あっ、えぉおぐうっ、ああ゛うっ!!!」
倒れたまま痙攣し、腹を抱えて苦悶する女。
久義はその脇腹に足を掛け、軽く蹴って女の腹を狙いやすい角度に調整した直後、
思い切り腹部を蹴りつける。
「うごえああっ!!!!」
女から新鮮な悲鳴が漏れた。
庇っていた手をすり抜けるようにして、下腹へとめり込む足の甲。
女はその衝撃で蹲るような体位にまで無理矢理引き起こされる。

「ご、お゛…………!!」
髪の先を地に着けるような格好で背を震わせる女。
真上から覗き込むと、うなじの辺りからふわぁっといい匂いが立ち上ってくる。
横から覗き込めば、それなりに可愛い顔が苦悶に歪んでいる姿。
締まった身体つきの割に案外胸もある。
口の端から垂れるものは、影になっているために始めは汗や唾との判別がつきかねたが、
地面に広がった時の異物の存在から吐瀉物だと知れた。
久義はそこから追撃をするでもなく、ただ女の回復を待っていた。
ひどく嬉しそうに。いつのまにか、随分なSになったものだ。

女はたったの数発でひどい呼吸になりながら、涙と鼻水に塗れた顔を上げる。
そして壁を背にして立ち上がると、背中から棒のような物を取り出した。
恐らくは戦闘用の棍だろう。
「うあああっ!!!!」
女が大きく助走をつけ、その棍を振り回す。
拳よりももっと解りやすい音で空気が裂かれ、女の手の中で回転する棍が斬撃を繰り出す。
カクテルをシェイクするような手の動きで紡がれる、素人目には全く安全地帯の無さそうな嵐。
けれども久義は腰を落としたまま、上半身の動きだけでそれを全てかわしていた。
口の端に笑みさえ浮かべながら、かわすついでに女の脚を駆る。
「あっ!!」
バランスを崩して女がよろめくその瞬間に、久義が腹部へ拳を叩きつけた。
脚を刈る円運動をそのまま“引き”の動作にした、気持ちのいいほど大振りなストレートだ。
当然その威力は凄まじく、女の身体は壁まで吹っ飛んで背中から叩きつけられる。
ぎゃん、と子犬が鳴く様な声がし、棍の地面に落ちる音と混ざった。
551親友の“現在”    6/8:2012/04/14(土) 18:19:50.13 ID:h5JPT044

壁を背にずり落ちながら、脳震盪を起こしたように瞳をぐらつかせる女。
久義がゆっくりと近づく。
女はその久義に拳を突き出したが、震えるそれは臨戦の意思というよりは、
『今は来ないで』と哀願しているかのようにすら思えた。
けれども久義に容赦はない。
パンッと無情にその拳を払いのけると、女の髪の毛を掴んで持ち上げる。
「いッ、いた……!!」
髪だけで引き上げられる痛みに女が暴れた。
久義はそれを観察しながら、その腹部にさらに拳を撃ちつける。
「おぶぇああっっ……!!」
もう何度も致命的なダメージを受けている腹部への攻撃。
女はたちまち胃液を溢れさせ、片手で髪を掴む指を外そうとしつつ、片手で腹部の手を掴む。
けれども只でさえ筋力に劣る女が、片手ずつで久義の拘束を解けはしない。
髪はいよいよ顔が上向きになるように掴みあげられ、
腹部へ埋まった拳は女の掴みなど意に介さないと言わんばかりに引き抜かれる。

そして、すっかり赤らんだ腹部への再びの鉄拳。
「わ゛ぁあ゛んっ!!!」
女のそれは鳴き声に聴こえた。
痰の絡む悲鳴がたまたまそう聴こえたんだとは思うが、異常な声には違いない。
女は髪を諦め、最大の苦しみを及ぼす腹部の腕を両手で押さえ込む。
無慈悲にその拘束をも振り払って引かれる久義の腕。
避けられないのをいい事にたっぷりと肩を入れ、叩き込む。
女の両手が腹部を庇う。
それは当然の防御反応だろうが、実際に拳を叩きつけられた時には、
その庇った掌ごと腹部をぶち抜かれるハメとなる。
むしろ手の平という広範囲をカバーするものを通したせいで、衝撃はボディの広くへ拡散した事だろう。
「ごええ゛っ……!!!!」
蛙の潰れるような声。とてもあの女の子が出すものとは思えない。
めり込んだ拳の下で、パンと張った女の太腿が何度も痙攣する。
その果てに、スパッツの股の辺りが大きく逆三角を描くように濃い色に染まっていく。
やがては膝下の辺りまでが濡れ始め、漂う匂いが失禁だと示した。
552親友の“現在”    7/8:2012/04/14(土) 18:20:15.42 ID:h5JPT044

久義は一言も発さず、目を爛々と輝かせて髪を掴んだまま腹を殴り続ける。
嘔吐しても、失禁しても。
酷い状況だった。
スポーツ少女のようにキリリとしていた女の顔が、まるで一生分の苦痛を凝縮したかのように千変万化する。
細い腕は、まるで無意識に許しを乞うように久義の肩を10本指の先で押さえ、
腹部へ拳が叩きつけられる瞬間、まるで熱いものに触れたかのように勢いよく肩から離れる。
はじめこそ地面へ踏ん張っていた両の足は、今や足の甲を地面に擦り付けるように反り、
腹へ打撃が見舞われるたびにつま先で地面へ埃を立てていた。
両脚が宙へ浮くようになってなお、女の背後には壁があるのでどのみち威力は逃がせない。

久義は殴りながら、女の眼を覗き込んでいた。
女は眼にいっぱいに涙を溜めながら、その瞳を睨み返していた。
あまりの苦痛にずるっと白目を剥いてしまってなお、意地で瞳を戻して睨んだ。
身体がどれほどひどい事になっても、声が情けなくなっても、ついにその瞳は死なない。
最後の最後、遠めに見ていた俺にも解るほどに瞳孔が開き、死を思わせるほどに勢いよく項垂れるまで。

「…………へっ。いつもいつも、失神するまで粘りやがって」

久義も肩で息をしながら、汗まみれで女の髪を離した。
そして倒れこんだ女を肩に担いで歩き出す。
「どこ行くんだ?」
俺が問うと、久義は興奮冷めやらぬ表情で振り向いた。
「俺の隠れ家だ。負けた女は一晩好きにされるってのが、この世界のルールなんだよ」
553親友の“現在”    8/8:2012/04/14(土) 18:20:50.97 ID:h5JPT044



「うわぁー、入ってる、入ってるぅ!すごぉい!!」
女達の黄色い声が響く。
その視線の先では、先ほど久義に倒された女がベッドの上で、肛門に挿入されようとしていた。
多数の好奇の視線に晒され、おそらく初物だろうアナルを割られる。
腹部はなお赤黒く腫れあがったまま。
その状況下にありながら、女の視線はなお誇り高く前を睨み据えていた。
「ぐっ……!!」
気丈な女の大股開きの下で、久義の太い物が入り込んでいく。
女の健康的な太腿が何度も筋肉質に蠢き、挿入の凄まじさを物語った。

ここは久義の家。高校生が棲むとは思えないほど洒落たマンションの一室だ。
そこには先客として何人もの女がいた。
全員が鍛えられた健康的な身体をしていて、久義に負けて屈服させられた女だと思われる。
久義は今回敗れた女を家に連れ込むと、服を引き裂き、犯した。
そして浣腸を施して面前で排泄させ、今はその尻穴を征服している所となる。

「この子もしっつこいよねー。鍔崎の手先とか言って、もう何回負けてんのよ」
「負ける度に犯されて、実はもうすっかり久義の虜になってんじゃないの?
 こないだだって、負けた後に半日ぐらいかけてイかされまくったっていうじゃん。
 そりゃ惚れちゃうよねぇ」

嘲笑われる前で、女はついに騎乗位で肛門を征服された。
さらには久義に尻肉を掴まれ、そのまま自ら腰を使うことを強要される。
「クッ……!!さ、最後は必ず、鍔崎さまと私達が勝つ…………!!
 精々今のうちに、高を括っておけっ!!」
女は苦悶と羞恥に顔を歪めながら、まだ青いだろう尻穴を犯されていた。
「へっ、恐ろしいこった。だがまぁ先の話は無しにしようぜ。
 今夜はとりあえず、お前がケツの孔で逝けるようになるまで特訓だ」
久義は逞しい身体を起こし、女をベッドに寝かせたまま顔を見合わせる正常位に移る。
そして女の膝裏を手で押さえつけて深々と尻穴を穿った。
「くううっ…………!!!」
女が声を上げる。ぴっちりと閉じた肛門から赤黒い性器を生やして、
ピンクの割れ目から大量の白濁を零して。

7年ぶりに遭った俺の親友は、その女を嬉しそうに蹂躙し続けた。
何人もの生々しい身体を持った前例に見守られながら、さも当たり前の事のように……。



END
554名無しさん@ピンキー
容量を食い過ぎたのでついでにスレ立て

【何発でも】腹責め専門SS・その10【叩き込め】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1334395803/l50