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いちもつ
風味乙ー
こんばんは。
前スレ
>>460の続きを投下します。
8 :
狂依存 265:2011/10/06(木) 01:11:46.15 ID:QhCEUNtv
「うん……じゃあね」
「うっ……!うぐう……!」
麻由お姉ちゃんがようやく受話器を置き、僕の口を抑えていた手を離す。
今まで、僕は何を……?
昨日は沙耶さんが家に来て……和輝叔父さんも家に来て……それで……えっと……。
いや、そんな事より……さっきのお母さんの『あんたの事は全部麻由に任せたって……
「ふう……良かったわ。お父さんもお母さんも元気でやってるみたいで。さあ、あなた。早速続きをしましょうか……ちゅっ、ちゅ……」
「ん、ん……ね、ねえ!麻由お姉ちゃん!さっきの電話ってあれって……それに今まで一体何を……」
「あら……正気に戻っちゃったみたいね。可哀想……でも大丈夫。すぐにまた夢の世界に連れてってあげるから……」
「ちょっと……止め……」
麻由お姉ちゃんはしつこく体を密着させて、僕の目と鼻の先に顔を近づけてキスを繰り返してくる。
「せっかく、私達の仲をお母さんが認めてくれたわ……これで私達の間にもう障害は何も無い。後は式を挙げて、子供を作るだけよ……」
「仲を認めたって……う、嘘でしょ……ん、ん……」
しつこくキスを繰り返し、僕の口を塞いでいく麻由お姉ちゃん。
お母さんが、僕達の仲を認めた……?嘘だろ……でも、さっきの電話は……。
「ちゅっ、んちゅ……ちゅっ、んん……ん、これで私達の間に障害は何もなくなったわ。後は式を挙げるだけよ。ちゅっ……」
「し、式って……?」
「もう……恥ずかしがっちゃって……私達の結婚式に決まってるじゃない。いつにしようか?」
「け、結婚式って……そんなの、無理に決まってるじゃないか……だいたい、麻由お姉ちゃんと結婚する気なんて……ん、んふうっ!!」
結婚する気など無い――そう言おうとしたら、それを阻止するかのようにキスで口を塞がれた。
「ん、んふうっ……ちゅ……本当に素直になれない子ね……さっきまで、私の体を夢中で貪っていたくせに……」
「ねえ、麻由お姉ちゃん。今まで、僕に何をしていたの?昨日までの記憶が曖昧なんだけど……」
「うん?何もしてないわよ。ただあなたが私の体をひたすら犯しまくってただけ。いつも通りの事をやってただけじゃない」
「そんな……で、でも……」
記憶が無いわけではない。ただ、夢でも見ていたかのようにぼんやりとして、現実感が無いのだ。
さっきまで麻由お姉ちゃんの体を見ただけで、見境無く襲い掛かったりして……
「そんなに難しく考えなくても大丈夫よ。また夢の世界に連れてってあげるから……」
一体何をしたのか知らないが、もうこんな目に遭うのはたくさんだ。
これじゃ、本当に麻由お姉ちゃんの人形みたいじゃないか。
「もう、十分楽しんだでしょ。いい加減にしてくれよ。どうして、僕の事を自分の玩具みたいな扱いをするんだ」
「それはあんたが私の物だからよ。もう、あなたは私無しでは生きれない。私もあなた無しでは生きれない。それだけ愛し合ってるのに、あなたが素直にならないからそうせざるを得ないの」
「あ、あのさ……僕も麻由お姉ちゃんの事、大好きだよ。でも、今麻由お姉ちゃんが言ったような関係は恋人同士とか姉弟とかそういうのとは違うと思うんだ……」
「あら?何が違うというのかしら?」
「それって、ただ依存しているだけじゃないのかな……?愛とか恋とはまた違う気がするんだけど……」
好きな相手とずっと一緒にいたいという気持ちは誰しもが持っているだろう。
でも、麻由お姉ちゃんが考えているのはそういうのとは明らかに違う。
僕がいないと生きていけないって……じゃあ、僕が死んだり何処か遠くへ離れたら、麻由お姉ちゃんはどうする気なの?
「もちろん、後についていくに決まってるじゃない。今更、何を考えてるの?」
僕が口にする前に、麻由お姉ちゃんがそう答える。この人、本当に超能力か何かあるんだろうか……?
「僕が死んだら、麻由お姉ちゃんも死ぬの?そんなのおかしいよ……そんな事したって少なくとも僕は嬉しくない。麻由お姉ちゃんにはちゃんと……ん、んふうっ!」
「ちゅっ……ん、んふう……!ん、んちゅっ……ちゅう……んくう……」
またもや、僕が言い終わる前にキスをして口を塞ぐ。
「ん、んちゅう……はあっ……本当にこの口はいけない口ね。さっきまであんなに素直だったのに……もう一度夢を見させてあげるから、待っててね……」
「ね、ねえ……お願いだから、話を……」
「もう、あんたの御託はうんざりよ。本心でも無いのに、余計な事を喋って私を困らせないで。何か変な漫画の読みすぎかしら……?」
「ふざけないでくれ!あんな事されて、良い気分なんかするわけないだろ。どうして、もっと、普通に出来ないんだよ」
9 :
狂依存 266:2011/10/06(木) 01:12:49.01 ID:QhCEUNtv
「普通って?」
麻由お姉ちゃんは訝しげな顔をしてそう尋ねる。
「もっと、普通の姉弟みたいに仲良くしたいんだよ。こんな毎日、毎日セックスするばかりの関係じゃなくて……」
「話にならないわね」
「え?うわ……!」
僕が言い終らない内に、麻由お姉ちゃんは僕を押し倒して、体を擦り付ける。
そして、キャミソールの肩紐を外して乳房を露にし、僕の手を掴んで強引にも揉ませてきた。
「じゃあ、私も言うわ。私はあなたと毎日セックスして夫婦の様に爛れた関係になってあなたと一生過ごしたい。それが私の望みよ。仲の良い姉弟?そんなおままごとみたいな関係は願い下げ。わかったら、さっさと夫婦の営みを始めるわよ」
「何がオママゴトだよ……なら、こっちだって麻由お姉ちゃんが言った関係は願い下げだ。もう、人を馬鹿にするのもいい加減にしてくれ!」
麻由お姉ちゃんを突き飛ばし、部屋を飛び出る。
何処に行くあてがあるわけでも無いが、玄関を出て外に出て走って逃げ出した。
「本当に困った子ね……何処逃げても無駄なのに……」
「はあっ……はあっ……」
とにかくがむしゃらに町の中を逃げ回る。
何処に行ったって無駄なのはわかってるけど、とにかく今は麻由お姉ちゃんのそばにはいたくない。
またあんな事されたら、僕の人生も麻由お姉ちゃんの人生もおかしくなってしまう。
どうにかしないと……。
「はあっ……げほっ……」
何処か川原の近くの道で息を切らし、膝をつく。
もう限界だ……麻由お姉ちゃんは……いないか。念の為周囲を見渡してみるが、麻由お姉ちゃんもそして沙耶さんの姿も見当たらない。
「ちょっと、休むか……」
ちょうど、川原に降りる坂道に芝生があったのでそこに座る。
久しぶりにあんなに走ったので疲れたし、わき腹が痛い。
「でも、どうするか……」
こんな事をしても全く意味は無い。
行く当ても無ければ、財布も持たずに出てしまったので金も無いから、何も出来ない。
これではどの道、すぐに家に戻らなければならないのだ。
だけど、家に帰ったら……。
「麻由お姉ちゃんと沙耶さんに何をされるか……」
何をされるんだ?また僕がおかしくなるまでエッチな事をされるんだ?
でも、それって悪い事なのか?二人とも今は僕の好きなだけやらせてくれるし、何でも言う事を聞いてくれる。
それに実際、二人とやるのは気持ち良いし、このまま僕の物に……。
「(何を考えてるんだ……そんな事、駄目に決まってる)」
あの二人の事は好きだけど、もう好き勝手にはさせたくないししたくもない。
そうは言っても、こんな所にいてもしょうがないんだけど……。
「このまま時が止まってくれたら、良いのに……」
そんな事を呟きながら、芝生の上で体育座りをしながら、俯いた。
それが駄目なら、あの二人がいない所に行きたい……。
「何て、考えても仕方が無いか……」
やはり、戻ろう。
あの二人がああなったのは、僕のせいでもあるんだから、僕自身がどうにかしなければならない。
ここに居ても仕方が無いからな。
「本当に困った子ね……」
家を飛び出していった大輝を見送り、再び中に入る。
何も持たずに逃げ出したのだから、そんなに遠くに行ける訳が無いし、第一何処に逃げようとも私にはあの子が何処にいるかという事がわかってしまう。
大輝を捕まえることなど、いつでも出来るので、とりあえず家事の続きをする事にした。
「ふあっ……おはよう……」
寝ぼけなまこで目を擦りながら、ショートパンツとタンクトップというだらしない姿でようやく沙耶が起きて、私の部屋から出てきた。
一体、何時だと思ってるのよ……全く。
「ねえ……大輝は……?何処にも見当たらないんだけど」
「知らないわよ。用が無いならさっさと帰れ。でなきゃ、殺すわよ」
沙耶にポケットから取り出したナイフを突きつけて、帰る様に促す。
だが、沙耶は全く動じることもなく、私の前を素通りしていった。
「大輝は何処かなあ?早く、おはようのちゅーをしてあげないと……」
と、うわ言の様に呟き、廊下を徘徊する。
その様子は完全に何処か違う世界に行ってしまったようにしか見えなかった。
こいつはこいつで可哀想な奴なのかもしれない。
大した理由も無いのに、大輝の事しか考えられなくなって、それ以外の生きがいを見出すことが出来なくなった病に罹ってしまったのだから。
10 :
狂依存 267:2011/10/06(木) 01:13:56.28 ID:QhCEUNtv
「なら、早く楽にしてあげないとねえ……」
「へへ……お姉ちゃんがみ……ぐあっ!」
沙耶の背後に近づき、持っていた紐を首に巻きつける。
大輝をこのイカレタ女から救うにはもうこれしか……
「はははっ……麻由ちゃんも懲りないねえ……沙耶を殺したら、大輝も悲しむよ?麻由ちゃんも気づいているはずだよね。大輝が私の体からも離れられなくなっている事に。もう、麻由ちゃんだけの物じゃないんだよ」
「言いたい事はそれだけか?あんたが余計な事しなければ、今頃大輝は私だけの男になってたんだ。あんたが余計な事しなければ!」
「ぐあっ!!いぎぎっっ……」
一気に巻きつけた紐を締め付け、沙耶を絞め殺そうとする。
この女が……この女がみんな悪いんだ……!
私達の間に勝手に土足で踏み込んで、大輝の心まで荒らしやがって!
「死ねえっ!!」
「ぐげえっ!!あっ、ぐああっっ……!!」
沙耶の顔はどんどん青白くなり、目に涙を浮かべて、苦悶の表情をしながら体をバタつかせていた。
死ね。死ね!
「がっ……あっ……」
やがて、呻き声もしなくなり、顔をガクっと下ろして、沙耶も動かなくなった。
「本当に死んだかしら?」
紐を首に巻きつけたまま、沙耶を仰向けに寝かせて、脈を調べる。
沙耶は微動だにしない。
「脈は……?聞こえないわね……」
はは……遂に死んだか!あっけないものね。何が不死身だ。この馬鹿女が。
「でも、死んだ振りをしてるだけかもしれないわね。一応、止めを刺しておきましょうか」
ナイフを取り出し、沙耶に跨って、首にナイフを突きつける。
どうするか?首を……いや、心臓を一思いに一突きにしてやろうか。
いや、何処かに埋めておいた方が良いな。ここでやると血痕が残ってしまう。
「ふふ……覚悟なさい。あんたの事はすぐに忘れてやるから、安心して。いつまでも記憶に留めておくのも気分が悪いからね」
こんな奴と友達だったなんて、私の人生でも一番の汚点だ。
生まれ変わらないように海の中にでも沈めてやろうかしら。
「さあて、取り敢えず手首を縛っといて……」
「なーんてね♪」
「っ!!?」
沙耶の手首に縄を掛けた瞬間、突如、沙耶が目を開き、声を出してきた。
思わず沙耶から離れて、その場でへたり込んだ。まさか……?脈は止まっていたはず。
「あっ、はははははっ……!麻由ちゃん、残念だったねえ。前にも言ったでしょう。私は不死身になったの。何をやっても殺すことなんて出来ないんだよ。はっ、ははははっ!!」
狂喜に満ちた目で私を見つめ、ケラケラと笑い転げる。
その様子は誰が見ても、何かのショックで気が狂った様にしか見えなかった。
「脈は止まってたはず……一体、何で……」
「ん?麻由ちゃんを驚かせようと思って、ちょっと止めてみたんだよ。凄いでしょ?びっくりしたでしょう!?あっ、ははははっっ!!」
脈を止める?まさか、そんな事……でも、確かにしてなかったし……。
「ははは……ねえ、麻由ちゃん。私、麻由ちゃんの事今でも好きだよ。大輝が好きだから、私も好きなの。彼が沙耶と麻由ちゃんの二人を自分の物にしたいと思ってるのなら、それを叶えてあげるのが沙耶の役目だと思ってる。わかってくれるよね?」
と、何事も無かったかのように、平然と私に語りかける沙耶。
まさか、こんなにおかしな女だったなんて……流石に計算外だった……。
「あん……大輝がそろそろ、家に戻ってくる……麻由ちゃんも感じるよね?早く、シャワーを浴びて汗を流さないと。また二人でいっぱい、気持良くなろうね」
私の前を素通りして、浴室に向かう。
「待ちなさいよ……」
「何?きゃんっ!!」
沙耶の足を掴み、強引に転ばせて、再びこいつに跨る。
「もう……懲りないなあ……いい加減に諦めたら?沙耶を殺したら、大輝も悲しむよ」
「あんた、不死身って言ったわよね。それが本当かどうか改めて試してやるわ。おら!」
そう言って、ナイフを再び突きつけて、一気に沙耶の顔面に下ろす。
「やんっ!こわーい。ははは。駄目だよ、そんな物振り回したら」
顔に刺さる寸前になって、沙耶は私のナイフを握ってる手を掴んで、笑いながら顔を背けた。
「何やってんだよ……不死身なら、このナイフを刺しても、大丈夫なはずでしょ。ほら!」
「だーめ♪だって、これから、愛しのダーリンに抱いてもらう体だもん。傷なんか付けたら、大輝が気になって私を思うように犯せないじゃないし、血で汚れちゃうじゃない。」
「関係ねえよ……お前はここで死ぬんだ!ここで往生しろや!不死身だってんなら避けるんじゃねえ!!」
11 :
狂依存 268:2011/10/06(木) 01:15:11.96 ID:QhCEUNtv
沙耶の頭を右手で押さえつけ、左手でナイフを持ち、何とか沙耶の体に刺そうとしたが、こいつの馬鹿力に阻止され、あと少しの所で突き刺す事が出来ない。
いつのまにこんなに力を……。
「ぐっ……へへへ……まだ、力比べやるんだ?早くしないと大輝が帰ってきちゃうよ。この場面を見たら、何て思うかなあ?ははは……麻由ちゃん、殺人未遂で捕まっちゃうねえ。はははっっ!!」
「ふんっ!」
「っ!?」
沙耶の顔のすぐ横にナイフを突き刺し、その場を離れる。
「あら、もう止めちゃうんだ。つまんないの」
キリがないのでもう止めた。こんな糞女を楽しませるために、いつまでも貴重な時間を潰す必要は無い。こいつの処刑方法はまた改めて考え直す事にした。
「そうね。下らない茶番はこの辺にしておくわ。そろそろ、帰って来る頃だし……」
ピンポーン
「あっ!帰ってきた。私が出るね。ダーリン、待ってて」
「あっ、待ちなさい!」
呼び鈴が鳴ったと同時に沙耶が飛び起きて、玄関へと駆け寄っていく。
ん?この呼び鈴の押し方は、いつもとは違うような……?いや、これは大輝じゃない。
「はーい♪もう、待ってたんだよ。……って、あ……」
「えっ、えっと……」
何だろう?様子がおかしいので、すぐに玄関へと向かうと沙耶が玄関のドアノ開けたまま、固まっていた。
「ちょっと、誰が……え!?」
案の定そこにいたのは、大輝では無かった。いや、私も良く知っている人……。
「ま、麻奈伯母さん!?」
「ええ……麻由ちゃん、お久しぶり……」
何故、札幌にいるはずの伯母がこんな所に……?
「えっと、そちらのお嬢さんは……?」
「ふえっ!あの……わ、私はその……」
「す、すみません!この子は私の大学の友達なんです。今日、たまたま泊まりに来ていて……ほら、さっさと来なさい。ちょっと、待っててください!」
「ええ?あ……す、すみませんでした……」
慌ててドアを閉め、沙耶の腕を引き、私の部屋へと引っ張って行く。
もう……!昨日といい、今日といい何で立て続けに親戚がいきなり家に来るのよ!
昨日、和輝叔父さんが来たときは何とかやり過ごしたけど、今日は伯母に思いっきり沙耶を……しかもこんなはしたない姿をしてる所を見られてしまった。
「そんなに強く引かないでえ……」
「うるさい!ほら、ここで大人しくしてろ。部屋から出るんじゃないわよ!良いわね!」
沙耶を私の部屋に放り込み、ここから出ないように告げて、すぐに玄関へと向かう。
ああ、もう!この馬鹿のせいで面倒な事になっちゃったじゃない!
「すみません……バタバタしちゃって……どうぞ……」
「ええ、良いの?何か立て込んでるみたいだから、良かったら、また後で出直すけど……」
「いえ、大丈夫です。あの子昨日、飲み過ぎてちょっとおかしくなっちゃったみたいで……部屋で休ませたので……ご心配なく。さっ、どうぞ……」
「そう……じゃあ、お邪魔します……」
伯母を家に上げて、リビングに案内した。
麻奈伯母さんはお母さんの姉で、現在は札幌で夫婦二人で暮らしている。
場所が場所だけに、あまり会う機会は無いのだが、たまに会うと北海道の名産品をお土産にくれたり、色々とお世話になっているので、いきなり来たからと行って追い返すわけにもいかなかった。
「どうぞ……」
「ありがとう……ごめんね、急に来ちゃって。実家の両親の様子を見に来たついでによったんだけど……」
「そうなんですか。お祖父ちゃんの具合はどうでした?」
「ええ、最近はだいぶ良くなってるみたい。おばあちゃんがちゃんと看病してくれたおかげかねえ……ふふ……」
さきほどのバタバタなど気にしていないかの様に、穏やかに談笑しながら、紅茶を飲む。
いつも思うが、こうして見るとお母さんの姉だと言うのに、あまりお母さんには似ていない。
お母さんは目もつり目で、外見も性格も強気な女性という感じだが、伯母はおっとりとした目で非常に穏やかな女性といった印象だ。
家のお母さんなら、あんな粗相をやらかしたら、間違いなく嫌味の一つでも言ってきてる。
どちらかというと、大輝や家のお父さんに似た感じがする。お父さんとは、はとこ同士だから似ることもあるのだろう。
「そう言えば、大輝君はいないの?」
「え?ああ……ちょっと、出かけていて……そろそろ、帰ってくると思うんですけど……」
今の大輝は一応、正気に戻っているので伯母さんに会わせても特に問題はないはず。
帰ったら挨拶ぐらいはさせておこう。
「そう……あっ、そうそう。これ……良かったら、二人で食べて」
「え?ああ……いつも、すみません……ありがとうございます……」
12 :
狂依存 269:2011/10/06(木) 01:16:41.11 ID:QhCEUNtv
伯母が出したお土産を受け取り、軽くお礼を言う。それから、しばらく伯母と談笑を続けて時間を潰した。
「(遅いな……)」
時計を見つめ、大輝の帰りを待つが、まだ帰ってこない。もう、家に着くはずなんだけど……。
「ねえ、麻由ちゃん。お母さん達がいなくても食事とか、家事とかはちゃんと出来ている?」
「え?ええ、まあ……何とか……」
「そう。この部屋も綺麗に片付いてるし、二人で何とか頑張ってるみたいね。正直、ちょっと心配だったんだけど杞憂だったわ」
「はは……ありがとうございます……」
先程、あんな失態を見られたのでちゃんとやってるなどと言われても、素直に頷けないので、苦笑いしてお茶を濁す。
全く、本当に邪魔しかしないんだから、あの馬鹿は……。
「それにしても、お父さんとお母さん、夏のお盆に帰れなかったんだって?」
「へ?ええ……何でも、渡航日直前に反政府のデモ隊だかが空港の近くを占拠して行けなくなったらしくて……」
実は両親は夏休みにも一度帰ってくる予定だったのだが、思いもかけぬアクシデントが起きて帰れなくなってしまった。
流石に少し心配したが、無事が確認された後は、むしろ好都合とばかりに大輝と存分に淫らな夏休みを過ごした。
「怖いわねえ……でも、年末年始は帰ってこれるのよね?」
「いえ、それが……お父さんの仕事の都合がつかなくて、また帰れなくなったみたいで……」
「ええ?そうなの?それじゃあ、二人とも大変じゃない?」
「そうですけど、でも大丈夫です。定期的に連絡は来てるし……」
会えないのは少し寂しいが、私も子供ではないので無事さえ確認できれば別に構わない。
そんな事より、今は沙耶をいかに始末するか、そして大輝との結婚式の日取りを考えないと……。
ん……?待てよ……あいつ、ちゃんと部屋で大人しくしてるかしら?
「(まさか……)」
「あの……ちょっと、お手洗いに行ってきますね」
嫌な予感がしたので、トイレに行くと偽って、リビングから退出し自分の部屋へと行く。
「やっぱり……!!」
この部屋に押し込んだ筈の沙耶の姿が何処にも無く、この部屋に脱いであったあいつの服も無い。
慌てて、一階に降りて玄関を見たら、沙耶の靴も無かった。
二階のベランダから外に降りて、こっそりと玄関の靴を取り出し、大輝の所へ行きやがったか!
「どうする……?今は伯母さんも来ているし……」
「麻由ちゃん、どうしたの……?」
「へ?いや、あの……ちょっと、探し物があって……」
心配そうに声を掛けてきた伯母に、慌てて取り繕うように答える。
まあ、良い。大輝もそろそろあの馬鹿に愛想をつかす頃だろう。
あの子の心の中で私の存在は絶対だけど、沙耶の事はただの都合の良いセフレ程度にしか思っていない。
でも、あの変質者の事だからそれでも付きまとうのは間違いないわね……。
とぼとぼと市街地をゆっくり歩きながら、自宅へと向かう。
何処かで時間を潰そうにも財布も無いし、携帯も何も持ってない。
でも、帰ってもまた二人に良い様にされるだけなのは目に見えてる。どんなに話し合おうとしても、聞く耳ももたないし……。
何とか二人から逃れる方法は……
「あれは、まさか……」
交差点の信号待ちをしていると向かい側で見知った顔が視界に入った。
まさか、僕を探しに……?いや、偶然だろうが何だろうが今はあの人に会いたくないんだが、どうせ逃げても追いかけてくる。
このまま、何事も無かったかのように通り過ぎるのが一番か。
そんな事を考えてるうちに信号が青になり、横断歩道を渡る。
歩いている内に沙耶さんと目も遭わせずすれ違い、そのまま早歩きですれ違う。
このまま何も無く、過ぎ去ってくれ……。
そんな淡い期待を込めながら、歩いていったが、後ろをちらっと振り返ると案の定、僕の後をピタッと付けていた。
何がしたいんだか……
「へへ……ねえ、そこでお茶してかない?」
そんな事を考えてる内に、僕の腕に抱きついて来て、目の前にある建物に視線を向ける。
ここって……はあ……嫌なタイミングで通り過ぎちゃったな……。
「今、金が無いから良いです。とにかく恥ずかしいので離れて下さい」
「本当は期待してるくせに……ほら、行くよ」
結局、目の前にあるホテルに連れ込まれ、二人で入った。
「ん、ちゅっ、んふっ……ちゅっ……」
部屋に入ってベッドに座ると沙耶さんは抱きついてキスを始め、胸を密着させて執拗に擦り付けて来る。
だけど、とてもやる気が起きないのでしばらくずっと黙っていた。
13 :
狂依存 270:2011/10/06(木) 01:17:48.09 ID:QhCEUNtv
「ん、ちゅっ、ちゅ……ダーリン……好き……だーい好き……ちゅっ、ちゅ……」
「もう、止めて下さい。この前も言ったでしょ。あなたと付き合う気は無いんですよ」
うる覚えであるが、何日か前に沙耶さんにホテルに連れ込まれて、『私と付き合う気はあるかと』聞かれて、首を振った。
あれが本心だとわかっているはずだ。
「あんっ……でも、沙耶の体は抱きたいって思ってるんでしょ。それって、好きって事じゃない。だから、それだけで沙耶は嬉しいの。ちゅ……」
「どうして、そんな関係で満足なんですか?おかしいですよ……」
「私が満足してるんだから、おかしくないの。大輝は好きな様にしてくれて良いんだから……」
更に体を擦り寄らせて、下着も足で股間もさすってきた。
「ここに来たのは、そんな事をするために来たわけじゃないんです。二人きりで話し合うにはいいかと思ったから……」
「そんな事言って、もうこんなに大きくしちゃってるじゃない。ほら、早くう……」
「いい加減にして下さい!もう、十分楽しんだでしょ!どうして、二人ともそんなに体ばかり拘るんですか!」
「だってえ……こうして繋がってるときが一番幸せなんだもん……しょっと……」
沙耶さんはベッドに座ってる僕にがっちりとしがみついて、真正面に向き合った後、僕のズボンとパンツを引きずり降ろし、既に勃起しかかっていた肉棒を露にして、股間に擦り付けてきた。
「ん、んしょっと……どんどん大きくなっていってるじゃない……これが愛し合ってる何よりの証だよ……入れるよ……ふっ、はああああぁぁぁっっ!!」
「ああ……ねえ、見て……私たち、また愛し合ってるよ!あっ、あんっ……ちゅっ、んちゅっ……」
座ったまま、挿入し腰を振ってキスを繰り返してくる沙耶さん。
引き剥がそうとしたが、物凄い力で抱きつかれて離せない。
「はんっ……!あっ、んん……ねえ、おっぱい触ってよお……ちゅっ、れろっ……」
腰を揺り動かしながら、首筋や頬を舐めたり、キスを繰り返す。それが気持ちよくて、押し倒したくなる感情に襲われるがぐっと堪える。
「じゃあ、そのままで良いから教えてください。僕の何処がそんなに好きなんですか?どうして、そんなに僕との関係に拘るんですか?」
「好きになるのに、理由なんて必要ないって言わなかったっけ?それとも納得出来る理由を答えたら、私と結婚してくれる?」
「そ、それは……」
「そんな質問をしたって、沙耶の心は動かないよ。理由なんてどうでも良い。私はもう大輝無しで生きられない体になったんだから、ずっとこういう関係を続けたいだけ。麻由ちゃんも同じだよ」
と、膣中でぎゅっと締め付けを厳しくしながら、パンパン腰を打ち付けて語る。
確かにどんなに深い理由があろうが、なかろうがこの人と結婚する気も付き合う気も無いけど、だからって訳も分からずこんなに一方的な好意を寄せられても気味が悪い。
何より、今の沙耶さんは明らかに普通じゃない。
もし、原因があるならそれを治してあげないと……。
「はぐっ!あっ、はふん……そのおかしな女に犯されて、おち○ぽビンビンになってるのは何処の誰かな……?もし、悪いと思ってるなら沙耶をこんな女にした責任を取って、結婚して一生私の面倒を見るべきじゃないかな……?」
「だから、そんな気は……」
「ん、んちゅっ……まだ言うんだ?こんなに沙耶の体を犯しまくったんだから、普通ならその責任を取って結婚するはずだよ。大丈夫……麻由ちゃんと別れろなんて言わないから……ん、んふうっ……」
またキスをして口を塞ぎ、腰を振るスピードを速める。
「麻由ちゃんも結婚式を挙げたいんだって……ねえ、想像してみて。私と麻由ちゃんの二人のウェディングドレス姿。可愛いでしょ?綺麗でしょ?その二人が大輝のお嫁さんになるんだよ。良いでしょう……」
「そんな事、言ったって駄目ですよ。もう、目を覚ましてださい。悪い夢でも見てるんですよ」
「本当にしつこいね……もう、そんな話は聞かないよ。本心でも無いくせに……沙耶の事は大輝の方からも何度も誘ってきたんだよ。好きでもない子とセックスしたいとか思わないはずだよね。ん、んちゅ……」
腰をフリフリと動かしながら、僕にキスを繰り返し、締め付ける力を強めて睨んでくる。
確かにそれに関しては弁解の余地は無いと思ってるし、悪かったと思ってる。
「その事に関しては謝ります。でも、僕は好きでもない人を抱くような最低な男なんですよ。そんな男と付き合ったって、沙耶さんの為にもならないじゃないですか……だから、もう……ん、んん……」
14 :
狂依存 271:2011/10/06(木) 01:18:44.72 ID:QhCEUNtv
「ん、んちゅっ、ん、んふっ……ちゅっ……もうそんな話は聞かないって言ったよね。沙耶は大輝なしじゃ生きられない、これが全てだよ」
そんな事を言いながら、沙耶さんが腰を打ち付けるスピードを更に速めて、僕を絶頂へと導こうとする。
だけど、こんな状況で素直に楽しめる筈は無い。
話をしても無駄というなら、ここにいる意味は無いので早く帰らないと……。
「あっ!あんっ!!ねえ、もっと腰を振ってよお……あっ、はん……」
「いいから、もう帰りたいんです。沙耶さんだってこれじゃ、面白くないでしょう。僕はもうやる気なんかないんです、いい加減に離してください」
「いやあ……まだまだ二人っきりでこうやっていたいよ……麻由ちゃんとはいつでも出来るじゃん……沙耶はこれから、用があるから帰らないといけないし……」
潤んだ瞳で僕を見つめて、腰を打ち付ける沙耶さん。
だったら、こんな所で遊んでいる場合じゃないだろうに……。
「あっ、はっ……ほら、動いてえ……はん……!」
もう、この人の事は心底うんざりだ。何が『本当は沙耶の事、好きなくせに』だ。
早く、帰りたい。この人とは関わりあいたくない。
元々、僕とは関係の薄い人だし、好意も興味も微塵も無かった。
ただの何人かいる姉の友達でしかなかった様な人。
出来れば麻由お姉ちゃんとの関係も終わりにしたいけど、まずは沙耶さんをどうにかしたい。
それが沙耶さんの為でもあるんだ……。
「あっ、んちゅうっ……ちゅっ、んあっ……!もう……私をイカさないと離さないよ……はっ、あん……!」
正直、もう沙耶さんには嫌悪感しか沸いてこない。この人のせいで問題がややこしくなったし、今は僕の気持ちなんか無視して、自分の事しか考えていない。
僕を助けようとしてくれたのは感謝してたけど、その感謝の念ももう無くなった。
「はふんっ!あっ、はっ……はやくう……はっ、あんっ……きゃんっ!」
沙耶さんを思いっきりベッドに押し倒し、胸を握る。
こんな女の胸で……こんな女の体で……何度も……。
「た、大輝……?」
僕がじっと睨みつけたからか、怯えたような目をして見つめる。
沙耶さんでもこんな目をするんだ……。でも、もういいや。
「ねえ、どうしたの……?そんな怖い顔をして?」
「……帰ります。もう、僕の前に姿を現さないで下さい」
手を離し、中に入っていた肉棒を引き抜いて立ち上がり、服装を整えて帰る準備をする。
「え?ちょっと、待って……!きゃんっ!」
パンッ!!ドン!
尚も言い寄ってくる沙耶さんの顔を殴って、更にベッドから突き飛ばし、黙って部屋を出た。
このまま、犯して帰ろうかとも思ったが、そんな事をすればまた付け上がって、変な事になってしまう。
何より、もう……何というか愛想が尽きてきた。
沙耶さんみたいなおかしな女は、もう無視するのが一番なのかもしれない。
そう思いながら、家路に着いていった。
「はあ……」
結局、そのまま家に着いたものの、思わず溜息をついてその場で立ち止まってしまう。
麻由お姉ちゃん、怒ってるかな……?何とかしないといけないんだけど……。
何度か後ろを振り向いても、何故か沙耶さんは追いかけてこなかった。
あの人の事だから、またしつこく追いかけてくると思ったけど、少し拍子抜けした。
流石に愛想が尽きたのか、また何か良からぬ事を考えているのかはわからないけど、どうでも良かった。
ここに居ても仕方ないので、家の中に入る。
「あれ、玄関が開いてるのか……ん?」
見慣れない靴が置いてある。誰か来ているのかな……?
「そ、そんな別に良いですよ……悪いですし……」
「でも……大輝君のお世話を一人でするのも大変でしょ?お父さんたちもしばらく帰ってこないっていうんじゃ心配だろうし……」
ん?この声は確か……リビングで話し声が聞こえたので、入ってみる。
「ですから、大丈夫ですって……!」
「だけどね?今回みたいな……ん?ああ、大輝君。おかえりなさい」
「え?麻奈伯母さん……あっ、どうも……来てたんですか……」
わざわざ札幌から、こんな時期に何をしに?そう言えば、昨日も和輝叔父さんが来てたんだよな。
そんな事より、麻由お姉ちゃんと何か言い合ってた様な気がしたけど……。
「あっ、そうそう。大輝君にも話があるんだけど、良いかな?」
「はっ、はい……」
なんだろう、話って?とりあえず、麻由お姉ちゃんの隣に座るか。
15 :
狂依存 272:2011/10/06(木) 01:19:37.94 ID:QhCEUNtv
「お父さんたち、年末年始も忙しくて帰って来れないんだって?」
「はい……そうらしいですね……」
さっき、電話があった時は本当に驚いた。
いや、帰って来れない事に驚いた訳ではなくて、いきなり僕と麻由お姉ちゃんの関係を認めるみたいな事を言って来たからだ。
そのショックのおかげで正気に戻れたんだけど、お母さんまで麻由お姉ちゃんの味方をされては本当に逃げ場がなくなってしまう。
「大変よね……大輝君は受験だし、麻由ちゃんももうすぐ就職活動とかあるんでしょ?それでね、考えたんだけど……伯母さんがこの家にしばらく厄介になって、あなた達の面倒を見てあげようと思ったんだけど……」
「え!?」
「ですから、本当に大丈夫ですって。私達だけでも何とかやっていけますから……私の年だったら、一人暮らしで自分の事ぐらいしてるのは普通ですし……」
「でも、やっぱり大変でしょう?この家の事とか全部やらなきゃいけないんだし、年末年始は色々バタバタするでしょ。それに大輝君はまだ高校生なんだから、何かあった時保護者が付いていた方が良いと思うの。せめて今年いっぱいぐらいまでは……ね?」
「そうですけど……」
伯母さんが僕達の家に……?
何やら、予想外の展開になってきたけど、もしそうなったら僕と麻由お姉ちゃんの関係も伯母さんがいる間は落ち着いてくる事は確かなんじゃないか?
僕にとっては悪い話では無い。でも、麻由お姉ちゃんは……
顔を見ていると、あからさまに迷惑そうな顔をしていた。
「あの……伯父さんは一人にして大丈夫なんでしょうか?」
「主人なら平気よ。あの人は一人暮らしも長かったし、何ヶ月かなら一人でもやっていけるわ。それにあなた達の事も結構、心配してたわよ。今回は仕事が忙しくて来れなかったけど、年末には顔を出すって言っていたから」
「は、はあ……」
どうする?軽々しくお願いしますと言える話では無いが、伯母さんがウチに入れば、麻由お姉ちゃんは今まで見たいな好き勝手な事は出来ない。
ずっと居てもらえる訳ではないけど、少しの間だけでも距離を置けば、頭も冷えて麻由お姉ちゃんも考えを改めるかもしれない。
ここはやっぱり……
「伯母さん、あの……」
「ご好意は嬉しいですけど、やっぱりお断りします。お母さん達にはこれも社会勉強の一つだって言われていますし、今でも充分やっていけてますので」
僕が喋ろうとすると、麻由お姉ちゃんがそれを遮るように伯母さんにお断りの返事をした。
何が何でも、この話を無しにしたいというのが見え見えである。
「そう……大輝君はどうかな?私がいたら、やっぱり迷惑?」
「え?そうですね……」
麻由お姉ちゃんをまたチラリと見る。
早く断りなさい。断らなければどうなるか、わかってるわよね?明らかにそう目で僕に訴えていた。
確かにこの話に乗って、伯母さんが家にしばらく居候する事になっても一時しのぎにしか過ぎない。
だけど、このチャンスを逃したら僕自身がこの先どうなるかわからない。本当に麻由お姉ちゃんの言いなりの人生になってしまう。
「あの……お父さん達がいなくなってから、姉が全部家事をやってくれているんです。僕も手伝うって言ってるんですけど、受験勉強に専念しなさいって言って家の事は全部引き受けてくれて……」
「まあ、そうなの。麻由ちゃん本当に偉いわねえ」
「そんな事は……」
「ですから、僕としては伯母さんがもし来てくれるなら、姉さんや僕の負担も減って、自分の時間が作れるようになるから、良いと思います。ですので、僕達にとっても悪い話では無いかと」
「そう……麻由ちゃん、どうかしら?」
「え?もう……大輝。そんな事軽々しく言うもんじゃないでしょ。ちゃんと良く考えないと……」
麻由お姉ちゃんは僕の体を抓って睨みつける。
「そうね……いきなり、こんな事言われても困るわよね……ごめんなさい。今日はこれでお暇するけど、お母さん達と良く相談して、気が向いたら連絡して。あと何日かは実家にいるつもりだから……」
「はい。今日はわざわざありがとうございました」
「うん、じゃあね。お邪魔しました」
伯母を玄関に見送った後、リビングに行って片づけを始めた。
「今日はびっくりしたよね。麻奈伯母さんが突然来たから……」
「そうね……そこに隠れている馬鹿のせいで大恥かいたけどな……!」
「え?なっ!?」
麻由お姉ちゃんが台所の入口に歩み寄って、何かを引きずり出すとそこには……
「えへへ……バレちゃったか……流石、麻由ちゃんだね」
「な、何で?いつの間に……」
16 :
狂依存 273:2011/10/06(木) 01:21:27.44 ID:QhCEUNtv
家に帰る途中、何度か後ろを振り返ったが付いてきている様子は全く無かったはず……。
それにいつの間に家の中に……
「あんた、ずっと部屋の中で大人しくしてなさいって言ったわよね?日本語もわからないほど頭がおかしくなったのかしら?」
「ええ?何の事かなあ?沙耶はずっと麻由ちゃんの部屋で大人しくしてたよお……」
「外に出て、大輝に何かしたわね?情けをかけてやった恩を忘れて好き勝手しやがって……」
麻由お姉ちゃんは沙耶さんの胸倉を掴んだ後、廊下に叩きつけて、踏みつける。
「あんっ!もう……ダメエ……沙耶に手を上げて良いのは大輝だけなんだから……きゃんっ……」
「な、何しに来たんですか。それにいつの間に家の中に……」
「何でって、沙耶は大輝の女なんだから家に居ても良いじゃん。それに……今日は二人の仲が深まった記念日なんだもんね……」
「は?何言ってるんですか……?」
顔を赤くし、うっとりとした表情をして変な事を言い始める。
「ねえ、麻由ちゃん。麻由ちゃんは大輝に殴られた事とかある?多分無いでしょう。でも、沙耶は今日大輝に顔をぶたれちゃったんだよ。お前の顔なんか見たくもないって形相をしてね」
「それが、何だってのよ?」
「その時、思わず胸がきゅんとしちゃったの。嗚呼……大輝に初めて殴られた相手が私なんだって……そう思うと沙耶の体と心が物凄く疼いてきちゃって……ほら、もうこんなにぐちょぐちょだよお……」
「……」
沙耶さんが廊下で横になって、ショートパンツを脱ぎ、下半身を露出させて股を開いて、僕に見せびらかせるように自慰を始める。
その、あまりにも痛々しい姿はとても直視できる様な光景ではなかった。
「(この人、完全におかしくなっている……)」
冗談でやっているのでなければ、本当に病院にでも連れてった方が良いのかもしれない……。
「そんな汚い物、見せるんじゃないわよ。さっさと出てけよ、こら!」
麻由お姉ちゃんが沙耶さんの腕を掴み、家から追い出そうとするが、沙耶さんもじたばたと抵抗して中々出ようとしない。
今日、これから用事があるとか言ってたんだから、早く帰って欲しいんだけど……。
「いやだ〜〜!まださっきの続きやるんだもん……じゃなきゃ、帰れない」
そうだ、今のうちに……ここから……。
「ほらっ……さっさと出てけよ!マジで警察呼ぶわよ」
「警察呼んだら、さっきの事言っちゃうよ。まだまだ三人で楽しもうよ……」
二人が揉み合ってる間に、部屋に行って財布と携帯を持ち込んで、この家からこっそり逃げ出そうとする。
今なら、伯母さんに追いつけるはずだ。そ〜っと……。
「じたばたすんな……!よっと……」
「うわっ!?」
ここから抜け出そうと、二人の間を通り抜けようとした瞬間、麻由お姉ちゃんに襟を掴まれて阻止されてしまった。
「逃げ出そうたって無駄よ。お姉ちゃんの言う事を聞かなかった罰を与えなきゃいけないんだからね」
「そうだよ。家事だったら沙耶がお手伝いしてあげるから、伯母様の好意は必要ないよね。あっ、さっき挨拶しておけば良かったかな……」
「ちょっと、離してよ!これから部屋に用事が……あっ!」
足元にいた沙耶さんにも足を掴まれ、その場に倒されてしまった。
これじゃ、動けな……。
「全く……こんなに可愛いお姉さんを二人もはべらせて何が不満なんだろうね……?逃げ出そうったって、そうはいかないんだから」
「ひっ……」
「あんたは帰れって、言ってるでしょ。ほら……お姉ちゃんとまた続きをやるわよ……」
麻由お姉ちゃんは僕に跨り、胸をはだけさせて僕の体に股間を摺りつけてきた。
このままじゃ、また……
「(嫌だ……嫌だ……)」
もう嫌だ。二人の玩具にされるのは……
「ねえ、麻由お姉ちゃん。僕の考えてる事がわかるなら、今僕がどういう気持でいるかわかるよね?麻由お姉ちゃんの事は大好きだよ。でも、こんな関係は嫌なんだ。何度も言ってるじゃないか……」
「ふーん……じゃあ、あんたの体に聞いてみるわ。ほら……お姉ちゃんのおっぱいよ、ほら……」
僕の顔の目の前に乳房を近づけ、見せ付ける様に揺らしていく。
他では滅多にお目にかかれない様な、豊満で美しい胸に魅入られて、今にも食いつきたくなる衝動に駆られる。
「目を逸らすんじゃないわよ。私とセックスするのが嫌だってのが本当なら、こんなもの見せられても何も感じないはずよね?実の姉の体に欲情するのが有り得ないっていうなら、尚更……」
目を逸らそうとしたら、頭をしっかりと手で押さえつけられ、目の前で上下に乳房を近づけたり、揺り動かしたりしていく。
17 :
狂依存 274:2011/10/06(木) 01:22:16.34 ID:QhCEUNtv
「くっ、くくく……どんどん、大きくなってるじゃない。ただお姉ちゃんのおっぱい見せられただけで……良いわよ……好きにして……しゃぶるなり、揉むなりあなたの思うがままにして良いわよ……」
「良いなあ……そんなに大きくて、沙耶にも少し分けてえ……」
「汚い手で触るんじゃないわよ。あんたは大輝をしっかりと抑えてないさい」
「はーい……」
麻由お姉ちゃんの胸を触ろうとした沙耶さんの手をすぐさま払いのけ、沙耶さんが僕の肩を押さえつけてきた。
「わかったでしょう?あなたも私もお互いの体を抱かないともう生きていけないの。いい加減に認めて頂戴」
「……そんなの嫌だよ……体だけの関係なんて、何が楽しいの?何でそんなにこだわるの?別にそんな事をしなくたって、麻由お姉ちゃんの事を嫌いにならないし、今までだって……」
「楽しいに決まってるじゃない。愛し合うもの同士がお互い、体を繋がり合わせる。これ以上の至福があると思ってるの?私にとっては全てよ。これで満足?」
「……」
問答無用と言わんばかりの麻由お姉ちゃんの言い分に、もはや脱力するしかなかった。
麻由お姉ちゃんも沙耶さんも何か悪いものに憑りつかれてるんだ。そう、思うしかなかった。
「ねえ、麻由ちゃん。やらないなら早く沙耶に代わってよ。さっき、途中で逃げ出しちゃったから、もう私のアソコ疼いちゃって……」
「うるさいわねえ。私があんたの指図なんか受けると思ってるの?ほうら……お姉ちゃんのおまんこにさっさと入れなさい。……ん、んん……!」
僕の性器を引きずり出して、股間に押し付け、擦り始める。
陰茎と柔らかい太股になすりつけられて、更に肉棒は勃起し始めてきた。
「ほら……お姉ちゃんのおまんこに挟まれただけで、もうこんなに……中に入れればもっと気持ち良くなれるわよ……ふふ……思い出して御覧なさい……」
「ねえ……沙耶ともさっきの続きをしようよお……ちゅっ、んちゅう……」
麻由お姉ちゃんは股間で挟みながら腰を上下させて、沙耶さんは僕の頬をキスしたり、舐め回してきた。
「何やってんのよ?さっさと『麻由お姉ちゃんのおまんこの中に僕のち○ぽを入れて下さい』って言いなさい。それともこのままイッちゃいたいの?」
「麻由お姉ちゃん、僕の事をそこまで愛してくれるのは嬉しいよ。だけど、今の麻由お姉ちゃんの言いなりになるのは嫌なんだ。僕の事をこんな玩具みたいな扱いをして……」
「ん、んああああぁぁぁっっ!!……はっ、はん!あらっ、つい入っちゃったわ……くすくす……ほおら……見なさいよ。私達、また愛し合ってるわ……実の姉弟なのに……実の姉弟なのによ!はははは……!」
膣中でぎゅっときつく締め付けて、笑いながらバンバン腰を乱暴に揺り動かしていく。
まるで本当に気が狂ったかの様に淫靡な踊りを僕の上で踊っていた。
「はあっ……!あっ、あん……!良いわ……何度やっても……何千回やっても飽きないわ……はぐうっ……!はっ、あん……」
「これが、麻由お姉ちゃんの今の姿よ。そしてこれからずっと変わる事は無い。昔の私なんて、二度と戻らないし戻る気も無いわ。だからあ……早くお姉ちゃんと式を挙げましょう……はっ、んあっ!」
上下左右に腰を揺らしながら、嬌声を上げてヨガリまくる。
「式なんて挙げてどうするの?僕達は結婚なんか出来ないんだよ。そんな馬鹿みたいな話は止めてくれよ……」
「早く、あなたにウェディングドレス姿を見せたいのよ……二人きりの結婚式……ああ……想像しただけで体が熱くなってきたわ……はっ、あん……」
「その時は私が立会人になってあげるよ。そして、三人でやった後、沙耶と本当の結婚式を挙げるの……きゃん♪もう、大輝ったら……!」
二人とも勝手な事を……もう、良い。こんな狂った女達と一緒にやって上手く行くわけがない。
このまま、気を失うまでやらせる前に……。
「ん!あんっ!は……!そうよ……もっと腰を突いてえ!あっ、はあんっ!……はっ、はふっ……!やんっ!!」
麻由お姉ちゃんの腕を引っ張り、抱き寄せてから体を転がし僕が上になる。
「ああんっっ……やっと、その気になったのね……さあ、早く……」
僕が跨ると嬉しそうに股を思いっきり開き、おねだりをしてくる麻由お姉ちゃん。
完全に肉欲に溺れ、それ以外の事しか考えられなくなった哀れな姉の姿がそこにはあった。
でも、そんな女でも僕のお姉ちゃんである事には変わりないんだ。
だから、嫌いになれないし、なりたくもない。だから治してあげたい。
「何やってるのよ……どうでもいい事考えてないで、早く動かしなさいよ。ほら……」
18 :
狂依存 275:2011/10/06(木) 01:24:03.01 ID:QhCEUNtv
僕の腰に足を回して組み交わし、ぐいぐいと抱き寄せておねだりし始める。
それに応えて、腰を動かして突き始めるが、どうにも気乗りがしない。
「お願いだ……もう、そんな姿を見せるのは止めてくれ。麻由お姉ちゃんの事を嫌いになりたくないんだ」
「あなたが私を嫌いになるなんて有り得ないでしょ。私が何をしたってあなたの中で私の存在は絶対なのだから」
「そうかもしれなけど、やっぱり悲しいんだよ。そんなに体で交わる事ばかり考えているのは……実の姉弟なのに……」
「ねえ……自分の立場がわかってないようだから、言っておくけどもう大輝の全ては私の物なのよ」
「は……?」
僕の顔を押さえつけて、目と鼻の先まで持って行き、目を見開いてじっと見つめる。
「あなたを生かすも殺すも全てお姉ちゃんの思うがまま……身を持って体験したでしょう?あなたの自我を失わせて、私のお人形同然にするのはすぐに出来るの。極上の快楽で頭を蕩けさせてね……くくく……」
「馬鹿な事を言わないでくれよ。そんな……」
あんなのは二度とごめんだ。
頭の中がボーっとして、麻由お姉ちゃんの体以外何も考えられなくなって、まるで夢の中にいるみたいな感覚だった。
いや、夢であったらどんなに良かった事か……。
「日常生活に大して支障は無かったよね?ちゃんと学校に行ってたし、勉強も出来てたじゃない。でも、沙耶や麻由ちゃんの体を見ると我先にと飛び掛ってきて……本当に野獣みたいだったよ。ははは」
「わかったなら、さっさとお姉ちゃんを犯してイカせなさい。じゃないと、今度は二度と正気に戻してやらないわよ」
麻由お姉ちゃんはぐいぐいと腰を動かして、膣壁で中の肉棒を圧迫していく。
「もう、早くやらないなら、私が動かしてイカせるよ。ほら……っしょっと……」
僕が躊躇していると沙耶さんが僕の腰に手を回し始めて、腰を前へと揺り動かし始めた。
「ああんっ……あなたあ……早く、お姉ちゃんでちゃんお気持ち良くなってえ……このままじゃ、あの馬鹿女にイカされちゃうわ……はっ、ああん……」
ゆらゆらと沙耶さんに背後から腰を動かされ、僕の意思とは関係無しに中での注送が行われる。
そんな状況でも麻由お姉ちゃんは感じるのか、喘ぎ声を出しながら腰をフリフリと動かしていた。
「麻由お姉ちゃん……わかったよ。もう本当に僕の事は体しか愛していないんだね」
「あら?あなたの全てを愛しているわよ。でも、私達の愛を最も感じさせる方法がこうして繋がっている事だからずっとこうしていたいだけ。大輝だってそうでしょ?」
「沙耶もだよ。沙耶も大輝とこうやって抱き合っているときが一番幸せ。だから、一生、離さないし離れる気もないから」
そこまで言うなら、もうこっちも好きにして良いよな……。文句は言わせない。
「良いよ。麻奈伯母さんの話も断る。結婚式でも好きに何でも挙げてくれ。でも、一つ条件がある」
「何?」
「沙耶さんも僕の女にする事を認めて欲しい。二人がこうなったのは僕の責任だ。なら、その責任を取りたい」
そうするしかなかった。二人の体を満足するまで抱いて犯す。
それが、望んでいる事である以上、それが唯一の責任を果たす方法である以上、そうするしかないじゃないか。
「大輝……」
「良いよね?麻由お姉ちゃんも沙耶さんも僕の物にする。嫌だというなら、別れてくれて良い。その時は沙耶さんとだけ付き合う。どっちも嫌なら僕を殺してくれ」
自分でも本当に勝手な事を言っていると思う。二人とも俺の物にするのを認めろ。嫌なら別れろ。
こんな事を言い放ったら、二人に刺されても文句は言えない。少なくとも愛想を尽かれて二度と自分の前には姿を現さないだろう。
いや、そうして欲しかったのかもしれない。そうすればこの悩みから永遠に解放される。
「……本気みたいね……」
麻由お姉ちゃんは、じっと僕を見つめたまま何か考え込んでいる。
傷ついたのだろうか?でも、構わない。二人の面倒を見るのが僕の責任だと思ったから。
「ねえ、どうする?沙耶としてはこのまま大輝の申し出を断ってくれれば、沙耶だけの物になるから良いんだけど……」
「そんな事させるわけないでしょ。わかったわ。この女の事は一生認めないけど当分あなたの好きな様にして良いわ」
19 :
狂依存 276:2011/10/06(木) 01:25:04.66 ID:QhCEUNtv
「麻由お姉ちゃん……」
まさか、本当に了承してくれるとは……。
だけど、それを聞いても全く嬉しくはなかった。悲しさや、絶望感にも似た陰鬱な思いが交錯した。
「へへへ……良かったね、大輝。これで二人を正式に彼女に迎え入れる事が出来たよ」
「勘違いしてんじゃないわよ。あんたの事を認めた訳じゃないって、言ってるでしょ。私は大輝の当分、望む事をしてあげさせるだけ。お前は大輝が飽きたら、私が始末するわ」
「ははは……別に良いよ、それでも。ね?大輝。早く続きをしよう」
麻由お姉ちゃんは僕に抱きついて、キスを始め、沙耶さんは僕の腰をぐいぐいとまた押し始める。
「ん、んふうっ……ちゅっ、あんっ!!はっ、ああああぁぁぁんっっ!!」
僕はすかさず麻由お姉ちゃんを押し倒し、ピストンを開始した。
「はっ、やああんっっ!!はっ、そんな激しすぎ……はっ、はあんっ!!あがあ……!!」
これまでに無いくらい、思いっきり麻由お姉ちゃんの中を突きまくり犯しつくす。
この人はこうする事でしか、幸せを感じられない可哀想な人なんだ。そんな哀れみの思いで腰を振りまくっていた。
「あっ、ああああんっっ!!そうよ……それで良いのよ!!もっと、犯して……お姉ちゃん、犯しまくってえええっっ!!はっ、はあああんっっ!!」
麻由お姉ちゃんはそんな僕を見て感動したのか、狂ったように声を上げて悦び、僕の手を握って膣内の締め付けを厳しくする。
もう、麻由お姉ちゃんは完全に狂ったんだ。一生、このままなんだ。
「そうよ!狂ったわ!麻由お姉ちゃんは……私は完全に狂って、あなたのち○ぽなしでは生きられなくなったの!あっ、はんっ……はがっ!あっ、イクううっっ!!!」
その様子を見てお互いに更に腰の打ち付けを激しくしていく。
もう、良い。どうにでもなれ。どうにでもなってしまえ!
「はあ!!はっ、はんっ……!!来てえ……早く、お姉ちゃんのおまんこにあなたの子種いっぱい、ぶち込んでええ!!あっ、はがっ……!あっ、はあああああぁぁぁっっ!!!!」
びゅっ、びゅくるるるるるるっっ!!!
壊してしまうぐらいの勢いで麻由お姉ちゃんの中に精を解き放ち、子宮に押し付けながら流し込んでいく。
「はあああぁぁぁんっっ……あっ、あああああぁぁぁぁっっ……はっ、はん……ふ、ふははは……良かったわ……」
麻由お姉ちゃんは満足そうにそれを受け止め、だらしない顔をして余韻に浸り、僕はそのまま体を倒した。
「凄かったねえ……大輝。次は沙耶にもやってね。きゃんっ!」
沙耶さんが体を揺すっておねだりしたと同時に沙耶さんを押し倒し、思いっきり股を開く。
「やんっ……いたあい……へへへ……ねえ、沙耶にも早く入れてよお……」
「はあ……はあ……ざけんじゃないわよ。優先権は私にあるのよ」
「ええ?順番はちゃんと守ろうよ」
麻由お姉ちゃんが起き上がり、沙耶さんを引き離そうとすると、二人が軽く言い争いを始める。
「うっ……うっ、う……」
「ん?どうしたの?」
そんな二人の様子を見て何故か、涙が出てきた。
こんな扱いをされても嬉しいなんて。二人に対してこんな形でしか責任を取れないなんて……。
そう思うと何故か悲しくなって涙が止まらなかった。
麻由お姉ちゃんも沙耶さんもごめんなさい……。
元を正せば僕のせいなんだよね。僕の……。
「ふふ……泣いちゃってるわ。可哀想……お姉ちゃんが体で慰めてあげる。ん、ちゅるっ……」
「ああ、ずるい!これから、沙耶とやる予定だったのに、自分だけまた大輝のち○ちんしゃぶって……じゃあ、私も……じゅっ、じゅるっ……」
二人が競い合うように勝手に僕の性器を舐め始めて、奉仕してくる。
本当にこんな事しか、考えられないなんて……。
「じゅるっ、じゅっ……ん、、むふうっ……じゅるっ、ちゅう……むふうっ……早くお姉ちゃんに飲ませてえ……ちゅるっ、じゅっ……」
「ん、ちゅっ……ダーリンの玉玉美味しい……はむっ、じゅるっ、ちゅぷう……」
麻由お姉ちゃんは肉竿を、沙耶さんは玉をしゃぶり僕に快楽を与えて再び射精を促していく。
僕の気持ちなどお構い無しに、必死で僕の性器に貪りつく二人を――
この肉棒の精が尽きるまで、ただ黙ってみている事しか出来なかった。
以上です。
ありがとうございました。
Gjだけど
びゅくるるるるるッ
音おかしくね?w
保管庫の更新終了しました。
>>20 相変わらずいやらしいねえ……いい仕事してるぜ
あれあれどうなっちゃうんだ
GJ
もうほんとこの二人はどうなってるのw
僕の姉の性欲が有頂天でとどまる事を知らないってまさにこのこと
沙耶さんがだんだんギャグ要員にwww
これはネタとして見るべきなのか?
要は大輝が不死身の基地害泥棒猫と最狂キモ姉のハーレムエンドを選択したってことだろう。
ハーレム=地獄に成っているようだがな。後伯母さんとやらはキーポイントに成るのか?それとも単なるネタ振りか?はたまた更なる地獄への使者なのか?
エロすぎてキモ姉どころじゃねえワラタ
そういえばこの世のどこかには妹町という町があるらしい
キモウトの楽園か
31 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 01:51:10.36 ID:SIFkJXik
そこに行けばどんな夢もかなうと言うよ
誰もみな行きたがるが遥かに遠い
その町は妹の町
どこかにあるユートピア
どうしたら行けるのか教えて欲しい
On SisterOn Sister
狂もうと投下します。
幼い頃、私達は何をするにもずっと一緒だった時期があった。
お互いに手を繋ぎ、他人の手によって無理矢理放された時は泣き叫んだのを今でも覚えている。
そんな私達は近所で一番仲の良い兄妹として有名で、一緒に駄菓子屋の前を歩くと決まって二つ入りのアイスを一つ貰えたのだ。
それ目的で何度も用が無いのに駄菓子屋の前を通っていた。
あの時は単純に私達が仲が良いからアイスをくれるのだとばかり思っていたのだが、今思えば篠崎の名前が“二つ”並んで歩いているのだから仕方なかったのだろう…。
そんな大人の事情を知らないあの頃の私達はそれなりに幸せだったのかもしれない。
いや、幸せだったと断言できるだろう。
――そんな私達にも自然と手が放れる時がある。
それはお母様が隣に居る時。
私達の手が放れる時は決まってお母様と外へ出掛ける時なのだ。
お母様と出掛ける時はお母様の右手を私が繋いで、左手は勇哉が繋ぐ…決まり事のようなモノだった。
そう…“見知らぬ妹”が突然家にやってくるまでは…。
突然家にやってきた妹はまだ立つこともできない赤ちゃんで、私達に天使のような笑顔を振り撒いていた。
名前は由奈ちゃん。
勇哉は覚えていないかもしれないが、私は覚えている…あの時のお母様の顔を――。
その日から勇哉はもう一人の妹に夢中になっていった。
由奈が泣くと自ら由奈を抱き抱えてあやしていた。
私も勇哉と同じように由奈を抱き抱えてあやした。
当時は私も妹ができた事に少なからず喜んでいたはずだ。
だけど……小さな妹ができた頃から私と勇哉はあまり手を繋ぐ事が無くなっていった…年齢の問題もあるのだろうけど、私は面白くなかった…。
何かを奪われたようで…。
モヤモヤする私の胸の何かが消える事なく渦巻いていく――。
そのモヤモヤが何か分からずお母様に問いかけると、お母様は「零菜はお兄ちゃんが大好きなのね」と私を撫でてくれた。
よく分からないが、私はお兄ちゃんが好きだったようだ。
自分でも思うのだが、私達は手の掛からない子供の部類に入るのではないだろうか?
あれを買ってこれを買ってなんて滅多に駄々をこねた事は無いと思う。
そんな私達も一度だけお母様に我が侭を言って買ってもらった事がある。
――それはゲーム機と一つのカセットゲーム。
当時、学校で流行っていたレースゲームをクラスメートが自慢するように学校へ持って来ていたのだ。
それを見た勇哉がお母様に駄々をこねて買ってもらった初めてのモノがそのゲーム。
私は別に欲しくなかったのだけど、勇哉が欲しがっているという単純な理由で私もお母様に同じように駄々をこねた。
そしていつも共有するモノを持つとするように、カセットゲームの裏に私と勇哉の名前をクレヨンで書きこむ。
私と勇哉の共有物がまた一つ増えた瞬間だった…。
お母様からもらったモノは今でも実家の自室に大切に保管されている。
……しかしそのカセットゲームは私の宝物の中に入る事は無かった。
何故かと言うと、勇哉がお風呂に入っている時、暗がりの部屋で見てしまったのだ…。
由奈がクレヨンで私の名前を潰して上から自分の名前を書いている場面を。
その時、初めてこの子は私の妹では無いと認識した。
だけど私は由奈に対して大きな苛立ちを持つことは無かった…小さな子供がする事。
だけど…だけど私の胸の中にあるモヤモヤは膨らんでいく一方。
そしてある日――私の中にあるモヤモヤが溢れ出した。
「零菜全然上手くならないなぁ」
「うぅ…だってお兄ちゃんが私の車にすぐぶつかってくるんだもん」
「そんなんじゃ、いつまで経っても俺に追い付けないぞ?」
キモウトの楽園か、行ってみてぇなあー
ん?どうしたバカ姉、怒るとしわが増えるぞ
「ねぇ、今度は由奈にやらせて!」
「ぇ…でも…これは私とお兄ちゃんの…」
「まぁ、いいだろ。由奈にコントローラ渡してやれ」
「う、うん…はい」
この時、私は由奈にコントローラを手渡したのが間違いだったのだろうか?
由奈が私の手からコントローラを奪うように取ると、やった事があるかのようにキャラクターを選んでレースに参加した。
「おぉ!由奈上手いじゃねーか!」
「えへへ〜、お兄ちゃんすぐに抜いちゃうからね!」
二人仲良く横に並んでゲームをする姿を後ろから他人のように一人ポツンと眺めている私……これは何?
本来なら私がそこに座るんじゃないの?
なんでお兄ちゃん何も言わないの?
勇哉への不満が自分の中でも溜まっていくのが分かった。
ゲームが終わる頃には私は二人から視線を外していたのを今でも覚えている。
――その日から私と勇哉は手を繋ぐ事がなくなった。
掴むモノが無くなりさ迷う自分の手を鉛筆や筆、茶筅に持ち替え勉学や作法に意識を切り替えた。
私が必要なものは兄の手では無く、コレなのだと…。
それを続けていると自然と私を見る目が変わっていくのが分かった。
それが面白くて、全てを完璧にこなしていく…。
一つ一つこなして行くうちに私と勇哉の間には見えない溝のようなモノが存在する事に気がつき始めた。
そして私達が中学に入学する頃にはお互いに干渉する事もなくなっていた…。
それでも私達は双子…その関係だけが切れずにゆらゆらと揺れ続けている。
切ろうと思えばいつでも切れた関係…だけど切らなかった。
何故かと言うと、そこには強いお母様の信念と想いが詰まっていたから。
お母様の想いは私の中で未だに大きく熱く焼き付けられ存在している。
けして消える事の無い愛…絶対に私に向けられる事の無かったお母様のもう一つの愛が熱く存在しているのだ。
暇潰しだと自分に言い聞かせていたが、本音はその愛を咲かせる事が私の目的であり、長年のお母様の願いでもある。
私はお母様の夢を…お母様の全てを実現してみせる。
絶対に誰にも邪魔はさせない。
たとえお母様が溺愛していた勇哉の精神が壊れようとも――
※※※※※※※
「だからぁ!もう来ないでくださいよ!」
「そ、そんな事を言わないで考え直してもらえないだろうか?君に辞められるとやっと軌道に乗ってきた会社も傾いてしまう。この通りだ!」
大の大人数人が狭い玄関で此方へ向かって頭を深く下げる。
いや…俺の隣に居る由奈に皆頭を下げているのだ。
――零菜から真相を聞かされて3ヶ月。
由奈は仕事に行かなくなってしまった…何をするにも俺の側から離れず、トイレや風呂すら一緒に入ろうとするのだ。
流石にトイレは一緒に入るのを拒むのだが、トイレは俺が出てくるまで扉の前から動かないし、風呂に限ってはタオルを巻くからと言われて仕方なく一緒に入ってしまっている。
これも全部零菜のせいだ…。
「頼む!篠崎さんが今居なくなれば私達は路頭に迷う事になってしまうんだ!」
一番前に立ち頭を下げ続けるこの男性…由奈が働く会社の社長さんらしい。
後ろに並ぶ人達も皆会社のお偉い方だそうだ。
由奈が働く会社は由奈が入社する前までは何処にでもあるような子会社だったのだが、今や親会社すら頭が上がらない程の会社に成り上がってしまったそうだ。
社長曰くこの四年間で由奈が会社を大きくしたようなモノらしく、今辞められると会社に大きな打撃をもたらすらしい。
親会社も由奈を本社に引き込みたいらしく、数日前に本社からもお偉方が何人か来たのだ。
由奈本人は普通に仕事して、片っ端から他会社の社長にアプローチしてたら知らない間に大きくなったと言っていたが…。
「はぁ……社長…貴方私に隠してた事があるでしょ?」
突然由奈の声が低くなった。
それと同時に分かりやすいほど社長の肩がびくついた。
「親会社の名前言ってみなさいよ…」
「………音条…グループ…」
聞いたことある名前だ…大手の会社だったと思うけど、それがなんなのだろうか?
「音条は篠崎になる前の母の旧姓よお兄ちゃん?」
後ろに目でもあるのか、後ろを振り返る事なく首をかしげる俺を見透かしたように話す。
「えぇ!?」
まったく関係の無い俺が声をあげてしまった。
俺の声に反応したのかいっせいに皆此方へ目を向ける。
一瞬気まずい空気が流れたが、何事もなかったように由奈が話を進め出した。
「今音条グループを管理してるのは私の姉で篠崎次期当主の篠崎 零菜。そして母の妹で本社社長の…つまり叔母の音条 真希子…実質この二人が会社を動かしているのでしょ?」
「あ、あぁ…だけど君に黙っておくつもりはy「私が怒ってるのはそんな事ではありません。貴方……私達の引っ越し先を篠崎 零菜に教えたわね?」
由奈が社長を睨み付け言い放った。
話が複雑すぎて頭がこんがらがって来たが、この社長が由奈の逆鱗に触れた事だけは理解できた。
「そ、それは零菜さんが由奈さんの姉だと知っていたし、教えても…」
「教えてもなんですか?私に許可を得ないで人の引っ越し先を勝手に教えるなんて貴方社会人として欠けてるんじゃないですか?」
そう社長に言い放つと、社長の横を通り過ぎて玄関を開けた。
社会人として欠けていると言う言葉が俺の胸にも突き刺さる。
俺は今、残念な事に妹である由奈に養ってもらっている状態……耐えきれず由奈の背中から目を背けて宙に視線を泳がせた。
「もう話すことはありませんので、お帰りください」
外から冷たい風が流れ込んでくる…その風のせいなのか、体を震わせて項垂れる社長を見ていると何処と無く可哀想になってきた。
「由奈…ちょっとだけ口だしていいか?」
「えっ?なに?」
険しい顔つきを崩して此方へ振り返る由奈。
「四年間も働かせてもらった会社だろ?それならもう少し皆と話し合ったほうがいいんじゃないのか?」
「お金なら心配ないよ?昔副業で株やってたからお金には困らないし、仕事ならすぐに見つけられるしね」
副業で株?初めて聞いた…そんな事までやってたのか。
「お金の問題じゃないよ。こうやってわざわざ社長さんや上の片が来てくださってるんだから、それだけ会社にとって由奈が必要な存在だって事だよ」
「そりゃ、私の名字は篠崎だからね。会社にとっては都合がいいでしょ」
「篠崎だとかそんな意味ではありません!貴女の力が我が社には必要なんです!お願いだ…どうか思い止まって頂きたい」
一度頭をあげてまっすぐ由奈を見てそう声をあげると、今度は地面に膝をつけて頭を下げた。
所謂、土下座というやつだ。
「由奈…」
「はぁ…お兄ちゃんの甘さは誰に似たのかなぁ……。はいはい、わかりましたよ。少しだけ考えさせてください」
分かりやすくため息を吐くと、由奈自ら社長の腕を掴んで立たせた。
これが零菜と違って由奈の優しさが垣間見る瞬間だろう。
由奈も今の仕事に遣り甲斐を感じている…本心はやめたいとは思っていないだろう。
「戻るかどうかは分かりません…だけど考えるだけ考えさせて頂きます。ですから今日はお帰りください」
社長の背中を押して玄関の外に出すと、頭を下げ続ける皆を無視して扉を閉めた。
そしてすぐ後ろを振り向き、俺に視線を向けてくる。
数秒間の沈黙…。
――「ふうぁぁ〜んッ!!!今のは凄いんじゃないのぉ〜!!?」
突然自分の頬を潰れるくらい両手で挟むと、なんとも言えない顔で…と言うか面白い顔で此方へ歩み寄ってきた。
「はは、何を喋ってるのか分からないよ。てゆうか変な顔すんな、後ろにまだ会社の人居るだろ」
磨りガラス越しにまだ人影が映っている。
それを指差して教えてやるが、無視して俺のお腹に突進してきた。
それを軽く避ける。
「なぜ避けるの!?由奈頑張ったでしょー」
避けるとイノシシの如く体を半回転して、また突進してきた。
今度は受け止めてやると、甘えるように頭を腹部に擦り付け、喉の奥を鳴らした。
零菜との事があってから由奈の精神年齢が著しく低下しているのが見て分かった。
前のように性欲を発散するような事は無くなったのだが、完全に甘える行動で俺にすり寄るようになってしまった。
他人の前では今まで通りの由奈なのだが二人きりになると…。
「今から由奈が料理作ってあげる!お兄ちゃん行こ!」
自分自身の事を名前で呼び、仕草も幼い頃の由奈を見ているようで流石に心配になる。
零菜が言っていた、由奈が“兄妹にこだわる理由”が何となく分かった気がする。
由奈は多分、俺との切れない繋がりを求めたんじゃないだろうか?
あまり言いたくないが、零菜と俺は絶対に切れない“血”という繋がりがあるのだ。
それを由奈は持っていない。
いつ自分が俺の実の妹じゃないと知ったのだろうか?
高校卒業した頃か…就職した頃か…それを抱えて今まで過ごしてきたかと思うと可哀想になる。
そしてより一層、由奈を妹としていとおしく感じる。
この気持ちは変わらない…俺の妹は由奈だ。
「まぁ、なんでもいいけど明日一応会社には行けよ?夕方の料理は俺が作っといてやるから」
「えぇ〜!?由奈お兄ちゃんと離れたくない…」
「今までずっと休んでたんだからダメだ。会社に行って謝ってきな」
社会人として足を踏み外せば、立ち直る事は容易では無い。
実際に痛感してる自分が言うのだから間違いない。
「え〜やだやだ!」
フリフリとお尻をふりながら腰にしがみつく由奈。
「駄々をこねるな、このっ」
そのお尻を平手で叩いてやった。
「あぁんッ!」
手加減したつもりなのだが自分でも思ったより強い平手打ちになってしまい、由奈の薄いスカートの上をムチのように叩いてしまった。
バチン!っという音と共に由奈の口から妹では無く女の声が激しく漏れる。
「わ、悪い!今の痛かっただろ?」
スカートの布一枚だけで覆われているので、肌を直接叩いたような感触が手に残っている。
自然と由奈のお尻を擦りながら、由奈を立たせた。
何故由奈のお尻を擦ったのかと聞かれたら、妹を叩いてしまったから擦ったとしか言いようがない…。
別にやましい事がある訳ではないのだが、この由奈を相手にしていると、どうも俺も幼い妹を相手にしているような感覚に陥ってしまうのだ。
「ぁ…今触られ、ぁあッ!」
子馬のように足をガタガタ震わせ俺にしがみついている。
慌てて擦るのを辞めて、由奈を座らせる。
荒い息を吐きながら、潤んだ瞳で見上げる由奈を見て少しだけ距離を取った。
「はぁ…お兄ちゃんにお仕置きされちゃったぁ……んッ…」
「モジモジすんな早く立て」
股に手を挟んで悶える由奈を立たせてリビングに向かった。
こんな事で変な趣味を見いだされてはたまったものでは無い。
未だまともに歩かない由奈をなんとか椅子に座らせると、冷蔵庫に向かった。
「お兄ちゃん何作ろうか?」
いつの間にか、俺の隣に移動して俺と一緒に冷蔵庫の中を見ている。
つくづく思うが、本当に俺から離れようとしない…。
「そうだなぁ、簡単なものでいいよ。俺はちょっと、上で寝るかy「それじゃ、お兄ちゃん隣で見ててね!」
やっぱりダメか…。
仕方ないので由奈の隣に並んで由奈が料理作る姿を見ることにした。
冷蔵庫からはレタスと玉ねぎ、大根、プチトマト…そして余り物の豚肉をだしてきた。
「今日は簡単さっぱりと、豚肉の冷シャブとサラダにします」
「はい、どうぞ。何か手伝いますか?」
由奈がエプロンを装着するのを確認すると、もう一つのエプロンを手に取り助手目的で由奈に話しかけた。
「それではお兄ちゃんはサラダ作りに取りかかってください。レタスを手でちぎり、玉ねぎと大根をスライスして冷水に付けた後、ボールに放り込んでプチトマトで飾り付けです」
棚からボールを取り出し目の前に差し出す。
それを受け取ると、棚の上に置いてレタスを一口サイズに手で切る作業に移った。
レタスをボールに敷くと、今度は玉ねぎと大根をスライスして冷水に放り込む。
数分間冷水に付けた後、その冷水を豚肉にも使うので捨てず由奈に渡して野菜をボールに盛り付けた。
これで俺の仕事は終わり。
今回は簡単短時間で作れたからよかった…長い時は一時間から二時間立ちっぱなしな時もあるのだ。
これを毎日欠かさずやっている由奈を本当に凄いと思うけど、何もしないでただ立っているだけというのも苦痛を感じてしまう。
今日は簡単なモノだったので手伝えたが、手の込んだモノを作るとなると俺は邪魔者以外の何者でもないのだ。
それでも由奈は俺から離れようとしない。
「ほら、お兄ちゃんもうできたからっ…て……お兄ちゃんサラダは?」
「サラダ?サラダなら……あれ?」
先ほど俺が作ったサラダがボールごと綺麗に消えている。
キョロキョロと周りを見渡してみる…やはり見当たらない。
落としたのかと思い下を見たが床は毎日掃除しているので綺麗なもんだ。
冷蔵庫の中に入れたのか?と冷蔵庫の中を確認するが、やはり無い。
「由奈…おまえ隠しただろ?」
「隠すもなにも私お兄ちゃんの横から一歩も動いてないけど?」
確かに…だとしたら俺が作ったサラダは何処にいったんだ?
まさか幽霊…。
「お〜い!早く肉持ってきてよー!」
再度周りを見渡して、何処に置いたか記憶を辿っていると、リビングから聞き覚えのある声が台所まで響いてきた。
その瞬間、由奈の表情が分かりやすく歪むのがハッキリと分かった。
「……」
無言のまま、俺の横を通り過ぎリビングに向かう由奈。
「ゆ、由奈!行くなら手に持ってるモノ離してから行け!」
右手にはしっかりと包丁が握られている。
それを奪い取り流し台に置くと、由奈の前に移動して先にリビングへと向かう。
「兄ちゃん久しぶり!肉はどうしたの?」
「やっぱり空ちゃんか…」
やはり想像通り…サラダの入ったボールを両手で抱えて無邪気に笑う空ちゃんが椅子に座っていた。
「あんたどっから入ったのよ?」
由奈が足を揺すりながら苛立ったように空ちゃんに訪ねた。
「え?普通に玄関開いてたよ?チャイムどこにあるかわからなかったし兄ちゃんの声が中から聞こえてきたから入ってきたんだ」
そう言えば玄関の鍵を閉め忘れてたっけ…。
「そっか、んじゃ一緒にご飯食べよう」
由奈の手を引っ張り椅子に座らせると、冷シャブを取りに戻り三人で食事を取る事にした。
「やっぱり美味いなぁ!由奈姉ちゃんの料理は世界一だね!」
本当に美味しそうに口に含み料理を頬張る空ちゃん。
空ちゃんの食べる姿を見ていると、自然と笑顔になってしまう。
多分由奈もそうじゃないかな?と微かな思いを胸に由奈に目を向ける。
「…」
険しい表情で空ちゃんを睨んでいた。
自分の料理には一切手をつけず、ずっと睨んでいる。
空ちゃんは気がついていないのか、無視しているだけなのか…無視してるならかなり図太い神経なのかもしれない。
まぁ、分かっていた事なのだが……やはり由奈は空ちゃんすら敵視しているようだ。
空ちゃんは由奈の実の妹…空ちゃんはその事実を知っているのだろうか?
知っているなら何としても仲良くさせてやりたい。
「ほら、由奈も食べよう」
由奈に箸を手渡すと、やっと空ちゃんから目を背けて食事に箸をつけだした。
食事を終えると、食器を流し台に置いて三人でゲームをする事にした。
空ちゃんは喜んでいたが、由奈は変わらず何を考えているのか分からない表情で空ちゃんを見下ろしている。
家には古いゲームしかないので空ちゃんに合うか微妙だと思ったのだが、前の家にもゲームがあったらしくやった事があるらしい。
「おぉ、上手いじゃん空ちゃん」
「へっへ〜、僕にこのゲームさせたら誰も勝てないよ!」
夢中になっているからか、自分の事を会った時のように“私”では無く“僕”と言っている。
自分では気がついていないようだ…。
――それから時間を忘れるほどゲームに熱中した。
熱中したのは俺と空ちゃんだけなのだが、空から太陽の光が消えるまで完全に時間の事を忘れて遊び呆けていた。
こんなに遊んだの何年ぶりだろうか?
基本由奈と一緒なので、由奈以外の人間との接触が皆無に等しいのだ。
新鮮でいい…。
「お兄ちゃん…もう、夕方だけど」
その由奈の言葉でやっと俺はテレビの画面から目を放して窓の外へと視線を向ける事になった。
窓の外からは赤々とした夕日の光が射し込んでいる。
「もうそんな時間かぁ…空ちゃん零菜はいつ迎えに来てくれるの?」
名残惜しくコントローラを床に置いて、空ちゃんに問いかける。
空ちゃんも夕方になっている事に気がつかなかったらしく、外を見て驚いていた。
「零菜は来ないよ。ほら、零菜は家から出られないだろ?兄ちゃんに零菜の家まで送ってもらえってさ」
そう言えば、零菜は実家で謹慎中だったけど…都内にある自分の家に戻る事は許されたのか。
あの父が許すとは思えないのだけど、まぁ空ちゃんがウソつく理由は無いだろう。
「分かったよ。それじゃ行こうか」
テーブルの上にある車の鍵を手に取ると空ちゃんの背中を押して玄関へと向かった。
「……ちょっと、待ちなさいよ」
それを阻止するように俺の手から鍵を奪い取る由奈。
なんだよ?と由奈に問いかける。
「零菜さんの事だから、また何か企んでるに決まってるわ。お兄ちゃんを零菜さんに会わせる訳にはいかない。
お兄ちゃんは家で待ってて」
それだけ言い放つと、俺の横を通り過ぎて玄関へ歩いて行ってしまった。
空ちゃんと一緒に由奈の後を追いかける。
靴を履く由奈の後ろに立つと、空ちゃんにも靴を履くように伝える。
俺の声に空ちゃんも一度頷くと、自分の靴を履いて玄関の外に出ていった。
「お兄ちゃん…分かってると思うけど勝手に家出ないでよ?」
「あぁ…お前も分かってると思うけど、空ちゃんを傷つけるような事はするなよ?」
「しないわよ。まず零菜さん殺さないと気がすまないしね…あ、そうだ。ついでに零菜さん殺してくるね」
「お、おい由奈ッ!」
俺の声を無視して玄関を閉めてしまった…。
数分後、駐車場から車が出ていく音が聞こえてくる。
慌てて部屋に飛び込み引き出しから一枚の紙切れを取り出した。
紙切れには十一桁の数字。
前に零菜からもらった電話番号が書かれた紙切れだ。
焦る手で紙切れに書かれている数字を間違えないように携帯に打ち込んでいく。
打ち込み終わると、すぐに零菜に電話した。
「……もしもし、零菜か!?」
『そうだけど…勇哉?知らない番号だから誰かと思ったわ』
「今そっちに由奈が行ったから少しの間家から離れろ!」
『意味が分からないわ……突然電話してきたと思ったら…私は忙しいの。切るからね』
「いいからそこから離れろ!由奈はマジでお前を――」
「心配してくれてるの?やっぱり私が妹かしらね」
携帯電話からでは無く唐突に真後ろから聞こえてきた声に心臓が跳ね上がる。
咄嗟に振り返ると、声の主を見て思考が停止した。
なぜ――なぜ此処に零菜がいるのだろうか?
口から出ない言葉をなんとか捻り出そうと息を飲み込む。
だけど、やはり声は出なかった。
なんだこの状況は…パニックを通り越して完全に身体が機能停止してしまっている。
「ふふ…面白い顔ね?それじゃ、行きましょうか」
「い…行くってどこ…?」
なんだ?
零菜の手に何か握られている…黒い…黒い拳銃の玩具のような……。
「――バンっ―」
口で一言そう呟くと、ニヤァと笑みを浮かべて拳銃らしき物体のトリガーを引いた。
その瞬間、拳銃型のオモチャの先からバネ付きの針が飛び出し俺の胸に突き刺さる。
そしてバチバチッと頭を貫くほどの衝撃が身体を走った。
「ぐぅ…あ…ッ」
身体の中を電気ウナギが数百ぴき走るような衝撃…呆気なく膝から崩れ落ちると上から見下ろす零菜の顔を見て俺は床へと倒れ込んだ。
「ふふ、次は勇哉…貴方よ?」
何故か分からないが、意識が消える間際に見た零菜の顔は母を思い出させるほど優しい顔をしていた。
ありがとうございました、投下終了です。
あと前の投下の時にゆうきと書いてしまいましたが、勇哉はゆうやです、書き間違えました申し訳ない…。
GJ!
GJ〜
GJ!
激しく続きが気になります!!
次回は歪んだ実妹零菜と依存の義妹由奈の修羅場か決着か!?
ありがたい! 乙!
零菜は最初はそうでもなかったのにすっかりブラコンになってるな
GJ!
テイザーなんか撃たれたら場合によっては死ぬぞwww
>>54 GJです!
零菜もデレてきた?様で何よりだ
これまで抑圧してた分爆発力が凄いな
Gj
みんな駄目だな〜俺等のヒーロー空ちゃんの存在わすれちゃ…
前スレの『かなりニーソな同調義妹』の+α分を投下します。
内容は本編12の
【嫌だ…! それだけは絶対に死んでも嫌だっ!!】ではなく
【姫音の3日間履きっぱなしのニーソックス…どんな味がするんだろう…?】を
選んだ場合のif展開になります。(前スレにある11の続きです)
【含まれてる物】
・版権キャラ+改変(スタイル、性格、喋り方など)
・女の子の足の汗や匂いなどの汚い系の表現
・女性上位の展開
・ハードな匂い責め+窒息プレイ
・顔面騎乗
【姫音の3日間履きっぱなしのニーソックス…どんな味がするんだろう…?】
僕はそんな恐ろしい疑問が浮かび、しばらくの間、呆然としていた。
「兄さん…嘘ですよね? 本当にそんな事、思ってるんですか!?
え…やだ、本当にそう思ってる…嫌…信じられないっ! ホントに最低っ!!」
姫音は少しパニックになっていたが、次第に落ち着きを取り戻し、僕の顔を覗き込んだ、
しかし、それはまるで汚物を見るかのような目つきだった。
「兄さんはどこまで、変態になっていくんですか…
私、今回は本当に引きました。兄さんの事、心の底から軽蔑しました。
…でも、いいです。本当に兄さんがそれを望むのなら…やって、あげますっ!!」
突然、姫音は左足のニーソックスを脱ぎだす、
そして、僕の顔にまかれているタオルの猿轡(さるぐつわ)を乱暴に外した!
「兄さん〜! これって本当に最低な事なんですからねっ!!
兄さん、口、開けて下さいっ!! へえ〜、無理やり私に突っ込まれたいんですか〜!!
ホントに最低っ!! 汚い3日間履きっぱなしのニーソ、口の中に入れてあげるっ!!」
姫音に激しく罵倒され、顔をきつく押さえつけられた、
そして丸めた姫音のニーソックスを口の中に、無理やり突っ込まれる!
お、お゛ぇえええっ、あ゛ぁああああっ…!!
殺人的な臭さと、酷過ぎる不快感が口の中に広がる!
これが…姫音が3日間履きっぱなしにした、黒のニーソックスっ…!
「ほら、兄さん!! 口の中でもごもごしてっ!!
口の中で私が3日間履きっぱなしにしたニーソックスを味わって!!
私の汗と垢がたっぷりとしみ込んでるから、もごもごしたらしみ出てくるはずですっ!!」
「さぁ、早くやって! 口で、もごもごっ!! もごもご、するんですっ!
兄さんが食べたかった、私が3日間履きっぱなしたニーソックスの味ですよっ!!」
姫音に怒鳴られながら、力いっぱい口を押さえつけられる…!
舐めていた…姫音の3日間履きっぱなしのニーソックス…
酷い匂い、酷い味、気持ち悪い、でも姫音に口を押さえつけられて吐き出せないっ!
まるで拷問だ! 義妹の姫音による匂い責め拷問! とても…耐えられないっ…!
「今から兄さんは、左足のニーソを口でもごもごしながら、
右足のニーソで顔を踏まれるんです。 ほらっ、踏みますよ! 私の右足を見て下さい!
私のニーソの右足で、踏みつけっ! ぎゅうううううううううううううっ!!」
姫音の黒ニーソの足が、僕の顔を思いっきり踏みつける、
姫音の黒い足は凄まじいほど汗臭く、僕は匂いを強制的に嗅がされる、
口のニーソの臭さも相まって、僕は嘔吐感が込み上げてきた。
「吐いちゃダメです! ちゃんと私のニーソックスを、口でもごもごして下さい!
…しないと、ニーソ履いてる右足で、何度も顔を踏みつけにしますよ!
こんな風に…ねっ!! ほらっ! ほらっ!! ニーソの足っ! 足っ! 足っ!!」
ガンっ! ガンっ! ガンっ! ガンっ!!
姫音のニーソの右足が、何度も僕の顔に落される、
姫音からニーソの足で踏まれる度、言いしれない屈辱感と恍惚感に襲われた、
だが、どうしても僕は、口の中の汚いモノだけは食べられずにいた。
「へぇ〜、兄さんは、どうしても口の中のニーソを、もごもごしてくれないんですね。
だったら、…こうですっ!!」
姫音は、素早く先ほどのタオルで、僕に猿轡(さるぐつわ)をつけた、
さらにもう一枚のタオルをどこからか取り出して、僕の両腕を背中にくくりつけた。
ああ…これで姫音にタオルをほどいてもらわないと、ずっと臭いニーソを吐き出せない!
「さあ兄さんに、口の中で私のニーソを食べたまま、もごもごしてもらいますよっ!
そ〜れ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
姫音が僕の全身を、細かく素早く、くすぐり回す!
僕は姫音のくすぐりに耐えられず、笑い、口をもごもごしてしまった!
3日間履きっぱなしのニーソから、姫音の足の垢と汗の混じった汁が、ついに出てきた!
ぐちゅっ♪ ぎちゃっ♪ じゅるるっ♪ びちゃびちゃ〜♪
おぅ、お゛ぇええええええええっ、ぐぎゃあ゛ぁあああああああっ…!!
臭いよぉ〜っ、気持ち悪いよぉ〜っ、し、死ぬぅううう〜っ…!!
「うふふっ♪ どうですか、兄さん? 私のニーソックスは美味しいですか〜?
兄さんにもっと、口でもごもごしてもらうために、私、もっと兄さんをくすぐります。
さっき兄さんは、足の裏が弱点だったので、そこを重点的にくすぐってあげますね♪」
姫音は僕の両足首に、3枚目のタオルをぐるぐるに巻きつけ、動けなくした。
姫音は、僕の両足を抱え込むと、足の裏に触れない距離で、
わざと5本の細くて長い指をわきわきさせながら、僕に微笑んだ。
「義妹の私に、無理やり足の裏をくすぐられて、兄さんは口をもごもごします。すると、
3日間履きっぱなしのニーソックスから、私の汚い汗と垢が混じった汁が出てきます。
本〜当に最低ですよね、兄さん、うふふふっ♪」
姫音は笑顔を向けながら、かかえている僕の足の裏に、
5本の指をこちょこちょ〜とさせながら、少しずつ近づけていく…
姫音の指が、僕の足の裏に届く時、
僕の口の中は姫音の3日間履きっぱなしのニーソックスを洗う、
人間洗濯機になるんだ…!
ちょっと待って! 待ってくれ! もうこんなの嫌だ! 止めてくれぇえええっ!
僕の中で必死に拒絶の叫びを上げたが、僕のモノは今まで以上にそそり立っていた…!
どうして!? 何で何だ!? 本当に、僕は一体、どうしたんだよ〜っ!?
「…それは、兄さんが、最低最悪の超ドMの、変態野郎だからですよっ!!
さ〜あ、死ぬほど、口をもごもごして下さいっ! 兄さんの足の裏〜っ、
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
僕の足の裏がなすすべもなく、姫音の細くて長い指でくすぐり回される、
激しいくすぐりに僕は笑わされ、反射的に口を何度も、もごもごしてしまう。
姫音の3日間履きっぱなしのニーソックスが、僕の口と舌で揉み洗いされる!
そう、僕の口は洗濯機だ、
舌でニーソの汚れをこすり、口全体でニーソを唾液の揉み洗いする、
そして口の中にはどんどんニーソの汚い汁が溜まってくる…!
ぐちゅっ♪ ぎちゃっ♪ じゅるるっ♪ びちゃびちゃ〜♪
ぎゃははっ、お゛ぇええ〜っ、ひゃははっ、ぐぎゃあ゛ぁっ、ぐぅっ、お゛ぇええ〜っ…!!
姫音に笑わされ、同時に口のニーソが吐き気を催す、
姫音の足の裏くすぐりがたまらない、僕は口をもごもごしてしまう、
姫音の汗と垢混じった汁が口に溜まる、臭すぎる匂いがたまらない、地獄だっ…
「あはははっ♪ 兄さん、すごく苦しそう♪ 美味しいですか、私の臭〜いニーソの味は?
汚ったないニーソックスにしみ込んだ、私の3日間の汗と垢をたっぷり味わって下さいね」
おお゛ぇえええっ、うう゛っ、あ゛ぁあああっ…!!
臭いよぉ〜っ、気持ち悪いよぉ〜っ、し、死ぬぅううう〜っ…!!
「兄さん、口の中が動いてませんよ。ちゃんと口をもごもごして下さい。
それとも私に足の裏くすぐられて、無理やりもごもごさせて欲しいんですか〜?
こんな風に…こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
僕は悲鳴にならない、悲鳴を上げた、
姫音にくすぐられて口を動かされ、口の中で姫音のニーソックスを味合わされる、
汗の臭さ、湿った舌触り、汚い垢、溜まる汁を吐き出せない絶望感、全てが酷過ぎる…!
「うふふっ♪ 兄さんの口の中で、汚い私のニーソが洗濯されてますね。
私の3日間の汗と垢がいっぱいしみ込んでるんで、口でもごもごしてキレイにして下さい。
兄さんの足の裏〜こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
ぐひゃひゃああっ、お゛ぅえええっ、う゛うっ、…ごくっごくっ!!
ああ…姫音にくすぐられたせいで、ついに汚いニーソの汁を飲んでしまった!
しまったぁああっ…あんなに姫音の汚いモノを…最悪だぁああっ…!
「あっ、兄さんちゃんと【脱水】してくれたんですね♪
私の3日間の汚い足の汗と垢たっぷりな汁なのに、飲んじゃうなんて最低最悪ですね♪
では、この調子で【すすぎ】もよろしくお願いしますね、兄さん」
僕はもう全ての思考を放棄していた、
姫音にくすぐられながら、僕の口で姫音のニーソの洗濯はまだまだ続くんだ…!
「ほ〜ら、またお口が止まってますよ。そんなに私から足の裏をくすぐられたいんですか?
いいですよ。また足の裏こちょこちょして私の臭くて汚い足の汗の汁を飲ませてあげます。
うふふっ♪ 兄さんの足の裏を、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
おお゛ごごごっ、んん゛ぁあああっ…! …ごくっごくっ!!
また姫音から強烈なの足の裏くすぐりを受け、僕は強制的に笑わされる、
僕の喉がごくごくと鳴るたび、ぬるくて臭すぎる液体が喉の奥に流れ込んでいった。
そして僕は完全に意識を失うまで、
姫音に足の裏をくすぐられて起動する、人間洗濯機としての役割を果たしていた。
……ん、あれ? 僕の顔の上に重い何かが乗ってて、顔が、動かせない…
……でも、柔らかくて、温かい、一体何が乗ってるんだろう、
それに口の中いっぱいに湿った布みたいなものが詰め込まれてる、
でも、両手が背中に縛られていて、どうしようもできない…
「兄さん、気がつきましたか? あっ、もう兄さんじゃなかった、私の【椅子(いす)】か。
私のお尻を顔の上に乗せられている、ただの【椅子】さんですね」
まさか、今僕の顔に乗ってる重みって、姫音のお尻…!
スカートを履いて座っているけど、姫音のお尻の柔らかさと温もりが伝わってくる、
ずっと姫音が座っているうせいか、姫音のお尻が蒸れて、汗の匂いもすごい…
そして、姫音が僕の顔の上に座っているという事実に興奮し、
思いっきり僕の勃起物が震えた。
当然、姫音はそれを見逃すはずはなかった。
「ヘ・ン・タ・イ♪ まさか、私のお尻で顔に座られて、興奮したんですか?
兄さんは本当に変態なんですね。義妹のお尻で顔を圧迫されてるんですよ。
恥ずかしいとか、情けないとか、少しは思わないんですか?」
姫音に軽蔑の言葉を投げつけられる、
でも今の僕にはそれが心地よく、興奮を強めた。
可愛い姫音の声、蒸れたスカートのお尻の圧迫、すごく気持ちイイ…
「どうやら思ってないようですね、私のお尻で顔に座られて、気持ちいいんですか?
ホント最低。兄さんはドMで、ド変態の最低男です。少しは恥ってものを知って下さい。
…そうそう、今、兄さんの口の中に何が詰まってるか、教えてあげましょうか?」
僕は口に布みたいなものを、パンパンに詰め込まれているため、全く口で呼吸ができない、
ただ、この口のモノがさっきから、この上なく臭い匂いと汁が出ているのがわかる、
この布みたいなものって、まさか…
「はい、私が3日間履きっぱなした黒ニーソックスです。しかも両足のセットですよ♪」
ぐぅっ!? う、う゛うっ〜、おぅええええええええっ!!
姫音から事実を聞かされて、反射的に臭さと吐き気が蘇った、
あんなに臭く、気持ち悪かったモノが、両足の2倍になって僕の口の中に…!
「兄さんは、私が履きっぱなしたニーソックスを食べるのが好きなんですよね?
これからは私がずっとニーソを履いて、汚くなったのを兄さんに食べさせてあげます。
兄さんの口にニーソを無理やり突っ込んで、くすぐって、もごもごさせてあげますよ♪」
ああ…また姫音に臭くて汚いニーソックスを食べさせられるんだ!
嫌だ…嫌なはずなのに、勃起とペニス震えが止まらない…!
「うふふっ♪ 兄さん、嬉しんですか? ほんっと、最低♪
今、兄さんのために、また新しくニーソックスを履いてるんですよ。
3日間履きっぱなしにしたら、また無理やり兄さんに食べさせてあげますからね」
姫音の汗と垢にまみれた、3日間履きっぱなしのニーソックス、
口の中がものすごく臭くて気持ち悪い、これをまた3日後に姫音からやられる何て…
でも僕のどこかで、それを待ち望んでいる自分がいるのだった…
「そう言えば兄さん、私、ずっと兄さんの顔の上に座ってますけど、
このままオナラしちゃったら、どうなるんでしょうね?」
ええっ!? まさか、姫音が僕の顔の上でオナラをするつもりなのか?
僕はもう姫音から兄という尊厳を、完膚無きにまで叩き潰されている、
これで姫音に顔の上でオナラなんかされたら…僕は…
「う〜ん、今の兄さんが私に顔の上でオナラされたら、今度こそ自尊心が完全に壊されて、
私への服従心が芽生えて、私の奴隷になっちゃいますね。
別に兄さんがそれを望むなら、やってあげてもいいですよ。私の、オ・ナ・ラ♪」
そうだ、この状態で姫音にオナラを嗅がされた日には、
僕の兄どころか、人間としての尊厳を失うだろう、そしてきっと姫音の奴隷になる…
「あっ、私、今本当にオナラしたくなっちゃった、
このまましちゃっていいですよね? 兄さん♪」
えっ!? ちょっと待って、まだ心の準備が…
僕の顔は姫音のお尻に押さえつけられて、全く動かすことはできなかった、
いやダメだ、そんな事、やっぱり止めてくれぇえええっ!!
「んん゛っ♪ ぶりぶりぶりぶりぶりぶり〜っ♪」
ぎゃああああああああああああっ!!
…って、あれっ!? 臭くない?
ああ…姫音はオナラなんかしていないんだ、騙された…
良かった、助かった、…うん、これで奴隷にならずに済んだ…
「うっふっふ〜っ♪」
ばふっ♪ ぶりっ♪ ぶりぶりぶりぶりぶりぶり〜っ♪
ぐぁあああああっ! 臭いっ! 姫音のオナラだぁああああっ!
さっきのはフェイントだったのか、見事に引っ掛かった…
僕は油断していたせいで、姫音のオナラをモロに鼻で吸い込んでしまったのだ。
「うふふっ♪ 私のオナラそんなに臭かったですか〜?
え? 臭かったんですか? もう〜、義妹のオナラを臭いだ何て酷いですね、兄さんは!
……ぷっ、うふふっ、あははははっ♪」
姫音に笑われ、馬鹿にされる、でも気持ちイイ…
実は姫音のオナラも、本当は嗅ぎたくてしょうがなかったのだ、
僕はもう姫音になら何をされても、きっと気持ちイイだろう…
「兄さんは本当に、私の奴隷に堕ちかけているんですね。
わかりました、今から調教して完全に兄さんを奴隷にしてあげます」
姫音はそう言うと、僕の鼻の上にお尻をスライドさせた。
「んしょ、んしょ、お尻をぐりぐり、んしょ、んしょ、兄さんの顔にぐりぐり…っと」
姫音はわざとお尻で、僕の顔を圧迫しながらスライドしたため、
姫音のお尻の柔らかさや弾力などの感触を味わされ、僕の勃起物が震えてしまった。
「うふふっ♪ 兄さんのヘンタイ、私のお尻で顔圧迫されて、気持ち良かったんですか?
みじめな兄さん、これからもっとみじめな男になるんですよ」
僕の口には、姫音のニーソックスが詰められ、猿ぐつわされており、口での呼吸は不可能、
鼻には姫音のお尻が来たため、鼻での呼吸もできなくなった、
僕は姫音から完全に呼吸を奪われたんだ…!
「兄さんは今、自分で呼吸できませんよね。
ただ口の中に詰まっているニーソックスは、今日一日は出させてあげません。
だから今日は私にお尻を上げてもらって、はじめて鼻で呼吸ができるわけです。」
僕は試しに鼻で息を吸いこもうとした、
しかし姫音のスカートのお尻が僕の鼻に密着しており、全然息が吸えなかった、
それでも姫音の汗臭いお尻が嗅げて、僕は幸せな気分だった。
「ねっ♪ 私のお尻で鼻呼吸できませんよね。
…ただ、今、兄さんは、私のお尻を嗅いでたみたいなので、ちょっとオシオキです♪」
姫音のお尻を嗅いでた事が、どうしてバレたんだろう…
でも姫音にオシオキされるなら、もうどうでもいいや。
「義妹のお尻を嗅ぐエッチな兄さんには、オシオキしないといけません!
私のお尻で、兄さんの顔を、圧迫、圧迫、圧迫〜っ!! グリっ!グリっ!グリ〜っ!!」
姫音の体重のかかったお尻が、僕の顔を容赦なく襲う、
僕は顔を動かすことはできず、成すすべもなく、姫音のお尻の超圧迫を受ける、
姫音の柔らかくて、弾力あって、形の良いお尻で顔をグリグリ圧迫されて、気持ちイイ…!
「では私はこのまま本を読んでるので、兄さんはそのまま椅子になってて下さい。
たまに私がお尻を浮かして呼吸させてあげますが、本に熱中したら忘れちゃうと思います。
その場合は、兄さんが情けないうめき声を出して、お尻を上げるおねだりでもして下さい」
そして姫音は本格的に読書態勢に入ってしまった、
僕は姫音から鼻の上にお尻を落とされ、息ができないままだ、
姫音のお尻で顔を圧迫されてとても気持ちイイ、でも少しずつ苦しくなってきた…
「うふふっ♪ しょうがないですね。はい、兄さん、鼻で息を吸い込んで下さい」
姫音は僕が苦しくてうめき声を上げると、馬鹿にしたように笑うが、
僕が本当に苦しくなってくると、お尻を上げて息をさせてくれた。
「じゃ、お尻を落としますね、…ずどんっ♪ そしてお尻をぐりぐりぐりぐり〜♪」
僕の顔に姫音のお尻をずどんと勢いよく落され、ぐりぐりと体重をかけられる、
そのせいで姫音のお尻の感触を存分に味わされ、僕のモノが性的興奮で震える。
「へえ〜、兄さん、今の気持ち良かったんですか〜? ヘ・ン・タ・イ♪」
姫音から言葉でも苛められる、これがお尻の感触と相まって最高に気持ち良かった。
……パラ、パラ、パラ
姫音のページをめくる音が聞こえ始めて、もう何時間ぐらい経ったんだろう?
僕はずっとそれを聞きながら、姫音のお尻で顔を圧迫され続けている。
姫音のお尻…柔らかくて、温かくて、蒸れてるお尻が心地よい、
姫音のお尻で顔を圧迫されていたら、他には何もいらないぐらいだ…
「………ふんっ!!」
ぐはぁっ!
僕の顔は突然、姫音のお尻のきつい圧迫に襲われた、
油断してた僕に、姫音は思いっきりお尻に体重をかけてきたのだ。
「うふふっ♪ どうです? 私のお尻で突然、顔を圧迫攻撃された気分は?
私のお尻に座られていると、いつ、またこんな攻撃を受けるかわかりませんよ。
まあ兄さんは顔が動かせないんで、私のお尻攻撃は全部受ける事になるんですけどね♪」
また姫音のお尻であんな攻撃を受けれるんだ、姫音のお尻で顔を押し潰されるんだ、
僕は興奮のあまり、勃起ペニスをビクビクさせて喜んだ、
その痴態は、姫音から僕のテントが見えるので丸わかりだった。
「何、勃起チンポ震わせてるんです? まさか嬉しいんですか、兄さん? 最低ですね!」
姫音の軽蔑の言葉が、とても心地イイ…
だが突然、姫音は立ちあがり、僕の顔からお尻の感触が消えた…
あれ、どうして? 姫音のお尻で、もっと僕の顔を圧迫して欲しいのに!
「ええ、兄さんはそんな変態だってわかってますよ。
だから、こうしてあげるんです…その場で大きく、ジャン〜プっ!!」
姫音は高く跳び上がり、空中で両膝を抱え、お尻を落とす態勢をとった。
「受けて下さい、兄さん! 私のお尻でジャンピングヒップアタックです!」
ほ〜ら、私のスカートのお尻が思いっきり顔に落ちてきますよ!
必殺、ヒップ…アタッークっ!!」
―――ドカ〜〜っ!!
姫音のヒップを思いっきり顔に落される、凄まじい衝撃だ!
姫音のお尻は柔らかいが、体重をかけて落されたためすごく痛かった、
でも姫音から顔にヒップアタックされたという事実は、僕をどうしようもなく興奮させた。
「義妹に顔をヒップアタックされたのに、何で兄さんはさらに勃起させてるんですか!?
もう知りません! 兄さん何か、一生私のお尻の下で喘いでいればいいんです!
ほ〜ら、お尻で顔面圧迫っ! ぎゅうううっ! そしてお尻でぐりっ!ぐりっ!ぐりっ!」
あああ…僕は今、姫音のお尻で顔を死ぬほどきつく圧迫される、
最高の気分だ、気持ちイイ、僕はもうどうなってもイイ…
「兄さんのマゾ! 変態! ほら、私のお尻柔らかいですよね、ムチムチですよね、
弾力ありますよね、女の子のいい臭いがしますよねっ、私のお尻で全部味わって下さい!
ヘ・ン・タ・イっ!! ほらっ、私のお尻でぐりっ!ぐりっ!ぐりっ!ぐりっ!!」
姫音に罵倒され、お尻で圧迫されて、僕は満たされていく…
「さあ、兄さんに残ってる最後の自尊心を、私のお尻の圧迫で押し潰してあげます!
私のヒップで何もかも潰されながら、みじめに気持ち良くなっちゃえ!!
せ〜の、兄さんの〜変態!変態!変態っ!! お尻の圧迫、ぐりっ!ぐりっ!ぐりっ!!」
姫音の柔らかいお尻の肉を何度も顔に受け、きつくぐりぐりと踏みにじられる、
この瞬間、僕は人間の尊厳というものを全て捨てた。
「あっ、ちょうどまたオナラがしたくなってきました。
これでしばらくお尻を上げなくても、兄さんは鼻から息が吸えますよ。
だって今から私のお尻からいっぱい新鮮な空気がでてきますからね♪ んん゛〜っ!!」
ばふっ♪ ばふっ♪ ぶりっ♪ ぶりぶりり〜っ♪
とても女の子から出たとは思えない匂いのガスが、僕の顔に勢いよく吹きかけられる、
僕はそれを鼻から吸い上げ、息をつないだ、
この瞬間、僕は義妹に永遠の忠誠を誓うと心に決めた。
…それからお尻攻撃は繰り返し続けられた、
またお尻に体重をかけたり、立ちあがったと思えば急にお尻を落とされたりした、
オナラを嗅がされる事もまたあったが、僕にとってはご褒美そのものだった。
そして数時間後…
姫音様のお尻、姫音様のお尻、姫音様のお尻、圧迫されて気持ちイイ…!
スカートのお尻の臭い汗、突然の圧迫攻撃、姫音様のオナラ、全部がイイんだ!
僕は姫音様の奴隷だ…一生、姫音様に服従して生きていくんだ!!
『あ〜あ…本当にどうしようもないぐらい変態なんですね、兄さんは…』
…ん、あれ? どこからか、姫音様の声が聞こえてくる…
『それでも私は兄さんが好きです。
私と兄さんがどんな関係であっても、私は兄さんを愛しています。
…だって兄さんは、私が居るべき大切な「居場所」ですから』
姫音様がこんな僕を好きだって、愛してくれるって…!
ああ…姫音様は素晴らしい、最高のお方だ!
僕も姫音様が好きです、これからも、ずっとずっとずっと…愛し続けます!
『はい、兄さん。私もあなたをずっと愛し続けます。これからもよろしくお願いしますね』
ここは沈黙と静寂に満ちたリビング、
なぜなら兄と義妹の二人は、数時間お互いに一言も言葉を発していない、
でもそこには、義妹と義妹に顔面騎乗された兄の姿があった。
END
以上で投稿終了します。
ありがとうございます。
次回は、第三回『すごいくすぐる同調義妹』です。
あとタイトルの15〜18で「if」をつけ忘れてますが、本編ではなくif編です。
紛らわしくて申し訳ないです。
>>75 乙。口の中が酸っぱくなって鼻を塞ぎたくなった。
>>75 GJすぎる……俺も勃起が納まらないぜ兄弟!!
だから一秒でも早く続編を書き上げるんだ!!
GJ!
でも、美少女のニーソってそんなに臭いものなの? 個人的には(匂った事はないけど)良い匂いだと思うんだw。
GJ
>>78 っ個人差
中にゃ水虫の美少女だって居るだろうし、三日四日履き続けってのも居るだろう
どこぞのハンターが食いつきそうだな
狂もうと投下します。
「ただいま〜!」
扉に鍵を挿し込み、開ける空ちゃん。
手を使わずに靴を雑に脱ぎ捨てると、ドタドタと家の中へ入っていく。
それを見送ると、ポケットの中へ手を突っ込んであるモノを握りしめた…。
「……絶対に殺してやる」
私の呟きは誰の耳にも届かない…聞いた人は物騒だなと思うかも知れないが、今から言葉通りそれを実行するのだ…。
そう…私は零菜さんをコロス
――今私は、空ちゃんを零菜さんの自宅へと足を運んでいた。
自宅から車で一時間ちょっと。空ちゃんの道案内で着いた場所がこの高層マンション。
この最上階に零菜さんの自宅は存在する。
「わざわざ最上階に住まなくても…」
私も一度は住んでみたいなとは思っていたが、実際来てみるとめんどくさいの一言…やはり三階〜四階がベストだろう。
毎日エスカレーターとはいえこの高さを行き来するのは正直辛い…。
玄関から中を覗いてみる。
長い廊下には何人暮らしてるんだと問いただしたくなるような扉の数。
その奥から、空ちゃんが誰かと話しているのが聞こえてきた。
空ちゃんに零菜さんと話があるから読んできてほしいと頼んだのだが……いつまで話しているのだろうか?
カバンの中に手を突っ込んで携帯を手探りで探した。
「チッ……最悪…」
携帯電話を家に置き忘れてきたようだ。
これじゃお兄ちゃんの声を聞けない…。
「はぁ…早く殺して帰ろ…」
殺しかたはもう決めている…外に呼び出してポケットの中にあるナイフで脅して…手足くくって車に詰め込んで前もって調べていた使われていない倉庫に連れていき、まずすかした顔を切り裂いてやるのだ。
命乞いしても許さない。
私をコケにしたのだ…命をもって償ってもらう。
「ったく、早くしてよ…」
腕時計を見ると既に8の字を指している。
先にお兄ちゃんお風呂に入っていないだろうか?
最近はそれが楽しみで生きてるようなものなのに…。
我慢が出来ずにインターホンを一度押した。
ドアを開けてるからか、玄関までインターホンの音が聞こえてきた。
数秒後、一番奥の扉が開かれた。
自然と胸が高鳴りポケットに潜ませたナイフを力強く握る。
「由奈様、どうされたのですか?」
扉から出てきたのは私の想像していた人物では無く知らない他人の女性だった。
いや…見たことはある。
たしか、実家に戻った時に零菜の周りをウロチョロしていた女だ。
「ぁ…申し遅れました、私零菜様の付き人をさせて頂いてます、留美子と申します」
少し慌てたように…だけど礼儀正しく一礼をすると、スリッパを棚から出して目の前の床に揃えてきた。
これは家に入れという意味だろう…だけど、もしここで私が家に上がってしまえば零菜さんを外に連れ出すのが難しくなる。
「ありがとう…でも私は零菜さんに用事があるの。零菜さんを出してくれる?」
「零菜様はお仕事からまだ戻って来ていませんが…」
「仕事?あの人今謹慎中でしょ?」
「そうなのですが…零菜様は仕事を休む訳にはいかないと…」
どっちの仕事だろうか?
まぁ、モデルの仕事は少しの間できないだろう…だとすると音条の会社関係。
音条の本社はここから一時間程度だけど…もしここでまた零菜さんとすれ違いにでもなったらまた戻って来なきゃいけなくなる。
零菜さん如きにそんな時間は使えない…。
仕方ない…また後日に来よう…。
次来る時は待ち伏せして後ろから殺ろう…それが一番手っ取り早い。
「分かりました…空ちゃん携帯持ってる?」
「持ってるけど、充電もう無いよ」
ため息を吐き捨て空ちゃんから目を反らした。
本当に役に立たない子…この子が私の妹?
失笑しか出ない。
「留美子さん、貴女の携帯貸してもらえる?」
「あ、はい分かりました」
ポケットからシンプルな携帯を取り出し私に手渡した。
それを受け取ると早速お兄ちゃんの携帯番号を入力していく。
「由奈姉ちゃん、番号覚えてるの?すごいね」
凄い?たかが十一桁の数列だ…五分もあれば覚えられる。
まぁ、お兄ちゃんの携帯番号だから覚えているのだけど…。
番号を入力し終わると、すぐにお兄ちゃんに電話しようと通話ボタンを押した。
その瞬間、携帯から突然着信音が鳴り響く。
「……?」
意味が分からず、携帯の画面に目を向ける。
まったく知らない一人の男の子の顔が画面に写っていた。
私が通話ボタンを押す直前に電話がかかってきたのか…。
「も、申し訳ありません!」
慌てたように携帯を私から奪い取ると、すぐに電話に出て何かを話し出した。
再度ため息を吐き捨て、横にいる空ちゃんの携帯を手から奪い電源を入れてみた。
「なにするんだよ!返せ!」
携帯に手を伸ばす空ちゃんの頭を鷲掴みにして遠ざけると、画面に目を向ける。
確かに充電はなかったようだ…一度電源を落としたので数分は使えるだろう…これならお兄ちゃんに電話できるはずだ…すぐに電話しないと…。
「……これなに?」
電話をしなければいけないのだが…電話をする前に空ちゃんの携帯のトップ画面を見て眉間にシワがよるのが自分でも分かった。
自分で撮ったのだろう…画面にはお兄ちゃんと空ちゃんが仲良く笑顔で写っていた。
「なんでもいいだろ!早く返せよ!」
「えぇ…返すわよ………はい…」
片手で携帯を数秒いじくると、空ちゃんの携帯からSDカードを抜き取り投げて渡した。
「ったく……?あぁー!!!由奈姉ちゃん画像消しただろ!!?」
携帯を両手で掴み必死に確認している。
携帯の中の画像は全て消した。
ロックのしかたを知らなかったのだろうか?
簡単に全部消す事ができた。
どうせSDカードの中にも入れてるはずだ。
「カード返せよ!」
涙目で睨み付けてくる空ちゃんを見下ろすと、一度ニコッと笑顔を向けて………空ちゃんの目の前でSDカードをへし折り、水が溜まっている花瓶の中へと沈めた。
それを見た空ちゃんは、私を強く睨み付けると、近くにあった傘を手に取り大きく振り上げた。
「空ちゃんやめなさい!」
後ろから羽交い締めするように留美子さんが空ちゃんを止めに入る。
今にも食付きそうな顔で私を睨む空ちゃんを見下ろして財布から一万円札を取り出すと、空ちゃんのポケットへと押し込んだ。
「SDカード壊しちゃってごめんね?これで新しいモノを買って…お兄ちゃんが入ってない新しいモノを…ね」
「いらねーよ、バカにすんなッ!」
留美子さんを振りほどきポケットからお札を抜き取ると、私に投げつけ家の中へと消えていった。
「留美子さん貴女電話は終わったの?」
お札を拾うと、財布に入れて何事もなかったように留美子さんに手を差し出した。
「え…あ、はい終わりました」
呆然とする留美子さんから再度携帯を借りてお兄ちゃんの電話番号を入力すると、すぐに通話ボタンを押した。
「………」
出ない…あれほど私が電話したらスグに出ろときつく言い聞かせていたのに…。
まさか先にお風呂に入ってしまっているのでは無いだろうか?
もう少し早く電話していたら…目の前にいる留美子さんに強い苛立ちを覚えながらもそれを押さえて次は家に電話してみた。
プルルルルルル――プルルルルルル――プルルルルルル――
出ない…耳に聞こえるのは苛立ちのパラメータをあげていく呼び出し音だけ。
最終的には留守電のアナウンスに入ってしまった。
仕方ない…留守電にすぐ帰るからと伝言を入れて帰るし…か………?
――只今、お兄ちゃんはたった一人の愛しの妹である零菜とお出掛け中です。ご用件がある方はピーっという発信音の後にメッセージを入れてください。
「………ぇ…」
なに…これ?
なんで家の留守電の声が零菜さんに…。
携帯が手をすり抜けスローモーションのように下へ落ちていく。
おかしい…すべてがおかしい…。
何故私はお兄ちゃんを一人残して…それはお兄ちゃんを零菜さんに会わせない為に――
私が殺しに来るのを先読みしていた?だから私に会わない為に家に帰らず……今はお兄ちゃんの所にいる――。
「……ッ!」
「ゆ、由奈様!?」
留美子さんを突き飛ばし、土足のまま家の中へと入っていく。
一番奥の扉を開けるとすぐに見つける事ができた。
「なんだよ?」
膨れっ面を私に向けて嫌そうに睨んでいる。
何も言わずに空ちゃんに近づくと後ろから首根っこを掴んで、前にあるテーブルに顔を叩きつけた。
「痛ッ!な、なにするッ!ぎゃっ!」
悲鳴をあげても何度も何度も叩きつける――
「や、やめてください由奈様!」
後ろから止めに入る留美子さんを蹴り飛ばし空ちゃんの髪の毛を掴むと今度は強引に立ち上がらせて、壁に押し付けた。
「このクソガキ!あんた私をハメたでしょッ!!!」
耳元で怒鳴り付けると、髪の毛を掴んだままフローリングに叩きつけた。
息ができないのか、苦しそうに顔を歪めて胸を押さえている。
そんなこと私には関係無い…空ちゃんの腹部を一度思いっきり踏みつけ、胸ぐらを掴んでまた立たせる。
「し、知らなッ…僕は…なに…も…うぇ…ひっ…ぐ…」
額から血を流して涙を流して震える手で私の腕を掴んでいる。
「由奈様やめてください!これ以上するなら警察呼びますよ!?」
後ろを振り返ると、留美子さんが私に蹴られた胸を押さえて携帯を耳に当てている。
「ッ…零菜あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!」
空ちゃんを手放して、近くにあった椅子を掴むと、力一杯窓ガラスに投げつけた。
激しい音と共にガラスが飛び散る。
「ふぅー、ふぅーッ!」
煮えたぎる程の憎悪に身体が支配される…これ以上この場所にいては本当にこの二人を殺してしまうかもしれない。
倒れ込む空ちゃんの横を通り過ぎると、玄関を出てすぐに駐車場へと向かう。
車に乗り込み、すぐに発進させると自宅へと車を走らせた。
「コロス、コロスッ、絶対に殺してやる!!」
この憎悪は絶対に止まらない。
これほど憎しみが溢れた事は一度も無い。
今まで我慢してやったけど、もういい。
お兄ちゃんと一緒に産まれてきたからって何か特別な存在だとでも思っているのだろうか?
あの時のお兄ちゃんの態度を見て気づかされたはずだ――お兄ちゃんは私だけを実の妹だと思っているのだと――それなのに…
「ゴキブリみたいにチョロチョロと…ッ」
ハンドルを握る手がミシミシ悲鳴をあげるほど力強くなる。
せめてもの慈悲だと思ってお兄ちゃんが見ていない場所で殺してやろうと思っていたが、家に着いた瞬間殺してやる事にする。
そう心に決めて自宅へと向かった。
※※※※※※
痛い――身体全体が金縛りのように動かない――。
手足が完全に痺れてる…指を動かしてみる――指は動いた。でも手首からはまったく動かない。
足の指を動かしてみる――足の指は動いた。だけど足首から上は動かなかった。
――だから状況を把握するために恐る恐る薄く目を開けてみた…ゆっくりと…。
「あら…起きたの?」
眩しい光に照らされて、人影と聞きなれた声が耳に響いてきた。
「……れい…な…?」
「ふふ…当たり」
逆光で影になって表情が分かりにくいが、この声は間違えようがない。
目が慣れてくると、ハッキリと見えてくる長い髪の隙間に見え隠れする零菜の瞳。
蛇がカエルを探す為に穴を覗きこむような目…。
耐えられずに零菜から目を反らして周りを見渡してみた。
「どこだ…ここ…?」
見慣れない小さな部屋…。八畳ぐらいだろうか?
今俺が寝てるベッドに小さな冷蔵庫、小さなテレビ――浪人生の一人暮らしのような間取りだ。
「ここはね…貴方達のマンションの前にある古いアパートよ」
「アパート…」
そう言えば、マンションの前に古いアパートがあったっけ…。
今その一室にいるのか。
「それで?これはなんだよ」
手を軽く引っ張り自分の手にまとわりつく重いモノの理由を問いただす。
俺の両腕には手錠……両足には鎖が取り付けられ、ベッドの四つの端にくくりつけられているのだ。
「痛かったら少し緩めましょうか?」
「身体全体が痛いんだよ……お前俺に何をしたんだ」
あの時…凄まじい衝撃が身体に走ったがあれは耐えられるモノでは無かった。
強い痛みでは無く強い衝撃が襲ってきたのだ。
「まぁ、飛ぶスタンガン…ってヤツね。よく外国の警察が使ってるでしょ?ショック死した人も何人かいるみたいだけど……まぁ、勇哉は大丈夫だったみたいね」
そう呟き微笑むとベッドから立ち上がり、歩いていってしまった。
「はぁ…何を考えてるんだよ…」
そんなもので兄を攻撃するなんて…やはりアイツの中では俺は既に兄では無いらしい。
しかし、これはいったい何目的なのだろうか?
俺を拉致して焦るのは由奈ぐらい。
そんなことをしても零菜には何の得も無いはず…逆にこれが表に出ると“損”ではすまないのは零菜のほうだ。
アイツの考えている事が本当に分からない…。
「それより……どうするかな」
再度周りを見渡して脱出できる場所を探して見る。
部屋には小さな窓が一つだけ…カーテンは閉められていないが、窓は閉められている。
後ろが見えないので、どうなっているのか分からないがこの広さならすぐ後ろに玄関があると思うけど……手足を強引に動かしてみる。
「くっ…ダメか…」
かなり強く縛られているらしい…
「誰かいないか!?助けてくれ!!」
窓に向かって助けを求める。
本当にあのアパートなら、前には開けた道があるはず。
人通りも多いし、誰か一人ぐらいは気がついてくれるはずだ。
声が枯れるまで叫び続けたが、返答は無い。
時間が分からないが、外は真っ暗だ…深夜だとすると流石に外は誰も歩いていないか…しかしアパートなら隣人がいるはず。
あれだけ声をあげれば警察に通報してくれているかも…
「もう、終わった?」
枕に頭を沈めた瞬間、真後ろから零菜の声が聞こえてきた。
慌てて首だけもたげて零菜を見ようとするが、視界に零菜が入ってこない。
首が痛くなったので、やめてまた頭を枕に沈めた。
「ふふ…はい、水よ」
零菜を探すのを諦めた瞬間、零菜が隣に移動してペットボトルを差し出してきた。
「……飲めないよ」
「私が飲ませてあげる」
ペットボトルの蓋を開け、白い布を俺の顎に当てると、下唇にペットボトルの口を沿わせて少しずつ飲ませてくれた。
戸惑いながらもちびちび水を飲むと、今度はテーブルを出してきてその上に料理を並べ出した。
「先にオカズ?ゴハン?どうする?」
「……これなんなの?」
茶碗と箸を掴みベッドの端に座る零菜に問いかける。
「何って食事まだでしょ?だから食べさせてあげるのよ。ありがたく思いなさいよ」
茶碗に盛られた白いゴハンを小さく箸で摘まむと、俺の口に持ってきた。
それを一口でパクリと食べる。
「良い子ね」
箸を置いて片手で俺の頭を撫でる零菜。
それを睨み付け頭だけで振り払う。
「悪い子ね」
そう呟くと、左手で俺の頬を軽く摘まんだ。
別に痛くは無い…痛くは無いが……この行動が全面的に痛々しい。
介護を受ける老人のように扱われ、子供を褒めるように…怒るように俺に接する零菜に背筋に冷や汗が流れる。
俺に食事を食べ終えさせると、食器を持って視界から消えていった。
後ろから水音とカチャカチャ食器が擦れ合う音だけが耳に響いてきた。
零菜が食器を洗っているのだろうか?
まぁ、作法や礼儀を叩き込まれた零菜は当たり前のように家事ぐらいならできるだろう。
だけど家事をしている零菜を頭で想像する事は難しかった。
「零菜…俺とお前の他に誰かいるのか?」
「いないわよ?誰か居たほうがいいなら留美子呼ぶけど?」
「だから誰だよ留美子って……なぁ、お前マジで何が目的なんだ?理由を話してもらわないと、まったく状況を把握できないんだが…」
いい加減、手足が痺れて感覚がなくなってきている。
手足の色はまだ変わっていないが、変色するのも時間の問題だろう。
「それにこんな事長く続くと思うなよ?すぐに見つかって今度こそ実家に永久監禁だぞ。こんな事あの人に知られたら…」
由奈が父親に知らせたらすぐにこんな場所バレるに決まってる。
バレたら今度こそモデルの仕事を続けられなくなる。
それに零菜がこの場所に居るってことは父を無視して行動してるってことだ。
父が知ったら――。
「勇哉。貴方はまだ理解していないのね――“誰が篠崎”なのか」
誰が篠崎?篠崎の名がつく主には必ず父が…。
「“アレ”はただの飾りよ?今は実質私が篠崎。だから誰かの助けを期待してるなら諦めなさい」
“アレ”って……零菜が父の事をアレ呼ばわりするなんて初めて聞いた…。
「それにこの部屋の防音は完璧だから叫んでも無駄」
分かりやすく窓ガラスを手で叩くと、ガラスからはガラスらしからぬ音が響いてきた。
まさかこの為だけに改装したのか?
だとしたら零菜は本気かもしれない…何をしたいのか未だに分からないが、ここまで徹底してるのだから自分一人の力では逃げられそうに無い。
由奈からの助けを待つしかないか…。
そうと決まれば後は待つしか方法は無い。
隙を見て逃げられたらいいのだけど、零菜が隙を作るとは思えないし…。
「一応気絶してる間にお風呂は入れてあげたわよ」
「ふ、風呂?お前が俺を風呂に入れたのか?」
「そうよ?兄妹なんだから別にいいでしょ」
「……」
なんだろう…何か大切なモノを失った気がする。
妹に裸を見せる事になるなんで…。
まさか零菜も裸で風呂に?
ダメだ…頭で想像してしまう。
雑念を振り払うように頭から消し去り目を瞑る。
明るくなってから考えよう…今騒いでも誰も助けに来ないだろう。
寝られるかどうか分からないが、目を瞑っていれば…
「…?な、なんだよ」
目を瞑り眠る事に意識を集中していると、突然零菜が布団の中へと潜り込んできた。
目を開けて零菜に目を向ける。
何も言わずにジーっと俺の顔を見つめている…。
たまらず視線を壁へと反らす…すると腹部に氷を落とされたような冷たいモノを感じた。
それが零菜の手だと理解すると同時に自分が衣服を纏っていない事に今初めて気がついた。
暖房と身体に毛布をかけられていたのでまったく気がつかなかったのだ…。
「今頃由奈は必死になって貴方を探してる頃でしょうね」
零菜の息が耳にまとわりつき、指がヘソの周りをゆっくり回る。
指が腹部から胸へ移動すると、乳首を思いっきりつねられた。
痛みで顔が歪み、零菜を睨み付ける。
「ふふ…自分のをつねってるみたい…」
「このッ…変態が」
熱をもった瞳を向けてくる零菜に毒づくが、零菜はクスッと鼻で笑うだけで攻めの手を休めようとはしなかった。
俺はなんとか反応しないように必死で眉を潜めるだけで、抵抗ができない…身体をくねらせて逃げてみるが、零菜の手は身体の上を常に這っている状態。
「自分の身体を触るより興奮するわね…なぜかしら?」
それはお前が変態だからだよと言いたかったが下唇を噛み締めるのに精一杯で、何も言い返せなかった。
口を開けば吐息が漏れてしまいそうで怖かったのだ…。
何を考えてこんな事してるのか本当に分からない…。
零菜の存在自体に恐怖を感じてしまっている。
十分ほど零菜の指が腹部から胸を何度となく往復すると、突然掛布団を勢いよく引き剥がしてきた。
当然露になる自分の裸体。
隠そうにも手足は繋がれ、剥き出しの状態だ。
「さっきのは“少し飴”次は“軽い鞭”」
そう呟くと、手をパーにして大きく振りかぶり俺の胸を勢いよく叩いた。
濡れたタオルで叩かれたような痛みに顔が歪む…。
バチンッバチンッ!と狭い部屋に何度となく鳴り響く。
叩かれる度に口を強く閉ざして痛みに耐えた。
それでも俺の顔が歪もうが零菜は手を止めようとしなかった。
「ッ、ぁぐ…テメッ、だから何がしたいんだよ!!!」
零菜の手が痛くなるまで我慢してやろうと思ったのだが、自分が我慢できたのは十五発までだった…。
後半は殆ど殴っている状態で、息をすることも辛かった。
「暇潰し」
無機質な声でそう言い放つと、最後に一度、今までの中でも一番強い力で腹部を平手で叩いた。
力を入れていた胃の空気が強制的に外へ吐き出される…それと同時に大きく咳き込んだ。
流石に今のは吐きそうだった…。
「ちょっと前までお前の事を妹として思えるかも知れないと思ったけど…やっぱり無理だな」
「あら、ありがとう。私も無能な兄にはイライラしっぱなしだったの」
笑顔を向けて立ち上がると、押し入れの中から何やら布を被せた箱のようなモノをだしてきた。
何やら金属が擦れ合うような音が耳に響いてきた。
それだけで心臓が小さく跳ねた…。
「見てこれ。何か分かる?」
「何って…なんだそれ?」
零菜の右手には何やら歪な形でできた鉄の物体と、左手にはゴム手袋が握られていた。
「これは開口器っていうんだけど…知ってる?」
鉄の物体を目先でちらつかせてきた。
「開口器?」
聞いたこと無い名前だが…名前と形的には嫌な予感がする。
「今から勇哉の精神の皮を一枚…一枚…また一枚…優しく剥いてあげる」
開口器を右手に持ったまま、俺の顔を両手で固定する零菜。
「お、おまえ誰だよ?」
喉から出た言葉の意味を自分自身意味理解できなかった。
だけどこの問い掛けは間違っていないはず。
顔は零菜なのだが…明らかに雰囲気がまったく知らない女性――そう…狂った由奈のような目をコイツもしてる。
「私は私よ?貴方のたった一人の妹。
まぁ、明日の朝になる頃には私の目すら直視できなくなってるかもしれないけどね……涙を流して助けを乞う勇哉を想像するだけで胸が張り裂けそう」
無駄に長い舌を俺の胸に這わせると、蒸気した目で俺を見下ろしてきた。
――コイツが俺に対して狂う訳が無い。
だって今まで他人のように過ごしてきたのに――今更になって“兄妹”がどうだとか――。
「それじゃ、お兄ちゃん…次話せる状態になった時は――私に“柔順”な優しいお兄ちゃんに生まれ変わってね?」
綺麗に般若のような笑みを浮かべ開口器を俺の口へ強引に押し込んだ。
これから何をされるのか想像がつかない――だけどこんなモノまで用意しているのだ。
零菜は俺を徹底的に壊すつもりだ…。
ありがとうございました、投下終了します。
零菜の歪みっぷりと病みっぷりが恐いわw殺人マシーンと化した由奈は間に合うのかな?
零菜VS由奈の殺し合い修羅場が先か?それとも勇哉が壊れるのが先か?
GJ
零菜派に鞍替えしようかな…
もう狂もうとの続編読むためだけにこのスレ覗いてるようなものだわw
gj
GJ
山場でペースアップは嬉しいやり方だ
105 :
sage:2011/10/11(火) 22:03:37.42 ID:hzhhANow
なにやらマニアックな展開?!
GJ
逆調教……ゴクリ。
乙
零菜の考えが読めない…
続きが楽しみだ
GJ
この短期間に狂もうとがこんなに読めるなんて幸せすぎる。
零菜に柔順になった勇哉を早く見てみたいお!
続きも期待してます!!
前投下からあと二週間ちょっとは少なくとも空くとおもってたらきててナイタ
もっとくれw
由奈が狂犬すぎてヤバい
なにこの俺得展開
最高やないか
くるもうとGJ!!
超展開だな、零菜は結局何をしたいのか・・・
かいこう‐き 【開口器】
口腔内の検査や手術に使用する、口を開けた状態を保つための医療器具。
包茎専用の拷問道具w
ずっと口開けっ放しになるってことは口の中ぱっさぱさになりそうだなw
そんなもん零菜の愛液が潤すだろ
最高だった。次が待ち遠しいな。
未来日記で更なるヤンデレスキーの人口が増加するといいんだが。
ただの勘違いが大半
レナをヤンデレって言ったり、スクイズの最終回のあのシーンだけを見て「ヤンデレやべぇwwwwww」って言ってる奴らばっかりだからなぁ……。
やっぱりどこにでもいるんだなぁ…
未来日記は原作でも結構なヤンデレっぷりだからいいと思うけどなー
まぁ姉妹ではないのでスレチですよねごめんなさい
こんなに短期間に狂もうとがたくさん見れて幸せだよぉ
とか言っちゃうキモウト
開口器って胃カメラのとき使うやつっぽいよなw
キモい姉系作品が最近少ない気がする
>>124 健康診断の度に零菜を思い出すことになるとは
偶然親戚一同+両親が事故で亡くなったらキモ姉妹と
普通の兄弟じゃ違う意味で発狂しそうだな
128 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 07:22:08.04 ID:B4bAs45D
すまん、荒らす訳じゃないが…
>>120 僕みたいにヤンデレをちゃんと理解してる人は少ないね(ドヤッ てか?ww ならヤンデレスレでも行ってろよwww
お姉ちゃんは弟の気持ちを考えてるからヤンデレじゃないよ
ちゃんと弟が姉をレイプする方向にするから
>>128 >>120です。
すみませんでした。周りにそういう人が多く、よく誤解を受けていたもので……。
愛ゆえに人は苦しまねばならぬ
「いいセリフだね…お兄ちゃん」
「ああ」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「縄を…ほどいてくれないか」
「何言ってるの?これからはずっと一緒だよ。お兄ちゃん」
僕みたいにヤンデレをちゃんと理解してる人は少ないね(ドヤッ てか?ww ならヤンデレスレでも行ってろよwww(ドヤァ
沙耶と真由さんの濃厚なコントが恋しくなってきた
136 :
131:2011/10/14(金) 07:20:40.94 ID:tfXLM4VE
はっ(笑)
100人の雌豚の血を吸ったと伝えられる家宝の真っ赤なウェディングドレス
姉にも妹にもなれるキモ双子こそ最強
その気になれば双子パワーでテレパシーも使えるぞ
姉ハーレム
確かにキモウトなら多数いる作品あるが
キモ姉多数はあまりみかけないな
ということで誰かオナシャス
姉ハーレムだったらタカヒロのエロゲーにあった気がする。
今アニメやってんのがまじこいで、その前の前の前ぐらいのやつ。
143 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 14:30:37.06 ID:H4R/Cnue
姉うよか
小学生の時、ねぇ、ちゃんとふろはいってる?って聞かれたなぁ
あぁん・・・すけべぇ
>>145 テラ懐かしすwww
入ってないって答えるときったねーって言われるんだよなwwww
>>145 そして入ってるって答えると
おまえ姉ちゃんと風呂入ってんのかよーって言われるオチwwwwwwwwwwwww
姉と風呂に入るのは自然な事だろ
いや普通
姉と子供作るのも普通
姉にセックス強要されるのも普通
どこがおかしいのか言ってみそ
ないわー姉と一緒にお風呂とかないわー
普通はお風呂は妹と一緒って決まってるわー
長男 女 次男
の兄弟で真ん中の女がキモウトとキモ姉を兼ねているとかはどうだろう?
長男→真面目で堅物
女→点綴的なキモ姉妹
次男→ショタ
ss的にはドタバタエロコメディにするしか無いかな?
それはただのビッチ
やっぱり一対一のほうが良い
姉妹で男の取り合いになるのは大歓迎だけど
それじゃただのビッチだわな
俺はパス
ただのビッチだろそれじゃ
それキモやない、ビチや!
ビッチを演じるキモウトってなんかあったよね
うむ
不評なようだ
なら‥‥
長男→真面目で堅物
女→キモ姉 次男命
次男→ショタ オカマでホモ 長男に惚れてる
で‥‥長男が密かに女(妹になるか)に惚れてるという設定はどうか?
まあ、それならキモ姉(とキモ弟、キモ兄)ではあるな
男の片方をホモにしちゃえみたいな流れ以前にもなかった?
個人的には
>>162でも読まないけど
まあ、兄姉弟で三角関係やるくらいなら、姉弟妹で三角関係の方がまだ嬉しいしな
キモ姉妹と呼ばれるほどの執着心を、複数の相手に抱く事ができるものだろうか?
世の中にはそういう人がいるのかもしれないが、俺にはそんな描写はできそうにない。
諸兄の言うようなただのビッチか、あるいは支配欲の塊にしか描けないだろう。
>>162 それは小ネタであったはず。ショタだったかどうかまでは覚えていないが。
あと姉弟妹のケースは結構ある。
姉弟の結婚を決められた一族に産まれた双子が式を控えていた
だが衝撃の事実が明らかになる、双子の姉が双子の妹だったのだ
第二話、投下します。
突然ではあるが、どうして人は寝起きのとき機嫌が悪いのだろう、と僕は常々疑問に思っていた。
起床。それはこの世に生を受けた者ならば、誰もが経験したことのある生理現象である。子供の頃に何時だかテレビで見た、数年間寝ていない男、みたいな例外を除けば、人は毎日起床しているはずだ。
それも人間だけではなく、地球上に住む生物の大半が行っている行為だと思うと、なんだか壮大なスケールの話な気がするが、まあ、そんなことはないのだろう。寝て起きるなんて当たり前のことだしね。
さて、問題は機嫌云々である。朝起きたら気が立っている人が多いという疑問だ。
尤も、そんなのは洋の東西を問わず、ましてや老若男女の関係もない、この世を生きている者ならば誰にでも理解出来る不変の真理である。そもそも、このような自明の理を議論の俎上に置くこと自体がおかしいのだ。
なら、なぜ僕は一々ぶり返そうとしてるのか。それは、ひとえに自身の自己満足の他ならない。しかし、誰に迷惑をかけるわけでもないのだし、別に構わないだろう。
とにかく、僕は疑問に感じていた。どうして人は、起床という行為にここまでの苦痛を抱いてしまうのだろうかと。いや、抱かざるを得ないのだろうかと。
そりゃあ、血圧の高低とか、睡眠時間の不足とか、バイオリズム云々とか、幾つかの科学的根拠をあげることは可能だ。いや、科学的というのは些か大袈裟過ぎるかな。まあ、細かいことは気にしないことにする。
それから図書館へ行って睡眠に関する書物を読み漁ったりもしたが、大半が睡眠のメカニズムや効用等を説明しているだけであって、肝心の起床について書かれた本はきわめて少なかった。あったとしても、せいぜいオマケ程度の扱いである。
けれども僕は辛抱強く図書館に通い続けた。が、めぼしい成果はなにも上げらなかった。活字が僕に与えてくれる情報には、限界があったのだ。
自分が的外れなことをしていると気づいたのは、しばらく経ってからだった。あれ待てよ、この手の疑問ってどちらかといえば哲学寄りなんじゃね、と。
そういう訳で、僕はさっさと宗旨替えをし、引き続き答え探しに興じることにした。思いの外、この哲学もどきには没頭できた。昔から時間だけは有り余っていたので、ちょうどいい暇潰しになり得たのだ。
しかし、時間をかけて考察しても答えは見つからなかった。いい具合に考えがまとまってきても、必ず途中でほつれが見つかり、最後にはほどけてしまった。
まるで永遠に終わらないライン作業をやっているみたいだった。あまりにも不毛な作業に、さすがの僕も気が滅入りそうになった。
遊び半分なのがいけないのかもと思い、戯れ事だという意識を放棄して、本腰をいれて取り組むことにした。寝ても覚めてもこの議題ばかりを考えた。
けれど、答えは見つからない。何故だ。僕はさらに考えた。だが、やっぱり見つからない。
脳内会議は平行線を辿った。あるグループがAだと言えば、別のグループがBだと反論する。そんでもって議長までもが、いやいやそれはCでしょ、と余計な口出しをするもんだから、事態はずるずると混乱を極めた。
探し方が悪いのだ、と結論を出したのも、同じくしばらく経ってからだった。
僕が今やっているような、目隠しをしたまま手探りのみで探すやり方では、触れられるのは外層だけ。その先は、どうやっても越えることが出来ない。どうすればいい。僕は大層やきもきした。
そもそもさ、答えなんて無いんだって。考え方は十人十色、人それぞれじゃないか。なんてらしいことを言って妥協する気など、さらさらなかった。
たしかに、この問いに正解は存在しない。だけども僕は、少なくとも論理的に整合性のとれた、納得のいく答えを見つけ出したかったのである。
僕が知りたがっていたのは、表面的な原因とかじゃなくって、上手く言えないけど、もっと違う、深い所にあるような、人が本来から持ち備えている本能的な何かというか、心理の内奥に存在する抽象的な概念というか、とにかくそういう系統の事だったのだ。
我ながら、何を言っているのか要領を得ないけど。
とにかく、僕は探した。幾度も何度も何回も探してみた。けれど、結果は同じだった。いくら時間をかけて熟考してみても、答えらしい答えは見つけられなかった。
そして、いつしか僕は答え探しを止めてしまった。
しかし結論から言ってしまうと、その後、僕は答えを見つけることになる。
喉から手が出るほど、とまではいかないが、それなりに欲しがっていた答えは、なんとも皮肉な事に、僕がひきこもりへと堕落してしまった後に、至極あっさりと見つけることになるのだった。
探している時は見つからなかった探し物が、後々になって見つかるアレに近いと思う。
答えは、意外なほど身近にあった。灯台下暗し、というやつだろうか。見つけるのは容易であっただろうに、過去の僕には全く見つけられなかった。
いや、もしかしたら無意識に目を逸らしていたのかもしれない。現在の僕のような、全てを失ってしまった人間だからこそ、それを直視することが出来たのだ。
何故、人は目を覚ますのが苦痛なのか。答えは、一言で用足りた。それは、起きるという行為が即ち、戦うということに繋がるからなのだ。
社会に生きている人々は皆、日々いろいろなモノと戦っている。
爛れきった人間関係。努力とは決して比例しない成績。理不尽に降りかかる不幸。妬み、恨み、つらみ、と数えればキリがない。聞いてるだけで頭が痛くなりそうなものたちと、彼等はしょっちゅう戦っているのだ。
そして人は就寝することにより、一時的にその戦闘から開放される。だから人は睡眠という行為に途方も無い幸福感を得られる。
意識が途切れ、無意識に切り替わる刹那なんかは、この世で最も至福な一瞬と大言してもいいだろう。
だけれども、起床はその真逆。再び戦場へと身を置くプレリュード。先に待つのは長い一日の戦闘であり、加えて休息は無に等しいときてる。
そんな未来が待ち受けているのに、誰が好き好んで暖かい寝床から起き上がるというのだろうか。十人いたら十人起きないこと間違いなしである。
なのに、実際に世界に目を向けてみると、人は起きていた。毎日、毎日、飽きもせずに戦場へと向かい、自身の心と身体を傷つけていた。それは冷静に考えるとトンデモナイことである。
彼等は被虐主義者なのか。普通はそう考えてしまう。だが、違う。彼等はただ知っているだけなのだ。起きないことを選ぶ方が、起きるよりもよっぽど恐ろしい未来が、大口を開けて待っていることに。
もし、仮に起床することを放棄し、睡眠という麻薬に身を委ねてみろ。その先にあるのは破滅。社会という大舞台から役割を剥奪され、居場所を喪失し、終いには強制追放されてしまう結末。
観客にもなれず、黒子にもなれず、劇場内の滞在すら許されず、終いには宙ぶらりんで曖昧模糊とした存在に成り下がる。それはある意味、死よりもずっと恐ろしいことだった。
だから、人は戦う。毎日、毎日、ボロボロになるまで。彼等は、後門の無を相手にするくらいなら、前門の虎と戦ったほうがマシだと理解していた。
しかし、だ。
例えば戦いを放棄し、ただひたすらに逃げることを選択する者がいたのなら。起床を放棄し、仕事も学校も家事も全て投げ出して、ただひたすらに惰眠を貪ぼり続ける者がいたのなら。果たして、その者は一体全体どうなってしまうのか。
こっちのほうが、答えは簡単だよね。
ご察しの通り、そうした人間の成れの果てが、今の僕だ。
僕は快適な起床を手にした代わりに、それ以外の全てのモノを失った。文字通り、全てのモノをだ。
それで釣り合いがとれているのかどうかはわからなかった。もしかしたら、僕はしてはいけない選択をしてしまったのかもしれない。掴んではいけない未来を手にしてしまったのかもしれない。
だけども、そんなのはいくら考えてもわかりっこないし、どうでもよかった。だって、昔の自分の選択を責めたところで、過去には戻れないのだから。今の僕には、現在しかない。現在を生きていくしかない。
そういうわけで、僕は寝覚めがいい。全世界の人類に対して、申し訳なるほどに。
そうして、今日も僕は目を覚ます。
ハッキリとした覚醒だった。
万年床の中からむくりと上半身を起こすと、まだ若干寝ぼけの残る瞼を擦った。カーテンの隙間から漏れでている月明かりが、ちょうど僕の顔を照らしていて眩しい。けれど、眠気の残滓はその月明かりのおかげですっかりと雲散霧消してしまう。
部屋の中は真っ暗で、しんと静まり返っていた。蛍光塗料で光る壁時計の針を見て、今が午後十一時半だと知った。いつもの僕の起床時間だった。
くうあ、と奇妙な欠伸をひとつかまして、毛布を捲りあげる。すると、妙な匂いが僕の鼻腔を刺激した。なんだろう。微かに香る、薬品の匂い。匂いの発生源である毛布の下に、無意識に視線を下げる。そこには、湿布で真っ白になった貧相な足が伸びていた。
「あっ」
やばい。
ぎゅっと目を瞑って、咄嗟に身構えた。
が、いつまで経ってもくるべき筈のものがやってこない。おかしいなと思い、恐る恐る目を開けて、自分の足を眺め見る。
見たところ、昨日と変わったとこは何もない。試しに、爆発物でも扱うような手つきで足をつついてみた。激痛覚悟だったが、何もなし。ふくらはぎが感じているのは、人差し指による微力な圧力だけだ。
いつの間にやら、あれ程までに僕を苦しめていた筋肉痛がすっかり消えていた。まだ多少の倦怠感は残るものの、完治したと言っても差し障りがないほどの回復ぶりだった。
やっと治った。ホッと胸を撫で下ろし、溜め込んでた息を吐く。
そして今度こそ万年床から這い出ると、頭上でぶら下がっている電灯の紐を引っ張った。何度か点滅を繰り返しながら、電灯に光が灯る。眩しさに目が眩む。
ついでに万年床近くに設置してあるコタツの電源も入れて、卓上にあるノートパソコンも立ち上げた。起床したらまずパソコンを起動させる。それが、ひきこもりのライフワークである。
パソコンが立ち上がるまでの間、僕は脳内で例の音楽を再生させながら、ひとりラジオ体操を開始した。
こうやってコマメに身体を動かすことが、ひきこもりを長く続ける秘訣だったりする。ひきこもりは本当に動きが少ない生き物なので、こうして身体を動かしでもしないと、後々ガタがきてしまうのだ。
チェア使用者ならまた話は別なのかもしれないが、僕みたいな床に座るタイプのひきこもりだと、肩こりとか腰痛とか本当に酷くなる。
僕は黙々と固まった身体をほぐしていった。
単調な作業が続くと、嫌でも考え事をしてしまうものだ。そして僕は不本意にもあの忌々しき夜のことを思い出してしまった。
回想すら忌避したくなる、あの悪夢の夜から、かれこれ三日が経っていた。
僕が曲がりなりにもひきこもりを卒業し、ひきこもりニートからノーマルニートへとレベルアップした夜。そして、輝かしい未来へ向かって大躍進する筈だった夜。そして、無残に、無様に、散ってしまった夜。
あの後は散々だった。翌日には酷い筋肉痛に悩まされて、少し足を動かすだけでも痺れるような痛みが走った。トイレにだって満足に行けず、波のように押し寄せる疼痛で、夜も眠れなかった。いや、正確には昼なんだけど。
それに筋肉痛だけじゃなく、悪漢二人組に殴る蹴るされた傷も、筋肉痛に劣らず僕を苦しめた。口内の切り傷は今だってしみるし、顔の腫れも未だ引いていない。まさに満身創痍の状態だった。
けど、それよりももっと酷い傷があった。心の傷だ。
肉体的な傷はじきに癒える。どんなに重い怪我だって、治る怪我なら時間さえ経てば必ず治るのだ。
が、心の傷はそうはいかない。あれは目に見えないぶん尚更タチが悪く、しかも個人差があるので、程度の判断すら難しい。そして、治療法も千差万別で確立されていない難病だ。
そして、僕はむしろ心がやられてしまった。あれ程の一大決心の元に外へ出たのだ。期待が大きかったぶん、やられた時のダメージも計りしれないものだった。
もう、いいや。僕は一生、ひきこもりニートのままでいい。
それが、僕の出した結論。出すのがあまりにも遅すぎた結論。
外の世界は、僕が思っていたよりもずっとずっと恐ろしかった。
はっきり言って、僕は舐めていたのだ。一応、僕は過去にあの世界で過ごしていた時期があった。だから、今回もきっとうまくいくさ。あの頃を踏襲すればなんの問題はないさ。そんな風に思ってた。けど違った。現実はもっと厳しかった。
高い授業料だったと思う。けど、得た物が何も無かったわけじゃない。
僕は今回の事件から大事なことを学べた。本質的に人が変わるのは不可能、ということだ。
僕みたいな根っからの社会不適合者が外へ出ようったって、どだい無理な話なのである。人間が己の力のみで空を飛ぶことが出来ないように、ひきこもりもまた外へ出ることが出来ない。ずっと、ずっと、自分を、社会を、全てを憎みながら生きていくしかないのだ。
僕はにやりと暗い笑みを浮かべた。泣きそうになるのを誤魔化すように。
ラジオ体操を終えた。
身体が大きくぶるりと震える。体操を一通りこなしたってのに、身体は全然温まってなかった。
このボロアパートは素晴らしいくらいに通気性がいいので、部屋が極寒の地方の如し温度を保っているのが原因だろう。そのくせ夏はジメジメしてて暑いのだからたまったもんじゃない。この不良物件め。
僕はそそくさとコタツの中に滑り込んだ。文明の機器だけが、僕にぬくもりをくれる。じんわりと身体に熱が伝わっていくのがわかった。両手をコタツに入れて、指が十分に動けるのを待つ。
数十秒後、既に立ち上がってるであろうノートパソコンを目の前に置いて、蓋を開けるように開いた。
そしてそのまま――固まった。
僕は目を剥くようにしてデスクトップに映る文字を凝視する。念のために何度も目を擦って見間違いじゃないかを確認したが、結果は変わらなかった。ノートパソコンは無機質に残酷な事実を告げている。
そうか、もう、そんな時期になるのか。
諦観にも似た気持ちが、僕の中に充満する。いつものことながら、これだけは慣れない。ビックリ箱だとわかっていても、開けたらやっぱり驚いてしまうのと一緒だ。
しかしながら、驚愕はそれだけでは終わらなかった。
突然だった。
ドンドン、とノックにしては些か激しすぎる音が、突如室内を揺るがしたのだ。
タイミングがタイミングだったので、文字通り僕は飛び上がった。それも婦女子のように、キャアッとか気持ち悪い悲鳴をあげながら。
何事だ?
落ち着きなく視線を迷子させて、漸く音の発生源であるドアに辿り着く。間違っても、こんこんと手の甲で優しくノックする感じではない。ガンガン、とまるでドアを殴り破らんばかりの勢いである。
いきなり訪れたホラー映画よろしくのシチュエーションに、僕は言うまでもなく恐怖した。先程から脳裏にちらついているのは、あの凸凹コンビの男達だ。
もしや、アイツらがあのあと僕の居場所を突き止めて、三日前の報復に来たのでは、と嫌な想像が頭の中で膨らむ。
膨張は止まることを知らず、爆発寸前まで膨れ上がり、果てには、自分が惨殺された事件を朝のニュースで取り上げているところまで飛んでいく始末だった。
先日、都内某所のアパートで二十七歳無職男性が殺害される事件が起きました、とファンデーションを塗りたくった女性アナウンサーが概要を淡々と告げている。
スタジオのコメンテーターは、本人の防犯管理の怠慢じゃないの? と辛辣なコメントを吐いていた。おいおい少しは肩入れしてくれよ。これじゃあ、お茶の間の同情は得られそうに無いじゃないか。
ドアを叩く音で妄想から引きずり出される。ノックは依然として休みなく続いていた。
正直に告白しよう。僕はもう限界だった。ドアを叩かれる度に僕の精神は磨耗し、無くなるまで擦り切れてしまいそうだ。
僕はすっかりまいってしまい、ガクガクと情けなく身体を揺すり、呆然と叩かれるドアを見つめることしかできなかった。
そして緊張が最高潮に達し、遂に死さえも覚悟した時、
「はやく開けてよー」
と、妙に子供っぽい声が室内に響き渡ったのだった。
「…………」
しばらく後、僕は無言のまま両手で顔を隠した。無論、恥じているのだ。おそらく、今の僕は耳まで真っ赤になっているだろう。ああ恥ずかしい、恥ずかしくてしょうがない。自害したくなるほど恥ずかしかった。
なんで僕はあんなにも怯えていたのだろうか。穴があったら入りたいよ。でも穴がない。コタツしかない。仕方がないのでコタツに入る。暑い。顔だけ出す。今の僕ってコタツが甲羅の亀みたいだなー、なんて軽く現実逃避。
ハァー、と長い息を吐き出して、胸の動悸が収まるのを待つ。
そもそも冷静に考えれば、この部屋を訪れる人間など新聞の勧誘と受信料の催促を除けば、ひきこもりである僕の元に食料品やら娯楽品やらを届けにきてくれる宅急便のお兄さんぐらいしかいない。
そして、お兄さん以外に此処を訪れる人物といえば――
開けろー、と相変わらず取り立てじみた声は続いている。
その声を聞いて、僕は何度目になるかわからない嘆息を吐いた。
マジでどうしよう。ぶっちゃけ、今は誰にも会いたくない気分なので、このまま無視してしまいたかった。それに、今の僕はひどく傷ついてしまっている。彼女の相手をする余裕など、微塵も無いのだ。
が、そういう訳にもいかないのだろう。彼女には、決して少なくない恩義もあるし、そしてなにより、ひきこもりである僕には居留守という裏技が使えない。
仕方ないか。
僕はパソコンを折り畳むと、コタツから出て、のそりと立ち上がった。いやだいやだ会いたくない会いたくないとゴネている重い足を引きずるようにして、玄関へと向かっていく。
ドンドンと未だうるさいドアの鍵を解錠すると、自分の視界分を確保出来るだけの、ほんの少しの隙間だけ開けた。
一瞬だった。
突っ掛けを履いた白い足が、ドアの隙間をぬうようにして蛇の如くスルリと伸びてきたのだ。僕は慌ててドアを閉めようとしたが、時既に遅し。足が完璧にドアをブロックしていて、閉めることが出来ない。
おいおい、やってる手口がマジで取り立て屋とか訪問販売とかと同じじゃないっすか。
「やっと開けてくれたかー。出るのがちょっと遅いぞヒロシ」
隙間から漏れ出てくる声に合わせて、白い足がピョコピョコと動いた。その動きがあまりにも複雑軽快なので、まるでその足が、本体とは独立した別の生き物のように感じられる。
「な、なんの、ようですか?」
僕はひねり出すようにして声を出した。誰かと話すのは三日振りだったので、自然とくぐもった声になってしまう。相変わらずの不快ボイスだ。
が、彼女はそんなの気に留めた風でもなく、
「何のようですかって、そんなつれないこと言わないでよ。用が無かったらあたしは来ちゃいけないんかい」
と、軽く僕を非難した。
そうですよ、と言いたかったが我慢。
彼女は甲高い声で続けた。
「生存確認にきたんだよ。ほら、お姉ちゃん最近ヒロシに構ってあげられなかったじゃん? あたしと会えなくてヒロシが夜な夜な泣いていることを思うと、あたしも胸が張り裂けそうでさ。
仕事で疲れてクタクタなのをがまんして、こうして会いにきたってわけ」
弁明するまでもないと思うが、僕は決して夜な夜な泣いてなんかいない。嘘、ひとりでめそめそ泣くときは結構あるけど、彼女のために泣いたことは一回たりとも無い。
「べ、別に、頼んでないですし」
まだ癒えきっていない傷がそうさせたのか。僕の声は意図せずともぶっきらぼうで粗暴なものになった。
「と、いうか、もう、来ないでくださいよ。め、迷惑なんすよ。ほ、ほんとうに。僕の、ことを気遣って、くれているんなら、ほっといてください。僕には、それが、一番いい」
「えっ……」
「生存確認と、やらに、きき、来たんでしょ。僕が生きてるって、わ、わかったんだから、早く帰って、ください。僕は、忙しいんで。やることとか、あるし……」
僕の呟きを最後に、長い沈黙が訪れた。その沈黙に揺らぎを与えるように、彼女がポツリと言った。
「そんな風に言わなくたっていいじゃん……」
言い過ぎた、と思った。彼女が僕のことを心配しているのは紛れもない事実だというのに、今の言い方はないだろう。
「お姉ちゃん、ほんとに心配してるんだからね」
白い足が、落ち込んだようにしゅんと頭を垂れた。履いている突っ掛けは脱げそうになっている。
「ヒロシはひとりだから、もし怪我とか病気とかで危ない状況になってても誰も気づけないし、それで誰も気づけないまま、最後に野垂れ死んだりしちゃったら、そんなことになったら、あたし……」
謝ろう、そうは思うけど、口は閉ざしてばかりで開こうとしない。照れてるとかじゃなく、単純に謝罪の言葉が思い浮かばないのだ。人に謝るという経験が、僕には圧倒的に不足していた。
こういう時って、なんて言えばいいんだろう。わからない。
けど、言わなくちゃいけない。なんでもいい。アドリブで適当に繋げてけ。とにかく、今は一刻でも早く彼女に声を届けるんだ。
そう思って口を開きかけ、
「そんなことになっちゃったら……この部屋が事故物件扱いになって、ただでさえ低い家賃がさらに下がっちゃうじゃない。
そんなことになったら、あたしの……あたしのささやかな副収入が……うぅ。今、欲しい服とかバッグとかあるのに……」
って、そっちの心配かよ! 僕は心の中で鋭いツッコミをいれた。
いやいやここは常識的に考えて、もしヒロシが死んじゃったりしたらあたしもう生きていけない好き好き大好き愛してるそうなったらあなたを追ってあたしも死ぬわー的なセリフを言うべきだったでしょ。空気読んでくださいよ空気。
ああやっぱり謝る必要なんてなかったね。なんだよ家賃って。僕より家賃の方が優先順位が上なのかよっ。そんなわけないだ――いや……まあ、そうか、うん。
普通、そうだよね。僕、ひきこもりニートだしね。社会の屑だしね。どう考えても家賃>僕だよね。ごめんなさい、僕自惚れてました。
ああ、なんかいい感じに死にたくなってきたぞ。今の僕ならサクッと死ねる気がする。どうしよう、このあと自殺でもしよっかな。まあ、どうせ出来ないんだけどね。……死にたい。
段々とダウナーになっていく僕とは対照的に、てゆうかお姉ちゃん最近ねー、とか聞いてもいないのに嬉々として自分の近況を語り始める彼女。相変わらず切り替え早いっすね。ついていけないっすよ正直。
鬱状態に突入した僕には、彼女の話が全く耳に入らなかった。言葉は右から左にだらだら流れていく。まあ、今は好きに喋らせておこう。
ところで、先程からドアの向こうの彼女は何かにつけて僕の姉を自称しているが、誤解しないでほしい。僕と彼女の間に血の繋がりは一滴だってない。
さらに言えば従姉妹とか遠い親戚って訳でもない。はっきり言って他人である。彼女が勝手に僕のお姉ちゃんを名乗っているに過ぎない。
余談になるけどさ、血の繋がらない姉って邪道もいいとこだよね。そもそも近親相姦の醍醐味ってのは血縁者同士が契りを結んでしまうという禁忌、その背徳感がよいのであって、義姉や義妹、ましてや自称姉ごときではそのカタルシスを――
ヒロシ、と僕を呼ぶ声で思考が中断された。
出来ればまだ自身の近親相姦観を語っていたかったのだが、仕方ない。この話はまた機会があるときにでもゆっくり。
なんですか、と僕はおざなりに返事をした。
「いやー、さっきから言おうと思ってたんだけどさ、タイミングを逃しちゃって。さて、ヒロシくん。そろそろお姉ちゃんを中に入れてくれないかな? 真冬の深夜は寒くてしょうがねえのですよ」
さむさむ、と白い足がブルブルと震えた。
いやー、それにしても本当に器用な足ですね。素直に感心できる。テニスボールくらいなら簡単に掴めてしまいそうだ。僕も鍛えよっかな足。
「……お姉ちゃん、無関心ってれっきとした暴力だと思うの」
拗ねたような口調で、ブツブツ文句を垂れる彼女。
けど無関心ほど優しい暴力はないですよ、と経験者は語ってみる。
「嗚呼、こんな仕打ちってないよ。あたしがこんなにもヒロシのことを想ってるってのに、部屋にすら入れてもらえないなんて。お姉ちゃん寂しいなー悲しいなー」
それを言われると僕も弱い。ちょっと、やりすぎちゃったかな。彼女が可哀想になってきて、僕は様子を見るために少しだけドアを開いた。
「ほら、見てよ。お手々がかじかんで真っ赤になってる。それに身体も冷えて鳥肌だらけだし、たぶん唇も真っ青だよ。寒いなー、寒いなー。このままあたしは凍死しちゃうのかなー」
もう少しだけドアを開いた。
「実を言うと、今お姉ちゃんスッゴくエッチなカッコをしてます」
思いっきりドアを閉めた。
「んぎゃっ」
尻尾を踏まれた猫みたいな声を出して、扉に挟まれた足が悶える。
「いったーい! なんで急にドアを閉めるのっ。今のところはむしろ血走ったいやらしい目を爛々とさせながら光速でドアを開けるべき場面でしょうがっ」
「すんません。本当に興味ないんで」
「まさかのガチ謝罪!? 止めて止めて。そういうの止めて。あたしがむなしくなるから。てゆーか、ちゃっかりヒロシの吃り治ってるしっ。どんだけ冷めてんのよ!」
ムキー、と白い足が怒りでのたうちまわった。加えて鬼畜ドSリョナ好きー、とか叫ぶもんだから、たまったもんじゃない。通行人が聞いたらあらぬ誤解を受けてしまうだろう。ひきこもりで変態とか最悪だよ。
ああ、もう、わかりました。わかりましたよ。入れればいいんでしょ入れれば。
僕は眉間を指で軽く揉んで盛大な溜め息を吐いてから、黙ってドアを押し開け、漸く彼女と対峙した。
そこに居たのは、小さな女の子だった。
身長は間違いなく百五十センチを切っているだろう。僕より頭一つ分以上は小さいく、今も精一杯首を曲げて見上げている状態だ。
小動物然としたくりくりの丸い瞳が小さな顔に収まっており、栗色に染めた髪にはゆるいパーマがかけられていた。
美人というよりも可愛いといったベクトルではあるが、それなりに容姿は整っているほうだ。
着用しているのは子供っぽい桃色のパジャマで、その上には学生が着ているような小麦色のカーディガンが羽織られていた。当然のことながら、エッチなカッコとやらはしていない。
どう見ても中学生、いや、見ようによっては小学生にも見える外見をしているが騙されることなかれ。その実、今年で三十路である。
それが、僕を除くこのボロアパート唯一の住人であり、また持ち主でもある人物。大家さんであった。
と、僕はそこで異変に気づく。
大家さんが壊れてしまった時計のようにピクリとも動かないのだ。呆けたような顔をして(もし口に出したら怒るだろうがまさにマヌケといった表情で)丸い瞳でまじまじと僕のことを見つめているだけだった。
見た目はロリっ娘でも一応は女性。なんとなく気恥ずかしくなって、視線を逸らした。
「ど、どうしたんですか?」
僕の声に反応して、大家さんは漸く我に返ったみたいだった。弾かれたように目を見開いて、ううんなんでもないのと顔の前で手を振った。
「そ、そいじゃあ、お邪魔しまするかな」
妙な日本語を呟きながら、ドアをおさえている僕の腕の下をアーチのようにくぐって、そそくさと室内に入っていった。履いていた突っ掛けは、途中で乱雑に放り投げている。行儀悪いなあ。
僕は建て付けの悪い木造ドアを閉めて施錠し、ついでに大家さんの突っ掛けを玄関に綺麗に並べてから、先に入った彼女の後を追っていったのだった。
胸の内から徐々に湧き上がり始めている、なんとも言えぬ違和感を無視して。
投下終わりです。
gj
ちーじぇい
投下します。
「めずらしいね、千鶴子ちゃんが鼻歌なんて」
中間テストが明けた翌週の昼休み、鐘が鳴ると同時に教室に入って来た叶絵は、千鶴子の席の脇に立つなりそう言った。
教室全体に静かなざわめきのようなものが広がる。
学食に行こうとしていた生徒たち、購買に向かおうとしていた生徒たち、友人の席に駆け寄ろうとしていた生徒たち、皆が動きを止めて、千鶴子と叶絵の方を見た。
「千鶴子ちゃん、何かいいことでもあったの?」
「……今、嫌なことならあったわよ」
「私で相談に乗れること?」
「今この場で首をくくる覚悟があなたにあるなら、一瞬で解決することよ」
「ええと、つまり今私が目の前にいるのが嫌であると」
「そういうことね」
周囲からの視線など気にすることなく尋ねる叶絵に、千鶴子は冷たく返す。
「澄川が喋ってるぞ」
「誰だあいつは」
などという声が周囲で囁かれた。
二人の少女の会話はなかなかに酷い内容のものであったが、教室内の生徒たちからすれば、千鶴子が三往復も会話を続けたことそれ自体が驚きだった。
「というか、何しに来たのよ。前からおかしいと思ってはいたけれど、自分の教室を間違えるほど頭がおかしくなってしまったの?」
「そんな言い方しないで。ただ千鶴子ちゃんと一緒にお昼ご飯を食べたいなと思っただけなんだから」
「あいにくだけど、私は昼食は一人でとることにしているの」
「私は三人でとることにしてるんだよね。ここは間をとって二人でとるのがいいかと思われますな」
妙案とばかりに胸を張る叶絵を綺麗に無視して、千鶴子は席を立つ。
その腕を、叶絵が必死に掴まえた。
「ま、待って! これじゃあ私が寂しい人みたいじゃない。みんなに変な人を見る目で見られちゃってるし……」
「実際寂しくて変な人でしょう、あなたは」
「千鶴子ちゃんまでそんなこと言ったら、みんなに誤解されちゃうよ」
叶絵はその場に直立して、周囲に向かって礼をした。
「初めまして! 隣のクラスからやってきました、美山叶絵です! 千鶴子ちゃんとはこう見えて、いわゆる『親友』というやつでして……おふっ!!」
元気な挨拶の途中で千鶴子の容赦ない拳を腹にくらい、思わず床に膝をつく叶絵。
そんな姿には目もくれず、千鶴子は足早に教室を出ていった。
「まあ、千鶴子ちゃんとどつき漫才をできるのは、世界広しといえど私くらいのものということで……」
叶絵はどうにか笑顔を浮かべてそう言うと、よろめきながら千鶴子のあとを追っていった。
教室には一層のざわめきが残された。
きたーーーー!・!??
第二図書室の扉は堅く閉ざされていたが、そこは叶絵も千鶴子の性格をよく知る人物の一人だ。
「図書委員さん、借りたい本があるんだけど、開けてくれますか?」
その一言で千鶴子にあっさりと扉を開けさせてしまった。
「ありがと、図書委員さん。やっぱり千鶴子ちゃんは、本に対しては真面目だね」
「あなたも、日に日にたくましくなっていくわね」
仕方ないという風に、叶絵を招き入れる千鶴子。
静かな口調にはどうやら怒りの感情は含まれていないようで、叶絵は内心ほっとしながら窓際の席に自分の弁当箱を置いた。
「ふふふ……席は離れていてもこれで二人きりの昼食だね」
「何がしたいのよ、本当に」
「前に言わなかったっけ。千鶴子ちゃんと友達になりたいって」
「聞いていないと思うけれど、いずれにせよ私は友達になりたくないわ」
「厳しいね。でも私は諦めないよ。あの夜千鶴子ちゃんに教えてもらったもの。幸せを求めるなら諦めず、自分で行動するんだって」
「あなたがそうやって前向きなのは文雄さんも喜ぶだろうから、私としても嬉しいのだけどね。私と友達になったところで幸せになんてなれないわよ」
「いやいや、こうやって話していることが、もうそれだけで楽しくて幸せだよ」
「……理解に苦しむわ」
呟いて、千鶴子は弁当のおかずを一口つまむ。
二人は離れたままで、しかし言葉を交わしながら、それぞれ昼食をとった。
「そもそもね、千鶴子ちゃん。友達って便利なものだから、作っておいた方がお得なんだよ」
「そうは思えないわね。煩わしさの方が大きいんじゃないかしら」
「そこを確かめるためにも、ひとつお試しで私を友達にしてみない?」
「また妙なことを言い始めたわね……」
千鶴子の冷たい眼差しも慣れたもので、叶絵はもはや怖じ気づくことはない。
得意げに人差し指を宙で揺らしながら、先ほどの教室での鼻歌のことを口にした。
「千鶴子ちゃんには珍しい、鬼の撹乱といっていいほどの上機嫌だったわけだけど」
「鬼……」
「澄川先輩と……お兄さんとデートするのが嬉しくて、浮かれちゃっていたんだよね」
「!!?」
呑み込もうとしたご飯を喉に詰まらせ、千鶴子はその場で激しく咳き込んでしまう。
薄っすらと目に涙を滲ませながら、叶絵を見た。
「な、何を根拠にそんな……」
「統にいから報告を受けております。澄川先輩はこの数日、妹である千鶴子ちゃんとのデートを控えて色々と悩んでいるそうです」
「悩んで……? 別に私は特別楽しませてほしいなんて考えているわけじゃないし、そんな悩ませるようなわがままは言っていないはずよ」
それは三条優の事件を解決する前、海浜公園で交わした約束だった。
『この件が解決して、中間テストが終わったら、二人でデートに行きましょう』
危険な場面はあったものの、どうにか優とその家庭は抱えていた問題を解消し、新たな一歩を踏み出しつつある。
中間テストが終わる直前、千鶴子としては思い切った気持ちで約束のことを口にし、文雄と放課後デートの約束を取り付けたのだ。
「ただ二人でお出かけできれば、それでいいのよ」
「妹とのデートというだけで、澄川先輩にとっては問題なんじゃない?」
「まあ……そうかもしれないけれど……」
「千鶴子ちゃんとしては、今回そこそこ楽しく二人で過ごして、またしばらくしたら『この前は楽しかったわね』なんて言ってデートを重ねていくことを考えていると思うんだけど、澄川先輩の様子を見るに難しいかもしれないね」
「……」
叶絵の指摘に俯いて黙り込んでしまう千鶴子。
その様子を見て叶絵は「任せなさい!」と自らの胸を叩いた。
「そんな時に、この親友、美山叶絵様が役に立つのよ!」
「叶絵……様?」
「まず私が千鶴子ちゃんと友達になりたいと強く願っていることを、統にいにお話しします」
「……それで?」
「真正面から千鶴子ちゃんに言っても冷たくされるだけなので、まずは間接的に一緒に遊びたいと、統にいに計画をもちかけます」
「ふむ」
「統にいは私からデートに強く誘われたものの、二人きりでは緊張してしまうからという理由で、澄川先輩に千鶴子ちゃんを巻き込んでのダブルデートのお願いをすることになります。澄川先輩はよほどのことが無い限り統にいのお願いを断ることはしないでしょう。
そうやって何度もダブルデートを繰り返し、澄川先輩が妹とデートをすることに抵抗を感じなくなった頃に、二人きりで出かけるようにすればバッチリです」
千鶴子は口元に手を当て、しばらく考え込むと、
「まあ……ありかも知れないわね」
そう頷いた。
「私としても統にいとデートができるし、まさに互いにとってのお得な関係でしょ?」
「そうね……じゃあ……よろしくということでいいのかしら」
「うん! 実は統にいには昨日のうちにお話ししてあるんだ。見切り発車だったけど、千鶴子ちゃんが了解してくれて良かったよ」
「ただ、あくまでお試しというやつなので、お忘れなく」
「うんうん! いいよ全然! やったね! ばんざーい!!」
笑顔で両手を上げた拍子に、叶絵は持っていた箸を床に取り落としてしまう。
慌てて埃だらけの木床に這いつくばる彼女を見ながら、千鶴子はやれやれとため息をつき、自らの箸の片一方をそっと叶絵の弁当箱の脇に置いたのだった。
「約束通り来てくれたのはとても嬉しいのだけれどね」
放課後、校門前で文雄と落ち合った千鶴子は、そう言って首を傾げた。
「そちらの方は誰なのかしら」
視線で指し示すその先、文雄のすぐ隣には、一人の女子生徒がいた。
「ど、ども。私はいつも教室に来ているのを見ているから初めましてじゃないけど……千鶴子ちゃんからしたら初めましてだよね。澄川君と同じクラスの、星野美由紀といいます」
「なるほど。文雄さんの級友ですか」
「これから毎日、澄川君と一緒に帰らせてもらうことになりまして」
そう言って柔らかな笑みを浮かべる美由紀に、さらに視線を鋭くさせる千鶴子。
その様子に、文雄と千鶴子にそれぞれついてきていた統治郎と叶絵は、密かに顔を青ざめさせていた。
「文雄さん、そこの女性がわけのわからないことをのたまっている理由……聞かせてもらえるのかしら」
「あ、ああ。わりと深刻な事情があるんだ」
「澄川君、私から話すよ」
美由紀が平然と前に進み出た。
「私の家は、帰るまでに大きな橋を渡らなきゃいけないんだけどね。最近その橋が怖くて渡れなくなっちゃったんだ。て、吸血鬼とかじゃないよ。流水こわーい、なんて。あはは」
「……で?」
「……ごめん。それで、何が怖いかっていうと、橋の下にホームレスが居ついてるんだ」
千鶴子の視線の圧力に、美由紀は粛々と話し始めた。
もう数か月前から浮浪者数人が橋の下に住み着いていること。
その浮浪者たちが、このところ帰りの時間になると、道脇でこちらをじろじろと見るようになっていたこと。
そして、ついに先日、声をかけられて体を触られたこと。
「もう……怖くて……」
その時のことを思い出してだろう、青ざめて口元を押さえる美由紀に千鶴子は尋ねた。
「それで、文雄さんに護衛をお願いしたいと、そういうことですか」
「うん。澄川君には迷惑かけちゃうけど……」
「警察にはお話ししたんですか?」
「もちろん。見回りを増やすようにするって言ってた。でも、今のところこれまでと変わったように思えなくて」
「その橋を渡らずに家に帰ることはできないのですか?」
「できるけど、あの川にかかっている橋は私の家の近くだとあそこくらいだから、すごく遠回りになっちゃうんだ」
「遠回りになっても件の橋は渡らず、自転車等で通うようにしてはいかがですか。文雄さんに護衛を頼むのは無意味、もしくは自殺行為のように思えますが」
「まあ待て。自殺行為は言い過ぎだ」
文雄が千鶴子の肩に手を置いた。
「確かに喧嘩は弱いけどな。この前の三条さんの家でのことを思い出してくれよ。度胸一つで何とか身代わり程度にはなるさ」
「望さんを止めた時のことを言っているの? あの時と同じことを、この人のためにしようとしているというのなら……私は本気で怒るわよ」
「あ、いや……」
千鶴子の目が鋭く光るのを見て、文雄は慌てて首を振った。
「そこまではしないよ。ただ、誰かが一緒に居るだけで、不審者は近付きにくくなるものだろ。それ以上の役には立たないけどな」
「そう……そうね。文雄さん、それ以上の役には立たないと認めるなら、やはり誰かにその役目は譲るべきじゃないかしら。一緒に歩くだけで良いというなら、何も文雄さんである必要はないし、もっと適した人もいるでしょう」
ねえ、と千鶴子は美由紀に同意を求めるように言った。
「そもそもなぜ文雄さんなのですか?」
「えっと、それは……帰りが同じ方向で徒歩通学なのが、澄川君しかいなくて……」
「積極的な理由ではない、ということですね。大丈夫。あなたがお願いすれば、帰りが別の方向でもあなたと帰路をともにしたいという屈強な男が、何人かは現れますよ」
星野さんは綺麗な方ですから、と千鶴子は付け加える。
「そ、そう? でも、今すぐにともいかないだろうし……できれば今日は澄川君と一緒に帰らせてもらえると嬉しいな」
「では、明日以降はこういったことは無しということで。よろしいですね」
「え……う……うーん」
千鶴子の淡々とした、しかし有無を言わせない物言いに押され、戸惑う美由紀。
まあまあ、と文雄が千鶴子をたしなめた。
「星野が困ってるだろ。今すぐに決めなきゃいけないってわけでもない」
文雄は空を見上げた。
「行こう。日が長くなったとはいえ、こうやって話しているうちに暗くなると、それこそ危ないぞ」
結局その日は、文雄と千鶴子、統治郎と叶絵、そして星野美由紀の五人で帰り道を行くことになった。
問題の橋は、文雄と千鶴子の本来の通学路から少し外れたところにあった。
市内を流れる一級河川を渡るためのその橋は、幹線道路から外れているため、車の通りはあまりない。
買い物袋を手に提げた主婦や学校に通う学生が朝夕に時折行き交う、そんな橋だった。
「なるほど、居るな」
夕暮れに染まる空の下、文雄は橋の手前で呟いた。
橋に至るまでの道の周辺には、神社や公園、空き地などばかりで住宅は無く、人の気配は無い。
ただ一人、誰もいない公園のごみ箱の中を漁っている、浮浪者然とした格好の男がいるのみだった。
「あれが……?」
「うん。そう。先週話しかけてきた男」
美由紀は体を強張らせる。
小さな声での会話だったが、浮浪者の男はごみ箱から顔を上げてあたりを見回し、すぐに文雄たちに気がついた様子だった。
「行こうか」
「うん……」
そのまま通り過ぎる文雄たち三人を、浮浪者はじっと見つめていた。
美由紀を無事に家に送り届けた帰り道、千鶴子は文雄と並んで歩きながら、何度となくため息をついた。
「なあ、さすがにため息が多過ぎじゃないか?」
「ため息をつきたくもなるわ。賢者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ、なんて言う人もいたけれど、経験から学べない文雄さんはそれ以下ということなのかしら」
「お前のことだから、他人を助けたところで損しかない、なんて言うんだろうけどさ。損得じゃなくてだな……」
「文雄さんのお人好しは知っているから、今更言わないわよ。経験から学べないというのはね、文雄さん。これまで文雄さんが私の意志をないがしろにして、良い結果に落ち着いたことがあったかしら?」
「……無い、です。それは十分にわかっています」
初夏の空気をすら凍てつかせる声色に、文雄は思わず声を詰まらせる。
二人の会話の行く末を、すぐ後ろを歩く統治郎と叶絵は固唾を飲んで見守っていた。
「約束したわよね。デートに行くって」
「ああ」
「その約束を破ってまで守りたい人なの? あの人は文雄さんにとってどんな人なの?」
「ただのクラスメートだけどさ……」
「私の意志をないがしろにして良いことはないとわかっているのに、なぜただのクラスメートにそんなに必死になるのよ」
「頼みを断って星野の身に何かあったら、気まずいというか……嫌だろう」
千鶴子は納得したとでもいう風に小さく頷くと、
「文雄さん、マゾなのね」
そう静かに言った。
「そんな話はしてないです」
「まあ、クラスでの評判もあるでしょうし、断りづらいのはわかるわ」
「そんな話でもないです」
「いずれにせよ、いいじゃない体くらい。触らせておけば。減るもんじゃなし」
「いつかも言ったけど、本人からしたら嫌だろ。触るだけで済むとも限らんし」
「触るだけでは済まないって、例えば?」
「ん……それは……星野は女であちらは男で……まあ、色々あるだろ」
言葉を濁す文雄に、千鶴子はなるほどと頷いた。
「そちら方面のお話ね。いいじゃない、させておけば。減るもんじゃなし」
「いやいや、それこそ本人からしたら、好きな人以外とじゃ絶対に嫌だろ。心に消えない傷が残ることだってあるんだぞ」
「好きな人以外とじゃ、ね。そこまでわかっているなら良しとするけど……それで、この護衛はいつまで続けるのかしら」
「警察がきちんと対処してくれるか、千鶴子が言っていた通り、星野が通学用自転車を手に入れるなり、誰か他の護衛役が現れるなりするまでだろうな」
「しばらくの間は、平日の放課後デートはできないということね」
「すまん。週末には必ず埋め合わせをするから、今は許してくれ」
「週末に埋め合わせをしてもらうより、毎日デートをして週末にもデートをする方がどう考えてもいいわよ。結局、美由紀さんが居なくなるか浮浪者たちが居なくなるかするのが一番なのよね」
「え……」
薄い笑みを浮かべる千鶴子に、文雄が問いかけた。
「ええと……星野が居なくなるというのは無いとして、浮浪者たちをあの橋の下から居なくすることなんてできるのか?」
「もちろん。相手は浮浪者なんだから、簡単よ。適当な毒物を混ぜた食べ物を近くの神社にでもお供えしておけば、勝手に食べて死んでくれるわ」
「却下だ」
文雄に続き統治郎と叶絵も否定の声を上げた。
「千鶴子ちゃん、さすがにそれはまずいぞ」
「今はまだ我慢の時だよ」
口々に言って、二人で文雄の頭を叩く。
「このお人好しの馬鹿たれなら、二度とこんなことしないようしっかり説教しておくからな。耐えてくれ、千鶴子ちゃん」
「実際今回は澄川先輩が圧倒的に悪いです。ほら、謝って。土下座でも何でもして謝ってください」
二人の慌てように、千鶴子は笑って首を振った。
「本気でするつもりなら、わざわざ皆の前で口に出したりしないわよ。文雄さんも週末といわず、毎日埋め合わせをしてくれるでしょうしね」
そんな会話を交わしながら、四人は家路についた。
澄川家はまだ両親は帰宅しておらず、家の明かりは灯っていなかった。
真っ暗な玄関に入るなり、千鶴子は文雄に抱きつき、濃厚なキスをした。
「……! ち、千鶴子……! ちょっと……!」
身を離して抵抗をしようとする文雄だが、千鶴子は決して逃そうとしない。
文雄の頭をしっかりと押さえて唇を寄せ、ぬらりとした舌で文雄の口腔内を舐め上げた。
「ん……」
目を閉じた千鶴子の鼻から、どこか潤みを帯びた声が漏れる。
たっぷり一分は互いの呼吸を顔の肌に感じた後で、ようやく千鶴子は唇を離した。
「な、なんだよいきなり。こんなところで。父さんたちが帰ってきたら……」
「そういう危機感があった方が、気分が盛り上がっていいわよ。これから私と文雄さんは結ばれるんだから」
「え……」
間の抜けた声を上げる文雄の手をとり、千鶴子は階段の方へと導いた。
「さすがに本番は私の部屋の方がいいわよね」
「ちょ、ちょっと待て! それは駄目だって何度も言ってるだろ!」
「文雄さん、これは文雄さんが私との約束を破ったことの代償よ。文雄さんがきちんと埋め合わせをしてくれるなら、私はデートの約束が多少伸びたところで我慢できるわ。
埋め合わせがないままだと、やっぱり浮浪者たちには消えてもらった方がいいということになる。それだけのことね」
「お、お前は……またそうやって俺を……!」
「そんな怖い顔をしないで。大丈夫。私はできる限り文雄さんの望むとおりにするわよ。そこはこれまでと何も変わらないわ」
ただし、と光のない瞳で千鶴子は続けた。
「埋め合わせが何もないとなると、文雄さんは口ではやめろと言っておきながら心の中では彼らの死を願っている……そう判断してしまうかもしれないけどね」
「……俺は何をすればいいんだ」
「言ったでしょう? お互いの性器を舐め合う関係の、その先よ」
千鶴子が再度文雄の手を引くも、文雄は動こうとしない。
根が張ったように廊下に立ちつくしていた。
「妹と近親相姦するくらいなら、浮浪者たちが死んだ方がいい?」
「そ……れは……」
文雄は俯いて、拳を握った。
「……他に……他に何か無いのか?」
「他に、ね……」
千鶴子はため息をついて肩を落とした。
「やっぱり、この程度じゃ兄妹の壁を乗り越えられないのよね」
「……」
「いいわ。じゃあ、セックスの前の関係に進むことにしましょう。さ、私の部屋にどうぞ」
部屋の明かりをつけぬまま、千鶴子は文雄の目の前で着ている服を全て脱いだ。
真っ暗な室内に、千鶴子の白い裸体が浮き上がるように映える。
細身の身体で胸はやや小ぶりだが、腰はきゅっと引き締まり、繊細な美しさがあった。
「ほら、文雄さんも全部脱いで」
千鶴子に促されて、文雄も制服を脱いで行く。
互いの性器を愛撫する時も全裸になることはあったので、脱ぐことそれ自体への抵抗は無かった。
「最初はあんなに嫌がっていたのにね」
嬉しそうに、千鶴子が笑う。
文雄の前に膝をついて、既に勃起している肉棒を握った。
「ここも、私の体を見るとしっかり堅くなるようになってしまって」
「し、仕方ないだろ。毎日のようにあんなことをしていたから……」
「ふふ。習慣って偉大よね」
二度三度と擦ると、そのまま小さな口に亀頭を含んでしまう。
千鶴子の端正な顔立ちが、兄の肉棒を咥えこんで卑猥に歪んだ。
「千鶴子……!」
この瞬間は、文雄も否応なく興奮してしまう瞬間であった。
いつも恐れている美しい妹が、自分の性器を咥えこんで懸命に舐め上げている。
千鶴子は喉の奥まで文雄のペニスを呑み込もうとするが、ますます堅さを増すそれに、思わず咳き込んでしまっていた。
「ふう……これだけ堅くなれば十分ね」
肉棒から口を離し、千鶴子が満足げに微笑む。
唾液にぬらりと濡れるペニスをもう一度擦ると、立ち上がってベッドに寝転んだ。
「じゃあ文雄さん、お願い」
千鶴子は仰向けに寝転んだまま両脚の膝裏を抱え持ち、文雄に性器を見せつけた。
「ここを、文雄さんのおちんちんで、擦り上げてほしいのよ。私も準備はできているから」
妖しく瞳を濡らしながら、千鶴子が性器を指で割り広げる。
薄暗闇の中、小さく開いた膣口から愛液がとろりと流れ出るのが見えた。
もう何度も舌で弄んできた妹の性器だったが、文雄はやはり興奮せずにはいられなかった。
「ね、お願い……」
「わかった……」
文雄は誘われるままベッドに上がり、千鶴子の股の間に体を進めた。
完全に勃起したペニスを千鶴子の亀裂に沿うように触れさせる。
ただそれだけで、千鶴子はピクリと体を震わせ、小さな喘ぎ声をこぼした。
「はぁ……あ……」
愛液に濡れる千鶴子の陰唇が、ぴったりと肉棒に吸いつくように痙攣を繰り返す。
文雄がそろそろと腰を動かすと、千鶴子はすぐに顔を仰け反らせて、快楽を露わにした。
「ふ、文雄さん……! 文雄さ……! ああんっ!」
暗闇に、千鶴子の真っ白な裸体が跳ねる。
実の兄のペニスに陰唇を擦られ、クリトリスを削られて、千鶴子の肌はあっという間に朱に染まっていった。
「い、いい! 文雄さん……! いいっ!」
「クソ……! いつもいつも人のことをいいように扱いやがって……! そんなにいいのかよ!」
日頃心の中に溜まっていた千鶴子への恐怖と不満を、文雄は気付けば口にしていた。
「こんなエロいことをするためだけに、俺を脅してるのかよ! そんなにエロい事が好きなのかよ!!」
「あ……ああっ! 好き……好きなの! 文雄さん、好きなの……!」
「この淫乱め……!」
文雄はさらに体重をかけ、千鶴子を追いこむかのように激しく腰を振った。
ベッドが軋む音を立てて揺れ、ぬちゅ、ぬちゅん、と粘着質な淫音が響く。
二人の性器が触れ合う部分は、文雄の先走りの汁と千鶴子の愛液が混ざり合い、白く泡立っていた。
「文雄さん、そこ……も、もっと擦って!」
千鶴子が脚をますます広げ、文雄の動きに合わせて秘所を押しつけるように腰を上げた。
美しい少女の陰唇は完全にほころび、左右に開き切って秘口を文雄の眼下に晒している。
その肉のほころびに亀頭の先端が引っ掛かるたびに、千鶴子は背筋を反らせて、声にならない声を漏らした。
「んく……! はぁあ! んぁあぁああ……っ!」
秘所がより強く文雄のペニスに抉られることを望んで、懸命に腰を突き出そうとする千鶴子。
そこに文雄が思い切り体重をかけてペニスを擦りつけ、膨張したクリトリスがカリ首に押しつぶされる。
「す、好き! それ好き! 文雄さん、好き……!」
「これがいいのか。感じるところは、舐めてやる時と変わらないんだな」
「好き……! 好き……!」
首を左右に振りながら、千鶴子は普段の落ち着いた様子からは想像もつかない乱れぶりを見せる。
口の端から涎を垂らし、膣口からは熱い粘液を垂れ流して、尻の穴までぐちょぐちょに濡らした。
「文雄さん……! んんっ! あああああっ!!」
二人肌を合わせてほんの数分間で、千鶴子は開き切った脚をつま先まで張りつめさせ、絶頂に達してしまった。
いつもの理知的な瞳とは程遠い、快楽に溺れた女の表情のまま、細く長い絶頂の声を上げる。
その表情に、その声に、文雄も刺激されて、ほとんど同時に千鶴子の腹の上に射精していた。
「あ……」
肌に受けた熱い感覚に小さく声を漏らす千鶴子に、文雄は倒れ込むように覆いかぶさる。
しばらくの間、二人の荒い呼吸が部屋に満ちた。
「……ありがとう、文雄さん。これからは毎日、よろしくね」
やがて千鶴子は倒れ込んだ文雄の耳元で呟いて、そっとその体を抱きしめたのだった。
数日後、文雄は教室に着くなり美由紀にハイタッチを求められた。
「ほら! タッチタッチ!」
「え? え? タッチ?」
求められるままに、ハイタッチを交わす。
美由紀は笑顔のままで何度も手を鳴らした。
「ふう、疲れた! でも楽しかったね!」
「ああ、楽しかったな! ……で、何があったのか教えてもらえるか」
「あ、ごめんごめん。私ってば先走っちゃって。あのね、すごくいいことがあったの。澄川君、ようやく私のボディガードからお払い箱だよ」
「その表現だとあまり喜べないが、護衛の必要が無くなったってことでいいのか?」
「うん。ホームレスの人たち、みんな居なくなっちゃった」
「へ?」
「もうね、大ラッキーよ。食中毒か何かで、ほとんど死んじゃったんだって!」
「な、なんですと?」
その朝学校に来る時、例の橋を渡ってきた美由紀は、橋の下に警察官が数人集まっているのを目にした。
何だろうと気にしながら通り過ぎようとしたら、そのうちの一人に声をかけられた。
「ここは良く通るのかい?」
「はい。通学路なので毎日……あの、何かあったんですか?」
「ああ。そこの橋の下でホームレスの人たちが死んでいてね。どうやら、拾ってきたものを食料にしていて、それに異物が混入していたようなんだが……」
「死んだって、みんな死んじゃったんですか?」
「たまたま被害を免れた一人を除いてね。そうそう、そこの神社だけど、よくお供え物をされているのかな? 生き残った者に話を聞いたら、拾ってきたものの中には、そこのお供え物もあったみたいで。誰がよくお供え物をしているか、知らないかい?」
「どう……でしょう。それほど多くはないと思いますけれど……」
それ以上は話を聞かれることもなく、美由紀はすぐに解放された。
警察官たちは、その後もそこに残って道行く人に声をかけていた。
「……とまあ、そんな感じで。今までありがとね。これで一人でも大丈夫になったよ」
「俺は何をしたわけでもないよ。ともかく良かったな」
美由紀は改めて文雄に頭を下げて、離れて行った。
よほど嬉しいのか、笑顔のままで友人たちに何度もハイタッチを求めていた。
昼休み、文雄は昼食を後回しにして旧校舎に向かった。
第二図書室の扉を開けると、貸出席に千鶴子の、閲覧席には叶絵の姿が見えた。
「わあ、お兄さん、いらっしゃい」
「誰があなたのお兄さんよ。文雄さんは私のよ」
歓迎の声を上げる叶絵をぴしゃりと叱りつけると、千鶴子は箸を置いて文雄の方を向いた。
「文雄さん、いらっしゃい。今日は文雄さんから、お弁当の感想を言いに来てくれたのかしら」
「いや、弁当はまだ食べてない」
「だめじゃない。ちゃんと食べないと大きくなれないわよ」
「お前は俺の何なのさ……」
貸出席の前に椅子を置き、文雄は千鶴子に向かい合って座る。
傍らに見える叶絵が気にはなったが、早く聞きたいという気持ちを抑えることはできなかった。
「聞きたいことがあって来た。例のホームレスたちの話はもう知ってるか?」
「いいえ。何かあったのかしら」
「死んだらしい。今朝、一人を除いて死体で発見された」
文雄は美由紀から聞いた話を千鶴子に伝えた。
「あら。もしも誰かが置いたお供え物が原因だとしたら、それこそ神様の罰があたったみたいなものね。あまり意地汚い真似をするからよ」
「……それだけか?」
「それ以上に何かあるとでも? 言っておくけど、この手のことで亡くなった方々に同情しろというなら、それはあまりに無茶な要求よ」
「そうじゃなくて……お前言ってただろ。毒物を混ぜた食べ物を近くの神社にでもお供えしておけば、勝手に食べて死んでくれるって」
「ええ。図らずも祈りが通じたようね。何よりだわ」
千鶴子は淡々と言う。
雲が除けたのだろう、薄暗闇に窓から銀の光が差し込み、二人を照らした。
「何も、していないよな」
「それは、私があの浮浪者たちを殺したんじゃないかと、疑っているということかしら?」
「そうなるな」
ふ、と千鶴子が小さく息を吐く。
「……それは千鶴子ちゃんが可哀想だと思います」
答えたのは、叶絵だった。
叶絵は閲覧席を立ち、真っ直ぐに文雄を見つめていた。
「確かに千鶴子ちゃんは何でもする子だけど、それは全部澄川先輩のためだからです。千鶴子ちゃんは本当に澄川先輩のことを……」
「叶絵さん、黙って!」
真剣に文雄に訴える叶絵を、千鶴子が手で制した。
「……文雄さん、もし私が彼らを殺したとしたら、どうだっていうの?」
「そうだとしたら……俺は絶対にお前を許さない。俺にあんなことをさせておいて……」
叶絵を気にして、文雄は言葉を濁す。
この数日の夜の行為の光景が頭の中を廻り、カウンターの上に置いた握り拳が小さく震えた。
その拳を包むように、千鶴子がそっと手のひらを添えた。
「そうよね。約束を破られるって、とても悲しくて悔しいことよね。それをわかってくれただけでも、とても嬉しいわ」
「千鶴子、やっぱりお前……」
「大丈夫。私じゃないわよ。信じてちょうだい」
「一言一句お前の言っていた通りになったんだぞ? 信じたくても……俺はお前が怖くて……」
「それならそれでいいわ。私の気持ちを軽んじるとどうなるか、しっかり心に刻まれたでしょう」
千鶴子は文雄の頬に手を触れると、そのままそっとキスをした。
「わわ……」
兄妹のキスを目の当たりにして、叶絵が口元を押さえながら小さく声を出す。
文雄は慌てて千鶴子から離れ、距離を置いた。
「死んだのが星野さんじゃなくて、良かったわね」
「……っ!」
文雄は顔をしかめたが、何も言わないまま踵を返し、図書室を出ていった。
扉が閉じ、静寂が訪れる。
「……いいの?」
叶絵がおずおずと千鶴子に問いかけた。
「何がよ」
「澄川先輩に誤解されたままで。千鶴子ちゃん、やってないんでしょ?」
「いいのよ。これで文雄さんは、ますます私から離れられなくなるはずだもの」
「そうかもしれなけど……嫌われちゃっていいの?」
「ん……そうね」
千鶴子は天井近くの窓を見上げ、雲の裂け目から覗く太陽の光に目を細めた。
「いいのよ。最後まで傍にいられたら、それで」
とても悲しそうな声と、表情だった。
全然よさそうじゃないよ、そう叶絵は思ったが、言葉にすることはできなかった。
「それにしても、私が言ったのと同じ方法とはね。叶絵さん、一応聞いておくけど、私に気を遣って殺したりした?」
「し、してないよ」
「私の言葉を聞いたのは、あの場にいた三人。何かの拍子に戻って来ていたとして、送り届けたはずの星野さんで四人。
人通りはなかったし、近くに住宅も無かったわ。簡単な手段だから、他にいくらでも思いつく人は居ると思う。けど……誰がやったのかしらね」
深い深い千鶴子のため息が、図書室の中に響いた。
投下は以上です。
乙です
言いにくいですけどもう少しだけ
投下待ってあげても良かったかもですね
十分だと思うが
寧ろひきこもり大戦記の投稿間隔が異常だわ
ひきこもり大戦記の投稿間隔が異常か?
俺も別スレに投下するがあんま短時間で連投すると規制食らうかもしれんから
ひきこもりよりかは少し早いぐらいだぞ
それよか24時間以内に他の人が断りもなしに投下するとスレが荒れる原因になるぞ
まあ今日は休日だから投下しやすかった事もあるんだろうがな
以後気をつけます。
>>182 申し訳ございませんでした。
おゆきさんGJ
叶絵は良いキャラに成りましたね
後一見頭脳明晰孔明のような千鶴子の
奥底のせつない一途な気持ちと堅物文雄の
すれ違い描写は秀逸でした
自分は千鶴子を応援したいけどね
>>202 流石に24時間は空けすぎだと思うがなぁ
5-6時間もありゃ良いと思うが
>>205 このレスも含めて24時間は開けろ、空ける必要ないとかの議論がスレの荒れる元なんだろ
原則、前の投下から最低24時間空ける事は暗黙の了解になってるし
それで被されると被された人が気分悪くなって最悪書き手が去っていくかもしれんしな
コンスタントに一日1,2投下されてるぐらい活発なスレなら別に気にならないと思うが
>>206 うるさい基地害
いい加減この話題から離れろ
休日しか投下出来ない職人も居る分けだし
5〜6時間も開ければ別に良いだろう
問題は前と違って住民数が減ってきているから、間隔があいてないように見えるだけだ
折角連続で投下が有ったのに基地害自治厨のせいで台無しだなw
せっかく投稿する人が増えたのになんか勿体ないなあ
ルールは変えられるでしょ。投下間隔も明文化すればいい
スレが伸びてると思ったら荒れてるのな
しかもSS書いた人いるのに暴言吐いてる奴の感想しかないし
自治厨が一番の荒らしという良い例
まあ、とにかく自治してる人が先に投下した作者じゃないっていうならもうやめようぜ
ここ荒らしてるのは某作品の作者だろ
たぶん保管庫の中の人
荒らし実績ある人だからサイトあるならそっちでやった方がいいよ
暴言はすまなかったな
投下間隔を指摘する者がいて、おゆき氏が謝罪して、それで終われば良いものを
何時までも、この話題を引っ張る流れに腹が立ってな
おゆき氏はスレ設立初期からの名作職人で惜しまれつっ休載宣言後保管庫の長編を全削除して、久々に戻ってきて感想を着けたい者も多いはずなのに、それを阻害するような流れにな……
前回投下後も投下ペースの遅さをイチャモンをつける奴がいて、それを改善してきたのに、今回の流れに意図的な悪意を感じてな
おゆきさん。あなたの作品を楽しみにしている者は多いはず
今回も心の中でGJを贈っている住民は沢山居るはずですから、是非これに懲りずに投下を続けてください!
ひきこもりGJ!
妹とは別に暮らしてる?
ノスタルジアGJ!
復活は嬉しい
一つ聞きたいのだが、キモウトやキモ姉の告白を受け入れる作品ってどれくらいあるかな?
兄や弟を執拗に追い詰めて、ようやく受け入れさせる作品はカウントしない方向で
で、結局犯人は誰なのかね?
>>216 それはもはやキモ姉妹になる要素がないのでは……。
まあ姉妹的には万々歳だろうけど。
キモ姉「弟くんのパンツジュウジュウ 髪の毛ショリショリッ
ゴミ箱パカッフワッ 使用済みティッシュトットットッ…
ハムッ、ハフハフ、ハフッ!」
弟「キモい!」
ノスタルジアきてた!
毎回面白いし次回も期待してます
222 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 20:28:57.77 ID:zPycR1pG
|ニニつ
| /
| Д゚) < ダレモイナイ.....オドルナライマノウチ。
|⊂
|
(二二ニニつ
ヽ /
(゚Д゚ ).| < キノコノコーノコゲンキノコ♪
⊂|. .υ|
| |
ヽ _⊃
U"
(二二ニニつ
ヽ /
| ( ゚Д゚) < エリンギ マイタケ ブナシメジ♪
|ц |つ
| |
⊂ _ノ
"U
兄「マル・マル・モリ・モリみんな食べるよ〜♪」
妹「最低!いっつもいっつも○菜ちゃん見てニヤニヤしてる!このロリコン!」
兄「ツル・ツル・テカ・テカ明日も晴れるかな〜♪」
妹「テレビ見ながら歌わないで!キモイ!」
兄「はぁ〜○菜ちゃんかわいいなぁ〜。」
妹「ねぇ、こっち見てよ!………ねぇ」
兄「はぁ〜可愛いなぁ。俺もこんな可愛い妹が欲しい」
妹「…」
翌日
兄「ふぁぁ、眠てー」
妹「マル・マル・モリ・モリみんな食べるよ〜♪
兄「…」
妹「ツル・ツル・テカ・テカ明日も晴れるかな〜♪」
兄「…何やってんだおまえ」
〜〜姉、こういう呼び方不自然でキモい
それだけで読む気なくなる
今たまたまWORKING!読んでて思ったんだが
小鳥遊家の次女と四女はもう少し性的だったらキモ姉妹の素質充分だったな
>>224 不自然とはなんだ!
妹達が物心ついた時から自然と〜〜兄って呼ばれるようになった俺に謝れ!
自分語りは勘弁
惨事に妹なんて存在しないだろ
弟はお姉ちゃんが育てた
惨事に腐った姉妹がいるせいで虹の姉妹を求める俺みたいなのもいるんだ、生暖かく見守ってやろう
二次元のキモ姉妹が三次元に実体化するんやな
惨事を一見非難してるように見えるがみんな
>>225に嫉妬してるんや!
自分と同じ顔の妹に萌えられるかと聞かれていけるやつはナルシスト
二次元だと同じ親から生まれたとは思えない美少女が妹だったりするけどな
二次元の美少女の兄は他のキャラから個性がないだの不細工だの言われる事が多いけど三次元なら男前レベルだけどな
嫉妬深い狐姉に末代まで姉としか結ばれない呪いをかけられた
サンキューアネキ
狐妹
略してキモウト
今一番勢いのある作品は狂依存あたりか?
保管庫にノスタルジアが載ってないんだが…
すまん自己解決した
前スレから見れた
構わん!自分で編集しちゃお!
姉妹との結婚が認められたら少子化は解決する
そろそろ新作が欲しい
>>241 まあ狂依存と狂もうとだろうね
特に狂もうとは最近の連投で胸熱状態だし
新しい妹もほしい
>>248 だが、これからご両親に作ってもらうとなると、かなり年が離れないか?
(あなたが実はちっちゃい子だったら、こんな所を見てはいけません)
となると養子か、あるいは人外系の…
お姉ちゃんで我慢しなさい
養子をもらえばいい
投下します。
タイトル「ホール」
姉もので短編。
すっきりしない展開かもしれません。
とある山奥、とある山小屋。
だれもがわすれ去った獣道を進むとそこにたどり着く。
僕が幼い頃に見つけた二人だけの秘密の場所だ。
だれが建てたかわからない、誰のものかも分からない古い山小屋に
僕は会いに行く。
(キィ・・・)
小屋の扉をゆっくり開けると立て付けが悪い扉のような音がした。
部屋の中は薄暗く湿った空気とひどい悪臭が立ち込めていた。
小屋には窓も家具もなく、ただどこまでも深くてそこが見えない大きな穴が地面に掘ってあった。
悪臭はその中からしている。
「ハジメ・・・来てくれたのね!」
「ああ・・・会いたかったよ姉さん。」
穴から声がしたと同時に中から一人の女性、もとい僕の姉のカヲルがよじ登ってきた。
254 :
ホール:2011/10/21(金) 00:49:18.38 ID:V/2KuWuc
「・・・ハジメ!私も会いたかった!
好きよ!この世でなによりも愛してる!」
駆け寄ってきた姉さんと僕は抱き合ってそして深いキスをした。
「・・・ねぇねぇハジメ!お姉ちゃんがんばったのよ!みてみて!」
姉は穴の中を指差して子供のようにはしゃいで言った。
まるで褒めてほしいというようような歓喜に満ちた表情で。
「あなたを誑かす悪い虫共を中に落として骨を折ってやったわ!
二度と立ち上がれないようにしたの!
この後どうなるのかしら!
食べ物も携帯も捨てちゃったから助からないの!
でもおなかが減ったらきっと共食いするでしょうね!
あなたを奪おうとした敵同士食べあうの!
でも食べても食べても絶対ハジメとは永遠に会えないの!
それってすっごく素敵だと思わない!」
「ああ・・・」
僕が返事をすると姉さんは言った。
「私、ハジメのためにここまでやったのよ。
ハジメを心から愛しているから、世界で一番大切に思っているから・・・
ねぇ・・・ハジメもお姉ちゃんのこと愛してるよね?
世界で一番・・・」
「ああ」
姉さんは僕の目を見つめてこのとき一番ほしくて切望している言葉を待った。
「ハジメ、お姉ちゃんのこと好きよね?」
255 :
ホール:2011/10/21(金) 00:51:53.06 ID:V/2KuWuc
「 お 前 な ん か 大 っ 嫌 い だ 」
姉さんは心を銃で撃ち抜かれたような苦しい表情に豹変した。
「嘘よ!どうして!私を愛してるんじゃないの!?
私達を困らせる虫はもういないのよ!?
二人のためにお金も用意したし、家も車も仕事も全部みつけたし、
親もいないし私達の関係を知る人はみんないなくなったのに・・・!!」
「・・・・」
「あ、あそっか、まだあなたを誑かす虫けらが新しく出てきたのね!
ハジメは昔から虫が寄ってくるもんね!
お姉ちゃんまたがんばるから!」
そう言って姉は山小屋から駆け出して町のほうへ降りていった。
僕は山小屋の扉を閉めてもと来た道を戻っていく。
「姉さんは相変わらずだな。」
年に一度この日だけ、僕は姉さんに会うことができる。
世界で一番愛する好きな女性に。
姉さんを殺したのは10年前だった。
穴を掘り、恋敵で蟲毒を作ったあの日、
僕は人でなくなった姉にキスをして、首を絞めて、穴に落とした。
姉のことを大切に思っていた、だからそうするしかなかった。
姉は忘れっぽい性格だったから自分が死んだことに気づいてないのかもしれない。
もし姉に10年前に伝えられなかった言葉を伝えてしまったら、
もし姉が死んだこと思い出してしまったら、
僕はまた失うことになる。
僕は臆病者だ、もう一度彼女を失うことに耐えられない。
自殺しようと思ったときに姉と再会してやっと生きられるようになった。
気の毒だがまた町に戻って他の女を口説きに行こう。
世界で一人だけの愛する女性に会うために。
256 :
ホール:2011/10/21(金) 00:53:25.92 ID:V/2KuWuc
以上で終わりです。
夢幻紳士っていう漫画のこと思い出してたら思いついたのでやっちまいました。
僕にはよく分からない…
GJ!
泥棒猫を共食いさせるとは新しい…
勉強になるな
何度も繰り返してんの?
泥棒猫たちの共食いがきになる。
ともあれGJ です
姉は幽霊で、姉に成仏して欲しくないから実は愛してることを伝えないしわざと他の泥棒猫をちらつかせる、ってことでおk?
んにゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
ヤンデレのお姉ちゃんが欲しいよぉぉぉ!!!!!!!!
同棲したいよおおぉぉぉ!!!!
>261
その通りです。
あらためて読み返すと解りづらい文章だと自分でも思うッスな。
すみませんでした〜。
続きが気になる作品が、過去作品から今投下されてる作品までありすぎて困る。
弟が恋しくなる毎にタトゥーを入れる姉
今では服を脱ぐと全身にびっしりと弟の名前が…!
何その耳なし芳一
キモウト来い
頭の弱い姉に姉弟で結婚出来ると嘘ついたらどうなる?
やだやだ俺は妹がいい
嘘つこうがつくまいが結果は変わらんて
チョイチョイと書類上両親違うことにされて気がつけば結婚式だろ
う〜ん…贅沢なのは分かってるんだが投下間が3日空くとまだかまだかと思ってしまう
頭弱くないやん
保管庫更新ありがたや
274 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 23:14:00.31 ID:BxCSyXR2
すっごい遅くなったけど
引きこもりとノスタルジア再開乙です!
2つともいつか続きくればなーと待ってた作品だから
本当に嬉しい
>>272 母の入れ知恵だよ
母は姉に好きな人と結婚して欲しいんだよ
頭弱い姉に姉弟で結婚出来ると嘘を言ったら姉が喜んでママに教えて
ママが本当に結婚出来るように戸籍を他人変えていた
こういう事だな
普通に戸籍を変えるなんて事できんの?
ご都合主義って知ってっか?
きっとアレだよ。
同姓同名で年も近い人がいて、その戸籍を戴いたんだよ。
……いや、「同好の士」と戸籍交換して兄妹結婚に挑むというネタは考えた…
数年振りに実家へ帰った弟、なんとなく姉の部屋に足を踏み入れると
そこには壁一面天井までびっしりと張り付けられた弟の写真が!
気味が悪くなって部屋を出ようとするとそこには姉の姿が
姉「すべては予定調和のうち」
そういえば、Sound HorizonのArkってキモウトっぽいよね。
歌詞の中に「さあ、楽園へ還りましょう。お兄さま。ウフフフフ」ってあるし。
漫画だと妹が兄をナイフで刺しちゃうし。
キモウトは兄をナイフで絶対に刺さない
よってキモウトではなくただの妹
男女の双子は前世で心中したカップルの成れの果てと聞く
もし女がヤンデレなら生まれ変わったらさぞや立派なキモ姉妹になるのだろうか
ヤンでっから(無理)心中して遺伝子ねじ曲げて姉妹のどちらかになって生まれてくんじゃね?
あれだ
キモウトがお兄ちゃんの妹は私だけってナイフで無理心中してきてだな
なぜかキモ姉として転生するんだよ
そして元兄の弟をショタの頃からじっくり仕込んでいくのさ
そこに前世で後を追った泥棒猫がキモウトとして転生してきてだうわなにをするやむ
狂もうとの続きが楽しみすぎてツライ
ふと思ったんだけどキモ姉、キモウト、ヤンデレ好きって潜在的なMだよな
待て。キモ姉妹に苛まれる主人公を、ニヤニヤしながら眺めるのが好きなSかも知れない
何言ってんだ 反撃レイプを待ち受けてるというのに
オールラウンダーですな
平気で兄や弟を殴るキモ姉妹ってこのスレのSSにいんのか?
前立腺ぱんちなら若しくは
パッと思いついたあたりだと、「擬似姉妹」とか、初期の作品だと「千冬と浩司」とか。
勃ったから和姦
たびたび記憶を無くす弟、その理由は弟に全身麻酔を施しレイプしていた姉だった
弟が寒くないようにと言い訳して巻きついてくるラミア姉
弟が浮気すると尻尾でひっぱたかれる
君はたまにラミアさんを出すね
人外姉はいいが自分も人外ってことになるよね
従姉という可能性
女系生物だから滅多に男が産まれなくて産まれても人間と変わらないでOK
女系生物ってなんぞ?
>>306 ゲームなんかでよくある「女しか生まれねぇ」生物じゃね?
ここは一つ「男が生まれれば人間、女が生まれたらラミア」ってのはどうだろう?
姉弟で種族が違ったって良いじゃないか。
あるいは、どちらかが養子という手もある。例えば、主人公の父親が戦って殺した
ラミアの子を見つけたけど、幼児を殺すに忍びなくて連れて帰って養女にしたとか。
細かい設定は正直どうでも良いんだ
実姉にどんな巻きつかれるかたするのかが問題
小学校の図書館で出会ったシートン動物記の影響で
将来はラミアになろうと決めました
巻き付きは毎日練習しています
まだまだ下手なので恥ずかしいです
今の目標は弟君が泡を吹かなくなることです
>>309 想像しにくいからSSにして書いてよハニー
泥棒猫を丸のみにして証拠隠滅とか
泥棒猫の幼馴染(ネコマタ)との一騎打ちか
燃えるな
女狐のキモウトが漁夫の利を得るよ
巻き付き癖のある姉は好きですか?
316 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 02:21:18.83 ID:G6HepIa6
狂もうとの空可愛い
>>316 あまりキモウト臭くないところがなんとも
>>315 抱きつき癖と、一字違いで大違いですな。
320 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 12:42:44.70 ID:sZ3BDdGa
姉「弟よ」
弟「何?」
姉「露出狂って裸にコート着てるイメージがあるよな」
弟「唐突だな」
姉「実は私もこの服の下は裸なんだ」
弟「ノーブラということか」
姉「興奮しないか?」
弟「しません」
姉「実はこのズボンの下も裸なんだ」
弟「」
姉「お前にこんな事を言ったんだ、ヤることは一つだろう?」
弟「やめてくださいしんでしまいます」
姉「問答無用ッ」
弟「oh」ビリッ
家に居るときはノーブラな俺の姉
ノーモアヒーローズの主人公は妹と付き合っててなんか妹が親殺してたんだけど
あれはキモウトか
ジーンはトラビスを不幸にしたいだけ
にゃあああああああああ規制とけたお!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
324 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 23:07:07.97 ID:G6HepIa6
325 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 23:39:51.88 ID:9dOnikue
いい加減誰か投下しろよ…俺は絶対せんけどね
絶対せんじゃなくて、できないんだろ
ぷっ()
投下不足もネタになるな
次は誰が投下してくれるかなぁ〜
330 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/30(日) 09:15:54.98 ID:KS+2NSU5
狂もうとの続きが気になる
投下がないと僕を強姦する姉。始めの内はもちろん嫌でした
でも最近は少しそれが気持ち良くなってきて強姦されたい、そう思いあえて投下していません
きっと今日も・・・。
332 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/30(日) 12:08:39.01 ID:KS+2NSU5
妹「投下しないなら私と付き合ってもらうから」
ってことで投下しない
キモくてニューゲーム
相思相愛の(姉脳内では)の弟が幼馴染にNTRれてしまい姉はショック死してしまう
しかし死んだはずの姉は過去に戻っていた
ショック死ってより憤死だろうな。
335 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/30(日) 22:43:45.12 ID:KS+2NSU5
妹「なんで投下しないの?ねぇなんでなの?なんで
おにぃちゃん私に投下するっていったよね…
私に嘘ついたんだねぇモウユルサナイ
コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
ぼくちんどーてぇいで400いったら投下
337 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/30(日) 23:15:06.35 ID:KS+2NSU5
>>336 400だな わかった
がんばってみよう
キモくてニューゲームツボったww
>>333 センチネルを思い出すな。あれもキモウトものだし
キモウト来い
341 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/31(月) 17:21:09.08 ID:mJ7kQXSs
投下したことないんだが試しにかいていいか?
どうぞどうぞ
343 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/31(月) 17:43:46.94 ID:mJ7kQXSs
>>342ありがとう
じゃあ投下する
タイトルは「狂わす兄」
初投稿だからどんどんしてきしてくれ
支援
あとsage推奨
345 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 17:52:18.17 ID:mJ7kQXSs
20○○年某日
俺はこのくだらない世界からサヨナラしようと高校の屋上にいた
俺の名前は柏木 拓海勉強も運動も中途半端なフツメンだ
今日も同じ電車に乗りくだらない友人とくだらない会話をかわしまた屋上へくる
拓海「どうせまた落ちれないんだな」
俺はそう言った
346 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 18:12:18.28 ID:mJ7kQXSs
今日で11回めまた屋上で足がすくみ落ちれない
拓海「いつまでこんなことしたんだろ」
独りでそう呟く。
拓海「ただいま」
家に帰ると妹がリビングでテレビをみてる。俺には反応しない
妹の名前は柏木 里香子
成績優秀でアイドル張りに可愛い。みんなが憧れるようなシチュだがうれしくなんてない
小さいころから妹と比べられしかられてばかりだから
俺は静かに自室にはいる
なにもせずただボーと窓を見つめる
そして寝る用意をしてねる
次の日
俺が高校にいく途中一人の女の子が俺に寄ってきて急に告白をした
話を聞けば俺に昔助けてもらってそれから好意を持ち始めたそうだ
まさかとは思うが誘い受け、常時age、書きながら投下の三連コンボではあるまいな
348 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 18:52:36.47 ID:mJ7kQXSs
名前は 麻生 雫とかいったかな、これといって興味なかったから覚えなかった。
一つ気になったのは妹の同級生ということ
今日も適当に授業を終え家に帰る
そして1ヶ月ぶりにPCを開く
そしてヤンデレ系SSのなかで普通の人をヤンデレにするという内容のSSをみつけてしまう
>>347 ageはスレをあげることで
sageはメルアド欄にかいつスレをさげることだよな
とにかく続けて
藤林丈司
長続きしないな.....
何事だ
353 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 21:16:04.94 ID:mJ7kQXSs
すいません
とある事情でいま書けないじょうたいにあります
書きためてまた投下します
354 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 22:00:40.71 ID:mJ7kQXSs
そのSSをみてふと麻生のことを思いだす
上手くいったらあの娘を俺が大好きなヤンデレにできるかもしれない
おれはその晩ずっとそのSSを参考に計画を練った
翌日
昨日考えた計画の手順通り朝、麻生に会い告白を受ける
予想通り麻生は喜び連絡先などを聞いてくる
電話番号とメールアドレスを教え高校にいく
すべての授業を終え、放課後になる
今日だけは屋上にいかず麻生とデートをして仲良くなる作戦だ
妹の中学にいくと麻生と里香子が楽しそうに話していた
里香子「で告白上手くいったの」
麻生「うん」
里香子「よかったねーいいなー。私も彼氏欲しいなー」
麻生「良く言うよ里香はしょっちゅう告られてる癖にー」
里香子「そういや彼氏ってどんな感じなの?」
麻生「年上だけどかっこいいよ。あっあそこにいる」
里香子「どれどれ…あっ」
拓海「よう麻生って里香もか」
分かっては居たがあえてそう言う
里香子「はぁ?あんたが雫の彼氏とかw雫こんな奴絶対やめたほうがいいって」
麻生「へ?二人って知り合いなの?」
拓海「兄弟だよ。似てないけど」
里香子「あんたを兄貴だなんて思ったことないしw」
拓海「あハハ…けど俺は別れる気はないぞ」
355 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 22:14:15.15 ID:mJ7kQXSs
麻生「わっ私もまだ別れる気はないです」
里香子「雫がそう言うならしかたないなー あんた雫になんかしたら私がゆるさないからね」
拓海「しっしねーよ」
麻生「そういやどうして来たんですか拓海さん?」
拓海「いや今からちょっと付き合ってもらいたいところがあるんだ」
麻生「いいですよ。むしろ行かしてくれてうれしいです」
里香子「じゃあ私じゃまだね、もう帰るからがんばってね」
麻生「うん」
そうして俺と麻生は近所のショッピングモールへ向かった
356 :
狂わす兄:2011/10/31(月) 22:16:08.67 ID:mJ7kQXSs
今日の投稿は以上です
ありがとうございました
書きながら投下&台本・・・勘弁してくれ
>>357 台本一応あるけど今日の朝PC起動
できなくなったからおもいだしながらゲームで書いてる
359 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/31(月) 22:45:48.16 ID:rn0II+BT
360 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/31(月) 22:48:41.95 ID:mJ7kQXSs
乙
>>362 ありがとう。
今から書いてまた夜に投下する
単芝は勘弁
これって妹ちゃんヤンデレなの?
ねぇ、ねぇ!!!!
>>365 多分半ヤンデレ位
一応今ある程度まとまった
>>366 とりあえずいちいちレス返すのはやめた方がいいよ
鍵カッコの横に人物名入れるのVIPだけだと思ってた
普通は会話文の上下にその会話を誰が話してるのか分かるような文を書くもんじゃないのか?
よく分からんが…
>>367これだけ言わしてくれ
>>368 最初それで書いてたんだがゲーム機の要領
がすぐたりなくなってしまうからvip風に変えた
読みづらかったら直ちになおす
避けた方が良い
■台詞の前に、その台詞をしゃべっているキャラクターの名前をつける■
太郎「おはよう、花子さん」
花子「あらおはよう、太郎くん」
↑こういう書き方のこと。これを使うとどうしても人物や状況の描写が淡泊になり、
台詞の応酬だけでSSとしてあまり面白くないものになってしまいがちなため、敬遠される。
これは、”一般の小説風の、ストーリーに重点を置いたSS”の場合に避けた方が良いものである。
軽いジョークを目的にしたネタレスなどで使う分には問題はない。
確かこんなんがあったな。かなり昔のスレだが
読みやすいSSを書くために
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/
371 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 01:25:18.36 ID:hemL2lbw
>370こんな感じかセリフ一つしかないけど
柏木家にて
ただいま
誰もいないが癖で言ってしまう
お兄ちゃんがいたら返事してくれるから
今日信じられないことが起きた。
私の大好きなお兄ちゃんに彼女ができたのだ。
これまでお兄ちゃんがパソコンとか本で見てた”ツンデレ”の真似事をしてたせいでお兄ちゃんとぜんぜん会話もしてない。
さびしいさびしいさびしいさびしいさびしいさびしい
お兄ちゃんはもう私を構ってくれないかもしれない
彼女と暮らすためここからでていくかもしれない。
しかもその相手は私の親友
だからと言ってお兄ちゃんを渡したりしない
お兄ちゃんはずっと私のもの
小学生のころある事件以来、私はお兄ちゃん以外に興味がなくなった。
小学生の頃私はまわりからいじめをうけた
成績と容姿がいいから嫉妬の対象になりまわりの女子、その他男子数名から暴力などを加えられた
そしてそのいじめに両親より早く気づき助けてくれたのがお兄ちゃんだ
私をいじめてた男子を殴ってお兄ちゃんは校長室に呼び出されて親に殴られて
それでも私をかばってくれて
「里香は俺が一生守る」って言ってくれた
372 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 01:26:39.58 ID:hemL2lbw
どうせだから今から投下する
373 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 01:30:36.27 ID:hemL2lbw
今日もおにいちゃんのパンツで自分を慰める
体がお兄ちゃんを求めてる
はぁはぁおにぃちゃん…
ナンデワタシイガイノコトイルノ?
オニイチャンハワタシノモノダカラ ダレニモワタサナイ
あは、あはははっお兄ぃちゃんだぁいすきぃ
夕方
ただいま
おにいちゃんがやっと帰ってきた
お、おかえり
めずらしいな返事するなんて
あっあのさ
言うんだあの女とわかれろって
なんだ?
き、きょうどうだったの?
言えない
あぁ、新しい服選ぶの手伝って貰ってそのまま帰ってきた
ふ〜ん、雫に手出してないんだ。
出す分けないだろ。全く
374 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 01:39:38.29 ID:hemL2lbw
そういってお兄ちゃんは自室に入っていった
さっきはお兄ちゃんだけで興奮してなにも言えなかっただけ
自分が情けない。明日こそしっかり言おう自分の気持ちを
そう心の中で誓いねむりにつく
私はずっとそう
好きっていいたいのに
世界で一番愛してるっていいたいのに
肝心な所で言葉がでない
375 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 01:51:03.45 ID:hemL2lbw
一ヶ月後
俺は麻生をあとすこしでヤンデレにする所までたどり着いた
麻生は俺にかなりデレてるし
メールも一日に最低三十くらい来る
一つきになるのは妹の里香だ
最近家の中でずっと一人でしゃべっている
横からみているとかなりぶきみだ
それはさておき麻生のことだが、あとはメールアドレスを変えて着信拒否さらにこの一週間いとこの家に住む
これが俺の計画だ。成功したら命の危機、失敗したらわかれることになるだろう
今から実行する
376 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 02:02:36.29 ID:hemL2lbw
二日後
おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい
拓海さんが急に居なくなった
メールアドレスは変更され
電話もつながらない
家にも居る様子もない
さらに里香が学校に来ない
拓海さんの両親は海外出張中だし
やはり引っ越したのだろうか?
だが普通子供だけで引っ越しなんてさせるだろうか
やはり拓海さんは私を避けている
けど私からはなれさせなんてさせない。だからずっとそばにいてね
ふふっ、たくみだぁいすき
スキスキスキスキスキスキスキ
大好き
377 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 02:10:29.46 ID:hemL2lbw
お兄ちゃんが家にいない
電話もつながらない
メールにもでない
私はお兄ちゃんを探すため
学校をやすんでいる
大好きなお兄ちゃんがいなくなった。あの女のせいで
殺す殺す殺す殺す
あの女を殺したら、
こんどこそは本当におにいちゃんにすべて打ち明ける
これまでの思いなどすべて
待っててお兄ちゃん
今すぐその女から助けてあげる
378 :
狂わせ兄:2011/11/01(火) 02:13:39.78 ID:hemL2lbw
今回はこれくらいです
一応書き方かえました
アドバイスありがとうございます
>>378 乙でした。
いろいろと言われてたみたいだけど、まぁいいんじゃないかな。これからも期待してます。
>>378 乙です
キモウトvsヤンデレ彼女の対決に期待
>>378 ひょっとして小説とか普段全然読まない人かい?
わざわざレス返すなって言われたばっかりでしょ?
荒れるもとになるから頼むよ
お姉ちゃんは寂しいと死んでしまいます
弟は死ぬまでお姉ちゃんに優しくしましょう
お姉ちゃんには友達紹介してあげるからこれでいいでしょ
僕は妹と遊びに行きます
だが妹なんて存在しなかった
いるのは三時キモ姉と二次元の妹
>>386 キモ姉じゃないけどまんま俺やないか
三次姉なんて....
これは荒れの種になりそうな作者...ニヤリ
>>378 テメェ表出ろ
三次姉がいなくて泣いてる野郎だって居るんだよ
三次は惨事だと何度言えば
二次も三次も関係ねー姉妹の悪口言うヤツは全世界の弟が相手だ!
>>389 ニートで俺の学費食い潰す姉と頭が良くて容量もいいけど性格最悪で見下してくる姉だぞ。
欲しいならどっもくれてやるからキモウトくださいお願いします。
日本語できないやつが文章書くなと
×ニート
○花嫁修業中
容量w
もしもしの予測変換でも使ってんのかよ
てめえのリアル()とかどうてもいいから
何回目だよ
397 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/01(火) 23:14:20.97 ID:tBuJ1418
三次もここに書いた時点で二次になるんじゃよ
他人の物語読んで笑ってんのにゃ変わらねぇわな
つーか二人とかマジもげ氏ねやこの
>>393
相手が実姉に限り弟は重婚出来る権利がある
というか姉を全員嫁にする義務
妹妹妹
妹兄妹
妹妹妹
まさしく四面楚歌ってやつか。いや、四面どころか八面だから八面楚歌?
逃げ場皆無じゃん…
狂もうと投下します
――空、ほら来たわよ
「あの人が僕のお姉ちゃんなの?」
――えぇ、空に似てるでしょ?
「分からないけど、美人だね!隣歩いてる男の人は誰なの?」
――あの子はお兄ちゃんよ
「お兄ちゃんも居るの!?」
――えぇ…
「へぇ、あっ、姉ちゃん転んだ!!」
――……
「……おんぶしてもらってる」
――優しいお兄ちゃんなのよ
「……」
――羨ましい?
「……べつに…」
――ふふ、じゃあ帰ろっか?
「もうちょっとだけ……見てる…」
――そう…じゃあもう少しだけね?
「うん…」
※※※※※※
「だからさっきから言ってるでしょ!?さっさとお父さんだしなさいよ!!!」
「で、ですから由奈様…旦那様は食事会の為いらっしゃらないんです」
「一昨日も聞いたわよ!二日間丸々料亭に入り浸ってるって言いたいの?戯言はいいから早くかわれ!」
携帯を耳に当て怒鳴り散らす。
電話相手は実家で働く人間だろう…だろうと言うのは電話相手を私は知らないから。
声を聞いただけでは分からないが、私の事を由奈様と言うあたり間違いなく父の側近。
顔が見えないから余計に苛立ちが増すのかも知れない。
「ッ…貴女はクビよ。今日中に荷物まとめて実家から出ていきなさい」
押し問答を繰り返すこと数十分…握りしめている受話器を叩きつけるように…と言うか叩きつけて電話を一方的に切ってやった。
「はぁ…お兄ちゃん…」
ため息を吐き、椅子に腰を落とす。
お兄ちゃんが姿を消してから3日目…未だにお兄ちゃんの居場所は分からず零菜の居場所も分からず…。
二人が一緒に居る事は間違いない…それを頭で想像しただけでストレスが頭から吹き出そうになる。
お兄ちゃんが私に連絡をよこさないのは理由があるはずなのだ…。
一番考えられる理由は電話できない状況に居ること。
零菜に監禁されてる可能性が一番高いのだ。
理由は分からないけど、お兄ちゃんを巻き込んで何かをするのだろう。
完全に地下に潜られた形となってしまったので、探すのは難しい。
零菜が何か証拠を残していないか家の中をくまなく探してみたが、何も見当たらなかった…悔しいがお手上げ状態だ。
「お〜い、由奈姉ちゃ〜ん」
「……」
玄関から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
それに反応する事なくテーブルに額を乗せて目を瞑る…。
「お〜い…って、なんだよ居るじゃん」
薄く目を開けて横に目を向ける。
「あんた何勝手に入ってきてんのよ」
リビングの扉から姿を現したのは、三日前にボコボコにしてやった空ちゃんだ。
あれだけ手酷くやってあげたのに、何を笑顔浮かべて私の前に立っているのだろうか?
少し頭がおかしいのかもしれない…。
またボコボコにしてやってもいいのだが、今はそんな事に時間を使えない。
早くお兄ちゃんを探さないと…。
「あんたさぁ…本当にお兄ちゃんの居る場所知らないの?」
「本当に知らないって。零菜の携帯に電話しても繋がらないし、家にも帰ってこないし……」
「あっそ」
やはり個人で動いているようだ…空ちゃんから目を反らしてもう一度考える。
一番の疑問はやはり零菜の動機。
何故お兄ちゃんを…。
「そう言えば、昨日は誰も家にいなかったなぁ…」
「……どう言う意味?」
何気なく呟いた空ちゃんの声が耳に入る。
上半身を起き上がらせ、空ちゃんに問いかけた。
「ぇ…いや、いつもなら留美子が家に居るんだけど、昨日はいなかったよ。だからご飯食べられなかったんだ。だからコンビニでおにぎり食べた」
「……それで?」
「それでって……おにぎりの具はシーチキンマヨy「違うわよ…その留美子さんが家にいなかったらおかしいの?」
姿勢を正して空ちゃんに向き直ると、テーブルの上にあった小さなポテトチップスを差し出した。
それを笑顔で受け取る空ちゃん。
「いや…おかしくないけど、留美子は零菜が帰ってくるまで家からでないからさ…だけど昨日は留美子いなかった」
ポテトチップスの袋をバサバサ音をたてながら開けると、中に入ってるチップスを鷲掴みにして頬張りだした。
この子は扱いやすくて楽だ。
私の妹としては願い下げだけど、友達ぐらいならなれたかも知れない。
まぁ、もう遅いけど。
「留美子さんが家を出る時は何か目的がある時だけなの?」
「そりゃ、零菜に仕事を頼まれた時とか家族事ぐらいかな。留美子の携帯は零菜と親、弟の四人しか入ってないんだぜ?仕方ないから僕の番号も教えて友達になってやったんだ」
食べカスを口からこぼしながらケラケラ笑う空ちゃんを見て眉間にシワがよる。
私の表情が険しくなるのが分かったのか、慌ててテーブルにこぼれた食べカスを手の平で集めると、ティッシュで摘まみゴミ箱にポイッと捨てた。
「留美子さんっていつから零菜さんの付き人になったの?」
「零菜が引っ越す時だけど、って由奈姉ちゃん何処いくんだよ?」
携帯と車のキーを取ると、椅子から立ち上がり玄関へ向かう。
後ろから空ちゃんも慌てたようについてくるのが気配でわかった。
「なぁ、何処いくんだよ?」
「空ちゃんも協力しなさい。協力したらお菓子いっぱい買ってあげるわよ」
後ろでポテトチップスを未だに頬張る空ちゃんの目先に財布をちらつかせる。
数秒間財布を凝視すると、険しい表情で財布を手の平で叩いてきた。
「由奈姉ちゃんさぁ…なんでもお金や物で解決すると思ってるんだろ?」
「……」
「そんなもので僕を動かそうとしてるなんて。
ったく………しょうがないな…早く行こうよ」
私よりも早く靴を履き終えると、目を輝かせながら玄関の扉を開けて待っている。
扱いやすいといっていいのか……今日何度目かになるため息を大きく吐き捨てると、立ち上がり空ちゃんを追って家を後にした。
※※※※※※
「ほら、ゴシゴシしましょうねー」
「……」
「ばんざいしてー、はい流しますねー」
「……」
「はい、タオルの上に乗って。拭いてあげるから」
「……」
最悪だ…こんな屈辱的な思いは生まれて初めてだ。
双子の妹に身体を隅々まで触られて、身体を拭いてもらっている。
別に身体が不自由な訳では無い。
単純に一人では風呂に入ることすら儘ならない拘束具を装着させられているのだ。
足には鎖の足枷…手には手錠…口には開口器…どこの囚人だと思われるだろうが、俺は法に触れるような事は何もしていない。
法に触れているとしたら間違いなく、鼻歌混じりに俺の身体を拭いているコイツ…双子の零菜だ。
もう何時間経ったのだろうか?
時計が無いので分からないが、窓から見える景色は見えていたので二日以上は軽く過ぎているはずだ。
そしてその長い時間、俺は零菜の異常とも言える行為にずっと耐えている。
「今度は何をしましょうか?」
身体を拭き終えると、俺の腕を掴んでベッドまで引きずるように俺を連れていく。
なすがまま零菜に引きずられ、ベッドに倒れ込むとまた箱の中へ手を突っ込んでカチャカチャとあれでもないこれでもないと探しだした。
それを横目で睨み付けるが、零菜は此方へ振り向きすらしない。
「あっ、これなんてどぉ?」
箱の名から二つの道具をだしてきた。
「これはこっちの趣味の人達には王道でしょ?」
「……」
知らねーよと怒鳴ってやりたいが、如何せん口が開きっぱなしで話せない。
俺の目に映る二つの道具……
「じゃあ飴と鞭…今度の鞭は言葉通り“これ”ね」
零菜の右手には黒い鞭が握られていた。
おまけに左手にはロウソク……完全にSM…。
兄妹で何を考えてるんだ?と多人から見たら間違いなく思うだろう。
それは間違いではない、だって兄の俺でもコイツは完全におかしいと思えてきたからだ。
監禁されて開口器をつけられてから零菜はずっとこの調子だ……。
思い出したくないような…絵に書いたような軽い拷問…。
さるさんってあるの?
だけど一般人の俺には重い拷問を寝てようが起きてようが気が向いたら俺に仕掛けてくるのだ。
一番辛かったのはやはり開きっぱなしの口の中にお湯を……やめよう……思い出したくない。
そして今度は鞭とロウソクか…。
そんなもの誰に頼んで用意させたのだろうか?
「これは火傷しないように低温のロウソクなんですって。この鞭も痛くないのかしらっ」
何の躊躇もなく鞭を振りかぶり、俺の背中へ叩きつける。
ビシャッと部屋に響く程の音が響く。
痛みで声が漏れるが、零菜は聞こえないかの如く二度、三度と鞭で叩いてきた。
「むぅッぁ!」
たまらず背中を庇うように仰向けになる。
「あら、痛かったの?痛いなら早く言わないと」
クスクスと笑い鞭を投げ捨てると、今度はロウソクにライターで火を灯らせた。
ゆらゆらとロウソクの火を揺らしながら此方へ歩み寄ってくる零菜。
「ッぁ……あがッぅ!」
ロウソクを俺の胸上で傾け蝋を垂らすと、透明な蝋は胸板へと降ってきた。
胸板へ落ちた瞬間あまりの熱さに身体をくねらせベッドから転げ落ちる。
低温?絶対に嘘だ。
焼けるほど熱かった
「ほらほらベッドの上で暴れると怪我するから」
蝋燭を息で吹き消すと、俺の手を掴みベッドに寝転がせた。
胸を見てみると、白く固まった蝋が数滴付着しているのが見えた。
「ふふ…どう、お兄ちゃん私に何か言いたいことある?」
俺の口に装着されている開口器を外すと、上から見下ろし問い掛けてきた。
「言いたいこと?あぁ…腐るほどあるよ」
「なに?聞いてあげるから言ってみなさいよ」
「お前胸全然成長しなかったんだな。そんなんでよくモデルなんて勤まッ!?」
すべての言葉を吐く前に零菜が俺の腹部へお尻を乗せてきた。
「女性に対して言うことじゃないわね。貴方モテないでしょ」
「大きなお世話だよ。これでも女性とは何人か付き合った事はあるんだよ」
零菜に対しては何の自慢にもならないだろう…だけど負けっぱなしは嫌だ。
「柴田 恵美理。佐野 理恵。関口 知江。今まで貴方が付き合ってきた女性の名前よ」
「ぇ…は?なんでお前が名前なんて知ってるんだよ」
零菜の口から出た三人の名前は紛れもなく、過去に俺が付き合った事がある女性達の名前だ。
由奈すら知らないはずなのになんで…。
「佐野 理恵と関口 知江は今頃は普通の幸せを堪能して暮らしている事でしょうね。だけど一番初めにお付き合いした柴田 恵美理はどうでしょう?」
俺の上から転がるように俺の横に寝転がると、耳元で囁いた。
柴田 恵美理とは俺が中学二年の春に付き合った初めての女性で当時五つ上の大学生だった人だ。
ゲームセンターのUFOキャッチャーで一人苦戦している姿を見兼ねて俺が助けてやったのがキッカケとなり付き合う事になった。
俺が高校生になる頃にお互い会う時間が作れなくなって自然消滅となってしまったが良い思い出として残っている。
三人目の女性である関口 知江は…あまり良い思い出では無い。
彼女の名誉の為に言っておくが、決して彼女に浮気されたとかでは無い。
……単純に由奈に見つかったからだ。
あんな一方的なキャットファイト誰でもトラウマになる。
その日以来関口 知江とは電話で話すらしていない。
「言いたい事が見えてこないんだよ……何が関係あるんだ」
いい加減、由奈の怒りもMAXになっている頃だ。
次二人が鉢合わせした時、間違いなく俺の制止を振り切ってでも零菜を…。
「正直、こんな玩具で貴方の心を壊せるとは思っていないのよ?
ただ、今までの貴方に対してのストレスを晴らしたかっただけ…だからあんな酷い事をしたの。
可愛い妹のした事だから許してね勇哉」
一度頬を撫でると、起き上がりテレビの前へ移動した。
理不尽なようで理不尽で無い零菜の言い訳に一瞬イラっとしたが、何も返答せず首を持ち上げ零菜に目を向けた。
テレビ横に置いていたアタッシュケースの鍵を外すと、二つのビデオテープを出してくる零菜。
十中八九家で見たテープだろう。
しかし何故あんな古びたテープをアタッシュケースの中に大事に保管しているのだろうか?
中に何が映っているのか純粋に気にはなる。
「勇哉…貴方お母様との思い出はどれぐらい残ってるの?」
テレビの電源を入れると、砂嵐が画面に映し出される。
砂嵐を数秒間見つめたかと思うと、此方へ振り向かず唐突に問い掛けてきた。
「思い出?…母さんが生きてる時までの思い出はあるよ」
零菜のテープを撫でる指に目を奪われながら返答する。
「一番記憶に残ってるお母様はどんなお母様?」
テープをテレビ下にあるビデオデッキに差し込むと、リモコンを握りしめ此方へ歩み寄ってきた。
「はぁ?……あぁ…ほら、昔三人で遊園地に行っただろ?」
「えぇ、懐かしいわね」
小学生の頃、由奈がまだ小さい赤ちゃんの時に、母に零菜と俺の三人で遊園地に連れていってもらった時がある。
母と遊園地に行ったのはあれが最初で最後だったと記憶では覚えている。
母が亡くなったのが、中学三年に上がってすぐの事。
元々身体が丈夫ではなかった母は持病を悪化させ、静かに息を引き取った。
亡くなった今ではもうどうしようも無いが、もう少し母と一緒に出掛けたり遊んだりしたかったと心から思う。
「ふふ、お母様も天国で喜んでるわね」
「人の考えてる事を読むのやめろ……それで遊園地の時にお前がはしゃいで走り回ってさ」
テーマパークなんてものはテレビでしか見ることがなかったので、普段以上に零菜が喜んでいたのを今でも覚えている。
「派手に転んだだろ?」
「……」
「その時お前珍しく母さんの名前呼ばずに俺のy「忘れたわ。そんな事あったかしら?」
突然先ほどまでとは違う冷たい声で俺の言葉を遮ると、俺の腕を掴んで強引にベッドへ座らせた。
「もう一度コレ着けさせてもらうわね?舌噛んで自殺でもされたらたまらないから」
「ちょっまッ、あぐぁ!」
目先で開口器をぶら下げてちらつかせると、口に指を突っ込み無理矢理開口器を押し込んできた。
涙で前が滲む。
「みっともないから泣かないでよ」
みっともない?こんな事されてみっともないもクソも無い。
後ろにいる零菜を目だけで睨み付ける。
が、それを無視してリモコンを俺の前に差し出した。
「今から見るけど気絶だけはしないでね?もう一つビデオテープあるんだから」
「……」
気絶?ホラー系の映画だろうか?
それなら余裕なのだが。
「それじゃ、どうぞ」
リモコンの再生ボタンを目の前で押す。
すると、砂嵐から突然暗い画面に移り変わった。
黒い画面を見つめる事十秒…突然映像が映し出された。
「なんだこれ?……隙間?」
画面に映っているのは襖の隙間から撮影しているであろう映像。
かなり古く、画質も悪いがこの場所…見覚えがある。
確か実家にある母と父の寝室だ。
「これもう十五年前のビデオテープなんだけど、私が撮影したのよ?」
十歳の零菜が撮影したのか…通りで手ぶれが酷いわけだ。
しかしこれは何目的で撮影されたものなのだろうか?
ビデオカメラなんて物があれば真っ先に興味を引かれるであろう俺の記憶にないのだから、ビデオカメラは零菜のモノでは無い。
零菜が十歳なら誰かに撮影を頼まれたのか…もしくは勝手に撮影したのか。
「……?」
四分ほど隙間から見る風景が映っていたのだが、突然誰かの怒鳴り声のようなモノがテレビから聞こえてきた。
女性の声だ。
――って――して!
「……」
未だに隙間から見える景色は変わらない…だけど怒鳴り声は大きくなっていく。
――まだ分からないのかッ!?お前のしようとしている事は――!
今度は別の怒鳴り声…男性の声だが聞き覚えがある。
父の声だ。
だとするともう一つの怒鳴り声は母さん…
貴方だけには言われたくないわよ!――絶対に嫌よ!私の――は――ッだけ!!!
古いビデオテープに女性が発する独特な金切り声が相まって聞き取りづらい。
「大切な“何か”を奪われると思ったお母様の声よ?」
耳元でそう囁くと、俺の後ろから移動して隣に座った。
しかし、この声……本当に母さんかと疑いたくなる声だ。
母さんの怒鳴り声なんて俺は一度も聞いたことがない…それ以前に俺は怒られた事すらないのだ。
温厚で誰にも優しい聖母のような母だといつも心では自慢に思っていたけど…。
――分からないでしょうね!私の気持ちは変わらないわ!勇哉の―を――のは―よ!
長々と怒鳴り合いが続いたが、奥の襖が開かれると同時に音声が消える。
奥の襖を開けたのは母だ。
髪を頭の上で結い、綺麗な着物姿だ。
そして奥には父も微かに見えたが表情は見えない。
見慣れた懐かしい母の姿が画面に歩み寄ってくる。
ゆっくり…ゆっくり…
――おのずと母の表情もはっきりと見えて……鮮明に……
「っ!!?」
「……はい、このビデオテープは終了」
母が零菜が居る襖を開けた瞬間、砂嵐へと変わる…。
「どうだった?お母様の愛を感じられた?」
「……」
母の愛?
確かに母は俺の名前を口にしていた。
父との口論は俺の事なのか…いったい何を話し合っていたのだろうか?
あんな母が怒り狂う事なんて…それに父も怒鳴るような人では無い。
よっぽどの事なのだろう。
しかし…内容よりも砂嵐に変わる寸前に映って母の顔が頭から離れない。
あの顔は俺が知ってる母のモノでは無かった、まったくの別物。
そう、零菜が見せたように俺の知ってる顔なのだが間違いなく“俺が知らない表情”を張り付けていた。
「あら…全然平気そうね?」
鼓動が高鳴っていく俺に目もくれず零菜は立ち上がりテレビに近づくと、テープを取り出した。
そしてもう一つのテープをデッキへと差し込む。
「予想外ね…案外貴方なら大丈夫なのかしら?」
「……」
確かにビックリはした…ビックリはしたけどこれで俺の精神を壊せると本当に零菜は思っていたのだろうか?
だとしたら零菜は俺を本当に下に見ているのだろう。
これぐらいでは問題無い。
「はぁ…貴方の顔が歪む姿を想像してたけど、とんだ肩透かしね」
わざとらしくため息を吐くと、リモコン片手に再度ベッドに歩み寄ってきた。ベッドに座り映画を見るように軽く再生ボタンを押した。
絶対に大丈夫…絶対に大丈夫……自分の心に言い聞かせ画面を見つめた。
大丈夫だったはずなのに…。
――俺の思いとは裏腹に心は呆気なく脆くも壊れてしまった。
勇哉…ぁ…ん…勇哉ぁ…
「……ん…?ぁ?…あぁ、…ぁぁっ!?」
「ふふ…お母様は本当に貴方が好きで好きで好きで…大好きなのよ?ちゃんと見なさい」
勇哉…愛してるわ!誰にも絶対に渡さない!
「ふふ…お母様あんなに乱れて…本当に貴方の○×ちゃんが欲しかったのねぇ?」
――勇哉!勇哉!私の〇○×
優しかった母…毎日のように手を握って…暖かい眼差しで……あれは全部…
「勇哉の“初めて”は全てお母様。そしてお母様の口癖は…」
――勇哉の子供は絶対に私が産むわ――
「ああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!」
もう母の優しい表情は思い出せなかった――。
母との思い出も綺麗に歪む。
ただ、一枚一枚服を脱ぎ捨てる零菜とテレビの中で乱れる母の姿を交互に見ながら声にならない声を叫び続けた。
「お母様の想いを私が強く受け継いだ。だからお母様の夢を果たすわ」
月明かりに照らされた零菜の裸体。
綺麗なのだろう…だけど俺の頭は何か大切なモノが完全に欠落してしまっていた。
ただ叫び続けた…。
密室の中で流れ続ける母の醜態を無理矢理見せられ続け…身体から流れる水分を止める事も出来ずに泣き叫んだ。
「じゃあ…お願いね?ちゃんと私を――」
微笑む零菜の顔が母と重なる。
もう元の零菜の顔の原型すら留めていない…。
考える事を辞めて天井に視線を向ける。
ゆっくり近づいてくる零菜らしき顔…耳元にピタリとへばりつくと小さな声で呟いた。
――孕ませて
ありがとうございました、投下終了です。
キモ姉系が読みたい…
おつ
GJ
キ、キモオカン・・・?
GJ
待ってました!
GJでしたー。
投下乙
カーチャンまで...
うあー、おもしろいんじゃー。
次の投下まで待てねえよー。
カーチャン・・・・
スレ違いだが萌えざるを得ない
きちゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
>>422 GJです!
全ての元凶は母親…って事になるのかな
>>422GJ
零菜はキモ母の遺伝子を受け継いでいたんだね。勇哉に逆レイプ&孕ませて宣言。由奈は果たして間に合うのか?
>>422 超GJ!!
零菜の孕ませて発言は破壊力やばいわw
是非零菜には勇哉の赤ちゃんを産んで欲しい。
次の投下も楽しみに待ってます!
ああヤンデレのお姉ちゃんか妹に膝枕してもらいたい
えっちいのはしなくていいから膝枕してもらいたい
願いには代償が必要とはよく言うがこの場合はなんであろうな
>>422GJ
母親のオナヌー見せられるとか拷問だよね
>>436 勇哉も写っている可能性が微粒子レベルで存在しているかも
>>436 勇哉の初めては全部お母様って書いてるからオナニーでは無いだろ
>>434 キモ姉の膝枕より尻尾枕のが良い
どんな尻尾かは知らない
てかもう幼馴染でもいいから膝枕して欲しいわ
第三話、投下します。
「へぇ、思ったよりも片付いてるのね。ひきこもりの部屋って、もっとゴチャゴチャしてるのが相場だと睨んでたのに」
大家さんは部屋を一望しながら(そもそも一望出来るほどの広さしかない)感慨深く言った。
それは違いますよ、と僕は思わず反論したくなる。
ひきこもりの部屋が不衛生というのは大きな偏見であった。何も、世にいる我が同士の部屋全部が汚いってわけじゃない。僕のような綺麗好きのひきこもりだって、決して少数ではないはずだ。
それに、彼等の部屋は汚いんじゃなくて単純にモノが多いだけの場合が多数を占める。収納スペースは限られてるのに、モノだけはどんどんと増えていくから、自然と住居スペースが狭くなり、結果的に見栄えが悪くなるのだ。
僕みたいな一人暮らしのひきこもりならともかく、実家暮らしのひきこもりはそこのところかなり切実と聞く。同じひきこもりとして、同情を禁じ得ないよ全く。
まあとにかく、全国のひきこもり達の名誉のためにも、ここは強く擁護させてもらいました。心の中でだけどね。
「だけど、ひきこもりって本当にすることがないのね」
大家さんが、語気にどこかイタズラっ気を含ませながらそう言う。
なんとなく嫌な予感がして視線を移すと、大家さんはちょうど何かを覗き込んでいるところだった。なにを見ているのだろうか。彼女の小さな背中越しに、僕もそれを伺い見る。
そこには、ゴミ箱があった。僕が長年使用している、なんら変哲もない普通のゴミ箱だ。ただひとつ特徴をあげるとするなら、使用済みのティッシュでたんまりと盛り上がってるぐらいで──
「って、ちょ、ちょ、ちょっと、なに、見てるんすかっ」
普段ひきこもっているとは思えない、肉食獣も惚れ惚れするような俊敏さで、僕は彼女の視界から遮るようにゴミ箱に飛びつき、素早くビニール袋の口を閉めた。この間、僅か十秒にも満たないだろう。いわゆる火事場の馬鹿力というやつだ。
畜生、と僕は心の中で毒を吐いた。
部屋に誰かを招くなんてケースは、今までに一度も想定したことがなかったから、完全に油断した。
違うのです。鼻をかむのに使ったティッシュが大半なのです。決していかがわしい目的で使ったティッシュじゃないのです。
性生活の断片を見られた羞恥に歯噛みする僕とは対照的に、そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よう、と大家さんがニヤニヤしながらしながら言った。
「たといヒロシが毎夜毎夜お姉ちゃんとの夜伽を夢想しながら行為に及んでいたとしても、あたしは全然気にしないからさ」
してねえよ! と、本日二度目のツッコミ。
くそっ、生けるリアル合法ロリのくせして一体全体なにを言っているのだこの人は。今一度鏡で自分の体型を確認してから言ってくださいよその台詞。その断崖絶壁な胸とかを特に。
それに、そもそも僕にロリ属性なるものは存在しない。
たしかに、大家さんは中々に可愛らしい容姿をしているので、十二分に人目を惹くかもしれない。が、それはあくまで愛玩的な可愛さであって、性的な魅力とは丸きり無縁である。
なので、僕からしたら大家さんのツルペタボディとか実にどうでもいいのだ。ぺったんこでスベスベしてそうな胸とか、小ぶりで形の良さそうなお尻とか、誠にどうでもいい。ほ、本当なんだからねっ!
と、僕はひとり身悶えていたのだが、大家さん的には今のはもう終わった出来事なのか、いつの間にか勝手にコタツの中に入り込んでいた。ふぃー、と湯に浸かったおっさんのような声を出して、猫みたく丸まっている。
「やっぱ冬はおこたよねー。あたしもストーブやめてコタツにしよっかな」
卓上に頭を乗せて、そんなことを尋ねた。僕はとりあえず質問を無視して、邪魔そうにしていたノートパソコンをどかしてやった。ありがとう、と彼女は礼を言う。
「ど、どっちでも、いいんじゃ、ないですか? ストーブも、コタツも、か、変わらない」
「いんや、それがけっこう変わるのよ。ほら、コタツは一極集中だから部屋全体は温められないけど、その分ストーブに比べてお金はかからないでしょ?
維持費の時点でそこそこ違ってくるし、他にも色々とクローズアップして見てみると、細々と相違点が見つかるのよね。
けどなー、あたしはやっぱりストーブかなー。なんてゆうか、コタツだと暖まったって気がしないのよね。実際、コタツだと外に出てる上半身部分はどうしても寒くなっちゃうしさ。それに、お姉ちゃんいつもストーブの上にヤカン乗せて──あっ」
そこで大家さんはハッと顔を上げた。
「そうだよ。なんか足りないなって思ってたら、昆布茶だ。今のあたし達には昆布茶が足りないよ。よし、ヒロシ。今からお姉ちゃんが昆布茶の用意してあげるからね。コタツで待ってなさい。茶筒と急須とかはどこに置いてあるの?」
「な、ない、ですよ。そんなもの」
「またまたー。昆布茶を置いてない家なんて、あるわけないでしょ。冗談はいいからさ、ほら、早く教えてよ」
「だっ、だから、本当に、ない」
「……あのさ。もしかして、それ、嘘とかじゃなくて、本気で言ってる?」
「はい。う、家に、昆布茶は、ないです。茶筒とか、急須とかも、ない」
「…………」
「あっ、あの、お、大家さん?」
「ええええええええええぇぇぇぇぇぇ!」
大絶叫した。近所迷惑とか、そういうのは全く配慮していない。あまりにも純粋すぎる驚き。見たところ、いつものふざけた演技の類ではないようだった。正真正銘、大家さんの心の底からの喫驚だった。
当然、僕は混乱する。
えっ、なになにこの反応。ただ昆布茶がないって言っただけで、何故ここまで驚かれる? 昆布茶って、そんなに普遍的な存在だったのか? 寡聞にして聞いたことないぞ。
まだ昆布茶ショックが抜けきらないのか、茫然自失とした表情で、大家さんはぼそぼそ呟いている。
「そうだよね……ヒロシは、ひきこもりだもんね。常識とか、マナーとか、そういうのは知らなくても仕方ないよね……。うん、そうだよ。そういうのを含めて、これからあたしが教えていかなくちゃ……」
いやいやいやいや。いくら僕が世間知らずだといっても、昆布茶如きでここまで言われる謂れは無い。
というか、彼女はまるで昆布茶が米やパン等の主食、いや、それ以上の必須食品みたいに言っているが、明らかに昆布茶常備派のほうがマイノリティであろう。いくら長年ひきこもっているといっても、それぐらいは安易に想像がつく。
ヒロシ、と大家さんが瞳に憐憫の情を織り交ぜながら僕を呼んだ。止めろ、そんな目で僕を見るな。
「お姉ちゃん、今から部屋に戻って昆布茶持ってくるから、先にお湯沸かしといて」
これから緊急手術をする名医のような口調でそう言い放ち、僕の返答を待たないうちに、彼女は急ぎ足で部屋を出て行った。
どうやら拒否権はないらしい。べつに昆布茶とかどうでもいいんだけどな。
ぽりぽりと頬を掻く。
致し方ない。不承不承ではあるが、言われた通りの準備をするか。
僕は流し台へ向かうと、棚から底の焦げたヤカンを取り出し、蛇口をひねり水道水を入れてから、ガスコンロの火にかけた。
大家さんの並ならぬ昆布茶への執念を見る限り、どうしてミネラルウォーターじゃなくて水道水なのっ、とか言われそうなので、聞かれたら嘘をついておこう。
僕は水が沸騰するまでの間、コンロの火で暖をとりながら、そういえばお湯を沸かすって文法的に正しい表現なのかな、正しくは水を沸かすなんじゃないのかな、なんてくだらぬ考えをしているうちに、大家さんは戻ってきた。
茶飲み道具一式を乗せた盆を持って、ふらふらと危なっかしくバランスを保ちながら、なんとか流し台の上に盆を置く。はかったようなタイミングで、ヤカンもピーと鳴いた。
座ってていいよ、と言われたので、僕は温かいコタツへと舞い戻り、大家さんがお茶の用意をするのをぼんやりと眺める。
慣れているのだろう、彼女は手際よく準備した。ヤカンの熱湯を急須に注ぎ、茶筒から角切り昆布を適量入れる。すると、昆布茶独特の塩辛いような磯の香りが、こちらまで漂ってきた。
そして、またもや危なっかしい千鳥足で盆をコタツまで持ってくると、ファンシーにデフォルメ化された紅白セットの豚の湯のみに、湯気の上る液体を注いだ。赤い豚を自分のほうに、白い豚を僕の方に差し出す。
よっこらせ、と大家さんもコタツの中に入り、しばらくのあいだ愛おしそうに赤豚を撫でてから、昆布茶に口をつける。
「ぷはー」
そのままとろけてしまいそうな表情を浮かべて、コクコクと何度も頷いた。
「緑茶、紅茶、烏龍茶、と世には沢山のお茶があるけれども、やっぱり一番は昆布茶よ。これだけは譲れないわ。ヒロシも、そう思うよね?」
同意を求めてきたので、曖昧に頷いておく。ちなみに、僕はまだ昆布茶に手をつけていない。猫舌なのだ。
それからは、妙な沈黙が続いた。お互いに話題も尽きてきた、一種の箸休めのような静謐。
心地の良い沈黙、という言葉を僕は小説などでよく目にするが、こと僕においてはそんな素晴らしい沈黙は持ち合わせていない。沈黙はただ気まずいだけ。
唯一の救いといえば、大家さんが僕の無言に慣れていることだろう。今更、僕からの話題投下など要求してこないはずだ。
「あのさ」
案の定、静寂を破ったのは大家さんだった。
「もうそろそろ、聞いてもいいかな?」
先程のおちゃらけた態度はどこへいったのか、やけに神妙な表情をする彼女に、僕は自然と身構えてしまう。なにやら胸騒ぎがする。ゴクリ、と生唾を飲み込んで、彼女に問い返した。
「な、なにを、ですか?」
「そのヒッドイ顔について」
大家さんの質問は、ナイフのように深く冷たく、僕の胸へと突き刺さった。
一瞬、呼吸が止まる。彼女なら、気付いていても聞かないでいてくれると期待してたのに、とんだ見当違いだった。まさか、ここまでストレートに訊くなんて。
落ち着け。乱れた呼吸を整える。
これ以上は突っ込まないでください。言葉の裏側に潜む意図を察してもらえるよう、僕はわざとらしく誤魔化した。
「ひ、ひどいのは、もとから、っすよ」
「ああ、違う違う。あたしが言ってるのは容姿云々とかじゃなくってさ。そのお饅頭みたいに膨らんだ、痛々しい顔についてだよ」
しかし、大家さんに容赦はなかった。
「……このまえ、へ、部屋、で、転んだ」
「転んだ? それは嘘だね。一体どういう転び方をすれば、そんな綺麗にほっぺたが腫れるのよ。少なくとも、あたしには誰かに殴られて出来た腫れ方にしか見えない」
「…………」
「よかったら、聞かせてくれないかな? ここ最近、ヒロシに何があったのか」
冷や汗が一筋、頬を伝って顎の所で雫をつくる。
脳内で再生されているのは、三日前の夜のこと。あの醜くて、あまりにもチンケな僕の冒険譚。
人によっては、あれを喜劇だと捉えるかもしれない。が、少なくとも僕にとっては、ただの悲劇でしかない。幼稚園児の学芸会よりも幼稚で、残飯を貪るハイエナよりも醜悪な、只のつまらないお話。
あれを、話せと言うのか。
いつの間にか握り締めていた拳が、膝の上でぷるぷると震えていた。
「ごめん、踏み込みすぎた」
大家さんは早かった。僕の発するただならぬ嫌悪を即座に嗅ぎ取り、深々と頭を下げる。
「べつに、ヒロシを傷つけたいわけじゃなかったの。けど、結果的には同じになっちゃったね。これじゃあ、尋問と何も変わらない。今の質問は、もう忘れて」
そう言って、気まずそうに目を伏せた。
僕も俯いて、昆布茶の水面にうつる自身を見つめた。
わかっていた。彼女が僕から無理に話を聞き出そうとしてるのは、要するに僕の力になりたいからなのだってことぐらいは。
誰かに殴られた痕跡を見つけ、それを黙って見過ごせない、おせっかい過ぎるほどの優しさ。人の好意に気付けないほど、僕の心はまだ錆び付いちゃいない。
だけども、それでも、大家さんがなんと言おうとも、僕に話す気はなかった。
苦い思い出を共有したところで、なにが変わるというのか。僕がイヤな気持ちになって、大家さんもイヤな気持ちになる。イヤな気持ちがが二倍になる。そんなの無益だ。それなら、僕で止めておいた方がいいに決まってる。
それに、自らの醜態を他人に語れるほど、僕は自虐的な人間ではない。ましてや、知情意を兼ね備えた人間でもない。だから、あの事件は墓まで持っていくのだ。そう決めていた。
そう、決めていたのに──
「……み、三日前、な、なんです」
僕の口は、動いていた。自らの意志とは関係なく、感情とも関係なく、忽焉と動き出していた。
昆布茶にうつる僕も、目を点にしている。
どうして、僕はこうも容易に大家さんに打ち明けているのだろうか。理解を超える。心変わり早過ぎだろ僕。意味不明。
だが、なにもかも綺麗さっぱりに話して楽になりたがってるのかな、と心の裏側で悟達してる自分もいた。
説明はひどいものだった。
話は飛び飛びだし、すぐ脇道に逸れるし、補足とかの気遣いもないし、聞き手からしたらたまったものではないだろう。僕が拝聴者だったら、もう既に席を立っている。
でも、大家さんは辛抱強く聞いてくれた。口を挟まずに、相槌も打たずに、終始一貫真摯な態度を貫いていた。
話す側として、その態度はありがたかった。へたに横槍を入れられたら、錯乱してしまう僕だ。おかげで、割と語数も抑えて話せたと思う。
話を終えたときには、時計の長針は一周以上していた。
なんだか、ひどく疲れた。長時間喋り続けていた所為か、気付かぬ間に喉がカラカラに渇いている。
渇きを潤すため、既にぬるくなった昆布茶を右手に持ち、グイッと一気に飲み干した。しょっぱい。
そして、僕は否が応でも気付かされた。自分がちっともスッキリしていないことに。
洗いざらい話してしまえば、幾分か楽になれるかもしれない。そんな淡い期待を抱いていたのに、結果はご覧の有り様だ。
なんだよ、何も変わってないじゃないか。こんな結末になるなら、話さなきゃよかった。これでは、徒に僕の心を毀損されただけだ。ああ、苛苛する。どれもこれも、ぜんぶ大家さんのせいだ。
と、僕は理不尽にも、目の前に座る彼女を恨んだ。
大家さんの表情は、栗色の髪に隠れて見えない。おそらく、僕を慰める無難な言葉でも選択しているのだろう。
「何もかも、無駄だったんですよ」
機先を制するため、僕は皮肉たっぷりに言葉を投げかける。
「大家さんは勘違いしてるかもですが、僕はあの二人組には感謝してるんです。僕が変な勘違いをしてしまうのを、未然に防いでくれたのですから。今以上に傷つかなくて、済んだ」
こんな時だけは饒舌になるんだな、と己を自嘲する。
「それに、僕は今回の出来事を通して、大切なことを学べました。人が本質的に変わるのは不可能だという事実です。どんなに努力をしたって、ひきこもりは、ひきこもりのままなんです」
じわり、と視界が歪む。泣くなよ、こんなことぐらいで。どんだけメンタル弱いんだ僕は。死ねよ。
「僕は……僕は一生、このままなんです」
その言葉を最後に、室内を支配するのは、深沈とした寂然。
僕は鼻をすすった。情けない。このまま消えてなくなりたい。本気でそう思った。
溜め込んでいた涙がこぼれ落ちそうだったので、慌てて服の袖で目元を拭う。これ以上、彼女に惨めなところはみせたくなかった。
「ヒロシ」
大家さんが顔をあげて、僕の名前を呼んだ。
やめてください。今はなにも言わないでください。ほっといてください。帰ってください。
前方に思念を飛ばしてみるが、彼女の口は構わず動きだす。
──聞きたくない。
そう思って、僕は思わず背ぐくまったのだが、
「ごめん。ヒロシの言ってること、お姉ちゃん全くわからなかった」
てへっ。ペロリと舌を出して、いたずらが見つかった子供のように謝る大家さん。
……ええー。
バイバイ、シリアスな空気。よろしく、つまらない映画を見た後のような微妙な白けさ。いや、ほんと空気が読めないってレベルじゃないぞ。
なんてゆーかなー、と大家さんは困惑したように顎に手を添えている。
「下手な喩えになるけどさ、あるところに足が遅いと嘆く男がいるとするじゃない。で、実際にタイムをはかってみると、なんと百メートル十秒台だったの。
周りの人達はタイムを見せて、いかに男の足が速いのかを説明するんだけど、男はそれを只の慰めとしか受け取らない。相変わらず足が遅いと嘆き続けるだけ。そんな感じかね」
大家さんは名探偵よろしく僕に向かって人差し指を突き立て、
「ヒロシは、もう変われてるよ」
高らかに指摘した。
呆気にとられてしまい、暫くは何も言えなかった。大家さんの言ってることを脳内で咀嚼し、ようやく意味を理解した後、僕は鼻で笑った。
何を言うかと思えば、くだらない。
「僕がもう変われてる、ですか。ハッ、どうせ大家さんは、僕が外に出たことを、OLさんを助けようと二人組に立ち向かったことを、変化などと呼ぼうとしたんでしょう? 違いますよ、それ。あんなのは成長なんかじゃない」
「うーん。そうかもね」
「だったら、適当いうなよ。余計な慰労や賞賛が逆効果ってのは、大家さんだってわかってるでしょう」
「わかってるよ。上分別はわきまえてる。それをふまえたうえで、あたしは変わったって言ったんだよ」
「なら、証拠を見せろよ。僕が変わったていう証拠をさ」
「証拠、ねぇ……えーと、証拠はあたし、としか言いようがないかな」
「わけがわかりませんよ。言葉遊びはよしてください。僕は変わってないし、これかも変わらない。それで、いいでしょう。へんに揚げ足を取るのはやめてください」
「──じゃあ、あたしはどうして此処に居るの?」
あっ。
狐につままれたようだった。この一言で、今日、大家さんと会ってからずっとわだかまっていた違和感が、やっと氷解した。
そうだよ、どうして大家さんは、此処に居る? どうして、僕の部屋に居るんだ?
「なんやかんやヒロシとも十年近い付き合いになるけどさ、部屋にいれてもらうのは今日が初めてだぜ。
なんて言えばいいのかな、返す返す下手な喩えで申し訳ないけど、ヒロシにとってこの部屋は、何人たりとも足を踏み入れてはならない、侵すことを禁じている聖域みたいな場所じゃない。
だから、ドアを開けて中に入れてくれたときは、驚いて動けなかったよ。冗談で言ったつもりだったのに、本当に入れてくれるんだもん」
まっ、その特殊メイクみたいな顔にも驚いたけどね、と彼女は付け足した。
大家さんの言う通りだった。
僕にとってこの部屋は、言わば核シェルター。越えられてはいけない最終防衛ライン。今までに、誰一人だって入れたことはない。なのに、今日はどうしてこうも簡単に──
「とどのつまり、社会で必要なのってコミュニケーション能力なのよね」
彼女は続ける。
「けど、コミュニケーション能力ってのは、誰しもが最初から兼ね備えている訳じゃない。あれは他者と交流して培ってくものだから。ヒロシも無意識下にそれを理解してるのよ。
だから、あたしを入れた。人嫌いな自分を殺して、他者と交わろうとした。コミュニケーション能力を得るために。社会に適応するために。こういうのをさ、人は成長って呼ぶんじゃないの?」
成長。その言葉が、ストンと僕の中に落ちる。
「変わろうとした動機は、単純に悔しかったから。陰気なヒロシが珍しくキレたっていうし、散々自分をバカにしたアイツらを見返してやりたいって思ったんだよ。俺はひきこもりニートじゃないぞ、ってね」
言われてみれば、あの時は僕らしかぬ憤怒っぷりだった。通常の僕なら、泣いて逃げ出してるというのに。逃げるどころか、悪漢二人組に立ち向かっていった。
「たしかに、小さいよ。顕微鏡で見なきゃ視認できないほどの進化だよ。けどさ、三日前の事件を通して、自分の足で一歩進んだってのは、紛れもない事実じゃない」
大家さんは赤心に満ちた顔つきで、柔らかく微笑みかけた。
「今回は、いつもと違う。ヒロシさえ覚悟すれば、この生活から抜け出せる。あたしが保証する」
一際強く、心臓が動悸を打つ。
脱却できるのか。この生きてるか死んでるかわからない腐った生活から、抜け出せるのか。証文の出し遅れには、ならないのか。
「大家さん」
「んっ?」
「僕は、変われるのでしょうか」
「変われるよ」
きっぱりと断言してくれた。その力強さが、今は頼もしかった。
「……変われるよ」
不意に遠い目をして、彼女が言う。
「あたしが変われたんだもん。ヒロシだって、絶対に変われる」
昔日を、思い出しているのだろう。僕と大家さんが出会った、初めの頃を。けど、
「大家さんの時とは、違うじゃないですか」
「まあ、そうなんだけどね」
痛いところ突くなあ、と困ったようにぼやく。
「けども、ひとりの人間が変わったって部分は一緒なんだから、なんかの参考にはなるんじゃね?」
うわっ、超適当。
いかにも大家さんらしい言い草だった。
「しかーし、老婆心ながら、ちっと忠言させてもらうと、ヒロシはちょっと急ぎすぎかな。今までずっとひきこもってきたんだから、もっとじっくりコトコトいかなくちゃだよ。
あたしのお爺ちゃんもよく言ってたよ“人生に、抜け道あれども近道なし”ってね。
あたし達みたいな凡人に抜け道なんて見つけられるはずないんだからさ、地道にゆくしかないのですよ。だからさ──」
大家さんはいきなり立ち上がったかと思うと、戦隊ヒーローみたいなポーズをとって、
「まずは、お姉ちゃんと目を合わせて話すことから始めようぜ」
そう言い放った。
「…………」
しばしの無言の後、僕はがっくりとうなだれた。
これまで長ったらしくたれてきた講釈の意味が、今わかった。要は、これを言いたかっただけなのだ、彼女は。
冷静になって振り返ってみると、大家さんの言った論理は勝手なこじつけばかりで遺漏も多い。いわば、勢いに任せた演説みたいな説得だった。あーあーつくづくちゃらんぽらん言いやがって。アホらしい。
「あのですね──」
調子に乗ってる彼女に釘を刺すために、僕は反論しようと口を開きかける。
が、大家さんの太陽よりも明るい、天衣無縫な笑みを見ていると、なんだかそんなの全部どうでもよくなってきて、なんとなく可笑しくなってしまって、
「……く、くくくっ」
そして、僕は、本当に、本当に久しぶりに、ほんのちょびっとだったけど、
「はっ、ははははっ」
心の底から、笑ったのだった。
明日も仕事があるから、そう言い残して、大家さんは自分の部屋へ帰って行った。
彼女は僕と違って、舞台側の人間だった。そこで、大家さんがどのような時を過ごしているのか、僕はよく知らない。だが、きっとそれは、酷く塵労が積み重なるものに違いないだろう。尊敬に値した。
同時に、僕も再びあの舞台へのぼれるのだろうか、という漠然とした不安が胸を曇らせた。
が、今になって憂いても仕方がない。大家さんの言葉を額面通りに受けとるのなら、僕はもう進んでしまっているのだ。後戻りは出来ない。
自分の心に区切りをつけるよう、ドアの鍵を閉めた。
コタツへ戻ると、寝っ転がって、しばらく電灯の光を眺めた。
急に、部屋が静かになった。祭りの後のような、ノスタルジックな郷愁が僕を襲う。
しかし、僕にはこういう雰囲気のほうが合っていた。昔から、独りを好む男だったのだ。この孤独を愛する気性だけは、未来永劫変わることはないのかもしれない。大家さんといるのは(失礼かもしれないけど)やっぱり疲れる。
首を動かして、時計を見る。現在の時刻は午前二時。僕の一日は、まだ始まったばかりだった。
エロゲでもするかな。そう思って、ずっとスリープ状態で待機していたノートパソコンを卓上に置き、なんとどなく開いた。
──不意打ちをくらった。僕は、反射的に目を閉じる。幾分か愉快だった気分が、今ので一気に吹き飛んだ。
忘れていた。たとえるなら、夏休み最終日にやり残していた宿題をみつけてしまったような気持ち。面倒事を後回しにしてきた、過去の自分を恨みたくなる。
見なかったことにしたい。このままパソコンをシャットダウンさせてしまおうか、本気で悩んだ。けど、そんなことしたって意味がないのはわかってる。
なら、向き合おう。
おそるおそる目を開けた。ディスプレイにうつる文字を確認。新着メールが一件。ノートパソコンは、僕にメールの受信を知らせていた。スパムメールは来ないように設定している。そして、僕のメールアドレスを知る人物は、この世に唯一人しかいない。
僕は震える指でカーソルを動かし、メールの本文を開いた。
──明後日、午前一時に伺います。
メールの内容は“普段”の彼女らしく、簡素で洗練された文体だった。
差出人に視線を移す。
視界に飛び込む、武井涼子の四文字。
届いたメールは、僕の妹からだった。
投下、終わります。
乙です
ついに妹が登場するのかwktk
乙乙。
登場人物全員が病みそうな予感w。
引きこもり大戦記復活は嬉しい。
1話読んだときにめちゃくちゃ気に入ってたのに、全然投下来なくて涙目だった.....
乙
乙
ヤンデレのお姉ちゃんにFPSめでボコボコにされたいよおおおお!!
丸々一日書き込みが無い日もあるんだね。
皆忙しいのか
先週の日曜、きれい好きな姉が部屋の掃除をしてくれた。
妹モノのエロ本を咄嗟に座布団の下に隠したんだがすぐばれた…。
そうしたら姉が
姉「…ふ〜ん、〇〇(俺の名前)って妹が好きなんだ−。」
俺「…いや、別に…」
姉「ふ〜ん」
その日の夕食は姉が全部作ったんだけど、全品に俺の苦手な凍み豆腐が入ってた…。
文句を言ったら、
姉「妹に作って貰ったら?」
と冷たい…。
なんなんだよ、まったく…。
裏山•••
なーんて言うと思ったかバーロー!
創作乙!!
いつの間にか姉モノのエロ本に変えられてるんだよ
キモ姉妹間でエロ本すり替え戦争が繰り広げられるんやな
そしてある日、隠し場所になっている机の引き出しを開けると
全裸の妹が丸まって入っていた。
「面倒になったから直接攻撃よ。無駄に育ちすぎたお姉には
この技は使えまい」
いや、妹よ。倫理には待ってもらうとしても引き出しに収まるサイズというのは、
いくら何でも育っていなすぎではあるまいか?
幼馴染物のエロゲが幼馴染NTRのエロゲに変わってたりするのか
NTRエロゲにキモ姉いたら泥棒猫が自滅してキモ姉歓喜
間男がキモ姉にチョッカイ出したら次の日バラバラになってるな
ついでに幼馴染とか妹とかクラスメイトもバラバラに
このスレ見てるとよく思うんだけど、キモ姉キモウトは簡単に人殺すと思ってる人いっぱいいるんだね
>>467 「ヤンデレ系=猟奇」という勘違いが広まってるから仕方ない
本来は「猟奇的な手段も辞さない」って感じだと思うけど
泥棒猫の始末もおまかせ
/ ̄ ̄ ̄.//''7''7 / ̄ ̄ ̄/ / ̄ ̄ ̄/ / ̄/ /'''7 / ̄/ /''7''7 /'''7'''7
./ ./二/ ./ ー'ー' ____ / / ̄/ /  ̄ ̄/ /  ̄ / ./ / ゙ー-;ー'ー' / / /._
/__,--, ./ /____/ 'ー' _/ / __/ / ____.ノ ./ / /ー--'゙ _ノ /i i./ /
/___..ノ /___.ノ /__________ / /______./ /_/ /__,/ ゝ、__./
>>467 泥棒猫その他の障害物を出した時、それらを始末する手段として
一番単純でインパクトがあるから使われるのかな?
……と思ってみたが、人死にが出るSSはそう多くもないのかな?
切羽詰まって追い込まれて殺人ならまだ分かるけど「うろちょろするから雌豚殺しちゃった」みたいな気分次第でやっちゃうのがSSに限らずスレによくでてくるな
まあそうかもしれないけど、NTRなんかで泥棒猫を排除するってのはやっぱり忌避されるんじゃない?
そういうSSもないことはないけど。
弟くんが雌豚に寝取られた!! どうしよう!?
選択肢
⇒殺す
殺す
殺す
殺す
殺す
>>473 お姉ちゃんは単純ねぇ
⇒殺す
辱めて殺す
死んだ方がマシと思わせる
死んだ方がマシと考えることもできなくする
何もしない。お兄ちゃんは私の物だから、放っておけば自滅する
くらいの変化は付けようよ。
幼馴染「念願の弟を手にいれたぞ!」
引きこもり体験記の3話来てたのか
こんなに早いとは嬉しい誤算
文章の書き方がすごい好きだわ
いよいよ妹も登場するみたいだし
これからの展開が楽しみ
乙でした!
弟を育てる姉とか好きだ、母がいないとかで
ミルク飲ませるのもオムツ替えも一緒に寝るのも姉がやってた
未来の夫を赤ちゃんの頃から育てて浮気しないようにする
>>473 →1 かわいい妹は突如反撃のアイデアが閃く
2 姉が助けにきて泥棒猫を撃滅してくれる
3 何も起こらない。現実は非情である
「なにこれ?」
「あたしが支持したいのは2だが期待は出来ないわ……」
「いやお姉ちゃん吝かではないけど」
「やはり答えは……1しかないようねッ!」
「ねー、聞いてる?
あのビッチブッ殺すんならいっしょにやろうよー」
「姉さん姉さん姉さんンンー、『ブッ殺した』なら使っていいのよッ!」
「はいはい」
その弟は姉を母親としかみれないんじゃなかろうか
481 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 23:25:14.94 ID:twkpu0bE
最近静かだなあ
狂もうとこいやぁぁぁぁ
ぶっちゃけ2chに投下するメリットって、もうほとんどないもんな
だから、今いる職人さん達には感謝してる
依存症まで来なくなってる
狂もうとに期待するしかないのかね
>>479 家族愛=恋人への愛情と刷り込むから問題無いよタブンネ
>>485 昔は短編でもちゃんとしたレスいっぱいついたから投下しても楽しかったんじゃない?
最近は本当に読んだのか?って言いたくなるGJだけのレスも当たり前だしね
書き手はやっぱり内容に触れられて意見くれたら嬉しいもんだから
この流れは某スレの初期症状に似てますね
過疎て言うけどキモ姉妹スレは良い方だろ
お姉さん大好きスレとか何ヶ月も投下ないし
アニメで妹物は多いのに姉物が全然ない
なぁに作者だってスランプになることもあるさ
姉弟で結婚出来るように政治家になって法律を変えたキモ姉
>>484 てゆうかスルーしたけど依存症ってなんだ?
そんなSSあったっけ?
狂依存の作者って風見だろ.....
アイツは他のスレにも迷惑を掛けるクズ野郎だなwほんとオナニーも好い加減にしろよ....ったく脳無し風見は...
朝起きたら投下されてますようにと願いつつ寝るか
ヤンデレスレから変な子が逃げ出してきたみたいですいません
避難所が盛況なのが不満みたいでイラついてますので餌は与えないで下さい(´・ω・`)
最近ここもヤンデレスレも
また好きな作品が増えてきて嬉しい
投下数もエロパロにしては多いし
ほんと職人に感謝
第四話、投下します。
「……会いたくない」
僕の呟きは、六畳間に拡散し、やがて溶けていった。ボロアパートは相変わらず通気性抜群で、室内は絶対零度もかくやという気温を保っている。呼吸する度に、ちろちろと白い煙が口元をうろついた。なんか幻想的。綺麗。
「…………会いたくない」
僕は下半身だけをコタツの中に入れ、上半身は畳の上に投げ出すようにしていた。ジイィ、とコタツの稼働音が辛うじて耳に届く。そろそろ上半分の身体も冷えてきた。首根っこまでコタツに浸かろうと思うのだか、気力がわかない。軽く寝返りをうつ。
「………………会いたくない」
卓上で起動しっぱなしのノートパソコンは、焼け付きを防止するために一定時間毎に壁紙が変化している。お気に入りのラノベのヒロイン、お気に入りのアニメのヒロイン、お気に入りのエロゲのヒロイン。スクリーンの嫁達は、笑顔で僕を見ている。マジ天使。
「……………………会いたくない」
あゝ、やっぱり二次元はいいよなあ。三次元なんてもうアレだよ。クソゲーですよクソゲー。
ていうかさあ、前々から疑問に思ってたんだけど、どうしてまわりの奴はせいぜい人生ノーマルモードくらいだってのに、僕だけは人生エクストリームウルトラベリーハードモードなんだよ。
難易度設定ミスりすぎだろ神様。すぐにでも抗議文書を天界に提出したい。武井ヒロシの大幅なスペック変更を希望する。
まずはコミュ力から、次に顔、次に身体、次に知力、ていうかもう全部最初からやり直してしまいたい。次は最新OS搭載のハイスペックな仕様で頼むぜ。
「…………………………会いたくない」
新たに生まれ変わった武井ヒロシは、恵まれた家庭に生まれて、恵まれた環境、恵まれた友人を持つ。
隣の家には同い年の幼馴染みなんかが住んでいて、小さい頃からお互いを意識しつつも、なぜだか素直になれない。
そして、いつも変態的な行動ばかりをして痛い目みてる悪友がいて、無口な先輩やら元気ハツラツな後輩がいる。ついでに生徒会長とか、文学部の部長もいたりする。なんとハーレムルートまで用意してある。
「………………………………会いたくない」
あれ? 最高じゃね、この世界。どうやったら行けるんだよ、誰か教えてくれ。頼みますから。
しかしながら、こんな素晴らしきユートピアが地球上に存在するのだろうか。甚だ疑問である。
あれかな、死ねば行けるのかな。俗世から解脱すればいいのかな。どうよ僕、涅槃とか目指しちゃう? ようし、なんかやる気がわいてきたぞ。そんな桃源郷に行けるのなら、明日から頑張っちゃうぜ。目標は仏陀クラスだ。さあ、いざ行かん、理想郷!
「……………………………………会いたくない」
──うん、そろそろ現実逃避は止めようか。
「会いたくなあああああああああああいいいいいいぃぃぃ!」
絶叫しながら、水揚げされた魚のようにビチビチと畳の上を跳ねる男がひとり。もう誰だか言わなくてもわかるよね。そうでーす。僕でーす。
僕はしばらく頭を掻きむしり、もんどりを打った後、電池の切れたロボットみたいに停止した。
疲れた。それに、あんまりうるさくすると大家さんに怒られるかもだし。冷静になろう。クールになれヒロシ。うん、落ち着いた。
ふはぁ、と溜め息とも深呼吸ともとれる息を吐き出して、上半身を起こす。そして、卓上のノートパソコンを手早く操作して、一件のメールをクリックした。
──明後日、午前一時に伺います。
僕のキャラが崩壊しかかってる原因はこれだ。この前に僕の妹、武井涼子から届いたEメール。そして、メールでいう明後日というのが、今日のことだったりする。つまり、後一時間ほどで、涼子は僕の元を訪れにやってくるというわけだ。
涼子が何をしにこのボロアパートへやってくるのかは、僕がひきこもりであることを鑑みると、容易に答えを導き出せるだろう。答えは、ズバリ生活費。妹に寄生している兄に月に一回、こうして当面の生活費を渡しにくるってわけだ。
なら、なぜ妹と会うの嫌がるのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。妹から金をたかってるクズのくせして、言うことが少し生意気じゃないか、と。全くもって、その通りだと思う。反論のしようがない。
しかし勘違いしないで欲しいのだが、僕自身、涼子にはいたく感謝している。彼女というパトロンがいなければ、僕は生きていけないのだから、ありがたいと思わないわけがない。
けど、こればっかりは理屈じゃないのだ。だって、涼子は──
「…………」
僕は暗い気持ちで、差出人欄の武井涼子の文字を見つめた。
紫炎
ま、どっちにしろ、僕に選択肢はない。なぜなら、ひきこもりに逃げ場はないからだ。昔から、あーだこーだ文句をたれながらも、しっかりと涼子との面会は行ってきた。たとい死ぬほど嫌でも、我慢するしかない。ひきこもりである僕は。
降参だ、とでも言うように両手を高く上げ、仰向けに倒れこむ。電灯の光が思いのほか眩しかったので、目を瞑った。仄白い光が、眼底に残る。
そんな時だった。大家さんの言葉が頭をよぎったのは。
「ヒロシは、もう変われてるよ、か……」
彼女の言葉を反芻する。
大家さんの口車に乗せられて、僕自身も初めは乗り気になってたけど、実際はどうなんだろ。僕は、本当に変われているのだろうか。イマイチ実感がわかない。
僕は今でも絶賛ひきこもり中だし、心理的にも経済的にも自立していない。どこに出したって恥ずかしくない、絵に描いたようなひきこもりニートだ。
けれども、と僕は考えてしまう。イフストーリーを。
もし大家さんが言うように自分が変われているのなら、いやしくもひきこもりニートから脱出していれば、今夜はどんな選択肢を選んでいたのだろうか。いつもとは違う、大胆な選択を選びとったのだろうか。
そうだな、と僕は考え込む。
そしたら多分、僕はきっと──
閃いた。
僕は閉じていた瞼を剥くようにして見開くと、起き上がって、手早くキーボードの上に指を滑らせた。
──私事で申し訳ないのですが、急用を思い出しました。今夜は帰宅できそうにありません。今月の生活費は、ポストの中に投函しといてください。追伸・いつもお仕事ご苦労さまです。
そしてカーソルを送信のところに合わせ、躊躇した。
勢いに任せてこんな文章を書き綴ったはいいが、本当にやれるのか。
やめとけよ。
弱気な僕が、魅力的な忠告をしてくれる。
面倒臭いことしてないで、おとなしく涼子を待ってようぜ、と。
が、僕はメールを送信した。送信完了、とディスプレイのゴシック体を見て、改めて決意。
僕は一息ついてから、重々しい動作でパソコンをシャットダウンした。
そして立ち上がると、顔を洗うために洗面台へ向かった。洗顔料は使わずに、水のみで洗う。手のひらで顔面を擦り、清潔なタオルで力強く拭うと、幾分かサッパリ出来た。
鏡で自分の顔を見る。顔の腫れはスッカリひいていて、今では面影すら残っていない。怪我は完治。完全復活だ。相変わらずのブサイクフェイスは変わらないけど。
次は押し入れに向かい、中から数少ない衣服を取り出した。ニット帽と厚手のコート。前回の夜と、同じ組み合わせ。着替えるのが億劫だったので、スウェットの上に直接コートを羽織り、ニット帽を目深にかぶった。これで準備は完了。
僕がこれからしようとしていることは唯一つ、武井ヒロシの常套手段、逃走であった。
生活費がなくては生きていけない。だけど、涼子と会うのは嫌だ。それなら、生活費だけ置いてもらって、涼子には帰ってもらえばいい。こんな素敵アイディアが思いつくなんて、ヤバい僕超天才。
ただし一見完璧にもみえるこの作戦には、大きな穴があった。作戦達成の必須条項に、僕の外出が含まれてるってことだ。ひきこもりに居留守は使えない。なら、実際に家を出て、留守の状態を作り出すしかない。
たぶん、無理だろうな。僕は思った。自分はきっと、外に出れない。
今までも、ずっとそうだった。今日こそは外に出てやると意気込んで、勇猛果敢に外出の準備をするのだが、いざドアの前に立つと、固まってしまう。ドアノブを握りしめるだけで、押し出すことが出来ない。
そして結局、また着替えなおして、しとどと枕を濡らす。いつも、その繰り返しだった。
今回もまた、同じことを繰り返すのだろう。限りなく確信に近い予感。だが、それでもいいと思った。今夜だけは、とことん大家さんの戯言に付き合ってやる。そう決めていた。
それに、ダメだったらいつも通り部屋で涼子の到着を待ってればいいだけだし、気持ち的には非常にお気楽だった。優柔不断な自分があっさりと決断出来たのも、失うものがなにもない駄目元前提という要因が一番おおきかった。
滞っている世界に、一石を投じれるだけ御の字。それぐらいの気概でいかなくちゃね。
僕は踵の潰れたスニーカーをきちんと履きなおし、ドアの前に立った。こっからが正念場である。
すぅー、はぁー、と一度おおきく深呼吸。
行くぞ。
僕は冷えきったドアノブを握って、押し出し、外に出た。扉を閉めて、施錠する。赤く錆びた階段を降りて、通りに出た。
あれ?
思わず振り返って、背後のボロアパートを見つめる。闇の中に佇むその姿は、さながら幽霊屋敷のようだった。
それを見て、漸く実感。
「……出れた」
出れてしまった。いともたやすく。特に葛藤もなく。赤子の手を捻るが如く。
「は、ははは……」
自然と、笑いがもれる。
タララッタッタッター。ヒロシは、ひきこもりニートからノーマルニートへレベルアップした。
イヤッホー、と歓喜の快哉をあげたくなるが、近所迷惑を考慮して、小さくガッツポーズするにとどめる。
久しぶりに踏みしめる地面の感触が新鮮で、意味もなくたたらを踏んでみた。固い。いつも足裏に感じている畳の柔らかさとは大違いだ。それだけで楽しくなる。
ぶっちゃけ大家さんの言ってた事は、今の今まで全て半信半疑だったけど、総じて撤回させていただこう。
僕は、変われている。昨日までのうじうじしてた自分とは、もうオサラバだ。外出のひとつやふたつ、お茶の子さいさいだぜ。楽勝楽勝。ヒャッホー。
人目がないのを確認してから、路上で小躍りする。最高の気分だった。今の僕なら、空を飛ぶことだって、就職することだって容易にこなせる気がする。三次元なんてもうアレだよ。ヌルゲーですよヌルゲー。
「って、興奮しすぎだろ僕」
ここら辺りで、さすがに自省する。達成感に酔いしれるのは勝手だが、本来の目的を忘れてはいけない。とっととボロアパートから退散しなくては、涼子と邂逅してしまう。今の自分は、遠足前の小学生のようにそわそわしていて、妙に落ち着きがなかった。
気持ちを静めなくては。
冬の冷たい空気を、肺が痛くなるほど吸い込み、吐き出した。それでも、マグマのようにたぎってくる高揚感は抑えられなかった。嬉しさのあまり、勝手次第、にまにまと頬が緩んでしまう。
が、此処で立ち往生していても話が進まない。とりあえず、僕は歩き出すことにした。具体的な行動計画はたてていなかったが、構わないだろう。涼子が帰るまで、適当に街を練り歩いていればよい。
それでは、出発進行。
通行人も車両も通らない静かな道路を、ひとりぼっちで歩き始めた。
空はおののきたくなるほどに真っ暗で、砂粒みたいな星が、ちらほらと散らばっている。僕はそれらを眺めながら、ぼんやりと歩を進める。
最初こそ、雲の上を歩いてるような、現実感のない白昼夢を見てるような、フワフワとした足取りだったけど、次第にしっかりしてきた。
そして、僕はなんとなく手持ち無沙汰になったので、お気に入りの中二妄想を開始した。
妄想の中の僕は、日本政府のシークレットエージェントだった。表沙汰に出来ない秘密裏の事件を政府から依頼され、僕は毎回、それらの任務を鮮やかに達成する。
僕はファンタジー系の妄想よりも、むしろこういうハードボイルドな妄想を好んだ。学校にテロリストが侵入してきて、その日たまたま屋上で居眠りをしてた僕は、みたいなのは大好物である。
政府から与えられたコードネームはH。僕は、いやHは、古今東西の武術を組み合わせた独自の格闘術をあやつり、肉弾戦ではもはや無敵の部類に入った。
銃の扱いもピカイチで、ハンドガン、ショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフルと種類を問わず、高い精度の射撃能力も有している。優秀という言葉が、ピタリと当てはまるような男だった。
だが、有能でプロフェッショナルなHにも、弱点と呼べるものがひとつあった。それは、突発的な不幸体質。Hの任務はいつも、突然のアクシデントと共にやってくるのだ。
たとえば、あそこの角を曲がったら、逃げ惑う黒髪の美女がHに抱きついてきて、こう嘆願する。私を助けて、と。
彼女の背後からは、黒服の、いかにも怪しげな男達が駆けてきている。手には大口径の自動拳銃。銃社会と無縁の日本じゃあ、到底拝めそうにない代物ばかりだ。
やれやれ、とHはいつものように軽く肩をすくめてから、いぶし銀な苦笑をひとつ見せた。そして、誰にとでもなく呟くのだ。今回も難しい任務になりそうだぜ、と。そして、黒髪の美女の手をとって、夜の街を走り出す。
きっと、今夜もそんな展開になるに違いない。
脳内の妄想を加速させながら、Hは角を曲がった。
「あっ」
そこで、OLさんと鉢合わせた。
踵を返して、逃げ出した。
「ちょっと──」
OLさんが僕の(もうHはいいや妄想終了)背中に言葉を投げかけるが、当然無視。僕は全速力で駆け出した。
すいません。正直、調子に乗ってました。やっぱり、外は怖い!
しばらくの間、無我夢中で走った。冷えた夜の空気が目にしみて、涙が出そうになったが、それでも速度は緩めなかった。一歩でも多くOLさんから逃れるため、僕は必死だった。
ここまでくれば、もう大丈夫だろう。そう言える地点まで来ると、近くの電柱に体重を預け、火照った身体を冷やした。ぜえぜえと息が荒く、額からは汗が噴き出している。
さて、どうしようか、と僕は考える。
家に戻る訳にはいかない。あちらはもう涼子が到着しててもなんらおかしくない時間帯だし、これでもし顔合わせでもしてしまったら、まさに本末転倒であろう。
やはり、当初の計画通り、このまま街を歩き続けるのが賢明か。OLさんと出くわす危険性は継続してしまうが、多少のリスクはやむを得ないだろう。OLさんと出会わないように最大限の注意をはらいながら、街を徘徊するしかない。
そう結論を出して、額の汗を拭った時だった。
「待ちなさいっ」
闇夜を切り裂く、鋭い声。発声源を追いかけると、そこには小走りで近づいてきているOLさんがいた。なぜだかは知らないが、OLさんは僕のことを追いかけているらしい。
なんでだよ!
反射的に、僕も再び駆け出す。爽やかとは程遠い汗を振りまきながら。
深夜の閑静なベッドタウンに、二人の足音がこだまする。追う者と追われる者、深淵すら見えない、深き夜の追走劇。
へたに休憩を入れてしまったせいか、足がだるくて重い。僕はヘロヘロになりながらも、逃走経路を模索した。
走りながらで気づいたのだが、この街は曲がり角が非常に多いため、迷路のように複雑に入り組んでいる。住宅の数が多いからだろうか。原因はわからないが、なにはともあれ、この地形を利用しない手はない。
僕はOLさんを振りきるために、角を曲がったり、曲がらなかったりと、とにかく無作為に走った。彼女の視界から消える回数が増えれば、そのぶんT字路などの分岐点の時に、迷いが生じる。僕が走った方向は、右なのか左なのか。
けれども、OLさんはホーミング機能でも付随してるのかってくらいに、正確無比に追いかけてきた。まるで神の視点から、この住宅街を俯瞰してるかのように。結果的に、僕の目論見は外れ、二人のいたちごっこは続いた。
あまつさえ、僕の運動神経は最低の部類に入る。いくら相手が女性とはいえ、このままでは追いつかれるのも時間の問題だった。そろそろ年貢の納め時か、と誰もが思ったに違いない。
しかし、勝利の女神は僕に微笑んだ。
僕は目一杯に足を動かしながら、首だけを軽く後ろに回して、OLさんの足元辺り、正確には彼女の履いている靴に目をやった。
OLさんの履いている靴は、いかにも社会人の女性らしい、ヒールの高い靴だった。当然のことながら、僕の履いているスニーカーみたいに、運動性に富んだ靴ではない。OLさん自身も、非常に走りにくそうにしていた。
靴のハンディーというのは、思ったよりも大きかったらしい。僕と彼女の距離は、徐々にではあるが、確実に離れていった。
勝った。僕は確信する。天は自分に味方していると。
あまりにも距離が離れてしまえば、OLさんの魚雷みたいな追撃も機能しないはず。この調子で走っていれば、自動的に僕の勝ちが約束されるのだ。
恨むのなら僕じゃなくて、そんな踵の高い靴を履かなくてはならない社会人になった自分を恨むんだな、と心の中で的外れな悪罵を送り、目の前にぶら下がっている勝利の二文字に、僕は思わずほくそ笑んだのだが、
「だから、待てって言ってんでしょうがっ!」
OLさんが、まさかの行動に出る。このままでは追いつけないと見切りをつけたのか、履いている靴を脱ぐと、それを両手に持って、素足のまま駆けだしてきたのだ。なんたるバイタリティ。おいおい人生全力投球すぎんだろ。
楔から解き放たれたOLさんは、先程とは雲泥の差だった。もともと、運動神経も良い方なのだろう。ぐいぐいとスピードを上げて、離れていた間隔をみるみると縮めていく。白星が一転、黒星に変わる。
ちくしょう、捕まってたまるか。
僕は全力稼働中の足に鞭うって、更にスピードをあげた。筋肉痛も辞さない、鉄砲玉の如き勢いだった。のだが、
デレていた勝利の女神が、ツンに変わった。
運動不足が祟ったのかもしれない。激しく地面を蹴りつけて進んでいた僕の足が、空中でもつれてしまい、空回りして、そして、
「へぶしっ」
道路の上に、顔から滑り込んだ。
顔全体満遍なくアスファルトにズルズルとすれて、熱を帯びたような痛みがじわじわと襲ってくる。
痛い。やっと前回の傷が完治したってのに、またもや顔面を負傷するとは。なんなのですか。僕には常に顔に傷がないとダメな呪いにでもかかってるのですか。ちくしょう、これ以上キモメンになったらどうするんだよ。責任とって養ってくれよ。
って、そんなことを憂いている場合じゃない。早く逃げなくちゃ。
僕はすぐさま立ち上がろうと、両腕に力を込めたのだが、
「ぐえっ」
物凄い力で、上に引っ張られた。猫のように首根っこを捕まれ、ぐいと上昇した目線の先には、OLさんの顔。全力で走った所為か、頬が上気していて息が荒い。肩が激しく上下している。
彼女は乱れた息を整えることもせずに、僕に対して冷然と言い放った。
「少し、付き合ってもらえるかしら。武井くん?」
果たして首肯する以外に、僕に何が出来たというのだろうか。是非、皆に問いたい。
投下、終わります。
ひきこもり大戦記の主人公て糞カス野郎だな
糞弱いし主人公としての魅力を全く感じない
Gj!
基本主人公は精神的に弱い人物が書きやすいからな
乙
投下早くていいな
乙!
妹がまだでないなんて焦らしプレイだな
妹はラスボスなんだよ
GJ!
いいねえ、投下はやいのって
妹より先にフラグ回収とは予想外だったw
知恵遅れのキモ姉が幼馴染を嫌ってる場面が頭に浮かんだ
知恵遅れのキモ姉ってそう言えばみないな
誰か書いてほしい
乙!!OLさんがなに企んでいるか気になるねぇ....風見とは比べ物にならないくらい素晴らしい!!
>>510 はいはい風見本人乙ー!!
悔しいんだねwそうかwそうかw
>>516 昔短編を見た気がする。知的障害の姉が
弟を独占。どせいさん的な話し方だった
>>518 そんなんあったけか…短編見てくる
ありがとう
ちょっと脳筋なキモ姉妹
時間を止める姉
過程を消し結果だけを残す妹
無限に時間を加速させる幼馴染
>>521 つまり主人公と味方のスタンドが妹と姉で、敵のスタンドが泥棒猫か……
主人公は究極生物
姉弟の前世は恋人とかありがちだから前世も姉弟
むしろ前世は兄妹
TSでも逆転でもお好きにどうぞ
知的障害のキモ姉が弟の質問に答えられなくなってきて距離を置かれるようになるけど
キモ姉が弟に離れ欲しくなくてエロ漫画や保険の授業でのツタナイ性知識で身体で弟を繋ぎ止めてそれが何年も経ち当たり前になった頃に
泥棒猫が弟を奪おうとするSSまだ?
何故知的障害にこだわるのか
……キモ姉だからじゃない?
痛々しいからそういうのは嫌だな
頭が弱い程度でも大丈夫だろ
精神病のキモ姉
さよならを教えて
甘えてくるキモ姉と甘えさせてくれるキモ姉どっちが良い?
甘えさせてくれる双子妹(姉)と甘えてくる双子妹(妹)がいい
三つ子で
ソウカンジャーですね、わかります。
家事手伝いニートキモ姉=弟の嫁
弟「あ、それ姉貴の妄想だから」
お兄ちゃん?
投下はいつくるんだ
泣き虫お姉ちゃん欲しい
テスト
短編投下します
トリ合ってるかな?
「兄さん、キスしても良い?」
二度三度と瞬きをした。
時は夜。場所は家のリビング。
夕食前の室内には誰もない。僕と、もう一人がいるだけだ。
可否を答えるより先に、発言者を凝視した。
「何云ってんだ、お前?」
呆けたように問い返すと、目の前の少女――栂尾霙は形の良い唇を艶やかに吊り上げて繰り返した。
「キス。あたし、兄さんとキスしたいの。ダメ?」
「…………」
僕は頭を掻いて、それから確認を込めて聞いてみた。
「霙、俺とお前の関係は何だ?」
「男女かな」
「兄妹だ。それも血の繋がった」
「知ってるよ? 兄は男で妹は女。つまりは男女でしょ?」
「意味が違う」
「同じだよ」
「…………」
からかっているのか本気なのか。
薄く微笑むだけの妹の真意を読むことが出来ない。
「霙」
「何?」
「俺は今、部活の話をしてたんだけど」
「それも知ってる。会話の当事者あたしだもの。で、キスしても良い?」
「なんでそうなる」
「したいから、そうなるの」
「…………」
僕は口をへの字にして黙り込んだ。
妹の霙は正真正銘・血の繋がった身内である。
容姿は極上だが可愛いと云われることは殆ど無く、多くの場合綺麗、ないし美人と評される外貌だ。
基本的にはサバサバした性格で、身内事を除き、あまり物事に固執しない。
趣味は僕をからかうことだ、と常常公言しているので、今回もそうだろうと考えた。
しかし、それにしても唐突だ。前述の通り部活――茶道部の話をしていただけなのだから。
僕の所属する茶道部には茶会の折りに一つの茶碗で廻し飲みする習慣があるのだが、新入生の女子部
員達がそれをいやがった。その話をした途端、妹は会話を遮ってキスの許可を求めて来たのだ。二重の
意味で驚くのは当然と云える。
「唐突じゃないでしょう? 間接キスの話を振ったのは兄さんだもの」
「間接って……」
「お茶会の度に間接キスする部活なんて知ってたら入部許可しなかったのに」
頬を膨らませながらそんなことを云う。
何故にお前に許可を取らないといかんのだ、と僕が呻くと、霙は妖艶に瞳を細めた。
「だって――」
つい、と白い指が僕の口をなぞる。
「兄さんの唇は、あたしの所有物だもの」
人差し指は自身の口元に運ばれ、赤い舌がちろりと先端を嘗めた。妙に蠱惑的な仕草だ。
目を逸らすと、不可視の身内から「クスッ」と笑い声がする。
「照れてるの? 兄さん可愛いなぁ。そんな顔されると、もっと虐めたくなっちゃうよ?」
「か、からかうのもいい加減にしろ」
「からかわれるのはいや? じゃあ、本当に虐めちゃおうかな」
霙は立ち上がると僕の傍へやって来て、息が掛かるくらいの距離で顔を寄せる。
「お、お前」
「兄さんは、あたしの物なんだから、あたし以外の人間とと間接キスなんてしちゃダメなのよ? この
唇に、本来あるべき場所を教えてあげる……」
「う、うわああああ」
情けない声を上げて僕は後退った。妹はそんな兄を見下ろしてクスクスと笑っている。
「妹相手にドキドキしてるんだ? 可愛い」
「ま、またからかったのか!」
「別にからかってないよ? 逃げなければ本当にしちゃうつもりだったんだから」
霙はそう云って片目を閉じて見せた。僕は平静を装うので精一杯だった。
「お前なぁ! 冗談も程程にしておかないと今に報いがあるぞ」
「ふぅん……。『報い』、ねぇ……」
柔和な笑顔を浮かべたまま、妹の瞳が幽かに細くなる。気配の温度が瞬間的に下方へ移行し、不可視
の気配が黒く濃くなったように感じた。
(あ――機嫌が悪い……)
その時になって、僕は霙が怒っていることを悟った。兄を散散からかっていたのは面白がってのこと
ではなく、怒気が漏れ出た為に起きた現象であったようだ。
「兄さん?」
「な、何だよ」
「妹の心得読誦」
霙は笑顔で『約束事』の確認を命じる。
妹の心得――それは僕が霙に誓ったものである。
最初は「お前を泣かせない」「一緒に出かけた時は置き去りにしない」と云った気遣いや慰めの為の
ものであったが、そのうちに泣き落としや脅迫紛いの理屈で補増され、今では三十四もの誓約になって
いる。後に恣意的に纏められ(霙曰く精緻に纏めた)、記念すべき第一条は『兄は妹の為にある』、で
ある。
仰仰しく下らない条文を読み上げさせられていると、
「は〜い、ストップ」
第九条で止められた。
「兄さん、第九条をもう一回云ってみて?」
「……『兄の身体、または行動は妹の許可無く淫らな穢れを自ら求めてはならなず、突発的な事象を除
き可能な限りこれを避けねばならない』」
よく云えました、と霙は柏手を打つ。
「じゃあ兄さん。釈明があれば聞くけど?」
「ま、待てよ。何で釈明が必要なんだよ」
「だから、してきたんでしょう? 今まで散散、間接キスを」
「いや、それはあくまで部活動の一環で、決して疚しいものでは……」
「第十一条読誦」
「『兄はいかなる場合も妹に対し機密を保持してはならず、また誤解を生まぬようホウレンソウを怠っ
てはならない』」
ジロリ、と霙は僕を見つめた。その目は間接キスを隠していた、と責め立てている。
「霙。廻し飲みは間接キスじゃないんだぞ」
「どう違うの? ひとつの器に口を付ける。全く同じじゃない」
「外面的行動ではなく、心の持ちよう、が」
「つまり普遍性がない。恣意的に違うと云い張っているだけで本質的には受け手によって様様ってこと
でしょう? 少なくとも誤解を生むだけの素地は有ると云う事。そもそも兄さんだって『そう思える』
と認められるからこそ、新入部員がいやがったと理解したんでしょ」
「う……」
何とか反駁はしたい。反駁はしたいのだが、僕は口では妹に敵わない。それでも何とか云い返そうと
すると、霙は僕の服をぎゅっと握って上目遣いに呟いた。
「じゃあ兄さんは、あたしが男の子と間接キスしてる姿を見たいの? 他人の唾液の混じったお茶を飲
み下す姿に我慢出来るの?」
「それは……」
表現が大袈裟だ、と云おうとして口を噤む。生生しい云い方をされるとその姿を想像してしまう。一
瞬、いやだな、とも思ったが潔癖すぎる人間は生き辛いだけだ。諭そうとし、またそれでは妹が不満顔
をするだろうと停止する。一息刹那に思考が右往左往して、結局言葉にならなかった。
霙は僕の沈黙を都合良く解釈したらしい。
「ほら、兄さん。兄さんは自分がされたらいやなことを、あたしにしたのよ?」
攻めるようにそう云った。
「わ、悪かったよ……」
謝ったのはその場凌ぎだ。
前述の通り考えは纏まっていない。けれど、状況に押されてそう答えてしまった。
「認めるんだ?」
「…………」
「認めるのね?」
「あ、ああ」
「じゃあ、罰を与えなきゃ。信賞必罰は政治の要諦。家族関係も爾り」
(結局このパターンか)
僕は頭を抱えた。
妹の行動は結局『罰』へと収束する。
罰の名の下に自分の有利なように物事を運ぶ。心得が増やされたり、振り回されたりするのが常なの
だ。
今回はどうするつもりなのだろう。そう思っていると妹はふたつの六面体を取り出した。
(骰子……?)
霙の掌に乗っかっているのは双六等の遊技に使うあれだ。
ひとつ違うのは、各面にあるべき数字が文字に置き換わっていると云う点だろうか。
「何だ、それ」
僕が問うと、妹は含みのある笑みを浮かべて見せた。
「天意を問う、と云えば伝わる?」
「…………」
得心往った。
つまり出目が僕への罰であると。
(それにしても――)
しなやかな掌に載った六面体の内容は、とてもじゃないが天の意思とは思われない。
見える範囲で『一日抱き枕』とか『常時奴隷化』等の文字が踊っている。
「で、何で骰子がふたつあるんだ?」
「おしおきとご褒美」
使用される局面が違う、と云う事らしい。しかしそれならば何故、『ご褒美』用と『おしおき』用の
両方に『鞭』の項目があるのだろうか。
「兄さんは見ちゃダメ!」
霙は六面体を遠ざける。詳細は決するまで知ってはいけないようだ。
「今回は『甘口』で許してあげる」
「あ、『甘口』……?」
程度によって使用される骰子が違うのだ、と霙は云う。
「『甘口』・『中辛』・『辛口』・『激辛』。四段階あるの。今回は情状酌量の余地ありと判断して、
『甘口』。寛大でしょう?」
「Clementia」
僕は呟いて肩を竦めた。霙は大仰に頷いて、おしおき用・甘口の骰子を放り投げた。
出目は……
『無罪放免』
「やった」
「ふんッ!」
「あーっ! 蹴るなよ!」
天意を告げる六面体は猛スピードで壁に激突し、ぐったりと動かなくなった。
妹は脚を蹴り上げた姿勢で美しく停止している。
やたらめったら短いスカートから伸びる脚はすらりと細いが、むっちりとした肉感があり、二律背反
する両長所を内包している。
「誰も投げて出た目で決するとは云ってない。これで出た目で罰を決めるの」
「横車も甚だしい……」
僕は渋渋哀れな骰子に近付く。
出目は……
『無罪放免』
「…………」
どうしよう。
素直に出目を告げるべきか。罰を受けてやるべきなんだろうか?
偉そうに踏ん反り返っている妹は自信満満に瞑目している。『無罪放免』以外は何が出ても満足往く
のだろうが……。
「あ〜……。霙さん……?」
遠慮がちに発声すると、それだけで妹の眉がつり上がった。事態を把握したらしい。
「兄さんはあたしに何か恨みでもあるの?」
「天の意思じゃないのかよ」
「兄さんの処遇を決める目なんだから兄さんが自分で振って」
さりげなく振り直しを要求する。『無罪放免』にする気はないらしい。
僕は嫌嫌骰子を拾い上げ、等閑に放りだした。或は掌から落ちただけかもしれない。
「あはっ!」
途端、妹が柏手を打ち鳴らした。実に良い笑顔だ。悪い予感しかしない。
『愛の告白(キス付き)』
「…………」
うちの妹はどこかおかしいんじゃないだろうか。
「お前さぁ」
「なに?」
「血の繋がった兄貴にこんなことされて嬉しいのか?」
普通ドン引きだろう。
「嬉しい嬉しくないじゃなく罰だもの。兄さん、云い訳で誤魔化すつもり?」
上擦った声で云い張る。嬉しさが多分に見え隠れしているが、突っ込むのは野暮だろうか。
「別に誤魔化すつもりはねぇよ……」
「じゃあ」
ン……。
とか呟いて目を閉じる。
キスされる気満満だ。
……霙とキスした経験が無いとは云わない。
子供の頃、巫山戯て何度かした。僕の最初は霙であり、妹の最初は兄であるはずだ。
しかしそれは遊びの延長であって、特別な感情を伴ったものではない。少なくとも、僕の中では。
今回のこれは罰なのだから、本気のそれとは違うとは云え、本当にしてしまって良いものだろうか?
「兄さん。早く♪」
こちらの心中を知らずに催促する妹の声は、先程同様、多分に上擦っている。
すました顔で目を瞑る霙の頬はほんのり赤い。ある種の感情が見て取れる。
(仕方ない)
頬かおでこにでもキスをしてお茶を濁すとしよう。
「云っておくけれど、ほっぺやおでこで誤魔化すのは無しだからね」
「…………」
先回りで逃げ道を潰される。流石は兄妹。僕の考えを察したようだ。
「あ、でも。つまさきへのキスなら許してあげるけど」
「お前は兄妹の関係を何だと思ってるんだ」
「これでもあたしなりに兄さんの為を思ってるんだけど?」
「……理屈を拝聴しましょうか」
「簡単」
妹は僕の腕を掴んで強引に自分の方へと引き寄せた。
「兄さんは、あたしに支配されている方が幸せだってこと」
からかっているんだよな?
高慢な笑みを浮かべている霙の頬は上気している。興奮しているのだろうか?
「兄さんはあたしのものなの。だからあたしに管理されるべきなの。そうでしょう?」
「…………」
管理云云述べているが家事はほぼ総て僕がやっているのだが……。
(藪はつつかぬ方が良い)
最早何を云っても無駄であろう。第一、骰子を振っておいて今更出目に従いません、では通らない。
(仕方ない……)
さっさと済ませてしまうことにした。多分、それが一番安全だ。
投げやりに覚悟を決めた僕は霙に向き直る。
「告白して……キス……すれば良いんだな?」
「そう。キスと告白。簡単でしょう? だからって、いい加減な態度は認めないからね?」
注文の多い奴だ。これ以上騒がれる前に終わらせてしまおう。
「霙……」
「うん……」
「あ、愛……してる、ぞ」
自分で云ってて恥ずかしくなってくる。今の僕の顔と仕草は泥酔者のそれに相似するだろう。だが、
きらきらとした顔で僕を見上げていた妹は予想に反して美しい眉を吊り上げた。
「今のじゃ駄目!」
「何でだよ」
「だって兄さんがあたしを愛しているのは当然だもの。兄さんはあたしを好きで、あたしも兄さんが好
き。互いに好き合ってる事が判っている相手に告白するのよ? だからそんな『当たり前』じゃ意味な
いの。ちゃんと将来を含めた告白じゃなきゃ」
「将来って……」
それは告白を越えた話ではないのか。
(まさかこいつ、これを機に婚約をさせるつもりなのでは?)
僕の背中に冷たい汗が流れた。
他方霙は罠に掛かる獲物を待つかのような妖しい笑みを浮かべている。
『妹の心得』では約束を守らぬ事を堅く戒めている。だから、「愛の告白」ならば兎も角、「将来の約
束」はまずい。有言実行が義務なのだから。
「兄さん?」
「な、何だよ」
「兄さんはあたしに黙って間接キスをしてた」
「許可を求めていたら許した風な口ぶりだな」
「許すわけないでしょ。兄さんはあたしのものなんだから」
話の腰を折らないで、と駄目出しをして霙は続ける。
「兄さんはあたしをものすご〜く不安にしたの。なら、永遠に不安を取り去るような『お薬』をくれな
いと駄目でしょう?」
それが将来の約束だと?
随分と割高な薬もあったものだ。
しかし賽の目が出た以上誤魔化すことは不可能に近い。言質を取られない範囲で要望を満たすしかな
い。
結婚しよう、とかお前以外いらない、とか関係を限定的にする言葉を避けてその上で将来を包含した
ものにせねばならない。
(と、なると……矢張り時間を強調すべきだろうか)
それが一番無難であるし、何より当然自然であろう。
仕切り直すように妹と向き直る。
「ちゃんと肩を抱いて」
何がどうちゃんとなのかはしらないが、追加で注文を付けられた。仕方ないので両肩を掴む。
「霙」
「兄さん……」
妹は切り替え早く、熱病患者のような目で見上げてくる。潤んだ瞳には引き攣った顔の兄しか映って
いない。どうやら既に自分の世界に入り込んでいるようだ。
一度深呼吸をし、それから茶番を開始する。
「俺はお前を永遠に愛してる。百年後も千年後もずっとだ」
先程の言葉に年数を付加しただけである。永遠を語っておいてその後に年月を加えるなど滑稽の極み
だが推敲せずに出した言葉なのだから仕方ない。
我ながら酷い科白だと思う。だが事実でもある。
霙は大切な妹だ。ずっと大事に出来る自信がある。つまり、将来を含めた話だ。条件は充分に満たし
ている。
さて、審判はどうであろうか。
妹を見ると、ぷるぷると震えていた。俯いている所為で表情が見えない。
(また駄目だったか?)
両肩から掌をどけると。
「兄さんッッッッ!」
「うおぁっ」
尻と背中、次いで頭部に衝撃が走った。押し倒されたのだと気付いたのは僕に馬乗りになって両肩を
押さえる妹の顔を見てからだ。
猛禽のような目をしている。舌なめずりしながら肩で息をし、震える声でこう告げた。
「天意は兄さんからのキスだったけれど、私からしてあげる……」
お前がしたいだけだろう、と呟こうとして失敗した。それよりも早く、僕の唇が妹のそれで塞がれた
からだ。
「んぅう……」
ぬちゅぬちゃと舌が僕の口内を這い回る。唇とリップグロスの感触が生生しいが、あまり気持ちの良
いものと感じないのは精神的なものがないからだろうか。一心不乱に唇を貪る妹の姿は、どちらかと云
えば懸命に甘えてくる子供のように映った。
(普段俺を挑発してる時は色気があるんだがなぁ)
常常主導権を奪われつつも、それが決定打に至らないのはその辺が理由だろう。
「んッ、ちゅッ……んぅッ……ねぇ……兄さん……?」
「……何、だよ」
無理矢理に舌を絡めてくるので喋りづらい。
「兄さん良い子に出来たから、ご褒美あげる……」
そりゃどーも、と僕は呟いたが耳に届いた音声は言語とは程遠かった。霙はそんなことはお構いなし
にキスをしながら六面体を取り出した。どうやら先程ちらりと見えた『ご褒美用』の骰子のようだ。
並んでいる文字は前述の通り『愛の鞭』があり、他に見えるものは『足コキ』と『下着の贈与』。酷
いご褒美もあったものだ。ひとつも嬉しくない。
だが霙は蕩けた笑みで呼吸荒く呟いた。
「特、別、にぃ……二回振って良いよ?」
(そりゃ何の罰ゲームだ)
こんなもので僕が喜ぶと思っているならばそれは甚だしい誤解であろう。どうやら妹と兄の間には随
分な思考の乖離があるようだ。
(こんなものをせっせせっせと自作してるかと思うと兄ちゃん情けなくて涙が出るぞ)
しかし『こんなもの』に現況を支配されているのも事実だ。ぶっちゃけ振りたくはない。
霙も霙で急かさない。
賽を振ると云う事が口づけの終焉であることが判っているからだろう。骰子をギュッと握りしめたま
ま、必死に舌を絡めてくる。
どの程度そうしていたのか判らない。
固定された身体が痛みを覚えた頃、僕の耳に霙の息遣いと唾液の絡まる音以外の音が鳴り響いた。イ
ンターホンである。
「霙、お客さんみたいだぞ?」
「…………」
「……おい、霙?」
「今……忙しいの……ッ」
表情は冷静を装っているが語気は荒い。邪魔された、と考えているようだ。しかし僕にとっては渡り
に舟だ。天意を再び問う気もないし、キスの続行も御免だ。いい加減、口の廻りが唾液まみれで気持ち
悪い。
妹を押しのけて身体を起こすと、「むぅ……!」と不満気な声が聞こえたが聞かないことにした。
「……一寸追っ払って来る……!」
「どうしてお前は最初から喧嘩腰なんだ」
基本的に来客への対応は外面の良い妹がしている。宗教の勧誘も商品のセールスも完膚無きまでに叩
き潰すのが上手なのである。霙曰く「兄さんは交渉事に向かない」らしい。
けれど今は駄目だ。気が立っている時の妹は凶暴で凶猛なのだ。一見して殺気横溢している。僕が出
た方が無難だろう。
口元を整えておけ、と制して僕が応対することにした。
直接玄関に向かい扉を開けると、そこにはセールスマンでもなく勧誘のおばちゃんでもなく、小柄な
少女が立っていた。
「弐之宮……?」
「こ、こんばんは……です。栂尾先輩」
ぎこちない笑顔でぎこちないお辞儀をしたのは弐之宮霽。僕の所属する茶道部の新入部員であり、入
学したての一年生だ。そして現在の莫迦げた六面体騒動の発端である『廻し飲みを拒否した女の子』の
一人でもある。
「こんな時間にどうしたんだ? と云うか、何でうちに? いや、そもそも俺の家知ってたのか」
心がそのまま零れた。弐之宮は戸惑ったように云い澱んでいる。それはそうだろう。質問が段階を踏
んでいない。我ながら交渉事に向かないと改めて思い知る。
「えと、あの……」
困惑する姿が小動物に相似する。小柄なので、尚更だ。そんな風に考えていると、弐之宮霽は勢いよ
く頭を垂れた。
「す、済みませんでした!」
必死さは伝わってくるが何故急に謝られるのか理解が出来ない。僕が首を傾げるとそれが判ったのだ
ろう。後輩は目を伏せながら敷衍する。
「あの……今日、の、お茶会で飲むのいやだ、って云ってしまって……それで、不快な思いをさせてし
まいましたから……先輩に謝ろうと……」
「ああ何だ。そんなことか。別に気にしなくて良い。女の子なんだからいやがる気持ちも判るし。と、
云うか、それで態態うちまで来たのか?」
「よ、義銀部長に住所を聞いて……」
「義銀に?」
それは妙だ。茶道部部長の義銀里沙は僕の住所を知らない。精精携帯の番号だけのはずである。副部
長の一乗谷ならば知っているから、そちらと間違えたのだろうか。
「わ、私……いやじゃありません……! 飲むの、いやじゃありませんから……!」
「そうなのか? 男が飲んだ茶碗に口付けるのはいやだと云ったと思ったんだが」
僕が聞き間違えたのだろうか。
今日の部活で廻し飲みをいやがった新入生はふたり。
目の前にいる弐之宮霽と、もうひとりは織倉由良と云う名前の一年で、いずれも女子である。茶碗を
奨められた時、一方の弐之宮霽は怯えたように首を振って俯き、他方の新入生は恋人だか想い人だかに
操を立てているので承服しかねるとのことだった。
もともと廻し飲みは強制ではないし、去年も一昨年もいやがる娘はいたので、部員達の間に不穏な空
気はない。副部長などは自らの配慮不足を謝罪した程である。その後、茶会は恙無く終了したし、皆打
ち解けていたから問題らしい問題は無かったと云える。にも関わらず謝罪に訪れたと云うのはどういう
ことなのだろう?
「まさか他の人にも謝って廻ってるのか?」
「あ……いえ……」
弐之宮霽は目を伏せた。
「先輩……だけです。先輩に、誤解されたくないから、謝らないとって思って……それで……」
何故か真っ赤になって上目遣いで僕を見ている。
(誤解とは何だ?)
廻し飲みのことなのだろうが、それをいやがると思われることが不利に働くとは思われない。
ならば他に何かがあるのだろうか。
「私、先輩のなら、先輩の飲んだお茶碗なら……へ、平気、です。それを……伝えたくて……」
「…………」
どう解釈すべきだろう。
弐之宮霽の態度からは必死さと必死さ以上の何かを感じる。自然に判断を下すならば、まず『好意』
が考えられるが、僕と彼女に部活動の先輩後輩以外の接点はない。それに加えて彼女は新入生である。
つまり、共有した時間そのものが不足しているのだが。
「あら? お客さん?」
柔らかくすましたような声がした。
振り返れば奴がいる。
優雅で優美な微笑を浮かべた僕の妹が。
(何が『お客さん?』だ。チャイムを一緒に聞いてたくせに)
完全に『業務用』の笑みを浮かべた霙は、さも今気付いたかのように玄関にやってきた。
大方僕の戻りが遅いから様子を見に来たのだろう。或は最初から成り行きを見守っていたのかも知れ
ない。
妹の顔には先程までの不機嫌さも子供っぽさも見られない。消滅したのではなく、遮蔽することが抜
群に上手いのだ。第一本当に来客に興味がないのならば、このズボラな妹が自分から出てくるはずがな
い。
しかしそれを知るのは兄である僕だけだ。上品で色気のある微笑は余裕ある女の姿そのものだが、
『作りもの』と見破るのは不可能だろう。
弐之宮霽は案の定、突然現れた妹の顔と知己の先輩を見やっている。戸惑っているのは明白で少し気
の毒になるが小動物的で可愛くもある。
「あ、あの……先輩、こちらのかたは?」
「ああ、こいつは――」
妹だ、と云おうとした僕を遮って、霙は腕を絡めてくる。艶めかしい所作だ。少なくとも、兄妹間で
するような仕草ではない。
「初めまして。妻の霙です」
ふふ、と邪気無く笑ってみせる。否、邪気はある。巧妙に遮蔽されているだけだ。
「え――? 奥、さん……?」
弐之宮霽は打ち棄てられた子犬のような瞳で僕を見る。ショックを受けているのは一目瞭然だが、
一寸待って欲しい。ショックを受けているのはこちらの方だ。
妹の虚言もさることながら中学三年生の言葉を真に受ける高校一年生もどうかと思う。
(どこから突っ込めば良いんだか……)
思案している僕を他所に、霙は身体全体で撓垂れ掛かって来て、甘えるような声を出す。
「アナタが中中来てくれないか心配だったのよ?」
「何気色わる……」
いこと云ってんだ? と云おうとした僕は激痛で沈黙した。
(抓ってきやがった……)
これは『黙れ』の合図だ。逆らうと大変なことになるので素直に従う。兄の屈服に満足したのか、
ふふふと笑うと余裕のある笑みで弐之宮霽に向き直る。
「それでお客様、あたしの夫にどの様な用件が?」
「ぅ……ぁ……ぅ……」
後輩はもう殆ど泣き顔になっている。狼狽が過ぎて呻吟するのみだ。けれど今は説明するつもりは無
い。と云うよりも出来ない。霙が僕に絡まっている限り横槍が入っておしまいなのは火を見るよりも明
らかだから。
(済まんなぁ弐之宮……。明日学校で説明するよ……)
心の中で合掌した。
「わ、私……私……うぅうぅ……ッ」
小柄な少女は何も云えず、闇の彼方へ掛け去った。追い掛けようとも思ったが、僕を掴む妹の力は思
いの外強力で、結局その機を逃してしまった。
「さて、兄さん。釈明があれば聞くけれど?」
「それは俺の科白だ」
いきなり何を云い出すのかと問うと、霙は「妹の心得第六条読誦」と冷たい瞳で呟いた。
云いたいことは山程あるが、読誦を断ると話がややこしい方へ拗れるので、不承不承読み上げる。
「……若い女を見たら悪人と思え……」
「そう。あれはどう見ても悪い虫でしょう? 天保銭の様だけれど」
天保銭とは悪口のひとつである。天保年間に真鍮製の百文銭が作られたが、品質の問題から市場では
八十文としてしか通用しなかった。百文には「少し足りない」。故に「少し足りない人」を指して天保
銭と云う。つまり騙した自覚はあるらしい。「妻」発言は方便で、本気で云った訳ではないようで、そ
の意味では安心した。
「正式に『妻』を名乗るのは式を挙げてからにしようと思っているの。今はまあ、『内縁の妻』と云う
ところね」
「ま、待て! 何でそうなる」
「兄さんはあたしに永遠を誓った。死ぬまで、ううん、死んでも共にある永遠のパートナーであると。
つまりは、妻でしょう?」
(こいつ……矢っ張り都合良く解釈してやがった……!)
愛の告白(キス付き)で言質を取られた憶えはなかったが、妹の方は強引に誓いと契りと云う事にし
たようである。
ここでその思い違いを打ち砕いておかねば、本当に挙式させられかねない。
「あのなぁ霙、俺は……」
「兄さん? 釈明が先でしょう? あの娘は、何?」
「ぐ……ぅ……」
迫力で押し切られた。貫禄が違う。こういう手合いに演繹された理屈のみで抗し得る事が出来るだろ
うか。全方位・全会話を叩き伏せてからでないと、あの話まで持って往けない気がする……。
仕方なく応じることにする。今日の茶会の面子であり、騒動の発端となった廻し飲みの拒否をした後
輩なのだと説明した。
「そう」
大きな猫のような瞳が僅かに細くなる。
「あの娘が……あたしの兄さんと間接キスしようとした夫泥棒……」
自分のカンは当たっていた、とでも云いたげな口調であった。
(と云うか、夫泥棒って何だそりゃ)
「いいわ。彼女には明日、あたしの方から話をしておくから」
「待て待て待て待て! お前が出張ったら余計話が混乱するだろ!」
第一、何を云い出すか判ったものではない。
「混乱なんて起こらない。『人のものには手を出すな』と云う極極当たり前の話をするだけだもの」
「……俺がいつお前のものになった?」
「この世界が出来る前からに決まっているでしょう?」
「神が定めたとでも云う気かよ」
「神様なんかに口出しされる憶えはない。あたしが決めたの。生まれる前から兄さんはあたしだけのも
のだって!」
どうして自信満満にそんな事が云えるのか。
僕は言葉を失った。その様子をまたも都合良く論破完了と思い込んだらしい。妹は冷たい瞳と柔らか
な微笑を浮かべながら、六面体を突き出した。
「色色云いたいこともあるし、聞きたいこともあるけれど、まずは賞罰を明らかにしないとね」
転がせ、と云う事らしい。
紆余曲折あって、僕はまたこの場面に『戻って』来たわけだ。
振ることに、戻って。
(俺自身と弐之宮が酷い目に遭いませんように……)
ただひとつの言葉すら発せずに、八百万の神様達に祈るだけ。
諦めにも似た感情の中で、僕は『中辛』を天高く放り投げた。
つまりは。
つまりは、
振り出しに、戻る。
〈了〉
投下終了です
山も谷もエロスのエの字もありませんので保管庫へは収録しなくて結構です
では、また
>>552 投下乙ですー。
S気味クールキモウトハァハァ
>>552 GJです!
甘々キモウトはいいものだ…
黜陟幽明ってなんて意味なの?
ggr
黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい)
: 功績のない者をしりぞけ、功績のある者を昇官させること。
>>552 無形氏きたあああGJ!
永遠のしろの続きも待ってます!
KitaaaaaaaaaaaGJGJgoodjob!!!
562 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/13(日) 18:26:06.28 ID:BDRkYbzq
>>552 GJ!
いつ見ても無行氏の小説はすばらしいです!!
え!?マジで無形氏!?
道理で面白いと思ったわ。
これからもおもしろい作品頑張って書いて欲しいわ。
保管庫収録NGなのかそれともおkなのか
ホトトギスの続きも頼む!
>>552 GJです!(精神が)キモい姉妹の真髄ですね。
あと、エロが入ってない作品は保管庫の中にもたくさんありますし、そんなこと言わずに、という気持ちもありますが……。
この人そんなに途中で止まってるSSあんの?
GJ
勢いと理屈で追いつめてく割に子供っぽいところを見せる妹なんて最高だ
ホトトギスのキャラも出ててうれしい限りです
収録しなくても結構は収録していいってことだ、収録しなきゃ
無形氏といえばかなり前に永遠のしろの番外編みたいな短編があったな
確かあれも無形氏が保管しなくてもいいって言って未だに保管庫にないが・・・
570 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/13(日) 22:40:44.92 ID:JRb1nKvf
>>597 永遠のしろはこのスレのSSだけど、ホトドキスはヤンデレスレのSSだよ
一応、そのほかにもいくつか短編とか完結した長編籠の中とかあるけど
今のところの未完のSSは永遠のしろとホトドキすだけだよ
つーか、久々の無形氏登場、まじうれしいわ、永遠のしろのつづき
欲しいけど
震災以降も、全然、音沙汰無くて、不安だったから、生存確認できただけでも
良かった。もちろん、この短編作品もしっかり面白いわ
他スレかwんじゃこのスレでお願いしちゃダメだな
永遠のしろは昔見てたな、面白かった
俺も続き気になるから続き書いてほしいわ
えっ!!!ほととぎす無形氏の作品なのか?マジかよ...
お願いだから続き頼むよヤンデレスレの長編の中じゃ頂点に位置する作品なんだが..
スレが違うからここで頼むは場違いかもしれないが...
漢字が読めない…
>>569 気になったから探してきた
投下されたのがスレ離れてた時期だったみたい、ありがとう
こっちの方は保管しないでってはっきりいってるから保管はされないけど読みたい人はpart20のスレ見て下さい
みみずんとかでスレタイ入れればスレ見れるみたいだし
>>552 超GJ!!
久しぶりにこんなに面白いSSに出会えた気がする
是非続きをお願いしたくなるお話でしたw
投下乙
頭の良い妹はやはり良い
数年後の茶道部はもうひとりの新入生のせいであんなことに
フヒヒ
無形氏まじか!
籠の中はこのスレに定住するきっかけになったぐらい
好きな作品なんだ
短編でも良いのでまたちょこちょこ書いていただければ
それはとっても嬉しいなって
>>574 見逃してたから助かった
ありがとう
さすが無形氏
久々だが読ませるなあ
復活を待ち続けた甲斐はあったぜ
無形氏の投下があるなんて
覗いてみるもんだね
GJ!!!!
珍しくまだまともなヒロインだね
それにしてもおいおいなんだこの持ち上げ様は?媚を売りゃいいってもんちゃうぞ
続編お願いしますでブヒィィィィィーーー
珍しくまだまともなヒロインだね
それにしてもおいおいなんだこの持ち上げ様は?媚を売りゃいいってもんちゃうぞ
続編お願いしますでブヒィィィィィーーー
一人の書き手にこのはしゃぎっぷり
数レスしかつかない現在投下してる書き手は落ち込むレベルだな
この勢いに乗るべき
無形さん、待ってました…。嬉しすぎる。ちょっくら姉に報告してくるわ
姉に一日の出来事を報告するのは弟の義務だものな
>>583 スレの始まりからいて盛り上げてくれた人だし、姉妹スレでも投下してるし他の書き手も分かってるでしょ
始めからいるから皆知ってると思ったら大間違いだな
そうギスギスしなさんな
無形氏をきっかけに投下し始めた人も少なくないはず
ソースは俺
スレ覗いてみたら無形氏キテター
面白かったです乙です!
594 :
狂依存 276:2011/11/15(火) 03:36:37.21 ID:7M0d0JX+
「ただいま……」
「お帰りなさい。んっ……」
学校から帰るといつもの様に、玄関で麻由お姉ちゃんは僕に抱きつきキスをしてくる。
こんなのが既に当たり前になってしまっている時点でおかしいのだが、もうそれに対して疑問に思うこともなくなってしまった。
「もう……今日は遅かったじゃない……また、補習授業か何か?」
「そうだよ。悪い?」
「ああん……そんな怒らないで……ちゅっ……」
僕がぶっきらぼうに答えると、麻由お姉ちゃんは嬉しそうな口調で嘆き、頬にキスしてきた。
そんなふざけた態度に少しムっとくる。
「……離してよ……!今日も疲れてるんだから……」
「あっ……」
僕が怒って強引に手を解くと、麻由お姉ちゃんは少し悲しそうな瞳で僕を見る。
「あ……ご、ごめんね……いじわるするつもりはなかったんだけど……ん、んん……!」
「ん、んふっ……ちゅっ、んん……ちゅ……そんなに私の事、大事に想っているのね……ん、んん……」
その悲しそうな瞳を見て、思わず麻由お姉ちゃんに謝るとすぐに僕に抱きつき、壁に押し付けて濃厚なキスを開始する。
いつもこうだ……麻由お姉ちゃんがちょっと済まそうな顔をしたり、するとすぐに罪悪感が出て麻由お姉ちゃんに謝ってしまう。
その度にこうやって騙されて、押し倒されてしまいそのままエッチな事をやらされてしまっていた。
「ん、んは……ねえ、あなた。ご飯にする?それとも私を食べる?好きなの選んでえ……ちゅ、んん……」
「今は疲れてるし、今日の復習もすぐにやりたいからどっちも良い。わかったら離してくれ」
「ああん……つれない態度取っちゃって……せっかく私と結婚してくれるって約束してくれたのに……」
「今はそんな時期じゃないの、わかってるでしょ。良いから離してくれ」
抱きついてる麻由お姉ちゃんを突き飛ばし、自室へと小走りで駆け込む。
確かに約束はした。でもやったって意味は何も無い。
二人はどう足掻いても、死ぬまで姉弟のままなんだから……。
バタン
自室に入り、着替えてすぐ鞄から教材を取り出して机に向かう。
本当は麻由お姉ちゃんとも沙耶さんともあんな遊んでいる暇は無いんだ。無いんだけど……。
「うっ……」
問題集を開いて、すぐに頭を抱え俯き、涙が出てくる。
本当はあんな邪険な態度は取りたくない。結婚でも何でも好きにしてくれと約束はしたけれど、本当はそんなの望んでなどいない。
もっと麻由お姉ちゃんと普通に仲良くしたいのに……。
「何であんな事……」
その場の雰囲気に負けて、勢いで言ってしまったのだろうか?
おかげで二人の事を背負い込む羽目になってしまった。
僕が悪いのはわかっている。それを言ったのだし、あの場では望んだのは事実なんだから言い逃れは出来ない。
だけど、二人とも普通じゃない。
せめて、沙耶さんだけでも僕と関係を持つ前に戻してあげたいけど、どうすれば良いのかわからない。
特に沙耶さんの事は嫌いな訳じゃないけど、愛していると自信を持っては言えない。
今はただ二人の体だけを好きな時に抱いてセックスしてるだけの関係じゃないか。
本当にただ体だけの関係。二人で楽しくお喋りしたり遊びに言ったりといった恋人らしい事も、普通の姉弟らしい事もしていない。
愛なんて無い。ただその場の欲に任せて好き放題やってるだけ。
それなのに、二人は僕を一方的に愛してるなんて言ってそれを押し付けて……。
どう考えても歪んでいる。
(でも、僕が二人を僕の女にするなんて言っちゃったし……)
なら、僕も今の二人を好きになる努力をすべきなんじゃないか?
思えば、二人を嫌がって流されるままに抱いていただけで、二人に対しては何もしてあげていない。
そうだよな……ちゃんと麻由お姉ちゃんの事も沙耶さんの事も見てあげないと……。
そうすれば、自然に二人を正気に戻す糸口も見つけられるかもしれない。
部屋を出て、台所へと向かった。
「ふーん、ふふーん……」
キッチンに行くと、麻由お姉ちゃんが鼻歌を歌いながら、夕食の準備をしていた。
さっき、あんな邪険に扱ったのに何かうれしい事でもあったのだろうか?
「あの、麻由お姉ちゃん」
「うん?何?」
595 :
狂依存 277:2011/11/15(火) 03:37:49.40 ID:7M0d0JX+
「えっと……さっきはごめんね。あんな事、言って……」
「別に気にしてないわよ。私もちょっと強引過ぎたわ。ごめんなさい」
「ふえ?ああっ、そんな謝らなくてもいいんだけど……僕の方こそ本当にごめん」
思いのほか、素直に謝ったので、拍子抜けし変な声を出してしまった。
麻由お姉ちゃんはそんな僕の様子を見て苦笑した後、僕に背を向け夕飯の支度を続ける。
何を作ってるんだろう?そんな事をぼんやりと考えながら、麻由お姉ちゃんに近づいていった。
(麻由お姉ちゃん、やっぱり可愛い……)
流石に寒くなったのか、冬物の部屋着とエプロンを普通に着ている。
でも、そんな普段の何気ない姿も可愛くて仕方なくて……。
(このまま、さっきの続きを……っ!)
コンロで鍋を見ている麻由お姉ちゃんの背後に手をかけた所で、我に返る。
こんな事するために来たんじゃない。落ち着け……。
「ねえ、麻由お姉ちゃん。今度の日曜暇かな?」
「ん?別に何も無いけど?」
「だったら、その……僕と一緒に何処か遊びに行かないかな?二人で」
「え?」
「だから、その…たまには二人で遊びに行って、色々息抜きしたいなあって思って……駄目かな……?」
麻由お姉ちゃんは驚いた顔をして目をパチくりさせた後、
「私が誘いを断る理由があると思う?」
と、笑顔で承諾した。
良かった……もしかしたら、断られるんじゃないかと思ったけど杞憂だったみたいだ。
「本当?ありがとう!じゃあ、何処に行こうか?」
「大輝が行きたい所なら何処でも、良いに決まってるじゃない。でも、そうね……何処か遠出しようか?近所じゃ色々と気まずいでしょ」
「うん!」
麻由お姉ちゃんと二人で遊びに行くなんて、いつ以来だろう?
せめて、普通の恋人っぽい事をして少しずづ二人の関係を元に戻していければ良いんだけど、とにかく二人でお出かけするのは楽しみだ。
「ふふ……そんなに喜んじゃって。私も楽しみよ」
苦笑しながら、台所に向かい夕飯の支度を再開する。
麻由お姉ちゃんと二人でデート……じゃなくて遊びに行くなんて久しぶりだなあ……。
「本当に二人きりで楽しめれば良いんだけどね」
「え?」
「何でもないわ。さ、もうすぐ出来るから座って」
麻由お姉ちゃんに言われて、すぐにテーブルの席に着き、夕飯を頂く。
こうやって、二人で楽しく食事するのなんか久しぶりかもしれない。
最近は色々あって、何処かギスギスした雰囲気で過ごしていたし、沙耶さんが家に来るとセックスか二人で喧嘩するかのどちらかで心が休まる暇がなかった。
「そうなのよ……面白いでしょ?」
「うん」
食事しながら談笑する麻由お姉ちゃんの顔をまじまじと見つめる。
やっぱり、可愛い。
沙耶さんよりも他の誰よりもずっと可愛い。
こうやってご飯を食べたり、家事をしたり、テレビを見たりと何気なく過ごしている姿も本当に可愛くて愛おしく感じる。
僕が子供の頃に感じた時よりも更に愛おしく思えて仕方なかった。
夕飯を食べ終わり、片付けてお風呂に入った後も僕に何もしてこない。今日はもうセックスはしないのだろうか?
麻由お姉ちゃんが欲しい。欲しい。汚したい。僕だけの物にしたい。
そんな思いが頭を支配していき、ふらりと立ち上がって麻由お姉ちゃんの部屋へと行く。
部屋にいるのかな……?
ノックもせず、ドアを開けると麻由お姉ちゃんはベッドで横になって眠っていた。
寝るにはまだ早い時間なのだが、疲れてるのだろうか?
そっと歩み寄り、麻由お姉ちゃんに近づく。
静かに寝息を立てて、うたた寝をしている様子であった。
「可愛い寝顔……」
こうやって寝顔をじっくり見るのは、子供の時以来だ。
昔は良く夜中に部屋に忍び込んで、麻由お姉ちゃんの寝顔を見たり、顔や体を密かに触ったりして色々悪戯……のつもりじゃなかったんだけど、イケナイ事をやってたっけな……。
そして、それらの行為に罪悪感も何も一切抱いていなかった。
むしろ、麻由お姉ちゃんは将来僕のお嫁さんになるんだから、夜の姿を見るのは当然だとまで思っていた。
今、思うと付き合ってたわけでもないのに、とんでもない事をしたもんだ。
「……」
596 :
狂依存 278:2011/11/15(火) 03:39:17.35 ID:7M0d0JX+
ベッドに座り、麻由お姉ちゃんの頭を撫でる。
本当に可愛い寝顔だ。
この麻由お姉ちゃんともう数え切れないぐらい、肌を重ね合わせてセックスをしている。
どうして、こんな関係になってしまったんだろう?何処で間違えたんだろう?
どれだけ、考えても結局は僕が昔した事が原因の一つという結論が出てしまう。
「ごめんなさい……」
ベッドに横になり、麻由お姉ちゃんを後ろから抱きしめて呟く。
麻由お姉ちゃんの事を好きになる努力をしないといけないなんて、思ったけど、今でも十分すぎるくらい大好きなんだな。
でも、その好きは麻由お姉ちゃんの好きとは全然違う。
麻由お姉ちゃんが僕の事を好きなのは、僕のプレゼントを壊した事への罪悪感が生み出したもの……。
普通の恋愛の好きとも、家族の好きとも違う、根が病んでいる好きだ。
だから、素直に受け入れられないし、このままの関係が良いとは思えなかった。
「麻由お姉ちゃん……」
更にぎゅっとすがるように抱きしめる。
僕は……どうしたいんだろう?麻由お姉ちゃん……。
「どうしたの……今日は?」
「あ……ごめん……」
麻由お姉ちゃんが僕に背を向けたまま声をかける。流石に起こしてしまったか……。
「起こしちゃって、ごめん……その……」
「前にも言ったと思うけど、あなたが謝りたいと言うなら、気が済むまで好きなだけ謝らせてあげるわ。それで私の気持ちなんか微塵も変わりはしないけどね」
「……でもね、麻由お姉ちゃん。僕は麻由お姉ちゃんと仲良くなりたいんだよ……体だけじゃなくて、もっと姉弟らしくお話したり、遊びに行ったりして……」
「姉弟?可哀相に……私たちは夫婦であり、恋人同士よ。あなたもそうするって言ったじゃない。いい加減にしないと怒るわよ」
「うん……良いよ、怒っても。何か不満があるなら好きなだけ怒っても良いんだよ。こんな優柔不断な僕に無理に尽くす必要は無いじゃないか。だから……」
そう言うと、麻由お姉ちゃんは抱きついていた僕の手を離して、寝返りを打って僕に向き合い、
「これ以上、私を怒らせたら、あなたを一生私の玩具にしてやるわ。この前みたいな目に遭いたい?あなたの自我を殺すのはいつでも出来るの。一人でもやれるけど、一応あの女も呼び出して二人で大輝を天国にまで連れてってやるわ。永遠にね……ん、ん……」
僕にキスをしながら、平然とした声で脅迫する麻由お姉ちゃん。
「あら?そんなので本当に良いのかって顔してるわね?私はそれでもとっても幸せよ。愛する人を永遠に自分の思うがままに出来る。これ以上の幸福がこの世にあるとでも?ん、ちゅぷ」
「……麻由お姉ちゃん、昔と変わっちゃたね。昔はもっと優しかったのに……」
昔はこんな自分の考えを僕に押し付ける様な真似はしなかった。
僕に冷たくしてたけど、それでも僕が普通にしていれば、それなりに接してくれていた。
普通に麻由お姉ちゃんに接していた事がほとんどなかったのが、大問題だったのだけれど……。
「愚痴を聞いてやるのはもうおしまい。早く夜の営みを始めるわよ。ん、んふうっ……ちゅっ、んん……べろ……」
僕の顔に強く抱きついて、ディープキスを始める。
舌を中に入れて、激しく絡ませあい、唾液で口の周りをぐちょぐちょにしていく。
「はむ……ちゅっ、んふ……ちゅっ、ちゅぷ……ん、んちゅ……さあ、早くお姉ちゃんを押し倒してえ……ん、んふ……」
「ん……麻由お姉ちゃん」
「あん!やっとその気になったのね……あ……」
麻由お姉ちゃんを仰向けにして、胸に抱きつく。だが、それ以上は何もしなかった。
「僕はね……麻由お姉ちゃんと仲良くなりたいんだよ……ただ、それだけなんだよ……こんな事しなくても出来るはずじゃないか……」
毎日、家事をやらせて、セックスしてるだけ。本当にそれだけしかしてない。
会話もロクになければ、二人で遊びに行く事も殆ど無い。
昔の僕だって、こんな関係を望んでいた訳じゃないんだ……。
「……大輝……」
麻由お姉ちゃんは僕をぎゅっと抱きしめながら呟くと、
「わかったわ。私もちょっと一方的過ぎたかもしれないわね。ごめんなさい」
「麻由お姉ちゃん……?」
「そんな泣きそうな顔しないの。今日はもう好きにしてくれて良いわ。それより、今度のデート、ちょっと行きたい所あるんだけど、良いかな?」
「うん。何処に行きたいの?」
「へへ……内緒。でも、とっても楽しい所だから楽しみにしててね」
「うん!」
僕の頭を撫でて、お姉ちゃんぶった口調で答える麻由お姉ちゃんに思わず、元気よく返事した。
こんなに優しい笑顔を見せた麻由お姉ちゃん、久しぶりに見た。
597 :
狂依存 279:2011/11/15(火) 03:40:47.35 ID:7M0d0JX+
「じゃ、今日はもう疲れたからもう寝るわ。お休み」
「うん、お休みなさい」
ベッドから立ち上がり、部屋へと戻り、再び机に向かって勉強を再開する。
麻由お姉ちゃんとのデート……二人で遊びにいった事は何度も歩けど、はっきりとデートってのは初めてじゃないかな?
楽しみだな……
そして、日曜日――
「何しにきたのよ。さっさと帰れって言ってるでしょ!」
朝の8時ごろに目が覚め、玄関が騒がしかったので下に降りてみると……
「どうしたの、こんな朝早く……え!?」
「あっ、ダーリン。おはよう。へへ……今日のデートは何処に行こうか?沙耶、とっても楽しみにしてたんだよ」
「で、デートって……何で……?」
隣にいた、麻由お姉ちゃんに視線を送ると、
「言っとくけど、私は何も言ってないわよ。この馬鹿が勝手に朝転がり込んできただけ」
「だってえ……虫の知らせって言うのかな?ダーリンと麻由ちゃんが今日、デートするって聞いたから、じゃあ、彼女で正妻候補でもある沙耶も一緒に行かなきゃって思ってすぐに準備したの。
あ、今日は三人でカラオケにでも行く?割引券何枚か持ってるし」
む、虫の知らせって……誰に聞いたわけでもないのに、何でそんな事まで……?
「でも、今日は麻由お姉ちゃんと二人で行く約束してますから……沙耶さんとはまた今度……」
「きゃん♪だめえ」
僕が沙耶さんに歩み寄ると、急に嬉しそうな悲鳴を上げて顔を背けてしまった。
「あの……どうしたんですか?」
「ああん……だってえ……それ以上、ダーリンに近づかれたら胸がドキドキしすぎて破裂しそう」
「は……?」
「もう、は?じゃないわよ。大輝がこの前『沙耶を俺の女にする』って言った時から、その言葉を思い起こしただけで、沙耶おまんこがぐちゅぐちゅと濡れてイっちゃいそうなの……だから、近づかれたら、昇天して失神しちゃうかもしれないじゃない!はっ、やああん……」
沙耶さんは壁にもたれかかり、スカートをずり下ろし、股間と手を手でまさぐって悶え始めた。
何なんだよ、この人……?
夏休みと文化祭直後に会った時の礼儀正しくて可愛らしい沙耶さんとは、完全に別人であった。
本当にどうして、こんな事になってしまったのだろう?沙耶さんともちゃんと向き合って付き合えば少しは元に戻るかと思ったけど、これじゃあ……。
「はっ!ああん……!ねえ……見てないで、早く沙耶のエッチな穴にダーリンの太くて固いのぶち込んでえ……はっ……あっ、やん!私を犯したら……ダーリンの事、今より百倍くらい好きになっておかしくなっちゃうかもよ。はあああんっっ!!」
「この女はここに置いて早く行きましょう。これ以上、こいつに関わったら大輝にこいつの病気がうつっちゃうわ」
「げふっ!」
麻由お姉ちゃんは廊下で自慰をしている沙耶さんに蹴りを入れて、僕の手を引き朝食が用意してある台所へと向かう。
痛そうにしているのを見て、ちょっと可哀相に思ったけど、これくらいでどうにかなる人では無いと言うのはもうわかったので無視して麻由お姉ちゃんと一緒に朝食を取る。
そうだな。しばらく無視して様子を見たほうが良いのかもしれない。
僕に関わるたびに変になっちゃうって言うなら、会わないようにすれば頭も冷えるのかもしれない。
正直、今の沙耶さんは病院に連れて行った方が良いんじゃないかと思うくらい、おかしくなってしまっている。
誰か相談できる人がいると良いんだけど……。
「ねえ、大輝。今日のデートなんだけど、電車か車でちょっと遠出したいと思うんだけどどっちが良い?」
「え?うーん……どっちでも、良いけど……出来れば車……」
コップに入っている牛乳を飲もうと、コップを手に取ろうとした瞬間、
「車なら、沙耶が出してあげるよ」
「は?ん、んん……!!」
沙耶さんの声がした瞬間、突然僕に口付けをして、何かを口の中に流し込む。
「んふう……!ん、ちゅぷっ……ん、んふう……はあ……美味しかった?ダーリン」
「ごほ……!何を……?」
「何って、口移しで牛乳を飲ませてあげたのよ。沙耶の愛がたくさん篭ったミルクを飲んで今日も元気に沙耶達とセックスしようね。ちゅ……」
頬にキスした後、沙耶さんは僕の隣の席に座り、腕を組んで頬ずりしてくる。
ちょっと、麻由お姉ちゃんが……。
と、思って向かいの席にいる麻由お姉ちゃんに視線を向けると麻由お姉ちゃんは何事も無かったかのように黙々と朝食のトーストをかじっていた。
「それにしても、大輝ってば結構マニアックだよね」
「え?」
598 :
狂依存 280:2011/11/15(火) 03:41:40.40 ID:7M0d0JX+
「だってえ……沙耶に放置プレイしようかなとか考えてたんでしょう?あん……もう、エッチなんだから……沙耶の事、放置したらダーリンへの想いが募りに募ってもっとおかしくなっちゃう♪あ、それが狙いなのかな?はい、あーん……」
訳のわからない事を言いながら、サラダを箸で取り、僕に食べさせようと口に持っていく。
つか、いつの間に僕の箸を……。
仕方なく沙耶さんが差し出したサラダを食べて、持っていた箸を取る。
「へへへ……どう、麻由ちゃん。自分の大好きな彼氏……じゃなくて弟が婚約者とイチャついてる姿を目の前で見るのは?」
「ちょっと、沙耶さん!」
僕の腕を組みながらふざけた口調で麻由お姉ちゃんをあからさまに挑発するような事を言い、また見せ付ける様に頬にキスをしてくる。
麻由お姉ちゃんはしばらく沙耶さんを無視してコーヒーを一口飲んだ後、カップを置き、
「そうね。あんたにもムカついているけど、それ以上にこんな変質者から、愛する夫を守りきれなかった私の力不足に腹が立って仕方ないわ」
「あははは……そっかあ。でも元を辿れば麻由ちゃんが悪いんだよね。ほとんど面識も無かった私にまで頼るぐらい、自分の気持ちを押し付けて大輝を追い詰めたから、こうなったんだから。ま、そのおかげで沙耶はこうして大輝とラブラブになれた訳だから感謝してるけど」
沙耶さんがどんどん麻由お姉ちゃんの神経を逆撫でするような事をガンガン言ってくるので、いつ麻由お姉ちゃんが怒りだすんじゃないかと冷や冷やしながら、二人に視線を送る。
しかし、麻由お姉ちゃんはまるで沙耶さんなどその場にいないかの様に、淡々と朝食を食べ、後片付けを始めた。
気にしていないのかな……?でも、ちゃんと言っておかないと。
「沙耶さん、これ以上麻由お姉ちゃんを怒らせるような事を言わないで下さい。どうして、自分から火に油を注ぐような事をするんですか?」
「ごめんなさい。でも、最近麻由ちゃんが大人しいから、いよいよ沙耶の事を認めてくれたのかなあって思って。良かったね。これで二人と好きなだけセックスし放題だよ」
「ちょっと、沙耶さん……!」
「もう、片付けるけど良い?」
「あ、うん。お願い……」
麻由お姉ちゃんは僕の食器を下げて、洗い物を始める。
ここまで言われても沙耶さんの存在などまるで気にもしてないかのように、無視していた。
「ねえ……デートする前に、私と一発やってく……?」
沙耶さんは僕の股間に手を当てて、指で擦り始めて、誘ってくる。
「あはは。もう勃ってるじゃない。麻由ちゃんの方が好きだ何て思っておきながら、沙耶にもしっかり欲情してるじゃん。何なら、ここで三人でやる……?はむ」
僕の耳たぶをしゃぶりながら、胸元をはだけて押し付け、体全体を擦り寄らせていく。
いつ喧嘩になるんじゃないかとビクビクしながら
「ね、麻由ちゃん。これから大輝とセックスするけど良いよね?」
「好きにすれば……」
「あはは!だってさ……じゃあ、遠慮なく……ん、んふう……ちゅっ、ちゅう……」
僕があっさりと承諾したのに驚くまもなく、沙耶さんは抱き着いて口付けをし舌を絡め始める。
まるで、麻由お姉ちゃんに見せ付けるかのように抱きついて、唇を押し付けていた。
「ん、ちゅっ、ちゅる……んふう……ねえ、最近ご無沙汰してたから、早く入れてえ……ちゅっ、んちゅ……」
キスされていくうちに段々とその気になってきてしまい、収まりがつかなくなってしまった。
麻由お姉ちゃんも良いって言ってるし、しょうがない……
「わかりました。でも今日はこれで、帰ってくださいね」
「きゃん!あっ、はあああぁぁんっっ……!」
沙耶さんを僕の部屋に連れ出し、全裸にしてベッドに押し倒し、胸を顔に押し当ててまさぐる。
もう三人で何度もやってるし、麻由お姉ちゃんも何も言わないんだから、好きにやらせてもらっても良いよな……。
「あっ、やんっ……!そんな強くしゃぶらないでえ……!あっ、はああん……」
乳首を吸うと、嬉しそうな声を上げながら、体をくねらせる沙耶さんにますますいきり立って、胸を強く揉みしだく。
胸は揉まれると大きくなるという話を聞いた事があるが、沙耶さんの胸は明らかに大きくなっていた。
「はっ……!ああああん!もっと、いっぱい、やってえ……!あっ、はん……あっ、はあああんっっ!!ん、んふう……!」
乳首を指で弄ったり、乳房を強く押し込んだりして思い思いにもてあそんでいく。
嬉しそうにヨガってる沙耶さんを見て、どんどんち○ぽもいきり立ってきた。
「あああっっー!!あっ、はんっ……やっ、はあああっっ……ん、んちゅう……」
胸の愛撫をそこそこの所で終わらせ、キスをして口を塞ぐ。
599 :
狂依存 281:2011/11/15(火) 03:42:47.44 ID:7M0d0JX+
さっきのお返しと言う訳ではないが、強く抱きつき、息が出来なくなるくらい乱暴に口を押し付けて、沙耶さんの口内にまで舌を絡めあわせる。
「はふ……ん、ちゅっ……ん、んふう……ちゅっ、んちゅ……ん、んくう!はあ……!」
ようやく口を離してやると沙耶さんも苦しそうに顔を背けた。
さっさとやって終わりにするか……。
「んあ……!あっ、はああああぁぁぁぁっっ!!」
沙耶さんの股を思いっきり開いて、肉棒を押し当て一気に挿入する。
いきなり入れたにも関わらず、十分に濡れていて受け入れる準備は出来ていたのか、すんなり入り、膣中で締め付けてきた。
「はっ、ああああんっっ!!あっ、はっ……もっと、強くう……!はっ、やっ、や、ああああっっ!!」
足を抑え付けて、容赦なく奥まで突きまくり、早く絶頂へと達しようと試みる。
潤んだ瞳で悶えまくる沙耶さんを見て、益々頭の中が肉欲で支配されていった。
「はっ、はああんっ!!あっ、良い……!あっ、あああっっ!!はんっ!!」
色っぽい嬌声と肉棒が絶妙に膣肉で絡み合った快感でどんどん射精へと追い込まれていく。
思わず沙耶さんの手を繋ぎ、腰を動かすスピードを更に速めた。
「はっ、はん!!良いよお……!もう、イっちゃう……!イク……あっ、はああんっ!!イクううううう……!!」
手を繋ぎながら、腰を落としラストスパートをかけて犯しまくる。
もう、出る……
「はっ、はああんっっ!はっ、あっ、やんっ!ダメえ……!あっ、はあんっ!!あっ、ああああああぁぁぁっっ!!!」
一気に絶頂に達し、沙耶さんの膣中に思いっきり注ぎ込み、その場で体を倒し、体を重ね合わせる。
沙耶さんも僕に抱きついて、余韻に浸っているようだ。
「はあ……はあ……良かったよお……ちゅ……」
「今日はもうこれで帰ってください。沙耶さんとはまた今度……」
「ええー?何で別々にデートする必要があるの?麻由ちゃんも私も彼女なんだから一緒で良いじゃん」
「今日は二人で一緒に出かけたいんです。お願いですから……」
「そろそろ、出るわよ。準備して」
「あ……う、うん」
沙耶さんの体から離れようとすると、麻由お姉ちゃんが部屋に入ってきて、準備をするよう促した。
この人に構うと、キリがないのでいい加減止めるか……と、思って立ち上がった瞬間、
「えい!」
急に沙耶さんが僕の足を掴み、ベッドに倒して、僕に跨ってきた。
「な、何をするんですか……?」
「ねえ……まだまだし足りないんでしょう?三人で一緒に気持ちよくなろうよお……」
僕の肉棒を手で握って擦り始め、再び勃起させようとする。
「これで、帰ってくださいって言ってるじゃないですか。あう……」
「ん、んふう……ちゅぷ、じゅる……」
僕が沙耶さんを引き離そうと手をかけようとする前に、沙耶さんは僕のち○ぽを口に含んでしゃぶり始めてきた。
「ん、じゅるっ……ちゅっ、んちゅう……れろ……へへ……麻由ちゃんも一緒にどう……?ん、じゅぷ……」
「そうね……」
ウラスジを舐めながら、麻由お姉ちゃんに誘いをかけると麻由お姉ちゃんも僕のベッドに歩み寄り、沙耶さんと共に僕の肉棒を手で擦り始めてきた。
「ああん……またこんなに大きくなっちゃって……じゃあ、二人の愛を存分に味わってね。ん、れろ……」
「ん、じゅぷ……ちゅっ、ちゅる……」
沙耶さんがそう掛け声をしたと同時に二人が左右から軽くキスをした後、亀頭の近くを舐め始める。
二人同時にフェラされるのはもう何度もやられてる、これは本当に気が狂いそうになるくらい気持ち良い。
ちょっとでも気を抜いたら、すぐにイってしまいそうなので、少しでもこの快楽を味わうと、自然に体に力が入ってしまう。
「ん、あふう……ちゅっ、ちゅぷ……ふむう……ちゅっ、んふう……」
「はむ……れろ、んちゅ……じゅるっ、んふう……じゅっ、じゅる……ん、ちゅう……」
麻由お姉ちゃんが亀頭を口に咥えて、しゃぶり、沙耶さんが根元から亀頭近くまで舌で丁寧に舐めたりキスしたりして丁寧に奉仕していく。
二人の絶妙とも言える技に、先程出したばかりの肉棒はどんどん膨張していき、今にも破裂するんじゃないかという恐怖にも襲われた。
「ん、はむっ……ん、じゅる……ん、はふ……ん、ちゅぷ……ん、んふう……」
「ちゅっ、ん、じゅる……ん、んふう……ああん……そろそろ、出ちゃいそうだね。ちゅっ、んく……ダーリンの好きな方で出していいよ。ん、ちゅ……」
600 :
狂依存 282:2011/11/15(火) 03:43:46.51 ID:7M0d0JX+
沙耶さんがそう言いながら、玉を口で弄び根元に熱くキスすると、麻由お姉ちゃんも唾液を肉棒に滲ませスロートを加速させてきた。
この二人、普段は今でも仲が良いとは言えないけど、僕とセックスする時は本当に息がピッタリの様な気がする……。
「んふっ……じゅるっ、ちゅ……早く飲ませてえ……ちゅっ、んちゅ……ん、じゅるっ……ちゅっ、んん……」
「(ぐ……出る……!)」
「ん、ちゅるっ、じゅる……ちゅ……ん、んくう……!」
麻由お姉ちゃんが強く吸い込む様にスロートを始め、口内で舌と口壁に絡み合った竿は一気に遂に耐え切れなくなって麻由お姉ちゃんの口の中に一気に精液を吐き出していく。
麻由お姉ちゃんもしっかりと手で抑えて、飲み込んでいた。
「ん、んふう……ん、んちゅ……ごく……」
「あーあ。やっぱり、麻由ちゃんの中でイっちゃったか……ちゅ、ちゅ……」
名残惜しそうな声で僕の玉を手に取りながら、竿にキスを繰り返す沙耶さん。
「ん、ちゅっ、んふう……はあ……ねえ、まだしたいんでしょう……?ちゅっ……」
ようやく、口から肉棒を出した麻由お姉ちゃんも亀頭に優しくキスし始め、誘ってくる。
そんな二人の態度を見て、頭がはじけてしまった。
「きゃん!」
麻由お姉ちゃんの服を脱がせて裸にした後、二人をベッドに仰向けに転がして股を開かせ、二人の秘所を曝け出し、膣口を指で開く。
「あああん……!沙耶のエッチなおまんこ、全部見られてるう……」
「ねえ……あなた……早く、お姉ちゃんのおまんこにおちん○んぶち込んでえ……」
一つのベッドに寝転がって股を開き、自ら膣口を開き始め腰をくねらせ、おねだりしていく。
二人の美女が同時に僕を求めている事に猛烈な高揚感が頭をよぎり、欲望が抑え切れなくなってきてしまった。
「ああん……早く……は……はああああんっっっ!!良いわ!あっ、はんっ!!」
誰の膣中に入れたのだろうか?多分、麻由お姉ちゃんだと思うが、頭が霞んでしまいもう良くわからない。
ただ、目の前にある穴に肉棒を押し当て、挿入して子宮を突きまくった。
「はっ!!あっ、やんっ……!良いわ!あんっ!!あっ、はああああぁぁぁっっ!!」
「ははは……麻由ちゃん、とっても良い顔して鳴いてるよ!ほら、手伝ってあげる」
「く……汚い手で触るんじゃないって言ってるでしょ!あっ、はんっ!!私の胸に触って良いのはたい……ぐっ、がは……!あああああっっ!!」
二人は手を繋ぎ、僕が膣中に入れている方はひたすら体をビクつかせて喘いでヨガリまくり、もう片方はうっとりした様子で犯されてヨガってるほうを見つめていた。
その様子を見て何故かムッと来たのでもう片方のまんこにも入れてやることにした。交互に犯してやる。
「あっ、はあんっ!!はんっ!あ……ああん……まだ、イってないのに……」
「えへへ……今度は沙耶の番なんだね……はっ、ああああああんっっ!!いきなりすぎ……はっ、はああんっっ!!」
もう頭の中は目の前の二つのまんこに肉棒を挿入し突きまくる事しかない。麻由お姉ちゃんと沙耶さんもそれしか頭の無いんだろう。
なら、好きに使ってやる。
「はっ、はんっ!!あっ、あああん!もっと、もっとお……あっ、はんっ!!」
「ああんっ!もう、イク……イクううう!!!あっ、あんっ!!」
気の向くままに、二人の穴に交互に嵌めていき、腰を動かして堪能していく。
二人ともその度に膣中に入れた肉棒をぎゅっと締め付け、腰を振りまくって悶え狂っていた。
「はふ!あっ、はあん!!早く出してええ……好きなだけ、犯して出しまくってえええええっっ!!あっ、はあああああぁぁぁあぁっっ!!!」
遂に絶頂に達し、膣中に一気にぶちまける。
誰の膣中で達したのだろう?正直、そんなのはどうでも良かった。
ただ、二人のまんこで気持ちよくなりたかっただけなので、誰で出そうと僕の勝手だと思ったから。
「はああああぁぁぁっっ!!あっ、ひゃん……えへへ……また、沙耶のおまんこで出しちゃったよ……もしかして麻由ちゃんよりも私の方が好きなのかな……ああん……」
「……気に入らないわね……」
「はあ……はあ……うわ……!」
射精し終わって、一息ついて膣中に入っていたち○ぽを出した瞬間、腕を掴まれ体をひっくり返された。
「な、何……?」
601 :
狂依存 283:2011/11/15(火) 03:44:46.73 ID:7M0d0JX+
何事かと顔を上げてみると麻由お姉ちゃんが僕に跨って、股間を肉棒にぐいぐい押し当てていた。
「二度もこの馬鹿女の膣中で出すなんて正妻としてのプライドが許さないわ。今度は私の膣中で出しなさい」
「ええ!?ちょっと、あ……」
麻由お姉ちゃんは萎えかかっていた僕の竿を太腿で挟んで擦り、素股を始めてまた勃起させていく。
僕が誰で出そうと勝手と考えていても、麻由お姉ちゃんはそうは思ってなかったようだ。
「あんっ!はふ……ん、んくう……ん、んふ……ほら、もう入れるわよ……」
「あっ、ちょっと……」
「ふっ、ああああああぁぁぁんっっ!!あっ、はんっ!!」
そこそこ勃起し始めた段階で早くも腰を落として挿入しガンガン打ち付けてくる。
あれだけ、出したにも関わらず、麻由お姉ちゃんの膣壁に締め付けられ、愛液で絡み合った肉棒はどんどん膨張していった。
「はっ!!あんっ!そうよ……!もっと、腰を突き上げてえ……!あっ、はんっ!!」
「へへへ……大輝、ちょっと出しすぎて辛そうだね。沙耶がお手伝いしてあげるよ。ちゅっ、んちゅ……」
麻由お姉ちゃんが上で腰を振りまくっている最中、沙耶さんが僕の頬と首筋にキスの雨を降らせてきた。
「ちゅっ、ちゅ……さあ、沙耶のおっぱい召し上がれ。ひゃん……」
キスした後、僕の口に乳房を近づけて、半ば強引に乳首を口に含ませ、僕もそれに応じて乳房を手で揉みながらしゃぶり始める。
「はん!あああんっっ!!はっ、あんっ!!きゃっ……あっ、はんっ!!あっ、はああああぁぁぁっっ!!」
沙耶さんの柔らかいおっぱいを味わっていくと麻由お姉ちゃんの中で揺り動かされていくち○ぽは更にビクついていき、麻由お姉ちゃんも腰を打ち付けるスピードを加速させていく。
柔らかい膣肉に圧迫されて擦られていく感触に肉棒も限界に達していった。
やばい……またイキそう……。
「はっ、やんっ!!はああんっっ!!中に……あっ、中に出して……はっ、はぐ……あっ、はんっ!!あっ、はあああああぁぁぁぁっっ!!!」
ほぼ同時に果てて、麻由お姉ちゃんの子宮に思いっきり精液を叩き込む。
麻由お姉ちゃんも体を反らしながら、肉棒をがっちりと締め付け中で受け止めていた。
「はっ……!はんっ!!あっ、あああああぁぁぁん……!」
流石に量はかなり少なくなってきたが、それでもやっと出し終わり、麻由お姉ちゃんと手を繋ぎながら息を切らして余韻に浸る。
ちょっと、朝からやり過ぎたかも……。
そのまま、麻由お姉ちゃんも倒れこみ、沙耶さんと麻由お姉ちゃんが僕の体に抱きついて、しばらく三人で天を仰ぎながらベッドに横になっていた。
「へへへ……ちゅ……じゃあ、そろそろ三人でデートに行こうか?」
「え?」
沙耶さんが僕の耳元でそう声を掛けた所でハッと思い出す。
そうだ、今日は麻由お姉ちゃんとデートする予定だったんだ……。
ベッドの傍らにある目覚ましを見ると、時間はまだ昼前だった。どうしよう?今日は二人で……
「今日は二人で行く予定だって言ったでしょ。あんたはここで寝てなさい。さ、立って。今度こそ仕度して行くわよ」
麻由お姉ちゃんがベッドから起き上がって、僕の手を取ると、
「ええー?沙耶も一緒に行きたい。その為に夜遅くまで何着てこうか、悩んだのに……」
と、沙耶さんが僕の腕を掴んでまた駄々を捏ねてきた。
この人は僕の言う事など、全く聞く気はないみたいだな……。
「うるさいわよ」
ドスっ!!
「ぐええっっ!!!」
駄々をこねる沙耶さんに、麻由お姉ちゃんが思いっきりお腹をパンチして黙らせた。
「さ、沙耶さん!ちょっと、いくらなんでも……」
「いつも言ってるじゃない。この女は不死身らしいからこの女はこのぐらいじゃ、どうにもならないわよ。一応、手加減はしてあるから死にはしないわ。早く服を着て。着たら顔ぐらいは洗っておいてね」
苦しそうに悶えている沙耶さんを尻目に麻由お姉ちゃんは脱ぎ捨ててあった服を着始めたので、僕もそれに応じて着替え始める。
可哀相だけど……麻由お姉ちゃんと二人で行きたいし、この人もこのぐらいで懲りる人じゃないから大丈夫だよな。
602 :
狂依存 284:2011/11/15(火) 03:46:07.24 ID:7M0d0JX+
「行くわよ。財布と携帯とハンカチは持ったわね」
「うん……」
念の為、沙耶さんがついてこないよう簡単に紐で足を縛り付けておき、しばらく動きを封じておく。
すぐに解けるよう、ハサミも見える所に置いてあるから平気だよな……。
「じゃ、行ってくるわ。解いたら、風呂掃除と2時ごろには洗濯物は家に入れときなさい。誰か来たり、電話があっても絶対に出るんじゃないわよ。わかった?」
「ぐえ!!」
「それじゃ、行きましょう」
「うん……行って来ます……」
麻由お姉ちゃんは沙耶さんに言伝を残した後、もう一発蹴りを入れて部屋を後にし、二人で家を出て鍵を閉める。
「良いの……?沙耶さんを家に置いといて?」
「良いのよ。あいつを家から出したらついてくるに決まってるじゃない。あいつには家の合鍵は渡してないから、家からは出られないわ」
「でも……」
家の鍵がなければ、玄関のドアの鍵が閉められないので、長期間この家を空ける事は出来ないが、その間、僕の部屋とか探られたりしそうだしなあ……。
「電車で少し遠出するわよ。昼はちょっと遅くなるけど向こうに着いてからにしましょう」
「うん、良いよ」
麻由お姉ちゃんは早足で歩き、僕もそれに付いていく。
一体、何処に行くんだろう?麻由お姉ちゃんの事だから、変な所には連れてはいかないだろうけど、やはり気になるな……。
電車に30分ほど乗り、駅前のファーストフード店で軽く昼食を済ませた後、二人で古い町並みの残る市街地を歩く。
実はこの町は僕の通っている高校のある市なので、思いっきり知り合いに見られはしないかと内心ビクついている。
今日は二人でデートのはずなんだけど、ちょっと楽しめる雰囲気ではない。出来ればもっと遠い知り合いがいそうにない町に行きたかったが、麻由お姉ちゃんに任せるって言った以上、仕方ないか……
まあ、素直に姉ですって言えば不審がられることもないよな……多分。
「ついたわよ」
「ん……?ここって……」
そこは、地元でもかなり有名な神社であった。
何で、神社なんかに?この神社って確か……。
「ふふ……そうよ。縁結びで有名な神社でしょ。まずは一緒に私達の良縁を願いましょう」
「りょ、良縁って……」
「そうよね。別に神頼みなんかしなくても私達は既に愛し合っているし、結婚の約束もしているのだから、そんなもの必要ないかもしれない。でも、事故とか病気とかがあったら、お互い、大変でしょ?だから、そういう事が無いように神様に夫婦円満を祈願するの」
夫婦円満って……まあ、祈願するだけなら勝手にやれば良いけど。
麻由お姉ちゃんは僕の腕を組んで、手を繋ぎ、
「それに、ここ結婚式もやってるのよ。だから、その下見も兼ねているわ。大輝は式をあげるなら、神前結婚の方が良い?それともホテルか教会でやる?」
「な、何を言ってるんだよ!本気でそんな事……」
と、平然とした顔で恐ろしい事を言ったので、思わず声を張り上げた。
「『式でも何でも好きに挙げていいって』言ったわよね。なら、今から話し合ったって速過ぎる事はないじゃない。なんなら、日取りも決めちゃう?」
「い、言ったけど……でも、そんな普通の式なんて挙げられる訳無いじゃないか……」
誰が何と言おうと、僕と麻由お姉ちゃんは姉弟なんだから、式なんてどうやったって挙げられる訳無い。
わかってるはずじゃないか……そんなの……。
「ねえ……あなたは私のウェディングドレス姿見たい?」
「え?それは……うん……」
思わず頷いてしまったが、麻由お姉ちゃんのウェディングドレス姿か……。
見てみたい。見てみたいけど……。
「私はあなたに見せたいわあ……一生に一度の晴れ姿だもの……」
「わかったよ。それじゃあ、いつかドレスは買ってあげるから、その時僕にだけ見せてよ。それで良いでしょ?」
「ふふ……『大好きな麻由お姉ちゃんのドレス姿を独り占めしたい』って事ね。わかったわ。楽しみにしてるから……」
「わかったから、もう行こう……」
そういう意図で言ったわけじゃないんだけど、反論するのも面倒だし、何より外でこんな会話を続けるのも恥ずかしいのでさっさと参拝を済ませてここから出る事にした。
拝殿に行き、お賽銭を入れて二人で一緒に拝む。
何て、お願いすれば良いんだろう……?いや、一つしかないじゃないか。
603 :
狂依存 285:2011/11/15(火) 03:47:33.04 ID:7M0d0JX+
「(麻由お姉ちゃんと仲良く過ごせますように……)」
今はそうお願いするのが精一杯だった。
「行こう……」
「うん。あ、あそこで一緒にお守り買ってきましょう」
「お守り?ああ……」
麻由お姉ちゃんは何をお願いしたのだろう?
僕と結婚できます様に……何て、本気で願ったのだろうか?
「これを二つ下さい」
「はい。800円になります」
「はい、これ大輝の分ね」
「ありがとう……」
社務所に行って、お揃いのお守りを二つ買い、一つをすぐに僕に手渡した。
ここの神様は本当に僕達の願いまで叶えてくれるのだろうか?
実の姉弟が結ばれる事を許してくれる神様なんて……
「さてと……どうする?私はまだ行きたい所が一つあるんだけど、あなたは他に何処か行きたい所がある?あるならそっちを優先させるわ」
「うーん……麻由お姉ちゃんの行きたい所って?」
そう尋ねると、麻由お姉ちゃんはまた腕を組んで、僕に耳元で、
「ここの近くに品揃えの良い大人の玩具のお店があるの……良かったら、そこも見てみない……?」
「……じゃあ、二つ先の駅にあるショッピングモールにでも行こうか……学校帰りにたまに寄っているけど、大きくて品揃えもある良い所だから」
「ああん……恥ずかしいなら、私がレジに持って買いにいくから……」
ここは高校の地元なんだから、そんな所に女性と二人で入ってるのを先生に見られたら謹慎になっちゃうよ……。
「……今日は二人きりで普通に楽しみたいんだ……何でも言う事聞いてくれるって言うなら、僕の我侭も聞いてくれるよね?」
「わかったわ……じゃあ、二人でそこに行きましょう……ちょうど、冬物の新しい服も見てみたかったしね」
「じゃあ、行こうか」
麻由お姉ちゃんと二人で並んで歩きながら、駅に戻って電車に乗り、デパートに行く。
日曜とはいえ、流石にここで姉とイチャついているのを見られたら恥ずかしいというか、ヤバイので、電車で少し離れた所のモールに行く事にした
一緒に服を見たり、携帯の新機種を見たり、プリクラ撮ったりと……とにかく普通のカップルがやりそうな事を一通りやっていった。
幸いにも知り合いにバッタリ会うことはなかったが、麻由お姉ちゃんは平然と腕を組んだり、手を繋いできたりしてたので、その度に誰かに見られてはいないかと視線を気にし、内心は穏やかではなかった。
やっぱり、姉弟で付き合うのって……辛い……。
麻由お姉ちゃんは良くても、僕はこの関係に耐えられる自信が持てなかった。
「もう……麻由ちゃんったら、乱暴なんだから……」
手足を縛ってた紐をようやく、引きちぎり体を起こして立ち上がる。
麻由ちゃんは将来、義理の妹になる私をもう少し可愛がろうという気は無いのだろうか?
「まあ、良いや。どうせ子供が出来れば嫌でも私は義妹に迎え入れるようなんだし」
それより、あの二人を追わないと。奥さんを差し置いて二人だけで楽しもう何て、とんでもない話だ。
「あ……玄関の鍵どうしよう?」
着替え終わった所で、大事な事に気づく。
合鍵がなくては、玄関の鍵が閉められないで家を空けられない。
将来、私の家になるかもしれないのだから、泥棒に入られたらまずいし……。
あろうことか、ウチのダーリンは婚約者に実家の合鍵を渡していないのだ。
この前、私の実家の鍵と交換しようって言ったのに断っちゃって……。
「鍵開けたまま出るわけにもいかないし……探して見るか」
家の中を探索し、合鍵が無いか探して見る……が、それらしき物は一向に見つからなかった。
大輝の鞄の中か机の中にあるかと思ったけど、無いし……。
「ちぇっ……良いよーだ。ダーリンのお部屋を探索しちゃうから」
大輝の部屋の机の中や、本棚、クローゼットやベッドの下を探り、何かエッチな本とかビデオが無いか探して見る。
だが、何処を探しても見当たらず、肩透かしを食らってしまった。麻由ちゃんが処分したのだろうか?
まあ、こんな美女を二人もはべらせてセックス三昧の毎日を送っていればそんなもの必要ないか……。
「ん……?これは……?」
机の引き出しをもう一度、探って見ると卒業アルバムが出てきた。
あは……ダーリンの中学の時の卒アルかあ……他にも何かアルバムないかなあ……。
「これと……あ、これもそうかな……」
色々調べて見たら、小学の卒アルと1冊のアルバムを発見したので早速開いて見てみる。
「ん……?何だ、これ?」
開いて、すぐに目に入ったのは所々、顔の部分が削られていたり、切り取られた様な後がある写真がかなりあった。
604 :
狂依存 286:2011/11/15(火) 03:49:23.49 ID:7M0d0JX+
何だろう……?気味が悪いな……って、そう言えば麻由ちゃんがそんな事をやったとか言ってた気が……
良く見てみると、顔が削られた子の服装は女の子のものだったので、これは麻由ちゃんの子供の頃の写真なんだろう。
義理に姉の小さい頃の姿も見てみたかったが、まあどうでも良い。
問題はダーリンだよね。
「きゃは……可愛い笑顔。今とあんまり、変わらないかな?」
大輝の顔は小学生時代から大した変化はなく、すぐにそれと本人のものだとわかった。
何処かに家族旅行に行った時の写真だろうか?
幼い大輝が眩しいくらいの笑顔で麻由ちゃんに抱きついたり、寄り掛かってりしている写真が何枚もあった。
今よりも明るい性格だったのだろう。だけど、こんなに嬉しそうな笑顔、私に一度でも見せた事……無い。
それにこの大輝の目……
「私を見ていない――」
何を言ってるんだ、私は?当たり前じゃないか。まだ出会ってもいないんだぞ。
でも、この写真にいる大輝の目は麻由ちゃんしか写っていない。
それ以外の物には目もくれず、ただ麻由ちゃんだけを見ている。
今の大輝は何だかんだ言いながらも、沙耶にキスもしてくれるし、エッチな事もしてくれるし、誘えばデートもしてくれる。
麻由ちゃんの事も好きなんだろうけど、心が揺れ動いているから、私にも付け入る隙があったし、実際に私にも気持ちがなびいている。
だけど、この頃の大輝に出会ってたらどうだろう?きっと私の事なんか見向きもしてくれない。
それぐらい、大輝の心は麻由ちゃんだけに向いていて、迷いも何も無い。
アルバムのページを一枚、一枚捲っていくと、同じような大輝の顔の写真が次々と目に入っていく。
何だ、この気持ち……?どうして、大輝の心をここまで独占できるの?こんな笑顔を見せてくれるの?
何だろう?麻由ちゃんとキスしたり、セックスしているのを間近で見てもこんな気持ちはした事はない。
むしろ私という婚約者がいても気持ちがフラついて実の姉と堂々と二股かけている所も愛おしく思えるのに、この写真を見ると無性にイラついてくる。
私は大輝の全てが好きなはずだ……でも……
「この大輝は嫌い……」
あれ?でも、沙耶は大輝の全てが好きなはず……いや、それは『今の大輝』だ。
でも、全てが好きと言うなら、昔の大輝も含めて好きにならなきゃいけないんじゃ?だったら、この大輝も……。
ダメだ……見ればみるほど、ムカムカしてくる。
私を見てない。見てくれない。エッチもしてくれない。麻由ちゃんしか頭に無い。こんな大輝……
嫌いだ――
「っ!?いた!!」
突然、体に激痛が走り、その場に倒れこむ。
何……?この痛み……?
お腹と腕と、背中……さっき、麻由ちゃんに殴られたり、蹴られたりした所だ。
何で、今になって急に……?
「あぐ……痛い……」
とにかく、これ……片付けないと……いや、ダメだ。とりあえずそこのベッドで横に……。
「えへへ……ダーリンのベッド……」
ここで、寝れば……すぐに治るはず……。
「はあ……はあ……何だろう?体がすごくだるい……」
額に手を当てるが、別に熱は無い。だけど、何か体がやけに重い。
少し、休むか……。
「ん……」
ハッと目を覚ますと、既に部屋は暗くなっていた。
寝ちゃったんだ……。
う……まだ、体が痛い……でも、横になって休んだおかげか、少しは体が楽になった。
何だろう?あのアルバムを見たら、急にムカムカした気分になって……。
昔の大輝の写真、見ただけで何でこんな気持ちに?
昔は昔だ。今とは違う。でも、昔そうだったなら、また麻由ちゃんの事しか見ないようになる可能性だって……。
電気を点け、もう一度アルバムを見てみる。
駄目だ……そんな目をしないで。沙耶を見て……麻由ちゃんだけを見ないで……。
嫌だ。そんなの嫌だ。沙耶を全然見てくれないなんて嫌だ。
そんな大輝は嫌いだ。嫌いだ。
「違う!私は……私は……」
全部、好きだって……生涯、愛し続けるって誓ったのに……なのに、何で今頃、こんな気持ちになるの?
605 :
狂依存 287:2011/11/15(火) 03:51:25.14 ID:7M0d0JX+
「沙耶は……沙耶は……」
心の中で何かが音を立てて崩れていく。何?ダメだよ。出てっちゃダメだよ。
沙耶の心から、出てっちゃダメだよ!!
「う……ああああああああああぁぁぁっっ!!!」
大声を張り上げた後、アルバムを壁に叩きつける。
ベッドに蹲って、思わず悲鳴を上げる。声を出さずにいられなかった。
嫌だ……嘘だ。私は好きなはずだ。大輝の事が好きなはずだ。この世で一番、好きなはずなんだ!!全てが好きなはずなんだ!!
でも、この写真の大輝は……大輝は……!
今と昔は違うのはわかってる。でも……でも!!
いても立ってもいられなくなり、部屋から飛び出す。
ここにはいられない。いたくない!こんな顔を見られたくない!
そんな一心でこの家から飛び出て行った。
「……遅くなっちゃったね」
電車を降り、駅から出て二人で既に真っ暗になっていた町の中を歩いて家路に着く。
もう夕飯時も過ぎており、お腹も空いたので、早く帰ってご飯にしたかった。
だけど、沙耶さん家で変な事して……いるだろうな……僕の部屋の中をくまなく見られているかもしれない。
まあ、見られて困るものも大して無いから良いけど。
「ねえ、大輝」
「何?」
「さっき、あそこのモールで女の子が大泣きしていたの見た?貰った風船が割れちゃったみたいで」
「ああ、そういえば……」
ショッピングモールから出る時、駐車場で5、6歳の女の子が両親の前でわあわあ泣いていた。
何だろうと思って見てたけど、風船が割れちゃっただけか。
「どんなに膨らんだ風船でも破裂する時は一瞬なのよね。大きく膨らませたって、ちょっと針で突けばポンっと破裂して跡形も無くなる。無常よね」
「うん、可哀相だったね。でも、それがどうしたの?」
家の近くまで、来た時麻由お姉ちゃんは星空を仰ぎながら、しみじみとした口調で、
「風船だけじゃないわ。泡だって膨らんでもすぐはじけるし、大きなダムや堤防だって、ちょっと小さなを開ければすぐに崩壊する。人の気持ちだってそうかもしれない」
……?いきなり、どうしたんだ?
「でも、安心して。私はそんな事にはならないわ。もう私は身も心も一体化して離れられなくなっているんだから……」
「麻由お姉ちゃん……?」
ガラっ!!
「えっ!?」
急に家の門から、何かが飛び出してきて、僕達がいる道とは逆方向に走り去っていった。
今の……沙耶さんか?どうしたんだろう……と、家を見上げてみると僕の部屋の灯りが点いていた。
「何だったんだ……?」
もう、遅いし追うのも面倒だったので、そのまま二人で家に入り、部屋へと上がっていく。
「うわ……!何だよ、これ……」
僕の部屋のクローゼットや机の引き出しが、全部開けられて、物があちこちに散乱して悲惨な状況になっていた。
「もう……見るのは、良いけどせめて片付けていって欲しいよ……ああ、何だよ、これ」
文句を呟きながら、後片付けを始めると、僕の昔のアルバムが壁のそばでぐちゃぐちゃに開いていた。
もしかして、壁に叩きつけたりしたのか?
「……本当、終わる時は一瞬ね……」
「え?何?」
いつの間にか、部屋にいた麻由お姉ちゃんが何か言った気がしたので、振り向いて聞いてみると、
「何でも無い。手伝うわ」
「うん……ありがとう」
それきり何も言わず、淡々とした表情で、片付けの手伝いをしてくれた。
沙耶さんの様子が気になるけど……まあ、良いか。またすぐにケロっとした表情で僕の前に姿を現すだろう。
以上です
ありがとうございました
お疲れ様です
乙。
エロが控えめな気がした
保管庫で懐かしいのを見ようと思ったら俺が適当に考えたのがあって恥ずかしかった…
書き直しなさい。美しく
誰にでも青い思い出というものはあるものです。
それを新作を書くために有効に活かすこともまた一つの道だと思いますよ。
GJ!
泥棒猫がついにキモ姉に負けたのか
お姉ちゃんのウェディングドレスとか堪らん
>>583 愛してるって最近言わなくなったのは本当にあなたを愛し始めたからってゴスペラーズが歌ってただろ。
つまりはそういうことだ。
>>606 GJです!遂に酒池肉林終了で本格的に修羅場突入?
テスト
616 :
大好きな姉と妹:2011/11/15(火) 18:53:13.68 ID:ykk/rlo4
もしもしから地味に投下します。
初ssですので読み辛かったり所々おかしかったりすると思いますがどうか暖かい目で見守って下さればとても励みになります。
また、私の妄想が皆様の糧になり、続編を楽しみにして下さる人が少しでも居らっしゃったらとても幸いです。
617 :
大好きな姉と妹:2011/11/15(火) 18:55:25.39 ID:ykk/rlo4
俺には一つ違いの姉がいる。
しょうもないことで笑っては
しょうもないことで泣き
しょうもないことで怒る
そんな「天真爛漫な女の子」である。
俺には二つ違いの妹がいる。
下らないことで微笑み
下らないことで落ち込み
下らないことですぐカッとなる
そんな「物静かな女の子」である。
あの時からだろう。
二人が俺を見る時の雰囲気が
兄弟を見る「姉妹」として、ではなく
男性を見る「女性」として、になったのは……。
優しく活発な姉、俺がいる時は何時もニコニコしていた。
帰りも一緒でしょうもないことを話ながら帰っていた。
よく俺には「大好き」と言ってくれた。
頭も良く、宿題を手伝ってくれたりもした。
俺はそんな姉が大好きだった。
618 :
大好きな姉と妹:2011/11/15(火) 19:13:32.89 ID:ykk/rlo4
穏やかで甘えん坊な妹
そこそこある胸
そんな胸で良く抱きついてくるが、特に何も思わない。妹だから当然だが。
そんな妹も俺に「ずっと一緒だよ」と言ってくれる。
そんな二人である。
無論俺も二人が大好きであり、末永く一緒にいたいとも思っている。
そんな姉と弟と妹、そして両親仲良く暮らしている……訳でも無い。
俺が姉といると妹はいい顔をしない。
そして姉も俺が妹といると面白く無いらしい。
二人にそのことを聞くと二人共
「二人きりがいい」
との旨を言う。
俺としては二人仲良くしてほしいのだが……。
619 :
大好きな姉と妹:2011/11/15(火) 19:18:43.57 ID:ykk/rlo4
投下おしまいです。
今後私の駄文に付き合って頂けたら嬉しいです。
後、コテハンは付けた方がよろしいのでしょうか?
>>619 乙。長く活躍を願う
コテよりトリップがおすすめ
乙、最初はどんどん書いていくのが良いね
だんだん上手くなっていくし
そして酉があればわかりやすい
狂依存はようやく核心に迫ってきたのか、まだまだ続くのか
沙耶さん不死身じゃなくなったら今までの反動で死にそう。
>>619 「あの時から」っていうのがものすごい気になりまするな…
産まれた時から無条件に好き好きってのよりも何かがきっかけで弟(兄)に対してキモくなってく姉(妹)ってのがなんかそそるな
投下します。
私には弟がいる
一つ離れた弟。
私は弟が大好き。
勿論家族として。
私には弟がいる
いつの間にか私より背が高かくなっていた
そして筋肉もついて逞しくなった。
子供の頃は私より小さかったのに、
子供の頃は私の後ろについてまわってたのに、
いつの間にか頼れる男になっていた。
私はそんな弟が大好き。
でもそんな「大好き」も変わってしまう
「あれ」が あったから……。
わたしにはお兄ちゃんがいます。
歳は二つ上です。
わたしはお兄ちゃんといつまでも一緒に居たいと思っています。
勿論「家族と末永く暮らしたい」と言う意味で、です。
お兄ちゃんはカッコイイです。
容姿は別として。
自分よりも他人を優先して、
人の思想や意見を否定する事をしません。
わたしはそういう人をカッコイイと言うのだと思います。
わたしはそんなカッコイイお兄ちゃんとずっと一緒に居たいです。
でも、そんな考え方が変わってしまいます。
「あんなこと」 があったので……。
思う。
「彼女」という存在はそれ程ステータスになるのだろうか、
友人達は勉強よりもそれを優先しているフシがある。
友人達は異口同音に「性欲のため」との旨を述べる。
十代後半にもなればそう言う欲が滲み出てくるのは分かる
しかして俺にはそう言う欲は無いのである。
家族との時間を欠いてでも必死こいて彼女を得るために努力している奴もいるようで。
俺にとっては、勉強に励み家族と幸せに暮らしてこそ欲が満たされる という物であるのだが。
そんな俺に彼女なんて
ましてや家族よりも優先する事なんて
できるなんて無いと思っていたのだが……。
投下おしまいです。
酉は被っていないのか不安であります。
乙なんだけど、もう少しまとめて投下した方が良いのでは
かきだめしたほうが
>>630 >>631 投下間隔が空きすぎると批判の対象となり、荒らしの原因になるのではないか、という事を危惧しての事でした。考え過ぎでしたよね。すみませんでした。
半年空くヤツとか一年とか当たり前だから気にすんな
せやせや
>>632 わかってもらえたならいいが
逆に短い文章を毎日投下される方が迷惑になるからなw
割と↓と思ってる書き手の人もいるし
35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/11/16(水) 09:35:33.35 ID:vTVVTtS+
常駐スレのやっつけっぷりがひどい…
一人の職人が延々投下。一言でもレスがついたら全部に一つづつ返信して、最後のレスで次回予告。
そしてその日のうちに新作公開。で入り込む余地がねぇ…
ここでも良く愚痴られてるけど、こう言うのが解消されて良くなったパターンってあるのだろうか。
投下します。
短編でタイトルは「焔の笛」
キモウトゲー「ドラッグオンドラグーン」の武器物語風。
兄妹ものですがキモウト成分はちょっと薄いかもです。
637 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:17:54.10 ID:5jfFthCt
『焔の笛(ほのおのふえ)』
それは西ヨーロッパのとある国に存在する世にも美しい宝飾が施された銀の剣。
かつてその地にあった一国のお姫様のために作られた護身用のサーベルである。
美しい銀の刀身はお姫様のごく上品の絹のような肌を
魔除けの効果があるといわれた大粒のルビーは彼女の燃える火のような目を
振れば風を切る音が響くほどの切れ味は彼女のまなざしを
そして金細工の柄と鍔は秋風になびく穂のような金色の髪をそれぞれモチーフにして作られた。
この剣はそのこの世のものとは思えない美しさと妖艶さでこれまで数々の人物の手に渡ってきた。
だがこの剣を手にした人物は皆一様に精神が衰弱して行き、終には剣で首を切り裂いて自害してしまう。
自害した全員が首から笛の音色のごとく血を噴出すため、いつしか装飾されたルビーにもちなんで『焔の笛』と呼ばれるようになった。
そう、『焔の笛』はすさまじい邪気を放つ呪われた宝剣である。
これは『焔の笛』にまつわる御伽話である。
638 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:20:09.59 ID:5jfFthCt
********************
昔々、かの地に一つの小さな国があった。
豊かな自然と温暖な気候、それに大国との街道の道中にあったこの国は貿易も盛んで領地こそ少ないものの非常に恵まれた国だった。
唯一つ、国王の好色であったことを除いて。
城には王様と幼いお姫様と従者がお城で暮らしていたが、
あるときから騎士達の武具を作る鍛冶屋とその弟子である少年が住み込みで働くことになった。
幼いお姫様と弟子の少年は気が合ったのか、すぐに親しくなった。
時間があるときは二人で良く遊んでいた。
時は流れ、少年と少女は成長し身分は違えど二人は恋に落ちた。
子供の時よりより親密に、お互いを求め合った。
だが、それを国王は許さなかった。
王の娘と一人の鍛冶屋、当時の社会が二人を許すはずがない。
そしてさらに鍛冶屋の弟子は王が妾との間に作った子供でお姫様とは兄妹であると知らされるのだった。
王は「わが子ゆえの情けから城で彼らの面倒を見てやっただけのことで
それ以上は干渉するな」とも言った。
「これ以上ここにはいられない。」
鍛冶屋の弟子はそう思い、お姫様と自分の師に別れを告げ城を後にした。
間もなく鍛冶屋の師も城を追い出された。
お姫様は恋人が兄である事実を知ったことと全霊をこめて愛した男を引き剥がされたことで悲嘆し、三日三晩、自室で打ちひしがれていた。
その後、国王は近隣の強国の王子とお姫様の政略結婚を取り付けた。
639 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:22:39.44 ID:5jfFthCt
それから何年か経ち、来年にもお姫様が嫁ぐというときになってお姫様はどうしても鍛冶屋の弟子だった青年に会いたくなった。
長年自分自身の欲求を押さえつけてきた彼女は
「結婚相手の城に行くときにもしものことがあっては。」
と自分の剣をこしらえることを口実に彼に依頼した。
立派な鍛冶屋として成長したかつて弟子だった青年は快く引き受けて
「この世で一番の剣をあなたのために造って見せましょう。」
と彼女に誓って見せた。
1年のときが流れ、いよいよお姫様が嫁ぐという前の月に鍛冶屋の青年から剣が完成したとの知らせが入る。
それを聞いたお姫様はある決意を胸に彼に会いに行くのだった。
完成した剣を見たお姫様はあまりの出来に言葉を失い、
「あなたを想いこの剣を作り上げました。」と熱く語る青年の言葉をかみ締めた。
ひとときの幸福が彼女をつつみ、かつて城で二人暮らした日々を思い出した。
そしてしばしの暖かな静寂の後、お姫様は青年に哀願した。
「表に軽装の従者が二人います、どうかその剣で彼らを殺してください。」
彼女は青年と一緒にいることをこれまでずっと望んでいたのだった。
たとえそれが血のつながった兄だと知っても。
「どうか私をあなたのそばにおいてください。
どうか私をあなたと同じようにさせてください。」
お姫様の覚悟を聞いた青年は首を縦に振ることはなかった。
640 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:24:52.52 ID:5jfFthCt
お姫様が嫁ぐ強国は逆らう輩は皆攻め滅ぼすという残虐な国だった。
ここで相手の機嫌を損なうような真似をすればこの小国などひとたまりもないだろう。
「あの国を裏切り、ましてや平民と駆け落ちするなど許されません。
あなたはこの剣を持って馬車に乗り、城に戻って暮らすのです。」
青年はお姫様をそう説得し
「それに私には守るべきものがあります。」
と言った。
長い年月はお姫様と青年の距離だけでなく心も遠く引き離していた。
一途に兄を想うお姫様とは反対に『お姫様は愛する妹』として現実を受け入れ、一人の鍛冶屋として青年は生きることを願っていたのだった。
「・・・そんな・・・!!」
お姫様は人生最大の賭けに負けた。
この国で最高の権力の家に生まれながら、何一つ望みが叶わないジレンマ。
駆け落ちは失敗し、『最愛』はどこのだれかもわからない平民の女に奪われた。
ましてや『最愛』の子を腕に抱いているではないか。
お姫様が毎日毎晩想い続けた理想は目にした光景とあまりにもかけ離れていたたので、
お姫様は耐えられなくなり剣を受け取って城に帰った。
それからお姫様は自分の過去の想いと
直視できない現実と
救いのない未来を悲嘆し
三日三晩自室にこもって泣き続けた。
そして、3日目の夜
『最愛』が作った自分への一番を見つめて眺めた後
自分の喉笛を切り裂いて自害した。
641 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:27:05.52 ID:5jfFthCt
お姫様の死を受けた国王は国を憂いひどく悲嘆した後、
自害に使われた剣があの青年が作ったものだとわかると激しい怒りを抱いた。
「今すぐその鍛冶屋を連れてこい!!」
兵士達は散々青年を殴る蹴るなどして捕らえた後、国王の前に差し出した。
すると国王は
「貴様など生まれなければ良かった!」
と言って国王はお姫様の剣でばっさりと青年の首を落とした。
青年は物言わぬ体となった。
しばらくして、この国は強国に攻め滅ぼされた。
国王は捕らえられ何日も拷問を受けた後、
お姫様の結婚相手の王子によってお姫様の剣で首をはねられた。
小国は王に仕えた家臣、従者、町の住民、果ては地方の農民にいたるまで
女子供も皆殺しにされ根絶やしにされ、この世から消えうせた。
*****************
642 :
焔の笛:2011/11/16(水) 23:29:03.97 ID:5jfFthCt
そして現在、何人もの命を消した『焔の笛』は
誰も所有したくなくなり、博物館に寄贈された。
鞘に収められ厳重に縛り付けられた剣は誰にも触れられることがないようにと
地下保管庫の天井に高く鎖でぶら下げられている。
だが、お姫様の想いは消えず刀身に残っているようで
夜な夜な地下では次の所有者を切望して『笛』が泣くという。
お姫様よりも一層狂気の沙汰にある者のみがこの剣を手にしても命を落とさずにいられるという噂だが、
いまだかつて3日目の晩より長く生きながらえたものは
いない。
以上で終わりです。
タイトルの元は同ゲームの「焔の簧(ほのおのした)」から
漢字が読めなくてリアル姉に聞いたら
「ほのおのふえ?」って言ったことにちなんで。
GJ!短編だけど話の内容が濃くてドキドキした。
キモウトにもいろんなキモウトがいますねぇ。
>>643 無学ですまないが、「ほのおのした」がそもそも何なのか分からない
作者の書いたとおりただのゲームのアイテムだよ
Gj
キモウトより狂ってないと使えるないか…
キモ姉なら使いこなせるな
狂もうと投下します
お兄ちゃんが失踪して五日目…。
まったく手掛かりが無いまま時間だけが無駄に過ぎていく。
留美子さんを捕まえようと零菜さんのマンション前で待っていても現れなかった。
多分零菜さんが留美子さんに姿を消すように伝えたのだろう。
実家に電話しても未だに父は居ないと言われ続ける。
「なんなのよ…何が目的なのよ…」
お兄ちゃんのベッドに横たわり枕に鼻を埋め、息を吸う。
微かにお兄ちゃんの匂いが鼻を刺激する。
お兄ちゃんの残り香も部屋から消えようとしている…。
「早くお兄ちゃん探さないと…お兄ちゃん…お兄ちゃん…」
私の精神も自分で分かるほど弱ってきている。
今はもう零菜さんを殺す事は脳内から消えようとしていた。
早くお兄ちゃんに会いたい…今はただそれだけ。
会って一緒に話しをしたい…顔を見たい…声が聞きたい…触れたい……お兄ちゃんを感じたい…。
私の中に存在するお兄ちゃんが日に日に薄れていく…。
「お兄ちゃん…」
駄目だ…弱ってしまえば負ける。
ベッドから立ち上がると、重たい足取りでリビングへと向かった。
「あ、由奈姉ちゃん…」
リビングに入ると、椅子に座っていた空ちゃんが携帯から目を離して此方へ目を向けてきた。
零菜さんの部屋は今は誰も帰ってこないだろう…実家に帰らせてもいいのだが、空ちゃんの携帯に留美子さんから電話がかかってくるかもしれない。
だから仕方なく家に泊めてあげてるのだ。
「携帯に電話あった?」
冷蔵庫から麦茶と棚から二つのコップを取り出しテーブルへと向かう。
空ちゃんの前にコップを差し出すと、何も言わずに受け取った。
「まだ…なにも…」
空ちゃんのコップに麦茶を注ぐと、テーブルにお茶を置いて私も椅子に腰かけた。
あれだけ元気だった空ちゃんも、流石にお兄ちゃんが心配になってきたのだろうか?
昨日から携帯を眺めながらずっとソワソワしている。
「あ、そうだ。由奈姉ちゃん、これ」
「ん?何よこれ」
空ちゃんがテーブルしたから一枚の可愛らしい封筒をテーブルの上へ差し出してきた。
「なんか分からないけど、さっき扉の郵便受けに入ってたよ」
花柄の封筒…こんな封筒知り合いからしか普通送ってこないと思うけど、私の知り合いにこんな封筒送ってくる人物はいない。
雑に封筒のノリを剥がして中に手を突っ込んでみた。
「手紙?……とDVD…?」
封筒の中からまた可愛らしい手紙が一枚。
そして一枚のDVDが入っていた。
「空ちゃん、これレコーダーに入れて」
DVDを空ちゃんに手渡すとテレビ下にあるレコーダーを指差した。
私の手からDVDを受けとると、それを掴んでテレビの元へと駆けていった。
それを見送り再度手に持った手紙へと視線を落とす。
子供用の便箋のような感じだが…。
これも封筒と同じように雑に開封すると、中から紙切れを取り出し手紙に目を通した。
『妹がほしい?弟がほしい?』
手紙にはそう一行だけ書かれていた。
二〜三度読み返して考えてみる。
――と、やっ―ん―
「……?」
手紙を見ていると、突然耳障りな聞き覚えのある女の声が入り込んできた。
手紙から目を離して声が聞こえてきた方へと視線を向ける。
声が聞こえてきた場所には空ちゃんが座っている…しかしこの声は空ちゃんのモノでは無い。
空ちゃんの前にあるテレビから聞こえてきているのだ。
手紙を掴んだまま空ちゃんの背後まで歩いていく。
「何見てるの?」
空ちゃんの背中に問いかける…が空ちゃんは肩を震わせるだけで私の問いかけに返答しなかった。
視線を上げてテレビに目を向ける。
「なんだよ…これ…ッ」
空ちゃんの呟きと私の心の声が重なる。
身体全体の力が抜け、その場にへたりこむ。
汗が身体から溢れるように流れ、手紙が震える指の隙間からすり抜け床を滑る。
――優哉ぁ―あっん―!――ッ
それに視線を奪われたが、流れ続ける女の声にまた視線をテレビ画面に奪われた。
これは誰の夢?
私の?
絶対に私の夢じゃない――私はこんな悪夢見たことがない。
怖い…何が怖いって……
――当たり前のように全裸で私のお兄ちゃんの上に股がり腰を打ち付けるこの女がコワイ。
私のお兄ちゃんを自分の所有物のように扱うこの女が…
「兄ちゃんは絶対に傷つけないって言ったのにッ!!!」
空ちゃんの叫び声と床を殴る音で現実に意識が現実に引っ張りあげられる。
「傷つけない?あんた傷つけないってなによ?」
子馬のようにガクガク震える足腰を無理矢理立たせて、空ちゃんの背後に立つ。
「零菜言ったんだ!兄ちゃんが居なくならない方法があるってッ……だから…だから僕は何も…」
背後から見ても分かるほど怒りで震えているのが分かった。
「……あんた本当にお兄ちゃんの居場所知らないのね?」
「知ってたら言ってるッ!!」
私を睨み付けると強く叫んだ。
再度画面に目を向ける。
零菜さんがお兄ちゃんの上でしがみつき、何度も何度も…。
「ッ……」
やはり弱っては駄目だ。
それにこの映像を見て分かった事がある。
――これは完全なる強姦。
間違いなく同意では無い。
その証拠にお兄ちゃんが微動だにしないし、目が拒否するように零菜さんを見ようとしない。
零菜さんは完全に私を甘く見ている…私がお兄ちゃんの表情の変化を見逃す訳がないのに。
「空ちゃん…留美子さんの携帯に入ってる男の子誰か分かる?」
「携帯?……あぁ、弟だよ」
「弟ねぇ……空ちゃんあの子と知り合いなの?」
「知り合いってほどでもないけど、アイツ僕が通ってる中学の近くにある小学校に通ってるから。だからたまに話す程度だよ」
「今から出掛けるから貴女も来なさい」
喘ぎ声が止まらない画面を消してDVDを取り出すと、真ん中から割ってゴミ箱に捨てた。
リビングから外に出て玄関で靴を履く。
空ちゃんも何も言わずに私の横に並ぶと靴を履いて立ち上がった。
多分今から私がする事を空ちゃんは理解したのだろう。
もう私は手段を選ばない。
零菜は殺す。
零菜さんの殺意が消えたかと思っていたが……やはり私は零菜さんを殺さないと気がすまない。
「今からお兄ちゃん助けるから。あんたもお兄ちゃんの妹になりたかったら誰が“敵”なのか理解しなさい」
私の言葉に一度コクッとうなずくと、険しい表情を浮かべたまま玄関を開けて外に出ていった。
頭の弱い人間は使いやすくて本当に有り難い。
「……バカな子……妹は私一人なのに」
そう…妹は私だけ。
私もお兄ちゃんと一つになりたいと心から願ったけど……今では実行しなくてよかったと本当に思う。
零菜さんはもうお兄ちゃんの妹には戻れない。
事実上お兄ちゃんとの兄妹関係を壊したのだから――。
「お兄ちゃん待っててね。私が絶対に助けてあげるから」
一人自分にそう言い聞かせると、立ち上がりマンションを後にした。
※※※※※※
この町には大昔から強く根付いた風習がある。
現代ではもう薄れているが、未だにその風習を信じる老人も少なくはない。
その風習というのが“畜生腹”
二つ以上の命を一つの腹に宿すのは獣と同じ。
だから双子の片方を封印…簡単に言えば殺してしまう事があったそうだ。
そんな忌々しい風習が五十年ほど前まで行われていたというのだから閉鎖的な町は怖い。
――その風習が無くなったのは今からちょうど五十年前の十一月……雪化粧が始まり森の表情が変わる季節に、綺麗な顔をした双子が産まれたそうだ。
皆に幸せを与えるかの如く天使のような笑顔を浮かべ、小さな手を振りながら…。
――しかしその笑顔すら何百年続いてきた風習が染み付いた町人達には悪魔に見えたのだろう。
子が産めないからと言う単純な理由から、町人達は男の赤ちゃんを封印する事にした。
風習だから仕方ない…町の皆は泣き出す母親を説得して男の子を連れていこうとした。
産んだ母親でさえ諦めていたのに…
――一緒に産まれた双子の妹だけは諦めなかった。
連れていかれそうになる兄の手をしっかりと握りしめ、あれほど笑顔を見せていた顔をくしゃっと歪めて声をあげて泣いたのだ。
大の大人が手を引きはなそうとしても離れず、双子は泣き続けた。
――しかし、赤子の力が大人に勝つわけも無い…。
母親を部屋から移動させると、離れない男の子の手を包丁で切り落としたのだ。
やっとの事で二人を引き離す事に成功した町人は山奥にある洞窟に赤子を連れていき封印したそうだ…。
三日後――山側にある町は大きな雪崩に襲われ、九百五十人という死者を出す大災害に見舞われた。
その中には腕を切り離した町人や立ち会った者…母親や双子の妹も全て含まれており、町の皆が祟りだと信じた。
その一番の理由が亡くなった双子の妹の姿……何故か洞窟で兄と一緒に封じたはずの切り落とした腕にしがみついた状態で凍死していたそうだ…。
その日から被害にあった山側に祠が建てられ、腕無子地蔵という地蔵まで建てられた。
未だに十一月になると供養する為に町の皆が供え物をする習慣があるほど、双子という存在に皆が敏感なのだ。
そう…私達が産まれた時も……。
※※※※※※
「どう?勇哉知らなかったでしょ?実家にある倉の中から新聞の切り取り見つけて調べてみたの」
部屋に充満する蒸せる程の熱気。
窓はくもりベッドは私と勇哉の汗で常に湿っている。
――もう何時間“繋がって”いるのだろうか?
腰の感覚も無くなってきている。
腰を落とす度に優哉の熱いモノが中に入ってくるのが分かった。
「ふぅ…んっ……由奈が優哉しか目に写らないのも分かる気がするわ」
自分でも二日前まで処女だったと思えないほど行為にのめり込んでいる…。
私は義務的に性行為だけを行い子を孕むつもりだったのだが…
「優哉…貴方苦しそうな顔する時、随分苛めたくなるような表情するわね」
そう…優哉のモノを出し入れすると微かに眉を潜め唇を噛み締めるのだ。
「んっ…ちゅっ、はむ」
噛み締める唇に舌を這わせて強く腰を打ち付ける。
パンッパンッと肌と肌が重なりあう度、お互いの吐息が混ざり合い空中で散っていく。
兄妹で恋人同士が重ねるようにいとおしく愛撫する日が来るとは夢にも思っていなかった。
実際一年ほど前まで、もう彼氏作って結婚しようかと思っていたのだ。
しかし、お母様から言われた「優哉の血に他人の血を混ぜる事は許さない」という言葉が脳裏に焼き付きどうにも離れない。
優哉が付き合った三人はお母様と私が用意した篠崎家関係の女達だ。
お母様が優哉が可哀想だからと言う理由で、絶対に優哉の血を汚さないという条件の元、人を選び優哉と付き合わせた。
避妊具、膣内洗浄、どれもお母様が優哉と身体の関係を持たせた女にさせていた。
しかし、初めてお母様が付き合わせた佐野理恵…あの女はお母様の言葉を無視して優哉にのめり込んでしまった…結果お母様の怒りに触れ、消された。
可哀想と思ったが仕方のないことだ。
だから私も自分の血を汚さないようにしてきた。
今まで守りたくもない処女を守り、汚れのない子供を産む為だけに身を守ってきた。
他人から見たらアホらしいかもしれない。
実際私もアホらしいと思う。
だけどこれは私しかできないこと。
優哉の事は恨んでいる…一時期は殺したいほど恨んでいた。
しかし、優哉でないと私の中にいるお母様は毎日のように顔を覗かせるのだ……あの日見たような表情で。
だから優哉の子を産めば私の中にいるお母様も優しい表情に戻るだろう。
そうなれば後は優哉なんてどうでもいい。
そう思っていたのだけど…。
「優哉…私を見なさい…」
眼球と眼球を合わせように顔を近づける。
優哉の眼球は動く事なく空気を見ている。
今では正直分からなくなってしまっていた…優哉を壊したい気持ちは今でも存在するはず。
だけど全て壊してしまえば優哉の温もりをしってしまった私はどう自分を慰めればいいのだろうか?
それこそ慰め目的で身体を売るような事をしてしまうかもしれない。
多分この気持ちは味わえないだろうけど…。
「ふふ……はぁん…気持ちいぃ」
既に拘束具は全て外されている…しかし優哉は逃げるどころか私がする事を全て受け止めている。
今の私には優哉は子供ほど小さく見えていた。
これはもう優哉が私の手の内に落ちたから言える事なのだろうか?
「うぁんっ…勇哉ほら、いっぱい出たっ、わね」
勇哉のペニスを引き抜くと、抜ける瞬間いやらしくヌチュっと粘りけのある音が大きく部屋に響いた。
精液が太股を伝いシーツに染みていく。
それを拭く事もせず優哉の横に倒れ込むと、未だに立っている優哉のペニスを右手で握りしめ上下した。
私の液と優哉の液が混ざり合いペニスの皮の中へ入り込み泡立つ。
クチュクチュといやらしい音をわざとたて、尿道を軽く爪先で刺激しながらゆっくりと…たまに激しく擦る。
激しく擦る度に優哉の顔は微妙に歪む。
それを真横でジーっと眺めながら優哉が絶頂を迎える瞬間を間近で見てやるのだ。
「ッぁ!」
大きくビクつくと、水っぽい精子が優哉のお腹へ勢い無く飛んだ。
「ふふ、麻薬と一緒ね…」
精子を指ですくい取るとそれを優哉に見せるように舌で舐めて見せた。
優哉の胸板に私の胸を押し当てると、二つの心臓の音が同じ速さで重なりあうのが分かった。
「感じるでしょ?やっぱり私達は二つで一人なの……諦めて私の一部に戻りなさいよ」
優哉の顔に股がり陰部を口に押し当てると、反対を向いて優哉のペニスを両手で掴んで口でくわえた。
正直優哉と関係を持つまで男の股に顔を埋めるなんて死んでも嫌だと思っていたが、興奮すると知らない間に自分から優哉のペニスを口に含んでいた。
これも…あれも…全て私の一部。
「んちゅっちゅ、んはっ、あむっ、んん!」
口内でペニスを包みこみ忙しく舌を這わせると、優哉のお尻に手を回して中指を穴へゆっくり差し込んだ。
ズブズブッと中に入る度、優哉の苦しそうな吐息が私の陰部を刺激する。
「はぁ、はぁ…勇哉…んゅっぷはッ、」
中指で勇哉の中を掻き出すように第一関節を折り曲げ内壁を爪で掻く。
それと同時にペニスに唾液を垂らし、持ち上げるように擦り上げる。
「ぐ、ぁあっ!」
身体を反り、あっという間に射精してしまった。
射精と言っても、もう精子と呼べるようなモノでは無い。
「ふぅ…流石に疲れたわね」
汚れた身体のまま勇哉の横に寝転がると勇哉と同じように天井を見つめた。
汚い天井…前の住人がタバコ好きなのか、白い天井は黄色く変色している。
「産まれて来る頃には家でも買う?家族団欒…いい響きでしょ?」
反応しない優哉の手を掴み、私のお腹を擦らせた。
死んだような表情をしているが手は凄く温かい。
「ふふ…もう少ししたらまた子作りしましょうね…アナタ」
優哉のペニスを人差しと指と中指で撫でると、また天井に視線を向けた。
お母様は優哉とこんな生活をしたかったのだろうか?
確かにこれはこれでいいかも知れない。
誰にも邪魔されずずっと繋がっている…。
もしお母様が生きていたら…お母様は優哉を連れて家を捨てたかも知れない。
その時、私も連れていってくれたのだろうか?
「はぁ…アホらしい」
もうお母様はいないのだからこんな事、考える自体無駄なことなのに。
天井から目を反らし優哉に目を向ける。
優哉と身体の関係を持った瞬間から、何故か優哉の考えてる事が読めなくなってしまった…。
何度も優哉の目を見て読み取ろうとしたが雑音だけが頭に響き、まったく優哉の思考が見えない。
何か私の中で変わってしまったのかもしれない。
優哉と私の間にある何かが…。
「ふん…大きな悩みが一つ消えて清々するわ」
優哉を横目で睨み付け言い放つ…が聞こえていないのかやはり天井を見たままだ。
流石にここまで反応されないのは面白くない。
「優哉ぁ…いいこと教えてあげる」
優哉の耳たぶに下唇をつけて囁く。
「私と勇哉のエッチ…襖の隙間からカメラで撮ってるの。それね…由奈にあげちゃった」
満面の笑みを浮かべて勇哉に教えてあげる。
「ぅ…うぅ」
あれだけ反応しなかったのに、今度は顔を歪めて目を潤ませた。
それを見た私は胸に込み上げてくる何かを止める事が出来ずに、勇哉に抱きつきキスをした。
舌を押し込み、わざと音を出していやらしくキスを繰り返した。
「んちゅっ、ん……大丈夫よ…勇哉は私が居るでしょ?由奈は優哉を嫌いになるかもしれないけど…私は大丈夫」
優哉は完全に私に落ちている。
「それじゃ…続きしよっか?」
糸を引く唇を手で拭い優哉に股がる。
由奈の悔しがる顔が頭に浮かぶ。
由奈は私と勇哉のDVDは見てどう思ったのだろうか?
由奈の事だろうから、発狂ぐらいしてくれてると思うのだけど…。
「まぁ、まだ時間はたっぷりあるし……また送れ…ば?」
「時間切れよ…零菜さん?」
突然後ろから声が聞こえたかと思うと、首元に黒い何かを押し当てられ身体全体に凄まじい痛みが走った。
悶える私の髪を何者かが掴み、床に引き摺り下ろすと私を仰向けにさせた。
「っ!?な、なんで貴女が此処…に」
見下ろす一人の女性を見上げて呟く。
この場所は私と留美子しか知らないはず。
なのに何故…。
――何故由奈がこの部屋にいるの?
考える暇もなく由奈の手が私に振り下ろされる。
黒い何かを私に押し当てると、また強い痛みが身体を走った。
身体をくねらせ何とか距離を取る。
「離っッぐっぁ!!!」
今度はその黒いモノで何度も私の顔を強打してきた。
たまらず顔を両手で防ぐ。
「あんた台所に行って包丁持ってきて!早く!」
後ろに振り向き誰かに言い放つ。
包丁?
背筋に嫌な汗が流れた。
「痛ッ!」
腹部を蹴って由奈を引き剥がすと、近くにあった服を掴みよろよろと立ち上がる。
「あんたみたいなバカ見たことがないわ。もう終わりよ?何もかも自分で潰したの」
「はぁ?何を意味の分からない事を…」
「あんたは家族の関係を自分から切り捨てた。もう貴女はお兄ちゃんの妹に戻れないわ」
妹?そんなもの初めからいらない。
勝手にすがり付いていればいい。
とにかく今のこの状況を何とかしなくては…。
確か箱の中にまだ凶器になるようなモノが…
「……由奈…もういいから…」
後ろから聞こえてきた声に無防備に振り向く。
いつの間にか勇哉がシーツを下半身に巻いてベッドに腰かけていた。
「零菜…もうお前は俺の妹じゃない。分かるな?」
「分かる?何が?はっ、そんな事初めから興味無いわよ!第一妹を切り離したのは貴方からでしょ!?今更偉そうに説教?私の中に散々出しといて、馬鹿馬鹿しいッ」
そう言い捨てると、勇哉の頬を叩いてやろうと手を振り上げた。
「うぐっ!!?」
振り上げた瞬間、横腹を由奈に蹴り飛ばされ壁に肩から激突する。
「汚い手でお兄ちゃんに触るな豚」
私に目を向ける事なく由奈は勇哉に近づく。落ちている勇哉のシャツを勇哉に着せると勇哉を抱き抱えて部屋からゆっくり玄関へと向かう。
私はそれを止める事もせず睨み付けた。
「はは、勇哉覚えておいて。私は貴方を恨んでいるわ!何も知らず平凡に生きてきた事がどれだけ罪か分からせてあげる!いつか…貴方が私にy「零菜……もう終りだから…全部…」
終り?何が終り?
私はまだ何も達成していない。
お母様の遺言も果たせていないのだ。
「終わらせないわよ!?貴方が私しか目に映らないようにこれからも追い込んであげるわ!
由奈も覚えておいて!私は貴女なんかに絶対に殺されない!私が死ぬ時は勇哉も道連れよ!!!あははッ、勇哉も私の身体を知ったでしょう!?絶対に私の元に戻ってくるわよッ!」
荒い息を吐きながら、部屋から出ていく勇哉の背中に言い放った。
「貴女哀れね…そんなんだから誰からも愛されないのよ」
それだけ言い捨てると、勇哉を抱えて出ていってしまった。
「何が哀れよ糞女ッ…あんたなんかに言われたくないわ」
誰も居なくなった部屋で一人呟く。
無論反論なんてものは返ってこない。
自分の声が反射するだけで虚しいだけだった…。
「無茶苦茶やってくれたわね…痛っ」
身体のあちこちが痛みで痺れている。
先ほど由奈が持っていたもの…あれはスタンガンの一種だろう。
痺れる身体で服を着替えて、私もすぐに部屋を出た。
この部屋にいると今にも自分が発狂してしまいそうになるからだ。
玄関の鍵を閉める事すらせず部屋から出ると、痛む足を引き摺り階段へと向かった。
「次はどうやって痛め付けようかしら…」
壁に身体を預けて小さく鼻で笑う。
由奈に頭を殴られ続けたせいか、頭痛が激しい。
ズキズキする頭を押さえ手すりに肘を乗せる。
「……?」
ふと階段から駐車場に視線を落とした。
駐車場に人影が見える。
目を凝らして、人影を見つめる。
――由奈だ。
にやっと笑いながら此方へ指をさしている。
「ふん…笑ってられるのも今のうッ!?」
突然私の下半身が宙に浮き上半身が外に放り出された。
――零菜が悪いんだからな!!!
後ろから聞こえてきた声の主を確かめる事すら出来ず、自分の体重を支える事も出来ないまま人形のように駐車場へと落下していく。
一瞬に頭に過るのは“死”の一文字。
何故か咄嗟に頭ではなくお腹を抱えて“何か”を守ろうとした。
「いッぁあ!!!」
数秒後、今までに感じた事の無い痛みと衝撃が身体全体を襲う。
ズドンッ!という本当に自分の身体から聞こえてきた音なのかと疑いたくなるほどの衝撃だった。
一度目の衝撃を受けた後そのまま転げ落ちるように首から落ち、二度目の痛みがすぐに襲ってきた。
「ぁ…ぐあ…っ」
薄くなる視界…黒く広がる夜空から白い綿のような雪が降り注いでいる。
「車に当たるなんて運がいいわね」
頭上から由奈の声が小さく聞こえてきた。
「まぁ、このまま放っておけば死ぬかしら?」
クスクスと笑う声に反応出来ず、ただ身体の動く箇所を探して指を一本一本力を入れてみる。
「ぅう…ッ」
まったく動かない…身体を強く打ち付けたせいか、息もできない。
ヒューヒューと喉の奥から漏れる息も、呼吸とは違う息の漏れ方をしている。
「頭から血がいっぱい…貴女死ぬわね?どぉ?一人で死ぬ気分は」
視界は未だに真っ暗な夜空。
まったく視界に入ろうとしない由奈に苛立ちを覚えながらも、眼球しか動かない今の身体に恐怖を感じていた。
本当に私は一人で死ぬの?
こんなアスファルトの冷たい上で…。
「死な…よッ」
苦しい言葉を口から吐き出す。
口の中が鉄のような味でいっぱい…多分舌を噛んだのだろう…唾液と血が混じり口の中に溜まっていくのが分かった。
「ふぅん…大事そうにお腹両手で抱えてるけど…何か大切なものでも入ってるのかしら?」
由奈の声に動かないはずの身体が一瞬大きく跳ねた。
腹部を両手で抱えて空を睨み付ける。
本当なら由奈を睨み付けてやりたいのだが、身体が動かない…せめて首だけでも…。
「まぁ、どうせ死ぬんだから貴女には必要ないわね」
「や、やめっ!」
視界にゆっくりと入ってきた由奈の靴裏…何の躊躇も無く私のお腹を踏みつけた。
何度も降りてくる由奈の足…ドスッドスッドスッ!っと鈍い音と痛みが襲う。
それを両手で必死に庇いながら、居るかも分からない我が子を守ろうとした。
哀れと言われても仕方ないかもしれない…だけどコレは私と優哉のモノだ…絶対に他人は壊させない。
「由奈姉ちゃん、あんまり騒ぐと人くるよ?兄ちゃんも車で待たせっぱなしだし早く帰ろうよ」
幼い声と共に由奈の攻撃が止んだ。
声の主は多分空だろう……そして私を突き飛ばしたのも…。
「そうね、お兄ちゃんお風呂に入れないと。それじゃ、零菜さん…お母様と仲良くね」
笑い声と共に二つの足音が遠ざかっていく…。
いつの間に仲良くなったのだろうか?
まぁ、姉妹なのだから仲良くなるものなのかも知れない…。
「うっ、がはっごほっ!!ぅうッ」
足音が完全に消えると我慢していた咳が血と共に口から漏れた。
身体の感覚を徐々に取り戻すと同時に痛みが酷くなっていく…これは本当に危ないかも知れない。
視界はボヤけ助けを呼ぶ事すらできない…誰かに見つけてもらうまで此処で転がってるしか…。
「……誰からも愛されない…か」
ふと、由奈が呟いた言葉が頭に浮かび上がる。
そんな事言われなくても分かっている。
お母様が亡くなった日から私は誰からも愛されない鬼だと…。
諦めている…だから私の思い出にはお母様しか存在しない。
他の記憶は全て消す。
必要ないから消す。
そうやって今まで生きてきた。
優哉の子供を産めば、お母様も喜んでくれる…だから今まで頑張ってきたのに…。
「なぜお母様は微笑んでくれないの…?」
痛みか悲しみか…理由の分からない涙が雪と重なり頬を伝う。
目の前に映る歪んだお母様の顔にゆっくりと手を伸ばす。
その時初めて手が動かせるようになっている事を知った。
震える手で遠くから険しい顔で見つめるお母様…月に映るお母様……ずっと私を見ている。
そう…あの遊園地の時みたいに。
――零菜自分で立ちなさい。貴女はもうお姉ちゃんでしょ?
――やだぁ!抱っこがいい!
「抱っこ…が…いい…」
ダメよ。もう小学生なんだから早く立ちなさい。
――うわぁぁぁん!ママのバカァ!
「ママ…なんで怖い顔する…の?」
あの時のお母様は何故か怖い顔をしていた…。
だから私は…。
――お兄ちゃんおんぶしてよぉ!
優哉に両手を差し出して、おんぶをねだった。
――ったく、仕方ないなぁ零菜は。ほらっ、背中に乗れよ。
小さな背中に私はしがみつき、おんぶしてもらった…。
いつからだろうか?優哉を見ていると苛々するようになったのは…。
私から逃げるように家を出た時から?
違う…。
お母様が亡くなった時から?
違う…。
分からない…分からない。
私の愛する人はお母様ただ一人だけ。
私は優哉を恨んでいる…恨んでいるはずなのに……。
――冷たい雪が私の心を酷く溶かしていく――
「――うぇっ…お兄ちゃ、ひっぃ…ぅッ、痛いよぉお兄ちゃん…ふぇっ、たすけ…て…お兄ちゃ…んッ」
頭に浮かぶのは愛する母の顔では無く、なぜかあれだけ恨んでいたはずの優哉の顔だった…。
子供のように手を差し出し居ない兄を探し続ける。
空をさ迷う手…その手を握り返してくれる手は存在せず…虚しく私の声だけが駐車場に小さく響いた。
迷子が必死に兄に助けを求めるかのように私の白い手は雪降る中をさ迷い続ける……ずっと…ずっと……赤子のように泣きながらずっと――――。
ありがとうございました、ちょっと長かったですが投下終了です。
近い内に短編のキモ姉投下するかも…まだ分からないですが、狂もうと書きながら前にどなたか書かれていた「母親みたいな姉」を書いてみたいと思います。
GJ
短編も楽しみ
>>672 乙でした
零菜は色々と報われないな……
>>672 乙です
零菜派の自分にとってはショックが大きい回でしたorz
ここは勇哉が零菜を助けることを信じつつ次回も楽しみに待ってます!
GJ
ここで零菜退場だと寂しすぎるお・・・
元気な赤ちゃん見せてくれ〜
>>672 乙
零菜が案外あっさり退場してビックリした
GJ
これは空ちゃんラスボス説
または留美子さんが何か関わってくるのか
どちらにしろ零菜がんばれ
初めは由奈人気だったのに一気にみんな零菜に片寄ったなw
(笑)
いやいや、零菜というキャラの書き方が巧みだからここまで人気してるんじゃない?
由奈ちゃんのターンが来ればまた我々を悶絶させてくれるキモウトぶりを演出してくれるとポジに考えてみる。
っていうか零菜はこのまま退場だとちと堪えるのう・・・
縛り付けられて拷問ってみんなの夢だもんね仕方ない
投下します。
何分もしもしなのでコピペできる文章が少ないので短くなってしまいますので、どうか目を瞑って頂きたいです。
因みに 男=弟です。
姉side
弟の背中に抱きつく
弟は私より背が高いからおぶさる形になる。
家だからいいが外では控えろ。
そんな事を言いながらもちゃんとおんぶしてくれる
こんなふうにじゃれる事がいつの間にか当たり前になっていた。
私と弟だけでなく、弟と妹も。
弟は気付いていない。
妹が弟を見る目が少しずつどろりとしたものになっている事を、
妹が私を極端に警戒している事を、
私と弟が一緒にいる事を嫌がっているのはさすがに分かっているだろうけど……ね。
私だって不満はあるんだよ?
二人で遊んでいたいのに妹が割り込んでくる事とか、
そういう時たまに私より妹をかまう事とか、
私はお姉さんなんだよ?
何でもっと私を優先しないの?
私はお姉さんなんだよ?
妹よりも長くあなたを見ているんだよ?
妹は危ないよ?
あなたを一人の「男」として見てるんだよ?
アイツならあなたを縛り付けるかもしれないよ?
私なら大丈夫だよ?
二人で「大好きだよ」って言いながら一緒にいられればそれでいいよ?
もっと私に頼っていいんだよ?
この後、
弟とじゃれ合う事がとても幸せだった事と
当たり前の事がそうでなくなる事
それがどんなにつらくて悔しいのか
何より私の弟への感情の本質
それらを全て「あの事」によって
知ることになる……。
妹side
お兄ちゃんの腕に抱きつく
お兄ちゃんとわたしの背の高さは同じくらいです。
なので丁度おっぱいを押し付ける形になります。
お兄ちゃんは興奮してくれるでしょうか?
お兄ちゃんは 好きな人にやりなさい。と言うけれど
頬ずりしても頭を撫でてくれます。
お兄ちゃんとわたしはこんなふうにとても仲がいいんです。
お兄ちゃんとわたしだけでなく
お兄ちゃんと姉も、ですけど。
お兄ちゃんは知らない。
姉がお兄ちゃんを ぎらり という感じで見初めていることとか、
姉がわたしをとても危ないと感じていることとか
わたしとお兄ちゃんで二人でいること
それを不満に思っているのは流石に知っているとは思いますけど…。
わたしだって嫌なこと、あるんですよ?
よく姉とだけ話していることとか
そういう時にお兄ちゃんに話し掛けても
たまに適当にあしらわれたり。
わたしは妹なんですよ?
もっとわたしを優先して下さいよ?
わたしは妹なんですよ?
公衆の面前で貴方に抱き付いても許される人物なんですよ?
姉は危険ですよ?
貴方を一人前の「男性」として見ているのですよ?
あの人は貴方を監禁してしまうかも知れませんよ?
わたしだったら平気ですよ?
二人一緒にいて甘えていられればそれだけで幸せなんですよ?
もっと抱きしめて下さい。
もっと甘えさせて下さい。
けど、
お兄ちゃんに甘えることが出来るということ
それ自体がどれほど幸せなだったことか
そんな幸せが突然手からすり抜けること
それがどのくらいの虚無感を生み出すか
そしてわたしがお兄ちゃんに抱く感情の本当の意味、
それらを全て
「あの日」嫌と言うほど思い知らされる。
終わり?
規制食らったのか?
男side
この頃やたら姉と妹がじゃれついて来る
何が面白いのだろうか?
その事を友人達は妬ましく思っているようで、
あんな美人二人に挟まれながら何故そのような考えが出るのだ
とのこと。
確かに二人は美形である。
しかし家族に対してのやましい感情
そんなものは持ち合わせてはいない。
二人が少々ブラザーコンプレックス気味であるのは感じ取れる。
と、いうか見てわかる。
そんな二人にはどうかちゃんとした恋愛をしてほしい。
そんな事を思いながら俺の下駄箱に入っていた手紙の文章の意味を考える。
「貴方の事をお慕いしております。
詳しい話は放課後聞いていただきたいので、どうか放課後に屋上で待っていて下さい。」
お慕い……放課後……教室……下駄箱に手紙……これは……。
愛の告白の線がまず浮かんだが
下駄箱に手紙というなんとも分かりやすい手段を用いてラブレターを渡す
そんなことをしたら大半の人間が下駄箱に手紙の時点でラブレターだと思うだろう。
放課後に屋上に来て欲しい
これにより余り知られたくない事だという事が伺える。
そんな知られたくないことなのに
下駄箱にラブレターを入れれば手紙は一瞬は本人の手に入るだろう、
しかし好奇心いっぱいな男子共に取り上げられて
手紙の文章を読まれること請け合い
と、いうものである。
そんな感じになれば大騒ぎで手紙を貰った本人はつるし上げられ、男子共は面白半分でついて行く
なんてことになるのは女子でも容易く想像できるだろう。
幸いなことに俺は手紙を一人で発見し一人文章を読み
一人で屋上へ向かっている。
そんなこんなで愛の告白の線は消えた。
まぁ、愛の告白ではないにしても
何かの告白ではあるかもしれない。
何か俺が大きく変化する元になるかもしれない。
俺にとってのターニングポイントになることを少し期待して
姉と妹のブラコン改善に繋がるかもしれないことも少し期待して
俺は屋上へ向かった。
こんな事
無視すれば良かったのかもしれない
そう考えるようになるのは
この時から結構最近である……。
途中で規制食らいました。
規制が怖いので今日は此処までにさせて下さい。
Gj
ある事はやはり泥棒猫だったか…
>>692 乙。心配なら代行スレを使ったら良いょ。
狂もうとGJ!零菜はどうなったか、凄く気になる。妹で有ることを選んだ由奈の一人勝ち?空の存在も気になる。次回迄待ち遠しい。
乙
泥棒猫もそれなりに足掻いてくれないと話が面白くないものね
支援ってしたほうがいいのかね
どゆこと?
?
連投規制の話かと
まあ、書き溜めしても投下するのは5分に1回程度に留めないと連投規制されやすいからね
基本十回ぐらい連続投下したらコラー!って言われるな
そんなに長い話を書いたことがない…orz
短編投下します。
704 :
姉 弟への固執:2011/11/20(日) 01:08:01.84 ID:Rjqryr+B
A月○日
今日もあの子はかわいい…。
いつも校門まで迎えに行くのが私の日課だ。
私に気付いたのか、手を振って走ってくる。
いつ見てもほれぼれする。
もうすぐ中学生になるためか、少し凛々しくなった気がする。
あぁ…頬ずりしたい…
「お姉ちゃんだ〜い好き♪」
私もよ…この時間が永遠に続きますように……
数年後___
B月×日
…最近あの子の様子がおかしい…
いつものように後ろから抱きついたら
「うわぁ!!?何だよ!?急に抱きつくな姉貴!!」
前からしてたことじゃない、何で急に避けるように…
しかも呼び名まで変わっている…もしかして反抗期かしら?
二人しかいない家族なんだし、もっと仲良くしなきゃ…ね。
とりあえず明日からは、一日中密着だ。
教え込んであげるわ…私がいなきゃダメってことを。その身体と心に…
705 :
姉 弟への固執:2011/11/20(日) 01:09:28.75 ID:Rjqryr+B
数か月後___
C月△日
ありえない!!
あの子に彼女が出来たなんて…、高校に上がってからは少し心配してたんだけど…
「あ、あのさ…実は俺、彼女が出来たんだ…今度家に連れてくるつもり」
あの笑顔が痛い!何で!!何でそんな雌豚に!!
……落ち着いて私。要は、あの子が雌豚になびかなければいいわけだし。
大丈夫、策はある!必ずあの子を取り戻す!!!!
D月☆日
あの子は家に帰ったからというもの、部屋で泣き腫らしている…
可哀そうなあの子……あんな雌豚に弄ばれてあげくに…
もちろん、裏で仕組んだのは私だ。
大学内の頭のゆるい奴らを少しけしかけただけ。
雌豚が独りになったところを時間を掛けて調教していった。
最初は口だけの抵抗をしていたけれど、次第に自分から求める様は獣そのもの…
汚らわしいったらありはしない。
そして調教が完了したところでその姿をあの子に見せた。
おかげですっかりショックを受けたらしい…
でもこれはおしおきでもある。姉である私を放っておいた罰。
でもそれももう終わり。少しやり過ぎたかもしれないけれど…
あとは私が慈愛を持って慰めるだけ…
うふふ…あはははははははははははは!!!
さぁ愛しい弟よ…待っていてね……
投下終了です
乙
GJ
これは弟が悪い。おしおきされて当然だ。
長いの投下したいのですが、ここの人は長めのものでも大丈夫でしょうか?
バッチコイ!!!!
了解です、今はもう眠気がピークに達していてヤバイ状態なので今日の夕方過ぎに投下したいと思います。稚拙な内容かもですが、とりあえずお楽しみに
弟への固執?
固執ってこういう使い方するのか
GJです。
ですが、固執ではなく執着が正しいのでは?
これはいい短編王道姉SS
有言不実行だな
冬は暖かい姉、夏は冷たい妹がほしいとおもいましたまる
弟が雌犬を撫でると激怒する犬娘姉ちゃん
ここにも風見たいるかもしれんしから警備するか
>>719 精神障害者はヤンデレスレから出てくるな
>>720 ハイハイ、風見本人乙
自分の駄作を自演GJばっかやってる時点で精神病だよ
お前ら某スレの教訓を生かせよ
>>722 キモ姉妹に幼馴染をNTRされて復讐する為にキモ姉妹スレを荒らす
これってssになりませんかね?
>>723 >>611 ハイハイ、風見本人乙
避難所や簡易掲示板を自演GJ・自演クレクレ気持ち悪いww
キモ姉と二人王様ゲームしたい
弟を育てるのは姉の仕事
お姉ちゃん子て良い響きだ
なんで姉が先に産まれるかしってる?
後から産まれる弟をよその女から守るためだよ
そして疲弊したところで漁夫の利を得るために
妹は後から生まれるのですね。
姉神様
妹神様
幼馴染神様
>>728 それ、確かブリーチの主人公のセリフにも似たようなのあったよね(笑)
最近まとめwikiで過去作品を手当り次第に見てるけど、いい作品はいつ見てもいいなあ
そして長編のキモウトの死亡率の高さに胸が痛くなる
俺も綾シリーズ読み終わった後は大きな喪失感に見舞われてボーっとしてたわ
キモウト死亡説か…とくに今は嫌な響きだな
735 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/22(火) 19:15:48.91 ID:1I4LC8VK
>>732 そしてキモ姉の場合は未完の事が多い気がする
あげてしまってすいません
狂依存エロすぎだろ
続き楽しみだ
やっぱり人気ある作品は投下後のGJレス数にでるんだな
さいでっか
GJレス数以外にどれが人気かは分からないからね
小ネタ投下します。
稚拙な文章ですがお付き合いください。
日本が恋しくなったのはいつからだろうか。
窓から見える景色も、ここと日本では明らかに何かが違っている。
それは視覚的な意味ではない。ここから見える景色も、我が家から見える景色も、言葉にすれば同じものなのだから。
僕と妹の知可子の部屋からは都会のビルが良く見えた。
都内でも有数のオフィス街。そこにあるマンションの一室が僕や妹、両親の家だった。
そのような場所に住んでいるということがどれだけのステータスなのかを知ったのは、僕が日本を旅立つ頃だったか。
多少他の生徒よりも英語が得意というだけの理由で、僕はいつか海外で働きたいと強く願うようになっていた。
どうにかその夢は実現し、僕はずっと海外赴任に反対だった妹に見送られながら異国の地での生活に明け暮れ、
気がつけば5年の歳月が過ぎようとしていた。
『……もしもし』
何ヶ月ぶりかに聞く妹の声はどこか強張っていた。
無理も無い。この時期、このタイミングに妹に電話をかけるということはどういうことなのか。
それを妹は理解しているだろうから。
「久しぶりだな知可子。元気にしてたか?」
『……』
「なんだよ、ご機嫌斜めだな。母さんにお菓子禁止令でも出されたか?」
『子供扱いは止めて』
今だ不機嫌そうな妹相手に他愛も無い話で場を和ませる。が、やはりそうそう上手くはいかない。
それ即ち、“早く本題に入れ”と言っているのだ。
カリカリと頭を掻く。ふと目を移せば棚の上にあるバスケットボールが視界に入る。
ここに来て何か趣味になるようなものをはじめようと思って買ったはいいのだが、1週間と経たずにシューズ共々埃をかぶる事になった。
(……つくづく有言実行じゃ無いな、僕は)
妹に聞こえないように溜息を吐き、僕はいよいよ本題に入ることにした。
『―――――――――!』
「……本当にすまない」
『……によ、それ……』
「え?」
『何よそれッ!!』
怒鳴られるのは覚悟していた。それだけのことをしたという自覚もある。
ましてこの5年間同じ事をしていれば、腹を刺されたとしても文句は言えない。
『何でよ! 今年こそは日本に戻れるんじゃなかったのッ!? 去年も一昨年も! 結局戻ってこなかったじゃない!!』
「すまん……。本当に申し訳ないと思っている。けど僕には僕の事情があるんだ。分かって欲しい」
どの口が“分かって欲しい”などとほざけるのだろうか。少なくとも、散々約束を反故してきた者の言い分ではない。
もしもこれが逆の立場だったとしたら、僕は怒るどころの話じゃないだろう。
案の定妹の激昂は納まらない。シンとした室内に妹の怒声が響き渡る。
『今年は海に行くって! いっぱい映画も観るって! 約束したじゃない! お兄ちゃん約束したじゃない!!』
泣き声交じりの妹の声が僕の胸に突き刺さる。ひとしきり叫んだのか、妹の声は次第に小さくなっていった。
『会いたい……』
僕は目を閉じ、己のしたことを反芻する。最低なやつだ、と心の中で自嘲した。
『うぅ……』
妹の嗚咽を聞きながら僕は窓の外を眺める。
低い雲を広げた冬の夜はどこまでも冷たく、僕を嘲笑っているかのようにゆっくりと流れていた。
終わりです。
どこかで聞いたことのあるようなフレーズがありますがきっと気のせいです。
GJです
この後の展開が気になる!!
いったい何があったのか気になるな
兄の方からも歩み寄りを見せてるのが相思相愛っぽくていいね
で
...| ̄ ̄ |< 続きは まだかね?
/:::| ___| ∧∧ ∧∧
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\ \__(久)__/_\::::::| |:::::::|
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.|| ゙ヽ i ハ i ハ i ハ i ハ | し'_つ
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...|| ||
...|| ||
GJです!
話がどう進むのかすごく気になります!
続けるのが一番大変だと思う。
がんばれー
もちろん現地の外国泥棒猫は出るんですよね!
「傷」の続きまだかあああああ
>>742 これ続くんだよね?
続かなかったらキモさ皆無なんだけど
過去に川で兄が助けたのを幼馴染が助けたと勘違いしている妹、ていうssを探しています。
2chに投下されたssだったはず…
兄と妹、幼馴染姉と幼馴染弟の四人が登場キャラ
妹は盲目的に幼馴染弟を好いている
兄の事は空気のように扱っている
それは過去に妹が川で溺れた際に幼馴染弟が助けたため
しかし実際に助けたのは兄だった
最終的に誤解が解けて、今度は兄を盲目的に慕うようになる
家族
一生モノのトラウマを刻みつけようとするのはやめるんだ
URLで回避余裕でした
>>752 兄「俺の妹がこんなにヤンデレなわけがない」
ググって死ね
>>742 を読んだ後
「沢田知可子 会いたい 歌詞」でググってみようか
両親が事故で亡くした姉弟がいて二人で暮らしていた
そこに生き別れのもう一人の姉が訪ねて来て同棲する事になる
生き別れ姉を女と見てしまう弟にもう一人の姉は嫉妬してしまう
実姉vs実姉的みたいな感じ
微かに母のような姉モノ短編投下します
初めまして、初ねぇこと初音です。
私の朝は早く、スズメが鳴き出す一時間前に起床します。
理由は朝御飯の準備、二つ分の弁当の準備、これで一時間かかるのです。
さて…エプロンを着け、料理に取り掛かりましょうか。
まずはウインナーをタコさんにしましょう。
目も口も忘れません。
次に卵焼き。
甘いのは嫌いなので、塩で味付け。
塩分は控え目にしたいのですが、あの子はこれじゃないと食べません。
次々にオカズを盛り付け、最後にご飯を入れてさくらデンプでフィニッシュ。
蓋を閉めてあの子の学生鞄の底に入れます。
学生鞄の端に小さな水筒を差し込んで鞄を閉じます。
エプロンを脱ぎ自分の制服とあの子の制服にアイロンをかけ、制服に着替えるとあの子の制服をハンガーに掛けて二階から降りてくるあの子を待ちましょう。
……………………………………………来ました。
足音が聞こえます。
めんどくさそうな…あくびでもしているのでしょうか?
足音だけで眠たそうな顔をしているのがわかります。
椅子から立ち上がり扉の前に立ちます。
「ふぁ〜あッ…初ねぇおはよう」
「はい、おはようショウくん」
――可愛い弟の起床です。
「ほら、早く歯磨いて服着替えて。ご飯もうできてるから」
「あぃ…」
眠た眼を人差し指で擦りながらショウくんが制服を掴んで洗面所へと歩いていきます。
それを見送り、作った料理を素早くテーブルに並べましょう。
ショウくんは待たされるのを嫌うからです。
ショウくんの食器をテーブルに並べて椅子に座ります。
数分後、制服姿のショウくんが戻って来ました。
いつ見ても制服が似合います。
姉の私から見てもカッコイイと思います。
いえ、カッコイイです。
「それじゃ食べよっか?いただきま〜す」
「いただきます」
偉いですね。
やっぱり家の弟はできます。
最近の子は挨拶ろくにできないと言われていますが、家のショウくん違います。
優しいし、気遣いもできるし、何よりお姉ちゃん思いの出来た弟なのです。
しかし、最近ショウくんが思春期なのかあまりお姉ちゃんの言うことを聞かなくなってきました。
姉としてはこれを“成長”と喜ぶべきなのでしょうか?
難しい年頃です。
部屋に入ると「…なに?友達来てるんだけど」と早々に追い出されてしまいますし、お風呂に入ろうとすると突然「勝手に入ってくるなよ!」と怒鳴る事もあるのです。
しかし私はショウくんのお姉ちゃん。
身勝手な理不尽を見逃す訳にはいきません。
ショウくんを湯船から出して正座させて説教してあげました。
やはりお姉ちゃんだから、ショウくんにもちゃんとした大人になってほしいから…。
目を下に向けてまったく私を見ようとしないのでショウくんの顔を掴んで説教してあげました。
弟に間違った道を歩かせないように教育するのも私の仕事なのです。
「それでショウくん、今日もいつもの時間に校門で待っててね」
「今日は友達とカラオケに行くから先に帰ってていいよ」
驚きました…思春期=反抗期です。
「何時ごろにカラオケは終わりそうなの?夕飯作る時間もあるから教えて」
「友達と食べて帰るよ」
またです。
最近このような反抗的な態度が頻繁に目につきます。
「だめよ、5時には帰ってきて」
季節はもう冬。
6時になると外も暗いのです。
「5時?もう高校生だよ?早く帰れても8時ぐらいにはなるよ」
「8時!?だ、だめよ!ショウくん何を考えてるの!?ショウくん前に段差で躓いて頭にぶつけて血がっy「小学生の時だろ!そんな昔の話しするなよ!」
「お姉ちゃんになんて口の聞き方するの!ショウくん前々から言いたかったんだけど、ショウくん最近夜中部屋で何してるの!?」
「な、なにって…」
「9時には寝なさいっていつも言ってるでしょ!?それにショウくんのパンツに白いカピカピしたモy「い、いってきます!」
慌てたように立ち上がると、そのままリビングを飛び出し玄関から外に飛び出していってしまいました。
「ショウくん車に気をつけるのよ!あ、後鞄忘れてる!」
鞄を掴んで玄関へ向かいますが、既にショウくん姿はありません。
「まったくショウくんは……はぁ」
ため息を吐いてリビングに戻ります。
ショウくんも17歳。
エッチな事に興味があるのでしょう…しかしまだ子供には早いと思います。
そう言えばショウくんカラオケに行くとか言ってましたが、その中に異性は居るのでしょうか?
ショウくんから好きな女の子が居るなんて事は聞いたことがありませんけど…。
居たとしたら大問題です。
学生のショウくんは彼女なんてものは必要ありません。
そうです……この鞄を届けるついでに私からクラスの皆に言ったほうがいいかも知れないです。
――ショウくんを悪い道に連れていかないでくださいと。
これは産まれた時から私の使命。
ショウくんを立派な大人に育て、どこに出しても恥をかかない大人の男に…。
そして私の夢はショウくんに「初ねぇ…本当にありがとう。初ねぇが居たから今まで生きてこれたんだ。今度は俺が初ねぇを守るよ…大好きな初ねぇを」
………………むふっ…最高ですね。
やはり私がいないとショウくんはダメになります。
まだ、姉離れは早いですよね。
「まったく…仕方ないわねぇショウくんは」
ショウくんの鞄を掴むと私もショウくんの後を追うように家を後にしました。
ショウくんはまだ卵…まだまだこれから汚れた世界を見ていくでしょう。
汚れを見るのは仕方の無いことです…しかしショウくんが汚れに“触れる”のは我慢できません。
ショウくんが知らない間に汚れが付着するかも…そうなれば一大事です。
だから姉である私がショウくんに付着しそうな汚れをショウくんに付着する前に落とすのです
そう……私はショウくん専用の風紀委員でもあるのです。
早くしないと今にもショウくんに……。
――と言うことで、今回はこれで……初ねぇこと初音でした。
ありがとうございました、短いけど終了です。
一時間で書いたから少し変なところがあるかも知れないです…それでは。
うわーキモイ姉ですね(褒め言葉)
これを一時間で書いたのか
早すぎだろw
GJ、とりあえずD.C.Uの音姫っぽい感じの良いキモ姉だな
おれこの作者さん好き
キモイワ―これはキモイワ―
クラスにお願いなんてされたらもう学校に行けないよ―
GJ!
773 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/25(金) 14:06:57.79 ID:TICzPptx
保守
弟大好きなちょい悪姉貴
ちょい悪だから幼馴染に弟の好物聞かれたら嫌いな物を教えるよ
【タイトル】
『すごいくすぐる同調義妹』(第三回)
投下します。
僕には同い年の義妹がいる、
義妹の名は音羽姫音(おとわ ひめね)、僕と同じ高校の3年生、
容姿端麗、成績優秀な僕の義妹、何故かその義妹は僕にべったりだ。
姫音は人に対する洞察感が異様なまでに鋭い、
僕は今まで姫音に色々な事を読み取られ、
メイドさんから奉仕されるがごとくお世話されてきた。
姫音は恐ろしいぐらい僕に尽くそうとする、
食事、洗濯、掃除などの身の回りのお世話、僕が苦手な勉強まで見てくれる。
さらに極めつけは姫音の容姿だ、『ダ・カーポ』という恋愛ゲームがあるが、
そのヒロインの一人である朝倉音夢(あさくら ねむ)の容姿を精密に真似している。
髪型、性格、声色など似せ、僕の好みの女の子になろうとしているのだ。
その姿で姫音は僕の性欲を満たそうとし、ついに僕は姫音から処女を奪わされた、
その上、僕がマゾでニーソ好きという恥ずかしい性癖を姫音に見破られ、
3日間履きっぱなしのニーソックスで顔を踏まれ、射精させられるまでに至った。
今思い出すだけでもかなり恥ずかしい、
だが姫音はそんなことを全く気にする様子もなく、
今日もソファーに座っている僕の肩に、自分の肩が当たる距離で座ってきた。
「兄さん、ちょっと隣に座ってもいいですか? いいですよね、別に兄妹なんですし。
よいしょ…っと…あっ、もっと兄さんの近くに座ろっと。そ〜れ、肩をぐりぐり〜♪」
姫音の肩が僕に押し当てられる、
姫音の肩は柔らかく、お風呂上りのせいか女の子のいい香りが漂ってきた、
そして当たり前のように僕の肩に自分の頭を乗せてきた。
「えへへ〜っ♪ 兄さん、好き〜♪ ごろごろごろ〜」
姫音が猫みたいに頭を擦りよせて甘えてくる、
姫音の栗色の髪は絹のようにサラサラしてて、花の甘い香りが漂う、
こんな可愛い義妹に擦り寄られて、僕は戸惑いながらも実はすごく心地よかった。
だが流石にこんなことを続けさせていると姫音は次第にエスカレートして、
性交渉の事態に発展する可能性は十分あった、
僕はそんな危険を回避するため、少し真面目な話題を姫音にふってみた。
「ああ、兄さんがさっきから何かのプリントを見てましたけど、
それ『進路希望』のやつですか。確か提出期限って明日まででしたよね。
私は一応、進学することにしましたよ。学校の成績で推薦枠が取れそうですし」
そう、最近僕は進路のことについて悩んでいた、
だが将来これと言ってやりたいことは無い、
成績もイマイチだし、このまま大学に進学せず、気楽にフリーターでもやりそうな感じだ。
「いえいえ、兄さんは働く必要はありませんよ。
私が代わりに働いて兄さんを一生養ってあげます。
そして兄さんは家でずっと家でゴロゴロして、私と蜜月の日々を過ごすんです♪」
そう言って姫音は男を誘う香りの体で僕に擦り寄る、
姫音の体は心地よい温かさと柔らかさがあり、僕の性欲をじんわりと刺激してくる、
その甘い誘惑に耐えながら、僕は何とか別の事を考えようとした。
姫音の成績は学年でもトップクラスに入る、
それに素行も良く、先生からの評判もかなり良い、
そのため有名大学の推薦枠も取れたのだ、いや姫音なら自力で受かることも可能だろう。
僕と違って頭の回転が速く、友好関係の上手い姫音はきっと社会に出ても成功する、
それに比べて僕は駄目だ、姫音に勉強を教えてもらってやっと人並み、
姫音が友人関係を陰で上手く利用し、友達のいない僕をクラスから孤立させないようにまでしてくれる。
多分、姫音が僕をヒモにする何て造作もないだろうな、
でもそんなのダメだ、世間的に、いや僕自身も情けなすぎる、
それに僕は、将来姫音を…あれ?……何だっけ…?
すごく大事なことなのに思い出せない…
まるで記憶の箱に鍵がかかったようだ、思い出そうとしても思考がぷつっと途切れる…
思い出せ…絶対に思い出さないといけない…だって、僕が…決めた……
「兄さ〜ん♪ ほ〜ら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
ソファーの隣に座ってる姫音がいきなり僕をくすぐってきた、
細くて長い姫音の指が僕の首筋、脇腹、背中を素早く這いまわる、
あまりのくすぐったさに僕の思考は完全に途切れてしまった。
「うふふっ♪ 兄さん、あんまり余計なことは考えないでいいですよ〜」
姫音から威圧感のある笑顔でじ〜っと見つめられる、
姫音の可愛い笑顔の裏で、明らかに思考の邪魔をする意志があった。
「さっきのくすぐったかったですか? 良ければもういちどやってあげますよ。
ほ〜ら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
姫音は悪戯っぽい笑みを浮かべて、僕を素早く、こちょこちょとくすぐる、
さっきと同じく姫音の10本の指が全身を這いまわった、
くすぐったい…くすぐったいけど何だか…
「へぇ〜、なるほどね。…兄さん、ちょっと足を貸してくれませんか?」
そう言って姫音は軽々と僕の両足を取り、自分の太ももの上に乗せた。
「兄さん、今からどんなにくすぐったくても絶対に足を動かさないで下さいね♪」
そう言って姫音は僕ににっこり微笑みかける、
そして姫音の左手が僕の足首を押さえつけ、右手が僕の足裏にかかる時…
「足の裏、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
ひゃっ、あっ、ひゃはははははは〜っ…
姫音の細い5本の指が素早く僕の足の裏をくすぐってきた、
僕はあまりのくすぐったさに堪らず足をばたつかせる。
「もう…くすぐったくても足を動かさないで下さいって言いましたよね。
義妹の言いつけを守れない兄さんにはオシオキですよ。
また足の裏を…こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
ぎゃっ、はははっ、はははははは〜っ…
姫音にしっかり足首を押さえられ、空いた手で僕の足の裏をくすぐられる、
姫音から可愛い声でこちょこちょと言われながらくすぐられることで、
余計にくすぐったさが増してくる。
「うふふっ、足の裏くすぐったいですか? くすぐったくても我慢です。
では兄さんの左足を、ちょこちょこちょ〜♪ 今度は右足を、ちょこちょこちょ〜♪
また左足を、ちょこちょこちょ〜♪ 右足です、ちょこちょこちょ〜♪」
姫音の片手だけで両足のくすぐったさを味あわされ、僕はどうしようもなく悶えてしまう、
姫音から与えられる足裏のくすぐったさとSっぽい小悪魔な笑顔を向けられて、
僕は次第に以前姫音のニーソックスで顔を踏まれたあの感覚が蘇ってきた。
「うふふっ♪ どうです? 義妹に足の裏こちょこちょされてどう感じますか〜?
もしかして、これが気持ち良かったりしますかぁ〜? まさか違いますよねぇ〜?
ほ〜ら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜♪」
姫音から人を馬鹿にするような顔で見下され、足の裏をくすぐられる、
耐えられないくすぐったさで、僕は身を激しく悶えさせられ大きく体を捻ってしまう、
そして僕はソファーから上半身だけ転げ落ちた…。
「兄さ〜ん…」
気がつくと僕は大股を開く格好で姫音の前に倒れていた、
姫音は何故か僕を軽蔑するような視線を送っている、
どうしてそんな目で僕を見るんだろう…?
…はっ!? 気づくとズボンの股間部からピンと高く立ち上がっている突起物があった。
「ふ〜ん、兄さんは足の裏をくすぐられただけで性的な快感を得ていたわけですか。
結局、私にくすぐられるのが気持ち良かったんですね。うふふふっ♪」
姫音から満面の笑顔を向けられる、そして…
「兄さんの変態っ!!」
姫音は鋭い罵声を僕に送り、リビングから出て行ってしまった。
僕はしばらく一人部屋に取り残されて呆然としていた、
しかし、気づくと先ほどまでの姫音にくすぐられる感覚を脳裏で反芻している自分がいた。
ああ…可愛い女の子からくすぐられることがこんなにも気持ち良かったなんて…
次の日、結局僕は『進路希望』を白紙で提出した、
昨日の姫音の事で邪魔が入ってしまったこともあるが、
やっぱり自分は何ができるのか、何をしたいのか本当に分からなかったからだ。
―――そして、放課後。
「ごめんなさい兄さん。今日、委員会があるから先に帰ってもらえますか。
終わったらすぐ帰りますから。ええ、勿論、絶対、本当に真っ直ぐ帰宅するんで。別に
兄さんにすぐ会いたいからじゃなくてですね。…と、ともかく終わったらすぐ帰ります!」
わざわざ姫音がわたわたとした感じで僕のところに言いに来て、そして去って行った、
流石の姫音も学校内では僕へのべったり度が7割強ぐらいカットされてる、
学内で僕にくっつくと後で色々お互いに都合が悪くなるのは重々承知済みだ。
ところで姫音はクラスの委員長を務めており、時々行われる委員会に出席する、
姫音は僕とは違い勉強も友達付き合いも上手く、学校の仕事も自分から進んでやっている、
とても充実した生活を送っていると言えるだろう。
僕はと言うとかろうじて話せる程度の友人はいるが、
特に学校の外で遊ぶような友人もなく、このまま帰宅するのが日常だ、
姫音と僕の学校生活を比べると、時々、劣等感で鬱になりそうな気がしてくる。
何か真剣に打ち込めること、目標みたいなものがあればいいんだけど…
でも昔、心に決めた目標のようなものを持っていた気がする、
それは何だっただろう…思い出せない…
「お、いたいた、姫音の兄よ。帰ってしまったのではないかと心配したぞ」
突然、どこかで聞き覚えのある女性に声をかけられる、
振り向くとセミロングの赤髪、メガネ、白衣の3点が良く似合うクラスの副担任がいた、
彼女は暦(こよみ)先生、機械工学の研究所に所属しているが臨時で教師も務めている、
言葉や雰囲気から一見気が強そうに見えるが、誰でも気さくに話せる先生で人気が高い、
出会っていきなり、そういやお前に用があるのをすっかり忘れていたよ、はっはっはっ!
と肩を叩いてくる割と男前な性格の持ち主でもある。
あと、どうでもいいことかもしれないが暦先生は僕を名字もしくは名前で呼んでくれず、
何故か僕は、「姫音の兄」呼ばわりをされている。
「いや〜悪いな。だってお前ら兄妹、外では他人行儀にしてるみたいだけど、
見てるこちらは、ずっとべたべたしてるようにしか見えんのだよ。
まあ二人はセットだな。それで優秀な姫音の方を呼び名の型にしたんだ」
相変わらずナチュラルに酷い事を言う人だ、
まあ確かに姫音の方が優秀な事に間違いはないけど。
「ま、それは冗談だ。ここからはちょっと真面目な話になるんだが…
姫音は委員会に行ってもういないよな?」
姫音は今さっき僕に挨拶して委員会に行ったところだ、だからここにはいない、
委員会が終わるまで早くとも1時間はかかるだろう。
「そうか…ならいい。まあ、こちらでこの日に合わせたからな…
で用と言うのはだな、学園長に会って欲しいんだ」
―――風見学園3階廊下、
こつこつこつ…と少し緊張気味に学長室へ続く廊下を歩く。
どうして僕はいきなり学園長に呼ばれたんだろう、
まさか白紙の進路希望用紙の件で呼び出されたのではないだろう、
しかも姫音の不在を確認されたことも割と気になるところではあった。
ちなみに僕はここの学園長と一度も面識はない、
というかここの学園長はしょっちゅう海外へ出張しているらしく、
主に学園長の代理がいて、その業務を任されているとのことだ。
…さて学長室の前まで来た、
高級そうな木で造られた重々しドアと学長室のプレートが緊張感を誘う、
僕はドキドキしながらゆっくり扉を3回ノックした。
「どうぞ〜! 空いてるから入って入って〜!」
えっ!? 今聞こえたのは明らかに女の子の声だった、
どうして学長室に子供がいるんだ?
かなりの疑問だったがそれはひとまず置いといて、僕は学長室へ入ることにした。
だがそこは「ちゃぶ台」があり、畳の敷かれた普通の和室であった。
「おーはー♪」
そして金髪の少女がいた、
長い髪の一部をツインテールに結いあげ、残りは下ろした状態になってる、
何故か、かなり昔に放送していた朝のある番組で流行ったあのポーズをしていた。
「あれ…今の日本って「おーはー」やらなくなったのかな? ちょっと前まで
すっごい流行ってたと思ったんだけどな。流行りものの移り変わりは無常だね。はりまお」
「あん〜…」
あと一匹、小さくて丸っこい、猫か犬かもわからない哺乳類がいた、
ちなみにこいつには白い体毛に左目だけ茶色のぶちがついている。
さて、一体僕はどこに来てしまったんだろう…
「あはは、ごめんねー。びっくりさせちゃったよね。ボクはここの学園長をしている
芳乃 さくら(よしの さくら)だよ。でこっちは、はりまお」
「あん♪」
はりまおと呼ばれる哺乳類が鳴く。
僕は学長室にある座敷に案内され話を聞いていた、
だが「さくらさん」とは特にこれといった重要な話はせず、
世間話や軽く進路の事についてしばらくの間おしゃべりをしていた。
「うん、進路か〜。いいねいいね、若いって。未来へ夢と希望が満ち溢れてるよね〜」
話している時のさくらさんはハイテンションでどんどん話が進む、
またかなりの聞き上手なため、僕は普段人に話さない事までついつい話してしまった、
何となくさくらさんには安心して話せる雰囲気があった。
話したのは僕のこれまでの事、
僕が高熱を出して記憶を一度無くしてしまった事、
その時のショックで、姫音と暮らしていた昔の記憶だけまだ戻っていない事だ。
「そう…キミはすごく大変な事をいっぱい経験してきたんだね…」
さくらさんも僕の話を聞いて、いつのまにか真剣な表情をしていた。
「キミは姫音ちゃんのお兄さん何だよね。
よかったら姫音ちゃんの事も聞かせてもらえないかな」
僕は姫音の事について詳しくさくらさんに話した、
姫音が僕の世話をすごくしてくれる事、昔の姫音との記憶が曖昧な事、
そして姫音がいつも人の心を読むみたいに妙に鋭い事を。
少女のような容姿しているさくらさんだが、その雰囲気は僕よりも遥かに大人びており、
何でも真剣に考えて、聞いてくれようとしていた。
「…うん、わかったよ。キミはずっと姫音ちゃんの事を守ってきたんだね。
今まで姫音ちゃんの事を守ってくれて、ありがとう」
思わずさくらさんからお礼を言われる、
僕が姫音を守ってきた? ずっと僕は姫音にお世話されてきた側なのに…
「ううん、キミが姫音ちゃんの側にいてくれた事で、彼女を守る事ができたんだ。
本当にありがとう。もしも、キミがこれからずっと姫音ちゃんの側にいる事ができるなら、
姫音ちゃんの隣にいて彼女を支えてあげて欲しいんだ」
僕が姫音の側にいて、隣で支えていく…
さくらさんの話を聞いていると何か大事なコトが思い出せそうな気がする…
それは…
―――ピシッ、ピシ、ピシっ!!
痛いっ…!! 頭に激しい頭痛がした、
頭の血管が擦りきれるような鋭い痛み、
まるで夢のまどろみから一気に目が覚めるようだった。
「大丈夫、キミ!? ゴメン、ボクがこんなことを言ったから。…痛かったよね、
無理やり思い出そうとして、拒絶されて、すごく痛かったよね。
ボクのせいだ、本当にごめんなさいっ…!」
さくらさんが必死に僕に謝る、
僕の問題なのにどうしてさくらさんがそこまで気にかけるんだろう、
もしかして、さくらさんは大事な何かを知っているんだろうか…
数分後、頭痛が治まり安定した、
僕の頭痛は昔の事を無理に思い出そうとしない限り長くは続かない、
ただ特に頭痛が起こるのは、昔の姫音との出来事を思い出そうとする時だ。
「今日しばらくは無理に思い起こさない方がいいよ」
「あとね、今日ここでボクと姫音ちゃんの話をした事、彼女には黙っておいて欲しいんだ」
真剣な顔のさくらさんが僕に伝える、
これはきっとすごく大事なことだと直感でわかった。
この人は信用できる、僕の勘がそう告げていた、
事情はわからないけど僕と姫音の為にしてくれていることだと。
でもあの鋭い姫音に隠し事が通用するかは難しいだろうな、
そんなことを考えていると…
「…えいっ」
さくらさんの人差し指がつんと僕の額をつついた、
すると不思議な波のようなものが頭の中に入った気がした、
今のは一体…?
「おまじないの一種だよ。これでキミの口から姫音ちゃんに伝えない限り、
少なくとも今日一日は彼女にバレないと思う。それまでにボクが何とかするよ」
何とかするって、さくらさんは一体何をするつもりなんだ?
「ゴメン、詳しくは言えない。
ただボクの都合もあって申し訳ないけど、今日までに決着をつける必要があるんだ。
キミはその時まで待ってくれるだけでいいから…」
さくらさんと話したのはそれだけだ、
結局のところ、さくらさんが考えている事は分からなかったが、
この日、何かが起こることだけは確信できた。
一度教室に荷物を取りに戻った時、時間を確認すると、
姫音が委員会に行ってから40分ぐらい経っていた、
後から帰って姫音に余計な詮索をされないために、僕は急いで帰宅することにした。
走って10分後、家の前まで到着した、
姫音が委員会に行って1時間も経ってないことから、確実に帰ってないだろう、
当然、外から見て家の明かりは消えていた。
帰ってしばらく経ったような形跡を残した方がいいかな…
僕は今日のさくらさんの話が気になり、妙に神経質になっていた。
僕は持っている家の鍵を使って扉開け、閉める、
この鍵は僕と姫音と出張中の両親が一つずつ持ってる、
ちなみに僕の両親は現在、長期に渡り海外に出張中である。
ん…!?
その時、僕は玄関の暗闇の中で人の気配を感じた…!
誰だ…? も、もしかして泥棒か!?
僕はとりあえず暗い玄関を照らそうと恐る恐る照明のスイッチに手を伸ばす、
そしてスイッチを入れ、電灯の光が玄関を照らした。
「おかえりなさい。兄さん」
目の前に制服姿の姫音が笑顔で立っていた。
あ、あ……
姫音はずっと真っ暗な玄関で僕を待っていたのか…
僕は可能な限り動揺を押さえて、姫音に「おかえり」と返すことが精一杯だった。
「今日ですね、突然体調が悪くなったので、委員会を途中で抜けさせてもらいました」
すごく顔色の良さそうな姫音が笑顔でおっしゃった。
「それでクラスの友人に聞いたところ、何でも兄さんは学長室に呼ばれたらしいですね。
そして30分ぐらいで教室に戻ってきたそうです。学長室で何をお話ししたんですか?
あと、何故か家まで走ってきましたよね。どうしてそんなことをするんですか?」
にこにこと微笑む姫音が重ねて僕に質問をしてくる、
顔は笑っているのにすごい威圧感を感じる、
このままじゃマズイ…何か答えないと…
僕は学長室には進路のことで呼ばれた事、そして走って帰ったのは、
無性に早く帰ってゲームをやりたい気分になったと良く分からない言い訳をした、
正直、今の姫音の前で正常な思考ができるほど、僕の精神はタフではなかった。
「兄さん、進路の話をするために学長室に呼ばれるのっておかしくないですか。
それに走って帰った理由について全然説明になってませんよ。
兄さんは私を誤魔化そうと嘘をついているんですか〜?」
しゃべり方は穏やかだが声に殺気が込められている、
笑顔の姫音からドス黒いオーラが沸き上っているようだ、
姫音はそのまま一歩ずつ、ゆっくりと僕の方に向かってくる。
「兄さんが私よりも早く家に帰りたかった事は分かりました。
でもどうして兄さんが学長室に呼ばれたのか分からないんですよ。
何故呼ばれたか、何を話したか詳しく教えて頂けませんか、兄さん?」
姫音の翠色の瞳がじっと僕の目を見つめる。
ダメだ…学長室の事だけは話せない、
さくらさんに言われたこともあるけど、
何故かこのことが僕と姫音の大事な将来に大きく関わっている気がするんだ。
「どうしてでしょうね…? 今まで兄さんの考えている事は全部わかるのに…
今までこんなことは無かったのに…あはは…おっかしいなぁ…」
突然、姫音は俯いてぶつぶつと独り言のようにつぶやき出す、
明らかに様子がおかしい。
「…読めないよ、何か隠してるはずなのに。…分からないよ、兄さんの事なのに。
どうしても、兄さんが学長室で何をしていたのか全然わからないの…
ねえ、教えてよ。私、兄さんの事は何でも知っておきたいの。だから教えて、兄さん!」
姫音が息を荒げて僕に問いかける、
見るからに今の姫音は不安定だ、正直何をされるかわからない…
今日は大事な日だ、それだけは直感的にわかっている、
何か事故が起こる前にそれを回避していかないと…
姫音には悪いけど、今日一日は別の場所に泊まった方がいいかもしれない。
僕はこっそり背後に手を回してドアノブを回そうとした…
だが、その行動が姫音を刺激してしまった…!
「…どこへ行くのっ!? 私を一人にしないでっ! 兄さんっ!!」
―――ばふっ…!
正面にすごく柔らかい感触が走る、
背中には二本の腕がきつく巻きついている。
僕は力強く姫音に抱きつかれてしまった。
僕の胸に当たるのは豊満すぎる姫音の96cmもあるバスト、
肩には綺麗な栗色の髪が流れる姫音の頭が置かれている、
そして背中には決して離す事はないというぐらいに強く姫音の腕が巻きついている。
僕は姫音の柔らかい女の子の体の感触を受けて思わず勃起してしまった、
こんな可愛い巨乳の義妹に思いっきり抱きつかれたら耐えられるはずがない。
「あはっ♪ 兄さんに抱きついちゃった。
兄さん、私に抱きつかれてすごく気持ちいいみたいですね。
私のおっぱい大きいから、抱きつかれたら思いっきり当たってしまいます」
僕の動揺ぶりを見て冷静になった姫音は、攻めに転じ僕にエッチな攻撃を仕掛けてきた。
ぼよん♪ むにゅ♪ ばよん♪ むにゅ〜っ♪
うっ…姫音のおっぱいが胸に当たって気持ちいい、
姫音にバストを押し付けられ、僕が興奮で息を上げるたびに、
姫音にクスクスと笑われる声が心地よかった。
「うふふっ♪ 私の96cmバストは気持ちいいですか〜?
私のおっぱいを兄さんに押し付けただけで、やけに興奮してるみたいですけど、
義妹に抱きつかれたぐらいでハアハア息を上げちゃうのはみっともないですよ」
姫音は僕の胸に自分の巨乳を何度も押し付ける、
姫音の柔らかくて大きなバストの感触がたまらない、
そして姫音の腕の締め付けは強く、僕は全く抱きつき状態から抜け出す事は出来なかった。
もう逃げられない…僕は蜘蛛の糸でグルグル巻きにされた餌だ、
このまま姫音のエッチな攻撃で骨抜きになって、最後には食べられてしまうんだ…
「そうだ兄さん。せっかく恋人同士が抱き合ってるんですから『キス』しましょうよ。
私、兄さんの唇に思いっきり吸いついたり、私の唾液をいっぱい飲ませてあげたり、
舌を兄さんの口の中に入れてくちゅくちゅしたいな〜」
姫音が笑顔でとんでもないことを言いだす、
姫音は美少女ゲーム出てくるヒロイン並みに可愛い、
しかも『ダ・カーポ』の朝倉音夢にそっくりな顔立ちだ。
大好きなヒロインの顔でキスをしたいと言われ、僕の邪な感情が高まる、
だが、どれだけ美少女であっても姫音は義妹だ、兄妹でキスする何て普通じゃない、
それでも姫音が持つ、男を誘う大きな瞳と艶めかしい唇が僕の性欲が掻き立てる…!
「さ、兄さん。『キス』しましょうか。口の中がおかしくなるぐらいの…」
姫音の小さな両手が僕の顔を固定し、自分の顔をゆっくりと近づけてくる、
長いまつ毛の瞼は閉じられ、整った顔がさらに近くなる、
お互いの鼻がかすかに当たる、恋人の距離。
あと数センチの距離、姫音が突然、目を開く。
「…うふふっ♪」
美少女がにこっと微笑んだ。
僕の思考が止められる。
次の瞬間、僕の唇に快感が走った、
柔らかい姫音の唇が押し付けられる、唾液で濡れた姫音の口、生温かい、
女の子の甘くて少し匂う口臭が広がっていく。
「ん、ん゛っ、じゅっ、ちゅっ、んっ、ちゅっ、ちゅ〜っ…」
何度も姫音から柔らかい唇の圧迫を受ける、
気持ちいい、姫音の唇が気持ちよすぎて何も考えられない…
次第に意識が薄らいでいき、視界に霧がかかり出していた。
ただ目の前に見えたのは、「あ〜んっ」と大きく開かれた姫音の赤い口腔だった。
「…はあ〜むっ♪ ん、じゅるっ、じゅばばばばぁばば〜っ…!!」
僕の唇が姫音に小さな口に食べられていた、
そして唇全体がものすごい吸引力で口の奥に引っ張られていく、
吸われる、姫音に唇を吸われていく…!
見るとタコのような顔をした姫音がいた、
驚く事に僕の鼻骨に届く距離まで唇を這わせている、
吸われた僕の唇は姫音の湿った口腔で柔らかい肉の圧迫を受け続けていた。
「じゅばっ、じゅっ…ふっふっふ〜っ♪ きほひいいでひょ? もっと、ひてあげる」
姫音は鼻から思い切り息を吸い込み酸素を蓄える、
そして無心で僕の唇を形の良い小さな唇で吸い上げ出した。
「じゅっ、じゅっ、じゅるっ、んっ、じゅるるっ、ん〜っ、じゅ、じゅばばぁばば〜っ…!!」
姫音が力強く何度も僕の唇を吸い出してくる、
唇に当たる姫音の口腔の温かさと吸われる感覚がひどく心地よい、
僕の中に抵抗する意思は既に無かった。
そして5分が経過し、やっと唇が解放される。
「ちゅぽぉおお〜ん…っと。ふふっ、ごちそうさまです兄さん。
いっぱい兄さんの唇の味を堪能させて頂きましたよ」
だがこれで終わるはずがない事は、
サキュバスのような妖しい瞳をした姫音の笑顔を見れば一目両全だった。
「私だけもらったんじゃ申し訳ないですよね。ちゃんとお返しはしないと。
次は兄さんに飲ませてあげますよ。私の唾液を、たっぷりと♪」
僕には抵抗どころか、逃げる意志さえ残っていなかった、
無抵抗の僕に姫音は容赦なく襲いかかる、
僕は玄関のマットに仰向けして倒された。
「んんっ…。今、口の中に唾をいっぱい出しています。
溜まったらすぐ兄さんに飲ませてあげますからね。ん、くちゅくちゅっ…」
姫音は僕の上に覆いかぶさり口の中をくちゅくちゅ鳴らして、
唾液を溜めている、
僕はその様子を見ている事しかできなかった。
「うふふっ…」
にやりと姫音が笑う、どうやら終わったみたいだ、
今、姫音の口の中には大量の唾液が溜められている事だろう。
姫音の顔が下がる、
姫音の唇が僕のものに合わさり、唇の力で口を開かされる。
温かい姫音の唾がどろりと僕の口に流れ込んできた。
んっ…口の中に唾液が溜まる、
これを飲むのか…僕は…
義妹の唾液を…
姫音は僕の口に唾液を流し込んだ後、僕の顔をじっと見ていた、
そして…
「べ〜っだ♪ うふふっ♪」
可愛くあっかんべ〜をした、
そして魅惑的な笑顔で僕を笑う。
姫音に心を奪われる、
その美少女の笑顔で。
口にある姫音の唾液…可愛い女の子の唾液…
美少女の唾液…
僕は、飲みたい…
んんっ、ごくごくごく…っ…
「ふ〜ん、兄さんは義妹の唾を平気で飲むんですね。
唾、何か汚いのに…兄さんのヘンタイ♪」
姫音に意地悪そうな笑みを向けられる、
それが姫音に苛められているようで気持ちが良くなる。
「そんなに私の唾を飲みたいなら、もっと飲ませてあげましょうか。
私の舌を使って、兄さんの口の中にどんどん私の唾を入れてあげます」
また姫音が口の中でくちゅくちゅと唾液を溜め出し、
可愛い顔でにっこりと微笑む。
そして僕の目の前で艶めかしい真っ赤な舌を出した、
姫音の舌に唾液が溢れる、透明な水の糸が垂れていた。
「れぇ〜ろっ…ほら兄さん…」
僕は体が動かなかった、
口の中に姫音の唾液にまみれた舌が入ってくる、
ぬるい、柔らかくて、奇妙な感覚だった。
「ん〜れぇろれぇろ…くちゅくちゅくちゅ、れぇろれぇ〜ろ…」
僕の舌が姫音の舌に舐められる、絡み取られる、
姫音の舌から温かい唾液を送られる、強制的に飲まされる。
「んっ、ちゅっ、ん、兄さん…れぇろれぇろ…くちゅくちゅ…」
姫音の舌が口の中を舐めまわす、官能的な刺激を送り続ける、
僕の口は姫音の舌に支配された、
いつまでも…
「ちゅっ…兄さん好き…ん〜れぇろれぇろ…くちゅくちゅくちゅ…」
それからどれだけ経っただろうか…
いつまでも姫音の『キス』は続いている、
1時間、2時間、わからない…意識が朦朧としている…
「…ほ〜ら兄さん、これ飲んだら眠っていいですよ。
私の口いっぱいに溜まった美味しい唾を」
口の中に大量の液体が流れ込んでくる、
僕はそれを飲んだ、
可愛い義妹の唾を。
「うふふっ♪ バーカ」
最後に姫音の笑顔を見て、僕は眠りに着いた。
……うっ、
何だろう…?
足の裏がくすぐったい…
「こちょこちょこちょ…こちょこちょこちょ…うふふっ♪ こちょこちょこちょ…」
目が覚めると制服姿の姫音が僕の足の裏をくすぐっていた。
「あっ、兄さん起きましたか? 足の裏くすぐったくて眠ってられなかったでしょ?」
姫音は悪戯をする子供のような笑みを浮かべていた。
それにここは玄関じゃなかった、
部屋の風景から姫音の部屋だと思う。
「それだけじゃありませんよ。今、兄さんはすごい格好をしてます。
両手両足をベッドに拘束されて、おちんちん丸出しの全裸です♪」
げっ!? まさか…いや本当だ!!
僕の両腕は革製の手錠でベッドに括りつけられ、足には枷(かせ)が嵌められている、
枷はソファーのような材質でできており擦れても痛くはないが、がっちり拘束されていた、
それに僕は本当に裸だった。
「その拘束ベッド、兄さんがくすぐられるのが好きだとわかって
一晩徹夜して作り上げたんですよ。両手と両足、全然動かせないでしょ?」
僕は四肢を動かそうとしたけど、拘束具のせいで全く動く事は無かった、
これで何をされても僕は抵抗できない、
何て恐ろしいものを作り上げたんだ、姫音は…
「もう兄さんはお分かりでしょうけど、この状態でくすぐられると…
こちょこちょこちょ…こちょこちょこちょ…」
姫音は僕の全身に軽く指を走らせる、
それだけで僕に耐えがたいくすぐったさが走った、
僕が四肢をバタつかせようとする、だが拘束具はそれを許さなかった。
「うふふっ♪ こんな風に兄さんは、どんなにくすぐったくても絶対抵抗できないんです。
というわけで、今から兄さんを思いっきりこちょこちょしちゃおうと思いま〜す」
姫音が10本の指をわきわきさせて微笑む、
そしてそのしなやかで細い指が僕に襲いかかった、
「脇のくぼみを、こちょこちょこちょ〜♪ お腹、胸、こちょこちょこちょ〜♪
太ももとかくすぐられるとたまらないですよね〜、こちょこちょこちょ〜♪
でもやっぱり足の裏がいいですか? ほ〜ら、こちょこちょこちょ〜♪」
ひゃっ、あっ、ひゃはははははは〜っ…
やっぱり姫音にくすぐられると耐えられない、
姫音の細い指がくすぐったい所を素早く、細かく這いまわる。
「あ〜兄さん、またおちんちん勃ってますよ。くすぐられて気持ちいいんですね〜。
こんなことで勃起する何て、兄さんの特殊性癖には本当に呆れます」
僕は全裸でベッドに磔にされているため、ペニスの状態は一目両全だった、
姫音は勃起している僕に軽蔑の視線を投げかけた。
「少しくすぐっただけで勃起するという事は、もしかしたら
くすぐられるだけで射精しちゃうかもしれませんね。変態な兄さん?」
姫音はそう言うと自分の机から革状のペニスチューブを取りだした、
そのチューブの根元には革状のベルト、
僕はとてつもなく嫌な予感がした。
「…今から兄さんを【拷問】してみたいと思います。でも心配無用です。
兄さんを傷つけるような事はしません。すご〜く気持ちいい事ですよ」
姫音は勃起した僕のモノに黒革のペニスチューブをそっと被せ、
根元のベルトをぎゅっと縛り、鍵をかけた、
ぐっ…!? 結構きつく縛られてる、もしかしてこれは…
「うふふっ…これはですね、【貞操帯(ていそうたい)】の一種です。
貞操帯にも色々種類がありますが、兄さんに被せているのはチンポの根元を縛って、
射精をできなくするタイプのものです。どんなに気持ち良くても射精はできませんよ」
聞いた事がある、ペニスの根元を縛られると男は射精できなくなるそうだ、
一部のSM風俗ではそういうプレイができるみたいだが、
今、ここで義妹にそんな事をされるなんて…
「さあ兄さん。気持ち良くても射精できない事がどれ程のものか、
一度味わってみて下さい」
「私、今から全力で兄さんの足の裏をくすぐりますから…」
姫音はそう言うと片方の手で、僕の右足指を外側に押さえつけて足の裏を全開に広げる、
広げられた足の裏はくすぐられ放題だろう、
僕の足は枷が嵌められて動かせない、その上、足の指まで動かせなくなった。
「どれだけくすぐったくても、足の指一本動かせない絶望を味合わせてあげます…」
姫音の細い5本の指が僕の右足の裏に置かれる、
そして…
「せ〜の、足の裏〜っ…
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
ああ゛っ、ぎゃああああぁっ、あ゛あああああぁあああっ!!
想像を絶する姫音の足の裏くすぐり、僕は悲鳴を上げた、
僕の足の裏を、姫音の細い5本の細指が素早く、力強く、執拗にくすぐりまくる…!
「ほらほらっ! 足の裏くすぐったいですね! 足指のつけ根もどうですか〜?
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
あ゛ああああっ、あ゛あああああぁあああっ!!
笑い声すら上げられない、出るのは衝動の叫び声のみ、
足の指を姫音に押さえられ、空いた足裏を姫音が容赦なく本気でくすぐる!
「良い声で鳴きますね、兄さん。私、もっと兄さんをくすぐってみたくなっちゃた。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
くすぐったい、死ぬほどくすぐったい、だがそれが快感になる、
姫音の足の裏くすぐりが快感に、しかしそれは暴力のような激しい快楽、
僕は耐えきれず、強烈な射精感に襲われた! しかし…!
びく! びくっ! びくびくっ!
ペニスが震える、だが射精ができない、精液が貞操帯のベルトで締めあげられ出られない、
僕は悲鳴をあげる、苦悶の叫びを、
ああっ、イキたい、イキたいっ、イキたいよぉおおおおおおおっ!!
僕はペニスバンドを外そうとする、だが僕の両腕はベッドに拘束されている、
僕は四肢をバタつかせ暴れる、今すぐ射精がしたい、したいんだよっ…!
そんな様子を姫音はベッドの上から冷静な表情で見ていた。
「思った以上の効果ですね。これならすぐ兄さんを堕せそうです…」
姫音は穏やかな笑顔で微笑み、僕の顔を覗き込む、
そしてかけるのは魔性の言葉。
「兄さん、すごく苦しそうですね。私、兄さんが苦しむ姿を見てるとすごく辛いです。
今から私の言う事を一つだけ聞いてくれれば、兄さんを苦しみから解放して、
すごく気持ち良くしてあげますよ」
言う事を一つ聞けば苦しみから解放してくれる…? もしかして射精できるのか、
それに気持ち良くしてくれるって…
「ええ、兄さんのおちんちんを絞めつけている貞操帯を外してあげます。
その後で兄さんを思いっきりくすぐって、たくさん射精させてあげますよ。
足の裏だけじゃありません。チンポ何かくすぐられたらどうなるんでしょうね…ふふっ♪」
姫音が可愛い笑顔を向ける、ああ…くすぐられたい、
こんな美少女に思いっきりくすぐられて射精させられたら、すごく気持ちいいだろう、
あの姫音の細くてしなやかな指でペニスをくすぐられたら…僕は…
「兄さんが一つ教えてくれるだけでいいんです。それは…」
「放課後の学長室で兄さんは誰と会って、何をしていたんですか?」
姫音は怖い顔で僕を見下ろしてきた、
勘の良い姫音でも学長室で何が起こったのかわからないんだ、
それで無理やり僕から聞き出すためにこんな拷問をしてきたのか。
でもそれは教えられない、さくらさんに言われた事だ、
さくらさんのおまじないのおかげか、幸い姫音にさくらさんとの事はバレていない、
僕自身が姫音に話さない限り大丈夫なはずだ。
「……へぇ〜ダンマリですか。いい根性してますね、兄さん。
もう一度さっきの喰らってみたいんですか?」
姫音は僕の左足指を外側に押さえつける、僕の左足はもう閉じる事はできない、
そして空いた姫音の手が僕の左足にかかる、
また僕の足の裏が…
「受けてください、足の裏くすぐり攻撃っ! ほ〜らっ…
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
あ、あ゛ああああっ、あ゛がああああぁあああっ!!
今度は姫音の指が左足の裏を激しくくすぐる、
執拗に、巧みに、可愛い声でこちょこちょと言われながらくすぐられる、
「また兄さんのチンポが震え出しましたよ。くすぐられて気持ちいい何てヘンタイですね。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
姫音にくすぐられながらヘンタイと言われて興奮が増す、
やっぱり姫音にくすぐられて、見下されるのが気持ちいいのか僕は…
「やっぱり気持ちいいんですか。マゾ! 変態! だったらもっとくすぐってあげる!
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
足の指一本も動かせない状態で姫音に足の裏をくすぐられる、
耐えがたいくすぐり快楽の波に負け、僕はまた絶頂を迎えた。
びく! びくっ! びくびくっ!
黒革のペニスチューブが激しく振れた!
あ、あ、あ゛ぁぁぁぁ……射精できないよぉおおおおおっ!!
精液がいくら睾丸に溜まっても、貞操帯のベルトが射精を許さなかった、
そんな状態でも容赦なく姫音のくすぐりは続く。
「今、黒い棒が激しくビクンビクンなりましたよ。チンチンの中で射精したんですよね。
うふふっ♪ 出せなくて残念でした。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
出せない苦痛に悶える僕を嘲笑うように姫音は足の裏をくすぐり続ける、
天使のような可愛い笑顔を向けて、悪魔のように耐えがたい苦痛と快楽を与えてくる、
もう嫌だ、こんなに苦しい拷問は耐えられない…
姫音の声が真剣になる、
ついに始まる、本当の意味での「くすぐり拷問」が…
「…さて兄さん、すごく苦しいですよね、射精したいですよね。
だったら言ってください。学長室で何があったかを。私に教えてください、兄さん。
すぐに貞操帯を外して射精させてあげます。気持ち良くしてあげます。楽になれますよ」
拷問に負けそうな僕に姫音がすかさず交渉を出してくる、
流石だよ姫音は、僕なんかじゃとても敵わない、
だけど…我慢するだけなら僕だって…
「…ふ〜ん、兄さんあれだけ悲鳴あげてるのにまだ頑張るつもりですか…
でもその頑張りは無駄ですよ。兄さんがさらに苦痛を味わうだけです」
姫音が足の枷に近づき、何かヒモのようなものをセットし始めた、
そして僕の足に触れたかと思うと、足の指一本一本にヒモの輪をかけていった。
「ふぅ…これで終わりっと、兄さん少し足の指を動かしてみて下さい。
足の裏、こちょこちょこちょ〜♪」
ひゃっ、はぁはああっ…くすぐったい…
足の裏を素早く姫音にくすぐられた、だがいつも反射的に閉じる足の指が動かない、
この足指にかかってるヒモのせいだ、僕の両足はヒモによって全開に広げられてしまった。
「ふふっ♪ 全然足の指、動かせないみたいですね。
これで全開に広げられた兄さんの足の裏をくすぐり放題です」
「降参するなら今のうちですよ。わかりますよね、兄さん。
次はくすぐったいのが右足と左足の2倍になるんですよ。
射精したいけどできない苦しみは2倍以上になると思いますけど、うふふっ♪」
姫音の指が広げられた僕の右足と左足の裏にそれぞれ置かれる、
姫音の小さな両手の細い指、この指が僕に狂気的な快楽を与えてくるんだ、
くすぐったくて、苦しいけど気持ち良くて、狂いそうになる…
「もう一度聞きますけど、本当に話すつもりはないんですね。
わかりました。では兄さんを吐かせるまでもっと追い詰めてあげます。
私のダブル足の裏くすぐりで兄さんに何度も絶頂を味合わせてあげます」
「いきますよ、兄さんの足の裏〜っ、
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
あ、あ、がぁああっ、あ゛あああああぁああああああっ!!
死ぬほどくすぐったい、僕の足裏が5本と5本の姫音の細い指に思いっきりくすぐられる、
ヒモの輪のせいで足の指が全く動かせない、広げられた足の裏をくすぐられるだけだった。
「馬鹿ですね、兄さん。どれだけ兄さんが我慢しても、私は兄さんが学園室で
何をしていたかを吐かない限り、ずっとくすぐり続けるだけですよ。ずっとず〜っとね。
ほ〜ら、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
あ゛ああ…っ、そうだ、このくすぐり拷問は全て姫音が支配しているんだ、
僕はただ姫音のくすぐりに耐える事しかできない、止めるも続けるも姫音の自由なんだ、
僕はあの時、姫音に抱きつかれて逃げられなくなったときから詰んでいたんだ。
「やっと気付きましたか。だからもう兄さんは私に話すしか選択肢は無いんです。
このまま私に射精を封じられてくすぐられ続けたら、いつか気が狂って廃人になりますよ。
そんなの兄さんは嫌ですよ…ねっ、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
姫音が話している間も絶え間なく僕の足裏をくすぐり続ける、
僕は情けない声を上げながら姫音にくすぐられ続けるだけだった、
黒革の貞操帯を何度も震わせて。
「まあこのまま兄さんをいたぶり続けてもいいんですが、
本当に苦しそう何で一気に決めてしまおうと思ってるんですよね。
兄さんが自分から言い出したくなるほどの快楽を一気に与えてあげる事で…」
まだ姫音にこれ以上の快楽を与えられるのか…
そんな事をされたら多分僕はもう耐えられないだろう…
「足の裏を私の指でくすぐられてくすぐったかったですよね。
でも兄さん、『爪』で足の裏を引っ掻かれた事はあります?
指でくすぐられるよりも、ずっとくすぐったいんですよ」
姫音のしなやかな細い指でくすぐられてたまらないのに…
姫音が足裏に指を垂直に立ててくる、まさか姫音が次にやる事って…
「はい、兄さんの足の裏を思いっきり私の爪でガリガリ引っ掻かいてあげます。
すごく…くすぐったいですよっ!! それっ、がりがりがりっ♪ がりがりがりっ♪
爪を立てて足の裏を、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
あ゛あああああぁああああああっ!! 頭の中が真っ白になった。
姫音の爪が両方の足裏をガリガリと何度も高速で引っ掻く、
土踏まずや指の付け根のくすぐったい箇所を徹底的に爪で引っ掻かれくすぐられる。
「ほらほらほらっ! 息もできなくなるぐらいくすぐったいでしょ?
兄さんの足裏の垢をそぐようにっ! がりがりがりっ♪ がりがりがりっ♪
兄さんの特に弱い所を、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
僕はもう声は出せず、体を痙攣させることしかできなかった、
だが姫音はそれを無視して、僕の足裏にガリガリと爪を立て刺激を与え続ける、
当然、くすぐられた快楽は相当なもので睾丸の中での絶頂は6回にも及んだ。
「うふふっ♪ また震えましたね。一体どれだけチンポの中でイったんですか?
もうダメって分かってますよね。早く白状しないと廃人になりますよ。
さあ早く! がりがりがりっ♪ がりがりがりっ♪ こちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
―――――っ! ――――! ――――――――っ!!
姫音のくすぐりが一瞬止まった時、僕はギブアップを宣言した、
声にならない叫びで学生室であった事を全て姫音に伝えた。
「…ふ〜ん、さくらさんと会ったんですか。
確かにそれで兄さんから情報が読み取れなかったのも納得ですね…」
それから姫音は何か独り言をつぶやいていたが、
突然僕に近づき、小さな鍵で貞操帯のベルトを緩め、そして外した。
次に見たのは姫音の満面の笑顔だった。
「兄さん。約束通り気絶するまで、思いっきりくすぐってあげますからね♪」
姫音の10本の指が僕のペニスを囲う、
そして細くてしなやかな指がペニス全体を素早く這いまわった!
「さあ死ぬほど気持ちイイですよ〜兄さんの勃起チンポを、
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
どびゅ! どびゅ! どびゅっ!
僕は噴水のごとく白濁液を解き放った、ペニスの近くに顔を寄せていた姫音の顔にかかる、
だがそんな事は気にせず姫音は僕のペニスをくすぐり続けた。
「うふふっ♪ さくらさんからダメだって言われてたのに、私に言っちゃったんですね。
こんな風にくすぐられて、私に負けちゃったんです。すごく情けない兄さん♪
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
そうだ…僕はさくらさんから姫音には黙っておくよう言われてたのに、
姫音のくすぐり拷問に負けて言ってしまったんだ、
言ってはいけない事を姫音に言わされた背徳感が気持ちイイ…!
「それにしても、くすぐられてこんなに出すなんて。今度から兄さんをくすぐって、
何か命令できそうですね。兄さんを私のくすぐり奴隷にでもしてあげましょうか?
おチンチンとかくすぐって、こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
僕は姫音にペニスをくすぐられて歓喜の声を上げていた、
姫音に四肢の自由を奪われ、ペニスのくすぐりの快感を受けてたまらなかった、
だが今までの激しい刺激から僕はかなり疲弊しており、次第に僕の意識が遠のく…
「あっ!? 兄さん気絶しそうですか? ふふっ♪ だったら兄さんに残ってる
最後の体力を私のくすぐりで奪ってあげます。ブザマに気絶しちゃって下さいね♪
…足の裏がいいですか? こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
僕は意識を失いながら姫音に足の裏をくすぐられて笑わされる、
姫音の意地悪な笑顔を見ていると幸せな気分になった。
「ほらっ、兄さんトドメです。義妹にこちょこちょされて情けなく気絶しちゃえ♪
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ〜っ♪」
姫音の指が全身に広がり、くすぐったさが全身に広がる、
僕は姫音の指で体力を根こそぎ奪われ意識を失った。
その瞬間、桜の花の香りがした。
「…に…にゃはは…、随分二人はお熱いんだね…」
僕の目の前に見覚えのある金髪の少女が、かなり気まずいといった様子で立っていた、
そう、今日学長室で進路の事について相談に乗ってくれた芳乃さくらさんだ。
辺り一面、秋だというのに満開の桜の木々が夜の風景を彩っていた、
夜なのに寒くもない、とは言え温かさも感じない、現実味がない不思議な空間だ、
ここは一体どこなんだろう…というかどうして、さくらさんが…?
「ん〜っとね。詳しく説明する時間が無いから端的に言うと、ここはキミの夢の中。
ちょっと事情があって、キミの夢の中に介入させてもらってるんだ。
キミの現実の意識が途切れた瞬間を狙って、ボクがキミの夢にお邪魔した感じかな」
サラッとすごい事を言われた気がする、
というか、もしかして姫音との行為を僕が完全に気絶するまで
ずっと見られていたって事か、最悪だ…あんな醜態を人に見られるなんて…
あっ、そう言えば姫音にさくらさんの事話してしまったんだ、
何かマズイ事になってしまったんじゃ…
「…んにゃにゃっ! …ま、まあアレは仕方ないよ。
ボクの方こそ大変なお願いしちゃって…ソーリー。
まあボクと姫音ちゃんの個人的な事だったから、そこまで問題にはならないと思うけど…」
さくらさんが気を使ってくれる、
さくらさんが姫音と面識があるなら、もしかしたら警戒されるかもしれない、
仕方の無い事かもしれないけど、姫音に白状したのは僕のミスだったな。
「んにゃ〜、ボクの方こそゴメン…。ボクも緊急時じゃなかったら介入は
控えてたんだけど、明日からまた海外に行くことになって、
どうしても今日中にキミに決めてもらいたかったんだ」
確か学長室でさくらさんは何とかするって言っていたな、
それで僕が決めるってどういうことなんだろう?
「キミは昔、記憶を無くして、姫音ちゃんの記憶だけ思い出せなくなってたんだよね。
それさ…もし思い出させてあげるって言ったらどうする…?」
昔の姫音の記憶、
それは僕が高熱を出して記憶喪失になった時、決して戻ることのなかった記憶、
すごく大事なことのような気がするけど、何故か思い出せない。
「お兄さんのキミは知ってるよね。姫音ちゃんってさ、すごく鋭いところがあるでしょ」
さくらさんの言う通り、姫音はまるで人の心を読んでるかのごとく鋭い時がある、
僕が密かに望んでいることを叶えてくれたり、困ってるところを助けてもらったりもした。
「姫音ちゃんはね、人の気持ちを読む事が出来るんだ。
自分が望んでも、望まなくても心の声が聞こえてしまう体質なんだ」
「ボクは海外で、姫音ちゃんみたいな特殊な体質の研究に携わってるから、
こういうことに詳しいんだ。でも姫音ちゃん一人だけが特別じゃない。
実際、この島にもそういう不思議な「力」を持つ人は何人もいるからね」
姫音が人の心を読める事、
さくらさんから聞かされる前から何となく気づいてたことだ、
僕はどうしてか、そのことについてあまり深く考えない様にしてきた。
いや、少し違う…
僕が姫音の記憶や姫音の「力」について考えようとすると、
決まって姫音からの妨害が入る、時には姫音自身の体を使った手段を選ばない方法で。
「…さっきも言ったけど、ボクは昔、姫音ちゃんと会ったことがあるんだ。
その時に姫音ちゃんの「力」について教えてあげた。
知ることで上手く、その「力」と向き合ってくれると思ったんだ…」
さくらさんが悲しそうに俯く、まるで罪人が罪を告白するように語り続ける。
「でもね。人の心って残酷なんだよ。怖いことも嫌なことも全部あるんだ。
それでも姫音ちゃんは全てを受け取ってしまう。
もしかしたらボクが教えなかった方が良かったのかもしれない…」
「きっと姫音ちゃんはすごく傷ついたと思う、怖い目にも遭ったと思う…
…だからさ、キミと昔の姫音ちゃんの人間関係は、
もしかしたら良好なものではなかったのかもしれない…」
いつも僕の身の回りの世話を笑顔でしてくれる姫音、
可憐で、優しくて、他の男子が羨む僕の義妹、
でも昔の姫音の笑顔はどうしても思い出せない。
「もしかしたらキミの思い出せない事は、本当は忘れていた方が良い事なのかもしれない。
人間ってね、耐えられないぐらい辛かったり悲しかったりすると、
その嫌な記憶にフタをして、記憶のずっと奥の方に閉じ込めたりする事があるんだ」
僕は時々、昔の姫音の事について思い出そうとしている、
でも激しい頭痛が起こっていつも止めてしまう、
多分、僕の無意識的な拒絶反応だろう。
「でもね、それは決してダメなことじゃない。
暗い過去に囚われず、新しい自分で新しい生き方をしていく事なんだよ」
さくらさんはじっと僕の顔を見つめる、
その青く澄んだ瞳はずっと長い間、多くの人々の行く末を見てきたかのようだった。
「きっとキミは、本当の姫音ちゃんを解き放つ「鍵」だと思う。
昔の姫音ちゃんと長い間、一緒に暮らしてきたキミだけができること。
本当の彼女を見てきたキミだけができることだよ」
「だけど…もしキミが記憶を取り戻さないまま、
今の姫音ちゃんとの生活を続けることを選んでも、
姫音ちゃんと向き合って、彼女のありのままを受け入れてほしいんだ」
目の前にある桜の樹、大きい…樹齢は千年ぐらいだろうか、
さくらさんはそっと、その樹に触れた…
「…でもキミが望むなら、ボクの力でキミを過去の記憶へ繋いであげる。
姫音ちゃんと過ごしてきた真実を観る事が出来る」
「キミが姫音ちゃんの記憶を取り戻したいか、今のままでいるか、
キミに決めて欲しいんだ…!」
さくらさんの青い瞳が真っ直ぐに僕を見つめる、
僕は考える、
そして今の記憶にある一緒に過ごしてきた姫音の事を思い出す。
可愛くて、世話焼きで、いつでも僕を満たしてくれる義妹、
それは僕の理想の義妹、いつか思い描いてた僕の幻想、
それを姫音は叶えてくれていたんだ。
どうして姫音は僕にそんなことをしてくれるんだろう、
きっとその理由は僕の失った姫音の記憶にある。
今のまま僕に熱烈な奉仕をしてくれる姫音と蜜月の日々を過ごすか、
それとも…今の幻想を捨て真実を見るか…
いや…悩む必要なんてない…
僕の中ではもうとっくの昔に答えは出ているから、
だって…僕は…
「―――嫌っ!! 兄さん! 見ちゃダメっ!!」
突然、姫音の声が夜桜の森に響く、だが姫音の姿は見えない。
「…姫音ちゃんがキミの夢を覗いたんだよ。夢は心が思い描くものだから…
『同調』能力を持つ姫音ちゃんに読み取られる…」
さくらさんが苦々しく呟く。
その数秒後、突然、世界がぐらぐらと揺れ出し始める…!
夢のまどろみが消えていく感覚、まるで眠りから醒めるようだ。
「姫音ちゃんがキミを起こそうとしてるんだ!
このままじゃ…キミが目を覚まして、この夢が消えてしまう…!」
散っていく桜の木々、夜の森が白い光の中に消えていく…
さくらさんの声や姿も次第に薄くなっていく…!