【獣人】猫耳少女と召使いの物語18【ヒト】

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1名無しさん@ピンキー
ここは人間の住む世界とはちょっと違う、ケモノ達の住む世界です。
周りを見渡せば、そこらじゅうに猫耳・犬耳・etc。
一方人間はというと、時々人間界から迷い込んで(落ちて)来る程度で数も少なく、
希少価値も高い事から、貴族の召使いとして重宝がられる事が多かったり少なかったりします。


けど、微妙にヒエラルキーの下の方にいるヒトの中にも、例えば猫耳のお姫様に拾われて
『元の世界に帰る方法は知らないにゃ。知っていても絶対帰さないにゃあ……』
なんて言われて押し倒され、エロエロどろどろ、けっこうラブラブ、
時折ハートフルな毎日を過ごすことを強要される者もいるわけで……。


このスレッドは、こんな感じのヒト召使いと、こんな感じのケモノ耳のご主人様との、
あんな毎日やそんな毎日を描いたオリジナルSSを投下するスレです。


それではまず>>2-6を。
2名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 09:44:25.45 ID:lypVuFZv
【FAQ】
Q.なにこのスレ
A.人権がある獣人が人権が無い人間をキャッキャウフフするスレです。


Q.猫耳少女スレは猫耳以外もOKとな
A.おもしろければいいじゃない
  永遠のスレタイ詐欺です


Q.これは、エロですか?
A.萌えかもしれません。エロかもしれません。
 膝枕とか肩叩きとかチッスとか射程範囲内です。エロは手段の1に過ぎません。
 でもエロパロだからエロを自重する必要はないですよ?


Q.シェアワールド?
A.『世界観の共有』をしています。節度を持ってネタを振り合いましょう。
 とはいえ、全ての設定が網羅的に参照されているわけではありません。
 よって各作品では大筋はともかく詳細で矛盾があります。気にしたらダメです。
 使いやすい設定はみんなに広まる、そういうことです。


Q.属性は?
A.メイン属性:獣人 x ヒト
 あとは闇鍋の世界。
 あらゆる性癖・属性がアリですが、
 あんまりアブノーマルは事前警告推奨で。


Q.ホモレズグロスカ鬱蟲とか書きたいんだけど?
A.書くのは自由。嫌われるのも自由。ノーマルならみんな大好きだけどね。
 グロスカ蟲他はアップローダーに投稿して、注意とともにスレ貼るという手があります。
 警告し忘れは書き手の責任。警告を無視して読んだら、それは読み手の責任。


Q.こちむい機軸以外のシェアや独立はあるの?
A.別に禁止じゃないけどシェアしないならこのスレである必要なくね?という風潮。
3名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 09:45:14.03 ID:lypVuFZv
【簡単な設定&用語集(1)】


こちむい世界:
 あちら側。様々な獣が人の姿をとり、人語を解し、人権を持ち、逆に人間が奴隷である世界。
 人間世界での人と動物の関係が逆転してる感じ。空は青く昼夜もあるが、月が二つある。
 人間世界からは様々な物体が「落ちて」来るが、一方通行であり、人間世界へ行く事は出来ない。
 (「こちむい」の名称は草分けタイトル「こっちを向いてよ!ご主人様」から)


人間世界:
 こちら側。いわゆる普通の世界。現代の地球。


その他の世界:
 こちむい世界と人間世界以外にも色々な世界があるみたい。でもスレ的に重要じゃない。


落ち物:
 「他の世界からこちむい世界に落ちてきたもの」の総称。滅多にない。
 雑誌一冊が来ることもあれば建物ひとつやってくることもある。
 希少であるため高値で取引されることが多いが、
 使い方の判らないもの、危険なものも当然混じっている。


ヒト:
 地球人の、こちむい世界での呼称。人権なし。器物〜ペットに分類される。
 落ち物であるため希少で高価、特にオスは性奴隷として価値が高いらしい。
 専門知識を持っていた場合はそちらを重宝されることもあるという。
 こちむい世界の環境は、こちらの人間にとってはかなり過酷なもので、
 あちらの住人の庇護無しに生活することは難しいとされる。


国家:
 こちむい世界には犬、猫など種族ごとに国家がある。
 地球でメジャーな種族は大国な感じ。昆虫とか魚類とか鳥類とかもいる。


子作り:
 基本的に同一種族同士でのみ子作り可能。
 地球人とこちむい世界住人との間で子供を作ることは不可能。
4名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 09:47:11.17 ID:lypVuFZv
【簡単な設定&用語集(2)】


あちらの住人:
 種族ごとに大きな差があるが、
 ヒトより遥かに優れた身体能力を持ち、魔法のような超常の力を使う者もいる。
 また、総じてヒトより長い寿命をもつ。


男性(♂):こちむい世界の男性は見た目は獣に近く、種族の特徴や習性が強く表れる。
     人間世界の伝説にあるライカンスロープの類に近い。
女性(♀):こちむい世界の女性は、種族を象徴するような特徴(耳や尻尾が代表的)や習性を持つが
     見た目はヒトに近く、ヒトがコスチュームを纏ったようにも見える。
マダラ:♂だが、通常と異なり♀に近い外見をした者。
    一般的には希少で、一般的にこちむい世界では美形とされる。
ケダマ:♀だが、通常と異なり♂に近い外見をした者。
    マダラよりも更に希少だが、一般的にこちむい世界では不細工とされる。


魔法関連
魔法:まんま魔法。様式や効果は種族・流派によって千差万別。根本は同じかもしれない。
   誰もが使えるわけではなく、また、使えたとしても個人差が大きい。
魔素:こちむい世界に存在する魔力の源。
   生物が利用する為には対価を要するが、魔法を使用するのに不可欠なエネルギー源である。
魔力:魔法使いが魔素を体内に取り込んで精製し、生み出す力。魔法を使用する際に必要。
魔洸:ネコの国で開発されたエネルギー。魔素を用いるのは魔力と同じだが、
   発動が個人の能力に依存しないので、一部に産業革命をもたらしている。


※もっと詳しいことが知りたくなったら関連Wikiへどうぞ。
5名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 09:49:16.01 ID:lypVuFZv
【SS保管庫・避難所】
エロパロ板SS保管庫 (当スレSSは『オリジナル・シチュエーションの部屋その3』に)
 ttp://sslibrary.gozaru.jp/
猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)
 ttp://www9.atwiki.jp/nekomimi-mirror/
猫耳少女と召使いの物語 避難所その5 (JbbsLivedoor エロパロ板SS投下専用掲示板 内)
※運営設定関連はこちらへ。
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1234571142/l50



【関連サイト】
猫耳少女と召使いの物語 まとめwiki (各作の人物紹介・世界観設定その他)
 ttp://nekopri.s12.dxbeat.com/
猫耳少女と召使いの物語 半公式ファンサイト (世界観まとめサイト)
 ttp://www.geocities.co.jp/Milano-Killer/9811/world.html
猫耳少女と召使いの物語 絵板 
 ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/bbsnote2/bbsnote.cgi
うpろだ
 ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/clip.cgi




【前スレ】
猫耳少女と召使いの物語17
 ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254930639/l50


これより前のスレはwiki保管庫参照





このスレッドを御覧のヒト召使い予備軍の皆様、このスレッドはこちらの世界との境界が、
薄くなっている場所に立てられていますので、閲覧の際には充分ご注意ください。
もしかしたら、ご主人様達の明日の御相手は、あなたかもしれませんよ?
6名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 09:51:12.54 ID:lypVuFZv
以上でテンプレおしまい

テンプレ直してもらってたようで、>>1をちょっと間違えちゃいました
次スレでは注意
7名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 10:34:24.37 ID:mqy/W6wK
>>1乙!
さて、新スレ盛り上げていこうな!
8名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 13:15:18.74 ID:9nvt4m6/
>>1乙!
9名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 15:55:57.24 ID:BCKNH/Si
>>1 乙です
10名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 18:48:49.94 ID:W30BqjAB
>>1
11名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 18:54:23.29 ID:jWZ0hMdL
>>1乙!
12名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 22:54:21.63 ID:4G5rx6u6
>>1
新スレおめ
13名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 00:19:31.19 ID:PNqPMiED
>>1
なんか前スレ、最後の最後に色々あったのな…
俺としちゃ存続してくれて嬉しい

一応地道に書いてはいるんでそのうち投下出来たら、とは思ってる。賑やかしになればいいが…
いつになるかはわからんけども
14名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 00:28:56.40 ID:hTvQVq/X
>>1
続いてよかったー

さあ三連休のうちに投稿するぞおと自分を追い込んでみる。
15名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 00:46:12.63 ID:Wz7tIhXG
あ、じゃあ>>1>>1乙してるだけなのもアレだからちょっとした質問
前スレの最後で一瞬上がったやつ、純粋な読み専ってどれくらいいるの?

俺はいちおう作者、だけどもそこまで一生懸命は作者してない作者
16名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 02:17:10.55 ID:qRY6H1lu
読み専です。
いつも皆様の作品を楽しく読ませて頂いてます。
17名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 16:08:33.90 ID:GZ1OI8gm
>>15
とりあえず読み専自己申告。
でも、そんなこと聞いてもなんにもならんと思うんだが…
書き込む気がなくて読んでる人だっているだろう
スレに参加しやすいのが、書き手兼読み手になるのは当たり前じゃないかね

投下までまったり雑談でもしてたらいいんでない?
18名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 17:23:15.03 ID:c/W969AC
そのまったり雑談がまったくないから新スレいらないの流れになったのを忘れたか

最近新種族多いっぽい?
シカはわりと概形見えてるけどワニが全然見えないからちょっと気になるなあ、と言ってみる
19名無しさん@ピンキー:2011/09/19(月) 01:51:34.05 ID:EdP9kDmq
まあ、エロパロスレで会話が続かないのは何処もおなじだしなー
20規制狐:2011/09/19(月) 15:44:35.92 ID:+R725Mgc
いつの間に新スレ…ボスが近くにいるぞ!
いやまあ忙しくて全然来れなかっただけなんですけどね。


あまりにも暑いので作者の脳が沸いた話

「…あづい」
「うるさい黙れ。余計暑くなる」

 縁側でこれ以上ないほどだらりと延びている朱風が力無い唸り声を上げている。
 そこまで木板に全身で密着していれば、少なくともこっちに比べれば涼しいはずだが。

「嘘つけ。そんな涼しげな顔をしよってからに」
「嘘などついていない。暑いものは暑い」

 そう。暑い。
 ただ、その暑さを無視する事が出来るだけだ。
 大概の不快な環境は意図的に無視する事で、ある程度は対処出来る。
 不快どまりでいるうちは、だが。
 さすがに実害があるのであれば何らかの対処はするが、今はとりあえず無視出来るレベルの暑さだ。
 それが朱風に適用できる基準かどうかは知った事ではないが。
 そんなどうでもいい遣り取りをしていると

「ぬうう…くんくんくん!」
「な」

 突然起き上がった朱風が首筋の辺りに顔を寄せ、そして激しく鼻を鳴らして嗅いできた。
21規制狐:2011/09/19(月) 15:47:31.42 ID:+R725Mgc
(…変態か?)

 世の中にはなんでも他者の臭いに執着する特殊性癖の持ち主がいるらしい。
 朱風はこれまでそんな素振りを見せた事はないが、かと言って新たに目覚めた可能性が存在しないわけでもない。

「確かに、結構な汗の匂いがしよるのう」
「やめろ、はしたない」
「ぬ…確かに。いかん、暑さで頭が沸いとるようじゃ」

 へらへらとした力の入らない笑いを見せてきた。
 どうやら本当に暑さにやられているようだ。
 いつもより奇行が目立つのもそのせいか。
 これ以上おかしくなる前に対処させるべきだろう。

「水風呂にでも入って来い」
「むう。そうするかのう。よっこいしょ…はれ? わっ、とと」
「朱風?」

 悲鳴というか、戸惑ったような声が聞こえたので思わず振り向くと、立ち上がった朱風がよろけていた。
 危なっかしい、と思っていると足を引っ掛けたのか転びそうになっている。

(面倒臭い…)

 とは思ったものの、さすがに目の前で転んだ挙句、打ち所が悪くて死なれるのも困る。
 仕方ないので咄嗟に飛び込んだ。
22規制狐:2011/09/19(月) 15:50:16.51 ID:+R725Mgc
 タイミングと角度の問題から仰向けに滑り込み、朱風を抱き止める形となる。

 小さい。柔らかい。ここまではいつもの事として、今日の朱風は普段より少々熱い。
 あともう一つ言えるとすれば滑り込んだせいで背中側が摩擦で熱い。
 傍迷惑な。

「…まったく。何をしている」
「い、いや、立ち眩みで足がもつれて…」

 熱中症か。
 まあ、あの毛に覆われた耳やら尻尾やらを見るとさもありなん、とは思うが。
 特に耳。頭部の放熱には甚だ不利だと思われる。
 尻尾は…俺には無い部位なので分からないが、あの毛の量だとかなり熱が篭りそうだが、どちらかと言うと表面積の増加により放熱には有利だろう。
 もっとも頭部の温度を下げられないのでは意味はないだろうが。
 そんな考察をしていると、朱風は何故かいつまでたっても動こうとはせず、それどころか体を摺り寄せてくる。
 挙句に

「…嗅いでも、いいんじゃぞ?」

 などと戯言を抜かし始めた。
 熱中症。それも一刻も早い対処が必要らしい。
 なので

「……」
「のわっ、ちょ、昼間っからはさすがに恥ずかし…ってそっち寝室じゃなくて池…っ!」

 どぼん
23名無しさん@ピンキー:2011/09/19(月) 17:37:37.35 ID:wX7qxbhw
朱風さん そろそろその朴念仁諦めたほうが良いよw
24名無しさん@ピンキー:2011/09/19(月) 20:07:07.24 ID:E75jJKn6
朱風さんの尻尾はさぞ暑苦しかろうが……
面倒くさいといいつつ摩擦熱、実は必死じゃねえかww

ああ暑苦しい暑苦しい。
25名無しさん@ピンキー:2011/09/19(月) 23:52:12.41 ID:OacEoWBJ
なんだかんだ言いつつ実はラブい奴らだから
クリスマスもバレンタインもドタバタだがやる事はキッチリやってるしな

爆発しろ
26名無しさん@ピンキー:2011/09/21(水) 20:35:01.65 ID:9cuMabMh
>>18
ワニって獰猛なイメージだけど、タイのショーでのなすがままの姿とか、
河の中に並んであーんと口を開けて魚が飛び込むのを待ってる姿は結構和む。

熱帯雨林の川沿いでのんびりまったりな裸族のイメージがあるんだが、
そんなこと思ってるとギュスターヴさんに噛み付かれるだろうか。
27名無しさん@ピンキー:2011/09/22(木) 21:08:38.29 ID:go8YkaZT
>>26を読んで、何故か無数のピラニア娘に襲われてるギュスターヴさんを連想した
28名無しさん@ピンキー:2011/09/22(木) 22:34:46.99 ID:nZ+h0yBW
なにそれうらやまけしからん
29名無しさん@ピンキー:2011/09/23(金) 17:17:40.13 ID:s6rUAH+G
ピラニア娘……
ピラニア娘……
ピラニア小娘……ハァハァ

無数のピラニアろりっ娘……

だめだ、疲れてるらしい。しっかりしろ>俺
30名無しさん@ピンキー:2011/09/23(金) 17:44:46.98 ID:NzlquuSz
川べりを行く獲物に集団で襲い掛かり一斉に追い剥ぎしていく水棲系野党集団
と解釈すると実に色気の無い話になってしまった
31名無しさん@ピンキー:2011/09/23(金) 18:15:50.07 ID:s6rUAH+G
 補完してみた

>川べりを行く獲物(男性)に集団で襲い掛かり、一斉に(子胤を)追い剥ぎしていく水棲系(アマゾネス型)野党集団

 ハァハァ
32名無しさん@ピンキー:2011/09/23(金) 23:55:14.02 ID:4bZx6okT
このスレの肉食系女子の場合は、そのまんまの意味のケースが多いからなぁw
33名無しさん@ピンキー:2011/09/24(土) 01:27:09.01 ID:Bv0+qUYA
>>31
皆誤解してはいけない。ピラニアは本来大人しい魚なんだ。

ピラニアの特徴byウィキペディア
概して臆病な性質であり、特に単体での性格は極端に臆病であるため群れることを好む。
自分より大きく動くものに対しては、すぐ逃げ出す傾向がある。

ただし、血の匂いなどで興奮している場合はこの限りではない。

さあ、この性質を正しく解釈してみようか。
34規制狐:2011/09/24(土) 11:36:14.27 ID:3xLWZFPs
 水音が聞こえました。
 そう言えばそろそろ御主人様が帰って来る時間です。
 出迎えようと扉の鍵を開けると…

「どーん!」
「げふぅっ」

 まるで黒い砲弾のような人影が扉をふっ飛ばしながら僕の腹部に直撃しました。
 吹っ飛ばされて一緒に床を転がります。
 ある程度予測していたとは言え、まさか扉ごと吹き飛ばされるとは予想外です。

「ありゃ、どしたのミッチー?」
「ごふ…御主人様、その体当たりはきっついです。いやマジで…」
「えー」

 腰の辺りに抱きついてこっちを覗き込んでいる女の子の名前はエルエさん。
 なんでもカジキだそうです。
 確かに二の腕や背中に生えている触るとスパッと行きそうなヒレとか、長く伸ばしていてもまったく撥ねずに流線型を保っている髪の毛とか、
 見た目からしてすごく速そうですが陸上だとその身長に見合った速度しか出せません。
 雌にはありませんが雄には角(ヒト世界だと確か顎だか歯だったはずだが、こっちだと角らしい)が生えているそうです。
 しかも種族的に先程のように頭から突っ込む癖があるそうで。
 御主人様が幼女で本当に良かった。
35規制狐:2011/09/24(土) 11:38:01.02 ID:3xLWZFPs
 いや、変な意味でなくてね?
 こう、角が無いのももちろんだけれど、速度的にも体重的にも小さい方が安全ですから。
 僕はロリコンではありません。ロリコンではありません。大事な事なので二回言いました。

「ミッチー」
「なんですか?」
「えへへー」

 抱きついたまま頭をぐりぐりと押し付けてきます。
 拾われた時から何故か全力で懐かれていて、よくこういう風に抱きついてくるのですが…

 ああもう可愛いなあ!

 辛抱たまらず、押し付けてきた頭を逆にぐりぐりと撫で回します。

「きゃあー♪」

 楽しげに笑いながらますます強く抱きついてくる御主人様。
 さきほど激突した腹部を圧迫されているので実は結構痛いのですが我慢します。
 いやだって可愛いし。ほらほら、この笑顔、これを見るためならコレぐらいの痛みなんてすぐ吹っ飛びますよ。
 と思いつつもそろそろ限界なんですが痛い痛いいたたたた。



発作的に魚を書いてみた。
そして思った。

また幼女かよ!

続きは無いw
36名無しさん@ピンキー:2011/09/24(土) 12:39:28.56 ID:sxcBw6ca
         / ̄ ̄ ̄フ\               _       ノ^)
       // ̄フ /   \            .//\     ./ /
      //  ∠/  ___\___  __//   \   / (___
    // ̄ ̄ ̄フ /_ .//_  //_  /      \./ (_(__)
   // ̄フ / ̄////////////         |  (_(__)
 /∠_/./ ./∠///∠///∠//      ∧ ∧ /) (_(__)
∠___,,,__/ .∠__/∠__/∠__/       (´ー` ( ( (_(___)
\    \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \  _   /⌒ `´  人___ソ
  \    \ \フ / ̄\ \ .//\  //\ / 人 l  彡ノ     \
   \ _  \//___\/∠_  //   < Y ヽ ヽ (.       \
    //\///_  //_  ///     人├'"    ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   //  //.////////∠/      ヽ-i ヽ__  ヽ
 /∠_//./∠///∠// .\\       `リノ ヽ |\  ヽ
∠____/.∠__/∠__/∠フ\.\\      c;_,;....ノ ヾノヽ__ノ
37名無しさん@ピンキー:2011/09/24(土) 16:58:49.27 ID:Bv0+qUYA
まさかカジキとは。だがかわええ! GJ!!
38名無しさん@ピンキー:2011/09/27(火) 09:21:27.07 ID:Nk2y3WIG
ウォルターさん頑張れ。いろんな意味ですごく頑張れ。
39名無しさん@ピンキー:2011/09/27(火) 22:11:46.17 ID:eKIjd4YN
カジキ幼女…だと…
40名無しさん@ピンキー:2011/09/29(木) 16:04:00.98 ID:S+bzf3hP
カジキ

変温動物の癖に筋肉が冷えて固まらないように熱交換器官を持っていたり
高速航行時には背鰭や尾鰭が格納できるようになっていたり
逆に減速時は格納していた鰭を再展開してあたかもエアブレーキのように使えたり
尾鰭付近には横方向への『水平翼』となる部分が存在して水中揚力の確保と直進安定性の向上が行われていたり

何この超音速戦闘機? な数々の特徴を持つ、魚類の中でも最速クラスのスプリンター
水中にも関わらず時速100km/hとかいうとんでもない数字を叩き出す種類もいる
どれぐらいの速度かと言えば25mプールを1秒で泳ぎ切る、と言えば伝わるか

とりあえず言える事はエルエたん可愛いって事だ
41名無しさん@ピンキー:2011/09/30(金) 15:35:45.17 ID:/sPu9dPr
冗談かと思ったらwiki見て大いに吹いたww
42ついんている:2011/10/01(土) 18:20:54.30 ID:Wn2C2JWh
どーんにテラ萌えた。
そして規制狐さんの書く二人が本家より可愛くて生きてるのが辛い。

よろしい、ならばカジキ祭りだ。



遠くから近づいてきた怪獣の鳴き声のような水音が、唐突に弾けて消えた。
 今日も時間ぴったり。
 ドアを開けると思ったとおり、夕日を浴びてキラキラと輝く水滴を纏ったごしゅじんが笑顔で翔んでいる。

「おかえりごしゅじーん!」

 私はご主人を迎える様に両手を広げて、

「ぉーぅ、ぃまかえったぞぉぉおおお!!」

 1,2の3で全速力でその場に伏せた。


 どおぉぉぉぉぉおん!!


 背中の上を突風が通り過ぎてドアが粉々に吹き飛ぶ音がした。
 初めてコレやられた時は泣くほどびびったけど、今はもう慣れた。慣れって大事。

「お前、なんでいつも俺様を避けるんだ!」
「なんでって言われてもぉ」
 
 私のごしゅじん、マザラさんはカジキだ。職業は猟師。
 腕や背中のヒレは迂闊に触って手を切らないように注意しなくちゃならないし、
 男の癖に私より綺麗な流線を描くロングヘアーは許しがたい。
 何よりそのご立派な角で隙あらば突き殺そうとしてくるのはどうかと思う。
 全力突進はカジキの愛情表現だそうだけど、愛が重すぎる。受け止めきれない。
 土間に逆さまに突き刺さったまま憤慨するごしゅじんをえいこらしょと引っこ抜く。

「今日こそは受け止めてくれると思ったのに……ユーミは俺様が嫌いなのか!?」
「そんなことないよー? スキスキ大好きちょうあいしてるっ」
「そ、そうか? ふふふん、そうかそうかぁ、って今日という今日は騙されねぇ!!」
「ちぇー」

 っていうか、こんな手で何回も騙された単純さを恥じてほしい。

「いーじゃん、許してぇ。今夜もサービスするからぁ」
 
 しなだれかかって耳元で囁くとたちまちごしゅじんの鼻の下が伸びた。
 こんな手で毎回誤魔化される簡単さを恥じてほしい。
 カジキっていうか、男っていうか、ごしゅじんって馬鹿ね。
 こんなごしゅじんだけど、一応ちゃんと愛しのご主人様なのだ。ホントだよ?

43ついんている:2011/10/01(土) 18:21:57.20 ID:Wn2C2JWh
◇◇◇

 どーでもいいけど、私は約束を守る女だ。
 目の前の、角と同じくらい立派なごしゅじんに指と舌で今夜も丁寧にサービスサービス。

「んっ、ちゅっ、……はむっ、ちゅ、くぷっ……」

 塩味だけじゃない独特のしょっぱさが海の味ってカンジ。
 裏の筋に舌を這わせると、ときどきぴくって揺れるのが面白い。

「ユーミ、っ、もういいだろ」
「えー、まだだぁめー」

 お尻の向こうでごしゅじんの切羽詰った声が上がった。
 あ、またぴくってした。可愛いー。

「ごしゅじん、おっきくて、んちゅっ、らんぼうだから、んむっ、ちゃんと濡らさないと、はむっ」

 ごしゅじんが逃げようとするから、先っぽを食べちゃう。
 口の中をみっしりと埋める質感がいつも私の中に入ってると思うと、不思議な気分になる。
 固いのに柔らかさもある肉の食感に軽く歯を当てると、ごしゅじんが後ろで変な声を出した。
 齧ってみたいなあ。やらないけど。

「んんっ」

 不意にごしゅじんの舌が私の中に入ってきて、腰が跳ねた。
 ごしゅじんを本当に噛んじゃったら悪いから、またアイスを舐めるみたいな舐め方に変える。
 いつも思うんだけど、突き刺して抉ってとにかく奥を攻めようとするのはカジキだからなのかな。ごしゅじんだからなのかな。
 じゅるるるっと音を立てて吸われて、また腰が跳ねた。
 お礼に幹の真ん中辺りにちゅーしてあげる。

「あんまり俺様で遊んでんじゃねえぞ、おら」
「遊んでないよ? 愛でてるの」

 ころんと転がされて、ごしゅじんが上になった。
 もう終わりか、ちぇー。
 
「泣かせるぞテメエ」
「うん、がんばって?」

 今度は顔にちゅーしてあげた。
 一気に突き刺さってくるごしゅじんは、やっぱりきっとカジキだからだ。
 初めての時は痛かったけど、今はおなかの奥にずんってくるのがたまらない。
 慣れって大事。ごしゅじんといると本当そう思う。

「んにゃっ、まってごしゅじん、おねが、もっとゆっくりぃ! んにゃあん! そこだめぇっ!」
「うるせえ黙って泣いてろ!」

 ごんごん突いて宣言どおりいっぱい気持ちよく泣かせてくれるごしゅじん。
 だから好きだ。ご主人が泣かせてくれるから、私は自分で泣かなくても良くなった。
 慣れって大事。好き好き大好き超愛してる。ホントだよ?

「んにゃあぁっ! ごしゅじん、いっちゃう! いっちゃうよぉっ!」
「ぐぅっ、ユーミ、俺様もっ」
「だめぇっ! がんばって、もうちょっとだからぁっ」
 
 だけど早いのはどうにかして欲しいなぁ。
 ちゃんとイかせてくれたからいいけど、毎晩ハラハラだよ。もう。

44ついんている:2011/10/01(土) 18:22:57.46 ID:Wn2C2JWh
◇◇◇  
  
「で、ユーミはいつになったら俺様を受け止めてくれるんだ」
「えー」

 今日のごしゅじんはしつこかった。いい加減不満が溜まっていたみたいだ。
 ごしゅじんの気持ちは例えて言えばハグしようとすると必ず彼女に逃げられちゃう彼氏の心境なわけで、
 すっごく面白くないって言うのは分からないでもない。

「大体なんでいっつも避けるんだ! 毎日出迎えてくれるのに、あとちょっとという所で! 生殺しじゃねえか!」
「なんでって言われてもぉ」

 受け止めたら多分死んじゃうからなんだけど。
 でも仮にも愛情表現を全否定するのも悪くって言い出しにくい。

「どうしたら受け止めてくれるんだお前は!?」
「うーん、ごしゅじんが幼女だったら?」
「え、なにそのプレイ。俺様こわい」

 向こう岸のエルエちゃんくらいだったら喜んで抱き止めて頬ずりするのに。
 てててーって駆けてきて「どーん!」って超可愛い。向こうの彼が羨ましい。
 ところで、親兄弟でもない異性への突進がカジキのあいらぶゆー的なアレで、
 受け止めたらみーとぅー的なソレだって、ちゃんと知ってるのかな。あのロリコン。
 まあエルエちゃんくらいだったらそんなに関係ないんだろうけど、それにつけても羨ましい。いつか裁かれればいいと思う。
  
「大丈夫ごしゅじん、ちゃんとごしゅじんのこと好きだよっ。スキスキ大好きちょうあいしてるっ」
「うおお納得いかねえー!!」
 
 カジキの女の子でもただじゃ済まないと思うんだけどなあ。こういう時どうしてるんだろう。
 鎧とかその辺に落ちてないかなあ。

45ついんている:2011/10/01(土) 18:46:22.33 ID:Wn2C2JWh
おしまい。

投稿してみればエルエたんの可愛さを欲望で汚した気もいたします。
ごめんなさい、だって私はエロい女の子が大好きなんだ。
46名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:46:28.78 ID:lDgu+Ofa
>>カジキ二本
新スレ早々、素晴らしく萌える完全新作が連続で投下されるとは。
満足するしかねぇ!
エルエたんは可愛いし、マザラは・・・まあ頑張れw
47名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 23:28:08.38 ID:2oHyKr61
カジキ2本目…だと…


GJとしか言いようがない
48名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 18:20:47.67 ID:ZEDkJwB7
カジキいいなあ
続き読みたいなぁ(チラッ

ユキカさんの傷は根が深いね
そして自分の事はヘタレな癖に他人を弄る時はイキイキしてる朱風さんマジ雌狐可愛いw
49名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 19:43:05.42 ID:y8tiwBkZ
ウマとゾウってまだ出てなかったっけ
50ついんている:2011/10/03(月) 22:42:16.65 ID:SGorQugS
メインではなかったと思うよ。
アトシャーマの音楽隊とか、カレー屋やってるガネーシャさんとかで
ちょっと出てくるくらいかな?
51名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 23:02:14.78 ID:SGorQugS
↑ なぜこんな所で自己主張した自分……。
アレです最近おかしいんですよ。SS書き始めると脳のメモリが足りなくなるんですよ。
削除キーとか設定し忘れちゃうんですよ。
職場の上司を危うく旦那様とか呼びかけちゃうんですよ。
誰か助けてぷりーず救いあれかし!

……失礼、取り乱しました。
ウマとゾウで自分が知っているのは上記だけです。
書いてくれたら喜んで読むだよ!



52名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 00:23:29.89 ID:qR2jZdGT
うああああああ書けたあああああああ書けて良かったよおおおおおおおお!

……ええっと、遅ればせながら、新スレおめでとうございます、ご主人様方。
もっときりきり、きりきり働きますのぞなにとぞどうかお許しください……!
というわけで、シー・ユー・レイター・アリゲイター、第五話です↓
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/352.txt

>>18
取り急ぎまとめてまいります
けれども正直>>26がだいたいあっております
53名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 00:49:49.52 ID:FdAtCZdc
うへへ なんだろうこの読後感
甘くないのにあまやかで素晴らしい

インナホワイル クロコダイル!
54名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 13:18:57.73 ID:dTbGzJ/3
そういえば、ユカりんも旦那にマッサージされた事あったが、なんでこんなに温度差があるんだろう。
いいなーギュスターヴさん
55名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 22:54:59.78 ID:QQYcx4Gs
待ってました!
いいなぁこの二人の関係。
すさんだ心が癒されるよ。
リラクゼーション機能完備とかアマネさんまじ一流すぎる。
56名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 00:56:23.06 ID:Rka45BKQ
>>54
片や自称一流メイド少女(時々猫耳オプション)のハンドマッサージ
片や押し倒したくてたまらないガチムチ軍人♂の軍式整体術
その戦力差は歴然
57名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 07:42:48.55 ID:f/5gPgO3
うしっ!
今日の昼飯はサンドイッチでワニの気分を味わう事にしよう!
58にわにわに:2011/10/06(木) 00:26:08.81 ID:MB81Kt7G
わざわざ本スレで言うのもどうかと思ったのですが、希望された方がいましたのでいちおう
設定資料をまとめてろだに上げておきました。ワニ種族と登場人物についてちょっと
個人的にはこんなん、という程度なので適当に想像で補完・修正お願いします
59名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 01:05:29.36 ID:9r2Od/RW
毎度毎度アマネの飯がうまそうでこの時間に読んでちょっと後悔した
60名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 19:38:59.49 ID:Xdl7nLof
わーい。
設定資料だけでご飯が美味しいです
61名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:19:41.76 ID:8DCi8ziT
便乗犯です勢いだけです↓



 俺のご主人サマはカジキなんだそうです。

「あの、非常に申し上げにくいのですが、ご主人サマ、どうしてあなたはそんなことなさっているのです?
 もちろん『そんなこと』とは今あなたが一生懸命やっている、俺を岩肌に縛り付ける行為のことを指してます。
 確かに俺はご主人サマのペットですけど、こんな縛られるほど悪いことをした覚えは皆目ありません。
 ああわが愛しの君、イリアサマ。あなたサマは本当にお美しくいらっしゃいます。
 超ロングなのに流れるように、文字通り流線型で艶やかな髪、切れ長だけどもぱっちり開いた紺色の瞳、
 痩せているのに出るところは出てむちむちぼいんなわがままボディ、どこをとっても完璧と言ってしかるべきかと思われます。
 それに対して俺は元々、つまり落ちる前は平々凡々な庶民の出、海外出張の両親を除く義理の妹と二人暮らし、
 時々隣家より窓伝いに不法侵入してくる面倒な幼馴染と引っ込み思案な部活の後輩、
 たまにお手伝いさせていただいてる生徒会の会長さんやら担任のアラサー独身女教師やらに囲まれている程度で、
 それ以外は成績も中の下、顔だって贔屓目に見て中の中、大した趣味も取り柄もなく、
 何が言いたいかと言いますと、スーパービューティーなご主人サマサマとは釣り合うはずもありません。
 それなのにこうやってこの世界で生きていけるのもご主人サマが俺なんかを重宝してくださるおかげですけれども、
 それでも、それでも、いくらなんでも俺が寝てる間に岩に縛り付けるのは酷いと思うんですよ」

「説明ありがとう」

「いいっすね、そういう言葉少なのクールなところとかぐっときちゃいますよ。
 なので解放してくださるとうれしいんですがね、ついでに介抱してくれちゃったりするともっと嬉しいんですがね。
 絵にかいたようなクールビューティのご主人サマに縛られちゃうなんて、
 気を抜いたらいろいろビンビングになりそうではありますが、
 そうなんですよ、それなりに興奮しそうなんですよ。ていうかわりと興奮してるんですよ。
 ご主人サマお綺麗ですから、本当はいろいろ踏んづけたりなんやらされたい、とは俺も思ってるんですよ。
 そのスーパーセクシーなおみ足でコキコキとか、ウィズ網タイツおみ足でコキコキとか、グニグニ踏みつけられたりされると、
 恋する奴隷は嬉しくて、ご主人サマを想うとすぐ射精しちゃうんですよ。
 そんな俺ですが、さすがに寝てる間に岩に縛り付けられている、
 とかいうシチュエーションじゃいまひとつ萎え萎えしちゃいますね。萎え萎え萎え萎え。
 しかもよりによっておれのこと寝かしたのだって、というか殴り飛ばして昏倒させたのもご主人サマじゃないですが。
 それじゃ勃つもんも勃たない、って感じですね。むしろこの勃起をどうリビドーさせればいいのか当てもなく放蕩ですね。
 そもそもご主人サマ、こういっちゃなんですがマゾじゃないですか。
 こないだだって『下剋上してもいいよ』なんて言っちゃって、俺の」

「変なこと言わないで」

「俺の首輪をご自身に着けて鎖でつながせるなんて、びっくらこいちゃいましたよ。
 ずっこんばっこん後ろから突いてるときだって『つねって、つねって』ってお願いしてくるじゃないですか。
 挿入中につねるのってアリ? とは疑問ですけど、おしりのとこつねるとものすごく良い声で鳴いてくれちゃいますから、
 そりゃあ俺はご主人様の奴隷ですから反対するなんて選択肢ありやしませんよね!」
62名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:21:39.77 ID:8DCi8ziT
「それ以上変なこと言うと、つねるよ」

「わお! ご褒美きたこれ!
 とにかく、俺は今の状況が理解できなくて混乱してるんです。落ちてきたあの日の方がよっぽど現実を把握してましたね。
 おれは少なからずご主人サマのペットで、生殺与奪の権利も握られてて、
 縛ろうが踏もうがつねらせようが上にまたがろうが、あるいは飼うも捨てるも売るもどうするもご主人サマ次第です。
 次第です。それはごもっともです。ごもっともなんです。
 なんですけれども、俺は不安で不安で胸がいっぱいで今にもイっちゃいそうなんです。
 この意味もわからず縛られてどうされるのかもわからなくて、しかもその相手が大好きなご主人サマで、
 これから先に待つであろう千辛万苦を思うと絶望感が胸が苦しくって、そのままその絶望感は精子になって排出されそうなんです。
 だから、どうかご主人サマ。
 俺はこのまま甘美な絶望に浸っていていいのか、その美しくも恐ろしいヒレの手で救い上げてくださるのか、
 それだけは教えてくださいませんか。
 別にどうされようとご主人サマの勝手ですから、恨んだりするわけもありません。
 ただ、未来が全く見えないお先真っ暗闇なんてのがどうしても怖いのです。
 ただただ、ほんのちょっとだけ、その先に待つのが絶望だとしても、光明を差して行く末を見せてほしいのです」

「マサオミ」

「はい、なんでしょうご主人サマ。
 親からもらったこの名前、ご主人サマの透き通るソプラノで呼ばれるだけでも、
 奴隷は前立腺を握りしめられたような快感を覚えます」

「マサオミのためだからね」

「すみません、とうとうご主人サマを俺の理解の範疇から遠く離れてしまったようで、
 ご主人サマのジェット泳法には俺の犬かきでは到底ついていけません」

「マサオミ」

「はい、なんでしょうか、その高貴なお名前をお呼びすることすら憚られるイリアサマ」

「わたしのこと受け止めてくれないでしょ」

「ああ、あの『どーん☆』ってやつですか。
 当然です。あのすさまじい勢いで突撃されてしまったらもう、逝ってイって逝ってイって逝ってイって逝ってイって逝って、
 黒くて白くて黒くて白くて黒くて白くて黒くて白くて黒くて白いものなーあにっ、答えは階段から転がり落ちるペンギンっ!
 ってなっちゃいますもの。
 硬くて柔らかくて硬くて柔らかくて硬くて柔らかくて硬くて柔らかいものなーあにっ、答えはご主人サマのおっぱいっ!
 並びの浜のエルエちゃんくらいならかわいいものです。
 俺的には少し臨死体験が足りないところですのでもうちょっと強い衝撃が欲しいところですが、
 さすがに向こう側のマザラさんレベルまで行くと、三秒せずとも上半身と下半身とがマトリョーシカする羽目になります。
 ユーミさんとかなんであれ避けられるのか全くわかりませんね。動体視力良すぎでしょうよ!
 あの人マトリックスできるんじゃないですか? 銃弾全弾ひょいひょいかわしたりヨユーのよっちゃんですよね!
 卓球選手かなんかだったんですかね。いや、卓球選手がみんなマトリックスってわけじゃないですけどね」

「だから考えたの」
63名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:23:47.12 ID:8DCi8ziT
「ああご主人サマ、この腐れ奴隷めは今ものすごく嫌な予感がプンプンしております。
 下の方はビンビンしております」

「まっすぐぶつかると、身体が『く』の字になっちゃうじゃない」

「なっちゃいますね」

「ぐえっ、てなって苦しいでしょ」

「ぐえっ、ていうかイグッ、って感じですかね」

「じゃあ、『く』の字にならなかったら苦しくないよね」

「ああご主人サマ、あなたまさか、」

「裏打ち、すれば大丈夫だよね」

「きた――――――――! ご主人サマのアホの子きた――――――――!
 ねえねえご主人サマ、ご主人サマはいかにもクールビューティなのにどうしてそんなにアホの子なんです!?
 クールといえば知的、知的といえばクール、そこは外しちゃだめでしょうよ!
 いや、だめとは言いませんね、いつの時代もギャップ萌えというものは最高ですとも!
 ですがそれは呆然と他人のを眺める場合に限りますね!
 わが身ともなれば、危険が危なすぎて危なすぎて危うく険しい危険が危ないことになるんですよ!
 ああ、危険が危うく険しすぎて今にも俺はぴゅっぴゅしそうですよ!」

「こうやって、岩にくっつければ、『く』の字にならない」

「ご主人サマご主人サマイリアサマ、どうしてまな板の上の鯉は包丁で切れるかご存知ですか?
 それはね、また板があるからなのですよ!
 また板も置かずに宙ぶらりんの鯉はいくら包丁で切り付けようとものらりくらりと切れませんよね!
 おれはまた板とは真逆のたわわなご主人サマをオカズにしたいですけどね!」

「できた」

「死刑宣告! 死刑執行、その名も『アホの子』!」

「マサオミ」

「なんでしょう! 今俺は上の目からも下の目からも涙がだらだら止まらないんですけど!
 しょっぱい! カウパーしょっぱい!」

「……大好き」

 そういってご主人サマはささやかに微笑んで、助走をつけます。



「どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」



 流れる走馬灯。映し出されたのはご主人サマとの出会いの記憶。


64名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:25:47.37 ID:8DCi8ziT
「――――ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――」


 あの日、俺が『落ちて』きたのは大海原のど真ん中。
 ばしゃんと盛大に水を跳ね上げて、俺は海へと落っこちたのです。

 何が起きたのやらさっぱりわからぬ俺はただもがくばかりでした。
 学生服が海水を吸い込んで、どんどん深みへ沈んでいきます。
 さっきまで陸上にいたはずの俺がなぜ今溺れているのかさっぱりわからなくて、
 がぼがぼ口から空気が漏れて、手も足もろくに動かず水を掻くこともほとんどなく。
 死ぬ、と思いました。

 そこで、ご主人サマと出会いました


「――――ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――」


 水中をものすごいスピードで何かが横切り、横切ったと思えば俺はそいつに抱えられていました。
 長い髪。流れるように水に揺蕩う長い髪。
 白い肌。青く澄んだ海水に染まる白い肌。
 そして横顔。凛と引き締まった美しい顔。切れ長の瞳がしっかりと前を見据えていて。
 人魚だと、そう思いました。
 人魚が俺をどこかへ攫っていくのだと、そう思いました。


「――――ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――」


 そして、『人魚』がこちらを向きました。
 息も吐き尽くし意識も朦朧、小さなあぶくすら立てない俺を見て。
 
 小さく、ささやかに微笑みました。
 「わたしが助けてあげる」と呟きました。
 そっと俺の顔に顔を合わせ唇に唇を寄せ、それから――。


「――――ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――」


 そうです、俺は誓ったんです。
 もう絶対にこの人から離れやしないって誓ったんです。ヒトメボレだったんです。

 それなのに、なんというザマか。
 せっかくご主人サマが俺を好きだと言ってくれて、こうやって示してもくれているのに、
 逃げるだなんて、何を考えているんだ俺は。 
 ここで。受け止めてやらなきゃ。


「男が廃るだろうがあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――!!」


 ああそれでも、それでも神様、仏様。
 もしも俺に来世があって、その来世でもしご主人サマとまた出逢えるのならば――。


「――――――――――――ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん☆」


 せめて、ご主人サマのおつむをもう少しどうにかしてください……。
65名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:27:19.62 ID:8DCi8ziT
おわりです
エルエたんがかわいすぎてマザラさんが不憫すぎたのが原因だと思うんですけど
とりあえず反省はしてます(裏声)
66名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 00:10:24.26 ID:2K4ZVm4E
つ「笑いすぎると体がくの字になっちゃうでしょう」
 「なっちゃいますね」
とりあえずあれだ、
作者も含めて3人で頭のネジ拾ってこようかwwww
67名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 07:54:04.37 ID:DCtHI7VC
……何が起こったらこんな妙な疾走感が!
68名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 23:00:47.44 ID:wwN/czKF
この後泡噴いて痙攣するマサオミ君を抱いておろおろするイリアたんが見えるww
アリだよねクールアホの子、遠くで見てる分にはね!

マサオミの勝ち組人生を見てるとざまぁwと思わないでもない。
69名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 23:56:56.64 ID:NmUv0oh/
カジキ3本目キタ━━(゚∀゚)━━!!
70名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 22:17:09.66 ID:ZjDWhEfj
ひゃっほーおきつね様が来てるぅ!
大破沈没の予感しかしないお猿さんが素敵
71名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 21:42:54.79 ID:TFESI4g6
なんか新作が読みたいなあ
いっそ自分で投稿したいけど中々書きあがらないし……

そんな私と貴方に贈る企画【短編☆粗製乱造】

今日明日でリクくれれば土日中に書き上げるよ!
ただしクオリティはきっとそこそこだよ!

そんなファーストフード屋が注文を募集します。
抽選一名様にご注文のSSをお届けいたします。


……届けて見せます。やってやれないことはないはずだ。ないと思う。ないといいなあ。


そんな筆者の修行も兼ねたこの企画、ご賛同くださる器の広い方はリクください。
お待ちしてます。
72名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 22:40:12.08 ID:plHIJCCx
えっと、じゃあ、カモノハシで。
73名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 23:01:46.00 ID:7lBS+17X
逆レイプ(ただしヒトがケモノを襲う意味で
74名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 01:27:31.96 ID:4mvB4Io6
ゲゲボフーズ
75名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 19:49:20.79 ID:uwo5reRX
>>71
よろしい、ならばカジキだ。カジキ祭り続行だ。
76名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 00:27:44.70 ID:MUs3UIqu
>>ろだ
わかってるよミッチー、可愛くて可愛くて仕方ないなぁと思う相手がちょっと幼いだけなんだね?







ロリコンめが
77名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 13:36:04.03 ID:r6+1S8LY
ろ、ろ、ロリコンだあああああ!!
78名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 14:32:15.43 ID:ihIAe8SI
お巡りさんこっちです
79名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 16:57:12.37 ID:/YmJDdqo
ミッチー、そんなに否定することないよ。
男はみんなロリコンだっていうじゃないですか?


エルエたんが可愛くて可愛くて仕方がないことは全くの事実ですが。
80養殖ヒトメイドは教科書通りの夢を見るか 前編:2011/10/23(日) 17:04:58.94 ID:/YmJDdqo
 お待たせしましたー
【短編☆粗造乱造】
 カモノハシ×逆レイプ セット  ご注文のお客様ー
 ……ポテトとコーラのみ先にお渡しします。

 今日中に後半上げるよう努力しますのでなにとぞ、なにとぞお待ちを!

81養殖ヒトメイドは教科書通りの夢を見るか 前編:2011/10/23(日) 17:07:25.30 ID:/YmJDdqo
◇◇◇


「あの子が可愛いな。ぼく、あの子にするよ」

 飾り窓の向こうで微笑む円らな瞳。
 水かきのついた手に指差されて、私はこの世界に生まれた。

 
 
 鳥に毛皮を着せて寸詰まりにしたような珍妙な人間が、短い手足を振り回して私を歓迎してくださる。
 くりくりの目を輝かせて、ひらぺったい嘴でがあがあと笑う、私のご主人様。
 カモノハシという種族なのだと後で聞いた。

「カノン、君の名前はカノンだよ! よろしくね!」
「――はい、ご主人様。どうかカノンを愛してくださいね」
 
 満面の笑みで頷くご主人様の額にキスを落とした、はじまりの日。

◇◇◇

【共通科教則第一条、主人を愛して愛して愛するべし】〜とあるヒトメイド養成所教則より〜


 ……そんな風に出会いの時からお可愛らしく、朗らかで、優しかったご主人様は、今こんもりと盛り上がったシーツの下でぷうぷう寝息を立てています。
 思わずシーツの上から抱き締めて撫で繰り回したい衝動に駆られましたが、今朝も鉄の自制心を以って耐え切ることに成功しました。
 私は由緒正しいフロミア産ヒトメイド。主人にそのような無礼を働くわけには参りません。
 粗野で野蛮で物知らずな第一世代なんかとは違うのです。
 緩んだ頬を引き締めて養成所で教わったとおりの微笑みを浮かべ、ご主人様――ヒールス様の耳元に囁きます。

「ご主人様、ヒールス様。気持ちの良い朝ですよ。
 お目覚めになってください」
「……いやだ〜い」

 駄々を捏ねてシーツの奥に潜り込んでしまうヒールス様。
 実年齢を教えてくださらないのですが……まるで子供です。母性本能をくすぐられます。

「ヒールス様」
「カノン〜、まだ眠いんだよぅ……ボクが朝弱いの知ってるだろぉ……」
「存じません。私が知っているのは、テーブルの上でこんがりトーストと熱々チーズオムレツ、淹れたてのミルクコーヒーがヒールス様を今か今かと待ちわびていることだけですわ」
「ん、ん〜……」

 
82養殖ヒトメイドは教科書通りの夢を見るか 前編:2011/10/23(日) 17:08:14.18 ID:/YmJDdqo
 シーツの塊からにゅっと嘴が突き出し、円らな瞳が覗きました。
 胸がきゅんきゅんして困ります。
 特別な訓練を受けた私だからこそ表情を変化させずにいられますが、そうでなければきっとだらしない顔を晒してしまっていたことでしょう。
 ああ、しかし、本当にお可愛らしい……。

「いいこと思いついた。カノン、持ってきて」
「いけません。みっともない」
「こら、ボクはご主人様だぞ」
「ヒールス様を思えばこそ、堕落を後押しするわけにはまいりません」

 平たい嘴が可愛らしく尖ります。
 気がつくと私は膝をついて、そんなヒールス様に軽く口付けをしていました。あ。

「起きてくださいますね? カノンは大好きなご主人様と朝食をご一緒したいのです」
 
 しぱしぱと目を瞬かせましたが、それだけで起き上がるヒールス様。
 安堵して立ち上がろうとした私の腕を水かきのついた手が引き止めて。

「毎朝ありがとね、カノン」
 
 ぺたっと頭を撫でられました。 
 あ、あ、ありがとうだなんてご主人様私こそ毎朝毎朝ご主人様の愛らしい寝姿をじっくりたっぷり観賞させていただいて
 鼻の奥が熱くなるほどの幸せを頂いているというのにそんなもったいないお言葉をかけられてはカノンはカノンはもう辛抱たまりませんご主人様!
 見る見る顔に血が上ってきて、指の先がわきわきと――。

 『メイド科教則第三条のニ、いついかなる時も節度を保ち柔らかな微笑を絶やさざるべし! その身に刻み込めメスヒトども!』

 教官の声が脳内に響き、鼻の下が決壊する寸前で正気に返りました。
 
「――ッ――、光栄です」
 
 ――持つべきものは、厳しい教師です。
83養殖ヒトメイドは教科書通りの夢を見るか 前編:2011/10/23(日) 17:09:16.26 ID:/YmJDdqo
◇◇◇  
【奴隷ども。テメエらは汚れた便器を人間様が使いたがると思うか?】〜とあるヒト調教師の初講義より〜



 朝食を終えた後、ご友人に会われるのだそうなご主人様を見送った私は、寝室でベッドメークに取り掛かっていました。
 替えのシーツを出して、昨夜使った分は朝のうちに洗濯しておかなければならないのですが……。

「はぁ〜……」

 ヒールス様がいらっしゃらないのをいい事に、くしゃくしゃのシーツに上体を投げ出して思い切り落ち込みました。
 原因は、今朝の私の醜態です。

 教本では口付けなんてするべき状況ではありませんでした。

 最後は危うくヒールス様を押し倒すところでした。

 最近の私は、少しおかしい。
 フロミアで最高の訓練を受けた私が、ご主人様をお起こしするだけであんなにも心を乱されてしまうなんて本来はありえないことです。
 メイド科出身者には従順さと表向きの貞淑さが求められるのです。
 少なくとも私は「にっこりおっとり上品お姉さんタイプメイド」として売り出されたのです。
 それが。

 『テメエらは肉便器だ。だからこそ一点の曇り無く! 真っ白く輝く便器であれ!』

 ……教官、私は未熟者です。ヒールス様、変に思わなかったかなあ……

 すん、と鼻をならすと、シーツに染み付いたご主人様の匂いが微かに香りました。
 すん、すん、と続けて吸うと、香りが鼻腔をより深く満たします。淡水と水草と毛皮の匂いが入り混じった、不思議な香り。

「はうぅ……くんくんくん」

 いけません。こんな真似は論外です。
 ご主人様のシーツの匂いを嗅いで悦に浸るなんて、まるで変態みたいじゃないですか。
 主人が望まなければ決して行っていいものではありません。私達は性奴隷ですが変態ではないのです。
 ですが、ですがっ!
84養殖ヒトメイドは教科書通りの夢を見るか 前編:2011/10/23(日) 17:10:00.14 ID:/YmJDdqo
「くんくんくんくん! ご主人様ご主人様ヒールス様! はふぅーん! くんかくんかくんかくんか!」

 止まりません。仕方ないじゃないですか! ぶっちゃけ欲求不満なんですよ!
 ヒールス様ってば見た目と言動どおりにのんきで純真なお方ですから、いまだに私に手を出して下さらないんですよ!
 私達は変態ではないですが性奴隷なので、ハードな行為を日常的に求められることを前提に調教されています。
 生まれてから20年前後、記憶にある限りそういう生活でした。
 それがいきなり全くの、ゼロ! ゼロです! ホルモンバランスだって狂っちゃいますよ!
  
「ヒールス様可愛いヒールス様可愛いヒールス様可愛い! 押し倒したいよういちゃいちゃしたいようぺろぺろしたいよう!
 どんな顔してイクのかなあ! やっぱりあんまり経験ないのかなあ! 色々教えてあげちゃいたいなあ!」

 お恥ずかしい話ですが、自分で慰めることだって、その、ちょっとしかやってません。
 教官からは『やるなら主人に見せ付けろ。シチュエーションを選べ。テメエらにタダでオナる権利なんかねえ!』と教わっています。
 ありがたい教えですが、ヒールス様にそんな姿見せたらきっと引かれてしまうでしょう。そう思うとできません。
 今の姿? 見られたら舌噛んで死にます、私。
 
「ただいまー。カノン、どこー?」
 がちゃ
「ヒールス様、ヒールス様! はふうううん、ふああああん! カノンは、カノンは、ヒールス様をお慕い申し上げておりますうう!」

 ともかく結論として、現在の私には肉体の欲求を発散させる手段が存在しないのです。
 せめてこうして一時ご主人様の香りに包まれて妄想に浸る位しないと到底乗り切れ……乗り切れ……

 はて、扉の影から覗く視線はなんでしょう。果てしなくスーサイドな予感がします。

「………………お帰りなさいませ、ヒールス様」
「………うん……その、忘れ物しちゃって…………ごめんね……?」

 よし、死のう。
 早急に覚悟を固めた私は、扉の影で固まっているご主人様を末期の力で引っ張り込みました。
 ええ、どうせ死ぬのだと思えば、怖い物などあるものですか!
   
85名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 22:06:20.09 ID:r6+1S8LY
なんだこれはけしからんこの淫乱めが!

おいおいポテトとコーラももうなくなっちまったぞ!
早く次はLサイズも添えてさっさと持ってこい!持ってきてくださいお願いします
86名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 01:13:14.19 ID:RrZfUctI
へ、変態だー、変態が居るぞー(全裸待機をしながら

・・おいらもポテ卜とコーラがなくなっちまったい
次はテリヤキダブルチーズバーガーマヨ増量添でお願いします
87名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 02:19:10.43 ID:PHTDB4I5
全裸待機には寒い季節だ…

熱々のココアとアップルパイを所望するッ!もちろんフライドポテトもお代わりだ!Lサイズでな!
88規制されてない狐:2011/10/24(月) 16:10:28.96 ID:xgd+T3Mx
変態だらけだなまったく

寸止め夢落ちセットのお客様ー、いらっしゃいましたらこちらへ引き換え番号札をお持ちくださーい




「げぶふぁっ!」
「あ、よかった。起きた」

 苦しい。
 呼吸が上手く出来ません。
 思わず咳き込むと口から大量の塩っ辛い水が溢れてきました。
 海水です。
 何回か咳き込んでいると、どうやら肺の中に海水が入り込んでいたのだ、という事に気付きます。
 なんとか普通に呼吸が出来るようになり、周りを見渡すと傍に座っている人影が見えました。
 いつもと声が少しだけ違うような気がしましたが…

「エ、エルエ…さん?」
「どうしたの?」
「いやあの、エルエさん、ですか?」
「そうだけど…大丈夫?」

 心配そうに覗き込んでくる、エルエさんの面影のある美少女。
 ヒトで言えば十代中盤から後半でしょうか。
 普段のエルエさんとは十歳ぐらい違います。
 心配そうにこちらを見つめる切れ長の目。
 とおった鼻筋をはじめ、全体的に涼やかな雰囲気。
 スラリと伸びた手足は水に濡れているせいか信じられないほど艶やかです。
 長い髪は小さい頃よりも更に伸び、腰どころか太腿のあたりまで伸びています。
 ヒトで言えば競泳用のものに近い水着を着ており、そのスレンダーな肢体がよく見えました。
 細い腰、しなやかな体つき、胸の辺りは水の抵抗が小さそう…って何を考えていますか自分。

(自分はロリコンじゃない、自分はロリコンじゃない…)

 と必死に頭の中で唱えているうちに思い出してきました。
 簡単に言うと溺れました。
 理由は…まだ思い出せていないのですが、何か大事な訳があってエルエさんに手を繋がれて一緒に泳いでいたのです。
 しかし、やたらテンションの上がったエルエさんに引っ張られて大変な事に。
 一応水流制御の魔法を使っていたそうなのですが、そもそもカジキほど水中航行に適した体ではなかったためか、予想以上の水の抵抗で吹っ飛ば

されました。
 そのまま海底に沈みそうになるところをエルエさんに助けられ、人生二度目の臨死体験となった訳です。
 そのせいか記憶がいくらか吹っ飛び、エルエさんも最近随分と女の子らしくなったなあ、と感嘆しつつ誰か良い人でも出来るのではないかと戦々

恐々している事を忘れていました。
 拾われてからもう10年もたつんですねー…
 何かまだ大事な記憶がすっぽり抜け落ちている気がするんですが、まあしばらくすれば思い出すと思います。

「ねえ、覚えてる?」
「えと…何を、ですか?」
「私、ミッチーが溺れていたから人工呼吸したんだけど」
「うぇい?」

 思わず奇声が。
 人工呼吸とはあれですか、口と口でマウストゥーなんたらー的なアレですか。
 いやカジキ文化での人工呼吸がどんなものかは知らないので一縷の望みをかけつつ記憶を探りますが…
89規制されていない狐:2011/10/24(月) 16:11:31.93 ID:xgd+T3Mx
「覚えてない…みたいです」
「そう」

 何故かエルエさんが肩を落とします。

「セカンドキス、だったんだけどな」
「セ、セカっ…!」

 キス!?
 いやそこはいい。そこはまだいい。人工呼吸だから。人工呼吸だから。大事な事なので二度言いました。
 それよりもセカンド!?
 セカンドって事は二塁という事で、二塁に行くためには一塁を経由する必要があるわけで、一塁と言うことはファーストと言う事でっ

 誰だエルエさんに手を出した奴は!?

「その顔、何か余計な事考えてるでしょ?」
「べ、べべべ別に何もっ」
「嘘」

 頬を抓られました。
 まだ優しいと言える手つきですが、ちょっとだけ痛いです。
 ああ、昔は「どーん!」意外は何をされても全然痛くなかったのになあ、と思うと感慨深い。

「ずうっと見てきたんだよ。何か隠してるかどうかなんてすぐ分かるんだから」

 と詰め寄られます。
 そう言ってもらえるのは感無量です。
 それはもう、大事に大事に育ててきましたから。
 子育ての経験は皆無でしたが、ともかくエルエさんが言う事を素直に聞いてくれるようにしっかりした人間になろうと必死に努力しました。
 おかげでそこらの主婦にそうそう負けないほどの家事スキルが身についていると自負します。

 それはともかく、本気で心配していると言う事が視線からも伝わってきます。
 誤魔化せそうにない雰囲気です。

「その、ファーストキスは、誰が相手だったのかな、って気になりまして…」
「ファーストキス? ミッチーだけど」
「えええええ!?」

 思わぬ事実が。
 待て、ちょっと待て。
 僕はロリコンじゃない。僕はロリコンじゃない。大事な事なので何度も言います。

「覚えてないの? 初めてミッチーと会った時、溺れてたから人工呼吸したんだけど。あれが私のファーストキスだよ」
「小さな頃の話じゃないですか!」
「じゃあさっきのがファーストキスだね」
「いやいやいや、人工呼吸はノーカンです! ノーカン!」

 ちょっと落胆しつつ安心します。
 つまりエルエさんに手を出している不届き者はまだ存在していないという事です。
 しかし。
90規制されていない狐:2011/10/24(月) 16:13:22.83 ID:xgd+T3Mx
「そう。じゃ、しよ」

 頬を抓っていた手が、いつの間にか抓っていた箇所を撫でていました。
 そのまま顔が寄せられてきます。
 瞳が滅茶苦茶綺麗です。まるで海の色をした宝石。
 その目を見ているとまるで催眠術でもかけられたかのように思考が鈍っていきます。

「えっと、何を、でしょう」
「ファーストキス」
「ちょ、うぇ」

 顔が近付いて、思わず瞳を閉じる。
 そして。

「ん…」
「むぐ…」

 唇に、濡れた感触が重なった。
 数秒、お互いに身動きも出来ず、かと言って離れようとも抱き締めようとも思えず、まるで時間が停止したかのように固まります。

「…よく考えたら、一人の人としかしないんならファーストとかセカンドとかサードとかどうでもいい事だよね」
「いいいいやそのあのですね、僕はそのいわゆるロリコンでは無くてですね」
「どうしたの? 変なミッチー」

 エルエさんがくすくすと悪戯っぽく笑います。
 そして。

「…あ、そうだ、結婚したんだしいつまでもミッチーじゃ変だよね」

 結婚? え? 誰が? 誰と?

「ね、もう一度、しよ。ミチタカ…」
「う、あ」

 混乱に比例するかのように早まる鼓動を聞きつつ、エルエさんが少し恥ずかしそうに頬を染めながら顔を寄せてきて…
91規制されていない狐:2011/10/24(月) 16:14:50.19 ID:xgd+T3Mx
 どすんっ!

「ぶへっ」

 肺から一気に空気が出て行きました。
 酸素が残り僅かとなり、生命の危険を感知したためか一気に目が覚めます。

「おきて、ミッチー」
「エルエ、さん…?」
「おはよー。朝だよ」
「お、おはようございます」

 いつものエルエさんです。
 まだ小さな子供で、いつも「どーん!」と人のお腹に突っ込んでくるエルエさんです。
 そのエルエさんがベッドで寝ていた僕の胸の上に座っています。
 恐らく先程の衝撃は胸の上に飛び乗られた事によるものでしょう。
 ただ、外はまだ暗いです。普段ならまだ寝ている時間帯なのに…
 そう言えば今日は遠足との事でした。
 おそらくそれでいつもよりも興奮しているため、普段よりも随分と早い時間に起きたのでしょう。

「ミッチー、大丈夫?」
「え?」
「おはなから血が出てるよ」
「うぇ」

 道理でやけに呼吸がし辛いと思ったら。慌ててティッシュを詰めます。
 なんだろう。寝ぼけてぶつけたかな…?
 そう言えば何かとんでもない夢を見ていたような気もするけれど、思い出せない。
 まあ起き抜けにエルエさんの顔を見れば当然ですけど。可愛いなあ。

「びょういん、行く?」
「いやいやいや、大丈夫です。全然元気ですから」
「よかった」

 うっわ安心して胸をなでおろしてるエルエさん可愛い超可愛い。

「きょうは、ごはんつくるの手伝うね」
「いいんですか?」
「およめさんはごはんつくれないとダメなんだって、たっつんが言ってた」

 およめさん!?
 …くうう、なんか世の娘を持つ父親の気持ちが何となく理解できましたよこんちくしょー!
 ていうか誰だたっつんって? 男か? 男なのか!?

「ね、ね、ミッチーってどんなごはんがすき?」
「え? そうですね…味噌汁とか肉じゃがとかの家庭料理ですかね」
「じゃあ、おしえてね?」

 うぐぐぐぐ…将来、別の男に振舞われるであろう事を考えると素直には頷きがたいけれど…こんな笑顔でお願いされたら絶対に断れません。

「わかりました。でも包丁は危ないですからもっと大きくなってからですよ?」
「えー」
「ダメです。その時になったらちゃんと教えてあげますから」
「うー…やくそく、ね?」

 と小指を絡めて来ました。
 ああもう可愛いなあ本当可愛いなあ。
 あ、僕はロリコンじゃないです。
92規制されていない狐:2011/10/24(月) 16:15:29.91 ID:xgd+T3Mx
えるしっているか ろりこんよりまえに ありこん と はいこん があることを

あと、カジキの結婚は結婚を誓い合った男女が一緒に泳いでなにかしたりする事とかそんな感じの妄想も入ってるけど、ぶっちゃけ細かい設定は考えてないので脳内補完よろしくw
93名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 22:26:46.37 ID:oLMOeUzO
なんでこんな2828してるんだろうオレ
94名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:25:24.89 ID:PHTDB4I5
わかった
つまりロリコンなんだな






爆発しろ
95名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:28:47.37 ID:TVvYRstD
光源氏ェ…
96【短編☆粗製乱造】お詫びとお礼:2011/10/25(火) 01:02:01.44 ID:ZbgyF/1W
お客様方、当店のようなジャンクフード店にたくさんのご注文ありがとうございます。
この度は店主の不手際により製品を提供できず、大変申し訳ありません。

もはやファーストフードを名乗れぬ当店ですが、
今週中には必ずご提供いたしますので、もうしばらくお待ちください……。



ところで、LKMバーガー(ロリ・カジキ・マリッジバーガー)美味しすぎです。
ミッチーの主張の信頼性は置いといて、エルエたんの割と一貫してる肉食系っぷりがまた。
ごちそうさまです
97名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 09:41:31.47 ID:qn6bM+xR
嫁になるには料理が出来なきゃ駄目→じゃあミッチーの好きな料理を作れるようになろう
嫁になる気満々だよエルエたん
しかも一塁から三塁まで全員ミッチーかよ爆発しろ

>>96
持ってくるまで全裸待機してるからな!
楽しみにしてるからな! ほんとだぞ!
お願いします m(_ _)m
98名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 00:58:48.96 ID:xjgHDwFa
肌寒くなってきたな…
ケダマさんのもふもふに埋もれたくなる
99名無しさん@ピンキー:2011/11/01(火) 18:10:58.88 ID:OCPK27rD
俺この短編をちゃんと書いて投下できたらきっとご主人様に褒めてもらえるんだ……!
100名無しさん@ピンキー:2011/11/01(火) 23:19:18.68 ID:amPqsfku
ご主人様に鞭でしばかれるほうがはかどるんじゃない?
101名無しさん@ピンキー:2011/11/06(日) 15:36:25.51 ID:IErG9SVn
まだかのう・・・
102名無しさん@ピンキー:2011/11/13(日) 10:51:28.76 ID:b9DLxuR/
そりゃもちろんおにゃのこをもふもふできるのが一番だけど、こうも小春日和だともふもふさせてくれるならガチムチご主人様でもいい気がしてくる

やっぱりいやかも
103名無しさん@ピンキー:2011/11/14(月) 11:58:16.41 ID:RZql5K1N
分よりふたまわりほど大柄なふわもこガチムチご主人様の膝上でお昼寝とかそれなんて蕩けしぬご褒美?
104名無しさん@ピンキー:2011/11/15(火) 07:00:03.98 ID:a5+V+R2s
寒い寒いとわめく奴隷をうっかり優しくすればもふもふでもみくちゃ
もふもふされるうち胸元に顔をうずめたままうっかり寝られる
寝顔にどぎまぎしながら襲っちゃうか迷うけど実際には襲う勇気なんてないヘタレ大柄ふわもこガチムチご主人様(童貞)

ここまで妄想余裕でした

105名無しさん@ピンキー:2011/11/15(火) 10:34:49.93 ID:GqyUCKl6
超筋肉兄貴なアルパカ(♂)にモフり付くヒト♀を幻視した……
106名無しさん@ピンキー:2011/11/18(金) 10:56:11.53 ID:oajLreUJ
>ロダ
乙!
聖水なんて言うから「ふええ……、おしっこ、もうガマンできな、ふええ……」だと思ったのに
107名無しさん@ピンキー:2011/11/21(月) 21:35:07.19 ID:0naF9tvC
>ロダ

ぐああムカつく!

何がムカつくって、いつか書きたいなーってほわほわ考えていたのを
百倍上手く書かれちまったのがムカつく!

これ(GJ)でも喰らえこの野郎!
108名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 15:21:05.33 ID:zx24gj1c
>>105
なんだよそれすげー読みたい
109名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 21:41:41.02 ID:h65ucpg4
ろだGJ
たまにこういうのが来るからこのスレは侮れない…
110名無しさん@ピンキー:2011/12/01(木) 14:47:23.85 ID:qpd/1VlV
hosyu
111名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 22:37:30.64 ID:TX4KbKtX
保守
112名無しさん@ピンキー:2011/12/10(土) 14:19:33.41 ID:Rz/raHDo
 柔らかな光がまどからこぼれ落ちてくる午後。大きなお屋敷の一室でお絵描きに夢中な女の子が二人。
 片方は銀の髪を束ねて可愛いリボンを結んだ大きな瞳の銀猫の女の子。
 もう一方は短い黒髪にピンと立った耳が目立つ鋭い瞳の黒猫の女の子。
 双子に産まれた彼女達はまだ5歳にもなってない幼さをフリルの付いたスモッグで包んでいた。

「何を書いてらっしゃるのかな?」

 コップに注いだリンゴのジュースをテーブルへ列べながら、年老いたヒトの男は画を覗き込む。
 まだろくに形になってない人のような姿の並ぶ子供たちの画。

「パパとママとスッチー!」

 楽しそうに笑いながらクレヨンを画用紙の上で躍らせる姉妹。
 その姿に目を細めつつ笑みを浮かべるヒトの男。

「出来た!」
「あたしも!」
「はい!スッチーにあげる!」
「これも!」

 書き上がった画を差し出され、ヒトの男はそれを受けとると自分の顔の両側に並べた。

「似てるかな?」
「うん!」「ばっちり!」

 ニコニコしながら喜ぶ姉妹。

「いただいて良いのですか?」
「うん!」

 元気よく返事をして自分の顔程もあるコップを大事そうに抱えジュースを飲む。
 その姿にまた目を細めつつ、大事そうにカバンへ画を納めて後片付けを始める。

「エリーさま〜マリーさま〜お出掛けの時間ですよ〜」

 姉妹を呼びに来たまだ若いヒトのメイドに呼ばれて「は〜い」と返事をしなが姉妹は部屋を出ていって。
 そして部屋の中にはヒトの男が一人で立ちつくす。少女の背中を見送る眼差しは優しく柔らかく。
 遠き日々を思い出すかのように、その目頭に涙が滲んでいた。

113名無しさん@ピンキー:2011/12/10(土) 14:20:21.81 ID:Rz/raHDo
「どうしたスチュワート」

 背後からの声にゆっくりと振り返る。
 艶やかな毛並みを丁寧に手入れした灰色の体躯に青い瞳をしたネコの男。
 紫壇のステッキを小脇に抱えシルクハットを手にしたままヒトの男を見ていた。

「あぁ旦那様。お気をつけて」
「どうしたと言うのだ」
「……お嬢様の立派に成長した姿を見届けられないのが」
「残念か?」
「えぇそうです。仕方がありませんが」

 一旦視線を床に落とし、そして再びヒトの男に眼差しを向けたネコの紳士。
 その肩をポンポンと叩き、そした少しだけ笑みを浮かべた。

「あの子達は覚えているだろう。きっとな。誰かが覚えていれば、その中でお前は生きているさ」
「そう願いたいですな」
「あまり寂しそうにしているとあいつが煩い。作り笑顔でも、頼むよ」

 どこか寂しそうに笑って頷くヒトの男。
 ネコの紳士はシルクハットを頭に乗せて屋敷を出た。

「エミリア!良いか?」
「今行きます。ちょっと待って!」

 慌てて階段を降りてきたネコの婦人。
 綺麗にドレスアップした姿で玄関に立った。

「ん?どうかしたの?」
「いえ?なにも。なにか?」
「なら良いの。行ってくるわね」
「どうぞお気をつけて。ご主人様」

 恭しく一礼し馬車を見送る後ろ姿に寂しさが滲む。
 ネコは長生き過ぎる。その事実をヒトの男は改めて噛み締めていた……
114名無しさん@ピンキー:2011/12/10(土) 14:22:19.97 ID:Rz/raHDo
思いつきで携帯から書きなぐってみるテスト
まだ眺めてる書き手な皆さん。がんばりましょう!
きっと誰かが続きを待ってると信じて。
115名無しさん@ピンキー:2011/12/11(日) 04:03:24.20 ID:0S8iW2PV
待機中
116名無しさん@ピンキー:2011/12/11(日) 16:37:10.75 ID:zYSnJ2Wm
117名無しさん@ピンキー:2011/12/14(水) 21:53:05.84 ID:meJfAS4a
勤務時間が24時間超過が月3回とかどんな嫌がらせかー
そしてなんか年末年始スケジュールに自分の名前があって丸が付けられてるんですが、コレは一体…

そのストレスを癒すために飼い猫の冬毛もふもふ腹に顔を埋めつつ作ったお話ですw



 それは事故だった。
 それは偶然だった。
 それは故意ではなかった。
 それは意図したものではなかった。

 だが。

 ああ、まさに。
 魔が差した、という事なのだろう。




(やけに多くなったな…)

 最近の微妙な天気のおかげで随分と洗濯物がたまった。
 今日は四日ぶりに晴れたので欲張って全部一度に干したのだが、前方が見えないほどの量の洗濯物を抱える事になってしまった。
 太陽の光を浴びて温まっているので、それを運ぶ分にはむしろいい気分なのだが。

「ん?」

 足元に気配がある。
 覚えのある気配だ。
 恐らく踏めばぐにょりとした感触がする事だろう。
 あの円筒形の一つ目の狐…のような生物の気配だ。

「……」

 僅かに思案する。
 避けるか、あるいはあえて踏むか。
 あの生物は正直なところ動きの予想が難しい。
 足がないように見えるのに高速で移動し、垂直の壁にすら貼り付く様に直立する。
 しかし足…と言うか底面を見ても、肉級らしきものがあるだけで、吸盤もなければ肢もない。
 一体どうやって動いているのか不思議だが、大して興味も無いので主に聞いてみた事はない。
 まあ魔法か何かだろう。どうでもいい。

 とにかく動きの予測が難しいのであれば避けた先で踏むよりも、踏む覚悟で歩いた方が結果的に被害は少ないだろう、と思う。
 踏んでも怪我をするような生物ではないと以前の接触からも分かっているので心配はしない。
 これが踏むと体液を飛び散らせるような生物であるのならば、後の掃除の面倒を考えて多少は避けようと思うのだが。

 という事で気にせず一歩踏み出すと過たずその生物を踏んだ。
 踏んだ…のだが。

「くぁwせdrftgyふじこlp;!」

 相変わらず奇怪な鳴き声をあげつつ、予測していた以上の超高速で足元からすっ飛んでいった。
118名無しさん@ピンキー:2011/12/14(水) 21:55:13.09 ID:meJfAS4a
「む」

 そのため踏みつけていた足がまるで足払いを仕掛けられたときのように横に振られる。
 体重をかけ始めていた段階だったので体勢が崩れた。
 まあこの程度なら壁に激突するぐらいで済むだろう、と思っていたら。

「のわ! ちょ、危な…」

 正面から慌てたような声。
 丁度近くにいた朱風に見られているらしい。
 ふと思いついた。
 今両手の上に満載されている洗濯物。
 壁にぶつかればその衝撃で落ちてしまうかもしれない。
 廊下は毎日掃除してはいるが、かと言って汚れが付かないとも限らない。
 ならこの瞬間だけ受け取ってもらおう、と思って前方に軽く投げてみた。
 最悪でも自分の下敷きになって皺だらけになる事は避けられるだろう、と思ったのだが。

「な、なんじゃ、前が見え…」

 何故か最初に声が聞こえた場所よりも随分と朱風の声が近付いてきていた。
 そう言えば小刻みな足音も響いて来ていたような気がする。
 まさかとは思うが、俺をどうにか支えようとでもしたのだろうか?
 あの細腕でそんな事をして怪我でもしたらどうする。まったく。もっと自分を大事にしろと後で躾けよう。

 などと考えているうちに、激突。

 何とか重心を整えようと努力したが、ただでさえ片足立ちかつ体勢が崩れていたところに、小柄とは言え人間一人分の突進を受けては堪えきれない。
 それでも何とか朱風が壁にも床にもぶつからぬよう、自分をクッションと出来るような位置に転んだ。
 後頭部が床に激突するが、朱風に怪我をされるよりは面倒臭くはない、と思っておこう。
119名無しさん@ピンキー:2011/12/14(水) 21:55:29.37 ID:meJfAS4a
 気が付くと顔が温かい何かに包まれている。

 気持ちいい。
 例えるなら干したての最高級羽毛布団に顔を埋めたときよりも遥かに暖かく、柔らかく、心地よい肌触り。
 何となくこの感触に覚えがあるような気がするが、その魅力に抗えず、思わず顔を摺り寄せてしまった。

「っうひやあああああ!!!」

 それと同時に甲高い悲鳴。

「なななななん、なんじゃ、何が起きとる!?」
「…ああ、朱風の尻尾か、これは」
「ひいいいいい!」

 呟くと同時に、その吐息が尻尾をくすぐったようだ。
 更なる悲鳴と同時に突然眼前の尻尾が分裂するかのように増えた。
 眼前が尻尾で埋め尽くされる。
 何となく動けなかったが、そのうちのた打ち回る尻尾がこちらの頭に縋りつくように絡みつき引き込まれた。
 ますます顔が尻尾に埋まる。
 …気持ちいいのだが、このままだと不味いような気がする。色々と。

「いや、落ち着け朱風。」
「く、う、んんううううっ」

 と声をかけてみたのだが、その吐息が毛皮をくすぐり、更に声を上げさせるだけだった。
 しかたなく両手で尻尾を握って左右に掻き分けようとしたが、それに対しても激しく反応されて手を止めざるを得ない。
 どうすればいいのやら。


 結局、朱風が落ち着くまで一切身動きを取る事が出来なかった。
 無理な体勢だったが、ただその…何となく幸せだったという事は黙っていた方が面倒臭くならないような気がするので、そうしよう。
120名無しさん@ピンキー:2011/12/14(水) 21:56:27.70 ID:meJfAS4a
「ここに座れ」
「……」
「正座じゃぞ」
「……」

 この男にしては珍しく、文句も言わず素直に応じる。

「カルト」
「ん」
「狐にとって尻尾は物凄く大事な物というのは知っとるじゃろ?」
「…言われてみれば聞いたような気はする」
「毎回言うとるじゃろうが!」

 まったくこやつはいつもいつもいつもいつも。
 毛繕いの時、必ず『狐が尻尾を預けるのは信頼している証なのだ』と伝えている。
 特に女が男に尻尾の手入れを任せるというのは一昔であれば遠回しな告白ですらあったと言うのに。
 まあ今時の女子どもは『かりすま何たら』に任せることもあるそうだが。嘆かわしい事じゃ。

「その大事な尻尾に対して顔を埋めるとか、頬擦りするとか、終いにはその…クンカクンカするとか、変態の所業じゃぞっ」
「いや、わざとじゃ無いんだが…」
「わざとで無ければ許される事じゃと思うておるのか!」
「…悪い」
「まったく」

 まあ、冷静になってみればこの唐変木が狙ってそんな事をする筈がない。
 わざとではないと言うのは本当だろう。
 ただ、何か隠しているような気もするが…
121名無しさん@ピンキー:2011/12/14(水) 21:56:44.67 ID:meJfAS4a
「むー…」
「なんだ」

 ただ、悪いとは思っているのは事実のようだ。
 ならば殊更追求する事もないだろう。
 藪を突付いてベア蛇を出す事もない。

「で、その…ど、どうじゃったかの?」
「は?」
「わしの尻尾の見た目とか感触とか匂いじゃよ。変では無かったかの?」
「…いや、普通が分からないので変かどうかは判断出来ないが」
「ぬう。かと言うて他の狐の尻尾を触らせる訳には行かぬからのう…」

 一応、自分の尻尾に自信はある。
 元々昔から毛並みの美しさでは有名だったし、その後も手入れだけは欠かさなかった。
 カルトに手入れを任せてからはますます磨きがかかったように思う。
 正直、美尻尾大会に出場したら相当な所まで行くのではないかと自負している。
 ただまあカルトに他の狐の尻尾を触らせる気はない。むしろ自分以外に触って欲しくない。
 しかしそれだと自分の尻尾がいかに素晴らしいものであるかという事も分かってもらえないのである。

(難しい所じゃなあ)

 レダならばまだ触っても許せるが、あっちは猫だ。
 それでは比較にならない。
 思い悩む。
 と、頭を抱えていると

「まあ、俺としては幸せな気分だったが」

 何か聞こえた。

「ぬ? 今、なんぞ言うたか?」
「別に」
「空耳かのう…?」

 確かにカルトが何か呟いたような気がしたのだが、気のせいだったのだろうか。

 最終的に三日間毎夕手打ちうどんを作らせる事で許す事にした。
 何か極めて惜しい事をしたような妙なモヤモヤ感が胸に残っているが、何なのだろう、この気分。
122名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 10:13:20.75 ID:rsOyBeF+
久々に板来たら新作いくつか上がってて乙
てか、相変わらず刺激に敏感な尻尾ですな朱風さんw
是非俺にもモフらしてくれ〜!
123名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 22:21:43.77 ID:/W2DEhcW
狐の毛皮って普通に高級品だからかなり手触り良さそう
モフ充爆発しろ

そして仰向けで顔が尻尾に埋まるって事は顔面騎乗に近い絡み方って事に
やっぱりモフ充爆発しろ




寒空の中、さっきすれ違った狐の女の子とヒトの男の会話を思い出してため息をつく。
ああ、いいなあ。
俺もあんな風に「そ、その、な、手が寒くて痛くなってきたんじゃが」って遠回しに手を繋ぎたがる彼女が欲しいなあ。
ヒトの男のほうも大胆にも「そうか」って言って自分のコートの中に抱き寄せてたりしたもんだから周囲から殺気が向いてたけど俺も向けてたけど。



実は俺も一人のヒトメスを飼っている。

「おかえりなさいませご主人様足蹴にしますか鞭にしますか」

残念な事に本当に残念な事に頭の螺子が4,5本ぐらい抜けているが。
落ちてきた時に頭でも打ったかと思っていたが大陸生まれらしい。
どう育てたらこうなる。
ちなみにどの部分の螺子が外れているかと言うと

「ご飯食べてお風呂入って明日の準備して寝る」
「焦らしプレイとかさすがご主人様。変態の鑑ですね」
「おかしいよねそれ絶対おかしいよね?!」
「はぁんっ。もっと罵ってくださいご主人様ああたまんねー!」

と妄言吐きつつ自分自身を抱き締めてくねくね身悶えるような螺子の外れ方をしている。
最近慣れてきている自分が怖い。
これでいて家事万能なのだから世界は間違っている。
とりあえず疲れていたのでコートを脱がされつつ諌める。

「変態も程々にしようよ」
「え・・・・・・」

すると、まるで信じられないものを見たかのような目で見つめてきた。

「珍しいですねご主人様から誘ってくるなんて」
「誘ってないよ?!」
「だって今「しようよ」と言ったじゃないですかそれとも放置プレイですかやったー!」
「もうヤダこの変態。明日売る。絶対売る」

だが、今日もまた胃袋がこの決意に反乱を起こすのだ。
きっと明日の朝昼夜も。
124名無しさん@ピンキー:2011/12/18(日) 18:02:30.51 ID:LbP87w6k
朱風さんは間が悪いという点で実に残念だなあ。
しかしカルトがうらやましい・・・俺もモフモフしたい。


>>123
変態だー!! AAを貼ろうと思ったが、そもそもこのスレでは普通の事なので別に気にする事はなかった。
キヨカたんやユキカたんが変な風に壊れたらこんな風になっていたのかと思うと色々と台無しだw
125名無しさん@ピンキー:2011/12/20(火) 22:17:29.10 ID:fjCCazeW
久々に来たら新作が続々上がってるじゃないすかやったー!
音封石に着目って新しいね。シンセみたいになるのかしら。

>>177
カルトの本音!
朱風さんそこ逃しちゃだめでしょうそんなだからヘタレ女狐(ry

>>123
そもそもなぜそんなん買ったしww

ところで、そのヒトメスちゃんが実は本気でご主人様に惚れてて
本人なりに必死に求愛してるんだけど壊されちゃってるから
普通のアプローチが分からなくってつい変態に走っちゃって、
でも本当は……的なシチュだと思えば変態の子でも萌え死ねる気が
するんですがいかがでしょう。
126名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 00:04:49.48 ID:bXLKvgqV
86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/12/18(日) 17:40:06.82 ID:FGkntr/80 [4/10回発言]
日本では獣耳がケモノを駆逐する傾向にあるからな

94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/12/18(日) 18:02:09.98 ID:FGkntr/80 [5/10回発言]
>>90
でも、生産者側からしてみればケモノは描きにくいし、誰得や子供っぽいって言われる可能性もある
獣耳は今までのテンプレキャラに耳尻尾付ければ完成で手軽だし、子供っぽい雰囲気もなく、一般向け(?)らしい
実質、シャイニングシリーズがその流れで、最近の作品は獣人キャラは居なくても獣耳は腐るほどいる
擬人化という言葉も本来の意味での擬人化ではなく萌え擬人化を指すのが一般的だし
某イラストサイトの画集にもケモノキャラは一切載せない(獣耳はOK)
 
つまり、生産者側がケモノは受けない。獣耳は大人気という構図を作ってる


97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/12/18(日) 18:23:15.45 ID:FGkntr/80 [6/10回発言]
とにかく日本ではケモノはなかったことにされようとしている

↑今すぐ死ね、悪臭奇形包茎
127名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 17:29:05.25 ID:XFzVHGfl
>>126
なにを言いたいのかよくわからない。
別に需要があるから書いているわけじゃなくて書きたいから書いてるだけだし。
他スレの話をこっちに持ち込んでどうしたいの?



>>125
萌えますね。実に萌えますね。
だからそれを下地に書いてみました。


毎日繰り返される変態発言に呆れ果て、ついに聞くつもりのなかった事を聞いてしまった。

「お前一体どんな育て方された。前に飼われてた所で何をされたらそうなる」
「前のご主人様ですか? ええ、色々されましたねぇ」

指を顎に当てつつ首を傾げながら答えてくる。

「気持ちいい事とか楽しい事とか嬉しい事とかー」

指折り数え始めた。
なんだ、結構いい環境にいたんだな。

「癖になりそうな事とか痛気持ちいい事とか気持ちワルイイ事とかー」

が、やはり変態だったらしい。
そうでなければこうは育たないだろうけど。
しかし

「痛い事とか気持ち悪い事とか嫌な事とか」

顔は笑顔のままだ。
それなのに

「痛くて気持ち悪くて嫌な事とか
 痛くて気持ち悪くて嫌で泣いて喚く事とか
 痛くて気持ち悪くて嫌で泣いて喚いて、なのに笑顔で続けられる事とか」

声から感情が消えた。
棒読みとも違う、平坦な声。
128名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 17:29:24.54 ID:XFzVHGfl
「お、おい…?」
「死にたくて死ねると思って死ななくて無理矢理生かされて。
 あ、知ってますか、ご主人様。私、実は改造人間なんですよ?
 そんなに大したものじゃないですけど、再生能力が上がってて普通のヒトより死ににくいです。
 それと自分で死ぬ事が出来ないようにアタマのナカを弄られてます。
 素の反応でないと満足出来ないって事で、他の部分は全然手が加えられていないんだそうですけどね。
 便利ですね魔法って」

段々と

「だから色々しても大丈夫です痛い事とか苦しい事とか嫌な事とかされても中々死なないですし自分で死ぬ事もないので
 末永く楽しめますってそんな事は知ってますよねだって私そうなってそうされてそうしたのはご主人様だし
 でも今のご主人様は知らなかったけど今知りましたよね知ってるなら大丈夫です私は死なないですから死ねないですから」

言っている事の意味が、分からなくなってきて

「私が痛がって苦しがって嫌がってると前のご主人様は笑って嬉しそうで楽しそうでしたけど
 ごめんなさいご主人様今のご主人様だと何をされてもあまり嫌がれないと思うからそんなに嬉しくも楽しくもないかもしれないです
 でも痛かったり苦しかったりはしますから是非そうしてくださいご主人様きっと楽しいですよ」

笑顔だ。
笑顔、笑顔、笑顔。
考えてみればこの家に引き取ってからもずっと笑顔だった。
きっと、この家にくる直前から。
何故ならそいつが言っていた。
「つまらなくなったからやるよ」と。

頭が痛い。世界が揺れる。

「あ」

その時彼女が上げた声に感情が乗っていた事が、こちらを一気に現実に引き戻した。
見ると彼女の手から赤い液体が滴っている。

「あー、ちょっと話を作るのに夢中で切っちゃったのに気が付かなかったみたいですね。申し訳ありません、ご主人様。血が絨毯に…」
「作り話かよ!」

慌てた様子で滴る血を手で受け止め、こちらを見る。
そして。

「はっ! これは…チャンスですよ、ご主人様!」
「何が?」

満面の笑みで告げられた言葉は。

「お仕置きウェルカムです」
「最悪だなお前は!」

いつものようなオチ。
だが、気付いてしまった。
彼女の怪我は強く拳を握り締めたために爪が掌の皮膚を突き破ったためのものであると。
そしてもう一つ、見てしまった。
つい先程まで血が滴っていた筈なのに、水で血を洗い流した彼女の手には傷一つ無かった事を。



書いた結果がコレだよ!
なんだろう、自分の中で変な属性が目覚めたような気ががが
129名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 19:17:20.54 ID:6b9+32tY
いきなり能天気路線から、切ないダーク路線に切り替えですか?
のほほんとしか日常の中、ふと垣間見えたドス黒い何か…
え〜何というか …               … …素敵過ぎます。
130名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 22:30:48.63 ID:odzITRhz
>>127-128
軽い気持ちでボール投げたら剛速球が返ってきたでござる。
やべえこのビリビリくる重さがたまんねえ!


がんばれご主人様、あとは幸せにするだけだ!
何をされても嫌じゃないくらい大好きなんだってさ!
131名無しさん@ピンキー:2011/12/21(水) 23:31:17.58 ID:1k6HhGmp
うおーん、悔しい、似たようなのがかぶったよお
ちくしょうGJ
132名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 01:37:23.12 ID:+Z8oLM+4
なにこの俺得

繰り返す

なにこの俺得
さあ男を見せるんだご主人!!
133名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 22:56:23.36 ID:gQPjEANN
体が、、、か。。ら・・だが求める・・・・・・・・・・・・・・・


ハッピーエンドという快楽を

http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/359.txt
134名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 22:56:36.98 ID:gQPjEANN
そしてこの後、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ。
ちなみにこのご主人様の定番は恋人プレイや新婚プレイだったとか。
もげろ。

前の主人はこの話の直後に【灰猫】でとある狐にボロ負けして、全財産と耳と尻尾を引っこ抜かれて見世物小屋送りとなる予定ですwww
135名無しさん@ピンキー:2011/12/23(金) 18:34:12.16 ID:vIqYXQls
感動した。
しかしこれだけは言わせて貰う。
もげろ。
136ついんている:2011/12/25(日) 00:37:31.01 ID:jhniiFqM
>>133
素晴らしい結末でした!
全く救いようのない変態カップルだwww


……たまにはうちの子達も甘めでいきたい今日この頃。
クリスマスですし、夢落ちでもいいよね?
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/363.txt


137名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 11:30:09.40 ID:0dBFd2kN
めりーくりすにゃす!
138名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 11:38:32.25 ID:7fDBz7Iz
ユキカたんデレ期キタ━━(゚∀゚)━━!!と思ったらこれだよ!

投下多くて嬉しいぜ
みなさんGJ!
139名無しさん@ピンキー:2011/12/25(日) 21:04:52.90 ID:1VoBSngo
凄い連続でいいの読ませていただきました!
各作者超GJ!
140名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 17:12:10.59 ID:6gYEjm7E
書いたの自分だけど、うん。
もげろ。


「ただいま」

珍しい。
いつも家をの扉を開けた瞬間に変態的な挨拶をかましてくるヒトの声が聞こえなかった。
『あの時』の事を一瞬思い出して緊張するが、次の瞬間廊下を慌てたように駆け寄ってくる音が聞こえたので安心する。
そして駆け寄ってきたヒトメスが、慌てすぎて足を滑らせ盛大にヘッドスライディングをかました。
本当に珍しい。と言うか初めて見たぞ、こいつのこんな姿。
そそくさと立ち上がりエプロンドレスを軽く叩いて形を整えてから顔を向けてくる。
その顔にはいつもの笑顔・・・が、無い。
代わりにあったのはガッチガチに強張った表情。
これまた珍しい。

「お、おお、おか、おかえりなさいませ、ご主人様」
「いや、動揺し過ぎだろお前。落ち着け」
「ご飯にしますか、お風呂にしますか、それとも、わ、わた、わた・・・」

その瞬間、本当に一瞬で湯気が出そうなほど顔が真っ赤になった少女は

「やっぱり無理ですご主人様のド変態ー!」

と叫ぶと顔を両手で隠しながら走り去ってしまった。
廊下を曲がった辺りでまた転んだのか「ひゃあっ」という悲鳴が聞こえたが、数秒後再び走り去る音が聞こえる。
怪我は・・・まあ、大丈夫か。転んだだけなら擦り傷ぐらいだろうし。
しかしあの慌てぶり、多分原因は朝出て行くときにした要求だろう。

「ちょっとマニアックな要求だったかもしれないが、鞭や蝋燭を持ち出すよりはまだノーマルだろ・・・」

新婚定番の「飯、風呂、私」という三択を提示するように要求しただけなのだが。
以前のように「鞭、蝋燭、足蹴」の三択を提示してくるよりは余程健全だ。
が、彼女は未だに一部の価値観が逆転している。
多分、ここまで来ると一生治らない。
それも含めて受け入れようと決めたのだが。

「まだ表を連れて歩けるような言動じゃないか」

せめてデートが出来る程度には慣れて欲しいものである。
最終目標はカフェで衆人環視の元で憧れの「あーん」が出来るぐらいに。
うん。想像するだけで胸が高鳴るね。
一刻も早くそれが実現出来るよう、もっとこういうノーマルな要求に慣れさせていこう。
141名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 19:31:29.85 ID:0xUYm+s+
激甘♪
一見、真人間への更正のようで、やってることは羞恥プレイ&調教…
やっぱり何だかんだで、このご主人様はド変態だと思います。
142名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 19:44:45.20 ID:/hKWM2Iv
恥ずかしがる女の子を見たがるのは男の性じゃね?
だから正常だとおもうぜ!GJ!
143名無しさん@ピンキー:2011/12/27(火) 21:45:25.75 ID:VDMXJdxR
>>133から一気に読んで俺の目にも涙
だがご主人、テメーが変態にゃのは間違いねーぜ!GJ!!
144名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 00:17:48.50 ID:0jdbP2fk
ご主人ノーマルじゃない、全然ノーマルじゃないよその要求。
ヒトメスちゃん可愛すぎる砂吐きそうだぜGJ!
145タダノサケビ ◆DC//ihYmPg :2011/12/30(金) 21:02:36.90 ID:1rlbxj5z
狼忍者っていいよね的ななにか。よいお年を。

http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/364.txt
146名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 19:35:31.28 ID:TaR1zjZO
うわーっせめて年内にもう少し本編を進めておこうと思いましたのにこの有様ーっ!

本編よりかなり仲が良くなったころの二人のお話です↓
シー・ユー・レイター・アリゲイター特別編 来年の話をするとワニが笑う
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/365.txt

それではご主人様方が良いお年を迎えられますよう。
147名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 01:58:31.85 ID:raDRObCk
あけおめ
今年も良い作品に出会えますように

>>145
オオカミ忍者超かっけえGJ
>>146
おつ、クリスマス過ぎたから油断してたぜ爆発しろ
148とらひと:2012/01/01(日) 19:25:08.10 ID:dRvATbM3
続・虎の威
エロナシ
元日にこんな鬱々とした展開を投下して申し訳ないと思っている。

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/367.txt
149名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 12:03:24.31 ID:qtvyAHbm
年末年始から豊作乙!!
150名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:38:53.65 ID:zIIAIq6g
>>145
鉄の人の設定読み込んでいるなー。続きも楽しみです

>>146
新聞でせこせこと窓拭きする巨大ワニ想像すると微笑まし過ぎる。
うっかり体重かけすぎて数枚割ってるんじゃないのか

>>147
欝展開?関係ないねッ
新年早々続きが読めてヒャッホウです
151とらひと:2012/01/10(火) 03:39:58.61 ID:yo0VTdQ4
続・虎の威
エロナシ
虐待・鬱表現注意

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/371.txt
152名無しさん@ピンキー:2012/01/13(金) 00:36:32.68 ID:Ma7LhZVs
とらさんが連続投下…だと…

新年早々ありがたいぜ
153 忍法帖【Lv=18,xxxPT】 :2012/01/13(金) 05:10:12.45 ID:5bIokqEY
とらさんGJー

まぁ、やっぱり奴隷ってこういうものだよなぁ……
はてさて、無事に逃げ出せるのか
154名無しさん@ピンキー:2012/01/15(日) 02:45:53.37 ID:e3Tamzq7
久々に来たらわにわに。かわいいよわにとヒト
155名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 03:34:11.58 ID:iB83rXJY
そっと保守
156タダノサケビ ◆DC//ihYmPg :2012/01/26(木) 13:11:14.83 ID:Fnspm/jF
wikiに載せるため一話を推敲してたらわりと別物になってたとかそういうことです。
年末のお祭りの前でらりってたとかそういうことです。
wikiにスパム扱いされて「世界が俺を拒絶する……ッ!」とかそういうことです。

狼国精霊説話集其の弐・豊饒のセタル
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/372.txt
157名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 12:41:56.02 ID:Tjx5YucM
いったい食事中に何をしていたんだ・・・(ゴクリ
158名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 01:46:21.84 ID:8ro+Aaen
最近オオカミ多い?
159名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 18:38:48.50 ID:M9r/HINd
よいことじゃないか。

>>156
オツカレー
きっと何をしていたんだろう。というか見られない食事ってなんだ、口移しか
160名無しさん@ピンキー:2012/02/10(金) 11:18:25.92 ID:6KYkacSn
なんか甘いものが食べたいな
161名無しさん@ピンキー:2012/02/12(日) 16:27:05.05 ID:ccz0/q5S
162名無しさん@ピンキー:2012/02/14(火) 20:52:46.29 ID:SsaFfAOu
ほしゅ
163名無しさん@ピンキー:2012/02/24(金) 01:20:35.43 ID:tD8KMyAv
誰もいないのかな 保守
164名無しさん@ピンキー:2012/02/25(土) 18:22:08.69 ID:jU5tNeNb
>>163
みんなバレンタインデーで玉砕したっぽい
(´・ω・`)ナンテコッタイ
165とらひと:2012/02/26(日) 05:41:10.56 ID:0gSDm8g7
続・虎の威
エロ無し

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/376.txt
166名無しさん@ピンキー:2012/02/27(月) 00:16:49.04 ID:pqwapVGm
>>165
続き来た!
とんでもなくシビアな状況と格好いいチヒロ。
泥水すすって理不尽に立ち向かう、すごい女ですね。
ハンスの胃はマッハでやばそうですが。がんばれハンス。
167名無しさん@ピンキー:2012/02/27(月) 13:58:58.85 ID:SoPnz9nW
>>165
乙〜
話が進むごとに千宏のたくましさが増していってる
精神力の強さが半端ない
168にわにわに:2012/03/02(金) 00:44:35.66 ID:n3cZ0mHx
最後の話がかなーり前で少し遠い目、ご主人様方ごきげんよう。

さっそくですが、シー・ユー・レイター・アリゲイター、第六話です↓
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/377.txt

第七話まではそう間隔をあけない予定です。予定は未定です
169名無しさん@ピンキー:2012/03/02(金) 06:04:51.04 ID:aLmIuJcb
アマネちゃん罪作り
ギュスターヴさんにちょこっと同情したい
170名無しさん@ピンキー:2012/03/02(金) 21:17:54.19 ID:04HLvD+g
>>168
アマネは、なんでこう斜め上に解釈しちゃうんだかw
ギュスターヴさんは初心だなぁ、超かわいい。
171名無しさん@ピンキー:2012/03/03(土) 23:51:35.79 ID:VmUguC2B
かわいそうなギュスターヴさん…w
172名無しさん@ピンキー:2012/03/05(月) 02:38:42.74 ID:j+rY2JXH
やっほー!待ってました!

アマネちゃんのガードレベルはさりげに城塞並みとみた。
あんなにいちゃついてるのに、
こんなカップルが隣にいたら絶対もげろって言うのに、いやはや。

ところでエルヴィンさんが紳士の設定投げ捨ててるあたりさりげに友情の危機ww
173名無しさん@ピンキー:2012/03/06(火) 12:56:34.63 ID:Lnb2jpoz
別に他意は無いんだけど鰐の股間って汚れと匂い凄いよね
174名無しさん@ピンキー:2012/03/07(水) 23:28:52.95 ID:WdTosjMt
別に他意は無いんだけどご主人様の身体を綺麗にするのはメイドの役目だよね
175名無しさん@ピンキー:2012/03/09(金) 00:53:04.75 ID:cpAe0B1w
別に他意は無いんだけど一流と名乗るようなヒトはお役目さぼったりしないよね
176名無しさん@ピンキー:2012/03/09(金) 01:28:38.48 ID:/jXSPtGK
「おい、そういやお前はきれい好きの掃除好きだったよな。好きだろ、掃除。ならば掃除してほしいところがあるんだが。
 ん、どこだって、そうだな、ココだよ、ココ。なんだそんな顔して。掃除するのはお前の仕事なんだろ? だったらできるはずだが? ン?
 そうだそうだ、そうやって素直に頷いておけば良い。イイ子だ。じゃあさっそくまずはよく見てもらおうか。なんだお前、たじろいで。
 まさか見もせずに掃除する気か? きれいにすべきところがまずもってどれだけ汚いかを確認しなくても掃除なんかできる、と。そういう意味か?
 ……うんうん、ちゃんと言うこと聞いてくれ、な? あまり手間取らせるなよ。どれ、もっとよく見えるようにしてやろう。
 顔を出せ。もっと良く見せてやるから。ついでに匂いも嗅いでおくといい。しっかりと確かめろよ。
 そうそう、最初っからちゃんと素直にしておけばいいんだ。おれは素直なお前が大好きだぞ。
 ……ン? なんだって? もう一回、だと? はァ、しかたねえな。……言うわけないだろ。ちゃんと綺麗に掃除できたら、その後で言ってやるかもな。
 ああ、じゃあさっそく作業にとりかかってもらおうか。そうだな、何で掃除すればいいと思う? タワシ? スポンジ?
 バカ言え、そんなもんで洗ったら台無しだろ? そりゃあもちろん……素手でに決まってるよなァ?
 そうだそうだ、優しくな。……んぅ、いいぜ、その調子だ。うんうん、先の方をもうちょっとやった方がいいんじゃないのか? いい感じいい感じ、指遣いがすごくイイ。
 うむ、おっ、こんなところに良いもんがあったぜ。専用の洗剤じゃねえか、おい。使ってみる? ああ、たっぷりとだ、ケチケチしないでいっぱい使おうぜ。
 んっ、く、おい、ずいぶん頑張るなあ。そうそう、ずいぶん滑りもよくなって、すっごく、イイ。ほんと、良い子だ。…………おれは、お前が大好きだぞ。
 ぐぐ、なんだよ、そんなに強く握るなよな、びっくりするだろ。ンー? どうした、そんな顔して。耳まで真っ赤じゃないか? 熱でもあるのか? 額でも合わせてみる?
 なんだなんだ、そんなに焦っちゃってもう、かわいいやつだな。よし、掃除はもういいよ。ちゃんとおれから正当な報酬をやらんとな。
 『もう十分いただきました』って言ってもさあ、もっとほら、貪欲に行こうぜ。お前のイイ働きにはそれに見合う以上の対価を与えないとだろ。
 そうだな、じゃあ等価交換といこうか。……今度は、おれがお前を洗ってやろう。
 なァに、遠慮することない。ほら、こっちこいこい。ン? 嫌なのか? 嫌なんだったら別にいいが。嫌なことなら今後金輪際しないように心掛けるが。
 うんうん、なんだ、素直じゃないやつ。ほら、座れよ、おれの膝にでも。どうした? おれは素直な子の方が好きだけどなあ。
 ……よしよし、良い子で大変よろしい。じゃあそうだなァ、どこから洗おうか。どこが汚いだろうなあァ。まずはちゃんと確かめないといけないよなァ。
 ココか? それとも……コッチか? ああ、この辺なのか……そうか、おお、ここは汚いなあ。ちゃんと洗ってやらないと。
 うん、洗い方ってわりと種類があるよね。おれもちったぁ学ぶもんなんだぜ? 舐めるなよ?
 こういうところを洗うにはほら、コイツが一番だろ? ……モミ洗い。モミモミ、モミモミ。どうだ、きれいになるってのはキモチイイよなあ。
 おお、ココも汚いじゃないか? こういうところを洗うにはどうしたらいいと思う? 教えてくれないか? 掃除のプロなんだろ?
 ……そうかそうか、ツマミ洗いがいいのか。じゃあそうしようかなあ。どれ、キュっとね。そら、クリクリっと。
 おいおい、なんだよなんだよ。せっかくおれがきれいにしてやってるっていうのに、洗ったそばからどんどん汚しやがって。
 もういい、知らん、お前なんかきれいにしてやるもんか。そんなに汚いのが好きならおれがもっと汚してやるよ。
 まったく、お前という、やつは……。くっ、もう、めちゃくちゃにして……、うっ。……ふぅ。
 どうだ、はっはっは。べとべとにしてやったぞ。ざまあみろ。あんまり言うこと聞かないようだと、こうしてやるんだからな。
 ……もう、ほんとべとべとだなあ。おれはぬるぬるだし。ああ、風呂でも入るか、一緒に」

こういうことですか、わかりません><
177名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 23:18:53.44 ID:zSEuNyZq
最終的にアヘ顔Wピースか
178名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 23:39:18.64 ID:Nn3+CKj7
女に手を出せるギュスターヴさんなんてギュスターヴさんじゃない!
179名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 00:23:36.49 ID:5k3+ojV6
俺達のギュスターヴさんは強面ヘタレ童貞だからな
180名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 16:06:37.20 ID:4z16LVXC
なにせアオバマキ出来ない位の巨根だからな
181名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 16:36:20.85 ID:FL2l4CJY
でもこれくらいノリノリでがんばっちゃうギュスターヴさんも
それはそれでいいものじゃないかね
182名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 18:22:44.04 ID:5k3+ojV6
厳つい野郎の癖にウブなんだけどむっつりスケベでエロエロワニ

アリだな
183名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 23:54:54.54 ID:6uTUlPk7
かたくなったテッィシュで部屋はいっぱい、か…
ヒトメスがいるのに自室でシュッシュしてるワニとかなんだか涙が止まらない
184タダノサケビ ◆DC//ihYmPg :2012/03/13(火) 12:00:50.89 ID:yUarBIhr
いまだに基礎部分の設定をどうにかしている最中です。
サイコ・ミステリィを志したのですが、果たして。
鬱注意。

狼国精霊説話集其の参・天色のラクカ
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/380.txt
185名無しさん@ピンキー:2012/03/16(金) 00:19:45.94 ID:4WEbYvWR
改行をもっとどうにかしてほしいよう
186名無しさん@ピンキー:2012/03/16(金) 00:24:24.57 ID:giNIw30D
>>184
おつー

どっから場面転換したのかわかりづらいからちょっと読み進めるのに苦労する
それを狙って解りづらく転換してるのだったらすまない
187名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 20:16:39.34 ID:HDJL8+9J
>>184
精霊の末路が悲しすぎて涙が止まらない。
188ひよこのきもち(前):2012/03/20(火) 23:47:25.61 ID:pUn1oMHW
 弾む毬を両手で受け止め、娘は空を見上げた。
 鶏には、夢がある。
 鳥族でありながら自らの力で空を飛ぶ術を持たない鶏は、誰もが一度、天を舞うことに夢を抱く。
 娘は空に両手を伸ばした。手に持っていた毬が空に飛んでいき、舞えずに墜ちる。
 世の中、誰しもが幼さゆえの無知で大それた夢を抱く。
 それは、あるいは訳知り顔の知人に笑われ、あるいは現実の流れに揉まれ、いつしか波にさらわれる砂城のように消えてなくなっていく。

 猫国の都市は雑多な種族が混在しており、彼らの文化も混ざり合って存在する。金さえあれば何でも揃うというのも、あながち間違いでもない。
 当然、種族同士の軋轢や差別なども多かれ少なかれ表に出ることもあり、しばしば諍いの種となった。
 そんな訳で、いい歳をした猫の若者二人が、鳥の子を囲んでいる。
 倫理に欠ける者が弱者を虐げるのは、どんな文化圏でも見られる光景であり、特に万事我田引水でいい加減な猫の若者にあっては
 少しじゃれたつもりという感覚である場合が極めて多い。
 声も出せずに震えている鳥の子は、まだ翼も突起でしかない、羽毛の黄色い鶏の雛だった。
 紅潮した頬に涙を伝わせ、怯えた目で猫二人を見上げている。
「だからよーお嬢ちゃん、大人にゃちゃんとした謝り方ってのがあんだよ。わかる?」
「こんな毬なんかブン投げてくれちゃって、俺の顔にキズがついちまっただろうがよ。残るぜ、コレ?」
 ゴム製の毬を乱暴に潰しながらうそぶく猫の顔には、傷どころか毛が抜けた様子すらなかったが、指摘したところでかさにかかって威圧してくるだけだろう。
 我が身を固く抱きしめる他に何もできない娘の姿を楽しむかのように、猫の若者が口を開こうとしたときだった。
「うぬら、そこまでよ」
 発声そのものが内臓を震わせるかのような重低音が、歌うように三人を制止した。
 はっとして娘が見上げた先に、声の主が居る。
 鳥だ。
 筋力に劣る鳥は、大人であっても猫から侮りを受けることが多く、今回の場合も助けに入った鳥が代わりに厄介事を引き受ける形で娘を救い出すものだと思われた。
「なんだてめえ……」
 振り向く猫も含め、三人の動きが張り付けたように止まる。
 三人の動きを止めた鳥の特徴は、どう見ても娘と同じ鶏の雛だ。嘴は濃黄でつややかに曲面を描き、体にはふわふわの黄色の綿毛が日を浴びて光っている。
 しかしその体格は、猫二人が威圧されて一歩退くほどに隆々とした肉体だった。
 猫より頭ひとつ分は背が高く、胴回りは大木の幹ほどもあり、肩の盛り上がりは鎧でも纏ったかのようである。
 顔の造作と目が、どうやら鶏の雛と言えなくもないものであった。
189ひよこのきもち(後):2012/03/20(火) 23:48:15.82 ID:pUn1oMHW
「な、なんだお前……」
「たまたま通りがかった者である。うぬらの言に不義理を感じたゆえ、推して参った」
「そっちじゃねえ! 何鳥だお前は! てか鳥か!」
 猫の叫ぶ声に、どことなく腰が引けた気配が滲んでいる。その声を受けて微動だにせぬ鳥は、理解しがたいと言いたげな顔つきで重々しく嘴を開く。
「ひよこである」
「嘘つけ!」
「異な事を。どこからどう見てもひよこであろう。なれど、若輩の言ゆえ聞き入れぬなどという詭弁は弄すまいぞ、うぬら」
「そうじゃねえ!」
「結構。吾が出自の如何は今は話の外にある。吾の話を聞け」
 ひよこのつぶらな瞳が凄みを帯び、猫たちは圧倒されて言葉に詰まった。
 すぐにひよこから発せられた威圧感はなりを潜める。黄色い嘴が、娘の方に向いた。
「斯様に脅えさせては、言葉も出まい。うぬらとて毬より柔い頭でもなかろう、娘が一言詫びれば十分。如何か?」
「お……おう……」
 種族的に鳥は筋力に劣るとは言え、目の前に居る自称ひよこはどう見てもその範疇から逸脱している。おまけに、視覚的にも破壊的に過ぎた。
「さあ、この通りぞ。何ぞ言うべき事はないか」
 ひよこに促され、娘はおずおずと前に出た。頭を下げる勢いで、声を絞り出す。
「ごめんなさい……」
 掠れ声ではあったが、きちんと耳に届くものだった。猫たちを挟むように立つひよこが、じっと猫たちの返事を待っている。
「き、気をつけろ!」
 叫びながら毬を投げ捨て、猫たちは一目散に逃げ散っていった。
 十分な距離が離れ、それきり戻ってこないであろうことを確認して、やっとひよこは身に纏っていた圧迫感を解いた。
 とは言え、既に威圧的である体躯のため、緊張感は依然として漂っている。
「大事ないか」
 膝を折って、娘の身長に近づけた。
 黄色くふわふわした小岩のようである。
 娘が頷くと、ひよこも応じるように頷いた。
「実は、そなたが天を仰いで手を伸ばすところから見ていた。そなた、天を目指すか」
 はっと、娘の目に光が戻った。
 ひよこが片手で野球ボールのように拾ってくれた毬を受け取りながら、娘は頷く。
「左様、天は吾ら鶏の悲願。年月に削られ、地に這うを善しとした者たちの言、理解はすれど断じて容認するわけには行かぬ。吾もまた、天を求むる者である。
吾らの志は一つ。いつか必ず、吾らが手に天を掴んでみせようぞ」
 去っていく広い背中を見ながら娘は、あれだけ筋肉をつけてどうやって空を飛ぼうというのだろうかと、それが気になった。


*‡ つづかない ‡*
190名無しさん@ピンキー:2012/03/21(水) 00:56:21.37 ID:1KX85Twd
なんというひよこ。
惚れてまうやろww
191小ネタ:2012/03/21(水) 01:05:10.53 ID:+10G6ZC1
 ペットに子供が産まれたのだが、予想外に双子が生まれ、養いきれないから貰い手を捜
している。
 そう酒の席で切り出した友人に、俺は一も二も無く快諾した。
 どうせ寂しい独り身であるし、家に帰って生き物の足音が聞こえるのはいいことだ。
トラにしては気性も大人しい方だと自負しているし、よもやかっとなってか弱いペットを
くびり殺したりはすまい。
「だが手のかかる生き物は飼えねぇぞ。知っての通り俺はがさつで――」
「わかってるわかってる。お前の部屋が有史以来片付いたことが無いことくらい知ってるよ。
だからこそ、お前が最適だと思ったんだ。手がかからないどころか、手放せなくなるぞ。
絶対にな」
 大した自信であった。
 この時点で、妙だと気付くべきだったのだ。がさつな俺に最適で、なおかつ手放せなく
なるようなペットなど普通でないことは明らかだ。
 であるにも関わらず、酒に酔った俺は上機嫌で、それが何であるのか最後まで確認することを
しなかった。

 その結果が今、俺の目の前に立っている。
「今日からお世話になります。サヤです。どうぞよろしくお願いいたします」
 毛並みは黒か。なるほど中々頭がよさそうだ。
 などという現実逃避もそこそこに、俺は開いたドアを叩きつけるように閉めた。
 どっと冷や汗が噴き出す。
 今、ヒトがいたように思う。それも恐ろしく小さい、子供としか呼べないような
メスヒトが。
 呼び鈴に応じてドアを開けたら、きっと可愛らしい小動物をカゴに入れた友人が
立っていると思っていたのに、今俺が目にしたものは一体なんだ。
 見間違いでなければ俺の気でも違ったか、そうでないなら友人の頭がおかしいかの
どちらかだ。
 それか、ヒトが訪ねる家を間違えたという可能性もある。
 たっぷり時間をかけて気持ちを落ち着け、俺は再び恐る恐る扉を開いた。
 そこに――。
「あの……こちらは、カビル様のお宅で間違いないですよね?」
 それはやはり、現実としてそこにいた。しかも、俺の名前を口にした。
「こいつぁ……一体……」
 何がどうして、こうなったのか。
 俺が完全に固まっていると、サヤと名乗ったヒトの少女はすいと一通の手紙を
俺に差し出した。
「ご主人様からお預かりした手紙です」
「て、手紙だと……?」
 訝りながら受け取り、封を切る。
 するとなるほど、それは確かに奴の字であるようだった。
***
 驚いたか? まさかヒトが来るとは思わなかっただろう。
 十年ほど前に、ジジイが酔狂で買ったヒトが子供をもうけて、それを俺が引き取った
という話をしたのを覚えているか?
 俺もそのヒトに見合いをさせて子供を産ませたんだが、先日言ったように双子でな。
 育てる気だったんだが経済的に厳しくなってきて、手放すことに決めたんだ。
 だが、大事なペットの子供だし、十年育てて情もある。売り払うのは心苦しいし、
何より双子を引き離すのも可哀想だ。
 身近な友人に引き取ってもらえれば時々は会わせてやれるし、俺も安心できる。
 そいつの名前はサヤだ。まだ十歳だが、家事は一通り覚えさせてある。
 手は掛からんぞ。むしろ、お前の方が世話になる形になるかもしれんな。
 ヒトについて分からないことがあったら、遠慮なく聞いてくれ。
 サヤを頼んだ。
 お前の唯一無二の親友より。
***

「何が……唯一無二の親友だあの糞野郎!!」
 俺が欲しかったのは小さくて可愛くて、俺の心を癒してくれる小動物であって、
決して高級奴隷などではない。
192小ネタ:2012/03/21(水) 01:05:58.67 ID:+10G6ZC1
 いくら人権が無いといっても、メスヒトの容姿なんて人間とほとんど変わらないのだ。
正直言って、俺はヒト奴隷と言うものがすこぶる苦手だ。
 大体ペットと言うものはお互いに言葉が理解できないからこそ絆が生まれるのであって、
相手が人語を理解する人間そっくりの奴隷ではまったく話が違ってくる。
「あの……」
 控えめな声にはっとして、俺は手紙を睨んでいた目をはるか下方にぐっと下げた。
 眉の下で丁寧に切りそろえた黒髪の下から、不安げな瞳がじっと俺を見上げている。
 ふと、俺はドアから身を乗り出して往来をしばし見回した。近くに保護者と呼べるような
大人はいないし、かといって奴がどこかに隠れているというようなことも無さそうだ。
「……おまえ、一人でここまで来たのか……?」
「はい。サヤは地図が読めますから」
 いや、そういう問題ではないだろう。いくらこの国は治安がいいと言っても、
小さな女の子が一人で遠出するのも危険だというのに、ヒトの少女が共も連れずに
ふらふら出歩いていたら、さらってくれと言っているようなものである。
 こう見えて俺も警察官なので、防犯には少々うるさい。おい少女。おまえはまったく
危険な旅路を、無自覚に踏破してきたことになるんだぞ。
 いくらヒトが苦手と言っても、まさかここで「一人で帰れ」と追い返すわけには
いかないだろう。
「あー……まあ。入れ」
「いいんですか?」
「何がだ?」
「とても嫌そうな顔をしているので、サヤのことが嫌いなのかと思って……」
 違うぞ少女。俺はおまえが嫌いなんじゃなくて、ヒト全般が苦手なんだ。さらに
言うなら子供が苦手だ。ヒトの子供など最悪極まる。
「まあ……そうだな。おまえを飼う気は俺にはない」
 びくりと肩を震わせて、少女は目に涙を浮かべてうつむいた。これだ、これ。
こういう態度が気に食わん。
 泣いて喚くガキも嫌だが、被害者面して悲劇を気取るガキは更に俺の神経を逆なでする。
「だから、元もご主人様を呼び寄せて連れて返らせる。それまで中で待たせてやるってんだ。茶くらいは出してやる」
「けど」
「なんだ」
「ご主人様は今朝から、一月ほど旅行に出ておいでです」
「なんだって!?」
 俺は素っ頓狂な声を上げ、部屋にとって返して慌てて電話に飛びついた。
 だが応答した声は案の定、吹き込まれた留守番メッセージである。
「あんの野郎……!」
 わざとだ。
 俺が帰る場所の無い子供を外に放り出せるような性格じゃないと知っていて、あえて
奴はこのタイミングで長期の旅行に出かけやがった。
 そうでもしなけりゃ、俺がすぐにあのガキを突っ返すことを予想してたに違いない。
 だが、馬鹿にしてくれるなよ。
 いくら俺が正義に燃える警察官だと言ったって、こんな詐欺まがいのことをされて黙って
引き下がると思ったら大間違いだ。
 放り出してやるとも、あんなガキ。ヒトで女でまだガキとくれば、そのへんに捨てて
おいても拾い手ははいて捨てるほどいるはずだ。
 俺は足音も荒く玄関に戻ってドアを開け、しかし何も言えずに固まった。
「……あれ?」
 誰もいない。確かにさっきまでいたはずのヒトの少女が、こつぜんと消えている。
 やはり幻覚だったのかと思っては見たが、渡された手紙は確かに俺の手の中にある。
「おいおい、待てよどこ行った?」
 扉や柱の影を探してみても、少女がうずくまって泣いているなどと言うことはなく、
どうやら少女は完全にこの場から消えていた。
 少女の姿を見たときよりも、余程冷たい汗がにじみ出た。
 まさかさらわれたのではあるまいな。俺が電話に飛びついている少しの間に? 
ありえないとは言い切れない。
 俺はそのまま往来に飛び出して、行き交う人々の間に連れ去られる小さな影が
見つかりはしないかと目を凝らした。
193小ネタ:2012/03/21(水) 01:06:36.25 ID:+10G6ZC1
 と――。
 いた。見つけた。
 今しも馬車に乗り込みそうな姿を見つけ、俺は年甲斐も無く全力で走っていた。
「おおい待て! 待て待てその馬車、ちょっと待て!!」
 走り出す寸前に馬車にどうにか追いつき、御者に怒鳴って馬車を止めさせ、俺は
乱暴に扉を開いた。
 すると少女が大きく目を見開いて、じっと俺の顔を見る。
 他には誰も乗っていないところを見ると、少女が自分の意思で馬車を止め、どこかへ
行こうとしていたのだ。
「あの……」
「どこに行く気だ」 
「どこって……その……」
「あいつの家に帰るのか? 一人で帰れるのか!?」
 くしゃりと顔を歪ませて、少女は唇を噛んでうつむいた。
「ご主人様は……断られても帰ってくるなって。だから、サヤは家事も出来ますし、
字も読めます。だからもしかしたら、どこかでお仕事をもらえるかもって」
「どこかって? どこだ! こんな小さいヒトのガキを、雇ってくれるところが
あるとでも思ってんのか!?」
 あるには、ある。あるからこそ始末が悪い。
「けど」
「けどなんだ!」
「ここにはいられないのだし……」
 そもそも俺は、この少女を追い払って放置するつもりだったのだ。
 だから少女がこのまま行ってしまっても何の問題も無いのだし、むしろありがたいとすら
思う。思うはずだ。思うべきだ。
「お家にも帰れないのだし……どこかに行くしかないから……けど、この近くにいたら、
迷惑に思うでしょう?」
「そりゃ……そりゃ、そう……なんだが……」
「だからサヤは、どこかに行こうと思って、だから……」
 言いながら目にはどんどん涙が溢れてきて、その涙はついに決壊してぼろぼろと頬を
転がり落ちた。
 わっと両手で顔を覆って、だから、だからと繰り返す。
 勘弁してくれ、これだからガキは嫌なんだ。特に女のガキは手に余る。おまけにヒトとは、
笑えない。
「……いいから、降りろ」
「けど」
「行く当てもねぇのに、どこかにやれるわけねぇだろうが」
「でも」
「あいつが旅先から帰ってきたら、家に帰れるように話してやるから」
「だけど」
「だけども、けども、でもも禁止だ! いいから俺の家に来い!! ヒトなら人間の
命令に従え!!」
 少女はしゃくりあげながら俺を見て、長いこと口ごもった挙句に、
「でも」
 とやはり繰り返した。
 俺は面倒になってその体をつまみ上げ、肩に担いで家へと戻る。
 少女は俺の肩の上でも遠慮なくわんわんと泣き、家のソファに放り出してからも
しつこくぐずぐずと泣き続けた。
 ご近所さんが気にして様子を見に来たが、「親戚の子供がだだをこねている」と適当に
誤魔化して追い返す。 
「あの……ご主人様」
 不意に呼ばれて、俺は全身の毛が逆立つのを意識した。
 たかだか十歳の少女に、ご主人様と呼ばれるような身分では決して無い。小市民の
警察官である。
「あのな……一応言っておくが、俺はお前のご主人様じゃねぇ。一瞬預かるだけだぞ、
一瞬!」
「けど」
「名前でいい、名前で。親戚のガキが遊びに来てることにしたんだ。身内っぽくしとけ。
俺の世間体のためにも」
194小ネタ:2012/03/21(水) 01:07:13.10 ID:+10G6ZC1
「それじゃあ……カビル様」
「様をつけるな!!」
 思わず怒鳴って、しまったと思った。
 少女の目には再び涙が盛り上がり、ぼろぼろと溢れ出してくる。
 が、きつく唇を噛み締めて、少女はどうにか泣き声をかみ殺した。
 俺はほっと胸を撫で下ろす。これ以上泣かれたら、警察を呼ばれかねない。警察官が
警察の世話になるなど、まったく持って笑えない。
「叔父なんだから……おじさんでいい、おじさんで」
 すまん兄貴。花の独身の兄貴に突如娘ができたということになるが、まあこの町に
暮らしているわけでもないんだ。何の問題もないだろう。年齢的にも妥当だ。
「……カビルおじさん?」
 こわごわ言った少女をちらと見て、俺は短くおうと答えた。
 途端に、今の今までぐずぐずと泣いていた少女が、照れくさそうにぱっと笑う。
「……おじさんね。ああ、ったく。ってことはあれだ。付け耳用意しねぇとな……
トラなんだから。あと首輪はずせ、首輪。変な趣味だと思われる」
「けど……」
「あぁーもう面倒くせぇな! 次に一言でもでも、とかだって、とか口にしたら
その瞬間たたき出すぞ!!」
 でも、と口に出しかけて、慌てて少女が口をつぐんだ。
「あの……」
「なんだ」
「サヤは、サヤって呼んでください。お母さんはさーやとか、さっちゃんって」
「あ、そう」
 名前はとっくに知っているし、あだ名になんぞ興味も無い。
「カビルおじさん」
「なんだ」
「今日からよろしくお願いします」
「一ヶ月だけだからな!」
「はい!」

 まさかその方便を、その後一生背負っていくことになるなど、その時の俺には
想像するよしもない。

*続かない*
195名無しさん@ピンキー:2012/03/21(水) 06:11:39.72 ID:C6NLdkkw
>>188
刻男さんやファンタジックフェザーに並ぶいいひよこwww

>>191
サヤちゃんが年頃になった時にごろごろもだもだするカビルさんに続く訳ですね。分かりますwww
196名無しさん@ピンキー:2012/03/21(水) 18:53:22.76 ID:3pKuuQv9
>>188
お前のようなひよこがいるか!
マッチョなのに顔ひよことかおかしいよ……

>>191
もちろん一カ月分、何か愛着出て来て渡せなくなる展開まであるんですよね?
197名無しさん@ピンキー:2012/03/30(金) 08:18:11.18 ID:GTJ095El
ホシュ
198とらひと:2012/04/02(月) 04:31:12.07 ID:Z+5RKier
虎の威続編
エロのような物が少しだけ

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/383.txt
199名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 07:41:05.28 ID:dOkGmMBK
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
200名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 00:43:30.39 ID:9CfX37UH
イイヨイイヨー
201名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 00:57:52.77 ID:uxQ3NXFR
虎の威に関してはなんだか感想書かなくても大丈夫な気がしている
けど読んでる。
202名無しさん@ピンキー:2012/04/04(水) 08:34:36.72 ID:ptFIJwui
>>198
gjー、やってる最中に作り物と気付くとはやりおる。そしてトラを騙す演技力パナイ

>>201
いや、そこは書いてやろうぜ……、無いとあるじゃモチベも変わるし
203名無しさん@ピンキー:2012/04/04(水) 22:11:52.66 ID:rtWSE0F7
しかし数年連載が続いてる作品については感想が出尽くしてる感がある。
なんて書こうか悩むうちに結局GJも書かずに終わってしまう。
204名無しさん@ピンキー:2012/04/05(木) 11:36:42.36 ID:T6nGGmoo
facebookとかの[イイネ!]ってボタンが欲しい。
週間漫画の連載を惰性で読み続けているのに似てるんだけど、
好きだから惰性で読んでるんだよな。作者の世界観が好きだから。
205名無しさん@ピンキー:2012/04/09(月) 15:58:45.04 ID:+lQxCbzB
保守ついでに

ずっと途中で投げ出さずに物語を書き紡ぎ続けている作者に感謝を

未だ途中で終わってる作者さんはまだ待ってるからな!
206名無しさん@ピンキー:2012/04/11(水) 06:54:56.08 ID:mZFOdJW3
万獣の詩が完結した



夢を見た……なんで思いだせないんだろう。内容が全く思いだせないのに深い満足感と悲しみだけは覚えている
休んで今から二度寝したらまた見れるのかな 
207名無しさん@ピンキー:2012/04/14(土) 13:33:35.29 ID:fxOCramQ
その後>>206の姿を見た者はいない
208名無しさん@ピンキー:2012/04/14(土) 17:46:23.23 ID:0lgkRuDo
>>207
206がどっかのご主人さまに拉致されて続きを書かされている姿を想像した
209名無しさん@ピンキー:2012/04/19(木) 20:59:46.10 ID:lIgxm3pl
こちむい界にはユニコーンとかペガサスとか想像上の生物はいないのかな
Wikipediaでユニコーンの項目読んでたら萌えた
210とらひと:2012/04/20(金) 02:23:50.48 ID:7o2f3cNE
虎の威続編
エロなし
ちょっと結構血が出ます

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/384.txt
211名無しさん@ピンキー:2012/04/20(金) 22:57:44.96 ID:jdCsurfT
トラキターーーって、
うーむ、バットエンドな香りが…

…どうなるんだ?
212名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 01:00:58.79 ID:hdFsp9qH
千宏が生き延びることは虎の威で確定してるから
たぶんなんとかなる
ハンスは居ないから死んでてもおかしくはない
213名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 15:13:24.53 ID:thVmvdbn
>>209
既に翼竜とかワイバーンが登場してるし、軍馬なんか六本足だぞ。
なにを今さらだって感じじゃね?w
214名無しさん@ピンキー:2012/04/21(土) 22:04:28.98 ID:bbY839t6
>>212
あの時(虎の威ED)の千宏は今の千宏(続編)と同一人物じゃなかったり…とか…。
突き詰めると怖い考えになりそうだなこれ。
215名無しさん@ピンキー:2012/04/22(日) 02:48:11.26 ID:93dGtS6U
>>214
なにそれ怖い。
バラムにもらったナイフ持ってるからさすがにそれはないと思うけど。
代々受け継いでるとかだったら嫌だなw
216名無しさん@ピンキー:2012/04/23(月) 22:28:46.06 ID:TijIlaTC
虎の威EDの彼女はチヒロ2世だったってことか!?トラどもさすがにのんびりしすぎだろwww
217名無しさん@ピンキー:2012/04/27(金) 21:55:17.87 ID:oYjtiSka
虎といえば、先日まんきつで読んだ『猫ナントカとらじ』という少女マンガが面白かった。
色んな動物が、ネズミの魔法によって半獣半人化している世界。
218名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 13:27:17.80 ID:+FgpmYik
>>217
それなんて俺得
ちょっとそのネズミ探してくる
219名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 18:35:10.00 ID:otbT8hMq
ヤクザばりのスキンヘッド強面男の頭に白い猫耳ついてるのを想像して噴いた
220とらひと:2012/04/30(月) 04:21:26.80 ID:kEZcVd7y
虎の威続編
エロなし
人が死にます
血も出ます
ベアが出ます

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/387.txt
221名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 10:17:00.75 ID:f13P0UOJ
>>220
え、何このまさかの展開
最後予想外すぎて開いた口が塞がらない、ってかGJ過ぎるよ!
空に舞い上がるトラヤキを想像してついニヤけてしまった
乙でした!
222名無しさん@ピンキー:2012/04/30(月) 22:20:50.28 ID:z6UPdKD0
うぉぉーGJ!チヒロよく頑張ったー!
223名無しさん@ピンキー:2012/05/01(火) 01:08:43.36 ID:YmZAcvP6
こうきたのか!
いいかんじに予想の斜め上行かれたわ!
224名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 00:37:58.87 ID:x5/KqwBr
毎度毎度、話がよく作り込まれていて圧倒されます…!GJ!
次回も楽しみにしています!
225名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 18:30:14.57 ID:Rp4AJ1xj
最近ここを知ったんだが、1とかに書いてる以外にタブーとか有んの?

ちょっと書いてみたいと思ったんだけど
226名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 19:40:41.09 ID:5xrqybtt
注意書きつければ基本は問題ない。

不安なら、ろだにうpにしとけばいいんじゃね?
227sage:2012/05/04(金) 21:11:32.77 ID:y5PzWiYr
エロ抜きでなろうに投稿ってアリだと思う?
書いたならできるだけ多くのヒトに見てもらいたいと思ったりもするんだが・・・。
228名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 23:09:54.07 ID:wlzs5uJb
世界観、元ネタ明記時点で18禁のエロパロ誘導になる可能性があるので、
個人的にはなしだと思うが。

見てもらいたい気持ちは分からんでもないからなー
そこら辺上手くクリアできるなら止めないよ。
229名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 00:28:43.94 ID:QhhA0pcL
なろうからの流入を考えるとちょっとなしじゃないかな
230名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 10:19:58.19 ID:1Rnr1gaj
設定いじってオリジナルにして投稿すれ
231名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 13:05:05.25 ID:o9Jqb3jr
肉球萌え
232とらひと:2012/05/06(日) 03:52:43.00 ID:q5DUXReM
虎の威続編
エロ無し

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/388.txt
233名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 20:47:09.21 ID:4ididKni
>>232
一気読みしました。血が熱くなりました。
すげえGJでした!
チヒロもハンスもトラヤキもみんなお疲れ様。

猫商人も悪人ばっかりじゃないのですね、現金なだけで。
描き方が深いなあ。


おまけの報告:猫の国の美術専門書がこちらに落ちてきているようです。
ttp://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/002000000065

234名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 22:29:41.65 ID:FjI4mlWQ
>>233
(リアルで)吹いたビール返せ!
ニャンクの叫びで再び吹いた!
モニター大丈夫か?!
235名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 21:27:44.12 ID:BVmK2vm3
>>232
おつ!
うおおとりあえずこれで一段落かな?
心配で心配でしかたなかったから落ち着いて良かったー
236羊好きー:2012/05/08(火) 23:16:20.63 ID:qTis0NJ/
3日くらい四苦八苦しながら、一応書いてみた。語彙力無いと大変だなおい



「たとえばあの月の片方が落ちてくるってのはどう?」
二つの月を見上げた後、主人である彼女は冗談めかしてそういった。
「隕石と置き換えたら陳腐化してるような。」
「それに、ゲームにもありましたよ?」
返答を聞くと、一瞬だけ嫌悪感を示した。
「まだヒトレベルには遠く及ばないか」
悔しそうに歯噛みしている。
自分としてはこの主人が何を悔しがっているのか、皆目見当付かない。はじめにこれを見せていたときはたいそう興味を持っていたようなのに。
「ご主人はとてもお優しい方ですね、こんな奴隷に時間を割いてくれるなんて」
「ああ、暇つぶしの相手は君との会話と決めているからね」
言外に帰れと言ってもこの有様。
「暇をつぶせるほど楽しい会話も出来ないと思います。また、いつ襲い掛かるとも分かりませんよ?」
びくんっと体が一瞬だけ震えて耳と尻尾の毛が一瞬で逆立つ。
よもやあのときの再現は無いよね?と言わんばっかりにこちらを見ているが知ったことではない。
こちとらゲームもしたければ、あのふかふかもふもふの尻尾をもう一度堪能したかったりする。
「そうなった場合は……あー、追い出す…だけで……」
とこの世界に存在するヒトに対する死刑宣告を恐る恐る口に出してみたりする。
主人はいまだに理解できてないらしい。俺という人間を。
「そうですか、では遠慮なく」
「へ?」
この世界に対する執着していないのはだいぶ前から説明していたはずなのだけれど、今はどうでも良い。
主人に対し一気に距離をつめて、尻尾に触れて撫でる。一瞬だけ全身が硬直した後、力が抜けている。
時折掻き分けたりして思う存分その感触を堪能する。
「うぁ!?やめ…ひぃっ!?」
以前ねじ伏せられたこともあったけど、尻尾は弱点らしい。何やら嬌声めいたものも上がり始めてるし。そういえば元の世界に居たころは尻尾が性感帯の設定の物語とかって結構ありふれてたなぁ。
「待て、んっ…本当に追い出ぁっ!?」
「好きにしてください」
「好きにって、じゃあ触れるのやめろ!」
「お断りします。これをやった後に好きにしていいということですので」
「一応では有るけど命の恩人のはz――――――っ!」
全身がビクビクと震えている上に、顔が赤くなっている。やはり性感帯なのだろうか。
あぁ、凄い良い感触だ。これの普段の疲れが一気に飛んでいくような気がする。
「最初に言ってありましたよね、恩や感謝の類は持ち合わせていないと」
毛が逆立つように撫でる。時折握ったりして、毛が抜けたりしているが気にしない。
「何でもいいから一回止めてぇ…死ぬぅ……」
「これが最後ですから耐えてください、それにまぁ貴女が死のうが知った事では有りません」
お、十円ハゲ発見。何かストレス抱えてるのかね。
「向こうの常識が貴女方を縛れないのと同様、自分もこちらの常識に縛られる気は無いので」
それから2時間ほど尻尾の感触を楽しんでいた。
237羊好きー:2012/05/08(火) 23:18:50.43 ID:qTis0NJ/
”注意!異界の門開いてます”
ふざけた注意書きが削られてる御神木が有った。
暇つぶしに来ていた神社の御神木を眺めながらふと思う。
「異界の門と言うことは過去の英霊を償還できる札を貰えたりすんのかね」
一人最近進めているゲームのことを思い出しながら呟く。
「まぁ、現実が充実していないわけでもないから異界に行こうとも思わないけどさ。写真に収めとくか、ブログのネタぐらいにはなりそうだ」
肩から提げていたカバンから取り出した一眼レフのデジカメを取り出す。親父にもらったカメラでファインダー越しに御神木を見ながらシャッターボタンを押す。
カメラを覗くと、そこには何の変哲も無い普通の木が写っていた。
「普通の木?」
周りを見ると神社は消えていた。現在自分は見知らぬ森の中に居る。
状況がつかめない。神社に居たはずだが社がない、鳥居もない。加えて晴れていた筈なのにいつの間にか雲が出ていてどんよりしていて暗い。
脳内会議の冷静な自分が仮説を立てる。
(異世界?)
「いやいや待ってよ、まだ現世に見切りをつけたわけでもないのに異世界と言うのは冗談キッツいというかルミナスファクトリー少女たちの真影やってない!」
(異常事態なのに考えることがのんきだよなぁ)
と冷静なツッコミが入り(※脳内一人漫才)を繰り広げた後にひとまずこの森を出ようと指針を立ててカメラをカバンに入れる。
異世界と決め付けるには一応まだ材料が足りない気がした。
森を歩いてしばらくすると開けた場所に出る。
やっぱりというか、何というか全く見覚えのないところに自分は立っていた。
「埼玉の神社から熊本にワープしたって前例があるんだっけか」
心細いから、独り言も少し大きめに民家か道路がないかと探して歩き出す。
遠くに人影が見えた。これ幸いにと声をかけようと走り出す。
(尻尾?)
後姿を見て覚えた違和感を振り払いながら、
「あのーここはどこでしょうか」
その人はこちらを振り返った。
「あらヒト?この辺は猫国の辺りだけど?」
うへぇ。その筋の人に会ってしまった。よく見ると猫耳と尻尾もある……。
「ありがとうございますところで交番…いや地図を貰えるような所って有りませんか?」
「(こいつ偉いとこの奴隷かしら…)行きたいところが有るなら連れて行くわよ」
お、変な人ではあるけど、悪い人ではないみたいだ。
「じゃあ、最寄り駅まで」
「エキ?」
「駅まで」
「…どこ?」
腕をくみ片手の人差し指をあごに当てて怪訝な顔付きで俺を見つめる。と、何かを確信したかのように顔がたくらんでるような顔になる
余り外れたことのない嫌な予感がしている。
「あー、エキね了解。付いて来て」
「あ、いや大丈夫です思い出しました」
「そう言わずに、人の親切は無碍にしないものよ?」
と言われ半ば強引に連れて行かれた。
238羊好きー:2012/05/08(火) 23:20:32.53 ID:qTis0NJ/
遠くが騒がしい。目を凝らしてみると女性を抱えた男が走ってる
「また騒ぎ起こしてるのかあの狐……」
「? あれは何ですか?」
「何でもないわ。と、ちょっとここで待ってて。」
それだけ言い残し、どこかの建物の中に入っていく。
「一応聞くけど、主人居ないよね?」
「へ?」
「OK、有難うね」
ニヤッと笑った女性を見た直後、後ろから受けた首への衝撃でプツンと意識が途切れた。


・・・

・・



「へぇ…ほぉー…ふーん」
遠くから聞こえる感動のため息。なぜか痛む首に手をやって考える。
はて、何故首が痛いのだろうか。
思い当たることがまるでなく、目蓋を開いて周りを見る。
直後目に入る光に数秒顔をしかめる
「おや起きたのかい」
未だ目が慣れない。光の中の遠くから聞こえてくる声と近づいてくる足音
「唐突だけど落ち着いて聞いて欲しい」
ファサッと一度だけ尻尾が揺れる。
「君は今日から僕の奴隷だ」

239羊好きー:2012/05/08(火) 23:25:09.59 ID:qTis0NJ/
「君は今日から僕の奴隷だ」
たまたま観光できていた猫国で見かけた騒動。ヒト奴隷が数人の男をのして主人らしい同族を抱えて走って行く光景。
同族ではあるものの、見知った顔ではない。一度だけ拳骨を落とされていたりもしていたのに、その同族はとても楽しそうな顔をしていた。
対照的にヒトの方はめんどくさそうな上に、無表情だったのが不気味だったが。
ヒト奴隷は非常に貴重だ。老人でもない限りとてつもない値が付く。もっとも、老人で有りながら優秀な刃物を作る老人はかなりの値が付いたと聞く。
落愕病でもない限りは、老人からでも他世界の話が聞ける。魔法が無かったり、より高度に魔法が発達していたり、先ほどの男のようにヒトで有りながら
腕力が異常に発達していたり、魔法に耐性があったりと、それぞれ別の地域なのかはたまた別の世界なのかは分からないが、その別世界の話は色々と伝え聞いている。
昔から興味はあった。しかし、数千セパタという大金は用意出来なかった。
落ちヒトの落し者でもなかろうかと暇な時出掛けては探していたりする。
他人のヒトに手を出したりすると、残念ながら犯罪になってしまう。
「だからまだ所持物でもないような君をサクッと連れ去ってきた」
眼前のアホ面さらしている男に一から経緯を説明していた…筈なんだけど視界に居ない…?
「ひゃうっ」
ゾクゾクッと突然全身に走るむず痒い感触。
尻尾を思い切り掴まれていた。
「うっわ、すげー狐の尻尾だあー(サワサワ)あーこれは何だろうな……あ、幸せか…こんな気分になるのか
しっかし望んでいたような感触だ。おお!毛が逆立ってるよく出来てるなこれ。お姉さんこれ幾らしたの?」
「いきなりデリケートゾーンに触れるのは流石に失礼じゃないかな!?」
「え、だってこれ付けてる物ですよね?さっきの人は猫耳猫尻尾付けてましたし、あもしかしてアナルに突っ込んd」
「破廉恥な!!それに付けてるんじゃない、付いてるものだ!というか話を聞いてなかったろ!?」
「はい、なんて言ったって狐の尻尾には初遭遇だったんで、まずは感触を確かめるのが基本かなと」
そう言う彼の顔は子供のように朗らかな顔をしている。
「……君の世界はそれが人への挨拶だったり?」
そんな末恐ろしい習慣の所から来たのだろうか、自分の体を抱きしめながら恐る恐る尋ねる。
「まあ、俺ぐらいですかね(動物にあったら触れるのは)」
ふぅ、と安堵のため息を一つこぼす。
異(世界)文化に触れたいと常々思ってるけれど、流石に自分のみに危害及ぶようなものを許容したくない。というか出来ない。
そこまで考えて、友人の話を思い出した。
(ヒトはねぇ、ヒトを食べたりする事もあるんだってよぉ)
普段おっとりしている友人から聞いた衝撃的な言葉に身を震わせた
「君はその……えと僕たちを(食欲的に)食べたいと思ったりするのかな?」
「んーまぁ(性的に)好きな人も居るんじゃないかなぁ」
「!? その、やっぱり、生で、ぱっくんと?」
「そりゃ、生のがイイって聞くし、まあ事後処理が面倒になったりはしますけど(妊娠とか)」
瞬間体が総毛立つ。このまま、本当にこのままこのヒトを奴隷にしてもいいのだろうか。
一人ガクガク震えていると、恐る恐る向こうから話しかけてきた。
「えと、それで奴隷ってのは?」
「……そういえば話聞いてなかったのか。もう一度だけ説明って、ヒトとかの説明はしていなかったな……」



世界観説明中
240羊好きー:2012/05/08(火) 23:27:54.37 ID:qTis0NJ/
「と言う感じ。君は今日から僕の奴隷だ。えと、僕を食べないって約束してくれるならと衣食住は保障するし君も守る。
出て行くと言うならそれはそれで構わないけどここほど自由は保障しないよ」
毒を喰らわば皿まで、ここまで来たら嫌でも他世界の話を聞いてみせる
と思いながら話していたものの、言葉は震えていたような気がする
「そうですか、では有難うございました。」
「うんうん、じゃあ今日から家事と僕が暇なときの相手を…て何処に行く?」
返答すると同時に立ち上がりドアの方に向かって歩き出した
「へ?ああ、出て行こうかなと」
「……出て行くのか。もう一度だけ忠告しとくけど、人権はただのヒトには無いからね。人権の無い君に君の世界の常識は通用しないからその辺は覚悟しとくように。」
「忠告痛み入ります。では最後に。」
そう呟く、男の顔に一切の感情が引いていく。顔は愛想よく笑っているのに、まるでマネキンを見ているかのようだ。
「生きることに執着有りませんので、放っといて下さい。別に奴隷になってどんな目に遭っていようが構いませんでした。だから貴女は俺を救ったとか思ってるかもしれませんが、
俺は貴女に一切の感謝もしていなければ、恩も感じていないので。」
「!?」
「数日後、道端で野垂れ死んでいようがそういう運命だったとしか思わないようにしてください。」
何かを言おうとしていた。しかし言えなかった。結果口を開いたまま情けない顔を曝しただけだった。
執着が無い?そんな、確かに今までと同じ生活は出来ないかもしれないが、それだけで、それだけの理由で簡単に生きる理由がなくなるのだろうか。
信じられない反面どこかこの男の弁に納得している自分が居た。どういうことか、自分の感情に対する答えを考えあぐねていると、
「では。」
扉に手をかけて今にも出て行こうとしていた。
「最後に一つだけ聞かせてくれないか。」
「どうぞ。」
「前の世界はそれほどまでに面白いものに満ち溢れていたのだろうか」
「いいえ。それ程でもないです」


バタン。


結局よく分からないまま、男は出て行ってしまった。
それほど面白いものが溢れていた訳ではないのに、この世界に来ただけで執着が消えてしまった。
理解出来ないことに思考を巡らしていると、再びドアが開いた。
「めるか?この時間に来るなんて珍s」
「あ、すいません俺のカバン知りませんか」
男だった。
「カバンなら、あの辺に置いt……そうだね、条件次第では返さないでもない。」
ふと浮かんだ考えに、カバンの前のほうに立ち、笑みを広げる。
「えと、条件てのは?」
渋い顔をしている。
「家事をこなして僕の暇つぶしの相手三食昼寝付き」
「それは、随分と破格の条件ですねっ!ってぇぇぇえええ!?」
殴り倒してでも、奪い取ろうとしてきた男を軽く流してねじ伏せて力関係をはっきりさせる。
「ヒトは最弱に近いって言っておいたよね」
ああ今自分は最高に嫌な笑顔を浮かべているような気がする。    
「……ですね。」
「奴隷になるよね?」
「……この女狐(ボソ」
「そのとおり」
「性悪女」
「だろうね」
「短足」
「…」ピクッ
「ふくよk」
「標準体型だ!」

こうして私にヒト奴隷ができた。
241羊好きー:2012/05/08(火) 23:29:05.98 ID:qTis0NJ/
という感じで投下完了。 続き出来たらまた来ると思う

出来なかったらグフフ
242名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 23:35:25.63 ID:qTis0NJ/
×こうして私にヒト奴隷ができた

○こうして僕にヒト奴隷ができた


うわあい早速誤字発見泣きたいorz
243名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 00:08:08.28 ID:QeCS5+Zw
おー、投下直後じゃないか
乙乙
またひと癖あるヒトが出てきたなw
244名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 02:14:24.02 ID:LzFtxyp3
乙乙。
続き期待してる
245羊好きー:2012/05/16(水) 00:18:06.26 ID:v81L4N5j
凄い迷走してた。書きたいことが先攻してぐっちゃぐっちゃになってぐだぐだになって大変だったけど、私は元気です




女にねじ伏せられると言う屈辱から一ヶ月がたった。
自分に腕力が有るという勘違いはしていないつもりだったけどああも簡単にねじ伏せられるとは思わなかった。

この世界のヒトのそのまま地位に関っているらしい

あのカバンさえ有れば特に従う必要も無いのに、現状は人質に取られて床を拭いているというわけだ。
しかし、この世界は良い。凄く良い。
デジタルなものが殆ど無い。その代わり魔法が発達したりしているけれど、掃除とか料理とかの繊細な作業には向かないらしい
……まぁお陰で見えてるのにカバンに触れられないと言うのは非常に癪では有るが。
しかし、これも運命と思えば受け入れられなくは無い、どうせやるなら楽しまなければならない
縁側は綺麗になったな。
洗濯物もそろそろ乾く頃合いだったろう。続いた雨で溜まっていた服(と干せなかった布団)が良い具合に太陽の香りになっているはずだ
今日はきっと熟睡できるに違いない。
そう思うと自然に顔がほころぶ。
「や、帰ったよ」
「お帰りなさいませ」
「……ん?ただいま。何か変わったことは?」
「今日は熟睡できそうです」
「そうか布団を干したのか」


・ ・ ・
・ ・



「貧乳」
「これでもCはある」
「デーブ」
「骨身ばっているよりは良いと思ってる」
「性悪女」
「否定しない」
「おとこおんな」
「……こんなしゃべり方だからね、否定はしないよ」
先ほどまでの機嫌は何処へやら、むすっとした表情のままそっぽ向く男の横顔を見て一人ため息をつく。
今日は機嫌がよかったみたいだからいけると思ったんだけどな。
あれから一ヶ月こんな調子だ。仕事は良くやってくれている。結構な綺麗好きらしく、共有スペースは(今までも清潔にはしていたが)綺麗になってる。
本人曰く『一度綺麗にしてしまえば後はそれを保つだけ。』と言っていて、気合を入れて掃除してたのは最初の三日ほどで、後はちょこちょこ綺麗にしているだけらしい。
機嫌が良い事は多々あるが、前の世界の話を聞くと一瞬でムスッとしてしまう。
幾ら露骨な反応を取られようと、こればかりはそもそもの奴隷にした理由だから曲げるわけには行かない。
……といっても時期尚早な感じは多少ある。
少し譲歩してみよう。
「……君が前の世界の話をしてくれるならカバンの中から一つ返そう。といっても選択は僕がするけどね。」
これは賭けでも有る、もしカバンの中身全部でなく、一部で良いのなら彼がここに居る理由が無くなる。
こちらを向いた。
「特に大した話が出来るわけでも無いですし、伝え聞いた話なので、質問等は受けられませんがご了承ください。」
彼は粛々と語り始めた。
246羊好きー:2012/05/16(水) 00:19:56.28 ID:v81L4N5j

深月さんは一体何を期待しているのだろうか。
こちらの世界にはなくて、向こうに有る様な物が選択としては正しいだろう。なら…
「なまはげ、と言うものをご存知でしょうか。」

・ ・ ・
・ ・



元の世界の地域の行事。しばらくはこれで話題には事欠かないだろう。
「という感じです。民俗文化にあたる事柄ですね。暫くはこういう話をします」
話を終えると同時に、こちらに何かが投げて寄越される。
「ありがとう。とても面白かった。」
おお、帰ってきた我3○S!!これで少しはこっちでの生活でも潤いが出る…!!
「これから毎日聞かせてくれるなら、後3ヶ月程で全部返そう」
ああ、やっと進めることが出来る。買ったばかりのソフトはやっぱりがっつり進めたい。
今回はアクション要素が強化されてるらしいからなぁ。それも結構なゲーマー泣かせって話を聞いてるしな、ワクワクが止まらない
「それも前の世界の物だよね。落ち物は見たこと無いのだけど、それはどう使うものなんだい?」
ああでも、これでシリーズ完結とか言われてたっけ。おしいなぁ次回作があるなら絶

ゴッ

「あいたぁ!?」
拳骨が落ちた。見上げた深月さんの顔が阿修羅像の様になっている
口だけが笑っているのが尚のこと恐い
「返すとは言ったが、無視していいとは言っていない」
「あいたたた…で、何でしたっけ?」
「何に使うものなのか。」
深月さんが横に座り、俺の手元を覗き込んでくる。その瞳は未知なる物への好奇心で一杯になっている。
その余りに無垢な瞳と鼻腔をくすぐった良いにおいにに少し心がざわつく。
「あーえっとこれもう一台カバンに入っていると思うんですけど。」
「ふむ。」
「一緒にプレイしませんか?」
「へ?」
「数人で出来るような物なんですよこれ。」
「ほう、じゃあとって来よう。」
カバンの中を漁りに行く。
「持ってきたよ。どう操作するのかな?」
電源を入れて通信が出来るとこまで進めて手渡す。
「それではご主人出すので少し待ってください」
「???」
「はい、これがご主人が操作するのです。」
「へ、この黒いおにぎりみたいなのを?」
「ええ、ではスタートです」
「ちょ、まま待て、動かし方は?」
「体で覚えてください」
247羊好きー:2012/05/16(水) 00:21:22.50 ID:v81L4N5j

「この十字みたいなので動いて…うゎ、何か来た、え、え、え、」
「あれ、消えたぞどうすれば?…右のボタンどれか?」
「あ、出てきた。あれにぶつかったら駄目なのか。」
「えあっ、舌が伸びた!?」
「あ、これで向こうから来てるのを攻g―飲み込んだ!?」
「え、え何か鋭利なの飲み込んだけど大丈夫なのか!?」
「あれ、舌の代わりに刃物が出るように……これで攻撃か」
「これで向こうから来るのを、てあれ全然効かな、あっ近づいてk」
「ああああああああああっ!?」
「うん?何で頭を撫でてるんだい?」
「ああいや、妹とか居たらこんな感じかなと思ったらつい撫でてました。すいません嫌でした?」
「んん、くすぐったいかな」
「さて、進めますか」


日が暮れていた。
「これが噂にも聞いていた落ち物なのか!!凄い楽しかった、価値が付くのも分かる気がするな」
「分かりますか!やっぱり楽しいですよね!こっちには魔法は有るけど科学は余り進んでなかったから受け入れられないかと。」
二人して、和気藹々と会話する。
「とりあえずここまでにしときましょう、晩御飯作ってきます」
時間は相当経っている。そろそろお腹も空いてきた。
「へ、もう少しやらない?」
「まあまあ、晩御飯の後でも出来ますから。」
「むー、分かった。じゃあ用意してくれ。」
部屋に深月さんを残し、調理場で料理を始める。
こっちの食材にも大分慣れてきた。元の世界とある程度被っているのも助かる。
いつもなら長時間煮込めるけど、今日は遅くまでゲームしていたから短い時間で出来るものが良いだろう。
考えた結果、炒飯を作ることにした。こっちで作るのは初めてだ。美味く出来るといいのだが。



(ここでジャンプして穴を越えて…その後に来る敵をギリギリまで引き寄せて倒して)
(お、何かヒトのメスのようなのが出てきたぞ、ここではこれが敵か)
(避けて功g)ブツッ
「あぁっ!?」
「どうしましたー?」
「いや、なんでもない、なんでもないぞ!」
248羊好きー:2012/05/16(水) 00:23:25.91 ID:v81L4N5j
まずいまずいまずい。
何故か画面が消えてしまった…。取敢えず閉じて置いて、横に。
「炒飯作ったよ!」
妙にハイテンションな奴隷が入ってきた。
「おー。なんかおいしそうなにおいがしてるな」
「…どうしました棒読みで」
「ぼうよみかな、そんなことないぞー」
あせる余り感情が乗らない。噴出している汗は流石に隠せないから白々しいことこの上無い。
「…?まぁ、食べましょう。」
「そそ、そうしよう。」
……夕食は味がよく分からなかった。
「さて、続きやります?」
「ああ、いや今日はもう良い。何か異様に疲れてしまったからね。」
「そうですか、ではセーブして片付けておきますね。」
「そ、そうかではこっちのはまた預からせてもらうぞ」
「構いませんが、セーブはしないと」
ひょいっと手持ちのげえむを取られてしまった。
「あれ、電源落ちt」
「今日はお疲れ!!僕はもう寝るよ」
足早に奴隷の部屋から去っていく。後ろから特に怒号が届くことも無く、廊下で一人胸を撫で下ろしたのだった。

自室に帰って、ふと思う。
僕、ご主人。彼、奴隷
何をあせる必要が有ったのだろうか。何も気にすることは無かったではないか。自分の所持奴隷の所持物は僕のものでも有るだろう。
一人で焦っててんてこ舞になって実に馬鹿らしい。そこまで思い至って頬が熱くなった。
……寝よう。
(…あ、良いにおい)
顔を埋めた布団から香る良い匂いに、眠気を誘われる。
(ふかふか)
取敢えず明日、怒っていなかったらこちらから謝ろうかな……
反省の色が薄い謝罪計画を立てつつ、眠りに落ちた。



窓に当たる強烈な雨音に起こされる。
結局天気は持たなかった。こちらの世界における梅雨にでも入っているのだろうか。
頭を掻きながら、布団から身を起こす。
「うっし、一日の始まりだ」
一先ずは朝食を作らないといけない。
そして、時間になったら主人を起こす
そこまで、やると本格的に一日が始まったような気持ちになる。
「さて。」
249羊好きー:2012/05/16(水) 00:24:41.75 ID:v81L4N5j
奴隷はいつもの機嫌だった。
といっても晴れの日よりは多少機嫌が悪い。水拭きがしにくいと天気に文句を付けていた事を思いだす。
機嫌が悪いのがいつもと同じ理由であればと願う。
(それにしても、結構な掃除好きだな)
朝食に出て来たパンをくわえながら観察していると奴隷の方がこちらに気付いた。
「何か御用で」
「いや、大丈夫」
変に勘繰られると墓穴を掘りそうだ。
「ごちそうさま、今日も中々だった。じゃ、僕は出るよ。」
「いってらっしゃいませ。」
特に何も責め立てられずに家を出た。
身にまとわり付くようなじめじめした空気に、いつ責められるかという不安で憂鬱になる。
ま、気にしても仕方ない。今日も仕事だ。


今日は給料日だ。材料も買い込んで来たから豪勢な飯が食べれる。
酒も有るし、今日は久しぶりに僕の手料理を振舞おう。
奴隷はどんな顔をするだろうか。彼が来てからは一度も台所にたってないからな、驚くかもしれない。心配するかもしれない。
どんな反応をするにしても、楽しみだ。
250羊好きー:2012/05/16(水) 00:26:52.26 ID:v81L4N5j
「帰ったよ」
「お帰りなさい。今日は早かったんですね。」
「ん。給料日だしな今日は私が豪華な手料理を振舞う。」
「それは楽しみです。…ちなみに料理の経験は?」
不安そうにこちらを伺う奴隷に向かって不敵に笑ってやると
「あの、自分が」
「大丈夫闇鍋じゃないんだから、きちっとしたものを作るよ。こっちの郷土料理みたいなものさ。」
「はぁ…ではお願いします。」
一先ず料理する権利をゲット。
「あ、煮付けが作ってあるので、一緒に食べましょう。」
「お、有難うね」
いつも帰ってくるころにご飯が出来ているようにしている奴隷だから、一品は作っていたらしい。
さって久しぶりに腕を振舞うか。めるにも太鼓判を押されてるからこれには自信がある。
「手伝いま―――」
「断る。大丈夫だから何かして時間でも潰してて。」
「といっても、すること無いんですよね。」
「へ?昨日のあのゲームとやら…………」
気付いた時にはもう遅い…
「?」
「……………」
やはり壊してしまっていたみたいだ、何てことだ。このままでは、彼が去ってしまうかも知れない
「あの?」
ああ、しまったこんな簡単なことも忘れていただなんて久しぶりの豪華な食事に冷静さを欠いていたのか
「うわぁ!吹きこぼれてます、吹きこぼれてますよ!!」
「え、あ…」
あわてて火を止めるも、茹で過ぎてしまった。
「あ、あ あ ごめんよ」
「えと?」
「不甲斐無いご主人でごめんよ」
情けなさ、申し訳なさで一杯になる
「ゲームを壊してごめん。あれ大切なものだったんだろ?」
感情の赴くままに、溢れた思いを止めることもせず
「僕が悪かったんだ、君が夕飯後にやるというのも聞かずに、一人で勝手に進めて」
涙と、鼻水が止まらない、動悸も激しい
「夢中になって、ぼすが出てきたから倒そうとしてたら画面真っ黒になって」
反省、自己嫌悪
「言い出そうとしたけど、言い出せなくて」
懺悔
「別に僕は主人なんだから、奴隷の物を壊そうが自由とか考えてしまって、結局壊していたこと自体今まで忘れてて」
「主人奴隷以前に、ヒトとして自分は駄目だった。」
「あの…」
「だから幾らでも僕を罵ってくれ、蔑んでくれ、憎んでくれ。前の世界との関わりを断ってしまった僕を」
「話をですね…」
「僕は君より長く生きれるからね、時間が許す限り、君の気が済むまで―――」
251羊好きー:2012/05/16(水) 00:28:01.34 ID:v81L4N5j
ごつん

「あたっ!?」
「話はキチンと聞いてますので話を聞いてください。」
「げ、げんこつ…」
「この前の仕返しです。」
「そ、それで君の気が済むなら」
「いいので話を聞いてください!!」
彼がやけくそ気味に叫んだ。
「まずは深呼吸してください」
深呼吸。意識して吸う空気の美味しい事よ。
「それでまず、手に持っているお玉を置いて座布団に座ってください。」
言われるまま正座する。
「いや、別に正座とかして畏まる必要は…ああ、もうっ!」
テーブル向こうに座っていた彼がこちらに向かってきた。また拳骨かなと構えて目をつぶる。
「・・・え?」
気がつくと彼の膝の上、頭を撫でられていた。
「えと、何を?」
「落ち着きました?」
と言われて少し落ち着いてる自分に気付く。
「…多少は」
「今回の件ですが、誰も悪くありません」
「で、でも現に君の」
「ゲームはバッテリーがあります」
耳慣れない言葉が頭に入ってくる。
「バッテリーて言うのは所謂原動力で、自分達で言うご飯です。ま、自分はゲームも含まれるんですけど」
「それを切らしてしまったのだったらやっぱり僕が」
252羊好きー:2012/05/16(水) 00:30:28.68 ID:v81L4N5j
ごつん

「ああうう…」
さっきより強めの拳骨
「最後まで聞いてください。ずいぶんとせっかちですね」
「う、すまない…」
「あ、そんな潤んだ瞳で見ないでくださいよ、こっちが悪い気になるじゃないですか…」
「で、バッテリーてのは切れたら補充することが出来ます」
「…え」
見上げた先の顔がばつの悪そうな顔をしている
「で、補充器もカバンの中。光と熱で補充するタイプのものを常備してあるので、それさえあれば晴れてるときに補充できます」
「言ってくれれば補充器も出したn」
「天気は?」
…あ。
昨日は確かに晴れてはいたが、夜まで二人でやっていた。そして今日は生憎の雨。
つまり…
「補充したくても出来なかった?」
「そう云う事です」
と、そこまで言い切った後に頭を撫でてくる。凄い気持ちいし、凄く落ち着くのに、凄く 居心地が悪い
「あー、その」
「?」
「そろそろ降ろして下さい…」
「あっと、これは失礼…って顔真っ赤ですよ!大丈夫ですか!?」
「羞恥心だ、放っとけコンニャロー!!」
色々と思い悩んだけど泣きもしたし、色々とすっきりした夜だった。
















「きつねうどんですか…」
「え!?あれ、知ってた!?」
「元の世界にも有りましたからね…というかこれが豪華……?」
「え、だって御揚げを一杯に付き5枚も使ってるんだぞ!?」
「はぁ…さいですか」
「ま、待って次はこっち特有のを紹介するから!!」
「ああはい、期待してますよ」
「その生暖かい視線をやめろー!!」

253羊好きー:2012/05/16(水) 00:32:59.48 ID:v81L4N5j
とゆう感じでした。
わあい深月(みつき)さんがすごい情緒不安定だ…
続けてる人ってやっぱり凄いと思いましたまる
254とらひと:2012/05/20(日) 21:43:36.16 ID:jEyfjKbU
続・虎の威
一難さってまた鬱々
ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/390.txt
255名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 03:59:05.03 ID:ghglNRZQ
>>245
乙乙。
ちょっとセリフが多すぎて読み辛いので、題材がいいのに勿体ない気がする

>>254
おつー。
ハラハラドキドキが落ち着いてもまだ一山ありそうだねー

お二方ごちそうさまですた。
256名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 18:38:53.38 ID:SLci98pa
最近投下多くて嬉しいかぎりだよ〜
羊好きーさん虎の威さん共に乙!
257名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 22:58:45.96 ID:dFX3PBJX
今日は良い天気なりました

数日続いた雨もスッキリ晴れ模様です
雨の後の晴れの日はより空が澄んで見えます
同じ筈なのに不思議ですね
あ、小さくですが虹も架かってるみたいです
今日はより鮮明に映っていて綺麗です
こんな日は良いことが有りそうな予感がします

「あー、そこの人。」
「はい」
身長の高いヒトに声を掛けられました
恐らく私の2倍くらいはありそうです。
「ごめん、ここは何処かな」
「あ、はい、狐国です。もしかして迷いました?」
どうも道に迷ってしまったみたいです。ここは長年この国に住んできた私の出番かもしれません。
そう考えると、胸がときめきます。
鼻息荒く私に任せて下さいと相手の反応を待っていると、
「あー……おままごとの最中だったのかな?」

笑みを浮かべて優しげにそう聞いてきます
失礼なことに、幼児と勘違いされてるみたいです
確かに身長は小さいかもしれませんが。




……みたいな感じで、始まる羊物語が読みたい
258羊好きー:2012/05/30(水) 22:50:25.61 ID:vTE5zIX/
深月さんの話終わったら羊物を一本書きたい。
そんなことを考えてたり。
今回だけ会話少なめ。





何故か最近深月さんがそわそわしている。
ゲームしている自分の前に来て、何を緊張しているのか分からないが尻尾をピンと立てたまま「あの、その…」だの要領の得ない言葉を発しては何でも無いと呟いて項垂れる主と同じように尻尾も耳もしょんぼりとさせて去っていく。
どう見ても何でも無い事は一目瞭然なのだが、正直ゲームしてるし今は夜に唯一与えられている自由時間のはずだ。
主に対する不遜な態度と言われようが知ったことでは無い。
とにかく今はこの話の続きが気になってしょうがない。
視界にチラつく深月さんがやや、気になるが気にしても原因も分からないので、無視。


おかしい。
最近奴隷を見ると頭がむず痒い様な、そんな変な違和感を感じている。
メルに似たような症状が無いかと聞いてみたものの、そんなものは知らないと言われた。
奴隷本人に聞いたほうが早いような気もするのだが、何故か聞くのをためらっている自分が居る
何故か聞くのが物凄い恥ずかしいことのように感じているのは何故なのだろうか。
意を決して今日もチャレンジしてみたものの、結局疑問に関してはまともに話しかけることすら出来なかった。

またか。
そわそわ深月(勝手に命名)さんモードのようだ。
今日は元の世界の話をしている時から既にそわそわしている。気にならない訳でもないけど、気にすることの程のものでもないので今日も放置。
主人公達は悪魔を従えることが出来るのかな。
これはニュートラルルートになるのかな。

ああうぅ……
今日はむず痒さが最高潮に達していて、話を聞く処ではなかった……
奴隷も心なしか話し方が適当だった気がする。
奴隷も、何か気になることが有るんだろうか。
もしかしたら同じことなのだろうか。だとしたら嬉しいな。
……?なんで、嬉しいのかな?
ん?うーん?
頭に浮かんだ問答に思考を割いていたら、いつの間にか話は終わっていたらしく、奴隷は居なくなっていた。


259羊好きー:2012/05/30(水) 22:52:28.97 ID:vTE5zIX/
そわそわ深月さんは、目の下にくまが出来ている。
少しフラフラしながら、しょげてしまっている尻尾を引きずりながら仕事に出て行った。
夜に何をしているのだろうか?特に物音は聞こえてこないから、単純に寝付けなかったのかな。
洗濯していたら訪問してきたメルが今夜は雨が降って多少冷えると言っていた。
自分より一回り小さくてモコモコしてて凄い可愛いこの小動物膝に乗っけて抱きしめると凄い和む。
特に嫌がる事無くされるがままにしているこの羊は深月さんの親友らしい。
薬を調合したりして生計を立てているらしい。
羊族は基本的に臆病で、集団の中に居ても自己主張することは少ない。
しかし、寂しがりでも有るが為孤立していることは無いとか。
人間ではないが、身分は人間の次くらい(超えられない壁レベルの差が有るけど)なんだそうで、メイドをやったりしてヒト奴隷同様他の種族につかえていることが多いとか。
人に喜ばれることを何より良しとするから薬学に対する研究の熱心さは他の種族より勝る。
仕えるか、薬局を営むかで生活しているのが羊達らしい。
という、抱きしめられているメルに聞いた話を反芻しながら洗濯を取り込んだ。



問答に決着は着かなかった。
正直ここまで引きずるとは思わなかったけど、よく分からないのだから仕方ない。
職場の同僚に相談してもニヤニヤするばかりで、何も教えてくれない。
分かった顔しているのに教えてくれなかったから、モヤモヤが増した。
今日の奴隷の話はパスした。
このモヤモヤを解決して早く寝てしまおう。
そう、思った。


メルの言っていた通り、深月さんが帰ってきて暫くしてから、雨が降り出した。
やることは終えているし、今日の話はパスされたので後はゲームの続きをして過ごすだけなのだが、寒すぎる。
取敢えず毛布でも出してもらおうかと、深月さんの居る居間に向かうと机に突っ伏して寝ていた。
風邪かな。最近様子おかしかったし、と考えながら額に手を当てても特に熱がある様子は無し。
疲れてるだけか。起こしてしまいたかったのだけれど、くまができていた事を考えて躊躇う。
しかし、深月さんも寒そうだ。
着ていた上着を体にかけて暖をとらせる。
自分だけ寒い思いをするのも悔しいので、頭を撫でて感触を楽しんで発散する。
ん?耳が立った。寝てても反応するんだな耳。しかし、メルのモコモコ羊毛もいいけど、深月さんの毛もサラサラしていて気持ちいな。
堪能した後、自室に戻ってタオルケットをかぶって眠った。



何かに包まれたかのような感触に目が覚めた。
が、すぐに目を閉じた。
何故か奴隷が目の前に居た。
何で寝た振りを続けているんだろうか僕は。なんとなく気恥ずかしかったのは確かだけれど……

サワッ

(!?)

ナデナデ

急に頭を撫でられて、驚きで耳が思い切り立った。
あわわ、気付かれていないだろうかと、焦るも気付いてない様子で撫で続けている。
何でいきなりこんな事を、というか耳!耳!当たってる!やめ、ちょ、……


260羊好きー:2012/05/30(水) 22:53:01.96 ID:vTE5zIX/
長い事撫でられた。……様な気がする。…………体がやや火照ってる
満足したのか自室に戻る奴隷の足音を聞いて大きく息をつく。
何がしたかったのだろうか……考えるよりも先に眠気が襲ってくる。
今日はどうせ頭も働かないだろうから、自室に向かって寝ることにする。
肩から何かが落ちた。
奴隷の上着だった。上着に気付いて知覚した。
寒い。どうしてこうも冷えているのか、原因は分からないけど、毛布の一つでもないとこれは寝付けないような気がする。
恐らく奴隷は毛布のある場所を聞きに来t

「あ、彼、物凄い寒いんじゃないかな?」

気付くと同時に急いで毛布を奴隷の部屋に持っていった。





朝の日差しに目覚めると、毛布をかけられていた。
それと、すまないの一言だけの書置き。
そういえば自分は、何故深月さんに上着を貸したのだろうか。
結界を掛けた主が病床に伏せれば緩くなるのはメルから聞いていたはずなのに。
まあ、考え事は後に回そう。
今日も一日が始まる。
朝食を作り終えた後、深月さんを起こす。

「あの、自分の上着…」

深月さんが着ていた自分の上着を指摘すると、何故かやけに落ち着くからこの上着だけしばらく借りると言われてしまった。
寝巻きにしているものだから特に困るものでもない。しばらく貸し出すことに。






奴隷の上着を着ている間、以前奴隷の膝の上に乗って後ろから抱かれているような感覚になって、非常に落ち着いた。
頭の上のムズムズが奴隷が居ないにも関わらず残っていた以外は快適に眠れた。
というか凄い心地よかった。
これをしばらく借りて寝ようと思った。
その旨を奴隷に話しているときに、またムズムズが走っていた。

「あ、毛布有難うございました。」

また、頭を撫でられていた。
と同時にムズムズが消えていた。

「なるほど!」

謎が解けた。
261羊好きー:2012/05/30(水) 22:54:49.31 ID:vTE5zIX/










なにがどうしてこうなった。
いや、また妹って居たらこんな感じかなとか思ってお礼を言いながら、頭を撫でたからだけど。

「手が止まっているよ?それとも、もう疲れた?」

膝の上に深月さん、尻尾をわっしゃわっしゃ嬉しそうにしながら、ナデナデを催促されている。
あの後、話をする間は何故か膝の上で頭を撫でながら話をする取り決めになっていた。
当人は物凄く満足しているし、ソワソワ深月さんじゃ無くなったから、何かが解決したのだろうが、まさかナデナデ……?

「手、止まってるよ?」
262名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 01:19:40.27 ID:bQMfWO6a
263とらひと:2012/06/09(土) 01:40:39.70 ID:R0FwEtpT
虎の威続編
エロなし
ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/394.txt
264名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 13:18:55.00 ID:WLj956eZ
265名無しさん@ピンキー:2012/06/09(土) 13:22:15.63 ID:gTor1Anc
乙〜
コウヤとチヒロ早く子どもつくっちゃえばいいのに

でも最終ではコウヤもハンスも出てこないんだよね
いったいこの先どうなるんだ?
266名無しさん@ピンキー:2012/06/15(金) 14:48:25.85 ID:iaNVJQbe
オツカレー

また色々と伏線が出てきたね。はてさてどうなることか
267名無しさん@ピンキー:2012/06/17(日) 01:53:11.27 ID:iiUEzjMr
過疎ってるな・・・
268名無しさん@ピンキー:2012/06/18(月) 21:19:27.50 ID:1WJYCEb7
>263
乙です!
真面目に考えると人並みの自由とか幸せってすごく難しい話ですよね。
コウヤさん、折れてはいてもプライドの高い方のようでチヒロも苦労しそう(^^;)
269名無しさん@ピンキー:2012/06/20(水) 22:57:31.21 ID:1B2KMxoY
どうもSSのほうが調子悪いのでネタだけ振ってみる。

ちょっと前にTVでチーターの生態の特集やってたんですが、
お母さんチーターの生活が泣かせるんですよ。


○子育ては基本メス一匹で行う。
 オスは何もしない。むしろ子育て前の姉妹に養ってもらってる。

○子供はハイエナやらライオンやらに狙われていて、母親は常に子供を守るか
 狩りに出るか選択を迫られる。気を休める瞬間がなくアドレナリン出っぱなし。

○狩りの成功率は3割程度。さらにケンカが弱いのでたいてい獲物を横取りされる。
 毎回全力疾走でカロリー消費するのでいつも餓死寸前。

○それでも獲物はまず子供に食べさせる。

○足は速いけど脳がオーバーヒートを起こすので長距離は走れない。
 草食動物のほうは進化の過程で脳を冷やす仕組みを身に着けてるのに、
 なぜかチーターは同じ仕組みを身に着けていない。

人間でいえば、幼い子供のために必死で肩肘張ってる人生に不器用なシングルマザー(男運ナシ)そのものではないかと。
そんな女性にこそ優しく包んであげるパートナーなり、癒しを提供するペットなりが必要なんじゃないかと思うんですが、
いかがでしょうか。


あと、何かもうひと押しでSSにできる気がするんだ……。
270名無しさん@ピンキー:2012/06/21(木) 00:36:28.98 ID:XI52LXll
よくそんなんで種を維持出来てるなっていうか
やっぱ速度SUGEEEEE
271名無しさん@ピンキー:2012/06/22(金) 15:49:32.88 ID:pOiHU09a
これを読んだ瞬間にSSを書けと言う啓示が来たような錯覚に陥ったw

番犬ならぬ番猫が雇われる。
http://labaq.com/archives/51750782.html
272名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 01:41:45.86 ID:xi1LknWQ
敢えて番犬でなく番猫を配置する。
つまりこういうことでよろしいでしょうかわからねえ。

以下、やまなしおちなしいみなし


倉庫番なんて仕事にも、向き不向きははっきりとある。
 決まったことを決まったとおりにやるのが苦にならないタイプは向いている。
 頭は要らないが体力はあったほうが良し。
 つまり俺みたいな兵士崩れの犬の男には適職だ。 

「先輩、暇です」
「巡回行け」

 反面この女、とことん倉庫番に向いてねえ。

「暇なんですよ。誰も来ないし、眠いし、何も起きないし、お腹減ったし、暇だし」

 深夜勤が始まってまだ3時間だ。
 俺の隣でごろごろうだうだしているこの女、猫らしく忍耐力ってものがまるで無い。
 何で上はこんなの雇ってんだよ。一緒のシフトだとうるさいったらねえわ。

「というわけで、何か面白い話してください」
「日誌でも書いてろ」
「もう書きました」
「どれ」
 
 机の上にだれた後輩の手から日誌を受け取る。
 新人が書いた日誌なんて直すところが幾らでも……無いでやんの。
 なんでこの仕事してるんだよお前。

「出来の良い後輩になにかご褒美はないですか?」
「わかった、わかった。
 じゃあ今まで俺が会った不審者で一番トンでた奴の話な」
「……ああ、先輩ナイスチョイス」
「率直に言ってみ」
「非モテ」

 お前もう本当巡回行ってこいよ。

「先輩怒らないで下さいよ。KY非モテだって、探せば一人くらいはあなたにグッタリする女性が」
「俺がグッタリだよ馬鹿野郎」 

273名無しさん@ピンキー:2012/06/26(火) 01:43:54.95 ID:xi1LknWQ

 ブロンドの耳がへにゃりと伏せられた。

「……退屈なんですよ」
「だから巡回行けって」
「さっき行きました。次は先輩の番です」
「退屈なんだろ?」
 
 ごろんと後輩の頭が転がり、斜めに上目遣いの猫目が見上げてくる。

「一人は怖いから行きたくないです」
「何言ってんのお前」
「いつムラムラきた先輩が物陰から襲ってくるかと思うと」
「ホント何言ってんのお前」
「ですが仕事なので、先輩がどうしてもと頼むなら行くのもやぶさかではないです」

 この後輩、意味が分からねえ。

「たべてもいいのよ」
「いーから行って来い! 仕事しろ!」
「はーい」

 ったくなんなんだ、うちの後輩は。
 猫の女とか、上は何を考えてるんだよ。
 うるせえ、堪え性はねえ、先輩は敬わねえ。
 向いてねえんだよ。
 まあ確かに、比較的退屈はしないけどよ。

                          <了>
274名無しさん@ピンキー:2012/06/28(木) 19:35:02.44 ID:+80M5OQf
ぐったりワロタw
深夜の倉庫に男女一組だけ(侵入者除き)って、すごく良いシチュだと思うんだwktk
275名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 18:40:16.22 ID:Icr15XCL
ドM向けの鬼畜モノって需要ありますかね?
欠損とかペニバンとか入ってくるようなやつ。
276名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 00:38:06.85 ID:4KErqFNS
>>275
自分がやりたいと思ったらやるべし。
投下前に注意書きをいれといてくれれば問題無いと思う。
少なくとも俺はついてくぜ。
277名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 01:32:46.07 ID:FZc6ERkm
>>276
ありがとう・・・・。
完成させられるか自信がないが、頑張るよ。
278名無しさん@ピンキー:2012/07/11(水) 23:37:39.90 ID:oMS4B6YO
>>ろだ
あぶちゃんウザかわいいと思って二度読み返したら、
ウッシーまでのっそりかわいく見えてきた不思議。
おかしいなガチムチ肉体労働者なのに。
とりあえずあぶちゃん血がほしいならウチにおいでよ!
今日から野菜中心の食生活に切り替えておくから!

>>277
応援します。頑張ってください。
279名無しさん@ピンキー:2012/07/14(土) 00:27:31.97 ID:ELFpNKVh
あれ?落ちてる?
280名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 13:18:21.29 ID:eUkRLUnu
保守
281名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 21:26:30.19 ID:OZTgrJx+
いきなりですが、○年停滞してる長編うっちゃって、
夢見る少女なティンダロスを書きたいと思うのですがいかがでしょう。
ティンダロスが貴族に嫁入りとかアリと思ってもらえるでしょうか?

明るいヒロインを書きたくて仕方がない今日この頃であります。
282名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 22:27:38.21 ID:PV6alrB/
かまわん、やれ













でもなるべくでいいから完結もさせてくり
283名無しさん@ピンキー:2012/07/18(水) 22:45:44.11 ID:IlboRkr+
面白そうですね
期待してます
284名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 03:28:24.15 ID:fkF1PvGn
>>281
よいではないか
よいではないか
ええじゃないか
ええじゃないか
あ、良い良い良い良い
285名無しさん@ピンキー:2012/07/19(木) 22:07:14.92 ID:b+oXZMLF
みなさんありがとうございます。
頑張ります。
286名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 16:31:50.88 ID:I+GTgfOI
ケモ耳系のスレってここしかないの?
普通の人間界でのケモ耳モノ書いてるんだけど投下先が無い…
287名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 21:18:25.75 ID:GTTwG59D
どちらかというと

【獣人】亜人の少年少女の絡み11【獣化】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1344329266/

の方が近い気がする
288名無しさん@ピンキー:2012/08/18(土) 18:07:28.30 ID:nTl/qAjp
ゆかりんフォーエバー保守
289名無しさん@ピンキー:2012/08/29(水) 11:42:07.20 ID:fjO8T6Tw
ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/399.txt

溜まったリビドーを短編にして放出してみました。搾乳・噴乳表現ありです
290名無しさん@ピンキー:2012/08/30(木) 18:37:30.28 ID:Xfspf0qu
乙だじぇ
猫の爺さんいい趣味してますな
291名無しさん@ピンキー:2012/08/30(木) 22:54:39.10 ID:DxockDXn
乙んつん

しかし過疎ってるね
292せんせいの…:2012/09/14(金) 00:03:20.60 ID:Cpw01DCS
お久しぶりです。
[せんせいは風呂に入れない]の無理矢理解決させる編
[悪いうさぎたち]nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/402.txt
うさぎによる暴行、アーッ、うさぎが穏やかじゃないのでご注意ください。
293名無しさん@ピンキー:2012/09/14(金) 14:14:32.13 ID:/O5nQsff
投下乙!
久しぶりにこのタイトル見た気がするな。
294名無しさん@ピンキー:2012/09/14(金) 14:15:22.23 ID:/O5nQsff
ageてもうた。スマソ
295せんせいの・・・:2012/09/17(月) 16:01:35.47 ID:Brk0+pKe
[悪いうさぎたち]に耐えられなくて削除しました。

代替品「せんせいとマダラッコくらぶ」ネタ



 私の知人の甥の就職が決まったという。知人の甥、リズ君は、大学を卒業後、見事に
ニートを勤め上げていたというのだが、とうとう観念して就職先を見つけてきたという。
その彼の勤め先が、マダッラッコくらぶ、という。もちろん笑いこき下ろしてやった。

 マダラなのか、ラッコなのか、というのは瑣末で、知人にとっての問題はその店が、そ
うマダラッコくらぶは飲食店なのだが、いかがわしい店であるか否かということなのであ
る。知人はもしそうであったらと思うと、(リズ君の家族に何をされるか)恐ろしくて確認
できないと言い、私と知人の友人のキツネがマダラッコくらぶを見極めるために借り出さ
れることとなった。
 リズ君はネコのマダラで、ちょっと頭が悪い。今年の夏中はずっと釣りに出ていたせい
で体毛と皮膚の境目がわからないほどこんがり焼けているし、目つきも悪く接客業に向い
ていない。知人が心配するのもわかるのだが。
「大学も卒業できたのだから放っておけばいいだろう」
そう私が言えば、知人の同居人であるヒトのチヨコが出てきてこう言った。
「純粋な飲食店でも、詐欺の結果の売春宿でもおもしろそうじゃありませんか」
両手の平を合わせ、柔らかげに笑いながらそう言ったのだ。スミマセンスミマセンと彼女
の後ろで平謝りしているクソネコと何かがあっての八つ当たりというのは見えていたが、
彼女が知りたいと言うのなら歩けぬ彼女の代わりに見てこようではないか。私は二つ返事
でマダラッコくらぶ訪問を了承した。

 マダラッコくらぶは繁華街でも、健全な店の多い地域に所在していた。三階建てのビル
の二階に入居しており、下から見上げた感想としては古い喫茶店のようにも見えた。
「入るのか、入らんのか」
聞き取りづらいほどに低い声が頭上から降ってくる。見上げれば、同行人であるキツネの
カマメシが私を見下ろしていた。ふざけた名前のキツネは私より頭二つ分以上も背が高い。
三間は離れて歩いて欲しいのだが、そういうわけにもいかぬ。
「入るに決まっているだろう」
私は華麗に颯爽と階段を駆け上り、カマメシはのそのそと私についてきた。
マダラッコくらぶの看板には魚とネコのイラストが書いてあった。
「なんの店なんだろうな」
「てか、本人にきけば良かったよな」
「それもそうだな、帰るか」
「おいおい」
回れ右をした私をぶっとい尻尾が制止する。私はムムと唸って、マダラッコくらぶへ進攻
した。


296せんせいの・・・:2012/09/17(月) 16:03:34.23 ID:Brk0+pKe

 「いらっしゃいませ!」
出迎えたのは不思議にも女子だった。毛足の長いぺたんとした耳の可愛いふわふわしたネ
コは派手なアロハシャツを着た大きいキツネを見て一瞬かたまり、私に、私だけに花も恥
らうような笑みを浮かべた。
「はじめてのお客様ですよね〜」
「う、うむ」
「当店はぁ〜店員を指名していただきましてぇ、その子がお客様のお食事の世話をさせて
いただいてるんですよぉ〜」
お、ちょっといかがわしいかもしれない。
ふわとろした彼女は紺色の冊子を取り出し、店員の似顔絵を提示した。
「わたくしのおすすめは〜ケイトくんなんです〜骨を取るのがとっても上手でしてぇ」
彼女のピンク色の爪先には可愛らしい少女めいた容姿のマダラが描かれていた。私は頷く。
「じゃあ、ケイトくんで…」
「おい」
「あ、リズって子います?」
ふわとろ女子はハッとした様子で私を見た。
「まにあっくですのね・・・リズ君ご指名で。あの後ろのお客様は・・・」
「付き添いなんで、いらねっす」
「まあ」
ちょっといやな「まあ」だったと私は後々思う。ファーストドリンクを請求され、私はお
茶、カマメシは昼から麦酒を頼みやがった。角席に案内される。店内の内装は落ち着いて
いて、パブともスナックとも違うようだった。他にひとり客がいて、その人はただ対面に
座るマダラの前で黙々とパンを食べていた。ちょっと怖い。
厨房口に人影が見え、とうとうリズ君らしき人物がこちらにやってきた。らしき、という
のもお盆の上に大量の貝を載せてまったく彼の顔が見えないのだ。
「よいしょ、っと」
テーブルに重たそうなお盆をのせ、リズ君は私達を見た。この日焼け具合、確かにリズ君
である。
「ちょりーっす」
「うい」
私たちは軽く手を上げる。
リズ君はわなわなと震え、黒い顔をほのかに赤くしながら耳を伏せた。
「なにしにきたの・・・あと、せんせいちょりーっすって古い・・・」
「え、ならば何がトレンドなのだ。おっぱっぴーか、オッハーレイモンドダーヨーか!」
「何情報なの!やめてよナイよ!ナイ!トレンドって言い方からやめてよ!」
私とリズ君が親交を深めている間、カマメシは麦酒のお替りを要求していた。その麦酒を
持ってきたカモシカらしき青年がヒマなのか私の隣に座る。
「この貝を焼かせていただくんですけど、先生はどのくらい焼きます?」
「よく焼いて、真っ黒になるくらい」
「おれはほどほどで」
カモシカは甲斐甲斐しく貝を焼き、ソースをつけフーフーと息を吹きつけてさまし私の口
まで持ってきてくれた。もちろんうまい。
そうして、一山食べきってしまった。
カモシカに口を拭いてもらうと、私はリズ君に向き直った。
「きみは何もしなかったけれど、何をする係りなんだ?」
カモシカとリズ君はきょとんと首をかしげてみせた。
「魚とか捕ってくる係りです」
「仕入れ担当してもらっています」
うわ、マダラ関係ねえ。
ともかくリズ君がキャバクラ相当の裏方、ということがわかり私たちは焼酎のボトルを入
れ、魚介盛を頼み楽しく飲み食いした。


 このことを報告すると先日の不機嫌さからは程遠いチヨコが「それならよかった」とも
ろ手を挙げて喜び、クソネコは複雑そうな顔をした。


おわり
297せんせいの・・・:2012/09/17(月) 16:08:06.03 ID:Brk0+pKe
うわ、あげちゃったすみません。
298名無しさん@ピンキー:2012/09/20(木) 00:37:08.28 ID:DhRqbElp
乙ー
いやもう続きをずっと楽しみにしていました

雑談だけで上がるのならともかく、作品投下でならageちゃってもいいと思うよ
299規制狐:2012/10/01(月) 19:55:02.44 ID:vmUnDL99
 ある日、私室に丸二日も篭っていた朱風が「んみゅう。さすがに疲れたのう。風呂の用意じゃ」と部屋から這いずり出てきた。
 その後、用意どころか服を脱がせ湯船に漬けて体を洗うところまでやらされた。
 『命令』には逆らえないとは言えどうしたものか。
 こっちが服を着た状態だったのが気に入らなかったらしく、湯に飛び込むわ洗う際に偶然を装って擦り寄ってくるわで、びしょ濡れにされた。
 結局朱風に服を着せた後、着替えざるをえなかった。

 そして脱衣所を出るとそこに待ち構えていたのは、やはり朱風だった。
 と言うか俺が着替えている間、戸の隙間から覗き込んで何やらごそごそと物音を立てていたが、一体何をしていたのやら。
 何となく疲れる。
 と、

「ほれ」
「ん?」

 何かを放ってきたので受け止めるのも面倒臭いが床に落としたものを拾うのは更に面倒臭いので受け止める。
 黄色…もっと言えば朱風の髪や尻尾の色に良く似た明るい狐色の塊が二つ。
 厳密に言えば、耳と尻尾だった。

「…なんだ、これは」

 面倒臭いと思いつつたずねる、と朱風が薄い胸を張った。
 …本当に薄いな。
 あれだけ食べさせているのに一向に育たない。
 かと言って太ると言うわけでもなく。
 燃費が悪いようにも思えないのだが、一体どういう生態なのだろうか、この生物は。
 体温は高めだし髪も伸びれば尻尾の毛も生え変わるので、新陳代謝は行われている筈なのだが。
 いくら年齢が年齢とは言え、見た目を考えるとまだ若いと言うか幼いと言っても…いや、これ以上考えるといたたまれない気持ちになるのでやめておこう。
 まあ、そんな主が胸を張って答えるには

「わしの渾身作。その名も『思考を読み取って動く狐耳尻尾セット(対朴念仁スペシャル)1号君改』じゃ!」

 と、少なくとも頭の方はどう成長しても変わらなさそうだ。
 嘆けばいいのか喜べばいいのか微妙な所ではある。
 自信満々で自慢げな顔をされても、どう反応していいやら。
 そもそも猫の付け耳と尻尾をだいぶ前に貰った覚えがあるんだが。

「ほれほれ、どうせバレバレならお揃いの方が嬉しかろ?」
「いや、別に」

 猫だの狐だの、正直俺にとってはどうでもいい。
 まあ角だとか兎のような長い耳だとかは邪魔になるので遠慮するが、猫と狐では見た目以外に大した差はない。
 しかし、そのような返答をするといつもなら即座にやかましく抗議してくる筈の朱風が、何故か恥ずかしそうに俯いて

「わしが嬉しいんじゃ」
「……」

 などとのたもうた。
 卑怯だ。
 そうやって赤面されながら言われると、その、対処に困る。

「…の? 次からは一緒に出かけるときは、こっちでよかろ…?」

 本当に、困るのだ。
300規制狐:2012/10/01(月) 19:57:12.67 ID:vmUnDL99

 仕方ないので受け取り、部屋に戻ろうとすると何故か着いてきた。

「…なんだ?」
「ん、いや、なんじゃ。わしの苦労を察せいなどという無茶な事は言わぬが、折角じゃし機能説明でもしてくれようかの、と」

 いらん、と言おうとして止める。
 この主の事だ。
 何か妙な機能でも搭載していないとも限らない。
 聞くだけは聞いておこう。

「一体なんだ」
「んむ。それでは遠慮なく」

 まずはこっちの手の中から狐の付け耳を取り上げると、自分の頭の上に乗せる。
 耳が四つ…奇妙な光景だが、尻尾が増えるのは知っているので、耳も増えるのかもしれない。

「増えぬぞ。そもそも尻尾は増えとる方が本来の姿で、少ない方が不自然なんじゃ」

 …まあ、思考が読まれるのは今更なので何も言わない事にする。

「賢明じゃの。さて、この狐耳は頭脳より漏れ出る微弱な魔力波を検知し、意識の向いた方へと耳を向ける。単に音に反応するだけのものとは一味違うぞ」
「集音は出来ないのか?」
「付け耳じゃからのう。そもそもぬしの体質に合わせて何重にも検知用の符を織り込んだから他の機能なぞ一切付けられぬわ」

 …そこまでするなら他の機能を充実させるべきだと思うんだが。

「何、趣味なればむしろ無駄こそ好むべきじゃ」
「…まあいい。では尻尾の方はどうなんだ」
「こっちも自信作じゃぞ」

 と、今度は尻尾を手に取る。
 朱風の尻尾に比べて細く長い。
 とは言え狐の尻尾なのでそこらの犬猫に比べれば遥かに太い。

「体の動きの邪魔にならぬよう、常に加速度と慣性を計算しつつ動く。重量軽減も合わせれば付けている事を忘れるほどの自然さじゃ」
「ほう」

 と、朱風は手の中の尻尾を弄ぶ。
 確かに今この瞬間でもその尻尾は独自に動いているように見える。
 まあ、実際の感触は付けてから、だろう。
 意外とまともな機能だ。こと俺にとっては。

 しかし、見直した直後に朱風は更に嬉しそうに告げてきた。

「しかもわしが抱きつくと嬉しそうにぶんぶんと振る機能まで付いてお得じゃぞ!」
「その機能は抜け」
「何故!?」

 邪魔だからだ。
 しかも最近はかなり頻繁に抱きつかれている。
 つまり邪魔になる回数も多くなる、と言う事で…
 ああもう、そんな顔をするな。


 結局、その機能は後に削除される事になった。
 それはもう町を歩くとすれ違う相手を頻繁に叩いてくれるので。
 本当に、面倒臭い話だ。
301規制狐:2012/10/01(月) 20:00:17.56 ID:vmUnDL99
脳波検知猫耳に加えて脳波検知尻尾が開発された記念!(何)
案の定、また日本か呼ばわりだけどw
302名無しさん@ピンキー:2012/10/01(月) 20:38:52.73 ID:VyBkwz9r
おつー
303名無しさん@ピンキー:2012/10/03(水) 19:09:22.49 ID:LpOmmyAE
(つくづくと)また日本か!だよなぁw
投下乙♪やっぱキツネはええのぉ
304代理投下:2012/10/19(金) 01:23:35.68 ID:Y9Ib3kce
虎の威続編 
コウヤ×チヒロ
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/403.txt
305名無しさん@ピンキー:2012/10/25(木) 00:52:09.20 ID:YAWL/1o8
キタ!
306名無しさん@ピンキー:2012/10/27(土) 06:34:45.98 ID:RN555Kyi
キテタノシラナカッタ!
307名無しさん@ピンキー:2012/10/30(火) 21:11:23.87 ID:JbaBfdwQ
虎の威乙〜!
久々のエロスに興奮したったw
しかしこの板も昔に比べて静かになったな
今はハロウィ〜ンまっさかりの時期だというのに
308名無しさん@ピンキー:2012/11/01(木) 09:32:42.42 ID:iI/uwjHN
エロパロ板自体が過疎化一直線だよ。
ここだけじゃない。
309名無しさん@ピンキー:2012/11/01(木) 11:31:44.31 ID:c1nO5O1n
どこのスレへ行っても作者叩きに熱を上げるアホが居るからな
310名無しさん@ピンキー:2012/11/11(日) 00:14:25.00 ID:quEaBEjM
ワンワンワンワン
11月11日はイヌの日だワン
というわけでイヌである僕が保守するワン
311名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 19:58:50.90 ID:YJiWQxA9
>>281待ち
312名無しさん@ピンキー:2012/12/19(水) 15:56:05.71 ID:Wt7pvW0B
       |ハ,_,ハ
      |´∀`';/^l
      |u'''^u;'  |
      |∀ `  ミ  ダレモイナイ・・・
      |  ⊂  :,    エロス 投稿 イマノウチ
      |     ミ
      |    彡 
      |    ,:'
      |''~''''∪

            /^l
     ,―-y'"'~"゛´  |   ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/404.txt
     ヽ  ´ ∀ `  ゛':
     ミ  .,/)   、/)
     ゛,   "'   ´''ミ  ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ
      (/~"゛''´~"U    ι''"゛''u


カルトは超ドSです。
自分が快楽を感じるよりも、相手が感じている姿を見るのが大好きです。
この二つの性癖が超融合した結果がごらんの有様だよ!
本編後の二人はこんなドロ甘な夜生活を一ヶ月に一度(それ以上だと朱風の寿命がマッハw)の割合でやります。
もげろ。
313名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 16:47:44.59 ID:UQwzB3jC
いやぁ! 
カルトのSッぷりにしびれますなぁ! 
このヒトデナシ!(褒め言葉)

投下乙です。
ご馳走様でした!
314名無しさん@ピンキー:2012/12/24(月) 01:30:05.63 ID:z/AAPRUe
うん?このスレの設定、小説を読もう!の方で見たな…
新参なんで勝手がわからんが、ちょっとマイキャラを落として考えてみるべ。
エロは期待しないでくれ
315名無しさん@ピンキー:2012/12/25(火) 08:34:28.21 ID:JDE7du2O
期待
316名無しさん@ピンキー:2013/01/01(火) 00:11:56.53 ID:fXXA0XBx
あけましておめでとう〜
今年もこちむいでモフりまくるぞ〜!
( ´∀`)
317名無しさん@ピンキー:2013/01/01(火) 01:29:27.28 ID:8kntW7OP
あけましておめでとうございます。
頑張って書くよー。
318名無しさん@ピンキー:2013/01/23(水) 23:14:17.70 ID:bfghQMoE
保守
319名無しさん@ピンキー:2013/01/26(土) 04:39:04.81 ID:NDYex5A1
腹減ったな。ケモ耳おにゃのこ食べたい
320名無しさん@ピンキー:2013/01/30(水) 15:10:10.01 ID:/jxRY6eq
残念だったな
食べられるのはお前だ(性的な意味で)
321名無しさん@ピンキー:2013/02/02(土) 04:51:08.55 ID:CEOhum7A
虎の威が面白くて寝れない
322名無しさん@ピンキー:2013/02/08(金) 22:14:38.65 ID:UdjMYfkQ
ああ、次は続きが欲しくて眠れなくなる番だ……
323名無しさん@ピンキー:2013/02/12(火) 21:24:10.33 ID:EpVN24U2
こんな過疎になっても何だかんだで続いてる作品は有り難い
324名無しさん@ピンキー:2013/02/13(水) 22:14:38.30 ID:iAJ4uNKa
昨日寝る前にこのスレ覗いたからか、あっちの世界に落ちた夢見たぜ
325名無しさん@ピンキー:2013/02/14(木) 11:06:03.97 ID:GGQqYKeM
その夢を是非、文章にしてください
326名無しさん@ピンキー:2013/02/15(金) 21:02:29.02 ID:YWmsFd8O
書いてみようかと思って思い出せば思い出すほど中二病くさいし世界観ぶっ壊してた
327名無しさん@ピンキー:2013/02/18(月) 02:44:19.85 ID:n6PkSIsS
妄想がブーストしてきた。ちょっと文章に起こしてみようかな
328名無しさん@ピンキー:2013/02/18(月) 12:26:11.34 ID:WgQIaojL
>>326
エロパロ板で中二病じゃない書き手さんなんか居ないよ。
心配要らないw
329名無しさん@ピンキー:2013/02/25(月) 20:43:21.64 ID:uEn0DWSV
そういえばまだ出てきてない獣人って何がいるんだ
330名無しさん@ピンキー:2013/02/28(木) 06:58:08.43 ID:DBsrtZQS
>>329
フクロウ、チーター、ヤマアラシ、アリクイ、ユキヒョウ、ナマケモノ、アザラシ、イルカ、サメ
などなど、大概のマイナー種族は未登場か仮に出ていたとしてもほんのわずかだと思われる
大陸にはまだまだ未知の種族がたくさん存在するのですぞ!
331名無しさん@ピンキー:2013/02/28(木) 11:44:13.33 ID:jHn1SddY
モグラの話を書きたいと思ってプロットだけ作って投げ捨てた。
ドワーフの地下宮殿みたいな路線で行こうと思ったんだけど。
332名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 10:59:55.22 ID:YUczWI0k
雑談すら無くなったな。
巡回してる人が居たら挙手を頼む。
ノシ
一人一回のルールでヨロ
333名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 12:21:01.14 ID:jR9ZuWqG
イルヨー
投下がないからなあ
334名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 16:12:34.63 ID:91U2ULwb
ふるわんなぁ
335名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 16:50:48.65 ID:hkT2UHKg
ネタ振り無しに挙手を頼んでもあまり反応ないと思う
336名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 19:42:33.54 ID:3f4CK+yp
このスレ向けの一応書いてるけど、冬の話なのに冬がもう終わっちまったというね
いつ出来上がるのか
337名無しさん@ピンキー:2013/03/05(火) 20:44:32.10 ID:AZzWLb28
一応挙手 ノ
338名無しさん@ピンキー:2013/03/06(水) 00:36:30.21 ID:rSd/3bS0
>>332じゃないが、一日でこんなに反応がある事に驚いた
まだ自分以外にもいたんだな・・・・
339名無しさん@ピンキー:2013/03/06(水) 03:44:32.92 ID:Sq2OTE1O
半ROMだけど挙手
340名無しさん@ピンキー:2013/03/06(水) 19:46:53.11 ID:J71iR5IY
ノシ
341名無しさん@ピンキー:2013/03/06(水) 23:38:34.47 ID:JLIGWaGU
昔に比べて減ったけどまだまだ健在ですな
まあ、のんびりいきましょうや
342名無しさん@ピンキー:2013/03/07(木) 16:33:05.79 ID:S23SfoW/
よくあることだけどハードル上がって整合性とるのにいろいろさくひんちぇっくしなきゃならんところもあるからなぁ
343名無しさん@ピンキー:2013/03/10(日) 01:30:15.08 ID:QY+zdpMM
ノシ
344名無しさん@ピンキー:2013/03/10(日) 09:03:55.01 ID:zFGEbXTQ
虎の威で雷に打たれて、このスレをお気に入りに入れて、
狗国見聞録でボルケーノが噴火したところで体力が尽きた
今日ほど充実した一日はここ数年なかった…
345名無しさん@ピンキー:2013/03/11(月) 00:11:44.61 ID:Qfv7ZMA9
ノシ
なんだか書いても書いても進まないんだ……。
みなさん凄いなあと改めて思う次第。
346名無しさん@ピンキー:2013/03/11(月) 01:14:57.57 ID:7ztO8GV2
書いてるうちに流れがおかしくなって行くのはなんでだぜ
そういや出来上がったとしてもどこに上げればいいのか知らないや
長くなりそうなら直接貼らない方がいいんだよね?
347名無しさん@ピンキー:2013/03/11(月) 01:33:12.40 ID:xsnqAlqk
>>346
いや、直接投下はスレのはなじゃないかな。
虎の威がロダに上げられてるのは過去に色々あったからってのもあるだろうし。
8レスくらいに区切って分割で連載投下してもいいし。
348名無しさん@ピンキー:2013/03/13(水) 21:07:28.51 ID:eyet+Q7y
個人的な意見を言うと、20〜30とレス使うのでなければ直接投下の方がスレも進むし嬉しい
が、これぶっちゃけ未だにどちらがいいのか揉めてる点でもあるので自分の好きな形式で投下が一番いいと思う
349名無しさん@ピンキー:2013/03/16(土) 17:12:05.28 ID:OdoFSwiy
とりあえず前半だけできたけど、
総文字数13,328
行  数1,039 (一行20文字換算)

これ一気に投下しても大丈夫なんだろうか
やはりどこかにうpした方が良いのだろうか
350名無しさん@ピンキー:2013/03/16(土) 18:34:06.28 ID:M6KExoSA
1.レス一つにつき4kb、つまり全角2000文字入る
2.一行45文字ぐらいまで入れても問題ない
3.使っても10レス以内に収まるだろうから直接はっつけても問題ないがtxtのままうpでも構わない
 Wikiにうpロダあるから使うといい


待ってる
351シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:06:17.37 ID:MJCX8Kjl
投下します

注意:狼♀×ヒト♂前提だけど旦那の出番あまりありません

レズプレイ&若干触手注意
352シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:08:09.29 ID:MJCX8Kjl
 銀月城は満月を背に、片田舎の小国には似つかわしくないと思われるほどの美しさを誇っていた。
 もともとは、かつてこの一帯を治めていた黒き狼の王族が別荘として利用していたものだという。何かの縁でその城を譲り受けた地方領主が、現在の銀月城の主の祖父に当たるのだとか。
 その王国もすでに滅び、銀月の領地はそのまま独立国となった。現在この一帯には似たような事情を持つ都市単位の小国が乱立している。
 銀月城のただっ広い食堂のど真ん中で独り、窓から月を眺めながらヒトの男は深い深いため息をついた。
 久々のひとりきりの時間、寂しさもあり開放感もあり、なんとなく落ち着かない。
 だが、ため息の原因はまた別のところにあった。

「どうした? シロクロ。元気ないじゃないか」

 つまみ食いにでも来たのか、礼装を着崩した獅子の男が親し気に話しかけてくる。

「いや、元気なくはないですけどね」

「うそつけ。ため息なんかついてよ」

 隣の席に腰を下ろした獅子の男は、まじまじとシロクロの顔を観察し始めた。
 気安い雰囲気の男だが、この国に身を寄せる前、その昔はいずこかの国にて数々の武勲を立て、勇名を馳せた勇者であるとのこと。現在は将の任に就いている。
 先の戦乱でも、彼の力があってこその策がいくつも立案され、彼はその全ての期待に、それを上回る戦果でもって応えた。
 武芸以外にも学問に長け、魔法を使うことはできないものの知識自体は豊富。まさに文武両道の騎士でありながら、驕ったところがなく、部下からの信頼も厚い。
 また、本名や役職名で呼ばれるよりも、ライオンさんとあだ名で呼ばれることを好むところや、
どちらかというと厳つい外見からは想像もつかないが、料理を趣味としていたり家事全般が得意だったりするところが城内の婦女子からはカワイイと評判だ。ギャップ萌えとかいうやつらしい。
 その自他ともに認める歴戦の愛されキャラが、下卑た笑いに顔を歪ませるところを見る機会はそうそうないだろう。

「あー、お前あれか、そうだよなアレだよな」

「……なんですかライオンさん」

 察しはついているが一応聞いてみる。聞いてほしそうだから。

「アレだろアレ。新婚さんだもんな。毎晩がんばって疲れてるんだろ」

 ライオンさんがゲヒヒヒなんて含み笑いを漏らしているところ、ファンの子が見たら泣きますよ。
 そんな言葉を、シロクロは寸でのところで飲み込んだ。

「……そうだったら、いいんですけどねぇ……」

 シロクロのため息がまた一段と深くなった。
353シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:13:21.31 ID:MJCX8Kjl
 彼女は言った。髪の色も瞳の色も黒なのに、お名前に白が混じっているなんて面白いですね、と。
 シロクロとあだ名をつけられたヒトの男が、彼女の側に仕えるようになって早くも2年。
 山積みだったゴタゴタもあらかた片付き、ようやく一息つけるかと思った矢先だった。

「シロクロさん。私と結婚してください」
 思わず耳を疑った。

「あの、セフィー、いま結婚してくれと聞こえたんですが」

「はい。確かに言いました。聞き間違いでも気の迷いでも冗談でもありません。私と結婚してください」
 セフィーはまっすぐシロクロを見つめ、流れるように淀みなく言葉を紡ぐ。
 彼女に求婚されたのだ、という事態を認識するまで、シロクロは十数秒の時を要した。

「えーと、あの、ですね、お気持ちは大変嬉しいのですが」
「あれ、私フラれてしまったんですか?」
「いや、その、僕なんかではセフィーとは釣り合いがですね。その、ごめんなさい」
 あとになって冷静になってみれば、振るにしてもなんてひどい文句をぶつけてしまったものかと、シロクロは激しく後悔したものだ。
 が、彼の主君は引き下がらなかった。

「でもそれ、本心ではありませんね?」
 セフィーの真紅の瞳には些かの迷いもない。確信を持って彼女は言った。

「シロクロさん。あなたは本心ではないことを言う時、必ず目が泳ぎます。そして大抵の場合、左手で顔の下半分のどこかを触ります。今ほっぺたを掻いてましたね」
 言われてみると、シロクロはその通りの行動をとっていた。

「あ、今度は頭を掻き始めましたね。あなたがそうするのは困っている時、戸惑っている時、それから考え事をする時、です」
「はは……これは、まいったな」
 意識してしまうと、左手の置き場が定まらない。シロクロはただ狼狽えるばかりだった。

「私、ずっとあなたのことを見ていました。今ではあなたも知らないあなたのことをたくさん知ってます」
 セフィーの口調は変わらない。瞳もまっすぐシロクロを見つめ続けていた。
 断らなければ、とシロクロは考えた。
 しかし、どんな理由で?
 種族の違い。寿命の違い。結ばれたとしても恐らく子供はできないであろうということも。
 考えに考え、いくつもの言い訳が頭の中から湧いて来たが、そのぐらいのことを考えられないほど彼女は幼くはない。全てセフィーは承知の上でのことだろう。
 彼女は1人で考え、悩み、そして決断したのだ。
 それはどれほどの覚悟、どれほどの勇気か。
 彼女の小さな肩や、スカートを握りしめる両手、美しい銀の尻尾の先が微かに震えていることを、シロクロは見逃さなかった。
 普段はぴんと立った耳が僅かに下がっていることも、
 少しばかり瞳が潤んでいることも、
 尻尾の先までしっかりと手入れされているものの、何に気を取られてか、肩までの長さの髪が少々跳ねてしまっていることも。
 それは付き合いの長い者でもなかなかわからないような、ごく小さな変化だったが。
 シロクロもまた、ずっとセフィーのことを見ていたのだった。

「お返事は、すぐにでなくてもかまいません」
 セフィーは少しだけ表情を緩めたかと思うと、微笑みはそのままに、瞳に宿す輝きだけが、瞬く間に肉食獣のそれへと変わっていった。

「でも、覚悟してくださいね」
 オオカミの指先が、男の胸元に狙いを定め。

「オオカミは、狙った獲物は逃しません。どこまでも追いかけて、必ず捕まえます」 
 月明かりに照らされ、銀の狼の静かな宣戦布告。

「私はすっごく、しつこいですよ」

 逃げられる気がしない。シロクロはこの時すでに敗北を悟っていた。
 それから3日の後、哀れな男はオオカミの獲物となり、式は盛大に執り行われた。
 領主がヒトの男を婿として迎え入れるなど前代未聞のことではあったが、男が先の戦乱の功労者であったことや、何より領主本人が強く望んでいたということもあり、結婚に反対する者はいなかったという。
354シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:15:51.63 ID:MJCX8Kjl
「で、相談したいことって?」

 玄狐の女性は、自らの長い黒髪に櫛を通しつつ、傍の妹分に問いかける。

「はい。シロクロさんのことなんですが」

「旦那さんのことなら本人に聞けばいいじゃない。早くも夫婦間に亀裂?」

「そんなんじゃありません! 本人に聞いても大丈夫としか言ってくれなくて……でも、どう見ても最近元気がないんです」

 玄狐の視線の先には、ベッドに腰掛け好物の紅茶をすする銀の狼。
小さな鼻も、ぴんと大きな耳も、大きな真紅の瞳もまことに可愛らしい。
髪も尻尾もさらさらのもふもふだ。それも当然、ついさっきまで自分が手入れしていたのだから。
 あの男、こんな妻がいて何が不満だというのか。全く理解に苦しむ。
 いや、逆かもしれない。元気がないのは疲れているからで、
この子があんまりかわいいものだからついつい毎晩がんばりすぎてそりゃもう、
この子が泣こうが叫ぼうが構わず精魂尽き果て足腰立たなくなるまで欲望の滾りを容赦なくぶつけそして泥のように眠り
それを毎晩毎晩殺すあの男殺す祟り殺す

「あの、お姉様。目がこわいです」

「ああ、すまぬ。儂としたことが……いえ、私としたことが不愉快な想像をしてしまって」

「それで、私どうしたら」

「んー。原因がわからないとなんともね。やっぱり本人に確認するしかないんじゃない?」

「えー、もっとちゃんと考えてくださいよぅ。私悩んでるんですからぁ」

 そう言われても、あの男のことなど正直あまり興味がない。
355シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:19:10.08 ID:MJCX8Kjl
「わかったわよ。……元気がないって具体的にどんな様子なの? 具合が悪そうとか?」

「うーん。なんかこう疲れてるというか」

 やはりかあの男。生かしてはおけん。そう思った玄狐だったが、続く言葉に思わず眉をひそめた。

「疲れているというか、なんというか。……そうですね。最近ずっと何かを我慢してるみたいに見えます」

「我慢してる?」

 何かがおかしい。何かが決定的にずれているような気がしてきた。

「そうですね。あと、私が近くにいると特に、なんだか苦しそうなんです」

「それ、たまってるんじゃないの? ちゃんとさせてあげてる?」

「何がたまってるんです? させるって何をですか?」

「何って、あれよ。わかるでしょ?」

「あれって……なんです?」

 恐ろしいことに、可愛らしく首をかしげて、耳をぴこぴこと動かしながらそう言うのだ。この狼は。
 恥ずかしがって誤魔化しているとかではなく、本当にわかっていないようだ。

「ねえ、あなたたち結婚してからもう1ヶ月よね?」

「はいっ。1ヶ月と2日です」

「その間何もなかったの? 本当に何もしてないの?」

「えっと……あの……」

 途端に顔を真っ赤にして口ごもる妹分。
 そんな。言えないようなことをされているのか。やはりあの男、消し炭にしてくれる。

「なんじゃ!? なにをされた! ええい、言わぬか!」

「だから、あの……き」

「き?」

「毎日、寝る前に、キス……してます」
356シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:21:54.75 ID:MJCX8Kjl
 どうせそんなことだろうとは思ったが。
 目の前の狼は、真っ赤になった頬を両手で押さえながら尻尾をぶんぶん振り回してああもう可愛いなこやつめ。
そんな幸せそうな姿を眺めながら、さてどうしたものかと途方に暮れる玄狐だった。
 この分では、本当に接吻より先のことは何もしていないのだろう。
 あのヘタレめ。それはそれで許せぬ。
 姉代わりとしてセフィーをずっと見守ってきた玄狐としては複雑な心境だった。

「あいつから誘ってきたりしなかったの? 例えば、君が欲しいとか抱きたいとか言われたり」

「えー、ああ、抱きたいって言われたことならありますよ」

「それで、それからどうしたの?」

「私がいいですよって言ったら、ぎゅーって抱きしめてくれました」

 まさにお手本のような満面の笑みで、両手を前に突き出すような姿勢を取りながら狼は言う。

「いい匂いがして、あったかくて、だんだんきもちよくなってきて、そのまま寝ちゃいました」

 その時のことを思い出しているのか、へにゃりと気の抜けた表情ながら、その口から飛び出す内容は想像するだけで恐ろしいものだった。

「それから毎日、ぎゅーってしてもらって寝てます。そうすると安心して、よく寝られるんです」

 ほわー、なんてため息をつきながら幸せそうに。
 安心しきって、これだけ無防備な姿をさらされれば、かえって手が出せないというのもわからなくはないが。
 つがいとなった狼は、以降ほとんどの時間を共有するという。この夫婦も例に洩れず、風呂とトイレ以外は常に行動を共にしていると聞いている。
 こんな可愛い生き物に抱きつかれて手も出せず、それも毎晩、1ヶ月もの長さの禁欲とは。玄狐は初めてあの男に同情した。
 独りで処理する暇もなかっただろう。自分がその立場だったらとうにおかしくなっていたかもしれない。

「セフィー。わかったわ。旦那さんの元気がない理由」

「ほんとですか!?」

「ええ。半分は彼の自業自得だけど、まあ半分はあなたのせいでもあるわね」

「えっ、私なにかしちゃってました?」

「しちゃったというか、してないのが問題というか。まあよい」

 玄狐の瞳に妖しい輝きが宿ったことに、狼はまだ気づいていなかった。
357シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:25:38.69 ID:MJCX8Kjl
 結婚を申し込んだのは、この娘の方からだと聞いている。しかもかなり強引に迫ったとか。
だというのに、肝心の夜の生活についての知識が全く欠落しているとは。
 その責任は、この娘を蝶よ花よと甘やかして育ててきた自分たちにもあるのだ。
年頃になれば自然にそういうことに興味を持って、自然に学んで行くものだと思っていた。
いや普通はそうなのだろうが、この娘は素直にすぎた。

「奴の元気を取り戻すにはの、汝(なれ)の協力がいるのじゃ。が、それは汝にとっては少しばかり辛いことかもしれぬ。それでもよいか?」

「シロクロさんが元気になるのなら、私なんでもします。どうしたらいいのか教えてください!」

 玄狐が久しぶりに訪ねてきたということで、今夜は客間で姉妹分2人、まくらを並べて過ごそうという話になっている。
今夜は銀の狼とヒトの男がつがいとなって以来初めて、夫婦が床を共にしない夜ということになる。
 この機会を逃せば、次はいつになることか。
 シロクロよ。今だけは儂は貴様の味方じゃ。

「うむ。よかろう。……では儂が手ほどきしてやるとしよう」

 オオカミの娘がまだ幼い頃、「おねーちゃんのしゃべりかた、おばーちゃんみたいだね」と言われたのが相当ショックだったらしく、
玄狐は本人としては若者っぽいと思っている話し方を苦心して身につけた。
 だが、興奮して我を失ったりしたとき。元の話し方に戻ってしまう。完全に戻ってしまったときは相当キてるということだ。
 狼もそれはよく承知していたのだが、シロクロの元気を取り戻す方法という話題に集中するあまり気づいていない。
 だから対応が遅れた。

「ひゃっ……!? な、なにをするんです!?」

 玄狐の尻尾が十数本にまで分裂したかと思うと、それぞれが独自の意思を持っているかのように蠢き、伸び、瞬く間に狼の手足に絡みついた。
358シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:27:15.35 ID:MJCX8Kjl
 狼は慌てて振りほどこうとするが、拘束は緩む気配はない。

「案ずるな。悪いようにはせん。汝はただ、身を任せるだけでよい」

 玄狐はさらに尻尾を操作し、狼の体をベッドの上に固定すると、寝巻きのボタンをひとつひとつ外し始めた。

「やっ、やめてください! 脱がしてどうするんですか!」

「いまさら恥ずかしがることもなかろう? 先刻湯浴みを共にしたばかりではないか」

「それとこれとは別ですー! やぁっ、見ないでください!」

 抵抗虚しく、狼はすでに下着姿にまで着衣を剥ぎ取られていた。着衣は不思議と、彼女を戒める黒い拘束に干渉することはなかった。

「暴れても無駄じゃ。汝に魔術の手ほどきをしたのは誰じゃと思うとる」

 玄狐の霧海といえば、この辺りではそれなりに名の通った魔法の使い手だ。
セフィーは小柄ながら、単純な力では玄狐をはるかに上回るが、その力を持ってしても拘束を振りほどくことはできない。
 今回、玄狐ムカイは3つの術を併用していた。
 まず不可視の枷を出現させ、対象の手足を拘束する。
 枷は急ごしらえのため強度はさほどでもないが、禁術と呼ばれるものを併用することで破壊を防いでいた。
 禁術とは、対象が本来持っている性質を封印する術だ。いかなる名刀でも、刃を禁ずれば単なる鉄の棒にすぎず、駿足の名馬でも脚を禁ずれば動きの鈍い草食獣だ。
 また、尻尾が変形したり枝分かれしたりというのは幻覚の術。
精神的に優位に立つことで術の効力を高める他、使用している術の種類を悟らせない為の目くらましでもある。
 が、最も大きな理由としては、金縛りよりは目に見えるもので縛られ、決して解けない拘束を振りほどこうともがく姿に「萌える」からだ。
 そうこうしているうちに、ついに下着さえ剥ぎ取られ、狼は控えめな胸を露わにする。
 あえて拘束しなかった銀の尻尾で脚の間を必死に隠しているが、それがムカイをさらに喜ばせることになっているのには気づいていないようだ。
359シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:29:08.00 ID:MJCX8Kjl
「お姉様っ、やめて。どうしてこんな……」

 羞恥に耐えかね、セフィーは目を閉じて体を震わせていた。身体を隠すこともできない今、それが彼女にできるせめてもの抵抗。

「セフィーや、儂は何も汝をいじめようというのではない。あの男を元気にするための方法を教えてやろうというのじゃぞ」

 身動きの取れない狼の身体に、ムカイはその指を這わせてゆく。首筋から胸の先端まで、そこから脇腹を通って臍の周辺まで。
セフィーは敏感に反応し、息を漏らして身体をよじらせた。
 そして玄狐の魔手は尻尾の付け根に、そして最も神聖な入口に到達する。

「やっ……そこは、ダメです……あっ、おねがいですから、そこはぁ……」

 細い指先に尻尾の付け根や入口の周辺を撫でられ、狼は必死に制止を乞う。が、そんなことでは玄狐は止まらないことはよく知っていた。
 指の動きはやがて、優しく揉み解すように、あるいは微細な振動をもって刺激するように変わっていった。
 痺れにも似た感覚が、触れられている箇所を中心として広がっていって。
 呼吸が荒くなり、身体が勝手に跳ね上がるように動こうとする。それを自制することができないばかりか、それらは徐々に大きくなっていく。

「あっ、はっ、や、おねぇ、さま、やめ、て……」

「いま少し我慢じゃ。じきに良くなるからの」

 玄狐の指の動きは、まるで何かを探しているかのようだ。
 耳、尻尾、首筋、胸、脚の間。撫でるように、くすぐるように、時にはつまむように、時には指を小刻みに震わせて揉み込むように。
 セフィーは、自分の身体に何かが蓄積して、何かの限界が迫っていることを自覚していた。

「ひっ。……だめ、おねえさま、そこ、やっ、だっ……」

 玄狐の指がそこに触れた時、これまでにない痺れが身体中を駆け巡り、狼の身体は大きく跳ねた。
360シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:30:26.44 ID:MJCX8Kjl
「そうか。ここが良いのじゃな」

 指は、反応のあった箇所を集中して責め立てる。
 左の指先は胸の先端に軽く爪を立て、弾くように。
 そして脚の間に沿うようにして置かれた右の指先は、上下に左右に揺れるようにして。
 それは幾度も繰り返され、そのたびに狼は限界へと追い込まれていくのを自覚する。
 未知の刺激に怯えながら、それに耐える術も持たず、ただ身体を震わせることしかできない。
 呼吸もままならず、狼には許しを請う自由すら残されていなかった。
 やがて指先が脚の間に秘められた小さな突起に触れた時、何かがはじけて、今までにない痺れが、耳の先から尻尾の先まで全身を襲う。
 意識してもいないのに背筋が高く跳ね上がり、息を吸うことも吐くこともできなくなった。
 声のない悲鳴を上げながら、狼はこの瞬間が早く過ぎ去ることを望んだ。
 同時に、なぜだかはわからないが、この時がずっと続けばいいとも思った。
361シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:34:15.63 ID:MJCX8Kjl
「……ちと、やりすぎたかの」

 真っ白な世界から帰ってきた狼が最初に耳にしたのは、玄狐のそんな言葉だった。

「おねえさま、ひどいです。わたし、こわかったんですからぁ……」

 熱にうかされた頭で、セフィーはなんとか抗議の言葉を絞り出す。
 痺れの残る身体を動かそうとしてみるものの、黒い尻尾の戒めはまだ健在だった。姉はまだ自分に何かするつもりなのだろうか。
 どちらにせよ、抵抗する気力はすでになかった。

「で、どうじゃった?」

 意地の悪い笑みを浮かべながら尋ねる玄狐。

「どうって、なにが……」

「いじられて、気持ち良かったのかと聞いておる」

 一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
 少し遅れて、かあっと顔中を真っ赤にする狼。

「わっ、わかりません! こんなの、わたし、はずかしくて……」

「さようか。さてこれはどうしたものかの」

 ムカイは、セフィーが飲み残した紅茶をすすりながら逡巡する。
 先ほどの反応を見る限り、しっかり感じてはいるはずだが、それよりも戸惑いや怯えの方が勝っているようだ。
 このままでは、こういったことに対して苦手意識ばかりが残ってしまうかもしれない。ここはもう一押しする必要があろう。

「しかしな、今後汝はこのような行為を何度も繰り返すことになるのじゃぞ。あの男とな」

「シロクロさん……と?」

「そうじゃ。いちいち恥ずかしがっておったら身が持たんぞ?」

 まあ、その方があの男も喜ぶじゃろうが。と、玄狐は心の中だけで付け加えておく。
 なにを想像したのか、セフィーは真っ赤になった顔を左右にぶんぶん振り回して頭の中の映像を吹きとばそうとしていた。

「むり、むりですっ! そんな、はずかし……だいたいシロクロさんが、こ、こんなこと、したがってるかどうかなんて」

「いいや、あの男は望んでおるぞ。奴は汝を抱きたいと申したのであろう? 男が女を抱くと言えば、こういうことと相場が決まっておる」

「そんな、の、シロクロさんが、そんなことっ」

「嘘じゃと思うなら本人に訊いてみればよい。あの時抱きたいと言ったのはどういう意味だったのか、とな」

「うぅ、そんなこと、もう、きけるわけないじゃないですかっ」

 夜の知識に疎いこの娘にとって、愛する夫にさえ、いやだからこそ、肌を晒すことが堪え難いほど恥ずかしいことに思えるのだろう。
 それは可愛らしくもあり、できればそのままでいて欲しいと思う気持ちもあるが、いい加減大人の階段を登ってもらわなくては、流石にあの男が哀れにすぎる。

「よいか? セフィーや。儂も、あの男もな、何も汝が憎くてこのようなことをするのではない。むしろ逆じゃ」

 玄狐の魔手が再び伸び、怯える狼は目尻に涙を浮かべる。

「いや……もう、やです……」

「初めは怖いかもしれぬ。痛いかもしれぬ。しかしな、これは夫婦が互いの思いを確かめ合う、大切なことなのじゃ」

「あ、やっ、やぁ……」
362シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:37:28.05 ID:MJCX8Kjl
 玄狐の手は、先ほどの激しさが嘘のように優しく頬を撫で、そのまま滑るようにして徐々に下っていく。
 それでも、白い世界に追いやられたばかりの狼には充分すぎるほどの刺激だった。すぐに呼吸が荒くなり、くねらせるように身体が動き始める。

「想像してみぃ? あの男に、シロクロにこのように触れられるところを」

「……あっ、シロクロ、さ、やぁ……」

 彼の名前を出した途端、吐息に熱っぽさが戻ったようだ。
 玄狐の指先が胸のあたりに差し掛かると、セフィーの腰がぴくりと跳ねる。

「どうじゃ? 嫌か?」

「いやじゃ、ない、です……でも、くすぐったい、です」

 先ほど全身を襲った痺れ、そして今じわりと広がっていく熱は。
 セフィーが知る限りでは、くすぐったいという感覚に近いようだ。
 だが、それとは何かが、何かが決定的に違うことはわかっていた。

「恥ずかしがることはない。決して悪いことではないのじゃからな。夫婦ならば誰でも経験することじゃ。それは幸せなことなのじゃぞ」

「しあわ、せ……あっ!? わぅ、やっ」

 突然の刺激に、セフィーの身体は大きく跳ね上がった。
 玄狐の指先は胸を撫でながら、尻尾の先が脚の間を刺激し始めた。触れるか触れないかのところで、幻覚ではない玄狐の繊細な毛並みが揺れるたび、セフィーの背筋を冷たい何かが駆け上っていく。
 腰を浮かせて刺激から逃れようと試みるが、黒の戒めは緩まない。脚を閉じることすらできず、わずかに身体をずらしても、黒い尻尾はどこまでも追いかけてくる。
 自分の尻尾で隠そうにも、玄狐の空いている方の手で尻尾を掴まれて動かせない。

「どうじゃ? 気持ち良いであろう?」

 セフィーの耳元で、玄狐が囁くように。

「そんな、の、わかりま、あっ、んっ」

 耳に当たる吐息に身体をびくっと震わせながら、狼はすでに限界が近いことを自覚していた。
 このまま追い詰められたら、何かが爆発して、身体中がしびれて動かなくなって、なにも考えられなくなる。あれが、また。

「あっ……やっ、おね、やめ、て、んぅっ……」

 懸命に訴えても、玄狐の尻尾は動き続けて。
 そのまま、息もできないほどに追い詰められて。あの衝撃が目前に迫るのがわかるのに。
 あと少し、軽く触れられるだけで破裂しそうなのに。
 いつまでたっても、あの瞬間はやってこなかった。
363シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:39:01.00 ID:MJCX8Kjl
「えっ……あっ……?」

 いつのまにか息ができるようになっている。でも身体が熱くて、頭がはっきりしなくて、何が起こったのかすぐにはわからなかった。

「どうした? セフィーや」

 目の前には、楽しいイタズラを思いついたときのような笑顔のお姉様。

「おねえ、さま……?」

 しばらくしてようやく、玄狐の指と尻尾が動きを止めていることに気づいた。

「ずいぶんと辛そうじゃの。やめてくれと申すからやめてやったというのに」

 ようやく止まってくれたのに。あの痺れる感覚や、背中がぞくぞくすることや、頭がぼーっとして息が苦しくなることから開放されたのに。
 どうしてこんなに苦しいのか。どうしてこんなに身体が熱いのか。
 狼にはわからなかった。

「ひゃっ!? んっ……はぁ……ぅ」

 突然、玄狐の尻尾が動きを再開した。
 しかし動きは緩やかで、先ほどのように激しく追い詰めては来ない。
 ゆっくり、じわじわと責めたてられ、そして限界が近づくと息つく間を与えられる。何度もそれを繰り返され、それが何故だか、もどかしいと思った。
 早く楽になりたいのに、どうすれば開放されるのかがわからない。

「どうじゃ? おあずけを食らうのは辛いであろう?」

「はぁ、はぅ……つらい、です。でも、……どうして……」

 どうしてなのか。どうしてつらいのか。どうしてもどかしいのか。靄がかかったような頭でいくら考えても、答えは出なかった。

「それはな、汝の夫がずっと抱えておったものじゃ。奴の元気がなかったというのもそれが原因よ」

「シロクロさん、が……?」

 ムカイは尻尾も指先も、もはやほとんど動かしてはいない。
 おそらく無意識だろうが、セフィーは自分から腰を動かして刺激を貪っていた。
 玄狐は妹分への性教育に成果が出始めていることを確信する。
364シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:41:17.91 ID:MJCX8Kjl
「そうじゃ。奴は汝との行為を望んでいたが相手にされず、悶々としていたのじゃ。ちょうど、今の汝と同じようにな?」

「ひゃっ、あ、んぁっ」

 玄狐の尾の動きが激しくなり、狼の身体で最も敏感な箇所を中心に責め立てる。
 すぐに崖の淵まで追い詰められ、あと一歩のところで刺激を奪われて。
 もどかしくて、苦しくて、今すぐに開放されたいのに、手足も尻尾も拘束されているセフィーにはどうすることもできなかった。

「汝と結婚してからというもの毎晩、シロクロは今夜こそはと期待していたはずじゃ。一月もよく耐えたものよ。汝は耐えられるか?」

「そんな……わた、し、がまん、できませんっ」

「では、約束するか? 明日、シロクロと寝床を共にするとき、奴に身体を許せるか?」

 ムカイは、指先も尻尾もセフィーの身体から離して条件を突きつける。
 条件を飲むならよし。拒否するならばこのままおあずけ。言葉にせずとも、今のセフィーには姉の言う意味がはっきりわかっていた。

「はいっ……あした、シロクロさんと、こういうこと、します、しますからぁ……」

 選択の余地はなかった。自由にならない身体を持て余し、セフィーは目に涙を浮かべ懇願する。
 このまま放っておかれたら頭がおかしくなりそうだった。

「良い子じゃ。明日は汝の方から誘ってやるのじゃぞ。よいな?」

 玄狐の尻尾が再び伸ばされる。尻尾は胸の先を執拗に責めたて、刺激はセフィーの身体中を駆け巡り、痺れて呼吸が荒くなるが。

「おねえ、さま、あっ、ん、そこ、ちが……」

「あの男を誘うときはな。こう言ってやるのじゃぞ。私を抱いてください、とな」

 あと少しなのに。あと少しで楽になれる気がするのに。
 その寸前の状態を保たれ、気が狂いそうだった。
 セフィーは必死に頷いて、どんな条件でも飲むから早くと訴える。
365シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:43:48.85 ID:MJCX8Kjl
「辛そうじゃの。先ほどのように昇り詰めたいであろう」

 狼は頷く。頷くことしかできない。

「そういうときのおねだりの仕方を教えてやろう。こう言うのじゃ。いかせてください、とな」

「いかせて、ください……! おねえさま、わたし、いかせてくださいっ……」

 考えるより早く、勝手に言葉が口を突いて出たことや。
 あれほど恐れていた刺激を今は渇望していることに対する戸惑いもあったが。
 今の狼はただ、あの真っ白な世界に達することだけを考えていた。それ以外の何も考えることができなかった。

「いいだろう。望み通りにしてやろうかの」

 玄狐の両手と尻尾の先が踊るように蠢き、狼に襲いかかった。
 特に反応の良かった箇所を中心に、揉みしだき、つまみ上げ、弾き、撫で、激しく責めたてる。

「やっ……ふぁっ、や、はげし、やあっ」

 刺激が強すぎたのか、セフィーは早くも音を上げるが。

「なんじゃ? もういったのか?」

 セフィーは頷いた。おそらく意味はわかっていないのだろうが、歓喜の涙に濡れながら、その瞳は休ませてほしいと必死に訴えていた。
 だが、玄狐には加減をする気など毛頭ない。
 急ごしらえの枷の持続がそろそろ限界ということもあるが、なによりこれ以上焦らすのはむしろ可哀想だった。

「ウソはいかんな、セフィーや。逝くというのはな、こういうことを言うのじゃ」

 今のセフィーの身体で、おそらく最も敏感な箇所。
 脚の間に秘められた小さな小さな赤い突起を、細い指先で磨くようにこね回され、黒い尻尾の先端で何度も何度も撫で回され。
 軽く触れられるだけでも、身体中を何かが走り回って、痺れて勝手に背中が動いて、目の前が真っ白になるのに。
 何度も、何度も、頭の中で何かが弾けて、狼の意識はどこまでも高く堕ちてしまう。だがすぐに痺れが身体を襲い、引き戻される。
 お姉様、もう充分ですから、もうやめてください。
 そう訴えたいのに、声が出ない。息もできない。
 いつまで続くのか。恐ろしかった。早く終わってほしいと思った。それなのに、いつまでもこうしていたいという思いもあった。
 そのうち、浅くではあるが身体の中にまで入り込んできた尻尾の先が、内側を激しくかき回すように動き出して。
 なにがなんだかわからなくなって、何も考えられなくなって、セフィーの意識は真っ白な世界に沈んでいった。
366シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:49:04.95 ID:MJCX8Kjl
「……うぅ。ひどいですお姉様」

 湯船に浸かりながら、顔を真っ赤にした狼は抗議の声をあげる。
 セフィーの身体はよだれや体液でドロドロだった。気をやって惚けた状態の彼女を、ムカイが風呂場に連行して身体中を丁寧に洗い上げ、風呂に放り込んだあたりで意識を取り戻した。
 その後もしばらくは呆然としていたが、徐々に記憶が蘇ってきたらしく、あたふたと慌てたり赤面したりしたのち、ようやく落ち着いたようだ。

「そう怒るな。汝も気持ち良かったであろう?」

「えぅ、それは、少しは、そのぅ」

 快楽を快楽と認識できるようになっただけでも、この娘としては大きな進歩だろう。
 玄狐は妹分の成長ぶりに満足の様子だった。

「……お姉様、私なにも知りませんでした。結婚したら、あ、あんなことするなんて」

「まあ、知らなかったものは仕方なかろう。これからたっぷり相手をしてやれば良い」

「でも私、どうしたらいいのか」

「案ずるな。女の扱いならばあの男も心得ておるはずじゃ」

 と、言いながらも少々不安に思う。あの男はなにせ1ヶ月もの間、妻に手も出せずにいたヘタレだ。
 まあ、いざとなればあの男にも儂が手ほどきをしてくれよう。
 などと恐ろしいことを考えたりする玄狐だった。

「あの、お姉様」

「なんじゃ?」

「やっぱり、その、シロクロさんに、裸、見られちゃったりするんでしょうか? シロクロさんの裸も見ちゃったり……」

「当然、見せることにはなるじゃろうの」

「うぅ。……目隠しとか使ってはいけないんでしょうか」

「それは上級者向けじゃ」

 この娘はこの期に及んで何の心配をしとるのか。
367シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:49:56.97 ID:MJCX8Kjl
「あのな、セフィーや。あの男とはもっと進んだことをするのじゃぞ? そんなこと気にしとってどうする」

「もっと……すごいこと?」

 どんな想像をしているのか、頭を抱えたり耳や尻尾を激しく振り回したり両手で顔を隠してみたりと可愛いなこやつめ。
 玄狐は再び狼を襲ってしまいたいという欲求を抑えるのに必死だった。

「怖じ気づいたか? しかし夫の求めに応じてやるのも妻の役目というものじゃぞ?」

「そうですよね……」

 セフィーは何度か深呼吸を繰り返すと、瞳に決意を込めて言葉を続けた。

「ごめんなさいお姉様。私、シロクロさんのところに戻ります!」

「な、なんじゃ急に」

「私が気づいてあげられなかったせいで、ずっと我慢させてしまってましたから」

「いや、別に今すぐでなくても良かろう?」

「いいえ! 私、その、さっきの短い間でもすごく辛かったですから。もうシロクロさんにも我慢して欲しくないんです!」

 セフィーは勢いよく湯船から飛び出し、身体を拭くことや着替えもそこそこに、靴すら履かずにさっさと走り出してしまった。

「これ! きちんと乾かさんと毛並みがな!」

 玄狐が慌てて止めても聞かず、聞こえてくる「ごめんなさい!」の声もすでに遠い。
 独り湯船に残された玄狐は某然と、何と言って止めるべきだったか考えてないたりして。
 例えば、シロクロの奴が独りで励んでいるところに出くわしたら気まずいだろうとか。
 汝のせいで高まった儂の気持ちはどうすれば良いのじゃとか。
 いくら考えても答えは出なかった。
 玄狐の長い長い夜は始まったばかりだった。
368シロクロとおよめさん:2013/03/17(日) 03:51:10.82 ID:MJCX8Kjl
以上です
予定ならとっくに旦那さん出てるはずだったのにあいつらヘタレすぎた
爆発すればいいと思います
369名無しさん@ピンキー:2013/03/17(日) 16:09:59.67 ID:oHeAg9ou
セフィーかわいいよセフィー。
玄狐さんはライオンさんになぐさめてもらったらいいとおもうよ。
370名無しさん@ピンキー:2013/03/18(月) 13:19:59.56 ID:VKP2VGsp
最近獣♂×ヒト♀が多かった気がするからなんか新鮮
371シロクロとおよめさん:2013/03/18(月) 19:51:07.40 ID:zbFmeihu
>>347-350

言い忘れてたけどアドバイスありがと
1レスの文字数って思ってたよりかなり詰め込めるんだ
ただ詰めすぎると読みづらくなりそうでこわい
372名無しさん@ピンキー:2013/03/26(火) 01:22:29.94 ID:z3NfgoBG
頭の中の登場人物がヘタレすぎて、どんなお膳立てしてもなかなか事に及んでくれないタスケテ
373名無しさん@ピンキー:2013/03/29(金) 02:17:58.48 ID:r6+1SszC
そのじれったさを楽しむのも読み手の興であります
書き手には辛いけど
374名無しさん@ピンキー:2013/03/30(土) 14:17:51.02 ID:s0d9CZxd
そんな時の為の怪しい薬とか悪い友人ですよ
375名無しさん@ピンキー:2013/03/31(日) 14:29:07.20 ID:S/3hruO+
わりこみすまない。
@wikiに、ページ自体は存在しているものの
なぜか目次(一覧)に表示されていない作品があるんだけど、これは作者さんの意志でそうなっているんだろうか。
そうでないなら編集したいなあ。
自分が気づいた分だと、「斑の玄成」と「昼と夜がある」の二つなんだけど、
過去にそういう話ありましたか?
376名無しさん@ピンキー:2013/03/31(日) 15:29:55.11 ID:hsxN3gCP
前に嵐がせっせと人の作品を消すっていう事件はあったけど、
最近ではそれもないしなあ
自分で消した可能性が高いきもするけど、何かのミスかも
377375:2013/04/05(金) 00:01:53.71 ID:DiQ3Atop
376さん、避難所151さん回答ありがとうございます。
頑張って@wikiいじってみます
378名無しさん@ピンキー:2013/04/07(日) 00:21:17.31 ID:EzarySmB
九井諒子はこのスレでは許容範囲内なん?
それっぽいの書いてるんだけど
まあまとまらないから出さない可能性も高いんだが。
379名無しさん@ピンキー:2013/04/07(日) 16:12:28.43 ID:8ul0+jSa
二次創作はスレ違いになりますよ。
雑談としての話題ならいいんじゃね?
雰囲気いい作品描いてるよね。
380名無しさん@ピンキー:2013/04/09(火) 20:09:46.63 ID:THxoIH3X
基本的にここはなんでもありだよ。
世界観や各種設定もあるけど、別に他の作品と絡ませる気がないなら無視してもおk。
まあそれなら別にわざわざここでやる必要もないって事になるけど。
381名無しさん@ピンキー:2013/04/20(土) 00:08:02.01 ID:jd166wz0
小ネタだがジャンル的に嫌いな人もいるだろうと思い、ロダの方に投稿した

http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/412.txt

えーえぐいグロい短すぎてストーリーがないの三拍子揃った小ネタ
長いの書こうかなーとか思ったがこれで精一杯っすね九井諒子とは一体何だったのか
獣人いねえというか登場人物一人しかいねえというか

後味悪かったらすいません。
382名無しさん@ピンキー:2013/04/20(土) 20:27:25.39 ID:r1JKISR0
人外化とか化生の存在のヒトが大暴れってのも良いネタだね。俺は好きだな。
短編でも良いと思うよ。この世界の断片として。サイドストーリー的な存在として。
GJでした。
383名無しさん@ピンキー:2013/04/22(月) 01:02:05.10 ID:yf81psjX
うっだー!
消化不良なんで書き直したっす!
そしてエロなし・グロテスク・えぐいが治っていないというこの惨状だぜ!
しかも前振り長い・面倒臭い描写が多い・ストーリーが進まないんだぜ!
第二話もある気がするけど書きあがらない気がするぜ!
うっだー!

以下リンク!
http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/413.txt

基本的に段落分けしない主義なんで長くなりすぎるといけないと思い、こんな形にしてみた。
読みにくかったらごめんね!
384名無しさん@ピンキー:2013/04/26(金) 21:52:52.34 ID:Pbk9Bjbc
誰もいなさそうだけど質問
もうワニって女性の容姿決まってる?
俺の中ではワニの顔がヘルメットみたいな感じで中には黒髪褐色娘みたいな感じなんだが。
あんままとめ読み切れないしワニの出てるのも男だけで分からんのよ。
385名無しさん@ピンキー:2013/04/26(金) 21:56:13.51 ID:wJvBZZRA
規制されててGJすら書けず……解けてないかな
ワニの女性ってまだ出てなかった気がするよ
386名無しさん@ピンキー:2013/04/26(金) 22:16:53.15 ID:yiQaGAm4
>>383
悩める彷徨い人っつうかヒトなんだね。
孤独に苛まれる様が美しくすらある。
ぜひこの路線で突っ走って欲しいです。
投下GJ!でした♪
387名無しさん@ピンキー:2013/04/27(土) 00:18:46.17 ID:KxsT5zAS
>>383
規制が解けている!
これでやっと言える。GJ。
続きが気になるが自分のペースで投下すればいいと思う
388名無しさん@ピンキー:2013/04/27(土) 18:44:54.69 ID:DVn1K5ln
>>383
あっちの世界に意識トばすやり方想像したらまんま危ない人で吹いたw
ホラー寄りだけどサバイバルでやっぱりスプラッタとか意表を突かれた。
最後のアレ、主人公は笑顔か無表情、どっちだったんだろうマジオッカナイッス
「かみさま」との対話部分とか祈りを口にするシーンが印象に残ったな。
自分自身がそういうタイプじゃないから、ああいうのに興味があるのかもしんない。
389名無しさん@ピンキー:2013/04/27(土) 18:45:56.76 ID:DVn1K5ln
このWi-Fiからなら書き込めるウラヤマシス
自宅ずっと規制だから辛い
390名無しさん@ピンキー:2013/04/30(火) 01:14:45.88 ID:gMiROzYM
うわあああああ規制されてる間にしこしこ書き上げたやつデータとんだあああああああ
391名無しさん@ピンキー:2013/05/02(木) 23:24:46.78 ID:zYF3JHag
すまんwikiの画像保管庫と半公式ファンサイト見たんだけど、
大陸の形状ってどうなってんの?
どれかに統一されてんの? それとも「君の考えた大陸が真実さ!」みたいな?
避難所でする話題だったらすまん。でもなんか誰もいなさそうなんで
392名無しさん@ピンキー:2013/05/03(金) 16:38:40.16 ID:t6oauRXa
ぶっちゃけ「君の考えた大陸が真実さ!」が正解に近い。
時系列が違うとか、パラレルがどうとかいっちゃえばいいし。
ただ、シェアワールドの醍醐味を発揮すべく他の作品とリンクをはかるなら、
リンクを計る作者さんの大陸に順じた方がいいとは思う。

ざっくりとした共通の意識だけもってれば、
細かい位置関係とかあまり気にしなくていいんじゃないかな。
「国によって地図が違うんです」ってのは現実でもあることだし。
393名無しさん@ピンキー:2013/05/03(金) 18:53:10.94 ID:MSRRMNIS
何か矛盾があっても、時代が違うって解釈もあるからな
394名無しさん@ピンキー:2013/05/03(金) 23:26:47.86 ID:sitcF6P6
>>392
>>393
サンクス
395名無しさん@ピンキー:2013/05/13(月) 01:05:46.66 ID:OIl3yye3
犬猫はなんでしっぽ触られるの嫌がるんだぜ
396名無しさん@ピンキー:2013/05/14(火) 00:29:07.22 ID:7MgdUEfr
触れる犬猫がいるだけいいじゃん
397名無しさん@ピンキー:2013/05/14(火) 01:04:16.75 ID:7MgdUEfr
黒髪ワニ娘ポニーテールが尻尾をぱたぱたしてる姿が可愛い
もちろん妄想
398シロクロさんのおよめさn:2013/05/20(月) 00:41:57.29 ID:R1eSDwRo
GWにはもうできてたんだけど、規制とけてたの今気づいた!
前より長くなったし投下途中で規制食らったらイヤだからろだにあげます

http://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/417.txt

無駄に前置き長いです
へたれのくせになまいきなので爆発すればいいと思います
399とらひと:2013/05/20(月) 02:38:53.04 ID:k/do3+Jo
虎の威続編
ハンス×千宏

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/418.txt
400とらひと:2013/05/20(月) 02:43:30.11 ID:k/do3+Jo
あれ!? 
この過疎状態でまさかの時間差たいへん失礼いたしました!
投下前にリロードしてなかった。申し訳ありません。
401シロクロさんの:2013/05/21(火) 21:10:03.14 ID:WTXR4LhU
>>400
気にしないー。こんな偶然もあるんだ
ハンスかわいいからいいじゃない
402名無しさん@ピンキー:2013/05/22(水) 12:58:18.18 ID:7a5aHOPh
続・虎の威
コウヤ編完結だよーながかったよー

ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/420.txt

>>401
完全に気を抜いてましたよ……
すまねぇ!
403名無しさん@ピンキー:2013/05/25(土) 00:40:58.51 ID:jHPzy6Ag
なんかいっぱい投下きとるー。
乙でござる。

>>398
末永く爆発すればいいと思いますw

>>399、401
一区切りおつかれさまです。
終わりに近付いていくのが嬉しいようなさみしいような。
404名無しさん@ピンキー:2013/05/26(日) 01:26:33.75 ID:dnkd/6KJ
大変スレが息してないの!
405名無しさん@ピンキー:2013/06/04(火) 22:18:34.50 ID:gDVies0w
ホシュだなー
406名無しさん@ピンキー:2013/06/10(月) 11:10:54.64 ID:0G4komzK
どうでも良いけど、ロダが広告書き込みだらけなのは、どうしたもんだろうな。
407名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 02:09:41.15 ID:Z33vviQK
虎の威
新章突入だよー
ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/424.txt

ロダの広告はあれだ。
あれがあると「おまえ連続投稿するんじゃねーよ」って言われなくてすむから、
あると逆に助かるデス。
408名無しさん@ピンキー:2013/06/21(金) 10:05:18.09 ID:KxKYFY1L
まだ読んでないけど、投下乙!
だけど、超絶過疎スレなんだから、直接投下べったり行っちゃいなYO!
409名無しさん@ピンキー:2013/06/27(木) 11:56:41.54 ID:k7hfSZN/
>>407
やっと時間が出来たんで読了。未読分を読破しました。
第2世代、第3世代のヒトの扱いって微妙ですよねぇ
続きに期待します。
410名無しさん@ピンキー:2013/07/01(月) NY:AN:NY.AN ID:8MJ1OMeA
アップローダー掃除してあるね
ご苦労様です>管理の人
411名無しさん@ピンキー:2013/07/02(火) NY:AN:NY.AN ID:j3WqAXN6
書き手にまわってみたいけど、世界観の情報量とルール把握しきれない
+ここ数年文を書いてない+恥ずかしくてほんのりエロしか書けないから
ここの書き手さん達をすごい尊敬してるよ。これからも応援してます!
412名無しさん@ピンキー:2013/07/04(木) NY:AN:NY.AN ID:Qwf+Ox2e
避難所に虎の続き来てるよー来てるよー来てるよー(大事なk(ry)

>>411
気持ちは分かる。好き勝手絶頂やるには設定がザル過ぎるからw
まぁ、小さな恋の物語みたいなのやってれば良いんじゃね?
書き手側デビュー待ってるよん♪
413名無しさん@ピンキー:2013/07/19(金) NY:AN:NY.AN ID:HN9Aul7R
ちょっとスイマセンが。

猫耳少女と召使いの物語 まとめwiki (各作の人物紹介・世界観設定その他)
 ttp://nekopri.s12.dxbeat.com/


ここのデータ持ってる方。居ませんでしょうか?
自分が昔書いた分の資料を探しているんです。
414名無しさん@ピンキー:2013/07/19(金) NY:AN:NY.AN ID:YJ9NKtC1
そこのデータは、新保管庫の用語資料集、作品別設定資料集に移動してくれた有志がいたと思うんだけど、
そっちにないかい?
415名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:PFUwPC5V
某スレでこちむいが話題になってwikiの続きないのかって意見があったもんで
ちょっと見てみたが、全然wiki収録されてないのな
特にロダうpのやつはもうすでに流れてどうしようもなくなってるみたいだけど
誰かデータもってたりしない?

あと虎の威、鋼の山脈とかすごい量だけど
章タイトルや番号ついてないからうpされてるのが何話でどういう順番なのかよくわかんない
416名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:zg9YR8EH
作者さんが挙げてくれるのを待つべきか…
417名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:tdz81OhH
こちむいに限れば、

ネタっぽいこれ  前回日の目を見なかった召使い増殖計画 ファイルNo.146 2009年8月23日DL

以外は全部収録されてるんじゃないの?
こっそりアップローダに上げられてたとしたら分かりませんけど
418名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:PFUwPC5V
>>417
話題になったのはこちむい世界シェアワールドであってこちむいそのものじゃない
言い方悪かったわ、すまん
続きドコーって言われてたのは夢日記な

wikiでとりあえず夢日記、シー・ユー・レイター・アリゲイター、
虎の威、わるいひと、僕の奴隷は愚鈍で困るは更新しておいた
鋼の山脈は6章のタイトルがわからなくてページつくれないという罠が

まだ更新されてないの残ってるけどさすがに今までwiki編集やってて疲れたから終わりにするわ
wikiは誰でも編集できるから残り誰か頼んだ
419名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:Vf9Lkfxu
更新乙!
そう言えば全開のwiki大更新で夢日記が更新されなかったのって何でだっけ?
他のが更新されてるのに不思議だったんだけど。
wikiの中の人と夢日記の作者さんとの間でイザコザでもあったのかとゲスパーしてた。
420名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:lK9IIxC7
>>418
参考までにどこのスレか教えてくれると凄く嬉しい。
421名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:PFUwPC5V
>>420

ここ

【投稿サイト】小説家になろう594【PC・携帯対応】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1375532092/
422名無しさん@ピンキー:2013/08/04(日) NY:AN:NY.AN ID:lK9IIxC7
ありがとう。今全部読んできた。
あのスレは勢いありすぎて普段全く読んでなかったんだ。
勢いが1000に届くとか凄すぎて、どこの実況ですか?という感じw
今日はなんか良い日でした。ちょっとほっこりしました。
423名無しさん@ピンキー:2013/08/11(日) NY:AN:NY.AN ID:aEVQ+L/0
>>419
遅レスになったが、たまにwikiに保管してたもんですが。
作者さんの中にはwikiに保管する時に修正やら訂正したりするから保管は自分でやるよって人がいましてな。
夢日記の人も「自分で保管する」って宣言してた人だったからやんなかっただけで、
イザコザがあった訳じゃないですよ。

ついでに、wikiはいじろうと思えば誰でもいじれるんで、
登場人物とかあらすじが物足りないと思ったらやりたいと思った人が追加も出来るよ。
424名無しさん@ピンキー:2013/08/25(日) NY:AN:NY.AN ID:JcDiTeWk
現金だけど自分の話が覚えてもらえててうれしかった。ありがとう。
次に来るときはネタ持って来れれば幸い……
425名無しさん@ピンキー:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:YENP7w5B
アップローダーの業者何とかならないのかなぁ
426名無しさん@ピンキー:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:rrLC57br
はー
もふもふでころころのショタ♂ちゃんと
おっとりけいヒト奴隷ちゃんのほのぼのらぶらぶ
ちょっぴりえっちな小話てきなのよみたいよ
427名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:w9m//G99
ところで現在、全ての規制が解除中らしいけど、万年規制中な諸兄らは、
是非この機会に記念真喜子していったら良いと思いまするw
428名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:Ek/X7Iw8
しっぽがふさふさのご主人さまに思い切りもふもふして怒られたい
429名無しさん@ピンキー:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:bsPgp1VG
続き書きたいけどもうちょっとまってくれな記念真紀子
430名無しさん@ピンキー:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:yEITYDau
まだスマホで書けるかな?
テスト!??
431名無しさん@ピンキー:2013/09/07(土) 14:52:30.51 ID:Ir7m+pfQ
なるほど。四人か
うち書き手が一人か
厳しいたたかいになりそうだ
432名無しさん@ピンキー:2013/09/20(金) 15:14:38.42 ID:YJ+6xQeb
ホシュるのをやめない!
433名無しさん@ピンキー:2013/09/23(月) 19:43:31.03 ID:PKYSuqRx
ムーンライトにこちむいワールドのssが投稿されてる。
434名無しさん@ピンキー:2013/09/23(月) 20:27:19.52 ID:+TU0JEsV
ほんとだ
しかも日間ランキング上がってるじゃん
435名無しさん@ピンキー:2013/09/23(月) 20:43:11.77 ID:Fac2SezF
海外サバでこっちには書き込めないんだそうな
まあムーンライトは18禁サイトだし
これでスレが賑わったらなおよし
436名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 01:08:22.84 ID:GzvV+fK3
真夏の日の話途中まで書いてるけどもう夏すぎてしまったし
437名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 09:22:27.75 ID:pDsij92X
今読んできた。良いね!でも、これはまとめには載せられないよね。
こちむい世界の拡大進出は良いんだけど、
本スレやロダではなく、なろうを選択する時代が来たか。
438名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 11:20:11.37 ID:wNlYy+lc
なろうとかムーンライトとかを投稿先に選ぶ場合のルール作りした方が早い気がする。
こちむいタグ推奨とか。
439名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 12:10:05.13 ID:8xhBrFGH
客寄せパンダ的な意味で自分もなんか投稿したくなってくるな
*本スレこちらです*っつって
しかしムーンは女性向け、ノクタは男性向けか・・・
440名無しさん@ピンキー:2013/09/24(火) 13:48:27.10 ID:wUIGIQ7n
ムーンライトに投下した人は100年くらい前の設定らしいけど、やっぱ気を使ってらっしゃるのでしょうね。
441名無しさん@ピンキー:2013/09/25(水) 09:03:35.88 ID:JoJqxqRZ
ムーンライトとノクターンの線引きが良くわからない。
何がどう違うの?
442名無しさん@ピンキー:2013/09/25(水) 19:50:31.58 ID:FSA6wBER
逆ハーやアッーの女性向けがムーンライト、
ハーレムとかの男性向けがノクタ、と把握してみた。
443名無しさん@ピンキー:2013/09/26(木) 09:11:07.16 ID:+OEK6+Nz
今北産業w
ムーンライトのってこれ?

中古奴隷とドSなご主人様
ttp://novel18.syosetu.com/n4215bu/
444名無しさん@ピンキー:2013/09/26(木) 12:56:33.11 ID:ngNZ1blE
ムーンライトで気づいて久々にここを覗いた
ヒトメス性奴隷の描写もきついけど良かった
今との差が際だつというか
445名無しさん@ピンキー:2013/09/26(木) 13:24:30.05 ID:cRGMLJmT
>>443
それそれ
いかにもな待遇だった中古ヒトメス奴隷の話でいいね
だいたい他の話の100年ほど前の犬国の話って書いてあるけど
この話のご主人様のほうの特殊性の研究からジークみたいなのが作られたのかな
446名無しさん@ピンキー:2013/09/27(金) 21:55:56.51 ID:3cQIcdfN
新規書き手が増えるとうれしいけど、設定がいろいろあって敷居が高くなってるかもね

以前なろうで女の子が動物の国に落っこちて溺愛されるシェアワールドが展開されたときに
ここ思い出してモヤモヤしたわ
447名無しさん@ピンキー:2013/09/27(金) 22:16:50.68 ID:wNjCQiP1
設定が色々あるのもそうだけど遊びが多すぎるのも問題だと思うんだ。
まぁ、その辺を味付けの余裕と取るか不安定要素と取るかだけど。
新規の書き手さんにとっては非常に悩ましい問題だと思う。
448名無しさん@ピンキー:2013/09/27(金) 22:48:17.01 ID:ANVFk8bc
エロパロ板自体が過疎ってるし別のツールを使うのはいいと思うけど
なろうの規約的にありなのだろうか……そこが心配だ
449名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 01:22:17.78 ID:bvGgkdwM
なろうのマニュアル調べてみたけど投稿禁止なのは

特定の団体、個人に対する誹謗中傷
個人情報
犯罪行為の告白や予告
歌詞(自作の歌詞は除きます)
他者の著作物から引用の範囲を超える量の文章を使用した作品
二次創作ガイドラインに反している作品

だそうで、なろうにこちむい作品を投稿することは問題ないと思われ。
ただ、ここでなろうに投稿されたこちむい作品を語るのはどうなんだ?
逆になろうからここへの誘導はアリ?
450名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 01:28:12.93 ID:tJooECog
こちむいに関係してればここでなろうの作品語るのはOK
なろうの作品のスレも2ch内にたくさんあるしね

宣伝もamazonリンクとかやりだしたら怒られるけど
自サイトやおすすめの作品の話するぶんにはOKだからここへの誘導もありのはず
451名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 06:20:03.05 ID:71+IfAMJ
年がら年中規制規制で書けないって悲鳴が上がっていたし、なろうとかに連載してやるのは良い手かもよ。
長々と連載するのも掲示板って仕組みだと使いにくいし、ロダ投下するくらいならなろう利用はスマートじゃないかと。

いっそ、なろうの方にユーザーグループ作る位で移住も視野に入れた方が良いかも。
なんせ規制で書けないってのが一番辛いしね。
452名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 06:20:49.06 ID:pncSUJW+
なろうはエロおkなん?
453名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 06:28:34.37 ID:tJooECog
>>452
エロはなろうの一部のノクターン(男性向けエロ)かムーンライト(女性向けエロ)
454名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 06:29:49.44 ID:inSnonnh
私が気にしてたのは二次創作禁止の部分
このスレはそもそもこちむいシリーズの派生みたいなものだから
そこ突っ込まれると削除されちゃうんじゃないか?と思って。
なろうは二次創作にすごく厳しいし……

別の作品の固有名詞をちょっと使っただけで消されてたの見たことあったから
気になったんだよね
455名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 08:44:57.36 ID:SQfkJWNi
とりあえず投稿してみて駄目だったらごめんなさいでいいんじゃね
456名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 10:45:05.09 ID:bvGgkdwM
なろうの二次についてはここに書いてある
ttp://syosetu.com/site/nizi/
これ読んだ限り、非商業が原作の場合は通報→即削除じゃなくて、
なろう運営が確認取りに行くシステムみたい

検索してみたら、なろうの外部で企画したシェアワールドの作品
結構あったから行けると思う
二次創作タグもついてなかったし
457名無しさん@ピンキー:2013/09/28(土) 12:26:05.30 ID:71+IfAMJ
つまり、こちむいタグつけて、尚且つシェアワールドタグもつけてやれば完璧だね。
よし、移住の準備するか!
ついでに改訂版にしちゃおうかなぁw
458 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) :2013/09/29(日) 02:00:56.71 ID:ViDfWg9x
移住はいいが、あくまで本元はこっちってのを忘れないようになー
まぁ、感想と投下でまたにぎやかになってくれればいうことはないんだけど
459名無しさん@ピンキー:2013/10/01(火) 00:31:51.74 ID:05HgEI3z
いつも人いないはずなのにお前らどっから沸いたんだw
460名無しさん@ピンキー:2013/10/01(火) 05:34:53.40 ID:8yFfTKi/
ほんとだよwww
静観しすぎだろうwww
461名無しさん@ピンキー:2013/10/01(火) 09:04:07.83 ID:0RV00aQR
静かな沼の底にだって魚は泳いでるんだぜ!
462名無しさん@ピンキー:2013/10/07(月) 20:55:36.63 ID:Bg/RNYzH
ムーンライトで中古奴隷とドSなご主人様かいてる人
こちむい積極的に宣伝してくれてるねー
海外だから2chには書き込めないのが残念だ

てか虎の威かいてる人がサイトもってたりムーンライトで書いてるの始めて知ったわ
463名無しさん@ピンキー:2013/10/07(月) 22:21:47.47 ID:IPBvm23P
とらひとさんは「自サイトに保管するよ」つって報告したから知ってる人は多いはず
464名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 09:41:17.99 ID:/NYRMUGH
とらひとさんが月光でやってるの知らなかったから
中古奴隷の人に宣伝してもらって見てきたよありがとう
楽しみ2倍
465名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 09:47:58.24 ID:IBV8G92D
タイトルは?
466名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 12:30:35.96 ID:LrNWnNBA
とらひとさんの連載はこちむい関係無いからちょっとスレチ
467名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 13:53:49.44 ID:mwKKjsa7
>>465
中古奴隷の人の活動報告見たらわかる
468名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 16:06:59.43 ID:IBV8G92D
割烹見てきた。なるほど了解。
しかし、宣伝してくれてるね。
実にありがたい。
469名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 16:09:32.86 ID:mwKKjsa7
割烹が通じるってこのスレ結構なろうスレ民いるんだなw
470名無しさん@ピンキー:2013/10/08(火) 18:02:57.80 ID:7UiZlDNk
なろうで書いてる人も多いだろうねぇwww
471名無しさん@ピンキー:2013/10/11(金) 20:30:54.79 ID:aZVN7KRO
中古奴隷の人からこんなメッセージきた

ttp://xmypage.syosetu.com/mypageblog/view/xid/65535/blogkey/34343/

そういえば世界設定資料集ってかなり昔から更新停止してるんだよなー
472名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 02:13:21.29 ID:37oDJUI4
世界設定なあ・・・・
ぶっちゃけ「適当」ってのが実際の所なんだよね。
先人の設定を踏襲せねばいかんのだけど、作品の数も多いし、
作品によって矛盾があったりするし。
虎の威と最高で最低の奴隷なんかいい例で、同じ虎の国だけどまったく違う。
「こちむい」の設定さえ守られてればOKな気もするが。

有名どころの設定書き出したエクスキューズてきなのを作るべきか?
セパタがどうとか。
奴隷の相場がどうとか。
詳細な国の設定が出てるのは、今のところ

犬 猫 蛇 虎 ライオン ピューマ
サカナ 狼 猪 熊 シャコ うさぎ

あたり?
473名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 15:33:35.67 ID:4m8zjnW2
細々とした部分はチャットで打ち合わせしてたりしたからな。
細かな設定資料ってのは網羅しきれないかもしれない。
474名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 17:01:05.15 ID:9oM8N5A3
ちょっとした矛盾はパラレルワールドってことでいいじゃないかと突き進んできたからなー
475名無しさん@ピンキー:2013/10/12(土) 19:02:35.40 ID:4m8zjnW2
この地域はこんな感じ。他所には違う文化もある。そんな状態だったし。
つか、テレビがあって路面電車が走ってて、でも、先込め式のフリントライフル使ってて。
テレビもラジオも、魔洸電球も無いけど暮らしは豊かな地域とかも有って。
そこまでひっくるめてこちむい世界の魅力だから、ある程度は書き手の裁量に委ねられて部分が大きいよ。
476名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 10:11:30.07 ID:Q3YW7+mR
中古奴隷の人はこっちに書き込めないか試して見て欲しい。
ドイツからだと時差の関係で今は真夜中だろうから、明日になったらねw
日本時間10/13 10:11だけど ドイツ時間だと03:11だろうし。

猫耳少女と召使いの物語 避難所その6
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1294491197/l100
477名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 14:05:40.16 ID:jg3n5G44
よくも悪くも、守ればいいのはこちむいで出た設定、先人の作品と食い違いが出来たらこまけぇこたぁry
詳細まとめ直すか?まとめサイト落ちたのは地味にやっぱり不便だ

保管庫にまとめてもいいけど
478名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 20:47:49.92 ID:+IBtE4fG
ざっくりした一覧まとめ(一国あたり200字〜400字くらい?)
がわかりやすいところにあれば便利かなと思う。
そこから詳細に飛べればまたよいかなと
479名無しさん@ピンキー:2013/10/13(日) 21:00:18.09 ID:UE3NVv5G
この国を書くならこの作品嫁みたいなのがあるだけでも新規は楽かも
480名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 01:51:22.56 ID:k98EWHDy
で、ウィキにガイドラインの頁をつくるわけか
「作品を読まなきゃかけない」ってのがネックになってる気もするから、
設定だけ書き出してあげたらええかもしれんがねえ。

猫→商人気質
虎→兄貴肌
犬→軍人気質

みたいな
481名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 03:03:20.94 ID:9HNrpOPC
おおよそで書いてみた

ヒト
元の世界から外れ、扇の大陸にやって来てしまう種族
人権は無く、絶対的弱者とされている、更に、まれに驚愕病という病に陥ってしまう
魔法なんか使えません、ですが知能はどの種族よりずば抜けています
そのため、猫の技術について行けたり、説得なんかもお手の物


商売と口が上手く、虎などはそれを苦手としている
知能は高く、扇の大陸での技術発展に貢献している
猫の技術は大陸一、と言っても過言では無いはず
魔法なども得意


基本的にリーダータイプが多い、こぶしで語り合う種族
知能はちょっと……、性に奔放で光物で自身を飾り付ける
魔法は得意ではない、がマダラだと魔力が多いらしい
虎の国は土地的に非常に肥沃、そのため争いは無い


軍事的な種族、良く言えばしっかり者、悪く言えばお堅い奴
知能は悪くないが、規律を重んじ過ぎ、思考停止、または上部からの圧に耐えられないものがいる
魔法は普通、その代わり、嗅覚や聴覚が発達している
痩せた土地に隔離されている現状がある


魔法大国、種族そのものが魔法に適している
知能は猫>兎、魔法の技術はピカイチ、聴覚は犬以上に優れている
上記のとおり魔法はピカイチ
(これ書いてるヒトが知識不足だなんていえない!)


ザ・ヒトの文化風な種族、着物だとかを良く着ている、身体能力はあまりいい方では無いかもしれない
知能は猫と同じ、魔法は符術を扱い、猫のような魔法はあまり使われない、もしくは使わない
魔法は得意、自然な美を楽しむことが出来るかも?


物理で戦う前衛タイプ、まぁ戦うかは分かりません
知能はそれなり、体格に恵まれているが、その分他が落ちている
魔法は可も無く不可も無く、全体的に普通かな?

とまあ、なんとなく書いてみた、何処か不具合があったり、足りない!
なんてものがあったらご指摘お願いします
482名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 05:14:16.47 ID:Ni1WUSAI
まとめ書いてる方々GJ!
作品読まなくても種族特徴わかるのはいいね
483名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 06:38:18.92 ID:KtHhxckS
なろうなのど外部ツールで投稿するときは
・こちむい世界観であることを明示する
・他作品へのリスペクトを忘れない

っていうとこだろうか?
あとはまとめサイトにリンクを張らせてもらえればありがたいかな
484名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 07:24:38.75 ID:9HNrpOPC
481書いた奴です、追加やら何やらはやってくれても……むしろ、ヤッテ!
兎の国に関しては保管庫wikiの種族まとめ参照
案外、種族ごとの特徴は決まってるやつと、そうじゃないやつがはっきりしてる気がする
まぁ、決まって無いやつは自分の手にはおえないですわ
485名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 10:45:00.92 ID:JzOr7nZK
種族に関しちゃ
http://www9.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/495.html
これでエエやん。
ついでに言うと、
http://www9.atwiki.jp/nekomimi-mirror/tag/%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%A6%B3
この辺りを熟読すると、だいたい様子が掴めると思う。
で、あとは直接すり合わせだけど、このスレをまだ読んでる書き手さんが
どれ位残ってるかが問題だわな。
486名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 11:20:09.90 ID:9HNrpOPC
>>485
恐らく、簡単に分かりやすく、と言う意味合いも含まれているのでは?
487名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 12:58:45.13 ID:3le0xPCQ
やっぱ、重要人物は簡単にまとめておきたいよなー、時系列合わせるなら偉いお人はわかりやすくまとめたい
488名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 14:19:56.15 ID:k98EWHDy
偉い人ってだれじゃろね。
マナさまあたりの猫系王族は絶対条件として

犯罪者のディンスレイフとか、門番やってるバラムとか?
489名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 16:40:36.63 ID:j+j4BmFD
諸国に名が知れ渡ってる級の有名人は必須だと思うな
国の顔たる王族やら祭り上げられた英雄やら
490名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 21:58:14.43 ID:NLbaeWiH
あのさ。早見表とかお手軽とか、そんなの作る前に、先ず話のたたき台として
きっちりした年表レベルから作り込まないと駄目だと思うんだよ。
ついでに言うと西暦の様にこちむい世界における統一基準歴が必要だと思う。
そうしないと相対的表現になってしまうだろうから。

なお、個人的には『最高で最低の奴隷』をパラレル扱いにするのは強硬に反対したい。
あれをパラレルにするなら、その前に縛りになる設定書き逃げの短編放棄を提案する。
491名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:10:52.48 ID:6s4kQqzH
>>490
でもそれをやっちゃうと、設定に縛られちゃうんだよね
492名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:19:14.68 ID:NLbaeWiH
だから今までやらなかった。結局はそこなんだよなと。
いまでも十分設定に振り回されてる気がするけどね。
493名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:24:39.46 ID:mNQx/vR1
年表とかいらないわ
そういうことやりだすとシェアワールド潰れやすい

書きやすくなる設定まとめくらいで充分
494名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:29:29.73 ID:k98EWHDy
だから年表とか言い出すと敷居があがるんだって。

現実世界から時々なにか落ちてきます
ヒトが落ちると奴隷です
男は獣人で女はケモミミです

だけでいい。
あとは国や種族の「おおまかな」設定があれば書くのに便利ってだけの話。
「時代が違います」「パラレルです」おおいに結構じゃないか。
あと虎の威は「自分がパラレルです」って言ってるよ。
495名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:38:20.28 ID:Z7aAePs9
正直ごめんだけど以前投下してたとき、書きながらや投下直前に他の作品との矛盾に気づいたりもしたけど
まあいっかーで投下してしまった

このワールドならそれも許されると聞いて
496名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:38:23.07 ID:KtHhxckS
いくつかのシェアワールドを渡り歩いてるけど
時系列を確定するのはかなり危険だよ
なぜかというと、「先に書いたもの勝ち」になっちゃうから
それこそ新しい人の食い込む余地がなくなる

なろうにいる「こちむいで書いてみたい」人がここに顔を出してくれれば手っ取り早いんだけどな
避難所でもいいから
2chという場所が苦手な人もいるのかもしれないけど
497名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:39:36.12 ID:mNQx/vR1
>>495
それでいいと思う
そんな感じで長年やってきたし
498名無しさん@ピンキー:2013/10/14(月) 23:57:11.51 ID:NLbaeWiH
つか、シェアワールドでパラレルワールド前提っておかしくない?って気がするんだけど。
銀河鉄道999の中に宇宙海賊キャプテンハーロックのアルカディア号が出てくるって無理あるじゃん。
シェアワールドから一歩下がってスターシステムというなら話はわかるけど。
499名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 00:03:22.49 ID:NLbaeWiH
あ、それともう一つ

>>496
>時系列を確定するのはかなり危険だよ
>なぜかというと、「先に書いたもの勝ち」になっちゃうから
>それこそ新しい人の食い込む余地がなくなる

 これ、おかしくない? 今現状は先に書いた人の設定の穴の多さで困ってるんだから。
 先に書いた人が投げっぱなしジャーマンでスレから消えていって、これから書きたい人が
 何処まで書いて良いのか解らないってケースはかなり潜在的にあると思う思う。
500名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 00:07:39.69 ID:mNQx/vR1
設定の穴の多さで困ってなんかいないぞ
501名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 00:12:35.34 ID:MWuyCN4c
困ってるのは「全部読まなきゃかけないの?」って部分だよ
シェアワールドでパラレル前提の何がいかんのよ
「根幹となる共通の設定がある」っていうのがシェアワールドの醍醐味であって、
全部リンクしてなきゃいかんなんてことはない
仮に既存の作品のキャラクターを出したいんだったら、その作品と設定を合わせる必要があるってだけ


あとどうでもいいけど銀河鉄道にハーロックもトチローも出てくるよ
502名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 00:13:21.50 ID:kYFO4GQ2
あ、いや、例のノクタの人の話ね。
全盛期から参加してる人間にしてみれば空気で解るだろうけど、
これから参加する人は困るんじゃ無いかって問題提起ですわ。

つうか、ナツメ・ソルキットとか読み飛ばしてた・・・・スマソ
503名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 00:23:58.36 ID:MWuyCN4c
■必須項目
こちむいの設定
(おちもの、魔法、ヒト奴隷の相場など基本的に必要な設定)
ブッフーとかセパタとかの既出固有名詞

■+アルファ
各国の設定
各種族の気質
各国の有名人とその設定

これだけあれば書けるんじゃない?
504名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 09:17:36.80 ID:7+RPZdQV
>>503
それで充分だと思う
先人が既にまとめてるページ(用語資料集など)を確認するだけでそれなりに書ける
もう少し細かく設定合わせたいなら、書きたい種族・国が出ている過去作品を参考にする
書き手さんによっては、作品別設定資料集のページに詳細載せてる人もいるから、そっちも参考にする
他の作品まで読む必要は無いけれど、気になるならちょっと読んでみるのもあり
くらいかな
505名無しさん@ピンキー:2013/10/15(火) 12:49:41.90 ID:5QYqsCzb
中古奴隷の人から要望があったので
とりあえずなろうに投稿してもいいよってことをwikiに書いておこうと思ったけど
スパム認定食らった

スレ以外の外部ツール(自分のHP、小説家になろうなど)に投稿することも可能です。
その場合、『猫耳少女と召使いの物語』スレがネタ元であることを明示してください。
スレに投下したものを他の場所へ転載する場合、書き手本人がスレに一言かけてください
(無断転載防止のため)

これでどうかな、と思うんだけど
506名無しさん@ピンキー:2013/10/16(水) 00:52:22.31 ID:YxceR2C7
所で避難所に新作が来てるけど、こっちも反応しようぜ。
507名無しさん@ピンキー:2013/10/16(水) 01:23:52.06 ID:WdOZatJe
避難所見ないからわからんのだよ
とりあえずgj、猫の国だったら即普及しそうだなぁパソコン。変な機能いっぱいついてそうだけど
508名無しさん@ピンキー:2013/10/17(木) 09:23:10.46 ID:GtMAitEv
中古奴隷の人が紹介してたニューカマー

「仕立て屋マスカット商店の看板娘」
ttp://novel18.syosetu.com/n2082bv/

ついでに、なんかBL系も書いてるらしいけどw
ショタに続きBLもこちむい業界に参戦か。
なんか第2章スタートって感がw
509名無しさん@ピンキー:2013/10/17(木) 12:08:03.54 ID:Fw44x/qN
避難所に投下するならなろうに垢作って公開が良さそうだな。
510名無しさん@ピンキー:2013/10/17(木) 12:40:59.79 ID:bAIUMKfE
設定の練り直しと言うか早見表まとめみたいなの造るのは良いけど、
今まで書いてた人でこれからも書く意思がある人ってどれ位居るんだろう?
投下中断したままで続けるんだか終わらせるんだか煮え切らない人は、
どっちにするのか宣言して欲しいよなと思う。
511カナリア他 ◆/oj0AhRKAw :2013/10/17(木) 20:05:42.02 ID:Xizum3TY
ひっそり生存報告 ノ

書く意思は有るけど、今現在リアル事情で一気に書けず。
ブランクも長いので、ちまちま書きため&書き直し中。
ある程度文章貯まったら、なろう垢取ろうかと考えてる。

取り合えず旧のトリ付けてみた。
512名無しさん@ピンキー:2013/10/18(金) 17:57:49.89 ID:hgDxiC/5
wikiになろうの作品へのリンク載せちゃっていいかな
長編SS一覧のページの表の中に他の作品ページと同じような感じで
リンク自体はなろうへ飛ぶようにとかそんな感じでどうだろう
513名無しさん@ピンキー:2013/10/18(金) 19:19:11.30 ID:jX+e7Z9U
親フォルダ作った方が良いと思うけど。

・長編SS
・短編SS
・中断SS
・外部サイト

こんな風に。
514名無しさん@ピンキー:2013/10/18(金) 22:35:42.82 ID:m0IY/pCN
自分も最後どうなるかまで決まってるのにリアルの事情で書けずです、申し訳ない
ウルとヤスコは自分の脳内で大層元気です
515名無しさん@ピンキー:2013/10/19(土) 19:31:42.86 ID:+X6cZRyV
虎の威かいてるよ!
516名無しさん@ピンキー:2013/10/23(水) 01:49:37.18 ID:HIKa4ztX
作者さん達乙です
自分は就職してから仕事関係に押し潰されっぱなしで
何もする元気が無くなり2chに来ることも稀になりました
久しぶりにここに来て昔を思い出したらちょっとだけ元気でた
もうちょっとやる気が出たらまた色々読みに来ます
雑な文でごめんなさい、でもなんか一言でも書き込みたかった
517名無しさん@ピンキー:2013/11/02(土) 15:21:18.11 ID:TfsbcCVC
中古奴隷の人が完全にこちむい広報担当官みたいなことになってるな
あのバイタリティは賞賛に値する
518名無しさん@ピンキー:2013/11/04(月) 16:27:20.15 ID:rhPyB/lT
最初はみんなテンション高いんだよ
519!ninja:2013/11/05(火) 20:43:52.38 ID:yA43txxq
俺らもテンションあげてきゃいいんだよ!
520中古奴隷の人:2013/11/06(水) 01:41:30.86 ID:CQ0vc+zh
SIMカード新しい会社に変えたから、書き込めるかテスト。
書き込めたら、明日、カキコ記念に日本居酒屋行く!!!!
521中古奴隷の人:2013/11/06(水) 01:48:02.81 ID:CQ0vc+zh
か、書き込めたぁぁぁぁぁぁぁ!!????
ちょ、え、恥ずかしいこと書いちゃったすみません。
どうも、本スレの皆様はじめまして。中古奴隷の人です。
テンションは相変わらず最高潮です。これからも連載頑張ります。
522名無しさん@ピンキー:2013/11/06(水) 08:52:14.95 ID:vzBzEloy
お初です
あっちでも楽しく読ませてもらってます
勢いに任せてどんどんいっちゃってください!
ちなみに何処のSIMで書き込めました?
海外行った時の参考にしたいです
523名無しさん@ピンキー:2013/11/06(水) 09:25:30.63 ID:7Nbs4KzW
いらっしゃい♪>中古奴隷の人
ドイツ標準時間の時差は8時間だから
そちらで書いたのは11/5の午後5時46分かな?w
第2部楽しんでますよ。
続きに期待しています。
524中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/06(水) 10:17:22.29 ID:lASbCWHD
まさか書き込めるとは思わず何も考えずに投稿してスレageてしまいました。すみません(汗
お詫びに、責任とって本スレでも短い連載を投下しようかと思いますが、直貼りしても良いですか?
せっかくの議論が流れてしまうかしら……(汗
とりあえずトリつけておきます。

>>522様 お初でございます‼ 私が書き込み出来るようになった救世主はO2(オーツー)です!
ありがとうO2!ドイツにお越しの際は是非O2でsimカードをお求めください〜(笑)

>>523様 その通りです! 逆に今私は6日の深夜2時過ぎに書き込みをしております。
日本はもう朝ですね。私もそろそろ寝ます。
な、なんと……楽しみにしているだなんて有難いお言葉ありがとうございます……。
素晴らしい諸先輩方に平伏しながら、私も全力でこちむいシェアワールドを応援して参ります‼

長いこと強制Rom専となっておりましたが、これからどうぞよろしくお願い致します。
525名無しさん@ピンキー:2013/11/08(金) 16:29:27.76 ID:Uy9mh1hr
投下はこっちで良いんでしたっけ?
しばらく離れてたものでローカルルール忘れてもうた…
526中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/08(金) 17:59:33.62 ID:LkoQU1dn
投下のローカルルール私も知りたいです!!
ちょっと宣伝。この度とあるイラストレーター様に小説の表紙を描いていただきました。
タイトルロゴに『こちむいシェアワールド』と入れていただいたので、こちむい紹介の際にはご自由にお使いください。
使用の際には一言声をかけていただけるとありがたいです。本日、月光で公開です。

そして今挿絵も依頼しているのですが、絵茶に置かれていたイヌの国の国旗デザイン使わせていただきますー。
と宣言しておきますー。せっかく素敵国旗が投下されているのを発見したので使わない手はないと!!
また絵茶動かないかなぁ〜
527名無しさん@ピンキー:2013/11/08(金) 23:04:42.78 ID:eeUboHmD
直接投下はスレの華
ガンガン行っちゃえば良いんじゃ無い?
528名無しさん@ピンキー:2013/11/09(土) 11:30:08.93 ID:C0hjz8B3
流れが遅いからローカルルールってほどのものはなかったような気がするけど
好みが分かれそうなものは注意書きをつけてろだ
っていうのは皆自主的にやってたかな。しかしろだがあの状況だからな

自分が新しいの借りてこようかと思ったんだけどいいのがなかった
テキストファイルをDLする形式のはすぐ借りてこれるんだけど
529名無しさん@ピンキー:2013/11/09(土) 21:40:50.13 ID:qXSoMRnh
中古奴隷の人の割烹から誘導されてきた。
wikiの編集なんだが、俺もスパム認定食らった。
505の文章に加筆したんだが、これでいいか?
誰か編集挑戦してみてくれ。

『スレ以外の外部ツール利用について』
スレ以外の外部ツール(自分のHP、小説家になろうなど)に投稿することも可能です。
その場合、『猫耳少女と召使いの物語』スレがネタ元であることを明示してください。
スレに投下したものを他の場所へ転載する場合、書き手本人がスレに一言かけてください
(無断転載防止のため)
・小説家になろうへの投稿は年齢制限のあるムーンライトノベルズ、ノクターンノベルズ
に限ります(非エロ作品であっても)
・推奨タグ 『こちむい』『シェアワールド』
530525:2013/11/09(土) 22:07:02.92 ID:0U+r6XrR
とりあえず書き上がったので投下したいんだけどいいでしょうかー
エロなしになってしまいましたが、ぐぬぬ
531名無しさん@ピンキー:2013/11/09(土) 22:36:05.47 ID:qXSoMRnh
投下こいこい。直貼りしちゃえ
532525:2013/11/09(土) 23:12:35.70 ID:0U+r6XrR
ありがたや。では次から投下ー。文字数は5000ちょっとです。
533525@積雪:2013/11/09(土) 23:23:16.26 ID:0U+r6XrR
――イヌ国(正式名称ル・ガル王政公国)首都より数百キロ地点、国境程近い山の中。
周囲はほぼ無音。重く立ち込めた灰色の雲からわらわらと降り注ぐ雪は、その一かけらずつが「これでもか」と言う程に大きく、冷たく、そして鬱陶しい。
少しでも風が吹けば白い旋風となって視界を塞ぎ、降られるがままに放っておけば体に纏わりついて凍り付く。
躰に関係なく降り積もったものであっても、山中深いこの辺りでは問答無用で足を取りにかかってくる。
厭になるくらいに降り積もったそれを踏みしめる足音、二つ。
灰色の軍用コートに身を包んだ2mを超す巨体と、それに追従する同じく灰色の上着を纏った小柄な何か。
先行する巨体はその右手に大型の耐雪シャベルを持ち、山道として整備されているはずながら時折立ち塞がる白い壁を切り崩していく。
小柄な方と言えば特に物は持たず、背中に小型のバックパック――内部に魔素関連の物品を収納するための特別仕様――を背負う程度で巨体に比べて明らかに細く小さいが、その足取りはあまり弱弱しくは無く、山歩きにも慣れた様子。
50センチ近い身長差がある二人の距離は、大体3mほど。

「――次の観測地点と山小屋まで、あとどのくらいですかね」
フードを目深に被り、鼻の上までコートの襟を閉じて覆い隠した小柄な影が、巨体に問うた。
その声は高く、女か、もしくは変声期を迎えていない少年のよう。
「……あと、30分ほどだ。このペースであれば」
コートよりも明るい灰色の毛並みに覆われた鼻先をぴくりと震わせた巨体は足を止め、雪が積もった肩越しに振り返って応えた。
その声は体に見合ってか重く、低い。疲れたか、と小声で言ったのが良く聞こえない位には。
534525@積雪:2013/11/09(土) 23:24:32.32 ID:0U+r6XrR
そうですか、と頷いた小柄な影はそのまま“いえ”、と続けてからその顔を覆うフードを僅かに持ち上げて。
「少し、眼鏡が曇って来てしまったので。曇り止めを塗りなおしたくなったんです」
そう言って首を傾げるようにした可愛らしいと言える顔に、獣人オス及びケダマの特徴である毛並みは無く、その代わりとばかりに白い肌があった。
そしてその鼻の上、黒い瞳を覆うようにして薄明かりに反射するレンズが二つ。黒縁の薄いもの。
レンズに映る巨体、灰色の毛並みのイヌが「そうか」と頷いて見せた様子に、僅かばかり残念そうなものを見て取ったのは、小柄な影――彼女の気のせいか否か。
流石に何度もお姫様だっこされるのは恥ずかしいので、残念ながら、と内心で呟いた娘は、そのまま立ち止まったままのイヌの横まで歩を進めて。
「じゃあ、少しだけペースを上げましょう。急げば半分くらいまでは縮められますよね」
耐雪シャベルを持っていない方の腕にその両手を絡めて微笑んで見せれば、イヌは何も言わず頷いた。
分厚い防寒具越しにも判る程の大きなふくらみの感触に、凍峰種の澄んだ青い瞳に少しばかり喜色が宿ったように見えたのは、今回ばかりは彼女の気のせいではないだろう。
535525@積雪:2013/11/09(土) 23:25:31.13 ID:0U+r6XrR
「……んー、今回のものは、今朝までのと比べてしっかりしているんですね」
20分余りあと。予定よりも15分早くたどり着き、出入り口の雪を片付ける犬を横目に5分ほどかけて暖房エトセトラの準備を終えた娘が、バックパックを降ろして手渡し、上着のボタンに指を掛けながら呟いた。
曇り止めが塗布された眼鏡越しに見回す瞳に映る屋内の景色は、そこらの山小屋よりもわずかに豪華と言えるくらいだろうか。
一昨日から今朝まで世話になった山小屋に備え付けられていた暖房器具が薪ストーブ(それも薪が殆ど切れていた)一つだけであったのに対して、今やかんをしゅんしゅんと鳴かせているのはそこそこ年季の入った石油式。
しかも今朝までのそれが調理までその上で済ませることを強いていたのに対し、それなりに整った調理設備まで存在している。
そこ以外にも全開は板張りのみであった床に安っぽい絨毯が敷かれたスペースが存在し、更に土間が区切られているなど、妙にグレードアップが見られる。
それらが存在している空間自体も、二人で過ごすには十分すぎるほどの広さがあり、部屋の隅には風呂場と寝床を示す看板がかかった扉がそれぞれあった。

「元は小規模な国境守備隊が駐留していた場所だ。再編の影響で無人化したが、その代わりに観測施設が設けられてな」
あと、風呂は温泉だ、と先ほどまでと変わらない低く重い声で返したイヌは、やった、と笑みを浮かべた娘に視線をやってからシャベルを土間に置き、ストーブの前の椅子に腰を下ろした。
536525@積雪:2013/11/09(土) 23:26:37.49 ID:0U+r6XrR
ここよりもさらに西、徒歩で3日はかかる山中の国境付近で起こった謎の大爆発とA級国際犯罪者率いる盗賊団の潰滅確認に前後して行われた国境周辺部隊の再編。それに伴って駐留する部隊が撤収して数年が経つわりに、配置された家具は小奇麗で、室内も汚くは無い。
程近い山里の住人が定期的に掃除に来る、と示されていた任務資料を思い返しながら、雪まみれになっていた両腕をストーブで温める。
ノースリーブのインナーから伸びる灰色と白の混じった毛並みがびっしょりと濡れて、その内側の逞しい、軍人らしい筋肉のラインを露わにした。
ぶるるっと無意識のうちに両腕を震わせてその水滴を飛び散らせながら、イヌの男はテーブルに置かれたバックパックに視線をやり、男は任務内容を軽く思う。
大爆発に前後して行われた一部再編は、何故かそれまでの他国からの侵略、及び集団対集団での戦闘にのみ対応するものではなく、特に強力な一個体への対応も考慮されたものだった。
それに伴って各所の山小屋及び基地施設には大気中の魔素の異常を検知する観測施設が設けられ、数分単位で異常を中央へと伝達できるように機構が整えられた。
もしその異常、もしくは“魔素異常を起こすような魔力の持ち主”がその範囲内に入った場合は、問答無用でそのデータが中央へと送られる事となる。
国境ラインをなぞるように配置されたそれら、特に無人地に置かれているものをを一つ一つ周り、観測機の異常などをチェック、場合によっては修理なども行う、というのが表向きのこのイヌの任務だった。

青い目を閉じて、両腕を乾かしながらこの先に回る予定の場所を思い返す。
記憶は一部の忘却も無く再生されて、それぞれの場所はおろか前回調査における周辺の状況や周囲の住人の顔の一つ一つ、更にはそれを見た日の空の色、雲の形までも克明に思い出された。
その内に最果て、例の大爆発が起こった付近に配置されている数少ない灰色の同胞と騒がしい娘のことまで思い出し、口元が吊り上る。
兇悪に尖った歯列が、僅かに覗いた。
537525@積雪:2013/11/09(土) 23:27:45.26 ID:0U+r6XrR
イヌが口にした温泉の単語に明らかに笑みを深くした眼鏡の娘は、イヌが目を閉じて何か考え始めたのを横目にボタンを外した勢いのまま上着を脱ぎ捨てる。
それを畳んでから深くかぶっていたウシャンカに両手をあててゆっくりと外し、上着の上に置けば、緩く編まれた黒く長い髪と、その上に坐する黒い犬の耳が露わになる。
一見すると黒曜種のそれのような尖った耳。しかし、良く観察すれば、現状存在するどの種のモノとも厳密には違う耳。
帽子を置いた手を更に耳の根元に沿えた娘は、何でも無いかのように両手を持ち上げ、それを外す。

「ふう。ちょっと蒸れちゃいました、か」
上着と帽子の上に更にイヌ耳のカチューシャを重ね、髪を整えようと頭を軽く振った娘は、やはり何でも無いかのように呟いた。
帽子とカチューシャに遮られていた娘の匂いが、腰かけたままの灰色のイヌの鼻を擽る。
イヌはぴくりと鼻を動かすが、瞳を開いただけで何も言わない。

「じゃあ、お風呂の準備だけはしてきますね。この間の所と施設自体は煮たような感じですよね?」
眼鏡の娘を見ていたイヌがその問いに無言でうなずけば、イヌ耳を外したヒトの娘はでは、と、風呂のマークが掲示された扉に歩き出す。
そのまま扉の前で振り向いて、耳と同じく偽物の尻尾を揺らしつつ、準備が終わったら、お先に入ります?と更に問いかけて。
538525@積雪:2013/11/09(土) 23:28:25.87 ID:0U+r6XrR
「いや、先に入るといい。俺は後で良い。観測資料も取ってこなければならないから」
寛げていた上着の襟元を締めなおしたイヌが立ち上がって応え、入り口の方の扉に目をやった。娘はその返答に僅かに考え込む。が。
「そうですか。……終わったら、覗きに来ても大丈夫、ですよ?」
右手をセーターの裾にやり、左手で右の肘を掴む胸を強調するような格好で、至極なんでも無いかのように爆弾を落とす。
自分用のウシャンカに手を伸ばしていたイヌはあっさりと固まった。冗談はやめなさい、と何となく保護者の気配が入った視線を向けても娘は知らぬ顔。
「今回の任務からは申請が通っていて、ちゃんと書類も来ていましたよね、ルイトさん。――“ルイトポルト・バウアー曹長預りであったヒト奴隷兼、観測補助者の死去により発生する欠員に、先日入籍した妻を宛がうとの申請を受理する”――って」
なら、私たちの関係は一週間前とは違うはずです。観測任務に従事する軍人とそのペットじゃなくて、単に任務中の夫と妻、ですよね。
長台詞に息継ぎをしつつ、そんなことをどこまでも何でも無いように言う妻、もとい眼鏡の娘の顔は実に誇らしげなモノ。
対する夫、もとい灰色のイヌの顔は何とも言えない。わずかな後悔と混乱、そして微妙に幸せそうな。
であった時からこうだ、と内心ため息を吐くが、反論の言葉は思い浮かばない。どうにかこうにか頭をひねり、言葉を絞り出して言い訳としようとする。

「それは、だな……いや、確かに、そうではあるんだ、が」
イヌはひたすら言いよどむ。ヒトはそれに構わず口を閉じない。
目の前の男がイヌの男、それも軍人らしく非常に、これでもかという程に口下手で、なおかつ思考に対して口が追い付かないタイプである事を実によく知っているからだ。
おまけに、一度言い負かしてしまえば完全にペースを握ることができるということも。もっとも、閨においてはその限りじゃないのだが。
539525@積雪:2013/11/09(土) 23:32:07.24 ID:0U+r6XrR
「だが、なんです。……夫が妻の裸を見るのに、何の問題があるんです。それに、知っていますよ」
どうしたものかと首をひねり、耳を伏せる夫の姿に可愛いと感想を内心述べつつ、娘は更に追い打ちをかける。
反論など許さない、私にもっとその顔を見せてください、とばかりに。
夫の困る顔がレンズに映る度、言い様の無い感覚が背中を這い回る。
「入籍してから一度も私に手を出していませんけど、ルイトさん。……自分で処理も、出来ていませんよね」
付随するのはにっこりと、実に凶悪な威力を持った笑顔。
それの直撃を受け、更に図星を突かれたイヌは、その灰白の毛並み越しにも判る程顔を赤くした。少なくとも、数年単位の付き合いがある娘にはそう感じられる気配がある。
反論など一切できないまま、入り口扉に手を掛けて固まり続けている。
“落下”直後に目の前の男に拾われた娘は、機とみて更に追い込みを行おうと台詞を続ける。
ぐつぐつと腹の底で煮たつ何かが、そうしろと唆した。それに従って、只管に自らの夫である男を、その欲を煽ろうと。
その欲を徹底的に煽った果てに、男が一体どうなるか、その男に組み敷かれる自分がどうなってしまうのか、それをよく覚えているからだ。
「夫が妻の裸を見るのは自然なことですし、それ以上のことをしても誰もお咎めなんかしないですよ。……だって、夫婦なのですし」
それも表向きにはどちらもイヌですし、最初のように思いきりぶちまけて、身も心もドロドロにしてしまっても、誰も文句は言いませんよ、と首を更に傾けてたじたじの夫に言う眼鏡の奥の瞳には、何処かじっとりとした熱が宿っている。
酷く暗い、目の前の存在に心底依存した、何処までもねっとりとした熱。
540525@積雪:2013/11/09(土) 23:32:37.23 ID:0U+r6XrR
「……そう、か。わかった。じゃあ、先に、入っていてくれ」
後から入らせてもらう。重々しくそう呟き、イヌは吹雪き始めた屋外へ出ていくほかない。
このまま室内にいれば、匂い立つ様な色香を放つ妻の姿と声に、躰の内側で燃え始めた青白い炎を、魂に棲み付いた悍ましい寂しがり屋の化け物を抑えることができなくなるからだ。
そうなれば、資料の回収と観測機の検査にも支障が出ることを、男は知っていた。
知っていたのだが―――その炎と獣に唆されたか。扉を閉める直前、ふと、肩越しに振り向いた。
「……どうしました? 手早く終わらせてあたたまっていますから、早く来てくださいね」
そう何処となく淫靡な、籍を入れる直前からだんだんと纏い始めた独特の気配と共に、微笑むヒトがそこにいた。
どうにか抑えたはずの欲が免罪符付きの捌け口を見つけて暴れ出すのを必死に抑えようとするイヌには、種族を誤魔化すための作り物のはずの娘の尻尾が、得意げに揺れたように見えた。
541525@積雪 ◆PrZB7e9s/Q :2013/11/09(土) 23:34:17.94 ID:0U+r6XrR
とりあえずは以上です。続くかどうかは未定。
あと、軽く人物紹介のような何かを以下に

イヌ軍人→凍峰種 若い 国境観測所の記録収拾+修理任務担当(表向き)。無口でヘタレ
眼鏡→20位のヒト♀ 落下時17、8 元山岳部で元文学少女。落愕病で記憶が飛び飛び、旦那に依存気味
542名無しさん@ピンキー:2013/11/09(土) 23:49:45.59 ID:Kr5WWAfN
あたしとぞーきんと同じような関係ってことかな?これは
543名無しさん@ピンキー:2013/11/10(日) 00:16:12.19 ID:uBLOy7ni
犬の国ブームだな。カジキの次は犬がきたか。
投下乙! 続き待ってる!
544名無しさん@ピンキー:2013/11/10(日) 00:24:11.43 ID:8m2h01T6
GJ!
犬猫辺りは設定が出揃ってることもあって書きやすいしな

直接投下とかえらい久しぶりだな
スレが進むと賑やかな感じがしていいね
545名無しさん@ピンキー:2013/11/10(日) 09:02:23.39 ID:hpPCTQ/z
話の流れとしてはジークの『事件』のちょっと後辺りを想定かな?
国境警備隊の話で、温泉付きとあれば、嫌でも期待せざるを得ない!w
投下乙でした。続きに期待します。
546名無しさん@ピンキー:2013/11/10(日) 10:17:47.16 ID:NpDiDRkq
ところで凍峰種ってモデル犬種なに?
547名無しさん@ピンキー:2013/11/10(日) 12:35:22.88 ID:J4I3n1p9
Wiki戒によればシベリアンハスキーだそうな
通常のイヌよりオオカミに近い=通常種より物理特化ってことかね?
なんかぞーきんとか旦那とかの同類っぽい気がするからその限りじゃないかもだけど
548名無しさん@ピンキー:2013/11/11(月) 05:10:02.18 ID:XCNcUzn5
うっひょー!!
久しぶりの投下だー!!
これで月曜日も仕事も怖くないぜ
帰ってきてからの楽しみが出来た
549名無しさん@ピンキー:2013/11/11(月) 22:05:37.16 ID:BIZbrWIv
久しぶりに何か書こうかな……と思ったけどやっぱ世界観まとめ見づらいな。
世界観用のwikiを用意したほうがいいんだろうか。

>>529
なろうに限定しちゃうと逆にわかりづらいと思うので、
「18禁設定にしてください」でいいんじゃなかろうか。
ツールによって設定方法は違うわけだし
550名無しさん@ピンキー:2013/11/11(月) 22:09:10.20 ID:PlSQCJ6d
じゃあハンスは凍峰種なのか
いや雑種なのか
551名無しさん@ピンキー:2013/11/11(月) 22:21:45.82 ID:CjTwfnik
別に新しいwikiつくらなくても
今のwikiにページつくってやればよくね?
552名無しさん@ピンキー:2013/11/12(火) 15:52:55.31 ID:VuycSatv
しかし「あたし」といいオツベルといい今回の娘といい、イヌに落っこちる娘は何だか良い意味でアレなのが多いなー
つかなんだ、この依存系?ヤンデレ?だいすきです
553名無しさん@ピンキー:2013/11/13(水) 11:11:59.29 ID:Cx/aZIhb
あぁ。旦那とオツベル。
続き読みたいなぁ……(チラッ! チラッ!
554名無しさん@ピンキー:2013/11/14(木) 09:24:03.61 ID:EB9zFFWu
例えばの話。
エロ抜きの単なるイチャ話オンリーでなろうに投下して
それでこちむいの一環ですも有りかな。
やるやらないは別として、例えば万獣シリーズとかだと
エロ無しだからなろうに投下できるなぁと。

あと、ロダ代わりになろうを使うのも有りだろうか?
ロダの場合はURLを踏んだらテキストべったりだから読みにくいでしょ。
なろうだと読みやすいんで、どうかな?と。
555名無しさん@ピンキー:2013/11/15(金) 03:35:55.59 ID:OmFYrSDz
それは前に、なろうに非エロを投下すると未成年者が来るからやめろって話になってたはずだぞ?
ムーンやノクタは18禁サイトだからいいと思うが。
イチャ話オンリーだとしても、本スレがエロパロだからなぁ……

そこら辺早くハッキリしないと、書き手も混乱するな。
また書き直してみたが、これはどうだ?


『スレ以外の外部ツール利用について』
スレ以外の外部ツール(自分のHP、小説家になろうなど)に投稿することも可能です。
その場合の注意点は以下の通り。
・『猫耳少女と召使いの物語』スレがネタ元であることを明示してください。
・スレに投下したものを他の場所へ転載する場合、書き手本人がスレか伝言板に一言かけてください (無断転載防止のため)
・非エロ作品であっても18禁設定にしてください。
・推奨タグ は『こちむい』『シェアワールド』です。
556名無しさん@ピンキー:2013/11/15(金) 12:38:34.03 ID:M/t8P+na
>>555
そのwikiはどこへ書き足すの?
557名無しさん@ピンキー:2013/11/15(金) 23:18:37.40 ID:peWeCwWt
>>556
wiki戒のTOPでいいんじゃないか?
わかりやすい方がよかろうて。
それか>>513が言ってた「外部ツール」の親ページを増やしてその一番上に書くかだな。
ちなみに俺はスパム認定で編集できんかった。
558名無しさん@ピンキー:2013/11/16(土) 11:36:03.38 ID:mBHxyOtK
中古奴隷な人の最新話がなかなかの鬼畜っぷりでニヨニヨがとまらない!
良いぞもっとやれ!とワクワクしてる自分も鬼畜ですw
559名無しさん@ピンキー:2013/11/16(土) 16:01:02.02 ID:Ofqj6Ce7
>>557
編集を試みたが、やはりスパムで弾かれた。
スパム規制対応文字列エラーだそうだから、
何処かにトラップがあるのかもしれない。
560名無しさん@ピンキー:2013/11/16(土) 16:12:42.34 ID:OBr53qbi
(@wiki共通スパム対策を解除してみたよー)
561名無しさん@ピンキー:2013/11/16(土) 18:43:27.95 ID:Ofqj6Ce7
ついでにそのまま書き換えてくれても良いのよ?
562名無しさん@ピンキー:2013/11/17(日) 06:12:20.38 ID:9JEWjEyZ
中古奴隷の人の連載、第二部に入って雲行きが怪しくなってきたな。良い意味で。
鬼畜が増していきそうだ。
つーかこの人の割烹がすごい。
563名無しさん@ピンキー:2013/11/17(日) 23:27:22.95 ID:KIHbQuYH
>>560
ぜんぜん解除になってねーYO!
管理者モードでログインして書き換えてくれ。
564名無しさん@ピンキー:2013/11/17(日) 23:55:37.32 ID:HKmvhDeJ
取りあえずwikiへの外部SS一覧へのリンク作成と>>555の文章を追加しましたー…
565名無しさん@ピンキー:2013/11/18(月) 00:31:43.57 ID:riavw+BA
GJ!

やっと追加されたな。
今んところ外部は中古奴隷の人の二つと、仕立て屋か?
566名無しさん@ピンキー:2013/11/18(月) 11:15:20.05 ID:TdakdZx7
wiki編集お疲れ様です。
唐突に投下して唐突に去ります。
ウサギ♂とヒト♀のラブ未満のなにか。
えろはないです。会話劇風味。4000字ぐらい。
567チェス盤上のアリス(1):2013/11/18(月) 11:16:37.30 ID:TdakdZx7
「こんばんは。ロード・エドワード。お早いお帰りですね」
「今晩、セックスしないか」
わたしは、黙って足を組んだ。
目の前には、ウサギのきぐるみのような生きものが椅子に座っている。
遊園地の着ぐるみのような姿に、つい、現実感を失ってしまう。

わたしに与えられた部屋は元は物置きで、
ゲーム盤の箱や将棋の駒のほかに脚立やバケツなども置いてある。
それでもちゃんとベットと椅子と机はあるから、暮らしていくのには困らない。
昔の待遇を思えば天国のようなものだ。

ウサギはわたしを気にせず、まくし立てた。
「きみは中性的なところが逆にセクシーだし、その他人を蔑むような目つきもゾクゾクするね。
ちょっと色黒なところもイカしてる。
試してみると思って、やってみないかい」
わたしは溜息をつく。箱から駒を取り出して、市松模様の板の上に並べ始めた。
「ロード。そういうことをやりたいのなら命令してください。わたしは召使いですので」
「そりゃ、命令するのは簡単さ。でも、無理やりやらせるのはよくない。
ぼくはきみに自分の意思でぼくとセックスしてほしいのさ」
「特に面白い技術を持っているわけではないから、退屈だと思いますよ」
「はぐらかさないでくれたまえ。どっちなんだ。
イエスか、ノーか?」
「じゃ、さしあたってノーにしておきます」
わたしはルークの駒がマス目からずれているのを発見して、直しておいた。
568チェス盤上のアリス(2):2013/11/18(月) 11:17:37.94 ID:TdakdZx7
わたしがこのウサギの遊び相手として買われて、ひと月ほどになる。
「きみは自分の話をほとんどしないね。秘密主義なのかい」
ポーンを前に出しながらロードがつぶやいた。
「思えば、お話していませんでしたね。
あまり面白いものではないでしょうが、ご所望とあれば一局やりながらお話しましょう」

「わたしがここに落ちてきたのは二年前です。その前は、会社で働いておりました。
ヒト奴隷の中ではまだ、ましな境遇だと思います。殴られた回数を覚えていますから。
ただ、主人とあまりそりが合わないことが多くて、長く同じところにいませんでした。
自分で言うのもなんですが、愛想のいいほうではなかったので。
一番長く続いたのはネコの国のモデル事務所のところですね。
マネキンのまね事をしていました。その会社は倒産して、お払い箱にされたのですが」

「ぼくはヒト奴隷の写真集を見たことがあるが、きみは、少し顔つきが違うね?」
「人種が違うのです。イヌにはいろいろな見た目があるでしょう?
それと同じようなものです。
わたしの先祖は、祖国を離れて外国人の家に使用人として仕えたそうです。
もっともわたしだってジャパニーズと同じアジア人なのですが。
なぜかは知りませんがこっちの世界では日本人が落っこちてくることが多いので、
二重の意味で異邦人でしたね。
言葉は通じても文化が違いますから」

「なぜ、ゲームが得意なんだい」
「うーん。これは恥ずかしい話なのですが。
わたしは人と話すのがあまり得意ではなかったのです。
だから家で遊ぶことにばかりかまけていました。
特にネット通信で対戦するボードゲームがお気に入りでした。
年齢が長じるにつれ、人見知りは多少ましになりました。
でも今でもボードゲームは好きですよ。ところでロード・エドワード、次で詰みます」

「なんだって!どうやって」
「ここのルークを……」
「いや、待て、自分で考えさせてくれ」
「そうですか、何なら明日までの宿題にしましょうか。スコア残してますから」
「助かる! ところでセック」
「ロードの耳の穴は節穴なのでしょうか?」
569チェス盤上のアリス(3):2013/11/18(月) 11:19:23.23 ID:TdakdZx7
「おはようございます。ロード・エドワード」
「おはよう。その呼び方やめない? うちはイナバやアリアンロッドじゃないんだけど」
「嫌と言われても、けじめですから。ところでロードのご職業は何なのでしょうか?
朝にいらっしゃったり夕方にいらっしゃったりしますが。
もしかしてニートなのではと心配している次第です」
「ニートじゃないよ! 一応。
ええとね、簡単に言うと10万セパタの土地を買って15万セパタで売るのが仕事」
「それは……不動産投資ですか? ウサギにしては変わってますね」
「うん。実は貸家の家賃収入だけで生きていけるぐらいの収入あるから、
働かなくてもいいんだけどね。
ホワイト家は元は地主だったんだ。
家督は妹が継いでるから、ぼくはただの手伝いだね」
「なるほど……世の人に嫉妬されそうなおうちですね。もうすぐクイーン取ってしまいますよ」
「あ、ほんとだ! ちょ、ちょっと待ってね。考えるから」
「いくらでもどうぞ」
「……よし、よしこれでいい、よね」
「さて?」
「その自分より弱い人間を見る目、すっごいゾクゾクするよ。抱きたいなあ」
「そうですか。わたしは何とも思いません」


「こんばんは、ロード・エドワード。毎日チェスをするのは芸がありませんね。
この世界の遊びはありませんか?」
ロードはゲームの山から何かを掘り出してきた。
「じゃあ、これをしよう。『星月盤』」
「せいげつばん、とは」
「獅子の国のボードゲームだ。青と赤に分かれて、最終的には自分の陣地が多いほうが勝ち」
「察するに、オセロや囲碁のような陣取り遊びですかね」
「ルールを教えよう。青のほうが先攻で……最初に三つの駒を置ける……」

「フツー、やって五回目で勝ってくる?」
「大変失礼かと存じますが、わたしが強いのではなく、ロードが弱いのです」
「失礼だと思うのなら言わなくていいでしょ!」
「やめますか?」
「いや、もう一回」
「ハンデは必要でしょうか?」
「こ、この回負けたら……」
570チェス盤上のアリス(4):2013/11/18(月) 11:20:16.75 ID:TdakdZx7
夜遅く、誰もいない部屋。
自分だけがベッドの上に寝転がっている。
――上の階から誰かの喘ぎ声がする。
耐え切れなくなって耳を塞いだ。

「……昨日はお楽しみでしたね」
「えっ、ああ、聞こえてた? いやーあの子声大きいからね」
そう言いながらロードはわたしのナイトを取ってしまった。
「はい」
「次はきみも一緒にしようよ。あっもちろん無理にとは言わないし、
優しくするから!」
「はい」
「アン」
「はい」
チェックされた。
ロードは怪訝な顔(顔がウサギなのでわかりにくいが)をした。
わたしは、名前を呼ばれるのは久しぶりだなとどうでもいいことを考えた。

「どうしたの? ちょっとおかしいよ。何か変なもの食べた?
ぼくがうるさかったから眠れなかった?
何か嫌なことがあった?
ご主人様に言ってごらん」
「言ったところで、あなたはわたしの望みを叶えられない。絶対に」
「どうして、言ってみないとわからないだろう」
「では、殴らせてください」
「まさか、きみはそういうプレイが好、がふっ」
……わたしが殴っても決してロードは手を出さないと知っているから、
こういう手段に出る自分はずるいと思う。


「ヒトは、ウサギのようにたくさんの愛を持てないのです。
認めましょう、わたしはあなたをお慕いしております。
しかし、それはあなたの愛とは違うものです。
わたしはあなたのお友達が嫌いですよ。
わたしからあなたを奪っていきますから」

「奪うって、みんな、そんなつもりじゃ……」
「そうでしょうね。でもわたしにとっては違うのです
わたしは、こうしてあなたと会話していても、別の世界に住んでいます。
これからもずっと」
足を組み直して、わたしは言った。
「わたしの望みは、あなたのただ一人の女になることです」
571チェス盤上のアリス(5):2013/11/18(月) 11:21:29.90 ID:TdakdZx7
二人の間にはチェス盤がある。これが最も短い距離だろう。
わたしたちはこれを超えられないのだと思った。

「今日はもう……やめましょう」

三日、一週間過ぎてもロードは部屋に現れなかった。
後悔や悲しみもあったが、それ以上に退屈が勝った。
退屈のあまり銀食器を磨くのを手伝ったり、皿を洗ったりしていたが、
要領が悪いのでやんわりと部屋へ追い返された。

もう二度とここには来てくれないのかもしれない。
ロードの性格からわたしを放り出すことはしないだろう。
しかし、この部屋で飼い殺されてしまうと思うと辛かった。
今日もどこかで虐待されているヒト奴隷たちにとっては、この上ない天国と知りながら。
572チェス盤上のアリス(6):2013/11/18(月) 11:22:41.96 ID:TdakdZx7
一週間と少し経って、ロードは再びわたしの前に座った。
「この前はすみませんでした。
困らせるつもりじゃ……いや、困らせたかっただけなのかな。
とにかく、もうゲーム以外のことは話しません。お約束します」

「いろいろ考えていたんだよ。どうしたら、きみの望みを叶えられるか」
「ロード・エドワード?」
わたしの胃に不安がどろっと入ってきた。
ロードは黙ってチェス盤に指輪を置いた。
「これ、なんでしょう……まさか結婚するなんて言いませんよね」
「ぼくの魔力の半分」
「はぁ?」
魔力というと、文字通り魔法を使うための力である。
「ぼくが魔素から生成した魔力を魔法式に乗っけて、
指輪をつけた人の命令に従うように因果律を調整、
あとはヒトの体に合うようになんとかして」
「えーっとつまり」
「これがあったらきみも魔法が使えるってことだね」

「………………」
わたしは絶句ののち、うわごとのように言葉を走らせる。
「そ……そんなことしてロードは大丈夫なんですか」
「魔力半分になっちゃうし寿命も縮むかも。
でも不可逆魔法式だから、もう元に戻せないんだよね」
「…………っ」
わたしは頭を抱えた。

「きみをぼくにとって特別だと証明するにはどうすればいいか考えてたんだ。
それにはぼくの一部をあげるしかないのかなって。
それでちょっと知り合いの魔女にも協力してもらった。
……嬉しくない?」
「わたしは自分の言ったことを心から後悔しております。くそっその魔女も止めろよ……」
「受け取ってくれないの?」
わたしはよろよろと頭を上げると、指輪を拾った。
「『地獄への道は善意で舗装されている』
祖国にあったことわざですが、今ほど思い知ったことはありませんでした。
本当にウサギの優しさはヒトを殺せます」

「つけるのつけないの、イエスか、ノーか?」
「受け取りますが、つけることについては考えさせてください……」
573名無しさん@ピンキー:2013/11/18(月) 11:26:03.86 ID:TdakdZx7
おわりです。
我ながら消化不良なのでエロ編も書けると……いいですね。
574名無しさん@ピンキー:2013/11/18(月) 19:21:34.92 ID:bimI+9gJ
うおおおーー!
投下が続いて嬉しい!!!いいぞもっとやれー!!
575名無しさん@ピンキー:2013/11/19(火) 18:02:29.34 ID:pblDu1fC
いやっふー、かなり萌えました。
だから自分なりに同じようなコンセプトで書いてみましたよ。


 あの娘に見つかると厄介だ。
 だから抜き足差し足忍び足。
 仮にも本職、足音を立てずに歩くなんて朝飯前。

 ドアを開けた瞬間、それらが全く無意味だったことを知る。
 と言うかなんでこんな夜中に玄関先に待機してるんですかね。
 箒持ってるけど、こんな時間に掃除とかありえないですよ?
 それ以前に一応そっち方面の仕事してる俺が気配に気付けないとか、正直うちの部署でもトップクラスの穏行ですよ?

「あら、旦那様。お出かけですか?」

 茫洋とした表情で見上げてくる少女は、以前奴隷市場で購入したヒトメスだ。
 別にそんなつもりは無かったのだが、一緒に生活しているうちに情がわき、その、まあなんだ。
 そういう関係になった訳だ。
 それからも変わらずに召使として働いてくれてるんだが、最近はなんか…

「あ、ああ、そうなんだ、ちょっとね」
「以前の『ちょっと』は確かウィンゼル様の姪御さんの家庭教師でしたが、本日はどちらへ?」
「ななな、なんでその事を…はっ」
576名無しさん@ピンキー:2013/11/19(火) 18:03:01.44 ID:pblDu1fC
 墓穴掘った。
 ていうか、なんで家庭教師やった事知ってるのこの娘?
 そもそも一度も会わせたことが無い同僚の名前まで知ってるなんて怖過ぎるよ!

「どうかなさいましたか旦那様。古傷でも疼くのですか旦那様。そう言えば最近お裁縫を勉強していまして、縫うのはそれなりに出来るようになったんですよ旦那様」
「ひいっ」

 言われてみると太ももの傷が引き連れるような気がしてくる。
 あれは事故だ。事故なんだ。刺されたわけじゃなくて、ぶつかって転んだ拍子に刺さっちゃっただけなんだ。
 裁縫のほうもきっとこれから寒くなるから服を繕ってくれたりするつもりって事だきっと。
 うん、だから失血死はしなくてすみそうなんて考えることは無いんだぞ俺。

「いやいやいや、ほら、月が綺麗だから散歩でもって」
「今夜は曇りですよ旦那様。そうそう、卸し立ての靴があるんですよ旦那様。とても吸音性に優れていてお気に入りなんです旦那様」

 見てみると、履いていたのは見た目はあまりごつくはないが、紛れもなく軍用の隠密ブーツ。
 あらやだこの娘、俺の仕事のコネ利用してません?
 そう言えばこの間、自分で買ったの忘れてたのかなって思ってスルーしてたけど、コンバットナイフとかの請求書がいつの間にか通ってたような。

「す、すぐ帰ってくるから! 1時間…いや、30分で!」
「もっとゆっくりなさっても大丈夫ですよ?」
577名無しさん@ピンキー:2013/11/19(火) 18:03:57.12 ID:pblDu1fC
 そこで初めて無表情に近かった彼女の口の端が持ち上がる。
 にこり、と表現するにはあまりにも禍々しく…

「ただし」

 しかし、それでいてなお美しい微笑。
 やばい、可愛い。今すぐ押し倒したくなるぐらい可愛い。
 しかしこれから『仕事』なのだ。いや、これは本当に。
 前ちょっと嘘ついてそれがバレた時の騒動から十分に反省したのでそんな事は二度としません許してください。

「明日は雨が降るようなので、お気を付けください。私は丈夫なレインコートがありますから大丈夫ですが。ええ、一滴も濡れません」

 空から降ってくる雨に濡れないって言う意味だ。
 うん、きっとそうだ。
 赤かったり鉄錆の臭いがしたりはしない雨の筈だ。

「き、君も、早く寝たらどうかな」
「ええ。あと一仕事終わらせたら寝る事にいたします」
「…一仕事?」
「最近切れ味が悪くなってきましたので、包丁等を研ぎませんと。まあ、切れ味が悪いものは悪いものなりに使い所はあるのですが」
「ひいっ」


 最大速度で街を駆け抜け、目的のブツを入手し受け渡しまで15分。
 部署内最速記録を打ちたて、上からお褒めの言葉をいただく事になるのだが、それは仕事に復帰できた後の話となる。
578名無しさん@ピンキー:2013/11/19(火) 18:04:32.41 ID:pblDu1fC
後書き
あれ? ご主人様に近付く女に嫉妬するヒト召使いという話だったはず…
う、嘘はついてない! ちょっと方向性が違っただけだ!
579名無しさん@ピンキー:2013/11/20(水) 11:13:20.55 ID:Rv3kszTR
後書きは要らんよ。それが2ちゃんのマナーw
新作が最近多くて嬉しいね!
投下乙です〜♪
580名無しさん@ピンキー:2013/11/21(木) 07:59:43.86 ID:RayiZRBX
ちょっと月光の獣人系を読みあさってる間にこっちにも投下がたくさん・・・!
ありがたやー
投下乙です
581いい夫婦の日特別 その1:2013/11/22(金) 19:47:44.37 ID:hHRuz7XK
 ネコの国の王都、シュバルツカッツェ北西部。
 魔洸機関で走るトラムに揺られ都心部から1時間程郊外へ行った辺りは、豊かなネコ
の国でも比較的低所得者層向けの安アパートが並んでいるエリアだった。

 この辺りは研究学園都市的な側面を持つ学生街も兼ねていて、他国からやって来た
様々な種族のうち、予算的に厳しい者達が肩を寄せ合って暮らしている地域だ。
 都心部に有る学校へ幾枚かのセパタ硬貨を払って通い、普段の生活は物価の安いこの
辺りで出来る限り済ます。
 衣食住の全てに渡って『上質とはほど遠いが高価では無い』と言う所に価値を見いだ
す者達のオアシスとも言える。

 そんな街並みの一角。
 トラムの電停『またたび坂』を降りて、さらに徒歩で15分程の所。
 築300年になろうかと噂される安アパート『またたびハイツ』の201号室。

 イヌの国からやって来た議会の研究員さんと、その付き人なメスヒトの暮らす部屋の
中で、恰幅の良いネコのマダムが一人盛り上がっていた。
 安物のカップに入れられた精一杯のお茶に手すらつけず、一方的に喋り続ける。

「ほら、ミーシャちゃんは器量よしだからね。ほっといたってアチコチから声が掛かる
んだろうけど、旦那にしてみれば悪い虫が付くのは嫌ってもんでしょう?」

 何枚かの写真を持ってきたそのネコの女性は、白いものが混じるようになったロマン
スグレイの毛並み撫で付けながら肩を揺らす。

「こっちの子は生まれた時から知ってるんだけどね、お父さんはお城出入りの貴族の持
ち物でお母さんは猫井の研究員さんの身の回りの世話役だったのよ。とにかく二人とも
気が効くから良い子に育ったわ。それにほら、この子はハンサムだと思わない? ミー
シャちゃんも美人だし、生まれてくる子はきっと引く手数多よ。何にも心配要らない人
生だわね」

 写真を捲りながらテンションが更に上がり続ける。

「そうそう、実はこっちの子があたしには本命ね。アッパータウンで探偵とか弁護士の
仕事をしている女がいるんだけどね。それはあたしの古い友達なのよ。で、それが随分
昔に拾った男の子でね。何をバカなことしてるんだいって怒ったんだけど、気が付けば
良い男に育ってねぇ ほら見てご覧よ。鼻筋の通った美男子だろ?ヒトにしておくには
勿体無いくらいだ。でね、この子もそろそろ良い歳だからね。そろそろ嫁さんを世話し
なきゃってってねぇ」

 キャハハと品無く笑うマダムに気圧され言葉を失うヒトの娘とマダラなイヌの男。

「どう?ミーシャちゃん、良い子いない?お見合いしなさいよ。あたしに任せておけば
悪いようにはしないから。ほら、旦那も何か言いなさいよ。これだけの器量よしなんだ
から、みんな欲しがるわよ? 根無し草で終わらせたら勿体無いじゃ無い!それに、一
緒に子育てとか楽しいわよ?」

 困った顔で旦那――サム――を見たミーシャ。
 迷惑ですと言う顔も出来ず、かといって話を受けるつもりも無い。
 だけど……

「あらいけない!こっちの子を忘れていたわ。フローラ様のご息女さまは沢山いるんだ
けどね。その中の一人がこの子の主なの。でね、その主ってのが次期女王の大本命なの
よ!それでね、その主ってのがこの子を大事にしててねぇ。何の因果かあたしの所にも
良い娘居ないかい?って話が流れてきてさぁ……」

 勝手に盛り上がっているネコの女性の話を聞きながら、サムの目がきらりと光った。
 次期女王に接近するチャンスかもしれない!

 だが、これは罠かも知れないと、ふと気が付く。
582いい夫婦の日特別 その2:2013/11/22(金) 19:49:19.26 ID:hHRuz7XK
―――おぉ危ない危ない

 そんな表情が顔に出ているのを自分で気が付いて、咄嗟に右の手で額を擦った。
 
 ……あれ?この仕草は

 遠い日に父親と過ごした僅かな日々をふと思い出して苦笑い。
 両の指の数ですらも余る程度しか一緒に居なかった筈なのに……

「どうしたの?」

 ネコの女性が覗き込むようにしてサムを見た。
 一瞬だけドキッとしたのだけど、できる限りポーカーフェイスを装って。

「どうだいミーシャ。会ってみたい男性はいるかい?」

 ミーシャは不安そうな顔でブンブンと首を振った。
 両目に精一杯涙を溜めて、今にも泣きそうだ。

「あら!ミーシャちゃん、見かけによらず面食いね? そーよねぇ〜 こんなんじゃ釣
り合い取れないわよねぇ きっとミーシャちゃんはお父さんもお母さんも素敵で綺麗な
ヒトだったんだわね」

 ウンウンと頷きながら写真をカバンへ仕舞って立ち上がったネコの女性。

「今度はもっと良い子探してくるから楽しみにしててね! あたしったらもうこんな歳
だからねぇ 誰か若い子の世話してあげるのが楽しみでさぁ ミーシャちゃん大人気だ
からどう?って話持っていくと、誰も嫌って言わないのよ。そんな意味じゃあたしも鼻
が高いし、こんな楽しい事させてもらって感謝しなきゃ!」

 勝手に盛り上がっているネコの女性のテンションは、今にも屋根を突き破って空へ飛
んでいきそうだ。
 
「また来週来るからね! あ、そうそう、忘れてた。ブッフーの良いのが売ってたから
買ってきたのよ。こっちはお裾分けみたいなもんよ。スープにして食べてね。じゃ、ご
ちそうさま」

 うふふと笑って部屋を出て行った。
 このアパートの大家でもあるネコの女性は御歳550歳と噂されているのだが。

「ヤレヤレ。今日も災難だったな」

 フゥと一息ついて椅子に座りなおしたサム。
 ミーシャは相変わらず、涙眼だ。

「旦那様。ミーシャはお嫁に行かないとダメですか?」
「嫁に行くかどうかはともかく、ずっと一人って言うのは寂しいんじゃないか?」
「旦那様のおそばならミーシャは寂しくありません」
「でもなぁ。俺もいきなり死んでしまうかもしれないしなぁ」

 サムがこの街へとやって来た理由を考えれば、あながち冗談とも言いきれない。
 だけど、ミーシャにとってはサムが全てなのだから、あまり無理も出来ない。
 
 ……無理をしないとダメな状況ではあるのだが

「だんなさま」

 擦り切れたような声でミーシャはサムを呼んだ。
 驚いてミーシャを見たサムが凍りつく。
583いい夫婦の日特別 その3:2013/11/22(金) 19:50:58.16 ID:hHRuz7XK
「バカ! 何をするんだ!」

 ミーシャはナイフを握り締めて自分の喉を刺そうとしていた。
 思いつめたような張り詰めたような。絶望に満ちた表情だった。

「旦那様が死んでしまったらミーシャも死にます!」

 サムは慌ててミーシャを抱き寄せた。
 このままでは本当に自殺しかねないと、そう危惧した。
 そして、ミーシャが死んでしまった場合。
 自分はどうやってあの城へ行けば良いんだろう?

 全てを見透かすような優しくて恐ろしいブラウンの瞳できっと睨まれる。
 父を愛していたイヌの女性のあの目は、父と母が遺していったもう一つの最高傑作。
 様々な支障を柔軟に切り抜け解決してしまう手際の良さ。
 
 あぁ、父よ。
 あなたはどこまで手の届かない存在なのですか……

「旦那様はミーシャが嫌いですか?」
「何を言ってるんだい」
「だって、大家さまがお越しになる度に、旦那様はうれしそうです」
「そりゃ、愛想笑いってもんだよ」
「うそです!きっとミーシャが居なくなるのが嬉しいんです!」

 バカ!バカ!バカ!と泣きながらサムの胸を叩くミーシャ。
 徹頭徹尾ガン泣きモードに入った。

「まて!待つんだ!ミーシャ!」
「嫌です!バカ!旦那様のバカ!ミーシャは旦那様が大好きなのに!」

 とりあえず大声で泣き喚かれても困る。
 ギュッと抱き寄せてそっとキスしたサム。
 流した涙ですっかり化粧が落ちているミーシャがジッと見ている。

「俺もミーシャが大好きだよ?本当だよ?嘘じゃ無いよ?でもね」
「嘘です!」
「なんで?」
「だって旦那様はミーシャにご寵愛をくださいません」
「え?」
「いつもいつもいつも夜遅くにお帰りになる時は、女性の香水が付いてます!」
「あ…… あれは……」

―――まさか本業の事は言えないしな……

 この街へとやって来たサムの仕事は、イヌの国の工作員を護る事だった。
 議会派の工作員たちが様々に政治的工作をしているのを護る事。
 その為、時には諜報関係のネコの女を手に掛ける事もある。

 だから、その血の匂いを撒く為に香水を使うのだが……

「何処かいきっと旦那様の奥様がいらっしゃるんです!ミーシャはいつもいつも……」

 再びミーシャが爆発ガン泣き一歩前になった。

「旦那様のお帰りを待っているんです!」
「それは感謝しているよ」
「でも、旦那様は……」
584いい夫婦の日特別 その4:2013/11/22(金) 19:52:28.42 ID:hHRuz7XK
 この時点でサムは自分の一手が迂闊であった事を学んだ。
 怒れる女性の宥め方はある意味で百戦錬磨だが、泣いている女性を宥める事は凡百の
男性陣の中にある一人か二人だけが持つスキルに近い。

―――女が泣き出したときは、まず好きなだけなかせろ。
―――その後で望むように言いくるめろ。
―――ただし、理詰めはダメだ。女は情動の生き物だ。
―――見せ掛けで良い。情と愛で操れ。

 師セリオンはそう教えてくれた。
 だけど、ここまで純粋無垢に自分を見つめている瞳を騙す方法は思い浮かばない。

「ミーシャ。良く聞くんだよ?」
「はい」

 急に真面目な声音に切り替えてサムは話を切り出した。

「俺はね。イヌの国の議会の仕事をしているんだ。もちろん、良い事だけじゃなくて、
イヌの国の飢えている国民の為に、時には汚い事をしている時もある。小汚いネコの男
の靴を舐めた事もある。商売女の元締めなネコの娼婦を抱いた事もある。でもそれは、
イヌの国の、ル・ガルの為だと思ってるんだ。そしてね、それはつまりミーシャの為で
もある。ミーシャが俺と一緒に居られるように頑張ってるんだよ。ここから出て行けと
か、何処かに連れて行って売ってしまおうとか、そんな事はしないから大丈夫だ」

 抱き寄せられてサムへ抱きついているミーシャの頭を優しく撫でながら。
 サムは精一杯に取り繕う言葉を連ねたつもりだった。
 だけど、それで簡単に女を騙せるなら、世の男たちは種族を問わず苦労するまい。
 
 結局。どこまで行っても世の中には、男と女の二種類しか居ない。
 だからこそ、大恩あるポール公は口癖のように言っていたのだと。
 『女を騙す者はその言葉で身を滅ぼす』と、そう教えてくださった。

 ミーシャの眼がサムを見つめている。
 その瞳に『嘘だ』と書いてあった。
 サムを疑う眼差しが遠慮なく降り注がれている。

 思わず目を逸らしそうになったサムが、寸前でそれを思いとどまった。
 眼差しの強さに負けて目を逸らせば、精一杯の嘘がばれると思ったから。

「旦那様はウソをついてます」
「嘘なんかじゃ無いって」
「ウソです。きっとウソです」
「……ミーシャ」
「きっとその女性(ひと)と一緒に居るほうが良いんです!」

 サムの胸を突き飛ばすようにしてミーシャは立ち上がった。
 さっきと同じく、ナイフを手に持ったまま。

「ミーシャ! やめなさい!」
「嫌です! きっと旦那様はミーシャが嫌いなんです!」
「嫌いじゃ無い! 嫌いじゃ無い!」

 まずい! 眼がマジだ!

 サムは瞬時に極度の緊張状態へ陥った。
 何度も見ている思いつめた女の眼だ。

「 嘘 つ き ! 」 
585いい夫婦の日特別 その5:2013/11/22(金) 19:54:25.00 ID:hHRuz7XK
 絶叫するミーシャがナイフを自分の胸へ突き立てようとした。
 その直前、恐ろしいまでの速度でミーシャへと迫ったサムがナイフを叩き落とした。
 どれ程鍛えたとしても、サムの全速について行ける者など居る筈が無い。
 規格外生物と言う肩書きは、伊達ではないのだから。

「ミーシャ? そろそろいい加減にしないと、俺も怒るよ?」

 カタカタと震えているミーシャ。
 瞬間的に見えたサムの殺気に当てられて、ミーシャは正体が抜ける寸前だ。

「ミーシャはどうしたいんだい?」

 優しく抱きしめて落ち着かせようとサムは努力した。
 だけど、ミーシャはまるで糸の切れた操り人形のようだ。
 震える小さな声が漏れてくる。

「旦那様だけのミーシャです。ミーシャだけの旦那様で居てください」

 精一杯の勇気で呟いたミーシャの声がサムの耳に届いた。

「そうか。わかったよ」
「え?」
「俺はこんな身だからね。多分結婚なんて出来ないし」
「旦那様」
「ミーシャだけの俺で居るよ」

 驚いたミーシャがサムを見上げた。
 まん丸な目をしてサムを見ている。

「だんなさま?」
「イヌとヒトは結婚できない。そう言う制度だ。だけど夫婦にはなれるだろ?」

 ギュッとミーシャを抱きしめて、そっとキスしたサム。

「君がそう望むならそうしよう」
「だっ 旦那様……」
「ダメかい?」
「あっ…… あの…… その……」

 もう一度ギュッと抱きしめて、小さな頭に頬を寄せた。

「可愛いミーシャ」
「旦那様はミーシャを愛してくださいますか?」
「もちろんだ」
「じゃぁ、旦那様。今日、今から」
「うん」
「ミーシャを抱いてくださいませ」

 どこまでも真面目な顔でミーシャが言い切った。
 だけどサムは笑いながらミーシャを担ぎ上げた。

「良いだろう。お安い御用だ。ただ、夜は長いぞ!」
「望むところです!」

 サムの肩に担ぎ上げられたミーシャが、どす黒いまでの笑みを浮かべた。
 凄みのある笑みの意味を、サムはまだ知らなかった。
 日がな一日、サムの帰りを待ちながらシミュレーションしていたミーシャ。
 その一念が勝った、いい夫婦の日だった……
 
 サムの手帳に貼ってあるマサミの笑顔が若干引きつっていた……
586名無しさん@ピンキー:2013/11/22(金) 20:00:15.43 ID:hHRuz7XK
そんな訳で夢日記の人な犬です。ご無沙汰しております。
久しぶりに読みきりと言う事で外伝を作ってみました。
短時間で一気に書き上げたので、誤字脱字あるかと思いますがw
笑ってやってください。

最近、なろう関係で話題に出して頂いたりしてますので、
感謝を込めて♪
587中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/23(土) 01:04:31.18 ID:8tiyEs9Z
夢日記の人様の新作ぅぅっぅぅ!!!
嬉しいぃーー!! なんていい夫婦!!
ここ最近投下が続いていてニヨニヨしつつ、私も本スレ連載用のものをいつ投下しようかと
ウロウロしてるうちに大先輩様の投下がきてテンションMAXです!!!
ありがとう、そして、ありがとうございます!!
588名無しさん@ピンキー:2013/11/23(土) 08:57:37.65 ID:YCrRHPHh
>>587
雑談モードの時にはコテハンを外しましょう。
粘着荒らし対策です。
2点
589名無しさん@ピンキー:2013/11/23(土) 11:45:35.77 ID:WSHgf+tY
>>587
お帰りー。
別に連載じゃなくて単発とか短編でもいいのよ?
楽しみに待ってます。

>>588
粘着荒らしも迷惑だが、お前みたいな変な勘違いした馬鹿も迷惑。
何か履き違えてるんじゃない?
590名無しさん@ピンキー:2013/11/23(土) 14:36:22.90 ID:7mpsktVf
コテハン雑談は危険だよ
人気書き手ほど叩かれるしスレが荒れる
投下のついでにレスが一番スマート
591名無しさん@ピンキー:2013/11/23(土) 21:53:54.55 ID:VkmEyOcW
本スレは2chだからな……シェアワールドというネタ上ゆるいけど。
避難所でやればそこまで怒られないんじゃないかな
592名無しさん@ピンキー:2013/11/24(日) 00:55:06.34 ID:QXVrJ0Q5
2chに不慣れなアホが失礼をいたしました!!
本スレの皆様、大変申し訳ありませんでした(土下座

平伏したまま、お詫びに本スレ連載用のものを投下いたします。
全三話予定で、全編にエロをねじ込むつもりです。一応男性向けを目指してみました……。
文字数が全話余裕で一万文字を超えているので、第一話も前半後半で分けたいと思います。
とりあえず前半部分投下します。
これより、連続投下失礼します。
593中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/24(日) 01:00:19.46 ID:QXVrJ0Q5
『ツイてるね! イッてるね!』 第一話 『ツイてるね!』

 ハァっ……ハァ、ッ……く、は……っ

『ご主人さまー! おかえりなさーい!!』

 ハァっ、ハ……っ、や……めろ……っ

『――えっ……? だ、だれ……? だれ、なの。ご主人さまは……っ!?』

 逃げろ……ダメだ、近寄るな……逃げろ……っ!!

『あ、いや……いやぁぁぁ!! 痛い、痛いぃぃぃ!! やめて、助けてっ!! ご主人様さま、ご主人さまぁぁぁぁぁっっ!! 』


 やめろ、やめろ……やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!




「やめろおぉぉぉおぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!!!!!」
「うっわ!? ビックリした!!」

 勢いよく椅子から転げ落ちた俺の横で悲鳴が上がる。
 床に落っこちた俺の頭にガツンと強い衝撃が襲って、あまりの痛さに一瞬目の前が真っ白になった。
「ぐぅぉぁ〜〜〜〜!? いってぇぇ〜〜〜っ!!」
 思わず地面に転がったまま悶絶する。帽子をかぶってなかったら俺の頭は今頃パックリいっていたかもしれん。と、同時に。頭上から冷ややかな声が降ってきた。
「……なにを、やめろって? カイ君」
「い……え、あえ?」
 言われて辺りを見回してみれば……俺の周りには上司がズラリと居並び、その誰もが胡乱な目を俺に向けていた。
 あれ……俺……なに、してたんだっけ?

 …………あ。

 あぁ!!??

「しっ、失礼いたしましたぁぁぁぁぁ!!」

 俺史上最速の勢いでその場で平伏して、床に額をこすり付けた。あまりの失態に冷や汗がハンパない。
 何してんだ……何してんだよ、俺……!!!!
 いま、いま、俺は……
「……では、会議を続けますが。カイ君」
「はっ、はい!」
「君の担当事件の進捗状況について報告してください」
「え、あ、は、はい!!」

 ――捜査会議中じゃねぇかよ!! こんな時に居眠りなんて、警察官失格だ馬鹿野郎!!!

 今日は俺の苦労の結晶をなんとしても報告書としてあげなきゃならねぇって言うのに、自分で自分が信じらんねぇ……!慌てて床に散らばってしまった資料を書き集めるけど、順番がバラバラになってしまってどうにもならない。あぁぁぁ、畜生。何やってんだよ、俺……っ!
594中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/24(日) 01:04:18.46 ID:QXVrJ0Q5
「――所長。俺から報告します」

 スッと俺の横で立ち上がったのは、俺の同期で同僚のニルス……だ。
 ニルスはわずかにずれた眼鏡をキリリと上げて、スラスラと報告書を読み上げ始める。

「最初の被害者はイヌの雑種の男性87歳、会社員。仕事帰りに人通りの少ない路地に差し掛かったところで背後から首を一突き。即死しています。
 二番目の被害者はネコの男性162歳、大学生。友人と食事をした帰りに自宅近くの公園で襲われ、こちらも首への致命傷が原因で即死しています。
 そして三番目の被害者はイヌの黒曜種の男性87歳、警備員。こちらは若干の抵抗をしたようで衣服に少々の乱れが見えましたが、やはり首への致命傷により死亡しています。
 これら一連の事件の共通点は……」

 そこで一言区切って、ニルスは視線を床で這いつくばったままの俺を見てきた。
 ……あぁ、その先を言うのは俺の役目だったのに……。仕方ない、今の俺には発言権が無い。
 俺が軽く頷くと、ニルスはわずかに口元を吊り上げて首肯した。

「……共通点は、犯行時刻がいずれも深夜帯で目撃者がいないこと。そして被害者男性の全員がメスヒト奴隷を所有していたことです。
 所有していたはずのメスヒト奴隷は自宅から持ち去られています。いずれの事件も殺人者と窃盗犯が必ずしも一致するとは限りませんが、
 窃盗犯は限りなく殺人犯に近い人物である可能性が濃厚です。その捜査資料はこちらに。
 ……複数犯の可能性も含めて、メスヒト盗難の件からもこの一連の殺人事件を洗うことを提案いたします。
 俺からは、以上です」

 そう告げて、ニルスが椅子に座った。俺はやっと資料をかき集めることに成功して、ニルスと同時に席に戻ることが出来た。

「(わり……たすかった)」

 俺が小さくそう呟けば、ニルスはわずかに不機嫌そうに尻尾を揺らした。

「(しっかりしてよ……これ調べて裏取ったの君じゃないか。君の手柄を俺が取ったみたいで気分良くないね)」
「(お前って真面目だなぁ、そんなこと気にするか? 普通)」
「(君だって馬鹿がつくほど真面目なくせに、なんで居眠りなんてしてたのさ。君らしくない)」
「(だからわりぃって……)」

 ニルスの説教じみた言葉にげんなりしながら、俺はため息を吐いた。
 本当に、今日の俺はどうかしてる……。
 あれだけ必死こいて現場駆けずり回って証拠上げたってのに肝心の場面で何をしてんだよ。
 眠気を払うように頭を振れば、居眠りのわずかな微睡の中で見た光景などはすぐに掻き消えていった。

 ここ最近何度となく見るようになった……一人の刃物を持った男に殺される少女の夢など、すぐに、忘れることができた。

 その後ニルスの意見は採用されて、盗難されたメスヒトの調査もされることになった。
 俺は被害者男性たちが所有していたというメスヒト奴隷の登録証と首輪を持って捜査三課の扉を叩き、俺達の捜査一課の仕事は一旦の区切りを迎えたんだ。
 久々に署での泊まり込みじゃなくて家に帰ることが出来た俺は、帰った途端に泥のように眠りについた。
 もうシャワーとか飯とかそんなものよりも体中が睡眠を欲していたから、俺はその欲に忠実に従ったんだ。もうとにかく眠くて仕方が無かった。

 事の始まりは、その日の夜に起こった。
595中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/24(日) 01:14:38.57 ID:QXVrJ0Q5
『ぬ……ぷ。ちゅ、ぱ……』
 ん……? なんだ……これ……なんか、股間が、気持ち良いな……

 寝ぼけ眼のままで、腕を下腹部に伸ばすと、サラサラとした髪の感触が俺の指に絡み付いてきた。
 そのままゆっくりと撫でれば、くすぐったそうな軽やかな笑い声が聞こえた。

『んん……ぷ、はぁ。ご主人さまぁ、気持ち良い?』
 なんだぁ?
 なんで女の声が聞こえてくるんだよ……。あぁでもそんなことどうでもよくなるくらい気持ち良いな……。

『わ、またおっきくなった。ふふ、良いよ? いっぱい出してね、ご主人さま……』
 ぐちゅぐちゅ、と俺のイチモツを一心にしゃぶっているのはどうやら、髪の短い女らしいな。
 その頭を撫でても本来あるべきものが無くて……あれ。
 手を横に滑らせれば、俺の手には触ったこともないような柔らかな感触が……は?

『いやん、耳さわっちゃ……くすぐったいよぉ。ん、ちゅ、むぅ……』
「……んん?」
 なんか……おかしくないか?
 俺の部屋はチンケな1DKで、ここ最近は泊まり込みの捜査が続いていたからロクに掃除もしてない。
 そして、そんな俺を甲斐甲斐しく世話してくれる女なんているはずもない。
 捜査一課に配属されてからは女日照りが続いている。
 そんな……俺の部屋……に……女……?

 ――マテ。

 マテマテマテマテマテマテ!!! おい、なんだ!? 一体何が起こってんだ!!???

「だっ、誰だ!!?? 俺のチ○コを咥えてんのはどこのどいつだーー!!??」

 ガバッ!!

『あれ……?』

 勢いよく布団をめくれば、俺の股間に顔を埋めていたのは……メスヒトだった。
 きょとん、と俺のナニを前にして大きな黒目を真ん丸に見開いている。その髪型はショートカットで、ヒトの耳がよく見えた。
 やけに色白だ。……否、白すぎ、る……
 若干向こう側の俺の足が透けて見えるくらい……

『――っ、きゃああぁぁぁぁぁ!!?? あんた誰よ!? ご主人さまじゃないじゃないのー!!!!!』
「それはこっちの台詞だバカヤロォォ!! お前どっからきた!! いやそれよりも、お前誰だよ!! なんなんだよ!!?」
『え……』

 はたと動きを止めて、メスヒトはパチパチと瞬きを繰り返した。
 ゆっくりと首を巡らせて、たいして広くもない俺の部屋の中を見回す。

『私……誰、だろう?』
「は」
『何も思い出せない……思い出せない、よ……』

 困ったように眉尻を下げながら、メスヒトは途方に暮れたように呟いた。
 年は多分、ヒト年齢で16か17そこらだと思うな。
 ほっそりとした体つきをしていて、残念なことに女の象徴であるはずの胸元に至るまでほっそりとしていた。
 でもその代わり腰つきが華奢で俺好みな……って、女じゃなくてメスヒトにそんなこと考えてどーすんだ、俺。
 そこまで女に飢えてるっていうのか? あーあ、やってらんねぇな、ホント……。

「お前……なんなんだ。幽霊、なのか?」

 しばらくメスヒトを観察したのちに、俺はポツリと呟いた。
 にわかには信じらんねぇけど、そうとしか思えなかった。
 それにしたってやけにリアルで、血とかグロいもんはついてないから、体が少し透けてさえいなかったらまるっきり普通のヒトに見える。
596中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/24(日) 01:21:11.73 ID:QXVrJ0Q5
『そう、みたい……?』

 メスヒトは頷きながら、不思議そうに自分の手や体を見ている。鏡を覗き込もうとして……

「えぇえ!? なんでーー!?」

 自分が鏡に映らないことに一人で勝手に衝撃を受けていた。
 足は……ちゃんとある。でもなんだかフワフワ浮いてる感じだ。存在が希薄で腕の先が透けている。
 やがてメスヒトは鏡に姿を映すことを諦めて自分の痕跡を探すように俺の部屋の中をうろつき始めた。
 今は俺の前の彼女が置いてったネックレスにおもむろに手を伸ばして触っている。
 カチャリとネックレスが音を立てて空中に浮かび、そのまま落下する様子を見せない。
 女物のネックレスはメスヒトの手の中にあり続けた。
 何か物に触ろうとしたときだけ実体化したように見えるのは一体どういう仕組みなんだ?
 幽霊って言うのは自分の意志で実体化できるもんなのか?
 え? ところで女に贈ったはずのプレゼントがなんでこんなところにあるかって?
 ……別れた時に返品されたんだよ。

 思い出したらなんだか泣けてきた……。

「……はぁぁぁ、もうなんなんだよ。寝込み襲ってきてフェラしてくる幽霊なんざ聞いたことねぇよ」
 俺がズボンを整えながら言えば、メスヒトはえへへと照れながら
『うぅん……つい。いつもご主人さまにしてあげてたんだ。うん、それは覚えてる。私のご主人様ね、ふわふわしててすごく優しかったよ。私ご主人様大好きだったなぁ』
「ほー、そうかい。そりゃうらやましいこった。ヒトを飼うなんざ贅沢なご趣味だな」

 メスヒトと言えば、今俺が追ってる事件もメスヒト絡みだったな。なんだ? 最近俺はメスヒトにやけに関わることが多いのはなんの縁だ?
 どうせ関わるならこの女日照りが続いている俺の元にご奉仕しに来てくれるようなメスヒトが一匹来りゃあ良いんだけどな。
 なんだってこんな得体の知れないもの来るんだよ。 
 幽霊なんて不気味だと思う反面、このメスヒトがあまりにもあっけらかんと喋るもんだから、不思議と恐怖感とか嫌悪感ってものは浮かんでこなかった。
 ただ、不思議なこともあるもんだなと俺は思っていたんだ。
 
 だから、その次にメスヒトが口にした台詞に俺はぶっ飛ぶことになる。
597中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/24(日) 01:27:28.13 ID:QXVrJ0Q5
『おにーさんにも、もっとやってあげようか? フェラ。その先もしていーよ?』
「……ふぁっ!?」
 言いながら、メスヒトはさっき整えたばかりの俺のズボンに再び手をかけた。

 ……いや、待て。どうしてそうなる!!???
 これは夢か? 夢オチが待ってるのか?
『真夜中にツルペタ少女がやってきてご奉仕しちゃうぞ☆』みたいな夢を見ちまってるのか俺は!?
 俺ってそんな性癖がある奴だったのか!?
 うわフラグ立てんな俺! 『なーんだどうせ夢かー』とか思ったら、このままメスヒトの言うとおりにやっちまっても良いような気がしてきたじゃねぇか!

『さっきはビックリしちゃっただけ。ほらほら、途中だったからそのままじゃあ可哀そうだよ? 責任取ってあげなきゃね♪』
「え、ちょ、ま……」
 一応の抵抗と拒絶の意志を示すものの、メスヒトはまるでバナナの皮でも剥くかのような気安さで俺のズボンを再び引きずりおろした。
 更に当然のように俺のナニを掴むと、さっきと同じように舌を這わせ始め……おいおいおい、どうなってんだこりゃ!!?
 優しく触ってくる指の感触も、舐め上げる舌の柔らかさもすっげーリアルですっげー気持ち良くて……。
 そういえばさっきフェラの『その先も』とか言ってなかったか? その先ってなんだ!?

『んー、すっごい濃い匂いがするぅ。おいしそーなのが出そうだね』
「ふ、ああ……」
 くそ、なんか妙な声まで出るじゃねぇか。クソ上手い。前の彼女よりも全然上手くて腰が砕けそうだったが……。
 『濃い匂いがする』と言われて、ふと、俺は気づいた。
 そして……青ざめた。
 俺、帰って来てからシャワー浴びてねぇ……!?

「おいこらやめろ! 最近忙しくってまともに体洗ってねぇんだよ、そんなもん咥えん……うぁっ」
『やーだ♪』
 ぐぃ、とメスヒトの中に俺のモノが吸い込まれてて奥まで飲み込まれる。奥にコツンと当たる感覚があって、俺は二の句が継げなくなった。
 最近マスかいてすらいなかったから、もう……やべぇ……! 

「はな……せ! 出る……っ」
『もぉでちゃうの? おにーさん溜まってたんだね。いいよ、いっぱい出してね。出したら入れてあげる』
「は? 入れるってなに……、う、くぁ。……あぁぁ!!」
 メスヒトの口淫は止まらず、ますますシゴキ上げられて俺は余裕もなくなって……メスヒトの口の中に、白濁を放った。
『ん、ぷは……っ、すご、んん!』
 かなりの量の精液が飛び散って、俺の股間の周りを濡らす。メスヒトが喉を鳴らす音が聞こえて、俺は恍惚に浸った。
 あぁぁ……女に愛撫されてイクなんていつぶりだ……? やっぱり自分でやるのとは違って、イイな……。
 すっげー気持ち良かった。
 メスヒトって言うのはすげぇ気持ちいんだ……な。
 やべぇ、クセになりそう……。
598名無しさん@ピンキー:2013/11/24(日) 01:29:05.57 ID:QXVrJ0Q5
以上です。
後半部分は近日また様子見て上げます。
599名無しさん@ピンキー:2013/11/24(日) 09:28:12.10 ID:F0+1w1Uf
久しぶりにガッツリエロ来たね。
投下乙です。続きに期待します♪
600名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 00:13:06.31 ID:azRgI7VD
ところで外部ツールの話だけど、pixivにもきつねうどんさんが投稿しているこちむい短編があるよ。
これもwiki戒に載せるべきかな?
601名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 05:05:48.44 ID:V7AgZ7M4
質問良いでしょうか?
犬の国の王都ソティスについて、詳細な設定ってもう出ていますか?
検索したんですがよくわからなくて。
大通りの名前の一つが燻製通りというのは見つけたんですが……。
勝手にでっちあげても良いとのことですが、既に出ている設定があるならなるべく踏襲したいです。
602名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 15:23:38.16 ID:nIPVjRYg
>>598
初っ端からおもしろいです。
テンション高くても安定感ありますね。
603名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 15:48:53.34 ID:ta37wR/p
>>601
名称と「王城(正式名不明)」があるのが確定で、あとは狗国見聞録やタイプライターに散見されてた筈だから、その辺を読んでみると良いかも
ヒトメスが一匹だけ紛れてた(過去形)店がある赤線何かもあったような気がする
604名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 16:35:03.39 ID:+AAE8tMr
605名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 17:24:15.47 ID:f7FVql3/
>>601
地名とかは出来る限りぼかした書き方をしてるんで、
その辺りを考慮して、設定的な余裕度を大きくしてあげればいいかと。
あとは、お話の設定次第じゃないかな。

ただ、ダウンタウンとアッパータウンがあって、それ以外に貧民街もあって。
イメージ的にはインドの大都市圏みたいな感じで、賑わってるエリアのすぐ裏に
死を待つ業病者が並んでる恐ろしくカオスな世界。
イヌの国が一方的に経済制裁されてる影響だから、そこを外さなければ良いかと。
606名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 20:31:50.58 ID:7z6CrfjM
素早いお返事ありがとうございます。
なるほど、地名等はなるべく特定しない方が良いんですね。気をつけます。
ソティスのイメージとしてはインドですかー!!
ああいう感じですか! あれは確かにカオスですわ。
ご回答ありがとうございました。

ついでに、レス読み返していてうっかりカジキに萌えてしまったので、書き殴った短編を置き逃げして行きます。
オスヒト×カジキっ娘のラブ未満的な何か。
後編あげる前に何やってんだ自分。
607中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/26(火) 20:40:06.34 ID:7z6CrfjM
「おかえりないませ、ソフィー様」
「ただいま、アツシ」

 私はいつも通り出迎えてくれたオスヒト執事のアツシに持ってたバッグを渡すと、彼は柔らかな微笑で受け取ってくれた。
 そう、これはいつも通りの出迎え。でも私はこのお出迎えの度に不機嫌になる。
 もうこれはあれよ、爆発寸前って奴よ。なにがって? 私の欲求不満その他諸々がよ!!

「…………ねぇ、アツシ!」
「ダメです」
「まだ何も言ってないじゃないのーーーー!!!」

 勇気を振り絞っていったのに、なんなのよその言い方!!
 キィィィッ、やっぱり無理なの!? ダメなの!!?? イヤですノーサンキューとでも言うつもりなの!?
 あぁ、口元に微笑みを浮かべたままのアツシの冷たい視線が突き刺さる……。
 私ってアツシのご主人様よね。そうよね? なんだかぜんっぜん自信が無くなってきちゃうんだけど、これ本当に正しい主従関係って奴なのかしら?
 だ、だめよね。ここピシっと、ピシっとご主人様らしく! 今日こそ言わなきゃダメよね!!

「私っ、あなたに抱きつきたいの!! ドーンッッッ!! ってしたいの!!」
「却下します。それ以上僕に近づかないでいただけますか」

 あぁぁぁん、冷たい……冷たいわ、うちの執事ってば!!
 好きな人にはドーンっ! てしたいわよね? そうよね?? それが正しいカジキの求愛行動よね!?
 なんでアツシってば理解してくれないのかしら?
 百聞は一見にしかずっていう諺が狐耳国にあるの聞いて、試しにお隣の岸に住んでいるカジキ夫婦のドーンっ!を見せたのがいけなかったのかしら?
 私は旦那様のドーンっ!を奥さんが角をすんでの所で腹の横に受け流して旦那様の横っ面をガシィッと抱きしめながら一緒に水に落ちていくのを見て『夫婦っていいなぁ』って感動したものだったのに。
 何故かしら、アツシってば顔を引きつらせて『ありえない……』とか呟いてたわ。あまつさえ、あの日以来私に接近禁止命令を出したのよね。
 もう、意味が分かんない!! あれだけ情熱的かつ愛情たっぷりなドーンっ!を見ておいて、なんなのよあの反応!! 
 カジキの風上にも置けないわ!あ、アツシはオスヒトだったわね。
 ……ともかくっ、健全なカジキっ娘としては、好きな人にはドーンっ! がしたいのです!! 今日という今日は、絶対にするんだから!!
608中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/11/26(火) 20:44:52.91 ID:7z6CrfjM
「ねぇ、アツシ。何事も経験が大事なのよ。私が帰ってくるところからやり直しましょ? はい、鞄返して」
「お嬢様の脳内でどのような結論が出されたのかは知りませんが、果てしなく馬鹿な結論だと言うことはお察しいたします。そしてお断りします」
「なんでよ!? じゃあ鞄は良いわ!! 私、外から帰ってくるから、ちゃんと『ただいまー』のドーンっ!を受け止めてね!!」
「…………いってらっしゃいませ、お嬢様」

 何故かしら、アツシの眼差しが氷点下を下回っている気がするわ。
 ううん、でも嫌だとは言わなかったから、これってきっとOKってことよね!? ドーンっ! の許可が下りたって事よね!?
 よーし、そうと決まれば張り切ってやっちゃおうじゃないの!
 そういえば、私、好きな人にドーンっ!をするの初めて……あらやだ、アツシが私のファーストドーンっ!になるんだわ!
 じゃあ掛け声はただいまじゃなくて、こう言うべきよね!!

「アツシ!! 私の初めて……受け取ってぇぇぇぇぇ!!!」

 玄関扉を吹っ飛ばしながら頭の位置を低くして前傾姿勢で走りこんで――っ

「ドーンっ!!」

 きまった!! 我ながら完璧なファーストドーンっ!だわっ!
 みてみて、私ちゃんとできたの!! 出来たんだよ、アツシーっ!

「…………あれ?」

 と思ったんだけど、いつまでたっても受け止めてくれる相手にぶつからなくて、私は階段の所まで突進してしまった。
 玄関ホールに……誰も、いない?

 あ、よく見れば私のカバンが階段の手すりにかけられている。
 あぁぁ、よくみれば、私の鞄にメモが張り付けられているじゃない!?
 まさかアツシからのラブレターなのねそうなのね!?
 あの人ったら、私のどーんっ!が恥ずかしいからって覚えたての文字で私に愛を囁いてくれちゃうなんて、もう、照・れ・屋・さ・ん♪

「アツシ、大好きー!!!! どこにいるのー!? 遠慮しないで、私のドーンっ!を受け取ってぇぇぇぇーーー!!!」


 ――しばらくして、ソフィーの屋敷にオスヒトの悲鳴が響き渡ったとか渡らないとか。
 掃除夫は見た。床に落ちていた紙切れに書かれた、走り書きの言葉を。

『僕もお嬢様をお慕いしております。が、お嬢様の求愛行動にはついていけません。僕は逃げさせていただきます』

 ……逃げ切れなかったんだなぁ、と。
 そのメモを読んだ掃除夫は思ったそうだ。
609名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 20:47:07.93 ID:7z6CrfjM
バカな子ほど可愛いと思うんです。
続かない!
610名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 23:52:19.34 ID:v+SGPCpb
途中で力尽きてしまった
エロなし、女トラ×オスヒトのつもり
結構、適当感が目立つかもしれない
611名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 23:53:08.08 ID:v+SGPCpb
「あれぇー、何でだろう……」
得体の知れない物体を弄繰り回しながらトラの少女がつぶやく
その横に、暖かいお茶の入ったマグカップを置くオスヒトが一人
「マリー様、そろそろ食事をお取になって下さい」
因みにそのオスヒト、マリーに拾われた当初、何故か非常に好戦的で
意味不明な言葉をぶつぶつと呟きながら襲ってきたそうだが、それはまた別の話
「ちょっとまってね、今、忙しいから」
カップに入った、熱々のお茶を物ともせず飲み干すマリー
それに対し、オスヒトは多少強めにそして呆れて言う
「私は、それを切り上げて食事を取ってくださいと……はぁ、今日は魚ですよ」
「分かった、行こう、今すぐにほら速く!」
酷い変わりようである、マリーが住んでいるのは高山地帯で、魚が入手できるのは稀であり
もし入手したとしても、粗悪品か、病死したものであることが多い
つまり、美味しく食べることのできる物のは、ほぼ手に入らない、ということである
「どんな、味かなー、楽しみだなー」
先ほどの様子とは打って変わって、プレゼントを前にしたようなはしゃぎ様であるマリーを
呆れた様子で見る召使いは、今現在、レスと呼ばれている
驚愕病により、名前を忘れたらしいのでマリーに付けられたのである
「煮付け、ですね……後は、コブサラダ、味噌汁、ご飯です」
いたってシンプルな献立、しかし主人は不満の声をあげる
「えぇー、パンじゃないのー?」
「和しょ……狐風の料理にはご飯と相場が決まっておりまして」
「そうなんだ、コブサラダって何」
「トマト、ブッフー、チーズにレタス、卵を細かく切り刻み、ドレッシングで和えた物です」
大元とは、かなり形が変わっているが、致し方なしである
「おいしそう!」
612名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 23:54:31.84 ID:v+SGPCpb
場所は変わって
広い部屋に縦に馬鹿でかいテーブルが鎮座する場所である
「ごっはんー、ごっはんー」
はしゃぐ主人に召使いは呆れて口を開く
「マリー様、貴女はご令嬢なのですもう少し、お淑やかに出来ませんか?」
「レス、彼方は固すぎるのよ、もう少し肩の力を抜けないの?」
マリーは、簡単に言うと、王族の第一令嬢である
しかし、トラの性分である大らかさから見れば、レスが硬すぎなことは明らかである
「……睨めっこを続けていても意味がありませんね、ではどうぞ」
「何を言ってるの?」
「えっ、粗相でもありましたか?」
その言葉に、くすくすと笑いながら、マリーは言う
「彼方も一緒に食べるのよ、ほら席について」
「……はぁ、分かりました」
しかし、彼は知らないだろう
先に他の召使にマリーが、"盛っておけ"と言っている事を

「あら、美味しい……これが煮付けって言うのね」
「そうですね、味噌で煮付けるものが味噌煮、水だけで煮付けたものが水煮です」
「成る程ねぇー」
「しかし、私が召使いと言えることを、しているのかが心配になって来ていますね」
マリーは意外そうな顔を出し言う
「彼方が、召使いを出来ていないなら他の召使いはどうなるの?」
レスは大きくあくびをする、それを抑えようとしたが無駄に終わる
「っ……ふぅ、失礼、しました」
「いえ、いいのよ、私がやった事だし?」
薬が回ってきた為に異常な眠気がレスを襲い
何とか、目を開いているがそれもすぐ閉じる
完全に眠る前に彼はぼそりと呟く様に言った
「い……けま、せん…………よ」
「えぇ、でも……彼方も悪いかもね?」
613名無しさん@ピンキー:2013/11/26(火) 23:56:22.21 ID:v+SGPCpb
い、いかん……かなり読みにくいですねごめんなさい
ゴリゴリ書いていきたいけど、難しいでござる(涙)
614名無しさん@ピンキー:2013/11/28(木) 15:45:51.56 ID:ZcGQpqwq
直前に他の人の作品がある場合ちょっと時間を置いたほうがいいですよ
GJがつけづらいからね
615名無しさん@ピンキー:2013/11/29(金) 01:12:36.51 ID:4S+lakBk
またそうやって投稿を渋らせるようなことを…
616名無しさん@ピンキー:2013/11/29(金) 11:46:55.77 ID:dc6jY7Ay
>>615
前からいるよ、こういう作品内容以外でいきなりケチつける奴。
とりあえず何か文句を付けておかないと気がすまないタイプ。
最近もいた。というか多分同一人物なんだろうけど。

>>613
さすがに他の人の投下中に投下は駄目だけど、それ以外ならいつでも歓迎だよ。
読みやすさという点では会話と地の文の間を1行あけたり、あるいは地の文は先頭を一文字空白にするといいかもしれない。
617名無しさん@ピンキー:2013/11/29(金) 12:55:50.82 ID:zyt9GLNW
ところで>>604のソースが気になる。
これってこちむい関係あるのかな。それともただの獣人×人かな
618名無しさん@ピンキー:2013/11/30(土) 02:39:16.36 ID:rcjnQHZP
>>616
助言ありがとうございます
続きも書いて行こうかと思っております
619名無しさん@ピンキー:2013/11/30(土) 08:20:32.52 ID:kZHbs/Oa
わたくし秘蔵の画像集、獣人・御奉仕・調教其の他諸々をお見せする頃合いでしょうかしら。

20枚貼り付けとzipに290枚ですわ。
zipのダウンロードパスは5161ですわ。

http://sylphys.ddo.jp/upld2nd/niji7/imgboard.php?res=313413
ttp://www1.axfc.net/u/3102434.zip
620名無しさん@ピンキー:2013/11/30(土) 11:40:57.22 ID:D3Hr8tdf
>>619
スレチだけど敢えて言おうGJであると!!
621名無しさん@ピンキー:2013/12/07(土) 00:08:02.85 ID:x/o+ywpD
wikiに伝言板に仕立屋さんの人がコメント書いてるけど、
管理人さん対応してあげてください。現状では自分100%弾かれてます。
622名無しさん@ピンキー:2013/12/07(土) 17:02:28.70 ID:UqUf6Wwt
すごい久しぶりなのですが、続きとか、月光とかにあげる流れなのか。
完結させたいものがあるのですが、どこに投下すればいいんだろう。
623名無しさん@ピンキー:2013/12/07(土) 21:20:17.33 ID:Rx37G4kq
続きがきてくれるとはなんとも嬉しい。
大元は本スレのこっちだからここに投下で良いと思う。
最近は直貼り推奨みたいなところがあるから、ロダとか気にせず投下してくれ。
書き手がやりやすいようにするのが一番だ。
624名無しさん@ピンキー:2013/12/07(土) 23:54:10.48 ID:x/o+ywpD
変な話、リメイクとかする気ならムーンライトでもノクターンでも良いけど、
続きって前提ならここへ直接投下が良いなと思うよ。
625名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 01:15:14.11 ID:4BmLzFa3
妙なタイミングで、私新参なのですが、新しい種族の話って書いてもいいですか。そもそも投稿していいですか? 投稿するとすれば、どうやって投稿したらいいですか? 2chそのものも新参なのです。勝手が分からないので、どうかご教授してください!
626名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 02:34:27.04 ID:UX/rvMfw
>>625
いらっしゃーい。新規書き手が増えるのは嬉しいね。
投下はスレの華、どんどんしちゃっていいのよ。
新種族はもしかしたらどっかで既出かもしれないから、設定とか書いてくれたら誰かしら反応すると思われ。
スレの下げ方はググって……と言いたいところだけど、E-mail欄のところにsageと入れればおk
627名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 03:21:01.49 ID:4BmLzFa3
>>626 こうでしょうか? ありがとうございます。
種族は、カラスで書きたいなーと思ってます。保管庫は、一応全部覗いたつもりですが、もしかしたら確認漏れしてるかも……
628名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 09:32:45.20 ID:bbhOofCm
おまいら真夜中に何やってんだ!w

それは良いとして、とりあえず2ちゃんのお作法(?)
最近は新規参入の方がいらっしゃるのでまとめてみました。

・一回の投稿だと、最大60行までです。若しくは4kb以内。
 単純にカウントして1500文字位に押さえないと、蹴られます。

・5000文字とか6000文字書いた場合は複数回ポストに分けます。
 この場合、トータルで10分間に50KBを超えるor2分で3回ポストする。
 これをやると投稿規制が掛かって書き込めなくなります。

・2ちゃんのマナーというか文化なのですが、前書き後書き。
 また、作者の自分語りは非情に嫌われます。
 余所のスレから乗り込んできて暴れる真性が居ます。
 これはやめましょう。

・暗黙の了解で誰かのポストから24時間待つと言うのがあります。
 すっかり過疎スレになったこのスレの場合、3日に1回とか週にに1回とか、
 そんなペースでしか見てない人も居ますから、あまり意味は無いのですがw
 複数のお話が別の書き手のポストにより同時進行だと、古い方に感想を書きづらいとか言う
 訳のわからない配慮の残滓です。そこは堪えてつかーさい。

・最後に残酷な話。気に入らないお話は完全スルーされる事があります。
 また、感想など一切書く必要が無い。勝手に書いたモノを読んでやってるんだと言い切る、
 ちょっと痛い思想の人が居るのも2ちゃんです。ネット文化共通でしょうけど、転んでも泣かない!です。
629名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 09:38:45.19 ID:bbhOofCm
長くなったので分けました最後に、
『正しい(?)投稿お作法』
についてですが。

文章力とか構成力とかそう言う物の前に日本語力的な部分で問題なければ、構わずガンガン投下しましょう。
どっかのベルセルクさんも言いましたが、達人になってから戦場に出るとか、そんな気の長い話はいりません。
罵詈雑言飛び交う戦場でクソメソに言われながらも戦い(=投下し)続けると、必ず技術は向上します。

ですから。

・1ポスト45行程度/10KB程度
・ポストとポストの間隔は2分空ける
・冒頭は本文の諸注意を1ポスト
・本文最後に『投下を終わります』程度の簡単な1ポスト
・雑談時にはコテハンを外す

この辺を踏み外さないように、頑張ってください。
新作に期待しています。
630名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 12:22:00.09 ID:syteJVu+
痛い人間の実演ご苦労様でした___
631名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 13:46:29.22 ID:RSbRktln
>>628
はっきり言わないと伝わらないだろうから言うけど、迷惑。
他のスレの事は知らんが、このスレではそんな細かいルールは無いし、問題になった事もないよ。
強いて言えば注意書きが必要な話(鬱やグロ等)はなるべくロダに、という程度でしかない。

あんたみたいのを2ちゃんではどう呼ばれ、どう扱われるか知ってるか?
自治厨と呼ばれ、嫌われてるんだよ。
632名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 14:08:21.64 ID:CCuQPkFu
>>625のように2ちゃんの仕組み自体が謎で不安な人には判り易いと思うけど、
>>630>>631は一体どこが不満なんだろう?
633名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 14:13:55.77 ID:CCuQPkFu
途中で送信してもうた。スマソ。

自分も書き手長いけど、投下し始めの頃ってまだまだアチコチ賑やかで、そんな中で結構はっちゃけて
なんか、スレの空気悪くなったと言うか顰蹙買った覚えがあるんだよね。2008年位とかw
最近でこそアチコチ過疎で書き手の流出が続いてるけど、その遠因の1つは2ちゃん文化のわかりにくさだと思うんですよ
連投して規制に引っかかってレベル下がってゲンナリとか、あんなのエタる最初の一歩じゃん

1ポスト4096バイトまでとか、わかりやすい話はどこにもないし、samba規制でぶっ潰されるとかも紹介が無いし、
その意味では先達が〜とか自治某が〜とか陰謀論振り回すほうが余程不親切だと思うけど、どうなんだろうね?
634名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 14:16:07.51 ID:CCuQPkFu
仮面被って工作してるとか、自治某乙って言われると心外なんではっきり書いておきます。
夢日記書いてる人間です。自分の本音ですわ。
635名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 20:11:11.39 ID:RSbRktln
親切心からやってるんだろうけど、細か過ぎ。
そりゃ文字数辺りはシステム上の注意点として有用な情報だけど、
今のこのスレで2ちゃんのマナーとか誰かのポストから24時間待つとか、問題になるような事だろうか?
正直、余計なお世話。むしろ投下の邪魔になってると思う。
>>614なんかもそう。とりあえずルール(スレのローカルルールではない≒俺ルール)を盾に文句付けてるだけ。
自治厨の特徴だよ。

あとこんな言い方すると粘着だとか言い出すかもしれんけど、最後の一文はなんなの。
その情報、今の話に必要?
単に別人だと主張すればそれで済む話だろうに。
「作者様なんだから立場は上だ」と言いたいのか? と邪推されても仕方ないと思うが。
636名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 20:43:54.74 ID:ogG1LzYU
国ごと書きたいなら設定とかいろいろ見る必要あるだろうけど、
獣人主人と召使いのいちゃいちゃ話書きたいだけなら、そう難しくすることないんじゃね?

ぶっちゃけ、読者は話が面白かったら多少の設定の矛盾なんか気にしないよ。
637名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 21:35:43.59 ID:5bLAIaau
一つのガイドラインとして提唱するくらいイイジャマイカ。古参には何となく雰囲気でわかるようなことでも
新参には察しにくいこともあるさ。
過疎スレなんだからまったり行こうず。

>>627
おぉカラスが来たかー。いつか誰か書いてくれると信じてた。嬉しいねぇ。
きっと光物大好きで虎に負けないくらい派手好き種族なんだろうと妄想。
いや、ふりじゃないよ?w
大いにイチャイチャすればいいと思う。
638名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 22:15:50.27 ID:bbhOofCm
コテハン晒して擁護してくれた夢日記さんには悪いけど、
ID:RSbRktlnが喧嘩売ってくるんで全力で買ってみます。
そも、自治厨だの俺ルールだの勝手な事並べてるけど

 お 前 も 同 じ 事 や っ て る ん だ っ て 気 が 付 け !


あと、もう一つ。引っ込み付かなくなって喚きたいのかどうか知らんけどな。
あんたの意見と違うからと言って強行突破図るのはガキの所行だろ。
自分の意見が絶対的に正しいとかアホな事抜かすな。

           ____
  .ni 7      /ノ   ヽ\   壁に向かってしゃべってろゴミ
l^l | | l ,/)   / /゚ヽ  /゚ヾ\      .n
', U ! レ' / /   ⌒   ⌒  \   l^l.| | /)
/    〈 |  (____人__)  |   | U レ'//)
     ヽ\    |lr┬-l|   /  ノ    /
 /´ ̄ ̄ノ    ゙=ニ二"   \rニ     |
639名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 22:46:53.07 ID:Igq40ftP
何でもいいですけど、ここ一応文芸系の板なんだし、場の空気を綺麗に保つことを心掛けてくれませんか。
640名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 23:06:53.07 ID:syteJVu+
>>634
24時間待てとか変な俺ルール書いてるから突っ込んだだけで、
文字数やバイト数の制限だけならこんなこと書きゃしませんが

まぁ結局自分で馬脚あらわしたみたいだけど
641名無しさん@ピンキー:2013/12/09(月) 23:35:22.01 ID:RSbRktln
>>そも、自治厨だの俺ルールだの勝手な事並べてるけど
>> お 前 も 同 じ 事 や っ て る ん だ っ て 気 が 付 け !
はいはい、んじゃそれでいいから、俺もお前も自治厨って事で。
ここの人に迷惑だろうから、一緒に出て行こうか。
642名無しさん@ピンキー:2013/12/10(火) 00:08:11.63 ID:X1+t/Dkx
喧嘩が起きるくらいスレが活性化してきたんだなってことで、茶を啜りたくなったきた。
643代理マン:2013/12/10(火) 00:29:34.35 ID:zdU5yW7o
続・虎の威
ttp://nkmm-mana.sakura.ne.jp/clip/img/8422.txt

とらひとさんの代理でうpしました。
あと規制狐さんが避難所に短編を投下してるので見に行くが吉。
ミッチーはロリコンとかロリコンじゃないとか関係なく爆発するべきだと思います。
644名無しさん@ピンキー:2013/12/10(火) 00:33:31.73 ID:zdU5yW7o
んー、どっちが正しいとかは脇に置いといて…
単純に>>638みたいな書き込みをする奴はただただ不快。
それだけ。

あんまり言いたかないんだけど、夢日記の人が焚きつけた形になるんじゃないかな、これ。
645名無しさん@ピンキー:2013/12/10(火) 04:36:21.22 ID:mHB8Oye2
エルエたんマジ天使。結婚しよ。(ミッチーと)

虎の威続編ありがとう!
来年には完結か……嬉しいような寂しいような……。いや、オチが読めたら嬉しいに決まってる!
来年も期待しています。良いお年を。
646カラス:2013/12/11(水) 00:15:45.38 ID:A+N8TuAA
カラスの者です。お騒がせしてすいません。
書く方も初心者なもので、見切り発車で、着地点も分かりませんが、どうぞよろしくお願いします。
序章のようなものを、ひっそり投下させて頂きます。
647カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/11(水) 00:20:19.19 ID:A+N8TuAA
 
 体に冷たい風が吹き抜ける。寒さを感じて起き上がると、そこは崖の上だった。空を見上げると、細く欠けた二つの月が俺を見下ろしていて、無数に輝く星々が、それらを装飾していた。崖下は、遠く霞んでいて、見えない。
「……夢か」
 ぼそりと呟く。
 直ぐに理解した。布団に入って、起きれば、これだ。猿でも違和感を覚えるだろう。
 しかし、異様にリアルだ。この崖は、どうやら高いところらしく、パジャマだと寒くて仕方ない。
 どうせリアルな夢なら、女の夢が良かった。学校を辞めてから何ヶ月、女の胸部を鑑賞していないことか。おっぱいマイスターの名が廃る。
「起きた?」
「うわっ!」
 突然聞こえた声に、冷や汗がどばっと出た。まるで自慰行為を母に見られたときのような羞恥心。出来るだけ何でもない風に咳をして、思い出す。これは夢だ。
 ほっとして後ろを見ると、少年がいた。辺りは暗くて、姿が分からない。声も、声変わり前の男子か、ハスキーボイスな女性なのか判別つかない。唯一分かるのは、背丈が低いことだけだ。
 少年が首にぶら下げた、鏡のブローチが、月明かりに反射した。
648カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/11(水) 00:23:41.46 ID:A+N8TuAA
「キミ、ヒトだよね?」
 喋り方もどこか中性的だ。
「ああ、如何にも。君は人じゃないのか?」
「如何にも」
 そう言って、翼を広げてみせた。二の腕から手首にかけて、漆黒の翼が生えている。ばさりと羽ばたかせ、性能を確認する。
 嘗てない程リアルな、ファンタジーな夢だ。
「名前は?」少年が訊く。
 俺の夢の人物(?)なのに、俺の名前を知らないのか。
「俺は檜山祐樹。君は?」
「ボクはイヴ」
 イヴ。確か、外国の、女性の名前だったか。しかし、一人称が『ボク』? ますます性別が分からなくなってきた。
 一瞬会話が途切れたのを察知した俺は、イヴが話そうと口を開く前に決心して、疑問を訊いてみることにした。
「イヴ、君の……その」
「……性別?」
 ドキッとした。
「はあ……初めて会った人はみんな訊くんだよね……」
「あ、いや、暗くてさ。顔が見えなくて」
 何とはなしに言い訳をしてしまう。日本人の性……いや、俺だけか?
「じゃあ、これで分かる?」
 ムスッとした声でそう言うと、イヴの右手の人差し指の先が、発火した。
「ちょちょちょ! 燃えてる!」
 焦ってイヴの手を取りかけたが、イヴは面白そうに笑った。
「魔法だよ、魔法」
「…………」
 魔法て。そんな簡単に言われても。でも確かに、全然熱そうじゃないし、火はそれ以上大きく燃えなかった。
 イヴは唇の辺りに火を近づけた。火の灯りに照らされて、その顔が明らかになる。
 選定が始まった。脳をフル稼働させて、性別を確認する。失敗は許されない。
 二択だ。女か、男か。
「……女だな」
 イヴは、はっとしたような顔になった。まちがえたか? いや、そんな筈は……
649カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/11(水) 00:28:33.29 ID:A+N8TuAA
「ユウキ!」
 と、イヴは俺の名を叫び、ひしと抱きついてきた。
 どうやら正解だったようだ。
 難しい問題だった。彼女の顔は美しかった。それは、“中性的な”美しさ。もし男なら『イケメン』と女子に崇められ、女なら『イケウーメン』と男子がほめそやすような、そんな顔。髪もショートカット。顔のパーツも、整っているが、性別を決める手は、そこにはなかった。
 じゃあどこで決めたか?
 俺は、満面の笑みの少女の瞳を覗き込み、優しく微笑んだ。

 胸の谷間さ。

 火はなにも、顔だけを照らしていた訳ではないのだ。
 まあ、谷間と言うか、『波線のへこみ部分(〜)』みたいな、発展途上中の小さなものだったし、ブローチの鏡が、火の灯りを反射したりして、胸筋のそれと判別しずらかったが、おっマス(おっぱいマイスター)にかかれば、お茶の子さいさい朝飯前だ。
 しかし、当の本人はそんな不純な途中式には気づいておらず、柔らかい、リアルなおっぱいの感触を、俺に与え続けていた。愚かな娘じゃのう。
「初めてで気づいてくれたのはユウキだけだぁ〜!」
「光栄デス」
 なんだか良心の呵責。謎だ。
 良心の訴えを無視し、俺は、恍惚の表情で抱き返そうとすると、彼女は、気付いたように言った。
「あ、そうだ。ユウキ。ちょっと惜しいけど……送ってってあげるよ」
「どこに?」
 まさか現実に? 今度の夢はそういうコンセプトなのか? 『さあ、現実の扉まで送ってってあげよう』みたいな? そりゃねぇぜ。
 イヴは俺の肩に手を当てたまま、少し離れて、きょとんとした顔で言った。
「どこって……ユウキのご主人様のところへ?」
「……つまり、俺が現実社会の奴隷だと言いたいのか」
「へ?」
 こんな素晴らしいおっぱ……夢から覚めたくない。女性と話したのは何ヶ月ぶりだった。この時間を失いたくない。上手く、はぐらかすか……それとも、覚めるまでの間に好き放題やるか。
650カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/11(水) 00:32:35.51 ID:A+N8TuAA
 姑息な事ばかり考えていると、ふと、頭の中の悪魔が囁いた。
(ヤれ)
 天使も現れる。
(ヤったらいいんじゃないスか。何か嫌な予感するけど)
(そういう予感って、大抵外れるやん?)
(ンだコラ)
(あ? やんのか?)
 二人は喧嘩を始めた。同じ意見のはずなのに、何で争うんですか!
「戦争反対!」音速で右手が伸びる。
「きゃっ!?」
 確実に女の子の悲鳴だった。俺の手のひらは、彼女の臀部を揉みしだいていた。
「うおおおおお!!」
 尻もまたよきかな! よきかな!
「ちょっ、やっ……ぁ」
 ヤれ。悪魔とも天使ともつかぬ声が急かす。夢から覚めてしまう前に、最後まで――

「やめろ!」
「おがっ……!」
 彼女の本気の怒号と共に、おおよそ女性とは思えない、強烈な右肘が、みぞおちに直撃。俺はどさりと、その場に倒れ込んだ。
「も、もう! 乙女のお尻を触るなんてっ!」
「……っ……ぇぅ…………」
 息が出来ない。吐き気もする。視界が揺れている。口から垂れる涎を止められない。意識も朦朧としてきた。
 地面の冷たい感触。彼女の、土を踏む音。
 ああ、
「……あれ? ちょっと、大丈夫?」
 まさか、
「ユウキ? おーい」
 薄々気付いてたけど、ああ、けど、まさか、もしかして、
「……夢じゃ……ない…………?」
「ユウキー!?」
 最後に「うっ」と呻いて、俺の意識は、完全に途絶えた。
651カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/11(水) 00:39:20.31 ID:A+N8TuAA
今回の投稿は以上です。
次回はいつになるか分かりませんが、エタらないように頑張ります。
652名無しさん@ピンキー:2013/12/11(水) 03:11:39.38 ID:8MZiAmqX
面白いです! 続きに期待してます!
653名無しさん@ピンキー:2013/12/12(木) 01:30:01.35 ID:xrCDd5tB
投下しますー。

『ツイてるね! イッてるね!』
第一話 『ツイてるね!』 中編(エロシーンのみです。男性向け注意)
 
前篇はコチラ
>>593 >>594 >>595 >>596 >>597
654中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/12/12(木) 01:32:46.22 ID:xrCDd5tB
『よいしょっと』
 ボーッと恍惚に浸っちまっていたもんだから、メスヒトが動いたことに、俺は気づかなかった。
 ただ視界の中にささやかながらも女の膨らみを主張するものが近づいてきたことだけを理解して、
 その赤く色づいた乳首に舌を這わそうとして……

『えいっ』
 股間が再び、温かいものに包まれた。

「は……え!?」
『入れちゃったー。だってすぐおっきくなっちゃうから、早くしなきゃって思って』
「ま、マジか……っ!?」

 視線を下に降ろせば、確かに……メスヒトはずっぼりと俺のモノを咥えこんで腰を下ろしていた。圧迫が加わったことによって、メスヒトの中で俺のモノがどんどん膨らんでいっていくのが分かる。あぁ……これ、しばらく抜けねぇパターンだわ……。
 俺、なんだかよくわかんねぇうちにメスヒトと接合しちまったよ。

「本当に、入れちまったのかよ……つか、幽霊とセックスするって……?」
 気がつけば、目の前のメスヒトはさっきまでのように透けてなんていなかった。
 しっかりと質量と熱を持っていて、吸い付くような肌が俺の手を押し返してきている。
 ついでに言えば、メスヒトはいつの間にか全裸だった。
 さっきまでは水色のワンピースみたいなものを着てたんだけどな、あれは一体どこに行ったんだ?

『細かい事気にしないで、ほら、早く腰動かしてよー』
「っう……あぁ!?」
 ぐりんとメスヒトが自ら腰を動かして深く深く繋げてきた。
 さっきのフェラの時とは違う、包み込むような肉の感覚に俺のモノが否応なく立ちあがってくる。

『あはっ、すごぉぃ、どんどんおっきくなって、んはぁっ、きもちぃぃひぃぃんっ!!』
「くそ!! もうどーにでもなれってんだ!!」
『あんっ、あっ、しゅごぃ、もっと、あぁんっ、きてっ、あんっ』

 実際入れた感覚は眩暈がするほどに気持ち良い。
 今まで抱いた女の誰よりも締め付けが良くて、またもう一発すぐにでも出したいくらいなんだよ!
 俺が腰を引けば、メスヒトは『ひゃぁんっ』と啼く。
 向かい合ったままだった体勢のまま床に押し倒せば、自ら足を広げて高く突き上げてきた。
655中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/12/12(木) 01:38:07.51 ID:xrCDd5tB
『あぁぁ〜、おにーさんのおチンポ気持ちぃぃ〜! もっと、もっと突いて突いてぇぇ!』
「くっそ、とんだヤリマンだな! ほら啼けよ! もっと喘いでみろ!!」
『あぅっ、あぅんっ♪ きもちいぃいいい! あうっ あぁあははあぁあっ』

 突き上げる度にビクビクと腰を震わせて、ぎゅうぎゅうに締め付けてきやがる。
 慣らしもしてねぇのに、じゅっぽじゅぽっと音がなるくらいにびしょびしょなマンコ汁が
 オレの下半身を濡らしていく。
 上を突いたり横を突いたりする度によがり狂って、もっともっととねだるんだからたまらない。

 どこのどいつだ、メスヒトをこんな淫乱に調教したご主人さまとやらは!
 俺は声を大にして言おう。

 ご主人さま ぐっじょぶ!

「あぉっ!? あっ! あはっ! あぼぁあ、あぁっ、おぐっ、あっ、おぐっ、ぎもぢぃひ!!」
「お前、ヒトなんだったら孕まねぇだろ? じゃあ中に出してもいいよなっ!? そうだろ!?」
『ひぎっ!? な、中だし、されちゃっ!? 犬のおチンポ汁だされ――っ、ぉぼあぁぁあぁぁぁっ!!』

 根元までずっぼりと突き刺したままビュビュッと出せば、メスヒトも大きな声をあげながらイッた。
 ぐりゅりゅと膣内が収縮してオレの精液を飲み込まんと吸い始める。

「まだまだ! こちとら溜りに溜まりまくってんだよ!! 俺の気の済むまで肉便器になれ!」
『ひゃ、ひゃあい、私はごしゅじんさまの肉便器でしゅぅぅ! おチンポ汁で喜んじゃう淫乱メスヒトでぅぅう!!
 おぐっ、おぐっっにっ、いっぱい出してくださぁぉぉああ!!』

 ぐっちゃぐっちゃとかき混ぜられた精液がメスヒトの股の間から泡立つくらいに腰を動かせば、メスヒトは口から赤い舌を突き出しながらのけ反った。
 俺に揺さぶられながらハァハァと息を荒げて、完全にイッた目をしてやがる。
 でも心配なんざしない、遠慮なんてものもする必要はない。こいつは性奴隷で俺は臨時のご主人様だからな!

「おら、今度はケツをこっちに向けて這いつくばれ!」
『は、はいぃぃ。中でぐりってして、向きを変えさせていただきましゅ、ん、あぁああっ!? おっきくって、中が、ごりゅごりゅってぇぇ!! 精液がおぐに、押し込まれ、ちゃ、おおぁぁ!』
「早くしろよ、このまま出しちまうぞ!」
『あぅ、あぅぅんっ、愚鈍な肉便宜でごめんなしゃぁ、ごじゅじんさまぁぁっ』

 後ろ向きになろうとした途中で引っかかったメスヒトの足を持って肩にかければ、
 いつの間にか松葉崩しの体勢になっていた。
 より深くつながる体勢で横から突けば当たる場所が変わったのか、メスヒトは涎を
 垂らしながら喘ぎ始めた。
656中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2013/12/12(木) 01:40:24.01 ID:xrCDd5tB
 ショートカットの髪の間から覗くヒトの耳が、興奮のあまり赤く染まっている。
 わかりやすくていいなそれ。
 演技なんかじゃなくて、本気で喘ぐ女ってのは抱いてるこっちも気持ちが良い。

『あぁっ、あぉっ、あぉんっ、うぉぁっ、あぁぁっ、あぅっ、あっ、あぁぁ――あぁっっ!!』

 今度はメスヒトを地面に這いつくばらせて腰を高く上げさせる。まさに由緒正しき交尾の体勢でガッツンガッツン突き上げれば、メスヒトは何度もイキながら悲鳴じみた歓喜の声をあげた。

「淫乱メスヒトの中に、もっかい出すぞ、おい、嬉しいか? 嬉しいよな?」
『ひゃ、ひゃぃぃ、うれぢぃですぅぅ! いっぱいいっぱいくだしゃいませぇぇ、ごしゅじんしゃまぁぁ!!』
「よし、出すぞ!! 受け取れよ、こぼしたら自分で舐めとれ!」

 絡み合う俺達の間からびじゅっ、ぐじゅっ、と激しい水音が響き、一番奥に突き上げた瞬間に俺はまた射精をした。
 ごぽぽぽ、とメスヒトの中で精液の渦が起こって結合部からは勢いのあまり外に出た白濁液が飛び散る。
 オレの黒くて短い下半身の毛か、ベットベトになるくらい白く染まった。

『ぉぁ……っ、あ、ぉぅぁ……ひあぁ……っ、ださ、だされて、りゅ……きもちいひ、ごしゅじんさまぁ……きもちいひぃぃ……。うれしぃ、うれしぃ……』

 メスヒトがビクンビクンと跳ねながらなんか言ってるが、俺はそんなもん聞いちゃいなかった。
 ひっさびさだな、本当に。こんなに出したのはいつぶりだ?
 本当にメスヒトってのは便利だな、抱き心地は女抱いてるようなもんなのにいくら出してもガキができねぇんだもんな。

 よし、もっかいやるか。次は座ったところに腰を下ろさせて――

「……っえ?」

 メスヒトの腰を掴もうとした俺の手が空を掻いた。
 つい数瞬前までは俺のナニを包み込んでいた膣の感覚もなくなって、射精しまくった自分の膨らんだモノと対面する。
 慌てて辺りを見回したものの、今まで俺が抱いていたメスヒトは……跡形もなく、消えていた。

「…………消え、た」

 呆然と呟くものの「あぁやっぱりあれは幽霊だったんだな」とどこかで納得する俺がいた。
 夢にしてはやけにリアルにまだ肉の感触が残ってるし、すげぇ気持ち良かった。
 女を抱いていたのは確かだが、目の前から消えた途端存在が希薄になる。
 ……もう少し楽しませてくれればいいのに、たった二回で終わりかよ。
 これが本物だったらもっと何回でも出来たのにな。惜しい。実に惜しい。
 まぁ、きっとイキまくって満足して成仏でもしたのかもしれない。
 淫乱なメスヒトにふさわしい成仏の仕方だな。
 俺も楽しませてもらったし、まぁいいかと思いながら俺は自分のイチモツを軽くタオルで拭い去るだけで、
 ベッドに倒れこんで目を閉じた。

 ――その日は久々に、悪夢にうなされずにぐっすりと眠ることが出来たのはあの幽霊のおかげだったのかもしれない。
657名無しさん@ピンキー:2013/12/12(木) 01:41:35.57 ID:xrCDd5tB
以上です。
不定期更新なので、後半の投稿時期は未定となります。
658名無しさん@ピンキー:2013/12/12(木) 14:58:32.73 ID:dEWk2Hn+
投下お疲れ様です。
月光の方の連載も楽しませてもらってます。
659名無しさん@ピンキー:2013/12/12(木) 22:21:18.82 ID:SaZbCTL4
ヒャッホーーーーーーーーーー伸びてるうううう!!!
カラスの子ミステリアスで続きが気になる
660名無しさん@ピンキー:2013/12/17(火) 23:39:45.83 ID:p1iKd8A6
 帰ってみると、ウサギのご主人様が私の教えた『日本の正座』をしながら待機していました。

 全裸で。

 ですので、靴を脱ぐ前に直蹴りを顔面にぶち込んでみました。
 スカートが翻って下着が見えぬよう、しっかり手で抑えながらです。
 これでも慎み深い淑女ですから。
 ご主人様は「ありがとうございますっ!」と実に紳士らしいたわけた台詞と鼻血を噴出しながら、後方に倒れました。
 後頭部が床に激突する音が聞こえましたが、自前の毛皮があるので絨毯に落ちたようなものでしょう。
 いつもの事ですし、無視します。

「あら、おかえりなさい」
「ただいま帰りました、奥様」

 会釈します。
 この家の実質的な支配者であるご主人様と同じくウサギの奥様は、私のようなヒトメスに対しても「可愛ければそれでいいのよ?」と大事に扱ってくださいます。
 夫婦の営みに混ぜようとするのは全力でお断りさせていただいておりますが。
 美貌もスタイルも私とは比べ物にならない方と一緒になど、居た堪れない気持ちになりますので。

「ねぇ?」
「なんでしょうか」
「ちょっと強過ぎるんじゃないかしら。意識、飛んじゃってるわよ?」
「…事故です」
「あらあら」

 困ったように目を細めて笑う奥様ですが、実のところこの顔は面白がっている顔です。
 何故面白がっているのかまではわかりませんが。

「あなた、こんな所で寝ていると風邪をひきますわ」

 と、躊躇なく爪先をご主人様の脇腹に打ち込みました。
 ご主人様は一瞬目を見開きましたが、そのあと「ごふぅ」と唸って再び目を閉じます。
 何時ものことです。

「起きないわぁ」
「そうですね」
「じゃあ、仕方ないわよねぇ?」

 奥様がにこにこと楽しそうに背後から取り出しましたるは、油を吸って光沢の出ている荒縄です。
 昨夜、私が揉み解してから油に漬けた物ですね。
 それを使うということは、どうやら合格点を頂けたようで何よりです。

「いい機会だし、臨時で授業しちゃうわね」
「…よろしくお願いいたします」

 この状態の奥様に逆らえる人は、少なくともこの家には存在しません。
 私はもちろんですが、ご主人様も含めての話です。
 そして今夜は程よい強さの縛り方を教えていただきました。
 まあ、私が教材にされないのであれば、別に問題は感じませんね。
 最終的にはご主人様もお悦びになられてましたし。
 ちょっとそのときの顔が気持ち悪かったので、えびぞり状態で吊り下げられているご主人様の上に重石を乗せたら「駿河問い!? 何を聞きたいのかな? かな?」と意味の分からない事を仰いましたので、とりあえず高速回転させておきましたが。
 奥様が「筋が良い生徒を持つと教え甲斐があるわぁ」とご満悦でしたので、とりあえずは良かったのではと思います。
661名無しさん@ピンキー:2013/12/19(木) 09:19:12.79 ID:Tctckw4r
メスヒト+ウサギ夫婦とか誰も傷つかない三角関係じゃないですかー
3Pまだー?
662名無しさん@ピンキー:2013/12/23(月) 03:42:37.19 ID:nIngq0b3
こんにちは。
仕立て屋さんの作者様から質問が来たので、代理で質問させていただきます。
以下送られてきたメール内容です。

ここから小説のご相談です。
こちむいで設定に使えるか気になった事があるので相談に乗って下さい。m(__)m
最近、小説読んでると転生とか憑依ってあるなぁって思いまして、こちむいの世界にヒトの世界の記憶持った転生者や
魂が入れ替わっちゃった獣人さんに憑依したヒトもありなんでしょうか?

今までそういうネタのお話はありましたか?
663名無しさん@ピンキー:2013/12/23(月) 14:28:56.96 ID:9jnYJM6i
Wiki収録だと木登りと朱いピューマは憑依っぽいのはある。
こちむい世界からヒト世界へなんで方向は逆だけど。
それと過去ログの15スレに犬の軍人と落ちてきたヒトメスと頭が激突して中身入れ替わった話があるね。
覚えている限りだとネタとして近いのはそれぐらいかなあ。
664名無しさん@ピンキー:2013/12/23(月) 22:45:49.27 ID:p57QLWJ3
>>663
お返事ありがとうございます。早速仕立て屋の作者様にお知らせしてきます。
残念ながらロダ投稿のものは私は読めなかったのですが……うーん悔しい。

ところで世間クリスマスですね。
メリークリスマス&amp;良いお年を!
665名無しさん@ピンキー:2013/12/30(月) 23:18:17.51 ID:gGzVNARs
いつも思ってたけどこちむい世界の住人はどうやってイヌとオオカミの区別をつけているんだ
現実でもハスキーみたいなオオカミに見た目が近いイヌは詳しくないとわかんないよなー
女ならなおさら
たぶん間違えたら鬼のように怒るんだろうな。両者。
666名無しさん@ピンキー:2013/12/31(火) 02:07:21.70 ID:+NsHaL9/
投下します。

『烏の火』
第一話「飼い犬の気分だ」 (エロ無しです)
プロローグ的なのはこちらです。
>>647 >>648 >>649 >>650
667カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:13:11.10 ID:+NsHaL9/
 目覚めた俺は、勢い良く体を起こすと、真っ先に頬をつねった。
「いてっ」
 鋭い痛みに思わず声が出る。間違いない、夢から覚めたのだ。安心して、またベッドに寝ころぶ。
 晴れて、あの黒い翼を持った女は、俺の頭の中で、密かに死んでゆく記憶となったのだ。
「ふぅーっ」
 息を吐き出し、体中の力を抜く。あの女、おっマス(おっぱいマイスター)である俺の夢にしては、やけに胸が小さかった。夢というものは、必ずしも欲望を映す訳ではない、という事を再確認させてくれる。
 夢中で受けた肘鉄の痛みを思い出し、少し身震いをして、同時に部屋の気温に気付く。静かだし、寒いのだ。昨日の夜、加湿器と暖房、どちらも付けた筈なのに。
 違和感を覚えて、再度起き上がり、左右を見る。
 ベッドの右側は、窓で、青白さを持った斜陽が差し込む。朝なのだろう。左側は、俺の部屋とは似つかぬ景色だった。
「……えっ」
 何もかも違う。まず、俺はベッドを持っていない。寝ぼけていて気付かなかった。
 ……まさか。
 嫌な予感が骨身を貫く。
 その時、扉に数回ノックがあった。母だろうか。母だろうか。母であって欲しい。
 俺が声を出すよりも早く、開いた。
「起きたかな――あっ起きてる」
 扉から入ってきた姿。知っている。
「――……い、い、い、い」
「い?」
668カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:19:18.88 ID:+NsHaL9/
 イヴ。
 イヴだ。あのイヴだ。黒い翼のイヴだ。俺の頭の中で、死にゆくどころか、目の前にいる。
「何? ボクが何なの」
 怪訝そうな顔で、俺の方を見るイヴ。俺は、理解した。
 というか、思い出した。夢ではないのだという事を。
「……君、人間だよな?」
 深呼吸、深呼吸。精神統一。
「へ? うん、勿論」
 へぇ、じゃあその翼はコスプレなんだ!
「カラス第三氏族、太陽の民イヴァネス・ク・ロンク! ってのがボクの前口上」
 ……うん、コスプレじゃないのか。
「さあ、ユウキ。目は覚めたよね。ボクのムニンで送るよ」
「……送るって?」
 現実の扉へ……じゃあないんだよな。
 イヴは、俺の寝るベッドの横に立った。
「ユウキのご主人様の所だよ」
「俺は独り身だし、SMプレイなんかに興味を持ったことはないぞ」
「え!」イヴは驚いた声を上げた。「じゃあ、まだ野生……っていうか、落ちてきたばっかり? なの?」
「……あー……えっと、『落ちてきた』?」
 『落ちてきた』 うー、不穏な単語だ。恐らく、この状況で不安を掻き立てるのに、最も適した言葉だろう。ここは地球の地下にある、地底人の帝国です〜〜とか言われるんだろうか。
「よ、よし、いないんだよね。ご主人様が。よし」
 まるで麻薬を買わせたい男並みの狼狽えを見せる彼女。
「……ああ」
 薄々ながら分かりかけてきました。
669カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:26:48.76 ID:+NsHaL9/
 そうしてイヴは、俺に全てを教えてくれた。
 どういう原理かは知られていないが、主に我らが地球の日本から、たまに『落ちる』らしく。
そして、我らが地球の、万物の霊長であった人類は、この世界では霊長とはいかず、『ヒト』と呼称され、正に『ペット』と称するに値するレベルまで落ちている。と。薄々わかってたけども。
「それで、ユウキはボクの奴隷になる?」
(……訊かれてもなあ)
 俺は、今までペットを飼った事も、買った事もないが、そういう感じで決めるんじゃないと思う。ヒトの位地が『ペット』や『奴隷』であるというなら、そこにヒトの自由意思など無い筈だ。
「嫌だ」
 嫌なものは嫌だけれど。
「駄目」
 あら?
「ユウキは、ボクの奴隷になるんだ」
「……嫌だと言ったら?」
 もう言ったけれども。
 イヴは、俺に詰め寄った。顔との距離が近くなる。中性的な顔立ちにより、脳が興奮しても良いものかどうか混乱する。赤い瞳が、俺の目を覗き込む。
「奴隷になるんだ」
「……傍若無人だな」
「迷惑なの?」
「そう言われると、弱るな」
 別に迷惑な事なんか微塵も無いのだが(奴隷商人と関わる事が、今後なくなると思うので、その点では寧ろ利点があるが)、やはり『元』霊長類としてのプライドがそれを許さない。
俺は、見下される種族にはなりたくないのだ。散々、ペットや何やらを、まるで生きた人形のように扱い、飼い殺す我々だから、俺はそれを知っているから。同じようにされるのが恐くて仕方がない。
 でも、ここで奴隷にならないったって、行く宛なんて勿論無い。利点無し、ついでにデメリット有り。
 ゴクリと唾を飲み込む。
 イヴはニヤリと笑った。
「奴隷になる決心は?」
 よほど目が良いらしい。
「……ついたよ」
 くそ、手のひらで転がされた感じがして、非常に面白くない。また尻でも揉んじゃろ。
 手を伸ばし、軽く触る。
「きゃ……殴るよ」
 真っ赤にした顔でこっちを睨みつけ、言う。
 一矢報えただろうか。
670カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:34:19.15 ID:+NsHaL9/
*********

「よォ、二週間ぶりだな、八國の嬢ちゃん」
「お久しぶりです、ロドリクさん」
「おう……そうだ、フギンの右翼、ちゃんと直った――って、そっちのひょろこいのは何だ?」
「檜山祐樹と申しますぅ……」
 何だこのでけぇジジガラス。カラスなのに、白髪が目立つ大男だ。
黒と白が混ざった大量のヒゲに、青いツナギを着ていて、工場勤務的なアレなのが容易に想像できる。ムキムキだし。正直怖すぎて涙出そう。
 イヴは、俺の方を親指で指した。
「ボクのヒト召使い」
 何か悔しい。
「ほォー、高かったろうに。幾らしたんだ?」
 彼は、俺の方を、値踏みするようにマジマジと眺めた。ひと三人くらい殺してる目だよこれ。
 イヴは言う。
「何と、タダです」
「タダァ? 怪しいな。どこで買った?」
 イヴはニヤリと笑って、俺の肩を叩く。
「実は買ったんじゃないんです。拾いました!」
 マジでペット感覚なのね。
 白髪のカラスは、大きく目を見開いた。
「何、そりゃすげぇな!」
 すげぇ事なのか? そんなにも。
 彼はニカァって感じに笑うと、俺の肩をすげぇ力で叩いた。痛い痛い痛い。
「それで、この『ユキ』って奴の話じゃないんだろ。わざわざここまで来たって事は、例のアレだな?」
 『ユキ』じゃなくて『ユウキ』です――とは、怖すぎて言えなかった。肩痛いんだもの。
 『わざわざここまで』って言うのも、俺が起きて、あの話を聞いてから、実は時間にして一時間は経っている。
あれから、少し休憩して(てっきり飛ぶかと思いきや)、歩いて30分の、学院のような場所に、我々はいる。
 現在地:荘厳な門を抜け、二人の衛兵のような人らに身体検査され、奥に通され、階段を上り、突き当たりの、応接室のような場所。
 イヴは俺の方を見て、またロドリクさんを見た。
「このユウキを、貴方の工場で働かせてくれません?」
「待て」
 思わず声が出た。
671カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:40:07.67 ID:+NsHaL9/
「駄目だ」彼も言う。
「うちは人材に困ってないし、ヒトなんて非力な奴入れても、足手まといにしかならんからな」
「えー、じゃあ、ボクは何のためにこの讃祖空王立機関まで来たんですか?」
「ムニンを取りに来たんだろ?」
 ロドリクさんが言う。
 俺は、イヴに肩を近づけると、小声で訊いた。
「おい、ムニンって何だ?」
 さっきも一度だけ聞こえたが。
「敬語を使いなさい……ムニンっていうのは、ボクの船の名前」
「船持ってんの?」
「小型飛行船ムニンね」
 『思考』と言う名前。飛行船っぽくないな。飛行と思考。韻は踏んでるが。
 そんな小声のやりとりを、止めることなく眺めていたロドリクさんが、口を開きかけたその時、ノックがあった。
「入れー」
 ロドリクさんが言うと、扉が開いた。
 入ってきたのは、女性。渇いた暗い緑を基調とした、赤の横線のはいった帽子に、同じような緑色の服、
肩甲骨くらいまである黒髪で、正に『女史』って感じの女子だった。
 見た目年齢19歳。推定バストAA。不合格。カラスは虚胸(きょむ)が多いのだろうか。
「ロドリクさん、黒煙二号の納期が遅れていますが」
 透き通るような綺麗な声だが、尖った喋り方だ。あまり俺の好みではない。
「げ、ネヴァン……」
 ロドリクさんの額に汗が滲んだ。
672カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:47:47.96 ID:+NsHaL9/
 ネヴァンと呼ばれた女は、ロドリクさんにツカツカと近寄ると、言う。
「ロドリクさん、今度は何ですか? また気分が乗らないんですか? 貴方が言った通り、魔洸エンジンを四つも取り寄せました。何が不満です?」
「いや、不満っつーかなァ……」
 ロドリクは、ちらりとイヴを見た。
 続いてネヴァンが、イヴと俺を交互に見ると、ため息を吐いた。
「また貴方ですか、イヴァネス。あまり仕事を遅らせるような面倒事を押し付けてやらないでください。彼にも仕事があるんです」
「…………」
 イヴもぐうの音もでない感じ。
「貴方」
「はいっ」
 ついに俺にも指名が。
「ヒトですね。名前は?」
「檜山祐樹でありますっ」
「仕事は?」
「無職でありますっ」
「何か資格は?」
「ハッ、えーと、漢検三級、英検準二級、硬筆三段、空手黄帯、水泳12級、ソロバン……何級だっけな、8級、か9級くらいかな、であります!」
 飽きっぽいから、途中で辞めたやつが多いなァ。どれも四年以上前に取った資格だし。
673カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 02:54:26.44 ID:+NsHaL9/
「イヴァネス」
「はいっ?」
 まさか自分に振られるとは思わなかったイヴ。素っ頓狂な声を出す。
「このヒト奴隷を雇いたいのですが」
「えっ、でも……」
「納期が遅れた分の損害金、250セパタ、貴方が払いますか」
「どうぞ」
 金で売りやがった。
「ユウキ」
 イヴが俺の名前を呼ぶと、ロドリクさんが俺の肩を叩いた。優しい力加減。さっきまでの荒々しい感じじゃない。
「何だ、イヴ」
「短い人生だったね」
 こええよ。ネヴァンについて行ったら、拷問でもされるのかよ。
 ロドリクさんは、まるでこれからフライされるチキンでも見るかの如く憐れみの視線。
 本当に恐くなってきた。
「イヴァネス、このヒトは、落ちてきて何日目ですか?」
 ネヴァンが問う。
「一日です」
「書類は?」
「ヒト奴隷申請ですか? 一応、書いてます。帰りに役所に申請するつもりで……」
 ああ、ここに出向く前、何やら書いていたのはそれだったのか。
 ネヴァンは、それを取り見ると、言った。
「これは私が申請しておきます。名義は私とイヴァネスでいいですよね?」
「う……それは……」
 流石に狼狽えるイヴ。そりゃそうだろう。言わば、当たった宝くじを、半分寄越せと言うようなものだ。
「……貴方の大型貨物飛行船の、太陽魔洸の搭載を許可を、取り消してもいいのですが」
「どうぞ」
 何だか分からないが、俺は技術と引き換えに半分売られたらしい。
674カラス ◆US7whhBFyg :2013/12/31(火) 03:00:06.90 ID:+NsHaL9/
「お、嬢ちゃんとこのフギンも、ようやく魔洸デビューするンかい。是非うちに任せてくれや。こらァ腕が鳴るぜ」
「ロドリクさんは、まずは黒煙二号を」
「はい」
 ロドリクさんも押し黙った。この少女に、如何程の権力があると言うのか。
「では、失礼します……ユウキ、来なさい」
 早速ご主人様気取りかい。
 睨むような黄色い瞳に急かされ、せかせかとついて行った。
 まるで飼い犬になった気分だ。
675名無しさん@ピンキー:2013/12/31(火) 03:02:59.41 ID:+NsHaL9/
以上です。
相変わらずプロットもなくフワッフワ書いておりますので、次回以降も不定期更新となります。
676名無しさん@ピンキー:2014/01/01(水) 12:53:42.38 ID:lgttZ/lo
>>611の者です
続きが書けましたので上げようかと
急展開、エロなしですね
677名無しさん@ピンキー:2014/01/01(水) 12:55:05.01 ID:lgttZ/lo
「……ん」
「あ、目が覚めた?」

 レスは飛び上がろうとしたが無駄に終わった
 残念なことに縛られベッドの上に寝かされているのである
 このような流れでは珍しく、服を着たまま

「お嬢様、何をなさるおつもりですか」
「ふふふ、何もしないわよ」

 そう聞くと含み笑いを返すマリー
 縄を解き、しっかりと着付けられたレスの服を緩め
 神妙な表情で言った
 服を脱がす気は無いようだ

「彼方は、自分のことを考えなさ過ぎよ」
「……と、言うと?」
「今、彼方がどんな顔か分かる?」
「自分の顔を見るのは、今この状態では難しいですね」

 その返答に困ったような笑い方をしながら
 マリーは答える

「疲れた顔してる、って言えば分かるかしら?」
「私的には、そのような感覚は、全くありませんね」
「そもそも、彼方は何時になったら敬語とか、敬称を外してくれるのかしら」
「マリー様は貴族の身分、私は奴隷の分際ですので」
「……ねぇ、レス、私」
「最近、主様から聞かされたのですが……旅に出ると?」
「えっ!? もう聞いてたの」
「2週間後に、と」
「予定もバッチリなのね……」
「そして主様は、私に "お前も付いて行きなさい、それがあの子にとっても、お前にとってもいい事だから" と言っておりました」
「……あの野郎、面倒な事を」
「お嬢様、言葉が悪いですよ?」

 あはは、と言葉を濁しマリーは俯く
 と言っても、頬を赤らめてだが
678名無しさん@ピンキー:2014/01/01(水) 12:56:21.20 ID:lgttZ/lo
「ねぇ、レス、彼方は私の事どう思ってる?」
「…………」
「ねぇ、だんまりは傷つくわよ?」
「"……私は、奴隷です貴女に好意を抱くこともありませんし、付き従えと言うのなら、私はそれに従います"」
「止めて、彼方は奴隷でも、私はそれを認めないから」
「"それでも、小さい輪の中で、だけです……万人に認められるわけではないのです"」
「やめて! 彼方はどうとでも言えるでしょう?」
「"いいですか、私は奴隷です……貴女に本気で殴られたら死んでしまう弱い存在です、なので、奴隷として生き延びるのです"」
「止めて! 止めて止めて止めて!!!」
「"私は、貴女を好いていても、立場がそれを許さないのです" お分かりですか?」
「やめ…………えっ」
「例え、私が貴女を嫌っていようとも、私は主様、そしてお嬢様の言うことには逆らえない」

 そう言う事です、と締めくくり
 今にも崩れてしまいそうなほどに、悲しげな顔でレスは俯いた

「……レス、そんなのは――――」

 と、そこで勢い良く部屋の扉が開いた
 白い体毛が良く映える、レスの主人の親であるハーネスだった
 トラの貴族に多い、軟弱加減が全くなく、むしろ逞しい

「おっと、ヤッちゃいなかったのか、草食だなぁ、ネズミか?」
「何勘違いしてるんだ、このクソ親父がっ……いい雰囲気が台無しだろうがよ!?」
「(あぁ、始まってしまった、これの回避は……あ、無理ですね)」
「おやおや、奥手なのは構わんが……親が割って来ても続けるくらいじゃなきゃトラの名が廃るぞ?」
「ッチ……頭固い野郎だな、一発貰っとけ、この野郎ぉ!」

 素晴らしい角度と勢いと威力
 そして何より、 素晴らしい吹っ飛び具合であった
 しかし、この後、レスが説教にて、きつく、ハーネスとマリーを叱るのだった

「コホン、お二方……私は何度も言っていますが、喧嘩をするなとは言わないですが、場所を選んでくれと何度言えば分かるんでしょうか」
「「す、すみません」」
「今日もまた、洋服入れを壊してしまって……幾ら、ハーネス様が空気を読めなかろうと、いかにマリー様がその言動に腹を立てようとも、周りをしっかりと把握して欲しいものですね」
「「返す言葉も御座いません」」
「月に4〜5回、必ず何かを壊すそのお二方の癖を何とかして頂きたい、此方はあなた方のような逞しい体を持っている訳ではないのです、昨日も一人倒れましたから」
「「えっ、そんなに酷かったの!?」」
「この屋敷に居る、"ヒト"の召使いは15人程、"トラ"の召使い様は3人なんです、殆どが"ヒト"に回っているんです、掃除・洗濯・ベッドメイク・etc、限がありません」
「「申し訳ありません」」
「その上で、あなた方の後始末を、となれば私でも非常に疲れます…………何故か、私が全ての召使いを纏める役に回っているこの現状もありますが」
「そんな、何時の間に!?」
「おいおい、しらなかっ「"御止め下さい"」

 まさに今、レスは笑っている、歯を見せそれはそれは、にこやかに
 鬼のように怒っているのであった
 そして、数時間後

「疲れまし……ぁれ」

 ドサリ、と倒れこむレス
 その顔には汗が滲み、息は荒い
 異様な雰囲気のレスにマリーは駆け寄る

「…………レ、レス?……レス! レス!?」

 一人の少女の叫びがこだました
679名無しさん@ピンキー:2014/01/01(水) 12:58:05.37 ID:lgttZ/lo
以上です、やっぱり急展開
でも、ケモノっていいよね?
ではまた
680名無しさん@ピンキー:2014/01/01(水) 17:54:29.82 ID:DUAnTm70
お正月は規制解除されてるときいて

>>666
GJ!
お話が動き出したって感じだね。
続き期待してます

>>677
GJ!
姫初め全裸待機
681名無しさん@ピンキー:2014/01/02(木) 06:52:51.02 ID:TEpiw4/2
やったースレが動いてるー!
イヴちゃんぐぅカワ! と萌えた後に強気執事にキュンという展開……!!(悶絶
双方の続編に期待っっっ!!


>>665
それ私も気になってました。
きっと顔立ちがビミョーに違うのかなーとか解釈してました。
アジア人を並べてみた時に「あ、あれたぶん日本人だ」ってわかるような感覚かなーと。
でもそれって他種族からしたらわかんないかもですね。

わたしも一つ疑問なんですが!
トリって、翼は背中にあって腕は別にちゃんとあるという解釈であってますか?
今ニワトリさんのお話を書いてます。
682カナリア他 ◆/oj0AhRKAw :2014/01/02(木) 19:25:33.89 ID:RF/QoqIe
明けましておめでとうございます。
スレの皆さまに良い事がいっぱいありますように。

>>681
私の作中では、
背中に翼+人間のものに近いけど羽毛に覆われた腕(戦鳥=ハヤブサ)
背中に翼+ヒトより長い小指から脇のほうまで風切り羽が生えている(歌鳥=カナリヤ)

めったに生まれない戦鳥と歌鳥の混血は、ケースバイケースで。
大体は母親寄りの特徴になる事にしてます。
ストレスから来た羽引き癖のせいで、一見戦鳥に見える人も居るよ、ということで(;´∀`)

今まで出てきてない種族に関しては、出した人の自由裁量では無かろうかと思います。

本編が進んでないけど、バレンタインネタで何かスレに投下出来たらいいなぁ、
と自分を追いつめてみるテスト(;´Д`)
683名無しさん@ピンキー:2014/01/02(木) 21:10:37.67 ID:19euTZj2
ニワトリはトリ男がいたな。
ニワトリが巨大化したような二足歩行の筋肉ニワトリ
684名無しさん@ピンキー:2014/01/02(木) 22:52:26.72 ID:TEpiw4/2
>>682 なんとカナリア他様からお返事が戴けるとはぁぁぁ!!
不勉強で申し訳ありませんでした。実は歌鳥もかなり気になってるんですよ〜
機会があれば短編書いてみたいなぁと思ってます。その時また何か聞くかもしれません。
よろしくおねがいします!
そして続編が来るとのこと、今からすでにwktkです。バレンタインネタもいいですね!
いつぞやのバカエロ祭りみたいにいっぱい投下されるといいですね!←

>>683
>>188 >>189の「ひよこのきもち」のこと……でしょうか?
なにを隠そうあのヒヨコさんにキュンと来てニワトリ短編を書き始めたのは私です。
カジキとトリが現在マイブームです。
685名無しさん@ピンキー:2014/01/02(木) 23:29:38.27 ID:TEpiw4/2
 お返事ありがとうございました。おかげで書き上げられました。
 去年のクリスマスに投下しようと思って書いてて、風邪ひいて結局投下せず仕舞いだったという、
 今更感漂うビミョーなニワトリさんのエロを投下させていただきます。
 元ネタは同タイトルの歌より。
 無機物に恋するってなんか萌えるなぁとか妄想した結果がこのザマだよ!
686中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/02(木) 23:34:21.12 ID:TEpiw4/2
 わたくしは道ならぬ恋をしているのです。
 決して、決して、恋をしてはいけない方に恋をしてしまいました。
 両親は言います。馬鹿なことを言うなと。
 友人たちは言います。気が狂ったに違いないと。
 けれどわたくしのあのお方への思慕は募るばかり。
 とてもとても、捨てることなどできない深い憧れと愛情を抱いてお慕いしているのです。
 晴れた日には窓からあの方を眺めては、こっちをむいてくれないものかと胸を弾ませ、
 風の日には忙しなく四方八方を見張るあの方の御身を思い、雨の日には硬くて艶やかなお体のしとどない姿に私まで……
 まぁいやですわ。わたくしったらはしたない……。

 わたくしは道ならぬ恋をしているのです。
 決して、決して、想いが届くことがない方に恋をしてしまいました。
 お相手はいつもわたくしの部屋の窓から見える、お向かいの屋根の上にいつでも佇むあのお方。
 いつも遠くを見つめている物憂げな瞳を、足元にいるわたくしには決して向けてくださらないツレないお方。
 あの方の眼下で逆立ちでも披露して差し上げれば、わたくしを見てくださるでしょうか。

 風を受けてくるくるり。
 粉雪と共にふわふわり。

 そう、あのお方は、風見鶏なのです。
687中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/02(木) 23:51:14.71 ID:TEpiw4/2

『恋するニワトリ』


「おはようございます、風見鶏さん。わたくしは今日も元気ですわ」
 今日も今日とてわたくしは日課をこなしております。
 わたくしの部屋から見える風見鶏のお方を眺めること、それはわたくしの毎朝の欠かせぬ日課となっているのです。
 特に今日は特別な日なので、わたくしも心が弾むような気持ちで窓からあの方を
 見上げておりました。

「ご存知でしたか? 今日はクリスマスイヴなんですよ。
 今夜、わたくしの部屋に忍んでいらっしゃってくださいませんか? わたくし、いつまでもお待ち申し上げております」
 そっと、わたくしは綺麗に包んだを贈り物の箱を窓際に置きました。もちろんわたくしが用意した、あの方へのプレゼントです。
 いつも外で佇むあの方のために編んだ手編みのマフラーをあの方に届ける術があれば良いのですが……。
 わたくしは小さなニワトリなので、屋根の上高くまで羽ばたくことができません。
 せめてあの方から見るようにと、わたくしは箱から取り出した手編みのマフラーを胸の前で広げます。
 わたくしの想いが、少しでもあの方に届きますようにと願いながら。

「……何をしてんだ、雛子」
「まぁ」
 呆れたようにわたくしに声をかけてこられたのは呉亮(ごりょう)さんでした。
 呉亮さんはわたくしの五つ年上のニワトリの男性です。彼のお母様がわたくしの乳母をしてくださっていた縁で、
 わたくしたちは兄妹のように育ちした。わたくしにとってはお兄さんのような存在です。
 ニワトリの男性として立派な体格で言葉遣いは少々粗野ですが、とても頼りになる方なのです。

「今日はクリスマスイヴですもの。あの方のために編んだ手編みのマフラーをお見せしておりました。
 本当なら、あの方へお贈りできれば良いのですけれど……」
 わたくしがひらりと夜なべして作ったマフラーを見せると、なぜでしょう……? 呉亮さんの体がぐらりと傾いたような気がいたしました。
 呉亮さんはトサカの付け根を撫でながら――彼が何か考えている時の仕草です――わたくしの方へと歩み寄ってまいりました。

「……あぁそうかよ。毎日毎日ごくろうさん。……窓閉めろ。風邪引くだろうが」
「まぁ、あの方は毎日外で頑張っていらっしゃるというのに。それはいけませんわ」
「閉めるぞ」
「あ……」
 呉亮さんが有無を言わせず身を乗り出してきて、わたくしと体を密着させるような形で窓に近づきました。
 その時ふと彼の男性らしい香りが漂いますとわたくしは少し胸の鼓動が早くなり、顔が熱くなったような気がいたします。
 まぁ……呉亮さんの言うとおり、風邪でも引いてしまったでしょうか?
 戸惑っているわたくしの隣で呉亮さんは手早く窓を閉め、そしてなぜかカーテンまで閉じられてしまいました。
 これでは、あのお方の姿を拝見することができません。もちろんわたくしはすぐに抗議をいたしました。

「呉亮さん、何を致しますの? いますぐカーテンを開けてくださいな」
「雛子……お前な……」
 呆れたようにため息をついて、呉亮さんは窓に腰かけて腕を組みました。
 ちょうど窓際に座るわたくしに体の横を見せるような形です。
 ためらうように彼が口を開くと、黄色くて鋭い嘴が艶めきました。

「こんなことは言いたくないけどよ。雛子も、もう年頃だろ。いつまでも夢ばかり見てないでそろそろ托卵の相手を探さねぇ……と……」
 呉亮さんの言葉はみるみるうちに尻すぼんでいってしまいました。
 というのも、それはきっと。
 わたくしの目からみるみるうちに涙があふれてしまったせいだと思います。

「呉亮さんも……わたくしのことがおかしいと思いますか?
 風見鶏であるあのお方に恋をするなんて、おかしいでしょうか?」
「あー……」
 気まずそうに声を漏らす呉亮さんでしたが否定はしませんでした。
 それが思いの他に、わたくしの心には重くのしかかります。
 呉亮さんだけはわたくしのことを理解していただけると、わたくしはどこかで思っていたのでしょう。
 彼の言葉の一つ一つが、わたくしの心をかき乱すのです。
688中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/02(木) 23:54:35.70 ID:TEpiw4/2
「なぁ、雛子。なんで風見鶏なんかを好きになっちまったんだ? なんか理由でもあるのかよ?」
 わたくしの顔色を伺うように覗き込んでくる呉亮さんのお顔が拝見できなくて、わたくしは顔を背けます。
 すると頭上から小さなため息が聞こえました。
 そのため息ひとつにも、わたくしのちいさな胸はズキリとした鈍い痛みを生んでしまうのでした。

「……なぜと聞かれても、どうしてあのお方のことが好きなのかわたくしにもわかりません。
 恋に理由なんてないのです。好きになってしまったんです」
「ふーん……」
 わたくしから一歩離れるように呉亮さんは身を引いて、何事か考えているようでした。
 そして、ポツリと言葉を漏らしたのです。

「好きになるのに、理由はいらない、か……」
「え?」
 何かを決意したかのような声色の彼が気になって、わたくしは顔を上げました。すると呉亮さんは嘴の奥でくくっと笑いながら、
 わたくしの赤毛を撫でたのでした。

「そのマフラー、俺が届けてやるよ」
「まぁ! 本当ですの、呉亮さん!」
「あぁ。お前の想いもきっと届くさ」
 呉亮さんはわたくしの手からマフラーを受け取りながら、まるで幼い頃のわたくしにするように言い聞かせたのでした。

「お前からのプレゼントを受け取った奴が、お前の所に来るかもしれないからな。風呂で丁寧に体を磨いて、隅々まで体を清めるんだ。
 夜着は箪笥の一番上の右奥にしまってある赤いネグリジェを着て、ベッドの上で待ってろ。……わかったな、雛子?」
「わ、わかりましたわ……」

 ベッドの上で待ってろだなんて呉亮さんに言われてしまうと、なぜでしょう、わたくしの体のどこかが熱くなってしまうような感覚に陥ります。
 なぜ風見鶏さんを迎え入れるのに体を清める必要があるのか、わたくしにはよくわかりません。
 でも、幼い頃からわたくしの傍でわたくしを見守って導いて来てくれた呉亮さんの言うことですから、
 きっと正しいのでしょう。
 コクンと頷いたわたくしを、呉亮さんは満足げに見つめていたのでした。
689中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/02(木) 23:59:13.58 ID:TEpiw4/2
 ――クリスマスイヴの夜。
 外はしんしんと雪が降っていて音もなくとても静かな夜です。
 わたくしは呉亮さんに指示された通りに体を隅々まで清め、指示通りの場所にあった夜着に身を包んで風見鶏さんの訪れを待っていました。
 箪笥の一番上に隠されるように入っていた真っ赤なネグリジェは、ほとんどレースで出来ているような肌の色がよく見えてしまう薄い生地でできています。
 胸の頂の辺りを柔らかく包み込むレースの下着はとても着心地が良くてわたくしの体にピッタリでした。
 けれど恥ずかしい部分を全く隠してくれない、あまりにも頼りない下着でわたくしは着るのを何度も何度もためらってしまったものでした。
 真っ赤なガードルも私の太ももにわずかに食い込み、むっちりとした様子でとても恥ずかしいです。
 なぜこんなネグリジェが私の箪笥の中に入っていたのでしょう? 呉亮さんはいつから知っていたのでしょうか。
 こんな扇情的な夜着を着て、はしたないと思われないでしょうか……。とても、不安が募ります。
 そしてこの格好で一時間、二時間と待ち続けているのもわたくしの羞恥心を高めていくものですから、困ります。
 何か上着でも羽織りたい所ですが……。
 上着を着てもいいか聞くのを忘れていたのでわたくしはこのままの状態であり続けるより他なかったのです。

「風見鶏さん……来てくださるでしょうか……」
 何度となく窓の外を見ましたが外はもうすっかり暗くって、トリ目のわたくしにはあの方のお姿を拝見することは叶いません。
 けれど呉亮さんはわたくしと約束してくださいました。きっとわたくしの想いを届けてくださると。
 それならわたくしは呉亮さんを信じて待つのが一番良いのでしょう。

 ……それに、しても。
 この下着は薄すぎます。少し身じろぎをするだけでレースの引っ掛かりがわたくしの体を撫でるのです。
 特にパンツはなぜか真ん中に穴が開いていて、スースーします。
 粗相をする時に脱がなくても良い便利な作りとなっていましたが、このような下着を見るのは初めてでした。
 そして、こんな薄着一枚で寒いはずなのに、なぜかわたくしの体はポカポカと温かいのです。
 一体わたくしの体のどこが温かいのでしょう?
 気になったわたくしは、そっと体を撫でてみることに致しました。

「ん……ふ……」
 手の甲、腕、肩とゆっくりゆっくり撫でていきましたが、どうやらわたくしの体が温かい原因は違うところにあるようです。
 それなのに、どんどん体が温かく、さらには熱くなってきてしまいました。
 今度はつまさきからふくらはぎへと、ゆっくり確かめるようにふわふわと撫でてみました。
 すると――

「……っ、あ!」
  足の付け根に手を伸ばした途端、体がビクッと震えました。ちょうど、パンツに穴が開いた部分でした。
 パンツの割れ目から、わたくしの足の付け根の割れ目にゆるゆると指を這われますと、そこはどうしてかトロトロとした液で濡れていました。
 さっきあれほど体をきれいに洗ったのに、なぜでしょう?
 体を綺麗に保つようにと言われていたのに、ここがこんなにしとどない状態では風見鶏さんにご満足いただけないかもしれません。
 わたくしはふき取ろうと思って、少し力を入れて割れ目に指を差し入れました。
690中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/03(金) 00:02:05.24 ID:TEpiw4/2
「あっ……あぁ、ん……っ、ふぁ……」
 わたくしの指はヌルリと中に入ってしまって、それはどこまで潜っても奥が見えませんでした。
 くちゅくちゅと音が鳴るほどに滴る液は、ふき取るどころかどんどんあふれ出てきてしまいます。
 どうしましょう……これではとても綺麗になんてできません。わたくし、とても困ってしまいました。
 ベッドの上にぺたんと座った状態から少しお尻を浮かせて、右手を足の付け根の割れ目に這わせている姿なんて、とても恥ずかしいです。
 こんなところを誰か……風見鶏さんに見られてしまったら……
 そう思うと、ますます割れ目から恥ずかしい液が溢れてきてしまうのでした。

「はっ、あ、あぁ……っ、や、あぁっ」
 割れ目の上の辺りにコリコリとした所を見つけてそこを擦った瞬間に体がビクンッと跳ねてしまいました。
 わたくしはいつのまにか自分の胸にも手を置いていて、胸のてっぺんを摘まんでしまっていました。
 胸のてっぺんのコリコリと、割れ目のてっぺんのコリコリを一緒に触るとなぜかとっても気持ちがいいのです。
 その二つを触っているうちに、わたくしの中で何かが駆け上がっていくのを感じました。
 それはむずむずと腰のあたりから昇ってきて、わたくしの背中と翼を通って頭の上へと抜けていくような感覚だったのです。

「や、あ、あ、なに……、あっ、なにか、きちゃいます……っ、や、助け、て……あっ、あぁぁっ!!」
 ベッドの上で仰け反りながら、わたくしは背中の翼をピンと張ってビクビクと体を揺らしてしまいました。
 途端に割れ目からはトロっとした液がたくさん溢れてきて、もうわたくしのちいさな手では留める術がありません。
 恍惚として頭がぼんやりとしていましたが、何か布で拭いた方がいいのかしらと思ってゆっくりと首を巡らそうとして――

「きゃ……っ?」
 ぎゅっ、と。誰かに背後から抱きしめられたのです。
 気付けば部屋の中は真っ暗でした。目をつぶっていたので電気が消えたことに気が付かなかったのです。
 もしかして……風見鶏さんが本当に来てくださったのでしょうか? まぁ、本当に?
 せっかく会いに来てくださったというのに、わたくしったら……。
 さっきまでの痴態を風見鶏さんに見られてしまったかもしれないと思うと、恥ずかしさのあまりわたくしの頬は髪よりもさらに真っ赤になってしまいそうでした。

「あ、あの……お恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。ごめんなさい、はしたない子で、ごめんなさい……」
 ふるふる震えながら小さく言えば、風見鶏さんは小さく吐息を漏らしたようでした。
 わたくしの耳にかかるその熱くて甘い吐息に、再び体が熱くなってきてしまうような思いです。
 あら……? わたくしのお尻に当たっているこの硬い棒のようなものはなんでしょうか……?

「雛子ははしたないな。いやらしくて、エロくて……すげぇ、可愛い」
「え……? あっ」
 低くてかすれたような声が響くと風見鶏さんはわたくしを強く抱きしめたまま、わたくしの上に覆いかぶさってきました。
 ベッドにうつぶせの状態で、腰だけを高く突き上げるような体勢です。
 わたくしの翼と背中に当たるのはまぎれもなく男性の体で、その筋肉質な胸板に私はくらくらとしてしまいそうになります。
 風見鶏さんは鉄製だと思っていたのですが、こんなに温かいのですね。
 わたくし、鉄になりたいと思ってお食事にコッソリと貝殻を混ぜて頑張っていましたのに。
 こんなに温かくて、力強くて、良い香りがするなんて……ますます、好きになってしまいそうです。
 私のお尻に当たっていた硬い棒が、熱をもって私の足の付け根にすり寄ってきます。
691中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/03(金) 00:07:27.07 ID:TrtZvCrI
「雛子が欲しい。あんな姿見ちまったら、もう止めらんねぇよ。……入れて、いいか?」
 ちゅ、ちゅ、と硬い嘴が甘えるようにわたくしの後ろ髪を優しく啄んできます。
 その動きと呼応するように、わたくしの足の割れ目に当たる熱い棒も私の割れ目をノックしているかのようです。
 まさしく、入室の許可を求めるような動きです。わたくしは、頷いても良いのでしょうか……?
 ――ところで、わたくし、この声にとっても聞き覚えがあるような気がするのですけれど……。
 どうしてでしょう、その声の持ち主を思い出すと、風見鶏さんに抱きしめられているというのにたまらなく胸が甘くて苦しくなるのです。
 この気持ちはなんでしょうか? わたくしは、この声の方に抱きしめられて嬉しい……のでしょうか。

「雛子」
「あ、あの……んっ」
 焦らされていることをなじるように響く声と共に、少し棒がわたくしの中に入ってきました。
 先ほどのちいさな細いわたくしの指とは比べ物にならないほどの質量に思わず腰が引けそうになりそうになりますが、
 風見鶏さんはわたくしの腰をがっしり掴んだまま離してくださりません。
 早く頷かないと、わたくしは食べられてしまうのではないかというくらい、じりじりとした焦りのようなものを感じます。
 でも、それでも……わたくしは聞かずにいられなかったのです。

「あなたは……誰ですか? 風見鶏さん、なのですか?」
「…………」
 わたくしの後ろで、ため息をつくこの方は誰でしょうか?
 わたくしの体を閉じ込めんばかりに強く抱きしめて、今にも押し入らんとする荒々しさを持つこの方は誰?
 わたくしの名前を呼びながら、わたくしが欲しいと言ってくださる、この方、は……。

「……それは」
 ぐっ、と腰を引き寄せられました。
 少しだけ入っていた熱いものがまた深く入り込み、わたくしの中の何かに当たって止まります。
 何かに阻まれてそれ以上は入れないようです。
 そこで諦められるのかと思いきや、後ろの方は嬉しそうに、笑ったようでした。

「中で感じて、判断してくれ」
「え……っ? あ、あぁぁっ!!」
 もうそれ以上は入らないと思っていた場所から、ぐいぐいと押し入ってくるものがありました。
 それは鉄のように固く、溶鉱炉から出されたばかりのような熱をもって、わたくしを飲み込まんとするのです。
 わたくしが喘ぐように細かく息をすると、わたくしの小さな翼もパタパタと羽ばたいてその痛みに耐えているようでした。

「はっ、あぁ、いた……い、です……。いた……っ、あぁぁっ」
 わたくしの言葉を黙殺しながら、硬い棒はぐいぐいと押し入ってきます。
 これはいったい何なのでしょうか。本当に、鉄の棒なのでしょうか。
 わたくしを抱きしめているのは風見鶏さん? それとも……

「いた、いたぃ……っ、あ、あぁぁっ!」
「――っ」
 ブツッッと、何かを破るような感覚と共に熱い棒がわたくしの一番奥になだれ込みます。
 何が起こったのかわからない痛みとショックでわたくしが腰を震えさせていると、痛みの余韻も冷めやらぬうちに棒は引き抜かれていきます。

「あ……はぁ、んぁぁ!!」
 中の圧迫が消えて安心したのもほんの束の間、すぐにまた棒は奥深くへと打ち込まれました。
 わたくしの小さな体がガクガクと揺さぶられてはしたない喘ぎ声をあげてしまうのを止められません。
 まるでピヨピヨと鳴くヒヨコのように、わたくしは声をかすれた声を上げ続けたのです。

「あっ、あ……っ、あんっ、や、動かさない、で……あぁっ」
「…………」
 後ろにいる方は何も仰りません。ただわたくしの中へと棒を抜き差しするばかりで、何も言ってくれないのです。
 それがとても悲しくて、苦しくて、私は何かにすがりたくて手を伸ばしました。
 すると、そこにあったのは……

「あ……こ、れ……は?」
 後ろの方の首から下げられているであろうそれはわたくしの前に垂れ下がっていました。触ってみれば、それはわたくしの編んだ手編みのマフラーだということがわかったのです。これは呉亮さんに託して、呉亮さんが風見鶏さんに渡してくださった物。ということは……
 わたくしを、抱きしめている、この方は……
692中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/03(金) 00:15:30.28 ID:TrtZvCrI
「風見鶏さん、なのですか? あなたは……?」
 そう口にして、なぜかショックを受けているわたくしがおりました。 
 ずっと恋焦がれていたはずなのに、ずっとお慕い申し上げていたはずなのに、どうしてでしょうか。
 わたくしを抱きしめ、わたくしの中を貪らんとしている方が風見鶏さんだと思った途端に、なぜか悲しくなってきてしまったのです。
 では、どなただったら嬉しかったのでしょうか。わたくしの小さな胸は、貝殻がはじけたようにチクチクとした痛みを生み出し始めました。
 自分で自分の心の内がわからずに混乱していると、わたくしの体に出入りしていた棒の動きが止まりました。

「なんで……そうなるんだよ」
「え……。っ、あぅ!?」
 怒っているような悔しそうな声が響くとともに、突然わたくしは鋭く貫かれました。
 まだ先ほどの無理やり押し入られた痛みが後を引くわたくしにとって、その動きはとても性急過ぎます。
 痛くて声を漏らしても、全然わたくしのことを気遣ってくださる様子はありません。
 それが少し怖くて、それ以上に悲しくて、わたくしはいやいやと首を振り続けました。

「やっ、あぁ……っ、いた、い……! おねが、もっと優しくしてくださ……あぁぁ!!」
「あんな鉄鳥野郎のどこが良いっていうんだよ。あいつはお前に話しかけたりするのか? あいつはこんな風にお前を抱くかよ!」
「きゃあぁぁっ!」
 ガンガンと痛いくらいにわたくしの奥を突いてくる棒に、わたくしはいつのまにか喘ぎ声ではなく悲鳴を上げていました。
 すると口に何か押し込まるものがありました。それはわたくしが編んだマフラーです。
 一生懸命心を込めて編んだマフラーで、わたくしは声を押し込められてしまいました。

「雛子のことが、ずっと好きだった。雛子の髪が金から赤に変わった時には、もうお前のことしか見られなくなってた。それなのに、お前は、お前は……っ!
 わけわかんないものに、夢中になりやがって!」
「んん、んぅーっ!」
「俺のことが眼中にないってことくらいわかってる、それでも、俺は……俺、は……っ!」
 苦しいくらい強い抽送に、自然と目尻から涙がこぼれてきます。でも、はらはらと落ちる涙の滴はわたくしのものだけではありませんでした。
 わたくしの背中の翼を濡らすこの熱い滴は……もしかして。

「うっ、んん、んぅぅっ」
「雛子……雛子」
 うわ言のようにわたくしの名前を繰り返す悲しそうな声。
 名前を呼ばれるたびにわたくしは応えたいと思うのに、それも叶いません。

 わたくしには、この強いられている行為がなんなのかわかっておりませんでした。
 私の中に棒を突き入れて前後させるこの行為の先に何があるのか、わたくしにはわかっていなかったのです。
 わかっていたら、きっと、わたくしは。もっと違う形で受け入れたかったと、そう思うのです。

「も……出る……っ。雛子……!」
「んぅ!? ん、んぅっ!!?」
 出るって、なにが……。なにが、どこに、出るというのでしょうか。
 怖くて逃げようとしたわたくしは力でねじ伏せられ、離さないとばかりに力強い腕が閉じ込められてしまいました。
 ただひたすらに腰を高く上げさせられ、熱い杭を受け入れる事しかできなかったのです。

「――っく」
「んっ、んんんんーーーーーー!!!」
 あぁ……わたくしの中に、熱いものが出されてる……。
 ドクドクと注ぎ込まれ続けているこれは……なに?
 激しく前後していた棒はわたくしの一番奥にこすり付けるように制止し、どんどんわたくしのお腹の中が温かくなっていきました。
 棒の先端から吐き出された熱い液体がわたくしの中へと渦巻きながら注ぎ込まれていき、
 狭い子宮口の中へも余さず入り込んでいくのでした。
 わたくしは訳が分からなくて呆然自失してしまっていたと思います。
 その間に、ビクビクと震えるわたくしの腰を捉えて離さなかった腕がゆっくりと離れていきました。背後から深い深いため息とともに、苦痛に満ちた声も聞こえました。

「もう、俺はお前の傍にはいられない。こんなことをした俺を許してくれともいえない……」
 ズルリとわたくしの中から抜き出された棒は、もう硬さを失っておりました。
 彼はさっきまでの荒々しさはなく、ただただ悲しそうで辛そうで、わたくしはすぐに体を起こして振り返ったのですが、何にも見えません。
 今ほどわたくしは暗闇では全く役に立たないトリ目を疎ましく思ったことはありません。
 離れていってしまったぬくもりを求めて必死に手を伸ばしました。
693中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/03(金) 00:20:00.06 ID:TrtZvCrI
「まって……まって、ください」

 暗闇に向かって声をかけるも、返事はありません。
 足音もなく消えていく存在に、わたくしは自分でもわからないくらいの焦燥感を覚えました。
 だめです……彼をこのまま行かせてはいけません。わたくしは、わたくしは……彼を失いたくないのです!

「まって……いかないで……っ、呉亮!!」
 部屋に余響した叫び声に、やはり、返事はありませんでした。けれどわたくしは気付いていたのです。
 わたくしを抱きしめてくれたあの腕は、わたくしを欲しいと言ってくれたあの声は、わたくしの翼に涙をこぼしたあの方は。
 わたくしをいつも守って導いてくれていた、呉亮さんだったのだと。
 ぎゅっとベッドのシーツを握って、声が震えるのを自覚しながら、暗闇に向かって呼びかけ続けました。

「謝らなければならないのは、わたくしのほうです。呉亮はもう立派な男性で、わたくしももう大人の女とならなければならなかったのに、いつまでも幼いヒヨコのままでした。
 そんなわたくしを、呉亮はいつだって見守ってくださっていたのに……」
 ポロポロとこぼれてくる涙を止める術を知らず、わたくしは暗闇の中で目を閉じました。
 目を閉じれば、鮮やかによみがえる彼との想い出。卵の頃からずっと一緒だった、わたくしの大好きな呉亮の姿です。

 彼を男性だと意識したのは、いつからだったでしょうか。
 彼の黄色い嘴が雛のそれとは違って勇ましく鋭くなった時でしょうか。
 彼のトサカが立派な赤に染まった時でしょうか。
 流れる絹糸のような彼の飾り尾がわたくしの翼を撫でた時だったかもしれません。
 もう覚えていないくらい前から、わたくしは呉亮のことを男性だと思っていたのに、それを認めるのが怖かったのです。
 兄ではなくわたくしの想い人に変わってしまったら、今までの関係が壊れてしまうような気がして恐れていたのです。
 わたくしは、どういう形であれ呉亮を失いたくありませんでした。
 その我儘のせいで、わたくしはなんて身勝手で、残酷な仕打ちを、彼にし続けてしまっていたのでしょうか……。

「わたくしも、大人になります……。もう雛のままではなく呉亮と向き合います。
 だから……だから……」

 もう傍にいられない、そう言った彼を求めるように手を伸ばすと、ぎゅ、と握り返してくれる手がありました。
 温かくて、力強くて、わたくしの大好きな彼の手。
 戻ってきてくれたことが嬉しくて、わたくしの目からはまた涙が溢れてしまったのでした。

「いかないで……一人にしないで、呉亮、呉亮……。好きなの……。いっちゃ、いやぁ……」
「雛子……」
「ごりょぉ……ひっ、く……ごりょ、ぅ……すき……」

 泣きじゃくるわたくしに、優しい彼の嘴が降りてきました。
 そういえば、わたくしたちは口付けすらまだしていなかったのです。
 硬くて鋭い彼の嘴ですが、決してわたくしを害することはありません。
 嘴の奥からチロチロとわたくしの唇に触れてくる彼の舌が中に入りたいとねだるので、わたくしは唇を開きました。
 するとわたくし達はより深く繋がることができたのでした。
694中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/03(金) 00:23:07.51 ID:TrtZvCrI
「ん……ふぅ、ぅん」
 ぴちゃぴちゃと音を立てながら、呉亮がわたくしの舌を絡め取って味わいます。二人分の涙で、少しだけしょっぱい味のファーストキスでした。
 それでも呉亮とのキスなら嬉しいと思えるのですから不思議です。やがて呉亮は、正面からわたくしを愛おしそうに抱きしめてくれました。

「俺も、雛子のことが好きだ。……さっきは乱暴に抱いて、ごめんな。痛かったろ」
「はい、とっても……ふふふ。今度は優しくしてくださいね……?」
「あぁ」
 真っ暗で見えないけれど、わたくしたちはお互いに微笑んだのがわかりました。そして呉亮は小さく『ありがとう』と呟いてくれたのです。
 穏やかで優しい彼の言葉にわたくしはふかふかの彼の羽毛に顔をすり寄せ、やっと手に入ったぬくもりに幸福を感じたのでした。

 ――それから数か月後。ツバメの若者たちが旅立つ季節に、わたくしは一つの卵を産み落としました。
 あの時わたくしが大人になれていなかったら一人で生むことになっていたかもしれない、愛おしい人との間にできた卵。
 呉亮はいつでもわたくしの傍にいてくれて、一緒に托卵をしてくれます。
 それがとても嬉しくて、幸せです。

 わたくしは恋をしておりました。
 きっと、わたくしはあの風見鶏さんを通して呉亮を見ていたのです。
 立派なトサカに、雄々しい翼、優雅な飾り尾。それら全て、大人になった呉亮の姿そのものだったのです。
 今日もわたくしの部屋の窓の向こうでは風見鶏さんが佇んでおります。

 風を受けてくるくるり。
 タンポポの綿毛と共にふわふわり。

 わたくしが恋をした風見鶏さんは、いつまでもいつまでもわたくしたち家族を見守ってくださっていたのでした。


『恋するニワトリ』 終
695名無しさん@ピンキー:2014/01/06(月) 22:36:49.43 ID:Jh6858rX
GJ! イケメン鶏!
ニワトリの女性って金髪から赤髪になるのか。
696名無しさん@ピンキー:2014/01/07(火) 01:01:46.72 ID:3nzx07cm
GJ!
元ネタありだとしたら谷山さん?恋憂げながらも明るい雰囲気の曲だったからこういう展開になるとは意外だ…でも良い…
697名無しさん@ピンキー:2014/01/07(火) 11:18:41.84 ID:97JXsngo
投下乙です>中古奴隷の人
ニワトリと言うか鳥類系は久しぶりだよなぁとw
淡々とエロイのも独特の世界感だし、良いね。
698名無しさん@ピンキー:2014/01/08(水) 00:05:04.46 ID:pa7Akrf3
>>695 金髪→赤髪は私の捏造設定です。メスにもトサカがあるよ!とGoogle先生が言うので……
>>696 あの曲、最後一人で卵産んで終わるんですがなぜかPVだと有精卵でヒヨコ生まれてるんですよ。
3番と4番の間のあれこれを妄想した結果のコレでした。原曲ブレイカーですみません!
>>697 独特の世界観と仰っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。さぁトリさんもっと増えないかな!(チラッチラッ
699名無しさん@ピンキー:2014/01/08(水) 10:11:03.25 ID:u4hCG5/W
気持ちはわかるけどGJにレスはしなくていいんだよ!
エロパロ板の投下の暗黙の了解についてまとめてある場所は少ないんだけどこことか参考になる
Q&Aはここ!エロパロ板総合質問スレッド8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1377959120/

ところでチャットやったら来る人いるかな
避難所で言うべき話題なんだろうけどあっちあまり人いなさそうで
700名無しさん@ピンキー:2014/01/09(木) 03:50:32.56 ID:G0n4qzw8
ぅわぁ、いつもいつもすみません!
スレありがとうございます。勉強します!

チャット楽しそうですね。以前はチャットも盛り上がってたみたいですね。
自分は時差があるので、平日は無理でしょうが土日なら……
701名無しさん@ピンキー:2014/01/09(木) 06:13:32.93 ID:UIYtfRa2
こういう所のチャットって何話すんだろう
702名無しさん@ピンキー:2014/01/09(木) 08:13:20.59 ID:OMsGxJMk
来ればわかるよ。
たいがいカオスだからw
703名無しさん@ピンキー:2014/01/09(木) 15:09:37.23 ID:ATnTmlcU
完全に雑談の場って感じだったかな・・・・
あんまり創作については話さないような
704名無しさん@ピンキー:2014/01/09(木) 22:26:42.08 ID:d7r23By8
どこから行けるの? 覗いてみたい
705名無しさん@ピンキー:2014/01/11(土) 04:25:41.66 ID:rJtOwVtq
誰かが開催するもんであって、どこからいけるってのはないね
自分で開催して告知するか、誰かが開いてくれるのを待つかかな
706名無しさん@ピンキー:2014/01/11(土) 06:02:48.12 ID:UF1Qhsjj
>>699
言い出しっぺの法則というものがあってだな……
707名無しさん@ピンキー:2014/01/11(土) 21:47:45.08 ID:5XBbH7Z1
wikiで久々に羊と犬とタイプライター読み返したんだけど、やっぱ好きだな
708名無しさん@ピンキー:2014/01/13(月) 04:57:30.73 ID:aEFaGbzt
オコジョってもう出てましたっけ?
709名無しさん@ピンキー:2014/01/16(木) 00:43:32.21 ID:kuk8raTu
でてないと思うよ
710名無しさん@ピンキー:2014/01/20(月) 12:17:14.10 ID:4DIh++VE
ご無沙汰しております。夢日記を書いてるものです。
本年もよろしくお願いします。

早速ですが、wikiまとめサイトあるじゃ無いですか。

猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)
 ttp://www9.atwiki.jp/nekomimi-mirror/

ここです。ここを管理してる方、まだスレ見てますか?
もしご覧になってたら、ちょっとお願いしたい事があるんです。
面倒ですが伝言板を見てください。

よろしくお願いいたします。
711あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
712名無しさん@ピンキー:2014/01/21(火) 14:34:38.06 ID:NaDrVmoC
夢日記が消えた……読み返し中だったからショック。
もう公開しないの? それとも改稿?
713名無しさん@ピンキー:2014/01/21(火) 16:20:59.07 ID:bBue2U6f
夢日記公開終了ですか・・・・・・残念です
アップローダーは本家のは業者に荒らされてるので新しいのは良いですね
714名無しさん@ピンキー:2014/01/21(火) 22:16:40.90 ID:F+C84VkW
一旦削除、という事なので再投稿される可能性はあるんじゃないでしょうか。
本当の所は作者当人のみぞ知る、としか言いようがないですけど。
715あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
716名無しさん@ピンキー:2014/01/22(水) 22:11:24.91 ID:87WaqKKk
>>711
消されちゃったけど、こういうほのぼのラブも好きだ。
なんか前にどっかで出てた「拾ったオスヒトが成長しちゃってお姉さんぶってるのに敵わなくてうぎぎぃする猫娘」
の設定かな? ネタ拾って書いてくれてありがとう!
717仮ろだの人:2014/01/23(木) 08:18:47.69 ID:IO5QRQIU
なんで消されたんだ?と調べたら直リンクがだめだったようです。
無知で申し訳ないです。
ろだのトップを貼るぶんには問題ない……はず。
ちょっと貼れるか実験中です。
718中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/24(金) 01:27:46.15 ID:wPqV/iok
カメ短編 非エロ 続くかどうかは未定。投下しますー。
719中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/24(金) 01:28:48.06 ID:wPqV/iok
 あたしのご主人さまはカメだ。

 いきなりご主人さまはカメだとか言ってもなんの事かわからないだろうけどまぁ聞いて欲しい。
 うちのご主人様はカメだからずんぐりむっくりしててガタイがやたらと良い。それでいて動きがのんびりとしている。
 早朝から薪割を始めたと思ったら、お昼過ぎになってもまだ薪割をやってるくらい動きがノロい。でもそんなところが可愛い。

 あと、とっても力持ちだ。
 ある台風の翌日、家の前に転がっていた大岩を軽々と持ち上げてそのままズシーンズシーンと川辺へ運んでしまったくらいだからとても力持ちなんだと思う。
 そういえば、初めて出会った時に気を失った私を拾って家に運んでくれたのもご主人様だった。
 あたしは身長が170オーバーの大柄女だったから今まで私をお姫様抱っこなんてできるような男はいなかったんだけどね。力の強い男って素敵。きゅんとくる。

 そして、ものすごく無口だ。
 最初は言葉が喋れないか通じないのかと思ったくらい。
 初めてご主人様を前にした時のあたしは緊張と混乱でマシンガンの如く喋りまくりまくりまくった。でももう息がもたないぜってくらいになった所で、ご主人さまは一言。

『……わかった。ここに、いろ』

 そしてあたしの頭をポンポン撫でてくれたんだ。その瞬間にあたしはご主人さまに恋に落ちただと思う。
 無口で動きも遅くてぼけーっとしてるように見えるけど、あたしの話はちゃんと聞いててくれるんだもん。すごく嬉しい。

 見た目はお皿がない河童か何かみたいに見えるけど、緑色の肌はすべすべしてて触り心地が良い。
 くっついてるとあたしの体温が移ってだんだんご主人様が温かくなっていくのも愛おしいと思う。
 何より毛が無いのが良いわ。あたし喘息持ちだから、これがネコとかイヌとかのご主人様に拾われてた日には悲惨だったと思う。

 あぁ、あとご主人様について特筆すべき点がもう一つあった。
 カメって甲羅があるじゃない? そうそう、あの背中に背負ってる甲羅よ。
 もちろんご主人さまも普段からあの重そうな甲羅を背中に背負っているんだけどね、なんか時と場合によってはあの甲羅を全身で覆うことも出来るみたい。
 何を言ってるのかわからないって?
 じゃああたしが初めてご主人さまと出会った時の話をしようかしら。
 あの時のあたしは、この異世界に落っこちてきて早々に、死にそうになってたんだ。
720中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/24(金) 01:31:23.04 ID:wPqV/iok
 この世界に落ちて早々、あたしは毛むくじゃらで、足が六本あって、鋭い牙を持つ訳のわからない魔物に襲われた。
 無我夢中で逃げて、それでもやっぱり追いつかれて、もうダメだって目をつぶった時。
 目の前にいたはずの魔物は、ギャイーーンって情けない悲鳴をあげながらどっかに吹っ飛ばされていった。
 そして……あたしはみたんだ。
 まさしくラグビー選手のように勢いよく魔物にタックルをかます……緑色の生き物(?)を。
 なんで(?)が付くかって言うと、だって……見た目が、どう見ても、生き物じゃなかったから。
 緑色のフルプレートアーマーのようなゴツゴツしたメカメカしいその風体……。

 な ん だ こ の 動 く 鎧 

 あれだよあれ。あたしは詳しくないけど、お兄ちゃんが夢中になってたガン○ムを緑色に塗ったような、そんな感じ。
 緑色の体なんだけど、体には赤いラインが入ってて、目尻にキリッと勇ましい模様があった。
 どーみても生き物じゃない、なにこれ、なんでこんなんが助けに来るの?
 でも今にして思えば、後にも先にもこんな機敏な動きをしているご主人さまを見たのはこの時だけだったから、もっと目に焼き付けとけばよかったなぁ。
 頭ん中パニックのあたしだったけど、ガチャガチャと金属音みたいな音を立てながら近寄ってきた緑色の謎の鎧男に悲鳴を上げて――多分、あたしは失神した。

 次にあたしが目を覚ました時にはご主人さまの腕の中だった。
 あたしはまさしく『ザ・お姫様抱っこ』スタイルで運ばれていて、さっきも言ったけど、そんなことされるのは初めてだったからもうすんごくビックリしたわけ。
 そしてさっきみたメカメカしいゴツゴツした体じゃなくて、しっとりと吸い付くようなもちもち肌でそれにもまた更にビックリしたわけ!
 一瞬さっきの鎧男と目の前の河童モドキが結びつかなくて硬直しちゃったくらいだったけど、でも、すぐに同じ人物だってわかった。
 なんだろ、雰囲気? カン? よくわかんないけど、あたしは「あぁ助かったんだ」って安直に安心してまた気を失っちゃったんだ。

 その次に目を覚ましたのは、ベッドの上。
 あたしは裸で、あたしの上にのしかかっているご主人さまももちろん裸で。その端正で引き締まった体にあたしの目は奪われた。
 ……ついでに立派な、アレ、にも。

 いきなりの事でビックリしたあたしは、ご主人さまに組み敷かれながら「状況の説明を求む!」とか「あたしは処女ですよめんどくさいですよそれでもいいんですか!!?」とかわめいた後に
「そうだ、まずは自己紹介を!! あたしの名前は――」「出身は――」「最終学歴は――」「仕事は――」「飼ってるペットは――」「好きな食べ物は――」とか、
 とにかく喋りまくった。
 目が覚めたと思ったらいきなり訳のわからないことをわめき始めた女をご主人さまは興味深げに見ていたけど、
 あたしの上で静止したままあたしの話に律儀にいちいち頷いきながら聞いてくれた。
 そして、最終的にご主人さまがあたしに言った言葉は、前述のとおり。

 あぁ正直に言おう、あたしはきっと一目惚れしたんだ。
 このメカなんだか生き物なんだか、人間なんだか河童なんだかよくわからない緑色の体躯の男に、何故かあたしは惚れたんだ。
 我ながら単純極まりないと思うけど、この人の傍はホッと出来てなんだか心地良いことにすぐ気付いたんだと思う。
721中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/24(金) 01:33:35.04 ID:wPqV/iok
 そんなわけで、めでたくご主人さまの元で過ごすことになったあたし。
 毎日毎日、イチャイチャラブラブしながら暮らせてすごく幸せだし不満は何にもない。
 普段はのんびりゆっくりとしてるご主人さまだけどね、ほら、カメって、一応……肉食だから。夜はもうメロメロですよ。
 興奮してくると皮膚が固くなってあそこも固くなって、本当に貫かれてる気分になる。
 それでいてスローセックスだから絶頂がずっと長く続く感じで、終わった後はヘトヘトになるけど、それでもあたしは毎日元気です。
 だけど、未だにちょっとご主人さまとの生活で慣れないことがある。
 それは――

「ねぇねぇご主人様、コウタロウ様。今晩の御夕飯は何が良いですか? あたし、腕によりをかけて作りますよ」
「…………」
「ご主人様、コウタロウ様。無言だとわかりません。どうかその低音で色っぽい声であたしの心と下半身を揺さぶりながらお答えいただけませんか?」
「…………す」
「? はい? なんですか? もう少し大きな声で言っていただけませんか?
 それかあたしの耳元で囁いてくださるともうあたしの腰は砕けてトロトロになってしまいますよ。
 どこの何がトロトロになるのか? はいそれはご主人様自らがご確認くださいませ」
「……」

 するとご主人さまはゆっくりゆっくりとスローモーションのように私を抱き寄せながら、あたしの耳元で、あたしのお願い通り、低音セクシーボイスで囁いてくれた。
 あたしは内心で狂喜乱舞しながら、ご主人さまの言葉を一言一句聞き漏らすまいと、耳を傾けた。

「……おいは、おはんが作う料理ならなんでんすっじゃ。ねんじゅ、あいがとう」

 ……。

 …………。

 うん、何言ってるオラさっぱどわかんね!

 ごめん、ご主人さま、未だにそのキッツイ訛りには慣れないわあたし。
 しかーしあたしのスーパー異世界翻訳の解析によると「俺は、お前が作ってくれる料理ならなんでも好きだ。いつも、ありがとう」と言ったに違いない!!
 おぉ、今日は珍しく長文を喋りましたね、ご主人さま!
 この世界の事やご主人様自身の事を話してくださるのに、一日一言で数か月かかったって言うのに、大した進歩です!

「そうですか? じゃあ今日はご主人さまの好きなこふき芋と、山菜蕎麦にしましょうね!」
「…………」

 あ、嬉しそう。もー、可愛いんだから、ご主人さまったら!
 そんなにぎゅうぎゅう愛おしそうに抱きしめられたら、嬉し恥ずかしながらあたしもっともっとご奉仕したくなっちゃいますよ?
 ずっとずっとあたしを離さないでくださいね、ご主人さま!

 
722中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/01/24(金) 01:37:10.93 ID:wPqV/iok
以上です。続きは未定です。
723名無しさん@ピンキー:2014/01/24(金) 02:06:56.43 ID:pVU/K6a7
変形するスローな亀ご主人面白かったw 乙ですー!
724仮ろだの人:2014/01/25(土) 21:06:34.61 ID:VBkA6NEz
ひょっとして現アップローダー完全に死んでます?

仮ろだはどうあっても直接スレに貼れないみたいです。
wikiのどこかにリンクしようと思ってもスパム認定食らってしまったので
八方ふさがりですね
725名無しさん@ピンキー:2014/01/25(土) 21:28:51.42 ID:HkvQkqWb
wikiの伝言板に書き込んでみてはどうだろうね
あっちなら見てればだれかやってくれるかも
726名無しさん@ピンキー:2014/02/02(日) 06:07:19.83 ID:fH3mtqlU
連投すみません。 カジキ♀×オスヒト短編 非エロ 投下逃げ。
727中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/02/02(日) 06:09:30.23 ID:fH3mtqlU
 俺は口下手だと思う。ついでに言えば気が弱い方だ。
 もうずいぶんと長いこと『これじゃ駄目だ』と自覚しながらも、その性分を変えられずにいる。
 他人のお願い事を断る事も出来ない性質で、安請け合いが原因で自分の首を締めることもしばしばだ。
 いつだったか、大学時代の友人にこんなことを言われたことがある。
『お前はいつか他人の借金を背負いこんで破滅しそうなタイプだな』と。 
 奴の言葉は、なるほど確かに的を射ていたのかもしれない。
 俺はどうしてもと頼み込まれれば無碍に断れない性格だし、おまけに口下手だから逃げの口実も口に出来ず結局首肯するしかない。

 良く言えば『親切で堅実』悪くいえば『主体性を待たない、根暗で地味な奴』
 それが俺、佐々木正宏(ササキ マサヒロ)という男なんだろう。

 25歳、地方の中小企業に務める営業サラリーマン。
 到底営業職には向いていないと思える俺だけど、どうしても人数が足りないからと課長に頼み込まれて、何故か事務から営業へと回された。
 人と関わるのが苦手だから事務を希望したのに、どうしてこうなった。
 当然営業成績なんて伸びる筈もなく、いつも掲示板に張り出されている俺を示す縦に伸びる棒線は『今月の達成目標』と名の付く横棒線と交わることがない。
 それどころか俺の名前が書かれた名札と近接していて、月毎の成績を棒線で繋げば地の底を這っているような惨憺たる有様だ。
 クライアントに頭を下げ、営業部長に頭を下げ、親にまで実家に住んでいながら給料が低くて家に金を入れられないことを謝る日々。
 生活の全てが、俺の胃に電動ドリルでも使ってゴリゴリと全力で穴を開けにかかってるとしか思えない。
 こんな性格の俺に外回りの営業なんて無理に決まってるじゃないかと愚痴をこぼすのは既に日課になってすらいた。

 しかし、わかっている。こんな状況に追い込まれているのはひとえに自業自得なのだと。
 他人の『どうしても』を断れない自分自身が蒔いた種なのだということを。
 俺はもし生まれ変わりというのがあったら、今度は自分の意思はハッキリと言える男になりたい。
『NO』と言える日本人。それだ! それこそが俺に足りないものだ。

 その決意を胸に。
 では、いま……。俺はどうしたらいいだろうか。
728中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/02/02(日) 06:13:43.30 ID:fH3mtqlU
「ねぇ、だからマサヒロぉ……。おねがい?」
「…………」

 さぁ、どうした。俺は生まれ変わったら自分の意思をハッキリと言える男になるんだろう。
 ここで己の信念を曲げるのか。あれほど自分の心に訓戒として刻み込んだ言葉を、何故、言わない?
 いまだ、今ここで己の真価を発揮するんだ。そのタイミングは今しかない!

「お、俺は……」

 そうだ、いいぞ。その調子だ!
 乾いた唇を開けば引きつるような痛みが走ったが、俺の唇事情なんぞ相手にはわからないだろう。
 俺のカサカサな唇とは違ってぷっくりと赤く色づいた柔らかそうな唇が困ったようにへの字に曲げられていたとしても、俺は言うべきことを言う。
 ただそれだけの簡単なお仕事だ。

「俺は……」
「うん?」

 サンゴ礁が美しく見える海のようなエメラルドグリーンの艶髪が、俺の言葉を待つようにサラリと揺れた。
 その瞳は懇願するように俺を見上げてきて、手元は恥ずかしそうにもじもじとしていて忙しない。
 なんとも庇護欲を掻き立てられるその少女は俺のご主人様だ。カジキという種族らしい。
 何の因果か、獣人が人間で人が奴隷というこの世界に落ちてきてしまった俺はこのカジキの少女に拾われた。以来、この少女の家でお世話になっている。
 今俺たちがいるのは家のバルコニーだ。美しく輝く青い海に面したバルコニーで俺は……窮地に立たされていた。

「その、えっと……。そういうことは、お互いに好き合ってるというか、愛し合っている者同士でするべきだと思うんだ。だから……」

 俺が勇気を振り絞ってそこまで言った時だった。
 晴れ渡った夏の空のような青い瞳が、途端に雲行き怪しい雨模様へと移り変わっていく。

「なにそれ……じゃぁ、マサヒロは私のこと好きじゃないってこと……?」
「え、いや。ちが……」

 しまった、言葉選びを間違えた。まずい、このままじゃ小雨では済まない。
 夏の夕立は予想がつきにくいとはいえ、これは俺にだって予報できたことだっていうのに!

「マサヒロは私のこと嫌いなんだ?だから私じゃなくってお姉ちゃんとだけエッチなことするんだ!? なによそれ、酷いよ!!
 私たち双子なのに、お姉ちゃんと私、なんで差別するのよ! 私だって……マサヒロのことがっ……マサヒロのことが……う、ひっく……」
「ち、ちがう! ミリア! 俺とマリアとはそういう関係じゃ……」

 少女の目に溜まった涙がポロポロと滑らかな頬を滑り落ちていく。
 それを見て俺は心の中で「嗚呼……」と嘆いた。
 既に自分が失敗したことを悟ってしまったからだ。

「じゃあなんで毎日毎日、お姉ちゃんの部屋に行ってるのよ!」
「あれは部屋に来てくんなきゃ話聞かないってマリアがわがままを言うから……」
「うそ! 絶対エッチなことしてるに決まってる!! マサヒロを最初に見つけたのは私なのに。どうしてお姉ちゃんとばっかりエッチするのよぉぅ……!!」
「だからそんなことしてな……!」

 今更悟ったところで、もう逃げることも弁解することも遅すぎる。かくなるわが身の上は、一つ……だ。

「もう知らない! ばかっ! マサヒロなんて……っ、マサヒロなんてっ! …………っ、大好きだぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!??」

 どっかーんとばかりに突撃をかましてきたカジキ娘の体当たりを避けられる訳もなく、俺は身体中の空気という空気の全てを排出しながら
 背後に広がっていた青い青い海に身を沈めることとなった。
729中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/02/02(日) 06:14:52.48 ID:fH3mtqlU
 あぁ、不味い。俺、ツンダかもしれん。
 ほらキラキラ輝く水面がどんどん離れていくよ。こうしてみると世界って本当に綺麗だな。
 地球は青かった……なんてことを今しみじみ思わなくたっていいのに。いやここ地球じゃなかったか。

『マサヒロのお嫁さんになるのは私なんだもん! お姉ちゃんなんかに譲らないもん! マサヒロとエッチなことするのは私だけなんだからぁぁ!』

 水の中でもどういう訳か喋ることができるミリアが俺を抱きしめながら何か叫び続けているけど、その声すらも遠くなってきた。
 もう俺は何も言えずに、ただミリアの長くて美しい髪が水のうねりとともに靡く様をただ見つめるばかり。
 短い人生だった……そうしみじみ思いながら。

 次に生まれ変わったら、俺は自分の意思をハッキリと言える男になろう。
 うん、次こそは必ず。
 決して、恋の悩みを本人の双子の姉に相談するようなヘタレ男にはならないと誓おう。
 ぐだぐだ悩んでないでさっさと告白していれば良かったんだバカタレめ。
 相手はオツムが足りないアホの子だということを失念していたのか。
 でもそんなアホで泣き虫で放っておけないような危なっかしさに惚れただなんて本人に直接言う機会はもうないんだろうな……。

 あぁもう後悔したって遅い。遅いんだ。俺の思考はこの広大な海よりも深く沈んでいくんだ。
 ふっ、潮水がしょっぱい……ぜ……

『お姉ちゃんよりも私の方が気持ち良いってことわからせてあげるんだから! わかんないんだったら私たち一緒に比べて……って、マサヒロ!?
 マサヒロ!! やだ、私ったらついうっかり!』

 ついうっかりで殺されてたまるか、と。
 俺は深淵よりも暗い思考の渦に引き込まれながらアホの子にツッコミを入れるのだった。
730名無しさん@ピンキー:2014/02/02(日) 06:17:52.68 ID:fH3mtqlU
以上です。空気読まず直貼り失礼しました。
ロダ動くといいですねぇ……。
731名無しさん@ピンキー:2014/02/08(土) 22:20:55.50 ID:P/RqsQR8
カジキとのラブロマンスは命のやりとり
732名無しさん@ピンキー:2014/02/12(水) 09:59:43.49 ID:Ys0tkmtS
かりろだにうpしたよ
青少年のあれだよ
733名無しさん@ピンキー:2014/02/13(木) 19:41:45.70 ID:C7mMqkmx
読んできた。じーちゃんGJ!
734名無しさん@ピンキー:2014/02/14(金) 21:22:28.81 ID:6VCtegWT
ロダの方に カジキ短編の新作を載せました。
バレンタインネタで微エロなギャグです。
カジキがマイブーム……!!
735名無しさん@ピンキー:2014/02/17(月) 18:27:07.14 ID:IrCpRev+
画像認証ェ……
736名無しさん@ピンキー:2014/02/18(火) 00:25:22.76 ID:rGwHCyka
これって規制対策なのか? 今まで規制されてた人もカキコできると聞いたんだがどうなんだろうか?
737名無しさん@ピンキー:2014/02/22(土) 21:43:00.39 ID:e6I75eOm
ロダ更新されてるね
ケダマ! ケダマ!
738旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/02/25(火) 11:08:03.88 ID:jvKMLAB6
>>679の者、改め、旅の人です
ロダのほうに上げました
エロあり、百合なのでご注意を
旅に出る筈なんだけどなぁ、何時になるのか……
題名、考えたほうが良いのかな
739名無しさん@ピンキー:2014/03/06(木) 02:23:44.73 ID:k7Txt7ms
>>681
その昔、ニワトリを最初に書いた者ですが、ニワトリ男は翼の先に手がありました。
ニワトリ女は設定してなかったので、自由でいいと思います。
保管庫に収録されている分類が「サカナ」なので、多分、気づかれてはいないと思います。
740名無しさん@ピンキー:2014/03/06(木) 20:22:59.70 ID:cfmHcTC5
>>739
ご指摘ありがとうございます。
ニワトリ男に関しては自サイト保管分には加筆修正をします。
設定の読み込み不足、大変失礼致しました。
741中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/06(木) 20:31:06.46 ID:cfmHcTC5
月光にて連載中の『中古奴隷とドSなご主人様』は第二章まで完結致しました。
本スレの皆様の温かい応援、本当にありがとうございました。
今後は第三章開始前に番外編とスピンオフ新作を展開予定です。
また、第三章より、現在専属でついていただいている絵師様に加えて、新たに二名の絵師様をお招きすることになりました。
いずれの方も稚作よりこちむいシェアワールドにハマり、是非描きたいと仰っていただけた方々です。
イラストからこちむいシェアワールドを沢山の方に知っていただき、盛り上がっていけば幸いに思います。
わたくし中古奴隷の人は、これからもこちむいシェアワールドを応援して参ります。
それでは報告だけの書き込み失礼いたしました。
742名無しさん@ピンキー:2014/03/08(土) 11:05:35.48 ID:JFK4bd3/
ところで、2chではアフィブログとかへ転載禁止の流れだけど、ピンクはどうなんだろう?
無料wikiにも広告挟まれるから、jimの判断一つでまとめサイト禁止になりそうな気がするんだけど。
743名無しさん@ピンキー:2014/03/08(土) 20:59:01.39 ID:R4GIxBvS
皆投下があるのになぜ感想を書き込まないのか

>ひな祭り話
ロリコン乙。
マダラにはヘタレか変態が多いいまげある

>旅の話
ノマもいいけど百合もね!
仮でもタイトルあったほうがまとめてくれる人が便利かと
744名無しさん@ピンキー:2014/03/10(月) 13:14:45.63 ID:y6Xa0NMQ
確かにマダラはうじうじ系のめんどくさい性格か
かヒャッハー系変態のイメージだな
745中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/11(火) 00:15:47.23 ID:mk3NETN/
>>744 ヒャッハー系の変態www クッソwww
マダラって珍しいのかと思ったら、ネコだと三割くらいの割合でいるんだな。
もっと希少なのかと思ってた。
746名無しさん@ピンキー:2014/03/11(火) 00:21:02.03 ID:mk3NETN/
あ、トリ消し忘れたBAKA!死 ス、スルーよろしく……
747名無しさん@ピンキー:2014/03/11(火) 23:18:43.50 ID:FU+a0nt+
生まれつき他人より体が弱くて、そのくせ頭はよくて……
っていうと鬱屈したり歪んだりするのもわかる気がする。
あと、完全無欠なイケメンは書いてて腹立つ
748名無しさん@ピンキー:2014/03/11(火) 23:42:13.16 ID:dC/cfdNQ
おっと。出来杉クンの悪口はそこまでだ。
749名無しさん@ピンキー:2014/03/12(水) 22:40:35.01 ID:YSO4NKLq
ふと思い出したので来てみた。
やあみんな元気? 何人まだ残ってる?
750名無しさん@ピンキー:2014/03/13(木) 20:06:12.59 ID:zoLICi+S
最近新しい人増えたよ おかえり
751旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:51:27.92 ID:rQuAnekU
書き上がりましたので、上げていこうかと
怒涛のガールズトークッ! ……かなぁ?
752旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:54:55.78 ID:rQuAnekU
控えめなノックが響く

「誰だ?」
「お父様、私です」
「おぉ、マリー……どうかしたのか?」

重厚な扉を押し開きマリーは室内に入る

「……レス、か?」
「いいえ、レシアよ」
「ほぅ……良かったな、嫌われていなくて」
「……えぇ」
「もう寝ろ、召使いに示しがつかんだろう?」
「酷い言い方ね」
「方便と言う奴だ」

踵を返し、マリーは扉を開くその時、声がひとつ響く

「護衛の術を教えなきゃいけなくなる」
「…………レシアは逆らえない、それだけを言っておくわ」
「心しておこう」

マリーは一人、部屋を退出し
後に残ったのはハーネスだけだった

「しかし、レシアがメスヒ……いや、女だったとはな」
753旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:55:37.45 ID:rQuAnekU
一方、レシアはと言うと

「……何で、こんなに豪華な食事が用意されて!?」

用意されていたのは、ブッフーシチュー、バケットにサラダだった
レシアが何時も食べていた物は、スープ、バケットとミルクだ、大きな違いである
因みに、丁寧にも「レシアさんの夕食です」と日本語で書かれていた

「全く……」
「レシアさーん、食べないんですかー?」
「食べるわよ!?」
「おっ、レシアさんの女言葉ー」
「悪い!?」
「マリー様が、之をと……」

最後に来た3人目の召使が渡して来た物は、メイド服、それもフリッフリの白黒反転カラー
特注だろう、飾りが多いが、意外に動きやすそうではある

「メイド服……ってこれ付け耳と尻尾つき、しかも奴隷用の材質じゃないし」
「つまりー、ヒトではなくー、人間になれって事ですねー?」
「レシアさん、彼方は旅の付き人なんですよ?」
「でも、メイド服って……召使じゃ?」
「もし駄目なら、此方をと申し使わされております」

次に渡されたのは、なんと――ドレスだ、先ほどのメイド服とは打って変わって、動きにくそうである

「だから! 何で! チョイスが逸れてるの!?」
「無論、マリー様だからだと」
「あぁ、納得したわ」
「凄い説得力だねー」
「他には?」
「"命令"にて此方は禁止されておりますが……」

そう言って出されたのが、燕尾服、これが一番好いのだが、禁止されるのも無理ないだろう
754旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:56:25.33 ID:rQuAnekU
「……メイド服で」
「畏まりました」
「というより、何で彼方はそんな口調なの」
「癖でございます」
「……レシアさーん、ご飯、冷めちゃいますよー?」
「あぁ、もうっ! 対応が追い付けなくなるでしょう!?」

マリーが割り込む、がレシアは気付かない

「それでも、追いついてる彼方が凄いのよ?」
「ですけど、その所為で倒れる召使も居るんです!」
「うぅ、それは……申し訳ないけど」

少し離れた場所でマリーとレシアを除いた召使が声を潜める

「凄い、勝手に敬語になってる」
「声だけで判別している様です」
「それってー、長い付き合いだからー?」
「そうではなく、もっと強く通じておられるようですね」
「「何故分かる(のー)?」」
「……ふふふ、レシアさんの発情顔はこの目に焼き付けてありますから」
「「えっ!? ずるい……」」

大人気のようだ

「って、マリー様……どうかされました?」
「皆で一緒にご飯食べようかな、って思ってね」
「……彼方たちも席に着きなさい」
「分かりました」「はーい!」「畏まりました」
「個性的ね?」
「えぇ……とても」

席に着き食事が始まる
マリーは早速、口に料理を運ぼうとしていたが召使たちは一言告げて手をつける
755旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:57:34.32 ID:rQuAnekU
「「「「頂きます」」」」
「あら、何それ?」
「元の世界では、私たちの血肉になって支えて貰う食べ物に感謝をして――」
「――頂きますって言うんですよー」
「例えば、ブッフー……彼らもまた生きております」
「その肉を食し、我が身に変える」
「大切なことですが、その分、命がまた変わって行くんですよ?」
「そう、だから……感謝を込めて”頂きます”を言うんですよ、マリー様」
「……なるほどね、素晴らしい考えよ」

マリーもまた彼女たちに倣い「頂きます」と呟いた

「〜♪」
「あ、いい笑顔」
「確かにー」
「またも、この目にしかと焼き付けました」
「私も、ね?」

レシアの表情が少し強張る
機嫌がずれた証拠である

「……只今より、質問会を開催したいと思います、ルールは明快、無礼講と言うだけ」
「「「良かろう、受けて立つ!」」」
「面白そうね……いいわ、やりましょう」

何故か緊迫した空気が流れる
第一発言者はレシア

「んー……私の質問は、『今まで私の部屋に侵入した回数』」
「うっ、いきなり痛い所を」
「……1日に4回程」
「私も同じくらいかなー」
「……2・3回」
「えっ、マリー様まで!?」
「……質問と答えが逸れている気がするよー?」
「それはご愛嬌で」
756旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:58:52.24 ID:rQuAnekU
少々、白熱してきた質問会
第二発言者は、特徴的な話し方のアヤ

「それでは私めが質問するのは……『自慰の方法』でも」

空気が凍る、レシアはアヤを除く全ての目を見てから

「満場一致で却下」
「……無礼講、でしたね?」
「うぐっ」
「んー……私はー、軽い媚薬使ってるかなー?」
「……わ、私は…………指、です」
「何で気にするのかしらね、私は普通に張り型を使ってるわ」
「私は……あれ、してなかった」
「「流石っ! 執事長!」」
「ほほぅ、では今までして来ていないと?」
「……マリー様とはさっき致しちゃったけどね」
「そうね、凄く可愛かったわ!」

べた褒めである、そして、恥にまみれた質問会は何処へ行こうと言うのか
第三発言者、間延びした話し方のエリ

「えーっとねー、それじゃー『好きなヒト、またはトラさん』でー」
「マリー様一筋!」
「あら、嬉しいわね、勿論私はレシアよ」
「あらあら、アツアツですね……私はレシアさんです」
「右に同じく、私めもレシアさんです」
「……後学までに聞くけど、同姓愛好者ですか?」
「「「イエス、マム!」」」
「私はどっちも大丈夫よ」
「さいですか……いや、差異ですか」

かなり熱く語り合う彼女たち
第四発言者、この状況では寧ろ異常なサツキ

「ちょっと空気を変えましょうか、『特技または、一発芸、その他』で」
「また描写が……いちいち面倒そうな物を」
「しかし、それもまた一興と言うものです」
「そうだねー」
「それじゃあ、マリー様からどうぞ」
「私から? ……そうね、料理が得意よ」
「「意外だ……」」
「マリー様に失礼でしょうサツキ、エリ」
「然様ですね、事実、非常に失礼かと」
「いいのよ、私は気にしないし……トラって苦手なものってとことん苦手だから」
「ほらー、マリー様許してくれたー!」
「だから、それが失礼だと……」
「次はー、私ー……軟体運動が得意っ!」
「間延びして無い!?」
757旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 03:59:50.06 ID:rQuAnekU
席を立ち、バク宙をしてそのまま着地
その後にブリッジから手を支点に立ち上がり、ポーズをとる
見事な物だ

「「「「おぉ〜」」」」
「えへへー、これでも毎日ストレッチは欠かさないからねー」
「……私は、護身術を少し」
「レシアさん、そんなのやってたんだ!」
「……では、少し私と手合わせを願えますでしょうか」
「…………いいわ」


既に空になった食器を下げ場所を移動する
その先は、トラ達が良く使う決闘場のような場所だ、といっても
簡単に言えば、道場のようなものだ
二人の召使いは道場の中心に立ち礼をする

「さて、来なさい」
「……(隙が無い)」

レシアは何の構えもしない、つまり直立だ
一方、アヤは腰を落し、重心を落した姿勢だ
膠着から一変、アヤが動く

「ふっ―――」
「んー、だめ」

レシアは、突き出された鋭い貫手を簡単に捌く
そのまま捌いた手で肩を掴み、右足を相手の右足にかける――大外刈りだ
その時のレシアの顔は凶悪に笑みを浮かべていた

「(んなっ…)ふあっ!?」

完全に不意を突いた一手、体制を崩し倒れきる前にその体が止まる

「……彼方の負け、この体制で止められたら動けないでしょう?」
「うっ」

レシアの言うとおり、アヤは暴れたら
レシアに支えて貰うか、地面に背を打ち付けるかの二択だった
758旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 04:00:35.62 ID:rQuAnekU
「私の負けです、レシアさん」
「えぇ、いい貫手だったわ」
「凄いわね、あれだけで終わっちゃうなんて」
「(レシアさんのあの顔……)」
「凄い短かったねー」
「それだけ、濃密な一合だった、て事よ」
「……それにしても、もっとやり合わないの?」
「ヒトの勝負は、相手に敵わないのなら大人しく降参を決める物なのですよマリー様」
「そうなの……トラと戦ったら絶対に馬鹿にされるわよ?」
「そー言う、マリー様もトラですけどねー」
「あら、私が言ってるのはレシア彼方によ?」
「えっ!?」
「彼方は私と旅に出るんでしょう?」
「……ふふっ、そうでしたね」
「あぁ、そう言えば」「そうだったねー」「……(怖い)」
「お父様から護衛法の訓練が在ると思う」
「心得ております…………私は、マリーを護るためなら出来る限りの事をする」
「! ……そう、お願いね」
「うん……それではマリー様」
「えぇ、そろそろお開きね……レシア」
「お送りしますマリー様」


「……レシア、さっき―――」
「何も言わないで下さい、マリー」
「でも……」
「いいですか、私は殺しに何の躊躇いも無くなった者ですから」
「……」
「私は、殺せと言われたのなら……彼方も殺しましょう」
「……彼方の心はどうなるの?」
「もう、十分満たされていますよ?」
「ずるいわね」
「十八番です」
「……本当にずるいわ」


静かな部屋、そこには新たな名を貰った彼女がいた
とてもにこやかな笑顔を浮かべて

「本当に……嬉しいんだよ? マリー」
「私の事を救い上げてくれた存在、どんなに満たされる事か判らないでしょう?」
「ずるくて、騙し騙しな私だけど、彼方の事は信じれる……」

レシア、彼女はただ一人呟く

「ありがとう、マリー……」
「えっ、なっ、なにを……っ!? …………『騙されたら、どうなっちゃうか判らないけど』」

最後に響いたのは、多数の老若男女の怨嗟を交えたような声だった
更に声が続く

「『彼方は……いや、お前の体は実に居心地のいいモノだな』」
「……やめっ!」
『私たちには抗えないよ?』
『だって君がこの体に入れてくれたんだもの』
『我らもそれを無碍には出来ない』
「か、勝手に……入って、来た…………のにっ!」

拒絶の声は誰にも響くことは無い
759旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/03/15(土) 04:29:51.58 ID:rQuAnekU
以上です、ちょっと長めでしたね
…………二人旅(仮)、でお願いします
760名無しさん@ピンキー:2014/03/15(土) 23:37:25.23 ID:Taa1kfvF
>>759 投下乙!! 百合っ子百合っ子!!
ただ、誰がなに喋ってるのかわからないかも。アヤとエリはなんとなくわかるけど。
これからも投下楽しみにしてる!
761名無しさん@ピンキー:2014/03/17(月) 06:25:48.97 ID:GfNxi9o5
 短編載せます。
 元ネタは映画『シカゴ』より『Cell Block Tango(刑務所のタンゴ)』
 あまりにもこの曲が好きすぎて、こちむいで妄想した結果こうなりました。
 最近よく公開PROXY認定されるので投稿中にブロックされたらすみません。時間を置いて、続き投稿します。
762名無しさん@ピンキー:2014/03/17(月) 06:26:44.35 ID:GfNxi9o5
 俺は雑誌記者だ。
 今日はとある取材の為に、刑務所を訪れている。
 ここは犯罪を犯したヒトを収容する特殊刑務所で、しかもメスヒト専用の女刑務所だ。

「ヒトの人権が認められつつある昨今ですが。ヒトに力を与えるべきではないと言う声もまだまだ、確かにあるんですよ。本日はその主張の裏付けを証明すべく取材にお越しいただきました」

 俺の前を歩くのは、ヒトの反人権運動家の男だ。
 この男は本当にプロトタイプの前時代的な考えの男と言えるだろう。なにせ、ヒトと人間の婚姻すら撤廃すべきだと声高に叫んでいるのだから。
 俺は正直、この取材は気が乗らない。しかし今、世間ではメスヒトの有名女優が、自分の妹とイヌである旦那を殺したという殺人事件の話で大いに賑わっている。
 それを受けて、こういう類いの反人権運動の記事が望まれているというのも仕方ない。

 ――この記事が載る刊は、絶対にうちのカミさんの目に触れないようにしなきゃな……。

「ここに収容されている囚人は、全て、人間に刃向った者達です」
「……刃向った、と、いうと?」
「自分の主人を殺したメスヒトということですよ。彼女らは非常に凶暴だ。既に死刑が確定している者も多い」

 男は得意げに話している。 
 人間に刃向った……ほう。そう言う言い方をするのも、こいつが頭の固い奴という証拠なんだろうな。
 そこまで自信たっぷりにいうなら、相当凶悪なメスヒト達なんだろうな。

 さて、それでは。
 一人一人、彼女達の言い分を聞いて回ってみるとするか――。
763中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:28:04.96 ID:GfNxi9o5
【ケース1 『パチン!』】

 あら。これは何の取材?
 ……ふーん、雑誌取材ねぇ。私がご主人様を殺した理由を知りたいの?
 そんなの簡単よ。ムカついたの。それだけ。

 私はヒトだけど、あの人の妻だったわ。
 私が選んだわけじゃなくて、彼が勝手に見初めてくれたんだけどね。
 彼にはもちろん感謝していたし、彼との婚姻によって人権を得て自由ヒトになれたのは本当に嬉しかったわ。
 自由ヒトになった私は、定時の昼の仕事にも就くことが出来たのよ。自由って素晴らしいわね。
 ……でもね、私のご主人様は私にだけ働かせたの。彼は完全に私のヒモだったのよ。
 人間ってだけでそんな事許されるの? あぁ、不条理だわ。私は毎日身を粉にして働いているっていうのに、酷いったらないでしょう?
 彼の怠惰な生活態度は気に入らなかったけど、それでも私は彼の為に必死に働いていたわ。

 ところで……あなたのまわりには、いるかしら? 嫌な癖を持った奴って。
 私のご主人様はね、ガムをよく噛んでいたの。
 クッチャクッチャベッチャベッチャ噛みしめた後に、ガムを膨らませて『パチンッ』てやるのがあの人の癖だったわ。

 あの日は朝から嫌な事ばかりで、私はイライラしてたわ。
 疲れた体を引きずって家に帰ると、ご主人様はソファーに寝転がってビールを片手にとってもご機嫌。
 そして……いつも通りやってたのよ。『パチン!』ってね。
 私は警告したわ。

『ガムを噛むのをやめて。次にやったら――』
 そう私がいった時

『パチン!』

 ――……私はショットガンを持ち出して、警告の二発を撃ってやったわ。
 

 あいつのド頭にね!!


『あなたが私と同じ立場にあったなら、私と同じものをされたなら、きっと同じことをするわよ』
764中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:29:38.82 ID:GfNxi9o5
【ケース2 『6人』】

 あら、取材ですか? わたくしのお話が参考になればよいのですけれど。
 
 わたくしは元々両親が自由ヒトでした。なので、私も自由ヒトとして育ちましたわ。
 人間の男性とも、自由に恋愛が出来る身分でしたの。今時そんなのあまり珍しくもないと思いますけれど。
 そして夫はわたくしと出会った時に言いました。
 『僕は独身だよ』と。

 わたくしたちはすぐに意気投合して、とんとん拍子でお付き合いが進み、結婚を致しました。
 ヒトと人間なので子供は望めませんでしたが、それでもわたくしは愛する彼と一緒にいることが出来てとても幸せだったのです。
 彼は仕事に行き、わたくしは模範的な専業主婦として彼に仕えました。
 
 でも、やがて、わたくしたちの生活に亀裂が入ったのです。
 『独身』だなんて、真っ赤な嘘だったのですわ。彼にはわたくし以外に、妻がいたのです!!
 それも、人間の女が6人も!!

 そのことを知った夜。
 わたくしはいつも通り、仕事から帰ってきた旦那様にお食事を作り、カクテルをご用意しました。
 彼はわたくしの用意したカクテルを飲んだ途端、泡を吹いて倒れましたわ。――カクテルにミックスしたヒ素が、お口に召さなかったようです。

 本当に、男性というものは『毒』に手を出さずにはいられないようですわね?
 

『あなたがわたくしと同じ立場にあったなら、わたくしと同じ目に遭ったなら、きっと同じことを致しますわ』
765中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:31:08.64 ID:GfNxi9o5
【ケース3 『グシャッ』】

 あぁ、これ、雑誌に載るんだって? もう処刑が決まってるアタシの話を聞きたいだなんて、あんたもよっぽど変人ね。
 ……んー、そうねぇ。
 あたしの場合、特に話すことなんてないわよ?

 あたしはただ、夕飯の準備をしていただけなんだもの。
 質の良いプッフーが手に入ったからね、あの人の大好きなシチューを作ってあげようと思って、あたしは包丁でプッフーを捌いてたの。
 そしたら、玄関から急にあの人が走りこんできて、叫んだわ。

『お前!! 浮気をしたな!! 牛乳配達人のオスヒトと寝ただろう!!』って。
 なんのことだかわからなくって、あたし、唖然としちゃったわ。
 でもあの人は、嫉妬に狂って叫び続けたの。

『浮気をしたな!! 浮気をしたな!! あのオスヒトと寝たんだろう!! 寝たんだろう!!!!』
 そう言いながら彼はあたしを床に押し倒してきたわ。そして、そのままあたしの体の上で……10回、腕立て伏せをしたのよ。
 え? なんで腕立て伏せって? そうよね、こう言っちゃうと笑っちゃうわよね?

 ……そう、あたしの手には、包丁があったのよ。当たり前よ、だって料理中だったんだもの。
 それに、彼を落ち着かせようと思って両手を前に突き出してたもんだから……

 彼はあたしの持っていた包丁に、自分からブッ刺さりに来たのよ。

 ――10回もね。


『あんたがあたしと同じ立場だったなら、あたしと同じ状況に陥ったなら、きっとあんたも同じことをするんじゃない?』
766中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:32:31.52 ID:GfNxi9o5
【ケース4 『あぁ、あぁ!!』】

※この囚人は我々の言葉が通じなかったため、別のヒトに通訳をさせた。

 私は落愕病で、こっちの人間と言葉が通じません。
 あぁ、やっと私の言う事を聞いてくれるのね!!
 私は無実です。無実なんです!!!

 私は自分が何故ここに居るのかわかりません。
 どうして、私が愛する旦那様を殺すなんてことがあり得るのでしょうか?
 私は旦那様の事が大好きでした。私たちは愛し合っていました。
 言葉が通じなくっても、私たちは心で通じ合っていたのです。
 
 けれど、旦那様がある日突然亡くなり、一緒に暮らしていたヒトの私が捕まえられてしまったのです。
 警察の方が、どうしてヒトで力の弱い私がトラの旦那様を殺せたと思っているのか、まったくわかりません。
 私は必死に説明しました。私は殺してない、私はあの人を殺していないんです!!

『――それで、あんたが彼を殺したのか?』
『(あぁ、あぁ、私は無実です!!)』
『あぁ、と言っているぞ。これは認めたようだな』
『(あぁ、違うのに! どうして、言葉が通じないの!! お願い、あの人を殺した本当の犯人を捜して!! 私の言葉を聞いて!! もしあなたが私と同じ立場だったなら、私と同じ境遇になってしまったなら、きっとあなたもこうするしかないでしょう!!?)』


※この囚人は、取材の二日後に処刑が執行された。
767中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:34:23.17 ID:GfNxi9o5
【ケース5 『シセロ』】

 はぁい、あんた久しぶりね。
 え? もちろんよ、ちゃーんと覚えてるわよ。この前、アタシのとこに来た雑誌記者でしょう?
 うふふっ、あの時はアタシの新作ダンスショーの取材だったのにね。
 今度は、アタシがやらかしたっていう殺人についての取材だなんて最高にトリッキーだわ!!
 いまアタシのことでマスコミは大騒ぎしてるみたいね。あぁ、私の名前が各紙に賑わせてるだなんて、絶頂しちゃうほど快感だわ。
 取材が終わったらあんたの上で腰を振ってあげましょうか。あんたの奥さんって、確かヒトだったわよね。じゃあメスヒトのアソコの具合も、知ってるわよね?
 きっとあんたはアタシにイッちゃうわよ。ねぇ、この後、どう?
 あらやだ、そんな慌てなくてもいいのに、可愛いわねぇ、奥さん大事にしなさいよ。

 ……はいはい、取材ね?
 アタシのダンスについてはあんたもよく知ってるわよね? そうよ、アタシは妹とコンビを組んでたの。
 旦那は私のマネージャーだったわ。……あぁ、アタシは旦那と結婚する前から自由ヒトよ? 知らなかったの? 自分で自分の身分を買ったのよ。
 だからアタシの旦那は別に人間じゃなくっても良かったんだけど、でも旦那の方から熱烈にアプローチされちゃってね。
 うふふ、彼ったらアタシの足技と腰遣いにメロメロだったのよ。

 アタシと妹でやるショーの見せ場は、アクロバティックなアクション。
 全部で20あってね、その中でも『大股開き』『開脚跳び』『トンボ返り』は最高にエロティックでいつもウケが良かったわ。
 あんたのとこの記事でもウケが良かったみたいね。お礼の電話が来てたわよ。
 まぁ今となってはもう使えないネタになっちゃったけどね。

 あの日私たちが泊まっていたのはホテル『シセロ』
 そして、アタシたちは三人でお酒を飲んでたのよ。でも途中で氷がなくなったから、アタシが氷を買いに出たの。
 でね……こっからが最高に笑えるんだけどさ!
 部屋に戻ったら、妹とあたしの旦那がナンバー17の『開脚開き』をやってたのよ!!!
 バカーンッておまたおっびろげた妹のアソコと、旦那のデッカイブツがドッキングしてたのよ!!

 あッはは……アタシ、もー頭真っ白。
 なぁーんも覚えてないわ。
 本当よ? 本当に、何にも覚えてないの。どうやってアタシが妹とイヌの旦那を殺せたのかとか、全然わかんないわ。

 だって、アタシは。

 ――手についた血を洗い流すまで、二人が死んだことにも気づかなかったんだから。


『あんたがアタシと同じ立場だったら、アタシと同じものを見たなら、きっとあんたも同じことをしちゃうわよ』
768中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/03/17(月) 06:36:36.31 ID:GfNxi9o5
【ケース6 『リプシッツ』】

 こんにちは、雑誌記者さん。
 ……あ、そこ、踏まないでいただける? ……ありがとう。
 えぇ、この牢屋の中をご覧になればわかる通り、私は絵描きですわ。
 上の世界では美大生で、この世界には画材と一緒に落ちてきましたの。
 私を拾ったリプシッツは、私の描いた絵を愛してくれて、彼自身も私に倣って絵を描き始めたのよ。
 彼は芸術家の感性に溢れた素晴らしい絵描になりましたわ。私よりもずっと上手くなっていったのです。
 彼の作品、ご覧になる? ほら……美しいわよね? まるで被写体となった人物が、絵の中で息づいているみたいでしょう。
 ほの暗いタッチの中に、密やかに光る暖色の色遣い、筆の起こし方、構図の取り方、モチーフの選択……何もかも、私以上のセンス。
 私もリプシッツの描く絵を深く愛していましたのよ。

 彼は度々『自分は何者なのか』と思い悩んでいました。
 情緒が不安定になることは絵描きにはよくあることなんですけれど、彼の場合、自分探しの仕方が少々変わっていましてね。
 夜の街に繰り出しては、抱く相手を探すのです。

 彼は沢山の人の中に自分を探したわ。
 ルース・グラディア・ローズマリー……そして、アーヴィング。
 アーヴィングと出会ってから、リプシッツの絵は変わっていったのです。
 ほの暗い作風だった絵が明るくなり、密やかに光る色はアーヴィングとの幸せの色に……。
 
 ――これは、芸術的な見解の相違というものだったのかもしれませんけれど。

 彼にとっては『生』きた作品でも
 私にとっては『死』んだ作品だったのです。

 
 ……え? アーヴィングには何もしなかったのかって?
 これは私とリプシッツの芸術性の話なのよ。関係ないわ。

 そう……『彼』には、関係ない事だわ。


『あなたがもし私と同じ立場だったなら、私と同じように裏切られたなら、きっと同じことをするでしょう』

 ++++++++++++

 今回の取材で、人間を殺した6人のメスヒトのうち、3人が人権を得ていた自由ヒトだったということが明らかになった。
 自由ヒトによる犯罪の増加は、ヒトに人権を与えるべきではないと言う主張を裏付けるものとなるだろう。
 今後のヒト人権運動ついて、今後も注意深く動向を見守りたい。

 最後に、彼女たちが処刑される直前に遺したメッセージを載せておこう。

【あたしは確かに人を殺したけど、犯罪じゃないわ!】
【男とは愚かですわね。いけない毒に手を出してしまうのですから】
【自業自得だわ。アイツ自身が招いたことよ】
【(愛の花は手折られて、踏みにじられてしまったのです)】
【汚い裏切り者共!! あいつらに天罰が下っただけよ!!】
【私が悪いだなんて、なんでそんなことが言えるの?】
 
 
 (筆) デレック・キース
769名無しさん@ピンキー:2014/03/17(月) 06:46:12.75 ID:GfNxi9o5
 以上です。
 こちむいの世界観に合わせるために、多少脚色をしています。
 是非元ネタとなった曲の動画も合わせてご覧ください。
770名無しさん@ピンキー:2014/03/17(月) 06:51:30.74 ID:GfNxi9o5
あ、タイトル入れるの忘れてました。
短編なんでいらないかもですが……一応『6人の女死刑囚』としておきます。
771名無しさん@ピンキー:2014/03/19(水) 21:53:02.99 ID:XjXt3EB0
投下乙です
恋愛っぽくない話もいいよね
772名無しさん@ピンキー:2014/03/20(木) 21:15:54.06 ID:yhkXXT5l
種族としての馬ってどうなってるんだろう。
スレの上の方でアトシャーマの音楽隊で一度馬が出たらしいから、種族としてはアリなんだよね。
その場合、ケンタウロスのような四本足にヒトっぽい上半身がくっついてるのか、
パーンのように二足歩行で下半身が馬で上半身が人っぽいのか。
はたまたミノタウロスのように全身馬で二足歩行してるムキムキ兄ちゃんなのか。
どれがいいんだろうって頭を悩ませるあまり夜も寝られない、こともないけど。
どう思う?
それとも馬の中でも色んな部族がいるぜって事で全スルー?
773名無しさん@ピンキー:2014/03/20(木) 22:37:04.57 ID:knwQ6Knv
ヘビにはラミアがいるし、
バージョン違いは突然変異みたいな扱いにしてもいいんじゃないだろうか。
774名無しさん@ピンキー:2014/03/20(木) 23:22:20.42 ID:yhkXXT5l
おお、アリか。
ならスタンダートはミノタウロスっぽいので、それのマダラがパーンみたいなやつで、
突然変異種がケンタウロスてことかな。 どこ住んでるんだろう。やっぱり草原地帯か……
モンゴルみたいな文化圏もアリかな。獅子国の近くとか…?
775名無しさん@ピンキー:2014/03/22(土) 21:49:05.74 ID:XISxhq3R
ケンタウロス…(ガタッ
776名無しさん@ピンキー:2014/03/23(日) 22:25:42.92 ID:hzsOmAn3
彼好言の人です
作品につじつまのあわないところがあったので改稿版を上げました
ついでに描いてくださったファンアートに合わせて容姿描写入れました
保管庫に収録するばあいはこちらでお願いします
本当は自分で保管庫に収録したいんですが、スパム認定されているので
777名無しさん@ピンキー:2014/03/25(火) 15:15:23.00 ID:jsVm40M4
ウサギとオオカミって仲悪かったと思うけど
その理由ってまだ出てきてなかったっけ?
性格的なものなんだろうか
778名無しさん@ピンキー:2014/03/26(水) 10:15:11.16 ID:PRsW9h0U
>>776 改稿版うp乙!

犬と仲悪いのは知ってたけど、兎も悪いんだ。上下と仲悪い涙目w
むしろ狼と仲が良いところってどこ?
779名無しさん@ピンキー:2014/03/27(木) 04:41:37.84 ID:q6gYdrJF
ロダの更新にいま気付いた。
うぁぁぁ雛祭りにキュンキュンしたぁぁ!! 何これ可愛い。こういうの大好き!
すれ違いじれじれに滾った! そしてペド猫は草不可避wwwww
玄成さん相変わらずイケメンだよあんた。ミネルヴァもアホ可愛い!
こういう小話どんどんくれーくれー待ってるよーー!
彼言は前に読んだしと思ってたけど読み直したらやっぱり面白かった。
ビッチメスネコに喰われる童貞ボーイ……いいぞもっとやれ!

作者の皆さん投下乙です。ロダもっと頻繁に覗くわ
780名無しさん@ピンキー:2014/03/27(木) 04:49:31.79 ID:q6gYdrJF
発見だ。絵板も動いてる。斑の玄成(仮)のミネルヴァと、彼好言のメリッサとミケコのイラストが投下されてる。
781名無しさん@ピンキー:2014/03/28(金) 08:43:16.49 ID:U47U1nco
>ロダ
そうか草食動物の血は美味いのか。スカートの長さはワカメちゃんを見習えばいいと思う。
782名無しさん@ピンキー:2014/03/31(月) 09:55:12.80 ID:wMzqpamy
保管庫にある年表(仮)をエクセルで図にしてみました。ロダ参照
しかし厳密にすると表としておかしくなったので結構強引です。
だいたいの流れがわかればいいくらいに思っていただければ。
783名無しさん@ピンキー:2014/04/01(火) 00:00:27.73 ID:Vp8Pbwh/
増税も何のその! 春のこちむい祭、はっじまっるよ〜!!

豪華ゲスト盛りだくさん、最近ご無沙汰のあの人や、デビューしたてのあの人も参加予定!
絵師さん達も多数参加してくれています!!
詳しくは下記の資料を見てね!!!

http://xing.xii.jp/nekomimi/up/upload.cgi?get=00011
784名無しさん@ピンキー:2014/04/01(火) 01:32:15.67 ID:DyIvomIn
>>783
てめーはオレを怒らせた

GJ
785名無しさん@ピンキー:2014/04/01(火) 02:12:00.06 ID:X9g9917x
増税前に4時間半並んで定期券買った俺が通りますよっと。
>>783 GJ
786名無しさん@ピンキー:2014/04/01(火) 07:52:35.50 ID:hX/04Z5q
>>783
ちくしょうwww
博士おかえりなさい
787旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/04/01(火) 12:13:31.49 ID:znfnnVO1
ネタをひとつ、投下してみる
バラムさんたちが出て来たりしちゃってますが、ご愛嬌で

ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/M6qYLEIu0aTpBXIegXTf.txt
788名無しさん@ピンキー:2014/04/02(水) 06:38:08.72 ID:VJLNSBAD
>>787 すごく読みやすくなった!! バラムとパルマがゲスト出演してるなんて二度美味しい! GJ!!
789名無しさん@ピンキー:2014/04/02(水) 09:32:32.27 ID:rxUtL5Db
彼好言さんも春祭りに参戦してるよー。これはイイ夢オチ。
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/cDn6hxRMWgnUV344jkpU.txt
790名無しさん@ピンキー:2014/04/02(水) 23:27:03.57 ID:rxUtL5Db
こちむい春祭りと聞いてエイプリルフールネタ書いたけどロダにアクセスできないよ…orz
投稿明日になりそう…。2日遅れのエイプリルフールですみません
791中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/04/03(木) 11:08:30.47 ID:9rgB+9dT
遅くなりましたが、>>782さんの年表の中に『中古奴隷の時代』と書かれていたのがあまりに
嬉しかったもので、稚作のキャラでこちむい春祭りに参加させていただきました。
wikiに載ってないので中古奴隷を読んでない方はわけわからなくてすみません……
簡単にキャラ紹介もつけました。

複数プレイ、若干無理やり、頭の悪いアホなギャグノリ注意
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/k2sTy55Y0awBEpdeBfd0.txt
792名無しさん@ピンキー:2014/04/03(木) 15:54:08.00 ID:3858on+c
年表作った人ですが、こちむいとあしたらの時間軸が逆でした
タイムトラベルしてるの忘れてた
修正版作りますので転載などはちょっと待ってください
次はエクセルデータもアップしておくので弄りたい方はどうぞ
793名無しさん@ピンキー:2014/04/03(木) 16:42:57.33 ID:3858on+c
連投失礼します。さくさくっと直しました。
今度はエクセルデータと一緒に仮ロダにあります。

それからエイプリルフールに投稿した皆様GJでした
マジでこちむい祭りになってしまったすごい
794名無しさん@ピンキー:2014/04/03(木) 22:34:47.93 ID:cc18i2bh
久々の賑わい
795名無しさん@ピンキー:2014/04/06(日) 22:42:15.88 ID:YkzuOhos
おっさんオスヒト×ケモミミ少女とか
おねーさんメスヒト×ケモショタとか
見てみたいな
796旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/04/07(月) 03:29:06.84 ID:R/7MC4nM
>>795
彼方の要望に応えてみました
自分では結構いい感じに纏まってます

http://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/Y3uXEkxakD8uZ1YsFBms.txt
797名無しさん@ピンキー:2014/04/07(月) 04:21:25.01 ID:kTO3uBFm
>>795 仕事が早いな、投下乙!
リクが入るのも久々
798名無しさん@ピンキー:2014/04/07(月) 22:36:02.56 ID:dWhDLOuR
31才はおっさんだったのか

・・・31才はおっさんだったのか
799名無しさん@ピンキー:2014/04/07(月) 22:55:03.85 ID:R/7MC4nM
ごめんなさい、ちょっとやりすぎました
まことに申し訳御座いません
言い換えると、おっさん風なとなります
まことに申し訳御座いません

まぁ、でも落ちる前の運の無さで言えばかなり年増に見えるかと
800名無しさん@ピンキー:2014/04/08(火) 08:51:12.45 ID:Yll/A5WS
>>796
まさか即書いてくれるとは思わなんだ。ありがとう。
歳の差は正義

オスヒトの旬はショタ時代なんだから30代でおっさん扱いされるのも
仕方ない気もする
801名無しさん@ピンキー:2014/04/08(火) 11:17:03.39 ID:ZQE8qbG2
>>798 ワロタwww 涙拭けよw

ショタも正義だな。というわけでおねショタまだー?
802名無しさん@ピンキー:2014/04/08(火) 23:10:43.68 ID:4jtCfnb1
おねショタじゃないけど、人外×女子高生ジャンルに胸熱な今、
ネタ振られたらなんか書けるかも。……かも
803名無しさん@ピンキー:2014/04/09(水) 00:28:20.13 ID:P9P1zn9Z
>>802
それでは、驚愕病になっちゃった中古奴隷を優しいご主人様がキャッキャウフフで
804名無しさん@ピンキー:2014/04/09(水) 00:46:47.01 ID:LW95ldLg
>>803 良いネタをありがとう。頑張って書いてみるよ。
ゆっくり待っててね!
805旅の人 ◆UbA0ciRoY2 :2014/04/09(水) 03:20:16.49 ID:P9P1zn9Z
>>801
要望に応えてみましたが
おねしょたは、迷子になりました。
ショタボーイ書くのすっげぇ難しいぞ!? 何だこれ!?

ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/d7XtNGyRXUtrNYMN0Hht.txt
806名無しさん@ピンキー:2014/04/09(水) 09:36:12.54 ID:13fDFIvZ
文字化けしててよめないよう
>>796も最初読めたのに今見たら文字化けしてるよう
807名無しさん@ピンキー:2014/04/09(水) 12:58:26.70 ID:P9P1zn9Z
>>806
自分の環境では読めるので
恐らく、エンコードがずれているかと。
Altを押して出るメニューバーの"表示"からエンコードを変えてみるといいかもしれません
808名無しさん@ピンキー:2014/04/09(水) 16:11:15.60 ID:13fDFIvZ
自分スマホ民なんだ…
わかった、帰ったらパソコンから見てみるよありがとう
809名無しさん@ピンキー:2014/04/10(木) 22:34:07.69 ID:7qE7tCG7
彼好言 えろなし
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/RK7FAMtGgy6p3WdGgOmk.txt

スマホの文字化けはブラウザ変えると直ることもあるよ
810名無しさん@ピンキー:2014/04/11(金) 03:06:23.74 ID:aYaQPzpm
い、今起こったことを正直に話すぜ
「家帰ってパソコン立ち上げたら、今週書いた分のSSデータが全部消えていた」
何を言ってるかわからな(ry

ショックのあまり頭パーンなってたけど、投下いっぱい来ててちょっと救われました。
作者様方に感謝!!
よしこちむいの為に私ももっかい頑張ってきます。
811名無しさん@ピンキー:2014/04/14(月) 11:11:41.69 ID:j6Ud/kmb
伝言板に書き込み来てるよー

ほんとだブラウザかえたら見れた。SafariだとダメだったけどPuffinだと見れたよ

彼好言さんの設定好きだのう
ミケコかわいいのう
812名無しさん@ピンキー:2014/04/14(月) 23:02:20.88 ID:R5Gw5RoC
>中古奴隷の人
なろうの方でも、こちらでも、更新楽しみにしています!頑張ってください
813名無しさん@ピンキー:2014/04/15(火) 19:15:30.89 ID:W5u7TnfU
外部SSリストを更新しました。
載せんなやとか逆に載せてくれよ!とかありましたら自分でいじるか、
スレまたは伝言板で誰かに頼めばなんとかしてくれると思います。
もうURL入れたらスパム扱い、ということはないのでみんな手伝えや

すでにまとめに収録されてる虎の威は今回は抜きました。
二重に作品リストに載るのはややこしいと判断してのことです。
でもまめなまとめの更新ができていない今は載せてもいいかもしれないですね
814名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 00:03:30.06 ID:Ra8JfrsL
>>812 支援ありがとうございます!
 読者様にはご迷惑おかけしております。いま必死に復旧作業頑張っています!!

>>813 更新ありがとうございました。本来なら自分でやるべきだったんでしょうが……。
海外IPで二重にスパム認定だったので、解除の手続きが面倒で放置してしまっていました。
こちむいwikiに稚作を載せていただき感謝します。
815名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 00:35:22.62 ID:Ra8JfrsL
おぉ……伝言板にも書き込みができないことに今気づいた。
連投すみません。
現時点で自分が把握している他の外部リンクについて載せておきます。

なろう→こちむいまとめ(AT車)
なろう→だから僕は嫌だと言った(もるもっと※BL注意タグがあれば幸い)
pixiv→狐の嫁入り(きつねうどん)
pixiv→彼はそれから好きと言ってくれない(彼好言の人)
以上です。どなたか編集していただけないでしょうか?
816名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 08:47:33.57 ID:YJT4FOoV
彼好言はなろうにまとめなおすつもりなので
まってください
支部はよその人には見づらかった
817名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 10:05:39.31 ID:Ra8JfrsL
ロ、ロ、ロダぁ! ひっそり投下来てます! 最初の一行目が読めなくてググったら仲間。
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/2ylEwvqHNcrSUb1055pp.txt
ハイエナのケダマちゃんが可愛すぎてもう、もう……! GJ!!

その呼び方初めて聞きました。あちらは一次小説の扱いが底辺ですからねぇ……。
逆になろうは二次禁止ですから、完全に棲み分けが進んでますね。
818名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 11:46:17.59 ID:PxxT1uwf
>>813
更新乙です。
外部展開も拡充して行くと良いね!
819名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 11:52:31.10 ID:PxxT1uwf
ところでちょっと相談なんだけど。

全くの非エロのお話をなろうに投下するのってアリかな?
ムーンライトとかノクターンだと非エロはやりにくい空気なんだよ。

一応シェアワールドである事は明記するけど、こちむいタグは向こうには挟まないで、
こっちのスレからのみ紹介する形にしたいんだけど。
それでも、非エロ無エロはクタバレと石を投げられてもノクタとかムーンライトとかで
掲載した方が良いかな?

アレコレ書き殴ってから気が付いて、実は延々と悶々としてるんだけど。
820名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 12:24:08.85 ID:su465M2H
まー元が18禁だからなー
ここで投下しても見てくれる人が少ないってのは確かにあるが・・・
自分以外みんな化物ってのは最近じゃ珍しい設定でもないし、
エロじゃないなら無理にこちむいしなくてもいいんじゃない? って気もする
821名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 15:03:30.40 ID:kEVmtlJB
同一作品でもなろうとムーンで使い分けてる作者もいるし、いいんじゃない
822名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 16:15:30.07 ID:YJT4FOoV
今の外部作品ガイドラインに「非エロであってもR18」っていうのがあるから
そこから変えないとなんとも

でも悶々としちゃうくらいならスレに投下しちゃえば?とも思う
スレではキッスや膝枕も許容範囲っていうのはテンプレにあるし
書いたものをどこにおいておくかは後から考えてもいいことだし
ネタがあるならもったいない
823名無しさん@ピンキー:2014/04/16(水) 17:52:06.76 ID:PYZxRQOE
パラレルと言い切れば何しても良いと思うよ。実際の話として。
作者というか書き手をあれこれ縛るのは余り得策じゃ無いしね。
なろうだろうと渋だろうと、こちむい世界に関係がある話を公開すれば、
見る人が見れば『あぁ、なるほど』って思うはずだから、深く考える必要は無いと思うけど。

あんまり心配なら本スレとなろうで同時進行更新するとかどう?(無責任)
824名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 08:35:13.19 ID:pCNhMCVi
全く最近は投下が多くて読むのも大変だよ!(歓喜

18歳未満が来ないようにするってのは俺たちのための自衛でもあるんだ
とくにいまは2chのまとめサイトに厳しいからな
だがぶっちゃけ、本家なろうにエロなし投下しても
「こちむいっていうシェアワールドの作品だけど、未成年は来るなよ!絶対来るなよ!」
とか注意書きさえすれば、後は作者の責任では無いと思うんだがどうだろうか
せっかくこちむいで書きたいって新規参入した作者に対して「エロがないならこちむいを名乗るな」
とかいう雰囲気にはしたくないんだよな・・・
825名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 09:34:34.00 ID:5AX60OBp
こちむいで健全話が書きたい!それを全年齢で公開したい!
っていう思いは否定しないんだけど
書き手の一人からすると万が一小中学生がエロに到達してきたら怖いという思いがある
その辺 >>819 がうまくやってくれるならかまわないんだけど

>ロダ ハイエナの話
なんか聞き覚えがあると思ったらブラックデーか
そんなマイナーな記念日を選ぶとはw
826名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 21:16:07.45 ID:o36eZudq
全年齢公開のためのルール作りをすると余計ややこしくなる気がするよな…
例えばTOPの注意書きを
非エロ作品を全年齢で投下の際は『こちむい』であることを伏せてください(18歳未満のスレ流入を防ぐ為)
とか書きかえた場合、作者が割烹かなんかでうっかり口滑らせたりした場合はどうなる?
あるいは、可能性は低いと思うが読者に「これってこちむい?もしくはパクり?」とか感想欄に書かれたら
それを見てこちむいを検索かける消厨坊がいるかもしれない。なにがきっかけになるかわからないよな
そういうことにビクビクしながらなろうで全年齢公開するよりも、非エロ作品であってもR18タグ付けて公開
っていう今の方が作者としても気が楽なんじゃないかと俺は思う

すまんな、議論が続くと投下しづらいよな。作者は気にせず投下してくれ
827名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 23:10:13.89 ID:c3u3R4za
むしろ、なろうでハッキリR-18タグ付けた上でこちむいを名乗るべきだと思うけど。
どんなに技術が進んでも年齢フィルタリング機能が単なる画餅である以上、
R-18タグってのは[よい子は見ないでね]ってちゃんとお願いしました。ってアリバイだけだし。
青い妄想真っ盛りな猿並みのガキなら探し出しても読むってもんよ。
ガチシーンてんこ盛りなノクタもムーンライトもここですらも、単なるお願い以上は無いんだから、
子供の目に付く所に置くべきで無いと言うなら、もはやチラシの裏に書いてろとしかw

そんな訳で、書き手諸賢はぜひ投下してくだされ。
828名無しさん@ピンキー:2014/04/18(金) 08:23:21.02 ID:9O7jrUoD
避難所あるし話し合いはそっちでやってもいいかも
829中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/04/18(金) 09:20:28.38 ID:HrO7pxNn
私事ですが応援メッセージを送ってきてくださる読者様に限って
プロフィールに『↓18』とか書かれてたり、部活がうんちゃらこーちゃら呟いてたりするんですよねぇ……。
年齢フィルタリングェ……。
どんなサイトでも潜る人は潜りますしキリがないというのは確かにありますね。
R18タグの自衛はあくまで書き手を守るものなのかなとも思います……。
個人的にはRでも非エロでも、こちむい作品なら読みたいですけどね!

というわけで(?)短編一本が復旧完了したので投下しました。
【おっさんオスヒト×ケモ耳少女】
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/n3TIKQfljMd9EHcCqDh7.txt
このお題を見た瞬間に>>106を思い出しちゃった。それなのにエロ無しなんだ、ごめんね。
イタリア人と日系アメリカ人のおっさん二人が口汚く喧嘩しながら、幼女にオロオロするだけの話だよ!
やったら長くなってしまったので、お時間があるときにでも
830名無しさん@ピンキー:2014/04/19(土) 09:13:08.12 ID:Zx0bTkaH
>>829
おっさん二人の漫才に笑った
こういう冒険話好きだ
831名無しさん@ピンキー:2014/04/20(日) 20:39:13.53 ID:Xm3WOCK7
彼好言:女装回でデート回で少女漫画回(えろくない)
http://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/Eilnh8e4PbBwqc79aQ18.txt

更新早くてすみません
次で一応完結
832名無しさん@ピンキー:2014/04/23(水) 10:43:12.07 ID:wbUNgSXf
むしろ更新早くてありがとう
セージ何気に大怪我フラグwうわー間に合ってくれー…!
絵茶また動いたね。こっちのミケコもかわいい
833名無しさん@ピンキー:2014/04/25(金) 06:12:08.63 ID:WObvUkSl
ところで俺は>>819がシコシコこさえてるっていうやつが気になるんだが
R18タグがどうのこうのはとりあえず置いといてここに投稿してみたらどうだろうか
834名無しさん@ピンキー:2014/04/29(火) 10:53:22.74 ID:/WHvnLKo
>>833
わりぃ
エタらせるの恐怖症でケツから書く主義に変わったんだけど、冒頭部分が全く書けてねぇw
7月までには何とかすッから、それまで待ってけろ
835名無しさん@ピンキー:2014/05/02(金) 15:59:30.06 ID:aC8kJxMA
そりゃ完結させてくれれば嬉しいけど、それ前提だとまた敷居が高くなるから
気楽に書いてもいいんじゃないと思う
カジキみたいな突発的ネタ種族の話も待ってる
836名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 10:11:10.81 ID:OaqajMxZ
彼好言:仲直りとえろと完結編
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/Zi75m3VbIPZeolW8uhY6.txt

感想やファンアートを書き込んでくれた皆様、ありがとうございました。
励みになりました。
完結したので設定メモを公開してみます。
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/ztSZLIHRtRdQ1UZntrzv.txt
837名無しさん@ピンキー:2014/05/04(日) 08:57:16.32 ID:vWuMuAiw
>>836
完結おめでとうございます!
自分本当に彼好言さんのお話が好きで何度も読み返しました。
まさしくこちむい小説という感じで、読後にはあちらの世界に思いを馳せられるような
お話の作り方がすごく好きです。いつも投稿を楽しみにしていました。
完結ということで一つの区切りを迎えられたことが嬉しくもあり、もっと読みたいー!
と正座で次作を待ちわびます!
素晴らしい作品をありがとうございました!
838名無しさん@ピンキー:2014/05/11(日) 21:38:44.09 ID:vZGDopsQ
>まとめ管理人さんへ

ウィキの更新作業をしてたら編集モードを間違ってしまったようなので
「春のこちむい祭」のページを消しておいてください
839名無しさん@ピンキー:2014/05/12(月) 17:25:29.97 ID:XVpeOUZo
838ですが、自分でなんとかなったので消さなくていいです。すみません
短編ものを中心にぼちぼちまとめを更新してます。
840名無しさん@ピンキー:2014/05/13(火) 17:49:50.61 ID:Y5JWzoLM
ロボット人外超越者×僕っ子猫娘
こういうお話、あ…アリですか?
ちょっと怖いので軽いジョブ程度に冒頭だけ投下します
たまには直貼りで
841中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/05/13(火) 17:51:01.91 ID:Y5JWzoLM
『宇宙歴17738年8月14日|一七四三《ヒトナナヨンサン》。当機はこれよりパイロットの生死確認を行います。
 睫毛反射と対光反射の診断を行います――完了。直接反射と間接反射の消失を確認しました。
 胸部聴診の診断を行います――完了。心音と呼吸音の途絶を確認しました。
 心電図によるモニター検査を行います――完了。心電図波形に反応が有ります。
 当機は継続してサージェント、ロセターの心電図を観察します。1800秒後に再び心電図検査を行います』

『1800秒経過しました。サーシェント・ロセターに心電図によるモニター検査を行います――完了。心電図波形に反応有りません。
 脳死判定の必要性――ありません。死斑の発現を確認しました。
 宇宙歴17738年8月14日|一八二五《ヒトハチフタゴ》。
 第561星 G-836開墾団 識別番号H882AGTP 開墾採鉱用マシンパイロット、サージェント・ジョセフ-ロセター軍曹の絶命を確認しました。
 死因は不慮の時空間移動の際のショックによる心臓発作と推測。当機は三度に渡る蘇生措置を行いましたが、これを持って終了とします。
 パイロット死亡により、当機はこれよりパイロット支援システムから人工AI"ディード"による自立航行システムに移行し、救難待機モードを開始します。
 当機は航行エネルギーをEまで引き下げ、救難信号を発信し、これを定期的に記録します』

『宇宙歴17739年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』

『宇宙歴17740年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』

『宇宙歴17760年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』

『宇宙歴17860年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』

『宇宙歴17914年7月7日|○七一五《マルナナイチゴ》。惑星を発見しました。
 海水と淡水の存在を確認。空気濃度――問題ありません。重力――適正です。
 植物の存在――確認しました。生命の存在――確認しました。
 銀河同盟加盟の有無――確認できません。文明が未発達の惑星のようです』

『惑星の中心に最も大きな大陸を確認しました。多数の生命反応があります。当機はこれより破損個所の補修、及び燃料の供給を行うために救難待機モードから
 採集探索モードへと切り替えます。採集探索モードでの行動は、人工AI"ディード"による自動航行システムが継続して適用されます。
 文明未発達の原住民に配慮して、当機はステルスモードでの着陸を試みます』

『大気圏に突入しました。これよりステルスシールドを展開します。――不可視化に成功しました。
 地表への到着まで、あと――――……』
842中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/05/13(火) 17:55:44.51 ID:Y5JWzoLM
◇◆◇◆
 

「ミラ!! お前、いつまで寝てるんだ!! とっとと起きて学校行け!!!」
「うー……にゃぁ〜ん……」

 今日もお兄ちゃんの怒鳴り声という素晴らしく正確な目覚まし時計が僕を起こしにかかってる。
 僕はまだお布団っていう超絶イケメンに抱かれていたいのに、なんで邪魔するのかな。
 人の恋路を邪魔する奴はウマに蹴られてしっぽりヤられちゃんだぞ。
 んんー、いま何時? ……あ、7時20分だ。学校が始まるのは8時。家から学校までは歩いて10分。

「……よし、あと30分寝よう」

 そう決めて僕がもう一度布団をかぶろうとしたら、情け容赦なく布団が引っぺがされた。
 あん、どいひー。

「う゛にゃあぁぁぁ〜か〜え〜し〜てぇ〜……」
「ったく、このグータラ娘が!! そんなんじゃ期末試験落っこちてまた留年するぞ!! いい加減魔法学校を卒業しろ、何十年学生やってるんだ!」
「んん〜150歳になるまでには卒業する所存でございます兄上〜」
「いいから起きろ!」

 僕の決意表明はアッサリ一蹴されて、お兄ちゃんにベッドの下に蹴り転がされた。
 ネコだから床の上で受け身をとったけど、流石に床の上でもう一度寝なおす気にはなれなかった。
 うー……もう7月入ったじゃんかぁ〜……。僕の中ではもう夏休みなんだよ……。
 魔洸クーラーの効いた涼しい部屋で分厚い布団被って寝る以上の至福を僕は知らないよ。
 きまつしけん? なにそれおいしーの?
 
 だけどお兄ちゃんにたたき起こされて渋々起きた僕は、髪をとりあえず的にブラッシングしてリボンの可愛いセーラー服に着替えた。
 鏡の中にはだるそーで寝ぼけた顔をした僕が、これまただるそーな手つきで適当に化粧をしている。
 他が適当でもアイメイクだけはガッツリ。これ女学生の鉄則。
 ……うん、今日はマスカラが上手くついた。よしとしよう。

「ミラー、俺は先に家出るぞー。サボらないで学校行けよー」

 僕がリビングに降りていくと、ちょうどお兄ちゃんがスーツに鞄を持って玄関の方へ行くところだった。
 とててて、と歩み寄って靴ベラをお兄ちゃんに差し出しながら僕はこっくり頷いた。

「うん。……たぶんー」
「お前はまた……。お弁当と朝飯、テーブルに置いておいたから持っていけよ」
「ははー、有難き幸せ。良き主夫になりますぞ兄上。将来のお嫁ちゃんはさぞかし幸せでしょうな! 今日も元気に働いてらっしゃいませー」
「……あぁ」

 お兄ちゃんはなんか妙な間を開けて返事をした後、ぽんぽんと僕の頭を撫でてから会社へと出かけて行った。
 後ろ姿からしてもう働く男オーラをキラッキラさせてね。おー、仕事の出来る男、眩しいぜー。
 いやはやなんて働き者の兄なのだろうか。このぐーたら妹とは全然違うわー、すごいすごーい。
 ま、違って当然なんだけどさ。うちの両親は再婚で、僕とお兄ちゃんは連れ子同士だったし。
 そんな両親が8年前に仲良く事故で死んじゃったもんだから、この家には今は僕とお兄ちゃんの二人だけなんだ。
 ネコのクセに妙に義理堅いお兄ちゃんは、こんな血も繋がってないぐーたら妹の為に働いてくれる上に家事までしてくれちゃうスーパーマンだ。
 いやー、実に良い兄を持った。これで僕の生活は安泰だな。天国の母ちゃん、ぐっじょぶ。天国で父ちゃんとよろしくやっててくれ。

 時計を見れば、7時40分だった。ふむ……僕も出かけるとするか。
 僕はリビングに取って返して、鞄の中にお兄ちゃんお手製のお弁当を入れた。
 朝ごはんはラッピングされたサンドイッチだったから行きがけに食べればいいや。
 流石お兄ちゃん、僕のものぐさがわかってるなー。
 
843中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/05/13(火) 18:02:13.68 ID:Y5JWzoLM
「……あぢぃ……」

 外に出ると、太陽が元気に僕を焼きにかかってきた。7月7日、朝7時42分天候晴れ。
 こんな日は絶好の引きこもり日和だ、間違いない。
 このまま家の中に取って回れ右したくなったけど、僕は意志判定に成功して学校への一歩を踏み出すことになった。
 ……うん、たまにここで失敗することもあるんだけどね。

「あー……今日は一時限目が魔法理論かぁ。朝っぱらからあのハゲ面を見るのかと思うと憂鬱だなー……。その次は古代文学だし。んぅー……」

 やっぱり家に戻ろうかな、とか考えながらも僕が家の敷地を出た。

 ――その時だった。

 ズガァァァァァァアァアアァァァァアアアン!!!

「にゃーーーーーーーーっっっっ!!!??」

 後ろからものすごい爆音と爆風が襲ってきて、僕は前にふっとばされた。
 そりゃもーすごい突風に巻き込まれて前のめりに転んだけけど、鮮やかな一回転を決めて僕は地面に両足をつくことに成功した。
 おぉ、こりゃ満点だ!!

『着陸成功。位置情報確認――完了。地図情報を記録しました。予定到達地点より15mの誤差を検知。これを許容範囲として受理します。
 宇宙歴17914年7月7日|○七四五《マルナナヨンゴ》、当機は惑星αへ着陸しました』

「な……え……」

 後ろから聞いたこともないようなキンキンした声が聞こえて、それと同時にガラガラと不穏な音が聞こえた。
 まるで、瓦礫の山を崩すような……そんな、音が……

 僕は振り返ろうとしたよ。あぁもちろん。だって僕の背後でなんかヤバい事が起こってる。
 絶対的にありえない事が起こってるに違いないってわかってたから、事態を把握しようと思うのは当然だよね?
 でも……でもさ……人間、あんまりにもビックリすると本当に腰が抜けるんだね。
 僕はその場でペッタリ座り込んじゃったよ。

「なに……なにが、なん……」

『確認。着陸の際に原住民の住居と思われる建物を損壊した模様。損壊の規模を計測します――約80%。全壊の域に到達すると推測』

「え……、うぇぇ……?」

『確認。この惑星の原住民と思われる種族を発見。分析します――完了。
 染色体XXを持つ健康体と推測。感染症の恐れはありません。
 銀河同盟に加盟している第271星のカッキラム族に酷似しています。
 人工AI"ディード"は、速やかにカッキラム族の種族情報の取得を開始します』
844中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek :2014/05/13(火) 18:05:33.56 ID:Y5JWzoLM
 何を喋ってるのかぜんっぜんわからないけれど、なんか後ろに誰かいるのは間違いないみたい。
 ……誰か? 何か、じゃなくて?
 僕はなんで後ろにいるのが"誰か"だと思ってるんだろう。人間じゃない可能性だってあるじゃないか。
 僕が見たこともないような、訳のわからない未知の生物の可能性だってあるじゃないか!!
 未知の生物っていったら、ヒト……とか!? 
 
『カッキラム族の種族情報を取得しました。原住民との交流と情報交換の為、人工AI"ディード"はマシンより分離しカッキラム族の染色体XYに擬態します――』

 えーーい!! 考えたってわかるわけないだろう、僕バカなんだから!!
 振り返れ、振り返るんだ僕!! 話しはそれからだ!!
 そして盛大に乙女っぽい悲鳴を上げて失神でも何でもしてやろう。
 よし、振り返るぞ!!? いいか!? 振り返るぞ!?

 ――っ、せーの!!

「………………」

「………………」

 結論から言おう。僕は悲鳴は上げなかった。だけど

「うちが……ない……」

「Береженог!!?」

 あぁ、僕の家……正確に言えばお兄ちゃんが相続して僕は寄生していた素晴らしき引きこもりホームが。
 綺麗に家の隣にあった物置小屋だけを残して、跡形もなく瓦礫の山と化していた……。

 瓦礫の山と化したなんかスゲー美形なマダラ男がいて何かわけのわからない言葉で叫んでた気がするけど、僕の意識はぷっつりと途絶えてしまった。
845名無しさん@ピンキー:2014/05/13(火) 18:08:06.22 ID:Y5JWzoLM
以上です。こんなんでもイイデスカ…
846とらひと:2014/05/15(木) 02:52:05.37 ID:oYdemjrn
続 虎の威
なんだか次とか次の次とかで最終回なきがする
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/U1_tlPtfxnIkasnUZFVq.txt
847名無しさん@ピンキー:2014/05/15(木) 08:09:34.36 ID:NOIVsZ6z
投下乙ー

>>845
もはやなんでもありだけどこういうの嫌いじゃない
こちむいだしな

>>846
終わっちゃうの寂しいけど
チヒロの旅路を追体験してきた読者としてはほっとする気もしたり
848旅の人 ◆UbA0ciRoY2
ちょっくら上げ
ご主人サイドからお読みください。(「」内の台詞はどちらも全く同じです)
エロは微妙な所

-ご主人サイド-
ttp://xing.xii.jp/nekomimi/up/upl/tSxEq3_zQhGARsIR6R_i.txt

-召使サイド-
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