SIREN(サイレン)のエロパロ第5日

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100名無しさん@ピンキー:2013/04/01(月) 21:14:19.74 ID:OlnY7Lh8
保守
101あは〜ん:あは〜ん ID:DELETED
あは〜ん
102名無しさん@ピンキー:2013/04/24(水) 10:10:59.25 ID:E0GnUTSc
保守
103名無しさん@ピンキー:2013/05/24(金) 08:17:18.56 ID:rg71JAmp
保守
104名無しさん@ピンキー:2013/08/02(金) NY:AN:NY.AN ID:Wr6BIPDi
異界いり保守
105名無しさん@ピンキー:2013/09/15(日) 19:22:06.21 ID:zj+UuhlJ
保守
106TKR:2013/09/16(月) 18:58:12.50 ID:tTiHwCKK
初投下させていただきます。
需要は不明ですが、まさかのあのキャラで書いてみます。きっと皆、ノーマーク。

↓↓↓



1976年8月2日…ハワードと警官が対峙したのち、サイレンが鳴り響いて1つの村が消えた…。


『赤イ水 死シャ オキアガル』

ーーー天地救之伝より。



「今日は二十年ぶりに、調子がぁっ、いいなぁ〜〜〜ッ!」

赤い水の影響で起き上がった元人間である屍人たち。生き返るどころか、生前よりも身体が軽くなった者や調子が良くなり過ぎた者が多く現れた。健康面で見るなら、効果が怪しい下手なサプリメントよりも信頼出来る。
それがコレ!「羽生蛇村の赤い水」!天におわす、蚕子様の生き血100%使用!
今回我々は、若い頃の精力を取り戻した一人の屍人の追跡を試みた。この調査により、あの屍人が何故病院に居たのかも謎が解けた…ハズ。



ーーー田堀、伊東家。

同じエリアを常に巡回しているハズの屍人たち。その中の一人の老人屍人、伊東文弘は伊東家を離れて歩き出した。

「どぉこに…お出掛けだぁい?」

庭で草苅中の屍人が文弘に話かける。

「ちょっとぉ、犀賀の先生にぃ…コレを見てもらおうと思うてなぁ。」

「おお!こんなところに御主様がぁ!…き、きりとやえれんぞぉ!」

急に拝み始める草苅屍人。着物の前を捲り上げると文弘の股間に、後に見る怪力屍人のようでもあり、蚕子様のお姿を連想させる形の膨らみがあった。縮小された十尺ノ異人とも言える。

「儀式のことなら、犀賀の先生に聞くのが一番じゃ。美耶古様は嫁入りされたはずなのに、蚕子様は何故かワシの此処へ…。」

「それなら、早よう行きなされ…一大事じゃぁ!うひっ、うひひひひっ!めでたぁ〜い!」

鎌を振り上げ、某美浜のように笑いながらどこかへ走り去る草苅屍人。神の降臨に狂喜しているようだった…。
107TKR:2013/09/16(月) 19:00:10.88 ID:tTiHwCKK
ーーーーーーーーーーーーーーー

伊東文弘
Fumihiro Ito


終了条件

いきり立った「蚕子」を鎮める。

ーーーーーーーーーーーーーーー

目的:「犀賀医院」への到達
小目的:武器の入手


それから文弘は棚田のある刈割を通って、犀賀医院へと向かって歩いた。道中、色々な仲間にも会い、自分の元へ降臨した蚕子様を見せたりもした。
女屍人は手を合わせて拝むが、それに対して男屍人は皆、何故だか嫉妬に似たような敗北感にも似た表情をしていた。自分のモノより大きい…。

途中、儀式が行われた場所を通過しようとした時だ。

「なあぁんじゃあぁ、これはぁ…?」

誰の物とも知らぬトランクケースが落ちていた。70年代の日本には見ない形の、シンプルだがスタイリッシュなケース。見ればビッグフットのマークと見慣れぬ「encounters」のステッカーが貼ってある。
開けてみようか…だが、アナログ中のアナログ人間である文弘は開け方が分からなかった。ガチャガチャいじってみるものの、文弘は気が短い。

「年寄りだと思ってぇ、馬ぁ鹿にしおってぇッ!」

以前テレビで見たプロレスの投げ技を真似て投げてみる。70年代、日本はプロレスブームであった。

ガゴッ………ガパッ!

勢い良く岩に投げ付けたのが功を奏し、トランクは開いた。中には未知の機械が詰め込まれていた。撮影機材である。どれもガラクタばかりか…今はそんなことより病院に行くのが先決だった、時間を無駄にした。
…その時、厳重に袋に包まれた物体を1つだけ見付けた。なんだろうと考えるより先に、無意識に袋を破く文弘。

「こ、これはぁ!!!」

驚くべきことに、中には蚕子様が眠りについておられた。流線形で白いシリコン素材、さらに表面にイボイボが付いている蚕子様。もしや、蚕子様は一人ではないのか?文弘はその、自分のモノに負けるとも劣らない蚕子を手に、犀賀医院へと急いだ。


【バイブレーター】がアーカイブに追加された。
108TKR:2013/09/16(月) 19:01:52.22 ID:tTiHwCKK
異界に取り込まれた犀賀医院、旧病棟。実際、患者は中には居ない。何故なら、赤い水の影響で村人全員元気だし、力が溢れている。
ただ、文弘の場合はちょっと違って、股間に蚕子様が降臨された。つまり今日は診察というより、犀賀医院の院長である犀賀先生に相談しに来たのだ。彼なら村の暗部や儀式に詳しい。
だが先生とはいえ、きっと度肝を抜かれるに違いない。こんなところに蚕子様がいるのだから。自分が偉くなったつもりで、大手を振って病院へと行く。

自動ドアをくぐる。いつ来てもこの自動ドアには驚かされる。ひとりでに、勝手にドアが開くのだから。文弘は毎回「今日はちゃんと開くじゃろうか?」と心の中で不安だった。機械の仕組みは分からないから。
だが今日はなんの心配も要らない。股間に蚕子様がいるのだから。ドアも開いて当然、人も道を開けて当然。もしかしたら…?もしかしたら、女も股を開いて当然かもしれない。


「どうしましたかぁ…?」

年輩の看護婦屍人が声をかける。

「実はのぉ…」

先に書いたように、着物の前を捲って見せる文弘。

「ギャアッッ!」

驚いた看護婦屍人はひっくり反って後頭部を床にぶつけた。気絶。視界ジャックしても真っ暗になっていく。
まあ無理もない。いるはずのない神様が目の前に現れたのだ。
さて、困った。受付の看護婦が気絶してしまった。他に誰か…

「どうされましたかぁ?」

振り向くと…犀賀医院のマドンナ、河辺幸江が佇んでいた。純白のナース服に大胆な血糊、思わず目がいってしまう二つの膨らみ…。
文弘は一瞬見とれてから、

「サチエさん、可愛いなぁ〜。」

「ユキエです。」

名前を間違って覚えている文弘。何回聞いても、一度間違って覚えてしまったのだから、なかなか直らない。

「すまんすまん、犀賀先生に会いに来たんじゃが…。」

「先生?先生は、どこに行ったのかしらぁ…?」

腕を組んで悩ましげな表情をする幸江。美人はどんな顔をしても美しい。腕を組んだおかげで、幸江の胸が強調される。

「んんっ、けしからん…。」

「えっ?」

「いぃやいぃや、なぁんでもないんじゃぁ〜。と、とりあえず、診察室で待たせてもらおう。」
109TKR:2013/09/16(月) 19:06:15.75 ID:tTiHwCKK
診察室に老人屍人とピチピチの若者屍人の二人きり。そして診察用のベットもある。そしてポリインジェクターの箱も。箱は無視して、とりあえずこんな状況では、ちょっとエロい考えの1つも起こしてしまうのが男。
もちろん文弘だって例外ではない。先ほどよりも、股間におわす蚕子様は更にムクムクと大きくなっている。
顔のすぐ横に、後ろを向いた幸江の美しいヒップラインがある。

「先生、どこかしら?」

「うう、もう、ダメじゃあぁ〜、我慢出来ん…。」

椅子に座ったまた俯く文弘。

「大丈夫ですか?吐きそう…なんですか?全部出していいですよ?」

「そ、そうかぁ?じゃあ、おぉ言葉にぃ、甘えてぇ…」

急に立ち上がり、幸江に掴みかかる。

「ええっ!?」

「うりゃあっ!」

ドサッ!
大外刈で幸江をベットに押し倒す!

「キャア!先生、先生ぇ〜!」

喚き叫ぶ幸江。
その時、診察室に数人の屍人が入り込む。

「ちょっとぉ、なんの騒ぎだい?…アラアラ、まあまあ!」

入り込んで来たのは先輩ナース屍人や農民屍人だった。

「た、助けてください先輩!」

「…なぁに、言ってんのよぉ!」

「そうよそうよ、これはめでたぁい!」

「幸江ちゃんは、選ばれたのよ…。」

儀式の介添人として殺された上に、今度は何に選ばれたというのか。はっきり言って儀式はもう懲り懲りな幸江。

「ほぉれ、見るんじゃあ!」

「ああっ!蚕子様!」

白い顔が一瞬で赤くなる。
パンツを下ろすと、それはそれは立派な蚕子様が現れた。先っぽだけ例えれば十尺ノ異人のようでもある。
しかし、酷い悪臭を放っていたために、幸江はその場に倒れ込んでしまった。

「幸江ちゃん、神様を受け入れるのよ…。」

「たとえ神様でも、イヤ!先生じゃなきゃ、イヤァーーー!」

さすがにこれから何をされるか悟った幸江。24歳、悟り世代だ。

「大人しくしないと、もっと痛くするわよぉ〜!」

「皆、サチエさんを押さえ付けるんじゃ!」
110TKR:2013/09/16(月) 19:07:19.61 ID:tTiHwCKK
もはや幸江は四面楚歌状態。皆、文弘の味方になってしまった。激しく抵抗し、暴れる幸江。手が当たり、倒れるカーテン型衝立、崩れ落ちるポリインジェクターの箱。

「あなたの口で気持ち良くしてあげるのよぉ…。」

蚕子様を幸江の口に捩じ込む。幸江、思わず嗚咽を漏らす。
今ここに、神の肉体を頬張るという、尊体拝領の図が再現された。

「う…、おぇっ…。」

くわえ続ける幸江。
見ていた先輩ナース屍人がじれったくなり、幸江の尻を叩く。

パンッ!

「んんっ…!」

「困るわぁ、若い子は…口ばっかりで、ちっとも手を動かさない!」

「なんじゃあ、屈託のなぁい…。」

幸江はまだ経験が少ないので、しょうがない。それもそのはず、犀賀先生もあまり構ってあげていないのだから、スキルが上がるワケがない。

「ジュル、ジュルル…うえっ………ゲホゲホッ。」

幸江は以前食べた「はにゅうめん」の味を思い出していた。いや、そっちの方がマシかもしれない。こころなしか、蚕子様の先端から、白いジャムが出てきたような気もする…。

「これでも、昔はなぁ…。」

「そうそう、私達も文弘さんにお世話になったのよぉ…。」

「うふっ、うふふふふふっ…!」

「あの頃の文弘さんが、復活したようねぇ…。」

「それにしても今日はめでたぁい!文弘さんのモノに御主様が乗り移られたぁ!」

「さぁて、そろそろ攻守交代じゃあ!」

幸江の口から蚕子様を引き抜くと、今度はナース服を力任せに破き始めた。中からは、先程から気になっていた胸部が露になった。形が整っていて張りのある、とても理想的なバスト。こんなものは、滅多にお目にかかれない。それにしても美白過ぎる…。

「おおっ、こんなに実っておる!豊作豊作!下はどうじゃあ…?」
111TKR:2013/09/16(月) 19:08:56.51 ID:tTiHwCKK
三隅郡を彷彿とさせる純白の三角の布を剥ぎ取る文弘。幸江の下着をギャラリーに向かって投げる。
そしてブーケトスのように群がる男屍人達。それを白けた目で見る女屍人達。

「うむ、下も中々じゃあ…!」

「おぉ、これなら今年も豊作だぁ…。」

三角海域をゲットした男屍人が覗き込んで言った。幸江の局部にはまばらに稲が植えられており、今の刈割の棚田よりも生き生きとしていた。
しかし、あとは水を確保しなければ、この稲達が枯れてしまう。なんとかして水門を開けなければ…!稲が枯れたら千年も前の飢饉がまた起きてしまう。それだけは避けなければならない…。
今回、蚕子様が降臨されたのはこれが理由なのかもしれない。飢饉を回避せよ…。
幸江を羽交い締めにさせつつ、文弘が刈割の棚田を探索する。豆を弄ってから水門を開けよう。それが近道と考えた。だが…中々豆が見付からない。

小目的:水門を開ける。


「どこじゃあ!出てこい!馬ッ鹿もぉん!」

やけになる文弘。ワシはここまでの男なのか?いや、蚕子様がついている!とにかく、指を動かしてみる。ここか?ここか?地図無しで四つの石碑を探すような難易度であった。
その時だ。


『もう1つの力を使うのよ…!!』

「…誰じゃあ?」

ここで何故か先代美耶古の声が聞こえた。

「そうじゃ…!アレじゃ!!」

先ほど拾ったもう1つの蚕子様の出番だ。文弘、どこからともなく取り出す。

「御主様が二人!?」

「どちらかがニセモノなんじゃないのかぁい?」

ざわざわ…

文弘、イボ付き蚕子を幸江の刈割地区にグリグリ押し付ける。

「や、やめてぇ…。イヤッ…。」
112TKR:2013/09/16(月) 19:10:21.37 ID:tTiHwCKK
言葉は嫌がっていても、顔は何故か恍惚としている。屍人ならではの特徴だ。後に犀賀に切り刻まれていた屍人もそうだった。
しかし、押し付けるだけでは何も起きなかったようだ。文弘はイボ付き蚕子様を他の男屍人に預ける。使いこなせない。アナログだから。

「持っとれぇ!」

「あぁ?…何だぁ?」

気をとりなおしてリトライする文弘。未だ、棚田に存在する陰核という名の「依り代」を見付けられない。やはり、自分の力だけが頼り…。このままでは終了条件未遂である。

その時、またも。

『本当の力を解放させるの!』

イボ付き蚕子を持った男屍人が色々といじくる。

「ああっ、なんだってぇ?」

カチッ…。




ヴイイィィィィィ…

「う、動いたぁ…。」

ギャラリーの中が再度ざわつく。スイッチの入ったイボ付き蚕子が動き出したのだ。

「だあれぇ?勝手に、スイッチを入れたのはぁ…。」

「か、貸すのじゃあ!」

再び幸江に押し当てる。

「えっ、……あ"あ"あああああああッ!」

段々感じてきた幸江。それまで渇いていた土地に水が溢れ出した。快感が一気に押し寄せる。

「やっと、開いた〜!」

「これで今年も豊作だぁ!」

「豊作じゃあ!」

「きりとやえれんぞぉ!!」

沸き上がるギャラリー。しかし、文弘は違った。幸江のうっすら赤身がかった局部を睨み付けてこういい放った。

「みんなぁ、ここに合石岳の羽生蛇炭鉱もあったぞぉ!」

「それなら文弘さん、もしかしたら神宝・宇理炎もそこにあるのではないか?」

「なぁにぃっ?」
113TKR:2013/09/16(月) 19:11:19.56 ID:tTiHwCKK
宇理炎について詳しく知ってる者は居ないが、蚕子様に危害を加える物であろうということを、文弘は察知した。

「ワシが、宇理炎を破壊する!」

突っ込むかと思ったイボ付き蚕子を放り投げ、文弘はスタンバイした。

「数十年ぶりの、羽生蛇炭鉱じゃあ!行くぞぉ!待っとれよぉ!!」

「あっ、あうう…ッ!痛いッ!!痛いッ!」

「ほおら、痛くない、痛くない…。」

ご無沙汰の幸江には少々荷が重かった。そんなに潤っていないところに、いきなり大きな蚕子様を入れられたのだ。裂ける思いであったはずだ…。それにも構わず、文弘の蚕子様は幸江の中の合石中央立坑をただ一方的に、奥へ奥へと進んでいく。

「おぉ、サチエさんの中、ザラザラしてるが潤っておる。中に壁画でもありそうじゃのぉ…。」

「ユ、ユキエです…。ヤダァ、ヤダァ…、先生…助けて……ううっ。」

中の壁を圧迫して蚕子の進行を止めようとするも、それが逆効果。蚕子に刺激を与えてしまう。
やがて時間を追うごとに、診察室内に潤った音が響き始め、幸江も少しずつ快楽に目覚めていった。

「気持ちいぃだろぉ?」

女屍人が質問する。

「あの時…痛かったけど、もう、平気…。あっ、あっ、ああんッ!す、素敵…。こんなの、初めてな…のっ。」

「まだまだ、若い奴等には負けられん…!」

文弘の腰のスピードが増す。蚕子様が中央立坑の入り口から階層7まで高速で行き来する!

「う、うおぉぉっ!!」

そして体位を変えていく。

バックで。対面座位で。松葉崩しで。
ベラのシナリオで文弘が松葉杖を持っているのは、松葉崩しが好きだからとか、そうでないとか。
114TKR:2013/09/16(月) 19:43:31.87 ID:tTiHwCKK
蚕子がムズムズし出して、脳内で△ボタンを押し続ける文弘。トロッコならぬ、トロッとしたモノが発射されそうになる。そしてすかさず○ボタン強打!

「…ちょっ、中だけはダメェ!!!ダメ、ダメぇ!イグゥゥゥゥウウウッ!」

「もう…、遅ぉーーーい!馬ッ鹿もーん!」

全身を震わせて蚕子を深く突き刺したまま、絶頂を迎えた文弘。幸江は蜘蛛屍人のように仰け反る。意味は違えど、幸江に言われた通り全部吐き出した。幸江の中に。体内に。
これで最深部にあるだろう、宇理炎も使い物にならなくなったハズだ。
文弘が蚕子を引き抜くと、幸江の羽生蛇炭鉱はトロッとした液体でグショグショになっていた。そして、蚕子の姿が消えていた…。

「御主様が、消えてしまった…。」

「御主様ぁ…。」

「御主様がぁ!」

「村を救って、天に戻られた…。」

幸江はというと、恍惚の表情を浮かべながらベットに横たわっていた…。少しだが、身体がビクビクと震えている。
文弘の蚕子は鎮まった…。


ーーーーーーーーーーーーーーー


    終了条件達成。


ーーーーーーーーーーーーーーー


…それから、文弘の股間には度々蚕子様が降臨されるようになり、その度に幸江が鎮めるというのが、パターン化した。快楽の虜になった幸江は、文弘が頭脳屍人になった後も車椅子に乗せて歩いたり、頬擦りするようになった。

イボ付き蚕子様はどうしたかって?未確認ですが…それはある時間に、伊東家の仏壇をチェックすれば見れるそうですよ!私はまだ、見たことありませんがね…。
115TKR:2013/09/16(月) 19:45:22.87 ID:tTiHwCKK
オマケ【アーカイブ】

STORY:No.??

バイブレーター

取得人物/伊東文弘
取得日時/8月3日/1:00
取得場所/山中
取得条件/トランクを壊す

白い流線形のキノコ形の形状と、全体に等間隔に配置されたイボイボが特徴の、シリコン製バイブレーター。持ち手の部分はプラスチック製で防水加工等はしていないので、使用には注意が必要。
単3電池2本使用。
主に当てがって使うか、突き刺して使う等、用途は様々。形や大きさ、色も様々だが、男としてはあまり道具には頼りたくないものだ。

◎:さらに詳しく

持ち手の部分にイニシャルと思しき「S.J」のアルファベットが掘り込まれている。


ーーーーーーーーーーーーー

WEAPON:No.?? バイブレーター

分類/軽い打撃武器
強さ/頼りになる
電池で動く、棒状の道具。固さや感度には定評がある。
女性もシングルプレイに用いる場合がある。





♪奉神御詠歌〜

オワリ。
116TKR:2013/09/16(月) 20:39:20.27 ID:tTiHwCKK
一応、あげときます。
117名無しさん@ピンキー:2013/09/17(火) 18:56:45.81 ID:x8GWotJd
>>106
キャラ選が予想外すぎるわwwwwwGJ!
ソルさん…
118名無しさん@ピンキー:2013/09/17(火) 19:15:12.41 ID:f7V/Z3pR
久々に良作GJ!
小ネタが秀逸すぎてワロタw
相当ゲームやりこんでるなw
119TKR:2013/09/18(水) 10:11:01.05 ID:AOpO+WuY
>>117
>>118

ご感想ありがとうございます!初めてなのでどう投稿すればよいか戸惑いましたが、これで大丈夫でしたか?
もし、アドバイスなどありましたら、ヨロシクお願いします!
120名無しさん@ピンキー:2013/09/18(水) 22:43:53.33 ID:2qVTkT+x
くっそwww声出して笑ったわ、面白かったGJ!
121TKR:2013/09/20(金) 15:14:18.48 ID:n65IuTgl
>>120

どうもありがとうございます!自分的にはもっとネタ盛り込める場所あったな〜と、投下後に思ったりしました;

近々また投下予定ですので、住人の方々のご迷惑でなければ是非ヨロシクお願いします。
122TKR:2013/09/21(土) 20:09:25.52 ID:U8r2Qv8N
続けて投下させていただきます。
宮田で書いてみました。

↓↓↓


「羽生蛇村が、もう1つ…?」

珍しく、驚いた表情を見せる宮田。

儀式も何も行われていない、平和な羽生蛇村。…だが、その羽生蛇村に1つの怪異が起こった。
ある日、時空に綻びが生じ、平行世界の「別の」羽生蛇村と繋がってしまったのだ。各々の羽生蛇の人々は戸惑いを見せたものの、やがて綻びを飛び越えて交流を始めるようになる。
繋がってしまった、別次元の2003年と1976年…。

「まったく夢みたいですよ、犀賀先生。」
「オレもだ。こんなにも似た境遇の人間に出会えるとはね。」
「やけに話が合うわけです。」

道を歩く宮田と犀賀。

「幸江さんのこと、私、応援しますっ!あっ、メアド交換しときましょうよ!」
「私も、美奈ちゃんの恋、応援しちゃう!えっ?メアド…って何?」

そしてその後ろを三歩どころか十歩以上下がって歩く、幸江と美奈。それぞれ、院長と院長に恋をした者同士。
今日は犀賀の世界の羽生蛇村でダブルデートをしていた。狩武食堂で四人で「羽生麺」に舌鼓を打ち、犀賀医院の院長室で「生き返り頭脳ゲーム」で遊ぶというプラン。提案者は後ろを歩く、職業ナースの二人組み。

「着きましたよ、宮田さん。」
「ほぉ、旧病棟にも自動ドアですか。羨ましい限りです。」
「まあそっちには大した物はありませんがね。とりあえずこちらへ…。」

院長室に入り、ソファーに座る四人。そして白熱(?)する頭脳ゲーム。無邪気に歓喜の声をあげる女性陣と、真剣なのか白けているのか分からない表情を見せる男性陣。それに気付き、我に帰って話かける幸江。

「先生、面白くないですか…?」
「………さすがにもう、飽きた。」
「ゴ、ゴメンなさい、私達ばっかり盛り上がってしまって…。」

すかさず美奈がフォローを入れる。…が、そう言った時には、幸江を強引に抱き寄せて唇を交わしている二人の姿があった。

「えっ!!」
「ちょっと、先生!?」
「いいだろう?幸江…。」

拒むように手で押し退けようとしている…ように見えるが、手に力は入っていない。美奈は赤面している。

「こっちも楽しもうじゃないか。」
「み、宮田先生まで何を…!」

あっけにとられた美奈を難なく抱き寄せる。
向かい合うソファーで、お互いの愛を見せつけ合う宮田と犀賀。それぞれ自分の女を手で相手しながら、目で会話をしていた。そしてこう思うのだ。

『コイツ、本当にイカレてやがる。』
123TKR:2013/09/21(土) 20:10:51.38 ID:U8r2Qv8N
手術で鍛えた繊細な指捌きが、幸江を、美奈を、いい声で鳴かせる。それまで頭脳ゲームを楽しんでいた部屋の雰囲気は、黄色から桃色に変わった声によって様変わりした。

「あんまりデカイ声出すなよ。鍵開いてるんだからな。」
「パトロールの嶋田が入ってくるかもしれないぞ。」
「そ、そんなぁ…。でも…。」

ーーー数分後。

「さて、そろそろいいか?」
「いよいよですね。」
「おい、幸江。宮田医院の院長様を、そのだらしない身体でおもてなししてこい。」
「………!?」
「美奈、お前もだ。行ってこいよ。隅々まで診てもらえ。」

思いもよらぬ、突然の提案。二人とも、恋人交換が目的だったようだ。すでに四人とも裸であるが、さらなる羞恥心が女性陣二人を襲う。

「わ、私…先生になら何されても平気って思ってたけど…こんなこと……。」
「なら都合がいいじゃないか。宮田さんも向こうで先生って呼ばれてるんだぞ。行けよ。先生なら誰でもいいんだろ?」

子供のような屁理屈をならべる。しかし、そんな反抗期の子供じみた屁理屈に母性を擽られたのと、命令口調による言葉が幸江の身体を宮田に向けさせる。
牛歩しながらも宮田の前に行き、佇む幸江。細い手で胸部や秘部を隠すが、胸はその手に納まり切らない。美奈より大きな胸が揺れる。

「可愛がって貰えよ。ちゃんと見ててやる。」
「…宮田先生、よ、…よろしくお願いします。」
「どうぞ、診察してあげますよ。ほら、美奈も行ってこいよ。さっさとあっちに行け。」
「美奈ちゃん、ゴメンね…。」
「そんな…幸江さんもオカシイよ…。」
「さっさと行けったら。なんなら犀賀医院への紹介状書いてやろうか?ハハハッ。」
「フフッ、宮田先生も口が回る回る。」

こうして同行者をチェンジした宮田達。すぐさま自分の元に来た獲物に喰らい付く。宮田は幸江の禁断の果実に手を伸ばす。
…「黄泉竈食ひ(よもつへぐい)」。宮田達は快楽への黄泉路を突き進む。もう後戻りは出来ない。

『ああっ、犀賀先生っ、違う女の人に夢中になってる…私のことも、ちゃんと見ててよ…。馬鹿っ。先生の馬鹿っ!』

美奈も渋々ではあるが、犀賀の元へ。幸江程ではないにしろ、美奈にも二つの膨らみがある。宮田のように彼女を引き寄せ、胸部を後ろから弄る。

「美奈、隙だらけだぞ。」

視線に気付く犀賀。いつの間にか体位を変え、美奈に覆い被さりながらこう言う。

「安心しろ幸江。オレはお前しか愛さない。ただ、いつも羽生麺ばかり食べていると、たまにはこんな不味い素麺も食べたくなるんだよ。」
「もっと言ってやってくださいよ!美奈は、…この雌犬は罵られると感じるんですよ!」
「ほう、やはり。美奈さんは乳ガンの心配はなさそうですね。」

『やっぱり犀賀先生、私のこと…。嬉しい…。』
『私の胸が小さいから?小さいからなのね?胸の大きい幸江さんが羽生麺で、小さい私が…私が不味い素麺…。
ヒドイ…って思うけど…そんな言い方されると感じちゃう…。』

幸江、苦悶に満ちながらも安堵の表情を見せる。美奈は罵られて身体が反応し、四肢を震わせる。しばらく絡み合う四人。
124TKR:2013/09/21(土) 20:12:05.98 ID:U8r2Qv8N
「あと美奈は、首を思い切り締めながら深く突いてやるとすぐイキますよ。試してみてください。」
「先生、それは…誰にも言わない約束じゃ…!」
「失礼します。こうですか?」
「ううっ…!」
「もうちょっと強く。殺意を込めるつもりでね。」
「く、苦しい………!あっ、あっ…、ダメーーーッッッ!!!飛んじゃう!」

絶頂に到達する美奈。そのまま気を失ってしまった。だが犀賀は腰を停めない。

「どうした?もう終わりか?」

美奈の気の抜けてしまった顔を見ながら言う。

「耳よりな情報を頂いたので、私からも。幸江は…手を縛ったり、布袋を頭に被せたり、自由を奪って乱暴にしてやればイキ易いです。(幸江…先にイッててくれ。)」
「ならばこれの出番ですね。」
「そう、それです。」

傍らに、予め用意されていたと思わしき「かんてん」と書かれた箱を開け、道具を取り出す。

「ヤダッ、宮田さんやめてぇッ!」
「気安く呼ぶな。宮田先生…だろ?」

視界と腕の自由を奪われ、横になりながらも抵抗する。しかし、宮田のネイルハンマーのように硬く反り返ったモノが幸江の奥を抉る。
快楽に負け、力が抜けていく…。抵抗する幸江を見つめながら加速する宮田。女の苦しむ姿に興奮し、ネイルハンマーもさらに強度を増す。

「あああぁ、イク、イク、もう駄目…先生ぇーーー………!」

身電流が走ったように身体を震わせる宮田と幸江。

「…言った通りですね。私も思わず中に出してしまいましたよ…。犀賀先生、美奈が口を開けて欲しがってるみたいなので、顔に思い切りブチまけてやってください。」
「ち、違います!顔はヤメてください!!」
「宮田さんも素晴らしいイキっぷりでしたよ。じゃあ、私もそろそろ…。」
「あっ、また、…イクッッッ!あぁぁぁん!!!」

美奈の体内からモノを引き抜き、すぐさま顔に向けて思い切り発射する。
二度、三度と連射された体液が顔全体にかけられ、美奈の顔は頭脳屍人のようにドロドロになってしまった。

「立派な狩猟用散弾銃をお持ちだ。狙いが正確ですね。」
「趣味で銃の扱いは慣れてるんでな。」
「改造散弾銃ですか?」
「あいにく、武器みたいにパイプカットはしてません。」
「それは失礼。」

倒れた女二人と、見下す男二人。皆、息が乱れている。

…パタン。院長室の扉の隙間が閉まる音がし、足音が遠ざかって行く。誰かが見ていた?
125TKR:2013/09/21(土) 20:14:32.50 ID:U8r2Qv8N
「く、狂ってる!」

走り去る牧野。追わずに佇み、扉に目をやる二人。

「すいません、どうやら兄さんが盗み見していたようです。」
「次は是非、牧野さんと理沙さんも交ぜてあげましょうか。」

その時、気を持ち直した幸江と美奈が立ち上がる。

「先生、もっと…ください。私達、まだ足りません…。だから…。」
「まったく…ホントにしつこい女だな。」

頭脳屍人になる運命を辿るはずの二人は回復速度が速かった。やれやれと思いながらも、壁に照らし出された四人の影は再び二つに分かれ、やがてゆっくりと崩れていった…。


ーーー数日後…。

勤務中、誰もいない夜のナース室で、机に向かう幸江は手にした何かを見ていた。

「ホント、二十一世紀には便利なモノがあるのねぇ…。」

手に持っているのはビデオカメラだった。美奈から貰ったこの機械であの時、院長室を隠し撮っていたのだった。
画面には激しく乱れる四人の姿がーーー。

「美奈ちゃんのお陰で、私達の愛の記録がまた一つ増えちゃった…。」

うつ向きながら不気味な笑みを浮かべ、さらに呟いた。

「フフフッ…先生ぇ………



だああぁぁぁい好きいいいぃぃぃ…。」


ナース室に小さな笑い声が反響する。


END
126名無しさん@ピンキー:2013/09/29(日) 02:56:07.24 ID:Ne6RQ3/f
うおお連続でスゴイのきてた…!
2作ともシチュエーションが素晴らしくエロいっす!
エロいけど小ネタがいちいち面白くて吹くw
127TKR:2013/12/13(金) 23:58:18.89 ID:uQAuYQP5
「保守」
過疎スレで誰も投下しないなら、また投下しようとネタを考える冬の日。他の方の作品を読みたいと願うも、その気持ちは虚しく闇を吹き抜ける…。
誰かのリクエストがあれば、「書いてみよう」と一応アゲてはみるが…。
128名無しさん@ピンキー:2013/12/15(日) 09:28:21.22 ID:4W918rtg
>>127
2キャラのエロがみたいれす!!
129名無しさん@ピンキー:2013/12/22(日) 10:29:28.36 ID:JXpXJ4D0
保守
130TKR:2013/12/23(月) 19:58:06.67 ID:46dFBxdS
久々に投下させていただきます。
リクのご期待に添えますかどうか…。

サイレン2より、一藤二孝と鍋島揉子の夫婦(めおと)物語です。二人を団地に住まわせてみました。ゲームであんまり性格の出る演出が無かったので、性格は勝手に付けました。物語は一藤の視点です。
なるべく、ストーリーの時間軸も意識はしてみました。マニアックス等も参照しました。
一部、麻雀ネタ出ますが、分からなくても大丈夫です。
長いので分けて投下します。



***

一藤ニ孝『夫婦』
15:31:41/夜見島金鉱社宅

……闇人達とやむなく縦社会の中で暮らす事になった一藤ニ孝。 闇人化したかつての仲間達に罵られながらも、揉子と共に屍人として生きていこうと決意するが……

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーー写し世の世界の夜見島。そこは、過去の人間と現代の人間が「次元の歪み」というイタズラのもと、一同に集められた人間交差点。
そんな中で出逢ってしまった、悲しき男と女の物語…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー

     
      終了条件

 「鍋島揉子」と「幸せ」になる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


はっきりとは見えないが、俺の目の前に揉子がいる。姿がぼやけて見えるんだ。声は何故だか反響して聞こえてくる。回りは何も無い白い世界。此処はどこだ?

『貴方っ、此処にいたのね。』
『あ、ああ。…なあ。とうとう、この島に屍人は俺達だけになっちまったみてぇだな…。』
『いいじゃない。他の人なんて関係無いわ。アタシは貴方さえいれば…。』
『揉子…!』
『貴方、ずっと一緒よ…。まわりの人達は変わっても、アタシと貴方は屍人のままで…。』
『ずっと…だな。絶対だぞ?』
『えぇ…。』

……………。


「…っと。ちょっと。ちょっとぉ!」

なんか揺れてる。地震?震度は1か2くらいか。いや、俺の身体を誰かが揺すってるんだ。それは雪のように酷く白い手だった。これが人の手?俺の肩を、脅すようにだんだん強く揺さぶる。

闇人の手か。どうやら俺はまた、妄想に浸ってたみてぇだ。
131TKR:2013/12/23(月) 20:00:31.51 ID:46dFBxdS
「ちょっと、一藤一佐。早くしてくださぁい。」
「ホント、屍人ってトロくさいですねー。」
「ずっと待ってるんですケドォ?」
「すまんすまん、今するよ。」
「は?ちゃんとハキハキ喋れってば!」
「仕方ないよー、屍人みたいな劣化種はペラペラ喋るなんて出来ないんだからぁ。」
「アハハー!」
「あとその、顔の血とか拭いて下さいよ。不潔ッス。」
「ハハハ!あー、巨人勝ったかなぁ。テレビあればいいのに。」

そうだよ。どうせ俺は劣化種だよ。

…俺の目の前にいるヤツら。どいつもこいつも、よぉく知った顔だ。沖田に三沢、…あとはアイツ。あん時、一緒に揉子を助けた俺の部下。
同じ自衛隊員で顔馴染みの仲間だが、いけすかねえことにコイツら顔が真っ白。闇人になっちまった…。

おっと、手役が出来て来たな。このまま行けば『チャンタ、三色同順』。字牌抜きで『チャンタ』を『純チャン』にしたいところだが、この巡目ではそれも叶いそうにない。今、どちらを切るか悩んでいる。どちらにしろ頭単騎待ちになるが…『白』と『中』。

おっ。コレってなんか色合いが似てるな。真っ白な顔の闇人が『白』で、血だらけの顔の俺達屍人が『中』。だったら種族を信じて、俺は『中』で待つ!『白』なんか切ってやる。
俺という『中』で待ち、揉子という『中』が来るのを待つ。これはなんだかアガれる気がしてきたぜ!運命だな。この手役はアガれる運命。そして俺と揉子は幸せになる運命…。

「願をかけて、じゃあ、…コレだ。」
「ハイ、その『白』待ってましたー!『小三元、中、發、ドラドラ』!」
「うわっ、三沢さんキッツぅー!」
「ま、参っ…た…なぁ…。」
「一藤一佐に12,000点、直撃ィー!!ハコった〜!」

『中』はそこに捕らえられていたのか…。

…此処は崩谷にある、夜見島金鉱社宅のイ棟の、とある一室。
俺は揉子を助けたあと、夜見島を3人で逃げ回った。だけどアイツら、卑劣な罠で俺の部下を捕らえ、闇人に引きずり込みやがった。もう屍人は俺と揉子しかいない…。
ずっと逃げ回って数時間後、闇人になった沖田が俺の前に丸腰で現れて言ったんだ。

「元自衛隊員一同で太田氏に頼み込みました。貴方が逃げなくても済むように…。そしたら、闇人に干渉しないなら、同じ社会の中で生きる事を許可してもらえました!
ただし、闇人と屍人は協力して残りの人間を狩る事が条件です。一佐には生前お世話になりましたし、せめてもの恩返しです。どうです?」
132TKR:2013/12/23(月) 20:04:49.94 ID:46dFBxdS
逃げることに疲れたし、オレは喜んで条件を飲んだんだ。だが…俺の身体はトロくなったが、頭の中はそんなにトロくなってない。気付いてるんだよ。最初からコレっぽっちも信用してない。
コイツら、俺のこと「一佐」とか呼んで慕ってるフリしてるけど、さっきから馬鹿にしてるし、いつかオレと揉子を闇人にしちまう考えなんだ。
ここにいるヤツらは丸腰だけど、俺だけは小銃を手離さない。コイツらは俺を信用させるために武器らしい物は持ってないが…。でも気が抜けねぇよ。
10歩くらい歩いたら後ろを振り返って、闇霊が居ないか確認するクセもついた。あいつらは野良犬さ。目の前にいるコイツらとは、別のタチの悪さがある。

「ホラー、早く12,000点!」

「………。」

話を戻そう。今、この団地の一室で俺は、かつての仲間達と麻雀をしていた。だが情けないことに、いいカモにされている。

「もうハコテンだし、今日は帰るよ。」
「じゃあ、ご祝儀払ってよ。早く、ホラホラ。」

ジャラジャラ…。(薄汚れた袋から、数枚の金属を取り出す。)

「ホラよ。じゃあな。」
「はーい、おととい来てくださいよ!」
「ちょっ!三沢さん、そしたら金ヅル居なくなっちゃうし!」
「あっ、そっかあ!」
「アハハー!」
「………また…な。」

バタン。

なにが金ヅルだよ。…賭けてるのは「カネ」じゃなくて、せいぜいムベンベ・コーラの「王冠」だろ!?
あーあ、死んでも地獄…だな。
俺の家は向かいの棟の一階、沖田が提供してくれた部屋だ。とりあえず家賃ナシだが、困ったことに玄関の扉「も」無いし、ガスも壊れて使えない。ロ棟の102号室…

三沢が数時間前、人間だった時に爆破しやがったアノ部屋だ。お陰様で風通しはいいが、プライバシーも筒抜けだ!…ったく。
…どう考えたって嫌がらせ。
部屋の電気を点ければ「眩しい!」って苦情来るし、扉が無いせいで「話声がうるさい!」って苦情来る。
わざと、からかいに来るんだ。


…パキュン!


あ、危ねぇッ!なんか飛んできた!

「あー、すいません!人間かと思って、思わず発砲してしまいました。ククク、もしかして…

やんなっちゃいます?やんなっちゃいましたか?ねぇ。」

俺の顔を覗き込むように、首を伸ばしてきた。それを払い除けるように言ってやる。

「まったく、気を付けて下さいよ。」
「ハイハイ!今日も、異常ナーシ!」

チッ!あのマッドポリスが。アイツは警官の藤田。会うたびに嫌がらせで発砲してくる。さっきも2回やられた。いつか絶対、オレに当てに来そうだ。…にしても市民を守るのが警官だろっつーの。
まあ、俺は自衛官だし、自分の身は自分でどうにかしなきゃならん…か。
あっ、イヤな予感がする。ヤツが来そうだ。
133TKR:2013/12/23(月) 20:06:04.94 ID:46dFBxdS
「やあやあやあ、コレはコレは、時代遅れの屍人さん!」

…出たよ。この島で一番のお偉いさん、確か名前は太田常吉。いや、常雄だった。もう放っておいてくれよ。

「ああ、話はまだ…。」

無視無視………。
イヤミで鼻を摘まみながら横を通り過ぎてやった。ちょっと恩知らずだっか?反省。

あれ?ホントに常雄で合ってたか?


「ただいまー。」
「あら貴方!おかえりなさい!」

…良かった。揉子は無事だったみてぇだ。俺は、外出するのが不安でしょうがない。イヤ、本当はしたくないんだ。女房一人残して外出なんて。だけど、コイツったら…。

「仕事仲間との付き合いもあるし、行ってきていいわよ。アタシは…大丈夫だから!」

とか言ってさ。俺のこと気遣って、いい女房演じやがる!…泣けるだろうっ?でも、もうアイツらと麻雀なんか金輪際ゴメンさ。さっきの通り、屍人屍人って馬鹿にしやがる。もう、ヤなことは忘れよ。
揉子はヒビの入ったお盆に、黒ずんだコップと、空のムベンベ・コーラの瓶を持ってきてくれた。…出来れば、そのコーラは見たくない。さっきのこと思い出すから。大分巻き上げられた。

「揉子…、ゴメンな。もう、ずっと一緒にいるから。」
「いいのよ!アタシは大事な人を…貴方を…待つ身でいいの…。」
「揉…子…。」

ーー思わず揉子を抱き締めようとする。しかし。

…おおっとっと。蝶のように避けられた。美しさも身のこなしも、やっぱりオマエは蝶なんだな…。

「ふ…ふ…ふ〜ん…♪」

揉子…。こんなに美しい屍人はどこにもいやしない。自慢の女房だ!窓ガラス見て、おめかししてんだなぁ。

「百恵ちゃん…、素敵よね〜。アタシも、ああなりたいわ。」

ーー窓ガラスにうっすら映る自分を見て、笑顔を作る揉子。ガラスには白眼で血塗れの女の顔が映る。常人が見たら狂気の沙汰だ…。ゴム手袋のまま前髪を整えようとするが、上手くいかない。

「ちょっと、ともえさんトコに行ってくるわ。あっ、一人で大丈夫よ!アタシを信じて。」
「オイ、一応…、武器のアイロン持って行けよ!おーい!……大丈…夫かな。」

せっかく帰ってきたのに、また一人ぼっちか。回りは闇人闇人、白い顔ばっかで頭がおかしくなりそうだ。でも、闇人ってそんなにいいモンかねぇ。
134TKR:2013/12/23(月) 20:08:41.88 ID:46dFBxdS
ーー横に寝転がり頭の後ろで手を組み、天井を見上げる一藤。部屋を照らす電球が眩しい。

こんなちっぽけな電球でも、やつらにはゴキブリみてぇに嫌われる。俺には分からん。だいたい、死ぬまで(人間の時)光とともに生きてきたじゃねぇか、俺達は。

闇人…ね。

そういや三沢のヤツ、闇人になってから元気になったし薬も飲まなくなったようだな。まさか、闇人になって気分もスッキリしたのか?
ていうか…俺が屍人であり続けることの意味って?いっそ、向こう側に行った方が楽なのか?そしたら揉子も幸せなのか?俺が単に、変な意地張って「屍人」にこだわってるだけ?
あぁ、だからこういう時、頑固者は悲しい思いをするんだよな。昔、誰かが唄ってたっけ。

でもなんだろう。俺の、この心のどこかで叫んでる、『帰りたい』って言葉は…一体何を意味してるんだ?俺がどこに帰るってんだ?

まあ、今はいいや。コーラでも呑む…フリをしよう。昔のママゴト思い出すなあ。ガキの頃よく…

あっ。

俺と揉子って、子ども………作れるのかな?


…しばらくしてから、1つのカビ臭い布団で新婚夫婦のように揉子と眠る。別に眠いから寝るワケじゃない。夫婦生活をただ、なぞっているだけだ。パジャマにさえ着替えない。もっとも、そんな気の利いたモノはこの島にないが。
だから迷彩服の俺と、エプロン姿の揉子が横になってる。血塗れなのは共通してるが、自分でも笑っちゃうよ。
あと、闇人に襲われたら敵わないし、電球は点けっぱなしにしておこう。闇霊も来ないハズだ。


「…起きてるか?」
「ええ。」
「…いい、かな?」
「…え?なに?」
「決まっ…てるだろ。二人の…愛を確かめる行為をだな…。夫婦だし、やっぱりなんつーか、こういう…。」

下半身のモノが脈打つのと同時に、大きくなるのが分かる。すぐにでも揉子に触ってもらいたい。触って欲しい…。きっと満足してくれるハズだ。体力にだって自信はあるし、パンパンに硬くなってく。
135TKR:2013/12/23(月) 20:09:48.11 ID:46dFBxdS
「今は…ダメ。明日ならいいから。それに、きっと皆見てるわ。」
「えっ、あっ…。でも……じゃ、じゃあ、明日な。うん…。明日ね、ハイハイ…。うーん…。」

出鼻を挫かれた。同時に、俺のモノは闇霊のように縮んでしまった。冷めたと言えば冷めた。
…ていうか、明日?…俺達に明日なんてあるのか?

闇から逃れたい一心で、天井から下がる光った電球に向かって右手を伸ばす。手のひらを握ってみる。だが、幻のように光りは掴めない。
それにしても迂闊だった。玄関扉なんか無くても、俺達には「幻視」があった。もちろん、太田や三沢達も見るだろうな。俺が行為に及んでる視点を。俺の目を使って、揉子の乱れた姿を…。揉子のストップがかかったのは、正解だった。
それにさっきの麻雀だって、あいつら絶対「幻視」使ってたんだろうな。「麻雀で幻視を使わない紳士協定」なんてウソっぱちだったんだ…。


「じゃあ貴方、おやすみなさい…。」
「うん。…なあ、揉子。」
「なぁに?」
「愛してるから…。」
「………分かってるわ…。」

………。

「…ねぇ?」
「………。」
「寝たの。フフッ、オヤスミ…。」

チュッ。

ーーこの時俺はまだ、今の幸せがもうちょっと長く続くハズだと思ってたんだ…。あんなことが起こるまでは。
136TKR:2013/12/23(月) 20:17:23.03 ID:46dFBxdS
***

17:45:22/夜見島金鉱社宅


ちょっとしてから、俺は起きた。本当に寝てしまったようだ。揉子は居ない。多分、太田ともえのトコだろう。もともと同じ島の人間みたいだし、ちょっとは仲いいのかな。屍人だから、同じとこ何回も行き来するんだ。
おっ、今回はアイロンも持って行ったか。それが一番だ。
ひどい寝返りをうったせいでカビ臭い布団には、俺の顔の血がベタベタ付いてしまった。あれ?愛用の89式小銃は…ああ、足元にあった。

ーー顔に付いた埃を拭いつつ、銃を拾いに行く。

俺は仕方がなく、向かいの棟へ麻雀をしに出掛けた。他にやることがない。俺も例外無く、さっきと同じ行動を取る。生き残りの人間も別に探そうと思わない。
俺なんか行ったところで人間には勝てんし、間違ったふりして闇人に殺されるだろう。それに今はもう、揉子にしか興味がない。


バタン。

ん?アイツらは?
部屋の中には店番をやっている太田常雄ただ一人。なんか異様過ぎる風体、甲式化してる。でも面倒なので敢えて追及しない。視線を落として話しかける。顔が下半身に付いているからな。昔、ガキの頃に見た特撮番組で敵にこんなの出てきたっけ。

「すいません、三沢達は…どこですか?」
「あ?三沢君?あぁ、彼らね、イ棟301号室に出掛けたよ。キモ試しに。」
「キモ試し…?」

こんな化け物だらけの島で?自分達を棚に上げて?

「そうだよ。なんか三沢君がさっき、人間の時に少女の化け物見たとかで、それを確かめに出掛けたんだ。」
「はぁ…。」
「でももう居ないよ。化け物もいなかったって。それから皆、そのまま人間狩りに出掛けたから。若い自衛官が一人、まだ人間なんだってさ。あとはバット持ってる緑のジャケットの男。他にも人間の気配は幾つかするみたいだけど、よく分かんないや。」

バットのヤツは知らんが、もう一人は永井か…。あいつもまだ、人間やってんだな。オレはどこまで屍人を通せるかな。

「あんたもそろそろ、屍人ヤメたらいいんじゃない?闇人になりなって。」
「いや、それはまだ…。」

バカヤロー、携帯電話解約して他社に乗り換えるのとはワケが違うんだよ!

「そんなワケでとにかく、今は誰も居ないから!さぁ、帰った帰った!揉子ちゃん待ってんだろ?」
「でも…。」
「屍人ヤメて闇人になったら麻雀しに来ていいから!たった今から、屍人の出入り禁止!ね!
オレの目が黒いウチは…。あ!」
137TKR:2013/12/23(月) 20:18:27.70 ID:46dFBxdS
ーー何かを閃いた太田。不意に麻雀卓から何かを探して、牌を一枚手に取る。

「…ええっと、…コレコレ。オレの目がイーピンの内は、お前に麻雀は打たせねぇ!…つってな!アハハ!!」

わざわざ卓からイーピン(大きな◎が1つ書いてある牌)探してのオヤジギャグか。寒い…。

「あ…ウケなかった!さあ、とっとと帰れえ!!そーれい、そーれい!」
「分かりましたよ…。」

なんか黒い煙みたいなの出してきたし、手で追っ払う動きをされたので、そそくさと外にでる。甲式化した太田には、真正面からの口喧嘩には勝てない。あの顔も更にデカくなったし、威圧されてしまう。


バタン。

今出てきたばっかなのにな。あーあ、またも出鼻挫かれちまった。太田のオヤジも、娘探して人間狩りに出掛けるんだと。
仕方なく玄関の無い我が家に逆戻り。部屋は暗い。揉子はまだ留守のようだ。

「ただいま〜。誰もいないか…。」

またしばらく、ぼんやりしようか。ホントは揉子と同じ場所にずっといたいだけなのに。化物になっちまった俺だって、正直疲れている。回りにはもっと別の化物がいるんだから。
揉子、揉子だけが、俺の唯一の支え…。揉子を探しながら町内のパトロールでもしてみよう。ついでに噂の301号室、俺も見に行こうかな…。
138TKR:2013/12/23(月) 20:27:22.48 ID:46dFBxdS
***

20:52:34/夜見島金鉱社宅

1回目の町内のパトロールをした時、こんな本を見付けた。「お話玉手箱」。もうちょっと大人の読み物とかあるかと思ったが、ホントに何も無いなこの島。読んだ中では「盗まれた少女」と「トイレで大爆発が起きた話」が、まあまあ面白かった。
そのあとの町内のパトロールは、かれこれ団地の敷地内を4回くらい隅々まで見て回れた。あと、藤田に撃たれたら「正当防衛」とか言って撃ち返してやろうかと思ったが、どこにも居なかった。面白くない。
皆どうした…。どうして団地には誰もいないんだ。揉子、お前までなんで帰ってこないんだよ…。もう何時間も戻らないし、遠くに行っちまったのか?他の場所に探しに行きたいと思いつつも、今帰ってきそうな気もするし、すれ違いも怖くて団地から飛び出せない。
ともえの家の場所さえ分かればすぐに行けるのだが、この島を無闇に探すのは危ない。太田のオヤジに聞いときゃよかった。
でも、無駄に町内パトロールをしていたわけじゃない。闇人になってからアイツらが棄てたであろう、懐中電灯をいくつか見付けた。電球が執拗に割られていた物もあるが、そういった物は電池を利用すればいい。お陰で俺のライトは万全な状態になった。
このライトがあれば、万が一の事態の突破口になるだろう。よし、勇気を出して港の方に行ってみよう。罠があるかもしれないが…。

その時、一つの気配がこちらに近付いていることに気付いた。

「ごめ……さい…。」


闇人の声!?「ごめんください」って、部屋に入って来た?

「…誰だ!?」
「ごめんなさい…。」

喰らえ!!
俺はすぐに手持ちのL字ライトで部屋を照らした!
139TKR:2013/12/23(月) 20:30:54.72 ID:46dFBxdS
すると光に苦しむ闇人の姿が浮かび上がった。

「顔を見せろ!三沢か?沖田か!?」
「貴方、…アタシよ。」
「も、揉子…なのか…!?」

手にアイロンを持っている。なんと、闇の中で苦しんでる闇人は揉子だった。肌は白く、黒い布を身体中に纏っている。着てるんだか巻いてるのかは分からない。異国の民族衣装のような、不思議な佇まいだ。一番愛した女が、一番嫌いな姿で目の前にいる。

「ウソだろ…?や、闇人になっちまったのか…。冗談か何かだろ!?
揉子…言ってみろ。誰にやられた?太田のトコの娘…か?」

首を横に振る。

「じゃあ、太田のオヤジだな?ちょっと行ってくる!」
「待って、違うの!!」

ハキハキとした耳障りな声が俺を呼び止める。しゃがれた美しい声はどこ行ったんだ…。

「ゴメンなさい、私、襲われたの…。」
「誰にだ?」

震えた声だ。悪いと思いながらライトを再び揉子に向けた。そしたら揉子の白い頬には、血ではなく涙が伝っていた。光を向けられた身体からは、湯気のような煙のようなものが少し出ている。光で焼けてる?苦しそうな表情を見せるが、それでも顔を隠そうとはしない。
まるで「屍人であり続ける約束」を破った罰を自ら受けるように、光の前に立ちすくんでいる。一方、揉子が悲しみに震える声を出すことに対し、俺は、怒りに震えた声を出した。

「誰にやられたんだ!!言ってみろ!」

カッとなって叫んでしまった。もはやこの怒りは収まらない。ライトを消して愛用の89式小銃を手に取り、残弾数を確認する。…圧倒的に不利だ。こんな身体、こんな装備では、誰と対峙しても犬死にだろう。でもだからって…。

「ともえさんに会いに行く途中、銃を持った女の子に撃たれたのよ…。あの子、何時間か前に学校で会った子よ。前と違って…とても恐ろしい感じがした…。」
「……………。」

とにかく、人間は敵なワケだな…。
140TKR:2013/12/23(月) 20:34:42.23 ID:46dFBxdS
「お願い、行かないで!」
「いや、俺にも意地がある!自衛官人生の全てを賭けて、お前の仇を撃つ!俺に任せな!」

もう、訓練じゃない。実戦だ。賭ける物も、コーラの王冠ではない。命だ。屍霊がまだいればまた、屍人として復活出来るが、揉子が闇人になってしまった辺りを考えれば、もう望みは無い。屍霊は絶滅したのだろう。
出撃前に立ち止まって、目を閉じて祈る。自分の武運を。
その時だ。背後に揉子の気配を感じた。抱き付かれた。止めるつもりか?

「もう、終わりなのよ…。」
「いや、始まりさ。俺達の人生も。俺があいつらに勝って、この団地も屍人でいっぱいになるんだよ。ここは、屍人の島になるんだ。」
「いいえ、アタシには分かるの。」

…どうやら、この世界をどうにかしようとする人間がいるらしい。全てを終わらせる為に。揉子が闇人として復活しちまった時、太田のオヤジも藤田も、気配が消えてしまったそうだ。

「そうか、あのオヤジが…。」
「もう、この世界は終わってしまう。人間が、アタシ達闇人の母胎を消し去るのよ。そしたらアタシ達だってどうなるか…。」
「母胎…………。」

無言の時間が流れる。この時間が長く感じられるが、この気まずい一瞬すらももうすぐ消えるというのか。

「お願い、最後に抱いて…。」
「こんな時にか…?ふ、ふざけるな!」
「声、震えてるわよ?最期の時間、愛し合いましょう…。お願いよ……。この世界が消えたら、アタシ達だってきっと。」

声の震えが「怒り」から「焦り」に変わったのが悟られたようだ。揉子も、俺を引き止める方法がこれしか思い付かないのだろう。
生きてる間は、「なんちゃらの大予言」なんて信じて何も起らなかったが、今回は本当に終わるようだ…。この、写し世の世界が。
141TKR:2013/12/23(月) 20:37:21.38 ID:46dFBxdS
「いや、しかし…。」
「いいのよ。たくさん甘えて。それとも、闇人になってしまった女は…


抱けない?」
「……………ぐっ!」
「それに貴方も気付いているハズよ。自分の意識とは別の『帰りたい』って気持ちに。」
「…知ってるのか?これはなんなんだ!?」
「それは、貴方の中の屍霊が、私たちの母胎の元に帰りたいっていう気持ちなの。私たちが元は同じ人間であったように、屍霊も闇霊も元は同じ存在なのよ。でも…。」
「でも…?」
「屍霊は闇霊たちに対して、愛憎の気持ちを持っている。アタシたちが冷たくしてるから…。」

この言葉の中に、遠回しに「アタシと貴方はもう別の存在」という意味が込められているように聞こえた。

「でもアタシは貴方を拒まない。受け入れるわ。だから、貴方も…。」

揉子は蝶が羽根を広げるように両手を広げる。だが、自分の中で気持ちがまとまらない…。多分、屍霊の気持ちが高ぶっているのだろう。
俺の「揉子を愛する気持ちと、闇人になってしまったことへの憎しみ」、屍霊の「闇霊と元通りに一緒になりたい気持ちと、拒絶されていることへの憎しみ」が同調している。
自分がコントロール出来そうにない。すべての気持ちの自信がなくなってきた…。なにも分からない。すると今度は揉子が挑発してきた。

「アタシのこと、憎いでしょ…?貴方との約束を数時間程度で破ってしまって…。アタシは光を向けられても避けないし、その銃で撃たれても構わない。貴方に…乱暴にされたって…。
アタシを殺せない貴方に、この島をどうこうする力は無いわ。行くだけムダよ…。だから、ここで…。」
「わかった。鉄塔に行くのはあとにする。」
「じゃあ…。」
「ああ。ここにいる闇人を捩じ伏せてからだ…。」
「嬉しい…。」
「シャワー、浴びてくるよ。血だらけだからな。」
「そんなもの、この団地には無いわ。」
「(そういやそうだ。トイレしか無かった。)…………。」
「それより早く、この白い身体を思いきり汚して?あなたの血で、汗で。この闇人の身体が憎いでしょう…?」
「………!」
142TKR:2013/12/23(月) 20:39:43.20 ID:46dFBxdS
揉子は上半身に纏っていた黒い布をはだけさせた。ライトなんてなくても屍人の目が効くのでよく見える。
訓練漬けの生活に慣れてしまった俺の目には、かなりの毒だ…。揉子のマネキンのような、石膏像のような白い胸部が露になったのだから。

「揉子ッ!」

銃を足元に投げ捨て、ヘルメットを外し、俺も迷彩服の上着を脱ぎ出した。今まで抑えていた「欲」が一気に溢れ出した。
とても部下共には見せられない。厳格な上官を演じ続けた俺が今、愛する女に夢中になる。

「嬉しい、嬉しいの…。」

俺は、違う姿で帰ってきた女を家にあげたあげく、身体をも受け入れた。
くそっ、こんな時に俺はなにをしているんだ。あいつらは…。永井は死んだ俺達と戦っているかもしれないのに。皆、生きるか死ぬかのやり取りをしている時に、俺だけ…。

葛藤しつつも、本能は目の前の女体に向けられていた。屍人であるせいか、身体がぎこちない。揉子の服を優しく脱がすつもりが、思いきり破いてしまった。
まさかこんな状況で脱いだものを綺麗に畳むこともないだろうし、破いても構わないだろう。

「荒々しいのね。私も…。」

お返しに揉子は、俺の服を綺麗に脱がせてみせた。滑らかな手つきだ。闇人の方が身体の動作に支障が少ないようだ。

「お前のこと、満足させられるか分から…ないぞ?身体が、あまり言うことをきかなくて…。」
「じゃあ、アタシがリードしてあげる。」
「待て、いきなり…!」
「フフ、さっきの続きしましょ…。」

硬くなったモノを擦る白い手。闇人が狙撃銃を携行している時のように、手のひらを触れるか触れないかの感覚で何度も撫であげる。

「気持ちいでしょ?」
「う…うう…。」

息が荒くなる。俺も揉子に触れようとするが、力が入らない。一緒に気持ちよくならなくては意味が無いのに。力を振り絞って、右手を伸ばす。
143TKR:2013/12/23(月) 20:42:23.88 ID:46dFBxdS
「なあに?アタシをどうしたいの?」
「俺も、気持ちよくしてやる。」

右手で揉み子の左肩を掴んだ。抱き寄せて顔を近付ける。そしてキスから首筋、鎖骨へと唇を這わせた。
もし目撃者がいたとすれば、頸動脈を噛みちぎっているように見えるかもしれない。俺の顔が血塗れでゾンビみたいだから。だが、そんなこと気にするのはヤメよう。邪魔する者はいないんだ。

「あっ、ゾクゾクする…。」

…よかった、感じ始めてくれている。元々こういうことに自信は無い。ましてや身体も言うことをきかないので、揉子をガッカリさせるのではないかと不安だった。
首筋に愛撫が集中して感じているのか、揉子は首を長くして上を向いた。愚息を弄っていた手は動きが止まってしまった。今度は胸を責めてやろう。少々力が入りすぎるが、大丈夫だろう。

「ああ、なんて力強い手なの…。もっと、もっと強く…。」
「痛いなら言えよ…?」
「だ、大丈夫…。」

脇腹も擦ってやり、下半身にも手を入れる。思ったより濡れている。それを知った瞬間、愚息の先がさらに膨張したのが分かった。
俺の右脇に揉子を正座のように座らせ、右手で秘部を弄ってやりながらくわえさせた。一緒に気持ち良くなるには、多分、こういうのがいいハズだ。

「あっ、あっ、ゆ、指太い…!そんなにかき混ぜたら、ダメ!」
「これがいいんだろ?」

どうやらあんまり気持ちよくしてやると、動きが止まってしまうらしい。一緒に楽しむには、ほどほどにしてやらんとダメか。
それから、お互いの身体を絡ませて色々な所を触ったり、舐め合ったりした。頼む、この時間だけは誰も邪魔しないでくれ…。

「…挿れるぞ。」
「うん…。」

少しずつ焦らすように挿れようとするが…。

「あっ、当たってる。そんな、一気に!?ああっ!!」

加減が出来ない身体なので、一気に深々と突き刺してしまった。ダメだ、気持ち良さも相まって腰が止まらない!

「あぁ、らめ!おかしくなっちゃう!」
144TKR:2013/12/23(月) 20:46:19.84 ID:46dFBxdS
独りよがりなセックスになってやしないだろうか。心配しながらも、ぎこちない身体を上手く動かそうとするが、機械的なピストンになってしまう。
今の俺は、緻密に歯車やベルトを組み合わせた何かの工業機械のようだ。寸分違わぬ間隔で、リズムで、下半身を打ち付ける。しかし、揉子の秘部から潤滑油が次々に溢れ出るので、だんだんとシャフトが奥へ奥へと導かれるようになる。
その度に蒸気の代わりの吐息と、エラー警告音のように高い悲鳴が揉子から絞り出される。嬉しそうにも、悲しそうにも聞き取れる。
それでも俺はもう止まれない。完全にブレーキが壊れてしまった。

「あああああっ、イクウゥゥゥ!!」

身体がブルッと震えたのが分かった。

「イッた、のか…?」
「だめ、だめ、奥だめ!止めて、腰止めて!またイッちゃう!」
「すまん、無理だ!」
「ダメぇ!!!あっ、あーっ、オカシクなる!イクッ!!!

あッ……。」
「どうした?オイ。」

夜見島の海底ケーブルが切れて停電したように、揉子はプツンと気を失ってしまった。正常位の最中、ずっと俺を抱き寄せていた腕の力が抜けてしまった。
まだ、正常位しかしてないのに。でも丁度良かったかもしれない。俺もそろそろ限界だ…!
ぎこちない身体を無理して激しい動きをさせたので、バラバラになりそうだ!

「もう、出る!」

モノを揉子から引き抜き、腹部から胸部へかけて精液をブチまけた。連射がまだ続く。

「ハァハァ…。悪かった、久し振りだったもんで、長く持たなかった…。」

ペタッと座り込み、揉子に話し掛ける。

「嬉しい、ありがとう…。こんなに愛してくれて…。」

力の抜けた左手の人指し指の腹で、胸にかかった精液をつつくように撫でて見せた。
闇人になりキャンバスのように白くなってしまった揉子の身体は、俺の血、汗、泥、そして精液でドロドロに汚れた。揉子はそれを拭き取らずに余韻に浸っている…。俺もドラマのラブシーン後のように煙草をふかす。



…フリをした。今、煙草持って無いからね。
145TKR:2013/12/23(月) 20:49:10.77 ID:46dFBxdS
また無言の時間が流れる。でも今のロ棟102号室は、幸せで満ち溢れている。この時間こそ、長く続いて欲しい。

「学校に………軽トラあったろ。」
「…うん。」
「今度行こうぜ。」
「………ん?」
「…ドライブにさ。あのポンコツで。」
「…そうね。行きたい。」
「約束、二人の約束な。」

その時だ。

「ねぇ、何か聞こえない?」
「えっ?」

イ棟の方向、もっと後ろの山の方から、爆発音が聞こえる。そろそろ、この世界が終わるのか?まあ、悪く無かったかな。色々。揉子とは1つになれたし、こんな甘い時間を過ごせた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……………。

凄い地鳴りだな。今から銃持って特功しても、なにも出来ずに終わりそうだ。さっき、闇人達よりも自分に近い「大きな存在」が学校の方に現れた気がした。だが、すぐに何者かによって滅せられたのがなんとなく分かった。今、力の均衡すらも崩れてこの世界は終わるんだ。
146TKR:2013/12/23(月) 21:02:25.44 ID:46dFBxdS
「見て、あっちの空がなんだか明るい…。」

灯台や学校の方だ。何が起きてる?

「やっぱり学校の方か。火事か?」
「…生まれ変わっても、きっと………。」

話を急に変えられた。俺も合わせる。

「…もちろんさ。」

外の方を向いて横になっていた揉子を、半身だけ起こして抱き寄せる。
それにより、揉子の上にかかり露状になっていた精液が、胸の上を滑るように鈍く零れ落ちた。

「地鳴りと火事の次は…なんか来るぞ。」

何も怖くない。一緒なら。揉子と一緒なら。

「ホントに最期ね。…キスし、んッ!!」

今度はこっちが揉子の話を遮るように口を塞いだ。

このまま、キスをしたまま…最期を………。

目を綴じていたので何が起きたかよく解らないが、どうやら大量の赤い水に飲み込まれてしまったようだ。



『貴方、ありがとう…。次に逢う時は…。』



揉子を口付けしたまま強く抱いていたことは覚えている。そのあと…?そのあとは…



もう、意識は無くなっちまったよ。



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      終了条件達成。



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147名無しさん@ピンキー:2013/12/26(木) 20:21:21.64 ID:M8lAxZuH
GJ!
まさかこの二人のエロが読めるとは思わなかったw
相変わらず小ネタが面白くてエロくて最高です
148名無しさん@ピンキー:2014/03/14(金) 06:29:44.63 ID:JcZUhBiE
久しぶりで保管庫確認しようとしたら凍結されてるな
149名無しさん@ピンキー
うわー凍結されとる
確か保管庫に直接投下してたのもあったよな
おおおorz