淫魔・サキュバスとHなことをする小説 7体目

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867名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 21:30:40.82 ID:16qLH6qf
GJ
途中の展開ワロタww
868名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 22:57:36.33 ID:HFoinQ2e
こっ、これはギャグマンガなのか!?
869名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 23:55:12.43 ID:pUsQ2edC
ギャグ小説じゃないのか!?
870 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 :2012/01/27(金) 01:53:49.77 ID:I41higNC
ギャグとエロ
871名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 02:14:39.94 ID:AQQzslsd
なにこの姉弟かわいい
872名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 03:19:33.30 ID:4kHtSJIz
GJ!
また姉ちゃんにガード不能攻撃喰らったのかw
アツシよ、強く生きろ
873名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 11:50:27.52 ID:nm6SPQpI
もうフェンシング見れない
874名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 18:38:45.96 ID:orx05OSH
ラグランジェみたいに本筋とギャグが並行して来るなwww
875なにげにCMパクリ:2012/01/28(土) 14:18:09.60 ID:k9mVG76M
ドリルの穴を埋めて高級ミカンをゲットしよう!
いや、話に入りたかっただけ ちゅ〜けまちゅ〜けまちゅけまつげぇ〜♪パ(省略ー。)
876(笑):2012/01/28(土) 14:20:54.82 ID:k9mVG76M
>>875ふつーに入りなよ エンリョは(たぶん)ナイよ
877うーむ:2012/01/28(土) 15:08:46.88 ID:k9mVG76M
>>875>>876で、やれるかたしかめたらいけそー
878名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 15:50:07.71 ID:HB95QA6d
何この意味不明な自演祭り
879名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 16:04:49.98 ID:Th1R0vPt
15回くらい読みなおしたが理解出来ない
880名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 16:10:01.56 ID:oomX6re6
一体何が住み着いているのだ…?
881 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/28(土) 16:47:53.63 ID:8r0lfNcz
前にもいたやん
882名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 16:51:02.34 ID:VBbcvtAD
あの人正気じゃないの、荒らされかけたわ
助けてください
883名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 17:35:42.78 ID:2zx3V4jb
ホモ様や…ホモ様のパワーをまたお借りするんや…
884名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 17:36:33.03 ID:aBPFGjfE
電波サキュバスで一筆と思ったがやっぱ無理
885名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 17:47:06.82 ID:TNZzmT1V
マジキチすぎワロタ
886名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 19:05:06.44 ID:VIhCOiM4
>>882
カッコイイとこ見せましょ
887サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:26:57.36 ID:YDv7mQ4u
「まあ、男の子はみんな、そういうこと、したいんだよねぇ
……そのくらい姉ちゃんだって知ってるわけさぁ」
姉は何故か勝ち誇ったような顔で「んふふ」と笑った。
「まあ、あんまり気にせんで。
姉ちゃんもそうしないと生きてけないわけだしぃ……んでは!」
そう言うと姉は再び腰を浮かせて、
俺の亀頭を自分の割れ目にあてがいはじめた。
もはや姉の行為に何も言い返す気力の無かった俺は、
成す術無く見守る以外、選択肢が無かった。
亀頭がぬるりとした感触に包まれたかと思うと、

先端が姉の膣内に吸い込まれるように収まっていった。
亀頭に温かいカメレオンの舌を何重にも巻き付けられたような感触。
その舌は俺が姉の内部に深く入っていくほどに、
絡み付くようにきつく締め上げてきた。
姉は腹をへこませて、小さく息を吐いた。
「アツシ!両手パーにして!パー!」
姉は俺の淫茎から手を離すと、自分の胸の前で両手を開いて見せた。
俺は姉の言われるがままに肘を立てて両手を開いた。
姉は俺の両手に自分の冷たい両手を重ねると指を絡めて、俺の両手を握った。
そして、腰だけを浮かせたまま上半身を倒し、吐息がかかる距離までに顔を近づけた。
赤い瞳がわずかに潤んでおり、上気したように頬に朱色がさしていた。
姉の胸が俺達の間で押し潰されたように、横に広がり、
俺の胸を撫でながら姉の鼓動を俺に伝達した。
布団に押し付けられた俺の手を姉の手が、キュッと握りしめた。
姉は息を殺しながら囁くような声で言った。
「……姉ちゃんだってねぇ……恋人同士が、
こうやって指を組みながらすることくらい知ってんだからぁ」
姉は俺から視線を外すと左右の頬を交互に膨らませ始めた。
「……漫画の知識だけどさぁ」
そう言って姉は瞳を閉じながら鼻先をツンと上げた。
姉の腰が少しずつ沈む度に、細長い舌が巻き付くような感触が、
俺の淫茎を包み込み始めた。
姉の中でとろけるように消化されていく感覚に、俺の全身が弛緩し始めた。
「あんねぇ、アツシィ……さっきさぁ
……姉ちゃんのあそこに指入れたっしょう……」
「う……うん」
「姉ちゃんねぇ……あんまり、ああいうのは好きじゃないかな
ーーーって思うわけですよ」
「い、嫌だった?」
「ううん」
姉は顎先を小さく横に振った。
「……ダメってわけじゃないよ……うーん、少し痛かったかもね……」
「ご、ごめん」
「……謝んなくていいよ……ただ姉ちゃんは思うわけですよ。
こうやって指を組みながら抱き合ってた方が……」
そこまで言うと姉は、俺の頭の横の布団の上に頭を沈めた。
888サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:28:05.72 ID:YDv7mQ4u
姉は俺の耳元で囁いた。
「……うれしいかなぁっと……姉ちゃんは思うわけですよ」
突き出した姉の尻が徐々に沈み込んでいくたびに、耳元で姉の息が荒くなっていき、甘い吐息が俺の耳をくすぐった。
姉の手が俺の手の中をさするようにびくびくと痙攣するように、震えはじめた。
小動物のようにか弱く震える姉の手を俺はギュッと握り返した。

俺の淫茎はますます姉に深々と突き刺さっていった。
うねうねと脈動する触手が絡み付くような感触。
そして全身が姉の膣内に飲み込まれ、姉と俺の股間はぴったりと密着した。
姉は腰の動きを止めた。
胸と膣内の両方から姉の脈動が伝わってくる。
俺の亀頭は姉の中枢にある温かい深海の中で、強烈な水圧を受けた。
うねうねとうごめく生命を帯びた水圧だ。

「……しちゃったね」
耳元で小さく姉が言った。「……うん」
「……ほんじゃ、いきますよぉ」
姉はねっとりと自分の腰を上下させ始めた。
弧を描くように白い尻をうねらせながら、俺の淫茎を出し入れし始めた。
粘度の強いゲル状の液体に、石を投げ込んだような
ヌポヌポという音が休みなく続く。
姉の腰が上がるたびに、俺の淫茎は根本から先端まで、
腰の動きに合わせて、捻りを加えられながら、柔らかい粘膜でしごきあげられた。
にゅるにゅるしたヒダのような凹凸が淫茎全体に吸い付く。
そしてそのヒダは断続的に亀頭の傘部分を吸い付くようにめくりあげた。
姉の膣内は隙間無く俺を包みこんでいるため、
まるで淫茎が吸引されながら引っこ抜かれるようだった。

姉の淫唇が先端までくると今度は腰が沈み、淫茎全体を温かい粘膜で飲み込んでくる。
姉は腰をぐりぐりと動かしながら挿入を繰り返したため、
俺の淫茎や亀頭は角度を変えながら余すところなく、360度を攻め抜かれた。

挿入が繰り返されるたびに、姉の息は荒くそして甘いものへと変化し、
俺の耳元をくすぐった。
同時に姉の内部もまた粘度が増し、温かい沼に浸っているような気持ちになってきた。
「……どう?」
甘い吐息を殺しながらの小さな声。
「な、なにが?」
「……読書感想文的な、アレーーーですよ……」
……自分の身体の具合について尋ねているのだろう。
今まで一方的にされてきたが、感想を求められたのは初めてだった。
気持ちいいけれど、感想を言うのには抵抗があったーーー実の姉なわけだし……恥ずかしいし。
俺は尋ね返した。
「……姉ちゃんは?」
「……言いにくい……ですね」
姉は恥ずかしそうに笑いながら言った。
「……同じく」
俺も小さく笑い返した。 笑いながらも姉の動きは加速していった。
半分に切られたオレンジの切断面を、搾り器の出っ張りに当てて果汁を搾るように、
俺の淫茎を中心に腰を回し続けた。
889サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:29:11.77 ID:YDv7mQ4u
今日すでに二回射精している俺だったが、ギンギンに硬くなった俺の淫茎をなおも溶かすかのように、
柔らかく締め付けてくる姉の膣内の中で、早くも三回目の絶頂を迎えようとしていた。
「……姉ちゃん、イキそうです」
何故か敬語になってしまった……いや、敬語になってしまったのは、
心の奥に「膣内で出したい」という願望があるものの、姉に頼みにくいという気持ちがあったからだ。

「いいよぉ、出してぇ」
姉はあっけらかんと言った。
しかし、姉に許可を受けたものの膣内に出すのはやはり抵抗があった。

「大丈夫なの?」
「姉ちゃんはサキュバスなのです……なので問題ないのです
……」
そう言うと姉は頭を上げた。
目の前には優しく微笑む姉の顔があった。
……俺は姉の中に盛大に放出した。
放出しながらも姉の腰は動き続けた。
ーーーこれが一番気持ちよかった。
快感の波に、さらに快感を上乗せされる感覚。
射精を援護するように、俺をしごく姉の柔肉。
精液と共に淫茎まで溶けて姉の膣内に吸収されていくようだった。

一通り精液を搾り取られたと思ったとき、姉は組んだままの手をぐいっと引っ張り、
自分の背中を布団の上に倒した。
姉に引っ張られる形で、今度は俺が姉の上に乗っかる形になった。
ーーーいわゆる正常位である。
俺は姉の顔を見下ろした。姉はにこにこと笑っていた。
「ラウンド、トゥー」
無駄にネイティブな発音で姉が言った。
「……まだすんの?」
すでに俺は今日三回発射していた。
……まあ、今日が初体験の俺は、
もうちょっと堪能してみたい気持ちもあるにはあるのだが。

「次は姉ちゃん、なんもせんから……まかせます!」 姉は本当に無駄にきりっとした声をだし、凛々しい表情を作ると、俺から手を離した。

要するに、俺の好きなようにやってみろーーーとのことだろう。
ーーー正直、自信がなかった。
超絶テクニックを持っている姉を喜ばせるような、
技巧を俺は持ち合わせていないからだ。
そんな俺を見兼ねたのか姉は手を伸ばして俺の頭を撫ではじめた。
「あんねぇ、アツシィ……大事なことは愛だ!
……と、姉ちゃんは思うわけですよ」
そう言って姉は静かに瞳を閉じた。

ーーーまあ、俺の下手くそなセックスに関して語ることは特にない。
姉は瞳を閉じたまま、俺の腰の動きに合わせて、眉間にシワを寄せては、
銀の鈴を鳴らしたような小さな喘ぎを発してくれた。 最終的には俺の首に手を回し、俺の腰に脚を絡めてくれた。
そして今日、俺は初めて自分の力と意思でフィニッシュした。
……四回目である。
890サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:30:20.58 ID:YDv7mQ4u
ことが終わると、俺は布団の上に死んだように倒れ込んだ。
心臓はバクバクと激しいドラムを打っており、呼吸は乱れ、全身が汗だくだった。
何より身体が鉛のように重かった。
姉はひょいっと立ち上がると、シャツのボタンを止めて窓の前に立った。
「んじゃ、姉ちゃん行くわ!」
そう言って姉は背中を向けたまま左手を上げて振って見せた。
「い、行くって、どこへ?」 姉は「さあ」と言って、両手を拡げて振って見せた。
俺は重たい身体を何とか起こして立ち上がろうとした。
その瞬間、目の前が真っ暗になり意識が遠のいた。全身の力が抜けたような虚脱感に襲われ、
再びベッドの上に倒れ込んだ。
重度の貧血みたいに視界が、白一色と黒一色に交互に染まり激しく点滅を始めた。
「な、なんだ……これ?」
いきなり自分の身に起きた変化に驚いた俺は、思わず声をあげた。
「寝てた方がいいよ……多分、精気を吸われたってことだと思う……」
姉は殊勝な声で言った。
「サキュバスは男の精気を吸って生きる」と姉が言っていたことを思い出した。
姉が静かに言った。
「一瞬ねぇ………餌に見えたよぉ……アツシのことぉ」
姉の言っている意味がわからなかった俺は「餌」という言葉の意味を尋ねた。
「あんねぇ……渡し守のおじいちゃんの話……したよねぇ」
最初に姉が話していた、三途の河の渡し守ーーー姉に生まれ変わりを教えた奴だ。
「あの、おじいちゃんが言ってたんだけど
……サキュバスになるとね、人間の理性を保ってられんのは、わずかな間だけなんだって
……すぐに男が餌にしか見えなくなって、
相手が干からびるまでセックスし続けんだって
……怖いね」
姉は怯えるような口調で言った。
「……それ、知った上でサキュバスに生まれ変わったのか」
姉は俺の質問を無視して続けた。
「きっとねぇ……そのうちアツシのことが弟だってわからなくなる……
と、姉ちゃんは思うわけさ
……たぶん、アツシを喰い殺す……と思う」
姉は声を震わせながら言った。
ーーーなんで、そうなることを知った上でわざわざーーー。
そう思ったとき、ぼやけていた視界がピントを取り戻し始めた。
白黒に明減を繰り返していた視界に、
徐々に色や形の知覚が戻り始めた。
しかし、目に映るものすべての輪郭が、ぐにゃぐにゃとうねっていた。
時間の経過と共に少しずつ歪んでいた輪郭が正しい形を取り戻していき、
姉の後ろ姿がはっきりと見えてきた。
俺はくそ重い身体を引きずってふらつきながらも、なんとか姉の後ろに立った。
姉は俺に背を向けたまま、自分の身体を抱え込むように、両手を背中に回しながて、
肩を震わせていた。
891サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:31:32.53 ID:YDv7mQ4u
姉の様子がおかしいことに、気づいた俺は声をかけようとした。
そのとき、俺はガラスに姉の顔が映り込んでいることに気がつき、息を呑んだ。
ガラスに映りこんだ姉の閉じられた目から、
涙が頬を伝っていた。
「泣いてんのか……姉ちゃん?」
姉の身体がわなわなと震えていた。
「サキュバス以外にねぇ
……アツシが私のことを一目で『姉ちゃんだ!』って、わかってくれそうなのが
なかったわけさぁ
……一回でも会えれば、それでよかったしーーー」
「……俺に一回会うためだけに、サキュバスになったのか」
ーーーそれだけのために。俺はそれ以上言葉を続けることができなかった。
「……ま、まあ、最後に一目会えて……ほ、本当に良かった
……って、ね、姉ちゃんは思うわけさ……だ、大丈夫。
後悔はしてないから」
嗚咽をあげながら語る姉の言葉には何の説得力もなかった。

ーーー姉が死んでから、俺はずっと姉が死んだことを受け入れられない部分があった。
そのうち、ひょっこり帰って来るだろう、と心のどこかで思っていた。
ーーーだから、姉が悪魔に生まれ変わってやってきたことを受け入れることができた。
……もう別れたくはなかった。
「最後って……また一緒に暮らそうよ。
別に俺、干からびたっていいからさぁ。
なあ、姉ちゃん!」
俺はわがままを言う子供みたいに姉に懇願した。
「……それは無理」
姉は小さくかぶりを振った。
「大丈夫だよ。姉ちゃんがいてくれるなら、俺死んだってーーー」
俺がそこまで言いかけたとき、姉は声を張り上げて叫ぶように言った。
「アツシを干からびさせるかも知れないってわかってて、
それでも一緒に暮らしたいなんて……姉ちゃんは思わないよ!」
普段温厚な姉とは別人のような剣幕に圧倒された俺は、何も言えなくなった。
「……ごめん。わがままばっか言って」
姉は小さく呟くように言うと、「目を閉じて」
と俺に言った。
やたら重々しい言い方だった。
俺は口を差し挟もうとしが姉は「お願いだから」とうなだれながら、そして悲しそうな声で言った。
俺は目を閉じた。
「いきなり死んじゃったからアレなんだけど
……どうしてもアツシに言いたいことがあったわけですよ」
普段の優しい口調だった。 姉がそう言った瞬間、唇に柔らかい何かが触れた。
目を開けると、そこには涙を滲ませ、悲壮の色を浮かべている姉の赤い瞳があった。
姉は俺から唇を離すと小さく「サヨナラ」と言って勢い良く窓を開けると、
そのまま飛び出していった。
俺は重たい身体を引きずって窓の外に身を乗り出した。
大きな白い月に向かうように飛んでいった姉は、
やがて小さな黒い点となり、脇にそれて暗闇の中へと溶け込んでいった。
俺はしばらくの間、茫然と月を眺めていた。
そして、声をあげて泣いた。
892サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:32:35.84 ID:YDv7mQ4u
ーーーエピローグーーー

女は震える手を祈るように組んで額に押し付けながら、きつく目を閉じた。
「神父様……どうか……どうか、私の話を聞いてください」
「落ち着いてください。大丈夫
……ゆっくりでいいですからから話してください」
薄暗い懺悔室の格子には白い布が張られており、神父の姿は見えなかったが、
温かく静かな声だった。
女は息を深く息を吐きだして話を始めた。
「……こんなこと警察にも言えなくて……どうしたらいいかわからなくて」
女は込み上げてくる嗚咽を堪えながらなんとか言葉を紡いだ。
「……この教会では悪魔払いをやってくれるとの噂を聞いてーーー」
神父は何も答えなかった。女は祈るような気持ちでカーテンを凝視し続けたが、
返事は返ってこなかった。
沈黙に圧された女は耐え切れずに口を開いた。
「……あ、あのーーー」
「……どうぞ話をお続けください」
神父はただそれだけ言った。
女は小さく歯ぎしりをしながら懺悔室の中で目を泳がせた。
懺悔室の壁には見事な装飾を施された額に収められた、一枚の油絵が飾られていた。
十字架にはりつけにされたキリストの絵だ。
絵の中のキリストは、はりつけにされながらも、
静かな目でこちらを見つめているように見えた。
手足を釘で打ち付けられていても、ただただ静かな眼差しだった。
暗い懺悔室の中でキリストの目だけが淡い輝きを放っているように見えた。
女は絵の中のキリストに会釈をし再び目を閉じ、意を決して話を続けた。
「……毎晩、変な女がうちにやってくるんです
……赤い髪に赤い目の、悪魔みたいな羽を生やした不気味な若い女が……。
そして毎晩、私の夫と……」
女は堪えていた嗚咽が一気に吹き出し、言葉を続けることが出来なくなった。
女の視界が急に滲み出し、頬を熱いものが流れた。
懺悔室の中には女の嗚咽だけが響いた。
しかし神父は沈黙を守り続けた。
女はもう一度キリストの絵を見た。
女はクリスチャンではなかったが、
処刑されながらも何かを信じ続けるキリストの目に、
見守られているような感覚を覚えた。
女は鼻をすすりながら話を続けた。
「夫はその女に夢中になってしまって……。
私がいくら言っても、話を聞こうともしません。
……力ずくであの女をどかそうとしたこともあるのですが、
岩みたいにびくともしなくて
……あんなに太っていた夫が、あの不気味な女と抱き合うたびにどんどんやせ細っていって……」
再び嗚咽が込み上げた。
神父はただ一言「続けてください」と言った。
あたたかく力強いその声は、まるで絵の中のキリストから発せられているように女は感じた。
893サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:33:43.27 ID:YDv7mQ4u
女は続けた。
「本当に……本当に薄気味悪い女で、私の夫は『キヨヒコ』という名前なのですが
……あの女は私の夫を『アツシ』と呼ぶんです。
そして自分のことを『姉ちゃん』と……。
まるで、自分の弟みたいに私の夫の頭を撫でながら……。
私の事など見えていない様子で……そうやって抱き合う姿があまりにも異様で
……どうか、どうか私の夫を助けてください」

夢中でしゃべっていたのか、言い終えたとき、
女は息を切らしている自分に気がついた。
心臓が高鳴り、静まり返る懺悔室の中で自分の心音が、
外に漏れているような気がした。
女が言い終えると、神父は静かに言った。
「……それはおそらくサキュバスでしょう」
神父はサキュバスについて、やはり静かな声で淡々と説明を始めた。

ーーーサキュバスは男と交わる事で男の精気を吸い取る魔物であり、
交わり続ければ命を落とすことになる、と。
そして女の夫の命が危ないことを神父は告げた。
「……神父様。なんとか退治してはいただけませんか」
組んだ手を額にこすりつけながら、女はカーテンの向こう側にいる神父に何度も頭を下げた。
神父は静かに言った。
「……今夜にでも伺いましょう」
そう言うと神父は懺悔室の隅にある、
メモ帳に住所と名前を書くように指示した。
住所と名前を書き終えた女は、神父に何度も礼を言った。
神父はただ一言「では今夜」とだけ言った。

懺悔室を出た女の膝に小さな男の子が、いきなり抱き着いてきた。
後ろに男の子より少しだけ年上の女の子が立っていた。
車の中で待たせていたはずの幼い息子と娘だった。「車の中で待っているように言ったでしょう」
「だってぇ!」
息子は寂しそうな顔を作りながら女を見上げた。
「私はダメって言ったんだよぉ……なのにぃ」
娘は頬を膨らませながら言った。
「ほら、帰るわよ」
そう言って女は息子の手を引っ張りながら、教会の入口へ向かった。
入口の扉に手を伸ばそうと思ったとき、背後から金属の擦れる音と共に、
木材が軋む音が聞こえた。 女が振り返ると、女の娘が懺悔室の扉を開いて、中を覗きこんでいた。
娘が開いていたのは女が入っていた方ではなく、
神父が入っていた側の扉だった。
娘はまるで写真の中に閉じ込められたように、ぴたりと身体の動きを止め、
呆然とした様子で、懺悔室の中を覗きこんでいた。
女が娘を叱ろうとした瞬間、娘はまるで激しい叱責を受けたかのように、
「……ごめんなさい」
と殊勝な声をあげて、頭を下げると、勢い良く懺悔室の扉を閉じて、
女の元へと駆けてきた。
「何してんの、あんたは!」
静かな教会に女の声が反響した。
女は娘を叱ると、教会に響き渡るような声で謝罪をした。
神父は何も言わなかったが、女は何度も謝罪の言葉を述べながら、教会を後にした。
894サキュバスの姉:2012/01/28(土) 21:34:48.93 ID:YDv7mQ4u
教会の分厚い扉を開けた瞬間、寒気の渦が霧笛のような低い唸り声をあげていた。
教会の外へ出ると、肌を切り裂くような冷たい風が吹き荒れており、
厚い雲に覆われた空の下、蛾の群れのように枯れ葉が、弧を描きながら飛び去っていった。
女は猛風の中、二人の子供を急いで後部座席に乗せて、
アイドリングさせていた車のアクセルを踏み込んで教会を後にした。
車の中で女の息子が尋ねた。
「神父さんと何を話してたの?」
「……大事なことよ。それより今日は大切な用があるから、
おじいちゃんの家に泊まってね」
息子は「ええーっ」と不満げな声をあげた。
いつもなら、わがままを言う息子を、
注意する娘が何も言わなかったことを不思議に感じた女は、
ルールミラーで後部座席を見た。娘は眉間にシワを寄せながら、ずっと俯いていた。
さっき叱ったことを気にしているのだろう、と女は思った。
しかし、女がルームミラーから視線を外した瞬間、背後から娘が尋ねてきた。
「……あの、お母さん」
「何?」
「あの神父さんのこと……叱ってたの?」
あまりにも唐突な質問に女は、思わず噴き出してしまった。
しかし、すぐに娘に対する申し訳ない気持ちが胸に込み上げてきた。
最近、夫のことで頭が一杯になっており、
子供達にきつく当たることが多くなっていたからだ。
子供達にきつく当たるように、神父にも接していた
ーーーと娘が思っても不思議ではない、と女は思った。
ルームミラーに再び目をやると、娘は神妙そうな顔付きで、
鏡越しに女を見つめていた。女は娘に謝罪の念を込めながら言った。
「……叱ってなんかいないわよ。さっきは怒鳴ってごめんね。
神父さんとは本当に大事な話をしていただけよ」
しかし娘は眉間にシワを寄せたまま何かを考え込んでいるようだった。
そして独り言のように娘は言った。
「……じゃあ、やっぱり私が悪いのかなぁーーー」
憐憫にも似た悲壮の色を目に浮かべている娘に女は尋ねた。
「やっぱりって……何が?」
「あのねぇ……あの神父さん、目を真っ赤にして泣いていたの……涙をいっぱい流しながら
……私がドアを開けたのが悪かったのかな。
ねえ、お母さんーーー」
娘は女にせがむように尋ねてきたが、終始冷静な声だった神父が
泣いていたなど、女は思いもしていなかったので、わからないと答える以外なかった。
そしていくら考えても、神父が泣いていた理由が女にはわからなかった。

凍てついた風の壁をかきわけるように進む車のフロントガラスに、
白い雪がまばらに張り付きはじめた。
ーーー今夜は吹雪が来るだろう。
女は今夜、家で起こるであろうことを考えながら、
ハンドルを強く握りしめた。

サキュバスの姉<了>
895名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 21:37:30.62 ID:YDv7mQ4u
以上「サキュバスの姉」はおしまいです。
言い訳なんかしません。
最後に一言、ごめんなさい。
では。
896名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 22:10:25.46 ID:aO1tWSCR
>そして、声をあげて泣いた。
俺も泣いた
897名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 22:40:35.36 ID:1pXECmlo
>>895
おたくみてえないい書き手はもっと俺らを笑わせなきゃだめだよ

だめだよ… (´;ω;`)
898名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 23:39:36.85 ID:HB95QA6d
姉ちゃん…;×;
899名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 00:10:32.85 ID:NUGFWuhu
GJなんて言葉では言い表せない
さあ今すぐ「今夜の出来事」を書く作業にもどるんだ
900名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 01:03:03.64 ID:4GrCUYfk
お疲れ様でした。終始楽しい流れで読みやすかったです。
こと>>858はクスリとくるどころじゃなかったがww

>>896
俺も泣いた。
あと、エピローグの流れがさっぱり分らずもう一度読み直した。
読み直してもう一度泣いた。
901名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 01:10:14.51 ID:tve89tog
畜生

エロより切なさが先に来るじゃねえか…畜生
902 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/29(日) 01:21:22.71 ID:6rVSY/Ie
乙でした
うー…
903名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 01:29:50.85 ID:E2+PfrjI
名前が同じなのにサキュバスの姉ちゃんがいるなんて不公平だと思うわけですよ
904名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 21:19:07.71 ID:iO100nL9
oh・・・
905名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 21:22:35.50 ID:iO100nL9
保管庫ってどこにSSがあるの?
906名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 23:19:02.58 ID:XIpPL//z
>>895
えろくて美しくて優しいお話でした
泣いた
907名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 02:35:09.57 ID:Gk6q+Vp1
この先ハッピーエンドになるかな、なんて思ったりするわけですよ
908名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 06:25:02.35 ID:TN/2ia/z
やっぱこういう切ない系のエンドはそっちに気が言っちゃって抜き辛いな
909名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 00:28:26.80 ID:9L/Od49d
泣いた
910 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2012/02/03(金) 02:30:59.71 ID:5Eo3Dntx
新スレは…いつかな
911名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 13:43:58.84 ID:gZenaOX+
おい後6kbしかねーぞ
912名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 14:03:17.98 ID:AD3PST3W
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 8体目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1328245341/
913名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 19:17:33.64 ID:QeSNNM7C
>>912乙と、姉ちゃんは思うわけですよ
914名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 21:50:54.20 ID:hv4OMuSB
エロゲ声優キャスティング妄想しちまった
915名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 11:30:52.20 ID:utP72hJ8
>>912
916名無しさん@ピンキー
どうなってるの?