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俺は動かないまま、茜のするに任せてその愛撫を享受していると、少し目を離した隙になにやらクリスが身を起こして膝立ちしていた。なにを始めるつもりなのだろうか。
「いえ、このままエイジさんのザーメンをシーツに垂れ流していると、その下のベッドにまで染み込んでしまって大変なのです。」
敷布は洗濯すれば綺麗になるが、その下にまで染み込んでは洗濯も出来ない。それが染みになってしまっては、家族に見られたときの言い訳が難しいのだ、ということらしい。
俺の問いかけに答えたクリスは、肩幅ほどに開いた膝立ちで下腹部に手を押いた。半脱ぎだった下着は腿の中程で、股の開きに引っ張られて延びている。
「ン、ンン・・・・・・・」
かすかに喉を鳴らすような声。少し息むように下腹部を締めると、ごぼり、と白い液体が股間からあふれ出た。掌で押された胎から押し出された精液が、とろりと太い糸を残して
流れ落ちる。
「わっ、まだこんなに残ってるんですね〜!」
こぼれた精液は、クリスの股下すぐに両掌で鉢を作ったみらんによって受け止められた。蛇口の水道水のような流量はない割に、膣口と掌の液体が途切れないのは、それだけ粘度が
高いということか。
しばらくしてようやく糸が途切れると、みらんの掌には白い液だまりが出来上がった。両手の鉢の半分ほどの量は溜まっていたが、少し待ってもこぼれてくる精液はそれきりだった。
先ほどまでに流れた分が射精された液量のほとんどで、残りは今の、クリスのひと息みで出尽くしてしまったようだ。
「あとはそこの、起き抜けの久子さんから貰いましょうか。」
クリスが、精液で汚れる股間を気にせずに半脱ぎの下着を穿き直した。最初に言っていた、下着が多少汚れても良い、とはこういうことか。
彼女がいうとおり、いつの間にか回復していた久子姉さんは、クリスとみらんのやりとりをぼんやりと眺めていた。
「久子先輩、こぼしちゃもったいないですから、早く!」
白濁の溜まった両手の鉢はそのままに、みらんが急かす。
「う〜ん、エイジくんの精液、もう少しおなかに入れておきたかったんだけど・・・・・・」
少し残念そうな久子姉さんは、それでもみらんに言われるまま、起きあがって先ほどのクリスと同じ膝立ちになった。後ろに回ったクリスによって黒下着がずらされると、股布と股間で
粘つく白の糸が繋がっていた。
「はい、久子先輩、準備オッケーですから、ドバッと出しちゃってください!」
みらんが両手を股間と下着の間に入れ、受け入れ体制を確保すると、景気よく久子姉さんを促した。クリスも久子姉さんの息みに合わせるべく、下腹部に手を置いて待機している。
「んふ・・・・・・、んん」
薄くて柔らかい久子姉さんの下腹部に少しの力が入る。クリスもそこを手で押さえて、膣内に溜まった精液を押し出そうとしている。
すると、久子姉さんの股間から、とろりと一条の白濁が垂れてきた。
「あっ、出てきました! ・・・・・・あれ?」
久子姉さんの膣に溜まっていた精液が、みらんの受け手に注がれる。しかし、みらんはなにやら腑に落ちない表情だ。
「意外と少ないです。」
みらんが言うとおり、久子姉さんが膣を締めてもクリスが腹を押してみても、それほどの量は出てこなかった。
出した本人である俺からすれば、久子姉さんの膣は気持ちよすぎて、思う以上に射精したはずなのだが、やはり前述の通り、久子姉さんの膣は精液をため込む性質があるのだろう。
「ふふ、わたしのアソコは、エイジくん専用の精液タンクだから、簡単には漏れないのかも。」
久子姉さんは悪戯っぽく微笑んだ。精液貯蔵庫などと嬉しそうに自分で言うのか。先ほど俺は、久子姉さんはそういう淫靡な呼称をされると恥ずかしがるかなとも思っていたのだが、
意外と内心ではそれを特技であると自負しているのかもしれない。
「このままでは埒が開きませんね。」
静かな口調の中にも少しの焦れが混ざったクリスの言葉。彼女はそういってから、久子姉さんの腹に当てていた手を下げて、股間を直接いじりだした。
「ふぁっ!」
驚いた久子姉さんがそれでも控えめな声を上げる。しかしクリスはかまわずに、両手を駆使して貯蔵庫の栓を開きにかかった。
クリスは片手で久子姉さんの媚肉を大きく開かせると、空いた方の指を二本、膣口に滑り込ませた。
「ひあん、ああ・・・」
指の進入に久子姉さんが悩ましい声を上げる。もちろんクリスは意に介さず、差し込んだ指をぐねぐねと動かし、膣口を拡げて見せた。
「ああっ! スゴいです! たくさん出てきました!!」
ごぼり、ごぶり、
みらんが感嘆の声。彼女の驚きの通り、久子姉さんの膣口からは、貯め込まれていた精液が大量に掻き出されていた。クリスの指が膣内で動くたびに、栓を抜かれた貯蔵庫からは
どろどろと粘つく液体が重力に引かれるまま垂れて流れ出す。
みらんはそれを掌で受け止めていたのだが、先ほどクリスから受けた精液に継ぎ足され、あっという間に掌の鉢は満たされてしまった。
「あう、こぼれちゃいそうです!」
まだまだ精液の流出は底を打つ気配がない。しかしみらんの小さな掌ではもう受けきれない。
そこでみらんは、受ける掌に顔を寄せ、溜まった精液をすすり始めた。じゅるじゅると粘液をすすり上げる下品な音がして、掌の液体はみらんの口内に移った。しかし彼女はそれを
飲み込むことをせずに、栗鼠のように頬を膨らませ、口の中に貯め込んだ。
「みらんってば、ヘンな顔!」
俺の肉棒をしゃぶっていた茜が、みらんの顔を見て笑った。確かに滑稽ではあるが、それは、俺の極太を口いっぱい広げて飲み込んでいる茜の顔だって同じように滑稽だ。頬をへこませ
蛸のように唇を突きだして吸引する時の顔など、いちど写真で見せてやりたいくらいだ。
「さすがはザーメンタンクを自負するだけのことはあります。よもやこれほどの量を蓄えていたとは。」
クリスが静かな驚きの声で久子姉さんを評する。
結局、みらんが最初に口に貯めた分はそのまま彼女の喉に嚥下された。空にした新しい掌もすぐにいっぱいになり、新たに注ぎ足すためには口のものを空にして新たに移し替えなければ
いけなかったからだ。合わせて考えると、みらんの両掌で作った鉢にして二杯分以上の精液が久子姉さんの膣内に蓄えられていたことになる。自称精液貯蔵庫の面目躍如といったところだ。
そして掻き出された精液の行方はといえば。
みらんの掌に溜まった精液はクリスが口を付け、きれいにすすり飲み干してしまった。
空にした杯であるみらんの掌をクリスが舐め清めている間、みらんの口内に溜まった液体は久子姉さんの口内に移された。お互い、精液で滑つく唇を重ね、こぼれ出さないように
密着させながら、俺の精液の受け渡しをしている。
先ほども思ったが、女同士が接吻しているからといってそこには百合的な雰囲気はなく、俺が排出した液体を愛おしそうに授受している女たちの悩ましい姿がそこにある。
久子姉さんが言っていた、ただの精液が好きなのではなく、俺が出した精液が好きなのだという言葉が思い起こされる。
こうやって、俺の精液まで愛されている姿を見せられれば、ますますもって彼女たちを愛おしくなろうというものだ。性欲の象徴であり俺の身体の一部とも言うべき精液を、紙で拭って
用済みとばかりに屑籠に捨てるように粗末にするわけでもなく、愛着を持って喉から胃の中に受け入れてくれるのだから。
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