【まだまだ】ブラックラグーンVOL.15【ドライブ中】
続きです。VOL.14から引き継ぎでお願いします。
* * *
「オーライ、ミス・バラライカ。」
その後は、ダッチの用意したスーツを身にまとい、先ほどの無線の小娘と面会させた。
灼熱の炎を内に秘めている赤毛。
タンクトップとホットパンツ・ジャングルブーツという出で立ちだ。
見たところティーンかそれぐらいなのだろう。
「こいつの名前は,レヴェッカだ。レヴィ。依頼人のミス・バラライカだ。」
その少女の目を見た時、「ああ、すっかりこの街に染まりきっている」と思った。
完全な野良犬の目。
下手したらこちらを食い殺す目だ。
小柄だが両側に吊っているソード・カトラスが異様に似合っている。
「あんたがそうか。まあ、よろしくな。」
「ああ。何と呼べばいい?」
「どうとでもいいさ。別にあんたには興味もないしね。」
自分のこの顔や身体を見たら、少なからず動揺はすると思ったがこの娘はそうではないらしい。
言っていることは真実。本当に興味が無いのだ。
そこが まず 気に入った。
「ふふっ。ダッチ、面白いわね。この仔。」
「だろ?」
二人の会話に釈然とせず、きょとんとするレヴィ。
「Fuck、あたしを馬鹿にしてんのか?」
「違うわ。褒めてあげてるのよ、あなたみたいな目は嫌いじゃないから。」
「ほう?」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>その後は、その少女からは「姉御」と呼ばれるようになった。
話してみて、案外賢い子だというのも解る。
自分の火傷顔を……
この街にいる人間なら誰でも恐れるこの顔を……
何とも思わず、気さくに話しかけてきた。
それが逆に清々しく感じてもいた。
友人や家族と呼べるものは、供にムジャヒディン共との戦火を生き抜いてきた部下たちのみだった。
レヴィやダッチと話していると、まるで往年の友人と話しているようなそんな気分にさせる。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
AM 10:00
張との決闘から数日後・・・・・・
起きぬけの朝、誰もいない事務所で用意された痛み止めの薬とウォッカを喉に流し込んでいた。
そして、後ろから嗅ぎ慣れた臭いがした。
部下(メンバー)たちにはいつも注意している類いの臭い………
「吸うかい?」
ダッチだ……。
「ロールはしない。勘が鈍るのでな。」
「違う、只のたばこさ。こいつは運びの売り物だよ。俺はAmerican Spirit派なんだが、生憎無くてね。仕方なくこいつなんだよ。」
そう言って出してきたのは、Parliamentだった。
「あら?そいつは嫌いではないけどね。まあ、もらうわ。」
火をつけてもらい深々と香りをかみしめていく
葉巻ではなく、久々に吸ったタバコは思いのほか格別だ。
たまには悪くない。
事務所の中には、ダッチの趣味なのかどこからかジャズの音が流れていた。
ウォッカを傾けながら、ゆっくりと煙をくゆらせていく。
「今日で期限の日ね。レヴィは?」
「出払ってもらっている。ここは従業員が少なくてね。
ルート・小物の類いの確認をしてもらってる。」
「フリーの割には、随分仕事は来てないわね。」
「ああ、ここ以外にも運び屋はごまんといるからな。」
「この硬い看護ベッドとも今日でおさらばできて清々するわ……。」
「そうかい?一流ホテルほどではないが俺は気に入ってるんだがな。」
他愛ないジョークも過ぎ、少し時間がたった後バラライカが口を開く……
「ダッチ……」
「何だ?」
「もし、この一件で私がホテル・モスクワとして三合会と全面戦争を起こすと言えば……
あなたはどっちにつく? 私? それとも張?」
自分でも、なぜ聞いたかわからなかった。ここ最近、あまり感じたことが無い感情でもある分、わからないのだ。
「さあな。
だが話している限り、戦争屋ではあるが賢いあんたならその事態は何としても避けたいはず。逆に相手にそうするように仕向けるはずだ。
そうすれば手間が省けるし、楽しむことができる。違うか?」
「………」
「だが、面白そうではあるがな。それに他の方法もあるぞ。」
「他の方法?」
「痛み分けというやつさ。すべてを丸く収める。」
「馬鹿な!!そんなことできるものか。」
「確かにな。
だがあんたの理屈を貸りれば、この世は利益で成り立っている。
無論、俺もそう思うさ。
当然、利益の派遣のためにお互いを喰い荒らすのは忍びない。
張さんはそのことを誰よりもわかっているはずだ。
それに、暗がりだったが、あれは一騎打ちだろ?
そういう場合、落とし所が大事だ。
ルールを重んじる中国人ならなおさら。
痛み分けにして戦争のボタンをいつでも押すことをお互いできるようにすればいい。」
「くっ・・・・・・」
確かに、その点でいえばダッチの言い分は筋が通っている。
この時のロアナプラは小さいながらも麻薬・武器等の密輸で保っている、いわばハブ街。
警察・報道機関に賄賂を渡し、地図上には存在すらしない無法者(アウトロー)たちの巣窟……
それが戦火の爆撃で消えてしまったら、タイ支部長として温厚に扱ってくれたモスクワから、自分も、家族である部下たちも、何をされるかわからない。
もちろん張も、三合会からその長を任じられている、同じ穴のムジナ……
面子を保つにはそれが最適であると言えるだろう。
頭では理解している。
しかし______戦争を起こしたい、戦士として闘い、すべてを灰塵にしてしまいたい______
_______この世のすべてを皆_______壊したい______________そういう破壊願望・欲望を持っている自分がいる……………。
だがそれを目覚めさせてしまえば、部下たちはどうなる?
自分が「進め」といえば臆面もなく任務を遂行するだろう。
「殺せ」と言えば蟻一匹残らず根絶やしにするだろう。
だが、大義も何もない、私自身のわがままに突き合わせるわけにはいかない………。
そんなことは私自身解るし、耐えられない苦痛だ……。
もう二度とあの場所での轍は踏まないと誓ったのだ………。
アンタの気持ちは解らん。
俺はイエス様でも心理学者でもないからな……
しかし、事態を起こせばアンタはただでは済まないはずなのは解る。
だから向こうが起こした時を、待て。
その時は、大義名分振りかざして第二のソドムとゴモラよろしく、心おきなく思う存分戦争すればいい。
少なくともその時は、俺とこのラグーン号はナイル川への船旅だろうがな。」
その時、なぜだか気が楽になった。
そして、なぜかは解らないが心がざわついた。
「………あなた、いい悪党になれるわ。」
「何、言ってんだ?大尉殿。ここは悪党の巣食う街だぜ?」
「ふっ。それもそうね。つまらない事を聞いたわ。忘れてちょうだい。」
「ああ、聞かなかったことにしとく。」
「ふふっ。そういえばお詫びもしてなかったわよね。」
スルッ……
衣擦れの音と共に痛々しい傷跡に満ちた豊満な姿態が露わになっていく……
「何のつもりだ?」
「良いじゃないの。前払いの報酬だと思えば……。」
少なくとも、この男に身体を許すのは悪い気はしない………
それだけは思えた…………
「まあ、それもそうか……。」
事務所の窓から差し込む光が彫刻のようなバラライカの美しい体を際立たせる……
続……
>>4 抜けててすいません。
この部分は「その後は、その少女からは「姉御」と呼ばれるようになった。」です。
>1乙です。
今スレもよろしくお願いします。
>1ありがとうございます。
今スレもよろしくお願いします。
>2-9
GJ!!!!
俺はひとりきりだとしてもお前さんを応援する
広江以上にブラクラしてる作品を書けるお前さんを尊敬する
この空気の中投下できるとは、あんたいい悪党になれるぞw
ソーヤーで書こうとするとネクロマンティックになって書いてる方が参ってしまう件ww
ネクロマンティックてどういう意味だろう?と検索したら・・・・・
ぎいやああぁぁぁあああorz
今日はもう眠れないお小水漏れる!!
ソーヤーさん・・・これは、、双子より酷いぞ・・・
いや掃除屋やってるくらいだから、まあ、耐性くらいあって当然だよな・・・
うう・・・保管庫ロクレヴィ読んで癒されてくるorz
┌――――――――――――――――――――
―┤ ロックとデートできますように レベッカ
└――――――――――――――――――――
そこは「やれますように」だろう
夏だし、怖い話聞かされて涙目になるレヴィと姉御を妄想して和んでる
怖い話苦手な姉御は、正直萌えたw
>>16 同意。読ませる大尉ネタ貴重だし、最後まで貫徹して欲しいな。
>>19 いやいやそこは七夕婚出来ますように
でw
ロックがもし結婚相手の条件訊かれて「料理上手な人」とか言ってたらレヴィたん頑張って料理勉強するだろうか
でも織姫と彦星、年に一回しか会えないんだお(´・ω・`)
>>23 取り敢えず料理出来そうなですだよに弟子入りするレヴィたん
→5分でキレてバトル勃発
まで想像した
続きです。明日、明後日くらいには終わらせます
* * * * * *
とにかく、余計な事は考えるな。
今、私が求めるのは、あくまでこの火照りを……疼きを……
鎮めること……
腹部と肩にかけた包帯と消毒薬の臭い、そしてジャズのバックミュージックが不思議とこの場を包み込む。
無骨な手が繊細な動きで下着を下げる。
片方の脚だけ抜いたシルクの布は、膝の下に引っ掛かった。
太腿を大きく広げ、プラチナブロンドの花園に両の親指が潜る。
その指に押し広げられて露わになった粘膜を、舌が舐め上げた。
熱く柔らかいものが、襞の間を生き物のように蠢く。
先を尖らせ、小さな先端を押し上げるように刺激する。
「ふっ!!くう……はあっ!!」
緩くかき混ぜて、掬い取るように体液を絡ませると、容赦なく入ってくる。
唇で突起を柔らかく包んでおきながら、指は根本まで沈む。
柔らかく濡れた粘膜が、太い指に押し拡げられた。
節の目立つ指の形を内側で感じ、体が反り返る。
崩れそうになる体を、片肘で支えてもらい、 快楽を示す体液を纏って、指は何度も往復した。
先端の突起の上では、舌がちろちろと遊ぶ。
指の動きが速くなり、彼女の脳は快楽で満ちてゆく。
嫌っているドラッグでトリップしたかの様に……
堪らず、腰を押し上げると同時にダッチの首へ手を伸ばす。
手と太腿に力が入った。
くちゅ クチュ グチュ ギュチュ グチュ
バラライカの体は一層熱く燃え上がり、粘着質な音を上げながら責め立てられる。
――限界が近い。
そう思った時、柔らかい突起を強く吸い上げられて、エクスタシーを感じた。
「ふぐぅぅぅうぅう………ぅはあっ……はっ……はあっ。」
「随分いい声だな。それが、またそそる。」
そう言ってダッチは愛液の付いた指を舐め、体勢を変える。
傷口を深くさせてしまうことへの配慮からか座らせたまま行為を行った。
自然と、バラライカの指もジッパーに伸びていく。
「ううん。。うん。ふっ。」
ジュパッ ズボッ ちゅポ ズウズズズズズズ シュツーー
ダッチの黒々とした男根をためらいもなく咥えている……
この光景を家族である「遊撃隊(あいつら)」が見たら、卒倒するだろうな……
どうでもいいことだが、ふとそんな考えを頭の中がよぎった。
軽く、バラライカの頭をつかんだダッチは少しずつ確実に絶頂に達そうとしていた
「くっ!!!!」
ビュルルル
「ウムッ!!?フゥン……フグ……ん……」
ゴクッ ゴクッ ゴクッ
ポニーテールのブロンドをかきあげながら、黒い巨漢とは裏腹の白く濃厚な液体を少しずつ嚥下していく……
「ふは……。喉に絡みつくな……」
「別によかったんだぞ。」
「構わんさ。相手してるうちに、また火がついた。さあ……こい。」
命令的に……そして蟲惑的に発し、誘惑していく………
まるで女郎蜘蛛の様に……男に負けないための彼女なりの誘い……
続………
>26-29
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
全裸待機!!!!
>>25 デスダヨに習うとなるとやっぱ中華か。
レ「あちッ…あちち…ッ!あーーーーっっっちィ!!」
シェ「やかましいガマンするね!!」
レ「何でわざわざいちいち野菜油通しすんだよ!パチパチいってェんだよ!生で食えんだろ生で!」
シェ「アホちん、これそういう料理よ。あたしに教えろ言ってきたの誰か、このバカタレ!」
レ「つーかそこの合い挽き肉何か…」
シェ「気のせいよ」
レ「まだ何も言ってねェよ!気のせいって何!?何だよ!??」
シェ「あーもー煩いねー文句垂れるなら私降りるよ」
レ「………」
料理の道は厳しいねレヴィたん。
シェンホア家の料理番は意外と6tだったりするんじゃないだろうかと思ってみたり
ロットンにそんな甲斐性があれば、どっかの金持のヒモとして買い手があると思うですよ。
六トンは料理を作れるが、調理中に無駄にポーズ決めたり
火柱上げたりパチパチ花火を刺したりするイメージだ
ソーヤーは肉料理を作ってはいけない
ソーヤーは材料の生肉から作れるからな
鮮度は抜群だぞ
屠殺したばかりの肉は旨くないからなあ
死後硬直したまんまの状態じゃ硬くて噛みきれないし、分解された筋組織から旨味の元になるアミノ酸がまだあまり出てない
新鮮=屠殺したばかり、ではなく、肉はちゃんと時間かけて熟成させないとだめだよ
屠殺して全身の血を抜いた後に、牛は20日、豚は10日、鶏は1日くらい冷蔵庫で寝かせるのが一般的
同じ動物というくくりなら、魚は締めた直後が旨いのとか2日目が旨いのとかいろいろある
じゃ人間は何日くらい寝かせればいいのかな?
ソーヤーに聞けば詳しく教えてくれそうだ
あるいは、仕事とは裏腹に肉が一切だめなベガンかもしれん
うわ…
それありえるな
でも今、連載しているやつで人肉平気な下りあったような
それ聞いてロック、ジェーンが吐いたっていう
あれは、カリバニズムてよりただの嫌がらせだろうな。
確か、超臭い部屋のぬめぬめのマットに岡島タッチ
↓
マイスイートがマット回収に登場
↓
マットをパン、腐乱死体の脂肪をバターに例える
な流れだったよな。
もう遠い昔だけどな。
ソーヤーがマット片づけるの手伝えと岡島に振る
岡島手伝おうとマット触るとヌメヌメ「なんだこれ」
ソーヤーにやにやしながら窓に食パンとバターの落書き
「マットがパンで、バターが人の…」といいつつ吐き気こらえて逃げるベニーたち
岡島その場でゲロ、それを観ながらソーヤー心から素敵な笑顔
って流れだったはず
ソーヤーが岡島の背中使って筆談したりと何気に仲良しでなごむシーンだったなあれ
なるほど
ソーヤーあんなことあったのにロックと仲いいってのもねぇ…
偽札事件の時、殺そうとしたくせにwww
昨日の殺しそびれたやつは今日の友ってやつかな?
むしろ殺されかけた岡島がよく仲良くしてるわな
それを言ったらレヴィとですだよは
味方(竹中編)→敵(偽札編・レヴィ腕負傷、ですだよ半殺し)→味方(復讐編・仲良く負傷)となってるわけだがw
まあ報酬さえ貰えりゃ敵も味方もないと割り切れるドライな人間だからこそ、あの街でやっていけてるわけだしな
>>35 うーん、そのへんどうなんだろう
前秋田に住んでたとき、きりたんぽ鍋だーって生きたニワトリを飼ってきて
締めて鍋にしたよ
その理屈だと前日に肉を用意しなきゃならないけど
前から予定されてた鍋パーティーだったのに当日締めだった
ロアナプラ的には今殺す理由が無ければ前殺しそびれた奴でも気にしない
って感じなのかな
>>41 鶏の場合、固ければそれはそれで身がしまってて美味いって理屈じゃね?
そうだ、ソーヤーの流れそうだった。
トンです。
続きのないものを読み返すのが苦痛ですっかりうる覚えだ。
続きです。
* * *
首筋にキスをし吸い上げながら、一向に衰えることのない男根を冷たい花園に沈めていく……
「ハアッ……」
その吐息だけを聞けば、誰も恐れ多い火傷(フライ)顔(フェイス)ではなくソーフィヤと呼ばれた女のものだった……
長い間、忘れていて嫌いで、なければいいと思った女の自分……
ゆっくりと、少しずつピッチが上がっていく・・・
ぐちゅ クチュ くちゅ グチュ ずぷっ
「ふぅ……はあっ………ううん………あっ………」
バラライカは何かに耐えるように深く息をつくと、ダッチの首にしがみつき、その姿を見上げる。
無論、表には出さないがダッチの心中も、少なからず驚いていることだろう。
そして、その女をビジネスの為か快楽の為か、とにかくSEXしているという事実に……
極上のスタイルだけでなく全身の傷跡も含めて、かくも苛烈に「生き様」を語るカラダを持つ女はそうはいない。
ジョークとしてはジャンキーなどのイカれた奴らの与太話にしかならないだろうが……
やがてゆるやかに円を描くように腰をグラインドさせはじめる。
少しずつ、内部の熱が高まってゆくのを感じる。
リズムに合わせて突き上げを繰り返すうち、締め付けがキツくなっていく。
つながった部分からは、淫媚な水音が途切れることなく聞こえている。
親指の腹で花芯を直接刺激してやると、うめき声とともに女の背中が大きくしなった。
「好きなだけ…いいぞ」
いやらしくくねる腰に手を添え、いつの間にか覚えてしまった女の「カラダ」が声を上げるポイントを攻め上げる。
「はぁ…っッ…あ…!」
バラライカの歯の間から、押し殺したような「悦び」が溢れ出す。
「ンんっ…!アっ、あァ…っ!」
もっと、声をあげさせてみようと腰の動きに変化をつけるが、それを素直に受けとめず、 それどころか逆を突くような動きで応戦していく。
「ふん……どうしたの?それぐらいの……ものなのかしら?」
「言うじゃないか……」
所々、絶対に見せない女の部分が見え隠れしていく様を見たダッチは少なからず興奮していき、ラストスパートをかけていく……
「ふぐっ……んんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「くっ!!!!」
最奥に放ったものは、勢いよく2人の意識を持って行った……
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
PM 14:00
その後は、レヴィが帰ってくる前にもう2ラウンド異種格闘技を行った2人は後始末を終え、秘蔵のバーボンをあおっていた。
銘柄は「Ardbeg Provenance」
「あなたの提案……考えてみるわ。」
「あん?」
「痛み分けの話よ。」
「ああ。だが落とし所がどうするかだな。」
「簡単さ……。次に、どちらかがこの街に問題を持ち込んだら。
その時は……容赦なく、撃滅する。」
その瞳は先ほどの情事の時の眼ではなく、もう黒く淀んだ元アフガンツィのモノになっていた……
………カラン
「おお怖っ。命がいくつあっても足りやしねえ。」
「ふふ。大丈夫よ、私はあなたには借りがある。
恩は返させてもらうわ。報酬にしてもこっちにしても……」
先ほどまでとは打って変わって、打ち止めになっているソレに熱を上げようとテーブル下からつま先をかけていく……
「おいおい……」
「冗談よ。でも、必要あらばいいわよ。嫌いじゃないから…」
「それはまた光栄だ。」
「それに、あなた。これからの雇い主に対していい顔しておいた方がいいんじゃない?」
「これからの?」
「ええ。私も、頼もうかしら。信用出来る優秀な運び屋。ちょうど探していたのよね・・・・・・」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「今思えば、ロックのあのセリフ。あの時のあなたとそっくりよ。
その時、どう考えて言ったのかは別としてだけど。」
「そんなこと、言ってたのか。あいつ……」
「あまり語りたがらないのね、その件の話は。」
「聞く義務はないからな。雇用主だが余計な詮索はしない主義だ。そのほうがスマートに事が運ぶ。」
―――唯一アイツから聞いた話が「人は自分の人生をサイコロに例える。」その発言者は誰なのかくらいだ。
自分の故郷で何があったのか報告書の内容以外知らん。
が、普通の人間なら逃避の為にトリップするだろう精神的なものだということくらいは解ったぞ。
この街にはそんな人間は腐るほどいる。まあ、先のメイドの件で少しはましになったようだが……
そう考えを巡らせていた時、バラライカから含み笑いが浮かんだ。
少し、小気味いいのよ。いつかあなたを喰うんじゃないかってね。」
「馬鹿言え。俺は、まだまだあんな若造に負けるつもりはねえよ……あいつが2・3手読むようなら、5・6手先まで読める。」
「解らないわよ?私のお墨付きなんだから。」
「質の悪い守護天使様だ。まあ忠告として受け取っておくぜ。」
ポケットからタバコを取り出し火をつける。
「あら。」
すかさず、ダッチから取り上げた
「おい、何すんだ。」
「ここは葉巻以外、禁煙よ。それにまだタバコの時間じゃないから……」
その雰囲気を見てダッチも察しがついた。
「随分、久しぶりだな。」
「そうね、あの日以来かしら?」
この部屋に流れていたのはレコードのジャズ。そして曲名は……
「 」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
思えば、メイドの件は唯一のチャンスだったがまあいい。次に三合会を、ベイブを殺すのに備えよう。向こうにも解らない方法でいくらでも謀にかけていく………
利用できるときはとことん利用する………
向こうが起こした時を………ひたすら…………待つ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここは、タイにそびえる悪の街「ロアナプラ」。
そこに潜む火傷顔の女狼が天帝の双龍をいつか喰おうと牙をとがらせている……
Fin
ありがとうございました。
難産でしたがこうして終わらせられました。(少々の批判覚悟です)
ありがとうございました。次は、ロック×レヴィかロットン×シェンホアあたりを書いてみたいです。
>43-50
乙でした
GJ!
いいもん読ませてもらいました
またの投下お待ちしてます
死体愛好者って漏れなくカニバリズム傾向なん?
愛しのエレナだったりバッファロービルだったりいろいろ形があるんジャマイカ?
カニバリズムはそう思っても無理はないと思う。
本当にそれを言うならレクター博士だよね
レクターの場合人食いだけど死体が好きってわけじゃないよな…。
クラリス大好きだし。
それとも真の目的はクラリスを殺害してから愛することだったっけか。
流し読みしかしてないから曖昧。
好きな人なら死体も愛せる、肉も食うっていうのにはロマンを感じるけど、
それが多少のこだわりはあっても基本は誰でもいいとなると、もう具合悪い。
そもそもソーヤーがカニバリストやネクロフィリアってのもこのスレの妄想
なんだけどさ。
どっちにしても、イカれてなきゃ掃除屋やってられないよね
なんかB級映画でソーヤーと似た境遇の人間がいて驚いたwww
70くらいの肉屋の老人で喉切られてないけど、耳が聞こえずマフィアの掃除屋(というか解体屋?)を生業にしている
初めて見た時、『ソーヤーだ!』と一瞬思い浮かんだ。
それが元ネタになってるんじゃ?
小説2巻の挿し絵といい、グロ耐性ないと掃除屋なんて勤まらない罠w
蟹馬リズムで神の朝食思い出した。
レヴィのオパーイを目玉焼きと掛けるロック…
>>54 レクターのクラリスへの執着はハリスのジョディ・フォスターへの妄執とほぼイコールなので、
深く考えない方がいいよ、ただのストーカーエロジジイだ
何かソーヤーと双子を会わせてみたくなる流れだなw
意気投合するかソーヤーがおもちゃにされるendだろうけどwww
エロとは別の21禁
あっ、こいつ!
哀愁漂うキャラで、結構印象うけたんだよね
>>59 なんかソーヤーが生きたまま少しずつ解体されていくのを受信した
なるたるのあれみたいに
>>61 それ、書いてもいい??
全然エロくないと思うけど21禁
双子×ソーヤーはこてつ先生描いてたが、あれはほのぼのだったな
双子が散らかした『おもちゃ』をソーヤーが片付ける、みたいな
レヴィとウォータースライダーのある流れるプールに遊びに行く夢見た。
レヴィはウォータースライダーの出口から逆走して無理やり登ろうとしてた。
この暑さは現実逃避に拍車をかけるようだ。
>64レヴィたんがどんな水着だったのかちょっと気になった
観光協会トップのあれじゃないか
あのエロくて健康的で最高に可愛い笑顔のレヴィたんはまじ天使
夢だから曖昧なんだけど、あの真っ赤なビキニではなかった。
白っぽくて紐付きだったかなー取り敢えず必死に水流と戦ってたw
期待を裏切ってすまんw
観協トップのレヴィが可愛すぎるのには満場一致同意。
岡島とセットの日焼けバージョンもよかった。仰向けであのけしからん乳は何だ!
あの岡島さん色白過ぎてワロタ
考えてみると貴重なプライベートのツーショットイラストなんだよなあれ
つい色々妄想してしまう
その色々な妄想を書き綴ればイージャナイカ!
あれはオタ眼鏡カップルとのWビーチデートなのかね?
ジェーンの褐色超乳に圧倒され思わずガン見しているロックに舌打ちが止まらないレヴィたん
でもロックはジェーンを嫌ってるからなあ。どうでもいいって感じでスルーじゃないか?
それを見て人知れずガッツポーズするレヴィたん
しかしそこに枝が現れて…
漫画読み返してたんだが、シガキスやシャワーは勿論の事、
偽札編冒頭の「ロックと一緒に市場行けば良かった」
復讐編冒頭のイエローフラッグで楽しそうにバオを笑い飛ばす二人
新章で仕事バックレて当たり前のように二人でドライブ
(レヴィが鍵を借りてロックが運転というのがまた良い)
といった程度の日常シーンに異常に萌えたんだが、
そろそろ火星に旅立つべきだろうか
403 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2011/07/17(日) 17:13:55.57 ID:t2ae60pL0
ここはレヴィ厨がレヴィと対立するキャラをけなしすぎる
別にロベルタはレヴィと比べて特に凶悪なわけじゃないし
残酷な殺人や凶悪犯罪をやってる点ではレヴィもバラライカも張も
シェンホアもチェンソーもみんな同じ
ロベルタの復讐の動機はロアナプラ基準じゃ十分仁義にかなったもの
ロベルタばっかけなすのは変
アマゾンレヴューみればOVAではロベルタ欠損を悲しむ声が圧倒的に多いし
原作9巻ではロベルタ擁護の意見が一番圧倒的に支持を得ている
ようするにレヴィ厨のとらえ方の方がおかしいのは明らかってこと
>>70 「何だよ、男はデカけりゃ何でもいいのかよ・・・カリカリカリカリカリ」
>>71 好き嫌いはまた別として本能的に凝視しちゃんじゃないか男はw
だが尻と太股ならレヴィの圧勝
>>72 > 新章で仕事バックレて当たり前のように二人でドライブ
> (レヴィが鍵を借りてロックが運転というのがまた良い)
なん・・・だと・・・・
そこまだ読んだことねーうわああああん
シガーキス冒頭のレヴィちゃんご機嫌斜めドライブも好きだけどな!
旅行中に喧嘩してるカップルみたいで
旅行中に喧嘩するssあったよな
あれ萌えた
保管庫にある、レヴィの罵倒の嵐から始まる話か?
職人さんの台詞回しが上手くて話にもすげえ萌えた
ちょっと保管庫籠もってくる
>>77 ジェーンがロックを「レヴィの彼氏の日本人」と発言したりと美味しいシーンが結構あった
直後にレヴィはキレたが否定はしていない
(発言に対してじゃなくジェーンがうざいからキレた)
> (発言に対してじゃなくジェーンがうざいからキレた)
読者からだけでなく劇中でもウザがられるポジションなんだなw
俺はやかましいけどそんな嫌いではないな>ジェーン
少なくとも彼氏発言で株あがったぜ
思えば、ジェーンとの絡み投下しないよな。だれかすればいいのに
言いだしっぺの法則
ブラクラでちゃんと恋人同士として成立してるのって
眼鏡コンビと若ロべ(こっちは微妙)くらいか
銀さんゆっきーも恋人とはまた違う感じだし
レヴィたんも黒ネコミミ付けてよ
俺がお持ち帰りしてあげるから
>>85 シェイターネ・バーディのベニーのパソコンみたいになるぞ
ボンテージレヴィに踏みつけてもらえたら本望
散々痛め付けた後で、最期には笑いながら撃ち殺して欲しい
レヴィにボンテージは似合わないよ……
小説挿し絵のボンテージレヴィは最高だったぞ
あれは踏まれたい
ちょうど、保管庫「ボンテージ」読了。
ローワンの言ってたのもうなずけるかもしれないwww
ボンテージ懐いなぁ。
あれもスレが沸いた名作だよね。
ブラクラ好きが興じて初SS
もう何番煎じだよってネタで申し訳ないけど。
一応死ネタです。
それは一瞬の事だった。
乾いた銃声が2発響いたと同時に彼女の体が崩れ落ち、頭から叩きつけられたのは。
それはまるで、日本で子供たちにレクチャーしていたあの時の姿のようだった。
対峙していた名も知らぬ相手は彼女と相討ちとなったのだろう。
少し離れた場所で、彼女と同じように物のように地面に転がっていた。
俺は倒れた彼女に駆け寄ると傍らに膝をつき、彼女の身体を抱き起こした。
「…レヴィ」
掠れた声で彼女の名を呼んだ。
彼女の胸には小さな穴が空いていた。
荒く不規則な呼吸が吐き出され、忙しなく胸が上下するたびにそこから押し出されるように真っ赤な血があふれだす。
彼女は激痛を堪えるようきつく閉じていた目をなんとかこじ開けた。
瞼がひくひく震えている。濁った目が、なんとか俺を捉えた。
「…レヴィ」
彼女の唇がゆっくり動き、言葉を紡ぐ。
―ロック
確かに、そう動いた。
「ああ、俺だ。ここにいるよレヴィ」
俺の声が届いているのかはわからない。彼女は苦しそうな息を吐きだしながら俺の目を見つめているだけだった。
「…レヴィ、 しっかりしろレヴィ!」
馬鹿みたいに繰り返し名前を呼ぶ。
彼女の唇がわずかに歪んだ。それはまるで、笑っているかのようにも見えた。
「レヴィ…」
彼女の瞼が伏せられる。腕がだらんと力なく垂れ下がった。
「レヴィ…?」
浅く繰り返された呼吸が静まる。
「レヴィ、どうしたんだ? 目を開けろ、なあ…」
身体を揺っても、彼女は応えない。
―あたしらの行き着く先なんてな、泥の棺桶だけだ。
いつしか彼女が言った言葉が頭のなかに甦る。
「…レヴィ」
俺は薄く開かれたままの彼女の唇にそっと口付けた。だけど、もう彼女は何の反応も示さない。いつものように応えてはくれない。
彼女は、もういないのだ。
酒が入って上機嫌になった時の子供っぽい笑顔。
この世全てに唾を吐くかのような、憎しみに満ちた目。
腕の中に閉じ込めた時の照れ臭そうなしかめっ面。
ベッドの中で見せてくれた、女としての姿。
隣で眠る時のあどけなくて安心しきった寝顔。
愛して止まなかった彼女の姿が頭の中でぐるぐる回る。
お前が銃なら、俺は弾丸。お前がいなければ俺はただの鉛に逆戻りだ。
俺の銃は唯一無二のお前だけ。変わりなんていらない、有り得ない。
…だから、俺を一人にするな。
解っていた。
故郷と決別し、自分の中で「岡島緑郎」が完全に「死んだ」時、この街で全てを見届けると決意した時から、わずかな時間しか共にいられないであろうことくらい。
俺の選んだ場所は「そういう場所」であり、俺たちは「そういう人間」なのだという事くらい。
誰がいつ、「こう」なろうとおかしくない人間であることくらい。
頭では理解していても、それでも今は全てが憎かった。
彼女のいないこの世界に、何の意味がある。
彼女を俺から奪ったこの街に、何の価値があるというんだ。
レヴィ、俺もすぐにいくよ。
だけど、最後に1つやるべき事がある。
この街を、壊してやる。
ここは死人の街、生者などいやしない。
ならば死人は在るべき所へ。
銃のない俺がどこまで行けるかわからない。彼女のように弾丸に貫かれ、明日にでもあっさりと終わってしまうかもしれない。
それでも…やってやる。
自分の全てを賭けて。そうだ、今度賭けるものは俺自身。最高のイカしたゲームの始まりだ。
この街の死人同士をぶつけ合い、一人でも多くの死人を在るべき場所へ引きずり戻してやろう。
ホテルモスクワ、三合会。そして、暴力教会のエダ。彼女の背後には、間違いなく巨大な力がある。予想が正しければ、それはきっと…前者よりもあまりに巨大な勢力だ。
イカれたジャンキーですら正気に戻って逃げ出すくらいに、まさに絶望的な戦いだろう。
…それがどうした。
上等だ、やってやるさ。
彼女へのでかい土産話だ。きっと笑って聞いてくれる。「あんたは本物の大馬鹿野郎だ」って。
彼女の上半身を抱き起こし、向かい合った形でその身体をきつく抱き締める。
彼女の血が白いシャツを染め上げたが、構わなかった。
この血が俺の中に染み渡ればいい。深く深く刻まれたこの傷口から、俺の全身に。
「愛してるよ、レヴィ」
もう動かなくなった彼女の耳元にそっと囁いた。
そして俺は、これから訪れるであろう終焉を思い浮かべながら、小さく笑みを浮かべた。
GJ!!
数ある死にネタでもこうなるロックは初めてだ。
つかこれ処女作だったのかい。短いながら軽く息を飲んだよw
よく、もしロックが先に逝ったらレヴィ壊れてホイットマン以上の殺人鬼化〜とか見るけど、本当に怖いのはレヴィを失った時のロックなんじゃないかと思った・・・
もう・・黄昏時に泣かせるなよ
ひとりでよかった
しかし実際こうなりそうで予感が怖い
97 :
92:2011/07/25(月) 22:22:20.23 ID:YvLVfusk
レヴィ視点も書いてみたので投下です。
あと最初にロクレヴィって書くの忘れてた。すんません
自分がろくでもない末路を辿ることなんて解っていた。 どんなに名を馳せようとも、何百人をも葬る手に入れていようとも、結局は悪党の最期なんて惨めなもんだ。
だから、あたしの心臓を弾丸が貫いたとき、やけに冷静にその事実を受け止めた。
ああ、これまでかと。
来るべき時が来たのだと。身体にこんなちっぽけな穴が空いたくらいで、あたしは死ぬ。今まであたしが殺してきた奴らと同じように。
…全く、ろくなもんじゃねえな。けどまあ、仕方ねえか。
自分でも滑稽だと思うほどに、すんなりとそれを受け入れようとした。
…それなのに、あたしの身体をあいつが抱え上げた時、あたしの中で迷いが生まれた。
こんな感情、あたしには必要ないはずだった。
金にも力にもならない無意味なモノ。弱さにしかならないモノ。
あのごみ溜めのような腐った街で殺されかけたあの夜に、あたしには決して与えられることなどない、それを得たいと願うだけ無駄なものだと捨て去ったはずのモノ。
……愛情というもの。
あたしを呼ぶ声に応えたくて、必死で目をこじ開ける。
言いたかった。なに間抜け面してんだ情けねえなと笑ってやりたかった。
だけどあたしの身体に限界が来ている事は解っていた。視界は曇っていて、あいつの顔がよく見えない。触れたいのにもう腕が上がらない。
だからせめてとあいつの名を呼んだ。声は出なかったが、伝わる事を願って。
「ああ、俺だ。ここにいるよレヴィ」
…ああ、良かった。届いてる。
ロック、あんたともっと一緒にいたかった。
あんたと引っ付いて眠るのが好きだった。
あんたに名前を呼ばれながら、馬鹿みたいにやさしく抱かれるのが好きだった。
その行為が、暴力の延長でも奪われ踏みにじられるだけの屈辱的なものでもないって事を教えてくれたのはあんただった。
本当に馬鹿だ。この期に及んで、今さら…生きたいと願うなんて。
…ロック、あたしはあんたを愛してた。
あたしの死は、あんたの傷になるのだろうか。日本で自らの喉を貫き生き絶えたあの女のように。
あんたを傷付けるものは何であろうと許せないのに、肝心の自分がそうなるのであれば、なんとも皮肉な話だ。
だが、心のどこかでは、傷でもなんでもあんたの中に自分という存在が植え付けられれば嬉しいとも思う。
…全く、情けない事に。
あんたがこれからどう立ち回るかは解らない。あたしは結局あんたの肝心な心の奥底は解らず仕舞いだったと思う。
お互い誰よりも傍にいたけれど、やっぱり薄皮一枚隔てた距離があんたとあたしには間違いなくあったんだ。
もう銃は無い。ならば安全な場所で生きていくのだろうか?
…それとも、新たな銃を得てこの街で「見届ける」ことを選ぶのだろうか。
どう転んだとしても、生きて欲しいと思う。あんたにだけは生き延びて欲しい。
あたしはずっと、そのためにあんたを守ってきたんだから。
…どちらにしろ、あたしにはもう見届ける術はない。あたしはここまでだ。
だけどまあ、薄汚れた路上でも暗く冷たい海の底でもなく、初めて愛した男の腕の中で終われるなんて充分過ぎるくらいに恵まれた死に様だろう。
そんなささやかな幸福を噛み締めながら、あたしの意識は薄れていった。
GJだがもっとエロいのキボンヌ
ここはエロパロ板だろ、女性読者への配慮でエロ薄く、というならレディコミ並みにエロくしてくれ
レヴィとロットンとか意外に見たい。
男娼と誤解されてとか。
エロ有っても無くても投下してくれるだけで嬉しいよ。
特に原作止まってて燃料不足の中、こうしてSS読ませてくれるってのはマジで有り難い。
GJでした!また何か浮かんだら書いてくれー
ごめん、次はちゃんとエロ書くよ
死の瞬間の描写はやっぱそれぞれの生死観が出て面白いな
gjgj
>>103 いやいや、自分もエロなくても十分楽しめたぜ。
そりゃ書いてくれたら嬉しいに越したことはないがw
気にせず思いついたネタを好きなように書いてくれればいい。
いえいえ、gjです。エロがあってもなんだかな…ってな作品よりずっといい。
どれとはいわn
オレ好みのエロ書けとかいってるひとはまず自分で書いてみりゃいいわけだしね
必ずしもエロ入れなきゃいけないなんて決まりもないしね。
初作品で綺麗に纏まった話書けるだけでスゴス。
だから、「エロパロ板」だろ?
こうエロなし死にネタばかりが続くとおかしいと思わないのか?
別におかしいとまでは思わんが…
今までだってエロなしの話も色々投下されてたし、
そういうのも面白い話ばっかりだったぞ
最近なんか荒れやすいな…
エロパロ以外の二次創作板があるなら板違いなんだが、現状無いのだから仕方ないだろ。
死にネタに関しては確かにネタはかぶりまくりだが、前スレ埋めと作者違うのは明らかだし、
別に誰の陰謀でもないと思うが??
なんか不穏な空気が漂っているみたいだから
キャクが救ったベトナム娘を保護して来ることにする
次は>109がエロいの書けよ
114 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 21:49:59.20 ID:PgAf7rjY
ブラクラっていまだに連載ストップしてんの?てか何故に作者はやる気がなくなったんだ?
ロック「レヴィ、俺と一緒にチャレンジザトリプルしないか」
レヴィ「い、一度にそんな三つ子なんて育てられねえよ…//」
ロック「………パチンパチンパチン」
指パチキャラはいやだぁあ
あの脈絡もなく出た指パチロックは滑稽で面白かった
あれまたやって欲しいわ
*全二回
*エロのメインは第二回
私は柱。
ここ、タイはロアナプラ、とある二階建てのアパートメントを支えること三十年の、柱です。
以後お見知りおきを。
今ではこんなにも枯れ果ててカラカラに乾ききってしまっている私ですが、
その昔、まだ山奥でのびのびと枝を伸ばしていた頃は、
たっぷりと花粉をたくわえ、風に吹かれてぼふぼふいわせていたものです。
私が力強く枝をひとゆすりすれば、小さな花粉たちが風にのって次々と旅立ちます。
その花粉を雌株が受けとめる様は、どんなに私を恍惚とさせたことでしょう。
葉をざわめかせ、枝をしならせ、うち震えながら私の放出した花粉を浴びる。
雌株たちの歓喜の声が幾重にも重なって私の元へ届きます。
産めよ、増えよ、地に満ちよ!
これぞ創造! 創造の歓びです!
雄株として無上の歓びであります!
しかし、今の私ときたらどうでしょう。
大地にしっかと張りめぐらせていた根は断ち切られ、共に暮らしていた大勢の仲間からは引き離され、
皮を剥がれ体をばらばらに切り刻まれ、水も与えられず日干しにされるという拷問を加えられた挙げ句、
人間などという矮小な生物の住処に利用されるという辱めを受けている。
おまけに、人間というものはこれだけ私をいいように使っておきながら、
感謝の態度ひとつも表そうとしないのです。
私の肌に何年にも渡ってしみついたヤニを、硬くしぼった濡れ雑巾で落としてくれることもなければ、
乾いた布で空拭きしてざらついた埃をはらってくれることもない。
たまに床を濡れ布巾で掃除する居住者もいましたが、それでも柱の私までは目に入っていない様子。
ごしごしと床をこすって、ふう、これでよし、とばかりに満足そうに床を見渡し、
そうしておもむろに掃除用具を片づけ始める。
私! 私も! ずっと! あなたの! 前に! 立っているのに!
これが、壁を支え屋根を支え、人間の住居を住居たらしめている私に対する所業でしょうか?
時に珍しく私の存在に気づいた人間がいたかと思うと、次の瞬間には美しい私の木肌に釘をぶっ刺す。
そして、時計をつるす。カレンダーをつるす。帽子を引っかける。
それくらいならばまだいい。
ひどい時には、苛立ちまぎれに思いきり蹴飛ばされる始末です。
ふざけんなクソが、てめぇの頭の上に屋根のひとつでも落としたろかとも思いますが、
落としたところで、解体されて燃やされるか廃棄物処理センターに送られるかするのが関の山でしょう。
ああ、こいつら早く滅びればいいのに……。
そうつぶやいてもみますが、人間どもは相も変わらずこの地球を我が物顔でのし歩いています。
終わった。
私の人生──いえ、木生は終わった。
もう私には、花粉を飛ばす力も水を吸い上げる力も光合成をする力も残っていません。
今の私に、美しかったあの頃の面影はありません。
今の私はカスです。ミイラです。早く朽ちたい。
そう思っておりました。
柱としてここに立たされてから、ずっと。
しかし、それは大きな間違いでした。
どうやら私の木生は、ここからが始まりだったらしいのです。
なにが始まったか。
それは、その、非常に申し上げづらいことでありまして、
樹齢五十三、柱として生きてきた年数も加えれば八十は超える私が年甲斐もなくという自覚はもちろんあり、
いえ、歳よりもなによりもその、色々と問題があることは重々承知しているのですが、そのう。
──つまり、端的に申せば、恋、でございます。
届かぬ恋、でございます。
お笑いなさるな。
柱の分際で恋などと、笑止千万。よく承知しております。
道義に外れた恋だということ、重々承知であります。
しかし──、
あ、お相手ですか?
お相手。
いい質問です。
お相手は……、その、あの、ですね、ええと……、──少々お待ち下さい。
心の準備が……。
ああ、想い人のお名前を申し上げるというのはひどく緊張するものなのですね。
私たちは「恋」などというものには縁遠い種族でしたし、
お相手はいつも不特定多数だったものですから。
唯一ひとりのお相手のお名前を申し上げることがこんなにも胸苦しいものとは、ついぞ知りませんでした。
しかし、意を決して申し上げることにしましょう。
私の想い人、それは、それはなにを隠そう、──この部屋の家主です。
この部屋の家主である、世界一可愛いレヴィ嬢です。
柱のくせに、などとおっしゃらないで下さい。
分かっております。
そのようなこと、誰に諭されずとも分かっております。
けれど、止められないのです。
なぜか?
それは可愛いから!
レヴィ嬢がスペシャル可愛いからです!
いいですか、ご覧下さい、あの寝姿を!
彼女はちょうど今、ご就寝中です。
ベッドの上で横向きになり、軽く手脚を曲げた姿勢ですやすやと眠っています。
すらりと伸びた引き締まった手脚と、つるんと丸みを帯びた尻、
黒いタンクトップをぱつんと持ち上げる胸に、襟ぐりからのぞく谷間、
それをブラインドから差し込む朝の──正確に言うなら、もうほとんど昼ですが──光が照らします。
腰はすとんとくびれて、彼女の体は完璧な曲線を描いている。
ああ、黄金比!
黄金比であります。
松ぼっくりにも勝るとも劣らない黄金比です。
まさに神の仕業と言いたいところですが、私はこの体が彼女の努力のたまものであることも知っています。
どんなに飲んだくれようとも、どんなに荒ぶって部屋の中のものに当たり散らそうとも、
彼女は毎日の筋力トレーニングだけは欠かしません。
自身の身長よりも高い位置に取りつけてある鉄棒のバーからライルオオコウモリのようにぶらんとぶら下がり、
そこからせっせと体を起こして腹筋を鍛えます。
腹筋が終わったら懸垂、背筋も鍛え、それが終わると腕立て伏せへと続きます。
おかげで、彼女の体にはぶるぶる震える無様な脂肪など一グラムたりとも存在しません。
しかし、彼女はこんなパーフェクトなバディを有していながら、
上掛けは完全に下へ蹴飛ばしてしまってぐしゃぐしゃ、
黒いタンクトップは胸の下までべろんとめくれて腹がむき出し、
おまけに、なんの飾りもないシンプルなパンツはゴムがゆるんでわずかにずり下がっています。
なんたる無頓着!
なんたる無防備!
栗色の長い髪を散らばらせ、口を半開きにして眠る彼女は天使です!
これぞ天使!
まさに天使!
マイ・エンジェル・レヴィ!
昨日この部屋で彼女が発した言葉のナンバー1がファック(累計267回。私、数えました)、
ナンバー2がシット(累計238回)、ナンバー3がアス(累計102回)であったとしても、
この部屋に存在する傷の大半をこしらえたのが彼女であったとしても、
うっとりと手入れをするのは無駄に場所を占めている銃だけで、
他はろくすっぽ掃除もせずに散らかし放題、部屋の隅にカビを生やしていたとしても、
それでも、いいえ、それこそが、可愛いらしさのゆえんであります!
ああ、昨日蹴られた柱下部の痛みですら愛おしい。
彼女になら蹴られたって構いません。
いいえ、むしろ蹴られたい!
蹴って蹴って、蹴られまくりたい!
ああほら、見て下さい。
今、もぞっと身じろぎをしましたよ。
昨日私に素敵な蹴りを下さった脚がシーツに新たな皺をつくり、両腕の間に挟まった乳房がやわらかく形を変えます。
のびのびと投げ出されていた脚が体の方へ引き寄せられ、ほんの少しだけ丸まった姿勢になりました。
目覚めの時間が近いのでしょう、身動きとともに小さく声が漏れましたが、
ふうっとひとつ息を吐いて更に深く枕へ顔をうずめ、頭を小刻みに動かして落ち着ける場所を探ります。
満足できる場所を探しあてると、また全身から力が抜け、すうすうと肩が小さく上下し始めました。
──あああ、か、わ、い、い!
なんて可愛いのでしょう。
犯罪。犯罪です。この可愛さはほとんど犯罪です。
身が焦げます。焦げて消し炭になりそうです。
消し炭になって自然発火しそうな可愛さです。
ただの柱、駄木たるこの私に火事まで起こさせようとは、なんて罪な娘でしょう!
罪な娘、その名はレヴィ!
「……ねぇ、柱」
「──はい?」
突然あらぬところから声をかけられ、私は我に返りました。
少々素っ頓狂な声が出てしまった気がしますが、声をかけてきた主はなにやら深刻な様子で、
私の声の調子を気にとめた様子はありません。
「どうしたんです、窓枠」
私は気を落ち着けて問い返しました。
声をかけてきたのは窓ガラスをはめ込んだ木製の窓枠、このアパートメントが建てられた時からの仲です。
「ねぇ、わたし、おかしいかもしれない」
窓枠は思い詰めた様子で言います。
「どこがおかしいのですか。この間のスコールの日にでもどこか壊れましたか」
「違うわ。そうじゃない」
「では、どこが」
「……わたし、変なの」
「ですから、どこが」
私がいくらたずねても、窓枠は顔を曇らせるばかりです。
「ほら、ちゃんと言ってくれないと分かりませんよ。どうしたのです」
「……笑わない?」
「笑いませんよ! 私が今までにあなたを嘲笑したことがありますか? ないでしょう。
さあ、ほら、絶対笑わないと約束しますから、早くおっしゃい」
「あの……、あのね、わたしもこんなのはおかしいって思ってるの。こんなのは絶対駄目だって。
でも、どうしてもどうしても止められないの。もう、自分でもどうしようもないの」
なんでしょう、なんのことだかさっぱり分かりませんが、
この窓枠の言っていることにはなにやら私、非常な共感を覚えます。
「ええ、そういうこともあるでしょう。分かりますよ。恥ずかしがることはありません」
「……でも…………、でも……!」
「今更なにをためらうのです。あなたと私の仲じゃないですか。
三十年もこの不遇に耐えてきた同士です。なにも遠慮することはありません」
窓枠は自分から言い出したくせに、いつまでたっても話を進める気配がありません。
ああ、とか、でも、とか言いながらガタピシ窓を震わせるばかりです。
そうやってもじくさしている様子は、なんだか非常に身に覚えのある光景です。
「……あの、窓枠?」
「なぁに?」
私はおぼろげながら推測したことを口に出してみます。
「もしかして、…………恋、ですか?」
「──えっ!」
窓枠はビシッと桟をきしませて固まりました。
──もしや私、大当たり?
「どうして分かったの!?」
窓枠は驚いているようですが、分からいでか。
今の私はまさにその恋の渦中に身を置いているのですから。
まあしかし、私のことはいいでしょう。
「そんなことより、お相手は?」
訊くと、窓枠はまたしてももじもじと言いよどんでいましたが、
やがてキッと決意の色をのせたかと思うと、高らかに言い切りました。
「わたしが惚れてるのは、レヴィ。今ここに寝ている娘、レヴィよ!」
「──えっ!」
今度は私が驚く番でした。
「ままま窓枠、今なんて……?」
「だから、わたしはこの娘に惚れちゃったの! もう私、この娘のことを考えるだけで腐れ落ちそうよ……」
窓枠は自分の眼下でくうくう眠る彼女を切なげに見下ろします。
「ねぇ、わたしの蝶番、ほら、一番下がちょっと取れかかってるでしょ?
これ、開けっ放しにしてるところに大風が吹いたら壊れちゃうんじゃないかしら、
そしたらわたし、きっとお払い箱にされて燃やされちゃうんだわ、
そうなったらもう、わたしは二度とこの娘の顔を見られない、
そんなことを考えていたら苦しくて苦しくて、今にも縦にヒビが入りそう……」
言うそばから、みしみしと桟のきしむ不穏な音が響いてきます。
「ああ、窓枠! しっかり! しっかりするのです! あなたの気持ち、よーく分かります」
「……いいのよ、柱。無理しなくたっていいの。わたしだって自分がおかしいのは分かっているもの」
窓枠の声はどんどんと沈んでいきます。
私は急いで言い添えました。
「無理して言っているのではありません。私もその苦しさには覚えがありますよ」
「慰めはいらないわ。どうぞなじって頂戴。人間なんぞに惚れた馬鹿な木っ端だって……」
ああ、これはいけません。
窓枠が鬱スパイラルです。
これはいけない。
「……窓枠、慰めではないのです。言ったでしょう、『分かる』と」
「え……?」
ようやく窓枠が私へと意識を向けました。
「よくお聞きなさい。いいですか──」
致し方ありません、窓枠がこんなにも思い詰めているのです。
私も恥ずかしながら誠意を見せるしかないでしょう。
「私も同じなのですよ」
「は?」
「私も同じなのです」
言葉を失った窓枠を前に、私は厳かに告げました。
「私も、このレヴィ嬢のことを考えると夜も眠れないのです。こ、こ、こここ恋、と言っても差し支えないでしょう」
あなたと同じなのですよ、そう心をこめて真摯なまなざしを窓枠へ送ったはずですが、
窓枠はしばらくの間私をまじまじと見つめ、それから目を逸らしてため息をつきました。
「そう……」
窓枠の表情は晴れません。
──あれ? おかしいですね。
私は慌てて言葉を継ぎます。
「ね、お分かりでしょう? 私が慰めで言っているのではないということが。
木の分際で人間の娘に惚れてしまったのは私も同じ。
あなたがおかしいのならば私もおかしいのでしょう。私もずっと誰にも言えないできました。ですから……」
「でも」
窓枠は悲しそうに桟を震わせました。
「あなたは雄株じゃない」
「え」
「わたしは雌株よ……。私は雌、この娘も雌、道義に反しているわ!
生殖の理に反しているわ! 生物として間違っているわ!
わたしやっぱりおかしいんだわ! どうしたらいいの……!」
「お、落ち着いて……、落ち着いて、窓枠!」
実際のところ、私たちはもう「生物」ではないのですが、それはこの際どうでもいい。
私は必死で取りなそうとしましたが、窓枠からはラップ音が聞こえてくる始末です。
ピシッという音に反応して、レヴィ嬢が「ぅん……」とわずかに頭をゆらしました。
ああ、私、そのちょっと眉をひそめたお顔、大好きです。
皺の寄った眉間からふっと力が抜ける瞬間も、とても……、──と、いえいえ、そうではありませんでした。
窓枠でした。
その時です。
「ちょっとあんたたち」
足元の方から重々しい声がしました。
「さっきからうるさいよ」
床板です。
この床板のマダムも新築時からの仲間です。
「ああ、申し訳ありません。大変なご迷惑を……」
「ちょっと窓枠」
床板は私の謝罪など耳にも入れず、きしんだ音をたてている窓枠をギロリと睨み上げました。
「さっきから聞かせてもらえば、ぐずぐずぐずぐず、鬱陶しいったらありゃしない!
雄株だの雌株だのにこだわってめそめそして、あんたそれでも女かい!」
「でも……」
「でもじゃないっ! あんたがあんまりにもうざったいから、いいこと教えてやるよ」
「……いいこと?」
「そう、いいこと」
マダムは不敵に間を取ったあと、みし、と板をきしませて言いました。
「あたしだってね、ずっと前からこの娘のことが好きなのさ」
「えええええええっ!」
おっと失礼、つい大声が……。
「……なんだい、柱、その声は」
「いい、いえ、なんでも、なんでもありませ──」
「なんで窓枠の時とそんなに反応が違うんだよ。まったく腹のたつ野郎だね」
「いえ、他意は、他意はございません」
「というわけでね、窓枠、あんたはちっともおかしくないよ」
私をひと睨みして、床板は窓枠へ優しい声をかけました。
「床板……!」
窓枠は感極まった表情で床板を見つめます。
なんでしょう。
なんなんでしょう、この清らかな友情めいた光景は。
窓枠が最初に相談してきたのは、この私ではなかったか。
少々納得がいきません。
「あのね、床板。わたし、この娘と相思相愛になりたいなんて、そんな分不相応なことは考えないわ。
この想いに気づいてもらえなくたっていいの。
──でも、時々羨ましくなるのよね、この窓ガラスが。
だって、この娘は夜更けに外を見ることがあるでしょう?
そんな時、ガラスすれすれに顔を寄せるわね。
そうすると、この娘の息でガラスがほうっと白く曇るのよ。
湿り気を帯びた曇りを、人差し指できゅっとこすることだってあるわ。
時々は、わざとガラスに息を吐きかけることだって!
わたしは、わたしはそのすぐそばにいるのに、まったく視界に入れてもらえないのよ……」
「おい、さっきから黙って聞いていれば」
切々と窓枠が語っていると、そこに割り込んでくる声がありました。
「てめぇひとりでロマンスのヒロイン気取ってんじゃねえ!」
窓ガラスです。
今まで窓枠の羨望を浴びていた張本人、窓ガラスです。
「あのなあ! こいつのことが好きなのはてめぇらだけじゃねーんだよ!」
「ええっ!」
「じゃ、あんたも……?」
「──や、やかましいっ!」
俄然色めきたつ窓枠と床板をどなりつけて、窓ガラスは続けます。
「まぁなんだ、それはそれとしてだな! 羨ましい羨ましいって、なんだそりゃ!
おい、窓枠! こいつが毎朝窓を開ける時に触るとこはどこだ? 窓を閉める時に触るとこはどこだ?
──お前だ! 俺じゃねえ! てめぇの物差しだけで測ってんじゃねぇぞ!
それにだ! 羨ましがるところは俺じゃねえだろ! 例えばベッド! ベッドだ!
毎日毎日、寝てるこいつを乗せてんだぞ! 何時間もだ!
こいつの体重を全部受けとめて、こいつが身動きするたびにパイプをきしませてるんだぞ!
これが『羨ましい』じゃなくてなんだってんだ!」
窓ガラスはわんわんと表面を震わせます。
「そうは言うけど」
ピシッと窓ガラスに小さくヒビの入った音がしたその時、憮然とした声が聞こえてきました。
「君だって、自分の立場でしか物事を見られていないんじゃないかな」
ベッドです。
静かな声色の中に憤懣がひそんでます。
「僕の立場になって考えてもごらんよ。
毎日毎日彼女を乗せてって言うけどね、その彼女が触れているのは僕じゃないんだよ。
彼女が触れるのはシーツや上掛けや枕。僕には一瞬だって触れない。
そりゃ、腕を伸ばした時なんかに指先が柵にぶつかったりすることもあるけどね、でもそんなのは時々だよ。
窓枠、君は毎日彼女に触れてもらっているし、床板は毎日踏まれている。
窓ガラス、僕は息を吹きかけてもらったことなんてただの一度もないよ。
自分の受けている恩恵に気づかないで僕を闇雲に羨ましがるのはやめてくれないかな」
「あの……」
ベッドの演説が終わったところで、私はおそるおそる口を挟みました。
「ということは、君もレヴィ嬢のことを……?」
「ああ、好きさ。大好きさ。彼女は僕の生きる希望だね。──それがなにか問題でも?
ベッドが人間に惚れちゃいけない法があるのか。言わずもがなのことを聞かないでくれ」
……そうですね。失礼しました。
というか私はあなたのその揺るぎなさが羨ましいですよ。
「とにかく」
ベッドは毅然と言い放ちます。
「羨むべきはシーツだ。なにせ毎晩彼女の肌に触れ、汗を染み込ませているんだからな!」
「お言葉ですが……」
そこに、弱々しい声がします。
「私だって苦しい想いはみなさんと変わりないのですよ……」
眠っているレヴィ嬢の体の下から聞こえてくる声は、そう、シーツです。
「彼女の肌に触れている、それは確かに最上の歓びです。しかしみなさん、ひとつお忘れではありませんか?
私たちシーツは何枚もあるのです。洗濯のために外されたらそれまでなのです。
洗濯機で洗われたら、そのあとは長い間、暗いクローゼットの中で過ごすことになるのですよ?
あの孤独! あの孤独が分かりますか?
今頃別の仲間が彼女の肌に密着しているのだと想像しながら閉じ込められる日々!
慰めは自分が使われていた時の記憶です。それだけを牛のように反芻し続けて時をやり過ごします。
今だって、いつ何時洗濯機へ放り込まれるか、気が気ではないのです!
私などよりも上掛けの方がよっぽど……!」
おお、シーツ、お前もか……。
そう思っていると、そこかしこから声が上がり始めました。
「──んだよォ! みんなオレのレヴィのこと好きだったのかよ! チクショウ! オレだけだと思ってたのに!」
「おいコラ、なんだ、その『オレのレヴィ』ってのは! てめェのレヴィじゃねーだろ! 俺のレヴィだ!」
「なんだと!? ふざけんなお前ら、俺のだ!」
「俺のだ俺の!」
「いや、オレの!」
「やめてよね、あんたたち! あたしのよ!」
「女はすっこんでろ、ボケ!」
「なぁあんですってぇ!? 女だからってなんか文句あんの!? え?」
「その通りだよ、お前が骨抜きになってるこの娘も女だってこと、忘れたかい?」
「レヴィさんは特別なんだよ!」
「そうだそうだ、お前らと一緒にすんな、ビッチが!」
「あーあー、これだから嫌んなっちゃうねぇ。まるでガキだ」
「うっせぇブス!」
「ふん、鏡見てから言いな、クソ野郎」
部屋の中は、ぎゃあぎゃあとものすごい騒音です。
なんということでしょう。
口に出せぬ恋に身を焦がしているのは私だけかと思いきや、
どうやらこの部屋にいるほぼ全員が、同じ想いを胸に秘めていたなんて!
くらりと意識が遠のきかけた時、そこに一声、響き渡りました。
「ちょっと待ったァ!」
レヴィ嬢の足元から聞こえてきたその声は、上掛け。
ぐしゃっと丸まった上掛けです。
かまびすしかった騒音がぴたりとやみ、そして、全員の目が一斉に上掛けへと集中しました。
その視線は冷たい。
「……おい、お前ら、『こいつ細切れになればいいのに』みたいな目で見てんじゃねェ!」
上掛けは怒鳴りますが、そうは言っても、上掛けの受ける恩恵は察するに余りあります。
毎晩ぴったりと彼女に密着して体を覆い、時には両腕でぎゅっと抱き締められることもある。
彼女の息は繊維の奥にまで入り込み、うまくすればよだれだって……!
そんな上掛けに対する目が多少厳しくなったとしても、それは致し方ないというものでしょう。
しかし、上掛けは逆境の中で声を張り上げます。
「みんな、現実を見ろ!」
返事をするものはありません。
「いいか、ご多聞に漏れず、俺も彼女が好きだ!
彼女は俺の喜び、俺の天使、俺のスウィート・ハートだ!
そんな彼女と、これ以上ないってくらいぴったりひっついていられる。
天使の寝顔を至近距離で拝める。しかも長時間だ!
毎晩彼女に覆いかぶさっちゃって、めっちゃ俺幸せ! 天国見えた!
まぁぶっちゃけそんな気分になったりすることもある!」
一瞬にして、ごおっと部屋の中の殺気が高まりました。
──こいつ、引き裂いてもいいですか?
「だが、待て! 待つんだ! お前らは一番見たくないものから目を逸らしている!」
──なんのことでしょう。
「オイ! ほんとに目を逸らすな!」
上掛けは、もしゃっと一回動いて皆の注目を促します。
「──いいか。今現在、彼女はひとりだ。しかし、彼女がことあるごとに部屋に連れてくる男は誰だ?」
答えはありません。
「一緒に酒を呑み、ものを食い、休みの日にはごろごろし、用もないのに居座り続け、
彼女のベッドを独占してふんぞり返り、夜になれば彼女とベッドで──」
「やめろーーー!」
部屋中、いたるところから絶叫が沸き起こりました。
「やめろ、やめてくれ、それ以上聞きたくない……」
ブルブル震える窓ガラスを気の毒そうに横目で見て、上掛けは粛然と口を開きます。
「みんな。分かってるはずだぞ。あいつが来た夜、ベッドの上でなにが行われているか……!」
「し、知らない……。俺は知らない……」
「しっかりしろ! 羨むべきは俺じゃない! 奴だ! あの男だ!
俺のどこが羨ましいってんだ、チクショウ! 冗談じゃねえ!
奴が来た日、俺は野郎の背中をあっためてるんだぞ!
奴の体の動きに合わせて彼女の膝が動くのが分かるんだぞ!
途中で俺は段々剥がれていって、最後には足元でぐっちゃぐちゃにされんだぞ!
そこから分かるのはつま先の様子だけだ。奴の体の両脇で、彼女の足は俺を乱す。
きゅっと締まったふくらはぎがこわばって、足の爪が俺をひっかいて、最後にはつま先がぴんと伸びて、痙攣──」
「やめろ馬鹿ーーー!」
悲痛な叫びが響き渡りました。
誰もがしゅんとしています。
今は、今は思い出したくなかったのに……。
しかし、そうなのです。「あの男」。
「あの男」の前では、私たちはみな同等なのです。
彼女にとって私たちはただの「モノ」。
等しく、「モノ」です。
私たちは誰からともなく顔を見合わせ、静かにため息をつきました。
その時です。
「──ん…………」
彼女です。彼女が起きました。
手の甲で目をこすったかと思うと、ゆっくり瞼を開きました。
「んー……」
顔を上げて時計を確認し、またぼすっと枕に頭を沈ませましたが、ややあって、もそもそと体を起こし始めました。
ベッドの上にぺたりと座った彼女は眠たそうです。
その姿勢のまま枕元の煙草に手を伸ばし、火をつけました。
ゆっくりと一本吸って、もう一本。そしてまた一本。
彼女は次から次へと煙草を灰に変えていきます。
その目はぼんやり遠くを見ている。
「……クソッ」
灰皿が吸い殻と灰でてんこ盛りになった頃、小さくひとつ毒づいて、ようやく彼女はベッドから降りました。
どすどすといつもに増して荒々しい足どりで歩き、バスルームのドアをバタンと乱暴に閉める。
中からはシャワーの水音が聞こえてきました。
その音がやむとまた出てきて、叩きつけるようにドアを閉めます。
──と、水滴を撒き散らしながら歩く彼女のつま先が椅子の脚にぶつかりました。
「──いてっ!」
──ああっ!
彼女は片脚を持ち上げて、椅子の脚にぶち当たったつま先をさすります。
痛そう、非常に痛そうです。
──なにをやっているのでしょう、あの腐れ椅子は! レヴィさんのおみ足を傷つけるなんて! あの椅子、今すぐ解体されろ!
「クッソ!」
苛立たしげに彼女は椅子の脚を蹴りつけましたが、それもまた痛かったのでしょう、
眉をしかめて更に不機嫌な顔になりました。
そうです。
今日の彼女は機嫌が悪い。
彼女の乱暴さ──いえ、ワイルドさは今日に始まったことではありませんが、それでも今日は特にご機嫌斜めです。
そのご機嫌斜めの理由を、恐らく私は知っている。
* * *
そう、それは昨夜のことでした。
「呑み直そうぜ、ロック」
「ああ、いいな」
「なんにする?」
「なにがある?」
「んー、ビールかラム」
「──じゃ、ラム」
「おうよ」
昨日の夜、例の男と一緒に帰ってきた時点では、まだ彼女の機嫌は上々だったのです。
風向きがおかしくなったのは、それからです。
「ちょっとレヴィ、あのピザの箱なに?」
「あ?」
「あれだよ、あれ。なんで三箱も積み重なってるんだよ」
「ああ、頼んで食ったから」
「……そんなのは聞かなくたって分かってるよ。
なんで食べ終わったものがそのまんま積み重なってるのかって訊いてるんだ」
彼女はチッと舌打ちして眉をひそめました。
「っせェなぁ。嫌みったらしい訊き方すんじゃねェよ」
ラムをあおる彼女を横目に、彼は席を立って箱を手に取ります。
「──うわっ! なにこれレヴィ! カビ! カビ生えてるじゃないか!」
箱を開けた彼が大袈裟な声を出しました。
彼女の眉間の皺は更に深くなります。
「だからどうした。勝手に開けてんじゃねえよ!」
「勝手にって、片づけようとしたんだろ! こんなのもう食えないんだから、捨てるしかないじゃないか!」
「誰もあんたにゃ頼んでねェ!」
「レヴィが片づけないからだろ! 大体この前だって俺がこの部屋片づけたんじゃないか!」
「だからなんだよ」
「なにか言われるのが嫌なら自分で片づければいいだろ!」
「あー、ごちゃごちゃうっせェなァ!」
まったくです。まったくうるさいです、この男。
なにが「片づければいいだろ」、だ。
他人の部屋にやって来ておいて、なにを寝ぼけたことをぬかしているのでしょう。
しかも、自ら進んで片づけたくせに彼女のせいにするなんて。
そんなもの、むしろ「片づけさせて下さってありがとうございます」、こうだろうが!
「──あっ、ちょっとレヴィ! 一番下の箱からなんか変な汁出てるぞ!」
「知るかよ」
「うわ、なんかこれベタベタしてる……。レヴィ、雑巾は?」
「知らね」
完全に背を向けてラムをつぎ足す彼女を見て、彼はため息をつきます。
「雑巾ぐらい出してくれたっていいだろ……」
ぶつぶつ文句を言いながら、彼はふと床の隅に丸まった布に目をとめました。
「あ、そこに雑巾あるじゃないか。レヴィ、借りるからね」
「あん?」
振り返った彼女は、彼の手の中にある布を見るなり、椅子を蹴倒して立ち上がりました。
「っざッけんな、ロック!」
「なんだよ、痛いよ、離せ!」
「そっちこそ、それ離せ!」
「なんでだよ!」
「そりゃ、あたしのタンクトップだ!」
「──えっ」
驚いた彼が布を広げてみると、彼女の言うとおり、襟ぐりと袖口が姿を現しました。
本当です。本当にタンクトップでした。
ああ、なんて失礼な男でしょう!
彼女のタンクトップを雑巾と間違えるなんて!
まったく失礼。
失礼極まりない男です。
──私はもちろんタンクトップだって気づいていましたよ。ええ、もちろん。
最初から気づいていましたとも。当然です。
「なにが雑巾だ! ぶっ殺すぞ!」
「──なんだよ、そんなとこに丸めて置いとく方が悪いんだろ。そんなもの、まるっきり雑巾じゃないか」
「言ったな、てめェ!」
彼女は犬歯をむき出しにして彼に詰め寄り、力任せにタンクトップを奪い取りました。
目を吊り上げて彼を睨んで、洗濯物入れに放り込みます。
「ったく、信じらんねェ」
口の中でぶつくさ文句を言いながら、彼女はどっかと椅子に腰を下ろします。
「信じられないはこっちのセリフだよ」
むっとした様子の彼も、向かいの椅子に座りました。
「もうちょっときちんとできないのかよ、レヴィ」
「……さっきからしつけェな。ロック、あんたいつからあたしのお袋になった」
「そういう問題じゃないだろ。あのタンクトップ、もうボロボロじゃないか。
もうちょっと綺麗にしてろよ、レヴィ。女だろ」
その言葉を聞いた途端、彼女の眉がぴくりと動きました。
「──女ァ? はッ、あたしにそんなこと期待してたのかよ、ロック。
そういう女がお好みだったらローワンの店でもバオんとこの二階でも、好きなとこ行けよ。
小綺麗な女がよりどりみどりだぜ。ロック、来るとこ間違ってんぞ」
がたんと音をさせて、彼女は乱暴に脚を組みました。
「そうじゃないって……。そういう意味で『女』って言ったんじゃないよ。変な方に話を持っていかないでくれ」
椅子の背に片肘を引っかけてラムの入ったグラスを傾ける彼女を目の前に、彼はため息混じりに言います。
「大体、エダだってバラライカさんだっていつも綺麗にしてるじゃないか」
──ああ、駄目です、それは駄目。
彼女の友人──というには語弊があるにしても、とにかく、同じ稼業に手を染めている女たち──
と比べて彼女たちの方が「綺麗」だなんて、それは駄目です。
ほら、案の定、エダとバラライカという名前が出た瞬間、彼女の顔は更にゆがんだではありませんか。
なんて無神経なのでしょう、この男は。
レヴィさん、ほら、言っておやりなさい、「ふざけんなバーカ!」と。
言って、蹴り出しておしまいなさい。
けれど、彼女は押し黙ったまま、ラムの入ったグラスを睨みつけるばかりです。
「帰れ」
ようやく口を開いたかと思うと、彼女は小さく吐き出しました。
「帰れよ、ロック」
「え、ちょっと、レヴィ──」
椅子から立ち上がった彼女は、彼の腕を取って無理矢理立たせました。
「……眠い」
「──は?」
「眠いから寝る。だから帰れ、ロック」
「──どうしたんだ、いきなり。待てって、レヴィ!」
突然のことに面食う彼を半ば引きずるようにして、彼女はドアへ向かいます。
そうですそうです、その調子です。
そんな男、早く追い出してしまいなさい!
「レヴィ!」
彼女は開いたドアの向こうに彼を押し出しました。
抵抗されてもお構いなしです。
「帰れ」
最後に冷たく言い捨て、彼女は力ずくでドアを閉めました。
向こう側から開けようとする力を体全体で押し返し、がちゃんと鍵をかけます。
おい、レヴィ、とドアの向こうから彼女を呼ぶ声と、そして扉を叩く音がしましたが、
彼女はそれを無視して部屋の明かりを消し、ドアのそばに立っていた私を一蹴りすると、ベッドに飛び込みました。
そして、頭まで上掛けを引っかぶって沈黙します。
蹴られた時の衝撃に、私は思わず声を漏らしてしまいましたが、
ビリビリ芯に響く振動をやり過ごしながら様子を窺っていると、
そのうちに彼も諦めたのか、しばらくしてドアの外からの音はやみました。
──ああ、うるさかった。彼女が「帰れ」と言っているのだからさっさと帰ればいいのに、まったく諦めの悪い男です。
その時、上掛けを頭までかぶっていた彼女が、もそりと動きました。
上掛けをどけて上半身を起こし、ドアの外の気配を探っている様子です。
そしてベッドの横の窓に頭をめぐらせると、表の通りに目線を落としました。
彼女はガラス越しにじっと外の様子を見ていましたが、やがてかちゃりと掛け金を外して窓を押し開け、
わずかに身を乗り出して表の通りを端から端まで見渡しました。
けれどそれも束の間、体を戻すと窓を閉め、掛け金も元の通りに落とします。
ブラインドも下ろしてしまうと、彼女は小さく、はぁっ、とため息をつきました。
ベッドの上で座ったまま首を落とした彼女の姿が、黒いシルエットとなって浮かび上がります。
長い髪の毛が顔の両脇から垂れ下がって表情は見えませんが、
私はその姿を見て、ぎゅっと年輪が締めつけられるような心地がしました。
さっさと帰ればいいのに。先ほどまで彼に対してそう思っていたのは事実です。
しかし今となっては、どうして言われるがまま帰ったりしたのだ、私の気持ちはこう変わっていました。
彼女はただ、他の女と比べられたくなかっただけ。
他の女を指して「綺麗」と言うのを、そしてお前もあんな風に「綺麗」にしろと、
彼がそう言うのを聞きたくなかっただけなのです。
私は知っています。
彼女がどんな風に彼を想っているのかを。
なにしろ私は、彼女がこの部屋に住み始めた時からずっと見ているのです。
この部屋にやってきた当初の彼女は、なんと申したらいいでしょう、
──そう、あえて申すならば、錆びた鉄でできた山猫のようでした。
ざらりと澱んだ目をして、いつでも背中の毛をふうっと逆立てる準備を整えている、そんな娘でした。
酒臭い息をさせて夜遅くに帰宅し、顔も洗わずに寝てしまい、
そして朝になると酒の抜けきらない体でだるそうに部屋を出ていく。
派手な怪我をして帰ってくることもしょっちゅうです。
彼女が誰かを部屋に連れてくることはありません。
部屋にいる時は、銃の手入れか筋力トレーニング、それか、テレビから流れる映画を観るか雑誌をめくるか。
古びた携帯型の音楽プレイヤーから流れる音楽が、彼女の子守歌です。
彼女の澱んだ目が更に深い闇色になる時、彼女の酒の量は多くなる。
そんな時にはもう、映画も音楽も役に立ちません。
なにも受けつけないブラックホールのような目が、酒の入ったグラスを素通りします。
そんな日のあとです、彼女の体に傷が増えるのは。
鬱屈をどこかにぶつけたい、なにかを破壊したい、めちゃくちゃに踏みにじってしまいたい、
彼女が体の中に飼っている、そんな黒い衝動が爆発するのでしょう。
しかし私には、彼女が一番壊してしまいたいのは彼女自身であるように見えました。
そんな彼女が、ある時から変わり始めました。
最初は気づきませんでした。
この頃ずいぶんと苛立っているけれど、まぁいつものことだろう、その程度にしか思いませんでした。
けれどその後、彼女は非常に複雑な変化を見せたのです。
苛立つというよりは困惑していると言った方がいいような表情を浮かべ、
「あー」とか「うー」とか「どうなってんだ」とか「なんだってんだ、チクショウ」とか、
そのようなわけの分からない言葉を口の中で転がすことが増えました。
ため息をつき、片手で頭をがしがし掻き、首を左右に振ります。
背中の毛がちょっとやわらかくなり、自分をも傷つけてしまう鋭い爪が少しだけ、なりをひそめました。
なにかあったのか、そう私が不思議に思い始めた頃、彼女の部屋を訪れた男がいたのです。
初めのうちは、仕事がらみの用事がほとんどのようでした。
電話を引いていない彼女を呼び出すための使いっ走りか、私はそう思っていました。
しかし、わずかな物音でも跳ね起きる彼女が、彼が入ってきても眠ったままであることに気づいた時、
私は少なからぬ衝撃を受けました。
彼女は彼の気配にはなんらの警戒も見せることなく寝姿をさらし、勝手に部屋へ入ってくることを許します。
そのうちに、特に用事がなくとも彼は部屋へ姿を見せるようになり、
そして、ふたり一緒に帰ってくることが増えました。
ともに酒を呑み、休日をともに過ごし、同じ時間を共有する。
彼女が帰ってこない日は彼の部屋で同じように過ごしているのだろうということが、容易に推測されました。
そして私は、初めて彼女が男と体を重ねるところを見ました。
私はそれまで散々、人間の生殖活動というものを目の当たりにしてきました。
だてに三十年も部屋の柱をやっているのではありません。
何人もの住人がこの部屋を使い、そして去っていきました。
彼らが繰り広げた生殖活動というものは、私をうんざりさせて余りあるものでした。
ひっきりなしに嬌声を上げる女。
──うるさい。
「いいか?」「いいか?」と訊く男。
──馬鹿の一つ覚え。
「いいわ」「いいわ」と腰を振りながら、天井に向ける目が虚ろな女。
──怖い。
女の首を絞めないと興奮しない男。
──快楽殺人者予備軍。
「また来てねぇ」と松ヤニのような声を出していたくせに、男が去ると般若の顔に豹変する女。
──金か。
コールガールに金をつぎ込み過ぎて食費がなくなる男。
──哀れ。
とにかく人間というものは生殖活動に余念がなく、いつでもどこでも発情するらしい。
人間の重みで、もはや陸地が沈没しそうだというのに、これ以上殖えてどうするつもりなのでしょう。
しかも、どうやら生殖につながらない行為に性的興奮を覚えているらしいということを知った時、私は仰天しました。
雄の生殖器官かつ排泄器官であるところのものを雌の口や排泄器官に突っ込む、あれは一体どういうわけでしょう?
雄の生殖器官を雌の消化器系に挿入して、なにになるというのでしょう?
まったく理解不能です。
私は人間どもの生殖活動を見せられるたびに毒づいておりました。
そう、ファック! まさしくファックでございます。
こんな馬鹿馬鹿しいことにうつつを抜かしたりしない彼女は、なんと賢明なことか。
さすが私のレヴィ嬢です。
私は自分の見識の高さに鼻高々、ない枝がするすると天を目指して伸びてゆく心地がしました。
けれど、そんな彼女が男と体を重ねる様を見た時、私は思ってしまったのです。
──美しい、と。
彼女と彼との間には、ほとんど言葉はありませんでした。
うす闇の中、ただふたりの気配が濃密になり、空気が痛いほどに張り詰めます。
彼も彼女もなにも言わないため、ベッドがきしむわずかな音や衣擦れの音、吐息の気配がすべて私の元に届きます。
ベッドの上のふたつの影は、音もなく、ひとつに融合しました。
口づけは、唇が触れた時ではなく、離れた時の濡れた音で分かります。
上掛けが彼の肘の形に盛り上がって、その下の手が彼女の肌をたどる気配、
布の奥から次第に漏れ出す、とろけた水が跳ねる音、皮膚と皮膚とがこすれ合う音、
彼女の喉の奥が短く鳴り、そこに彼のこらえるような吐息が重なります。
私は気がつくと全神経を集中させてその光景を見、そして聞いていました。
人間たちが私の前で繰り広げてきた痴態に、私はこう思っていました。
いい加減にしやがれ、この罪なき私にひそやかな安寧の時間を、と。
しかし、正直に申し上げましょう。
私は彼女たちの交わりを見た時、今はもうない葯のうずきを、確かに感じました。
どうあがいても今の私の体で花粉をつくることはできません。
それなのに、私の体は生きていたあの頃の衝動をもう一度、思い出したのです。
愛しく思っている女が他の男と生殖活動を行っている、それを見て興奮する私はおかしいでしょうか。
実際、おかしいのかもしれません。
ただひとつの個体を特別に想う、ただそれだけでも私たちにとっては異常な事態です。
けれど私は、彼女の肌に触れ、そして彼女に触れられ、
その体の奥深くまで入り込むことを許された彼に嫉妬するというよりはむしろ、
彼に抱かれた彼女の表情の方へ釘づけになりました。
そこにいたのは、錆びた鉄のようだと思った彼女ではありませんでした。
触れたものすべてを傷つけるかと思われた、やすりのような表面はすっかりとなめらかになっていて、
吐き出される息はしっとりと湿り気を帯びています。
彼の腕の中に身を置いた彼女は、やわらかな肌を持った、ひとりの女でした。
彼女は、好きとも愛しているとも言いません。
歓びの声を上げることもなければ、もっと、と催促することもねだることもしません。
けれど体は言葉よりもずっと雄弁です。
彼の体にからみつく腕、彼の体を受け入れるために開く脚、彼の背中を下から上へと撫でる手、
その挙動のひとつひとつが、彼は特別、そう言っていました。
沈黙の中でこそ情愛は熟成するのだということを、私は初めて知りました。
彼と体を重ねるごとに、彼女を覆っていた硬い棘は少しずつ少しずつ丸くなっていくように思えました。
一枚、そしてまた一枚と薄皮が剥がれ、奥底に隠し持っていたやわらかい中身が露わになる。
それと同時に、憂いを帯びた顔で物思いにふけることが増えました。
隣で眠る彼を見て、そっとため息をつく夜もあります。
本物の愛情は、快楽と苦痛でできている。
彼女を見ていると、そんなことを考えずにはいられませんでした。
続
うおおおおお神よ!GJ
今回は捻ってきたなあ
超第三者視点面白れえ。自分たちを見るようだぜ・・
柱って…。
その発想はなかった…。
おお、神きてた!
やべえ、これ面白えええええ
柱は斜め上だったよ、ほんと巧いなw
まことにGJであります
柱とか窓枠とかw
これ何て俺達?もうホント面白いw
神は天才だな。人間だけが生きていると思っちゃ大間違いだよな。
斬新且つ新鮮な新作超GJ!
続きが楽しみだー
窓ガラスがレヴィの八つ当たりで殉職しそうで怖いマジ怖い
ネ申の話はシリアスもギャグノリもオモシロスグルww
つーかマジで俺らじゃんよwww
くっそー早く続き読みてぇ!w
毎度毎度gjだぜ
カズオイシグロの「日の名残」みたいな雰囲気ですね
ロアナプラと世界が対極過ぎワロタ
* * *
さて、昔話はここまでです。歳をとると話が長くなっていけません。
とにかく、そんなこんなで現在の彼女の不機嫌は昨夜の彼との諍いが原因であることに
ほぼ間違いはないであろうと、私は踏んでいます。
シャワーを浴びてきた彼女は窓を開けて外の様子を窺おうとしたようですが、
開けた瞬間、ぅあっち、と窓の隙間から押し寄せてきた熱気に顔をしかめ、すぐに閉めてしまいました。
昼から夕方にかけては、もっとも暑くなる時間帯です。
正午を過ぎた今、すでに気温は最高気温に近づこうとしているでしょう。
彼女はエアコンのリモコンを手に取ると、ぴぴ、と設定温度を下げました。
どうやら今日は出かけないことに決めたようです。
ここ最近の休日は彼と過ごすことが常となっていた彼女です。
そんな彼女の久々のひとりっきりの休日は、「手持ちぶさた」を絵に描いたようなものでした。
まず銃の手入れをし、見るともなしにテレビをつける。
アップテンポのハードロックをかけながら筋力トレーニングをする。
どこからか干からびかけたビーフジャーキーを見つけ出し、クラッカーとともに腹におさめる。
テレビのチャンネルをめまぐるしく変えた後、ぷつんと消し、背中を丸めて足の爪を切る。
缶ビールを開けて部屋の隅に転がっていた雑誌を眺めるも、すぐに飽きて放り出す。
ベッドの上でごろごろ転がってみても、まだ日が暮れ始めようかといった頃合いです。
彼女はベッドに寝転がって天井を睨んでいましたが、ふと起き上がるとベッドから降り、なにかを探し始めました。
ベッドの下にもぐり込んで箱をいくつも引きずり出し、舞い散る埃にくしゃみをしながら、
あれでもないこれでもないと片っ端から蓋を開ける。
その中に探し求めるものがないと分かるや、次はクローゼットの扉を開けて頭を突っ込む。
奥から次々とよく分からない布を引っ張り出し、ためつすがめつしては放り出す。
しばらくして、彼女はクローゼットの奥底から大きな箱を掘り出しました。
中に入っているのは、まず靴です。
この靴には用がなかったのでしょう、ゴッ、ゴッ、と硬い音を響かせて床に放り投げました。
そして彼女は、まだごっちゃりと色々なものが詰まっている箱の中から、薄い布をつまみ上げました。
ずるずると出てきた布は、向こう側が透けて見えるほど薄い、黒のシフォンです。
彼女はそれを目の高さに持ち上げて睨みつけていましたが、おもむろに立ち上がると、
手に持ったシフォンをぽいとベッドの上に放り、着ていた黒いタンクトップの裾に手をかけました。
そして勢いよく、タンクトップをがばっとめくり上げる。
下着をつけていなかった乳房が、ふるん、とこぼれ出ました。
──おおおっ。
ざわ、と部屋の気配が波だちました。
先ほどのやりとりで、この部屋にいるもの皆がレヴィ嬢にご執心であることが分かったからでしょう、
もはや高揚を隠そうとするものはありません。
彼女の着替えは見慣れたものではありますが、それでもやわらかそうなおっぱいを見るたび、私の胸はときめきます。
ぴちっと内側からはじけるような丸みは木で熟した果実を思わせますが、
体を動かすたびにふるふるとゆれる様を見ると、それは果実よりももっとやわらかく弾力に富んでいるのでしょう。
あのおっぱいは、触れるとどんな感触がするのでしょう。
想像するだけで恍惚とします。
彼女はそんな私の恍惚をよそに、タンクトップを頭から引き抜いて脱ぎ捨てました。
上半身は裸、下はなんの飾りもない黒の下着だけです。
なにをするつもりでしょう。
私たちが息をひそめて見守る中、彼女は先ほどベッドの上に放った黒いシフォンを取り上げました。
裏表、そして上下の判別がつかないのか、ぐるぐると回したりひっくり返したりしていましたが、
その中から細い紐をつまみ出すと、輪になったそこに腕を通しました。
右腕、そして左腕。
両手を通してはおってしまうと、黒いシフォンの正体が分かりました。
ベビードールです。
その黒いシフォン製のものは、透け透けのベビードールだったのです。
細い肩紐につるされた薄手のシフォンは、うっすらと彼女の上半身を覆います。
胸の真ん中には黒いサテンのリボンがついていて、このリボンを結ぶとベビードールの前が合わさるようです。
胸の下で切りかえられてタックの寄せられたシフォンは、ちょうど胸の丸みを形づくり、
そこから下に向かってふわりと流れ落ちます。
腰骨をかすめる丈のシフォンは、彼女の体のラインをはっきりと透けさせていました。
──おおおおおおおおおおおおおお!
彼女が胸のリボンを結び終えた時、部屋の中は声ならぬ声で沸騰しました。
──いい! いいです、レヴィさん! いいッ! 最高です!
日々の筋力トレーニングを欠かさないおかげで無駄なお肉がなにもない、
そして弾力とやわらかさを併せ持つ最強の美乳をそなえる体をもってして、
これが似合わないわけがないでしょう!
変にフリルやレースのついていない、ベビードールとしてはシンプルなつくりが彼女に似合っています。
ピシッ、ギシッ、とあちらこちらから妙な音が響きます。
私も他人事ではありません。
実は、さっき興奮した際、内側の方で縦にヒビが入りました。
しかし、そんなことはどうでもいい。
彼女はきょろきょろとあたりを見まわし、前の住人が壁に取りつけたままにしてあった鏡の前に立つと、
その鏡を覆い隠していた荷物をどけました。
そして鏡の中を覗き込んだ彼女は思いっきり、眉をひそめました。
──どうしてそんなに睨んでらっしゃるのですか! お似合いですですよ! お似合いです! とっても!
しかし私の声は届くわけもなく、彼女は不機嫌な顔をしたまま、ベビードールを引っ張り出した箱にまた手を突っ込みました。
ごそごそと箱の中をかきまわし、そして彼女がつまみ出したのは、深い赤色をした細長い布きれでした。
彼女はその布きれもベッドの上へと放ると、いつも使っている黒いゴム紐を手に取り、
手ぐしで長い髪の毛をまとめて高い位置でひとつに結わえました。
大雑把に結んだため、あちこちから髪の毛が飛び出していますが、彼女は気にしません。
そしてその結び目に、ベッドの上に放っていた赤い布きれを巻きつけました。
そう、その赤い布きれはリボンでした。
リボンにしては幅広のその布はサテンのような光沢があり、複雑な織り柄が入っています。
どう見ても高そうなリボンを、彼女はぐちゃぐちゃの髪に適当に結んでしまいます。
蝶結びは斜めに傾いて、左右の長さも違う。
しかし、なんの問題がありましょうか。
いや、ない!
ありません!
なんの問題もありません!
こんな素敵なものをお持ちなら、もっと早く見せて下さればよかったのに!
素敵! 素敵です!
こんな幅広おリボンもお似合いです!
ですが、彼女の表情は更に険しくなります。
ほとんど鏡が割れんばかりの勢いで睨みつけていたかと思うと、また箱の中をあさり出しました。
今度はなんでしょう。
期待にはちきれそうな思いで見守っていると、そこから出てきたのは口紅でした。
口紅!
彼女が口紅をしているところなど、見たことがありません。
それが今日に限って口紅です。
一体どうしたというのでしょう。
盆暮れ正月が一気にやってきたような気分です。
こんな僥倖、あってもよいのでしょうか。
ああ私、柱をやってきてよかった……。
今日ほど痛切にそれを感じたことはありません。
私の木生はこのためにあったのです。
柱として一片の悔いなし。
彼女はくるくると口紅を繰り出し、そして鮮やかな赤をぐいと唇に引きました。
はっきりした顔立ちが更に華やかになり、肌の色もぱっと明るくなります。
──ちょっと、カメラー! 誰かカメラ連れてきて下さーい!
大変です。もう大変です。
私も大変ですが、他の皆も大変です。
カメラ! カメラどこいった! カメラいねーのかよ!
ったく、使えねーな! ビデオでもいいぞ!
ビデオなんてもっとないわよ!
チクショウ、じゃ念写だ! 誰でもいい、気合いで撮れ!
馬鹿ね、できるわけないでしょ!? どこに無茶振りしてんのよ!
くっそ、じゃあ魚拓! 魚拓だー!!
はァァァァ!? なに言ってんのあんた、殺されるわよ!
私たちの喧噪も知らずに彼女ががっくりと肩を落としてため息をついたその時、部屋のドアをノックする音が響きました。
ぎくっと振り返った彼女の視線の先でもう一回、ドアが鳴ります。
「レヴィー」
ドアの向こうから聞こえてくる緊張感のない声は、あの男です。
昨日彼女が追い出した、あの男です。
「レヴィ、俺だけど」
またしてもノックされる音に、彼女はわたわたと両手を泳がせました。
このままでは出ていけない、けれどなにをどうすればいいのだ、そんな様子で自分の格好とドアとを交互に見やります。
「いるんだろ、レヴィ」
クソッ、と小さく毒づくと、彼女は頭のリボンを乱暴にほどき、ひとつに束ねていたゴムを引っ張りました。
ほどけた髪の毛をぐしゃぐしゃとかきまわし、それから鏡の中で口紅に気づき、手の甲でぐいと荒っぽくぬぐいます。
それでもまだ残っているのを見ると、今更のようにティッシュを引き抜いてごしごしと唇を拭きました。
「レヴィ、開けていい?」
かちゃかちゃと鍵穴が音をたて始めたのを耳にするや、彼女は慌てて叫びました。
「バカ! 待て! 開けんな!」
自分の着ているベビードールを忌々しそうに見下ろした彼女は、脱ぎ捨ててあったタンクトップを引っつかみます。
そしてベビードールの上からタンクトップをかぶりました。
「レヴィ、開けてくれよ」
「待てって!」
叫びながら、彼女はタンクトップの裾からはみ出たベビードールを押し込みます。
タンクトップは臍が見えるほどの丈しかないため、ひらひらと腰骨まで覆うベビードールは下からはみ出てしまうのです。
ぐいぐいと苦労してなんとかベビードールの裾を押し込むと、彼女は足をもつれさせてドアまでたどりつき、鍵を外しました。
「なんか用か」
彼女は荒い息をさせてドアの向こうの彼を睨み上げます。
「ああ、ちょっと忘れ物しちゃったみたいで」
「忘れ物!?」
──忘れ物ですって!?
てっきり昨夜のことを謝りにきたのかと思っていた私は、彼の言葉に耳を疑いました。
「うん、財布と腕時計」
彼は臆面もなく頷きます。
なんて図々しい。
よしんばそれが事実であったとしても、その前に言うことはないのでしょうか?
無礼にもほどがあります。
「入ってもいい?」
彼の厚かましい申し出に、彼女は舌打ちしながらも体をどけて部屋へ招き入れてやります。
ああ、優しい。
レヴィ嬢はなんて優しいんでしょう。
部屋の中に入った彼はぐるりとあたりを見まわし、そしてサイドボードの上で視線をとめました。
「ああ、あったよ」
彼の財布と腕時計は、テレビの横にまとめて置かれていました。
「……それにしてもレヴィ、どうしたんだ? この部屋、昨日よりすごいことになってないか?」
財布を尻ポケットにしまいながら、彼が部屋の中に視線をめぐらせました。
彼女があちこちから引っ張り出した箱やら布やらで、部屋の中は嵐の後のようです。
「……うっせ。あんたにゃ関係ねぇだろ」
ぷいと彼に背中を向け、彼女は散らかったものを足で蹴飛ばして部屋の隅に寄せます。
「用が済んだならとっとと帰れよ」
「……なぁ、どうしたんだよ、レヴィ」
ごとっ、ばさっ、と足の先でガラクタの小山をつくる彼女に彼は歩み寄りましたが、
「どうもしねェよ」
またしても彼女に背中を向られて、小さくため息をつきました。
なんなんでしょう、この男は。
なんですか、その態度は。
昨夜の自分の所業を分かっていないのか、分かっていてこれなのか。
どちらにしても万死に値します。
「ちょっと、そこのブリキの箱」
いいことを考えました。もう我慢なりません。
私は棚の上に載っかっている大ぶりのブリキの箱に呼びかけました。
「えっ? 俺?」
「そう、そこのあなたです」
ブリキの箱は、天井近くの棚の上で中途半端にせり出しています。
「あなた、落ちなさい」
「えっ!?」
察しの悪いブリキの箱に、私は重ねて言いました。
「落ちるのです、あの男の上に」
彼は今、ブリキの箱が載っている棚のすぐ隣にいます。
箱が落ちればドンピシャで脳天直撃です。
──子供っぽい仕返しだということは分かっています。
けれど私は、どうにも我慢がならないのです。
こんなことをしたってなんの解決にもならない。それは分かっています。
それでも、こんな無神経な男を野放しにしておいたのでは、私の腹がおさまらない。
「そんなー、無理だよ」
ブリキの箱が困った声を上げますが、その無理、なんとしてでも通して頂きましょう。
「なせばなる、なさねばならぬ何事も、です。さあ、おやりなさい!」
「えー」
ブリキの箱はいかにも不満そうでしたが、ありがたいことにそこに私への援軍がありました。
「ごちゃごちゃぬかしてんじゃねェよ!」
「てめェはこの男が憎くないのか!」
「さっさとやれよ、この廃棄物!」
廃棄物、と聞いてブリキの箱がムッとしました。
「あっそ、じゃあ見ててもらおうじゃないの」
ブリキの箱は身震いすると、がた、と体をゆすりました。
「いいぞ!」
「やれ!」
部屋のあちこちから声が飛びます。
「ちょっと、棚も手伝ってよね!」
ブリキの箱はうんうん言いながら自分の載った棚にも協力を促します。
「お、動いたぞ!」
「いいぞ、もっとだ!」
ぐらついた棚の助太刀があって、ブリキの箱は少しずつ空中にせり出していきます。
「もうちょっとだ!」
「いけ!」
もともと不安定な載せられ方をしていた箱です、あと少し重心が移れば、めでたく彼の頭の上に落下です。
その時、彼が棚の側面に片手をつきました。
──ナイスアシスト!
その一押しで、ブリキの箱はぐらりと傾ぎ、ゆっくりと落下を始めました。
──いけ!
その時です。
「危ねェ!」
──え?
彼の脳天を直撃するかに思われた箱は、直前で、彼を押しのけた彼女の体にぶち当たっていました。
ゴォーンと、長く尾を引くいい音がしました。
──なァにやってんだてめえぇぇぇぇぇ!
部屋の中は私たちの怒号で満ちました。
「ふざけんなよ、この鉄クズが! レヴィさんに落ちてんじゃねえええよ!」
「どこ見てんだウスラボケ! スクラップにすんぞコラァ!」
「そ、そんな、だって落ち始めてからレヴィさんが……」
ブリキの箱は泣きそうになりながら弁解しますが、その声は一瞬にしてかき消されました。
「あああん!? レヴィさんのせいにしてんじゃねえ!」
「重力ぐらい根性でこらえろ!」
「軌道なんか気合いで変えろ!」
「ちょっとお待ちなさい!」
本音としては今すぐそこに加わりたいところでしたが、
ブリキの箱へ集中砲火を浴びせることに余念のない一同を、私は制しました。
「大丈夫か、ロック!?」
「……ああ、大丈夫だよ」
突き飛ばされた彼は尻餅をつき、その上に彼女が庇うように覆いかぶさっています。
「クッソ、あんなとこから落ちてきやがって……」
忌々しげに棚を見上げる彼女の下で、彼は手を伸ばしました。
「レヴィこそ大丈夫か? すごい音したけど……」
彼の手は、彼女の腕に触れます。
「ここ、赤くなってない?」
彼を突き飛ばすと同時に腕で頭を守ったため、彼女の右腕にブリキの箱が当たったのでしょう、
確かにそこは赤く腫れていました。
「大したことねェよ」
彼女は彼の手を振り払いましたが、彼はそれをものともせずに今度は肩へ手を伸ばします。
「ああ、ここもだ」
「だから大したことねェって」
そう言って顔をそむけながらも、彼女の顔は怒りの表情にはほど遠い。
ごめん、ありがとう、そう言われて、……ん、と返すその横顔など、
「こそばゆい」「甘酸っぱい」としか形容しようのない表情です。
──もしかして私、仲直り、させちゃいました……?
なんということでしょう。
彼に一泡吹かせてやりたかったはずが、いつの間にかすっかりふたりはイイ雰囲気です。
「あ、レヴィ、そこ」
「ん?」
「血、出てない?」
そう言って彼が取ったのは、彼女の右手です。
その手の甲には、先ほどぬぐった口紅が赤くついている。
「──出てねえよっ!」
彼女は急いで手を引き抜きましたが、しかし、そこについていたのが血でないのは彼にも分かったでしょう。
頬を赤くして睨みつける彼女と顔を見合わせ、そして後ろに隠そうとする彼女の手を覗き込もうとしましたが、
その彼の目は、今度は別のところでとまりました。
「なにこれ?」
彼の指がつまみ上げたのは、彼女のタンクトップの裾からぴろんと顔を出していた黒いシフォン。
そのまま引っ張ると、するするとこぼれ出てきました。
「──なっ!」
慌てた彼女が急いで制止しようとしますが、もう後の祭りです。
無理矢理タンクトップの中に押し込められていた黒いシフォンの裾は、全部だらりと出てきてしまいました。
「なんでもねェよ!」
またしまい直そうと無駄なあがきをする彼女の手を、彼はくすりと笑って押しとどめました。
「レヴィ」
「──ンだよ」
「見たい」
「──は?」
「見せて」
彼は、彼女が呆気にとられているのをいいことに、タンクトップをめくって脱がせようとします。
「──ちょ、ちょっと待て! なにやってんだこの野郎、待て!」
急いで彼女はタンクトップの裾を握って引き下ろしますが、彼の方も離しません。
「見せてよ」
「嫌だ」
「いいじゃないか」
「ぜってェ嫌だ!」
二人はどちらも引きません。
しばらく睨み合っていましたが、しばらくして、裾を引き下ろす手をゆるめない彼女に根負けしたように、彼が口を開きました。
「脱ぐのと脱がされるの、どっちがいい?」
その言葉で、彼女の顔は更に赤く、更に憎々しげなものに変わりました。
ぎりぎりと目をつり上げて彼を睨みつけます。
が、ふいに立ち上がり、どかどかと部屋の明かりのスイッチのところまで歩み寄ったかと思うと、
叩き壊すがごとくバチンと殴り消しました。
どうやら根負けしたのは彼ではなく、彼女の方だったようです。
「──消しちゃうの?」
「嫌なら見んな」
窓の外では、地平線の向こうに消えた太陽の最後の残光がただよっています。
そのおかげで部屋の中は真っ暗にはならず、ほのかな陰影が残ります。
彼女は真正面に立つ彼から顔をそむけ、タンクトップをめくり上げました。
交差させて裾をつかんだ両手を顎の下まで持ち上げ、そして頭上高く伸ばす。
タンクトップの下で押しつけられていたベビードールが、ふわりと空気をはらみました。
持ち上げた腕につられて、薄いシフォンに包まれた丸い乳房も持ち上がります。
頭、そして腕も引き抜いてしまうと、彼女は脱いだタンクトップを無造作に放り投げました。
腕一本伸ばした距離で、彼はじっと彼女を見つめています。
彼女は顔を逸らせたままです。
エアコンの微風にあおられて、軽いシフォンの裾がわずかにゆらぎました。
「……似合わねェんだよ、こういうのは」
沈黙に耐えきれなくなったのでしょう、彼女がぼそりと吐き捨て、左手で右の二の腕をこすりました。
彼はその手を取ると、体の脇に戻させます。
「どけて」
そしてまた、薄いベビードールに包まれた彼女の体をじっと見る。
細い肩紐が引っかかった両肩、サテンのリボンでできた蝶がとまっている谷間、薄いシフォンにやわらかく覆われた乳房、
彼の視線がゆっくりと彼女の体の上を這っていくのが分かります。
視線だけをさまよわせていた彼は、やがて右手を持ち上げました。
一歩彼女に寄り、ゆっくりと手を伸ばします。
そして親指の腹で、つんと小さく持ち上がっていた彼女の乳首をシフォンの上からなぞりました。
──んっ、と小さく息を飲んで瞬間的に体を引いた彼女を追って、
彼の掌は静かに広がり、今度は乳房全体を包み込みました。
乳房の曲線に変形した掌は、そのやわらかさを確かめるようにゆらぎます。
下から上へとすくい上げ、そして親指がじわりと薄布を這う。
親指の腹がわずかに沈み、シフォンごと、乳房が寄せ上げられます。
彼の手の動きによって細い肩紐が浮き上がり、片方だけ、するりとすべり落ちました。
彼女の肩口を乗り越えて二の腕に垂れ下がった肩紐を見てとると、
彼は乳房から手を離し、細い肩紐をつまんでまた元の位置まで引き上げました。
「……もう、いいだろ」
息苦しそうに、心持ち上擦った声で彼女が言いました。
彼の視線から逃れるように背中を向けようとします。
「まだ」
その彼女の腕を、彼の手が捕まえました。
「まだ駄目」
ぐいと一気に距離をつめると、彼はベッドの方に向き直り、そしてそのまま彼女の体を押し込みました。
「──ちょっ」
もう後ろに下がれるスペースのなかった彼女は、押されるがままに背後のベッドへ腰を下ろすしかありません。
「なっ──」
ベッドの上で後ろ手に手をついた彼女を、彼は更に押し倒しました。
彼の体重もベッドにかかり、ぎし、とパイプがきしみます。
彼女が文句を口にする前に、彼は彼女に覆いかぶさって口づけていました。
片手で顎をとらえてシーツに押しつけ、手首も顔の脇で固定する。
彼の片膝で脚を割られた彼女はしばらく抵抗の気配を見せていましたが、やがて、その体からふっと力が抜けました。
彼の唇に誘われるように彼女の唇も開きます。
その瞬間、彼の背中が、ぐいと平たく沈みました。
ふたりの体はベッドにめり込むようにして重なり合います。
彼の頭がわずかに傾き、その下で彼女の頭も逆に傾いて、更に深く重なるのが分かります。
つながったふたりの口腔内では、舌がからんでいるのでしょう。
長い口づけが終わった時には、ふたりの脚はもう、ベッドの上にありました。
彼は自分の体の下に組み敷いた彼女の姿をじっと見つめます。
ベビードールの裾はふわりと左右に開いてシーツの上に落ち、彼女の腹を露わにさせていますが、
胸元で結ばれたリボンのせいで完全に開ききることはなく、ふたつの丸い乳房は薄布に覆われたままです。
彼がその丸みの頂点を指でなぞると、すぐに彼女の乳首は小さく尖りました。
硬くたち上がり、薄いシフォンを下からつんと押し上げます。
彼はゆっくりと頭を落とし、シフォンを突き上げる突起に唇を寄せました。
薄布越しでも分かる色づいた先端を口に含み、間に挟まったシフォンごと、ねぶります。
「──んっ」
彼女の喉が小さく鳴りました。
彼はもう片方の突起へも手を伸ばし、そちらも指の腹で撫でます。
硬く押し返してくるのが分かると、人差し指と中指の間できゅっと挟む。
両方の乳首を弄られて、彼女の唇から、はぁっ、と湿った吐息が漏れました。
彼が唇を離すと、そこは唾液で濡れて、薄いシフォンがぴったりと張りついていました。
濡れて更に透明度を増した布のせいで、彼女の乳首の形がはっきりと分かります。
逆の先端も、彼は同じように口の中で転がします。
ベッドの上に立てられた彼女の膝が、きゅっと内側に締まりました。
彼の手はするすると彼女の体をすべり落ち、脚の間にたどりつきました。
黒い下着の上でも、彼の指は生き物のように這いまわります。
中指と薬指でくぼみを探り、ゆるくこねて、そしてさすり上げる。
その先で中指の腹がくるくるとうごめいたかと思うと、また戻って、二本の指が奥をまさぐる。
くにゅ、とその下のやわらかさを伝えるかのごとく、湿った下着が内側へ食い込みました。
彼は自分の着衣には構いもせず、彼女の下着を引き下ろしました。
膝の上まで下げると、今度は直接、彼女の脚の間に指を這わせました。
ゆるゆると指を泳がせ、ちゅ、くちゅ、と小さな水音がたつまで念入りにとろかしてから、
彼の中指は彼女の内側に沈んでいく。
最初は指先がもぐり、第二関節が消え、最後にはつけ根までが完全に沈みます。
「ん、──」
体の内側で指を動かされた彼女が息をゆらしますが、
彼の唇は、薄いシフォンごと乳首をこねるのをやめません。
彼女のなかにはいった中指はわずかに上下して、彼女の内側を撫でます。
指が往復するたびに彼女の体からは蜜がにじみ出してきて、くちゅ、にちゅ、と濡れた音をたてました。
彼女の腰がもどかしそうにゆらぎ始め、彼の指はいよいよ自由に行き来する。
ちゅうっ、と彼が彼女の乳首を吸いたてると、
ベビードールをまとった彼女の上半身が弓なりに反り返って、鋭く胸郭が浮かび上がりました。
やっと自分の服も脱ぎ捨てた彼の体は、完全に彼女に欲情していました。
彼の生殖器は上を向いて張り詰めています。
ベッドに仰向けに横たわった彼は、彼女を自分の上に跨らせました。
彼女が身を翻らせると、ベビードールの裾がふわりとゆれて、その向こうに彼女の体が透けます。
彼は彼女の腰を、硬く膨張した自分の生殖器に導きます。
彼女が穿いていた下着は、もうベッドの隅です。
濡れた粘膜が彼の先端にぴたりと吸いつき、そして彼女が腰を落とすと、
彼のそそり立った生殖器はゆっくりと体の中にもぐってゆきました。
くぅっ、と彼女の喉が短く鳴り、頭がかくりと落ちます。
腰が完全に落ちきると、彼女の体の奥からは深いため息があふれ出ました。
彼の膨張した生殖器は今や完全に彼女の体の中に取り込まれています。
彼女はその薄く締まった腹の一体どこに、彼をすっぽりと受け入れる空洞を隠しているのでしょう。
彼をすべて内側におさめても、彼女の腹は依然として平たいままです。
けれど、わずかに乱れた息で、確かに彼女のなかは彼で満ちているのが分かります。
彼女は頭を落とし、腰をゆらめかせます。
長い髪の毛が顔の両脇でそよぎ、
わずかに前のめりとなった彼女の体からベビードールが流れ落ちて彼の腹をくすぐります。
靄のような薄布越しに、彼女の体がなめらかに波うつのが透けて見えます。
腰は獲物を前にした猫のようなしなやかさでうねり、締まった腹の上では乳房がとろける曲線を描いている。
彼の方も下から彼女を穿つ、そうやってふたりが体をゆらすたびに、ベビードールはふわりふわりとたゆたいました。
彼女が腰を浮かせると、彼の生殖器がぬるりと姿を現しました。
それはたっぷりと濡れて、もう太陽の残光がほとんど消えた部屋の中でもぬれぬれと光を放っています。
彼をこんなにも潤す彼女の内側は、どんなにとろけているのでしょう。
私には想像もつきません。
ふたつに割れた丸い尻の間で、彼の上下に合わせてやわらかく伸び縮みする薄い襞はまるで、濡れた花びらのようです。
彼らの交わりは、私がこれまで見てきた人間の性交の中で、もっとも静かです。
そこには嬌声も言葉もほとんどありません。
けれど、余計なものをなにひとつ外に出さないふたりの体の中では、
快楽と感情がどんどんと色濃く煮詰まっていくように見えました。
閉じ込めれば閉じ込めるほど、それは濃密さを増して膨れ上がる。
そしてついに耐えきれず漏れてしまった滴りの、なんと淫靡なことか。
こらえ損ねた彼女のかすれた甘い声、あふれ出してしまった蜜の音、
それらが空気中に溶け込んで、私の元へ届きます。
ふたりがつながったところからは、ぬちぬちと粘膜のこすれ合う音がします。
上になった彼女はベッドに両手をつき、ぎゅっとシーツを握りしめる。
──はぁっ、と時折こぼす息とともに、細い髪の毛がさらさらとゆれます。
彼は彼女の腰にやっていた手を片方離すと、その手で垂れ下がっていた彼女の髪をかき上げました。
動きを止めた彼女に笑みを送ると、彼女もうっすらと同じものを返す。
ふたりの視線は宙でからみ合います。
髪をすくい上げた彼の手は、彼女の頭に沿わせて撫でつけ、そして頬を包み込みました。
頬から首、首を撫で下ろして鎖骨のくぼみに親指が沈み、
それから彼の手は彼女の胸元へとすべり落ちてゆきました。
体をゆらすたびにふるふると震える乳房を、彼はベビードール越しに掌の中へとおさめました。
その重みを確かめるかのように、下から受けとめます。
やがてもう片方の手でも乳房を包み込み、やわやわと揉み込むと、
彼は両の掌を彼女の乳房から背中へ向かってすべらせました。
背中にまわった掌は蜘蛛のように大きく広がり、
そして、彼女の腰に向かって体のラインをなめるように這い落ちました。
その時、彼女の体がつくった曲線。
それは、私が今まで見た曲線の中でもっとも美しいものでした。
彼はベビードールの前を合わせている蝶結びに手を伸ばすと、ゆっくりとその紐を引っ張りました。
彼女の乳房の真ん中で蝶結びはするするとほどけ、そして蝶が完全にまっすぐなリボンになってしまうと、
薄いベビードールはふわりと左右にはだけました。
前屈みになった彼女の背中から、薄布が流れ落ちます。
彼は肩紐をつまんで引き下げ、シフォンを彼女の肌から剥がしました。
彼女の体にまとわりついていた時は羽衣のようだったベビードールは、
ベッドの隅に放られた途端、ただのふやけた抜け殻となりました。
やっと肌と肌とを直接触れ合わせることができた彼らは、折り重なって抱き合いました。
彼女の裸の乳房が、彼の胸の上でやらわかくつぶれます。
彼はそんな彼女の背中を強く抱き寄せると、激しく腰を突き上げました。
「──あ、…………くぅ……っ」
彼の体の上で、彼女の体がこわばります。
しかし彼はなおも強く彼女の背中をとらえ、彼女の内側をえぐります。
「あ、──あ、………………んんっ──」
ぱん、ぱん、という肉のぶつかり合う音に混ざって、彼女の唇から小さく声が漏れます。
背中を震わせて彼の肩口に顔をうずめる彼女の声はくぐもって、私の位置からはごくわずかにしか聞こえません。
その声は、彼の耳元で一体どんな風に響いているのでしょう。
吐息とともに耳の奥へと流し込まれる声は、彼の外耳で反響し、彼にだけ聞こえる音となって鼓膜を震わせているのでしょうか。
彼女の背中では、肩胛骨がぐいっと尖ります。
彼は彼女の腰を片腕でとらえたまま、その肩胛骨の山をもう片方の手で包み込みました。
彼女の顔は流れ落ちた髪の毛の陰になって見えません。
開いた体の真ん中、濡れた粘膜が口を開けているそこには、
彼の筋張った生殖器が何度も何度もなめらかに出入りしています。
体の中を往復される彼女の体はこわばり、わずかに震えているのだけが分かります。
彼は激しく突き上げていた腰をふと止めると、彼女を貫いたまま体を反転させました。
ぴったりと密着していたふたりの体は、案外簡単に上下が入れ替わります。
ただベッドだけが、派手な体重移動に大きなきしみを上げました。
シーツに彼女を押さえつけた彼は、今度は上から、彼女をゆさぶりました。
「──ん、……ぁ…………っ」
彼女の片脚の膝裏に手を差し込んで突き動かすその隙間から、
彼の生殖器が彼女の脚の間に出入りするのがかすかに見えました。
今や彼女の体は完全にうるんでいて、彼の体がどう動いても、ぬちゅ、ちゅく、という濡れた音を上げます。
彼の腕に持ち上げられた片脚にはすっと筋が浮き、足の甲はまっすぐに伸びている。
とろけた蜜が体の内側からこぼれ、肌を伝い、シーツに透明なしみをつくります。
部屋の中の湿度は増し、水音であふれ、ふたりの体は発熱しています。
私の木肌はしっとりと濡れ、部屋の隅に立てかけられている銃はほのかに熱を持ち、
物陰で育っていたカビは胞子を飛ばそうとし、
窓の外ではブーゲンビリアが音もなく咲きこぼれ、その赤色を増す気配がします。
部屋の中は、煮詰まった熱情でむせかえりそうです。
絶頂が近くなると、ふたりは呼吸少なになります。
息継ぎの時だけ鋭く空気をゆらし、あとは体の中からなにも逃すまいと、息を詰める。
腰の動きが速まって、ついに極まった時の彼女は、いっそ苦しそうです。
ぎゅっと目をつむり、指先もつま先も硬くこわばらせて、痙攣を繰り返す。
彼にすがりつくように、体が何度も波うちます。
激しい快楽とは、むしろ苦しいものなのでしょうか。
けれど、その波が過ぎ去ったあとの彼女の体はくったりとやわらかく、彼と目線を見合わせる顔は穏やかです。
激情が通り過ぎてもまだ埋み火が指先に残っているかのように、ふたりは指をからませ合いました。
そのふたりの間に、もはや昨夜の諍いの種はどこにも見当たりません。
これは、どういうことなのでしょう。
ふたりの間には、謝罪も許しもなかった気がします。
それなのに、今は何事もなかったかのように並んで横たわっている。
人間というのは肌で会話ができるものなのでしょうか。
いいえ、そんなはずはありません。
そんなことは聞いたことがありません。
しかしこのふたりを見ていると、なぜか、触れ合ったところから確かに感情が行き来しているように感じるのです。
「レヴィ」
「あ?」
やっと呼吸の静まった彼が、彼女に話しかけました。
「そのベビードール、……どうしたの?」
問われた彼女は答えたくなさそうに眉を寄せて押し黙りましたが、やがて渋々口を開きました。
「……昔ローワンとこでバイトしてた時に、着ろって押しつけられたんだよ」
「──着たの?」
彼に顔を覗き込まれて、彼女は嫌そうに顔をしかめました。
「着ねェよ。冗談じゃねェから、なくしたっつった」
「で、こっそり持って帰っちゃったのか?」
笑いを含んだ彼の声に、彼女は「ああ」と苦々しげに返します。
「誰が着るか、こんなん」
むっすりと不機嫌な彼女を前に、でも、と彼はなにかを言いかけました。
「なんだよ」
言いよどんだ彼の方へ、彼女は顔をめぐらせます。
「いや、あの」
言いにくそうに口ごもった後、彼はぽそりと言いました。
「そのベビードール、……似合ってた、よ」
その彼の言葉を聞いて、私は笑い出しそうになりました。
今になって「似合ってた」だなんて。
そして、これしきのことを言いよどんでいたなんて。
もしかして、この男もまた、照れ屋なのかもしれない。
私はそう思い始めていました。
彼女は大変な照れ屋です。
今、この男から「似合ってた」と言われて盛大に顔をしかめ、
「でたらめ言ってっとロアナプラ湾の藻の養分にすんぞ」
などと頬を赤らめているのがいい証拠です。
彼もまた、もしかしたら彼女と同様に照れ屋なのかもしれません。
彼が今日この部屋に来たのだって、忘れ物は口実で、本当は昨夜のことを気にしていたのかもしれない。
このふたりは互いに負けず嫌いで強情っ張り、そして不器用です。
そんな似たもの同士のふたりには、このふたりなりのやり方があるのでしょう。
私にとってなによりも重要なのは、彼女が笑って毎日を過ごしてくれることです。
泥の目をした彼女も、鉄錆のような彼女も、どんな彼女であっても変わらず愛おしい。
それは確かです。
しかし、私がもっとも望むのは、やはり彼女には笑っていてほしいということなのです。
今まで笑ってこられなかった分をも取り返すように。
そして悔しいことに、そんな彼女の表情は、この男が引き出すことが圧倒的に多いことを認めねばなりません。
やはり彼女は、この男のことが一番好きなのです。
さて、長話が過ぎました。
そろそろお喋りの時間は終わりです。
負け犬たる私は負け犬らしく、潔く最後にこれだけ申し上げて黙ることに致しましょう。
「もし、そこのロックとやら。お前、この娘を幸せにしなかったら、ブッ殺しますよ」と。
了
GJ!
斬新な視点といいエロさといいベビードールというアイテムといい
なんか色々と反則技を見せられた感じだw
く〜大掃除の途中なのに読んじまったー!
柱氏の丁寧な観察眼でエロさ倍増だな・・
GJというほかない
うおー、読みふけっちまった!
エロい、斬新、面白いってGJすぎるぜ!
俺たちを戯画化してみせる神のエスプリに乾杯!w
神はマジ神だなw
ベビードール「死ぬ前に良い思いをしました」
煽るわけじゃないけど…
机視点とか、ベッド視点とか
今迄無いわけじゃないよ
だからといって神の素晴らしさはなんの変りもないのだが
いつもGJ!ですよ!!
へーそうなんだ!
自分は神の今作で初めて見た。
とりあえずこのスレではまだなかったような(?)変化球作品GJ!でした!
レヴィたんのベビードール姿・・・広江絵で見たい
柱の人、面白かったです。
レヴィへの愛を感じる描写でした。
柱目線のせいか、行為中の沈黙がエロくていいです。
派手な喘ぎがなくても、いいものが書けるという見本だとも思いました。
最後は柱だけでなく、「部屋」の嫉妬や羨望、見守る空気で締めたら尚良かったのでは、と思いました。
浴衣着たレヴィと祭り行きてえ
花火打ち上げと同時に発砲ですね、
そして事後のこともしっかり想定して、着付けの勉強を怠らない岡島さん
夜店でチョコバナナばっかり無駄に買ってやる岡島さん
岡島さんの思惑なぞ露知らず豪快にチョコバナナを食いちぎるレヴィ
次にフランクフルトを与えてみたが
やっぱり豪快に喰いちぎられてガクブルする岡島さん
食いちぎりながら、挑発的な眼のレヴィたんに萌えたw
豪快に口に含んだら焼きたて+大量にマスタード塗られてあって悶絶涙目レヴィたん
食いちぎる前に慌てて口を離し涙目でむせこむレヴィに
よし、成功だ! と指パチする岡島さん
このあとレヴィに公衆の面前でフルボッコ
指パチは失敗フラグかw
帰ったら犯島さんのフランクフルトを
張さんの射的屋台
ソーヤーのケバブ屋台
ホテルモスクワのかき氷屋
六トンの投げまくるアイス屋
銀さんのたこ焼き屋
ここまで妄想した
イスラム系の花火師
張さんの屋台は射的じゃなく射撃で、標的もヘマをしでかしたボンクラのような気がするw
痣助今年はレヴィ本出すんだな。
去年無かったからてっきりもうラグーン関連は描かないのかと思ってたんで嬉しい。
何かレヴィが大変なことになってたが・・・w
もういいやと思っていたけど字助なら買わない訳にはいかないか…
しかも中の人のゲスト有なんだ(ー ー;)
複雑…
>>262の何気ない呟きからの息の合った飛躍っぷりに噴いた
>>176-177 サンプル見てきた。
相変わらずのエロクオリティ…
そして相変わらずゲストイラスト寄せるデブのいやらしい根性ときたら(ry
でも悔しい買っちゃう
レヴィたん欠乏症になりそうだから保管庫潜ってくるわ
やっぱりかって感じだけどビートコスプレヴィ絵出てきてるなw
レヴィと海に行きたい
観光協会のトップみたいな笑顔で水着姿になって欲しい
あれ普段と大して露出度が変わってないのに、やけにエロく見えて最高
観光協会のスマイルレヴィ、可愛すぎるにも程がある。
>>181 「ハートフルビートロック!」
だもんなw
やる夫のベルガリアードスレがロクレヴィを夫妻(王と王妃)として採用してて滾るw
しかも子持ち。
何それ?
今見たら保管庫更新されてた。管理人さんいつもありがとう
上の方の祭りネタも保管されててちょっとワロタ
レヴィ熱一向に冷める気配のない俺は神と保管庫大兄のお陰で生き延びられているようなもんだ
ほんとそうだな。原作が止まってる今、このスレがなかったら枯死してるとこだった
ところで、神が前々スレの埋めで投下してくれてた雪緒と銀さんの作品は未収録?
あれすげー好きだったんで、神が保管しないでくれって言ったのでなければ、いつか入れて頂けると嬉しい
ここで語っていいのかわからんが、痣さんの新刊最高だった
毎回ロクレヴィで出してくれるのが嬉しい
中の人のエロイラストも良かったし、これを本誌で描いて欲しい
おお、保管庫がもう更新されてる!
なんという仕事の速さ…
いつもありがとうございます。マジで日々の活力だ。早速読みにいってくる!
>>189 > 中の人のエロイラスト
どんなんだった?
っつってもレヴィ受け本なのに毎回空気読まずにSっ気イラストだから今回もそんな感じなんだろうけど。
でもkwsk尻たい。
レヴィとロベがエロい下着姿で寝そべってこっちみてる。Sっ気はないよ
(レヴィはちょっとメイクしてて更にエロい)
ちなみに2人共乳出してる
いずれ乳隠しバージョンで
後々GXの付録イラストとかになりそうな感じの完成度
つまり素晴らしい。本の内容共々良かった
まあ早く本編の続きが読みたいですがね
酒飲みながらふと「なんでこんなにレヴィたんが好きなんだろう」と考えてみたが
好きな要素が多すぎて箇条書きすらできない
なんかもう終わってるな俺
もう一杯呑もう
酒飲みながらふと「なんでこんなにろべるたんが好きなんだろう」と考えてみたが
好きな要素が多すぎて箇条書きすらできない
なんかもう終わってるな俺
もう一杯呑もう
酒飲みながらふと「なんでこんなに岡島さんが悔しいんだろう」と考えてみたが
悔しい要素が多すぎて箇条書きすらできない
なんかもう終わってるな俺
もう一杯呑もう
>>193 YOU、一緒に酔わないウメッシュ飲みながらレヴィたんの魅力について欲望のままに朝まで語り尽くさないか?
ウメッシュなんて小便と同じ
男ならラムだろう?
>>197 レジェンド・オブ・キューバン・ラムありったけ持って来い!!
じゃ俺ハナベイね
俺ペプシきゅうり
お前ら大人だな。
俺なんかアイスのラムレやチョコのラミーでアルコール反応起こすってのに。
こんなんじゃレヴィたんに相応しい男になれねーよ。
悔しいから六トンとミルミル飲んでくる。
ここはガキの来るところじゃないぞ。ペプシでも飲んどけ若様
レヴィに勝負ふっかけられたら
ラムだろうがウォッカだろうが喜んで一気のみするね
その後太ももまたは胸目掛けてぶっ倒れる
蜂の巣にされて海に沈められるだろうが本望だ
多分置いてかれる
放置プレイか。それはそれで
206 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 00:08:21.99 ID:n4iuQ+sd
久々に来てみたら神光臨!カメラのくだりに爆w!!!乙乙GJ!
てす
で、レヴィは岡島さんのどこが一番好きなの?
裏世界にスレてない所とか
いつまでもホワイトカラーな所とか
黒島とか
そんな感じじゃね
レヴィはなんか夢見てるよな
>>208 人を好きになるのに理由なんて必要ないのさ
何となく復讐編クライマックスをキャラ変えて脳内変換してみた
ロベ→レヴィ、若→ロック、ファビ→ベニー
対峙して銃口向け会うレヴィとロック
「あんたが本当にロックなのかあたしにはわかんねえ…でもこれが終わったらまたラグーンに…」
「お前が俺を信じるなら、俺の弾はお前を殺さない」→撃ち合う
→ロックが腹撃たれながらもレヴィに飛び付きキスとプロポーズ
ここまで広江画で楽勝で妄想できた俺はもう末期
それだとロックは本当に死亡する気がしてくる・・・あとファビがベニーってのはなあ
でも、ロアナプラではロックより新参っていないのか
>>211 何臭いセリフ吐いてるね?馬鹿チン・・・格好付けてる暇があるならさっさと夕飯済ます良いね。
>>214 ホットドックを売るような気安さで薬を売っていた男とかどうよ
217 :
191:2011/08/30(火) 17:00:23.01 ID:d4P1g8rh
>>192 訊いといて物凄い亀ですまん。
レヴィの乳ポロ下着姿とか大変けしからんから買わざるを得ない。
痣氏の鬼畜犯島も好きだしw
情報thx
以前92で死ネタ書いたものです。
怖い話編を読んで思いついたネタ。
ロック×レヴィのしょうもない話。軽くキャラ崩壊注意
人には誰しも「弱点」というものがある。
たとえ男顔負けの銃裁きを見せる無敵の女、二挺拳銃であろうとも。
俺はその日、思いもよらなかった彼女の「それ」を知ることになった。
いつも通りの仕事の後に、俺とレヴィがどちらかの(大抵は俺の)部屋で過ごすのはもう日課のようなものだった。
だらだらと酒を飲み、他愛もない話をしながらグダグダと過ごす。
腹が減ったら適当に食べる。互いがその気になれば求め合う。眠くなったら狭いベッドで一緒に眠る。
絵にかいたようなだらけっぷりだが、それが楽しくて幸せなのもまた事実だ。
酒が尽き、大した話題もなくなるとレヴィは我が物顔でベッドに寝そべって雑誌を広げ始めた。
まだ大して遅い時間でもないし、各々好きなように過ごそうといういつものパターンだ。
それじゃあ俺はテレビでも見ようとリモコンを拾い上げスイッチを押す。
『キャアァァーッ!!!』
途端に絹を引き裂くような女の悲鳴が響き渡った。
「うわっ…、なんだ映画か」
どうやらタイのホラー映画らしい。画面の中では、恐怖に顔をひきつらせた女優が病院内と思われる白い廊下を悲鳴を上げながら逃げ回っている。
そんな彼女を追うもう一人の女は、腰まではあるであろう長い黒髪を揺らしながら、ふらふらとおぼつかない足取りだが確実に彼女を追い詰めている。
口の端からはわざとらしい血の筋、目は窪んで肌は土気色で生気がない。なんともわかりやすい幽霊の造形だ。
さすがにタイ語はよく解らないが、こういったいかにもなB級ホラーは中身があるようでないものだし映像だけでも充分ニュアンスは伝わってくる。
陰鬱でおどろおどろしい雰囲気といい幽霊女の造形といい、日本のホラー映画に通じるものがあるなと思う。
どこか懐かしさを感じながら画面をぼんやり見ていると、
「うるせえ」
とレヴィが勝手にリモコンを手にチャンネルを代えてしまった。途端に他愛のないニュース画面に切り替わる。
「あ、何するんだよ。見てるのに」
「くだらねえ、こんなの何が面白いんだよ」
「たまにはいいだろ、日本では真夏にホラーや怪談話は定番だったんだよ。こういうのって涼しくなるだろ」
レヴィの手からリモコンを奪い返しチャンネルを戻すと、再び女優の悲鳴が上がる。
画面には大袈裟なSEとともにでかでかと幽霊のアップが写し出されていた。
と思えば、レヴィは舌打ちしながらずかずかとテレビの前に歩みより、勢いよく電源を切ってしまった。
「何してんだよ!」
「うるせえっつってんだよ!!」
「あのなあ! テレビくらい好きなの…を…?」
よく見ると、レヴィは言葉とは裏腹に顔面蒼白。かすかに肩が震えて冷や汗まで流している。
これは、まさか…
「………レヴィ、もしかして怖いのか?」
…幽霊が。
いやちょっと待てと自分自身に突っ込みをいれる。普段あんなに笑いながら人を殺しているのに?
骸骨を物のように蹴り飛ばしたり拾い上げてたじゃないか。
存在事態がホラーっぽい掃除人を平気でからかったりしていたし。
…などと掃除人に聞かれたら翌日には綺麗に切り分けられ市場の肉屋に陳列されそうな事まで考えてしまう。
大体、いつも口にする「歩く死人」は「幽霊」とは似て非なるものなのだろうか…。意味合い的に似たものだと思っていたのだが。
「ん、んなわけ、ねえ、だろっ…!」
どんどん声が小さくなっていくレヴィになんとも言えない可笑しさが込み上げてくる。
だって、幽霊が怖いって…あのレヴィが。あのレヴィがだぞ?
駄目だ。今にも床に転げ回って爆笑してしまいそうだ。
「こ、怖いんだろ…?」
耐え切れずに肩を震わせる俺にレヴィは今度は顔を真っ赤にして怒鳴り返してくる。
「てめえっ…、何がおもしれえんだよ!! くそっ、帰る!!」
そう言って身を翻したレヴィの腕を慌てて俺は思わず掴む。
「ごめん、ごめん。もう笑わないって」
「うるせえ、触んな! 帰るっつってんだろ!」
俺の手を乱暴に振り払い、ずかずかドアに向かおうとするレヴィに、引き留めたい気持ちと同時に、もう少しからかってやりたいという悪戯心が沸いてくる。
「一人で大丈夫か? 自分の部屋だからって安心できないかもよ?」
「はあ? 何言ってんだてめえ」
「例えばほら、テレビとか」
「テレビがなんだっつーんだよ」
「日本で結構話題になった映画なんだけどさ、呪われたビデオテープを見た人が次々死んでいく話でね。
ラストシーンで、突然テレビの電源がついたかと思えば画面に幽霊が映って、ゆっくりとこちらに…ごふっ!!」
言い終える前に腹に凄まじい衝撃をくらいそのままベッドに押し倒された。
殴られた訳ではなく、レヴィがしがみついて来たのだ。
(しがみつくというよりは全身で体当たり、アメフトのタックルをまともに喰らったレベルの衝撃だ)
「ふ、ざけんなっ! ぶ、ぶちのめすぞっ…!」
…どうやら本当に怖いらしい。テレビから背を向けようと俺に抱きついたまま(抱きつくというよりベアハッグの域だが)必死で向きを変えている。
「レヴィ、い、痛いって!」
ぎりぎり締め上げられ抗議するが、レヴィはもう言葉も出ないのかそのままの姿勢で黙り込んでしまった。
そんな怖いのか…。下手するとこのままでは本当に泣き出してしまいそうで、笑いよりも若干の焦りが出始めてくる。
あまりにも新鮮だったから面白くてち、ょっとからかってやろう、その程度の悪戯だったというのに。
ここまで肩を震わせ子供のように怖がるレヴィを見ていると、なんだか本当に悪いことをしてしまった気がして、罪悪感さえおぼえだす。
「…レヴィ、 冗談だって。ただの映画の話だよ」
ぽんぽんとあやすように背中を叩いてやる。
「ふざけんな、畜生…」
腕の力がやっと緩む。
「だって、あまりにも意外だったからさ。 レヴィの弱点。怖いものなんてないと思ってたよ」
「……黙れ。もしダッチやベニーに話したら、その貧相なモン潰してローワンのとこにでも売り飛ばしてやるからな」
「…言わないって、勘弁してくれよ。あと…貧相って言うな」
それはさすがに傷つく。
「そんなに怖い?幽霊」
「…悪いかよ」
「じゃあさ、俺の幽霊ならどう? 怖い?」
「はあ? なんであたしがあんたごときを怖がらなきゃいけないんだよ。あほか」
やっと顔を上げたレヴィの表情は、ようやくいつも通りに戻っていた。
へえ、と笑って俺は言葉を続ける。
「じゃあ俺が死んだら、レヴィの前に幽霊になって現れてやろうかな。 レヴィがもう幽霊なんて怖くなくなるように俺が毎日驚かせて慣れさせてやるよ」
おどけるようにそう言うと、途端にレヴィの表情が不機嫌丸出しに歪んでしまった。
「冗談じゃねえ。……死んでからもあんたのお守りなんて御免だ」
「なんだよ、冷たいな」
「黙れ、この馬鹿。もう話は終わりだ。これ以上くだらねえ事言うなら犬の糞でも突っ込んでその口縫い付けてやるぞ」
「………そんなに怒らなくてもいいだろ」
レヴィはふん、と鼻を鳴らし俺の胸をぐいと強く押して体を起こすと背を向けてしまった。
「悪かったよ、もう幽霊の話はしないって」
「……」
「レヴィ、怒るなって」
「黙れ、話しかけんな」
「……」
本格的に不機嫌になったらしいレヴィはこちらを見ようともしない。気まずい空気が流れる。背中からなんだか怒りのオーラが見える気がする。
「幽霊が怖い」という概念を変えようと思って切り出した冗談だったのだが、どうも逆効果だったらしい。
いくらなんでもしつこすぎたか?さてどう機嫌をとろうかと考えあぐねていると、レヴィの方から沈黙を破った。
「……簡単に死ぬとか言うな」
「え?」
「あんたが、簡単に…『死ぬ』って言葉を口に出すな」
ああ、そうか。
レヴィの不機嫌はそこにあったんだ。
俺は身体を起こすと、レヴィを背中から包み込むように抱きしめた。
「…勝手だな。お前はいつも俺に死ねとか言うくせに」
「あんたが言うのは気にいらねえ」
「もう言わないよ。お前といる限り俺は…死なない」
腕に力を込めてそう伝えると、レヴィの体からわずかに力が抜け、ふうっとちいさくため息をついたのが解った。
「…こっち向いてくれないか?」
耳元で囁いて抱きしめていた腕を解き、肩に手をかけて体ごとこちらを向かせる。
向かい合うと、どこか戸惑ったようなレヴィと視線が合う。
「今の、嬉しかった。ありがとう」
正直にそう告げて微笑むと、レヴィは頬を染めて目を逸らし「ばーか」と小さく呟く。
「そうだな」と笑って返し、俺はレヴィの身体を引き寄せた。
頬をするりと撫でるとレヴィは少し顔を傾けて目を伏せた。吸い寄せられるように唇を合わせて強く抱き締めると、レヴィの腕も背中に回ってくる。
角度を変え、舌を絡ませながら飽きることなくキスを繰り返し、レヴィの身体を支えながらそっとベッドに押し倒す。そこでふと気づく。
「暗いの怖い? …なんなら明るいままでも…イテッ!」
ゴンっ、と勢いよく拳が脳天に降り下ろされた。
「いつまでも調子にのってんじゃねえぞ」
「……ハイ」
頭をさすりながら立ち上がり、素早く部屋の照明を落として彼女の元へと戻った。
改めてレヴィに覆いかぶさり、もう一度触れるだけのキスを交わす。
タンクトップを脱がせ、鎖骨に舌を這わせながら露になった胸に触れる。
両手でゆっくりとよせあげるように撫で、先端を指で擽るとレヴィは小さく身動ぎした。
その反応に気をよくして、今度は唇を寄せる。舌先で先端をつつき、尖ったそこをちゅっと音を立てて強く吸い上げる。
「はっ…」
抑えようとした声が微かに溢れててしまい、彼女は気まずそうに目を逸らす。
掌で揉みしだき、指の形に沈み込む乳房の柔らかさを堪能し、先端をきゅっと挟むとレヴィは震えた息を吐き出す。
堪らずに胸の間に顔を埋め、早まった鼓動と柔らかな感触を頬に受けとめると身体が疼く。早くも中心に熱が集まり始めているのがわかった。
やっぱり最高に気持ちが良いな、などと思いながら頬ずりしていると、
「ッ…あんたって、ほんと乳が好きだよなあ…マザコンなんじゃねえの?」
クスクスと笑いながらレヴィが髪を梳く。
「…違うって、失礼だな」
お前だって触られるの好きじゃないか、と付け加えれば大事な毛根にダメージを喰らうことは容易に予想できたのでそこは黙っておく。
それでもめげずにしつこい程に乳房に愛撫を繰り返していると、「なあ…」と彼女のもどかしそう掠れた声が聞こえ、太ももがするりと俺の腰に擦り付けられる。
もっと別の刺激も欲しい、と訴えられて身体が更に熱くなる。
「ああ」
俺は短く答えて身体を起こし、彼女のベルトに手をかけた。下着ごと一気に引き抜いて、自分も手早く服を脱ぎ捨てる。
しっとりと汗ばんだ素肌を擦りあわせ、互いの体温を伝え合うように強く抱き合いながらまた深くキスをする。
ぴちゃぴちゃと音を立てながら舌を絡めると痺れるような快感が全身に走る。
片手で彼女の引き締まった太ももを撫で上げ、内側へと移動する。入り口に触れると彼女が息を飲みぴくりと反応した。
既に潤んだそこを何度かやさしく擦りあげ、逸る気持ちを抑え、傷つけないよう中指をゆっくりと沈めていく。
「んん…」
身を捩る彼女の頬に口付け、中をゆっくりと掻き回す。熱く溶け出す感覚。とろりとした液が指に絡まる。
締め付ける中を音を立てながら往復し小さな突起を擦りあげると、彼女の息が不規則に乱れ、体がびくびくと震える。
「もう、いいって…」
レヴィが小さく首を振り訴える。
指を引き抜き手早く準備を整えると、すぐにレヴィの足の間へと移動する。レヴィも自ら膝を立てて俺を迎い入れようと足を開いた。
入口にすっかり硬く立ち上がったそれをするりと擦りつけると、レヴィのそこが待ち望んでいるかのようにひくひくと反応する。
もう限界だと思った。早くこの中を味わいたい、レヴィとひとつになりたい。その欲求のみが頭を支配する。
「いくよ」
思った以上に掠れた声が出てなんだか情けない気がしたが、レヴィはふっと笑うと俺の首に腕を回した。
「…っ」
「んっ…」
ゆっくり中に入っていくと、レヴィが小さく声を洩らしてぎゅっと目を閉じる。
熱く潤んだ柔らかくて狭いレヴィの中。取り込むように絡み付くその感触は、何度味わっても信じられないくらい気持ちが良い。直ぐにでも達してしまいそうな程に。
奥まで埋め込むと、互いに熱いため息を漏らした。
「…大、丈夫か? 動いていい?」
レヴィはうっすら目を開くと、その切な気な表情とは裏腹な実に彼女らしい切り返しをして来る。
「…さっさと、しろ、この馬鹿」
何でそこで「馬鹿」って言葉が出てくるんだ…といつも思うが、まあ彼女なりの照れ隠しだってのは解っているから今更ツッコミを入れる気はない。
それに、もうまともに言い合いできるような理性などもう欠片も残っていない。
始めはゆっくりとレヴィの中を探るように動き、徐々にスピードを早めていくと、互いの息もどんどん荒くなる。
唇を引き結んで堪えていた彼女も、だんだんと抑えきれずに声を上げ始める。
「んっ、…はあっ」
レヴィの顔の横に手をつき、滑らかに腰を動かし更にスピードを上げて突き上げる。
「うぁっ…、あっ、あんっ…!」
普段のように人目も気にせず大きな声で馬鹿笑いしたり、相手を罵倒するレヴィとはまるで別人のような、囁くような微かな甘い声。
俺だけが聞けるであろう、特別な彼女の声に愛しさが込み上げてくる。
「レヴィ…っ」
「…や」
身体を倒し耳元で名前を囁くと彼女の中がきゅっ、と締まった。
一気に絶頂まで登り詰めてしまいそうなのを何とか耐え、さらにレヴィを激しく揺さぶる。
「レヴィ、…気持ち、良い」
「………うるせ」
「…レヴィ」
「っ、呼ぶな、馬鹿っ…あ、あっ…やぁっ…!」
ベッドの軋む音や繋がった部分の水音、肌のぶつかり合う音、互いの声や息遣い。部屋の中に響く全ての音が互い快感を更に加速させていく。
「ロック、ロッ、ク…!」
すがるような彼女の声に理性は完全に吹き飛んだ。
「くっ…レ、ヴィ…」
腰の動きは機械のように止まらない。ギリギリまで引き抜き、奥深くに打ち付けるとレヴィの中がきつく締まる。
シーツの上に投げ出された手を取り指を絡ませ、固く握り合う。彼女の中を激しく往復しながら、呼吸する暇さえも惜しいかのように何度も唇を重ね合う。
「ロッ、クっ…! もう…駄目、だ」
荒い息遣いのなか、目を潤ませた彼女が限界を訴える。
「俺、も…っ!」
やがて彼女が悲鳴に近い短い声をあげ、びくりと身体を跳ね上がらせて達したことを告げる。
痙攣し締めつける中の感触にすぐに俺も限界を感じ、堪えきれずに果てた。
「…くそっ、絶対お前の弱点も見つけてやるからな、覚えとけよ」
今日のことが余程恥ずかしかったのか、腕の中でけだるそうにしていたレヴィが憎々しげに呟く。
「そんなにムキになるなよ…」
「あるだろ。あんたにだって怖いもんくらい」
「…ああ、『怖い』って意味ならまあ…あるかもね。」
「言え」
「絶対に嫌だね」
「何だそりゃ。 ケツの穴が小せえぞロック」
「なんとでも言え」
文句を言いながらもレヴィの目がだんだんとまどろんできた。睡眠を促すように頭をなでてやると、抗うこともなく目を閉じる。
「疲れた…」
「ああ、もう寝よう」
その会話を最後に、やがてレヴィは安らかな寝息を立て始めた。
「怖い」もの、か。
「…そりゃあるよ、俺にだって」
レヴィが眠ったのを確認してから、ぼんやりとつぶやく。
俺は別に死後の世界なんて信じちゃいない。幽霊の存在どころか、天国も地獄も、輪廻とやらも。死ねばそこで終わりだと思っている。
もう二度と「ロック」と「レヴィ」として巡り合うことなどない。共にいられるのはやっぱり、生きている今しかないのだ。
だから、俺が一番「怖い」のは「レヴィが死んでしまうこと」だ。
レヴィを失う以上に怖いものなど、この世にはない。
―こんなこと本人には絶対に言えないけどな。
そんなことを考えながら、レヴィの身体を抱き寄せて俺も眠りにつくことにした。
終わり
おまけ ※キャラ完全崩壊注意
その頃、ホテルモスクワでは…
「同志軍曹」
「はっ」
「…よし、そこにいるな。何度も言うが、私が出るまで決してそこから動かないように」
「心得ております。………ですが、あの、大尉」
「何だ」
「………その…やはりあの映画は見ない方がよろしかったのでは…(まさか一人でトイレもいけなくなるほどとは…)」
「 だ ま れ 」
「………はっ、申し訳ありません」
その後、ボリスの苦悩は一週間続くことになる。
…キャラ崩壊しすぎだな
いやごめん。 自分でもそう思いながら書いてた
コミックスの巻末でもやってたけどな「軍曹、トイレ!」は
笑いながら人を殺しておいて、幽霊怖いってのは反則レベル
銃弾が当たるやつは倒せるが
幽霊には当たらないからな
怖いだろ?
とか言いそう
なにそれかわいい
久しぶりに訪れたら夏らしい作品が!
GJGJ^^
最近レヴィと岡島の年齢差が気になる
5〜6歳差くらいじゃね?
意外に広い年の差と微妙な身長差が萌える
そんなに離れてるか?せいぜい2,3歳くらいの差の気がする
実際より年上に見える外人と、年下に見える日本人だからなぁ
少なくとも岡島は大卒+社会人だから27くらいだろうけど
レヴィはまさか年上ってことは無いよなぁ。幼少期の栄養不足とかあったにしても
勝手なイメージはロック24,5
レヴィが22,3くらいだった
姉御は…いや、やめとく
ロックは四大出てるから連載開始時に25歳くらいだとすると、メイド復讐編はその約2年後なので現時点で27歳くらい
レヴィは父親殺したのが13歳ぐらいとして、8巻で「あたしは10年も前にピニャタを割った」発言があるので今は23、4
1、2年の誤差はあるとしてもこんなかんじだと思ってた
みんなそれぞれ微妙に印象が違うんだなw
レヴィは特に外見が若いし、可愛い顔だから余計子供っぽいと言うか
10代って感じがするんだよね
第一話のチャイニーズ感バリバリの時はもうちょっと大人っぽいが
子供っぽく見えるのは化粧っ気がないからかもな
髪型変えてフルメイクでドレスとか着たらすげえ化けそう。岡島も興奮のあまり指鳴らすくらい
>>238 多分岡島さんはそのくらいの年でFAだったかと。
本スレかどっかでも議論されてそんな結論が出た気ガス。
問題はレヴィが謎なんだよレヴィが・・・
ビバヤングは参考にしていいのかどうか微っ妙だしw
わざと狙って不詳にしてるんだよな広江。
童顔学無しの割に妙に知識に長けてたり、かと思えば無知であどけなかったり、ダークモード入ったら諦めを悟った大人になるし、でも寝顔天使だし。
ビバヤングは流石に適当だろw ヨランダや姉御どうするんだよ
ビバヤング編って双子でてたっけ
若返りすぎてまだ胎内
>>240 ラフ助ッチ集のやつですな。
あのレヴィまじ女神。
>>245 ドレスで髪アップして照れてるやつか、あれは良い
実際話の中で使おうかと思ったけど没にしたって書いてあって
なんて勿体ないことを…と思ってしまったわ
今からでも遅くないから使ってくれ…
没にする理由なんてどこにもない。
あの可愛さ美しさにそんな理由など微塵も見当たらない。
没にされた理由
1 ロアナプラ中の男がレヴィたんに骨抜きにされて街が崩壊してしまう
2 美人すぎて他の美女キャラが霞んでしまう
3 岡島が爆発して所構わず盛ってラグーン商会の仕事に支障を来たしてしまう
2は兎も角他は大問題だな。
しかし本編でもっとこう、色んな格好のレヴィが見たいもんだよ。
そういうマンガじゃないから日本編みたくあくまで話の都合上でいいからさぁ。
同人豚の癖に全然コスプレさせないよね。単にめんどいだけだろうけど。
なんでもかんでも同人出身だから に結びつけるなよ…
むやみやたらと服装チェンジしないからこそ日本編ファッションは反則的に輝いてた
まあドレスは見たいけど本編じゃなくても、画集に載ってた表紙とか懸賞のカットでやって欲しいわ
そっちでは着物とか水着とかチャイナとか色んなのやってるし
あの岡島羽子板持ってる着物姿はすげえ可愛かった。
若様羽子板持ってる着物ロべとか出して対決してほしい
チャイナ
カウガール
この2つは至高
異論は認める
どんな服装も最高
異論は認めない
結論が出てしまった。
ドレス、振袖+羽子板もいいが赤面メイド姿もイイ。
要するにレヴィの照れ顔イイ!
強気な表情は本編でいくらでも見れるが赤面は日本編公園くらいしかない。
そういや慣れない服装のイラストだと赤面率高いな
毒本の水着(エダとセットの奴)、メイド服、振袖、コスプレ、ラフ画のドレス
普段は半裸見られても全く動じないのに、
子供と本気になって遊んでるの見られたくらいで、
耳まで真っ赤にして動揺しまくって照れ隠しに脅迫までするとか可愛すぎるだろ
どさくさに紛れてロックと腕くんでたしな
ビクッ!!→銀玉ぶん投げ→がしっ→「イテテテテテ」
この流れは神すぎる
いつになったら連載再開して同棲し始めるんですか?
レヴィの部屋を掃除、整理整頓しつつどんどん私物を増やして
当たり前のように居座る岡島さん
既にレヴィのベッドの所有権を握りつつある件
「銃だけだ」の所のふんぞり返り方は完全に自分の所有物のような扱いだったな
>レヴィのベッド
>>256 レヴィ「何かあたしの部屋がどんどん狭くなってってるような気が…」
ロック「えー?レヴィがすぐ散らかすからだろ、この前俺が綺麗にしたばっかだってのにブツクサ」
レヴィ「銃器置くスペースが別のもんに支配されてるんだが…」
ロック「何!?そんなに散らかしたのか勘弁してくれよ」
レヴィ「……」
レヴィの腹筋用鉄棒に洗濯物を干してぶちのめされるロック
自分でも雨の日の部屋干し用に使ってそうだけどな
タイにコインランドリーとかあるのかな?
レヴィのチチモミ保守
偽札編でエダがロックに抱きついた時、包み隠すことなくストレートに嫉妬したレヴィたん可愛い
あれはエダもからかいたくなるな
嫉妬を隠さないレヴィはかわいいよな
レヴィは基本的にからかわれて怒っても否定はしないよな
当のロックに対しても正直で隠そうとしてない
ツンデレっぽいけどツンデレじゃない。そこがまたいい
偽札編アニメオリジナル台詞の
「フンまだまだだ」(ジェーンの手引っ張って脱出する時)
はいいツンデレだった
居酒屋でロックに「すまない、悪い酒が〜」と言われた途端
イラつき顔から瞬時にロックを気遣うデレ顔に変化するのが良い
どんだけロックに弱いんだ畜生
若様の顔見たら修羅から恋する乙女に変わるロベルタンのこともたまには思い出してあげてください
カマラサとのエロバトル後に「若様…?(絶叫)お願い見ないで…見ないで…」は良かったな
あの時初めてロべにときめいた
ロベはレヴィと熱く清々しく殴り合ってる頃が好きだった。
ジャンキー化してから何か言ってることやってることハァ?みたいなんばっかりでちょっと…
ジャンキーはレガーチだけで十分だ
気違いか人殺しか気違いな人殺ししか出てこない作品で今更何を
そりゃジャンキーだもん言動も行動もめちゃくちゃになるよ
ジャンキーロべとレガーチを一つの部屋に閉じ込めたら大変なことになりそうだな
そのめちゃくちゃなイカレジャンキーっぷりをギャグとして活かせたレガーチと、私はどうすればよかったのよどうすれば赦されたのよあばばばばでウザキャラにされた不調様の違いだろうな。
岡島さんも黒化してうざがられがちだけど、今の黒島嫌いじゃないぜ。
広江の絵でキメセク読みたい
俺は岡島さんみたいな白かったりどす黒かったりする主人公は大好きだぜ
止まってる新章では、通常モードでヘタレギャグ要因もこなしてるし
メイドの件で自分の黒さも自覚し始めた事でまた新しい岡島になった感じで、
これからが楽しみなんだよな
早く続きが読みたい…そろそろドライブから帰ってきてくれ
>>272 共に火星へ旅立って厄介払いだなw
もうラグーンの続きは読めないんだらうか・・・・
クソデブとわかっていながらもやっぱり本人が描いた新しいレヴィが見たい(´・ω・`)
今年の字助本にゲスト参加してるんだっけ?買っちゃおうかな・・・
つーかゲストイラスト描けるんだったら本編も描け。
ひさしぶりに見たせいか中の人のゲストイラスト、
なんだかレヴィたんじゃないように見えた…
なんでかな。綺麗だったけどね。
またGX誌上で見たいなあ、はぁ
ファビ再登場きぼんぬ
>>277 ノベル2巻表紙のレヴィも何かちょっと違く感じた。
むっちりバーン!ボディでエロいんだけど何だろうね、いかにも『久々に描きました』感がw
レヴィ不足過ぎて日本編のお嬢と一体何があった絵見て自家発電。
特に意味はないんだろうけどもしレヴィが日本に生まれ育ったらこんな風にお嬢とフレンドリーだったのかとか妄想中。
ゆっきーのりんご飴食ってるやつか
身長差があるせいでかっこいいお姉さんっぽいのに、子供っぽいウインクしててすげえ可愛い
本編じゃありえないからこそああいうカットがあるのはうれしい
レヴィ、ゆっきー、まきちゃん、3人のキュートでゆるゆるなハイスクールライフ!
花壇の上を堂々と歩いてダッチ用務員に怒鳴られるレヴィと
岡島と保健室を占領するレヴィ まで妄想した
レヴィ「ハートフルビートロック!心のビートはもう、とめられない!
これでいいのか?ベニー。なあ、こんなんで本当にロックは喜んでくれんのか?」
ベニー「ヤーヤー!完璧だよ」
レヴィたんから酒と煙草と岡島を取り上げて蜂の巣にされたい
「んっ?冷蔵庫に入れといった酒が一本もねぇ。
買い置きしといた分までだ。
しょうがねえタバコでも吸うか・・・ってあれっ?!あたしのラキスト・・・
おーいロック!一本くれよ。
ロック?
・・・・・ロック?
いねェのかロックー?
ヘイ、ロォォォォック!!
・・・・・・・・・
BANG!BANG!ロックドコー?(´;ω;`)」
こうなるんですかわかりま(ry
かわいいじゃねえかおい
日本でお祭り発見〜射的までの
間のやり取りを妄想するとにやにやが止まらない
「おい、なんか甘い匂いがするぞ。あれは旨いのか? ありゃなんだ? 魚売りか?
ヘイロック!銃が置いてあるじゃねーか。あそこ行ってみようぜ!」「ハイハイ…」
みたいな感じで
色とりどりのどんぐり飴を見つけて、キラキラと目を輝かせるレヴィ姐さんはアリですか?
ロックが食ってたたこ焼き、実は最初レヴィが珍しがって
これ食いたいと騒いだものの口に合わず「やっぱ要らねえ。あんた食え」と
押し付けたもの、というどうでもいい妄想が出来上がった
もう末期だろうか。まあいいや
「……!あ、あの白いふわふわはひょっとして…」
「ん?あーあれはアメリカ発祥のものだろ。あっちのはもっとカラフルだったかな?
何だレヴィ、知らないのか?w」
「うるせー!コットンキャンディくらい知ってる!
ただ、あたしが見たことあんのはもっとこう、毒々しい色で…あの白いもふもふは雲みたいでちょっと美味そうだと思っただけだ!」
「食いたいの?」
「…………………」
「オーケーオーケーちゃんとキャラ袋入りで買ってやるよw」
ほほえましすぐる
ゲーム機欲しがってたのが何気に可愛い
タイまで持って帰ってベニーと二人ではまってたら面白かったのに
今頃ロアナプラも洪水で大変なんだろうか
びしょ濡れレヴィは洗ってない犬の臭いがするに違いない
>>294 風呂場で洗ってやろうとすると、野良犬をシャンプーしてやる時みたいに
じたじだ(どころじゃなく)暴れるんだなw
で、途中で投げやりになって大人しくなるとこまでセットで。
レヴィはクールなところとホットなところがあってその上可愛いから見てて飽きないぜ
つまり暴れるロリレヴィを風呂場で洗おうと悪戦苦闘する岡島さんを妄想しろと言いたいわけだな
ロリ……?
……?
銃弾嵐と大洪水は果たしてどっちがマシなんだろうな。
>>297 そんなSSがむかーしあったような。
未完でとまっとるが。
ロリレヴィの眼が好きだ。
あの病んだ眼に光が戻ったのはいつ頃なんだろう。
>>299 マジか。ちょっと保管庫潜ってくる
眼に光が宿ったのはやっぱり銃(力)を手にいれた時じゃね?
>>299 家族旅行中に迷子になってダウンタウンでロリレヴィに出会ったやつだっけ?
個人サイトのSSでそんなんあった記憶がある…。
クリスマスツリーをバックにしてるロリレヴィのイラストは
色々考えさせられて切ないな。あの荒んだ表情といい
「普通の幸せ」を求めることを捨てきれないような感じが
岡島は嫁にして幸せにしてやりやがれ
せめてストレートな告白くらいかませヘタレ暗黒野郎が
>ヘタレ暗黒野郎
モーニングコーヒー噴いて変なとこ入って噎せたじゃねーか!www
苦しかったぞコノヤロー
>>301 いや普通にエロパロに投下されて保管庫に収納されてるやつ。
個人サイトのものだったらSSではない形の作品なら知ってる。
レヴィは七巻以上の告白は出来ないだろうし
岡島から動くしかないよな
岡島「そういや俺、今まで自分から告ったこと一度もないかも。
付き合った子は何人かいるけどさ。だってホラ、断ると気まずいし、泣かれたら疲れるじゃん。
ってどうしたんだベニー?!何泣いてるんだよ!?
モダンニアヤマレ?
モダン焼きのことか?あれは美味いよな」
レヴィ「モダン焼き…?あぁ、あのゲロみてぇなやつか」
岡島「うん、それもんじゃ焼きだから」
「そのモダンジャヤキ、熱すぎて食えたもんじゃねェ。
モンダジャヤキで街一つ沈められるぜ」
「もんじゃ焼きな」
岡島はレヴィと日本でずっと同じ部屋で寝食を共にしてたんだよな…
ロアナプラで、レヴィの下宿にずかずか入り込んでたのとは
また違う悔しさが込み上げてくる。今更ながら
いっそ実家に連れてって両親に挨拶して来れば良かったんだよ
>>308 お前は悔しいのか後押ししたいのかどっちだw
レヴィたん自主的についてきたんだろーなー
萌えるww
姉御「ロックは責任もって預かるから安心して頂戴。なんなら部屋も私と同じで…」
レヴィ「ああああたしもついてってやるよ!ヘイダッチ!偽造パスポート二人分用意しな!今すぐだ!」
レヴィ「あー、そのモモンガヤキだが、舌に焼き鏝される並にクソ熱かったけどメンタイチーズとかいうのは美味かったかな」
ロック「もう突っ込む気失せた」
突っ込んでやれよ!
前からも後ろからも!
もうとっくにry
倦怠期
一日だけでいいから岡島になって
レヴィたんに引っ付かれて朝を迎えたい
いい加減本誌でレヴィたん見たい
本誌でなくていいからレヴィたん見たい
レヴィたん不足で画集見直して補給してたら
振り袖姿でしかめっ面しながらロック羽子板握り締めるレヴィたんに激しく悶えた
319 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/05(土) 17:36:57.03 ID:gwFd5qIx
ミニスカレヴィたん最高
戦闘時のためにタイツなんだなぁ
レヴィといえばショーパン、パンツスタイルなのを敢えてスカートに黒タイツ穿かせたところが素晴らしい。
似合ってたんだからスカートももっと穿けばいいのにね。
そういやニューヨーク回想で(親父殺害時)デニムスカート履いてたな
しかしあのミニスカ+黒パンスト+ウェスタンブーツのコンボは
冬の日本の産んだ奇跡だ
レヴィたんパンスト履くの自体産まれて初めてだったかもしれない
赤面ドレス姿がどうしても可愛すぎる。
広江が書かないなら虚淵氏に書いてもらいたい真剣に。
ドレスのカラーも気になる。
レヴィといったら赤のイメージが強いからワインレッドとかかな?
赤チャイナドレスで開脚しながらカトラス向けてるレヴィも
エロかっこよくて良かったな。水着もだがやっぱり赤が似合う
プリーツも赤だったしね。
レヴィが赤基調の暖色系、岡島は青とか緑の寒色カラーなところが何か萌える。
寒い寒いと文句言いながら岡島のコートの中に潜り込むレヴィたん
二人羽織してるロクレヴィが浮かんで和んだ
ここぞとばかりに服の中でイタズラしようとして
顔面に頭突きを喰らう岡島
レヴィもマイクローン化してロリレヴィになれればいいのに
1話のチャイナ顔のレヴィ好きだ
あのおかっぱみたいな髪型もいい
素晴らしい日本編ロクレヴィ肉まん絵があがってて禿萌え悶えた
日本編レヴィはなんかもうあらゆる方法を用いて暖めてあげたくなる
じゃあ俺はストリートチルドレン時代のレヴェッカちゃんを心身共に温める
じゃあ俺はロアナプラで熱い熱い言ってるレヴィに
アイス喰わせて涼ませてやる
そんなら俺はラジカルなレヴィとオタ芸とぽいぽい体操して健康的に暑くなったら一緒にぎゅぎゅっとかパピコチューチューする
今更ながら身長差に萌えた
一緒に歩いてる時の距離にも萌えた
ひさしぶりにレヴィたんのエロエロ分が足りなくなって
保管庫に行ったわ
職人さんありがとう
>>334 オリエンタルラジカルとおかじまんJapan?
スポーツニュースで岡島岡島って聞こえる度反応してしまってごめんなす
レヴィは銃の腕以外に泳ぎが得意って設定はもう活かされないん?
つまり続き早く読みたい
ウェットスーツ姿いいよな。アニメ版だと赤と黒の配色が綺麗だった
岡島はナチ編でレヴィを海中に引きずり込んで助けたときに絶対乳揉んでる
縁日の射的場でもな!
何となくオダには日常的に揉まれてそう。
チャカさんもナンパの際揉んでそう。
>>339 オダって誰だっけ? やべぇ、最近記憶が……、と思ったら、エダか
小一時間真剣に考え込んじまったじゃねーかw
エダ「お? レヴィお前、最近デカくなったんじゃねーの? ロックいい仕事してんなー」
レヴィ「うっせ、触んな!」
こうですね
>>339 チャカさんが触れたのなんてレヴィの踵(飛び蹴り)だけじゃん
気安く触ろうもんなら玉潰されるぞ
岡島のせいでレヴィの乳サイズがアップしてるのかは気になる
織田ワロタwwwww
>>340 普通にありそうな光景だ
レヴィならChichi揉まれたくらいで「キャーイヤーどこ触ってんのバカー!」みたいなリアクションはないだろうと思ったが、ソーヤーに腋コチョされた時怒ってたから流石にノーリアクションて事はないか
まあ「触んなくそ尼!」くらいが妥当だろうな
一瞬オダジョーかと思ったww
こんなことでツボっちゃだめだツボっちゃだめだ……
昔痣氏サイトにあったチャカさんに揉まれてるイラストはまっこと実にエロかった
レヴィのミニスカ黒タイツ姿のエロさは異常
銀さんと戦った後の破れ方がまたエロい
>>344 CG集にあったロックと対面座位のイラストは神
来月ようやく(ピンナップだけだけど)復活らしいな
新しいレヴィたんがやっと見れるよ…
レヴィたん単体かなやっぱり。ラグーン面子集合絵のカラーも見てみたいぜ
本気でみたいのはロクレヴィ表紙だけどな
OVA五巻のガルシアロベみたいな感じで
それにしても日本編は何度読み返してもいいなぁ。
冬服
射的ではしゃぐ
泣きそうな顔
ガンマンごっこ
赤面
レヴィちゃん
ついてくよマスター
串刺し絶叫
肩を貸りて寄り添い立ちつくす
確かに素晴らしいシチュエーションだらけだ
>>347 こんだけ期待させといてまさかのインド娘単体、デコッパチ眼鏡単体だったりしたら笑うしかないな。
日本編といえばホテルの朝食シーンでレヴィがトーストの前に食ってる物体が何なのか謎なんだが。
目玉焼きの白身?
「銃と弾丸」っていいよなああ
二人とも妙なあだ名なのがいい
ロックとレヴィ
緑郎とレベッカ
>>350 俺はイカの刺身に見えたぞ。
そんでもってモグモグしてるレヴィがちょっと珍しくて可愛く見えた。
>>354 新章で行儀悪くピザモグモグ喰ってる姿も可愛かった
あれ貴重なラグーン商会のほのぼのシーンだったな
みんな食事なんてムードじゃない状態の中で
一人でトーストモグモグ食ってるレヴィ可愛い
日本だと甘酒や焼鳥も食ってたし意外と日本食に抵抗ないのかもな
つまり日本で主婦になってもry
>>354 朝っぱらからイカ刺かよw
フォーク使ってたし肉のソテーか何かだと思ったがw
生魚、味噌、醤油、納豆…
この辺食えれば日本でも楽しくやってけるな
向こうの人は蛸が気持ち悪いみたいだけど、言われてみればグロいかもな
ギリシャとイタリアはタコ食うって聞いたけど、タイはどうなんだろ?
ロックのたこ焼き一個くらい味見してそうだ
タイでたこ焼き見たなあ
あれはきっと銀さんが焼いているに違いない
レヴィに鯛焼き食べさせてみたい
きっと頭からかぶりつくんだろうけど
レヴィ「甘ぇっ、なんじゃこりゃあ!! 魚が入っててんじゃねえのかよ!」
と見掛けと味のギャップに戸惑うわけだな
あんこは受け付けないだろうなぁー
豆を甘く煮るのって日本独特の食文化で、外国の人には甘い豆ってのがそもそも理解不能みたい
つまり、
レヴィにたいやきを与える→周りの生地のオマケ部分だけカリカリ食う
ひよ子を与える→じっと眺めてるだけ(可愛くて食えない)
人形焼きを与える→怖くて食えない
鳩サブレーを与える→ツリーに飾ろうとする
岡島を与える→デレる
ゆっきーを与える→睨み付ける(嫉妬)
七福神の人形焼きは確かにちょっと不気味www
岡島「ああそうだ、レヴィ、勘違いしないでほしいけどひよ子は東京土産じゃなくて福岡銘菓だからな。そもそもひよ子の起源は(ry」
レヴィ「要は日本土産だろーが(´-ω-`)」
職人が丹誠込めて焼いたのに不気味とか言っちゃいかんよ。
まあ多少グロいけどさ。
柿ピーだったらレヴィでも気に入るかも
ぴよこなら地球土産なんだけどな
>>364 クリームの方なら喜んで食べるだろうな>たい焼き
で、餡子よりクリームがいいなんて、案外お子様だな、と
岡島さんにニヨニヨされるw
そこからクリームプレ…
いや何でもない
371 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/27(日) 17:24:52.82 ID:DkgIQrgG
倉庫じゃないけどたい焼き食ってる話は確かあったぞwww
みんなレヴィに餌付けするの大好きだな!
作中でなんか食ってるレヴィは可愛いから和む
岡島さんも和んでるんだろなー。
クッソ、俺が代わりてー!!
ぶった切りの上に今更ですまない
画集とかに載ってる、姉御がお母さんになっててスーパーで泣いてる双子叱ってるイラストの
後ろのロクレヴィが夫婦に見えて仕方ないんだが…
ロックが私服ってのが、休日に夕食の材料買いに来た夫婦という感じに見える
そこまで意図して描いてるわけじゃないのは解ってるんだが妄想が止まらない
>>366 そんな蘊蓄垂れ流されても外人にとっちゃどれも日本の土産で一括りされちゃうからなw
最近はお好み焼き味だのジャーマンポテトだの明太チーズだとか変わり種たい焼きが増えてるから、そういうのは外人ウケするんだろうなぁ。
岡島にカスタードなんて邪道だ邪道言われて生地だけもそもそ食うレヴィたん。
>>371 なんだと!?
保管庫じゃないってドコだし!
普段酒かピザくらいしか見ないからアニメでベーグルサンド食ってるシーンはやたら健康的に感じたのを覚えてる。
ブルーベリーベーグルにクリチ塗るとうまー(゚д゚)
いやいや、ピーナツバターとグレープジェリーが最高
一応原作でチャイナボウルだか食いに行くって話はしてるんだけどな
実際食ってるシーンは無いけど
おまえらどこまでレヴィ+食い物ネタが好きなんだw
そういやチャイナボウルって何だ
>>379 だってゆっきーが持ってる水飴舐めてるレヴィ可愛すぎるじゃん
>>380 ああそれは認めざるを得ない。あれは最高だ
あの笑顔でロックと腕組んで歩いて欲しいぜ
レヴィたんのクッキングブック出して
なんかチャイナボウルって、紙の入れ物に入った弁当的なものだったような…
違うかな。ボウルって言うからして丼系なのかな
アメリカなら紙のドギーバッグに入ったやつだろうが、タイだし発泡の器なんじゃないか?
チャイナボウルでggってみたら既に閉店されたチャイナ・ボウルって店名の中華料理店が出てきたw
ファミマが彩りチャイナボウルとかいうの出してたっぽくて、それくらいしか参考になるもん出てこなかった。
参考も何も普通に考えて中華丼だろって後になって気づいた。
そうかーレヴィと岡島は中華丼の鶉の卵の奪い合いをしてるのかー
いやーお碗状のものに入ってりゃなんでもボウルじゃね?
タイ式というより、欧米っぽい言い方だが
>>383 レヴィたんのキックブック
に見えたw
レヴィたんでも出来る料理っつったらホットドックくらいしか思いつかんw
買ってきたパンに切れ込み入れて、買ってきたソーセージ挟んで終了。
レヴィは手先器用なんだぞ
真剣に作ればきっと岡島より上手いはず
休日にロックとピザを作るレヴィなんていいんじゃないか
と思ったが、飽きて途中でロックに丸投げして
自分はさっさと昼寝してる光景が容易に想像できた
休日には噛み付きあって身体中にアザをつくるといい
>>389 そうなんだよね…そうなんだよやればできる子なんだよやらないだけで…
性格と家庭環境のせいで。
ピザ用クラストだけ買ってあとは好きな具材トッピングる作業なら楽しんでやるんじゃね?
チェダーチーズ乗せようとしてピッツァにはモッツァレラだろーがと岡島に怒られて、そっちこそ何でマヨネーズかけてんだよと逆にドン引きされ、ニンニク臭いだのパイナップルだけは却下だの痴話喧嘩してればいい
クソー、コストコのピザ食いたくなってきた
ついでにクラムチャウダーも
>>392 >好きな具材トッピング
それ、主にお母さんと小さな子供が一緒にやる作業じゃんw
パイナポーはピザーラにハワイアンデライトとかあるけど、自分も却下w
痴話喧嘩の果てにブチギレた岡島さんが納豆ピザとか創り出さないことを願う。
396 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/30(水) 17:35:55.35 ID:9dljn7sE
パイン不評だなしかし俺は好きだぞ
世の中にはな、あんこピザなんてのもあってだな
……美味いんだぜ
野菜切って中華の素と炒めるくらいは出来るだろうけど
タイにあんのかね中華の素
藤林丈司
突然チャイナ服でお団子ヘアのレヴィを想像した
張さんに爆発まで残り1秒で手榴弾投げたらどうなるの?
「ロック レヴィ」で何気なくぐぐったら予測ワードで「ロック レヴィ やった」て出るのな
みんな考えてること同じかよ
最終的にあの2人はアツアツだからなー死語か?w
知恵袋にも質問あるぞ
どんだけ興味津々w
言いたくねえなって返答してやりたいわな
>>396 > 世の中にはな、あんこピザなんてのもあってだな
デザートタイプのドルチェピッツァ、オレオピザは知ってるが・・・まさかそこまでくるとはwww
カスタードやバナナ+チョコソース、アップルシナモンなんかは普通にクレープやパンケーキと変わらんだろーって思えたけどw
ピザ生地に乗せるくらいだったら素直にあんパン食わせて下さい
ケンカした翌朝、仲直りのつもりにピザ作ってくれたのかーと喜んだのも束の間、あんこピザ、納豆ピザだったりするんですね
で、日本で寒い寒い文句言ってたレヴィたんは
毎晩布団の中で岡島に暖めてもらってたの?
岡島は気だけは回るからな。隅から隅まで温めてただろうよ。ケッ!
レヴィたんのエロエロなイラストがカタログの表紙だったらいいのに
ツインの部屋なのにベッドは一つしか使わなかったんだろうなどうせ
俺もレヴィさんとラブラブしたい
>>410の布団の中にはマダムフローラが待機してます
*全七回
*本投下分にエロなし
七割がた座席を埋めた航空機は、低いうなりをあげて一路ニューヨークを目指していた。
照明を落とした機内は薄暗く、それぞれの座席を上から照らす小さな明かりがぽつぽつとまばらに点在するのみだ。
エコノミークラスの狭い座席にブロイラーのごとく押しこめられた乗客は、そのほとんどがブランケットを首まで引き上げて沈黙していた。
レヴィは三席並んだ真ん中のシートに身を沈めたまま視線だけをちらりと周囲にめぐらせ、
機内に満ちるのが弛緩した疲労の気配だけであることを確認すると、
だるくなっていた脚を膝にかけたブランケットの下でそっと伸ばした。
前の座席の下に空いた隙間に足先を突っこみ、膝を伸ばして足首をぎゅっと上に向ける。
張っていたふくらはぎの筋肉が伸び、血のめぐりがわずかに回復した気がした。
膝まである編み上げのブーツを脱ぎ捨ててしまいたい衝動に駆られたが、仕事中とあってはそれは叶わない。
レヴィはその衝動を抑え、足首をぐるぐると数回まわすだけにとどめた。
一回の乗り継ぎを経て、フライト時間はすでに半日にも及ぼうとしていた。
気流の乱れはないが、常に響いている低いエンジン音と微細な振動は、じりじりと体力を削る。
ろくに身体を動かすこともできない座席、ふわふわと定まらない足元、乗客の吐き出す二酸化炭素が充満した空気。
眠ってやりすごそうにも「仕事中」の三文字がそれを許さない。
バンコクの空港でタラップをのぼったのが、もう一週間も前のことのように思われた。
レヴィは右側の肘かけに乗っているロックの腕に手を伸ばし、ワイシャツの袖に人差し指の先を引っかけた。
そして、その指でちろりと袖をめくる。
レヴィは、ロックの手首に巻きついている腕時計に目を落とした。
文字盤に示された時刻は、到着時刻までにはまだ何時間もあることを伝えている。
──確認したのは逆効果だ。
レヴィはため息をついた。
残り時間を考えただけで気が滅入る。
袖をめくられたロックが物問い顔に視線をよこしてきたが、レヴィは、いや、なんでもない、
と仕草だけで応えて頭をヘッドレストに戻し、膝にかけていたブランケットを引き上げた。
長いフライト、航空機の向かっているニューヨークという地、そして十二月というこの季節。
気分を浮き立たせる要素はどこにもない。
レヴィは黒いハイネックのセーターの首元をつまみ、内側にこもった熱を逃がした。
まさか真冬の日本を訪れた時と同じような格好をするはめになろうとは、思ってもみなかった。
ニューヨークになど行きたくないと散々ごねたが、レヴィとロックの二人に仕事を振ると決めたダッチは聞く耳を持たず、
苦しまぎれに「着ていく冬服がない」と絞り出すと、ダッチはなんでもいいからすぐに買ってこいとロックに厳命した。
そしてロックがどこからか調達してきたのが、この服だった。
黒いハイネックのセーターに短いプリーツスカート、黒いストッキング、そして膝下まであるブーツ。
スカートがチェックから深紅一色に変わったことと、ブーツがウエスタンから編み上げの黒に変わったことを除けば、
日本でロックが選んだ組み合わせとほとんど変わらない。
この男はよほどこういう服が好きなのかと呆れるが、プリーツの入ったスカートは動きやすいし、
ハイネックのセーターは首のタトゥーをうまい具合に隠してくれて都合がいい。
この服装に関しては、特に気に食わないところがあるわけではない。
気に食わないのは──、
「──っと」
その時、ロックの座っている席とは反対の左隣、窓側の席に座っていた女が突然立ち上がり、
レヴィとロックを無理矢理またいで通路に出ていった。
「おい」
出ていく際、女のハイヒールがレヴィの脚にぶち当たった。
レヴィは女の横顔を睨みつけたが、女は謝りの言葉を口にするどころか視線をよこすことすらせず、
長い巻き毛をゆらして足早に通路を歩いていった。
脱色してほとんど金髪に近くなった後頭部はそのまま通路を進み、化粧室のドアの向こうに消えた。
「……クソ」
舌打ちとともに毒づいたレヴィは、荒々しく脚を組み上げた。
そう、この尻から根が生えそうなクソ長いフライトも、イカれたニューヨーク行きも、すべては今の女のせいなのだ。
気に食わない。
本当に、気に食わない。
煙草でも吸わなければやってられない気分だが、フライト中は禁煙ときている。
「──クソッ」
もう一度小さく毒づき、レヴィは胸の前で腕を組みつつ、ことの顛末を忌々しく思い返した。
* * *
「あたしをニューヨークまで送り届けて。できるだけ早急に」
飛びこみの客がやってきたのは、数日前のある晴れた午後のことだった。
ラグーン商会のドアをくぐるなり、挨拶もそこそこに女はぐいと顎を上げて居丈高な調子で言い放った。
ソファーで仰向けに寝転んで雑誌をめくっていたレヴィは、ニューヨークという言葉に顔をしかめた。
──ニューヨーク? 冗談じゃねえ。
今時、東のはてから船で地球を半周しようなどという物好きは、
霊柩車のようなキャデラックの後部座席でコイーバをくゆらせているような輩だけだ。
事務所に顔を揃えていたラグーン商会の面々を雑誌の陰から窺うと、三人とも表情は思わしくない。
当然だ。
レヴィをはじめ、ダッチもベニーも大手を振って合衆国の土を踏めるような身分ではない。
ニューヨーク? いいな、ランチボックスを持って今すぐ出発だ!
そんなふたつ返事ができるようだったら、今頃こんなタイのはずれで非合法の運送屋などやっていない。
ふん、と小さく鼻を鳴らして、レヴィは手元の雑誌に目を戻した。
ぺらぺらのワンピースを着た女は派手な化粧をしているわりにはそう若くもない様子で、
脱色した長い巻き毛のぱさつき具合や、ノースリーブのワンピースの袖ぐりから剥き出しになった肌の荒れ具合から、
なんらかのトラブルを抱えた娼婦くずれだろうという予測はついたが、生憎この物件は門前払いだ。
──残念だったな、とっとと帰れ。
レヴィが女を意識から閉め出そうとした、その時だった。
「船でか」
品定めをするように女を見ていたダッチが尋ねる、低い声がした。
「──ダッチ!」
思わずレヴィは手にしていた雑誌を放り出して跳ね起きた。
だが、ダッチはそんなレヴィには目もくれず、丸い黒眼鏡の奥から女を見下ろしている。
「まさか。船のわけないでしょ。
あんな船でニューヨークまで行こうだなんて、着いた頃にはもう婆さんになってるわ。
あたしはそんなに気が長くないの」
「あんな船とは、ずいぶんご挨拶だな」
女の物言いにダッチは声を渋くしたが、目の前に立ちはだかるポール・バニヤンなみの大男にも女はひるまない。
「あら、気を悪くしたんなら謝るわ。けど、事実でしょ?」
少しも悪びれずにひょいと肩をすくめてみせる。
そんな女に、今度はダッチの方が肩をすくめた。
「──まあいい。で、船でないなら?」
「飛行機よ」
「……飛行機、か」
ダッチは口の中で女の言葉をくり返す。
──なんだ、航空券だけか。
レヴィはほっとしてまたソファーに沈みこんだ。
だが、女の話は終わってはいなかった。
「航空券と安全に出入国できるパスポート、それに、ボディーガードを二人」
「──ボディーガード?」
ダッチが胡乱な声を発したと同時に、レヴィはまた飛び起きていた。
──ボディーガードだと?
「ヘイ、ダッチ!」
だが、レヴィの方へ視線をよこしてきたのは女だけだった。
「金なら出すわ」
レヴィの非難がましい声を報酬の心配と勘違いしたのか、女は手に持っていたボストンバッグをダッチに差し出した。
「いくらだ」
「一万五千」
「──ドルでか」
「ドルでよ」
「──ダッチ!」
とんとん拍子に進んでいく商談に、たまらずレヴィは声を張り上げた。
ロックもベニーも客との交渉はダッチの領分とわきまえてか、少しも異論を差し挟もうという気配がない。
──役立たずどもめ。
レヴィは心の中で二人を罵り、じろりと視線で薙いだ。
「……なんだ、レヴィ」
今度は話を中断させて、ダッチがレヴィの方に顔を向けた。
レヴィはここぞとばかりに食らいついた。
「ダッチ、正気か? ニューヨークだぜ?」
「ああ、正気だとも。
……お前が話の邪魔をしようとしたのがこれで三度目だってことがわかるぐらいには、正気だぜ」
ダッチのレヴィを見る視線は冷たい。
しかし、これしきのことでひるむわけにはいかない。
「……邪魔したわけじゃねェよ。──しっかりしてくれよ、ダッチ。ニューヨークなんざ、論外だろ?」
レヴィは、なんかの冗談だよな? と両手を広げてみせたが、ダッチは鼻息ひとつでそれを一蹴した。
「しっかりするのはお前だ、レヴィ。どこが論外だ。客の話は最後まで聞くのが筋ってもんじゃねえのか」
「最後まで聞くだけ時間の無駄だぜ。うちにニューヨークまでお守りしてやれる奴はいねえだろ?
それに、こいつがどこの女だか知らねェが、ベンジャミン・フランクリンと仲がよさそうなツラにはとてもじゃないが見えねえ。
その一万五千、どこから引っぱり出してきたのかわかったもんじゃねェよ。
あたしの見たところ、そのバッグの中に入ってるのは金だけじゃねえ。
厄介事だ。厄介事がたんまりつまった臭いがするぜ。
チャックが閉じてたって、紙袋ん中のブルーチーズなみにぷんぷん臭ってきやがる。大方──」
「レヴィ」
すべてを言いきる前に、ダッチが遮った。
「客の前でする話じゃねェな」
「“客の前で”? ──ハッ、いつからうちはそんなお上品な運び屋になった」
「依頼を受けるかどうか決めるのはお前じゃない。俺だ」
「ンなこたぁわかってる。そうじゃなくて、ただあたしは──」
「あのう」
ヒートアップしかけたダッチとの言い合いの隙間に、女の声が割りこんできた。
「まだ話が終わってないんだけど」
続けてもいいかしら、と目で訊く女に、レヴィはしぶしぶ黙って顎で促した。
「まずひとつ、その金はきれいな金よ。
ま、あたしの身体に乗っかって腰を振った男たちが落としてった金だから、“きれい”と言えるかどうかは怪しいもんだけど、
頬に傷のあるお兄さんたちが目の色変えて追っかけてくるたぐいの金ではないわ。
耳を揃えて一万五千、きっちり入ってるはずよ。
そしてもうひとつ、ボディーガードを頼んだのは、足抜けしたいからなの」
「──足抜け?」
問い返したダッチに、女は頷いた。
「そう、足抜け。ラチャダストリートの娼館で客をとって十数年、やっとこれだけ金がたまった。……長かったわ。
けど、女衒の強欲ババアに知られたら全部パア。
足抜けしたとわかったら、左胸のふくらんだ男に追いかけさせてでも連れ戻そうとするに決まってる。
あたしはもういいかげん年増だから、運がよければ見逃されるかもしれない。
けど、絶対に連れ戻されるわけにはいかないの。ボディガードはそのための保険。
──どう? わかった?
一万五千の半分は前払い、あとの半分は無事にニューヨークまで送り届けてくれた時に払うわ」
「──話はわかった」
レヴィが口を開く前に、ダッチが話を引き取った。
「あんたの話を信用しないわけじゃねえが、一応こちらでも調べさせてもらう。
額に見合った依頼と判断できれば引き受けよう。
どのみちパスポートはこの場で発行してやれるわけじゃねえ。それぐらいの時間は待てるだろう?」
「もちろん。気が済むまで調べてもらって結構よ」
どうせ調べたってなにも出てきやしないんだから、とでも言いたげな様子で女は大きく頷いた。
女の帰った事務所で、レヴィはむっすりとソファーに沈みこんだ。
「……受けんのかよ、ダッチ」
「調べてみなけりゃわからねえな」
書類の散乱したローテーブルを差し挟んだ向かいのソファーに座ったダッチは、
レヴィの視線を受け流してベニーを肩越しに振り仰いだ。
「パスポートを頼む、ベニーボーイ。国籍はタイでいいだろ」
「了解、ボス」
お安いご用だとばかりにベニーはパソコンの前に座り、彼の愛機を立ち上げた。
ロックはダッチからなにか言いつかったのか、先ほどから姿が見えない。
「……あの女の依頼、受けんのか」
もう一度問い直すと、ダッチはいかにも忙しげに書類をめくりながらそっけなく答えた。
「今んとこ、断る理由はねえな」
手元の書類から目線を上げようともしないダッチを、レヴィは下から睨みつけた。
「ラチャダストリートっつったら、張の旦那のシマだろ。旦那とトラブル起こすのはごめんだぜ」
めんどくせえ、それで一万五千は安すぎるぜ、と低くこぼすと、ダッチは黒い丸眼鏡の奥でちろりと眼球だけを動かした。
「まだトラブルと決まったわけじゃねえだろ」
「そのリスクだけで充分アシが出るぜ。一万五千でピンが刺さってるかどうかもわからねェ手榴弾を運べ?
──ハッ、冗談」
ソファーの肘かけに肘をついてそっぽを向くと、ダッチが呆れたようにため息をついた。
「俺たちのお荷物が火薬入りじゃなかったことがあるか?
バラライカの照準器にがっちりロックオンされた双子の片割れを運んだのを忘れたのか。
今回のが手榴弾なら、あの双子は核弾頭だ」
レヴィは肘をついたまま中空を睨んだあと、ダッチに向き直った。
「……でもよ、ダッチ、ボディーガードって誰つけんだよ。
ロックは役に立たねェし、あとの三人は合衆国を一歩踏んづけただけで両手が後ろにまわるぜ」
「おいおいレヴィ、俺たちを赤絨毯で出迎えてくれる国がどこかにあるとでも思ってんのか?
なんのために今パスポートをこしらえてるんだ」
ダッチは手に持っていた書類をばさりとローテーブルの上に置くと、ベニーを仰ぎ見た。
「おい、ベニー、それが終わったらパスポートをもう二組追加だ」
ベニーはパソコンのブラウザから目を離すことなく答えた。
「オーケー、ダッチ。顔写真は?」
「レヴィとロックだ」
「オーライ」
「──ちょっ!」
ダッチの口から飛び出た名前に、レヴィはソファーの上で跳ね上がった。
「ちょっ、ダッチ、ちょっと待ってくれよ! なんだよ今の! なんであたしなんだよ!」
だん、とローテーブルに膝をついて身を乗り出すと、ダッチは迷惑そうに片手で肩を押し返してきた。
「うるさいぞ、レヴィ。書類の上に膝つくんじゃねえ」
「これが黙ってられるかよ! あたしはニューヨークなんざ、絶っ対ェ行かねえからな!」
「行く行かねえを決めるのはお前じゃねえ、俺だ。さっきも言っただろう。同じことを二度も言わせんな」
「でもよ、ダッチ、あたしはニューヨークだけはほんとにヤベェんだ。好き嫌いの話じゃ──」
「そのためのパスポートだろうが。あとはお前がニューヨークで暴れなきゃいいだけの話だ」
「んなこと言ったって、ダッチ──」
「いいか、レヴィ」
ダッチは開いた脚に両肘をついて、ぐいと身を乗り出した。
「ドンパチになった時に対応できるのは俺かお前かだ。
そしてお前も俺も、アンクルサムにとっちゃ招かれざる客だ。
あとはあっちの白い門番が俺たちを見比べた時、
あいつらの輝かしき合衆国にふさわしくねえとまず弾きたくなるのは俺とお前のどっちかって、そういう話だ」
ダッチの言いたいことはわかる。
レヴィはダッチのチョコレート色の顔を見据えながら、ぐっと黙った。
「敵はマフィア連中だけじゃねえ。入国管理局もだ。
あいつらの鼻先を通っても、その日の夕飯になにを食おうか考えててくれる、
そんな組み合わせはうちじゃお前とロックしかいねえ。
火事場担当は一人いりゃ充分だ。ロックはロックで表の世界の空気に慣れてる。
──どうだ、この組み合わせがベストだろ?」
「……ベストったってダッチ、あの女と三人で歩いてどこが自然なんだよ。見るからに怪しいじゃねえか」
レヴィは食い下がったが、ダッチはいとも簡単にそれをはねのけた。
「お前たち夫婦とお前の姉が、合衆国にいる病気の母親を見舞いにいくことにした。
どうだ、これで。完璧じゃねえか」
「──えっ、夫婦!?」
“夫婦”。
とんでもない言葉に、レヴィの心臓はでんぐり返った。
「夫婦って、えっ、なんであたしが!」
「慌てるな、レヴィ。なにも本当に籍入れろって言ってるわけじゃねえ」
「──ったりめえだっ!」
レヴィが叫んだその時、のんびりした声が部屋の隅から聞こえてきた。
「僕もダッチの案に賛成だな」
見ると、パソコンのブラウザに向かっていたベニーが、キイと椅子をきしませて振り向いた。
「大丈夫、君とロックだったら充分夫婦で通じるよ。いつも通りでいいんだよ、いつも通りで。
特別になにかすることなんかない、普段のままで大丈夫なんだから安心しなよ」
「……お、おう……」
なにに対して太鼓判を押されたのかよくわからず、レヴィはぎこちなく頷いた。
「心配することないさ、スカートはいて黙ってりゃ普通の女の子に見えないこともないんだから、あとは君次第だ」
「……喧嘩売ってんのかテメェ」
「まさか。そんなおっかない顔しないでくれよ、レヴィ。──まぁなんにせよ、ボスの目に狂いはないってことさ」
言いたいことだけ言ってパソコンのブラウザに向き直りかけたベニーは、
ああ、となにか思い出したようにまたレヴィに顔を向けた。
「パスポートのことなんだけど」
「……なんだよ」
「さすがに本名はまずいから、レベッカ・オカジマにはしてあげられないんだ。ごめんよ」
「──は!? ……っざけんな、このクソベニー! 頼んでねェよ!」
レヴィは声の限り叫んだが、ベニーはどこ吹く風で笑うだけだった。
そのあとは、押しても引いても粘っても、この案件に断る理由なしと判断したダッチは頑として考えを変えず、
そしてレヴィは今機上の人となっていると、こういう次第だった。
* * *
「……クソッ」
この日何度目になるのか、もう見当もつかない悪態を、レヴィは苛立ちとともに吐き捨てた。
すべてはあの女がいけないのだ。
あの女さえこんなわけのわからない依頼を持ちこんできさえしなければ、
今頃は肺いっぱいに煙草の煙を吸いこんで、浴びるほど酒を呑んでいられたのに。
頭からシャワーを浴び、自分のベッドで思いっきり身体を伸ばし──。
そこまで考えた時、レヴィはハッと我に返った。
隣の女がまだ帰ってきていない。
──遅い。
化粧室に消えた女の帰りが、遅すぎる。
レヴィは慌ててもう一度隣のロックの腕を取り、時計を見た。
──十六分。……いや、十七分か。
レヴィは先ほど見た時刻を反芻しながら頭の中で逆算した。
あの女が席を立った時、化粧室に並んでいる乗客は一人もいなかったし、化粧室は使用中でもなかった。
ということは、もう十五分以上あの女は化粧室で立てこもっていることになる。
女のトイレが長いといっても、これはさすがに長すぎる気がする。
「──どうした、レヴィ」
突然腕を掴まれたロックが不審そうな声で尋ねてきたが、レヴィは、気にするな、と首を横に振った。
だが、腹具合が悪いだけならいいが、なにか嫌な予感がする。
様子を見に行くべきか、このままここで待つべきか。
一瞬迷ったが、レヴィはロックの腕を離して立ち上がった。
今はまだ誰も化粧室に並んでいないが、このあとドアの前に並ばれてしまうとむやみに動けなくなる。
レヴィはロックが背中を預けている背もたれに手をつき、ロックの脚をまたいで通路へと出た。
ゆっくりと通路を歩き進めながら、レヴィは左右に目を走らせた。
一歩ずつ足を進め、寝たふりをしながら周到に気配を消している客はいないか、
ブランケットの下で怪しげな動きをしている客はいないか、神経を尖らせる。
だが、レヴィのアンテナに触るものはない。
乗客はみな機内の薄闇に沈み、通路を歩くレヴィに意識を向けてくる者すら見当たらなかった。
レヴィはひとまず胸を撫で下ろした。
機内に銃は持ちこめない。レヴィの愛銃カトラスは、今回はロアナプラで留守番だ。
空港で引っかかる危険をおかすくらいなら、その場にあるもので臨機応変にしのぐ方がまし、
もし相手が銃を持っていたらそれを奪えばいいという心づもりでいたが、
大の男と正面きっての素手ゴロなどという事態はできれば回避したいというのが人情というものだ。
女が消えた化粧室までたどりつくと、レヴィは使用状況を確認した。
使用中。
そう表示されたドアの前で気配を探ってみるが、航空機の騒音が邪魔をしてよくわからない。
レヴィは思いきってドアをノックしてみることにした。
小さく二回叩いてドアに顔を近づけ、低く声をかける。
「──おい」
すると、少しの間のあと、中から答える声があった。
「……はい」
あの女の声だ。間違いない。
レヴィはもう一度ノックして、ひたりとドアに身を寄せた。
「おい、あたしだ。どうした」
そのままドア越しに待ったが、返答はない。
だが、ガコン、とヒールが金属にぶち当たったような音がして、なにやら慌ただしい気配が伝わってきた。
「──おい、どうした」
なにかある。
けれど、中からは「なんでもないわ」というくぐもった声が返ってくるのみだ。
「ごまかすんじゃねえぞ」
レヴィは声をさらに低く落とした。
「開けろ」
いやよ、と言う声を無視して、レヴィは声を押し殺した。
「いいから開けろ。──フライトアテンダントが来る」
嘘だった。
しかし、しばしの沈黙のあと、カチャンと音がしてドアの鍵は内側から解除された。
細く開けたドアの隙間から素早く化粧室の中にすべりこんだレヴィは、一瞬で事態を把握した。
「……てめェ…………!」
レヴィは後ろ手でドアを閉めて鍵をかけるやいなや、洗面台に片手をついて身体を支えていた女の胸ぐらを掴み上げた。
「どういうことだ、これは」
どん、と鈍い音をさせて女を化粧室の壁に押しつける。
女の着ていたニットがレヴィの手に引っぱられて伸び、大きく開いた襟首から汗ばんだ肌が露出した。
「……やめて、気分が悪い……、──吐きそうなの」
女はがっくりと落とした首を力なく左右に振った。
ハイヒールの足元はおぼつかなく、今にも崩れ落ちそうだ。
レヴィは女の胸元をぎりぎりと絞り上げ、強く睨みつけてから解放した。
手を離すと、女は大きく息をついて化粧室の床にへたりこんだ。
そのままうずくまりかける女の髪を、レヴィはぐいと掴んだ。
「くたばってる暇はねェぞ」
掴んだ髪を乱暴に引き上げて、上を向かせる。
「こいつはなんだ」
レヴィは洗面台のボウルの中に転がっていた親指大の楕円形の物体を手に取って、女の目の前に突きつけた。
レヴィの指の間に挟まっているのは、薄い黄褐色をしたゴム状の皮膜に包まれたカプセルだった。
大人の親指ほどの長さがあり、蚕の繭を思わせる楕円の形に張りつめている。
女は焦点の合わない目をさまよわせるだけだったが、
女が答えずとも、これがなんなのかということくらい、レヴィは百も承知していた。
「……騙しやがったな。
あたしたちが護衛してるのはマフィアに追われる娼婦じゃねえ、ヤクの運び屋だったってわけだ」
レヴィは女の髪を掴んだ手に力をこめた。
そう、レヴィがつまんでいるのは、麻薬──おそらくヘロインだろう──入りのカプセルだった。
ヘロインやコカインの密輸入には、こうしてカプセル状に仕込んだものを飲みこみ、人体を器として税関を通過させる方法がある。
スーツケースの中に隠し持ったり土産物の中に細工したりという方法では、麻薬探知犬にすぐ感づかれる。
身体の表面に貼りつけるという方法も、身体検査をされたらすぐにアウトだ。
人体の中に隠匿してしまえば、X線を浴びせられない限りは見破られない。
この女の腹の中には、ヘロイン入りカプセルが何十個とつまっているのだろう。
「あたしたちは体のいい目くらましってわけだ。──違うか!」
合衆国には縁もゆかりもない東南アジアの薄汚れた女が、たった一人で入国するのは目立つ。
空港をうろついて目を光らせている税関に、声をかけて下さいと言っているようなものだ。
「……前に、一人で運び屋をやった子が捕まったわ。だから──」
「だから、あたしたちを隠れ蓑にするって寸法か」
レヴィは女の髪を掴んだまま、目の前にぐいと顔を寄せた。
「テメェが仕込んだのは腹ん中のブツだけか」
女は呆けた表情でレヴィを見る。
レヴィは、声を低くして続けた。
「空港で声をかけられて気前よくあたしのバッグを開けてやったら、そこに見覚えのねェ白い粉のパックがちゃっかりまぎれこんでる、
そんな事態がこの先に待ち受けてるんじゃねえのかって訊いてんだ!」
そこまで言うと、ようやく女が首を横に振った。
「……そんなことしてないわ。あんたたちの荷物には触ってない。あんたたちを囮にしようなんてつもりはないわ」
「どうだか」
レヴィは吐き捨てた。
「一度嘘をついた奴は二度嘘をつく」
「ほんとよ、信じて。あたし一人じゃ疑われる。三人いれば観光だって思ってくれるかもしれない。
ほんとにそれだけよ。それに、マフィアの連中が怖かったのも本当だわ」
「ハッ、そっちのマフィアより、今はてめェの腹の中身を待ち受けてるマフィアの方を心配するんだな」
ここまで馬鹿な女だとは思っていなかった。
レヴィは拳のひとつでもお見舞いしてやりたい気持ちをなんとかこらえて、女の髪から手を離した。
「立て」
ぐったりしている女の二の腕を取って、引きずり上げる。
そして、カプセルを鼻先に突き出した。
「飲みこめ」
まずはこのカプセルをもう一度腹の中におさめてもらうことが先決だ。
大方、腹につめこんだはいいものの、今になって限界がきて吐き出してしまったのだろう。
それもそのはず、そもそもカプセルの飲みこみは食事と排泄が制限されることから、長時間の移動をともなう場合には向かない。
空港のあるバンコクで仕込んだのだとしても、
そこからほぼ一日がかりの行程の間ずっと腹に爆弾を抱えていようなど、とても正気の沙汰とは思えない。
案の定、女は脂汗をびっしりと額に浮かべている。
だが、悠長なことは言っていられない。
「早くしろ」
レヴィはカプセルを女の唇に押しつけた。
「……待って」
ぐいぐいと迫るカプセルから逃れるように、女はレヴィの手を押し返す。
「いいからやれ」
「待って」
「やるんだ」
「待ってったら、今は無理──」
「いいか」
レヴィは、身をよじらせて逃げようとする女を睨みつけた。
「こいつの到着を待ってる奴らは、てめェの胃袋の中身をティースプーン一杯の違えなく把握してる。
てめェがどうしても飲みこめねえってんなら、あたしたちはこっから赤の他人だ。一緒にゲートはくぐらねえ」
「そんな……」
「甘ったれんじゃねえ。こいつを化粧ポーチに入れて歩いて、空港を散歩してる犬に吠えたてられんのはまっぴらだ。
このクソカプセルのしまい場所は、てめェの胃袋ん中しかねえんだよ」
女は瞳孔の開いた目でレヴィを見ていたが、ようやく震える指でカプセルを受け取った。
ごくりと一回喉を上下させ、そしてカプセルを口の中に入れる。
指で奥まで突っこんで、上を向いて喉にカプセルを通す──、
かと思った瞬間、女はうぐっと声をもらし、カプセルを吐き出して咳きこんだ。
洗面台のボウルに向かって、うぇっ、と苦しそうにえづいた女の唇から唾液が糸を引いた。
「なにやってんだ。喉の広げかたが足りねェんだよ。ぐずぐずしてっとケツの穴からねじこむぞ」
レヴィが言うと、女は垂れ下がった髪の隙間から睨み返してきた。
「簡単に言わないで。やったこともないくせに」
「ああ、ないね。一袋でも腹ん中で破裂したら完全にお陀仏だからな。あたしはそこまで馬鹿じゃねェ」
レヴィは洗面台に転がったカプセルを取り上げて女に手渡した。
「しっかりしろ、ディープスロートならお得意だろ?
こんなもん、男の股間にぶらさがってるモノに比べりゃ、ジェリーベリーみてェなもんじゃねえか」
女は髪の毛をべったり張りつかせた頬でわずかに笑った。
「……そうね、違いないわ」
やっとのことでカプセルをおさめ直したあと、レヴィはふらつく女と一緒に化粧室を出た。
一緒に出るところを誰かに見られたらめんどうだが、もし外に並ばれていたら時間差で出ていっても同じことだ。
どうにでもなれとドアをすり抜けると、運良く外にはまだ誰もいなかった。
レヴィは囚人を引ったてる看守のような心持ちで座席に戻り、
女を先に通して自分もロックをまたぎ越し、どさりと腰を下ろした。
「どうしたんだ、レヴィ。なにかあったのか」
ロックが耳元で小さく尋ねてきたが、レヴィは黙って首を横に振った。
「問題ねェ。が、事情が変わった。あんたももう起きてなくていいぞ」
頭をヘッドレストに預けて目をつぶると、しばらくして耳元にあったロックの気配が遠のいていった。
レヴィは目を閉じたままため息をついた。
見たところ、女に差し向けられた追っ手はいない。
だが、危険物の引率をしているという意味では同じことだ。
下手すれば自分まで合衆国に拘束されることになる。
厄介さは増したといってもいい。
──冗談じゃねェぞ。
もう一度息をついたところで、ねえ、と隣から女の小さな声がした。
「なんだ」
「……起きてる?」
「寝てたら返事はしねェよ」
レヴィが目をつぶったまま返すと、女は一瞬言い淀んでからしおらしげな声で言った。
「……悪かったわ、──言わないで」
「言わないで、ね。そいつは騙してたっていうんだぜ」
「だから、悪かったって言ってるでしょ。……どうしてもニューヨークに行きたかったのよ」
「腹ん中にあんなもん仕込んでか」
「貯めたお金は全部あんたたちに払っちゃったもの。無一文じゃ向こうで暮らせないわ」
「そうまでして行きてェのか」
「そうよ、行きたいわ」
レヴィの問いに、女はきっぱりと答えた。
レヴィは閉じていた目を開けた。
「なんでニューヨークなんだ」
開いた目に、前の座席の背が映る。
レヴィの隣で女は答えた。
「ニューヨークには未来があるわ」
未来。その言葉にレヴィは短く笑った。
「……ハッ、ニューヨークになに夢見てんだ。ニューヨークは夢の国なんかじゃねえ。……どこも同じだ」
「でも、あの街──ロアナプラはどんづまりよ。
死と背中合わせのところで毎日男の下で腰振って、絞り取られるだけ絞り取られたら、あとは路地裏に転がるだけ。
……あたしはタイ北部の生まれでね、親に売られたの」
「ふん、お涙頂戴か」
下らねェ、とレヴィが鼻で笑うと、女は苦笑しながら首を横に振った。
「いやね、あんたの涙なんか期待してないわ。
……そうじゃなくて、あたしの生まれたところはニューヨークよりも確実にひどい、って話よ。
ロアナプラを出たって、帰るとこなんかどこにもない。──あんたはニューヨークを知ってるの?」
「……まあな」
「──そう。あたしは一度も行ったことがないから詳しいことはなにもわからないけど、
でも、生まれた村に帰るよりかは百倍もマシよ。それだけは断言できるわ。
ニューヨークには、少なくとも可能性があるもの」
「……可能性、ね」
──そいつを信じられるだけ、おめでてェな。
レヴィは胸の中でつぶやいた。
女はそれきり黙った。
航空機はそれから何時間も飛行を続け、J.F.ケネディ空港に着陸した。
若干の緊張を強いられた税関も無事に通過し、レヴィたち一行は拍子抜けするほどあっさりと空港ロビーをあとにしていた。
夜のニューヨークは雪だった。
空港のエントランスを抜けると、真っ暗な空から白い雪が次から次へと舞い落ちてきていた。
「行き先は?」
「マンハッタンよ」
ロータリーで客待ちをしているイエローキャブに乗りこみ、運転手に行き先を告げる。
窓の外の雪は次第に強くなり、マンハッタンのビル影が大きくなる頃には横殴りに吹きつけてきていた。
エンパイアステートビルにツインタワー、マンハッタンの高層ビル群はレヴィの記憶と変わらない姿でそこにあった。
レヴィは視線をビル群から引き剥がした。
またこの街に戻ってくるなんて。
レヴィは小さくため息をついて目を閉じた。
「じゃあね、レヴィ。それから、そっちのお兄さんも。……ありがとう」
イエローキャブを降りると女は残りの金を支払い、短い挨拶を残して去っていった。
白くけぶる街並みの向こうに、女の背中が小さくなる。
雪の勢いは強い。
レヴィは羽織ったショートコートの前をかき合わせた。
「俺たちも行こう。ホテルを探さないと」
「ああ」
女を送り届けたらニューヨークに一泊し、次の日の便で引き返す予定だった。
レヴィはロックとともに二ブロックほど雪の中を歩き、目にとまった中級のさびれたホテルにチェックインした。
疲労は全身に広がっていた。
レヴィはシャワーを浴びると、ふたつ並んだシングルベッドの一方へ倒れこんだ。
「レヴィ」
ベッドカバーもとらないまま、タンクトップ一枚でベッドにつっぷして眠ってしまっていたのだと気づいたのは、
レヴィのあとにシャワールームを使ったロックに声をかけられた時だった。
「大丈夫か。寝るんならちゃんとベッドの中に入らないと」
「……ああ」
重たい身体を起こして、レヴィはベッドの中にもぐりこんだ。
頭を枕に落ち着けると、隣のベッドにロックが腰かけた。
「なぁ、レヴィ」
「あ?」
「機内ではいったいなにがあったんだ」
「ああ……」
機内では人の耳があってまともに説明できなかった。
ことの詳細を、レヴィはかいつまんで話した。
「じゃあ、彼女は麻薬入りのカプセルを飲みこんで、今頃それを引き渡してるってことか」
「そんなとこだろうが、全部ひり出すのもペッツの口からキャンディーを取り出すようにはいかねえ。
数日間は拘束されるだろうな。
しかも、うまく出せりゃまだいいが、どうしても出ねえってことになりゃ
腹をかっさばくぐらいのこと、あの手の連中は顔色ひとつ変えずにやるだろうよ」
「そこまでして……」
「まったく、いくら貰えんのかは知らねェが、割に合ってるとは到底思えねえな」
「ああ、そうだな……。無事だといいけど……」
表情を沈ませるロックを横目に、レヴィは枕元のスタンドに手を伸ばした。
「考えるだけ無駄だぜ、ロック。早いとこ寝ろ」
ぱちんとスタンドの紐を引くと、明かりが落ちる。
窓の外はさらに強くふぶき、薄いガラスを通して風の音が響いてきた。
しんしんと冷気が室内にまでしのび寄る。
けれど明日になれば、このクソ寒いニューヨークともおさらばだ。
レヴィは深く毛布にくるまって目を閉じた。
大雪によりJ.F.ケネディ空港から出発するすべての便が欠航になるのを知るのは、次の日の朝のこととなる。
続
キターー!
うを、高まる期待
これは期待
ぽんと『ジェリーベリー』が出てくるのいいね
ジェリーベリーのチーズケーキ味食べたい
続き待ちながら偽札編読んでた
原作偽札編のニヤニヤ感は異常
珍しくロックからの矢印出てるのがまたいい
「レヴィも早く!」エダ放置
「…!レヴィ、その怪我は?」エダ放置
ロックももっとはっきり言っちゃえばいいのにな
「愛してる!」って言ったらレヴィはなんて反応するんだろ
ロック「レヴィ、愛してる!」
レヴィ「くぁwせdrftgyふじこlp」
* * *
前の晩からの雪は朝になってもやまず、さらに強くなってマンハッタンを白く塗りこめていた。
テレビ局はどこも大雪の報を伝え、この雪は明日になっても降り続くでしょうと気象予報士が深刻そうな表情で語っていた。
ロックは慌てて空港に問い合わせたが、
本日J.F.ケネディ空港を出発する便はすべて欠航が決まっているとの返答が得られただけだった。
まだベッドの中にいたレヴィに状況を説明すると、眉をしかめてぶつくさ言っていたが、
いくら文句を言ってもそれで飛行機が飛ぶわけではない。
レヴィはまた寒そうにベッドの中にもぐりこんで眠ってしまった。
ロックはいつまでもベッドから出てこないレヴィを置いて部屋を出た。
ずっと部屋にこもっているのも手持ち無沙汰だが、
ニューヨーク行きが決まってからずっと機嫌の悪いレヴィを誘っても、きっと一緒には来ないだろう。
降り続く雪には困ったものだが、初めて訪れたニューヨークを散策してみるのも悪くない。
ロックは寒さに首をすくめつつ、表の通りへ出た。
興味本位で外に出てみたはいいものの、さてどこへ行こうと考えると足どりは鈍った。
一人で観光という気分ではないし、格別行きたい場所があるわけでもない。
ロックは、とりあえず目についた書店で市内の地図を買った。
片手に傘を持ち、もう一方の手に持った地図にちらちらと目をやりながら通りを歩く。
そうやって足の向くまま歩いているうちに、ふと、あることに気づいた。
──チャイナタウンの近くだ。
レヴィが生まれ育ったというチャイナタウン。
それが、すぐそこにある。
ロックは思わず足を止めた。
レヴィが二度と見たくもないだろうエリアだということはわかっていた。
ニューヨークに行きたくないとあれだけ渋ったのも、すべてはそこにつまった過去のせいだとも。
けれど、見たい。
レヴィの生まれた街。
今はもうその頃のままではなかったとしても、でも見たい。
なにもレヴィを無理矢理引き連れて行こうというのではない。
ロック一人で見て帰ってくるぐらいなら構わないのではないか。
好奇心は抑えられなかった。
ロックは意を決して、チャイナタウンへと歩を進めた。
チャイナタウンへ足を踏み入れると、それまでの街並みががらりと顔を変えた。
巨大なドンブリを模したネオンに、漢方薬局の黄色い看板、赤いわら紙の提灯、大きな真鍮の銅鑼、
けばけばしい色の洪水がどっと押し寄せてきた。
ここにたどりつくまでの街並みも、クリスマスを控えてずいぶんと華やかに彩られていると思ったが、
チャイナタウンの色彩はクリスマスなど寄せつけない雑多な活力にあふれていた。
肉屋の店先には豚の丸焼きが吊り下げられ、魚屋には雪に吹きつけられて半分凍った生魚が並び、
青果屋や乾物屋の軒先には、歩道にあふれ出さんばかりに商品がぎっしりと並べられていた。
上に目をやると、店の二階から上はすべて集合住宅になっているようだった。
同じ形をした窓がいくつも並び、鉄の階段がつづら折りになって煉瓦の壁面にへばりついている。
その鉄の階段にも雪がつもり、うっすらと白い縁どりを作っていた。
ロックはなんとはなしに、ずらりと並ぶ窓のひとつひとつを目で追った。
隣との間隔は狭く、内側の部屋はたいして広くもないのだろう。
あのうちのどれかひとつに幼いレヴィが暮らしていたのだろうか。
おそらく今はいないであろう彼女の親と一緒に。
ぼんやり見上げていると、中華饅頭を売る店先に群がる子供たちの歓声が聞こえた。
この寒さの中でも、子供は元気だ。
子供たちは中華饅頭を受け取ると、風のように走り去っていった。
ロックは大通りから細い小道へと角を折れた。
急に狭くなったその道の両側にも、集合住宅がびっしりと立ち並んでいた。
薄暗い路地の両脇から、のしかかるように迫ってくる。
壁に埋めつくされたその上に、白い雪を落としている鈍色の空が細く見えた。
ロックはあてもなく路地をさまよい歩いた。
中華料理屋の脂やスパイスのにおいに混じって、
長い時間をかけてコンクリートや煉瓦に染みついたらしい下水のにおいがした。
人の足に踏み荒らされて溶けかけた雪は黒く濁り、ごみごみした通りをさらに歩きにくくしていた。
溶けた雪が革靴の隙間から染みこんできて足を冷やし、スラックスの裾を重たく濡らす。
すでに地図を見ることは放棄して、コートのポケットの中にねじこんでいた。
でたらめに路地を折れて、時折すれ違う人の顔を盗み見る。
その人々の顔に、無意識のうちにレヴィの面影を探していたことに気づき、ロックはため息をついた。
──なにやってんだ、俺は……。
まるでレヴィに隠れてこそこそと過去を掘り起こそうとしているような気分になり、
小さな罪悪感がロックの胸を引っかいた。
どの角を曲がってもチャイナタウンは迷路のように続いており、このまま永遠に抜け出せないかのように思ったが、
いつの間にか別のエリアに入りこんでいたようだった。
狭い路地を抜けて比較的広い通りへ出たところであたりを見まわしてみると、
薄汚れたホテルや安っぽいネオンを備えたバー、くたびれたカフェに混じって、間口の狭い店がごちゃごちゃと立ち並んでいた。
シャッターの降りた店も多いが、裸に近い女のポスターが壁の隙間を埋めるように張られ、
ショーウィンドウにはいかがわしい器具や扇情的なポーズをとったマネキンが並んでいる。
看板を光らせたビデオショップのガラス戸の向こうに見えるのは、ポルノビデオだ。
どの街にもこの手の通りはある。
男たちの欲望を一手に引き受けるこの通りは、きっと夜になればもっと活気を増し、
薄い服を着た上にコートを羽織っただけの女たちが闊歩するところとなるのだろう。
──帰ろう。
ロックは手近な店の軒先を借りて傘をたたみ、コートのポケットから地図を引っぱり出した。
ページをめくり、いったいここはどこだろうと標識を求めて建物の壁を見渡す。
その時だった。
──あれ。
一瞬、視界のはしにどこか見覚えのある顔が引っかかったような気がした。
なんだったのだろうともう一度見渡すが、
目の前のビデオショップの店内に店番らしき人影が見えるだけで、通りにはほとんど人がいない。
そもそもニューヨークに知り合いはいないはずだ。
たぶん気のせいだろう。
地図に目を戻そうとした時、今度ははっきりと目がそれをとらえた。
──あれは……!
目にとまったのは、ビデオショップの棚に並ぶ一本のビデオテープだった。
表を向けて立てかけてある、そのパッケージの少女に、ロックの目は釘づけになった。
──レヴィ……!
ガラス越しで細かいところまではよく見えないが、
上目づかいで睨み上げているらしい少女の目つきは、レヴィのそれと酷似していた。
まさかそんな、他人の空似だろうと気を落ちつけようとしたが、
心のざわめきはおさまるどころか、さらに高まるばかりだった。
ロックはひとつ深呼吸をして店のガラス戸を押し開けた。
中に入ると、カウンターの向こうで店番をしていた若い男がちらりと目を上げたが、
すぐに手元の雑誌に目を戻した。
ロックは視界のはしにあのビデオテープをとらえながら、気ままに棚を物色するふうを装ってゆっくりと近づいていった。
距離が縮まるごとに心臓の動悸が激しくなる。
ようやくこちらを向いているビデオテープの前にたどりついた時には、心臓が喉元までせり上がってきていた。
──レヴィ。
伸ばした手が震える。
少々画質が荒いが、後ろから二人の男の手に肩と腕をとらえられて正面を睨み上げる少女の顔は、
レヴィにしか見えなかった。
今は背中の中ほどまである長い髪は肩の上で荒く切り揃えられ、耳にはいくつかのピアスが光っている。
なにも着ていない身体に、まだトライバル模様の刺青はない。
男たちに掴まれた剥き出しの肩と腕は細く、頬のあたりには幼さが残っている。
しかし、こちらを睨む大きな目は間違いなくレヴィのものだった。
──レヴィ。
題名から、そのビデオテープの内容は警官による少女のレイプものだということがわかった。
少女の顔つきからすると十代の半ば頃、
もし本当にこれがレヴィだとするとかなり昔のものだということになるが、ビデオにはいい値段がついている。
ロックが立ちすくんでいると、突然、店の奥から声がした。
「おい」
自分に声をかけられているとは思わずに聞き流していると、もう一度声が届いた。
「おい、そこの兄ちゃん」
「──はっ?」
ロックが慌てて振り向くと、カウンターの奥で雑誌を読んでいたはずの男がこちらを見ていた。
「それ、買ってくれんだったらあっちで観ていいぞ」
男はロックの持っているビデオを指さしてから、親指を立てて店の奥に向けた。
外では雪が降っているというのに、男は半袖を着ている。
その剥き出しの腕に、筋肉がぐいと盛り上がった。
「家じゃ観られねぇってお客さんも多いからな」
どうやら店の奥には視聴室があるらしい。
今ならちょうど空いてるぜ、と男は気さくに請け合う。
ロックが曖昧に笑うと、男はその笑いを遠慮と勘違いしたのか、カウンターを出て近寄ってきた。
そばに来るなり、男はロックの肩に太い腕をまわした。
ロックをがっちりと拘束したその腕には、刺青がいっぱいに彫り込まれていた。
「お、そいつに目ぇつけるたあ、兄さんお目が高いぜ」
そいつは掘り出しもんだぜ、と男は肩を組んだままカウンターへと導く。
ロックはそれに引きずられてふらふらと店の奥に向かって足を進めていた。
あれよあれよという間に刺青の男は太い指でレジを打ち、金額を告げた。
それに流されるように財布から金を引っぱり出してカウンターの上に置いた時、
自分はとんでもないことをしようとしているのではないかと我に返ったが、
ビデオテープの中身を確認しないままここに置いて帰るなどということはできそうもなかった。
ロックは腹を決めて店の奥にある個室に入った。
ビデオテープのパッケージの少女は、憎しみの凝った目でこちらを睨み上げていた。
レヴィには散々地獄の底のような目で睨まれてきたが、それでも未だかつてこんな目で見られたことはなかった。
パッケージの少女の目は、今のレヴィのものよりもっと荒み、もっと昏い。
この少女の身体の中いっぱいに真っ黒なタールがつまっていて、それが目からあふれ出してきているようだった。
引き返すなら今だ。
頭の片隅で小さく警告の音が響いたが、
ロックはそれを振り切って震える手でビデオテープを取り出し、ビデオデッキにセットした。
ヘッドホンをつけて再生ボタンを押すと、画面に一瞬ざらざらと砂が混じり、そのあとすぐに映像が流れ出した。
画面は薄暗い。
ハンディカメラで撮っているらしく、若干映像がぶれる。
だが、その画面に映るのが床から天井まである鉄格子と、
その鉄格子の奥にある打ちっ放しのコンクリートの部屋であることははっきりとわかった。
──留置所、か。
鉄格子の中には人影がひとつある。
コンクリート剥き出しの床にぽつんと座り、頭を落としている。
肩につくかつかないかという長さの髪が垂れ下がっているため、顔は見えない。
カメラがゆっくりと鉄格子に近づくと、その人影が頭を上げた。
──レヴィ。
人違いであってくれたなら。
藁にもすがる最後の願望は、はかなく砕け散った。
パッケージの画像よりも映像の方が鮮明だった。
髪は短く、顔にかなりの幼さを残していようとも、カメラを見上げた少女はレヴィそのものだった。
『……なに撮ってやがんだ、テメェ』
画面の中のレヴィが顔をゆがめてカメラを睨んだ。
ヘッドホンを通して聞こえるその声は、相手を威嚇することに慣れきったものドスのきいたものだったが、
耳に馴染んだ今の声よりもずっと高く、幼かった。
カメラがわずかにぶれて、撮っている人間が笑ったのだとわかる。
画面には警官の制服を着た男が写りこんだ。
人相まではわからないが、腹が丸く出てきた体型は中年のものだ。
鍵を手にしたその男は鉄格子の前で立ち止まった。
カチャカチャと金属の触れ合う音がしたあと、鉄格子の錠がはずれる。
キイ、と耳障りな音とともに鉄格子の扉が開き、制服の男が中に入っていく。
一人、そのあとにもう一人、同じ制服を着た男が続く。
そして最後に、カメラも中へ入った。
三人の人間に見下ろされたレヴィは、敵意を剥き出しにして睨み上げた。
大きな目を尖らせて、触ったら噛みついてやるとばかりに威嚇する。
その様は猛獣の仔さながらだったが、大人の男に囲まれてしまうとレヴィの身体はびっくりするほど小さく見えた。
awawawa
レヴィは警戒した様子で地べたに尻をついたまま後じさった。
じりじりと、自分を取り囲む男たちから距離を取ろうと後退する。
そんなレヴィを追いかけるように一人の男が歩み寄ったかと思うと、
ぶかぶかのカットソーに包まれたレヴィの腕を取り、乱暴にねじり上げた。
『──って! なにしやがんだ!』
離せ、とレヴィは吠えたが、体格がまるで違う。
暴れる子猫の首筋をひょいと片手でつまみ上げるかのように、
男はいともたやすくレヴィの動きを封じて両手を背中にまわし、取り出した手錠で後ろ手にガチャリと固定した。
『ふざけんじゃねェぞ!』
レヴィは噛みつかんばかりの勢いで男を睨んだが、男は暗がりの中で薄く笑うだけだった。
『離せ!』
腕を掴む男の手から逃れようとレヴィがもがいていると、もう一人の男がレヴィの正面に立ちはだかった。
見上げる暇もなく、振りかざされた男の手がレヴィの顔に打ち下ろされる。
パァンッ、と音がはじけた。
音はコンクリートの壁に大きく反響し、レヴィがどさりと床に倒れ伏した。
レヴィの頬を張り飛ばした男は床に倒れこんでいるレヴィの髪の毛をむんずと掴むと、乱暴に引き上げた。
『ギャアギャアうるせェんだよ、このメス犬が』
男はレヴィの正面にしゃがみこみ、顔を近づける。
『俺たちを楽しませてくれたら、こっから出してやってもいいんだぜ』
粘った声が房に響く。
『誰、が……』
レヴィは髪を掴み上げられて顎を反らせながらも、苦しげに声を絞り出した。
晒された喉が、ひくりと震える。
男は目を細めてそんなレヴィの様子を眺めていたが、突然髪から手を離したかと思うと、
レヴィのカットソーを下からがばりとめくり上げた。
『──なッ!』
胸元まで剥かれたレヴィは慌てて身をよじって逃げようとしたが、
手錠で後ろ手に固定された上に、背後からもう一人の男に両肩を掴まれていたため、それは無駄な抵抗に終わった。
薄い身体と、そしてまだ熟していない青林檎を思わせるふたつの乳房がカメラの前に晒された。
『──や、』
カットソーをさらに大きくめくり上げられてレヴィは引き攣れた声をもらしたが、
後ろから大きな手に口をふさがれ、あとは言葉にならなかった。
レヴィの正面に腰を据えた男は、剥き出しになった乳房に手を伸ばした。
まだ成長しきってない乳房は、今ロックが知るものよりも小さく、硬く張っている。
男はその乳房を、片手で握りつぶすかのように掴み上げた。
『んん!』
後ろから口をふさがれたレヴィが、くぐもった悲鳴を上げた。
男は乳房を掴む手にさらに力をこめる。
『──ん!』
レヴィの身体が後ろに逃げる。
しかし、男の太い指は容赦なくレヴィの乳房に食いこんだ。
そこで画面がぐっと寄った。
ズームアップされた画面の中に、やわらかい肌が芋虫のような男の手になぶられる様が大きく映し出された。
太い指の間で薄い肌がねじれ、肉がつぶれる。
痕がつくほど強く、男はレヴィの乳房をこねまわした。
乳房の感触を楽しむというより、レヴィに苦痛を与えることを楽しんでいるようだった。
男は赤く腫れた乳房から手を離すと、今度は逆の乳房の先端をつまみ上げた。
『ん−!』
まだ小さくやわらかな乳首を、つまんだ爪が白くなるほどの強さで挟みつけられ、レヴィの身体がよじれた。
薄い身体に肋骨が浮く。
男はほの赤く色づいたレヴィの乳首をねじり、乱暴に左右へ引っぱった。
青白い皮膚がぴんと張りつめ、後ろから羽交い締めにされた身体は苦しげにもがく。
カメラがまた全身を写すと、男はレヴィのはいているジーンズのボタンに手を伸ばしているところだった。
背後から拘束されていた上半身は仰向けに倒され、その肩をもう一人の男が上から体重をかけて押さえつけている。
ピン、と金属のボタンがはずされてジッパーが下ろされると、ジーンズを脱がせまいとレヴィが脚をばたつかせて暴れたが、
ジーンズに手をかけていた男はその脚をうるさそうに受けとめ、そして拳を振り上げた。
一瞬空に停止した拳は、次の瞬間には勢いよく振り下ろされ、無防備に晒されていたレヴィの腹にめりこんだ。
『──ぐぅっ』
くぐもった低いうめき声が響き、レヴィの頭が床から浮く。
くの字に折り曲げたかったであろう身体は、押さえつけられた肩のせいで奇妙な形にねじれた。
呼吸のできなくなった口から、ひゅうっ、と不穏な音がもれる。
腹を殴りつけた男は、身体をひくつかせて小さく丸まろうとするレヴィの脚を取り、無理矢理引き伸ばした。
肩を押さえつけられたレヴィの身体が仰向けに開いて、膝がまっすぐに伸びる。
それでもなお縮こまろうとするレヴィの脚の上に、男は両膝で乗った。
ゆうにレヴィの倍以上の体重があるだろう男の重みがすべて細い脚にかかり、レヴィは顔をゆがめた。
肩と脚を押さえつけられ、レヴィの身体の自由は完全に奪われた。
そこにもう一度、男の拳が振り上げられる。
レヴィの目は、その拳に吸い寄せられた。
瞳孔の開いた目で拳を凝視しながら、レヴィは喉が裂けるような悲鳴を上げた。
ヘッドホンから流れこんできたレヴィの声が、ロックの頭の中でわんわんと反響した。
──これは……。
ロックは停止ボタンを押すことすらできずに、画面の前で凍りついていた。
──これは、“本物”だ。
ロックは今になってこのビデオにつけられた値段の意味を理解した。
これはポルノビデオのために作られた、やらせの映像ではない。
本物のレイプ映像だ。
ポルノビデオの中で行われているのが本当にレイプだったならそれはもちろん違法だが、
だからこそ、高い金を払ってでもその“本物”を観たいと切望する者はいる。
最近はずいぶん取り締まりが厳しくなったと耳にしていたが、
それだけに数少ない映像に高値がつき、過去の古い映像がこうして今も出まわっているのだろう。
画面の中では、二人の男が目配せをし合ってレヴィを裏返そうとしていた。
仰向けにされた状態でさらに数発殴られたレヴィは、ぐったりと力を失っていた。
まだほとんど筋肉のついていない薄い腹は、早くも鬱血の色を見せていた。
あと数時間もすれば、確実にどす黒い痣となるだろう。
男たちは後ろ手に手錠をかけられたレヴィをうつぶせにし、一人は肩を両手で押さえつけ、もう一人は脚の方で膝立ちになった。
膝立ちになった男の手はレヴィのジーンズの腰にかかり、
ところどころ破れてほつれかけたジーンズが乱暴に引きずり下ろされた。
簡素な白い下着と、ほとんど肉のついていない太ももが剥き出しになる。
男は薄い下着も荒っぽく剥ぎ取った。
丸みをおびた尻の白さが、薄暗い房の中に浮かび上がる。
床の上に押さえつけられたレヴィに、抵抗する力は残っていないようだった。
未だおさまっていないらしい腹の痛みに顔をゆがめながら、これから起こることを覚悟するかのように、
レヴィは目をぎゅっと強くつぶった。
レヴィのジーンズと下着を下ろした男は自分のベルトをはずし、膨張して反り返った陰茎を取り出した。
レヴィの腰を引き上げて尻を高く突き出させ、掌に吐き出した唾を自分の陰茎になすりつける。
そして先端をレヴィの尻の割れ目にあてがったかと思うと、そのままなんの予告もなしに突きたてた。
『──う』
男の太い陰茎が埋めこまれた瞬間、床に顔をこすりつけたレヴィが短くうめいた。
眉がゆがみ、身体が硬直する。
痛みと屈辱に耐えようとするかのように、目がさらにきつく閉じられる。
男はレヴィの薄い腰を両手でがっしり固定すると、半分ほど挿し入れた陰茎を勢いよく根本まで押しこんだ。
『……ぐ』
レヴィの背中が丸まって、顔がさらにゆがむ。
もう一人の男がグローブのような掌で頭を床に押さえつけているため、レヴィの身体はまったく自由にならない。
手錠で後ろにまとめられた手が、ぎゅっと握りしめられた。
男は背中を震わせるレヴィにはお構いなく、腰を振りはじめた。
太い陰茎がわずかに抜かれ、そしてまた肉を割って埋めこまれる。
未熟な尻の間に、膨張した陰茎が何度も突きたてられる。
ずっしりと重たそうな腹を突き出させた男に対して、レヴィの身体はいかにも小さかった。
床に膝をついた脚は棒きれのようで、腰はずり下がったズボンから覗く男の太ももと同じくらいの太さしかなかった。
少し離れた位置から三人を写していたカメラは、そこで移動をはじめた。
床に押さえつけられるレヴィと、そのレヴィを後ろから突く男にじりじりと寄っていく。
尻を高く上げさせられたレヴィの姿が大きくなり、尻の間にずぶずぶと埋まっては抜き出される陰茎の動きがはっきりと映し出される。
カメラはさらに寄り、レヴィの尻を大きく写した。
すぼまった肛門と、その下で太い陰茎に押し広げられる幼い性器の様子が画面いっぱいに広がった。
男はレヴィの薄い腰をとらえて激しく突いた。
勢いが増すと、肉を打つ乾いた音がコンクリートの壁に響く。
興奮した男の荒い息が混ざる。
突かれるたびにレヴィの顔は硬い床にこすりつけられた。
大写しにされた尻の向こうで、レヴィが苦悶の表情を浮かべるのがぼんやりと見えた。
まだ成長しきっていない少女の身体に、使いこんだ中年男の陰茎が突きたてられる様は、なにか悪い冗談のようだった。
『……濡れねェな』
腰を振っていた男がぼそりとつぶやいたかと思うと、ペッとレヴィの尻に向かって唾を吐いた。
『おら、もっといい声で鳴けよ』
男は腰を大きく使って激しくレヴィをゆさぶった。
ずん、と奥まで突かれるごとに、レヴィは額をコンクリートにこすりつけて歯を食いしばった。
意地でも声など出すものか、そんな様子でぎゅっと固く目をつぶる。
男はしばらくレヴィの反応を窺っていたが、依然として声を上げないとわかるや、
腰を掴んでいた手を片方だけ離し、振り上げた手でレヴィの尻を打ち払った。
パンッ、と高い音が破裂する。
『──あ!』
背後の様子がわからずに不意をうたれたレヴィの口から、ついに悲鳴がもれた。
男は満足げに唇を吊り上げると、二度、三度と尻を打った。
厚い掌に叩かれて、レヴィの尻はあっという間に赤く腫れ上がった。
皮膚の薄そうな尻には掌の跡が何重にもつき、指の形までもがくっきりと浮かび上がっていた。
肌が真っ赤になっても、男は振り下ろす手を止めない。
レヴィはコンクリートの床の上で、切れてしまいそうなほど強く唇を噛みしめていた。
もうやめてくれ、ロックのすがりつくような願いもむなしく、レヴィの肩を押さえつけていた男もベルトをはずしはじめた。
カメラはぐるりとレヴィの頭の方へ移動する。
男はジッパーを下ろし、張りつめた股間を剥き出しにした。
そしてレヴィの髪の毛を掴んで頭を引き上げると、反り返った陰茎を顔の前に突き出した。
『しゃぶれ』
レヴィの両手は背中で拘束されており、床についているのは膝から下だけだ。
髪を引き上げられたレヴィは、自分の体重が髪にかかる痛みに顔をゆがめた。
『しゃぶれよ、アバズレ』
男の指の隙間からこぼれ落ちた髪をこめかみに張りつかせて荒い呼吸をくり返すレヴィの口元に、男は陰茎を突きつけた。
『ちゃんとおしゃぶりできたら、こっから出してやるぜ』
『……ファック』
かすれた声で、レヴィは吐き捨てた。
乱れた髪の間から、濁った目で男を見上げる。
見上げられた男は唇のはしを吊り上げて笑うと、レヴィの鼻をぎゅっとつまんだ。
『──ん』
鼻で呼吸ができなくなり、レヴィの口が空気を求めて苦しげに開く。
その口に、男は陰茎をねじこんだ。
『ぅ、ぐっ』
口いっぱいに陰茎を押しこまれたレヴィの喉が、低く鳴った。
『歯ァ立てたらこいつでおしおきだぞ』
男は腰から警棒を引き抜いた。
黒く無骨な警棒をレヴィの目の前でちらつかせ、先端でコツコツと頭を叩く。
『おら、もっとちゃんとしゃぶれ』
膝だけで自分の体重を支えなければいけない無理な姿勢に、レヴィの身体は崩れ落ちそうになった。
だが、男はそんなレヴィの頭をがっしりと掴み、腰を前後に動かした。
『──う』
小さな口に、陰茎が出入りする。
口の中をかき混ぜられる音に、うまく呼吸できない荒い息、時折もれるうめき声が混ざる。
後ろからはもう一人の男が相変わらず乱暴に突いている。
前後から腹の突き出た男にゆさぶられ、骨の目立つレヴィの身体はばらばらに砕けてしまいそうだった。
カメラは、口に突っこんでいる男の背後からレヴィを見下ろす位置に移動した。
レヴィの頭をとらえて腰を振っている男の視界と、ちょうど同じアングルに変わる。
陰茎を前後させる男は両手でレヴィの頭を引き寄せ、喉の奥深くに腰を進めた。
『──う、……っ』
レヴィは身体を波うたせてえづいた。
胸がひくりと震え、首の後ろがこわばる。
眉間には深く皺が寄り、顔は苦しげにゆがんだ。
それでも男は根本まで飲みこませようと、無理矢理陰茎を押しこんだ。
『うぅ……!』
レヴィの唇のはしから唾液が垂れ、頭が左右に振れた。
男は、どうにかして逃れようとするレヴィを力づくで拘束してたっぷりと喉をふさいだあと、
ようやく喉の奥から陰茎を引き抜いた。
『──ぇ、っ』
今にも窒息しそうになっていたレヴィが激しくえづき、そして咳きこんだ。
あふれ出た唾液が糸を引いてコンクリートの床の上に垂れる。
男はそんなレヴィに休みを与えようとはせず、再度、唾液で濡れた陰茎を口に突っこんだ。
『う……』
うめくレヴィの喉の奥を、男は何度も突いた。
飲みこみきれない唾液が粘ついた音をたてる。
レヴィの声が胸の方まで押し戻される。
腰の動きが速くなる。
男はレヴィの口に、陰茎を一心不乱に突きたてた。
壊れたかのように腰を振りたてたあと、男は突然動きを止め、そして、ぶるりと身体を震わせた。
低いうなり声と、獣じみた吐息。
しばらくして、ずるりとレヴィの口から陰茎が引き抜かれた。
ぬらぬらと濡れた陰茎が抜き出されたレヴィの唇からは、白く濁った液体がこぼれ落ちた。
レヴィは手を後ろにまとめられて膝をついたまま、なんとか腹筋だけで上半身を支え、荒い息をついていた。
はぁはぁと息を吐くその唇から透明な唾液混じりの白い液体がたらたらと垂れ、コンクリートの上に液だまりを作った。
『垂らしてんじゃねェ!』
突然、陰茎を引き抜いたばかりの男がレヴィの頭を張った。
力を失っていたレヴィの頭が激しく横に振れる。
『舐めろ』
乱れた前髪の間から見上げるレヴィに、男は床の液だまりを指して命じた。
『舐めろよ、メス犬』
レヴィは後ろから突かれて頭をゆらしながら、のろのろと視線を下げた。
コンクリートの床の上には、泡立った白い液体がどろりとたまっている。
その液体に目をやって、なにを言われたのか理解したらしいレヴィが、ぐいと頭を上げた。
その目は命令した男ではなく、まっすぐカメラを見ていた。
向けられたのは、泥水のような目だった。
憎悪とも軽蔑ともつかない、この世のすべてを呪いつくすような目で、レヴィはこちらを見上げていた。
今にもその昏い目玉の色が溶けて、どろりと黒くこぼれ落ちてきそうだった。
男はカメラを見上げるレヴィの頭を掴むと、力ずくで押し下げた。
『ほら、舌出せよ』
薄く笑いながら、男は上からぐいぐいとレヴィの頭を押しつける。
レヴィはなんとか首を上げようと試みていたが、力では到底かなわない。
小さな頭はすぐに床すれすれにまで押し下げられた。
カメラは舐めるように下へと移動し、ぎゅっと屈辱に耐えるように眉を寄せるレヴィの表情をとらえた。
レヴィは肩で息をしながらまばたきをくり返していたが、やがて、そろそろと舌を出した。
赤い舌がちろりと突き出され、ゆっくりとコンクリートの上にたまった液体に近づく。
かすかに震える舌が、液体の表面に伸ばされる。
そして、舌先がぴちゃりとひたされた。
レヴィは舌を出して、こぼれた液体を舐め取った。
カメラはレヴィの顔にぐいと寄って、横からその様子を克明に写した。
『そうだ、うまいじゃねェか』
画面にはまたレヴィの全身が映し出された。
レヴィは尻を上げて男に突かれながら、コンクリートの床を舐めていた。
両手は背中でまとめられているため、レヴィは手で身体を支えることすらできない。
『ちゃんと全部舐めろよ』
男たちの間に低い笑いが広がる。
画面が小さくぶれたことで、カメラを持つ男も笑ったのだとわかった。
ロックは停止ボタンを押した。
コンクリートに這いつくばっていたレヴィの姿がかき消え、画面が黒くなる。
これ以上は見ていられない。
ロックはヘッドホンをはずして深くため息をつき、頭を左右に振った。
ひどく胸がむかついていた。
何度か大きく息を吸って吐いても、胸のむかつきは少しもおさまらない。
腐ったヘドロ混じりの汚泥を食道いっぱいに流しこまれたような気分だった。
沈没した潜水艦の中で、レヴィは警官に半殺しにされたことがあると話した。
これがその時なのか、それとも別の時のことなのか、それはわからないが、制服の男たちが本物の警官であり、
このビデオテープが本当にレイプの現場をおさめたものであることは間違いないように思えた。
ロックはビデオテープのパッケージをひっくり返してみた。
制作会社の名前を探すが、見当たらない。
このビデオテープは業者が制作したものではないのだろうか。
ということは、この映像を撮影した人間は業者に持ちこんだのではなく、
個人でこのビデオテープを制作したということなのか。
そこまで考えたところで急にどうでもよくなり、ロックはパッケージを放り出して両手で顔を覆った。
身体はしんと冷えきって、胸のむかつきがどうしてもおさまらない。
レヴィの口ぶりから、過去にレイプされたことがあるのだということはわかっていた。
その過去は今もレヴィに影を落としており、それが彼女をどんなにゆがませたか、ロックは重々承知しているつもりだった。
けれど実際の映像は、ロックの想像をいとも簡単にひねりつぶした。
現実は想像よりもずっと醜悪で、ずっと、──むごい。
これを撮り、これを観て喜んでいる人間がいるのか。
ロックは崖から突き落とされたような気分になった。
成長途中の薄い身体、憎しみに塗りつぶされた目、ゆがめられた顔、その断片は目をつぶってもまなうらにこびりつき、
今よりも高い声で上げた悲鳴の残響がいつまでも頭の中でこだましているような気がした。
ロックはビデオテープをデッキから取り出し、のろのろと席を立った。
挨拶もそこそこに店をあとにし、雪の降り続く通りに出る。
外は先ほどよりもさらに冷えこんでいた。
雪は厚く降りつもり、歩道を白く染め、街路樹を白い立木に変えている。
ホテルを目指して歩いているうちに冬の短い陽は落ちた。
空は真っ黒になり、街燈が白い雪の向こうに滲んだ。
街はどこもクリスマスの飾りつけがほどこされ、あちらこちらで小さなライトがまたたいていた。
いたるところにカラフルなボールの吊り下がったクリスマスツリーが立ち、
店の奥からは明るいクリスマスソングが聞こえてくる。
ショーウィンドウにはプレゼント用の商品があふれ、道行く人の顔も心なしか明るく見える。
しかし、ロックはとてもではないが浮き立った気分にはなれなかった。
きらびやかな光から逃げるようにうつむき、
足元だけを見ながらただひたすらホテルへ向けて歩を進めた。
部屋に戻ると、さすがにレヴィはベッドからは抜け出していた。
だが、スカートが皺になるのにもお構いなく、使ったままのベッドの上で枕を背にして脚を伸ばし、
退屈そうにテレビを眺めている。
「レヴィ、帰ったよ」
ロックが声をかけると、レヴィはだるそうに目だけをこちらに向けた。
「……ああ、ロックか」
「ずっとここにいたのか?」
「ああ、こんな雪ん中出てく奴の気が知れないぜ」
レヴィはちらりと窓の外へ目をやった。
部屋の中からでも、カーテンのかかっていない窓の外で激しく雪が降っているのが見えた。
「……どこ行ってたんだよ」
「ああ──」
ロックは一瞬言葉につまったが、表情を変えないよう気をつけて答えた。
「ちょっと街を散策してたんだよ」
「……街、ね。見るとこなんかあんのか?」
「──いや、ニューヨークは初めてだから……」
「初めてか。ふん、そいつは幸せなこった」
レヴィは心底下らないとばかりに鼻で笑い、またテレビに目を戻した。
──言えない。
ロックは苦笑いを浮かべながら、顔が引き攣るのを感じた。
さっきまで街でなにをしていたかなど、レヴィに言えるわけがなかった。
「レヴィ、食事は?」
ロックは努めて明るく響くよう尋ねた。
「……食ってねえ」
「じゃあこれから一緒に食いに行こう。すぐ近くにダイナーがあったよ。近所なら雪が降ってたって構わないだろ?」
「……ああ」
レヴィは気乗りしない様子だったが、それでも拒絶はせずに頷いた。
二人で入ったダイナーでも、話ははずまなかった。
片側が広い窓に面したテーブル席で、レヴィは寒そうに背中を丸め、
浮かない顔でいつまでも皿のマッシュポテトをフォークの先でつつきまわしていた。
「……食わないのか」
テーブルの向かいからロックが尋ねると、レヴィは大ぶりの皿をテーブルの真ん中に押し返した。
「もういらね」
皿の上には小山のようなマッシュポテトと巨大なチーズバーガーが残っている。
チーズバーガーには囓った跡がついているものの、半分も減っていない。
ニューヨークのバーガーはロックでも持て余すほどのサイズだが、朝からなにも食べていないにしては食べかたが少ない。
「食欲ないのか」
「……別に。朝から全然動いてねェからな」
レヴィはそう言ってフォークを放り出すと、テーブルに肘をついて窓の外に顔を向けた。
雪は街並みをかすませるほどに降りそそぎ、ガラス張りの窓を冷気がすり抜けてくる。
レヴィの顔の横に垂れている髪の間からは、耳がちらりと覗いていた。
今はなにもついていないその耳には、うっすらと小さな穴の跡が残っている。
ピアスの跡だ。
あのビデオテープの中の少女は、いくつもピアスをつけていた。
今レヴィの耳に残っている穴と、ぴったり同じ位置──。
それに気づいたロックは、慌てて頭の中によみがえった映像を振り払った。
「……帰るか」
ロックはフォークを置いた。
レヴィの顔を正面から見るのはどこか後ろめたく、話題も見つからない。
そして皿の上のバーガーは、砂を噛んだような味しかしなかった。
ロックの言葉に、レヴィは無言で頷いて立ち上がった。
レヴィの顔色は悪かった。
まるで雪に体温をすべて持っていかれてしまったように青白い顔だった。
雪はそんなレヴィの残りの生気をも奪い取ろうとするかのように、容赦なく吹き荒れた。
続
OVAのトラウマが蘇った…
>>447 舌を巻いた、gj
アメリカのポルノ事情、ダイナーの食事、タイからのクスリの密輸ルートなど流石のリアリティを物語に与えてる
それがあってこその、レヴィの過去の痛い話が際立つ
それを目の当たりにして悩むロックの絶望、過去からの一発の銃弾に翻弄される姿に言葉を失った
過去からの銃弾が、魂を射抜く。傷ついた魂は、敵を求めて暗闇を彷徨う。
ニューヨークの光、ニューヨークの影、
ニューヨークの痛み。
砕けたはずの過去、死んだはずの過去が、レヴィの新たな謎を発掘する。
次回「幻影」
病んだ魂は、戦いに安息を求める。
これはキツイ…救済に繋がる続きを期待してます
GJ、ロックに感情移入しすぎて胃が痛えw
早く二人とも救って欲しいもんだぜ…
>>450 銀河万丈の声で再生されたがどうしてくれるw
何でレヴィは床の精液舐めたわけ?
レヴィの性格なら最後まで舌は出さなかった筈。
ちょっとキャラ設定が違うのかな。
454 :
名無しさん@ピンキー:2011/12/09(金) 14:36:02.97 ID:Z4zdTCIw
まさかの新作!!!
週末だし帰ってからユクーリ読むぞーw
とりあえず投下GJ!
俄然やる気わいてきた!
* * *
ホテルに戻ると、気詰まりな空気はいや増した。
ほんの少しの間部屋を空けただけで室内の空気は冷えこんでおり、しんとした気配が肌に突き刺さるようだった。
ロックはレヴィの顔をまっすぐに見られず、レヴィの口数も少なかった。
いつもならばまったく気にならない無言の時間が、じわじわと重苦しく胸にのしかかる。
このままだと勘だけはいいレヴィになにか気取られてしまいそうで、
ロックはぎこちない空気をごまかすようにレヴィを抱き寄せていた。
引き寄せた身体はわずかなためらいを見せ、レヴィが気乗りしない様子であることはわかった。
だが、レヴィの温かな息が首筋に触れた瞬間、ロックの疲れた身体は簡単に反応していた。
なし崩しに、ロックはふたつ並んだベッドの片方にレヴィを押し倒した。
仰向けに倒れこんだレヴィのセーターを、その下に着ていたタンクトップと一緒にめくり上げる。
あらわになった素肌に顔を寄せると、レヴィの肌のにおいが腹の底をうずかせた。
ロックは、セーターの下でほのかに温まった肌を唇で吸い上げた。
腹を唇でついばまれたレヴィがくすぐったそうに身をよじり、手で払いのけようとしてきたが、
ロックはその手をとらえてシーツに押しつけた。
そして、無防備にさらけ出されている肋骨の一番下の骨に舌を這わせた。
──は、とレヴィの身体が震えて、尖っていた肋骨の縁がさらに尖った。
ロックは浮き上がった骨を、舌でゆっくりとなぞった。
やわらかく盛り上がる胸を包んでいる下着の縁に指を引っかけ、そっと押し下げると、赤みのさした頂点がこぼれ出た。
ロックはその小さな頂点を口に含んでレヴィの背中に手をねじこみ、そこにあるはずのホックを探った。
指先に手応えがあった瞬間、顔を寄せていた乳房がふわりと自由になった。
ロックは中途半端に身体から浮いた下着を押し上げ、
締めつけから解放されてさらにやわらかくなった乳房に顔をうずめた。
胸元からたちのぼるレヴィのにおいを吸いこみ、ほんの少しの力で形を変える乳房を掌に満たす。
頬を押し返す弾力に吸いつきながら、ロックはレヴィのスカートのホックにも手を伸ばした。
性急に服を剥いで自分の服も脱ぎ捨てると、ロックはレヴィに覆いかぶさった。
膝を割って内ももを撫で上げ、下着を取り去った脚の間へ指を進める。
レヴィの肌はなかなか熱くならなかった。
時折ロックの脚をかすめるつま先はいつまでたっても冷たく、シーツの上に投げ出された手は氷のようだった。
だが、それに対してロックの熱は高まるばかりだった。
素肌がこすれ合うだけで腹の底が熱くなり、乳房のやわらかさが血をたぎらせる。
レヴィの脚の間にもぐりこませた指で襞を割ると、指先がくにゃりとやわらかく包みこまれる。
その感触に、自分の陰茎をそこに突きたてた時のことが生々しく思い出され、
血液の集中していた中心がさらに硬く勃ち上がった。
ロックは煮え返るような欲求を持て余し、レヴィの脚を開かせた。
そして、開いた身体の中心に先端をあてがい、ぐっと腰に力をこめて押しこんだ。
ず、となかに分け入った瞬間、ロックの身体の下でレヴィがわずかに顔をゆがめた。
──ん、と小さく喉が鳴って、一瞬呼吸が胸の奥に引っこむ。
まだ早かった。
レヴィのなかに入れた感触からも、それはわかった。
いつものぬるりと奥まで誘いこむようなうるみはなく、どこか乾いた内側がロックをこすった。
けれど、今さらやり直すわけにもいかず、ロックは静かに腰を動かしはじめた。
レヴィがついてこられていないのは明らかだった。
ロックの脛に触る足は冷たく、身体をゆさぶられるたびに痛みを逃がすような息をつく。
どんなに突いても、内側は一向にとろけてはこなかった。
身体の中の体温が外側の肌の温度よりも高いことを伝えてくるだけで、きしむような摩擦はなかなか小さくならない。
それでもレヴィは、拒絶はしなかった。
時折眉をゆがめながらも、好きなように使っていいとばかりに脚を開いてロックを受け入れる。
それが却ってロックの胸をざらつかせた。
──嫌なら言えよ。
無理してつき合わずとも、嫌なら嫌と言えばいい。
だが、それはほとんど八つ当たりと言ってよかった。
口に出さなくても、レヴィの気が乗っていないのはわかる。
それが嫌なら自分がやめてやればいいだけの話だ。
しかし、一度欲情した身体は止められなかった。
「──あ……っ」
レヴィの喉が反って、小さく声がもれた。
顔がそむけられ、枕にうずめられる。
眉が寄せられ、息が震える。
その顔に、日中見たビデオテープの幼いレヴィの姿が急に重なった。
「──ん、」
短く鳴った喉に、ヘッドホンから響いたレヴィの声がオーバーラップする。
──くそ。
ロックは動きを止め、頭の中によみがえった映像を振り払うように目をつぶった。
きつく寄せられた眉も、ゆがんだ顔も、苦痛をこらえる声も、
早く消えてしまえと頭の中を無理矢理黒く塗りつぶす。
その時、身体の下で声がした。
「どうした」
目を開けると、暗がりの中でレヴィが見上げていた。
ぱっちりと開いたふたつの目玉がロックをとらえる。
「……いや」
ロックは頭を振った。
「いや、なんでも」
「なんでもって顔じゃねェぞ」
レヴィは不審そうな顔で見上げてくる。
ロックはその視線から逃げるように顔を逸らせた。
暗闇の中で光るレヴィの目は、ロックを突き刺すようだった。
「……レヴィ」
「あ?」
「レヴィ、後ろ向いて」
ロックはつながっていた身体を一旦といて、上体を起こした。
つられて頭を浮かせたレヴィの腕を取り、引き上げる。
レヴィは若干戸惑った表情を浮かべたが、
促されるがままに起き上がってロックに背中を向け、両手をベッドについた。
ロックは四つん這いになったレヴィの背後に陣取って、膝立ちで後ろから突き入れた。
「──ん」
ぎしりとベッドのスプリングがきしみ、レヴィがわずかに背中をゆらした。
ロックはレヴィの腰を両手で掴むと、ゆっくりと腰を動かしはじめた。
レヴィの視線に耐えられなかった。
ロックはレヴィに見つめられた時、その目をまっすぐ見返すことができなかった。
暗闇の中で寄せられる眉の角度、狭まった喉を通る細い声、反った喉の曲線、
それらはビデオの中で犯されていた少女のものと変わらない。
ロックはあの警官ではないし、レヴィもあの頃の少女ではない。
わかってはいても、レヴィの顔に重なってくるあの少女の面影を振り払うことはできなかった。
レヴィに見据えられると、まるで自分が断罪されているような気がした。
ロックはあの光景を追い出そうと、ただ腰を振った。
考えるな。
警官がレヴィを蹂躙する様も、レヴィがコンクリートにこすりつけてゆがめた顔も、
必死にこらえようとしたのにもかかわらず上げてしまった苦痛の声も、耳の奥に突き刺さるような悲鳴も、今は考えるな。
純粋な快楽に集中し、頭の中をからにする。
レヴィのなかは温かく、ぎゅっとロックを締めつける。
段々と頭の芯がしびれてゆく。
その時だった。
「──ぁ、…………い……っ」
レヴィの頭が突然ぐっと下がり、背中が固くこわばった。
肩胛骨が浮き出し、尖った山を作る。
ロックが慌てて動きを止めると、レヴィはこわばらせた身体をゆるめ、はぁっ、と震えた息をもらした。
うなだれた頭から長い髪が垂れ下がり、枕の上で黒くうねった。
ロックは我に返った。
「レヴィ……」
痛い、と。
たった今レヴィが噛み殺した声は、そう言いかけていた。
知らず、ロックはレヴィの腰を両手で掴んで引き寄せ、激しく突いていた。
頭にあったのは自分の快楽のことだけ、レヴィがどう感じているかはいつの間にか蚊帳の外になっていた。
レヴィは枕の上に頭を落とし、乱れた息を整えている。
垂れた髪の陰になって表情は窺えないが、眉をゆがめたレヴィの顔が手に取るようにわかる気がした。
──今、レヴィになにをした。
ロックの身体は一気に冷えた。
今のはまるっきり、あの警官と同じ──。
背中を、冷水が流れ落ちていった。
「……レヴィ」
ロックはレヴィの身体から萎えかかった陰茎を引き抜いた。
「ごめん、やめよう」
身体を離し、つけていた避妊具をはずす。
──同じじゃないか。
今、自分が後ろから力まかせに突いていた、あれはビデオの中で警官がやっていたことと同じだ。
腰を掴まれ、無理矢理陰茎をねじこまれていた少女の姿。
少女の背中は震え、顔は苦痛にゆがんでいた。
──今も?
今も、そうだったのだろうか。
ロックに突かれ、レヴィは一人息を殺して眉をゆがめていたのだろうか。
痛みをこらえ、それでも悲鳴を上げまいと歯を食いしばり。
そう思うと、ぐらりと目の前がゆれた。
「ロック」
そっとため息をついた、その時だった。
「どうしたんだよ」
レヴィがシーツの上で横座りになってロックを見ていた。
「……いや」
ロックはレヴィの視線を避けて首を横に振った。
「やめよう」
短く言うと、レヴィはじっとロックの顔を覗きこんだ。
じわりと首をかしげ、真意を推しはかるような目で見つめてくる。
すべてを映しこむ鏡のような目に耐えきれず、ロックは思わず顔を逸らした。
すると突然、ぐいと強い力に胸を押された。
「──レヴィ!?」
不意打ちで胸を突かれ、ロックはベッドに仰向けに倒れた。
身体を起こそうとすると、ロックの胸に手をあてて上から体重をかけてきたレヴィに阻まれた。
ロックはレヴィの手に押さえつけられ、ベッドに磔にされた。
「萎えたか?」
レヴィはロックを見下ろし、低く尋ねた。
黙っていると、レヴィの手がロックの脚の間に伸びてきた。
中途半端に勃った陰茎がレヴィの掌に包まれる。
レヴィはゆっくりと陰茎に手を這わせてその状態を確かめると、唇のはしで短く笑った。
「しかたねェな」
そしてロックの胸を押さえつけていた手をどかすと、頭をゆっくりと下げていった。
レヴィの頭はロックの腹を通りすぎ、脚のつけ根へと向かう。
「──レヴィ」
ロックが頭を起こしかけた瞬間、陰茎の根本に指がからみつき、温かく湿ったものが先端に触れた。
「──っ」
あっという間に先端は熱い粘膜に包まれた。
わずかに締まった唇と、ひたりと寄せられる舌の感触。
滲み出てきた唾液が先端にまとわりつく。
ずっ、とそのまま根本に向かって唇を送られると、萎えかかっていた陰茎が一気に勢いを取り戻した。
「──レヴィ」
震えそうになる息を抑えてささやくと、レヴィが視線を上げた。
口は陰茎を咥えたまま、目だけをロックに向ける。
暗がりの中で強い目が光る。
おとなしくしてな。
レヴィはそう伝えるように一回まばたきをすると、また目を伏せた。
ロックの腹の下で、レヴィの頭が浮いては沈む。
レヴィは陰茎の根本に手を添えながら、頭を上下させた。
舌はうねるようにからみつき、唇はきゅっとすぼまってロックをしごき上げる。
あふれた唾液が唇のすべりをさらになめらかにして、レヴィの濡れた唇に締めつけられるたびに血液が下半身に集中する。
レヴィは激しく頭を上下させていたかと思うと、ふと唇を離して今度は先端を舌先でくすぐった。
根本の手がぐっと下がって先端が大きく剥き出しにされ、そこでちろちろと小さく舌が遊ぶ。
小刻みにゆれていた舌は、やがてゆっくりと輪郭をなぞり出した。
唾液のからんだやわらかい舌が生き物のように這いまわり、レヴィの息が温かく肌をかすめる。
その舌が突然硬く立てられたかと思うと、ぐいと頂点の尿道を探ってきた。
細くなった舌先が亀裂をえぐる。
突きたててくる力は強いのに、それでも舌は熱く濡れてやわらかさを孕み、小さく蠕動している。
根本を握るレヴィの手の中で陰茎が引き攣れるようにこわばったのが、自分でもわかった。
舌先はたっぷりとロックの先端をねぶり、そしてまた、やわらかく熱い唇がすっぽりと包みこんだ。
──くそ。
ロックは快楽に腰をひくつかせながらも、心の中で毒づいた。
──上手い。
レヴィは上手かった。
歯は立てずに口腔の奥を広げて咥えこむ深さも、唇で締めつけながらしごき上げる強さも、
うごめく舌の使い方も、そのすべてが男の快楽のありかを知りつくしているものだった。
ロックはレヴィに口淫を要求することはほとんどなかった。
レヴィが自分から進んでやろうとすることはあまりなく、
彼女にとって気の進まない行為であることは容易に見てとれたし、
ロックの方も無理に強いてまでしてほしいとは思わなかったからだ。
それが、いつ、どこで、こんなに──。
腰が浮き上がるような快楽とは裏腹に、胸の内に澱んだ影がさした。
目の裏に、またビデオテープの少女がちらつき出す。
ゆがんだ顔に、苦しそうなうめき声、途切れる呼吸、喉を突かれる音、唇のはしからあふれた唾液──。
もういい、本当にもうやめよう、そう口に出そうとした時だった。
ロックは息を飲んだ。
深く咥えられた陰茎が、さらにその奥、レヴィの喉にまで送りこまれた。
「──っ」
それまでレヴィの手にこすられていた部分までもが温かい口内に取りこまれ、先端が狭い喉の奥でぐっと圧迫された。
骨の髄から絞り上げられるような快楽が走った。
腰を激しく突き上げてしまいたい衝動が駆けめぐる。
だが、その一瞬あと、レヴィの喉が痙攣した。
先端でそれを感じたと同時に、くっ、と短く喉が鳴る。
慌てて目を下に向けると、レヴィの背中が波うち、肩が震えるのが見えた。
──ぇっ、とかすかにえづく音がそれに続く。
ロックの先端に触れる喉は、異物を拒絶するようにきつく閉まった。
「──レヴィ!」
ロックは今度こそ身を起こした。
警官に陰茎を押しこまれて苦痛に顔をゆがませていた少女が、完全に二重写しになった。
喉をふさがれ、必死に嘔吐感をこらえていた、あの少女。
しかし、完全に身体を起こしきる前に、レヴィの目がロックを射た。
前髪の隙間から目を上げて、睨みつけるような強い視線でロックを縫いとめる。
黙ってろ。
レヴィは目だけでそう言って、ロックに見せつけるようにゆっくりとまた頭を上下させはじめた。
レヴィの手は、ぐっとロックの腰骨を押さえつけ、ロックが動けないよう拘束する。
だがそれよりも、レヴィの口が与えてくる快楽がロックを動けなくさせた。
レヴィは唾液でぬるついた陰茎をしっかりと咥え、激しく頭を動かした。
口内のやわらかい粘膜がぴったりと吸いつき、それよりもわずかにざらついた舌が裏筋をこする。
唇はさらにきつく締まって、破裂しそうなほど膨張している陰茎をしごき上げる。
ロックの腰は我慢しきれずに、いつの間にか突き上げられていた。
レヴィはそんなロックの腰のリズムを読み取り、それに合わせて休みなく頭を沈めた。
敏感な先端のくびれを、やわらかく濡れた唇が幾度も通過しては戻ってくる。
もう、昂ぶりを抑えることはできなかった。
ロックはさらなる刺激を求めて、くり返し腰を突き上げていた。
熱い粘膜に締めつけられて快楽が膨張する。
その快楽は、止める間もなく一気にはじけた。
「──っ」
ロックはレヴィの口腔の奥深くで射精していた。
どくん、と脈打ちながら体液があふれ出る。
レヴィはそれを口の奥で静かに受けとめた。
ロックはレヴィの温かな口内に、最後の一滴までを出しきっていた。
「──レヴィ」
ロックがティッシュペーパーに手を伸ばそうとすると、それより前にレヴィの喉が上下した。
そして唇が薄く開き、からになった口から、はぁっ、と息がもれた。
濡れた唇がほのかに光る。
「……満足したか?」
レヴィはちらりと視線を上げた。
「…………あ、──あぁ……」
気まずさに、ロックは目を逸らして言葉を濁した。
レヴィはそんなロックを横目で見ると、ベッドの隅で丸まっていた下着を拾い上げ、脚を通した。
「寝ろ」
一言残して、レヴィはするりとベッドを降りた。
「──レヴィ」
ロックはとっさに、背中を向けたレヴィの片腕を取っていた。
「……待てよ」
隣のベッドに入ろうとしていたレヴィは、自分の腕を握るロックの手に目を落とした。
「……んだよ」
「レヴィが……」
ロックはレヴィの腕を取ったまま言い淀んだ。
「……レヴィが、まだ──」
達していない。
それをどう言おうか逡巡した途端、レヴィがくるりと振り向いた。
振り向きざまロックの手を払いのけ、その腕でロックをベッドに沈める。
気づいた時にはもう、ロックは仰向けに倒されていた。
上から、片手でロックを押さえつけるレヴィの影がのしかかった。
「あたしがイったかどうかなんざ、あんたにゃ関係ねェだろ」
ほの白く発光する窓を背にして、レヴィの顔は暗く陰になっていた。
表情は黒く塗りつぶされていて見えない。
垂れ下がった髪の間の暗がりから、低い声だけが降ってきた。
「……レヴィ、そうじゃ──」
ロックは口ごもった。
すると、わずかの間をおいて、それに、と小さくつぶやく声が落ちてきた。
「……イきたくてヤってるわけじゃねえ」
「あ──」
ロックが手を伸ばそうとすると、レヴィは身をひるがえして隣のベッドの中に消えた。
「レヴィ」
ベッドの中でレヴィはロックに背を向け、毛布をしっかり巻きこんだ。
毛布からは後頭部の髪の毛が覗くばかりだ。
「──レヴィ」
もう一度呼びかけると、毛布の中からくぐもった声が返ってきた。
「……眠い」
寝る、と一方的に告げ、レヴィは沈黙した。
──ああ。
ロックは頭を抱えたくなった。
こんなはずではなかった。
こんなふうに抱きたいのではなかったのに。
誰にも優しくしてもらえなかった少女の頃を取り戻すように抱きしめて、
もうあんなことを思い出さなくてもいいように、すべてを忘れてしまえるように抱くはずだった。
それが、実際はどうだろう。
今もまだレヴィを苛んでいるニューヨークの記憶を掘り起こすような抱きかたをした。
もっと優しくするはずだった。
こうして一人、背中を向けて寝かせたいわけではなかったのに。
「レヴィ……」
そのあとはどんなに名を呼んでも、返事が返ってくることはなかった。
続
キタ───(゚∀゚)───!!!!
うをぁーなかなか精神的にきますな・・・・
だがそれがいい!!
よーしパパ全裸で待機しちゃうぞー
465 :
名無しさん@ピンキー:2011/12/11(日) 18:47:15.18 ID:lIEDAGDd
お前らに朗報・・・
ようやく、重い腰を上げてくれるかもよ。
hiroerei
しまったこんなにお祝われるとは思わなかった
気にしないでいいです すごい適当に呟いただけなので
来年内に復帰して単行本出せるようにしたいです
すいませんね本当に
12月5日
一緒に生きようとして一緒に死んだ銀さんとゆっきー
生き残りはしたが、罪も過去も何もかも背負って荊の道を進む決意をした若様とロべ
ロックとレヴィはどうなるのか本当に予想がつかん
とつくづく思う
神GJ!
毎度心を締め付けてくれるぜ…!
珍しく鬼畜ロックだな。
ニューヨーク幻影
ニューヨーク幻影アニメ化マダァー? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
* * *
いつもと違う。
レヴィは暗闇の中で四つん這いになってロックに突かれながら、違和感を拭い去ることができずにいた。
ロックはレヴィの後ろから何度も腰を打ちつける。
両手で掴まれたウエストはがっしりと固定され、
肉を打つ乾いた音に、きしきしとベッドのスプリングのたてる音が重なる。
後ろから激しく突かれると内臓に響く。
いつの間にか息をつめていたことに気づき、レヴィは肺の中にたまった空気をそっと逃がした。
元々あまり気乗りのしなかった身体は、なかなか準備が整わなかった。
その状態で激しく突かれるのは、少し、きつい。
疲れのせいか寒さのせいか、身体はいつまでたっても熱くならなかった。
シーツをぎゅっと握って短く息をつき、そして顔を横に向けてみると、
カーテンをかけ忘れた窓の向こうで雪が激しく降っているのが見えた。
暗い窓の外では、空の底が崩れてしまったように白い粒が降り注ぎ、その向こうで高層ビルのネオンが滲んでいる。
──ニューヨークだ。
容赦なく降り続く雪、夜中でも煌々と光り輝くネオン、のしかかってくるようなビルの大群、
そのどれもが記憶の中と寸分違わぬニューヨークだった。
レヴィは窓の外から視線を引き剥がした。
ロックは依然として腰を掴む手をゆるめず、規則的に突いてくる。
いつもと、違う。
違和感はレヴィの中でむくむくと成長した。
いつもならば、背後から抱く際、ロックの手は腰の裏を撫で、脇腹を通って腹にまわり、
みぞおちをさすり上げて胸にたどりつく。
胸にたどりついた掌はやんわりと乳房を包みこみ、後ろからすくい上げるように身体を引き寄せる。
背中にロックの体温が迫ってくる。
わずかに荒い呼吸が肩胛骨を撫で、レヴィ、と低く名を呼ぶ声が背骨に響く。
身体のなかに深く埋めこまれたまま背中を唇でついばまれると、こらえきれない声が吐息とともに唇からこぼれた。
それが、今日はどうだろう。
ロックはただ無言で後ろから突いてくるばかりで、名前ひとつ呼ばない。
いつもはレヴィがどう感じているのか全部承知しているといったふうに抱くくせに、
今日はレヴィが思わず息をつめても、構わず腰を機械的に動かすばかりだ。
今、後ろから突いている様子もさることながら、先ほど体位を入れ替えた時もおかしかった。
レヴィの顔から視線をはずし、お前の顔など見たくないというように後ろを向かせた。
──いつもと、違う。
ちょっとした違和感は、今や大きくふくらんでいた。
腰はしっかりととらえられ、奥を突く力は強い。
背中を向けているため、ロックの表情は見えない。
顔が見えないと、ひどく不安になった。
ロックは今どんな表情で自分を見下ろしているのだろう。
想像しようとしても、その顔は深い闇に塗りつぶされて、まったく窺い知れなかった。
わからない。
今ロックがなにを考えているのか、わからない。
そして、その次にふと浮かび上がった考えに、レヴィは慄いた。
──本当に、これはロックか?
急に、剥き出しの背中がぞくりと冷たくなった。
そんなはずはない、ロック以外の男であるはずがない、ここは今のニューヨークで、昔のニューヨークではない。
ここにはロックと一緒に来たはずだ。
毎晩のように犯されていたのはもう遠い過去のこと、とうにすぎ去った昔のことだ。
頭ではわかっていても、急速にふくれ上がった不安は抑えようがなかった。
後ろを振り返って、そこにある顔がロックではなかったらどうしよう。
家畜を見るような、汚物を見るような目がそこにあったらどうしよう。
そんなはずはない、そんなはずはないと思いながらも、レヴィは後ろを振り向くことができなかった。
奥を突く力はますます強い。
「──ぁ、…………い……っ」
レヴィはたまらず、頭を落とした。
腹の底が鈍く痛んで、こらえることができなかった。
声を上げた瞬間、後ろから突く動きがぴたりと止まった。
そして、ロックの戸惑ったような声が降ってくる。
「レヴィ……」
レヴィは強く目をつぶった。
そうだ、そんなはずはない。これはロックだ。
ロックではないかもしれないなんて、そんなことあるわけがない。
下らないことを考える必要はどこにもない。
レヴィは目の前の枕に額を押しつけ、馬鹿げた妄想を追いやった。
──いつもと違うのは、あたしか。
レヴィは呼吸を整えながら苦く思った。
いつの間にかニューヨークにいた頃の面白くもない記憶をよみがえらせていたことに気づき、
レヴィは心の中で舌打ちした。
おかしいのはロックではなく、自分の方か。
そう考えた時、ふいに身体のなかに入っていたものが抜かれた。
「ごめん、やめよう」
ロックの冷めた声が聞こえ、すっと気配が離れていく。
レヴィはベッドの上に腰を落とし、肩越しに振り返った。
ロックはベッドの足元の方で、さっさと避妊具をはずしていた。
「ロック、どうしたんだよ」
なぜ、こんな中途半端なところでやめてしまうのか。
レヴィが尋ねると、ロックは目を逸らして首を横に振った。
「……いや、やめよう」
レヴィの視線から逃れ、ロックは答えになっていない答えをくり返す。
レヴィは今さらながら、これまでの自分の態度を顧みた。
この街に来てからずっと陰にこもっていて、ロックの相手もろくにしていなかった。
ベッドの上でも心ここにあらずでただ身体を差し出すだけ、そんな女を抱いてどこが楽しいだろう。
レヴィはロックの胸を突き押した。
「──レヴィ!?」
ロックを仰向けに押し倒して、上から見下ろす。
「萎えたか?」
答えは返ってこなかったが、手で探った感触でロックの状態はわかった。
「しかたねェな」
──今度はちゃんと、楽しませてやるよ。
レヴィはロックの股間に、頭を沈めた。
勢いを取り戻した陰茎を咥えこみ、頭を上下させ、唇でしごく。
唾液をからめ、舌を這わせ、吸い上げる。
レヴィはベッドに寝転がったロックの脚の間に座りこんで、頭を動かした。
ロックが当惑したような声で何度かレヴィの名を呼んできたが、
口の中で張りつめていく陰茎がもっとも率直にロックの本心を表していた。
唇をすぼめて往復させた後、唾液で濡れた表面を舌先でなぞる。
肥大化した亀頭の裏側、くびれ、そして頂点。
その頂点に刻まれた小さな穴に舌先をねじこむようにしてえぐると、ロックの腰がひくりと動いた。
ブロウジョブはあまり楽しいものではないが、男はみんなこいつが好きだ。
ロックが強要しないのをいいことに、最近はすっかり遠ざかっていたが、
毎日のように実の父親に咥えさせられていたのだから、これくらいお手の物だ。
父親だけではない。
警棒をちらつかせた警官も、力にものをいわせた男たちも、みな一様にこの行為を強いた。
喉の奥にまで突っこまれるのは苦しくてたまらないが、膣内で射精されるよりはずっとましだ。
孕んだらどうしようと恐怖に押しつぶされそうになることを思えば、
口で済ませてくれるのはむしろ歓迎したいほどだった。
レヴィは唾液をからませながらロックの陰茎をしごき上げた。
口の中のものは硬く上を向いて、筋ばっている。
──ロックにだったら、別にいい。
この行為は好きではないが、ロックにしてやるのだったら構わない。
レヴィが先端をさらに喉の奥へ押しこもうとした時だった。
「──ぅ」
突然、喉がつまって息が止まった。
胸の奥から吐き気が押し寄せる。
レヴィの意思に逆らって喉が拒み、食道が胃袋の方まで痙攣した。
──くそ。
レヴィは喉の奥から先端を引き抜いた。
こみ上げる嘔吐感で、反射的に目がうるむ。
──できない。
レヴィは勝手に滲んできた涙をまばたきで乾かしながら荒く息をついた。
昔あれだけ無理矢理突っこまれていたというのに、
今となってはもう、一瞬たりとも喉の奥に送りこむことはできなくなっていた。
こんなことはお手の物だと思っていたのに。
ロックとの会話も、セックスも、ブロウジョブも、すべてがうまくいかない。
「──レヴィ!」
ロックが慌てて身を起こそうとしたが、レヴィはそれを目で制した。
あたしはなんだってできる。
なんだって一人で乗り越えてきたし、なにをしても、なにをされても平気だ。
あんたに心配されることなんか、なにもない。
だから、黙れ。
レヴィは半ば意地になって頭を上下させた。
口全体で吸い上げながら激しく往復させる。
唾液を潤滑液にして唇でしごく。
唇を押し返してくるように張りつめる陰茎を、しっかり咥えこんで責めたてる。
ロックが達したのは、間もなくのことだった。
口の中でびくんと大きく跳ねたかと思うと、先端から生温かい体液がほとばしる。
脈動しながらあふれ出る体液を、レヴィは喉の奥で受けとめた。
すべて出しきった頃合いを見計らって、唇で拭い取るようにすべらせて引き抜き、口の中に残った液体を飲み下す。
「……満足したか?」
「…………あ、──あぁ……」
ロックがティッシュペーパーを差し出すのが目のはしに映ったが、
レヴィはそれを無視してシーツの海の中から下着を拾い上げ、脚を突っこんだ。
「寝ろ」
なにをしても噛み合わず、なにをしてもからまわる。
ひどく虚しい気分だった。
早いところ寝てしまおう、そう思って自分のベッドに移ろうとした時だった。
「──レヴィ、……待てよ」
後ろからロックに腕を取られた。
「……んだよ」
問い返してもロックは、レヴィが……、と言い淀むばかりだ。
なんなのだ、この男は。ぎこちない空気をこれ以上引き延ばしてどうしようというのか。
レヴィがうんざりしかけた時、ロックが言葉を継いだ。
「……レヴィが、まだ──」
まだ──?
疑問符が浮かんだのは一瞬だった。
まだイってない、ロックはそう言いたいのだと気づいた瞬間、身体がかっと熱くなった。
レヴィは勢いよく振り返り、その勢いのままロックをベッドに突き倒した。
片腕にぐっと体重をかけて上からロックを押さえつける。
「あたしがイったかどうかなんざ、あんたにゃ関係ねェだろ」
自分はそんなに物欲しげな女に見えただろうか。
耳のはしまでもが熱くなり、血の上った頭がどくどくと脈打った。
挿れてほしくてしゃぶったわけではない。
見返りがほしくてイかせたのではない。
それに──、
「……イきたくてヤってるわけじゃねえ」
ただ快楽ほしさに寝ているわけではない。
絶頂を味わいたいがために股を開いているわけではない。
自分はそんな女では──、
そう思いかけた時、イきたくてヤってるわけではないのなら、ではなんなのだという壁にぶつかって、
レヴィは凍りついた。
まるで、ロックと肌を合わせることが大事なのだと告白しているも同然──。
それに気づき、レヴィは慌ててロックに背中を向けた。
急いで自分のベッドに飛びこみ、毛布をかぶる。
「レヴィ」
背後からロックの声が聞こえたが、レヴィはきつく毛布を引き寄せた。
すべてはこのニューヨークがいけないのだ。
この寒さと雪、まばゆいネオンと巨大なビル影が、自分をおかしくさせる。
とうに捨て去ってきたはずのものが、知らず知らずのうちに重たくまとわりついている。
レヴィ、と呼ぶ声に、寝る、と宣言して毛布の奥で目をつぶった。
ぎゅっと目を閉じ、早く眠ってしまおうと試みる。
だが、眠りはなかなか訪れなかった。
目の裏ではいつまでも、雪に滲むネオンの残像が光っていた。
* * *
その次の朝も、雪は相変わらず強く降り続いていた。
J.F.ケネディ空港は雪で閉鎖され、レヴィはまたしてもロックとともにニューヨークに足止めされることとなった。
隣で起き出す気配に目覚めてみると、ロックはなにやら慌ただしく準備を整えていた。
こんな朝っぱらからいったいなにを急いでいるのだ。
そう思いながらベッドの中でぼんやりと眠りの余韻を味わっていると、
ロックは、ちょっと出かけてくるよ、と言い残して足早に部屋を出ていった。
レヴィはぬくぬくと温かいベッドの中で寝返りをうち、首元まで毛布を巻きつけた。
眠い目で窓の外を見やると、ざんざんと大粒の雪が落ちてきているのが目に入った。
こんな雪の中、ご苦労なことだ。
レヴィは毛布の中にもぐりこみ、身体に満ちる眠気に身をまかせた。
出かけるつもりはなかった。
しかし、レヴィはその三時間後、背中を丸めて雪の降りしきる街を一人歩いていた。
たっぷり二度寝をして起きてみても、時間はあり余っている。
ロックはいないし、テレビをつけても下らない番組しかやっておらず、
ニュースキャスターの磨きたてられた便器のような白い歯を見せられるのにも、もう飽きた。
連泊を重ねてそろそろ部屋の掃除を頼みたいところでもあったし、なにより腹が空いた。
レヴィは激しい雪に降られながら、ざくざくとブーツの底で雪を踏みしめた。
クリスマスを控えた街は、どこに目をやっても浮かれたデコレーションで満ちあふれていた。
街角にはクリスマスツリーが立ち並び、まだ昼間だというのに雪の中でライトを点滅させている。
巨大なリース、金ぴかのモール、脳天気な笑顔を浮かべるスノーマン、
この日を待ち受けていない者は誰もいないとばかりに街を明るく飾りたてる。
そういえば、今日はイヴだ。
レヴィはふとそれに思い当たって、足を止めた。
道理で街が浮かれているわけだ。
立ち止まったレヴィのその横を、小さな子供とその父親らしき親子連れが追い抜いていった。
ねえ、プレゼントは明日? そうだ、朝になったら開けていいぞ。
笑いを滲ませた会話が耳に入ってくる。
レヴィは立ち止まったままその親子連れの後ろ姿を見送り、
そして、かたわらのコーヒーショップに目を向けた。
通りに面したコーヒーショップは大きなガラス張りになっていて、
ずらりと並んだスツールではカップルが肩を寄せて笑い合い、奥まったソファーでは仲の良さそうな親子連れが談笑している。
看板娘の緑色の人魚も、今日はクリスマス仕様にめかしこんでいる。
レヴィは雪の降りつもる歩道からしばらく中の様子を眺め、そしてそのコーヒーショップを後にした。
腹が減っていたが、その店の中に入る気はしなかった。
──出てくるんじゃなかった。
レヴィは後悔した。
よりによってクリスマスイヴ。
他人の幸せを見せつけられるのはまっぴらだ。
レヴィは人通りの多い道を避け、静かな方へ、静かな方へと足を進めた。
どこまでも明るいクリスマスソングも、笑いさんざめく人々の声も、すべてが無性に気に障る。
だが、どこもかしこも街はクリスマスの色であふれ、レヴィの入りこめる隙間はどこにもなかった。
レヴィは歩道の片隅で立ち止まり、コートのポケットから煙草を取り出した。
一本引き抜いて咥え、ライターをともして火をつける。
路肩の壁に寄りかかって煙を上に吐き出すと、空から降り注ぐ雪が頬に当たってじんわりと溶けた。
レヴィはぶるりと頭を振るって髪にからんだ雪を払い落とし、もう一度深く煙草を吸いこんだ。
突き刺すような雪風に、剥き出しの手が冷たい。
レヴィは凍える指で煙草を挟み取った。
横断歩道の向こう側では、小さな店が雪にかすんでいた。
時折人が入ってはカップを手にして出てくるあの店は、スープスタンドか。
あの頃も、凍えていた。
レヴィはもう何年も昔、ニューヨークに住んでいた頃のクリスマスのことを思い出していた。
あの頃もどこにも居場所がなくて、雪の降りしきる冷たい街を一人さまよっていた。
着飾って出かける親子連れ、プレゼントらしき包みを持って店から出てくる人の群れ、
光り輝くイルミネーションを見て歓声を上げる人々を横目に、暗がりで息をひそめる。
温かい飲み物ひとつ買えず、身体は凍りつくように冷たかった。
そんな街角で目にしたスープスタンドのスープは、ひどく温かそうに見えた。
街ゆく人が小さな店に吸いこまれていき、出てきた時にはその手に湯気の立つカップを持っている。
カップの中からは、ほわほわと白い湯気が立ちのぼっていた。
いいな、と思った。
あれだったら、もう少し金があったら手に入るかも。
あれだったら、いつかあたしも飲めるかも。
小さなカップに入ったスープだけが、唯一レヴィの手に届きそうなものだった。
レヴィはクリスマスプレゼントなどもらったことはなく、あれは別世界での出来事なのだと、早くから割りきっていた。
けれど、やわらかい光のあふれる家の中を見ると、胸の中がどうしようもなくささくれ立った。
羨ましくなんかない、あんなもの下らない、イエス・キリストなんかクソ食らえ、
そう思っているはずが、いつの間にか明るい窓に目を引き寄せられている。
テーブルの上には湯気のたつ七面鳥がのっていて、優しいママがケーキでも作ってくれているのだろうか。
知らず、見たこともない光景を想像しているのに気づき、慌ててそれを振り払う。
あたしはこれがあれば充分だ。
腰に手を伸ばし、冷たい銃を握り締める。
誰にでも分け隔てなく光を振りまく街角のツリーを遠くに見ながら、暗がりでずしりと重たい銃を胸に抱く。
これがあれば、あとはなにもいらない。
ニューヨークのクリスマスはいつも、骨に染みるほど寒かった。
レヴィは短く笑って、また煙草を口に運んだ。
──下らねぇ。
今さら思い出してどうするというのだ。
レヴィはフィルターの近くまで煙草を吸いきって足元に落とし、ブーツの先でにじり消した。
道の向こう側のスープスタンドに立ち寄る気にはならなかった。
店に入りそびれ、さてどうしようと足の向くままぶらぶらと歩いていた時だった。
降り続く雪の向こうに見覚えのある姿を見つけ、レヴィは足を止めた。
──あれは……。
数十メートル先に、スーツの上にコートを羽織った人影があった。
片手には小振りのボストンバッグを提げている。
雪と距離のせいではっきりとは見えないが、髪や肌の色からすると東洋人だ。
──ロック……?
店から出てきたばかりらしいその男はすぐに傘をさしてしまったが、背格好や歩きかたがロックに酷似していた。
シアーズのカタログに載っていそうなスーツにもコートにも、確かに見覚えがあった。
これだけ長く一緒にいるのだから見間違えるはずがない。
あれは確かにロックだ。
だが、こんなところでなにを……?
不思議に思ったところで、レヴィはようやく周囲の様子を把握した。
──ああ。
通りをぐるりと見まわし、並んでいる店に目をやって、すぐに納得する。
──なるほどね。
通りには、ポルノショップやストリップ劇場、娼館が軒を連ねていた。
視界を遮る雪のせいと、足元ばかり見て歩いていたせいとでよくわからなかったが、
レヴィが立っているのはポルノ街だった。
昼間から文字を光らせたネオン、安っぽい看板、ボンデージの衣装に身を包んだ女のポスターの数々が、
雪の向こうにひしめき合っていた。
ロックは通りに立つレヴィには気づかずに角を曲がっていった。
レヴィはそれを、ぼんやりと見つめていた。
──そういう、ことか。
朝から慌ただしく支度をして、いったいどこへ行くのだろうと思っていたが、そういうことか。
レヴィは唇のはしで小さく笑った。
せっかく大都会へ出てきたのだ。ここで満喫しない手はない。
ロアナプラでもこの手の店にはこと欠かないが、壁に耳あり障子に目あり、だ。
ロックは他人の目を気にしてか、そのたぐいの店を利用することはないようだった。
しかし、ここニューヨークならば人の噂を気にする必要もない。
なぜ、今までその考えが抜け落ちていたのだろう。
レヴィは自分のおめでたい頭に呆れはてた。
昨日だって、きっとここへ来ていたに違いない。
ロアナプラではいつも我慢していたところに、やっとまともな女を抱けたのだ。
そう考えれば、昨夜の違和感にも納得がいく。
ちゃんとした女を抱いたあとでは、レヴィとの情事はさぞかしげんなりするものだっただろう。
中折れも当然だ。
レヴィは昨夜の自分の醜態を思い出し、顔をしかめた。
大方、今も昨夜の口直しでもしていたのだろう。
──帰ろう。
胸が苦しくなってきて、レヴィは踵を返した。
ロックがどの店を利用したかなど、確かめる気すら湧いてこなかった。
とにかくこの場から早く離れたかった。
これ以上ここにいると、想像したくもないことを想像してしまいそうだった。
ロックが、他の女を抱いている様。
その光景がもやもやと頭の中に浮かび上がってきて、レヴィは何度もそれを振り払った。
どうしてこうなってしまうのだろう。
レヴィは雪を踏みしめながら思った。
ロックが楽しんだなら、それはそれでいい。
レヴィがそれに口を出す筋合いはない。
プライベートな時間になにをしていようと知ったことではないし、相棒がハッピーな気分なら仕事もはかどる。
それはレヴィにとっても好都合なはずだ。
しみったれた顔を見せられるよりもずっといい。
結構なことだ。
けれど、とレヴィは思う。
知りたくなかった。
びゅう、と風がうなって、レヴィの頬を雪が冷たく叩いた。
レヴィはショートコートのポケットに手を突っこんで背中を丸めた。
ブーツが雪にうもれるのを見ながら足を進める。
雪の道を、レヴィはただ歩いた。
早くこの場から遠ざかってしまいたかった。
ロックに関するあれこれを考えなくていいくらい遠くに。
降りつもった雪に足をとられそうになりながら、レヴィは歩いた。
吹きつける雪はさらに強く、やむ気配はまったくなかった。
続
嫉妬するもやもやレヴィかわいいGJ
続きが楽しみです
続きが気になるー(´Д` )
悲しい終わり方は嫌だな…
毎回楽しませていただいてます
続きも期待
この神なら二人が幸せになるエンドだと信じてる…
信じてる…
全裸は辛いのでコート一枚羽織って待機してます。
俺は基本的に平和主義者なのに
人生で初めてレイプシーンで抜いてしまった。
現段階は読んでてひたすら辛い展開だが、
これを職人さんの手でどんなクライマックスまで持っていくのか気になって夜も眠れない
続き期待してます
風邪ぶり返したから全裸できなくなった。
つうことでマフラー一枚で待機することにする。
できればレヴィと一緒にマフラーにくるまりたい。
残念ながらレヴィは岡島の腕の中で丸くなってるよ
よし、岡島を窓から投げ捨てよう!
それにつけてもこの完成度と読み応えでこの仕事の速さは何なんだ!?
神は野生のプロか!?
岡島投げ捨てたら蜂の巣にされんぞw
* * *
ロックは雪の中を足早に歩いていた。
片手には傘を、もう片方の手にはボストンバッグを持って、雪の降り続く街並みを脇目もふらずに歩いていた。
先ほどの興奮と緊張の入り混じった高揚感はまだ身体のそこかしこに残っており、今もロックの頬を熱くほてらせていた。
冷たい雪が吹きつけてくる中でも、寒さはまったく感じなかった。
ロックは慣れない街並みを歩きながら注意深く標識に目を走らせ、角を折れ、また歩き進めた。
はやる心に、自然、足取りは速くなる。
ロックは雪道でつんのめりそうになりながら、ほとんど走るような速さでうらぶれた通りを突き進んだ。
今しがたスーツの内ポケットに入れた小さなメモが、胸の上で熱くなっているような気がした。
内ポケットの小さなメモ、それは昨日のビデオショップを再度訪ねて手に入れたものだった。
まさか本当に手に入るとは思わなかった。
運がいいといってよいのか悪いのか。
それはこの先の自分次第だ。
ロックは胃が熱く締めつけられるのを感じながら、先を急いだ。
先刻、ロックは前の日に訪れたビデオショップを再訪した。
入り口のガラス戸を押し開けて中に入ると、カウンターには昨日の若い男ではなく店主らしき初老の男が座っていた。
広げた新聞の向こうに、つるりと禿げた頭頂部が覗いている。
ロックはまっすぐ男の座っているカウンターに足を進めた。
「あのう……」
新聞を目の前で大きく広げている男に声をかけると、禿頭が上を向いた。
耳のまわりに白髪を残すのみで、あとは見事に禿げ上がった頭がてらりと光り、
鼻先に引っかけた老眼鏡の上から灰色の目がロックに向けられた。
「昨日、この店で買い物をした者ですが」
ロックは手に持ったボストンバッグの中から前日買ったビデオテープをパッケージごと取り出した。
男はロックの手の中のものを認めると、途端に顔を曇らせた。
「だめだめお客さん、うちは返品は扱ってないよ」
「いいえ、違います、返品じゃありませんよ」
ロックは目の前で手を振った。
「そうではないんです。実は、昨日ここで買わせてもらったこのビデオ、大変気に入りましてね」
続けてそう言うと、男は表情をゆるめた。
「そうかい」
広げていた新聞をカウンターに置き、パッケージを見てなるほどという顔で頷く。
「こういうビデオはなかなか手に入らない。……そうでしょう?」
ロックが顔を覗きこむと、男は意味ありげな笑いを浮かべた。
「まあ、こういったもんはなかなか店頭に出なくなったからな。お客さん、運がいいよ」
「本当にそう思いますよ」
ロックはにっこりと微笑んだ。
その時、店の奥から声が上がった。
「あれ、昨日の兄さんじゃねえか」
見ると、ロックがビデオテープを買った時に店番をしていた男が奥からのっそりとやってきた。
筋肉隆々の腕いっぱいに刺青を入れた、若い男だ。
「ああ、昨日はどうも」
ロックが軽く頭を下げると、カウンターに座った初老の男は半身になって二人を見比べた。
「顔見知りかい?」
「ええ、昨日──」
「俺が店番してる時に、この兄さんがお買い上げ下すったんだよ」
ロックの言葉を引き取って、刺青の男はカウンターから身を乗り出した。
「どうだい、よかっただろ?」
「──ええ、……そうですね」
顔を覗きこまれ、ロックはゆっくりと頷いた。
「今日はどうしたんだよ。また買いにきてくれたのか?」
「ええ……、まあ、そんなところです」
その時、カウンターに割りこまれた初老の男が刺青の男をうるさそうに押しのけた。
「おい、どけ」
「──んだよ」
「邪魔だ」
じろりと睨む初老の男に、刺青の男は肩をすくめて「やれやれ」といったようにロックに向かって眉をひょいと上げてみせた。
ロックは初老の男に向き直った。
「ところで、少々お尋ねしたいことがあるのですが」
「……なんだい」
また警戒するような目つきに変わった男に、ロックは穏やかな笑みを浮かべてパッケージを差し出した。
「このビデオテープなんですけど、これ、制作会社が書いてありませんね」
男は鼻先に乗っかった老眼鏡の位置を直し、顎を引いてパッケージを眺めた。
「……そうだな」
「それはどうしてですか? こういったものに制作会社名は載せないんですか?
それともこれは、個人が作成したものなんですか? だとするといったい──」
「お客さん」
男は老眼鏡の上からロックを見た。
「それ、お客さんにどんな関係があるんだい?」
「いえ、特に深い意味はありませんが、少々気になって──」
「いいかい」
ロックの言葉を遮って、男は言った。
「こういうもんの流出ルートはゴマンとあるんだ。
どこぞの会社が作ってるもんもあれば、そうじゃないもんもある。
どっから流れてこようが、お客さんはそれを買って満足。それでおしまい。──そうじゃないのかい?」
「……そうですね」
下から顔色を窺ってくる男に、ロックは軽く息をついた。
「ごもっともです」
一旦言葉を区切ったあと、ロックはわずかに身を乗り出して声をひそめた。
「……では正直に言いますが、私はこういったビデオテープの買い取りを行っている者でして」
言いながらふところを探り、名刺入れを取り出す。
そして名刺を一枚抜き取り、どうぞ、と男に手渡した。
このビデオショップを訪れる前、手近なフェデックスに飛びこみ、
そこで貸し出しているパソコンと印刷機を使って急遽作ったばかりの名刺だった。
男はその名刺を胡散臭そうに眺めまわしてから、ちろりとロックを見上げた。
「……業者さんかい」
「ええ。日本ではなかなかこういう“本物”の映像は手に入らないんですよ。やはりアメリカは違う」
ロックは口元に笑いを浮かべたが、男は疑わしげな表情を崩さなかった。
「だったら、俺なんかよりもよっぽどそっちの業界のことには詳しいんじゃないのかい」
「いいえ、そうでもないんです。うちは弱小企業ですからね。
オフィスで座ってるだけで版権が転がりこんでくるようだったら、わざわざここまで出ばってきたりはしませんよ。
やはり実際に足で探してみないと、いい映像には出会えない。
そして、いい映像は往々にして制作者とコンタクトを取るのが難しい」
ロックはさらに声を落として続けた。
「お願いします、このテープの制作者について、なにか知っていることがあったら教えてほしいんです」
男はカウンターに片腕をつき、渋い顔でロックを見上げていた。
「……わからねえな。映像がほしいんだったら、そのテープだけでいいじゃねぇか」
ロックは首を左右に振った。
「とんでもない。制作者に無断で複製して売ることなど、できませんよ。
誰が権利者かもわからないものに迂闊に手を出して、あとから著作権侵害だのなんだのと訴えられるのは御免ですからね。
それに、ダビングをくり返すと画質が荒くなる。このテープだって、すでにダビングされたものでしょう?」
「……出まわってるのは全部、ダビングされたもんだぜ」
「ええ、そうでしょう。それはわかっています。制作会社がわかる場合は問題ないんです。
あとはその会社と交渉して、日本で販売する権利を買い取ればいいだけのことですからね。
そうすれば、一本のテープから孫テープを複製するなんてことはせずに済みます。
しかし、このビデオテープは違う。
私一人が楽しむのだったらこれ一本で充分でしょう。でも、商売ではそうはいきません。
──お願いしますよ」
目の前の男は、難しい顔で黙りこむばかりだ。
──これは、なにか知っているのか。
ロックは注意深く男の表情を観察した。
なにも知らないであれば、ロックの真意など問い返さずにさっさと知らないと突き放してしまえばいい。
それとなくこちらの腹を探ってくるのは、なにかがあるに違いない。
ロックはボストンバッグを開けて封筒を取り出し、カウンターの上に置いた。
「もちろん、ただでとは言いません」
そして、置いた封筒を初老の男に向かってすべらせる。
男は一瞬虚を突かれたような表情を浮かべて目を落とし、それから胡散臭そうに封筒を取り上げた。
どうぞ、と目で促すと、男はロックの様子を窺いつつ、おそるおそるといった体で中を覗きこんだ。
封筒の中には、決して少なくない額の紙幣が入っているはずだった。
初老の男の背後から刺青の男が覗きこんで目をみはり、二人は顔を見合わせた。
そして、ぼそぼそとロックの耳には届かない声のトーンでささやき合った。
「お客さん、顔に似合わず結構したたかだね」
やっとロックの方に顔を戻した初老の男が、渋い顔で見上げた。
「だが、これはちょいと強引にすぎるってもんだ。
……面倒事は困るんだよ、お客さん。こんなのは御法度だ。
この店は俺たちだけで商売してるわけじゃねえ。ルールってもんがあるんだ。
話通すってんなら、俺たちじゃなくてもっと別の──」
「別の、どこです?」
ロックは男の言葉に割りこんだ。
「別のというのは、そうですね、たとえばジェノヴェーゼ? それとも、ガンビーノ?
──よして下さい。なぜ彼らにご足労いただく必要があるんです?
私はあなたに斡旋の申込をし、あなたが承諾すれば正当な対価が支払われる。これは商談ですよ。
もちろん紹介いただいた暁には、その制作者のかたにもきっとご満足いただける対価を支払う準備はあります」
カウンターを挟んでロックと向かい合う初老の男に、刺青の男がなにやら耳打ちをした。
「……黙ってろ」
初老の男はそれをうるさそうに振り払うと、ロックを見上げてため息をついた。
「……困るんだよ、お客さん。あんたの要求はわかった。
けど、あんたの言ってることが本当だって保障はどこにもねえ。
最近はこのへんも取り締まりが厳しくってね。
金につられてほいほい乗っかってみたら、いつの間にか警棒持ったおまわりに囲まれてて、
んで、もれた情報から芋づる式にみんな仲よく釣り上げられる、そんなのは勘弁してほしいんだよ。
娑婆よりも鉄格子の中の方が安心、そんな老後は送りたくねえ。──な、わかるだろ?」
段々と嘆願するような口ぶりになってきた男を、ロックは正面から見つめた。
「ええ、それはもちろんわかります。けれど、虎の穴に入っているのは私も同じなんですよ。
……この少女──、」
ロックは言葉を切って、パッケージの表面をそっと撫でた。
「どう見ても十代半ば、ですね?」
答えはなかったが、ロックは構わず続けた。
「ここでは、こういった児童ポルノをただ所持しているだけで違法。──違いましたか?
日本でだって、頒布目的で所持しているのが見つかればすぐにお縄です。
あなたは私が気に食わないとあれば、このあとこっそり警察へ密告することもできる」
男は眉根に皺を寄せてロックを見ていた。
「もし私が警察に捕まったとして──」
ロックは男の顔をじっと見つめ返した。
「そうしたら警察は、このビデオテープの中身をもちろん確認するでしょうね」
なにも言葉を返してこない男に、ロックは続けた。
「このビデオテープの中身、あなたはご覧になりましたか?
さすが“本物”だけあって、すばらしいリアリティでしたよ。
──そう、警官の制服や警棒、鉄格子に至るまで、ね。
これは値段がつくわけだ。これはまったくのレア物、そうでしょう?
この映像を撮った人物も、よほど危ない橋を渡ったのでしょうね。スキャンダル覚悟だ。
──これがもし警察に渡ったら、撮影した人物はさぞかし困ったことになるでしょうね」
ロックは目をすがめて男を見た。
初老の男は深く息をついて視線を落とし、片手で禿頭を撫でまわした。
「……勘弁してくれ」
その後ろでは、刺青の男が戸惑ったように様子を窺っていた。
ロックとカウンターに肘をついて頭を落とす男とを、おろおろと見比べる。
カウンターに沈んだ禿頭がなかなか上がらないのを見ると、刺青の男は腰をかがめて初老の男の耳元でささやいた。
「……あのおっさん、金に困って──」
全部は聞き取れなかったが、言葉の一部がロックの耳にも届いた。
ちらちらとこちらに目線を飛ばしながら低い声でささやき合う二人を前に、ロックはふっと表情をゆるめた。
「……すみません」
声をやわらげて、ロックは微笑んだ。
「無理なお願いでした。……そうですよね、無理ですよね。困らせてすみません」
頭を下げ、カウンターの上に置いてあった封筒を取り上げる。
「お騒がせしてすみませんでした。無駄なお時間をとらせてしまって……」
本当に申し訳ない、ロックは何度も腰を折りつつ、封筒をふところにしまった。
「よくわかりました、この話はなかったということで──」
「ちょっ──!」
ビデオテープをボストンバッグにしまい、踵を返そうとしたその時、カウンターに座っていた男が立ち上がった。
「……なにか?」
「ちょっと待ってくれ、お客さん!」
そのあとは、ロックの思い通りにことが運んだ。
ビデオショップの主人は、ロックの買ったビデオテープが個人作成のものであること、
それが店に直接持ちこまれたものであること、制作者とは連絡がつくことなどをしぶしぶ吐いた。
どうやらこのビデオテープを持ちこんだ者は金に困っているらしい。
相手が話に乗ってくるかどうか、訊いてやるのはそれだけだと言って男は電話を取った。
映像の権利を買い取りたいという男が来ている、
それを聞いたビデオテープの制作者はロックと会うことを承諾したようだった。
ロックはその制作者の名前と、彼と落ち合う場所が書かれたメモを受け取って、店をあとにした。
* * *
こんなにうまくいくとは思わなかった。
パッケージに制作会社が書かれていなかったことから、もしかしたらこのテープは個人作成のものではないか、
だとすれば、どうにかしてこのテープを撮った者にたどりつけはしないか、
望みは薄いがビデオショップの店員がなにか知ってはいないか、
そんな一縷の望みを託した試みだった。
このビデオテープの関係者を見つけ出せる可能性は限りなく低い。きっと無駄足に終わるだろう。
そう覚悟していただけに、ロックは気分が高揚していくのを抑えることができなかった。
ロックは雪の降り続く街を歩き続けた。
速まる足につられて手が大きく振れ、その手に持った傘ががさりと街路樹の枝にこすれた。
途端、上からどさりと雪のかたまりが落ちてくる。
ロックはそのかたまりを傘から振り落とし、片手に提げたボストンバッグを持ち直して先を急いだ。
先ほどビデオ屋に払った金、そしてこれから会う男に払うはずの金は、
ニューヨークまで送り届けた依頼人の女から受け取ったものだった。
その金に手をつけるということは、ラグーン商会の金を横領するということになる。
それは理解していたが、ロアナプラに帰ればこれを補填できる程度の現金は用意できる。
どうしても、今すぐにまとまった金が手元に必要だった。
ロックが手に入れたいのは、マスターテープだった。
あの映像が今も残っていて複製され、変態どもに供されている、それがロックにはどうしても我慢ならなかった。
本当はレヴィの映ったビデオを一本残らずかき集めて、すべて焼き払ってしまいたい。
けれど、すでに複製されてばらまかれてしまった分を追うことは、どう頑張っても不可能だ。
ならば、せめてマスターテープだけでも──。
長い月日を経てもなお流通しているビデオテープは、悪夢のようだった。
金でなんとかなるのだったら、いくら払っても安いものだ。
絶対に、このままにはしておかない。
ロックはスラックスが濡れるのも構わず、歩道に降りつもった雪を踏み抜いて歩き進めた。
メモに書かれた住所は、もうすぐそこだった。
雪に吹きつけられて白く凍りかけている標識の前で、ロックは立ち止まった。
標識を見上げたまま傘を首の横に挟み、ふところのメモを取り出す。
そして折りたたんであったメモを開き、そこに書きつけられているボールペンの文字を目で追った。
乱暴に走り書きされた文字は、確かに標識と同じ番地を綴っていた。
標識とメモとを何度も照らし合わせたあと、ロックは傘をたたんで目の前の建物の中に入った。
足を踏み入れた建物は、暗くじめついた集合住宅だった。
エントランスのガラス戸は埃っぽく曇り、天井の電球は切れている。
どこからともなく腐った生ゴミのにおいが漂ってきて、そのにおいは建物全体を墨色に覆っているようだった。
ロックは自然、息をひそめていた。
建物内に人影はない。
ロックは薄暗い階段をのぼり、冷えた廊下を進んだ。
いったい誰が住んでいるのか、生気というものがまるで感じられず、建物はひっそりと静まりかえっていた。
メモに示された部屋番号の前でロックは足を止めた。
このドアの向こうにはどんな人間がいるのだろう。
開けた途端、銃をつきつけられて身ぐるみ剥がれるということだって大いにありうる。
それを考えると緊張が高まったが、ここまできてビデオショップの店主を疑ってみてもはじまらない。
ロックはドアの横についたブザーを押した。
ブザーが鳴って、しばらくして返ってきたのは男のしわがれた声だった。
「……誰だい?」
「先ほどビデオショップのご主人から電話でご紹介に与った者です」
答えると、少しの間のあと、ドアが細く開いた。
ギイ、と蝶番をきしませて開いたドアの隙間からは、まばらに伸びた無精ひげをたくわえた男が見下ろしていた。
「……どうも、はじめまして」
ロックは精一杯、害意はありませんという表情を作って微笑んだ。
男はドアの隙間からロックを舐めるように観察していたが、
上から下まで眺めまわして問題ないと判断したのか、おもむろにドアを開いた。
ドアの向こうの男はロックよりも頭ひとつ分背が高く、若い時分はずいぶんと体格がよかったのだろうと思われたが、
今では伸び放題の無精ひげとひどい猫背、皺だらけのネルシャツのせいで、みすぼらしさしか感じられなかった。
「……ちょいと荷物、下に置いてくんねえか」
「──え?」
唐突に言われて聞き返すと、
男はそれを無視してロックの手にあったボストンバッグと傘をひったくり、大きな両手を伸ばしてきた。
「なにを──」
慌てて身を引こうとしたが、男は構わずロックのコートの上から掌で胸を叩き、そしてその掌を脇腹に移動させた。
「悪ィな、あんた、チャカ持ってそうな顔には見えねェが、念のため身体検査だ」
男は手慣れた様子で服の上からぽんぽんと掌をはずませてチェックをし、
ロックのスラックスの下までたどりつくとようやく納得したようだった。
「……よし、入ってくれ」
招き入れられた部屋は、この男の住まいのようだった。
読みかけの古雑誌、脱ぎ捨てられた服、使ったままで脂の浮いた食器、煙草の空き箱に蓋の開いたピザの箱、
それらが狭い室内に層をなし、埃をまとって暗く沈んでいた。
「なんか飲むかい」
男は窮屈そうなキッチンに立ち、小さなコンロに火をつけた。
「いいえ、お構いなく」
ロックは答えたが、その時にはもう男の手はマグカップをふたつ取っていた。
男はマグカップを両手に持ってやってくると、
小さなフォーマイカのテーブルを埋めていた新聞や食器をまとめて隅へ押しやって、
椅子に座ったロックの前にひとつ、マグカップを置いた。
「ほれ、インスタントですまねえが、外でできる話でもねェしな」
カップの中には黒々としたコーヒーが入っていた。
「……どうも」
ロックは一応礼を言ったが、
ちゃんと洗ったのかどうかもわからない薄汚れたマグカップに口をつける気にはなれなかった。
「わざわざ日本から買いつけかい」
男はロックの向かいにどさりと腰を下ろす。
「ええ」
「あんたも大変だねェ」
男はさして同情もしていない様子で、マグカップのコーヒーをずず、とすすった。
「──ま、俺にしてみりゃありがてえ話なんだがな」
椅子の背にもたれかかって脚を組む男を前に、ロックは話を切り出した。
「それで、マスターテープのことなんですが──」
「これかい」
男はあっさりと、剥き出しのテープをロックの前に放った。
「いやぁ、ほんと持っててよかったぜ。こんなとこで金になるとはな。……ご覧の通り、金とは縁のない生活でね」
ロックは部屋の中にぐるりとめぐらせられた男の視線を一緒にたどった。
長年のヤニがこびりついて黄ばんだ壁、黒ずんで破れかけたカーテン、年季の入った家具はどれもガタがきている。
部屋の中は足の踏み場もないほど散らかっているくせに、食器棚の中はからっぽだ。
そんな中、埃をかぶった本棚の中段に写真立てがひっそりと飾られているのが目に入った。
今よりもずっと若く生命力にあふれている目の前の男が、ワンピースを着た女の肩を抱き、
その前に並ぶ二人の小さな女の子と顔を寄せ合っている。
二人の女の子の顔はそっくりだが、年格好が違う。おそらく姉妹なのだろう。
写真の中の四人は、カメラに向かってまぶしそうに目を細めて笑っていた。
「……ご家族ですか」
「ああ、まあな」
男は身体を半分写真立ての方に向けてコーヒーを一口すすった。
「……ま、もう離婚して、娘の親権もあっちにとられちまったけどよ」
投げやりな調子で言い捨てながらも、男の写真立てを見る目はどこかやわらかい。
「かわいい娘さんですね」
ロックが言うと、男の表情が嬉しそうに崩れた。
「どうも。今じゃすっかり生意気になっちまったけどな」
ロックは目の前に置かれているコーヒーに目を落とした。
まだ湯気のたっているコーヒーの表面では、油の被膜が虹色に光っていた。
「──で、あんたいったい何者なんだい」
突然正面からやってきた言葉に、ロックは慌てて視線を上げた。
写真立てを眺めていたはずの男は、いつの間にかテーブルの向こう側からすくい上げるような目でロックを見ていた。
かさついた大きな手は、先ほど男がテーブルに放ったテープの上に乗っている。
「買い取りだか業者だか知らねェが、ビデオ屋のオヤジから聞き出してまでここに来るなんてのは、
なかなか珍しいんじゃないのかい?」
「……そうでもありませんよ。労力をかけるだけの価値があると踏めば、それぐらいのことはします」
ロックはにわかに頭の血管が強く脈打ってくるのを感じながら、穏やかな笑みを作った。
「運よくすばらしい映像に出会えたので、なんとしても手に入れたくなった、純粋にそれだけですよ」
男はそれでも、ロックの腹を探るような表情を変えない。
ロックはわずかに目を細めて、低く声を落とした。
「……なにを警戒なさっているんです? 州警察? それともFBI?」
そして喉の奥で笑ってみせたが、男は押し黙って濁った眼球をロックに向けるばかりだ。
「私が銃を撃てるように見えますか?
……それに、私が捜査機関の人間ではないということは、あなたが一番よく知っているはずだ」
ロックはちらりと男の手の下にあるテープへ視線を送った。
男はしばらくロックを睨んでいたが、やがて長いため息をついてテープから手をどけ、椅子の背もたれに寄りかかった。
「……末端の人間はそこまで把握しちゃあいねえよ」
頭をがりがりと掻いて、それに、と続ける。
「俺ァ、もう警察の人間じゃねえしな」
男はネルシャツのポケットからくしゃくしゃになった煙草の箱を取り出し、一本引き抜いた。
「退職されたんですか」
ロックは自分のライターを取り出して火をともし、男へ差し出した。
「定年まではあと何年かあったんだがな。……疲れちまったんだよ」
男はロックのライターに顔を寄せて煙草に火をつけると、深く吸いこんで煙を吐き出した。
「俺がいた頃は、そりゃァひどかった。……チャイナタウンが管轄だったなんて、ツイてないぜ。
もう十年以上も前のことだが、あそこはほんとに、ひでェなんてもんじゃなかった。
フライングドラゴンズにホワイトイーグルス……、地元のギャングどもが夜な夜な暴れまわりやがってな。
──抗争だよ、抗争。ギャング同士の抗争だ。
特にモットストリート、あのあたりが一番ヤバかったな。
マフィア連中だけじゃねえ、まだ十歳になるかならねえかってガキまでがチャカ振りまわしてんだぜ」
「──そうだったんですか」
「ああ。まったくロクでもねェ。あいつらガキだと思ったら大間違いだぜ。あれは悪魔だ、悪魔。
まったくためらわずに引き金引きやがるからな。
大人は少なくとも損得勘定はまともにできるが、ガキは計算ってもんを知らねえ。その点大人よりずっとタチが悪ィぜ」
男は苦々しげに煙草を口に運んだ。
ロックはテーブルの上に置き去りにされたテープへ目をやった。
「この映像も、その頃に……?」
「──ああ」
苦い表情を浮かべていた男が、そこで急に唇を吊り上げた。
にやりと、下卑た形に唇がゆがんだ。
「そう、そいつはその頃だな。まだ十年は経ってねえ気もするが、まぁそのあたりだ」
男は当時のことを思い出すように笑った。
唇の間から、煙草の挟まった黄色い歯が覗いた。
「そいつはまあ、とんでもねえガキだったんだが、チンクにしちゃあ器量がよくてね」
「──チンク?」
「中国人だよ、中国人。盗むわ壊すわ暴れるわで、そいつにゃ特に手を焼いてたんだが、……締まりは抜群だったぜ」
わかるだろ? とばかりに男はにやりと笑う。
「ちょいとおしおきしてやったってわけさ。こいつァどんなに殴っても蹴っても、絶対ェ泣かなかったな。
根性だけは大したもんだが、でも、ありゃいけねえな、ちょっと懲らしめてやっても全然効きゃァしねえ。
シャバに出たと思ったらまた性懲りもなく同じことくり返しやがる。ありゃ害虫だ。社会のクズだ。
言ってもわからねぇガキには身体で覚えさせてやらねえと……、なあ、そうだろ?」
男に同意を求められ、ロックは息を殺して頷いた。
「……ええ、そうですね」
上擦りそうになる声を抑えて、笑みを浮かべる。
「まったくそう思いますよ。こんなのがいるから、犯罪がなくならないんです」
「だろ?」
男は身を乗り出して喋り続けた。
「クソ生意気なガキだったぜ。どんだけこっぴどくヤられても、ずっと睨み続けてよォ。
……あの目、見たかい、兄ちゃん?」
「──ええ」
「あれにぶちこむのは最ッ高の気分だったな。どんなにイキがってようと、所詮ガキはガキなんだよ。
黄色いメス犬が。身の程を思い知れっつーんだ」
「……」
「──ああ、すまん、兄ちゃんも黄色い人種だったな。別にそんなつもりじゃなかったんだ」
「いえ、わかりますよ。大丈夫です」
すっかり舌がなめらかになった男は、フィルターぎりぎりまで吸い終わった煙草を吸い殻でいっぱいの灰皿に押しつけた。
「そんなこんなで、俺の署の奴らみんなであいつを“教育”してやってたんだが、この映像はそん時のもんってわけさ。
試しに撮ってみたらけっこう上手い具合に撮れててね。ずいぶん楽しませてもらったよ」
くくく、と男は喉の奥で笑った。
「だが、市長が替わってから上がうるさくなってね。
こんなもん残しといちゃヤベエってことになったんだが、処分されちまう前に俺がこっそり拾い上げといたのさ。
兄ちゃん、だからよ、そいつはほんまもんのお宝映像だぜ」
「──ええ」
ロックはひとつ頷いて、顔を上げた。
「本当にすばらしい映像だと思いますよ。こんな映像のマスターテープを買い取ることができた
私はとても運がいい」
男は満足そうに頷いた。
ロックはその時、自分が完璧な笑顔を浮かべていることを、他人の顔を覗きこんでいるようにはっきりと認識していた。
「じゃあな、兄ちゃん。色々失礼なことしちまったかもしれねぇけど、許してくれよな」
「いいえ、とんでもない。急なお願いでしたのにお時間とって下さって、ありがとうございました」
「いいってことよ。──会えてよかったぜ」
「私もですよ。……それでは、このへんで」
「気ィつけてな」
「どうも」
頭を下げつつ歩き出した後ろで、部屋の扉の閉まる音がした。
ロックはそのまま薄暗い廊下を進み、階段を降りた。
下りで勢いのついた足でそのままエントランスを駆け抜け、ガラス戸を突き押して外に出る。
「──クソッ!」
雪の吹き荒れる中、ロックは傘もささずに表へ飛び出し、
建物の壁へ寄せつけるように置いてあった金属製のゴミ箱を蹴飛ばした。
ゴゥン、と鈍い音が響いて、ゴミ箱の表面が少しひしゃげる。
「クソ!」
ロックは煉瓦の壁に背中を押しつけ、その壁に拳を振り下ろした。
叩きつけた拳の音は吹きすさぶ風にかき消され、強く押しあてた手の熱で煉瓦に張りついていた雪が溶け出した。
背中を壁に押しつけたまま、ロックは腹の中で煮え返るような熱に肩を上下させた。
『ええ、そうですね』?
先ほどの自分の言葉が頭の中でがんがんと響く。
『まったくそう思いますよ』?
ロックの目的はマスターテープを手に入れることだ。
本心をさらけ出し、感情的に糾弾することではない。
取引相手の警戒感をつのらせるなど、もってのほか。
同意を示し、相手の立場に理解を示し、気分よくさせる。
こいつは俺の味方だ、俺の側の人間だと思わせる。
大切なのは目的を達成すること。
そのための手段なら、なにを用いたって構わない。
けれど──、
──レヴィ。
自分の言葉に反吐が出る。
本当はあんなことは言いたくなかったのだ、あれは本心ではないのだと、今すぐ誰かにすがりついてしまいたかった。
ロックはすべてを自分一人の腹の中におさめておくつもりで、ここに来た。
だが、レヴィを手ひどく裏切っているような気がして、ロックの胸はぎりぎりと締めつけられた。
ここでの出来事を彼女に知らせるつもりはない。
けれど、この煮えたぎるような腹の中身はどうすればいい?
胸は太い杭を打ちこまれたように重く、腹の中では重油のような黒い衝動が渦をまいていた。
ロックは今しがた会ったばかりの男の様子を思い出す。
すっかり老けこんでみすぼらしくなった男。
娘のことに話が及ぶと、嬉しそうに顔をほころばせた。
写真立ての中の彼は幸せそうだった。
その男が同じ手でレヴィを犯し、ビデオテープを売ったのか。
なぜ、レヴィも自分の娘と同じ人間なのだと思えなかった。
男の言う通り、レヴィは子供ながらにこの世の道理に反することごとくに手を染め、
善良な人々の暮らしを脅かす存在だったのだろう。
奪い、殺し、破壊するだけの存在。
──でも、そんな彼女も、無邪気に笑う少女と同じ生き物なのに。
ロックの脳裏に、ふとした拍子に見せる邪気のないレヴィの笑顔がよみがえった。
そして、朝の光に照らし出される妙にあどけない寝顔も。
銃を使えなくてよかった。
ロックは思った。
銃が使えたら、そしてこの場に銃があったら、間違いなく引き金を引いていた。
ロックは、銃を手にしたレヴィの気持ちが少しだけわかったような気がした。
* * *
イーストリバーは雪の中、黒々と流れていた。
ロックは川岸のフェンスにもたれて、目の前を流れる川をぼんやりと眺めていた。
白い雪片がいくつもいくつも黒い川面に降りそそいでは、跡形もなく消えてゆく。
雪で白く染まった遊歩道に人影はない。
ロックの胸まであるフェンスの手すりにも、厚く雪が降りつもっていた。
ロックは男から買い取ったマスターテープと、そしてもうひとつ、小型のICレコーダーを取り出した。
ICレコーダーは、ボストンバッグの隙間にこっそりしのばせておいたものだった。
中には、元警官のあの男との会話の一部始終が録音されている。
ビデオテープの映像とレコーダーに録音されている会話、このふたつを公表したら、あの元警官の先はないだろう。
警察官が未成年の少女をレイプし、それを撮影して売っていた。
警察の上層部に送るにせよマスコミに送るにせよ、簡単に無視できないだけの証拠は揃っている。
時効が成立していようとしていなかろうと、関わった者が激しく糾弾されることは間違いない。
だが、ロックの気分は重かった。
復讐、報復、それが目的なら、今すぐこれをニューヨーク市警察なりABCニュースなりへ送りつければいい。
しかし、そうすればこの映像は多くの人間の耳目に晒されるところとなるだろう。
警察に送れば捜査や検証の過程で何度も再生され、
マスコミに送れば興味本位で消費され、好奇の目で睨めまわされる。
きっと警察は保身に走り、レヴィの過去はすべてほじくり返され、
したり顔の傍観者たちがそれを酒の肴にして妄想を逞しくするのだろう。
ロックには、そちらの方が耐えがたかった。
もうこれ以上、誰の目にも触れさせたくない。
ロックはマスターテープを持った手を振りかざし、そのテープを力の限りイーストリバーに向かって投げこんだ。
マスターテープは弧を描いて飛んでゆき、黒い川の中程に消えた。
続いてICレコーダー、そして、ビデオショップで買ったビデオテープ。
ロックは次々と投げこんだ。
イーストリバーはそれらをまるまる飲みこみ、
川面のゆれがおさまると、あとはまた白い雪を静かに受けとめるだけだった。
──これでいいんだ。
すべてを回収できたわけではないかもしれない。
あのビデオショップにあった在庫はロックの買った一本だけだったが、
複製されたテープがまだどこかに存在している可能性は否定できなかった。
しかし、マスターテープさえなければ、この映像が増殖し続けることはもうない。
残っているかもしれないビデオテープも、いつかは劣化して朽ちるだろう。
忌まわしい映像は、暗い川底で永遠に眠ればいい。
ロックは黒く流れる川をしばらく見つめ、そして静かに背を向け、川べりをあとにした。
* * *
ホテルの部屋にレヴィはいなかった。
夕刻、ロックがホテルに戻ってみると、部屋は整然とした佇まいで沈黙していた。
ベッドは少しの乱れもなく整えられ、書き物机の椅子も小さなゴミ箱も所定の位置にぴたりとおさまっている。
部屋の中の空気はひんやりと冷たい。
「レヴィ?」
人の気配は感じられなかったが、ロックは声に出して室内を見まわしてみた。
思った通り返ってくる声はなく、バスルームを覗いてみても誰もいない。
部屋は清掃が終わった状態のまま、そのあとに人が入ったような形跡はなかった。
レヴィがずいぶん前にこの部屋を出て、それからずっと戻ってきていないのは明らかだった。
どこに出かけたのだろうか。
ロックはそのまましばらく待ってみたが、レヴィは一向に帰ってこなかった。
ホテルに戻った頃にはまだ暮れ方の薄闇を漂わせていた空は、今ではもう真っ暗だった。
雪は相変わらず強く降り続いている。
小一時間待ってみてもレヴィは帰ってこなかった。
窓の外を白くかすませる雪は、弱まるところを知らない。
ただじっと待っているのに我慢できなくなり、ロックはコートを羽織って部屋を出た。
陽が落ちた外はいよいよ寒かった。
二日間降り続いた大雪で、街は道路も建物も街路樹も芯まで冷えきり、白く凍っていた。
ロックは傘を広げて、道路につもった雪を踏みしめた。
雪の吹きつけてくる街並みを、人々は足早に通りすぎていった。
視線を左右にさまよわせてレヴィの姿を探すロックを、次々と追い越してゆく。
クリスマスイヴの夜、家族や恋人とすごすために家路を急いでいるのだろうか。
ロックは白くけぶる雪の中に消えていく人々を、ぼんやりと見送った。
レヴィはなかなか見つからなかった。
こんな闇雲に探しても見つかるわけがない、これだったら部屋で待っていた方がいいに決まっている、
理性はずっとそうささやいていたが、ロックはその声を無視して雪の街をさまよい歩いた。
ダイナーの座席に座っていないかガラス越しに目をこらし、映画館があればホールの中を覗き見る。
書店で雑誌を立ち読みしていないかぐるりと見渡し、もしやと思ってチャイナタウンにも足を向ける。
そのどこにも、レヴィはいなかった。
探しまわっているうちに足も手も冷たくなり、全身が震えてきていた。
なんのあてもなく探しまわるのは、そろそろ限界だった。
だが、ここにいなかったらもう帰ろう、そう思って足を伸ばした最後の場所に、レヴィはいた。
マンハッタン五番街、ロックフェラーセンター。
このロックフェラーセンターのセンタープラザには、クリスマスの季節になると巨大なクリスマスツリーが設えられる。
空高くそびえ立つGEビルの正面で、何万個もの電球に飾りたてられたクリスマスツリーが光り輝き、
アイススケートのリンクを見下ろす。
ロックがセンタープラザにたどりつくと、
ツリーの足元にあるアイスリンクを挟んで備えつけられた手すり、その手すりに寄りかかって佇む人影がひとつあった。
ショートコートと紅いプリーツスカート、足元は膝丈のブーツ。
長い髪はうしろで一本に束ねられている。
華やかなクリスマスツリーを目の前にしているというのに、その頭はわずかにうなだれ、視線が上がることはない。
降りしきる雪の向こうで傘もささずにじっと動かない人影は、クリスマスツリーの光に張りついた影のようだった。
「……レヴィ」
ロックは小さくつぶやいた。
遠く雪に隔てられたところからでも、その後ろ姿ですぐにわかった。
だが、距離に邪魔されて声は届かない。
「レヴィ!」
駆け出すと同時に叫ぶと、人影が振り向いた。
「…………ロック」
肩越しに振り返った彼女は、駆け寄るロックの姿を認めて目をみはった。
ロックは雪の中を走り抜け、レヴィの正面で立ち止まった。
「レヴィ、なにしてたんだ、こんなところで」
いったいどれだけ雪の中にいたのか、レヴィの髪もコートも雪でうっすらと白く覆われていた。
「スノーマンみたいになってるじゃないか」
ロックはレヴィに傘をさしかけ、雪のからみついた髪を手で払った。
前髪、そして頭の上の雪も払おうとすると、レヴィが水から上がった犬のようにぶるぶると頭を振るった。
だが、細かい水滴が飛び散っただけで、髪にからんだ雪はほとんど落ちない。
「……傘ぐらいさせよ」
ロックが言うと、レヴィは寒さで紫色になった唇をぎこちなくゆがめて笑った。
「──ハッ、雪の日に傘なんかさすかよ。さすが育ちのいい坊ちゃんは違うな」
「別に育ちなんかよくない。それに、育ちは関係ないだろ。だいたい、なんでこんな雪の中──」
死人のような顔色をしたレヴィに言い返そうとしたところで、ふとロックは腕に提げていた紙袋の存在を思い出した。
「レヴィ、ちょっと傘持って」
「──なんだよ」
「いいから」
レヴィの手にほとんど押しつけるような形で傘を渡し、ロックは紙袋の中に手を突っこんだ。
「これ──」
ごそごそと袋の中を探り、中に入っていたものを引っぱり出す。
「あげるよ」
取り出したのは、毛糸の紅いマフラーだった。
「……寒そうだから、してるといいよ、レヴィ」
ロックはそのマフラーをレヴィの首にかけた。
頭の後ろに渡して、長い方の一端を首のまわりでぐるりと一回巻く。
レヴィは呆気にとられた表情で、マフラーを巻きつけるロックの手元をただ見ていた。
一緒に巻きこんでしまった髪の毛をマフラーの外に出していると、ロックの頭にぽすんと軽くなにかがぶつかった。
反射的に視線を上げると同時にわかった。傘だ。
レヴィの持つ傘がいつの間にか下がってきていて、ロックの頭に当たったのだった。
傘を持つ手から意識が逸れてしまっていたのだろう、レヴィは慌てて傘を掲げなおした。
マフラーを巻き終わると、ロックはレヴィの手から傘を受け取った。
レヴィはしばらく声もなく固まっていたが、
ようやく口を開くと、首から垂れ下がるマフラーのはしっこを指先でつまみ上げた。
「……なんだよ、これ」
レヴィは自分の指の間に挟まっているものをまじまじと見つめる。
「マフラーだよ」
「……それは見りゃわかる」
「──ああ、……うん」
ロックは、マフラーを手にするレヴィを見下ろして言った。
「さっき買ったんだ。レヴィを探してる時。今日はクリスマスイヴだから──」
「……クリスマス」
レヴィはロックの言葉を口の中でくり返した。
ロックは頷いた。
「ああ、クリスマス」
レヴィの背後では、大きなクリスマスツリーが無数の光をまき散らしていた。
雪のカーテンの向こう、夜を退ける勢いで輝いている。
じっとマフラーを見つめていたレヴィは、少しのあと、うつむいたまま小さく笑った。
「……神様なんか信じちゃいねェよ」
レヴィの口のまわりで白く息が漂う。
唇のはしが片方だけ吊り上がったのが、レヴィの頭の位置から見下ろすロックにも見えた。
「俺だって信じちゃいないさ」
でも、とロックは続けた。
「ずっと寒そうにしてたから」
レヴィはまたかすかに笑って、首をゆっくりと左右に振った。
「こんなの、ロアナプラじゃ使わねぇよ」
「……うん、わかってる。持って帰るのが邪魔だったら、ここに置いて帰ってもいいから」
レヴィの口からは、今度は白い息だけが短く吐き出された。
呆れたのか小馬鹿にしたのか、垂れ下がるレヴィの前髪が邪魔をして、その表情はよくわからなかった。
ただ首が小さく横に振れ、レヴィの唇はそれきり閉じた。
レヴィはなかなか顔を上げなかった。
傘に雪がつもっていく小さな音だけがふつふつと続く。
「……帰ろう。冷えてきてる」
ロックは沈黙を破り、レヴィを促した。
「……ああ」
レヴィは頷くと、ショートコートのポケットに両手を突っこんだ。
巨大なクリスマスツリーを背に、歩き出す。
ロックはレヴィに傘をさしかけて歩調を合わせた。
肩を並べて、降りつもった雪を踏みしめる。
レヴィの元へ駆けた時にロックがつけた足跡は、もう雪が白く消しはじめていた。
歩き進めるごとに背後のクリスマスツリーの光は段々と弱まってゆき、
そして街の灯りに溶けこんでわからなくなった。
ロックフェラーセンターをあとにして雪の降り続く街を歩いていると、レヴィが突然立ち止まった。
「ロック」
「どうした、レヴィ」
ロックも急いで足を止めると、レヴィは車道の向こう側をじっと見つめていた。
なにかあるのだろうかと雪にけぶる対岸を眺めてみるが、特にこれといったものは見当たらない。
「──レヴィ?」
レヴィの顔を覗きこむと、その目はどこか一点に据えられていた。
「ロック」
「ん?」
「あれ、飲もうぜ」
そう言ったかと思うと、レヴィは傘の下からすいと抜け出した。
呆気に取られるロックを置いてすたすたと歩き、車道を渡ろうとする。
「──おい、レヴィ!」
ロックが慌てて呼び止めても、レヴィは肩越しにちらりと振り返るだけだった。
「なにやってんだ、早く来いよ」
顎で小さく促し、そして車道をずんずんと渡っていってしまう。
「レヴィ!」
ロックはしかたなく追いかけた。
左右を見て車が来ていないかどうかを確かめ、車道に踏み出す。
もうすぐ反対側の歩道にたどりつこうかというところで、レヴィに追いついた。
「どうしたんだよ、レヴィ」
レヴィは歩道に上がると、路上に面した一軒の小さな店の前で立ち止まった。
「──ここ?」
「ああ」
「スープ?」
「ああ」
小さなガラス扉の上に看板を掲げたその店は、スープスタンドだった。
狭い店内にいくつか用意された座席はすべて客で埋まっており、
カウンターの向こうでは太った男が銀色のニードルを手にしていた。
男は客の注文を受け、カップに湯気のたつスープをそそいでいる。
寒さに凍えた身体に、それはとても温かそうに見えた。
「……でも、食事ならもうちょっとちゃんとしたところでとった方がいいんじゃないか?」
自分よりもはるかに凍えているだろうレヴィに、温かいもののひとつも勧めなかったことを恥じながら、
ロックは遠慮がちに提案した。
「席も全部埋まってるみたいだし……」
どうせならもっと落ち着いて食事のできるところへ、ロックはそう思ったが、
「いいんだよ、ここで」
レヴィは構わずその店に歩み寄り、ガラス扉を押し開けた。
目移りするほどたくさんの種類を掲げたメニューの前で、レヴィは長いこと考えこんでいた。
ほとんど睨みつけるような真剣な目つきでメニューを見上げ、押し黙る。
「決まった?」
「……いや」
尋ねても、レヴィはメニューから目を離すことなく首を横に振る。
「……あんたは?」
「え、俺? 俺は……、うーん、どうしようかな、ミネストローネにしようかな」
「ミネストローネ……」
レヴィは口の中で小さくつぶやき、また眉を寄せてメニューを睨んだ。
散々迷った末にレヴィが選んだのは、クラムチャウダーだった。
「ミネストローネとクラムチャウダーひとつずつ」
カウンターで待ち受ける太った男に告げ、ポケットから皺くちゃの十ドル札を出してカウンターに放る。
「え、レヴィ、いいよ、俺が払うよ」
ロックは慌てて財布から札を抜き出そうとしたが、レヴィの腕に遮られた。
「いいんだよ」
「でも、自分の分くらい──」
「いいっつってんだろ」
太った男から釣りを受け取ると、レヴィはカウンターに出されたカップを取り上げ、くるりと踵を返した。
「ちょっ──、レヴィ!」
ロックは急いで自分の分のカップを取り、レヴィのあとを追った。
満席の店内から外に出て、ロックは雪の降る路上で傘を広げた。
店の外壁を背に、隣に並んだレヴィへ傘をさしかける。
レヴィは傘の下、両手でカップを持ち、唇をわずかに尖らせてスープをふうふう吹いた。
なにもこんな寒い外で、とロックは思ったが、レヴィは吹きつけてくる雪にも構わずスープに口をつける。
白い湯気がレヴィの顔のまわりにふわりと漂った。
そんなレヴィと肩を並べてロックも片手のスープをすすってみると、
熱いかたまりがじわじわと染み入るように食道を落ちていった。
「……あったまるな」
「……ああ」
レヴィはうつむいたまま小さく返して、またカップに顔を伏せた。
カップから立ちのぼる湯気がレヴィの睫にからむ。
ふわふわした紅いマフラーを首に巻きつけ、両手で大事そうにカップを包むレヴィは、
いつも片手で豪快に酒の入ったグラスをあおる姿とはうって変わって、どこか少女じみて見えた。
「レヴィ、こっちも飲む?」
せっかく別の味にしたのだからとロックがカップを差し出すと、レヴィが目を上げた。
「──ん、ああ」
ロックのカップを受け取り、代わりに自分のカップを差し出す。
そして手にしたロックのミネストローネに口をつけると、はぁっ、と白い息をひとつ吐いた。
「こっちもイケるな」
カップの中を見つめるレヴィを横目に、ロックもレヴィのクラムチャウダーを一口飲んだ。
トマト味のミネストローネよりもやわらかい、とろりとした味が口の中に広がった。
「──うん、こっちもうまいよ」
また元通りに交換し、自分のカップを受け取ったレヴィは、手の中のカップに唇を寄せた。
後ろで結ぶには長さの足りない髪が顔の両脇で垂れ下がり、レヴィの表情を隠す。
風は思い出したように突然強く逆巻き、雪が傘の中にまで吹きつけた。
ロックは肩を並べてカップを口に運びながら、そっと傘をレヴィの方に傾けた。
レヴィは黙々とスープをすする。
湯気のたつカップに顔を伏せ、時折小さく息をつく。
ついた息が湯気と混ざって、顔のまわりで白い靄となった。
ロックはレヴィに傘をさしかけながら、少しずつスープを飲んだ。
雪と風に体温を奪われてつま先が冷たく凍ってきていたが、
熱いスープの入った胃の中だけはじんわりといつまでも温かいような気がした。
続
何かもう、ただで読ませてもらってるのが申し訳ない気分になる
続き期待してます
なにこの本編
続き気になる
今回も読ませるねえ…GJ
引き込まれたぜ
感情をすごく揺さぶられた
いろいろ脳裏を想像力が駆け巡った
水面に沈む悪夢の欠片、願わくばもう誰の目にも触れてほしくないな
しかし他の職人さんの新しいパワーにも期待だ
違う文体、違うカプもたまには読みたい
神と同レベルでなんてワガママ言わないから
若い職人さんの成長をニラニラ見れるのも気持ちがあったかくなっていい
現在進行形の職人さんの連載を追いつつ、保管庫の職人さんたちの過去作も何度も読み返してる
みんなそれぞれの視点でブラクラを書いてて凄いなあと思うわ
>神と同レベルでなんてワガママ言わないから
ちょっとこの一文は余計じゃないか?
気を悪くしたらすまんが
うんアタシも一言多い子だなーと思ってた
発言する前にちょっと客観的な視点を持ったほうがいいわよね
さて
姐御の事務所で恋の悩み相談をしてもらっているうちに
のろけ話になっちゃうレヴィたんの話はまだですか?
>>517 冬コミのクリアファイルの柄がまさにそんな感じだな
そして続き全力待機。ぶん殴りたいだろうに淡々と対応する
岡島がかっこよすぎる。その後の描写にも思わず感情移入したよ…
黒島さんのドス黒い部分が、レヴィを守るために発揮されてるのが滾る。
原作じゃ一方的に守られてるだけの事が多いから余計に。
さすが営業スマイルに定評がある岡島
* * *
ホテルの部屋に戻ると、空気は冷えていたものの、雪と風の寒さからは免れて、ロックは安堵の息をついた。
レヴィはマフラーをはずしてコートを脱ぎ、両方まとめて書き物机の上に放った。
そして、ふたつ並んだベッドの片方へどさりと腰を下ろした。
ひどく疲れた様子で、組んだ両手の親指を目頭に押しあてて顔を伏せる。
ロックはコートを脱ぎながら窓の外に目をやった。
「すごい雪だな……。明日にはやんでるといいけど」
「……ああ」
レヴィは気のない返事をよこす。
「レヴィ、どこ行ってたんだ? 今日の昼間」
脱いだコートをハンガーにかけつつ、ロックは尋ねた。
「……別に」
レヴィは顔を伏せたまま首を横に振る。
「別に、ってことないだろ。清掃が入る前に出かけたんだろ? そんなに長い間どこに──」
「どこだっていいだろ」
レヴィはわずかに苛立ちの滲んだ声で言ったかと思うと、のろのろと顔を上げた。
「そう言うあんたは、どこ行ってたんだよ」
レヴィに見上げられ、ロックは一瞬答えにつまった。
「──色々と、街を散策してたんだよ」
顔に出ないよう注意しながらさりげなくレヴィの視線から逃れ、ハンガーにかけたコートをクローゼットに吊す。
「……ふん、色々、ね」
レヴィは目を伏せ、ぼんやりとつぶやいた。
そして、ぎしりとスプリングをきしませてベッドから立ち上がり、
机の上に投げ捨てられているコートのポケットから煙草とライターを取り出して、またベッドに腰を下ろした。
「……楽しんだのか?」
煙草をくわえて火をつけながらレヴィが訊く。
「──え?」
くぐもった声にロックが問い返すと、レヴィは火のついた煙草を指で挟み取ってもう一度言った。
「楽しんだのか、って訊いてる」
「……あ、──ああ」
ロックが頷くと、レヴィは「そうか」と言って、また煙草を口にした。
煙草の葉の焦げるにおいが漂い、レヴィの口から吐き出された煙が室内に白くたゆたった。
レヴィはたっぷりと時間をかけて煙草を吸ったあと、おもむろに立ち上がり、短くなった煙草をぎゅっと灰皿に押しつけた。
「……シャワー浴びてくる」
「レヴィ」
ロックの横をすり抜けてバスルームに向かおうとしたレヴィの腕を、ロックは掴み取った。
「……なんだよ」
レヴィが振り払おうとする素振りをみせたが、ロックはその腕をさらにしっかりと掴んで正面から目を合わせた。
「昨日は、悪かった」
「──あ?」
なんの話かわけがわからない、レヴィはそんなふうに眉をひそめた。
まともに見上げられて若干の気まずさを感じながらも、ロックは重ねて言った。
「昨晩は、悪かった。……その、乱暴にして」
不可解な顔をしていたレヴィが、ようやくなにを言われているのかに思い当たったような表情に変わった。
「……別に。謝るようなことじゃねェよ。あんなの乱暴なうちに入るかよ」
まったく下らない、そんなふうに鼻で笑ってレヴィはシャワールームへ足を向けようとする。
「レヴィ」
ロックは掴んでいた腕を引き寄せた。
ここで曖昧に終わらせたくはなかった。
「あんなふうにするつもりじゃなかったんだ、すまな──」
「うるせェな」
ロックの言葉が終わる前に、レヴィは苛立たしげに腕を振り払った。
「機嫌取りだったら必要ねえよ。あんたはあんたで楽しんできたんだろ?
あたしは問題ない。ノー・プロブレムだ。
なに考えてんのか知らねェが、あんたの独りよがりな疚しさにつき合わされんのはまっぴらだ」
「──レヴィ?」
ロックは、睨みつけるような目を向けてくるレヴィの顔を覗きこんだ。
「……なにを言ってるんだ?」
機嫌取り、楽しんできた、疚しさ、そんな言葉が不穏に響く。
「なにを? ──ハッ、そいつはあんたが一番よく知ってるはずだぜ」
レヴィはロックの目を正面から見上げる。
──なにを知ってるんだ、レヴィは?
ロックは黙ってレヴィの目を見返した。
迂闊なことを口に出すわけにはいかなかった。
「別にあたしは責めてるわけじゃねェよ。あんたの気持ちはわかる。
けど、あんたはハッピー、あたしはオーライ、それで終わりだろ?
……あんたの都合に巻きこまれんのは、御免だ」
レヴィはそこまで言うと、ふいと視線を逸らした。
「……レヴィ、なんの話をしてるんだ」
「くどいぞ、ロック。隠さなくたっていい」
「だから、なにを」
ロックが詰め寄ると、レヴィは眉間に苛立ちを滲ませて見上げてきた。
「今日の昼間、あんたを見た」
「え……?」
「あんたを、見た」
くり返されるレヴィの言葉に、ロックの頭は白くなった。
──いつ? どこで?
昼間めぐった場所の数々が、高速で頭の中をよぎった。
あのどこかに、レヴィがいたというのか?
しかし、どこに?
思い返してみても、ロックにはまったく心当たりがなかった。
言葉を失っていると、レヴィは続けた。
「どこで見たか、言った方がいいか?」
「──」
意味もなく小刻みに首を横に振ると、レヴィは唇をゆがめて笑った。
「心配するこたぁねえ、娼館通いぐらい誰だってする、別に言いふらしたりはしねぇよ」
──あの時か。
『娼館通い』。
それでわかった。
ビデオショップを訪れた時だ。
あの通りには確か娼館も並んでいた。
どうしてレヴィがあんなところにいたのかはわからないが、
ビデオショップのあるポルノ街にいたロックを目にしたのだろう。
「レヴィ、待て、違うんだ──」
ロックは急いで弁明しようとしたが、レヴィは皮肉な笑みを浮かべるばかりだ。
「なにが違うんだよ」
「だから、──」
「人違いだとでも言いてェのか?」
「いや──」
「だったらなんだ。なんのためにあそこにいた?」
「それは……」
「言えねェのか」
「……」
「あたしにわかるように説明してみろよ」
「……」
レヴィはしばらく黙って見上げていたが、
くそ、もうたくさんだ、と小さく吐き捨てたかと思うと、くるりと背を向けた。
「レヴィ、待て! 俺はレヴィが──」
ロックは慌ててレヴィの二の腕を取った。
「あたしが、なんだよ」
レヴィがゆっくりと振り返る。
「あたしが、なんだ」
ロックを見るレヴィの目は、これ以上曖昧な言葉でごまかすのは許さないと言っていた。
「俺は……、俺は、──レヴィを、見つけたんだ」
「…………なんだって?」
ロックは、チャイナタウンに足を向けたこと、ポルノ街に迷いこんだこと、
ビデオショップでの出来事、マスターテープを買い取ったこと、そしてそれを川に投げ捨てたことを訥々と語った。
ビデオショップで売られていたビデオにレヴィがいた、そう言った時、レヴィの目は大きく見開かれた。
レヴィは目を見開いて小さく息を吸っただけで、その表情はほとんど動かなかった。
だが、瞳孔の開いた目は、もうロックを見てはいなかった。
そのあとの話が聞こえているのかいないのか、レヴィは焦点を失った目を虚ろに開けるだった。
「……だから、俺があそこにいたのは、女を買っていたからでもなんでもないんだ」
ロックが話し終わっても、レヴィは凍りついた表情で立ちつくしていた。
「……レヴィ?」
レヴィが一言も口をきかないため、ロックはおそるおそるレヴィの顔を覗きこんだ。
どこか遠くを見るような目でレヴィは二度、三度とまばたきをし、そしてようやく口を開いた。
「……見たのか?」
レヴィの口から、かすれかけた小さな声がこぼれた。
「え?」
ロックが問い返すと、レヴィはふいと顔を上げた。
「あんたはそのビデオ、見たのか?」
今度はレヴィの目がしっかりとロックをとらえた。
「──あ」
その目に詰問の色はなかった。
しかし、まっすぐにロックを見るレヴィの目は、真実しか望んでいなかった。
逡巡したあと、ロックは喉の奥から絞り出した。
「………………見た」
その瞬間、レヴィの顔がゆがんだ。
怖いくらい動かなかった表情が崩れ、眉が下がる。
なにか絶望的ことを聞いた、そんなふうに瞳の表面がゆれた。
「──レヴィ」
ロックは思わず手を伸ばしたが、レヴィは一瞬でその表情を引っこめ、ロックの手をするりとかわした。
は、と小さく笑って首を横に振る。
しかし、その口元は引き攣って、わずかに震えていた。
「レヴィ、でも最初の方だけだ。全部は見てない」
ロックは慌てて言い添えたが、レヴィは片頬をゆがめて笑った。
「同じことだ」
レヴィは乾いた笑いをもらし、そして吐き捨てた。
「……ロクでもねェことしやがって」
ロックはたまらずレヴィの肩を掴んで、自分の方に向き直らせた。
「……レヴィ、俺は耐えられなかったんだ」
振り払おうとするレヴィの肩をさらに強く掴んで、続ける。
「あんなビデオが今も出まわって、誰かに見られている、俺はそれに耐えられなかったんだ。
あのビデオを、そのままにはしておけなかった。俺が楽しむために見たわけじゃない!」
強く言い切ると、レヴィがぐいと顔を上げ、正面からロックを見据えた。
その目には、いつもの強い光が戻っていた。
「聖人気取りか、ロック。イエス様が聞いて呆れるぜ。
あんたがそれ一本処分したからって、ガキが出てるポルノもレイプもなくなるわけじゃねェ。
あんたがやったのはせいぜい、死体に湧いた蛆虫を一匹つぶしてみたぐれェのことだ。
変わりゃしねェんだよ、ロック。あんたがなにをしようと、なにも変わりゃしねえ」
「俺はそんなたいそうなことを考えてたわけじゃない」
ロックは負けじとレヴィを見返した。
「俺はポルノビデオが許せなかったわけじゃない。俺は、レヴィが──」
睨みつけてくるレヴィに、ロックは言った。
「レヴィの映像があんなふうに見られてるのが許せなかったんだ」
レヴィは睨む目をゆるめなかった。
「……あたしが怒ってんのはな、ロック」
片手が伸びてきて、ロックの胸ぐらをぐいと掴む。
ロックのワイシャツをぎりぎりとねじ上げて、レヴィは言った。
「あんたがまた、なんの得物も持たずに一人でゴブリンの巣にふらふら入ってった、だからだ!」
レヴィのロックを睨む目は刃物のようだった。
「いいか、ああいう手合いの連中はな、教会の慈善バザーでキルトを売ってるようなババアとはわけが違うんだ。
たまたまあんたの前の前に立ってた奴、そいつの頭の中身がポストみてェにからっぽだったとしても、
そんなこたァ問題にならねえ。
そいつはただの歩兵だ。
巣の奥深くには、でっかいケツを革張りのソファーに沈めた親玉が待ち構えてんだよ。
──姐御、張の旦那、……あんただってロアナプラで散々見てるはずだ。
そいつのご機嫌をちょっとでも損ねたら、すぐさま裏口から引っ立てられて、セメントの靴を履かされ港に沈む。
あんたはそれを知ってながら、それでも一人で突っこんだ。あたしはそれに怒ってんだ!」
「……レヴィ」
「怪物のねぐらにのこのこ入って、その髭引っぱって帰ってきて、それで手に入れたもんはなんだ?
スリル? 興奮? それとも、あんたお得意の自己満足か?
──下らねェことで無駄に命張ってんじゃねえぞ!」
レヴィは猛獣さながらの調子で声を張り上げた。
「レヴィ」
ロックはワイシャツの胸元を掴み上げるレヴィの手を握った。
まなじりを吊り上げるレヴィを、負けじと見返す。
「下らなくない。スリルのためでも自己満足のためでもない。──言っただろ。
俺が、レヴィのあんな姿を他の誰にも見せたくなかった。もう、誰にも見せたくない!
……それのどこが下らないっていうんだ!」
叩きつけるように叫ぶと、ワイシャツを掴み上げていたレヴィの手がふっとゆるんだ。
ロックの手の中で、段々と力を失ってゆく。
「……見せたくない、か」
レヴィの手は、掴んでいたロックのワイシャツから離れた。
そして、のろのろと下がってゆく。
その手と一緒に、目線もゆっくりと伏せられていった。
手が完全に落ちきったところで、レヴィが口を開いた。
「……あたしが一番、見られたくなかった奴を教えてやろうか」
ロックが答える前に、伏せていた目がふいと上がった。
「──あんただよ、ロック」
ロックは言葉を失った。
目を逸らすことも息をつくこともできず、ただ離しそびれたレヴィの手を呆然と取っていた。
「──あ、レヴィ、……俺は」
ロックの口から出てきた言葉は、意味をなさなかった。
レヴィは、ロックをひたと見つめていた。
──言うべきじゃなかった。
さあっと頭から血の気が引いていった。
ロックは握っていたレヴィの手を離し、無意識のうちに首を小さく左右に振っていた。
言うべきではなかった。
いくらレヴィに誤解されようとも、言うべきではなかったのだ。
最初の決心通り、レヴィには知らせず、闇から闇へと葬って──。
そこまで考えて、またロックは首を振った。
いや、それも違う。
──見るべきじゃなかった。
あのパッケージの少女がいかにレヴィに似ていようとも、見るべきではなかったのだ。
レヴィが見せたくない傷口に無断で触れた。
まだ癒えていないと知りながら、勝手に──。
でも、とそこでまたロックは考える。
そうしたら、あの映像はそのままずっと──?
少女がレイプされる様を好む男に買われ、薄笑いを浮かべながら見られ、肉欲の対象となり──?
それもまた、耐えがたかった。
いったいどうすればよかったのか、答えは出ないまま、しかし、ひとつだけ確かなことがあった。
取り返しのつかないことをした。
今はもう、レヴィはロックを睨んではいなかった。
ただ痛ましいものを見るような目で静かにロックを見ていた。
レヴィはなにも言わない。
罵られた方が、まだましだった。
「レヴィ──」
すまなかったで片づく問題とは思われなかった。
軽々しい謝罪の言葉を口にすることもできず、ロックはその場に立ちすくんだ。
沈黙を破ったのは、レヴィの方だった。
「……最後のは、忘れろ」
小さくかぶりを振って、レヴィは笑った。
「もう済んだことだ。……あたしはあんたが余計なとこに首突っこまなきゃそれでいい。
もしあんたがハドソン川に沈められでもしてたら、ダッチにどやされてたとこだった。
こんなことはもう、金輪際なしだ。……オーライ?」
「──あ、ああ……」
つられてロックが頷くと、レヴィは「それでいい」とつぶやいた。
そして話は終わりだというかのように身を翻そうとして、ふと思い出したように動きを止めた。
「……あと、マフラー、サンキュ」
つけ足しのようにそう言って、レヴィはロックに背を向けた。
「レヴィ!」
ロックは反射的にレヴィの肩を掴み、引き寄せていた。
このまま話を終わらせたら、彼女との間にもう二度と埋められない溝ができてしまうように思えた。
「レヴィ……」
だが、引きとめたはいいものの、言うべき言葉は見つからなかった。
なにを言えばいいのか、ロックが言葉を探していると、レヴィがゆっくりと振り返った。
「……シケた顔してんじゃねェよ」
ロックを見上げ、唇を片方だけ吊り上げて笑う。
「別にもう怒っちゃいねえよ」
「……そうじゃない、俺は──」
「あんたが気に病む必要はない」
言い含めるように薄く笑うレヴィに、ロックは自分の眉がゆがむのを感じた。
「──でも、レヴィが」
「あたしはどうもしねえよ。……もう、終わったことだ。それに、珍しくもなんともねェ話だ。
あたしに限ったことじゃねえ。そういうふうに生まれた、ただそれだけのことだ。
血管にコカコーラが流れてる白豚どもは、中国人のガキなんざ黄色いメス犬としか思ってねぇからな。
メス犬はメス犬らしく、立場をわきまえろってことさ」
「……やめろよ」
ロックは低くうめいた。
「そういうふうに言うの、やめろよ」
レヴィがなんでもないことのように振る舞えば振る舞うほど、その目は昏く、表情を失っていった。
「ただの事実だ」
レヴィは暗い虚のような目でロックを見上げる。
「……事実なもんか」
ロックは両手でレヴィの肩を取った。
「──“立場”? 立場ってなんだよ、レヴィ。そんな立場、あってたまるか!
なんでそんなに物わかりのいいふりをするんだ、レヴィ!」
「……ふりなんかじゃねェよ。この世の中の仕組みに気づくか気づかねぇか、ただそれだけの話だ」
「俺は世の中の話なんかしてない、レヴィの話をしてるんだ! 話をすり替えるなよ、レヴィ。
わかったような説教なんか聞きたくない。お前、自分がどんな目してるのか知ってんのか!
──どうもしない? そんなわけあるか! 知ったようなふりなんかするなよ、レヴィ!」
肩を握った両手にぐっと力をこめて見下ろすと、レヴィの目に苛立ったような感情が宿った。
「あんたはどうしても、“ふり”ってことにしてェみたいだな。
……いいだろう、仮にそうだったとして、だ。
そうだったとして、じゃあ、あたしはどうすりゃよかったんだ?
助けて下さい、誰か助けて下さい、そう言って泣けばよかったのか?
泣いてりゃ、誰かが助けてくれんのか?
ひどいことされたんです、つらかったんです、そうやって憐れっぽくすがれば、
どこかの誰かが、かわいそうだねぇお嬢ちゃん、って具合にいい子いい子してチョコレートのひとつでも恵んでくれるってか。
──笑わせるぜ、ロック。そんなのはな、あんたのいた世界の理屈だ。こっちの世界じゃ通用しねェんだよ!
あたしのいた世界じゃ、たとえば、こうだ。
レイプ? どうせお前が誘ったんだろ? いくら金もらったんだ? メス犬は見境ねえな。
……そうやって全部あたしから誘ったことになって、いつの間にか、あたしは股のゆるい淫売ってことになってる。
──そして、最後にはこうだ。
ぐちゃぐちゃうるせェな、お前も気持ちよかったんだろ?
……どうにもなりゃしねェんだよ。どうにもなりゃしねえ!
力のないあたしが悪かった。それを避けられなかったあたしが悪かった。それだけだ!
自分でどうにかできなかったことは、受け入れるしかねェんだ!
それ以外にどうすりゃよかった? 他に、どうすりゃよかったってんだよ!」
レヴィは喉が裂けるような声で叫んだ。
「レヴィ……」
レヴィは叫んだ勢いのままの激しい目つきでしばらくロックを睨み上げていたが、ふとその目が力を失った。
同時に身体もほどけるように芯を失う。
「……クソ」
ロックから逃れるように顔をそむけて、レヴィは小さく毒づいた。
「レヴィ」
ロックは慌ててレヴィの両肘を取り、崩れそうになる身体を支えた。
レヴィは嫌がるように身体をよじったが、ロックはその肘を強く掴んだ。
「……クソ」
よろけかけたレヴィが、ロックの二の腕に手を触れた。
ロックの腕を支えにして顔を伏せ、小刻みに頭を振る。
呼吸を落ち着かせるように何度か大きく息を吸っては吐く。
そして息が静まった頃、伏せられていた顔がわずかに上がった。
澱んだ影をまとわりつかせた顔で、レヴィは小さく笑った。
「……過去は、消せねェな」
「──レヴィ」
ロックはとっさに目の前の頭を抱き寄せていた。
『……過去は、消せねェな』、そう言って向けられたレヴィの顔は、ひどく頼りないものだった。
長い時間をかけて塗り固められた硬い殻が、一瞬のうちにぱらぱらと剥がれ落ちてしまった、そんな顔をしていた。
抱き寄せる力にレヴィは腕を突っ張って抵抗しようとしたが、
ロックはそれを封じて、引き寄せた頭をワイシャツの肩口に押しつけた。
──終わってないんだ。
ロックは頭を殴りつけられたような気がした。
終わっていない。
ロックは、あの映像を処分してしまえば、レヴィに起こったことごとを過去のものにしてしまえる気がしていた。
誰の目にも触れないところに葬って、もう二度と掘り返されることなく、過去は過去のまま眠らせる。
けれど、違う。
レヴィの中では、まだ“過去”などではないのだ。
少女の頃のレヴィは傷を癒す暇もなく、ただ外側を厚く鎧ってその傷口を覆い隠した。
そうして、少女はそのまま大人になった。
硬い鎧の中で、今もまだ傷は癒えていない。
映像を処分したからといって、その傷がなくなるわけではない。
終わらせられるわけではない。
──礼でも言われると思ったか?
ロックは今さらながらに自分の浅慮を悔いた。
レヴィの昔の映像を見つけ、それを処分した。
どこかで善行をつんだ気分にでもなっていたのか?
レヴィが感謝の念を示すとでも?
サンキュー、ロック、あんたのおかげですっきりしたぜ。
そんなふうに。
──ありえない。
「……レヴィ」
ロックはレヴィの後頭部を思いきり自分の肩口に押しつけていたことに気づき、手をゆるめた。
レヴィはほんのりと額の赤くなった顔を浮かせて、は、と息をついた。
乱れた前髪の下で、伏せられた睫が上下する。
ロックのもう片方の腕はレヴィの腰にまわっていた。
先ほどレヴィはロックの腕から逃れるように身をよじらせたが、今はもうそんなそぶりはみせなかった。
ロックの腕の中で、レヴィは静かに呼吸をくり返す。
ロックは息をひそめてレヴィを見下ろした。
なにか言ったら、すぐさまレヴィの表面にあの硬い殻が戻ってきてしまう気がした。
レヴィもまた、なにも言葉を発しなかった。
ロックの上腕に手を触れたまま、ワイシャツの胸に目を落とす。
ロックは、伏せられたレヴィの睫を見つめた。
「レヴィ……」
ロックは沈黙するレヴィの腰をとらえたまま、もう一方の手をレヴィの頭に伸ばした。
目にかかりそうな前髪を親指ですくい上げ、耳へとすべらせる。
「……耳、冷たいな」
指に触れたレヴィの耳の縁は、先ほどまでの雪の冷たさを思い出させた。
冷たい耳を掌で包みこむと、レヴィが顔を上げた。
至近距離で目が合う。
少しばかり目尻の吊った薄茶の目がロックを見上げる。
レヴィはなにも言わない。
沈黙が耳に痛い。
互いの呼吸の音までもが聞こえてきそうだった。
その静寂に窒息しそうになった時、レヴィの睫がわずかにゆれた。
ふっと視線がロックの目から逸れる。
ロックはその動きにつられるように、身をかがめた。
ゆっくりと頭を落とし、レヴィの顔に寄せる。
レヴィは避けない。
呼吸が肌に触れそうな距離になったところで、耳にあった手を下にすべらせて親指のつけ根で顎を持ち上げると、
レヴィの顔がわずかに上を向き、唇と唇が触れた。
ロックは唇を合わせ、レヴィの腰を引き寄せた。
体温がぐっと近くなり、胸と胸が重なる。
ワイシャツ越しにやわらかい胸の感触がして、ロックの胸の上でふわりとわずかにつぶれる。
レヴィの背中や髪の先にはまだ冷気のなごりがまとわりついていたが、触れた唇は温かかった。
かすかな呼吸が頬をかすめ、身体の熱が混ざる。
唇はただ重ねるだけなのに、手も胸も腰も、
触れているところすべてからレヴィの気配が浸透してきて、胸苦しくなるほどだった。
ロックはそっと唇を離した。
レヴィの顔を窺うが、そこにロックを非難する色はない。
また重ねるだけの短い口づけをすると、レヴィは呼吸を合わせてそれに応えた。
ロックが下唇をついばむと、レヴィの唇が一瞬遅れて上唇をかすめる。
やわらかく押しあてると、腕の中の身体がわずかに反る。
唇の表面を撫で合うような口づけを何度も交わす。
ロックは深く口づけてしまいたい衝動をぐっとこらえて、たわむれのようなキスの応酬を終わらせた。
深く口づけたら、すでにもう身体の中でくすぶっている火が一気に燃え上がってしまいそうだった。
ロックは息の触れる距離でレヴィを見つめた。
もっとこんな方法でごまかすのではなく、言葉で伝えたいことがあるはずだった。
けれど、伝えたいはずのことは胸の中でとりとめもない靄となって漂うばかりで、
いったいそれをなんと言えばレヴィに届くのか、ロックにはわからなかった。
レヴィが依然としてひとりで持て余しているものがすぐそこにあるというのに、それに触れるすべが見つからない。
やわらかい中身に触れたら、そのまま握りつぶしてしまいそうだった。
ロックが見下ろしていると、ふっとレヴィの顔が苦笑いに変わった。
「……んな顔すんじゃねぇよ」
同時に、片手がロックの首の後ろに伸びてくる。
ひやりと冷たい指先が首筋に触れる。
その指先に力が入ったかと思うと、レヴィの顔が迫ってきた。
レヴィは背伸びをしてロックの唇に自分の唇を寄せた。
温かい唇がやわらかく重なる。
ロックの腕の中で、背中がしなる。
首の後ろに伸ばされた手に促されるがままに頭を落とし、今度はロックの方から唇を押しつけると、
角度を変えた拍子に互いの唇が薄く開き、熱い息が混ざった。
ロックはたまらず、レヴィの腰を強く引き寄せて深く口づけた。
開いた唇のすきまから舌をすべりこませ、奥に差し入れる。
「──ん」
ロックの勢いに押されてレヴィの身体が反り返り、喉の奥が短く鳴った。
口の中は唇よりももっと温かい。
寄せた舌に唾液がからみ、混ざり合う。
舌先に触れる粘膜のやわらかさが、レヴィの身体のなかの感触を思い出させた。
熱く、やらわかく濡れて、ロックを締めつける──。
どくん、と心臓が大きく脈動した。
胸の奥が熱くなり、それが一瞬で腹の底にまで広がる。
舌でレヴィの口内をかき混ぜるたびに、血はぐんぐんと下半身に集中してゆく。
胸にあたるレヴィの乳房のやわらかさと、腕で巻き取った腰の締まりがやけに鮮明に迫ってくる。
ロックは静かに舌を引き抜いた。
このまま続けたら、劣情のままにレヴィを押し倒してしまいそうだった。
それでは昨晩の二の舞だ。
なにかから目を逸らすためだけに身体を重ねることはしたくなかった。
けれど同時に、昨晩を最後にすることもまた、耐えがたかった。
あれを最後にニューヨークをあとにしてしまったら、きっともう、今までのようには抱き合えない。
ロックとの情事も、レヴィの中ではニューヨークにまつわる暗い記憶のひとつとして、
胸の底に隠し持つ鋼鉄の箱に入れられてしまうだろう。
父親に虐待され続けた記憶や警官に強姦された記憶とひとつのかたまりとなって、レヴィの中で凍結される。
そしてロックを見るたびに、その黒く凝ったひとかたまりの記憶が頭をもたげてレヴィを苛むのだろう。
ロックはほんの少しだけ身体を離してレヴィを見た。
拒絶の気配がないか、じっと窺う。
「……んだよ」
無言で見つめられたレヴィが、きまり悪そうに顔をそむけた。
だが、ロックを押しのける様子はない。
ロックは腰を引き寄せていた腕をといてレヴィの手首を取り、ベッドの方へ一歩、下がった。
一瞬遅れて、レヴィの足も一歩出る。
ロックはレヴィの手を取ってベッドへ進み、部屋の灯りを落とした。
下着一枚で毛布の中にすべりこんで、ロックは両腕の中にレヴィを囲った。
窓の外から暗い室内をぼんやりと照らす雪あかりが、レヴィの片頬をほの白く浮かび上がらせていた。
頭を落として口づけると、レヴィの腕が首にまわってくる。
舌をからませながら、首筋、鎖骨と手をすべらせ、乳房にたどりつく。
掌で包みこんで寄せ上げるとやわらかく形を変え、ロックの指を沈みこませる。
指につんと触れてくる頂点を指の腹で撫でると、レヴィの身体がゆらめく。
以前と変わらない、情事のはじまりだった。
しかし、二人の間にわずかな違和感が挟まっているのを見逃すことはできなかった。
レヴィは口づけに応えながらも、どこかロックの手のゆく先を息をひそめて窺っているような気配を滲ませていた。
ロックは合わせていた唇を離し、つんと尖った乳首を口にふくんで舌先でころがした。
唇でやわらかく挟みこみ、つまみ上げるようについばむ。
脚の間にすべりこませた手で下着を縦になぞり上げると、レヴィの太ももがきゅっと締まって膝が内側にゆれる。
下着の上から一点を中指の腹でくるくるとこね、そして奥に這わせてやわらかい肉の間を探ると、
段々とほとびてきた下着を通して、ロックの指先もしっとりと濡れた。
レヴィの下着を取り去り、とろりと濡れたなかに指を沈ませようとした瞬間、
わずかに肌の表面に緊張が走ったような気がしたが、あ、と思った時はすでに遅く、指はぬるりとなかに入っていた。
「──ん」
レヴィがため息のような声をもらし、吐き出された息がロックの肩口に漂った。
ロックの指は、温かくやわらかな粘膜に包まれていた。
先ほど舌で口内を探った時と同じ、いや、それよりももっと熱い粘膜がロックの指を包む。
指を前後させると、きゅうっと内側が締まって腰が小さくうねった。
とろりとした体液があふれ出し、ロックの指をつけ根まで濡らす。
深く沈めるたびに指はなめらかにすべり、最後には毛布の中で響くとろけた音が耳に届くほどだった。
「……レヴィ」
あの一瞬走った緊張は気のせいだったか、けれど、本当に続けてもいいのかとロックが耳のそばでささやくと、
レヴィはそれを催促の意と受け取ったのか、静かに膝を開いた。
ロックは開いた膝の間にすべりこんで先端をあてがった。
触れたところはひたりとロックの先端に吸いつき、少しでも腰に力を入れたら簡単に吸いこまれていってしまいそうだった。
ゆるやかに膝を立てたレヴィの脚はロックを外側から囲い、小さく尖ったくるぶしの骨がわずかに脛に触れる。
ロックは腹の中で猛る熱を持て余し、深く腰を沈めた。
「──っ」
ロックの先端が肉を割ったその瞬間、レヴィが息を飲んだ。
内側がきつく収縮し、ロックを締めつける。
一気に腰の裏まで快楽が突き抜けて、ロックは思わず身体をこわばらせた。
「……レヴィ」
上擦りそうになる声をなんとか抑えて、レヴィに覆いかぶさる。
顔の横で固く握られている手に指先をねじこんで、開かせる。
レヴィの指の間に自分の指を差しこんで握りしめながら、ロックは深く身体を重ねた。
「レヴィ」
耳のそばで名を呼んでも、答えはない。
ただロックの身体の下で胸だけが不規則な呼吸に震えていた。
「……レヴィ」
ロックは首筋に口づけて、ゆっくりと身体をゆらした。
腰を動かした途端、ロックをぴったりと包むやわらかい壁を押しわけた感触がして、
わずかに引き抜き、そしてまた沈めると、身体の芯を湧きたつような快楽が駆け抜けていった。
腹の底で欲求がふくらみ、出口を求めてざわめき出す。
刺激を求める衝動は抑えきれず、無意識のうちに腰の動きは大きくなっていた。
やわらかい身体のなかを突けば突くほどレヴィの内側はとろけていって、ロックの腰の動きをなめらかにした。
だが、ロックが指をからませているレヴィの手は、依然としてこわばっていた。
ロックが身体をゆらすたびに、くっ、と喉の奥が小さく鳴る。
目はぎゅっとつぶられ、眉はきつく寄せられている。
深く穿つと、その眉がさらにきつく寄って、顔がそむけられた。
ロックは口づけようと顔を寄せたが、レヴィはその気配にも気づかず、枕に顔をうずめるばかりだ。
「レヴィ」
ロックはその顔を無理矢理自分の方に向かせて口づけた。
頬を片手で包みこんで、唇を重ねる。
──思い出すな。
レヴィがまた過去の方に引きずられそうになっているのは明らかだった。
奥を突くたびにレヴィの呼吸は奥に引っこんでゆき、うまく吐き出せない息のせいで呼吸がいびつに乱れた。
口づけをくり返してもレヴィの身体のこわばりはとけず、過呼吸のような息の吸いかたのせいで胸が不自然に震えた。
「レヴィ」
ロックは唇をレヴィの首筋に押しつけて、硬直した肩を掌で包んだ。
思い出すな。
ロックはレヴィの肩口に顔をうずめながら思った。
思い出すな。
レヴィの中に未だ刻みつけられている記憶があるのはわかる。
それが簡単に拭い去ることなどできないということもわかっている。
けれど、今は俺と身体を重ねているのだから、俺を見ろ。
ロックがどうあがいても、過去のレヴィには届かない。
あの少女に手を差しのべたい、あの少女を救い出したいといくらロックが願っても、その手は決して過去には届かない。
──じゃあ、俺はどうすればいい?
「……忘れろ」
ロックはレヴィの耳元でうめいた。
自分はどうすることもできないまま、自分と肌を重ねるたびに他の男に犯された記憶と重ねられるのは、たまらなかった。
胸は鉛を流しこまれたように重く、苦しい。
「忘れろ」
もうお前はあんなふうに床に這いつくばらなくてもいいだけの力を持っているし、
お前を傷つけようとする者を自分の手で排除することができる。
あんな記憶にとらわれ続ける必要なんかない。
「忘れろよ、レヴィ」
レヴィの耳のすぐそばでくり返して額を撫で、髪に指を差しこむと、レヴィがなにごとか言葉を発した。
「……あんたが」
「──え?」
小さく漂った声にロックが顔を上げると、下から見上げるレヴィと目が合った。
「──あんたが、忘れろよ」
ほとんど息のような声だった。
語尾はかすれ、唇はわずかに震えていた。
レヴィの目は、すがるような色でゆれていた。
ロックは言葉を失った。
「──レヴィ」
やっと絞り出した声は、レヴィの名を口にしたっきり、喉の奥で固まった。
忘れられるわけがない。
あんな記憶、忘れられるわけがない。
たった一度見ただけのロックですらそうなのだ。
レヴィが忘れられるわけないじゃないか。
忘れろと言われて忘れられるくらいだったら、とうに忘れている。
──俺は……。
ロックは頭を落とし、レヴィの首筋に顔をうずめた。
……レヴィ、とささやいた声は音にならず、レヴィの髪の中に吸いこまれていった。
ロックはぎゅっと目をつぶり、上から覆いかぶさってレヴィを抱きしめた。
『──あんたが、忘れろよ』
閉じた目の裏には、たった今見たレヴィのゆれる目の色が、いつまでも残っていた。
続
来た来た、待ってました!
「忘れろ」と、其の男は云った
「忘れろ」と、其の女は応えた
一本のヴィデオ・テープ
ジョックスとクイーン・ビーがヒエラルキー最上位のスクールカースト
その落伍者たちが溢れる「エンパイヤ・ステート」「ビッグ・アップル」は真っ暗闇
そしてその暗黒ははるか西方の夢のカリフォルニアに、さらに向こうの日本に、香港に、そしてロアナプラにまで続いてるって算段か
女は、そのヴィデオを忘れられる?
男は、そのヴィデオを忘れられる?
「あなたの過去を含めて、全てを愛します」と言ったのは『めぞん一刻』の五代くんだったか?
こういうの悪くないね
今後も楽しみにしてる
GJ
繰り返しは二度もやるとしつこいよ
確かにしつこいわ
>>535 GJでした!!
続き楽しみに待ってます
* * *
「俺は、──レヴィを、見つけたんだ」
それを聞いた時、レヴィはロックの言葉の意味を把握できずに眉をひそめた。
──どういうことだ。
だが、最初の不可解さは話が進むにつれて驚愕へと変わった。
いや、驚愕すらしていなかったのかもしれない。
少女の頃のレヴィが警官に犯されている映像を見つけた、そうロックに告げられた時、レヴィの頭は真っ白になった。
それまで考えていたことが吹っ飛んで、突然コードを引き抜かれたブラウン管のようにすべての機能が停止する。
なにか考えなくてはいけないことがあるはずなのに、まったく思考が立ち上がらない。
ビデオショップ、ポルノビデオ、警官、レイプ、マスターテープ、そんな言葉がぼやぼやとレヴィの外側で漂う。
──どういうことだ。
なんとか働き出したレヴィの頭は、無数の「なぜ」に埋めつくされた。
ロックの説明はちっとも頭に入ってこない。
警官に犯された、その記憶はある。
ビデオカメラが撮影していた、そんなこともあったような気がする。
けれど、その映像がどうしてビデオショップに?
いったい誰が、どういう経緯で?
……いや、そんなことは問題ではない。
レヴィはあちこちにとっ散らかる思考をまとめて振り払った。
問題なのは──、
「……見たのか?」
「え?」
「あんたはそのビデオ、見たのか?」
はたしてロックはそのビデオテープの中身を見たのか。
レヴィにとって重要なのはその一点だった。
レイプもポルノビデオも、今はどうでもいい。
──見ないでいてくれ。
どうかロックがそれを見ていませんように。
思うのは、それだけだった。
レヴィはほとんど祈るような思いでロックの答えを待った。
「…………見た」
うめくように絞り出したロックの答えを聞いた時、足元がぐらりと傾いだ気がした。
──……見た、のか。
ロックが、見た。
ロックが、警官に犯されている自分を、見た。
すうっと頭の中を冷たい液体が流れていった。
ロックが見た、その事実はひたひたとレヴィを浸食していった。
胸の中でなにかが崩れていくような気がした。
だが、レヴィは一瞬で我に返った。
そして、そんなふうに衝撃を受けた自分に驚いた。
ロックはそんな映像を見ずとも、レヴィが大勢の男に股を開いてきたことくらい知っているだろう。
ファックなんか屁でもない。
金のためだったら喜んでディックをしゃぶり、どんな男のものでもゆるいプッシーに咥えこんで腰を振る、
レヴィとは元々そういう女なのだと、ロックは最初からそう思っているに違いない。
こんな映像ひとつ見られただけで崩れるものなど、なにもない。
いったいなにを期待していたのだ、いったいロックにどう思われていたかったのだと、レヴィは自分を戒めた。
きっとまた、いつもの病気が出ただけのことだ。
この男の基準でいう「間違っていること」を見逃せない、あの病気が。
けれど、
「下らねェことで無駄に危ねぇ橋渡ってんじゃねえぞ!」
ロックの胸ぐらを掴み上げてそう怒鳴りつけたレヴィに対し、
「俺が、レヴィのあんな姿を他の誰にも見せたくなかった。もう、誰にも見せたくない!
……それのどこが下らないっていうんだ!」
そうやって怒鳴り返してきたロックに、またしても気持ちがゆらいだ。
ロックは睨みつけるレヴィの向こうを張って、射るような眼差しで見下ろしていた。
その、怒りともどかしさが渾然一体となった視線が、レヴィを突き刺した。
──本気か?
レヴィはロックの正気を疑った。
もしかして本気で、誰にも見せたくないという一心で処分したというのか?
他の誰にも見せたくない、たったそれだけの理由で?
一文の得にもならないのに?
レヴィの手を握ったロックの手はゆるぎない。
ロックは、どうしてこんな簡単なことがわからないのだという焦れたような目をしていた。
胸ぐらを掴んでいたはずのレヴィの手はいつの間にか、ロックの手の中で力を失っていた。
「……見せたくない、か」
ロックの勢いに気圧されるように、張りつめた気持ちがしぼんでいくのがわかった。
ロックはどうやら本気で言っているらしい。
信じられないことだが、本気らしい。
けれど、本気でそう思ってくれているのだとしたら──。
「……あたしが一番、見られたくなかった奴を教えてやろうか」
しぼんだあとに残っていたのは、先ほど追いやったはずの女々しい感情だった。
「──あんただよ、ロック」
気づいた時には、言葉は唇からするりとこぼれ出ていた。
ロックの顔は一瞬凍りつき、そして、苦いものを無理矢理口につめこまれたような表情に変わった。
その表情は、自分がなにかを傷つけてしまったようにも、自分が手ひどく傷つけられたようにも見えた。
言うつもりのなかったことを口に出してしまった。
たちまち自己嫌悪が湧き上がってきて、レヴィは話を終わらせるべく口を開いた。
「……最後のは、忘れろ」
こんな感情に翻弄されるなんて、馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
ロックと話していると、どんどんペースを乱される。
いつの間にか余計な感情が芽生え、言うはずのなかったことを口走っている。
ここはシャワーでも浴びて正気を取り戻し──、そう思った時、ロックに肩を掴んで引き寄せられた。
「レヴィ……」
情けない顔で見下ろしてくる男に、レヴィは改めて後悔した。
──言うんじゃなかった。
一番見られたくなかったのはあんただ、そんなことを言ってなんになるだろう。
聞かされた方は困るだけだ。
レヴィは同情を買おうとして言ったわけでも、ロックを責めて言ったわけでもなかった。
警官からの仕打ちもそうなるべくしてそうなったこと、いわば必然だ。
立場はちゃんとわきまえている。
しかし、ロックはそれで納得しなかった。
「立場ってなんだよ、レヴィ。そんな立場、あってたまるか!
なんでそんなに物わかりのいいふりをするんだ、レヴィ!」
愚直ともいえるストレートさで切りこんでくるロックに、レヴィの中でどうしようもない苛立ちが頭をもたげた。
──どうして、あんたは。
どうしてロックは、こうしてレヴィが必死に理性を保とうと踏ん張っている足をすくいにくるのだろう。
レヴィの外面を剥ぎ取り、目をそむけていた本音を剥き出しにするのだろう。
捨ててきたはずのものをわざわざ拾い上げて、迫ってくるのだろう。
もうレヴィ自身にも、ぐらぐらとゆれ続ける感情を制御することはできなかった。
気づいた時には、ぶちまけていた。
知られたくなかった。
レヴィがどんなに自分の境遇を呪い、どんなに誰かの手を待ち望み、
そして、どんなふうにして与えられなかったものを諦めてきたかを。
この世は持てる者と持たざる者でできていて、レヴィは持たざる者なのだ、
そう自分を納得させずに、どうして生きていけただろう。
決して与えられないものを望んで、願って、そして手ひどく裏切られることを何度くり返せばいい?
ならば最初から、お前にやれるものはなにもないのだと、
お前は家畜同然のメス犬なのだと言われた方が、よっぽどましだった。
メス犬だから、人間のように扱ってもらえなくて当然。
靴の裏で踏みつけられ、唾を吐きかけられて当然。
人間の扱いを望む方が間違っている。
望むな。願うな。
それが、レヴィの出した答えだった。
そしてレヴィは、ロックにだけは知られなくなかったのだ。
レヴィがどんなふうに生きてきたのか──いや、どんなふうに犯されてきたのか、を。
知られなければ、涼しい顔をしてこのままの関係を続けていけると思った。
悪いことならなんでもやった、そんなふうに苦労をちらつかせ、
仲間に淫売扱いされるくらい辛いことはない、そうほのめかして牽制し、
温室育ちのあんたにわかるはずがない、それを盾にして踏みこませず。
でも、無理だ。
あったことは消せず、やったことは取り戻せない。
ロックに口出しされるのがただただ苛立たしかった、いつかの夕暮れの屋台での怒りは、次第に恐れへと変わっていた。
知られるのが怖い。
ロックにすべてを知られるのが、怖い。
レヴィの過去をすべて知ったら、ロックはなにを思うだろう。
初めて自分を人間の女として見てくれた男に、軽蔑されたくなかった。
ロックの顔が蔑みに変わるところを、レヴィは見たくなかった。
けれど、あったことはあったこと。
いくら隠しても、なかったことにはできない。
「……過去は、消せねェな」
レヴィはそれを、嫌というほど思い知った。
また余計なことを口に出した、そう思った瞬間、強い力で引き寄せられた。
逃れようとしても、腰と頭を抱きこむ腕に封じられる。
こんな醜態を演じたいわけじゃない、もう見ないでほしい、そう思うが、ロックの腕はそれを許してくれない。
窒息するほど強く、顔をワイシャツの肩口に押さえつけられた。
やめてほしい、とレヴィは思う。
同情などいらない。罪悪感で優しくする必要などない。
腹の中で軽蔑されるくらいなら、面と向かって蔑まれた方がまだましだ。
けれど、苦しくなるほど強く拘束されて視界を奪われると、ロックの発した言葉の数々がよみがえってきた。
レヴィの映像があんなふうに見られてるのが許せなかった、もう誰にも見せなくない、
俺は耐えられなかった、許せなかった、そのままにはしておけなかった、
意地になったような口調の激しさが頭の中でよみがえり、こだまする。
ロックの身体からは雪のにおいがした。
行き先も告げずにさまよい歩いていたレヴィを見つけるまで、いったいどれだけ探したのだろう。
レヴィ、と叫んで雪の中を駆け寄ってくる姿、顔のまわりで白く漂う息、
寒そうだから、とマフラーを引っぱり出して巻きつけてくる手、マフラーの赤、ツリーのライトの照り返し、
つい先ほどの光景が次々と浮かんでは消えてゆく。
なにを信じようとしているのだ、今信じようとしているものはこの世には存在していない幻のようなもの、
信じたって馬鹿をみるだけだ。
必死で自分を戒めるが、ロックの体温と鼓動はレヴィのちっぽけな自戒を吹き飛ばす。
耳に触れられ、顎を持ち上げられ、気づいたら自然に口づけを受け入れていた。
戸惑いがちにベッドへと誘われ、レヴィは引き寄せられるように従った。
部屋の灯りを落とし、服を脱がせ合い、毛布の下で折り重なる。
ロックは口づけを落とし、レヴィの首に手を這わせた。
やわらかい指先が首筋を伝い、鎖骨を越えて降りてゆく。
乳房にさしかかっても手は慌てない。ゆっくり、ゆっくりと這い落ちてくる。
そして掌全体が乳房を覆うと、くるりと手首がまわって丸く包みこまれた。
ロックの掌は乳房の形に変形し、そのままやんわりと寄せては上げる。
自分の乳房がロックの手の中で形を変えているのがわかる。
染みこんできたロックの体温が、じわりと喉を上がっていった。
ロックの手つきはいつもと変わりない。
丁寧で、礼儀正しく、荒っぽいところがまるでない。
けれど、ロックの手つきが丁重であればあるほど、レヴィの中には得体の知れない不安が湧き上がってきた。
ロックはいったい、ビデオテープの中になにを見たのだろう?
頭の裏側にこびりついていた疑念が、むわりとふくらむ。
昔のレヴィが警官にレイプされていた、ロックの話からわかったのはそれだけだ。
ロックは、具体的にレヴィがなにをされていたかについては一切言わなかった。
檻の中で警官にレイプされたのは覚えている。
薄暗い房に漂う下水のにおいも、冷たく硬いコンクリートの感触も、手に取るように思い出せる。
けれど、カメラがまわっていた時にいったいなにをされたのだったか、レヴィはそれが思い出せなかった。
殴られた時の衝撃、腹にめりこむ拳の感触、饐えたにおいを放つ陰茎、喉の奥を突かれる嘔吐感、
無理矢理身体の中に侵入される痛みと、叫び出したくなるほどの嫌悪感、
そんな記憶が断片のように残ってはいるが、それがいったいいつのことだったか、
思い出そうとすればするほど記憶は輪郭を失い、黒く溶けて混ざり合ってしまうばかりだった。
──あたしは、なにをしていた?
レヴィは笑い出したくなった。
レイプされたことなど、一度や二度ではない。
犯されたことが多すぎて、いつのことだかわからない、だなんて。
ロックはまるでなにも見なかったかのように、いつもと変わらない手つきで乳房をこねる。
脇からすくい上げ、先端を親指の腹で刺激し、そして唇で挟みこむ。
尖った先端を濡れた唇でつままれると、剥き出しになった神経を直接撫でられたような刺激が走った。
今まで乳房にあった手はいつの間にか脚の間に移動して、下着の上から丹念に肉の割れ目を撫でていた。
そっと縦にこすり上げて指の腹を押しつけ、布越しにやわらかく陰核を圧迫する。
ぴたりと正確に探しあてられた布の下で、小さな突起がひくりと反応した。
ロックの指はふと離れたかと思うとまた戻ってきて、今度はくるくると揉みほぐす。
快楽を誘い出そうとしてくるような指の動きに、身体の奥からぬるい体液が滲み出た。
指は、その滲み出た体液の気配を感じ取ったようなタイミングで奥を探った。
滲み出たうるみが、下着越しにロックの指にかきまわされる。
その指で撫で上げられると、襞の間にもぬるい液体が浸透した。
ロックの指の下で、薄い下着は見る間に湿っていった。
内側がとろけ、それが下着の中に広がっているのが、ロックの指の動きでわかる。
ロックがほんの少し指を動かすだけで薄い布はぬるりとすべり、下着の中のとろけた粘膜が刺激される。
すっかり濡れてしまった布に指先をめりこませて陰核を探り出されると、
抑えきれない快楽に、またしても身体の奥からとろりと熱があふれた。
ロックの与えてくる刺激に腰をゆらめかせながら、レヴィの頭の中では止められない想像が広がる。
ビデオテープの中の自分は、いったいなにをしていたのだろう。
警官のものをしゃぶっていたか?
股を開いて、腰を振っていたか?
それとも、犬のように四つん這いとなって尻を高く突き上げていたか?
「──ん」
ロックの指が濡れたなかに入ってきて、レヴィは思わず息をもらした。
うるんだ内側にロックの指が根本まで埋まる。
やわらかい内壁をこすられると、奥から新たな体液が滲み出る。
とろけた液体をまとわりつかせて、ロックの指はレヴィの内側を往復した。
すっかり身体を溶かされ、脚の間に入りこんだロックに腰を沈められた時、レヴィはこぼれそうになった声を噛み殺した。
濡れた肉がゆっくりと押し開かれ、身体の内側をロックが進む。
やわらかくほどけた身体は、簡単にロックのすべてを飲みこんだ。
身体の内側が、ロックで満ちる。
「……レヴィ」
小さくささやかれた声のあと、ロックの気配が近づいた。
温かい息が頬に触れる。
──あたしは、そのビデオテープの中でなにをしていた?
ロックの気配を身体の内側に感じ、膣をひくつかせながら、
レヴィはどうしようもなくふくらみきった不安に押しつぶされそうになった。
ビデオカメラの前でなにをしたのか、レヴィは覚えていない。
けれど、覚えていなくともたかが知れている。
警官に突っこまれ、無様な姿を晒していたのだろう。
そんな女が今になって、こんな普通の女みたいなやりかたで身体を重ねている。
砂糖菓子のような愛撫を歓び、内側を満たされて甘い声をもらそうとしている。
そんな資格はないのに、優しくされたがっている。
ロックはそんな姿を見てどう思うだろう。
──滑稽だ。
レヴィはどう振る舞っていいのか、まるでわからなくなった。
前のようにロックと触れ合い、身体をゆらし合って口づけを交わす、
そんなことをしようとすると、頭の片隅であざ笑う悪魔の声がする。
──この男はどう思ってるだろうね?
『お前も気持ちよかったんだろ?』
いつか言われた誰かの言葉がよみがえる。
もし、ロックもそう思っていたら?
レヴィも、犯されながら気持ちよかったのだと、そう思われていたら?
それを考えると、胸を鈍器で叩きつぶされたような痛みが走った。
ロックはレヴィの身体をゆさぶりながら、どこか怖々と様子を窺っていた。
戸惑いがちに腰を進め、探るように奥を突く。
あんたはなにを見た?
そしてそれを見て、どう思った?
今、なにを思っている?
知りたいのに、訊けない。
『レヴィ、あの時、ほんとはお前も気持ちよかった?』
もし、そうロックに訊かれたら?
──耐えられない。
どうすればいいのかは依然としてわからないのに、
とろけた内側をロックが前後してゆく感覚に、快楽がふくれ上がった。
ロックが深く腰をうずめるたびに濡れた肉がやわらかくこねられて、ぬるい液体がとろりとあふれ出る。
さらになめらかになった身体の内側をかき混ぜられ、快楽は一気に喉元まで押しよせた。
──違う。
レヴィはあふれそうになった嬌声を無理矢理押し戻した。
そして、これは違うんだ、と念じる。
今、自分はロックと身体を重ねてこうして股を濡らしているけれど、これは違う。
あの時とは違う。
男に突っこまれて、いいと思ったことなんて一度もない。
よかったことなんて一度もない。
ロックと身体を重ねるまでは、一度も。
しかし、それを言葉にすることもできず、レヴィは抗えない熱を持て余して枕に顔をうずめた。
「レヴィ」
ロックはそむけた顎をとらえて唇を寄せてきた。
唇がやわらかく重なり、頬が掌に包みこまれる。
だが、ロックの声には隠しがたい影が色濃く滲んでいた。
苦悩をまとわりつかせた声でレヴィの名を呼び、口づけをくり返す。
レヴィはどう応えたらいいのかわからず、ただ声を殺した。
胸の中ではちきれそうになっていた空気が喉にひっかかる。
「……忘れろ」
レヴィの肩口に顔をうずめてロックが言った。
うめくような声だった。
ロックの呼吸が耳元に漂い、髪に吸いこまれてゆく。
「忘れろよ」
ロックはくり返す。
まるでレヴィではなく自分が痛めつけられたように、ロックは「忘れろ」と声を絞り出した。
そうじゃない、とレヴィは思う。
あんたがそんな声を出す必要はない。
レヴィが望むのは、忘れることではない。
「……あんたが」
「──え?」
レヴィの肩口から顔を上げたロックに、レヴィは言った。
「──あんたが、忘れろよ」
忘れてほしい。
ロックこそが、忘れてほしい。
レヴィがどんなふうに脚を開いたか、レヴィがどんなふうに他の男の陰茎を膣におさめたか、
どんなふうにしゃぶって、どんなふうに声を出して、どんなふうに突かれたか、
ロックが見たものを、全部、全部忘れてほしい。
忘れてくれるだけでいい。
レヴィはロックの頭の中に手を突っこんで、根こそぎ記憶を引きずり出してしまいたかった。
「──レヴィ」
ロックは表情を凍りつかせたあと、ゆっくりと頭を落とした。
レヴィの肩口で熱い息が漂う。
ロックの身体はわずかに震え、その様子はまるでロック自身が苦悩しているかのように見えた。
──なんで、あんたが。
レヴィは戸惑った。
どうしてロックが、こんな苦しげな声を出さなくてはいけない。
ロックが苦しむ必要などどこにもないのに。
ロックがなにを見たかは知らないが、すべてはレヴィの身に起こったこと、ロックに起こったことではない。
ロックにはなにも関係がないことだ。
いかにレヴィが虐げられてこようが、ロックは痛くも痒くもないはず。
──それを、どうして、あんたが。
レヴィは肩口にうずめられたロックの頭に手を伸ばした。
そして、触れた後頭部をそっと撫でる。
首筋には、押し殺したロックの息が熱くこもっていた。
肩口で、ロックの眉がきつく寄せられている気配がする。
それを感じ、レヴィは自分の眉もゆがんでいくのがわかった。
──んな顔、すんな。
ロックにそんな顔をさせたいわけではなかった。
けれど、それならいったいどうすればいいのか、レヴィは皆目見当がつかなかった。
レヴィはただロックの頭を撫で、逆の手を背中にまわし、抱いた。
ロックを抱き寄せて身体を密着させると、つながっていたところがじわりとこすれた。
にわかにロックが身体のなかに入っているのが生々しく感ぜられて、反射的に内側がひくりと震える。
ロックの腰もそれに反応して、ぐっと力が入る。
すでにうるみきっている内側を刺激されて、レヴィは思わず息をもらした。
どちらからともなく、互いの身体はまたゆらめき出していた。
レヴィはロックの背中に腕をまわして肌を合わせながら思った。
もっと前に出会っていれば違っただろうか、と。
こんなに汚れきることなく、大勢の男に使い古されたあとではなく、もっとまっさらだった頃に出会っていれば──。
ロックは知らないだろうが、自分だって最初からこんなふうに汚濁にまみれていたわけではなかったのだ。
もっとずっと昔は、少なくとも今よりは爛れていなかった。
その頃にロックと出会っていたとしても、そのまま一緒に清浄な道を歩んでいけたとは思わない。
どう迂回しようと、結局レヴィの行きつく先は肥溜めだ。
それはわかっている。
けれど──、
「……あんたが最初だったら、よかっ──」
よかったのに、そう最後まで言いきる前に、レヴィは急いで言葉を飲みこんだ。
見開いたロックの目が、レヴィを見下ろしていた。
──なにを馬鹿なことを。
レヴィは瞬時に我に返った。
今、自分はなにを言おうとしていたのだ。
そんなものはまったく空虚な仮定だ。
無益な感傷に流されただけでなく、あろうことか口に出してしまったなんて──。
レヴィが慌てて取り消そうとしたその時、ロックの指が髪の中にもぐりこんできた。
ざっくりと髪をかきわけ、レヴィの頭をぐいととらえる。
「──俺が、最後だ」
耳のすぐそばからそそぎこまれた言葉に、レヴィは息を飲んだ。
──は、と意味もなく短く息がもれる。
顔が奇妙にゆがみ、唇が震えるのを感じた。
なにを言っているのだろう、この男は。
下らない戯れ言につき合う必要はない。
なに言ってるんだ、レヴィ、らしくないな。そう言って笑い飛ばしてくれていい。
しかしレヴィは、胸の奥からこみ上げてくる熱のかたまりに邪魔されて、言葉を発することができなかった。
「──あんたは、馬鹿だ」
やっとのことで絞り出した言葉の語尾は、低く抑えたつもりが、わずかにつぶれた。
「……ああ、知ってる」
ロックは低く返した。
そして、腰が押しこまれる。
「──あ、」
かき乱されていっぱいになった胸には、これ以上なにもとどめてはおけず、声がため息とともにこぼれ出た。
ロックはレヴィに覆いかぶさり、大きく腰を動かした。
ロックからはもう、先ほどの躊躇や戸惑いは感じられなかった。
深くうずめ、ぎりぎりまで引き抜いて、また奥まで差し入れる。
奥を突き崩して、とろけた内側を舐めるように戻る。
ほんのわずか入り口にとどまったかと思うと、合わさった肉を押し開くようにぬるりと進む。
うるみきった内側を、ロックが往復する。
「…………ん」
たまらずレヴィは腰を浮かせ、ロックの背中を抱きしめていた。
ロックは腰を休めず、レヴィの首筋に唇を落とした。
荒くなった息がレヴィの肌を熱くしめらせ、互いの胸の間に熱気がこもる。
「……レヴィ」
ロックはレヴィの首筋を何度も吸い上げ、耳元で低く名を呼んだ。
「──ん…………っ」
頭の内側で響いたその声に、レヴィの胸は大きくざわめいた。
レヴィ、と何度も名前を呼び、何度も口づけを落としてくるこの男に、身体ごと引きずられそうになる。
抑えようもない感情に流されそうになる。
なにも知らなかった遠い昔に信じていたものを、また信じそうになる。
神様なんかいない。
愛なんかない。
もしそれが存在しているのだとしても、それはあたし用のもんじゃない。
幻影に焦がれるのはやめろ。
そう悟ったのに。
ロックと肌を合わせていると、あるはずのないものが見えてくる。
今まで感じたことのなかった、奇怪な気分になる。
まるで、本当に愛されているみたいな──。
ロックはレヴィの首元から頭を上げると、腰の動きを速めた。
レヴィの内側からあふれ出た体液が小さく音をたて、外側にこぼれ落ちた。
開ききったレヴィの身体を、ロックが往復する。
腰を強く押しつけられて、陰核も一緒にこねまわされる。
「……ん、──あ、……あぁ…………っ」
せき立てられるような快楽に、自然、身体が反った。
ロックはその浮いた腰の隙間に腕を差し入れ、ぐっと引き寄せた。
レヴィの腰をすくい上げるように抱いて、突きたてる。
密着させた身体が、発光するかと思うほど熱い。
互いの身体から滲み出た汗で肌がすべる。
息も、汗も、熱も、ロックのすべてが身体の奥に染みこんでくる。
ロックに、浸食される。
──ロック。
それしか考えられなくなり、やがてそれすらも頭から吹き飛んだ時、レヴィは快楽の海へ投げ出された。
レヴィは指先が食いこむほど強く、ロックの背中を抱きしめていた。
身体を芯から震わせる脈動はなかなかおさまらない。
深いところで脈うつように身体が痙攣する。
レヴィは呼吸もままならない身体を、何度もロックに押しつけた。
ようやく白飛びした意識が戻ってくると、突然、心臓の鼓動の速さを自覚した。
心臓は喉元までせり上がってどくどくと脈うち、息は全力で走ったあとのように乱れている。
レヴィと同じように、ロックの心臓も音が聞こえてきそうなほど激しく脈動していた。
重なった胸の間で、それぞれ微妙にずれた鼓動が混ざり合った。
ロックは荒い息をさせたまま、ぐったりしていた上半身を持ち上げた。
「……レヴィ」
しばらくそのまま見つめ合ったあと、挨拶のような口づけが落ちてくる。
やわらかく唇を合わせると、互いの息がまだ回復していないのがわかる。
熱っぽい唇を離し、そしてロックが身体を浮かせると、レヴィの身体のなかに入っていたものがするりと抜け落ちた。
後始末をするために離れていったロックに、レヴィはのろのろと背を向けた。
ほんの少し前は脚が攣るかと思うほど全身を強ばらせていたというのに、今では身体は溶けきった氷嚢のようだった。
視線の先には、カーテンの開いた窓があった。
外では相変わらず雪が降り続いている。
白い雪粒があとからあとから降りそそぎ、高層ビルのシルエットをかすませる。
レヴィは熱い手を毛布から外に出し、ほの白い窓に向かって広げてみた。
五本の指が開いた掌のシルエットが、黒く浮かび上がる。
身体は未だに熱く、指先のほてりはおさまらない。
今あの雪を指先で受けとめたら、きっとひんやりとして心地よいだろう。
ぼんやりとそんなことを考えていたことに気づき、レヴィは苦笑した。
まだロックと出会う前、ニューヨークにいた頃のレヴィにとって、雪は体温を奪い、命を脅かすものでしかなかった。
雪も、冬も、寒さも、大嫌いだった。
いや、おそらく嫌いでないものなどほとんどなかった。
欲しいのは、銃と、金と……、──それで全部。
あの頃は、憎悪だけで生きていた。
目に入るものすべてが腹立たしく、憎らしく、すべてをぶち壊してしまいたい衝動に突き動かされるように生きていた。
どうせあたしはこの世の害悪。
だったらお前らの望む通り、害悪は害悪らしく生きてやる。
長生きなんかしたくない。
ぬるい幸せなんかいらない。
あたしの喜びは、あたしの放った銃弾が忌々しいクソ野郎の額をぶち抜くところを見ること。
血をぶちまけながらのたうちまわる姿を見ること。
そう遠くない先に、あたしは泥沼の底でくたばることになるだろう。
その前に、せいぜい死体の山を築いてやることにするさ。
そうやって、欲しかったものすべてを葬った。
だが、その十年後には、羨望の目で見つめていたカップスープが自分のものとなり、
死ぬまで縁がないと思っていたクリスマスプレゼントが思いがけなく降ってくる。
苦痛をもらたすものでしかなかったセックスも、相手によってはそんなに悪いものじゃないと知る。
欲しいものなどなにもないと思っていた。
望んでいるものなどなにもない。
あたしは世の中の仕組みをわかっていて、いちいち傷ついたりなんかしない。
誰の助けも不要だ。あたしは一人でうまくやっていく。
けれど、とレヴィは思う。
けれど、本当はずっと、大丈夫なんかじゃなかったのかもしれない──。
「レヴィ」
その時、突然背後から声をかけられて、レヴィは顔だけで振り返った。
「そんな腕出してたら冷えるぞ」
いつの間にかそばに戻ってきていたロックが、毛布を片手に見下ろしていた。
熱い熱いと思っていたが、言われてみれば肩先はずいぶんと冷えてきていた。
レヴィは腕を引っこめ、ロックが引き上げる毛布の下にすべりこませた。
後ろからロックの体温が迫ってきて、腰にゆるく腕がまわる。
「……ロック」
レヴィは背を向けたままつぶやいた。
「──ん?」
「………………サンキュ」
背中で、ロックがわずかに息を飲んだ気配がした。
「俺は……、俺は礼を言われるようなことなんてなにも──」
「うるせェな、それぐらい黙って受け取れねえのかよ」
言うと、腰にまわったロックの腕に力が入った。
背中に感じるロックの身体は温かい。
──十年だ。
レヴィは、使い慣れない銃を両手に抱え、寒さに身を震わせていた少女に向かって心の中で呼びかける。
すべてを諦めたつもりになり、奈落の底だけを見つめていた少女へ呼びかける。
あと十年すれば、お前はその時知らなかったものを知るようになる。
どうして世間の奴らがあれだけクリスマスを待ち望んでいるのかを知り、
雪の日に飲むスープの温かさを知り、他人の体温の安らかさを知る。
そして、レヴィの痛みを自分の痛みと感じる人間がこの世に存在することを知る。
──だから、生き延びろよ。
レヴィはロックの腕に囲われて、見るともなしに窓の外で降る雪を見た。
雪は眠りを誘うような一定の速度で次から次へと降り続ける。
毛布の中はとろとろと温かい。
ロックの体温に包まれ、レヴィはいつの間にか眠りに落ちていた。
* * *
翌朝、三日間降り続いた雪は嘘のようにやんだ。
分厚い雲に覆われていた太陽は漂白されたような光を振りまき、高層ビルの窓ガラスをまぶしく反射させた。
閉鎖されていたJ.F.ケネディ空港は晴れて通常運行となり、
ロックとレヴィはようやくニューヨークを離れ、ロアナプラへと戻れることとなった。
レヴィは混み合った空港ロビーのシートに座り、新聞を開いていた。
政治、経済、大雪、それらのニュースに追いやられた片隅で、その記事は小さく囲われていた。
ブルックリン郊外で身元不明の東南アジア人らしき女性の遺体が発見され、
その女性は腹部を鋭い刃物で切り裂かれた状態で置き去りにされていた、簡素な記事はそう伝える。
「レヴィ、行こう」
「ああ」
そばにやってきたロックに声をかけられ、レヴィはシートから腰を上げた。
新聞を小さく折りたたみ、ゴミ箱にねじこむ。
その新聞を目で追って、ロックが訊いた。
「なにかニュースでも載ってた?」
「……いや、別に。金儲けの話、陣取り合戦の話、いつもの通りさ。便所紙ほどの役にも立たねェ」
レヴィはマフラーの分だけ来た時よりもふくらんだ荷物を持ち直し、搭乗口へと足を進めた。
そう、ロックが知るべきことはなにもない。
合衆国が世界の先導者たらんと血気を上げるその陰で、今日も人が人を殺し、殺される。
一皮剥げば、合衆国は犯罪の巣だ。
ちっぽけな女の命など、鼻息ひとつで飛ばされる。
その女がどんなにニューヨークに恋い焦がれていたのかにも、一生かかって貯めた有り金はたいたかにも、
関心を払う者はいない。
ここニューヨークで正気を保って暮らしていくために必要なのは、
常に自分の安全にのみ注意を払っていること、そして、他人の事情には踏みこまないこと、だ。
ニューヨーカーなら誰でもできるそんな簡単なことが、ロックにはできない。
だから、ロックが知るべきことはななにもないのだ。
もうこれ以上、下らないことで思いわずらう必要は、どこにもない。
ロックとともに乗りこんだ航空機は、J.F.ケネディ空港を離陸して高度を上げていった。
航空機が上空で旋回すると、眼下にマンハッタンの高層ビル群が広がった。
海に突き出した先端に、細長いビルがにょきにょきと並んで生えている。
だが、下から見上げた時には摩天楼と呼びならわされるのもかくやと思える巨大なビルは、
こうして上から見下ろしてみると、指でつまんでぽきりと折り取ってしまえそうなほど小さかった。
「……ようやく帰れるな」
「ああ」
レヴィは窓の外を見やったまま、隣に座ったロックの言葉に頷いた。
航空機は旋回をやめ、雲の上を目指しはじめた。
レヴィは冷たい窓ガラスに額を押しあてて、遠くなってゆくマンハッタンを見下ろした。
何年も前に逃げ出してきたニューヨーク。
もう戻ってくることはない、もう完全に断ち切ったと思っていた。
けれど、ニューヨークはそのあともずっと、幻影のようにレヴィにまとわりついていた。
ふとした拍子に闇の中からむくりと起き上がり、レヴィに重たくのしかかる。
黒くふくれ上がって、お前はここから逃げることはできないのだ、どこに逃げても無駄なのだと、あざ笑う。
けれど、これで最後だ。
──あばよ、ニューヨーク。
航空機はぐんぐんと高度を上げた。
マンハッタンはみるみるうちに小さくなり、海に張りついた一枚の板きれになり、そして、消えた。
了
完結おめ!!
最後まで堪能させていただきました
GJ!
長編乙でした! 次回作も期待してます
最高のXmasプレゼントを有り難う神!!( ;ω;)
一生あんたについてくよ!
クリスマスになんてもの読ませるんだ。
今日もずっと頭ん中ぐるぐるしてたぜ。
クソデブはブラクラ描こうとすると胃がキリキリするらしい
原作でもロクレヴィ展開が見たいぜ…ピンナップでもいいから
日本編の二人寄り添って立つシーンは至高だった
コミケ三日目に行けないからせめてと思ってGXブースに始めて行ってみた。グッズがなかなか良いね。ヘタレの地平線集めた公式本も初ゲットしたんだが可愛いレヴィたん満載だったわ。
本誌で見れないから少し満足した。
レヴィたん見れないならせめてエダでもいいから本物みてーよ!
毒本の乳比べイラストのレヴィは良いよな。2パターンの下着姿が見れるし
あの色気のない下着が尚更良い
いっそ没ったというマグナム比べをGXの付録ポスターにしたら
お姉さん方が釣れるんじゃないか
>>562 三日目って今回何か期待できるものあったっけ?
岡島とレヴィがイチャイチャしてる絵が見てえええ
晴れ着姿でいちゃついてるやつとか見てええ
おみくじで意地になって大吉が出るまで引き続けるレヴィ
当然のように大吉を引き当てる岡島
何度引いても大凶しか出ないジェーン
>>566 大吉が出て喜んだのもつかの間。
よく読むと(ロックに読んでもらっても可)、大したことが書かれて無くて
こんなモノのために……と凹むレヴィ。
「身近にいる日本人相手に素直になる事。暴言を浴びせない事。
片時も離れない事。以上を守れば全ての運気が上昇すると書いてあるよ」
と翻訳する岡島
『大凶』を引いて、平静を装ってるけど内心ヘコんでるバラライカ嬢に、
『こんなの迷信ですから。ほら、こうやって木に札を結んでおけば大丈夫』
と必死に宥める軍曹さん
大凶が出るのはむしろオイシイことなんです!
とフォロー(?)する岡島さん。
……岡〜と付くと某マッドサイエンティストが脳裏をよぎって
オカリンと呼びそうになるw
痣助さんの綿菓子レヴィ怖可愛いなおい
深刻なレヴィ不足
>>571 pixivで気づいた>二挺綿飴
トップ絵じゃわからんかったー
今でもレヴィ描いてくれるのってこの人ぐらいだよなあ
あのレヴィはもっと綿菓子与えたくなる
金魚とかチョコバナナとかフランクフルトも持たせたい
作者ですら描かないのにtop絵にまでして本も出してくれるAZA氏マジ天使
嫉妬しながら甘酒飲むレヴィが可愛い
エダレヴィか姉御×レヴィのレズが読みたい。
レズにトラウマ持ってるレヴィだと難しいか?
レヴィの前に飛び出して「ギブだって!マジギブギブ!」
って叫んだらあの可愛い笑顔見れるんだよな
戦闘時でもないのにいきなり言われたら
「(…?なんだこいつ??)」
ってきょとーんとされると思うがw
アニメロベルタ編でバオに呼び止められた時のような顔で
ああ、それもいいな
「ん??(ぱちくりキョトーン)」
のやつだよね。
あのレヴィ可愛すぎるんだけどなんなの?天使なの?
その後のダチじゃねえ!!このターコッ!!って黄旗に響き渡る怒声も好きだ。
あれを携帯のアラームにしたい。
そのシーン何度も繰り返し再生した俺が通りますよっと
ショーパン尻で四つん這いコソコソ→んっ?→罵声
の流れが最高
偽札編は何度読み返してもニヤニヤが止まらない
原作メイドまでしか読んでないんだけど、今本誌どんな状態なの? ベニーが脱童貞ってどっかで見たけど
レヴィがロックを誘拐したのは一目ぼれしたからという事で良いんだよな
欲求不満が溜まってて丁度良いところに好みのカモが居た
最終的に運命になるなら、第一印象は最悪でした、でも萌えるw
涙目で鼻血出してる姿を見て欲情してたわけか
そんなレヴィイヤー
やっつけで描かれた薄い本にありがちなネタ臭ぷんぷんだな
よし、じゃあそれで誰か描いてくれ。下さい
初対面ではあんな泣き虫でゲロ吐いてただったヘタレ日本人相手に
今や命懸けらるほどにベタ惚れしてしまっているなんて
当のレヴィ自身もびっくりしてる事だろうな
落ち着けw
第一印象最悪(とまでかは知らんが)から始まる関係か。
ベッタベタでんなぁw
ぶっ殺して海に叩き込もうと発砲したのも
レヴィなりの照れ隠しだったというわけか
殺デレ
優しい人殺し
雪雄「私、貴女が好きです。貴女は優しい人殺しだから」
レヴィ「(日本語ワカンネー…)」
雪緒なら英会話くらい余裕だろ
英語は話せても、スラングだらけのレヴィの言葉を理解するのは難しそうだ
むしろロックがスラングだらけのレヴィと普通に会話できるのかが謎
愛の力
エリート補正
レヴィの尻を撫で回し保守
レヴィのナンパされてるシーンを見たかった
チャカさん時みたいに、ガン飛ばして英語で話しかけたら怯えて逃げてくパターンだろうか
ほすほす
レヴィを失ったロック
ロックを失ったレヴィ
本当に怖いのはやっぱりロックの方だろうか
そりゃそうだろ。
奴はレヴィ殺されたら何するか分からんぞ。
だったらもっと態度に出してやるべきだ
銃と弾丸発言だけじゃレヴィも読者も物足りないぜ
レヴィ生存が絶望的状況で行方不明になって
すごい状態になる黒島さん、というエピソードが
一度くらい原作で来ると信じていた。
レヴィが死にかけてロックがぶっ壊れ完全暗黒モードになる展開がいいな
最後は一命をとりとめたレヴィの声で引き戻される
エピローグではレヴィへの思いをやっと自覚したロックがプロポーズして暴力教会で結婚式
>>608 安全装置の外れたはやぶさ片道切符って感じだろうな>レヴィ失ったロック
ロックを失ったレヴィはかわいそすぎて見たくない
あの二人は結婚とかありきたりの終わり方をしてほしくない
ボニーとクライドみたいに、二人で蜂の巣になって壮絶に絶命するのも美学だよ
思い入れが強すぎてバッドエンドは見たくない
悪党は簡単にはくたばらねえのさと言いながらこれからも続くよ的なのはしっくり来る気がする
でもダッチや連絡会のボス達は死にそう
壮絶に死ぬのも美学ってのはわかるんだよ、死に様=生き様、みたいな
そういうのって、たとえばバラライカみたいに、自分の行く道はこれだって納得ずくで、
それで生ききったと思えるような人にはすごく似合ってる
でも、レヴィは死ぬことで生をまっとうできる人じゃないと思うんだよな
今の生き方にもたぶん迷いがあるんだろうし、「これでいいんだ」って自分を無理矢理納得させてるんだろうから、
そういう自分を騙してる状態を突き破ってラスト、であってほしいな
例えば、ビバップのスパイクみたいな死に方は俺は嫌いじゃない
平和な日常が終わる、過去の幻影に再び支配される、そしてその幻影すらも失われてしまったとき、人はどうするか、なんて…
哲学的な感じにもなるかも
ニューヨークの伏線が、もしかしたらそういう方向で生きてきたら面白いかなって思う
スパイクはフェイの制止を振り切って行ったが、レヴィとロックはどうするかな、とか考えたら止まらない
とりあえずレヴィには愛情を信じるって体験をさせてやりたい
すべてはロック次第だな
ロックは今で言うロールキャベツ男子だな
レヴィの為だけに必死になるロックの描写が欲しい
ジェーン「あなたの彼氏ロールキャベツ系よね」
レヴィ「(ロールキャベツってあの肉団子をキャベツで巻き込んでコンソメやトマトスープで煮込んだやつだよな・・・そうかロックはあれが好きなのか)
あ、あたしにも作れるかな?」
ジェーン「ハァ?」
いつかの雑誌のふろくになってた、NY時代のレヴィのカラーピンナップあるじゃん。
クリスマスツリーが一緒に描いてあるやつ。
あのレヴィが右手に持ってるのが何なのか気になって仕方ないんだが…これって拳銃なのかな?
片手に拳銃、片手にツリーの星じゃなかったっけ
あれは背景からして色々考えさせられるイラストだな。もう全部ひっくるめて幸せにしてやりたい
>>619 そしてダッチが逆にアスパラベーコン男子、と
レヴィの得意料理はとにかく強火でぐっちゃぐちゃにかき混ぜればできるやつ
炒飯か。
シェンホアに習ったってやつね。
デスダヨクッキング
「で、出来上がった状態のものがこれね」
と出される度
「あるんだったらやらせんな!」
ってキレて
「アホか、オマエ何の為にわざわざここ来た。あたしも暇ない中こうして付き合ってやってるよ」
と正論返されてプンプンしながらも懸命につくると。
炒飯は台湾ではセックルの隠語とかなんとか
6d「今夜は炒飯にしてくれ」
ですだよ「なななに言うかこのバカチンヤロウ!」
6d「じゃあ担々麺でいい…」
ですだよ「あいやー…」
かわいいじゃねーかw
6トンのリアル魔法使い臭は異常。
おい萌えさすな
台湾人に『我喜歓炒飯』って言ったら笑われたのはそれだったのか…
萌えとか狙ったつもりなかったんだがw
いやこんなくだらんネタに予想外の反応で。
シェンホア家楽しそうだよな。
6dと宗谷は晩飯のメニュー賭けてマリオカートしてて、ですだよは勝負が着くまで買い出しに行けず大迷惑。
たまにロックとレヴィ招いて皆で餃子パーティー。
シェンホアは、家で寛いでいる時の、のほほ〜んとした表情と
仕事中のクールビューティーな表情のギャップが好き
ですだよのすっぴんは結構すごそうだ
餃子パーティー、ロットンは期待を裏切らずやはりミルク片手に餃子摘んでるんだろうな。
ソーヤーは何か蝮の血ジュースとか飲んでそう。
どこかの地域では餃子にミルクが定番らしいぞ
こないだテレビでやってた
餃子に使われた肉はですだよが買って来たんだよな?
間違ってもソーヤー担当じゃないだろうな
そんでロックとレヴィが餃子は水餃子か鍋貼餃子か蒸餃子かでもめるんだよ
六dはみかん食うときも数の子食うときも刺身定食食うときもミルクで貫くんだぜ。
レヴィとですだよの電話描写が何気に良い。
レヴィニッコニコだしシェンホア風呂上がりだし。
ニッコニコのレヴィたんの可愛さは異常だよな
巻末付録の、へドラの歌歌う姿すらかわうい
「ギブだって? 何言ってんだこの野郎」の笑顔は最高
流れ切るが、絶対レヴィはロックとキスするの好きだと思うんだ
>>641 その回のアニメ、妙にやたらレヴィの乳が強調されてたような覚えがある。
作画がロベルタ編に並ぶ綺麗さだった。
チャカさんと対峙した時(顔面キックの前)のレヴィの乳がやけにデカかったなそういえば
キス魔のレヴィたんか〜
胸熱
ベッドでだけ甘えん坊だと良い
自分から「してくれ」とは言いそうにないし
問答無用で押し倒してそうだな
キス魔だったら既に初対面のキャラ相手に挨拶代わりにチュッチュチュッチュしてると思うんだが。
逆に一緒に飲んでて酔っ払った枝さんにチュッチュクチュッチュクされまくって顔中ビキビキマークと青筋浮かべてそうだ。
ただし岡島に限る
>>647 「なぁ〜にオボコい反応してんのよ、こんなのただのコミュニケーションだろ。挨拶よア・イ・サ・ツ( ´З`)」
「やめろはなせころすぞクソアマ(|||;゚д゚`)」
ありそうすぎて・・・
最後はキレてぶん殴るレヴィ
→お互い発砲
→バオ涙目
てす
てすてす
てすてすてす
あー、てすてす
言いながら眠ってるレヴィに色々イタズラ試みる岡島
それでもレヴィが起きないので、
ここぞとばかりに床に放ってあるレヴィの迷彩ブラをくんかくんかする岡島
ちょっかい出してたら寝言で「んん…ロッ、クゥ…」言われて岡島爆発
そして指パチしながら
「オーケー、レヴィ。戦闘開始だ」と服を脱ぎ出す岡島
犯島自重しろwww
犯島大人気w
やりたい放題だな犯島。
それでこそ俺達の犯島先輩。
犯島先輩は俺達の希望の星だからな
犯島さんがはっきりしてくれないと俺もレヴィのこと諦めきれないんですけど。
頼むよほんと犯島先輩。
作中で岡島と呼ばれたのなんて1話と日本編くらいなのになぜか岡島さんと呼びたくなる
それが犯島先輩の不思議な魅力
正直、「ロック」ってあだ名は呼ぶのも呼ばれるのも恥ずかしい
だったらブラック★ロックオカジマーとかにすれば
で、俺らの尊敬する犯島さんはレヴィからチョコ貰えたのか?
タイのバレンタインは男が女に花を贈るシステムらしいぞ
それすっげえ読みたいw
レヴィ→花なんていらねぇとか言いつつも期待してたけど貰えずショボーン
ロック→暑いしチョコなんてすぐ溶けちゃうようなタイだけどなんか貰えたらと期待以下略
どう頑張っても花もらって喜ぶレヴィの姿は想像できん…
チョコもらって喜ぶロックは何とか想像できるが、渡すレヴィの姿はやっぱり想像できん…
ベニーとジェーンなら楽勝だったけどあんまり嬉しくもない妄想だった
「は、花なんかあたしが貰ってもしょうがね(ry他にもっと相応しい人間が(ryそもそもガラじゃ(ry花だってその方が(ry」
「そんなにいらなかった?わかったよ、じゃあ…」
「だあああ誰もそんな事言ってねえ!」
「水やり、忘れずしっかりやってくれよーお疲れー」
「ちょ…!待てコラ!………」
したり顔で去ってく犯島先輩と彼が見えなくなってからひっそりはにかむレヴィまで想像でけた
>>671 ナイス想像力
俺の想像力なんぞ学園パロで不良娘レベッカちゃんが犯島先輩になんとかかんとかしてチョコ渡すハートフルバイオレンスイノセントラブコメアクション程度だったわ
ラジカルレヴィがヘストンワールドの特選素材を使用した特製チョコを渡して無理やり喰わせる妄想なら楽勝
やっぱりアニメより原作の方がレヴィは犯島先輩にメロメロな感じがするな
そして原作の方が犯島先輩もレヴィに優しい
アニメ日本編ボウリング場お嬢救出作戦後の犯島先輩とお嬢のガチ対談で、Uボートの時のレヴィ思い出して
「(レヴィ…レヴィ)」
て心の中で呼びかけるシーンは珍しくロック→レヴィっぽくておおおおおーーッ!?ってなった
アニメは「ついてくよマスター」の後に頷くシーンの追加があったのが良かったな
あと原作偽札編の「…! レヴィ、その怪我は?」のシーンは珍しく焦ってる表情の犯島が非常に良い。
次のコマはあれ手当てしようとしてたんかな…屋根は空気読め
復讐編の銃創も心配してほしかったわ。
気付いてんだかいないんだか、広江の都合でカットされたか寧ろそういうシーン入れることすら頭になかったか。
犯島先輩指パチンパチンバシィッッしてねーでちょっとはリアクションしてあげてください。
話の都合上カットだろうね。無理して入れるシーンでもないだろうし、正直あの時の先輩はそれどころじゃなかっただろう
でも包帯巻いてやったのは犯島先輩だろうとは思う
復讐編後は二人仲良く怪我が回復するまでゴロゴロしてたんだよ
680 :
名無しさん@ピンキー:2012/02/25(土) 17:08:00.08 ID:QUITyjc4
そのポジティブな想像力をSSに変換させてみないか?
屋根っつーか正確には放火マニアデブだな。
今思い返してみると奴が作中1KYなキャラだ。
所構わず何でもかんでも着火man
犯島先輩は桟橋で黄昏てた時に、クソガキ共に言われた事や、
今までやこれからの自分の立ち位置とか色々考えてたんだろう
そしてその中でレヴィの事も考えてたんじゃないかと思う
なんとなく新章の二人の距離が近くなってるように見えたしな
あくまで勝手な妄想だが
っだああぁぁーー!!
早く単行本出してくれ!
新章読みたい!
>>680 レヴィ「ああクソ、 食い難いったらありゃしねえ!」
ロック「大丈夫か? 食べさせてやるよ。 ほら あーんして(ニヤニヤ」
レヴィ「ききき気色悪い事すんじゃねえ! 死ね!!」
ゴスッ(肘打ち)
ロック「うぐっ・・・!!」←わき腹に喰らって悶絶
レヴィ「やべっ、大丈夫かロック!? …いててて」←傷口が開く
ロック「……治るまで大人しくしてようか」
レヴィ「……だな」
その後食事を終えてベッドで添い寝までは想像したが、エロまで到達できなかった
寧ろ俺が口移しで食わせてやりたい
サントラのジャケの犯島先輩が羨ましくて仕方ない
腕組みどころかどうみても乳押し付けられとる
犯島先輩ラッキースケベのくせに何なんあのくさくさした表情は。
腕だけじゃ不服だとでも?
実はあの表情はダッチとベニーに向けてるんだよ
犯島先輩の事だから「おい禿とオタ眼鏡、お前ら空気読めよ」くらい思ってる
勿論二人が消えたら船上だろうとお構いなく爆発する気満々なんだよ
ロックの呼び名がすっかり犯島先輩に定着しててワロタ
再開いつになるんだ…
仲人は影山さんなのかダッチなのか
友人代表は、ロック側はベニー一択だが
レヴィ側はエダだと色々危険だから姉御だったりするのか
刀引っこ抜くシーンのレヴィがエロすぎる
テスト
「あなたってすごくキュートでセクシーだワ」
彼女の大きな乳房は涎で滑りが良くなった竿を包み、その柔らかさでしごき上げ快感を高める。
あの事件がなかったらこんな関係を持つ事にならなかっただろう。
(・・・暴力教会のシスターは腹を抱えて椅子から転げ落ちるだろうな)
なんて事を考えていると先端に温かでネットリとした感覚があった。その光景と気持ち良さに思わず「ウッ」と声が漏れる。
その声を聞いた彼女は満足げに二つの胸の膨らみの間から顔を出した頭に口をやり、隠すかの様に再びくわえ込む。
(凄いな。大きいとこんな事も出来るのか・・・)
しかしそんな事を考える余裕もなく、果てそうになる。
続
彼女を四つん這いにし、トロトロとした蕾に先を埋め込んだ。
その後は腰の動くまま後ろから突き上げる。
この体勢はいい。まるで獣みたいだ。
彼女の尻をわし掴みにし、肉に指をめり込ませ左右に広げてやる。
彼女は大胆だがMっ気があるのか、その格好に興奮し動物の様に喘ぐ。
自分もそろそろダメだ。
ガシガシと突き立て、熱を帯びた液を放つ。
この体勢はいい。自分の中の野生が暴れ、本能のまま快感を求められる。
何より腹の肉が見えねぇからな。
ふと時計を見ると針はもう仕事に向かう時間を指していた。
「さて今日からまた厄介者共の相手だ、マダム?」
男は改修が終わったイエローフラッグへ、
マダムと呼ばれた女はその上の階、スローピー・スウィングへと向かった
終
わっふるわっふる
ブログによるともうすぐ復帰ぽい?
楽しんでるレヴィが可愛すぎるんだがw
>>699 ヨランダはレベル高いから無理w
トーチの過去を書きたいんだけど軽いグロもいいのかな?
とりあえずソーヤ投下。
今日はシェンホアが仕事でいない。ロットンも何処かへ出掛けたみたいだ。
今日は2人と顔を合わせたくない気分だった。
昨晩、2人の情事を偶然見てしまいソーヤは思わず驚きの声を上げた。
・・・が、運良く喉に付けられた拡声器は調子が悪い様で(ヒュー)といった空気漏れの音が聞こえるだけだった。
ソーヤは昨晩の事は見なかった事にしたが、記憶には2人の接合部が、グチュグチュと湿った音が、あのシェンホアの淫らな声と苦しそうだが時折り見せる恍惚とした表情が・・・
ムズムズする下半身にそっと手を伸ばし羨ましさからか、少し乱暴にこする。
(シェンホアは自分にもあんな顔を見せるだろうか。優しく舐めてくれるだろうか。)
息がヒューヒューと弾むソーヤに突然何が覆い被さった。
続き
(ッ!?ロットン!)
何で!?どうして!?
混乱で金縛りにあったかの様に身動き出来ないソーヤを押さえ付け、ソーヤの性癖などお構いなしにロットンはソーヤの蜜をすすり、割れ目を丁寧に舐め上げ、蛸の吸盤の様に吸いつく。
触られたくないと思いつつも、舐められたそばから溢れ出すトロんだ液をロットンに指で絡め取られ、ソーヤの身体からは昨晩のシェンホアと同じ音が鳴り出した。
ロットンは枕元の横にあるテーブルから予備にと置いていたハンディタイプの拡声器を取り、ソーヤの音の元へ当てた。
『ググッグチュッ、グチュウゥ...』
エコーがかった恥ずかしい音が部屋に響き、ソーヤの顔がカッと赤くなる。
ロットンは異様にいやらしい音にもう我慢が出来なかった。
ロットンのロットンを取り出し充分過ぎる程潤い、充血してヒクついた入口に勢い良く突き刺す。
もはや抵抗する力のないソーヤの喉のかすれた音と、拡声器から出る2人の混じり合う音が少しの間鳴り響く。やがて2つの息の音だけになり、そして静かになった。
その日ロットンの頭には大きなタンコブが出来ていたが、それからは週に2回、何故だかこの家の主が単独仕事の日に決まって拡声器の音が聞こえる。
終わり
キター!
いいねいいね!
百合っ娘が無理矢理…というシチュエーションにもハアハア
>>698 もうずっと本スレも公式も見てなかったからここ来るまで気付かんかった。
復帰に関しては全くアテにしてないけど、こんな落書きレベルでも描いてくれると嬉しいな。
レヴィかわいいなぁ。泳ぎ得意だから一人だけ楽しいのかw
下は水着?
久々のSS乙!
>>703 頭のアレは良く見たら服だったんだなw やっぱりレヴィはニコニコ顔がいいわ
ロックはあれか、「おめーも一緒に泳ぐんだよ! どこぞのお嬢様じゃあるまいし、ボートなんて使わねえよなあ?」
とレヴィに挑発されて泳いだはいいが、すぐにしんどくなった感じか
違うよ
「ボートは体力弱い老人子供妊婦優先だろーがjk
元気なうちらは泳ぐんだよ泳げ泳げ!」
パソオタは避難ルートやらライフライン最新情報の為特別。
張さんは兄貴さすが兄貴。
海坊主wwww
ロックとレヴィの表情の対比が面白いw
しかし旦那はやはり超サイコーだな
地味に姉御と軍曹がツボったww
落書きでも可愛いレヴィが見れて嬉しい
あああ早く本編見てえ先生頑張ってくれ
レヴィの頭なでなでしたい
レヴィたんとカルツォーネ食べ歩きしたい
太ももすりすりしたい
アニメ版の犯島先輩のラッキースケベが羨ましい
アメリカのピザは総じて分厚いパン生地タイプかと思ってたら、シカゴ風がそうでニューヨーク風はイタリア寄りの薄いクリスピー生地なのな。
ホットドッグやバーガー好きのニューヨーカーならカルツォーネも気に入りそう。
それにしてもラム酒とピザって合うん?
ピッツァならビア・モレッティかワインを合わせるんジャマイカ?
『グリルパーティーはお好きかな?』
そう、私の妻は一瞬だった。いつからだろう...こうなってしまったのは。
きっかけは些細な事だった。ロアナプラに来るずっと前、トーチがまだ子供の頃だ。
両親は真面目を絵に描いた様な性格で、本といえば参考書しか与えて貰えなかった。
その日は親が忙しいとの理由で何枚かの紙幣を与えられ、新たな参考書を自分で買いに行く事になった。
思えば一人での買い物なんて初めてだったかもしれない。
近所にある寂れた本屋に入り参考書のコーナーを探した。が、狭い店内とは言え、なにせ初めての本屋。どこにあるのだろう。
一人しかいない店員はレジのあるカウンターで居眠りをしている。気弱なトーチは尋ねる事はせず一列づつ見て周る事にした。
奥へ向かったトーチに衝撃が走った。
(なっ!?何だこの本は!)
初めての買い物で、初めて来た本屋の奥には女の裸の本が沢山並んでいた。
体中が心臓になったかの様にドキドキと脈を打つのがわかる。喉の奥で唾を飲み込み、周囲の様子を確認した。
幼いながらも堂々と見ていい物ではないとわかっていた。
そっと手を伸ばし取った本は、色あせているが赤いロープが鮮やかな...SMの雑誌だ。
それを選んだ理由は特になかった。
強いて言えば、何故この表紙の人はロープが食い込む程全身を縛られて笑っているのだろう?それ位だった。
ページをめくれば表紙の女が犬の様な格好をして、苦痛を我慢する様な顔をしている。
上からは赤い蝋燭を垂らされ、細く白い背筋には血の様な水溜まりが出来ていた。
興奮しながらページをめくる。後半の広告欄には赤い蝋燭が載っており、『SM用!熱くない』との文句があった。
トーチはずっと下半身がムズムズするのを感じたが、真面目なトーチにはそれが何かわからなかった。
突然の電話の音にトーチは跳び上がる程驚き、慌てて雑誌を棚に戻した。
何事もなかったかの様に(店員にとっては挙動不審だったかもしれないが)店員に参考書の場所を聞き、適当な物を選んで会計を済ませ、走って家に帰った。悪事をした気がしてならなかったのだ。
自分の部屋に戻ったトーチはまだドキドキしていた。さっきの雑誌が忘れられなかった。
うずいて仕方ない下半身はパンパンに膨らんでいる。何か濡れている気もする。
ブリーフを恐る恐る下げると真上を向いたモノは粘液が滲み出ており、衣擦れの刺激で一気に白い液を放った。
初めての射精だった。
トーチ、二十五歳
お堅い会社に入社したトーチは親の手を離れ一人暮らしをしていた。仕事にも慣れた頃、悪ガキの様でいて気さくな上司に娼館へと連れてかれた。
経験のない真面目なトーチに女を教えてやろう、と言った魂胆だった。
初めての体験は昔の興奮を蘇らせ、すっかり常連となったトーチの金は既に生活を圧迫する程少なくなっていた。
トーチは休日を短期のバイトにあてた。それ程、快楽に溺れていた。もしかしたら初めてを捧げた女に惚れていたのかもしれない。一時でも独り占めする為には休みなど惜しくなかった。
バーナーを取り扱う、熔接の仕事だった。
しかし、いつしか物足りなく、反対に美化されつつあるあの雑誌への想いがつのっていく。
馴染みの女にダメ元で頼んだ。
「きっ君を縛ってみたい。もちろん危険な事はしないから」
女は最初こそ渋ったものの『縛るだけ』と言う事と、普段の真面目さを知っている為
「う〜ん、いつも来て貰ってるし・・・はずんでくれる?」
と決して安くはない金額を提示し、トーチもこれを快諾した。
翌晩、さっそくアダルトショップへ寄り、緊縛用の赤いロープと赤い蝋燭を購入し、蝋燭は鞄の奥に隠してから店へと急いだ。
参考にしていた雑誌を思い出し、見様見真似で何とか全身を縛る。腕は後ろ小手で固く結び上げた。
所々緩んではいるが、まぁいい。そんな事より・・・
「とても美しいよ!それに、なんていやらしいんだ・・・」
トーチは驚きながらも自ら作り上げたその芸術作品に目を奪われた。
しなやかで柔らかそうな肌に絡んだ、固く締め付けるロープの対称的な組み合わせは、官能的に見せた。
女を仰向けに寝かせた。ロープでひし形に縁取られた乳房を揉みしだき、乳首に歯を立ててみる。
「っはぁ・・・」
動きたくても動けない、何とももどかしい状況がそうさせるのか、抱かれ慣れている筈の女は甘い声と吐息を漏らした。
トーチはしばらくの間自由のきかない女の反応を楽しんだが、急にこの完成された美しさを壊してしまいたい衝動に駆られた。
脇腹に腕を差し込みグルッと女の体を俯せにさせ、ベッド下の鞄から蝋燭を取り出した。ジッポで火を点け数秒待つ。
低温で熔け始めた液体を背筋に沿ってボタボタッと垂らすと、女は背中を反らし叫び声を上げた。
「あああああ゛〜!!!」
専用の物とはいえ、予想だにしなかった熱はさすがに熱かったようだ。
追い打ちをかける様に尻めがけて液を落とす。
「きっ綺麗だっ!ハァハァ・・・これが見たかったんだよ!!」
「熱い!熱いよ!やめてぇぇ!!」
必死に体を動かし逃げようとするも、女の腕は後ろ手のまま、トーチに押さえ付けられている。
そのクネクネと踊る様に身悶えする姿が異様になまめかしく、見下ろしていたトーチはゾクゾクと感じていた。
今までにない位いきり立ったモノを入口へあてがい根元まで一気に挿入する。
「ぃあっ!?んあぁっ!ぅんん」
女は突然の侵入に驚き、そして喜びではない声を上げた。
無我夢中だった。背中のロープを掴み、上半身が浮く程引っ張り上げたままトーチは必死になって腰を打ちつけた。
激しい動きに合わせ、ク〇トリスの位置に作られたロープの結び目はシーツに擦られ刺激を与える。
苦しみはやがて無理やり生みだされた刺激により快感へと変わった。意思に反して女の体が一瞬硬直し、絶頂へと導かれてしまう。
女から遅れる事数分後、トーチは大量の精を放出し女の背に倒れ込んだ。
危害を加わえたとして相当額の請求と出入り禁止、数十発の拳を貰い、逃げる様に店を出た。
「クソッ!!あんなに注ぎ込んだんだぞ!!!」
次の日の深夜、バイト先の工場に忍び込み熔接用のバーナーを持ち出したトーチは女の住む家に向かった。
ドアノブを回すと鍵は開いていた。仕事が終わって疲れて寝てしまったのだろうか。
女は熟睡している様だ。下着姿の彼女の背中にはまだくっきりとロープの跡が残っている。
「クソが!!裏切りやがって!お前は俺にケツ振ってりゃいいんだよぉっ!!」
バーナーの出力を最大にし、女に向けた。
「あぁ、やっぱり君は身悶えて踊る姿が美しいね・・・。肌の焼ける匂いがする。最高のスパイスだ・・・。」
あれであの街には居られなくなったんだったな・・・
やがて私はロアナプラで妻と出会ったんだ。
「グリルパーティーはお好きですか?」
終
>>717 キター!
いいねいいね!
俺もSMに目覚めそうだw
乙でした
>>714 トッピング具材やチーズの種類にも因るんだろうけど、基本ビールでワインだったら白とかその辺だよな。
ラムってそのものを飲むより料理や菓子作りに使うイメージのが強いなー
チョコとかフルーツ漬け込んだりとか。
レヴィ実は甘いもん好き?
甘酒飲んでほっこりしてたしな。
ピザ食うときはビール、ラム宅飲みするときは周りの目を気にせずチョコをちょこちょこ摘んでるんだよきっと。
レヴィは和食にそれほど抵抗なさそうだったな
甘酒の時もアンパンみたいの喰ってたし、居酒屋でも焼き鳥とか和食が並んでた
つまり犯島家に嫁入りして日本に永住しても案外抵抗なくry
あんぱんなんていつ食ってた?
ドライフルーツつまみにラム舐めるレヴィとかいいね
4巻で甘酒提案された後の「何でこんなことになってんだ?」って不貞腐れてるコマで
確かにパンみたいの持ってるな
724 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/15(木) 16:27:51.92 ID:oTCB8ngv
甘酒の紙コップじゃないの?
4巻はそれこそ印刷色褪せるほど一番無駄に読んだ巻だけどパンなんて持ってた記憶ないぞ!
朝食のトーストならわかるけど。
・・・家帰ったら見直してみる。
ところで犯島先輩はホワイトデーにちゃんと犯えししたん?
下着や貰った物より低価格はNGらしいぞ。
レヴィはそんなの気にする子じゃないだろうけど
犯島先輩の事だから、
「日本にはホワイトデーというものがあって、どういうものかと言うとつまりry」と言いくるめて
身体を使って犯えししたに違いない
俺も擦り切れるほど読んだクチだけど
なんかパンみたいの喰ってた気がするお
確認したが確かに食ってるな。
パンらしきものの間に黒いの挟んであるしアンパンと言えばアンパンに見える
そのまま読み続けてたら嫉妬丸出しのレヴィが可愛すぎて何と言うかもう
729 :
724:2012/03/16(金) 08:04:52.09 ID:WeuA+cMV
>>727 帰宅して見直した。
危うく寝ちまうとこだったが何かを忘れてる気がしてスッキリしない現象のお陰でちゃんと見れた。
・・・・なんてこったいマジで齧りかけの何かを持ってるw
どうやら俺はレヴィの可愛さに目を奪われていたようだ・・・
にしても真冬の寒空下の縁日でわざわざあんぱん?
犯島先輩なりに気を遣って甘いもんでも与えて機嫌直してやろうと買ってやったんかな
あれあんぱんだったのか
自分はコッペパンいちごジャムサンドかと思ってた
「クソ面白くねえ」と素直に嫉妬してたレヴィ可愛い
なんか全てが可愛い。人殺してる最中ですら可愛い
レヴィアーズハイってやつか
鷲峰ベーカリー吉田の手包み酒あんぱん
しかし食ってたものが何だったのかでここまで語るとはw
個人的にはフランクフルトかチョコバナナを喰わせて欲しかry
綿アメを放置して縮んでしまい、
『ロック! 俺様のスイーツ喰ったな!』
と因縁をつけるレヴィ
むしろ綿あめの造形に感動して喰らいついたら
口の中で一気にしぼんで内心ガックリするレヴィ
テキ屋のオッサンも素直にゲーム機渡しておけば
ゲームではしゃぐ可愛いレヴィの姿が拝めたと言うのに…
>>737 コットンキャンディの発祥はアメリカだぞ
レヴィとゆっきーのツーショットイラストのリンゴ飴になりたい
>>739 あの境遇のレヴィがコットンキャンディを食べることができたとは思えないから
あながち知らなくてもおかしくないかもしれない
犯島先輩は3色の綿飴を今すぐ買い与えてあげるべき
安価なお菓子だから寧ろ子供時代唯一手が出せたスイーツ(笑)だったんじゃないかね?
仮に食ったことなかったとしても、知らないとは考えにくい。
何せむこうにはわたあめの日なんてのがあるくらいだしw
しかしピンクやら青やら紫色やら体に悪そうな色ばっかでいくら安くても食う気が起きんな…
そういや前に31のシーズンフレーバーでコットンキャンディがあって
(゜Д゜)
ってなった。
やはり毒々しい色で、そもそも綿飴=砂糖(そこに様々な香料付け足したりして)なのに綿飴味って・・・?
毒親家庭で育ったレベッカちゃんは何てことないアメリカのお袋の味ホームメイドのブラウニーとかアップルパイに密かに憧れを抱いていると妄想
そんなレベッカちゃんを不憫に思いとりあえずカントリーマアムを毎日レヴィの部屋に置いてく犯島先輩
死んでも口には出さないが、
犯島先輩の作る何て事ない手料理が大好きなレヴィ
>>744 レヴィ「(ロックが勝手に置いてくこのクッキー、何で中に白あんが入ってるんだろう・・・?)」
1話のバカルディ対決の二人がアホ可愛い
台詞ハモらせてるし顔面接近するし、早くも意気投合してるな。
アニメ初回話は作画綺麗なのはまあ当然として、原作にない細かい描写や演出が光ってて面白い。
ラム一気飲みした後の犯島先輩の挑発フヒヒ笑みとかファビョって魚雷に八つ当たりしたり祝☆初黄旗襲撃で避難した先が素敵な安全地帯だったり。
さすが犯島先輩。普通両脇に銃下げてる人相手に啖呵切れないぜ。
太ももに顔スリスリするラッキースケベシーンも追加されてたな
あの羨ましい安全地帯今やったら確信犯にしか見えなくなるw
レヴィたんノーリアクションだけど気づいてないのか?あの程度なら許容範囲なのか?
ラッキースケベのふりしてレヴィたんの胸にダイブする犯島先輩
しかし至高の弾力に思わず指パチしてしまったことで
やらせがバレてレヴィたんに鉄拳制裁を喰らう犯島先輩
本スレでも語られてたけど、レヴィは犯島先輩には暴力振るえない
あまりにもふざけた真似をされたらゲンコツの一つでもかますかもしれないがな
だからこそOVAでロックをボコボコにしたレヴィに違和感バリバリ
あの辺のシーン全体が違和感だらけだったが
>>748 冒頭の犯島先輩の草臥れたリーマン生活描写がよかったな
あとレヴィの乳のふくよかさ
乳は明らかに増量されてたなw
しかしハモニカはどうかと思ったよ
確かに。
ちょ、えっ!??って思わず言いそうになった。あのシーン綺麗だったけどさ。
違和感もだけど潮風に晒されて錆びないの?
どの道息吹き込むからリード部分は手入れしないと錆びるだろうが。
隙をついた犯島先輩がペロペロするというわけだな>ハーモニカ
もし見つかったら真顔で「錆防止だ」と言い訳してくれるに違いない
学生時代には出来なかった青春の縦笛の味を今噛みしめパチンパチンするわけか
チビレヴィがハーモニカできらきら星吹いてるの想像したらアリに思えてきた
パチンコのiPhoneアプリなんか出来てたんだな、
有料のくせにバグだらけみたいだけど…w
このスレ読んでから原作読むと、もう犯島先輩が真面目な顔してるだけで笑いそうになる時がしばしばある
それが犯島クオリティ
鬼の形相で俺様に向かってお前って呼ぶなちゃんと名前で呼べー言っといて自分はレヴィをお前呼びする犯島先輩パネェ
その後レヴィがピタッと「お前」呼ばわりしなくなるのがまたいいんだよな
「お前」「あんた」と夫婦呼び状態で定着
だがレヴィ以外の人間には二人称お前使わない世渡り上手な犯島先輩。
その点レヴィは律儀でいいこ。
レヴィだけ特別だからに決まってんだろ言わせんな恥ずかしい
って言ってやれよ犯島コノヤロウ
その台詞を四月一日に言うんですね犯島先輩
レヴィの匂いの染みついたベッドでふんぞり返ってかっこつけてる先輩が羨まし憎い
レヴィの求めてる言葉や誓いは総て4月1日に言う犯島先輩
半ケツ晒して無防備に眠るレヴィたん、パンツ一丁でうろつくレヴィたんに
ピクリともしない犯島先輩はさすが先輩だな。変態のくせに
レヴィの尻は死守する
レヴィのケツマンコと聞いて飛んできました
残念ながら全部犯島先輩のものです
前に犯島先輩がレヴィの尻にご執心な本読んだけど、絶倫杉笑た
まあレヴィの尻は最高だから先輩が暴走するのも無理はない
レヴィのアナル責め同人があるのか?
ものっそ読みたい
詳細キボンヌ
俺の読んだことのあるのはほとんど、レヴィはケツやられちゃってた気がするんだがw
そうだねw
そして大体犯島ガチキチ。
犯島先輩マジ犯島。
774が言ってるやつは恐らくbonusstageかな?
尻に執着、絶倫となると自分が知ってるのはそれだ。
それだと思う。俺も持ってるがあれはいいな
犯島先輩がヘタレっぽいのにしっかり暴走してくれる
どの本でもやっぱり最後には暴走先輩に好き勝手されてしまうレヴィ
というパターンが確立してて面白いw あとケツ使うパターンも確かに多い
怖い話編で目を真ん丸にして絶句してるレヴィが可愛すぎる
その後の姉御も可愛い
やっぱりあれかw
それかaza助氏のファッキンパラダイスかと思ったが、後者は絶倫先輩というより鬼だな
みんなお尻好き過ぎるだろ
ケツどころかレヴィの全てが好きです
なので先輩には色々と頑張ってもらいたいです
同じくレヴィの全てが好きです
なので先輩には俺と替わってもらいたいです
同じくレヴィの全てが好きです
なのでエダになってレヴィと先輩の仲を心行くまでからかってやりたいです
早く新しいレヴィに会いたい
同人で補給してるがやっぱり本家のレヴィが見たい。作者頑張ってくれ!
どれくらい描いてるところか解らないが早く続き読みたいわ
レヴィのマンコ舐めたいよレヴィのマンコ舐めたいよレヴィのマンコ舐めたいよレヴィのマンコ舐めたいよレヴィのマンコ舐めたいよレヴィのマンコ舐めたいよ
餅着けよ先輩
先輩は舐めるどころじゃ済まないだろ
先輩はかぶりつくのか
流石ガチキチ
もう誰も先輩を止められないな
♪Don't stop!Don't stop!Don't stop!Don't stop!
生理まだ始まってないロリレヴィのC.C.レモン臭いおぱんちゅクンカクンカしたいお生理まだ始まってないロリレヴィのC.C.レモン臭いおぱんちゅクンカクンカしたいお
生理まだ始まってないロリレヴィのC.C.レモン臭いおぱんちゅクンカクンカしたいお
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生理まだ始まってないロリレヴィのC.C.レモン臭いおぱんちゅクンカクンカしたいお
オーケー、とりあえずCCレモン飲んで落ち着け先輩
先輩は壊れてこそ先輩
先輩とレヴィもだけど、ですだよとロットンはどっちが年上なんだろう
つかみんな年齢不詳なんだよな…姉御に年齢聞いたら首の骨へし折られそうだ
どこで聞いたかと合ってるかは不明だが、姐御って20代でアフガン行ってたぽいからだいたいよそz
ようこそ先輩
課外授業
作中では岡島さんかロックとしか呼ばれてないのに
ここだと犯島さんとか黒島さんとか犯島先輩とか色々あだ名がついてるのが面白いw
失敬な
色男やボンクラもあるぞ
二巻読み返したらレヴィの胸倉ひっ掴んでる先輩が怖すぎた
先輩の「ここがこのゲームの面白いところだよ」(うろ覚え)発言のコマこそブルっちゃって、レヴィたん失禁だろ。
>>801 あのシーンの先輩、視線が下の方に行ってる(ように見える)
コマがある気がするんだが、先輩勢いに任せて乳チラ見してないか?
だがあのシーンの先輩は、読んでて初めて
「主人公ちゃんとカッコイイじゃねーか」と思った名シーンだ
あの黒タンクはもうヨレヨレに伸びちゃって着れないだろ。
先輩引っ張りすぎ
下手したら裂けるだろあれ。
よっぽど伸縮性のある良い素材なのか。
>>802 「お前が銃なら俺は弾丸だ」の時は濡れてたと思う
本当に欲しい言葉ではなかったにせよ、一応一心同体だと言われたわけだしな
「お前が銃なら俺は弾丸だ」
「・・・(濡れるッ!)」
>>805 あれはレヴィが本当に欲しかった言葉だと思うぞ。
あの2人にとってあれ以上の愛情表現はないだろう。
本当に欲しかった言葉だったらあんな不服そうな顔するか?
単行本のふて腐った表情より切ない女心表したGXの方がよかったのにあーあ
どうとでも取れる言葉だっからずるいって言ったわけだろうしね
>>808 えっ?
GX版はカオ違うん?!みてえ!
何を今更
GX掲載時はb地区もしっかり見えてたじゃん
散々騒がれて比較画像も出回った
B地区の話は聞いたことあったが、なんせそれ知ったのはだいぶあとだったんで、表情まではしらんかった…
GX掲載時の方がいいって人の方が多そうだけど、
個人的には単行本の表情の方が、あの時のレヴィの心情を解りやすく表現してる気がして好きだ
あとGX版はシャワー止めたのに修正前だと水が出っ放しになってるというミスがあったんだよなw
まあ、乳は何故隠した…とは思ったが
普通は本誌で隠して、単行本でお披露目だと想うわな
頼む、誰か本誌画像うpしろください
神!!!
日本編居酒屋といい、レヴィを可愛く描くと修正しやがって広江め
日本の奴は修正後の方がいい
その後のデレの破壊力が違う
最近ハマって保管庫読み漁ってきた新参なんだけど11-279の続きって書かれてないまま?読みたいなぁ。
最近、神は品切れだね…
パッと見、水滴が涙っぽく見えるのがまた
しかし横の先輩はやっぱり黒いな
黒顔の先輩と切なそうなレヴィの表情の対比がたまらん
修正前も修正後もどっちも良いな
GXのほうが断然良いってか萌える。
単行本は巧いこと抽象的喩えにして回避しやがってコノヤロな感じがなんだかなー。
でもずるいこれはずるいって思ってること考えたら修正後表情のがしっくりくるんだよな。
個人的な意見だが、
単純に見てレヴィに萌えるってんならGX
レヴィの複雑な心情をより明確に表現してるのは単行本って感じだな
居酒屋シーンもしかり
やっぱり作者的にブラクラらしさを考えて書き直してるんだなと思う
どなたかその居酒屋の修正前画像も提供してくれないだろうか。お願いします。
クレクレ厨はそろそろ嫌われるぜ
たまには自分で探す努力くらいしろ
可愛すぎるってのも罪なんだな
もうレヴィはあの乙女顔で先輩に迫ればいいんだよ。いくら先輩でも真正面からこられたら落ちるだろ
日本での泣きそうな顔にも明らかに動揺してたし
先輩に振り向いてもらえず傷心のレヴィたんが夜道で暴漢に襲われて拉致られダルマにされ最後は死姦・脳姦されボロキレのように捨てられるSSはまだですか
そんで行きずりの暴漢だと思ってた犯人は実は旭重工の回し者で、ロックに関わる人間を一人一人殺していくの
だけどバオだけ生き残る
先輩に振り向いてもらえず傷心のレヴィたんが暴漢を返り討ちにして
八つ当たりでミンチになるまで発砲したあとヤケになって
先輩を力ずくで襲ってヒイヒイ言わせるSSなら読みたいです
久々に覗いたらお宝画像が!
と思ったら816見れなかった・・・
申し訳ないが、誰かもう一度あげてくれたりしないだろうかお願いします
クレクレは嫌われると言われたばかりだろうが
他力本願はバラライカさんに首の骨粉末にされるぞ
>>833 それが出来たらとっくにやってるわー
レヴィはそんな計算高い女じゃない器用に生きれない見返りなくても尽くしてしまう不器用なとこが良いんじゃ
>>836 いい加減にしろ。地道に探せば見つかるから探せ
それかバックナンバー探せ。
>>838 だからこそもうなりふり構わず不器用ながらも思い切って突撃するレヴィが見たいもんだ
でもそれ以上にレヴィの為になりふり構わず頑張る先輩が見たい
レヴィたんのためにドンドン黒くなっていく先輩が理想だなあ。
そんな先輩を見て、夕闇に立ってるちょっと平和ボケなロックが好きだったのに、でも真っ黒なロックも感じちゃうビクビクで、弾丸となり盾となる健気なレヴィたん。
841 :
名無しさん@ピンキー:2012/04/29(日) 23:48:36.00 ID:o/e7eiqk
近く、ロック×レヴィ投下しますがどんなジャンルがよろしいかな?
正直、ニューヨーク幻影に勝てる気がしない
ジャンルってジャンルはロクレヴィでしょ?
ロクレヴィだったら 純愛でもSMでも腹黒鬼畜絶倫先輩でもバッチ恋だから思う存分書きたいものを書いてくれ
>>840 とある依頼(もちろんドンパチに発展)が舞い込み、解決させるためどんどん暗黒化が進む先輩
さすがにレヴィも先輩のやり方に疑問を抱き、挙句対立するが
実はそれは全て先輩が(レヴィ絡みの事件だったので)レヴィを救う為だけにやっていたのだった…
とかが良いな
それをBLACK LAGOON V -Final-とかいうサブタイ付きでアニメ化
>>843 じゃあ、ある程度のオリジナル設定+微エロ(ちゃんと入れますよ)、良しとしていただけますか?
あと、大兄関係でディパーテッドみたいな感じを入れてみようと思います。
846 :
843:2012/04/30(月) 22:15:03.41 ID:fDlLQuzm
ん? レス相手が違うんみたいなんだが…
まあ書いてくれるならよろしく
>>845 少しだけデレるかわいいレヴィたんが読めたらそれだけで嬉しいです。
>>843-844 もちろんラストシーンは暴力教会で挙式
ドレスなのにしっかりホルスター+カトラス装着してるレヴィ
仲人はダッチなのか禿山なのか
日本の泣きそうなとこと「オーライ気にするな」のとこと
子供とドンパチごっこするレヴィたんはマジ天使
>>841 わざわざageてまでして予告したからにはちゃんと完結させてくれよ。
その前にちゃんと投下してくれるのかどうか心配だが…
煽るわけじゃないから誤解しないで欲しいんだけど、
別にリクしたわけじゃない(他の人にレスしてる)レスを何故かリクとして受け取ってる上に
設定説明して了承を得ようとしてるのにちょっとワロタ
>>841 前にもあった流れのような気もするが、
自分の描きたいものを書けばヨロシ
>>841 ただラブラブイチャイチャしてるだけの作品とか、ただエロいことしてるだけの作品は読みたくない
名前だけ変えたら別作品のエロパロとしても通用するようなのは…
首から上のすげ替えじゃない、原作愛にあふれてるやつが大好物
どうせなら凌辱がいいとかリョナがいいとか、ぜ、全然そんなことないんだからねっ!
他人にそこまで求めるなら自分で書けばいいのに
こういうのは読みたくないって何様…
だからリクエストとか他人の意見求めないで最初っから自分が書きたいもの書きたいように書けばいいのにと(ry
同意。別にスレの反応伺いながら創作しなくても、
自分の好きなように書いて投下してくれればいいよ
>>853みたいな余計な言い方する奴みたいのも出てくるしな
エロだけでもイチャラブでも鬼畜も、ブラクラ物なら何でも大歓迎
嫌いなジャンルなら読み手が見なきゃいいだけの事
ロックとレヴィの日常
シェンホアの憂鬱(転がり込んできた2人組
リコに振り回されるエダ
そのエダたのむ!!!
本部いた頃から憧れでした!とかゆーかんじで。
860 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 19:26:08.62 ID:CDbuMyYc
リコとエダか。それは盲点だった。というかリコもCIAだろうな。
「シスターって呼びな」って艶っぽく言ってるエダ想像した
リコエダいいな。リコに調子狂わされるエダ姐さんとかツボだわ
「てめえ姐さんはやめろっつってんだろ!」
「じゃあエダって呼んでいいすか?」
「…姐さんで良い」
862 :
861:2012/05/08(火) 19:31:43.59 ID:57HEnq3F
賛同者沢山でぼかあ幸せだなあ。
懺悔室でよろ。
リコに振り回されるエダに振り回されるレヴィ
先輩、リコ、ロットンは主夫が似合いそうだ
6dはヒモ、先輩はギャンブル好き
・・・リコぐらいしか主夫の才能感じられないw
ロットン
→ゲーム三昧、「料理は苦手だ」「あの塔に上りたい」
ですだよ「はいはい黙るですよバカちん」
リコ
→「姐さんの下着って本当に派手なのばっかですねー(洗濯物畳みながら)あ、これ今晩つけてください!」
エダ「うるせえタコ!」
先輩
日中→炊事洗濯掃除を不器用ながらもしっかりこなす。
夜→ベッドの上で「さあゲームの開始だよレヴィ」パチンパチンバシィッ!
レヴィ「……(gkbr)」
駄目だ、先輩がもうこんなイメージになってしまう
よろしい
続けたまえ、
先輩は牛丼屋通いだったし手先不器用だからなー
犯島「男は黙って指パチ」
↓な感じでひとつ
クン・サとの関係の清算に失敗した中国の駐在武官が逃亡を図った。
彼は中国情報部によるASEANの対中外交に関する分析資料の提供と
自分の身柄の保護を求めてCIAに接触を図った。
そこで、エダが現地で文書の回収工作の指揮を執ることに。
文書を獲得したい半面、対中関係への影響は避けたいCIAは、
武官の身柄回収作戦をタイで実行することを断念し、国外逃亡をひとまず目標とした。
一方、闇市場に流れる直前のクン・サの所有していた武器と麻薬を抑えるべく
ホテルモスクワと三合会が火花を散らすなか、
ブラックラグーンもホテルモスクワ側で物品の回収に精を出していた。
エダとタイ国外で落ち合う約束を交わした武官は、
ホテルモスクワと三合会の戦争を隠れ蓑して出国することになり、、
ブラックラグーンへの同乗が依頼する・・・。
あとはまあ、武官を追う中国の特殊部隊が出てきたり、黒島さんが指パッチンで
いつもの展開に。
>>869 先輩ももうタイで1年以上過ごしてるし、あらゆる意味で成長してるから
初期の不器用さはそれなりに改善されてそうだけどな
1巻読み返してたら先輩が泣きまくりのヘタレでワロス。
「止めて止めて!」「もう嫌だ!助けてー!」「連れてけ俺も連れてけ!」
ちょっと気になったんだけど、ブラックラグーンの時系列だと90年代かな?
wikiで調べたところ、麻薬王クン・サは2007年死亡って書かれてるけど
なんかもう、先輩は銃と弾丸の時みたく人のベッドにふんぞり返って「飯まだかよ」って優雅にスパスパしてる絵しか浮かばない
>>873 IDに先輩が潜んでるぞ
何故か二人揃ってふんぞり返り飯を待つ光景が目に浮かんだ
結局空腹に耐えかねた方が動き出す
深刻なレヴィ不足だ…
保管庫と同人とスロットで補充してるが
スロの寝起き演出は肝心のパンツ部分がカットされてる件
何度見てもシガキスは至高
アニメだと先輩の視線は煙草に行ってるが、
原作だと見つめ合ってるのが溜まらん
あとブルーレイのシガキスジャケットも溜まらん
>>874 言われるまで気付かんかったw
つか怖ェぇ!先輩地獄耳かよ!歪みねぇな
こっそり魔術師も隠れてるような・・・
そして昨夜のヨルムンのせいでレヴィが蝶々追っかけ回してる絵が浮かんで止まらない
言われて気付いた。マイアミ博士めぐさんだw
ちょうちょ追っかけまわすレヴィたんかわいい
てか働け広江
先輩はこのスレを監視していたのかw
幻の蝶捕獲か先輩とのデートか真剣に悩むレヴィですね
蝶々のコスプレヴィか
俺得
先輩の事だから、蝶を優先しようとしてるレヴィの気配を感じとって山に先回りして捕獲
籠に入った幻の蝶をレヴィに見せつけながら
「残念、俺が先に捕ってしまったよ。欲しいかい?なら解ってるね」と指パチしてくれるに違いない
内心は蝶に激しく嫉妬してる事だろう
お前天才
カトラスのチャームがこっそり蝶に変わってたりしてな
指パチしながら保守
レヴィたんと日蝕見ながらプロポーズしたい
月を見上げるレヴィたんの頬にチューして赤面させたい
まあ先輩じゃなかったら額に穴開けられるんだろうけどな
レヴィたんとソラマチデートしたい
普通に友達として遊ぶだけでもいい
レヴィたんとワイハ行ってパンケーキ食べたい
夜腰回りをぷにぷにして「あれ、太った?」
とか言いたい
俺はそれより主導権を握ったつもりで先輩に襲いかかるも
結局返り討ちにあい先輩に好き勝手されるレヴィたんが見たい
レヴィたんに足裏マッサージして悶絶させたい
イエローフラッグでバカルディ飲み比べ対決を申し込んで
ダウンしたふりしてレヴィたんの胸に飛び込みたい
眠ってるレヴィたんの尻を枕にして昼寝したい
そのまま目覚めることがなくてもいい
>>884-891 先輩「残念だったね。 全部俺がすでに通過済みだよ」パチンパチン バシィッ
先輩にプチプチ与えたい
先輩とレヴィたんを手錠で繋いで「しまった手が滑った!」っつって鍵を海に放り投げたい
むしろ隙を見て綺麗な投球フォームで鍵を海にぶん投げ
「大変だ! 鍵がなくなった!」とのたまう先輩
先輩のハイスペック兄貴登場してレヴィたんに接近
指をならせないくらい動揺する先輩が見たい
レヴィたんは華麗にスルー
>>894 こうですかわかりません><
「あたしはあっちに行きたいんだ!」
「俺だってこれからこっちに用があるんだ!」
「知るか!」
「こっちは仕事なんだよ!」
「あたしだって好き好んでこんな状況………い゙でッッ…!!!あんた今日何回あたしの足踏めば気が済むんだよ!」
「お前こそ振り返ったりする度に後ろ髪が当たって擽ったいんだよどうせならもっとこう、良い香りのするグッとくるトリートメント剤使え」
「ハア?!なんだそりゃ!ああもうゴス女呼んでこい!あいつのチェンソーでこいつを断ち切る!」
「賛成と言いたいところだが大反対だっ!腕ごとなくなる」
「じゃあシェンホアに…」
「にゃはははは愉快な有り様ねお二人さんwww暫くそのままでいるよろしねww
じゃサヨナラ♪」
「「……………」」
GJ!!
シャワー編
「てめぇ!シャワーぐらい我慢しやがれ!あたしが動けねぇだろ!」
「よく言うよ、さっきレヴィだけシャワー浴びただろ。あれはズルい。」シャアアア
「っせーな、その前に一仕事やってんだ、汗ぐらい流してもいいだろ」
「だからそれがズルいんだって…あ、レヴィ、タオル取って。」
「てめぇで取れよ」
「あっそ。じゃあ」ガララッ
「〜〜!※▲◎☆!!!てめぇ!!何勝手に出てきてんだよ!!」わたわた
「仕方無いだろ、レヴィが協力的じゃ無いんだから」パンツパンツ
自分の乳を見られるのは平気なのに、ロックの全裸にテンパるレヴィたん。
でwすwだwよwwwww
ワロタw
よし、この調子で夜編も行ってみようか
m(_ _)m エダ様
エリートバージョンエダも好きだけど、双子編で情けなかったエダが可愛い
札束ばらまかれてパニックになるとことか
昨日は世界禁煙dayだったねレヴィたん
先輩を拉致して吊し上げて銃突きつけて
「二挺拳銃をどう思ってるか吐けば開放してやる」と脅して告白させたい
その一部始終をビデオに収めてレヴィにプレゼントしたい
その後(先輩拉致の罪で)蜂の巣にされても構わない
それくらいやらないと先輩はレヴィにデレない気がする
おまいらのレヴィたんに対する深い愛に脱腸
おう、任せておけ
そろそろまたレヴィたん分欠乏
保管庫に潜るか
俺も潜るわ
自分が大怪我してるのに先輩の心を気遣って
「あいつを見るな!」と叫ぶレヴィたんまじ天使
エダとシェンホア成分が足りん!
…あとソーヤー(´・ω・`)
エダはなかなかいい本も無いから、全く足りねえ。
CIA本部で、のし上がるためと咥え込んだ上司を本気で好きになってしまって、しかし妻子持ちだからと、距離おくためにもロアナプラに進んで転属とかいうエロい話を求む。
エダはビッチ系ノリノリの薄い本が多い感じだからな
張さん辺りにCIAであることがばれそうになって、三合会の面子に奴隷化される展開とか見てみたい
姉御+遊撃隊に差し替えでもいい
妄想は楽勝で出来るが創作が出来ない
>>911 脳内妄想をアウトプットするプリンターを開発すればあるいは
>>912 薄い本どころかGX並の分厚い本がカプごとに数冊出来上がるな
ブラクラにはまり何年たってもレヴィたんへの愛は冷めるどころか燃え上がる一方だ
ついでに先輩も好きだ
お前とは美味いアルカリイオン水が飲めそうだ
アルカリイオン水なんて小便と同じ
このスレ住人ならラムだろう?
バカルディが最近どこでも手に入るようになってブラクラ者としては至福だな
ハナベイもそこらで簡単に買えればいいのに
あとメコンと
SPYとチャーンが好き
エダはOVAで飛行機の中でロベルタと話してる時のキャリアウーマン風の口調と、
凄んだ時のチンピラ口調が別人みたいなのが印象的だったな。
素はいったいどちらなんだろね。
エダの根っこの部分は、やっぱりビッチ尼モードチンピラ風の方が近いんじゃないかと思う
キャリアウーマンってストレス凄そうだし
仕事終わったら「うおおー!」とか叫びたくなりそうじゃん
そうそう。
チアガールとか優等生?路線歩みながら夜はビッチ!!!
ハアハア( ;´Д`)
エダは昔からリア充だったんだろうな
>>917-918 おまえら何でそんなに飲めるんだよ…
居酒屋連れてかれても一人でシャーベット食ってる俺は馬鹿がレヴィに投げつけたハーゲンダッツ舐めとりたい
レスを読んで瞬時に
先輩にアイスかけられペロペロ舐めとられるレヴィたん
というプレイの構図を思い浮かべた俺はもう末期
「日本ではたった120mlで200円以上する高級アイスなのに、本場だと何でこんなにデカくて安いんだよチクショォォォオオオ」
ブンッ!………べちゃッ!!
「……………」
「あ、すまないレヴィ今綺麗にするから」
こうですか><
「ごめんごめん、ちゃんと綺麗にするから」
「へ? ちょっ…! 馬鹿、やめろって! くすぐってえ!……っ」
「あれ? チョコチップ入ってたかな? 溶けないね…」
「や、ちがっ、それは…っ!…あ」
こんな感じでどうだろうか
続けたまえ
乳首責めキター!
日本はハーゲンの基準に合う品質・供給量の原料をタカナシ乳業しか作れないからな
それもわざわざ北海道で生乳集めて現地で加工して首都圏の工場まで運んできてる
だからどうしても高くなる
チョコチップてっきりホクロかと思ったらB蓄かw
で続きは?
931 :
926:2012/06/20(水) 23:28:54.54 ID:NIhnrYCF
「はあっ、はあっ…。 この、クソッタレが…」
「でも綺麗になっただろ?」
「るっせえよ…変態野郎」
「変態とは心外だな。 ところでレヴィ。 ここ、どうしたの?」
「あっ!」
「変だな。 ここにはアイス溢してないのに…どうしてこんなに濡れてるの? ああ、溢れて来てるね」
「やっ、触るな馬鹿! やだって、やめ…」
「本当に嫌なの? レヴィが本気で嫌なら止めるよ」
「うっ……」
「レヴィ、嫌かい?」
「……………つ、続けろ。 この、タコ…」
なんか先輩がどんどん変態になっていく
いあ、元々・・・
先輩は変態だからこそ輝く人だな
原作先輩も暴走してくれ
初めての情事。
二回戦の後、余韻を持て余す身体と回らないアタマ。
つい、もらしてしまったセリフ。
「ふぅ…イク、ってのはこういうカンジだったんだな…。」
「………え?」
動きを止めて聞き返すロックに、しまった、声に出して言っちまったと気づく。
「レヴィ、それって…もしかして今まで……?その…」
マズイ、ファックは百戦錬磨を気取るレヴィ姐さんとしてはあり得ない発言だった。
なんとか取り繕わなければ。
「いっ、いや、アレだな、出せば終わりのヤローと違ってだなっ、こっちには事情が、あ、いや、そのっ、うるせぇっ!もう寝ろっ!」
ロックの頭を枕に押し付けつつ、また余計なことを口走ってしまった。
何テンパってんだあたし。
ダセェ。
「…レヴィ?」
横目でうかがえば何だよその柔和な顔は。
もう声かけんな、流せよ、あぁ、クソ、顔が熱い。
「寝ろってば!」
「…ああ、そうだな、レヴィもほら。」
そう言ってあたしに横になるようベッドを軽く二度叩いて促す。
これ以上、奴はあたしの気持ちに踏み込んで尋ねる事はしない。
そういう奴だ。
…たまには素直になってみるか?
できるのかあたしに?
ロックに背を向けてベッドに潜り込む。
すぐさま腰にまわってくる暖かい腕。
蚊の鳴くような声でごにょごにょ言ってみる。
「笑うなよ、仕方ねぇだろ、惚れた男と寝るなんて生まれて初めてだからな。」
首筋に息がかかる。
「笑ってなんかないよ。愛おし過ぎて頭おかしくなりそうだけど。」
「…なんだよそりゃ…。」
なんだか久しぶりに、深く眠れそうだ。
久々のイチャラブきたー!
ニヤニヤ
眠ってるレヴィたんの頬をぷにぷにしながら保守
939 :
sage:2012/07/09(月) 22:33:06.92 ID:VY3yW5PL
「レヴィ、開けてごらん。」
「おっ?ロックからプレゼントなんて珍しいじゃねぇか。
今日はあたしのバースデーでも、キリスト様のバースデーでもねぇ、
ただのクソ暑い日に何の用だ?」 ガサゴソ
「……なんだこの布っきれ?これはあれか?ジャパニーズキモノってやつか?」
「浴衣っていうんだよ、レヴィ。着物よりもっとライトなやつだ。」
「ユカタ?? こんなモンどこで手に入ったんだよ。」
「今日の荷受けでさ、ベトナムからの荷物にこいつが大量にあって…
とは言っても荷物はこの浴衣の詰まった箱の奥深くに、
日に当たっちゃマズイブツが入ってたらしいんだけど。」
「おいおい、荷物から抜いたのかよ」
「いや、引き渡し相手が俺の顔見て、
『兄ちゃん、日本人か?良かったら持ってかねぇか?
どうせ用が終わったらこの布切れは焚き付けだからよ。
ブツの匂いが着いてる以上、ニッポンには届かねえ荷物だしな』
…というわけでもらって来たんだ。」
「はーん。まぁ納得行った。んで?あたしはこれをどうすりゃいいんだ?」
「着てみるんだよ、レヴィ。」
「おいおい冗談だろ、こんなモン来たら飛び回れねぇ。」
「明日は俺たちオフだろ?」
「そもそもこんなモン着て街歩くのかよ!?」
「それは無理にとは言わないさ。俺がレヴィの浴衣姿を眺めたいだけだ。」
…っ(カァア)
「大体着方なんか分からねぇし」
「大丈夫、俺が着付けてやるよ」
「は?ロックが?」
「まぁ任せて。んじゃ明日の晩、また来るから。」
作者は同人誌書いてるし続きはいつになるやら
翌日
「…ロックの野郎なんかに着せ替え人形にされてたまるかよ!
こんなもん簡単に着てやるよ!巻いて縛るだけだろう!?」
ガサゴソ
「………っだぁぁあ うぜぇ布切れだなっ!
こんなもん着るなんて、イエロー・モンキーどもはどうかしてやがる!!
もういい、決めた!焚き付けにしてやんよ!」
コンコン
「レヴィ?居るんだろ?入るよ」
(やっべ、ロックにこんなとこ見られたら…!)
「ヘイロック、ちょっと待て!」
(なんとかして脱がねえと!)
「レヴィ?昨日のユカタなんだけど…」
「馬鹿ロック!入ってくんな!!」
(って、鍵を掛け忘れてるアタシのが馬鹿か!締めに行かなきゃ…)
「…っと、と、うわぁっ!」
(やべ、裾踏んだ!)
ドターン
「!!レヴィ!?」 ガチャリ
………レヴィ?どうしたのその格好…」
「っせ、うるせぇ、うるせぇうるせぇぇ!!こっちみんな馬鹿!つーか入ってくんなアホ!」
「ユカタ、着ようとしてくれてたんだ?着せてやるって言ったのに…
あー、合わせ方が逆だ。これじゃ死人だよレヴィ。
手を通すところも間違ってるし。帯紐を堅結びとは…」
「……うるせぇ…」
「レヴィ、顔伏せてるけど耳まで赤いよ?」
「うっせぇクソボケ!とっととなんとかしやがれ!」
「ハイハイ、なんとかしますよっと… グイグイ …うん、紐はこれで解けるな」
「サンキュ、オーライ。後ろむいてろ。」
「ハイハイ。」 くるっ
「そのまま帰れ。」
「え!勿体ないよ! 」 くるっ
「オイこら、こっち向くなバカ!!」
「何を今さら…俺の前でも平気でパンツ一丁で歩いてたくせに。」
「黙れこのムッツリ野郎。」
ふぁさっ
「おい!何する…」
「いーから、着ろよ。ハイ腕上げて。」
「お、おぅ…」
(慣れた手付きだな…?)
「ここ持ってて、紐縛るから。タオルある?」
「そこに干してる奴なら。」
「オーライ、借りるよ。これを巻いて…っと。締めるよ。」 グッ
「…っぐ、っ!締めすぎじゃねぇの?」
「このくらいやらないと、後から解けるんだよ。ハイまた腕上げてー」
「妙に手慣れてるな」
「ん、あぁ、おふくろが日舞…
キモノ着て踊る、ジャパニーズダンス?みたいなもんをやっててさ、
俺も中学までは習ってたんだ。だから着付けもできるんだ。」
「こんなもん着て踊れるのかよ?」
「そんなに激しくないやつだからね。まぁ、好きで習ってたわけじゃないんだけど」
「お坊っちゃんは色々大変でごぜーますね〜?」
「うーん、でもお陰でこうして、レヴィの浴衣姿が拝める。」
「アホか。とっとと着せやがれ!」
(見る見る間にそれっぽく着せられてる…)
「ハイハイお姫様。もうすぐ出来るから。」
「…よし、出来たよ。鏡見てごらんよレヴィ。」
「…ぉー…」
「レヴィ、似合うなぁ。(満足)ちょっと髪上げてみてよ」
「こうか? 」 ヒョイ
「いい!すっごくイイよレヴィ!」
……はっ!
「黙れこの変態!!」
(やべ、自分でも似合うとか思っちまった、つか、褒められて嬉しいとか思った!
あたし今ニヤケてなかったか!??ガラでもねぇ!)
「いや、思った以上に似合ってるからさぁ… …失敗したな」
「何がだよ?」
「下駄とか小物とか、あと俺の浴衣も用意しとくんだったなぁ…」
「アホか!そんな事したらま、まるで…」
「まるで?」 ニヤリ
「なんでもね…」
「レヴィ、顔真っ赤。」
「うっせぇ。つぅか苦しいんだよ、浴衣って奴は。」
「そろそろおしまいにする?」
「あぁ、おしまいだ。」
「じゃあ、俺の手でおしまいにしてもいい?」
そう言われたが最後、レヴィはもう、抵抗などしなかった。
ただ、馬鹿ロック…アホ野郎めと、悪態をつきながらも、
目の前の男が浴衣をほどくことを止めなかった。
おしまい。
>>939 GJGJ
続きをリロードしながら待ってたら朝になってた
張兄貴はチョウ・ユンファがモデルだと思っていたがチャン・ドンゴンにも似てるな
どう見ても男たちの挽歌のユンファだろ
947 :
939:2012/07/11(水) 14:14:48.92 ID:3H0fUxdb
>944
GJ言ってくれてサンクス!
長いのを書くのは初めてだったんで、
レス着くかどうかで緊張してた
他にも書く人が増えるといいな
ロアナプラ観光協会のレヴィ見るたび妄想してしまう。
「海、海行こうぜ、ロック!」
「何だよ急に」
「あっちーからだよ」
「俺水着もってないよ」
「出店で買えよ」
「日焼けすると赤くなるから嫌なんだよ...」
「いーから行くぞ、ついてこいよ」
「...強引だなぁ、もう」(レヴィの水着姿見れるならいいか...)
浜辺。
「なまっちろい体してんなー、お前」
「ほっといてくれよ」
「さぁて」ぬぎっ。
「ちょ、ちょっと!レヴィ!!!!」
「なんだ、下に水着きてたのか...」
「アホか、てめーにサービスして何になるってんだ」ぷるん。
「.......」
「どうした、ロック?レヴィねーさんの色気に参ってんのか?なーんてな」ぷるるん。
「.......」
ぐわしっ、もみもみもみ。
「...なっ、ちょ、ろ、ロック、ああああああっ」
ぶんっ。
「なっ、なにしやがるっ!!!!」はぁはぁはぁ。
「........我慢できなかった.....」
あのレヴィの最強スマイルは絶対先輩に向けてるんだろうな
>948
顔真っ赤にしてロックを振りほどくものの、
乳首立つわビショ濡れだわで
実は大変な事になってるレヴィたんなのでした。
>>950 続けてみたが路線がずれたw
「ロック、てめぇな…」はぁはぁ
「下は?ホットパンツは脱がないの?」
「…堪え性のねぇてめーの前では脱ぎたくなくなった」
「ゴメン、ガマンするから」
「…」
「…」
がしっ、がちゃがちゃ、下げ下げ
「や、やめ、何すんだやめろ、自分でや…おいコラ!!うひゃひゃ、わ、脇腹掴むなっ、もっ…」わたわたわた
ばしっ、どかっ、はーっ、はーっはーっ。
「ぐっ…ナイスみぞおち…」
「クソッタレ、もう海はやめだ、帰る、帰るぞ!ロック!!この腐れヘンタイ野郎が!!!」
あげあげ、がちゃがちゃ、もぞもぞ。
「タンクも着ちゃうの?」
「ったんめーだろ、帰るっつってんだろが」
「そうだな、家で水着シャワーという手もあるしな」
「…てめ…」
「日に焼けないし、人目もない」うんうん
「そうと決まればさっさと帰ろう、レヴィ」パチン、パチン
「決まってねぇ!」はぁ、はぁ、はぁ、
懲りてない上に指パチかwwww
さすが先輩、そこまで計算済みとは…
仲良くシャワー→水着着たままバックで合体→体位変更で駅弁してる二人が見えた。
おい誰だ俺のレヴィに浴衣の裾踏ませてビターンとか転ばせやがったスットコドッコイは
鼻血がとまらねえぞ
先輩「だが、転んで乱れた浴衣姿もまたそそられるな…」パチンパチン バシィッ
>>947 自分も最近ハマったから書く人増えると嬉しい。
935と948からの水着のやつは自分なんだがこういうの書くの初めてでやっぱり緊張する。
連投するとウザいかなとか小心者なんだぜ。
レスつくと嬉しいもんだな〜。
ありがとう。
ほす
パチンパチン バシィッ
959 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 00:41:08.84 ID:eG/Vven3
232 名無しさん@ピンキー sage 2012/07/13(金) 11:37:14.93 ID:3FrAL/bM
云ヶ月ぶりに職人がSS投下してから
それへ誰かの感想レスが書き込まれる度に
直後にまったく関係ない過去の雑談へレスつけて話題替えようとするのを
繰り返す奴が湧いて気持ち悪い
一日たってないのに4回も繰り返すとかなんなの
SSの内容が気に入らなかったのかもしれないけど
そう言う態度がスレを過疎化させる原因だと気付けよもう
もし、自分が投下されたときにあんな真似されたら嫌だ
960 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 00:53:33.88 ID:eG/Vven3
339 名無しさん@ピンキー sage 2012/07/14(土) 19:54:00.62 ID:B0oaVSkY
いやあんたらが嫌われてるのは
他キャラをあんたら贔屓のキャラにハァハァする変態に改悪して
全年齢板にもキモい下ネタ垂れ流すからであって対抗キャラ関係ない。
つーか(言っちゃ悪いが)その対抗にそんな人気無い。
自分達のマナーの悪さ棚にあげて悲劇のヒロイン気取るのやめてくれ
わざわざ愚痴スレからコピペする意味がわからん。
みんなそれぞれ楽しんで書いて読んで感想書いて、流していこうぜ。
わざわざ貼って荒れさせたいんだろうけど陰湿な奴だな
>>961の言うようにそれぞれ自由に語ってまったり進行でいいだろが
それよりもうすぐ次スレなわけだが
作者のツイッターによるとようやく近々なんとか…みたいに書いてあったから
サブタイ「もうすぐ」「ドライブ終了?」とかかな…埋まるまで時間もかかるだろうし
スレタイは>958でいいや
何時再開するかどうかもわかんねーし
所でgxの変酋長代わるらしいな
めでたい
いい方向に行けばいいが…
【パチンパチン】ブラックラグーンVOL.16【バシィッ】
こんな感じか?
前編集長が「もうすぐみなさんにお知らせできることがあります。お楽しみに」
と言って去ったわけだが、それがブラクラ再開だったら良いよなあ
早く新しいレヴィと先輩に会いたいもんだ
新作出来たんだが、折角だから新スレに載せたい。
ワガママで申し訳ないが、みんなで頑張って消費しようぜ。
ここに投下出来ないの?
投下できるが…スレ消費後に落ちて保管庫にも行かなかったら、屍は拾ってくれよ。
新スレまで待つよ
気持ちはわかる
サンクス。
ちなみに自分は浴衣の人です。
読みたいから埋め。
埋め埋め。
よぉレヴィ、相変わらずひでってんのかい?
エダねぇさんも潤いますように埋め
この勢いなら新スレは985ぐらいで良いんじゃね?埋め。
あと、このスレの保管庫未収録分は
各自大事に保存&必要に応じて書き込みすること。
保管庫って誰でも編集できるの?
保管庫は多分どこかの誰かが管理してる…誰でも更新できないと思うよ。
スレ落ちしたら最悪、後半は消滅かと。
>976
ごめん、言い方が悪かった。