To LOVEるでエロパロ part15

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590 ◆pnvZ5zPBeQ :2012/03/17(土) 00:34:08.78 ID:AraB+NvC
>>589
いえいえ、ありがとうございます。

>>537の続きが>>585です。
591名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 11:14:45.45 ID:TMVGZdk4
>>588
素晴らしいです
592名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 12:13:14.32 ID:QbCiEGYV
GJ
593名無しさん@ピンキー:2012/03/17(土) 17:55:58.10 ID:L8si8coD
きたい
594 ◆pnvZ5zPBeQ :2012/03/17(土) 18:10:50.65 ID:ZssM4zwJ
今wikiを読んでいたら衝撃の事実が

意図せずにタイトルが似た感じになってました…兎、の作者様すいません。
595 ◆pnvZ5zPBeQ :2012/03/17(土) 18:15:18.40 ID:ZssM4zwJ
やっぱり里紗って兎のような性格で描かれる事が多いのですかね、同じ考えの方が居て嬉しいです。


すいません今から出るので帰って来て気力があれば続き書きます。
596名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 00:44:15.87 ID:OPvytga+
乙。期待
597名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 12:09:25.00 ID:hDNQcoTO
奇胎
598愛人契約:2012/03/18(日) 22:32:51.01 ID:rGq+1OBL
>>569の続き


タイトルは思いつかなかったけど『愛人契約』とでも。


今回寸止めなんてやっぱり読み流して下さい。
規制に引っ掛からなければ、続けて第三話も投下しようと思います。
599愛人契約:2012/03/18(日) 22:33:38.11 ID:rGq+1OBL
次期デビルーク王後継者問題に端を発する、結城リトの愛人問題。
それはリト本人のみならず、多くの人々にしこりを植え付けていた。
ララなどは自分以外にリトの本命が何人居ようが気にしていないが、
それで済ませられるのはララと、せいぜいモモくらいのものだ。

ララは、リトが春菜をララ以上に愛しているという事実に、
心底から嬉しがっている。
それは今回の問題が勃発するより以前、もう何ヶ月も前からそうだ。
リトが自分の事を好いていてくれて、春菜の事はそれよりもっと愛している。
それはララにとって、偽りなく、最高の形の幸せだった。
モモなどは、最初から自分が一番になろうとは露程も思っていない。
リトが愛人を何人か持ったとして、その中で一番になろうとすら考えない。
順位も序列も関係無く、ただリトの愛人で居れさえすれば良いのだ。
だからこの二人にとって、今回の問題はそれ程深刻とは思えなかった。

深刻なのは、春菜と唯、そして美柑に、ルンの四人だった。
近衛兵役ではあるが、複雑な気持ちなのはヤミも同様なので、
彼女を入れれば五人という事になる。
この五人は、表面上認める事が無いものの、それぞれリトに恋している。
そしてその内三人は、一夫多妻制に馴染みの無い、地球の日本人だ。
この三人は、特に複雑な感情が心臓の奥でトグロを巻いていた。

「はぁ……愛人かぁ……」
自室に飾ったリトの写真を片手に、春菜は頬杖をついて溜息をこぼした。
ララを出し抜こうとか、抜け駆けしようとか、考えた事は一度も無い。
彼女は彼女で、問題を先送りにしてきた方だ。その点、リトと共通している。
彼女の脳裏に、ララの言葉がしつこく残っていた。
デビルーク星でララが入籍し、地球では春菜が入籍すれば、
どちらも正妻という事で片付けられるのではないか、という話だ。
地球上でリトと春菜が婚姻していようと、宇宙から見れば些末な問題で、
公式にはリトの正妻はララ、という事になるらしい。
600愛人契約:2012/03/18(日) 22:34:07.79 ID:rGq+1OBL
折り合いをつけねばならない。
折り合いをつけた方が、ララも自分も幸せになれる。
本音で言えば、リトに愛の告白をし、受け入れてもらい、
デビルーク星を含む全宇宙に対しても、ララではなく自分こそが、
リトの正妻なのだと認めさせたい。
ララを蹴落としたいわけでもはないが、そうでなければスッキリしない。
だがその地球人的な固定観念に、今こそ妥協しなければならない。
デビルーク星や宇宙の他の星々に認められる事は諦め、
せめて地球上だけでも、リトの正妻として振る舞う事で、
状況に満足しなければならないのだ。
自分は地球人なのだから、他所の星の戸籍でリトが誰と入籍していようが、
そんな事はどうでも良いのだと、割り切る必要がある。
例えリトが自分の知らぬところで、ララと性交渉などする事があろうとも。
それは悔しさを飲んで耐えねばならない。

「耐える……本当に?」
春菜は一人ごちた。
ララとリトがキスしている場面を空想して、気分が悪くなるかと思いきや、
意外にも顔が思わず綻んでいる自分を、春菜は鏡の中に見つけた。
ララとリトが愛し合う事が、何と素晴らしい事だろうと思えた。
ララも自分もリトに平等に愛してもらえるなら、
それは嬉しい事だと思える本音を自覚した。
「そっか……それで良いんだ、私……」
どうやら本当に、地球人としての固定観念に縛られていたらしいと分かる。
吹っ切れた春菜は、今やこの三角関係に、何の不満も覚えなかった。

ノックの音が室内にこだまする。
夜の空気は、昼間より少しばかりドアの音を大きく響かせた。
「春菜ぁ、起きてるー?」
慌ててフォトフレームを机の上にうつ伏せにし、春菜は答えた。
「なぁに、お姉ちゃん」
「結城君って子、明日暇? 愛人になるわけだし、一応顔見せしとこうかなって」
「あぁ、それなら。明日は大丈夫だと思うよ」
ララ達は相変わらず愛人候補を探しに町へ繰り出す予定らしいが、
元々乗り気でないリトは、一日中家で時間を潰すつもりだと聞いている。
念の為リトにメールを送ると、数分後に承諾の返信が届いた。
『明日は俺一人で暇だったから、大歓迎だよ』
日曜日、春菜と秋穂は連れ立って結城家にお邪魔する運びとなった。
601愛人契約:2012/03/18(日) 22:34:52.80 ID:rGq+1OBL
「こんにちわ、結城君」
「こ、こんにちわ、お姉さん」
翌朝のリトは、いつになく緊張していた。
喋った事も無い相手と形式上とは言え愛人関係を持つのだし、
しかも今日が初顔合わせときている。
厳密にはララの発明品でリトが犬にされ、西連寺家に連れ込まれた時、
そこから逃げ出す際に玄関ですれ違っているのだが、
秋穂からしてみればまさかそれがリトだとは思いもよらないし、
リトの方もいちいちすれ違う人間の顔を見ている余裕は無かった。
「いやー春菜に彼氏が出来たなんて、めでたいわねー。
 最近の春菜ったら前より綺麗になったし、友達も増えたみたいだし……」
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! 結城君は彼氏ってワケじゃ!」
リトが慌てるより先に、春菜の方が焦り出した。
人の家に着いて早々、賑やかな姉妹だ。
しかしリトと関係のある人間の大半はこの百倍くらい騒がしいので、
今更彼もこの程度のじゃれあいは気にならなくなっている。
「何よ、違うっての? 愛人っつったら、彼氏みたいなもんでしょ。
 あ、でもそれだと、私も結城君のカノジョの一人って事になるのかしら」
「あの、西連寺のお姉さん、冗談はその辺に……」
「そうよお姉ちゃん! 結城君困ってるじゃない!」
雑談がてら、とりあえず西連寺姉妹はリビングに通された。

それにつけても、周りの人間の誰も彼も、理解が早くて助かる。
この世に宇宙人が実在し、しかもそれがリトの周りにわんさか現れ、
その中の一人が王女であるために今回の愛人問題が勃発した事も、
秋穂は全て頭から信じ切り、受け入れてくれている。
そう言えば春菜も、ララが宇宙人である事を
予想外にすんなりと受け入れてくれた過去がある。
一見似ていない姉妹だが、根っこの部分では
やはり春菜と秋穂は家族、という事か。
「思えば俺の周りで宇宙人にマトモな反応してたの、
 古手川とその兄貴くらいだったかも知れないなぁ」
唯はララを「非常識」と言って罵り続けているし、
その兄である遊も、女体化させられたリトをその目で目撃し、
直後にヤミに襲撃されていなければ、到底信じなかっただろう。
常識人の春菜ですらララが宇宙人である事を簡単に信じたのに、
一見奔放に見える遊が当初半信半疑だったのは、意外と言えば意外だ。
しかしリトが何の気無しに言った言葉は、春菜でなく秋穂を反応させた。
「古手川……の、お兄さん……って、ひょっとして古手川遊君?」
「あれ? お姉さん、知ってるんですか?」
「だって私、彼と友達だもん。何だぁ、世間って狭いわねぇ」
ひょんなところから共通の知人が判明したお陰で、
そこからは割と簡単に、リトと秋穂は打ち解けていった。
「へぇ〜、遊君が結城君を助けたのかぁ。彼結構男気あるのね」
「いやホント、あの時は助かりました。
 遊さん居なかったら、俺どうなってたか」
思っていたよりリトと秋穂の会話が弾んでくれて、春菜は一安心した。
まずは打ち解けるところから、と思っていたのだ。
秋穂との面通しは順調だ。
今日の目的の内の片方は、とりあえず片付いたと思って良いだろう。
後は、もう片方の目的を達するだけだ。
602愛人契約:2012/03/18(日) 22:35:28.43 ID:rGq+1OBL
対面さえ済めば秋穂を先に帰宅させようと思っていた春菜にとって、
リトと秋穂が想像以上に世間話に花を咲かせてしまっている事は誤算だった。
「でさ、遊君ったらやたら歌がうまくってぇ。
 合コンで私の両サイドに居た子が両方とも彼にゾッコンになっちゃってさぁ」
「へぇー、そうなんですかぁ。確かに歌うまそうですもんね、あの人。
 顔も良くて歌も上手くて喧嘩も強いなんて、格好良いですよ。
 どう背伸びしても足りないけど、あぁいう男の人って憧れますよ、俺も」
「まぁ私はあんまり好みじゃないんだけどねぇ。
 でも中身は男の子とは言え、一時的に女の子になってた君を、
 そうと知らずに身を張って助けるなんて、中々男前じゃん、彼」
「それに結構妹思いみたいですしね。欠点なんか無いんじゃないですか、遊さん」
弾み過ぎている。
会話が盛り上がり過ぎている。
このままでは、最終的に春菜も秋穂も、一緒に帰る事になりそうだ。
本来の考えでは、リトとあまり話す事の無い秋穂は自発的にさっさと帰って、
その後リトと春菜でゆくりと落ち着いて話す時間を取るつもりだった。
秋穂にその事は話していないが、少なくとも春菜はそのつもりで来ているのだ。
何も必ず今日でないといけないという事は無いが、
あまり先延ばしにしたい事ではない。
春菜が焦燥感ばかりを募らせていると、ようやく秋穂が立ち上がった。
「あ、か、帰るの? お姉ちゃん」
「ううん。ちょっとおトイレ借りて良い?」
「あぁ、それなら廊下に出て……」
やっと秋穂が席を外してくれた。
本当は帰ってくれた方が良かったのだが、四の五の言っていられない。
最低でも二分や三分は稼げる筈だ。

その僅か数分の間に、最後の覚悟を決めなければならない。
覚悟は前夜の内から決めていたつもりだったが、
いざとなると息が詰まって、中々踏み出せなくなる。
秋穂が廊下へと出て、後ろ手にドアを閉めるのを見届けると、
春菜は一度深呼吸をした。
「あ、あのね、結城君……」
いつもとかなり雰囲気の違う春菜に、リトは一瞬ドキリとした。
春菜がしおらしいのは普段からの事だが、今のこの瞬間、
彼女はいつにも増して淑やかに見えた。
「どうしたんだ、西連寺?」
リトの方もなるべく平静を装おうとしたが、心のどこかで、
自分が望んでいるような展開にはならないと諦めてもいた。
まさか春菜から告白でもされようものなら感極まるのだが、
これまで彼が見舞われてきたアクシデントを思うと、望み薄だ。
かつてお静が憑依した時の春菜も、告白紛いの事をしてきたものだ。
今お静が彼女に憑りついているとは思えないが、
どこかにララの発明品が転がっていて、変な効果を暴走させているのかも知れない。
あるいはモモの植物か、セリーヌの花粉でも舞っているのだろうか。
「あ、あの、その、私……」
二の句が出せず、春菜はしどろもどろした。
あれだけ頭の中で練習してきたのに、言葉が流暢に話せない。
意を決した筈だと言うのに、フラれる事が途端に怖くなる。
ララの度胸が羨ましい。
あんなにストレートに愛情を表現出来るなんて。
603愛人契約:2012/03/18(日) 22:35:54.46 ID:rGq+1OBL
一方のリトはと言うと、つい身構えてしまっていた。
いつものノリなら、ここで行われるのは、春菜からの告白などではない。
どこから暴走したララの発明品が踊り出してくるかも分からない。
或いは予定より早く帰宅したララ達に乱入され、騒ぎ立てられるかも知れない。
どんな事が起ころうと、いずれの状況にも即応し、
出来れば怪我など負わないように構えておく事が、
彼の考えられる最善手だった。
彼の顔も、春菜の顔も、真っ赤に染まり切っている。
心臓は飛び跳ねそうなくらいに高鳴っている。
それなのに、心のどこかで、またトラブルに見舞われるに違いないと考える。
その危機感が内心の三割くらいを埋め尽くしている事が口惜しい。
残り七割の期待感さえ、この危機感の前では霞みそうになる。
「私……前から、結城君の事……」
とうとう、だ。
とうとう言わなければならない。
もうここまで言って今更後戻りは出来ない。
後は簡単だ。
「好き」の一言を言うだけだ。
ただそれだけの言葉を言うのに、春菜は更なる時間を要した。
ただそれだけの言葉を聞くのに、リトは更なる覚悟を要した。

いつの間に、そんなに時間が経っていたのだろう。
緊張から体内時計が狂い、その時間は永遠のようにも、酷く短くも思えた。
気がついた時には、三分など余裕で経過していた。
「私、結城君の事、前から好きだったの!
 宇宙では愛人でも良いから、せめて地球では本当のお嫁さんにして!」
「西連……」
ガチャッ。
実に間の悪い事に、廊下に繋がるドアが開かれた。
「あちゃー……私ひょっとして物凄い場面に遭遇しちゃった?」
半笑いの秋穂が、そこに立っていた。
604愛人契約:2012/03/18(日) 22:36:16.83 ID:rGq+1OBL
どのくらいの時間、固まっていたのだろうか。
ようやっとの思いで告白を終えるまでにも、
既に春菜とリトの体感時間は大幅に狂ってしまっている。
そこに秋穂が現れた事で誰も言葉を発せなくなり、
更に長い時間、体内時計の狂ったまま沈黙が流れた。
時を刻む掛け時計の秒針も、今はその音を彼らの耳に届ける事は無い。
気遣って早々と立ち去るべき秋穂も、言い出せずに二の足を踏んでいる。
見つめ合ったまま硬直したリトと春菜は、口をポカンと開けたままだ。
やはりリトは、必ず何らかのトラブルに見舞われないといけない体質だった。
「たけやぁ〜、さおだけぇ〜」
すぐ傍の路地を通り過ぎていくトラックの音に、ようやく沈黙が破られる。
だが最初の言葉は、リトから春菜に対する返事……などではなかった。
「お姉ちゃん! 何でまだ居るのよ!」
「あ、いやゴメン、何かほら、帰るって言い辛くて」
リトからの返事を貰うチャンスを、春菜の方から先送りにしてしまった。
答えを聞く勇気が無かったという事だ。
リトは密かにほっとしていた。
秋穂を玄関まで見送る、ほんの少しの時間だけは、答えを保留に出来る。
相思相愛と分かったのだから保留にする必要は本来無いのだが、
ララとの関係が決着を見ていない現状、
正直な気持ちを春菜に伝える事で、どんな問題が表出する事やら。
せめてこの僅かな時間だけでも、考えを纏めたかった。

だが、秋穂はララがリトを好いている事を知らない。
まさか春菜に恋のライバルが居るなどとは思ってもみなかったし、
妹の恋が成就するのを姉として心底から願ってもいる。
そのお節介な心持ちが、彼女をそこから引き離さなかった。
彼女の目から見て、リトに十分な脈があるように見えた事も一因だった。
「ほらほら、結城君。男らしくちゃんと答えないと!」
「良いから早く帰ってよ、お姉ちゃん!」
「あ、う、その……あの……」
仮に春菜の告白に応えるとして、何で部外者の前で
それをしなければならないと言うのか。
その辺りの機微は、本気で恋をする事の無い秋穂には、
事情を汲んでやれないところではあった。
普段合コンだの飲み会だので、人前で告白して付き合うカップルを、
何度も見てきたせいもある。
健全な思春期の青少年の一般的な恥じらいを、彼女は理解しなかった。
最初は立ち去ろうとも思っていたが、
それは春菜がフラれる可能性を見越してだ。
妹がフラれるかもしれない場面に居合わせるのは避けたかっただけだ。
だが長い沈黙の中で、リトが春菜を悪しからず思っている事を、
彼女は無駄に豊富な男女経験のせいで見抜いてしまっていた。
それが故に、当初と違って今では、
気を利かせて立ち去る必要無し、と判断するに至っていた。
「男を見せなさい、結城君! 遊君みたいな男になれないわよ?」
「いや、それは、そうかもしれませんけど……」
「もう良いからっ! お姉ちゃんは帰って!」
春菜としては、リトに気を遣ってこの言葉を吐いたわけではない。
何より自分が気まずいから秋穂に帰って欲しかっただけだ。
だがこの一言が、リトに余計な覚悟を決めさせた。
春菜がリトを気遣って秋穂を帰らせようとしていると誤解したのだ。
となれば、女性に気を遣わせては男がすたる、と考えるのは道理だ。
リトは腕を握りしめ、腹に力を入れて、少し大きな声で言った。
「俺もっ! 西連寺の事が好きだ!」
605愛人契約:2012/03/18(日) 22:36:45.41 ID:rGq+1OBL
まさか人前で告白する事になるとは、思ってもみなかった。
リトも春菜も、だ。
何より春菜からしてみれば、家族の前で求婚など、
耐え難い辱めを受けたような気分でさえある。
固まったまま黙りこくっている二人を尻目に、秋穂はやけに嬉しそうだった。
「やったじゃん春菜! これで未来の旦那さんゲットだね!」
良いから帰って、と反論する元気は、もう春菜には無かった。
正直、秋穂の声などもう耳に入っていない。
とうとう告白してしまったという、今更ながらの緊迫感。
思いが叶ったという事実は同時に虚脱感ももたらし、
次いで、ララの事やデビルーク星の事はどうしようという、
様々な苦悩と葛藤が頭の中で渦を巻いている。
だがそんな彼女の混迷は見ぬふりをして、秋穂だけがはしゃいでいる。
「……き君ってさ、……いなの?」
最初は、リトにも春菜にも聞こえていなかった。
「ねぇ、結城君?」
何度目かの秋穂の呼びかけて、ようやくリトは我に返った。
「あ、ハ、ハイッ!? 何スか?」
「結城君ってぁ、童貞なの?」
どうてい、という単語の漢字も意味も思い出せず、
リトはしばらくの間頭の中の辞書を捲り続けた。
やがて、いつかの猿山との会話を思い出す。
無理矢理エロ本を見せ付けてきては、鼻血を出して倒れるリトを面白がり、
その都度猿山はこう言っていたものだ。
お前は俺達童貞の鑑のような男だな、と……。
「うぇえっ!? な、何言ってんスかお姉さん!」
何で妹の前でこんな話が平然と出来るのか。
春菜の前でどう答えれば良いのか分からず、リトは彼女の顔を見た。
春菜はと言うと、目をパチクリさせたまま、無言でいる。
気まず過ぎる会話を振られて思考が中断している、というわけではなかった。
「ねえお姉ちゃん、童貞って何?」
春菜らしいと言えば、いかにも春菜らしい言葉だった。
リサやミオのような女達にあれだけ弄ばれていながら、
彼女はこの年齢まで、その単語を知らずに育ってきたのだった。
606愛人契約:2012/03/18(日) 22:37:06.64 ID:rGq+1OBL
「良い事? 私の経験で言うとぉ」
別に聞いてないのに、秋穂は饒舌に解説を始めた。
「お互いが初めて同士だと、そりゃあもう大変なワケよ。
 何で私、もっと経験豊富な人に処女捧げなかったのかって、後悔しきり。
 結城君は童貞、春菜も処女なんだから、手間取るのは目に見えてるわ」
これが大人の会話なのか、それとも秋穂だけがこうなのか、
リトにも春菜にもちょっとよく分からなかった。
何しろ、リサですらここまで具体的な話を持ちかけてきた事は無いのだから。
「前戯だけでも凄い時間かかるし、男が下手だと女も感じないし、
 濡れないから挿入はおぼつかないし、穴は間違えられるし……」
「あの、お姉ちゃん、とりあえず帰って欲しいんだけど」
「お姉さん、その話はまた今度って事で」
「んもうっ! お姉さんじゃなくて、秋穂で良いわよ。愛人なんだし」
そう言えばこの人、愛人役として来たんだったなと、今更ながら思い出す。
遊の話題で盛り上がった事と、春菜からの告白、
その後の秋穂の、頼んでもない性教育のせいで、
そんな事もリトは忘れてしまっていた。
「と言うワケだからぁ、今日は丁度この秋穂お姉様も居る事だし、
 二人にセックスをレクチャーしてあげるわ!」
あぁヤバイ、この人モモや籾岡に近い人種だ。と言うか、あの二人以上だ。
リトがそんな感想を抱いた時、春菜も丁度同じ感想に行き着いた。
まさか身内にこんな人間が居たとは、清純女子高生としてはショックだった。
「あのぉ、秋穂さん? 俺らまだ高校生だし、そういうのはちょっと」
「はぁ? 高校生だからこそ、でしょ?
 それとも何? リト君は先人の手ほどき無しで事に及んで、
 春菜に負担をかけるような事になっても良いの?」
いつの間に「結城君」から「リト君」に、呼び方が変わったのか。
ファーストネームなど、春菜にすらまだ呼ばれていないのに。
この事実は、リトよりもむしろ、春菜の感情を逆撫でした。
「彼の事を下の名前で呼ばないでよ。
 リト君はお姉ちゃんとは何の関係も無いでしょ」
生まれて初めて春菜に「リト」と呼ばれた幸福を、噛み締める余裕も無い。
目の前で火花を散らす女二人に、リトは腰が引けていた。
「ちょっと落ち着けって、西連寺」
ジロリ、と春菜が可愛らしい目で睨みつける。
どこか寂しそうな表情だ。
「……お姉ちゃんの事は秋穂さんって呼ぶのに、私は名字なんだ」
「あ、イヤ、ゴメン西……いやえっと、その……春菜、ちゃん……」
607愛人契約:2012/03/18(日) 22:37:28.44 ID:rGq+1OBL
所詮は高校生。
社会人相手に口論で勝てる筈は無い。
誰の指導も受けずにセックスに及んで、春菜を傷つけても良いのかと
秋穂に言われれば、リトには押し黙るしか無かった。
方や春菜は、本来恋のライバルでも何でもない姉に、対抗心が剥き出しだ。
リトを「リト」と呼んだのも、リトに下の名前で呼ばれたのも、
どちらも姉の方が先ときては、落ち着けと言う方が無理だった。
春菜に粗相をしたくないというリトの善意と、
秋穂に負けたくないという春菜の嫉妬心は結びつき、
面白がっている秋穂の思惑に絡め取られ、
いつしか彼らは二階のリトの部屋へと移っていた。
「それじゃまず、服の脱がせ方からね。
 紳士たるもの、女の子に自発的に服脱がせちゃ駄目よ、リト君」
「は、はい……でも俺、人の服脱がせた事なんて殆ど……」
「殆ど? って事は、一度くらいはあんの?」
「いやいやいや! 無いです! 無い無い!」
何か過去にそんなトラブルがあったような気がしないでもないが、
そういった事はなるべく忘れるように、リトは努力している。
いちいち詳細に記憶しておく事は、相手の女性に対して失礼だからだ。
「それじゃあまず、お姉さんの服から脱がせてみよっか!」
「ちょっと待ってお姉ちゃん、何でそうなるの? 普通私が先だよね?
 って言うよりお姉ちゃんが脱ぐ必要って無い筈だよね?」
「甘い甘い。今日私フロントホックだから、外し易いでしょ?
 先に私の方で外し方とかホックの位置とか慣れといた方が良いって、絶対」
フロントだとかホックだとかいった単語が何なのか、リトには分からない。
しかし春菜が嫌そうな顔をしているのを見れば、
何となく下着に関する単語なのだろうか、と見当はつく。
「もうっ、ダメ! 絶対ダメ! お姉ちゃんのは私が脱がせる!」
「へ? 何で? それじゃレクチャーになんないじゃん」
「私がリト君にお手本見せれば、それで良いでしょ!」
ムキになっている春菜に押し切られ、秋穂は渋々承諾した。
リトの前だと言うのに恥ずかしげもなく手早くブラウスを脱ぎ、
レース地で装飾の施された、黒字に赤のエングレーブが目を引くブラを曝け出す。
今まで何度か女性の下着をアクシデントで見てきたリトも、
こうまでアダルティな装いのブラを見るのは初めてかも知れない。
608愛人契約:2012/03/18(日) 22:38:12.70 ID:rGq+1OBL
春菜に押し切られたとは言え、秋穂も負けてはいない。
秋穂がフロントホック、春菜がバックホックなのだから、
これ幸いとばかりに、奇抜な案をリトに提示した。
「じゃあさ、リト君。春菜が私のブラを外してるのを見ながら、
 同じようにして、春菜のブラを外してあげなよ」
「は、え?」
「お姉ちゃん!」
「なぁによぉ、反対なの?
 どっちみち彼に脱がされるのは一緒なんだし、早いか遅いかの違いでしょ?
 一度見た後でやるより、見ながらやった方が絶対分かり易いわよ」
そういうものなのかどうかも、リトにはやはり分からない。
もっともこれには、意外と春菜の方があっさりと受け入れてしまった。
「よく考えたら、そっちの方が恥ずかしくないかも……」
春菜と秋穂が向かい合い、春菜が姉のホックを外す。
その様子を確認しながらリトが春菜の背中のホックを外すと言う事は、
ポジションから考えれば、リトは春菜の背後に居る事になる。
これが一対一でとなると、事情はまるで違う。
普通はホックが後ろだろうと、正面から胴体の横を通って腕を伸ばされ、
恥辱に打ち震える表情も乳房も、何もかも直視されながらブラを外される事になる。
それは経験の無い春菜でも分かる事だ。
だが春菜が後ろ向きでさえあれば、顔や胸を見られるのを先送りにする事が出来る。
ほんの数秒の事とは言え、その数秒は得難い猶予だった。
「本気か、西……春菜ちゃん?」
「そ、その代わり、あまり手間取らないでね? 私だって恥ずかしいんだから……」
秋穂と喋っている時はムキになったり反論したりもしているのに、
リトと話す時となると、春菜は途端にしおらしくなった。
少し俯き加減で、頬を薄紅に染め、潤んだ瞳で懇願する様は、乙女そのもの。
根負けし、リトは女達の要求に応える事になった。
609愛人契約:2012/03/18(日) 22:38:35.49 ID:rGq+1OBL
正面からでなくとも、春菜の体は魅力的だ。
年相応の肉体はまだ成熟しきっておらず、腰のくびれは秋穂に劣るが、
その方がむしろ同年代のリトにとっては美しく映る。
御門などにしてもそうだが、あまりに熟れた豊満な女性の体は、
リトの年代からしてみれば「スゲェなぁ」くらいの感想しか引き出さない。
勿論それでドキドキはするし、勃起だってするが、
それでも同い年の女の子の肌のスベスベした見た目は別格だ。
色白の肌に浮かぶ肩甲骨のラインと、短い襟足から覗くうなじ。
これを見ているだけで、リトの勃起はもうズボンから突き出そうだった。
秋穂としては、計算外だ。
春菜がもう少し抵抗するだろうと思っていたのに、あれよあれよと言う間に、
春菜は姉の提案を受け入れてしまった。
本当はブラどころか、上着を脱がせるところからリトに体験させたかったのに、
さっさと済ませようとする春菜の勢いに押され、姉妹は既に下着姿になっていた。
「そ、それじゃ、いくぞ……?」
「うん……きて、リト君……」
まるで今からもう挿入でもするのかと言わんばかり。
たかがホック外すくらいでこんなに度胸が居るとは、初々しいにも程がある。
自分にもこんな時代があったなぁと、秋穂はつい数年前の事を思い返していた。
あの時相手の男がブラを外すのを手間取った経験から、
秋穂はフロントホックを愛用するようになったのだ。
春菜のか細い指先が、ベッドの上にペタンと座り込んだ秋穂のブラにかかる。
さすが女だけあって、春菜は別段、手間取る様子は無い。
ただいつもとは腕の向きや伸ばし方が違うので、そこだけネックなようだ。
リトはそれを参考にする為に秋穂の胸に目線をやり、
途中で何度も躊躇うように視線を外しながら、また秋穂の胸を見る。
正確には胸を見ているのではなく、春菜の手つきを見ているのだが、
ほぼ同じ位置に秋穂の乳房がある以上、青少年には少しキツいようだ。
なるべく意識を秋穂の胸から外そうとして、リトは春菜のホックに指をかけた。
しかし春菜のブラに触れるのも、それはそれで刺激的だ。
今度は春菜のブラから意識を背けたくて、秋穂のブラを見る。
どっちに転んでも、どっちに逃げても、刺激は一向収まってくれない。
たどたどしい手つきで、春菜の所作を真似するだけでも、鼻血が噴き出そうになる。
610愛人契約:2012/03/18(日) 22:39:01.87 ID:rGq+1OBL
慣れている春菜の方が、リトがホックを外すより早かった。
秋穂の乳房がポロン、とこぼれる。
「してやったり! リト君が初めて見る女性のおっぱいは、
 春菜じゃなくてこの秋穂お姉様のになりましたぁ!」
それこそが秋穂の狙いだった。春菜を少しでも出し抜く為だ。
だが、効果は皆無だった。
「いや、別に女の子の胸見るのは、これが初めてってワケじゃあ……」
「私も何度か見られてるし、揉まれた事もあるし」
「何ですって!? あなた達、童貞と処女なのに、そんな事はしてたの!」
「あ、いや、いやワザとじゃないんですけど!」
「そうよ! リト君はそんな人じゃないもの!」
あぁ、熱い。
春菜を出し抜くつもりだったのに、秋穂は思わぬところで、
春菜のリトに対する信頼を見せ付けられてしまった。
火遊びでこの二人の間に割って入るのは、ちょっと無理だな、と諦める。
それでも彼女が諦めたのは、あくまで心理面での割り込みだ。
あわよくばリトに自分を意識させて、春菜をヤキモキさせてみようと思っていたが、
それが無理と分かった今でも、肉体的・物理的に割り込む事を諦めはしない。
やっとリトが春菜のブラを外したのを見届け、秋穂は更なる作戦に出た。
「それじゃあ次はパンティ脱がせなきゃねぇ」
「え、も、もう?」
「当たり前でしょ、春菜。穿いたまま濡れたら、後が大変よ?
 あなたね、ホテルに外泊する時は必ず替えのパンティを二着持って行きなさい。
 一着はお風呂上りに穿く分だけど、これは愛撫が始まったらすぐに汚れるから、
 そうなったらこれ穿いて帰るなんて、気持ち悪くて出来やしないもの。
 セックスが終わった後で改めて穿く為の綺麗なのを、
 余分に持って行っておかないと、せっかくの余韻を台無しにしてまで、
 洗面所でパンティ洗って、一晩中乾かさなきゃいけなくなるんだから」
一晩の外泊で着替えが二着とは、ちょっと春菜の想像の埒外の助言だった。
普通の服は着替えなどせいぜい一着で済むのに、下着は余分にもう一枚などと。
別に無理な話ではないが、やけに生々しくて嫌になる。
「下着を合計三着なんて、そんなの……」
「でっしょー? だったら替えのパンティは、お風呂上りにはすぐに穿かず、
 ベッドにもノーパンで上がるようにしなきゃねぇ」
「いや、それはそれで……」
期待し過ぎているようで、何か嫌だ。と言うか、イヤラシイ。
「って事はさ? じゃあ愛撫が始まる前に脱ぎさえすれば、
 余分な着替えも要らないし、洗って乾かす必要も無い、って事よね?」
見事な誘導尋問にハメられた。
何でたかが下着を脱ぐくらいで、こうまで姉に翻弄されなければならないのか。
611愛人契約:2012/03/18(日) 22:39:22.69 ID:rGq+1OBL
まだリトは、春菜に指先一本ほど触れてさえもいない。
ブラのホックも何とか肌には触れる事無しに外した。
普通なら上着を脱がせるところから始めても、一分かそこらで済むだろう。
なのに彼等ときたらまだ辛うじてブラを外しただけで、
これで既に五分以上経っているのだから、先が思いやられる。
ひょっとして秋穂にレクチャーなどされない方が、
余程早かったのではないかとさえリトは思った。。
秋穂さえ居なければ、いつか春菜とセックスに及ぶ事になろうとも、
その時は春菜が自発的に脱いでくれる可能性だってあった。
数日後いつの間にかリトは経験によって知る事になるのだが、
そもそも女の上着まで男が脱がせるような必要は、基本的に無い。
それどころか下着だって、多くの女は自分で脱ぐ。
秋穂がリトに脱がせようとしたがために、今回余分な時間がかかっていた。
これから更にパンティを脱がせるという作業も残っている。
愛撫さえ始まる前の段階から、一体何十分を浪費する事やら。
「それじゃあお互いブラも取った事だしぃ。
 次は秋穂お姉様のパンティを脱がせてもらおうかしら。
 それも、リト君の手で、練習をかねてね?」
何でパンティまで脱がせる必要があるのか。
いくら何でもホックがついているわけじゃあるまいし、
そのぐらいリトにだって、練習せずとも脱がせられるだろう。
第一、そもそも秋穂が脱ぐ理由など、最初からどこにも無い筈だ。
「パンティぐらい大丈夫だってば! お姉ちゃんさっきからおかしいよ?」
「あの、秋穂さん、流石にそれはちょっと、マジでヤバいって言うか」
今まで何度も美少女達の秘部を見てきた歴戦の戦士、リト。
自己で他人のパンティを脱がせた事も、あったような無かったような。
それでも、自分の意思で、故意に、パンティを脱がせた事など無い。
彼が焦るのも道理だった。
「あら春菜ったら、自信無いの?」
「え? 何でそんな事になるの?」
「男ってね、心に決めた人が居ても、いざ女のアソコを見ると、
 抑えられなくなるものよ。それが意中の女じゃなくたってね」
と言う事は秋穂は、他人の男を寝取った事もあるという事か。
或いは寝取られた事がある、という見方も出来る。
人生経験が豊富に越した事はないが、そんな経験など培いたくないものだ。
それに秋穂の性格を考えると、ブラフで言っている可能性もあった。
612愛人契約:2012/03/18(日) 22:39:48.12 ID:rGq+1OBL
「だっ、大丈夫よ! リト君はそんな事で惑わされたりしないもの!
 私とララさん以外の女の子には、どんな事があっても手を出したりなんかしない!」
この局面でかつて一度だけ会った事のあるララの名が出てきたのは、
秋穂にとっては意外、かつ事情がまるで分からなかったのだが、
どちらにしろお熱い事だ。
そうまで男を信用する純情さは、今の秋穂からは失われている。
「春菜ちゃん、そんなに対抗する必要は……」
「リト君! お姉ちゃんのパンティ脱がせてあげて!」
「いや、あの、聞いてる?」
「リト君なら大丈夫! お姉ちゃんに手を出したりなんかしないんだから!」
「あぁ、うん、それはそうだけど、そういう問題じゃ」
普段温厚な春菜をここまでムキにさせる秋穂の手管は流石のものだ。
リサにからかわれた時ですら、こうまでヒートアップした事はあっただろうか?
お化け怖さのあまりに錯乱する場面は何度か見て来たが、
その時に近い程の気迫が今の春菜にはあると、リトは感じ取った。
「その前にリト君、君もちゃんと服と下着脱がなきゃあ」
秋穂の言に、リトは自分だけまだ服を着たままである事に、やっと気付いた。
確かに女の子にだけ脱がせて自分は着衣のままと言うのは失礼だ。
「あ、わわ、分かりました」
これでちょっとは時間が稼げるとリトは思ったが、秋穂の狙いは別の所にあった。
理由は二つだ。
一つは、ズボンもトランクスも脱ぐ事で、リトの勃起が隠しきれなくなる事。
今はまだ前傾姿勢や服の皺で隠そうと健気な努力をしているリトだが、
恥ずかしくて目を背けたがっている春菜と違い、
秋穂の目から見れば彼が絶賛勃起中なのは明らかな事だった。
それを春菜の眼前に曝け出させ、春菜とリトを同時におちょくるという算段。
そしてもう一つは、リトに自分を襲わせる事だった。
彼女の読みでは、リトは必ず欲情を抑えきれず、秋穂に手を出す筈だった。
だが、いざ秋穂のパンティを脱がせた時、リトが服を着たままだったら、
服を脱ごうとする際か、もしくはその前に既に、冷静さを取り戻すかも知れない。
入れようと思えばすぐにでも入れられる状態にしておけば、
いくらリトでも自制する事は出来ないだろうと踏んだのだ。
一度そうなってしまえば、秋穂はいくらでも春菜をおちょくる事が出来る。
そんな秋穂の作戦にリトも春菜も気付かぬまま、リトは全ての服を脱ぎ去った。
「おいで、リト君。女性のオマンコと初対面だよ〜」
「い、いえ、別にそれも胸と一緒で、初めて見るってワケじゃ……」
「そ、そうだね。何より私とは一緒にお風呂入った事もあるしっ!」
それも事故によるもので、決してリトの本意でなかった事件なのだが、
そんなにも春菜は秋穂に出し抜かれるのが嫌なのだろうか。
効果はてきめんのようで、秋穂はちょっと悔しそうな顔をしていたが。
「お風呂にも入って、胸も触られてるのに、セックスどころか、
 告白すら今日までしてないって、あなた達一体どういう間柄なの?」
613愛人契約:2012/03/18(日) 22:40:10.49 ID:rGq+1OBL
せめてもリトをからかう為に、秋穂は策を弄した。
ベッドの上に仰向けに寝転がり、足元にリトを待機させ、
「それじゃ、ゆっくり脱がして言ってね」と焚き付ける。
思った通り、リトも春菜も、秋穂から目を逸らしてしまった。
リトは、恋人でもない女の股間を直視する無礼を避ける為に。
春菜は、恋人が自分以外の女の下着を脱がせる場面を直視出来ないがために。
リトは目を逸らしたままで腕を伸ばし、秋穂のパンティに指をかけようとした。
その瞬間を見極めて、秋穂はわざと体をくねらせた。
「はわわっ!? ゴっ、ゴメンナサイ!」
「どうしたのリト君!?」
「気にしないで良いわよ、春奈。ちょっと私の腰に指が触れただけだから」
本当は、放っておけばそんな部分に指が当たる事は無かったのに、
秋穂がわざと身を捩らせたせいで当たってしまったのだ。
だがその事に、リトも春菜も気付けなかった。
「よし、今度はちゃんとするぞ……」
ふっふっふ、ちゃんとさせるわけがない。
秋穂は内心で、小悪魔どころか悪魔のような声で囁いた。
寝そべっている人間の下着を脱がせるには、
脱がされる方も協力的でなければ難しいものだ。
そしてリトは、なるべく秋穂の肌にもパンティにも、
露骨に指を触れさせないように気を付けており、
パンティなどは遠慮がちに指先だけで頼りなく摘まんでいる程だ。
秋穂はわざと尻をベッドに押し付けるように……
つまり、あまり腰を浮かさないようにした。
当然、リトとしては極めて脱がしにくくなる。
「ほぉら、もっと力入れないと脱がせらんないぞぉ?」
「そ、そんな事言われても……秋穂さん、ちょっと腰浮かせてくれないっすか?」
「あらあら、女性に対して腰を浮かせろだなんて、やらしぃんだから」
別にそこまでいやらしい言葉でもないのだが、リトは焦ってしまった。
「あ、あ、あ、スンマセン!」
春菜がそっぽを向いているのを良い事に、秋穂は時間をかけてリトを弄んだ。
リトときたら、一旦パンティに指をかけた後は、
殊勝な事に目をきつく閉じてくれているのだから、尚やり易い。
「あ、そんな脱がし方じゃ擦れちゃうよぉ……」
「うぇえ!? な、何がっ!? あ、いや、そうじゃなくて、ゴメンナサイ!」
たかがパンティを脱がせるくらいで、本当に、何が擦れるものやら。
言ってて秋穂も吹き出しそうになったが、リトはうまく騙されてくれている。
「ちょっとお姉ちゃん!」
流石におかしいと思ったのか、春菜はとうとう秋穂の方を見た。
だが、タイミングが悪かった。
目を閉じているリトはまだ気付いていないが、秋穂の股間は既にフルオープンだ。
パンティは既に太腿まで下ろされており、秘部を隠す布は薄皮一枚も無い。
614愛人契約:2012/03/18(日) 22:40:58.16 ID:rGq+1OBL
姉とは言え、ほぼ全裸の女性。
ブラは既に取り払われ、今や股間も露出している上、
そのパンティを脱がせているのはまさしくリト。
その構図を春菜が目撃して、平静でいられる筈が無かった。
何しろ秋穂ときたら「してやったり」といった顔をしているのだから。
リトは目を閉じていたが、今の春菜にそこまで冷静に観察する余裕は無い。
「リト君見ちゃ駄目ぇっ!」
「え、別に見てな……うわっと!」
リトと秋穂の間に入り込んだ春菜によって、彼は無理矢理視界を塞がれた。
春菜が自分の身を呈して秋穂の前に立ちはだかった格好だ。
「あーあ、もう少しだったのに」
しかし、秋穂は気付いていなかった。
いや、彼女からは春菜の背が邪魔して、見えていなかった。
リトのラッキースケベがまたしても発動していた事に。
「……っ!!」
「あっ、やっ、らめぇ……」
リトの唇が、春菜の左胸の乳首を完全に口中に含んでいた。
現実的にはどうアクシデントがあったところでそうはならないのだが、
それを実現してしまうのが結城リトという奇跡の男の御業だ。
すぐさま春菜はリトから離れると、顔を真っ赤にして部屋の隅に蹲った。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
何が起こったのかいまいち分からない秋穂だったが、
春菜が多少なりと快感を得てしまった事には気付けた。
油断のならない男だ、結城リト。
「ねぇねぇ春菜、ちょっと良い?」
「はぁ……は、え……? 何? お姉ちゃん」
「それもう、下着濡れちゃってんじゃないの?」
「ふぇっ!?」
その通りだった。触って確かめるまでもない。
自分の股間が湿り気を帯びている事は、春菜自身が一番良く分かった。
615愛人契約:2012/03/18(日) 22:41:21.28 ID:rGq+1OBL
「あ、あぁあぁぁあぁぁぁぁああうぅああぁ……」
ちょっと見た事が無いくらい真剣に春菜が壊れ始めた。
お化けが出た時とはまた違ったリアクションに、リトは焦るばかり。
「春菜ちゃん? 大丈――」
「中止!」
「「え?」」
聞き返したのは、リトと秋穂同時だった。
胸を両腕で隠したまま、首だけベッドの方に振り向けて、春菜は言った。
「今日いきなりってのは、やっぱり無理! それにララさんの事だって……。
 ララさんに黙ってリト君とするのは、良くないもの!」
それは半分本心だが、半分は言い訳だった。
一秒でも早く、とりあえずこの場から逃れたい為の、方便だ。
「私はそれで良いよ、別に。春菜はそこで見物してなさいな。
 お姉ちゃんはこれからリト君とたっぷり愛し合「駄目っ!!!」
近所に聞こえるくらいの声で、春菜は叫んだ。
有無を言わせぬ勢いだ。
こんな胆力が彼女にあったとは、秋穂さえ驚きだった。
「あーハイハイ、分かった分かった。
 それじゃお姉ちゃんは諦めたげるから、そん代わり、
 ララちゃんとの話し合いとやらはしっかり済ませなさいよ?」
元々それ程リトに興味の無かった秋穂は、簡単に引き下がってくれた。
ホッと胸を撫で下ろすリトの前で、
秋穂は手際良く下着を身に付け、服を着直していく。
「それじゃあお二人さん、後はごゆっくりぃ〜」
「あ、玄関まで送りますよ秋穂さん! ちょっと待ってて下さい」
さすがに客人を素っ裸で見送るのも無礼なので、リトは服を着ようと思った。
「大丈夫よ、リト君。それより、春菜の傍に居てあげなって」
羞恥で顔を真っ赤にし、ワナワナと震えながら、
濡れたパンティを脱ぐ事も、服を着直す事も出来ず、
春菜はずっと部屋の隅に蹲り続けている。
確かに今の春菜をほんの数秒でも一人にするのは申し訳ないが、
反面、一人にしてやった方が良いのではないだろうか、との思いもある。
その辺りの判断は、リトにはつかなかった。
616愛人契約:2012/03/18(日) 22:42:26.10 ID:rGq+1OBL
「あ、ララちゃん……から、……そう、バイバーイ、またね」
階下から、玄関を出て行く秋穂の声が小さく聞こえた。
あまり聞き取れなかったが、会話の内容と気配から察するに、
ララが帰って来たのだろう。
「ま、マズイ! 春菜ちゃん、服着て!」
「う、うん!」
別にララに裸を見られても春菜は困らないのだが、重要なのは、
リトと二人きりの部屋で、二人とも裸か、それに近い格好だと言う事だ。
それを目撃されるのはいかにも厄介な事に思えた。
ましてナナやモモ、美柑も居合わせるかも知れないとなれば。
だが彼らが各々自分の下着に手を伸ばした時には、
もうララは機嫌良く階段を駆け上がって、リトの部屋のドアを開けてしまった。
「やっほー春菜! リトに告白したって本当ー?」
まだリトは全裸、春菜は濡れたパンティ一枚だけを穿いた格好のままだ。
急にドアを開けられ、二人は完全に固まった。
「ラ、ララ……」
「ララさん……」
「あれー? 何で二人とも裸なのー?」
日中裸で居る事が当たり前のララにとって、
この光景からセックスを連想出来なかったらしい事だけが、
唯一の救いのように思えた。




第二話終了。
寸止めじゃ悪いからこのまま第三話いくけど、
一人でダラダラ書き込み過ぎて目障りなら言って下さい。
次回から自重します。
617愛人契約:2012/03/18(日) 22:45:14.98 ID:rGq+1OBL
何でこんな事になっているのだろうか。
服を着るタイミングを完全に失してしまったリトと春菜は、
大人しくその格好のままベッドに腰掛け、ララの話を聞いていた。
「でねでね、メアちゃんも協力してくれる事になってぇ」
そんな事はどうでも良い。
いやどうでも良くはないのだが、今は置いておこう。
あんな危険人物を一時的とは言え仲間に引き入れるのは怖いし、
後になってどんな問題が絡むかも分からないのだが、
それはちょっと後回しにしておきたい。
問題は……
「なぁララ、何でお前まで裸なんだ?」
「え? だって私、服着るの嫌いだもん」
ララはペケのフォームを解除し、一糸纏わぬ姿になっていた。
帰って来た時はまだちゃんと服を着ていたのだが、
リトが裸で居たのを見て、自分も裸で良いのだと思ってしまった。
何しろ普段からリトが服を着ろと煩いせいで、
彼女は勝手知ったる結城邸の中ですら服を着ていなければならなかった。
そのリトがどういうわけか今は全裸なのだから、
もうこの家では全裸で何も問題無くなったのだと、勝手に判断した。
ペケはと言うと、帽子形態のまま座布団の上で寛いでいる。
強いて言えば、リトと春菜が裸で居るのを目撃して、
あまり快い感想を抱いてはいないらしかったが。

「呆れたものですね、リト殿。
 ララ様があなたの為に奔走している間、
 あなた自身は愛人と二人きりで……」
誤解だ、とも言えないのが困ったところだ。
実際本当に、秋穂の奸計にはめられ、直前まで進んでしまっていた。
まだキスもしていないが、リトが春菜のブラや秋穂のパンティを
脱がすのにあまり手間取っていなかったら、今頃どこまで進んでいたか。
「あの、ララさん? ちょっと良いかな」
「どうしたの春菜」
「さっきリト君にも言ったんだけど、私、愛人って言うのは嫌なの。
 でもララさんがデビルーク星でのリト君のお嫁さんで、
 私が地球でのリト君のお嫁さんって事でなら、何とか……」
「えー、それは駄目だよ!」
ララが反発したのは、リトへの独占欲からなどではなかった。
「デビルークとか地球とか関係無く、宇宙全体で、
 リトの一番のお嫁さんは春菜じゃなきゃ!」
「……ララ様、今回の騒動の事、ちゃんとご理解なさってます?」
ペケが真っ先に代弁してくれたが、リトも春菜も同じ感想だ。
今回の婚約発表や、それに付随する問題を、
ララは一体どう捉えているというのだろうか?
「良いですかララ様。リト殿がララ様のフィアンセになると言う事は、
 いずれは正式にご結婚なさって、お世継ぎを生んで頂く必要があるのです。
 つまりどうあっても正妻はララ様でないといけないんですよ?」
だがララは、子作りの事はあまり理解していない。
頭は良いし、学習能力もあるのだが、性の事はよく分かっていない。
リトの住んでいる地域では、高校で性教育を実施していない。
そんな事は中学校までの間で一通り済まされているので、
せいぜいが保健体育の一環として行われるだけで、性教育というコマが無い。
だからララは地球に来てから、セックスだの避妊だのいった事を学ぶ機会が無かった。
無論、基本的に温室育ちの彼女に、性教育を施してくれた家来も居ない。
地球時間換算で年に一度や二度はそういう機会もあったのだが、
彼女は決まって「退屈そうだから」と逃げ出しては、
ザスティン達に悪戯をする事に夢中になっていた。
618愛人契約:2012/03/18(日) 22:47:09.20 ID:rGq+1OBL
ペケが熱心に説明しているにも関わらず、
ララは顔中に「?」マークを浮かべている。
挙句「お世継ぎって、リトと春菜の子じゃ駄目なの?」とか
「そんなのはナナやモモに任せれば良いんじゃないの?」と言い出す始末。
どうやら第一王女という立場に対する自覚すら備わっていない。
地球人と地球人の間に生まれた子供を、
デビルーク星の王にする事など、出来るわけが無いのに。
まして第二王女や第三王女といった者は、本人達には申し訳ないが、
あくまで第一王女が男子を授からなかった場合などの、スペアに過ぎない。
基本は、第一王女が男子を身籠るのが理想なのだ。
「よく分かんないけど、私とリトがセックスすれば良いんだよね?
 セックスならリサやミオから聞いた事あるから、何となく分かるよー」
あいつら普段学校でどんな話してんだ、とリトは思った。
ほんの導入部分までなら、春菜も何度か話に巻き込まれた事もある。
「そ、それでね、ララさん? セ……セックス……って言うのはね?
 愛し合う男女の間だけでやるべき事で、配偶者や恋人以外の人とは
 やっちゃいけないってのが、地球の文化なの。分かる?」
「ほえ? 法律でそう決まってんの?」
「いや法律ではどうか分からないけど、そういうのは浮気とか不倫って言って」
ララ相手に、こんなものは水掛け論にしかならない。
何故ならララは、リトが自分を好きでいてくれる限りにおいては、
自分以外の女性も同時に愛されようが、手を出されようが、
一切気にしないという偏った性観念の持ち主だ。
これは、デビルーク星がそういう文化だというわけではない。
ギドは側室を持たないし、ナナだって恋愛に対する考え方は固い。
あくまでも、ララとモモが例外中の例外なだけだ。
「うーん、よく分かんないなぁ……」
学校の勉強はあれだけ出来るのに。発明品は山ほど作るだけの知能があるのに。
こんな簡単な事が、ララには理解出来ないでいた。
619愛人契約:2012/03/18(日) 22:48:52.09 ID:rGq+1OBL
春菜は何も、ララにリトを諦めて欲しくて言っているのではない。
むしろふんぎりをつけた今、ララにはデビルーク星でリトの妻になってもらい、
自分は地球でリトの妻になるという事で、自分の中での決着はつけている。
だから彼女が気にしているのは、自分の気持ちの問題ではなく、
逆にララの気持ちの問題の方だった。
「例えばね、ララさん。私とリト君がセっ……ク、ス、したら……
 ララさんは嫌な気持ちになったりしないの?」
「別にそんな事無いよ。むしろ最高だよ!
 だってセックスって、愛し合う二人がする事なんでしょ?
 リトが春菜を目一杯愛してくれる事の、何がいけないの?」
多分一生かけて説明しても、ララには通じないのだろう。
ララとて、全く貞操観念が無いわけではない。
ラコスポ辺りと子作りしろと言われたら、死んでも嫌がるだろう。
ただ、自分の好きな人とセックスしないまま一生を終えても、
或いは自分の好きな人が自分以外の女とセックスしまくっても、
彼女にとっては極論「どうでも良い」というわけだ。
だがララが気にしないとしても、春菜はララを気にしてしまう。
「そんなんじゃ駄目だよ、ララさん。
 ララさんが気にしなくても、私やリト君は負い目を感じるもの」
「じゃあ、どうすれば二人が何も気にしないで済むの?」
それが分かれば苦労はしない。
春菜がリトとセックスする事を諦めてララに譲ろうと、
或いは春菜とばかり子作りしてララを一度も抱く事が無かろうと、
どちらにせよリトは絶対に気にしてしまう。
「一番良いのは、お二人ともリト殿とセックスする事ですね」
この問題を解決する直球の答えを、ペケが口にした。
「ペケ、それは……」
「地球人の考えだと、ちょっと良くないって言うか……」
「事は宇宙規模の話なのですぞ? 狭い日本の考えに凝り固まってはいけません」
ペケの意見が恐らくこの場では最も妥当なのだろうが、
それをハイそうですかと素直に受け入れるには、
リトも春菜もあまりに地球人であり、日本人であり過ぎた。
イスラム教徒だったら何もわだかまりなど無いのかも知れないが。
「わ、私は……それでも構わないんだけど……」
「って、えぇ!? 春菜ちゃん!」
「私は元からそれで全然オッケーだよー?」
「後はリト殿が納得するだけですね。覚悟を決めた方がよろしいのでは?」
八方塞だ。
男なら喜ぶべき展開なのだろうし、猿山なら幸福の絶頂に至るだろう。
リトにとっても別に悪い話ではないのだが、
どうしても日本人の固定観念で考えてしまい、
「男がすたる」と捉えてしまうのだった。
620愛人契約:2012/03/18(日) 22:50:15.01 ID:rGq+1OBL
リトの意思を無視して、ララと春菜は話し合いを進めていく。
「そうと決まれば、後は順番を決めなきゃね。
 とりあえず今からセックスするとして、どっちが先にする?」
「え、今からするの!?」
「だって、裸でする事なんだよね? 全員裸だし、丁度良いじゃん」
「私は、その……怖いから、ララさんが先に、ね?」
「それは駄目だよ! リトが一番愛してるのは春菜なんだから、
 一番目に抱かれるのも春菜じゃなきゃ!」
「でも……」
「私は二番目! 絶対譲らないよ!」
「でも私だって、ララさんに譲ってあげたいもの」
「だからぁ、私にはそんな気遣いは必要無いんだってば」
「私にとっても同じだよ。ララさんが先の方が嬉しい」
目の前でこんなに真面目な顔で討論されては、
先程秋穂が居た時は勃起していた筈のリトのモノも、
すっかり萎んでしまうというものだ。
目の前で女達が自分を取り合っている……と言うよりはその逆で、
ある意味では女達が自分を押し付け合っているようにも見える。
無論本人達はそんなつもりではないのだが、どの道これでは興奮出来ない。
まだ昼過ぎだが、今日は何だかんだと言って、このままで終わりそうだ。
他の家族がまだ帰って来ていないのは幸いだった。
どうせもう今日セックスする事は無さそうな流れだと判断して、
リトはいそいそと服に手を伸ばし始めた。
「ララ様、あの発明品を使っては?」
瞬間、全員の動きが止まった。
ペケの言う「あの発明品」と言うのが何なのか分からないが、
リトと春菜は、それがララの発明品と言う時点で嫌な予感がし、
ララは一拍置いてから「あぁ、あれかぁ!」と手を打った。
「ちょっと待てララ、お前の発明品はもうコリゴリだぞ!」
「安易に道具に頼る前に、話し合いで解決しましょう! ね!」
しかしリトと春菜が止めるのも聞かず、ララはさっさとラボに入って行った。
余程急いでいたのか、三十秒と経ずしてリトの部屋に戻って来る。
「じゃーん! この銃が発する光線を浴びればリトの体が二つに増え――」
「ヤメロ馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
621愛人契約:2012/03/18(日) 22:52:39.38 ID:rGq+1OBL
眩い閃光と、直後の白煙。
爆発に巻き込まれて、春菜はひとしきり咽た。
「けほっ、けほっ……い、一体どうしたの?」
「やった! 成功だよ、リト! 春菜!」
「お見事で御座います、ララ様」
白煙が晴れつつ、リトの姿が徐々に霞みを払うように現れてくる……二人分。
「「お前なぁ〜……」」
リトは、二人に分身していた。
声も、ポーズも一緒だ。
「これで私も春菜も、両方同時に、リトと一番目にセックス出来るよ!」
「あの、ララさん? 念の為聞くんだけど、これって元に戻るの?」
「もっちろん! 三日ぐらいあれば十分だよ!」
「「三日っ!?」」
二人のリトが同時に叫んだ。悲鳴に近い。
「「お前、三日もこの状態でいろってのか!?」」
二人のリトが同時に、指を差す。
この光景を見て、ララはある違和感に気付いた。
「あっれ〜? おかしいなぁ……」
「「何がだっ!」」
「本当だったら、意識と感覚と記憶が共有されるだけで、
 動きや言葉までぴったり重なる事は無い筈なんだけどなぁ」
二人のリトが同時に、肩を落とした。
一体何度「二人のリトが同時に」という文章を繰り返せば良いのか。
ララの発明品が失敗作なのは毎度の事だが、
これにはペケも予想外だったらしく「すみません、リト殿……」
と今更謝っている始末だった。

ララの話では、こうだ。
本来のこの光線銃の効果ならば、リトは二体に分離しただけで、
頭の中は繋がっており、五感も全て共有している、と。
例えば右のリトが肩に触れられれば、左のリトは何もしていなくとも、
誰かに肩に触れられたという実感を得る事が出来る。
だが、意識が共有されているからと言って、動きは別々に行える。
この点だけ見れば、要するに同じ人間の右腕と左腕のようなものだ。
右手を動かす時、左手が自動的に同じように動く事は有り得ない。
だが右腕も左腕も、感覚は脳という一点で共有される。
二人のリトは意識も快感も共有する事が出来るし、
片方のリトが見ている光景は、もう片方のリトにも伝わる。
本来の設計通りなら、一方のリトがララを抱いている間、
もう一方のリトは春菜を抱き、しかもその感覚を常に同期出来る筈だった。
622愛人契約:2012/03/18(日) 22:54:46.23 ID:rGq+1OBL
そのおおまかな性能は、今も変わる所が無い。
唯一違うのは、何故か二人のリトが、同じ動きをしてしまう、という点だ。
「「お前な、これでどうやってセックスしろと……」」
「大丈夫大丈夫! 私と春菜に、同時に同じ事すれば良いだけなんだから!」
「「って言われてもなぁ……」」
この設計ミスによる弊害は明らかだ。
片方のリトが動こうとすると、隣に立つもう片方のリトは、
避けるべき物体を避けられず、タンス等に体をぶつけてしまう。
片方のリトがトイレに行こうとドアを潜れば、
もう片方のリトは歩きたくもないのに歩かされ、やはりぶつかる。
片方のリトが階段を下りる時、もう片方のリトは二階の床の上で変な歩き方をし、
しかもそのせいで体勢を崩したり転んだりしてしまうのだから、
階段を下りていた方のリトもその動きを勝手にトレースして、転げ落ちる。
転げ落ちると、二階で体勢を崩していた方のリトは勢いよく床に「落下」し……
もう考えただけで、日常生活の全てが恐ろしいものに思えてくる。
「多分、トイレに行きたくなるのも二人同時だろうし、
 お腹が空くのも二人同時だろうねぇ。食費が一人分増えちゃう」
「「何て事してくれたんだお前ぇ……」」
「ヤ、ヤダ、結城君が二人なんて……素敵……」
どういうわけか春菜がやけに嬉しがっている。
リトは春菜が二人に増えたところを想像してみたが、
嬉しいと思う以前に、やはり不気味と思ってしまうだろう。
その辺、さすがはララの正体が宇宙人と発覚した時にすら
「素敵」の一言で受け流してしまった春菜特有の感覚だ。
あのルンですら、多分リトが二人に増えたら、素直に喜んだりはしない。

それからしばらくは、セックスなど二の次にして、
リトが体を自由に動かす訓練の為だけに、一時間程消費された。
「う、く……よ、よし、何とか……」
「ちゃんと意識してれば、別々に動く事が出来るようになったな」
今や二人のリトは、別々に言葉を発している。
単純な動作しかしていないのに、この一時間で異常に疲労した。
「「とりあえず今日はこれに慣れたいから、セックスはまた今度って事で……」」
努力すれば別々に動けるし、別々に喋れるのだが、
本当に結構な努力が必要なので、二人のリトはなるべく同時に喋った。
動く事まで二人同時にしていると流石に問題が多発するだろうが、
喋るだけなら二人同時でも、事情を分かってくれている者の前では問題無い。
「「明日の学校へは片方だけ行って、もう片方は家で休むわ」」
「それは良いんだけど、これからしらばく、
 二人のリト君を私達は何て呼べば良いのかしら?」
「「今まで通りで何か問題あるかなぁ? どうせ同じ人間なんだし」」
「それでは右のリト殿がリト一号で、左のリト殿が二号と言うのは?」
「「おいおいペケ、どっちかが二号だなんて、そんなの嫌だぞ!」」
リトからしてみれば、どっちもリトなのだ。
二号呼ばわりされた方はたまったものではない。
そしてその不快感は、一号呼ばわりされた方にも共有される。
畢竟、二人とも不愉快な気分になった。
「ん〜じゃあ右のリトはリト一号で、左のリトはリトAって事で!」
名案とばかりにララが勝手に決めつけたが、
どうせ呼び方などどうでも良いのだ。
数字とアルファベットを同列に考えるとか、十六進数じゃあるまいし、
とは思ったが、もう文句を言ったところでこの状況は変わらない。
「た、大変だね、リト君。それじゃまた、明日学校で」
春菜はようやく帰宅しようと、今度こそブラに手を伸ばした。
が、予想外の事を言い出すのがいつもララだ。
「どうせ体を自由に動かす特訓するんなら、セックスで兼ねれば良いじゃん」
「「……はい?」」
623愛人契約:2012/03/18(日) 22:55:56.02 ID:rGq+1OBL
いい加減にしてくれ!
……と、何度言いそうになったか知れない。
だが何故か春菜がララの意見に賛同してしまったので、
リト一号とリトAは、この場を脱する事も出来なくなってしまった。
ゴタゴタしたせいで忘れていたが、春菜は一度、股間を濡らしているのだ。
一度期待して火がつきそうになった体を、このまま帰宅させるのは勿体ない。
家で自分を慰めるより、リトに愛してもらった方が断然良い。
兎にも角にも、ララと春菜の願いを叶える、良いチャンスだ。
即ち、お互いがリトにとっての初めての相手、一番目の相手になるという事。
夕方になれば美柑達が帰って来るし、明日と明後日は平日で学校だ。
この好都合な状況、今逃しては今度いつ叶えられるか分からない。
ララの発明品の事だから、次にあの光線銃を撃った時、
同じ効果が表れてくれるとは言い難い部分があるのだ。
「リトA、よろしくねっ!」
「あぁ……」
「リト一号君、優しくしてね?」
「もうどうにでもなれ……」
一人用のベッドは、都合四人もの人間が乗り上げるには狭過ぎる。
体全体を乗せる事は諦めて、この一台のベッドに対し、
ララと春菜は横向き且つ仰向けになるように背中を預けた。
必然的に、膝を曲げて爪先が床につく格好だ。
その両サイドに二人のリトが立ち、時には立ったまま、
時にはベッドの上に上り込んで、少女達を愛撫するという流れだ。
「「そ、それじゃ……まずは、キスから、な?」」
リト一号とリトAは、ベッド脇に立ったままで
それぞれ片膝をベッドの縁に乗り上げ、身を乗り出して、
少女達の顔に自分の首を伸ばした。
何でこんな奇妙なファーストキスをしなけりゃならないんだ?
などという憤慨も、とうに諦めている。
それにつけても、このキスですら、今のリトには難しいものだ。
油断すればリトAの動きに連動しているせいで、
リト一号の方が春菜の手首かどこかを膝で踏んでしまいそうになる。
身長も座高もララと春菜では異なるので、
リト一号の方が春菜に口付けようとすると、リトAの方は
ララの顎の辺りに唇を触れさせてしまいそうになったりする。
624愛人契約:2012/03/18(日) 22:57:11.85 ID:rGq+1OBL
どうにか苦労しながら、リト達は少女達とのファーストキスをやり遂げた。
「……はぁ。キスって、こんなに気持ち良いものなんだね……」
ララが似合わない表情でうっとりしている。
「リト君の唇、思ってたより柔らかいね。ふふっ」
春菜は恥ずかしそうにはにかんでいる。
しかし二人のリトは、そんな感想を抱いているどころではなかった。
童貞ならばファーストキスは緊張して当たり前だが、
それ以上の苦労や努力を重ねに重ねて、このキスを成し遂げたのだ。
これでどんなに体力と精神力を使っているか、彼女達は分かっていない。
リトはとても感動など覚えている余裕は無かった。
せっかくの、ララと春菜とのファーストキスなのに。
「それじゃ次は、本格的に訓練開始だねっ!
 リトAは私の右の胸を、リト一号は春菜の左の胸を触ってみて」
「「両方とも右胸とかじゃ駄目か? これ、相当疲れるんだけど……」」
「それじゃ訓練にならないじゃん。リトったら」
「そうだよリト君。頑張って!」
春菜に笑顔で「頑張って」などと言われたら、頑張るしかない。
実は今の「頑張って」という言葉こそ、春菜からすれば頑張って口にした事だ。
一応リトの訓練という名目だから言えただけで、普段の春菜なら、
自分の胸を触る事を自分からリトにお願いする度胸など無い。
訓練を口実に積極的になれる分、こっそり春菜はララに感謝していた。
「俺は、ララの右胸……」
「俺は、春菜ちゃんの左胸……」
慎重に手を伸ばし、何とか要求通り、乳房に触れる。
「あんっ」
「ん、ふ……」
少女達は一様に、気持ち良さに襲われた。
普通、体を開発されていない処女がこんな簡単に感じる事は無いのだが、
ToLOVEるの世界では処女だろうと何だろうと、簡単に感じる体質だ。
「んん、リトぉ……もっと優しくぅ……」
「「あっ、わっ、悪いっ!」」
別に春菜の方は何も文句を言っていないのに、リト一号ごと謝ってしまう。
「ねぇリト君。二人とも右手を使うのって、ちょっとズルくない?」
「「え、そうか?」」
「そうだよリト。リトAは右手で、リト一号は左手で触ってみようよ」
だから、それがどんなに大変だと思ってるんだ……。
625愛人契約:2012/03/18(日) 22:58:44.25 ID:rGq+1OBL
春菜の左胸にリト一号が左手を伸ばし、右手を引っ込めた事で、
リトの苦労はより顕著に表れた。
リトAが右手を動かしている間、使う必要のない筈の
リト一号の右手がウズウズしている。
勿論、リト一号の左手が動く時、リトAの左手も同様に小刻みに揺れる。
それぞれ不要な手は今真っ直ぐ下ろしている状態だと言うのに。
そればかりではない。
ララは春菜より巨乳だ。
例えばリトAがララの胸の先端、乳首だけを責めようとすると、
それにつられてリト一号の左手も同じように動こうとする。
ところがその位置に春菜の乳首は無いので、リト一号の左手は宙を彷徨う。
「……ララさんの方が胸おっきぃもんね」
「「ご、ごめん春菜ちゃん! ワザとじゃないんだ!」」
ワザとじゃないから尚更春菜は悔しいのだが。
それにしても春菜とララは、胸の大きさ以外にも違いが多い。
肌の色合いもそうだし、固くなった時の乳首の大きさや乳輪の直径、
乳房の弾力に至るまで、同じところが一つとして無い。
それでも違う星の生き物としては似通い過ぎている方なのだが。
「はぁ……あんは……んふぅ……」
「ふぁあ……これ、何……くすぐったいのとも違うカンジ……」
「それがきっと、気持ち良いって事なんっ、あ、」
「そ、そうかな……やっ、ん」
さすがToLOVEる世界の住人。
まだ胸を簡単に揉まれているだけで、早くも良い反応だ。
リトはこっそり二人の少女の下半身を確認した。
「今までさすがに女の子のアソコを直視した事は無いけど、
 地球人もデビルーク星人も殆ど一緒の形してるんだな」
厳密には、リトは何度も女性のアソコを見てきている。
ただ、たまたまショックで前後の記憶を失ったりしているだけだ。
「「秋穂さんの言ってた、濡れるって、こういう事かぁ」」
「ヤダ……言わないで、リト君、う……」
「えへへ……アタシもう、ビッショビショだよぉ……」
貞操観念の違いが、そのまま少女達の言葉の違いに現れた。
濡れる事を恥とする春菜に、濡れる事を何とも思わないララ。
多分ララの方は、濡れるという事の意味を深く分かっていない。
626愛人契約:2012/03/18(日) 23:00:11.76 ID:rGq+1OBL
特訓と言うだけあって、二人のリトは、一時間もする頃には
もう差し支えなく別々に動く事が出来るようになっていた。
リトAがララの乳首を吸っている間、リト一号が春菜にクンニし、
リトAがララにクンニしている間は、リト一号が春菜の乳首を吸う。
手マン一つにしても両者で異なっており、
リトAが中指を突っ込んでララを掻き回すと同時に、
リト一号はむしろ掌全体で春菜の陰唇を撫で回したりする。
「「ララの方は毛が一本も生えてないのな。デビルーク星人はこうなのか?」」
「んっ、ふぁ……もっと大人になったら……生えると思う……」
もっと大人になったら、と言うのがいつの事なのか、リトには分からない。
今まで外見年齢で何となく同い年だと思ってきたが、
よく考えたらララが地球時間換算で何歳なのか、よく知らないのだ。
ひょっとするとリトより百年以上長く生きているかも知れないし、
もしくは意外と美柑と変わらないくらいの歳なのかもしれない。
「「春菜ちゃんの方は生えてるけど、結構薄いんだな」」
「う、うん……お姉ちゃんにはよく馬鹿にされるけど……子供っぽいって」
「「そんな事ねぇよ。凄く綺麗だ」」
「有難う……リト一号君」
いや、もういい加減その呼び方は止めようぜ。
とは思うももの、実際リトAとリト一号でもう別人と言って良い程、動きが違う。
呼び方を「リト」で統一して欲しいと、中々言い出せない彼だった。
「ねぇリトぉ……私のアソコ、変な味しない?」
「何だよララ、そんなのが気になるのか? う〜ん、そうだなぁ……
 比較対象があんまり無いけど、ララのはシロップみたいに甘くて、
 春菜ちゃんのは少ししょっぱい、かな?」
「え? ララさんの、甘いの!?」
リサから聞かされていた話と全然違う。
愛液は誰しもしょっぱいものだと言われていたのに。
「そんな……それじゃあララさんのお汁の方が、美味しいんだ……」
甘い=美味い、と直結して考えてしまうのは、女の思考だ。
「「そ、そんな事! いや別にララのが不味いワケじゃないけど、」
 春菜ちゃんのだって美味し……いや、その……」
処女相手に、童貞が、マン汁を「美味しい」と褒めるなど。
そもそもそれは、果たして褒め言葉なのだろうか?
リトには分からなかった。
627愛人契約:2012/03/18(日) 23:02:09.49 ID:rGq+1OBL
サラウンドで両サイドから聞こえてくるリトの声にも、
ララと春菜はもう随分と慣れてきた。
互い十分に陰唇もほぐれ、いつでも受け入れる準備が整っている。
「一緒にイケると良いね、春菜!」
「うん、そうだね」
多分リサにその言葉だけ聞いた事があるのだろうが、
ララは果たして、「イク」を理解しているのだろうか?
春菜に「童貞」という言葉すら教えてなかったようだがら、
案外とリサもミオも、それ程深い話をララや春菜にしていない可能性がある。
少女達は膝を上げ、M字開脚のようにベッドの縁に両足をかけた。
流石に二人のリトが揃って普通の正常位が出来る程ベッドは広くないので、
リト達はベッド脇に立ったままでの挿入となる。
「「それじゃ、入れるぞ……」」
ララ、春菜ちゃん。
最後の名前を呼ぶ瞬間は、二人のリトがそれぞれ別々に、しかしタイミングを揃えた。
「うん、来て、リト」
「なるべく痛くしないでね、リト君」
リトAとリト一号は、今まで一時間以上訓練と称して責め続けてきたソコに、
それぞれの剛直した物体の先端をあてがった。
それは思いの外すんなりと突き進んでいったが、リト一号の方が途中で止まった。
「あぐっ!?」
「は、春菜ちゃん! 大丈夫か?」とリト一号。
「だ、大丈夫……処女膜に当たってるだけだから……」
「ララの方はどうだ?」とリトAが言う。
「うん……その処女膜っての、よく知らないけど……多分デビルーク星人には無いから」
ララの言った通り、リトAの方は殆ど抵抗無く、
出血も無く、春菜より一足先に奥まで到達した。
リト一号はゆっくりと力を込め、春菜の純潔を裂いていく。
「あっ、が……ひぎぃっ……いんんっ」
ララと違い、春菜の方はボロボロと涙をこぼしている。
もう少し優しく入れるべきだったかと、今更リトは後悔した。
秋穂の言っていた、童貞と処女では大変という意味が、ようやく分かる。
やっとの思いで最奥に達した時、リトは少し休もうと思った。
自分の為では無く、春菜の為だ。
「「二人とも大丈夫か? 抜こうか?」」
「良い……このまま、最後まで……」
春菜に遠慮して何も言えなかったララの気持ちを、春菜は代弁した。
代弁と言うより、二人とも同じ気持ちだったのだ。
途中で止めたりせず、最後までしたいというのが。
「「それじゃ、動くぞ……?」」
628愛人契約:2012/03/18(日) 23:03:35.71 ID:rGq+1OBL
訓練により別々の動作が可能となった今でも、リトAとリト一号は、
互いにそっくり同じ動作をするのが基本最も楽だった。
手を抜きたいというわけではないが、激しいピストンに集中する余り、
どうしてもララにも春菜にも全く同じタイミングで突き、
同じスピードで擦り上げ、同じ深さで抉るようになっていた。
それは彼女達も望むところだった。
ララも春菜も、同じ様にリトに愛してもらいたかった。
どちらかが愚直なスピード重視の動きで、
どちらかが回転や角度を調整したテク重視の動きであるなど、
少女達の理想に適うところではない。
この先何度かリトと交わる機会があるとして、
その時々で違う突き方や抱かれ方を望む事もあるかも知れないが、
少なくとも今は二人とも同じ抱かれ方をしたいと思っていた。
「「はぁぁ、はっ、はぁっ、はぁっ……」」
リトAとリト一号は、全く同じ声で喘ぎ、全く同じ突き方をしていた。
ララと春菜のマンコは、キツさや深さがそれ程違いが無く、
同じ様な突き方をしても二人ともちゃんと奥まで亀頭が到達していた。
「ひゃふっ! うぁっ、んんくっ! あはぁっ、あん!」
「わ……ふぇっ! ……これっ、あぁっ! なんか……あぁっ」
同じ突き方をしていても、感じ方はララと春菜で異なっていた。
どちらかが相手より気持ち良さで勝っている、という事ではない。
ただ感じ方の種類と声の上げ方が違うだけで、満足感は同じ。
声どころか、物理的な音も違う。
ララの方が春菜より尻の肉付きが良いので、肉のぶつかる音も派手だ。
ララの方が「たぷん」という音なら、春菜の方は「ぱんっ」といったところか。
だがこれもやはり、どちらが優れているというものではない。
「リトぉっ……き、キスしてへぇ……」
「リト君……わたひもぉっ……」
言われるままに、リトは上半身を折り曲げて目の前の少女達に顔を近付け、
貪るように唇と舌をねっとりと絡め合った。
そう言えばディープキスはまだどちらにもやっていなかった。
全員ディープキスは初めてだから、舌遣いはぎこちない。
ただ舌を伸ばして蠢かすだけで、相手の舌を吸うとか、
歯茎を舐めるなどといったテクは、まだ思いもつかない。
それでも彼らは、彼女らは、満足だった。
「あっあっあぁっ、なんかくるっ!」
「なにぃ、これっ……なんか変なっ……」
「「くぅっ……はぁっ……俺も、もうっ……!!」」
三人(四人?)は、同時に果てた。
629愛人契約:2012/03/18(日) 23:04:49.04 ID:rGq+1OBL
二人仲良くしっかりと中出しされて、ララも春菜も幸せだった。
避妊の事など全く考えていなかった事を今になって焦る気も無い。
「わぁ、あったかぁい」
リトのように道具で分身などしなくとも、ララも春菜も、
今同時に全く同じ暖かさを、下腹部に感じていられる。
まるでリトだけでなく、ララと春菜もまた、二人で愛し合えたかのよう。
「「二人とも、こぼれてきてるって! ちゃんと拭かなきゃ!」」
慌ててティッシュを取ろうとしたリトの体から、煙が立ち上り始める。
「あれ? リトの体が……」
「リト君、どうしたの?」
「「わ、わかんねぇ! おいララ、これは一体……」」
瞬間、最初の時と同じように、爆発的に膨張した白煙にリトの体が包まれる。
彼等は揃いも揃って失念していた。
ララの発明品には、失敗が多いと言う事を。
「い、一体……何が起こったんだ……?」
「……あれ? リトが一人に減ってる」
「本当だ! 思ってたより早く効果が切れたんだ!」
少女達に言われて、リトは自身の体を見下した。
右手も左手も、体のどの部分を見ても、元通りになっている。
結果論だが、今回に限り、ララの設計ミスは全て良い方向に転がっていたようだ。
「良かったぁ……正直生活に苦労すると思ってたんだよ」
「でも、ちょっと惜しいかも。
 ララさんと一緒にセックスするの、凄く気持ち良かったし」
「私もー! ねぇリト、もう一度分身して、二回戦しようよ!」
「いや、それは流石に……お前の発明品が、
 次も全く同じ効果を発揮してくれるかどうか分かんないし……」
回路のショートなどによる偶発的な効果だったとしたら、
次にあの光線を浴びたら、二度と元に戻れなくなる可能性だってある。
気持ち良かったのは事実だが、出来れば二度と分身したくないと思うリトだった。





第三話終了。
630名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 23:10:39.33 ID:rGq+1OBL
631名無しさん@ピンキー:2012/03/19(月) 00:00:34.89 ID:d7EBQfdQ
632名無しさん@ピンキー:2012/03/19(月) 00:01:11.18 ID:d7EBQfdQ
ageスマン
633名無しさん@ピンキー:2012/03/19(月) 00:59:08.50 ID:i7Rm/Nmx
>>630
乙!
続き楽しみにしてます。
634名無しさん@ピンキー:2012/03/19(月) 03:00:14.98 ID:R7g//0Y+
>>630
乙でした
635名無しさん@ピンキー:2012/03/19(月) 17:51:16.72 ID:X42ga/Z5
ふむふむ(´・ω・`)
636名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 01:09:12.88 ID:Mm7ECfIO
(`・ω・´)
637名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 15:13:45.92 ID:b0I8GKWt
まだー
638名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 21:41:56.24 ID:qIRJRLdG
「ほらヤミちゃん……気持ちいいんだろ?『お○んこ気持ちいい』って言ってごらん? 」
「…く…ぅ…」
「言わないと抜いてあげないよ?ま、俺としてはどっちでもいいけど」
「…………………ちいい…です」
「あぁ!?んな小さい声で聞こえるか、処女ま○こに男咥え込んで気持ちいいですって叫べや!」
「……っ…………いい、です!処女ま○こに、男咥え込んで……気持ちいい、ですっ……!」
「うっ……きゅ、急に締め付けてきやがった……で、出るっ!」
「ぇ、ぁ……ぁあっぁぁぁぁぁぁッ…………!!」

「……嘘、つき……」
「くくく、嘘なんかついてねえさ。ちゃんと“抜いて”やっただろ?」
「そん、な……」
「さてと……オイお前ら!ヤミちゃん気持ちいいみたいだから、早い物勝ちでくれてやる!」
「………ッ………!!」
639名無しさん@ピンキー