一時はどうなるかと…乙
オツ安次郎
>>1さん乙でした
このスレにも名作が集まりますように
ほしゅ
新たなる愛故の始まり
視線の続き読みたい
前スレ埋めるのが先だろ
1レス小ネタのつもりが長くなったのでこちらに投下
以前投下した明るい無理やりを目指したネタの続き
主×メイド
メイドは見違えるような衣装で、主の部屋に顔を出した。
「旦那様、ただいま戻りました」
「これはこれは、どこのお嬢様だ?」
飾り立てられてはいても、主従の一線は越えずに接してくる。
「外見くらい磨かれないと、旦那様が私をお入れになった意味がありませんでしょう?」
花嫁学校といわれるフィニッシングスクールに何故か送り込まれたメイドは応じる。
問答無用で放り込まれているので、主の意図が分からなかった。
「スクールではどうだった?」
主はメイドの姿を眺めながら尋ねる。立ち居振る舞いは使用人のそれではなくなっている。
よく離れていられたものだと思うが、その分後の楽しみが大きいと我慢はしていた。
「はい、皆様からはとても良くしていただきました」
「おいで、よく見せてくれ」
促されて主の前に行き、スクールの教育の賜物である完璧な礼を取って見せた。
しごく満足そうな主だが、メイドにはその理由が分からなかった。
気まぐれ、と言えばそれまでだが、家柄と財力が伴っていないと入学が難しいスクールに何故入れたのか。
そもそも何故そんなスクールにメイド――使用人を入れようと思ったのか。
そんなことを考えていたせいで、反応が遅れた。あっと思った時にはもう、主は立ち上がってメイドを抱きしめていた。
「私に会えなくて寂しかったか?」
「旦那様、何故私をスクールに入れたのですか? スクールのお嬢様方は皆様素晴らしい方々で、私を差別はなさいませんでしたが、
私一人が場違いだったのは間違いありません」
「皆上流階級の令嬢達だから、知己を得られてよかったな。何故お前を入れたかか。使用人たる者、主の心情や動きを知ってこそと
思わないか?」
その言葉にメイドは、自分が女主人付きになるのだろうと予想した。
旦那様の奥方にお仕えするために、その方のお気に召すように言動を察知して立ち回ることを求められている。
そのためにメイド風情をスクールに入れるとは、よほど旦那様は奥方になる方を想っていらっしゃるらしい。
「分かりました。私は奥方様付きになるのですね。ご結婚が決まったのですか? おめでとうございます」
ずきずきとする胸の痛みを押し隠して、メイドは笑みを浮かべる。
どんな時でもあまり感情をむき出しにしてはならない、スクールでの教えが皮肉にも役立ちそうだ。
旦那様が迎えるからには名家の令嬢に違いない。どんな方なのだろう。きっと美しくて教養もある方に違いない。
「ああ、そうだな。とても私好みの人だ」
のらりくらりと結婚を先延ばしにしていた主がやっとその気になったのだ。喜ばしいことだ。
なれば、この状況は何なのだろう。
「では、旦那様。手を離してはいただけないでしょうか。ご結婚が決まった御身としては不謹慎です」
主の手は離れず、むしろ腰から下に移って不埒な動きをしている。
片手はメイドの服のボタンをゆっくりと外している。
「旦那様、おやめください」
「ん? 動くと服が破れる。これの価値は知っているだろう?」
そう言われると抗えなくなる。スクール用にと作られた服は、一着でメイドの給料など飛んでしまうような額だった。
それをいいことに主は前をくつろげ、手を差し入れる。
「だんな、さまっ、いけません」
「そうだな、まだいけないな。もう少し色々やればいけるだろう。嬉しいぞ積極的で」
「違います!」
「奥方様をお迎えになるのに、私などとこんなことをなさるのが駄目だと申し上げているんです」
「スクールに入れた成果を見たいだけだ。肌や髪、爪の手入れはいいな。触ると気持ちがいいぞ」
「あっ、や……ん、だめ、です」
するりと項をなでられ、ぞくぞくしたものを感じてメイドは息を乱した。主は目を細めている。
「そうか、この触り方では駄目か。これならどうだ?」
首筋をねっとりと舐められて、かくりとメイドの膝が折れた。背に回した手でそれを支え主はメイドの唇を貪った。
「……んぁ、あ、ふ」
合間に挟まる声に煽られながら主はメイドの服を脱がせていく。するり、と下に落ちたところでメイドが我に返って主の胸を押した。
それをものともせずに、主はソファにメイドを押し倒した。
腹部で重なりあう服、胸と白い太腿をあらわにして、メイドはなおも主の下から抜け出ようとするが、座面と背もたれの間に押し付けられて
身動きがどれない。耳元に主の顔が寄せられる。
「スクールでは夫婦生活についての講義はあったのか? 何と言われた?」
主の言葉に耳まで真っ赤にして、メイドは顔を背ける。耳に吐息を落として耳朶を舌先でなぞると、メイドは観念したように小さな声で
主の問いに答えた。
「旦那様になる方にお任せするようにと……」
「私はお前の旦那様だから、全面的に委ねてもらおうか」
「意味が、違いま、んんっ」
こり、と耳朶を噛まれてメイドの抗議が途切れた。
主に押さえ込まれていいように弄ばれているのに、メイドは乱れた姿をさらしているのが悲しかった。
「お、くがた様を迎えるの、に、こんな……」
「こんな、何?」
胸を揉みほぎされて先端の尖りを舌で舐めしゃぶられながら、メイドは言葉を紡ぐが、一旦先端から離れた主の口が再びそれを咥えると、
先鋭的なものが身内を走って、それ以上は続けられなくなる。
主の肩を押す手の力も弱く、主のなすがままになってしまう。
「ふ、ぁあ、あん、んくぅっ」
下着の上から主の指で秘所がなぞられて、思わず声を上げて腰が動いていた。
主は形を確かめるようになおも指を動かし、蕾を布越しに引っかく。メイドは吐息をもらして、まるで待っていたかのように足に力を入れた。
「布越しでも透けて見える、素直でいい」
横から指を入れながら、主は満足げだ。片手でベルトのバックルを外し、ジッパーに手をかける。
「や、だめ、です。どうか、おやめください」
眉を寄せて哀願するメイドを熱に浮かされたように見つめて、主は下着をずりさげた。
「指は駄目か。では……」
足の付け根に顔を沈ませて、ひくついて膨らんだ蕾に、秘所に舌を這わせて舐め、中を尖らせた舌で抉る。
もうメイドはすすり泣いて恥ずかしい仕打ちに耐え、それでも反応を見せていた。秘所のざらつく上壁を曲げた指でこすって
主はメイドを乱れさせた。蕾を強く吸い上げると体をわななかせてメイドの背中がそらされた。
「あっああっ、だんなさまぁあっ」
びくびくと体を波打たせた後でメイドはぐったりと力を抜いた。
「前に愛していると言ってあったな。それに私はお前の旦那様だ。――また、私のものになりなさい」
メイドの足を抱えて主は秘所に己を突きたてた。
「ひぅっ、は、あっ」
一気に奥まで貫いたせいかメイドの顔が歪んだ。苦しそうなのはそれまでで、動き始めると喘ぎが聞こえ始めた。
熱くてきつい中は蕩けるような快感を生んでくれる。腰を振りながら主はメイドの腰を押さえて、奥へと突き上げる。
二人の体重と振動でソファがきしむ。だんだんと主の腰の打ち付けようが大きくなり、メイドもそのたびに声を上げた。
限界を感じ奥を突いて、主は背中を震わせてメイドの中に放つ。
ひときわ高く啼いたメイドの声を快いものと聞きながら。
つながったままで、主はメイドの顔に張り付いた髪の毛を指でどかす。メイドは息をどうにか落ち着かせて、低く呟いた。
「旦那様、どうしてですか。使用人を弄んで、満足ですか?」
主はメイドに仕方のない子だと言わんばかりの眼差しを注いだ。
「メイドがスクールに入れるか? お前は名家の養女になっているんだ。家柄も財力もあるな。
そして私が『旦那様』で、お前が『奥方様』だ。言っただろう、私好みの人を迎えると」
だから、これは夫婦の営みだ、と囁かれてメイドは混乱しつつも信じられない喜びがわくのを感じた。
「――だから、相性を確かめないとな」
不穏な言葉とともに、メイドの中の質量が増す。
「え、あの、だ、んな様」
主はにっこりとメイドに笑った。
「さあ、『旦那様』に任せなさい」
絶句するメイド――未来の奥方の足を抱え直した。
終
このスレにも沢山のSS投下があるといい
前レス埋めるのが先だろうに
>>15 GJ!!
何か可愛いなこの2人w
ずっと規制かかってて書き込めないのが辛かった
前スレは素晴らしい作品ばかりで良かった
職人さん方ありがとう
今はスレ立て出来るのはレベル10以上からだな
レベルの後にPTって付いてればスレ立て可能なはず
>>15 GJ!!!
メイドは奥方様になるのに、まだメイドと呼ばれているのか。地の分では。
この二人はほのぼの平和でいいな
前スレから埋めろ言ってるのに
投下さえ読めればいいといういい加減な人ばかりだからまともな職人もへって
マナー悪い職人量産されていき底辺言われるんだろうな
途中で途切れるよりかは新スレにまとめて投下でもいいだろ。
文句たれるヒマがあったら前スレ埋めてこい。
前スレ埋めろ埋めろと叫ぶだけで自分では何もしない奴にマナー云々言われてもなあw
そもそも放っておけば自動で落ちるスレを無理やりに埋める必要が全く無いわけなんだが。
490Kb行ってるからそっとしとけば一週間で落ちる
容量のないレスをぼちぼちカキコむとなかなか落ちない
埋める為にレスしたんだけどw
そういっておまえらも埋めに参加せず
新スレ延ばしてるんだからマナー悪いって事になるんだがいいのかw
自分は
>>21を書きこむ前に1レス埋めてるからおまえの言う「おまえら」には入ってないんですね。
ID変えてどっかのスレで自演してる奴にマナーがどうのとかご高説垂れ流されてもw
ていうかこのスレ別にマナー悪い職人いないし
今まで見てきたこの板のスレは容量少ない状態で新スレ立ったらそっちに投下して
古いスレは誘導も兼ねて残す所とかも普通にあったぞ
このスレの職人と職人に好意的なレス付けてる住人が気に入らない高尚様は
いい加減見切りをつけてここ見るのやめてくれよ
高尚様はこのスレ見てるとイラつけんだろうし住人は高尚様のクソみたいなレス見て萎えるし
職人は書く気がなくなるし誰にもいい事がない
マナーがいい()住人と職人ばかりの居心地がいいスレに行ってくれよ頼むから
ID変えて自演なんかしてないし
お前は一体誰と戦ってるんだよ……
しかしマナー守ってなくても作品みたいから
守らないでいいからでてけと言われてもな
SS落とすには足りないからって雑談馴れ合いを強制するのは人としてどうかと思うの
保守ネタなんて話が盛り上がった時だけでええやん
下手したら新スレ保守のが難しくなっちゃうししゃあない
容量考えたら今回の投下も普通のこと、責める必要がどこにあるのか
>>15 GJ!
どこまでもマイペースな主人としっかりしてんのにどっか抜けてるメイドさんだなw
お幸せに言わざるを得ない
>>15 GJ!
自分好みの女を仕立てるってシチュがいいわ
今回はハッピーエンドだったが
紫の上みたく女側がなかなか受け入れられないのもええね
源氏物語…それは愛ゆえのパラダイス!
ただし主人公の光君は多情だが。
源氏と紫の上初節句ルはほぼ零歩と変わらない気がする…
だからこのスレにぴったりだね
うむ。驚きのあまり反応できない紫にやりたい放題である。
三日夜餅を食べる気にならないのも仕方がない。
だがそれを「素直じゃない人だ」とか妄言を吐きつつまた好き放題にする。
しかも源氏は正妻が魔物に取り殺されての忌中。
しかし、光が紫ちゃんに目を付け手を出したのは、オカンに似ているからである
果たして紫への愛故と言えるのだろうか?と昔から思ってる
てめーただのマザコンだろ、と
若紫は義母の親戚だったんだっけ?
光君の多情な愛故に……は
ただのやりたいだけって感じというか
うすっぺらいよなーと思うw
やっぱりもう二度と無い一人に煮詰まってこそというか
何多情でも構わん見た目が好みで性格も良ければ
複数の女を愛せるだろ
本能的な意味合いで
色んな女に手を出してた男がたった一人に本気になるが
女に拒絶され逆上、無理矢理抱いてしまう
事後、無言無表情な女を必死に慰める男
と、ここまで妄想したら
自然に脳内で女が男を許したふりして包丁で刺したわ
一方通行過ぎる故のバッドエンドはアリですか?
最近の投下で結構あったし勿論アリでしょう
それよか愛故の愛は最初から自覚してないと駄目でしょうか
愛故でやっちゃうんだけど無自覚で後から相手への愛情に気づく
みたいなパターンが好きなんですけどスレ主旨とは違っちゃってるかなあ?
>>41 ちゃんと愛があるなら良いんじゃね?
駄目なのは愛がない場合で
>>1の注意的にも人それぞれだろ
>>38 紫の上は藤壺の姪だったはず。そっくりだから浚ってきた
愛故で言ったら柏木と女三宮を思い出すなあ。代わりに一宮と結婚したけど諦めきれずに三宮を(r
その三宮は源氏も柏木も薫も愛せないっつー皮肉な結果だけど
大和和紀の漫画にはお世話になった
一方通行バッドendだとこんなんどうだろう。
暴君になりつつあった主君を下剋上した若い武将が、
忠誠誓っていた主君を殺され、信頼を裏切ったと怒り狂う同僚の女武将との内戦の末勝利し国主に。
苛烈で美しい女武将に昔から片思いしてた国主は女を表向き処刑したことにして監禁凌辱。
新しく名と履歴を捏造して正妻にする。
愛する女はデレた訳じゃないけど抵抗しないし子供も二人生まれて
幸せだなあと夫婦の寝所で呟いた次の日、
妻は旧主の拝領刀で自害
穏やかな死顔に、妻が従順だったのは
自分を幸せの絶頂で突き落とす為だったと悟り国主orzっていう
ちなみに元ネタは二次創作
原作が欝エンドなCPなせいか幽閉監禁拘束or親友の助命を盾に凌辱→精神崩壊とか横恋慕の末レイーポなネタ多い
女体化ネタは該当スレでどうぞ、としか。
どこかに女体化ネタあったか?
>>41 同じくそういうの好きだ。
最初は単なる凌辱のつもりで手荒に扱ってたから
女からは徹底的に憎まれてて結ばれずに終わるのもいいし、
逆に女の方が先に「自分は愛されている」ということに気づいて
男の無自覚な愛にほだされていってしまうのもいい。
投下のときは「最初は愛がないように見えます」くらい
前置きしといた方がいいかもなー。
ネタバレになるけどw
>>42>>47 レスありがとうございます
上手く書かないとただの体目当てに見えるんじゃないかってのと
自分が考えてるシチュが結構暴行(not性的)を含むので色々難しいかなーと
万一完成した暁には注意書き付けまくりで投下させてもらえたら嬉しいっす
>>41みたいな妄想は前にでた
華族の長男→女中→めかけの子の次男でも盛り上がったよなw
長男は最後の最後に女中に裏切られて
死にかけて(死にゆく途中)から思いに気付く高慢で…
相手のことが気になって言動に振り回されて、イライラしてやってしまう
そのときには気づかなかったが、愛故だったっていうのならありか
>>49 そのネタいいな、思いを伝えられてもよし、伝えられなくてもよしだ
今更ながら規制取れたんで
前スレ686
湿度www
多田家の人の強い女の子は
どんなひどい目にあっても一安心で見てられるのは
好きな人への気持ち<<<<<|越えられない壁|<<<<<自分の幸せ
だからだと思うw
好きな人に囚われるより、男捨てて辛さから逃げ出す
現状維持に流されない強さがあるのがいいんだ
より惚れてしまった方が負けなんだよねぇ。
というか女性は現実的だよね……
視線の続き
策士成分は薄め
リインがレナードとの関係を強要されてから随分たった。
とはいえ普段多忙を極めるレナードと下っ端で新米のリインでは会う機会も少なく、たまに食事をしてその後という傍目には
しごく淡白な付き合いだった。
二人の間の緊張感は、だからほとんど悟られなかった。
「今日の味はどうだ?」
「……とても美味しいです」
レナードとの会話に弾むような楽しいものは生じていない。そんなリインにレナードは目をすがめた。
二人が会うときは以前のようにレナードが選んだ店で待ち合わせて、だった。以前と異なるのは個室に限らなくなり、レナードは
堂々とリインを連れ歩くようになったくらいか。
今も店の客の視線がちらちらとリインに注がれるのを承知で、優雅に食事をしている。
リインもレナードの視線に晒されるようになって、周囲の状況に敏感になっていた。今も周囲の視線は承知している。
だが視線に害意はないと判断していた。こんな視線はレナードのものと比べると何でもない。
食事をしながら任務についての会話になる。今度初めての前線業務に携わるので、レナードは色々とアドバイスをしてくれる。
さすがにその内容は的確で示唆に富んでいて、リインにとって参考になった。
ふと、以前はこんな話をレナードは穏やかに微笑みながらしてくれていて、自分は尊敬の念を持って聞いていたと思い出す。
そんなに前の話ではない、でも失われてもう戻らない無邪気な時間だ。
今夜の食事はあっさりしたものだったので、酒も軽めで量も少なかった。
いつもならこの後バーに行って、という流れだった。
チェックを済ませたレナードがリインを見つめる。
「これから、しばらく付き合って欲しい場所がある」
珍しい提案だが、もとよりリインに拒否権はない。承知しました、と頷くリインをエスコートして二人は店を出た。
その足で向かったのはセレクトショップだった。
状況の飲み込めないリインを店員に任せてレナードはソファに座って、モバイルでメールを読んだり書類を作成したりしていた。
女性の支度としてはさほど待たずにリインが現れた。
「ほう」
思わずレナードの口から声がこぼれる。普段はどちらかといえば飾り立てない服を着ているリインが体の線をあらわにするタイトな
ワンピースを着用している。とはいえ下品ではなく清楚な色気を感じさせるものだった。
髪を結い上げていつもよりは華やかな化粧を施している。
ワンピースの丈は膝上15cmほどだろうか。すらりとした足は背後にラインの入ったストッキングに包まれている。
普段は履かないヒールの高い靴を履き、控えめなアクセサリーをつけている。
ドレスアップしたリインをつくづくと眺める。
当のリインは何故このような格好にならなければいけないのか飲み込めておらず、店員にいいようにされてしまったようでひたすら
当惑している。傍らの店員は至極満足そうだ。
「これは見事に仕上がったものだ。さすがにセンスがいい」
「いえ、こちらこそ腕のふるい甲斐がありました」
リイン以外は満足の体で、リインの着ていた服はまとめてもらい、ショールを羽織らされて待機していた車におさまった。
タクシーではない、レナードが何を言わずとも走り出したところをみると予定された行動なのだと理解する。
「こんな格好でどこへ行くのですか?」
「行き先は秘密だ。口外してはならない。保険で目隠しをしてもらうことになるが了承して欲しい」
目のまわりの化粧に気をつけて目隠しをされる。それきり会話は途絶えた。
随分怪しげな場所に行くのだろうか? またレナードの遊びかと視界を塞がれながらリインは車の振動に身をまかせた。
路面の状態が変わったのに気付いたのは随分経ってからだった。坂道を上がり敷石状の路面を少し走って停車した。
「着いた。手を」
目隠しをされたままレナードに手を取られて、降り立ったリインはそのままどこかの屋内に歩を進めた。
木の廊下を進んで部屋に入って、やっと手がはなされて目隠しを取られた。
控えの部屋のようだ。テーブルと椅子が置いてある。
「ここは?」
「山荘だ。持ち主は詮索するな。今夜のことは他言無用だ」
言いながらレナードはリインの手首に細い布を巻いて結んだ。布の色はどこかで見たような配色と考え、リインはそれがレナードの
髪と目の色と同じと気付く。布とそちらに目がいったのでレナードも察したようだ。
「そうだ。……この布はほどいても、ほどかれてもいけない。――私の側を離れるな」
謎かけのような言葉を残して、レナードはリインをエスコートして部屋をでた。
山荘という割りには大きな建物だ。廊下の奥まったところにある大きな扉を開けると結構な広さがある。
そこには比較的多くの人がいた。立食パーティーのようで、グラス片手に談笑する、主に男性達がいた。
女性同伴で男性のほうは皆体格が良く、よくよく見ればそれもそのはずで軍人、だ。
しかも皆高官のようだ。中佐か大佐クラスの佐官、将官が本部から離れた場所に集っている。どこか現実離れしたまるで何かの芝居の
ようにも見える。連れている女性は皆あでやかだ。そして自分を同じように傍らの男性の髪と目の色の布を手首に巻いている。
――所有の印か。
ということは今の自分はレナードの所有物なのだ、とリインは苦々しく思いながらも観察を続ける。
つい方角と退路を確認してしまうのは、身についた職業病というべきか。
入ってきた扉のほかにも扉が廊下に面して一つ、隣に通じているらしいのが一つあった。
扉の向かいには大きな窓があり、その向こうはバルコニーになったいる。斜面を利用して建ててあるらしい山荘だ。
点在するテーブルには料理が盛られ、給仕が人垣を縫うように歩いている。
どうやら軍の高官の秘密パーティーのようだ。
しかし皆、連れている女性が若くて美人だと感心してしまう。妻帯者がほとんどだろうに、背徳感がただよってきそうだ。
リインがつい不謹慎だな、と呟くとレナードからだから他言無用なのだと再度釘を刺された。
適当に酒をもらい隅の方に控える。女性の方は軍で見た人もいるがそうでない方が多いように思える。
何故こんな所にこんな格好でと、どう繕ってもリインの気分は晴れなかった。
食事は済ませた後だったので酒を少しずつ飲みながら、軍の上層部での交友関係を談笑する様子から探り、部屋を泳ぐ熱帯魚のような
女性達を目の保養とばかりに眺めることにした。
談笑している男性陣は会話の合間に相手の連れている女性に、時折ちらりと視線を投げかける。
値踏みをしている目だと思う。なら自分はいったいいくらなんだろうか。
レナードにはまだ声がかからないが、遠巻きに見られているのは感じる。レナードもだがリインも。
嫌な、視線だ。
「鬱陶しい」
ぼそりと呟くとレナードは片方の眉を上げる。そこに声がかかった。閣下と呼ばれないのはここに閣下が複数いるためか。
「少将どの。珍しいですな。こちらにいらっしゃるとは」
「ええ、連れてくる者もいませんでしたので」
適当な挨拶の後は専門的な話になっている。関心を表さないように、それでも上層部の軍人同士の会話というのは興味深く、失礼に
ならない程度に離れてリインは控えていた。見ているとどうやら同伴の女性はあまり『主』の側を離れないようだ。
そうでなければ空き部屋でも探してこもっていたい気分なのだが、とリインはグラスを手に持ち壁の花になる。
どうやら近々停戦になりそうな地域の復興策と、今後の方針についての話がまとまったらしい。こんなところでも軍が動くのか。
そして命令によってリインのような下っ端が駒となる。
今はまだ本部で訓練期間だが、いずれ前線に出る日がくる。その時の作戦はこんな風に決められたものなのかも知れない。
レナードとの話を終えた高官がリインに目を移した。
その視線の中に先日ホテルのロビーでいきあった佐官と同じものを感じる。だが連れの女性の視線も痛い。一体なんだと言うのだ。
「あなたを引っ張り出したのが……軍関係者ですか?」
「少尉です。ご存知でしょうか、ジェイムズ・アドラー元中佐の娘さんです」
父の名前を出されて驚いてレナードを見る。昔レナードを指導したとは聞いていたが、そして更に驚いたことに相手も父を知っていた。
ああ、あのと納得されたのは意外だった。父はそんなに有名だったのだろうか。家では当然ながら仕事の話はせずどちらかといえば
寡黙な人だったので、軍での父のことはほとんど知らなかった。
「あの中佐のお嬢さんが、これほどとは……」
舐めるように見つめられて不快ななにかが肌を這う。布を巻いている手首に至っては凝視されている。
「彼のお嬢さんであなたのお連れでは、ほどくわけにもいきまんせんな」
そう言って去っていった高官と連れの女性を釈然としない思いで見送る。
奥歯にものの挟まったような、他の人間はわきまえているのに、自分だけが部外者でいるような居心地の悪さをリインは感じた。
レナードにはそれから数人が同じように話しかけ、談笑していた。側にいながら周囲にも注意を向けていると最初の頃よりも人数が
減ったように思えた。よく見ると談笑していた男性同士が何か話をして笑い合うと、相手の連れている女性の手首の布をほどいて
その女性と連れ立って広間を出て行くのだ。
そうかと思うと連れの男性に耳打ちされた女性が自分でほどいたりもしている。
中には嫌がっているように見える女性の布を無理にほどいて連れていく姿もあり、この場合は残された男性と消えた男性の連れの女性が
悲嘆とも憤怒とものさまざまな表情を浮かべて残ったりしていた。
それの意味するところを考えて気分が悪くなってくる。
いい加減、向けられる視線にもうんざりしていた。男性からは値踏みされ中にはあからさまに欲望むき出しの、女性からはレナードを
見た後ににらまれたり、最初から敵意むき出しだったりした視線だ。
だが幸いなことにレナードにリインの布をほどけ、と言い出す者はいなかった。
さすがに疲れて、寄せられる視線にも辟易したリインはレナードに断ってバルコニーに出た。すぐに戻ればいいだろう。
結構な森の中に建てられた山荘のようで、清浄でひんやりとした空気が心地よい。
よどんだ思惑で濁った室内から解放され、さっき感じた頭痛も幾分軽くなったように思えた。
そんなリインは背後からの声に飛び上がらんばかりに驚いた。見事な気配の消し方。敏感なはずのリインは接近を許したのが信じられず、
勢いよく振り返った。月明かりに佇んでいるのは軍のトップの上将だった。
条件反射で直立不動になって敬礼してしまう。しばらくして今の格好では滑稽なだけだと我に返る。
そんなリインがおかしかったのか上将は笑っている。いつまでも笑いが止まないのは笑い上戸なのだろうか。
「いや、悪かった。見本のような敬礼をされて……一人か?」
「あ、いえ中に……」
「レナードと来ていたね。彼が来たのに驚いている。こんな集まりには顔を出さない男だから」
「閣下の、お連れの方は……」
おそらく会場で一番の美人を連れていたのは見かけている。
「レナードに任せている。私が君と話をしたいと頼んだから」
上将が話? 接点など全く思い当たらないリインは緊張して身構える。
「君、ジェム中佐の娘さんなんだろう? 中佐がお元気かと伺いたくて」
父の愛称だ。
「父をご存知なんですか?」
「知っているなんてものじゃない。レナードと地獄の特訓で鍛えられたし、戦場で命を救ってもらったこともある」
意外すぎる父の過去に驚くしかない。そんなリインを見つめて上将は楽しげだ。
「いや、忘れられない戦役があってね。君が生まれたからって顔を見るために、二週間はかかると予想されていたのを五日で制圧した
ことがあった。鬼と言われた彼がそんな風になったから、あれは語り草だった」
その後親ばかになった父のことを延々言われ、恥ずかしくてリインは反応に困った。
「士官学校を経て入隊したって話は聞いていたけど、レナードと、か」
距離が近づき手首を取られた。やんわりと引こうとしたがかなわない。上将の目は面白そうに布を見ている。レナードの色を。
親指が手首の近位側を撫でさする。上将の手が熱くてリインは少し息苦しい感じになる。
「これをほどいてくれないか」
手首をとられたまま何でもないことのように言われ、リインは呆けたようになった。
上将の顔を見ても、穏やかな表情ながら冗談の雰囲気がない。広間でのやり取りでこの布をほどく意味は分かっているつもりだが。
「あんなお綺麗な方がいらっしゃるではありませんか」
「彼女は美人だろう? だがジェム中佐の娘さんには興味がある。『俺の娘は世界一だ』と言っていたから、確かめてみたい」
「それは……親ばかの買いかぶりです」
瞬間握られた手首に力がこめられた。
「そうとは思えないが。だからレナードも……」
父のことは確かに共通の話題ではあったが、最初に出会ったときにはそんなことは知らなかった。
父の娘ということで近づかれたわけではないと思う。
レナードとの関係はリインにとっては決して嬉しいことではない。
ここで上将の求めに応じれば……今度は上将の一夜のお相手ということになるのか。
レナードはそうなったとしても、おそらく何も言わないだろう。むしろ、上将の連れていた美人と楽しい夜を過ごすかもしれない。
であればこれをきっかけに関係を終わらせることも可能かもしれない。
広間のやり取りを見る限り、断る選択肢は所有されている側にはないように思える。
断れば上将を不快にさせる。一介の新米少尉など、指先一つで潰されるだろう。
簡単なことだ。自分でほどきさえすればいい。それで丸く収まる。それで。
ゆっくりと手首に目を落とすと、上将の手がはずされた。レナードが何度か巻きつけて結んだ布。
――ほどいても、ほどかれてもいけない。これを結んだ時のレナードの声がよみがえる。
指先は結び目ではなく布端に触れる。結ばれているほうの手首を返して反対の端を握り、もともとかなりきつく結ばれていたそれを
ぎち、と音がするまで引っ張る。一層かたくなる結び目。
その間上将から目を外さずにいた。
上将の顔には何か浮かんだようにも、浮かばなかったようにも見えた。
「こんなにはっきり振られるとは。――そんなにレナードがいいのか?」
とんでもない。リインはまっさきにその言葉が浮かんだのに内心で自嘲する。いいわけがない。でも。
「簡単に身を任すことをしたくないだけです」
偽らざる本音を吐き出す。レナードの脅迫には屈した。だが獲物にはなっても誰彼構わずという娼婦になったつもりはない。
自分の体は自分のものだ。その信念だけは守り抜きたい。
これで今後が生きにくくなったとしても仕方がない。リインは覚悟を決めた。
上将は再びリインの手首を取った。無理にほどかれたらその時は諦めるのか、抵抗するのかと考えていたリインは、上将からの言葉に
顔をあげた。
「君のことは上層部ではジェム中佐の娘が入隊した、と話題になった。次いでレナードとの噂だ。興味を覚えた人物は君のデータを
照会して容貌も興味を引いた。今後は私を振ったとして注目されるだろう」
さすがに嫌がる部下には無理強いしない、と笑われる。
「レナードが羨ましいな」
言いながら手の甲に唇を落とされ、そんな仕草に慣れないリインは棒立ちのままだ。
ちろり、と舌先で甲を舐められぞくりとしたものを覚える。
「そろそろ戻るか。彼女もだが、レナードがやきもきしているだろう。話ができて楽しかった。中佐によろしく」
そう言って上将は広間へと戻っていった。見送る視線の先にはこちらを見ている軍人達がいた。
上将と入れ替わるようにレナードがやってきた。その姿をみてほっとしたのにリインは気付き狼狽する。
レナードは味方ではないのに。前門の虎が去ったからといって、後門の狼に気を許してはいけない。
レナードから手渡された水を飲んで、緊張からか喉が渇いていたのに気付く。
そんなリインを見つめてレナードは低い声で尋ねる。
「君は、……良かったのか? 上将からの誘いだぞ」
「あまり私を馬鹿にしないで下さい。軽く見られるのは真っ平です」
レナードが好きで断ったわけではないと匂わせると皮肉げな口元になる。
「そうか、そうだな。そろそろ終了の時刻だ。行こうか」
玄関ホールで再び目隠しをされて車に乗り込む。あまり愉快ではない時間を過ごした場所を後にした。
車のシートに深くもたれる。思わずため息も口をついていた。
「疲れたか?」
気遣う響きを感じレナードの方に顔を向ける。
「ええ、二度と参加したくありません」
手を握られて、なだめるように上からぽんぽんと軽くはたかれる。
「君とのことを直接間接で探られて私も鬱陶しかったから、一度に知らしめるための参加だ。今後はもうないだろう」
レナードを受け入れた時から彼との付き合いは隠すつもりもなかったが、今夜のことで周囲にはよりはっきりしたということか。
どんどんレナードに外堀を埋められていっているようだ。
「しかし上将の誘いを断るとは君も大胆なことをする。戻られて笑いながら言われた。『初めて振られた』と。これでまた少し
騒がしくなるかもしれない」
上将が今後注目されると言ったことを思い出す。これ以上の面倒はごめんなのだが。
「だが、個人的には満足だ」
ぽつりと言われて肩をだかれて引き寄せられる。唇にレナードの指がふれてなぞられる。化粧をしてくれた人が落ちない口紅と
言っていたが指についたりしないのだろうか。
頬に手があてられて唇が塞がれる。今目隠しをされているので、感覚の大部分を依存する視覚が封じられている。
その分他の感覚が鋭敏になっているようだ。レナードの少し乾いた唇から熱い舌の感触、触れられている手の温もりなどがいつも
以上に感じられる。舌が口蓋に至りくるくると刺激される。
舌をなぞられて甘い痺れのような感覚に襲われた。ぴちゃ、くちゅと音が響いて生々しさに拍車をかける。
運転手に見られているのでは、そう思うと恥ずかしくてレナードの胸を押すが、反対に抱き込まれてしまう。
長く深く貪られ、開いた胸元に手が差し入れられ身がすくむ。
精神的に疲労していたところに、呼吸もしづらくなる様な口内の蹂躙をうけて、力が抜けた体をレナードに預けてしまう。
その間にも胸は忍び込んだ手と指でもまれて摘まれている。手のひらの下で乳首が柔らかさを変える。レナードは絡める舌の動きと
手の動きを合わせてきた。ねっとりともみ上げきゅっと摘む。その際舌をしごかれて舌先を軽く噛まれる。
背筋がぞくぞくして引き剥がそうとレナードの手を掴んでいたはずなのに、反対に胸に押し付けるようにしていた。
乳首を爪でかかれ、びくりと体が揺れる。
「こんなところでも、見られるのも嫌、です」
どうにか言うと心配ないと一蹴される。乳首を掠めるように触られてレナードの服をつかむ。
硬くなったそこに指先で加えられる刺激は大きい。
「ふ……」
息に混じってもれでる声を必死で押さえレナードの悪戯に耐える。
「もうすぐ到着だ。これをはずそう。随分刺激的な姿だったが」
目隠しを外されると、運転席との間には仕切りがあり、窓もスモークで見られてはいなかったようだと安心する。
ホテルについてレナードに連れられ部屋に入る。
いささか乱暴にベッドに投げ出され脱がされた靴は適当に放り投げられる。
随分性急に乱暴に触れてくる。ワンピースもすぐに脱がされて下着とガーターストッキング姿にされた。
「お預けを食った犬のようだったからな。今日は加減してやれそうにない」
物騒な宣言をされて下着も脱がされた。ストッキング越しの足を撫でていた手がすぐに付け根に移ってくる。
「君の準備もいいようだ。目隠しされて興奮したか?」
濡れてしまっているのを揶揄されて、恥ずかしく腹立たしい。
「ち、がいます」
何度か指が往復されるとすぐに抜かれて、レナードが入ってきた。圧迫感で腹部がはちきれそうな感じになる。
濡れてはいるがほぐされてはいない。苦痛と紙一重の圧迫感。それが中を分け入って入ってくる。途中まで入って、浅く引かれ何度か
馴染ませるように出し入れされる。張り出した亀頭で引かれる時に、腰に来る感覚に思わず熱い息が漏れる。
足を肩に担がれて、いきなり奥を突かれ、思わず声がでてしまう。
「んんっ、くぅっ」
そこで腰をさらに密着するように押し付けられる。レナードの全部を受け入れてしまっていた。
突き刺されるように出し入れされて襞がこすられて、その摩擦が腰を蕩けさせていくようだ。
ほぐされてないので、中のレナードが馴染んでいない。だから、よりこすられる感覚が強くて意識してしまう。
体勢からレナードが動くたびに羞恥がいっそう募る。ストッキングをはいたままでいつもとは違う眺め、いつもとは違うレナードに
なすすべなく刺激されていく。奥を突き上げられると息が止まりそうになり、手前をこすられると襞がうねって、腰が跳ねる。
もう痛くはない、圧迫感もない。むしろ……気持ちがいい。
「あぁ……んんっ、や、ん」
引く動作のレナードに中が引っ掛けられる。たまらなくよかった。
奥まで入ったレナードが腰をねっとりとこねるようにした時、奥も入り口も同時に圧迫されて襞が、陰核でさえもいびつに力を加えられて
背中がしなる。同時に胸を大きな手ですくわれて乳首をきゅっとつままれた。リインはレナードをぎゅっと締め付けたのを感じた。
そこで動かれて光が走るような衝撃を受けた。
「あっ、ああっ」
こぽり、と液が漏れた。レナードが動くたびにくちゅ、ぐちゅと音を立てるが、音が大きくなるほど疼きが大きくなる。
もっとと言いかけてリインははっとした。今、何を口走ろうとした?
無理に開けた目に飛び込んできた自分の手首にはまだ布が巻いてあった。レナードの髪の毛は汗で額に張り付き、目は情欲に濡れている。
その目は自分を欲しがって、捕らえて、食らい尽くそうとしている。いつもの視線よりも明確な意思がある。
それを半ば喜んで受け入れている?
自分の体は自分のものだと思っていたのに。今の状態ではレナードのもののようだ。
今度は足を曲げられ、えぐられる角度が変わった。痺れにも似た疼くような感覚が湧きあがってくる。
自分の中がうねっている。それがレナードの動きでこすられると勝手に腰が後追いをしてしまう。
「いい、か?」
「……あ、んぅ。はあっ、あ、あぁ……」
レナードの熱に激しく容赦のない動きにどうしていいか分からない。
こすられているところから生じる得体のしれない感覚は、あともう少し続いたら何か分かったかもしれない。
目蓋を光がちらつく感じがした時にレナードが精を吐いた。びくんびくんと中で動くレナードのものを感じる。
いつもよりそれをリアルに感じ、その時ですら自分がきゅうきゅうとレナードの脈動に合わせて動いているのを信じたくない思いだった。
呻き声をあげてレナードが強く抱きしめてくると、本当に捕らえられた獲物のように思えてくる。
息がおさまったらしいレナードから、繋がったままで抱き起こされた。レナードの腿の上に乗せられる。
背中をゆったりと撫でられ下りてきた手は、臀部に当たりレナードへと引き寄せられる。下腹部は密着している。
レナードの手は腕をつかんで、手首に移った。
「随分固く結んだものだ」
言いながら少し苦労した様子で結び目をほどかれた。
「私を好きか?」
「嫌いです」
即座に言い返すと苦笑される。
「私の恋人は気が強い」
臀部をもまれながら鎖骨に落ちる唇の感触に目を閉じる。中で再びレナードのものが大きくなる。
「今日は加減しない。腰が立たなくなるかもしれないが覚悟しておけ」
先程は無視されていた陰核を指でなぞられて、きゅうっとレナードを締め付ける。そらした背をまた引き寄せられた。
繋がったところから漏れるのはレナードの精液だけではない。感じたリインのものもだ。
「……い、や、もう、やめてくださ……」
これ以上抱かれたらどうなるか分からない。そこまで行ったら取り返しがつかない。漠然とした恐怖を感じるリインを愛しげに見やり。
君は私のものだからな、そう言って笑うレナードはゆっくりと動き出す。
捕らえた獲物をじっくりと料理するかのように。
以上続く予定
GJ!!
上将の誘いはきっぱりと断り
>自分の体は自分のものだ。その信念だけは守り抜きたい。
とかっこいい事言ってるのに
そのあとのレナードの事は…あれれ?と思った。
これはもう籠絡されてるってことなのかw
やったー視線の続きキターと思ったけど
この集まりが意味不明過ぎて良くわからなかった…
リインとレナードキター、いつもながらGJです
>>64 現代日本で言えば政治家のパーティーみたいなもん
より魅力的な女or自分のパートナーを連れてきて
交渉成立したら寝てOK
政治家のパーティーがスワッピングの集いとか初めて聞いたw
今回もよかったです!
着実に外堀を埋められていきつつ、愛されているなぁ、リィン。
あえて危ない橋を渡ったレナードはどれだけひやひやしていたんだろう。
軍の中において階級の意味は大きいだろうし。
それともリィンの性格を見極めて、安全パイの賭けだったんだろうか。
こういう丁寧に丁寧に「俺のもの」にされていく過程がすごく大好きです!
>>66 いや自分でもないわーと思いはしたw
スワッピングというより女性も交渉の道具っぽい扱いを感じたんで一番近いかな、と。
>>64がイミフとか言うから
作者機嫌悪くしてもう終わらせるとか言ってるじゃないか……
視線続いて欲しいな…
えっっ、視線もう続きないかもしれないの!?
続けてください、お願いしますorz
毎回すっごく楽しみにしているんです
あんまりスレ外の発言とか持ってこないでほしいな
荒れる元になるから
GJ
確かに策士度合いは低かったが、溺愛具合がパネェす!!!
続き楽しみだ
じっくり料理ってところが堪らんな。
そんな状況なのに強がるリィンがまたいいねぇ。
続き楽しみに待ってます。
まぁ無理に続き書いてもらうのも違うしね
やめたかったらやめていいと思うよ
それにしても相変わらずレナードは鬼畜で
危ない橋を渡るの好きだねだがそこがいいw
今回はレナードの気持ちがなかったんでどんな気持ちだったんだろうと気になる
上将は命の恩人の愛娘を味見したいと狙ってたなんて
恩知らずというかキモいオッサンだなw
レナードも十分キモいw
でもそこがまた面白い
視線面白いよ!私のツボにドストライクです。
続けてくれると嬉しい。無理無い範囲で。
レナードの狂気っぷりが結構好きなんだけど、
脳内で超イケメンに変換してるからかなー。
リィンも、だんだん落ちてきてるのが堪らんです。
作者さんがもう書きたくなくなったならそれで仕方ないけど
いきなり途切れるのではなくてちゃんとエンディング書いて
おしまいにしてね。
最近一番のお気に入りだったから残念。
私も視線がツボでツボで毎朝真っ先にチェックしていた。
できれば続けてほしいです。お願いします。
さすが信者()は教祖様を崇めて上げる事しか考えないで
他職人様を下げてるの気づいて無いんだな…
良く訓練された変態紳士はネクタイ着用にて全裸待機するものです。
訓練されてない変態淑女はどのようにお待ち申し上げたらよろしいのでしょうか…
スレの調和は乱さないように、白いパンティは濡らさないように脱ぎ、
ゆっくりと待つのがここでのたしなみ。
もちろん、待ちきれないで催促するなどといった、はしたない変態淑女など存在しない。
ストーカー様が見てる
>80
気に入った作品褒めちゃいかんのか。
徒競走で順位決めるのは足遅い子に不公平だからみんなで手をつないで走ろう、
みたいな運動会に参加させられたような世代?
メガバンク社員とお刺身にタンポポ添える作業員とに同じ給料払えとか?
かしこまりました。ご教示ありがとうございます。
これからもよろしくご指導下さいませ。
あんまり噛み付くのもほどほどにしようぜ。
雰囲気悪くすると職人様が書きにくくなってしまうしな。
というわけで俺も全裸待機。暑いから全裸がちょうどいいわ。
女向けっぽいんだが、あわいを往くものってサイトの、撞着する積木って小説も愛無理ぽい
ここの職人って、シチュ的にやっぱり男性が多いのかな?
>>88 もしもしだから貼れないけど
エロパロ まとめ とかで検索してアクセスしたら見れたよ
89
個人サイトなら晒すなよ
職人は知らないけど住民は他スレより女が多めだよな
正直「俺にはディスプレイの向こう側が分かる」て言い出すのは
総じて電波だと思ってる。
>>95 趣向的に女が多そうだなと想像するのはわかる気がする。
他スレと比較してどうかはわからんが。
でも確かにどこにでもいるよね、決めつけゲスパーさんみたいなの。
彼らって要は、本人が名乗ってもいない、客観的な証拠が何もないのに、
「お前は○○だろう!証拠は何もないけど俺が思うんだからそうだ!そうに違いない!!」
って言ってるだけなのに、何でみんな総じてすごいドヤ顔するんだろう。
まぁそういうのが語りたかったら誤爆か愚痴に行けばいいと思うよ
同意、性別推測とかどうでもいいわ。
こういう場で性別特定するのって無粋だし
愛故に苦しむかわいいおにゃのこが読めればそれでいいよ!!
友人の男を愛してしまって
愛故に押し倒したら女だった……とか妄想したら
とりかえばやまんまだったw
源氏といい、日本の古典漁ったら大概のシチュはありそうだなw
日本や世界の神話は、ほぼ全てのシチュが揃ってる
西遊記で女体化見たときは目がポーンってなった
古典てすごいよな
>>100 それもいいが
「自分は男色なんじゃないか」と悩みに悩んでる時に着替え等を見てしまい
理性ポポポポーンてのも良いと思う。
>>104 それすごいいいな
自分のなかの何かにヒットしたわ
そういうシチュの作品ないかね
この際古典でもいいw
>>104 それなんていう「君さえいれば 金枝玉葉」?w
個人的にはオヌヌメ映画。
>>105 「花ざかりの君たちへ」は、あれは押し倒さないな…
>>107 自分も花ざかりの君たちへかと思ってしまったw
相手違うけど終盤で着替え覗かれるシーンあるし
レスありがとう。
漫画だよなと思って調べてみたら、7月からドラマも始まるのか。
このスレ的な展開にはならないっぽいが
興味湧いたんで今度古本屋行ってくるわ。
>>106の映画も気になるから見てみる。
二人ともありがとう!
韓国ドラマで悪いがソンギョンガンスキャンダルが
ヒロインが弟の代わりに男しか行けない大学行って
同級生がヒロインの事好きになって俺は男色なのか……と思い悩んだら
ヒロインが溺れる→介抱中にあれ?こいつ女!?ってのがあるらしいので気になってるw
男装スレに迷い込んだのかと思ったw
男装スレ保管庫のナタリーのシリーズとデイビッドの話は良い
チキタ★GUGUの男装少女は、女とばれたとたんに異母兄弟に
輪姦されてた
…と思ったらそれは最初だけで、兄弟のうちの一人が綺麗な顔に
傷まで負って他の奴らを抑え、独占してた
「あいつを認めてたから、女と分かったら歯止めが利かなかった」とか、
男装少女がその後身を寄せた友人(男)に激しく嫉妬したり、
実は妊娠してたと分かったときに「父親は俺」と断言したりと
結構愛ゆえ展開だった
トラウマメーカーな作品らしいが、エログロには耐性のついた頃に読んだので
単純にボロ泣きした
忘れてた。
土曜日の情事と通信士のやつもオススメ
ID:jk/x8uiwは
>>1読んで半年ROMってろ
自分の中での愛故の元祖は僕.地.球だったな。
親友への嫌がらせとして親友の思い人を騙して無理矢理強姦したけど
心の底では相手に本気惚れしてたっていう。
あのすれ違いっぷりとねじ曲がり具合がやばかった。
しかも相手の女は純潔を失ったら
特殊能力と額の証が消えるはずなのに
男にゴウカンされてもそれが消えなくて
男は愛されてない、愛がないから証が消え無かったんだ
そして女が側にいてくれるのは慈愛からだって思ってて
女も愛されてないと自分に求められてるのは慈愛の特殊能力者としてなんだ
とか思ってすれ違ってるのがよかったよね
まして、それを16年も引きずった末に相手を拉致監禁。
散々、泣かせたり、服ボロボロにしちゃったり…。萌えるなぁ。
あれ相思相愛なのにすれ違い、と男ヤンデレの見本だった
女が好きなのは男なのに、親友の方を好きだと思いこんでたからな…
女が抵抗したのは、親友の事好きで親友のために自分に抱かれにきたんだろう、とか言われたからだし
個人的に、一人残されて正気無くした後の男の行動が泣けた
ぼく地球は本当にいい愛ゆえだったよね
……男は愛に飢えていたからなおさら。
チキタ★GUGUも読んだときは
愛無理だとは思わなかったけれど
読み返してきてすごい愛するが故に無理やりで萌えた……
でもいきなり二人とも死んじゃうんだよなぁ
しかも女は友達以上恋人未満の男をかばって危険な目にあい
それをさらにかばって従兄弟死んじゃって
そのあとあっさり男装少女も死んじゃうという
TONO作品の無情なとこも好きなんだけどね
>>115 めちゃめちゃ興味わいたわ。もし差し支えなければ何巻か教えて欲しいな。
今手元に無いから厳密な巻数言えないけど本番は後半の方だったかな。
でも最初から読んでないと分からない伏線や病み具合もあるから出来れば全部読んで欲しい。
っていうか改めて考えると、全編通して病みっぱなしだったような。
愛故にヤンデレにNTRにホモ(厳密には違うけど)に、今思えばいろいろ強烈な物語だった
男が読んでもなかなか壮大な物語だった
しかし次世代編で才能というものは枯渇するんだなと悟った
次世代編は見ないふりをしてやれ……
ごめん送信してしまった
俺もこういう女読み手も納得して支持を得られる愛故書いてみたいな
まだまだ青い
次世代編なんてなかった
ミクロに娘なんていないし、出しゃばりな守護霊なんていなかったんだ!
それで才能が枯渇しようとも、傑作を産み出せただけすごいんだけどさ…
次世代編は作者自身の公式同人+ギャグだと思ったら意外と面白いてか楽しめる
本編ほどの破壊力はないけど
あの作者、あの一作以外さっぱりだよね
あそこまで凄いの描いちゃうと後が続かないんかな
流石にスレチ
131 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 23:56:29.01 ID:ozu/QtDf
YouTubeでぼく地球のアニメ版を見て来た。
まだ半分しか見てないが
病み方半端ねぇw
エンディング曲は泣けるな
愛故って思う節があって襲う→すったもんだの末にくっつく
もしくは、第三者が現れてそっちと同志になってくくっつくの2パターンがあるけど
後者って愛故なんだろうか?当事者同士で解決しろよ!と思わないでもない
一応後者パターンも何度か投下されてるし
襲った側がやっぱり手に入らないという胸の苦しさを味わうのも一興かとw
>>132がよくわからんが
一行目:AがBを襲う→AとBがくっつく
二行目:AがBを襲う→Cが現れる→CとBがくっつく
でいいのか?
襲った側Aの理由が「愛するが故」だとしても
Bの気持ちは無視されてるからこその「無理やり」なわけで
BがAを愛せない・愛してない場合、結局レイプでしかない
だからCとBがくっついてAが苦しみ続けるか、AがBの身体だけは自由にし続ける
てのも普通にアリだと思う
穴兄弟とか寝取りとか連想するので好きじゃないなあ
自分も好きじゃない。
ABがくっつかないにしてもCとくっつく描写まではいらない。
寝取り寝取られなんかは専用スレあるのだし、そちらに投下した方が職人さんも皆に読んでもらえて
良いのではと個人的には思っている。
そうか
でも、自分の好みを押し付けるのはダメだぞ
別に寝取りを主題に書いてる訳じゃないんだし
二行目:AがBを襲う→Cが現れる→CとBがくっつく
まぁこのスレでは基本C視点が多いんじゃないか?
自分は注意書きしてあったら心構えできるんで
A視点でも全くいけるけどな
まぁ余計な摩擦を生まないためにも注意書きは大事だって事だな
愛があろうが無理やりやって(レイプして)おいて幸せになるのは納得いかないから
二行目もありじゃないかな
Cの書き方次第でありだな
最初からA→B←Cの構図が読み手に見えた上でCがNTRに走るならありだけど、
Cがぽっと出でいきなりNTるのは単なるデウスエクスマキナになっちゃうのでナシだと思う
要は書き手の力量次第
自分は複数の男におにゃのこがやられるなんてかわいそう!(興奮するけど!)ってなるから
当て馬?的なやつのほうは寸止め位のほうがおいしい。
そして本命に嫉妬でむちゃくちゃにされる女の子ハアハア
そして男の愛が深ければ都合よく幸せになっちゃってもいいよ派
寝取ってもいい幸せになってもいい
スレタイ通りの内容なら。
>>140 そういうののオンパレードで中身のない話を無理矢理引き延ばしてた書き手がいましたね>デウス・エクス・マキナ
デウスエクスマキナ…
最近読んでないけど屍姫のマキナがまた何かやらかした超展開のことか
とか思った馬鹿は絶対俺だけ
クリムゾンとかそういった類のものかと……
伏線のない超展開ってことかw
>>140 最初からA→B←Cの構図が見えずCがぽっと出でいきなりNTったとしても
後でC視点で実はこうでしたーとか色々あったら
それはそれで物語としてはおもしろそうだけどねw
あ、でもそれだと跡付け設定乙って言われるのか?
Cがいきなり出ようがなんだろうが、結局はAB間の関係性の問題だろう。
途中で二人に愛が芽生え始めてたんなら三角関係とかNTRが成立するし
女側が一方的にセックスを強要されてるだけの状態なら別の男と寝ようが
駆け落ちしようがそりゃAに相手の愛情や貞節を詰る資格はないわけだし。
最近読んでもえた愛故
主人公は裕福な家の出の少佐。
清楚で純真な女性に一目惚れしたが、直後に部下の婚約者だと知る。
しかし女性は、部下の家族から反対され婚約解消。
即座に少佐は女性に近づき
いつ戦争に行くかわからない、家のため跡継ぎ欲しいと
女性はまだ部下の事を好きだと思っていたために
大切にしながらも愛はなく便宜上だと嘘をいって結婚してもらう。
初夜の意味も解らない妻を大切にして初めてを迎えるも
夫婦で出席した夜会中に戦地への召集がかかり
死ぬかもしれないから愛してると伝えなければと少佐は人混みの中で探すが
従兄弟に妻は浮気してると教えられて行った先には
妻が元婚約者の部下と抱き合ってキスしている光景が……
誤解だという妻の言い分を全くきかず(実は仲直りとさよならのキスだった)
まだ部下が好きなのかと嫉妬で詰り離婚する(気は全くない)と言い捨て少佐は戦地に赴く
帰った時は妻は書き置きもせずに家宝のネックレスを持ってでていっていた
それから四年探していたが見つからず
妻を殺したんではないかと噂が流れるも
離婚訴訟を起こして離婚出来るのにせず
妻を愛して帰ってくるのを待ってる少佐
ひょんな事から再会
話し合おうとする妻を詰りまだ妻だし役目をはたしてもらおうかと押し倒し無理矢理……
他の男の元に行ったのではないかと疑っていたが
犯しながら初夜と全くかわっていないぎこちなさに
他に男はいなかった妻をゴウカンするなんてと反省する少佐
っていうのが萌えたw
ちなみにネックレス盗んだのも
妻は名付け親の所に行くけど許してくれるなら迎えに来て
みたいな書き置きしていたのにそれを隠したのも従兄弟で
妻が少佐と離婚するように仕組んで財産貰えるのを狙っていたという…
商業愛故は是非タイトルもよろしく
このスレの紹介で今僕の地球を守って読んでるけどこれは大作の予感
何故かいきなり星矢でてきたのはちょっと痛かったが
木蓮美人だな
>>148 ハーレクインなんかはこんなのばかりなイメージ
>>149 連載当時、作者がどっぷりハマってたからなあ>星矢
スマンもう話題にださないよ……
商業愛故なら別に謝る必要ないぞ
まさか他スレSSじゃないんだろ
前からハーレ()昼ドラ()って馬鹿にする人いるからなー
ハーレクインとか昼ドラとか懐かしい少女漫画とか萌えるとかちょっとチュプ臭いスレだなとは思う
普通にオールジャンルで萌える物紹介しあえばいいんでないの
あんまりやりすぎると何のスレか分からなくなるから節度は必要だけど
>>154 だったら少年漫画とか青年漫画だったらいいっていうのかよw
といいたくなるようなダブスタ乙ww
ちなみにチュプっていうのは厨な主婦であって
厨じゃない人間に厨っていってる人間の方がウヘァだなw
バカって言った方がバカなんですぅw か懐かしいなあ。
まあ女へ一方的に惚れて、下手すると実力行使に出る主人公とか
普通の男は感情移入できないだろうから、そりゃ男が主人公をやる
物語じゃ弾少ないのは当たり前だろう。
女向けなら女性側の心理描写中心になるから男の側に(本来の
読者が)感情移入する必要なくなって極端な行動取らせても作品
として成立し易いけど。
男が無理強いする少年漫画っていうのでぱっと思いついたのが
ソ.ニ.ッ.ク/ウ.ィ.ザ.ー.ドだな。
悪役が兄の体を無理矢理操って妹を襲わせる。
兄は妹を女として愛してたけど守りたい対象でもあって、
それに無理強いしちゃった自分が許せなくて暗黒面に落ちる。
凄いマイナーだし古いけどやけに印象に残ってる。
160 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 00:57:36.42 ID:skFgEkMM
>ソ.ニ.ッ.ク/ウ.ィ.ザ.ー.ド
このおかしな表記は何だ?
腐女子文化だろ
えっここって伏せ字しなくていいの?
検索とかにかかっちゃったら原作者に迷惑かかるから
ネットで名前出すときは伏せろってばっちゃが言ってたんだ
>>158 >男向け
いや陵辱エロゲとかエロ漫画とかエロラノベとかにあってだね(ry
>>162 いや、商業作品なんだからわざわざ隠す必要は無いだろ
ネット上の作品はスレごとに違うなあ
バンバンバラしてるスレも知ってるし、ヒントだけにしろとやたら煩いスレもある
164 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 02:23:12.46 ID:skFgEkMM
あぁ…
腐女子特有の検索避けってやつね
最近は/とか.入れてても検索でガンガン引っかかってくるし
検索避けにあんまりなってないんだよなあ
>>163 商業作品でも原作側こういう場所で名前出されたくない場合とかあるからなあ
いや商業作品なんて勝手にスレ建つし個人サイトで紹介されるわで
嫌がるも糞もへったくれも無いと思うが……
エロゲーだと愛するが故にって多いよね
女主人公のエロゲーしてたら男がいきなり襲ってきてビビった
一緒にいただけでいきなりかよ!?みたいな
愛するが故は幼なじみ美味しいよね…異性と意識していなかった相手に
ある日幼なじみが誰かと一緒にいるのを見てしまい
実は自分はアイツが好きだったのかと気がついて無理矢理とか
ベタな展開大好きだわ
このスレ、無理矢理の主体は基本男なのな
彼女持ちの主人公が、妹みたいに思ってた隣家の幼なじみに逆レイプされたことでその子の恋心に気付き、彼女との間で揺れちゃうとかはナシ?
犯られる側が女だと、マグロになりがちなのが残念だ
女の子が積極的な愛無理も見てみたい
女の子からってのは過去に何点かあったよ〜
でもやはり男性からのが多いから基本男と言われりゃそうかもね
これから増えてけば問題なし
>彼女持ちの主人公が、妹みたいに思ってた隣家の幼なじみに逆レイプされたことでその子の恋心に気付き、彼女との間で揺れちゃうとかはナシ?
全然ありだよ
書いたら投下よろ
スレタイに沿ってさえいれば、♂×♀だろうが♀×♂だろうが♀×♀だろうが♂×♂だろうがアリだと思うんだぜ。
ただし注意書きだけはしてくれよな!
え…ホモは勘弁して
172 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 00:14:49.26 ID:xF2S02UP
さすが腐女子
>>168 幼なじみ逆レイプならヤンデレスレで見たぜ
>>167 好みの女性を力付くって需要は確実にあるからね
このスレのストライク範囲かはともかく
>>168 まあ、女性がエロい目に合うって男性が性的に美味しい目を見るのが見たい人のが多いのかとw
逆レイプでも男が性的に美味しい目を見れるなら全然大丈夫ですw
この板全体の総意としてホモは勘弁
百合は注意書きあれば可
女アピールがしつこくなければ女性の読み手や書き手も歓迎だけど
腐った同人思想は持ち込まないでくれ
177 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 20:14:29.14 ID:AlM2y7hG
ホモはよくてレズならいいとか
総意とか言って何勝手に決めてんだか
誰もお前のためだけに書いてんじゃないだろうが
今まで見たこの板のどのスレもそういう空気だったぞ
個人的にはレズも嫌いだけど注意書きあれば避けられる
ホモはそもそもホモ専用板があるから板違い
ホモは801板があるからかダメで
百合はないからか何故かいいんだよね……
ともかく女の子がエロい事になっていればいいのか?w
>>179 百合も板あるで
ホモより百合に対して甘いのは女ばかりの深夜アニメが結構あるのと一緒だろ
女がエロい目に合ってて萌えられたら良いんだよ
少なくとも俺はそうだもんw
だからそんなの個人の感覚で変わるんだから、読む側があれがいいだのこれは駄目だの決めるこっちゃない。
スレタイとテンプレを守って注意書きさえちゃんとしてれば、書き手が好きに書いていい。
ただ需要があるかはまったく別。
ここ腐というか女が多いみたいだからホモにも長文感想つくだろうしそりゃ投下は自由だけど
荒れるのは間違いないぞ
エロパロ板にBLとか高尚読み手がいなくてもぶっ叩かれる物件
板違いは不和の元。避けるのが賢明
エッセンス程度ならともかく、メインでがっつり書きたいなら専用板の方が喜ばれる
書く方だって叩かれたり荒れたりするより、喜ばれる方が嬉しい
棲み分けは平和の為に大切な事だ
そんな話はさておき、愛故の「愛」に、欲望全開は含めていいのだろうか
例えば、お隣のねーちゃんのボインに魅了され、寝ても覚めてもボインが頭から離れず、食事も喉を通らない有り様
そしてある日、とうとう限界が来て襲っちゃう、とか
…書いといてなんだが、馬鹿エロ向けだな
対象の女性自体に愛がないとキツいかもなあ。
おねーちゃんのボインが好きなんだと思ってたけど、
本当はおねーちゃん自身が好きだったのだと気づく
とかだとこのスレ的にはアリアリだと思うっす。
大切なのはきょぬーではなくその持ち主だ!!
くやしいが君がひんぬーでもうんたらかんたら
……みたいになればいいんじゃないかなw
将を射んと欲すれば先ず馬を射よっていうし、
お姉さんを愛するならばまず胸から愛するという選択肢もあっていいと思う
187 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 00:37:52.12 ID:StW542QF
百合は注意書きあれば可ってw
アホか
ホモもレズもどっちもキメエよ
同性愛はスレ違い
>>185 くやしいがって割りと失礼だがありだなw
エロパロのレズは同性愛じゃなくて女の裸体が2倍でお得!!!
という意味だ。
>>187 他のスレ見ないのか?
それといい加減sageろ
あげてる奴は不和の種まいて晒しあげたいだけじゃないの?スルー対象じゃないの?
age厨は主張はバラバラなのに何故か口調は同じでどれも他人に突っかかってる糞レスだな
腐女子の糞スレやね
百合ものを投下すると百合板へ誘導されるスレも存在するぞ。
「この板の総意」とか決めつけるから話がややこしくなる。
「このスレではどうするか」を住人で話し合って
以降はその決定に従えばいいんじゃないか。
お前出てくると荒れるから頼むから黙っててくれ>ID:5u1h/wez
そもそも「愛」の定義が人それぞれだから、枠組み作るのが難しいスレだよな
愛、愛ってなんだ
国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書
(1)対象をかけがえのないものと認め、それに引き付けられる心の動き。また、その気持ちの表れ。
(ア)相手をいつくしむ心。相手のために良かれと願う心。
(イ)異性に対して抱く思慕の情。恋。
(ウ)何事にもまして、大切にしたいと思う気持ち。
(2)キリスト教で、神が人類を限りなく深くいつくしむこと。
(3)人や物にとらわれ、執着すること。むさぼり求めること。渇愛。
(4)他人に好ましい印象を与える容貌や振る舞い。あいそ。あいきょう。
躊躇わずに一気に押し倒せってことですね。分かります
振り向かない若さのままにって事か
性欲が見せる幻影って他の板のスレで聞きました!!>愛
この流れ、どうしてこうなった。
宇宙刑事
愛という名の陽炎を追い求める狩人達が集まる場所だからな……
愛など粘膜が創り出す幻想に過ぎん!ってどっかのマッドサイエンティストが言ってました
幻想を真なる性欲に昇華させるとこのスレの展開になるじぇ
加速と必中となんか色々かかるやつだろ
愛故に人は苦しまねばならないのだよ
それはそうと、上でも出てたけど愛故の愛は外見に対する愛だけじゃ駄目なんかね
やっぱ中身への愛が必要?
>>209 いいんじゃない?
ヤってる内に中身も好きに…とか定番中の定番
外見だけでは中身も好きでしたなら問題無いだろう
209がいいたいのは最初から最後まで徹頭徹尾
外見のみを愛してるってことを聞きたいんじゃないの?
そういうのも極めちゃったらソレはソレでありな気もする、鬼畜になりそうだが。
女は人間として愛して欲しいのに、男は人形のように女を愛でるとか
バッドエンドっぽくていいんでないの
確かに極まった感じでそれはそれで良さそうだな
私が〜おばさんになあ〜っても〜♪
>>215 まあそこらへんがジャンルの分かれ目という感じだな。
外見が好きだから殺して保存とかになると流石に何か違う気がしてくるし。
保存で思いだしたんだけど、FF6のロックの行動がどうしても解せない…
死んだ恋人の体を薬液で保存して、それを蘇らせるために冒険とかかなり萌える設定なのに
なぜか他の女が出てくるたびに 俺が守る! 俺が守る! で、結局守らないし
保存した恋人はどうなんだよ!と思ってプレイするたびに萎えてしまう
つくづくもったいない…設定は良いのに…
お前の顔が好きだ!愛してるっていってて
顔が火傷でただれたら即効捨てるような愛とかだと
このスレ的には違う気がするしな
外見のみと言うと、苺100%思い出す。
あれはパンツだけど、最初にパンツを好きになって
最後に中身がパンツを超えたという超漫画だったな
>>217 自分はレイチェルだけを思い続けて欲しかったなぁ。
会う女性女性に守る守るとか 適当な事言って ただの浮気者やんけ…と突っ込まずにはいられなかった。
レイチェルだけを思って生きて行くって言ってくれれば ツボったのに。
>>219 しかし最後はパンツの子じゃないほうを選ぶという、ちょっと「?」な展開だった
まあどっちの子もも内面も外面も魅力的ではあったんだが
あれは読者に人気出た方を選ばせただけだし…
自分は西野が好きだったけど原作の展開というか最初に登場=メインヒロインの法則で
メガネの方が本命だと思ってたから媚び過ぎな原作者に萎えた
ラブコメは本当にどっち転ぶか分からない位の方が楽しいから、
この原作者なら次回からそのスタンスで見れるなあと逆に安心した。
まあメインヒロイン=物語上の役割が一番多い女性キャラ、であって
≠主人公のお相手、という見方の人間だからかも知れないけど。
もし眼鏡を選んだとしたら、彼女として長期間過ごし肉体関係まで持った相手を
パンツが違うってだけで選ばない事になるからそれはそれで萎えるという
東城ちゃんが世界最悪の男とくっつかなくてむしろよかった。。
むしろ最悪な男位の方がこのスレの話の主人公向きかもしれない
っても苺の主人公とはまた違った方向性の最悪さだろうがw
最近作家さんの投下がないね…
「とはずがたり」を漫画化したものを読んだが
結構、愛故展開を含んでたのにあまり萌えなかった…
つか、メインの人物にそれほど魅力を感じなかったなあ
何で二条(筆者)がやたらにモテてるのかが分からんかったし
研究されるようになって、まだ日が浅いから人によって解釈も色々みたいだし
原文や小説の方を読めば、もうちょっと違う感想になるのだろうか?
公爵家の人を待ってる
自分も公爵家や視線や他の話も続き待ってるけど
職人にケチつける屑が出そうだから黙ってる
このスレ自体は好きだけど職人さん達が変なのが居着いてるスレなんかに
投下したくなくなる気持ちは分かるよ…
下三行はいらんだろw
いや自分が職人叩きでスレを過疎らせてる癖に自覚がないまま
何故過疎ったんだろうって嘆いてる奴がいたら嫌だなと思って
で、どこが黙ってるんだ?w
これは酷いw
だが事実
気持ちは分かるが、触れると暴れ出す故意犯がいるから…面倒で厄介だな本当
宵闇マダー?と言ってみる
叩き荒らしも嫌いだけど感想のつけ方がキモ過ぎて投下したくないなと思うの
公爵家は二期になってからヒロインとヒーローが
俺達は不幸な恋愛してる分他の奴らを傷つけてもいいんだよと
二人が厚顔無知になってきたのが辛かったなぁ…
もっと別のやり方あるだろうになぜわざわざラブラブしたいがために結婚したのかとw
ヒロインはヒーローの子供産んでるし嫁がかわいそうなことになってるの知ってるのに
嫁と平気で会ってヒーローが自分の方を選んでるの内心喜んでるし…
ここは是非とも巻き返しはないと思ってても魔王に頑張って欲しいとか思ってしまうwww
239 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 18:15:32.19 ID:/COa96HB
気持ち悪い
視線の続きずっと待ってます
自分も視線の続き楽しみにしてる
視線はもちろん魔術士と新妻も続編があったら読みたい
>>217自分はロック×セリスだったからレイチェルが保存されてるのは切なかった
レイチェルが好きなんだけど他に気になる人ができてしまって葛藤していて
今まで手は出せなかったけどレイチェルとの別れで心に区切りができて告白
でもセリスはレイチェルの事もあるので受け入れられない
やっとの思いで告白したのに受け入れてもらえなくてセリスも
自分を好きだったんじゃないのか!?って思いあまって愛するがゆえに
は無理やりすぎるかな?
ミレーユの続きが気になって
途中で止まってるのは全部続き読みたいんだぜ?
ほのぼのレイプとか専務と白兎とか……
続きが気になる作品ばかりだわ
流れにのって
完結済みだけどおっさんと幼女が続いてほしいなぁ…なんて
249 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 00:31:54.11 ID:CJQehNE6
うむ。あれはよいものだ。
続きが激しく読みたい。
幼女じゃなくて少女だなんて今更言えない><
252 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 02:04:56.42 ID:9VvHFpMz
>>248 続きじゃなくて、新作でもいい
あの職人の作品が読みたい
>>251 だよな!!自分も一瞬???ってなったw
改めて良作たくさんのスレだなぁ
自分もこのスレの作品好きだ
女の子が半狂乱になって嫌がってるぐらいの壮絶なやつとか読んでみたいなー
女の子が酷い目にあって全力で嫌がってるのを見るとハァハァする
>>255 特に男に変態的なことを強要されて恥ずかしいやら悔しいやら痛いやらで泣き出しちゃう女の子なんてたまらんよハァハァ
精神的にも肉体的にもいたぶられて壊れる女の子が好きです。
嫉妬でブチ壊れて肉便器とかヤリマンとか最低最悪の言葉で辱めて犯しながら
でも実はその子のことが狂うほど好きとか、そういう男も好きです。
藤林丈司
誰それ
>>154みたいな
腐女子よりはマシだと思う
きもすぎ
日本語で話してくれ
このスレの住人はこのスレを愛するあまりに無理矢理荒らしているようにしか見えない件
まさか住民×スレで視姦強姦言葉責めの真っ最中だったなんて
違うよ嵐ちゃんは住人を愛するがあまり無理やり
行動を強制してしまうヤンデレちゃんなんだよ!!と思ってしまう。
嵐ちゃんと住人君の続きでも書きたくなるレベルw
まあ過疎ってるスレには荒らしは来ないからこのスレの人気のバロメータとでも思うしかない
嵐くんは愛故(あいこ)ちゃんを自分だけのものにするため、荒らし行為で調教しようとしているのか…
何それ萌える
荒らしは何となく女の子のイメージだった
他の仲間や女の子と楽しそうに盛り上がる愛故スレ
素直に気持ちを伝える事もその輪に加わる事も出来ない嵐たんの愛は次第に歪んでいき…
そういうレスつけ続けるから荒れるんだと思うが…
このスレ荒れるのは荒らしだけのせいじゃないだろ
269 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 18:26:56.08 ID:nkoVBixk
きっしょ
一回スネて心を歪ました後に心開くともの凄いデレになるよね
荒らしたんのハイパーデレタイムマダー??
>>268 HAHAHA、ご冗談を
荒れるのは荒らし君(ちゃん)の愛故所業のせいに決まってるじゃないか
スレが和やかに回ってると、自分を忘れさせまいと嫉妬に燃えスレ苛めに火種投下、
スレが嫌がって抵抗しだすと、より一層激しく責め立て屈服させようと奮起するのさ!
デレが楽しみだな
バッドエンドおいしいです、なんで報われずにフェードアウトってオチでもいいが
「愛故は何で俺の相手しねえんだよ!もっと俺にレスしろよ!アンカー付けろよ!
わかったよ、それならお前の嫌がるレス付けて荒らしてやるよ!
ほら、もっと嫌がれよ!反感のレスでも叩きでもかまわねえ、もっと俺を見ろよ!」
こうですねわかります
おっおまえらなんてきしょいんだからね!わかってるの?
私以外で指摘してやる奴なんていないんだからね!
そんなんだからいつまでたっても私にふさわしいスレに進歩できないんだからね///
あーっもうほんっとキモいんだから!もう!絶対ゆるしてあげない!
荒らしちゃんかわいいよ荒らしちゃんwww
このスレはどれだけ荒らしてもおk、ってことだよな
>>274 その超解釈はねーよw
知ってるか?デレも過ぎるとウザくなってくるんだぜ
過疎ってる時に良いタイミングで上げてくれるのがかわいい荒らしってもんだ
>>273 くそっ…!くぎゅボイスで脳内再生されたじゃねーかw
小説だからこその夢を楽しみたいから
愛するがゆえに無理やりならハッピーエンドが好みだ。
最終的には相手の愛が解ってそいとげちゃうみたいな。
>>278 あーわかる
ただの無理やりバッドエンドが見たかったら
愛いらないしねぇ
いやいや、バッドエンドにも色々あるじゃないか
すれ違ったまま〜なら切なさを、愛故側がヤンデレ暴走の果てなら狂気の過程を、とか楽しめるポイントはあるよ
そもそも、バッドエンドの基準に違いがあるのかも知れないが
愛故に、という点さえクリアしてれば結末がハッピーでもバッドでも気にならないなぁ
同じく愛が入ってればどんな終わり方でも楽しめる派
むしろ愛故の暴走をハッピーエンドに持ってく方が難しくないか?
最終的には無理矢理された方がほだされちゃうケースも多いし
それがハッピーかと言ったら微妙な所かなーと思ったりする
ヤンデレ暴走っていいよな
スレ的に男ヤンデレのが多そうだがそれがまたいい
愛ゆえの暴走SSを愛する方々よ、
そんな君達に強くオススメしたいのが
「細く長い赤い糸」って話なのだが…
残念なことに閉鎖してしまったんだなこれが
283 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 02:55:27.38 ID:4/Rg1UYs
個人サイト晒しは流石にないわーと言わせたいのか
>>282の行為ってまずいか?
他スレだと該当シチュのネット小説紹介は普通だよ
今回のような場合だと、どこそこの保管庫にはまだ残ってるとかレスも付いたりする
このスレのルールだってエロパロ板における他スレ小説の紹介は
禁じられてるけど、そこまでは禁止してないよね
以前ここのss職人の個人サイトの日記か何かを引っ張ってきてた件の方が
個人的には微妙だった
>>285 エロパロ歴長い(5年以上)けど、ネット小説紹介が普通のスレなんて見た事ないが
お前がやってんのは、紹介と言う名目の晒し行為
2で晒されたのが原因で、閉鎖する所だってある
もう閉鎖したから晒して良いって考えてるの?
ボカしてヒント出す以上の事は、相手の人にも迷惑だろJK
>>286 え?
エロパロ板には十年ほど入り浸ってるけど、他のシチュスレではよく見るよ
お前がやってんのはと言われても、自分ではした事ないが
具体的なurl晒しはないけど、作者名や作品名挙げて自力でたどり着けたら
みたいの何回も見たことあるなあ
そして糾弾されてるのは見たことない、ここで初めて見た
アドレス晒す訳じゃないので、十分>ボカしてヒント出す
だと思うんだが、うーん、いかんのか?
二次スレでは見たことないし、やっちゃいかんと思うが
他のスレでも見るけど必ず個人サイト晒すなor宣伝乙ってレスついて軽く荒れるぞ
常識ある住民ばかりでまったりしたスレならいいかもしれないけど
ここはわざわざ職人のサイト探してゲスなイチャモンつけるようなのがいるスレだし
とりあえずここではやめておいた方がいいと思う
2なんかで自サイトの名前出されたくないって書き手もいるだろうし
荒らしちゃん的にはこのスレが諸悪の根源って形に持ってきたいだろうから
基本的にはスルーが一番ですよ
かまうとすーぐ調子のって最下層!とかキモい!とかヒステリックに騒ぐからね
前回は荒らしてしまって申し訳ない
視線の続きを投下する
書類を持っていった執務室ですすめられるままにコーヒーを飲む。
「この間は楽しかった。だがあんまり束縛すると嫌われるぞ」
悪戯っぽい目で見られながらも、コーヒーを口に運ぶ。相手は数少ないレナードの上官だ。
「最初から嫌われておりますので」
「包囲して、退路を断って捕獲するか。戦場では有効だがな」
「とんでもない。行動にも制限などつけてはいませんよ。彼女は自由です」
コーヒーを飲みながらレナードの上官は苦笑する。
「あれほど君のものだとおおっぴらにされているのに、手を出そうなんて命知らずはいないだろう。
こちらは君の溺れようを見て楽しませてもらっているがね。どこに惹かれた?」
カップを持つ手が止まる。
「あの、目です」
「ああ、そうだね。中佐を思い出すよ。強い目だ」
「それに潤んで見つめられると、最高ですね」
「……想像だけさせるのか。嫌な奴だ」
天気のよい昼下がりに、大きく外を見られる窓の側で話される内容はそこはかとなく淫猥になってきた。
「この年で、と自分でも驚いていますよ」
「ふうん、そんなに彼女はいいのかい?」
レナードは笑う。
「それはもう。極上です。手放せませんね、そのためにどうしようかと思い悩むほどです」
「……彼女に同情するよ」
コーヒーを飲み干して、レナードは上官に釘を刺す。
「閣下、いつも私のものを掠め取ろうとする、その姿勢はいい加減正していただきたいですね」
「君の選択眼と審美眼を信頼しているからだ。いつも欲しくて堪らないものを手に入れているだろう?」
悪びれずに言い放つ上官のこの癖はいつものこと。
「大して本気でもないのに、割り込むのはいささか迷惑なんですよ、特に今回は」
「やれやれ、数少ない楽しみを取り上げる気か? せっかく面白そうだったのに」
それに、とカップを少し持ち上げて笑うその目は、少し本気が入り混じっている。
常に数手先を読んで状況を支配する術に長けた上官は、レナードの始めた酔狂の行方に危ういものも感じている。
「あまり、彼女を甘く見ない方がいい。気付いたら手玉に取られないように忠告しておく」
何度抱いても頑なな心はともかく、体の方は自分に馴染んできたようだとレナードは思う。
組み敷いたリインの体に唇を落とす。目を閉じて顔を背けているが唇が触れるたびにひくり、と反応している。
その顔はうっすらと上気しはじめ、体の方もすっと刷毛ではいたように薄紅色になってくる。白い陶器の人形に命が宿るのを
目の当たりにするような気がして、この過程はいつも密かに感動している。
美しい、と思う。
身を硬くして張り詰めている様が少しずつ反応して弛緩していくのが興味深い。
やめて、触らないで、と何度言われても止められない。止める気はない。
時折体がはねたり、息を止めたり鋭く吸い込んだりするのが明らかに以前より多くなってきている。
つ、と指をすべらせると肩が揺れる。わざと音をたてて肌に吸い付くと、んんっと 短い声が漏れる。
吐息が熱くなっていて、レナードはリインの緩やかな高まりを知る。
体の方はリインを少しずつ侵略しながら、頭の片隅ではそれを観察し分析している。
この体の奥底を、反応を知っているのが自分だけだと思うと浅ましい独占欲も満たされる。
それでもなびいてはくれない。だから一層見たいと思うのだろうか。
抵抗はせずに抱かれるようになっていても、リインの目の中に宿るのはあくなき反抗心だ。
それがどんなに征服欲をそそるのか、泣いて許しを請う様を見たいと思わせるのか――すがりつかせたいと思わせるのか、
知らないと見える。
レナードは密やかに笑い唇を落とした肌に軽く歯を当てるとびく、とリインの体が揺れる。
「……痕は、つけないで、下さい」
少し掠れた声でリインが頼んでくる。他人から見咎められて随分恥ずかしい思いをしたようだ。
「体中につけたいくらいなんだが」
思わせぶりに首筋に唇を落としながら返事をすると、そこにつけられると思ったのかリインが目を開く。
見つめられたレナードは笑いかけて唇を塞ぐ。最初から舌を入れて絡める。いつも舌を噛まれるのではとひやりとした思いを抱くが、
そんなこともなくリインは素直に応じるようになった。唇が離れると、はぁ……と熱い息をこぼす。
肩に唇を落とし少し身を捩じらせたのに乗じて、リインをうつぶせる。
背中をつうっと尖らせた舌先で舐め下ろすとシーツが握られる。
「ん……あぁ……」
こぼれる甘い声に柔らかく背中のあちこちを吸い上げながら、レナードも耳からの刺激に愉悦を感じる。
ようやく感じると素直に声をあげるようになってきた。控えめで抑えた声だが、それゆえに耐え切れず思わずといった風情を一層感じる。
今度は爪で少し強めにこすると背中が反る。もじ、と大腿が擦りあわされた。
「背中は感じる、ようだな」
揶揄する言葉に見る見るリインの耳が赤くなってゆく。横から差し入れた手で胸をすくうと手に豊かな量感を感じる。
胸をもみながら乳首を指で押し込むと、背中に力が入った。肩甲骨を甘噛みして指の間に乳首を挟んでやわやわと刺激する。
「っあ、ふ、あぁ……」
刺激する乳首が硬くなるのに反して声に甘さが加わる。きゅっとつむとびくりと体がはねて、リインがベッドに突っ伏した。
背中が大きく上下している。
「達したか、随分と感じやすくなった」
リインはかぶりをふるが現状はレナードの言葉を肯定している。
臀部をなでて大腿に手をすべらせると腰が浮くのが淫らがましい。再びリインを仰向けにすると口は少し開いて普段はレナードの
視線を無視するか、にらむかする瞳は潤んでいる。片膝を曲げて足の付け根に口付ける。もうそこも熱く潤んでいた。
「触っていないのに濡れているぞ」
舌先で陰核をすくうように触れると鋭い声が上がる。もうここでは何度か達している。中も、随分といい反応になってきていた。
指も、舌もどちらも良いらしくその時に見せる切ない表情は非常にレナードをそそる。
今も指を入れただけで締め付けてきてその拍子にとろり、と粘液がこぼれた。舌先ですくってもまた分泌される。
すするついでに陰核を吸い上げると弓なりになったリインの足先に力がこめられる。
「あぁっ、あ――っ」
「まだ早い」
入れた指を軽く曲げて、膣前壁の小さなポイントを軽く押す。また一段と腰が浮く。一定のリズムでそこを押し続けるとリインは
ふるふると震えだした。指の入っている周囲を舐め、舌先で陰核をつついてこね回す。
「あ……やぁ、もう、もう……」
リインの身のよじれで背中のシーツがよれる。快楽に顔をゆがめたリインをレナードは感慨深げに眺める。
「大嫌いな卑怯者に感じる気分は、どうだ?」
レナードの言葉に目を見開いたリインを見つめながら、レナードは指を更に曲げてそこを押す。
「やっあぁっ、あ――っ」
大腿にレナードの手をはさみつけ。指をぎっちりと締め付けてリインが達した。
何かにすがろうかと伸ばされた手は、結局空をつかんでシーツに落ちた。
足を大きく開くと脱力していたリインがレナードを見つめる。
熱くはぜたばかりのそこに陰茎をあてがうとこくり、とリインの喉がなった。この体は快楽を、知ったか。
レナードはぞくぞくする悦楽を感じてリインを貫く。今日こそ一緒に高みに昇れるだろうか。
リインのそこはレナードを歓喜して迎えた。浅く入れて上側を擦るとリインは喉を見せるほど頭をのけぞらせる。
攻めるつもりが逆に締め付けられて今度はレナードの息が詰まる。
リインの中の弱点は押すときよりも引く時の方が良いらしいと動きながら反応を探る。
奥を小突くように細かく腰を動かすとリインの足がレナードの腰を挟む。少しでも貪欲に快楽を取り込もうとするその行動に
レナードも思わずリインを抱く腕に力をこめる。小刻みに奥を刺激しながら口付けると夢中で応えてくる。
間近で見るリインの瞳は快楽と欲望に潤んでいる。背中から後頭部に絡んだ手が熱い。
「……あなたは私を、どう、思っているんです、か?」
切れ切れに熱い息とともに紡がれた言葉に、レナードは奥を突くのをやめて腰をこねるような動きに変える。
刺激される場所が変わったのだろう、リインの眉がひそめられた。恥骨が擦りあわされ入り口への圧迫を伴う快感に淫らに腰が
揺れて、リインは小さな声を上げ続けている。
手首を押さえて耳の横に顔を埋める。
「……愛しているよ。君は興味深い存在だからな」
その言葉をどう捉えたのか、リインはつかの間目を閉じた。耳を食むとぎゅっと締め付けられる。
手首を押さえたまま上体を起こし、ぎりぎりまで抜いて奥へと突き上げる。想定外の刺激にリインは閉じた目を開けて顔を歪ませる。
「あっあぁっ、やっ、あなた、なんてっ」
体は嫌ではない癖にいつも自分を拒む声を上げる、とレナードはざらりとした不快感を感じる。
こんなに濡れて乱れているくせに。
無理に抱いているから、自分を嫌っているから、どれだけ抱いても自分のものにならないから。
そう仕向けたのは、自分だ。それはよく分かっている。その過程を楽しんでいるのも確かだが。
身内にすくう苛立ちをぶつけるようにレナードはリインの中をえぐるように抽送する。襞が絡んで締め付けてリインの感じている
様子を伝えてくる。ぐちゅぐちゅとわきたつ音は一層粘度を増してくる。
弱い部分を角度を変えて何度もこすり上げる。腰に絡んだ足に力が入って、レナードを奥に誘う。
リインは涙を流している。今までにない乱れ具合――期待してよいか?
亀頭は引く時に襞に引っかかる感じがして、すごく、いい。リインの中が膨らんだ感じがした。襞がざわめく。
「い、や、何、あぁ変、に」
恐れを含んでリインがいやいやとかぶりを振る。助けて、としがみつく手も足もそれだけが頼りとばかりにレナードを放さない。
体が一層紅潮して細かく震えている。不規則に蠕動していたリインのそこが食いしめんばかりにレナードを締め上げた。
「う、あぁ――んんっあああっ」
締まり、緩んで、包み込まれ、また締め付けられ。波のような収縮と弛緩がレナードを攻め立てた。
初めて感じるリインの中での奔流にレナードも抑制をはずしてリインの中に注ぎ込む。
搾り取ろうと促す蠕動に抗えず少しでも奥へと自分の鼓動にあわせて脈動する陰茎を突き入れた。
レナードはリインに抱きしめられたままだった。繋がったままのところから全身に心地よい疲労感が生じている。
髪の間に指が梳きいれられている。それがひどく気持ちが良く、穏やかな満たされた心境になる。
ゆっくりと上体を起こし、リインを見つめる。
「中でも達したな。食いちぎられるかと思った」
額や目蓋に口付けると、リインはまだぼんやりしていて避けずに受け入れた。
「これで君は私のものだ」
髪をすく指に瞬間力が入った。リインの眼差しは茫洋としていて感情は読み取れない。
「……わ、たしは」
続く言葉は聞けなかった。
身を清めたあとでリインを抱き寄せる。向こうを向く背後から包むように抱くと、強張りがとけて差し入れた腕枕に柔らかい息がかかる。
体は自分に堕ちた。だが抱くたびにリインの知らない面が現れて、渇望する気持ちはおさまらない。
愛しくて、自分を振り回す腕の中の存在、その体温に呼吸にまどろみを誘われてレナードは眠りに落ちた。
夜明けにはまだしばらくはあるだろう時間に、リインは目覚めた。抱きしめられたままだ。
起こさないようにそっと抜け出て、水をのんで外の景色を眺める。街明かりも少なく、街灯がぼんやりと夜の都会を照らしている。
一人がけのソファに座って、オットマンに足を乗せる。そうしてベッドのレナードを眺めた。
もう何度抱かれたか分からない。自分を恋人と称する身勝手な男。
勝手な都合で呼び出して、極上の快楽と苦痛を与えてくる。
抱かれるたびに自分を守る砦が崩されていく。感じまいとしたこと、声を出すまいとしたこと、達しまいとしたこと――
外でいかされて、今日はとうとう中でもいかされてしまった。
自分でも知らない所が感じるのだと、身を持って気付かされる。
背中も、指も、頭を撫でられて髪の毛を梳かれるのでさえレナードがすると、そこから気持ちよさを感じてしまう。
浅ましいと思う。嫌だ、厭わしいと思ってもレナードに触れられると肉体は快楽を追う。
レナードによって与えられる刺激を享受し、もっとと貪欲にねだる。取りこぼすまいとしがみつく。
その間は夢中で快楽に酔いしれるが、レナードの揶揄や終わった後の自分を省みると心が痛い。
気持ちがよければ憎い相手に抱かれてもいいのか、と。
抱かれなければこんな思いは生じないのに。
レナードは恋人だ、と言うけれど。
自分は恋人ではない。せいぜい愛人か、いや玩具か獲物――あの会合での立場では人形と言った方が的確だろうと考える。
レナードは自分を愛していると言った。だが興味深い存在と言った。
くっと乾いた笑いが浮かぶ。興味を引いているからレナードは自分を構う。視線をよこす。自分を抱く。
興味がなくなれば、レナードの言い方からは自分には全く価値はない。今だって玩具か獲物としての扱われ方なのに。
自分がレナードに堕ちていく過程を楽しんでいるに過ぎないのに。
追い詰めておいて保護するような行動をとる。
快楽を与えながら、大嫌いで卑怯者となじった男に抱かれて感じる自分を揶揄する。
どうしてこんなに相反する感情を与える真似をするのか。振り回されている自分を見て面白がっているのだろうか。
これも遊びなのだろうとは思うが、レナードの真意が分からない。
分かっているのは遊ばれても、抱かれて感じてしまう自分がどうしようもなく愚かしいということだけだ。
憎んでいるのに、嫌いなのに。そのはずなのに。
――自分が分からない。
完全にレナードに堕ちた時、どうなるのだろう。それが狩の、ゲームの終わりになるのだろうか。
リインはレナードの寝息を聞きながら、ひっそりと夜明けを待った。外は明るくなっていくのに、自分だけは闇の中にいるようだった。
以上続く予定
GJです。待ってました。最高です。
レナードってよく「この年になって」とか言うけど、いくつぐらいの設定なんだろう。
おお、視線の続き来た!
いつもながらGJ!!レナードが溺れるのが早いかリインが堕ちるが早いか…
策士策に溺れるってのもあるし、リインの反撃を期待してしまうな
あ、前回の投下後のことは職人さんに何の落ち度もないんで気に病まないで下さい
ちょっとくぎゅ声のツンヤンデレが住み着いてるんです、すみません
待ってました!!いやもう、素晴らしいの一言に尽きる!
どんな結末が待ってるのか予想がつかない…投下のたびにどきどきしながら読んでます。
リインには幸せになって欲しいんだけどなー
リインが変わっていってるように
レナードも変わっていくのだろうかと
ちょっと楽しみにしてるw
確かにレナードの歳きになるなー
40超え?ぐらいなのかなとか思うけど。
>>297 最後二行いらん
自分が嫌味言いたいだけなのに職人危険になるような下劣な煽りすんなよ
こういう謝ってるふりだけする奴ほんと吐き気するわ
嫌味と解っても流してしまえよ
投下待機中
すごくいい!2人の内面でもそれぞれ動きが起こっているのか。
今は当分擦れ違いでも、いずれそれぞれが抱えているものが愛だと気が付いて
2人が幸せになってくれればいいな!
あれオットマンていうんだー
髪に指さしこまれて気持ちいいレナードが大型犬のようで和む・・・
いや和んでる場合ではないのだが
上官に寝取られた過去があるらしいことといい、レナードの新たな一面が可愛すぎる。
道理で前回リインが上官になびかないか本気で不安になってたわけだ。
上官のお言葉からすると、いよいよリインのターンなのかね。次も楽しみに待ってます。
最近になってバジリスクを知ったんだがなかなかいいな。
天膳はただやりたいだけな気もしなくもないが。
小四郎と朧の無理矢理とかあったらぜひ見たい。
愛ゆえじゃないけど、兄妹CPもあってツボった。
バジリスクは確かに面白いけど愛故関係ないカップリング語りとかされても…
話が脱線するなら二次系スレいけよ
前半は愛ゆえ絡みなのに、一言でも別なことに触れると関係ない話するな!ムキー!ってか
委員長気取りさん今日も自治活動乙ですwww
愛するが故に無理やり保守!
いつでも投下待機中
もう好きな二次元キャラのマンコにしゃぶりついて
クリを強めに甘噛みしたり尿道口を舌で責めておしっこ直飲みしたいわ
ごめん誤爆だ
最近このスレに来た。
おっさんと少女が読みたいのだが
保管庫が見つからないorz
普通にエロパロ板SS保管庫でググるという基本的な行為を忘れてるな
というか、このスレの1にくわしく書いてあるがな…
案の定過疎ったか
職人叩きなんてするから
愛してるよ!ポパイ。
人間は死ぬ。死はまのがれない
霊から生まれたものは霊であり
肉から生まれたものは肉である
悔い改めず肉欲の罪に支配されている人間は肉体の滅びとともに滅ぶ
キリストの霊に従い生きるものは永遠に生きる。霊は滅びない
>>318みたいな
神と結婚してるから一生処女です!って言ってはばからないシスターさんを愛ゆえにバッコバコに犯し尽くして
シスターが最後には神様に放尿するまでになったら素敵だよね
視線の続き待ってます
リインとレナードの関係が気になって仕方がない
情事のシーンがなにげに秀逸だと思う…
兄のように慕っていた男に犯され痛みと恐怖で泣き叫ぶ女の子
ごめんね、ごめんねって言いながらズコズコ突きまくる男という夢を見た
>>321 そういうの良いな
可愛い女の子が処女を奪われ傷みに苦しむ姿を見ると興奮するお
光源氏と紫の上が理想って事ですね
わかります
でも光源氏になれる男なんぞ
殆どいなくね?
いないからこそ光源氏はいまだ光り輝いてるんだろ
いわゆるシャイニング俺
確か光源氏はあやまらなかったな。
いずれあなたが私に抱かれるのは当たり前のようなことなのに。
全くいつまでも泣いてふてくされて布団からでてこないなんて仕方のない子だなあ。
みたいな。
むしろ堂々としていて良いと思います。
愛から来る自信というか開き直りというかなんというか。
ケータイ小説みたいな光源氏の話がどこかに落ちてたよな。
検索しても出てこない…
この板発祥じゃないけどかなり笑った覚えがあるw
やる夫の源氏物語じゃね?
あれは上手くまとめてある
>>329 ググってみたけど全然違ったw
あんなんじゃなくてものすごい面白いよ
すまん解決した
源氏物語をスイーツ(笑)文にしてみる だった
>>323 大好きなお兄ちゃんに犯されてショック受けて参っちゃう実妹とか最高だな
エロ過ぎる……
>>324 2次元ならきっと一杯いるよ
>>327 愛を押し付ける鬼畜ですね
自分が強姦した女にそんな言葉投げつけるとか素晴らしいw
強姦して一方的な関係を強要するだけならただのレイプだから
無理矢理やるほうに罪悪感なり葛藤なりあるのが好きだな
愛してるから可哀想なんだけど我慢出来ないんだごめんねごめんね みたいな
この流れに乗って、商業作品語り……
明治期の大きな商家に後妻に入った元芸妓の連れ子と、元々の本妻の息子との
禁断の愛…って感じなんだが、明治期のちょっとほの暗さと、お兄様のヤンデレな
暗さがあいまって、いい愛ゆえなんだ。
おにゃのこ4歳、お兄様8歳でおにゃのこの母親が再婚して、義理の兄妹になり、
母親のいないお兄様は妹に執着し始め、妹が年頃になると無理やり奪って身も心も束縛、
ってのがあらすじだけど、このお兄様、若いうちから
おしっこいきたいと言って逃げようとする妹を庭に連れ出して目の前で強制放尿させたり
鬼ごっこと称して逃げる妹を捕まえ、縄で縛ってエロいいたずらしたり
と、素敵センスの持ち主なのである。(兄16、妹12のときの話)
当然、真面目でいい子の年頃の妹に対しても言葉責めから始まって、実に多彩。
従順なときはすごく優しくて、逃げようとすると途端にヤンデレ化してエロいおしおき。
そして毎回、お兄様の素敵センスには脱帽。
女向けエロレーベルのティアラ文庫「義兄」って作品。
>>334 知ってる
ただ義兄の妹に対する「愛」がいまひとつ見えなかったのが残念
「執着」は余りあるほどなんだが
そしてラストは賛否両論があると思う
>>334 強制放尿とか大好きだわ
普通に男向けレーベルで出そうずって感じだな
エロゲでも放尿シーンとかは使えるに良いな
>>334 うーん、愛するが故に分類できるかねぇ
作中で妹が「義兄は私を愛しているのではない」と
悟ったことが書いてなかったっけ
自己愛しかないよねこの義兄は
終わり方は不毛で破滅的な関係に
ふさわしいといえばふさわしいのであり
>>335 ,
>>337 このレーベルでは
男女のすれ違い→彼は私のこと好きじゃないんだわ!→誤解解ける→相思相愛
な展開がデフォなので、女の子が「お兄様は私のことなんか愛してないわ」と言ったからといって、
ああいつもの誤解パターンねと思いましたw
ひたすら自己愛しかないと妹にはバッサリやられてますが、複雑怪奇なお兄様を妹が完全に理解していたとは
限りません。妹が従順な間は物凄い優しさが発揮されてるのにスルーしてるし。
お兄様の愛は歪んだヤンデレ愛ですが、あれで兄視点が入って愛情が解説されたら、兄に感情移入してしまって
淫靡なドロドロ感が台無しになるので、お兄様は誰にも理解されないままでよいと思います。
幼くして母を亡くし、後妻とは距離のあるままで、愛し方も愛され方も知らず厳しく育てられ、
歪んでしまったがゆえに最愛の妹にも理解されず、読者にもその愛を明らかにされないままとか(←妄想乙)、
お兄様の不幸体質ぶりに泣けます。
完全に妹一択とか言って(妹にはドン引きされてましたが)、お兄様は結構一途なんで、
愛ゆえという読み方もある。
ということにしてやってください><。
>>333 分かる、分かるぞ…
二人の関係性が深ければ深いほど
(兄弟とか長年の幼馴染とか)
葛藤と悲壮感が増して
後戻りできないかんじがしていい
>>338 その小説の宣伝しに来たんじゃないなら該当の二次作品スレで語ったらどうか
つーかその作品はレーベル内でも地雷扱いされてたような……
作品投下がないから雑談ネタ振っただけなんでね?
その作品読んだ事無いからなんとも言えんが
視線の続きが読みたくてたまらない。
何度も何度も頻繁にクレクレして職人にプレッシャーかけるなよ
最近強気なツンデレ娘を犯したい、愛し過ぎて犯したい
それで幼馴染とか結構仲が良い女友達みたい感じのツンデレ娘と
その娘の友達のあんまり社交的じゃない男の組み合わせを思い付いた
元々仲良かったけど男の方が社交的じゃないから、好きなのに学校ではあんま喋れなくて
ツンデレ娘の方は社交的だから、リア充な感じの男達とも仲良く喋るから
遂に我慢しきれなくなって強姦してしまい……
みたいな妄想をした
2人は両想いだから途中gdgdするけど結ばれるトゥルーEND√でw
トゥルーEND√って何
ネット小説でいいのないかな
他サイトの晒し誘導ヤメレ
父親の顔がマカロニほうれん莊のキンドーちゃん、母親が黒木瞳そのまま(マジだ)、
で俺の顔がハンタの冨樫に瓜二つという難解すぎる方程式
母親は古風で潔癖な性格だから間違いは確かに無かったと思われるが…
今のモナコ大公だって母親の割に残念なことになってるだろうが
それ別のDNA入ってね?
>>347 正しいEND、真ENDって意味
この場合はちゃんと結ばれるのが正しい真ENDって意味で
途中で強姦したりされたりする√だけどw
もう終わりかね
>>339 分かるw
この関係を壊したくない
でも一線を越えてしまいたいという葛藤が大きく抑圧されて
でも好きだからこそそれがはじけてやっちゃった後
自分のやらかしたことに後悔し相手の反応を待つ時間が自分は好きだw
深い関係なの強姦してしまう展開って良いよね
女の子側の事を考えるとハァハァ(´Д`;)する
まさかの裏切りだろうし
「こんなこと……信じられないっ……止めて」と
泣きながらショックを受け抵抗or茫然とする女の子に
ゴメン、もう我慢出来ない、我慢はしつくした……みたいな展開いいよね
女向けゲー18禁にどの作品にも必ずあるな
そればかりのゲームもあるぐらい
女向け18禁エロゲってそんなに陵辱シーン多いの?
なんか勃起してきた
おすすめはある?
>>359 Underthemoonとかは愛憎系でいいんじゃない?
数少ないから体験版でもプレイして自分で判断してみるといいよ
乙女向け18禁は大体そんな感じっぽいよねバッドEDとか
特に幼馴染がそういう感じでヤンデレて愛故行動に走るw
それにしても嵐が丘のあらすじを見たんだが
こんなにもこのスレ向きの話とは思わなかったw
ヒロインに手を出せばよかったのに……
>>360 有難う
他もイラストと脚本から芋づる式に発掘すれば良いのかなあ
363 :
名無しさん@ピンキー:2011/09/13(火) 13:41:53.10 ID:Y3q7MdTQ
テスト
>>362 興味あるなら女向ゲー大人板を眺めてると幸せになれるかもしれない
>>359 アンダーザムーンのライター作品は愛故主体
いじわるマイマスター、赤ずきんと迷いの森
上記3つはヒロインボイスが良かった、エロゲ声優だな
ラブドロ、リドルガーデンは和姦
すみれの蕾は愛故がほとんど
だがヒロインが微妙
>>364-365 ありがとう
そしてエロゲ声優って誰だと思ったら風音と鷹月で吹いたw
ところでいじわるマイマスター、赤ずきんと迷いの森ってフェラあるのかな?
鷹月のフェラ好きなんであるなら買う
げっちゅ見たらまだ在庫あるし
このスレの住人が少女椿の鞭棄とみどりちゃんのことをどう思うか知りたい
ああいうのも愛故でおK?
まぁ愛故なんじゃないか?
ちょうどそれ読んでた
あれは良い愛故
まずは少女椿を読むことがすごいハードルが高すぎるw
>>369 同士よ!
みどりちゃんが鞭棄の気持ちに気づいてなくて本気で嫌がってるとこがスゲー萌えるんだ…
何ていうか、嫌がり方がエロい
>>370 なに言ってるんだ、少女椿はアニメ化もされてんだぞ!
あれグロすぎる上に鬱展開じゃないですか、やだー( ゙'ω゙` )
知らなかったのでぐぐったら…wiki見た時点で無理そうだわorz
愛故の部分は見てみたかったけどな
>>373 同じくwiki見ただけで無理だった…
愛故した男がされた子の目の前で殺されるとか強烈だな
どうせまた少女漫画か何かだろと思いつつ上のレスが気になってググッたら…
狂気とか異常とか評価されてるな
怖いもの見たさで見たい気もするけど鼠に食われるとか…グロ耐性ないからやめておくw
>>374 鞭棄がデレるのがもう少し早ければ、みどりちゃんも正光じゃなく鞭棄を選んでいたかもしれないんだがな…
正光の方も恋敵をあぼーんしちゃうあたりヤンデレ入ってるし、行間読めば愛故妄想できそうだ
ここの住人のグロ耐性の無さに安心してしまったw
しかし愛故は良いものです
だが余裕でグロ耐性がある俺も居るぜw
少女椿は好きだよ
自分グロ耐性は少ししかなかったんで少女椿は無理だったw
鞭棄がみどりちゃんに愛故する前(ワンコ…)に心が折れて見れなかったw
話は変わって最近した妄想。
おとなしく健気な少女がずっと男を好きだったが
男は少女を愛していたけどある理由があって
拒絶やらひどい態度をとりまくっていた。
しかし、さすがに絶望した少女が自殺未遂→そのショックで記憶喪失
少女は記憶の片隅での事で男を避け始め
段々と自分の道を歩き始めて他の男(他の人にはわからないがさりげなく男に似てる)に心を開き始める。
それをみた男が愛故で少女を……とか妄想したが
男が避けていた理由が考えつかなくてとん挫したw
なかなかいい妄想だ
>>379 男が拒絶してた原因が、すでに他界している少女の親から娘をよろしく頼むと言われていたから
とか、男に後ろめたい過去(犯罪者だったり出生に難ありだったり)があるから…とかなら禿萌える。
後者なら、「俺みたいな脛に瑕のある男はあいつに相応しくない」と男は思っているんだけど、
実は少女はその過去を知ったうえで男を慕ってる、というのはどうだろうか。
あとは、上で出てる少女椿の包帯男じゃないけど、身体的にどこか欠損があるとかでも、
男側の心理が屈折して良い愛故になりそうだと思った。
>>379 弟とか部下、もしくは親友がその少女を好きな事を知っていて
わざとそんな態度を取ってたら俺得。
>>379 >>381-382 中々良い妄想するなあ
男側に後ろめたい事があってそれに加えて女の子側に負い目感じてたりとか良いよね
後、昔はずっと女の子の母親に片想い、横恋慕してたとか
在りがちだけど男は警官で、犯人を追いつめて間接or直接的に殺してしまい、
その忘れ形見の少女を引き取って育てているとか。
男は人身売買等の犯罪に加担していたけどその被害者の少女に情を写して助けたとか。
身寄りのない少女を引き取るのもいいけど、紫のバラの人的に遠くから見守るってのも捨てがたい
で、少女が困ったときには陰ながら手を回して助けてやる。しかしいつの間にか見守るだけでは満足できなくなり…あとはわかるな?
優しかったおじさんが美少女に牙を向くんですね
チンコ勃起します
素敵過ぎる妄想に触発されて
情報屋と少女
※ヌルイ描写しかないので許せん人はスルーで
「やっと見つけました」
部屋に飛び込んできた少女は、きっぱりと言った。
「お久しぶりです。
私は鈴本彰(すずもとあきら)の娘、千冬です」
部屋の主である男は、瞼だけで少女みやった。
つま先が剥げかけたローファ。
しわの目立つセーラー服。
ここにたどり着いた少女の苦労が窺い知れる。
それには気づかない振りをして、男は煙を吐き出した。
匂いが増す。
「あの、父を覚えていますか?」
「ああ、覚えているとも。『短い間』だが、仕事仲間だったからな」
男が初めて吐き出した煙以外の言葉に、少女の足がぴくりと動いた。
「丁度2年前か。どこぞの発砲事件に巻き込まれて、くたばったと聞いたが。
まさか娘がいたとはねぇ」
男の視線が千冬を捉える。
千冬はその場から動けなくなった。
それもそうだ。
男の格好といえば、上半身は裸で、下は洗いざらしのジーパンだけ。
剃り残した髭も、重たげな瞼も、男がまっとうな社会で生きる者のそれには見えない。
そんな男が尊大な態度で、ベッドに寝そべっている。
社会から隔絶された部屋の異常さを、少女は感じ取り、怯えている。
「あなたにお願いがあります」
千冬は息を絞り出し、一息に言った。
悪くない、と男は内心笑った。
表情は硬く、精一杯の強がりが見て取れたが、意志は失っていない。
「お願いします。どうか、どうか――」
少女は腰を折り、頭を下げる。
切りそろえた前髪が、静かに揺れた。
「父を殺したやつらの情報を、私に売ってください!!」
怒りと悲痛な響きを孕み、少女は叫んだ。
「いいだろう」
男は持っていたタバコを、灰皿に押し付けた。
「……え?」
男が少女の手首をつかみ、手前へと引き寄せた。
スカートが舞う。
少女は、ヤニ臭いベッドに沈んだ。
「きゃっ」
視界が男の胸板でさえぎられ、肌色で埋まる。
普段見ることもない、異性の肌に千冬は頭が真っ白になった。
「……ぁ」
太ももを押さえつける男の指が、内股へ這った。
他人に触れられるとい刺激に慣れていないのか、ビクッと千冬の体が跳ね上がる。
その動きさえ封じるように、男は体重をかけた。
不意に強くなる、男の熱とタバコの臭い。
千冬は混乱から覚める。
「や、やめてください!」
悲鳴にも似た叫びで、男の動きがとまった。
「情報を売ってやる、千冬」
「え?」
安心したのも束の間――
「ただし、取引はお前の身体とのみ応じよう」
酷薄な宣言とともに、男は再び動き始めた。
「ひゃっ……」
男は体を押し上げ、千冬の首筋へと顔を近づける。
「あっ……の……そ、それはどういうことですか?」
「お前の親父を殺したやつは、そんじょそこらのチンピラじゃない。
ずっと狡猾で、貪欲で、滅多に日の当たる場所には出てこない」
息が当たるほど近くで、少女に言い聞かせる。
「そんな奴らの情報が安いわけないだろう? 千冬」
耳元でささやかれる低い男の声に、千冬の肩が震える。
性的な経験のない千冬でも、その声が劣情を誘うものだと、
身体が本能的に知っていた。
「や、やめてください」
理性が恐怖を訴え、千冬は咄嗟に男を押し返そうと、男の胸に手を置いた。
「いいのか? 仇の情報が欲しいんだろ」
「それはそうですが、こんなの……あっ…はあっ」
耳をなめられる。
男は舌を入れ、唾液を流し込み、わざと音をたてる。
んちゅ…ちゅ…くちゅっ…ちゅ…ちゅ…くちゅっ…
「あぁ、あ、あ…!」
「そうだなぁ、代金はしめて200万。昔のよしみだ、サービス価格だぜ」
「あ、お、お金なら……必ず、払います……っ、一生、かかってでも!!」
「おいおい、さっき言っただろ」
いやらしい音の合間に囁かれる言葉の意味を、
千冬は考えなければならなかった。
「取引は、この体でしか応じないってな」
垂らした唾液を舌に絡ませる。
生温かいかい液体さえ、刺激となって千冬の耳を犯した。
ちゅ…くちゅくちゅっ…くちゅ…くちゃ…くちゅっ…くちゅちゅっ
「や、やぁ、やあっ!」
びくびくと、千冬の体は痙攣をくりかえす。
「やだ、やだあっ」
耐えきれず、千冬は首を振って男の舌から逃れた。
「そうか、嫌か」
男はさきほどの執拗さが嘘のように、あっさりと千冬を解放した。
「はぁ、はあ、ぁっ……?」
熱を持て余し、潤んだ瞳が、ベッドから降りた男を追った。
男はタバコをくわえると、ベッドの上で膝を合わせる千冬にむかって、口端をあげた。
「お前くらいの歳なら、1回3万といったところか。
200万なら……67回」
「……?………??」
「情報が欲しけりゃ67回、俺の相手をしろ。
それができなきゃ、仇討ちなんぞハナっから諦めるんだな」
男がライターの火をつけた。
タバコに火を近づけると、男の顔に濃い影をつくった。
「人でなし」
千冬には男が悪魔に見えた。
「人でなし! 父さんは、どうしてあなたのような人と……!」
千冬の視界から、男の姿がゆがんだ。
ぽたぽたとスカートの上に、涙が跳ねた。
「それを言うなら、刑事が俺みたいなロクデナシと手を組んでたって方が、
よっぽどだと思うぜ?」
「それは」
「でもまあ、支払いはよかったし。惜しかったなぁ」
「そんな……私は、あなたが……」
「俺がなんだ?」
「……っ」
千冬の涙交じりの熱い息が、言葉の続きをつむぐことはなかった。
ベッドから降りると、入ってきたときと同じように、部屋を飛び出していった。
続く
wktkが止まらない!(゚д゚*)
つ、続きを!
今のところ愛故が全く感じ取れない
彼の心の中の葛藤が早くみたい!!wktk
すまん誤解されるようなところで文章改行してた
千冬視点からは愛故を感じさせない彼の心の中が
本当はどんなにヒートしてるかって言いたかった
>>387-393 千冬ちゃん可愛い
最後の方の反応的に千冬ちゃんもおじちゃんの事昔から知ってた?
続き期待
情報屋と少女の続き
wktkどうもです
妄想を文にしてるだけなんで
むしろ住民の妄想にwktk
※ヌルイ描写すらないので許せん人はスルーで
私の家は父子家庭だった。
母は私が幼い頃に亡くなった。
父は少年課という、青少年の非行防止や更生を担当する課に所属する刑事だった。
何度補導されても懲りない少年少女を相手に、毎日身体と心を削って向き合う父を尊敬して
いた。
毎晩ヘトヘトになって帰ってくる父に「無理をしないで」と言うと、
「大丈夫、大丈夫だから。あのなかに、これから千冬の友達になる奴らがいるかもしれない
だろ?そう思ったら、助けないではいれない」
決まって、そう答える父が好きだった。
その父が殺された。
麻薬密売が絡んだ発砲事件に巻き込まれた事になっている。
でも、その場に居合わせた同僚が言っていた。
「あれは明らかに鈴本さんを狙っていた」と。
しかし、その後の捜査は行われなかった。
証言した同僚も、次に会ったときには、頑なに口を閉ざした。
真実が知りたかった。
私から父さんを奪った犯人が許せなかった。
分かっている。
父さんは、こんなことを望んではいない。
それでも私は許せなかった。
私は遺品をたよりに、以前から父の仕事を手伝っていた情報屋の居場所を探し当てた。
仇の情報を求める私に、提示された情報の代金は……
「大丈夫、大丈夫だから」
父の口癖を真似てみる。
心が、ほんの少しだけ、慰められた気がした。
今夜、私はあの情報屋に会いに行く
「麻薬なんて少年課の刑事にゃ荷が重いよー。『なぁ、もしもの時は娘を頼んだぜ』……なーんつってなー。ははっ、大丈夫、大丈夫だ
から!」
鈴本彰(すずもとあきら)が冗談交じりに呟いたそれは、男が聞いた最期の言葉になった。
男の隠れ家を鈴本の娘が訪れたあの日から1週間、その言葉を思い出すことが多くなった。
腹に溜まった苛立ちを吐き出すように、男は煙を吐いた。
窓から忍んできた夕闇に、白煙が溶ける。
そして、窓越しに見下ろした雑踏のなかに、千冬の姿を見つけた瞬間、男の苛立ちはピーク
に達した。
初めて訪れた時とは正反対の、恐る恐るとした様子で、部屋の扉が開いた。
「何の用だ」
再び現れた千冬は、セーラー服ではなかった。
前開きのブラウスに、スカート。
噎せ返るようなヤニの匂いに交じって、かすかに香るのは石鹸の匂い。
それが意味するところは――
「……取引をします」
声は震えていた。
「あなたと、取引をします」
「へえ?」
「67回のせ……性交渉を、条件に、父の仇の情報を私にください」
セックスと、口にも出せない小娘が。
男は心の中で毒ついた。
「お願いします」
一歩踏み出すのに、少女にはどれほど勇気が必要だったのだろう。
それでも千冬は未知の恐怖と深淵の闇のなかへ、入ってきた。
少女のなけなしの勇気と決意を飲み込んで、男は嗤った。
扉は閉じられた。
続く
>>398 GJ!リアルタイムktkr
千冬ちゃんマジ頑張れwしかし67回か…ゴクリ
>>402 千冬ちゃん可愛いなあ
情報屋さんは何時から千冬の事好きだったか気になる
いい展開だ
続きが楽しみです
>>404 むしろこれからどうやって好きになって行くかって段階じゃね?
愛故というスレタイだったから
今の状態でもう好きなのかと普通に思ってたw
いや情報屋さん今の時点で好きなんじゃね?
67回の性交渉と聞いてw
犯されてる女の方に愛があるレイプってのは?
大貴族に家族を殺された青年が復讐を誓う。
その貴族が一人娘を溺愛してることを知り、素性を隠してその娘に近づく。
娘から信用を得て、貴族の家にも呼ばれる様になる。
隙をついて(睡眠薬などを使って)家人を縛り上げて抵抗できなくする。
そして親が見ている前で娘をレイプ。
娘から好意を寄せられてることに気づいてるし、自身も好意を感じているが、
貴族に大きなダメージを与える為に意図的に酷い行為を。
こんな感じで。
情報屋と少女の続き
>>409 さすがに67回は……
※エロですが、擬音あります。
男の動きは性急だった。
扉を閉じた瞬間、千冬は正面から抱きすくめられる。
そのままベッドに押し倒されるかと千冬は身を固くしたが、
男はその場で千冬の体をまさぐった。
「や…っ、やぁっ…!」」
千冬の長い髪をかき上げると、鼻を近づける。
シャワーを浴びてきたばかりの髪は、わずかな水気とシャンプーの香を含んでいた。
その感触と匂いを一通り楽しむと、いつかと同じように、男は千冬の耳をしゃぶった。
「んんぅっ! やっ、やあっ…!!」
耳への刺激に弱いことは、千冬自身、身に染みて分かっていた。
分かっていた所でどうにかなるはずもなく、首筋まで舐められ、千冬の脚はがくがくと震えた。
首筋を嬲る舌はそのままに、男の手がブラウス越しに千冬の体に触れる。
片方の手は胸の膨らみをなぞり、そのボリュームと柔らかな弾力を確かめるようにいやらしく揉む。
「なんだ、思ったよりデカいじゃないか」
「……っ!」
耳元でささやかれ、カッと、千冬は顔が熱くなるのを感じた。
ブラウスのボタンが男の手によって、器用に外されていくのを視界に捕えた瞬間、
「だ、だめ…っ」
千冬は思わず、男の手をつかんでしまった。
男の筋張った指はボタンではなく、少女のたおやかな手に包まれていた。
>愛するが故にレイプor強姦or無理やりしてしまうシチュ
って
>>1にあるから復讐>超えられない壁>愛なんでスレ違いになるんじゃないかな
愛してて抱きたいから抱いてるんじゃなく
復讐したいから抱くだから…って個人的な意見だけどw
>>409 67回って多いぱっと見多いよと思ったんだが
単純計算で毎晩してたら二ヶ月半もないことにびっくりw
「どういうつもりだ」
「……ぁ」
男の視線が、千冬に下ろされる。
射すくめられ、千冬は慌てて手を放した。
「ご、ごめんなさい」
取引をしたのだ。
男のすることに抵抗など許されるはずもない。
取引をなかったことにされるのではないかと、千冬は縋るように男を見上げた。
そんな千冬を男は憐れむように見下ろした。
そして、溜息とともに思いを吐き出すと、
「舌を出せ」
と、短く命じた。
「……え?」
「聞こえなかったのか? 舌を出せと言ったんだ」
「は、はい……っ」
一度、男の行為を妨げた千冬には、躊躇さえ許されなかった。
ぎゅっと目をつぶると、ふっくらとした唇から、恐る恐る舌が差し出される。
赤く色づき、誘っているかのような唇を、男は舌ごと奪った。
「……ふっ、んぐっ」
もれる千冬の息に、男の体は熱くなる。
逃げる舌を追って、更に深くねじ込み、唾液を貪った。
柔らかい唇にきつく吸い付いては軽く歯を立て、呼吸すら奪い追い詰めた。
千冬にとって初めてのその感覚は酷く甘美で、頭の奥がじんじんとした。
「ふ…っ、は、はぁ」
いよいよ千冬の足はおぼつかなくなり、男に体重を預けるような姿勢になると、男は千冬を抱き上げた。
「………っ?!」
ベッドの前まで軽々と持ち、そのまま押し倒す。
自分の身体を千冬の脚の間に割り込ませ、閉じられないようにした。
シーツに広がった千冬の黒髪に誘われるように、男は千冬に手を伸ばし、ちょうど胸のふくらみまで止まっていたボタンを外した。
途中まで外されていたブラウスのボタンをすっかり外し終わると、男の手は下腹部、さらに下へと這っていった。
「……やっ…んっ」
ビクリと千冬の脚が跳ね上がるが、男の動きを阻むほどではなかった。
下着の隙間から指をすべりこませ、秘部の周りをなでた。
そこはわずかに潤んではいたが、男を受け入れるには足りない。
空いた手でブラをずらし、つんと立った乳首を口に含んだ。
「あっ…あぁぁっ」
舌先でつついてやれば、千冬は切ない声をあげ反応を返す。
男の舌技は巧みだった。
触れるか触れないかの位置でじらしたかと思えば、舌を乳首に押し当てて、先端をこねたり、唇で乳首を挟んで吸いついた。
「おいおいお前、処女なんだろ? なんでこんなに湿ってるんだ」
わざと笑いを含んで男は声で言う。
割れ目から愛液をすくい、指に絡みつかせると、ヌチャヌチャと音を立ててかき回した。
「や、言わな……で、くださ…うぅっ」
中指が膣内へ侵入すると、男はゆっくりと指を抜き差しさせる。
千冬は目を瞑っていたが、膣壁を擦れるたびに、指が出入りするのが生々しく感じ取れた。
ぐちゅ、ずぷっ、じゅぽ、ぴちゃ……
「お、音、や、やだ……あっあっあっ…やぁぁっ!」
下腹部のもっと下から熱が何度もこみ上げ、そのたびに千冬は気をやった。
愛液が男の指から滴り、シーツに染みが広がり始めた頃、男は指を引き抜いた。
代わりに、いきり立った自身を千冬の秘所にあてがう。
「千冬」
息も絶え絶えの千冬は頷きで、男の呼びかけに答えた。
「もう一度だけ聞いてやる。本当にいいんだな。
たとえ途中で取引を破棄しようとも、今日、今ここで、俺に抱かれたという事実は残るんだぞ」
「はい」
すぐさま返って答えに、男は驚いた。
少女の表情を見ようと、身をかがめ、顔を近づける。
千冬は涙で潤んだ目で、男を見上げていた。
涙が快楽によるものか悲しみによるものか、男には測りかねた。
しかし、男はその目に腹から突きあげるような欲を覚えた。
「それで、構いません」
千冬の手が、男の肘をつかんだ。
それが合図だった。
「いくぞ」
男は容赦なく、男性器を押し込んだ。
千冬の両手首を掴み、覆いかぶさると獣のように犯した。
男の下で、千冬の目は固く閉じられ、全身が強張っていた。
華奢な体はされるがままで、まるで人形のように突き上げられる。
先ほどとは違い、快楽より痛みが勝り、声にならない悲鳴が千冬の食いしばった歯の間から漏れた。
「……っ! ……っっ!!」
千冬の秘所から滴る鮮血は、男の性器に絡みつき、シーツにも散った。
それでも男は何度も腰を叩き付け、中を抉った。
硬く閉じていた千冬の瞼が、衝撃でかすかに開いた。
「……ぁ」
千冬は目を見開いた。
息が触れ合うほど近くに、男の顔があった。
男の額にも玉の汗が浮いていた。
それより千冬を釘づけにしたのは、男の表情だった。
泣きそうな顔をしていた。
快楽など一片も感じていない。
苦痛に苛まれる男の顔だった。
「ど……して……?」
千冬のつぶやきは、ベッドのきしむ音と、自身の悲鳴でかき消された。
ただ、その表情は千冬が気を失う瞬間まで、千冬の頭から離れなかった。
続く
投下乙…
今まで過疎ってたし1分前後で投下あるとは思わず
かぶってしまって本当にすまんかったですorz
>>417 こちらこそ。。。
せっかくのレスが大量の文に挟まれて可愛そうなことにorz
あ、ちなみに67回って確かに冷静に考えると言う程多くないよねw
一晩複数回だったらもっと早く終わるなw
それにしてもGJ!
危険から遠ざけようと無茶な条件出したのかも(と妄想)
それなのに千冬ちゃんが引き下がらなかったのなら胸熱
422 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 00:17:12.68 ID:OJ25pT5t
∧_∧ =-
( ^3^) =- <いいねいいねエロくて最高^^
と´_,ノヾ =-
(´ ヽ、\ =-
`―' \_) =
=
緊迫感あっていいねえ、GJ。
>>421 手元に置いて安全確保したくて、かなあとか。
情報屋と少女の人GJ
おおこれからどうなるのか楽しみだ・・・
二人の関係も気になるけど、お父さんの仇とかも地味に気になるんだぜ?
>>410 はじめは両親の前で家族を失った苦しみを味あわせようと
娘を惨殺しようと思っていたのに
いやそれよりも強姦の方が…精神的苦痛かと
無意識に殺したくない&抱きたいとヤンデレれば万事解決w
あとは三人の死体が見つかるはずなのに
娘の死体だけは見つからなかったとかいう
娘を連れ去ったのかそれとも娘だけ手厚く葬ったのかとかいう
ラストまで想像してしまったぜw
デビルマンの如く悪魔をその身に宿して悪魔と戦う正義のヒーロー
しかし悪魔の力を振るえば心もまた悪魔に近付いていく。
戦いの後は悪魔に心を浸食され、破壊衝動に突き動かされるヒーロー
それを自らの体をもって鎮める巫女たち。
うーん、
荒々しくレイプ → 我に返って平謝り
この繰り返しだと単なるSMプレイにしかならんかw
誤爆?
視線はもう終わっちゃったの?終わる前に完結して欲しい・・・
まぁ急かさずまったり待とうぜ!
>>379なんだが
>>378-
>>385のレスをみてて妄想が走ったw
主人公は普通の中流家庭の高校生だが暗いキモイと笑われて引きこもり
しかしネットでFXとかして学生ながらに金持ちだった。
隣の母子家庭の母親は美人でキャリアウーマン
そんな主人公にも優しく朝の挨拶してくれるようないい人で
普通に接してもらったり励まされて憧れていたが
ある日、そんな素敵な女性だからストーカーに狙われて
押しいられて強姦されて殺害されてしまう。
主人公は勿論引きこもりなのでその時間壁いちまい隔てた部屋にいたが気づかず
気がついたときには彼氏とのエッチなのかと落ち込み盗み聞きするかと葛藤し
様子がおかしいと気づいて勇気を振り絞って助けに入った頃には母親は惨殺され犯人は自殺
押入れの中に娘が匿われていたことを知る。
その頃から自分が早くに気がついていれば死ななかったかもととても後悔し
母親の保険金目当てで引き取られた先の親戚に冷遇されている少女に
紫の薔薇の人の如く援助を惜しまずただの影でいようと思っていた。
彼女に援助するために立派な人間にならなくてはと引きこもりも頑張ってやめて
もともと頭はよかったので大検を取り、いい大学へいきいい就職へ。
そして株で少女の為に稼ぐ日々を送っているうちに心に闇を抱えながらもそれなりのいい男?へ
が、会社の同僚(大学からの友達でスゲーいい奴)に誘われて
古い店だけどおいしい店でそこの店員の女の子一目惚れして会いに行きたいんで
と誘われていったら偶然そこでバイトしていた少女とリアル知り合いに
母親にそっくり生き写しな彼女に罪悪感を感じると共に
辛い境遇でも明るく健気に生きている彼女に惹かれていく。
でも母親を見殺しにしたのは自分だし、友人の想い人だしと
いいお父さんポジションでリアルでも優しく接しているうちに
少女は主人公に好意を抱いていく……少女は告白しそれを断る主人公。
そしてそれ以降、心を鬼にして少女の好意を突っぱねていく。
そんな失意のどん底で主人公の行動が悪い方に誤解するように少女に全部バレてしまい
(母親の恋人だったとか高校生がシングルマザーと付き合ってるのを知られたくなくて見殺しにしたとか
その後ろめたさであしながおじさんを長年やっていたとか)
少女支えていたものが一気に崩れ落ち自殺未遂→記憶喪失のコンボ。
また見捨てられない主人公は少女に尽くしていく。
しかし、記憶を失って少女の無意識は自己を防衛するために主人公への態度はよそよそしくなり
友人と段々と恋仲に……それを見てるだけしかできなくなった主人公は……愛ゆえの行動へと走る。
これではあのストーカーと何ら変わりはないじゃないかと
行為が終わったあと主人公は自殺→そのショックで少女も記憶が戻るが全ては後の祭りだった。
とかいう話を考えたw
愛故に走るまでが長すぎるなw
>>428 ナイス妄想wそれだけプロット固まってたら後は書くだけだな!
しかし個人的には男はキモい引きこもりのままのほうが萌えるかも
デスノのLみたいな
てすと
視線の続き
任地への派遣が決まった。とはいっても一応状況は安定し、復興支援の名目で自国の資材やもろもろを押し付けるように
投入し、売り込む政治的な意図に沿った場所で、リインの任務も物資の輸送と管理だった。
レナードはリインを快く送り出した。
ただ人の目につきにくい脇の下であったり、内股のぎりぎりの所に赤い痕を残した。
レナードのものだという、所有印。
「消えないうちに呼び戻したいが、そういう訳にもいかないからな。一時期の混乱は脱してはいるが、十分に注意するように。
戦場では一瞬の油断が命取りになる。赴く場所は常に戦場なのだと、警戒するように」
「明日が早いのでこれで」
服を着て上官からのアドバイスだと律儀に敬礼をして、リインはきびすをかえそうとした。
その手をレナードが掴む。
「くれぐれも危険な真似はしないように。君は私のものなのだから」
返事はないが、リインの目はうろたえたように瞬く。
触れるだけの口付けで、レナードはリインを解放した。
輸送機と車両に詰め込まれ悪路を揺られて、ようやくリインは任地のとある地方の前線基地に到着した。
アスファルトは抉られ、民家は無人か破損か黒こげか。途中の景色はおさまったとはいえ生々しい紛争の爪あとを残している。
決して見ていて気持ちのよいものではない。加えて前線に出るのも初めてだ。
緊張で固まった体を、リインは深い呼吸をすることでほぐそうとした。
「来たか。ひよっこども」
戦力としては全く期待されていない――それを知らしめるのに十分に乾いた口調で、輸送隊は出迎えられた。
ほこりっぽいそこには一応の建物とテント、輸送車とコンテナが認められる。
立っていたのは無精ひげを伸ばし、日に焼け、だるそうな雰囲気を漂わせた男だった。
「あーカルロス・バルデラス、階級は曹長だ。俺よりお偉いさんがいると思うが、前線では肩書きなんざなんの意味もない。
俺からはひよっことして扱う。早く俺から敬礼を受けるように、ま、しっかりやってくれ」
幾人ががむっとした雰囲気になる。リインとて愉快なものではないが、目の前の曹長を見つめる。
はだらしのない、やる気のないそぶりを見せてはいるが目が違う。抑えているものが違う。
一人ひとりにすばやく視線を走らせ、実力をはかる。父親に、レナードに通じるものがあるように感じられた。
それに、カルロス・バルデラス曹長。
「カナンの英雄、テッサの悪魔」
思わず口をついた言葉に、曹長が反応した。
「ほう、随分と俺も有名になっているんだな、こんなお嬢ちゃんが知っているとは」
――カナンの英雄、テッサの悪魔。過去の紛争や戦役で曹長の名を知らしめたものだ。カナンでは身を挺して民間人の人質を救出した。
テッサでは極秘指令を受けて潜伏して、テロ組織を壊滅状態に追いやった。
そんな人物がここにいたとは。
じろじろとぶしつけな視線を上から下へとよこされるが、視線に関してはもっと上手のものを受け続けている。
何ということもなくそれを受け流すと、曹長の口角がにやりと上がった。
「まあ、ようこそ」
簡易宿舎や職場となるコンテナなどを案内され、現場責任者の大佐とは明日に顔合わせだと一行は解放された。
短時間で荷解きをすませ、夕食へと向かう。
トレーによそわれた皿をのせて隅のテーブルに着く。黙々と食べていた隣にどかり、と誰かが座った。
「よお」
ちらりと目をやるとバルデラス曹長だった。
「バルデラス曹長」
「カルロスと呼んでくれ。それとも俺のあだ名でも呼んでくれるか?」
「キラー・カルロス、ですか?」
にやり、と笑う曹長は、ただ目だけが笑っていない。
「お嬢ちゃん、只者じゃないな。それを知っているのは多くないはずなんだが」
「父が軍人でしたので。それに私はお嬢ちゃんではありません。リイン・アドラー、階級は少尉です。ひよっこですが」
「少尉殿でしたか、これは失礼を。ん? アドラー、アドラー……」
「父はジェイムズ・アドラー元中佐です」
途端、曹長が飲みかけのスープにむせた。
「J・Aの娘っ、あんたが? 何であの伝説の鬼からこんな――」
父は鬼だったのかと、自分の知らない父の姿が思いやられてかえっておかしくなる。
慌てる曹長の様子にリインが耐え切れずに笑うと、ようやく落ち着いた曹長がすうっと息を吸って少し真面目になる。
「なんだってこの道に来たのかは知らないが、油断はするな。状況が落ち着いたとはいってもここは飢えた狼の集団だ」
「――ご忠告、感謝します」
翌日からリイン達も仕事を割り振られる。輸送物資を分別し収納、補給地点へと輸送したり、民間地域に配給したりだ。
リストと現物を見比べながら数量を確認していると、曹長が寄ってきた。
「熱心だなあ」
「カルロス曹長。こんなことしかできませんから」
「仕事に真面目なのはJ・A譲りか」
他愛ない話をしながら、しばらく同じことをしてチェックが終わる。
午後はこの地域と現状のレクチャーがある。昼食を食べてから移動しようと、曹長に目礼した。
コンテナによりかかってリインの仕事ぶりを眺めていた曹長は、コンテナから外に出ようとしたリインに声をかける。
「昨日忠告したつもりだったが、理解していないのか? 一人でこんなコンテナにいたら危険だろうが」
「同僚には行き先を告げて、スケジューラーにも記載しています。支給されている通信機にもGPSが付いているはずですし」
曹長はリインの返事にがしがしと髪の毛をかきむしる。
「ああ? 俺がこうやって入り込んでいるのにか? 女をヤルのに時間はかからん。自分がどれだけ美味しい餌か自覚したらどうだ」
「カルロス曹長は、違うような気がします。そんな人はわざわざ忠告しないでしょう?」
自分に向けられる視線にはもう慣れた。最も執拗で恐ろしい視線を受け続けた後だ。いっそ分かりやすい。
一応の対策はたてて任務には臨んでいる。
風紀が乱れがちなのか、紛争が終わって気が緩みがちなのか、その両者なのか新参者への興味とあいまって舐めるような視線は感じている。
「最初あんたを見た時、佐官用のお相手が来たかと思った」
「制服を着てですか?」
「お偉いさんほどこんな場所では羽目は外せないからな。地元の女なんかも呼べないし出かけることもできない」
だからそれ用の女性を紛れ込ませるか? 随分と用心深いがそれくらいしないと生き残れないのだろう。
それに、とリインは自嘲する。自分は佐官のお相手ではない。将官の――おもちゃだ。
「気はつけます。もし、そんな事態になったら――」
リインはもう一度礼をして、曹長の前を通りすぎた。
慣れない場所に、訓練ではない緊張感は知らずに疲労を蓄積させる。シャワーを浴びて簡易宿舎に戻って狭いベッドに寝転がる。
こんな風に頭を空っぽにすると、余計なことは考えなくて済む。
そう思いながらリインは目を閉じた。
自分は自分のものだ。なのにレナードは自分をレナードのものだと言っては、支配する。
その言葉が、自分だけでは得られない快楽と共に染みこんでいるような気がしていて、たまらない。
離れていてさえ自由にはしてくれないのだろうか。勝手に考えているくせに馬鹿みたいだと、頭から毛布をかぶる。
同室の女性兵士とはすぐに仲良くなれた。リインよりも前からいる衛生兵で、この基地のことを教えてくれる。
リインより小柄だがメリハリのある体つきで、明るい性格もあって基地内でもてている。
同じ基地内の少佐と婚約しているということで、その彼が守ってくれている状況らしい。
「気をつけなさいよ。性質が悪い奴がいるんだから」
「ありがとう。自衛する。それより婚約者さんのことを教えて?」
頬を染めて照れながらもなれそめとか色々と教えてくれるのを、微笑みながら話を聞く。
幸せな恋人の様子は側にいるだけでほほえましい。
「リインには付き合っている人はいないの?」
無邪気な質問に、一瞬つまる。傍目からは恋人に見えるだろうレナードは、リインにとっては複雑な間柄の人物だ。
「一応、いる」
「どんな人?」
「年上で、仕事はできて……」
傍目には申し分ない紳士で、有能な上官で、何も知らない時には尊敬して憧れて――その絶頂で全てをぶち壊した人。
言葉をとぎらせたリインを、照れていると思ったのか、それとも年が離れているから不倫とでも思ったのか、彼女はそれ以上聞かなかった。
夕食を済ませ部屋に戻ったリインに、彼女から伝言があった。
医務室で使う医薬品の中に切れたものがあるので、コンテナから取ってきてほしいとのことだった。
物資の把握はリインの業務内だ。気軽に身支度をして、行き先をスケジューラーに載せて夜のコンテナへと出かけた。
監視の兵士にエリアに入る許可をとって医療用物資のコンテナに向かう。
医療用物資は基地でも、不潔な環境から衛生状態が悪化しがちな現地でも重要な物資になる。
そのため、通常物資とは少し離れた場所にコンテナが設置してある。
ここにあるのは衛生用品や冷蔵の必要のない、そんな医薬品などだ。
ライトを手に鍵を開けてコンテナの扉を開ける。
その時背後から衝撃があった。突き飛ばされてコンテナ内に転がり込む。こけてつんのめったリインの背後で、コンテナの扉が閉められた。
振り向こうとした肩に重みがあって、そのままコンテナの床に押さえ込まれる。
後ろ手にねじられ、鍵が取り上げられる。
「ようこそ、リイン、ちゃん」
からかうような口調に、何人かの下卑た笑い声が重なる。
「彼女の、伝言は」
「ああ、あいつのIDを使って書き込んだだけだ、今日は新入りの歓迎会ってことでね」
ひっくり返されて手足を押さえられる。誰かがともしたのだろう明かりに四人の顔が浮かぶ。
騙されて呼び寄せられて、無様な姿を晒している。
力を入れても相手も軍人だ。とても振りほどけないし、急所や押さえるべき部位は熟知している。
できるのは相手の顔を覚えておくくらいのことだ。
「見かけによらず気が強い? 泣くか震えるかするかと思ったのに」
「四人と相手してもらうんだから、気が強いほうが最後まで持つんじゃないか」
「それもそうか」
言いながら好き勝手に体を触っていく。触れられるたびにおぞましい感覚が全身に走る。
「誰からいく?」
「まずは服を脱がしてからだろう」
「記録は?」
「俺達の顔が映らないようにな」
「やめて、はなして」
服に手がかかり、開かれた前から手が滑り込んだとき、とうとうたまらなくなってリインは身をよじる。
嫌だ、触られたくない。こんな、こんな男達に。
「何言ってるの? みんなで気持ちよくなろうねってしているだけだろ」
「そうそう、柔らかいな。手に吸い付いてくるみたいだ」
上をはだけられ、下も脱がされかかって下着が見えている。
誰かの笑い声、唾を飲む音、いやらしく這い回る手、ベルトをはずす音。
嫌だ、と思った。脳裏に浮かんだのは一人の顔で、それに無意識に助けを求めている。
ここで別の男達に襲われる。それをレナードは赦さないだろう。こいつらもただではすまないはずだ。
かつて同僚を死地に等しい場所に送ったレナードなら、それ以上の苦境に立たせることなど平気でやるだろう。
だが、汚れた自分は? 見捨てられるだろう。そんな自分など価値があるはずもない。
他人に汚されたおもちゃをレナードは拾わない。女性には不自由しないのだから、また新しい女性と関係を結ぶだけ。
「い、や、嫌ああっ」
ここにはいない、憎いはずの相手に助けを求めて抵抗するなんて馬鹿みたいだ。
でも、レナード以外に触られたくない。レナード以外に許したくない。
嫌っていたはずなのに、見捨てられるかもしれないことに恐怖を感じるなんて、どうかしている。
混乱に襲われながらリインは押さえつけられてはいても少しは動く手足で、抵抗しようともがく。
無駄なあがきとどこかで諦めを感じながら、
「お楽しみか?」
だからかけられたのんびりとした声には、リインのみならず男達もぎょっとした。
閉じたはずのコンテナの扉が開けられて、背の高いシルエットが見える。
返事がないのも気にする様子はなく、その影は近づいてきた。
明かりに照らされた顔は無精ひげがはえ、ラフに軍服を着崩した――。
「カルロス、曹長……」
男の口から呼ばれて曹長は眉をしかめる。
「そこは可愛い子ちゃんから呼ばれたかったぜ。ところで、これは合意の上か? なら邪魔して悪いって回れ右するがな」
三人で押さえつけて、一人が記録をしている。
どう見たって合意の上などではありえない。分かった上で白々しく質問する曹長の図太さに、半ば呆気に取られながら
その意図をはかりかねてリインも含めて動きが止まった。
「そ、曹長殿も混ざりますか?」
「俺か? 確かにしばらく女は抱いてはいないがな」
男達が顔を見合わせて共犯者めいた作り笑いを浮かべた。ここで曹長を引き入れられたら秘密は守られるし、安心してことに及べる。
四人の相手が五人に増えただけ。ただし順番は変動するかもしれない。
当事者なのに妙に醒めた計算をして、リインは曹長を見つめる。
曹長はリインの側に膝をついて頬を手で撫でた。
視線が胸に落ちる。
次に来るのは曹長の唇か、下着を外す手だろうかと、リインは唇を噛み締めぎゅっと目を閉じた。
そこに少し、かすれたような声が聞こえた。
「非常に魅力的な誘いだが、悪いな」
頭上で、何かひしゃげた音がした。同時に手の拘束が緩む。悲鳴と苦鳴、膝やこぶしが体にめり込む音が聞こえ、ぐしゃっと機械の
壊れる音まで続いた。リインの目に映ったのは的確に男達をのしていく曹長の姿だった。
そこにのほほんとした雰囲気は微塵もなく、目が笑っていない。無表情に、淡々と、相手にダメージを与えている。
四人がコンテナの床にはいずり、沈むまでさほど時間はかからなかった。
「お嬢ちゃん、無事か?」
問われても返事ができない。ちょっと困ったように曹長はリインのボタンをはめていく。
手を伸ばされた瞬間、すくんでしまったリインを怖がらせないようにゆっくりとした仕草で、曹長はリインを抱き起こした。
「どうして、曹長がここに?」
「ん? ああ、お嬢ちゃん、ここに来るって記載していただろ。それを確認して来たわけだ。まさかのこのこ顔を出しているとは
思わなかったが。忠告したのにこれか?」
呆れたように言われて、身の置き所がない。
「でも。何故、私の動向をチェックするんですか?」
曹長はぽり、と顎をかいた。少しの間黙り込んで、ちょっと嫌そうに答える。
「親父に頼まれたんだ。お嬢ちゃんを見守って、何かあれば対処しろって」
親父? リインが首をかしげたのに曹長は一層気まずい表情になる。
自分の父親といえば、退役して久しい。曹長と直接の繋がりがあったかも疑わしい。
「親父っていってもJ・Aのことじゃない。あんたの旦那の閣下からの命令だ。親父っていう年じゃないが、こんなところで兄貴って
言ったら別の意味で危ないしな」
レナードのことが出されて、リインは顔が強張るのを感じた。
曹長にレナードが監視と護衛を命令していたということなのだろうか。
「お嬢ちゃんの名前は聞いていなかったんだ。親父はひよっこの中の白鳥だからすぐ分かるってだけ。確かに一目見ればすぐに分かった。
親父から受けたのはお嬢ちゃんが憂いなく任務を全うするようにサポートしろってことだったんだが。こう言われた。
目で追う奴はほっておけ。
ちょっかいをかける奴は引き下がらせろ。
手を出す奴はそれなりに。
傷つける奴は好きにしろってな。
だから――好きにさせてもらった。こいつらどうする? 突き出せば軍法会議もんだが。とりあえず当分使い物にならないように
大事な部分は全身全霊かけて踏ませてもらったがな」
それで皆、体をかがめて気絶しているのかと妙に納得しながら、自分を襲おうとした男達を観察する。
野放しにすれば次の被害者が出かねない。ただ公にすれば、自分にも火の粉はかかる。
「まあ、こいつらのことは大佐には報告する。内々でも処罰はされるはずだ。二度と女を、集団で襲おうとする気が起こらないように
俺か大佐か親父も関わるかもしれないな」
なら、この男達の行く末はある程度見える。間違ってもこの先よいことはなさそうだ。
口をつぐんだために次の犠牲者が出ることさえなければ、内々で済ませてもらえるのなら。
「曹長にお任せします」
「分かった。あんたの名が出ないようには取り計らう。そろそろ戻るか。床は冷たい、お嬢ちゃんには良くないぜ」
支えられて立ち上がり扉へと向かう。足はよろめくが、歩けはする。
「……ありがとうございました。助かりました」
「親父の命令がなくったって、こんなのはいい気分じゃないから止めには入った。礼を言われることじゃない」
「でも」
リインを支えていた曹長は視線を宙にさまよわせた。
それからリインを見下ろす。
「礼をする気があるんなら、いいか?」
柔らかく唇が重ねられた。ひげが当たってちくちくする。レナードとは違う体臭に、ああ別人なんだと思いながらリインは訳が分からず
しばらく曹長――カルロスのなすがままになっていた。
閉じられていた目が開くと、茶色の瞳が笑い含みにすがめられてまた閉じられる。髪の毛を梳いていた手が目蓋に当てられてそっと塞がれる。
「……カ、ルロスそうちょ……」
「名前を呼ばれると、クルな」
掠れた声で呟きがもれてぎゅっと頭が肩口におし当てられた。腰に回された腕も一層力が入って苦しいくらいに抱きしめられている。
「すまん。少しだけこうしていてくれ。今、顔を見るとやばい」
コンテナの間で、しばらくそうして拘束が緩んだ。肩に手が当てられてやんわりと後ろに押しやられる。曹長はぞくりとするような色気を漂わせて、熱のこもった視線をリインに当てる。
「J・Aの娘で、親父の大事な人ってのに興味も引かれたが、深入りはまずいな。消されちまう」
誰に――とは聞かなくても、レナードのことなのだろう。
でも今曹長は変なことを言った。親父、レナードの大事な人とは。大事なおもちゃとか大事な獲物なら分かる。
自分のものに危険が及ばないように、自分だけがいたぶって遊ぶために曹長に命令したのに違いない。
どこまでいってもレナードの手の内かと思うと、その皮肉さはたとえようもない。
「ま、これくらいの役得があってもいいだろう。親父には内緒な」
並んで宿舎への道をたどりながら、曹長が軽い口調で言う。
もとよりリインもいらぬ波風は立てたくない。頷いて同意して共犯者になる。
宿舎が見えたところで曹長と別れる。もう一度礼を言うと、ぽんと頭に手を置かれた。
「親父が骨抜きになったのに納得した。お嬢ちゃん、想われてるな」
「私は、」
宿舎の部屋に戻り心配顔の彼女に別になんでもないからと返事をして、もう一度シャワーを浴びる。
手首に掴まれた痕があるが、消えるだろう。曹長のおかげで最悪の事態は避けられた。シャワー室の壁によりかかりながら、自分の体を撫でる。
「レナード」
自分を絡めとり、支配するその名前を呟き、ぎゅっと目を閉じた。
翌日、リインの姿はいつもと変わらず輸送物資区画にあった。
民間地域に配給予定の物資の仕分けをしているところに、曹長がひょっこりと現れた。
「平気……そうに見えるな。強いな、お嬢ちゃん」
「お早うございます。私はお嬢ちゃんではないですよ」
ダンボールを運びながら、明るい口調の曹長にほっとする。
曹長もにやりと笑い、いつもと変わらぬ様子でいてくれる。軽口をたたきながら、それでも周囲に注意を払う。
そのさりげなさは見習うべきだ。個を見て集団を見る。その視界の広さが曹長を有能たらしめ、危地から静観させる秘訣なのだろう。
リインにはそこまでの技量はまだない。せいぜいが他人の視線に敏感なくらいだ。
それに込められる善意や悪意、欲望を嗅ぎ分けられるがその程度だ。
どれくらいに鍛えれば、曹長やレナードの領域に到達できるのか。先は長くて目標は高みにある。
今のリインにできることは任務を全うすること、評価を次につなげていくことだ。
そう考えながら黙々とダンボールを車両に乗せる。
曹長の姿は消えていた。
三ヶ月予定の任務も完了した。ささやかな送別会を同室の彼女と開いて、リインは眠る。
翌朝、早い時間に起き出してそっと基地内を歩き回る。
感傷かもしれないが初めての任地だ。少尉と階級は付いてはいるが、ひよっこなのを実感させられただけの場所だ。
自分の立ち位置を知るのによかったのかもしれない。
これで本部に戻れば、また訓練の日々が始まる。覚えておこうと埃っぽい、朝晩は冷え込む基地に目をやった。
気配を消して現れた曹長だが、リインには怖くはない。ただその姿には少し驚かされた。
無精ひげがそられ、適当な髪の毛が撫で付けられて着崩している軍服をきっちり着こなしている。
そうすると精悍さが際立って見える。
「どうされたんですか、その姿は」
「俺も本部帰還だ。親父が、通信だけじゃ足りんと直接話を聞くんだと」
なんとも情けなさそうな顔に、レナードへの呆れと同時にカルロスへの同情とおかしさが生じる。
「色々苦労させられますね」
「そう思うんなら、少尉殿が手綱を付けてくれよ。安心させてやってくれ」
「私は、閣下のおもちゃですよ。そんな関係じゃないんです」
「それは思い違いじゃないのか? あれはどう見たって……」
リインはかぶりを振る。手綱を付けられるような立場じゃない。安心させるどころか、レナードは自分になんか愛も情もない。
あるのは所有欲とおもちゃへの興味だ。それだけにすぎない。
「三ヶ月ぶりだ。よく顔を見せてくれ」
ソファに座ったレナードの膝の上でリインは伏せていた目を上げた。
目に入るのは圧倒的な存在感を放つ、端整な顔立ち。それが見透かすようにリインの目を覗き込む。
「無事に帰還できてよかった。任務はどうだった?」
「危険なこともなく、済みました。前線基地はやっぱり面白いです。机上のことがなかなか通用しません」
「それは徐々に経験を積めばいい」
そう言いながらバスローブを着た背中を、大きな手で撫で下ろす。
それだけで疼く思いが湧きあがる。誘われるままにレナードに口付ける。
ぬるりと入ってくる舌を自分のそれと絡めながらリインはきつく目をつぶった。
もう、この視線からは逃げられない。
身に危険が及んだときに浮かんだのが、助けを求めたのが何よりの証拠。
もう自分は絡め取られ、堕ちてしまった。この身勝手な支配者に。
自分のことをおもちゃとしか思っていない、ただゲームをしかけたこの人に。
なのに、他人には、レナード以外には触られたくないと自覚してしまった。
――もう。駄目だ。
でもレナードは自分が陥落したのを知ったら、それに満足してゲームが終わる。
自分で遊んでいるレナードが、ゲームの駒が本気になったと知ったら興ざめになるだろう。
馬鹿な自分。
「私を、好きか?」
指だけで痴態をさらし、レナードの膝の上で絶頂に達したリインの腰を手で持ち、猛った陰茎を沈ませて馴染ませる。
リインはレナードのものが中をこする感覚に身を震わせる。
レナードに堕ちたと自覚してから受ける刺激は、三ヶ月会っていなかったのを差し引いても強烈だ。
どこを触られても粟立つほどの嬉しさと快感が走る。
喉に押し当てられる熱い唇も、胸をもみしだいて先端をつまむ指も、肌を掠める息も、揺らされる感覚も。
「……んぁっ、あぁ、……あな、たなんか、だい、」
嫌い、と続けられるのを不快に思ってレナードはリインの奥を突き上げた。喉をそらし、リインは声にならない。
びくびくと中が波打ち、レナードに絡み付いて搾り取ろうとする。
今日のリインはひどく感じやすく、あげる声が艶めかしい。
久しぶりのせいか、任地で何かあったか。
全身を淡い桜色に染め、瞳を潤ませて眼前に感じる様子を晒すリインに魅入られながら、胸を吸い上げ赤い痕を散らす。
「君は私のものだ」
陰核を指の腹で押し擦ると、ぎゅうっと食いしめるように収縮してリインが全身をひくつかせた。
リインの中に吐き出しながら、きつくリインを抱きしめる。
絶頂の余韻を残しながら、リインの顔が何故か泣きそうに見えた。
以上続く予定
視線の続きだ!
待ってた、GJ & 焦らし過ぎだぜ
続きを超ありがとう!めっちゃいい感じの展開。リイン可愛いしレナードも魅力的。
でもカルロスもいいキャラだな。
待ってたよ〜〜〜。
いい展開だけどこれって最後、ハッピーエンドじゃないんだっけ・・・?
リインに幸せになってもらいたい。
それにしてもレナードはいいね カルロスもいい
GJ!!面白かった
カルロス…暴走してくれねぇかな…
続きありがとうございます!
レナード、あっさり任地に出したと思ったら手回ししていて隙がない!
リインも堕ちたと自覚していいかんじな展開。
「大嫌い」を聞きたくないレナードもじらされている感じでいい!
二人とも好きすぎるのでレナードとリインには幸せになってほしい!
なんかもうツンデレカップルの無理やりプレイ痴話話になってきたなw
だが、そこがいい・・・んだけど。自分もハッピーエンディング希望です。
待ってました!
続きをありがとう。二人の行く末が気になります。ぜひまた書いてください。
視線の人GJ!
リインが良い感じに追い詰められてるな
俺もこんな女と犯りたいw
グッジョブ
続きを首を長くして待ってますw
視線の続き
ありがとう〜!!
リインちゃんの誤解はとけるのかな…
しんぱいです
GJ!!
グッジョブ続きWktk
いつまでGJGJ言ってんだよw
そうそ、同意
つまり妄想しろと?
気になるあの娘に俺のナニをブチ込む妄想をすれば良いのかしら?
まあ、気になるあの娘と言っても2次元だけど
いいんじゃないかな
その妄想形にしちゃいなよ
去年書いたハロウィン小ネタの続きネタができた
せっかくだから投下してく
ハロウィン小ネタ・その翌年
「トリックオアトリートっ!」
「は?」
さあ寄越せ。そう言わんばかりに突き出された手の主に、俺は思わず機嫌の悪い声を出した。
「いきなり何だよ」
「今日はハロウィンでしょっ!だからお菓子!」
去年された事を忘れているのか、この女は何故か俺の所にやってきた。……またも目のやり場に困る仮装をして。
どうやら俺の幼なじみは大分アホらしい。多分栄養が全部乳に行ってる。
「そんなの持ってねえよ」
「じゃあイタズラする!」
「っ……!?」
勢いよく突き飛ばされる。瞬間、腹に乗られて手首をテープでぐるりと巻かれた。
分かりやすい簡易な拘束だが、意外と粘着力がある。
「おい」
睨むと身を強ばらせて固まった。が、退く気はないらしい。
しばしうぅと唸っていたが意を決したらしく、手を後ろに回してベルトのバックルをぐいと掴んだ。
「おいウィン、何して……」
「イタズラ!」
覚束ない手つきでベルトを外し、そのまま手を突っ込んで人のものをさすり始めた。
わざわざこっちを見続けているのは、多分何も手出し出来ないように見張っているのだろう。
正直大した刺激ではないのだが、いかんせん目の前で好きな女が少々過激な格好をしていたらどうにも反応してしまう。
情けない話だが、あっという間にガチガチになってしまった。
「ねえジャック。気持ちいい……?」
不安げに見つめるウィンを黙殺していると、余計に落ち込んだような顔をする。
どうやら自分のそういう顔が嗜虐心を煽る事には全く気付いていないらしかった。
「やっぱり、気持ち良くない?」
「…………」
しゅんとうなだれるウィンを少し面白がっていると、急に腰を浮かせた。
動かしていた手を離すと自分の下腹部に当て、下着をずらして先走りが漏れているそれをあてがう。
「おいウィン!」
「ねえジャック。男の子はこっちのほうが気持ちいいんだよね?」
くに、と陰唇が緩い刺激を与える。まだ膣内に入っていなくとも、敏感な場所に柔く触れる感触に思わずピクリと脈打った。
昨年心行くまで堪能した女の味。それが乱れたウィンの痴態と共にフラッシュバックする。
「ウィ……」
「いれる、よ?……ーーーーっ!」
ぐっと、腰が沈む。
「…………」
「…………」
「…………いたい。入んない……」
「たりめーだアホ女」
そもそも濡れているかも怪しかった。
続き
「あ、アホじゃないもん!」
「アホはみんなそういう言うんだよアホ」
「ひどいぃ……ジャックのばかあ……」
痛いからなのか何なのか、ウィンは人の脚に座りながら涙目になっている。
何で俺が被害者なのに泣かれなきゃいけないんだ、とジャックは面倒くさそうに溜め息を漏らした。
「ったく、お前は本当に……」
軽く反動をつけて上体を起こし、固定されたままの腕をウィンの首にかける。
呆気に取られている間に顔を近付けると、ウィンは蛇に睨まれた蛙状態になっていた。
「さっさとこれ解け。そしたら許してやる」
少しトーンの落ちた脅すようなジャックの言葉にウィンはたじろいだが、首を縦には振らなかった。
「や、やだっ!」
「そーかそーか。じゃあ許さねえわ」
ブチッと裂くような音ののち、ウィンは横にコロンと転がった。
起き上がるどころか寝返りすら打てないよう、ウィンの肩は自由になったジャックの腕に押さえ付けられていた。
「うそっ……なんでなんでぇ!?」
「あんな程度のが外せねえわけないだろアホ女」
計画的ではあったがいかんせん拘束が弱かったようだ。すっかり形成が逆転している。
「さーて、かわいいウィンちゃんはこのオトシマエをどうやってつけてくれるんだ?」
「あの、えと……ゴメンナサイ」
「許さねえっつっただろアホ女」
ううっと押し黙るウィンを、ジャックは黙って見下ろす。
今にも泣き出しそうな彼女をもう少しイジメてやろうと、ジャックはあの言葉を口にする事にした。
「トリックオアトリート」
「へ?」
「今日はハロウィンだからな。せっかくだからお菓子をくれるなら見逃してやる」
「えっと……持ってない……デス」
「だろうな。じゃあ交渉決裂だ」
「ちょっと、ジャック待って……やだやだ心の準備がああああああああ!!」
イタズラ返しは結局失敗に終わり、来年こそは!とウィンは固く誓った。
好きだと言わせるまで何年でも続けてやると拳を握っていることを、ジャックはまだ知らない。
以上小ネタの小ネタ。
本番も書きたかったけどハロウィン終わりそうで無理でした
>>460-461 GJ!密かに今年も来るかと楽しみにしてたらマジだったw
ウィンウィンかわいいよウィンウィン
GJ!
こういう季節ネタはいいね
ハロウィンネタいいねいいね
GJ
相変わらず可愛いなぁ
っていうか自分もこのスレで一年以上過ごしてるのかと思うと感慨深いw
>>460-461 GJ
可愛いなハァハァ
ハロウィンとかこういう季節、行事小ネタは大好きw
いろんなスレ見てきてるけど
このスレのシチュがやっぱり一番好きだわ
保守
姉とか上司とか教師とか年上だったり立場上だったりする女を愛のあまりレイプしてしまうシチュが好き。
両想いだけど関係上大っぴらに付き合ったりできずもどかしい距離にあったところ、女に縁談が持ち上がったり栄転の話が入ったりして不安に駈られた男が…とか。
女が置いていったりしない、好きなのはあなただけと泣いても無言で腰を打ち付けて、妊娠するまで犯し続けるとか
自分は逆に後輩とか使用人とか生徒とか年下だったり立場上弱い女の子を愛するがゆえにレイプしてしまうシチュが好きだ
両想いだけど劣等感や思い込みのせいで素直になれず刺々しい態度をとってしまったり、それでも献身的に尽くそうとする女の子に内心じゃ馬鹿にしているんだろうとかどうせ金目当てなんだろとか逆ギレして
そんなことない、本当に好きなのお願い信じてと泣く女の子に罵詈雑言を浴びせながら腰を打ち付けて、心が壊れるまで犯し続けるとか
お互い好きなのにベクトルが噛み合わないためにすれ違ってしまうシチュが好きだ
>>469も
>>471も良いな
目上の女を手籠めにしたり
自分より立場したの女を手籠めにしたり
>>471みたい展開だと確かに男が卑屈だと良いかもね
女の子の心を壊しても結果的に見も心も手に入れる暗い勝利ENDとか
ハッピーENDも大好きだがw
後、女の子に横恋慕するイケメンで性格良い男が居たら勝った感が強くなって良いw
最近二重人格の妄想してるんだけどジギルとハイドで例えた場合
ジギルが好きな女をハイドがレイプしたら愛故になるんかな?
475 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/20(日) 21:24:19.63 ID:KW4V9Xf3
>>474 どっちかと言うとNTRに近いような気が…
個人的には大歓迎だけど
映画ジキル&ハイドがマジそんな感じだ。
本番まで及んでいないのが惜しいところ。
メイド物なので是非誰か書いてくれ。
ピピッピピッピピッ
「何度だった?」
「んー…38度…と5分」
「インフルエンザか?帰って病院行けよ」
「ダメだよ…今日はこれから生徒会で大事な会議が…」
「やめろ、そんなに人にうつしたいか
迷惑だからとっとと帰れ」
「マスクして、あんまり人に近づかないようにするもん…」
「歩くのもフラフラするような状態で出席したって何もできないだろが」
「へーきへーき…少なくとも、アンタよりはマシな仕事できるよ…」
ブチッ
「そんなに言うなら思いっきり汗かかせて熱下げるのに協力してやる」
「…は?」
「保健の先生休みだし、そこにベッドもあるし」
「え?ちょっと…まさか…!」
(中略)
「あれ?文化部長は?」
「熱出して保健室で寝てる」
「えー大丈夫かなぁ、早く帰った方がいいんじゃない?」
「しばらくは足腰…いや、普通に立てない状態だろうから寝かしとく
俺あいつの代理な」
「代理って、今日何やるか知ってんの?」
「さぁ?」
「………」
「………」
「…この件は文化部長が復活してから進めるってことで」
皆さま、風邪を引いたら早めに休みましょう
小ネタ失礼しました
478 :
名無しさん@ピンキー:2011/11/22(火) 19:05:21.94 ID:hTbqTo39
>>477 今ちょうど風邪ひいて寝込んでるんだわ
なんというタイミング
とにかくGJ!
次は中略のところを書いて下さるんですよね待ってます
>>477 38度5分で無理矢理ヤられるとかつらいwwGJ
正しく肉体的にハードな話ですね
なGJをw
クリスマスの夜と愛故は相性いいのかな
ミニスカサンタと愛故は相性いいのかな
484 :
名無しさん@ピンキー:2011/12/02(金) 02:30:52.11 ID:eZkcp0Hi
クオリティーはともかくとして、
和風オリジナルの話が投下できそうなんだが、要る?
ちょいと言葉責めが多いんだが。
↑ごめんsage忘れた
別スレの保管庫にあったやつが、このスレ好きには堪らなかったわ
変化球だったけど
488 :
484の奴です:2011/12/02(金) 09:15:11.04 ID:eZkcp0Hi
和風モノを書いてたんだがデータが消えた。すまん…!
お詫びに
>>469様のご意見を取り入れて即席で弟×姉モノ書いてみた
2・3回に分けて投下しようと思うが、初回は導入部
ながったらしい上にエロまだない。ごめん
文章とかムリだったら各自スルースキルを発揮してくれ
※以下、分かりやすくするため店員Aの名前で投稿するのでよろしくです
489 :
店員A:2011/12/02(金) 09:18:37.86 ID:eZkcp0Hi
佳乃はフツメンな俺とは似ても似つかないが、正真正銘、俺の姉である。
文武両道、品行方正、おまけに容姿端麗ときた。
だが実は佳乃は俺とは半分しか血が繋がっておらず、いわゆる腹違いと言うやつ。
うちの家は由緒正しきなんとか流だかの看板を持つ本家で、家元である父親は好き放題。そしてありきたりに弟子だった佳乃の母を無理矢理手篭めにした、と。
けれど佳乃が12歳、俺が8歳のときにシングルマザーの道を歩んでいた佳乃の母が病死してしまったのを機に、うちに引き取られたのだ。
当然ながら、継子物語のように俺の母親は佳乃のことを疎んでいる。
父はだらしない人間ではあるが、それでも家元として才能はあり、俺の凡庸さ加減をずばり見切って「お前はもう稽古はしないでいい」と言い放った。
しかし佳乃の才能はここでも光り、父は佳乃を家元にすることをすぐに決め込んだのだ。
妻である自分の子よりも、どこの馬の骨とも知れない女との間にできた子のほうが優れているなんて、まあ確かに母親としての矜持はズタズタだろう。
そして肝心な俺と佳乃の関係だけれど、俺らの仲はとても良い。
初めて会ったとき、中学に入学したての佳乃はセーラー服を着ていた。きれいな子だな、と思った。もしかしたら、そのとき俺は一目ぼれでもしたのかもしれないが。
その頃特別な才能がなくても唯一の跡継ぎとして厳しくされてきた俺は、一緒に暮らして佳乃の優しさに触れて、それでまた佳乃が好きになった。
けれど時間が経つにつれ、佳乃と俺の出来の差がわかり始めると、確かに劣等感を抱いたりもした。
あなたは私の子なんだから、あの女の産んだ子よりも出来る筈でしょうとか、そんなことを母親に言われたりもした。
しかし、次期家元を佳乃にすると父が決め込んだ次点で、俺はその期待や重圧から開放された。それは幼いながらにも、憑き物が落ちたようだった。
俺は才能がないとは言わないが、家元の座なんて大それたものは分不相応だ。
おかげで稽古稽古に縛られていた俺の生活は緩やかになり、好きなことを好きなだけでき、
次期家元としてじゃなく、ちゃんと息子として俺を見てくれるようになった父との仲も良好になっていった。
しかし逆に、佳乃は俺の代わりに家に縛られていった。
出来すぎると言うのも困り者で、父も母も、佳乃が通知表で全項目オール最高評価を取ろうとも特別褒めることはない。半ば当然だと思ってる。
学校が終わり放課後になっても、友人と遊ぶこともできずに家に帰り、稽古尽くめの日々を送ってる。
何をさせても完璧だと言われる佳乃だが、俺は佳乃が努力しているのを知っていたぶんだけに、俺の代わりにこの家を背負わせることに罪悪感めいたものを抱いている。
加えて母は佳乃につらく当たるし、俺が15を越してからは母の弟子や取り巻き連中が佳乃を邪険にしている節がある。
取り巻き連中は大方、俺が家元になれば自分や自分の娘を家元夫人にできると思って画策してたんだろう。
なのに佳乃が19のとき、公式に次期家元だと発表されたから面白くないに違いないのだ。全く欲まみれである。
……そう、佳乃はこの家に来てから肩身の狭い思いばかりをしていた。
お手つきになった弟子の娘だと揶揄されて、できて当然と評価されて、自由にできる時間なんてほとんどない。
厳しくされてきて硬く心を閉ざしていた俺に、微笑みながらやさしく手を差し伸べてくれたその暖かさ。それは今でも変わらなかった。
苦笑しながらも、苦しいと言う表情を見せたことは一度もなかった。
そんな佳乃に対して俺が姉弟間で抱いてはならない禁忌の感情を抱きだしたのは、もう随分と前のことになる。
>>488-489 GJ
続き気になる
姉の弟に対する気持ちとか
今の段階じゃ弟に犯されても黙って耐えそうでフヒヒヒって感じだw
491 :
店員A:2011/12/03(土) 04:34:57.47 ID:jDxR1WtJ
前回文字数制限にひっかかったので今回も導入部続き
本当に長ったらしくてごめん
このままだとエロパートは4〜5回分割になるかもだ
>>490 ありがとう!期待せず生暖かく見守ってやってくれ
−−−−−−−
そして驚くことに、佳乃も俺が好きだった。
まあ、当然といえば当然か。
なにせ周りは敵だらけで肩身の狭い中、俺だけが純粋に自分に懐いてくれるんだから。
加えて、私的な時間を作ることのできない佳乃はそこまで深い仲の友人を作ることもできなかっただろう。
だから、佳乃のなかでは俺が一番大切な存在だ。自惚れてもいい。
そしてそのまま、俺は佳乃に自分が佳乃のことを異性として好きだということを告げた。
周りに味方のいない、気弱なところもある佳乃が、俺を決して邪険にするはずがないって打算も含みつつ。
果たして、俺と佳乃は禁断の関係ながらも想いを通じ合わせることができたのだった。
(まあそれこそ、片手で数えて足りる程度のキスどまりだが)
絶対に結ばれることなんて分かっていたが、ずっと佳乃と一緒にいれると思っていた。幸せになれると思っていた。
嗚呼、本当に俺は馬鹿みたい、だ。
今年で22になった佳乃が、次期家元として婿養子を娶ることになった。
それを聞いたとき、俺はただ自分を嗤った。
いつかはこうなるって分かっていたはずなのに、ちっともそれが許せなかったからだ。
佳乃を他の男に渡すことを受け入れられる程寛大でもないくせに、割り切ろうと足掻いて、見苦しく執着し、恋慕し、求めてしまう。
割り切る事なんて、できはしないのに。
佳乃が好きなのは俺だと、分かっているのに。
心があるだけじゃあ満足できずに、佳乃のすべてを自分のものにしたいと思ってしまう。
馬鹿みたいだ。本当に、馬鹿みたいだ。
俺は平凡なんかじゃない、いっとう愚かな奴だ。
佳乃が好きな筈なのに、佳乃の嫌がることなんかやりたくないのに、それでも俺は、
「……佳乃、」
「ん、どうしたの?」
俺は今からお前を壊す。心も体も、俺がお前と今まで築いてきた関係も。
許して貰おうとも思わないし、ずっとこのまま許してくれなくっていい。
けれどただひとつ、これだけは譲れない。
俺は、お前が好きなんだ。
投下するのはいいが
最低でも
>>1読むかマナー守って投下しないと
折角の投下が台なしだぜ?
例えばドMの女の子がいて、その子を好きな男が頑張ってSっぽく振る舞ううちにスイッチはいっちゃって
怯えて本気で嫌がる女の子を無理矢理…ってのは愛ゆえの範疇に入るかな?
てす
>>491 GJ
だけど確かに投下終了はレスした方が良いかも
後、規制も複数レスに分割すれば大丈夫じゃない?
10レス以内なら極端に厳しい連投規制もないかと
続きは気になる
>>493 別に問題ないじゃないw
ふと思ったんだが、拘束された男の前で彼女が襲われるってパターンで
襲った男がヘタ過ぎて、見てる彼氏がイライラし出すってのはどういうカテなんだろう?w
「あー、そいつが感じるのはそこじゃないんだよ!このヘタクソ!!」みたいなw
497 :
店員A:2011/12/04(日) 02:43:44.43 ID:sps6h4YK
>>492 末尾に「終」「続」とか忘れたことだろうか
他に何か至らない所があったら遠慮なく言ってくれ
>>495 ありがとう。そしてアドバイス感謝だ
以降、至らないことはあるかもだけど気をつけてみるわ
と言うわけで以下から本編(エロパート)
書き溜めはしてあるから、できるだけ早く投下できるように頑張る
498 :
店員A:2011/12/04(日) 02:47:08.73 ID:sps6h4YK
掴みあげた佳乃の手は、驚くほどに華奢だった。
それに佳乃の瞳が見開かれ、動揺が広がっていくのが分かる。けれど、抵抗する隙は与えない。
体格差を利用して佳乃を押し倒し、帯締めの紐を解くと、それで手首を拘束する。
俺の暴挙に、こんなことなんか予想もしていなかっただろう佳乃は戸惑いながらしきりに俺の名を呼ぶ。
可哀相に、細い肩も澄んだ声も小さく震えていた。
「っ、やめて…!どうしてこんな…!」
俺は、佳乃の着ている着物の袷に手をかけると、そのまま一気に開け広げ、胸を外気に晒してしまう。
佳乃は小さく悲鳴を上げ逃げようとするものの、ろくに抵抗もできない。
佳乃が身じろいだ拍子にふるふると揺れる、真白い乳房が艶かしかった。
それに、誘われるようにして吸い付いた。
「っはぁ……佳乃、佳乃、佳乃っ…!」
「ひっ、あぁっ…や、やだ…やだ…ぁ」
怯えるように震える佳乃の声。けれど、構わずに佳乃の胸を嬲る。
桜色の突起を食み、舌先で尖った先端を嘗め回して、吸い上げた。
もう一方の胸は、手でたぷたぷと柔らかい触感を楽しむようにして揉みあげてやる。
「だ、だめ…っ!こんなの、駄目なのにっ……ん、ん――ッ!?」
講義の声を聞きたくなくて、俺は胸から唇を離して、そのまま佳乃の唇を奪った。
逃げる舌を絡め取り、蹂躙するかのごとく深く深く口付ける。
ただひたすらに新たな酸素を求めて、佳乃の胸が何度も上下する。
その間も手による愛撫は続けられていたために、口内でぐもったその声はどうしようもなく甘い響きを纏っていた。
そして漸く唇を離したときには、浅い呼吸のままの佳乃の瞳は茫然としつつ、とろりと溶けていた。
俺はその間に、佳乃の着物の裾を暴いた。
すらりとした白い足が剥き出しになり、思わず喉を鳴らしてしまう。それに佳乃が我に返る。
「あ……お願い、それ、だめっ…それだけは、だめ」
「やめられるはずがないだろ…っ!」
佳乃が華奢な体を恐怖に震わせて抵抗を試みるが、俺はそれを許さない。
いやいやと首を振って嫌がる佳乃の足を持ち上げて開かせて、着物を完全に肌蹴させる。
佳乃は最早、ぽろぽろと泣いていた。けれどそんな涙では止まれないところまで、俺は来てしまっている。
佳乃の泣き顔を見ても昂りがおさまらない。むしろ高まって高まって、ハイエンド。
俺は佳乃の太腿に手を這わせた。微かな湿り気はあるが、濡れているという表現にはまだ遠い。
俺が指を割れ目に沿って這わせると、佳乃の体がビクリと揺れて強張った。
【続く!】
499 :
店員A:2011/12/04(日) 02:47:44.99 ID:sps6h4YK
「っ…あ……!やだ…ぁ、っ、ひぁ、んっ……」
奥へと通じるそこに無理矢理にでも指を入れようとすれば、佳乃が足を閉じて拒むような仕草をした。
それがもどかしかった。今すぐ佳乃の中で暴れたい。佳乃の中を俺の精液で穢したい。
もう、誰のものにもなれないくらい確かな所有の証が刻みたかった。
俺はゆるゆると上下に秘裂をなぞりあげていた指を一本、たっぷりと唾液を絡めた上で中へと挿し込んだ。
「ひっ…!?いや…ぁ、んん…っ!」
ずぶずぶと埋まっていく指の質量に、涙をぼろぼろと流しだす佳乃。
異物感でいっぱいなのだろうが、俺は時折偶然を装って内壁に軽く爪を立てたり、陰核を弾いたりする。
すると動かすたびにくちゅくちゅと淫蕩な音がしてきて、それがどうしようもなく俺の雄を煽り立てた。
狭くて、とろけそうに熱い佳乃の中。ここに自分のものを入れたら、どれだけ気持ちがいいんだろうか。
それを想像してみると、ずぐりと下肢が凶悪に疼きだす。
「実の弟に襲われて、初めてなのに濡らすなんて、佳乃は淫乱なんだな」
「いやぁ…っ!ふ、あぁ、んんっ……ち、違う…っ、そんなこと…!!」
「佳乃は、誰でもいいんだろ」
「!! 違っ、ちがう……私、は、」
悲鳴にも似た佳乃の嬌声が響く。艶やかな、いつもは聞けないような甘い声。
はぁはぁと息も絶え絶えに顔を紅く染めて涙を流して、清楚な顔が情欲に染まる様がもっと見たい。
「ああ、そうか。佳乃はあの婚約者になった奴にこういうことをされたいのか」
佳乃は、首を振って違う違うとうわごとのようにして繰り返した。
俺の名前をしきりに呼んで、俺の袖をぎゅっと掴んで、本当に好きなのは俺なんだと必死に伝えてくる。
そんなことは、わかってる。でももう止めることなんて、できないのだ。
俺はぐちゅぐちゅとわざと大きな音を立てて佳乃の中を掻き乱す。
指を増やして、バラバラに動かして、そして内壁を擦りあげた。親指で陰核をねぶるのも忘れない。
「ゃぁっ…!ひぅ、あぁっ…ぬ、抜い…抜いてっ!それ、も、やだぁっ…!」
「そうか、もっと動かして増やして欲しいか」
「ッ…あ、ぁっ!やだっ、そ、なっ……んっ、ぁ、あぁっ――!」
陰核を優しくこねれば佳乃の太腿が震えて、きゅうっと膣内の締めつけが強くなる。
佳乃は、絶頂後特有の余韻にぼうっと惚けていた。それが始めて得た快楽になら、尚更だろう。
ちゃんと着ていたはずの着物は肩や胸をさらし、肘くらいのところに引っかかっているだけの有様。
肌蹴られた裾からのぞく陶器のように白い太腿には、恥蜜が伝っている。
それにごくりと生唾を呑み―――そして、ズボンのベルトに手をかけた。
既に俺のそれは今までにないくらいに大きく硬く膨れ上がり、先端に先走りを滲ませていた。
「………っ、」
佳乃は、抵抗しなかった。涙を流して体を震わせながら俺の名を呼ぶ。
もしかしたら、俺が正気に帰って止めてくれるかもしれないとでも思っているのかもしれなかった。
【続く!】
500 :
店員A:2011/12/04(日) 05:01:28.22 ID:sps6h4YK
「あっ、ぁあっ!ひ…やぁっ!っぅ……す、擦らないで…!」
男性器を焦らすように秘裂へ擦りつけてみれば、佳乃は泣きそうな声を出した。
俺は佳乃にとっては凶器としか言い様の無いであろうそれを、蜜壷の入り口へと宛がう。
佳乃が、耐え切れないとばかりに瞼を閉じる。てのひらをぎゅっと握りしめる。
「佳乃ッ……!」
猛った先端を佳乃の中に埋めた。
指とは比べ物にならないほどの異物感に拒否を示す佳乃の体を押さえつけ、無理矢理に腰を進める。
そして途中、何か抵抗を感じた。そして、結合部からじんわりと滲んでいくのは赤色のそれ。
破瓜。佳乃の、処女喪失だ。
「っ…やだッ、い、痛ッ……痛いよ、お願い、抜いて、ぇ…!」
佳乃は初めてで、他の誰でもない俺が佳乃の初めての相手になった。
それが途方も無く、うれしかった。
俺は佳乃の嗚咽を聞きながら腰を動かす。狭く、そして暖かいそこを拓くのはとても気持ちがいい。
ゾクリと、背筋がざわめくほどに深くて熱い佳乃の膣内は病み付きになりそうだ。
最奥まで穿てば、きゅうっと強く締めつけられて吐精感を強烈に煽られる。だが我慢の必要はない。
「佳乃、出すぞ…っ!」
「え、ぁ、ぁあっ…!?ひっ、ぁあ……や、おねがい、やだぁ…っ!」
白濁を佳乃の最奥に一気に吐きだす。汚す。
佳乃の子宮に届くようにぐりぐりと腰を擦り付けて、俺の子種でいっぱいにした。
佳乃は呆然と泣いていたが、俺が未だ萎えないそれを動かし始めると、目を見開いて、怯えるように俺を見た。
頑是無い幼子のようにいやいやと首を振る佳乃に対して、あやすようにして佳乃の額に口付ける。
俺が緩慢な挿送をしつつ、佳乃の胸の突起を指の腹で軽くさすりあげれば、佳乃の腰はびくりと跳ねた。
「あ、あ…!はぁっ…や、やぁっ…ん、ん…!」
「自分から腰を揺らすなんてはしたないな、姉さんは。やっぱり淫乱なんじゃないか?」
押しつぶしたり、こね回したり、摘み上げたまま先端を摩ったりしていると、
快楽を得たことで破瓜の痛みが随分と軽減されたらしい。
無自覚だろうが本能的に腰を揺らし始めたことで、自分で与えた刺激に腰をビクつかせながら体を震わせていた。
故意に、姉さんなんて親の前以外ではもう何年も使っていない言葉で揶揄すれば、佳乃はさっと顔を赤く染めた。
「ひぅっ…ん、ぁ…ごめんなさ……わ、たし…姉さんなんて、言わないでっ…」
俺は、その感情を抑えることに必死だった。佳乃の泣き顔を見ると、まだだ、もっとと言う熱が起こる。
まだ、もっと、愛しい女を泣かせて、虐めて、おかしくさせてやりたい、と。
自分なしでは生きられないくらいにどろどろに甘やかして、ぐちゃぐちゃに泣かせてみたい、と。
その衝動のまま、俺はまた佳乃に腰を打ちつけた。
【続く!】
501 :
店員A:2011/12/04(日) 05:07:08.05 ID:sps6h4YK
幾度、俺は佳乃のなかに欲望を吐き出しただろう。
「ひぁ、あっ…だ、だめ…そんな…やあっ……なか、いっぱい…」
飽和した快楽に、びくりと跳ねる佳乃の体。逃げようとしても俺は許さない。
細い腰をぐっと掴んで、更に深く繋げる。それに嗚咽にも似た嬌声があがり、佳乃の手が俺の服を握り締めた。
体を快楽に震わせて、ぼろぼろと涙を流す藤乃に支配欲がひどく満たされる。
それに口許をゆるめて、陰核を指先でこね回す。ぬるつく愛液を掬いあげて塗りつけて、摘むように。
「あ、あぁ……いや、もう出さないで…っ、ひぁ、ぅう、」
俺の絶頂が近いと感じ取ったのか、佳乃は怯え幾度目とも知れない哀願をする。
そしてそれを、俺が聞くことは無い。もう何も届かない。もう何も変わらない。
「!! いやっ…!も、やめて…っ…そ、なっ……妊娠…しちゃ…ぁあっ!」
「っ……ははっ…孕めよ、佳乃。それか、壊れちまえ」
本当に、孕んでしまえばいいと思った。
それかこのまま心も体も壊れてしまえば、ほの暗い方法ではあるが佳乃は俺のもので居続ける。
好きなのに、大切なのに、優しくしたいのに、なぜ俺は佳乃に酷いことばかりしてしまうんだろう。
どうしようもない歯がゆさに唇をかみ締めながら、ただただ俺は無言で佳乃に腰を打ちつけた。
「わたしがすきなのは、あなただけなのに。だれのものにも、ならないのに」
「だから、泣かないで」
酷いことをされて泣いているのは佳乃のほうなのに、佳乃は俺にそう言った。
俺は、その言葉を思い出しながらゆっくりと目を瞑る。
そして、腕のなかで気を失ってしまった佳乃の体を抱きしめた。
俺も佳乃も、好きになってはいけない人間がこの世にいるなんて、知らなかったんだ。
【終わり!】
折角の良ネタなのに、なんだか微妙な終わりになってすまん…!
>>496 ヘタ過ぎてをヘタレ過ぎてに空目してうっかり萌えそうになった
愛故に乱暴なことはできない!みたいな
彼氏が先生になって3Pとかどうでしょう?
>>497 ここで訊くより忍法帖のwikiや書き手スレのまとめなどご覧になったほうが宜しいかと
>>501 GJ!!
シチュエーションや情景がはげしく好みだった!!
佳乃ちゃんかわいいです。
優等生が泣くのって最高にそそられるよね・・・・。
>>497-501 GJ
佳乃可愛い
後、末尾は最後のレスにだけ終わりなり続くなり完結なりを書くだけで十分かとw
1レス毎に続くは要らんかと
入れるなら名前欄に1/10〜10/10みたいな感じのが見やすいかも?
投下乙
佳乃ちゃんかわいいよ佳乃ちゃんハァハァ
このあと政略結婚しても孕むのは
主人公の子だけとかなんだろうなと思うだけで胸熱
そして婚約者もこんな可愛い子好きにならずには居られなくて
愛故しちゃってドロドロになればいいと思うよw
前から気になってたんだけど、男ヤンデレと愛故男の違いって何だろう?
発想が貧困なので男が病まないで愛するが故にレイプしてしまう状況が思いつかない…
教えてエロイ人
相思相愛で付き合っている恋人
でも古風な彼女にでックスはまだしたことないし怖いのって拒否られてて
男の方もそうだよね、大事にしたいし、結婚するまでと我慢してたけど
なんかある日暴走しちゃって、とかだと男の精神が健全のままいけるじゃないっすか。
暴走のきっかけが嫉妬じゃなく、酔ったはずみでとか好き過ぎてもう我慢できんとか
ヤンデレは病んでないといけないが
愛故は病んでなくてもいいとしか言いようがないw
ヤンデレは愛がなくても可能
個人の性格がヤンデレ
愛故は対象がいないと成り立たない
愛することで病んでいくのがヤンデレ
愛は必須だと思う
反面ヤンデレは無理やりじゃなくても可能
無理矢理強姦するのにヤンデレである必要性はないし
ヤンデレだからと無理矢理強姦する訳でないからなw
まあ、男のヤンデレに犯される女は良いと思うが
テスト
視線の続き
レナードは書類に目を落としたままだった。
「で?」
その一言で窓に背を預けて眼下の景色を見下ろしていた人物は肩をすくめる。
「相変わらずいい景色ですね。ここからなら、世界を征服した気にもなりそうだ」
「そんなご大層なものではないが」
カルロス・バルデラス曹長は、かっちりとした軍服をもてあまし気味だ。襟元をぐいと緩めて、一息ついた。
対して机についているレナード・ダグラス少将は、一部の隙もなく軍服を着こなしていてそこに貫禄と自信が滲み出ている。
キラー・カルロスと言われる凄腕でもこの男の前では小僧扱いだ。
「ざっと報告したように、直接的に手を出そうとしたのは四人。その場で痛い目にはあわせて現場責任者には通告済みです。
本人が表ざたになるのを嫌がったので、手を回して引き離して地獄の前線送りってとこです」
「怪我や傷は?」
「押さえ込まれた時の擦過傷程度ですね。大したことはありません」
そこで初めてレナードがカルロスの方を向いた。真っ直ぐな視線は隠そうとするものまで暴くような深いものだ。
カルロスが親父と尊敬とこめて呼ぶ、実力者。
「精神的には?」
ぽり、と顎をかいたカルロスは翌日のリインの様子を思い出した。
よりによって現場のコンテナで平然と仕事をしていた。柔らかくて脆いくせに、強い。
「さすが鬼中佐の娘、とだけ言っておきましょう」
「そうか。ご苦労だった」
しばらくは本部でたまった書類を仕上げるのと同時に、後進の指導に当たれと指示を出してレナードはパソコンを起動させた。
本部勤めかとカルロスはうんざりする。
規則や規律などめんどくさくて仕方が無い。それより戦場や極秘任務で神経も肉体も極限に置く方が性に合っている。
適当に切り上げて早々に退散するに限る、と考えていたカルロスの耳に、レナードの低い声が届いた。
「――彼女は、いい女だろう?」
突然そう言われ、カルロスはタバコにつけようと思っていた火を消した。
ぽろりとタバコが口から落ちそうになるのを何とか留めて、ここ最近では珍しいほど間抜けな顔でレナードを凝視する。
レナードは至極真面目な顔のままだ。
さっきの質問はほぼ断定口調で、異論は認めないという無言の圧力を感じる。
「……ああ、そうですね」
「彼女は私のだ」
――わきまえろ。
この親父が独占欲かと笑いたいのに笑えない。カルロスは返答次第で、前線送りの四人よりも過酷な処分を受けそうな気がした。
リインへ求めたお駄賃がばれているんじゃないかと背筋が凍るが、レナードはそれ以上の追及をするつもりがないらしい。
「聞いてもいいですか?」
「何だ」
タバコは諦めて手近なソファに座り、カルロスはレナードに問いかける。
「親父は、あのお嬢ちゃんをどうするつもりなんですか?」
「どう、とは」
「どんな立場におくつもりなのかと」
独身同士だ、レナードにうるさいことを言う係累はいない。リインの家族にしたって年が離れているのを除けば反対する理由も
見当たらないような、傍目には何の障害もない関係。
軍内の噂ややっかみなど、この上官が気にするとも思えない。
黙殺か、笑い飛ばすか。いずれにしてもレナードに直接言える人物などごく限られているし、その人物は応援まではいかないとしても
事態は静観するに違いない。
「彼女は恋人だ。もう少しそれを楽しんでから、合法的に手にするつもりだが」
「……ならいいんですが。お嬢ちゃんの方もそのつもりなんですか?」
襲われかけた時、レナードの存在を出したらその目は動揺していた。嬉しいというより困惑の感が大きかった。
そして翌日、自分をおもちゃだと言い切ったきっぱりとした口調と醒めた目は、恋する女性のものとは思えなかった。
「さて。私は彼女から嫌われているからな」
嫌われている――それも違うように思えるのだがとカルロスは内心で首をかしげる。
嫌いと言うより自分の立場を明確に線引きしていて、そこにリインの感情は交えられていないような。
「嫌われているのに、結婚ですか?」
「矛盾しているだろう? ただ、お前も彼女を見たはずだ。あの視線には魅入られなかったか?」
矛先が自分に向いてカルロスは詰まる。ひよっこの中の白鳥とレナードは言い、実際にリインの目の力は確かにその通りだ。
唇をこじ開けて舌を入れていたらその場で最後まで奪ったかもしれないと思うくらいに、危うかった。
深入りしないように自制して必死で下半身の熱を冷まして、血迷うな、親父のものだとの範疇に収めたはずだ。
それなのに当のレナードが煽るようなことを言う。
「俺の忠誠心を試そうとするなら無駄ですよ。ひとのものに手を出すほど間抜けじゃない」
「……まあいい。本部では私は動きにくいから、何かあったら助けてやってくれ」
「分かりました。今度、飲みに行きましょう。もちろんおごってもらえるんでしょうね」
「承知した」
話は済んだとばかりに、いささか息苦しい将官の部屋から退散する。
こき、と凝り固まった肩をほぐしながら、今の会話を整理する。
レナードは本気、そしてリインには嫌われていると認識している。リインの本心は不明。レナードには遊ばれていると思っている。
なんでかねえ、とひとりごちる。
「あんなにいい女、俺ならべったべたに甘やかすんだが」
それこそこちらの気持ちをうざったいほどに伝えて、好きだということに疑いを挟む余地もないくらいに。
元々、複雑な思考回路を有して本心を滅多に明らかにしない上官だったが、ことリインに対しては訳が分からない。
まあいい。
「隙があるようならものにしろ。チャンスは自分で引き寄せろ、教えてくれたのは親父、あんただ」
戦場での鉄則だが喜んでそれ以外にも生かさせてもらう。
危険なにおいをさせてカルロスは機嫌よさげに階下に下りる。
死ぬほどつまらない本部のおつとめが少しでも楽しくなるかもしれない、そう思いながら。
リインは目の前のレナードに、どう対応していいか分からずに目を伏せる。
気持ちを自覚してからこっち、レナードと会うのは苦痛でもある。
以前とは異なる意味合いでの苦痛だ。レナードに本気とばれたら捨てられる恐怖と、本心を隠す背徳感、レナードを目の前にすると
見惚れてしまう浅ましさがあいまって、結果不自然な態度になる。
「どうした。まあ、大嫌いな私に触れられていればそんな浮かない顔になるのも仕方ないが」
レナードにそんな風に言われると、違うと叫びたくて泣き出しそうになる。
「ん……好きだ、と言ったら?」
顔を見るのが怖くて、レナードの肩に顔を埋める。穿たれて緩やかに支配される状況に、持っていかれないように背中にすがりつく。
その背中がふいに強張ったように感じられた。
無言で腰を引いたレナードは一気に奥へと突き上げる。
「ひっ、あ、あぁっ」
突然の激しすぎる動きに、悲鳴のような声を上げてしまったリインに構わずにレナードは無言で腰を打ち付ける。
容赦なく内壁を抉り、奥を突き、指で陰核をこね回す。
レナードの目は昏く、表情がない。
足を肩に担ぎ上げられて浮いた腰をつかまれ、容赦なくがつがつと突きこまれレナードからの汗がリインの上に飛び散る。
「は、げしっ、い、あぁああっ」
逃がさないとばかりにずり上がる体を引き戻し、レナードはひたすらにリインを穿つ。
急激に快楽の境界線は越えた。ひときわ高い声を上げてリインは真っ白になった。
体は力を失うのに、びくびくと痙攣をくりかえすそこは別のいきもののようにうごめいている。
ぐるり、と視界が反転した。うつぶせにベッドに押し付けられて、腰が引き寄せられる。
腰だけを高く上げた姿勢で、リインは再び揺さぶられた。
「まって、まだ……っ、やあっ……」
息も整わず、目の前がちかちかする。余韻も残さずにレナードが続けて抱くのはほとんどなく、戸惑うリインに考える時間は与えてくれない。
ぐりぐりとリインの弱いところを擦り上げて乱暴に胸をもみしだく。
手で支えられずに顔がベッドに沈むと、手首を握って後ろに引いて身を起こす。
「んっ、あぁぁっ、」
らしくなく乱暴に穿つレナードから、低い声が発せられた。
「――嘘吐きめ。私の名を呼びもしないのに、好きだと言えば私が喜ぶと思ったのか?」
名前? レナードの名前? 意外な内容にただでさえ回らないリインは混乱した。
それ以上に目の前が暗くなった。
嘘吐き。
好きだと言ったら、どうする? ゲームオーバーだと醒めて捨てる? 飽きて終わる?
死ぬほどの怖さをこらえて、レナードの真意を知りたくて口にした言葉は、嘘吐きの烙印を押されてしまった。
項をベッドに押し付けられて、レナードが覆いかぶさってくる。
リインは声を殺すように、顔を隠すように顔の両脇のシーツを固く握ってベッドに顔を押し付ける。
涙を、レナードに見られたくなかった。
体が重く動かせないリインを残して、レナードは服を着た。
「会議があるから私は行く。ゆっくりしていきなさい」
「……はい」
さらりと髪の毛を梳いてレナードは出て行った。
「レナード」
ドアが閉まるタイミングで呟く。聞こえていないのは承知の上だ。
体は重い。でもそれ以上に胸に穴が開いてしまったように力が入らない。
「名前を呼んでいたら、きっともっと早くに終わったと思うんだ」
初めての任地から戻って二ヶ月というもの、抱かれるたびに辛くなっていった。
抱かれると嬉しい。でも飽きられて捨てられるのが怖くて嫌いだというそぶりを続けていた。
もう限界だと思った。だから、初めて好きだとの言葉を口に出した。
「結果がこれか。嘘吐き、か」
笑いたいのに、笑い飛ばしたいのにできない。
名前を呼べばたがが外れる。好きだと狂ったように伝えてしまうだろう。
今だって一人きりの時にレナードと呼べば、その中にどうしようもない想いをこめてしまうのに。
視線に絡め取られて、無様に堕ちて。挙句嘘吐き呼ばわりか。
「ほんっと、どうしようもない」
自嘲を滲ませてリインは苦い息を吐いた。
そしてリインは程なく同じ言葉を呟く羽目になった。
ぼんやりと生垣でさえぎられたベンチに腰掛ける。二度目にレナードに会った場所だ。
ここで会わなかったらこんなことにはならなかったのか。レナードのことだから、別の手段で結局は絡め取られていたのか。
今となってはどうでもいいことだ、と緑を眺める。
背後に気配がして振り返った。視線の先には――。
「閣下」
行動を読まれて、これは自分が未熟なのか相手が上手なのか分からなくなる。
「どうした?」
その声に考えに考えた決心が鈍りそうになる。自分の立場、周囲の状況、家族への迷惑を思うとどこにも踏み出せない気がする。
ただ時間は待ってはくれない。悩んで動けなくても過ぎていく。
ならば、とリインは向き合う決意をした。
自分を気に入りのおもちゃとして見る、上官に。
レナードは少し前を友人と歩いているリインを見つけた。
いつものように視線を送る。気配に聡くなったリインは視線を感じると肩を引きつらせて振り向くのが常だが、今日はゆっくりと振り返った。
最近は目を伏せることが多かったリインは、この日は珍しく視線を受け止めた。
距離があるのにレナードを認め、少し微笑んだようにも見えた。
錯覚と思い、レナードは目をこらす。リインは友人に話しかけられてそちらを向いて笑みを浮かべた。
自分に向けられた笑顔ではないと自覚し、レナードはリインを観察する。
すんなりした姿態で柔らかい印象をかもし出す、年若い彼女はついぞレナードには久しく見せなかった穏やかな表情を見せている。
それが苛立たしくもあり、それでも目が離せなくてしばらくリインの姿を追い続ける。
普段なら最初の視線を受け止めた後のリインはこちらに関心などないそぶりを見せるが、再び振り向いた。
少し目を細めてじっとレナードを見つめる。
軽く会釈をしてリインは今度こそ振り返らなかった。
そしてリインはレナードの前から消えた。
リインの不在に気付いたのは連絡が取れなくなってからで、官舎は空室になっていた。
親友のアネットも行き先を知らず、適当な理由で実家に連絡を取れば『任務の一環』で不在にすると告げられていた。
なによりレナードの情報網にかからずに消えてしまった。痕跡が全くつかめない。
カルロス・バルデラス曹長に繋ぎを取ると、こちらも本部から特殊任務についたと協力できない旨が告げられる。
レナードは呻く。個人でここまで完璧に隠れることはできない。
かつてリインを脅す材料に使ったアネットは、同僚と結婚するとかで退役手続きを取っていて手出しできない。
――何から何まで周到に計画された消失。権力のある上層部が関与しているのは間違いない。
レナードに思いつくのはただ一人だった。
「彼女の行方を知りませんか?」
単刀直入に切り出せばやっと来たかとばかりに、面白そうな表情になる。
「彼女って?」
「とぼけないで下さい。リイン・アドラーのことです」
「さあ? そんなに慌ててどうしたのか?」
「姿を消しました。仕官学校の奨学金は一括返済されており、完璧に行方をくらませています。あなたが協力したのでは?」
革張りの贅沢なオフィスチェアに背中を預けて、詰め寄られた上将は手を組み合わせる。
その余裕に満ちた態度がレナードを苛立たせた。
「前に忠告したはずだ。あまり彼女を甘く見ない方がいいと」
レナードはうろたえた。確かにそんなことは言われた。だが、リインが自分の手から飛び去るとは考えてもいなかった。
何重にも枷をかけて逃げ出せないようにしていたはずなのに。
上官の言い方ではこの逃亡はリインの意図したものであり、レナードへの意趣返しであることは明白だ。
「あなたが匿っているのですか?」
「さあ?」
語尾を上げているが、からかうものではない。本気で告げる気がない時の物言いだ。
ならば徹底的に調べるまでときびすを返しかけたレナードは、背後からの上官の声に足を止めた。
「一つお節介をするが、きちんと想いを伝え合ったのか?」
「それはどういう……」
「言葉通りだ。ああ、調査しても無駄だ。徒労に終わるだけだから」
部屋を出る際にふざけたことに上将は頑張ってとでも言いたげに、ひらひらと手を振っていた。
こぶしを握り締めることでやり過ごし、レナードは自分の部屋へと戻る。
上将があれでは本気でリインを秘匿したに違いない。行方をかぎつけるのは困難を極めるだろう。
――諦めるか? 否。
浮かんだ気弱な疑問はすぐに否定される。リインを諦めるなどできない。彼女は自分の――。
「想いを伝え合う。彼女の想いなど、私から逃げるくらいなのだから決まっている」
ひどく苦い現実はレナードを打ちのめした。
調査しても無駄、という宣言どおりにリインの行方は杳として知れなかった。
使える部下や専門家も、おそらく上将の残した偽の手がかりに踊らされるばかり。
焦りだけがレナードをさいなんでいた。
リインが姿を消して一年近く。ふと閲覧したインターネットの動画で、その横顔を見出すまでは。
不思議にその顔だけがレナードの視界に飛び込んできた。あたかも最初にリインに一方的に出会った時のように。
一瞬だけだがあれは、あの目は間違いない。
何度も再生し確信を強めたレナードは、動画の情報を検索する。
場所を特定したまった休暇を強引に取り付けてその場所へと向かった。
リインが単なる旅行者である可能性は否定できない。その場所に行ったからといって探し出せるとも思えない。
ただ、ようやく見つけたかすかな光明にすがらざるを得なかった。
飛行機を乗り継ぎ、車を走らせてレナードはようやくその場所に到着した。
動画は広場で大道芸をする様子を記録したものだった。
人手は多く、レナードは周囲に視線を走らせる。
いるかどうかも定かではない。いない可能性の方がはるかに高い。それでも。
レナードの背後から陽気な声が聞こえる。
「今日の夕食は何だ?」
「シチューと、海鮮のサラダに鳥のパイ包み焼きにしようと思って」
勢い良く振り返ったその先にはリインと、横を歩くカルロスがいた。
ふとリインが会話を途絶えさせてこちらを見た。手を口にやって棒立ちになる。
カルロスはそんなリインをいぶかしげに見て、ようやくレナードに気付いた。
「親父」
「久しぶりだ、元気そうだな」
我ながらのんきなあいさつだと思いながら口は勝手に言葉を紡ぐ。
リインとカルロスは一時の衝撃から立ち直ったようだ。仲睦まじい様子に殺意にも似た思いが湧く。
「お邪魔だったか」
様子が変だと気付いたのは、カルロスが深い溜息をついてどこかに電話をかけた時だった。
「今いいですか? カルロス・バルデラス曹長です。見つけられました。……ええ、はい、今代わります」
おもむろに差し出されたスマートフォンを反射的に受け取って、レナードはリインに視線を固定したまま相手の声を聞く。
「おめでとう、レナード。思ったよりも早かったな」
相手は半ば予想していたように上将だった。
「閣下。皆で私をからかっていたのですね」
「いい加減素直になれ。今度こそよく話し合うんだ。曹長には任務完了と伝えてくれ。速やかに撤収、帰還するようにとも」
通話は終了されて伝言と共にスマートフォンを受け取ったカルロスは、やれやれと無精ひげの残る顎をかいた。
おもむろにリインに向き直り、にやりと笑う。
「じゃ、お嬢ちゃん、俺はこれでお役ごめんだ、全く人使いの荒い上官だぜ。落ち着いたら連絡をくれ」
「本当にお世話になりました」
軽く抱擁して頬に口付けをしあった二人は、カルロスがコートの中から何かをリインに手渡すとあっさりと別れた。
リインは大事そうに胸に抱きしめてレナードを見つめる。対するレナードの声は平坦だった。
「それはカルロスの子か? それとも上将の?」
リインの腕の中では赤ん坊が眠っていた。
固い表情のリインがレナードの詰問に色をなくす。それは一瞬のことで、次にはさっと頬に血の気を上らせた。
「あなたのです。レナード」
今度はレナードの方が硬直する番だった。リインに初めて名前を呼ばれたのもさることながら、この子が自分の子?
リインはレナードの前に立ち、眠る子供の手をそっとひらいた。
「ここに、あなたと同じ位置にほくろがあるでしょう?」
言われてのろのろと自分の手のひらを見つめる。確かに同じようなほくろが並んではいる。
だが、おかしい。そんなはずはない。リインは自分を嫌っていて避妊をしていたはずだ。
「君は避妊を……」
「あの、任地から帰った直後だと思います」
離れていたのでつい薬を飲んでいなかったと。そしてレナードから足腰が立たなくなるほど抱かれて翌朝も飲むタイミングを逸したと。
確かにその時期に妊娠したのなら、話は合う。
しかし最も重要な問題が残っていた。
「君は私を嫌いなはずだろう。何故子供を産んだ。それに何故、行方をくらませた」
リインは眠る赤ん坊の頭に軽く口付けて、レナードを見た。そこには母親の強さや慈愛が見て取れた。
泣き笑いのような表情でリインはゆっくりと告げる。
「嫌いじゃありません。好きになってしまったんです。嘘じゃありません。だから産みました。でもあなたにとっては私はおもちゃで、
それが妊娠したと知れたらこの子がどうなるかと思うと――処分されてしまうのではないかと思って姿を隠したんです」
手配は上将が、護衛を兼ねてカルロスが付き添ったのだと聞かされた。
「軍関連の企業の研究機関で働いていました」
厳重なセキュリティと、完璧な経歴詐称でやってきたのだと聞かされ、上将が嬉々として細工を弄する様が思い浮かぶ。
レナードはそれよりも確認したいことがあって、リインに半歩近づく。
「君が私を好きだと言ったか?」
「はい。おもちゃの分際でですが」
「待て。私は君をおもちゃなどとは……」
「でも所有物なのでしょう?」
脳裏にこれまでリインにかけてきた言葉がよみがえる。――君は私のものだ。
独占欲の塊の言葉が、リインにとっては所有の言葉というのか。
たまらずにレナードは子供ごとリインを抱きしめた。赤ん坊の体温は高く、その体は柔らかくて頼りない。
リインは抗わずにレナードの腕の中に佇んだ。
「あれは、私の独占欲だ。確かに最初はゲームのような感覚だった。だが、すぐに君に――どうしようもなく惹かれた」
至近距離で二人は見つめあう。
「君を、愛している」
リインの唇が震えた。泣きそうな顔になり、実際に涙が浮かぶ。
拒絶されたかと冷や汗をかくような思いで時間が過ぎた後で、レナードは花がほころぶようなリインの笑みを目の当たりにした。
「嬉しい、です。レナード、本当に嬉しい」
「リイン……」
二人の間で眠っていた赤ん坊が身じろぎをして、目覚めた。
その瞳の色は確かに自分と同じだとレナードはぞくぞくするような喜びに包まれる。
目の前で微笑むリイン。優しいその眼差し。
――その視線に捕らわれたのは。
視線 完
以上で視線は完結だ
読んでもらえて感謝する
>>521 良かった、ハッピーエンドで本当に良かった
今泣きそうになってて何と書いていいやらわからないけど、とりあえず、乙。そしてご馳走様
赤ん坊だと…まったくけしからん。幸せになっちまえ!!
GJー!
リインが居なくなって驚き
カルロスが出て来てうわーっと思ったが
そうかそうか
おめでとう
良かった
最後まで乙乙
なんかラストまで見れて満足と
終わっちゃってさみしい感がないまぜだぜ!
うほぉうーGJ!
カルロス紳士だったのが残念だと思う自分が残念だw
リイン、レナードおめ!
ここで三角とかNTRはカンベン
三角関係絡めて描こうと思ってる自分涙目
>>527 毎回最初に注意書きして書けばいいじゃない
少なくともここに需要がありそうな気がするよ
今までよくあったと思うけどね
というかこのスレでは迎合されてると思うけど>三角関係・NTR
注意書きはあったほうが無難だろうね
>>521 長きに渡ってありがとう。とても楽しんでいました。ハッピーエンドで良かった。
>>521 GJGJ!ありがとう!
レナードが難しい性格だから、すれ違ったままだったらどうしようと不安だったんだが
幸せそうで良かった
これからは存分に甘やかして可愛がるんだろうな
上将、カルロス曹長もいい男だ素晴らしい
でも終わっちうのは残念だ
>>527 一定数の需要はあると思いますが必ず注意書きをお願いします
うおー。終わったのか!
ハッピーエンドで万歳!!
作者さんありがとう、おつかれ。
視線、最後までどうもありがとうございましたーー!!
ハッピーエンドでうれしい!
こっちまでハッピーです!
カルロスもいいキャラでしたね。
とにかく素晴らしい作品でした。
毎回楽しみでこの期間わくわくしていました。
いいものを読ませていただけて本当に感謝です!!
すんなりハッピーエンドになるんじゃなくて
レナードに対するお仕置き的展開があるところも
良かったよ。自業自得でガックリきて反省してからラブラブ
幸せになるという愛故ハッピーエンドパターンの王道って
感じだし、余裕綽々だった男がだんだん本気になって焦ったり拗ねたり
する様子は萌えるなあ。
個人的には「ひよっこの中の白鳥」というフレーズを
いつも「ひょっとこの中…」と勝手に勘違いして読んていて
脳内映像化して????と混乱していたんだけど話が
終わる前に気が付いて謎が解けて良かった…
ちょお前の所為でひょっとこが頭から離れなくなったじゃないかw
ハッピーエンド万歳!!
>>521 視線作者さんありがとう!
個人的には昨今のいろんな作品の、妊娠出産ハッピーエンドってあまり好きじゃなかったけど、
視線のこのハッピーエンドはうれしかったです。ほっとしました。
最後の1行も好きです。捕らえたと思いきや、捕らわれたのはどっちだったかと。
カルロスたんの幸せはないのか…また前線に戻り、いきいきと活動するのだろうか。
作品を上げたいばかりに他作品下げするのはどうかと
褒められた作者にも迷惑だろ
別に下げてないと思うが
好みじゃなかったってだけじゃね?
素直に褒めてるだけだろうね
一言多いとは思うけど
愛故は相手を逃がさないために孕ませはよく使われるよな
今回はヒロインが妊娠したから逃げたってのがちょと違う?
まあハッピーエンドにつながったのならいいんでは?
今更アニメのぼくらのを見たんだけど愛故があった
好きな女子は学校の先生と付き合ってるエッチしたという噂が流れてて
男の子はロボットのパイロットとして死ぬ前に失踪
それを心配して探しに来てくれた女の子にさせてくれよと愛故しようとするも
しかし迫ったあと階段で突き飛ばされて
重傷→敵の攻撃の建物崩壊で死亡だったけど……
>>542 あれちゃんと愛って言えるような雰囲気だったっけ
どうせ好きな女子は処女じゃねーし
死ぬ前に童貞捨てたいだけにしか見えなかったわw
愛って言うか変質者だったな
好きだった気持ちが色々ねじれて死んじゃうというストレスで病んじゃって
好きだから襲ってたから愛故に当てはまるのかと思ったアレ
伯爵家はどうなったのだろう…
公爵家?は自サイトで連載してるからそっち見に行けばいいよ
魔王の愛故が突き進んでどうなるのか気になってる
魔王の出張中に、身ごもったメイドと息子がイチャラブ→出産→息子の子っぽい
息子は嫁もらったけど嫁には手を出さず嫁絶望で発狂気味→嫁の従者が嫁を愛故
魔王帰宅で息子の子っぽいけどまさかな?でメイドを裏切ったら許さないと脅しつけながら
子供生まれたら楽しめないよ!子供は一人生まれたからいっかでアナルプレイで楽しもうって所だった
公爵家の秘密の人の話題はもう作者に迷惑かけないように
過去ログ読めでスルーするべきかな……
公爵家だった、ゴメ
>>548 いや、そこから数ヶ月動きがないな、と…
それなら益々ここで話題に出すのはいけない事だろ……ヲチになるよ
スレ読み返しておっさんと幼女読んできたけど
続きが読みたい気持ちがわかった
あれで終わりなんて切なすぎるだろう・・・・
きっと後で再会できたんだと信じたいが
おっさん仕事柄死にそうだしなぁ
すまん幼女じゃなくて少女だったorz
蛙の夢といいたった一言好きだって言うだけでうまくいくのに
すれ違う二人は悲しすぎる
>>541 母性本能が強いヒロインやら
結婚する事(世間体)にこだわるヒロインなら有効な手段だからなぁ…
自分も公爵家の続きが気になっている
自サイトでやれと追い出されてそのままなんだもん
キャラ名や題名でググったけど自分は自サイトが見つからなかった
作者が自サイト晒したわけでもないのに追い出さないでくれよ・・・続き気になる
過去ログ読めggrks
投下すると叩くアホがいるんだから投下はもう来ないよ
恨むならこのスレに巣食う屑を恨め
今日見たわたしのお嬢様シリーズの最新刊で
ヒロインメイドの出生の秘密が愛故で萌えたw
前々から母親(家庭教師)は雇い主の伯爵に
無理矢理乱暴→はらまされたってのはあったけど愛故だったとはw
しかも伯爵は超愛してたのにアプローチが墓穴掘りまくりで愛想尽かされ
(本妻とのあいだの)娘の少女小説を読んで自分がへたこいたと
気付いたあたりがギャグ漫画ながらも切なかったw
558 :
名無しさん@ピンキー:2012/01/11(水) 15:35:48.50 ID:f0Olpmrn
過疎ったねぇ・・・
寂しいが仕方ない
愛故というよりヤンデレかもだけどミスミソウのカメラ小僧はいい感じ
あらすじ見たけど全ての関係を愛故に変換すると
すさまじく萌える話になりそうだよね
ヤンデレが多すぎるけどw
某大正漫画もあらすじだけ読めばいい愛ゆえなのにな…男女だったら
めちゃくちゃ悶えたわ
てす
まさかあれか……と思いながらつつw
そういうのは男女ならまず前提が覆ってしまい
重要な設定がなりたたなくなってしまうからなぁ
性に投げ遣りだった自分の過去を知り、敬愛から一転軽蔑し屋敷を出ようとした
はじめて恋した下男を引き止めるため無理やり犯してしまう女主人
みたいな話を読みたいです。
いいなそれ
結婚する臣下を引き止めたくて愛故する女王陛下とかも見たいわ〜
>>565 フルーツバスケットの神様憑きの女の子と鳥憑きの男思い出した
鳥憑きがなくなったけど、逃がさないために女の子が男を愛人として囲うんだよね
愛ゆえかって言うと微妙だけど、病んだ依存愛として描かれていたような気がする
フルバって神様おにゃにゃのこでそんな話になってたたのか…
ありがとういい事を知ったわ
>>567
でも神様は犬の事愛してるから
鳥とは愛故とはなんか違うと思ったけどw
フルバといえば、ガチ親子丼が確定したときはびびったな
まさか花ゆめで親子丼ネタを読む日がくるとは思わなかった
あれはあれで犬なりの愛故だったけど
神様は恋愛は犬付きとしてたのに
十二支の呪いが解けた鳥付きを嫉妬や執着や呪いの影響諸々あって
初めての男にして愛人に縛り付け引き止める事に成功したが
(鳥付きとしては父性愛のように突き放せない)
それを知った犬付きが色々捻れた嫉妬と愛で
神様の嫌いな神様の実母と関係を持ってドロドロってなったんだっけ
鳥神二次創作するとしたら犬への愛情設定ぶったぎって
神様→今も昔も鳥が一番大切な男。犬?親のバター犬なんてシラネ
鳥→神様に無理やり犯されて愛人化。神様は犬が好きだろうにry
でループしまくって鳥から自発的に動くことない
心は繋がってないけど身体は繋がってるカップルでいけるな
>>572 二次でなくとも似た設定でここで書けそうな
誰か書いて下さいお願いします
マイナー神社の女の神様が次期神主息子をつなぎ止める為に愛故とかいいな
神様的には好きだからなのに息子的には神社潰したくないからとかすれ違いでw
フルバ鳥神妄想が止まらないんで中途半端知識で突っ切ります
あと犬はわかったけど蛇と龍って神様にどんな感情抱いてたの?
蛇龍は神様が母親からいじめられてるのもおにゃにゃこだってのも知ってるから
他の十二支と同じく敬慕があるのと同時に痛々しい子、可哀相な子、って感じ?
>>575じゃないんだけど、フルバ酉神でたぎってどうしようもなくなり、出来心で書きました。
そしたらいつの間にか酉→神の愛ゆえに…。
オリジナル設定だけで展開するには、フルバのあの少女漫画的でありながら淫靡な雰囲気が
捨て難く、なんちゃってフルバ二次です。
もし
>>575が書いてたら、別物なので投下待ってます。
神様:『神様』憑きとして酉に執着。
酉:神様が見てるのは自分じゃないと知りつつ女の子としての慊人に依存。
って感じで書いたんですけど、自分的には愛ゆえなんですが…どうでしょう…。
駄目な方はタイトル『籠の鳥』でNGでお願いします。4レスの予定。
設定はこのくらい↓書いておけば、原作を御存知でない方にもお読みいただけると思います。
草摩家は旧家で、一族の中に『神様』と、十二支のそれぞれの獣、猫の物の怪つきの子供が
生まれます。一族に伝わる呪いのように、前の物の怪憑きが死んだら次へ……と、ずっと
受け継がれてきた物の怪憑きですが、長い年月の間に、呪いのタガも緩んできた様子…。
きっかけ不明のまま、呪いからの開放は、神様+十二支+猫の上に散発的に訪れます。
最初に呪いが解けるのは酉。
登場人物
草摩 紅野(そうま くれの):酉憑き。きっかけ不明で、一番最初に呪いが解ける。
このとき17歳くらい。回想シーンでは詰襟の学生服姿。
物の怪憑きは憑き物が消えたとき、強烈な寂しさを感じるようです。
草摩 慊人(そうま あきと):神様憑き。女の子だが、母親の強い意向で男の子として
育てられ、女の子であることを知っているのはごく一部。物の怪憑きの中では犬・龍・蛇・酉。
身体が弱いので屋敷の中では大体寝巻き?(和服)姿。
多分このとき12歳〜14歳くらい……。
578 :
籠の鳥 1/4:2012/02/02(木) 21:25:01.24 ID:cFcgjEgd
唐突に、それは起こった。
晴れた午後、学校から草摩の家に帰った俺は、すぐに暗い屋敷の中に入るのも惜しくて、庭と
──空を見ていた。
そして何の前触れもなく、俺の中で、何かが起こったのを感じた。
俺の中から、なにかが壊れて、失われていく。はてしなく、とめどなく。
生まれたときからずっと、俺を縛っていた重い宿命。呪いのような絆。
憎んでいなかったはずはない。嫌だと思わなかったこともない。
けれどその瞬間、繋ぎとめておくという選択肢が僕に与えられたのなら、一も二もなく俺は
飛びついていただろう。
なにかが自分のなかから失われてゆくのが、哀しくて、寂しくて仕方がない。
まるで大切で仕方のない誰かを失うような、ずっと寄り添ってきた道連れを亡くすような、
どうしようもない寂寥感。
待って、行かないで、ここにいて。──でも、引き止めたいのは、なに?
涙がとめどなく溢れていた。
急に視界が開けた気がして、自分の中にはもう自分しかいなくて。
この心を追い立てる存在も無くて。
見上げた空は高く、青かった。
もうあの空を二度と飛ぶことはないんだと、自然に感じた。
俺が手にしていた、俺を縛っていた力は、もうここにはないのだ。
自由。それは嬉しくて、とても哀しいこと。
まるで羽をもがれて、何もない場所に打ち棄てられたような不思議な感覚だった。
俺の後ろの廊下が、ギッ、と軽い音を立てる。
「……あ……」
俺の背後に立つその子は、恐怖の表情を浮かべていた。
「うわああぁあぁああああぁああああぁあっっっ!!!!!!!」
静寂を破る、悲痛な叫び。
「…慊人」
「あぁあぁっ、ああーっ、あああぁあぁああぁっっっ!!!」
まだ子供だけれど、歴としたこの草摩家の当主。男の子として通しているが、『神様』憑きの
……少女。
俺たちの幼馴染でもある。
その慊人が、頭を抱えて、つんざくような叫び声を上げていた。
「……慊人、落ち着いて。」
俺が宥めようとするとほぼ同時に、あわただしく慊人付きの使用人が主人の異変を聞きつけてやってくる。
「何事です?! どうされました、慊人さんっ?!」
彼女達が近づこうとすると、慊人は血相を変えて叫んだ。
「くるな!!! 誰も来るな!!!!
僕がいいというまで、誰も近づかせるな!!!!!
来たら殺す!!!! 殺すからな!!!!!!」
主人の剣幕に気圧されて立ちすくむ使用人たちを尻目に、慊人はぐいぐいと俺の手を引いて
奥へと走った。
「どうして……、どうして…………っ、どうして…………!!!!!」
うわごとのように呟きながら、彼女は誰も来ない奥の一室に俺を押し込め、襖をばしん、
と乱暴に閉じる。
「どうして、どうして…解けたんだよ……!!!!!!!」
押し出すように、呻くように慊人はそう言った。
同じ物の怪憑き、いや、俺たち十二支の物の怪憑きの上に立つ、『神様』憑きの少女。
絆で結ばれた……支配者(あるじ)。
俺たちを強く繋いでいた絆が消え去ったことを、彼女もまたはっきりと感じていた。
『神様』は、十二支がいないと『神様』として存在できない。
そして慊人にとって、『神様』憑きであることは、すべてだった。
十二支の開放は、慊人の世界の崩壊を意味する。
579 :
籠の鳥 2/4:2012/02/02(木) 21:27:12.19 ID:cFcgjEgd
「どうして…!!!」
「俺にも、わからないよ…っ。突然のことで…!!!」
十二支の神といわれる存在が憑いている彼女の前に出るといつも、もっと惹きつけられるような、
そして威圧されるような気持ちになったものだが、いまはなぜか、震える小さな肩が痛々しい。
「突、然…?」
彼女は泣いているような、笑っているような、狂気を含んだ目で俺を見た。
「何が起こったのか、本当に、自分でもよくわからない…」
俺はそういう風にしか言えなかった。
「…なに、その、目……?!」
彼女はなにかひどく怖ろしいものでも見ているかのように震えていた。
「さっきから…嫌。
どうしてそんな…、遠い、遠い目で!!!! 僕を見るの!!!!!」
彼女は俺の変化を目ざとく見つけ、そうなじる。
幼く、小さい、頼りない少女。
そうだ、ずっと知っていたはずなのに。
こんなにも暗い家の中で、押しつぶされそうになりながら、それでも俺たちを守ってくれていた
んだってこと。
俺の心のなかにいた何かが、慊人のなかにいる何かをいつも畏怖していて、それが故に、彼女は
もっと強くて力のある存在だと思っていた。
そして、俺たちは不変の絆だと信じて、慊人にすべてを預けていた。彼女に課せられた苦しみを
分かち合おうともしないで。
彼女は、こんなにも脆くて、壊れそうな存在だったのに。
「ねえ……紅野!! いかないで!! いかないで!! どこにもいかないで!!!!」
慊人はたったいま親に棄てられそうになっている子供のように、あられもなく泣く。
既に変わってしまった何かを、必死に繋ぎとめるように。
「離れないで!! 側にいて!! 離れないで!!
僕の側に、ずっといて!!!」
そう叫んで彼女が縋り付いてきたとき、奇妙な幸福感を感じていた。
あのとき、俺が絆を失ったあのときに感じた寂寥感と同じような気持ちを、彼女もいま感じて
くれているのだろうか。
そう思うと、ぽっかりと心の中に大きく開いた穴が、すこしだけ埋まる気がした。
「僕を置いていかないで!!!! 僕を……、僕を見捨てないでえぇっっ!!!!」
慊人は涙を拭いもせずに必死に縋ってくる。
「行かないで、行かないで!! ……そう、好きなの!! 愛しているの!! ずっと側にいて欲しいの!!」
そう叫ぶ彼女の目に浮かんでいるのは、思慕の情ではなく、狂気。
俺の中には無くなってしまった絆に、彼女はまだ縛られているのだ。彼女がそばにいて欲しいのは、
『酉』憑きであって、いまの僕ではない。
「……いいよ」
そう言った俺の気持ちを、果たして彼女が知る日は来るのだろうか。
「こんな俺でもいいと、側にいて欲しいと、言うのなら。」
たったひとりで、何かを失った。心の中心を息苦しく占めていた何かを。
そして俺は本当にひとりぼっちになった。この寂しさを、分かってくれる人なんていない。どうやって、
心に開いた大きな穴を埋めればいいのか分からない。
『物の怪』憑きだなんて、草摩の中でも知っている人間はごく僅かだ。
まして、『物の怪』が消えてしまったなんて。誰にも言える筈はない。
このまま、心に大きな穴を抱えて生きていくとしたら──きっと、一番似た気持ちを抱えているのは、
目の前の小さな女の子なんじゃないかと、俺はそのとき思ったのだ。
580 :
籠の鳥 3/4:2012/02/02(木) 21:29:13.10 ID:cFcgjEgd
「ほんと? ずっとずっと、そばにいてくれる? やくそく、してくれる?」
彼女が見ているのは、俺ではなかった。俺の中にある、物の怪の残像。
いまだ彼女が縛られる、呪いのような絆。
「誓うよ。」
それでも、身体の半分を失ったような俺は、誰かにそう言われることを強烈に欲していた。ここにいて、と。
誰かに繋ぎとめて欲しい、縛りつけて欲しい。そうしないと、どこかへ──どこかの虚空へと、心が
消えていってしまう。
「僕のこと、好き?」
「好きだよ」
俺にしがみつく彼女はまだ、震えていた。か細く華奢な肩。
こんなに細い肩で草摩の一族の長として立たねばならない彼女の、そばにいてあげたいと、助けて
あげたいと、思っていた。ついこのあいだまでは。
でもいまは、そんなことよりも、ただひたすら、繋ぎとめて欲しい。
「愛してる?」
「愛してるよ」
慊人は狂気を瞳に宿したまま、うつろに笑った。
「じゃあ、────て。」
「え?」
「じゃあ、僕を抱いて。好きだと、愛していると、ずっとそばにいると、証明して。」
彼女は、いつもきつく合わせてある夜着の襟を緩めた。
華奢な彼女は、まだ胸の肉付きも薄く、華奢な男の子だと言っても通るくらいだ。
でも、少しでも気を緩めてしまうと、いつも押さえつけている女の子としての顔が溢れてしまう。
そのときの慊人は、傷つき、怯えるか弱い少女だった。
俺は何か答える代わりに、彼女をつよく抱き寄せ、その首元にくちづけた。それから、唇に。
何度も何度もくちづけた。
何もかもが、間違っていた。
そうやって関係を築くには、慊人はまだ幼すぎた。
慊人は当主であり、俺は『酉憑き』として本家に住まわされている身であり、俺は慊人よりも年上で、
彼女を諌めるべき立場だった。
慊人はそんなことをしなくても充分に俺を繋ぎとめられるんだよ、と教えてあげなければいけなかった。
でも、そのときの彼女は、傷ついて、怯えて、すこしでも突き放せば、壊れてしまいそうだった。
だから────と、俺は自分に言い訳をする。
だから、俺が彼女を抱くのは、正しいのだと。そうするしか、なかったのだと。
彼女の願いを叶えるのは、彼女のためなのだと。
でも本当は、特別な関係を切実に求めていたのは、俺のほうだ。
心をもぎ取られて、寂しくて仕方なくて、幼い彼女に縋ったのだ。
彼女が俺を見ていなくても、よかった。
むしろ彼女の妄執が、狂気こそが、俺の大きな喪失を埋めた。
何もかも失った俺を、誰かに必死で、全身全霊で、何もかもかなぐり捨てて、強く強く求めて欲しかった。
そして慊人はそうした。
だから、俺は彼女を愛した。
581 :
籠の鳥 4/4:2012/02/02(木) 21:31:21.68 ID:cFcgjEgd
慊人の帯を解いて、着物を剥ぎ取ると、なめらかな肌があらわれた。細い肩幅と、華奢な腕。
こんな身体で、どうして男の子だと思わせておけるのだろう。
まだ薄く肉付き始めたばかりの胸は、それでも先端をそっと浮き立たせて、恥ずかしそうに主張していた。
「まだ胸用の下着は、着けてないんだね。」
「そんなのは…っ、女がつけるものだ…!!」
慊人は怒ったようにそう吐き棄てる。
生まれたときから、母親の強い意向で、男として育てられた慊人。
なのにいま、俺を引き止めるために、女を使おうとしている矛盾には、気付いていないようだった。
「……可愛い。」
支配者(あるじ)としてではなく、女の子としての慊人に、愛しさがこみ上げる。
「そんなことはどうでもいい。おまえは僕のしもべなんだから、僕の言うことに、従っていれば
いい……っ!!!」
俺の腕の中で慊人は、無防備な肌を晒しながら、ずっと震えていた。
この脆さを、危なっかしさを、どうしていままで威厳として見てこられたのだろう。
この小さな女の子には、守ってあげる誰かが、──そう、誰かが、『必要』なのに。
「僕のこと、好き? 愛してる? ずっと側にいる?」
世界が壊れる恐怖に、初めての行為に、自分に触れる男の身体に怯えながら、彼女は必死に
問いかける。
「好きだよ、愛してるよ、ほら、証明してあげる。」
硬くなった男の部分を触らされて慊人はひっ、と声を上げる。
「……怖い?」
「怖くなんか、あるもんか。父様が仰ってた。僕は愛されるために生まれてきたんだって。
絆は永遠で不変で、何の心配もいらないんだって。
だから、おまえが僕を愛してるのは、当然なの。当たり前なんだ……っ。
だって、おまえは、酉の物の怪憑きなんだもの……!!!」
慊人は泣きじゃくるようにそう言う。
俺はできるだけゆっくりと、彼女の幼い身体をほぐしてあげた。
慊人は震えながら、好き? 愛してる? 側にいてくれる? と熱に浮かされたように繰り返している。
何度でも何度でも、好きだよ、愛してるよ、側にいるよ、と俺は囁いた。
俺たちは拙くて、未熟だったけれど、たしかに互いに強い絆を欲したのだ。
「大切なご主人様の初めてを貰ったりしたら、もう永遠に仕えなければならないね。
だから、安心して。ずっと側にいる。」
「ああぁあ……っっ!!!!」
慊人は俺の背に細い爪を食い込ませながら、身体を貫かれる痛みに耐えている。
「愛してる、愛してるよ。ずっと側にいる。誓うよ。」
強く抱きしめた彼女の耳許に、そうやさしく囁く。
「ひ…っ、や…あ、ああ、あぁあぁああぁ……っっ!!!!」
そして神聖な儀式のように、少しずつ、少しずつ、自分の分身を、愛しい少女の中へと埋め込んでいった。
その日から、俺と慊人は、周囲を欺く共犯者になった。
──おわり──
以上です。
酉の一人称を僕で書きかけてたんですが、原作見たら俺って言ってた…。
神様のおにゃのこは本当は本当に酉が好きだったでもいいんですが、ここで怒った犬に神様が愛ゆえされる
展開も美味しいような気がしてきました。
GJ!!色々と滾るな
そして犬に愛故展開も捨てがたい
しかし575じゃなかったのかw
GJ!!GJです!!貴方は神ですか?!
犬の愛故も是非期待しています
575な自分も頑張ります
フルバの犬の愛故もたぎるけど、
>>574の設定も萌える
そういうべたなすれ違いからの愛故とか大好物です
今日はバレンタインか……
好きな女の子から(義理なのに)チョコ貰って勘違い暴走とか有りそうだねぇ
そういえばかなり前にここで話題になってた
嘘つきは姫ぎみの始まりおわったみたいだからググったら
お勧めされてた東宮×身代わり姫主人公よりも
身代わり姫の婚約者(始めは相愛?)の方が愛故にふさわしいと思った
まさか男乗り換え話とは思わなかったよ……
女の子に割と重くないレベルのトラウマがあって男が苦手なんだけど、
でもそれを克服したいと思ってる。
友達みたいに普通の女の子らしく恋愛したくて男性恐怖症を隠して付き合った彼氏。
彼氏は女の子の事情をしらないから一般的なペースで手つなぎ→キス→抱擁→セクロスと進めようとし、
彼女も精一杯それに応えようとするんだが様子がおかしく怯えてるのがバレバレ。
問いただしトラウマや男性恐怖症の事を知り彼女のペースに合わせ付き合っていくことを決意する彼氏。
しかしながらお預け状態が長く続き何かの事件をきっかけに我慢の限界が来て彼氏愛故暴走。
そんなのが読みたいです。
ほしゅっ
注意書き付ければいんじゃね?
>>588はさらに深いトラウマになるか
らぶらぶでメモリあうかによって作風がガラッとかわりそうだなぁ
コメディな愛故が見てみたいぞ
サーバント×サービスの長谷部×ルーシー(以下略)ならアリかも>コメディな愛故
>>588 身内のしがらみ説を推してみる
女の子が幼い頃に母親は男を作って逃げてて、祖母とか伯母とか身内に呪いのように
「母親のような女になったらダメよ」
「あのふしだらな女の血を引いてる娘」
と散々言われてて、そうならないよう異性と距離を置いてたとかは?
それでも好きな人ができて、親や身内には内緒でこっそり付き合ってたけど一線を越えようと
すると「ふしだらな母親の〜」って言葉が頭をよぎってしまって、拒否してばかりいたら
我慢の限界で彼氏フンガー!!
あとは小さいころにイタズラされたとかのトラウマ持ちはありがちな設定だと思う
電車で痴漢されて男が「冤罪だ!」と主張
それを真に受けた周りが主人公非難風でその場はお流れに・・・
とか?
>>594のトラウマだと
気持ちよくなっちゃいけない…とか
一線超えてからの悩みですれ違いそう
> 一線超えてからの悩みですれ違いそう
確かにそれもちょっと思ったw
事後に「結局私もふしだらな母親と同じなのね…」となりそうな気もするけれど、
そこはホラ、どうとでもなるさ
ほす
ホス
保守上げ
保守
602 :
名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 12:42:21.66 ID:PREyeSFW
ほす
下克上
604 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 11:05:13.50 ID:Bk7GTJtu
誰か投下しなさいよ
むしろ誰か妄想語りなさい
じゃあ妄想語りで
小さい頃に引っ越してきた可愛い男の子。知らない土地で慣れなくて、自分がなんとかしようってお姉さん気分で仲良くなっていく女の子。小学校でも2人元気に遊んでたけど高学年辺りから中学に入り段々周りの男の子への見方が変わってくる。
中性的でかっこよくなり、女の子は比較され劣等感を覚え、次第に遊ばなくなり消極的な性格になっていく。「男の子は綺麗なのに女の子は…ねぇ」みたいな感じをよく言われるようになる
出会った頃遊び相手になってずっと遊んでた男の子は女の子のことがずっと好き。まだ大切に思いたい位。
高校生になって、一緒の学校になる2人。避けようとしても話し掛けてきた所為で、また比較され劣等感を感じる女の子。(男の子は一切そんな思いに気付いてない)
そんな中クラスで劣等感を感じずに話すことが出来る男子と仲良くなる女の子。
数ヶ月後位にそれを見て心の中に不快感を感じる男の子。今までずって見てきたのは僕なのにって思いと今までずっと避けられてるのにあいつはいいのかって憤りながら無理やり展開を妄想。
男→→女の一方通行、報われないのが好きだなぁ。妄想失礼しました。
>>606 悪くないね、一方通行という辺りが正に的中ど真ん中だ。
一方通行はいい、とてもいい。
個人的には更に敵対しているとかだといいなぁ。
こう序盤から中盤に出てきて人気出そうな手ごわい幹部クラスの敵とか、運命的に出会ったラスボスクラスの敵などが好み。
純愛もいいけど狂愛ってもっといいよね!って感じかな。
ヒロインを堕とすためにどんなエゲツナイ手を使ってくれるか・・・それを考えてるだけでご飯三杯は軽い。
それに該当するシーンが実際に見れればご飯五杯は軽い。
台詞的には「我の妻になれ」とか「我が子を孕むがいい」等が好み。
敵であるはずの男から求婚されたり、支配されて手篭めにされるしかないとかのシチュがめちゃくちゃ好みです。
妄想失礼。
>>606-607 GJいい妄想だね
>>607 途中からヒロインを殺すのに無意識に躊躇してしまったりすると萌え
段々我慢ならなくなってヒロインを殺すと息巻いてる味方に内緒で
自分の秘密の場所と化にヒロインを囲ってたりするとさらに萌える
敵味方に分かれて両思いってのも黄金パターンだな
で、男の方は女に好かれることなんかはなからあきらめてるんで
無理矢理手篭めにしたり
すれちがいおいしいです
お互いが身体だけの関係って思ってる状態が好きすぎる
男の方は心が手に入らないならせめて身体だけでも、って襲うんだけど
女の方は自分なんてただの性欲処理にすぎないんだって考えてて
お互い好きなのは自分だけって思ってたりするようなの
>>610 わかる!大好物すぎるそのパターン!!
相手には違う想い人がいて自分はその人の代わりでしかないんだ、とか勘違いしてると更にいい
>>611 分かる、それもいいよね!
所詮私は身代わりなんだ、でもそれでも嬉しい…とかね。いいよね
>>612 古来より、言うはやすく行うは難しと申しまして…
レスが寄せ風になってるなw
>>613 FF10にそんなキャラいたのか!プレイしたくなってきたw
自分のお勧めとしてはプリンセスメーカー5のガトーが
愛故すればいいと思ってるw
>>607 シーモア?w
やばい何か色々妄想したくなってきた
押し入れからインターナショナル出してくる
幼馴染の少年に片思いの少女。
少年には彼女がいるが、内気なため何も行動が起こせないでいた。
少女は思い切って練習台になってもいいよと言う。
手を繋ぐことから始め、キス、そして…
しかし少年は彼女を相手にすると、うまく行かなかった。
練習と称して続くカンケイ。
ある日、少女を好きだという男が現れ…
っていうのはアリ?
それだけじゃよくわからないからもう少し詳しくお願い致します
誰がどうやって愛故するのかそこの所詳しくw
ごめん。落ち着いてみたら
>>617は全然無理矢理がなかったw
少年と少女はお互いの気持ちを押し隠してカンケイを続け、
カレシは少女の気持ちが自分に向いていないことに苛立ち、ついにーー!
これだとヤンデレか?
難しいな、愛故。
ヤンデレな上に少年の彼女の扱いはどうするのかってのがちと難しい
幼馴染み設定以外はスクールデイズやないかwww
ホントだラストはナイスボートか…。
というのは冗談で
>>620 苛立ちついに直球で犯しにかかったらヤンデレとは違うんじゃない?
っていうかさっさとカレカノと別れて二人付き合えばいいじゃんって話だねw
なにか別れられない理由とかあればいい
スクールデイズって知らなかったからググった。
o.. rz
やめとくわ…
625 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/15(日) 00:59:00.40 ID:SHIqXiNO
復帰
せっかくのお盆休み・・・投下ないかねー
627 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/29(日) 22:13:53.84 ID:sZrxcNky
君が投下すればいいじゃない
628 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 17:43:08.79 ID:FarWnj0r
誰か書け!!
629 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 17:43:09.68 ID:AW+aIDUb
誰か書け!!
630 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 17:43:11.87 ID:yOpn7NfA
誰か書け!!
631 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 17:43:13.32 ID:rX9i4BA2
誰か書け!!
では私が
ネタ振り程度にシチュ投下で。
20代後半〜30代差し掛かり位の女性保健医と男子生徒。
何らかの理由で男子生徒は保健室登校中。
多感な年頃という事あり、
保健医は世間話やとりとめのない話をするくらいの距離を保って生徒に接するようにしており、
生徒の方も、無理に急かしたりしない保健医に打ち解けはじめ、淡い恋心を抱くようになる。
そんな折、保健医が彼氏に振られる。
いつになく保健医の元気がない事に気付き、生徒はどうしたのか聞く。
子供に話すような事ではないとわかっていても、振られた直後で落ち込んでいたのもあって、
保健医が軽く愚痴をこぼして…
だめだ、ここまで書いたがベタすぎてもう無理…
>>633 ベタというよりうまくやらないと和姦になりそうな
きっかけは保健のセンセイが彼氏に振られたことより、
現行の彼氏がいそうな話をされたことで、男子生徒側が嫉妬で我を忘れ、
そんなに他の男がいいのかよ!俺だって男だぜ! と押し倒す方が好物です
更にベタ展開だと、男子生徒が(保健のセンセイの)ラブラブの今カレだと思っていたのは
実はセンセイのお兄ちゃんなり只の同僚なりだと更に美味しいです
反対に彼氏と上手くいきそうで
浮かれてる保健医を男子生徒が・・・ってのも捨てがたいなw
と、書きに来て
僕は妹に恋をするの主人公双子が生まれた理由が
愛ゆえだったのをいきなり思い出したw
大学時代に人に馴れ合わないクールな男が大らかな友だちができ
その友達とラブラブなクールだけどお節介彼女を好きになり
彼女の方も嫌っているように見せかけてほのかに好意を寄せるけど
彼氏も好きだし裏切れないビミョーな関係で
結婚式の日にウェディングドレスで教会で愛ゆえに走るという。
そのあと女は彼氏ともきちんと初夜をやったみたいで
双子の父親はそれぞれになるという
僕妹って少女漫画だよね?なんか色々と凄いなw
性コミって言われてたぐらいだからね
というか父親が違うといえど2卵性双子で近親相姦っていう話だからなw
「セックスなんか興味ない」という漫画のコンビニ廉価版に収録されてた話が愛ゆえかな…?
女の子が店長を好きで告白抱いてもらったけど体の相性が合わない。
ホテルから一緒に出た所をバイトの同僚に見られてて、実はバイトの同僚は女の子が好きで無理やり犯す。
バイトの同僚との体の相性は抜群で体と心の反応の違いに思い悩む。
もう一つが
強面で実は少女趣味の男が大人しめな女の子とメールで意気投合したが、
実際会うとお互いにギクシャクしてしまってホテルで半ば無理やり犯してしまった。
女の子が抱くメール相手のイメージ(純な男)を壊したくないから自分はメール相手ではないと嘘をつく。
女の子の方は男を本当のメール相手だと見抜いててラストは相思相愛っぽくなる。
投下します。
>>633-
>>635 のネタを拾って軽く書かせていただきました。
6レスの予定。
「俺と保健室と先生と」
「そういう、ことかよ……っ!!」
俺は彼女の左手首を?んだ。その薬指には、真新しい指輪。
ずっと、憧れていたひと。俺がまた学校に通えるようになったのも、彼女のおかげだ。
けれど、まだ俺が大人になる前に、彼女は別の男のものになってしまう。
いつか俺こそが、大人になってそんな指輪を送りたいと思っていた。まだどうしようもなく
ガキな俺を嘲笑うかのように、人気のブランドのものだという指輪はキラキラと光って。
ああ、もう。
もう何もかも、どうだっていい。
* *
高2のときに不登校になった俺は、引きずり出されるようにして保健室登校を始めた。
つめたい制服の背中が立ち並ぶ教室は、敵意が満ちている気がして、近づくことさえ
ままならなかった。
それでも家に引き籠らずになんとか学校まで足を運ぶことが出来たのは……、まあ、
保健室の先生が美人だったからだ。
彼女はまだ二十代、親しみやすい性格で、女子からは「はるか先生」と下の名前で呼ばれていた。
親しみやすいというか、割とドジで放っておけない所もあるんだけど。
俺も当然、彼女をはるか先生と呼んだ。
彼女は教室にいけなくなった俺をダメな奴だと決め付けなかったし、急かしたりもしなかった。
ただ時々、美味しいお茶を淹れてくれたり、こっそりおやつのお菓子を分けてくれたりした。
保健室は、怪我人よりも、そんなはるか先生とお喋りしたい、こっそり心にキズを作った奴らの
溜まり場だった。
小柄で童顔な彼女の傍に寄ると、いつもいい匂いがする。
「先生、香水つけてきてる? やーらしいの。」
彼女から漂う香りには、いつもちょっとドキッとさせられる。
「つけてませんっ、香水なんて。神聖な学び舎に、そんなもの。」
俺がからかうと、彼女は真っ赤になって反論する。
「でもなんか、イイ匂いがする。」
そう言うと、彼女は一生懸命に自分の腕や服を嗅ぎ始める。
「しないわよぅ。」
「あ、これかな?」
俺は彼女の髪を嗅いでみた。
「キャ──ッッ!! 頭のにおいとか、勝手に嗅がないでよ!! 汗臭いんだから!!」
「これだこれだ。なにつけてんの?」
「普通のシャンプーとリンスしか使ってません!! だからそんなに匂いませんっ!!」
俺はそのとき初めて、女の人が使うシャンプーの香りが男にとって魅力的なことを知った。
俺は彼女に、ぽつぽつと色んなことを話した。
暴力的ないじめを受けていたこと。
残酷な首謀者と、彼の言いなりになる取り巻きたち。
俺が何より怖かったのは、それをただ傍観する、大多数のクラスメイト達だった。
「あいつらにとって俺は、生きても死んでも関係ない、ただの石ころに過ぎないんだ……!」
誰にとっても俺が価値のない石ころに過ぎないなら、俺は何のために生きて、ここにいるのだろう。
俺はそんなクラスメイト達に囲まれて暮らすことが怖かった。きっと奴らは俺が目の前で死んでも
眉ひとつ動かさず、笑ったり楽しんだり、滞りなく日常を過ごすのだろう。そんな奴らのなかで
生きるのは、この上なく危険なことに思われた。
彼女は先生のくせに、そんな俺を叱咤するわけでもなく、諭すわけでもなかった。
ただそばに来て、小さな声で、わかる、なんて囁くのだった。
「……わかる、ってなにが。」
「先生も、学生の頃は、そういう気持ちだったなあ、って。」
「……嘘。」
彼女はいつも明るくて、たくさんの生徒から好かれていた。俺もその一人だった。
彼女を価値のない石ころだなんて思う奴が、いるはずない。
「トモキ君からするとちょっと違うのかもしれないけど、朝のラッシュアワーとかで揉まれてると、
こんなにたくさん人がいて、でもほとんどの人にとってあたしがいてもいなくてもどうでも
いいんだなあ、って思ってた。なんかこのまま消えてなくなった方が世のため人のため
なんじゃないかなー、とか毎日思ってる、根暗な女の子だったな、高校生のときは。」
彼女は軽やかに歌うようにそんなことを言う。でも、俺は知っている。本当に辛くて
言いづらいことを口にするとき、人は冗談めかしてしまうんでってことを。
俺は一瞬隣にいるひとが、生き惑う女子高校生みたいに見えた。何かは分からないけど、
心の中に暗くて重たいものを抱えながら生きて、それでもちゃんと先生になって、今は学生の
悩みを分かち合ってくれている。
「先生は、みんなから好かれてるじゃん。ひとの役に立ってるよ。」
俺もなるべく重くならないように、軽い調子で言う。
「そう?」
「そうだよ。先生がいなきゃ、俺だって困るし。」
彼女がくるりとした目を大きく見開くので、慌てて言い直す。
「保健室の先生が話しやすい奴じゃなきゃ、保健室登校すら出来てないし。」
これで辻褄合ってるか。くそ、変なこと言った。
「ありがと。トモキ君は、優しいね。」
彼女は辛いことなんか何もないような顔で、ふんわりと笑う。
「それでも、世間のほとんどの人にとって価値がなくても、身近な人がひとりでも大切だって
言ってくれさえすれば、なんとかやっていけちゃうものなのよね。トモキ君にもいるでしょ、
そういう人。例えば、御両親とか。」
「親……は、でも、思い通りの息子が欲しいだけって気がするし、俺はその点では、
もう駄目だな……。」
「結構大切に、されてる気がするけどなあ……。じゃあさ。」
彼女のいい匂いのする髪が揺れる。
「先生じゃ、だめかな?」
「な、なにが?」
「トモキ君を、大事だって言ってあげる人。トモキ君がいないと、先生寂しいと思うし。」
保健室はいつでも誰でも入れるところだけど、そのときは誰も入ってきてくれるなと思った。
心臓の音が煩かった。年上の美人に、そんな愛の告白まがいのことを言われて舞い上がらない
高校生男子なんてそうはいない。たとえそれが、先生という立場からのものだとしても。
「トモキ君は繊細で、傷つきやすくて、優しいんだよ。だから他人の悪意に、傷つきすぎてしまう。
でもそこがいいところ。トモキ君が一歩外に踏み出せば、君と友達になりたいひとが、たくさんいる。」
そう話す彼女の瞳は、大人のくせにとても澄んでいた。薄化粧で目立たないけど、結構睫が長いなー、
なんて思う。
「先生はずっとここにいて、トモキ君の味方。それが、トモキ君の支えにならないかなあ?」
高校生の男なんて、単純なものだ。
その日から俺は俄然やる気を出した。
勉強だって充分にこなして、授業に遅れないようにした。保健室に来る奴らに話しかけたりして、
普通に話せる知り合いを増やしていった。
そうした知り合いが学校に増えるにつれ、保健室の外でも自然に歩けるようになった。以前は雑音が
すべて俺の悪い噂話を言い立ててる気がして仕方なかったが、世の中には色んな噂話があって、
俺はその中の砂粒ひとつ分でさえないと気にならなくなった。
昼休みはサッカーに誘われるようになったし、たまにゴールを決めると楽しかった。
久しぶりに教室の扉を開けるときも、保健室から足が遠のく寂しさよりも、彼女に褒めてもらいたい
という気持ちが勝っていた。
褒めて欲しい、喜んで欲しい、笑って欲しい。
その気持ちは、まともに教室に通えるようになってますます膨らんでいった。
ちゃんとした生徒になって、いい大学に入って、もっと価値のある人間になって、俺の人生を変えたのは
貴女ですと言ってあげたかった。貴女はそれだけ価値のある人ですと、教えてあげたかった。
かつて人の波の中で、自分の生きる意味すら見失いそうな少女だった人に。
教室にまともに通うようになってからも、放課後は保健室に入り浸っていた。
友人と遊びに行く日もあったが、それより彼女のそばで過ごす方がずっと楽しかった。
「せっかく誘ってくれる友達がいるんだから、行ったほうがいいわよ。」
「俺がいないと、寂しいって言ったくせに。」
少しからかうと、途端に真っ赤になって怒り出す。
「そういう意味じゃないでしょ?! 先生は、先生なんだから!!」
わかってる。
わかってるけど、怒った顔も可愛いとか思ってしまうのだった。
* *
そして時は過ぎ、高校3年の夏。
彼女が急に、よそよそしくなった。
まず、目を合わせてくれなくなった。あんまり笑い掛けてくれなくなった。
さらには「もう、あんまりここには来ない方がいい」とまで、言い出すのだ。
俺にはまだ、彼女が必要なのに。
ずっとここにいて、俺の味方だって言ってたのに。
「俺……、何か、した? 先生に、嫌われるようなこと。」
「そういうわけじゃないの……。」
明るく軽やかだった先生の話し口調は、いつの間にか重く、目は伏目がちになっていた。
いつだって、彼女が笑ってくれるためなら、どんな努力でもしてきたつもりなのに、急に、何もかもが
通じ合わなくなってしまったかのようだ。
言葉少なに俺を拒絶するようになってしまった彼女の態度に戸惑いながらも、理由はすぐに知れた。
ある朝、女子達が彼女を囲んで黄色い声ではやし立てていたのだ。
新品の指輪。
左手の薬指。
近頃どこかの芸能人が結婚指輪に選んだと人気急上昇中のブランド。
女子特有の高い声が頭にきんきん響く。
そして、はにかみながら答える彼女。
────男、か……。
彼女は魅力的な大人なのだから、そういうこともありうるとは思った。
でも、一人の女である前に彼女は先生なんだから、生徒の俺によそよそしくなるのは納得いかない。
考えるほどにもやもやしてくる想いを抱えながら、俺はその日の放課後も彼女のいる保健室へと向かった。
暑い夏の夕暮れだった。期末考査も終わって、夏休み前の気だるい空気が流れていた。
校舎には人も少なく、保健室には彼女ひとりだった。
二人きりで話したくて、俺は保健室の扉に気付かれないようそっと鍵を掛ける。
「ねえ、はるか先生。」
机に座る彼女に後ろから声を掛けると、彼女はびくりとして振り返る。
「男が出来たんだ? だから俺には、もうここに入り浸るなって?」
「そうじゃ……ないの。トモキ君にはもう、ここはなくてもいい場所だから……。もっと友達と、
付き合ったほうがいい……。」
彼女の言葉は歯切れが悪い。俺は自分の苛立ちの理由が分かった。女子に羨ましがられるような
人気ブランドの指輪を貰ったはずなのに、ちっとも幸せそうにしていない。
「何だよそれ。ずっと俺の味方だって言ったくせに。いないと寂しいって、言ったくせに。」
「それは……、今でも、そう思ってる。」
俺は彼女の左手を?んだ。薬指に光るのは、真新しい指輪。
「これ、新しい男に貰ったんだ……。結婚するの? その男と。」
「放して……。」
彼女は弱々しく身を捩る。前はこんな風じゃ、なかったのに。
俺の好きなはるか先生は。
ああそうだ、好きだったよ。格好つけて、新しい男が出来たんならそれでもいいと言おうとしても、
心の中は嫉妬でいっぱいだった。
どうしようもなく、子供な俺。
ちゃんとした大人で、誰からも好かれている彼女。
教室に戻ったり、勉強を頑張ったりしたのも、少しでも彼女に認めて欲しいからだった。
卒業して、もし出来ることなら、言いたかった。
好きです、俺を変えたのは、貴女です。
付き合ってください。
でも、あまりに俺は子供で、卒業すらしないうちに、よく分からない男に横から掻っ攫われて。
せめて彼女が、幸せそうなら良かったのに。誰よりも先に俺に打ち明けてくれて、素敵な人でしょう、
って笑ってくれたらよかったのに。
そうしたら、完膚なきまでに叩きのめされた俺は、もう祝福するしかなくなっていたのに。
「先生、相手の男に言われた?余計な奴に、関わるなって。高校生といえど、男なんだからって。」
「違……っ……」
「じゃあなんで、俺を避けるんだよ!! 俺の目を見ないんだよ!! 幸せで仕方ないんだって、笑えばいいだろ?!」
彼女は酷く悲しげに、俺を見る。
違うんだ、笑ってよ。
ねえ聞いて、期末考査の順位も結構良かったんだ、俺。希望大学も圏内だって。
頑張ったんだ。あれからずっと、頑張ってるんだ。
親のためじゃなくて、自分のためですらなくて。
ただ貴女に、褒めてほしかったんだ。
貴女がいらないんなら、俺はとっくに自分自身すら、いらないんだ。
ぷつり、と、俺を支えていた何かが切れた。
もう何もかも、どうでもいい。
全部、壊れてしまえばいい。
俺は?んだままの彼女の手を引いて、抱き寄せた。
小柄な彼女は俺の腕の中に軽く納まって、折れそうに華奢だ。
髪から香るのは、いつもの彼女の匂い。
「放して……。」
「先生、知ってた? 俺、先生が好きだった。ガキだけど、本気で。」
抱きしめた彼女の耳許に囁く。小さな身体は、小鳥のように震えていた。
「先生に褒められたくて、必死でいい子の振りしてたけど……、なんか、もう、疲れたな。」
軽い彼女の身体を抱え上げ、脇のベッドに放り投げるようにして制服のネクタイで両手を
ベッドの格子に縛りつけた。
「俺に優しくしてたのは、点数稼ぎのため? それとも同情? 誘惑して思い通りに動かすなら、
最後まで、騙し通して欲しかったな。せめて……卒業まで。」
彼女は泣きそうになりながら、小さく震える。
「してない……誘惑なんて……」
そうだろう。ただ俺が勝手に、好きだっただけだ。
「叫んでいいよ、先生。俺は停学でも退学でも、もう恐くないから。」
養護教諭である彼女は、いつも白衣姿だ。その下は代わり映えのしないかっちりとアイロンの
効いたブラウスに、タイトスカート。でも彼女が着ると全部の色合いが優しくなる気がして、好きだった。
淡い水色のブラウスのボタンを、もどかしく外して胸をまさぐる。彼女はいつも襟のつまった服
ばかり着ていて、必要以上に肌を晒そうとはしなかった。
初めて見る彼女の襟の下は、とても綺麗だ。
夏でも大切に隠されて白く息づく肌、美しく盛り上がる胸の膨らみ。それが俺の手に?まれて、
いやらしく形を変える。
体中をまさぐりながら、苦労してブラのホックを見つけ出して外すと、ふるんと優しく胸の双丘が
姿を見せる。魅惑の柔らかさに夢中でしゃぶりつき、揉みしだき、吸い上げた。先端はすぐに
可愛らしくしこって、更に俺を誘う。
「だめ……!! ユウキ君はこんなこと、しちゃいけない……!!」
ひどいことをされてもなお、彼女は優しかった。こんなときでもまず、他人の心配だ。それも見せかけの
優しさなのかもしれないけど。
「もういいんだ、いい子のふりなんて。結局は、何も手に入らない。」
俺はベルトを外し、ズボンの中で痛いくらいに滾っている雄の部分を取り出した。
「おっぱい弄ってるのも楽しいけど、邪魔が入ったら面倒だから、最後までやっちゃうか。」
彼女のタイトスカートを腰までめくり上げ、パンツとストッキングを纏めて引き摺り下ろした。細く長い脚を
覆っていた布は、くるくると小さくまとまって床に落ちる。
「だめ……!! それだけはだめ……!!」
何とか閉じようとする脚に膝を割りいれて、無理矢理に開かせる。手の自由を奪われてている彼女に、
それ以上抵抗する手段はなかった。
女の身体は初めてだったけど、濡れている中心に入ればいい。
入り口はすぐに見つかった。
「あ、やぁぁ……!!」
悲鳴を上げかけた彼女の口を、左手で塞ぐ。
「ごめん、声上げていいなんて言ったけど、気が変わった。やっぱりこれは……邪魔されたくない。」
「んんっ……!!」
彼女は口を塞がれて、苦しげに呻く。その様にすら、劣情を掻き立てられる俺がいる。
「先生のなか……凄くいい。たまんない……!!」
初めての女の身体は熱く濡れて、俺を締め付けた。気の遠くなりそうな快感に翻弄されながら、夢中で
腰を振りたくる。
「先生の男は、こんないいことを毎回してるんだ。嫉妬で気が狂いそうだよ。」
相手の男を、知らなくてよかったと思った。今なら殺人でも犯してしまいそうだ。
「はあ……イイ。一回出すよ、先生。」
彼女は真っ青になり、激しく首を横に振った。止めろと言いたいのだろう。だが俺には、止めるつもりなど
微塵もなかった。細くすらりと伸びた脚をいっぱいに開かせ、奥へ奥へと叩きつける。
「濃いのをたっぷり注いであげるよ……嬉しいだろ、先生。」
「ん──っ! ん──っ!! んん────っ!!」
すぐに強い快感がわきあがり、俺は躊躇わずにそれを彼女の最奥へと放った。
ずるり、と繋がっていた部分を引き抜くと、彼女はぶるっと身体をふるわせた。
「もう……、終わったでしょう……。早く、ほどいて……。」
生気の失せた目をして彼女はそう呟く。情事の後、半裸の肢体をしどけなく晒して横たわる姿が、
男の目にどんな風に映っているか、知りもせずに。
「終わった? 冗談じゃない。」
俺はうんと優しく笑った。
「これからだろ。一回目を早く終わらせたのは、二回目からゆっくりと楽しむために決まってるじゃないか。
一回目は性急過ぎたからね。次はもっとゆっくり、愉しませてあげるよ。」
ぼんやりしていた彼女の表情が、さっと凍りついた。
「嘘……。」
棚から備品のタオルを取り出して、恐怖に震える彼女の口に押し込む。もう嘘も懇願も、助けを呼ぶ声も
聞きたくはなかった。
「だって先生のカラダ、凄く気持ちいいんだもん。一回だけで満足できるわけがない。」
俺はカーテンをもう一度隙間なく閉め直し、ベッドの上で自由も声も奪われた愛しい女に向き直った。
「次は四つんばいになりなよ。後ろからしてやるから。」
俺は抵抗をやめた彼女の身体を存分に抱き、抑えていた欲望のはけ口にした。くまなく体中に舌を這わせ、
射精後の一物に口で奉仕させ、あらゆる角度から突きまくって繰り返し彼女の中に精を放った。
そして彼女は、俺の前から姿を消した。
その日のあと会えないまま夏休みに入り、新学期に入った時に俺が知ったのは、彼女があの後すぐに
辞表を出して退職していたことと、見知らぬ養護教諭の着任だった。
──終──
以上です。
いま高校で前期後期制の導入ってどの辺まで進んでるのかな?
これはちょっと前の話ってことで、3学期制です。あしからず。
できれば先生視点の話が続くといいとは思っている。書けるか分からんけど。
連投失礼。「つかんだ」が全部文字化けしてました。?は「つかんだ」です。
GJ!!!!!
先生視点も是非見たい
婚約したのに幸せそうじゃないとか先生の真意がすごく気になる
GJ!切ないな
5レスめで名前間違っててびっくりしたけど
>>646 短いレス数なのに十分主人公の愛故に走るまでの苦悩が伝わってきてGJ
>>649 苗字なのかと思ってたw
愛するが故に無理やり…って愛されてる対象が犯される本人じゃなくて、第三者だったらダメなんだろうか?
昔自分を裏切った恋人にそっくりな娘を陵辱するおっさんとか萌える。
今度は逃がさないように監禁して、娘に快楽を教え込んでいくとかね。
んで男の母親への愛情と憎悪を理不尽に受け続けた娘は…みたいな
>>646 すっごくよかった!
描写とか表現がうまくて、感情移入しまくりで萌えた!
続き楽しみにしております。
>>649 おおう、ご指摘ありがとうございます。
主人公は友樹だったんですが、これだとトモキがユウキがわからんなー、と片仮名表記にしたのに
自分が間違えるとか……!
もう馬鹿なの死ぬのって感じです。
?に化けた「掴む」と一緒に、保管の際にはどうにかならないでしょうか、と言っておきます。
すみませんすみません。
先生は大人なので漢字表記で喋らせることにします。
感想下さってありがとうございます。
おかげさまで2話目を書くことが出来ました。
「エロいお姉さんは、好きですか。」って感じです。
投下します。
「俺と保健室と先生とU 先生の事情」
9レスの予定。
「これ以上、九条君に色目使うの、やめて貰えませんか。」
目鼻立ちのくっきりした、華やかな顔立ちの女生徒は、友人を二人も引き連れて私の前に
立ち塞がった。
この子が絡んでくるのは、これが初めてではない。がんばれ、がんばれ私。
いいオトナとして、小娘の言い掛かりには毅然とした態度を貫くのよ。
「色目……って何のことかしら? 私は先生で、彼は生徒。先生と生徒の間に、そんなことは
ありえません。」
私は精一杯取り澄まして言った。
「九条君はせっかくクラスに馴染みかけてるんです。これ以上保健室なんかに入り浸るのは
彼の交友関係にとって良くないと思いませんか? 先生。」
交友関係、って言うより、あなたが誘ってもなびいてくれないから、こっちに八つ当たりしに
来てるんでしょ? と言いたいのをぐっと堪え、あくまでオトナのスマイルで。
「保健室は誰が来てもいいところだから……。あなたも、来てみたらどうかしら?
いつでも、相談に乗るわよ。」
男漁りに来られるのはごめんだけどね、と心の中で付け加える。
「先生はよっぽど、高校生の男の子が好きみたいですね。ちやほやされるから?
いい年して、みっともない。」
そういう彼女は、しわやたるみはおろか、にきびもそばかすもない、ピカピカの肌をしていた。
若いってのはそれだけで素晴らしい。私が高校生のころは、こんなに綺麗な女の子じゃなかったけど。
「ええ、先生もいい年ですから、色目を使ったりなんてしないの。あなたのちょっとした、
勘違いじゃないかしら。」
まだ若い彼女は、きつい感じの目でキッと私を睨む。
「勘違いしてるのはあなたのほうでしょう?! デレデレしちゃって、みっともないのよ、このブス!!」
やった。こういう問答は、先に激昂したほうが負けである。
「まあ……。先生は相談は受けるけど、謂れのない中傷を受ける義務はないの。これで失礼するわね。」
にっこり笑って足早に通り過ぎると、なによババアのくせに、と棄て台詞が聞こえる。
生徒同士の交友関係に口出しするつもりはないけど、友樹君にああいうキツい娘はあんまり似合わない
と思うな。もっと大人しくて、落ち着いたタイプのほうが……。
いや、私は先生だから、あくまで関係ないんだけどね!!
* *
私がその子、九条友樹君と会ったのは、一年ほど前のことだった。
いじめを受けて不登校になり、その後、保健室登校を許可された男の子。
初めて会ったときは、眼鏡の奥の神経質そうな目がこちらをおどおどと窺っていた。
成績はトップクラスだったのが、いじめを受けて急落。最近の定期テストは別室で受けたと聞いた。
父親は大企業に勤めていて、家庭訪問をした担任の話だと自宅は「結構な豪邸」だとか。
最初のうちはただ連れられてきて、黙々とノートと教科書を広げ、時間が来たらなにも言わずに帰ることの
繰り返しだった。
でも、そのうちに慣れてきて、私がいても緊張の色を見せなくなる。休憩のときに一緒にお茶を淹れて
あげたりすると、素直に「ありがとう。」と言ったりする。
「ティーバッグじゃなくて、ちゃんと茶葉で淹れてあるんだ。美味しい。」
紅茶の味が分かる男子高校生なんて、初めて見たわ。
この子本当にお坊ちゃんなんだなあ、って思う。家には綺麗なティーセットの収まった立派な戸棚があるのが、
見えるようだわ。お弁当食べるときの箸遣いなんかも、妙に品がいいし。
しかも、笑うと意外と可愛い。女の子にも、もてるんじゃないかしら。
私とは、大違いだな。
いじめってのは、いろいろ持ちすぎてる子が妬まれて標的になることもあるのよねー、と思う。
持ち過ぎてる子も、持たな過ぎる子も、クラスの異端という点では同じ。……それが、いじめだ。
彼は少しずつ、自分のことを話してくれるようになっていた。
彼の話を聞いていて思ったのは、非常に感受性が豊かというか、繊細なこなんだなあ、ってこと。
暴力的ないじめは、確かにあった。けれど、彼が医療機関のお世話になるまでにエスカレートした時点で
表面化し、複数の大人の介入を受けてすでにおさまっていた。
それでも、今も彼を悩ませるのは、いじめを通して垣間見た傍観者の恐ろしさと冷たさ。
安全だと信頼することの出来ない教室で、どうして他のことに集中することができるだろう?
彼は頭のいい子で、話を聞いているとなるほどと思ってしまい、つい頷いて終わりがちだったりする。
いやいやでも、8年あまりもこっちの方が人生経験は上なんだから、何かいいアドバイスができたらなあ、
とは思うのですよ。
私だって、人並みに苦労はしてるわけだし。
「それでも、身近な人がひとりでも大切だって言ってくれさえすれば、なんとかやっていけちゃう
ものなのよね。友樹君にもいるでしょ、そういう人。例えば、御両親とか。」
この子を見てると、家庭訪問なんかしてなくても、二親揃って、たっぷりと愛情を掛けられてるなあ、
って思う。誰よりもこの子を愛してるのは、まず親だ。
「親……は、でも、思い通りの息子が欲しいだけって気がするし、俺はその点では、
もう駄目だな……。」
うむむ、そう来たか。そういや、私も高校のころは親の愛情とか言われても、全然信用して
なかったっけ。
高校生って、そういうお年頃なのかも。
それでも、実は親が一番に心配してたりするんだけどね。
私はどうやって、前を向いたんだっけ。
母子家庭で育って、いつも仕事で母はいなくて、自分自身も家事で忙しくて、それが日常だった。
気がつくとクラスでは浮いてて、流行のおしゃれの話題にも乗れなくて。根暗な子だったな。
私はこの世界に、いなくてもいい子なんじゃないかなあ、って思ってた。そうすれば、
お母さんだって苦労せずに済むし。
本当に、消えてしまいたかった。
息をひとつするごとに、次の息こそ、止めてしまいたかった。
でも、そんな私を引き上げてくれた何かが、あのときあった。
そうだ、サチ。
通学電車とホームの間に吸い込まれそうな気持ちで立っていたとき、彼女がばーんと背中を
叩いてくれたんだっけ。
「どうした? 朝からしょぼくれた背中して!」
なんて言って。
サチは運動部やってて元気で明るくて、それまで全然親しくなんてなかった。なのに彼女には
そんなつもりは全くなかったとしても、そのとき彼女は確かに私の危ないところを救ってくれたのだ。
それから、「朝の元気、分けてやるよ!!」なんて言って、買ったばかりのいちご牛乳を
くれたりしたんだっけ。
「私って、いてもいい子かな?」なんて変な質問をしても、
「おうっ!! 来週の球技大会、はるかがいないとバレーの頭数たりないだろ? いないと困るって。」
と、迷わず答えてくれたのだ。
サチはパワーに溢れていて、彼女の言葉には有無を言わせぬ力があった。
バレーの頭数。そのときの私には、何故かそれだけで良かった。涙が出た。一番危ないときに、
サチにそういわれただけで、自分ではどうしても抜けられなかった自己否定の迷路から抜け出せた。
私は彼女が大好きになって、球技大会も頑張った。それからは友達も増えてきて、悩む暇なんてなくなった。
サチとは今もいい親友だ。
以来、彼女みたいになりたくて、彼女みたいに誰かに元気を分けてあげられる人になりたくて、
私はいままでやってきた。
「先生じゃ、だめかな?」
「……何が。」
「友樹君を、大事だって言ってあげる人。友樹君がいないと、先生寂しいと思うし。」
この子はいい子だ。こんなところで、潰れていい子じゃない。
十代の綺麗な瞳が、私にまっすぐ向けられる。男の子と見詰め合うなんて久しぶり、とか
照れてる場合じゃない。
この子にはまず、信頼できる親友が必要だ。
私がその親友になろう。
* *
その日から、彼は変わった。
元々出来る子なのだ。
独学の自習だけで難なく授業に追いついたし、テストの点数も元通りとまではいえないけれど、
それなりに上がった。
保健室に来てる子達と話すのを聞いてると、その知識の広さと考えの深さにびっくりする。
以前の彼は周りの生徒とその辺のギャップを埋められなくて、とっつきにくくて高慢な感じ
だったけど、近頃の彼はあたりが柔らかくなって話しやすくなったみたい……と、
保健室に来ていた彼の同級生に聞いた。
そうなると、男友達だけでなく、女の子も寄ってきたりするわけで。
でもトモキ君は、女の子にはまだそんなに興味はないそうで、告白されても片っ端から
断っているみたい。
眼鏡はやめてコンタクトにしたら見栄えがよくなるんじゃ……と思っていたときもあったけど、
そうなると更に女の子が寄って来そうで、ぐっと飲み込んだ。
「ねえ先生、見てた?! シュート決まった!!」
ハイハイ見てましたよ最初っから。
だって君は、目立つんだもん。
そんな彼が、屈託なく笑顔を向けるのが私だけだという状況に、密かに優越感を感じていたことは、
否めない。
でも彼と私は先生と生徒。それ以上なんてあるはずもない。
彼の心の中で大事なところにいる親友。それだけでいい。
いつか大人になって、何かの拍子に思い出してくれたらいい。
そういう存在になりたい。
* *
彼も進級して3年になり、少しだけ大人びた表情をするようになった。
背も少し伸びて、まっすぐに背筋を伸ばして歩く姿は普通に格好いい。
初めて会ったとき、保健室で背中を丸めていた姿とは大違い。
彼に告白する女の子も、それに伴って振られた女の子も積み重なって膨大な数になり、その怨念は
唯一仲良くしている女である私に向かうようになった。
面と向かって言いがかりをつけてくるなんていうのは、正々堂々としていて逆に気持ちがいいくらい。
保健室を外すとき、うっかり鍵を掛け忘れただけで、机の引き出しを荒らされたり、嫌がらせの
落書きやメモを置かれたりした。勿論古典的に下駄箱も荒らされた。
でも、こんなのは平気。
私だって、友樹君ほどじゃないけど、いつもクラスの端っこにいたんだから、こういう普通の
いじめ程度はなれっこなのです。いまさら学生レベルの悪意に怯む私ではないのよ。
でも、学校宛に、文書の形で届く中傷には閉口した。
高校生にもなると、大人相手にこういう手を思いつく小狡さが加わって可愛くない。
曰く、「養護教諭の繁谷遥と、3年B組の九条友樹は、保健室で淫行に及んでいる。」
曰く、「某月某日、繁谷遥と九条友樹の二人の密会を目撃。場所は云々。」
反論するのも馬鹿らしいほどの事実無根の中傷だ。
多分振られて逆恨みした女の子だとは思うけど、かつて好きだった相手も纏めて中傷するという
根性が腐っている。それとも、可愛さ余って憎さ百倍という奴だろうか。
あまりにも事実とかけ離れているということは理解してもらえて、成績がトップクラスで
東大さえ圏内だという友樹君には何のお咎めもなしだった。
代わりに私には、厳重注意。
そもそも疑われるようなことをしている君が悪い、だって。
保健室で今後、彼と二人きりにならないこと。
できれば保健室に、来させないようにすること。
それが未来ある若者のためです。
ごもっとも。
でも中傷文の内容を彼に伝えるかどうかまで私に丸投げってどういうこと。
確かに青少年の健全育成に良くないようなことが細々と書かれていたけど。
言えるわけないじゃないの、あんな──あんな恥ずかしい中傷のために、もうここには来ないでなんて。
私は友樹君に中傷文のことを告げられずにいたことを、恥じらいのせいだと思っていたけれど、
もっと後になってから考えると、実は違ったのかもしれない。
ただ、隠された欲望が暴かれるのが、怖かったのかも。
彼には肝心なことは何も言えないまま、ただ、もうあんまり来ない方がいいとだけ言った。
もうすぐ受験で忙しくなるし。
いい大学狙ってるんなら、こんなところで時間潰してないでしっかり勉強しなきゃ。
対する彼はあんまり聞いてない様子だった。
大丈夫、時間はちゃんと見てるし。勉強もしてるし。
学校での勉強と家での自習の間のちょっとした息抜きだよ。
彼と私は、どうだったらもっと良かったんだろう?
私が、あと10歳ほど年上だったら?
私が、既婚だったら?
あるいは私が、男だったら?
そうしたら妬まれることも非難されることもなく、いい関係でいられただろうか。
大学を出て4年余り。共学だった大学時代に比べて、就職してしまうとびっくりするほど出会いがない。
そりゃあ彼氏がいなくて寂しくはあるけど、友樹君は高校生にしてはかっこいいけど、
いくらなんでも生徒と恋愛はご法度だし。
毎日充実してるし、当分一人でもいいとは思ってるんだけど。
そうだ、性別も年齢もどうにもならないし、急に既婚になれるわけもないけど、実は彼氏がいます、
って言っておくのはどうかな。
だからあなたたちのライバルにはなりませんって。
女の子達もそれで結構納得して、大人しくなるかもしれない。
うんうん。
分かりやすいアイテムとして、指輪、とかどうかな。どうせ中傷文を送った生徒も本人が
卒業すれば大人しくなるだろうし。それまでの間のことだし。
子供騙しだけど。
というわけで、次の休みの日、貯金をはたいて自分用に指輪を買った。
店員さんに何度も「左手の、薬指でございますか?」って念を押されたけどね!!
放っときなさいよ!! 人にはそれぞれ事情ってもんがあんのよ。
* *
女の子達へのプレゼンテーション(?)は、割と上手くいったと思う。
普通の女の子はそういう話題が好きだし、アクセサリーも好きだし、私に敵意がある子達だって、
私に友樹君じゃない彼氏が出来るなら、その方がいいのだ。
女の子達は、騙されたがっていて、虚構の彼氏の作り話に興じてくれた。
でも、なんで?
何で友樹君はそんなに辛そうな顔をするの?
「男が出来たんだ? だから俺には、もうここに入り浸るなって?」
そうじゃない。
そうじゃないの。全部、君のため。私の中では。
「そうじゃないの。友樹君にはもう、ここはなくてもいい場所だから……。もっと友達と、
付き合ったほうがいい……。」
もっと友達と付き合って、先生という飾りを取ったらただの年増な私のことなんか放っといて、
そしていつか懐かしく思い出してくれればいいから。
「何だよそれ。ずっと俺の味方だって言ったくせに。いないと寂しいって、言ったくせに。」
思い出させないでよ。
君がいないと、寂しいよ。
でもそんなこといってられないんだから。先生は、先生なんだから。
そして君は、前途有望な生徒なんだから。
「それは……、今でも、そう思ってる。」
いっそのこと、男だったら良かったかな。
そうしたらもっと自然に、君と一緒にいられたかな。
もっとずっと、一緒にいられたかな。
「これ、新しい男に貰ったんだ……。結婚するの? その男と。」
彼は大きく逞しい手で、私の左手首を掴んだ。
だめ。
壊れてしまう──『わたし』が。
握られた手首が、熱かった。全神経がそこに集中して、彼の感触を捉えようとする。
「先生、相手の男に言われた? 余計な奴に、関わるなって。高校生といえど、男なんだからって。」
「違……っ……」
違うの。そうじゃないの。高校生って言うのは、男じゃないの。男の範疇に入れちゃ駄目なの。
だって、私は先生で、君は生徒なんだから。
たとえ──どんなに好きでも。
「じゃあなんで、俺を避けるんだよ!! 俺の目を見ないんだよ!! 幸せで仕方ないんだって、笑えばいいだろ?!」
楽しかった、幸せだった。君といて。
はるか先生、って呼びかけるその笑顔を、いつも楽しみにしてた。
あの中傷文のこと、言えなかったのは、それが本当は私の望みだったから。
そんな気持ちはないって言いながらも、許されないって知りながらも、君とそうなることを夢見てた。
ばかみたいだね、私。
突然、広い胸に抱きしめられた。
全身に火がついたようにカッと熱くなる。
だめ、だめ、だめ。
そんなのだめ。
──違ウ、ヤメナイデ。
「先生、知ってた? 俺、先生が好きだった。ガキだけど、本気で。」
多分、知ってた。
気付かない振りをしながら、熱い視線を、感じてた。
あの視線を感じると──カラダガ、熱クナッテタ。
やめて、やめて。暴かないで。女の『わたし』を。
いつだって真面目で品行方正。
間違ったことは許しません。
そうでなきゃならないの。
母子家庭の子だから余計に、正しくあらねばならないの。
先生になって余計にそうなの。
女の欲望なんか、厳重に包み隠さなきゃいけないの。
生徒相手に恋なんか、しちゃいけないの。そうでしょう?
生徒を惑わしちゃいけないの。
未成年との淫行なんか、もってのほか。犯罪です。
想像するだけでもいけないの。
夢で見ても、すぐに忘れなきゃ。
だから、ねえ。
──ヤメナイデ。
「必死でいい子の振りしてたけど……、なんか、もう、疲れたな。」
いい子の振りをしていたのは私。それこそ必死で。死にものぐるいで。
手首を縛りつけられて、自由を奪われて悦んでいる私がいる。
──ハヤクチョウダイ。欲シイ、欲シイノ──
「叫んでいいよ、先生。俺は停学でも退学でも、もう恐くないから。」
だめ、それはだめ。
「だめ……!! 友樹君はこんなこと、しちゃいけない……!!」
男に身体を愛されるのは、久しぶりだった。
彼の少し骨ばった手が触れるたびに、おかしいほどに濡れてしまう。
──待ッテタ、ズット待ッテタ。好キ、好キナノ、君ガ好キ!
身体が感じるほどに、欲望と理性に心が引き裂かれる。私は長い間、自分の欲望を
ないものとして押さえ込んできた。自分の恋心も。
そしていま、好きな男の手に触れられて、欲望が暴れだす。
恋人がいなくたって、そりゃあ平気だったはずだ。好きな相手に好かれて、傍にいて
もらったんだから。
きっと私は、欲望に満ちた目で彼を見てた。
そして彼を誘惑した。
「もういいんだ、いい子のふりなんて。結局は、何も手に入らない。」
彼は苦痛に満ちた目でそう言う。彼はずっと泣きそうな顔をしていた。
彼を傷つけたのは、私だ。なのに、欲望は更に疼く。
──傷ツイタノ、傷ツケラレタノ。コッチヘ来テ。私ノカラダデ、ナグサメテアゲル!!
ネエ、来テ、来テ、欲シイノ、焦ラサナイデ、気ガ狂イソウ。
いや、だめ、だめ。君はこんなこと、しちゃいけない。
心は千切れそうなのに、身体は否応もなく高まっていく。
ずぶり、と、彼が入ってきた。
何年も男を受け入れることなんて忘れていたのに、濡れそぼっていた私のそこはほとんど
抵抗もなく彼を迎え入れた。
そして圧倒的な歓喜に貫かれる。
「あぁっ……!!」
間髪をいれず、彼の手が私の口を塞ぐ。
「ごめん、声上げていいなんて言ったけど、気が変わった。やっぱりこれは……邪魔されたくない。」
私の耳許で囁く声はぞっとするほどの色気をはらんでいて、声だけでもゾクゾクと感じてしまう。
いつのまに、こんな声を出すようになったのだろう。
いつかの少年は、瞬く間に成長し、大人の男になって。
そして私を魅了する。
彼は私を抱きしめるようにして腰を動かした。
「あぁっ!! 友樹君、いいのっ、君の、凄くイイの!! 好きっ、好き!!!」
口を塞がれていなければそう叫んでしまいそうだ。
代わりに、彼の手のひらにこっそりキスを繰り返しながら、快感を貪る。
技巧も無く突かれた短い間に、何度も達してしまった。
強過ぎる快感の余韻で動けない私から、彼は出て行った。
私は喪失感に身震いする。
「もう……、終わったでしょう……。早く、ほどいて……。」
見られたくなかった。汚い私。
生徒と交わって、腰が抜けるほど快感を感じてしまう私。
なんて、淫らな。
獣にも、劣る。
「終わった? 冗談じゃない。」
彼はもう泣きそうではなかった。微笑んでさえいる。
それだけに、彼の苦悩の深さがわたしの胸を刺すのだった。
彼はまだ終わらないと言う。
こんなこと、見つかったら大変なことになるのに。
なのに、私のカラダはぞくぞくと疼いて。
その業の深さに戦慄する。
「一回目は性急過ぎたからね。次はもっとゆっくり、愉しませてあげるよ。」
彼は私の口を塞ぎ、言葉の通りに、全身をゆっくり愛撫してくれた。
ああ、夢みたい。
本当は、何度も夢に見ていた。
その度に、無理矢理忘れるようにして。
彼はとても勘が良かった。
イイ所は、身じろきして軽く呻くと、何度も繰り返し愛撫してくれて。
一度目は勢いでいかされたけど、二度目は技巧でいかされた。
射精後に汚れた彼の一物も、嫌がる振りをしながらその実、喜んで奉仕した。
──ああ、これが私のなかに入って、あんなふうに動いて……
そう思うだけで、奉仕に熱が入る。
そして、私の口の中で彼が固さを取り戻すのを感じて、また濡れるのだった。
三回目は、さすがに彼も疲れたのか、密着するようにして甘えてくる。
三度目は、肌の触れ合う気持ちよさと、彼の可愛さに感じさせられた。
そして一人になって、絶望に苛まれる。
汚い、欲望にまみれた私。
汚い、汚い、汚い。
あまつさえ一人の夜、彼の硬さを思い出しては自慰に耽った。
あんなことがあって、どんな顔をして先生を名乗れるだろう。
学校には、辞表を提出した。
私が許される場所は、どこかにあるのだろうか。
──終──
以上です。次で終わる予定です。
ハッピーエンド希望。
GJ
先生視点だと先生も普通の女なんだよなってギャップがよかったw
というか口でやったぐらいだから
少しは好意を持ってくれてると思ってたら
ここまで両思いだったとは・・・
次も楽しみにしてます!
>>651 ここって愛あるレイプのスレだから対象に愛がない
それ主体の話なら普通にスレチだと思うよ
すごく…よかったです…
すごく、本当に良かったです
SSでこんなに続きが読みたいと思ったのは初めてです
なのでどうかお願いします続きを…
視線書いた人の作品もっと読みたい。お姫様スレとかで作風が似てるなーって作品は過去にあったけど。個人のサイトとかあるのかな。どうやって探せば良いのやら…
漂うストーカー臭
>669
活字追ってるだけだから勘弁して。
ストーカーはそう言って自分を正当化するものです・・・
ここでつぶやいても
「実は私は○○で書いてますー」
なんて視線の人がいうわけもないし
言ったら視線の人が叩かれるだろアホか
チラ裏にでも書いとけ
投下します。
最終話は、やはり長くなったので男視点と先生視点に分けました。
でも続けて投下します。
俺と保健室と先生とV それからの俺 4レス
俺と保健室と先生とW それからの先生 6レス
の予定です。
連投規制で引っかかったらすみません。
注意事項:最終話のため和姦
あれから、はるか先生の行方は知れなかった。
学校を辞めたあと、どこへ行ったのかも、個人情報の保護とかいうのが邪魔して俺には教えて
もらえなかった。
俺は、完全に彼女を見失った。
どうしようもない、自分のせいだ。
嫉妬に狂って、彼女を穢した。
彼女の身も心も、滅茶苦茶に傷つけた。
せめて彼女の前に手をついて謝りたくとも、彼女はそれすら許さなかった。
もう、彼女はいない。
保健室には新しい養護教諭が入り、学校から彼女の残り香は消え去った。
心の中にぽっかりと開いた穴を埋めるように、俺は勉強に打ち込んだ。
他に何も知らなかったし、他に何もなかった。
そして彼女もそれは望んでいるような気がしたのだ。
『もう3年の夏なんだから、勉強しないと』
そう繰り返す彼女の優しげな声は、穢されることなく俺の中にあった。
縋るものは、もうそれしかなかった。
あまりにも幼く、あまりにも馬鹿で、あまりにも無力だった俺。
自分を変えたい。
いつかまた、大切なものが出来たときに、傷つけずに済むように。
ちゃんと守って、優しくしてやれるように。
その想いだけが、俺を支え続けた。
* *
そして何年もの時が過ぎ、大学も卒業して社会人になった。
その間に何人かの女性と付き合ってみたが、誰にも本気になれず、長続きはしなかった。
大切で、大事で、大好きだった女に、結局は酷いことをしてしまったと言う記憶が、他人に
踏み込むことを躊躇わせた。
彼女──はるか先生のことは、ずっと探し続けていた。
けれど、今日職員名簿からも名前を消してしまった彼女の行方は分からなかった。
あの頃、彼女が住んでいたという住所も、何度か訪ねてみた。そこには、見知らぬ他人が、
全く別の生活をしていただけだったけれど。
俺は彼女のことを、何一つ知りはしなかった。
どこで生まれ、どうやって生き、どんな風に大人になり、誰を心の中に住まわせていたのか。
ただ彼女が俺に共感を寄せてくれて、味方になってくれたことに有頂天になって、彼女に依存した。
彼女の事情など、知ろうともしなかった。いや、いずれ彼女の方から、教えてくれるだろうと
のんきに構えていた。
そして棄てられそうなって焦り、子供のように駄々をこねた。
逢いたかった。
もうとっくにあのときの男と幸せな家庭を築いていて、俺なんかと会う気はないのだとしても。
懺悔したかった。謝りたかった。償いを、させて欲しかった。
雑踏の中、雰囲気の似た人と擦れ違うと、追いかけずにはいられなかった。
彼女と同じ姓を、同じ名前を、いろんなところで探した。
外回りの多い営業職を希望したのも、そのせいだ。
はるか先生──
ねえ、どこにいるの。
俺をまだ、憎んでいる?
* *
そして唐突に、彼女の消息がもたらされることになる。
就職2年目の、夏のクラス会。
久しぶりに会った同級生の一人が、彼女に偶然に会ったというのだ。
「お互い、久しぶりー、って言ってね。今は、先生はしてないんだってさ。」
同級生の女の子は、女同士の気安さで、あっさりとはるか先生とアドレス交換をしていた。勿論住所も。
俺は震える手で携帯を操作した。
S市。それほど離れていない。
そんなところに暮らしていたのか。
俺はすぐさま休みを取って、S市に向かった。
駅を下りるともう、緊張で心臓が破裂しそうだった。
この街のどこかに、彼女がいる。
そう思うだけで、足が震える。
突然俺が会いに行ったら、どんな顔をするのだろう。
嫌悪か、怒りか、軽蔑か。
いま彼女が幸せなら、波風を立てるつもりはないけれど。
それでも、どんな反応をされても、彼女に逢って過去を清算しない限り、俺はもう一歩も前に
進めないんだ。
昼過ぎに駅について、炎天下、やっとの思いで目的の住所を探し当てた。
表札には繁谷遥、と彼女の名前。
そしてその横には──男の名。
また緊張で、吐きそうになる。
予想できたことだ。別に彼女が結婚していたって、会わなきゃ駄目なんだ。
もう逃げない、過去の自分から。
それから待った。体が石になりそうなくらい、待った。
いっそのこと石になってしまえばいいのにと思った。そうして俺の想いだけを、彼女に届けられれば
いいのに。
いつしか夕暮れ時になり、家路を辿る子供の声が聞こえ始める。きゃあきゃあと甲高い、楽しげな声。
「よーしトモくん、玄関まで競争だ!!」
そしてその母親らしき人の声。
矢のように走ってくる小さな男の子。俺の待つ部屋のドアにぶつかるようにして手をつき、叫ぶ。
「いっちばーん! 勝った勝った!! おかあさーん、はやくー!!」
俺の前で、足を止める人影。俺を見て目を見開く。
「……はるか先生。」
彼女は言葉を探すように、くるくると瞳を動かした。やばい。想像してたよりずっと可愛い。
髪はあのときより短く切って、ゆるくウェーブのかかった髪が彼女の動きにあわせて揺れる。
何よりその表情が、記憶にあるよりずっと生き生きして、弾けるように明るい。
むしろあの頃より、幼くさえ見えた。
「──元気そうだね。」
他に何も思いつかず、陳腐な挨拶を口にする。
「う、うん、元気。」
彼女も答える。そのあとはゆったりとした沈黙が流れた。でも嫌な沈黙ではなかった。
「お、か、あ、さーん。」
男の子は玄関前でむずがって、彼女を呼ぶ。
子供までいることを想定していなかった俺は、ひどく動揺していた。でも彼女には動揺を
悟られないよう必死で平静を装う。
「……眼鏡、やめたんだね。」
「ああ、うん。営業だから見栄えをよくしろって言われて、コンタクトに。」
って、6年ぶりに会ったのに、いきなり眼鏡の話か。俺のことは?
もっと何か言ってよ。ねえ、はるか先生。
「おまえ、なんだよ。」
俺を見上げてくる生意気そうな目。男の子は泥のついた運動靴で、俺の足にキックを繰り出している。
この子を見ていると、酷い既視感に襲われる。それに、あの名前。
「俺はおまえのお母さんの、えっと、友達だよ。古い友達。」
「ふうーん。」
胡散臭そうに、俺を精一杯睨んで見上げる。ああ、こんな表情が更に、似ている。
「ボク、名前は。」
「ボクじゃない。おれは、シゲタニトモヤだ。」
表札にあった名前はこの子か。道理で彼女の姓が変わってないし、彼女の名前が先にあると思った。
「じゃあトモヤ君。君のお父さんは。」
「そらのうえ。」
「飛行機?」
「てんごく。」
彼は素直に俺の質問に答えた。この年頃にありがちなぶっきらぼうな喋り方だけど、
割と分かりやすくて、素直な性格みたいだ。
「お父さんに、会ったことはある?」
「ない。でもお母さんがいつも言ってる、お父さんはやさしくてかっこよくて、とっても
すごい人だったって。おれもそうなる。それで、お母さんをまもってやるんだ。
おまえもお母さんにわるいことしたら、おれがやっつけるからな。」
子供なりに、ぎゅっと凄んでみせる。俺は核心の質問をぶつけた。
「お父さんの名前は。」
「──トモくんっ!!」
彼女がやめるようにと叫んだ。でも彼は俺との会話中だった。
小さい子供は、ふたつのことを同時にできないものだ。
そして俺の予感は的中した。
「トモキ。」
がつん、と頭を殴られたような衝撃だった。どういうこと。どういう。
「いま、いくつ?」
「5さい。来年は、小学校だぞ。」
彼は誇らしげにふふんと胸を張った。
あれから6年。計算は、多分合ってる。
なにより、どこかで見たような目つき。
男の子の、手を掴んで広げた。指の形も、爪も俺とよく似ている。
細長い爪で、特に人差し指の先が尖っていて、指のきわまで爪がついてる。
昔ピアノを習っていたころ、鍵盤が弾き辛くて苦労した──
彼女は両手で顔を覆って、でも耳朶まで赤く染めている。
「どういうこと。」
俺はなるべく動揺を隠して訊いた。
「俺の子だよね?」
強い口調でそう問いただすと、彼女は否定しなかった。
そしてゆっくりと、顔を覆っていた手を下ろす。悪戯を、見つかった子供みたいな顔をしていた。
「……うん。」
「どうして知らせてくれなかったんだよ。」
「だって……、トモキ君はまだ学生で……大事な時期だから……」
「高校はすぐに卒業しただろ?!」
「でもいい大学に入って、これからって時に、子供が生まれたなんて言われても、困るでしょう……。」
「困る困らないの話じゃなくて……。俺の子なんだろ?
もし知ってたら俺、なんでもしたのに。学校辞めて、働くことだって。」
「そういうのが駄目なの。せっかく優秀なんだから、みんな君に、期待してるんだから。」
彼女は先生のときのままの口調でそう言う。
どうなってるんだ。あのときの男とは、別れたのか。
どうして彼女は、俺の子を産んで一人で育ててるのか。
一人で育てるくらいなら、俺に知らせてくれればよかったのに。
学校を中退しなくても、何かの支えに、なれたかもしれないのに。
足元では友也、と俺と同じ字を持つ男の子が、
「おかあさんをいじめるなー!」
と、俺の足を蹴り付けている。
ああ、もうめちゃくちゃだ。
用意してきた台詞がひとつも役に立たない。
「逢いたかったのに。ずっと、探していたのに。居場所すら、知らせてくれないなんて。」
「えっと、ご、ごめん……。」
「許さない。結婚してよ。そうでないと許さない。結婚して。今すぐ結婚して。」
ばかか俺は。どこの駄々っ子だよ。
あれから6年も経っていながら、もっとこう……上手い口説き文句のひとつくらい、出てこないのか。
「でも私、もうおばさんよ。」
「それが何だよ?! ……今も、可愛いよ。」
彼女は俯いて黙り込む。その左手には、鈍く光るようになった、あのときの指輪。
「今なら、その指輪よりずっといいやつ、買ってやれるから。」
あのときの男を、本当は忘れていないのだろうか、とちらと思う。
でも、俺の子を育てていてくれた。
再会した彼女が見せたのは、嫌悪でも怒りでも軽蔑でもなかった。
脈がないわけではないはずだ。これは俄然、頑張るしかないだろう。
「……結婚してよ。」
とりあえずもっと、いい口説き文句が言えるようにならないと。
──続く──
6年前、学校を辞めた私は、すぐに自らの妊娠に気がついた。
友樹君には、二度と会わないと決めていた。
きっと私は弱いから。
会ってしまえば、先生と生徒の垣根を越えることが罪深いと知りながら、彼のためにならないと
分かっていながら、きっと彼に惹き付けられずにはいられない。
そして彼を巻き込むだろう。
でも不思議と、堕胎、という選択肢は私の中に無かった。
私も母子家庭で育った。母親だけでも、子供は育てられるのだ。
他に行く当てもなく、母の元に身を寄せた。
あなたまで未婚の母になるなんて! と母は泣いたが、結局は許してくれた。
こうなって初めて、知ったことがある。
女は弱し。されど、母は強し。
子供を宿して、女は強くなるのだということ。
まだ形にもなっていない小さな生命が、びっくりする位の気力を与えてくれるんだってこと。
お腹の中で育つ、好きな人の赤ん坊は、私に誇りと、そして生きる意味を与えてくれた。
私はこの子のために生きていけばいいんだ。
そして知る、私はこんな風に、母に愛されていたんだってこと。
私は、生まれてきてよかったんだ。
* *
生まれたのは、男の子だった。
子供が小さいうちは、あまり長時間働くことも出来ない。
保健婦としての資格で、市役所の臨時職に採用が決まった。
男の子の育児って、大変だ。よく動き回るし、うるさいし、発達は女の子よりゆっくりで、
何をするにしても時間がかかる。おまけに、ちょっと目を離すとどこかに傷をこさえてきたり
するし、好奇心が強くて活発なせいで、目が離せない。
でも、そのぶんすごく可愛い。
保育園で貰ったお菓子を「おかあさんにあげる」と持って帰ってきてくれたりするし(ただし
包み方がいいかげんなせいで、帰る頃にはぐちゃぐちゃ)、うたた寝してると、押入れから
引きずり出した、やけに分厚い布団をそうっと掛けてくれてたりする。。4歳の頃には「おかあさん、その服、にあうね。かわいいよ。」と、口説き文句まがいの言葉を
どこかから覚えてきてびっくりした。
名前は、彼の名から一文字を取って、友也。トモくん……と呼ぶたび、胸の中に甘い余韻が
過ぎることは否めない。
でも、この子の父親に会いに行くことは、躊躇われた。
何の相談もなく、産んだ子ども。今更責任を取ってなんて、言えるだろうか?
せっかく行っても疎ましがられて帰るだけなんて、悲しすぎる。
こっそり高校を訪ねてみれば、彼が志望大学に合格していることはすぐ分かる。進学校なので、
合格した大学名と生徒名は一年ほど掲示されているのだ。
大学に進学して、新しい恋人が出来ているとしたら……子供の世話にかまけて手入れもしていない
ぼさぼさの髪、ガサガサの肌で今更若い子と張り合うなんて、無謀だわ。
この子がいつか大きくなって、自分の父親探しをするようになったら、そのときは色恋なんかと
関係なしに、この子を会わせるためにだけ、連れて行ってあげよう。
そう思っていた。
なのに、なんで。
「……はるか先生。」
こんなときに、こんなところにいるの。
汗で崩れまくったメイクに、ウェーブの取れかかった髪。
クールビズ対応でラフなポロシャツに、着古してボロボロなスカート。
いつもならもっとちゃんとして、とは言い難いけど、今日は特に暑くて、汗まみれで、酷い状態なのに。
どうして先に連絡くれたりしないのかしら。突然でなければ、もっとちゃんと、こう。
「──元気そうだね。」
自分は高そうな、仕立てのいいスーツ着て。アイロンの効いたシャツ着て。
前よりも深く響くハスキーな声になった気がするわ。
「う、うん、元気。」
「眼鏡、やめたんだね。」
あの頃、少年らしい透明さを持っていた眼差しはいま、年月を経て大人らしい重さと深みを増して。
眼鏡を挟むことなしに、そんな目で見つめられたら私、どうしていいか分からない。
──あ、だめ、トモくん。
「でもお母さんがいつも言ってる、お父さんはやさしくてかっこよくて、とってもすごい人だったって。
おれもそうなる。それで、お母さんをまもってやるんだ。
おまえもお母さんにわるいことしたら、おれがやっつけるからな。」
もうっ。恥ずかしいからよその人に行っちゃ駄目だって、いつも言ってるのに。あの子ったら、
お母さんの話を、いつも聞いてない。
「お父さんの名前は。」
あ、駄目、それ言っちゃ、だめ。
「トモキ。」
* *
トモくんと一緒に家に帰り着くと、いつも玄関を開けた瞬間から、戦場だ。
晩御飯を急いで作ってせかしながら食べさせ、お風呂に入れてあげる。5歳児はまだ一人で頭も洗えない。
寝かしつけも、添い寝して絵本を読んであげないと寝付けないし、そのあともう一度起きて、
後片付けと翌日の準備。それだけで、夜は更ける。
でも友樹君は、思ったよりずっと手際が良かった。
ご飯の準備をしている間にトモくんはシャワーを浴びてピカピカになってて、いつももたもた食べてる
晩御飯は急いで食べ終わって、『決闘だ!!』とか言いながら二人でテレビゲームで対戦。
食事の後片付けなんかを済ましている間に、トモくんはコントローラーを持ったまま倒れて寝てた。
「……子供の相手、上手いのね。」
子供なんて汚い苦手、って言うのかと思ってた。
「学生時代、実習やバイトもしたし、その他も色々やったから。」
隣の部屋に布団を敷いて、トモくんを運んであげる。
そして戻った私の袖を、友樹君が引く。
「俺、働いたから、ご褒美ちょうだい。」
「……あっ。」
今さらな年齢の私の何かが、まだご褒美として通用するのだろうか。戸惑う間に彼の腕の中に
すっぽりと包まれる。
パジャマ代わりに使っているTシャツの背を、骨張った手がするりと撫でる。途端にその手の
触れた軌跡がすべて燃えるように熱くなり、体中の力が抜けてしまう。
「ブラつけてないんだ……。これ据え膳だよね? もう食べないと恥になるレベルだよね?」
このあいだ泊まりに来た友達に、何だその色気のない格好は! と散々言われた、何年も着た
Tシャツに、綿の短パン。
新しい男作る気がないのかー! と言うので、いりませんとそっけなく答えておいた。
こんな格好で、何かを期待していた、というわけじゃないけれど。
「そんなつもりじゃ、ないんだけど……。」
触れられた部分が熱くて、熱くて、もっと触って欲しくて、泣きそうになる。
「なかったんだけど……、その、良かったら、食べてください……。」
彼はすぐに抱きしめてキスをしてくれた。
「ヤバイ、もうヤバイ。はるか先生は、俺を煽るのが上手いね。」
軽く何度か唇を合わせたあとに、舌を絡める情熱的なキス。唇も舌も、本当に食べられてしまいそう。
その間に、彼はそんなことを言う。
「もう、先生じゃない……っ……」
「ああ、そうだね。もうただの、男と女だ。はるかサン?」
ただの男と女じゃなくて、若い男とおばさんなんじゃないかしら?
うっすらとそう思ったけれど、Tシャツをたくし上げられて、そんな余裕はなくなった。
「あぁっ……!!」
布越しに触れられているだけでも燃え上がりそうだったのに、直接肌に触れられると、頭の中が
真っ白になる。
「さっきからどこ触ってもあんあん言っちゃって……全身性感帯なの? はるかサン。」
「身体が……おかしいの。ああ、熱くて、燃えちゃいそう……!」
「感じやすくて、すっごい可愛い……。まだ大したとこ触ってないのにね。じゃあ、これはどう?」
彼の手が胸のふくらみを掬い上げるように包んだ。何年も触れられる感触を忘れていた私の肌が、
その丸さと柔らかさを思い出す。手のひらに包まれる先端が、特別に繊細で敏感なことも。
柔らかな肉を捏ね上げるように大きな手がゆっくりと動き、長い指が食い込んでゆく。
「あッ……!! ──ッ!! ────ッ!!」
襖を隔ててすぐそばにトモくんが寝ているのに、大声なんか出せなくて、必死に自分の手を当てて
声を噛み殺す。
「乳首もすぐに勃てちゃって……。よっぽど触られるのが、好きなんだね。」
彼の手のひらに包み込まれて、先端を軽く転がされるだけで、身体の心までゾクゾクとした
刺激が突き抜ける。
「あぁっ、く、あっ……」
「ねえ、赤ん坊には母乳あげたの? あんまり形、崩れてないね。」
その手は私の胸のふくらみの柔らかさと形を丹念に吟味するように動く。
「あ……、一歳…すぎまで、ちゃんと……お乳、あげてたもん……」
「じゃあ、ざっと4年前までは、一日に何度も、こうやっておっぱい、吸わせてたんだ。」
そう言って彼はしこり切った胸の先端を口に含んだ。授乳のときとは似ても似つかない
いやらしい快感が全身を走る。
「違……っ。いいかげんなこと、言わないで……。赤ちゃんはそんな吸い方、しないもん。」
私がそう言って抵抗するのにも構わず、彼は口に含んだ敏感な部分を吸いたて、しゃぶり、
舌の上で転がした。
「だめ……! あっ、へんなの、なにか……ああ。」
口に含んでいない方の乳首も指先できゅっと捻り上げられると、倍増した快感が奔流のように
押し寄せ、もうどうしていいかわからなくなってしまう。
ただ泣きながら身を捩り、されるがままに任せるだけ。
ああ、でも我を忘れて、もっと、と強請ったりしなかっただろうか?
頭の中で何度も白い光が弾けて、私は胸を弄られたまま達した。
一度気をやってしまった私はぐったりとして、畳の上にそっと横たえられる。
「ん? 涙が出てる。気持ちよすぎて泣いちゃった? かーわいいの。」
私よりも八つも歳下の彼は、そんなことを言って眦に浮かんだ涙を舐め取ってしまう。
「こっちもまだなのに……あ。」
服の上から私の下半身をまさぐりながら、なにかいいものを見つけたように嬉しそうな顔をした。
「凄い、服の上からでも分かるくらい、濡れてる。」
そう言って何度も確かめるように、脚の間を撫で回す。酷く恥ずかしくなって私はぎゅっと脚を閉じる。
「きっとさっきシャワーに入ったあと、よく拭かなかったんだわ。」
それでも男の力は強くて、パジャマ代わりの丈の短い綿パンツは簡単に脱がされてしまう。
それからゆっくりと、弄るように時間を掛けて下着を引き下ろされる。
「糸引いちゃってる……。パンツの方も、ぐしょぐしょだ。」
私は恥ずかしくて両手で真っ赤になった顔を覆った。今更、顔だけを隠したからといって
どうなるというわけでもないけれど、そうせずにいられない。
ちゅぷ、と彼の長い指が侵入してくる。彼の言うとおり、そこはたっぷりと蜜を湛えていて、
侵入者を悦んで迎え入れる。
「──あっ……。あ、やあぁっ……。」
その指は酷く器用に、ひとつひとつの襞を探るように動いた。秘洞のなかを探りながら、奥へ奥へと
進んで行く。同時に外に残った指が、蜜の中でぷっくりと膨れた花芽をぐりぐりと擦りあげる。
「わかる? はるかサンの下の口が、俺の指を美味しそうに食べてる。はやく本物が欲しいって、
涎を垂らしてるよ。」
とても嬉しげに、彼はわたしを言葉でも弄る。
「言わないで……。」
ふしだらな女と思われるのは嫌だった。特に彼には。なのにわたしの体は意に反して、淫蕩に
彼を求めてしまう。
「とっても可愛いよ、はるかサン。可愛すぎて、もう我慢できなくなってきた。ねえ、挿れていい?」
そんなこと、聞かないで欲しい。
彼は私の沈黙をいいように解釈して、私の脚を開いた。
ちゅく、と猛った雄の先端が蜜口に触れる。
「や……あぁっ……!!」
全身が、彼を受け入れる予感に震えていた。
埋めて欲しい。埋めて欲しい。私の中の空虚を。君のいない6年間を。
そして、いっぱいに満たして欲しい。
彼は、ゆっくりと入って来た。何年も無視され、虐げられていた隘路が、ぎちぎちと押し広げられてゆく。
私は彼の背中に腕を廻し、痛みと恥ずかしさと快感がないまぜになった、嵐のような感覚に耐えた。
「うぁ……。はるかサン、そんなにきつく締め付けたら、すぐに出ちゃう……。」
苦笑交じりに、彼はそう言う。
でも、余裕がないのは私のほうだった。彼とひとつに繋がった、そのことに勝手に身体が歓喜の声を上げ、
ひとりでに腰が揺れてしまう。
「も……、勝手に動いちゃ駄目だろ。そんなに欲しいの?」
両手で私の腰を掴み、彼はそこからゆっくりと陰茎を引き抜いた。先端まで抜けてしまうぎりぎりの
ところまで引いてから、一気に奥まで押し込む。
「ひあぁぁっ!!」
頭の奥で、ぱちぱちと光が弾けた。彼は快感に朦朧とする私の腰を掴んだまま、もう一度ゆっくりと腰を引く。
期待感に焦れる私を眺めながら、彼はなかなかそこから動こうとしなかった。
「欲しいって、言ってごらん。気持ちよくなりたいんだろ?」
彼はうっとりするほど色気のある声で、凄みのある微笑でそう言う。その目で見詰められると、
私の理性はとろとろに蕩けてしまう。
「ほ……、欲しい……の。おくのほう、いっぱい、突いて……。」
私がそう口にすると、彼は満足げに笑った。
「……素直だね。」
途端に、がつがつと音がするほどに激しく突き上げられる。
「あぁっ!! イイっ!! イっちゃう、イっちゃうっ!!」
急激に高められて、また達してしまう……その寸前に、動きを止められてしまった。
「あ……?」
「ねえはるかサン、俺のこと、好き?」
既に理性も判断力もとろとろだった。ほとんど酩酊状態のような私は、喜んで彼の望むままに答える。
「うん、好き。」
「俺の名を呼んで。」
「友樹君、好き、好きよ……。」
「……俺と結婚、する?」
「する。したい。君のお嫁さんに、して欲しいの。」
そこから先は憶えていない。
ただもう苦しいほどに気持ちよくて、幸せで、抱きしめた彼の身体がふるりと震えたのを最後に、
私は意識を手放してしまった。
* *
次に目を覚ましたときも、まだ彼に抱きしめられていた。
快感の余韻の残る虚脱した身体で、温かく抱きしめられていると、幸せで泣きそうになる。
「はるかサン、俺を憎んでる?」
彼がそう問うので、ぼんやりしたまま答える。
「かんがえたこともない……。」
彼は続けて問う。
「俺が嫌い?」
「嫌いなわけない、すきよ。」
「軽蔑する?」
「友樹君は、エライ子だわ。みんな君を、好きなの。」
「本当?」
「ほんとよぅ。」
「……よかった。」
彼はそう言ってまた私をぎゅっと抱く。抱きしめられると気持ちが良くて、つい縋りついてしまう。
「はるかサンが俺に死ねって言ったら、俺、死ぬ自信あったもん。」
なんだか彼の言うことが不穏で、ちょっとだけ現実に引き戻される。
「どうして、そんなこと……?」
「俺、酷いことした、あのとき。そしてはるかサンは、俺を許さずに、俺の前から消えた。」
彼の身体は小刻みに震えていた。
「許さなかったわけじゃなくて……。」
なんと言ったらいいのだろう。君の事を、嫌いなわけない。軽蔑なんかするはずない。
「許せなかったのは、私自身。友樹君は、優秀な生徒で、未成年で、私は……先生だったのに。」
「そんなこと、関係ない!」
彼は絞り出すように叫んだ。
「俺はガキでも本気だったし、今でも、本気だ。
笑うかな? 俺の時間は、あのときから止まってる。最悪なときに好きな人が出来て、その人だけに
褒められたくて頑張って、棄てられそうになって、怖くて怖くて、どうしようもなくて、傷つけた。」
「それで、自分の方が傷ついてしまったの……。優しいね、友樹君は。」
どうしたらいいか分からなくて、彼の髪を撫でる。
「優しくなんてない。」
「優しいんだよ。」
ゆっくりゆっくり、彼の髪を撫でた。
「……あのときの男とは、どうなったの。俺のせいで、別れたの。」
「あのときの? 男?」
はてどの男のことだろう、と首を傾げる。別れた、ってことは、恋人関係にあった男性のことかしら?
最後に男と付き合ったのはいつのことだったか、昔過ぎて、思い出せない。
「この指輪を、くれた奴のこと。」
私の左手の薬指を、長い指がなぞる。そこには、随分昔に買って、そのままお守り代わりにつけ続けている、
男避けの指輪。
「自分で買ったのよ、これ。」
彼は茫然として私を見詰める。
「……どういうこと。」
鋭いところは鋭いのに、こんなところは鈍いなんて、変なの。
「左手の薬指に指輪があれば男がいる、なんて、変な先入観。でも、そのために買ったんだけどね。」
私は笑う。あの時は切実だったのに、今となってはどうでもいい。
そうだ、もう関係ないんだわ。
「どういうこと?」
彼は繰り返す。
「多分、私も君のことが好きだったからだと思う。」
きっと、好きだから、中傷に傷ついた。好きだから、必死で遠ざけようとした。好きだから、ずっと会いに
いけなかった。
「でももう、先生と生徒じゃないのね。」
「分からない、説明してよ。」
彼は戸惑いを隠せない表情で、縋るようにわたしを見る。出会った頃の、少年の面影を残した顔で。
「説明してあげる、ゆっくりとね。もうこれからは、そばに居てくれるんでしょう?
でももう、どうでもいいことよ。笑っちゃうくらい。」
そっと薬指から、慣れた指輪を抜き取った。晴れやかな気分だった。
「まずはこの指に、新しい指輪を買ってもらわなきゃね。」
私は彼の頬に、軽くキスをした。
「いいよ。」
彼もお返しに、唇にキスをしてくれる。
私も更にお返しに、ちょっと長いキスをする。
次は舌を絡めあう、濃厚なキス。
「あ、あのね。」
激しいキスの合間に、やっとの思いで話しかける。
「私、もう大きな子供もいるけど、こんな歳だけど、ちょっとだけ、えっちでもいいかなあ……?」
「なにそれ。超萌える。」
「えっと……あのね。また、したくなっちゃったみたい……。」
「俺なんか、ずっとしたいよ。さっきから、押し倒すの我慢してるとこ……だったけど。」
抱き寄せて首筋にキス。それから鎖骨に掛けて、降るようなキスをくれる。
「本当にはるかサンは、俺を煽るのが上手いね。」
彼はいつでも優しい。
この優しくて繊細な男の子を、私も長い間、傷つけてしまっていたんだなあ、って思う。
でも、それももう、終わり。
これからまた新しく、始めていけばいい。
「優しくしてあげる……。」
そう言って私は、彼の広い背中をそっと抱きしめた。
────終────
以上です。
ネタ投下してくださった方々、読んでくださった方々、有難うございました。
GJ!!!!!!!!
すっきりした文章なのにグッとくる
いいもの見せてもらった
二人幸せになってよかったよー先生エロカワイイw
>関係なしに、この子を会わせるためにだけ、連れて行ってあげよう。
>そう思っていた。
って文章で途切れてたから
大学でどうでもよく付き合ってた彼女見て
ショック受けて連絡してなかったとか思ったけど
そんなことはなかったwんでよかった。
GJ
最後まですごく良かったよ!
ここまでネタ膨らますなんてネ申!!!
先生エロ過ぎワロタ
GJ過ぎる
GJGJGJいい愛ゆえだった
688 :
名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 10:57:35.97 ID:wiHTP+Br
保守
保守保守
抑圧と爆発
うむ
今年もやって来ました、かぼちゃの季節。
待ってます。
おおもうそんな季節かー楽しみだなぁ
692 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/09(火) 00:59:15.54 ID:bVeYw0a1
保守
693 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/09(火) 00:59:19.86 ID:a1L6O69j
保守
エロゲをしてアイデアを暖めようとしたのは良いが
回想枠埋めて金額分取り戻そうと抜いてたら
アイデアを糞も無くなってしまう……w
695 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/21(日) 16:22:12.62 ID:LL6XJUFm
過疎www
696 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/24(水) 22:22:16.73 ID:8QcXjNq6
質問。ここって長編はアリ?
今書いてるのが思いのほか長くなりそうなんだが
保管庫にあるのよりも更に長編だったら
ロダとか使ったほうがいいんじゃないか?
毎日投下専スレ化とかだとuseeeeeeeeeeってまた嵐召喚しそうだし・・・
でもそれスレがまだ元気だった頃の話だし
ど過疎化してるこのスレだったらいいんじゃないかな
一回の投下でまとまった量落としてくれるなら
699 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/03(土) 21:27:50.94 ID:R1wDN4tc
過疎んなよ
トリックオアトリートが来てない…orz
ウィンウィン。・゜・(ノД`)・゜・。
上げ
702 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/23(金) 21:45:13.98 ID:6LCt1IP7
途中送信すまん
亀ペースだけどもうすぐ投下できるからそれまで落ちないでくれ
がんが!
期待してるからな!
いい加減ストーカー行為やめろよ
707 :
コッペリアに花束を:2012/12/01(土) 17:12:03.01 ID:vZqgP8db
お待たせしました。
やっぱり長編になったんで、投下できるところまで投下します。
専スレ化ウゼーって意見が出たら、ロダに切り替える
708 :
コッペリアに花束を 1:2012/12/01(土) 17:13:03.39 ID:vZqgP8db
日の沈みかけた黄昏時、一人の男と一人の女が対峙した。
男の名はローラント。大陸一の大国を統べる、齢17の若き王である。
「申し訳ありません陛下。先の豪雨で街道が…」
大臣の言い訳などには聞く耳も持たず、ローラントは女を見つめる。
胸の前で固く組まれた手は小刻みに震え、先ほどから俯いたまま顔を上げない女。
彼女はローラントの2つ上、この度ローラントの正妻として招かれた西の小国の姫君である。
「我が怖いのか?」
静かな口調に、姫君は肩を震わせる。絞り出された声は、今にも泣き出してしまいそうなほど上ずっていた。
「い、いえ…怖くなど……!」
「では、なぜ我を見ない?」
答えなどわかりきっているのに。彼はそれを敢えて問う。
これは表向きだけの契り。誰もに望まれ、誰もが望まなかった愛のない婚姻。
姫君はそれを十二分に承知しているから、答えに戸惑う。自分の立場を理解しているから、震えているのだ。
面白い。ローラントは口の端を歪める。玉座から静かに立ち上がり、歩を進め、彼女の顎をぐいと持ち上げる。
蜜色の髪の奥から姫君の顔が姿を現す。醜いわけではないが、美しいとは表現し難い、極めて平凡な容姿。
2人の眼が、息がかかりそうなほど近くで重なり合った。
「これがお前の夫となる男の顔だ。しかと見よ、ミオソティス…いや、ミオと呼ぼうか」
その日の夜、ローラントの私室に、青い寝巻きに身を包んだミオが通された。
湯浴み後の上気した肌、濡れた蜜色の髪が零れてかかる様が堪らなく艶っぽい。
2人の視線が再び重なった後しばし沈黙。ミオの唇は何かを言いたげに震えていたが。
「可愛がって下さいませ」 か細い声でそうつぶやき、おずおずと腰紐に手をかけた。
誰に教えられたのだろうか。それはまるで娼婦のような文句。
「止めろ。今はそういう気分ではない。」
元よりミオを抱くつもりなどなかったのだが。
少しの怒りを込めてそう言い放つと、ミオは慌てて解きかけた腰紐を結い直した。
恥ずかしさに紅潮した頬と、泣き出しそうに潤んだ瞳。何とも嗜虐心をそそられる。
無自覚に劣情を煽るその仕草挙動に、ローラントはさらにきつく眉をひそめた。
「いつまでそこに突っ立っているつもりだ。…来い、隣へ座れ。」
「え? で、ですが…」
棒立ちのまま動かない彼女の腕をぐいと引く。華奢な体が、彼の膝の上に引き寄せられるように収まった。
突然のことに戸惑う彼女の体を後ろから抱きしめ、彷徨う彼女の手と自身の無骨な手を重ね、指を絡める。
思わず感嘆の息が漏れ出た。柔らかく、温かい。心から欲したものが、今自分の腕の中にある。
「…お前は抱き枕に最適のようだ」
「はぁ……あ、ありがとうございます。」
何がなんだかわからないまま返事をするミオ。彼女の細い肩に顔を埋め、会話はそこで途切れた。
ふと、顔を上げて窓の外に目をやる。上限の月が見えた。しばし、その美しさに目を奪われる。
虫の音だけが木霊する静粛な一時。それを破ったのは、思いもよらぬ一言だった。
「人形…もはや人としての扱いすら受けないのですね」
か細いが、はっきりと聞き取れる言葉。俯いた彼女の表情は窺い知れない。
709 :
コッペリアに花束を 2:2012/12/01(土) 17:13:44.50 ID:vZqgP8db
彼女の祖国、西の小国の四の姫の聖誕祭にて、ローラントは初めてミオと出会った。
王位継承者と聞くや否や数多の上流の人間たちが媚を売ってくる最中、一瞬だけ見えた薄闇の中の憂いた瞳。
欲に塗れた者達の執拗さに疲れた彼に、おずおずと一輪の花を差し出した女。
美しかったわけでも、華やかだったわけでもないのに。まだ戴冠前のローラントの目は一瞬で惹き込まれた。
彼女を知りたい。純粋な好奇心は、やがて自分自身にも理解できぬ感情へと転じていった。
そして、あの悲哀に満ちた瞳の理由を知った時。自分の感情がもう元には戻れないことをようやく理解した。
賢く聡明な二の姫アプリコット。
類稀なる芸術の才を持った三の姫ポリアンサ。
そして、愛らしく美しい四の姫カルミア。
一の姫ミオソティスのとりえは一番初めに生まれたこと。美しくも賢くも秀でたものも何もない、空(から)の姫君。
幼い頃から見下され、疎まれ、誰からも、実の母からさえも愛されずに育った哀れな姫君。
それでも母を慕い、妹達を愛し、他人を思いやる、病的なほどに優しい女。
空の姫気味だろうとなんだろうと構わない。ただ、彼女が欲しい。
狂気とすら見紛うほどの想いは周囲の反対を押し切り、かの国の女王への直談判という行為にまで走らせた。
突然の申し出に女王は呆気にとられ、眉を寄せていたものの、やけにあっさりと婚姻に応じた。
かの国にとっては願ってもいない申し出だっただろう。かの国にとってミオは、邪魔以外の何者でもなかったのだから。
これまで急速に進めていたという右大臣家の子息との縁談をすっぱりと打ち切り、それに告ぐ速さで2人の婚姻をまとめたのがその証拠だ。
そこにかの国の女王の思惑があるのでは、と疑う者もいたが、そんなことはローラントにとってはどうだってよかった。
ミオさえ手に入れることが出来れば。この国で、ミオがゆっくりと心を開いてくれれば。
……それで、よかったのに。
「いいのです…私は空の姫だから。どんな扱いを受けようとただ耐え忍ぶだけ。
幸せなんて、私が求めてはいけないものなのですから…」
ローラントの腕の中にいる彼女は震えている。それは怯えなどではなく、悲しみ。
それが何を意味するのか、勘のいいローラントはすぐに気付いてしまった。
「お前は……もしや、あの男を好いていたのか? 縁談の進んでいた、右大臣の息子とやらを」
彼女は答えない。代わりに右手が拳を作る。図星のようだった。
凪のようだったローラントの心がざわつき、波立つ。暗雲が立ち込めたかのように黒い感情が支配していく。
ローラントの手の甲に生温い一滴が落ちる。しばらくの刹那、ミオがゆっくりと口を開いた。
「“貴女を愛する”と、あの方は言ってくださいました。それが偽りの言葉であっても…嬉しかった……」
ミオが自分に心を開くまでは交わらないと決めていたのに。
手に入れたかった彼女の心は、開くどころか既に他の男に奪われてしまっていた。
悔恨と、憎悪と、激しい妬み。そして、もう元には戻れぬ狂おしい感情。
ローラントの心を暗雲が覆い尽くした瞬間、彼女の体を絨毯へ押し付け、組み敷いていた。
710 :
コッペリアに花束を 3:2012/12/01(土) 17:14:18.81 ID:vZqgP8db
「へ、陛下…?」
謁見の際にそうしたように、息がかかるほどの距離まで顔を近づけ、彼女の顎を持ち上げる。
「俺が怖いか? ミオ」
彼女は何かを言いたげに唇を震わせていたが、それが声として届くことはなく。
目尻に涙を残したまま、怯えとも驚愕とも戸惑いとも取れる表情をして、ローラントを見つめていた。
「今日は穏やかな夜を過ごしたかったんだがな」
腰紐を引き解き、前を肌蹴させる。華奢な体には似つかわしくない、意外なほどに豊満な胸が露わになる。
雪の如き白い肌に一瞬目を奪われた。ミオの体は、まるで芸術品のように美しい。
…下着を着けていないということは、やはり城の者たちには“そう”思われていたのだろう。
「あ、あの…! きょ、今日は、気分ではない、と……」
ようやく事の次第を理解したミオが、体を強張らせ、慌て始める。顔は既に羞恥の色に染まっていた。
「気分が変わった。…お前にしっかりと理解させてやる。お前の夫となる男の体を、な。」
開いたままの彼女の唇に、押し付けるように自分の唇を重ねる。
「……―――っ!! んぅっ……!」
獅子が獲物を貪る様に。彼女の小さな舌に執拗に絡みつき、激しく口内を犯す。
彼女の強張っていた体が次第に緩んでいく。その様子を感じ取ると、顎を押さえていた手をゆっくり体に這わせる。頬、耳、首筋、鎖骨……
大きな双丘に指が触れると、再び彼女は体を強張らせた。
「ふ………んんっ―――!」
彼女なりの抵抗なのだろう。体をくねらせるも、大の男に叶うはずもなく。
彼の手は柔肌を堪能していた。豊かな双丘の、ぴんと張った登頂だけを避けて。
口内の激しい攻めと、柔肌への優しい愛撫。相対する二つ感覚に、彼女は蕩ける様な錯覚に陥る。
彼女の感度の良さを肌の熱から感じ取ったローラントは、内心ほくそ笑んだ。そして、名残惜しげに唇を離す。
お互いの舌先から銀の糸が伸び、ねっとりと輝く。それがふつりと切れるのと、彼女の熱い吐息が頬にかかるのは同時だった。
力が抜けてしまったのか、身をよじることもなく、ローラントの瞳を潤んだ瞳で見据える。無意識にその怯えた瞳に微笑んだ。
彼女の目が見開かれる。意に介することなく、視線は主張した胸の頂を捉え、むしゃぶりつく。
「あぁっ……!!」
高い嬌声が上がる。背中にぞくりとした感覚が走った。この声をもっと聞きたい。もっといい声を、もっと艶やかな声を―――
手は円を描くように片胸を揉みしだき、もう片方の胸の登頂を舌先で転がし、存分に楽しむ。
「い、やぁ……! あんっ………!」
嬌声が徐々に色づいていく。艶かしく、悩ましげに。彼女の鼓動が胸を通して伝わってくる。
彼自身は既に烈火のごとく猛り、主張している。彼女が欲しい、と。もどかしげに腰帯を外し、自身を解き放った。
胸を揉みしだいていた手を下へ下へと這わせ、彼女の秘所を確認する。準備は万端のようで、そこは十二分に潤っていた。
「い…や……、や、やめ、て………!」
消え入りそうな声で彼女は懇願する。精一杯の拒絶なのだろう。目にいっぱいの涙を浮かべ、ゆっくりと首を振っていた。
「可愛がってほしいと言ったのはお前だろう?」
蜜壷に何度もこすりつけ、愛液を自身に満遍なく纏わせると。未だ男を知らない其処にゆっくりと沈めていく。
711 :
コッペリアに花束を 4:2012/12/01(土) 17:15:01.40 ID:vZqgP8db
「いやあああぁぁっっ!!!」
破瓜の痛みからか、嬌声は悲鳴に近かった。彼女の中は他者の侵入を拒むようにローラントを締め付け、押し戻そうとする。
嘗てない窮屈な感覚に顔を顰めながら、彼女の中を進んでいく。その一進一退の攻防を進めていく度、粘着質な水音が響いた。
「痛いっっ…! ぬ、いて……っ! あぁぁっっ―――!!」
ようやく最奥へたどり着くと、彼女の体は弓なりにしなった。視線はもはや彼を捉えてはいない。
虚空を彷徨う視線はもう彼を捉えていない。涙で顔を濡らしながら、
卑猥な水音と彼女の喘ぐ声が部屋中に響き渡る。容赦ない締め付けとそこから来る快楽に、ローラントの理性も限界だった。
体がもっと快楽を得ようと、腰の動きを早める。彼女の中を堪能する暇などもはや無かった。
「俺はな……お前が、ずっと…ずっと、欲しかった……!」
激しいストロークの最中、彼女に語りかける。彼の言葉は彼女の嬌声に掻き消え、届いてはいない。
「空の姫君でも、構うものか………お前は、お前は……!」
――お前は、俺のものだ。
そう言い終わる前に、彼自身が大きく脈打ち、中に白濁を放った。
彼は大きな息を吐き出した。絶頂の余韻に浸るかのように目を閉じ、彼女の熱を深く感じる。
名残惜しげに蜜壷から自身を引き抜くと、放った白濁と血の混じった愛液が溢れ出てくる。
気絶してしまったらしく、ぐったりとして動かない彼女の上体を起こし、顔をじっと見つめる。
「…お前は最高の女だよ。少なくとも、俺にとっては」
彼女の心が誰かに奪われてしまっているのならば。彼女の体は自分がすべて支配する。他の誰でもない、自分だけのものに。
その証を刻み付けるかのように、彼女に優しい口付けを落とした。
712 :
名無しさん@ピンキー:2012/12/01(土) 17:31:45.50 ID:tlGZNhDL
いきなり規制されたんで携帯から
以上で今回投下分は終わりです
続きはでき次第うpしにきます
待ってたぜー!
続きwktk!
待ってたGJ!
これからのふたりの関係が気になるんで続き待ってるよ
しかしこれから長いって一体何があるんだ・・・
GJGJ!!
続き楽しみです
続き大変楽しみにしてます、GJ!
「ぃゃ…ぁ」
か細く漏れだした声が堪らなく自分を高ぶらせる。
何度でも彼女を奪い無理矢理に自分の物にしてきたが、聞くのは否定の声ばかりだ。
初めて拐った時に彼女の初めてを奪って、だがその彼女を奪われの繰り返し。
今度も何度目か…やっと彼女を檻に閉じ込め逃げる彼女を追い詰め腕の中に追いやると細い首筋の汗を舐めとる様に舌を這わせた。
「…ぃやっ」
彼女を傷つけないように慎重にドレスを引き裂くと美しい乳房が現れ、吸い込まれる様に舌を絡める。
「ぁっ…ぁぁっ…駄目!…やぁっ」
嫌がろうとも体は覚えているのか、舌先に触れる乳首がこりこりと固くなる。
「は…ぁ…ゃ…めて…」
涙を浮かべてるであろう愛しい人の顔を見ない様に舌を動かす。拒否されようとも求めて止まないのだから。
だが、否定しながらも彼女の体は自分の愛撫に素直に応じている。
そろそろだと、更にドレスを引き裂き主張した自身を下着を避けてねじ込む。
「…!!いやぁぁぁっ!」
悲鳴を上げようが濡れそぼったそこは自分を求めているのを知っている。
だから突き上げる。想いをぶつけるように。
「ぁっあっあぁっ!…そこはっだめ…ぃゃ…ぃゃっぁあんっ!!クッパっ!ゃっ…ぃゃあっあぁ」
「はぁっ…黙れっ!ピーチ!!」
「あぁんっひぁっ」
「ピーチ!!俺のピーチ!!」
愛するが故にだよね?w
紛れも無く愛ゆえだなw
とある王国が魔族の軍勢に襲われる。
騎士団、魔術ギルド、民間の冒険者たちが総出で戦うが劣勢。
そんな中、宮廷魔導師から一つの計画が出される。
それは捕獲した魔族の肉体と人間を融合させて強靭な戦士を造り出すという禁断の儀式(ぶっちゃけデビルマン)
その実験体第一号に志願したのは若く有能な騎士だった。
儀式の調整の為に宮廷魔導師の邸宅に通う騎士。
そんな騎士に宮廷魔導師の助手でもある孫娘が恋をした。
しかし国を救うという使命に燃え、何よりも人外の身と成り果てることを覚悟した騎士は孫娘の気持ちをまるで無視。
振り向いて貰えないことに絶望した娘は融合儀式を密かに改竄。
術式の中の魔族の本能を抑え込む箇所を書き換え、性衝動を抑えられなくしてしまった。
儀式は(表面上は)成功し、魔族との戦いに投入され格段の戦果を挙げる。
しかし戦いの後は抑えられない性衝動のまま娘を犯す。
正気に戻ると罪悪感に苦しめられる騎士と、それを健気に耐えている(ように見せる)娘
この成功を元に(改竄部分は戻して)二号三号と融合体は造り出され徐々に魔族を押し返し始める。
魔族の本能を消さなかったことで他の融合体よりも格段に高い能力を発揮して英雄となる騎士。
「あなたは民の希望なのだから」と、レイプされたことを二人の秘密にしようと提案する娘。
だがその本心には、騎士を狂わせた己の罪を隠す目的も隠されていた。
こうして二重の意味で秘密裏に、今日もまたレイプは繰り返される。
愛がないな
犯される側に愛があるパターンか。
>>719 ここから膨らませて書いてくれないかなぁ
とある国ってのを国名入れて、どんな魔族にどんな様子の軍勢がどんな風に襲われるのか。
どんな儀式が、表面上どんな風に成功したのか。
孫娘はどんな容姿でどんな表情なのか‥
騎士はどんなにステキでそこまで孫娘を思いこませる魅力があるのか。
そこの描かれない部分こそが、読み手が待っている部分なんだけどなぁ
舞台裏のネタ帳を見た感じで、話しに入れないだけじゃなくもったいないと思ってしまった
一度身体を重ねたら情が移って優しくしたいのに儀式の影響で犯すしかない日々ってのは萌えるよ
>>722 お前は素直にその妄想を形にしてみようかと言えば済む話をw
そこの書かれてない部分を書くのが大変なんじゃないか
犯す方が愛あったほうが萌えるなぁ
っていうかこのスレそのためのスレだから
男が本当は女を好きだったりして何らかの理由で言えなかったところ
こんな関係になっちゃって、それを健気に耐えている(ように見せる)娘に
>「あなたは民の希望なのだから」と、レイプされたことを二人の秘密にしようと提案する娘。
こう言われて悩みまくるヒーローとかいいなぁ
>>725 その理由付けはこれでいんじゃね?
>しかし国を救うという使命に燃え、何よりも人外の身と成り果てることを覚悟した騎士は孫娘の気持ちをまるで無視。
似非中華で設定は適当です
人名だけそれっぽくしたんで、読み方は
湊→そう
鷹→よう
別になんでもええけどな!
「探せ!」
部屋にたどり着くまでは冷静であった李鷹だが、空の寝室を見た途端、押し潰した怒りが爆ぜるように言葉になった。
立ち竦む鷹の傍らを部下がすり抜け、廊下に散り、部屋に散り、女を捜しはじめたが、結果は見えていた。
鷹の鼻腔に感じられるのは女の残り香であって、存在の匂いではない。
窓の手摺から身を乗り出した兵士の一人が、振り返り鷹に告げた。
「北方に向かう砂埃が一迅。ひ……祀湊は馬で逃げたものかと思われます」
――新王・李曜の子、李鷹。
この度一国を滅ぼし、天をすげ替えた父の子の顔は、壮絶な憤怒と悔しさで満ち満ちていた。
後世、弖王として敬われ、畏れられる彼の初の失敗は、生涯に渡る彼の悩みの始まりでもあった。
執着という尽きぬ悩み。
「馬を。私が追う」
「しかし」
「どうせ逃げ切れぬ。あの女が苦しむ顔を直接見たい」
国民のためにと、言い聞かせるように呟いた。
九死に一生、遠く、立ち消えた砂埃の主は、肺を詰まらせながら彼方の城を振り返り、頬をびりりと打たれたような心地ですぐに前を向き直した。
溢れでる涙は道中の風で乾いた。亡き父と母の残像も。遥か宮殿の姿も。
「姫様、大丈夫です。染がついております」
隣を走る馬の上から、女中が、湊に呼びかけた。
生まれた時から傍にいた、気の強いはずの女中の声が震えていることに湊は気付いた。
「染、間違っている。私はもはや姫ではない。湊と呼び捨てにしてくれ」
「……湊様」
「湊でいい。人が聞いたら怪しむ」
すまないが、と付け足す。
赤茶けた視界の中で色枯れた雑草が揺れた。
既に涙は枯れ果て、その代わりに漠とした絶望が湊の胸を支配していた。
初めて都市部以外の祀を見て、愕然とする。日々同じ色の景色が続き気が狂いそうになる。
「なぁ、染。この国は皆、貧しいのだな」
疲労の色が濃い馬を撫でつつ、湊は月を見上げた。
自嘲するように言った湊の言葉を意外に思ったのか、染がじっと湊を見やった。湊は目を細める。
「誰もかれも、私を殺したいだろうな」
「そんな」
「私だって私を殺してやりたい」
「どうか、そんなことはおっしゃらないでください」
駆ければ駆けるほど祀の国の状態を思い知らされた。
あちらこちらに人気のない集落と、荒れ果てた畑があった。
親はどこにいるのだろうか、痩せこけた子供にじっと見詰められたこともある。
「子供があんな目をするなんて。父は、もしかしたら」
悪い王、だったのかも、しれない。
そして自分は、悪い姫で。
逃げてすぐは謀反を起こした李家がひたすらに憎かった。
父と母を殺し、湊のものを奪った、それだけしか分からなかった、けれども。
国土を見て、父を呪い新王を讃える人々の噂を聞き、目の覚めるところがあった。
『私の父と母は祀王に殺されたのよ!』、そう叫ぶ同い年くらいの少女を見て、湊は思わず顔を隠した。
今は、李が憎いであるとか、自分が辛い、悲しい、そんなことよりも抜き差しならぬ自分の感情を(あるいは状態を)、自覚している。
湊はもう、死んでしまいたかった。
彼女の産着である祀の名と共に、どこまでもどこまでも、沈んでしまいたかった。
走るうちに、自分が何から逃げているのか分からなくなってくる。李家の追手からか。市民の視線からか。
協力者がいるという村に向かって走りながら、その目的地のことさえ怪しく思った。
こんな国にした王の娘に、誰が協力してくれるのだろう。
――そして、彼女の予感は的中した。
田舎の古小屋に着き、馬を降りて扉を引いた染が立ちすくんだ時、数歩離れていたところでその様子を見ていた湊は、古小屋の中に何が待ち受けていたのか、すぐに気付いた。
祀王を憎む市民だろうか。李家の刺客だろうか。
痺れたように動かない自身を諦め、湊はこう思った。
罰だ。全部罰だ。
ほんの短い逃避行の間に、嫌というほど思い知ったのだ。祀家は、湊は、誰からも嫌われていると。
倒れた染、首のない女の亡骸と、血の色とを見て、湊はぼそりと染に謝り、染の血で汚れた男を見た。
「鷹か」
湊の胸にほんのわずか、新たな感情が湧き起こった。
鷹、と呼んだ。それは懐かしい響きであった。
敵賊の息子の名。同じ乳母で育ち、一緒に過ごした兄のような幼馴染の名でもある。
祀王が鷹の父を遠ざけ、鷹とも自然と疎遠になっていった。
湊が十歳になるまでには鷹の姿は完全に見なくなっていたから、彼と対面するのは、実に十年ぶりくらいであろうか。
すぐに面影を見つけ、名を呼べたことに湊は驚いた。
二十を半ばを過ぎたであろう鷹の姿は、年月のせいばかりではない変化を伴い、軍人の体つきをした炎のようだと湊は思った。
「良い格好だな、祀姫。男の乞食かと思ったよ」
短く刈った湊の髪を揶揄して鷹が言った。たっぷりとあった亜麻色の長髪は王都を脱してすぐに染に切らせている。
鷹が染の身体に剣を突き刺し、湊は思わず目を逸らせた。
「見ろよ」
無理やりに顎を掴まれ直面させられる。首にひんやりと刃の感触があった。
両手は自由であったが、弛緩したように動かなかった。瞼を閉じれば良かったが、それもできなかった。
鷹は背が高い。湊が無言で見上げると、鷹は自分の黒い前髪から滴り落ちる血をぞんざいに拭った。
湊を見据える鷹の目が血走っていることに気付いたとき、湊は初めて恐怖を覚えた。
――鷹は、私のことを憎んでいる。
「お姫様」
太い首の、喉の奥から、嘲るように鷹が言った。
「俺が今どんなことを考えているのか分かるか」
「私を、殺す」
「その方法だよ。足を切り落とす? 腕が先か? 腹をちょっとずつ裂くか?」
「……もう、どうにでも」
湊は目を閉じた。
たった一日、たった一日で。
父も死んだ。母も死んだ。国も死んだ。住処を追われた。身分は地に落ちた。何万人に、憎まれていたと知った。
「自暴自棄か。最後まで無責任な屑め」
直後に痛みがやってくると構えていたが、僅かの不自然な間に、湊は目を開いた。
かつては至宝の双眸と謳われた瞳が、鷹を捉えた。
鷹が一瞬動きを止めた。思い出したように剣を持ちあげ、湊の頬に当てる。
頬が切れた。赤い血が流れた。
「あ」
遅れてやってきた痛みと血の温度に、湊は小さな声を上げた。
傷付くなど。何年ぶりであろうか。
「痛いか、湊」
鷹が湊をひどく睨みつけている。さらに深く切られるかと思った次の瞬間、つと、鷹の舌が頬の傷を舐めた。
間をおかず、頬を伝う血が舐め取られ、血のついた舌が湊の下唇を掠った。
予想外の猟奇に唖然とする。
「醜いな」
吐き捨てるように鷹が言った。
肩が外れそうな方法で腕を引かれる。染の死体から離れたことに湊はほっとした。
民家の傍らにある馬小屋までやってきて、鷹に突き飛ばされた。
藁の山に倒れ込む。
長らく使われていないのだろう、乾燥した藁と、うっすらと小屋に染みついたような家畜の匂い。湊はむせ込んだ。
「お前にはここがお似合いだよ、湊。馬小屋で犯されるお姫様、どうだ?」
「何を……」
「今のお前は家畜以下だよ」
――あまりの侮辱だ。
枯れ果てたと思っていたが、まだ残っていたらしい何かしらの誇りが湊の肺の中で軋んだ。
呼吸さえ苦しくなるような激怒にかられ、藁に埋もれた身体を起こそうとする。
「離せ……!」
眉を寄せて鷹を睨みつける。鷹が笑った。
「身の程を知れよお姫様。罪人の娘が」
「貴様の父はどうなのだ! 人殺し……裏切者!」
唇から飛び出す悪態の全てが、旅の途中に内省した自分自身に降りかかってくる矛盾を感じながら、それでも言わずにはいれなかった。
「貴様は染を殺した、父を殺した、母を……」
湊の語尾が縮こまる理由を知っているかのように、鷹は黙ったまま、ぞっとするような笑みを浮かべていた。
目に涙が滲む。
必死で振り上げた手を軽く払われ、鷹に圧し掛かられる。
息切れて頭がぼうっとした。鷹が軽く腕を振り上げ、湊の頬をはたいた。
乾いた音が響き、その「軽く」の、余りの痛みと恐怖に湊は黙り、鷹の胸を押していた腕をおろした。
男の力には敵わないのだ。
怒りはあっけなく収束し、恐怖がそれに代わった。
確かに、ひと思いに殺されるよりもこれは恐ろしく、辛い。
「鷹、やめ……」
鷹が黙ったまま、非常に性急な動作で、湊の服を解いて行く。
城を出た時の着物はとうに売り飛ばし、旅装束であったから、あっという間に湊の身体は曝け出された。
「いやだ……」
外気に触れた乳房がふるりと震える。初春の陽気は儚く、肌寒いはずであったが、湊はそれを感じることができなかった。
ひどく恥ずかしく、ひどく熱い。
「良いものを食っていただけあって、肉付きだけは良いんだな。娼婦だったかな? お前の母は」
鷹の視線が身体の全面を滑るのを感じる。瞼を閉じると触られるようで、男の顔から目が離せなかった。
「あ」
呼吸に合わせて上下する乳房を、鷹が鷲掴みにする。
強く握られ、眉が寄った。男の手の中で形を変える己の胸を見て、湊は力なく首を振る。
このような隠微光景が己の身体で繰り広げられるなど夢にも思わなかった。
ぎゅうと乳首をつままれる痛みに涙が零れる。
呼吸が苦しい。鷹が笑った。とても楽しそうに、嬉しそうに笑って、湊の頬の傷を何度も舐めた。
首筋に噛みつき、乳房をしゃぶった。
大きな両手が湊の腹を撫でた。
鷹の手は湊のわき腹を柔らかく掴み、くびれの形を確かめるように何度もさすった。
くすぐったさと、何やら得体の知れない悪寒に身を捩る。
鷹が臍を舐めた。この男は頭がおかしいと、今更ながら湊は思った。
「みっともない身体だ。顔も。雌馬でもそんな物欲しそうにはしないだろうよ」
羞恥のために湊の身体は桃色に染まり、蒸気に色がついているように思える。
抵抗を辞め、恐怖を受け入れるままに弛緩した湊の顎や目尻は、意図せずもだらしなく鷹の目に映ったらしい。
けれども実際のところ、ひどい緊張はずっと続いている。
身体を這う舌が、鷹の言よりずっと温容である――というよりは執拗であることに、先の見えない不安を覚える。
恐怖が麻痺し、気色の悪い感触に呼吸が荒くなった。
溺れる子供のように鷹の腕を掴むと、彼は一瞬動きを止めて妙な顔でじっと湊を見つめ、彼女の口に噛みついた。
「…………! やめ、やめて」
陰部を鷹の指が撫でる、ぬるりとした感触があった。
今度こそ湊は顔を歪めた。鷹はにやにやと笑みを浮かべ、その顔を見つめながら湊の体内に指を埋めてゆく。
「濡れてるな。仇敵に襲われて濡れるとは、変態だな、お前は」
子供のようにはしゃいだ響きがあった。もはやとめどなく流れる湊の涙を鷹が舐め取った。
「ひゃっ」
耳の穴に舌が侵入する。膣の異物感に集中していた湊は高い声を上げた。
じっとしていた鷹の指が、声を聞いて膣の中でぴくりと動き、突然湊の肉壁をうにうにとかき混ぜ始める。
「あ、あ、っあっ…えっ、だ、だめ…っ」
――聞いたことのない、自分の声、これは、嬌声というのではなかろうか。
「や、やめて、鷹、鷹、おねがい、」
鷹は答えなかった。湊のものよりもずっと荒い、興奮した呼吸音が湊の太ももに降り注ぎ、肌を湿らせていた。
「あっ」
肉芽を潰され、ぬるぬると撫でられる。明確な快感が蠢いた。扇動する指が湊を追い立て、追いつめる。
「ん、やっ……、こんなっ……」
ぎゅっと目をつぶり、込み上げる「何か」に身を固くする。頭の芯がとろけて、けれど敏感なのは、甘い子宮と肉の壺。
口が何かを欲した。喘ぐ魚のように息を継ぎながら、声を殺し、呻き、湊は耐えた。
「この、淫乱女が」
やけに低い侮蔑の声。湊は鷹を見た。
「見る、な、あ、あ、あ、あっ――……んっ、ぅ、ん!」
いよいよ抗えなくなった恍惚の波に流される直前、湊は彼が笑っているのを見てとった。
心を放つ。軽く、甘く、湊にとっては得体の知れない絶頂が訪れた。
びくびくと痙攣する膣と、肉芽と、身震いするほどの悦び。
ちがう、ちがう、私のものではない、こんな身体――こんな、いやらしい、はしたない、現象。
宙を掻いた湊の手を鷹の指を掴んだ。
「は、な、……せ……」
よわよわしい言葉で抵抗するも、されるがままである。
鷹はいつの間にか下穿きを解き、下半身を露わにしていた。
初めて見る男のものの凶悪さに一瞬釘付けになったが、湊は目を逸らせた。
手を導かれる。
「汚い!」
湊の指が陰茎に触れた。どくどくと波打つかのようなその先端は濡れている。
湊が見詰めると、また先から液体が漏れいでた。
余りの固さに驚き、これが自分のところに入るのだと思うと、恐る恐る直径を確かめずにはいられない。
指を絡ませると、鷹がつと顔を歪めた。
「もういい」
「わっ」
腿を持たれ、がばりと陰部をさらけ出される。
鷹に凝視され、顔を見られたと思った瞬間、入り口にそれが押し当てられた。
「無理だ、無理だ、鷹、こんなの」
「黙って犯されろ」
鷹の表情に笑みはなく、怒っているような、余裕のない表情だった。
湊はもちろん鷹以上に余裕などない。
ひと時忘れてしまっていた恐怖が一瞬で蘇り、最高潮に達して、湊は暴れた。
「お願い、鷹、だめ、だめだから……」
あっけなく押さえつけられる。入り口にぐにぐにと擦りつけられていた陰茎が僅かに侵入した。
「あ――――」
「……く、」
そのまま沈み込む。だめだ、と思った瞬間、勢いよく穿たれた。
「……、……!」
声が出なかった。痛い。痛い。苦しい。痛い。
「……湊……」
「……ま、て、……」
裂かれるように痛い。それなのに、この男は。
「や、……、あ、あ、あ、あ、あ」
鷹がゆっくりと動き始めた。抜き差しする度にちくりちくりと痛む。肺さえ辛い、押しつぶされた声が身体を抉られる度に漏れた。
「あ、あぁ、あ」
掴むものを探した両手が、再び鷹の腕を握った。
汗ばんだ感触をぎゅっと掴み、鷹がそれに気付いてさらに腰を強く打ちつけた。
ゆすられるがまま、ふと、湊は気付いた。さすがに背を抱きしめることはできずとも。
触れたくないほどの嫌悪感を鷹に抱けなかった、と。
「鷹、……」
なんだ、と言いたげに鷹が見下ろした。
鷹は玉のように汗をふいている。飛び散った雫が湊の身体にかかった。
それを特に汚らしいとは思わず、そのままにして湊は喘いだ。
「……、ころしてくれ、」
鷹は瞬きの間ほど動きを止めたが、返事はなかった。
ただ色濃い怒りと、興奮とが彼の顔を過ったように湊には見えた。
何かを考える前に猛然と腰を振られ、揺さぶられる。
とめどなく声が漏れた。
快感のためでなく、ただただ衝撃のためであったけれども、それは犯される女と、貪る獣の男とがいるこの場に相応しかった。
「…………中に出すぞ」
――子供ができるかもしれない。
泡のような予感を吹き飛ばし、鷹が湊の身体を押さえつけた。鷹が息を呑む音。
檻のような男の下に閉じ込められ、湊は呼吸さえ奪われたように口を閉じ、目を閉じて、胎内の律動を、吐精を受け止める。
「ひどい、ことを」
くたりと、鷹に体重をかけられ、行き場を失った湊の両手は、藁を持て遊んだ。
何やら動かない鷹の背に掴んだそれを散らし、どこか無邪気な、死ぬ前の明るさで、湊は微笑んだ。
繋がり、うつ伏せたままの鷹が、湊を抱きしめていた腕を彼女の下から引っこ抜いた。
何事か呟き(聞き取れなかった)、湊の髪を掻き分け、ぐしゃぐしゃに乱す。
「あ」
その感触に。髪を混ぜられるその感触に、唐突に、湊は思い出した。
子供のころ、同じように、頭を撫でられたのを。
七つか八つ、年上だった鷹を、湊は兄のように慕っていた。どこへ行くにもついてゆき、何度も父にたしなめられた。
――鷹、鷹。
――どうかしましたか、湊様。
――どうもせん。名前を呼んだだけだ。
城の中で迷子になり、助けてくれたこともあった。
泣きじゃくる湊の髪をぐしゃぐしゃに撫で、指で漉き、怒りながら「大丈夫ですよ」と、繰り返し彼は言った。
あの頃は湊様と呼ばれていたのだったか。
お姫様と揶揄されることも、湊と呼びすてにされることもなく、ましてや――
「…………」
涙が溢れた。声もなく湊は泣いた。さっきまでのどの瞬間よりも惨めで、悲しく、辛かった。
「おい、湊」
「殺せ。私を、殺せ」
鷹は答えなかった。深いため息をついた後、湊の膣から陰茎を引き抜き、じっと湊の顔を見つめている。
「殺して欲しいのか」
無表情のまま、鷹は続ける。
「だったら殺さない。俺は、お前の、そういう顔が見たいんだよ」
どうして。
どうしてそこまで憎まれねばならぬのか。
今やはっきりと湊を睨みつける鷹を、湊は疑問と悲しみを持って見つめ返す。
「私をどうするつもりだ」
「……飼い殺しにでもしてやるさ。毎日犯して、傷つけて、飽きたら売り飛ばす」
湊は目を伏せた。冷たい絶望が肺に広がる中、自害という言葉が頭を掠めたが、すぐに消えた。
――鷹。大きくなったら、婿に来い。王様にしてやるぞ。
――はいはい。小さいのは湊様の方ですけどね。
衣服についた藁を払い、胸の前にかき集める。
全て投げ出してこのまま眠りたい、と思った。
藁と精にまみれて、家畜のような格好でも、ゆっくり眠るように死んでいけたら。
「好きにしてくれ」
お望み通りにとばかり、顎を掴まれる。
「舌を出せ。丁寧に、丹念に、舐めろ」
見上げると、鷹は意地悪く笑っていた。湊の髪に手を伸ばし、ぐしゃぐしゃに撫でまわした。
真実、自分はあの女のことが憎いに違いない。
ひとりごちで、鷹は酒を煽る。
長くは城を離れることはできない。本来であればすぐにでも湊を殺して、その首を持ち帰ればならないのだが。
荒涼とした風が吹いた。
がたがたとあばら家が音を立てる。四月とは言えまだまだ寒い。
ふと気になり、三度犯した女のいる馬小屋に向かった。
「湊」
返事はなかった。一瞬、死なれたかと思ったが、横たわる足がぴくりと動いたのを見てほっとする。
が、どうも様子がおかしい。柵の中に入って確かめると、湊は息が荒く、身体が赤かった。
「湊、どうした」
必要以上に狼狽している自分自身に気付きながら、湊の額に手を当てる。熱かった。
舌打ちをして、抱え上げる。
失神させたまま半裸で放っていたのがいけなかったのか、湊はぐったりとして動かない。
忙しなく彼女を抱きかかえ、鷹は足で扉を開けた。
火の近くに横たえる。布をかけ、傍に寄った。
「湊」
病死など許さない。
「おい、湊、大丈夫か」
「……ん……」
「口を開けろ」
温めた酒を湊の口に滑り込ませる。湊の口はほとんど閉じたままで、酒は零れてしまった。
鷹は何度めかの舌打ちをした。
今度は自分の口に酒を含んだ。湊の前髪を払い、髪の中に指を突っ込んで頭を持つ。
「…………」
何度か、口移しで酒を注ぎこむ。湊の喉が小さくなり、十分な量を与え、顔を離した。
様子を見つめ、また口を寄せる。また。もう一度。もう一回。もう一回。
「……鷹」
「このまま寝ていろ。目が覚めたら熱は下がっているはずだ。妙な病気でなければな」
苦しそうに湊が首を振った。
「……ろして」
まだ言うか。
「寝ろよ、お姫様」
意識を手放すように目を閉じた湊の、瞼の淵から涙が流れるのを、鷹はじっと見つめた。
しゅんしゅんと湯の沸く音が湊の寝息に交じり、鷹の溜息に交じった。
起きている時は気の強い、大人びた顔だが、寝顔は幼い。
眉の形を人差指で何度かなぞってから、鷹は湊から目をそらさず、身を横たえた。
こうなっては仕方あるまい。できるだけ早く都に連れ帰らねば。
新しい馬として持ち帰れば良いことだ。屋敷につないでおけば誰も手出しはできないだろう。
酔い落ちる眠りは心地いいものだ。
鷹は笑った。
何がおかしいのかは良く分からなかった。
おしまい
ウォッカに砂糖ぶっこんであっためたやつ飲んだら風邪治るらしい
みんな風邪に気をつけてね
乙です素晴らしい
良かった!かなり好きな部類!
続きを勝手にお待ちしてます
GJ
これはいい無意識愛故w
GJ!
GJ!
こういう食い違ってしまった二人は大好きだ
GJ!
なんか十二国記ぽいですな!
>>740 十二国記大好きでごわす
お察しのとおり崩御した王のお姫様や鈴ちんこがいじられ抜く展開にハァハァしてもんで
このあれもだいぶ影響を受けています、悪しからず
この国では髪の短い女に価値はなかった。
というよりも、長い髪でなければ女であると認識されなかったから、湊の髪型は好都合でもあった。
分厚く服を着せ、深く頭巾を被らせ、普段から決して喋らないように言いつけた。
例えごく一部の使用人としか顔を合わさぬよう屋敷の奥深くに繋いでいたとしても、鷹にはそういう建前が必要だったのだ。
継ぎ目の分からないほど磨かれた床板の上を湊の指先が撫でた。寝台から放り出された腕は彼女のものばかりではない汗で湿っている。
後ろを向け、と命じられ、彼女は四肢に力を込めた。男と彼女の蒸気が溶けあい、室内が湿気ているようだ。
その重たい宙を掬いあげるようにして湊は右腕を動かす。
「後ろを向かせて、どうするのだ」
「聞いてどうするのだ?」
「…………」
「尻を出せよ。浅ましい犬のように。腰を落として尻を突き出せ。ケツの穴まで見えるように自分で広げてみろ」
短い髪がはらはらと揺れた。その髪の隙間から見える湊の耳たぶは真っ赤に紅潮している。
鷹の知る姿と比べ僅かに痩せたものの、容貌は変わらず凄まじく美しいと言って差し支えない。
楚々と伸びた眉、気強さと高慢さとをないまぜにして、綺麗な形に鋳造したかのような目。
きっと牡丹色をした唇は濡れていて、頬も真っ赤だろう。
それを見ることが叶わない体勢であることを鷹は若干惜しく思ったが、すすり泣きを堪える声と、湊がぺたんと胸をついた後、徐々に持ち上がっていく白い尻を見て、思い直す。
白い尻が鷹の方を向いた。さすがに自分で広げることはできないらしい、湊の両手は頑なに敷布を掴んでいたが、今回は不問とした。
丸い尻たぶの肉に指を埋める。腰から尻、そこからしなやかに伸びる柔らかい太腿を眺め、眺めたところを手が往復した。
太腿はひどく濡れていた。覗き込むと、鷹の目前でしとどに濡れた媚肉がふるふると揺れ、熟れきった熱が立ち上っているかのようだった。
――すぐにぶち込んでやりたいが。
鷹は思った。そこを触ることを我慢したが、くすんだ桃色の小さな菊門を見ると、ついつついてしまった。
「ひ」
きっとすぐに入れられると思ったのだろう、湊は悲劇的な声を出した。
指を入れてみる。湊がおろおろと戸惑い気味に振り返ろうとするのが分かり、鷹は声を上げて笑った。中指を奥まで入れ、ぐにぐにと動かしてやる。
こちらの方は特段気持ちよくはないらしい。
未知の感触が恐ろしいのか、固まる湊が面白く、少しの間肛門を虐めて、おもむろに引き抜いた。
いつかはここも犯してやろうと鷹は決意する。
「少し臭うな」
実際のところ臭いはしなかったが、そう言うと湊は短い悲鳴を上げた。笑って、花弁をべろりとひと舐めする。
「や、あっ」
「もっと腰を上げろ」
意図してかせずか、湊は尻を振った。舐めさせる気はないらしいと分かり、鷹は揺れる尻をひっつかむ。
我慢弱いわけではないが、そう悠長にしている時間もない。
乱暴に尻を引きよせ、肉棒をあてがった。湊が何事か喋ったが無視して、ねじ込む。
「あああっ!」
湊が声を上げた。自分の声に驚いたらしい、彼女は指を噛んだ。
「……湊」
名前を呼ぶと、湊が振り返ろうとする。
「声を出せ」
ゆっくりと引き抜きじりじり追いつめるように差し入れる
「ん、んぁ……」
肉がうねった。鷹は眉を顰めた。忙しなく、湊の口から彼女の手をどかせる。
「声を出すのが嫌か?」
「い、いや、だ、……んんっ、ん……っ」
「そうか、なら、声を出すなよ」
湊の口を乱暴に開けた。顎がとろけたようにしまりのない唇に、鷹の指はすっぽりとくわえこまれた。
溶けそうに熱い咥内を指でかき混ぜると湊の舌が絡みついた。
「湊」
鷹にはそれが無性に可笑しく思えた。言葉ではあれやこれや抵抗する癖に。
「声を出すな、湊」
激しく腰を打ちつける。
「んん、んーっ! ふぁ、あ――ああっ」
「声を出すなよ、嫌なんだろ?」
湊が指を噛んだ。
「声を出すな」
言いながら、激しく腰を打ちつける。肉のぶつかる音が部屋に響いた。
鷹がさらに指を奥に入れると、知ってか知らずか、湊は指を舐め始めた。
「ん、ん、……んんっ、んあ、あっ、ふぁ」
「……よしよし。良い雌犬だ。な? そのまま、声を出すなよ。できるだろ、ちゃんと」
声音だけは穏やかに言い、頭を撫でてやる。激しく突きながら。小さな頭が揺れ続けた。
「静かに、しろ。お前が言いだしたんだろ、お姫、様」
乳首を摘まんでやる。媚肉がきゅぅと締まった。指先で摘まんで、強めに捻って、こりこりと転がす。
「っん、ん、んぅ、ああっ!」
湊が指を吐きだした。
鷹の方も我慢の限界だった。
「湊、声を出せ」
一意、放つことだけを考える。媚肉が絞めつけてくる、ぞくぞくする快感。
「あ、あ、だめっ、激し――ああっ、あっ!」
「聞かせろ、もっと……湊」
目の前が白くなる。
「あっ、あ、ああっ、ひゃああっ……!」
「湊! ……!」
込み上げ、昇り、ひとときの突き抜けた充実。
喉がからからになった。
長い吐精に意図せず身体が波打つ。尻にかけるのも一興であったと、眼下の光景を見て思ったが、涎を垂らし、ぐったりと倒れ伏す湊の横顔を見て、やはり、と思う。
この女の子宮をたぷたぷに膨らますまで犯してやりたい。
湊の肩口に噛みつき、首筋を張って耳の輪郭を舐めあげた。
抱き寄せて、抱きしめて、頬を舐め、鼻を噛み、瞼を、顔中を舐めた。
彼女はぐったりとしている。短い呼吸を繰り返す小さな唇にむしゃぶりついた。
「――髪を伸ばさせるか」
湊が薄っすらと目を開いた。
蕩け切った(ように鷹には見えた)目が、じっと鷹を睨み、一拍置いて、また閉じた。
その動きを、かすかに震える唇を、穴のあくほど見つめ、鷹は立ちあがった。
「着替える。仕事のない家畜と違って生憎俺は忙しいからな。
無能な前王が忠臣を皆殺しにしていて、人手が足りないんだよ」
「……そんな」
「知らなかったのか? 親の仕事を? 俺の弟も、兄も、従兄も、伯父も、全員お前の父親に殺された」
湊は声を失ったように黙りこくった。
「死ぬなよ、湊。俺に殺されるまで生きて償え。何に殉じることもできない肉塊が」
湊がゆっくり顔を上げた。薄茶色の瞳が鷹を見詰めた。
小首を傾げて、何かを問うような仕草で一瞬口を開いたがすぐに閉じ、目を伏せた。
決定的に湊が傷ついたと、鷹は気付いた。
「私、何も、何も」
「何もしてない? 何も知らない? そりゃ幸せだったろうなぁ。肉塊のように働かず、父親を諌めるどころか知ろうともせず」
湊の身体がぐらりと揺れた。鷹が抱きとめる前に彼女は自分の腕で持ち直し、下を向いて小さく呟いた。
「…………ごめんなさい」
「…………」
鷹はしばらく動けなかった。次ぐ言葉を、罵詈雑言を探し、実際にいくつか思いついたが、喉のあたりでつかえた。
湊は泣かなかった。涙の代わりの微妙な危うさに、鷹は気付かざるを得なかった。
行き場を失った腕をとりあえず引っ込め、背を向ける。
「死ぬことは許さない」
言い捨て、立ち去る、この僅かの間に鷹は二回湊を振り返り、二回ともすぐに目を逸らした。
部屋を出て扉を閉める、そのままの格好で鷹が舌打ちをした音が扉にぶつかり、掻き消えた。
おしまい
読んでくれた人ありがとう
ノープランでやっとるので分からんけど、もうちょっとだけ続くかも
鷹が大事にしていたパンダさん人形を湊に捨てられるという壮絶な過去話までは適当に書きたい所存
GJ
続きをまったりと全裸でまってる
利用されてイメージアップに貢献しているけど
パンダはチベット原産でシナ関係ないです
少数民族は大事にしよう
747 :
名無しさん@ピンキー:2012/12/22(土) 08:30:20.58 ID:GVZobY7O
GJ
書けるところまで全力で待ってる
しかし741の所為で外見のイメージが
くまさん×崩御した王のお姫様にしか見えなくなったw
うわすまん下げチェックし忘れたorz
12国記好きだから読んでニヤニヤした
なぜ主上は続きを出してくれなんだ?
今回もGJ!全裸待機しとく!!
>>749 ちゃんとチェックしてるか?
今現在新装刊行中のが出たあとに出る予定なんだぜw
>>744 GJ昔の回想では仲良さそうだったのにーと思ってたら
こんなに複雑になる過去を早く知りたいぜ
>>750 まじか!ありがとう!!
何年待った事か…
愛無理スレで今年一番のグッドニュースを知ってしまったぜ
ともあれGJ!!
12国記とか後宮小説とかあの系統好きにはたまらんなぁ
後宮小説は原作ではあのねーちゃんが愛故しそうだよね弟にw
あしながおじさんをベースに愛故妄想投下しようとしたら消えたorz
ドンマイ
次がんまれ
まちがえま
がんばれ
またまちがえた( ;´Д`)
たくさんレスしてしまって申し訳ない
あけおめ
あしながおじさん的人が勢いあまって強姦する展開はすきだなあ
期待してます。
今年も沢山犯したい
あけおめ
あしながおじさん期待してる
自分も年内に終わらせられるよう頑張りたい
あしながおじさんに強姦されちゃう薄幸の美少女……ゴクリ
本当の「足長おじさん」の場合ジュディ(だっけ?)が積極的になりそうだが
足長おじさんもいいけど、おじさんの実の息子と、おじさんに扶養されてる女の子なんてのもいいなぁ
女の子はおじさんの家に一緒に住んでて息子はその子が好きで襲ってしまうんだけど、女の子はそれを公にしたら家も家族も失ってしまうから言えない…とか
いいなそれ
しかし女の子はそうなるとおじさんが好きだったら尚いいw
763 :
名無しさん@ピンキー:2013/01/27(日) 00:37:09.83 ID:wH7RULRL
今更だけど、保管庫のURL間違ってるな
女「あんたのことが好きだって言ってんだろ!!!あんたは大人しくあたしを孕ませとけばいいんだよ!!!」バプンバプンバプンバプンバプンバプン
男「いやあああああああああああやめろだめえええああああああああ」ビクンビュクドビュルブピピッ
そういえば、女が男に愛故するのはこのスレ的に有りなのか?
ふと気になった
766 :
名無しさん@ピンキー:2013/01/30(水) 18:42:13.97 ID:DRcK/p/R
767 :
コッペリアに花束を 1/3:2013/01/30(水) 23:59:52.92 ID:S1uLp8OP
「コッペリアに花束を」の続きを投下します
ちょっと愛故とは外れてる。すまん
………
……
…
蝋燭の灯がゆらゆら揺れる。その仄かな明かりの中で、行われる激しい情事。
それは獲物の肉を食らい尽くす獣のように。彼女の意思など無関係に、角度を変えては何度も突き上げる。
――中を抉る様に進退を繰り返してくる割には、彼の愛撫は驚くほどに優しかった。
雪のように白い柔肌をまるで原石を磨くように指でなぞり、丁寧に舌を這わせる。
感じやすい彼女の体はそんな優しい愛撫にも過敏に反応し、徐々に昂っていく。
守るように閉じた脚に手を添えて少し動きを促してやれば、彼女はそれに応えた。
従順さを褒めるように内股を撫でると、押し殺した甘い声が漏れた。
愛撫を続ける手が少しずつ付け根へと向かっていく。
「へい……か…」
か細い声でそう呼ばれ、焦らすように動いていた指がとろりと潤った蜜壷を撫でる。
ゆっくりと中へ進入していく指の感覚に、喉の奥から悲鳴に近い声が挙がる。
その途端、彼はふと微笑み、彼女に口付けを落とす。彼女の不安を取り除くかのように。
短くも長い口付けの後、彼は微笑を残したまま髪を撫で、濡れそぼった蜜壷に一気に己を突き立てる。
「やぁ……ああっ、や、ぁんっ…!」
彼女が可愛らしく喘ぐ。蕩けるような快楽に身を委ね、それでも大きな声を出すまいと必死に耐えている。
毎晩の行為ですっかり自分のものと馴染んだ彼女の中は、彼を放すまいときつく締め上げてくる。
彼女の体は求めている。欲しがっている。彼女の要求に存分に応えようと細腰をがっちりと押さえつけ、己を突き上げては引きを繰り返す。
「あっぁ…ふ…ああぁっ、うあぁあっ……!」
彼女の声色が変わった。自制心が脆くも崩れ去っていくその様を眺める。この上ない悦び…のはずなのに。
何故か苦しかった。心から欲した女を手に入れたはずなのに、何故か虚しい。
――ちがう。
そんなものはまやかしだ。自分はこれでいい。このままこの女との肉欲に溺れていくだけで。…もう、それしか彼女を手にする術は無いのだから。
突如沸いて出てくるまやかしを振り切ろうと、さらに強く、さらに激しく腰を打ち付ける。
「やっ…あぁ、あぁあああああぁぁあっ!」
掴んでいた細腰がびくんと跳ねる。締め付けが一層きつくなったのと同時に、彼の欲望を解き放つ。
全てを注ぎ終わり、己を引き抜く頃には彼女は既に熱に浮かされ、果てていた。
768 :
コッペリアに花束を 2/3:2013/01/31(木) 00:00:34.52 ID:S1uLp8OP
翌朝、朝食を終えたローラントが執務室へ向かう途中のこと。執務室のやたら豪勢な扉の前に、浅黒い肌の青年が佇んでいた。
青年はローラントの姿を見かけると、深々と一礼をする。
「昨晩もお楽しみでしたね。」
貼り付けたような笑顔をこちらへ向ける青年に、眉をひそめた。
「…実によい趣味を持っているな、シュロ」
「いえいえそんな。私はただ職務を忠実に全うしているだけですので。」
「他人の戯れを覗き見ることが、か?」
「陛下もお人が悪い。私めは貴方の懐刀。常にお傍にお仕えしていれば、嫌でも目に入ることくらいお分かりでしょうに。」
シュロ、と呼ばれた青年はローラントの後に続いて執務室へ足を踏み入れる。
重い扉をきっちりと閉め、しばらく外の音を伺った後に一呼吸。ネクタイを気だるげに解き、髪を掻き揚げる。
「しっかし、毎晩毎晩ズコバコヤりまくって…お前の絶倫ぶりには頭が下がるぜ。」
一国の王と対峙しているとは到底思えぬ下品な言葉の数々と、横柄な物言い。普通ならば、不敬として罪に問われるところであるが。
「ほざいてろ、出歯亀」
彼の不敬を咎めることもせず、書類に視線を移したままそう呟く。肩の荷を降ろしたかのように緩やかな口調だった。
彼が本来の姿を見せるのは城内でもたった二人の前でだけ。そのうちの一人が、このシュロである。
シュロは物心付いた時からローラントの兄的存在だった。
野山を駆けずり回り、あちこちで悪戯をしては2人して鉄拳制裁を食らっていた幼少期。
彼のこれまでの人生の中で最も馬鹿げていて、最も楽しかった……そんな日々は突然終わりを告げた。
母が病で急死してから程なくして、彼の前に王の使いを名乗る集団が現れ唐突にこう言い放つ。
「貴方様は王家の御印を持っている。間違いなく国王陛下のご子息だ。」
――彼の母は国内でもそれなりに名の知れた踊り子だった。
収穫祭という大舞台で奉納の舞を披露した折に偶然先代の王の目に留まり、寵愛を受けた。
そして、たまたま身籠った子が“ローラント”と呼ばれる前のローラントだった。
彼女は妃として城へ迎え入れられるが、誰よりも美しかった彼女は嫉妬に狂った他の妃達に様々な迫害を受けた。
未遂に終わったものの、腹の子を始末しようと毒を盛られたこともあったほど。
自分と我が子、二つの命の危険を悟った彼女は生まれて間もない赤子を抱え、逃げるように城を飛び出したのだという。
それから妃たちは後継者争いを始め、それが次第に激化。
追い討ちをかけるように城内で伝染病が流行り、気付けば王家の人間は国王とその弟夫妻を残し全て死に絶えてしまった。
このままでは王家の存亡に関わると危惧した大臣たちが白羽の矢を立てたのが、彼だった。
国王の直系は彼しかいない。だから、妾の子であろうと彼を皇太子にするしかない。血筋を重んじる王家の、苦肉の策だった。
そして彼は強引に皇太子として王城に迎えられ、ローラントの名を与えられた。
地獄だった、と、ローラントは言う。
王城には自由など毛頭存在しなかった。野を駆け回るどころか城外に出ることも、一時期は部屋から出ることすらも禁じられた。
自分の中の自由は頭の固い政治家や家庭教師らに人格と共に否定され、代わりに彼らの理想の人格と都合のいい教養と思想を植えつけられ。
強制と抑圧と、嫉妬と嫌悪と、野望と欲望……そんなどす黒いものに晒される日々。彼の感情が薄れていくのは必然的と言っても良いだろう。
ほとんど感情を失いかけたローラントの前に、風のようにシュロが現れたのは、今から7年ほど前だ。
胡散臭い敬語を操り、作りこまれた笑顔を浮かべ、礼儀作法と戦闘術を叩き込まれ、それでも昔のままの悪友のシュロが。
昔から変わることのない、頭一つ分高い視線から降ってくる悪戯な笑みにどれだけ救われただろうか。
769 :
コッペリアに花束を 3/4:2013/01/31(木) 00:01:59.90 ID:N71y6DwU
「んで、お前、満足なのか?」
ひとしきり語り終えたシュロは一旦一呼吸置き、再び口を開く。いつに無く真剣みを帯びた声色に手が止まった。
視線をシュロへ移すと、彼は真っ直ぐこちらを見据えている。
「…満足?」
「とぼけんな。ミオ姫との関係に満足してんのかって聞いてんだよ。」
シュロはこう見えて思慮深い。いつもローラントの傍らにいて、誰に頼まれるわけでもなく自分の意思でローラントに遣えている。
あまりの馴れ馴れしさに煩わしくなることもあるが、その思慮深さには頭が下がる思いだ。だが、それは時々彼を苛立たせる。
最も自分のことを知るシュロだからこそわかる些細な変化。指摘されたそれが自分ですらも気付かないようなものだから、妙に腹が立つ。
だが今回は違う。ローラントは気付いてるはずだ。それに気付かないふりをしているだけ。
「欲しかった女を…ミオを手に入れた。ミオの初めての男になった。他の誰でもない、俺がだ。
ミオの体は俺を求めている。俺の快楽に依存している。これを満足と言わないでなんと言う?」
「依存してんのはミオ姫じゃない、お前のほうだろ。だから毎日ミオ姫を抱いてる。
体で繋ぎとめておかないと、ミオ姫が離れていってしまう。それが不安なんだろ?」
黙れ、とローラントが掠れた声でつぶやく。それ以上の言葉が出ない。だから、余計に苛立ちが募る。
主が満足だと言っているのだから、それを素直に信じればいい…なのに。この男の思慮深さが恨めしい。
「だったら尚更、ミオ姫とちゃんと向き合え。お前、本当は―――」
「黙れと言っている!」
ようやく絞り出せた声にありったけの怒号を込める。それでもなお怯まないシュロが、二の句を告げる前に立ち上がる。
「俺はあいつの純潔を強引に奪った。泣き叫ぶあいつに欲望の限りをぶちまけた。
あいつの心はもう、俺のものにはならない。心が手に入らないのなら、体だけでも手に入れる。」
――ああする以外に、方法を知らないんだ。
部屋を出る際にローラントの口から無意識に漏れた、音も無いその言葉はシュロの耳にしっかりと届いていた。
主のいない執務室の中でシュロは大きなため息をつく。ローラントの不安は予想以上に大きく、そして重い。
「…もっと簡単な方法があるじゃねーかよ、バカ野郎」
770 :
コッペリアに花束を 4/4:2013/01/31(木) 00:02:35.55 ID:N71y6DwU
謁見の間へ続く渡り廊下。その前方から見知った顔が歩いてくるのが見え、眉間の皺がさらに深くなる。
引き返そうかと後ずさるも時既に遅し。見飽きた顔の老人はこちらの姿をしかと捉え、蝦蟇のような笑みを浮かべてこちらへ進み寄ってくる。
「これはこれはローラント様! 本日はお日柄もよく―――」
ローラントはこの男が心底嫌いだった。この国で、世界中を探してもこの男ほどローラントに信用されていない人間はいないだろう。
この男は彼の前に現れた王の遣いの1人。妾の子である彼を毛嫌いし、汚らわしいものとして散々罵ってきた男だ。
ローラントがこの城に招かれてから毎日のように痛感してきたどす黒いもの。それを凝縮して人型にしたものがまさにこの男である。
散々罵っておきながら、ローラントが玉座に腰を据えた途端に報復を恐れてご機嫌取りと媚売りに必死なご様子は、滑稽過ぎてもはや失笑すら起きない。
…シュロが傍に控えていたら、この男を上手くあしらえるのに。男の言葉を受け流しながらそんなことを思っていると。
「それで……ミオソティス様とはいかがでしょうか?」
思わず反応してしまう。つい先ほど、そのことでシュロに小言を言われたばかりなのだから。
この男にだけは、彼女の名前を呼ばれたくなかった。この男が次に口にする言葉は大抵決まっている。
「由緒正しき西の国の姫君を娶られたのは、ローラント様のお目の高さには目を見張るものがございますが。
今後の王位継承のこともありますし、王族の繁栄の為にもここは是非ともわが国の美しき令嬢達の中から側室をお選びに――」
いつもこの男を足蹴にしたいと考えていたが、今日は特にそう強く思う。ローラントが17歳の誕生日を迎えて以来、この男はその話ばかり口にする。
わが国の、と前置きを入れてはいるが、この男の腹の内など既に解りきっている。我が娘サイネリアを側室に入れ、更なる権力を手にしようと考えているのだ。
国王が側室を迎え入れても良いのは、正室が懐妊してからだとされている。毎晩ミオが私室によこされるのは、貴族達の差し金だろう。
サイネリアはこの男の血を引いているとは思えないほど気立てがよく快活な女性で、ローラントの数少ない気心知れた友人である。
戴冠式のときに初めて顔を合わせた時、狸のような父親とは似ても似つかぬ凛とした佇まいに驚いたものだ。
人としても女性としても素晴らしいとは思うが、彼女を1人の女として見た事など一度もない。彼女は、シュロの女なのだ。
「世継ぎのためとは言えども、ローラント様のお気持ちを無視するわけにはいきませんので。ここはどうか平生親しくしている我が娘のサイネリアを――」
「黙れ」
もうこれ以上この男の声を聞きたくない。その一言と同時に、男の喉元に脇差の切先を突きつける。
「これ以上まだ戯言を抜かすと言うならば、その喉を掻き切ってくれようか?」
ひっと男の喉が鳴る。蝦蟇のようなにやけ顔が一瞬にして曇り、みるみるうちに青白くなっていく様に思わず失笑が漏れた。
「我の妻は後にも先にもミオソティスただ1人だ。側室など不要。その出来の悪い頭にしかと叩き込んでおけ。」
切先が男の目の前で孤を描き、静かに鞘へ収まる。それを待たずして、男は大量の冷や汗を掻いたまま一目散にその場を後にした。
このような行動を起こしたことで、今後、ミオが私室へ訪れることは無くなるかもしれない。…だったら、今度は。自分がミオの部屋へ行く。
ミオ以外の女なんて。そう、つぶやいた時だった。
「――ミオソティス様!」
見知らぬ男の声が、彼女の名前を呼んでいる。それが聞こえた――中庭の方へ目をやる。瞬間、衝撃が走った。
テラスに佇む見慣れぬ召し物を纏ったミオと、彼女に駆け寄る見知らぬ少年。その少年からミオへ向けられる視線に、覚えがあった。
同じだったのだ。シュロがサイネリアを見つめている時の眼差しと。その眼差しがどういう意味であるのか、嫌というほどよく解る。
そして、その眼差しを受けて静かに微笑んでいるミオを見て。心がざわつくのを感じた。あの時と同じように……
謁見の間でこの後行われる会合などのことなど、彼の頭の中からは既に消えうせ。足早に、2人の元へと向かった。
771 :
名無しさん@ピンキー:2013/01/31(木) 00:03:29.27 ID:N71y6DwU
以上です。
本文長すぎて、番号振り間違えた
>>767-771 超乙!!
ミオたんが可愛いから続き待ってました
少年は逃げないと殺されるぞw
この後犯されるであろうミオたんが見たい
続き待ってます
投下乙!!
続き気になる少年よ・・・w
あとは下げたほうがいいマジで。
ミオたんも湊たんも、最後には幸せになって欲しい……
775 :
名無しさん@ピンキー:2013/02/03(日) 12:27:23.47 ID:+BlHjIY5
GJ!!!
この前から上げるバカはなんなの?
そんなにこのスレ荒らしたいの?
続き期待
全裸で待つ
バレンタインで辛抱堪らず犯しちゃったりする展開で
よくありだが別の男にチョコ渡してるの見て辛抱たまらんで愛故か
花束シリーズ、ずっと続き待ってましたGJ!!
無意識にローラントを翻弄しまくっててるミオたんが天然かわいくてハラハラする
どうなっちゃうんだYO!
>>779-782あたり
王道いいよね!せっかくバレンタインデーだしそれでなんか書きたいなと思ったら遅筆で文才もなかった。
少なくとも2月中にかける気がしてこないので短い妄想を投下させていただきます_
駄目駄目な所から救われてたはずのアラサー男×おせっかい系女子高生(義理の姪)(仮)な
男のマンションにて_
『見て、たの?』
なにが零れるのだろう、と思っていた。
この窮屈な胸から、いつか、いつか外へと零れだそうともがいていたものの存在をずっと感じていた。
彼女と出会ってから、胸の中でふつふつと煮られていくもの。初めて知った、あたらしい感触。
それは、もしかしたら、美しいものなんじゃないかと思っていた。熱くて、滑稽で、馬鹿馬鹿しいのに、ひどく美しいもの。
でも、今こぼれたのは、どこまでも暗く醜いひとかけらの汚泥のような笑いだった。
「澪は、本当に_ガキだな」
一語一語、区切る様に。
「面白かったよ、なあ?放課後に、人気の無い校舎裏で、部活終わりの泥臭いユニホーム姿の野郎のガキを待って」
笑いが込みあげる程に出来すぎた『青春の一ページ』。
「まだ欲情と愛情の違いさえわからないような汗臭いガキに、お前は顔を真っ赤に染めて、やすっぽいリボン巻いたボロボロの手作りチョコなんて
重くてきもちわるいもんを必死に押し付けてさあ_」
それがもしも、もしも、この手に押し付けられたものだったら_どれほどその重みを貴く愛しく感じたことだろう。
「はっ_相手のガキもさ、いっちょまえに涎たらして発情して、震える手で受け取っちゃってさあ、なにもいえねえで_ありがとう、だって」
それが俺だったら、きっとあのガキ以上に震えるんだ。ガキだろうが大人だろうが、なにひとつ変わらず。
「なあ、嬉しかったんだろ?うれしかったんだよな?俺はあんな笑顔を見たこと無かったよ、澪、あんな、心の底から幸せそうで、暖かくて_」
最低の、笑顔。
視界に入るだけで、地獄の底を覗いているような、最低、最悪の気分になれる笑顔がこの世にあるなんて、俺は初めて知った。
見ているだけで、嫉妬のあまり胃から吐き気が上がってきた。
「おかしいよな_」
俺の中にも潜んでいるのだと思っていた熱くうつくしいものは、一瞬でおぞましいほど熱く汚いものになってこの口から溢れていく。
一語、一語に、憎悪がまとわりついてくる。
「そんな、なにもかもが馬鹿らしいほどガキまみれなのに、何故かやることだけは早いんだよな、なあ?澪?」
そうだ、そんな『ガキ』の恋愛ごっこであってくれれば俺はまだ堪えられたのに。
以上です__
GJ!
こんな読み手からすると生殺しみたいなところで切るのか…
続き期待
「コッペリアに花束を」の続きを投下します
>>774>>776 ageると荒れるのか…知らなかった
ごめん、今度から気をつけます。
心地よい風が蜜色の髪を撫でる。鈍色をした嘴の長い鳥が高枝の上で一声啼き、城壁の向こうの山脈へ飛んでいく。
空の青目がけて徐々に小さな点となっていく鳥の姿を、ミオはぼんやりと眺めていた。
時は遡り半月前のこと。この日母が珍しく上機嫌だったことをはっきりと覚えている。
ミオの中の母は氷の女王だった。謁見の間にて母と対峙する度、その冷たき視線に震えていた。
それもあってか、謁見の間はミオにとっては非常に居心地の悪い空間だった。…この城に安息の場所など無いに等しいのだが。
だがその日の母はどうだろう。まるで春の訪れを迎えたかのように穏やかな笑みを湛えているではないか。
いつもとは違う雰囲気に戸惑っている最中、母はミオに声高く告げた。
「ミオソティスよ。隣国のローラント王より、お前を娶りたいとの申し出があった。
これ以上はないほどの良縁じゃ。お受けするだろう?」
母はまるで赤子に語りかけるかのように優しく問いかける。…いや、これは問いかけではない。
命令だ。拒否することなど許されない言葉無き強制。絶対零度かそれに限りなく近い冷徹なる槍の切っ先だ。
母から言葉が投げかけられた瞬間、穏やかだった謁見の間に木枯らしが吹いたのを感じ、ミオは安堵する。
同時に、この空気にすっかり順応してしまった自分を恨めしくも思った。
「はい。喜んでお受けさせていただきます。」
肯定を口にした瞬間、沈鬱だった間が一転、明るい騒ぎに包まれた。自分に浴びせられる祝福の言葉と歓喜に満ちた視線。
どれも、今までに自分が受けたことの無いものだった。
その中からミオはある一人の男を目視する。愛されることを許されぬ自分に愛を囁いてくれた殿方の姿。
玉座から少し離れた右手後方に佇む彼の、安堵しきった笑顔。最初で最後の恋が終焉を迎えたことをはっきりと悟った。
自分に向けられる愛の言葉なんて所詮はまやかし。ミオを唆す為の嘘に過ぎないことくらい既に理解している。
ミオに愛を囁いたその日の夜に、彼は見知らぬ女性と密かに愛し合っていたのだから。
空の姫君が愛されるわけがない――幼い頃から散々罵られ、自分でも承知していたはずなのに、胸が痛むのは何故だろう?
胸を刺されるような感覚を抱えたまま、母に一礼をし、背を向ける。母が何か言葉をかけてくれたようだが、歓喜の声にあえなく掻き消えた。
「お姉様」
謁見の間を後にし、自室へと向かうミオの前に立ちはだかる少女がいた。彼女はこの国の二の姫。一番上の妹、アプリコット。
母に生き写しと称された深緑の猫目が、真っ直ぐミオを捉えて離さない。
「ローラント王との婚姻を受けるなんて…何故そのような真似をなさったのです?」
「何を言うの。これ以上はない、素晴らしい良縁よ。」
「お母様はお姉様を娶る条件として、かの国に巨額の献金を要求しています。結納金だと言い張って。
欲と陰謀と金に塗れた取引が良縁だなんて、私には到底思えません。」
アプリコット―― リコは怒っていた。常に冷静沈着で感情をあまり示さない妹のこんな姿を見るのは珍しい。
目に見える怒りを宿らせたままつかつかと姉の目前へ歩み寄り、手を取る。
「お姉様、どうか考えを改めてください。お姉様がこの縁談を望まないのであれば…私は全力でお姉様の望みを叶えます。」
自分が欲してやまなかったもの――母からの愛を一心に受けた、聡明で機知に富む妹。
少しでも母の関心を引こうと書物を読み漁り知識を蓄えるも、政治家や母が挙って賞賛するのはこの妹の方だった。
才能が自分に芽生えることを期待して芸術を嗜むも、三の姫の作品の前ではがらくた同然。
美しさを得ようと様々な美容法を試してみたが、四の姫の生まれ持った愛くるしさに比べれば滑稽過ぎて失笑すら起きる。
羨ましい、嫉ましい。それでも彼女たちを愛しく思う気持ちに嘘はつけなかった。
自分は愛されない。だから妹たちに、全てのものに精一杯の愛を注ごう。それが例え独りよがりの虚しい執着だと罵られても。
その覚悟の賜物か、妹たちは姉思いの優しい子に育ってくれた。特にこのリコは、ミオの立場の悪さをまるでわが身のように憂い、涙することもあったほどだ。
当然母はそれをよくは思わなかった。妹を誑かした罰として、躾部屋と称される薄暗い部屋に何度閉じ込められたことか。
そんな辛いばかりだったこの国での日々が、この婚姻によってようやく終わりを告げるのだ。
相手方の王が本気で自分を好いているわけではないことは承知している。それでもこの国から解放されたかった。
そこにどれだけ富が絡んでいようと、欲望渦巻くどす黒いものであろうと、自分を欲してくれる人間がいる。それだけで満足だ。
そんなことを口にしてしまうとリコが激昂しかねないので、努めて穏やかな口調で言い聞かせる。
「リコ、貴女は私の婚礼を祝福してはくれないの?」
「祝福などできるものですか…! お姉様、どうか、本心をお聞かせください! そうしたら、私……」
彼女は知らない。ミオが本心を口にした瞬間、どのような仕打ちが待っているのかを。
辛いことを辛いと口にしてしまったら、自分が今まで必死に耐えてきたものが音を立てて崩れ落ちてしまう。
今にも喉から溢れ出てしまいそうなものをぐっと飲み込む。今にも泣き出しそうな妹を抱きしめ、微笑んだ。
「大丈夫。私はきっと幸せになれるわ。」
胸の中で嗚咽を漏らす妹の髪を撫でながら、努めて優しく語り掛ける。
自分の夫となる殿方…ローラントと初めて対峙した時、まるで母と対面しているかのような錯覚に陥った。
体が震えだしたのはほとんど無意識。条件反射のようなものだと言って良いだろう。その次に母が浴びせる言葉に対する恐怖心からの。
…だが彼は。震えるミオに母のように冷徹な言葉を浴びせはしなかった。
あの時、至近距離で見つめた彼の瞳の奥に、何かの揺らぎを垣間見たことをはっきりと覚えている。
母や城の者たちが自分に向ける氷のような視線でも、妹たちが自分を見つめる時の思いやりに満ちた眼差しでもない。
少なくともこれまでの人生で自分が向けられたことのないものだった。
彼は何故あんな目で自分を見つめるのだろう? それを思うたび、彼の激しい情事が脳裏をよぎる。
この体には彼の身体がしっかりと刻み付けられている。あれから毎日、彼は自分を抱いているのだから。
身を焦がしてしまいそうなほど滾る肌の熱。圧倒的な力で押さえつけ、力を示すかのように自分を犯す彼。
はじめは痛いばかりだった行為も今ではすっかり彼に馴染み、激しい快楽を享受している。
自分の体を抱きしめた。この体はもう彼に染まってしまった。この体はもう彼のもの。自分は彼の人形――
あの夜、抱き枕に向いていると言われたのも、この肉付きのいい体を揶揄してのことだろう。
体が無性に疼く。自分の女としての本能が、彼からの快楽を求めてしまっているのだ。
なんてはしたない女になってしまったのだろう、と軽い自己嫌悪に陥りかけた最中、近くで声が聞こえた。
「よし、アニマルトピアリーの完成! 見てください、ミオソティス様!」
我に返り声の主を探す。植え替え作業中の庭の中で、土に塗れた少年が目を丸くしている。
ローラントと同い年だと言うが、彼よりも随分と幼く見える。それはローラントが大人びているからのか、彼が童顔だからなのか。
「どうしました、ミオソティス様?」
彼―ヒースはこの城の見習い庭師だ。花を枯らして途方に暮れていた彼に助言と励ましをして以来、彼は自分を姉のように慕ってくれている。
それから時折この場所に足を運んでは色とりどりの花々を眺め、彼と言葉を交わすことが小さな安らぎとなっていた。
「…なんでもないわ。ごめんなさい、気遣わせてしまって」
だが。今日はどうしてだか、心がざわついていた。ふとした瞬間に彼との情事が思い起こされてしまう。
気を紛らわせようと、先ほど完成したらしい犬や鳥の形をしたトピアリーを眺める。それでも、心のざわつきは消えてはくれない。
「…どうしたんです? さっきからぼんやりとしてますけど……。あの、お具合が悪いのでしたら――」
「いいえ、大丈夫。大丈夫だから……」
ふと、リコのことを思い出した。咽び泣く彼女の頭を撫でながら、何度も「大丈夫」を繰り返した時のこと。
「お姉様の大丈夫はいつも嘘っぱちです」と、リコは呟いた。
――確かに、嘘っぱちだわ。
あの時の「大丈夫」はリコに向けたものではない。自分へ言い聞かせたものだ。
叶うことの無かった願い。それでも叶ってほしいと望む、ただ一つだけの願いを込めた言葉。
そうでもしないと、きっと姉思いの妹に釣られて自分も泣いてしまうから。
――ごめんね、リコ。私、やっぱり幸せには……
乱雑な足音と、ヒースの端的な言葉が聞こえる。我に返った途端に、強い力がミオの腕を掴む。
「へ、陛下……!」
ヒースが慌てて頭を下げる。見上げた先には、怒りに満ちた表情でヒースを睨みつけるローラントがいる。
痛みを感じるほどに強く掴まれた腕から、滾るような熱を感じた。
しばらく無音の時が続いた。ヒースはローラントの猛禽類のような視線に体を強張らせ、ローラントはそんなヒースを睨みつけている。
どちらにどう声をかけていいかわからず戸惑っていると、突如引き寄せられ、彼の体にすっぽりと収まった。そして、ヒースから遠ざけるかのように手を回される。
「…妻は体調が優れぬようだ。連れて行く」
「え? あの…」
体がふわりと宙に浮いた。そのままヒースの姿が遠ざかっていく。
抱えられているのだ――それを自覚した時、顔が赤く火照るのを感じた。
「あ、の…、自分で、歩けます、から……」
「………」
「お、降ろしてください……重いでしょう…?」
「………」
どんな言葉をかけても、ローラントは口を開かない。一心に前へ進んでいる。何度か声をかけたところで、ようやく彼は足を止めこちらに目を向けた。
心臓が跳ねた。今ローラントから向けられている瞳は、情事の際に彼がたまに見せるものと全く同じだったから。
同時に、今いる場所が自分の部屋とは違う場所であることに気付く。三度、心がざわついた。
「や……お、降ろしてください……!」
「…解った」
やけに素直だと思ったのも束の間、近くの部屋へ押し込められ、簡素なベッドの上に放り投げられる。
がちゃり、と鍵のかかる音。振り向いた彼が妖しく笑う。そのあまりの艶かしさに、体の芯が疼く。
彼の青い瞳が近づいてくる。視界が閉ざされ、唇に生温かいものが触れた。それは唇を一通りなぞると、無防備な隙間へ滑り込んでくる。
「んん………っ!」
彼の舌はミオの歯列を乱暴になぞり、口内を暴れ狂う。舌に執拗に絡みつき、息つく暇すら与えてはくれない。
この城に招かれて以来、幾度と無く深い口づけを受け止め続けてきたが、これほどまでに乱暴な口づけは初めてだ。
彼が唇の角度を変える一瞬の間に息継ぎをしなければ、この荒々しさに窒息してしまいそうになる。
これだけで一日が終わってしまいそうな―――そう錯覚させるほどに長い長い口づけ。ようやくそれから解放された時には、ミオは既に肩で息をしていた。
「なんて顔をしてるんだ、お前は」
ミオの顎を持ち上げ、満足げに笑うローラント。抵抗をする余裕も無かった。
「俺が欲しくて堪らない…そんな顔をしてる」
口を開こうとしたが、言葉を飲み込んだ。小さな違和感がよぎったのだ。それは逃してしまいそうなほど些細なもの。だけど、この心でしっかりと感じ取ることが出来た。
今までと違う。ローラントも、自分自身も。そんな違和感に頭を悩ませている間に、ローラントの手はドレスの裾をたくし上げ、下着越しに秘所をなぞった。
…! ひゃんっ……!!」
「布越しでもわかるくらい濡れてる……相変わらず、感じやすい体だな」
愛液で湿り気を帯びたそこを、何度もなぞられる。その度に体の芯がぞくぞくと震える。
今までは常に生まれたままの姿で交わっていたのだから。新鮮な感覚に、ミオの体もいつも以上に敏感に応える。
―――だけど、何かが違う。心の中では未だ些細な違和感が息づいている。その正体を掴めずにいるから、ミオは満足に快楽を享受できない。
右手は秘筋をなぞり、もう片方の手は何かを探すように背筋を這っている。ようやく目的のもの――コルセットの紐へ辿り着くと一気に解き、コルセットを取り去る。
「あ…待っ………」
ミオの声を待たず、彼の左手はベアトップを引き下げる。その下に臨むものを目にした瞬間、彼の顔が曇った。
「…なんだ、これは」
そこにあったのはミオの実った双丘ではなかった。それを押しつぶしている白い木綿の布。
「こんなものを、なぜ巻いてるんだ?」
「そ、それは……っ」
ミオにとって肉付きのいいこの体はコンプレックスだった。細身の妹達がどれだけ羨ましかったか。
特に末の妹のルミは、城付きデザイナーお抱えのモデルのようにほっそりとしている。そんな妹達と並んだ時に際立たないようにと、晒を巻き始めたのだ。
それでもやはり妹達と並ぶと滑稽で、何度ため息を吐いた事か。
「邪魔だ」
いくら手を入れてもなかなかその下に行き着かないことに苛立ちを感じたのか、ローラントは脇差を抜くと、晒を縦一文字に切り裂く。
左右に開かれる布地の奥で、窮屈から解放されたミオのたわわな果実がぷるん、と揺れる。
「やぁ……!」
胸を隠そうとした手は彼の片手だけであえなく拘束されてしまう。無性に恥ずかしかった。
「なぜ隠そうとする? 肉感的で、いい体なのに」
「…え?」
秘筋をなぞっていた手が、たわわな胸に触れる。じっとりと湿った生温い指が胸の膨らみを、腰の曲線を、そして太ももを順に撫で、口づけを落としていく。
「出るところは出て、締まるべきところは締まっている。色白で、綺麗な体だ」
その言葉を聞いた瞬間、くすぐったい感触に熱を帯びていく中で違和感の正体にようやく気付けた。
自分の喘ぎ声と彼の息遣い、そして時折暖炉の薪が燃える音。そういった静粛な空間の中で、今までの行為は極めて儀式的に行われていた。
だが今は。彼の声が聞こえる。彼の言葉が降り注いでくる。ミオはこれほどまでに饒舌なローラントを知らない。
そこから気付くのは早かった。一人称が変わっている事も、普段の行為では一瞬しか見ることの出来ない彼の微笑が、今は絶えず注がれている事も。
――もしかして、今のこの姿が…本当の陛下なの?
その疑問が生じた時、ミオの心の中で変化が起きた。
自分は愛玩人形、世継ぎを産むための器。その為に強制的に行われる交わり。自分の意思など関係ない。必要ない。ただ無心に快楽だけを享受していた。
――だったら、何故私に微笑むの?
中に入れる前、彼は必ず髪をやんわりと撫で、微笑む。普段の彼からは想像も付かないような優しい顔で。ミオにはそれが不思議でならなかった。
自分をただの人形としか思っていないのであれば、何故彼は微笑むのだろう。その問いへの探究心が、今までのミオには無かった行為を生み出す。
「や…めて……」
ローラントの手の動きが止まる。ミオが抵抗の意思を示したのは、初めてのことだった。
潤んだミオの瞳が、ローラントの見開かれた瞳と重なる。それも一瞬のこと。すぐに彼は視線を逸らし、目を伏せる。
その顔にも覚えがあった。快楽の波に打ちひしがれる中で見えた、苦しげで悲しげな表情と同じだ。
―――私はあなたがわからない……
普段は無表情で、無愛想で、何を考えてるのかわからないのに。自分と交わる時だけは表情を垣間見せる。
今自分の体をしきりに愛撫している彼を、自分は知らない。本当の彼は何処にいる?
―――私は、あなたを知りたい。
「やだね」
止まっていた彼の手が再び活動を始めた。下着の中へ進入し、ミオの秘所を直接責めにかかる。
「あぁん……! や…ぁ……っ」
乱暴に蜜壷の中を掻き回す無骨な指。もう片方の指は片胸を揉みしだき、登頂を引っかき、摘む。
突然再開した愛撫に過剰なほどに体が反応する。秘所が濡れそぼっていくのが自分でも解った。
…でも、以前のように無心に快楽を享受できているかと言えば、全くそうではない。
乱暴な愛撫をする今の彼と、至極丁寧に愛撫をする彼。どちらが本当の彼なのか。それを知りたがる心が邪魔をする。
「だめ……です…!」
女の本能が妨害をする中、ようやく搾り出せた抵抗の言葉。それでも、乱暴な指使いは止まるはずが無い。
「本当に、だめなのか?」
彼は意地悪に微笑む。ミオの目尻に溜まった涙を舌で掬い取った後、彼女の体をくるりと反転させる。
シルクの下着に包まれた形のいい尻がローラントの眼下に突き出され、ミオはそんな自分の痴態に赤面して顔を伏せた。
「お前のここは、こんなに濡れてるのに。それでもだめなのか?」
耳まで赤くなった顔をシーツに埋めたまま、彼女は頷く。ここで快楽に溺れてしまえば、本当の彼を知ることが出来ないまま真の愛玩人形に成り果ててしまう気がした。
「そうか……」
背後で聞こえる彼の声が切なげに沈む。声色の中に救いを求める少年の姿を錯覚し、思わず上体を起こして振り向こうとした。
だが、彼の顔を見ることは出来ないまま、ショーツをずり降ろされ、熱く猛った楔がミオの中に打ち込まれた。
「あぁっ!いやっぁ……ああぁっ!!」
安易に彼を受け入れた、彼の形しか知らない彼女の蜜壷は、彼が悦ぶように彼のものを甘く締め付ける。
…だけど、ミオの知る彼とは毎晩自分を儀式的に抱く、無口で、無愛想で、無表情な大国の王ローラントだけだ。
今自分を蹂躙している彼が一体誰なのか彼女は知らない。
けれど、彼女は今の彼の中に垣間見てしまった。二つの彼の姿を。
二つの彼に戸惑ったままの、今の中途半端な心のままで得る快楽は、鈍い痛みとなって心に響く。
――私は本当のあなたを知りたい。
背後の彼が、苦しげに何かを呟く。叫びのようにも聞こえたそれは、心への鈍痛と本能的な快楽の激流の中でかき消された。
ミオの胸中など露知らず、ローラントは盛んに腰を突き立てる。
艶かしい嬌声を上げながらも頻りに身を捩ろうとする彼女の腰を、逃さないよう両腕で押さえつけ、思う存分掻き回す。
眼下で蜜色の髪が揺れる。抵抗の意思を見せながらも熱を帯びていく嬌声に心が震えた。
「そうだ…それでいい……!」
何も考える必要は無い。ただ互いに快楽を貪ればそれでいい。
――んで、お前、満足なのか?
シュロの言葉が脳裏をよぎる。お前はまた俺を苛立たせるのか。
「何度も…、言った、だろう……!」
自分は満足している、と、あの時言った筈だ。それでもお前はまた煩わしくも言葉を投げかける。
――体で繋ぎとめておかないと、ミオ姫が離れていってしまう。それが不安なんだろ?
違う、と、あの時返しておけばよかったのだろう。そうすれば、これ以上苛立つ必要などなかった。
では何故、その場で即座に否定しなかった? 庭で、見知らぬ少年に笑いかけるミオを見て、何を思った?
「黙れ………黙れ……」
――ミオ姫と、ちゃんと向き合え。お前、本当は
ミオ姫の心が欲しいんだろう? 愛して欲しいんだろう?
煩わしい男の声が脳裏を支配したまま、ローラントは絶頂を迎える。
眼下のミオは一層甲高く喘ぎ、力なく崩れ落ちた。最奥を突いたままのものが脈打って熱い白濁を注ぎ込む。
繋がったまま、ローラントはしばらく呆然としていた。余韻に浸っていたわけではない。打ちひしがれていたのだ。
ミオという存在を、形あるものとして自分のものに出来ればそれでよかったのに。それでも自分はミオの心を欲した。
彼女の口から右大臣の息子とやらの話を聞いた時、その男に憎悪に近い嫉妬心を感じた。自分も彼女に愛されたい、と、願った。
耳を塞ぎ、目を閉じ、心からの願いから目を反らしたまま、黒い感情に支配され、彼女を無理やり犯した。
今更彼女に愛されたいと願っても、彼女の心を欲してももう遅いのだ。
彼女の体を抱き起こし、向かい合う。熱に浮かされてぼんやりとしている彼女と目が合った。
汗に湿った髪を、優しく、何度も撫でる。そして、震える唇を、そっと彼女の唇に押し付けた。
触れ合うだけの、長い口づけ。伸ばされた腕が、そっと彼の頬に触れた。
唇が離れた後、彼女は何かを言いたげに口を動かす。そして目を閉じる。
「すまない……」
眠る彼女の額に、生温かい雫が一粒、また一粒と落ちていく。
その日以来、ローラントの部屋を、ミオが訪れるという夜な夜な儀式はなくなった。
以上。また番号振り間違えた…
投下するときはというか普通スレに書き込むときは最低でも
>>1嫁
GJ!
なんか、今回は泣いてしまったよ。ミオが切ないな。
良かった。続き待ってる
GJ!ミオが可愛いなぁ
GJ!
ふたりの思いが食い違ってるのがイイネー(゜∀゜)
すれ違いが愛故の醍醐味ですよね萌えます
GJです!
前に読んだある愛故SSが途中までものすごくハマる展開なのに結末が救いようのないバッドエンドでそれのせいで数日ショックから立ち直れなかったから、最近は結末を読むのが怖くなってしまった
>>798の愛故SS気になるw
783はホワイトデーには続きが読めるんだろうか
某民俗学者の著者読んでて萌えたネタ(伝承)
ある娘が山に栗拾いに出掛けたきり、戻って来ない。
親も村人もはじめは心配したが、やがて諦め、娘の葬儀も終えてしまった。
数年後、村の猟師が山に入ると、偶然に一人の女と出くわす。
その女こそ、数年前に失踪したあの娘であった。
女はあの日、恐ろしい眼の色をした大男に攫われ、今はこの山で共に暮らしているという。
男が人間なのか、神や物の怪の類なのかは女にもわからない。
数年の間に男の子を何度か産んだが、皆
途中送信しちゃった。すまそ
おんなは
女は数年の間に子を何度か産んだが、皆男に取り上げられ、いずこかに連れていかれたという。
猟師はこの話を聞き、とりあえず村に連れ帰らねばと女の手をとった。
しかし山を降り、人里近くまで来たその時、突然山の方から大男が女を追って来た。
女は奪い去られ、再び姿を消してしまった。
何も知らない娘を犯して孕ませ、挙句自分の子にも嫉妬して棄てる山男さんぱねぇ
緑の濃い季節になった。
湊はふと思い立って窓辺に寄り、外を見た。
特別何を思うでもなく見下ろした砂地に、身体の大きい男が一人、こちらに向かって急ぎ足で歩いてくる。
彼女に会いに来るものなど一人しかいなかったから、離れの主人である鷹に他ならない。
ひややかな湊の視線を感じとったのか、鷹は立ち止り、眩しそうに手をかざしながらこちらを見上げた。
目が合った。鷹は口元を歪めた。湊は眉をひそめて窓を離れた。
――鷹は、なんと言うだろうか。
再び腰掛けるでもなく、部屋の端から端をうろうろし、窓に背を向け、振り向く格好で再び眼下の敵を探す。鷹の影は既にない。
湊が表情を作るよりも早く、湊の部屋の扉が開いた。
「…………」
いつもそうだが、何と言って出迎えたものか分からない。
おかえりなさいのはずはなく、お久しぶりも、こんにちはも、二人の関係に全くそぐわず、湊は押し黙って彼を迎える。
何かを湛えた鷹の無表情を見つめていると、自然、湊の胸もざわついた。
鷹の腕が湊に伸びた。彼は湊の肩まで伸びた髪を両手で掬い、手の平から髪をこぼしながら、湊の頬をすべすべと撫でた。
一言も言葉を交わさないまま、鷹が噛みついてきた。
口づけと言うには生易しい。
獲物を食べつくす勢いのような鷹のそれは、彼の一部始終を表すように乱暴で、情熱的で、平たく言っていつも興奮気味である。
いつもはできるだけ拒むのだが、なぜだろうか、今回は湊の胸にいつもと違う感情を持って受け入れられた。
けれども鷹の名前を一度でも呼んでしまうと、言葉にしてしまうと、そこにある僅かな温もりが霧散してしまう気がして、湊は黙って鷹の二の腕を掴んだ。
鷹の鎖骨に額を押しつけて、じっとする。
鷹はびくりとして固まった。
いつまでも黙っていたかったが、そういうわけにはいかない。
「……教えてほしい」
確かめなければならなかった。
鷹の答えがどうしようもないものだったとして、湊はそれを甘受しなければならない、どうしようもない負い目がある。
「痛めつけるためだけに私を抱いてるのか」
「そうだ」
鷹の返事は呆気なかった。
「私のことが憎いのだな」
「…………」
二つ目の質問に対する答えはなかった。答えるまでもないということだと湊は解し、それでも、と続けざまに問う。
「ずっとか」
頼りなく響く。
「ずっとだ」
半ば予想がついていたものの。湊の両手指はそっと温度を落とした。
鼻先にある鷹の顔をどうしても見れず、彼女は足元を、自分の衣服の降り落ちる床を見続けた。
白い布が滲んだ。ぽとぽと落ちる水滴が自分の涙だと気付いて、湊は狼狽した。
「おい――」
「では、もう、私は謝らぬ」
湊は下腹部に手を置いた。
未だ名のない「それ」が哀れで、自分は泣いているのだと思った。
「お前の家族を私の親が殺したと言うなら、私の家族をお前も殺すのだ」
「何を言っている」
「子ができた」
鷹は虚を突かれた顔をした。
「お前と私の子だ。だが、産めぬ。この子ごとお前に憎まれ続けるなど耐えられない。きっと……」
湊は気付いた。
「きっと私まで、お前のことを憎んでしまうよ」
――どんなに辱められても、罵られても、憎まれても。
この男を心底憎むことができなかったから、苦しかったのだ、と。
・
湊が泣いていた。
必要以上に動揺している自分に、鷹は気付かざるを得なかった。
自分好みに湊の髪を伸ばさせると決めた日以降、どんなに手ひどく罵っても湊は泣かなくなっていた。
その代わり、行為の最中、うわごとのように「ごめんなさい」と繰り返すようになった。
大変に鬱陶しい口癖だったのでやめさせたかったが、また泣かれると思うとそちらも鬱陶しく、言わせるに任せた。
馬鹿め。
醜い。
薄汚い。
そんなちょっとした罵りに謝られ続けると、手ごたえもなく、だんだんつまらなくなり、鷹も最近は黙って抱くことにしている。
どうしてあの女がこんなに憎いのだろうかと、軍の元同期に尋ねてみたことがあった。
便宜上、俺の女が、と前置きして。
「最近つまらない。反抗しない」
吐きだすと、旧来の友人は珍しそうに鷹を見てこう答えた。
「いいことではないですか。従順な女と言うのは」
「泣きも笑いもしないんだぞ。いいことなわけがあるか。面白くもない」
「鷹様だって、滅多なことでは泣きも笑いもしないでしょう」
「あの女はそうではない。よく笑うし、よく泣く。もしやそうやって反抗しているのかもしれない。気にいらん」
「……随分とご執心ですね」
言葉多く語りすぎたことを鷹は悔いた。
それほど憎いのだ、という言葉はなんとか言わずにおいた。
それほど憎いに、違いない。
湊の首は細かった。そこに噛みつくと、彼女はか細く鳴いた。
彼女の腕も細かった。彼女が無意識になるその間、恋人にするようにその腕が縋りついてくると、我も知らず引き寄せ、抱きしめた。
――ごめんなさい。
そういった「現象」の一つ一つが積み重なり、段々と、どうして憎いのか、思い出さなくてはならないようになっている自分に気付いていないほど、鷹は馬鹿ではない。
ただ、この執着を憎しみによるものだと思うことはたやすかったし、そうするべきなのだと鷹は思った。
なぜならば、この女の親は俺の家族を皆殺しにしたから。
長年の独裁、謀りの中にいた先王は気が触れた。誰も信用しなくなり、宮廷は血に染まった。
なぜならば、この女は。
三の姫、湊の遊び相手兼護衛として、鷹が過ごした日はごく短かく、一年にも満たない。
それでも、鷹が湊のことを忘れたことはなかった。
花のように笑う少女は彼が初めてずっと傍にいたいと思った相手で、それは本来そうなるはずであった。
湊には知らされていなかったが、順調に行けば鷹は彼女と結婚するはずであった。
鷹の父が仕組んだよくある政略結婚で、それがうまく行けば李家は祀の国で盤石の地位を築き上げられる。
――鷹、もっとこっちに来い。蝶がおる。
――はいはい。
くるくると遊ぶ、愛らしい許嫁。
誰も損をしない計画であったが、ある日それはあっけなく消え去った。
鷹と乳母らが僅かに目を離した隙に、湊が城内で迷子になった。間もなく鷹が発見、保護したのだが、誰ぞかの陰謀だろう、その出来事が気が触れ始めていた湊の父に伝わった。
鷹家の人々と湊を面前に呼び、祀王は震え声で言った。鷹にではなく湊に。
――湊、どうして迷子になったのだ。誰がお前を危険な目に遭わせた。
屈託なく、彼女は答えた。
――鷹とかくれんぼをしてた。鷹はなかなか見つけてくれん。
湊は鷹に抱きついた。
その場にいた全員が二人を見た。祀王は目を閉じた。
そこからはあっけなかった。
鷹と、鷹の父――現在の新帝、李曜が処断されずに済んだのは、ひとえに運が良かったからだ。
鷹が真っ先に責任を取らされるはずであったが、優秀気鋭の彼を殺すのは忍びないと多数の掬いの手が伸びたらしい。
鷹の代わりの首がいくつかと、李家の没落とを引き換えに、鷹と曜は一命を取り留め、生き残った李曜は密かに謀反を企て、誅殺の嵐が吹き荒れる時勢の中、着々と準備を行った。
殺伐とした生活の中、鷹は大人になった。
祀家への恨みごとばかりを耳にし、自らも復讐を決意して邁進した。
復讐。誰へのか。分別なく馬鹿な返答をした幼い少女へのか。
祀王を憎むには憚らぬ。けれども当初、湊を憎むには迷いがあった。見失った自分が悪い。無垢な少女を憎むのは余りにみっともないのではないか、と。
けれども、二度と口を効くことのかなわなくなった湊が日々美しく成長し、鷹の知らない誰かと楽しそうに笑っているのを見かけると、どうしようもなく腹立たしくなった。
ある日、湊の縁談が決まったという噂を聞いた。相手は高貴な家の出の優男で、鷹も名前だけは知っていた。
どうしてだかわからない。が、それ以降、何もかもどうでも良くなり、鷹は復讐に専心した。
幼い少女だからどうした。祀の血をひく娘であることに違いない。
もしかしたらあの時の言葉も、鷹が気に入らず、わざと発したのかもしれぬ。
祀転覆の三か月ほど前のことだろうか。
宮の廊下で鷹は湊とすれ違った。彼女が彼を見た。賢そうな、きらきら輝く茶色の瞳が、鷹を見上げた。
振り返って恥じ入るほど心乱れた鷹とは裏腹に、湊はふいと鷹から目を逸らし、客人らしき――婚約者かもしれない――隣の男に笑いかけ、鷹には挨拶一つせず立ち去ったのだ。
絶対に、もう二度と、俺から目を逸らさせぬ。
「探せ!」
空になった湊の部屋を見たときのことを、鷹は思い出す。燃え上がるような執着を。
本当はこのためだけに父に協力したのではないか。
湊を手に入れ、自らと親の悪行を思い知らせ、服従させ、閉じ込めて、一生自由にさせないために。
そうして、手に入れて、今、湊が泣いている。
鷹はひとまず衣服を湊に着せた。掛け布で包み、震えて俯く女の肩を持った。
湊を傷つけるならば、勝手にしろと捨て置けば、それで済むはずだ。
「…………」
けれどいつまでたっても鷹の口から言葉がでなかった。
湊の濡れたまつ毛をじっと見ていると、そうしなくてはならない気がして彼女の瞼に口づけた。
湊が戸惑った表情で鷹を見た。
「別に、俺は、構わん。お前が俺の子を産んでも」
言葉にすると何かが押し寄せた。
「産め。絶対。子どもごとお前をずっと傍に置いてやる」
言いきって、息を吐く。
存外、恥ずかしい意味が込められているような気がして、鷹は一人憮然とした。
湊が悲しそうに首を横に振った。
先ほどの湊との問答を思い返し、これまでの自分を思い返す。
どうして彼女が孕むまで抱き続けてしまったのか。
憎いからに違いない。仇敵の子を産ませ、育てるなど、最高の復讐になるだろう。
彼女の中に精を放つ瞬間は毎回、控え目に言って、幸福だった。
達成感と征服感、満たされる所有欲。
入れたまま、荒く呼吸する女に軽く圧し掛かり、強く抱きしめる。名前を呼んで、呼ばれる。
その時の感情は例えようがない。
今更その感情に名前を付けて、この執着に憎しみ意外の名前を付けて、湊に紐解いてやるなど、想像ができなかった。
身動きが取れない。
重苦しい空気に耐えかねたのか、愛想を尽かしたのか、湊が立ちあがって逃げようとした。
すぐさまその腕を掴んで引っ張ると、彼女は短く悲鳴を上げて寝台に倒れ込んだ。
「悪い――」
口をついて出た言葉と、知らず手を差し伸べた自分に、鷹は混乱した。
いつもならそのまま乱暴に跨って、犯してやるはずだった。
湊も驚いた顔をしている。
子どもができたからなんだと言うのだ。湊が湊でなくなったわけではあるまい。
「……その、さっき」
鷹は口を開いた。何か言わなければ間がもたない。
「いくつか誤りがあったので訂正する。お前を痛めつけるためだけに抱いているわけではない。
俺はそれなりに愉しんでもいる」
何を言っているんだと言いたげな湊の呆れ顔に気付かず、鷹は朴訥と喋り続けた。
「お前のことは確かに憎い、はずだが、生まれてくる子どもまで憎いとは限らない」
「そう、か」
「そうだ。半分は俺の血だ」
「…………」
湊が溜息をついた。
「――お前はこれまで何度も謝ったから、口汚く罵るのはやめにしてやる。これでどうだ」
「何が」
「産めるか」
ちょっと、鷹は息を飲んだ。
注視しなければ分からないほど僅かに、湊が笑ったのだ。
「そんなに産んでほしいのか」
「そういうわけでは」
「嬉しい」
今度こそはっきりと、湊は笑った。
「お前が私のことをどう思っていても、それだけで嬉しい。私は思ったより、女だったようだ」
「…………」
ようやく、鷹は自分の失敗に思い至った。
湊は何やら幸福な誤解をしているらしい。
鷹が彼女を娶って大切にするだとか、子どもを溺愛するだとか、毎晩愛を囁くとか、そういう確約をされたとでも言いたげな笑顔だ。
鷹が初めて見る種類の彼女の笑顔。
「……どうとでも受け取れ」
憎々しげに呟くに留めたのは、嫌味が思いつかなかったからだ。
湊に見惚れ、動かなかった目を無理やり逸らす。
「なんにせよ、飽きるまで飼ってやる」
「飽きるまでか」
「そうだ。思いあがるな」
鷹は立ちあがった。部屋の出口まで歩いて、寝台に引き返し、そこに座る彼女を無理やり横たわらせた。
「寝ていろ」
湊を抱きしめた一瞬、彼女は緊張したようだったが、何もされないと分かると力が抜けたように肩を落とした。
くそ、と吐き捨てて、部屋を後にする。
「鷹」
不安げに呼ばれ、彼は立ち止った。
「温かい物を持ってくるだけだ」
病気じゃないんだから、と言った湊の言葉を背に、鷹は部屋を出て従者を呼んだ。
温かい飲み物と、妊婦にいい果物と、精のつくその他諸々――を、強いて湊に食べさせるために。
・
湊が窓から見下ろすと、身体の大きい男が振り向きもせず立ち去るのが見えた。
わざと振り向かないようにしているのかもしれない、という想像は少し可笑しかった。
鷹のことをどう思っているのか、実のところ掴み切れていないのが現状だ。
優しく抱かれると嬉しい。勘違いをしそうになるくらい。
酷いことを言われると悲しい。
けれど、言葉通りではない行動もあって、それはとても嬉しい。
立ち去り際、鷹が初めて言った言葉がある。
「行ってくる」
言った後、湊が驚いて黙っていると、鷹はしまったという顔をした。
そのままむっつりと押し黙って立ち去り、振り返らずにいそいそと帰っていく大きな体躯。
湊は軟らかく腹を撫でた。
この子が日向にでることができなくとも、健康に幸せに、大きくなるまで。
鷹は飽きず、憎んでくれるだろうか。
その後。
鷹の人生には生涯にわたる尽きぬ悩みが付きまとい、彼はそれに飽かず悩み抜いたとのこと。
独身を貫いたと言われる鷹に、一人の妻とたくさんの子どもがいたというのは、正史には記されてはいないものの、市井の読物語の中ではごく当たり前に知られていたとかなんとか。
おしまい
ひとまず完結とします
ありがとうございました
GJ!
文がさっぱりらしてて読みやすかった
パンダさん人形の話も楽しみにしてるよ
GJ
自分もパンダさん人形楽しみにしてるw
>>800の山男さんもパネェっす…
羽衣伝説とかもいい愛故ですよねとかおもっちゃいました
814 :
名無しさん@ピンキー:2013/03/04(月) 16:01:44.15 ID:whNM+jgF
GJ!!
GJでした
湊たんが幸せになってよかった
うおおお、GJでした!
その後の話とかあったら是非読みたいです。
素敵な作品ありがとうございました
GJ
パンダさん人形エピ待ってます
GJ!!
なんかじーんときてしまったよ…!
湊たんも幸せになったし、ミオたんも幸せになって欲しい
>>813 日本の伝承とか神話って愛故多いよなw
母親愛するあまり実の姉と子作りしちゃったスサノオとか最もたる例
819 :
パンダ小話:2013/03/16(土) 15:18:03.39 ID:yp43yFjd
「鷹ー! 鷹ー!」
「はいはい、どうされましたか湊様」
「鷹が大事にしてる目つきの悪い白黒熊のぬいぐるみな」
「チベット原産パンダさん人形ですね。チベット原産! 俺もググりました」
「あれな、でっかくてなんか鷹に似てるからな」
「照れますね」
「私の枕にすることにした」
「ちょ」
「くれぬのか?」
「…湊様の抱き枕になるというのならパン太にとっても本望かと」
「いや、枕だから普通に頭の下に敷く」
「」
「頭の下に敷く」
「鷹ー! 鷹ー!」
「はいはい、どうされましたか湊様」
「ヨウツーのことだけどな」
「ヨウツー?」
「お前がパン太とか呼んでた枕のことだよ」
「改名してる」
「鷹の2号でようつー」
「英語使ってる」
「ヨウツー!」
「よ、ようつーがどうしたんです」
「毎日ちゃんと頭に敷いてるからな」
「あぁ」
「グリグリ押し付けてぺしゃんこにしてるからな」
「ひどい」
「安心するんだぞ」
「はい…」
「喜べよ」
「嬉しいです…」
820 :
パンダ小話:2013/03/16(土) 15:20:05.69 ID:yp43yFjd
「という鬼畜の所業をするような鬼子だったよお前の母さんは」
「恐ろしいです」
「父さんもだ」
「鷹ー! 鷹ー!」
「はいはい、どうされまし…」
「……」
「あ」
「驚いた…」
「今のは間違いだ、違う、その、昔話を凛にしていてだな…」
「どんな? 私のことを?」
「色々だ。詮索するな。それより何の用だ」
「うん、その、懐かしいものを見つけて。ほら」
「パン太!」
「ヨウツー!」
「黙れ!」
「えっ」
「返せ!」
「えっ」
「あのくまさんはお母さんが毎日抱き枕にしてたの」
「お父さんから取り上げたんですよね?」
「お父さんがお母さんを子供扱いばかりしてくるから、お父さんの代わりにこう、ぎゅーっと、ぎゅーっと」
「くまさん苦しそうです」
「お父さんだからいいのよ」
「恐ろしいです」
おしまい
しょうもない小ネタであれですけど気になったのでパンダ消化
ごめんなさい
>>818 羽衣天女はあっさり振られる旦那がかわいそかわいい
再会でもしようもんなら泣いてすがって愛ゆえで
天女ちゃんほだされないかなーと妄想します
かわいいw
やりとりかわいいなw
いい夫婦してるじゃないか
本編のシリアス台無しww
だがそれがいい投下乙!
可愛いなぁ
亀だけど
>>818で出てた日本神話でうろ覚えだけど愛故があったの思い出した
ざっくり解説すると、妹を愛してしまった兄が「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよね!」的なノリで妹レイーポ
で、2人の間に出来た男神は赤の他人の女神に拾われるんだけど、成長したら「義理の息子だけど愛さえあれば関係ないよね!」的なノリで同じくレイーポ
こんな感じだった
親子二代愛故か・・・
それにしても
>>818の
>母親愛するあまり実の姉と子作りしちゃったスサノオ
・・・なぜ母にいかないw
かーちゃんあの世にいるし
続き投下します。今回は本番描写なし
いつも間違えるんで、番号振るのはやめた
穏やかな日差しに包まれながらの読書は実に心地が良かった。
さすが大陸一を誇る大国。かなり古びたものから最新のものまで、城には無数の書物がある。
招かれて以来ずっとミオの心を弾ませてきたものだったが、今はただ無意識にページを捲っているだけ。
外はあんなに晴れやかだというのに、部屋の中は陽気で暖かだというのに。ミオの心だけが陰っていた。
彼の――ローラントの事を知りたいと思ったあの日からもうどれくらい経っただろうか。
随分と経ったようで、あっという間だった気もする。
あの日の夜、ミオの部屋に現れたのはいつも自分を連れに来る侍女ではなく、小太りの老人だった。
…ミオはこの男が嫌いだった。この男は、ミオがこの城に招かれた時から妙に辛く当たってきた。
初夜の際、ローラントの前で娼婦のような振る舞いをするよう唆したのもこの男だ。
下品な物言いに横柄な態度。口を開いた瞬間から嫌悪感が湧き出てくるのも致し方ないことだ。
だがこの男は人心掌握に長けている。でなければ、このような卑劣な人間が政治家という地位に座る事など出来はしない。
人が心地良いと思える言動を熟知し、それを反映させられるだけの行動力があるからこそ、この地位にいられる。
それが権力欲のある人間にとってどれだけストレスになる事か。だから、弱者を徹底的に見下す。
怒りや悲しみに打ち震えながらも抗えぬ彼らの姿を見る事で優越感を得ているのだ。
ミオは幼い頃からこのような人間を幾度と無く見てきた。だからこそ、この男への最良かつ唯一の抵抗手段を知り得ている。
彼らの言葉に耳を貸さぬ事。じっと耐え忍ぶ事。どんな事を言われても「承知しています」とだけ返す事。
辛いばかりだった日々の中で身を以って知り得たことだ。それが祖国から遠く離れたこの地でも通用するとは思わなかったが。
辛辣な言葉にいちいち反応を示せば、それこそ彼らの思う壺だ。彼らをいい気にさせるだけ。そして、自分が傷つくだけ。
目を閉じ、耳を塞ぐ。そうしていれば彼らはいずれ、声をかけることに飽きてくるから。
だから今回も、じっと耐え忍べばいい。そう思っていた。
「ローラント陛下は貴女を部屋に呼ぶな、とおっしゃった。」
彼の名前が出た事で心が反応する。それが顔にも出てしまったのだろう。男はにやりと狡猾な笑みを浮かべた。
「大方飽きられたのだろう。だが良い。毎日のように仕込まれておられたのだ。いずれ妊娠の兆候が出るはず。
これでも妊娠していないとなれば…ミオソティス姫、わかっておるだろうな?」
承知しています。いつものようにそう答える。自分でも声が上擦り、震えている様が伺えた。
それに増長したのか、男はたいそう機嫌のよろしい声で一言。そして、満足げなご様子で立ち去っていった。
「貴女はもはや用済みだ、ミオソティス姫。」
あの日から一度たりともローラントの顔を見かけない。
彼は元より忙しい身ではあるのだが、それでも今日までに1度くらいは姿を見かけても良いはずだ。
毎晩馴染みだった侍女があの日からぱったり姿を見せなくなった事で、大きな不安感がミオを襲った。
飽きられてしまったのだ、と割り切れるならばどんなに良かっただろうか。今までそうしてきたように。
だがもう、ミオには割り切れる余裕など無かった。捨てられてしまえば、もうミオの居場所は完全に失われてしまう。
ミオが居場所を保てる唯一の方法は、彼の子を宿す事。懐妊の事実さえあれば、この城に留まっていられるだろう。
だのに、懐妊を切実に願う気にはどうしてもなれなかった。
毎晩自分を形式的に抱き続けたローラント王と、あの時自分を貪るように抱いた見知らぬ彼。
両者の中にあるものが一体何なのか。そして、どちらが本当の彼自身なのか。その答えを求めてやまない自分に気付いてしまったから。
これまで感じた事の無い、不思議な感覚だった。関わりの無い他者の事を、これほどまでに知りたいと思った事はなかった。
忘れたくても忘れられない最後の長い口づけ。その生温かく切ない感触を未だに唇が覚えている。
ミオ自身の葛藤と、いずれ居場所を失うかもしれないという漠然とした不安感。思わず目を閉じ、上を向く。
そうしていないと泣いてしまいそうだった。涙を流せば、一緒に色々なものまで溢れ出てくる。それらを必死に留めておかなければならない。
――なんだか、私、弱くなった……
相手にされない…今までだったら、これしきの事で涙腺が緩むなんて考えられなかったのに。
たった一人の男性に避けられているだけで、これほどまでに不安で、泣きそうになるなんて……。
穏やかな日光だけが身に沁みる。その暖かさすらも、今のミオには辛く感じた。
今日もやはりローラントはミオの前に現れなかった。
夕食を取り終えたミオが、ふらふらと、重い足取りで向かったのは執務室の前。ローラントの許可無き者は出入りする事を許されない部屋だ。
震える指が執務室の重たそうな扉に触れた途端、宙に浮いていた意識が一瞬にして戻ってきた。真っ白だった思考が徐々に色付いていく。
どうやってここに来た? …思い出せなかった。無意識に足がこちらへ向かっていたのだ。
何故ここに来た? …思い出せない。ただ、ここにローラントがいるだろうと思ったから。
それはどうして? ……思い出せる。だけど、思い出すことを躊躇った。不安で仕方なかった。
この漠然とした不安をどうすればいいか、不安を解消できる答えをローラントが知っている気がしたから。
…違う。そんなに複雑な気持ちからじゃない。理由はいくらでも述べられる。思いつく限り、どれだけでも。
単純且つ明確な思いが喉まで込み上げてくる。それを塞き止められるほどの余裕は残されていなかった。
「…会いたい……貴方に会いたい、です……陛下………!」
ただ会いたい。それによってどんな非情な言葉が待っていたとしても。それでも彼に会いたい。
居場所を失う恐怖もある。だがそれ以上に彼に捨てられるのが怖い。それこそがミオの漠然とした不安の正体。
醜い執着だ、と、母は今現在のミオの姿を嘲笑するだろう。だがそれを恥ずべき事だとは思えなかった。
彼を思うたびに募る不安や恐怖。彼の知りたいと望む気持ちの根本にあるものをミオは未だに知らない。理解出来ない。
だが今そんな事は二の次。ただ彼に会いたい。それだけがミオの心を埋め尽くしていた。
「…ミオソティス様」
背後から予想だにしなかった声が届いたのは、それから少し経ってからの事だった。
この声には覚えがある。核心を持って振り向く。予想通りの人物がいた。
「ヒース……」
「最近庭にも来てくださらないし、たまにお姿を見かけたと思ったら悲しげな顔をされていて…心配していたんです」
黄昏時の薄暗さに廊下のわずかな灯り。そのせいか、ヒースの出で立ちがやたらと不気味に見えた。
こちらへゆっくりと歩み寄るヒース。いつもと変わらない微笑み。だけど、どこかが違う…。
「ダメじゃないですか、侍女に何も言わずにこんな所に来て。僕がお部屋までお送りしましょう。」
「でも……」
「ほら、行きましょう」
腕をつかまれ、半ば強引に引っ張られていく。華奢なヒースにこれほど強い力があったのかと驚く一方で、違和感を感じていた。
咄嗟に振り向く。視線の先の、執務室の重たげな扉が徐々に遠ざかっていく。あの向こうにいるかもしれない彼を思う。
今自分の腕を掴んでいる手から感じる体温は、ミオが覚えている体温とは同じようで全く違う。
身に馴染んだ熱とは違う異質な熱。その箇所から伝わる鈍い痛み。前方を見たまま、こちらを見ようとはしないヒース。
怖い。ふつふつと、沸騰していく水のように、小さな恐怖が沸きあがっては消えていく。
気のせいだ、と頭を振りたかった。弟のように可愛がっていた彼から、こんなに恐怖を感じるはずがない。
だが、今現在のこの状況が。否定したい恐怖を肯定する。掴まれた腕がきりきりと痛む。
「や……離してっ……!」
何度も腕を振りほどこうと試みるも、男の腕力に敵うはずもなく。何度もそう試みているうちに、ミオの部屋にたどり着いてしまった。
ヒースは無言のまま扉を開け、ミオを部屋へ押し込める。ようやく開放されたと思ったのも束の間だった。
何故かヒースも、ミオの後に続いて部屋の中へ侵入してきたのだ。
「ミオソティス様…何故、そんな悲しい顔をしてるのです?」
悲しげな顔をして、じりじりと距離をつめてくる。ただならぬ空気を感じ取り、思わず後ずさった。
進み寄る。後ずさる。そんな攻防を続けているうち、ミオの背には壁。完全に追い詰められてしまった。
「ひ、ヒース……?」
至近距離で見える子犬のような丸い瞳に、いつものような輝きはなかった。ただ、鈍い光を爛々と発しているだけ。
怖い。いたたまれなくなって視線を反らす。その怯えた様を見て、ヒースは眉をひそめた。
「…貴女のそんな顔、僕は見たくない。貴女にはずっと優しく微笑んでいてほしい、だから―――」
乱暴に彼女の両肩を掴む。柔らかな小刻みに震えているのが手のひらを通して伝わってくる。
「ミオソティス様。僕と、この城から逃げましょう。」
「……え?」
ミオが顔を上げた。驚いた瞳と丸く、鈍い光を宿した瞳。二つの瞳がかち合う。だが、重なり合う事は無い。
「抱いてはいけない想いだとわかっていました。それでも貴女のお傍にいればいるほど、想いは強くなっていって…。
ただの恋慕の情でよかった。それなのに…それなのに、最近の貴女はいつも悲痛な顔をしてばかり。
陛下がこれ以上貴女にそんな顔をさせるというのならば、僕もこの気持ちを押さえ込んでおくわけにはいかない!」
溢れんばかりの想いを心の限りぶつけてくるヒースの姿を、ミオはただ呆然と眺める事しかできなかった。
こんな時にでも垣間見てしまうのだ。彼の姿を。身を焦がすほど滾った情欲を自分の中へ注ぎ込んできた彼の姿を。
ヒースの言葉の中にあるものと、彼の行為の中に必ず存在していたもの。それは間違いなく同じものだ。
だが、それがなんなのか理解出来ない。理解する必要などなかったのだ。自分とは縁遠いものだと思っていたから。
それを今、この少年が理解させようとしている。今までも、そしてこれからも。自分にそれが向けられる事などないはずだったのに。
「ミオソティス様。僕は、貴女を愛しています!」
――ああ、聞いてしまった。
その言葉はミオにとって毒だった。その言葉は自分を惑わし、思考を狂わせる。その言葉一つで、意のままに操られてしまう。
だから割り切った。言葉としてその言葉を向けられる事はあっても、その心を向けられる事は決して無い、と。
――だけど……私はそれが欲しかった。
勉学に勤しんだのも、芸術を嗜んだのも、美を磨いたのも。それらの行為の根源はたった一つの小さな願いのためだ。
ただ、母に愛されたい。そんな小さな願いすらも結局叶う事はなかった。
諦めたつもりだった。だけど、諦めきれなかった。心の奥底では、渇望していた愛を心から欲していた。
そして今。自分の目の前に、愛を囁いてくれる人間がいる。言葉の端々から激情が伝わってくる。その言葉に偽りが無いことも。
…その想いを受け入れ、共にこの城から逃げ出せれば。不安の種であった自分の居場所が、ヒースの隣へと確立されるだろう。
しかし、今のミオにはヒースの想いを受け入れる事はできない。どれだけヒースが激情をぶつけてこようと、やはりミオに見えているのは彼の姿なのだ。
「ごめんなさいヒース……私は、貴方の気持ちに応える事は出来ません。」
「―――っ、どうしてっ?!」
肩を掴む力が強くなる。きしむ肩の骨。きっと痣になっているだろう…なんて悠長な事を考えてしまう。
「信じてくださらないのですか? 僕は本気で貴女を愛しているんです!」
「いいえ。貴方の言葉に嘘偽りなど無いことは解っています。だけど……」
「だったら、僕の手をお取りください。さあ! 共にこの座敷牢から逃げ遂せましょう!」
男のものとは思えないような細長い指の先端がミオの頬に愛しげに触れる。
あまりの指の冷たさに、体が芯から震え上がった。―――怖い。慌ててその手を払い除ける。ヒースの顔が引きつった。
「…やはり、陛下ですか。貴女の心を縛り付けて放さないのは、あの男か!!
あの男が貴女に何をしたんです? 何を与えてくれたんです!? あの非道な冷血漢が貴女に何を……!」
「言わないで!!」
思わず大きな声が出てしまった。自分への罵倒なら耐えられる。だが、あの人に対する罵倒は、耐えられない。聞きたくない。
彼は冷血漢なんかじゃない。ましてや非道な人間ですらもない。自分の目に映る彼の姿は―――
「同じなんですヒース。私は、貴方と同じ目で、同じ想いで、彼を…ローラント陛下を見ているんです。」
彼の全てを知りたいと欲する想い。その根源は、ヒースが自分に向けている感情と相違ない。
「何を求めているわけではないんです。ただ私は……私は彼を―――!」
その先を口に出す事ができなかった。これ以上言葉を続ければ後戻りが出来なくなってしまいそうだった。
――愛している、と口に出してしまえば。一生この言葉に囚われてしまう。向けられるはずも無い愛を再び渇望してしまうだろう、と。
そんな……! 話が…話が違うじゃないか! 愛を囁けば必ず応えるって…そう言ってたのに……!」
ヒースは2,3歩後ずさり、頭を抱える。そして呪文のようにぶつぶつと何かを呟き始めた。ミオはその異様な光景を呆然と眺める事しかできない。
隙をついて逃げ出そうにも、足が震えて動く事ができないのだ。
ヒースはしばらく頭を抱えたまま動かなかったが、突如、何か吹っ切れたように背筋を伸ばし、こちらを見遣った。
狂気とも取れる光が、鈍い光しか宿していなかった瞳に差し込む。蛇のようなその瞳に見竦められ、身動きが取れなくなる。
「そうだ……応えないのならば、応えさせればいい、って」
その瞬間、ミオの体がふわりと宙に浮き、一瞬にして柔らかなベッドの上に投げ出された。
「可哀想なミオソティス様。あの男に散々身体を弄ばれ、挙句の果てに捨てられて。さぞ悲しいでしょう。
でも、大丈夫。僕が一生をかけて貴女を慰めてあげますから。」
一体何が起こったのか。それをミオに理解させる間もなく、ヒースはミオに覆いかぶさってくる。
「ヒースっ…な、にを……!」
必死に抵抗する中で、再びヒースと自分の視線がかち合う。無垢に輝いていたはずの瞳は、今は鈍く、それでいて爛々としている。
奥底に見えるのは―――まさに狂愛。蛇のような眼差しに射竦められ、凍てついたように硬直する。
その隙をついて、ヒースは慣れたような手つきでミオの両手の自由を奪う。
「止めて…止めてください、ヒース! こんなことしたら、貴方は……」
身分の低い者が上流階級の者に手をかけることがどれほどの重罪になるのか。ミオはそれを身を以って知っている。…それこそ、生まれる前から。
目を覚まさせようと言葉をかけ続けるも、狂愛を抱いた彼に届くわけも無く。彼の手が無防備となったミオの両胸にやんわりと触れる。
ミオは晒を巻いていない。巻こうにもその晒はあの日ローラントに切り裂かれてしまい、ただの布切れとなってしまったのだ。
胸を押さえつけていたものがなくなったせいで、おかげで用意されていた服の大半が着れなくなってしまった。
「驚いた……意外と肉感的な身体なんですね」
呟くように発せられた彼の声は心なしか嬉しそうだった。そして孤を描くようにゆっくりと、次第に乱暴に揉みしだく。
「この豊満な胸を…このいやらしい身体を……あの男は弄んできたんですね。羨ましいなぁ………」
彼の手は服の中へと侵入を始める。ミオは慌てて身を捩り、侵入を必死に阻む。
「止めて…お願い、だからっ……!」
狂愛に支配された彼の耳に、そんな言葉が届くはずも無い。冷たい指が素肌に触れ、同じように揉みしだく。
が、ヒースは急に手の動きを止める。そして可笑しげに口の端を歪ませると、彼女の耳元で囁いた。
「貴女もまんざらでもなさそうですよ…気持ちが良いんでしょう? 素直になってください」
「そんなわけ、ない……!」
胸への愛撫に反応しているのは、ミオの女の性だ。しばらく無沙汰だったせいでいつもよりも過敏に女の本能が反応する。
快楽を求める女の性が、嬌声をあげさせる。…だが、それはミオの本心ではない。
ミオ自身は、彼の愛撫に不快感を感じる事しか出来ずにいた。
「違う…私が、覚えて、いる…のは……この手じゃ、ない……」
嬌声交じりにようやく発する事が出来た本心は、やはり嬌声の中に掻き消えていく。
自分が覚えている手はこんなに乱暴じゃない。燃えるように激しく、なのに優しく。静かにミオを高ぶらせていく無骨な指だ。
どうしてこんな事になってしまったのだろう。こうなってしまったのは、自分のせいなのだろうか? 不快感に耐えながらそんな事を思った。
服をたくし上げられ、ヒースの眼下に実った果実が晒されようと。たわわな双丘にむしゃぶりつかれ、意のままに弄られようと。
ただただ不快だった。同時に自分の身体に刻み込まれた彼の手の動きが思い起こされ、胸の奥が締め付けられた。
「嬉しいなぁ…こんなしがない僕が、ミオソティス様を悦ばせられるなんて!」
恋焦がれた女性の身体を蹂躙しているという、狂喜に酔いしれた彼の声は高揚している。
「さあミオソティス様、応えてください。たった一言、僕を愛してると言うだけでいいんですよ?
その言葉さえあれば、僕は貴女の為に全身全霊を尽くせるのですから。」
ミオは答えなかった。不快感に耐える事に夢中で、ヒースの問いに答える暇など無いのだ。
「まだ、応えてくれないんですね。だったら……」
片手は乳房を揉み解しながら、空いた手は滑らかな身体のラインをゆっくりとなぞっていく。
太ももを何度も撫で回し、その手は徐々に足の付け根へと伸びていく。そして、ようやく目指していた場所へとたどり着いた。
下着ごしにそこをなぞった途端、ふと、ヒースの顔から笑みが消えた。
「あ、れ……なんで……?」
指が布一枚を隔てた秘所を何度も往復する。彼の予想だにしていなかった事が起きていた。
あれだけ胸を弄り、思う存分堪能したというのに。それに対してミオの方も喘いでいたというのに。ミオの蜜壷は潤ってなどいなかったのだ。
「濡れてない…なんで……どうして」
直接確かめようと、下着の隙間から中へ侵入して直にそこをなぞる。やはり濡れてなどいなかった。直接刺激しても、一向に潤う気配は無い。
先ほどまでは余裕綽々といった笑みを浮かべていたのに、ヒースの表情から笑顔が消える。
頑なに口を閉ざすミオに、ヒースは苛立ちすら覚えていた。
何故受け入れてくれない? 何故応えてくれない? …あの男の、せいなのか?
ミオへの苛立ちをローラントへの憎しみに変換する。恋焦がれた彼女を文字通り飽くまで犯し続けた憎き男。
そして、思った。ミオがなかなか応えてくれないのは、あの男への快楽に依存しているせいだ、と。
だったら、自分が与える快楽を彼女の身体に上書きしてやればいい。
未だ潤うことのないそこへ何度も指を挿入する。聞こえてくるミオの声は大変悩ましげなものだった。
だが、やはり潤いで満たされる事はない。ヒースの顔に焦りの色が見え始める。
それを察したのか、きつく結ばれていたミオの口がようやく開かれた。
「感じるわけがないでしょう……私が求めているのは、貴方なんかじゃない!」
そこから発せられた言葉は、ヒースにとって残酷なものだった。
なんということだ。彼女はこれほどまでにあの男に毒されてしまったのか。…ヒースの中の何かがふつりと切れた。
「そんな……そんなの………嘘だっっ!!」
胸に添えられたままだった片手が、いきなり胸を強く握りしめる。爪が柔肌を引き裂き、白い双丘に赤い筋が一つ、滴り落ちた。
もう片方の手は依然蜜壷を掻き回す。愛液という潤滑油のないままでの指の挿入は、ミオに鈍い痛みを与え続ける。
「貴女は愛に飢えているのでしょう? 愛してくれる者であれば、誰だって受け入れてくれるのでしょう?
こんなにも貴女を愛している僕なら……僕こそ貴女に相応しい。そうでしょう?」
「…いいえっ…いくら、弄ばれようと…、私は、貴方を、受け入れ……ません…!」
「…貴女がこんなにも強情だとは思いませんでした。」
胸を存分に堪能し、潤わぬ蜜壷を弄り回していた両手の動きがぴたりと止まる。その手は膝へ、そして付け根へと伸びる。
「どうせ僕にはもう後も先も残されていないんだ…だったら、貴女が僕を受け入れてくれるまで犯し続けます。」
耐えるように閉じられていた美しい瞳が見開かれ、ヒースを見据えた。
ああ…今彼女の瞳には僕が映ってる。いや、僕しか映っていないんだ。三度、ヒースの口角が歪む。
「な……どういう、こと……?」
「こういうことですよ。」
下着を強引に引き下げ、閉じられた足を強引に押し広げる。ヒースの目の前に赤く熟れた秘所が露わになる。三日月形に歪んだ唇が、ミオの秘所に押し当てられた。
乾いたままのそこを生温かい舌がなぞる。これまでとは比べ物にならない不快感がミオを襲った。
「やだぁっ……! 止めてっ…止めてぇっ……!」
一層ミオの抵抗が強くなる。この不快感から一刻も早く逃れねばと大きく体をしならせるも、足を持ち上げられて固定されてしまい、身動きが取れない。
唇が蜜壷へ吸い付き、生温い舌が中へ侵入する。わざとらしく粘着質な音を立てて、ミオの劣情を煽ろうと躍起になっている。
淫猥な生き物のようにヒースの舌が中を蠢く。それに反応してか、そこはじんわりと湿り気を帯び始めた。
滲み出てきた秘蜜を舌で掬い取っては、指で掻き出す。秘蜜は彼の唾液と共にシーツに染みをつくっていく。
舌が激しく蠢くたびに淫靡な水音が立ち、ミオの耳にも届く。この上ない羞恥と、不快感と、むず痒さを感じた。
「嫌……止めて! もう止めてください、ヒース! お願いだから、正気に戻って!!」
「正気に戻って欲しかったら、僕を受け入れてください…ねえ、ミオソティス様!」
必死に頭を振る。ここで羞恥心に負けて首を縦に振ってしまえば、全てが終わりだ。
「もう嫌……こんなの…こんなの、おかしい……! 気持ち悪い!!」
強烈な不快感がまとわき、ミオの思考にノイズをかける。このまま彼に犯され続ければ、最悪の場合思考と感情を欠落させる羽目になるかもしれない。
そんな中、砂嵐の空間の中で、シルエットのように彼の姿を垣間見た。
想いが溢れ出てくる。それが大きな風となり、ノイズを少しずつ少しずつ吹き飛ばしていく。
「…た…すけて……」
砂嵐の中で必死に彼の姿を追う。言葉を紡ぐ。その言葉が虚しく消え行こうとも、その名を呼ばずにはいられない。
助けて。助けて。どうか、私を、助けて。
「助けて……ローラント様ぁぁぁっ!!!」
そして、扉の壊される音。ミオは混乱状態のまま、ヒースとほぼ同時に開け放された扉を見つめる。
呆気に取られたヒースが遥か後方へ殴り飛ばされた。そこまでの体感速度はほんの刹那。
「ミオ!!」
ずっと聞きたかった彼の声がミオの名前を呼ぶ。彼の腕が体を包み、全身を温めてくれる。
「近衛兵! そこの下種を直ちに捕らえ、地下牢獄へ連行せよ!」
彼の合図を皮切りに、兵士達が部屋へなだれ込んでくる。床に蹲っていたヒースはあっという間に近衛兵に取り押さえられ、複数の兵士に囲まれたまま連行されていった。
電光石火の如き逮捕劇だった。部屋に残されたのは、衣服を乱したミオソティスと、彼女を抱え込んだ彼のみ。
彼の温もりがミオの乱れた心を落ち着かせる。心が静まっていくのと同時に、つい先ほどの状況が客観的に雪崩れ込んでくる。
彼以外の男を部屋に入れてしまった。ヒースの激情に心を揺さぶられてしまった。そして、彼以外の男と関係を持ちそうになった。
こうなってしまったのは自分のせいだ。自分の油断がこんな事態を招いてしまったのだ。こんなはしたない姿を彼に見られてしまったら……
「あ……ああ……」
居場所を失う恐怖。彼に捨てられる恐怖。現在のミオにとっての、最大の恐怖二つが一度に押し寄せてくる。
全身から血の気が引いていく。歯がかちかちと鳴り、身体ががたがたと震えだした。
「ミオ…どうした?」
異変に気付いた彼が、顔を覗き込んでくる。
「いやぁぁぁっっ!!!」
無我夢中で彼の胸を突き飛ばし、腕から逃れる。自分にはこの温もりに甘んじる資格は無いのだ。
…でも。ミオは全身を震わせながら彼に向かって何度も頭を下げる。
「ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい…! はしたない女でごめんなさい! 私は人形なんです、空の姫なんです、私には何も無いんです。ごめんなさい!
でもどうか捨てないでください私をここから追い出さないでください!! 懐妊できるよう努力しますから、お望みの事は何でもしますから。だから、だから…
私を追い出さないでください、私をお傍に置いてください、お願いします、お願いします!!」
押さえ込み続けてきた感情がとめどなく溢れてくる。19年間ずっと、居場所を失う恐怖と、捨てられる恐怖と戦ってきた。その苦しみを吐き出せる場所など無かった。
醜い。実に醜い。虚しい執着じゃ。きっと母はそういって嘲笑うだろう。それでも、もう止められなかった。
だが、今自分の目の前にいるのは、母ではない。
「落ち着け。」
温かく大きな手のひらがミオの両頬をつかんでこちらを向かせる。窓辺には月明かりが差し込んでいた。
彼の両目が、至近距離でじっとこちらを見つめている。覚えのある優しい微笑を湛えたまま。
前髪を掻き揚げられ、露わになった額についばむように彼の唇が触れる。
「すまなかった。俺がちゃんと傍にいてやればこんな事にはならなかったのに…。怖かっただろう?」
引き寄せられ、胸元に押し付けられる。彼の声が直接体に響いていく。
「もう、泣いてもいいんだ。…辛かったな。」
…こんな感触は知らない。知らないはずなのに、温かさだけではなく懐かしさで涙腺が緩む。
いつものように、上を向いて塞き止める隙はなかった。頭に回された手が蜜色の髪をやさしく撫で付ける。
固く締められていた感情の蛇口が、直に伝わってくる温もりでゆっくりと緩められていく。
枯れ果てたと思っていた一滴がミオの頬を濡らす。次から次へと溢れ出て止まらない。
―――ああ、この温もりだ。この温もりこそが…
19年間ずっと欲しかったもの。手に入らないと割り切り、諦めていたもの。それでも心のどこかで強く欲していたもの。
自分が妹達に向けるものとは違う。あの殿方が自分に囁いたまやかしでは決してない。
それを与えてくれたのは彼だった。ローラント王と、目の前にいる青年。2人で1人の彼がミオにかけがえの無いものを教えてくれた―――
人を愛する事を。人に愛される事を。
誰にも愛される事のなかった少女。愛する事しか知らない、けれども愛を認めることの出来なかった心優しき王女ミオソティス。
彼女はようやく、声を上げて泣いた。19年もの時を経てようやく愛を手にした少女の、心からの福音だった。
以上
残念ながらまだまだ続くんだ…
うおー待ってた!続き来てたーー!!
しかもまたいい所で更に続きとはーー!!!
ミオちゃんかわいそ可愛いのは勿論だけどローラントこそ幸せになって欲しい乙です
GJ!
ローラントかっけえww
でもヒースがちょっと可哀想だな…
誰に愛を囁けば必ず応えるって言われたんだあああ(´д`)
ミオちゃんとローラントが幸せになることを祈って、次回に期待します
うおう続き投下ありがとうございます
>「助けて……ローラント様ぁぁぁっ!!!」
こう言ってなかったらローラント誤解したのだろうと思うと胸熱w
ヒースも「愛を囁けば必ず応える」なんて言うから
騙す気満々なのかと思ってしまったけど本当に好きみたいだったし
愛故スレ住人としてはカワイソス(´・ω・)テラカワイソス
GJ!
これ小太りの老人が全部仕組んでるのか
雨降って地固まる結果となってよかった
これからの展開が胸熱すぎる…楽しみ
ミオ様テラカワユス(*´∀`)
更新待ってたよGJ!!!!!!
ローラント様かっこいいなww
続きもゆっくり待ってる!
湊たんに続いてミオたんも幸せになりそうでよかった
鷹とかローラントとか、S男子が優秀で無意識ラブでM女に執着しまくりパターン好きだ
似てるけど無意識じゃないパターンで凄い好きだったのが
ずっと前のスレで見た「年上未亡人と若者」。
あの続編てあったのかなあ。。。
すっごい読みたかった。若者目線のやつとか。
まて、鷹はともかくローラントは無意識ラブじゃないだろw
年上未亡人と若者良かったよね、自分も続編読みたかった・・・
ミオたんとローラントたんはよ
他の新作もはよ
続き投下します。今回はエロ無し
>>844待たせてごめん。ペース上げてなるべく早く投下できるようにする
扉を開け放った瞬間、飛び込んできた光景に絶句した。
両手を拘束され、足を開かされ泣き叫ぶミオと、その股に顔を埋める庭師の少年。
そこから状況を推測するのは容易い事で、理解が追いついた瞬間、渾身の力を込めて男を殴り飛ばした。
この男を殺したい。今すぐに心臓を抉り取ってやりたい。いや、深い絶望を味わわせた上でじわじわと死に追い遣ってやろうか。
止め処ない殺人衝動に駆られたがそんな事よりもミオの精神状態が気がかりでならなかった。
腕の中の彼女は恐怖に震え、絶望していた。蹂躙されかけた恐怖とは全く別物の、途方も無く大きな恐怖に。
それは…孤独だ。
いつ捨てられるかわからない。いつ居場所を失うかわからない。そんな恐怖と毎日格闘してきたミオ。
その漠然とした不安は、身分の低い男を部屋に入れ、蹂躙されかけたという事実によって確定したものとなった。
契りを交わした者以外との関係を持てば双方に重い処罰が待っている。
そこに身分の差が加わった場合、どちらに非があろうとも刑が重くなるのは身分の低い側だ。
事実、先代国王の弟…ローラントにとっての叔父は、あろうことか兄の妻、即ち先代国王夫人と肉体関係を持ったため、辺境の地へ一家総出で追放されたのだ。
男を部屋に入れた事、合意がなかったとはいえローラント以外の男と肉体関係を持ちそうになった事。
それらの事実から来る後ろめたさが、今までぼんやりとしていた不安をはっきりさせてしまったのだ。
ミオにとっての最大の恐怖…それは、己の居場所を失うことなのだから。
そんな彼女に何をしてやればいい? どうしたら彼女をこの恐怖から救ってやれる?
内なる自分がそう問いかけてくる。――愚問だ。ローラントはそれをあっさりと一蹴した。
…してやるなんておこがましい事は言えない。自分も彼女を傷つけた一人なのだから。
だが、伝えるのは今しかないと思った。彼女を落ち着かせるために、彼女に自分の心の内を知ってもらうために。
ずっと心の奥底にしまっていた物語を、今紐解く時が来たのだ。
…
……
………
ローラントになって1年が過ぎた頃の初夏の事。その日は西の小国が四の姫、カルミアの生誕祭だった。
次期国王として強引に参加させられ、大嫌いな円舞曲を何度も踊らされ疲弊した彼は、逃げるように会場を後にした。
その頃の彼にはまだ、奔放な少年だった頃の心根が残っていた。
見知らぬ他国の城はまだ少年の心を失いきれていなかった彼の好奇心を大いに刺激する。
わずかな灯りを頼りに真っ暗な庭を駆け抜け、垣根を潜り、たどり着いたのは随分とわびしい石塔の前。
薄明かりの漏れる、窓と思しき穴を好奇心に駆られて覗き込んだその瞬間、彼の目は一瞬にしてその一点に吸い込まれた。
中は恐ろしいほど質素だった。古めかしいベッドと申し訳程度の燭台、簡素な作りの本棚だけが無造作に置かれた空間。
そんな空間の中に、同じように質素な召し物に身を包んだ少女が佇んでいたのだ。
濃い闇と蝋燭の薄明かりが少女をやけに奇麗に照らし出し、その不思議な空気に思わず息を呑む。
はじめ彼は、彼女を人形だと錯覚した。
床に座り込み、目を伏せ、一定の間隔でページを捲る所作が、いつか目にしたからくり人形と同様だったからだ。
だが、彼女が瞬きをしたこと、そして人形とは思えないような切なげな表情がその錯覚を打ち消した。
…今彼女に声をかけたらどうなるだろう。彼女は一体どんな顔をするのだろう。好奇心は留まる事を知らず。
「おい、お前」
ついに声をかけてしまった。ここから、一つの物語が始まりを告げたのだ。
「どなた…ですか?」
少女は肩を震わせる。こちらを見る目はやけに琺瑯質で、光を宿していなかった。
そこから読み取れるのは、彼女が受けてきたであろう耐え難い苦行の数々。
それは、自由を否定され続けた彼にこそ理解が及んだのかもしれない。彼は全く知りもしない彼女に深い同情心を覚えた。
「人に名を尋ねる前に、自分から名乗るのが礼儀ではないのか?」
「それは……失礼しました。ですがそれは出来ません。」
「何故だ?」
「貴方様は高貴なるご身分の方だとお見受けしました。です、私は空の姫。私は貴方様に名乗る資格はないのです。」
空の姫君、という単語が妙に引っかかったが、それは少年の純な好奇心の前にあえなく流されていってしまう。
今の彼には彼女に対する興味しかなかった。名を名乗らぬ、人形のような琺瑯質の目をした娘。実に物語的ではないか。
「…お前が空の姫とやらだろうが俺には関係ない。そんなことよりも、あのくだらないパーティーに嫌気が差してたんだ。
あんな場所で他人のご機嫌取りを続けろなんて、正直反吐が出る。」
彼女は目を丸くする。予想だにしなかった言葉なのだろう。
「なあ空の姫。お前さえ良ければ、俺の気分転換の相手になってくれないだろうか?」
その時初めて、琺瑯質の目に蝋燭ほどの小さな火が灯ったのを、彼は見過ごさなかった。
………
……
…
「あの後、柄にも無く植物辞典を開いて必死にその花の名前を調べた」
腕の中の彼女が目を見開いてこちらを見つめる。一瞬だけ琺瑯質な目が垣間見えた。
彼女に想像できただろうか? あの時の少女が、今あの時の少年の腕の中にいる事を。
「その花の花言葉は『私を忘れないで』だそうだ。だから、忘れなかった。ひと時もあの少女を忘れた事はなかった。
俺が王族思想に染まりかけ、感情を失いつつあった時も。あの少女の事だけは忘れなかった。…忘れたくなかったんだ。」
あの花はもう枯れてしまったけれど、その直後からずっと欲して止まなかった花はまだ枯れていない。
「もうわかったか? …その花の名前は『ワスレナグサ』。そして、またの名を―――」
「ミオソティス……」
か細い声はわずかに震えていた。驚愕と感嘆の入り混じった吐息を感じる。
「なんだ、今の今まで忘れてたのか。」
「だ、だって…! 招待客の名簿に、教えられた名前はどこにも無かったから……。
だからあれは夢だったんだ、って思ったんです。私の寂しさが見せた幻だと……」
「だが、夢じゃなかった。幻でもなかった。」
抱きしめた腕に力を込める。それに応えるように、彼女もまた彼の首に手を回してきた。
「私のことを忘れないでいてくれて、あの頃からずっと想っててくれてありがとう…アスター様。」
やっと名前を呼んでもらえた。“ローラント”でも“陛下”でもなく、本当の自分の名前を。
母が愛した花を今度は彼女が愛する。そして、誰にも愛されなかった花を、彼が心から愛する。
偽りの姿―ローラント―ではなく、本当の姿―アスター―として。
五日後の昼下がりの執務室にて。ローラント…もといアスターはとある紙面を睨みつけていた。
「それを見ての通り、あいつの履歴はぜーんぶでっち上げだったよ。
その住所にある場所はただの農地、奴が卒業した学校にヒース=スプリングスなんて生徒はいなかったそうだ。」
「そうか…ご苦労だったな。」
ミオを陵辱しようとした憎き男の顔写真の載った紙などこれ以上見たくもない。力いっぱい握りつぶして、床に叩きつける。
窓際で煙草を燻らせながらその様子を見ていたシュロがひゅうと口笛を鳴らした。
「こんな単純なでっち上げ、選民意識の根付いた城の輩が見逃すはずはない。…やはり内部の人間が絡んでるのか。」
「ま、それ以外考えられないわな。」
あの男がミオを犯そうとしたのは、単に恋慕の情を拗らせたからではないと確信している。
あの男は牢にぶち込まれる前にこう呟いたらしい。「話が違うじゃないか。こんなにあの方を愛しているのに」と。
だが、言葉を発したのはそれきりで、現在は与えられた食事にすら口を開こうとしないという。
一体誰があの男をこの城に迎え入れたのか。現時点では暫定的な証拠は何もない。だが、アスターにはおおよその見当が付いていた。
「フローリスト……あいつの仕業か?」
あの男には疑われるだけの理由がある。ミオを正妻に招き入れる事に最後まで反対していたのがこの男だ。
全ては自分の娘であるサイネリアを王族に入れるため。王族の親類という立場を欲するが故。実にくだらない権力欲だ。
爪が食い込みそうなほどに拳を握るアスターの姿を察し、シュロは煙草の火を消した。
「確かにあいつにゃそうするだけの理由がある。お前がミオ姫一筋なのを見て、強攻策に出たとしてもおかしくはない。
だけどなアスター、動機だけであのオッサンを追及することはできねーぜ? 証拠がねーんだよ、証拠が」
「それを探し出すのがお前の仕事だろうが」
「あのずる賢いオッサンが探し出せるような証拠を残してるはずねーだろ。だったら残されてる証拠はただ一つ。」
「…ヒース=スプリングスの自供のみ」
解ってるじゃねーか、と言いたげに口の端を持ち上げる。そんなことはとっくに解ってた。だからこそ、苛立つ。
ミオの心を抉り、ずたずたに切り裂き、それなのに未だにミオを愛しているなどとほざいている。
それを思うと殺人衝動が抑えられなくなる。あの男を拷問にかけ、全てを自供させた後にじわじわといたぶり殺してやりたい。
ローラント王が冷血非道と称されているのは、罪を罪とする正義感の強さが故だ。その為に拷問も終身刑に処する事も決して躊躇しない。
あの男は、これまで人生で最も憎悪を抱かせた男。その気になればどうとでもできるのだ。
「どうすんだ? あいつこのまま持っても3日が限度だぞ。今のうちに拷問にかけ……」
「止めろ……!!」
だが、そんな事をしたらきっとミオは傷つく。信頼を裏切られたとはいえ、実の弟のように思っていた男を殺されるのは、彼女にとっては苦痛のはずだ。
さすがのシュロもアスターの意外すぎる発言に驚いたらしい。鳶色の目を飛び出しそうなほどに見開いて、唖然とこちらを見ているではないか。
大きなため息が漏れる。アスターの想いがローラントの枷となるとは。全くの想定外だった。
「アスター様。今日もお疲れ様でした。」
私室へ戻るとナイトドレスを纏ったミオが一日の疲れを労ってくれる。現在この部屋はアスターの私室であり、同時にミオの部屋でもある。
夜、ミオに様々な話を語り、彼女と共に眠りに付く。それはミオにとっては出会いの日の延長。アスターにとっては幼き日の日課の再開だった。
あの日の夜、ミオの部屋の扉を派手に壊し過ぎてしまったらしく、修復には結構な日数を要するようだった。それならこれ幸いにと共用の部屋とすることに決めたのだ。
反対をする者はいなかった。ミオを娶る事に反対していた者達すらも彼女の優しさに触れて考えを改めたらしく、今では王に相応しいお方だと口を揃えて言い出す始末。
……ただ1人、フローリスト卿を除いては。
「どうしました? なんだかお元気がないようですが……」
知らずの内に顔を顰めていたらしく、ミオが心配そうに顔を覗き込んでくる。なんでもない、と微笑んでは見せたが、やはり胸のつっかえを取る事が出来ずにいた。
被害者の無念を第一に思い、どんなに非道な刑も躊躇無く科してきた。因果応報が適切だと考えていたからだ。
だが今回は。ミオの無念を思い、あの男に因果応報を適用しようとすると、被害者であるミオが傷つく結果となってしまう。
もうこれ以上彼女を傷つけたくないと思うアスターとしての思い。例外を作ってはならないというローラントの考え。この2つがせめぎ合う。
「…すまないミオ。今日は先に休んでもいいか?」
毎晩の安らぎを拒否してしまうのは忍びない。だが、今はすぐに休んだほうが得策だと思った。
ミオは自分の様子を察し、了承してくれるだろう。そう思い、彼女の返事を待たずにベッドへ向かおうとすると。
意外な事が起こった。
「待って……!」
アスターの寝巻きの裾をしっかりとつかんで離さないのだ。
「今日は、私の話を聞いてくださいませんか?」
ミオは感情を表に出す事はあまりない。自己主張も全くしない。だから驚いた。
彼女の表情はいつもと変わらず控えめなものだったが、その目には怯えながらもはっきりとした決意が宿っていたのだ。
正直すぐにでも休んでしまいたい。だが、初めて自分の前で感情を出してきた彼女を突き放す事など出来なかった。
「あ、ごめんなさい…! お疲れでしたら、無理には」
「いや、いい。たまにはお前の話も聞いてみたいからな。」
いつものように彼女を隣に座らせ、肩を引き寄せる。一瞬硬直を見せるも、次に聞こえるのは安堵したような吐息。
そうして今度はミオが、自らの想いを紡ぎだす。
以上。
次はエロ入れる
もはやエロがあってもなくてもよくなってきたよ自分的に
素直にこの話が好きだ
作者さんありがとう、続き楽しみにしてる
自分もエロなしでいいんじゃないかと思ってきた
とりあえず2人が末長く幸せになればなんでもいいよ…!
ここエロパロ板ですから・・・w
エロあり連載のエロなしパートは普通に許容されるってことで
っていうかここ愛するがゆえに致すスレだからなという
スレの存在意義全否定!?っていう冗談だったw
なぜ愛してるか、どれぐらい愛してるか、って語るくだりは
エロを美味しくいただくための最上のオードブルですけんね。
それだけでいいって言うからだろw
その肝心なメインイラネって言ってるようなもんだ
ミオたんローラントたんのエロはよ
ミオたんペロペロペロペロペロペロ!!!!かわいい!!ミオたんかわいいよ!!!
キモイ変態が増えたな
この前からニコかどっかのノリで急かすバカは一生ロムってろよ
コッペリアシリーズ面白いのはわかるけどな
ここに来てタイトル(琺瑯質の目の乙女=コッペリア)が出てくるとは思わなかった
でもまだ花束の意味が出てないな…ミオたんの名前の由来が花ってことと何か関係があるのか?
続き楽しみにしてます
ローラントにまでたんを付けるとは怖いもの知らずめ…
専スレ状態になるほど投下されてるし一週間も経ってないのに
はよって急かしてるのはアホかって思うけどね
>>863 ヒロインの名前が勿忘草で花言葉っていうのはわかってたけど
ファンタジーだし同じ意味があるとは思わなかった
コッペリア普通にバレエのコッペリアの話
(人形の女に恋をする)にかけてるだけかと思ってたw
GJ!!!!!
なんか次の展開が気になって目が離せないww
期待しています。
前回はエロ無しで申し訳ない
続き投下します。和姦注意
貴方の話を聞いてから色々な事を思いました。
その時まず思い出すのが、貴方と初めて…いえ、再びお会いした時の不思議な感覚のことです。
それは、母が私に向けるそれととてもよく似ていました。だけど、どこかが確実に違っていて……
私はただ畏怖する事しかできませんでした。母の眼下で震えていたあの頃と同じように。
その違いに気付いたのは、その……貴方に、初めて抱かれた時です。
あの時、貴方は私に微笑んでくれていましたね。あの時だけじゃない。貴方はいつもそうでした。
頬を撫で、髪を梳きながら…あなたはいつも微笑んでくれました。まるで不安を拭い去るように。
私にはその微笑みの理由が解りませんでした。はじめは、理解しようとも思いませんでした。
だって私は……自身の役割を世継ぎを産むための器なのだと信じて疑わなかったのですから。
でなければ、何もない空っぽの嫁き遅れなんて娶ろうとは思わないでしょう?
私が唯一誇れるものは、血統のみ。陛下が求めておられるのは私に流れる古の血統と、その血を受け継いだ世継ぎ。
陛下は私自身を求めておいでではない――自他共にそう割り切ってこの国へとやってまいりました。
なのに、貴方は私の頑なな心を溶かしていった……。そして私は、貴方の事を知りたいと思うようになりました。
だけど貴方の事を知りたいと願えば願うほど、心が締め付けられて苦しくなるんです。
心苦しいまま貴方に抱かれ、何故心苦しくなるのか解らないまま、貴方は私から遠ざかって行った…。
仕方ない事だ、と割り切ろうとしました。私には何もないのだから、いずれ飽きられる。それは必然なのだと。
でも不安は募るばかりだった。可笑しいですよね。見放される事には慣れてるはずなのに…割り切れるはずなのに、それが出来ない。
独りぼっちになる事も怖い。だけどそれ以上に、貴方に会えないことが哀しくて、辛かった……。
様々な感情がせめぎ合う中、唯一はっきりとしていたのは、貴方に会いたいと願う気持ちだけでした。
玉座で対面した時の不思議な感覚も、2人の貴方の事も、心苦しさや弱さの理由も。
根本にあるものは全て同じもののはずなのに。理解できなかった。…理解しようとしなかったのかもしれません。
私の心の扉の鍵を開けることが出来るのは、もはや1人しかいませんでした。
私には今までずっと想いを抱いていた方がいます。あの時、私に楽しいお話を聞かせてくれたあの彼―――
それは虚しい妄想だ、と嘲笑われました。私自身も妄想だと思い込んでいた。それでもどこかで彼を慕っていました。
差し向けられた偽の偶像に騙され、心を開きかけてしまうほどに私は彼を想っていました。
きっと…いえ、間違いなく、私は彼を愛してしまっていたんです。それは今も変わらない。
そう言って彼女はアスターの両頬を包み込み、微笑む。
それは幼い頃、アスターが垣間見たものと同じ―――心から美しいと思える微笑みだった。
「貴方は、一歩踏み出して私の先を歩いてくれた。今もまだ私の前を歩いて、私の手を引いてくれる。
それに甘えてちゃいけませんよね。私も貴方に追いつきたい。貴方の隣を歩きたい。
―――愛しています、アスター様。私に、貴方の隣を歩かせてください。これからも、ずっと。」
…その言葉を聞いてしまっては、もう抑えられない。愛しさが次から次へと溢れ出てくる。
半ば衝動的に彼女の後頭部に手を回し、そのまま唇を押し付けた。
頬を包んでいた手が首の後ろへ回る。触れるだけの長い長い口付けは、徐々に深いものに変わっていく。
彼女はそれを受け入れた。遠慮がちに蠢く彼の舌に懸命に自身の舌を絡めてくる。
口内で孕んだ熱い吐息が僅かな隙間から漏れ出し、2人の身体を火照らせていく。どちらからと無く、ベッドの上に倒れこんだ。
名残惜しげに唇を離す。瞳に映った彼女の顔は紅潮し、瞳は物欲しげに潤んでいた。
「なんて顔をしてるんだ、お前は……」
あまりにも艶っぽい彼女の表情を、この時ばかりは恨めしく思う。
今日は彼女と言葉を交わす気すら起きなかったのに。今は言葉だけじゃとても足りそうにない。
「嫌ならそう言ってくれ。今ならまだ間に合うから……」
彼女があの男に蹂躙されてからまだ5日しか経っていないのだ。ここで止めなければ、彼女の傷を広げる事になってしまう。
それでも彼女を求めて止まない。…そもそも、彼女を抱きしめて寝るという行為が、アスターにとってどれだけ苦痛だった事か。
それだけでも抑えるのに必死だったというのに、今回は恨めしいオプションまで付いてきている。
一刻も早く彼女の拒否の言葉を聞きたかったのに…現実は非情だ。彼女はその物欲しそうな瞳で微笑み、首を横に振った。
そして、自ら体を擦り寄せ、ゆっくりと口付けてくる。小さな舌がアスターの口内を必死に蠢く。
これじゃ、いつだったかと逆じゃないか。心の中で苦笑した。そして同時に、それまで何とか保てていた理性は音を立てて崩れ去る。
舌を絡ませながら自然と衣服に手をかけ、お互いに一枚一枚、もどかしげに取り去る。
ようやく唇が離れた頃には、既にお互い生まれたままの姿になっていた。
―――2人とも、狂おしいほどに互いを欲していた。
「顔……赤い、ですよ?」
「それはお前も同じだろう」
伸ばされた手に指を絡める。ミオの裸体は何度も見てきたはずなのに、なぜだか気恥ずかしくて目を反らす。
それを悟ったのか、眼下の彼女はくすくすと笑った。
「本当にいいのか? 嫌なら嫌とはっきり…」
「…続きをしてくれないほうが、もっと、嫌、です……」
ミオの口からそんな言葉が出るとは思わず、目を丸くして彼女を見る。今度は彼女の方が目を反らした。
「お前もなかなかやらしいんだな」
「な……っ、そ、そんなことっ……!」
顔をさらに赤く染め、恥ずかしがる姿が劣情を煽る。彼女が恐怖を抱いていないことに安堵する。
「やらしいほうが、俺は嬉しいけど?」
そして、次の瞬間には。彼女の双丘をやんわりと揉みほぐしていた。
「ひゃ……あっ!」
「相変わらず感じやすい身体だな。」
彼女の反応を楽しみながら柔らかさを堪能する。掌に収まりきらないほど豊満な胸。至高の柔らかさだった。
…揉むだけでは飽き足らず、今度はたわわな果実を舌先で味わう。絹のような肌に舌先を滑らせ、白い丸みに赤い跡を散らしていく。
そうやって双丘を磨くように舐め上げ、徐々にその頂へと登っていく。ぴんと主張する桃色の頂へ。
「ぁ……やぁぁ……」
頂に近づくにつれ、彼女の嬌声も艶かしいものに変わる。まるで、懇願するように。
それに応え、まずは乳輪をなぞる。それから彼女が求めて止まなかった愛撫――先端を摘み、音を立てて吸い上げる。
「あっ、やぁんっ………!」
体がびくんと跳ね、白い肌が粟立つ。シーツと握り締めて快感に悶える様はなんとも表現しがたいほど艶かしい。
ミオが欲しい。身体だけではなく、心ごと自分のものにしたい。狂想的な欲求が再び募る。
一方通行だったこの欲求に、今ならミオも応えてくれる。そう確信できるのも、きっと―――
求めて止まないその箇所に手を這わせる。指先がそこに触れて、驚いた。
「ミオ、もうこんなに濡らしたのか」
「やだっ……! い、わない、で……!」
触れなくても解るほどに彼女の蜜壷は潤い、受け入れる準備は万全だった。
恥ずかしさのあまり両手で顔を覆う彼女の仕草があまりにも可愛らしく、不意にときめきを覚える。
「だが、まだ駄目だ。…もっと乱れろ」
存分に潤った花芯を広げ、指を挿入する。彼女の内側の性感帯を指で刺激していく。
右手は依然として胸への愛撫を続ける。双丘を交互に舐め上げ、先端を摘み、転がし、激しく揉みしだく。
一層強く、そして甘く。甲高い嬌声が上がる。その声から、彼女が着実に絶頂に近づいているのを察する。
中は滾る程に熱く指を締め付け、蜜壷は潤いを増し、アスターの左手までをも愛液で満たしていく。
「あぅ、あぁんっ! やぁ…、あぁぁっ!」
「そう…もっと、もっと乱れていいんだ……」
容赦ない愛撫に身を捩りながらも、快楽を逃すまいとアスターの頭を掻き抱く。
敏感な身体はびくびくと大きく震え、激しい愛撫に対しても大げさなほどに反応を示す。
「あ、すたー、さまっ…! ぁ、あぁ……わ、私、もう………!」
こんなに快楽を求めるミオを見るのは初めてだ。
…いや、快楽ではない。ミオが求めているのは自分だ。彼女の濡れた瞳がそれを物語っていた。
ならば、まず彼女を頂上まで昇らせてやらねば。指を増やし、中を乱暴に掻き回す。淫靡な水音が響く。
「やああぁああぁ!! あ、ああああぁあぁぁぁぁあああっっ!!」
アスターの頭を抱いたまま、大きく背を弓なりにしならせる。彼女のたわわな双丘の谷間に顔が押し付けられ、呼吸が出来なくなる。
ミオはしばらく絶頂の余韻に浸っていた。幸福を伴った快楽など、自分には無縁のものだと思っていた。
彼が与える止め処ない快楽は容赦なくミオの体力を削り、肩で息を整えないといけないほどに消耗してしまった。
息苦しさを伴うふわふわと浮いたような感覚。不思議とどこか心地がいい。
「んぐ……っ」
すぐ傍でうめき声が聞こえ、胸の谷間をごそりと何かが動く。胸元に覗く真っ黒な髪。
それがアスターの頭だと解った途端ようやく状況を悟った。慌てて彼の頭を解放する。
「げほっげほっ……! まったく……、俺を、窒息、死、させる、気か…!」
「ご、ごめんなさい! 私、ぼーっとしちゃって……!」
ミオと同様に、だがミオとは違った理由で息を荒げるアスターが、恨めしげにミオを見てくる。
慌てて頭を下げた。まさか自分の胸で彼を窒息させるとは……笑い話にもなりやしない。
申し訳なさと、穴があったら入りたくなるくらいに乱れた自分の痴態とでうつ伏せになる。
何度か声をかけられたがそれでも顔が上げられず。しばらくシーツに顔を埋めていると、すぐ耳元で彼の声を感じた。
「お前は激しいのがお好みみたいだな」
振り向く間もなく、身体がくるりと回転し、足を広げさせられる。蕩けきった蜜壷にいきり立った物が宛がわれる。
「…今度は俺を同じくらい気持ちよくさせてくれよ?」
そこから感じる想像以上の質量と熱に、思わず仰け反った。
「ちょ、ちょっと待っ……」
「待ったなし。」
アスターが笑みを浮かべる。それはミオを不思議と安堵させる表情。アスターのこの顔が、堪らなく愛しく感じる。
ローラント王でいる時は絶対に見せない少年のような顔。壊れそうなほどに、心が高鳴った。この状況でその笑みはずるい。
その隙を付いて、彼の肉棒は蜜壷を押し広げ、ゆっくりと中へ埋もれていく。
先ほどの激しい愛撫すらまだ序の口と思えるほどの快楽がミオになだれ込んできた。
「やあぁ、あぁっぁ、あ、あぁぁっ! あぁああぁぁっ!」
自分の想いがはっきりとした今、彼から与えられる快楽は至高以外の何物でもない。
心の中の大きな空洞を埋めてくれるもの。醜い執着でも、虚しい妄想でもない。確かな愛がそこにあった。
腰はぴったりと密着させられ、追い詰めるように突き上げてくる。彼が奥を突くたびに、ような気がした。
彼以外、もう何も見えない。彼の与える熱以外には、もう何も感じない。心の奥底から湧き上がる幸福感がミオを満たしていく。
「アスターさまっ、は、げしっ…! ひあぁっ、あぁぁぁ!」
「激しく、してんだ、よっ…!」
ぼんやりとした視界の中で見えた彼の顔は苦しげだった。苦痛ではない。止め処ない快楽に耐える顔。
冷血と称されるほど冷静沈着な彼のこんな顔を見れるのはきっと自分だけの特権だ。
そう思うと、腰が自然と動いてしまう。蜜壷が彼のものを容赦なく締め付ける。
我ながら本当にはしたないと思う。だけど、それでもいい、と思った。このまま彼だけの物になりたい。彼が欲しい。
それは孤独から開放された少女の初めての願い。いつもなら願いを抱いた傍で願いを諦めてきたのに。今回だけは、叶うと確信できる。
熱い。熱い。自身の熱も、相手の熱も、焦がれそうなほどに。お互いがお互いを昂らせ、熱を発し、熱を与える。
激しく求め合い、止め処ない快楽を享受し、理性などとっくに吹き飛んで。
「ア、スター…さ、まっ! あ、あぁぁあっ、もぉ、だ、めぇっっ!!」
「ミオ、出すぞ……!」
ミオの体が再びしなる。それと同時に中に滾った白濁が吐き出される。全部出し切っても、すぐさま抜き取る事はできず。
しばらくお互いを抱きしめあい、孕んだ熱に浮かされながら気だるい余韻に浸った。
「お前は本当に最高の女だよ。」
汗に濡れたミオの髪を優しく梳きながら囁く。彼女は恥じらいながらも嬉しそうに、胸板に擦り寄る。
……身体は手に入れても、心まで手に入れることは出来ない。そう思い込み、独りよがりな行為を繰り返していた時のことを思い出した。
それでも自分はミオの心を欲していた。その葛藤に気付いた時、後悔と罪悪感が湧き上がり、自然とミオから遠ざかった。
ミオにとっての恐怖とは孤独。それを知っていながら背を向けたこと、それによってミオはどれだけの不安を抱え込んだだろう。
結果、自身の後ろめたさがミオに大きな傷を付ける事となってしまった。アスターはおそらく一生後悔するだろう。
――俺はどれだけミオを傷つけたかわからない。なのにミオは……
処女を奪った事も、毎日愛玩人形の如く抱き続けた事も、空き部屋で無理矢理犯した事も、罪悪感が故に日々避けていた事も。
ローラントが、アスターが犯した行為を、ミオは全て受け入れ、許した。そしてアスターが抱えた葛藤が終わりを遂げた。
「お前のおかげで、ようやく答えが出た。」
ここ最近悩んでいた事。その答えをミオのおかげで導き出す事ができた。まどろみが生まれ、目を閉じようとした時、
「アスター様。」
ふいに名前を呼ばれ、彼女を見つめる。服の裾を掴んでいた時と同様に、強い決意が瞳に宿っていた。
「貴方が悩んでいた事、知っていました。それが私のためを思っての事だということも。
…1人で抱え込まないで。私も、貴方の悩みに寄り添わせてください。」
翌日の夜。静まり返った独房に少年の呟きが聞こえる。それは聞き取れないほどにか細く、壊れたオルゴールのように同じ音を繰り返す。
そんな薄気味悪い空間に灯りが一つ。彼のいる独房の前へとゆっくり近づいてきた。灯りが彼の顔を灯す。
すっかりやせこけた顔が光へ吸い寄せられる。その向こうに浮かぶもの。少年の瞳が、大きく見開かれた。
「ああ、ミオソティス様……!」
少年の目には彼女しか映っていない。ただ彼女だけを瞳に収め、爛々と輝いていた。
「ミオソティス様、ついに決心してくださったんですね! 僕を受け入れて下さるのですね!!
ああ、なんて幸せなんだ僕は……! さあ、早くここから逃げ果せましょう。こんなどす黒い場所から!」
鉄柵に噛り付くようにへばり付き、目を血走らせ、少年は言葉を浴びせ続ける。少年の目には彼女以外何も映らない。だから何も気付かない。
彼女の傍らに少年が最も嫌い、憎んだ男が傍にいること。少年の愛した彼女は、そんな憎い男の手をずっと握り締めている事も。
ミオソティスは、変わり果てた少年の姿に深い悲しみを覚えていた。童顔で子犬のようなあのヒースは、もうそこにはいない。
いるのは自分に盲目的に、かつ狂想的な愛を突き刺してくる男だけ。そして、腕に咎の証を刻まれた罪人だ。
彼をそうさせてしまったのは自分だと思うと、やるせない気持ちになる。
だが、彼は言った。“冷血になれ”と。宣告者が持ってはいけないもの、それは情。己の思考を最も狂わせるものなのだとも。
大きく呼吸をする。左手に伝わる温もりを握り締める。この温もりだけを感じながら、彼女は少年に宣告した。
「罪人、ヒース=スプリングス。貴方に宣告します。……私は貴方を“許す”。今すぐこの城から出て行きなさい。」
少年の言葉の霰が止む。何を言われたかわからないといった体の、唖然とした表情でひたすらミオを凝視する。
そのうち少年は表情を強張らせ、苦笑する。鉄柵を握り締めた手が小刻みに震え始めた。
「な、何を…言って、るんで、すか? 貴方、は、僕、を……」
「聞こえませんでしたか? この国の王妃である私に対する性的暴行……本来ならば死罪同然です。
ですが、私は貴方を許します。憲兵が貴方を国境付近まで送り届けますから、それから先は貴方のお好きになさい。」
「そん、な…ど、うし、て…?! 僕、は、こん、なにも、貴方、を愛し、てい、る、のに!」
「私は愛していない。貴方を愛する事など一生あり得ない。」
ヒースは愕然と膝をつく。愛すれば必ず応える、そう言われたのに。心優しい彼女は、決して拒否しないとそう聞かされていたのに。
今ヒースの前にいる彼女は、ヒースの愛した彼女ではなかった。冷徹な目で自分を見据え、自分にとって最も非情な言葉を宣告する、氷のような女。
彼の目には彼女しか映っていなかった。だから、気付く事は出来なかった。氷のような彼女の左手が、震えながら愛する人の温もりを握り締めている事を。
「ならば、もういっそ……殺してください。貴女に想いが伝わらないのであれば…受け入れてくれないのならば、もう僕に生きる意味なんてない……!」
「いいえ、殺しません。自ら命を絶つことも許しません。生きる意味は、これから見つけなさい。
……もう終わりにしましょう、ヒース。もうこれ以上私に幻想を抱かないで。私は、貴方が思うような人間ではないのです。」
左手の力が一層増す。
「貴方は私に愛していると言ってくれた。その嘘偽りない言葉が、私は嬉しかった。こんな私でも愛されるのだ、と実感できた。
…だけど。私は貴方を愛する事はできない。私が欲しい愛は貴方からのものじゃない。…ここにいる、彼の愛です。」
やっとヒースは気付けた。ミオの後ろに、寄り添うように憎き男の姿があること。その男の手と、焦がれて止まなかった彼女の手が固く繋がっている事に。
そうして、ようやく彼は悟ったのだ。自分の愛した女性の真の姿を。
「そうか……貴女は、この国の王妃様だったんだ……」
膝をついたまま彼女を見上げるヒースの瞳には、もはや光など存在しなかった。虚ろだが、はっきりと王妃の姿を捉えていた。
「ミオソティス様。僕は今初めて、貴女と僕の身分の差を実感する事ができました。…終わったんですね、僕は。」
憲兵2人に曳かれ、馬車へ乗り込むヒースの姿をミオはじっと見つめ、それから彼に声をかける。
「一つ、教えてください。貴方は一体何処の何者で、何故この城にやってきたのです?」
「……そんなこと、知って、どうするんです?」
馬車の奥で、虚ろな目がぼんやりと浮かぶ。そのたいそう不気味な様にも物怖じせず、努めて冷静に答えた。
「忘れない為です。」
ヒースは笑った。小馬鹿にしたように、だけども哀しそうに。
「貴女は相変わらず優しいお方だ。…ですが、貴女こそ忘れないでいただきたい。貴女のその優しさは、薬であると同時に毒でもある。
薬で癒えた者もいれば、毒に侵された者もいる。僕のように薬も毒も享受した者すらいる。それを憎んで止まない者がいることを、決して。」
馬が嘶く。定められた時刻が来たのだ。ヒースを載せた馬車がゆっくりと動き出す。
「待って……質問に答えてください! 貴方にこんな仕打ちをしたのは、一体誰なのです!?」
ヒースの唇が震える。馬の足音で、声は掻き消えてしまったが。アスターにはその唇の動きを察した。
幸いミオには理解する事ができなかったらしく、馬車が見えなくなった後に小さな声で「ごめんなさい」と謝ってきた。
「謝るな。…よく、頑張った。」
彼女の頭を引き寄せる。糸が解けたように体の力が抜け、堰を切ったようにすすり泣くミオを力強く抱きしめた。
現実はいつもミオに対して非情だ。それがこれからも続くというのならば、自分は全力でミオを守る。
ようやく解り合えたのだ。心の底から愛し合えたのだ。もう絶対に彼女を離さない。
…そう、固く心に誓ったのに。
以上。これにて第1部完
次から第2部に入ります
GJ!!!!
それと第一部お疲れ様でした!
ここまで焦らされるとエロ描写も感慨深くなってくる……これぞ純愛って感じだな
窒息しそうになったミオ様のおっぱいを触りたい
やっと思いが通じた二人の仲は引き裂かれてしまうのか!?
まだまだ今後に期待だな。
乙でした。