管理の仕方は良く分からないけど
wikiみたいにする事って出来ないのかな?
>>546 wikiとほとんど同じです。
すいませんやはり一人で続けていくことは無理だと判断しましたので、
誰でも更新できるような設定に変えることにしました。
誰か手の空いた方が更新していく、と言う形で……
お騒がせしました、迷惑お掛けしました、非常に申し訳なく思います。
>>547 いやいや、匿名掲示板なんかで率先して決断し、wikiを用意したというだけで立派ですよ
でも、あんまり無理せず、一人で背負い込まないようにね
手伝いたいが過去スレ漁るための●が無い
マユの人のはどうする?今pixivで加筆修正したの上げてるみたいだけど
>>551 そっちは流石に無視だろ
あくまでもこのスレの保管庫なんだから、このスレに投下された分だけ収録すれば良いんじゃない?
>>550 過去ログ提供感謝。
とりあえず出勤前に手探りながら2つほど更新、こんな感じでいいのかな
夜のお仕事はじまるお・・・
554 :
553:2011/08/31(水) 04:58:38.59 ID:mtobZlmJ
5スレ目の保管作業を一応終わらせました。
入ってない作品があるとか、間違いを見つけたら修正していただけるとありがたいです。
555 :
553:2011/08/31(水) 14:39:24.02 ID:mtobZlmJ
6スレ保管終了、一部タイトルのレス番号が間違ったけど修正できない…
杏の人の作品が、13話までブログに投稿されてるんで最新話がかなり飛ぶんだけど、どうしよう?
>>555 乙です。
>魔法少女杏について
そのことを長編の杏ページにでも注記しておくだけでいいんじゃないかな?
3スレの317で杏の人から初代保管庫への保管の同意が得ていたからブログへの投稿作品も
初代保管庫には保管されていたみたいだけど、それを今やると他にもpixvへ投下されている
他の人の作品(魔法少女杏も改稿されているし)まで保管対象にしなくちゃいけなくなりそうだし。
魔法少女杏は途中からブログだけしか公開してなかったけ?
スレに投下されたやつは何でも保管していけばいいと思うけど(他の場所に改稿ある/なしに関わらず)
別の場所にしか投下されてないようなのはとりあえず後回しで置いておけばいいと思う
あと提供したログが役に立ってるようで何より
558 :
553:2011/08/31(水) 16:36:26.98 ID:wMgIYNec
出先から携帯で失礼、とりあえず杏の人のblog分については保留にして、スレの保管作業を進めて行きます。
>>551で言われいますが、自分の初期作品は少し手直しさせてください…
マユの人だったのか・・・投下にまとめに乙
杏って、少なくとも第一稿はブログやpixivではなく、ここで投下されたはずだけど
それを保管すればいいんじゃないかな
ああ、なるほど
その手順のも、脳内で「このスレへの投下」と勘違いしてた。すまそ
もうこのスレを見ていないのなら、ご本人のブログに直接聞きにいくしかないのかなあ?
ピクシブとかの保管庫入りは流石に無断でやるのはマズくね?
いや、pixivの話も、無断でやる話も誰もしていないのだが・・・
むしろpixivとかは除けようって話だしな
Pixiveの小説で魔法少女もの漁ってみた
姦電池ってのスゴいよかった
まぁ本人様にお伺いを立てるのが一番だわな。
568 :
マユの人:2011/09/02(金) 15:15:16.54 ID:lXNPyb72
9スレまでの保管を完了、明日が休み取れたら一気に進めていきます。
当座のところはスレの保管と、主要長編の区分を優先していきます。
このスレって潰れるまで待った方がいいの?
それとも埋めた方がいいの?
保管庫で見返してみると、話が止まってる長編多いな…みんな面白い話なのに惜しいことだ。
自分だけかも知れないがプロットしっかり作って話作れば当然完結までいけるんだけど
エロ作品はこういうシチュいいなっていうのを思いついたらそれを書いていって
話としてつなげていく感じで作ることが多いので話が最後までまとまらなかったり
続きが思いつかなかったりして途中で更新止まることが良くある
>>571 エロに限らず長編小説の最大の敵は「飽き」だと思う。
書かない期間が長いとどうしても「いつか」「またいつか」になって伸び伸びになり
いつしか意欲を失って放置してしまう。
その気持ちはよく分かる。
573 :
マユの人:2011/09/04(日) 00:12:30.76 ID:JL2+MweB
16スレまで保管を行ないました。
ようやくゴールが見えてきた・・・w
>>572 ・・・飽きてはいないな。少なくとも、今のところは。
単位取り終わったボッチの大学生がハイペースで執筆。
社会人になったら全然時間無しってのが俺のパターン。
>>574 ナカーマ。別スレだが。
完走の野望は捨てきれない。
>>573 乙乙乙
しかしマユの人のこのスレへの情熱は凄い
577 :
マユの人:2011/09/04(日) 21:02:26.08 ID:JL2+MweB
長編のリンク作りが途中ですが、保管庫現行スレまで追いつきましたー
荒らし対策にこの先は限られた人で更新するのがいいかもしれませんが、そこは管理人氏にご判断してもらいたいです。
俺、この作業が終わったら新ギレンの野望やるんだ・・・(ぉ
本当、頭の下がる思いだ・・・
マユの人、GJです!
自分も
>>574の人や
>>575の人と同じく小説の続き書けないまま一年オーバーしてしまって、
「今更続きを書いても誰も覚えていなかったらどうしよう……」と思っていたのですが、
保管庫に収録いただけたお蔭で続きが書けそうな気になって参りました
初期目標であったスレの保管と、長編作品のリンク作りが終わりました。
突貫で仕上げたのでミスや、こうした方がいいという所がありましたらご指摘下さい。
杏の人のブログにアップされた分については、まだ保留の状態です。
ブログは閉鎖されたわけではないから、コメつけて直接聞く事は出来るのかな?
返事はずっと先になるかも知れないけど
いつか戻ってきてくれるはずだからそのときまで待てばいいと思う
まぁブログにコメント入れておくのはありかもね
美咲天使
目からビーム撃つ魔法少女ってなかなか居ないよね。
まぁ、誰得なんだが。
>>584 筋肉からビームを撃つ魔法少女ならいるが…
あれは魔法少女と言う肩書きを名乗った、別の何かだw
次スレが立って2ヶ月近く過ぎても落ちる気配がないので、途中で書くのを挫折したSSを二つ投下して埋めさせていただきます。
どちらも寸止めでぶつ切りで終わっていますのでご了承下さい。
また埋め用の未完成品ですので保管庫への保管は遠慮させていただきます。
588 :
魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:07:58.85 ID:MGKbORGR
「そこまでよっ!」
闇に轟く甲高い叫び。
溌剌とした明るさ、何事にも屈さない意志の強さを現すその声を上げたのは新崎 梨理乃。
近くの高校に通う15歳の少女、2つ上の姉と優しい両親と暮らす高校1年生であった。
小柄な梨理乃がキッと眦を向けた先には、彼女を覆い隠すような巨大な影が宙に浮かんでいた。
マントを被った怪人のような形に広がる影。
目や口の部分は赤く縁取られ、グロテスクさを強く放っている。
これこそ魔法少女リリノが闘う悪、「妖魔」と呼ばれる存在であった。
とてつもない害意が感じられる妖魔に梨理乃は臆することなく、影のように広がる妖魔の
根元へと視線を向ける。
そこには一人の学生服姿の少年が倒れ伏していた。
(きっと助けてあげるから)
自分とそう年の変わらない少年に梨理乃は心の中でそう呟く。
そして決意を込めた彼女は胸元のポケットに引っ掛けてある羽根ペンを手に取った。
白い羽根を広げたその根元には赤い宝石が彩られ、銀色に輝く軸には軸には煌びやかな装飾が彫りこまれいた。
一目で長く時を経てきた眩さが感じられる一品である。
「悠久の刻、脈々と流れる魔力の渦よ。形に表す魔法の筆にその力を顕現させよっ!」
梨理乃はたおやかな指でその羽根ペンを掴むと、可愛らしい顔立ちに似合わない気がこもった声を張り上げる。
そして次の瞬間、シュシュッとペンを宙に走らせるとその軌跡に光り輝く文字が浮かび上がる。
(よしっ、大丈夫!)
梨理乃が書き出したのは魔法の呪文、彼女がただの少女からその真の姿に変身する呪文であった。
しっかりと呪文を書き出せた事に安堵する梨理乃の身体が、呪文から放たれる光に包み込まれる。
光に飲み込まれた梨理乃から一瞬にして身に纏った衣が掻き消えた。
眩く照らされる彼女の裸体。
ショートカットに切り揃えられた髪に、可愛らしく整っているものの幼く見える顔立ち。
曝け出された肢体も、ほんの少しだけ膨らんだ胸の頂にチョコンと桃色の乳首が浮き上がり、うっすらと
薄い毛で隠されている陰部が目立ち、女性らしさというよりは幼さを感じさせるものだった。
しかし、瞳を閉じた梨理乃に透き通る光が集まっていきその肌に触れると思わぬ変化が始まる。
短く切り揃えられた髪は肩の半ばまで伸びて、その色も手が加えられていない漆黒から煌めく金色へと移り変わる。
パッチリと愛らしい瞳も睫毛がくるんと伸び、鋭く整ったものへ変わる目元にはエメラルド色のラインが引かれる。
小ぶりな鼻筋は高さが上がり、ツンと尖ったラインを見せる。
瑞々しい口唇には紅が引かれて凛とした艶やかさが放たれる。
そしてその肢体にも魔法の効果が現れていく。
薄い肉付きだった胸は果肉が詰まった果実のように膨らみ、小柄な身長自体、そして手足もスラリとしたものに伸ばされていく。
スタイルが整った梨理乃の肌に光が纏わりつき、海のような青さのミニドレスのようなコスチュームで肢体を覆っていく。
最後に羽根ペンが赤い宝石が頂に輝くロッドに変わると身体の周りに集まっていた光が弾け飛んだ。
「暗い影をもたらす妖魔を打ち払う魔法の戦士、魔法少女リリノっ!」
ロッドを妖魔に向けてそう言い放つ梨理乃。
彼女の正体こそ、魔力が宿った魔法のペンの力で変身して妖魔と戦う魔法少女リリノであった。
魔法の力で大人びたものへとその容姿を変化させたリリノは、声も少し怜悧な声音に変わっていた。
(わたしは魔法少女、絶対妖魔を倒してみせるんだから!)
その心は、弱い少女のままである。
しかし決意を胸に自らに言い聞かせて彼女は戦いに臨む。
妖魔を倒せるのは自分しかいないのだ。決して退く事の出来ない戦いへとリリノは自分を奮い立たせる。
「はあぁっ!」
キッとした眼光を妖魔に向けると、大きく息を吸い込んで彼女は妖魔に対して構えを取った。
589 :
魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:08:44.48 ID:MGKbORGR
「てややあああぁぁぁああああぁぁぁっっっ!!!」
凛とした叫び声が響く。
気合を放ちながらリリノは縦横無尽に空を跳ねていた。
周囲を跳ね回るその小柄な肢体に妖魔の巨体は翻弄されている。
「えいいぃぃっっ!!」
リリノはその隙を見逃さずに、ロッドを振って魔法弾を放つ。
「グギャヤヤアアァァァッッッ!!!」
黄色く光る魔力の弾丸は妖魔に命中し、影のような身体の一部を弾け飛ばせる。
既に妖魔の身体はボロボロであった。しかしそれでも小癪に飛び回る魔法少女を捕らえようとその腕を振るった。
「無駄ですっ!」
だがリリノはそれを見切った。
瞬時に急降下して妖魔の鞭をかわすとロッドを構えて詠唱を始める。
「顕現せし魔力の渦よ、紅蓮の炎と化して悪しき者を打ち砕けっっ!!」
紡がれる詠唱に応じるようにロッドの先端に魔力が集まってくる。
目標は大振りの一撃をかわされ、がら空きになった妖魔のボディ。
「いけえええぇぇぇえええぇぇっっ!!」
大声を張り上げてリリノは大魔法の必殺の一撃を繰り出した。
撃ち出された魔力は灼熱の炎と化し、劫火のような勢いで妖魔を覆い尽くす。
「ギャヤヤアアァァァアアアァァァッッッ!!!」
凄まじい轟音、そして妖魔の断末魔の叫びが轟いて辺りは濛々とした土煙に覆われた。
しばらくした後、土煙が晴れたそこには妖魔の姿はなかった
「ふぅぅっ」
深く息をつくリリノ。
鼻梁に汗の玉の浮かばせ、身体中にずっしりとした疲労感を感じていた。
だがその心は晴れやかであった。
強敵である妖魔を打ち滅ぼす事が出来たのである。
ほっとした心は、変身して変わった大人びた顔立ちに少し似つかわしいあどけない笑みを零していた。
彼女の視線が何かを捉える。
「あっ……!」
つい忘れてしまったもう一つの存在。
倒れ伏した少年の姿を目で捉えた彼女は慌てて彼に駆け寄る。
「ねえ、大丈夫ですか?」
少年の横に膝をつき、彼を抱え起こして問いかける。
「……ぁ……ぅぁ……」
だが口元から僅かに呻きが漏れるだけで、固く閉じた彼の瞳は開く事がない。
妖魔は人の心の弱さにつけこみ、その魔力を奪って実体化する。
宿主になった者の心は犯し壊され、深い闇に沈む事になるのだ。
「いま、救ってあげますから」
リリノは微笑を少年に向けると、瞳を閉じて静かに呪文を紡ぐ。
「我に宿りし魔力の渦よ、闇に迷いし者の道標となる灯りを点せ」
すると魔力の小さな玉が彼女の喉元に生まれる。
ふわふわに漂うそれをリリノは舌の上に転がして形を整えていく。
(……ごめんなさい。でもあなたを救うにはこうしなくちゃならないんです)
戸惑いを見せるリリノだが、ふと覚悟を決めると少年の上に覆いかぶさる。
「ぁぅ……ぇぁ……ぅむっ……」
次の瞬間、苦しげに眉を寄せる少年の口唇がリリノの口唇で塞がれた。
闇の中に深く沈んだ人の心を救うには、魔法の力で輝く魔力の玉をその身体に注ぎ込む方法しかなかった。
リリノはこれまで幾人も妖魔の被害者をこの方法で救ってきたが、未だに慣れる事はない。
なにせ高校1年生の彼女は、小柄で童顔、大人しい性格もあいまってとても奥手な少女であるのだ。
しかし人々を救おうとする魔法少女としての使命感が、心の中の逡巡を打ち消す。
そっと舌を伸ばして、少年の口唇を割り開く。
魔力の玉を少年へ口移しに飲み込ませる。
「……ぁ……うぐっ……」
少し苦しげに喉を鳴らして玉を飲み込んだ少年だったが、しばらくするとその顔から汗が引き
呻き声も安らかな寝息に変わる。
自分が口唇を渡して飲ませた魔力の玉が、彼の心の闇を払い安息をもたらした事を知ってリリノはほっと息をついた。
590 :
魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:09:27.95 ID:MGKbORGR
やがて少年が目を開いた。
「ぇ、ぁう……あ、あなたは?」
少女に身体を抱き抱えられている事からリリノに戸惑った視線を向けながら問いかける少年。
変身後の彼女の姿は、彼から見れば少し年長のお姉さんという感じである。
自分と同い年ぐらいの少年が、敬った口調で問いかけてきた事にリリノは笑顔で答える。
「わたしは魔法少女リリノ、もう大丈夫だからね」
幼いながらも妖魔との戦いに臨む彼女は、彼らの恐ろしさをよく知っている。
少年は一時その心も身も妖魔に乗っ取られてしまったのだ。
辛くも救えた事に、リリノは嬉しさのあまりにギュッと彼を抱き締めようとする。
「お姉さん、逃げてぇっ!」
その瞬間、顔色を変えた少年が大声を上げて彼女の突き飛ばそうと腕を伸ばした。
ザシュッ!
「えっ!?」
彼の声に続いて、湿った感じにくぐもった鈍い音が響いた。
少年を見下ろすと彼の手はリリノの胸の前で止まっている。
そしてその指先から伸びた黒く細い刃が、彼女の胸を貫き通していた。
「あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっっひえ゛え゛え゛ぇぇっっあ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっっ」
鳩尾の辺りをコスチュームごと背中まで貫き通している刃。
不思議な事に血は流れ出ないが、激しい痛みがリリノを襲う。
妖魔と戦う魔法少女には肉体と精神が強化される魔法がかけられているが、さすがに普通ならば致命傷にも等しい
傷を負わされたリリノは目を見開いて苦痛の叫びを上げることしか出来ない。
「気分はどうかな?“魔法少女リリノ”ちゃん」
その声は確かに少年の口から出ているが、先ほどの声とは似ても似つかぬ低い声色だった。
力を失った身体を逆に少年に抱かれるようにして立ち上がらされるリリノ。
彼の腕、そして黒い刃によって身動きが取れないリリノは少年にもたれ掛かるような体勢になってしまう。
「えあ゛あ゛ぁぁっっ、う、うぐっ……お、お……まえは……?」
(確かに妖魔は消滅させたのに……なぜっ!?)
それでも必死に顔を上げて、少年を見返すリリノ。
少年の思わぬ一撃に疑問しか浮かばない彼女に彼は嬉しそうに語りかける。
「せっかく作った妖魔を壊してしまう小娘に罰を与えようと思ってな」
そう言うと黒き刃をリリノから引き抜く。
「あぐっ!」
そのまま少年は腕に魔力を込め、至近距離のリリノに向かって放った。
「きゃあああぁぁぁああああぁぁぁっっっ!!!」
深手を負った彼女は防ぐ事も出来ずに、膨大な魔力の一撃を浴びて弾き飛ばされた。
リリノの華奢な身体が轟音を立ててビルの外壁に叩きつけられる。
砕け散ったコンクリートの壁が濛々と土煙を立てて彼女を覆い隠す。
「もうくたばったわけではあるまい。さて、じっくりと嬲ってやろう」
少年はそう言いながらゆっくりと歩み始める。
着ている学生服に黒いもやが纏わりつくと、黒色のローブに形が変わる。
その容貌も明るい少年のものから、白髪で整った顔立ちながら禍々しい笑みを浮かべる青年のものに瞬時に変わった。
そして右腕に握られているのは、リリノのものによく似た魔法の羽根ペンであった。
しかしそれは彼女のものと異なり漆黒の羽根、そして毒々しい色をした紫の宝石があしらわれていた。
「あぅ……ぐ、ぐぅぅっ……うぁ…………ま、魔法戦士……な、の?」
掠れた声で問いかけの声が放たれる。
土煙が晴れると、立ち上がったリリノの姿があった。
額や顔のあちこちに擦り傷が出来、全身から響く痛みに顔をゆがめた姿。
荒い息を吐く口唇からは血が零れ落ちていく。
コスチュームも所々破れて、傷ついた肌を晒していた。
ただ立っているだけでも膝が崩れ落ちそうになりながらも、必死に耐えるリリノ。
普段なら身体の中の魔力が瞬時に身体の傷を癒すが、今はその動作がなされない。
先ほど貫かれた胸から、身体の中の魔力をかき乱されるような違和感が全身で感じられた。
591 :
魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:11:21.58 ID:MGKbORGR
「ほう、立ったか」
感嘆したような声を漏らす青年。
ますます笑みを濃くしながら続ける。
「我が名はゼフィルス。世界に漆黒の帳を下ろす魔術師の一人だ」
「ま、魔術師?」
「知らぬも当然だ。今までは姿を見せずに貴様らが倒していた妖魔を作っていたのだが
貴様ら魔法少女とやらの数も強さも増して作るたびにすぐ壊されてしまう。
であるから罰と、妖魔の材料になる魔力を貴様から得るためこうしてやってきたのだ」
はじめて知る事実に驚くリリノ。
しかし妖魔の黒幕という事実に怒りと決意を胸に言い放つ。
「なら、絶対負けるわけにはいかないわ」
「ははは、よく言う。威勢は良いが、貴様らの正体はただの学生に過ぎぬようではないか
このように軽く罠を張っただけですぐに引っかかる」
「わな?……その男の子をどうしたの!?」
「妖魔を倒せばすぐ被害者の介助にあたる甘い小娘を罠に張るために、事前にこの男を捕らえて
精神を封じた後にまず私を憑依させ、それを魔法で隠した後に改めて妖魔を宿させたのだ。
最後に自我を取り戻した時は驚いたが……もう欠片も残っておらん」
全く気付かなかった事実、そして何より自分を捕らえるために少年が犠牲になったことに歯噛みするリリノ。
「ぜ、絶対に許さない」
今まで感じた事のない怒りに顔を染めて、リリノはゼフィルスを睨み付ける。
「いい顔だ。しかしもう貴様に何が出来る?体内の魔力は、私が流し込んだ瘴気で乱されて集中が出来まい?」
体内に宿された魔力は精神と固く繋がっているので、それを奪い取るためには妖魔もそうであるが瘴気を
対象の身体に流し込む事が必要である。
瘴気は戦いで負った傷から、そして囚われの身になった場合は凌辱を通して流し込まれる事になる。
リリノの胸を貫いた傷から流し込まれた瘴気のせいで確かに彼女の力はぐんと落ちてしまっていた。
それでも魔力をかき集め、必殺の一撃にすべてをかける。
「舐めないでねっ!闇を打ち払う八連の星よ、連なりし魔力の光を悪の化身に叩き落せっっ!」
リリノの詠唱に応えて彼女の前に円を描くように8つの光る魔力弾が浮かび上がる。
「てややあああぁぁぁあああぁぁぁっっ!!」
輝く魔力弾をロッドで弾き飛ばしてゼフィルス目掛けて撃ち込んだ。
着弾の轟音が響き土煙があたりに立ち込める。しかしリリノは手を緩めることなく次々と魔法弾を放つ。
あっという間に8発全て叩き込むと、ゼフィルスの姿は完全に土煙に覆い隠されて見えなくなった。
「はぁ……はぁっ……や、やった?」
顎から汗が滴り落ちる。
熱で浮かされた顔、強引に魔力を集めて必殺の魔法を放ったせいで身体のあちこちが軋み頭がくらくらする。
ゼフィルスに負わされた傷もあわせると今にも倒れこんでしまいそうになるが何とか耐える。
(まだ……やっつけられたと決まったわけじゃない)
相手は恐るべき敵である。
リリノは油断することなく構えを解かずに土煙に包まれた方を見定める。
やがて、晴れたそこには剥がれて砕けたアスファルトが目立つだけでゼフィルスの姿はなかった。
「はぁぁっ……」
大きく息をついて構えを解くリリノ。凛とした表情にも少し穏やかな色が戻った。
(何とか倒せたのか……良かった……)
安堵した瞬間、身体がガクガクと震え始めて思わず膝をついてしまう。
今までの闘いでは感じたことのなかった恐怖の震え。
何とか勝てたものの、一歩間違っていたのならリリノは間違いなく敗北していただろう。
敗北し、ただの女となった魔法少女に待ち受けるのは死をも上回る責め苦である。
はじめて敗北を間近に感じたリリノは、一心不乱に戦っていたときには気付かなかった
とてつもない恐怖を今感じていた。
(……だ、大丈夫、大丈夫だよ梨理乃)
両腕で肩を抱いて自分を言い聞かせる。
初めて感じた死への恐怖、まだ学生である彼女にとってそれは考えられないほど大きな恐怖であった。
瞳は見開かれて、口唇からはせわしなく息が吐かれる。
何とか落ち着きを取り戻そうとする。
しばらくすると、ようやく震えが収まり立ち上がることが出来た。
「ごめんなさい……助けられなくてごめんなさい
死の恐怖から抜け出せた彼女に次に襲い掛かるのは、少年への悔恨の念であった。
敵の手中に落ちていたとはいえ、自らの手で命を断たせてしまった彼の事を想い瞳から涙があふれ出る。
魔法少女といっても一皮向けばただの少女である。
しかしリリノは、脅え、傷つきながらも決して怯むことなく魔法少女として悪に立ち向かい続けた。
だが、その活躍も今宵で終わりを告げる。
「泣かなくてもいいよ」
「えっ!?」
耳元で囁かれるゾッとした声。
振り向くと、リリノのすぐ後ろに傷一つないゼフィルスが立っていた。
(そんな……無傷なんて……!?)
自分の必殺の一撃が全く効かなかったことを思い知らされるリリノ。
あまりの実力差に愕然とした彼女は恐るべき敵に反応する事が出来ない。
「これから魔法少女なんかになったこと、いや、生まれてきたことを後悔するような目に遭わしてやろう」
瞬時にゼフィルスの手に魔法弾が形成される。
リリノのものより遥かに強力な一撃。
それを無造作にゼフィルスはリリノへと放った。
「きゃやあああぁぁぁああぁぁぁあああぁぁっっ!!」
視界を覆い尽くす瘴気の波動を目にしたのを最後に、リリノの意識は途絶えた。
「ぁ……うぁ……」
石造りの部屋に微かな呻きが漏れる。
部屋の中央にリリノは×の字に拘束されていた。
宙に浮いた彼女の足元にとぐろを巻いた触手の塊から伸びた赤黒い触手が手足を締め付けていた。
魔法少女の白いコスチュームは所々破れ、赤く傷ついた肌が覗いていた。
「ぃぁ……う、ぁ……んっ……?」
俯いていた顔が持ち上がり、薄っすらと瞳が開く。
ようやく意識を取り戻したリリノ。彼女はまだ覚めきらない頭で周囲を見渡す。
(ここ……は……?)
ランプの明かりが石壁を照らす薄暗い部屋。
床や壁には赤黒い染みが石を汚している。そしてがっしりとした机がいくつも並び
その上には沸騰する毒々しい色の液体が入った壷や、見たことのない実験器具が並んでいた。
ふと硬い木で出来た扉がゆっくりと開き、ローブに身を包んだ男が入ってきた。
「目が覚めたようだな」
「お、お前は……!」
その姿を目にしてようやくリリノは全てを思い出す。
魔法少女リリノは目の前の男、魔術師に敗れ囚われの身になったのだ。
「さて、お目覚めのところ悪いが自分がどういう状況が理解しているかね?」
「……どこぞの魔術師を名乗るクズに囚われてしまっているようですね」
リリノは自分がすらすらと口に出したことのないそんな汚い言葉を吐けた事に内心驚いた。
しかし目の前の男に負けない強い意志、何にも屈さない心がそれを望んだのだ。
「いい、やはりそういきがってないと楽しめないからな」
魔術師は楽しげに笑って、彼女の側に歩み寄る。
「では、これからじっくりとお前を嬲り、魔力を奪い取ってやろう。我が名は魔術師ゼロルス
お前の真の名はなんだ? 魔法少女リリノとやら」
「教えるわけないじゃないっ!」
この恐るべき敵に自分の正体、高校生「新崎梨理乃」である事を知れたら家族や友人たちも危険に晒してしまう事は
間違いない。
あまりにも邪悪な敵にリリノはたった一人で立ち向かおうとする。
(まだ……死んだわけじゃない。きっと必ずチャンスは来る。それにお姉ちゃんが必ず助けに来てくれる)
ゼロルスに間近から見つめられ、梨理乃としての心は今にも恐怖で泣き出してしまいそうであったが魔法少女としての使命感が
魔術師の責めに耐え抜く事を誓う。
それに彼女の最愛の姉、2つ年上の玲奈が助けに来る事を信じていた。
彼女も魔法少女である。それも梨理乃が憧れるほど強い魔力を持っていた。
だが、小娘でしかない彼女はすぐに知ることとなる。
この世には死よりも辛い地獄があることを
593 :
魔法少女サクラ:2011/10/08(土) 14:15:06.01 ID:MGKbORGR
巨大な怪物はその周りに突き立てられた五柱の光る柱によって動きを押さえ付けられていた。
巨体を捩じらせる度に光る柱から電撃が奔ってその肌を焼く。
魔物の動きを止めたサクラは、ロッドを振り上げ裂帛の声を叫ぶ。
「レイナスウォリーグッ!」
その名は必殺の魔法。
ロッドが振り下ろされるのと同時に、凄まじい魔力が込められた雷撃が天から魔物に降り落ちる。
激しい電流に魔物は身体の奥深くまで焼き尽くされ、断末魔の叫びを上げながら
やがて消し炭となって掻き消えた。
辺りに残ったのは燃えカスの臭いだけであった。
魔物と戦う魔法少女サクラは、敵を討ち滅ぼせた事でゆっくりと息を落ち着かせる。
「もう大丈夫ですよ」
振り向いて優しく呼びかけた彼女の声に応じて、木の陰から一人の少年が姿を現す。
16歳のサクラよりはだいぶ幼く10歳ぐらいにに見える少年、背丈も頭一つほど小柄だった。
魔物と対峙していた時の凛とした表情とは打って変わった柔らかな笑顔を彼に向けるサクラ。
今宵、魔物に追われていた少年の危機をサクラが救ったのだ。
「君もこんな夜遅くに出かけちゃいけませんよ。さぁ、お姉さんが家まで送ってあげますから」
「お、お姉さん! 実は大変な事が――」
桃色のロングへアに整った顔立ちのサクラに見つめられて、思わず心を高ぶらせてしまう少年であったが
急に思い出したことを口にする。
塾からの帰り道を小高い山の中の公園を抜ける近道をとって進んでいた少年は、その山の中で先ほどの怪物
が女性を責め嬲っていたのを目にしてしまったのである。
そして魔物に気付かれてしまい追われていたところをサクラに窮地を救われた。
「その女の人はどんな人でしたか?」
彼の話を聞いたサクラは真剣な顔で尋ね返す。
「僕より2,3才上ぐらいの人で、金髪の髪の色だったよ。……あの怪物に酷い事をされてとても苦しそうだった」
少年の話を聞いたサクラは顔を翳らせる。
彼女はこの街で消息を絶った魔法少女リイナの捜索のために派遣されてきたのだ。
年恰好からは捕らわれの少女はリイナかもしれない。
「その人をわたしは助け出したいんです。……君の事は絶対守りますからわたしをその人のいるところまで
案内してくれませんか?」
恐ろしい目に会ったばかりの少年を、更なる危険が待ち受けるかもしれないところに連れて行くのはサクラに
とってとても心苦しい事だった。
「うん、わかった」
だが少年はそんなサクラの逡巡を意に介さずに笑顔で応じた。
そして彼女たちは暗い闇に閉ざさされた山へと踏み込んでいく。
少年に案内されてサクラは山の中の少し開けて草地になった所の側に到着した。
そして木の陰からそっと覗くと、草地の中の公園の設備である東屋の柱に×の字に少女が縛り付けられていた。
金髪に小生意気そうな顔立ち、それは魔法少女リイナのものだった。
見つけ出せた事でホッとするもののリイナの無惨な姿に口に手をやって驚きを露わにするサクラ。
リボンで結ばれていたはずの金髪はぼさぼさに乱れ、白濁液がこびり付いている。
何も身に着けていない身体も白濁液で汚れ、小刻みに震えていた。
何よりも酷いのはその股間からとめどなく白濁液が流れ続けている事だ。白濁液─魔物の精液がどれだけ彼女の中に
注ぎ込まれてしまったのであろう。
ツリ目がちな瞳は虚ろな光を帯び、口元が微かに動いているが遠くからはその声を聞き取ることは出来なかった。
魔法少女を破り捕らえた魔物は、その精神に宿した魔力を奪い取るために凄まじい凌辱を浴びせる。
リイナの今の姿こそ、それを一目で理解できる哀れなものであった。
594 :
魔法少女サクラ:2011/10/08(土) 14:15:41.89 ID:MGKbORGR
「君はここにいて。絶対に動かないで下さい」
周囲に魔物の姿は無い。しかし、先ほどの魔物程度にリイナが敗れたのは思えずサクラは慎重に行動しようとする。
少年を隠れさせたまま、ロッドを構えたサクラは開けた草地に足を踏み出した。
周りに目を向け、魔物の襲撃に備えながらサクラはゆっくりとリイナに近づいていく。
傍らまでよるとリイナは触手で東屋に拘束されているのが見て取れた。
しかしその触手は拘束以外の役目の無い弱いものであった。サクラが近づいても何の反応も見せない。
遠くでは聞き取れなかったリイナの声がようやくサクラの耳に届いた時、彼女は悲しげに顔を歪めた。
「……た……ぅ……けて…………サ、ク……ぁ、……ぉ、ねえ……さ……ま……」
繰り返しサクラに救いを求め続けるリイナ、その瞳は虚ろな視線を彷徨わせるだけですぐ側のサクラを捉える事は無い。
サクラを慕い続け、サクラ自身も妹のように思っていたリイナの無惨な姿に彼女の心は張り裂けんばかりの悲しみに満たされる。
「レイグ!」
ロッドから放った火炎弾で触手を焼き払うと、拘束が解けて倒れこんだリイナを優しく抱き止める。
「リイナさん! しっかりして!」
あまりにも軽いリイナの身体、その肌のべっとりとした精液の感触とあまりにも冷え切った体温がサクラに伝わる。
彼女に少しでも温もりを与えようとその身体をギュッと抱き締めるサクラ。
「遅くなってごめんなさいっ。……辛かったよね」
サクラは潤いを失った髪を撫でてリイナに呼びかける。その瞳からは自然に涙が溢れ出して頬を伝い落ちていく。
するとリイナの瞳が僅かに光を取り戻してサクラの顔を見上げた。
「ぁ…サクラ……おねぇ……さま」
「リイナさんっ!」
見つめあう二人。
するとリイナは消え入りそうな声でサクラへ語り始めた。
「リイナは……負けて、いっぱい……いっぱい……犯され、まぃたぁ……」
熱にうなされた様な声を上げるリイナにサクラは戸惑う。
だがリイナはそのまま語る事をやめない。
「サクラお姉さまに、何度も……何度、も……助けてって、いぃまひたぁ。でも、サクラお姉さまは……
……助けて……くれませんでした」
「り、リイナさん……?」
気だるげな笑み、どこかおかしい表情でリイナは呟き続ける
「リイナは……泣き叫んで……ご主人様に許しを乞いました。……でも、ご主人さまはぁ……許してくれなくて
……とうとう、リイナは壊されちゃひまひたぁぁぁぁ」
「えっ!?」
口を大きく「あ」の形に開いたリイナ。
次の瞬間、その身体がどろりと溶け出した。
そして目も鼻も姿を無くし、輪郭すら定かでなくなった粘液がサクラの身体を覆っていく。
「きゃぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁっっっ!!!???」
歴戦の魔法少女と言えども何が起こったかまったく分からなかった。リイナだった粘液はサクラの身体を粘つかせ、地面との間に
ねっちりと密着して動けなくする。
ロッドを落とさないことしかサクラは抗えずに、その魔法少女としてのコスチュームが緑色の粘液に覆われていく。
混乱を続けるサクラの瞳に、こちらに歩み寄る少年の姿が見て取れた。
思いもしない窮地に陥った彼女は少年を制止しすぐに逃げるように声を上げようとした。
だが少年の背後に現れたもうひとつの人影に、サクラは驚愕する。
「り、リイナさんっ!?」
それは紛れも無いリイナの姿だった。
何も身に着けていない裸体だが、しっかりと立って少年に続いてサクラの元に近づいてくる。
動揺し続けるサクラに少年が語りかけた。
「サクラお姉ちゃん。今お姉ちゃんに抱き付いているのは紛い物、こっちが本当のリイナお姉ちゃんだよ」
そう言って後ろに立つリイナを指差す少年。
「でも紛い物が言っていたことは本当だよ。リイナお姉ちゃん、僕に魔力を全部奪い取られて最後はその精神も
完全に壊れちゃったんだ、その魔力を元に作ったのがさっきの紛い物だよ。そしてこのリイナお姉ちゃんは僕に
服従するように精神を作り直した存在さ」
「くっ! 貴方は何ですかっ!?」
無垢な仮面を捨てて黒い笑顔を浮かべる少年にサクラは問う。
邪な存在だとは全く気付かなかった己の迂闊さを悔やみ、そしてそれを隠し通していた実力にサクラは
心の中で僅かに恐れを抱いた。
595 :
魔法少女サクラ:
「僕は“魔女喰い”。お姉さんたち魔法少女の天敵さ」
「魔女……喰い……?」
全く聞いたことの無い言葉に戸惑うサクラ。
「魔物を使役して、お姉さんたち魔法少女を犯し喰らう存在さ。魔法少女の泣き叫ぶ声は僕の本能に語りかけて
とっても楽しくなるんだ。サクラお姉さんはどこまで楽しませてくれるかな?」
無邪気そうな笑顔を浮かべる魔女喰いの姿に、少年の姿であるがそれが全く相容れない敵であることを思い知った
サクラは凛とした視線で睨みつける。
「どんなことをされてもわたしは屈しません。必ず、貴方を倒してリイナさんを救ってみせます」
その返答に少し驚いた後で、とても楽しそうな笑みを浮かべた魔女喰いは傍らのリイナに語りかける。
「だってさ、リイナお姉ちゃん。楽しみだね」
「ええ、ツンと澄ましたサクラお姉様がどんな声でご主人様に許しを乞うのか、今から楽しみです」
リイナが声を上げたことにハッと一瞬喜んだものの、口にする言葉からその精神が完全に魔女喰いに
服従してしまっている事を悟りサクラは心の中で彼女を救う意志を固くした。
「さてサクラお姉ちゃん、リイナお姉ちゃんが凌辱で吐き出した魔力で作り出されたその魔物の責めにどこまで
耐えてくれるかな」
スライム状の魔物から染み出す粘液には凄まじい催淫効果があった。コップ一杯ほどで25mプールに入った女性
全てに発狂するほどの快楽をもたらす激しいものである。
サクラが纏う魔法少女のコスチュームにはあらゆる魔物の牙に耐えるだけの強靭さがあったが、それでも粘液は
少しずつその衣を蝕み、サクラの肌に染み透っていく。
サクラのコスチュームは白色を基調としたシンプルなものであった。肌を覆う手袋とニーソックス、そしてレオタード状の
衣が首筋から股先まで覆っている。その純白の絹布の上を鮮やかな金色の糸が麗しい模様を象り、左胸の部分には桜の
花びらを象った刺繍が施されていた。
しかし今はその清純と高貴な印象を放つ衣は、毒々しい緑色の魔物に覆われてしまっていた。
衣を染みとおった粘液でジュクリと濡れてしまった布の気持ち悪さにサクラは眉をしかめる。
着心地のよかったコスチュームが次第に侵されていく感触、サクラは逃れようとするも足先のブーツから地面までを覆った
粘液は粘ついた固さを持っており、なかなか動かす事が出来ない。
ロッドを握る右腕もスライムに覆われほとんど動かせずに、ロッドを振るう事すら出来なかった。
そうこうしているうちに、粘液の淫らな毒はサクラの白い肌からその中へと染み透っていく。
「……ぃっ!」
思わず喘ぎを漏らしそうになり、唇を強く噛み締める。
子宮の奥底から湧き上がる熱い疼き。
それは彼女の身体が粘液に侵され始めたことを意味していた。
快楽の疼きは下腹部だけでなく、サクラの理知的な頭にも渦巻き始める。
瞳は自然に潤んでしまい、口唇の間からは熱い吐息が漏れてしまう。
快楽の炎は魔法少女の魔力を蕩けさせ、吸い出しやすくさせることになる。
サクラは必死に耐えようとするがその抵抗は無力なものになろうとしていた。
「ねぇ、サクラお姉ちゃんはオナニーとかよくするの?」
「うぅっ……あ、ぅっ、し、しません、そんなことっ!」
「へぇ、そうなんだ」
性的なことには潔癖で疎いサクラは自慰の経験はほとんどなかった。
すると魔女喰いは猫撫で声で続ける。
「リイナお姉ちゃんはかなりオナニーが好きだったみたいだよ。それも愛するサクラお姉ちゃんを思ってしていたんだって。
……リイナお姉ちゃん、サクラお姉ちゃんに教えてあげなよ、その気持ち良さを」
「はい、ご主人様」
隷属したリイナは魔女喰いの指示に従って、サクラに歩み寄るとその背後からぴったりと身体をくっつける。
スライムを押し退け、背中越しに感じるリイナの薄い胸。
サクラはその肌の触れ合いの感触に疼きをますます昂ぶらせてしまう。
「ぃぁっ、り、リイナさんっ!?」
「だいぶじゅくじゅくしていますね。これ、みんなサクラお姉さまの愛液ですよ」
スライムに覆われていないサクラの股に手をやるリイナ。
膣穴を探り、肌を擦るように指が動いていきぐちゅぐちゅと音が立てられる。
その指の動きでさらに愛液の分泌が増していく
(わたしの身体、お、おかしいぃっ)
抑えきれない快感に恐れを抱くサクラ。
その口元にリイナが愛液で濡れた指を伸ばした。