オリジナル魔法少女陵辱スレ18【和姦も】

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1名無しさん@ピンキー
オリジナルの魔法少女のエロを扱うスレです。
陵辱に限らず和姦でもOK
魔法少女が陵辱しても全然OK

【前スレ】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1301740053/

【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
--------------------------------------------------------------------------------

【保管庫】
http://kuma.usamimi.info/magi/  (更新停止中)
【代理保管庫】
http://magicalgirlss.x.fc2.com/  (諸事情により閉鎖)
【新保管庫】
http://w.livedoor.jp/original_magic_girls/


【過去スレ】
オリジナル魔法少女陵辱スレ16【和姦も】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1295103073/
オリジナル魔法少女陵辱スレ15【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1286184341/
オリジナル魔法少女陵辱スレ14【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280504505/
オリジナル魔法少女陵辱スレ13【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1274171469/
オリジナル魔法少女陵辱スレ12【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1269784803/
オリジナル魔法少女陵辱スレ11【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1264523242/
オリジナル魔法少女陵辱スレ10【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258913109/
オリジナル魔法少女陵辱スレ9【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1256649067/
オリジナル魔法少女陵辱スレ8【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254959024/
オリジナル魔法少女陵辱スレ7【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235747369/
オリジナル魔法少女陵辱スレ6【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225259428/
オリジナル魔法少女陵辱スレ5【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213170878/
オリジナル魔法少女陵辱スレ4【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208254990/
オリジナル魔法少女陵辱スレ3【和姦も】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204801095/
オリジナル魔法少女陵辱スレ2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187699066/
オリジナル魔法少女陵辱スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156666135/
2 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/06/05(日) 23:48:28.30 ID:QPKaQSS2
>>1
3名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 23:55:23.04 ID:gJoqhcJQ
小津!
4名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 08:31:16.02 ID:lxKFNx1k
即死回避保守
5名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 19:17:31.69 ID:kWpKbuu2
即死回避って10レスだっけ?
6名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 21:17:10.87 ID:i/EFmcH4
なんか前スレもレスが進まないし、このままじゃこっちも即死しちゃうね。
7名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:05:57.22 ID:kWpKbuu2
とりあえず10まではレスしてみよう。でも小ネタがいまいち思いつかん
8名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:09:53.63 ID:i/EFmcH4
んー雑談程度に、みんなの好みの年齢層ってのを聞いてみたいな。
10歳くらいのロリっ子魔法少女がいいとか、中学生くらいの年齢がいいとか
ちなみに自分は後者。
9名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:21:07.15 ID:czLTNEQN
個人的には一桁の…おや?だれかきたようだ…
10名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:25:11.88 ID:kWpKbuu2
10〜15あたりかね
特別ロリがいいってわけでもないけど、魔法少女だとやっぱりこの年代ってイメージが強い
20代で「もう無理、こんなひらひらきてられないよ!」とかもネタ的には面白いけど
11名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:41:19.63 ID:zAm0pzMZ
割とノリノリな小学生。中二病と醒めてる子に分かれる中学生。
そろそろアイデンティティー固まってる子も増えてきた高校生に、
既にベテラン入ってる大学生以上・・・。うん、どれも行けるな。
12名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 22:46:10.01 ID:tuQc/hdn
なのはCCさくらが好きなので小学生!
13名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 23:05:21.88 ID:OOHe9o3s
まあ小学生だな。
14名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 23:50:02.97 ID:CCjAzIpT
逆に高校生からそれ以上がメインの作品って、このスレ無いような…。
15名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 00:14:11.67 ID:McD5C4Pd
基本中学生くらいが多いね
16名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 05:08:51.23 ID:pTuITdlG
>>14
まあエロゲーとかと違って全員18歳以上とかいう縛りがないからな
17名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:15:03.60 ID:yCH+7JPk
ある魔法少女の災難、では高校生が多かった気がする(疑似魔法少女になると下がるけど
18名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:18:02.92 ID:JZfRM++8
>>14
ナツメが高校生ぐらいで、マルーシャとかは更に上だったような。
襲われてる一般人もお姉さんが多い・・・というか珍しくロリ分が不足気味。
19名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:27:45.00 ID:McD5C4Pd
前作は23才、今作は19才
マユで出てくるお姉さんsは、魔法使いと呼んだ方が的確かね。
何才ぐらいまでが基準だって話になるかもしれんが
20名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:50:01.84 ID:DyJMUjay
>>19
魔王様が19才でも魔法少女だから…
21名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 23:43:19.06 ID:gF4p7U9C
ナツメってあれ原作あるの?
22名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 23:56:14.28 ID:yCH+7JPk
ナイトメアドリームとかユキとかは高校生の主人公がいる……いや男だけど
23名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 00:36:36.02 ID:NB2AQRL5
魔法少女って言うなら個人的に14歳〜19歳までだね、変身ヒロインならもっと幅広くなるけど
あと犯されながら何かしらの目的に利用されるっていうのも好き、生体ユニットとか
24名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 00:45:14.20 ID:tEWffC/I
>生体ユニット
DGコア!!DGコア!!
他には魔物の生体パーツにされるのも乙
後者はただの俺得になるかもだが
25名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 18:00:33.94 ID:K0hx6MeD
ナツメの原作というか、世界背景はエロゲー
魔法天使で検索すればすぐひっかかる
26名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 22:04:25.30 ID:cbthZ6L0
エンジェルとか、デスパイアとか、横文字の固有名詞以外ほとんどオリジナルだけどな。
・・・ってかなんで完全オリジナルにせぇへんかったんだろう?
27名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 22:24:55.37 ID:QywOYmxS
オリジナル設定は自由度が高いし考えるのは楽しいけど、破綻したり読者に一から理解してもらう必要があったりする
世界観、設定を流用すれば大きな破綻はないだろうし、ある程度有名な設定なら簡単に入り込むことが出来る
まあ、限られたリソースを何に使うかだね、ストーリーやエロに注力したい人もいるだろうし
28名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 22:39:31.16 ID:q+6hiS/B
自分も「デスパイア」は愛用させてもらってるw いろいろ便利だアレ
29名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/09(木) 23:29:32.79 ID:S9iW9p7B
原作は色々新しかった。でもテキストが微妙な上、蛇足な設定がえちぃの幅狭めてたからね。
ぶっちゃけこっちの方が…ゲフン。
30名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 00:05:35.71 ID:X6jVv/lK
旧作どおりの流れなら、次回は愉快なアイツが出て来る筈。
ナツメの続きが楽しみ
31名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 13:22:02.21 ID:6uWEIOww
>>8
敵に妊娠させられる心配も無い年齢は流石にちょっと・・・
どっぷりねっちょり中出しされる醍醐味ってヤツが薄れる
32名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 17:26:40.89 ID:lQuyv0Mr
>>31
まだ初潮も迎えていない魔法幼女の卵巣や子宮に針触手を打ち込んで魔術的な力で強制排卵させて
「さぁーて○△ちゃん。ママになる準備が出来たところで極太触手の特濃精液をお腹一杯になるまでぶち込んでやろう」
「イヤだ、イヤァ! 触手のママになんかなりたくないよ! いやあああああ!!!」
とか素敵やん。
33名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 22:37:35.69 ID:uDFYYLpB
孕ませ属性はないしなー というか初潮前でも孕めるんじゃなかったけ。
薬物でも自然でもさ
34魔法銃士戦争13-A:2011/06/11(土) 23:51:01.62 ID:tFM34eab
※TS物っぽい描写があるかも知れません。苦手でしたらごめんなさい。


私こと日野朱美は水曜日の登校時の今、少しではあるが困っている。
何やらいかにも「私中国出身ネ」な人が、この間私達の前にも現れた
黒の魔法銃士についてやたら詳しく聞こうとしてくるのだ。
「居場所ドコ!?」と聞かれても、私もこの間知ったばかりだし、分かるはずがない事を
繰り返し説明し続けてるのだが、「本当は知っテ、るデショ!デショ!」の一点張りで
全く会話にならないのが現状である。
どうやら私にそっくりな魔法銃士が黒の魔法銃士が現れた場所の近辺に
よく出没する所を見て、共犯性を疑われたらしい。
またあいつのせいか・・・。
学校もあるから、とお願いしたら学校じゃ仕方ない、と
何やら私も通り過ぎた事のある近所の中華料理屋の手書き地図を渡して去っていった。
きっとここに来い、と言うメッセージを書いているんだろうが、中国語表記の為に読めない・・・。
行かずに、またストーキング紛いの事を毎回されても困るので
元凶となった張本人へ電話をかけ、授業終了後にその中華料理屋に付き合う事を了承させる。
今日もまた、学校生活だけで一日を終わらせてくれる気は更々無いようだ。
また暗雲立ち込めた様に陥った気分で、校門を潜った辺りで
私は、先程とは別の意味合いで驚くべき事態に遭遇する。
「波多野先輩!」
つい、大声になってしまった懐かしい後ろ姿への呼び止めに、相手の女性は
品を感じさせる様にゆっくりと長い黒髪をなびかせ振り返ると、柔らかな笑顔を向けてくる。
波多野美希先輩、私が入学してから暫く、図書室に入り浸っていた時に
出来た図書仲間、と言うのが適切だろうか?
重度の喘息持ちで去年の秋から入院生活に入っていたのだが、また通える程に回復した様だ。
「日野さん、お久しぶり。」
私の呼び掛けに応えて側に歩いてくる先輩。
「また昼休みに図書室で逢えますか?」
「勿論、今日は半ドンで無理だけど、来週からまた図書室で逢いましょう」
「やった!」
私は先輩が入院している間も図書室に通いつめていたが
やはり一人だと何処か寂しさを感じていたから、嬉しかった。
今日は何やら学校の行事の為、午前中の授業だけで終わってしまう事が
いつもならラッキーかと思うが、今回ばかりは非常に残念だった。
来週からの潤いある図書室ライフを夢想してたら
朝のHR10分前を告げるチャイムが校舎中に鳴り響く。
私と先輩は他愛ない軽口を叩きつつ、昇降口で別れ自分のクラスに向かう。
しかし何故か、違和感みたいないつもの先輩らしからぬ雰囲気を感じたのは何でだろう?
単に遅咲きの高校デビューみたいな物かと、その時は深くは考えなかった。

学校の授業も終わり、私が待ち合わせの駅前に向かおうとした所
呼び出す事の元凶となった戸沢順一と、私の後輩に当たる高水寺慶子さんが
既に二人にして待ち合わせ場所に集っていた。
順一はともかく、高水寺さんは呼んではいなかった筈だが
恐らく順一が魔法銃士仲間と言うことで、高水寺さんを呼んだのだろう。
あの中国人とは本来なら私一人が呼ばれたのだから
いきなり三人で押し掛けて、警戒されたらどうする気だ。
と、私が詰問し、順一は縮こまって詫び、高水寺さんがフォロー
そんな端から見れば明らかに珍妙な集団は営業中の中華料理屋に入った。
35魔法銃士戦争13-B:2011/06/11(土) 23:53:33.47 ID:tFM34eab
「イラッシャイマセー!」
片言ながらもハキハキした感じの声で入店歓迎の挨拶をする、朝に出会った中国人。
「ウェンラン!ここは任せていいぞ」
「ワカッタ、たいしょー!ヨロシク!」
見るからに店主なおじさんが調理の準備をしながら、その中国人へ休憩の許可を出したので
その中国人は調理服と言うべきか分からないが、白の帽子とユニフォームを
素早く脱いで畳み、店の奥の部屋へ案内した。
お座敷の上に円卓のあるごく普通の個室。
私達が靴を脱いで、着席すると正に「必死」と形容するにぴったりな鬼気迫る表情で
「黒の、黒のアイツ!何処!?教え、テクレ!」
と捲し立ててくる中国人の女性。
ストレートロングな黒髪とつり目の彼女は正に典型的中国美人ではある。
ただ、必死さとやや半泣きになってるせいか、前に「残念な」が付く事だろう。
順一も高水寺さんも突然スイッチが入った中国人女性に面食らって硬直している。
私達の様子に気付いて、冷静さを取り戻したのか、軽く咳払いをしつつ本題に入る。
「私、ウェンラン。今、たいしょーノお店デお世話なって、です。」
と、何やら惜しい自己紹介された後にメモ帳に持参している筆ペンで
『文 朗』と何とも漢らしいとめはねの文体で名前を書く中国人、基、ウェンランさん。
「あ、私は日野朱美です。こっちは幼馴染みの戸沢順一と私の後輩な高水寺慶子さん」
私に続いて二人も適当に間の手のような挨拶をウェンランさんに返す。
「あの〜・・・黒・・・の魔法銃士・・・についてですよね?」
いつ、誰が話すでもない、何とも言えない空気に耐えられず、私が会話のネタ振りをした。
「!ソウ!私悔しい!アイツ二石奪ワレタ!私、ガ勝った、ノニィ!」
話を聞けば丁度私達が黒の魔法銃士を逃がした日に、ウェンランさんも交戦したらしい。
まあ察しはしていたが、ウェンランさんも魔法銃士ということだ。
マックとかのアルバイト募集じゃあるまいし
どれだけ近郊に魔法銃士の存在がいるんだろう。
「私、アイツ、見ツケタラ、攻撃、スル、アナタタチ邪・・・マシナイ、オケー?」
言葉を選びながらなのか、たどたどしく綴りながら私達に援護を要請してくるウェンランさん。
だが、順一と高水寺さんが渋い顔でウェンランさんに問い詰めた。
「仮に俺達が黒の魔法銃士と戦ってても譲らなければならないのか・・・?」
「ソウ」
「あの・・・そういうのは漁夫の利、と言うんじゃ・・・」
「違ウ、呉越同舟」
まず戦わない事になるであろう私は蚊帳の外状態で、この話は長くなるんだろうな、と
苦い顔で暇を持て余しながら、三人の主張を他所に溜め息をついた。


深夜のマンション屋上にて、正に交尾と言うべき後背位の態勢で
黄色がかった赤色、俗にアプリコットカラーの髪とコスチュームの魔法銃士と
牛型ドレイナーズが交わっていた。
アプリコットの魔法銃士はまだ諦めてはおらず何とか側に落ちている槍を拾おうと
震える手を伸ばすも、グチュンッと卑猥な水音を奏でるドレイナーズの一突きに
伸ばしていた手は暫く硬直し、やがて力無く地に落ちた。
もう30分もこの調子だ。自分が何かと行動しようと動けば
単調な、だが確実に自分を黙らせる威力の一突きで萎えさせるのだ。
そしてまた陰部の入口を、ゆるゆると突く作業に戻るの繰り返し。
これではまた萎えた身体を動かす為に数分要する。
36魔法銃士戦争13-C:2011/06/11(土) 23:54:48.88 ID:tFM34eab
幸い、このドレイナーズは直ぐに自分を屈服させるつもりの無い責め方の用だ。
優位な位地での油断だろうが、その隙を突いてやると
次に動ける様になった時のシミュレーションをし始める魔法銃士。
だが、その余裕もドレイナーズが、先程とはうってかわって
やや激し目な膣奥へのピストンで激変する。
まさか今になって、通常の早さで突き始めた事と
それを受けた自分の身体の反応が、予想外の出来事だった。
「はっ・・・!ぁっ・・・!?」
水面に出て酸素を求める金魚の如く、涙を滲ませた目を見開き、ぱくぱくと口を動かす。
そんな魔法銃士にお構い無く、現実の牛をも超える巨体を魔法銃士にのし掛からせ
性器を魔法銃士の膣内にますます奥深く侵入させていく。
そのじわじわと入ってくる感覚は、今までに自分が感じた事はなかった、実に甘美な物である。
いつしか自分の意識してか無意識か、当の本人も分からないであろう
初々しくも、艶かしい腰使いをし始める。
「ああ!ああぁ!ぁああ!」
イヤイヤをする様に、首を弱々しく振りながら、喘ぎはそれに比例して強く発する魔法銃士。
「ヒクヒクさせてるぅ・・・?もうイクのね?イっちゃうのね・・・?」
いつしか態度が恋人を気遣うそれになっている事に、アプリコットの魔法銃士は気付いていない。
そして本物の牛と似ても似つかない鳴き声を響かせ、大量の精液を魔法銃士の膣に射す。
「ひゃあああああああ!!?」
ドレイナーズの絶頂する仕草と射精に感極まったのか、魔法銃士もまた身体をしならせ、絶頂する。
前のめりの格好で、口からだらしなく涎を漏らし、恍惚とした表情の魔法銃士は
何を思ったのか、変身を解き、一人の10代前半の女の子の姿に戻る。
魔法銃士の姿とは見違えって幼さの残る姿だが、淫蕩に染まる表情は大人びて見せる。
「いいよ・・・運を吸ってメチャメチャにしても・・・」
熱く見つめながら、気を失う姿を確認したドレイナーズは再びのし掛かろうてするも
何かが自分を貫くのを感じ、胸元を見ると青く輝く光状の矢が数本刺さっている事に気付く。
矢の飛んできた方向を見ると一際強く輝く青い矢印が自分に向かって飛んでくる所だった。
牛型ドレイナーズを倒し、石を回収する青の魔法銃士。
ふと、石に寄生されていた宿主の男にいつの間にやら
手を絡ませているアプリコットの魔法銃士に気付く。が、それ以上は気になる事は無かったのかもう少しだ、もう少しなんだ、と
ぶつぶつ言いながら人の力を遥かに超えたジャンプで夜の街を飛翔していった。
37名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 00:00:03.50 ID:4qjBxilN
>>34-36
お久しぶり兼乙
何故か懐かしのウ○ナリでのビビアンを思い出す片言具合だ
38名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:38:53.87 ID:4ERO2QBd
アツクナラナイデマケルワ
39名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:42:57.11 ID:rRL8JKAt
作者の人GJ
青の人に魔女化ならぬドレイナーズ化フラグを見た気がした。
>>38
まったく逆過ぎてワロタw
40名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 07:24:39.80 ID:JXI2FiDu
矢印になる必殺攻撃がなんかカッコ良くて好きだ
41名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 16:21:48.88 ID:/oLTQgrw
遅れながら、投下乙
その内クラスメートや後輩から、自分の知らない所で変な武勇伝が量産されたりして
朱美涙目になったりして。
42名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 16:41:21.46 ID:/OtMLjkj
覚醒→敗北→死亡エンド→次の日から強くてニューゲーム→覚醒
そんなシステムの魔法少女をバイオベースにして管理に気を使う魔物と覚醒させて毎日夕飯にする魔物の派閥闘争
43名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 23:49:20.33 ID:meb55UBN
>>34
投下GJ!
ドレイナーズもいわゆる爬虫類系みたいなのばかりかと思ったら
象やら牛やらいろんなバリエーションあるんだな
44名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 20:34:25.17 ID:KenzUlzV
その内海洋類とかも出たりして。
むしろまだ出てきてないっぽいのが不思議な位。
45名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 21:37:28.69 ID:t1He0gg0
クジラなドレイナーズとかに丸呑みされて媚薬の海な胃の中はそれまでに飲み込まれた連中の淫獄と化していて、
魔法銃士墓場の様相を呈していたりとかイメージした
46名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 23:31:32.75 ID:JaMLgwFn
敵モンスターたちの呼称で迷っとります。
造語にするか、神話とかから取るか、語感にちょっとしたお遊びを加えるか。
妖魔とか魔族とかじゃあ、芸が無いなー・・・とか考えてるんだけど、そんな事無いスかね?
特別格好良くなくても秀逸なネーミングって中々思い浮かばないものですね。
47名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 23:39:09.18 ID:tJ11YPZU
邪鬼とか師匠じゃダメ?
48名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 23:49:49.46 ID:JaMLgwFn
丸太無いから駄目。
49名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 23:52:02.11 ID:1kpPLp4N
何処ぞの脚本家の如く
○○と××みたいな候補を絞って
それを○×でいいんじゃねーの!?な造語チックのとか
50名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 08:28:24.84 ID:EuhLnoIt
>>50「うーん。>>47ちゃんさ、敵モンスターの呼称が邪鬼や師匠じゃ余りに平凡じゃない?」

>>47「はい?」

>>50「テンペスト…人の世にもたらされる災厄の嵐で、どう?」

>>49「ですね」
51名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 11:51:22.69 ID:r9Dn5B65
>>50
会話がノムリッシュじゃねーかwww
52名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 12:30:46.85 ID:YIrCVN0c
>>46
変に凝るより
分かりやすい方がいいよ
53名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 12:39:52.66 ID:r9qFWUjV
新保管庫とはなんだったのか
54名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 13:55:04.89 ID:6TKHWYhr
そんな話もあったねと
55名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 00:09:34.47 ID:T19cYejk
投下カモーン
56名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 04:10:59.02 ID:rmgpOSgv
荒らし対策より誰にでも保管できて、消されたり改変されたら誰にでも修復出来る構造が必要だった。
57名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 20:26:58.59 ID:55Q7Y5pB
投下したいのだが、いまいち出どころの判らん規制に巻き込まれてアウアウ
58名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 22:42:29.23 ID:5XP/wIa2
>>57
ありゃりゃ…ご愁傷様です。
早く解除されるの祈ります。
59名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 15:48:27.30 ID:dnl2ytnz
熱いニョロ…
こういう時は魔法少女のラブジュース吸って、元気をつけるのが一番ニョロ
60名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 22:32:45.95 ID:Xqy/464Q
誰かーっ!?>>59が氷山になってるからお湯持ってこい、今すぐにだ!
61名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 01:52:01.22 ID:ZDxrMob8
魔法少女の妨害を受けてお湯を持ってこれない!
誰か援護してくれ!
62名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 07:20:49.68 ID:9NhyaonL
>>60
承知した
つワイルドファイア
つファイヤーボール
つクリムゾンフレア
63名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 01:15:24.72 ID:LuLDus8Q
>>62
流石は魔法少女汚い
64名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 12:31:47.69 ID:wgIr1Nga
魔法少女は可愛いだけでは生きられない
魔法少女は汚くなければ生きている意味がない
65名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 12:35:23.83 ID:j9oUlJEA
触手の粘液や魔物の精液で体中を汚されるのですね
66名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 13:37:03.84 ID:LuLDus8Q
だが>>62は最強級の火呪文を連発する必死さが見えて
「やったか…?」→「なん…だと…!?」フラグ立ってる
67名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 12:48:57.24 ID:QFpmesk8
>>64
となりの家の魔法少女で綺麗なお姉さんと一線を超えようとしたら全身魔物の刻印だらけで、自分の色に染め直すため調教する純粋な即堕ちおねショタ物
68名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 11:50:59.47 ID:rVHCQg3Q
>>67
なんかそのまま日頃の苦労話と恨み辛みのくだ巻きを
一升瓶片手に一晩中聞かされ、その内泣きながら逆レイプされ
気がついたら朝チュンだったという電波が
69名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 17:33:35.79 ID:SG4ZKgA3
>>64
前スレの加藤ちゃんはカラッとしてたような…
70名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 15:50:14.36 ID:zJfc02uA
あいつは何かあっても何も変わらなさそうな軽さが魅力だからいいんじゃないかw
71魔法銃士戦争14-A:2011/06/30(木) 17:01:48.05 ID:PF6EYtbi
※TS物っぽい描写があるかも知れません。苦手でしたらごめんなさい。


―緊急の依頼です。
―至急、郊外にある山地の植物プラントに向かい、そこに存在するドレイナーズを殲滅してください。
―今回のドレイナーズは非常に稀有な種である為
―データも可能な限り集めてくれたなら
―それなりの報酬も出す事を約束しましょう。
―後、現地には少数ではありますが一般人も入っています。
―彼らの安全も確保して下さい。


行動に移る者は迅速だった。特に、抜きんでていたのは緑の魔法銃士と
シアンと呼ばれるやや淡い青の魔法銃士、そして高級灰色とも称される銀の魔法銃士だった。
しかし、銀の魔法銃士は相変わらず離れた建物に潜んでいるので
主に戦っているのは緑とシアンの二人である。
「孝・・・!父さん頑張るからな!」
何処から持って来たのか息子の写真を見つめ、納めると
遠く先にいるドレイナーズへ向けて、突進するシアンの魔法銃士。
その先にいるドレイナーズは地中より生えている何本かの幹と言うには細いが、茎にしては太い
そんな代物がそれぞれ自分の意思なのか独立した動きをしていた。
いくら寸断しても再生したり、別の「それ」が地中より出てくる。
果たしてこれが本体かどうか分からない為、安易に大技を出す訳にもいかず
シアンだけでなく、緑の魔法銃士も、このドレイナーズらしき敵を攻めあぐねていた。
緑の魔法銃士は割れた温室の窓を飛び出し空中高くジャンプする
『MODE BOW』
そしてその体制から身体を捻るという、無理な体制から
手に弓状の武器を構え、地上へ狙いをつけていた。
そして放った先はあの幹とも茎ともつかない、触手状の物が一度使ったが
魔法銃士に切られた為に、放置されてる通り穴だった。
『CHARGE TO BREAK』
一際強く緑に輝く光の矢をその穴目掛け放つ。
その矢は緑の巨大な矢印に変わり、その穴を穿ちながら地中を進んでいった。
すると、地中深くで、正にプラント全体を震わせる様な音が響き始める。
その凄まじさは、その場にいる魔法銃士達の腹部に響く程であった。
「地中で倒したら、石も一緒に土の中か?無駄な肉体労働なんざごめんだぞ」
緑の魔法銃士はそうぼやくと、仕留めたかの確認の為に自分が矢を射った穴へ近付いていく。
と、突如土を割って現れる身の丈5mはあろうかとされる
よく食虫植物として解説に描かれてる様な謎の物体が現れた。
長い胴に自立出来る様にか、昆虫の様な節脚を備え
その胴の上には蓋のような物
その胴の周囲には太い触手らしき物を幾重にも備えている。
見た目としては突然変異を起こした、巨大ウツボカズラと言った所だろうか。
「ちっ!大技は効かなかったか」
緑の魔法銃士がウツボカズラ型ドレイナーズの健在ぶりに舌打ちする。
「じゃあ俺が!」
『CHARGE TO BREAK』
シアンの魔法銃士が今度は斬撃による大技で片を着けようと
シアン色に輝く刀身の剣を八双に構え、攻撃体勢に入るシアンの魔法銃士。
そしてドレイナーズの正面にシアンの大きな矢印状となって突っ込み
シアンの矢印がドレイナーズと衝突した。
貫通しようとする矢印とそれに抗うドレイナーズ、軍配はドレイナーズ側に下る。
72魔法銃士戦争14-B:2011/06/30(木) 17:04:11.76 ID:PF6EYtbi
暫く耐えていたドレイナーズがシアンの矢印を咆哮上げ、弾き返したのだ。
予想外の事に、矢印から魔法銃士姿に戻ったシアンの魔法銃士は
尻餅をつきながら驚愕する他なかった。
しかし、その間髪を入れずに銀に光る矢印が、ウツボカズラ型ドレイナーズの側面に突き刺さる。
銀の魔法銃士は正面がダメならと、離れた建物の屋上より大技攻撃を行ったのだが
やはりこれも暫く耐えてる様にするが弾き返す。
「ありゃー・・・完全に不意を突いたと思ったんすけどねぇ」
そう銀の魔法銃士がぼやいてる間にウツボカズラ型ドレイナーズは
突如狂った様に地面を高速で掘り進め、あの巨体を短時間でこの場から離脱させた。
緑の魔法銃士が苛立ちをまるで隠そうともしない見た目が女子にしてはどうか、な凄まじい形相で
近くのフェンスを思い切り殴って吹き飛ばした後、ドレイナーズを捜す為に歩き去っていった。
銀の魔法銃士も離れの建物の屋上からは姿を消している。
「今回も父さん、無事だぞー孝ー」
シアンの魔法銃士は緊張の糸が切れたのか、尻餅から仰向けにその場に寝転がり
青々とした空を眺めるのだった。


私こと日野朱美は、只今ピンチである。
本日、父が変に気を回して、気分転換の為に郊外の山に連れられてきたわけだが
着いて暫くしての避難勧告を出され、その後に植物の怪物に襲われた。
父とは他の観光客との押し合いに負けてはぐれてしまい、何処に逃げるべきか分からない状況だ。
状況としては非常にまずい。
あの植物の怪物も倒された感じの情報は入っていない事から、危機は去っていない。
先程、順一と高水寺さんに連絡したが何分郊外の為に、私がどうにかなっちゃう前に、果たして間に合うかどうか・・・。
とにかく動かなければ始まらない為に、林から出ようとしたのがまずかった。
まるで待ち伏せしていたかの様に何か鞭の様にしならせた枝、というには太い物に
逃げようとして間に合わなかった片足を取られてしまったのだ。
そして、正に西部劇のチンピラよろしくうつ伏せ状態で引き摺られていく私。
抗おうとするも片足が取られてるのと引き摺られているスピードで
うまいように体勢を立て直すことも、反撃する事も出来ない。
そして、たまに地面より突き出てる剣の如く
鋭利な角な大石にぶつけられもした為に、打ち傷、擦り傷だらけになってしまった。
酷い、乙女の柔肌を何だと思ってるんだ。
私は擬似魔法銃士に変身するためのブレスレットに手を伸ばすが
手が簡単に届きそうで、なかなか届かない。
そうこうしてる内にまた鋭利な角の大石が見えてきた。
実は、先程の直撃で息が止まった位の衝撃を経験している自分としては
もう一度食らうなんざごめん被りたかった。
「こ・・・の・・・っ!」
変身してしまえばこんな状況を打開出来るというのに、それが出来ない
大石が迫ってくるに連れて私は半泣きで狂ったようにもがく
と、私の足に絡み付いた物が突如、切断されて自由になった私は
スピードの惰性でゴロゴロと地面を転がる。
「無事ですか!?」
藍色の魔法銃士、高水寺さんだ。
「すぐ仕留めます!」
『MODE BLADE』
剣を取り出し、蔦とも枝とも知れない物に躍りかかる高水寺さん。
別の数本のそれが行く手を遮るが、高水寺さんはそれを次々に斬り倒して行く。
そして残りの一本も上からの突き刺しで沈黙させた。
73魔法銃士戦争14-C:2011/06/30(木) 17:08:01.21 ID:PF6EYtbi
「酷い怪我です、手当てを」
倒して早速、私の元へ駆けつけてくる高水寺さん。
「だ、大丈夫大丈夫。背中が凄く痛むだけだから・・・」
「ダメですよ、運動系の部活動をしてるなら大事にしないと」
と、嫌な予感と言えばいいのだろうか?
ザラついた様な感覚を歩いてくる高水寺さんの後ろに感じた。
「あの、高水寺さん?」
「はい?」
「いやね、うし・・・!?」
後ろに注意を喚起させようとした言葉は途切れてしまった。
高水寺さんの四肢に、先程の蔦とも枝とも知れない物が絡み付いてきたのだ。
「きゃ・・・っ!?」
そしてそれが高水寺さんをずずいと拐っていく先に別の場所に出来ている穴が見える。
「行かせないわよ・・・痛ぅ!?」
私はそれを阻止せんと走り出そうとするが、思わず硬直してしまう激痛に、無様に地面に倒れ込む私。
「逃げて!」
そう引きずり込まれる事を覚悟したのかそう叫び懇願する高水寺さん。
「待ってて!順一も連れて助けに行くから!」
「朱美さ・・・!」
私の言葉に尚も何か言おうとしたのだろうが
それよりも早く高水寺さんは、穴に引きずり込まれてしまった。
訪れる不気味な静けさ。
また私は一人に戻った。

「く、ううぅ・・・!」
引きずり込まれてから、ある程度痛めつけられて、抵抗する力を弱められてしまった藍の魔法銃士。
先程までの逆さ吊りでの鞭状の触手の連続殴打が一番効いていた。
防御したくてもX字の如く拘束されていては、取りたくても取れないのだ。
そしてそれのまずい拘束のされ方は暴力以外にも発揮される。
「んぁっ!?」
コスチュームを掻き分けて、陰部に何かしらの管が入りこんでくる。
そして何かを注入し始めてきたのを藍の魔法銃士は感じていた。
「ぃや!嫌あ!注がないで!私の膣内に!」
手足が動けない為に、全身で動こうとする姿は
蜘蛛の巣にかかった蝶の様である。
散々に藍の魔法銃士に何かを注入した管が抜かれ
抜かれた陰部からは入りきれなかった液体が溢れ始める
すると今度は産毛の様な物がついた触手が魔法銃士の身体を撫で始めた。
「っ!ぁ!」
どうやら謎の液体は神経を過敏にさせる効果があったらしく
撫でられる度に自分の意識してない所で身体が反応していた。
特に陰部辺りを刺激されるのが魔法銃士にとって、もどかしさと切なさでどうにかなりそうだった。
するとその産毛の付いた触手が陰部へ直接、唐突に侵入してきた。
「!?」
そして、まるで膣内を掃除するブラシの如く上下運動を繰り返す。
その奇襲の様な責めに、藍の魔法銃士は白い喉を大きく反らして絶頂した。
「かはっ・・・!はっ・・・!」
そのホワイトアウトに似た快感とますます過敏になった為に他の触手からの刺激もあって
まるで病人の痙攣の如く大きく身体を振動させる。
藍の魔法銃士にとっての地獄の様な責めはまだ始まったばかりなのだ。
74名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 18:08:05.48 ID:pg8N3Jq3
作者さん、投下乙
ドレイナーズ「俺達のエロ責めはこれからだぁ!」


彼らは責める
魔法銃士がいる限り・・・!
朱美「終わらせんなぁ!」

みたいなのを最後の一文で想像してしまったwww
75名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 22:52:09.87 ID:kvyOkZNy
GJ!
一人で倒すのが無理っぽい感じだし、次回はダブル・トリプルでの技をかますのかな?
76名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 00:24:53.80 ID:aXgaJIgY
しかしダブル・トリプルで犯される
77名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 02:23:24.64 ID:Wt+ifLh+
>>71-73
投下GJ。緑の凄まじい形相って、きっとアニメの「見せられないよ!」な表情なんだろうな
「あ゛ぁん!?」みたいな……
78名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/02(土) 09:36:52.19 ID:j9rQ4X1r
今回は前回との間が早めでしたな。
何にしても作者さん乙
79マユの人:2011/07/02(土) 21:15:49.39 ID:Jw89aPVX
こんばんわ、明日13話の投下を行ないます。
80名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 22:11:23.51 ID:3DD76BLc
期待。
ナツメの人にも期待。
81粉砕天使の人:2011/07/03(日) 12:56:07.35 ID:gKrjCsGt
バッチオーライ。規制解除されたら行けます。
流石に携帯からは無理だ。分量的な意味で。
82名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 13:14:18.54 ID:cm09tMYd
>>81
焦らず頑張って
83マユの人:2011/07/03(日) 15:02:08.92 ID:gmMEiNz2
こんにちわ、今から13話の投下を行ないます。
今回は快楽系のシーンがメインで、途中苦痛系のシーンが幾つか有ります。
2〜3番のレスあたりで若干グロいシーンと、最後の辺りに出産シーンがありますので、苦手な方はご注意ください。


>>81
早く規制が解除されると良いですね。投下楽しみに待ってます。
84魔法少女マユ 人物紹介:2011/07/03(日) 15:03:32.84 ID:gmMEiNz2
『秋月真由(あきづき まゆ)』
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。
『ユーリィ』
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートを行う。
長いストレートの青髪にフリルのついた白やピンクのドレスを着ている。
『アゼル』
エルメリアから、マユ達の支援に来た魔法戦士。傍目から見ると少年の様に見えるが、性別は女性で年齢はマユと同じ14歳。
燃える様な赤い髪を肩の辺りまで伸ばし、項の辺りで纏めている。瞳の色も同じ。普段は、目だない様に瞳も髪も黒に変化させている。
変身時は、黒のレザー製の上下に、胸部や肩の部分だけの軽装の鎧を纏う。
『ニーナ』
アゼルの姉で、彼女と恋人のランディと共にマユ達の支援に来た来た魔法使い。年齢は19歳。
髪は腰まで届くストレートの黒髪、瞳の色は青。エルメリアでは『円卓』の一人コーネリアの近衛を務めていた。
白のロングスカートの上に、同じ白を基調にして所々に黒でアクセントが加えられたジャケットを纏っている。
『ランディ』
ニーナの恋人で、彼女やアゼルと共にマユ達の支援に来た魔法学者。年齢は24歳。
亜麻色の髪を肩の辺りまで伸ばしている。瞳の色は青でいつも眼鏡をかけている。
親の方針で軍の学校に進んでいたが、生来の争いを好まない性格からか、卒業後は学者への道を歩んでいる。
『エスティル』
かつて魔王を倒した英雄の末裔で構成される、エルメリアの最高意思決定機関『円卓』の一員、『青の舞踏姫』の二つ名を持つ15歳の少女。
瞳と髪の色は水色、スカートは髪と同じ色のミニスカートを履き、上着は所々にフリルが着いているドレスの様な、蒼を基調とした服を纏う。
エルメリア北部方面の戦線を担当していたが、ヴェンディス平原でリグヴェードに敗北し、ザルカヴェイドで囚われの身となっている。
『リーファ』
エスティルと同じく『円卓』の一員、『輝竜の巫女』の二つ名を持つ、年齢は15歳。
腰まで届く銀髪を、赤いリボンで纏めている、瞳の色は青。純白の生地に金の刺繍が入った法衣を着ている。
エルメリア創生の神レイシェンに仕える巫女で、レイシェンの御使いと呼ばれる光竜マイクスを召還する力を持つ。
『コーネリア』
19歳 エスティル同様『円卓』の一人。『紅蓮の将』の二つ名を持つ。ニーナの上司であり、地球に派遣された魔法使い達の統括を担当している。
背中半ば程の燃えるような赤い髪を、うなじの辺りから三つ編みにしている、瞳の色は髪と同じ。
白いローブの上に、軽装の鎧を纏っている。
『ルイン』
リーファの守護を務める騎士、年齢は24歳。レイシェンを奉ずる教会の守護する神聖騎士団でも屈指の実力を有する。
金色の髪は短めで、瞳の色は赤。白銀の鎧を見に纏っている。
『ルミア』
エルメリアに存在する妖精族を束ねる族長の一人娘、病気に倒れた母親の代理として、人間に協力している。
白いドレスを身に付け、長い銀髪をポニーテールにしている。瞳の色は緑。
エスティルとその妹のエリシアとは、幼い頃からの親友…ヴェンディスでの敗北の際に、エスティルの手によって逃がされる。
85魔法少女マユ 人物紹介:2011/07/03(日) 15:04:46.35 ID:gmMEiNz2
『園部幸恵(そのべ ゆきえ)』
年齢は15歳 マユと同じく、地球側の人間で協力する魔法少女。
背中の半ば程の黒髪を三つ編みにしている。
魔法を指導し、自分に色々アドバイスをしてくれるランディに、密かに思いを寄せている。
『秋月夫妻』
マユの両親、父、宗一郎(そういちろう)は製薬業を中心とした巨大複合企業の部長を務める。
母、美由紀(みゆき)は専業主婦。二人は社内恋愛をして結婚。マユいわく、万年新婚夫婦との事。
美由紀は社長に気に入られ秘書室に所属していた。




『ヴァルアス』
魔族の王 100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は製薬業を中心とした巨大複合企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。
『レドリック』
魔王ヴァルアス腹心の最高位魔族、彼の側近を務め、表でも社長秘書室長を務める青年。
瞳の色は紫、焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしていて、グレーのスーツをいつも着ている。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。
『セディア』
魔族の人間狩りの指揮官。 組織内での序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されていた。
度重なる失敗により失脚、王の制裁を受け、資料整理の身に堕ちるも、再起をかけてマユと再戦するが敗北。
黒い髪をセミロングにしていて、露出の際どい黒の服を好んで着ている。
『ラディウス』
セディアの弟 魔族の造魔開発においての中核メンバーで、王の信任厚い人物。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好。
師リレイアの元で技術を学び、その知識を武器に組織内で高い地位を得ている。
『リレイア』
魔族技術部総括で、ラディウスの師。組織内でも最古参の部類に入る最高幹部。
白衣を常に纏っている。長い金髪は、手入れがあまりされておらず伸ばし放題といった状態。
いつでも寝れる様にと、アイマスクを額にひっかけている。
『ゲリオス』
魔族エルメリア攻略軍を統括する将軍、中央軍集団主将。
三つ首の手足の生えた黒い蛇の姿で、白を基調とした黒や金で彩られた法衣を着ている。
先王の代から王に仕える、組織の最古参の幹部で、他の幹部達の纏め役を務める。
『ルフィリア』
エルメリアの魔族勢力圏を統治する総督、及び中央軍集団副将。
長い金髪と宝石の様に青く澄んだ瞳が印象的な少女、白を基調とした法衣を着ている。
年の頃は15歳くらいだが、幼い顔立ちをしている。温厚な性格だが、怒らせると内に秘めた膨大な魔力で破壊の限りを尽くす。
リグヴェードとは恋仲で、彼の我儘に振り回されがちであるが、それについては彼女は不満などは覚えていない。
『リグヴェード』
魔族エルメリア攻略軍南方軍集団を率いる将軍。
癖の強い白髪を、肩の辺りまで伸ばしている、瞳の色は金。黒を基調とした軍服を着崩して着ている。
自らを戦争屋と称する戦上手。真の姿は雷撃を操る白狼。
『アーディッツ』
魔族エルメリア攻略軍北方軍集団を率いる将軍。
黒髪黒眼で銀縁眼鏡をかけていて、黒を基調とした軍服を纏う。
非常に冷酷で残忍な性格で、戦場で捕えた少女などを嬲り、その苦しむ様を楽しんでいる。
86魔法少女マユ 第13話 1/25:2011/07/03(日) 15:09:06.96 ID:gmMEiNz2
――エルメリア中央部、アディリア市近郊の平原――
そこは今地獄絵図と化していた。
大地は抉られ、至る所に炎が燃え盛っている。
そして、あちこちに人間の兵が倒れていた…
ある者は鎧に身を包んだ騎士、ある者はコスチュームを纏った魔法使いの少女。
皆身に纏う物はボロボロで、殆どの者は立つ事すら出来ず力なく地面に倒れ伏していた。

 「フフフ…アハハハ!アハハハハハハッ!!」

炎に包まれた平原の中心に立つ長い金髪の少女、魔族ルフィリアは狂った様に哄笑を上げている。
およそ魔族には不釣合いな純白の法衣は、倒した敵の返り血に染まっていた。
笑い続ける彼女の瞳は鮮血の様な紅で、彼女の狂気に染まる表情を彩っている。

 『グルアアアァァァァッ!!』
 『ギュィィ!ギュイイイィィッ!!』
 
ルフィリアの両翼に立つ体長3m程の二匹の魔物…
銀色の双頭竜ラグルザと、黒い甲殻に覆われ大きな鋏を持つ甲虫デュグロ。
彼女の使い魔である彼らも、主の勝利を称える様に咆哮を上げている。

 「くっ…うぅぅ…そ、そんな…」

ルフィリアの正面に位置する場所で片膝をつく少女が、信じられないといった表情で苦しげに声を漏らす。
年の頃は16歳ほどか…彼女の纏う服も他の者と同じくボロボロだ。
白を基調として一部に黒のアクセントが入った、ジャケットとロングスカートはあちこち破れたり焦げていた。
サイドポニーにしていた金色の髪は土や煤で汚れていて、髪を束ねていたリボンは千切れ、髪は肩や背中に広がっている。
支えにしている長い金色の杖も、あちこちが欠け先端の宝玉にはひび割れが生じていた。
青く澄んだ瞳を細め、辛そうな表情を浮かべ肩で息をしている。

 「うくぅっ!あぁぁっ!!」

リミュエルの足元に紅い魔方陣が描かれ、そこから無数の光が伸びる。
光の鎖は彼女の体に絡みつき、彼女の細い体をギリギリと締め上げていく。
苦痛に顔を歪め、彼女は苦しげに身を捩る。

 「無様ね、リミュエル…『裂光の射手』の名が泣くわよ」

勝ち誇った笑みを浮かべているルフィリアは、縛られたリミュエルへと嘲りの言葉を浴びせた。
リミュエルは人間側の中央戦線を指揮する『円卓』の一人で、『裂光の射手』の二つ名で呼ばれている。
彼女は同じく『円卓』の一員であるエスティルが、魔族に捕えられたとの報を首都より受けるが、彼女は召還命令を無視して独自に部隊を動かした。
そして占領地を統括する総督として、アディリア市の視察へと僅かな護衛と共に向っていたルフィリアを襲撃する。
目的は彼女の捕縛…彼女と交換でエスティルを魔族達から取り戻すのが、リミュエルの目論見だった。
ガナン駐留軍から、自分の直属と精鋭の兵を集めた彼女の部隊の前に、ルフィリアの護衛部隊は次々と打ち倒される。

護衛部隊を倒したリミュエル達は、ルフィリア当人へと総攻撃を仕掛けた。
ルフィリアから魔力の供給を受け、大型化した使い魔二匹をまず彼女から引き離し、分断することに成功する。
直衛を失ったルフィリアへと波状攻撃を仕掛け、彼女を追い詰めていく。
そして彼女の防御を打ち崩し、リミュエルが彼女の腹部へと魔力の刃を突き立て、致命的なダメージを彼女に与える。
87魔法少女マユ 第13話 2/25:2011/07/03(日) 15:10:03.39 ID:gmMEiNz2
ルフィリアを倒したかと思われた直後、状況は一変する。
元は青い彼女の瞳が血の様に紅くなった瞬間、彼女は自ら制限をかけていた魔力を開放した。
ルフィリアは魔族には非常に珍しい争い事を好まない気性の持ち主で、魔族本来の凶暴性や魔力の大半を、自らの意思で押さえ込んでいたのだ。
それが感情の爆発によって開放される。
魔力の開放によって、リミュエルの加えた一撃もすぐさま治癒し始めた。
まるで人格が変わった様に殺意を剥き出しにしたルフィリアは、圧倒的な魔力でリミュエル達へと反撃を開始する。

リミュエルの側近達によって追い詰められていた二匹の使い魔…
ラグルザとデュグロも彼女の魔力を更に浴びて凶暴化し、側近達を打ち倒す。
暴風の様なルフィリアの魔術の連打に、次々と兵達は倒れていく。
リミュエルも必死に抵抗を続けたが、ルフィリアの魔力に競り負け大きなダメージを負った。

 「リ、リミュエル様…!くぅぅっ…ガ、ガナンから集めてきた精鋭が…たった3体の敵に敗れるなんて…!」
 
ピンク色の髪を肩に触れるぐらいまで伸ばした少女、リミュエルの側近であるアーシスが、震えながら声を漏らす。
彼女はデュグロを仲間達と共に追い詰めていたが、凶暴化した彼の反撃を受け、地面に倒れ伏している。

 「お馬鹿さんね…私達の前にこんな程度の数なんて無意味よ!貴方達ザルカヴェイド攻略に、何度失敗したと思ってるの?
  やっぱりこっちの人間って、馬鹿ばっかり!アハハハハハッ!!」

倒れ伏すアーシスの近くへと、高らかに笑い歩いてきたルフィリア。
彼女は右手で何かを掴み引き摺っている。
それは無数の傷を負った少女だ…ルフィリアは少女の首を掴み体を引き摺っていた。
軽装の鎧に身を包み、短い緑髪に紅いバンダナを巻いた少女…彼女の姿を見て、アーシスは大きく目を見開く。

 「シ、シオンっ!!」

少女の名を叫び、アーシスは起き上がろうと体を動かす。
ルフィリアの掴んでいる少女…シオンは幼年学校時代からの付き合いで、共にリミュエルを守る近衛を務める大切な友人だ。
シオンを助けなければ…彼女は必死に起き上がろうとするが、彼女の意思に反して体は殆ど動かない。
彼女の腹部には大きな噛み付かれた傷が存在し、そこから夥しい血が流れ出ている。
体を引き摺ってきた跡にも、大量の血が広がっている…出血量からして、到底助かるとは思えない量だ。
既に事切れているのか、シオンはピクリとも動かない。

 「ラグルザ、デュグロ」

主の呼びかけに、待機していた二匹の使い魔はそれぞれ鳴き声を上げて応える。
無様に地面でもがくアーシスを見下していたルフィリアは、ニィと口の端を吊り上げた。

 「これもう死んじゃってるから、遊んでいいよ」

その一言と共に、妖艶な笑みを刻む彼女の右手が勢いよく振るわれる。
その細い腕からは想像できないような力で、掴まれていたシオンの体が宙高く放り上げられた。
呆然とそれを見上げるリミュエルとアーシスの目に、宙を舞うシオンの体が映る。
ゆっくりと落下してくる彼女に向けて、それまでじっとしていた二匹の使い魔が動く。
シオンの体が地面に落ちた瞬間、ラグルザとデュグロが同時に飛び掛った。
彼女の腹部に、デュグロの足の先端の爪が突き刺さる。
首筋にはラグルザが喰らいつき、首を食い千切らんばかりに引っ張った。
88魔法少女マユ 第13話 3/25:2011/07/03(日) 15:10:58.55 ID:gmMEiNz2
「い、いやぁぁぁぁっ!シオンっ!シオンっ!!」

シオンの体がボロ雑巾のように引き裂かれ貫かれていく様…それを呆然と見ていたアーシスが、悲痛な叫びを上げる。
ラグルザの右手がシオンの僅かな胸の膨らみに、深々と爪を食い込ませている。
デュグロの足の一本が膣に突き立てられ、足を押し込まれると彼女の腹部が突き破られん程に膨れ上がった。
それが面白いらしく、デュグロは何度も足を押し込んだり抜いたりしている。
使い魔達が腕を振るう度に血が飛び散り、シオンの華奢な体が壊されていく。

 「あ、あぁぁ…シ、シオン…」

紅い光の鎖に縛られたリミュエルも、呆然とその光景を前に声を漏らす。
思わず目を背けたくなる様な凄惨な光景…だが当の二匹にとっては、ただの遊びでしかない。
そう…主から貰った玩具を、思う存分壊していい愉快な遊びなのだ。
デュグロは膣から足を引き抜くと、大きな鋏でシオンの両足を掴む。
ラグルザは二本の首それぞれで、彼女の両腕に喰らいついている。
そのままの体勢で、二匹はそれぞれの方向にシオンの体を引っ張る。
まるで綱引きの様に競い合い、二匹は彼女の四肢を引き裂かんばかりに引っ張っていた。

 「や、やめろおおぉぉぉぉっ!!!」

絶叫を上げるアーシスが自分の周囲に光の矢を生み出し、シオンの体を引き裂かんとしている二匹に向けて放つ。
放たれた光の矢が次々と二匹の体へと突き刺さり、眩い光を放って炸裂した。
その攻撃に二匹がシオンの手足を放し、彼女の体は地面に投げ出される。
爆風が晴れてくると、二体の姿が見えてきた。

 「な…そ、そんな…」

二匹の姿を見たアーシスは呆然と声を漏らす。
爆発を至近距離で受けたにも関わらず、二匹は体表が少し焦げた程度の傷で、先程と変わらぬ場所に立っている。
瞬時に動員できる魔力全てをつぎ込んだ彼女の攻撃は、二体の使い魔には殆ど効いていなかった。

 『グルルルルルゥ…』
 『ギュイィ、ギュギュゥ』

二匹の使い魔は、愉しみを邪魔されたのが気分を害したらしく、低く唸り声を漏らしたり鳴き声を発している。
地面に転がったシオンの亡骸は、ズタズタに引き裂かれ無残な有様だ。
鎧は砕け布切れと化した衣服は血に染まっている…首には大きな噛み傷があり、あらぬ方向に曲がっている。
手放してしまったシオンの位置を見て、どちらが勝ったんだ?とでもいう様に、二匹は顔を見合わせた。

 「はいはい、両方とも手放しちゃったから引き分けよ…それより、もっと楽しい事をしましょ」

それぞれ自分が勝ったと主張し二匹は睨み合っていたが、パンパンと手を叩き近づいてきた主の方を向く。
二匹へと引き分けの告げると、ルフィリアはアーシスの目の前まで戻ってきた。
アーシスを見下ろす彼女の真紅の瞳には、嗜虐の色に染まっている…
89魔法少女マユ 第13話 4/25:2011/07/03(日) 15:11:39.69 ID:gmMEiNz2
 「アーシス!逃げてっ!早く!!」

ルフィリアの瞳から只ならぬ気配を察知したリミュエルが、倒れ伏すアーシスへと叫ぶ。
だが彼女は身動き一つせず、リミュエルの言葉に反応する素振りすらしない。
自分を見下ろす真紅の瞳…その妖しげな輝きを前に、彼女は射竦められていた。

 「もう、煩いわね…デュグロ、あの子の相手をしてあげなさい」

必死に拘束を振りほどこうともがき、叫び続けるリミュエル。
そんな彼女へ鬱陶しそうに、ルフィリアは視線を向ける。
そして左側に控える甲虫デュグロへと命令を放つ。
先程まで不機嫌な様子は何処へやら、主の命令にデュグロはギチギチと音を発して喜びを表現する。

 「ラグルザ、貴方はそっちの子よ」

嬉々としてリミュエルへと向っていく相方に、羨望の眼差しを向けていた双頭竜。
自分には何も無いの?とでもいう様に、自分を見てくる彼の頭を一撫でして、ルフィリアはクスリと笑いを漏らす。
アーシスを見下ろしながら告げてやると、ラグルザも嬉しそうに喉を鳴らした。
自分達の邪魔をした生意気な小娘を痛めつけてやろうと、ラグルザは後ろ足で立ち上がり近づいていく。

 「うああぁぁっ!!」

アーシスの目の前まで近づいてきたラグルザ。
双頭竜の手が彼女へと伸ばされ、頭を鷲掴みにする。
凄まじい握力が込められ、アーシスは大きく目を見開き苦悶の叫びを上げた。
頭を掴んだ手が上に動かされ、彼女は宙吊りの状態にされる。

 「あ…あぐぅ…あぎっ!」

ミシミシと掴まれたアーシスの頭部が、悲鳴を上げる様に軋む。
彼女は掴む腕を振りほどこうと両手を伸ばすが、非力な彼女の力ではラグルザの手はビクともしない。
地に着かない足をバタつかせて、ラグルザの腹部を蹴りつける。
痛みなどまったく無いのだが、その抵抗が気に障ったらしい。
ラグルザはもがくアーシスを睨みつけると、空いている方の手で握り拳を作る。
 
 「がっ!?ごふっ…」

アーシスの腹部に拳が突き刺さった。
彼女の細い体がくの字に曲がり、肺の空気を吐き出す。

 「ごほっ!がはっ!!あぐぅっ!!」

続け様にラグルザは彼女の腹部に拳を叩き込む。
体を折り曲げ、苦痛に顔を歪め苦悶の声を漏らすアーシス。
彼女の反応が愉しいらしく、笑う様に鳴き声を上げながら、ラグルザは彼女を嬲り続けた。
90魔法少女マユ 第13話 5/25:2011/07/03(日) 15:12:28.81 ID:gmMEiNz2
 「あ、あぁぁ…」

リミュエルはゆっくりと近づいてくるデュグロを前に、身を縮こまらせている。
デュグロの体を覆う甲殻の一部が開き、そこから無数の半透明な触手が伸ばされた。
触手を揺らめかせ、ギチギチと顎を鳴らしてデュグロは近づく。
まるで笑っているかの様に発されているその音は、リミュエルの心を恐怖に染めていく。
  
 「い、嫌…こ、来ないで…!」

瞳に大粒の涙を浮かべ、リミュエルは声を漏らす。
逃れ様と必死に体を動かすが、体に絡みつく紅い光の鎖はビクともしない。
先程から何度も魔法で打ち消そうとしているが、それも上手くいかないのだ。

 「ひうぅっ!!」

じゅる、と音を立てて触手がリミュエルの肢体に絡みついた。
伸ばされた触手は、ねっとりとした液体に塗れている。
触手が絡み付いていくと、リミュエルを拘束していた光の鎖が消滅していく。
両手は手首を纏めて縛られ、頭上に吊り上げられる。
足首にも触手が絡みつき、そこからゆっくりとロングスカートの中へと這い上がっていく。

 「きゃあぁっ!嫌!嫌ぁっ!!」

手足に絡みつき、ジュルジュルと蠢く触手。
粘液がリミュエルの白い肌に塗りつけられていく。
手足に生じる不快感に、リミュエルはバタバタともがき叫ぶ。

 「い、いやぁ…き、気持ち悪い…!」

彼女の細い足に絡みついた触手は、太股の辺りまで到達していた。
恐怖に身を縮こまらせ、瞳に大粒の涙を浮かべる…
騎士達や側近に常に守られていたリミュエルは、いままで魔族に襲われるどころか、触れられた事さえ殆ど無い。
顔を引き攣らせ、イヤイヤと首を左右に振り続ける。
だがデュグロは止まらない…リミュエルの顔のすぐ側に、硬い甲殻に覆われた彼の顔が近づけられた。

 「ひっ…」

小さく悲鳴を漏らし、顔を背けるリミュエル。
そんな彼女の美しい顔を、真紅の複眼がジロジロと眺める。
首筋の辺りまで顔を近づけ、ギチギチと顎を鳴らされ、彼女の恐怖心は更に煽られた。
91魔法少女マユ 第13話 6/25:2011/07/03(日) 15:19:21.75 ID:gmMEiNz2
しばし首筋で顎を鳴らしていたデュグロが、彼女の首元から頭を放す。
今にも噛み付かんばかりに近づいていた甲虫が離れた事に、リミュエルは心中で安堵の吐息を漏らした。
自分から興味を失ったのかもしれない、と…
そんな彼女の考えが甘かった事は、その直後に証明される。

 「んあああぁぁぁっ!!」

ぶびゅるるるっ と嫌な音と共に、デュグロが白い液体をリミュエルに向けて放つ。
それを顔や胸元に浴びて、リミュエルは叫び声を上げる。
デュグロの口から放たれたそれは、白い泡の様な物だ。

 「な、なにこれ…」

気持ち悪い…リミュエルは心中で呻き体を震わせる。
顔を汚す泡からは鼻をつく異臭が放たれ、彼女に激しい不快感をもたらす。
だが泡がもたらしたものは、それだけでは無かった…

 「ひっ…ふ、服が…」

リミュエルは自分の胸元を見て、驚きの声を漏らす。
泡が浴びせかけられたコスチュームの胸元が、ジュワジュワと音を立てて溶け出していた。

 「や、いやぁっ!やめて!やめてぇぇっ!!」

更に浴びせかけられる泡に、リミュエルは悲鳴を上げて身を捩る。
だが手足を縛られた彼女に泡を回避する術など無い。
先程よりも量を増した白い泡が、リミュエルの服へと付着する。
それらはすぐに、リミュエルのコスチュームを溶かしていく。
新たな触手が彼女の胸元へと伸ばされる。
伸ばされた触手は胸元に触れると、ゆっくりとなぞる様に動く。

 「やだっ!いやぁっ!はなせぇっ!!」

胸元にベットリと付着した泡を、触手によってそこら中に塗り広げられる。
この化物は自分を裸にする気なのだ…
それに気付いたリミュエルは必死に叫び、体を精一杯揺すって逃れようとする。

 「そう嫌がらない。デュグロは優しいからあんまり痛い事はしないわよ…
  痛いのがご希望って事なら、貴方の部下に代わってもらったらいいけど」

必死にもがき続けていたリミュエルを嘲笑うルフィリア。
彼女が指を鳴らすと、デュグロが触手の動きを止めた。
触手で弄び続けていては、満足に会話も出来ないと考え彼女は行為を止めさせたのである。
触手の動きが止まった直後、リミュエルの耳に悲痛な叫び声が飛び込んできた。
92魔法少女マユ 第13話 7/25:2011/07/03(日) 15:20:03.45 ID:gmMEiNz2
 「ああああぁぁぁぁっ!!」

その叫び声の主はアーシスだ…リミュエルは驚いて彼女の居た方へと顔を向ける。

 「あ、あぎっ!ひぐうぅっ!!」

悲痛な声を発するアーシス…彼女の姿は無残な有様だった。
纏っていたコスチュームは引き裂かれ、腹部には散々殴られたと思われる痛々しい痕が残っている。
足元には彼女が吐き出したであろう、嘔吐物や血が撒き散らされていた。
彼女の口の端や胸元にも、汚物や血が付着している。
口の端から血を滴らせるアーシスの表情は、激しい苦痛によって歪められていた。

 「ひぎいいいいぃぃぃぃっ!!」

大きく目を見開いたアーシスは、体を弓なりに反らしながら絶叫を上げる。
彼女のミニスカートは引き裂かれ、下着も破り捨てられている。
露になった秘裂には、銀色の鱗に覆われたペニスが突き立てられていた。

 『グルウァァァッ!ギャウウウゥゥゥッ!!』
 「はぎゃあっ!!んぎいぃぃっ!や、やべ…やべでっ!!あぎゃっ!!」

アーシスの秘裂に突き刺さった太いペニス…突き立ててる双頭竜ラグルザは、荒々しい鳴き声を上げながら彼女の体を上下に動かす。
背後から胴体を掴まれ、まるでオナホールの様に彼女の体は上下に動かされている。
その体に見合った太いペニスは、アーシスの秘裂を大きく拡張し、彼女の凄まじい痛みをもたらしていた。
裂けんばかりに広がった秘裂の端から血が滴り落ちている…彼女が処女を失った証だ。
 
 「あ、ああぁぁ…」
 「ラグルザったら…相変わらずせっかちね」
 『ギュイ、ギチギチ』

リミュエルは呆然とした様子で声を漏らし、突き上げられているアーシスを見つめている。
彼女のすぐ側に立ったルフリィアは、薄ら笑いを浮かべデュグロと言葉を交わす。
眼前で繰り広げられる、目を背けたくなる様な陵辱の光景…
リミュエルの心は恐怖で押し潰されそうになっている。

 (わ、私も…ア、アーシスみたいに犯されるの…?)

彼女は恐怖に身を震わせながら心中で漏らす。
自分を拘束している甲虫がその気になれば、自分もアーシスの様に犯されてしまうのだろうか…
それを想像しただけで、彼女は激しい悪寒を感じ身を震わせる。
93魔法少女マユ 第13話 8/25:2011/07/03(日) 15:20:36.07 ID:gmMEiNz2
デュグロに浴びせかけられた泡によって、リミュエルのコスチュームは穴だらけにされている。
特に胸元はインナーも溶かされ、ピンクの下着に覆われた形の良い胸が曝け出されていた。
同年代の少女達よりかなり大きい双丘に、ゆっくりと触手が絡みつく。
 
 「ひっ!?い、いやぁっ!!」

ビクリと身を強張らせたリミュエル。
彼女はバタバタと体を動かしもがく…逃れれないと分かっていても、体を動かし続ける。

 「いやぁっ!いやぁぁぁっ!助けて!お願いぃぃっ!!」

犯されたくない…!
ボロボロと涙を零しながら彼女は、その一心でもがき叫び続けた。
今まで体験した事の無いような恐怖に、彼女の心は折れ『円卓』の一員たる誇りも砕かれている…
彼女は怯えた小さな子供の様に泣きじゃくり、助かりたい一心で叫び続けた。

 「そんなに泣かなくても大丈夫よ」

彼女に向けて放たれた一言、それでデュグロの動きがまた止まった。
デュグロは触手を器用に動かし、拘束した状態で彼女の体をクルリと180度動かし、ルフィリアの方へと向かせる。
泣きじゃくるリミュエルの右頬に手を添えて、ルフィリアがクスクスと笑いを漏らす。

 「言ったでしょ、デュグロは優しいからラグルザみたいに酷い事はしないわよ。ねぇ、デュグロ?」

ピタリと動きを止めたリミュエルに向けて語りかける彼女。
彼女の言葉を肯定する様に、リミュエルの背後に居るデュグロがギチギチと顎を鳴らす。
ルフィリア達の態度に、リミュエルは泣き叫ぶのを止め黙りこくる。
助かる…のだろうか、彼女は心に僅かながらに希望を抱く。
だがそんな彼女の希望は、ルフィリアの言葉で打ち砕かれる。

 「貴方にはデュグロが気持ちイイ事をたっぷりしてくれるわ…気持ちよすぎ意識がトンじゃうくらいにね」
 
邪悪な微笑を浮かべるルフィリアが指を鳴らした直後、ぞぶりと音を立ててリミュエルの首筋に何かが突き立てられた。
 
 「あ…?かはっ…」

身を仰け反らし、リミュエルが目を大きく見開く。
突き立てられたのは、デュグロの触手から伸びる針だ。
痙攣を起す彼女の体に、針を通してデュグロの毒が流れ込んでいく。
94魔法少女マユ 第13話 9/25:2011/07/03(日) 15:21:49.37 ID:gmMEiNz2
リミュエルの体に大量の毒を注入すると、デュグロは針を彼女の首筋から引き抜く。
体が痺れた様に動かない…手足が自分の物で無いと錯覚される様な状況。
だがそれとは対照的に、体の感覚は敏感になってきていた。
体に絡みつく触手が動く度に、こそばゆい様な感覚に襲われる。
先程までの不快感がウソの様に、粘液に濡れた触手の動きがとても心地よく感じてしまうのだ。

 「あひっ…んんっ…な、なにこれぇ…」

惚けた様に声を漏らすリミュエル。
その頬は紅潮し、吐息は艶を帯びたものに変化していた。
体が熱い…全身がむず痒い様な感覚に生じている。
耐え難い疼きに喘ぐ彼女の乳房の頂点…そこはツンとしこり起ち、下着の上からでも分かるほど己を主張していた。

 「い、いやぁ…たすけてぇ…か、体が熱いのぉ…」

リミュエルは僅かに動かせる体を震わせ声を漏らす。
そんな彼女の有様を見つめ、ルフィリアは口の端を吊り上げる。
デュグロの媚毒は、ルフィリアから供給された膨大な魔力で生成された強力な物だ。
ある目的の為にデュグロが生成したそれの効果は、並みの魔族の扱う媚薬や催淫魔法など、足元にも及ばない。
喘ぎ悶え痴態を晒し続けるリミュエルの有様を見れば、それは一目瞭然だ。

 「デュグロ、リミュエルが助けてだってさ。たっぷり可愛がってあげなさい」

妖艶な微笑と共に、ルフィリアは使い魔へと命令を放つ。
デュグロが嬉しそうに顎を鳴らし、リミュエルの体に絡みつかせていた触手を動かし始めた。

 「ふ、ふぁぁっ、ひぃんっ…は、はひゃぁぁぁ!」

クチュクチュと音を立てて触手が動き始める。
太股の辺りにまで絡み付いていた触手が蠢き、彼女の白く細い脚を擦り刺激を与えていく。
脚を覆い隠すロングスカートが鬱陶しくなったのか、デュグロが鋏を動かす。
白いロングスカートがあっさりと切り裂かれ、リミュエルの脚が曝け出された。
すらりとした美脚は、吹き出るような汗と触手の粘液に濡れている。

 「ん…んくぅ…!ひぁ…っ」

太股に絡みつく触手が侵攻を再開した。
小刻みに震える脚に巻きつきながら、上へと進んでいく。
目指すゴール…ピンクのショーツに覆われた股間はもうすぐだ。
95魔法少女マユ 第13話 10/25:2011/07/03(日) 15:22:31.26 ID:gmMEiNz2
下半身を触手が責め始めるのにあわせて、胸に絡み付いていた触手も攻勢を再開する。

 「ひぁっ…はぁんっ…や、やら…とらないでぇ…」

絡み付いていた触手が乱暴に、胸を覆っていた下着を剥ぎ取る。
覆いを取り払われた乳房は、プルンと震え曝け出された。
部下の少女達から羨まれていたリミュエルの双丘…ツンと立った先端を触手が弾く。

 「はにゃあぁ…」

片方の乳首を触手で弾かれただけで、リミュエルは情けない声を漏らしてしまう。
形の良い乳房に触手が再び絡み付いていく。
触手はとぐろを巻く様に胸へと絡みつくと、ゆっくりと円を描くように動き出す。

 「んんっ…ふぁぁ…んぁぁっ…」

胸に生じる快感に、リミュエルは頬を紅潮させて喘ぐ。
ゆっくりとした動作によってもたらされる心地よさに、彼女から抵抗の意思を奪っていく。

 「あ、あぁん…あひぃっ…」

絡み付いている触手によって、乳首がクリクリと圧迫された。
リミュエルの体に電流の様に快感が走り、彼女は頭を左右に振り悶えている。
腰の辺りまで伸びた綺麗な金髪が、ざぁと波打つように広がった。

 「あーらら、『円卓』の一員ともあろう者がこんなに淫らに喘いじゃって…とんだ淫乱さんね、リミュエル」
 「ち、ちが…ひぅっ!い、いんらんなんかじゃ…ひゃあぁぁっ!?」 

クスクスと笑いを漏らすルフィリア。
彼女から投げかけられた嘲りの言葉を、リミュエルは否定しようとするが…股間から生じた新たな快感に、彼女は大きな悲鳴を上げる。
脚に絡み付いていた触手が、股間へと到達したのだ。
目的地へと辿り着いた触手は、ショーツの上から股間をゆっくりとなぞり始める。

 「ひ、ひぅぅ…んんっ…ひっ…あうぅぅ…」

髪を振り乱し口の端から涎をだらしなく零し、リミュエルは淫らに悶え続けた。
そんな彼女を見ていると、ルフィリアの嗜虐心がくすぐられる。

 「デュグロ、私も手伝って上げるわ」

さっ、と片手で髪を跳ねさせ、ルフィリアは妖艶な笑みと共に使い魔に告げる。
ラグルザが痛めつけている小娘を、一緒になって痛めつけるのも愉しそうだが…今はリミュエルを淫らに喘がせたい…
胸に湧き上がる欲望を満たさんが為に、ルフィリアはリミュエルの側へと近づいていく。
96魔法少女マユ 第13話 11/25:2011/07/03(日) 15:23:57.65 ID:gmMEiNz2
ゆっくりとした足取りで、ルフィリアはリミュエルの側まで歩いてくる。

 「ひっ……ふぁ、んぅぅっ…!」

彼女の接近にリミュエルは体を強張らせる…だが触手に股間をなぞられると、すぐに情けない声を上げてしまう。
股間に到達した触手は、先程から執拗にそこを責め立てていた。

 「ひあああぁぁっ!や、やめ…!いやぁっ!!えううぅぅぅっ!!」

下着越しとはいえ、敏感な場所を断続的に責め立てられ、リミュエルは激しく喘いでいる。
デュグロの責めは徐々に激しさを増しつつあった。
触手に責め立てられる股間に、ルフィリアの右手が伸ばされる。

 「あひいいぃぃぃっ!?」

ルフィリアの白く細い指がショーツの中へと入り込む…ショーツの中はまるでお漏らしをしたかの様にびっしょりと濡れていた…
強力な媚毒によって快楽をもたらされたリミュエルは、秘裂から止め処なく愛液を零し続けていた。

 「フフフ…ビショ濡れね、リミュエル…」
 「ひぅっ…あ、あぁぁぁ…」

ガクガクと体を震わせている彼女の耳元に顔を近づけ、ルフィリアは囁くと共に吐息を耳へと吹きかける。
吐息を吹きかけられただけでも、リミュエルの体は激しく反応している…ビクリと身を震わせ、小さく声を漏らした。
彼女の反応に舌なめずりをし、ルフィリアは手を更に下へと動かす。
ルフィリアの指は、金色の茂みに隠された秘部へと近づく。
そこで彼女はお目当ての物を見つける…勃起し覆っていた皮を押しのけ自己を主張する肉豆だ。
それを見つけクスリと笑いを漏らしたルフィリア…彼女はいきなり大きく勃起したそれを摘んでやる。

 「あひゃあああああぁぁぁぁっ!!?」

リミュエルの体に凄まじい快楽の電流が駆け巡った。
彼女は大きく目を見開き、身を仰け反らして叫びを上げる。
ルフィリアは摘んでいたそれを放すと、今度はゆっくりと指先でなぞっていく。

 「あ、あぁぁっ…や、やらっ…らめ、らめぇ…!」
 「い、や、よ。何でこんな愉しい事止めなきゃいけないの」

快楽に翻弄され喘ぎながら漏らされるリミュエルの願いを、ルフィリアは妖艶な笑みと共に一蹴する。
彼女は股間を責め立てつつも、次はどうしようかとリミュエルの体に視線を巡らせていく。
大半の場所にはデュグロの触手が先客として陣取っている…彼には股間を譲ってもらったのだから、出来れば重なるのは避けたい所だ。
喘ぎを漏らすリミュエルの口に彼女の視線が止まった。
ここならデュグロも手を出していない…ルフィリアは新たな目標を見つけ、口の端を吊り上げる。
97魔法少女マユ 第13話 12/25:2011/07/03(日) 15:24:35.87 ID:gmMEiNz2
 「んぁ…」

リミュエルの後頭部に左手が触れ、彼女の顔はルフィリアの方へと近づけられる。
焦点の定まらない瞳を彷徨わせる彼女に、ルフィリアは妖艶に微笑む。
小さく声を漏らすリミュエルの唇に、ルフィリアのそれが重ねられた。

 「んんっ…!」

突然の行動にリミュエルはビクリと身を強張らせる。
だが顔を反らそうにも後頭部を押さえる手の力に、抗う事がまったく出来ない。
手足を縛られ度重なる責めに消耗した彼女に、逃れる術は無い…
慌てて彼女は口を閉じようとするが、ルフィリアの動きの方が早い。
ルフィリアの舌が彼女の口内へと侵入し、上顎を舌でなぞる。

 「んぁ…んちゅ…んくぅ…ら、らめぇ…」

舌が絡み合い、水音を響かせ淫らなダンスを繰り広げていく。
ルフィリアの口内から唾液が送り込まれ、リミュエルの唾液と交じり合う。
リミュエルの舌は侵入者によって弄ばれ、舌が蠢く度に生じる甘い愉悦は、彼女の脳を支配し抵抗する意思を萎えさせていく。

 「んっ…えぅぅ…む…んむぅ…」

いつしかリミュエルの舌は、ルフィリアのリードに従って自ら舌を動かし、口内でダンスを繰り広げていた。
その間も、股間の覆う下着の中へと突っ込まれたルフィリアの指も、絶え間なく動き続ける。
クチュリ、クチュリと淫靡な音を響かせ、指先がリミュエルの秘裂の端をゆっくりとなぞる様に這う。

 「んあぁぁ…」

ビクリと身動ぎし、リミュエルが声を漏らす。
彼女は激しい責めによりかなり消耗した様子だ…触手で吊り上げていなければ、すぐに地面に座り込んでいるだろう。

 「んん……ぷはっ!……はぁ、はぁ…」

長い間続けられていた口付けから、リミュエルはようやく開放される。
ねっとりとした唾液が糸を引きながら、ルフィリアの舌が口内から引き抜かれた。

 「フフフ…どう、気持ち良かったかしら?」

微笑むルフィリアの左手が、惚けた表情のリミュエルの頬に触れる。
さて、次はどうやって苛めようか…ルフィリアが思案を巡らせた時…

 『ギュイイィッ!ギュイイイイィィィッ!!』

それまで大人しくしていたデュグロが、耳障りな鳴き声を上げる。
彼は顎や鋏を激しく動かし、何やらかなり興奮した様子だ。
98魔法少女マユ 第13話 13/25:2011/07/03(日) 15:25:20.92 ID:gmMEiNz2
 「ああ、ゴメンねデュグロ。そうだよねぇ…こんなに美味しそうな匂いが漂ってる中、ずっとお預けはキツイよね」

デュグロの興奮する理由を察したルフィリアは、クスクスと笑いながら彼の体を撫ぜた。
彼の興奮する理由…それは、リミュエルの股間から漂う香りだ。

 「んあぁぁっ…」

リミュエルのクリトリスを擦り付けていた指を後退させ、ルフィリアは彼女のショーツから右手を引き抜く。
その際に勢いよく敏感な部分を擦った為、リミュエルがビクリと身を仰け反らした。

 「いいよ、デュグロ。私もそれなりに愉しめたし」

指先につく愛液を舐め取りながら、ルフィリアは譲る様に一歩後退する。
彼女の言葉に嬉しそうに顎を鳴らすデュグロ…触手や閉じていた羽まで動かして、喜びを表現していた。

 「うぇ…?な、なにぃ…?」

急に触手が蠢きだし、リミュエルは小さく声を漏らす。
拘束していた触手が動き、デュグロの方に背を向けていたリミュエルの体が、180度回転させられる。
そして触手が絡みつく脚が持ち上げられ、彼女はデュグロに向けてM字開脚の姿勢を取らされた。

 『ギギィッ!ギュィッ!!』

興奮した様子のデュグロは、触手を動かしてリミュエルのピンクのショーツをずらす。
びっしょりに濡れたショーツが取り払われた先には、彼のお目当ての物が存在する…
髪と同じ色の金色の茂みに覆われた秘裂…そしてそこから止め処なく流れ続ける愛液だ。
デュグロの口が開き、そこから透明な管の様になった触手が伸ばされる。

 「な…や、な、何をするの…?」

ゆっくりと自分の股間へと近づけられる触手を前に、リミュエルが怯えた様に声を漏らす。

 「デュグロが何で痛い事をあまりしないか…分かる?リミュエル」

それを眺めていたルフィリアが、愉しげに笑いながら彼女に尋ねる。
その間にも、伸ばされた触手は進み続け、間もなく秘裂へと到達しようとしていた。

 「デュグロの大好物はね…女の子のエッチなお汁なの。それを出させる為に、彼は苦痛ではなく快楽で相手を苛めるのよ」

邪悪な笑みと共に告げられたルフィリアの言葉…
それを合図とばかりに、リミュエルの膣口に触手が突き刺さった。
99魔法少女マユ 第13話 14/25:2011/07/03(日) 15:32:54.24 ID:gmMEiNz2
「ひああああああああぁぁぁぁぁっ!!?」

触手を突き立てられ、リミュエルが大きく目を見開き叫びを上げる。
彼女の体は弓なりに反り返り、激しく痙攣を起していた。
あまりにも強烈な快感に彼女は絶頂を迎え、膣内からは大量に分泌された愛液が流れ出てくる。
触手の隙間から漏れ出ていたり、既に周辺を濡らしているそれを舐め取る為に、後詰の触手が伸ばされていく。

 「あ、あぁぁぁ…」

ビクビクと痙攣を起すリミュエルの膣口から、紅い筋が流れ出ていく。
処女をこんな魔物に奪われた…朦朧とした意識の中でもそれを認識したリミュエルは、弱々しく声を漏らしながら涙を零す。
だが彼女には悲しみに震える間すらない…挿入された触手が膣内に溢れる愛液を吸いたて始めてた。

 ずちゅ、ずちゅちゅちゅううううぅぅぅっ!!

 「あひいいいぃぃっ!?ら、らめえぇっ!!」

挿入された触手の先端が膣内で展開し、まるで掃除機の先端の様な形に変化する。
そして凄まじい勢いで愛液の吸引を開始した。

 「ふあああああああぁぁぁぁぁっ!!いやああぁぁぁっ!!や、やらぁっ!やらあぁぁっ!!」

悲鳴を上げるリミュエルの膣内から伸びる管を、大量の愛液が吸い上げられ流れていく。
それに混じり、淡い輝きが幾つも吸引されていた。
それはリミュエルの魔力だ…デュグロは愛液を吸うと同時に、彼女の魔力も吸収している。
吸引行為は凄まじい快感を彼女の体にもたらす…魔力の喪失感すら塗り潰してしまう程の快感だ。
またリミュエルは絶頂に達し、分泌された愛液はまた吸引されていく。

 『ギュッギュイイィィッ!』
 「お前のエッチなお汁凄く美味しいだって、良かったわねリミュエル」

上機嫌そうに鳴き声を発するデュグロ。
ルフィリアが彼の喜びの言葉を通訳してやるが、今のリミュエルには届かない…。

 「はひゃああああああぁぁぁっ!!ひううううぅぅぅっ!!」

触手を挿入されてから、リミュエルは短期間で片手を超える回数の絶頂を迎えさせられた。
吸引、絶頂、吸引、絶頂と延々と連鎖が繰り返していく…デュグロは一切手を休めずに彼女の膣を吸いたて続けている。
それどころか彼女の絶頂を早めさせようと、更なる触手を彼女の体へと伸ばす。

 「んぎぃっ!!?」

ごりゅ、という音と共に、リミュエルのアナルへと太い触手がねじ込まれる。
入り口付近で止まったそれは、悲鳴を上げる彼女の体内へと大量の液体を放出した。

 「ひああああああああぁぁぁっ!!?」

鉄砲水の様に放たれた体液が、凄まじい勢いでリミュエルの消化器官を制圧していく。
100魔法少女マユ 第13話 15/25:2011/07/03(日) 15:33:36.96 ID:gmMEiNz2
「あぎゃああああぁぁっ!!!」

快楽責めを続けられるリミュエルとは対照的に、アーシスは暴虐の嵐に晒されていた。
ボロボロと涙を零しながら叫び続ける彼女の腹部は、ぽっこりと膨れ上がっている。

 『グルルゥゥッ!ガアアァァッ!!』

小柄な彼女の体を背後から抱え、ラグルザは彼女の体を上下に動かしていた。
一度子宮内に中出しされた彼女は、今度はもう一つの穴に剛直を突き立てられている。
菊門を抉じ開けて挿入されたペニス…あまりの太さに、穴は裂けんばかりに拡張されていた。
銀の鱗に覆われたペニスが動く度に、それは掘削機の様に壁を削り傷つけていく。

 「はぎいいぃっ!ひぐうぅぅっ!!」

血と精液に彩られたペニスが、何度も何度も前進と後退を繰り返している。
先程まで犯されていたもう一つの穴も、放置されている訳ではない。

 「ひぎいいいいぃぃぃっ!!」

アーシスが身を仰け反らして、大きな絶叫を上げた。
彼女の膣内に、ラグルザの肩の辺りから伸びた触手が挿入されている。
まず入り込んだ二本が、穴を押し広げようと蠢く。
そうして出来た隙間へと、競い合うように他の触手が入り込んでいた。

 「が、がああぁぁぁっ!も、もう゛ばいらな゛っ…ひぎゃあああああぁぁぁっ!!」

必死に声を漏らすアーシスを無視して、ラグルザは触手を力任せに押し込む。
ブチブチと裂ける音と共に、計10本もの触手が挿入された。
こちらにも表面に無数の突起が存在し、それが擦られる度に膣壁が傷つけられる。
 
 『グルァゥッ!!グオオォォッ!!』
 「ぐぼぉっ!?んぶうううぅぅぅっ!!」

ラグルザは咆哮を上げてアーシスを激しく犯す。
激しい苦痛に苦悶の声を上げる彼女の口にも、無数の触手が突き込まれる。
三穴同時に繰り広げられる暴虐…その凄まじさに彼女の命は削り取られていくように消耗していく。
101魔法少女マユ 第13話 16/25:2011/07/03(日) 15:34:25.63 ID:gmMEiNz2
 「ひあああぁぁっ!!も、もう…ら、らめ…い、イキたくな……あひゃあああああああぁぁぁっ!!!」

途切れ途切れに声を漏らしていたリミュエルが、また絶頂を迎えさせられる。
彼女のアナルには、無数の触手が入り込んでいた。
その先端は無数の繊毛が存在し、彼女の腸壁を掃除するかの様に擦り付けている。
触手の挿入の前に注ぎ込まれた液体は、最初に牙から体内に注入された媚毒を含んだものだ。
それの強力な催淫効果は、排泄が目的の穴を瞬く間に、敏感な性感帯へと変化させてしまう。
そこを徹底的に攻め続けられ、リミュエルはもう両手で数えれない程イカされてしまった…
そして流れ出てくる愛液と共に、大量の魔力を吸い取られる…彼女の体に残る魔力も後僅かだ。

 「ごぶっ…げっほ…」

アーシスも彼女同様、危険な状態だ…三穴に挿入された触手とペニスは彼女の体を激しく傷つけている。
血と共になけなしの魔力を吸い尽くされ、お返しとばかりに精液を注ぎ込まれていた。

 『ウオオオオオオォォォォォッ!!!』
 「げぼおおぉぉっ!!ぶげえええええぇぇぇぇっ!!!」

咆哮と共に、再びラグルザが射精を行なう。
三穴に次々と精液が放たれていく…さながら鉄砲水だ。
既に大量の先客を受け入れている状態の、彼女の体に注ぎ込まれる精液。
放たれた精液の殆どが、僅かな隙間を伝って逆流し穴から漏れ出ている。
それでも注ぎ込まれ続ける精液によって、アーシスの腹部は破裂寸前といったレベルまで膨れ上がっていた。


だがそれでも、二匹は二人を犯すのを止め様としない。
止めるべきで存在である二匹の主、ルフィリアも口の端を吊り上げずっと陵辱の光景を眺めているだけだ。
いや…彼女に止める気は無いのだ。むしろ殺すつもりで彼女は二匹に犯させている。
能無しの下等生物の分際で、自分を追い詰め本気にさせた事に、彼女は苛立ちと怒りを隠さない。
普段衝動を抑えている分、一度開放されるとルフィリアは非常に残忍かつ傲慢な性格へと変貌するのだ。

 「ラグルザ、デュグロ…ちゃっちゃっと終わらせてね。私ザルカヴェイドに戻って、早くお風呂に入りたいわ」

主の言葉に、二匹は心得たとばかりに鳴き声を上げた。
もう一度ラグルザが射精すれば、アーシスの腹部は破裂してしまいそうだ…いやその前に、魔力を吸い尽くされて死ぬのが早いだろうか。
リミュエルも同様の状況だ…残り僅かな魔力をデュグロに全て吸い尽くされ、彼女は息絶えることになるだろう。
その瞬間を想像し、湧き上がる体の高揚感に身を震わせるルフィリア…彼女の肩に、何者かの手が触れた。
陵辱の見物に夢中で気付かなかった彼女は、慌てて背後を振り向く。
102魔法少女マユ 第13話 17/25:2011/07/03(日) 15:35:02.29 ID:gmMEiNz2
 「リグ…」
 「その辺にしとけ…そいつら死ぬぞ」

背後に立つ黒い軍服を着崩した白髪の青年…自分の恋人の名を、ルフィリアは口にする。
思いもかけぬ人物の登場に一瞬戸惑うが、ルフィリアは不機嫌そうに眉を吊り上げ口を開く。
  
 「なんで止めなきゃいけないの?こんな生意気な下等生物たちなんか、殺しちゃっていいでしょ」
 「…ムカついてるのは分かるが、少し落ち着け」

ジロリと睨みつけ、こちらに向けて敵意に近いような感情を向けてくる彼女に苦笑し、リグヴェードは言葉をかける。
だが彼女は嫌悪の感情を露にするだけで、止める様な気配は無い…
こりゃ相当ご機嫌斜めだな…と、リグヴェードは心中で呟く。
彼女を説得し落ち着かせるには、自分だけでは少し時間がかかりそうだ。
そうしている間に、ラグルザとデュグロが二人を犯し殺すのが早いのは、火を見るより明らかである。
早々に見切りを付けた彼は、同行者の方を向いて助力を願った。

 「爺さん、アンタからも言ってやってくれよ。あの小娘はともかく、リミュエル死なせちゃマズイだろ」
 「っ…ゲリオス様…」

背後からゆっくりと近づいてくる人物に、彼は振り向いて苦笑する。
ルフィリアも彼の存在に気付き息を呑む…彼女の反応に、二人を犯していた使い魔二匹も動きを止めた。

 「やはり予想通りの状況か…」

歩いてきた法衣を纏った三つ首の黒い蛇…ゲリオスは溜息を漏らし周囲を見回す。
周囲に倒れる人間の兵達も、大半は息絶えているようだ…何とも派手にやったものだと彼は心中でごちる。
半ば呆れたかの様子の彼の反応に、ルフィリアはばつが悪そうに俯く。
俯いている彼女の瞳は徐々に赤みを失いつつある…彼女が落ち着いてきた証拠だ。

 「ルフィリア、落ち着け。その者達には使い道がある…殺すことは許さん」
 「……わ、分かりました…すみませんゲリオス様…」

ゲリオスの言葉に渋々といった様子だが、彼女は頷き二匹の使い魔へと命令を放つ。
さしもの彼女も、幼い頃から親の様に自分に接し育ててくれた彼と、主君であるヴァルアスの言葉にだけは無条件で耳を貸す。
主人の命令に名残惜しそうにしながらも、ラグルザとデュグロはそれぞれの獲物を開放した。

 「不本意だろうが我慢しろよ…我慢すれば後で可愛がってやるからよ」
 「っ…!」

耳元で囁かれたリグヴェードの言葉に、彼女はビクリと身を震わせる。
心なしか彼女の頬は朱に染まり、それを喜んでいる様な反応だった…
それを横目に見ていたゲリオスは心中で溜息を漏らす…随分と調教されてしまっているようだと。
ゲリオス達を追って派遣されてきた魔族達が、リミュエル達やその他の生存者達を回収し始める。

 「…危うく殺しちまうところだったが、さすがはルフィリアだな」
 「そうだな…ククク、これで二人目か。リレイアやラディウス達が喜ぶだろう」

煙草を咥え近づいてきたリグヴェードの言葉に、ゲリオスは頷きながら笑う。
危ないところではあったが、リミュエルを撃破し捕らえれた事は、大きな収穫だ。
前線に出ている円卓はこれで二人脱落…よりこちらに有利になることだろう。
運ばれていくリミュエル達を眺め、ゲリオスは口の端を吊り上げた。
103魔法少女マユ 第13話 18/25:2011/07/03(日) 15:35:44.21 ID:gmMEiNz2
――魔族首都ザルカヴェイド―― 
薄暗いラボの中に立つ二人の白衣姿の人物…
一人は腰の辺りまで伸びた金髪が目を引く女性、リレイア。
もう一人は長い黒髪を三つ編みのお下げにしている少年…彼女の弟子であるラディウスだ。

 「先生、たった今連絡が入りました。ルフィリア様がアディリア市近郊でリミュエルと交戦…これを撃破したとの事です」
 
手入れが殆どされていない、痛んだ自分の髪の一房を摘み弄んでいたリレイア。
隣に立ち電話をしていたラディウスが、通話を終えて彼女に報告を行なう。
 
 「ほう…それは良い知らせだね。これで二人目か」
 「ええ!この短期間にこれの使用に耐えうる素材が、二人も揃うなんてラッキーですよ!」

クスリと笑いを漏らすリレイアに、ラディウスは興奮した様子で語る。
『青の舞踏姫』エスティルに続き、『裂光の射手』リミュエルまでが捕えれた…これは彼ら魔族技術部にとって大きな収穫だった。
顔を見合わせていた二人は、共に前へと向き直る。
彼らの眼前にある円筒型のガラスに覆われた装置が存在する…そしてその中には…

 「ひ、ひああああぁぁっ!!」
 
円筒型のガラスの中では、無数の触手が蠢いている。
触手達はリレイア達とは対面に位置する、大きな機械から伸びていた。
そして触手には、一糸纏わぬ姿の少女が捕らえられ、全身を弄られている…その少女とは、魔族に捕らえられたエスティルだった。

 「ふああぁっ…あ、あぁぁ…な、なめちゃらめぇぇ…」

触手に両手を縛られ吊るされた彼女は、腋の下を触手の先端から伸びる舌によって舐められ、その快感に身悶え喘ぐ。
彼女の体は触手の吐き出した、深緑色の粘液に汚されている。

 「…随分と媚薬の効きが早いねぇ」

淫らに喘ぎ悶える少女を前に、リレイアは片手を顎に当てながら小首を傾げる。
吐き付けられたり触手によって塗りつけられた粘液には、強力な媚薬が含まれているが…効き過ぎているような気がするのだ。

 「あー…捕えられた時に、リグヴェード将軍に散々弄ばれてたそうですから」
 「なるほど、すっかり調教開発されてしまっている訳か」

ポリポリと頭を掻きながら漏らされた弟子の言葉に、彼女は苦笑する。
そう…捕えられた際の陵辱により、エスティルの体はすっかり開発され、至る所が性感帯の様に敏感になっているのだ。
まぁこれはこれでいいだろう…造魔製造で重要なのも、被験者に絶え間なく快楽を味わわせる事なのだから…
104魔法少女マユ 第13話 19/25:2011/07/03(日) 15:36:28.94 ID:gmMEiNz2
 「しかし、二人も揃ったか…ふむ、どちらを『コア』に使わせてもらうかな」
 「いっその事、両方使ってみては如何ですか?」
 「フフフ…それもアリだね」

ラディウスと言葉を交わしながら、リレイアは口の端を吊り上げる。
彼女の口にしていた『コア』とは…現在リレイアが製作している機獣の動力源の事だ。
都市を守る城壁や要塞の攻略を目的とした、大型サイズの機獣…当然、必要とされる大火力を実現するには、膨大な魔力が必要になる。
その為にリレイアは造魔製造システムを応用した、取り込んだ人間の魔力を吸収し増幅させる動力システムを採用した。
それのテストは既に地球で行い、搭載した機獣は撃破されてしまったものの、良好な実験データを得る事が出来た。
 
 「本来ならオベルグを破壊した、あの子を捕えようかと考えていたが…あの子でなくてもエスティルなら十分に条件を満たせるね」

 (しかし…まさかあの子が秋月夫妻の娘とはね…)

エスティルの痴態を眺めていたリレイアは、ふと頭に過ぎった考えに俯く。
試作機獣オベルグのテストの際に入手した、マユというあの魔法少女と、供給源として取り込んだ秋月美由紀の魔力データ…
二者の魔力の強さは格段に違うが、ほぼ同一と言ってもよい波長をしていた。
それに気付いたリレイアが導き出した答え…それは秋月美由紀とあの少女が親子だという事だ。
ディゲルに提出されている秋月宗一郎に関する資料を調べ、あの少女が秋月夫妻の娘だという確信を、彼女は得ている。

 (さて…どうしたものかな…)

この件はまだ自分の胸の内に秘めている…
幾度と無くラディウスや自分の作品を退け…最近ではレドリックすらも退けたこともある少女に、王は大変興味を持っているらしいのだ。
正直報告していいものかと、彼女は迷いを覚えている。
あの少女が秋月夫妻の娘だと王に報告すれば、彼はどんな顔をするだろうか…

 「先生…どうしました?」
 「ん…?ああ、すまない…少し寝不足でね」

黙りこくり暫し目を閉じていた彼女を怪訝に思ったのだろう…
自分を見上げてくる弟子の言葉に、彼女は髪を掻き上げながら答える。
とりあえず、王への報告は保留という事にしておこう…リレイアは心中で結論を出す。


ちなみに…例の作戦に失敗したセディアは、現在は本部上層…ディゲル本社で仕事に従事しているらしい。
王の怒りを買い激しい制裁を受けた彼女は、その後は牢獄行きかと思われたのだが…
彼女を哀れに思ったディゲルの仕事に従事する古参幹部の願いにより、今の立場でなんとか落ち着いたそうだ。
もっともリレイアは、移設が開始された機獣生産施設と共に、拠点をこのザルカヴェイドに移している為、あの一件彼女とは会っていない。
105魔法少女マユ 第13話 20/25:2011/07/03(日) 15:37:09.38 ID:gmMEiNz2
 「開発が楽しいのは分かりますが…少しはご自愛くださいね」
 「分かっているよ…」

弟子の言葉に頷きながら、リレイアは目の前の陵辱の様を眺めていた。
今行われているのは、特別な造魔製造装置の実験である。 
あまりに消費する魔力が大きい為に、お蔵入りしていた装置なのだが…
エスティルという使用に十分耐えうる母体を手に入れた為、今回実験を行なう事になったのだ。

 「んじゃ、準備運動も出来て程よく濡れてるでしょうし…おっぱじめますか」

ラディウスが手元のコンソールを操作し、装置を動かしていく。
装置から伸びる触手群…その中でも一番太い触手が、ゆっくりとエスティルの股間へと伸ばされる。
そしてずぶずぶと音を立てて、触手が秘裂を掻き分けて入り込んでいった。
 
 「んくぅっ!?ひああああああぁぁぁぁぁっ!!!」

一時的に責めが止まった事で一息ついていたエスティル。
不意を突かれた挿入に、彼女は大きく身を仰け反らして嬌声を発した。
極太の触手が大きく膣を拡張しながら突き進んでいく…本来なら激しい苦痛が彼女を襲うだろうが、彼女は快感に身悶えている。

 「あひぃぃっ!あふぁっ…あ、あぁぁっ!」

ビクビクと体を痙攣させながら、彼女は再び動き出した触手に全身を弄られていく。
分泌された愛液を潤滑油に、触手は膣内を突き進む。

 「はうぅっ!」

突き進んできた触手が子宮口をノックする様に打ち付ける。
エスティルは喉を反らし、嬌声を上げた。
数度同じ動作を繰り返した触手は、力任せに行く手を阻む門を抉じ開けていく。

 「あ、ああぁぁっ!?ひゃう!んあぁぁっ!!」

エスティルが痙攣を起す中、触手がついに門を突破する。
勢い余った触手は、子宮壁へとぶつかり大きくそれを押し広げた。
身を仰け反らす彼女の下腹部が、ポコリと膨れ上がる。
侵入した触手の中を、根元から何かがゆっくりと進んでいく。

 「まもなく、卵を子宮内に送り込みます」

モニターを見つめている弟子の言葉に、リレイアは鷹揚に頷く。
現在触手の中を突き進む物…それは造魔の卵だ。
106魔法少女マユ 第13話 21/25:2011/07/03(日) 15:46:29.45 ID:gmMEiNz2
触手の中を突き進んでいた造魔の卵が、子宮内に侵入したそれの先端付近まで到達する。
それを合図とばかりに、挿入されている触手がブルブルと振動を開始した。

 ぶびゅるるるるるるっ!!

次の瞬間、触手の先端から大量の液体が放たれる。
 
 「ひああああああああああぁぁぁぁぁっ!!?」

大きく目を見開いたエスティルが、その瞬間絶頂を迎え声を上げた。
放たれる膨大な液体と共に、淡いクリーム色の球体が一つ、エスティルの子宮内に放出される。
液体を注ぎ込まれた彼女の腹部は、まるで妊婦の様に膨れ上がった。
放出を終えた触手は、ゆっくりと子宮から抜け出していく。

 「おや…回収の為に触手は入れておくのでは無いのかね?」

後退していく動作を見せる触手に、リレイアは疑問を覚え首を傾げる。
造魔製造装置は、体内で十分な魔力と生命力を吸収した卵を回収する為に、行為の際はずっと突き刺さっているのだ。

 「この装置はその辺が特殊でしてね…卵は母体の体内で孵化します」
 「ほぅ…そうなのか」

弟子の説明に、彼女は驚いた様に声を漏らす。
機獣の開発研究を始めて以来、あまり造魔製造には関わっていなかった為、彼女はその装置の特徴を知らなかったのだ。
今回の実験も、立ち会って欲しいと弟子に頼まれ来たものの、装置の詳細や実験の内容は聞いていないのである。
彼女達の目の前で、触手達が再びエスティルの体を責めるべく動き出す。
母体に絶え間ない悦楽を与える事で、体内の卵に魔力や生命力を吸収させやすくする為に…

 「あっ…んやぁっ…やら…らめぇ…!」

触手が蠢きだすと、エスティルは頬を紅潮させながら喘ぐ。
子宮内に満たす液体には、強力な媚毒が含まれている…それらはすぐに効果を発揮し始める。

 「んああああぁぁっ!!」

膣内の半ば辺りで止まった触手が、その先端をまるでバイブの様に小刻みに振動を起す。
体の動きに合わせ揺れる形の良い双丘にも、絡み付いていた触手が同様に振動を起した。
腋の下や小振りなお尻…体のあちこちに触手が押し当てられ、バイブ責めを開始する。

 「はぁぁっ!?ひくぅっ!んんっ!」

敏感になった箇所を、触手群は徹底的に責めてくる。
その絶え間ない快楽に、エスティルは体を弓なりに反らして痙攣を起す。
107魔法少女マユ 第13話 22/25:2011/07/03(日) 15:47:06.92 ID:gmMEiNz2
 「らめ、らめぇぇぇっ!!ひあああああああぁぁぁっ!!!」

バイブ責めを受けていたエスティルが、大きな声を発して絶頂を迎える。
卵を子宮内に送り込まれて以降、彼女は延々と休む間もなく責め続けられていた。
アナルにも膣と同様の触手が挿入され、何度も前後運動を繰り返している。
リグヴェードに陵辱を受けた際に、性感帯に開発されてしまったそれは、太い触手を咥え込み放さない。
触手が蠢く度に彼女に、意識が飛びそうになるほどの愉悦がもたらされる…
だが快楽は他の部分でも絶え間なく生じている…それゆえ、彼女は意識を失う事すら許されずに、延々と責めを受けていた。
もう何度も彼女は触手にイカされている。その度に子宮内の卵は、彼女から魔力と生命力を吸い取り成長を続けている。

 「ん…先生、そろそろ孵化する様です」

最初は行為を眺めていたが、やがて退屈になりそれぞれ作業を行なっていたリレイアとラディウス。
鳴り響く電子音にラディウスが顔をあげて、資料と睨めっこを続けていた師へと呼びかける。

 「あ、あひぃぃっ…な、なに…お、おなかがへん…なにこれぇ…」

二人が目の前まで来た時、エスティルはお腹の中で蠢く何かに気付き声を漏らす。
子宮内で十分な力を得た造魔が、卵から孵化しようと蠢いてるのだ。

 「ひくぅっ!んんんっ!あああぁぁっ!!」

胎内のそれが蠢く度に、頬を赤らめたエスティルは、あられもない声を漏らし身を震わせる。
悶える彼女の腹部は、卵を入れられた時より大きく膨らんでいる…そう、まるで出産間近の妊婦の様に…
中のそれが蠢くと、それに合わせて彼女の腹部も動く…その動きはだんだんと激しくなりつつあった。

 「あ、ああああああああぁぁぁぁぁっ!!!」

ビクリと身を強張らせたエスティルが、一際大きな嬌声を発する。
彼女の中で蠢いていた卵を破り、新たな一個の生命が誕生したのだ。
生まれたそれは、出口を求めてゆっくりと子宮の中を這って進む。

 「なにぃ…?なにこれぇぇっ!?」

自分のお腹の中で蠢く何かに、エスティルは恐怖を覚え叫ぶ。
その間も蠢き続けていた造魔は、出口である子宮口を見つけそこを抉じ開けて這い出て行く。

 「ひあぁぁぁっ!た、助けて!誰かっ!」

造魔が膣内を這い進む度に凄まじい快感が、エスティルの体に駆け巡る。
自分の中に蠢く得体の知れない何か…それがもたらす恐怖と悦楽が、ない交ぜになって彼女を襲う。
混乱し泣き叫ぶ彼女の出口を目指して、造魔は進み続ける。
108魔法少女マユ 第13話 23/25:2011/07/03(日) 15:47:31.15 ID:gmMEiNz2
「ホラ頑張れ『お母さん』。もうちょっとしたら、赤ちゃんが出て来るぞー」
 「うぇ…?あ、あかちゃん…?」

からかう様にかけられたラディウスの言葉に、エスティルは動きを止める。
彼の言葉に混じる単語…それによりエスティルは自分が何をされたのか理解した。
自分は化物の母親にされてしまったという事を…

 「や…い、いや…やらああぁぁっ!うみたくない、うみたくないよぉぉぉっ!!」

自分の置かれている状況を理解した彼女は、半狂乱といった様子で叫び髪を振り乱す。
だが今更騒いでも遅いのだ…生まれた生命は、今まさに彼女から出てこようとしているのだから…

 「ひううぅぅぅっ!?」

身を仰け反らし悲鳴を上げるエスティル。
その膣口から、ヌルリと一本の触手が出てきた。
真っ白なその触手には、無数の小さな吸盤が付いている。
 
 「ほう…ベースはイカかね?」
 「いえ、複数の海洋生物の特徴を混ぜ合わせたものです…実はこの装置、複数の生物の特徴を持つ大型合造魔を生み出すの為の物なんです」
 「そ、それは凄いな!…将軍達が聞いたらどんな顔をするやら」

胸を張って答える弟子の言葉に、リレイアは心底感心した様に漏らす。
大型の強力な造魔の製造…それは造魔研究開始当初から、リレイアも目標に上げていたものだ。
前大戦で竜型の魔族を筆頭とした大型種は、大半が討ち滅ぼされている。
現在戦線に出ているのも、それらの生き残りである10体程度だ。
その為彼女達は大型種を生み出す事を何度も試みていたのだが、いずれも芳しくない結果に終わった。
それ故彼女はその研究を諦め、機獣という形でそれを作り上げようとしていたのである。

だが弟子であるラディウスは、諦めずに研究を続けていたのだ…
そして生むに耐えうる母体を手に入れたことにより、彼は師であるリレイアですら到達できなかった領域へと、足を踏み入れようとしていた。

 「…素晴らしい、さすがは私の一番弟子だ。私も鼻が高いよ…よく頑張ったね」
 「せ、先生…も、勿体無いお言葉っす!」
 
生れ落ちようと、エスティルの膣から這い出てくる造魔。
それを眺めながら、リレイアは感慨深げに言葉を漏らし、自分を見上げてくる弟子の方を向き頭の上に片手を置く。
優しく頭を撫ぜてくれる手…そして師からの惜しみない賛辞の言葉に、ラディウスは感極まった様に瞳を潤ませている。
109魔法少女マユ 第13話 24/25:2011/07/03(日) 15:48:08.28 ID:gmMEiNz2
エスティルの膣口から出ている無数の触手…それらは母親の股間に吸盤を張り付かせ、それを支えに残る体を引き抜こうと力を込める。

 「ふひゃあああぁぁっ!!?」

悲鳴を上げるエスティルの肉を掻き分けて、ついに造魔が姿を見せた。
それは体の半分を丸い殻に覆われた無数の触手を持つ、イカとアンモナイトが混ざり合った様な姿をしている。
ぼとりと彼女の体から脱出し、床に向けて落下する造魔を、装置から伸びた触手がキャッチした。

 「あ、あぁぁ…い、いやぁ…」

触手の拘束を解かれ、床に寝転がされたエスティル。
全身にまったく力が入らない…彼女は手足を大の字に投げ出し、微かに体を震わせている。
虚ろな瞳を宙に彷徨わせ、彼女は弱々しく声を漏らす。
化物を生まされたのが余程ショックだったのだろう…茫然自失といった有様だ。

 「おめでとう。元気な赤ちゃんだぞー」

外から聞こえてくるラディウスの言葉と共に、小さな造魔の幼体が彼女に見える様に胸元へと、触手によって運ばれてくる。
だがそれを見ても、エスティルは何も言葉を発さない…
我ここにあらずといった様に、口の端から涎をだらしなく零し、カタカタと体を震わせていた。
ラディウスが何か喋ろうと口を開いた時だ…触手の上に乗っていた造魔がゆっくりと蠢き、そこから落下する。

 べちゃりっ

 「ひぁっ…」

体を濡らす粘液を撒き散らしながら、造魔は母親の胸へと落着した。
小さな体を受け止め、エスティルの双丘が揺れる。
僅かに声を漏らした彼女の胸の上で、造魔がゆっくりと何かを捜し求め動く。
そして御目当ての物を見つける…形の良い果実の頂点にそそり立つそれに、造魔は二本の太い触手を伸ばす。
その先端は、まるでイソギンチャクが付いてるかの様に、口と無数の繊毛が存在する。
くぱぁ、と口を開いたそれを、造魔は母性の証であるそれの頂を包み込んだ。
110魔法少女マユ 第13話 25/25:2011/07/03(日) 15:48:36.55 ID:gmMEiNz2
 「ひやああぁぁぁっ!」

ぐったりとしていたエスティルの体が、ビクンと跳ね上がる。
触手の先端で包み込んだそれを、造魔は何かを求めるように吸いたて始めた。

 「で、出ないってば!…やらぁ!たすけてぇぇぇっ!!」

僅かに残された力を振り絞って、エスティルはもがこうとしたが、その前に四肢を装置から伸びる触手に拘束される。
バタバタともがく彼女は、胸の奥から何かが出てくるのを感じた。

 「な、なんでっ!?なんででるのっ!!?」

乳首の先端から何かが出る感覚を感じとり、エスティルは大きく目を見開いて叫ぶ。
そう、彼女の胸から母乳が流れ出ているのだ…彼女自身の魔力を変換した物が…
卵と共に注ぎ込まれた液体の成分によって、母乳の分泌が促されたのである。
双丘の頂点から漏れ出るそれを、触手の口を使って造魔は美味しそうに飲み続けた。

 「やらぁぁぁっ!らめえぇぇぇっ!!あひいいいいぃぃぃぃっ!!!」

髪を振り乱しながら叫ぶ彼女…そんな母親の叫びを気にせず、造魔は流れ出る母乳を飲み続ける。
搾乳行為による快感で、またエスティルはイカされしまう。
それによって分泌され、膣口から流れ出てきた愛液も、造魔は美味そうに他の触手で舐め取っていく。

 「実験初期段階は成功だね…素晴らしい!」
 「この後は、しばらく経過を観察しながら育てさせていきます。エスティルの魔力を吸い続ければ…培養槽に入れなくても速いペースで成長しそうですね」

満足そうに頷く師に、ラディウスは機械から吐き出されたデータの記された紙を片手に語る。

 「リミュエルも容態が安定すれば、すぐにでも試してみようと思います」
 「それはいいね…結果を楽しみにしているよ」
 「はい!吉報をお待ちください!」 

ラディウスの言葉に笑みを浮かべると、リレイアは踵を返し歩き出す。
研究室から出て行こうとする師へ、ラディウスは深々と頭を下げる。

 「ふあああぁぁっ!だめぇっ・・・だめだってば……あ、ああああああぁぁぁぁぁっ!!」

産み落とした子供に弄ばれ搾取され続けるエスティル。
子供によって絶頂させられ、また彼女は大きく身を仰け反らして叫ぶ…
111マユの人:2011/07/03(日) 15:49:28.85 ID:gmMEiNz2
以上で投下を終了します。
今回から書き方を大幅に変えてみました。如何でしょうか?
将軍勢最後のルフィリア…ちょっとキャラを表現しにくくて今回も苦戦しました。
長々と4話も続けてしまったエルメリア編、以上で終了です。
本来なら眼鏡さん&リグで1話、爺様とルフィリアで1話で終了させるつもりだったのに…w
次回からは、舞台は地球に戻りマユちゃん達の話に戻ります。
それでは、次回の投下にお会いしましょう。
112名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:06:28.03 ID:tAU9iVoL
今回も超ボリュームでホントGJっす

搾乳で魔力吸収とかマジ俺得
もっと搾乳されて搾り取られればいいと思います!
113名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:15:16.97 ID:egxMnNmw
>「不本意だろうが我慢しろよ…我慢すれば後で可愛がってやるからよ」
>「っ…!」
>
>耳元で囁かれたリグヴェードの言葉に、彼女はビクリと身を震わせる。
>心なしか彼女の頬は朱に染まり、それを喜んでいる様な反応だった…

り、リア獣爆発しろォ!!
114名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 23:00:36.09 ID:OvphoIHA
>>111
乙でした!
ルフィリアの反応からして、普段はMキレるとドSになるのかな。
そしてさりげに迂闊で残念な人のその後が…ひょっとしてまだ出る余地出来た?
115名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 04:48:02.74 ID:Pe4S/5m3
>>111
GJ!
凄惨な敗北の描写がたまらん!
116名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 12:41:46.50 ID:QWVRJL4k
責められるのが絵になる女No.1(独断)リミュエルの快楽責めサイコー!エスティル共々気持ち良くなってもらいたいものです。願わくば充分すぎるほど苦痛を味わいまくったアーシスも入れてあげてください。
117名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 20:58:11.77 ID:TJlHJXJj
一連の流れを纏めてみると…
エスティル、リア獣に負ける→リミュエル達円卓に召還命令→リミュエル命令無視して、ガナンの精鋭引き連れ独断行動
→じっちゃ、リミュエル達が居ない都市を攻略→リミュエルはルフィリアを襲撃するも、ブチキレた彼女にフルボッコで敗北…
なんという敗戦コンボw
118名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:04:33.66 ID:kdeZI8tA
命令無視で拠点がら空きとか生還しても軍法会議もん
戦える力のある円卓だからって有能とは限らない訳だね

119名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:48:45.01 ID:hiQp+BKq
無能な老人が搗き、先走る小娘が捏ねる天下餅
座りしままに魔族が食らう
120名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 11:11:01.28 ID:UWxfhycM
いきなりママをおっぱい吸いまくちゃうとか
リーファさんとこのお子様に比べ、なんとGJ…もとい、可愛げの無い子だ。
121名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 23:10:51.90 ID:1oUDFdv0
17ちゃんがDAT堕ちしたな
122名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 14:41:43.18 ID:C7/b1skd
>>121
新しい契約器の訪問販売員のノルマを1ヶ月5個にして追加派遣する申請通しておいたよ
123マユの人:2011/07/06(水) 21:39:31.67 ID:dvBTFLhi
皆さんご感想ありがとうございます。
14話も数日中に投下しようと考えてます。
124名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 22:50:02.94 ID:CQ1A9jbl
起死回生の攻撃魔法不発、キャンセル

「そんな・・・もう勝てない・・・」

「もう・・・楽になっちゃおう」
的な墜ちENDをTRPGで詠唱キャンセルを何回もされてる
女魔術師なキャラをみて想像してしまった俺
125名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 00:52:07.28 ID:PIqSMUvE
幼なじみが適性検査で合格し魔法少女になる為に魔法界に行く間際に告白してヒロインの戦う理由になったが
数日で別の女に告白され付き合い始めて休暇で帰って来たヒロインをあっさりと振る
かと思えば彼女が病気で長く無いと知るや、別の戦う目的を持ったヒロインに「君が戦う必要は無い!」とウザキャラ化してヒロインに愛想尽かされ
反省も無く新しい彼女とのデート中に魔物化した元カノに襲われて女を見捨ててヒロインに退治させてまた言い寄るようなサブキャラのいる魔法少女物。
126名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 07:36:43.21 ID:sssIJdxc
>>125
え?誰が何?
幼なじみが適性検査で合格して魔法少女になるん?
告白してヒロインの戦う理由?どっちも女?
何がどうなん?
127名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 13:07:00.96 ID:0/aXf/03
つまり俺が魔法少女だ!
俺が!俺たちが!
128名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 13:17:30.59 ID:fpLLV37q
むしろ触手だニョロ
129マユの人:2011/07/08(金) 21:43:42.27 ID:S+qBwVCo
こんばんわ、今から14話の投下を行ないます。
今回は快楽系のシーンがあります。
130魔法少女マユ 人物紹介:2011/07/08(金) 21:44:40.07 ID:S+qBwVCo
『秋月真由(あきづき まゆ)』
14歳 両親と3人で、平穏な生活を送っていたが。ユーリィと出会った事で、戦いに身を投じる事になる。
背は小柄で、背中の半ばほどまで届く栗色の髪を後ろで纏めている。
変身時のコスチュームは桜色のミニスカートに赤を基調としたジャケットを纏っている。
『ユーリィ』
異世界エルメリアの住人である妖精、マユのパートナーとして彼女の戦いをサポートを行う。
長いストレートの青髪にフリルのついた白やピンクのドレスを着ている。
『アゼル』
エルメリアから、マユ達の支援に来た魔法戦士。傍目から見ると少年の様に見えるが、性別は女性で年齢はマユと同じ14歳。
燃える様な赤い髪を肩の辺りまで伸ばし、項の辺りで纏めている。瞳の色も同じ。普段は、目だない様に瞳も髪も黒に変化させている。
変身時は、黒のレザー製の上下に、胸部や肩の部分だけの軽装の鎧を纏う。
『ニーナ』
アゼルの姉で、彼女と恋人のランディと共にマユ達の支援に来た来た魔法使い。年齢は19歳。
髪は腰まで届くストレートの黒髪、瞳の色は青。エルメリアでは『円卓』の一人コーネリアの近衛を務めていた。
白のロングスカートの上に、同じ白を基調にして所々に黒でアクセントが加えられたジャケットを纏っている。
『ランディ』
ニーナの恋人で、彼女やアゼルと共にマユ達の支援に来た魔法学者。年齢は24歳。
亜麻色の髪を肩の辺りまで伸ばしている。瞳の色は青でいつも眼鏡をかけている。
親の方針で軍の学校に進んでいたが、生来の争いを好まない性格からか、卒業後は学者への道を歩んでいる。
『エスティル』
かつて魔王を倒した英雄の末裔で構成される、エルメリアの最高意思決定機関『円卓』の一員、『青の舞踏姫』の二つ名を持つ15歳の少女。
瞳と髪の色は水色、スカートは髪と同じ色のミニスカートを履き、上着は所々にフリルが着いているドレスの様な、蒼を基調とした服を纏う。
エルメリア北部方面の戦線を担当していたが、ヴェンディス平原でリグヴェードに敗北し、ザルカヴェイドで囚われの身となっている。
『リーファ』
エスティルと同じく『円卓』の一員、『輝竜の巫女』の二つ名を持つ、年齢は15歳。
腰まで届く銀髪を、赤いリボンで纏めている、瞳の色は青。純白の生地に金の刺繍が入った法衣を着ている。
エルメリア創生の神レイシェンに仕える巫女で、レイシェンの御使いと呼ばれる光竜マイクスを召還する力を持つ。
『コーネリア』
19歳 エスティル同様『円卓』の一人。『紅蓮の将』の二つ名を持つ。ニーナの上司であり、地球に派遣された魔法使い達の統括を担当している。
背中半ば程の燃えるような赤い髪を、うなじの辺りから三つ編みにしている、瞳の色は髪と同じ。
白いローブの上に、軽装の鎧を纏っている。
『リミュエル』
16歳 エスティル同様『円卓』の一人。『裂光の射手』の二つ名で呼ばれる。
長い金髪の髪をリボンで纏めサイドポニーにしている。白を基調に黒のアクセントを加えたジャケットとロングスカートを身に纏う。
エスティルを奪還する為に独自に動くが、ルフィリアに敗北し囚われの身となる。
『ルイン』
リーファの守護を務める騎士、年齢は24歳。レイシェンを奉ずる教会の守護する神聖騎士団でも屈指の実力を有する。
金色の髪は短めで、瞳の色は赤。白銀の鎧を見に纏っている。
『ルミア』
エルメリアに存在する妖精族を束ねる族長の一人娘、病気に倒れた母親の代理として、人間に協力している。
白いドレスを身に付け、長い銀髪をポニーテールにしている。瞳の色は緑。
エスティルとその妹のエリシアとは、幼い頃からの親友…ヴェンディスでの敗北の際に、エスティルの手によって逃がされる。
131魔法少女マユ 人物紹介:2011/07/08(金) 21:45:24.28 ID:S+qBwVCo
『園部幸恵(そのべ ゆきえ)』
年齢は15歳 マユと同じく、地球側の人間で協力する魔法少女。
背中の半ば程の黒髪を三つ編みにしている。
魔法を指導し、自分に色々アドバイスをしてくれるランディに、密かに思いを寄せている。
『秋月夫妻』
マユの両親、父、宗一郎(そういちろう)は製薬業を中心とした巨大複合企業の部長を務める。
母、美由紀(みゆき)は専業主婦。二人は社内恋愛をして結婚。マユいわく、万年新婚夫婦との事。
美由紀は社長に気に入られ秘書室に所属していた。




『ヴァルアス』
魔族の王 100年前の戦いで敗れた先代の跡を継ぎ魔族を統率する。表の顔は製薬業を中心とした巨大複合企業の社長。
銀髪の髪をオールバックにしている。黒のスーツを好んで着る。
その真の姿は、黒い装甲を身に包む巨大な竜。
『レドリック』
魔王ヴァルアス腹心の最高位魔族、彼の側近を務め、表でも社長秘書室長を務める青年。
瞳の色は紫、焦茶の髪を肩に触れるくらいに伸ばしていて、グレーのスーツをいつも着ている。
ラディウスとは子供の頃からの付き合いで悪友関係。
『セディア』
魔族の人間狩りの指揮官。 組織内での序列は低く攻略軍に参加できず、地上での人間狩りをする担当に回されていた。
度重なる失敗により失脚、王の制裁を受け、資料整理の身に堕ちるも、再起をかけてマユと再戦するが敗北。
黒い髪をセミロングにしていて、露出の際どい黒の服を好んで着ている。
『ラディウス』
セディアの弟 魔族の造魔開発においての中核メンバーで、王の信任厚い人物。
長い黒髪を三つ編みのお下げにしている。常に白衣に身を包む。15歳くらいの背格好。
師リレイアの元で技術を学び、その知識を武器に組織内で高い地位を得ている。
『リレイア』
魔族技術部総括で、ラディウスの師。組織内でも最古参の部類に入る最高幹部。
白衣を常に纏っている。長い金髪は、手入れがあまりされておらず伸ばし放題といった状態。
いつでも寝れる様にと、アイマスクを額にひっかけている。
『ゲリオス』
魔族エルメリア攻略軍を統括する将軍、中央軍集団主将。
三つ首の手足の生えた黒い蛇の姿で、白を基調とした黒や金で彩られた法衣を着ている。
先王の代から王に仕える、組織の最古参の幹部で、他の幹部達の纏め役を務める。
『ルフィリア』
エルメリアの魔族勢力圏を統治する総督、及び中央軍集団副将。
長い金髪と宝石の様に青く澄んだ瞳が印象的な少女、白を基調とした法衣を着ている。
年の頃は15歳くらいだが、幼い顔立ちをしている。温厚な性格だが、怒らせると内に秘めた膨大な魔力で破壊の限りを尽くす。
リグヴェードとは恋仲で、彼の我儘に振り回されがちであるが、それについては彼女は不満などは覚えていない。
『リグヴェード』
魔族エルメリア攻略軍南方軍集団を率いる将軍。
癖の強い白髪を、肩の辺りまで伸ばしている、瞳の色は金。黒を基調とした軍服を着崩して着ている。
自らを戦争屋と称する戦上手。真の姿は雷撃を操る白狼。
『アーディッツ』
魔族エルメリア攻略軍北方軍集団を率いる将軍。
黒髪黒眼で銀縁眼鏡をかけていて、黒を基調とした軍服を纏う。
非常に冷酷で残忍な性格で、戦場で捕えた少女などを嬲り、その苦しむ様を楽しんでいる。
132魔法少女マユ 第14話 1/21:2011/07/08(金) 21:46:18.35 ID:S+qBwVCo
――ザルカヴェイド…魔族の首都としての機能が急ピッチに整備されつつある都市――
既に多くの建物が完成し、街中には多くの魔族で溢れかえっていた。
その広大な都市の中心には、巨大な城が建造中である。
天を貫かんばかりにそびえ立つ城は、完成間近といった様子だ。
既に完成した区画…その回廊を歩いていた黒い軍服を身に纏うレドリック。
彼は王の代理として、ここで開かれる幹部会議に出席する為にこの地を訪れていた。

 「来たか、レドリック」
 「どうも、ゲリオス老…陛下の代理で参りました」

幹部の為に設けられた控え室に入ったレドリックは、部屋に居た先客へと一礼する。
法衣を纏った三つ首の黒い蛇ゲリオスは、彼に鷹揚に頷く。
彼の隣の席では、アイマスクで目を覆い隠した女性が、静かに寝息を立てている。

 「リレイアさんは相変わらず徹夜ですか」
 「らしいな…例の大型機獣の製作に没頭しているらしい…」 

背もたれに身を預け眠り続けるリレイアを眺めながら、二人は言葉を交わす。
本部から機獣関連の設備の大半が移設されて以降、リレイアは殆ど研究所に篭もりっきりである。
ここにも研究所から直に来たのだろう…髪は殆ど手入れされておらず、衣服も乱れていた。
根を詰め過ぎんか心配だと言う老蛇に、レドリックは苦笑を浮かべ頷く。
扉が開かれ新たな入室者が来た…リグヴェードとルフィリアだ。
煙草を咥え悠然と歩くリグヴェードと対照的に、ルフィリアは足元がおぼつかない様子である。
彼女は側を歩くリグヴェードに寄りかかる様に、彼の服を掴みフラフラとした足取りで歩いていた。

 「随分お楽しみだったようですねぇ、お二人は」
 「昨日からここに来ているとは聞いていたが…リグヴェードめ」
 「あははは…そういや総督府の人間がボヤいてましたよ。リグヴェードさんが来ると総督の執務が滞るって」
 
リグヴェードはしがみ付いてくる彼女の肩に手を回し、彼女を抱き寄せ倒れないように支えている。
彼女の表情には疲労の色が濃く、二人の関係を知る者が見れば、彼女が夜通しリグヴェードに弄ばれていたという事が容易に想像出来た。
何かと理由をつけて総督府に足を運び、総督であるルフィリアを弄び仕事を滞らせるリグヴェード。
総督府に所属する魔族達にとって、彼は大きな悩みの種の一つなのだ。
大きく溜息を漏らし、ゲリオスは後でリグヴェードには言い聞かせる必要があるなと心中で呟く。
133魔法少女マユ 第14話 2/21:2011/07/08(金) 21:47:48.61 ID:S+qBwVCo
 「よう、お早いお着きで」
 「す、すみません…お迎えに上がれなくて…」

のんびりとした様子で片手を軽く上げて会釈するリグヴェード、彼にしがみ付くルフィリアは辛そうに体を曲げ頭を下げた。
特に腰の辺りが辛いらしく、一礼するのにも一苦労しているようだ。

 「いえいえ、お気になさらず…それよりも、ルフィリアさん大丈夫ですか?大分お疲れの様ですが」
 「だ、大丈夫ですぅ…」

彼女はぎこちなく微笑んで答えるが、どう見ても大丈夫そうに見えないのは、彼女には内緒にしようとレドリックは苦笑を浮かべた。
ゲリオスがこの場で説教を始めそうな気配を見せていたが、最後の一人であるアーディッツが到着したと連絡が彼らの元に入る。

 「アーディッツさんも来られた事ですし、そろそろ参りましょうか」
 「…それもそうだな…起きろリレイア、議場へ向うぞ」

もうすぐ会議だというのに、ここで説教を始められては堪らないとレドリックが移動を促す。
彼の言葉にゲリオスは渋々といった様子だが頷き、隣で眠り続けるリレイアの肩を軽く叩いて呼びかける。
彼女はうぅ、と小さく声を漏らしながら身動ぎし、やがてゆっくりと身を起す。
アイマスクを額にずらした彼女は、寝惚け眼を数度擦った後、ゲリオスを見つめて口を開く。
 
 「おお…ゲリオスか…お前いつの間に首が9本に増えたんだ…?」
 「何を寝ぼけておるのだ…会議が始まる。顔を洗って来い」
 「んー…もうそんな時間か…ふぁ…」

立ち上がった彼女は、フラフラとよろめきながら顔を洗うべく歩いていく。
その後姿を見送っていたゲリオスは、やれやれと声を漏らす。
  
 「ご苦労様です、ゲリオス老」
 「もう慣れたよ…彼女との付き合いも長いからな」

レドリックの言葉に、ゲリオスは小さく笑いを漏らして答える。
今でこそラディウスや他の者が、研究に没頭する彼女の世話をしているが、昔はその役目は彼一人だったのだ。
彼とリレイアは、先王の代から魔族の幹部として名を連ねている。
ゲリオスは王の側近を務め、当代の王であるヴァルアスの幼少期には教育係も務めた。
リレイアは魔族屈指の魔術師として、当時から技術関係の仕事に就いていた。
魔術の研究に没頭し、寝不足のあまり行き倒れている彼女を、よくゲリオスが部屋まで運んだものである…
今となっては懐かしい思い出を脳裏に浮かべ、老蛇はゆっくりと立ち上がった。
彼女が途中でまた睡魔に襲われ、倒れていないか見に行く為にだ…

暫くして、ゲリオスはリレイアを連れて戻ってくる。
全員揃うと、彼らは議場へと向った。
134魔法少女マユ 第14話 3/21:2011/07/08(金) 21:48:32.33 ID:S+qBwVCo
 「現在、中央軍集団はガナンを起点に東部への攻勢を順調に進めています」
 「南方軍集団はラマンド市周辺まで部隊を展開、数日中に同市を攻略予定」

広い会議場には、各軍の幕僚達が集い順々に報告を行っている。
先の大量増派から始まった大攻勢により、魔族側は着実に占領地域を広げていた。
人間側の軍を指揮する立場にあり、兵達の精神的支柱である『円卓』を2名も捕えた事は、人間側に大きな打撃を与えている。

 「え、えとえと…航空兵団による各都市への戦略爆撃は、着実に戦果を上げていますぅ…
  各都市で物資や食料が不足し、市民の混乱なども確認されますぅ…敵の士気にも影響が出ていると思われますぅ」
 「…だから言ったろ爺さん。開戦前から大規模な航空戦力揃えてりゃ、もっと楽に事が運んだぜ。
  戦略爆撃の効果も、あの世界大戦で地球の人間どもが証明してくれた通りだ」

議場の中央に設置された円卓…その一席に座るルフィリアの報告に、隣に座るリグヴェードが笑う。
円卓には各軍の主将達、総督のルフィリアと技術部門総括のリレイア、そして王の代理として来たレドリックが席についていた。

 「とはいえ、開発や量産に時間がかかっていたから、半年は開戦を遅らせる羽目になっただろうね…まぁ、今更言っても仕方ないさ」
 「そりゃそうですがねぇ姐さん、俺としてはやはり言いたくなる訳なんですよ。もう少し遅らせても良かった…ってね」

眠そうな様子で語るリレイアに、リグヴェードは肩を竦めて言う。
彼は航空戦力や戦力全体の準備不足から、開戦の延期を主張していたのだ。
だが人間側の戦力を過小評価した多くの者の意見や、人間側がこちらの動きを気取りつつある事から、最終的には彼の意見は却下され、開戦が決定された。

 「あの状況からしては、あの段階で開戦せざるおえなかったのだ…」
 「へいへい、分かってますよ……話は戻すが、このまま予定通りガナン一帯を安定圏にしたら、ピセルヴァから拠点を移動させようぜ」
 「そうだな。既にガナン側の準備も開始させている」

リグヴェードとゲリオスは今後の動きについて言葉を交わす。
彼らは現在ピセルヴァを拠点としている航空兵団を、中央軍集団制圧下の都市ガナンに移動させようと考えているのだ。
ガナンを航空兵団の拠点とすれば、爆撃可能圏は大幅に東側に移動する…人間側の首都ファルティアも圏内に入る。
その為には安定した勢力圏をガナン一帯に作り、安全を確保する必要があるのだが…

 「しっかし…アーディッツよぉ、何やってんだ?せっかく攻め落としたヴァーディアを奪い返されやがって」

リグヴェードは対面の席に座る、北方軍集団を率いるアーディッツへと視線を向ける。
彼の一言に、アーディッツは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

 「聞けばグラーズ殺されたどころか、お前もあの二人に痛い目にあってヴァーディアから逃げ出したそうじゃねぇか」
 「くっ…あれは油断していたからです。次は必ずあの小娘と忌々しい騎士を葬ってご覧に入れますよ!」

リグヴェードから投げかけられる嘲りの言葉…アーディッツは神経質そうに眼鏡の位置を指で直す。
大攻勢開始当初、北方軍集団は城塞都市ヴァーディアを攻め落とした。
だがそこで北方軍集団の攻勢は止まり、人間側の北部方面軍に猛烈な反撃を受ける。
『円卓』の一人、『輝竜の巫女』リーファを狙った奇襲は失敗し、その際に北方軍集団でも指折りの実力者グラーズが倒された。
その後一時的に北部方面軍は動きを止めるが、数日後にはヴァーディア奪還作戦を開始する。
その戦いは人間側の勝利に終わり、北方軍集団は大攻勢開始前のラインまで押し戻された。
アーディッツ自身もリーファと彼女を守護する騎士ルインとの戦いにおいて、手痛いダメージをおい敗北する。
135魔法少女マユ 第14話 4/21:2011/07/08(金) 21:49:09.84 ID:S+qBwVCo
 「ならとっとと北方軍集団も軍を進めてくれよ。おめぇらが進まねぇと、いつまで経ってもガナンが安定圏確保できないんだよ。
  俺と爺さんの筋書きじゃ、施設が出来りゃすぐにでもガナンに航空兵団移す算段なんだからさ」
 「わ、分かっています!施設の完成には間に合わせますよ!!」
 「まぁまぁ、そう熱くならないで下さい。まだ時間はありますから」

苛立ちを隠さず怒鳴り声を上げるアーディッツ。
彼の態度が気に入らなかったらしく、リグヴェードが彼を睨み付ける。
険悪になりかけた空気を払拭するように、それまで黙っていたレドリックが口を開いた。
 
 「しかしアーディッツさん…あまり長く猶予はありませんよ?」
 
ニコリと笑いながらレドリックは言うが、彼の眼は冷淡な光を宿している。

 「陛下も戦線の進展は大変お気になさっておられます…あの御方のご期待を裏切らないよう…宜しくお願いしますよ?」
 「…承知しています。部隊の再編が終わればすぐにでも攻勢を再開します」
 「それは結構、期待していますよ…本部からの生産施設等の移設も開始され、この王城の完成も間近…陛下がこの地に御出でになるのも近いです。
  陛下の、そして我らの悲願成就の為、各人いっそう奮起して己の役目を務めてください」
 
レドリックの言葉は、暗にアーディッツにあまり後が無い事を語っている。
その事に気づいているアーディッツは、肩を震わせながらも現在の状況を伝えた。
彼の言葉に頷いた立ち上がったレドリックは、円卓に座る面々を見回して言う。

 「分かっておる…必ずや陛下に勝利を捧げよう」
 「へへっ…任せときな。残る『円卓』も捻り潰してやるさ」
 「が、頑張りますぅ…!」
 「承知しているよ…私の自信作ももうすぐ完成する…あれが有れば戦線を一気に切り崩せるよ」

ゲリオス、リグヴェード、ルフィリア、リレイアがそれぞれ彼の言葉に応える。
唯一アーディッツだけは、俯き眼鏡の位置を指で直していた。
彼らの言葉を聞いたレドリックは笑顔で頷き、踵を返し会議場から出て行こうと歩き出す。
  
 (こ、このままでは…終わらせません…!)

皆がレドリックを見送る中、アーディッツは拳を震わせながら心中で呻く。
このままでは自分の立場が危うい…どんな手を使ってでも、戦線を切り崩す必要がある…

 「さてさて…駒も揃いつつあるし、こちらも狩りを始めるとしよう」

議場の扉を抜けたレドリックは、一人呟きを漏らす。
諜報部の報告では、相次ぐ敗退に人間側は動揺し、昨日から地球に送り込んでいる魔法使い達を呼び戻し始めたらしい。
一時的なものかどうかは分からないが、これは絶好のチャンスだ…
レドリックはラディウスと共に計画していた、魔法少女狩りの作戦を実行に移そうと考えていた。
特に自分達を何度も邪魔し続けるあのマユとかいう魔法少女…彼女は日に日に力を増している。
悪い芽は早めに摘んでおくべきだ…レドリックは心中で呟き回廊を歩いていく。
136魔法少女マユ 第14話 5/21:2011/07/08(金) 21:50:25.89 ID:S+qBwVCo
ザルカヴェイドでの会議から数日後…巨大複合企業ディゲル本社地下の広大な魔族本部施設。
その一画では、造魔の生産が急ピッチで行われていた。
無数に並ぶガラス張りの円筒の中に、人間の女性が捕らわれている。
様々な人種、年齢の人間の女性が触手に犯され、子宮内に送り込まれた造魔の種に魔力や生命力を吸われていた。
すぐ隣の区画では、取り出された種が培養槽に入れられ成長を促進されている。
培養槽の回りを白衣姿の魔人族の技術者、そして下魔達が忙しそうに走り回っていた。

 「いやいや、いつ来ても素晴らしい施設ですねぇ…うちもこれぐらいの設備揃えないとなぁ」

その区画を一望できる部屋に佇んでいたヴァルアスは、背後から発された声に振り向く。
彼の視線の先…ソファーに座る少年が声を発した主だ。

 「んー、良い香りだ。この世界を征服すれば、これが飲み放題になるなんて…想像するだけでもワクワクしますよ」

年の頃は12歳前後くらいか…軟らかくふわふわとした金髪のその少年は、ソファーの前のテーブルに置かれたティーカップを手に取る。
アメジストの様な瞳と相まって、涼しげな印象を受ける美少年…彼は黒を基調とした法衣を身に纏っていた。
すぐ側には、彼の背丈には不釣合いな長い杖が立て掛けられている。
彼はカップを満たす紅茶の香りを楽しみ、嬉しそうに感想を漏らした。

 「これでもかなり設備を移動させたよ…既に機獣生産ラインは、全てザルカヴェイドや近郊の鉱山都市に移設した」
 「おや残念。お宅の新兵器、一目見て帰りたかったのですが」

ヴァルアスの言葉に彼は残念そうに言うが、ニコニコと笑うその表情からはそれは窺えない。
彼は何が楽しいのか、笑みを絶やさず紅茶を飲み続ける。

 「生産設備を移行された始めたという事は、そろそろお引越しが近いですか?」
 「ああ、既にザルカヴェイドを中心とした安定した勢力圏を確保し、施設群も完成しつつある…
  こちらの設備を全て引き払うのも、そう遠くはないだろうな…」

ヴァルアスの言葉通り、既にこの本部の機構は半数以上がザルカヴェイドに移設されつつあった。
まずは機獣生産ラインを移行し、造魔生産ラインや人員もあちら側に移動させつつある。

 「…しかし驚いたよ。使者が来るとは聞いていたが、宰相である君が直に来るとはね」
 「そりゃあ、お宅は我が帝国の数少ない…そして最大規模の同盟組織な訳ですから、半端な者を送る訳にはいきません」

宰相と呼ばれたその少年は、笑顔のままポリポリと頭をかく。
この少年は、ヴァルアス達魔族の同盟組織である帝国からの使者なのだ。
魔族とよく似た種族…悪魔(デーモン)を頂点に築き上げられたその国家は、様々な世界を侵略し植民地としている。
帝国と魔族の関係は、100年ほど前から続く…エルメリアから脱出した魔族達が最初に辿り着いたのが、帝国の本拠地である世界だった。

そこでゲリオスを中心とした者達が交渉を行い、一時的にその世界に滞在することになる。
体勢を立て直した魔族達は新天地として今の世界を選び、移動を開始した。
その際に帝国と正式に同盟を結び、帝国は新天地についた魔族達に様々な支援を行い、魔族達はその見返りに自分達の有していた技術を一部供与する。
現在もその関係は続き、初期段階のレベルの技術だが造魔製造技術も、帝国に提供を行っていた。
ヴァルアスの元へと来たこの少年…彼は帝国の内政や占領地域の統括を行う、宰相の地位に居る。
初対面の者は疑うだろうが…この少年は、幾つもの世界を侵略支配する帝国において、最高位の地位につく存在なのだ。
137魔法少女マユ 第14話 6/21:2011/07/08(金) 21:50:56.85 ID:S+qBwVCo
 「ふむ…彼なら適当に使者を送ってくると思ってたのだがね」
 「…さすがはヴァルアス陛下、御明察です」

ポツリと漏らされたヴァルアスの言葉に、少年は苦笑を浮かべた。

 「『皇帝(カイザー)』は当初、陛下の予想通りの言葉を仰られましたよ。『そんな畏まる仲でも無いだろ、適当に使者送っとけ』ってね…
  そりゃさすがにマズイという事で、僕が使者として来た訳です。はい」

あの方にも困ったものです、と少年は肩を竦めて見せる。
ヴァルアス達魔族に、この世界から立ち退いてくれと催促をするのに、適当な人選でいい筈が無い。
心中で溜息を漏らす少年だが、ヴァルアスの反応は違った。

 「フフフ、彼らしいな…心配せずとも近い内に、この世界から拠点を引き払うよ。彼にもそう伝えてくれ」
 「急かす様で申し訳ありません。陛下の御言葉、皇帝に必ずお伝えしておきます」

彼の返事を聞き、少年は満足そうに頷き、ヴァルアスに向けて一礼する。
ヴァルアスは鷹揚に応えると、再び生産施設のほうへと向き眼下の設備群を見下ろす。

 (…まぁ、立ち退く前に少し条件は付けさせて貰うがね)

心中で彼は呟き自嘲気味な笑みを浮かべた。
彼はいずれ始まる帝国のこの世界への侵攻の際、ディゲルやこの都市へあまり過激な手段には出ないよう要請をするつもりだった。
他の魔族達にとっては違うだろうが、ヴァルアスにとってディゲルは手塩にかけて作り上げてきたものであり、大切な宝なのだ。
出来る事ならば自分の宝を壊されたくない…ヴァルアスはそう考えていた。

 「ところで、ゲリオス卿やリレイア女史はこちらには居られないのですか?」
 「ん…ああ、彼らはエルメリアだ。ゲリオスは攻略軍の総司令官、リレイアは機獣の開発生産の為にザルカヴェイドに居る」

物思いに耽っていた所に、唐突に尋ねられた問い。
ヴァルアスの返事を聞くと、ありゃりゃと少年は残念そうに漏らす。
少年とゲリオス達は100年前の交渉時からの付き合いで、時折少年が来る際は3人で集まり、話に華を咲かせているのだ。

 「左様ですかぁ…それは残念。僕の話を聞いてもらおうと思ってたのに…皇帝ってばまだ妃を娶る気が無いのですよ。
  いい加減世継ぎをと何度も言うのですが、全然聞きません…」
 「耳の痛い話だ…私もゲリオスの奴に何度も言われるよ」

あの男まだ身を固めていなかったのか…と、ヴァルアスは心中で呟きを漏らす。
もっとも、自分も他人の事を言える状態では無いのだが…

 「ありゃ、陛下もまだなのですか?それはいけません。王たる者早く相応しい妃を迎えないと…
  そしてその者に、次代を担う者を生ませる…それも王の務めというものです。そもそも…」
 「…勘弁してくれ、お小言はゲリオスだけで十分だよ」

右手の人差し指を立てつつ、少年は王たる者の務めについて長々と語り始める。
それをしばらく聞いていたヴァルアスは、大きく溜息を漏らして片手で顔を多い呻く。
少年の言い様は、ゲリオスのそれと殆ど変わらないのだ…
138魔法少女マユ 第14話 7/21:2011/07/08(金) 21:51:48.65 ID:S+qBwVCo
 「う…うぁ…」

深夜の公園に、苦しげな少女の声が響き渡る。
2m程の体躯の毒々しい色の皮膚のサンショウウオ型の造魔…その造魔に捕えられたマユが苦悶の声を発していた。
彼女の細い胴に、造魔の太い腕が回され力任せに締め付けている。

 「うくぅっ…うあぅっ!」

更に力が強められ、ギシリと彼女の華奢な体が悲鳴をあげ、彼女は痛みに身を捩った。
彼女の手にしていた剣は、捕えられた際に手放してしまっており、彼女に抵抗する術は殆ど無い。
手も胴と一緒に締め上げられており、彼女の力ではこの拘束から脱出する事は出来ない…
マユを締め上げる造魔の体から、ヌメヌメとした粘り気の強い体液が分泌されてきた。
造魔はマユの体を上下に揺さぶり、彼女の体に粘液を擦り付けていく。
赤を基調としたジャケットや、桜色のミニスカートが粘液に塗れベットリとマユの肌に張り付く。
細い彼女の手足にも粘液が擦り付けられ、張り付く衣服と相まって激しく不快感を生じさせる。

 「あ、あぁっ…やだぁ…き、気持ちわるい…」

体に生じる不快感に身を捩り、マユは悲痛な声を漏らす。
痛みと不快感に苦しむマユを嘲笑う様に、造魔は体を揺すり笑い声を上げる。
もっと彼女を苦しめてやろう…そう考えた造魔が次の行動に移った。
大きく喉を動かす造魔…ゴプリという音と共に、造魔の喉が大きく膨れ上がる。
次の瞬間、造魔の口から大量の粘液がマユに向けて吐き出された。

 「あううぅぅっ!?」

頭から大量の粘液が浴びせかけられ、マユは思わず悲鳴を上げる。
慌てて口を閉じようとするが、粘液が口の中に入り込む。

「えぶぅっ!!ごぼっ!」

ねっとりとした粘液が次々と口内へと入り込み、それを飲まない事には呼吸すらままならない。
喉に絡みつく粘液を嚥下し、マユはなんとか呼吸を行なう。
バケツいっぱいの水を頭から浴びせられた状態の彼女の全身は、粘液でびっしょりと濡れた。

 「けほっ…えほっ…」

瞳に大粒の涙をうかべ、マユは何度も咳き込み飲まされた精液を吐き出そうとする。
粘液を浴びせただけでは飽き足らず、造魔は口から長い舌を伸ばし、彼女の首に巻きつけた。
139魔法少女マユ 第14話 8/21:2011/07/08(金) 22:00:58.77 ID:S+qBwVCo
 「んあぁぁ…や、やめて…」

強く締め付けるわけではないが、粘液に塗れた舌が首に擦り付けられ耐えがたい不快感がマユを襲う。
その不快感にマユは硬く目を閉じ、フルフルと体を小刻みに震えさせる。
舌の先端がマユの顔へと近づく。
粘液に塗れた顔を舌がなぞり、更に粘液を擦り付けようとする。

 「んぷぅっ…いやぁ…」

不快感に顔を歪めるマユが必死に顔を動かそうとするが、舌から逃れる事は出来ない。
必死に足掻く彼女の反応が楽しいのか、造魔は執拗に彼女の顔を舐め回す。

 「うあぁぁっ!」

ギリギリと胴が締め上げられ、マユが体を弓なりに反らした。
粘液に塗れた髪を振り乱し、彼女は苦痛に身を捩りもがく。
造魔の責めに翻弄される彼女…その頬に僅かに朱が差しつつある。
痛みや不快感以外に、彼女の体に別の感覚が生じているのだ。
浴びせられ擦り込まれた造魔の体液…それに含まれた催淫成分が彼女の体を侵していく。

 「くぅっ…はぁ、はぁ…うぅっ!」

体が熱い…全身が疼く、そして頭が霞ががった様に朦朧としてしている。
頬を紅潮させ、マユは熱の篭もった吐息を漏らす。

 (ダ、ダメ…快楽に負けちゃダメっ…!)

心中で叫び、全身を侵す媚毒に抗おうとするマユ。
だが強力かつ大量に浴びせられた粘液に含まれるそれは、マユから抗う力と意思を奪おうとしてくる。
体は麻痺したように力が入らなくなり、言う事を聞かなくなっていく。
それなのに感覚だけはハッキリとしていて、体が擦り付けられ舌が触れる度に、彼女の体に電流の様に快感が生じる。

 「ひぅっ…っ!…くぅぅっ」

マユは声を漏らすまいとするが、その意思に反して喘ぎが止まらない。
このままじゃマズイ…それなのに体は自分の言う事を聞かない。
140魔法少女マユ 第14話 9/21:2011/07/08(金) 22:01:29.80 ID:S+qBwVCo
「んんっ!!?」

淫らな喘ぎ声を漏らすマユの小さな口…そこへ顔を舐め回していた舌が迫る。
僅かに空けられた隙間を抉じ開け、マユの口内に造魔の長い舌が入り込む。
ビクリと身を強張らせ、大きく目を見開く彼女。
だが口内で我が物顔で蠢く舌に、彼女はどうすることも出来ない。

 「んぐぅっ!むああぁぁっ!!」

苦しそうに息を漏らすマユの口内を、造魔の舌が蹂躙していく。
上顎や歯茎…小さな彼女の舌が造魔の長く太い舌に舐め回される。
喉の奥を舌で擦り付けられ、マユは激しい嘔吐感に襲われるが、口を占領する舌のせいで吐く事すらままならない。

 「あ…くはっ…んんっ…んむぅ…」

息苦しさに瞳に涙浮かべ、彼女は必死に呼吸を続ける。
口内を蹂躙する間にも、造魔はマユの体を上下に揺さぶり、粘液に塗れた己の体を彼女へと擦りつける。

 「っ!んあぁぁ…あうぅ!」

頬を紅潮させ、マユは喘ぎ拘束から逃れ様と手足を動かすが、造魔のたくましい腕は少しも緩まない。
息苦しさも徐々に増し、意識がだんだんと遠退いていく。
このままじゃまずい…心中で呻くも、今の彼女にはどうする事も出来ない。
だが唐突に造魔の責めが止められた…それどころか造魔は彼女の口内から舌を引き抜き、拘束していた腕を緩め彼女を解放する。
 
 「くはっ…んん…」

拘束が緩められると、マユは力なく地面に崩れ落ちる。
ペタンと座り込み、両手を地面について苦しそうに声を漏らす。
体勢を立て直し、距離を取らないと…そう考えるも、体に力が入らず動けない。
足元で震え続けるマユを見下ろして、造魔はニヤリと嫌な笑いを浮かべる。

 「んあっ…!」

粘液に塗れた栗色の髪が掴まれ、強く引っ張られた。
マユは痛みに顔を歪めながら、無理矢理膝立ちの体勢にされる。
だらしなく少し開かれた口の前に、何かが突き出された。
それが造魔のペニスだとマユが認識する時には、時既に遅い…造魔は彼女の口にペニスを突っ込んだ。
141魔法少女マユ 第14話 10/21:2011/07/08(金) 22:02:05.45 ID:S+qBwVCo
 「むぐぅっ!?ごぶぉっ!」

突然の事態にマユは大きく目を見開き、悲鳴を漏らす。
造魔の太く長いペニスは、マユの上顎を擦りながら喉の奥へと突き込まれる。
髪を掴んだ手を動かし、造魔はマユの顔を前後に動かし始めた。

 「うぶぁっ!おげっ!ふぐぅっ!!」

ペニスが喉や舌など口内のあちこちに擦り付けられていく。
口の中を占領する激しい圧迫感、そして異臭によって激しい嘔吐感が生じ、マユは瞳に大粒の涙を浮かべている。
造魔は激しく彼女の頭を動かし、ピストン運動を繰り返す。

幾度ピストン運動が続けられただろうか…造魔が一際奥にペニスを押し込む。
その直後、大量の精液がマユの口内へと発射された。

 「んん――――っ!!!」

鉄砲水の様に放たれる精液。
マユは目を白黒させ悲鳴を漏らしている。
喉の奥から食道、そして消化器官へと精液は注ぎ込まれていく。
大量に注ぎ込まれた精液は、マユのお腹をぽっこりと膨らませている。

 「あ…うぁ…」

ようやく射精が止まり、造魔が口内からペニスを引き抜く。
口内に残っていた精液が、ぽかんと開かれたマユの口の端から零れ胸元を汚す。
彼女の瞳は焦点の定まらない虚ろな物へと変化している。
その様子に気を良くした造魔は、彼女を更に陵辱しようと髪を更に引っ張り立ち上がらせた。

 「くぁ…」

小さく声を漏らすマユのジャケットに手を伸ばし、胸元を肌蹴させる。
下着に覆われた胸の膨らみを見て、造魔は舌なめずりをして手を伸ばした。
胸を覆う純白の可愛らしい下着が、造魔の手で取り払われる。
先程までの責めのせいで、胸の頂に存在する乳首は充血ししこり立っていた。
その乳首を責め立ててやろうと、造魔が舌を伸ばす。

 「ふああぁぁっ!」

舌が乳首に触れた瞬間、マユは身を仰け反らして嬌声を上げる。
目蓋は硬く閉じられ、その端には大粒の涙が浮かぶ。
粘液の媚毒や、注ぎ込まれた精液によって、マユの快感は何倍にも増幅されている。
乳首を舌で転がされる度に、マユの体を電流の様に快感が駆け巡った。 

 「ああぁぁっ…や、やらぁ…らめぇ…」

乳首を執拗に責め立てる造魔…マユは必死に首を振って声を上げる。
そんな彼女の様子を見て、造魔は責めを止めてゲラゲラと笑い声を上げた。
彼女を嘲る為に作ってしまった一瞬の隙…それが造魔の命取りとなる。
142魔法少女マユ 第14話 11/21:2011/07/08(金) 22:02:49.63 ID:S+qBwVCo
 ドスッ

鈍い音が周囲に響き渡る。
最初造魔は何が起きたのだろうかと疑問を覚える。
その答えはすぐに返ってくる…自分の腹部に焼けるような痛みが生じたのだ。
ゆっくりと造魔が自分の腹部を見下ろす。
そこには震えながらも突き出されたマユの右手、そしてその手の先に握られた光の刃が自分の腹部に深々と突き刺さっている。
造魔は大失態を犯していた…彼女が剣が無くとも強力な刃を生み出す事が出来るのを、事前に知りながら彼女の手を拘束せずにいたのだ。
執拗な責めの最中、マユは必死に魔法を行使しようとずっと試みていたのである。
 
 『グ、グギャアアアアァァァッ!?』

造魔は絶叫を上げて掴んでいたマユの髪を離す。
フラフラとよろめいて離れたマユは、両手を前に突き出した。
全身の疼きと熱を必死に堪え、彼女は魔法を発動させる。

 「い、いっけぇぇっ!」

彼女の生み出した光の矢が、次々と造魔の体に突き刺さっていく。
吹っ飛ばされ地面に倒れた造魔は、腹部を押さえながらゴロゴロとのた打ち回っている。
その隙に落ちていた剣を拾ったマユは、握り締めた剣へと魔力を注ぎ込む。
注ぎ込まれた魔力が剣によって増幅され、光の刃が生み出される。
 
 「でやああぁぁぁぁっ!!!」

光の大剣を構えたマユは、助走をつけて跳躍した。
そして起き上がった造魔へと大剣を振り下ろす。
振り下ろされた剣を受け止めようと、造魔は腕を頭上で交差するが、強力な魔力で構成された光の刃に腕は切り裂かれる。
脳天に刺さった光の刃を、マユは一気に振り下ろす。
造魔の体は真っ二つに切り裂かれ、地面に倒れるとドロドロと崩壊し始めた。

 「ハァ、ハァ…や、やった…」

造魔が崩れていく様を前に、マユは脱力して地面に座り込んでしまう。
危ないところだった…造魔が手を放置していなければ、反撃は難しかっただろう…
地面にへたり込んでいたマユは、頬を紅潮させながら切なげに吐息を漏らす。

 「うぅ、は、早く…浄化しないと…」

未だ全身を蝕む造魔の媚毒、それを浄化しようとマユは自分の腹部に手を当て魔法を行使する。
まずは消化器官に注ぎ込まれた大量の精液からだ…全身の疼きを堪えながら、マユは魔法を使い続ける。
やがて精液と媚毒は浄化されるが、まだ疼きや体の熱は治まらない。
しかし、これ以上状態を改善することも出来ない。こればかりは我慢するしかないと考え、マユはフラつきながらも立ち上がる。
粘液に塗れた体を早く洗いたい…未だ体を襲う不快感に震えながら、マユは戦いの後の痕跡を消し始めた。
それが終わると、彼女は転移魔法を使い光となってその場から消える。
143魔法少女マユ 第14話 12/21:2011/07/08(金) 22:03:26.49 ID:S+qBwVCo
造魔との戦いの現場から離れたマユ…彼女の向った先は、自宅ではなく隣のアゼル達の家だ。
アゼル達がこちらに来て以降、マユは戦いや見回りの後はここに戻るようにしていた。
ここには魔力を少しずつだが回復させてくれる結界が張られていたり、ランディが様々な治療薬を用意してくれているからだ。
そして、自分の両親達に怪しまれる事も無い。
出来る限り粘液を魔法で消した後に、マユは変身を解除する。
纏っていたコスチュームは光となって消え、かわりに元々着ていたピンクに白の水玉模様のパジャマへと変わった。

 「………」

マユは玄関口でずっと黙り込んだままだ…
本来なら、誰かが戻ってきた者を迎えてくれる筈なのだが…その様子は無い。
それどころか現在この家には、マユ以外に人の気配は無いのだ。
マユは俯いたまま歩き出し、この家の浴室へと向う。

 「っ…くぅ…」

浴室の中でマユは、シャワーを浴びながら粘液の残滓を洗い落としている。
暖かいシャワーを浴びる事で、ようやく体に張り付くように生じていた不快感が取れていく。
媚毒は浄化した筈なのに、未だに体の熱や疼きが静まらず、シャワーを浴びながらも時折身を震わせ声を漏らす。
相変わらず俯いている彼女の表情は冴えない。
今彼女の胸中には、言い表せないような孤独感が渦巻いていた。
いつもならアゼルやユーリィ、時にはニーナと共に見回りの後はシャワーを浴びている。
そして体を洗い終えてリビングに行けば、ランディが温かいお茶やスープなどを用意してくれていた。
だがいつも行動を共にする頼もしい仲間達は、この家には居ない…
そうアゼル達は約一週間前からエルメリアに戻り、マユはたった一人で戦い続けていたのだ。

 「ユーリィ、アゼル…ニーナさん、ランディさん…」

浴び続けているシャワーに混じり、俯くマユの瞳から涙が零れる。
胸を締め付けるような孤独感…そして未だ治まらない体の疼きに彼女は肩に手を伸ばして自分自身を抱きしめた。
アゼル達がエルメリアに戻るのを待っていたかの様に、その翌日から魔族の行動が活発になる。
毎日の様に魔族達がそこかしこに出現し、マユもそれを阻止すべく魔族と戦っていた。
アゼル達以外のエルメリアの魔法使いや妖精も一斉に戻ったらしく、魔法少女側は圧倒的に人員が不足している。
それに対して、魔族達は下魔や指揮官級を伴った戦力ではないが、一夜に数箇所同時に造魔が現れる等、物量戦を行ってきていた。
マユも今晩は最後に戦ったあの造魔を含めて、計3体の造魔を撃破している。
本来なら暫くの間行動を共にする筈だった幸恵も、エルメリアに戻った仲間達の穴を埋めるべく奔走しているらしい。

 「うっ…うぅぅぅ…」

一度流れ出すと、涙が止まらない。
ポロポロと涙を零しながら、マユは嗚咽を漏らす。
かつて無い孤独感と、過酷な戦い…それらはマユの心を擦り減らす様に消耗させていた。

 「帰って、来てぇ…」

ついに堪えきれなくなり、マユは浴室で蹲ってしまう。
流れ続けるシャワーの音の中に、か細い声が漏らされる。
144魔法少女マユ 第14話 13/21:2011/07/08(金) 22:04:32.60 ID:S+qBwVCo
マユが浴室で嗚咽を漏らしていた時とほぼ同時刻…

 『くぁぁっ…うぅぅぅっ!』

薄暗い部屋の中に、少女の悲鳴が木霊する。
それは部屋の一画に広がる、大画面のモニターに映し出されたマユの声だ。
マユの体には無数の糸が絡みつき、彼女の自由を奪っている。
彼女に背後から組み付く蜘蛛型の造魔が、絡みついた糸を動かし彼女の体を締め上げていく。
この映像は、昨日行われた戦闘だ…この造魔も彼女相手に善戦したものの撃破されてしまった。
ギリギリと糸が締め上げられ、マユの顔がいっそうの苦悶に歪む。
彼女が造魔に苦しめられる様を、二人の人物が鑑賞していた…
 
 「コイツもイイ所までは行ったんだがねぇ…そう簡単には倒せないな」

白衣に身を包み、長い黒髪を三つ編みのおさげにしている少年、ラディウスがクルリと座っていた椅子を回転させながら、残念そうに漏らす。
マユと戦っている蜘蛛型造魔は、彼の作品なのだ。

 「ま、そうすぐにケリが着くとは考えていないさ…手駒はいっぱい有るんだ。気長に行こうよ」

ラディウスのすぐ側にあるソファーに座る青年…紺色の背広姿のレドリックが、笑みを浮かべながら彼に声をかける。
映し出されている映像では、マユに組み付いていた造魔が、鋭い牙を彼女の首筋へと突き立てていた。

 『あぁっ!?…く…うあぁぁ…』

映像に移るマユが、大きく目を見開いて痙攣を起している。
白く瑞々しい肌が流れ出てきた血に彩られていく…
造魔が牙から何かを注入しているらしく、噛み付いた部分の周辺の肌が紫色に変化しつつある。

 「しかしまぁ、よく考えたもんだよ…人間を『買い集める』なんてさ」
 「んー、もっと早くに気付くべきだったんだよなぁ…攫わなくても買うって手もある事を…
  まぁ選別する対象が少なすぎて、魔力の低いハズレの品物が大半ってデメリットもあるけどね」
 
感心したように言うラディウスに、レドリックは片手をヒラヒラと振って答える。
異常なペースで出没している造魔達…今までからは考えられない大盤振る舞いを実現したのは、大量に買い集められた少女達だった。
レドリックは様々な国で人身売買組織から大量の少女を買い集め、それ使って造魔の大量生産を行わせてる。
魔力の質は高い者は殆ど居らず、出来る造魔もそれ程強力な者ではないが、数だけは十二分に揃っていた。
母体である少女を使い潰す勢いでひたすら生産させる為、本部の造魔製造プラントはここ数日フル稼働状態だ。
そうして生産された造魔達は、次々と街に放たれ魔法少女達と戦いを繰り広げている。
 
 「やっぱり戦いは数だよラディウス」
 「そうか?俺は戦争は火力が命だと思う。ドでかい大砲で何もかも吹っ飛ばせーってな」
 「それも楽しそうだけど、ジワジワと数に物を言わせて追い詰めていくのも楽しいよ?」

他愛も無い言葉を交わしながら、二人はマユの苦しむ様を眺めている。
僅かに動く体を必死に動かし、マユは拘束から逃れようとしているが、逆に糸が絡み付いていくばかりだ。
さながら今の彼女は、蜘蛛の巣にかかった蝶といった状況である。
145魔法少女マユ 第14話 14/21:2011/07/08(金) 22:05:28.44 ID:S+qBwVCo
大量の造魔を出撃させる理由は、魔法少女達を物量で消耗させるだけではない…連携を阻害させる目的もある。
その目的も、順調に成果を上げているようだ…ここ数日、あの少女マユは孤独な戦いを続けていた。
彼女には能力の高い特別製の造魔を混ぜてぶつけている。
買い集められた少女達などとは格の違う…エルメリア攻略軍北方軍集団が捕えた、『戦乙女』と呼ばれた上物の魔法剣士を母体とした造魔だ。

 「しかし…大物ぶつけてるとはいえ、あの子の戦い方も精彩欠いてるんだよな。
  焦ってるような、無理をしてるっていうか…それもあって、俺の作品達もイイとこまではいくんだが」
 「ふーむ、やっぱり僕の分析した通りかな。彼女の不調の理由…それは孤独のせいだと思う。
  あの子の強さ…それは最後まで諦めない強い意志、そして仲間を信じる心…それらが彼女の力の源だと考えたのさ」
 「なるほどねぇ、言われて見ればあの子諦め悪いもんな…んで、土壇場でひっくり返されると」
 
ラディウスはレドリックの分析に感心した様に頷き、かつての失敗を思い返す。
彼の言う通りなのだ…あの少女マユは心底諦めが悪い。
激しい陵辱を受けながらも、最後まで諦めず足掻こうとする…そして最後には状況を逆転される。
自分やレドリック…そして姉のセディアも最後の最後で戦いをひっくり返され失敗していた。

 『あ…ひぁっ…うぅっ…んやぁっ!』
 
映像に映し出される彼女は、造魔によって胸元を肌蹴させられ、胸の膨らみを責め立てられ喘ぐ。
注入された毒によって彼女の自由は奪われ、更に毒は彼女の体を淫らにしつつある。
造魔は二本の手で胸を鷲掴みにし、緩急をつけて揉みしだいていた。
この造魔も彼女に激しい陵辱を加えたが、一瞬の隙を突かれ撃破されてしまった。

 「しかし…今彼女の意志は揺らぎつつある。自分を支えてくれる仲間達は皆エルメリアに帰ってしまった。
  そんな状況で連戦に次ぐ連戦、彼女の精神は戦う度に消耗していくだろうね…ラディウス、例の物はちゃんと仕込んでるよね?」
 「おうとも、本命級の造魔にはちゃんと仕込んであるぜ。今晩倒された奴で4体目だ」

ラディウスの言う造魔に仕込んだ物とは…彼が特別に調合した媚毒の事だ。

 「造魔本来の物に混じってあの子の体内に注入された媚毒は、それ単体じゃ殆ど体に影響を与えない…
  その代わりといっちゃ何だが、並大抵の魔法じゃ浄化出来ない…あの子の様子からして感付いていないだろうね。浄化された気配も無い」
 「フフフ、犯される度に己の体に罠が仕掛けられてるなんて、夢にも思わないだろうね」

作戦が自分達の筋書き通りに進んでいる事に、彼らは笑みを浮かべる。
マユの中に造魔によって注入された媚毒…確かにそれは単体では殆ど影響が無いが…
複数の種類が混ざり合うと、それは化学反応を起したように変化し、強力な催淫効果をもたらす。
造魔と交戦し犯される度に、彼女の体の中に時限爆弾の様に媚毒が仕掛けられているのだ。
既に4種目…そろそろ一時的に反応を起すレベルだ。
今頃彼女は沸き上がる体の疼きに身悶えているかもしれない…もっとも彼女ではその原因を掴む事すら出来ないだろう。

 「あのランディって学者が居たら気付いたかもしれないが…今は居ないから好都合だぜ」
 「まったくだね…早々に片付けるとしよう。彼女達が戻ってくる前にね」

あのアゼルという少女にも、とっておきの駒が用意してあるのだから…
他の技術者に依頼していたアレが、ようやく準備が整った。
アレを使ってマユというあの娘を、徹底的に犯してみるのもいいかもしれない。
アレと、捕えたマユを見せたら、あの少女はどんな顔をするだろう…

 (ワクワクしてくるよ…その時が楽しみだ)

その光景を頭に思い描くレドリックは、口の端を吊り上げた。
146魔法少女マユ 第14話 15/21:2011/07/08(金) 22:06:00.23 ID:S+qBwVCo
 「うっ…うぅ…ふぁ…」
 
電気の消された暗い部屋に、艶を帯びた声が小さく漏らされる。
布団に潜り込んだマユが、身を縮こまらせながら声を漏らしていた。
シャワーを浴び後始末をした後、マユは自分の部屋に戻り寝ようとしたのだが、体の疼きが激しくなってきて眠れないのだ。

 (な、なんで…なんで治まらないの…?)

造魔に浴びせられた粘液や精液…それに含まれていた媚毒は全て浄化した筈なのに、疼きは治まらない。
体は未だ熱病にかかった様に熱く、頭も霞ががったようにぼぅっとする。
エルメリアに戻る前にランディから貰った薬も飲んでみたが、僅かに疼きが和らいだ程度だ。
媚薬や催淫魔法の効果を抑制させる効果のある薬で、これまでも敵に陵辱を受ける度に、ランディから渡されている薬なのだが…
ここまで効果が無いのは初めてだ。

 「ひぅぅっ!んんっ!」

寝返りをうった際に股が擦れ、彼女は声を上げる。
疼きや熱だけではない…彼女の体は媚薬を浴びせられたかの様に、酷く敏感になっていた。

 「ふぁぁ…はぅ…んんっ」

小刻みに体を震わせながら、マユは心中で声を漏らす。
なんとかこの疼きを抑えたい…でも自分にはどうする事も出来ない。
体が熱くて堪らない…無意識の間にマユはパジャマの胸元を肌蹴させていた。
パジャマは大量の汗にびっしょりと濡れ、素肌に張り付いて不快感をもたらしている。
穿いている白のショーツは、汗以外の液体によって濡れていて、それがマユを更に不快にした。

 「助けて…助けてよユーリィ、みんな…!」

ギュッと自分自身を抱きしめて、マユは小さく声を発した。
こんな事を言っても何も変わらないのは分かっている…誰も助けてくれない事も…
それでも、言わずには居られなかった。
堪えきれなくなった彼女は、またポロポロと涙を零し始めた。
浴室でもあれ程泣いたのに、涙が止まらない。
小さく嗚咽を漏らす彼女の脳裏に、あの日の記憶が蘇る…
147魔法少女マユ 第14話 16/21:2011/07/08(金) 22:12:36.68 ID:S+qBwVCo
 「アゼル、支度は出来た?」
 「うん…出来たよ姉さん」
 「こっちも準備出来たよ、ニーナ」

アゼル達の家のリビング、そこで荷物を準備していたアゼルは姉の問いに頷く。
奥の部屋で報告用の書類などを纏めていたランディも、準備が終わったらしくリビングにやってきた。
ニーナの側には、小さな妖精ユーリィも飛んでいるが、彼女は俯いたままで一言も喋らない。

 「…ユーリィ、仕方ないわよ。上層部からの帰還命令なんだから」
 「わ、分かってます…でも、マユちゃんが…」
 
俯きながら漏らされるユーリィの言葉に、皆沈痛な面持ちになって俯く。
突如エルメリアから送られてきた帰還命令…
魔族側の大攻勢の前に、『円卓』を二名欠いた上層部は、一時的に帰還するよう地球で活動する魔法使い全てに命令を発した。
情報を統合する為の帰還命令という事だが、不利になってきた戦局を打開する為に、こちらの戦力を結集させようとしている…
その様な意図も感じられる命令であるが、上層部の命令に逆らうわけにはいかない。
アゼル達も今夜エルメリアに帰還する事になった。

 「大丈夫だよユーリィ!私なら心配ないから、安心して行って来て」

俯いているユーリィを励まそうと、マユは彼女に声をかける。
マユの隣には、長い黒髪を三つ編みにした少女、幸恵も立っていた。
二人はエルメリアに戻るアゼル達を見送る為に来ているのだ。

 「マユちゃん…分かった、出来るだけ早く帰ってくるからね」
 「うん、待ってるね。お土産よろしく」
 「う、うん!美味しいお菓子をいっぱい持って帰ってくる!」

マユの励ましに少し元気を取り戻したらしく、ユーリィは彼女に向けてニッコリと笑う。
148魔法少女マユ 第14話 17/21:2011/07/08(金) 22:14:35.10 ID:S+qBwVCo
「幸恵君も無茶しちゃダメだよ?君も皆がエルメリアに戻って一人になってしまうんだから…」
 「分かってます…秋月さんと相談して、しばらく二人で行動する事に決めました」

心配そうに言うランディに、幸恵も彼を安心させようと微笑む。
彼女のチームのメンバーもエルメリアの人間ばかりで、その子達が帰還する為独りになってしまう…
だから彼女はマユと相談し、共に行動をする事にしたのだ。

 「…マユ、無理しないでね」
 「分かってる、アゼル…早く帰ってきてね」
 「うん」

マユはアゼルの元へと近づき、彼女と軽く抱擁を交わす。
本当ならマユを一人にして戻りたくない…だが命令に逆らう事も出来ない。
もし自分達が居ない時に、あのレドリックが動いたりでもすれば…そう考えるとアゼルの胸は締め付けられるように痛む。
出来るだけ早く戻りたい…アゼルは心中で願いを漏らす。

 「じゃあ…そろそろ時間よ。マユちゃん、幸恵ちゃん、速攻で帰ってくるから、ちょっとの間留守よろしくね!」

皆に準備を促すと、ニーナは見送りに来た二人の方を向いて右手の親指を立ててウィンクをした。
その言葉通り、彼女はすぐにエルメリアから戻る気でいる。
上層部の一部は自分達を戦力とする動きが本当に有る…その事は彼女だけに上司であるコーネリアから伝えられていた。
だがそれを受け入れる訳にはいかない…敵の本拠地の所在もそれなりに絞り込めてきているのだ。
そして、残された二人を置いてエルメリアに長居する気は、ニーナには無かった。
早い段階で戻れるように、彼女はコーネリアに働きかけて貰えるように頼み、彼女もそれを承諾してくれた。

 「じゃあ、行って来るねマユ、幸恵さん」
 「マユちゃん、幸恵さん、お土産楽しみにしててね!」
 「二人とも、くれぐれも無理は禁物だよ。薬は僕の部屋に置いてあるから自由に使ってね」

ニーナが転移魔法を発動させ、彼女たちの足元に魔方陣が描かれていく。
光が辺りを満たす中、アゼル、ユーリィ、ランディがマユ達に向けて声をかける。

 「皆、早く帰って来てね!」
 「ありがとうございます。皆さんも気をつけて下さい」

光に包まれていくアゼル達に向けて、マユ達は手を振って答える。
やがて完全にアゼル達は光に包まれ、次の瞬間には光となって消えた。
彼女達が居なくなったリビングの中心を、マユと幸恵は寂しそうな表情を浮かべ見つめていた。
早く戻ってきて欲しい…心中でマユは呟きを漏らす。
149魔法少女マユ 第14話 18/21:2011/07/08(金) 22:15:19.65 ID:S+qBwVCo
 「んあぁぁっ!!……んんっ…」

クチュリという音が部屋に響き、その直後マユが身を強張らせ声を上げた。
無意識の内に、彼女はショーツの内側へと右手を伸ばしている。
慌てて彼女は息を潜める…先程の声で両親が起きたかもしれないと考えて…
だがその直後思い出す、嗚咽が漏れないように音を遮断する魔法を使っていた事を…

 「ふぁ…ひぅぅっ…!」

マユはショーツから手を引き抜こうとしたが、その意思に反して片手は愛液が漏れ出ている秘裂へと近づく。
秘裂の端をゆっくりと指先でなぞると、甘い電流が彼女の体に奔った。
ビクンと体が跳ね上がり、マユは布団の中で身悶える。

 「んっ…あぅぅっ」

沸き上がる快感は彼女の体の中を駆け巡り、甘い痺れをもたらす…
もう我慢出来ない…マユの体は更なる快感を求め、肌蹴られていた胸元にもう片方の手を伸ばす。
白のブラジャーの上から左の胸に触れ、ゆっくりと揉みしだき始める。

 「んくぅ…ひゃんっ…あぁっ!」

胸をまさぐり続けながら彼女は喘ぎ、体を震わせた。
成長期の彼女の胸は、初めて魔法少女に変身した頃より、幾らか膨らみが増している。
マユは胸が敏感でここを責められると弱い…それをデータと言う形で知っているのか、最近魔族達はここを責める事が多い。
最初は緩やかだった胸を揉む動作が、徐々に激しくなっていく。

 「ひぅっ!んあぅっ!」

なぞるだけでは我慢できず、マユの指先は秘裂の端を摘み抓った。
体をビクリと反らし、マユは身悶える。
また体に電流の様に快感が走り、抓っていた秘裂から愛液が流れ出てきた。
流れ出る愛液…そして体を濡らす汗が混じった匂いが彼女の鼻をつく。

 「ふひゃあぁっ!ひくぅっ!」

頭を左右に振りながらマユは嬌声を上げる。
頬は紅潮し、胸は激しく高鳴りを繰り返していた。
快楽を求める衝動は、堰を切った濁流の様に止まらない…
マユは更なる快楽に求め、秘裂の少し上へと手を伸ばす。
150魔法少女マユ 第14話 19/21:2011/07/08(金) 22:15:52.28 ID:S+qBwVCo
それまでの自慰行為で勃起したクリトリスは、覆っていた皮を押しのけ、綺麗なピンク色を覗かせていた。
マユの指がそこへ辿り着き、快楽を求め震えるそれをゆっくりとなぞる。

 「ひ、ひゃああぁぁっ!!」

クリトリスを擦った瞬間、マユの体にまた電流が駆け巡った。
仰向けの体制から横向きへと転がり、体をくの字にして身を縮こまらせる。
体の震えが止まらない…全身は吹き出る様な汗に濡れていた。

 「ひぅぅっ!…んあぁぁっ…」

胸を弄っていた手も、ブラジャーの上からでは飽き足らず、その下へと手を潜り込ませている。
汗に塗れた胸を手の平で包み込み、円を描くように動かす。
そして人差し指で、充血した乳首を圧迫し刺激を加えた。

 「あぁぁっ!ユーリィ!アゼル…!」

喘ぎ声に混じり、仲間達の名がマユの口から漏らされる。
寂しさから心に空いた空虚な穴を埋めるかの様に、マユは快楽を求め自慰を繰り返す。
秘裂から漏れ出る愛液は、ショーツだけに留まらずパジャマも濡らしつつある。

 「んんっ…ふぁ…んくぅっ!」

声を押し殺そうともせず、マユは淫らに喘ぎ続けた。
体に電流が走る度に、身を縮こまらせたり反らし駆け巡る快感に震える。
気持ちいい…頭がぼぅっとしてくる…
造魔や魔族による苦しくなる程の激しい責めと違い、自分の思う様に快楽を求める事が出来る。
消耗した彼女の心には、その程よい快感が堪らなく気持ち良かった。

 「ひゃうぅぅっ!」

更なる快楽を求めたマユの指先は、ヒクつく陰核を摘み刺激を加える。
摘んだ指で引っ張ったり、逆に圧迫したりしていく。
そこを弄るたびに、甘美な痺れが体を駆け巡り、頭は真っ白になりそうになる。
もっと…もっと気持ち良くなりたい。
更なる快楽を求め、マユの指は行動をエスカレートさせていく。
151魔法少女マユ 第14話 20/21:2011/07/08(金) 22:17:15.53 ID:S+qBwVCo
ともて気持ちいい…マユは体の中で高まり続ける欲求のままに、自慰を続け快楽を貪る。
胸を揉む動作に加えて、親指と人差し指でしこり起った乳首を摘み、刺激を加えていく。

 「んふぁぁっ!あひぃっ…」

摘んだ乳首を引っ張り、時にはコリコリと強く摘んで動かす。
その度に乳首は敏感に反応し、マユに甘美な快感をもたらしてくれた。

 「はひゃあああぁぁっ!!!」

一際大きな声を上げて、マユは身を強張らせた。
快楽を求め続けた彼女の右の指先が、秘裂の中へと潜り込んだのだ。
愛液に濡れた彼女の秘裂は、彼女の指を二本、するりと?み込んでしまった。
幾度となく陵辱を受けた彼女の秘裂は、彼女の指など軽々と受け入れてしまう。

  くちゅ…くちゅり…

指を秘裂の奥へと進めようと動かす度に、淫らな水音が部屋に響く。
マユの右の人差し指と中指は、根元の辺りまで膣の中へと入り込んだ。

 「ひうううぅぅぅっ!!んああぁぁっ!!」

秘裂に入り込んだ指が膣壁に触れる。
軽く指で擦っただけで、今まで以上の快感が火花の様に生じ、マユは嬌声を上げた。
入り込んだ指を上下に動かし膣壁を擦り始める。
初めはゆっくりと…だがすぐに指の動きは早まっていき始めた。

 「ふあああぁぁぁっ!んあうぅぅぅっ!!」

頬を紅潮させたマユはひたすら喘ぎ続ける。
高まり続けた快感は、指が上下する度に更に高まっていく…もう爆発寸前といってもいいレベルだ。
何度指を膣壁へと擦りつけただろうか…壁を強く擦った瞬間、今まで最大級の電流がマユの体に生じる。
152魔法少女マユ 第14話 21/21:2011/07/08(金) 22:17:56.20 ID:S+qBwVCo
「んああああぁぁぁぁっ!!!」

絶頂に達したマユの叫びが、部屋の中に響いた。
彼女はしばしその余韻に体を震わせていたが、僅かに残る力を振り絞って、指を膣から引き抜く。
絶頂によって分泌された愛液が、止め処なく零れ出て行く。
引き抜かれた2本の指にも、たっぷりと愛液に塗れていた。

 「ふぁ…ひぅぅ……はぁ、はぁ…」

力なくて足を投げ出し、マユは小さく声を漏らしている。
絶頂した結果、体を襲っていた疼きは徐々にだが治まりつつあった。
同時に、熱病に侵されたようにぼぅっとなっていた頭も、少しずつだかハッキリとしてくる。

 「わ、私…何やってんだろ…」

意識がハッキリしてくる中で、マユはポツリと漏らす。
無意識の内…体の求めるままに自慰を繰り返していた事…
それが理解出来てくると、マユは自分に強い嫌悪感を抱いてしまう。
いくら音を消す結界を張っていたとはいえ、自分はあんな淫らな声で喘いでいたのか…
ユーリィやアゼル、ニーナやランディ…仲間達が居ない寂しさを紛らわせる様に、自慰を行っていた自分が恥かしい。

 「ぅ…うぅぅ…うくっ…うぇぇ…」

マユは枕に顔を埋め、小さく嗚咽を漏らし始めた。
潤んだ瞳から、涙が零れ落ちていく。
なんであんな事をしたんだろう…
恥かしく、そして悲しくてマユの心は締め付けられる様に痛む。
まるで自分が自分で無くなっていく様な感覚に、彼女は襲われた。

 「た、助けて…」

嗚咽だけが響いていた暗い部屋に、小さく声が漏らされる。
誰でもいい、誰か助けて…マユは心中でも叫ぶ。
その晩…泣きつかれ眠りに落ちるまで、マユはずっと嗚咽を漏らし続けていた。
153マユの人:2011/07/08(金) 22:20:50.94 ID:S+qBwVCo
以上で投下を終了します。
前作では一話で終わらせたマユ一人の戦い、今回は3回かけてねっとりぐっちょりと書いていきます。
今回は第一回という事でエロはあっさり目な感じです。
一連の話の中には、皆さんに人気のあの子も出てきます。
154名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 00:33:46.31 ID:uy/wXjq5
>仲間達が居ない寂しさを紛らわせる様に、自慰を行っていた自分が恥かしい
自分を慰めるとかいて自慰
悲しい、寂しい、そんな自分を慰めるのは決して悪いことではな〜いデス
つまり、もっとオナニーやるべきデース
オナニーは世界を救うのです

いよいよゾンビリインちゃん略してゾンビちゃん登場と聞いて胸熱
155名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 12:17:59.00 ID:AWwEBs+D
>>154
>いよいよゾンビリインちゃん略してゾンビちゃん登場と聞いて胸熱

欠片も残ってねぇwww
せめてゾリちゃんにしてやってよ!R-18
156名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 19:17:22.66 ID:n8Oc4V/O
いつもながら乙&GJ
そして、リア獣爆発しろ
157名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 22:56:57.59 ID:vCoFeaw+
乙です
服を溶かさない粘液もいいですね
次回も楽しみにしてます
158名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 09:28:55.77 ID:3hOp6xD7
>>153
ユーリィ達早く帰って来てあげて;;
リア獣は相変わらず羨まけしからん!
159名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 12:33:34.58 ID:OohxXrfN
リア獣はすっかり嫌われ者だねw
そして戦線は鬼畜眼鏡さんの一人凹みか、前作速攻で陛下にやられたリーファ主従が頑張ってるな。
160"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:17:22.28 ID:YrVkILb8
君主候補が悪堕ちした
ただいま作業中、携帯でつくりました
文字数制限がわからないので、たぶん5つか6つのレスに分割して投下します

注意点は破瓜有・触手責無

 夜の校舎は恐怖を呼び起こし、それを煽る。賑やかな昼との落差が、足を踏み入れる人間に「何かある」と思わせるのか。それとも幼少の頃に頭に刷り込まれた人外の存在に怯えるからか。
 理由は人それぞれか。

 校門をよじ登り、敷地内に飛び降りた制服の少女は創立者の銅像、記念碑――ありとあらゆる物陰に眼を走らせていた。
 幽霊とかそういった類のものがこちらを見ているのでは、と怖れているからである。

(大丈夫。……たぶん)
 しばらくしてから、少女は人気のない前庭をゆっくりと歩き始めた。しゃりしゃりと芝生が靴底で音を立てる。
 少女は今度は眼を校舎に走らせていた。
(窓から何かが見てるかも)
 滑稽だといえた。彼女もまた人外の力を行使出来る存在――魔法少女――なのだから。
 たとえこの瞬間に物の怪の類が現れたとしても、彼女の力ならば簡単に撃退出来てしまう。本来何も怖れる必要などない。
 が、彼女は普通の女子高生でもある。
 人外の力を持っていようと、怖いものは怖いのだ。

(さっさと終わらせて帰ろ)
 校舎の壁時計は短い針が2を指していた。丁度丑三つ時。
 携帯電話やmixiに夢中になり、よく夜更かししてしまう彼女にとっても、深夜と呼べる時間だ。
 早く帰って寝たい。
 ところが今日は時間が掛かりそうだと少女は考えていた。
 魔法少女の第六感は、この世界には存在し得ない邪悪を捉えていた。間違いなくこの敷地内のどこかにいる。
 それを捜し出して殺す。それが魔法少女の任務だ。
161"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:20:16.11 ID:YrVkILb8
 少女はゆっくりと歩を進めた。
 何かが下駄箱入れの合間に潜んでいそうな生徒用昇降口と職員玄関を素通りし、中庭の端を歩く。
 ボールひとつ転がっていない、だだっ広い体育館。そこも少女はちょっと覗いただけだった。
 だが決して職務怠慢という訳ではない。
 少女は既に怪物の居場所を特定していた。怪物は言うなれば「臭い」を出す。その大元を嗅ぎ当てることが彼女には出来るのだ。
 彼女が歩みを止めたのは校舎や中庭からだいぶ離れた場所だった。
「プールぅ……?」
 金網に囲まれたプールから「臭い」がする。授業に水泳がなく、水泳部もないこの高校では、プールサイドは閉鎖されている。
(更衣室、かな?)
 プールサイドにある更衣室をまず彼女は疑った。ともかく調べる為には金網を越えなければならない。が……。
(なに鉄線っていうんだっけ)
 金網の上辺には有刺鉄線が巡らされている。名称を知らない彼女にも、越えるのに障害になることぐらいはわかる。
 彼女は視線を扉へ移した。そこには錆びた仰々しい錠がついている。
「外すのは無理かなぁ」
 ガチャガチャと触ってみる。
 そうするとそれは簡単に任務を放棄した。地面に叩きつけられた錠前はガシャンと音をたて、少女を驚かせた。
 慌てて辺りを見回す。
 さっきまでは幽霊や妖怪に怯えていたくせに、今度は大人がいないか。見られていないかを気にしていた。
(うちの高校、こんなんでいいのかな)
 複雑な心境で彼女はプールサイドに足を踏み入れる。
 単刀直入にいえば更衣室には何もいなかった。
 鏡に映るもう一人の自分が、鏡から出て来ないか警戒しながらもロッカーをひとつひとつ覗き込んだ。……のだが何もない。
 それでも更衣室から出た少女は、肌で邪気をすぐそばに感じていた。
(どこに隠れてるの?)
 ただ他に隠れられる場所はないだろう。
 彼女はプールサイドをとぼとぼと歩き出した。可能性があるとすれば、あとは地下しか思い浮かばない。そうとなれば、とても手出しは出来ない……。
「もしかして」
 彼女は眼を脇に逸らした。そこにはプールサイドの縁。その向こうには水を湛えたプールがある。
 少女はプールを覗き込んだ。 閉鎖されているプールではあるが、蚊の涌く初夏以外は常時水が張ってある。闇夜のせいで底まで見通せない。
(この中?)
 ただ自分は制服姿。流石にプールに入って中を捜索とはいかない。
「水着でも持ってく……」
 るんだったなぁ、と冗談を言い終わる前に、彼女は宙に浮いていた。
162"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:25:27.24 ID:YrVkILb8
 右足首に妙な感触を感じ、視線を落とそうとした時には遅かった。
 吊されるかたちで、彼女は一気に十数メートルの高さまで持ち上げられた。右足首に巻き付いた深緑色の触手の所為だ。
「うっ」
 突然の出来事に息もままならない。全体重が掛かる右足の関節が軋むのがわかった。
(まず……)
 考える隙を、水の中から伸びる触手は与えなかった。右足首を掴んだまま、少女を玩具の人形のようにプールサイドに叩きつける。
 普通の女子高生なら、即死したはずだ。
 が、彼女は魔法少女である。まず物理的打撃ではそう死なない。まったく衝撃や痛みを感じない訳ではないが。
「……!」
 声にならない悲鳴が漏れる。体中に生まれた擦過傷が自己主張する。立ち上がらなければ、と思ったときにはまた宙にぶら下がっていた。
 二回目。
 先程と同じように、同じ場所に、十数メートルの高さから触手は彼女を叩きつけた。
 肉塊のハンマーの二回目の打撃は、コンクリのタイルを粉々に砕く。が、肉塊のハンマーは流血すらしていない。擦過傷に朱が滲んでいる程度だ。
 触手は容赦なくハンマーを振り上げる。
 三回四回五回六回七回……。

 プールサイドは盛大に破片を撒き散らしながら、粉々に砕けていく。
 しかし十を数えても少女は軽傷の範疇に入る傷しか負っていない。が、度重なる衝撃に彼女の意識は遠のきつつある。
「ジェットコースターから弾き出され、地面に叩きつけられて、相応の衝撃を感じたのに身体は無傷」
 常人に理解出来る感覚とすればそんなところか。
「……」
 少女の華奢な身体がまた宙に引きずり上げられる。そして今度はプールサイドとは反対の水面へ彼女は叩き込まれた。
(……!)
 冷水に意識が若干回復するが、遅い。水中に蠢く触手たちが瞬く間に四肢を絡め捕ってしまう。
 水面上に再び少女が姿を現したときには、もう完全に拘束されていた。
「Wonderful!Marvelous!Excellent!Great!Spectacular!」
 そして先程まで無人だったプールサイドにはひとつの人影――。
「に……にほ、んごで」
 息も絶え絶えの少女が思わず突っ込む。
「It's my fault.ワンダフル!マーベラス!エクセレント!グレート!スペクタキュラー!」
 ネクタイを締めたスーツ姿のその男は言い直してから、くすりと笑った。
「It's joke」
 少女は目の前の男を知っていた。彼もまた人外の存在で、化物を育てる魔人、といったところか。対峙するのははじめてではない。
 怪しげなブロークンの英語を駆使する彼のことを、少女はそれまで脅威だと思ったことがなかった。だが、今は違う。
「Good evening,Ms.霧島」
163"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:28:31.91 ID:YrVkILb8
 名前を呼ばれた少女――霧島は目の焦点を男に合わせて睨みつけた。精一杯の虚勢だ。実際は打つ手見つからず、泣き出したいところだ。
 反撃には当然魔法が要る。魔法には詠唱が要る。詠唱には時間が要る――。
 振り回すしか能がない触手とは異なり、男は魔力を伴った攻撃を繰り出せる。これは魔法少女にも致命傷になり得る。
 男は霧島の虚勢や心情などおかまいなし。
 遠慮なく、彼女を観察した。
 肩の辺りで切られた黒髪、ワイシャツ越しに透けた下着、チェックのスカート、健康的な大腿。
 彼が劣情を催すには十分すぎるほどの、見事な女子高生だといえた。

「u are witch but……Girls will be Girls.(きみは魔法使いだが……女の子はやっぱり女の子だね)」
 微笑を湛えていた彼の顔は、言ってから一気に破顔した。それを見た霧島は覚悟を決めた。
 ここは乾坤一擲。――最高速で詠唱、「旋風」の魔法を完成させてみせる。男が何かするよりもはやく。
 間に合わなくとも二、三発殴られるぐらいなら耐えてやる!
 そして彼女は息を吸って、朗々と。
「万物に宿りし精霊(しょうろう)よ、この身に……んんっ」
 が、それは試みで終わった。
 彼女の唇は男の唇に塞がれていた。逃れようにも、いつの間にか頬を両手でしっかり押さえられている。
(キス……っ?)
 接吻自体はじめてではない。だが。
(やだ……なかに)
 男の舌が霧島の唇を割って、口腔内に侵入する。それは容赦なく彼女のなかを蹂躙していく。
(気持ち……悪い)
 男は口づけしたまま、顔から右手を離す。その手はすぐ下――プールの水を吸ったシャツに向かう。
 ボタンが外され、下着が破り捨てられるのにはそう時間はかからない。外気が彼女の双胸を刺す。
 男は舌を彼女の口から撤退させて、接吻をやめた。視線を下に落とす。成長途中の小ぶりなそれは、男の眼福となる。
(やだ……)
 そこでやっと、男が何をしようとしているかを霧島は悟った。
(なんとかしなきゃ)
 先程までの詠唱は、唇を塞がれ、中断されたことによっておそらく無効だろう。最初からやり直す必要がある。
「How beautiful this is!(感嘆)」
「万物に宿りし……ひゃっ、あっ」
 ところがまた詠唱をはじめようとする彼女に斟酌せずに、男は胸を撫で始めた。その手つきは宝石を磨くようにやさしい。
164"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:30:02.41 ID:YrVkILb8
「ば、んっ……ぁ」
 詠唱せんとするが、だめだ。肺の空気が、熱に浮かされたような吐息となって洩れてしまう。
(まずい、まずいよ……)
 焦るがしようもない。背筋がぞくぞくと震える。男の愛撫が続いている間は詠唱など出来ない。
「っ……ぁ」
 男は胸を撫で回す手を止める素振りはない。それどころか調子に乗って、外気と接触に刺激を受けて立ち上がった乳頭を摘んだ。
「ひゃっ……ぁあっ」
 霧島は思わずのけぞったが、男の図々しさに更に拍車を掛けただけだった。
 男は胸を責める左手をそのままに、遂に右手をスカートのなかに。器用な右手はいとも簡単に下着を破ってしまった。
「や……だ」
 霧島は抵抗せんとする。が、深緑の戒めを振り解くことは、魔法少女の強化された腕力をもってしても到底出来そうにない。
「Don't be a chicken(怖がらないで)」
 男は微笑しながら、人差し指でゆっくりと秘裂をなぞる。更に本番に備えて、なかに指を差し入れる。
「だぁ……っ」
 もう詠唱のことなど頭にない。恐怖と刺激のせいで思考が停止してしまっていた。
「ひっ……ぁっ」 男の指先が濡れる。それを確認してから、彼は右手をスカートのなかから離した。
 と、入れ違いに霧島は自分の太腿に何かが当たるのを感じた。指よりも太く、熱い代物――。
(これ……は)
 それが何か悟ったとき、彼女は抵抗する気力が失せ、諦めの境地に至った。男の分身は内腿を伝って攻めあがる。霧島の秘所まで。
「ふぁっ……ぁあぁっ」
 穂先があてがわれ、それはゆっくりと侵入しようとする。
「っ、ぁっ!痛ッ……!ぅああぁ!」
 破城鎚は無情にも防壁を粉砕した。快感とは程遠い、痛覚が彼女を襲う。唇をひき結び、それに耐える――。
165"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:32:43.79 ID:YrVkILb8
(って……あ、れ?)
 まったく痛くない。
 さっきは条件反射で叫んでしまった。
 が、彼女は痛覚がオミットされている魔法少女の常。しかも頭まで届いている感覚は痛覚ばかりで、快感が上ってこない。
 ピストン運動に励む男は完全に自分の世界に入っている。まさしく好機到来。
「……万物に宿りし精霊よ。邪の闊歩を赦すな。疾くと私を助けられたし!」
 小声で、だがはっきりと彼女は言い放った。



精霊【審議中】


 それまで無風だった夜の空に突如として大風が巻き起こり、そのすべてが、霧島を助けんと集まった。
「Christ!(くそったれ)」
 風の精霊の結集にいち早く気づいた男の行動は素早かった。自分のものを引き抜くと、すぐに飛び退き、その勢いでプールサイドから撤退する。
 が、知能の低い触手にそんな判断は出来ない。
 瞬く間に風の刃が深緑の触手を叩き斬り、青い血を撒き散らす。その青色の霧の中で霧島は解き放たれた。
 自分の脚ですっくと立つ姿はまさに正義の執行者の体現。
 逆上する触手は、次々とプールの水面下から霧島に襲いかかる。霧島は避けるどころか、その場で微動だにしない。
 口は動いていたが。

 闇夜で分からないが、プールの水は大蛸の青い血で染まったはずだ。
 触手の本体――プールに潜む大蛸は無惨にも四散し、内臓が破壊されていた。水中の重力が霧島と精霊の所為で操作されたせいだ。
 ありとあらゆる方向から掛かった十倍ないし百倍の重力に大蛸は一秒もせずに絶命した。
(どーしよ)
 一方、霧島も戦後処理に困惑した。シャツのボタンをかけ直しながら考える。目の前の大蛸の死体なんかはまったく気に掛けていない。
 シャツはところどころ破れて、スカートも水を吸ってしまっている。彼女は明日――登校のことで頭がいっぱいだった。
 午前三時のことであった。
166"乾坤一擲"霧島さん!:2011/07/10(日) 18:38:14.32 ID:YrVkILb8
以上で投下終わりです
最後が尻切れ蜻蛉みたいになってしまったのは、途中で君主候補が善に戻ったからです
霧島さんが続くかはわかりませんが、今後ともよろしくお願いします
167名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 00:21:23.41 ID:fWizZVEW
...魔法少女、なのか?
168名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 23:13:39.23 ID:tGzJKRVx
スレ違になっちゃう話だが、オススメの魔法少女物のエロゲって、どんなのがある?
169名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 00:11:40.08 ID:2np3OtXt
魔法少女アイ参
170名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 00:33:07.38 ID:qNzX8tTT
>>168
魔法天使ミサキ、かのん、ミサキ2
171名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 00:58:38.80 ID:c4WN86t5
Triangl全般
172名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 01:32:41.10 ID:sA05MVkb
>>170
ナツメの元ネタのシリーズだな。
個人的にはかのんがお勧め。
173名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 02:24:36.26 ID:w7pIVV7Z
戦う変身ヒロインがやられちゃうゲームスレ 第138話
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1308668621/

ここ行ってらっしゃい
174名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 09:00:32.57 ID:GXXFikeV
>>166
テンポの良い文章で読みやすかった
逆さ吊りマニアなんでそこも良かったな
フリフリの衣装に変身ってだけが魔法少女じゃないよね
GJ
175名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 21:18:54.82 ID:iqdB0yEY
この電力不足を、魔法の力でなんとかしてもらえないかニョロ
176名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 22:32:41.93 ID:N18Ww6No
そんな時お勧めするのが、この魔法少女を縮小化し小瓶に閉じ込めたこの商品
その名も「エネルギーカン」
瓶をふると、魔法少女の子宮に入っているスライム君が魔法少女を刺激して、魔力を抽出
抽出した魔力は魔法少女を閉じ込めている電気系スライムによって、その場で電力に変換されます
買った後もメンテナンスなどの手間は一切いりません!

熱いけど昨今の事情であまり冷房器具を使えない、そんな今だからこそお勧めする一品です
177名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 09:00:51.10 ID:TMTsUbo+
プールに現れた身体を淫具にして攻撃するスライムに不覚を取りコスチュームと同化され、
一般人に視姦されながら全身バイブ責めの全陵辱の末に倒されしまう魔法少女
178名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 23:42:09.91 ID:hL6Sgefj
>>169>>170
前者は異世界から戦う為に来た少女。
後者は現実世界の少女が戦いに身を投じる筋書き。

魔法少女モノは必ずと言って良いほどこのどちらかなのだが、
落ち着いて考えてみると見事に正反対だよな
179名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 00:34:01.16 ID:hT8Z0beh
>>178
舞台自体が、最初から現実の世界をベースにしていない場合があるぞ
逆に言うと、現実の世界をモデルにした舞台で、少年少女が闘いに身を投じるのにその二つのパターン以外って、ありえないでしょ
ガンダムだって後者じゃないか?

異世界から来たけど、特別な力を持たないごく普通の女の子が、出向いた先の世界(俺らの世界ベース)を守るために
その世界にはない上に、自分が身に付けていたわけでもない神秘の力をどこかから学んで戦いに身を投じるってのは、ある意味斬新だけどさw
180名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 01:06:12.30 ID:ustW13m/
異世界から来るヒロインは大抵先頭のプロ。けど何らかの理由で弱体化してる事も多い。
慣れない世界で悪戦苦闘している内に主人公(男)とラブラブな展開も。

リアルワールド出身のヒロインは、戦いを通して成長していく姿が割と順当に描かれる傾向にあるかな。
いや、このスレてきにはずぶずぶぬっちょんべろりんなワケだが。
181名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 08:54:37.34 ID:aGtvPWFa
くだらない質問で申し訳ないが

現代の闇に潜むとある勢力が魔法少女と呼ばれる尖兵を作り上げ、世界征服を企てる
それに立ち向かう「レジスタンス」と呼ばれる反勢力が魔法少女の素質を持つ少女達を保護しつつ勢力拡大を阻止するが
敵の圧倒的な勢力になす術もなく次々と少女達がさらわれてしまう
そんな中、「レジスタンス」のリーダーであるヒロインが戦いに巻き込まれた主人公の少年と出会い
性的な方法で「スレイヤー(魔法殺し)」の能力を与える
主人公はそれを駆使し、尖兵として作られた魔法少女を完膚なきに打ちのめし、性的な方法で元の人間に戻す


と言う風に主人公が活躍するSSは許容範囲だろうか
新ジャンル向けになりそうな内容だが
182名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 11:44:05.66 ID:SEZfXY3l
前にファンタジー系世界の魔法少女物を書いたら
猛烈に袋叩きにされた人もいたし
オーソドックス(笑)な物以外は叩かれることを覚悟したほうが良いよ
俺は応援する
183名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 12:18:16.45 ID:4MeC78xJ
>>181
魔法少女は悪者です みたいな注意書きを添えたら全然いいんじゃないんですかね?
184名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 13:46:11.52 ID:e+m+nGoE
>>181
俺も読んでみたい
185名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 14:02:04.28 ID:8KXK2Vs7
抜ければ問題はないと思うのだぜ
186名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 14:05:54.00 ID:MKDjEI4R
魔法少女が犯られちゃう〜って要するに戦う女の子が強い力で屈服させられることが基本になってるよね
ってことは多分にみんなはリョナっぽいのを期待している面がある
と思ったけど、だから既に負けてるのは人気ないんじゃないのかな
187名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 14:07:23.60 ID:MKDjEI4R
文読み返したらイミフ過ぎワロタ
188名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 23:37:48.00 ID:hT8Z0beh
ファンタジー系世界の魔法少女物なんて、荒野の魔法少女を始め、このスレでも絶賛されている作品あるだろ
馬鹿馬鹿しい煽りだな
189名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 23:47:10.67 ID:s2T2N2Vo
スレ違いの作品投下するなって、サイモリルの作者さんに噛み付いてる奴が前に居たぞ。
190名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 23:51:58.70 ID:hT8Z0beh
正直そのやり取りは覚えてないが(取るに足らない単発煽りだったんじゃないのか?)
その煽りが正当だったかどうかはともかく、"異世界舞台の魔法少女物だったから"叩かれたわけじゃないだろ
191名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 01:27:16.48 ID:ArzxtUdI
そんな、どうでも良さげな出来事を今さら掘り返して、投下を考えている人間のモチベを
わざわざ下げようとする>>182の真意がわからん
192名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 02:15:22.60 ID:JT8JiNK6
あー変身前の魔法少女がトイレで用足し中奇襲される話が読みたいなー。

って書いたら誰か書いてくれると思う?
193名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 02:15:52.25 ID:+vdfYSo6
というか魔法少女じゃなくても叩かれてなかったよ
194名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 04:43:38.43 ID:SDRycwFT
>>192
なんか、そんなエロゲがあったような…………
195名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 05:34:35.03 ID:IrtrJk9G
魔法少女アイ2だね
196名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 16:23:03.42 ID:8hNQl8fZ
>>181
仮面ライダーで例えるとライダー同士のバトロワ展開中に
一般人がライダー殺しの能力で乱入する感じか?
もう出来てるなら読みたいけど個人的な希望としては
魔法少女を召喚して戦う方が好みではある。
呼ばれる方もツンデレ気味で
「べっ、別に好きで来てる訳じゃないんだからねっ!」
だと俺に良し。
197名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 16:48:14.62 ID:8hNQl8fZ
ファンタジー系の魔法少女が微妙に叩かれ易いのは
1.変身しない
2.魔法の存在が常識化
の二つのせいで話のノリが大きく変わるのが気持ち悪いと思う人がいるからかもなぁ。
ちなみに上の二つを満たすとジャンル的には
指輪物語やハリポタの流れを汲むファンタジーになって、
変身要素を入れた日本独自のファンタジーとは
別物だと言えば別物なのです。
198名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 19:30:27.01 ID:QrypJqV/
確かにそう言う考え方自体は理解できるが、このスレに関して言えば
別にファンタジー世界系も叩かれていないので何の問題もない
199名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 21:26:26.22 ID:qQzMtWa4
どうして人間は一旦変わった話題を蒸し返してまで不毛な争いを続けたがるんだい? わけがわからないよ。
200名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 21:33:03.95 ID:IFra5MYc
じゃあ新しい話題
「ひぎぃ!?」が正しい?「ひぎぃ!」が正しい?
てか時代遅れ?現役?様式美としてまだ使える?議論しようか
201名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 21:37:31.05 ID:QrypJqV/
んな無意味な議論は参加したくねえなあw
202名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 21:57:23.60 ID:f2syZg34
参考程度に好きなシチュとか、怪物とか聞いてみたいな。

自分はスライム責め、可愛いコスがベットベトに汚されて溶かされていくとか堪らない。
203名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 22:00:09.13 ID:0WyzmNNS
>>200
てか、女の子が白目むく様なイタい思いするのはどうかと思うんだけど…
だから、「ひぎぃ!」はちょっと…

でも、白目好きな人いるんだろな
204名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 22:03:12.95 ID:IFra5MYc
処女膜貫通はどうしても痛いし……2度目3度目もまだ解れきってないから痛いし……
そりゃ触手がじっくりねっとり愛撫して解してくれるならいいけどみんな媚薬ばっかじゃないですかー
205名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 22:23:03.73 ID:4jsAE5Ig
>>203
もちろん快楽堕ちがけしからんとかいうわけじゃないけど
敵を倒す(殺す)魔法少女が負けちゃったら、死に繋がるような責め苦を受けても当然だと思うんだ。

未熟な果実が泣き叫ぶのもいいけど、酸いも甘いも知り尽くして余裕たっぷりなお姉さん魔法少女が
想像した事もない酷い太さの触手をぶち込まれて濁った悲鳴もあげるものいいと思うんだ。
206名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 00:20:05.71 ID:2mBc9zCd
>>203
仮にもここは凌辱系スレなんで、そりゃ快楽系の凌辱もあるのは確かだけど
一行目のような物も大きな需要の一つなのは確かなので
「どうかと思うんだ」と言われれば「ありに決まってんだろ!」とドヤ顔で答えるしかない
207名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 07:56:34.48 ID:hCP6Q6aM
>>202
洗脳された一般人を攻撃できず、それどころかその一般人に為す術もなく輪姦されたり、
恋人や友人、家族を人質に取られ、その人達の目の前でバイブや媚薬を使った変態的な自慰を強制されたり
とか、そんなシチュが好きです。

あんまり見かけないけど(笑)
208名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 12:16:19.64 ID:Mb1AnEoS
>>202
スカウトが敵と内通して「大した敵じゃない」と嘘の報告書を出し、
B級の中堅魔法少女のコンビと実戦未経験のE級新米魔法少女コンビを引率する引退した元S級の教官の5人が樹海に派遣され
「大した敵じゃない」敵を倒したら同レベルの魔物が数千体連携して襲って来るクリーチャー映画展開
209名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 10:54:34.89 ID:uWqgH60U
使い魔のスライム、触手、犬と異種姦していた魔法少女が溺れた悲劇的伝説の泉
以来、この泉で溺れるとスライムの鎧のに背中に触手、尻に尻尾が生えた各パーツが別人格の魔法少女になってしまう
210名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 17:36:45.14 ID:SD2UeHp0
>>203
個人的にはひぎぃ!?は演技っぽく見えちゃって
普通に痛がってる描写のがいいなあ
211名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 22:16:49.56 ID:/76HcyJx
>>209
日本語でry

あ、釣りか
212名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 22:56:24.22 ID:fp7O3yn+
まあ、もう二十年以上昔の漫画だしな
213名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 23:21:09.88 ID:q1Al2kFH
らんまネタが分かる分からない以前に、>>209の言いたいことは俺にも全くわからんがw
214名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 00:35:36.20 ID:A2kkbEw8
触装の魔法少女とか魔物と共生する魔法少女はなんか微妙
215名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 01:03:18.61 ID:bNjMPnfO
まじか
怪人の力を借りて変身する仮面ライダー風魔法少女とか考えてたんだが
216名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 01:18:20.02 ID:UK8a59u7
214一人にとって微妙だったと言うだけで断念する程度の執筆意欲なら、まあ仕方ないかな
217名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 01:31:57.10 ID:bNjMPnfO
ちょうど今日思い付いたネタだったからタイムリーだなワロス程度に言ったのに執筆意欲云々とかなんでそんな事言われにゃならんのか分からん
218名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 02:15:40.73 ID:A2kkbEw8
>>217
紹介されて登録した「魔法少女」「学園物」を売りにしたアプリが実体は魔法少女は存在せず魔物娘のカードを集めるゲームで
魔物娘もライディ的な魔物娘ではなくメイドとか魔物要素0の絵でそれでもやってたらすぐに○○改とか使い回しが出て来てイラッと来て余計な事言ってしまってすまない
219名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 05:07:39.21 ID:lMqIf7GI
お、おう…
220名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 10:33:03.85 ID:urD5SXx6
>>218
あれか………
基本的にmixiの無料アプリしかやらんが、モバゲーってゲームやってる感じしないんだよな
せいぜいパズルゲームが面白いくらいで。

また、GREEとかだと違うのもあるんだろうけど
221名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 10:37:26.27 ID:pHy/ht/9
>>216
自分が微妙だと思ったものを書けるヤツのほうが珍しいだろう。
プロでむりやり書かされてるとかならともかくw
222名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 12:42:10.52 ID:ZnWXgKfk
同一行に句点無しで20字以上は甘え
223名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 11:23:31.88 ID:UXTLM985
媚薬成分配合の服だけ溶かす都合汁は甘え
224名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 17:19:11.34 ID:o81g37RH
魔法少女の攻撃をあしらいながらの片手間で描ける、敵能力低下と感度大幅上昇のご都合魔方陣は甘え
225名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 18:00:20.06 ID:+vQhiwx2
>>223
服は魔力で構成されてるとか理由をつければおk

>>224
このスレの敵って魔法少女より圧倒的な強さの奴ばかりだよな
もうちょっと戦力拮抗してれば良いのにとは思う
226名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 19:17:32.51 ID:GZnj36kY
某スレには人間でも倒せますと言われた怪物がおってだな……
しかもそんなのに負けた魔法少女がおってだな……

あっちはいいよな、保管庫が機能してて
227名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 19:39:12.32 ID:VgpJF+OP
>>224
そんなものを使わなくても、簡単に魔法少女倒しちゃう様なボスが何体も居るなw
228名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 01:21:40.55 ID:RS6pLFYH
下着泥棒が魔人化したような、しょうもない雑魚にパンツを盗まれ負けるはずの無い敗北をする本当は強い魔法少女
229名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 02:02:32.65 ID:stB2Q7LC
パンツハンターは至高にして無敵
魔法少女ごときに負けるわけが無いのだ

つうわけでパンツ泥棒な魔法少女をですね(ry
230名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 03:48:07.41 ID:WGF1IUpy
暁美ほむらさんのことか
231名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 23:16:09.56 ID:f6uywnmS
ゴルゴ13のテロリスト版バトルロワイアルみたいに
魔法少女を火炙りにしても飽きたらない人物が、モンスターのモニターも兼ねて
魔法少女達を潰し合わせる物語。
232名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 23:31:15.28 ID:WGF1IUpy
このスレでも見たし、割とスタンダードなアイデアの気がする。>バトルロイアル物
233名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 14:23:27.59 ID:3DAmHF4v
>>223
服を溶かさない方が纏わり付いて効果ありそうなんだけど、何故かそういうのはほとんど無いよな
234名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 14:40:37.76 ID:gxGTZ4HC
そりゃ、服だけ溶かすような汁出す触手は、他の明確な目的を持ってそれを出しているからだよw
235名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 14:43:32.82 ID:1KPxeoYG
服が溶けずに乳首が衣服とこすれて感じちゃうってのが好き
236名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 22:52:50.86 ID:aKzw6Z6u
コスチュームないと魔法少女とモブと区別がつけられなry
肉体吸収や融合とかのシチュならむしろコス脱ぎは必須だが
突っ込んでえぐるだけなら脱がなくて良いよねむしろ半脱ぎが良い
237名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 09:38:54.26 ID:EzJ9QVCT
ワームに丸呑みされても、スライムプールに落ちても、オークの村に捕らえられ輪姦されてもなんともない安心安全なコスチューム
238名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 10:38:26.90 ID:zLG7i+oW
黄金聖衣みたいに、魔法少女本人がボッコボコにやられて消滅しても、コスチュームだけその場に残るんだな
239名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 18:05:31.86 ID:EzJ9QVCT
一部の属性を除き完全に防ぎ、絶対に破れ無いけど衝撃だけはノーカットなコスチューム
攻撃を受けると某魔物ハンターや美闘士並みに破れるけど大したダメージを受けないコスチューム
どちらが優秀かと言うと…
240名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 22:37:31.15 ID:UIR5fyiF
相手の攻撃を即座に分析しそれに最も適した防御能力を付加するコスチュームで………
あ、でも、凌辱まで辿り着けないな

やっぱり欠点があった方がいいのか
241名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 22:47:25.92 ID:zLG7i+oW
>相手の攻撃を即座に分析しそれに最も適した防御能力
なんかそれ、致命的な抜け道があり層と言うか、前にエロパロのどこかのスレで、そんなの読んだような
242名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 23:35:23.96 ID:UIR5fyiF
>>241
まあ、似たようなネタはあるか。
多分、こういうネタが通用するとしたら、ここ以外だと正義のヒロインスレじゃね?
最近あっちは読んでないからちょっと怪しいが。

後、マップスネクストシートで同じネタあったの思い出したww
同時に二種類のバリアは張れないだろ、ってことで同時に二種類の攻撃当ててた。
バリア使ってたの敵だけどなwww
243名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 23:42:26.68 ID:LOnZqKV4
>240
相手の攻撃に絶対に当たらないけど
当たったら一発で陵辱まで持っていかれるコスチュームで。
244名無しさん@ピンキー:2011/07/25(月) 23:55:11.51 ID:jXV2BDHs
なんだそのなんでも貫ける矛とどんなものでも貫けない盾みたいな設定は
245名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 00:43:26.16 ID:o6hMcS9F
プライドの高い強気な魔法少女が見慣れぬ魔物と戦い
魔法少女が初弾でぶっ飛ばして魔物が復活した後は「やったか!?」→「やって無い」の連続で魔法少女の魔法は徐々に効果が薄くなり、
最終的には戦略級の儀式魔法も全く効果が無くついに発狂して魔物に全身触手陵辱されて敗北する。

魔法少女の敗因は相手を見下す言動は自分の恐怖心を隠す為で、運悪く相手は恐怖心を餌とする魔物で彼女には勝ち目が無かった。

そんなお話考えた
246名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 01:48:10.20 ID:VUtUH8p5
「やったか!?」でホントにやってたことなんてあるの
247名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 09:04:14.29 ID:W+cO5yUj
>>246
ゴウザウラー最終回の戦闘シーンが確かそうだった気がする
248名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 10:57:39.64 ID:OjzXVKUc
>>246
ゾイドのアニメ無印で、そういうシーンが有った。
あの時の絶望感は異常。
249名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 14:06:13.12 ID:A3PqMaOS
グラビティカノンを跳ね返したデスザウラーか
あれ事実上人類側の最強な敵のラスボスが使うような超巨大兵器だったからな
250名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 14:22:20.10 ID:AmplsHdw
ガオガイガーFAINALとか敵も味方も「やったか!?」→逆転の串団子だったぞ
251名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 14:47:07.57 ID:A3PqMaOS
悟空の元気玉を凌いだフリーザ様
あれはそれまでの色々な演出もあって完全に決まったって思った
あれをひっくり返した鳥山明はマジで天才だと思った
252名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 15:21:48.22 ID:nmU2LzJ8
>>240
変身する瞬間にコスチュームの内側にスライムを潜り込ませるとかいろいろ出来そう
253名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 18:13:48.46 ID:bkcXY/DH
>>246は、「『やったか!?』でホントにやってた珍しい演出」の例を知りたがっていたのに、途中から
「『やったか!?』でやっぱりやれてなかったよくある演出」を挙げてないか、みんなw
254名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 21:33:58.24 ID:W+cO5yUj
この流れだと勘違いされそうなので言っておく
>>247は「やったか!?」って言って本当に倒しちゃった例ね
もしかすると、「や…やったか?」くらいの勢いだったかもしれないけど。
255名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 23:23:48.48 ID:Yf556CCx
>>235
プールの水が実はスライムの妖魔で、正体を現した時には既に遅し。
若い女性客達は黄色い嬌声を上げて悶え狂い、
肝心の魔法少女は妖魔のぐっしょり染み込んだ水着を脱ぐにも脱げず・・・。
256名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 00:40:04.78 ID:zK+h1266
致死ダメージを負って三段馬鹿な!まで言ってこれで終われる筈が、
魔法少女が「やったか!?」と言ったばかりに意地と根性で第○形態をでっち上げて復活して「なん・・・だと」と言わせるラスボス級魔族

257名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 11:33:12.66 ID:4RdFbh6l
人類に仇なす魔族でありながら、利害が一致するために魔法少女に協力する少年
二人は、価値観や種族の違いから何度も何度も喧嘩を繰り返していくが、互いに無二のパートナーとなっていく。
しかし、ある日自分の目的を達成した少年は敵陣営に寝返り、そのまま敵の首領となる。
人類の敵となった少年の姿に苦悩する魔法少女………だが同時に少年もまた彼女という存在を欲していた


ってネタを思い付いた。
そういや、「ロミオとジュリエット」的な魔法少女って、ここではあんまりいないよな?
まあ、「ロミオとジュリエット」的な凌辱ってなんだよ、とも思うけどさw
258大時化物語 1/21:2011/07/27(水) 11:41:46.85 ID:hLKctCSO
今から投下します。
※注1.陵辱ものです。
※注2.残虐描写がございますので耐性の無いかたは読むのをお控えください。
※注3.続くかもしれないし続かないかもしれません。


「悪魔だ…!!」
「悪魔が出たぞ!!」

狼狽する町の人々。
彼らの目前に在るのはその名の通り、悪魔。
鋭い爪や角や牙を有し、蝙蝠のような翼を生やした鬼のような怪物が三体もいる。
彼らは近頃に現れるようになった、人間界の裏の世界……魔界よりの侵略者なのだ。

―――ギャオオオオオオオオッッ!!

そう雄たけびを上げ、三体の悪魔達は人々を殺して肉を食らい、建物を破壊し、
己が食欲と闘争本能に任せるがままに暴れまわる悪魔。
魔術的な防御を施したその肉体は銃弾はおろかミサイルですら傷つけることはできず、
人は悪魔を前にただ怯えることしかできない。
しかし世の中光あるところに影あり、影あるところに光ありと申して、
必ずどちらか一方の好きにはいかぬものである。
人類側には悪魔に対するカウンターが存在していた。

「はぁっ!!」

若い女性のものであろう、凛と透き通った鋭い叫びが街中に響く。
直後に閃く鋭い刃が、悪魔一体の首を瞬く間に切断する。
突如現れたその人影に、人々は一瞬で安堵の笑みを浮かべる。


整った端麗な顔立ちの女性。
白地に金色の豪奢な装飾の入った短袖のドレス風のコスチューム。
純白の白手袋と、同色のニーソックス。
下半身には上と同じ白地に、裾に金の装飾の入ったミニスカート。
履物はブーツ。
手の得物は西洋風のサーベル。
そして、今にも砂金が飛び散りそうな程にさらさらと流れるプラチナブロンドの長髪。

一体の悪魔を腰のもので倒したばかりだというのにその鋭い眼光は一分の油断も見せず、
残る二体を直視している。
259大時化物語 2/21:2011/07/27(水) 11:42:49.97 ID:hLKctCSO
―――ギャオオオオオオオオオオオオッ!!

残る悪魔は即座にこの”難敵”に襲い掛かった。
左右から挟みこむように、巨大な爪を振りかざして女を狙った。

「甘いですわ」

その攻撃を無駄の無い、優雅な舞のような動作で避ける女。
ヒラリと一体の背後に回りこむと、そのまま剣を振り下ろし悪魔を縦に両断する。
こうなると後は簡単なものである。

「覚悟なさい。ハァッ!!」

残る一体もたちまち撃破された。


「おお、やった…!!」
「いつもながらに見事だ!!」

周囲からどっと歓声が湧いた。
この女性……10代後半らしい女の子に幾度も町は救われている。

「海原様、万歳ッ!!」
「万歳ッ!!」
「ありがとう、海原さんッ!!」

彼女は自分の正体を隠すなどという真似はしなかった。
旧華族の家系で財閥の令嬢でもある彼女。
生まれながらに強い魔力を持ち、更に実家の財力にものを言わせて開発した
独自の魔法技術の変身システムで魔法少女になり、街を襲う悪魔と戦っている彼女。
その家柄と気品に満ちた容姿には頼りがいがあり、皆彼女を讃える。

こんな夥しいシュプレッヒ・コールと拍手に彩られた道を、
仕事を終えた少女は優雅な足取りで去って行く。
明日の朝刊にはまた載るだろう。
『魔法少女海原龍美(うなばら るみ)、見事に悪魔を撃破!!』と。
260大時化物語 3/21:2011/07/27(水) 11:43:53.06 ID:hLKctCSO
☆大時化物語☆


その翌朝の登校時。
母校、須留目(スルメ)高校へと続く通学路を、ある一団が行く。
須留目高校三年生にして生徒会長、海原龍美とその取り巻きの少女四名からなる集団であった。

「お、おはようございます、生徒会長」
「おはようございます、海原さん…」

そう言って恭しく彼女達に道を開ける一般生徒たち。
その反応は、昨日も街を救った英雄に対するものとしてはとても違和感のある…
それこそ悪魔に怯える市民のように畏怖心に満ちたものだった。
海原豊と四人の取り巻きは譲られた道を当然のように受け入れ、優雅な歩調で歩いていく。
まるで古代の国王と民衆の構図である。

――そして、その例えはこの上無い程に的確であった。

海原龍美が生徒会役員になったのは二年の書記長の頃だが、
この頃から須留目高校における影の権力者として君臨した。
魔法少女は一般人に対しては魔法を使わない、などというものはTVの中の幻想だった。

大財閥の財力、魔法少女の武力を持つ彼女の前に当時の生徒会長はただの傀儡であり、
権限を掌握した彼女は自分の意のままに生徒会の予算を配分し、校律の改定を行い、
自らが作った校律に反した者には厳重な処罰を下した。
三年生になって名実共に生徒会長になった海原豊の独裁は更にエスカレートし…
職員はおろか校長、理事長すら海原豊への反論は無謀であった。

海原龍美の”治世”は規律と秩序を重んじ、学生が勉学と部活に励めるよう全力を注がれたものだが…
例えば部員の多い部、名を馳せている部に予算を増やすために地味な部を廃部にするなど、
独断で強引なやり口を否定する陰口は多い。
徹底的な検挙のお陰で校内のイジメ事件数はゼロになったが、
これには生徒会が尋問と称して他生徒や職員を弾圧した件数は含まれていない。
校内新聞部の報じる生徒会の支持率100%という数字もどこまで正しいのか疑わしい。
見かけは穏やかで清潔だが、そこで過ごす皆の心には表に出せない憤りが溢れ返っている、
といういびつさが今の須留目高校の校風であった。

『須留目の暴君』。
それが、世間では英雄として持て囃されている魔法少女、海原龍美のもう1つの顔なのだ。

261大時化物語 4/21:2011/07/27(水) 11:45:08.80 ID:hLKctCSO
「あ〜!! もう、また活躍してるよ英雄様は。また調子に乗ってんだろうなぁ!!」
「あんまり大きい声でそういうこと言うとまずいよ、おチヌちゃん…」

ここは2年の教室。
1限目の授業前、二人の女子生徒が雑談を交わしていた。
新聞片手に憤慨しているのは、ショートカットの陸上少女、浪速チヌ。
ツインテールの大人しめの童顔娘は、オカルト研究部唯一の部員、山本めだか。

「それに、海原さんのお陰で私達が平和に暮らせているのは本当だし…」
「だからって今みたいな横暴が許されるのか!?
新しい秩序のためにって、古い秩序を強引に潰す権利があいつらにあるのか!?
めだかの部だって、他の部に部室を明け渡せって脅されてるんでしょ!?」
「まぁ…このまま部員が来ないと、どっち道再来年には潰れるしね…」

「零細部だし仕方が無いよね、あはは」と苦笑するめだか。
そこに突然声がかけられた。

「ちょっと浪速さん、山本さん」

同じクラスの女の子で、お下げがトレードマークの…このクラスの委員長にして生徒会書記長。
海原の四人の取り巻き―――通称『海原四天王』の一人、渡瀬しゃちである。

「貴方達。今海原様の悪口を言ってなかった? 
この街、いえ世界が誰のお陰で守られていると思っているの?」
「な、なんでもないよ、渡瀬さん」
「そうだそうだ。何でもねぇよ、帰れ」
「そう?ならいいけれど…。それと山本さん、例の話忘れてないわよね?」
「ちゃ、ちゃんと月末には部室は渡すよ…今片付けてるんだよ」
「頼むわね。私も、クラスメートに手荒な真似はしたくないから」

フフッ、と笑みをこぼす渡瀬しゃちの手に光るのは銀色のロザリオ。
海原龍美が側近四人にのみ与えた力。
海原龍美が自分の魔力を編んで作りあげた模造品。
海原龍美は金色のロザリオで魔法少女に変身するが、銀ロザリオの『四天王』も彼女には
劣るものの、一般人や悪魔には充分な相手が出来る準魔法少女としての能力はあった。

四天王は下賜されたこの銀のロザリオをこれ見よがしに他人に見せ付けるのが好きだった。
校内のありとあらゆる場面で水戸の印籠並に効果を発揮できるこのアイテムは――…
まさにヤクザの銀バッジそのものなのだ。

「くそっ、何だよアイツ。所詮は虎の威を借る狐のくせにさ」
262大時化物語 5/21:2011/07/27(水) 11:46:19.59 ID:hLKctCSO
渡瀬しゃちの去り行く背中に毒を吐くチヌ。
チヌは海原龍美も嫌いだが、彼女に力を与えられたというだけのくせに
大威張りしている『四天王』の面子が海原龍美以上に大嫌いだった。
その中でも、時期会長として来年度この学校に君臨するであろうと
特に調子に乗っている渡瀬しゃちは反吐が出るほどに嫌いだった。

「めだかもさぁ。オカルト部なら呪ってやれよ、あいつらをさ…!!」
「でも海原さんたちがいないと結局は私達が困るしね…」
「あ〜、もう、嫌だぁ!! 悪魔に征服される世界も嫌だけど、
魔法少女の奴らが威張りくさってる今の世界も嫌だぁ!!」
「困ったねえ…。あ、先生来たよ、おチヌちゃん」
「うおっ本当だ。教科書教科書…!」

少女達の会話はそこで中断され、授業が始まった。



飛んで深夜の3時。
市内の山中にある須留目神社は廃社になって久しい。
元は荘厳な作りだった木造の建物はあちこちが腐り、穴が開き、
境内だった場所は雑草が無秩序に生えて敷地外の草むらと区別がつかない。
昼間すら訪れる人間はおらず、夜となると尚更――と普通人は考えるだろう。
しかしこの須留目神社は、毎晩必ず一人は参拝客を迎え入れていた。
ただし全て同一人物だが。

服装は白装束。
頭には逆さまになった鉄輪をくくりつけ、その上には三本の蝋燭が立っている。
靴の代わりに一本歯の下駄。
顔に白粉を塗り、唇には異常なまでに濃い紅。
歯には櫛を咥え、髪を振り乱しながら境内の杉の木に五寸釘を藁人形に打ち込む。

(呪いで人が殺せたら…!!)

今朝友人に言われるたことは、実は彼女にとっては今更のことだった。
この半年、山本めだかは毎晩夜1時から3時頃まで、この日課を続けている。
昼間の穏やかな彼女も彼女の本質には違いないが…
この2時間の間だけ見せる憎悪の塊となった彼女もまた、彼女の本当の姿。
この丑の刻参りは怨敵海原龍美を呪い殺すための儀式だ。

これほどまで強い憎悪を生み出す動機が彼女にあったのか?と言えば、あるのである。
実はめがかが1年の頃に、当時生徒会長だったのが2歳離れためだかの兄であった。
263大時化物語 6/21:2011/07/27(水) 11:47:24.49 ID:hLKctCSO
兄は当時書記長だった海原龍美に全ての実権を渡すよう脅されたが、屈しようとしなかった。
彼女の横暴を許すことは道理に反すると思ったのだろう。
正義を重んじる兄らしい考えだ。

しかしやがて兄の瞳から徐々に生気が消えうせ、最後の方には死んだ魚のような目で
学園生活を送るようになってしまった。
これはあくまでめだかの推測なのだが、少なくとも兄は海原龍美によって魔法をかけられ
廃人に追い込まれたのではないかと思っている。
やがて生命力の尽きた兄は死んでしまった。
医者は原因不明の衰弱死として事件にはならなかったが…その日からめだかの、
海原龍美への憎悪は計り知れない。

(人類を守っている魔法少女であろうとかまうもんか…!!
呪い殺してやる!! 絶対にあの女を、呪い殺してやる…!!)

めだかは、元来趣味で研究していただけのオカルトに完全に入り込んでしまっていた。
尤も、めだか本人も本当に呪いで人を殺せるとは思ってはいない。
圧倒的強者に対して立ち向かう術を持たないしがない一般市民の、
せめてもの自慰行為に過ぎないことはよく分かっている。
故にこの後起こった事柄は彼女の想像を遥か上を行くものであったし――、
まさか本当に自分のオカルトであの強者に反抗することになるなんざ、
めだかは思いもしなかったのである。



出会いは突然訪れるものである。
生徒会長、海原龍美の写真を張り付けた藁人形に必死で五寸釘を打ちつける日課を
終えためだかは、憑き物が落ちたかのように血の気が引いて、普段着に着替えを始めた。
ストレス発散のための呪いの儀式の間は狂ったようになっていても、
時間を過ぎれば普段の、穏やかな女子高校生の顔つきに戻るのがいつものめだかだった。
…ただし、今日に限っては、そのまま帰ろうとするめだかに背後から声がかかった。

「ちょっとアンタ。待ちなさいよ」
「えっ……?」

ここには自分しかいないはずなのに…。
ぞくりと寒気を覚えながら振り向くと、そこには誰もいない。

「あれ?」
「どこ見てるのよ、ここよ、ここ!!」
264大時化物語 7/21:2011/07/27(水) 11:48:30.30 ID:hLKctCSO
「あっ…!?」

下だ。視線を下げるといた。
視界に入ったのは、一人の少女だった。

「誰っ!?」

明らかにそれは人ではない。
背丈は手のひらほどのサイズの、
角や牙が生え、蝙蝠のような翼を生やした赤毛の少女だ。
パタパタと翼を動かして飛翔し、めだかの目前まで上がってきた。

「誰、じゃないでしょ!? 呼び出したのはあんたでしょ! 放って帰るって何よ!!」

呼んだとはどういうことだろう?と首を傾げるめだか。
それで彼女がよく状況が飲み込めてないことは赤毛の少女には分かったらしい。
呆れた顔になって、めだかに改めて説明した。

この須留目神社はこの街でも最高の霊脈である。
めだかは知らずにここで毎日毎日、真剣に海原龍美を呪い殺したいと願い、
古来の様式に沿った儀式を正確に行っていたため、土地の霊脈が呪いに汚染された。
それが負のエネルギーを生み魔界へのゲートが開き、少女の呪いの心に導かれるままに
悪魔の少女がやってきたというのだ。

「ってことは、貴方は悪魔…?」
「悪魔のドル=フィンよ。よろしく。フィンとでも呼んで頂戴」
「よ、よろしく。私は山本めだか…。
でも悪魔って、もっと凶暴で、喋ったりはしないんじゃ?」

少なくとも知性がある生物には見えなかったとめだかが言うと、フィンはそれに答える。

「こっちに魔法少女ってのがいるでしょ。
魔法少女はそれ自体がジャマーみたいなもんなのよ。魔法少女がいるだけで、
人間界に来た悪魔は霊脈から魔力を上手く引っ張れず劣化しちゃうのよ。
こっちに攻めてきた連中はアンタ達にはバケモノにしか見えなかったかも知れないけど、
魔界じゃ皆それなりに名の通った戦士だったはずよ」
「フィンちゃんが、ちゃんと喋れるのはどうして?」
「私はアンタの願いで召喚されたんだもの。
アンタって寄り代がある間は、私はこっち寄りの生き物になってるから…
こっちの霊脈から魔力の供給は受けられるわけ。知性が残ってるのはそのお陰よ」
265大時化物語 8/21:2011/07/27(水) 11:49:34.25 ID:hLKctCSO
ただし、人間界の生き物に近付くということは従来の悪魔としての能力を劣化させると
いうことなので、サイズも小さくなるし戦闘力もなくなるのだが。
それを伝え終えると、フィンは手を差し伸べて悪い顔つきになった。

「そこでよ。ねえアンタ。私と組まない?
言った通り、今の私達には人間界を侵略出来る決め手が無いわ。
そしてアンタにも、今は力が無い。
でも私と契約を交わせば、アンタは悪魔の本当の戦闘力を手に入れられる。
利害は一致しているわ。一緒に魔法少女を潰そう!」
「えっ…?」
「私にはアンタの心の色が分かる。表側は基本的には明るい色だけど、
その心の奥行きはどこまでも、凄まじくドス黒い空間が続いている。
憎んでいる相手がいるんでしょう。それでも敵わないのが無念なんでしょう。
アンタに力があれば復讐できるのにって、思ってるでしょう」
「それは、そう、だけど…」

心の底では憎んでいても理性のブレーキが人間にはある。
海原龍美のことは嫌いだ。
けど彼女がこの街を守っているのは紛れもない事実で…それで救われている人は
自分も含めて大勢いる。
万が一彼女が消えた後、誰がこの街を悪魔の侵略から守るというのか。
まして自分に契約をもちかけているのは、その悪魔の仲間じゃないか…。
とても呑める話ではなかった。

「…ごめん、フィンちゃん。やっぱり、私には無理…。
海原さんのお陰で守られているものも、たくさんあるし…
そもそも、本当に海原さんがお兄ちゃんを殺したって証拠は無いし…。
私は彼女を呪っていたけど…いざ本当にできるって言われると、
そうもいかないって言うか…」

このめだかの発言はナンセンスだとフィンは思った。
呪いという人に在らざる力に頼った時点でそれはヒトの生き方ではなくなっている訳で、
そのめだかが人の身がどうとか言うのは、理に合わない。
証拠の有無にしても、既に呪いに手を染めているなら、その是非を確認する地点は
当の昔に通り越しているではないか。後は突っ走るべきじゃないのか。
しかしその複雑さが人の性ということも分かるので、フィンは一度身を引いた。

「そう。人間って面倒くさいわね。
まあ私は姿が見えない時でもアンタの傍にはちゃんといるから、
力が欲しくなったら言いなさいな」
266大時化物語 9/21:2011/07/27(水) 11:50:46.88 ID:2mInQ+vl
それに対しては返事をしないまま、めだかは帰宅した。
フィンの姿は消えているが肩にかかる重みは感じる。
多分、あの小さい悪魔少女は肩に乗っているのだろう。
フィンと喋っていたせいでいつもよりも遅くなってしまっており、早くしないと夜が明ける。
寝るのは授業中でもいつでもできるが、朝に自宅にいないとなると親がやかましいのだ。



悪魔の囁きが聞こえてから幾日か。
月末になり、渡瀬しゃちが予告通りオカルト研究部の部室を訪れた。
以前まで置かれていたいかがわしいオカルトグッズの数々は片付けられ、
普通の教室の姿になって渡瀬しゃちを迎え入れた。
隅々まで行き届いた清掃には、清潔好きの委員長、渡瀬しゃちも満足そうである。

「ちゃんと綺麗に片付けてくれたのね。ありがとう、山本さん」
「いえ…」
「じゃあこれにサインしてね」

オカルト研究部の部長として、部を廃部にして学校の登録からはずす旨の書類と、
部室を他の部に明け渡す旨を了承する書類である。
めだかは1年半の短い間ではあったがお世話になった部室を惜しみつつサインをした。
しかし普通はこの程度のことで相手を殺そうとか…そんな思考になるはずが無い。
このまま何事も無ければ、この受け渡し作業は滞りなく進み、明日からも二人には
普段通りの日常が訪れるはずであった。
それを破壊したのは……この生徒会書記長のぽろっと洩らしてしまった一言だ。

「まったく、山本先輩もこのくらい大人しく従ってくれれば、
あんなことにならずに済んだのに」

―――今、この女は何と言ったか。

めだかの顔つきが険しくなる。
全身の震える。
相手はめだかの変化になど気付かず受け取り確認のサインをしている。
そのしゃちに。

「ねぇ、渡瀬さん…。今のって…」

めだかは、恐る恐る今の真意を尋ねた。
しゃちは一瞬何のことかと首を傾げたが、半年前に死んだ前生徒会長と
目の前の女子の苗字が同じことに気がつくと、何か納得したような顔つきになって答えた。
267大時化物語 10/21:2011/07/27(水) 11:51:49.89 ID:2mInQ+vl
「ああ…、ごめんなさい。お兄さんだったの?」
「そう…だよ。私のお兄ちゃんだったの、前会長は…」
「それは気の毒だったわね。でも仕方が無いでしょう。海原様は絶対のお方だもの。
あのお方に背けば、廃人にされても殺されても文句は言えないわ。
正義感だけが取り得の愚民が、英雄の道を妨げるからああいうことになるのよ」

素っ気無いその回答に、めだかの中のブレーキが壊れた。
兄の死の真相。
海原龍美に抱いていた怨み、その根幹たる『疑心』が『確信』に変わってしまった瞬間。
いや仮に本当に海原豊が兄を殺したとしても…もう少し言いようが変わっていれば
ここまでめだかが心の闇を露にすることはなかっただろう。
しかし『海原四天王』の一角、時期会長候補筆頭の彼女にはそんな心遣いをする気は無い。

――さぁ、ここでどんな反応が返ってくるかしら。

そんな興味有り気な目の動き。
気遣うどころか、むしろ準魔法少女たる自分に反抗する力の無い一般生徒が、
打ちひしがれ泣き寝入りする姿を見て悦に浸るサデォスティックな感情すらあった。
つまるところ、『四天王』とはそういう存在なのだ。
チヌの言っていた通り…海原龍美のコバンザメとして威張り散らす、弱者にとっての敵。
歯向かわれないと知っているが故の驕り、傲慢。
めだかはキレてしまった。

「…フィンちゃん」

許せない。
人類の守護者だかなんだか知らないがこのクズ共は最優先で潰さなければ。
悪魔と接点を持ったことで、めだか自身の沸点も低くなっていた。

――覚悟、決まったんだ?めだか。

左肩の上から聞こえる声にめだかは頷く。

「うん…。頂戴、この人たちを倒す力。もう細かい事は…どうでもいいや」

――オーケー。じゃあ行くよ。

次の瞬間には、山本めだかの身体にはこの上無く邪悪なオーラが溢れていた。

268大時化物語 11/21:2011/07/27(水) 11:52:52.76 ID:2mInQ+vl
「…嘘、でしょ?」

渡瀬しゃちは目を見開いて目前の現実に動揺していた。
このオーラは間違いなく悪魔のものだ。
しかしそれは見慣れたバケモノではない。
先ほどまで自分と会話していたクラスメートが、
魔法少女のような真紅のゴスロリ風コスチュームを纏ってそこにいる。
黒のツインテールは解け、色彩を変えて燃えるような長髪になり、
その髪の奥からは羊のような二本の角が生えてきた。
手には髑髏のついた大振りの鎌。
それがあからさまに敵意むき出して目の前に立っている。

「山本さん…!?どういうこと!?ねぇ、どういうことなのよ!?」
「うるさいよ」

目つきがもう人間のものじゃない。
穏やかな山本めだかの瞳はどこにも無い。
めだかは鎌を振り翳すと、何の躊躇も無く渡瀬しゃち目掛けて振り下ろした!

「くっ…!!変身!!」

渡瀬しゃちは咄嗟にロザリオを輝かせ、自分の服装を戦闘用のコスチュームに変えていく。
白を基調にしたミニスカドレス風の戦装束というところは、海原龍美のものと同じだが、
劣化品ということで龍美のものにあるような金の装飾は入っていない。
当然、使える魔力やコスチュームの防御力は豊のものに数段劣る。
しかし…それでも彼女とて、海原龍美の側近として悪魔と戦ってきた兵士。
槍捌きはナマクラではない。

「…ッ!!」

めだかの振り下ろした鎌の一撃を槍で受けるが、受けきりはせず、横にさらりと受け流す。
上段振りの反動を殺しきれずめだかの身体は前のめりに崩れる。
その隙をしゃちは突く。

「甘いわね山本さんッ!!その程度の腕で、私に勝てると思ったのかしら!?」
「嘘…っ!?」

まあ、無理の無い話である。
山本めだかにはこれが初陣なのだ。
準魔法少女とは言え、戦闘経験のある渡瀬しゃちに技量では劣る。
しゃちの鋭い突きは隙丸出しのめだかの左脇腹を容赦無く襲った。
269大時化物語 12/21:2011/07/27(水) 11:53:57.31 ID:2mInQ+vl
これが決まれば、槍はめだかの心臓へと突き刺さり勝敗が決まる。

「あ……」

ほんの一瞬のこと。
めだかの背筋はドライアイスでも乗せられたようにゾクッとなった。
生きている気がしないとはこういうことだと思った。
死ぬ。
顔からも生気が失せ、死ぬということを確信した絶望と、それを受け入れたくない
生への未練が、めだかに何とも言えない怯えたような表情をさせた。
しかししゃちは彼女を哀れに思わない。
どんな経緯でこんな力を得たのかは分からないが、そんな半端な覚悟で
戦場に出てきたことが間違いなのだ。

(クラスメートに手を上げたくは無かったし…本当は生きたまま捕らえたかったけど)

山本めだかに聞きたいことは山のようにある。
仮に魔界の悪魔について情報を持っているならこれ以上貴重な証人はいない。
どんな拷問を使ってでも知っていることを吐き出させなければならない。
成功した時の、海原龍美からの賞賛は計り知れないものになるだろう。
しかし、それが困難と知っているのが渡瀬しゃちという女だった。
故に自分が海原龍美に褒められているシーンを思い浮かぶと同時に捨て去ることができた。

「山本さん!! 冥府へと案内してあげるッ!!」

迷いの無い神速の槍先は音も無くめだかの脇腹に直撃し。
ぽきりと、音を立てて折れた。

「えっ…?」
「えっ…?」

同時。
二人とも、意外な結末に間抜けな声を上げた。
多くの悪魔を葬ってきたしゃちの槍先は空中に舞い、やがてからんと床に落ちた。
めだかの纏っているコスチュームは強靭だ。
それも道理で、めだかは悪魔と契約したことで自身の身体を悪魔のものに作り変えた訳だが、
そのエネルギー限は今までの悪魔のように制限下には無い。
元が人間のめだかは、人間界の霊脈を自由に使って魔力の調達ができるのだ。
その魔力で編んだ悪魔兵のコスチュームは、準魔法少女の槍ではびくともしない。
270大時化物語 13/21:2011/07/27(水) 11:55:00.56 ID:2mInQ+vl
「くっ…!!」

逐次戦場の動向を予測し、計画を立てている渡瀬しゃちの行動は早かった。
槍が折れていささかのショックを受けても、槍先が床に落ちるまでの刹那に
携帯電話を取り出してボタンを押し始めている。
同時にブーツで床を蹴って後退。
目標は教室後部の窓だ。
あれを破って校庭に出れば、連絡が付き次第海原と他の『四天王』三名が動く。
今のを見る限り準魔法少女に装備のスペックでは勝っているが、
戦術的な判断と個人の技量ではめだかは一人にも及ばない。
同時に五人を敵に回すとなれば、いかに悪魔の力を得ているとは言え勝つのは難しい。

「何してんのめだかッ!!ここで逃げられたらあんたは負ける!!」

煽るフィンの声が聞こえる。

「分かってる、よッ!!」

めだかの判断も素人にしては上等だった。
まず必死で床を蹴って前方に飛び、床に落ちていた敵の槍先を回収。
細かい照準をつけている時間など無い。
思い切りに任せてのイチバチの賭け。
それを振り返り様に全力でぶん投げるっ!


「ぐあああああああああああッ…!!!」

悲鳴が上がった。
めだかの賭けは成功した。
後一歩でガラス窓を破って外に出られるところだったが…
今の一撃で負傷したらしく、血を流しながら床に転がっている。

「ぐ…。携帯、携帯を……」

激痛に耐えながら、しゃちは急いで落ちた携帯を拾おうとする。
急いで連絡すれば…仲間さえ呼べればまだ間に合うかもしれないという、
儚い希望をもって。

「あれ?」

途端にしゃちの顔が呆けた。
271大時化物語 14/21:2011/07/27(水) 11:56:08.33 ID:2mInQ+vl
妙だ。拾えない。目の前にある携帯電話を…左手を伸ばせばすぐ届く携帯電話を、
しゃちは拾えなかった。
どうなっているんだとしゃちは自分の左腕を見て―――、凍りついた。

「あ、れ…?」

無い。
腕が、無い。
純白の手袋に包まれた左手は肘の下からどこかに行ってしまっていて。
代わりに赤い液体が床を汚している。
めだかの懇親の一撃は、見事彼女の左腕を切断することに成功したのだ。

「い、いやあああああああああああああ!!」

上がる悲鳴。
そりゃそうだろう…。魔性少女として死ぬ覚悟は出来ていると言っていても、
平時は普通に過ごしている女子高生なのだ。
手入れを欠かさなかった腕が突然とんで、動揺しないわけが無い。
先ほどまでの余裕は一気に崩れた。
蒼白となり、涙を流し涎を垂らし、ただ狂ったように泣き叫ぶ。

「いやああああああ!!腕、腕、腕…!!返してよ、私の、私の腕ぇぇ!!いやあああ!!」

狂乱する彼女の要求はめだかの方を向いてない。
誰もいない方角に、ただパニックを起こして叫んでいるだけだ。

「に、にげな、きゃ…逃げ、逃げなきゃぁ………」

腰が抜けて立ち上がる気力も無いのだろう。
戦士の誇りの槍を捨てた右手で、なんとか床を這い、先ほど逃した窓に迫る。
しかしもう蹴り破って校庭に出るほどの気力は無い。
右手でガラスを叩く音が虚しく響くだけである。

「お、お願い、割れて、割れて……。死にたく、死にたくないよぉ……」

シャァァァァァ………。
後ろから見ていると、しゃちの純白のミニスカートの奥がよく見える。
白地に水色の縞の入ったパンツに黄色い染みが浮き出て、これも床を汚し始めた。
脆いものだった。
既にこれは、めだかの敵ではなくなってしまっている。
272大時化物語 15/21:2011/07/27(水) 11:57:12.62 ID:2mInQ+vl
「で、これどうするの、めだか」

あくまで正規の魔法少女を倒すことにしか興味が無いフィンは興味なさ気に聞いてきた。

「殺すよ。お兄ちゃんを殺したこいつらを……しかもそのことを悔やんだり、
微塵も悩んだりしないこいつらを、一人でも生かしておく義理なんて無いでしょ」
「ひゅ〜。悪魔兵士初日から良い悪魔っぷりだね!」
「人間だからだよ…。人間だから、こういう感情を持てるんだよ…!!」

鎌を振り上げるめだか。
既に敵は精鋭ではなく、生板の上の鯉だ。

「助けて…誰か、助けて……」

生殺与奪は思いのまま。
何しろこのまま、あの華奢な肉体に得物を振り下ろせば、容易く止めを刺せる。
…しかしこの時、めだかは殺したいという思いに振り切れなかった。

「めだか…?」

フィンは、鎌を構えたまま停止し…更に振るえ始めためだかの顔を覗き見る。

「おかしいな、フィン…。あんなに殺したいと思っていた人たちなのに…。
今の私は、全然殺したいなんて思えないんだよ…」
「めだか!?」

山本めだかは、笑っていた。
もうこの上無いほどの笑みを零し、抑えきれない快楽が体を震わせているのだ。

――楽しい。すごく楽しい。

邪悪に輝く瞳がそう叫んで止まらない。

「だってそうでしょう!? あの海原の部下がだよ!? 見てよこの有様だよ!!
もう私のことなんか分かってもいない!!
ただ生きたい生きたいって、血を流しておしっこ垂れ流して、惨めなもんだよ!?
あはははははは、いい気味だ!!
私は渡瀬さんの惨めな格好をもっと見ていたいよ、ねぇフィン!!」
(うわあ……)

流石の悪魔ドル=フィンもドン引きな思考回路。
273大時化物語 16/21:2011/07/27(水) 11:58:16.90 ID:2mInQ+vl
山本めだかは完全に変なスイッチが入ってしまっている。
めだかと言うより、ピラニアみたい。

「そうだよ…。殺すなんてダメだよ。要求どおり、急いで腕は治してあげようね。
そんでもってその後散々苦しめてあげなきゃ嘘だよ。
ちゃんとお願い聞いてあげるんだから、そのくらいはいいよね!!
あはははははははははははははははははは!!」

先ほどのしゃちに渡した書類はまだ受理されていない上に今の騒ぎで散ってしまった。
ので、今はまだここはオカルト研究部部室、すなわちめだかの城である。
城で城主が何をしようが勝手と言わんばかりに、めだかは虚しく窓を叩きつける
委員会書記長に手を伸ばした。

「さあ…助けてあげるからこっちに来ようね、渡瀬さん!!」

――――この上無く邪悪な笑みと共に。




「うっ…、ううっ……」

その日の夜、オカルト研究部部室。
渡瀬しゃちはまだ泣いていた。
千切れた左腕はめだかの魔法によって既に治癒されているが、
彼女がめだかの部室から逃れられないのは…彼女の作り出した魔法の鎖によって、
四肢を大の字に拘束されているからである。

下校時間に一度姿を消した山本めだかはまだ戻ってこない。
しかしこのまま放置ということはあるまい。
あの邪悪な笑みは、絶対に恐ろしいことを考えている。
一体自分は何をされるのか…。
そのことで頭がいっぱいで、あれからずっと怯えていた。

(助けて…。海原様…、どうか、助けて……うっ…)

そこには、昨日までクラスで威張り散らしていた『四天王』様の姿は無かった。
そんな彼女の不安を煽るような大きな音でガラガラと扉が開かれたのは直後のことだった。

「お待たせ渡瀬さん。ごめんね、皆集めるのに時間かかっちゃって…!! あはははは」
(山本さん…。何をするつもりなの…?)
274大時化物語 17/21:2011/07/27(水) 11:59:23.43 ID:fE8uCMXh
「おうおう、怯えてるね。いい顔だよ渡瀬さん。何、簡単簡単。さあ入っておいで」

めだかの手拍子に乗って、ぞろぞろと雑踏が部室に雪崩れ込んでくる。
いずれも男子生徒…それも見覚えのある顔ばかりであった。

(って、全員うちのクラスの男子!?)

寒気が走る。
これだけのクラスの男を集めてめだかは何をする気なのだろう。
はっきり言って、渡瀬しゃちのクラスでの本当の人気は著しく低い。
銀のロザリオで高圧的に出ていたが故の今までの地位。
それが力を出せないこの状況では、海原一派に積もり積もった怨みを
抱いた連中から何をされるか分かったもんじゃなかった。
女性としての危機感すら覚えるしゃち。…そしてその想像は正解なのである。

「すげぇ…、本当に委員長だぜ!!」
「悪魔とも戦ってきた委員長が…」
「よく勝てたなぁ、山本」
「あははははは。お世辞はいいから。さあ皆、日頃の鬱憤を晴らしてよ!!」

パチン、とめだかが指を鳴らすと、魔法の鎖が切れて、
白のコスチュームに身を包んだ少女戦士の肢体が床に落ちる。
抵抗しようとしても、これができない。
既に彼女の力の源である銀のロザリオはめだかの魔術によって魔力の供給口が
塞がれており、変身状態にあっても力は出せないし、変身を解除することもできない。
つまり今の渡瀬しゃちは、コスプレを解くことが出来ないただの姉ちゃんである。

男子生徒は、餓えた野獣そのものとなって、純白の準魔法少女へと群がった。
実は須留目市は海原の徹底した活動により、18歳未満の18禁グッズの入手は
絶対不可能となっており、仮に発覚した場合は魔法処罰の対象となったため、
若者たちは日頃のオカズに事欠く有様だったのだ。
だから魔法少女一派への怨みは深く、また溜め込んだ性欲の反動も大きい。

「ちょっと、やめて、やめなさい!!皆、やめて!!
私に恨みがあるのは分かる、でもあの人、山本さんに手を貸すのはやめなさい!!
あの人は悪魔の手先なのよ!!」
「知ったことか!!」
「俺達にとっちゃエロ本を取り上げたお前らこそが悪魔だ!!」
「お前らは俺達を守るとか言って、結局自分のことしか考えてねぇじゃねぇか!!」
「きゃああああああああ!!」
275大時化物語 18/21:2011/07/27(水) 12:00:28.55 ID:fE8uCMXh
まず手をかけられたのは胸元だった。
魔力の供給不足で耐久性が皆無になっている純白のコスチュームは容易く裂け、
下につけていた白色のブラが露になる。

「お、お願いやめて、だめ、だめぇ……いやああああ!!」

泣き叫びながらお下げを振り乱すしゃち。
しかし容赦なくブラを剥ぎ取られると、ぷるんと形の良い胸が躍る。

「へぇ〜。委員長、いい胸してんじゃん」
「いやぁ、いやぁ……、やめて、おっぱい揉まないでぇ!!
お、お願い、もう、もう許して、帰して……おうちかえ…ふむぅ…!!」
「ちょっと煩いぜ。口塞いでおこうな」

口を塞いだそれからから染みる塩味。アンモニアの匂い…。
昼間に失禁したまま履いていた自分のパンティ。
それを強引に引きちぎられて、口に押し込まれたのである。

(おえええ……。く、臭い…、それに、私の、おしっこ…皆に、見られて…あああ……)

恥ずかしいやら情けないやら。
止まっていた涙がまた溢れてくる。

「あーあぁ、泣いちゃった。
ちょっと渡瀬さん、正義の味方(笑)がそんなことで泣いてどうするのかな!?
もうそんな資格無いのかな!? ねぇ、どうなの!?」
(言わないで……山本さん…うっ…)

その時、しゃちの手袋とブーツが男子達によって押さえ込まれる。

(!?)

覗かれる、下着を剥ぎ取られた跡のミニスカートの中。
火が出る程に恥ずかしいのにしゃちは何も出来ない。
四肢に力を入れてもいまの彼女には振り払うことなどできないのだ。

「へぇ…。けっこう毛深いな」
「ぼーぼーじゃん、ほれ、皆見てみろ」
(やめてぇぇぇぇ!! もうやめてよぉぉぉぉぉぉぉ!!)

口をパンティで塞がれながらも「ふぐぅ、ふぐぅ」と苦しげに訴えるしゃち。
276大時化物語 19/21:2011/07/27(水) 12:01:33.88 ID:fE8uCMXh
そんな彼女を無視して、いよいよメインイベントの幕が開く。
手の空いていた男子生徒がズボンを降ろし己が一物を取り出すや、
それがそうとうな大きさになっていく。
大きさに自身が無い人には魔力でお望みの大きさにしてあげるという、
めだかなりのサービスによるものだった。
一人が早速そのペニスを、身動き取れないしゃちのヴァギナに宛がう

(―――――!!!)

カッと目を見開くしゃちの反応は今までで最大のものだった。
処女を奪われる。…それも、こんな形で。
正義の味方、魔法少女海原龍美の側近として昨日まで学校を牛耳ってきた渡瀬しゃちが、
こんなところで下らない男共に処女を奪われる。
その無念は計り知れないが……刑は無慈悲にも執行された。

(ぎゃああああああああああああああ!!!)

大きなペニスによる、愛撫無き姦通。
処女膜を突き破り一気に子宮口まで到達するペニス。
処女のヴァギナはペニスを締め付けようとし、ペニスはその中で積極的に出し入れをされる。

(い、いやああああああああ!!痛い!!痛い!!削れる!!膣内、削れる!!
やめて、やめて、やめてよおおおおおおおおお!!
処女!! 私の処女!! 処女だったのにいいいいいいい!!)

羞恥心と屈辱と痛みによる苦痛と。
様々な感情が入り混じって苦しむ準魔法少女。
めだかはとても楽しそうにスパンキングを眺めている。

「おら、出すぜ委員長!!しっかり受け止めろや!!」
(やめてえええええ!! 赤ちゃん、赤ちゃんできちゃううううううッ…!!)

ドピュドピュドピュドピュ…!!

「むぐうううううううううううううう〜〜〜〜ッ!!!」

容赦の無い射精が膣内の奥に注ぎ込まれる。
初めてのSEXにしゃちは放心状態となり、瞳の輝きが失せかけている。

(もう、ダ、め…)
「おら、まだ一人しか終わってねぇんだぞ」
277大時化物語 20/21:2011/07/27(水) 12:02:54.05 ID:0o3/01/H
「この人数じゃ時間かかりすぎるな。こっちの穴も使うか」
(おしりいいいいいいいいいい!?)

前後の二本刺しで犯されるお下げの変身ヒロイン。
犯されている側のことなど一切考えないSEX。
しゃちはダッチワイフのように一方的に使われ、回され、膣内や尻だけでなく、
口や胸も精液まみれにされた。
そして男子が全員帰宅する際、ボロ雑巾のように使い捨てられ床に転がされた。

「はー……。はー……」

焦点の合わぬ目。
パンティは取って貰えたのに、息苦しそうな口。
開かれた胸元には精液がぐっしょり。
だらしなく開かれた股。
顔から胸、スカートの中からブーツに至るまで白濁に染められた白のオブジェ。
唯一スカートの中にだけは、処女喪失の血が精液に混ざったピンクが見える。
この醜い格好の生徒会書記長を、めだかはご満悦そうに見下ろしていた。

――ざまぁ見ろ。お兄ちゃんの仇を取ってやったぞ。
そんな感じの笑みだった。

「でもそろそろいいかな。渡瀬さんで遊ぶのも飽きちゃった」
「え――…」

わざとらしいめだかの呟きに、しゃちは僅かな希望を顔に浮かばせる。
ようやく解放してくれるのかという安堵の混ざった顔だ。
そんな訳無いだろうと内心ほくそ笑みながらめだかは再度指を鳴らす。
切られっぱなしだった魔法の鎖が再生され、再びしゃちを大の字に拘束した。

「今日は随分男の子にモテモテだったけど…。私からのプレゼントも受け取ってよ。
天国に行ける想いだよ」
「山本さ、ん―――…?」

弱りきった視線をめだかに向けるしゃち。
めだかが拾ったのは、昼間の戦いで自分が投げ出した槍だった。
折れた槍先を修復し、構える。

「それ、私の、槍――…。海原、さまに、頂いた、大事な……」
「大丈夫だよ渡瀬さん。天国に逝けばそんなこと気にしなくていい。
ああ、でも渡瀬さんみたいな悪い人は地獄に行っちゃうかなぁ?ふふふふふ」
278大時化物語 21/21:2011/07/27(水) 12:03:57.81 ID:0o3/01/H
めだかの槍の照準は…スカートの中。膣内を一撃で仕留める構え。

「う、そ―――…。だめ、いや、だ……それ、だめ…」
「ダメじゃないよ。だって生かしておいたら海原と合流されて厄介だもの。
男の子達の記憶は消したし、証拠は残さないよ」
「死にたく、ない、だって、私は、来年、学校を統べる、生徒会ちょ………」
「さようなら。夢の続きは向こうで見てね、渡瀬さん」

――ぐちゃり。それで終わった。
悪魔を退けてきた槍が、悪魔から身を守るための純白のコスチュームを紅く染めた。
目は完全に輝きを失い、力が抜け、渡瀬しゃちはかつて渡瀬しゃちだったモノとなった。
生命活動が停止したことにより変身は強制的に解除され、
彼女の服装は見慣れた学生服へと戻る。
床に転がった彼女の遺体にめだかは手を翳し、部屋に燃えないように気を遣いながら焼く。
悪魔の業火の中でたちまち渡瀬しゃちだったモノは灰となり、消滅した。

「ふふふふふふふ……あははは、あはははははははははははッ!!」

そして大声で笑い出す、山本めだか。

「凄い、凄いよフィンちゃん!!この調子だよね!!
この調子で残る『四天王』と、海原龍美を討てばいいんだ!!
思いっきり苦しめて辱めて、もう二度と悪いことしないって、後悔しながら死んで貰おう!!
私の復讐は、今日始まったんだよ!! 万歳!!」
「うん、そーだね…。おめでとう」

フィンは早くも、このめだかのテンションに若干ついて行けなくなっていた。
悪魔というのは残虐な種族ではあるのだが、その価値観はあくまで個人主義的なもので、
例えば破壊衝動を満たすために暴れるとか性欲を持て余したから犯すとか、
そういう欲求の発散の仕方はポピュラーである。
しかし他人が苦しんでいるのを見てこれほどの愉悦と興奮に浸れるという
人間の闇には、そう追いつけない。
今のめだかの感じる快楽は、善も悪も入り混じった複雑な心の在り方を持つ、
人間だからこそ本気で味わえる快楽の形なのだから。

「さあ、祭りの時間だよ!! 勝負だ、魔性少女たち…!!
お兄ちゃんの仇は私が取る!!」

後に須留目高校最大の校内乱闘と記録される、
悪魔との契約者と魔法少女との、正義無き戦争の始まりであった。―――完。
279大時化物語 オマケ:2011/07/27(水) 12:04:34.70 ID:0o3/01/H
・登場人物紹介
【山本めだか(やまもと めだか)】17歳.女.髪型:ツインテール
須留目高校2年、オカルト部部長。
海原龍美に兄を殺された怨みから悪魔ドル=フィンと契約する。
基本的には穏やかで優しい性格だが、いろいろ溜め込む性分なので心の闇が深い。
それが表に出るとそうとう根暗な奴になる。
武器は鎌。

【浪速チヌ(なにわ ちぬ)】17歳.女.髪型:ショートカット
須留目高校2年、陸上部部員。
めだかの友人の一般人。
思ったことはなんでもかんでも口に出すので心に毒が溜まりにくい。
良くも悪くも分かりやすい女。

【海原龍美(うなばら るみ)】18歳.女.髪型:ロングのストレート
須留目高校3年、独裁者の生徒会長。
旧華族の家系で財閥令嬢、そして悪魔から世界の平和を守る魔法少女。
何よりも正義と秩序を愛する女。
ただし、自分の正義と自分で築いた秩序しか愛せない女。
悪魔退治も自らの秩序を築くための障害物排除の一環に過ぎない。
将来的には世界を掌握したいと考えている。
武器はサーベル。

【渡瀬しゃち(わたらせ しゃち)】17歳.女.髪型:お下げ
須留目高校2年、生徒会書記長。
海原龍美の側近、『海原四天王』の一人として主を支える準魔法少女。
めだか、チヌとはクラスメート。クラスの委員長でもある。
時期生徒会長候補の筆頭ということで、すげぇ調子に乗っている。
武器は槍。

【悪魔】
魔界から侵略のために送り込まれてくる兵士。
しかし魔法少女のジャミングによって魔力不足になり、
どんなエリート兵士でも理性も技も失ってただのバケモノのようになってしまう。

【悪魔ドル=フィン】?歳.女.髪型:ロングでぼさぼさ
山本めだかの丑の刻参りに込められた怨嗟の声により召喚された悪魔。
人間から招かれた形で人間界に来たため、呼び出しためだかを寄り代にしている。
そのため、この女だけは人間界でも理性が保てている。
めだかと協力して魔法少女を倒し、人間界を魔界の植民地にしようとしている。

以上ですありがとうございました。
280名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 12:10:05.29 ID:/tR7iBsl
ラスボス戦まで行こうぜw
楽しそうだしw
281名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 13:03:52.96 ID:jRlMHlPo
乙w
酷いことするなら色々やってほしいw
282名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 15:44:23.21 ID:Ku2OgPkG
いいものだgj!
よくを言えばエロシーンの重視もほしいな。
283名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 03:14:15.21 ID:oCX4l0+A
>>279乙です
是非めだかさんにはラスボス攻略まで行って欲しい
しかし何故主人公だけ淡水魚w
284名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 08:11:23.54 ID:aYs44LWR
>>283
きっと淡水魚vs海水魚の構図なんだよ。
つまりチヌちゃんも海原側に取り込まれて敵対するフラグと見た。
285 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/28(木) 08:17:53.61 ID:ueNTpjfs
>>284
じゃあ、シャケちゃんがいた場合、幼女時期は淡水側で育てられて、少女の頃に海水側に攫われて洗脳後淡水側と敵対。
そして大人になったあと洗脳が解けて淡水側に戻ったはいいが、次世代の魔法少女を生み出したあと力尽きて死んでしまう。
なんて
286 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/07/28(木) 08:29:25.61 ID:ueNTpjfs
名前は酒川秋味、海水側に堕ちるとZalm(オランダ語で鮭の意味)なんて呼ばれるとか。
ごめんなさい、妄想が暴走してしまいました。
287名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 11:02:38.77 ID:y2ejdd0x
ダメだwww海原雄山が頭に浮かんでしまうwww
288名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 16:36:32.28 ID:ogziJ7kF
>>279
GJ過ぎ
リョナとかイケる口なんで最後の槍による止めのとことか良かった
また血なまぐさい話なのに登場人物の名前で鯱を平仮名のしゃちにするとこに何かセンスを感じた
良かったら続きを
289名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 03:48:26.40 ID:kxB1Sfl+
>>279
GJ!是非続きを書いてほしい
正義側のほうが悪側より悪ってどういうことだwww
魔法少女ラヴィリオンを思い出した
290大時化物語2話 1/20:2011/07/29(金) 18:58:55.50 ID:chFJw6/v
☆大時化物語 第2話☆

人知れず渡瀬しゃちが葬り去られて明けた朝。
女子高校生が一人忽然と姿を消したという事実は彼女の自宅と学校を騒然とさせた。
悪魔による侵略が行われ、彼女がそれと戦う正義の戦士であったことを鑑みれば、
誰もが行き着く発想は悪魔と死闘を演じた末の戦死だ。
それにつけても、今回の一件は謎が多い。
授業時間中にも関わらず急遽開かれた生徒会会議の議題は専らそれである。
いつも埋まっていた5つの席のうち1つを欠いて、会議は始まった。

「皆さんの見解を伺いましょうか」

いつも通りの鉄の表情を崩さず、上座に座る生徒会長、海原龍美は部下に意見を則す。

「潮沢さん。貴方はどうですか?」
「え…、えっと……」

指されたのは1年生の、ポニーテールの小柄な少女だった。
潮沢海月(しおさわ みつき)という…生徒会の書記。
そして海原龍美の側近中最も戦闘力の低い少女でもある。
彼女は会長に問いかけられてもただ狼狽していた。

「どうした潮沢。会長が君に声をかけられているのだ。答えないか」

それを叱責するのは海原の傍らに座るナンバー2。
『海原四天王』筆頭…生徒会副会長の古淵駆華(ふるぶち かるか)。
スレンダーな長身の美少女で、黒くすらりと伸びた長髪はとても美しい。
ブロンドヘアで凹凸の強いスタイルの、西洋風美人の龍美とはまた違うタイプの美女と言える。
この副会長の叱責を受け、潮沢海月は震えながら言葉を発する。

「わ、分かりません…。でも、でも、渡瀬先輩は、死んじゃったかもしれないって、そんな…」

今の心境ではそう言うのが精々の1年生。
まだ実戦経験も浅い彼女にとって、戦いとは勝って当たり前のものという意識があった。
龍美の下で群れていれば安全で命の保障はされている上に、
下の人間には威張っていられる良い身分だと考えていた。
その認識を先輩の死によってひっくり返された彼女の動揺は深い。
今に自分も…渡瀬しゃちのように明日には死んでいるかと思えば。

「皆さんは怖くないんですか!?」
「死ぬのは誰だって怖いさ…。けどあたしらの地位はその危険の上にあるからね。
そこは受け入れなきゃ話にならないよ」
291大時化物語2話 2/20:2011/07/29(金) 19:00:02.04 ID:chFJw6/v
諭したのは2年生の生徒会書記。
ウェーブがかかったボブカットの少女、港浦くじら(みうら くじら)だった。

「港浦先輩…」
「しくじれば死ぬのがこの稼業だ。そのくらいの覚悟が無くてどうするんだい」
「その通りです。では港浦さん、次は貴方にお聞きしましょうか」
「すいません海原会長。あたしも…ちょっとこれについては分からなくて」

下座二人から意見が出ないとなると、次は副会長の番である。
古淵駆華は手製の資料を全員に配り、立ち上がって自分の意見を述べ始めた。

「まず…準魔法少女の渡瀬を殺せるとなるとこれは悪魔しか考えられないわけですが、
仮に悪魔と戦ったとしても滅多なことでは戦死は考えられないのです。
彼女は状況分析に優れた戦士であり、勝てない戦いからは速やかに退く判断が出来る人です。
もしそれが不可能だったとすれば、相手が彼女の撤退を許さない膨大な数で攻めたか、
相手が前例が無い程に強力な悪魔だったか…そのいずれかになります。
昨夜市内に悪魔が出現したという情報は無いため、
大多数の悪魔が彼女を包囲していたとは考えにくい」

とは言え、それでは前例が無い程に強い悪魔がこの街に来たのかと言えば、それも考えにくい。
何故ならそれほどの凶悪な悪魔ならば渡瀬しゃちを殺害した後も暴れるのをやめず、
街を襲うはずだからである。
仮にどこかで相打ちになっていたとすれば派手に戦った戦場の跡に
二者の死体が倒れているはずなのだ。
しかし朝からの調査では市内で魔術戦闘を行った形跡は一切無いという。

「して結論は?副会長」
「私は今回の敵は、実力があるだけではなく…
今までの悪魔の常識を覆す知能犯の犯行であると見ています。
ただ暴れるだけではない。数の不利を知り、戦った後に身を隠せる、
そんな知恵の働く新種の悪魔がいるのではないか、と」

この意見には皆一度は頷きはしたが、状況から判断しての推測に過ぎない。
詳しい分析は今後時間をかけて行うことになるだろう。
次に駆華は、昨日の渡瀬しゃちの動向について集めた情報を提示した。

「渡瀬の昨日の最後の目撃情報は、オカルト研究部の部室を廃部にするための
手続きをするため現地に行ったところです。以降渡瀬を見たという人間がいない」
「オカルト研究部――?」
「渡瀬のクラスメートが一人で運営している部です。
本来なら昨日で正式に廃部になっていたはずですが、書類は受理されておりませんので、
292大時化物語2話 3/20:2011/07/29(金) 19:01:08.04 ID:chFJw6/v
依然クラブ活動は継続中ということになります」

手を口元に当ててふむ、と少し考える海原龍美。
龍美の頭の中にオカルト研究部の部員が何か生徒会に反抗的な態度を取ったという記憶は無い。
その事を駆華に尋ねると、やはりそれを肯定する答えが返ってきた。
唯一の部員であり部長の山本めだかは、生徒会の定めた対生徒恭順度はAランク。
積極的に協力するシンパでは無いにせよ生徒会に対して一切不平不満は言わず、
今回の件も渡瀬しゃちの言う通りに従い手続きは進んでいたという。

「つまりその山本さん…という方が渡瀬さんに何かをしたという可能性は薄いというわけですか?」
「山本は国語と古典の評定が5、地理・歴史が4、他は3という典型的文学派の生徒です。
仮に叛意があったとして、神速の槍捌きを持つ渡瀬をどうにか出来るとは思えませんが…」
「一応何か知っている可能性くらいはある程度、ということですね」
「はい会長。聞き込みくらいはしておくべきかと思われます」
「分かりました。それではまず山本さんに事情を聞いてください。
また先方の柔軟な対応を得るため、オカルト研究部を廃部にするという案は破却します」

良いですかと確認する会長に、副会長は頷いてから席についた。
すると挙手をしたのが港浦くじらである。

「会長。その聞き込み、あたしと潮沢にやらせて貰えませんか」

あっさりその意見は通った。
かくして放課後、港浦くじらは潮沢海月を連れて部室棟へと足を運ぶことになる。



放課後。
部室棟への廊下を行く港浦くじらと潮沢海月の姿があった。
海月はくじらの後ろを歩きながら、不思議そうにくじらに尋ねた。

「港浦先輩。どうして先輩がこんな聞き込みを…?」

最高会議を行う生徒会のトップは海原龍美と『海原四天王』だが、
他にも生徒会のヒラのメンバーはいるし、新聞部も生徒会の言いなりだ。
『四天王』がわざわざ自力でやらなければならない作業だとも思えない。
その質問にくじらは返答する。

「バカ。下手に他の奴にやらせてみなよ、仮にオカルト部から有益な情報が入ったら
確実に会長や副会長のところに行っちまうだろうが」
「…どういうことですか?」
293大時化物語2話 4/20:2011/07/29(金) 19:02:11.09 ID:chFJw6/v
「今回の件はチャンスだってことだ。会長にあたしの実力を知らしめる、な」

同じ二年で『四天王』でも、海原龍美は港浦くじらよりも渡瀬しゃちを評価していた。
確かに戦闘技術や状況判断の能力、あるいは会長への忠誠心においてしゃちはくじらの上を行く。
故にしゃちは生徒会書記長という二年生に与えられる最高称号で遇され、
次期生徒会長候補の筆頭とされていたのである。
他に人材が出なければ港浦くじらとて何もなくとも副会長にはなれたろうが、
やはり組織のナンバー・ワンとナンバー・ツーの間には雲泥の差がある。
副会長などという、独創性を振るうこともできず無駄に責任だけ重い役職で、
しかも苦々しく思っている渡瀬しゃちのサポートなど願い下げだった。

くじらは前々から、戦闘が起こる度に思っていた。
「適当なところで渡瀬の奴死んでくれないかな」―――と。
だから今回渡瀬しゃちが蒸発したと聞いた時、心の内では歓喜していた。
ざまぁ見ろと思った。
この上無く清々した。
自慢の槍を折られ、死体になって何処かに放置されている渡瀬しゃちの姿を
想像しただけで嬉しさの爆発が止まらない。
これで龍美が二年生から才能ある新人を発掘し、新たに銀のロザリオを与えでもしない限り、
生徒会書記長代理というポストから正式の書記長へと昇格し、
そのまま来期の生徒会長になるコースがくじらに確約されたということになるのだ。

だがそれでは不足。
海原龍美がくじらを冷遇しがちなことを思えば、仮に才能ある新人が登用されたとして
そいつが上に来ることも充分ありえる。
だからここで、手柄が必要になる。
今後どれほどの人材が出たとしても、渡瀬しゃちの犯した失態―――
須留目高校生徒会最高幹部、『海原四天王』初の敗北……そいつを挽回した
次世代の英雄という名誉さえあれば、会長とて絶対にくじらを無下にはできない。
そこを蔑ろにすれば会長が自身で築き上げた秩序を否定することになるからである。
それは絶対にあり得ないのだ。


「じゃあ先輩は…良い情報が手に入ったら、会長や副会長に報告せずに…!?」
「これはお前にとってもチャンスなんだよ潮沢。『四天王』とは言えお前はまだ1年だ。
より魔法の適正がある奴が出てきてライバルが増える可能性もある。
ここであたしに協力すれば、以後お前は絶対に優遇してやる。
あたしの次の会長席は、確実にお前のもんだ」

頼りにしているぜ相棒、と後輩の背を景気良く叩くくじら。
そうなると海月も若干の興奮状態になり乗せられてしまった。
294大時化物語2話 5/20:2011/07/29(金) 19:03:15.21 ID:chFJw6/v
「はい、先輩!」と元気良く返事をし、二人は意気揚々と部室棟へと入っていく。
その最上階にあるオカルト研究部。
そこは昨日、渡瀬しゃちが最後に目撃されたであろう場所。
そして――――――…正真正銘の悪魔巣食う、須留目の魔王城。



同時刻、生徒会長室。
海原龍美はウェッジウッドの名品が奏でる極上の紅茶の香りを堪能していた。
綺麗なルビー色に透き通った泉に口をつけると、芳醇な味わいが口いっぱいに
広がって恍惚となる。

「美味しい…。貴方のお茶は相変わらず見事ですね、駆華」
「ありがとうございます、会長」
「二人の時は名前で呼びなさいと言っているでしょう?」
「申し訳ありません…龍美様」

何故この友人はこうも堅いのか…と龍美には珍しく少し不機嫌な顔になる。
古淵駆華は学校では生徒会の副会長、家では龍美専属のメイドとして
龍美をサポートしているが、これでも身寄りが無くて引き取られてきたばかりの頃は
誰もいないところでは互いを呼び捨てにしあってきた憚らない仲だったのだが。
執事長やメイド長に揉まれたこの十年程ですっかり家風に染まってしまった。
今でも親友という絆が切れていないことは承知しているが、
年をとってどんどん形式が堅くなっていることには不満を覚える。

「まあいいです。それよりもそろそろですね、あの二人が部室棟へ到着するのは」
「はい」

時計を見上げる龍美と駆華。

「港浦の考えは明らか。恐らく得た情報を独り占めにし手柄を立てることかと。
弱気な割に調子に乗る傾向のある潮沢は、港浦に上手く丸め込まれたのでしょう」
「困りましたね。そのような軽薄な方に、このロザリオを継がせることはできません」

龍美の手の内にある金のロザリオ。
実は龍美がこれを使える時間はもうあまり残っていない。
18歳を越えれば、魔法少女の適正者はその力を失う。
魔力は残るし簡単な魔術くらいは使えるだろうが、変身して悪魔と戦うとなると話は別。
体内の魔力を戦闘力に変換することが困難になるらしい。
故に、龍美は卒業と同時に、相応しい後継者に自分のロザリオを授けようと思っていたのだ。
生憎その最高候補は散ってしまったが…。
295大時化物語2話 6/20:2011/07/29(金) 19:04:20.67 ID:chFJw6/v
そして、港浦くじらに最高位の実力も器も無いことは熟知している。

「如何いたしましょう?」
「オカルト研究部に入った彼女達が出てきたら誰かをつけて尾行させるように。
仮に彼女達が何も得られず帰って来ればそれで良し。
何かを得て独断で行動して……もし件の悪魔を倒せた折には」

そこまで言うとチョイ、と指を二本振る龍美。
つまり生徒会長の座を継ぐに相応しくない者を、
手柄を立てたままここに戻らせることはまかりならないのである。
海原龍美のやり口を知り抜いている古淵駆華は、
部下を手にかけるその命令を特に動じもしないまま承諾した。

「それと引き続き、校内で優れた魔法素質の者を捜索するように。
いついかなる時に誰に素養がもたらされるか分かりません」
「承知しました。龍美様」

主の命令に、駆華は深々と頭を下げた。



コンコン、と扉をノックする音が響く。
「はーい、どなたですか?」と暢気な声が返ってきたので、
ノックの主は自分の姓名と所属を口にする。

「悪いな、あたしは生徒会の書記の港浦ってもんだ。用事があるんだがいいかい?」
「はーい、どうぞ」

ガチャ、と開いたドアに招き入れられるくじらと海月。
出迎えたのはツインテールの似合うほんわかした女の子だった。
同じ二年なので顔くらいは知っている。
オカルト研究部部長、山本めだか本人に違いない。

「いらっしゃい港浦さん。えっと、そちらは…」
「後輩だよ。ほら挨拶しな」
「は、初めまして。潮沢海月です」
「初めまして海月ちゃん。かわいい〜!!」
「あ、ありがとうございます…」

ポニーテールの小柄な少女は照れて顔を赤くした。
296大時化物語2話 7/20:2011/07/29(金) 19:05:24.20 ID:chFJw6/v
「今何も無くて、これと言ったおもてなしもできないんですけどねー」

オカルト研究部部室は、昨日までに綺麗に片付けられたので本当に何も無い。
ピカピカに磨かれた床の上にペットボトルのお茶と紙コップがあるだけだ。
それでも、せめてものお持て成しにと、めだかは紙コップにお茶を注いでいく。

「さ、粗茶ですがどうぞ」

お盆も無いので床に直に置かれたお茶を二人は口へ運んだ。
ぶっちゃけ美味くも無いペットボトルのお茶だが、心遣いはありがたい。
特に海月は先ほどのかわいい発言も相まってめだかへの印象はとても良かった。

「ねぇ港浦先輩…。山本先輩って優しそうな方ですよね」
「そうだなぁ。こいつが事件に関わってるとは考えにくいかなぁ…?」

お茶を頂き、二人は早くもここへ来た時に持っていた気分が萎えかかっていた。
めだかの持つのほほんとしたオーラは、そういう効果があるらしい。
まあそれでも仕事は仕事なので、港浦くじらは用件を山本めだかに伝えた。

「とりあえず山本。幾つか用事があってだな。
まずは、生徒会が考えていたこの部を廃部にするってプラン。
こいつが白紙になったことを伝えるよ。
前までの話は忘れて貰ってかまわない。ここはあんたが卒業するまで好きに使っていい。
それまでに部員が増えれば、勿論以後も継続してくれてかまわないって話だよ」
「それは…渡瀬さんが失踪したからですか?」

話が早いとくじらは思ったが、考えて見れば山本めだかと渡瀬しゃちは同じクラスで
この交渉も進めていた間柄なのだ。
余計な説明はしなくて良い分楽だと思った。

「まあ、そうだ。それと見返りと言っちゃなんだけど、なんか情報が貰えればと思ってね」
「情報ですか?」
「昨日の放課後ここへ来る前の渡瀬を見たって話が、あいつに関する最後の目撃情報でね。
どうなんだ山本、昨日あいつはここへ来なかったか?」

これはこの事件における最重要情報の1つ。
山本めだかが「いいえ」と言えば、事件は本校舎から部室棟までの間で起こった。
そして「はい」と言えば、事件は部室棟を出てから本校舎までの間に起こった。
一見どっちでもいいような話だが…犯行時刻が正確になれば、より調査は進めやすい。
この後めだか自身の帰宅時間や帰路の状況を聞けば、そうとうの手がかりにはなる。
そしてめだかは、躊躇わずに「はい」と答えた。
297大時化物語2話 8/20:2011/07/29(金) 19:06:28.43 ID:chFJw6/v
「マジか!?来たのか!?ここへ!?」
「はい。実は渡瀬さんとは書類を交わしたんです。この部室を明け渡す旨の…」

重要な情報を得ることができて、くじらの顔つきが明るくなった。

「そうか…!!助かるよ山本!!すると、事件発生時刻は―――」
「…あの、港浦先輩」

興奮する港浦くじらの制服の裾を、潮沢海月が引っ張る。
その顔は何か嫌なことに気付いてしまったと言わんばかりに硬直して、冷や汗が垂れている。
先ほどまで、目の前の”優しいお姉さん”に懐いていた少女と同じ反応とは思えない。

「なんだよ潮沢。お前も山本に礼をだな」
「何か…変じゃないですか? 昨日ここの受け渡しが終わっていたのなら…」
「あぁ?」
「昨日の夕方ここを出た渡瀬先輩を…山本先輩が見送ったのだとしたら――――」


――――何故、今ここに山本先輩がいるのでしょうか。


それを聞いた瞬間、くじらの表情も凍りついた。

「あっ―――…」
「もしかして事件は…。校舎と部室棟の間でも、部室棟と校舎の間でもなく…」

その時。
この部屋の主の穏やかな笑顔が、無言に、不気味に裂けていくのが見えた。
ソクりと冷たいものが降りてくる。
この部室の空気が変わる。

「山本、まさかお前!?」

膨れ上がるドス黒い負のオーラ。
くじらが気付いた時には遅かった。

「ふふふ……あははははははははははははははははッ!!」

凶気の笑みが木霊する。
同時に紅蓮の炎が少女の身体を包み込む。
変身の為の炎の中に浮かぶ少女、両手を大きく広げたこの部屋の主の姿は――
298大時化物語2話 9/20:2011/07/29(金) 19:07:39.86 ID:g6yh8lop
完全に人のものではない。
ツインテールは解けて煉獄の炎となり、頭には巨大な角が、口元には牙が生える。
背に生える翼。
清楚な制服は赤のゴスロリコスチュームと黒のニーソックス姿へと変わり、
右手には髑髏のついた鎌が握られている。

悪魔だ―――。
もう誰が見ても明らかにクロ。
渡瀬しゃちを殺した犯人は絶対にコイツだ。

「まさかとは思ったけど、本当にノコノコ出向いてくれるなんて思わなかったよ!!
『四天王』が二人も!! これは僥倖だよねッ!! ねぇフィンちゃん!!」
「いや…、二人も相手にして勝てるの?めだか」

肩の上に現れた小型の少女悪魔は呆れた顔で突っ込みを入れる。

「心配無用だよッ!!」

めだかは昨日に比べてパワーアップしている。
鎌の柄をよく見てみると、昨日のものとは違う。
なんと渡瀬しゃちの槍を柄の部分に取り込んでいるのだ。
手に近い部分に取り込まれている銀の宝石は、元々は渡瀬しゃちのロザリオだったもの。
今ではめだかの魔力を効率良く戦闘力に変換させる装置として有効に働いていた。
それを見て港浦くじらと潮沢海月もロザリオに手をかける。

「あいつ、やっぱり渡瀬を殺していたかッ…!! 潮沢、変身するよ!!」
「はいっ…、へ、変身…!!」

輝かしい光に包まれ、二人もまた悪を誅罰する準魔法少女へと変身する。
渡瀬しゃちのものと同じ、ミニスカドレス風の純白のコスチューム。
くじらの得物は斧…長柄のトマホーク。
そして海月の得物は銃…八連装のリボルバーである。
くじらは斧を構えると、海月に指示を飛ばした。

「あたしが切り込む。お前は援護しろ」
「待って下さい先輩ッ!!」
「なんだっ!?」

潮沢海月は臆病だが、それ故にこの期に及んでも慎重だった。
これは初めて見るケースだ。
人間が悪魔になったのか、悪魔が人間になったのか、いずれにせよ悪魔が
299大時化物語2話 10/20:2011/07/29(金) 19:08:43.39 ID:g6yh8lop
知性を持って戦いを挑んできたという副会長の推測は当たってた訳で、
それならその情報を持って帰るのを最優先とするべきだと海月は訴える。

「…それに、山本先輩は渡瀬先輩を倒した相手です!!
戦闘力は未知数ですし、仮に今日倒すとしても全員で…」
「それなら、手柄は全部あの二人に持っていかれるでしょうが!!」
「先輩……」

そんなだから渡瀬先輩に水を開けられたんですよ、と心の中で海月は言う。
そんな彼女達の様子をめだかが黙って見ていたのは、今の生徒会の人間模様に
興味が湧いたからだった。
生徒会も一枚岩ではないと思っていたけれど、まさかこんなゴタゴタがあったとは。

「ふーん。なるほどね。港浦さんは渡瀬さんにコンプレックスを持ってたんだ。
でもしょうがないよね。私も渡瀬さんの方がまだ港浦さんよりも格上だと思うよ」
「なんだと!?」
「私が渡瀬さんに勝てたのは完全に運だったよ。
渡瀬さんは情報の大切さを分かってたし、その場その場の判断は的確だったもの」

実際、渡瀬しゃちの左腕に折れた槍先がクリーンヒットしたのは純粋な運。
狙いもつけず思い切りだけで放った槍先が命中する確率なんて知れたものだったが、
それでもあれしか方法が無かったからめだかはあの手段を取り、偶然成功した。
はずれていたらあの後海原龍美のサーベルでめだかの肉体は両断されていただろう。
そういう判断ができるという意味で、彼女は猪武者のくじらに比べて格上だった。

「まあでも勝ちは勝ちだもんね。
これで次世代の魔法少女はゴミしか残ってないってことじゃん。ラッキーッ」
「てめええええええええええええええええ!!」

相方がちゃんと援護出来る体勢を整えていないにも関わらず、
斧を振りかざして攻めるくじら。
しかしめだかはそんなものは少しも怖くない。
元々悪魔兵になった時のパワーは準魔法少女より上なことが昨日分かっているし、
渡瀬しゃちのロザリオを取り込んで更にパワーアップしている。
怖いのはめだかに決定的に不足している戦闘技量と戦術眼だが、
見たところこの二人はそんなものは無さそうだ。
準魔法少女のパワーに任せて、劣化した悪魔たちを倒してきたのだろう。

「そんなの、私の敵じゃないよねぇッ!!」

振りかざす鎌。
300大時化物語2話 11/20:2011/07/29(金) 19:09:48.22 ID:g6yh8lop
斧と激突し、たちまちくじらの斧を叩き折る。

「ぐああああああああああああッ!!」
「先輩ッ…!!」

がぁん、と激しい音と共に吹き飛ばされたくじらの身体は壁に激突する。
…が、壁には既に結界が張ってあったのだろう。
強い衝撃にも壁はびくともせず、くじらはそのまま床に落ちた。

「先輩、先輩ッ!!いや、いやああああああああああ!!」

先輩がやられたと見るや…早くも潮沢海月の戦意は喪失した。
格下の者ばかりと戦いスペック押ししかしていなかった者たちの末路。
スパックが上の敵との戦い方が分からないのだ。

ガチャッ!ガチャッガチャッ!!

強く、強く部屋のドアノブを回す。
一刻も早く外に出る。
その一念だけが、ポニーテールの少女を動かしていた。

「どうして、どうして開かないの!? 逃げなきゃ、逃げなきゃいけないのに!!」
「あはははは。無駄だよ海月ちゃん。この部屋は私の変身と同時に結界を張ったからね」
「そんな…」
「鈍臭いねぇ。今になって先輩を放って逃げるなら、
嫌な予感がした時には身体が動いてないとダメだよ。
港浦さんには判断力が、海月ちゃんには行動力が足りないのかな?」

ニタァ…と笑いながら鎌を手に接近する赤い悪魔。
ひぃっと仰け反りながらも、海月は最後の抵抗を試みた。
取り出す八連装リボルバー。
魔力を込めて弾丸を精製し、撃ち出す拳銃だ。
利点は射程の取れる飛び道具であるという点と、通常実戦ともなると
戦闘中に魔力の量が不安定になりがちだが、あらかじめ弾丸という形で自分の
ベストコンディションの状態の魔力をストックしておけるということ。
欠点は不慣れな場合だと、一度弾切れした後に弾丸の精製に時間がかかることと、
弾丸一発ごとで威力や射程距離、命中精度が変わってしまうことだろうか。
まああらかじめ弾倉には8発入れておけるし、この至近距離ならばさほど問題無いが。

グリップを両手で握り、純白コスチュームを纏ったポニーテールの少女は、
迫る真紅の魔女目掛けてトリガーを引いた。
301大時化物語2話 12/20:2011/07/29(金) 19:11:05.68 ID:g6yh8lop
「このっ…!!このぉっ!!」

怯えながらパァン、パァンと拳銃を撃つ海月。
しかし海月程度の魔力で精製した弾丸など、今のめだかにはそよ風の如し。
魔弾はめだか本体に届く前に、彼女の霊圧によって無力化されてしまう。

「どうしたのかなぁ。それで本気ってことはないよね?海月ちゃん!!」
「来ないで、来ないでよぉ!!」

パァン、パァン……。
海月はそれでも撃ち続けた。しかし…。
カチッカチッ。

「う、そ………」

乾いた音が鳴るようになると、青ざめていた海月の顔が今度は白くなり始める。

「弾切れ…、精製、精製しないと……ああ、でも…こんな…」

手が震える。
恐怖で集中力が出せない状態で魔力で弾丸を作成するなど不可能だ。
がちゃりと鉄の八連装は転がり落ち、少女は内股に崩れ落ちる。

「ひぃぃっ……!!」

海月の可愛い顔が恐怖に歪む。
脂汗が滴り、眼に涙が溜まり、鼻水も涎も止まらない。

「どうして、こんなことするんですか……? ねぇ、どうして…?
山本先輩は、とても優しい人だって、お姉さんみたいな人だって…思ったのに…」

歯を鳴らしながら問う海月。
本当に彼女には分からないのだ。
何せ彼女は1年生。去年死んだめだかの兄の話など知る由も無い。
しかしそれを理由にめだかが手を抜くことはない。
経緯を知ろうが知るまいが、先輩だろうが後輩だろうが、こいつは敵の一員なのだ。

「私もねー。出来ることなら、こんな風になんかなりたくなかったんだけどね。
あの女が全てを奪っていったから。私は、壊れちゃったんだよ。
今じゃもう復讐しか考えられない。あははははははははは」
「あの女って…会長ですか……?」
「決まってるでしょ!!」

抵抗する術の無くなった振り下ろされる鎌。
上がる少女の悲鳴。
しかし鎌は少女の華奢な身体を貫くには至らなかった。
代わりに、後方から飛んできたトマホークの柄を打ち落とした。
302大時化物語2話 13/20:2011/07/29(金) 19:12:26.61 ID:g6yh8lop
「潮沢ッ!!生きてるかッ!?」
「先輩ッ!?」

先ほどまで床に転がっていたはずの港浦くじら。
彼女に助けられ、海月の顔に少しだけ希望が灯る。

「ああもう、鬱陶しいなあ!!そんなに先にやられたいのなら、
お望み通り港浦さんから先に片付けてあげるよ!!」

めだかが指を鳴らすと、まず床に座り込んでいる海月の四肢を魔法の鎖が縛りつける。

「きゃあああ!?何なんですかこれ!?」
「海月ちゃんはそこで待ってなよ。まずは港浦さんをちゃっちゃと片付けるからさ」
「言ったな…!!」

くじらは折れた斧の柄の部分は投げてしまったが、刃の部分は拾って持っている。
それに魔力を継ぎ足して折れた柄の部分を新たに作成。
補修された斧でもってめだかに切りかかる。

「せあああああああああああああッ!!」
「だからパワー押しじゃ私には勝てないって、言ってるでしょう!?」

めだかは鎌に魔力を込め、敵が間合いに入る前に一閃する。
鎌の刃から飛び散った魔力が4つの刃になってくじらを襲う。

「ぐあああっ!!」

再び折れる斧。
破れるコスチューム。
胸の部分が千切れブラが露出し、スカートの端が破れ、ブーツの片方が砕ける。
半裸になった少女の身体は再び床に向けて落下したが、
今度は床に着く前に受け止めてくれるものがあった。

「えっ…?」

顔に青筋が走る。
ぬめぬめとした、不気味な感触。
早々にくじらの四肢を拘束する触手の群れは…?

「や、やめろぉ!!離せ、離しなッ…!! おい、なんだよ、なんだよこれ、んぷっ…!!」
303大時化物語2話 14/20:2011/07/29(金) 19:13:34.95 ID:g6yh8lop
くじらの口内にまで入り込んでいく触手。
その蹂躙される様を、めだかは楽しそうに眺めている。

「どうかな、初めて使った召還魔法なんだけど。
巨大なヒドラ型悪魔だから、名付けて『ヒドラのヒーちゃん』!!」

人間界のヒドラは、ギリシャ神話でヘラクレスに倒された大海蛇…ヒュドラの
名を取ってつけられた、淡水に住む小型のイソギンチャクの仲間だが…。
その触手の先には毒があり、ミジンコなどを痺れさせて食べるという。
そしてこの大型の魔界産ヒドラ、ヒーちゃんの触手にも毒はあった。
しかしそれは麻痺させる毒では無く、むしろ感度を良くする毒。

「ふむうううううううううう!!」

くじらはもがく。必死に触手を振り払おうと抵抗する。
しかし両手足を触手に捕まり、宙に浮いて踏ん張りが利かない体勢では抵抗は無駄。
口を犯され、更にはブラの中にまで、触手は入り込んで行く。

(ちょっと!?何処入って来てるのさ!?出て行って、出て行ってよ…!!)

心の中で叫びながら、くじらは無駄な抵抗を続けた。
その時だ。触手が彼女の、ブラを完全に引き千切ったのは。

(いやああああああああ!!やめて、やめてぇ!!そこはダメ、ダメッ!!)

口を防がれているためむぐむぐむぐぅ…と声にならない抗議。
やがて触手は港浦くじらの胸の…その先の桜色の突起に接触した。

(ぎゃああああああああ―――――ッ!!)

ビクンッ!!と少女の身体に電流が走る。
普通…突然乳首に何か当てられたからといってこんな感じることは無い。
紛れも無く感度を良くする毒が、くじらの乳首を犯している。

「んんんっ…、ふむ、んぐっ…!!」

続いて触手は、彼女の乳房を丹念に揉み始める。
弾力のある大きめの胸が触手の中で踊る。

「んん……ふぁ、ふむ……んっ…」
304大時化物語2話 15/20:2011/07/29(金) 19:14:39.78 ID:g6yh8lop
今までは単純に嫌がっていたくじらの顔が紅潮する。
それを見ためだかの口が綻んだ。

「あれえ? ひょっとして港浦さん、感じちゃってるの?
初めてバケモノに犯されて感じるなんて変態じゃない?」
(言うなぁ…!!)

しかし人間自分に嘘はつけない。
くじらは自分が…まだ男との性交すら経験したことの無い身で、
初見の化け物相手に乳首を勃起させて感じていることが恥ずかしかった。

「でもおっぱいだけでそんなことなってたら、下のお豆さんなんか大変だよね?」
(まさか――――!?)

そのまさかだ。触手はくじらの両足をぐいぐいと強引に開いていく。
これには、くじらは必死で反抗して足に力を込めた。
17歳の乙女なのだ。
バケモノに自分の股を晒すことは絶対に嫌だった。
けれど例によって抵抗は無意味で…。
大きく開かれた股の…そのスカートの中のパンティが露出する。

(いやああああああああああ!! そこはダメ、やめて!!
お願い山本、これだけは許してよおおおおおおお!!)

涙ながらの懇願をめだかは涼しげに突っぱねる。
そして実行される刑罰。
触手は港浦くじらのスカートの中に入り込みパンティを強引に千切り捨て。
その股座の小さな突起目掛けて伸びた。

(あ…ああ、ああああああ………)

くじらの鼓動が強くなる。
あんな、乳首ですらあんなに感じさせられてしまう毒を
クリトリスなんかに打たれたら、どうなってしまうんだ。
脂汗を滲ませ、涙を流しながら、ぎりぎりまで哀願の眼をめだかに向ける。

(お願い…。それだけはやめて…。言うことなんでも聞くから…、それだけは…)
「ダ〜メッ」

満面の笑みで首を横に振るめだか。
バチンッ!と音が鳴りそうなほどに強いショックが、少女のクリトリスに当てられた。
305大時化物語2話 16/20:2011/07/29(金) 19:15:43.38 ID:g6yh8lop
(ぎゃああああああああああああああ!!)

強烈だった。
スタンガンを当てられたかのような衝動に、くじらは一瞬白目を剥き、
そのショックで軽い痙攣を起こすほどだった。

(ひや、ひやああ……)
「あははははは。どう、気持ちよかったでしょう?
でも気持ちいいのはこれからだよ。乳首とお豆さんから全身に回った毒が、
港浦さんを快楽漬けにしてくれるからね。もう何も考えなくていいよ」
(ひや……。わらひは、来期、かいちょうに、なりゅ……ああ、れも、もう考え、られ…)
「もう目がイっちゃってきてるね。じゃあヒーちゃん、よろしく頼むよ」

触手が唸る。
触手はまず、一気にくじらの膣内を襲った。

(うぎいいいいいいいいいいいいいいいいい!!)

破瓜の痛みなどなかった。
今の彼女にはこの程度の痛みなどは全て快楽に変換される。
今日まで守ってきた処女をこんな形で喪失しても、とても嬉しそうに受け入れた。

―――じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ!!

触手に膣内を好き放題に犯されるくじら。

(ああああああ、気持ちイイイ…!! もっと突いてよ、もっと、もっとぉ…!!
ああああ、そこ、いいいいいい……!! うほぉ、お尻もいいい……!!)

口。胸。膣。尻…。
差し出せるところは全て差し出し、ボブカットの少女は触手の中で踊り狂う。
もうめだかのことも、海月のことも見えていない。
ただ快楽に酔い、このまま死ぬまでイき狂い続けるだけの雌犬と化した。


「港浦先輩ッ!!しっかりして下さい、港浦先輩ッ…!!」
「無駄だよ海月ちゃん。もう港浦さんは戻って来れないよ」

やれやれだね、と彼女の斧とロザリオを拾いながら呟くめだか。
めだかは自分の鎌に彼女の斧とロザリオを取り込んでいく。
槍に鎌の刃がついて、その反対側にトマホークの刃がついているという武器となり、
306大時化物語2話 17/20:2011/07/29(金) 19:17:04.51 ID:HLXpOBc2
柄の部分に輝く銀の宝石は2つとなった。
魔力ブースト装置のロザリオを2つも装備しためだかの戦闘力は、
最早昨日までの比では無い。

「あははははははははははッ!!やった!!力が溢れてくるよ!!
これで海原龍美とも対等に戦えるだけの力が蓄えられたかなぁ!?」
「…助けてください」
「え?」
「もう…準魔法少女やめます。私のロザリオも欲しいなら、あげます。
どうか…助けてください。言うことなんでも聞きます。だから、助けてください…」

完全なる敗北宣言を、潮沢海月は行った。
もう嫌だった。
あんな…くじらのように廃人のようにされてバケモノに犯されるのは絶対に嫌だった。
勝てる見込みももう無い。
生き延びられるなら、降参でもなんでもするのが今の海月の心境だ。

「山本先輩は、会長や先輩達に怨みがあるんでしょう…!?
今年入った私には関係無いじゃないですか…!!
準魔法少女もやめるって言ってるんです!! もう…それで許してください!!」

死にたくなかった。
まだ高校1年生の少女なのだ。
ただ威張れるから入った生徒会なんかより、本当はしたいこともたくさんある。
恋だってまだしたことがない。
そんな一人の少女としての正直な気持ちを…山本めだかは不気味な笑みで受け入れた。

「分かったよ海月ちゃん。じゃあこれから私と町に出てゲームをしよう」
「ゲーム…?」
「うん。海月ちゃんのこの拳銃を借りてね。海月ちゃんが勝てば…、
海原龍美の側近の中で、海月ちゃんだけは特別に助けてあげよう」
「本当ですか!?」
「私は人は祟るし憎い相手は殺すけど嘘はつかないよっ」

それを聞くと、海月の顔が明るくなった。
まだ生きていられる…。港浦先輩のようにならずに済む。
僅かな可能性でも生きられる道があるというだけで、今の海月は安堵した…。

(良かった…。やっぱり山本先輩は、悪いだけの人じゃなかった…!!)
(まあ、精々頑張りなよ…。私を楽しませるためにね。あははははははは!!)

その希望を踏みにじることへの愉悦に浸る、山本めだかの本性を見抜けないままに。
307大時化物語2話 18/20:2011/07/29(金) 19:18:08.44 ID:HLXpOBc2
主とゲスト一人が消えたオカルト研究部の部室。
港浦くじらはと言うと、一人…ヒーちゃんに犯されながら残されていた。
ヒーちゃんは触手で捕まえた女性をイかせる時に魔力を吸収する。
既にくじらの魔力は底を尽きかけだ。
余分な魔力が無くなれば後は生命力をダイレクトに吸うようになり、
くじらはものの数分もしないうちに絶命するだろう。

「あははははは、それじゃあ出かけてくるから港浦さんはお留守番宜しくね!
干からびてミイラになってたらごめんだけど!!」

というめだかの皮肉も聞こえないほど快楽に熱中していたくじら。
その彼女に突然、自由と意識が戻ったのだ。


「―――あ?」

床に投げ出される港浦くじらの肢体。
ぼんやりとした意識で視線を上げると、自分が着ているものと同じ、
清楚な純白のコスチュームに身を包んだ一人の少女が立っている。

「……?」

振り返ると、つい今まで自分を犯していた怪物は微塵切りにされた後。
目の前の人物が助けてくれたことに違いないだろうと、くじらは礼を述べた。

「あ、ありがとう副会長…。助かった、よ…」

そう言って安堵して、くじらは改めて思った。
やはりこの女は強いと。
副会長古淵駆華…この日本刀使いの技の前では、それこそパワーは通用しない。
めだかが膨大な魔力の出力に任せて張った結界なども無力。
力ではどれだけ押しても壊すのが困難な結界をあっさり切断して室内に入り、
更にヒーちゃんまでも瞬殺したのだ。

「流石だよ…。ああ、やっぱ山本がクロだった。潮沢は連れ去られて…。
早く、会長に報告に行かないと…」
「それには及ばん」

駆華の口調にくじらはいささかの違和感を覚える。
悪魔からは助けてくれたが…、くじら本人を助けに来た風では、無い…?
308大時化物語2話 19/20:2011/07/29(金) 19:19:11.72 ID:HLXpOBc2
「副…会長……?」
「その件について会長には私から報告しておく。
その悪魔の体液に汚された醜い身体を会長の…龍美の前に晒すなど許さん」

龍美は駆華に言った。
あの二人が手柄を立てた場合は暗殺せよと。
しかしそれは、他の場合なら絶対に生かせという話ではない。
龍美は滅多なことでは他人の生き死にに頓着する女ではない。
龍美の判断する必要の無いことは駆華の独断が許される。
「こういう理由で私の独断で彼女を処刑しました」、「そうですか分かりました」と、
その二言で済まされる話だ。

そして駆華はここでくじらを処刑することを望む。
今のも理由の1つだが…。
抜け駆けして大衆心理を味方につけ、龍美のビジョンに逆らおうとした
小賢しい鼠を生かしておく必要など無いというのが主な理由だ。
まあ、それに見合う才能があれば別だが、今のくじらは力が上がったどころか
ヒーちゃんに魔力を吸われ弱体化著しい。既に捨て駒としての価値も無い。

「しかしあのようなバケモノに生気を吸われ老いた姿を晒すのはいささか忍びない故、
せめてもの情けは施してやろうというのだ。我が愛刀で送ってやろう」
「そんな――――待っ」

悪魔の結界すらあっさり切り裂いた鋭い一閃。
魔力が尽きた一般人も同然の準魔法少女の首を落とすことにどれほどの難があるだろう。

(あ――――)

人間、首を切り落とされても数秒間は意識があるという説がある。
そして港浦くじらは確かに、宙に浮いた数秒間の間に確かに見た。
先ほどまで自分と1つだった身体が、血飛沫を上げているのを――。

――――。

そして何を思うこともなく意識は消えた。
港浦くじらと名乗っていた人間の心は死に、ただの躯が部屋に転がる。
駆華は刀を収め、踵を返して部室を出た。

(山本めだか――。オカルト研究部で培った儀式を使って悪魔憑きにでもなったか。
いずれにせよあの驚異的な戦力とは、すぐに衝突はできない。
龍美とも相談し、新たに戦力を整えることが必要になるな)
309大時化物語2話 20/20:2011/07/29(金) 19:19:44.71 ID:HLXpOBc2
駆華はめだかの変身するところから今まで、ずっと気配を殺して窓から見ていた。
まああんなボンクラ二人でも、情報集めには役立ったかと、それなりに感謝して去っていった。
無論、今の彼女に潮沢海月を助けに行く余力も発想もあろうはずが無い。

―――続。

☆あとがき☆
今回エロが少なくて申し訳ありません。次回は多くなると思います。



・登場人物紹介
【古淵駆華(ふるぶち かるか)】18歳.女.髪型:ロングのストレート
須留目高校3年、生徒会副会長。
海原龍美の側近『海原四天王』筆頭。
魔力総量は他三人と大差無いが、それを補い余りあるだけの技術がある。
プライベートでは海原龍美の友人でメイドさんで護衛。
龍美の第一の理解者、というか信者。
モデルはカルカロドン・メガロドン。
武器は日本刀。

【港浦くじら(みうら くじら)】17歳.女.髪型:ウェーブのボブカット
須留目高校2年、生徒会書記。
猪突猛進型の準魔法少女。
上に立つ器ではないが兵隊として使う分には使い勝手が良いと
ロザリオを与えられたが、近頃は野心家になりつつあった。
いつも自分の前を行く同い年の渡瀬しゃちが大嫌いだった。
武器は長柄の斧。

【潮沢海月(しおさわ みつき)】16歳.女.髪型:ポニーテール
須留目高校1年、生徒会書記。
1年だが魔術戦闘の素質があると見込まれ『四天王』の一人となった女。
しかし実戦経験が少ないのでまだ才能は開花されていない。
基本的には臆病だが、自分が優位に立ったり調子に乗ると悪ノリするタチ。
武器は銃。八連装のリボルバー。

【ヒーちゃん】
山本めだかが召還魔法で呼び出した魔界ヒドラにつけた名前。
普通のヒドラは淡水にすむイソギンチャクの仲間でミジンコを食べる。
魔界のヒドラはとても大きく、女性を快楽に酔わせて捕食してしまう。
触手を使って魔力と生命力を吸い尽くし殺してしまうのだ。
310名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 19:37:48.56 ID:cOU1nddc
読者は犯人分かってるのに推理シーンが一番ドキドキしたw
あと敵も味方も鬼畜すぎw
311名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 20:18:45.99 ID:ix+MdXpf
海月が唯一好感の持てるキャラだな。
めだかの事、「やっぱり優しいお姉さんだ」って言ってるの見て和んだww
312名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 20:29:28.93 ID:xvhJydZR
このAA思い出したw

      ./                      \
       /                         ヽ 
.     /                八        \
.       |        /V八/| || |ヽ |‐-‐))'´|,|ヽ    ヘ
     |        |`‐- ノ_|/ ヽl |/`‐-/‐'´ | /〃ヘ\ あいつたぶん私のこと
     |       |::`‐-、_ `‐-、_     /::/ |/  「いい人」だと思ったと思うんだよ
     |     |, | ノ     `‐-、_|||  ||:::/   |
     |  /⌒l ━┳━━━━━━━━━━━━┓ あははは…
     |   |:i⌒|::|:::::|   :::illlllllllllllllll|━━|   ::illllllllll| ああいうバカがいるから
     |  |:l⌒| |::::: |  :::iillllllllllllllll/ :::::: ..\ :::iillllllllllノ  悪魔はくいっぱぐれないんだよね
     |  |::「]| |::::: \::iillllllllllllllノ ::::::::::::::; |:iillllllllノ
     |.  \_.l |::::    ̄ ̄ ̄   :::::::::::::::::; | ̄   |   私が
.   ./|     N::::::::::  __,ノ (::::_::::::::::::; |   |    「いい人」のわけないじゃない……!
  ./::: |    /: :|:::::::::/              ‐┘ヽ |
 / :::::: |.  ./:: ::|::::/:   (二二二二二二二二) ,| 
/:::::::::::::|  ./::::  ::|:::::        __     |  
: : :::::::::::::|.../:::    ::\::::       ::::::::    |
::::::::::::::::::|\       ::\ l  l  l l l l l l  |:::::::::\ 
:::::::::::::::::|  \       :::::\_______|::::::::::::::::: 
::::::::::::::::|    \      ::::::::::::/ |::::::::::::::::::::  
                 めだかちゃん☆
313名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 21:29:48.16 ID:v2zFZOFL
いや全く思い出さないw
314名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 21:33:45.65 ID:cOU1nddc
>>311
悪魔と契約する前に出会ってたのが海月ちゃんなら
めだかもあんな壊れなかったかもしれないなあ
315名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 02:38:31.34 ID:li8uyqPC
>>314
だな、海月はそこまで悪人ではなさそうだし

しかし仲間でも容赦しないとはどっちが悪だww
316名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 06:23:34.10 ID:K9VcQk0O
でも次回海月ちゃんぐちゃぐちゃになるんでしょう?
317名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 06:40:10.13 ID:/E1w2DJt
>>311
くじらも出世と権力争い絡まなければ普通にいい奴だと思うんだけどなぁ俺の印象だけど
318名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 09:29:57.09 ID:i/IWvJ/h
めだかボックスがちらついて読むのをすごい邪魔するんだがwww
名前だけなのにキャラクターイメージというのはこうも根深いものなのか
319名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 23:34:58.49 ID:P8gcOEBS
業の道に入れた作品のキャラの名前でイメージ固定してコレジャナイ拗らせるのは良くあること
俺が自作ゲームとかTRPGでキャラを作って、そのキャラがキャラバンクじゃ無いのに性格固定なのも多分そのせい
320名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 22:57:37.42 ID:edQSc3Ty
突然だが、「帰ってきたウルトラマン」のナックル星人が使った十字架いいよな………
X型の十字架に逆さまに縛り付けて、しかもその格好のまま運ばれるのを見て、エロスを感じてしまった………。
ぶっちゃけ、本編見てないから、そのシーンだけしか知らないんだが。
聞いた話だと、ああなったのって大切な恋人殺して逆上したところを襲いかかったんだろ?

あれが可憐な魔法少女だったら更に良かったのにな………
321名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 23:25:02.51 ID:EcrIrsiu
ウルトラマンで十字架といえば、まず連想するのはガッツ星人だが・・・。
磔っぽい路線いくなら、俺はやっぱり生体ユニットが好きかなー。性行為の有る無し問わず。
裸にされたヒロインが、敵ボスの体内で触手に束縛されてたり、肉壁に埋め込まれてたりとかね。
322名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 00:16:09.04 ID:zq8h+pWd
友人を人質にされ応戦できないヒロインの前に腹の吸収口を「くぱあ」と開き、
服を脱いで自ら入って来るように命じる敵のボス。
怒りと悔しさに顔を歪めながらも、意を決して前に踏み出し、
服のボタンを外し始める…。

ええ。タダの妄想ノートですとも。
323名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 01:28:40.05 ID:HlHe8bT0
正義のヒロインが人質とられて戦えなくなってるシーン見るたびに人質ごと攻撃すればいいのにと思ってしまう俺は正義の側には立てないんだろうな
324名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 02:46:05.32 ID:BU29aciK
いや、正義としては正しいと思う。
でも人としてどうかとも思うww
325名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 02:54:44.94 ID:qzQ+iNg+
平和は俺が守ってみせる!だから乱れろ、平和!
326名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 08:06:15.13 ID:hzE+I60m
ついこの間漫画でやってたんだが、人間って「自分がいけない」「自分のせいで○○になる」って気付かされる(勘違いされる)のが、一番動揺するらしい。

つまり、大多数を助ける為に人質を見捨てる→人質の友人が拷問にあうのを見せられる→それでも冷徹に振る舞おうとしたところを言葉責めされる。
→動揺したところを突かれ敗北→拷問に合う友人の前で快楽責めされながら、自分の無力と快感に溺れる身体を詰られる

って所まで思い付いた。
言葉責めっていうか、精神責めも凌辱に入ると思うけど、貞操奪われた時点で精神攻撃してるようなもんだもんな
快楽責め・苦痛責めから切り離した精神責めって難しいだろうし
327名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 14:22:54.08 ID:KTd7GcAi
ウルトラマンのイメージは某所のおかげでカラータイマー破壊、十字架、ブロンズ像になった。
328名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 23:30:55.83 ID:MY0opSqq
人質の醍醐味はやっぱ自分からホニャララさせる事にあると信じる。
例えばパンツを脱がさせたりとか、パンツ脱がさせたりとか、あと他にはパンツを脱がさせたりとか。

>>321
ああ。裸で囚われてるヒロインを救出するのは中二病男子の永遠のロマンだ。
329名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 23:47:55.80 ID:zq8h+pWd
>人質
同性か異性か。友人が一般モブかでも扱いが変わって来るからな。
だだし秋俊、テメーは駄目だ。
330名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 23:50:53.27 ID:AgKnmzus
大型兵器やモンスターに、動力源として取り込まれるとか最高
331大時化物語3話 1/21:2011/08/02(火) 07:13:43.42 ID:g6HCtdj2
・投下します。
・少しハードだと思うので、苦手な方はスルーして下さい。

☆大時化物語 3話☆

少し時間を潰してから、夜6時の須留目駅前。
ちょうど帰宅ラッシュの時間ということもあり、
都市圏から帰ってくるスーツ姿の人間が溢れている。
老若男女様々な人が行き交うその中に、山本めだかと潮沢海月の姿もあった。
二人とも変身しているのに周囲からの注目がまったく無いのは、
一般人の認識を暈す人避けの魔法を使っているからである。

「ところでさあ海月ちゃん」
「な、なんですか、山本先輩…」

命賭けのゲームの前だ。
オーナーに声をかけられると緊張するのも道理。
声が震え、小さな肩は猫の毛並みのように立つ。
そこへ投げかけられるめだかの質問。

「海月ちゃんってさ、まだ処女?」
「何を言うんですか!?」

あまりに唐突なその質問に爆発したように声を荒げ、顔が赤くなる海月。
動揺浅からず、かわいいポニーテールが上下に揺れた。

「うん、まあ分かってたけどさ」

逆に恋すら経験していないこの娘が処女じゃなかったら、めだかの方がびっくりする。

「ぶっちゃけどうなの? 処女を捧げるとしたらどんな相手がいい?」
「ど、どんな相手って…」

海月は顔を赤らめた考え込む。
好きな人でもいればその人の名前を挙げるところだが今はいないし…。
漠然としたイメージで語るしか海月に手段は無い。

「そう、ですね…」

しかし答えないのは失礼と考えること数秒後。海月は少しずつ言葉を出していった。

「やっぱり将来…私を、お嫁さんに貰ってくれる人がいいですかね…」
332大時化物語3話 2/21:2011/08/02(火) 07:14:45.89 ID:g6HCtdj2
硬い口調から始まった言葉。
しかし二言目、三言目となる内にそれは流暢になっていく。
赤い顔を和らげ、手を合わせてうっとりと語り始める。
緊張は解けて、その表情はとても和やかであった。

「かっこいいとか、お金持ちじゃなくてもいいんです。
でも優しくて、仕事にも趣味にも一生懸命で…。
私や…子供がいたら子供にも、ちゃんと接してくれる人がいいなって…」
「子供欲しいんだ」
「気が…早かったでしょうか…」

海月はもじもじと太ももを擦り、少し恥ずかしそうに俯いて、
上目遣いでめだかの顔を伺った。

「まあいいんじゃないかな。良いお母さんになれるといいね」
「あ、ありがとうございます」

そのワンショットが、多分ゲーム前の彼女の最後の自然な笑顔だろう。
ゲームの後に同じ笑顔が見られるか見られないかはまぁ、彼女次第。
できれば見せない事態がいいななどとめだかは考えているのだが。


(それにしても”良いお母さん”ね。あの女に取り入る割には平凡な夢だねぇ)

それならそれで準魔法少女になんかならなきゃいいものを。

(まあいっか。なれる日が来るといいねぇ?今日は頑張らなきゃね、あははははは)

内心ほくそ笑むめだかは、目を凝らして駅前の雑踏を眺める。
何かを探しているその様子に、海月は和やかな気分から覚め嫌な予感を覚えた。

「あの……、そんなことを聞いて、どうするんですか…?」
「いやあ、ただの雑談だよ。気にしないでね海月ちゃん」
「はあ…」
「おっと。じゃあ、あの人にしようかな」

めだかは誰かを見定めたらしく、手を翳す。
人を惑わす悪魔の妖術だ。
魔術への抵抗が無い一般人はこれで操られてしまう。

「………」
333大時化物語3話 3/21:2011/08/02(火) 07:15:48.53 ID:g6HCtdj2
無言で二人の前に歩み出たのは50歳ぐらいのスーツ姿の男。
くたびれきったサラリーマンと言ったところか。
元々疲れが出ていた顔に、操るための妖術までかけて目が死んでいるもんだから
ゾンビのような不気味な顔つきになっている。

「この人に手伝って貰おうね」
「…ッ!?」

ビクビクビク、とポニーテールの準魔法少女の動揺は大きくなる。
一体山本先輩は何をさせるつもりなのか。
まさかと考えてしまうのは港浦くじらのように、処女を奪われること。
この男に散々輪姦させるとかそんな非道を思い浮かべてしまう。

「や、山本先輩…」
「なあに?ゲームのルールはこれから説明するよ」
「許してください…」
「あ?」
「処女だけは…許してください…。こんな、こんなところで、こんな知らない人に
奪われるなんて、絶対、絶対嫌ぁ……」

そう言うと前屈みになり、自分のヴァギナを守るようにミニスカートを抑える。
目に涙を浮かべて海月は必死で懇願した。

「何を言ってるの海月ちゃん。この人には手伝ってもらうだけだよ。
知りもしない男の人に海月ちゃんの処女を奪わせるなんてするはずないよ」
「本当ですか…?」
「言ったでしょ?私は人も祟るし殺しもするけど…」
「嘘はつかない!!」

「YES」とめだかは人差し指を立てて頷き、海月の顔は若干明るくなった。

(良かった…。こんなところでロスト・バージンなんて絶対嫌だもん…。
そうだよ…山本先輩だって女の子だもの。どれだけつらいか分かってるからしないんだ…)

ほのかに灯る微かな希望。
後はめだかの提示するゲームとやらに勝てばいいだけだ。

(頑張ろう…。なんとか勝って…、山本先輩に許して貰うんだ…)

キッと表情を引き締めて海月は勝負の場に出る顔を作る。
334大時化物語3話 4/21:2011/08/02(火) 07:16:52.09 ID:g6HCtdj2
「じゃあ先輩。ルールの提示をお願いします」
「ルールは簡単。8分以内に、その男の人をイかせてあげられれば海月ちゃんの勝ち」
「は……?」
「だから、口でも手でも使ってそのお父さんのおチンチンから精液を出せれば
海月ちゃんの勝ちって言ってるの」

ピシリ、と海月に電流が走った。
瞬間的に答えは口から出ていた。

「嫌ですよそんなの…!! 第一、こ、こんなところで…!!」

この案には潮沢海月の動揺は浅くない。
キスすらしたことない乙女に中年のペニスをしごけというのがそもそも難題であるし、
こんな公衆の面前でそんなことが、できるわけが無い。

「大丈夫だよ。人避けの魔法を使ってる限り一般の人たちには認識されないから。
恥ずかしがらずに出来るよ」
「そんな…こと言っても……」

ぎゅう、と前で固めた拳が震える。
海月はどうしても嫌だった。
もし今後好きな人が出来ても…こんなことをした後じゃ、とてもキスなんてできない。
他の男の精液が入った口を捧げたくなんか無い。
汚れた身体を好きな人に触って欲しくないという思考だ。

「先輩…。こういうの以外のゲームはダメなんですか…?こんなの…酷すぎます…」
「問答無用」
「え、何するんですか、きゃあっ…!!」

無理やり膝立ちにさせられる海月。
男はめだかに操られるままに肉棒を曝け出す。
そのグロテスクな物に、海月はある種のパニック状態に陥る。

(こ、こんなもの口に含むって…何。嫌だ。絶対…。先輩許して、先輩……)
「ダメだよ。その人に処女奪わせないだけマシと思わなきゃ」

少女の儚い視線による嘆願をあっさり却下。
しかしそう言っても、海月は戸惑うばかりでやろうとはしない。
本気で死んだ方がマシとでも考えていそうな表情だった。

「まあ、海月ちゃんは鈍臭いしそうそう動ける娘じゃないと思ってたよ。そこでだよ」
335大時化物語3話 5/21:2011/08/02(火) 07:17:57.30 ID:g6HCtdj2
「え、ちょっと、何をするんですか、きゃあ!?」

膝立ちになる海月の後ろに回りこんだめだかはしゃがむと、
膝立ちの海月のスカートをめくり上げてパンティに手をかける。
一体何をするつもりなのか。
海月はただめだかの行動に狼狽するだけ。
しかしそこで取り出された品物を見て、海月の顔色は真っ青になった。

「せん…ぱい……?」
「さっき借りた海月ちゃんのマジカル八連装だよ。
弾はもう私が自分で作って入れておいた。ここから七発抜きますよ〜」

じゃらじゃら。
リボルバーの弾倉から確かに、七発の銃弾が抜き出された。

「そしてこれを回転させます!」

ギュルギュルギュルと景気の良い音を立てて弾倉が回転され、適当なところで止めた。
何をするつもりなのか…、海月には分かってしまった。分かりたくなかったけど。
そして抗議の声を上げる間も無く、海月の相棒はその銃口で海月の処女を奪ったのだ。

グシュッ!!

「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」

目を限界まで開き、口を開き、海月は絶叫する。
人避けの魔法さえ使ってなければこの駅前で聞こえない人はいないと思えるほどの大声で、
海月は悲鳴を上げた。
暴れる海月の小さな身体。縦横無尽に泳ぐポニーテール。
彼女の姿勢が膝立ちから崩れないのは、咄嗟に魔法の鎖を出して彼女の身体を
現状位置で固定したからだ。

「い、痛いっ!!痛いぃ!!痛いよぉ…!!いやあああああああああ!!」
「ごめんごめん。痛くするのが目的じゃないよね。それはすぐ消してあげるよ」
「あ………ああ……………」

魔法をかけられすぐに癒える痛み。
しかしそれは同時に、物理的な痛み以外に自然と意識が向かうようになって、
心の傷が深くなった瞬間でもあった。

「そんな…、ああ…………」
336大時化物語3話 6/21:2011/08/02(火) 07:19:00.58 ID:g6HCtdj2
無惨なものだった。
今日まで守り抜いてきた処女が呆気なく散らされた。
しかも人ではなく…自分が使ってきた武器による姦通である。
ある意味レイプよりも悲惨なロスト・バージンだった。
海月は泣いた。
彼女の視線上からは見えないが、パンティが染みるのは感じる。
膣と、パンティをずらされて挿入された銃口の間から漏れる赤い雫が、
パンティを湿らせているのだろう。

「ぐぅっ…!!」

海月には珍しい、怒りの顔が浮かび上がる。

「ゆ……許しません………。嘘つき…先輩の嘘つき!!
犯さないって、処女だけは奪わないって言ったのに!!
私は先輩のこと、嘘だけはつかないって信じてたのにぃ!!」
「はぁ? 私は見ず知らずの男には奪わせないって言っただけでしょう?
私と海月ちゃんは学校の先輩後輩って関係があるでしょう。同性だし」
「そんな理屈が……!! 私もう、もうお嫁に行けない…!!」

涙目で抗議する後輩の姿。
涙と涎と鼻水で、可憐な面持ちはすっかり台無しだ。
これが準魔法少女などというものになっていなければ…いや海原龍美に取り入りさえしなければ、
この娘はそれなりの学生生活を送れただろう。
引っ込み思案だが可愛くて、調子に乗るクセはあっても人は良い。
ファンの男の子くらいはいるだろうし、自由に恋でもなんでもできたろう。
大学に行く頃には背丈も伸びて、美人になって引く手数多で…。
もしかしたら卒業前後にはもう旦那を見つけて、
それこそ処女を捧げて一直線に夢のお母さんになったかもしれないのに。

(まあ、あの女の部下になった時点で擁護する余地なんか無いけどね!!
ああ、楽しいなあッ!! あははははははははは!!)

いっそう悪い顔になって、めだかはリボルバーの撃鉄を起こした。

「えっ…?」

すると、めだかを睨みつけていた海月の顔がまた弱気になる。
何をする気だ―――とそれは確認することでもないだろうが。
何度でも確認はしておきたいほどに海月の心境は逼迫している。
337大時化物語3話 7/21:2011/08/02(火) 07:20:07.79 ID:g6HCtdj2
「あの…、先輩……?」
「なぁに?海月ちゃん」
「そんなところで、撃鉄起こしたらダメです……その、危ない、です」
「そうだね」

潮沢海月の膣内にブチ込まれた拳銃。
これが火を噴くとどうなるか、誰でも想像できる。
八連装から七発抜かれて残りは一発。
確率はズバリ八分の一。

「まあつまり、運さえ良ければ最大で八分は持つって説明で、分かるかな…?」

簡単な話だ。
海月が奉仕を始めて、一分毎にめだかがトリガーを引く。
海月が男を射精させられればその時点でクリア。
ただしどこかで弾が出てしまえばその時点でゲーム・オーバー。
最悪、最短一分で16年間の人生を終了して頂くという意味だ。

「そん、な………」

ガクガクガクと震える海月。
なんとかならないかと視線で懇願するが却下される。

「以上がルールの説明の全てだよ。まあ、海月ちゃんがするもしないも勝手。
私は時間が来ればトリガーを引かせて貰うだけ。
ああ、逃げようとすれば試合放棄と見なして鎌で首刎ねるからね。
じゃあ…今から、はい、スタート」
「―――――ッ!!」

その瞬間のめだかは、今までで一番冷酷な瞳をしていた。
この無慈悲な視線には逆らえなかった。

(ああああああああ…………)

助けて誰か、と心の中で唱えつつ。
ここから潮沢海月の地獄が始まる。



――ふむ、ふむぅっ…!!
338大時化物語3話 8/21:2011/08/02(火) 07:21:11.70 ID:g6HCtdj2
初めてのフェラチオ。
キスすらしたことない少女の心理的には高いハードルだった。
しかし命がかかっている以上手は抜けない…。
最悪最初の一分で、最長でも八分で、ヴァギナにねじ込まれた鉄の肌が潮沢海月を殺す。
だから必死で、とにかく絶対に射精させなければと、海月は見知らぬ男のペニスを
口でしゃぶり続けた。

ちゅぷ、ちゅぷ…。
唾液を分泌し、必死で奉仕する海月の顔は苦悶に歪んでいた。

(いやあ、臭い…。でも命が、命がかかってる、死にたくない…!!)

ちゅぷ、ちゅぷ。ちゅぷ…。

「んむっ…、ふむっ、ふむっ…!!」

ポニーテールを揺らし必死でフェラチオに勤しむ海月。
そんな必死な後輩の後ろで、めだかは愉悦に浸っている。

(必死だねぇ。でもあの男の人は妖術にかかって感度が落ちてるからね。
時間通りに出来るかなぁ? あはははははは)

あれほどの乙女心を抱いた少女が、処女を奪った敵の言うままに
見知らぬオッサンのチンポに必死で食らいついている。
憎い女の側近に屈辱を与えることができていい気味だった。

(おや。もうそろそろだね。楽しい時間は経つのが早いから困るよねぇ)

時計を見計らいながら、丁度秒針が一周したところでめだかは
何気ない仕草でトリガーを引いた。
ガチン。

「ふむぅっ…!?」

びくん、と強く反応する海月の身体。
空とは言え、撃鉄が落ちるショックくらいは伝わってささやかな衝撃になる。
それにフェラチオに熱中していた最中ということで、動揺が浅いはずがない。
もっと言えば、結果的に助かっただけで実際にトリガーが引かれたことが大きいのだ。
下手をすれば今ので海月が息絶えていた可能性すらあるのだから。

(助かった…!? ああ、でもまた撃鉄が起こった…!! 急がないと急がないと…!!)
339大時化物語3話 9/21:2011/08/02(火) 07:22:20.50 ID:GtNyAf6W
「そうだよー。一発目が空でも二発目に入ってるかもしれないからね」
「ふむっ!!ふむっ…!!」

涙を流し必死でフェラチオを続ける海月。
命がかかっているからと、汚いと認識しているものを必死で加える。
けれど男のペニスは立たない。
感度が鈍っているということと…海月の焦りによって攻めが雑になっているのが原因。
これでは八分などとうてい無理。
鳴る度に少女を震え上がらせてきた”ガチン”も6つ目まで来てしまった。
ガチン。

(ひいいいいいいいいいいいいッ!!!)
「おやおや、海月ちゃんは運がいいねぇ。六発目もハズレだよっ」
(もう、もうらめ……。無理、絶対無理だよ……)

がくがくがくがく…。
膝立ちの足はもうガタガタだった。
六分経って何の進展も無い。
後残された時間は、一分か二分。
無理だ。絶対に無理。

(ああ……、死ぬ…。死ぬんだ……。私、もう、死ぬ……。嘘、だって、こんな……)

フェラチオが止まった。
蒼白になった今の彼女にはもうこの戦いを続ける精神力は残っていない。
もう自身が死んだものと思って。けれどやはり死が怖くて受け入れたくなくて。
そんな微妙な心境の間を、呆然としながら揺れ動くだけ。

(嫌だよ……助けてよ…。会長でも、副会長でも、誰でもいいから助けて…ううう…)
「おやおや、お口止まってるよ海月ちゃん。生きたいんじゃないのかな?おっと、時間だ」

ガチン。

(いやああああ!!後、後1分!?そんな、そんなぁ…!!)
「凄い運だね海月ちゃん!とうとう最後まで粘りきったよ!!さあラストチャンスだ!!」
「もう許してください!!私にこんなの無理ですッ!!先輩の言うことなんでも聞きます!!
だから命だけは助けてぇ!!助けてくださぁい!!うわああああああん!!」

もう男のペニスからも口を離し泣き出してしまった。
それに対してめだかは、内心では爆笑しながら冷ややかな視線を送る。
340大時化物語3話 10/21:2011/08/02(火) 07:23:23.15 ID:GtNyAf6W
「こら、あんまり暴れると銃が暴発しちゃうよ。指はトリガーにかかってるんだから。
子供が欲しいんでしょ?自分で子宮潰すのはお姉さん、先輩として関心しないなぁ」
「鬼ぃ…!!悪魔ぁぁぁ……!!」
「どうせ悪魔ですよ。角や牙だってあるし」
「ぐすっ……ううう………くぅぅ…ふぅぅぅぅ…!!」

本物の悪魔の減らず口には勝てず。
ラスト一分ではまたやる気を取り戻しペニスにがっつくが、やはり無理。
早々に時間は来る。

「あと、30秒」

ラスト1分に関して、めだかは30秒前から5秒単位で秒読みを始めた。
もう7回回り終えたリボルバー。
つまり、潮沢海月の余命のカウントダウン。
それは海月自身もよく分かっているから…。
カウントが進むごとに必死に、眉間にしわを寄せて励んだ。

「ふむっ!!ふむっ!!ふむっ…!!」

昨日までまともに男のおチンチンなど見たこともなかったであろう少女が、
今ではもう一心不乱に齧り付いている。
なんとも滑稽だと、めだかは笑っている。

「ああ…あと10秒だねぇ」
「ふむううううううううううううう…!!」
「5秒…4、3、2、1」
「やめてええええええええええええええええええ!!」
「ぜろっ」

明るいは発声と共に撃鉄が落ちる。

「いやあああああああああああああああああああ!!」

滝のように涙を流し絶叫する少女。
思い浮かぶのは直後の自分の姿。
膣内に突っ込まれた銃口から火が噴き、子宮から体内を貫通して死に至らしめる。
そして自分の死体が往来に落ちて、全ては終わり。
すごく怖い。
16で死にたくなんかない。
でも死ぬ。撃鉄が落ちきればもう無理。
341大時化物語3話 11/21:2011/08/02(火) 07:24:28.23 ID:GtNyAf6W
バァン!!

そして確かに、その音は鳴った。
今までの空撃ちとは明らかに違う本物の銃声。

「あ――――――――……」

ポニーテールの少女の瞳から輝きが消える。
小さく間抜けな声が、駅前広場に人知れず響いた。



駅の広場に、少女の身体は内股に崩れ落ちた。
背や肩の力は抜けきり、腕はだらしなく吊られるだけ。
アンモニア臭の立ち込める水溜りにブーツと太ももを軽く浸し、
視線はあらぬ方向を向いている。
鼻水と…間抜けに開かれた口元からは涎が垂れて可愛い顔を台無しにしている。

「ぷっ…くくく、あはははははははははは…!!」

ポニーテールの準魔法少女のヴァギナから小水にまみれた銃口を引き抜くと、
ざまぁ見ろと言わんばかりに笑って見せる山本めだか。
その笑い声によって意識を取り戻したのだろう。
準魔法少女、潮沢海月の瞳が輝きを取り戻す。
そう…海月は死んではいなかったのだ。

「せん……ぱい……?」
「あ〜、面白かった!あんなに必死んなって…最高だよ海月ちゃん」
「……………」

最初は何故めだかが笑っているのか分からなかった。
内股座りのまま呆然とお腹に手を当てる。
痛みも、弾丸が貫通した痕跡もないことを確かめる。

(あ…)

そして自分の下半身が濡れていることに気づく。
あの刹那に失禁したのだと分かる。
そして海月は、自分はただ玩具にされていたのだと分かった。

(あれ、空砲……?)
342大時化物語3話 12/21:2011/08/02(火) 07:25:32.65 ID:GtNyAf6W
いっぱしの戦士ならば…ここで込み上がるのは屈辱と憤怒だろう。
誇りを汚すための悪趣味な演出。
このままめだかに食ってかかってもおかしくは無い。
しかし海月にそんな気骨は無くて、脱力してただ泣き崩れるばかりだった。

「山本せんぱぁい……。もうやめて下さい…。怖かったんですよ…、凄く怖かった…」

まだ心臓がバクバク言っている。
めだかはその海月に微笑みかける。

「でもおめでとう海月ちゃん。ゲームクリアだよ」
「ふぇ…? 先輩…?」
「本当なら海月ちゃんは死んでるんだけど、海月ちゃんはよっぽど運がいいんだね。
私が精製した八発の内一発にだけは、殺傷能力の無いハズレ弾だったんだ。
海月ちゃんに当たったのはそれみたい」
「それじゃあ…」
「リボルバーの弾装が回りきったらもうゲームは成立しないよね。
海月ちゃんの勝ちっ。これで海月ちゃんは自由だよっ」
「自由…………」

海月の顔はまだその言葉の意味を実感しきれずに呆然とめだかの顔を見ていたが…、
やがて実感してくる。心が動く前に、身体が震えてくる。
自由を得られた……つまりこの悪魔の前で生存権を勝ち得たという事実に、
処女を奪われた無念、失禁している恥辱など忘れて海月は嬉し涙を流すのだった。
こうなると目の前の山本めだかのおぞましい悪魔衣装が女神のようにすら見えてくる。

「良かった…。先輩…私……帰ってもいいんですね…」
「うんうん、頑張ったね海月ちゃん。ああ、でも帰る前に」
「分かってます…。ロザリオ、渡すんですね」
「そうじゃなくて。一応さっき使ったハズレ弾について説明しておこうと思ってさ」

まためだかに悪い顔が浮かぶ。
潮沢海月はまだ、悪魔化しためだかの本性を理解しきれていないのだろうか。
今の山本めだかが、こんなヌルい形で『四天王』を解放するわけが無いのである。
当然その言動と行動には裏がある。
直後に教えられた真実を前に、潮沢海月の顔はまた恐怖に歪んだ。



「どういう…ことですか……」
「だから、言ったでしょ。あれはただの空砲じゃなくて、呪いの弾丸なんだって」
343大時化物語3話 13/21:2011/08/02(火) 07:26:42.07 ID:GtNyAf6W
呪いの弾丸。
殺傷能力はまったく無いが、撃った対象に特定手段でしか消えない呪いをかける弾だ。
「今回の海月ちゃんの子宮にかかっててね。発動すると凄い爆発が起きるんだ〜」と、
めだかはにこやかに説明する。

「――――!?」

いともあっさり口にされた重い事実に海月の顔が引きつった。
子宮が、爆弾に作り変えられている…?
信じられないと言わんばかりに、めだかに問い直す。

「うそ…………………?ですよね?」
「本当だよ。まあ呪い解除の仕方は簡単で、
20人の男から精液を膣内出しして貰えば解けるんだよ。
逆に2時間経つと海月ちゃんの身体は子宮を中心にボンッ!てなっちゃうけど」
「――――――――――」

またも血の気が抜けて崩れ落ちる華奢な身体。
運命に絶望して項垂れる。

「どうして…ですか?」
「ん?」
「どうしてこんな酷いことができるんですか…?あんまりだと、思わないんですか…?
それに、男の人に抱かれるような真似はしないって、言いましたよね!?」
「それはゲームの話でしょ。それはもう終わったんだって。
でも海月ちゃんは正規の方法でクリアしたわけじゃないんだから問題が残った。
その問題を解決する方法を私は教えてあげてるんだよ?
やる、やらないはそんなの海月ちゃんの勝手だし」
「そんな……知らない男の人の精液を注いで貰うなんて………20人も…。無理だよ…」

嘆く海月。
しかしまともにゲーム・クリアをしたわけではないという事実は確かであり、
まあまだ息があるだけマシだよねというめだかの論調には完全に反論できないと
考えてしまうぐらいにはお人よしであった。
普通ならこんなの詐欺もいいところなのだが…。

(20人……。SEX…そんなに大勢と…でもやらないと、命が……)

手を握り締めて苦渋の決断。
それは時間にしてみれば僅かだったが、この少女の中でどれだけの葛藤があったかは知れない。
その末に潮沢海月はよろよろと立ち上がって、助言を乞うた。
344大時化物語3話 14/21:2011/08/02(火) 07:27:53.22 ID:GtNyAf6W
「SEX…って言ってもどうすればいいのか…私には全然…」
「そんなの決まってるでしょ。
あの雑踏の中の男の人たちにそのミニスカートを捲って見せてあげればいいんだよ。
後はあちらさんにお任せすればヤってくれるよ。海月ちゃん可愛いし!」
「でも、パンツがおしっこに濡れてて…」
「ノーパンでいいんじゃないかな? その方がウケいいよ、きっと!あはははははは」
(そんな……。でも、それしかないなら、しょうがないのかな…)

身体やコスチュームの汚れはいくらでも魔力で浄化することができるが、
下着はそうもいかない。
新しく買いにいく時間も惜しいため、海月はパンティを脱ぐことにした。
一旦ブーツを脱ぎ、履き馴れたパンティの裾を掴んですり降ろし、片足ずつ抜く。

「……やだ、恥ずかしい……」

人避けの魔法が使われているため彼女に注目する一般人はいないが、
それでも往来で小水まみれのパンティを脱ぐなどというのは耐え難いものだった。
海月はやむを得ずパンティをそのまま落ちていたコンビニ袋に入れ、街のゴミ箱に捨てる。
またブーツを履いて、スカート共々魔力で洗浄。身体に付着した分と臭いも落とす。

(パンツも履かずに街を歩くなんて…やっぱり…こんなの……)
「さあ、時間も押してるよ。命かかってるんだから頑張ってね。あはははははは」
「分かり、ました……うっ…」

涙混じりにめだかと別れ、潮沢海月は街行く人の中に入って行った。



『もし街を歩いていて突然コスプレした美少女が”そんなこと”をしてきたら―?』

などという非現実的なことを考えて駅前を歩いている男なんかそうそういない。
なので彼…会社帰りの25歳男、浅磯海老夫(あさいそ えびお)はたいそう悩んでいた。
気がつけば突然目の前に立っていた、純白のコスチュームに身を包んだ
ポニーテールの少女が、恥ずかしげにスカートを捲りあげていたのだから。
スカートの中に下着は無く、まだ生えかけの陰毛が直に見える。

「お…お願いします。何も言わず…私を、だ、抱いてください……」

目をぎゅっと瞑り、スカートを持つ両の手は振るえている。
345大時化物語3話 15/21:2011/08/02(火) 07:28:59.93 ID:GtNyAf6W
(…え? マジ? どういうこと…?)
「お願いします!! い、命がかかってるんです、抱いてください…うっ……」

明らかに使命感的にそう言ってくる少女。
海老夫には事情はよく分からなかった。
見たとこ中学生か高校生の女の子だ。
こんな娘に手を出してバレでもしたら警察沙汰である。
普通ならば立ち去るべきところだが、彼が断るのを躊躇っているのはその少女が
とても可愛かったから。男は皆多かれ少なかれロリコンの気はある、多分。

「あの…お嬢ちゃん、いくつ?」
「16歳…高校1年生です…」
(どうしよう。こんなチャンス、滅多に無い…いや二度と、無いッ!!)

くわっと目を見開いて、海老夫は海月の手を取った。
そして言った。「じゃあホテルへ行こう」と。
しかしそれには海月は首を横に振った。

「ダメなんです…。時間がなくて、出来たら、ここで…。
魔法の力で今は誰も、私たちは認識できていませんから…」
「魔法…? そういえば…」

本当ならばこんな、ノーパンでスカート捲りあげてる女の子なんか注目の
的になってもいいはずなのに、見えているのは海老夫一人のようだった。

「もしかしてお嬢ちゃん…魔法少女、海原龍美の関係者か?」

有名人の主の名が出ると海月は首を縦に振った。

「マジか!? 魔法少女とヤれるなんてッ!!」
「ま、待ってください、優しく、きゃあっ!!」

男は一皮向けば皆狼。
誰にもバレないと分かるや、海老夫は海月を抱きかかえると広場隅のベンチに腰かけ、
まず最初に海月の唇を奪った。

(やぁっ……!!)

今から何をするのかを鑑みればそのくらいで驚くことは無いのかも知れないが、
これでも今日までファースト・キスもバージンも守ってきた少女である。
その喪失には動揺を隠せない。
346大時化物語3話 16/21:2011/08/02(火) 07:30:03.78 ID:GtNyAf6W
「ぷは…。お嬢ちゃん、キス初めて?」
「はぁ、はぁ……。は、はい…」
「じゃあ教えてやるよ。たっぷりと…!!」
「ひゃ、ひゃあっ…んっ…」

熱いキスだった。
見も知らぬ男に強引に唇を重ねられたと思ったら、舌を突っ込まれて口の中を蹂躙される。
少女の小さい舌に積極的に絡みつき、わざとらしい唾液の音が立つ。
同時に…海老夫の手はコスチュームにかかった。

(あっ、やぁっ…!!)

海月の無言の抗議を無視してたくしあげられた純白のコスチュームの下からはブラが露出し、
それを取ると年齢・体形の割には随分膨らんだバストが現れた。
実は海月は着やせするタイプで、中学生後半から急に膨らんだ乳房は
女子から見られても恥ずかしく思っている。

「すげぇ…。ちっちゃくて可愛いのにおっぱいこんなに大きいんだ」
「言わないで下さい…恥ずかしい……やっ…!!」
「いいから」
「揉まないで…あっ、あっ……んっ!!」

丹念に乳房を揉まれ、乳首をいじられていると、徐々に海月の体温は上昇していく。
ほんのりと肌が赤らみ、汗が滴る。
実は彼女の子宮に仕込まれた呪いには媚薬に似た作用もあって感じやすくなっているのだ。

「あっ、あっ…だ、だめ、イくっ、おっぱいらけでっ……そんな、そんな、ふぁああ!!」

海月は軽く達してしまった。
愛液が分泌され、ぐたりとなって海老夫の胸元へと沈む。

「凄く感じやすいんだな」
「お願い、します……。早く、ください……。時間が…」

果たしてそれが本当に時間を気にしての懇願なのか、それとも他の意図があったのか…。
いずれにせよ男はもう勃起しているペニスを取り出すと、
少女の身体を持ち上げて照準をつける。
ベンチに座った状態での騎乗位。
下から突き上げられる感覚に襲われながら、海月は生まれて初めて男性の肉棒を
自分の膣内へと招きいれた。
347大時化物語3話 17/21:2011/08/02(火) 07:31:11.13 ID:UhjMc98K
「ひゃああああああああああああッ!!」

処女幕がもう無いことと、もう身体は出来上がってるのとで
顔は純粋な快楽に歪んだ。

「あれ?君処女じゃないんだ?」
「い、言わないでくださいっ!!お願い、あっ!!奥にっ!!奥に当たるぅっ…!!」

ペニスに膣内を圧迫される感触は鉄の銃口とは全然違う…。
どくんと脈打っていて…当たり前だが人の体温を、温もりを感じる。

(あ……いい………。銃より、全然いい…。ここは…怖く、無い…)

めだかにあんな目に遭わされる前ならいざ知らず。
今となっては、ちゃんと温もりと鼓動を共有できる普通の性交というだけで
安心感を覚えてしまっていた。

「なんだ、入っただけでうっとりちゃって。時間無いんだろ?動くぞ」
「あ、ちょっと、待って!!ひゃっ!!ひゃああん!!」

動く、海老夫の腰。
上下運動するペニスが海月のヴァギナを犯す。
ただ一度銃口を受け入れただけの膣内はまだ締まりが強いく、双方に快楽を与える。

ギシッギシッギシッギシッとベンチが軋む。
海月のポニーテールが上下に激しく暴れる。
大きな胸が縦横無尽に揺れる。
二人の息遣いが重なる。

「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」

海月の息が荒く、細切れになって出される。
瞳はトロンとして、絶頂の寸前まで来ている風。

「イきますっ、私、イくっ、イっちゃ、イくっ!!!」
「出すよお嬢ちゃん、このまま、膣内に!!」
「出してっ!!!海月の中に全部出してぇッ!!!」

ドクドクドクドクッ…!!

「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!! はぁっ…!! はぁっ…!!」
348大時化物語3話 18/21:2011/08/02(火) 07:32:10.09 ID:UhjMc98K
熱いもので膣内を焼かれる衝撃、海月は大きく仰け反った。
その身体を海老夫は受け止めて、抱きしめる。

「んあ……ん、ちゅぷっ……」

そして最後にキス。
とても優しいキスで潮沢海月の初SEXは終わった。
そしてが終わった途端、浅磯海老夫―――この海月にとって名前も知らぬ会社員は、

「あれ…?俺は一体こんなところで何を…うわ、なんでこんなもん出してんだ!!」

と何も無かったかのようにペニスをしまって去っていった。
海月が軽い記憶操作と人避けの魔法を使ったのだ。

(ありがとうございます…名前も知らない人。
貴方は私が処女を捧げたい相手じゃなかったけど…。
初めてが貴方みたいな人だったのは、良かったです…さようなら)

乱暴されず優しく抱いて貰えたことがせめてもの救いだろう。
しかし思いのほか時間がかかってしまった。
あと19人――。海月は身体を清めると、次の男性をハントしに行った。



「おら出すぞ!!」
「出してッ!!出してくださいっ!!イくっ…!!イっちゃうっ…!!」

ああいった餓えた狼というものは幾らでもいるもので…。
若い男に声をかけると、十中八九は釣れてしまった。
最初は皆警戒するが、魔法少女が幅を利かせているご時勢である。
その辺りの事情を軽く見せると普通にかかった。
どうも、警察に捕まるリスクさえ無ければ可愛い女の子はいつでも抱きたいと
いう欲求は皆あるらしい…。
そして潮沢海月は男を食いまくり、抱かれた人間は軽く20人に達した。
呪いは解け、その瞬間に海月は自由を得た。
しかし自由を得ても海月はまだ駅前から撤退してはいなかった。
最初に浅磯海老夫に抱かれてから5時間が経過し、駅前に人通りが無くなってもである。


―――お願いしましゅ…。お願い…。してぇ……。
349大時化物語3話 19/21:2011/08/02(火) 07:33:21.86 ID:UhjMc98K
と、誰もいなくなった駅前広場に一人の少女の声が響いていた。
尤も、誰か通りがかったとしても魔法少女か悪魔の関係者以外が彼女に気付くことはない。

「お、お願い…。誰か、誰か海月を犯してください……。誰でもいいから、来て…」

少女…潮沢海月は最初のベンチに座りぐったりしていた。
ベンチの背にだらしなくもたれ掛かり、肩に張りは無く、手はぶらんとしている。
顔は輝きを失いガラス球のようになった瞳に…中途半端に開いた口からは涎。
露出した大きな胸はその先の乳首が勃起し、乳房には白い精液がかかる。
めくられたスカートから見える股はだらしなく開かれて、
崩れきったマンコは愛液と膨大な量の精液でぐちゃぐちゃになっていた。
精液は太ももを伝いブーツの内と外に駄々漏れになって臭い匂いを立てている。

肉欲に食われた者の末路である。

実は彼女に植え付けられた呪いは精液を注ぎ込まれるごとに消えていくが、
副作用として身体の性への衝動は倍増していく。
しかし通常の人間ならば一定以上SEXを行おうものなら疲れて
物理的にできなくなるものだが、彼女は準魔法少女として人間よりも心身共に
強靭な作りになっているため、ブレーキとなるものがなかった。

5人を相手にし追えた頃から呪いを解除することなどどうでもよくなり、
ただただ時間を忘れ男を食らい尽くした彼女。
こうなると流石に体力も精神力も底を尽き始めた。
既に人避けの魔法を自由に操ることもできず、最後に男を食ってから1時間程、
ベンチに座ったまま誰にも知られず股を開いたまま放置されている。

家に帰るとか、誰かに連絡するという発想は浮かばなかった。
ただ思い浮かぶのは、男のペニス。

「あああ……欲しい、欲しいです…。誰か、おチンポ、ブチ込んで……。
海月のえっちな変態おマンコに、誰か、精液、精液ぃ……膣内出しして下さい……」

射精という行為だけがただただ恋しい。
そんな彼女に歩み寄る影があった。
須留目高校の制服でもゴスロリドレスでもない普通の普段着――
Tシャツとホットパンツという格好で、コンビニ袋とスイカ型のアイスキャンディ片手に
現れたツインテールの女。
食べ終わったアイス棒をゴミ箱に捨て、わざとらしい仕草で話しかける。

「あれあれ。海月ちゃんじゃん。どうしたのこんなとこで。もう夜の12時だよ?」
350大時化物語3話 20/21:2011/08/02(火) 07:34:13.63 ID:UhjMc98K
他ならぬ山本めだかである。
もうあれから5時間も経過しているのだ。
彼女あれからもう家に帰り、ご飯食べて、TV見て、お風呂入って、
今はコンビニの帰りであった。
―――ここを見に来たというのが親には言ってない本来の目的だが。

「……い………です…」
「海月ちゃん、もう家に帰ったと思ってたよ。
その様子だと呪いは解けたようだね、良かったじゃない」
「お願い、です………」
「お願いぃ?」

めだかが耳を近づけると、この精液にまみれたポニーテールの少女は、
あらぬことを嘆願した。

「お願いです……。おチンチン、ブチ込んでぇ……。チンポ欲しいれす…」
「おいおい海月ちゃん、私は女だよ。おチンチンなんてありません。
入れられるのはこれくらいかなっ」

取り出したるは、潮沢海月から借りパク中の八連装。
クルクルと回転させ、その鉄の肌を海月に見せる。

「誰でもいいから…膣内に入れて……もう、我慢できない…」

恐らくもう、海月は目の前の人物が誰かの判別もついていない。
目の前を通る誰もかれもが、自分の性欲を満たしてくれる者だと認識してしまっている。
その膣内に、めだかはお望みどおり彼女の得物をブチ込んでやった。

「ひあああああああああああああああああああッ!!」

上がる歓喜の声。
手は必死で胸を揉み、乳首をいじる。

(うわあ…。もうガバガバだよ。
処女だったくせに今日一日でどんな使い方したらこんなになるのさ)

この事態を予想…というか狙って動いていためだかも、流石にこれにはびっくりしたが、
とりあえず銃を膣内で暴れさせてやる。

「ひあうんっ!!イくっ!!イくッ…!!出して!!出してぇ!!」
「出すって…いいの?」
351大時化物語3話 21/21:2011/08/02(火) 07:36:03.54 ID:UhjMc98K
「出してよぉ!!お願いだから出して!!出してくれないと、死んじゃいますッ…!!
我慢れきないのぉ…!!」
「悪魔は嘘ついちゃいけないから……ちゃんと確認するよ。
私は海月ちゃんがゲームに勝てば命は取らないと言いました。
海月ちゃんは勝ちました。だから私には海月ちゃんを殺す権限はありません」
「お願いッ!!お願いぃ!!」
「今、海月ちゃんはこれの中身を出さないと死ぬと言っています。
私はこれは出すと死ぬと考えています。
困りましたね。ではどちらを選択すべきかは海月ちゃんに委ねたいと思います。
この場合、海月ちゃんの意思を尊重するという形で宜しいでしょうか?」
「出してッ!!熱いのいっぱい出してッ!!」

めだかの顔が、とても汚く笑った。

「しょうがないなぁ。じゃあお姉さん、お願いを聞いてあげちゃおうかなっ。
あははははははははははははは!!」

めだかの指が優しく撃鉄を起こし、トリガーにかかった。


――――続。

☆あとがき☆
読んで下さってる方々ありがとうございます。
あんまり話が進まない3話ですが、これからも何卒。

・登場人物紹介

【浅磯海老夫(あさいそ えびお)】25歳.男.髪型:オールバック
須留目市に住む善良な市民。
駅から出たところを潮沢海月に捕まる。
彼女を初めて抱いた男。
モブキャラ同然なのでまあ特に語ることはないと思う。
352名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 08:55:04.51 ID:/yQzjucU
魔法少女の方が外道だと思ってたけどなんやかんやで山本さんも外道ですねw
乙w
353名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 13:07:09.59 ID:iNL+a+oh
鬼畜ぶりがよかった
354名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 16:26:21.89 ID:0PWfRoOk
山本さんなかなかの鬼畜じゃないか
この話の登場人物には外道しかいないのかww
続き楽しみにしてる
355名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 19:26:09.16 ID:hU3nIMtU
海月ちゃんは悪堕ちして、毎晩めだかに苛められる展開になるんじゃないか
そう思ってた時期が俺にもありました。

いや、海月ちゃんの「優しいお姉さん」発言が印象強かったせいなんだけど(笑。
356名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 22:22:18.01 ID:TwNNy9EC
いやぁ、山本さん酷いなw
そんじょそこらの魔物や悪魔さんなんか目じゃないぜ!w
357名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 23:08:01.98 ID:nDKONNru
学校というよりもシマと呼んだほうがしっくり来る殺伐さw
358名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 23:50:20.20 ID:WRsgtf6Y
オーケイ、学校丸ごとバイオベース化して少し和もうか
359名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 23:53:51.27 ID:rjgj1tTm
生徒会に怨みがあるつっても
直接関係無い後輩にまで容赦ねぇなぁこの女w
360名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 00:33:41.98 ID:5aTOkDE8
あれですか
見せしめとして殺した後で口に魚をつっこんだり
体に21個の穴開けたり
町をあげて上位構成員の葬式をしたり
この桜吹雪が眼に入らないかと言ったり
そういう世界ですか
361名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 02:09:21.65 ID:cE8Nk/lX
海月ちゃんはいざ権力を振りかざせる立場にならないと調子には乗らないんだよね?
じゃあ四天王なんかにならず料理部とか茶道部で大人しくしてりゃよかったのにな
所属する組織を間違えてしまったとしか思えない
362名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 04:47:21.90 ID:iCqSTVdb
>>361
この作品の設定上、生徒会以外はどんな扱いされるか分かったもんじゃないし、あながち全くの間違いとも言えない。
363名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 18:08:23.33 ID:Q/OANLv6
>>361
この設定なら自分の身を守るためなら生徒会に所属するのが正しいと思う
364名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 20:49:17.96 ID:VNMOml5P
いや、転校だろ
365名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 03:49:43.27 ID:cyMpfQei
まあ山本さんが来なかったら一生安泰だったね
366名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 04:01:13.12 ID:YdTw4VMJ
渡瀬さんが余計な一言言わなきゃよかったのに…
367名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 10:47:00.28 ID:d45BcuYe
>>366
全部その余計なひと言のせいだよな
368名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 17:37:38.87 ID:FYNW5qf0
そして真相は副会長の独断で、会長はさして関心のない出来事だった可能性が
知っても止めなかっただろうけど
369名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 18:45:05.75 ID:x+6pub2L
手柄を立てそうになった自分の部下の暗殺を命じる魔法少女も珍しいなあ
なんだか時代劇みたい
370名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 19:52:09.36 ID:4REJXTXe
大時化物語は魔法少女が幅を効かせてる設定だけど、逆に魔法少女が迫害される世界観もありじゃないかと思い始めてきた

「魔物が魔力を求めて魔法少女を中心に襲う為、魔法少女は一般社会から隔離されている」とか
「穢れた魔物と直に戦う魔法少女は、その魔物の返り血を浴びる事もある為、世間からは魔物に向けるのと同じ眼で見られる」とか
あるいは大時化問題みたく「魔法少女が圧政を行った時代があるため、魔法少女は政治家の許可がないと戦闘できない上、市民団体に戦闘の邪魔をされる」とか

………でも普通の娘がこんな設定の世界だったら、人類守らないかwww
371名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 20:10:03.89 ID:DX9Ak2A/
あんまり自然じゃないね
余分な力があったらやっぱ特権意識になるのが人間じゃないか
372名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 21:07:53.06 ID:pki0QctH
魔物には無敗の死神と恐れられ、近所の悪ガキには勝てなくて罰ゲームを受ける魔法少女

魔法少女「今日こそババを引いたりしない!(キッ」
373名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 22:44:17.69 ID:1ZNxjTSV
蚊に十箇所以上刺されて思った、あいつら手強い…

エロゲにしても小説にしても蛞蝓、蛭、蜂とかが元になってる敵は出てきても蚊はあまり出てこないよな
戦闘中の硬直とかにこっそりと服の上からでも刺せるとか、大群で群るとか色々面白そうなんだけどな
374名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 23:27:59.37 ID:4REJXTXe
>>371の否定にカチンと来たので、>>370の設定でSS作ってみようと思ったら、いじめ描写ばかり頭に浮かんでエロに繋がなかった罠。
自然じゃない云々以前にエロに繋がらないとか終わってた

>>373
蚊が吸う場所は乳首と淫核ですね、分かります
しかも、何らかの伝染病のウィルスを持っていれば、仲間の魔法少女を全滅させられる………かも?
375名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 23:37:28.69 ID:8ok4T8mI
>>370
魔法少女が魔物を倒して魔力を集めていくと、どんな願いも一つだけ叶えられる世界で、
かつてどっかの魔法少女が超膨大な金銭を要求。超インフレが起き世界経済が混乱、長期に渡る悲惨な世界大戦が勃発した為、
戦後は魔法少女の滅殺を世界中で進めてる

って設定はどう?
376名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 23:44:40.99 ID:+lnELKuO
>>372
悪ガキに混じっている次世代魔法少女な幼女が影で手札を操作してる罠
377名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 00:03:09.54 ID:KSG/WZha
>>374
自然じゃないどころか、むしろX-MEN始め、異能力者が迫害されている世界観というのは、珍しくない気がする
頑張れ

てか、いじめ描写が浮かぶのに、エロに繋がらないと言うのは、とても不思議だ
378名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 02:42:03.14 ID:v3wI0fQi
>>370
願いを叶える秘宝を偶然に手に入れた普通の少女は「魔法」を願い魔術師や魔法少女が現れたが次第に魔法は戦争の道具に変容した。
数年後に再び秘宝が現れた時に魔術師同士の醜い争奪戦が起き軍隊も介入して、勝利した魔法少女はあまりの惨状に絶望し「人類の天敵」を願い魔獣の侵攻が始まる。
三度目は秘宝が生み出した魔獣を倒したら秘宝が現れるルールになり
最後の魔獣を倒した魔法少女は「魔獣の消滅」を願う際にリタイアして保護していた魔術師の男に裏切られ、男は「魔法少女の異種姦」の願いと共に秘宝融合して更に世界は荒廃

こうして魔法は忌み嫌われ、魔術師や魔法少女達は暴徒から逃げながら魔獣と戦い世界を歪める秘宝の破壊を目指す

昔チョコ不思にハマってた頃にこんな原案でSS書いてエタったのを思い出した。
379名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 12:55:59.34 ID:nNtGrYLk
>>377
>X−MEN
全人類ミュータント化ならぬ全人類魔法少女化を狙う悪の魔法少女と
人類との共存を図る魔法少女の戦いか
380名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 18:27:22.04 ID:jTPDP/98
>>379
昔、投稿された秋葉原の♂が全員魔法少女になった小ネタ思い出したww
381名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 03:35:02.07 ID:6ZEqRRLY
主人公を貧乳にすべきか巨乳にすべきかって悩むよな
いっそ変身前が貧乳で変身後を巨乳にするのもありなのか
382名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 03:46:44.04 ID:B/DT5TbQ
>>381
魔力で巨乳化してるから、敵に魔力を吸われると貧乳に戻ったり、
逆に悪のエネルギーを注がれて爆乳化したり。
383名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 13:39:20.58 ID:Dr1wnLxf
天敵の淫虫にコスチュームを食べられたり、吸われたりで奪われた魔力で産卵・種付け敗北する花の魔法少女
384大時化物語4話 1/22:2011/08/07(日) 10:13:26.43 ID:n7tiFKDA
・投下します
・今回はエロ少なめです

☆大時化物語 4話☆

山本めだかが港浦くじらと交戦してこれを捕縛し、
潮沢海月を連れて街に出たのは放課後のこと。
その夜には海月の生死をかけたゲームが開始されるわけだが、
ここで時計の針を一度、夕暮れの放課後に戻してみたい。
古淵駆華がオカルト研究部部室に監禁されていた港浦くじらを粛清した後の話である。


「…何の用ですか?」

呼び出された生徒会室の奥の会長室。
浪速チヌは生徒会長の前に立っていた。
しかし生徒会長本人は喋らず、案件を告げるのは専ら、傍らに立つ副会長だ。

「浪速チヌ君。我々は、実はここ暫く…君について調べさせて貰っていた」
「へぇ。わざわざ天下の生徒会の最高幹部様に調べて頂くなんて光栄ですね。
で? 何かご大層な罪状でも見つかりましたかねぇ?」

不機嫌な顔を隠しもしないでチヌは吐き捨てる。

「いや、無い。君の日頃の言動には反生徒会的なものも多く含まれているが、
学校生活面での行動には何の問題も無い。
君は勉学・部活に励む、我が校でも模範的な生徒の一人だろう」

生徒会長とその配下が大嫌いな浪速チヌは、日頃から他の生徒が公衆の面前で憚るような
生徒会批判を平気で口にする。
しかし口にするだけで特に何か問題になるような行動を起こしたことは無いので、
この呼び出しは何か罪をデッチ上げられたのではないかと思っていた。
反乱の芽を摘むためならそのくらいやりかねないのがこの連中だ。
しかし出てきたのがこの副会長の台詞では、チヌは意表を突かれた形になる。

「じゃあ何の用なんです?」
「簡潔に言おう。我々生徒会は君をスカウトしたい。『海原四天王』の席を用意してある」
「スカウト!?『四天王』!?」

またもや意表を突かれる。
385大時化物語4話 2/22:2011/08/07(日) 10:14:40.97 ID:n7tiFKDA
想像もしていなかった事態だ。
何しろ生徒会というのは基本的に会長、海原龍美に忠誠を誓った人間しか入れない。
中でも最高幹部『海原四天王』となれば、それは魔術戦闘の素質を認められ、
銀のロザリオ…つまりは準魔法少女への変身権が与えられるということであり、
栄光の象徴なのだ。
今日まで生徒会に反骨心を抱いていたチヌには関係の無い道だった。

(怪しい…。怪しすぎる。いったい何を企んでるの、こいつら…!!)

チヌは目を細めまじまじと、会長と副会長を見るが、微塵も動かない彼女達の
所作から情報を得ることは困難であった。
するとその時、今まで一言も喋らなかった会長、海原龍美が口を開いた。

「副会長。そのような物腰では、浪速さんに余計な警戒心を抱かれてしまうだけですわ。
礼を尽くし、落ち着いてお話なさい」
「は、はい…会長」

副会長古淵駆華は会長に一礼すると、改めてチヌに向き直り、一歩進み出た。

「分かった、浪速君。こちらでゆっくりと話をさせて欲しい。良いかな」
「じゃあ…まあ話だけでも」

指されたのは会長室の手前に対に置かれたソファとテーブルだ。

「掛けてくれ。紅茶の好みはあるか?ストレート、ミルク、レモン…。
コーヒーや緑茶なども一応あるが」
「じゃあレモンティーで」

駆華はチヌをソファに座らせ、美味しい紅茶を提供した上で自分も座り、説明を始めた。


「まず、君も我々『四天王』がどういうものなのかは漠然とは分かっていると思う」

ここでは流石に、力を背景に威張り散らす組織でしょうなどとはチヌも言わない。
魔界から侵略してくる悪魔を倒すもんだと普通に回答した。

「そうだ。このロザリオ…魔力ブースト装置で体内の魔力を増幅させ、
更に戦闘に特化した魔力に変質させる。
しかし現状の技術ではこの魔力変質、所謂『変身』は19歳未満の少女しか出来ず、
故に魔法少女、あるいは準魔法少女と呼称して悪魔の迎撃に当たっている訳だが…」
386大時化物語4話 3/22:2011/08/07(日) 10:15:53.34 ID:n7tiFKDA
その基礎的な説明を終えた上で、駆華は本題へと移行した。

「君も知っているだろう、君のクラスの委員長にして我が『四天王』の一角、
渡瀬しゃちが先日から行方不明になっていることを」
「ああ…。皆、悪魔にやられたんじゃないかって言ってるけど」
「恐らくそうだ。そしてこれはまだ公になっていないが、
同じく『四天王』の二人、港浦くじらと潮沢海月も恐らく同じ敵に敗北している」
「はぁっ…!?」

素っ頓狂な声をチヌが上げたのは、これが予想の遥か上を行く話だったからだ。
せめて委員長が抜けたから代わりに程度くらいの話だと思っていたのに。
まさか三人とは…。

「な、なんだよそれ。『四天王』から三人もいなくなったら一人しか残らないじゃん」
「そうだ。現在人類の悪魔に対する戦力は会長と私のみということになっている」
「ヤバいでしょ、それ……」

浪速チヌは海原龍美と『海原四天王』が大嫌いである。
しかし同時に彼女達の存在が悪魔から世間を守っていることも熟慮しており、
日頃軽口を言うことはあっても本気で彼女達が消えれば良いと思ったことは無い。
悪魔に対する人類側の貴重な戦力、魔法少女及び準魔法少女が欠けて
最も困るのは善良な一般市民なのだから。

「そこでだ…浪速君。生徒会の戦力増強計画のプランの一環として、
君を準魔法少女の戦力に組み込みたい。
我々の調査は君の魔術戦闘の素養を見極めるためのものだったのだ」
「私に適正が…?」
「そうだ」
「そう、か………」

チヌだって考えたことはある。
もし自分に正義の味方足り得る力があったら、人々を守る為に戦えるのにと。
しかし現実の正義の味方はこんな連中で、いつしか正義を語る者に辟易していた。
が、ここに至ってチヌは少し考えを改めようとしている。
ただ1つの問題さえクリアされれば、チヌは承諾してもいいと考えていた。

「どうした浪速君。何か要望があるのなら言って欲しい。出来ることなら聞こう」

そのチヌの目の動きからそれを察知することは駆華には容易なことで、
すかさず質問してきた。チヌはそれに答える。
387大時化物語4話 4/22:2011/08/07(日) 10:16:56.47 ID:n7tiFKDA
「私は…あんた達のやってる悪魔退治は批判しない。世の中に必要なことだって分かってる。
でも、力を背景になんでもかんでも無理を通すあんたらの独裁は私は認めない。
力のある奴が無い奴をどうにでもしていいなんて、秩序じゃ無い!!
それはただの無法じゃんか!!」
「…成る程。それが君の思想だったな」

頷く駆華。
生徒会への反感を持ってる人間は、だいたいどういう思想をしているかというのは
全て調べ上げられている。
中でも日頃から不平不満を絶やさないチヌの思想は、調べるのは非常に容易と言えた。

「残念だが、そこを曲げることはできん。我々の真の目的は悪魔退治では無いからな」
「真の目的…!?」
「我々の真の目的とはすなわち、生徒会長…いや海原龍美様を中心に秩序を作り上げ、
世界を掌握することに他ならない。そこを曲げては手段と目的が逆転してしまう。
龍美様は常に絶対でなければならないのだ」
「はぁっ!!??」

声を荒げるチヌ。
ここに来て突然、話の内容が分からなくなってしまった。
どこからどう突っ込んでいいのか困惑していると、
駆華の目が軽く会長席の生徒会長に向けられる。
すると龍美は小さく頷き、駆華も頷き返した。
このサインで、チヌに後の構想を喋っていいかという確認をしたのだろう。
恐らく本来ならばまだ外部に知らせてはいけない話と思われる。
そうして語られた海原龍美の世界掌握計画とその目的に、浪速チヌは衝撃を受けた。



「確かに今の段階では、ロザリオを使えるのは適正のある19歳未満の女性だけだ」、
この一文から始まる龍美の世界掌握計画の全容。
それは一言で言うなれば、科学に代わる魔法技術の軍隊による新秩序の創設だ。
まずロザリオに関しては、現在も龍美傘下の機関で新型の研究・開発が進んでおり、
近い将来には適正年齢を引き上げ、また低い適正者の女性にも魔法の戦闘力を与えられる
ようになるという。

「浪速君。君は2年生だろう。卑弥呼の時代、邪馬台国がどうやって、
この列島の豪族たちを纏め上げたか知っているか?」
「えーっと……」

頭の中を弄ってもそれらしい記憶は出て来ない。
388大時化物語4話 5/22:2011/08/07(日) 10:17:59.67 ID:n7tiFKDA
授業で習ったはずだが忘れてしまった。
歴史が得意な親友なら答えるんだろうなと思いつつ、分からないと答えた。

「卑弥呼は当時の最先端技術の粋である銅鏡を全国の豪族たちに配ったのだ。
豪族はそれによって卑弥呼と、そのバックにいる中国は魏の国の権威を借りることで、
自分の領地をより楽に治められると邪馬台国に下っていった。
結果として、日本は邪馬台国を中心に1つとなっていったわけだ」

これは何も卑弥呼の時代だけに見られる傾向ではない。
王の兵も市民の互いの関係性の中でしか生きられない以上、
上の者が下の者をどう扱うのかという問題は古今東西共通のテーマ。
いつの時代も、権力者は自らの権威の象徴となる宝物を配下の者に配り、
貰った者は有り難がった。上からの支持があることを示す証になるからである。

「生徒会長も私も今年度にはここを卒業するが…。
会長は忠誠心の厚い後輩に、会長席と共に金のロザリオを継承させるおつもりだ。
二代目の者は現会長、海原龍美様の後継者という肩書きをもって秩序を維持する。
そして二代目の配下の者も、同様の権威を用いて下々の者と相対することだろう」

この権威の相続は有効な戦略である。
楽に人の上に立ちたい、威張りたいという人間が存在し続ける限り使える手で、
実際にそんな感情が無くなることはありえないからである。
つまり二代目も三代目も四代目も龍美のシンパ代表として学校を治めていくのだ。
これは時間が経つごとに、龍美のシンパが世界に増えることを意味する。
先ほど出た、変身適正年齢の延長が出来るようになれば、龍美はOGも含めた
相当数の魔術戦闘員を確保することができるのだ。

そこまで考えるとチヌにも後の構想は理解できる。
技術が進んで質の良い金のロザリオを大量に作れるようになると、
海原龍美は全国の学校にロザリオをばら撒き始める。
全国の女子生徒は龍美に誘導されるがままに、須留目高校と同じ秩序を築くだろう。
金のロザリオを持つ者は銀のロザリオを生み、自らの眷族を増やす。
龍美への忠誠心と魔術戦闘の素養をもった者をトップとする支配体制が築かれる。
その日本中の女学生及びOGは、全国的にも完全なピラミッドを構成し…
その圧倒的縦社会のヒエラルキーの頂点立つのが、海原龍美。
影響下の全ての学校の生徒会関係者が龍美の手足のように動くのなら、
将来的に龍美の意のままに動かせる兵力は膨大なものになる。

「想像が付くか?一人で悪魔を倒す魔法戦士が、何千、何万という大軍勢にもなるのだ」
「そんだけの兵力で……世界を征服するってこと…!?」
「そうだ。現在の科学技術の軍隊では悪魔への対抗手段にはならない。
389大時化物語4話 6/22:2011/08/07(日) 10:19:03.44 ID:n7tiFKDA
会長は、いや龍美様は、遥か先まで見据えた人類救済のプランを構築しているのだ。
やがては龍美様の兵団が地上を掌握し、魔界へ侵攻する姿が見られることだろう。
人類は悪魔の脅威から救われ、あわよくば魔界をも人間のものとすることが出来るかもしれん。
我々はその大いなる計画の第一歩にいるのだ」

これこそが人類を救う根本的な行動だと語る駆華。
しかしチヌは反論した。

「ふざけんなッ…!! そんなことしたらこの学校と同じで、
力を持った生徒会に苦しめられる一般生徒が、日本中に溢れるってことじゃない!!
それにその後の世界征服だって、すごい犠牲が出る!!
世界を守ると言っておいて本末転倒なんじゃないのか!!
ちゃんとこの世界に住む奴のことを考えなよ!!」
「では君は、緩やかな改革を唱えて世界に魔法技術が浸透するのを待てというのか?」

それは難しい。既に世界の秩序はほぼ完成されきっており、
様々な営利関係が綿密に絡み合っていて急な改革などは出来ないのだ。
ならば武力をもって破壊するしか無いというのが、龍美の思考だと駆華は言う。

「だからってそんな強引なやり方…!!私は認めない!!
あんた達は世界の人々を守りたいんじゃない!!
あんた達に都合のいい世界を作りたいだけじゃないの!!」
「だがそれがこの世界、人間界のためになるのは事実だ。
世界を悪魔から守るという大義の前に、愚民どもの意見など待っていられんということだ」
「話にならないッ!!」

勢い良く机を叩いてチヌは立ち上がる。
踵を返して会長室を去ろうとする。

「もう少しマシな連中かと思ったけど、あんた達はただのヤクザだ…!!
もうやる気無くなった。悪魔退治でもなんでも、あんた達で好きにやってればいい!!」
「待て浪速君」
「何さ、もう語ることなんて無い…!!」
「君に我々の理想を肯定する余地が無いことは分かった。
だが、この状況を放置して良いはずがないということも、賢明な君には分かっているはずだ」
「………」

そう諌められると、チヌは顔を歪ませ、もう一度席に着くしかなかった。
将来のビジョンに対する議論は結論が出ないとしても、
選ばれた人間にしか悪魔を倒せない今の現実とは向かい合わなければならないという話である。
390大時化物語4話 7/22:2011/08/07(日) 10:20:09.33 ID:n7tiFKDA
「ならばどうだ浪速君。正式に我々のメンバーに加わるのではなく、
協力者という形で悪魔との戦いにだけ加勢してはくれないか。
君が会長や生徒会に忠誠を誓う必要は無い。
例の強力な悪魔を倒した後は、嫌なら辞めて貰ってもかまわん」

これは異例の措置。
通常は準魔法少女だけでなく、生徒会メンバー全員は生徒会を抜けることは許されない。
情報を盗んで敵に回ることを恐れ、脱会者は問答無用で打ち首と決まっている。
なのに今回はロザリオを渡して…リスクを抱えても一時的にチヌの力を得たいほどに、
現在の人材収集は逼迫していた。
計算に入っていなかったイレギュラー、山本めだかの脅威に拮抗できるまでは仕方が無かった。

「…でも結局、上手く使われるだけってところは変わらない気がするんだけど」

嫌そうな顔でぶーたれて見せるチヌ。

「否定はしないが、今の状況がそういったことを言っていられないほどに
追い詰められているということも考えて欲しい。
互いに折れないとなると、このくらいで手打ちにしてくれても良いのではないかな」
「チッ」

舌打ちしつつも、チヌは何かを覚悟したような顔で手を前に出す。
駆華はその求めに応じ、彼女の為に龍美が用意した銀色のロザリオを手渡した。
チヌはひったくるようにロザリオを受け取ると、複雑な面持ちを隠しもせずに会長室を出て行った。
後には、龍美と駆華が残される。


「駆華。貴方が掴んだ敵の正体を…ここで晒さないという策は効くでしょうか」

今回、この二人は学校を危機に陥れている敵が浪速チヌの親友であるという点を
あえて伏せて、チヌのスカウトに及んだ。
それについてはこれで良かったと駆華は主張する。

「浪速チヌは人類の生存を優先させるという思考においては我々と共通しています」
例え前会長…山本の兄を殺したのが我々だと知っても、浪速は我々には敵対しないでしょう。
ですが、我々があえて親友同士を戦わせるような印象を、浪速に持たせては…
いざという時に友情を優先され寝返られる可能性も、僅かに出てきかねません」

人間不思議なもので、例え同じ事柄でも押し付けられたものには反発したくなり、
逆に自分で決めたことは維持でもやり通したくなる思考が働く。
仮に今日チヌに「めだかと戦って欲しい」と告げるのと、チヌが自分で敵の正体に気づき
391大時化物語4話 8/22:2011/08/07(日) 10:21:19.64 ID:n7tiFKDA
「めだかと戦わなければ」と覚悟を決めるのとでは本人のやる気も全然変わる。
山本めだかが悪魔憑きになった顛末の事情を鑑みれば尚更である。

「どの道、山本めだかが動いている以上は必ずどこかで浪速チヌも敵の正体には
触れることになるのです。そうなると彼女は、自分で山本と戦う決意を固めるでしょう。
ならば今日のところはあれで良いかと」
「そうですね。私もそう思います。となると駆華、貴方の役割は、
その”どこか”を上手く見定めて利用しきることになりますね」
「承知しております。常に人をつけて山本と浪速の動向には目を配っています。
利用できる状況があれば、即座に対応が可能です」
「流石です、駆華」
「ありがとうございます」

主であり友人である龍美に褒められ古淵駆華の仏頂面が和らぐ。
そしてこの夜早くも、二人の策が実を結ぶことになった。



その日の夜12時前。
タンクトップにスポーツパンツという格好で浪速チヌは市内を疾走していた。
涼しい深夜に思いっきり走るというのは彼女の夏の趣味。
小気味良い息継ぎと整ったペースで、チヌはいつものコースを走る。
昼間の不愉快な出来事は一時忘れ、チヌは風と1つになる快感を得ていた。

(う〜ん、気持ちいい! この夜の街を独り占めしてる感じはいいよねぇ!!)

首都圏から離れた小都市だ。この時間人通りはほとんど無い。
チヌは彼女なりの贅沢を楽しんでいた。

「あ〜、ちょっと喉渇いちゃったな。駅前でドリンク買おう」

そう考えて須留目駅前広場の自販機に辿り着いた彼女。
機械に500円玉を入れようと思った瞬間、少し離れた隅のベンチに見覚えのある
ツインテールを見かけたのだ。

(え?めだか?)

暗い街灯に照らされているだけなので顔はいまひとつよく分からないが、
背格好はなんとなく親友のそれっぽい。
よく見るとベンチにも誰か座っている。
392大時化物語4話 9/22:2011/08/07(日) 10:22:31.11 ID:Euag/Tzf
(何?もしかしてデート!?あのめだかが!?)

とても女子高生らしい自然な思考を巡らすチヌ。

(ったく、悪魔が出るってご時勢に、人通りの少ないところで何やってんだかなあ)

と人のことは言えない心の声を呟きつつ、チヌはツインテールに接近する。
邪魔をしたい訳ではない。
しかし、親友の自分に内緒で抜け駆けし彼氏を作っていたというのは許せない。
ここはその男のツラを拝ませて貰い、めだかの女子力を見せてもらおうという訳だ。

(さ〜、めだかちゃんの麗しの王子様はどんな男かな〜?)

物陰に隠れながら接近するチヌ。
しかしある時点で、目は点になった。
見たところ一緒にいるのは男ではない。女。
いや、それどころか。

(ちょ、ちょっと…?何?何してんの………?)

顔がどんどん引きつっていく。
何だ、あれは。
女の子をベンチに座らせ、大股を開かせて……あれは拳銃だろうか?
それを、その…ヴァギナに挿入している……!?


「しょうがないなぁ。じゃあお姉さん、お願いを聞いてあげちゃおうかなっ。 
あははははははははははははは!!」 


木霊する狂気。
手にトリガーがかかった。

(何やってんだか知らないけど……これ、何か変ッ!!)

ぞくりと感じた悪寒。
よもすると取り返しのつかない事になると思い、
チヌは急いで物陰から這い出て相手の名を叫んだ。

「めだかッ!? めだかなの!? めだかだよねッ!?」
「―――おチヌちゃんッ!?」
393大時化物語4話 10/22:2011/08/07(日) 10:23:35.57 ID:Euag/Tzf
名を呼ばれて慌てて振り向いたのは、やはり山本めだか。
チヌの親友だった。

「めだか――。何やってんの。今何しようとしてたの!?」
「え、えっと……それは…」

先ほどの凶悪な面構えからいつもの顔に戻るめだか。
その事にチヌは少し安堵しつつも、追及はやめない。

「それに何、その娘!?」

チヌは困惑していた。
そのベンチでぐったりとしている娘を見れば、誰だってこうなる。
胸を晒し、ヴァギナを晒し、どっぷりと精液をかけられているポニーテールの娘。
どう見ても―――。レイプされた後じゃないか。
おまけに今はヴァギナに拳銃がブチュリと差し込まれている。

「どういう事!?何してんのあんた!!」

しかしその名も知らぬ少女からもう一度親友に向きかえると、
山本めだかの姿は広場から消えてしまっていた。

「本当に、一体何が……。あ、そうだ、あんた大丈夫!?
ちょっと、しっかりしなさいよ!!」

少女に挿入されていた拳銃を引っこ抜いて地面に捨てる。
魔力で構成されていたらしいその銃は、地面に落ちると光の粉となって散った。
力無く背もたれに身を預ける少女…その身体をチヌは揺らし、意識の有無を確かめる。

「おマンコ…してぇ……。いっぱい欲しいよぉ…あ……」

果たしてこのポニーテールの女の子は意識があるのか無いのか。
チヌの問いかけには一切応じずこの調子である。

(酷すぎる…。女の子になんてことすんのよ…)

何よりもチヌが戦慄したのは、彼女の身体中に塗りたくられた精液。
チヌとて初めての雄の匂いに思わず顔を背けたくなる。
が、放置はできない。
こんな状態の女の子を放っておくことなんかそもそも出来ないし、
この娘は服装から考えて準魔法少女のようなのだ。
394大時化物語4話 11/22:2011/08/07(日) 10:24:39.12 ID:Euag/Tzf
――実は、前代未聞の凶悪な悪魔に準魔法少女がまた二人やられてな。

副会長に告げられたそんな一言がフィールドバックする。
まず間違いあるまい、戦死したと告げられた二人の内の一人だろう。
チヌは携帯を取り出すとすぐに副会長、古淵駆華の電話番号を呼び出そうとし…

(そう言えば私、副会長の携帯の番号知らないっ…!!)

凍りついた。無論、会長のも知らない。
「どうしよう」と思っていた矢先、背後から声がかかった。


「浪速君か?そんな所で何をしている」
「ッ!?」

振り向くと、そこには古淵駆華がいた。
しかし日頃の制服姿とは違う服装…白と黒のフリフリのエプロンドレスは妙に違和感がある。
小柄で可愛い系の女の子には似合う衣装だが、割と背が高くスレンダーな彼女には
あんまり似合う服装では無いような…。
いやそもそも似合う似合わない以前に、夜中の12時を過ぎてメイド服の女の子が
町をうろちょろしているところが何かおかしい。
緊急事態なのを忘れチヌは言葉を失ってしまった。
しかし駆華は変わらぬ仏頂面で「どうした?」と首を傾げている。

「いえ……その、副会長、なんでメイドさんのコスプレなんかしてんの…?」
「ただの仕事着だが。学校外の私は龍美お嬢様の家政婦だからな。
シャーペンの芯が切れたから買って来いと言われれば夜中でも出かける」

そう言ってコンビニ袋を見せてくれた。
ああ、そうですかと適当に流すチヌ。他にコメントなど見つからない。

「君こそどうしたこんな時間に。早速、悪魔退治のパトロールでもしているのか?」
「そうじゃなくて……って、そうだ、大変なんだよ、コイツ見よコイツ!!」

後ろからも見えるように少し身体をずらすチヌ。
これで駆華の視界に少女が入ったことになる。

「あんた等の知り合い…っていうか、敵にやられたっていう『四天王』の一人でしょ!?」
「そうだ。1年生の潮沢海月だ、間違い無い。」
「そっか…!でもまだ息はあるんだ。なんとか助けてやって!!」
「そうもいかん」
395大時化物語4話 12/22:2011/08/07(日) 10:25:50.63 ID:Euag/Tzf
チヌの懇願を無視した駆華の手に現れたのは日本刀だった。

「副会長!?何するつもり!?」
「君には言ってはいなかったかな。実はこの潮沢海月には脱会容疑があるのだ。
命惜しさに生徒会を抜けると宣言した旨の証言もある」

脱会者は機密保持の為に処刑。それが海原龍美の定めた生徒会内の掟である。
しかしチヌには…それを見過ごすことができなかった。
「待ってよ!!」と、再度二人の間に割って入り、ベンチに崩れる少女を庇った。

「どけ浪速君。これは生徒会内部の事だ。
協力者という立場に過ぎない君が干渉して良いことではない」
「どける訳無いでしょ……!?」

浪速チヌは初対面にも関わらず、
絶対にこの後輩の少女は守らなければならないという衝動にかられていた。
薬か何かで快楽漬けにされ、輪姦され…。
これだけ酷い仕打ちを受けて、彼女が失った女性の尊厳は計り知れない。
何がどうなってこんなことになっているのかはさて置き、その屈辱は果てしないものだろう。
その上更に命まで奪うというのは、あまりにもあまり…。チヌは必死で懇願した。

「ねぇ副会長…。決まりを守らせるのがあんたの仕事ってのは分かってるけどさ…、
後輩を教え、導き、守ってやるのも先輩の仕事なんじゃないの…!?
今まで何人そうやって来たのかは知らないけど、生徒会の人材不足は
そういうところから来てるって面も、あるんじゃないの!?
自分たちが短気過ぎたとかは思わないわけ!?」
「なんだと…?」

駆華の視線が殺意を帯びた。
そのプレッシャーにチヌは思わず縮み上がる。
怖い…この、視線だけで人を斬り捨てることができそうな視線は本当に怖い。

(ぐ…、でも退けない…。犯されてそのままの女の子を殺すなんて、
天が許しても私が許せない…!!)

今まで生徒会に歯向かった者がどうなったか。
それを知っていれば暴挙でしかないことを承知の上で、チヌは不動の決意をする。
その瞬間、古淵駆華は心の中でほくそ笑んだ。

396大時化物語4話 13/22:2011/08/07(日) 10:26:56.64 ID:Euag/Tzf
――実は、古淵駆華がこの駅前広場で浪速チヌと出食わしたのは偶然では無い。

時刻は11時半に遡る。場所は海原邸の龍美の部屋である。
寝巻き姿でベッドに横たわり本を読んでいる龍美のところに、専属のメイドが現れた。

「ご就寝前に失礼します」
「…報告ですか?駆華」
「はい、龍美様。昼間お話されていたチャンスらしきものが早くも到来します」

昼間からの山本めだかと浪速チヌの動向は全て逐次チェックされ駆華の元に届いている。
駆華はそれを鑑みた結果、30分後の12時ジャストに機が訪れると見た。

「先ほど山本めだかが自宅を出ました。目的地は恐らく駅前広場…。
山本は夕方から現地で潮沢海月を陵辱しており、その顛末を覗きに行くと言ったところでしょう。
浪速は日課のランニングを普段通りのコースとペース配分で行っています。
このまま行くと12時ジャスト…両者は駅前広場で接触します」
「あらまあ」

その偶然には、海原龍美も声に出して驚くほどである。

「上手く事を運べば、浪速チヌの我々への忠誠心を膨らませ、
山本めだかへの戦意を持たせるきっかけとなり、捨て駒の再利用も可能になるという、
一石三鳥の計です。龍美様のご許可を頂きたく」
「駆華が私の為にする事を、私が止めたことは無いはずです。お好きになさい」
「ありがとうございます。では急ぎますのでこれにて」

時間が無いために足早に去る親友の後姿を見て、龍美は少し考え込んだ。

(…恐らく正義感の強い浪速さんを上手く煽り、適当なところで自分は妥協を見せ、
こちらへ彼女を靡かせるのが駆華の策なのでしょう。
しかし浪速さんの我は強すぎるところがあります。
駆華では上手く御することができず策が空回りすることも考えられますね)

数分後には寝巻きを脱ぎ捨て、外出用のワンピースを纏った海原龍美が部屋にいた。

「いつも幼馴染に任せっぱなしというのも何ですからね。私も一働きしましょうか」

駆華に遅れること数分、龍美も屋敷を飛び出していた。

397大時化物語4話 14/22:2011/08/07(日) 10:28:01.82 ID:Euag/Tzf
「お願い、手当てしてあげて…!!
女の子がこんな目に遭ってるのに何も感じないわけ!?」

――そして現在。浪速チヌは相変わらず潮沢海月を庇っていた。
その二人に詰め寄る、日本刀を持った白黒エプロンドレスの長身メイド。
あまりに予想通りで上手く行き過ぎているその状況に、駆華は満足していた。

(これでいい…。あと一押しして、後はこちらが引けばいい。
日頃から高圧的で知られる我らだからこそ、ここぞという時の妥協は強く印象に残る。
特例として潮沢海月を助けることを条件にすれば、この浪速チヌに、
生徒会の正規メンバーにするというこちらの条件をも呑ませることができるだろう)

潮沢海月も、港浦くじらのように野心の塊というわけではないから、
救済して治療までしてやれば今度こそ完全に生徒会に忠誠を誓う駒にできるだろう。
海月からめだかに襲われた話をチヌにさせてやれば完璧。
古淵駆華の一石三鳥の計は見事成し遂げられる。
そう考えて、駆華は最後の一押しに出た。

「信賞必罰は世の習いだ。ここを疎かにしては秩序は成り立たない」
「ぐぅっ…」
「だが、今回は条件を呑めば特例を―――」
「分かった…!! もうあんた等に頼まない!!」
(えっ?)

思わず力が抜ける駆華。
チヌのこの態度は予想外であった。
チヌは人差し指をポニーテールの少女に向け、
「たった今から、この娘は私が預かったッ…!!」
と叫んだのである。

「どういうことだ…?」
「この娘の身柄は私が預かったって言ってんの!!
これであんた達は、この娘に手出し出来ないッ!!
知ってるでしょ!? 私は生徒会長に悪魔退治で協力する代わりに、
会長に協力する、言って見れば会長公認の独立勢力なんだっ!!
あんたがこの娘を脱会の罪で裁くってことは、つまりこの娘はもうフリーだよね!?
なら独立勢力の私が、この娘の身柄を預かった!!
私の部下なんだから…会長の部下のあんたが勝手に手をかけるってのは、
私と会長の両組織間に結ばれた協定を反故にするってことになるんじゃない!?」

チヌは海月に草鞋を脱がせたのである。
398大時化物語4話 15/22:2011/08/07(日) 10:29:06.18 ID:Euag/Tzf
ヤクザが他人様の客分に手が出せないのと同じ理屈である。
しかし、確かに形式上は協力者なので隷属関係には無いが、
それが生徒会絶対秩序の下で独立勢力を持って良いというのは拡大解釈が過ぎるだろう。
にも関わらずチヌはその拡大解釈を思いっきり副会長に叩きつけたのである。

(この反応は、予想外だ…!?)

駆華は浪速チヌは性格上、海月の現状を見れば絶対に庇うと思っていたが、
ここまで言って来る女だとは予想していなかった。
駆華は苦々しげにチヌを睨みつける。
ここからどう動けばベストなのか、駆華には判断しかねた。
そんな拡大解釈は認めないと斬りかかるか、あるいは妥協するか。
しかしここはどちらを選んでも駆華にはそうプラスにはならない気がした。
斬りかかって二人を殺してしまえばめだかと戦う戦力が減るだけであり、
妥協すればこの拡大解釈を認めた上に生徒会への不信感だけ残す結果となり、
将来生徒会に牙する叛徒の温床となりかねないのである。
軍事力的には圧倒的優位にありながらも、駆華はただ硬直するしかなかった。


一方、チヌは土壇場で切った啖呵にしてはなかなか良く出来ていたと自賛していた。

(…そうでしょ、あんた達の現状ではここで私を斬ることは出来ない。
『四天王』はもうあんた一人なんだから、貴重な適正者の私をここで捨てられない。
それに、拡大解釈つっても、正しい解釈が明文化されてる訳でもない…。
こっちにだって道理はあるんだから…!!)

生徒会の独裁体制にある現状では、理屈だけでは力で捻じ伏せられることもある。
逆に駆華を出し抜くための道理と数字を咄嗟に揃えてカードにした今のチヌは強い。
しかし、チヌにまったくリスクが無いかと言えばそうでもない。
仮に相手が理屈など抜きに、そんなこと知るかと感情的に斬りかかってきてしまえば、
チヌは即死してしまうのである。
そこは鉄の副会長古淵駆華の理知的な損得勘定を信用するしかないわけで、
今だけは件の強力な悪魔が、駆華にとって相応の脅威であることをチヌは願う。

(さあ…どう出る…!?)

凄まじい緊張に汗がだらだら流れる。
この両者の緊張を一気に解いたのは、突如かかった第三の声であった。


「そこまでです、二人とも」
399大時化物語4話 16/22:2011/08/07(日) 10:30:09.44 ID:Euag/Tzf
「龍美様ッ!?」
「会長ッ!?」

街灯の小さな光に照らされて、キラキラと荘厳なプラチナブロンドの長髪が闇夜に浮かぶ。
夏の夜風を従えて現れるワンピース姿の女。魔法少女のご登場である。

(どういうことだ龍美ッ!?聞いていないぞ!?)

打ち合わせにも無い主の登場に駆華は動揺した様子を見せるが、
龍美は平然と二人の間に入ってくる。

「話は聞かせて頂きました。
そちらの潮沢さんの脱会を巡っての、処罰か助命かの口論ですね?」
「そうなんだ…いや、そうなんですっ…!!
後輩がこんな目に遭ってるんだから、助けて、会長!!」
「そうですね…」

んー、と人差し指を唇に当て、困った顔で少し考え込む仕草をする龍美。
その様子をチヌはハラハラしながら見守る。
「お願い、会長」と汗を流しながら寛大な裁きを期待する。
実はこの時、龍美のハラはとっくに決まっていた。
こういうことになるんじゃないかと思って屋敷を出たのだから当然である。
しかし答えを焦らすのは龍美の戦略。
大したこと無いことでも、もったいぶれば他人は重い決断と勘違いしてくれるものだ。

「分かりました。確かに脱会者は厳罰に処さねばならないルールがありますが、
その前に浪速さんに囲われてしまったとなると、手出しは出来ませんね。
潮沢さんのことは浪速さんにお任せします」
「ありがとうございます、会長ッ!!」

見るがいい、日頃から生徒会への不平不満を憚らないこの浪速チヌが、
今では涙を滲ませて生徒会長に感謝の言葉を述べている。

「それと」

龍美は、まず魔法を使い海月の体中にかかった精液をぬぐい、膣内を清めた後、
肉欲の虜となっている潮沢海月の口に何かを放り込んだ。
魔法で精製した睡眠薬で、飲まされると海月は完全に眠りこけてしまう。

「潮沢さんを蝕んでいるのは呪いの副作用による陰熱です。
放っておけば狂気に呑まれたまま死に至る恐ろしい症状ですが…治療法はあります。
400大時化物語4話 17/22:2011/08/07(日) 10:31:39.80 ID:+h99q6bG
浪速さん、貴方にお教えしますよ? 今夜中が峠だと思ってください」
「はい…!!」

龍美は海月の治し方を説明した後、最も重要な質問をしてその場を去った。
質問に答え終えたチヌは、複雑な面持ちでその後姿を見送った。



夜の帰り道をワンピース姿の令嬢とメイドが行く。
メイド、古淵駆華は歩きながら恭しく頭を下げた。

「申し訳ありません龍美様。お手を煩わせることになってしまいました」
「かまいませんよ駆華。浪速さんを生徒会正規メンバーに取り込むことは
出来ませんでしたが、それ以外は成功と言えます」

別れ際に龍美がチヌにした質問。
それは「私たちがここに来る前誰かいませんでしたか?」というものだった。
チヌとめだかの行動を追っていた龍美にとっては答えの分かりきっている質問だったが、
チヌはそれに対して「何も知りません」と答えた。
親友に容疑を被せたくなかったからだろう。
彼女にしてみれば確たる証拠が無いのも事実である。
だが、身を張って助けた少女は自分が誰に襲われたかをチヌに告げる公算は大。
となれば、チヌは自分の敵を自分で決め、自分の意思で討つことを覚悟するだろう。

協力者という立場のままだが、チヌと生徒会上層部の関係は深まった。
潮沢海月も、チヌの配下にはなったが対山本めだか用の駒になったという点は同じ。
一石三鳥ほどはいかなくとも、二.五鳥くらいは行けたと見れる。

「しかし、浪速チヌに独立権まで与えることになってしまったのは失策です。
これでは生徒会という単一組織によって掌握されている須留目高校の中に、
生徒会不可侵の自治勢力の存在を許すことになります。これでは我らの計画とは…」
「山本さんというイレギュラーが入り込んだ時から、既に計画は本来の道を
辿ることは不可能となっているのです。となれば計画の変更は止むを得ません。
浪速さんの事は疎んじるよりも上手く使う方法を考えるべきでしょう」

海原龍美は、浪速チヌは今後山本めだかと戦うに当たって重要な位置を占めると見ている。
経験不足ではあっても山本めだかの親友。
そして幾ら残忍になっても人間、情というものを簡単に捨てきれるものではない。
まして山本めだかは他に友人らしい友人は少なく、生徒会の集めた記録では
親友とも呼べる密接な関係を築いていたのは浪速チヌだけ。
これは味方にしておいて絶対に損は無いのだ。
401大時化物語4話 18/22:2011/08/07(日) 10:32:45.57 ID:+h99q6bG
「それに、もしかしたら浪速さんが山本さんに、悪魔との契約を解除させるよう説得すること
などがあるかもしれません。出来るならそれに越したことはありません。
その折には二人をそのまま闇に葬り去れば、生徒会磐石の世は簡単に戻ります。
どう事態が動いても対処できるよう、心がけてください」
「はっ…」

承知しましたと頭を下げる駆華は、顔ではあまり納得できた様子ではなかった。
仮に協力体制…やや誇張表現をすれば同盟関係をチヌと結ぶことに駆華は抵抗がある。
龍美が絶対者であらねばならないとする彼女には、どうにも納得しかねるらしい。

「駆華。貴方の考えていることは分かります。ですが貴方の考えは少し軽い。
これからは校内に二つどころか、三つの勢力が出来上がる可能性もあるのですよ。
生徒会による完全なる秩序は一時崩れるかもしれません。
しかしそれを許すのは最終的に私たちが勝ち残る為です。分かりますね?」
「はい…、龍美様」

海原龍美は予見していた。
山本めだかの出現と、浪速チヌの存在のもたらす、須留目高校内乱の時代。
訪れる時化の季節の到来を――。

「海も常に凪という訳にはいきません。時には嵐も起きます。
しかし昔から言うでしょう。龍は激しい風と厚い雲に乗ってこそ天に昇るのです。
これから訪れる大時化を我が物にすれば、どうということはありません。
勝ち抜いて見せましょう。私とて、伊達に龍の一字を持ってはいないのですから」

穏やかな笑顔だった。
しかし古淵駆華には一瞬…その笑顔に、大時化の海から天に昇る龍の、
勇ましい咆哮を見た。




自宅に帰った山本めだかは、暗い自室に閉じ篭り自慰行為に耽っていた。

「ああんっ!お兄ちゃん、突いてお兄ちゃんっ…!!あっ、あっ!!」

机の上に置かれている飲みかけのグラスの中身は、魔術で作った手製の媚薬。
一口飲めば身体が出来上がり、その火照った身体が外気に触れるだけで
感じてしまうほどの敏感なものになる。
乳首とクリトリスを下品なほどに勃起させ、めだかはベッドで悶えた。
402大時化物語4話 19/22:2011/08/07(日) 10:33:51.51 ID:+h99q6bG
「んっんっんっんっんっ!!あはぁん!!イくっ!イくっ…!!
お兄ちゃん、イっちゃうよ、突いてよ、もっと、欲しいよっ…!!」

片手で濡れ濡れの秘所をぱっくりと開き、人差し指と中指を突っ込んで
ぐちゃぐちゃと言われる。
下の毛は綺麗に添ってあるのでその様子は丸見えだ。

「見てっ、見てっ…!!お兄ちゃん、めだかね、こんなにエッチなんだよ…!!
見てお兄ちゃん、お兄ちゃんっ…!!」

視線の先にあるのは愛用のパスケース。
そのビニールの中に入っているのは兄の写真。

「ああっ…、お、おっぱいも見て、太ももも、お尻もっ!!
エッチなめだかの身体全部、お兄ちゃんに見て欲しいっ!!
イくとこも見て、潮吹くところも、ぜん、ぶ、ひああああああああああっ!!!」

激しい潮吹き。
パスケースが愛液でどろどろになる。

「どう…?お兄ちゃん、私の厭らしい液体……んっ…」

パスケースを拾い上げ、ちろちろと愛液を舐め取る。
ちょうど兄の口の所に来ると、特に丹念に舌で擦った。

(お兄ちゃんと、キス…。あっ…)

イき終えためだかはパスケースを胸に抱いたまま静かなベッドに沈んでいく。
零れる涙は彼女の寂しさと不安を表していた。

(また…お兄ちゃんでしちゃうなんて…。この半年間はこんなこと無かったのに…)

1年生の頃に兄が死んでからというもの、めだかはよく兄を想いオナニーをしていた。
兄の生前、めだかは兄以外の人と接触する時間が極端に短く、
兄がめだかの全てと言っても過言ではなかった。

だが大事な兄が殺され、めだかは日々の寂しさを紛らわせる為に、
夜な夜なオナニーに励むようになった。
以前は性欲の捌け口にするなど考えたことも無かった亡き兄に欲情するようになり、
パスケースに入ったお気に入りの写真を唯一のオカズに夜の寂しさを紛らわせた。
403大時化物語4話 20/22:2011/08/07(日) 10:34:54.01 ID:+h99q6bG
それが無くなったのは―――2年に上がる前の春休みだ。
ぼんやりと町に出ためだかの前で、一人のショートカットの少女が慌てている。
携帯とサイフを忘れ連絡が出来ない、せめて10円あれば公衆電話が使えるのにと困っていたので、
めだかは10円を貸し、その少女は慌てていたのか電話番号も告げずに去ってしまった。
まあ取立て損ねても10円くらいいいかと思いながら翌日も町を歩いていると、
その女の子に声をかけられ、お礼にとパフェを奢って貰った。

なんやかんやでウマは合ったのでその娘とは春休み中よく遊んだし、
新学年に上がると同じクラスだったので喜んだ。
初めて出来た親友の彼女と過ごしたこの半年間はまったく寂しくなくて…、
夜の丑の刻参りの2時間を除けば、めだかは明るく生きることができたのだ。
それが、たとえ兄を殺し自分の部活動を圧迫してきた憎き生徒会の治世においても。
友というのはそれほどに、生きる希望を与えてくれるものだった。

では何故ここに来て急に半年前の自分を繰り返しているかと言えば、
その親友との別離を、予感していたからに他ならない。


「………どういうことだろうね、フィンちゃん」

と他人には独り言には聞こえるかもしれないが、彼女にはちゃんと返事が聞こえる。
肩に乗った小悪魔少女からの返事が。

「どういうことって?」
「人避けの魔法の展開中に、おチヌちゃんは声をかけてきたんだよ…」

めだかの知るチヌは一般人。
他の人たち同様、彼女達の世界に入って来れるわけがないのだ。
にも関わらず、今夜チヌは普通に話しかけてきた。

「ああ。それってことはつまり」
「おチヌちゃんも敵って事なのかな……? ロザリオを貰った…」
「あの娘に悪魔が憑いた気配は無かったし、普通に考えればそうなんじゃない?」
「おチヌちゃんが…敵か……」

仮に潮沢海月をチヌが助ければ、『四天王』潰しの犯人はすぐにバレる。
チヌがめだかが悪魔になったことと、その残虐性を知ってしまう。
正義感の強い彼女のことだ。
敵に回ってしまうかもしれないと思うと、やはり未練は心に刺さる。

「ねぇ、めだか。めだかの目的は復讐でしょ?
404大時化物語4話 21/22:2011/08/07(日) 10:35:59.15 ID:+h99q6bG
海原龍美とその配下を思いっきり辱めて殺すのが全てでしょ? 諦めるの?」
「諦めるわけないよ…!! あの人たちは倒すよ!! お兄ちゃんの仇なんだから!!
そう……そう、例えおチヌちゃんが…敵に回ったって………」

しかし台詞とは裏腹にめだかの顔は崩れかかっている。声にも力が無い。
ふと思い浮かべてしまった。
仮に浪速チヌが敵で、自分の前に立ち塞がって、その彼女を倒した時のことを。


――やだっ!やめてよ、やめてよ、お願いだよ、めだかぁ…!!

敗北し、泣き、喚き、懇願する親友。
その涙を土足で踏みにじる。
今までの敵と同じように、あの純白のコスチュームを引き千切り、
露出した胸も、ヴァギナも、めちゃくちゃにする。

――あぎがああああああああああッ!!

処女を喪失し、無茶な挿入と膣内射精を受け、目を見開いて叫ぶチヌ。
息も絶え絶えになって、意識すら飛びかけて…。
そのチヌを更に魔物か、あるいは赤の他人の男共の群れに放り込んで慰みものにさせる。
根が乙女のチヌのことだ。それでも暫くはささやかな抵抗を見せるだろう。

――やめて、やめて、いや、いやぁ……。

でも抵抗は徐々に形だけになり、やがてよがり狂って男を求める…あの海月のように。
そして身も心もボロボロになって、目の前の親友の顔すら分からなくなる。

――あんた、誰だっけ…? 誰でもいいからさ…おチンポ、頂戴…。

多分どれだけボロボロになっても、他の人が汚いとか醜いとか思うようになっても、
自分だけは彼女を可愛いと思っているだろう。
その彼女の首を、手の鎌で切り落とすのだ。
その時の自分は――――――――――――――――――――――…


(…多分、泣いてる)

いつもの、甲高い笑い声をしている自分がそこにいるのはまったく想像できなかった。

(おチヌちゃんにあんた誰なんて言われたら………ショックだよ。
おチヌちゃんだけは、失いたくない…。でも戦うことになったら、どうしよう…。
敵になって殺すくらいならいっそ魔法で監禁して、永久に私のものに…)
405大時化物語4話 22/22:2011/08/07(日) 10:36:36.67 ID:+h99q6bG
そこまで考えて、めだかは頭を振った。
「何を考えているんだ私は」と正気に戻る。
別にチヌとは健全な友人でありたいのであってアブノーマルな関係を求めてはいない。

「と…とにかく。まだ詳しいことは分からないんだから。
明日、学校でおチヌちゃんに聞こう。
まずは話をしなきゃ…。後のことはそれから考えよう。それいいよね!」
「ふーん。まあ私は、めだかが本物の魔法少女さえ倒してくれればいいんだけど」

抑揚の無い声でフィンは流した。
そして思った。人間というのは、やっぱり面倒くさい生き物だと。

(知らない奴や怨んでる奴なら百人でも千人でも迷い無く殺せる残酷さがあるくせに、
大切な奴だとたった一人どうにかなるだけでこうも動揺するなんて。
人間って本当に面倒くさい奴らだなぁ)
                     ――――続。


☆あとがき☆
読んで下さってる方ありがとうございます。
エロ少ないですが、まあ説明と話を進める為の回なので許してください。

お詫びなのですが、1話を読み返してみると致命的な誤字がありました。
一部「海原龍美」の記述が「海原豊」になってしまってるんですね。
当初は元々全員を海産物にする予定なんか無かったもので、その名残です。
修正はしたつもりでしたが、しきれてなかったので、お詫びします。
読んで下さった方々、お見苦しいところを見せてすみませんでした。

・アイテム設定
【金のロザリオ】
海原龍美が実家の財力にものを言わせて開発した第一号のロザリオ。
体内の魔力を増幅させ、かつ戦闘に特化した質に変化させるためのもの。
今の技術では造るのが難しく世界に1つしか無い。
これで変身した者は魔法少女となる。

【銀のロザリオ】
魔法少女が自分の魔力を編んで造り出す模造品のロザリオ。
使い方自体は金のロザリオと変わらないが能力は劣る。
これで変身した者は準魔法少女となる。

【量産型・金のロザリオ】
現在、龍美主導で開発が進められているもの。
これで変身した者は魔法少女となる。
龍美が将来、全国の信奉者達に下賜しようとしているのがこれ。
オリジナルの金ロザリオよりも生産性、性能が上のものを目指しているが、
まだ実用化には遠いようだ。
406名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 11:04:47.11 ID:QqcWCA4s
面白いけど
一言言わせて欲しい


すげえ!常識人だ!!!!w
407名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 12:38:39.44 ID:MO7h3VK0
1話の頃からおチヌちゃんだけは女神だと思ってた
408名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 17:14:03.73 ID:5LqZ7yj4
おチヌちゃん女神
409名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 18:37:37.13 ID:TqVFbNEN
だが不幸フラグしか立っていないように見えるのがなんとも
410名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 18:48:57.44 ID:R/8X8EIf
海月ちゃん、まさかの生存だと!?
しかし、交渉の道具にされてる辺り不憫だ………。
411名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 20:14:38.08 ID:E8zvYufL
山本さんを動かすのは怨恨
会長を動かすのは計算
おチヌちゃんを動かすのは勇気と正義(?
412名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 20:28:25.41 ID:caNFXwTx
会長には会長なりの正義感があるように見えるが
正義が必ずしも綺麗な物ではないと言う意味も含めて
413名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 21:26:09.46 ID:TqVFbNEN
とうか魔界の存在がもはや空気w
414名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 21:28:57.82 ID:C15IOwke
>>413
まあまて、こういうのは大抵後になって重要な役割ででてくるんだ。
そうだよな?
415名無しさん@ピンキー:2011/08/07(日) 23:21:37.73 ID:dpYgiyOP
めだかちゃんの前でおチヌちゃん輪姦したらブチ切れそうだな
416名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 02:25:44.92 ID:CfgYOP3L
おチヌちゃんを仲間にする展開は望めないのか…
417名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 21:22:38.09 ID:RjCAjOwO
あいつは海水魚だから駄目だ
418名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 21:39:44.37 ID:MiGcjuoc
大阪湾ってチヌの海って言われてるんだよなー
だから浪速なのかな
419名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 22:13:23.04 ID:3yFvuI7i
鮃とかエイとかサメなら淡水でも何とかかんとか
魔界化する前の琵琶湖にはシュモクザメかイタチザメが上がって来たって聞いた事あるしアマゾン川の例もある。
420名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 01:20:38.68 ID:MUhiA8Ep
>>419
そのサメ、古代種のコイキングに負けたんだっけ?
421名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 18:09:11.21 ID:wqrcbbMk
調整すれば淡水魚と海水魚でも一緒に住めるとかなんとか
422魔法銃士戦争15-A:2011/08/10(水) 10:30:57.97 ID:xnhRIAz4
※TS物っぽい描写があるかも知れません。苦手でしたらごめんなさい。


「うん、事情は大まかに分かった」
私、日野朱美は必死である。
暫くして、合流し、比較的安全であろうプレハブに身を潜めながら
先程の高水寺さんのピンチの件を話したのに、この男こと、戸沢順一は
私が考えたよりも薄い反応だったのだから。
「何呑気に言ってるのよ、このままじゃ・・・!」
「いや、俺もそんなつもりで言ったんじゃないって!ごめんってば!」
いきり立つ私を落ち着かせようとしてるのか、両手を使い、静止させる順一。
「第一、手掛かりが少ないし、助けようにも・・・」確かに順一の言う通りだ、高水寺さんの行方が順一はおろか、私にも分からない。
迂闊に動けば順一さえも返り討ちに合う事は想像に難くない。
「手掛かりに心当たりあったら、あの藍色の魔法銃士を助けに行きます?」
私達が八方塞がりの様相で悩んでいる所に、プレハブの近くからする声。
外に出て、その声の主を探してみたら、灰色・・・というよりは輝きのある色で
銀色と形容すべきなのだろうか?その色の髪と基調としたコスチュームの、魔法銃士がいた。
「あんた、誰だ?」
警戒心を剥き出しに問う順一に、相手は胡散臭げな爽やか笑顔で答える。
「君と同じ魔法銃士だよ。で、君のファンなんだ」
「ファン?」
「そもそも、君とは一回会って助けてあげた事もあったんだから」
そう睨まないでくんないすかね?とますます怪しむ順一に
困った様な表情をして、だが何処かおちゃらけてる様な雰囲気を纏いながら
飽くまで、私達に友好を示してくる。
確かに、以前蜘蛛な怪物に襲われそうになった所を助けて貰ってはいるが
どうにも話し方等が胡散臭くてすんなりとは信じにくい。
こういうのをうざい、と言うのだろう。相手の方も間違いなく分かっててしてる。
「君と、そこの女の子、君の事もよく見てたんすよ。陰ながら」
何気にストーカーっぽい発言はスルーすべきなんだろうか。
「君達のその何て言うか、姿勢?に感動したんだ、ほんとだよ?」
「だから手掛かりを教える、とでも?」
「君らは三人揃って、の方がもっと面白くしてくれそうだから、サ」
そう言って、私達にこの施設内の地図を放る銀色の魔法銃士。
図面通りなら、地下の五階まである大規模施設の様だ。
「そこの最下層にいるだろうね、まだ無事ならだけど」
「そこまで知ってて、自分でどうにかする気はない訳か」
「俺はこういうのには良き観客でいたいんだよ」
銀の魔法銃士は、そう言って欧米風の肩をすくめるオーバーリアクションの様な仕草をする。
「そこまでする義理なんざないし、他の魔法銃士の誰かがしてくれるさ」
だから君達が頑張って、と以前見た意地の悪い笑みをしながら一瞥したかと思うと
例の如くあり得ない跳躍力を駆使し、離れていく。
敵ではないが、味方でもない鬱陶しそうな相手だとは分かった。
423魔法銃士戦争15-B:2011/08/10(水) 10:32:04.33 ID:xnhRIAz4
植物型ドレイナーズの、正に巣と呼ぶに相応しい場所に
新たに贄となる為の魔法銃士が放り込まれてきた。
色はマゼンタであり、本体へ攻撃を仕掛けたものの敗れてしまったらしい。
「ぅぐっ!」
荒々しく床に落とされ、苦悶の声を挙げるマゼンタの魔法銃士。
まさか自分の大技を一度だけならず二度、三度弾き返されるとは想定外だった。
「どう考えてもヤバい事されるよな・・・」
実際に魔法銃士の周囲には、正に食い散らかしたかの様に多くの男女が横たわっている。
肌色が見るからに宜しくないのも何人かいることから
運を絞り取られ過ぎて衰弱させられ、死に至ったのがほとんどなのだろう。
その末席に自分も加わりかねない状況にゾッとして
脱出を必死に模索するマゼンタの魔法銃士。
だが全身、特に上半身を拘束された状態ではアビリティが使えない。
まず絡み付いている触手だか蔦だか茎だか
分からない何かをなんとかしなければならないだろう。
「んぁぁあんんっ!?」
不意に奥の方で何やら甘ったるい様なこそばゆい様な悲鳴が聞こえた。
まだ命を繋ぎ止めてる一般人か、はたまたお仲間か
何れにしても自分の拘束が解けなければ意味がない。
この少女の様な見た目とは裏腹の、魔法銃士の人外の筋力に物を言わせ
無理矢理にでも解けないものかと試みては見たが、結果は徒労に終わった。
すると、突然何処からか触手とも蔦とも茎とも分からない何かが
部屋の別口より何本も侵入してきた。
それは、女性の身体の所謂「感じる場所」へ魔手を伸ばしてくる。
「やめろ!こら!」
必死に叫ぶのと、半ば気味の悪い光景にパニック状態で激しく身体を動かした為か
息があがり、名称し難い何かのねちっこい責めもあり
イライラというより、もどかしい感覚を覚えていた。
細かい作業が何度やってもうまくいかない時のあのなんとも言えない感覚に近いかも知れない。
そのもどかしい感覚の凄まじさは、既に半泣きの表情になる迄である。
そして名称し難い何かから半透明の液体が分泌されて、顕になった肌に塗りたくられた。
風が通り抜ける度に羽根でなでられた様なくすぐったさを
塗られた肌に感じ、快感の為か痙攣もし始めてくる。そして名称し難い何かは、コスチュームの胸元をはだけさせ、乳房をまろび出させた。
「っ!!?」
世間一般の女性の羞恥心、及びマゼンタの魔法銃士の場合は
自分が変身している事にも時折羞恥を感じていた程であるから
精神的衝撃の大きさは半端ではなかった。
「んやぁあ・・・あそこが・・・ビクッて!ビクッてしてぇ・・・!」
熱い吐息を漏らしながら、普段の自分はまず言わないであろう台詞まで
無意識にとは言え、出してしまった事にマゼンタの魔法銃士は気付いていない。
「身体が・・・身体がぁ・・・言うこと・・・」
押し寄せる普通の人間には受け止める事は難しい多くの快感に
狂った様に涙を流しながらも喘ぐ魔法銃士。
その時、唐突に一本の名称し難い何かが耳元をザワリ、となぞる。
性感帯とはまず言えないだろう部位だというのに
背筋にゾクリッと刺激が走り、魔法銃士は思わず甲高くも甘い声を挙げた。
そこにいるのは最早ドレイナーズを狩る、魔法銃士ではなく
一人の弱々しく儚い少女その物だった。
コスチュームの股布をずらして秘所の表面をなぞってくる名称し難い何か
それに弱々しくイヤイヤをする様に首を振り、怯え、拒絶を示すマゼンタの魔法銃士。
が、そんな様子をそれは気にする筈もなかった。
424魔法銃士戦争15-C:2011/08/10(水) 10:33:13.67 ID:xnhRIAz4
何往復かさせた後に無遠慮に様々な液体が混ざり、濡れそぼる秘所に突き立てる。
そしてそれを魔法銃士の秘所はすんなりと受け入れた事に、魔法銃士は衝撃を受ける。
自分の身体はもっと拒絶する物と信じて疑わなかった為
それすら見られなかったのは、魔法銃士の心をへし折るには十分だった。
「・・・っ!っ!?す、凄っ!こ、これ、凄っ!?」
ジュップ、ジュップとわざと大きく響かせているのではないかと思える突きに
白い喉を反らせ、マゼンタ色の髪を振り乱し、自分からも腰を動かす。
それと同時に他の名称し難い何かも、魔法銃士の身体を愛撫したり半透明の液体を垂らしてくる。
そして魔法銃士の秘所を出入りしている名称し難い何かの先端が急激に膨らみ始めた。
「!?やめ・・・っ!それ、は!」
その事で我に返ったマゼンタの魔法銃士は大声で叫ぶが、自分も腰使いが止められない。
そして秘所のそれが白濁した液体を暴発させると同時に、マゼンタの魔法銃士も絶頂に達した。
天井を仰ぎ、プルプルと全身を震わせ、暫く硬直させていたが
やがて糸の切れた人形の様に、力無く前にしなだれ俯せになった。
そしてその魔法銃士へ再び襲おうと別の種類の名称し難い何かが迫る。
『MODE FLAME』
ふと、隅の方から独特の電子音声が聞こえてきたかと思うと
炎の奔流が名称し難い何かの集まりを薙いだ
よく見ると、黒を基調として黄色のフレームの入った様なコスチュームの魔法銃士らしき者が
火炎放射器の様な武器を構えていた。
「この辺りは一掃したわ!ここにいるかしら!?」
「待て、俺が探すから!」
すると似たような容姿の赤い髪・コスチュームの、魔法銃士が
奥の方へ侵入したかと思うと、暫くして藍色の魔法銃士を抱き抱え、戻ってきた。
この流れる様な一連の出来事に置いてきぼりの感もあるマゼンタの魔法銃士に
赤の魔法銃士が藍色の魔法銃士の介抱を黒の魔法銃士らしき者に頼み、手を差し伸べてきた。
「立てるか?」
マゼンタの魔法銃士は呆然としていたものの、その手を握り返し、立ち上がるのだった。


高水寺さんを気付けさせ、動けるか尋ねる順一。
高水寺さんは以前の覇気は失っていたが大丈夫である事を伝えた。
ただ、暫く脚がガクガクと笑ってしまう状態の為に小休止となっていた。
それは一緒に助けたピンクっぽい魔法銃士も似たような状態だった。
あのドレイナーズの責めはそこまで苛烈だったと言うことか。
「二人とも、それと良ければそっちも聞いてくれ」
順一は探索中で見つけた手記らしき物を示す。
「あのドレイナーズは『石』を二つ分使っている。大技で仕留められなかったのもその為だ」
後、単体でそれぞれ大技を繰り出せばいいという物でもないらしい。
やるとするなら、一斉同時攻撃。理屈では二人同時の大技で仕留められると言うのだが
あの巨体相手にそれは本当に可能な事かは不安だった。
「俺は無理だ。大技をここまで何回も使った。フォームチェンジしようにも出来ない」
ピンクっぽい魔法銃士が渋い顔でそう答える。
つまり、やるなら順一と高水寺さんでやるしかないのだ。
順一はまだしも、消耗している高水寺さんにそんな重荷は大丈夫か心配だったが
彼女は一言、「やります」と覚悟を決めて、答える。
一応彼女は私の後輩に当たるので、先輩として不甲斐ない限りだ。
425魔法銃士戦争15-D:2011/08/10(水) 10:34:18.10 ID:xnhRIAz4
外に脱出すると共に、順一が平原に出て、強く地面を音がなるほど踏み始める。
あの触手じみた物は土の音に反応してくるらしい。
幸い、現在は遠くからの各所で鳴ってる音から、他の魔法銃士が触手じみた物に対処してる為に
以前の様に私達の場所に大挙しては来ない。
早速、その音に反応した数本の触手じみた物が地面より穴を穿ち、現れる。
『MODE RIFLE』
順一がその出現した穴へ向けてライフル状の武器を出現させる。
そして、そのライフルも使い、触手じみた物を数度いなすと
あり得ない跳躍力で空中高く飛翔する。
『CHARGE TO BREAK』
空中で構え、照準を穴に合わせた順一はその銃口から赤い大きな矢印を放つ。
赤い矢印は穴より地面へ潜って行き、暫くして魂消た様な、という形容するに相応しい。
地面を揺らす巨大な断末魔が聞こえた。
『MODE BLADE』
着地した順一は素早く武器を切り替える。あの大技は一つの武器で、例外を除けば一回しか使えない。
仕留める為には大技は無くてはならない物だった。
やがて、順一が撃った穴を更に拡げて植物な怪物の巨体が姿を表した。
植物なのに脚らしき物が付いてたり
無数の触手じみた物を従えての登場は正にグロテスクだったが
当初の予定通り、私とピンクっぽい魔法銃士の人とで梅雨払いの為の援護を行う。
私は火炎放射器状の武器を使って、ピンクっぽい魔法銃士は白兵戦で触手じみた物を排除する。
『CHARGE TO BREAK』
順一と高水寺さんがそれぞれ剣と弓状の武器で大技の為の態勢に入り
順一は突っ込むと同時に赤い大きな矢印に変化し
高水寺さんは藍色の大きな矢印を放ち、植物な怪物を貫いた。
植物な怪物は暫く何かに耐えている様にうねうねと動いてたが、やがてぼろぼろと崩れ始めた。
余りの巨体に全部崩れるのに時間がかかったが
二つの石と白衣姿の男性と全裸の女性を後に残し、怪物は消え去った。
「あ・・・ああぁあ・・・!」
いつもは気絶しているケースが多かったのに
寄生されていた白衣の男性は、何やら憑かれた様な険しい表情と充血した目で私達を睨み
フラフラと立ち上がりながら、全裸の女性を残し逃げようとしていた。
「待て!」
順一が腕を掴もうとするが、その男性は地面に何かを叩きつけ耳を塞ぐ。
すると突如、人体には強烈過ぎる光と音を放ち、私達の動きを止めた。
平衡感覚がおかしくなるぐらいの目眩と、視覚異常となり私達はその男を逃してしまった。
暫くして回復した私達は全裸の女性を介抱しようとしたが、既に事切れていた。
あの男性は石で何をしようとしたのだろうか。


ふらふらと施設内をさ迷っていた、白衣の男性が一人の女子を見つけ
藁をもすがる勢いで女子の元に走る。
「石・・・石を・・・!あんた、オーシャンなんだろ・・・!?」
何やら文庫本を読んでいた黒い長髪の女子が本から目を離し、男性の姿を確認する。
「まだ終わる訳にはいかないんだ・・・!金ならまだ出せる・・・お願いだ・・・!」
女子は鋭い目付きで男性を見ていたが、文庫本を閉じ鞄にしまった。
『CHANGE』
そして指輪をスキャナーらしき物に通し、青磁色・セラドンの魔法銃士の姿に変身した。
従来の魔法銃士とはコスチュームが違っていたが。
てっきり石を出す物かとぬか喜びとなった男は尻餅を突き、後退る。
すると、崩れかけの建物の崩れかけの屋上から大きなコンクリートの塊が落ち、その男性を押し潰す。
「もう次は無いのよ、貴方は」
『CLEAR』
変身を解除しながらその女子は、再び文庫本を手にその場を後にした。
426名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 15:06:38.94 ID:rjDbXxYg
>>422-425
投下乙
敵側(?)にも魔法銃士いたんだな
後マゼンタが初登場の時から災難続きな件
427名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 17:36:16.05 ID:LEPy/6+J
作者さんGJ!銀さんが憎たらしい顔してるのは何となくイメージ出来たわw
運が無くなると「不慮の事故」が起き易い感じなのかね?
428名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 09:01:31.46 ID:/H3nRHh5
GJ
植物のドレイナーズには使ったとしたら除草剤の類とか効くのかな?と、何故か想像した自分。
429名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 23:45:04.91 ID:LAWYF2Xg
投下乙
ドレイナーズは種類の範囲が多そうだな
430名無しさん@ピンキー:2011/08/12(金) 17:51:29.08 ID:+OQmLBz9
魔法銃士はドレイナーズとかに脱落させられたのって
装備は基本無事っぽいけど別の成り手候補の人間に譲渡するのかな
成り手立候補はいくらでもいそうだし
431名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 03:21:50.77 ID:dbiPeJMQ
>そして魔法銃士の秘所を出入りしている名称し難い何かの先端が急激に膨らみ始めた。
>「!?やめ・・・っ!それ、は!」

やはり射精の気配に恐怖する女の子のエロスは最強
432大時化物語5話 1/20:2011/08/13(土) 17:38:13.06 ID:WIbEVplx
・投下します
・今回もエロ少ないです

☆大時化物語 5話☆

深夜12時半。
準魔法少女に変身した浪速チヌは、市内のとある公園にいた。
腕には命を助けたポニーテールの少女、潮沢海月をお姫様抱っこで抱えている。

「…あそこでいいか」

目に付いたベンチに海月を運び座らせるチヌ。
彼女のコスチュームの前を開き、大きい乳房を露にさせる。
そして自分もコスチュームの前を開いて乳房を出す。
コスチュームを纏いながらも、出来るだけ直に肌を当てるスペースは多い方が良いというのが
龍美に教わった治療法とは言え……そして人避けの魔法を使っているとは言え、
屋外で半裸になることは恥ずかしい。
羞恥心から顔を赤くしながら、チヌもベンチに座り、乳房同士を密着させる形で
海月の華奢な身体を抱きしめた。

(うわ…、熱い…。すごく熱い、この娘の身体…)

陰熱によって火照った海月の体温はとても高い。
その身体にチヌは教えられた通りに触れ、魔力を通していく。

――良いですか浪速さん。まず優れた地脈の通った場所を見つけることです。
 この近辺なら、この道を真っ直ぐ行ったところにある公園が良いでしょう。
 地味な場所ですが、何百年も前からの神木が植わっていてなかなかの力があります。
 後は大地の魔力の流れに身を浸し、彼女の身体を清めるのです。

会長にされた説明だけでは1度も変身したことの無いチヌには分かりかねたが、
いざコスチュームを纏ってみると魔力の流れとやらは実感できた。
土地には自ずと力の強い場所と弱い場所があり、強い場所の方が命を育むに適している。
その強い場所で、川に子供を浸して汚れを洗い流してやるようなイメージで、
海月の中に溜まった呪いの置き土産を洗い落とすのだ。

(地脈から魔力を汲んで…この娘の中を通して私の中に…。
その時にこの娘の中の陰熱を削り、溶かして……私の中からまた、地脈の中に戻す…)

決して難しい作業ではないが、まだ魔力の扱いそのものに馴れないチヌは苦戦して当然だった。
龍美なら20分で終えてしまいそうなその作業を3時間かけて、
433大時化物語5話 2/20:2011/08/13(土) 17:39:23.80 ID:WIbEVplx
チヌはようやく海月の中の陰気を全て拭い去った。
これで海月が目覚めても、狂ったように性欲の虜になることは無いはずである。
集中力を要する作業を終え、ふぅと一息付くチヌ。
自分と相手の胸元を隠し、背もたれに身を預けた途端、
疲れと眠気がどっと押し寄せて意識が遠くなる。
後は睡眠欲に流されるがまま、後輩の身体を抱き枕に夢の世界へとダイブ。

時刻は深夜の3時半頃。
後にはコスチューム姿の少女二人の寝息が響いていた。



東の空が少し明るくなり始めた頃。
目を覚ました潮沢海月は困惑していた。
ここは知っている、市内の公園も1つだ。
では何故自分がここにいるのかとなるとまるで分からない。
彼女の記憶では駅前広場にいたはずなのに。

(一体何がどうなって…)

そして、どういう訳か今こうして自分を抱擁しながら寝ている年上らしい女性。
コスチュームから準魔法少女であることは分かるが顔は知らない。

(悪い人じゃないとは思う。こうして抱かれてても…なんだか安心するし)

しかしずっとそのままという訳にもいかないので、
ショートカットの女の手を振りほどいて一度地面に降り、
その隣に座りなおして思考を巡らす。

「思い出そう、夕べは…………あっ…」

記憶を蘇らせていくと次々に浮かび上がってくる、苦々しく重い記憶。
山本めだかとの戦闘。
恥辱のゲーム。
そして、男を求めて彷徨い歩いた何時間か。
果たしてどれだけの男とヤったのかも思い出せない。
潮沢海月は呪いを解くという目的も忘れ、ただ肉欲に溺れ堕していったのだ。
恐らくあのままでは欲望のままに暴走し精神を破綻させていたのではないだろうか。

「助けて…くれた?この人が…?」
434大時化物語5話 3/20:2011/08/13(土) 17:40:27.33 ID:WIbEVplx
とっくに精液を浄化する魔力も無くなり、身体も膣内も精液まみれで歩いていた
記憶はあるのに、今の自分の身体は綺麗そのものだ。
それにあれだけの陰熱に犯されていたのに今は清清しささえ覚える状況。
まずこの女が助けてくれたというのは間違いないだろ。

「本当に誰なんだろう…。どうして助けてくれたのかな…?」

海月の知る生徒会という組織は、役立たずを生かしておく組織ではない。
あんな醜態を晒して処刑されることはあっても、こうも丁寧に助けられることは予想外だ。
仮にこの人が新規メンバーであっても、
会長や副会長の方針には普通逆らわないのではないだろうか。
様々な疑問を一通り巡らせた後、まともな答えも見出せないままに、
海月は自分のコスチュームのミニスカートをめくり上げた。

(…………)

無言で涙する。
そこには、昨夜銃で処女を奪われ、
数えるのを忘れる程男に犯され尽くしたヴァギナがある。
精液の匂いは残っていないが昨日までは綺麗だった形は崩れ果てており、
16歳の乙女心を深く抉った。

(生き残ったけど…。多分この人が助けてくれたんだろうけど…。
もう、生きていたくない…。こんなの、誰にも見せられないよ…。
将来のお婿さんにだって…)

手にリボルバーが握られる。
迷いが一切無いからだろう、今までの彼女には考えられない程に素早く丁寧に
魔力の弾丸が八発同時に精製され、補充される。
撃鉄を起こし、銃口をこめかみに当て、後はトリガーを引くだけという状況。

「ごめんなさい、名前も知らないお姉さん…。私、逝きます。
助けてくれたのは、嬉しかったです…。それじゃ」

寝息を立てている隣人からの返事が返ってこないのは承知の上。
簡単な別れを告げて、トリガーに手をかけた。
その腕を…

「待ちなよ」

と掴む、ショートカットの少女。
435大時化物語5話 4/20:2011/08/13(土) 17:41:37.14 ID:WIbEVplx
「えっ…?」
「”浪速先輩”。命の恩人の名前くらいちゃんと呼びなよ」

そんな台詞と共に、寝ていたはずの隣人が銃を持った海月の腕を摘み上げている。
丁度起きるタイミングが重なったのだろう、もう片方の手は眠そうに目を擦りながら。



「助けてくれたことはありがとうございます。でももう…死なせてください」

理由はもうお嫁に行けないから。
そんな舐めた口を叩いた後輩の頬を、チヌは叩いた。

「何するんですか!?」
「私がどれだけ苦労してあんたを助けたと思ってる!?
副会長相手に啖呵切るのがどんだけ怖いことかあんたに分かるか!?」
「副会長ですか…?」
「ああそうか、あんたは知らないんだ…」

海月はチヌと駆華の駆け引きを知らない。
しかしその話を聞かされると、非常に驚いて見せた。
当然である。
会長や副会長に喧嘩腰で挑むことの愚かさは、
須留目の誰もが心得ていることなのだから。
それを聞かされるとまず海月が気になったのは、
何故そこまでしてチヌが自分を助けてくれたのかということになる。

「どうして助けてくれたんですか?」
「どうしてかって…理由なんか無いでしょ?後輩を助けるのにさ」
「えっ…」
「だからさ、自殺なんかしようとすんな。
確かに女の身体にキズが付くって、確かに只事じゃないけど…。
だからって一度助けた人間に勝手に死なれたらこっちの立場無いじゃん。凹む」

極々自然にそう口走るチヌの顔に、海月は見入っていた。
確かに後輩が困っていたら助けるのに理由なんかいらないだろう。
それは当たり前の道徳観念なのだから。
しかし今の須留目に、当たり前の道徳に身を委ねることのできる人物が
どれだけいるだろうか?
まして独裁組織生徒会のナンバー2、古淵駆華に啖呵を切ってまで
その当たり前を貫ける人物など皆無では無いだろうか。
436大時化物語5話 5/20:2011/08/13(土) 17:42:51.28 ID:WIbEVplx
(凄い…かっこいいお姉さんだ……)

何時しか、チヌを見る海月の視線は輝いていた。

「どうかした?潮沢」
「浪速先輩、かっこいいなと思って…」

その時になってようやく海月は思い出した。
生徒会に入りたいと思った時の自分の気持ち。
チヌは照れを隠しながら「よせやい」と言っているが、
この人になら聞いて貰いたいと想いを吐露す。

「私も、最初はそんな風になれたらと思ってたんですよね。
中学3年生の頃、街で悪魔に襲われて会長に助けて貰ったことがあるんです。
大勢の中の一人の私のことなんか、会長は知らなかったと思いますけど…
その時の会長の姿はとても輝いていて、あんな風に私も人の為に戦えたらと思って…。
だから私、生徒会に入りたいと思ったんです。
幸い素養も認められて、1年生で『四天王』になれた時は凄く嬉しかった」

それが、潮沢海月が自らの夢とはいささかアンバランスな地位を手に入れた経緯だ。

「でも、『四天王』として過ごす内に私も傲慢になっちゃったんです…。
助けてやるから他の人は私達に黙って従うべきって思うようになって…
そこに何の疑問も抱かなくなりました。
山本先輩って…私達に復讐したがっている人もいるんですが、
今まではどうして私も巻き込むんだって思ってました。
私は山本先輩には何もしてない、私には関係無いのにって…。
でも考えてみれば、私が酷いことした人たちに山本先輩と同じ力がありさえすれば、
結局私は同じことをされてたと思うんですよね。
関係無くなんかなかった…。
会長が山本先輩に酷いことしたっていうのなら、その罪は私達全員の罪なんですよね…。
今にならないと、こんなことも分からなかったなんて…」

そんな少女の懺悔を、チヌは最初は物静かに聞いていたが、
終盤に差し掛かるとその顔つきは非常に怖いものになっていった。
具体的には、”山本先輩”というキーワードが出たところから。
チヌの変化には海月は、自分が話し終えた後で気が付いた。
恐る恐るその不機嫌の理由を尋ねる海月。

「あの、浪速先輩?どうかしました?」
「その山本って奴」
「へ?」
「昨日あんたと一緒にいた、ツインテールの女?」
437大時化物語5話 6/20:2011/08/13(土) 17:43:54.14 ID:WIbEVplx
静かな質問だったがその奥に巣食う激情は半端なものではない。
しかし山本めだかの、そして浪速チヌの交友関係など知らぬ潮沢海月は、
単純に外道なその女の所業に怒ってるものとばかり思って、普通に喋っていく。

「そうです。山本先輩っていうオカルト研究部の部長さんなんです。
詳しいことは分かりませんけど、凄い会長に怨みを持ってて…
悪魔の力を得て復讐しようと考えている人です。
渡瀬先輩と港浦先輩…『四天王』の二人は山本先輩にやられています。
私も、昨日はいっぱい…、いっぱい、酷いこと……されました…うぅっ…」

話の途中で昨日の恥辱が鮮明に思い出されて来ているのだろう。
途中から顔がひしゃげて、全身が震え、涙が溢れてきている。
その姿を見てチヌはギリリと奥歯を噛む。
この少女は意識が飛んでいて思い出せないかも知れないが、チヌの見た限りでは
明らかに山本めだかはこの娘をも殺そうとしていた。
ありったけの恥辱を与えた上で…。

「…もうちょっと聞きたいんだけどさ。いい?」

本当はこんな状態の女の子にガンガン質問なんかぶつけるべきではないのかも知れないが、
そこまで気遣えるほどチヌにも余裕は無い。
むしろそんな話を聞けば尚のこと余裕が無くなったというべきか。
震える少女の肩を抱いて、落ち着かせる一方で、チヌは情報の提示を促す。
海月も涙を拭いて頷き、回答する用意がある仕草を見せる。

「あんたをあんな風にしたのは、そいつでいいんだよね?」
「はい…。ああ、でも、山本先輩は確かにやってることは恐ろしいんですけど、
普段は優しそうなところもあったりする、そんな人でですね…」

「言われなくても分かっている」。
チヌがそう口にした訳ではなかったが、拳を振ってベンチ隣のブリキ製の看板を
粉砕した行動はそう告げていた。

(もしかして浪速先輩って…山本先輩の知り合い…!?)

目を丸くして予想する海月。
チヌは顔を顰め、憤怒に身を震わせて荒く息をしている。
今にも暴走してしまいそうな激情をかろうじて内に留めている、そんな状況。

「先輩……」
438大時化物語5話 7/20:2011/08/13(土) 17:44:58.37 ID:WIbEVplx
他に海月には、この場に適した言葉を探し出せなかった。
先ほどの台詞だって失言だと、今なら分かる。
昨日1日でしか山本めだかを知らない海月が、知り合いの前でめだかを評するのはNG。
それもこの荒れ様は、よほどの親密さではないだろうか。
チヌはベンチを降りると地面を叩き、呻き、泣きこそしないが唇をかみ締めたまま
項垂れたたように天を仰いでいる。
何を言っても怒りを買ってしまいそうな今、海月は黙ってチヌを見守るしかない。
その僅か数分間にチヌの中でどれほどの葛藤と思考が渦を巻いたことだろうか。
しかし、ひとまず彼女なりの腹は決まったのだろう。
次に口を開いた時には、先ほどまでとは行かないが比較的落ち着いた顔つきで、
海月に話しかけてきた。

「…潮沢」
「あ、はいっ。なんですか、浪速先輩」
「とりあえずあんたの言う山本先輩とは今日、学校で私が会って話すけど…。
潮沢はどうする? これから」
「これから…ですか?」
「私はあんたと一緒に、生徒会の悪魔退治に参加することを条件に、
あんたの事は副会長に見逃して貰ったの。
けどめだか…あんたの言う山本先輩が悪魔と関わってるってんなら、もしかしたらあんたは、
あれだけ酷い目に合わされた奴とまた戦うことになる。それでも、どう? やれる?
もし出来ないっていうなら、ロザリオを私に預けて引っ込んで、卒業まで大人しくしてなよ。
会長と副会長には私が掛け合ってみる」

ここで海月に選択肢を与えてくるチヌの寛大さは異常であると、海月は思った。
普通ならば恩を利用し是が非でも戦いに狩り出すのではないだろうか。
親友とはいえ前代未聞の強力な悪魔と戦うのだから、チヌとて部下は一人でも欲しいはずだし、
海月を監督して戦力に使うという生徒会との約束を反故にする形はまずい。
仮に海月が準魔法少女を引退した場合、責任を取る形でチヌは勝ち取った独立権を返上し、
生徒会の正規メンバーに入れられる可能性もある。
それは心から生徒会に同調できないチヌには苦しい処置だろう。

にも関わらず、ここチヌは海月に選ばせてくれる…戦うのをやめるかそうでないかを。
意思の無い者に仕事をさせても無駄という当たり前の思想かも知れないが、
チヌの立場を鑑みた場合ここでこの選択は思いきりが良すぎた。

「…そんなの。決まってるじゃないですか」

しかしその清清しい気風の良さこそが、海月がこの人物の下に残りたいと思った理由でもあった。
海月は上る朝日に笑顔を輝かせ、後ろ手を組んでチヌの真正面に立った。

「潮沢?」
「ついていきます、浪速先輩に。どんな事があっても…。後悔はしませんっ」
「そう…。まあ旅の道連れが出来たことは素直に嬉しいよね。
っていうか、本当助かる。ありがとう」
439大時化物語5話 8/20:2011/08/13(土) 17:46:03.90 ID:WIbEVplx
浪速チヌとて今後のビジョンがある訳ではない。
むしろ、ビジョンという意味では生徒会長の方が遥かに先を考えて動いている。
チヌはその方針が嫌で、けど人類守るには会長は必要とだけ考えていて。
つまるところチヌの行動は、その思考に身を預けて漂っているだけである。
それでも、敵が名も無き悪魔なら戦いに身を任せれば良かったろう。

しかし山本めだかが敵である可能性が強くなってしまった今となっては、
それすらもあやふやとなっている。
この動揺と不安は半端では無い。
はっきり言ってどう動けばいいのか、チヌにはもう全然見えていないのだ。
でも…だからこそ、ここで誰かと一緒にいられるというのは心強かった。
どう動くにしてもそれは一人の道ではなくなるのだから。

「私も戦闘経験は会長や副会長に比べたら浅いですけど、これでも半年間は
戦ってきてますし、先輩にいろいろアドバイス出来ることもあると思います」
「そうだなぁ。なんたってこっちは準魔法少女一日目、戦闘経験すら無い素人だからね。
頼りにしてるよ、相棒」
「はいっ!!」

コンビ結成を祝し握手を行い、自販機で買ったジュースで姉妹分となった杯を交わす。
が。
そのジュースを飲み終えた直後に、チヌの身体に異変が訪れる。

「あ……、れ…?」
「先輩!?」

よろめいて千鳥足になるチヌ。
そのままベンチに倒れこみ、悶え始めた。

「先輩、大丈夫ですか!?浪速先輩!!」
「あ…、熱い…。何、これ…。ぐぁっ、身体が、私の身体が……あっ…!!」

湯だったように火照り始める身体。
コスチュームに滲む汗。
コスチュームの上からでも分かる…勃起した乳首。
ミニスカートの下のショーツにも勃起した陰茎が浮かび、既に透明の液体が染みている。

「何これ、熱い、熱い…!!熱くて、お腹の中、疼く!! ふぁんっ!!」
(あっ…!!)

海月にはこの異常事態の原因が分かった。
恐らく、昨夜の治療法がチヌには初めての魔法の使用だったので、
魔力の使い方が雑になってしまっている時があったのだろう。
地脈の流れを使い海月の中の陰気を落とし、チヌの身体を経由させて地脈に流し込む際、
ちゃんと最終処理できずにチヌの中に溜まった陰の気が僅かにあって…。
それが先ほどの激情により活性化し、今彼女を発情させているのだ。
440大時化物語5話 9/20:2011/08/13(土) 17:47:11.53 ID:sroY3MWJ
「た、助けて…!!潮沢ぁ!!私、おかしくなるっ…!!疼く、疼くぅ!!あ、ああっ…!!」
「大丈夫です、すぐになんとかします!」

とは言えその気は昨夜海月が溜め込んでいた量と比すれば極々微々たるもの。
一度絶頂を感じれば完全に飛散しきってしまうだろう。

「ちょっと、じっとして下さい!」

チヌのコスチュームの前を開くと、形の良い乳房が飛び出てくる。
続いてチヌのミニスカートの中に手を突っ込んでショーツを脱がし、陰茎を晒す。

「ひゃんっ…!」

布地の下でサウナのように熱を保っていた敏感な箇所が、
急に外気に触れることで感じるチヌ。
こんな状況では恥ずかしいのは恥ずかしいらしく、その部位を隠そうとするが、
海月はそれを許さず彼女の身体を仰向けにした。
ベンチを見下ろすと、ショートカットの準魔法少女が、
発情し恥ずかしい部位を露にして誘っているようにしか見えない状況。

「失礼します…先輩…」

海月も前を開けベンチに上がり、チヌの上に乗り重なる。

「潮沢…あんた何を…」
「すぐ終わります…、だから我慢して下さいね…」

海月も緊張と恥ずかしさのあまり顔が赤い。
それに、そっちの気なんか無い海月には、女性と身体を重ねることには抵抗がある。
しかしチヌの気を発散させるためだと自分に言い聞かせ、それを実行した。

「ひあっ!!」

まず自分の乳首と相手の乳首をごっつんこ。
充血しギュウギュウに硬くなったチヌの乳首を感じながら、
乳房の厚みで押しつぶす様に圧迫していく。

「し、潮沢っ…!乳首、乳首イってっ…!!んぷ…っ!?」

続いてはキスだ。
昨日まではともかく、あれだけの経験を積んで明けた夜である。
海月のキスはそうとう上達していた。
エロティックな舌使いでチヌの舌を絡め取り、チヌの快楽を増幅させていく。
441大時化物語5話 10/20:2011/08/13(土) 17:48:22.95 ID:sroY3MWJ
(らめ……何、この娘…、キス、上手過ぎ……こんなの我慢、れきない…ふあ…)

キスだけで感じ、とろんと溶けて行くチヌの瞳。
身体が快楽に酔い震えている。
手をチヌの股間に伸ばしてみるとそこはもう洪水状態。
その割れ目を海月は丹念になぞる。

(先輩のここ…触ってるだけでも分かります。綺麗ですよね…)
(そこはらめぇ……)

そして乳首同様充血したクリトリスの表面を指で軽く撫でる。

(クリ、クリはらめっ!! 今されたらぁ、一発、一発でイっちゃうよぉっ…!!)
(イって下さい…。私のキスとクリトリスで一度だけイって下さい。そうすれば治まります)
(いやぁ!!こんな所でぇぇぇ…!!)

まだ時間的には早い…5時半頃だが、夏は早朝でも外が明るい。
人避けの魔法を使ってるとは言え万が一誰かに見られたら、
あるいは声を聞かれたらという意識が働いてチヌは抵抗する。
しかし今のぐにゃぐにゃの彼女には後輩をどうにかする力も無い。

(潮沢ぁ……)

やめて、と涙を流しながら哀願するチヌ。
しかし海月はやめる気は無い。全ては先輩のためなのだ。

(じゃあ、イってください…)
(あ……)

ギュッ。
ギンギンに勃起したクリトリスを、人差し指中指の二本で思い切り摘み潰す。

(ふぎああああああああああああああああッ!!)

それは声を外に出すまいとする最後の意地だったのだろう。
必死で海月の身体を抱き寄せ、そのキスを全力で深化する。
例え失禁しても絶対に嬌声を外に出すまいと…。
涙目になりながら意地を通す。
けれど襲い来る快楽の波が強烈に過ぎた。
海老のように背を仰け反り、キスは解ける。
必死で酸素を求める魚のように口を開き、チヌは自らが達したことを、
公園中に響かせて盛大にイった。
442大時化物語5話 11/20:2011/08/13(土) 17:49:32.73 ID:sroY3MWJ
「イ、イくううううううううううッ!! 私、イくっ!! イっちゃうよぉおおおお!!」

そして絶頂が終わり、チヌの中の陰気の残りカスが全て消し飛んだ後も、
しばらくチヌはベンチの上から動けなかった。
海月が衣服を整えベンチに座りなおしても、チヌはまだ仰向けのまま。
だらしなく開いた口は「はー、はー」と酸素を補給するだけで精一杯。

「はぁ、はぁ…」
「先輩…、もう終わりました。すぐ元通りになりますよ」
「んっ…」

そのまま一度は死んだように横になり動かなくなるチヌ。
しかし口を利く余裕が出来るようになると、とりあえず海月にお礼を言った。

「ありがと…。それとごめん。手間かけさせた。
会った日の最初くらい、ちゃんとしなきゃいけないと思うんだけど…。
なんか絞まらないね、こんなポカする私じゃ」
「気にしないで下さい…。元々先輩が私を助けるためにしてくれた事ですし…」

照れながらいそいそと着衣を整える二人。
確かに絞まらない最後ではあったが、ともあれここに、
後の須留目高校に影響力を及ぼす組織、第三勢力『浪速組』のコアは誕生した。
無論今はそんな名前はおろか目的すら無い、
ただ悪魔を倒して今日を生きんとする準魔法少女のコンビに過ぎないわけであるが。



時間は飛んでその日の正午。
午前中の授業を全て爆睡して過ごしたチヌは、
気合の入った顔で鞄の中の弁当袋を手にすると、
今朝から一言も口を聞いていない親友の所へ向かった。

「めだか」

呼ぶと、丁度彼女…山本めだかも同じことを考えていたのだろう。
めだかも弁当包みを出して、チヌが自分の席まで来るのを待っていた。

「おチヌちゃん。今日のご飯だけど…屋上がいいかなって思うんだ」
「奇遇だね。今日は私も屋上がいいと思ってた」
「じゃあ行こう、屋上」
443大時化物語5話 12/20:2011/08/13(土) 17:50:36.06 ID:sroY3MWJ
この二人が一緒に昼食を取ることはいつもの事だが…
日頃の和やかな雰囲気がそこにはない。
互いに匕首を首元に突きつけあっているような緊張感が両者の間に張り詰めている。
そもそも、朝からこの二人が一度も口を利いていないということが普通考えられない。
二人を良く知る周囲の人間は何事だろうと囁き合ったが、
中には二人の凄まじいプレッシャーに縮み上がっている者すらいた。
恐らく彼らの内の何人かは、本能的に察したのではないだろうか。
この後に訪れる、今以上に殺伐とした時代が到来する気配を。

そして場面移って屋上。
めだかとチヌはなかなか喉を通ってくれない弁当を食べ終えると、
互いの仕草を意識しながら本題へと移る。
切り出したのは、チヌだった。

「めだか。あんた昨日の夜、駅前にいたよね」
「うん、いた」

目は合わさず、静かな…いや静かさを装った声で、めだかは返した。

「そこで1年生の女の子、潮沢海月って奴に……その…」
「うん、した。やっちゃおうとも、思った」

そっちは出来なかったけど、と残念がるめだか。
チヌの顔に怒気が走った。
しかし高ぶる気を押し殺しながら、冷静を装って言葉を発する。

「そっか…。どうして? あの娘、あんたの事は嫌いじゃないって言ってたよ」
「聞いてるんじゃないの?海月ちゃんから」
「復讐…だっけ。海原会長への復讐…」
「そう」
「何の復讐なわけ…? 私は初耳だよそんな話。あんたにそんな事情があるなんてさ」
「あはは。おチヌちゃんに話したってどうにもならないことだしね」

その最後の一言が引き金となり、直後にはチヌの手が伸びてめだかの制服…
夏用ブラウスの胸倉を掴んでいた。
その手は怒りに震えている。
親友だと思っていたのに、悩み事を抱えながら何も相談してくれなかっためだかに。
チヌの頬には熱い涙が伝っていた。

「私達は確かに…会ってまだそんなに時間は経ってない…!!
でも春休みから今日まで、友達やって来たじゃん…!!
確かに私は頼りない女かも知れない、けど、それでも、何も言わないで一人で抱え込んで…
勝手にこんなことおっ始めて、あんまりじゃないのか!?」
「…苦しいよ、おチヌちゃん。手離してくれないと」
「あっ、ごめん…」
444大時化物語5話 13/20:2011/08/13(土) 17:51:41.08 ID:sroY3MWJ
ブラウスを離すチヌ。
めだかはこれで落ち着いて話せるようになった。

「私もね…、最初から悪魔と契約して復讐なんてする気無かったよ。
呪いの儀式も鬱憤晴らしの真似事でしかなかったし、力を手にする機会を得ても、
本気で使う気なんか無かった。
会長に怨みがあっても…会長がのさばってても、おチヌちゃんがいれば私は楽しかったもの。
お兄ちゃんがいなくなっても、おチヌちゃんがいれば寂しくなかった…。
だからおチヌちゃんには、あまり言いたくなかったの。
変に気遣われたりするの嫌だったし。いつも通りのおチヌちゃんに接して欲しかったから」
「じゃあ何の問題も無いじゃない!! 私はここにいる!!
私があんたの友達であるって事実は、微塵も動いてないんだよ!?
あんたがもう復讐を止めるって言って、私と普段通りの日常に戻ってくれれば、
いつもの私達に戻れるでしょ!?
あんたが心配しなくてもずっと、ずっと友達だよ、私達は!!」
「もう無理だよ…。咄嗟に抱いた殺意に任せて渡瀬さんを殺したあの瞬間からね、
もう私は逆戻りできない…」

めだかに燃え上がる黒の炎。
チヌも魔力を扱う身になってこそ分かった、恐るべき負の魔力。
悪魔の力をめだかの怨恨の念が増幅させ、その引力で地脈から魔力を引っ張る。
膨大かつ真っ黒のドス黒い魔力が、黒炎となってそこにあるのだ。

「めだか…」
「もう私の心は引き返せない…。あの女を殺すその瞬間まで私は止まらない。
疼くんだよ…私の魂がね、あの女をお兄ちゃんの霊前に捧げたいって、ずっと言うの」
「お兄ちゃん…!?」
「そうか…、おチヌちゃんは知らないかな。前会長は私のお兄ちゃんでね。
あの女…海原龍美の野望の邪魔になるからって、殺されたんだよ…!!」

その時、チヌの中で針の穴を糸が通った。
納得がいった。
この半年間めだかを見ていて、めだかが他の友人とつるんでいる所をあまり見たことが無い。
友人が多いタイプでは無いと思っていたが…恐らくその分、
兄との絆は非常に強固だったに違いない。
でなければここまでの怨みつらみを持つには至らないはずだ。
そしてその推察は完全に正しい。

「おチヌちゃんは大事だよ!お父さんもお母さんも好き!!
でも、お兄ちゃんはそれ以上に特別だったし、今もそう!! 
そのお兄ちゃんを奪ったあの女とその取り巻きを、私は、許さないッッッ!!」
「めだか…」
445大時化物語5話 14/20:2011/08/13(土) 17:52:45.78 ID:sroY3MWJ
その姿にチヌは気圧された…のではなく、本気で友人が心配になった。
だから先ほどまでの強い声ではなく、至って冷静にめだかを口説こうとする。

「ねえめだか、聞いて。
あんたがお兄ちゃんのこと、すごい大事にしてるっての分かるよ。
でも冷静に考えてみなよ…。
あんたのお兄ちゃんだって、あんたが人殺しするところ、見たくないと思う。
それに会長は…私も好きじゃないけど、あの人だって一応人類を悪魔から守ってる。
今あの人を失ったら人類は悪魔に負ける。
人類は、人間界は魔界からの侵略者に征服されるかもしれない。
そんな事、あんたのお兄ちゃんが見て喜ぶと思う…?
お兄ちゃんにだって、好きな人や大切な人がいたはずだよ、あんたも含めて…。
その人たちを皆不幸にして、あんたのお兄ちゃんがそんな事望むわけ…」
「うるさいッ!!」

叫んだ時にはにはめだかの服装は変わっていた。
赤のゴスロリコスチュームに鎌を持ち、その得物でチヌの目下のコンクリートを突き刺した。

「おチヌちゃん…。幾らおチヌちゃんでも、お兄ちゃんの名前を勝手に使って
好きなこと言うのは許さないよ」
「めだかっ…!!」
「だいたいおチヌちゃんは嘘つきだよ!!
よく私に、あいつらを呪い殺せって言ってたじゃない!!
私はそれを実行してるんだよ!!」
「あんなの言葉のアヤに決まってるでしょ!? 
あんたこそ、あいつらはあれで一応必要だって言ってたじゃないの!!」
「もう私には必要無くなったんだよ!! だから嘘じゃない!!」

ブン、ともう一度鎌を振るめだか。
本気で当てる気は無いので空中を泳ぐだが。

「…だいたい、さっきからおチヌちゃんばっかり質問してズルいよね。
私にもさせて欲しいんだけど」
「何よ」
「今更かも知れないけど…おチヌちゃん持ってるよね?銀のロザリオ。
それっておチヌちゃんもあの女の部下になったってことでいいのかな…?
どうしてそんな事したのかな?」

その顔つきは、理由によっては直ぐに首を刎ねるぞと言わんばかりだ。
例えば、突然適正を認められたから、権威が欲しくて参加しましたなどの理由は最悪である。
まあチヌはそんな理由で生徒会に組するほど生徒会に好意的ではないので、
そんな答えとは無縁だが。
チヌは自分なりの理由を普通に告げた。
446大時化物語5話 15/20:2011/08/13(土) 17:53:52.39 ID:sroY3MWJ
「だから私は人類を悪魔の侵略から守りたいだけで…。
その為に会長が必要だって思ってるだけ。
威張りたい訳でも、あんたと戦いたい訳でもないんだって!!」
「ふぅん、おチヌちゃんらしいカッコイイ理由だよね」

面白くなさそうにそう返すめだか。
そういうおチヌちゃんだから好きなんだけど…とは思っても言わない。
自分の意見に賛同してくれない方がらしくてカッコイイなんて、認めたくない事実だった。

「でもそんな覚悟無駄になっちゃうよ、会長がっていうか…魔法少女が死ねば。
これは悪魔の女の子と喋れる私しか知らなかったことなんだけどね。
本当ならこの世界って、とっくに何十万っていう悪魔に占領されてるんだって!」
「はぁ…?」

この世界で現在までに確認されている悪魔の数なんて、まだそう多くないはずだが。
100にも達していないはずである。
チヌはそう突っ込みたいのだろう。
が、間髪入れずめだかの台詞が続く。

「魔法少女ってね、存在そのものがジャマーみたいなものなんだって。
魔界から何千、何万って悪魔の兵隊さんを人間界に送り込んでも、
魔法少女がいる限り大半が時空の中で永久に迷子になってこっちには辿りつけない。
おまけに、かろうじて辿りついた僅かな悪魔達もこっちの地脈から魔力を引けないから、
存在が劣化しちゃってザコ同然。でもそれって逆に言えば…」
「会長がいなくなった瞬間…この世界に悪魔達の大軍が攻めて来て一気に占領される!?」
「そうなると、もうおチヌちゃんの意見なんて関係無いよね。
人類なんて悪魔の大軍団に征服されて終わりだよ。
それを思えばおチヌちゃんはラッキーなんじゃないかな。
私っていうコネがあるんだからさ」

ニコ、とそこで微笑むめだか。
何を言ってるかは明らかだ。
めだかは、別に侵略してくる悪魔に協力するために悪魔と契約したわけじゃない。
しかしめだかの行動は結果として悪魔側と協力していることになるのだから、
仮に悪魔が人間界の征服に成功した暁にはフィン共々、勲功第一。
魔界を支配する魔王からはさぞ良い待遇が与えられるのだろうとはフィンに聞いている。
だからめだかはチヌに、自分に組すれば悪魔占領下の世界で良い目を見せてやると
言ってるのだ。

「おチヌちゃんは、私に悪魔との契約を切れって言うんじゃなくて、
おチヌちゃんが私と一緒に悪魔側になればいいんだよ。
憎い会長を倒して、この世界が魔界に沈めば、貴族としてとても良い生活が出来るよ。
そうだ、海月ちゃんも連れて来なよ。三人で栄えればいいよね、あははははは」
447大時化物語5話 16/20:2011/08/13(土) 17:55:07.82 ID:sroY3MWJ
”――――――。”

「えっ?」

めだかは首を傾げた。
よく聞き取れなかった。
友人が今なんと言ったのか。

「ごめんおチヌちゃん、何て言ったのかな?聞き取れなかったよ」
「クソ食らえって言ったのよ…。このボケがッッ!!」

低くドスの効いた声に、ピシリと場が凍りついた。
めだかの纏っている地獄の炎すら凍ってしまいそうな寒気が屋上を支配する。

「―――それは、交渉決裂…ううん、友達の助言を蹴ったってことでいいのかな…?」
「救いようがないよねあんた…。
本気でお兄ちゃんの無念、会長への怨みを語ってたあんたにはまだ聞く耳も持てたけど、
そういう美味しい話でこっちを釣るような真似に出た時点で聞く価値は無い…。
あんまり人おちょくんなや、なぁめだか」

ここまで堪えてきた浪速チヌがキレた瞬間である。
今のチヌの覇気の前では、圧倒的に魔力が上のめだかですら凍えを見せた。

「随分悩んだけど…決まった。私があんたを倒してやる…。
あんたを倒して、その怨念から、お兄ちゃんへの執着から解き放ってやる!!
それが親友として、私があんたにしてやれる最後のことならッ!!」

同時にようやくロザリオを翳して変身する。
得物は長ドス。長脇差、あるいはダンビラとも呼ばれる、白鞘に収まった刀。
抜かれた波紋は乱れ無き直刃。
飾り気の一切無いその武器は、副会長の日本刀の流麗さとは間逆の無骨な雰囲気を持つ。
しかし、華麗さは無くとも真っ直ぐなチヌの生き様に合っていると、
めだかは敵ながらうっとりしてしまった。
同時にめだかの中から、チヌと敵対しないでおこうという選択肢が消滅する。
口が割け、二人の準魔法少女を葬った悪女の面構えで鎌を構える。

「…参ったな。最高にカッコイイよ、おチヌちゃん。
あの女とその部下は皆殺しにしたいけど……おチヌちゃんだけはペットにして、
何時までも私の手元に置きたいくらいだよ!!あはははははははははは!!」
「ああ、そうかいッ!!」

めだかに煽られチヌが飛びかかろうとした矢先。
二人は互いから視線を逸らし、同時に同一方向に視線を向けた。
「そこまでにしておけ」という第三者の声がかかったからだ。
448大時化物語5話 17/20:2011/08/13(土) 17:56:19.80 ID:1taDPUSc
「副会長ッ!?」
「古淵先輩か…」

変身した姿で、生徒会副会長の古淵駆華がそこに立っていた。



まず駆華が口を利いたのはチヌ。

「浪速君。今の我々の戦力では山本めだかと戦うのは危険だ。ここは収めろ」
「…」

頭が冷えきった訳ではないが、チヌは長ドスを納刀する。
続いて駆華はめだかに向き合い、交渉を持ちかけた。

「山本めだか。我々生徒会は、君を正式に討伐対象の悪魔に加え…
また校内における敵性勢力として認識することにした。
だが、今日のところは水入りにするつもりはないか?」
「…どういうことです?古淵先輩?」
「今、全面衝突するのは互いにとって思わしくないのではないのかな」
「あはははは、それぞれコンディション整えてから戦おうって言うんですか?
敵にそんなこと持ちかけるなんて鬼の副会長にしては甘いこと言うんですね。
私がそんな事呑むと思ってるんですか?」

鎌に思いっきり魔力を込めるめだか。
一方駆華とチヌも得物の柄に手をかけた。
こんな昼休みの屋上で一戦起こってしまいそうな、まさに一触即発の状況。
しかし直後、めだかに語りかける悪魔がいる。

「めだか。ここは言うこと聞いておこう」
「邪魔しないでよフィンちゃん。古淵先輩は副会長、つまりあの女の側近だよ…。
ここで倒せればあの女まで後一歩だよ…!!」
「落ち着きなよめだか。アンタだって、あいつの技量は知ってるでしょ?」

駆華の言うことには一理あった。フィンはそれを分かっていた。
めだかには充分過ぎる程の魔力はあるが技量はまだ高くない。
めだかが恐れるのは、駆華の太刀筋。
昨日部室に戻ってめだかは驚いた。
あれだけ頑丈にした結界も、魔界ヒドラのヒーちゃんも、
一刀の下に切断されてしまっていた。
ついでに準魔法少女港浦くじらの首を、見事に切り落としたのも彼女だろう。
くじらと海月のパワー押しがめだかに通じなかったように、
めだかのパワー押しも駆華には通用しないであろうことを予感した。
だからここでやり合うのはめだかにとってまずい。

逆に龍美や駆華にしてみれば、めだかのパワーは侮れないし、
こちらに来た悪魔は劣化しているという新情報を得たのだ。
となると、見たところ本来の悪魔の力を得ているめだかが、
実はどんな力を隠し持っているか不気味。
出来ることなら少し時間を置いて見極めたい。
それに、チヌ以外のメンバー補強もまだ出来ていない。
449大時化物語5話 18/20:2011/08/13(土) 17:57:23.81 ID:1taDPUSc
互いにリスキーな戦いである以上、準備期間を設けて決戦するというのは、
割と聞くべき提案であるかも知れない。
フィンにしばし考えさせられ、めだかもその結論に至った。
めだかが構えを解くと、準魔法少女の二人も柄から手を離す。

「…でも、そちらを信用していいんでしょうかね?
私が変身解いた瞬間にズバッ、なんてことは無いでしょうね?」
「君が変身を解いている時なら隙がある、などとは思っていないし、
そもそも第一今回は嵌めるための提案では無いのだぞ」

それを聞くとめだかは分かりましたと頷き、変身も解いて制服のスカートを翻した。

「じゃあ、決着はまたの機会ということで。おチヌちゃん、先に教室戻ってるよ」

そのままスタスタと階段から校舎の中へと戻っていくめだか。
そこに、見知ったポニーテールの準魔法少女が銃を構えているところに出くわした。
めだかとチヌの会話を邪魔したくないと影に潜みつつも、
万が一に備えてチヌを守るために武装していたというところだろう。

「おや、海月ちゃん。こんにちは。おチヌちゃんの護衛かな?」
「山本先輩…」
「それ、しまいなよ。聞き耳立ててたなら分かるでしょ。
今はケンカする気は無くなったんだから」
「…分かりました」

言われて海月は武装を解いた。
めだかは夏服姿に戻った後輩に手を伸ばし、その血行の良い顔つきを
直に触れて確認する。
悪魔染みた悪党…というかもう悪魔そのもののような人なのに、
この指使いがとても優しく感じられたのが今の海月には不気味だった。

「へぇ…。元気そうだね。本来なら海月ちゃんは昨日死んでたのに。
仮に最後の問答で首を振って私にお腹を撃たれてなくてもね…、
増幅し続ける肉欲に心が耐え切れなくなって精神が崩壊していたか、
どんなプレイでも満足しきれなくなってとうとう子宮をブチ抜くまで自分を犯して
絶命してしまうか…。
どんな惨めな死に方をするか興味すらあったのに。運の良い娘だ」
「え…………」

海月の顔が青ざめる。
想像してしまったのだろう、めだかのシナリオ通りに進んだ場合の自分の末路を。
そして今更だが、本気で自分を犯し殺すつもりだったのだという彼女の狂気に触れて。
肩と内股の太ももが震えて崩れ落ちそうになるのを、壁にもたれかかってどうにか支えている。

(この人…やっぱり怖い…!!)
450大時化物語5話 19/20:2011/08/13(土) 17:59:12.90 ID:1taDPUSc
ビビる彼女に追い討ちをかけるように、急にギンと鋭くなるめだかの視線。
穏やかな殺意から一転した、まるで抜き身の刀のような殺意に海月はまた縮み上がった。

「山本、先輩…!?」
「海月ちゃんの魔力…中にちょっとだけ、おチヌちゃんの色合いが見えるね。
当前か。おチヌちゃんに一晩抱いて貰わないと、
海月ちゃんは助からなかったはずだもんね? 
おチヌちゃんに…カッコイイ浪速先輩に、じっくり…夜明けまで可愛がって貰ったんだ…?」
「ひィッ!?」

ゴォッと更に殺意の炎は燃え上がっている。

「やっぱり昨日あの時、ちゃんと引き金を引いておけばよかったかな…。
本当に…ねぇ、海月ちゃん?」
「あ、あの、何を…」

嘗め回すように、めだかの手は海月の頬や顎、首筋をなぞる…。
海月はもう脂汗が止まらない。
しかし暫くいびり倒すと満足したのか、急に距離取り、去っていく。

「悪魔は約束破れないから、もう私は意図して海月ちゃんを殺したりできないんだよね。
でも流れ弾とかは含まれないから、精々大人しくして、助かった命を大事にすることだね」
――それだけ告げて。

「あ…、ああ……」

震える膝を止めきれずに崩れる海月は、チヌ達が降りて来る頃には
失禁してしまっていた。



先ほどの屋上の戦いは、生徒会に指示された新聞部と放送部の手により、
瞬時に全校生徒の知るところとなっていた。
皆の動揺は凄まじく…誰もがあの件しか口にしないようになるほどだ。

「山本が悪魔の手先だったって…!?」
「生徒会長が死んだら何千も悪魔が攻めてきて人類終了ってマジかよ」
「これは山本に取り入るしかないって。上手く行けば戦後の人間界で支配者側だぜ」
「ちょっと、人類を悪魔に売る気!?」
「生徒会は嫌いだったけど会長支持するしかないだろ人間として」
「生徒会も山本もなんかなぁ…。あの浪速って奴はどうなのさ?」

全校でざわめきが止まらない。
生徒会の絶対秩序下にあるとは思えないパニック状態であった。
しかしこの熱気の須留目において、一人涼しい顔で紅茶を啜る者がいる。
生徒会長室の海原龍美である。
451大時化物語5話 20/20:2011/08/13(土) 18:00:22.55 ID:1taDPUSc
「始まりましたね…。この須留目という海が、荒れ狂う季節」

屋上の騒動を利用してこの混乱を作り出した元凶は彼女。
この後起こるであろう事態は、須留目高校史上に残る大事件、異常事態であり、
彼女にとっても自らの命運と人類存亡をかけた大博打となる。
しかしよもすれば、彼女の計画を以前の計画よりも足早に進めることが
出来るかも知れない状況と考えたのだ。
海原龍美もまた、その冷たい笑顔の下で胸を焦がしている。

この時、7月の中旬。
そしてテスト期間を経て夏休みを挟んだ9月、
完全に生徒会一色に染まっていた須留目高校内の勢力図が、一変した。 
                   ――――続。


☆あとがき☆

読んで下さった方ありがとうございます。
次回は若干ハード描写入ると思いますが苦手な方はスルーしてください。
452名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 19:41:09.99 ID:75epS031
山本さん夏休み一緒に遊ぶ相手いなくなったんじゃ…
え、それどころじゃない?
453名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 20:05:58.25 ID:4XVky5vN
山本さん頑張れ
454名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 20:49:57.99 ID:aHbvloYB
相変わらず生々しい話だなw
ファンタジーなのにファンタジーっぽくないw
455名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 21:49:29.49 ID:HFOqPIaD
これが、今時の生徒会の勢力争いかッ…!

次も期待してますぜ
456名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 22:59:34.15 ID:OeipdUkl
陰茎…つまり、どういうことだってばよ
457名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 00:01:00.53 ID:dCEiwvfL
とうとう武器までドスとチャカか。
458名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 00:14:30.04 ID:/QzeBbIS
組織名も浪速組だし、カチコミでもやるんですかw
しかし登場人物が個性的で面白い。GJ!
459名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 01:11:15.08 ID:1/bmMOAe
みっちゃんを一人だけ魔界に置いてって泣かせたい
460名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 02:37:50.04 ID:7//rhHjd
しまいには校内で銃撃戦でも展開されそうな勢いだなww
461名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 03:47:24.91 ID:CN1c9UJ0
そして山本さん側に付いた生徒に不意を突かれて囚われちゃう娘とか、山本さんに媚売ろうとして普通に犯されたりする娘とか来るんですね
462名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 06:10:47.20 ID:4n4jkiji
おチヌちゃんが男だったらよかったのにな
告白してめだかの心の支えになって平和に終わる
463名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 06:30:58.37 ID:Dbre7KuL
それだと海月ちゃんに寝取られて山本さんが今以上に発狂してしまう
464名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 10:16:02.54 ID:fJTvGRKO
見てえw
465名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 11:23:28.79 ID:wq4EY/6g
暑いニョロ…リィンでも犯して精をつけるニョロ。
466名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 14:20:15.01 ID:DEYgREYQ
>>457
対物ライフル振り回す娘もいるくらいだ。問題ない。

「…装填しました」
「ああ…次は列車砲だ…」
467名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 14:39:21.72 ID:IQq3I9BP
ウホ!高火力魔法少女・・・って学校消し飛ぶわw
468名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 16:58:45.11 ID:qXMgmyF9
大艦巨砲主義大好きだから唯一使える魔法が自身を移動要塞の生体コアにすることな魔法少女だってOK。
469名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 19:09:39.64 ID:borMGPpr
火力云々の問題ではなく長ドスって所がポイントなんじゃないのかw
470名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 20:03:26.71 ID:EBv+rkiL
その要塞は不可視の魔法が掛けられていて、一見
本人が大火力攻撃&広域防御結界を持っているように見えるわけだな

>>465
最近、リィン喰ってねえな。乱獲で減ったか?
471名無しさん@ピンキー:2011/08/14(日) 22:16:06.55 ID:/QzeBbIS
レドリック「新種の養殖リィンはいかがですかー?お買い得ですよー」
472名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 01:10:32.82 ID:TADrnoLp
でも、一番魔力の乗った旬の14年物じゃなくて、13年物ホブゴブ
それに何だかえらく鮮度が悪い気がするホブゴブ
473粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:13:44.09 ID:t8eiKsnH
解除キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆
474粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:17:34.48 ID:t8eiKsnH
・担当モブキャラ
・エロ冒頭のみ
・ハードなの御所望の方は御免なさい

粉砕天使ナツメ 

第五章 〜Reminiscence〜


「――――なに…これ…」

両手に下げたコンビニの袋を、少女はドサリと取り落とした。

「いやぁぁぁあぁ!!嫌っ、いやぁぁぁぁぁーーーー!!」

満天の星空の下、絡み合う肉と肉…。
白く濁った液体を全身に浴びながら、恐怖と恥辱に塗り潰され、金切り声を上げる少女らの姿。
どれも見覚えのある顔だった。いや、ほんの少し前に別れたばかりである。

「うそ…でしょ…」

買い出しから戻った天文部の一年生、ユミエを屋上で待っていたのは…。
ナメクジのような、ウミウシのような、訳の分からぬ巨大生物とそれに強姦される先輩たちの姿だった。
五人の少女らは、まるでバナナボートに乗るように一列に並ばされ、怪物の背中に跨がらされている。

「ん、やあっ!!やだっ、やめて!やめてぇぇぇぇぇえ!!」
「やぁぁぁぁあ!こんなのやぁぁぁぁあーーーっ!!!」

巨大生物の背中に規則正しく生え揃った肉棒が、少女らの秘部とお尻にそれぞれ挿し込まれていた。
スカートから伸びる太腿は触手でがっちりとロックされ、彼女らは怪物の背から降りることが出来ない。
軟体生物がその巨躯を揺さぶるたびに、少女らの細い体は真下から突き上げられ、充血した膣道を凶悪なペニスで掻き回される。

「ふひ、ふひひ〜!ささ、さすがは女子校なんだな!ばっばば、抜群の処女率なんだな!ふひぃ!」

茫然自失のユミエの前で怪物が吼える。少年染みた甲高い声で、まさかの日本語である。
粘液まみれの背筋を一層大きく波打たせ、ナメクジのお化けは少女らの下半身に揺さぶりをかける。
ぬたくるうねりから逃れようと、僅かに残った理性で必死に下半身をグラインドさせる女子生徒たち。
その下腹に込める力が、デスパイアの陰茎に絶妙の締め付けを提供する。

「ふ、ふひっ!たたた堪らないんだな…ふひっ!も、もう、で…出ちゃうんだな!!ふ、ふひ〜〜〜ぃ!!」

恍惚の表情を浮かべるデスパイアの巨躯がぶるぶるっと震えた。
少女たちの膣内で、イボだらけの亀頭は風船のように膨張し…。

「やっ!?やだっ!嫌っ、いやぁぁぁぁぁぁあーーーーー!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁあーーー!!!」

ぼちゅっ、という湿った破裂音と共に熱い流動を吐き出した。
全身のイボからも白濁した粘液が放たれ、制服の上から少女らにクリーム色の化粧を塗りたくる。
注ぎ込まれる種汁はもはや液体などと呼べる生易しい物ではなく、口の中で咀嚼した餅のような強烈な粘り気が、被害者達の膣内を満たしていった。

「きゃあっ!!」

べちゃり、と。四方に撒き散らされたスペルマの飛沫をその顔に浴び、ようやく我に返ったユミエが短い悲鳴を上げる。
射精の悦に浸っていたデスパイアの両目が、ぎょろりとその姿を捉えた。
475粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:18:35.98 ID:t8eiKsnH
「な、なんだ?まだ女の子がい、い、いたんだな?しし、しかも結構か、可愛いんだな!ふひ!!」

尻持ちをついたまま後ずさるユミエの方に、緩慢な動作で向き直るデスパイア。
背中から伸びた無数の触手は、新たな獲物目掛けて早くも鎌首をもたげていた。

「い、いっ…いやぁーーー!!」

悲鳴が先か、足が動くのが先か。
弾けるように跳び上がると、少女は階段目指し一目散に走り出した。

「んあっ!?こ、こら!まま、待つんだな!!」

脱兎の如く逃げ出した獲物に慌てて追いすがるデスパイア。その動作は酷く緩慢だ。
誰の目にもユミエは怪物の毒牙から逃れたと見えただろう。しかし…。

――――バァン。

ドアノブに手を伸ばそうとした瞬間、非常階段の扉が勢い良く蹴り開けられた。
何が起こったのか分からない。
跳ね飛ばされ、冷たいコンクリートの上にもんどり打つユミエ。

――――ザ。

額の痛みを堪える彼女の前に立ち塞がったのは、黒髪の若い女だった。
年の頃はユミエとそう変わらないと思われたが…。

「あ…、あ…ぁっ」

瞳を合わせたその瞬間、彼女は全ての言葉を失った。
動けない。それ以上前に進めない。
理屈ではなく、目の前の女が放つ、朔の夜よりも暗いオーラに。圧倒的な威圧感に。
まさに蛇に睨まれた蛙だった。
魂を吸い込まれてしまいそうな漆黒の瞳が、目元に微笑を湛えながらユミエをじっと見据えている。

「――――あうっ!!」

背後からの一撃に足を掬われ、天地がぐるりと逆転する。
しまったと思った瞬間には全てが手遅れだった。
彼女はデスパイアの触手に両脚を絡め取られ、逆さ吊りにされてしまったのだ。

「ふひッ、ふひひ!つ、つつ、捕まえたんだな!!」 

チェックのミニスカートが真っ逆さまにめくれ返り、光沢のある眩しいピンク色のショーツが丸出しになった。
咽返るほど生臭いデスパイアの吐息が少女の顔に吹きかけられる。
恐怖に引きつるユミエの頬を、巨大な舌がれろっと撫で回した。
476粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:19:19.77 ID:t8eiKsnH
「偉く手こずってるのね。私、待たされるの嫌いなんだけど」

コツンと踵を鳴らす音。屋上に踏み込んできた女は、吊るし上げられたユミエを眺めながら不満気に告げる。

「な、なんだ…。おお、お前もいたんだな!?」
「危うくぶつかる所だったわ。ったく、何やってるんだか」
「ふ、ふん!い、言っとくけど、この子に先に目をつけたのは、ぼっ、僕なんだな!横取りしようたって、そそそそ、そうは、い、いかないんだな!」
「しないわよ。それよりさっさと済ませて貰える?」
「…い、言われなくたって、そうするんだな!」

鼻息を荒げたデスパイアの触手が、ユミエの下半身に伸びる。

「いやっ!いやぁぁぁぁあ!!」

めくれ返ったスカートを両手で押さえ大事な場所を庇うユミエだが、そんなものは抵抗の内にも入らない。
彼女の二の腕ほどもある太さの触手が、その頭をショーツの端に潜り込ませる。

「ふひ!お、おとなしそうな顔してずいぶん派手なの履いてるんだな!今日のパンツの中じゃ、一番テカテカしてるんだな。ふひっ!」
「え…や、ちょ!?いっ、いや!いやあっ!!」

足先へと向かって、ショーツがぐいっと引っ張られた。怪物の意図に気づき、慌てて両脚を堅く閉じるユミエ。
そんな試みも空しく、煌びやかなサテンの下着は裏返しにされながら、いとも簡単にするりと膝下まで引き摺り下ろされてしまった。
ほのかに汗ばみ湿った恥部を真夏の夜風が撫でる。

「いやあ!変態っ!放してっ、放してぇーーーーー!!」

ローファーの踵に引っ掛かっていたショーツがビッと引き抜かれた。
怪物は縄のようによじれた下着を自分の顔の前で広げると、鼻腔を一杯に開き戦利品の香りを堪能する。

「ふひっ、ふひひひぃ〜!今夜はコレクションが大量なんだなァ〜!――――さて、と」

カールの掛かった栗毛。ぴっちりと閉じた桜色の秘裂。
穢れを知らぬ少女の股に、デスパイアの血走った視線が注がれる。

「ふひ〜!み、見るからにば、ばばっ、バージンなんだな!いい締め付けなんだな、きっと!ふひ!」
「やっ!?きゃぁぁぁぁあーーーーー!!」

生暖かく湿った物が、下着の代わりに恥部に押し当てられた。
猛烈な腐敗臭を放つイボだらけの舌が、彼女の秘裂を舐め回したのだ。
子小豆色の肉芽を飴玉のようにこねくり回し、震える割れ目に唾液をこすりつけるデスパイアの舌。
他人に触らせた事は愚か、自分ですら滅多に触れないその場所を、化物の味覚器官で弄ばれる。
恐慌状態に陥ったユミエの絶叫が夜の校舎に木霊する。

「お願いっ!助けてっ!!助けて下さァい!!」

逆さ吊りで股間を舐め回されながら、少女は声を振り絞り助けを求めた。
だが、階段から現れた先ほどの女は、彼女の狂態などまるで興味が無いといった態で、手すりに背中を預け一部始終を眺めていた。
どうでもいい。早くしろ。さっさと終われ。漆黒の瞳は無言の内にそう次げている。
477粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:20:42.64 ID:t8eiKsnH
「む、無駄なんだな〜!どんなに泣いて叫んでも、彼女の結界のお陰で、き、君の声は誰にも聞こえないんだな!
き、君たちにはこの街のエンジェルを、おっおびき出すための、おっ囮になって貰うんだな!ふひ!」

滑りの悪い生臭い舌でデスパイアは早口にまくし立てる。
獲物をいたぶるのに夢中の大ナメクジは、脇から自分に注がれる冷ややかな視線に気づいていない。

(本当、単純ね…)

まあ、下級のデスパイアなんてこんなものだ。
恐らく最期のその瞬間まで理解できやしないだろう。
本当の囮は誰なのかという事を…。

「ふひひ!ちょど一人分空いてるんだな。き、君たちこれで仲良し六人姉妹なんだなぁ〜」

ユミエが真上に運ばれてくると、デスパイアの背に生えたペニス達は一斉にその突端を彼女に向けた。
他の女子生徒たちの穴にありつけなかった肉棒は、公園の池の鯉のように我先にと餌の落ちてくるポジションを争う。
ミチミチという湿った音と共に包皮が剥け、皮の隙間に溜まった老廃物がチーズのような悪臭を放つ。
ぱくぱくと開閉する鈴口からは、先走りの液体が早くも溢れ始めていた。
これが…このグロテスクな物体が、これから自分の中に入ってくるのか。
あどけない顔を恐怖に引きつらせる彼女を他所に、デスパイアの背中がみるみる近づいてくる。そして…。

「それじゃ、お、お邪魔しますなんだなァ〜〜〜!!」
「ひぃいッ!?」

くちゅり。湿った穂先は、まるで焼けた鉄のように熱く…。

「いやぁぁぁぁぁあーーーーーーーっ!!!」

その熱源は、彼女の中へと侵入してきた。



「いやぁー…、暑い…」

昼下がりのカフェテラス。
真夏の太陽はどこまでも容赦ない。

「暑い…。なにコレ、ほんと暑い。なんかの冗談?ふざけてんの?うはっ、マジで暑い」
「……………」

緩み切った唇から、聞いているだけで体温調節機能のやられそうなフレーズが、続けざまに垂れ流される。
困惑の表情を隠さずに紅茶を啜るナツメの正面には白人の女性。
ウェーブのかかったブロンドを、ポニーテールと呼ぶには少々ラフに、むしろ崩れたひっつめに束ねた髪型で…。
テーブルにベタリとへばりついた顔は表情が伺えない。
なんだかこう、お盆の浜辺によく打ち上げられているクラゲみたいだ。このまま放っておいたら干からびてしまいそうな気さえする。
年齢はナツメとそう変わらないと思われるが…、流石に外国人の女性となると自信は無い。
どんなに高く見積もっても二十代前半より上という事は無さそうなのだが…。

なんにせよ、この季節の関東平野でタートルネックとロングスカートを決め込み、オマケに厚手のオーバーコートなど、正気の沙汰とは思えない暴挙だ。
もはや罰ゲームである。
478粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:21:45.59 ID:t8eiKsnH
「あの…」
「日本暑い。マジで洒落ンなんない。空港出たらサウナよサウナ。チップ払った覚えなんて無いっつーの。これが噂のヒートアイランドってヤツ?地球温暖化とかもーホントありえない」

ナツメの声を掻き消すのはザクザクというカキ氷の音。
親の仇のようにスプーンで抉られている氷菓子は既に三杯目だ。
冷房の利いてる店内はとっくのとうに満席で…。
炎天下のオープンテラスに追いやられた金髪娘は、中の客達を横目で恨めし気に見つめている。

「あぁーのぉー…」
「ん!?あぁ、悪い悪い!!ちょっとボツワナ辺りに飛んでたわ。ハハハ…」

前回より大きなボリュームで、少しワザとらしく声を掛けるナツメ。
ようやく目の前の女は反応し、テーブルからその顔を引き剥がす。

…美人だ。それも物凄い。

背も高くすらりとしていて、けれどもこう、よく見るファッション雑誌のモデルみたいなのとは、何か雰囲気が違う。
どこかこう、摩れたような。油断のならないような。
美しい毛皮を纏った猫科の猛獣…なんて例えは流石に失礼だろうか。
少なくともナツメの知り合いには、ちょっといないタイプの人間だ。
初対面の人間を前にして神経の図太さを伺わせるこの態度。
一方で声はとてつもなく綺麗で深みがあり、調律されたばかりの弦楽器のように良く通る。

「えーと、それで…」
「マルーシャ=アレクサンドルヴナ=トルスターヤ。長いんで知り合いにはマルーシャかマルーで通してるから」
「あ、はい、マルーシャさん。えーと、そのっ、エミィちゃんのお知り合い…なんですよねえ?」
「エミィちゃん、ねぇ。もうそんな風に呼ばせてるのか。懲りないねぇ、あいつも…」
「え、あ、何か不味かったですか?」
「うんにゃ。独り言よ。聞き流して頂戴な」

マルーシャと名乗る娘は気の抜けた感じでヒラヒラと手を振り話を流そうとする。
爪はどれも端麗に整えられ、丁寧にマニキュアが塗られていたが…。
白い手の平は所々分厚くなった皮が剥け、化粧水の香りには仄かに火薬臭が混じっているような気がした。
一体何者なのだろう。

「ま、エミィがどこまで話してるのか知らんけど、一応、あたしの口からも紹介させて貰うわ」
「お願いします。…って言うか私、まだ呼び出された理由も分からないんですけど…」
「まぁまぁ、話を急ぎなさんなって。順路通りに回ろうや。怒りんぼエミィが日本に来る前、欧州でデスパイアと戦ってた話は聞いてるね?」
「ええ。確か、三人でチーム組んでたとか…」
「そ。あたしはそん時の仲間よ。あと一人ね、困った子がいたんだけど、まあそれも今はとりあえず置いといて…」

そこまで言って、彼女は一度スプーンを口に運んだ。釣られてナツメもティーカップに口をつける。

「とりあえず、この写真を見て頂戴な」
「………?」

差し出されたのは不鮮明な一枚の写真。素人のナツメでも、それが普通のカメラで撮影された物ではない事ぐらいは理解できる。
天井から見下ろすような俯角に、秒単位まで刻印された撮影日時。この二つが意味するものは…。

「監視カメラ…ですか?」
「そ」

写っているのは黒髪の女性。全身を包む紺色のナイトガウンに目線を隠すサングラス。
相当古そうな皮製のトランクを転がしながら、どこぞの通路を歩いている。
479粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:22:38.06 ID:t8eiKsnH
「先月、成田で捉えた映像よ。この女が到着したのはベルリンからの国際便」
「ドイツ…ですか?」
「この二十分後、空港のトイレで乗客の女が裸で発見されたわ。服はドロドロに溶かされて、既にメチャメチャに暴行を受けた後だった」
「じゃ、じゃあ!この人、デスパイアっ!?」
「ご名答」

驚愕するナツメをそのままに、マルーシャは一際大きな氷の塊を口に運び、ガリゴリと咀嚼しながら話を続ける。

「こいつのウォンテッドネームは『蛇』。ちょいとばかり名の通ったデスパイアだ。隣の席に座っていたはずの乗客も彼女に全く気づかず、入管の職員も記憶に無し。オマケにパスポートは赤の他人の物と来た。真実を捉えたのはカメラだけ」
「なんか…国際テロリストみたい…」
「ンまぁ、あながち的外れな例えじゃないね。容疑が続婦女暴行ってのは頂けないけど」

みぞれ状に砕けた氷菓子をごくりと飲み干しながら彼女は笑った。
ナツメは紅茶をもう一口啜ると再度その写真を覗き込む。

「でもなんかこの人、東洋系って言うか…日本人っぽいですね」

手にしていた写真をマルーシャにも見える位置に戻し、ナツメは指差した。

「そーよ」
「…え?」

あっさりと肯定するマルーシャの顔を目を丸くして覗き込むナツメ。

「本名は辻堂ユイ。さっき言ったエミィと愉快な仲間たち、三馬鹿トリオの最後の一人。元エンジェルさ」
「元…天使…!?」
「ポジションはフロントで、ガッチガチのアタッカー。そこはアンタと一緒だね」

信じられない。その一言の他に感想が出てこない。
そこへ更なる追い討ちが掛けられると誰が予測できようか。

「んで、帰国の目的は九分九厘……エミィだ」



真夏の太陽もそろそろ傾き始めている。

日本…今まで一度も訪れた事の無かった母の故国。この国に来て、もうかれこれ一年。
鉄筋コンクリートの雑木林と化してなお四季折々の姿を見せるこの国をエミリアは嫌ってはいない。
けれどもこの強い西陽だけは未だに馴染む事が出来ずにいた。

「……………」

夏休みの静まり返った教室を、エミリアは一人闊歩している。
ここは彼女の通うミッション系の女子校。
小高い丘の中腹に建てられたこの学校は、帰国子女や在留外国人の息女が多く在籍し、ハーフの彼女でもさほど労せず溶け込み、束の間の日常を送ることができた。
だが、その平穏な日々は早くも終わりを告げようとしている。
480粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:24:04.24 ID:t8eiKsnH
―――――六名、犠牲になった。

被害者は全員天文部に所属する女子生徒たち。
昨夜の台風一過を利用して、屋上で星空観察を行っていた際、不幸にも襲われたようだ。
犠牲者たちはみな一様に、汚臭を放つ白い粘液にまみれたまま、折り重なるようにして放置されていた。
酷い有様だった。全員が一晩中、暴行されていたらしい。
みな命には別状こそ無かった物の…、殆どが会話すら侭ならぬ状態で、駆け付けた救急隊員に錯乱状態で抵抗する者もいた。
搬送先の病院によるれば、被害者達の体内からはいずれも人間の物ではない体液…いや、精液が検出されたそうだ。
結局、全員が精密検査の末、即日入院となった。

今時、特別珍しい事ではない。そう思う己の感覚が、エミリア自身麻痺している自覚はある。
だが、今回は少し違った。

"遥か思い出の彼方より、私は貴女を追ってきた"

"貴女に花束を。私には千の口付けを―――――"

くずおれた犠牲者らの傍らに記された赤黒い文字の羅列。
少女らの破瓜の血で描かれたごく短いメッセージであった。
確か、古い詩篇の一節だったと思う。

敵はエミリアを知っている。そして…エミリアも敵を知っている。
この三年間、ひたすらその足取りを追い続けてきた、たった一体のデスパイア。
恐らく警告のつもりだろう。ここでエミリアが逃げ出せば犠牲者は更に増えるぞと。そう脅しを掛けている。
元より逃げるつもりなどない。望外ですらある。三年越しの戦いに決着をつける時が訪れたようだ。

黙って簡素な椅子を引き、背もたれに体重を預けると、机の上に両足を投げ出し時間の経過をひたすら待つ。
その傍らには相棒とも言える白銀の弓、クロイツァー。
探す必要は無い。彼女はきっとここに現れる。三年前と同じ顔で、同じようにやって来る。

目蓋を閉じれば今もこうして蘇る。
ステンドグラスから差す月明かりに、埃を被った質素な教壇。
忘れよう筈がない。エミリアの初体験を奪ったのは、美しい顔を狂気と恋慕に歪めた後輩の少女。
二人の苦しみは断たれぬまま、こうして今日まで縺れ込んでしまった。
いい加減、幕を下ろさねばならない。どちらにとっても不幸な結末なのは承知の上だ。

キリキリキリ―――――……ブツン。

共に戦っていた頃の思い出。ユイの笑顔を打ち払うかのように、もう一度クロイツァーの弦を鳴らす。

キリキリキリ―――――……ブツン。

ふと思った。自分は今どんな顔をしているのだろうか、と。
この教室に鏡が置かれていないのは救いだった。
481粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:26:52.63 ID:t8eiKsnH


「エミィちゃんが…狙い?」

カフェテラスに差し込む日は徐々に傾き始めている。

「ユイはね、完璧エミィに惚れてた」

追加注文したレモンティーの氷が溶けてカランと鳴った。

「もちろん、エミィもアタシもユイの事は大好きだったさ。西はイベリアから東はバルカンまで、こんな齢で幾度も死線を潜り抜けて来た本物の戦友ってヤツ。神様にだって自慢できた仲間さ」

再びカランと氷の鳴る音。今度はナツメのクリームソーダだった。

「でもね、ユイがエミィに求めてたのは、その程度の関係じゃなかったんだよ。だけどそんな事エミィの奴に分かる筈が無い。アタシだってエミィの横顔を寂しそうに見つめる奴の目線に、それほどまでの意味があったなんて気づきもしなかった。
そんな状態がどれっくらい続いたかねぇ…。今となっちゃ考えても仕方の無い事か。そんでとうとう、三年前のあの晩、アイツはエミィをミュンヘンの寂れた教会に呼び出した」

前髪をクシャリと潰しながら、マルーシャは額に拳を当てる。

「満月の夜だったよ。ユイはいきなりエミィに永遠の愛を迫った。当然、エミィの奴は冗談だと思った。そんでどう答えたかは知らない。
アタシとイゾルデが駆けつけた時、二人はマリア様の前にいた。エミィはもうボロボロで、一方のユイは化け物になってた。お取り込み中だったよ。酷いもんさ」
「…イゾルデ?」
「ん、あぁ、エミィの姉貴さ。アタシの元パートナーでもある」

エミリアに姉がいるのは以前聞いていた。相当に強力なエンジェルだという事も。
もし二人が駆けつけるのが遅れていたとしたら…。
恐らく、ナツメはエミリアの出逢う事もなく、家族共々デスパイアの餌食となっていただろう。

「その…、一体どうしてユイさんはデスパイアに?」
「それが分れば苦労はしないよ。兆候なんて全然無かった。少なくともあたしやエミィの気づける範囲ではね」
「そう、ですか…」
「一応、連中が人間に寄生できることまでは分かってるけどさ、相手は普通男だしね。女でしかもエンジェルなんてのは流石に…」

溜息をつくとマルーシャはストローを口にする。ズズーっとグラスの中の液体が水位を下げて行った。
少々品の無い音を立てて底の一滴まで平らげると、彼女はナツメを真正面に見据える。

「ま、とにかくだ。ユイのヤツは間違いなくこの街に来る。事によっちゃもう来てるかもしれん。そこでアタシの目論みはエミィより先に彼女と接触すること。そんであわよくばユイを始末する。身内から出た錆だからね。これだけは後腐れの無いようにしておきたいんだ、ホント」
「え、あの、だったらエミィちゃんや私も一緒に…」
「あー…一見正論だけど、そいつは駄目だよ。あの日から、ユイの話しが絡むとエミィも普通じゃなくなっちまった。ちょっとネタ掴むたびに先走って勝手に暴れて。そんで二、三日沈んで繰り返しだ。
悔しいのか、それとも責任感じてるのか、その半々か。可哀想って言やあ可哀想だけどさ、もう今のエミィにゃユイは任せられないんだ」
「あの、言ってる意味は分かりますけど…、エミィちゃんは独断先行とか、そういうのは絶対無いと思います」

容赦ない酷評に思わず親友の肩を持ってしまうナツメ。
だが、共に過ごしてきた歳月は目の前の女性の方がよっぽど上なのだという事実にすぐ思い当たる。
482粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:27:54.73 ID:t8eiKsnH
「分かってないね。全然分かってない。確かにアイツはクールで頭も回る女だよ。けどね。一見静かに見える海だって、その下じゃマッコウクジラと大王イカが死闘を繰り広げてる訳よ。わかるっしょ?」
「…はぁ…」

随分な例えを持ち出されたものだエミリアも。けれども言わんとしている事は十二分に理解できる。

「とりあえずナツメ、あたしが今日あんたに頼みたい事は、だ。この女の姿を見たら速攻で知らせて欲しい。連絡先は…そうだな。今朝あんたを呼び出すのに使った番号、そっちに頼む。基本いつでも捕まるからさ」

マルーシャが再度、冒頭に見せた写真を掲げ強調する。

「それで、私も一緒にユイさんを止めればいいんですね?」
「いや、いい。そいつは結構だ」
「―――え!?」

自信に満ちた表情で問い返したナツメはその返事に固まってしまう。
そんな彼女に詫びれもせずマルーシャは続ける。

「ナツメ。怒るのを承知でハッキリ言っとくよ。あんたとユイじゃ勝負にならない。実力キャリア共に差が有り過ぎる」

彼女は断言した。

「足手纏い…いや、人質にでも取られたらあたしもエミィも一巻の終わりだ。それだけじゃないよ。何よりあんたの身が危ない。
エミィが何を考えてナツメにこっちの世界に誘ったのかは知らないけどね。いい加減、ここらが引き際だよ。あんたの為でもある。泣き見てからじゃ何もかも遅いんだ。いいね?」

そこまで言って、彼女は席から腰を上げた。
テーブルの上にはシワだらけの紙幣…明らかに記念に取っておいて使い時を逃した2千円札…が置かれている。
そのまま踵を返しカウンターの方角へ。もうナツメの事を振り返ろうともしなかった。そんな彼女をナツメは―――――――。

「…何のつもりだい?」
「…………」

マルーシャの歩みが止まる。
テーブルから身を乗り出したナツメが、無言で彼女のコートの裾を掴み放さないのだ。
ぎろりと、斜めに振り返ったマルーシャの瞳が少女を見返す。その双眸に宿す色にナツメの背筋は震え上がった。
さっきまで机の上に伸びていた女性と同一人物とは思えない。眼を合わせただけで心臓に風穴を開けられそうな、まるで金属のような鈍い光沢を放つ目玉。
その中心に浮かぶ虹彩は標的の眉間に狙いを定めた狙撃銃のスコープのようですらある。
483粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:29:47.78 ID:t8eiKsnH
「…………」

怖く無いと言えば嘘になる。怒った時のエミリアだってこんな目はしない。
上手くは言えないが、なにかこう、完全に一線を越えている人間の眼だ。
だが、ナツメは退かない。退く訳にはいかない。
デスパイアと戦うと決めたあの日、そう…退くという選択肢は既に粉砕済みである。

「私は戦えます」
「その通り。なまじ戦えるから余計危ない」
「足は引っ張りません。もし捕まったら、私ごとデスパイアを倒して下さい」
「言っていい事と悪い事がある。親御さん、泣くよ」
「父はもう…いません。母もあの日以来、病院でずっと…」
「そいつは悪かったね。でもあんたは今、戦ってる動機のひとつを白状した。正直、感心しないよ。復讐するは我にあり、だ。何もかも失ってからじゃ遅い」
「だから、私はエミィちゃんを失いたくありません」

顔だけ半分こちらに向けていたマルーシャが、ようやく体も反転させる。
そのまま睨みあう事どれぐらいだったろうか。

「――――ハァ…」

根負けしたかのように金髪娘は溜息をつく。

「なんでこうエミィの奴は変な子ばかり拾って来るんだろ」

ガランと、彼女は戻したばかりの椅子をもう一度引いた。

「とりあえず、…コーヒーでも追加しよっか?」

ナツメはようやくマルーシャのコートを放した。



「一応、確認しとくけど………」
「ハイ、私が捕まった場合は見捨てて下さっても――――――」
「待て待て待て。仮にもうちらはエンジェル。清く正しい天使サマなワケ。だから仲間を見捨てるのはナシだ。神風アタックもこれ禁止。まずはそこ、叩き込んで置きなさいな。オーケイ?」
「あ、ハイ…。でも…」
「いい。そんときゃ責任持ってあたしが助ける。新入りがそんな切羽詰った事考えるなっての。ただし…」

ただし、と。一呼吸挟むとマルーシャは声を落とし、ナツメに顔を近づけた。

「ただし…相手は真性のド変態どもだ。最悪の場合…人様に言えないような傷の一つや二つも、事によっちゃ覚悟しときなよ」

人には言えない傷――――――。

その一言を聞いた途端、ひとつの悪夢がナツメの脳裏に蘇る。
揉みしだかれる乳房。火照る肌。
自分の身体に分け入ってくる肉棒に、そこから放たれる白い廃液。
注ぎ込まれた液体は小さな櫃に収まり切らず、破瓜の血と共に内股を伝い…。

テーブルの下で組んだ指先がかすかに震えだした。
全身の毛穴から嫌な汗が噴き出す。
だが、今はそれを悟られたくなかった。

「わ…、わかりました」

目一杯、平静を取り繕って返事をするナツメ。
心なしかマルーシャがいぶかしんでいるようにも見える。
その微妙な空気を埋めるように、丁度良いタイミングで二人の前にコーヒーと紅茶が運ばれて来た。
484粉砕天使の人:2011/08/15(月) 09:30:42.30 ID:t8eiKsnH
「ん…まぁ、重ねて伝えるようなことは特に無いね。あんたの戦い方は概ね察しが付く。後は、そうだな…。とりあえずエミィのおつむが引っ繰り返らないよう、神様に祈っといて」
「なんか…信じられないです。あのエミィちゃんにそんな激しいとこがあるなんて」
「信仰は自由。信じられないならそれも良し。ただ、現実見てから泣いたり喚いたりしないように」
「…ハイ」

二人は同時にカップを啜る。さっきまでの緊張はほぐれて、それでいてまだどこか居心地が悪い。
だが…嵐の前のお茶会。悪い気はしないひと時だ。

「――――んあ、忘れてた!」

唐突にマルーシャが、そんな空気を壊す声を張り上げる。

「…何か?」
「いやー、危ない危ない。そうだ、デスパイアとこれから渡り合おうって乙女には、コイツを忘れちゃいけないトコだった。あー、気づいてよかった、ホントに」
「はい?」

ナツメの困惑を他所に、彼女はゴソゴソと荷物の中を探っている。そして…。

「むっふっふ…。遠からば音に聞け!近くば寄って目にも見よ!!」

バサッ―――――!と翻る外套。

「じゃじゃーん!対デスパイア用ドキドキ必勝マニュアル新装改訂版ー!!」
「…むぼふぅッ!!!」

世紀末系の悲鳴と共に豪快に噴出される紅茶。
危うくタンニンで染まりかけたその厚い本をマルーシャが慌てて頭上に持ち上げる。

「ア、アンタなにすんのよ!?いきなし!?」
「い、いや。むしろ、それは私のセリフって言うか………っ!」

飛び出したのは地獄の恥ずかしい本。慌てて他の客の視線を伺ってしまう。
忘れるものか。エミリアに必読だと押し付けられて、夜中にベッドのスタンドを灯し内緒で読破した一冊。
訳の分からない単語は辞書とネットで検索した。
18歳未満お断りなサイトがズラーっと並んだあの光景は、ブラウザの履歴から消せても記憶からは消し難い。

「い、いや、だから、その。ここでそれは少しいけないって感じで…っ!」
「はぁ?何言ってんのアンタ?新入りだからって物を知らないにも限度ってモンがあるんよ。こいつを読まずしてデスパイアと渡り合おうなんて、ピッケル無しでK2踏破に挑むも同然!!」
「…あ…いや、そのっ」

非情の山はどうでもいいから、とりあえず今はそれを隠して欲しい。
日本の法律上、その本を堂々並べて許される場は、書店の片隅の桃色ゾーンだけだ。
それにその表紙。化け物と美女の絡み合いはもう勘弁して。教科書ってのは普通、もっと無難かつストイックなデザインで。
いや、そもそもそれ。もうエロ本以外の何物にも見えない。中身も何物でもない。
485名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 09:45:58.88 ID:kN1YPNZO
火砲支援
486粉砕天使の人:2011/08/15(月) 10:05:21.45 ID:t8eiKsnH
「と、いう訳でナッちゃん。聖書よりもマルクスよりもありがたーいこの教典。謹んで受け取りなさい」
「そ、そ、そうじゃなくて!ウチにも既に一冊あるみたいな…っ!」
「へ。そーなの?」

流石に予想外だったのか、マルーシャの顎が落ちる。
態勢の立て直しに難儀しているようだ。押し切るなら今である。

「あー、んー、まぁでもこっち一応改訂版だからさ。現代戦ってのはイコール情報戦でもあるわけで、やっぱ最新鋭の知識ってヤツをリアルタイムでアップデートし続ける事が…」
「わ、私のも改訂版ですッ!!」

嘘だ。と言うかもそもベッドの下の核兵器が第何版なのかすら知らない。
迂闊に取り出せばいつなんどき査察官、もとい家族の目に触れるか分かった物ではない。

「む〜ん、そりゃ残念。せっかく企画の段階から前面監修してきた本なのに。タダであげるってんだからさ、もう一冊くらい受け取ってくれたってー…」
「…………」

今の一言で、現在、自分の所有物になっている一冊を、エミリアに押し付けた犯人も判明した。
さっきまで恐れ敬っていた目の前の女性が、なんだか不倶戴天の敵に見えてくる。

「ま、しゃーないモンはしゃーない」
「………」

本当に諦めたのだろうか。ナツメは尚も露骨にフェイントを警戒する。

「ふぅ。そんじゃあたしはボチボチ行くとしますか」

砂糖もクリームも入っていないコーヒーを一気に飲み干し、よっこらせと、マルーシャが椅子から腰を剥がす。

「お世話様でした」
「何言ってんの。お世話はこれからだって」

ニカっと彼女は笑って見せた。先程より幾分軽い足取りで、踵を返しナツメの前から去っていく。

「あ、そうそう!」
「…!?」

まだ何か出てくるのか。軽い疲れを覚えながらもナツメは身構える。

「その本には結局載せなかったんだけどさ…」
「………?」
「何があっても、例え連中の玩具にされてもさ。女に生まれた事を後悔しちゃあダメだよ」
「え、それって…どういう?」
「最期の瞬間が訪れても、パパとママへの感謝は忘れるなよって。そーゆー事!」

そう宣言すると、マルーシャは背中を向けたままヒラヒラと手を振る。

「アドバイス以上。ほんじゃなー」
487粉砕天使の人:2011/08/15(月) 10:12:06.59 ID:t8eiKsnH
以上ですー。前の話思い出すのも難儀するくらい毎度間隔開いて申し訳ない。
忍法帖、巻き添え、連投規制のジェットストリームアタックで最近フルボッコ。
そのウチいいことある、よ…ねぇ…?
488粉砕天使の人:2011/08/15(月) 10:15:23.88 ID:t8eiKsnH
>>485
支援thx(´・ω・`)ゝビシ
489名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 10:20:33.45 ID:kN1YPNZO
>>487
投下GJ!
六人纏めて跨がらせて犯しちゃうとか素敵!
490名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 10:41:07.15 ID:4wsavBr6
後1回くらい長編来たら容量500行きそうなんだがどうするの
491名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 10:46:23.99 ID:odkbiVvC
もうすぐ一本完成しそうなのですが、容量ぶっちぎりそうです…
492名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 10:48:58.93 ID:CGA1N0bT
450行けば立てればいいし
その前に>>491が完成すりゃ>>491が立てて書いてもいいんじゃねぇの
493名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 10:50:09.62 ID:Sj3xmjac
>>476
>怪物は縄のようによじれた下着を自分の顔の前で広げると、鼻腔を一杯に開き戦利品の香りを堪能する。
サイトォォオーーーッ!そいつをよこせぇぇえーーーーーッ!!!
494名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 11:32:31.22 ID:ZJ0/nzeO
>>487
まさかこの時期に続きが読めるとは…
GJ&乙乙
495名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 11:54:24.77 ID:L3zZ9By6
>>494
次スレよろ
496名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 14:16:16.86 ID:ZJ0/nzeO
スレ立て試したけど、なんかにんぽーちょうがどうたらって言われちゃった…orz
ゴタゴタしてたらせっかく作った次スレ用のテンプレ消してもうたし…

あと頼むわゴメンコ
497名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 17:43:19.21 ID:odkbiVvC
それじゃあ自分が立てておきます。
498名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 17:49:39.73 ID:odkbiVvC
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1313398072/
立てました。
行数がMAXの60行近いので、次回スレを立てる場合は、テンプレの変更が必要だと思われます。
投下のほうは、今晩か明日に行ないます。
499名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 17:52:20.45 ID:L3zZ9By6

じゃこっち埋めるか
500名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 17:54:59.00 ID:ZJ0/nzeO
>>498
乙乙乙ありがとうな

>>499
あんまり埋めに走らない方が良くない?
投下されたばっかですぐ落ちて読めなくなったら寂しいじゃん
501名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 18:06:33.83 ID:L3zZ9By6
まあそうか
502粉砕天使の人:2011/08/15(月) 18:09:55.89 ID:t8eiKsnH
>>498
今戻ったー。実質使い潰しておいて申し訳ないッス。
保管庫あるスレなら流しても問題無くないと思うんで、うん。
503名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 18:25:11.97 ID:FkdVFwkG
>>502
とはいうものの、保管庫は今はあんまり機能してないんじゃね?
保管庫更新の報も途絶えたし。

個人的にはエロパロ総合保管庫への保管をして欲しいけど、流石に18スレも行ってると頼み辛いし、元々保管庫あったスレだから難しいかな?
504名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 18:43:47.56 ID:m20FmRxC
そもそもルール的に、次スレを立てておいて旧スレだらだら残すってのは問題かと思うんだが
そこは割り切りも必要かと
505名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 19:10:46.09 ID:Sj3xmjac
自分も別スレで駄作垂れ流してたけど、今は結局pixivで自己保管してる。
こっちのが脇道や設定みたいなのも載せられるし、忍法帖やらで本格的に面倒になってきたし。
506名無しさん@ピンキー:2011/08/15(月) 20:50:25.25 ID:odkbiVvC
>>505
pixivで自己保管はいいですね。
自分も初期の作品手直しして上げてみようかな。
507名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 09:22:13.09 ID:M8YM6MFK
投稿乙です〜!
マルーシャ=アレクサンドルヴナって名前からすると新キャラはロシア系?
やっぱあれ?触手モンスターが現れたら「医者を送れ」になるの?
508名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 10:13:20.06 ID:TVWJX8Af
 ナツメ 「援軍の要請はしたのか?」
エミリア 「寝ぼけたことをほざくな!お前らが援軍だろうが!」
マルーシャ「うるさいんです」
509マユの人:2011/08/16(火) 12:09:05.47 ID:shcIY3qL
こんにちは、新スレの方に最新話を投下しました。
510名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 16:31:10.61 ID:g0mU2Yqr
粉砕天使の人もマユの人もGJです!
511名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 23:20:59.78 ID:csCCkvEo
2スレ同時って難しいな。
こっちは早く埋めないとだし、新スレも放置しすぎると落ちるし。
50kbって結構遠くね?
512名無しさん@ピンキー:2011/08/16(火) 23:51:16.63 ID:QjQSuTLz
新スレは30レス越えたから即死の心配はもうないし、この板は流れが遅いから
例え1ヶ月書き込みがなくてもdat落ちはしないよ。
このスレも板の圧縮の目安になるスレ数まで今は約80スレ余裕があるから
放置してもさほど板の迷惑にはならないよ。
まぁ、短編なら投下可能だからそれ待ちで気にしなくていいんじゃない?
513名無しさん@ピンキー:2011/08/17(水) 00:00:47.90 ID:g0mU2Yqr
>>511
逆に考えるんだ、埋め用短編が投下される状況が整ったと
514名無しさん@ピンキー:2011/08/17(水) 23:36:58.22 ID:lxt2zHAT
>>508
なぜデルタ部隊www
515名無しさん@ピンキー:2011/08/18(木) 19:18:08.21 ID:35zhCzjf
魔法少女の特殊部隊ってのは有りだな

フリフリドレスに髪がピンクやら金髪に変わる変身をしてから、敢えて一般市民と同じ服装に着替えたり、黒髪のウィッグを被り直したりして目立たない変装して

その可憐な容姿と一切の武装を必要としない事からもっぱら立てこもり犯やハイジャック犯を油断させ、至近距離からの無力化させるのに活躍
またイベントなどでは要人に花を渡す子供などに扮して警護したりとその用途は広い

魔法嫌いの叩き上げな過去に訳あり警部とかとコンビ組む新人天才毒舌ゴスロリ魔法少女とかが主人公の
いかにもラノベとか金曜ドラマとかでありげな配置で
516名無しさん@ピンキー:2011/08/19(金) 22:16:37.60 ID:81daUK0K
街中をパトロールする交番のお巡りさんタイプの魔法少女が、強敵にボコボコにやられて精液塗れになったところで
真打ちの特殊部隊魔法少女登場とかいいな
517名無しさん@ピンキー:2011/08/20(土) 11:38:56.74 ID:Xkm9B+sl
魔法少女の特殊部隊とか聞いて、
スワットの突入シーンとか思いついた後に

「犯人が人質を取って立てこもる家に、性欲が抑えられなくなる魔法を撃ち込む。
数時間後には、精根疲れはてた犯人と人質。
こうして処女膜以外はだいたい無血鎮圧する特殊部隊」

って電波が入ったんだが。
誰得なんだ?
518名無しさん@ピンキー:2011/08/20(土) 16:41:32.69 ID:cQUIBpQO
うっかり怪人とかが魔法少女士官学校附属幼稚園の送迎バスとかをジャックしようとしたら大変な事になるな
悲鳴一つ上げない子供達。
恐怖に凍りついているのだと調子に乗る怪人だが、実際は覚えたての攻撃魔法を実際に使いたくてたまらない血に飢えた幼女達が
誰が一番最初に抜け駆けするのかで目ぇギラギラさせているという…

ひどい娘になると舌なめずりしてたり
519名無しさん@ピンキー:2011/08/20(土) 19:52:45.34 ID:Xkm9B+sl
さて、子供が周りとの協調性を持って、待っていてくれるだろうか。
どちらにせよ、怪人には乙としか言いようがないな。

それどころか、それぞれの母(魔女)が子供に持たせた防犯ブザーに
周囲の悪意を持った人間を吹き飛ばす魔法が封じ込められていたりしそう
520名無しさん@ピンキー:2011/08/20(土) 21:05:46.35 ID:YTsJTkY0
新スレが凍り付いたかのようだ
521名無しさん@ピンキー:2011/08/21(日) 23:03:05.18 ID:mBh4NZ/o
>>521
周囲の同級生がぶっ飛ばされるわww
522名無しさん@ピンキー:2011/08/22(月) 00:14:08.33 ID:nCJ3Gwat
うむ
523名無しさん@ピンキー:2011/08/22(月) 08:54:29.48 ID:UD8yIAcB
バスジャック犯が魔法少女達に凌辱されるストーリーか…ゴクリ
524名無しさん@ピンキー:2011/08/23(火) 17:43:39.64 ID:7zKLmiNp
特殊な魔力を込めた図書カードらしきカードを用いて変身する魔法少女
各本の童話やら伝承やらがモチーフにしたフォームチェンジ出来るが
貸し出し期限が存在し、時間内にそのフォームチェンジを解かないと
使用者の寿命を少しずつ消費してしまうペナルティ
また、フォームを解かないと別のフォームへチェンジする事も出来ないので
乱戦時には、慣れてないと敵側にかなりの隙を作ってしまう
525名無しさん@ピンキー:2011/08/23(火) 20:10:15.09 ID:hju/WHqt
>>524
ホラー系は万能っぽいな
とある理髪師な話とか切り裂き魔な話とか
526名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 04:11:19.71 ID:2X4pLKPg
前作では陵殺され、今作ではゾンビ化されたあの子が幸せになるには…
527名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 15:35:05.21 ID:iJ9ylLuf
逆に考えるんだ
一度の人生で二度も凌殺されるという前人未到の記録を達成するチャンスを得たと!
528名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 07:54:16.99 ID:dR+kHbzX
ニフラム使うから問題ないよ
529名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 10:01:31.86 ID:KHDD8huA
一順目の世界:レドリックに人生を狂わされ幾度となく嬲られた後、凌殺される
二順目の世界:レドリックに凌殺された後、人生を狂わされ幾度となく嬲られる

レドリック、まさに運命の殿方だな
敵幹部でリィンの名前覚えてるのもレドリックだけだろうし
530”管理”人 ◆puaSuRdqIk :2011/08/25(木) 21:11:41.25 ID:qI1LkF9+
すまないいそがしくて保管庫いつ更新出来るか分からない
やはりだれでも更新できるようにしては駄目だろうか……orz
531名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 21:27:49.93 ID:vKZcLXFF
なかまだもんげ!
532名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 23:05:52.30 ID:KHDD8huA
>>530
いや、して良いと思うのだが、反対意見あったっけ?
533名無しさん@ピンキー:2011/08/25(木) 23:19:49.05 ID:Vr52ibod
>>532
荒らされる可能性が指摘されてたような…
534名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 00:17:48.13 ID:rlNGaYBm
もし荒れたら、設定戻せば良くね?
エロパロの他の保管庫の傾向見ても、そんなに荒れるようには思えないけど
現時点で管理人一人じゃ運用不可能なほど負担(というかスタートに辿りついていない状態)なら
スレ住民の手を借りるのは、悪いことじゃないと思うよ
535名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 00:29:32.75 ID:L9KN6snt
一見してわかる荒らしならアク禁すればいいけど、あるスレの保管庫で粘着荒らしがやったのは
パッと見正しいけど、SSの中の細かい部分を改変させる方法だった。
元のレスと見比べないとわからないほど巧妙で(元SS書きだったらしいが)、文の流れもおかしくは
なっていないんだけど、わざと登場人物の名前を入れ替えたり、元のレスでは通りの良い文章を
詰まるようなものに変えたり、挙句の果てにはシリーズ物の後半の話で明かされるネタバレを
最初の頃の話の中に潜ませたりしてSSの価値をだいぶ損ねていた。

ROMは気付かなかったりSS書き自身が改良したのかなと思っていたけど
その後色々あって自分の話を勝手に改変させられたSS書きが去り、保管庫管理人とROMの間で内紛が起きて
(たぶん荒らしが煽っていたんだろうが)、そのスレは廃墟になったとさ。
536名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 00:33:50.41 ID:rlNGaYBm
じゃ、反対意見も出てるけど
とりあえず俺は、「もし荒らされたら、設定戻せば良いんじゃね?」ってことで、賛成意見に一票入れとくわ>>530
537名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 08:16:42.31 ID:0YYLF4+V
romせんだけど、あらしてやんよ

こういえばいいんですね分かります
538名無しさん@ピンキー:2011/08/26(金) 19:57:01.91 ID:QojQr4rw
戦略SLG ヴァルアスの野望
539名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 01:37:43.33 ID:TVFSOyTf
>>530
その口ぶりからすると、今だけ特別に忙しくて、こんなことは二度とないというわけではなく
今後もちょくちょく私生活は忙しくなるし、そうしたら実質更新不可能になるってことでしょ?
それって、一人じゃ更新・管理できないってことじゃね?

ならもう、すっぱり管理不可能として保管庫作るのを諦めるか、更新作業を手伝ってくれる
協力者を募るかのどちらかしかないと思うのだけど。後者の場合、誰でも更新できるようにオープンにするんでも
一人〜数人にのみフリーメアドか何かでパス教えて協力を募るんでも、方法は色々あると思うけどさ

てか、「しちゃ駄目だろうか」じゃなくて、「したい」ってハッキリ言った方がいい
それで反対喰らうならその時は諦めるしかない。今のままじゃ、作る作るって言いながら永遠に出来ないままだよ
540名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 02:54:27.57 ID:CS2nTVJ5
お客様の来店です
541 ◆puaSuRdqIk :2011/08/27(土) 18:09:09.49 ID:zs/jMzJq
>>539
ならば「したい」

……非常に申し訳の無い話なのだが。
542名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 21:37:58.09 ID:TVFSOyTf
>>541
そんだけじゃ話が進まんよw
パスなしの誰でも編集可能にするのか、このスレで(幸いもうすぐDAT落ちする)パス公開するのか
それとも小人数の協力者募って、何らかの方法(フリーメアド)で連絡取るのか、その辺を決めて呼びかけると良い
そんな編集方法許さんって意見が多かったら、その時は諦めて閉鎖するか、一人でやる決意をするしかないね
543名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 06:49:21.16 ID:nS0FtTSw
なんでそうも上からの言い方をするんだろう…
保管庫管理人って過酷な仕事なんだな…

管理人さんは別にもう誰か新しく作れば?って今ある保管庫の破棄宣言をしても完全撤退しても良いよ
こんな外野にやいやい偉そうに言われてまでしてやる事でもないでしょ?
なんか可哀相になったわ
544名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 07:37:14.88 ID:kFOAMyyw
>>543
逆だよ。大変だからだよ。外野とやらが、その大変な仕事を手伝って欲しいと言わせないようにしているからだよ
俺には最初(>>530)から、この管理人さんは「一人じゃ出来ないから手伝って欲しい」って願ってるようにしか見えなかったわ
だけど、それをさせまいとする>>535とか>>537の意見に遠慮して、言いたいことも言えないようだから
「手伝って欲しいなら欲しいと、具体的な方法も提示してハッキリ言わないと駄目だ」と言ってるんだよ
(ただ、俺は複数管理に賛成派だが、535の反対意見も一理あると思う。537の荒らし志願者はどうでも良いが)

だが、このスレの創意が複数管理反対になる場合は、特に書き手の方から「自分の作品が荒らされるかも知れないから嫌だ」と
言ってきた場合は、諦めるしかないのも確かだ
なんせ具体的で対処法方の難しい荒らし方の解説までして、複数管理に反対する人もいるんだから

上から目線は・・・確かに語気が荒い所はあった。その点は詫びる
管理人氏に対して、言いたい事があるのに、にょごにょ渋ってるのは誘い受けと変わらんだろうと思ったのと
明らかに手伝って欲しいと願ってる人に、それをそ知らぬ顔で突っぱねようとする(535はともかく)537みたいな奴にね

ついでに言うと、二段落目も同意だわ。やるのが辛い場合も、それはハッキリ言ったほうが良い
545名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 07:44:25.28 ID:kFOAMyyw
管理人氏は、もしまだ続ける気概があるなら、とりあえず新スレの方で
「一人で更新は無理なんで、管理をオープンにして良いですか? そうでないとこの先も更新は難しいです」
って一言聞いて見ると良いよ。まずそれをしないことには始まらないので
546名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 18:20:06.15 ID:8D9kSXMb
管理の仕方は良く分からないけど
wikiみたいにする事って出来ないのかな?
547 ◆puaSuRdqIk :2011/08/28(日) 21:15:29.15 ID:aoBKyJpX
>>546
wikiとほとんど同じです。

すいませんやはり一人で続けていくことは無理だと判断しましたので、
誰でも更新できるような設定に変えることにしました。

誰か手の空いた方が更新していく、と言う形で……


お騒がせしました、迷惑お掛けしました、非常に申し訳なく思います。
548名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 00:07:03.33 ID:t5HxkEiI
>>547
いやいや、匿名掲示板なんかで率先して決断し、wikiを用意したというだけで立派ですよ
でも、あんまり無理せず、一人で背負い込まないようにね
549名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 01:38:08.22 ID:+QYEQeTE
手伝いたいが過去スレ漁るための●が無い
550名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 02:56:30.54 ID:mCOYtRmb
よく分からんが過去スレが見れたらいいのか?
それならこんなんでどうだろうか?

http://www1.axfc.net/uploader/He/so/337277

passはorimahouね
551名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 08:01:36.68 ID:iHrE2myX
マユの人のはどうする?今pixivで加筆修正したの上げてるみたいだけど
552名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 09:16:37.06 ID:tS4V2sGg
>>551
そっちは流石に無視だろ
あくまでもこのスレの保管庫なんだから、このスレに投下された分だけ収録すれば良いんじゃない?
553名無しさん@ピンキー:2011/08/30(火) 16:08:05.77 ID:YT9TuLaC
>>550
過去ログ提供感謝。
とりあえず出勤前に手探りながら2つほど更新、こんな感じでいいのかな
夜のお仕事はじまるお・・・
554553:2011/08/31(水) 04:58:38.59 ID:mtobZlmJ
5スレ目の保管作業を一応終わらせました。
入ってない作品があるとか、間違いを見つけたら修正していただけるとありがたいです。
555553:2011/08/31(水) 14:39:24.02 ID:mtobZlmJ
6スレ保管終了、一部タイトルのレス番号が間違ったけど修正できない…
杏の人の作品が、13話までブログに投稿されてるんで最新話がかなり飛ぶんだけど、どうしよう?
556名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 15:02:05.38 ID:d19AQSSM
>>555
乙です。
>魔法少女杏について
そのことを長編の杏ページにでも注記しておくだけでいいんじゃないかな?
3スレの317で杏の人から初代保管庫への保管の同意が得ていたからブログへの投稿作品も
初代保管庫には保管されていたみたいだけど、それを今やると他にもpixvへ投下されている
他の人の作品(魔法少女杏も改稿されているし)まで保管対象にしなくちゃいけなくなりそうだし。
557名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 15:52:07.49 ID:Z0xtYaNX
魔法少女杏は途中からブログだけしか公開してなかったけ?
スレに投下されたやつは何でも保管していけばいいと思うけど(他の場所に改稿ある/なしに関わらず)
別の場所にしか投下されてないようなのはとりあえず後回しで置いておけばいいと思う

あと提供したログが役に立ってるようで何より
558553:2011/08/31(水) 16:36:26.98 ID:wMgIYNec
出先から携帯で失礼、とりあえず杏の人のblog分については保留にして、スレの保管作業を進めて行きます。
>>551で言われいますが、自分の初期作品は少し手直しさせてください…
559名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 17:33:21.63 ID:Z0xtYaNX
マユの人だったのか・・・投下にまとめに乙
560名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 18:27:35.17 ID:djo6CHAm
杏って、少なくとも第一稿はブログやpixivではなく、ここで投下されたはずだけど
それを保管すればいいんじゃないかな
561名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 18:41:15.49 ID:d19AQSSM
>>560
幾つかの話はブログに投下して、このスレには下のようなお知らせのレスだけのものがあるよ。

607 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2007/08/23(木) 01:38:07 ID:yGY0c0w/
「魔法少女杏」第7話更新しました。以下のページでご覧になれます。
ttp://magicalaz.blog117.fc2.com/blog-entry-14.html

562名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 18:46:23.53 ID:djo6CHAm
ああ、なるほど
その手順のも、脳内で「このスレへの投下」と勘違いしてた。すまそ

もうこのスレを見ていないのなら、ご本人のブログに直接聞きにいくしかないのかなあ?
563名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 20:53:15.25 ID:z4R2RQqE
ピクシブとかの保管庫入りは流石に無断でやるのはマズくね?
564名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 20:56:37.18 ID:djo6CHAm
いや、pixivの話も、無断でやる話も誰もしていないのだが・・・
565名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 21:08:26.09 ID:Z0xtYaNX
むしろpixivとかは除けようって話だしな
566名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 21:57:04.21 ID:ta1gQVEe
Pixiveの小説で魔法少女もの漁ってみた
姦電池ってのスゴいよかった
567名無しさん@ピンキー:2011/09/01(木) 06:42:31.71 ID:C1WW4T7J
まぁ本人様にお伺いを立てるのが一番だわな。
568マユの人:2011/09/02(金) 15:15:16.54 ID:lXNPyb72
9スレまでの保管を完了、明日が休み取れたら一気に進めていきます。
当座のところはスレの保管と、主要長編の区分を優先していきます。
569名無しさん@ピンキー:2011/09/02(金) 18:19:55.61 ID:IF7vyq//
このスレって潰れるまで待った方がいいの?
それとも埋めた方がいいの?
570名無しさん@ピンキー:2011/09/03(土) 13:17:15.29 ID:TzeyS7pN
保管庫で見返してみると、話が止まってる長編多いな…みんな面白い話なのに惜しいことだ。
571名無しさん@ピンキー:2011/09/03(土) 14:16:33.81 ID:yogX7B1r
自分だけかも知れないがプロットしっかり作って話作れば当然完結までいけるんだけど
エロ作品はこういうシチュいいなっていうのを思いついたらそれを書いていって
話としてつなげていく感じで作ることが多いので話が最後までまとまらなかったり
続きが思いつかなかったりして途中で更新止まることが良くある
572名無しさん@ピンキー:2011/09/03(土) 15:09:06.16 ID:fxUcvuqh
>>571
エロに限らず長編小説の最大の敵は「飽き」だと思う。
書かない期間が長いとどうしても「いつか」「またいつか」になって伸び伸びになり
いつしか意欲を失って放置してしまう。
その気持ちはよく分かる。
573マユの人:2011/09/04(日) 00:12:30.76 ID:JL2+MweB
16スレまで保管を行ないました。
ようやくゴールが見えてきた・・・w
574名無しさん@ピンキー:2011/09/04(日) 00:18:49.87 ID:/MGh4z6h
>>572
・・・飽きてはいないな。少なくとも、今のところは。
単位取り終わったボッチの大学生がハイペースで執筆。
社会人になったら全然時間無しってのが俺のパターン。
575名無しさん@ピンキー:2011/09/04(日) 09:45:04.94 ID:OwSTI1fF
>>574
ナカーマ。別スレだが。
完走の野望は捨てきれない。
576名無しさん@ピンキー:2011/09/04(日) 12:58:16.08 ID:yVRsSqLv
>>573
乙乙乙
しかしマユの人のこのスレへの情熱は凄い
577マユの人:2011/09/04(日) 21:02:26.08 ID:JL2+MweB
長編のリンク作りが途中ですが、保管庫現行スレまで追いつきましたー
荒らし対策にこの先は限られた人で更新するのがいいかもしれませんが、そこは管理人氏にご判断してもらいたいです。
俺、この作業が終わったら新ギレンの野望やるんだ・・・(ぉ
578名無しさん@ピンキー:2011/09/05(月) 22:35:58.70 ID:QHMpETBF
本当、頭の下がる思いだ・・・
579名無しさん@ピンキー:2011/09/06(火) 00:39:32.15 ID:EhPVbYAI
マユの人、GJです!
自分も>>574の人や>>575の人と同じく小説の続き書けないまま一年オーバーしてしまって、
「今更続きを書いても誰も覚えていなかったらどうしよう……」と思っていたのですが、
保管庫に収録いただけたお蔭で続きが書けそうな気になって参りました
580名無しさん@ピンキー:2011/09/06(火) 05:22:39.11 ID:3i5Ll9Ju
初期目標であったスレの保管と、長編作品のリンク作りが終わりました。
突貫で仕上げたのでミスや、こうした方がいいという所がありましたらご指摘下さい。
杏の人のブログにアップされた分については、まだ保留の状態です。
581名無しさん@ピンキー:2011/09/06(火) 06:02:22.92 ID:285cXW0v
ブログは閉鎖されたわけではないから、コメつけて直接聞く事は出来るのかな?
返事はずっと先になるかも知れないけど
582名無しさん@ピンキー:2011/09/06(火) 10:06:08.28 ID:vRh8n+TV
いつか戻ってきてくれるはずだからそのときまで待てばいいと思う
まぁブログにコメント入れておくのはありかもね
583名無しさん@ピンキー:2011/09/18(日) 14:46:55.32 ID:xy0K1fIl
美咲天使
584名無しさん@ピンキー:2011/09/20(火) 01:03:58.28 ID:nIx89B+h
目からビーム撃つ魔法少女ってなかなか居ないよね。
まぁ、誰得なんだが。
585名無しさん@ピンキー:2011/09/25(日) 15:07:50.00 ID:bppbIiu+
>>584
筋肉からビームを撃つ魔法少女ならいるが…
586名無しさん@ピンキー:2011/09/25(日) 23:29:51.77 ID:Av37D2V7
あれは魔法少女と言う肩書きを名乗った、別の何かだw
587名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 14:06:58.21 ID:MGKbORGR
次スレが立って2ヶ月近く過ぎても落ちる気配がないので、途中で書くのを挫折したSSを二つ投下して埋めさせていただきます。
どちらも寸止めでぶつ切りで終わっていますのでご了承下さい。
また埋め用の未完成品ですので保管庫への保管は遠慮させていただきます。
588魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:07:58.85 ID:MGKbORGR
「そこまでよっ!」
闇に轟く甲高い叫び。
溌剌とした明るさ、何事にも屈さない意志の強さを現すその声を上げたのは新崎 梨理乃。
近くの高校に通う15歳の少女、2つ上の姉と優しい両親と暮らす高校1年生であった。

小柄な梨理乃がキッと眦を向けた先には、彼女を覆い隠すような巨大な影が宙に浮かんでいた。
マントを被った怪人のような形に広がる影。
目や口の部分は赤く縁取られ、グロテスクさを強く放っている。
これこそ魔法少女リリノが闘う悪、「妖魔」と呼ばれる存在であった。

とてつもない害意が感じられる妖魔に梨理乃は臆することなく、影のように広がる妖魔の
根元へと視線を向ける。
そこには一人の学生服姿の少年が倒れ伏していた。
(きっと助けてあげるから)
自分とそう年の変わらない少年に梨理乃は心の中でそう呟く。
そして決意を込めた彼女は胸元のポケットに引っ掛けてある羽根ペンを手に取った。
白い羽根を広げたその根元には赤い宝石が彩られ、銀色に輝く軸には軸には煌びやかな装飾が彫りこまれいた。
一目で長く時を経てきた眩さが感じられる一品である。

「悠久の刻、脈々と流れる魔力の渦よ。形に表す魔法の筆にその力を顕現させよっ!」
梨理乃はたおやかな指でその羽根ペンを掴むと、可愛らしい顔立ちに似合わない気がこもった声を張り上げる。
そして次の瞬間、シュシュッとペンを宙に走らせるとその軌跡に光り輝く文字が浮かび上がる。
(よしっ、大丈夫!)
梨理乃が書き出したのは魔法の呪文、彼女がただの少女からその真の姿に変身する呪文であった。
しっかりと呪文を書き出せた事に安堵する梨理乃の身体が、呪文から放たれる光に包み込まれる。

光に飲み込まれた梨理乃から一瞬にして身に纏った衣が掻き消えた。
眩く照らされる彼女の裸体。
ショートカットに切り揃えられた髪に、可愛らしく整っているものの幼く見える顔立ち。
曝け出された肢体も、ほんの少しだけ膨らんだ胸の頂にチョコンと桃色の乳首が浮き上がり、うっすらと
薄い毛で隠されている陰部が目立ち、女性らしさというよりは幼さを感じさせるものだった。
しかし、瞳を閉じた梨理乃に透き通る光が集まっていきその肌に触れると思わぬ変化が始まる。

短く切り揃えられた髪は肩の半ばまで伸びて、その色も手が加えられていない漆黒から煌めく金色へと移り変わる。
パッチリと愛らしい瞳も睫毛がくるんと伸び、鋭く整ったものへ変わる目元にはエメラルド色のラインが引かれる。
小ぶりな鼻筋は高さが上がり、ツンと尖ったラインを見せる。
瑞々しい口唇には紅が引かれて凛とした艶やかさが放たれる。

そしてその肢体にも魔法の効果が現れていく。
薄い肉付きだった胸は果肉が詰まった果実のように膨らみ、小柄な身長自体、そして手足もスラリとしたものに伸ばされていく。
スタイルが整った梨理乃の肌に光が纏わりつき、海のような青さのミニドレスのようなコスチュームで肢体を覆っていく。
最後に羽根ペンが赤い宝石が頂に輝くロッドに変わると身体の周りに集まっていた光が弾け飛んだ。

「暗い影をもたらす妖魔を打ち払う魔法の戦士、魔法少女リリノっ!」
ロッドを妖魔に向けてそう言い放つ梨理乃。
彼女の正体こそ、魔力が宿った魔法のペンの力で変身して妖魔と戦う魔法少女リリノであった。
魔法の力で大人びたものへとその容姿を変化させたリリノは、声も少し怜悧な声音に変わっていた。
(わたしは魔法少女、絶対妖魔を倒してみせるんだから!)
その心は、弱い少女のままである。
しかし決意を胸に自らに言い聞かせて彼女は戦いに臨む。
妖魔を倒せるのは自分しかいないのだ。決して退く事の出来ない戦いへとリリノは自分を奮い立たせる。

「はあぁっ!」
キッとした眼光を妖魔に向けると、大きく息を吸い込んで彼女は妖魔に対して構えを取った。
589魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:08:44.48 ID:MGKbORGR
「てややあああぁぁぁああああぁぁぁっっっ!!!」
凛とした叫び声が響く。
気合を放ちながらリリノは縦横無尽に空を跳ねていた。
周囲を跳ね回るその小柄な肢体に妖魔の巨体は翻弄されている。
「えいいぃぃっっ!!」
リリノはその隙を見逃さずに、ロッドを振って魔法弾を放つ。
「グギャヤヤアアァァァッッッ!!!」
黄色く光る魔力の弾丸は妖魔に命中し、影のような身体の一部を弾け飛ばせる。
既に妖魔の身体はボロボロであった。しかしそれでも小癪に飛び回る魔法少女を捕らえようとその腕を振るった。
「無駄ですっ!」
だがリリノはそれを見切った。

瞬時に急降下して妖魔の鞭をかわすとロッドを構えて詠唱を始める。
「顕現せし魔力の渦よ、紅蓮の炎と化して悪しき者を打ち砕けっっ!!」
紡がれる詠唱に応じるようにロッドの先端に魔力が集まってくる。
目標は大振りの一撃をかわされ、がら空きになった妖魔のボディ。
「いけえええぇぇぇえええぇぇっっ!!」
大声を張り上げてリリノは大魔法の必殺の一撃を繰り出した。
撃ち出された魔力は灼熱の炎と化し、劫火のような勢いで妖魔を覆い尽くす。
「ギャヤヤアアァァァアアアァァァッッッ!!!」
凄まじい轟音、そして妖魔の断末魔の叫びが轟いて辺りは濛々とした土煙に覆われた。

しばらくした後、土煙が晴れたそこには妖魔の姿はなかった
「ふぅぅっ」
深く息をつくリリノ。
鼻梁に汗の玉の浮かばせ、身体中にずっしりとした疲労感を感じていた。
だがその心は晴れやかであった。
強敵である妖魔を打ち滅ぼす事が出来たのである。
ほっとした心は、変身して変わった大人びた顔立ちに少し似つかわしいあどけない笑みを零していた。
彼女の視線が何かを捉える。
「あっ……!」
つい忘れてしまったもう一つの存在。
倒れ伏した少年の姿を目で捉えた彼女は慌てて彼に駆け寄る。

「ねえ、大丈夫ですか?」
少年の横に膝をつき、彼を抱え起こして問いかける。
「……ぁ……ぅぁ……」
だが口元から僅かに呻きが漏れるだけで、固く閉じた彼の瞳は開く事がない。
妖魔は人の心の弱さにつけこみ、その魔力を奪って実体化する。
宿主になった者の心は犯し壊され、深い闇に沈む事になるのだ。
「いま、救ってあげますから」
リリノは微笑を少年に向けると、瞳を閉じて静かに呪文を紡ぐ。
「我に宿りし魔力の渦よ、闇に迷いし者の道標となる灯りを点せ」
すると魔力の小さな玉が彼女の喉元に生まれる。
ふわふわに漂うそれをリリノは舌の上に転がして形を整えていく。
(……ごめんなさい。でもあなたを救うにはこうしなくちゃならないんです)
戸惑いを見せるリリノだが、ふと覚悟を決めると少年の上に覆いかぶさる。

「ぁぅ……ぇぁ……ぅむっ……」
次の瞬間、苦しげに眉を寄せる少年の口唇がリリノの口唇で塞がれた。
闇の中に深く沈んだ人の心を救うには、魔法の力で輝く魔力の玉をその身体に注ぎ込む方法しかなかった。
リリノはこれまで幾人も妖魔の被害者をこの方法で救ってきたが、未だに慣れる事はない。
なにせ高校1年生の彼女は、小柄で童顔、大人しい性格もあいまってとても奥手な少女であるのだ。
しかし人々を救おうとする魔法少女としての使命感が、心の中の逡巡を打ち消す。
そっと舌を伸ばして、少年の口唇を割り開く。
魔力の玉を少年へ口移しに飲み込ませる。
「……ぁ……うぐっ……」
少し苦しげに喉を鳴らして玉を飲み込んだ少年だったが、しばらくするとその顔から汗が引き
呻き声も安らかな寝息に変わる。
自分が口唇を渡して飲ませた魔力の玉が、彼の心の闇を払い安息をもたらした事を知ってリリノはほっと息をついた。
590魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:09:27.95 ID:MGKbORGR
やがて少年が目を開いた。
「ぇ、ぁう……あ、あなたは?」
少女に身体を抱き抱えられている事からリリノに戸惑った視線を向けながら問いかける少年。
変身後の彼女の姿は、彼から見れば少し年長のお姉さんという感じである。
自分と同い年ぐらいの少年が、敬った口調で問いかけてきた事にリリノは笑顔で答える。
「わたしは魔法少女リリノ、もう大丈夫だからね」
幼いながらも妖魔との戦いに臨む彼女は、彼らの恐ろしさをよく知っている。
少年は一時その心も身も妖魔に乗っ取られてしまったのだ。
辛くも救えた事に、リリノは嬉しさのあまりにギュッと彼を抱き締めようとする。

「お姉さん、逃げてぇっ!」
その瞬間、顔色を変えた少年が大声を上げて彼女の突き飛ばそうと腕を伸ばした。
ザシュッ!
「えっ!?」
彼の声に続いて、湿った感じにくぐもった鈍い音が響いた。
少年を見下ろすと彼の手はリリノの胸の前で止まっている。
そしてその指先から伸びた黒く細い刃が、彼女の胸を貫き通していた。
「あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっっひえ゛え゛え゛ぇぇっっあ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっっ」
鳩尾の辺りをコスチュームごと背中まで貫き通している刃。
不思議な事に血は流れ出ないが、激しい痛みがリリノを襲う。
妖魔と戦う魔法少女には肉体と精神が強化される魔法がかけられているが、さすがに普通ならば致命傷にも等しい
傷を負わされたリリノは目を見開いて苦痛の叫びを上げることしか出来ない。

「気分はどうかな?“魔法少女リリノ”ちゃん」
その声は確かに少年の口から出ているが、先ほどの声とは似ても似つかぬ低い声色だった。
力を失った身体を逆に少年に抱かれるようにして立ち上がらされるリリノ。
彼の腕、そして黒い刃によって身動きが取れないリリノは少年にもたれ掛かるような体勢になってしまう。
「えあ゛あ゛ぁぁっっ、う、うぐっ……お、お……まえは……?」
(確かに妖魔は消滅させたのに……なぜっ!?)
それでも必死に顔を上げて、少年を見返すリリノ。
少年の思わぬ一撃に疑問しか浮かばない彼女に彼は嬉しそうに語りかける。
「せっかく作った妖魔を壊してしまう小娘に罰を与えようと思ってな」
そう言うと黒き刃をリリノから引き抜く。
「あぐっ!」
そのまま少年は腕に魔力を込め、至近距離のリリノに向かって放った。
「きゃあああぁぁぁああああぁぁぁっっっ!!!」
深手を負った彼女は防ぐ事も出来ずに、膨大な魔力の一撃を浴びて弾き飛ばされた。

リリノの華奢な身体が轟音を立ててビルの外壁に叩きつけられる。
砕け散ったコンクリートの壁が濛々と土煙を立てて彼女を覆い隠す。
「もうくたばったわけではあるまい。さて、じっくりと嬲ってやろう」
少年はそう言いながらゆっくりと歩み始める。
着ている学生服に黒いもやが纏わりつくと、黒色のローブに形が変わる。
その容貌も明るい少年のものから、白髪で整った顔立ちながら禍々しい笑みを浮かべる青年のものに瞬時に変わった。
そして右腕に握られているのは、リリノのものによく似た魔法の羽根ペンであった。
しかしそれは彼女のものと異なり漆黒の羽根、そして毒々しい色をした紫の宝石があしらわれていた。

「あぅ……ぐ、ぐぅぅっ……うぁ…………ま、魔法戦士……な、の?」
掠れた声で問いかけの声が放たれる。
土煙が晴れると、立ち上がったリリノの姿があった。
額や顔のあちこちに擦り傷が出来、全身から響く痛みに顔をゆがめた姿。
荒い息を吐く口唇からは血が零れ落ちていく。
コスチュームも所々破れて、傷ついた肌を晒していた。
ただ立っているだけでも膝が崩れ落ちそうになりながらも、必死に耐えるリリノ。
普段なら身体の中の魔力が瞬時に身体の傷を癒すが、今はその動作がなされない。
先ほど貫かれた胸から、身体の中の魔力をかき乱されるような違和感が全身で感じられた。
591魔法少女リリノ:2011/10/08(土) 14:11:21.58 ID:MGKbORGR
「ほう、立ったか」
感嘆したような声を漏らす青年。
ますます笑みを濃くしながら続ける。
「我が名はゼフィルス。世界に漆黒の帳を下ろす魔術師の一人だ」
「ま、魔術師?」
「知らぬも当然だ。今までは姿を見せずに貴様らが倒していた妖魔を作っていたのだが
貴様ら魔法少女とやらの数も強さも増して作るたびにすぐ壊されてしまう。
であるから罰と、妖魔の材料になる魔力を貴様から得るためこうしてやってきたのだ」
はじめて知る事実に驚くリリノ。
しかし妖魔の黒幕という事実に怒りと決意を胸に言い放つ。
「なら、絶対負けるわけにはいかないわ」
「ははは、よく言う。威勢は良いが、貴様らの正体はただの学生に過ぎぬようではないか
このように軽く罠を張っただけですぐに引っかかる」
「わな?……その男の子をどうしたの!?」
「妖魔を倒せばすぐ被害者の介助にあたる甘い小娘を罠に張るために、事前にこの男を捕らえて
精神を封じた後にまず私を憑依させ、それを魔法で隠した後に改めて妖魔を宿させたのだ。
最後に自我を取り戻した時は驚いたが……もう欠片も残っておらん」
全く気付かなかった事実、そして何より自分を捕らえるために少年が犠牲になったことに歯噛みするリリノ。
「ぜ、絶対に許さない」
今まで感じた事のない怒りに顔を染めて、リリノはゼフィルスを睨み付ける。
「いい顔だ。しかしもう貴様に何が出来る?体内の魔力は、私が流し込んだ瘴気で乱されて集中が出来まい?」
体内に宿された魔力は精神と固く繋がっているので、それを奪い取るためには妖魔もそうであるが瘴気を
対象の身体に流し込む事が必要である。
瘴気は戦いで負った傷から、そして囚われの身になった場合は凌辱を通して流し込まれる事になる。
リリノの胸を貫いた傷から流し込まれた瘴気のせいで確かに彼女の力はぐんと落ちてしまっていた。
それでも魔力をかき集め、必殺の一撃にすべてをかける。

「舐めないでねっ!闇を打ち払う八連の星よ、連なりし魔力の光を悪の化身に叩き落せっっ!」
リリノの詠唱に応えて彼女の前に円を描くように8つの光る魔力弾が浮かび上がる。
「てややあああぁぁぁあああぁぁぁっっ!!」
輝く魔力弾をロッドで弾き飛ばしてゼフィルス目掛けて撃ち込んだ。
着弾の轟音が響き土煙があたりに立ち込める。しかしリリノは手を緩めることなく次々と魔法弾を放つ。
あっという間に8発全て叩き込むと、ゼフィルスの姿は完全に土煙に覆い隠されて見えなくなった。
「はぁ……はぁっ……や、やった?」
顎から汗が滴り落ちる。
熱で浮かされた顔、強引に魔力を集めて必殺の魔法を放ったせいで身体のあちこちが軋み頭がくらくらする。
ゼフィルスに負わされた傷もあわせると今にも倒れこんでしまいそうになるが何とか耐える。
(まだ……やっつけられたと決まったわけじゃない)
相手は恐るべき敵である。
リリノは油断することなく構えを解かずに土煙に包まれた方を見定める。

やがて、晴れたそこには剥がれて砕けたアスファルトが目立つだけでゼフィルスの姿はなかった。
「はぁぁっ……」
大きく息をついて構えを解くリリノ。凛とした表情にも少し穏やかな色が戻った。
(何とか倒せたのか……良かった……)
安堵した瞬間、身体がガクガクと震え始めて思わず膝をついてしまう。
今までの闘いでは感じたことのなかった恐怖の震え。
何とか勝てたものの、一歩間違っていたのならリリノは間違いなく敗北していただろう。
敗北し、ただの女となった魔法少女に待ち受けるのは死をも上回る責め苦である。
はじめて敗北を間近に感じたリリノは、一心不乱に戦っていたときには気付かなかった
とてつもない恐怖を今感じていた。
(……だ、大丈夫、大丈夫だよ梨理乃)
両腕で肩を抱いて自分を言い聞かせる。
初めて感じた死への恐怖、まだ学生である彼女にとってそれは考えられないほど大きな恐怖であった。
瞳は見開かれて、口唇からはせわしなく息が吐かれる。
何とか落ち着きを取り戻そうとする。
しばらくすると、ようやく震えが収まり立ち上がることが出来た。
「ごめんなさい……助けられなくてごめんなさい
死の恐怖から抜け出せた彼女に次に襲い掛かるのは、少年への悔恨の念であった。
敵の手中に落ちていたとはいえ、自らの手で命を断たせてしまった彼の事を想い瞳から涙があふれ出る。
592魔法少女リリノ (終):2011/10/08(土) 14:12:15.62 ID:MGKbORGR
魔法少女といっても一皮向けばただの少女である。
しかしリリノは、脅え、傷つきながらも決して怯むことなく魔法少女として悪に立ち向かい続けた。
だが、その活躍も今宵で終わりを告げる。

「泣かなくてもいいよ」
「えっ!?」
耳元で囁かれるゾッとした声。
振り向くと、リリノのすぐ後ろに傷一つないゼフィルスが立っていた。
(そんな……無傷なんて……!?)
自分の必殺の一撃が全く効かなかったことを思い知らされるリリノ。
あまりの実力差に愕然とした彼女は恐るべき敵に反応する事が出来ない。
「これから魔法少女なんかになったこと、いや、生まれてきたことを後悔するような目に遭わしてやろう」
瞬時にゼフィルスの手に魔法弾が形成される。
リリノのものより遥かに強力な一撃。
それを無造作にゼフィルスはリリノへと放った。
「きゃやあああぁぁぁああぁぁぁあああぁぁっっ!!」
視界を覆い尽くす瘴気の波動を目にしたのを最後に、リリノの意識は途絶えた。


「ぁ……うぁ……」
石造りの部屋に微かな呻きが漏れる。
部屋の中央にリリノは×の字に拘束されていた。
宙に浮いた彼女の足元にとぐろを巻いた触手の塊から伸びた赤黒い触手が手足を締め付けていた。
魔法少女の白いコスチュームは所々破れ、赤く傷ついた肌が覗いていた。
「ぃぁ……う、ぁ……んっ……?」
俯いていた顔が持ち上がり、薄っすらと瞳が開く。
ようやく意識を取り戻したリリノ。彼女はまだ覚めきらない頭で周囲を見渡す。
(ここ……は……?)
ランプの明かりが石壁を照らす薄暗い部屋。
床や壁には赤黒い染みが石を汚している。そしてがっしりとした机がいくつも並び
その上には沸騰する毒々しい色の液体が入った壷や、見たことのない実験器具が並んでいた。

ふと硬い木で出来た扉がゆっくりと開き、ローブに身を包んだ男が入ってきた。
「目が覚めたようだな」
「お、お前は……!」
その姿を目にしてようやくリリノは全てを思い出す。
魔法少女リリノは目の前の男、魔術師に敗れ囚われの身になったのだ。
「さて、お目覚めのところ悪いが自分がどういう状況が理解しているかね?」
「……どこぞの魔術師を名乗るクズに囚われてしまっているようですね」
リリノは自分がすらすらと口に出したことのないそんな汚い言葉を吐けた事に内心驚いた。
しかし目の前の男に負けない強い意志、何にも屈さない心がそれを望んだのだ。
「いい、やはりそういきがってないと楽しめないからな」
魔術師は楽しげに笑って、彼女の側に歩み寄る。

「では、これからじっくりとお前を嬲り、魔力を奪い取ってやろう。我が名は魔術師ゼロルス
お前の真の名はなんだ? 魔法少女リリノとやら」
「教えるわけないじゃないっ!」
この恐るべき敵に自分の正体、高校生「新崎梨理乃」である事を知れたら家族や友人たちも危険に晒してしまう事は
間違いない。
あまりにも邪悪な敵にリリノはたった一人で立ち向かおうとする。
(まだ……死んだわけじゃない。きっと必ずチャンスは来る。それにお姉ちゃんが必ず助けに来てくれる)
ゼロルスに間近から見つめられ、梨理乃としての心は今にも恐怖で泣き出してしまいそうであったが魔法少女としての使命感が
魔術師の責めに耐え抜く事を誓う。
それに彼女の最愛の姉、2つ年上の玲奈が助けに来る事を信じていた。
彼女も魔法少女である。それも梨理乃が憧れるほど強い魔力を持っていた。
だが、小娘でしかない彼女はすぐに知ることとなる。
この世には死よりも辛い地獄があることを
593魔法少女サクラ:2011/10/08(土) 14:15:06.01 ID:MGKbORGR
巨大な怪物はその周りに突き立てられた五柱の光る柱によって動きを押さえ付けられていた。
巨体を捩じらせる度に光る柱から電撃が奔ってその肌を焼く。
魔物の動きを止めたサクラは、ロッドを振り上げ裂帛の声を叫ぶ。
「レイナスウォリーグッ!」
その名は必殺の魔法。
ロッドが振り下ろされるのと同時に、凄まじい魔力が込められた雷撃が天から魔物に降り落ちる。
激しい電流に魔物は身体の奥深くまで焼き尽くされ、断末魔の叫びを上げながら
やがて消し炭となって掻き消えた。
辺りに残ったのは燃えカスの臭いだけであった。
魔物と戦う魔法少女サクラは、敵を討ち滅ぼせた事でゆっくりと息を落ち着かせる。
「もう大丈夫ですよ」
振り向いて優しく呼びかけた彼女の声に応じて、木の陰から一人の少年が姿を現す。
16歳のサクラよりはだいぶ幼く10歳ぐらいにに見える少年、背丈も頭一つほど小柄だった。
魔物と対峙していた時の凛とした表情とは打って変わった柔らかな笑顔を彼に向けるサクラ。
今宵、魔物に追われていた少年の危機をサクラが救ったのだ。

「君もこんな夜遅くに出かけちゃいけませんよ。さぁ、お姉さんが家まで送ってあげますから」
「お、お姉さん! 実は大変な事が――」
桃色のロングへアに整った顔立ちのサクラに見つめられて、思わず心を高ぶらせてしまう少年であったが
急に思い出したことを口にする。
塾からの帰り道を小高い山の中の公園を抜ける近道をとって進んでいた少年は、その山の中で先ほどの怪物
が女性を責め嬲っていたのを目にしてしまったのである。
そして魔物に気付かれてしまい追われていたところをサクラに窮地を救われた。
「その女の人はどんな人でしたか?」
彼の話を聞いたサクラは真剣な顔で尋ね返す。
「僕より2,3才上ぐらいの人で、金髪の髪の色だったよ。……あの怪物に酷い事をされてとても苦しそうだった」
少年の話を聞いたサクラは顔を翳らせる。
彼女はこの街で消息を絶った魔法少女リイナの捜索のために派遣されてきたのだ。
年恰好からは捕らわれの少女はリイナかもしれない。
「その人をわたしは助け出したいんです。……君の事は絶対守りますからわたしをその人のいるところまで
案内してくれませんか?」
恐ろしい目に会ったばかりの少年を、更なる危険が待ち受けるかもしれないところに連れて行くのはサクラに
とってとても心苦しい事だった。
「うん、わかった」
だが少年はそんなサクラの逡巡を意に介さずに笑顔で応じた。
そして彼女たちは暗い闇に閉ざさされた山へと踏み込んでいく。

少年に案内されてサクラは山の中の少し開けて草地になった所の側に到着した。
そして木の陰からそっと覗くと、草地の中の公園の設備である東屋の柱に×の字に少女が縛り付けられていた。
金髪に小生意気そうな顔立ち、それは魔法少女リイナのものだった。
見つけ出せた事でホッとするもののリイナの無惨な姿に口に手をやって驚きを露わにするサクラ。
リボンで結ばれていたはずの金髪はぼさぼさに乱れ、白濁液がこびり付いている。
何も身に着けていない身体も白濁液で汚れ、小刻みに震えていた。
何よりも酷いのはその股間からとめどなく白濁液が流れ続けている事だ。白濁液─魔物の精液がどれだけ彼女の中に
注ぎ込まれてしまったのであろう。
ツリ目がちな瞳は虚ろな光を帯び、口元が微かに動いているが遠くからはその声を聞き取ることは出来なかった。
魔法少女を破り捕らえた魔物は、その精神に宿した魔力を奪い取るために凄まじい凌辱を浴びせる。
リイナの今の姿こそ、それを一目で理解できる哀れなものであった。
594魔法少女サクラ:2011/10/08(土) 14:15:41.89 ID:MGKbORGR
「君はここにいて。絶対に動かないで下さい」
周囲に魔物の姿は無い。しかし、先ほどの魔物程度にリイナが敗れたのは思えずサクラは慎重に行動しようとする。
少年を隠れさせたまま、ロッドを構えたサクラは開けた草地に足を踏み出した。
周りに目を向け、魔物の襲撃に備えながらサクラはゆっくりとリイナに近づいていく。
傍らまでよるとリイナは触手で東屋に拘束されているのが見て取れた。
しかしその触手は拘束以外の役目の無い弱いものであった。サクラが近づいても何の反応も見せない。
遠くでは聞き取れなかったリイナの声がようやくサクラの耳に届いた時、彼女は悲しげに顔を歪めた。
「……た……ぅ……けて…………サ、ク……ぁ、……ぉ、ねえ……さ……ま……」
繰り返しサクラに救いを求め続けるリイナ、その瞳は虚ろな視線を彷徨わせるだけですぐ側のサクラを捉える事は無い。
サクラを慕い続け、サクラ自身も妹のように思っていたリイナの無惨な姿に彼女の心は張り裂けんばかりの悲しみに満たされる。
「レイグ!」
ロッドから放った火炎弾で触手を焼き払うと、拘束が解けて倒れこんだリイナを優しく抱き止める。
「リイナさん! しっかりして!」
あまりにも軽いリイナの身体、その肌のべっとりとした精液の感触とあまりにも冷え切った体温がサクラに伝わる。
彼女に少しでも温もりを与えようとその身体をギュッと抱き締めるサクラ。

「遅くなってごめんなさいっ。……辛かったよね」
サクラは潤いを失った髪を撫でてリイナに呼びかける。その瞳からは自然に涙が溢れ出して頬を伝い落ちていく。
するとリイナの瞳が僅かに光を取り戻してサクラの顔を見上げた。
「ぁ…サクラ……おねぇ……さま」
「リイナさんっ!」
見つめあう二人。
するとリイナは消え入りそうな声でサクラへ語り始めた。
「リイナは……負けて、いっぱい……いっぱい……犯され、まぃたぁ……」
熱にうなされた様な声を上げるリイナにサクラは戸惑う。
だがリイナはそのまま語る事をやめない。
「サクラお姉さまに、何度も……何度、も……助けてって、いぃまひたぁ。でも、サクラお姉さまは……
……助けて……くれませんでした」
「り、リイナさん……?」
気だるげな笑み、どこかおかしい表情でリイナは呟き続ける
「リイナは……泣き叫んで……ご主人様に許しを乞いました。……でも、ご主人さまはぁ……許してくれなくて
……とうとう、リイナは壊されちゃひまひたぁぁぁぁ」

「えっ!?」
口を大きく「あ」の形に開いたリイナ。
次の瞬間、その身体がどろりと溶け出した。
そして目も鼻も姿を無くし、輪郭すら定かでなくなった粘液がサクラの身体を覆っていく。
「きゃぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁっっっ!!!???」
歴戦の魔法少女と言えども何が起こったかまったく分からなかった。リイナだった粘液はサクラの身体を粘つかせ、地面との間に
ねっちりと密着して動けなくする。
ロッドを落とさないことしかサクラは抗えずに、その魔法少女としてのコスチュームが緑色の粘液に覆われていく。

混乱を続けるサクラの瞳に、こちらに歩み寄る少年の姿が見て取れた。
思いもしない窮地に陥った彼女は少年を制止しすぐに逃げるように声を上げようとした。
だが少年の背後に現れたもうひとつの人影に、サクラは驚愕する。

「り、リイナさんっ!?」
それは紛れも無いリイナの姿だった。
何も身に着けていない裸体だが、しっかりと立って少年に続いてサクラの元に近づいてくる。
動揺し続けるサクラに少年が語りかけた。
「サクラお姉ちゃん。今お姉ちゃんに抱き付いているのは紛い物、こっちが本当のリイナお姉ちゃんだよ」
そう言って後ろに立つリイナを指差す少年。
「でも紛い物が言っていたことは本当だよ。リイナお姉ちゃん、僕に魔力を全部奪い取られて最後はその精神も
完全に壊れちゃったんだ、その魔力を元に作ったのがさっきの紛い物だよ。そしてこのリイナお姉ちゃんは僕に
服従するように精神を作り直した存在さ」
「くっ! 貴方は何ですかっ!?」
無垢な仮面を捨てて黒い笑顔を浮かべる少年にサクラは問う。
邪な存在だとは全く気付かなかった己の迂闊さを悔やみ、そしてそれを隠し通していた実力にサクラは
心の中で僅かに恐れを抱いた。
595魔法少女サクラ
「僕は“魔女喰い”。お姉さんたち魔法少女の天敵さ」
「魔女……喰い……?」
全く聞いたことの無い言葉に戸惑うサクラ。
「魔物を使役して、お姉さんたち魔法少女を犯し喰らう存在さ。魔法少女の泣き叫ぶ声は僕の本能に語りかけて
とっても楽しくなるんだ。サクラお姉さんはどこまで楽しませてくれるかな?」
無邪気そうな笑顔を浮かべる魔女喰いの姿に、少年の姿であるがそれが全く相容れない敵であることを思い知った
サクラは凛とした視線で睨みつける。
「どんなことをされてもわたしは屈しません。必ず、貴方を倒してリイナさんを救ってみせます」
その返答に少し驚いた後で、とても楽しそうな笑みを浮かべた魔女喰いは傍らのリイナに語りかける。
「だってさ、リイナお姉ちゃん。楽しみだね」
「ええ、ツンと澄ましたサクラお姉様がどんな声でご主人様に許しを乞うのか、今から楽しみです」
リイナが声を上げたことにハッと一瞬喜んだものの、口にする言葉からその精神が完全に魔女喰いに
服従してしまっている事を悟りサクラは心の中で彼女を救う意志を固くした。

「さてサクラお姉ちゃん、リイナお姉ちゃんが凌辱で吐き出した魔力で作り出されたその魔物の責めにどこまで
耐えてくれるかな」
スライム状の魔物から染み出す粘液には凄まじい催淫効果があった。コップ一杯ほどで25mプールに入った女性
全てに発狂するほどの快楽をもたらす激しいものである。
サクラが纏う魔法少女のコスチュームにはあらゆる魔物の牙に耐えるだけの強靭さがあったが、それでも粘液は
少しずつその衣を蝕み、サクラの肌に染み透っていく。
サクラのコスチュームは白色を基調としたシンプルなものであった。肌を覆う手袋とニーソックス、そしてレオタード状の
衣が首筋から股先まで覆っている。その純白の絹布の上を鮮やかな金色の糸が麗しい模様を象り、左胸の部分には桜の
花びらを象った刺繍が施されていた。
しかし今はその清純と高貴な印象を放つ衣は、毒々しい緑色の魔物に覆われてしまっていた。

衣を染みとおった粘液でジュクリと濡れてしまった布の気持ち悪さにサクラは眉をしかめる。
着心地のよかったコスチュームが次第に侵されていく感触、サクラは逃れようとするも足先のブーツから地面までを覆った
粘液は粘ついた固さを持っており、なかなか動かす事が出来ない。
ロッドを握る右腕もスライムに覆われほとんど動かせずに、ロッドを振るう事すら出来なかった。
そうこうしているうちに、粘液の淫らな毒はサクラの白い肌からその中へと染み透っていく。
「……ぃっ!」
思わず喘ぎを漏らしそうになり、唇を強く噛み締める。
子宮の奥底から湧き上がる熱い疼き。
それは彼女の身体が粘液に侵され始めたことを意味していた。
快楽の疼きは下腹部だけでなく、サクラの理知的な頭にも渦巻き始める。
瞳は自然に潤んでしまい、口唇の間からは熱い吐息が漏れてしまう。
快楽の炎は魔法少女の魔力を蕩けさせ、吸い出しやすくさせることになる。
サクラは必死に耐えようとするがその抵抗は無力なものになろうとしていた。

「ねぇ、サクラお姉ちゃんはオナニーとかよくするの?」
「うぅっ……あ、ぅっ、し、しません、そんなことっ!」
「へぇ、そうなんだ」
性的なことには潔癖で疎いサクラは自慰の経験はほとんどなかった。
すると魔女喰いは猫撫で声で続ける。
「リイナお姉ちゃんはかなりオナニーが好きだったみたいだよ。それも愛するサクラお姉ちゃんを思ってしていたんだって。
……リイナお姉ちゃん、サクラお姉ちゃんに教えてあげなよ、その気持ち良さを」
「はい、ご主人様」
隷属したリイナは魔女喰いの指示に従って、サクラに歩み寄るとその背後からぴったりと身体をくっつける。
スライムを押し退け、背中越しに感じるリイナの薄い胸。
サクラはその肌の触れ合いの感触に疼きをますます昂ぶらせてしまう。
「ぃぁっ、り、リイナさんっ!?」
「だいぶじゅくじゅくしていますね。これ、みんなサクラお姉さまの愛液ですよ」
スライムに覆われていないサクラの股に手をやるリイナ。
膣穴を探り、肌を擦るように指が動いていきぐちゅぐちゅと音が立てられる。
その指の動きでさらに愛液の分泌が増していく
(わたしの身体、お、おかしいぃっ)
抑えきれない快感に恐れを抱くサクラ。
その口元にリイナが愛液で濡れた指を伸ばした。