【俺の妹】伏見つかさエロパロ19【十三番目のねこシス】
「そこまでしてもらうのは恐れ入るんだが、大丈夫かよ。要はズル休みじゃねぇか」
あやせの母親は厳格なPTA会長様なんだが、そんな魔王の目を欺くなんて簡単じゃないだろうに。
それに所属事務所をどうやってごまかしているんだろう。
こいつにも色々と謎の部分があるよな。とにかく、女ってのは存在自体がミステリアスだ。
『それについては、今回もモデルの仕事でそっちに行くことにしています。最近、父母は忙しいので、それ
以上の詮索はしないでしょう。なにぶんにも、わたしは、普段、学業でも仕事でも一定水準以上の評価を
受けていますし、学校では品行方正な女生徒ということになっていますから』
「そうかい……」
桐乃みたいに表の顔は優等生というわけか。だから、多少のイレギュラーな行動も大目に見てもらえるん
だな。
美人で、(表面上は)人当たりがいい。成績もそこそこだとなれば、親も学校も甘くなるだろう。
今までのモデルとしての実績があれば、所属事務所だって多少のことには目をつぶるのかも知れねぇ。
『それから、当日ですが、メールにも書いたように駅までのお出迎えは結構です。お兄さんも都合があるで
しょうし、わたしも駅からさっさとタクシーに乗った方が迅速に移動できます。そうすれば、お兄さんが
下宿に着いて一息ついている頃合いに、わたしも到着できますから』
あやせって、黒猫とは違った意味でドライだよな。全然デレてくれねぇ。この前のキスだって、ありゃ逆
レイプみたいなもんだ。
だが、ドライなこいつの言うことは、いちいちごもっともだな。正直、多少はムカつくけどよ。
「それならそれでいいや。だが、念のために確認しておきたいが、着物の着付けは大丈夫か? 何時間も掛
かるようだったら困るからな」
『お兄さん、わたしは一応はモデルです。着物の着付けも一通りの心得がありますから、ご心配には及びま
せん。一時間もあれば、髪を整え、着物の着付けをするのに十分です。第一、私が着物を着ていたのを、
去年のお正月にお兄さんも見たんじゃなかったんですか?』
「そ、そうだったな……」
ヤブヘビだった……。
そういや、麻奈実と初詣に行った時、着物姿でモデルやってるあやせを見たじゃねぇか。
『とにかく、当日は迅速な行動を第一とします。身支度は手早く済ませて、できるだけ早く、お兄さんの
同級生の家に向かいたいですから』
「何で? お前、保科さんのこと、嫌いなんじゃなかったのか?」
『ええ、嫌いです。彼女がお兄さんに興味を持っているのが嫌なだけでなく、雰囲気が気持ち悪いんです』
「気持ち悪いって、言い過ぎだろ、そりゃ」
だが、今日の川原さんは、笑顔の保科さんと目を合わせたら、急に気分が悪くなったとか言っていたな。
保科さんの笑顔に嫌とは言えない強制力みたいなもんがあるのは俺も感じるが、それは決して不快なもん
じゃない。
少なくとも、俺にとっては。
『鈍いお兄さんのことだから、彼女の気持ち悪さなんか分からないんでしょうけど、相当なもんですよ、
あれは』