アンキロサウルスヤミー撃破後……
後藤「里中。さっきはどうして来てくれなかった?」
里中「寒そうだったんで」
後藤「………」
里中「私がいないおかげで後藤さん目立てましたね。ブレストキャノンシュー、って。良かったじゃないですか」
後藤「確かに初ヤミー撃破だった。じゃない。そんな事はどうでもいい。しかし、どうしていつもそうクールなんだ?」
里中「前にもいいましたけど、ビジネスですから」
後藤「本当に、何というか……。そういえば、お前の笑顔を俺は見た事がない」
里中「何言ってるんです? 今回の出勤の時に笑いましたよね?」
後藤「違う。あんな勝ち誇ったフッ…みたいな笑いじゃない。声を出して笑った所だ。お前、笑えるのか?」
里中「当り前じゃないですか。わざわざ後藤さんに見せるものじゃないですけど」
後藤「里中の……大笑い……」
シュッ…チャリーン…
里中「後藤さーん? どうしたんですかー?」
後藤「…………見たい」
里中「は?」
後藤「里中、君の笑顔が見てみたい」
里中「……ちょっと引きまーす」
後藤「見せてくれ」
里中「イヤです」
後藤「どうしてもか?」
里中「どうしてもです」
後藤「………」
里中「………」
後藤「……里中」
里中「何ですか?」
後藤「俺は俺の欲望を解放したいと思う」
里中「寝言は寝てから言った方がいいと思います。あ、そろそろ今日の業務終了時間」
後藤「うおおおおおおおおおおお!!」
里中「えっ!?」
ガシッ!!
里中「ちょ、後藤さん、何?」
後藤「はっはっは! 後藤さん里中君より弱いじゃーん、などとよく言われているが、単純な力勝負ならやはり俺に分があるな!」
里中「後藤さん! 急に、どう、したんですか? 離して、くだ、さいっ!」
後藤「どうもしていない! 俺は気になった事はとことん追求しないと気が済まない! それだけだ!」
里中「くっ…! こ、鴻上会長に言いつけますよ?」
後藤「会長ならこう言うだろう! 『さらに一皮むけた後藤君!ハッピ!ハッピ!ハッピバースデイ!』とな! 覚悟しろ、里中!」
里中「覚悟って何をする気……きゃあっ!?」
コチョコチョコチョ…
里中「いやっ、くすぐらないで!」
後藤「いくらお茶の間の皆さんを虜にする無敵超人のお前と言えど、俺のこのショベルアームにはかなうまい!」
里中「くっ、あふっ、うっ……」
後藤「さあ、笑いたいという欲望を無理に抑え込む必要はない! 笑え! 笑うんだ里中!」
里中「やめて、ふふっ、くくくっ……」
後藤「むう、なかなかにしぶといな。さすがは里中だ。だが、俺はあきらめんぞ!これならどうだ!?」
里中「あうっ! ひゃああっ!? ま、待って! そこは、そこはダメっ!」
後藤「なるほど、ここが弱点だな? 敵の弱点を突くのは基本中の基本だ! 引き続き連続攻撃に入る!」
里中「あんっ! ああああっ! やめてっ、あうっ、あん、あんっ! ひぃ……」
後藤「ここをこうすれば効果があるというのも、成人男子用マニュアルで読んだことがある!」
里中「ひぃあ、くぅっ、はぁん! やめっ、くうっ、ひあっ!」
後藤「よし、そろそろトドメに入る時だ! スキャニングチャージ! うなれ、俺のドリルアーーーーーム!!」
グリグリグリグリ…
里中「あっ、ダメ! あっ、あっ、あっ! あーーーっはははははは!!」
後藤「おおおおおお! ついに、ついに夢にまで見た里中の満面の笑顔が!」
里中「あんっ! ああっ! やめてっ! あははははは! あーっはははははは!!」
後藤「うおおおおおおお! 可愛い! 可愛いぞ里中! 映像を皆さんにお届け出来ないのが残念で仕方がない!」
里中「いやあああああっはっはっは! きゃははははは! やめてぇ!」
後藤「よし! 隙を逃さず追撃に移る! セルバースト! 再びショベルアーム、フルパワー!」
コチョコチョコチョ…
里中「いやあああああああっ! ひーっひひひひひひ! 死んじゃうぅ!」
後藤「大丈夫だ! 安心しろ! 死ぬことはない! 俺は引き際は心得ている男だ!」
里中「ひぎぃ! いやぁ! あう! あんっ! はぐっ! あああああっ!」
後藤「うぉ! 里中。今さらだが、なかなかにお尻のヴォリュームがあるな」
里中「やめて! いひひひひひ! きゃはははは! ひぎいひひひひひひ!」
後藤「だが、そんなに俺のシンボルに押し付けないでくれ。フルバーストしてしまう可能性が7割だ」
里中「あっ! あっ!ああん! いやああ! ひぃぃぃぃ!」
後藤「そうだ、もっとだ! もっと見せてくれ里中! 君の笑いを! 心からの笑顔を!」
里中「いやぁぁっ! やめて! やめてやめてやめてぇ! もうやだぁ! きゃあっはっはっはぁ!」
後藤「ああ、里中! 俺は、俺は!」
里中「もうやめてぇぇぇぇぇぇ! 助けて! 後藤さん助けてぇぇぇぇ!!」
シーン…………
後藤「……………あ………?」
里中「後藤……さん? う……けほけほけほっ!」
後藤「俺は、何を……?」
里中「グリードの……仕業?」
後藤「ん……うおっ里中!? この体勢は、何が、どうしたんだ!?」
里中「ホッ。……コホン。暑苦しいんで、そろそろ離れてもらえます?」
後藤「あ! す、すまん!」
バッ!
後藤「さ、里中……。俺は一体、どうしたんだ?」
里中「何も覚えてないんですか?」
後藤「ああ。……ただ、何かとんでもないことを君にしてしまったような気が……」
里中「後藤さんが立ちくらみを起こして転びそうになったから、しょうがなく私が支えただけです」
後藤「……それは、本当か?」
里中「何で私が後藤さんのためにいちいち面倒な嘘をつかないといけないんですか?」
後藤「あ、ああ……。そうだな。そうだったのか。ありがとう、里中。」
里中「別に。あ、でもせっかくなんで」
ゲシッ!
後藤「うおっ!? お、おい! どうしていきなり蹴るんだ?」
里中「後藤さんのせいで定時過ぎちゃったんで、そのお礼です。それじゃ」
後藤「…………。待て、里中」
里中「何か? 私早く帰りたいんですけど」
後藤「言おうかどうしようか迷ったんだが……一応な」
里中「だから何ですか?」
後藤「今の蹴りの時に見えてしまったんだが、下着が濡れていた」
里中「っ!?」
後藤「風邪をひかないように、早く帰って着替えた方が良い。って、おい、ちょ、待って」
バキッ!ドシャッ!ズギャッ!ガツッ!ゴリッ!ギュイーーン!!
メズール人間態「ふふっ。なかなか面白い見世物だったわねぇ、カザリ」
カザリ人間態「ふぅ。残念だけど、僕には君の趣味が理解できないよ」
メズール人間態「あら、そうかしら? 普段ツンケンしてる女の子が我を忘れる姿って、素敵じゃなぁい?」
カザリ人間態「…………」
メズール人間態「カザリ?」
カザリ人間態「それってもしかして、君にも当てはまるんじゃないかなぁ(ニヤリ)」
メズール人間態「え? ……ちょっと待ちなさいカザリ。そんな手つきで近づいてこないで!」
カザリ人間態「僕も見てみたくなったよ、君の満面のえ・が・お」
メズール人間態「ちょ、やめ、やめて! きゃあああああああっ!!」
その後、後藤さんとメズールがどうなったかは御想像におまかせします。
おしまい