天を向いて硬くなった陰茎を握り、少しばかり腰を引いてその場所に誘導する。
そして、我慢汁が出ている亀頭の先を真朱の割れ目へと当てた。
真朱が「んっ」と声を上げる。
まだ挿入はしていない。当てただけだ。
挿入はせずにそこからゆっくりと上になぞっていく。
同時に真朱が「んんんっ」と声を漏らす。
真朱の陰唇の柔らかさ、粘膜のヌメリが亀頭を襲う。
最上部一歩手前、クリトリスの前まで行ったら今度は下へと戻っていく。
そして、下まで行ったらまた上へと緩急をつけつつ、何度も往復させる。
その度に真朱は「んんんっ」と声を漏らす。
真朱の大陰唇が亀頭を挟み、自分と真朱の愛液が擦る度にくちゅくちゅと音を立てる。
その卑猥な光景に否が応でも興奮が高まる。すぐにでも挿入《い》れたい。だがまだもうちょっと我慢だ。
「ん、んっ、公磨。もっと上までお願い」
「上?」
もちろん真朱が言いたいことはわかっている。ちょっとした意地悪というか焦らしだ。
「えーっとなんて言ったっけ。クリトリス?」
「…………」
「あれ? 違ったっけ?」
「……合ってる」
「んじゃクリトリスまでお願い」
「……わかった」
「? どうしたの?」
「いやなんでもない」
わかってはいた。真朱がこういう性格だっていうことは。
恥じらいやら戸惑いみたいなものを期待してしまった自分が馬鹿だった。
心の中でちょっとため息をつく。
「公磨」
「なに?」
「早く」
「ああ。わかった」
気を取り直して陰茎を掴み膣口付近へと押し当て擦り上げていく。
そして、真朱の望み通りに充血し顔を出している小さな突起物へと亀頭を当てた。
瞬間、真朱の身体がビクっと跳ね
「ぃやぁんっ!」
と、背筋がゾクゾクするほどの色っぽい声を上げる。
その声と亀頭の刺激で危うくイクところだった。
ふぅ、と小さくため息をついて気持ちを落ち着けると陰茎での愛撫を再開する。
クリトリスに亀頭を押し付けたあと、そこから裏筋、竿部へと動かしゆっくりと擦る。
「あっ、あっ、あっ、あああ――」
真朱の感じる声が耳に届く。
竿部まで行ったら今度は引いて、亀頭まできたらまた擦り上げて、と何度も何度も前後に動かす。
恥丘の柔らかさ、陰核の突起、愛液のヌメリ、それらの刺激がたまらない。
それらをもっと強く、深く、味わいたくより強く押し付けて擦り上げていく。
「んっふっ、ん、あっ、あっ、んふっ――」
真朱の表情は弛緩しきっており感じているのがよくわかる。そろそろ絶頂も近いのではないだろうか。
このまま続けるとこちらも射精してしまいかねない。
三発目もできなくはないだろうがちょっとだけ不安もある。一発目でかなり出してしまっているからだ。
なので名残惜しいが擦り上げるのを止めた。
「んっ、ふぅ、ん? な、なんで止めちゃうわけ?」
真朱の顔は上気し、とろんとした目で尋ねてくる。
「……悪い。ちょっとイきそうだったから」
「イきそう……って、なんでそれで止めるのっ!? いいじゃんイけば! あたしもイきそうだったんだけどっ!」
公磨はその直球な物言いに苦笑しつつ「悪い」と謝る。
「『悪い』じゃなくてちゃんと説明してくれない!?」
「ああ、男ってのは精子を出すって教えただろ? それで精子を出しちまうとすっきりしちゃうんだよ」
「すっきりすればいいじゃん」
「そうじゃなくてすっきりしちゃうとチンコが勃ちにくくなって、イきにくくなるんだよ」
「? どういうこと?」
「だから今俺のチンコ勃ってるだろ? すっきりするとそれが縮んじゃって真朱の中に挿入《い》れられなくなっちゃうの」
「ん? でもさっきすっきりしたじゃん。あたしの口に精子出したのに大丈夫だったじゃん。今もそんなだし。それに縮んだところあたし見たことない」
「体調や気分に左右されるけど一回くらいなら大丈夫なの。だからってそう何回も出せないんだよ。だからごめん。そろそろ中に挿入れさせてほしい」
真朱は「むー」と膨れっ面をして納得いってないようだったが渋々「わかった」と言うと
「けど後で縮んだちんこ見せて」
と、頼んできた。
「ああ、そんなのいくらでも見せてやるよ」
「やった。楽しみ」
「楽しみ?」
「その棒みたいなのがどんなふうになるのか想像つかないし」
「そんな大したものじゃないけどな」
「それでも楽しみ」
「はいはい。んじゃそろそろ本番にいっていいか?」
「うん」
ちょっと間ができたおかげでチンコにずいぶんと余裕が出来ていた。チンコに余裕というのも変な話ではあるが――。
勃起した陰茎を掴み、真朱の膣口部分に当てる。
「わかってるとは思うが――」
チラリと目線を真朱の顔へと向ける。
「痛かったら言えって言うんでしょ? わかってるって」
「それじゃあ行くぞ?」
「うん」
先端がすべって逸れてしまわないようにしっかりと固定し、ゆっくりと腰を前へと突き出していく。
陰裂を押し開くぷにっとした感触のあと僅かに抵抗を感じる。まだ亀頭の先端部分が入った程度だ。
少しだけ力を加えてみる。
「っ……」
真朱の表情がほんの一瞬だけ歪んだ。
それは本当に瞬間的なもので今はそんなことはなかったかのように平然とこちらを見ている。
そして、あまりにこちらが真朱を見ているので真朱が
「……なに?」
と、口を開いた。
「痛いんだったら言えよ」
「べつに平気だってば!」
「本当に?」
「本当に」
少しだけ腰を前に出す。
「っ……」
「やっぱり痛いんじゃないか」
「こんなのディールに比べれば全然平気!」
ディールでの傷はすぐに治るんだろうけど、こういうのは別ですぐには治らないんじゃないだろうか。
「だけど――」
「だけどもなにもない! あんたのミスで受ける攻撃のほうがよっぽども痛い!」
「それはっ……確かに悪いとは思う。けど最近は結構いい感じになってきてると自負してるんだけど」
「まだまだ全然なってない」
「そう、だけど……って、それは今は関係ないだろ!」
「と、に、か、く。大丈夫だから続けて」
続けてと言われても真朱が痛がるのは嫌だ。それがまして自分が直接真朱に痛みを与えるなんてことはできない。
「公磨だって挿入れたいんでしょ?」
「そりゃあ挿入れたくないっていったら嘘になる。けど――」
「あたしなら大丈夫だから。それに好きな人同士でやるせっくすを最後までしたい。あたしがしたいんだから問題ない。だから挿入《い》れて」
真朱の口から『挿入れて』という言葉が漏れた瞬間、脳天に雷でも打たれたような衝撃を受け股間がピクっと跳ねた。
ヤバイ。実にヤバイ。女の子の口から挿入れてなんて言われてしまったら挿入れないわけにはいかない。これで挿入れなかったら男じゃない。
だが――。
「公磨。お願い……」
真朱は強気の表情から一転、哀願するような顔になる。
「ぐっ……」
真朱が痛がるのは見たくないが、でも、それでもここまで頼まれたら断れない。
「公磨……」
「……はぁ、わかった。俺も挿入れたくてしょうがないのは認める。だから挿入れる。いや挿入れさせてもらう」
「やった!」
さっきのしゅんとした怒られた子猫のような表情から、またも一転、実に嬉しそうに破顔する。
さっきのは演技だったのか? と勘ぐってしまうが真朱がそういうことができるとも思えない。
「さ、挿入れて」
そのあっさりした物言いに複雑な気持ちが沸き起こる。
痛いのは嫌じゃないのだろうか。それとも挿入れてもらえるのがそれ以上に嬉しいのだろうか。
よくわからない。
「……わかった。でも途中で止めて欲しかったらいつでも言えよ?」
「うん。でも平気。だから早く」
そうは言うがやはりゆっくり丁寧に挿入れないといけないだろう。
一連のやりとりで離れてしまった陰茎を掴み、再度真朱の割れ目へと押し当てる。
「いくぞ」
「うん」
さっきと同じように陰唇を押し開き、前進させる。そして、やはり先ほどと同じところで抵抗を受ける。
真朱を見る。
と、真朱もこちらを見ていた。真朱は覚悟を決めた顔をしている。
「……続けて」
真朱が覚悟を決めているのにこちらが決めないわけにもいかない。
「真朱。リラックス。身体から力を抜いて」
「ん。わかった」
と返事をするものの、どうにも気を張りすぎているようで思うように力が抜け切っていないのがわかる。
「真朱。深呼吸。深く吸って……そして吐いて。もう一度――」
真朱に何度も深呼吸をさせ、ある時、吐く息に合わせて腰を少し前に進めた。
「っ……」
真朱の身体が露骨に反応する。
「力を抜いて。ゆっくりいくからな。もう一度深呼吸」
真朱の薄い胸が上下に動く。
バストの大きさはないがそのスレンダーな肢体にはエロさを超えた美しさがあるように思える。
そんな真朱に見惚れつつも真朱の呼吸に合わせて少しずつ腰を進めていく。
しかし、正直言うと進んでいるのかどうかわからないほどだった。真朱の身体が逃げているようにも思える。
そんな一進一退の焦らされるような展開が続いたある時、より強い抵抗を受けた。
真朱の顔が露骨に歪む。
「……っ。もうなんかよくわかんない。痛いのは痛いんだけど。こんな状態に嫌気がさしてきた。一気にお願い」
「いいのか?」
「いい」
固い意志を持った目で見据えてくる。揺ぎ無いようだ。こちらも答えないわけにはいかないだろう。
「……わかった」
例えが適切かどうかはわからないが、注射針を刺すのでもなく離すのでもなく皮膚の上でチクチクとされているようなものなのだろうか。
その注射は結局しなくちゃいけないのにイタズラに恐怖と痛みを煽るようなことをされている気分なのかもしれない。
「真朱。いくぞ」
「うん」
その返事と同時に気持ちを引き締め、一気に腰を前に出した。
プツっとした感触と共に亀頭が、陰茎がぐにゃぐにゃとした膣内へと押し進んだ。
「つっ……」
真朱は痛みに耐えるように固く目を閉ざし歯を食いしばっている。
さらに両手はシーツを握り締めていた。
「……真朱。大丈夫か?」
大丈夫じゃなさそうなのは明白だがそう声をかけてしまう。
「ぜんっぜんっ平気!」
そう強がる涙目な真朱の姿が愛おしくて胸が締め付けられる。
「…………」
なんて声をかけたらいいのかわからなく、ただそうしたいと感じるままに身体を倒し真朱に口付けをした。
「んっ……」
差し迫った自分に一瞬真朱は目を見開き驚いていたようだが、すぐにこちらのキスに応えて唇を預けてきた。
だがそのキスも痛さ故か、妙なぎこちなさがある。
「んっ……ふぅ……」
舌で口内を丁寧に犯し、唇を軽く啄《つい》ばむ。
キスを続けているうちに真朱はこちらの背中に手を回してくるほどまでになり、少しずつ身体が弛緩していくのがわかった。
「……ん、真朱。痛いか?」
片手をベッドについて身体をささえて顔を離す。
「……んー痛い。けど平気」
「さっきから思ってたが平気ってどういうことだ?」
平気とは思えないような表情だった。
「痛いけど平気」
「それはそんなに痛くないってことか?」
「うーん。うまく説明できないけどとにかく大丈夫。公磨とせっくすできたのが嬉しいってこと」
真朱は、そう言ってにこやかに笑う。
それは痛みによって若干歪んではいたが紛れもない本心からの笑顔だった。
「そうか……。俺も真朱とこうしてるのが嬉しいよ」
「それじゃあたしと同じくらい好きってことかな?」
「たぶん。いや俺のほうが好きかも」
「それはない。あたしのほうがいっぱい好きだね」
少しは痛みが和らいできたのだろうか。言動の端々に余裕が出てきているのがわかった。
そうするとこちらにも余裕が出来るもので今まで意識していなかった股間の感触に気がつく。
真朱の膣内は柔らかい肉が押し合い圧し合い、絡みつくように陰茎全体を包み込んで締め付けてきている。
これは動かしたらさらに気持ちよさそうだ。だが今すぐそんなことをすれば真朱が痛がるのは明白だ。それはできない。
意識的に我慢しないと自然と腰が快感を求めて動いてしまいそうだった。
「どうしたの? 突然黙っちゃって」
「……何でもない」
とにかく今は一刻でも早く真朱の痛みを取り除くのが先だ。
取り除けるのかはわからないが痛みを紛らわせなくては――。
真朱の口にソフトキスを一回すると、その唇を横へとずらし真朱の耳へと持っていく。
「あっ……」
真朱の尖った小さな耳を上唇と下唇で摘む。
さらにその後舌の先端を使って表面をなぞるようにゆっくりと耳の中まで刺激していく。
「ん、ん〜〜〜〜。なに、それ。ゾクゾクする」
逆側の耳にも手を伸ばし、同じようにソフトタッチをする。
ある程度指で耳を犯した後、尖った耳の先端に指先を合わせ、そこから皮膚の表面をなぞって首筋まで滑らせていく。
指先にチョーカーが触れる。少し邪魔だ。
「いっ、ん〜〜〜〜〜」
真朱の言葉にならない震える声が響く。
指は首筋で止めずさらに下、膨らみのない乳房へと降ろしていく。
そして、焦らすように乳首をよけつつその周りを、円を描くようにクルクルと動かす。
さらにそれから右へ左へと、まるで∞という字を真朱の胸の上で描くかのように指を移動させる。
もちろんその間も耳を舐め、首筋にも舌を這わせることも怠らない。
真朱の呼吸が乱れ始め、時折上げる声に艶が帯び始めている。
徐々に痛みが緩和されていっているようだった。
「き、公磨」
「……なに?」
「キスしたい」
「ん、わかった」
軽く突き出した真朱の唇に自分の唇を重ねようとした時、
「やぁんっ!」
と、一際大きな声を出し真朱の身体が浮いた。
胸を触っていた手が乳首に触れたのだ。
そのコリっと自己主張した乳首の感触と真朱の反応をもう一度味わいたくて、再度乳首を触る。
「ぁんっ! ちょ、ちょっと、キスぅん!」
さらに今度は趣向を変えて掌の表面、薄皮一枚で、尖った乳首の先端をゆっくりと擦る。
そうすると真朱の固くなった乳首が掌の腹で前後左右、形を変えて倒れるのがよくわかる。
「くっうぅぅぅぅぅんっ〜〜〜〜」
最後のほうは声にならないようでただ喉を鳴らしているだけだ。
乳首を攻める手を止める。
すると真朱が非難めいた目をし、乱れた呼吸のまま口を開こうとしたのでその口をすかさず自分の唇で塞いだ。
真朱としてはよほどキスをしてもらいたかったのだろう。
キスをすると『よろしい』とばかりに目元を緩め、求めるように唇を動かしてくる。
乳首を転がしていた手を胸に押し付けた。
真朱が「んっ」鼻で声を漏らす。
ただ触っただけなので、それ以上漏れる声はなくキスは続く。
真朱の胸はほとんど平らではあるが、やはりそこは乳房なので僅かながらの脂肪はある。
そのほんの少し、あるかないかの膨らみに手は沈み、柔らかさを感じることができる。
だが掌全体で揉み『込む』ことまではできない。
乳首を中心にして摘むように指で挟んで小山を作るのがせいぜいだった。
「んっふぅ、ちゅっ――」
そろそろほぐれてきたようだ。真朱の身体から不自然な力は抜けている。
「――真朱」
唇を離し真朱を見つめる。
「ん、なに?」
「そろそろ動いていいか?」
「動く?」
真朱は少し眉根を寄せる。
「あーそうか。言ってなかったっけか。セックスってのはチンコをマンコに入れたあと動かすんだよ」
「なんでそんなことするわけ?」
「お互いが気持ちよくなるため。というか主に男が射精するためのような気がしなくもないけど」
「ふーん。そうなんだ。じゃあ動いていいよ。それでせっくすは完璧?」
「一応そうなる、かな?」
「じゃ動いて」
今まで入れてただけで痛がっていたのに、さらに動くということがどういう意味を持つのかわかっていないように軽い調子で言う。
上半身を起こし接合部を見る。
オナニーするときにはあるはずの勃起したモノが今自分の股間からは見えない。
真朱と股間を合わせ膣内へと入ってるのだから当たり前なのだが、その光景と股間に伝わってくる肉の締め付けに妙な感動を覚えてしまう。
今のところ破瓜による血は見えない。
「じゃあ動かすぞ」
動かす、と言ってもまずは様子を見ながらだ。
腰をほんの少し引いてみる。
すると真朱が小さく「んっ」という声を発する。
自然に漏れてしまったようで特別痛いとかそういった様子は表情からは見られない。
深々と刺さっていた陰茎が真朱の股間から少しだけ顔を出した。
愛液で濡れている陰茎には僅かな血の色が混じっていた。
「真朱。痛くないか?」
「もうそんなに痛くない。大丈夫だから動いてくれてかまわない」
「……そうか」
とは言うものの『そんなに』ということから痛みは感じているわけだ。
なのでゆっくりと動かすことにする。
ゆっくりと引き抜き、ある程度のところで折り返し同じようにゆっくりと挿入していく。
柔らかい膣内の粘膜と擦れ合う度にもっと速く動きたいという衝動に駆られる。
さらにこちらが腰を前後させる度に真朱が押し殺すように「んっ……んっ……」という可愛らしい声を上げるので、それが耳に響いて理性を失いそうになる。
これはちょっとだけ意識を紛らわせなければ、と思い腰の動き止めた。
真朱は、突然動きを止めた自分に疑問の顔を浮かべたが、それには答えずに構わず目の前にある真朱の華奢な肢体を手で堪能することにする。
太ももの手触り、と言っても毛が生えてる部分は人間的なものではない。
なのでお腹をこれみよがしにさする。
白雪のように綺麗なお腹は肉感的には少々薄いがその触り心地は抜群にいい。
触っているだけで幸せを感じる。
次にそこから上へと移動する。
狙うは乳首だ。
チューブトップを通り越し、ピンッと立った乳首を指で擦り上げる。
「ぁんっ!」
真朱は大きな声を上げ快感に顔を緩める。
そのまま刺激を加えていく。
指の腹で押し込んだり、爪で軽く引っ掻いたり、摘んでさらに回すようにしてみたり乳首を弄ぶ。
自分の指の動きに合わせて真朱が気持ちよさそうな声を出し身体をくねらせるのがたまらなく嬉しい。
もっと、よがらせたい! 余賀だけに――。
そう思った瞬間、激しく落ち込んだ。なんて貧相な駄洒落を思いついてんだ俺、という自己嫌悪に陥る。
「……どうしたの? いきなり頭なんか押さえて」
「……いや、なんでもない」
気を取り直して腰を動かすことにする。
真朱もすっかりできあがっているようで、膣内からは止め処なく汁が溢れている。
「ちょっとさっきより激しく動くな」
「うん。わかった」
真朱の曲がった膝を掴み腰を動かし始める。
初めはやはり様子を見ながらゆっくり動かしていたが、真朱の「あっ……ぅん……」という甘い吐息から大丈夫だと判断すると腰を加速させていく。
さらに緩急をつけつつ、浅く突いたり深く突いたり、真朱の締め付けと柔らかさを余すことなく堪能する。
膣内に刺激を加える度に真朱が色気を帯びた表情で可愛らしい声を漏らす。
真朱のとろけた顔に艶《なまめ》かしい体、高い声、それら全てが愛おしい。
昂ぶった感情が抑えられなくなり上半身を倒し真朱に抱きつく。
すると真朱も抱き返してきた。
細い腕が身体を回り小さな手が背中にそっと置かれる。
このまま強く抱きしめると腕の中にあるこの華奢な身体はいとも簡単に壊れてしまいそうだ。
「公磨。キスしたい」
片腕で上半身を支え起こすと真朱を見つめる。
「お前キス好きだな」
「せっくすも好きだよ」
「お前って素直な奴だよな」
「あたしにとってはこれが普通だからそう言われてもよくわかんない」
できればこれから先、いつまでもこんな感じでいて欲しいと強く思う。
そして、真朱の求めに応じてキスをした。
「ん……ちゅっ……ふぅ……」
キスをしながら止まってしまっていた腰を動かし始める。
が、正直この体勢は腰を動かすにはきついし快感に身を任せられない。
「……真朱。ごめん」
非常に情けないが謝って上半身を上げて体位を直す。
「別に謝る必要なんてないけど」
「一応、な」
そう言いながらピストンを再開する。
「んっ……ふっ……あっ……ん……」
真朱の声が耳に木霊し、陰茎は柔軟に、それでいてきつく締め付けられる。
自然と腰が動き、その快感をもっと味わいたく速さが増していく。
そのあまりの気持ちよさに段々と思考が鈍くなっていく。
さらに腰の勢いが激しくなり真朱もそれに合わせて「あっ、あっ、んっ――」断続的な声を刻んでいく。
徐々に絶頂が近づいてくる。
思ったよりも早い訪れだ。それだけ真朱の膣内が気持ちいいのだ。
「――真朱、真朱、真朱、ああ真朱、くっ、もうダメだっ! 射精る!」
真朱の腰を掴み引き寄せると一番奥で射精をする。
「あ、すごい。あたしの中で跳ねてるのがわかる。すごいすごい」
真朱の冷静な反応に耳を傾ける余裕などなく、今はただ欲望の塊を吐き出す快感に酔いしれていた。
そして、その波も終わりを迎えると急速に頭が冴えてくる。
「射精し終わった?」
「……ああ」
「公磨のイってる時の顔すごく変だった」
「……そう」
「あれ? 怒ってる?」
「別に怒ってねーよ」
「あ、変って言ったこと? 変だったけど、嫌いじゃないよ?」
「いやそれはそれで言いたいことがあるけど……」
「けど、なに?」
「なんでお前普通なわけ?」
「普通って?」
「その……気持ちよくなかった?」
「少しは気持ちよかったけど、そこまでじゃない」
そうはっきり言われると自分だけ気持ちよくイってしまったのが急に恥ずかしくなってくる。
それは初めてだからなのか、自分のテクニックがないからなのか――。
なんにせよ自分一人で盛り上がってしまっていたわけだ。
「どうしたの?」
「いや、何でもない。とりあえず俺はイっちゃったから今度は真朱をイかせてやるよ」
こうなったら真朱をイかせないことには終われない。よくわからないけどそう思う。
「せっくすってこれで終わりじゃないの?」
「終わりだけど真朱にもう一度気持ちよくなって欲しいからさ」
「ふーん。そうなんだ。わかった」
ただ膣内ではそこまで感じないようなので違うところを攻めるしかない。
少しだけ柔らかくなった陰茎を真朱から引き抜いていく。
「んんっ」
真朱は目を細め甘い吐息を漏らす。
陰茎を抜き終わると改めて真朱の股間を見る。
真朱と自分の様々な液体でべとべとになった陰裂があり、ヒクヒクと閉じかけている膣口がよく見える。そこから今しがた出した精液がドロリと流れ落ちた。
その瞬間思わず息を呑んだ。
それは実に卑猥な光景で自分でもよくわからない歓喜の感情が心を満たした――。
――その後クリトリスを攻めて真朱をイかせた後、一緒に風呂に入って真朱とのセックスは終わりを迎えた。
***
――数日後。
公磨は、あるアントレプレナーと距離を取って対峙していた。
相手はスーツ姿のサラリーマンで実年齢より若く見える。
綺麗で上品な奥さんと幼い子供が二人いて、現実社会では世界的な企業に勤めており、かなりの地位を持っている。
その才能はここ金融街においても発揮されており、冷静な判断力と沈着な行動で着実に相手を追い詰めていく――。
などなど相手の情報はあの金歯が印象的な竹田崎重臣から買っているので下調べはバッチリだ。
だがおそらく相手もこちらの情報を買っているだろう。
その辺も織り込んで作戦は立ててある。ポイントはいかにその冷静さを崩すか、不意を突けるか、だ。
「真朱。作戦通りに頼むぞ」
「わかってるって。そっちこそミスらないでよ」
公磨と真朱は相手とその隣にいるアセットを見据える。
相手のアセットは全身ボディーアーマーを着たような、それでいてロボットのような実に機械的な姿だ。
普通の人間よりも二回りほど大きく、中に人でも入っていそうな姿をしている。
相手は平然と立っているだけだが、それでもこちらはかなりのプレッシャーを感じてしまう。
その様子を数々のアントレプレナーが思い思いに見ていた。
ある者は屋台でご飯を食べながら。
ある者は一挙手一投足を見逃すまいと目を皿にして。
ある者は気楽にだらけて。
公磨のディールは毎回毎回視聴者が多い。
最近じゃその戦いぶりの噂を聞きつけてか、回を追うごとに増えており、今じゃ結構な人数が見学していた。
相手のサラリーマンが余裕の表情でゆっくりとミダスカードを頭上へと掲げていく。
いよいよディールが始まる。
この緊張感はいつまでたっても慣れない。
できれば戦いたくない。でも戦わないとならない。勝ちたくもないけど負けたくもない。
そういった複雑な思いで心が乱される。
ディールが始まってしまえば余裕がなくなりいつしか忘れてしまうのだが――。
こちらも相手に合わせてミダスカードを額へと持ち上げていくが、そこでどういうわけか真朱が話しかけてきた。
「あ、そうだ。公磨。このディール終わったらせっくすしよ」
瞬間、金融街が、世界が凍りついた。
あらゆる者が動きを止め、自分の耳を疑い、あの若きアントレプレナーのアセットが放った言葉を満足に頭で咀嚼できていない。
皆、唖然とした顔でただただ固まっている。
その凍りついた時の中で
『オープンディール』
という無機質な機械音声が沈黙を破った。
そして、時は動きだす。
ある者は馬鹿にし指をさしてこれでもかと嘲笑する。
ある者は信じられないといった顔で吃驚《きっきょう》する。
ある者は気持ち悪いものを見るように嫌悪をあらわにする。
自らに思い当たる者は盛大に顔を引きつらせ、どう反応していいかわからないでいる。
そんな中、ジェニファー・サトウはずり落ちたサングラスを直しつつ、棒のついた飴をちゅぱっと音をさせて口から出し
「若気の至りか……」
と、静かに呟く。
そして、三國壮一郎は――慌てていた。
「せっくすとは何ですか? 知りたいのです」
「い、いや。それは……だな……。キューは知らなくても――」
「せっくすとは何ですか? 知りたいのです」
「そ、そんなに近づくなっ」
「知りたいのです」
「だ、だからそんなに顔を近づけるなっ」
(余賀公磨おぉぉぉ! 君は何をやってるんだあぁぁぁ!)
――終わり――
※斧 Li_107095 パス=MSYU
※長々と書き込みましたが一応テキストをうpしました
※中身は上記テキストとそれを縦書き表示したものをキャプチャしたものです
乙!
暇なとき読むよ・・・
誰もが想像したことだけど濃厚にまとめてくれてありがとう
お約束でつっこんどくけど
>よがらせたい、余賀だけに
じゃねえよwwww
個人的には、なんでも素直に信じる真朱にいたずら心を起こして
「女の子はセックスの間何度もちんこを褒め称えるのがルール」
「精液はアナルに注ぐと巨乳になれる薬」
とか嘘を教えるけど素直すぎる真朱の性格のせいでコメディ展開になったりするともっとよかった
乙!GJ!
でも正直言うと、セックスの説明とかの辺りまでしか読んでないのに
二人のやり取りにニヤニヤしすぎちゃって先に読み進められないw
じっくり読むわ
サトウさんと公麿を誰か・・・
公麿×サトウさんでお願いします。
サトウさん「……
163 :
名無しさん@ピンキー:2012/01/18(水) 01:46:11.47 ID:pfYCwkxK
ほ
サトウさんエロい
マッシュルーム
167 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/30(金) 01:53:14.22 ID:5lCEJG+p
…
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三國×Q見たい…
C
172 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/10(水) 18:25:25.52 ID:5huscLGy
サトウさんと余賀くんのssを誰か…
サトウさんと余賀くんのSS求む!
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