=◎= 遊★戯★王 で エロ談戯 =◎= |ドロー19|

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873遊星×アキ

「んふ、……んっ、くぅ――…ッ」
「あ、……ぐっ、……ぅ……は、はぁっ、はぁっ……アキ……!」
 狭い空間に男女の悩ましい声が木霊する。
 男は閉じた扉に背を預け、喉の奥で溢れそうになる声を押し殺し、それでも押し留められない声が噛み締めた歯の間から漏れていく。
 見下ろせば、桃色のふっくらとした唇に銜えられ、飲み込まれていく肉茎と、その様を嬉しそうに微笑みながら見詰める恋人の姿が目に
飛び込んでくる。グロスと先走りに濡れた唇に赤黒いそれを根元まで押し込み、紅い髪を掴んで無茶苦茶にしてしまいたい衝動を堪える
為、握り締めた拳の内側にきつく爪を立てた。この行為の時の主導権は何時も彼女――アキにあり、自分は唯与えられる快楽に溺れる
のみだ。一度欲望に耐え切れず乱暴にアキの口を借りてしまった事があったが、眩暈がするような射精感の後に込み上げてきたのは、
他ならぬ重たい後悔だった。
 アキは嬉しそうに「遊星が求めてくれたから、構わない」と言ってくれたが、くぐもって苦しそうな声を上げ、噎せ返る隙すら与えず使って
しまったという罪悪感は長い間遊星を苛み、それを見かねたアキから「奉仕の時には総て私に預けるという約束」を提案され、以降その
ように――二度とあんな事はしないと海よりも深く反省して――誓いを立てた……のだが。
 これはその時予想していた以上に耐え難いものだった。
 アキは遊星が手出しをしない事を充分理解した上で、嬲るようにねっとりと舌を這わせてくる。アキからの愛撫で充分育てられたモノは、
もっと激しく強い快楽を求めているのに、焦らすように根元から先端まで舌で舐め上げ、それを見せ付けるように最初は舌の広い範囲で、
次に舌先で擽るようにじりじりと責め上げる。特に先の部分は、窪みを抉るように舌の先を尖らせて弄り、その間も気を抜く事は一切
許さないとばかりに根元から雁首までを白く柔らかな手が淫らに扱き上げていく。
 腹にぶつかりそうなほど屹立したまま、射精を長く先延ばしにされた状態での口と手の奉仕――…いや、責めと言っても過言ではない。
苦しい位の快楽に呻き声を上げ、遊星が耐え切れず懇願して漸く放つ事を許される。弱点を押さえられた男は、獅子に頭を踏まれた
獲物と同じだ。実際、楽しげに目を細めて妖艶な笑みを浮かべ舌を動かすアキは猫のようで、だとすれば自分は鼠なのかと快楽に浸り
ながらそんな想像が遊星の頭に過ぎった。
「んぷっ、はぁっ――…ごめんなさい、ここじゃなければ……胸、でもして上げられたんだけど……」
 亀頭にしゃぶりついていた唇を解き、唾液と先走りの混じった透明の糸を引きながら、アキが悪戯っぽく笑う。いや、構わない、と言うべき
なのか、それとも気にするなと言うべきなのか。アキの手が示すように豊かに深い谷を作る膨らみに流れ、視線はついそちらに流れてしまう。
何か答えようとしていたのだが、その魅力的な光景に見入られ、無言でそこを凝視してしまい――くす、と楽しそうに笑うアキの声で我に
返った。つい気恥ずかしくなり、視線を逸らしながら申し訳無さそうに謝罪する。
「あ……いや、すまない……」
「いいの。遊星が胸でして喜んでくれてるのを見るのも大好きだし。……ふふ、少しコンプレックスだったの、この胸。成長期だって言っても
こんなに大きい子ってあんまり居なくて。じろじろ見られたりして、そういう男の視線が不快だった。――…でも、不思議ね。遊星の視線は
どんなものでも嬉しい。貴方が私を見てくれている――それだけで、満足なの」
 今までの淫靡とも言える表情とは打って変わった、穏やかな微笑みを浮かべ緩く首を振ってアキが答える。アキ自身多くは語らないが、
そのスタイルと美貌で、良くも悪くも男を惹き付けていたのだろう。遠巻きに彼女を見ながら、その力と存在感に恐怖し嫉妬する男も
恐らく少なくなかった筈だ。掛けてやる言葉を上手く選べない代わりに、握り締めていた拳を緩め、そっと手を伸ばして紅い髪を撫でる。
「――アキは、魅力的だと思っている。アキの魅力を、俺は誰よりも知っているつもりだ」
 美貌だけではない、気高い魂も、総て自分は知っている。言外にそう想いを篭めて、真っ直ぐにアキの瞳を見詰めた。アキは驚いたように
遊星を見詰め、そして、はにかむような笑みを浮かべて頷く。言葉にしなかった想いもアキには伝わったようで、ありがとう遊星、と穏やかな
声がそっと囁くように響いた。
「じゃあ、遊星にこうしている私も魅力的――…?」
「ぐ、う……っ!?」
874遊星×アキ:2011/07/06(水) 04:22:39.66 ID:jIDqaf+C

 アキはそう問い掛けると、ちゅぱ、と音を立てて遊星の亀頭を銜えた。それを皮切りに、唾液を溜めた口内で濡れた音を立てながら遊星
の肉茎をいやらしくしゃぶり上げる。態と音を立てて、音から煽るように――そうして漸く深く根元まで銜えて、頬を窄め端正な顔を歪ませ、
透明な飛沫を上げながら激しいストロークが始まった。
「ん゛っ、ぅん……ッ!ん、んッ、……うう゛っ、ねぇっ――…遊星っ、はふっ、んぅっ、こんな事してる私も、そう思ってくれる……ッ?」
「く、……んぁ、ぐ、ぅうう……っ」
 問い掛けに答えようと思っても、声が言葉を作れない。アキの髪から離れた手が扉に張り付き、爪がガリガリと音を立てて扉を引っ掻く。
柔らかく暖かい粘膜に包み込まれ、圧迫される。唇が離れた時感じる外気がぞくりと背筋に悪寒を走らせ、再び熱い舌に絡みつかれて
腰が痺れる。潜めた声よりもアキの口が鳴らす淫猥な口淫の音が激しく狭い個室に響き渡る。他人の気配がないか伺いながら、密かに
行っていた筈が、今ではどちらも響く音や声を隠そうとしない――否、出来なくなっていた。
「遊星――…んっ、はぷっ……んっ、答えてくれなきゃ、もう――…イカせてあげない……から……ッ」
「あ、アキ――…それは……ッ!?」
 何時までも喘ぎばかり漏らす遊星に焦れたのか、銜えた口を緩めてアキが張り裂けんばかりに膨張した遊星のそれから唇を離そうとする。
焦って漏れた声は自分でも情けない位に頼りなかったが、そんな事はもう構っていられなかった。ここで寸止めとなったら堪えられない。
縺れる舌を何とか解いて、縋るような声を上げ、アキに訴えた。
「お、思っている……!俺にフェラしてくれる、アキも……いやらしくて、綺麗で、たまらなく興奮するっ!ずっとアキに触れたかった……!
アキの口で……出る、まで……ッ、頼む、アキ……も、ぅ………ッ!」
「――遊星……ッ」
 震える声、懇願するように吐き出される言葉、縋って求められるのは、愛する男の唯一つの自分だけに向けられる願い。静かに熱い
想いを篭めて輝く瞳は、今や快楽に追い詰められ、アキに縋り付いてまるで弱気を晒すように向けられている。誰も遊星のこんな表情は
知らない。自分以外は。
 アキは胸に込み上げるものが薄い下着を熱く湿らせていくのを感じながら、遊星の願いに答えるべく、深い抽送を繰り返した。喉の奥
まで太い根元を詰め、苦しさに涙が滲むがそれすらも幸せだと感じられる。口いっぱいに脈打つ遊星のものを感じ、射精を促すように
激しく前後に口を動かしていく。
 遊星は何時も前を向いていた。真っ直ぐに正面を捉え、振り返らず突き進む姿を、アキは隣で見守り続けていた。誰よりも優しく強い
遊星は、自分にとって憧れであり、家族とは違う形で尊敬する人物だった。先を行く遊星を、アキはずっと追いかけていた。隣に並ぶ事は
あっても、向かい合うまではとても長かった気がする。
 何よりも仲間を大事にする相手に、自分だけを見てくれと求めるのは間違っている気がして――恋人と言う形に辿り着いても尚、時折
躊躇ってしまう。私は貴方を求めても良いの?と。心の奥底まで見透かすようなその真っ直ぐな眼差しは、また何処か違う目標を捉え、
自分以上に大切なものを育む為に前を向いたまま――振り向いて自分を見る事がなくなってしまうような気がして。
 新しい路へ突き進む――その先に、自分の存在はあるのだろうかと、問い掛けられない問いを、愛する行為に託した。ジャックも、クロウ
も、龍亜も龍可も、誰も知らない。自分だけが知っている、遊星の悩ましげな表情。子供のように目の前の欲望を求めて、凛々しい顔を
歪め、訴える。はぁはぁと荒れた呼吸の間に漏れる、裏返って掠れた喘ぎ声。私だけが知る、私だけの遊星。私の、遊星――…。
「アキ、もう――出、る……ッ!すまない、……、受け止めてくれ――…ッ!」
「ん、く、……ゆうせ、ぃ――んぅ、う゛ぅぅうううッ!?」
 びくっと一度大きく遊星のそれが痙攣し、根元から先端までの脈が激しく打って、アキの口内いっぱいに白く濃く青い味が広がった。
どくどくと注がれていく精液を喉を鳴らし飲み込んでも、長い射精で直ぐに口から溢れてしまいそうなほど、満たされていく。ねっとりとした
精液が喉から更にその奥まで絡み付いて、遊星の印が全身に染み渡るようで、アキは長い吐息を零しながら恍惚の表情を浮かべ、
最後の一滴まで啜り上げた。口に収めていた事で萎えても白く濡れた部分は、丁寧に舌で拭って綺麗にしていく。射精の際引き攣って
痙攣していた遊星の足もその頃には弛緩して、扉に張り付いていた手が優しくアキの髪を撫でていた。
875遊星×アキ:2011/07/06(水) 04:24:51.15 ID:jIDqaf+C

「――…は、っ……はぁ……アキ、大丈夫、か……?……すまない、少し、無理をさせた気がする……」
 遊星がアキの額に掛かる前髪をそっと払って、気遣うように、申し訳なさげにそう呟いた。優しすぎるせいか、何時もこの行為の後は、
アキの身を案ずるように遊星は問い掛けてくる。こちらから望んでしたようなものなのに、と遊星の前を整え閉じた後、立ち上がってアキは
いいえ、と首を振った。濡れた唇を白衣のポケットから取り出したハンカチで拭う。押さえた唇の内側から、濃い精のにおいがする。アキに
とってそれは喜びたい位のマーキングであったが、長くこの状態で居る訳にはいかない。ここは長居出来る場所ではないのだ。
「無理はしてないから安心して?――…こちらこそ、ごめんなさい。こんな所でしか……」
 遊星は元々、アキに逢いに来たのではない。出張で偶然にもこちらにやって来た、その帰りにアキの元を尋ねてくれただけだ。アキの
限られた休憩時間と、遊星の飛行機の搭乗までの空き時間が偶然重なった事で、互いに歯止めが利かなくなってしまった。二人が
隠れて篭っているのは、医療施設のトイレの個室だ。比較的人が通らない、施設内でも隠れた位置にあるトイレとはいえ、無理をした
のは間違いない。だが、この機会を逃せばまた長く遊星とは逢えない――まだ、胸を張って自ら逢いに行けるまでではないから。
 お互いを忘れぬように――半年に一度から一年に一度程度、逢う時間を設けているものの、こうして突発的に出来た時間を長く持つ
のは良くない。心が揺らいでしまうから。約束された逢瀬には期待と覚悟を持てるけれど。今は、今回は、今日は――…。でも――。
 そうした相反する願いと決意の中で葛藤し、結局遊星に触れられてその手を取りここに引き込んでしまったのはアキの方だった。
謝罪を伝え、溜息を一つ吐く。向かい合う形になっても、行為を終えて冷静になっての気恥ずかしさもあり、遊星の顔を正面から受け
止められない。
「――そろそろ、行った方が良いんじゃないかしら」
 視線を少し逸らしたまま、腕時計に視線を落とす。移動時間を考えると、直ぐにでもここを出なければ遊星の搭乗する飛行機の時間
には間に合わない。少しの世間話と、僅かな触れ合いだけの、愛おしい数時間だった。気を抜けば涙が零れてしまいそうになる。
自らの決心が揺らぎそうになるから、遊星へは見送りは行かない、と伝えた。休憩時間が合わない、と言い訳したが、それは嘘だ。時間は
今日に限って幾らか都合がつく。見送る時間は充分作れるが、ここで離れるのが一番引き摺らなくて良いと思った。
「……逢いに来てくれてありがとう、遊星。嬉しかったわ。――無理しないで、元気でね?」
 逃げ出してしまいたい気持ちを堪え、遊星を見詰めて微笑む。真っ直ぐに自分を映す遊星の瞳の中で、自分が揺れている気がした。
そっと手を伸ばし、握手を交わすつもりで求めた――が、遊星は何も言わず、アキを見詰めたままだ。応えて手を伸ばす事はしない。
 変わりに、アキを見詰めたまま、全く違う事を問い掛けた。
「アキ。この場所は一般の携帯電話は使用出来るのか?」
「……え?――ええ、ここは問題ないスペースの範囲だけど……遊星?」
 想像もしていなかった問いかけに一瞬きょとんとして、だがそれに答えアキが頷く。遊星は、そうか、と呟くと迷わずポケットから携帯を取り
出して、メモリからある番号に掛け始めた。相手はコールが鳴って直ぐに出たらしい。不動チーフ?と問いかける声が漏れ聞こえていた。
「ああ、すまないが帰りが遅くなる。一日……いや、三日。――不備があった訳じゃない……こっちでどうしてもやり残した事があるんだ。
……そう、飛行機はキャンセルで――…ありがとう。急ぎの連絡があればしてくれて構わない。ああ、それじゃ――」
「遊星……?」
 目の前での遊星の会話に、呆然として見詰めるアキ。やり残した事?飛行機をキャンセルしてまで?一体――?
 やがて携帯をポケットに収めた遊星が、アキを見詰めた。逸らす事は出来ない。真っ直ぐの、射抜くような強さで心の奥底まで照らす、
強い輝きの瞳がアキを捉える。
「俺は、大切な相手に伝えなきゃいけない。――俺はいつでも忘れない。俺を愛してくれる相手を。俺が愛する相手を」
 それは迷いなど一切ない、強い言葉だった。かつて彼が、遊星が仲間達へ向けた、決意と信念のそれと同じく。
「離れていても、傍に居る。こうしていつだって、心は向かい合っている。俺が見詰めているのは――十六夜アキ、唯一人だ」
876遊星×アキ:2011/07/06(水) 04:28:54.42 ID:jIDqaf+C

 降りていたアキの手を、遊星が取って強く両手で包み込み、握り締める。
 あの時遊星と向かい合い、優しく触れ合っていた手の温もりと同じ――それと変わらぬ温かさだった。
 追いかけているのだと思っていた。今でももしかしたら、そうなのかもしれないと思っていた。だが、心は常に向かい合っていたのだ。
 アキの瞳から涙が滲み、視界が歪む。遊星が用意してくれた三日という時間。予定も組まないで遊星が用意出来る精一杯の期間
なのだろう。
 恋人と言う形に収まったものの、互いが触れ合えた時間はいつもとても短くて、それ故に不安で仕方がなかった。強い男(ひと)だから、
自分が居なくても前を向いて進んでしまうのではないかと言う不安もあったけれど、逢えない時間に不安は募ったけれど、もう大丈夫。
 遊星は静かに、微笑んで頷いた。アキが心に決めた決意の為、踏み込めないと言うのなら自分が迷わず踏み込もう――。その想いは、
迷わず伝わっている。お互いの存在は、お互いの目指す路の妨げになるのではない。路を照らす光となるのだ。向かい合い、支え合い、
違う世界で新しい目標を据えながら、だが見詰めているのは互いの――想い。
「アキは――…」
 あの頃は、クロウが近くに居た。ジャックが傍らに立っていた。周りには龍亜と龍可が囲んでいた。そして、アキも。その時の自分なら、
この瞬間に伝える言葉は「俺達の仲間だ」と、そう言っていただろう。だが、今は。
「俺の大切な愛する女性だ」
 仲間とは違う絆を結んだ、たった一人の相手。アキは声を憚る事なく泣いて、泣きながら微笑み、遊星の手を強く握り締める。
 あの時触れ合った手は、お互いの信頼を伝え合い、そして今、それ以上の強い絆と愛情を結んで、繋がれていった――…。






「…………………いける?」
「――ああ。さっき二つ隣に入った誰かはもう行ったみたいだな。今が抜け出すチャンスだ」
「遊星が先に出て、先ずはコーヒーを買って来て?受け取ったらこっそり口を濯いで濯いでから……仕事に戻るわ」
「分かった。……アキ、やっぱりすまなかった。面倒な事を……」
「いいの、私がしたかったの。仕事が終わったら連絡するから、それまで家で待っていてくれる?」
「ああ、鍵を借りておく。じゃあ次のタイミングで俺は出るが――…アキ」
「ええ、よろしくね。……何?どうしたの?遊星」
「今夜は俺が先攻を取らせて貰う」
「――…今夜は精がつくもの、作るわね……?」


               


                                                     <END>



遊アキは恋人になるといちゃいちゃバカップルで、遊星さんは恥ずかしい台詞を正面から言いそうだと思ったので、
やたら遊星さんデレ過ぎなのは反省しない。
久々にスレ開いたら遊アキ話題で嬉しかったわけじゃないんだからね!勘違いしないでよ!と言う自分は872だ。
カッとなって書いた。気付いたら夜が明けてた。遊アキ恐ろしい。おやすみ。