ようこそ、「パワポケでエロパロ」スレへ。
当スレッドは野球バラエティゲーム『パワプロクンポケット』シリーズのエロパロスレです。
SS(エロあり・なし)、小ネタ、妄想などを投稿したり、投稿されているのを見て楽しみましょう。
前スレ
パワポケでエロパロ20
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296373778/ 1.「sage進行」
・sageの方法はE-mailの欄に[sage]と入力
・テンプレを見ているかどうかを見分けるための意味合いが強いです。
2.「人を選ぶ内容の作品は投稿前に注意を呼びかける」
・特にNTR、レイプ、リョナなどは先にレスしといた方が無難です。
・苦手な人は、注意が出ていたら読み飛ばすか、専ブラならNGすること。
3.「煽り・荒らしはスルー」
4.「無自覚な荒らしにならないこと」
・1〜3を守れていても、「他人の作品を"過剰に"貶して空気を悪くする」等、
マナーがあまりにもない場合、無自覚だろうと煽り・荒らしだと判断されます。注意しましょう。
・作品を投稿したいんですが
ちゃんと書き終わりましたか? 未完成ではありませんか?
よし、なら投稿しましょう。
・○○ネタなんだけど、需要あるかな?/書いていいかな?
まずは投稿しましょう。スレ違いでない限り、大抵は需要があります。
なくてもスルーされるだけです、気にしないでまた投稿してください。
・台本形式ってダメなの?
台本形式でも良い作品はあります。結局はキャラ崩壊していないか、扱うネタはどうか、そして『面白いか』です。
・エロなしSSってダメ? 雑談ってダメ?
エロなしSSはローカルルール的にはグレーです。禁止されてはいませんが……ケースバイケースでしょう。
雑談は「萌え談義」「エロ妄想」などはローカルルール的に問題なしです。ただしやりすぎるとウンザリされます。
・wikiって何なの?
有志の管理人が、このスレッドに投稿された作品をまとめてくれています。
一部のページ以外は誰でも自由に編集することが可能ですので、手伝ってあげると喜ぶかもしれません。
・あの、俺の作品がwikiにまとめられてないんですけど……
基本的にwikiの管理人が一人でまとめる、という風潮があるので、どうしても遅れてしまうらしいです。
一刻も待てない、という人は自分でwikiを編集すると良いでしょう。
・遅れてしまうって割には、俺の後から投稿された作品もまとめられているけど?
もしかすると、管理人や他の編集者が載せ忘れているかもしれません。
報告してあげましょう>(
ttp://wiki.livedoor.jp/pawapokeeroparo/d/%a5%b3%a5%e1%a5%f3%a5%c8%a4%cf%a4%b3%a4%b3%a4%c7)
wikiを編集できない事情があり、ここに書き込む場合は、その旨を書いておくと荒れにくいかもしれません。
・報告しても載せられないんだけど? というかスルーされました
もしかしたら「テンプレを守れていない」などの理由により、荒らしと見なされたのかもしれません。
自分のレスを見返し、ageていないか、マナーのない行動はしていないか……
つまり「荒らし扱いされるようなことをしていないか」を確認しましょう。
書き込んだ時には何も問題ないと思っていても、冷静になればかなりイタイことをしてしまっていた、なんて良くある話です。
こんばんは
【概要】
10小波(←名字ではなく名前です)×天月五十鈴
五十鈴HAPPYEND数年後 エロ有り
!!!!!キャラクタ崩壊・改変注意、オリジナルキャラ注意!!!!!
文字雑多で読みにくいと思われる。予めご了承ください。
以下16、7レスほど
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
妻が夕食をこしらえている時だった。夫は4歳になる娘と共に、教育テレビを見ている。
トントンと包丁がまな板を叩く音。小気味よいリズムを刻みながら、それとなく、妻が夫に尋ねる。
「ところで、お父さん。明日ってトレーニングはお昼から?」
「んー?うん。そうだよ」
TVから流れる、お姉さんときぐるみの歌にあわせ、ピョンピョン跳ね回る娘を観察しながら答える。
「そうか。じゃあ、午前中は特に予定はないということでいい?」
「うん。午前中は別にないかな。家にいるよ。・・・何か朝に用事でもあるの?」
「いや、朝じゃなくて今日の夜に申し入れたいんだ。ま、まぁ、その、別に早朝でも・・・いいんだが・・・」
「ほぉーん・・・?」
はて、明日の午前のスケジュールを聞いて、夜か早朝に用事があるとはどういうことだろう、と首をかしげる。
そんな鈍感な夫に妻からヒントが出される。
「・・・まだ言ってなかったが、今日の夕飯のメインは、ウナギの蒲焼。あと牡蠣のお吸い物だ。」
流石に子どもじゃないんだからこれで気づくだろう、と少しはにかみながら笑みをこぼす妻。
「おぉ。これまた精力がつく献立だね。んじゃ今日の夜からガンガントレーニングしようかな」
「いやいや待てよ、違うな。栄養素をしっかり吸収してからだ、うーん、早く起きて朝練でもしようか・・・」
手を顎に当てぶつぶつと考える夫。野球バカの埒の明かない様子に、普段はクールな妻もプルプルと震えだす。
「・・・ち、違ぁーうっ! あぁ、いや、違うって言い直したあとのは合ってる!・・・でも、その、根本的なのが、違うぅ・・・」
思わず突っ込み、そしてがくぅっとうなだれる。
しかし、その世にも珍しい感情的な様を見ても、しつこくどういうこと?と首をかしげる夫。
「〜〜〜! だ、だ、だから・・・・・・こ、今晩、その、こ、ここ、こ、こづく・・・」
「? 小突く?なにを?」
「くぉ、こぉ・・・、こ、・・・子ぉ作りを、・・・しようと・・・、い、言っているんだッ!私はぁッ!」
よほど恥ずかしいのか顔を耳まで真赤にし、声を荒げて訴える。寒色がイメージカラーの彼女としては見せたことのない顔色である。
わざとらしいくらい唐変木な夫も流石に妻の要求・・・もとい欲求を理解する。・・・が、
「す、すずちん・・・わかったから、そ、そ、その、物騒な得物を、こっちに向けないで・・・くれません、か」
鈍く光る薄刃包丁を携えた、夜叉のごとき気迫の母。それさえも気に留めず、傍らで我を忘れ踊り狂っていた幼い娘。
その彼女を本能的にか、守るようにひしっと抱きかかえ、夫は震え竦む声で懇願した。
【もっと彼女に幸せを】
「まだ眠たくないの?」
「まだー」
「もー、早く寝てくれぇっ」
寝室の壁に架けられた時計の針が、午後十一時をまわる。間接照明の淡い光が親子の影をぼんやり壁に映す。
父は、断固として眠らぬ娘と格闘中であった。どうにかこうにか布団には入らせたが、これがなかなか落ちてくれない。
日中あれだけ走りまわって、お風呂でも暴れて、踊りながら着替えて、そして寝ない。・・・羨ましいくらいタフな子である。
容姿は母方を色濃く受け継いでくれているようだが、中身はそうでないことは確かだった。彼女の将来には期待と不安が入り混じる。
とりあえず、父にとって、娘という存在はこの世で二番目に愛おしい人物ではあるのだが、この日ばかりは正直お邪魔であった。
神速で寝てもらいたい。それも深く、ぐっすりと。
『じゃあ私はお風呂もらってくるから、その間に子どもを寝かしつけておいて。頼んだ』
今頃愛する妻は禊ぎを行っていることだろう。湯気に包まれ、その身を念入りに洗う彼女を想像して、初心でもないのに胸が高鳴る。
そういえば娘が大きくなってきてから、夫婦の営みはずいぶんとご無沙汰だ。
いや、もちろん夫婦仲が冷えているわけではないが、妻は毎日毎日、家事子育て全般を一人でせっせと請け負っている。
同年代の女の子達は――たとえば大学に行ったり、外で友達と遊んだりしているものだろう。
でも彼女は愚痴ひとつこぼさず、妻として、母としてひたすらに世話を焼いてくれている。
そんなものだから、一緒にいられるオフでもなんというか、誘い辛い。
と、いうわけで、そんな中での今回のこのお誘いは、彼にとって非常に有難い、激レアなボーナスイベントなのだ。
(しっかし、五十鈴のほうから誘ってくるとはなぁ〜♪本当びっくりした・・・・・・・・・待て、俺って・・・甲斐性ない・・・?)
まさかあの妻がセックスを誘ってくるとは思いもしなかった。が、それでいいのか自分よ、というモヤモヤがある。
そもそも、結婚してから家ではなにかとリードされっぱなしだ。世間はそれを尻に敷かれているという。
・・・何はともあれ、これは願ってもない好機。水を差すわけにはいくまい。今宵は決して落とせない(?)一戦なのだ。
夫としてはこの眠らぬ姫を、妻が湯浴みを終え、髪を乾かし、
あとはまあその辺の残った家事をぱぱっとこなして寝室に戻ってくるまでに、なんとか寝かしつけたい。
妻の帰還とともにプレイボールを決め込むのが理想・・・なのだが、すでに時間は結構経っていたりする。
(父親が幼い娘の面倒ひとつ見れんでどうする。がんばれ、俺)
しかし、奴さんは今にも布団を打ち払って、部族の祭りのごとく跳んだり跳ねたりしたいようだ。
余談だが彼女は夕飯後に視聴した、冒険映画の地上波放送にいたく感銘を受けていた。
どうも部族系の女戦士が、槍をもって勇敢に戦っていたのが気に入ったようで、そのそわそわ具合からまだ跳ねたりないと見える。
・・・正直プレイボール云々よりも、もたもたしていることを、妻に冷たく叱られる懸念のほうが強くなって来た。
狩人のような冷たく鋭い目線と、矢のように核心一直線に突き刺さる物言いを想像し、全身の筋肉がこわばる。
彼は集中し、深く呼吸する。このお転婆姫を眠らせるために、自分自身の持てる全能力を使わざるを得ない。
(そうだ、もう一度落ち着いて・・・交渉の基本・誠意ある態度で、から)
「・・・いいかい。我がダウギュッテェャー(※daughter)よ。これからパパとママは神聖な儀式を行わなければいけない」
「だがそのためには君にはさっさと寝てもらわなければいけないんだ。悪いが我々は君が起きていると儀式に集中できないんだ・・・」
眼を閉じ眉を顰め、シリアスな顔をして娘を説得?する。どうやら彼なりの誠意らしい。
一方、娘の方はなーにをブツクサ言っているんだコイツはという顔をしている。娘が正しい。
「・・・じゃー、なんかおもしろいおはなしして。おもしろかったらねるー」
「お、おもしろいおはなし!?そ、そうだな・・・うーん」
「む、昔々、あるところに超絶イケメンがいました、ですがいろいろあって・・・えー、今では彼は変態たこぼうずです」
「・・・・???」
おもしろい、おもしろくない以前の顔をしている。ああ、俺も物理の授業とかでこんな顔したなぁと和やかに眼を細める父。
(い、いやいやいや待て、反応なしとか・・・。高校の野球仲間にいったらけっこうウケる鉄板ネタなのに・・・む、高度すぎたか?)
嫌な汗。眼が泳ぐ。そんな父を眉を潜め不審そうに見上げる子。たこぼうず氏も浮かばれない。
(く、このままじゃあ眠らすどころか間がもたないぞ。・・・こうなりゃ教科書どおりの脅し文句で攻めるしかない!)
「ほーれほーれ。だんだんあなたはねむくなーるねむくなーる・・・」
子どもの目の前で人差し指をぐるぐる回す。目つきがなにやら怪しい。そしてその謎の挙動に、顔を顰める娘。
「・・・おい・・・なにを・・・やっている・・・?」
催眠術師になりきってる夫の背後から、妻の怪訝そうな声。
振り向くとシンプルなパジャマを着ながらも、しっとりと湿った雰囲気が、なんとも清潔かつ艶やかな妻の姿があった。
日中とは違う、長い髪を解いた夜の彼女。夫にとっては、信じられないものを見る軽蔑気味な眼差しも、少々いい感じに刺激的だった。
「え。やぁ、いす・・・お母さん。も、もうお風呂出たんだ? いやあ、今、催眠術でズバっと眠らせようかなぁと」
へらへらと半笑いで指を振る。実のところ内心は、先程の懸念で冷や冷やしているのだが。
妻はそんな調子の夫を、なにか不治の病でも宣告されたような顔で見つめる。
「・・・騒がしいと来てみたら・・・そうか・・・改めてだけど・・・その、深刻、なんだな・・・」
(・・・勉強できないのはあきらめていたが・・・・・・コレもどうにもならないのか・・・いや、嫌ではないけども)
そのまま額に手を当ててはぁっと大きなため息をつく。全寮制と厳しい野球部生活で抑制されていた部分が発覚したのは結婚後であった。
平常時、プライベート環境ではバカの上にアホが積み乗る。緊迫時と緩み時のギャップがひどい。
いや、そもそも結婚後、家庭内で彼の頭が冴えていたような場面に遭遇した記憶がない。夕飯前のやりとりもそうだ。
歓声と緊迫に包まれたグラウンド上で、あの直感的なスーパープレーを披露する試合中の彼とは、まるで別人である。
「? なにが?」
夫はどういった訳で残念がられているのか解っていないご様子。知らぬが仏という諺が妻の脳裏をよぎる。
「いや・・・なんでもない。・・・・・・ほら、いい子だから早く寝なさい。もう11時じゃないか。寝ないと明日起きられないぞ?」
そういって夫に代わり、眼をぱちくりさせる子の頭を撫でる。やはりお母さんっこなのか、触られて気持ちよさそうに眼を細める子。
「むー、でもおかーしゃん、まだねたくないよ?」
「だーめ。そろそろ寝るんだ。今日はもういっぱい遊んだろう」
「・・・また明日、朝から晩までいーっぱい遊ばないといけないからな。それにお母さんのお手伝いもしてくれるんだろう?」
そう子守唄のように優しく静かに語りかけ、ゆったり頬を撫でる。娘もよほど心地がよいのか、しだいに眼もとろんとしてきた。
「んー・・・にゅ・・・・・・・すー・・・すー・・・」
まるで本当に催眠術にでもかけられたように、すぅっと眠りに落ちていく。
「うぉー、マジかよすげぇ。俺の催眠術はてんで効かなかったのに。いつのまにそんなテクニックを・・・。まさか、能力覚醒!?」
例の薬か、と真剣なアホ面をした夫に対し、煙たい顔でしっしっうるさいもうアッチ行け、と言いたげに手を弾く妻。
「ぐっすり寝つくまで私が見ているから・・・。小波は・・・そうだな、悪いが台所で明日のお米でも研いでいてくれ」
薄暗いキッチンへぽいっと左遷される夫。むしろ解雇か。路頭に迷っている男の顔をしていた。
そして独り背中を丸め、黙ってわしわし米を研ぐ姿。どこか哀愁漂うその姿は、今年大きく年俸を上げた球団の期待株とは到底思えない。
(ぐう、冷めたい。水が冷たいよ・・・)
なんともいえない不甲斐なさを、水道水の冷たい痛みで誤魔化す。そしてはぁっ、と大きなため息。
長いシーズン中はなかなか家族と過ごせない環境のためか、オフシーズンで家族と共にいてもちょっぴりアウェー感がある。
オフの貴重な家族サービスの時間くらい良き父良き夫になろうとするも、どこか空回りをしている。野球選手のちょっとした悩み。
「ふぅ・・・。よそのウチもこんなもんなのかなあ」
「なにが?」
子どもを寝かしつけていた妻がひょこっと顔を覗かせる。
どうやら娘を寝かしつける任務を完遂させたようだ。ふわっと風呂上りのいい香りが鼻をくすぐる。
「わ、い、いや。なんでも・・・」
目線をそらしながら米のとぎ汁を流す夫。ザラララと音を立てながら、掌の堤防をすり抜けるお米たち。
「あー、もう・・・やれやれ。・・・やっぱり私がやる。貸してみて」
弱気オーラが出ている夫と交替する。サラサラと慣れた手つきで米を研ぎなおす妻。
「・・・小波?ちょっと元気ないぞ。どうかした?」
米を研ぎながら、少し心配そうに尋ねる。
「なあ、五十鈴。俺ってちゃんと君たちの・・・その、頼れる男でいられてるのかな」
「?・・・ぷっ、どうしたんだ、いきなり」
「いや、さ。俺、野球のことばっかりだし。頭もちょっぴり悪いし・・・家族の父親として引っ張っていけてるのか自信が・・・ね」
「あの子だって・・・俺に、なんかイマイチ懐いてない感じがしてさ。五十鈴にはあれだけ懐いてるのに」
炊飯器のセットをする妻の背中につぶやく。そのいじけた声を聞いて、妻はゆっくりと返す。
「・・・シーズン中は寂しいときも確かにあるけど・・・試合は毎回二人で応援してるんだぞ」
「あの子だって、試合中はずぅっと小波に釘付けだ。テレビに向かってとーさん映せとーさん映せって騒いでるんだ」
「・・・いつもお父さんが一番かっこよくて上手かったって言ってる。本当だ」
これでよし、と炊飯器をぽんと叩く。
「・・・ふぅ、全く。こんなこと今までに何度も言ってるだろう。小波はな・・・私たちのヒーローなんだ」
「私もあの子も、小波が世界で一番好きなんだ。・・・頼りにしているんだ。充分、引っ張っていってもらっている」
夫の方へ振り返り、まだ風呂上りで紅潮気味の顔で、はにかむように微笑む。
(まあ、頭が云々はちょっぴりどころの騒ぎじゃないけども)
心の内で一応、指摘しておく。
「・・・それに私のほうこそ、小波たちをちゃんと支えられているか不安になる時はある。」
「きっと、今の小波と同じだ。家族なんだから・・・夫婦なんだから、独りでそんな、弱気にならないで」
「五十鈴・・・」
愛おしい妻の優しい言葉に、年甲斐もなくうるうると眼を潤す夫。
「ふふ、大丈夫、自信を持って。頼りないなんて事ない。・・・小波は私を何度も救ってくれた人なんだから。」
「正真正銘、私が頼ることができる世界でたった一人の男なんだから・・・。」
そういいながら彼女は優しく目を細め、小波の頬に手を当て、そのまま磁石が引き寄せられるように唇を寄せた。
寒色のロングヘアから暖かい匂いが香る。
「ん・・・ちゅ、ん、んっ・・・」
夫に口付けし、そのまま両手を首に回す。そして本格的にキス行為へと移る。
妻の弾力的な唇の感触に、少しざらついた舌の感触に、夫は全神経を集中させる。
普段クールな彼女が見せる積極的な一面。そのギャップが行為の興奮性を飛躍的に高める。
妻はキスをしながら、夫にもたれかかるように密着しだす。寝巻き越しの胸の感触が夫に女性ならではの刺激を与える。
続く、絡み付けるような、有無を言わさぬ激しい舌使い。自分を全力で求めてくる、疑う余地のない愛の行為。
軽いキスなら日常でもごく偶にすることはあるが、流石にこれは、行為の意味は解らずとも子どもには見せられはしない。
彼の萎えた精神に火を灯すように、情熱的なキスを続ける。
「はぁ、はぁ、んっ、いす、ずっ・・・!」
「ん、ちゅう、んんふ、ふぅん、ンっちゅっ」
さらに加速させる。あまりに激しいキスに、夫は呼吸もままならなくなっていく。
先程顔も洗い歯も磨いたのに、あふれでる互いの涎で口元はびしょびしょになっている。
だがそんなことお構いなしに妻は夫の口を物色する。互いに、息苦しさと興奮から出る重い吐息を漏らす。
「ぷはぁ、はぁ、はぁ、はは、すごい、積極的だね」
「んふ、ふぅ、ふぅ。ふふ、嫌?」
「そんなことないよ。こういうの久しぶりだから・・・なんというか、気合入ってる?」
妻の頭に手をあてゆっくりと撫でる。そしてそのまま頬へ滑らせる。すべすべとした肌の感触。妻はその手に自分の手を重ね合わせる。
「誘ったのは私だからな。それに、・・・目いっぱい、愛し合わないと元気な子は出来ないそうだ」
下腹部を夫の下半身に妖しく摺り寄せる。太ももにこつんと当たる、ほんの少し固い感触。
「そういえば、子作りっていってたけど・・・二人目、ほしいの?」
「・・・うん。あの子ももう幼稚園だし・・・そろそろもう一人、欲しい」
そう言いながら再び唇を合わせに少し背伸びする妻。夫も首を曲げ彼女の唇を受けにいく。滴る水道の音ではない、ぴちゃぴちゃと
艶かしい水音がキッチンに響く。父母ではない、夫婦でもない、単純に男女としての行為。
ひたすらにいやらしい音と、いやらしい感触が作用し、夫の分身に血が集まり始める。
キスをしながら下腹部を擦り当てていた妻にも、それが大きく主張を強めていくのが容易に感じ取れた。
「んはぁっ、んふっ、キス、だけなのに・・・大きくなってきてる」
「あは、はは、晩御飯が効いてきたかな。・・・ホント久々だ」
「そうだ、その・・・五十鈴。ごめんね、こんなこと、俺がホントなら誘ったりするもんなのに」
目線をずらし、面目なさそうにつぶやく。
「・・・全くだ。代わりに今日は、今までのぶん、・・・抱いて。本当にいっぱい出してもらうから、覚悟して。」
「が、がんばります」
「ふふ、うん。期待してる。じゃあ、その・・・そろそろ・・・」
顔を赤らめながら寝室のほうにそっと目線をやる妻。
よぅし、とぐぃっと彼女を抱き寄せいわゆるお姫様だっこで抱える。
妻はされるがまま身を委ね、夫の肩にそっと頭を当てる。そのまま彼に気づかれない程度に頭をこすりつけ、
ほんの少し甘えた気分に浸ってみる。彼女は寝室までの十数秒間、恋愛時代に戻ったような秘密の幸せを感じていた。
光源が小さな間接照明だけの、薄暗い寝室。
すぅすぅと幼児ベッドで寝息を立てる娘。おしっこにも行かせてあるし、見たところ完全に寝付いているので
朝まで起きる事はないだろうが、念のため抜き足差し足で夫婦の寝床に足を運ぶ。
妻を丁寧にダブルベッドへ降ろし座らせ、彼女に向かい合うように夫も座る。なぜか正座。
・・・なんだか武道の試合前のようだ。ここにきて妙な空気である。
「くすっ」
その空気に妻は噴出してしまう。いつも凛々しい彼女が見せる自然な笑顔。
「なんで笑うんだよぉ」
「いや、すまない。なんだか可笑しくて」
「い、今からこう、いいムードを作るつもりだったんだ」
カクカクと意味不明なジャスチャーをする。高校時代に授かったムードを作る能力は、野球以外には効果が薄いのだろうか。
「ふふっ、はいはい。・・・じゃあ、来て。今日は、いっぱい・・・小波が欲しい」
「・・・了解」
GOサインを受けた夫は妻をゆっくりと押し倒す。そのまま少し肌蹴た襟元、滑らかな白い首筋にキスをする。
妻は優しい感触を受け思わず息が漏れる。腕を彼の肩にまわし、彼を緩くロックする。
夫も妻のうなじをつかむように手を回し、首筋に吸い付くように少し強いキスをはじめる。
「んは、あん・・・ン・・・ふぅっ・・・」
強かな愛の行為に妻は嬌声を震わせる。自分の肌にこのような行為が許されるただ一人の存在。
その彼の愛撫は、本当は、毎日でも味わいたい。そして毎日、自分を味わってもらいたい。
だが、夫は一晩で何万人もを沸かせるプロのアスリートだ。そして自分たちにはまだ幼い子どもがいる。
出来うる限り、良妻賢母として彼らを支えたい。故に、彼女は少し遠慮がちになっていた。劣情に呆けるわけにはいかない、と。
天涯孤独の彼女にとって、今の家族は全身全霊を捧げるに値する“幸せ”である。夫と娘、この二人は自分にとっての全てだ。
・・・それでも、いつかその内、少しばかりその箍(たが)を外してみようと思っていた。
そして今日、勇気を出して、恥を忍んで、自分から誘ってみた。密かに夫の予定を確認し、彼のトレーニングに出来るだけ支障が
出ないような日に目星をつけていた。実はカレンダーにマルを書いてたりしていた。
たまのたまには、子づくりということで愛しい彼を独り占めしてもいいだろう。夫婦なのだから、咎められることではないはずだ。
・・・もう簡潔に言うと、愛する夫に対しての欲求不満が、溜まりに溜まってしまっているのだ。
生来生真面目な彼女も人間である。当然、生物としての欲求は持ち合わせている。知ってのとおり女としての悦びは数年前に経験済みだ。
もちろん、二人目が欲しいのも本心であり事実である。家族をもっと増やしたいと切に願っている。目的が、手段がどうこうではない。
愛してもらって、子も授かりたい。妻であり母である彼女にとって、実に単純かつ根本的な欲求だった。
「五十鈴、脱がすよ」
「ん・・・」
いじらしい妻の気持ちを知ってか知らずか、夫は彼女から身体を起こし、パジャマのボタンに手をかける。
ポチポチとボタンを外し、上着を開く。暗がりでもわかる、白い肌、美しい乳房。少し照れ気味に目線をそらす妻。
「相変わらず・・・綺麗だ」
「う・・・恥ずかしい」
すでに四歳の子がいるとは思えない、醜い無駄が一切ない引き締まったボディライン。ツンと充血している乳首を携える、
少し大きい乳房。その魅力的な乳房に手をかける。ずいっと揉み、独特の弾力を楽しむ。数年前までは娘が独占していたそれを
存分に味わう。ゆったりと揉み込んだ後、主張し続けている乳首に口をつける。
なんともいえない、懐かしい感触。舌を転がし、突起を優しく汚していく。時には陥没するぐらい舌で押し込む。
「はぁぅ、ふぅ、ン・・・、ンぅん」
自身の性感帯を物色されよがる妻。その声は聴覚的な媚薬だ。夫は互いの体温の昂ぶりを感じながら、
右の乳房をちゅぱちゅぱと吸い付き、左の乳房は指で優しくこねる。先端をくりくり弄るたびに、彼女は身体をよじるように喘ぐ。
すやすやと眠っている愛娘を考慮してか、声を出来る限り押し殺してはいるが、荒い息までは殺しきれていない。
「んんぁ、ぁぁぁっん、んん、くぅっん、ひゃ、小波ぃ、ぃいいん・・・」
乳首から唇を離し、妻の表情を覗き見る。自分以外、見ることも適わない淫らな女の顔をしている。
涙目で眉を顰め、口をだらしなく半開きにし、甘い吐息を吐き散らしていた。思わずその口を自分の口で塞いでしまう。
「はんっ、んー、んっ、ちゅ、ちゅン、んんんっ」
先程のキッチンでのキスをやり返すように、妻の口内を責める。彼女も受けて立つといったようであーんと相手の舌を咥えつく。
夫は妻に覆いかぶさり、身体全体を使うようにキスをはじめる。自分の胸板でふにふにと形を変える乳房を感じながら、さらに
激しく求めだす。洗髪によりキューティクルを得た美しい髪を、後頭部にまわした手でもみくちゃにする。
「ぷはっ、五十鈴・・・かわいい・・・すごく、いいよ」
「・・・・・ふぅ・・・小波ぃ・・・もっと・・・もっともっと欲しい・・・わがままでごめん・・・お願い・・・」
光る糸で口と口が繋がれたまま、彼女は懇願する。そのあまりにも扇情的な表情と言葉は、夫の理性を飛ばすに十分であった。
三度、夫婦は唇を合わせる。舌を舌で磨き洗うように舐め、相手の唾液を取り尽くさんばかりに吸いあう。
その応酬中、相手を放さんと無意識のうちに妻は、その美しい脚を夫の腰に絡ませ全身で抱きつくような体制をとる。
少し離れた寝床で眠る、無垢な娘がこの姿を見たらどう思うだろうか。それを頭の片隅で考えると胸が高鳴ってしまう。
乱れた状況が、普段良妻賢母であろうとする彼女をさらに乱す。その乱れた彼女が夫を乱す。
このループが二人を淫欲で塗りたくっていく。せっかく風呂できれいにした身体も、いつのまにか汗と涎でどろどろになっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、っぁ、ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・、小波、もう、そろそろ、欲しい」
「・・・どこに、何が、欲しいの?」
「ふぅ、ん・・・下のほうに、その、欲しい。小波の、挿れてほしい。もう、我慢できそうにない」
直接的な言葉は流石に濁した。夫としては淫らな言葉を期待していたが、あまりがっつくのはムードが下がるだろうと空気を読む。
「うん、わかった。じゃ、下、脱がすよ」
妻は絡めていた脚を解き、夫に脱衣を任せる。まずはパジャマのパンツをゆっくり脱がす。
そして露になったショーツに手をかける。上着は着せられたまま、下半身を剥かれていく。
するりと滑らせるように脱がしていくと、彼女の身体で最も神聖でかつ淫らな部分が姿を見せる。
小ぶりな陰毛、すでに濡れてしっとりと光る秘部。夫は自分の分身がさらに充血していくのを感じる。
本当なら前戯で互いの性器を楽しんでから挿入するものなのだろうが、双方とも久々の性交に、性器同士の刺激を貪欲に求めていた。
「挿れていいんだよな?もう」
「ああ、すぐ入ると思うから・・・。すまない、はやく挿れて・・・もう、我慢が・・・」
妻の秘部は荒く息をするように鼓動している。まるで腹を空かせた生き物のように、番いのモノを咥えたいと急かしているようだ。
「ああ、俺も、もう辛抱できないよ。・・・入るよ」
パンツをおろして自分の猛った分身をとりだす。そのままそれを妻の秘所にあてがう。軌道を確認し、
にゅるっと一気に膣へと滑り込ませた。妻の体温が肉棒をじわりと包んでいく。
「はぁぁぁぁっ、おぁぁ、うぅ、小波ぃ、ふぅ、深いぃっ」
「うぉ、すごい、奥まで、一気にいけたよ・・・解る?」
「あぁ、ぁぁ、解る・・・すごく・・・小波が、わかる・・・あ、あはっ、ふっ、ひさ、久しぶり、だ」
繋がる悦びをかみしめるように、夫の顔を見ながら微笑む。そして白くしなやかな手を夫の腰に伸ばす。
そうして早く動いてとせがむようにその腰をさする。
「ん、動くよ。・・・いっぱい出すから、ちゃんと受け止めてくれよ」
そう言いながら大きくピストンをはじめる。ずちゅ、ずちゅと体液が摩れる音が響く。初めて抱いたときと寸分たがわぬ快感が
結合部から全身に広がっていく。妻の体温が、締め付ける膣肉が、濡れた嬌声が、そして快楽によがる表情が、
脳みそが溶けてしまいそうになるくらいの刺激を与える。突くたびに小さく震える乳房に手をあて大きな動きで揉みしだく。
野球選手の硬く大きな手のひらが、彼女の柔らかい弾力を包みこみ、ピストンに合わせてやや乱暴気味に鷲づかみする。
「はぅっ、うんっ、うんっ、んいぃ、はげし、こな、小波、いぃよぅっ、きもちが、ぃぃ」
「まだまだ、激しく、できるから、な、五十鈴っ」
十分に揉みこんだ乳房から手を離し、腰をくっと少し浮かす。
そして彼女の下半身を腕で支えながら、斜め上から膣に滑り降ろすようにピストンする。
腰を引く際に、亀頭部分が膣肉の上部に引っかかるようになり、それが妻にとって耐え難いまでの快楽を提供していく。
下腹部を中から混ぜっ返されている様な、この行為以外では絶対得られない快感。
魂だけがどこかに引っ張られていくような感覚、所謂絶頂へと急速に昇っていくのを実感する。
夫もそのすさまじい挿入感と膣圧に、セックス以外の全ての事を忘却してしまいそうになる。
「ひゃぅ、そこぉ、すごぃっ、すごっ、くぅっ、ぅぅうう」
「気持ちいいかっ、俺も気持ちいいっ」
「あぁっ、やぁっ、だめっ、声がっ、大きくっ、なるっ、子ども、起きるぅっ、くぅうっ、いっ、んんーっ」
平常時では想像つかない、小動物のような甲高い喘ぎ。さらに激しく、乱暴に突く。あふれ出る愛液と我慢汁が強く擦れて混ざり合い、
白い泡となって結合部から漏れ出している。そのままずちゅずちゅと、膣内をその泡で磨くかのごとく夫は突き続ける。
子宮までペニスを進ませ、膣の入り口まで大きく引き戻す。性器が分泌した体液で出来た粘っこい糸が、膣口と夫の下腹部をつなぐ。
妻は眼をぎゅっと閉じ、突かれる度に、返事をするように嬌声を漏らす。
媚薬を盛られたかのごとく、セックスによがるその痴態。よくよく見れば、彼女の口元からは涎がこぼれ出て光っている。
涙ぐむほどに気持ちが良いのだろうか、切れ長の目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。
とにかくこれほど興奮する光景は他にはない。だが無くす理性はすでに無い。野生の哺乳類に退化してしまいそうだ。
「んぅぅぅ、はぅっ、うぅんっ、くぅううううっ」
「五十鈴っ、かわいっ、すごいかわいいよっ」
「ん〜〜っ、うんっ、んっ、くぅっ」
肯定しているのか否定しているのか、彼女の様子を見るだけではもはやわからない。もしかしたら聞こえていないかもしれない。
彼女は歯を食いしばるように声を殺そうとしている。だが止まりようのない快楽に喘ぎ声が出てしまう。
このまま、まるで電源が落ちるように失神してしまいそうな感覚。霞みつつある意識。
自身がこの世で最も淫らなモノになってしまったようだった。ああ、子を成すための、愛を育むための行為とは、
こうもまで身体も心も滅茶苦茶にしてしまうものなのかと、自分の今の状態を想像しながら考えてしまう。
夫が発する獣のような呼吸、ぱんぱんと下半身と下半身がぶつかりあう音、それと同時にぎゅちぎゅちと鳴る性器同士の擦れあう音、
そして自分の、まさしく今突かれている腹の底から、湧き出るような喘ぎ声。
全てが混ぜ込まれた泥のようなはしたなさだった。しかし背徳感はない。そうだ、あの可愛い娘もこの行為から授かったのだ。
いやそれどころか自分自身もそうだったはずだ。何百万年も前から皆やってきたことだ。あの子だっていつかはするのだ。
この、ひたすら気持ちが良くて、生物であることの義務と言える行為を我慢するなんて、それこそ背徳ではないか。
いや、それはただの言い訳じゃないか?欲に溺れているだけではないのか・・・とあまりの快感に頭の中でぐるぐると哲学的なことが巡る。
頭がおかしくなってしまうほどの性衝動。ぐっと口を真一文字に結び、これ以上その衝動に呑み込まれまいとする。
気を逸らさないと一瞬で達してしまいそうになる。・・・夫ががんばっている分、自分もがんばらないと。
しかし、容赦なく突かれ続けるものだから、流石に限界が来てしまう。久々の性交であったのにも因る。
激しさを増していく摩擦運動にとうとう耐え切れなくなり、地上にいるはずなのに窒息してしまいそうになる。
「あ、あ、ふぁ、あぁ、こな、みっ、もう、限界、かも、いき、できないっ」
「五十鈴っ、俺も、とりあえず、一回、出して、いいか?」
「だ、し、てぇ、いっぱい、奥にぃ、欲しいっ、ほしいっ、ほしいっっ」
だすぞぉっ、と声にならない表情で顔をしかめた後、妻の膣奥に大量の子種を放出する。びゅっびゅっと脈打つペニスと、きゅうっと
それを搾ろうとする膣の動きが、二人の放心した身体に響く。ぐちゅぐちゅになっていく膣内。夫は力尽いたのか妻に優しくのしかかる。
二人の周囲には男女の体液が交じり合ったことによる、むせ返るようなセックスの臭いが充満していた。
冬も深まる季節だというのに、熱帯夜のような汗ばんだ息が薄暗い部屋に響く。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ふぅ、はぁ、ふぅ、ふぅ・・・、は、いっぱい、でてる」
「うん・・・いっぱい、だせたかな」
「ああ、いっぱい・・・いっぱいだ・・・。ふふ、これは二人目、絶対できるな・・・」
色っぽい吐息が夫の肩にかかる。未だに子宮めがけて、放出され続けている精液を感じながら、呼吸を整える。
呼吸に合わせた胸の鼓動が、ゆったりとなり始めたのを感じ、夫は問いかける。
「五十鈴は、二人目、どっちがいい・・・?」
「ん・・・男の子がいい・・・。・・・ふふ、激しかったから、きっと、男の子だ・・・」
「五十鈴に、似てるといいな・・・」
「私は・・・小波に似て欲しい・・・あの子と同じに、元気で明るい子がいい・・・」
「・・・くすっ、そういえば義母さんも、小さい頃の小波にそっくりだって笑ってたな・・・。・・・・・・。」
盆に小波の実家へ帰省した際、義理両親と娘について話しをしたことを思い出す。
両親は、すくすくと成長していく孫について、とりあえず外見は母親似になっていることにホッとしたと笑って言った。
女の子だし、美人ならなんとかなる、と。・・・そう冗談に笑いながらも、少し遠い目をしていたと思う。
そこから彼らの心情を察した妻は、『娘の教育は“私が”“責任を持って”やります』と二人に誓った。
そうしたら手をとって拝むように懇願された。その時の両親の、何か重大なものを託したような顔が忘れられない。
「んー・・・似てるかなぁ・・・」
「・・・せ、忙しないところが、そっくりだわって・・・な、なかなかやんちゃだったんだなぁ、小波は」
少し目線を外にずらしながら答える。甘いムードがほんの少しクールダウン。
ちなみに両親とのやりとりは夫には話していない。知らぬが仏、いや、知らぬは亭主ばかりなり、である。
ふと、静かに響く娘の寝息に耳をすませる。二人して少々大きな声を出していたのに影響はなかったようだ。
昼間、屋内外問わず暴走するように走り回っていたから、熟睡しているのだろう。
・・・もし起きていたら、わけも知らずに混ざりにくる可能性があった。まったく恐ろしい。
ともかく娘の安眠を確認。夫婦は再び目線を合わせる。
「・・・なあ、五十鈴・・・」
「うん・・・」
娘を尻目に、下半身を繋げたまま、顔を近づけ口を咥えあう。色んな体液でべたべたする肌をすり合わせ、四度目の深いキス。
もうすでにぐしゃぐしゃになってしまった妻の髪をまた揉みしだきながら唇を貪る。
爽やかなシャンプーの匂いをかき消すような、唾液や性行為により大量に分泌された体液達の臭いが鼻を弄る。
汗ばんだ肌と肌をこすり合わせて、再び互いの情欲に火をつける。
「んっ、ふぅ、んはぁっ、・・・あぁ・・・小波、また・・・大きくなってる・・・」
激しい口付けによって、腹部に潜り込んでいる異物は再び脈動をはじめる。生殖の本能を取り戻し、その温度が上昇していくのが解った。
「五十鈴・・・このままもう一回・・・していい?」
「ああ・・・もちろん。でも・・・ちょっと落ち着いたから・・・今度はゆっくり・・・振って?」
「うん、わかった・・・ん」
唇を合わせなおし、要望どおり、ゆっくり腰を振る。先程出した子種たちがこぼれないように、大きくは引かない。むしろもっと奥へ
送り込めるようにじっくりと押し込む。腰と腰の間に一寸の隙間がないくらいぴったりと結合させ、大きく運動する。
久々の性交でも、すでにほぐれにほぐれた膣内。その中の熱い精液をかき混ぜられ、その温度に身体が小さく痙攣させる妻。
身体を小さく折りたためられて抱かれていることに、なんとも言い表せない安堵感を得る。
ひたすら気持ちよさに没頭した先程の行為とはまた違う、ゆったりとした静かな気持ちよさが、結合部を通して全身に広がっていく。
「ん・・・ん・・・んん・・・はぁ、小波・・・やっぱり、優しいな・・・」
「五十鈴・・・すごい、気持ちよさそうな、顔してる・・・」
「幸せそう・・・?」
「ん?・・・うん。・・・綺麗で、可愛い・・・好きだ・・・」
ちゅっと軽いキスをする。その後じっくり時間をかけ、再び彼女の中に放出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「こらこら、お行儀よく座って食べなさい」
朝の子ども番組の歌にあわせてそわそわする娘に叱責する。父に窘められ、彼女はジト目でむぅっと頬を膨らまし、座席に座りなおす。
「女の子なんだから、もうちょっとお淑やかにならないのかね」
「おとしやか?」
なんスかそれは、と首をかしげる。
「お・し・と・や・か。もうちょい静かにしなさい。そんなんじゃお母さんみたいになれないぞ」
「おー、おかあしゃんは、おしとやか?」
「あぁ。そりゃもう。高校時代なんてクラスじゃ一番の美人で淑女だったんだぜ。しかも勉強運動料理もできて・・・」
娘に昔話を始める夫。妻としては、たとえ褒められていようが、自分のことを話されるのはちょっと恥ずかしい。
(淑女なんて言って・・・そもそも子どもにわからないだろう・・・。 !? 淑女なんて言葉・・・知っていたのか・・・?)
心の中で驚愕。まさか小中学生レベルの知識で戦慄かさせるとは。
「・・・と、まあよく考えればお淑やかというか、つんつん冷たい感じでとっつきにくかったけど、やっぱり見た目はクラスじゃ一番だった」
「へー、ナオっちよりもー?」
母の高校時代からの友人を挙げる。卒業後もちょくちょく遊び(文字通りの意味で)に来る女性だ。
父としては悪友兼補習仲間で、娘に少なからず悪影響を与えていると思しき容疑者の一人。
つーか娘のお転婆加減は実は奴の仕業ではないのか、との疑念が彼女が遊びに来るたびに深まっていく。
二人してダンボールに隠れていたのを見つけたときはびっくりしたものだ。いわば情報屋の家庭教師。当然雇った覚えはない。
「ありゃー・・・ただのバカだ。あ、奈桜には言うなよ。(まーたアホな捏造ゴシップを仲間内に流されちゃたまらんからな・・・)」
「ま、強いて母さんと比べるなら・・・会長かなぁ。うん、神条もなかなかの美人だった・・・今どうしてんだろ」
「・・・“おとうさん”。とりあえず食事中に、べらべらと無駄なおしゃべりはよしたほうがいい。・・・いい加減にな」
伏せ目で妻に窘められ、肩をすくめてしゅんとする。調子こいてNGワードを踏みまくった罰。忘れたのかバカはお前だ、である。
それを見て、ドンマイドンマイ、と娘が手をひらひら煽る。慰めているのではない、口元がぷくっと空気で膨らんでいる。
挑発され、先程の娘のようにむぅっと頬を膨らます父。
父と娘、二人のそのそっくりな仕草を見て、妻はついつい噴出してしまう。
(四歳児と同レベル・・・か)
潜在的な性格は母親似なのか、精神年齢は少々高めの娘。だがそれと同格に向き合えている父親がなんとも可笑しい。
「? どうしたの?」
野良犬同士のケンカのように娘とにらみ合っていた夫が気づく。
「いや、ちょっと。」
(来年は・・・もっとにぎやかになってるといいな。)
「?」「?」
一人微笑む彼女を見て、夫と娘は顔を見合わせ首をかしげる。
「・・・ふふっ。幸せ。」 終
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ぎゃああああん!」「うぁああああん!」
「はいはいよしよし、ほら、お父さんはそっち!」
「は、はい、へ? げげぇ、やりおったぁ!! おか、お母さん、替えのおむつどこだっけ!?あぁまず、拭くモン!」
「ほらー、おとーさんこっちー! あーもー、あたしがやったげるよー。かしてー」
「ふふ、お父さんよりお姉ちゃんのほうがしっかりしているな」
「えへへー」
うへぇ、幼稚園児に取って代わられたよ・・・。双子の同時多発パニックなんて聞いてないぞ。
ちぇっ、相変わらず父親としてのメンツもなんもないよなぁ。
・・・ええと、ところで五十鈴さん。 どうしてそんな楽しそうに俺を見てるんだ。
【もっと彼女に幸せを】 終
ちなみに
>>11の冒険映画には氷の魔女やカバから美少女に変身するキャラクタがでてきます
>>1乙ですとも
>>24 GJ!
五十鈴かわいい
やっぱり10主はちょっと頼り無さげなところがまたいい
>>24 うおおおおおおおおおおおおおん!!GJ!!!
なんて幸せな家庭なんだ!!!五十鈴は絶対にいい奥さんになれるよね!!!
この中にドゥーニーがいるな。一体誰だ?
>>24 おお、GJ!
バカさ加減が実に10主らしいw
五十鈴はエロかわいいしたまりませんな
どうしよう、五十鈴かわいさよりも10主のほうが心配になっちまった。
超電磁砲最高!
禁書(笑)は糞
五十鈴ルートの10主はなんか性格が他のルートよりエロい気がする
小ネタ+勢いで書いたルッカさんを投下
とあるホテルの一室。
ルッカは一人の男を連れこみ、性交を行おうとしていた。
「あの、なんで俺はこんな姿に…」
「文句を言うな猿。性処理を行う為にお前に決めたんだ。感謝しなさい」
問いかける男に対して、ルッカは全裸の状態で仁王立ちで言葉を返した。
「じゃあ…早速、いきますよ」
男の膨張したペニスに顔を寄せると、乳で挟みんで亀頭をチロチロと舌で舐め始めた。
「っ……!!」
「ほらほら、出しなさい。我慢出来ないんでしょう?」
ルッカの煽りが効いたのか、数分も経たない内に男のペニスから白い液体が飛び出した。
「ぐぁっ……!」
「んっ!きゃ!」
吐き出された液体は止まる事を知らず、ルッカの胸や顔を汚していく。
「はあっ、はあ……」
「気持ちよかったですか?次は私の番です」
ルッカは男に抱きつくと、無理矢理自分の胎内にペニスを挿入した。
「「あああああああ!っ!」」
両者に激しい快楽が襲う。
特に男は激しく締め付けられている様で、無意識に腰を動かしていた。
「あぁっ!そこ!!凄く気持ちいぃっ!」
「はっ…はっ…はぁっ!」
気が付いた時には状態が逆転していて、男がルッカを抱きしめていた。
ルッカは快楽に浸っていて口からは涎が垂れている。
「う……だ、出すぞ!」
男が大声を上げると、ルッカの胎内に大量の白い液体がブチこまれた。
「あ、ああぁ……気持ちい……」
射精が収まると、ルッカは快楽のあまり気絶した男を放置し、服装を整えて部屋から去っていった。
翌日、その男は何故ホテルにいたのか忘れていたという
―――――――
もしかしたら、また勢いでルッカさんを書くかも
また急に書き込みが無くなったな
まさかルッカさんが投下されるとは思わず住人が扱いに困ったのか?
だが俺は小物でも構わず食っちまうぜ。
准を奴隷にしたい
目が覚めたら、奈桜が朝立ちを鎮めようとお口で奉仕していた
ナオニー
新スレになったのでせっかくなので投下します、10主×ナオ
非エロ&某所で投下済み、前回投下した10主×紫杏の続きです
セリフのみ&パロ多し、そういうの嫌いな人はスルーして下さい
「バカ物語」
「小波君、暇です」
「暇だな」
「だめですよ、小波君、そこはキミの方が綺麗だよ、ってボケるところです」
「話の文脈がまるで繋がってないからな?さすがに俺はそこまでバカじゃないぞ?」
「むー・・・やっぱり暇だからですかねぇ・・・小波君のツッコミにいつものキレがありません」
「そんなの作者に原作の雰囲気を醸し出す力量が足りてないからだろ、俺のせいじゃない」
「メタなことを言ってもダメですよ、これは小波君が暇で暇で今の私と過ごす時間をどうでも良いと思っている良い証拠ですよ」
「・・・今日は珍しく絡んでくるな、どうしたんだナオ、いつものムダに元気なお前はどこに行ったんだ?」
「『に元気』は余計ですよ、小波君」
「ムダで良いのか!?お前の存在意義!?さすがにそれは自分を卑下しすぎだろ!?」
「あと『お前』って小波君のことですよね?」
「俺への攻撃だった!!お前の耳は何かありとあらゆる奇跡でできてるものなのか?!何と等価交換したんだよ?!」
「小波君の青春の1ページ」
「今まさに記憶が失われていくっ!?」
「いやぁ、やっとこななみ君らしいツッコミがかえってきましたねぇ」
「俺はお前のツッコミ役でもないし、ついでにつっこませて頂くならナオ、お前はリュックサックの似合うかわいらしいツインテールの小学五年生でもない。そしてさらにつっこませてもらうなら、俺の名前は小波だ」
「失礼噛みました」
「違う、わざとだ・・・」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!?」
「かしましだ」
「さらとお前の関係っ!?」
「いつきを含まないんですか?と言うツッコミは無粋ですかね」
「もう、あの子の扱い方もわかってきたよ・・・」
「むー、いつきのことを悪く言うのはユルサナイデスヨ?」
「棒読みで言われても全く説得力がないな」
「クスクスクス・・・っていうかさっき流してしまいましたけど、小波君、さっき私の妹に対してもひどいこと言いませんでしたか?」
「え?さらに関して俺なんか悪口言ったか?」
「ええ、はっきりと、全く・・・無意識でさらに悪口をいうなんて良い度胸ですね、小波君」
「まて、それって俺に都合悪く読まれてるだけじゃないのか?」
「とんでもない!!さっき小波君言いましたよね!『さらにつっこませてもらうなら』って・・・」
「耳年増!?」
「失礼な!!まだぴちぴちの十代です!!」
「耳はもうご隠居なさった方が良いと思いますがね!!」
「ご心配なく、耳の方ならすでに実家に帰らせました」
「ご隠居させていただきます、ってセリフと実家に帰らせていただきます、ってセリフはまるでかみ合ってないからな!?」
「今のはボケじゃなく本気で言ったんですから、ツッコンでくれなくても良いんですよ!?」
「本気で言ってたのかよ!!頭もご隠居させておけ!!」
「暇です、小波君」
「倒置法にしただけでさっきまでの会話のとっかかりと何ら変わってないからな?」
「新聞記者の私がこんなに暇をしてて良いのでしょうか・・・女子寮のみんなは潤いと刺激と運命の出会いを求めているというのに・・・」
「おいおい、またなんかやっかい事を記事にするつもりなのか」
「いえ、その記事にするだけの情報がないから困ってるんです・・・たいていのおもしろおかしいことは記事にしちゃいましたし・・・」
「空飛ぶパンの件についてはわりかし発行部数が伸びたらしいじゃないか」
「あれ以来大きなスクープに巡り会わなくって・・・はぁどうしましょうかねぇ・・・」
「ふーん」
「むー・・・興味なさげですね・・・」
「そりゃ他人事だからな」
「・・・ふぅ〜ん・・・そんな意地悪いこと言うんだったら私にも考えがありますよ?」
「へぇ、なにさ?」
「こないだの紫杏ちゃんの件を記事にして再び発行しても?」
「・・・オイ、まさか・・・」
「いやぁ〜、アレはすごかったですよねぇ〜」
「・・・」
「天下の自治会長さんを相手にして、二人っきりになったことを良いことに紫杏ちゃんを壁に押しつけて情熱的な『俺は・・・好きだよ?』
なんてセリフ聞いちゃった日にはもうブン屋としてこれ以上のスクープはないですよね〜、きゃーきゃー!!」
「・・・ナオ」
「いやぁナオちゃん、さすがに顔が熱くなっちゃいましたよ〜、しかし!!私は正義のブン屋!!あんなまざまざと学校内でいちゃつか
れちゃった日にはこれは皆さんにも教えてあげないと!!と言う使命感に変わりましたからね!!」
「ナオ、お前はそれで良いと思ってるのか?」
「いいんですよ?私がこれを記事にすることできっと紫杏ちゃんはみんなから嫌われてるだけの自治会長じゃない、こんなかわいらしい
一面があるんだって全生徒から親しみを持ってもらえると思いますよ?」
「・・・!」
「紫杏ちゃんの苦労を知っている人って・・・しかもそれを正しく理解してくれてる人って、意外と少ないと思うんですよね」
「ナオ・・・」
「どうしてあんなみんなに嫌われるようなことをしてまで自治会長という仕事に身を殉じているのか・・・楽しいことが好きでバカな私に
はわかりかねますけどね」
「・・・」
「でも私は知っているんですよ?紫杏ちゃんが『この学校の生徒全員が居心地の良いパブリックスクールを作る、その環境を整えて次の
世代の自治会長に引き継げたら良い、それで私の仕事は全うできるんだ』そういつも言って憎まれ事も面倒事も全部自分一人で請け負っ
ているってことを」
「・・・」
「でも、政治家がまるで汚いことしかやっていない、と言う風にマスコミが世論を動かしている今の日本の政治家の扱いと同じで、紫杏
ちゃんも悪いことを、嫌われるようなことをしているという部分しか生徒達に伝わっていないと思うんです」
「・・・」
「そんなの・・・不公平じゃないですか・・・紫杏ちゃんだって人間なんです、もっともっと自分が楽しむために人生を生きても良いじゃないですか」
「そう・・・だな・・・そして何よりあいつは他の人よりも・・・」
「そう、不器用なんですよ、だから感情のぶつけ方がわからない、だから今のままじゃ人生は楽しめません!!」
「なるほど、だから紫杏からの差し止めに対してもあんなに抵抗したんだな?」
「クスクスクス、まさか、私はただこんなにおもしr・・・楽しいことを記事にできなかったことが悔しかっただけですよ?」
「・・・今おもしろいことって言おうとしただろ・・・」
「クスクスクス、なんのことです?私はバカなので3秒から前のことは覚えていませんね」
「それは笑えない冗談だぞ?!」
「冗談はともかく、私には二つ夢があるんです」
「3秒前のことは覚えてないのに昨日見た夢のことは覚えているのか?」
「ここでボケ倒すんなら小波君はナオちゃんの彼氏失格検定2級を進呈しますよ?」
「ちゃんと聞いてるよ」
「一つは、真実を追い求める新聞記者」
「立派な夢だな」
「もう一つは、小波君の追っかけ記者」
「とたんにレベルが下がったな」
「そんなことありません、きっと小波君は将来プロの野球選手になったらメジャーリーグとかに行くに違いありません、その時に一緒に追いか
けていける記者なんてすごくレベルが高いはずです」
「・・・」
「メジャーリーグに行く時はちゃんと教えて下さいね、私はちゃんとついて行きますからねっ!」
「記者として、なんだ」
「え?」
「そうかそうか、俺がホッパーズに入団して、数年してからメジャーに挑戦しに行くその時までナオにとっての俺との関係はずっっっっと一介
の新聞記者と一介のプロ野球選手なんだ、へぇそうなんだ」
「え?えぇ!?」
「じゃあ俺がその間に美人な女子アナと結婚しても何ら文句はないわk「それ以上言ったらその口をホチキスで閉じますよ?」すいません!!
調子に乗りました!!だから本気でホチキスを構えるのをやめて!!!」
「全く、小波君は・・・ズルいです」
「だってそんなこと言われたら、寂しいじゃん」
「・・・やっぱり、ズルいです・・・」
「ナオ・・・」
「私、本当は聞いてたんです、紫杏ちゃんと小波君が二人でいた時、何の話をしていたかも、小波君が何に対して好きだ、って言ったのかも」
「なんだ、やっぱりそうだったのか」
「・・・そして、紫杏ちゃんが本当に小波君を好きなことも・・・」
「うん?なんて言ったんだ?」
「私、ひどい女ですよね」
「あぁそうだな」
「本気で言っているのならその鼻の穴を裁ちばさみで一つにしても良いんですよ?」「やだなぁ、心からそんなこと言うわけないじゃないか、は、ははは・・・」
「・・・ひどい、女なんです」
「ナオ・・・」
「小波君、こんなひどい女でも私はあなたの彼女で良いんですか?」
「当たり前だろ、お前は俺の自慢の彼女だよ」
「・・・」
「だからずっと付いてきてくれ、俺がプロ野球選手になっても、メジャーリーガーになっても、引退して解説者になっても」
「私は嫉妬深いんです」
「知ってるよ」
「だから今度から紫杏ちゃんと抱き合ったりしたらダメですからね?」
「抱き合ってないって」
「みんなの前でナオって呼んでくれないと拗ねちゃうんですからね?」
「・・・善処するよ・・・」
「バカで料理もあんまりできなくて役に立つことは何一つとしてできないかもしれないんですよ?」
「でもナオはいてくれるんだろ?」
「もちろんです!!私みたいな女に付けられて後悔しないで下さいね」
「当然だろ・・・っていうかお前みたいな女に付いていける男なんて俺しかいないだろ・・・」
「・・・嬉しいです・・・小波君・・・」
「ナオ・・・」
暗転
以上になります、読んでいただいてありがとうございました
もうちょいしたら新作上げるのでそちらも読んでくれると嬉しいです
ナオはミーナさんの後釜として頑張ってほしいと思った
>>47 乙!
ナオは裏にもっと出てもいいんだけどなあ、キャラ濃いし
リコと比べてそんなに扱いづらいんだろうか?
どこがと聞かれると困るが10ってやってて微妙な気分になる。なぜか盛り上がらない
こんばんは
【概要】
12小波×浅井漣
本編GOODED後 エロ有り
!!!!乱暴・強姦的表現有、苦手な方要注意!!!!キャラクタ崩壊有り注意!!!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
文字雑多で読みにくいと思われる。予めご了承ください。
以下、20レスほど頂きます よろしくどうぞ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「んんっ、はぁぁっ、いっ、やぁぁん」
「おらっ、どうだ、気持ちいいかっ?おいっ」
「お、お願い、ひっ、も、もうやめてっ、許してぇっ・・・」
そこはずいぶんと暗い部屋だった。窓から外を覗けばひどい曇り空で、月も星もでていない。
闇妖でも出てきそうな、どす黒い夜。
その暗い世界で男女が二人、情交を結んでいた。いや、情交というには語弊がある。
その部屋で行われている行為には“情”というものは感じられない。
女は男に犯されていた。
無骨なベッドの外枠に両手を手錠で括り付けられている。その姿はまるで自らの不幸を神に拝み、訴えているようだった。
後ろから何度も何度も乱暴に突かれ、汚い罵声を浴びせられ、
それでも解放されず、もうすでに小一時間慰み者にされ続けている。
ギシギシと軋むベッドの無機質な音が、ただただ残酷であった。
「なにが、許してだっ、このっ、このっ、雌犬めっ、お前は娼婦だっ、売女だっっ」
男は女を刺し殺すような勢いで責め立てる。乱暴に、彼女の丸く形の良い尻に腰を打ち付ける。さらに一突きごとに女を貶す言葉をかける。
「しょ、う、ふじゃ、あ、ありません!わたしぃっ」
美しい黒髪、滑らかな白い肢体の女はそう反論する。
激しい行為の所為か、それとも陵辱的な罵声の所為かはわからないが、その翠色の瞳に涙を浮かべていた。
それでも性交によるオーガズムは押し寄せてくる。卑劣な男には屈しないとする彼女は歯を食いしばるようにして
それに抵抗する。体験などしたことの無い酷い陵辱行為に、本来の端整な顔立ちは見る影もない。
「うるさいぞっ、口答えするんじゃないっ」
一層強く男は腰を突き出す。その衝撃に女はたまらず絶叫に近い喘ぎ声をあげる。
「ははっ、まるで、犬みたいだなっ。お前の会社、和桐だったか? おらっ、雌犬の学校だなっ」
「ひ、ひど、い、こんな、も、もういやぁ・・・あぁぁぁっ」
とうとう精も根も尽き果てたのか、女は泣き崩れる。
同時に激しく腰を打ち付けていた男も限界――射精が近づいていることを感じ始める。
(・・・もう、限界だな・・・)
と、男は彼女から自分のモノを抜き取り、彼女の上半身へと詰め寄る。
「おい、こら、こっちむけ。顔にかけてやる。有難くなめろよ、雌犬っ」
そういうと男は女の頭を右手でつかみ、左手でゴムを乱暴に外した後、薄黒い棒を女の顔にこすりつけた。
容赦なく放出される精。女は成す術も無く、その顔を汚されていった。
【鵺の情】
「・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・その、・・・ど、どうでした?」
「・・・・・・えと、・・・正直、その・・・まあ、なんというか、・・・疲れた・・・かな・・・」
「・・・ですよね・・・本当、すみません・・・」
重苦しい曇り空もいつしか過ぎ去り、美しい月の光が差し込むようになった部屋で、小波と漣は“反省会”を行っていた。
まだ体温は上昇を保っていたが、とりあえずは体液で汚れた身体をふき取り、二人してベッド脇の壁に寄りかかり軽く放心していた。
「・・・こういう・・・SMプレイ?は、当分は・・・いいかな・・・はは・・・は・・・」
遠い目をした小波がつぶやく。眼に光が宿っていない。所謂レイプ眼である。
「ご、ごめんなさい!・・・私が、その、こういうのしようなんてことを無理に・・・」
ぐったりとした小波に漣は心底申し訳なさそうに謝罪する。妖しいシチュエーションにトリップしていた精神もすっかりシラフだ。
それどころかプレイ前には絶対に新しい快感を得られると確信を持っていた漣は、小波のドン引き具合にかなりのショックを受けていた。
「い、いや、別に漣がどうこうってわけじゃないよ。ただ、俺にはちょっと、合わないかなぁ〜って話で」
「うぅ。すみません。私ばっかり気持ちよくなって・・・。今日は早朝から大会で大変だったのに・・・」
日付はすでに変わっているため昨日になるが、その土曜日、漣はまるまる休日。一方小波は教え子の大会で早朝から出勤だった。
「そ、それは気にしないでよ、漣。俺は漣が気持ちよかったらそれでいいし、俺も・・・まあ、気持ちよかったしね。うん」
漣を気遣う小波だったが、その顔はどう見ても、体力ゲージもやる気ゲージもその他諸々すっからかんとわかる顔であった。
昨年夏、邪悪な電子生命体・デウエスが仕組んだ、破滅のゲームに打ち勝ちついに結ばれた小波と漣。
その後二人とも就職に成功し、順風満帆の構えで同棲を始めた。
二人で部屋を借り、二人ではじめた新生活。今まで女っ気がなかった小波にとっては夢のような日々のスタートだった。
正直言って小波にとって漣は、今までの自分では考えられないような女の子である。容姿端麗、頭脳明晰、しっかり者で家庭的。
たまに見せるドジなところも愛らしいし、そしてなによりも、自分の事を一途に愛してくれる。
世の男が考え得る“いたれりつくせり”を具現化したような女性だ。
(ああ、俺って世界一の幸せ者だよなあ〜)
漣の癖がうつったのか、幸せな時間を想像しては「でれ〜」っとすることを教え子達に気味悪がられたのはつい先日の話。
だが、そんな小波にも悩みがあった。いや、悩みというほどではないかもしれない。いやいや、逆に大きな悩みとも言えるかもしれない。
その悩みの種というのは漣の性欲であった。漣にとっても小波はついに出会えた運命の人であり初めての異性。
さまざまな“初めて”が、持ち前の好奇心や探究心をぐいぐいとかきたてるのだろうか。
小波が思うに、彼女のハマリ性は伊達じゃない。もしくは言うところのセックス依存症だろうか。
なにか・・・物の怪にでも取り付かれたかのように、毎晩性交を求めて来る。
詳しく言えば、二人で暮らし始めてからというもの、セックスをしなかった日というのは彼女の生理の日以外、ほぼない。
漣は残業で遅くなろうが、くたくたに疲れていようが、例のデータの解析がヒートアップしようが、ベッドに入れば小波を求めてくる。
さらにいえば生理の日でさえもオーラルで愛を求められる。体調が良いようならソフトかつクリーンに“する”。
生理の日でも出来るみたいですよ!とネット検索でテンションを上げていた漣は、宝クジにでも当たったかのような顔をしていた。
小波も、漣に夜、艶やかな表情で懇願されては多少疲れていようがその気分じゃなかろうが、まずもって選択肢がない。
行為の内容も次々と漣が提案していった。マニアショップで学生服やゲームやマンガの衣装を買い込んでのコスチュームプレイ。
部屋のクローゼットにはRPG風衣装や忍者服、宇宙SFの制服に海賊服などが揃えられ、他人には見せられない空間が出来上がっている。
それから初夏の花火大会の時は、漣に穴場があると連れられた人気のない場所で青姦もしたか。彼女は避妊具持参で最初からする気
だったようだ。浴衣を着た漣に行為を誘われて、正直小波も花火所ではない。彼女の買ったばかりの蒼い浴衣をドロドロにしてしまった。
また当然ながら、近隣のラブホテルなんてほぼコンプリート状態である。休日デートの都度、通っている状態だ。
ホテルのポイントカードはお得だ。ちょっと安くなるしなにやら良くわからない粗品ももらえる。・・・閑話休題。
先程のSM気味プレイも当然漣の提案である。こういうのやりたいと用意された参考資料を見て、流石の小波も漣に
こんな乱暴なことはできないと嫌悪と拒否の意を示した。が、台本を作ったり小道具を買ってきたりする彼女の異常な
熱意にとうとう負けてしまい、ヤケクソ気味に彼女の要望に応えたのだった。
(まさか雌犬だの売女だの言わされるとは・・・女の子はあれで興奮するのか?というか俺も良くこんな罵詈雑言を漣に言えたよなぁ)
先ほどの激しい行為を思い出し、彼女が用意した、異様にサディスティックでマニアックな言葉のチョイスに苦笑する。
(・・・ベッドインの前にお酒入れてなかったらまず無理だったな)
(しかし、今日のも大概すごかったけど、こういうのがこれからもずっと続いたら俺・・・腹上死するんじゃないか?)
ある種幸せな死に方である気もするがそういうわけにもいかない。愛する彼女を間接的に殺人者とするわけにはいくまいて。
(まあ、死ぬのは冗談でも漣だって朝が辛そうなときも多いし。漣の為にもちょっと言ってみようか。うん、これも彼氏のツトメだよ)
「なあ、漣。」
「・・・は、はい!なんですか?」
行為の疲労感と小波に無理強いした自己嫌悪で落ち込んでいた漣。深い翠色の眼を大きく見開き、あわてたように返事をする。
「その、さ。えと・・・エッチのこと・・・なんだけど」
びくっと肩を脅かし、まるで恐れていたことを指摘され、そして観念したように彼女は反応する。
「・・・・・・やっぱり、その、しすぎ・・・ですよね・・・」
「・・・かな。あ、いや、俺は漣のこと、ほんとにすごくすごく好きだけど、もちろん、漣とのエッチもすごく好きだけどさ」
「ごめんなさい、いつも・・・小波さんにだって色々都合があるのに甘えちゃって。私、ダメな女ですね」
シーツで顔を半分隠すようにしてちょっぴり涙目でつぶやく。
「私・・・、小波さんと出会うまで、男の人とこういう関係になったことなくて」
「恋愛は人並みには憧れてはいたんですけど、その、エッチについてはマンガとかゲームとかで知識や妄想ばっかり膨らんじゃって」
ゲーム、という言葉に引っかかりを覚えつつも小波はうんうん、と頷く。
「ずっとコンピュータの勉強とか、研究室こもりとかでいろいろと溜め込んでた分、その、タガが外れてしまったというか」
「・・・好きで好きで仕方が無いんです。小波さんを・・・感じることが。自分を感じてもらうことが」
「そして・・・なにより怖いんです」
肩をすくめ、声を少しだけ震わせる。
「怖い?」
「・・・小波さんが、・・・いなくなることが、怖いんです」
「もし明日、小波さんがどこかに行ってしまったらとか、一人の時についつい考えてしまって・・・」
「・・・デウエスがまた出てきて、小波さんを連れて行く夢とかも、何度か見たりして」
「そんなことが続いて、不安で自分が抑えられなくなって、あなたをもっともっと、感じられるだけ感じたいって・・・」
「・・・心も、身体も感じたいって・・・」
「・・・あ・・・う・・・い、言い訳ですよね。こんなの・・・。」
(あぁもう、私ったら小波さんに甘えてばかり。このままじゃいつか本当に嫌われちゃう・・・)
ぐす、とシーツで涙を拭う。彼女も小波と一緒に晩酌の酒を飲んだのだが、悪酔いがちな彼女もさすがに酔いが飛んでしまったようだ。
彼がいなくなるなどの予感は、彼女にとって嘘偽りの無い、本当の恐怖であった。怖気で身体が硬直してしまうほどの悪夢。
だが、そういう不安を性交という行為で打ち消そうとするも、それに自分の趣味や興味などを同乗させ、
自身が貪る快楽として享受してしまっていたのもまた事実だった。
己の浅はかさ、姑息さ、そしてなによりも弱さ。心臓を鷲づかみにするような自己嫌悪に胸をこわばらせる。
いつもは気丈で陽気なはずの漣。そのひどい落ち込み様に、小波は彼女の心情を察知する。
「漣・・・」
漣の顔を覗き込むと頬に涙の粒が滑り降りている。暗がりに光ったそれは、美しく見えるも小波の胸にぐっと突き刺さる。
(おいおい、こんな寂しく泣かせるために言ったんじゃないだろう。なにやってるんだ、俺は)
(・・・俺が漣に言わなきゃいけないことはこんな事じゃない。俺が言わなきゃいけないことは・・・)
ふっと頭を軽く振る。もうエッチがどうのこうのなんてどうでも良いことだ。
今、漣に言わなければいけないことを直感的に頭から引き出す。彼女の不安を取り除く、彼女のための言葉。
「・・・漣。ずぅっと前にも言ったけど、覚えてるかな?俺はさ、君がいないと、もうどうにもやっていけない男になってるんだ」
ぐいと彼女の華奢な肩を引き寄せる。突然のことに漣は初々しそうに顔を紅潮させてしまう。
「小波、さん・・・?」
「・・・もし漣がいなくなったりしたら、俺は・・・たぶん壊れると思う」
「あれだ、廃人になるな、うん。・・・つまり、俺からいなくなることはない」
「次に、デウエスの奴もあの日みんなでやっつけた。あいつはもういない。俺がワケわかんないのにやられるのも、現実問題ナシ」
「だから・・・結論。俺は君の前からいなくなるなんてことはないよ。きっと。いいや絶対、死ぬまで一緒だ。」
(お?・・・ちょ、ちょい待て。何が言いたいんだ俺。酒がまだ残ってるのかな。んあー・・・んーと、えーと、要は)
「そう、俺たちには時間はたっぷりある。飽きるほどある。だから二人でやりたいこともそう焦らなくていいんだ」
漣の潤んだ目を見ながらニコっと微笑む。その瞬間、彼女の翠色の瞳からポロポロと涙があふれ出る。
「小波、さん、すみません、私、私・・・」
「はは。よしよし。今、漣が思ってること、ちゃんと解ってるつもりだよ。俺は漣の運命の人で、漣は俺の運命の人なんだから、ね。」
泣きじゃくるように自分の胸板に顔をこすり付けている、この世で一番愛しい女性の黒髪をやさしくなでる。
いつもはしっかり者の漣だが、失敗して一度自分を責めてしまうと、途端にひどいマイナス思考に陥ることを小波はよく知っていた。
「小波さん、小波さんっ、ごめんなさい私、小波さんが好きすぎてっ、うぅっ、自分が、止まらなくなっちゃって」
「小波さんと、一緒にいられるだけでも充分なはずなのにっ!バカなことばかりして!子どもみたいにわがままばっかり!」
嗚咽交じりの懺悔。小波は大丈夫だよ、いいんだよと言うように漣の頭を優しくなで続ける。
「ううん。俺のほうこそ、ごめんね。漣の不安をちゃんと汲み取ってあげられてなかった。君の恋人として、俺はまだまだ未熟だ」
「・・・だからさ、お互いをもっともっと時間をかけて、大事にしていこうよ。じっくり、もっと好きになっていこう?」
「大丈夫。いつになっても二人は離れない。悪い予想なんて絶対、100%当たらない。ね?」
頭を撫でていた手を彼女の頬に滑らせる。流れた涙の湿り気を感じ、それを親指で拭う。
「小波さんは・・・小波さんは優しすぎます」
「・・・・・・私も、私もゆっくり、大事に、小波さんと生きていきたいです。これから、ずっと」
潤んだ上目遣いで小波を見上げる。もう涙は流すまいとぐすぐすこらえながら、彼女は精一杯の笑顔を見せる。
小波はそのあまりにも愛おしい表情に体中が一瞬で昂揚する感覚をおぼえる。そうだ、自分はこの表情をさせたかったんだと確信する。
「漣・・・。」
と、シーツの中で自分の下半身がなにやら主張をし始めていることを感じる。
先程出したばかりでまだジンジンと麻痺はしているのだが、問題ないとばかりに分身は立ち上がり始める。
(・・・う゛。漣のことになったら、俺もホントに止まらなくなるな・・・。・・・ど、どうしよう)
シーツに徐々に形が現れている。随分とかっこつけたことを言った手前、下はこんなことになってますハイは恥ずかしい上情けない。
抑えようと瞬時にエロとは程遠い経済用語を暗唱してみるが効果はない。
この状態、漣が気づきでもしたら、おマヌケなのにも程がある。
(・・・はぁ、つくづくなにやってんだ俺。必死に隠蔽するほうがバカっぽいだろ)
ふぅっと、覚悟を決めた時の深い呼吸。
「漣!ごめんっ!俺、なんかえらそうなこと言っちゃったけど・・・その、えーと、あはは、その・・・元気、でてきちゃった。ほら」
きょとんとする漣に自分の下半身を覆うシーツをめくり、分身の復帰を見せる。
元気、というかもうすでにぴくついているくらいの剛直ぶりである。
たはは、と苦笑いする小波。
(あぁぁ、俺、今めっちゃめちゃアホなツラしてんだろうなあ・・・)
「こ、小波さん・・・えへへっ、・・・え、えと、ど、どうしましょう?」
彼女もしんみりとした表情から一転、はにかみながら苦笑する。
「うぅー、そうだな・・・うーん・・・」
考えてもどうせたどり着く答えが決まっているのは知っている。
でもやっぱり言い辛い。
「んー・・・じゃ、じゃあ、えーと、なんというか、かんというか、二人の再出発というか。」
「・・・その・・・しよっか?なんていうか、初心にもどった感じで。お互いのこと、もっとしっかり理解できるように。」
セックスの回数を減らそうと言いながら結局誘ってしまい、ちょっとバツが悪そうに提案。それを聞いた漣は再び頬を紅潮させる。
頭をぽりぽりかきながらどうかな?と再度問う。漣は彼の照れた表情にクスッと吹き出し、彼の眼を見つめなおす。
「・・・はいっ!小波さんっ!この世で一番っ!大好きですよっ」
涙がまだ瞳にうっすら残る笑顔でそういうと、漣はグイと身を乗り出し小波の口に咥えつくようにキスをした。
「ん、うんん、ちゅ、んっ、んっ、ン」
月明かりが漣の白い上半身を照らす。壁にもたれかかって座っている小波の下腹部に、馬乗りになるようにして座り、
首に腕を回ししっかりとキスの感触を感じようとしている。
キスをしているときの漣は必死にミルクを飲む仔犬のようで愛くるしい。小波の唇を何度も何度もついばむようにしてその感触を味わい、
また舌を進入させては相手の口内を全てなぞるようにする。
「ぷはっ、はぁはぁはぁ」
ようやくキスから解放される。自分の口から離れた漣の口周りはすでに唾液でべたべたになっている。
「んはぁ、んふぅ、小波さん、もう少し・・・まだ・・・もうちょっとだけ、キスしたい・・・です」
長く白い指を揃え、愛おしそうに彼の頬をすりすりと撫でる。
「うん、いいよ。・・・漣。キス、すごくうまくなったよね」
そうですか?といいながら舌なめずりし唇を湿らせ直す。ぷっくりとした唇が湿り気を帯び、色っぽさがさらに増す。
「うん。初めてのころはなんか、可愛くチュって感じだった」
これですか?と小波が言ったような軽いキスを頬にする。唇を離し、えへへ、とちょっと恥ずかしそうに笑う。
大人の女性というよりは、あどけない少女のようなその笑顔を見て、つられて小波も少年に戻ったような笑みをこぼす。
だが二人ともすぐに大人の表情に戻る。二人がしているのは子どもの恋ではなく、大人の愛。
「それじゃあ、改めて、もう一回・・・。んんっ、ちゅぅっ」
再び小波の口に咥えつく。先程は漣にされるがまま、任せていた小波だが今度は自らも舌を突き出し、
愛しい彼女の舌をいじり返す。自分の口内とは違う感触。今二人の舌は味覚ではなく触覚を感じるために機能している。
先端だけで突き合い、また握手をするように絡めあう。舌を相手の口内に這わせ、歯茎や歯並びの形を触って確認していく。
そしてこの応酬によって口内にたまっていった相手の唾液を舐めとり合う。
「んんんんっ、むんー、んーっ、んはぁ、はむぅ、ちゅう、ふぅんん」
二人とも眼を瞑り、唇と舌の感覚に神経を集中させ、一心不乱にキスを楽しむ。
火照った息遣いと舌運動の音だけが響く部屋。二人はこの作業だけをすでに10分以上も続けていた。
今まで幾度と無く行ってきた舌の格闘と唾液の交換だが、今日は別段濃い内容であった。
「ぷはぁ、はぁはぁ、ちゅる、はぁ、はぁ、ん・・・ふぅ、小波さんの味・・・おいしいです」
「ごめんね、ちょっと酒臭い?」
「え?ふふ、私だってお酒飲んでますし、お酒は好きですから。あっ・・・」
口元からつぅーとこぼれてしまった、どちらが出したのかもはや解らない唾液を親指でぬぐい、ちゅぱっと音を立てて舐めとる。
そしてそのまま舐め取った手で、先程から自分の恥丘に接触し続けているモノをやさしくつかんだ。
次のステップに行きたいとの意思表示だろうか。眼を細め、妖艶な笑みを浮かべながら小波をみつめる漣。
モノをつかんだ手の親指の腹を使い、その先端部を柔らかくすりすりとさする。
すでに粘り気のある液体が分泌されていた。その液体を剛直の頭部分に塗りたくるように大きく指を動かす。
彼女の下腹部で行われている、そのいやらしい感触に小波もたまらず身震いをおこしてしまう。
淫らな行為の連続で、とろんとしている翠色の瞳を見つめる。流石に言葉なしでも解る。
どうやら、彼女は小波のGOサインを待っているようだ。
「・・・じゃあ、漣。そろそろ下の奴にも、キスしてやってくれる?」
「はいっ了解です♪」
指示を受けた漣は、よいしょと小波の下半身から後退し、そのまま彼の分身に顔を近づける格好になる。
反り返ったペニスを指で軽くつつき、微笑む漣。まるで猫が玩具で遊んでるようだ。
「ふふ、なんだか今日はいつもよりちょっと大きいみたいですね」
「きっと漣がいつも以上にかわいいから張り切ってるんだよ」
ちょっと照れくさそうに、はにかみながらペニスの裏筋にちゅっちゅっとキスをする。かわいい接吻に思わずぴくぴく反応してしまう。
そのまま漣は舌を突き出して裏側の下から上までを一舐め。舌のざらついた感触に、思わず小波の口から大きく息が漏れる。
その反応を見て漣も興奮から甘い息を漏らす。舌なめずりし、本格的にフェラチオにとりかかる。
先程まで散々指でいじめていた尿道口に舌をつけ、チロチロとつつく。少しずつあふれてくるカウパーの酸味を確かめながら
穴を広げるように優しくこねる。時折舌を離して唾液を亀頭にたらし、再び繊細な舌使いで小波を悦ばせる。
「ん・・・ん・・・ちゅ・・・。ん・・・ふぅ、ちゅぷ、はむ、うぅん、ん、はぁっ、どうですか?」
「うん・・・。すごく、気持ちいいよ。気持ちよすぎて、辛いかも・・・」
「もう。まだ先っちょしかいじめてないのに。本番はこれからですよ?」
そう言うとはむっとまるごと一気にペニスを頬張った。亀頭がこつんと彼女の上あごにあたる。
普段の清楚な彼女からは想像できない、妖艶な息遣いをしながら、漣は頭を上下させながらペニスを吸い付ける。
口の中では舌をうまく転がしながらペニス全体を満遍なく愛撫している。舌を使って浮き出た血管の感触を楽しむ。
(あ、いけない。こっちはお留守でした)
ペニスの根元からぶらさがっている睾丸に気づき、すかさず手でやさしく揉む。
(まだまだ精子を送ってきちゃだめですよ?)
自分のしている行為とは裏腹の無理難題を心でつぶやきながら、さらに彼女の頭は上下動を加速させていく。
ざらついた舌の感触と、口の中のほどよい温度が小波の加速的に限界へと誘う。
「漣、すごい、いつもよりなんか、すごい気持ちいいよ、つか、やばい、そろそろ、やばい」
それを聞いて上下動だけでなく揺さぶるような動きのパターンに切り替える。
まるで歯磨きをするように頬の内側にペニスをこすりつける。漣の頬の膨らみから、自分のモノの
形が浮き出て見えるようでなんとも恥ずかしい。咥え込まれた自分の分身は、巧みな舌使いによって前後左右に転がされている。
容赦のない快感。歯を食いしばるように我慢するも、決壊が近づいていた。
「うおぉっ、ごめん漣っ、まじで、もうっ、出るっ」
それを聞いても漣は全くやめるそぶりは無い。それどころか一層舌に力を入れてペニスを締め付ける。
と、その瞬間、とうとう小波の我慢は決壊してしまった。咥えられたまま、漣の口内に射精する。
小一時間前に漣の顔に大量に射精したというのに、それを明らかに上回る量を出してしまう。ドクドクという流出の音が
下半身から響いてくるようだった。
「んんっ、ん、ん・・・、ん、んン」
自身でも多いとわかるくらいなのに、漣は子種達を冷静に飲んでいく。んっんっと喉を鳴らし、運動後の給水のごとく、
自分の体内に流し入れている。小波も彼女の喉の音に合わせて射精をするように、ペニスに調節を加える。
すでに数え切れないほどの行為をこなしたことによる、ある種経験ありきのコンビネーションだ。
流石の大量射精も勢いが弱まってくる。その気配を感じると、彼女はストローで底に残った液体を吸いだすように精を吸い込む。
睾丸内のストックも吸いだされてしまうような勢いに小波は声にならない絶叫を上げる。
射精も完全に終わり、漣は名残惜しそうに口を離した。唇と尿道口を紡ぐ細い白糸が光る。
それを指で絡めて少し弄び、愛おしそうに舐る。
「・・・ごちそうさまでした。小波さん、どうでしたか?」
「失神するかと思ったよ。漣の口はもう凶器だな。あれだ、法規制が必要だ」
下らない冗談混じりに技術を賞賛され、ちょっと満足げに微笑む漣。自分でも小波を悦ばせられた内容だったと自賛する。
「じゃ、次は俺が漣ので遊ばせてもらおうかな」
小波はそういうと漣の肩を支えながら彼女に仰向けになるよう促した。
少し恥じらいを見せながら脚を開いていく。
白く美しい脚の根元にある、世界中で小波だけが知っている漣の二つ目の口が姿を見せた。
良く手入れされた陰毛、そして濡れて官能的な光沢をした赤い陰門。光源が月の光のみの青白い部屋でも、
その鮮やかで生々しい美しさは際立っていた。今まで何度も何度もこの門を激しくこじ開けてきたのに、一切劣化することなく、
初めて拝見した時と変わらぬ美しさを保ち続けている。
「やっぱり漣は綺麗だね」
陰門から目線を上げ、彼女の細く美しい肢体を視ながらおもわず口にする。
「小波さんがいつも、大事に大事にしてくれているからですよ。」
そう言いながら彼女は自分の陰門に手をやり、人差し指と中指で肉の穴を開かせる。来てください、ということなのだろう。
彼女の指と交替し、小波は両手の人差し指で大きく陰唇を開く。漣の匂いがうっすらと香る。彼女はいつも入浴時自分の性器を丁寧に
ケアしている。出来るだけ健康かつ清潔に保つため、ネットや医療本で情報を得て、いろいろと手入れしているようだ。
(なんというか、プロフェッショナルだな)
以前尋ねたときに小波さんに気持ちよくしてもらうためですっ、とどこか凛々しい顔で言っていたのがちょっと可笑しい。
・・・男性器についても勉強しているようで、小波さんのもちゃんと手入れしてあげましょうか、とデリケート用ソープを
手に迫ってきたときは、流石にNO THANK YOUした。嫌だったわけでなく、確実に戦闘になだれ込むからである。
風呂場で楽しむのも嫌いじゃないが、熱中してのぼせる危険性が高い。というか実際なったことがある。
彼女の濡れた門の上部にある、ぷくりとした飾りにキスをする。ひゃんっと短い嬌声が部屋に響く。そのまま舌で優しく震わせてみる。
「んあぁあっ、はぁっ!んふ、ふぅ、ふぅ、んんっ」
深夜なので声を抑えようと、口をぐっと閉じつつもかき消しきれない快感によがる。
しかし、あまりの衝動に思わず開いた脚を閉じそうになり、太ももが小波の頭に触れたところでそれをくっとこらえる。
いや、ぎゅっと挟み込んでしまうのなんかいいかもと思ったが、せっかく愛撫してもらってるのだからと咄嗟の判断であった。
(漣、感じてるな。前の借りは返したぜ)
漣の荒れた息遣いと嬌声を聞いて気分を良くする小波。
ちなみに前の借りとは先程のフェラチオではなく、随分前、シックスナインに挑戦したときのことである。
互いの性器を愛撫しあう行為であるが、漣のフェラがとにかくすごすぎて、自分は彼女にクンニを施すことがほとんどできなかった。
(俺ばっか気持ちよくなって、こっちは手も足もでなかったんだよなぁ)
ちょっと、というかかなり情けない出来事を思い出しながら愛撫を続ける。
依然舌でクリトリスを愛撫し、加えて指を使いその下の穴をくりくりとほじくる。
少しずつ、にじみ出てくる愛液の量が増えていくのを確認しながら、舌も指も動きを激しく変化させていく。
「はぁぁ、ふうぅんんん、んっはぁ、いぃ、気持ちいいです、気持ちいいっっ、小波さんっ、ふにゅううぅ」
漣の反応も、それに比例して愛液の音も大きくなっていく。
彼女の艶やかで荒い息遣いと小さな水門からあふれ出るくちゅくちゅという卑猥な音が静かな月夜に響く。
漣の興奮の音はそのまま小波の興奮に繋がっていく。先程あれほど射精したというのに、すでに小波の分身は立派に復活を果たしていた。
十分に濡れきった、いつもの場所へ入りたいとせがんでいるようであった。下々の主張を聞き入れてやる。
「漣、そろそろ・・・入ってもいい?」
愛撫を一時中断し尋ねる。対して、漣は光悦とした表情でうなずく。口元の涎の跡が小波の気持ちをさらに昂らせた。
「よーし。じゃ、ゴムを・・・」
「ふぁ、待って。すみません、わ、私が、つけてあげますから」
長距離走でもこなしてきたかのような荒れた息遣いで漣が一気に身体を起こす。そのままいそいそとベッド脇の小物棚に手を伸ばし、
お徳用パックから一枚、避妊具をちぎりとる。それを開封し、取り出した水色のゴムにふぅっと息を吹きかけ表と裏を確認。
「こ、小波さんの、その、お、おちんちんを、触る仕事は私の役目ですから」
「・・・え。・・・ナニソレ」
「や、な、なんとなくのこだわりです。ささ、こちらに・・・」
たしかに毎度毎度つけてもらっていたけど、習慣になっていたとは・・・俺の彼女はやっぱ時々ヘンなところあるよな、と苦笑する。
漣としては、行為に付き合ってくれている小波に対してのご奉仕というか、せめてこのくらいはという感覚なのだが。
彼の評価を尻目に、漣は荒れた息も整えつつ、馴れた手つきで小波のペニスにコンドームをかぶせる。
そして、よし装着完了はいOKですさあどうぞといわんばかりに、小波にメッセージ性のあるまなざしを向けながら、
再びごろんと仰向けに寝そべって大きく開脚する。
(私と小波さんの再出発・・・。初心に戻って小波さんの気持ちから、しっかりと感じなきゃ)
(・・・なんか、妙な気合いが入ってるな)
ともかく、さぁさぁ早く早くと待ち構える漣の秘所にペニスをあてがった。
くちゅう・・・と艶かしい音を立てて男女が結合する。快いほどすんなり突き進めることができ、一気に奥まで差し込んでみる。
さっきまで妙に真剣な顔をしていた漣も、下半身に心地よい異物感を感じ深い吐息をもらす。
ペニスの型をとるように、自分の膣がずずっと変形していく感覚。刺激が差し込まれた所から頭の天辺までを貫いてくる。
漣の呼吸にあわせるように、きゅう、きゅうと奥のほうから締め付けられ、小波も快楽で顔をひきつらせる。
(挿れただけでこんなに・・・なんか、すごい気持ちいいな・・・)
漣も至極幸せそうな面持ちで、小波と同じ種類の快楽を感じているようだ。
「・・・さて漣、どうしよう、動こうか?それとも、もうちょっとこのまま止まっとく?」
「えへ、知ってます。ボリネシアンっていうんですよね」
小波の問いかけに閃いたように答える漣。一方の小波は、聞きなれない横文字に少し眉をくねらせる。
「ぼ、ぼりね・・しあん??それは・・・ナニ?」
「え。あ、あぁ、えっとですね、ほとんど動かずに、その、感じるセックスです。愛や信頼のための、セックス・・・だったかと」
ネットで知ったのか、それともハウツー本で学んだかの知識を、噛み砕いて説明する。
ただ、セックスという直接的な単語に恥ずかしいのか、ごまかすように手をのばし小波の頬を優しくなでる。
小波はその甘い動きに少し呑まれそうになる。
「・・・へえ、いいねなんか。じゃあ、その・・・ボリネシアンってのをしてみる?」
「なんかさ・・・今は、挿れただけですごく・・・気持ちいいし」
「ン・・・ホントは、環境とか、結構いろいろ準備してするもの、らしいんですけどね。でも、そうですね・・・これでも十分・・・」
そういいながら小波の首に手を回し自分にのしかかるように引き寄せる。そのまま彼の唇に咥え付く。
互いの脚をしっかりと絡めて結合がほどけないようにし、再びキスの応酬を始める二人。
先程よりかは激しさを抑えながらも、ねっとりとしたディープキスをする。先程の性器への愛撫で、
双方とも口内に相方の分泌物が若干残っていたが、お構いなしの唾液交換。互いを互いの舌で征服しあう。
キスだけでなく手で相手の頭や背中を愛おしく撫でたり、時折キスを中断して結合部分に力を入れあって感触だけを感じたり。
動物の子どものようにじゃれあう。性的な刺激こそ動くセックスより少ないが、気持ちの昂揚感はしっかりと感じられる。
「なんか楽しいね。たまにはこういうのもいいかもしれない」
結合を保ったまま、漣にのしかかる形で彼女の耳元で囁く。吐かれた息を耳で感じて漣は表情を少し緩ませる。
「ん・・・じゃあまた今度、本格的なボリネシアンをしてみませんか?来週の・・・連休にでも・・・」
「うん、いいね。そうしよっか。・・・ちなみに、準備ってどんなことするの?」
先程の漣の説明について素朴な疑問。それに対しちょっと残念そうに答える。
「実は・・・その、4、5日くらい、セックスレスしてから取り掛かるんですよ。その他はその日の食事とか体位とかなんですけど」
「へえ、5日も開けるんだ。けっこうあるんだね。・・・漣」
「あ、いえ、大丈夫ですよ。私はもう・・・小波さんのおかげで大丈夫。その位は我慢できます。してみせます」
小波の眼を見ながら返す。その瞬間きゅうっと二人の結合部が引き締まる。
「・・・じゃあ、次の休みにしよっか。でも、その代わり、今日は今からいつもどおりのをしようよ。一週間分」
ぎゅぅっと彼女の身体を抱きしめる。彼からの嬉しい提案と温もりに顔がほころぶ漣。
「はいっ。来週分、がっつりしましょう!」
よっしゃと小波は身体を起き上がらせる。
漣も小波に絡めていた足を結合が解除されないように慎重にほどき、再び開脚。一般的に言う正常位の体勢をとる。
準備は整った。互いの両手をぎゅっと握り合う。頬を染め、微笑む彼女。
少女が異性と初めて繋がった時のような、少し幼い雰囲気の笑顔に小波の胸は高鳴る。
「じゃあ動くよ、漣」
十数分間、彼女の最奥部で固定されていたペニスをゆっくり引く。強烈な性摩擦に二人とも一気に気持ちを昂揚させる。
そしてまたゆっくりと最奥めざして突く。二人とも目を瞑り、性器の感触だけを感じている。
「漣・・・気持ちいいよ・・・」
「ん・・・小波さん・・・私もぉ・・・」
十数回ゆったりとしたピストンを繰り返し、そして徐々にそのスピードを上げていく。下半身全体を押し付けるように目いっぱい突き、
引くときは抜ける直前まで一気に引き抜く。腰をグラインドするように、漣の狭い膣を掘り広げるようなピストンも交えながら、
快楽的な刺激を貪る。ずちゅずちゅと甘く淫らな音が、興奮をさらに強める。
あふれ出た愛液と、激しい行為による汗で、今日洗い替えたばかりのシーツはどろどろに汚れていった。
「はぅん、はうっ、んんんんっ、こにゃみさんっ、うぅぅんっ」
嬌声をあげながら半目を開けて小波の運動を見る。一心不乱に腰を振る恋人。
口を一文字に結んで全力で気持ちよさを自分に提供してくれている。漣は彼への愛おしさで胸がさらに高鳴るのを感じた。
小波は次第に腰をのの字に回すように突き始める。ペニスのカリ首が膣内を乱暴にかき回す。
女の最大の性感帯を縦横無尽に耕され、漣は軽い痙攣を起こすように喘ぐ。
「いぃぃっ、くぅっくっ、ああああん、んんんんーっ!」
「漣っ、漣っ、かわいいっ、なんかっ、変になってるよっ、気持ちいいのっ?」
波のように押し引きを繰り返しながら漣に問う。小さな口をだらしなく開けて荒い呼吸を繰り返す漣。
「ひ、きもちいいですっ、どうしようっ、あぁっ、あそこがぁっ、気持ち、よすぎて、どう、どうしましょうっ」
口元から涎が垂れている。小波はぐっと上半身を押し付けて、その汚れをキスで舐めとる。
「こな、こなみさんっ、キスっ、キス、って、ほしいっ、ぎゅってっ、おねがいしますっ、してぇっ」
漣は握り合っていた手を解き、もたれかかってきた小波を逃がすまいと背中に腕を回してつなぎとめる。
いっぱいに開けた口から舌をぺろんと出し、キスをせがむ。その犬のようなはしたない表情に小波の理性は破壊される。
彼女の要求どおり、差し出された舌に吸い付く。しかし相手を感じるような優しいキスではない。ただただ相手の舌を千切れそうになるくらい吸い、相手の口のなかで自分の舌を暴れさせる行為。唇に噛み付き、舌を押し付け、とにかく相手の口を犯す。
そんなレイプのようなキスを漣は至極嬉しそうに受け入れている。小波の全てを受け入れられることに至福を感じているようだ。
キスをしながら小波はピストンをさらに大きくしていく。突き込む角度を変え、動きを変え、限界まで腰を押し込む。
強力な快感と感情の昂ぶりによって、漣の子宮が小波を求めて外界に向かって少し移動する。
そうしてとうとうペニスの頭が膣奥のその器官に到達してしまう。快感を塗りたくられた分身に一段と高圧の刺激が襲い掛かる。
同時に漣も、身体の芯を串刺しにされたような凄まじい快感を受け、大きくのけぞるようによがる。
「いぃっ、いいっ、ふああああああっ!すごいっすごっ、こなみ、こなみさんっ、あかっ、あかちゃんのとこっ!くゅぅううっ!!」
子宮まで突かれ、全身の力を吸い取られるような感覚に陥る。小波も最奥にタッチできたことで一気に射精の欲望が爆発してしまう。
「漣っ!漣っ!、も、だめだぁっ、イケるかっ!?俺、もうイくっ、漣っ!」
「はいっわたしも、い、イキ、イ、イッちゃえますっ、は、んぃっ、んいぃっ、一緒に、いっしょにイきましょうっ!イってくださいっ」
「う、おあああ、あぅ、あぁあああ、うぅ、うはぁ、はぁー、はぁー、はぁ・・・」
「こなみさん、んんっ小波さんっ、う、あ、ふふふっ、いっぱい、出てます、ね、えへ、えへへへ」
膣の中でペニスがポンプのように脈打っているのがわかる。彼女には避妊具越しでも、その吐かれた量の多さが感じ取れた。
目を回したわけではないのに、見上げた天井はグルグルと回っているようであった。
もしも避妊具をしていなかったとしたら、確実に妊娠しているな、と下腹部の緩やかな振動を感じながら思う。
ふと、初めて身体を重ねた日を思い出す。デウエスとの存在を賭けた決戦の前、極限状態の下でした初体験。避妊はしていなかった。
だがそれ以来、生ではしていない。二人ともまだ若い。社会人としてもまだまだ駆け出しだ。
身篭ってしまったら、きっと波にも大きな負担をかけることになるのが心配だった。
もちろん、避妊しようが回数が多くなれば確率的に“当”たってしまうことがあるのは知っている。
そもそも完璧に正しい方法をしている訳でもない。しかも毎晩のように様々な性交を嗜んでいる。
そのくせ先述したように、もし出来てしまったらという不安や心配がない訳じゃない。
・・・だが、どこかでそうなってしまうことを望んでいる自分もいる。理性と本能のジレンマ。
やはり、自分は彼をエゴやエスで翻弄しようとしている。それでも、きっといつかは。
「・・・赤ちゃん・・・」
「ん・・・?」
「・・・ん・・・なんでも、ないです・・・」
思わずいずれたどり着くであろう、反省も弁解も自己嫌悪も無い、全てを認められる幸せを予想してしまう。
でも今は、自分にのしかかっている小波の心臓の音を感じることにした。
性熱にあてられた頭を落ち着かせる、優しい音だった。今この瞬間、幸せというものはこれだけで十分であった。
射精を完全に終え、小波は剛直の残るうちにと、ずるりとペニスを引き抜く。
漣はぐったりとしながらも身体を起こし、緩みつつあるその剛直に手を添える。
そして精を大量に溜め込んだゴム皮を慎重に取り外し、その量をぷにぷにと指でつまんで確認。
「はぁ・・・はぁ・・・すごい・・・。いっぱい・・・出ましたね。あ、小波さん、そのままで。掃除・・・しますから」
ティッシュ箱に手を伸ばそうとした小波を制止し、飼い猫が水を飲むように四つんばいとなり、精に塗れた肉棒を丁寧に舐めていく。
ある程度へばりついていた精液を舐め取ったら、先程したように、尿道口に舌をくりくりとねじ込んで強い刺激を与える。
一時的に萎えたペニスも、再び血圧を上げ力強く反り返る。
「・・・漣にかかったら、あれだけ出してもすぐ復活してしまうね」
「えへっ、ふぅ・・・。それじゃあ、小波さん。もう一度・・・いいですか?今度は・・・私が上になりますね」
そう言いながら新しいコンドームを丁寧に装着させる。
今度は先程とは逆に小波を仰向けにし、彼の胸板に手をつき、剛直をめがけて腰を下ろす。
月明かりに照らされた、恋人の裸体。すでに充分貪ったはずなのに、小波は思わず見とれてしまう。
端整な顔立ち、流れ落ちるような漆黒の髪、美しい乳房、くびれた腰つき、白い肌。その全てが先程の行為で火照っている。
息を呑む視覚的刺激。彼女の存在自体が小波にとっては媚薬のようなものだった。こんなにも魅力的な女性と共に生きていける。
今更だが、冷静に省みてみると未だに信じられない。
程なくして漣は上下運動をはじめる。ぬちゃぬちゃという水音と叩きつける激しい肌の音を結合部から響かせつつ、
色めかしい嬌声を漏らす。
彫像芸術のような静の姿から激しく肉欲を求める野生動物のような動の姿に変貌する。カエルのように脚をM字に開いた姿が、
激しく揺れる長い黒髪が、震える乳房が。そしてなにより快楽によがる彼女の表情がただただ卑猥だった。はしたなかった。
普段は心を持ったAIという夢を、ひたむきに追っている漣。会社でも、彼女の熱意と能力は大きな戦力として期待されているらしい。
その彼女が自分だけに見せる、この淫ら極まりない姿に、どこか罪悪感さえ感じてしまう。
「はぁあああん、くぅうっ、うぅぅぅ、こな、小波さぁんっ、どうですかっ、気持ちっ、いいですかっ」
本当に馬に騎乗しているかのように激しく身体を上下させる漣。
顔にかかった長い髪が口元に引っかかり、その表情をさらに妖艶にする。
その全身を使ったピストンにより、ぽつぽつとその滑らかな肌に珠のような汗が浮かび上がっていく。
小波は思わずその肌に触れようと手を伸ばす。彼女の腹部を優しくつかむように撫でていき、そのまま手を上部へと滑らせる。
出会った頃に比べると幾分か膨らんだ乳房にとうとう手がかかる。漣の激しい上下運動に上手く合わせて
自分の手のひらから少しはみ出す大きさの感触を味わう。完全に勃起してしまっている乳首を手のひらで押しつぶすようにし、
丸い乳房を鷲掴みにして力いっぱいにもみしだいていく。
乳房と膣の両方からくる強烈な性の刺激に漣はとうとう大きな嬌声を上げてしまう。
「やぁあああああっ!!はぁうああああんっ!いぃっ!ひんんっ!んっ!くぅううんっ!」
そのまま耐え切れず、小波へと覆いかぶさるように、上半身を崩してしまう。拍子に長い黒髪が小波の顔にかかる。
「ふぁ、ごめ、ごめんなさい、こにゃみさんっ、ひもちが、ふぅっ、よくてぇっ」
呂律(ろれつ)があやふやになりながら訴える。気持ちよさで泣きそうになってる顔が破壊的に可愛い。
ただ、そう涙目になりながらも彼女の腰の動きは一向に止まる気配がない。
ぎゅっちぎゅっちと、膣圧から生まれでた水音がテンポを速めていく。
「よぉし、こい漣っ!俺も振るから、もっかい、ふたりでイこうっ!」
漣の腰の動きに合わせて小波も突き上げるように腰を動かす。
しっかりと両手で漣を包み、もはや物理的にひとつの存在となっているといえる。
「うぅぅぅんっ!すきっ!こなみさんだいすきぃっ!ああんっ!くぅうんっ!し、しぬ、しぬほどすきですっ!こなみさんっ」
「おれもすきだよっ!全部好きだっ!一生好きだっ!!」
さらに腰を激しく振る。思わず乗っかっている漣が飛び上がってしまうほど、力強く突き上げてしまう。
反射的にぎゅうっと彼女の背中を両手でしめつけ、ぴったりと自分にひきつける。
彼女の乳房が自分の胸板で押しつぶされそうになるが、その感触さえも気に止まらない。
小波は漣を滅茶苦茶な勢いで突き上げ、そして漣も、小波をもう一度膣の最奥までねじ込んでしまおうと下半身を押さえつける。
「おぁぁっ漣っ漣っれんっれんっれんっれんっっっ!!」
「はあぁぁっはぁぁんあっ、おな、おなか、こわれちゃうっ!こなみさぁんっこなみさぁあんっ!んんんっーーーっ!」
快楽が極限を突破し、頭の中が真っ白になった。薄暗い部屋がぱぁっと明るく感じられる。
ぶつかり合う性器、こすれあう胸、そしてどちらが仕掛けたかもわからない噛み付くようなキス。
びくんびくんと二人の下腹部が震え、本日4度目の射精を迎える。
「ふぅううううっ、んんんんっっ!んっー!んんんっっ」
もはやけだもの同士の情交であった。絶頂の快感をゆったり味わうことも無く、互いに刺激できうる肌という肌、
そして粘液部をとち狂ったようにこすり合わせ続ける。唸るように嬌声を上げ、相手を本能的に、貪れるだけ貪り続けた。
避妊具内には精液が大量に放出されている。すぐにでもペニスを抜かなければいけないのに、それもお構いなしだった。
体中が双方のさまざまな水分でどろどろになりながらも、情炎は油を注いだように燃え上がる。
今まで幾度と無くひとつになってきたはずだが、この日、二人は本当の意味でひとつになれたのかもしれない。
憑き物を徹底的に削ぎ落とすように、いつまでも心と身体を擦り合わせる。
二人が力尽いて眠りに落ちたのは、うっすらと東の空が輝き始めた夜明け前であった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(チュンチュン・・・)
「ん・・・」
まどろみを、暖かい日差しと外界の音が覚ます。まだ覚醒しきっていない眼が宙をさ迷う。
昨日の情事が夢のようだ。いや、夢のようだった、というべきか。今でも全身に思い起こせる、愛しい人の感触。
隣に眠っているはずの最愛の――。
「・・・小波さん?」
彼の姿は無い。予想だにしていなかったことに衝撃を受け顔が青ざめる。まだ少しけだるい身体をぐっと起こす。
眉を顰め、辺りを見回す。昨晩行為前に、床にソファーに脱ぎ散らかしたはずの二人の下着がなくなっている。
「小波さんっ!!?」
「ん?どうしたの?漣」
キッチンからふわっと小波が顔を覗かせる。
「あ・・・」
「おはよう、漣。いや、おそようかな」
時計に目線をやった小波につられて漣も時計に目をやる。すでに時計の針は正午をまわっていた。
「今お昼作ってるから服とか着てなよ。もうすぐできるから」
ベッド近くのタンスに視線を送りながら言った後、再びキッチンに身体を引っ込める。
(昨日のは夢じゃないですよね・・・)
小波のその普段となんら変わらぬ様子と、昨晩のがあまりに激しい内容だったためか、記憶が少しあいまいである。
服を着ておけといわれたが、けだるさと軽い混乱からか身体を起こしたまま呆けたいた。
「よし、できた。って、漣? おーい。もし、起きてるー?」
キッチンから、完成した料理を手に部屋に入るなり、小さな口を半開きにして時が止まってる漣が目に入る。
「・・・小波さん。昨日の・・・」
「ん?あぁ、あは、あははは。なんか、その、すごかったね。い、一週間分やるのって」
少しでれっと顔を緩めながらちゃぶ台に皿をならべる。その様子を見て漣もやっと安堵の表情を浮かべる。
「どうかしたの?漣。具合でも悪いのかい?」
「いえ、なんでもないです。すみません、完全にお寝坊ですね」
「今日は二人ともオフだし、気にすることないよ。起きてすぐだけど、ご飯、食べられる?」
「もちろんいただきます!ぐっすり寝てお腹すいちゃいました」
身体にかかったシーツを払い、ベッドから身体を出そうとする。・・・昨晩からの一糸纏わぬ姿まま。
「うわ、漣っ!ご飯の前に、その、流石に服は着ようよ!」
「え。あ、わわ、す、すみません・・・」
二人にしてはずいぶん初心(ウブ)なやり取りだが、彼女は慌ててシーツを手に取り裸体を隠す。
そのまま顔をぽぅっと紅潮させ、バツが悪そうに肩をすくめうつむく。
「まったく・・・。抜けてるところがあるんだから。その・・・次の連休まで禁欲するんだろう?」
小波もまた、恥ずかしそうに目線を外しながらつぶやく。昨日交わした約束。二人の愛をもっともっと深めるための儀式の約束。
「そうですね・・・。ふふっ。・・・じゃあ小波さん。ちょっと着替えますから待っててくれます?」
「うん。いいよ。じゃあ・・・こっち向いてるね」
そう言いながら小波は彼女に背を向ける。時間つぶしか、ちょうど手近にあった新聞を適当に広げ読み出す。
「・・・あっ・・・そういえば、小波さん。」
「んー?」
「大好きですよ。」
「・・・うん。知ってるよ。・・・ん、そうだ。知ってたらゴメンなんだけど、耳寄り情報」
新聞の三面記事を流し読みしながら、それとなく続ける小波。
「はい?」
「・・・俺も、漣が大好きだ。」
「えへへ、知ってます♪」
小波は背中越しに、彼女の穏やかな笑顔を感じた。 終
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――鵺という魔物がいる。闇夜に現れ、物悲しい鳴き声で聞くものを不安にさせる、古の魔物だ。
だがその正体は・・・なんてことはない、ただのか弱い小鳥らしい。トラツグミという、群れを成さずとも単独で生きていける鳥。
・・・その割にはずいぶんと寂しげな声で鳴く。夜になれば独り鳴き続ける。何故、彼らは鳴くのか。
もしかしたら、本当は孤独が嫌だと叫んでいるのかもしれない。去り行く誰かを嘆いているのかもしれない。
でも、そう鳴けば鳴くほど、他人は不安になり離れ、挙句、自身も不安になっていく。
他者を渇望しすぎたのか。止められない哀しい情。
それでも、鵺は鳴き続ける。自分の情を誰かに感じて欲しいから。そして、自分が誰かの情を感じたいから。
今宵もどこかで、深い闇から孤独の不安に泣く声が聞こえる。
「小波、さん・・・」
「うん?」
「・・・すー、すー・・・」
俺の傍らで眠るこの鵺が、不安や寂しさに泣く事はもうあるまい。
漣(さざなみ)のような、静かで優しい寝息だけが闇夜に響ていた――。
【鵺の情】 終
レイプ物警告→実はイメージプレイでしたゲラゲラという3〜4レスのバカネタでした 元は
足しこんでたら何書いてるのか解んなくなってきて、これの息抜きに書いてた五十鈴のほうが数倍楽しくやれたのは秘密
あと小波(さざなみ)漣(さざなみ)ってのがたいへんよろしいです。子どもができたら細波です。プチ不謹慎一家です。今日も募金してきます
3時間経っても誰も乙しない辺りこのスレも本格的に廃れていることが伺えるな
GJ
74 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:09:50.00 ID:pfjlHSg0
乙。漣かわいい!
GJ まあいろいろあったからしょうがないよ
このスレの住人は東北に多い可能性が微粒子レベルで存在する・・・?
>>71 GJだよ
>>71 GJです。
漣が好きで書きたいと思ってる自分としては漣のかわいらしさと、
心情の表現やお話の文章の上手さに惚れ惚れする。
ぬいたから疲れてGJするの忘れてた
リアルタイムで見てたのに
地の文が書ける人ってやっぱり凄いよなぁ。
俺の場合説明文臭くなって、どうもリアリティー感が出ない
妄想力が足りないんだろうか
>>80 うまい人の文章をよく読んでみたらどうかな?
いろいろ見て学んでいく内に自ずとスタイルが出来ていくと思うから
まあ別にそこまで気にする必要もないと思うよ
10やり直してるけどトウコ可愛すぎ。ぐちょぐちょにしたくなる
10やり直してるけどドゥーニー可愛すぎ。ぐちょぐちょにしたくなる
84 :
ドゥーニー:2011/04/10(日) 14:27:51.75 ID:nVVi29oW
誰か俺の事を呼んだか?キョロキョロ ∩゚Д゚≡゚Д゚)
まあ投下してくれる人がいるのはいいことだと思うよ 俺も創作意欲を掻き立てられた
良作が投下されると
なんかこっちも何か書きたくなるよな
このスレなかったらSS書く事一生なかったなあ
そう思うと感慨深い
>>82 貴重なロリだしな、ドットも打ち直しだろうし
もはや新キャラだよ
雪白さん一家は本当裏で恵まれてるなあ
13ではいなかったな
代わりに最近はシズヤとかが優遇されてる気がする、扱いやすいキャラなんだろうな
最近えらく人が少ないなあ
13が落ち着いたしなぁ。
それにこの板自体が過疎だから。板の中で見れば人いるほうだって。
大人の女性キャラのはなしを妄想してたがなかなか難しい
瞳や奈津姫みたいに人妻だったら、性的に慣れているのが似合うが
ようこ先生や幸恵さんみたいな男の影が無いひとは、年上だけど初心ってパターンが捨てがたいっ
去年は確か、夏くらいにはまた盛り上がってたよね
イベントのある日やキャラの誕生日なんかも盛り上がるよね
花見ネタとかないかな?
おおう、何か知らずの内にめっちゃ伸びてたんだな
今だから言える
パワポケやってて良かった…
9辺りからかなり彼女候補多くなったしね。
勢いで書いたルッカを(
ジャジメントグループ本社 地下室にて…
「最後の忠告です。貴方が知っている情報を全て吐きなさい」
「へっ、誰が…」
透明な箱に入ったルッカが囚われの男に尋問する。
だが、口が硬い男はルッカの要求に答える事が無い。
「仕方ありませんね…これを使いますか…(ピッ)」
取り出したリモコンのスイッチを入れると、ルッカのスカートがいきなり切り裂かれた。
裂かれたスカートからは紫色のパンツが露出していた。
「!?」
「この箱は【真空斬箱】と言いましてね…人体に傷付く事は無いのですが、服を斬り裂くには十分な威力を持っています」
そう言って再びスイッチを入れると、今度は服全体が斬り裂かれ始めた。
肌が、ブラが、パンツが斬り裂かれ、数分立つ頃にはルッカは全裸になっていた。
「あら…隠す所が無くなってしまいました。恥ずかしい」
箱から出ると、ルッカは男のズボンとパンツを脱がし、膨張したペニスを露にさせる。
「私の裸を見ただけでこんなに大きくさせて…お仕置きが必要ですね」
ルッカは男を押し倒すと69の体制になり、秘部を押し付けると同時にペニスへの愛撫を始める。
「んちゅ、んん…れろっ…」
ルッカの攻勢に負けず、男はお尻を撫でながら秘部を舐め始めていた。
「きゃ!もう…今は私の番ですよ?」
「う、五月蝿い!こんな挑発に…!」
秘部に食いつくと、秘部をちゅううと音を立てて吸い上げる。
「んんっ…こうなったら…容赦しません!」男のペニスを深く呑み込み、舌で筋を刺激しながら喉で亀頭を締め付ける。
「うぅっ!」
全体が痺れるような快楽を受けた男は愛撫の動きを止め、その場で硬直した。
そして硬直して数秒、ペニスから大量の精が吐き出された。
口の中に出された精を、ルッカは少しずつ飲み込んでいく。
「ふう…いっぱい溜めてたのですね」
「はあ……はあ……」
今の体制を解除すると、今度は秘部に男のペニスを当てがった。
「情報を吐けば性交をしてあげますが…どうです?」
「あ、あぁ!全部吐く!その代わり、限界までしてくれよ!」
「…いいですとも」
数時間後、力尽きた男をルッカは部下に処分する様に命じた。
その時のルッカは「男とは容易い物」と考えていた。
Love letterの新しく作った選択肢の「H」の話です。
見ていってください
あとこの作品からコテハン付けてます。
これからも作っていきますんでよろしくです。
『Love letter〜from Wakaba Wakakusa』
キーンコーン カーンコーン
やっと長い授業が終わったようだ
とりあえず俺は荷物をまとめ、ある場所に向かうことにした。
途中、詰井のやつが「顔がにやけてるぞ。どこかへ行くのか」なんて言いやがるから
相手にせずに適当にあしらっておいた。
もちろんこんな状況でなかったら顔を見せてやるくらいのことはしたかもしれない
靖子さんと会った時だって一応は一緒に居させてやったし。
それに今から向かうところに連れて行くのもあいつにとって酷だしな。
なぜなら俺は
─女子高に向かうからだ─
更に正確に言うとそこの生徒会長に逢いに行くわけだが。
しかし神桜の他の生徒にも人気があるらしく
そんなとこを見たらあいつは発狂するんじゃないか
だから親切心でやってるのさ
・・・まあ九割九分九厘ほどだけ嘘だけどね。
そうして神桜の大きな校門に着いたわけなんだが
どうも緊張してしまう。
ここには何度か来ているけど
女の子ばかりだとなんだかね。
そんなこんなでなんとか待っていたわけだが
他の女生徒が俺の事を見つけると話しかけて来るんだが
その対応には困ったよ
そういうのはからっきし苦手だからね。
ようやく目的が叶いそうだ。
ツインテールの可愛らしい少女が現れたからである
そして俺は声をかけた
「よっ、若葉。待ってたよ」
「ああ、小波さんですか」
「・・・なあ若葉、俺たち恋人なんだから気軽に呼ぼうよ」
「そうですね・・・では、小波?」
「なんだい?若葉?」
「・・・やっぱり恥ずかしいですね。でも何だか楽しいです」
「そう? だったら良かったよ」
「はい。それでこれから何をしますか」
「そういえば若葉に渡す物があるんだよ」
「えっ、何ですか」
「これだよ」
「・・・手紙ですか?」
「ああ、そうだよ」
「嬉しいです。だったら私も何かお返しを・・・」
「そんなのいらないよ。これは俺の気持ちなんだし」
「そう言われても・・・」
「まあまあ、その話は保留にしておくことにして」
俺は若葉の手を引き寄せて
ある目的の場所に向かうことにした。
・・・といっても行き先は俺の家だが。
「着いたよ」
「小波さ・・・いえ、小波の家に伺うのは初めてですね」
「・・・合格だよ。まあ、とりあえず中に入ってよ」
「では、お邪魔します。」
「っていっても俺たち以外は誰もいないけどな」
こういう時に誰かいると鬱陶しいし面倒くさいしね。
それで若葉を俺の部屋に入れて
ようやく一段落つくことにした。
それにしても何か落ち着かないな
隣に若葉がいるなんて最近だったらいつものことなのに
こういう時には緊張してしまう
まあ、青春ってやつさ。
「あの・・・小波・・・」
「ん?」
そう言うといきなり俺の腕を組んで近くにきた。
「小波の傍にいると何故かわからないけど幸せな気持ちになれます・・・
あと、心が暖かくなる感じがします。」
「そうかい・・・そ、それはよ、良かったよ」
なんてことを冷静っぽく言おうと努めているが内心、心臓はバクバクだ。
とにかく何か他の事を考えないと・・・
このままだと若さゆえの劣情に身を委ねることになってしまう。
もちろんそれでも俺は大丈夫だし、若葉もきっと承諾してくれるだろうが
それでも心の準備というものはどうしても必要なのだ。
そ、そうだ!
円周率を数え上げれば!
3.14・・・・・・あれ、次は何だっけ?
「・・・小波は私を抱いてくれないんですか?」
「えっ?」
「私は小波のことが好きです。だからどんな事でも出来ます。」
「・・・・・・若葉・・・いいのか?」
「はい。構いませんよ」
そう言われて、俺は瞬間的に体が動いて
若葉のことを抱きしめてキスをした。
舌と舌を絡ませ、互いの唾液も何もかも混ざり合い
じゅるじゅると音を立て俺たちは求め合った。
「はあっはあっ」
少し離すと透明な橋が出来ていた。
名残惜しそうにしている若葉の顔は紅潮していて
それは俺の僅かに残っていた理性を砕くような
砂糖みたいに甘くて愛おしいほどの表情だった。
それでもどうにか持ちこたえようとして
飛んでしまいそうな意識を覚まして
ブラウスのボタンを一つずつ外していった。
ぷちっ、ぷちっ
解いていくたびに聞こえる音が
今、現実に起こっていることを改めて実感させる。
若葉のほうは今か今かと待っているようで
上気しきった顔で俺のことを見つめていた。
俺はそんな若葉の期待に応えるために解いていった。
ボタンが全て外れたことを確認した後
ブラを捲り上げて、たわわに実った胸をおもむろに掴み
右手は乱暴に、左は乳首を舌で入念に責めていく。
「ふぁっ、ああっ・・・」
「気持ちいいかい?若葉?」
「はい、気持ちいいですぅ もっともっとお願い・・・」
「ああ、言われなくてももっと良くさせてあげるよ。」
一つの手を胸から離し、それを今度は
パンツの中から入れ、若葉の恥丘に触れた。
それだけでも少しばかり濡れていたが
そのまま指でズボッと一気に入れた。
「はああっ、あん、ふひぃ、あっ、いいです、そこ、そこ、いい!あんっ」
「こんなに濡らすなんて若葉はエロいね」
「私は小波だけですっ。 あなたのだったら何でも好きですっ」
「嬉しいよ。俺も若葉の事愛してるから」
「私もです! ああっ、こ、小波といるとこんなにも感じてしまって・・・」
「気にすること無いよ。俺だけに普段見れない若葉をさらけ出してよ」
「あ、ありがとう・・・ございます。小波にだったら・・・はああん、もうイキそうです。」
いつもあんなに清楚でおとなしくて真面目な女の子が
こんなにも淫らに、深く、俺に夢中になってくれるなんて。
その姿を見ると確かに一人の少女に
愛されていることが分かって
少しでもその希望を叶えてやりたいと思った。
限界が近い若葉に俺は
指の動きを強くし、早く絶頂を迎えられるようにした。
「わ、私・・・もう!」
「イってよ・・・それでその姿を俺にだけ・・・」
「はいいっ、あああああっ!」
いきおい良くイッた若葉はパンツをびしょびしょに濡らし
太ももにもその滴が付いていた。
ひゅうひゅうと息を切らして疲れ果てた若葉の様子は
とても美しくて可愛らしかった。
「はあはあっ、可愛いよ若葉」
「ありがとうございます。でも・・・少し激しすぎです」
「ごめんごめん。だけど良かったよ」
「そうです・・・か? こちらこそです」
そう言って俺はまたキスをした。
すると若葉のほうも舌を求めてきてぴちゃぴちゃといやらしい音を響かせ
情熱的に、積極的に、また淫靡的に俺たちは舌を絡ませあった。
「ふう・・・そろそろいくけど大丈夫か?」
「はい、いつでもどうぞ」
俺はもはやその体を全く為していない
ぐしょぐしょに濡れてしまっているパンツを脱がし
ベッドの上に若葉をそっと押し倒した。
準備は万端となったわけだが
そのまま挿れるのもそれはそれでいいけどそれじゃあ面白くない
ここはやっぱり・・・
「・・・まだ、しないんですか・・・ひゃう!」
スカートの中に潜り、その割れ目に舌でなぞることにした。
しっとりと濡れている花壷は簡単にその侵入を許した。
指で穴を拡げて行きながら舌をどんどん奥へ進ませていき
さまざまな方向へ動かした。
「ふああっ、あっ、いい、また感じてます、中に・・・ああっ」
何度もそこに快感を与えられていては限界も近くなるだろう。
なので舌を勢い良く差し込み
片方の手でそのままクリを捻った。
「ああああっ!」
またしても強くイッた若葉は
その花壷に溜まった淫らな液体を
至るところに放出させながら濡らしていった。
「ふっ、不意打ちは卑怯ですよ・・・それにまだ私は小波を気持ちよくさせてませんし」
「それは悪かったよ。今度は若葉の望みどおりに!」
その直後、俺は若葉の割れ目に一物をあてがい、そのまま貫いていき
濡れた花壷は感度を敏感にさせ、ギュウと俺のを締め付けた。
これには俺も堪らなくなりイキそうになったが
それを何とか我慢し、腰を何回も何回も動かしていった。
「ああっ、小波の大きなものが私の奥深くに入って・・・気持ちいいですっ」
「俺もだよ。若葉の中、すごく熱くて締め付けられるよ」
「か、壁のような所にゴリゴリとしてて、いいですっ。」
ずぶずぶと淫らな音を鳴らして
二人は繋がっていた。
腰を打ちつける度に水音が強くなっていき
ぱちゅんぱちゅんといろんなものが混ざった音がしている。
「わ、若葉!もう俺・・・」
「私もですっ。あっ、あっ、一緒に・・・ああっ、私の全てを小波だけに・・・」
「イクぞ!」
「んんんんんっ! ふぁあああっ!」
大きくのけ反った若葉の体に
俺は真っ白な感情を中に吐き出した。
「まだ中で暴れている感じです。
それになんだか小波といると全てを忘れさせてくれる気がします・・・」
「俺も若葉に会えて良かったと思ってるよ。」
激しい情事で乱れた若葉の髪を優しく梳きながら、こう言った。
「好きだよ、若葉」
『私もです』と言ってくれた少女を
俺はいろんな想いを込めて強く抱きしめることにした。
その上でこんな事を思った。
─輝く太陽が緑を育むように、これからの日々を若葉と一緒に実らせたい─と。
以上です。
ありがとうございました。
GJなんだぜ!
活気を戻す切っ掛けになってほしい
GJ!
>>105 乙です。今作はバグフィックスされたとよく言われてるが、若葉はまごう事なきバグ。
しかし、あの地震からもう1ヶ月以上経ったのか。
どうでもいいけど、俺が美空ちゃんと海に行くSSを封印してから1ヶ月でもあるなあ。
いつか投下できるぐらい日本が元気になりますように。
>>105 GJ!
しかし桜華がどうなったのか気になるw
>>105 GJ!
>>109 バレンタインの反応を見るにもう攻略してるも同然なんだよなあ
桜華ルートの13主は桜華にベタ惚れだし
3Pとかなら考えられるかな?
112 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 10:48:08.59 ID:R1am0/7r
今までずっと見ているだけでしたが、もっと盛り上がってほしいので初投下します。
タイトルは「釣られる側は命懸け」
11裏で、エロ無しのギャグ(?)ですが、どうかご覧ください。
パライソタウン。
俺達が住むこの町は、信じられないが宇宙人達の侵略を受け、
ハタ人間と呼ばれる驚異に脅かされていた。
宇宙人が去って数ヶ月がたった今も、その爪痕は俺達を悩ませていた。
行方不明になったままの人達はもちろん、
逃げ出したモンスターの駆逐に、宇宙人によって破壊された施設の修復
(正しくは宇宙人と戦う際に考え無しに武器をぶっ放した
某緑色の悪魔による損害)や、宇宙人達の残した薬品などを解析、
危険がないように処理すること
(どこぞの食いしん坊が食べたり飲んだりしそうになり
作業が大幅に遅れた)などなど。
ようやく学校は再会されたけど……。
「みんなー!久しぶりです……ってあれ、小波君? 皆さん?
何か先生から遠いような気が」
「気のせいです」
俺達の心にもしっかりと傷痕は残っていた。
主に田中先生への苦手意識云々といった感じで。
まあともかく、色々あったけど少しずつ事態も収束へ向かっている。
それは喜ばしいことだろう。うん、喜ばしいことだ。
「とはいえ、まだまだ解決とはいえないこの状況で、
本気で釣りをやるのか?」
別に悪いとは言わない。頑張り過ぎず息抜きをすることも大切だろう。
それに今となっては俺達に出来ることは少ない。
でもだ、皆が一日でも早く元の町に戻るよう、奮起しているこの最中に、
のんきに釣りをするというのも何か罪悪感が……。
113 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 10:52:58.48 ID:R1am0/7r
俺の言いたいことを察してくれたのだろう。
青野が「そう言うな」と口を開いた。
「俺も出来ることはやろうと今日までやってきたんだがな、
近所のじいさんに怒られたよ。
『子供は遊ぶのが仕事じゃ!』ってな。
俺だけじゃない、お前だって頑張り過ぎだ。
あの十日間、お前はリーダーとして皆を引っ張っていって、
皆と疲労は段違いのはずなのに
その後も率先して活動してたじゃないか」
「青野……」
「それにだ」
青野は笑みを浮かべながらゆっくりと港の奥へと目を向けた。
「釣りしようと言い出したあいつらは絶対何も考えていないぞ」
「だろうな」
『何であんたがいんのよ越ゴリラ!
小波に釣りを教えてもらおうと思ってたのに!』
『うるせえリコ!
俺だって小波は呼んだぞ!
何で同じ日に同じ奴を釣りに誘うんだテメエ!』
そうなのだ。
まず今日の朝方、リコから釣りを教えてほしいという電話があり、
前に教えるという約束もしていたから了承した。
その後、今度は越後から電話がきた。
今の状況を話そうとも思ったけど如何せん越後だ。
一方的に話され一方的に切られた。
『あんたの日頃の行いがバカだからバチが当たったんじゃない?
というわけで帰れゴリラ』
『何!?これが日頃の行いという奴なのか!?』
ツッコミたい。
日頃の行いは良いか悪いかのどちらかだと。
『大体あんたには釣りをする資格すらないのよ動物ヤロー。
釣り道具の隠し場所を忘れるなんて釣り道具に対する冒涜じゃない?
このトリ頭』
『なんだとテメエ!
俺の髪は別にトサカみたいにはなってねえぞ!』
114 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 10:59:45.74 ID:R1am0/7r
「めんどくさいから止めるか?」
俺の問いに対する答えが後ろから返ってくる。
「まあ、待て。面白そうだからもう少し見てよう」
「でも収集つくのかアレ?」
「相手が越後だからな。
ところで、こういう時って普通
『……ってうわあ!お前いつの間に!』
って言うところなんじゃないか?」
「実際そう驚かないよ。
改めて――おはよう、夏菜」
後ろを振り向くとやっぱり夏菜がいた。
まあ、リコから電話があった時
『お腹をすかせて来てね』
と言っていたから大体来ることは予想していたけれど。
115 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:01:12.09 ID:R1am0/7r
「霧生、そう言うからにはいざとなったらお前が止めろよ」
「面白おかしくなら考えてやるよ」
「……お前が石川と仲が良い理由がよくわかった」
『大体お前釣り道具なんて持ってるのか?』
『あるよ、ほらこの通り』
「ちなみに、あの釣り道具は本来越後のだ」
「それを本人の前でよく堂々と掲げられるな石川の奴」
「いや、もうどうでもいいけど釣りしろよ……」
口喧嘩は夏菜が飽きてきた頃に越後を海に突き落として終わった。
……………………。
「ぶあっくしょん!」
借りることの出来た小さな小船の上に、越後の盛大なくしゃみが響き渡る。
そりゃあもう季節は夏じゃないんだから寒いのも当然だろう。
風邪を引く心配は誰もしていないだろうけど。
理由は当然以下自重。
「うるさいぞ越後。
魚が逃げたらどうするんだ」
「いや夏菜。突き落とした張本人が言える言葉じゃないからそれ。
あと、魚は声みたいな音には反応しないよ。
地面を強く蹴ったりすると、振動が水の中まで伝わって
逃げられたりはするらしいけど」
「なんだ小波、勉強は苦手なのにそういうのには詳しいんだな」
「う、まあ……。
野球とか釣りとか楽しいことの知識は妙に覚えてるんだよなあ」
「あたしと一緒だね!」
「妙な仲間意識持たれても困る……」
116 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:03:19.97 ID:R1am0/7r
やれやれと釣竿へと目を落とす。反応は無し。
腹減ったから釣れなきゃ困るんだけどなぁ。
(一方、同時刻。海の中)
「くっくっく、さすがのヒナコも潜水艦で海中を進めば追ってはこれまい。
宇宙人の技術はわし一人だけのもの、まずはパライソタウンまで戻り、
基地にこっそり隠しておいた武器を回収せねば……。
しかし、有り合わせの材料で造ったから所々もろいのう。
もっと深く潜れればいいんじゃが」
……………………。
「ん?
こ、小波!ひいてるぞ!
どうすればいいんだ!?」
今まで一切の当たりが来なかったが、
そんな状況を夏菜がひっくり返したようだ。
117 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:08:26.29 ID:R1am0/7r
「でかいな、焦らず落ち着いて釣り上げよう。
みんな、手伝ってくれ!」
「おう、ばっちこーい!」
「まかせておけ!」
「何々?面白いならあったしも〜♪」
……………………。
(ギ……ギギギ)
「なんじゃ?潜水艦が何かに引っかかったかの?
ええい、フルパワーじゃ!」
……………………。
「うわわわわっ!
落ちるっ!」
突然大物が暴れだしたようだ。
こんなひき見たことない。
すごい大物だ。
「二人共平気か!?」
「青野、ありがとう。ただ私の力じゃどうにも……」
118 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:10:22.37 ID:R1am0/7r
「こんな時こそ、俺達運動部男子の腕の見せ所だろう。
小波、越後、気合いを入れろ!」
「なんだかよくわからないけどわかったぜ!」
「いくぞ、青野、越後。
いちにのさん!」
…………………。
「ぬぉおおっ!?
浸水したらどうするんじゃ!
急いでいたからただでさえ沈まないのが奇跡というのに!
わしは、わしは負けられんのじゃあ!」
(ブチッ)
……………………。
『どわぁあああっ!?』
力一杯竿をひいていた俺達三人は、
糸が切れると同時に後ろへ尻餅をついて倒れ込む。
転落はしなかったし、小船とはいえ、やすやすと転覆するような船でもないけれど、
危険すら感じる程の大物だった。
糸が切れて安心する自分さえいる。
119 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:12:19.87 ID:R1am0/7r
「くそっ!後少しで釣れたはずなんだが」
「あのさ、小波。
あたしはまだ釣りってよくわかんないけど、
逃げたばかりならまた釣り上げることもできない?」
「できなくはないと思うけど、そう簡単にかかってはくれな――」
「うおおおおおっ!
今度は俺の竿がひいてるぜ!
すげえひきだ!」
「かかるのかよ!ああ、もう、ちきしょー!」
……………………。
「ふぅ、なんとかなったようじゃの。
まったく、ヒヤヒヤさせよって……」
(ミシ……ミシミシ……)
「…………ミシ?」
120 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:14:11.88 ID:R1am0/7r
……………………。
「こんどは全員で引き上げるんだ。
リコと夏菜も準備はいいか?いくぞ!」
……………………。
「のあああああっ!
ハッチが!ハッチが開く!
誰じゃ!誰がわしを沈めて海の藻屑にしようとしとるんじゃ!
この体にはちときついが、何とか引っ張らねば……
ふぬぅううっ!」
……………………。
「ってうわあっ!
また切られた!」
「…………魚のくせにこのゴリラ並にしぶといわね」
「おい、今の言葉ちょっと待て」
「なあ小波。まさかサメでもかかってるんじゃ……」
121 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:15:42.91 ID:R1am0/7r
夏菜が冷や汗を流しながら恐る恐る尋ねる。
宇宙人と戦った俺達とはいえ、今は武器もなく丸腰だ。
本当にサメだったとしたら、とても太刀打ちできない。
「ねえ、なんかもうめんどくさくなってきたしさ、
手荒な方法でちゃちゃっと片付けちゃっていい?」
リコが嫌な予感しかしないワードを口にする。
俺にはわかる。
こういう時のリコは止めなきゃろくなことにはならない。
「リコ」「ヤダ」
…………さて、速攻で拒否された場合俺はどうすればいい。
「ま、とりあえずあたしの話を聞いてよ。小波、これなーんだ」
リコが満面の笑顔で何かを取り出す。
…………って!
「げ!教授の作った手榴弾!」
「うん、何かの役に立つかと思ってかっぱらっといた」
「やめい!少なくとも今の状況はその何かじゃないから!」
というより、もう一生こないでほしい。手榴弾が役に立つ時なんて。
122 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:17:01.90 ID:R1am0/7r
「えーと、アレだよ。撒き餌?」
「撒き餌にしてはバイオレンスでデンジャラスすぎるわ」
「やれやれだぜリコ。
そんな物を使ったらそれはもはや釣りじゃねえぜ。釣りをなめるな」
越後、お前はバカだけど普通に釣りを楽しむ心はあると信じていてよかった。
「越後、もしサメだったら私がフカヒレをささっと作ってやってもいい(ウソ)」
「やっちまえリコ!
フカヒレだぜ!うぉおおっ、ばっちこーい!」
越後!?
フカヒレは長期間漬け込んで作るものなんだけど!?
くそっ!こうなったら頼れるのは青野しか――。
「すまん、小波。
俺に止められるのは越後だけだ……。
よく考えろ。例えば霧生を止められるのなら、
あの時あんなめんどくさい事にはなっていない」
助けて、リコを止められる人。
「えいっ♪」
「マジで投げた!
チームに欲しいくらい綺麗なオーバースローで!」
123 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:18:09.55 ID:R1am0/7r
……………………。
「ぜぇ……ぜぇ……。
これも宇宙人の技術……いや、世界を手に入れるための試練かのお……。
しかし!パライソタウンまでは後少しなんじゃ!
もうここまでくればちょっとやそっとのトラブルなど恐るるに足りん!
もはや今回の計画は成功したも当然よ、はぁーっはっはっは――」
チュドォォォオオオン!
……………………。
「…………何でガラクタばっかり浮いてくるんだろ」
「…………さぁ」
翌日、秘密基地近くで風邪を引いてヨロヨロの教授が保護された。
「宇宙人じゃあ!宇宙人がわしの潜水艦を爆破していったんじゃあ!」
と、教授は語っていたとかいないとか。
けど、俺達とは関係ないよな!
――関係……ないよな?
124 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 11:22:45.57 ID:R1am0/7r
以上です。
ネット云々はまだ慣れておらず、2chへの書き込みも初だったので緊張した……。
何か手違いあったらすいません。
では、皆はお年寄りは大切にネ☆
>>124 GJ!
ギャグ組の話で面白かったです
リコはどこでも自由だなあ
>>124 乙。コテ付けるならトリップも付けたほうがいいよ。
このスレ、質の悪いなりすましいるし
127 :
ヴォイド:2011/04/18(月) 16:36:13.93 ID:R1am0/7r
>>126 ト、トリップ?
すいません、それなんでしょう?
無知ですいません……。
>>127 お前もPink板にくる年齢ならググってくれよ
えっと……。
こう?
>>110 >>111 作者です。 ありがとうございます。
桜華は理事長になったということで、はい
まだ関係は続いてるって感じで
たぶん悶々としてて迫っちゃうんじゃないですか・・・たぶん
後の展開は・・・いずれの日には!?
まぁ18歳未満だろうが良い作品書けば称賛されるけど
ボロを出さないように振る舞ってほしい
ルーキーに厳しくするなよ
過疎ってきてるんだしさ
下手でもスレチじゃなければ乙かGJが入る時点でかなり甘いスレだと思うがな。これくらいの厳しさはあってもいいだろ
>>133 ルーキーに厳しいんじゃない、乳臭いやつに厳しいんだ。
評価に対する評価とか無限ループになるだけ。不毛不毛。
おれたちはエロと萌えを求めているのじゃないかね?
そうだよ(便乗)
とりあえずさぁ、18歳未満お断りって約束があるのに守れないのはどうかと思うんだよね それ一番言われるから
まぁとりあえず脱げ
このスレがまた活気づくまで全裸待機だ
わざと過疎らせようとしている奴がいるな
まあそこら辺は気にしてもしょうがないし
気楽にまったりと行きましょう
143 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 07:06:59.11 ID:6Nygu/CB
>>124 クソの役にも立たないゴミ駄文投稿して恥ずかしくないわけ?
あんなんなら俺が書いた方がまし
それじゃあ過疎回避も兼ねて、投下してみます。
ここに投下するのは三年振りで、小説書くのも久々なので見苦しい点が多々あるかと思いますが…
まぁそういう予防線が一番見苦しいですよね。
千羽矢1週目BADのIFストーリー…って感じです。
申し訳無いですが非エロの予定。
思いの外長くなりそうなので、分割して投下させて下さい。今週中には終わらせるので。
それではスレ違いを恐れつつ投下。
ツッコミ所があれば後でまとめwikiで(載せられれば)修正するので是非。
タイトルは「後悔なんて、あるわけない」
…仮ですがw良いのが思いつけば後で変えます。作者名は「天咲」
――もうすぐ、試合が始まる。
私の大好きな二人の男の、運命を決める試合が。
いや…三人かな?まぁモッチーは兄貴の付け合わせみたいな物だから
この際省いてもいいかな。
ゴメンね、モッチー。まぁでもどうしたって主役を張る柄じゃないでしょ。
混黒高校マネージャーとして、出来る事は全てやった。
残っている数少ない力を全て、全力で、余す事無く注いだ。今日までの行動に後悔は無い。
もし負けたって笑って小波君を祝福出来るだろう。
いや…どうなのかな?
全力を尽くしたんだから負けても悔いは無いっていうのは常套句だけど
真剣であればある程、一生懸命やればやる程、負けたら悔しいとも思うんだけど。
或いはコテンパンにやられた方がスッキリする?
二回戦で絶対勝てない相手と当たる場合、一回戦で負けても悔いは無いのかな?
そんな恐らく答えなんて千差万別で、正解なんて無いだろう思考に埋没していく。
ホントはこんな事、産まれてこの方全勝街道を突き進み
それこそ秋の体育祭であのケツデカ女にしてやられるまで
敗北の味なんて知らなかったスーパーガールのチハちゃんには縁遠い事で、正直どうでもいいと言って良かった。
でも最近…自分の死が迫っていることを文字通り肌で感じてからは、こんな事ばかり考えてしまっている気がする。
即ち。悔い、後悔、未練。
私は―――笑って逝けるだろうか?
良い人生だった、と。
「千羽矢」
と、そんな事を空白のスコアブックをぼんやりと眺めながら思っていると
目の前に小波君が居た。
私の幼馴染。…兼、最愛の彼氏。
まぁ後者の役職が付くには結構な間、待たせてくれちゃったけど。
いや待たせたのは私…かな?
普段もまぁそれなりにカッコ良いけど、野球をしている所は五割増し、公式戦の時となれば更に倍率ドン!でカッコ良くなるという罪な男だ。
「おーおーピリッピリした甲子園を掛けた試合前に、敵軍の参謀の所に来るとは良い度胸してるねぇ?」
実際、後数分で整列という時に相手ベンチに来るのは非常識だ。
ほらほら、皆睨んでるよー。
モッチーなんて凄い形相。兄貴が宥めてなきゃ飛び掛って来そうだ。
「なーに、この程度慣れたモンさ。それ位の度胸は無きゃあ務まんねぇよ」
「弱小高のエースは?」
「弱小言うな。…お前の彼氏はな。」
む。………ったく、何でこの男はこういう事をさらっと…。
あんまり私の心臓に負担をかけないでもらいたい。
「クックック分かってるねぇ。流石はチハちゃんの脳内奴隷栄えある第二号だけの事はある。」
「脳内奴隷!?何だその不安気な単語は!?」
「ちなみに第一号はおニイ。第一印象から決めてました。」
「…それは何か分かる気もするな。まぁ本人には言わないでおいてやれ」
アハハッと笑い合う。
こんな下らない掛け合いが、堪らなく楽しい。
試合前なんだから相手のエースなんて親の仇位に思ってなきゃいけないのに
どうやら私にとっては親の仇より恋人が優先されるらしい。
ゴメンね、パパ。親不幸な娘をお許し下さい。
「っと、あまり時間も無いんでな。手早く要件を済ませてもらうぞ」
スッと小波君の顔が引き締まる。
マウンドの上でしか見る事の出来ない真剣な、私の一番好きな顔だ。
思えば、いつから私はこの男に惚れてたんだろう。
中学の時に告白を全て袖にしていたのは、無意識に彼の事をーなんて乙女みたいな事は言わない。
意識的に小波君の彼女になる事を期待して、袖にしていたハズだ。
と、なるといつからか…一目惚れ?ガラじゃないけどそうかもしれない。
まぁ何にしても野球バカに惚れたんだ野球をしている姿に惚れた以外は有り得ないだろう。
その野球バカの口がワインドアップで投球フォームに入り――第一球…投げました!
なんてn
「千羽矢、今から俺は、お前に今までの人生で最高の瞬間を味あわせてやる。
他の奴の一生分の、いや、それ以上の熱くて熱くて熱くて嬉しくて悔しくて、涙がボロボロ出るような、そんな瞬間をな」
―――その言葉は、私の中のモヤモヤした焦燥感を、不安感を、恐怖を…どこかへ吹き飛ばしてくれた。
渾身のストレートと渾身のスイングがぶつかって産まれる様な、敵味方問わない強烈な爽快感。
そんな力がその言葉には、『小波君の言う』その言葉にはあった。
…全く、本当にこの男は。私の人生最後の、寿命を知った日からずっと抱えてきた宿題を簡単に消し飛ばしてくれちゃって。
どこまで惚れさせれば気が済むんだよこの野郎!!!
「アハハハハハッアッハッハッハッハ!!!!!!」
ベンチ中の、下手したら観客席の人の視線まで向くような大声で私は笑い転げる。
こんな素敵な大馬鹿は地球中探したってそうはいやしないだろう。
「…そんなに笑う事無いだろう」
恐らく小波君も悩みを乗り越え一大決心をし、万感の思いを込めて投げつけた言葉を
これ以上無く笑い飛ばされ、拗ねた様な顔をして小波君がそう呟く。
「ゴメンゴメン。でもホンットに最高だよ小波君は。
…でもこのチハちゃんが、自らの人生の最高の瞬間を人任せにして貰うだけにすると思う?」
「………チッ少し位彼氏にカッコ付けさせても罰は当たらないと思うぞ。たまには大人しく受けておけよ。」
「それも悪く無いんだけどね。…でもそれだけじゃ満足できない…かな?」
「欲張りな女だな。」
「お褒めに預かりどうも♪」
「フッまぁいいさ。だったら二人で作ろうじゃねえか、俺達は全力でお前等を叩き潰す!そしてお前を泣かせる!」
「私達も圧倒的に絶対的に無敵に素敵に小波君達を捻り潰す!…泣いたら膝枕して慰めてアゲル♪」
「千羽矢…」「小波君…」
「「勝負だ!!!!!」」
お互いに天下無敵な笑顔で言い合って、小波君は自分のチームメイトの元に帰って行った。
「…やれやれ好き放題言ってくれたな。」
小波君の後姿を眺めながら、おニイが苦笑いで言う。
「おニイ、私今ワクワクしてゾックゾクして止まらないよ〜♪あの小波君を私の手で滅茶苦茶のボッコボコにして、泣かしてあげれる日が来るなんて♪
そんな事が出来ればいつ死んだって構わない、無念無しって感じ!!!」
本当に…自分で全然コントロール出来ない程、体の事なんて忘却の彼方へ飛んで行く程、今の私の気持ちは盛り上がってる。
結構テンション高いと言われる事の多い私だけど、ここまでのハイテンションは久々、否、初めてかもしれない。
否とか使っちゃってるし。
まぁ…考えてみれば演技で無く明るく振舞ってたのは、おニイと小波君の前だった気もするけどね。
「全く、敵わないよ。お前『達』には」
「なーに情けない事言ってんのおニイ!小波君に勝つにはおニイのホームランが必要不可欠不必要可決なんだからね!私は参謀。戦闘は任せたよ!」
さて、やれる事は全てやったと言ったものの、こうなると話は違う。
采配諸々は監督に任せようと思ってたけど、こうなれば監督をゆすって私が…
あ、グラウンドの状態の確認と10分天気予報のチェック、デカ尻女のとこに行って話術で情報をくすねる事も視野に入れないと…
なんて事を考えていると、少しの間黙って回想シーンの様な顔していたおニイが、目を炎の形にして話し出した。
「…約8年越しの代理戦争。思いがけずリベンジの機会がやってきたって訳だ。そいつは責任重大だね。
…ちなみに今回は何が懸かってるんだ?」
8年越し…8年だったかは覚えてないけど、言わんとする事は分かった。
他愛無い子供の頃の口喧嘩から始まった私と小波君との真剣勝負。
…まぁ実際にやったのはおニイだったけど。
「うーん、雨崎千羽矢の辞書に「敗北」の文字が載るか否か?」
「…お前、体育祭で負けたじゃないか」
いやでもアレは反そ…まぁバレない反則は高等技術か。
そうか…この試合はあの尻デカ女へのリベンジも兼ねてるのね。
永遠のライバルとの決着、ここで付けるのも悪くは無いわね。
…じゃあ一つ策を弄しますか♪
「五月蝿いなぁ…じゃあおニイにだけ特別に勝ったらご褒美あげようか?」
「へぇ。何をくれるって言うんだ?」
「キスしてあげる。……小波君には内緒だよ?」
「よっしゃあ!!!!絶対勝あああつ!!!!!!」
「キャラ変わった!?そこはおニイなら真っ赤になってボソボソ言うとこじゃないの!?」
「あはは、少しばかり小波だけ役得が過ぎると思ってたんだよ。
そしてお前達見てたら小波が勝った方が良いのかな、とも思ってた。
でもこれでそんな思いは消えた。…僕だってお前の事がずっと好きだったんだからな?」
おおぅ告られた。まぁ知ってたけど。そして過去形かい。
過去形にする事は無いでしょ、恋人の愛は冷める事もあるけど、家族の愛は永遠なんだからさ。
究極の現在進行形の愛っていうと、何か聞こえは良いよね。
「おおぅ豆柴が一気にドーベルマンにクラスチェンジってトコだね♪やるじゃんお兄い。
…ありがとう。私もおニイの事愛してるよ。家族愛だけどねっ」
「そりゃどうも。
…なぁ千羽矢。僕は一つ後悔している事があるんだ。」
と、急におニイの声のトーンが下がった。
シリアスな空気。…何かさっきまでも勢いに任せて大分ぶっ飛んだ会話してた気がするけど。
試合前だよね?今。修学旅行の夜じゃないよね?
「へぇ何?ていうかお兄いならざっと5桁はクヨクヨしてる事ありそうだけど。」
ここはあえて茶化してみる。何を言うのかは予想がつくし。
そしてそれは今となってはたいした事じゃない。ホント「今」となってはだけどね。
「僕はお前の体の事を知っていれば…離れたりはしなかった。お前の夢だって小波を縄で引きずってでも叶えてやったさ」
やっぱりその事か。ははっ気持ちは嬉しいけど、もう良いんだよおニイ。
たしかに今のこの状況、ゲーム風に言うならこのルートが全て正しかったとは言えない。
ひょっとしたら、どこかで何かが違っていれば、私が生き続ける方法を見つけて小波君と結婚して
子供を作ってフツーの幸せを手に入れる事が出来たかもしれない。
…ま、逆に改造人間にでもされちゃって記憶も自我も全部失った、殺戮マシーンの化け物にされちゃうなんて可能性もあるけどね。
でも、私は今の状況をそんなに『悪くない』と感じている。
それはきっと幸せな事だ。
「アハハッ小波君の事は運命だったと思うしかないね。
それに残念だけど小波君はあっちの高校の方が合ってたみたいだしさ。
それに…その夢はもう古いなぁおニイ」
「古い?」
「そりゃあ確かに私の夢は、三人が同じチームのマネージャーをする事で
それを邪魔した奴を××した事もあったけどさ」
「…やっぱりアレお前だったのか」
「それは今さっき書き換わっちゃったよ」
「書き換わった?」
「うん!今の私の夢はね―――――
とりあえず前半?終了。
名前のとこ小説の間は変えた方が見やすいかもですね。
次からそうします。
ストックはありますが、連続投下規制?に引っかかりそうなので、続きは後日投下します。
…千羽矢の過去話書きたかっただけなのに、どうしてこうなったorz
くあああああああああ!!!
なんでぶった切るんですか!!!続き…早く続きをおおお!!!!
GJ
レスどうもです。励みになります。
微妙にスレ違いか…?と怯えながら書いてたので、受け入れられたようで嬉しいです。
これからもそうであれば良いのですが…
前回、前半とか言ってたんですが、書いてたらどんどん分量が増えていつ終わるんだよという感じにorz
群像劇的というか、区切る事に意味が多少あるみたいな構成なので、出来れば分割して投下したくはあるのですが…
連続投下規制の事もありますし。
…まぁ過疎気味だから良いのかな?駄目だったら言って下さい。
では第二章。タイトルも章毎に変えときます。
159 :
父親:2011/04/21(木) 04:09:42.99 ID:w/+WPYJz
所変わって、混黒高校側応援席。
奇しくも決勝を戦う両校の中心選手の父親が二人並んで座っていた。
「いやぁどうした事かと思いましたねぇ雨崎さん」
「ははっ私も驚きましたよ。小波さんの息子さんがこっちに来たと思ったら
千羽矢が大笑いして、挙句の果てには「勝負だ!」ですからね。
…そうえば小波さんは混黒側の応援席に居て良いんですか?」
二人は混黒高校のベンチ裏の応援席に席を取っていた。
本来…というまでも無く、保護者は自分の息子の学校の応援席に居るのが当たり前なので
政重は混黒ベンチ裏来て小波の姿を見て驚いた。
「いえ、さっき言った通り、私は息子が甲子園なんかに行って綱渡りの人生をする事は望んで無いですからね。
だから応援席はこちらで合ってます。」
「強情な方ですね」
160 :
父親:2011/04/21(木) 04:15:34.84 ID:w/+WPYJz
苦笑しながら保護者としてのスタンスの違いに驚く。
まぁ自分とどちらが一般人かと聞かれれば、小波の方に多数票が集まるだろうが、意見としては少数派だろうなとも感じていた。
座ってすぐの会話の小波の「信じるのは簡単だ、考えなければ良い」という意見には
政重に少なからずグサリと来るものがあったのは事実だが。
「それにしても、さっきのは何だったんでしょう?詳しい話までは流石に聞こえなかったですが、まさかあのバカ息子が千羽矢ちゃんに何か粗相を…」
息子の普段の様子を知っているだけに心配になる小波。
千羽矢とは幼馴染な事は知っているが、試合前の談笑というには些か異常な様子だった。
161 :
父親:2011/04/21(木) 04:19:09.12 ID:w/+WPYJz
「はぁ…確かに気持ちの良い笑い声でしたね。では勝負だ、とは?」
「憶測に過ぎませんし、というより私の希望的観測になってしまうのですが、それでよろしいですか?」
小波は首を縦に振る。
自分の息子が絡んでいる事だけに心配であるし、何より政重が珍しく興奮しており
自分の考えを喋りたくて仕方が無いという様子だったからだ。
「ではまず千羽矢の昔話から。…親バカになってしまって恥ずかしいんですけどね。
あの子は所謂天才と呼ばれる部類の人間でして、何をやらせても人並み以上、人並み外れて出来てしまう子だったんです。」
「ほう。それは羨ましい限りですな。ウチのバカ息子に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい位です。…アイツなら喜びそうですが」
ゾクッ
自分の預かり知らない所で謂れのない変態性癖を押しつけられ、円陣中のバカ息子は背筋に寒いものを感じていた。
162 :
父親:2011/04/21(木) 04:23:42.86 ID:w/+WPYJz
「ハハハ、でもですね、その代わりと言っては贅沢な悩みかもしれないんですが
あの子は本気の勝負というものを、一度もしたことが無いみたいなんですよ」
「勝負…ですか?」
「えぇ、人生を豊かにするのはライバルとの切磋琢磨、勝負にあると私は考えています。
ですが、あの子の場合運動も勉強も図抜けていて、対等な勝負ができる子なんて一人も居なかったんですよ」
政重の言葉には多分に嘘が含まれているが、真実を捉えてもいた。
オオガミベビーと呼ばれる所謂人造人間であり、更にテロメア異常という特殊な体質を持つ雨崎千羽矢に敵う人間など居る訳も無い。
むしろ、その過剰な力から人間では無い事が露見する事を政重は恐れており、あるテストで全教科満点という快挙を成し遂げた千羽矢を
厳しく叱責した事すらあった。
163 :
父親:2011/04/21(木) 04:27:49.54 ID:w/+WPYJz
「ええ、そんなある種悪夢と言える程の千羽矢だからこそ、何か一つの事に熱中する事はありませんでした。
中学の時も色々なスポーツに手を出していたようですが、すぐに飽きてしまうようでね」
千羽矢のその姿勢は、政重にとっては好都合ではあった。
もし一つの事に打ちこんで居れば、間違い無く世界の頂点に立つ事が出来ただろう。
そして、それはいつか『越えてはいけない壁』すらも易々と越えてしまう。
それを無意識に感じていたのか、それとも先の叱責が効いたのか
千羽矢はどのスポーツもある程度までしか勝ち進む事は無かった。
164 :
父親:2011/04/21(木) 04:30:19.76 ID:w/+WPYJz
「負ける事があっても、自分がほんの少し努力すれば、少し底力を見せればその相手にあっさりと勝てる事が分かっている。
それは、とても負けとは言えませんよね。
だからあの娘は、今迄本当の意味での『勝負』は一度もした事が無かった。あの娘に勝てるのはあの娘だけ。…性差すら関係無くね。」
「はぁ…それは本当に凄いとしか言い様が無いですね。
多くの人間は産まれてからどこかで他人との能力差から挫折を経験するものですが
ごく一部にそれを知らずに生きる事の出来る『選ばれし』者が居る…ははは都市伝説の類かと思いましたよ」
どこまでも平凡という言葉の似合う小波からすれば、確かにそれは空想上の存在と言っても良かった。
165 :
父親:2011/04/21(木) 04:39:20.61 ID:w/+WPYJz
そしてそれは一般人の物差しで言えば、そのままの意味で通じるだろう。
裏社会に通じて居なければ、選ばれしならぬ『作られし』者が居るなんてそれこそ空想でも考えない様な事だ。
だからこそ悟られる危険は無いと判断し、政重は話しているのだが。
一方で、裏に片足を突っ込んでいる政重は知っている、人が人を作る…
神の領域とでも言うべき行いに、もう随分前に人類は侵入りこんで居る事を。
勿論その事は機密事項であり、漏れれば殺害される危険すらある。
その危険を押して、この会話を続ける政重の胸中は…一言で言えば、感動、だろうか。
166 :
父親:2011/04/21(木) 04:41:51.70 ID:w/+WPYJz
作られた人間であり、満足な寿命も与えられない、そんなお世辞にも幸せとは言えない、言えるハズも無い少女が今
『人並み』の幸せを得る事ようとしている様に感じたのだ。
たかが声一つでそこまで感じ取ったのは政重の能力に寄る所もあるだろうが
それは一要因すら言えないだろう。
それが出来たのは政重が千羽矢の
―――『父親』だからだった。
167 :
父親:2011/04/21(木) 04:45:14.71 ID:w/+WPYJz
他のオオガミベビーを受け取った重役達からすれば、彼の行為は一笑に付される事だろう。
たかが作り物に何を感情移入してるのか、と。
実際彼達の中には、便利な奴隷としか扱わない者、ストレス解消に虐待する者、最低限の生活すら与えず、家出された者まで居た。
家出した者は今では新しい家族を見つける事ができた。彼女はマシな部類に入るかもしれないが
他の彼等の末路、今後は暗いとしか言い様が無い。
雨崎政重はそれ達オオガミベビーの『所有者』とは決定的に違う人間だった。
彼はオオガミの重役に上がるまでに、汚い事に手を染めた事が無い訳では無い。
世間一般の常識的な観点から見れば、善人とはとても言い切れないだろう。
しかし、それでも彼は千羽矢の事を愛していた。
自分の血の繋がった本当の息子と同じ…或いはそれ以上に。
168 :
父親:2011/04/21(木) 04:52:44.46 ID:w/+WPYJz
だから彼にとって、運命を受け入れ諦観の様な態度を取っていた彼女の姿を見るのは
あまりにも辛いことだった。
そこに彼の妻の死が関係しているかは定かではない。
彼自身にも説明出来ないだろう。
この数年は、ずっと自分の無力さを嘆き、悩み苦しんでいた。
ここ最近よく訪れる得体の知れない研究者共に任せてみるかと悩み、夜が明けた事も一度や二度では無い。
それを拒むのは千羽矢の意思を尊重して…と表面上そう言って自分を騙してはいるが、そこに立場から来る打算が無いとは言えない。
それを自覚する度に、自分の汚さに嫌気が差す事もあった。
169 :
父親:2011/04/21(木) 04:55:16.87 ID:w/+WPYJz
そんな風に苦しんでいた彼だからこそ、先程の二人のやり取りに或いは本人以上の歓喜と爽快感を得ていた。
油断すれば泣き出してしまう位に。
…だからこれは、ある種恩返しの様な者だった。
この話がいつか小波を通して息子の所へ届く時に、彼は自分がいかに素晴らしい事をしたか、知るだろうから。
「そんなあの娘が、今初めて勝負を始める様に私には感じるんですよ。息子さんとね。彼になら、遠慮なんて必要無いと。
あの娘は初めて本当の勝利、或いは本当の敗北を得る事が出来るのではないかとね」
「…買い被り過ぎではないですか?アイツはただの野球バカですよ?」
170 :
父親:2011/04/21(木) 05:00:57.57 ID:w/+WPYJz
そう謙遜する小波。…或いは、いや、恐らくは本心からの言葉だろうが。
「多分、身体能力どうこうの事では無いと思うんですよ。それは理屈で説明出来る事でもない。
息子さんとだから…あの娘は笑ったんだと思います」
正直な所、思いの外熱の入った語りに小波は圧倒され、そこまでの事かと温度差を感じるのは避けられなかったが
この試合がただ甲子園の切符を賭けただけの試合では無いという事は、心で理解していた。
(全くあのバカ息子め…まるで主人公だな。もしかするとアイツは俺が平凡な道を歩もうと思う切っ掛けとなった
俺が憧れたヤツと同じ…器を持ってるのかもしれないな)
そこで会話を終えた二人の父親は
整列に向かう子供の姿をじっと見つめていた。
やっと終わった…
いや、何度も長文規制と連続投稿規制食らってたので大分疲れました。
昨日はここまで長文規制強くなかったんですけどね…。
wordから掲示板仕様に修正する作業が思いの外苦戦するorz
本当はせめて次の章まで載せようと思ってたんですが、規制きついのでまた
日付越えた位に投下します。
まとめwikiの管理人さん掲載ありがとうございました。
出来れば「後悔なんて〜」の一番下にリンク張る形式で章を飛んでいく形で載せて頂きたいです。
また良い所で切られてもうね!もうね!
日付超えたぐらいなんて言わずに早く投下してくれ!
しかし自分の三人称のヘボさには辟易、一人称も大概ですが。
主人公の親父、小波は無かったか…?
この章要るのかと聞かれれば微妙ですが、千羽矢の想いの補足説明というか。
単純に政重かっけぇ「お前はもっと運命を恨んでいい」みたいなのマジ名言!という思いもありますが
まとめwikiの茜父SSを読んでこういうの良いなって思ったのもあります。
過去話とか本編の幕間みたいなのが好きなので。
千羽矢の設定や表現技法等々に粗とか矛盾が多分あるかと思われるので
もし見つけた場合、アドバイス、ご指摘頂ければ嬉しいです。
修正出来る所は修正しておきたいので。
ってログ読んだら作者天咲さんだったのか! 今気付いた
好きな作者が久々に来てくれてすげえ嬉しい、相変わらずいい話作るなあ
>>171 13の父親たちキャラたってて良いですよね
GJです
GJです
ひとつだけ、前回の話ですがユウキの一人称は「オレ」なので次回から修正してもらえれば幸いです
>>174 あんな昔の事を覚えてくれていた方が居ましたか。
好きな作者と言って頂ける程嬉しい事はありません。ありがとうございます。
>>175 ですよね。能力的にもオイシイので良く利用します。
まぁ政重に関しては盛った感バリバリですがw
>>176 ご指摘ありがとうございました。まとめの方も修正しておきました。
地味に書き直した部分もあるので、お時間があれば読んで頂ければ。
では宣言通り…でもないですけど、続き投下しときます。
「やれやれでやんす。ホント小波くんはどこまでも主人公体質のヒーローでやんすねえ。
あそこまでいくと逆に虫酸も走らないでやんすよ」
ベンチに座ってイメージトレーニングをしていると、餅田がぼやきながら話し掛けて来た。
「まぁそれには同感だね。つくづく凄い奴だよ」
「オイラはこれでも甲子園にも行った混黒のエースでやんすよ?傍目から見れば主役と呼んでも
差し支えないハズでやんすのに…あんな事されたらとてもそうは思えないでやんす」
ぼやくのも分かる。本当は餅田みたいな奴こそ、主人公に選ばれるべきなのかもね。
元々努力に定評のある奴だったけど、校内戦で僕達に負けてからは、鬼気迫るといった感じだった。
正面から小波に挑戦していける姿を、羨ましいと思った事もあったっけ。
「それも同感だ。今日の試合はオレにとってとても重要な意味を持つ、ずっと待ち望んでいた小波との真剣勝負だったんだけどね。
いつの間にやらあの二人の物語の脇役だ」
「…お互い辛いでやんすね」
二人向かい合ってお互いに同情の視線を向け合う。
混黒に戻ってからは、餅田とは本当に長い時間一緒に練習し、切磋琢磨しあった。
…まぁいつの間にか恒例となった、練習後の1打席勝負では8割勝ったけど。
小波に対する同じ思いがあるだけに、餅田とは小波に次ぐ親友になれた気がする。
「………そこでも小波君に次ぐんでやんすか」
「うわっ!?心読むなよ」
「そんな顔してただけでやんす」
更に拗ねて落ち込む餅田。
いやでも本当に感謝してるんだよ?
混黒に戻って、覚悟していた事とはいえ、チームに溶け込めずに苦労していたオレを
餅田が陰ながら手を回して、支えてくれていた事をオレは知っている。
本人は否定してたけどさ。
まったく女房役が支えられるんじゃ、立場が逆だよね。
ま、その代わり野球面ではオレが支えてやってたけどさ。
そんな事を思いながら、ここまでの戦いを振り返る―――
…と言っても、ここまで特に苦戦する事も無く勝ち上がっただけに、思い出は薄い。
この辺が、小波との違いなのかなぁ。
悪く言えば綱渡りのギリギリで、良く言えばお客さんを楽しませる試合を続けて勝ち上がって来た小波達
やっぱり主役っぽさがあった。
…初戦で先行相手に負けかけてた時はブン殴ってやろうかと思ったけど。
二戦目も『間違ったヒーロー』一歩間違えれば小波の未来だったかもしれない相手に対しての、逆転サヨナラ勝ち。
いや、小波ならああはならないか。アイツは本物だからね。
多分、この試合もお客さんは開拓の勝利を願ってる、その方が面白いと思っている人が多いだろう。
僕も客観的に見ればそう思う。
小波の辿って来た軌跡を見れば、どんな漫画だよって感じだもんね。
接戦をモノにして来た勢いのあるチームが、圧勝を続けた格上のチームを破るなんてのも
あまりにもベタで………そして王道な話だ。
オレも新聞で「怪物」だなんて言われてるけど、大抵の物語で怪物は英雄に退治されるものだ。
千羽矢にはカッコ付けてあぁは言ったものの、何だか勝てる気がしな「でも」
「でも、勝つでやんすよ」
!…そんなオレの考えをまたも見透かしたように、餅田は力強く宣言した。
「全く…ホントに雨崎君は捕手の癖に、すぐに考えが顔に声に出るでやんすねぇ。
そんなんじゃあ勘の良い奴にはすぐバレるでやんすよ?」
「…気をつけるよ」
「雨崎君の考えてた事は大体分かるでやんす、それはオイラもずっと考えてた事だから分かるでやんす。むしろオイラだから分かるでやんす」
ずっとコンプレックスを抱えて来たオイラだから―と餅田は言外に言う。
「でも、それでも、オイラは勝つでやんす。それが目標で夢で悲願でやんすから。
例え他の奴に空気読めとか言われても知らないでやんす。邪道でいいでやんす。それが最近の流行りでやんすし。
オイラだって、ずっと努力して来た。勝つ資格は十分に持ってるハズでやんす!!!」
自分に言い聞かせるように、自分を鼓舞するように叫ぶ餅田。
誰にも文句は言わせない、文句を言う権利を持ってる奴なんてどこにも居やしないと背中が語っている。
…なんて気迫だ。
…やれやれ、敵わないなぁ。餅田、お前は十分に王道だよ。王道の主人公だ。
小波にだって負けやしない。
こんな泥臭い奴がエースなんだ、ウチが勝つのも悪くないシナリオだろう。
誰もが自分の人生という物語の主人公―なんて良く聞く台詞で
ナンバーワンよりオンリーワンみたいな事も良く言われるけど
そんな事には何の意味も無い、負け犬の理論だと中学の時に少しの間居たコーチは言っていた。
確かにそれはその通りだろう。
でも、それでも、良いんだ。他の事はあくまで些事。
目の前の事に、自分の想いにただ正直になれば良い。
僕は小波に勝ちたい。このチームで甲子園に行きたい。千羽矢のご褒美が欲しい。
それだけ考えれば良い。
全員が全員、自分が主役だと思って居れば、名作が産まれるハズだよね。
…ま、願わくば自分の惚れた女の物語のヒーローになりたかったケドさ。
「うん、そうだよね。確かにそうだ、ありがとう覚悟が決まったよ」
餅田と顔を合わせ今度はニッと笑い合う。
「ま、それにでやんすね。…良いんでやんすよ別に脇役でも。
チハちゃんの勝負の、駒の一つになれるなら十分でやんすよ。…きっと奇跡も起こるでやんす」
餅田―――。
切なそうな、それでいて嬉しそうな複雑な想いがこもった表情で
チラリと千羽矢を見ながら餅田は言う。
もしかして、餅田は千羽矢の体の事を知っているんだろうか?
化粧の効果もあり、ぱっと見る分には、千羽矢の体調の事に気付くのは難しいだろう。
校内戦以降の欠席の数等から、芳しくない事は想像がついても
……………もう、長くない事までは、気付けないハズだ。
そんなヘマをする奴じゃない、オレの妹は。
…あえて聞く事はしない。聞くのも野暮ってものか。
それに、餅田の言葉は身に染みた。
そうだ、千羽矢と小波との勝負とは言ったって。実際にやるのは僕達だ。
僕達の頑張りで千羽矢を勝たせる事が出来る。
気の抜けたプレーをして負ける事は絶対にあってはならない。
それこそ千羽矢への裏切りだ。
アイツは天才、雨崎千羽矢だぞ?
アイツの人生の大一番が敗北なんて結果になっていい訳が無い。
そんな事は…この僕がさせない。
千羽矢の中の僕の役が、飛車か角かナイトかルークかは分からないけど
僕が王将(キング)を殺ってやるさ。
「それにしても、でやんすね」
餅田が空気を変えようとしたのか、照れ隠しなのか声の調子を変えて言う餅田
「彼氏彼女が敵同士で甲子園巡って対決―なんてのは邪道もいいとこでやんすよね。
フツーは彼女の祈りで彼氏が勝って、その夜学校の校舎で記念パーティと称してムフフでやんすよ
…発生率は低いでやんすがorz」
やけに具体的な例を挙げて言う餅田。
…まぁ邪道っていうか、ゲームか何かの話だろうけど。
もしそんな事に小波と千羽矢がなれば、オレは小波を殺すけどね。
しかし…フム。
考えてみれば、普通はくっつくのはマネージャーと主人公というのが王道だろう。
小波の好きな野球ゲームではマネージャーはヒロインじゃない事多いけど、普通はそうだろう、うん。
そういう意味ではオレと千羽矢の立ち位置は王道だ。
しかも血の繋がりの無い妹のおまけ付き………。
「このエロゲ野郎でやんす………」(ボソッ)
「な、なななな何言ってんだよぉっ!」
「今初めて雨崎君への強い殺意を感じたでやんす…アンタの立ち位置も美味し過ぎでやんすよ!
ていうかベタ過ぎでやんす!死ね!」
「死ねって言った!?女房役に対して!?」
「五月蠅いでやんす!…というかよく通じたでやんすね。もしかして雨崎君もそういう漫画好き…」
「な、なななななんの事かな?」
「いつまでくっちゃべってんの二人共!!!!!」
オレがバットで餅田を黙らせようと振りかぶっていると
後ろからの千羽矢の怒鳴り声が脳天を貫いた。
「うわっ!?ち、ち、ちちち千羽矢」
き、聞こえてないよな?特に最後のは。
「もう整列でしょ、睨みでも利かしてビビらせて来なさい!」
バン!と餅田共々背中を叩かれて送り出される。
やれやれ、おてんばな王将(キング)だ。
餅田と三度顔を合わせて苦笑しながら、オレ達は小波達の待つ整列場所に向かう。
整列場所に居るのは、かつて一緒にプレーした懐かしい顔。
詰井、軽井、杉田、澄原、プル畑、沖田、御影、宇佐美、下山。
…そして小波。
皆気合いの入った良い表情だ。だれも臆していない。
…いいね。相手に取って不足は無い。最高に熱い試合をやろう。
「両校並びに、礼!!!」
「「よろしくお願いします!!!!!!」」
第三章終りです。
そしてミス
>>181の三行目の終わり、勝ちあがって来た小波は
の間違いです。
そして
>>186で、雨崎の一人称が僕になってるのは修正忘れですorz
指摘受ける前に書いてた部分なので。
…ていうか奴の「オレ」に違和感バリバリなのは秘密。
妙に雨崎がポエムり出してスミマセン。
でもこの章は書きたかった。
むしろ、雨崎主人公の雨崎視点SSにしても良いかなと思った位。
てか全員主役ですね。
混黒が単なる敵役でなく、特別な思いを持って試合に臨んでるという事を。
それこそ千羽矢からしたら「味方」ですから。
色々な人の想いを書きたいのです。
ただ、そんな事やってるから膨大になってるのは自覚。
さっさとまとめに入れという声もあるでしょう。
出来るだけ速く終わらせるので、よろしければもう少しお付き合い下さい。
しかしnext主人公は冴花orz
GJ!
みんなかっこいい!
そしてプル畑www
あとレス数削減のためにもう少し一レスに文を詰めたほうがいいかもしれないです
まあ容量で落ちるくらい活気付いたら関係はないんですけど
ついでに裏話も少々
ちょっとネタ出しも兼ねて、千羽矢ルートやってポイントをメモって
ストーリーに使えるか考えるという作業してたら、5時間かかったというorz
意識してやると、思いの外伏線とかあって驚きました。
ホント良いシナリオだ…泣ける。
その過程で、今まで書いてた分に結構な矛盾というか、影響があるとこがあったので
まとめでしれっと修正しときます。
>>192 そうしたいのはやまやまなんですけど
何故か二章から、やけに「本文が長すぎます!」になるんですよね。
何が原因なんでしょう…?
>>186と
>>187みたく、間を取る為にやったとこもありますが。
結構な時間使って作ったネタ帳がフリーズで飛んで
なんとかさっき復元した…何とかなって良かった。使えるか分からないけど。
一番吹いたのは、雨崎さんがチハヤに告白してはった事です。
完全そんなシーンがあったの忘れてたので、一章での告白がアレな事に。
一応ゲームの補足小説みたいなノリなので、ゲームであった事はこっちでもあったみたいな事
にしたかったので地味に痛恨。
…まぁいいか。
>>195 そう言って頂けると本当助かります。ここの人は皆優しいなぁ。
あーこれみたいですね。
これほっとけば勝手に書き込める量増えるって事なんでしょうか?
まぁ試しながらやってみます。
プル畑がウけたのは何よりですw
地味に小ネタを随所に挟んでるので、それに反応してくれると何か嬉しいですw
2章なら「ちょww茜www」的な。
…痛いですね。分かります、それではまた1時頃に投下予定。
>>191 駄目だwどうしてもプル畑でw
GJ!
一つ言うなら、わざわざ全てのコメントに返す必要はないですよ
容量とか食ってしまいますし
エロ無しのスレチのSSを長々投稿するのってどうなんよ
エロなしだがスレチではない
第一エロありしか駄目という制限を付けるとこのスレの平均年齢を鑑みて新しい作者が出てきにくくなる
いや
>>198が言いたいのはわざわざ18禁の板でやらなくてもってことだろ
ローカルルールとテンプレに違反してない限りは何も文句言えないだろ。
ぶっちゃけ全部書ききってからtxtでうpるなりwikiに書くなり手段あるんじゃねーのとは思うけどな
なんだっていい!スレが活気づくチャンスだ!
エロパロ&文章創作板と銘打っている以上、板的にもエロ無しは許容されうるとは思うが、
エロ無しはリョナや陵辱と同じ注意書き対象の属性じゃないかねぇ。
まあ、今までもエロ無し作品は投下されてたし今さらだろう
過疎るよりははるかにマシだし
注意書き必要はちょっと意味わからん
今まで通りで問題ないだろう
つまり何が言いたいかというと
>>191はGJってことだ
ローカルルールとテンプレに違反してないので作家叩きをどんどんやります。
ついでにドゥーニーさんを始めとする作家さんについてもここで大いに語っていこうと思います。
こんばんは、天咲です。
あースミマセン。やっぱりそうですよね、危惧してはいたんですけど。
ここで投下したのは、他の場所を知らないという事と、以前投下した経験からです。
その時も技量不足で非エロでしたが。
一応結構長い事このスレ見てるので、ルールは理解してるつもりでしたが不快にさせてしまったのであれば
申し訳ありません。
wikiに直接書かなかったのは、当初はこんなに長くなるとは思って居らず
それに加えて、規制で投下が上手くいかない事を予想して無かったからです。
今一応SSは9割方完成してます。
まぁそれでも過疎気味だから、活性化の為という事で大丈夫かな?とも考えてました。
とりあえず、今後は出来る限り容量を圧迫しない様に、投下していくので
それで問題がある様でしたら、wikiに直接を考えておきます。
お騒がせしました、では続きを投下させて頂きます。
207 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:37:03.73 ID:TSoC5svV
「ストライク!バッターアウト!チェンジ!」
今日の俺は絶好調だ。誰にも打たれる気がしない。
それ位で無くちゃあ、千羽矢には敵わない。
今迄で最高のピッチング、ヘタすると人生最高のピッチングかもしれないと
手ごたえを感じながらマウンドを降り、ベンチへ向かうと
浮かない顔のマネージャーがスコアブックと睨めっこしていた。
「強い…事は知ってたけど、ここまでとは予想外ね」
冴花がスコアブックに並んだゼロを眺めながら嘆息する。
「雨崎君の実力は、そりゃ私だって良く知ってたけど、それ以外の選手もデータの3割増位の力を発揮してるわよ。校内戦の比じゃないわね。
…私の見立てでは今の開拓なら5回までに2,3点位は堅いと思ってたんだけど」
まぁ冴花がぼやくのも分かる。
開拓史上最強と謳われた俺達が、いままでの5イニングで取った点数はゼロ。
どころか―
208 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:38:41.71 ID:TSoC5svV
「いくらなんでもヒット0は酷いわよねぇ」
冴花がジト目でこっちを見ながら呟く。
それに関しては面目次第もございませんって感じだ。
試合開始以来、まだ俺達は一人もランナーが塁上に居る姿を見ていない。
この回先頭打者の詰井が冷や汗をかきながら打席に向かったが、どうなる事やらな。
「まぁでもこれ位はやってくれなくちゃ面白くないよな」
「随分な自信ねぇ。まぁ裏付けがあるから文句は無いけどさ」
スッと冴花の持ってるスコアブックに目を落すと、混黒高校のスコアが目に入る。
混黒高校の得点も、今さっきの6回の表を終えてゼロ。
そしてヒットも――――0。
さっき言った『一人もランナーが塁上に居る姿を見ていない』ってのはそのままの意味で、だ。
「これホント凄いことなんじゃないの?どちらか片方ならまだしも、両投手がしかも決勝で6回まで完全試合って」
「まぁ例を見ないと思うぜ。って、6回はまだ終わって―
ストラーイク!バッターアウト!チェンジ!!!
「何?」
打席ではいつの間にか杉田が空振り三振を喫していた。
ちょっと横を見れば、いつの間にか詰井とプル畑が正座の上に重石をのっけられている。
「いや、何でも。この回もしっかり抑えてきますってね」
209 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:39:51.37 ID:TSoC5svV
「頼むわよ、エースさん。あ、そうえば聞きそびれていたんだけど」
「ん、何?」
「試合の前に、向こうのベンチで雨崎君の妹さんと何話してたの?随分楽しそうだったけど」
何故か笑顔でそんな事を聞く冴花。な、なんだこの威圧感は。
まぁ試合前に敵と談笑するなんてのは確かに良くないよな、うん。
俺は千羽矢の病状は伏せ、かいつまんで説明した。
「そう。勝負…ねぇ。まぁあの子らしいと言えばあの子らしいけど。
…ねぇ小波君、私もその話一枚噛ませて貰っていいかしら?」
「?別に良いけど、どうしたんだ?」
「一応、私はあの子の永遠のライバルらしいからね。ずっと拒んでたけどさ。
ここらで決着をつけるのも悪く無いかなって思っただけよ」
「ハハッそりゃあ良いな。アイツも喜びそうだ。じゃあ頼むぜ、司令?」
「状況を開始!ってね♪」
210 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:41:03.84 ID:TSoC5svV
軽口を良いながら、小波達を送り出した冴花は、さっきの小波の言葉を反芻した。
「勝負…ね」
その言葉がとても重い意味がある事を冴花は直感で理解していた。
以前にも小波が千羽矢と、本校に戻る事を賭けて勝負したというのを聞いた事があるが
今度の勝負はそれとは比較にならない程、大事な物なのだろうと。
そして思い返す、今日の試合前に球場のトイレで偶然会った彼女、雨崎千羽矢が
―――この世の者とは思えない顔色をしていた事を。
化粧直し中の彼女はバツの悪い顔をして
「あら、弱小高のマネージャーさんお久しゅうございます。化粧しても試合後には悔し涙でボロボロになっちゃうから意味無いですよ?
恐怖!黒い涙!」
なんておどけていたが、そんな事で冷や汗と顔色が誤魔化せるハズも無い。
「ちょっとあな…
そんな体調で何をしてるの、さっさと病院に行きなさいと言うつもりだった。
しかし
「何か?」
211 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:43:29.45 ID:TSoC5svV
それは千羽矢の気迫でかきけされ、何も言う事が出来なかった。
結局そのまま千羽矢は「ではごきげんよう」などと言って、すぐに出て行ってしまった。
冴花は観察眼の鋭い少女である。
だから、千羽矢の今の状態。…そして、覚悟を感じ取っていた。
(小波君はただの挑発のし合いみたいな事を言ってたけど…違う。
あの子は多分…もう取りかえしの効かない状態になっている。
あの時のお母さんよりも青白い肌…なんて)
病院に行けとかそんな段階はもうとっくに通り過ぎている。
彼女は今、命を燃やしてこの場所に立っているのだという事を、冴花は直感と小波の言葉から推測し、理解した。
そしてそれは悲しい程に的を得ていた。
だったら、自分に出来る事は何かと冴花は考える。
あの小生意気な娘、のっけから悪態をつかれ、出会いは最悪と言って良かったけど
キャッチボールをしてから何故か懐かれて、勝手に永遠のライバルなんて称号を押しつけて来た、お転婆でわがままな子。
冴花自身、鬱陶しがってはいたものの、妹が居たらこんな感じなのかな、なんて事を考えた事もあった。
正直な所、彼女と居ると事ある毎に圧倒的な能力差を感じる事があり、対等なライバルだなんて自分では役不足だと思っていた。
だから――拒んでいたのかもしれない。
しかし、小波の言葉を聞いてからは、その言葉に特別な意味を感じて仕方が無い。
あの時彼女は言った「人生に欠けている物を遂に見つけた」と。
それは、彼女にとって、本当に恋焦がれていた、大事な物だったのでは?
対等な勝負が出来る関係――「ライバル」とは。
212 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:46:01.13 ID:TSoC5svV
彼女の言葉が、脳内にリフレインする。
――「私のライバルにあなた程相応しい人は居ないです!」
――「呼びたくないですから、貴方の事を先輩とは」
――「あなたが私の幸せを、横取りしちゃったんですよ♪」
…恐らくは、考え過ぎだろう。と冴花は思う。
彼女の言葉の裏に、そこまで深い真意が隠れていた―なんていうのは流石に小説の読み過ぎだ。
中二の時の自分なら信じたかもしれないが、今の自分はそこまで思い込みは激しく無い。
もし、仮にそういう願望があったとしても、無意識のものだろうし。
未練を残したくないから、これが自分の唯一の心残りだと思いこもうとしているだけなのかもしれない。
けれど、そう思い込む事こそが彼女の幸せに繋がるのなら
そしてそう思い込める、その道を作ったのが他ならぬあの男というのなら
自分もそれに乗らない理由は無いだろう。
最初に宣言されてから、随分と時間は経ってしまった。
でも…まだ、遅くは無い。
最後の最後、彼女の引退試合は…まだ残っている。
「…別に、やる事は変わらないけど、良いわ。受けてあげる…千羽矢」
そして、ここにもまた一人、この試合に特別な闘志を燃やす人間が産まれた。
213 :
ライバル:2011/04/23(土) 01:47:38.53 ID:TSoC5svV
(でもね千羽矢。貴方は気付いてないでしょうけど…いや、気付いてるか。絶対あの子なら気付いてた。
私達はとっくにライバルだったのよ…少なくとも私にとっては。
あの子は私に幸せを横取りされたとか言ってたけど、私だって………ぐぬぬ。
そうか、これは私のリベンジマッチでもあるって事になるのね。フフッ燃えて来たわ)
微妙に火が付きすぎた感もある、一人の女。
物言わずとも発するオーラで、村田と控え選手はベンチの隅に追いやられる事となった。
彼女達が…何のライバルだったかは、ここでは彼女の名誉にかけて伏せておこう。
ブルッ「あ」スポッ
!? ゴンッ
「「杉田ぁーっ!!!」」
一つ言える事はその勝負において、勝利投手であり敗戦投手でもあった男が
謎の寒気を感じ、投球練習の球を後ろにすっぽ抜けさせていた。
第四章終わりです。
どうやら規制が大分緩くなってるみたいです。レベルが上がったんでしょうか?
まぁこれなら何とかなりそうです。
章毎のタイトルを投下すると宣言した後に考えてる結果、やっつけ感が酷い…。
良いのが思いつけば修正したい位です。
調子が良いみたいなので、3時から続きも投稿しようと思うので
もしそれまでに見られた方が居れば、連続投稿規制の解除にご協力下さい。
>>197 スミマセン、それはするべきで無いと思ってたんですが
ついつい言いたくて書き込んでしまいました。今後は自重します。
>>214 GJ
別に気にする必要ないよ
ぜひどんどん投下していってくれ
えーでは続きです。
…というか番外編みたいになってるので、これはもう別枠として投下しときます。
まとめの時も別作品扱いでお願いします。
さらgoodルートエピローグ。極微エロ。どうぞ
217 :
奇跡への架け橋:2011/04/23(土) 03:24:04.97 ID:TSoC5svV
白熱する試合の一方で、外野応援席に一際賑やかな三人の影があった。
これは辛い過去を乗り越えて、再び絆を取り戻した姉妹と一人の野球バカの後日談。
「いやぁ〜随分とアツい試合になってますねぇ。
たまたま休みが重なったから、フラっと高校野球でも見るかーと思ってたらこれは思わぬ掘り出し物ですよ!」
「…私達はそうだけど、お姉ちゃんは仕事なんじゃ…」
「俺達のたまのデートの邪魔するんじゃねえよ。どっから嗅ぎつけたんだ」
「…良い大人のデートの場所が、特に縁も無いチームの試合観戦ってどうかと思いますケドネ」
「うっ」
「仕方ないですよお姉ちゃん。十波君はバカですから」
「バカって言った今!?」
「失礼、野球を略してしまいました♪」
「…本当に良い性格になったなさら」
「まぁまぁ、それでどうなんですか?十波君、この試合をプロの目からウォッチングすると?」
「そうだな。高校生の試合だから、どうしてもどこかに気の抜いたというか集中力を欠いたプレーっていうのが出るものなんだが
この試合にはそれが無い。ピンと張りつめた良い緊張感を感じるよ」
「なるほど」メモメモ
「…勝手に人の台詞を記事に使うな」
218 :
奇跡への架け橋:2011/04/23(土) 03:25:30.27 ID:TSoC5svV
「高校時代を思い出しますか?」
「うん。自画自賛する訳じゃないけど、俺達の星英との試合もこんな空気だった。
何しろ相手が天道だったからな。1点が致命傷になるんだから、緊張感を緩める暇なんて無かった。」
「それに加えさらからの重〜いプレッシャーもかけられてましたもんね♪」
「まぁな。あれは正直かなり引い……ってその事お前に喋ったっけ?」
「いえいえ。その場にアタシも居たんですよっ。というより高校時代の十波君とさらの思い出の柱の陰には常にこのナオっちも居たのです!」
「ブッ!!!いきなり何てことカミングアウトしてやがるテメエ!ストーカーか!!!」
「愛しき妹の事が心配で…」ヨヨヨ
「それ言ったら全部通ると思うなよ!!!」
「いつ、か弱いさらが、溢れ出る情熱を抑えられない男子高校生である十波君の毒牙にかかるかと思うと、いても立ってもいられず…」
「座ってろ!そして二度と立つな!そして俺は紳士だった!!」
219 :
奇跡への架け橋:2011/04/23(土) 03:28:27.05 ID:TSoC5svV
「またまた〜甲子園から戻って来た日に、ご褒美だの何だの言ってさらをまるめ込んで
「さら…良いよな?」「ハイ…優しくして下さい」なんてベタな事やってるのは、ちゃんとナオっちのお宝コレクションに残ってるんですからー」
「マジで何やってんのお前!?普通に絶交レベルですよそれ!!」
「やだなぁ冗談ですよ〜でもその反応って事は心当たりが?」
「ぐっ…ハメやがったなバカの癖に…」
「嫌ですねぇハメるなんて(ポッ)。まぁハメてる写真は残ってるんですがね!」ピラッ
「ブフォッ!!!!決めたお前マジぶっ殺す!」
「ちなみにさらが私の所へ会いくる事を決意してくれた日も、木の陰で聞いてました」
「あの感動が台無しっ!?たしかになんかあの時目が赤いなーとは思ってたけどもっ!!
てか、さらお前も何かこのバカに言ってや…!?
220 :
奇跡への架け橋:2011/04/23(土) 03:30:00.28 ID:TSoC5svV
「小波君…引いたってどういう事ですか?」ゴゴゴゴゴ
「ずっと黙ってると思ってたら怒ってらっしゃったんでした!?久々の超ダウナーモード!?」
「ここは三十六計逃げるになんちゃらですっ!」ダッ
「あ、てめえだけ逃げるとか許さねえぞ待ちやがれっ!」ダッ
「逃がしませんよ十波君!たっぷりお仕置きしてあげますっ」ダッ
「あ、姉御〜命令通りジュース買って来ましたy
「良いトコに来たいつき!」ガッ
「へ?」
「いつきバリアー!!」ブンッ
「ぎゃあああああああっ!!!!!!」 グチャッ
…当時の、一時期の状況を思えば、とても信じられない程に余りにも馬鹿馬鹿しい会話だった。
一つ間違えれば、最悪の結末すら容易に想像し得る位だっただけに、この日常の価値は計り知れないものがある。
221 :
奇跡への架け橋:2011/04/23(土) 03:33:01.11 ID:TSoC5svV
決して平坦な道のりでは無かった。
二人の間にあったのは大きな溝。とても埋める事が出来るとは思えなかった。
そして、それはその通りだったのかもしれない。
今そこにあるのは
昔の関係に『戻った』のではなく、各々が成長した事で、新しく『成った』関係性。
溝を埋めたのでは無く、橋を掛けたのだ。一人の野球バカが。
…まぁ会話を聞く限り、一概に喜ばしい事と断定するのは躊躇われる部分が無い訳では無いが
そこは見ない事にすれば
皆それぞれ楽しそうで、幸せそうな顔をしているのが目に浮かぶ。
ならばこれはやはりハッピーエンドのエピローグなんだろう。
「信じてたのに裏切るなんて酷いです十波君!罰としてそこのビルから紐無しバンジーの刑です!」
「トラウマを持ちネタにする位になったのは喜ばしいけど、その本気の目は止めてえええぇぇぇえええ!」
…多分。
暑中見舞い代わりに、高校時代のバカでサボリ魔な親友から送られて来た
「今ではこんなに仲良しです!」とラベルに書いてあるテープを聞きながら
私はそんな風に思うのだった。
と言う訳で、ほのぼの桜姉妹SSでした。
実はこれは、以前書いた桜姉妹の前日譚小説の後日談という裏設定が。
三年越しの完結という訳です。
まぁそれを読まなくても全く問題は無いですが。良かったらご一読を。
最近、まとめにて、おまけの五十鈴編に続きがみたいとのコメントを頂きまして
それを原動力に書き上げてみました。
語り部?が五十鈴だったのはその関係。
…と言う訳でも実は無く、試合を客観的に見るキャラが欲しいという事で
ゲスト的に観客Aとして出そうと思ってたんですが
書き始めて5分で脱線。
だったらもう別作品として出そう、と修正を加えたものです。
手抜きで地の文を使わなかったのを逆手に取ったオチは満足。
ま、それはそれとして、どんどん行きます。第五章、第六章続けて投下。
第五章は番外編のOKテイクと言った所。
第六章はガチ本編です。いい加減終わりが見えてきます。どうぞ。
小波が謎の寒気を感じている頃、バックネット裏には一組の男女が座っていた。
それだけなら何の不思議も無い、ただの日常風景だ。
男の方がビデオカメラを回しており、女の方は膝にレポート用紙を広げているが
それを加えても、そこまで珍しい光景とは言えない。
しかし、男の方の風貌を見れば、そうは言えないだろう。
どこの浮浪者だ、という感想を誰もが抱くだろう。
実はこの二人組、コアな高校野球ファンの間で最近噂になっているのだ。
日本中の県大会決勝に出没する、怪しい野球マニアとして。
「近年稀に見る投手戦…だな。甲子園でもここまでの戦いはお目にかかれなかった」
「近年て。何言ってるんだか。旅ガラスの風来坊さんが、甲子園中継なんてじっくり見た事あるの?
…というか、実際に見て来たみたいな言い方だけど」
「いやいや、ただの言葉のあやだよ」
「ふーん怪しいなぁ。でも確かに凄い試合だよね、アタシは野球の事なんてそんなに詳しくないけどさ
やってる子達の迫力とか真剣さで、凄いってのは分かるよ」
「子達って。年齢は殆ど変わらないだろうに」
「言われてみればそうだね。アタシももう18かぁ…華の女子高生ってヤツだネ♪
やーい風来坊さんの犯罪者ー♪」
「…それを言うなら、この9年の間ずっと俺は犯罪者という事にならないか?」
「むしろ刑がどんどん軽くなっていってる訳だね。ちぃっ後二年もすれば警察に突き出せなくなる!」
「おいおい…。まぁ二年も待つ必要は無いだろうけどな。むしろ二年待ち過ぎた位だ」
「へ?どういう事?」
「女性の結婚が可能になるのは16歳から、だろ?
そろそろ一旦旅を終えて、連れが出来たあの街に腰を落ち着けるのも悪くないさ」
「…………………………………………」
「ど、どうした。何か黒い威圧感を感じるが…」
「……どうしてそう言う大事な事を、こんな場所でムードもへったくれもなく軽く言うかなぁ………」ゴゴゴゴゴ
「ス、スマン。どうもそういうのは疎くて…」
「嘘つき。この女ったらし」
「ぐっ…」
「…はぁ。でも自分にも呆れたよ。
こんな適当なプロポーズでも、怒りより嬉しさの方が勝っちゃうんだからさ」
「ははは。ま、とりあえず今は試合に集中しようじゃないか。
カンタ君への手土産に、少しでも多くのデータを集めなくちゃな」
「集中出来なくしたのは誰だと………。
ハァ、まぁ野球バカの風来坊さんに言っても無駄だよね。最初にこの計画を聞いた時は本気で道を分かとうかと…」
「良いアイディアだと思うんだけどなぁ。順調に勝ち進めてるようだし、無駄にはならないさ」
「アタシもそう願ってますよーっと。で、風来坊さんの目から見るとどうなの?」
「そうだな。まぁどの選手も面白いんだが、特筆するなら開拓の投手と混黒の捕手だろうな。
あの二人だけ纏っている雰囲気が桁違いだ」
「雰囲気ねぇ。またそんなレポートにし難い事言って…」
「この試合の分水嶺は、恐らくあの二人の対決になるだろうな。それによって流れが動くだろう。
開拓が勝つにはエースが四番を抑える事、混黒が勝つには四番がエースを打ち砕く事…だ」
「えっと、今迄のその二人の対決は第一打席がセンターフライ、二打席目がセンターライナーだっけ」
「あぁ。二打席目はあと少しミートポイントがズレてれば、入ってた当たりだったな。
まぁそれを投手が許さなかった、という感じだったが。
意地が目に見える様な勝負だったな。
あの速球を、振り遅れながらも強烈に弾き返す四番の意地。
当てられながらも決してスタンドには届かせないエースの意地。
くぅ〜痺れるな」
「だからもっと技術的な事を言ってよ…何目を輝かして少年の様な顔してんのさ!」
「あ、あぁ悪かったつい興奮して、えーとだな…」
そう言って謎の風来坊は、相方の女性に両校選手の特徴を解説し始める
しかし謎の風来坊は一つだけ言わなかった事があった。
それは、特筆すべき雰囲気を感じる人間が、もう一人居るという事。
(しかしこれは…。無駄な不安を与えたく無いから黙っておくが
混黒高校のベンチから感じるこれは…あの二人とは毛色が大きく異なっている。
この長旅で何度か遭遇した、人外のバケモノ達に近い質のオーラ。
キケン近付くなと、俺の感覚が警鐘を鳴らしている。そんなのが何故、高校野球の大会に…?)
およそ常人とは言えない、この謎の風来坊だからこそ感じる事の出来た『将来性』
そう遠く無い未来に、彼はこの時の感覚を再び、もっと強く味わう事になる。
しかしそれは、また別のお話。
この二人組いったい何者であったかは、その時に明かされる事となろう。
228 :
独白:2011/04/23(土) 04:06:30.46 ID:TSoC5svV
試合はもう中盤が終わり、終盤へと突入しようとしていた。
残念だなぁもうすぐ終わっちゃうのか。こんなに楽しい事が。
ずっと戦っていたいな、もっとずっと見ていたいな、もっともっとずっと………生きていたいな。
なんて、ね。
そんな気持ちはここで燃やすんだ。その為に小波くんが、頑張ってくれてるんだから
頑張ってくれたんだから。
あのお人好しが、私の死を受け入れた上で、それでも自分に出来る事をーってやってくれたんだ。
それがどれ程辛かったか…私には想像も出来ない。
残される方が辛い。そんな事はちょっと立場を置き換えて考えればすぐに分かっちゃうんだから。
だから恩には報いないと。
一生分生きた!と笑って言える位に、私はこの試合で完全燃焼しなくちゃいけない。したい。
229 :
独白:2011/04/23(土) 04:08:37.30 ID:TSoC5svV
こう言ったら、何かが台無しになっちゃうかもしれないけど。
本当の所、今私は勝負なんて勝っても負けてもどうでも良いと思ってる。
いや、勿論勝ちたいって気持ちは当然あるし、小波君の泣き顔なんてブルーレイで残したい位なんだけどさ
それよりも、勝っちゃうんだよなぁ。
小波くんを見て、おニイを見て、モッチーを見て、混黒の皆を見て。
あぁー私はこんなにも沢山の人に、こんなにも強く
――――愛されていたのかっていう、感動がさ。
全く、見てられないよ。こんな試合。
試合終了を待つまでも無く、涙がどんどん溢れてきちゃう。
ホントにお前達…分かりやす過ぎるんだよ!
おニイやモッチーや混黒の皆は当然として、開拓の事だってデータ集めて研究して。
小波君の事なんて…出会ってからずっと見てたんだから
この試合がデータ以上の実力以上の限界以上の力の出た
どんな頭の良い科学者だって、どんな経験のある野球監督だって
絶対に説明出来っこない、奇跡の試合だって事に…すぐ気付いちゃうじゃん。
230 :
独白:2011/04/23(土) 04:10:15.95 ID:TSoC5svV
そしてそれがどっから出てるか、どんな気持ちから出してくれてるかも
顔見ればすぐ気付いちゃうよ。
皆隠し事が下手なんだから。
そして…その事が何を意味するのかも私はすぐに気付いてしまった。
客観的に戦力を分析して、何度も何度も繰り返し統計を取りながら、この試合の結果を
アタシなりに予想した結果、ウチの勝率はだいたい72パーセント。
そりゃあ野球なんて、やってみなければ分からないスポーツ1位って位
実力の差がそのまま結果に出るとは限らない競技だけどさ
それでも、普通にやってそれだけ有利なウチが
それに加え、本日全員が超超超絶好調みたいな確変入ってるウチが
6回終わって、一本のヒットも出ないなんて、有り得る訳が無いんだよ。
相手のエースが、それ以上に謎のパワーを出していなければさ。
「ホント…あのバカ、どれだけ私の事好きなんだか」
思わず、口から言葉が零れる。
汗をダラダラ流しながらマウンドに登る、野球バカを見て。
231 :
独白:2011/04/23(土) 04:11:39.78 ID:TSoC5svV
そんな全球全力投球してどうすんのよ。
見せ球位、手を抜いて投げても良いじゃない。
スローボールをそんなに神経集中させて投げたら、余計疲れちゃうよ。
怪我してから、あんまり無理出来ないんじゃなかったの?次体壊したら、もうホントに野球出来なくなっちゃうよ?
そんなに野球が大好きなくせに―――
「ストライック!バッターアウト!!!」
今日10個目の三振。
この大会、一つの三振もしてなかった阿部君から、今日三つめの三振。
どうだ!みたいな顔、一人打ち取る毎にこっちに見せてくるな。
「全く、ホンットいつまでも子供みたいにキラキラした目して」
―――サイッキョーに、可愛いなぁ。サイッコーに、カッコ良いなぁ。ワケ分かんない位に、大好きだよ。
表面では、冴花との頭脳戦を繰り広げたり、配球のパターンを読んだりと
頭も体も働かせていたけれど
心の中は、そんな思いで私は胸がいっぱいだった。
ガチでタイトルが思いつかなorz
えー同じ話とは思えない程に、コロコロ仕様が変わってますが
もう長編というより、短編が妙に繋がってる位に思えばいいと思います。
それではまた明日。
乙乙、番外と5章が余りにも予想外過ぎて驚いた
武美ナオさら五十鈴にヒモと馬鹿なんて誰が予想できたろうか、完璧に虚を突かれた
一つの出来事を複数の視点から観るような構成好きだなあ、色んな思いの交錯が見える様で読んでて面白い
>>232 GJ
いろいろキャラが出てくる長編だね、読んでて面白いです
ところで、主人公の名前ってみんな暗黙の了解なのか小波にしてるけど別に最初に注意書きとかすれば別の名前で大丈夫なんかな ダメな人とかいるのかな
断っておけば大丈夫だと思うよ
別に決まりってわけではないな
でもまあ小波ってなんとなく分かりやすいっていうか使いやすいっていうか
他には作品の数字を主の名前に入れたりしてる
大丈夫だとは思う。
ただ、小波にしとけば一発で主人公って分かるから便利でなぁ。
パワポケより字面が浮かないし。
過去作見ると数字がついてる苗字にする人(ex.真央「盗撮は犯罪です」の7主七瀬、10主十河、11主井伊)やパワポケの当て字にしてる人(ex.夏菜「悪夢ハタ人間?」の9主波羽)
劇中の因縁から引っ張ってくる(天本さん「変わり始めた私」の4主河島)、キャラ的に可能であれば苗字を出さない(ex.天本さん「平穏な日々」の4主)なんてのもある
全く問題無いだろ、小波以外でも
>>232 GJ
冴花にそこそこちょっかいかけた上でのチハヤルートだったのか冴花が不憫だなw
9主のその後の設定はなかなか面白かった。
カンタ君はそういや13の時代には高校生のハズだったっけ?出なかったのが残念だ。
>>235 別に問題無いとは思うが、特にストーリー上問題無ければ小波にしとくのが無難だろうな。
変に凝った名前にすると、オリジナルキャラを出してるみたいでイタい。
>>239 凄えな。よく探したなそんなの。
>>241 そんなたいしたことじゃねえ、最近読んだ記憶から掘り出してきただけだ
他の例には漢字一文字だけ使う(ex.真央「ヒーローのヒーロー」10主波野)、読みがこなみでも漢字が違う(ex.唯「embrace」の4主小浪)ってのもあった
数字を使う名前だと11以降がどうもなあ
天咲です。
名前の話題ですか、私もなんとなく小波にしましたが、下の名前がないのは微妙に不便ですね。
何でも良いとは思いますが。
10主はやっつけで十波に。謎の男は風来坊で通せるので便利です。
それでは続きをどうぞ。
「まだ、まだオレは届かないのか…小波には」
雨崎優輝はふがいない自分に対し、人生で初めてハラワタが煮えくりかえる思いというのを感じていた。
思い出すのは5回表の第二打席。1-2からの四球目。インハイの直球、と雨崎は読んだ。
自分が開拓を出る際に、チームの要たる捕手の離脱。その責任を取る意味を込めて、詰井にはリードを教え込んだ。
自分が8年間バッテリーを組んで磨いた、小波を生かすリードを。
その為、詰井のリード、特に小波と組んでいる時の詰井のリードは、あれから独学で学んだとはいえ
雨崎のリードの色が強く残っていた。
それを危惧したのかこの試合、雨崎の打席に関しては、小波がリードを行うよう木村冴花は指示していた。
しかし、それは木村らしくも無い愚策だと雨崎は思う。
自分は、誰よりも小波の性格を熟知している。
小波がいつどこにを投げるか等、手に取るように分かる。
そもそも小波こそが、殆どの野球人生において、雨崎のリードを受けていた張本人なのだ。
影響の受け方は、詰井の比では無いだろう。
慣れないリード。ウラをかく事を考えられる程、器用な男では無い。
もしそれをやっても、どこかに違和感が出る。それを見抜けない自分では無い。
どこに何が来るか分かっていれば、一流の打者は8割は打てると言う。
この勝負はどう考えても雨崎に圧倒的有利。対等な勝負と言えるかさえ微妙な所だった。
捕ると打つのギャップにより、打ち損じた第一打席。
しかし、その時の雨崎は確かな手ごたえを感じていた。
真剣勝負で小波の球に当てた歓喜と同時に、次は打てるという確信も得ていた。
そして冒頭に戻る。
二打席目、三球目までを見て、どれもほぼ予想通りの球が来ている。
小波ならここで一球胸元に厳しい球を投げて、打者をのけぞらしに来る。自信のある得意球だ。
それを打てばショックは倍増だろう。オレはそれを打つ。
読みは完璧だった。
次の瞬間、小波は見事なまでに雨崎の待っていたボールを投じてしまっていた。
雨崎にミスはなかった。
何万本、何十万本と振り、磨いてきた自分のスイング。
練習通りの、練習以上の完璧なスイングを雨崎はやってのけた
しかし
それでも
軍配は、小波に上がった。
予想通りのハズの球に僅かに振り遅れ、何とか修正するもそこから更に一伸びした。
結果は、センターライナー。
場外に消えるハズの打球は、軽井のグラブに収まった。
一打席目は打ち損じのセンターフライ、二打席目は痛烈なセンターライナー
進歩はしている様に見える。
事実、解説者は小波が運が良かっただけ、実質は雨崎の勝ちなどと訳知り顔でのたまっていた。
冗談じゃないと、後にそれを聞いた雨崎は思う。
何が来るか分かっていて、そして実際にその通りの球が来て、完璧な理想のスイングが出来て
それで、それなのに、ヒットにすらならなかった。
これ以上の屈辱が、これ以上の敗北がどこにあると言うのだ。
雨崎の顔に一打席目の様な笑みは無い、歓喜も無い。あるハズが無い。
あるのはただ…焦りだけだった。
雨崎優輝の野球人生には、常に小波の存在が側にあった。
8年前に出会ってから、高校に入って一度離れはしたものの、殆どの野球の時間を一緒に過ごしたと言って良い。
そして、気の弱い彼に取って小波は、一番身近なヒーローだった。
唯一自分と同等、或いはそれ以上の野球の才能を持った人間であり
気力、根性、野球に対する情熱その他諸々は、大きく自分を上回っていた。
彼がいかに凄い人間であるか、雨崎優輝はその事を誰よりも良く知っている。
彼の父親よりも。恐らくは―雨崎千羽矢よりも。
誰に対しても何に対しても臆する事無く向かって行く勇気を持った小波に、雨崎はずっと憧れていた。
そして同時に、コイツには一生敵わないと、無意識に諦めても居た。
それどころか、依存していたと言ってもいい。
自分がミスをしても、小波が必ずフォローしてくれる
自分が打てない時は、必ず小波が抑えてくれる
そんな風に思っている面すらあり、日常生活においても小波という風除けを受けていた彼は
精神面が弱いという必然の弱点があった。
その結果が、混黒高校での小波が怪我をしてからの醜態であり、開拓への逃亡である。
その後、彼は自分の弱さを自覚し、飛躍的に成長することにはなったが
その事を、彼は今強く後悔していた。
その理由は勿論――千羽矢の事だ。
千羽矢は残り少ない時間を、不甲斐ない自分を支える事に使ってくれようとして
混黒高校野球部のマネージャーとなった。
しかし、その時には自分は、既に逃げ出した後だった。
それを知った時の千羽矢の思いは、一体どんなものだったのだろう。
小波からその話を聞き、そしてあの日、千羽矢の病状を知り
その事に思い至った時は、自分を殺してやりたい気持ちになった。
妹のささやかな夢を、自分は確実に―――踏みにじったのだ。
愚かな、自己保身の為に。
自分も小波も居ない野球部で、決して善人が集う訳では無い野球部で、千羽矢を励ましてくれていた餅田には
その面でも雨崎は感謝が尽きなかった。
そんな強い後悔の念を持ち、それを反省し、乗り越えた彼は
もはや以前の雨崎優輝とは別人と言ってよかった。
(オレは、気持ちの上で今まで毎日、小波に負け続けて来た。
…でも、今は違う、絶対に違う。オレは小波に勝ちたい。他の誰に負けたって良い小波にだけは絶対勝ちたい
そして俺は、今迄何もしてやれなかったアイツに勝利を届けてやる!)
千羽矢が本当に欲しい物―――それは勝利などではないが。
奇しくも、その過程によって雨崎は千羽矢が最も欲しかった物を届けていた。
それは―――安心感。
もうおニイは私が居なくても立派にやっていけるという。
もう戦う前から尻尾を巻いて逃げだすような負け犬ではない、憧れている小波を前にしても
まっすぐ正面を見据え、ぶつかっていく姿を
雨崎千羽矢は、何よりも見たかった。
なぜなら彼女は小波と同じ位に、兄の事も…愛していたのだから。
―その夢はもう古いなぁおニィ。それはもう書きかわっちゃったよ
―書き変わった?
―うん!今の私の夢はね
彼女が試合前に雨崎に告げた夢。それは
「私の夢は、小波君からでっかいホームランを打つ、おニイの姿を見る事!」
そのチャンスはもう…幾度も無い。
元は
>>248迄と
>>249以降は別章扱いにしようかと思ってたんですが
回想章としてまとめた方が良い感じになるかな、という事で。
5章の存在意義は7章の為に合ったという感じですね。まぁ謎の二人書きたかっただけですけど。
1章の伏線はここで回収。
と、間を取る為の楽屋裏トークでした。
雨崎優輝は完璧超人のように、小波の事を思っていたが
勿論そんな事は無い。
小波といえど、ただの人間。ただの野球好きな高校生。
見る人から見れば、欠点だらけの未熟な人間としか映らないだろう。
そしてそれは雨崎の幻想よりは余程真実に近かった。
小波だって悔んでいる事はある…他ならぬ、千羽矢の事で、だ。
千羽矢が自分の体の事に気付いたのは中学二年の時。
そして小波がそれを知ったのは、去年の秋、目の前で倒れる千羽矢を見てようやく…だった。
それを責めるのは酷かもしれない。
その時の小波は、野球に特に真剣に打ちこんでいた時期で、暇など殆ど無かったし
千羽矢はその時、小波から離れていっていた。
千羽矢の演技が上手い事もあり、恐らく誰であっても気付く事は出来なかっただろう。
だが、そんな事は言い訳にもならないと小波は思う。
事実として、当時、千羽矢は傷つき荒れていた。一方自分は、気付きもしなかった。
…気付こうともしていなかった。
試合を千羽矢が試合を見に来なくなった事には気付いていながら、その理由を探ろうともしていなかった。
もし、そのまま疎遠になっていたら
千羽矢の体の事に気付く事も無く、ひっそりと亡くなって、後でそれを知る事にでもなっていたら
自分は、どうするつもりだったというのだ。
更に、小波が自分を責めている、決定的な出来事があった。
ある時、千羽矢が練習帰りの雨崎と小波の前に現れて、泣きながら言った事がある
「野球なんか止めて、昔みたいに私と遊んでよ」
そう言って雨崎の胸を叩きながらワンワン泣く千羽矢を見て、小波は言った。
言って、しまった。
「オイオイ、俺達は練習で疲れてるんだ。つまんないウソ泣きなんかで、ユウキを困らせるなよ」
悪気は無かった、と当時の小波は言うだろう。
思った事をそのまま言っただけだ、と。
だが、それが何だというのだろう。
悪気が無い方が性質が悪い、という文句があるがそういうレベルですらない
そんな問題では無いのだ。
確かに千羽矢のキャラを、小波の想う千羽矢の性格を考えれば、その真意に気付くのは難しかったかもしれない。
しかし、事実として千羽矢は、人生で初めて本気の涙を流した。
自分の体の事を知った時にも、流さなかった涙を。
想い人に自分の言葉を信用されず、心無い言葉を吐かれ、傷つけられた。
その事は千羽矢にとってどれ程のダメージだったのか、想像も付かない。
既にその事について、謝ってはいるものの、謝れば済む事では無いと小波は思う。
あの時の背景を知った今なら、余計にそう思う。
だから贖罪をしなくては、と小波は考えた。
千羽矢は、今回の勝負の事を、小波の好意から来るプレゼントだと恩に感じているが
それだけでは無かったのだ。
あの時の千羽矢の嘆願の半分を小波は今になって実行しようとしている。
(悪いな千羽矢。俺は野球バカだから、野球は止める事が出来ない。
でもその代わり、その『野球』で、昔みたいにお前と遊んでやるよ)
昔の、約束とも言えない、一方的なお願い。
果たされなかった傷だらけのそれを、小波は胸の内に秘めて投げ続ける。
と言う訳で、前後半に分かれた第七章でした。
これまた終始シリアスで地の文な異色回でしたが、出来は気に入ってます。
もう一度チハヤアルートをやり直している時に考えた章なので、もしチハヤルートをする事があれば
あーここかーと分かるかと。
まぁ本当にこんな感じかは分からないですけど。ではまた次回。
乙でした
GJ
チハヤって泣けない体質じゃなかったっけ?
武美とかと同じガイノイドだし
>>256 GJ!
どんな形式でも書けるって凄えな。
1章の終りの伏線をこう使うとは予想外だった。
しかし過疎だな、いやこんなモンか。
一人に任せてないで俺達も書こうぜ。
俺?…まぁ近い内に。
262 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:40:21.74 ID:io26UV6/
えーと…、1か月ほど前に中途半端に話を書いて消えたks野郎だが…、覚えてる人いっかな?いたとしてもマイナスイメージしかないだろうが。
「まとめて書け」と指摘されたのでとりあえず書いてみたら
「なげええええええええ!!!!!!!!!」と叫べるほど長かったので…、これ以上延ばしてもまた投稿しずらくなるだけだから区切りつけて「前編」ということで投稿したい。
地震とかの影響で思うように書けないから後半まで書いてたらあと1カ月はかかる…。
結局中途半端な形だが…、許してくれ…。
ちなみにこれまでに書いた幾つかは親切な人がまとめページに上げてくれた。
「夏目准」の項目の1番新しい奴。(ホントは維織さんメインだけど)
呼んでからじゃないとわけわかんないとおもう。それと今更だけどタイトルもつけてみた。
〜寝起きドッキリも楽じゃない〜
いつも通りの1日だった。遠前町の外れ、とある喫茶店
カラン、カラン…
「有難うございました。」
(ふう、やれやれ。) 商売繁盛してくれるのはありがたいがやはり従業員が一人では無理がある。
今まではそうでもなかったが、やはり自分が歳をとってきたことを自覚してしまう。
やはりバイトでも雇うべきかと迷う。
何度か雇ってみたが当然と言うべきかオープニングスタッフの彼女には劣る。
ただでさえ彼女がいた時より商店街が活気づいているので、客も多い。
(今度休みに手伝いにでもきてもらうかな。)
そう思った次の瞬間首を横に振りながらお嬢様の付き人がどんなに大変か思い出した。
自嘲気味に笑っていると
「すいませーん。」
客からの呼び出しがかかる。
「はいはい、只今。」
落ち着いた大人の雰囲気を出した返事が返る。
(さてさて、こちらも頑張りますか)
263 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:43:33.77 ID:io26UV6/
しかしこの日に限っては、いつもどうりではなかった。
数時間後、客も皆帰り少し早いが店じまいしようかと思った時
カラン、カラン
(珍しいな、こんなギリギリに。)
カウンターの奥から入口に出る。
「はい、いらっし」
「はぁはぁ、間に合った……。」
そこには懐かしい人物がいた。
「おや准君、久しぶりだね。」
「マスター!」准がそれどころではないと言わんばかりに詰め寄ってくる。
「まあまあ理由は知らないがこんなところで立ってないで、コーヒーでも飲みなさい。そんなに慌てて君らしくもないぞ。」そんなはずはないが、全てお見通しと言わんばかりの様子だ。
「……は、はい。」数秒息を整えてから返答する。
「……ほら、出来たよ。」
「……いただきます。」
久しぶりに、悲しいときに飲むマスターのコーヒーはこの上なく暖かかった。
264 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:46:19.12 ID:io26UV6/
「…それでどうしたんだい?」
最近の維織さんの様子を話す。
もちろん先程の事は言葉を選んだが。
「・・・・・・・そうかい。」
しばらくマスターは黙りこくっていた。
「……お嬢様、今はもう維織さんだね。は、トップにたつお人だ。以前彼にも話したがその為には感情が欠落していると錯覚するほどの冷静さが必要だ。」
「・・・・・・」
「だがそこには感情が無いわけではない、ただ感情を自分の中と外に区切っているだけだ。しかし今の話を聞く限り、その区切り目が壊れてしまっている。
何せ感情の方がすべてマイナスになってしまってるのだから。それを直すには、自ら自分の中だけに留めておきたいと思うようなプラスの感情を持つ必要がある。」
「……はい、それでマスター」
「ははは、准君。今はもう店じまいしてる時間だし、君はもううちのウエイトレスじゃない、世納でいいよ。」
「はい、え〜と…世納さん。」
「なにかな?」
「それで維織さんに自分だけ幸せな感情を持たせるには…。」
「それは彼に任せるしかないな。」
「でもそれは無理です。きっと維織さん本人ですら断りますよ。」
「ならば会わなければいい。」
「え?」
「本人がいいなら別に会わなくてもいいのではないかな?」
何を言ってるのかまるで分らなかった。
「え…?えーと…、て、手紙とか?」
「…准君。そんなものの効果が長く続くと思うかい?
彼が前に枝折をプレセントしたそうだが、それですらもうダメなのだろう?」
265 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:47:56.67 ID:io26UV6/
「・・・・・・・・・・・。」
准の顔色が明らかに今までと違う悪さの色に変わった。
「ん?」
「あ…、はい。そ、そうです…ね?」
「? なぜ私に聞くんだい?」
「あ、いえいえ!なんでもないです。」
「…? まあいいが、私としてはやはり会うことを勧める。」
「…?」
何が何だか分からない顔をしてる准を見てマスターはわずかに苦笑し、
「准君。」
「は、はい!?」
いきなり切り出されたので驚く。
「この年になって恥ずかしいのだがね、私はイベント事が好きなんだよ。クリスマスとかね。」
「?」
自身の脳内で迷走してる准をおいて淡々と続ける
「もはやこの年になると、サンタさんがほしいものをくれるだなんて思いもしないがね、
やはり欲があるんだよ。あれがほしい、とね。
だがまあさっき言った通りそんなことは叶わない。だから代わりに手に入った時の夢を見れないかと願うんだ。
そう思いながら寝る時が一番幸せだね。そうだな、今一番近いイベントは七夕かな?」
「……つまり、夢を見させろと?」
「近いね。」
「…ふう、無理ですよ、そんなの。いくら最近の技術がすごいからといって人の夢までは操れません。
…ジャジメントが持ってるような超能力者とかならともかく。 ・・・?」
266 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:49:04.87 ID:io26UV6/
なぜかマスターは探るような目つきでこちらを見ている。
「准君。」何度目かの呼びかけ。
「はい?」
「私は今その考えが近いと言っただけだよ?」
「え?」
「それが本当に夢である必要があるとはいってない。」
いよいよわけがわからなくなってきた。
現実で会わせられないのに、夢でもなくどうやって会わせろと?
「本人たちが夢と思えばそれでいいじゃないか。」
「!」
「…つまり
場所は変わりまた応接室
「つまりだますってわけか?」
「まあ…そうなるかな?」
「ふざけるな。」
さっきまでのやり取りとは違い、ものすごい威圧感を漂わせている。
「俺たちは本当に同じ道を肩を並べて歩けるようになるまで会わないと決めたんだ。
お前の余計な気遣いでその約束を維織さんをだます形で破れと?」
「・・・わかってる。これがベストじゃないことぐらい。」
「なら
「お願い。」
「・・・・・あまり怒らせないでくれないか?」
「・・・断るなら、これを見てからにして。」
「…?」
准は目線をそらさずに俺に何か大きい紙を渡してきた。何か書いてある。
267 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:50:47.50 ID:io26UV6/
「何だこれ?」
「維織さんの短冊。」
「は?」
どう見ても短冊といえるほど小さくなかった。画用紙ぐらいある。
「読んで。お願い。」
「・・・・・わかった。」
しぶしぶ目を通した。
「九城くんに会いたいです」 「九城くんに早く会えますように」「 「九城君が健康でいますように」
「・・・・・・・・・。」俺の頭の中にはもう准への怒りなどなかった。
「いつか九城くんにハムサンド50人前ぐらい作ってあげたいです」
「九城が浮気してませんように」
この二つはスルーした。 最後に
「九城くんに、またいつかカレー作ってあげたいです。できたら、二人で一緒に作りたいです。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「それが最近の維織さんがした唯一のことよ。仕事もほっぽって。」
「・・・俺だって同じ気もちさ。でもさ…、言ってること変かもしれないけど、
同じ気もちの俺が我慢してるんだ、わかってくれよ…。」准の目の前だろうが涙は止められなかった。
「違うわ。」
「え?」
「最後のところよく読んでみて。」
268 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:53:09.81 ID:io26UV6/
よく見ると消してあるが何か書いてある。部屋の照明に当ててみると何とか読めた。
「生まれ変わってでもいいから、やっぱり今すぐ会いたいです。九城くんが信じてるのだから、私も信じてます。准ちゃんは怒るだろうけど、今すぐ会いたいです。」
「深いところまで読めばだけど、私には死んで楽になりたいって見えるよ。」
「・・・・・・・・。」
「・・・どうすればいい?」
「! 引き受けてくれるの?」
「ただし! 絶対にだ、絶対にばれないようにしてくれ!・・・たのむ。」
「それはぬかりないけど…、なんでそんな拒むの?」
「・・・・・・・・・・。」
「ああ、いや別に言わなくても
「・・・・・・前にな、兄弟…じゃないけど、そんな感じのやつがいたんだ。俺はそいつとの約束っていうのかな、
それを破りかけて…そいつの人生をめちゃくちゃにしかけたことがある。」
「・・・?」
「自分が限られたことしかできないのが悔しくて…、我を通そうとしたんだ。
それで多くの人に迷惑をかけた。」
「・・・・・・・・・。」
「それだけだ。で、内容を話してほしい。」
「・・・・・・うん!」
269 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:54:58.68 ID:io26UV6/
翌日、NOZAKIグローバルシステム社長室
「ほら維織さん!あとちょっと!!」
「准ちゃん・・・もうやd
「あとちょっとですから!」
そこには書類処理に追われてる社長の姿があった。時刻はもう夜中である。
「もう疲れた・・・、ゆらりにやらせて・・・。」
「まだ13歳の子に何やらせようとしてるんですか!」
「うう・・・・、七夕なのに現実はひどい…。織姫になりたい…。九城君に彦星になってほしい・・・。」
「何言ってるんですか。織姫と彦星は一晩で日本中の人の願い叶えて返品しなきゃいけないんですよ?夫婦でもっと働きたいんですか?」
「まだ夫婦じゃない…、気が早い。」
「ええい!のろけて暇あったらさっさと働きなさいこのバカップル!私なんてもう26なのに候補すらいないんですよ!」
「・・・・勝った。」
「・・・どうせでしたら明日からの2連休も働きます?」
「ごめんなさい・・・。」
数十分後
「終わった・・・・・・。」
「お疲れ様です。今日はもうおしまいです。お茶どうぞ。」
相変わらず仕事が早い。そんなに有能だったら自分でやってくれと文句を言いたくなる。
「いただきます・・・・。」
270 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 19:56:41.84 ID:io26UV6/
「あ、痛・・・。」「どうしました?」
「冷えすぎちゃったみたい・・・、おなか痛い・・・。」
「胃薬ありますよ、飲みます?」「うん。」
3錠ほど飲む。しかしやはりというかすぐ効くわけもない。
「トイレ行ってくる・・・。」「わかりました。戻ってきたら何か少しつまみます?」
「うん、食べる。」「じゃあちょっと給仕室で作ってきます。ちゃんと手洗ってきてくださいよ。」
二人して部屋を出てく。しかし片方は腹痛を持ちながらものろのろと歩いていく。
自分でも最後に走ったのはいつだったかと考えなければならないほど普段から走ってない。
九城君と一緒に行ってれば少しは違ったかな…、と又考えてしまう。
そうこうしてるうちに用を済ませ社長室に戻ってきた。准はまだ帰ってきてない。
帰ってくるまでソファで休もうと思い、横向けになって寝る。
このソファ、実は十前町に住んでたときに使っていたもので、もちろん彼も使っていた。
思い出が詰まったこのソファで休む時が一番幸せだ。
彼の夢を見れないかななどと思いつつ、疲れていたので眠ってしまった。
271 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 20:00:07.69 ID:io26UV6/
「準備オッケー…、よし!作戦開始!」「了解!」
昨日の黒服たちが総動員で十前町のマンションの一室に出入りする。あり得ないというかあり得てほしくない光景だ。
「こりゃなんとまあ…。すごいな、いろいろと。」
「でしょ(笑)?」 「笑えるか!」
たちまちに俺が以前住んでた時のように部屋が整えられてく。
「社長を搬送いたします!」
来た。1番きてほしいと同時に1番きてほしくない瞬間。
「ゆっくりね〜。・・・ほら、九城さん。」
「・・・・・・・・・・こんばんは、維織さん。」
4年半ぶりの再会だった。久しぶりに見たその寝顔は、疲れた様子を見せながらも、輝いて見えた。
「…相変わらず美人だなとしか言いようがない。」
ずっと見入ったままである。なぜか黒服もこんなときだけ空気を読む。
272 :
空我 ◆To/bfFNKqE :2011/04/26(火) 20:01:36.56 ID:io26UV6/
「(チッ!このバカップルが…)ほら、後で好きなだけ見れるから、最終チェックするよ?」
「ああ。」
一瞬また邪神的な顔をしてたが気のせいだろう。
「そろそろ…、あ、来た、世納さん。」
来た。(こんな呼び方はしたくないが)ある意味の元凶。
「お久しぶりです。マスター。」
「こちらこそ、九城君。」品のよい挨拶が返る。
「いきなりですがよくこんなこと思いつきましたね。」
「ははは、私もいろいろと裏の世界を知った人間だからね。いろいろとなかったことにする工作は得意もしたものさ。その経験もあってね。」
すごく怖いことを笑顔で言う。いろいろって何?人の命もですか?
「準備、完了しました!」
「オッケ〜、じゃあみんな帰っていいよ〜。」
「は!」
「あ、残業お疲れ様でした。」
無職の俺が言うのもなんだがなんとなくお礼を言いたかった。
「いえ、将来社長とご結婚なさる方のためでしたら。」
「は?」
「昨日は失礼いたしました。我らの未来の旦那様とはつゆ知らずご無礼を
「え、ちょ、ま、待って。なんでそれを?准はだれにも言ってないって約束なのに。」
「いえ、あなた様のことは社長ファンクラブの人間であればだれもが存じております。」
「ええ!?何それ!!」
「社長が直々におっしゃってられましたよ、仕事から抜け出してはあなたのことばかり…。その様子があまりにもかわいらしいものでして、気が付いたらメンバーが集まって。」
「な、なんて?」もはや突っ込む気にもならない。
「会ったばかりのときはそうでもなかったのに、同棲し始めた時にはすごいハンサムだったとか、特大の胃袋を持っておられるとか。」
何言ってんですか維織さん・・・・
「ちなみにここにいるほとんどは会員ナンバー一桁か二桁です。総員四桁からなっており、ナンバー1は准様、名誉会長は世納様です。」
「あんたら何やっとんだ!!!」
後ろの会長たちに叫んだ。
「大丈夫だよ。准君の発案でナンバー0は君のために取っておいた。」
「いらんわ!」
「あれ、 「ならいいや。」 とか言いそうだったのに?」
「だから俺はどんなキャラなんだよ・・・。」
「では、我々はこれで。」
「・・・・・どうも。」
会う前からこんな疲れて大丈夫か?
数十分後
「じゃあいいね?失敗しないでよ?」
「ああ。」
「じゃあまたあとで、幸運を祈るよ。」
「ふう。」
懐かしい。俺たちが住んでた時のままだ。
「・・・・・・・くぅ。」
しずかな寝息を立てている彼女もあの時のままだ。
「・・・・・・・ただいまはまだ言えないね。久しぶり。」
頭をなでながら話しかける。
「…でもこれからは維織さんにとっては、いつものおはようなんだよね。」
返事はなく寝息が響くのみである。あったらむしろ困るが。
「じゃ、そろそろ準備しますか・・・。」
同時刻喫茶店
「いいかんじじゃない〜〜。」
(こ、これが社長の寝顔・・・。)(おい、見せろよ!)(まて、まだ俺の番だ!)
「准君・・・、何してるんだい?」
「え、話したじゃないですか、向こうの状況に応じてこっちも準備しないと。」
「明らか目的が別のことに見えるんだが…。」
「まあいいじゃないですか、お膳立てしてあげたんですからこのぐらいしないと割に合いませんよ。」
思いっきり自白してる発言である。
「・・・・・・・まあ、すきにしなさい。
数十分後
ジュウウウウウウウウウ・・・・・・
何かが焼ける音がする。同時にいいにおいが漂ってくる。
「〜〜〜〜〜♪」
懐かしい花歌が聞こえてくる。
バッ
布団を跳ね上げて起きる。
「え・・・・・?」
まさか、そう思いキッチンに駆ける。
「・・・・・・九城くん?」
居た、何より、誰より愛しい彼が目の前に・・・口を大きくあけたあほ面して。
「ど、どうしたの維織さん!? 維織さんが走るなんて・・・。」
「・・・・・・・・。」
返事もせず抱きついた、温かい彼のにおい。本物だ。
「え、ど、どうしたの?」
顔を真っ赤にして彼が口ごもる。
「・・・・・・・。」
「ねえ…、維織さ…んっ・・・・・・。」
何も言わずに唇を重ねた。
「んっ・・・・・・。」
彼の方も驚いていたが、すぐに答えてくれた。
「ん・・・んちゅ・・・んん・・・・・。」
深い深い、長いキスだった。互いを強く抱きしめ会い、はなさない。
互いに、待ち望んだ瞬間だった。
同時刻喫茶店
「「「「「「「「おおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」」」」」」」」
開店してない、まだ誰もいないはずの喫茶店から歓声が上がる。
(俺生きててよかった!)(神よ、あなたは存在したのですね!)(こんな輝かしい日は生まれて初めてだ!)
編隊もとい変態たちの声が響く。
「ねえ、みんな。」
「「「「「「はい!!!」」」」」」
「皆に頼んだの準備だけなんだけどさ、後片付けも手伝ってくれないかな?」
「「「「「「喜んで!!!!!!」」」」」」」
まったくもって馬鹿の集団である。
場所は戻ってマンションの一室
「・・・・・・朝っぱらから激しいね、維織さん。」
「・・・・・気のせい。」
「えーと…俺今日練習だから…、その…。」
「うん・・・・・大丈夫。」
「あ、ありが…とう。」
最後まで自分を気遣ってくれる彼が愛しい。
彼どころかなぜ自分がここにいるのかわからない。
でもどうでもよかった。
ここに、自分が求めた、幸せな日々の姿が、ここにあったから。
とりあえずこれで「前編」終了…。途中までsage忘れてたorz。
ワードで書いたのより案外短く見える。この前の蓮のやつ書いた人とかすげえ…。
自分のシリアスシーンの下手さが嫌になる。
キャラ崩壊しすぎた…。特に世納さん。
タイピングもっと練習しなきゃな・・・・。
とりあえず乙。批判を受け止めて改善しようとするのは立派だと思うよ
何か最初の数行で小説読む気失せたけど乙。
ガキ臭い発言しない方が良いと思うよ
>>277 乙です
別にそんな悪くないと思うよ、前に比べたら断然読みやすいし
ただあんまり余計なことは書き込まない方がいいんじゃないかと思う
>>280だよね…。何個かは複線的な意味で書いてるけど臨場感出したいがために無駄なのが多すぎた。
後半はもっとすっきりした感じに挑戦しよう。アドバイスどうも。
1番大事なシーンで誤変換見逃すとか…。
乙だぜ
個人的にはOpenOfficeオススメ
持ってるなら一太郎+ATOKが一番
やっぱり日本人が作ってるだけあってそういったチェックは完璧だぜ
持ってないならやはりWord
今OfficeユーザーはOffice IME 2010を無料で使えるからそれと合わせて使うのがオススメ
格段に誤変換減るよ
携帯のメモ帳最強
変換ならgoogleも捨てがたい。
どうも天咲です。
次…何章でしたっけ?あぁ8章か…。
長えよと思われてるのは重々承知です。むしろ私が一番そう思ってます。
でも章毎に出していかないと、自分の中で整理(?)が出来ないので、申し訳無いですがお付き合い下さい。
というか一気出しだと読む気失せると思われ…
アイディアを取捨選択出来ないからこうなるorz
まとめるの大変かと存じますが、宜しくお願いします。
>>259 ついに来たか…そういう設定ミスに関する質問が。
どこかでそれを嬉しく思うという謎の感情。ちゃんと読んでくれてるな的な。
どうなんでしょうね。武美よりは遥かに人間に近い様なので、涙位は出せる気も。
というか武美が「最新式のアンドロイドは涙流せる」的な事言ってませんでしたっけ?
この小説内では同じ出自(という設定)の茜が流せてるので、流せるものと思ってました。
もしどこかに矛盾があれば、心で泣いてたという事で。
でも成る程…それなら映画館でのあの会話は伏線だったのか…?
チハヤはもっと酷い悲劇を知ってるから…という事だと思ってたけど。
まぁ主人公は涙を見た訳では無いから、どちらでも通らなくはないんですけどね。
287 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:30:57.16 ID:2TolTLl9
どこまでも続くかと思われた均衡は、意外な所からあっさりと崩れた。
七回の表、混黒高校の攻撃。
一死ランナー無し、二番ライト池田の打席。
失投では無かった。
今日の小波が失投をするなんて事は有り得ない。
失投というのは、集中を欠いた時に投げられたボールの事だ。
小波の投げるボールが仮に思った所へ行かなくても、それは生きたボールである。
ボクシングにラッキーパンチは無い。倒すつもりの無い拳では、人は絶対に倒れたりはしないという文句があるが
それと同じ事だ。
だからこそ…マズいとも言える。
失投では無いのに、小波は打たれた。それも長打を。
右中間を抜けるツーベースヒット。
この試合初のランナーは、一塁を飛ばしていきなり二塁に存在する。
一死二塁。これが意味する事は何か。
その事を小波はよく理解し、ここが正念場だと気合いを入れ直す。
288 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:32:24.94 ID:2TolTLl9
「ありゃりゃ、打たれちゃったね。風来坊さん」
「あぁ、決して悪い球では無かったが、打者の狙い球でもあったみたいだな」
「あと8人にして、完全試合ならず。更にいきなりスコアリングポジションで、更に更に次打者からはクリンナップ。
かなりの山場って感じだねぇ」
「そうだな。ここの結果次第で、試合結果に大きく関わるだろう。
…そうえば、随分と野球用語に詳しくなったんだな」
「そりゃあこんだけ付き合わさせられればね…ネットで実況もやってるしさ。
で、風来坊さんは今後の展開どう見る?」
「難しい質問だな。ただまぁ投手にとって厳しい条件っていうのは確かだ」
「?そりゃまぁアタシが言った様に…
「それもそうなんだけど、それだけじゃないんだな。一死二塁って事は、ほぼ間違いなくあの四番に廻るって事だ。
しかも、二塁以上にランナーを置いて」
「あっそうか。一死二塁じゃライナーでも打たない限り、まずゲッツーは無理だね」
289 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:34:03.77 ID:2TolTLl9
「それもランナーがベースに貼りついとけば起こらない。さっきまでは一発狙いだったみたいだが
あの四番がヒット狙いに切り替えれば、抑えるのは至難だろう」
「なるほどねー。野球は奥が深いねぇ」
「それに加えて、あの投手はどうやらかなり消耗しているみたいだ」
「えっ?まだ一本ヒット打たれただけだよ?今まで完全だったんだから、相手した打者も最小限じゃ?」
「それはその通りだが、三振が多いから球数は決して少なくない。それに混黒の打者は皆それなりに威圧感があるから
それだけでもかなり消耗する、バントの構えでゆさぶったりとかもしてたしな」
「タダで死んでた訳じゃないって事だね」
「後、一番大きな問題としては、あの投手がここまで全球全力投球だって事だ。
そういう姿勢は嫌いじゃないけど、この炎天下の中でのそれは無茶だ。余程良い控えでも居るのか…?」
「無茶ねぇ…風来坊さんにそれを言われるんじゃ相当だね。
じゃあさっ風来坊さんがあのエースの子なら、この状況どうす
「四番は歩かせる。」
「即答!?しかもらしくない答えじゃん。基本熱血バカのくせに」
「それ位危険な打者って事だよ。その場その場で最善の判断をしないと風来坊は生きてはいけないのさ」
「賞味期限の判断は大事だよね」
「そういう話じゃない…。でも本当良いチームだよ混黒は。
俺達でも相当苦労したかもしれないな。
…ブラックが出塁したら二盗後にピンクが送り俺が犠牲フライでどうにか…(ボソボソ)」
「俺達?ビクトリーズの事?」
「ん?あ、あぁそうだよ。いやー水間と電視じゃ抑えるのはむずかしーだろーなー」
「今誤魔化したでしょ。怪しい…」
290 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:36:22.46 ID:2TolTLl9
奇しくも謎の風来坊と謎の相方が現在の状況を解説していたが
それは概ね的を得ていた。
勝つ為ならば、四番を敬遠すべきーという事も含めて。
この試合初めての、そして最大のチャンスに…混黒のベンチは揺れていた。
ここが勝負所だ。そう混黒高校の九能敬太は思う。
幾度となく多くの甲子園へ導いた名将である彼の、膨大な野球経験と研ぎ澄まされた勝負勘が告げている。
このチャンスをものに出来れば、甲子園に行けると。
同点の七回表一死二塁。打者は三番。色々なパターンが考えられる条件だ。
そのまま打者に任せるのも悪く無いし、右打ちを指示し最低でも進塁打を確保しても良い。
進塁打で良いと考えるのなら、送るのもアリだ。
二塁ランナーの池田はそれなりに足は速い。走塁判断に優れてもいるから、まず成功するだろう。
最悪でもランナーアウトは無い。
エンドラン…は流石に危険過ぎるだろうが、餅田が当てて叩きつける事だけを考えて打つのであれば
そう空振る事も無いだろう。決まれば点が入る公算は高い。
このような事を僅か5秒程の内に九能は考え、どれを選択するのかを―――予想する。
291 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:38:59.61 ID:2TolTLl9
決断では無く、予想。
そう、今日の彼は指揮官では無かった。
本日の試合における、混黒高校の監督は彼の傍らに座る少女、雨崎千羽矢だった。
一日監督ならぬ一試合監督。
それを、選手達にとってこれ以上無く重要な、負けたら終わりの
それも三年生にとっては、本当の意味で終わりの一発勝負の公式戦で、彼女はその職に就いていた。
三年間の汗と涙、努力と苦しみが、報われるのか否か。
結果が、その後の人生に大きく影響する、左右すると言ってもいい。
そういう意味を持つ試合で、彼女は試合直前になって、単なる我が儘で
「この試合の監督を自分にやらせて下さい」
そう九能に言い放ったのだ。
馬鹿を言うなという話である。冗談にもなっていない。
一笑されるか、一喝されて取り下げられるのが当然だ。
論を持つまでも、考えるまでも、聞くまでも無く却下に決まっている。
自分への侮辱と取られ、ベンチを追い出された所で、同情する者はいないだろう。
それ位、有り得ない発言だった。
そして、それを聞いた九能の返答は
「そうか。じゃあ頼むぞ」
即答、ただの二言でそれを了承した。
理由を聞く事すらせず、彼はこの試合に手を出さず、見守る事を即断した。
292 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:40:58.79 ID:2TolTLl9
彼の事を少しでも知っている人物なら、誰も信じないだろう。
大学時代のチームメイトであり、数年前に甲子園優勝を成したある監督は、彼の事をこう語る。
―久能氏はどのような人物でした?
「アイツ程プライドの高い奴は見た事がねえな。まぁそれに足るだけの実力は持っていた奴だったが。
才能は俺達の中でもズバ抜けてたと思うぜ?」
―指導者としては?
「スパルタだと思うぜ?俺も結構そう言われたモンだが、俺とは別種のスパルタだ。
自分と同じ位に他人に厳しかったからなぁ。まぁそのお陰で俺達は強くなれた面もあるんだが。
自分に出来る事は他人だって出来ると思ってやがるフシがあるから、その事で何度か喧嘩したもんだよ。
エリートを鍛える分にはこれ以上無い名将だろうが、普通の連中を叩き上げるのには向かねえだろうな。
アイツ達も九能の元で野球やってたら…付いていけんのはあのバカ位のもんだったかもな」
―指揮を任せる事は有り得る?
「まず無えだろうな。自分の上司にもズバズバ物を言い過ぎるとこがあるから、コーチにも向いてねえ。
それにさっき言った様に、プライドの高い奴だからなぁ。とても許せねえと思うぜ?
少なくとも俺は言えねえな。奴より上手く指揮る自信なんて欠片も無えしよ。
…おっと、糞ガキ共がまたサボりだしてやがる。インタビューはこれ位でいいかい?おう、どういたしまして。
オラーーーッ!!テメエら何気ぃ抜いてんだあーーー!!」
―ありがとうございました。
293 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:42:44.50 ID:2TolTLl9
―そんな彼が、千羽矢に指揮権を譲った理由とは何か?
それは、彼が整列から戻った選手達に、その事を伝えた時、ベンチ入り20名
誰一人、それについて文句を言う者が居なかった事に如実に現れている。
言うまでも無く、この試合に勝つか負けるかは天と地の差がある。
勝てば―――甲子園出場。負ければ―――地区予選敗退。
それまでに何勝していようが、どれほどの修練を積んでいようが、決勝に勝てなかった者は等しく敗者である。
全ての球児の目標であり、夢である地、甲子園。
比喩では無く「死んでも出たい」という者が決して珍しく無い場である。
エリート集団であり、どこか冷めた人間の多い混黒メンバーにとっても
その麻薬の効果は絶大である。
だから、受け入れられる訳が無い、そんな我が儘を。
高校野球における監督の重要性なんて、論ずるまでも無いし
混黒の選手は、全員九能の事を信頼している。
千羽矢がいかに優秀といえど、九能以上に指揮官としての責務をこなせるとは
とても思えない。
そう思っていた。雨崎と餅田すらも。
しかしそれでも、彼等は何も言わずに従った。
それを見て九能は確信したのだ。
自分の判断は、間違っていなかったと。
294 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:43:50.37 ID:2TolTLl9
雨崎千羽矢は―――天才だ。
彼女が入部してから、それなりの時間を共に過ごした彼は、つくづくそれを痛感する。
初めて見た、ここまで才気溢れる人間を。
自分がどれ程に凡百の有象無象でしか無かったという事を、この一年半で何度思い知らされた事か。
殆どの者がロクに答える事の出来ない彼の要求を、彼女は常に百点で答えた。
…十点満点のテストなのに、だ。
監督の仕事とは何か?という質問をされた時、それは数々の正解があるだろうが
全てを含めた答え、満点の答えは
「チームを強くする事」だろう。
言い換えれば、いかにそれを行えたかが監督の技量という事になる。
そして、それに彼はそれなりの自信を持っていた。
それに足るだけの結果を、彼は十分に残して来た。
しかしそんな彼でも、就任三年目にしてセンバツに出場出来るとは思っていなかった。
彼は思い返す。
二年前の春、二人の天才が入部した時の事を。
そして一年前の春、一人の鬼才が入部した時の事を。
間を取る為の裏話その2
本来、この章も分けて出すつもりでした。
が、一つ一つが短かかったので、だったら全部まとめればいいかと。
その結果、章単位では最長となりました。
元は別々だった関係で、文の形式が章の中ですらコロッコロ変わる事に。
1レスに書く分の調整で何とか混乱を防いでますが。
まとめの時は良き所で空白を入れなくてはですね。まとめられた暁には自分で調整しときます。
では続きをどうぞ。
296 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:53:52.87 ID:2TolTLl9
「足りないな…」
練習を眺めながら、一人呟く。
去年新設された12の分校と1つの本校からなるマンモス校、混黒高校。
そこから乞われて野球部の監督に就任したのが去年の話。
流石に新設の高校で監督をするのは初めてだったが、条件がかなり良かった事と、勝利こそが全てという
理事長の考えに共感し、引き受ける事に決めた。
当初はそれなりに自信を持ってやっていたが、この激戦区を勝ち抜くのは並大抵の事でないと、最近特に痛感させられる。
設備は確かに今迄に居た学校の中でも随一だ。
選手もそれなりに良い素材が集まっている。
しかし、それでも足りない物がまだまだ山程ある。一番重要な物もまだ備わっていない。
それは決して金で揃える事の出来ない…土壌という物だ。
「監督!新入生が集まってきています。集合させますか?」
「あぁ、頼む」
土壌は俺が作る物では無い、選手が作っていく物だ。
その学校特有の空気…伝統と言い換えても良い。
中には自分でそれを作っていける奴も居るのかもしれんが…俺には無理だ。
今迄の学校を強くしたのは俺だという自負はあるが、俺が来るまでに受け継がれた物に助けられた部分はいくつもあった。
学生の時には気付かなかった事だがな。学ぶ事は未だ多い。
297 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 05:57:37.65 ID:2TolTLl9
新入生の挨拶が次々と行われる。
今年もそれなりの数と質は確保されている様だ。理事長の期待が伺えるな。
スカウトが持って来たデータを見ると…その中でもとび抜けているのが、小波と雨崎の二人。
と、丁度その二人の順番だったか。
「Y中学の小波です!中学時代は投手でした!目標は甲子園優勝です、よろしくお願いします!」
「同じくY中学の雨崎優輝です。中学時代は捕手でした。レギュラー目指して頑張ります」
なるほどな…二人共良い目をしている。
雨崎はどこか頼り無い感じだが、才気は抜群だ。
そして小波。
俺の直感が告げている…コイツは、この学校に足りない物をもたらしてくれる
プロにもそうは居ない、チームを勝ちへ導く器を持った男だと。
「ククク…」
思わず笑みが零れる。
この二人を鍛えれば来年は…いや、ヘタすれば今年にも甲子園へ行ける。
久しぶりに熱くなった俺は、雨崎の次のやたら元気な眼鏡の男の自己紹介などまるで聞いていなかった。
298 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 06:00:03.62 ID:2TolTLl9
―しかし、俺の期待はすぐに脆くも崩れる事となった。
五月の末に、小波は大怪我を負い分校へ送られる事となり
雨崎も懸念されていた精神面の弱さから結果を残す事が出来ず、今学期から開拓へ行く事を告げられた。
小波の離脱の際には理事長に随分と抗議したものだが、結果は覆らず。
それが理由という訳でも無いが、最近あの人の考えにはついていけないと考えるようになった。
二人が去る事になった原因にも、薄々気が付いてはいたが、そんな事を行う土壌しか無かった時点で話にならない。
そして、自分の無力さにも嫌になるというものだ。
俺は選手の技術は上げる事は出来ても、『人間』を育てる事は出来ない。
「全く…こんな事ではどうしようも無いな」
ぼやきたくもなるというものだ。
結局二人の離脱で計算が崩れた事もあり、去年の成績は散々という他無かった。
流石に校内戦で負ける様な事は無かったが、この調子では今年はどうなるか危うい所だ。
去年開拓は一回戦を勝っていながら怪我人続出で棄権したらしい。
相手の投手、あの海底高校の澄原からサヨナラヒットを打ったのは小波という話だ。
雨崎の話では、もう大分怪我は回復しているらしい…戻る気が無いというのが残念だが
小波の為を思えば、その方が良いのかもしれんな。
去年の時点でそれなりの実力を持っていた開拓分校に、怪我の治った小波と、雨崎の力が加わる…か。
面白いチームになっていそうだ。今のウチより余程将来性がある。
299 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 06:01:45.43 ID:2TolTLl9
「む?」
去年の結果の影響からか、今年は大した選手が来ていないしな―等と思っている時に
一人の女子が目に入った。
いや、目に入りこんで来たというべきか。
それ位鮮烈な、周りとまるで違う空気を持った人間だった。
そういえば、今日は新入生の入部する日だったか。
あの二人の天才を見て、丁度一年。
あの娘からは、一年前の小波と雨崎を見た時以上の才気を感じる…。
フッ何を言ってるのか。どれだけ凄かろうが所詮は女子だ。試合に出る事すら敵わん。
まぁ今迄女子マネージャーは居なかったから、ありがたくはあるが。
そう思い直した後、新入生に集合をかけ自己紹介を始めさせた。
次々と新入生が、自分の経歴と目標を口にしていく。
そうえば…いつかの小波はここで甲子園優勝と言っていたな。
今年は今の所、そんな大言を吐いた奴はいない。…と、次のあの女子が最後か。
まぁ無理も無い。
そんな事を堂々と言える奴なんて、余程の馬鹿か―――
「雨崎千羽矢です!私がこのチームを甲子園優勝に導いてみせます!皆しっかり付いてきて下さい!」
―――天才、だけだろう。
300 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 06:02:40.94 ID:2TolTLl9
そんな周りを静寂に包む、衝撃の発言で雨崎千羽矢は入部した。
その発言の際の余りの迫力に、誰もそれを茶化す事は無く、数秒の間を置いて入部式は進行した。
しかし俺はその式の続きの間ずっと上の空だった。
近くで見た、そして言葉を発した彼女の圧倒的な存在感に。
後に振り返って思えば、あの時俺は一目惚れしていたんだろう。
まだ、たかが15の彼女の
その、まるで命を燃やしているかの様な…気迫に。
301 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 06:04:21.11 ID:2TolTLl9
その後、九能は理事長に呼び出され
千羽矢が入試全教科満点を叩き出し、運動能力においても非の打ち所の無い完璧超人である事を説明され
野球部のマネージャーに甘んじさせるには勿体無いから、他の部に移る様に説得しろと命令を受けた。
しかし彼はそれを実行する気はさらさら無かった。
(何を言っているのか、この老人は。学校のアピールに甲子園優勝以上の事なんてありはしない。
そして、彼女が居れば…それは決して不可能では無い。ならば勿体無いなんて事はまるで無いだろう?)
そう内心では鼻で笑い、その後の理事長の圧力からも千羽矢を陰ながら守り続けた。
そして千羽矢は、その能力を如何なく発揮し始める。
才能があるが、伸び悩んでいた選手への的確な指導とアドバイス。
メンタルケアにマッサージ。効率的な練習スケージュールの作成。栄養学に独特のアレンジを加えた料理。
敵校の完璧なデータ収集、及びその活用etcetc…。
雑用も手を抜く事無く、こなして見せた。
一生懸命、獅子奮迅の働きを見せる彼女を見て、何も思わない訳が無い。
よく、一人でそのチームの空気を変えてしまう選手を、野球のエースに例える事があるが
雨崎千羽矢はまさにそれだった。
混黒に蔓延っていた悪しき空気。エリート集団特有のそれを見事に千羽矢は取り去った。
千羽矢は確かに女子でありながら、マネージャーでありながら、『エース』だった。
302 :
混黒の救世主:2011/04/27(水) 06:05:42.12 ID:2TolTLl9
(特にマインドコントロールか?と思わせる程の人心掌握術は見事という他無い。
最近流行りの、アニメ絵の経済本の主人公なんて足元にも及ばないだろう。読んでいないが。
まぁそれでなくても思春期の高校生だ。美人の女の為ならいくらでも頑張れるだろう)
九能は予想以上の働きに、苦笑しながら思う。
千羽矢は兄の事からか、三年生には余り関わる事は無く(約一名××された者は居たが)
指導は一・二年生がメインだった事から、夏の大会では準決勝で敗退する事となったが
三年生が引退した秋大会では見事優勝し、センバツを決めた。
その勝因は?と聞けば
選手達は皆口を揃えるだろう。
勝ちに貢献する事で『勝ち得た』信頼。
それこそが九能が指揮を任せ、混黒の選手が何も言わず従った『理由』だった。
(そう言えば…小波はこの部に足りないのは美人の女子マネージャーだと言っていたな。
…或いはそれは正解だったのかもしれないな。
この部に足りない物は…全て雨崎千羽矢が埋めてくれたんだから)
と言う訳で第八章。メインは九能敬太でおおくり致しました。
ぶっちゃけこの章だけで、今まで全部位の時間掛ってるという。
何かスランプにさえ陥ってました。
半分位書いてる時に「この章要らなくね?」と思い全消ししようとした事も。
でも折角なので書き切りました。
実際、劇場版とかになれば削られるの真っ先にここという内容です。
ほぼ原作に出番無いキャラだったので、キャラ付けに雨崎パパ以上に苦戦しましたが
随所で良い味は出してたので、こんな感じかなぁと。
ホント何か思わせぶりなシーン多いんですよね彼。イベントカット無しでやってみると確かに…と思われると思います。
まぁこの章はそんな彼の胸の内を書きたかったという事で。
千羽矢がやたら持ち上げられてた感のある章でしたが
それは九能の目から見て―なので多少ロリコンフィルターかかってますw
乙
過疎だったのが嘘のようだ
意外な人にスポットライトが当たったねえ、GJ
10のライバル高の監督ほど無能じゃないと思うんだけどなんか地味なんだよなあ
GJ
最新型が流せたか覚えてないけどチハヤは大神父が
生きていた頃のだしどっちかっていうと古いタイプのはず
まあ重要な設定でもないしまた違うのを書くことがあれば端っこの方に覚えとくぐらいでいいかと
>>304 人はいると思うよ
ネタを考えてる時期なだけで
>>303 出来れば名前欄はタイトルだけじゃなくてコテとトリ入れて欲しい
>>304 単純に小分けにして投下してるからそう見えるだけで、総作品数は今までとそう変わらん。
平常運転。
こんばんは
【概要】
1小波(←名前です)× 進藤明日香 エロ有り
明日香ビターエンド後(明日香とは無事結ばれるも決勝には出場できず)
!!!!性格・設定ごちゃ注意!!!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『打った打球は・・・伸びる伸びる!入ったー!ホームラーン!』
『日の出高校、4番小山の満塁ホームランで超最強<グレイテスト>学園をさらに突き放します』
『あっとタイムです。ここでタイム、マウンドのキャプテン皇に仲間がかけよります・・・』
蝉時雨が心地良いやかましさの夏の午後。小波は自宅のリビングで、催眠術をかけられたような眼でテレビを見つめていた。
映し出されているテレビ番組は甲子園の決勝戦。どこぞの無名校が、甲子園常連校をボロクソに打ち崩している。
俗に言う公開レイプ。先の7回に続き、8回もまだまだ終わる気配がない。
中盤までは常連校が勝っていたのだが、終盤――7回裏になった途端、強力な何かに操られているかのように、無名校側の打線が爆発した。
所謂マモノ出現だろうか。ただでさえ熱気渦巻く甲子園球場が全体的に炎上している。
「うわ・・・すっげえ・・・。あぁ、決勝はやっぱり決勝でしか味わえないドラマがあるんだよなぁ」
「はぁ、もし、あの時、決勝戦に出場していれば・・・、いやもう考えるのはよそう・・・。でも、もし・・・」
「・・・どうしたの小波?また・・・甲子園のこと?・・・もう7年も前のことじゃない。・・・はい、麦茶」
彼の妻、明日香がテーブルにほどよく冷えたグラスを置く。カランという氷の音が涼しい。
明日香自身も真っ白いワンピースを纏い、空間に柔らかい清涼さを与えている。
だが、そんな風情も気に留めず、小波は小さくため息を吐きながらテレビ中継を見ている。
大き目のソファにのべ〜っと寝そべるように腰掛け、精気が抜けたような顔。まるで陸揚げされた蛸である。
明日香の大好きな蛸であるが、そんな様子の彼を困り顔で見つめる。
『またも捕らえた!ライト線は統道・・・前に落ちます、ヒットです!さぁ、黒野が兄弟3人とも塁に出ました!』
『ど、どれがだれなのかわからないですね・・・まるで分身の術だ・・・』
『ここで先程2ランを放った、今大会注目の2年ピッチャー、大神が打席に入ります・・・』
大きな歓声がテレビから鳴り、小波もおおーっと口から小さな歓声を漏らす。
【Re:heating】
「もう、シーズンも終盤に入るのに怪我なんてして・・・。またチームのみなさんに迷惑かかっちゃうじゃない」
「・・・足の指の骨折なんかで自宅療養なんて、なんというか」
テーピングでミイラのごとくぐるぐる巻きにされた、小波の足の指を見つめため息。
「むう、仕方ないだろ、走れないんだから。立派な大怪我だよ。それにチームも今期は完全に独走してるから大丈夫だよ・・・」
「まぁ開き直って。極亜久高校の熱血クンはもう過去の産物なのね」
「別に開き直ってるわけじゃ・・・」
口を尖らせて拗ねる小波。そのなんとも女々しい様子に、明日香は腰に手を当てさらに呆れ気味にため息。
小波は、この甲子園が熱い時期になるといつもこうなのである。
7年前――高校3年のあの夏、ついに掴んだ甲子園決勝の切符。幾千の野球少年達の夢の天辺、日本一を決める、神聖なる舞台。
あの徹底的なまでのマイナススタートから、その高みにたどり着けたことは正しく奇跡としかいいようがない。
最初で最後の、一世一代のチャンスだった。
だが、決勝戦の前日、彼は究極の選択を強いられる。入院中の明日香の容態が悪化し、危篤状態となってしまったのだ。
決勝に出場するか、それとも危篤の恋人に駆けつけるか。
結局、小波は試合よりも入院中の明日香を取ってしまい、夢の決勝戦は辞退することになる。
この事件は明日香にとってある意味嬉しい思い出であり、また同時に重く辛い思い出でもあった。
これのおかげで小波と結ばれることが出来たのかも知れないが、同時に彼の夢は潰えてしまうことになったのだ。
・・・出来ることならば、もうこの思い出は心の奥底に隠して鍵をかけてしまいたい。
いつか小波に言った、“時間は戻せない”という言葉が、彼女自身の胸の奥で重たい冷気を放っていた。
小波も、普通ならばこの時期はシーズン真っ只中で、甲子園のこともある程度は忘れられているようなのだが、
今年はちょうど運悪くケガで戦線離脱。そこからの自宅療養という形で、甲子園の呪縛に絡め取られてしまっている。
明日香としては、小波はもう一流のプロ選手なのだから、せめて彼だけでも過去に囚われず
今を見据えて進んで欲しいものなのだが、なかなかそうもいかない。
小波にとって、高校の3年間は野球に賭けた3年間。その最終目標を逃してしまったのは未だに心のヒビとなって精神を蝕んでいる。
実際問題、毎年夏のこの時期になると、精神がセンチになるのか、個人成績にもブレーキがかかり気味になっていた。
「はぁ・・・いいよなあ、甲子園・・・」
「もう何年もプロの一線でやってる選手が言うセリフじゃない思う・・・」
「ああ・・・いいなあ・・・」
妻の一言も右から左。眉毛を下げて、画面内で熱い汗を流す高校球児たちを羨望する小波。
(大事な大事な決勝を蹴ってまで、私に駆けつけてくれたのは確かに嬉しかったけど・・・これじゃあやっぱり辛いな・・・)
競りに出された蛸のように腑抜けた小波を見て、明日香も眉毛を下げる。
妻として、なんとか夫を元気付けたいのだが・・・さて何か手はないだろうかと考えてみる。
口では今まで何度も言ったのだが、それは先程のとおり。あんまり言い過ぎるのも、双方重い気持ちになるだけだろうし。
ふと、前に友人のユキちゃんと会ったとき、男を元気付けるにはやっぱりアレですねといっていたのを思い出す。
少しお酒の入った女同士の下らない猥談だったが、なかなか心に留まるハナシであった。
『うちのダンナさんも、気が滅入ってそうなときにがっつりさせてあげたら、次の日はもうそりゃ生まれ変わったような顔してますよ』
セックスは心にとっていい運動になるという彼女の論は、今の夫に対して意外と打ってつけなのではないか?
明日香は、変わらずぬぼーっとテレビを視聴している小波を見ながら思う。迫だった。
ふいにリモコンをとり電源をオフにする。フルカウントの場面でピッチャーが投げた瞬間、プツンと音を立てて真っ暗になる液晶画面。
「おあっ、いいとこだったのに・・・。なにするんだよぅ」
当然抗議する小波。普段は仲秋の日差しのように、穏やかで和やかな妻が、このような強引な行動に出たことに不審そうな顔をする。
「はい、テレビばっかり見るのはおしまい。ダラダラするのはもう終りにしないと」
「な、別に・・・ダラダラなんてしてないよ。コーチやドクターに言われてる分のトレーニングはちゃんとこなしてるし」
「いーえ。してます。・・・きっと、ほんとは力が有り余ってるから、悶々してしまうのよ」
「悶々なんて・・・してるかもしれないけど・・・こんなのどうしようもないよ」
目線を下にそらし、いじけたような目。
「冴えないのね・・・。・・・その、そんなの、気持ちいいことに体力使って、ぐっすり寝たらきっと良くなるわ」
「気持ちいいこと?」
「うん。たとえば・・・こういうこと」
大きめのソファに座っていた彼の前にすっと寄り、舌なめずりをしながらそのままの流れで口を寄せ、キスをする。
つるつるとした彼女の唇が小波の唇にぴったりとくっつく。
炎天下の気候でも体調管理のため、あまり冷房を効かせていない部屋だったが、明日香の花のような爽やかな香りが小波の嗅覚を刺激する。
「ふぅ、ん、はぁ」
数秒間口をつけて離す。口元を手首で拭い、うっすら湿った唇を小波に誇示する。
口紅など、特に化粧をしてなくても地で美しい彼女。元祖薄幸美少女の称号は伊達ではない。
「・・・元気、でた?」
「・・・明日香さん、まだ昼間ですけど」
「お嫁さんがだんなさんを“元気付ける”のに時間帯なんて関係ないかな」
ちょっと首を傾げ、少し拗ねた表情で言ってみる。
「・・・病弱な薄幸少女は過去の産物だね」
「あー、そんなこと言うお口はこうよ」
ワンピースを少したくし上げ、よいしょとソファに座っている彼の膝にまたがるようにして陣取り、再び唇を合わせる。
機械的な蝉の声に対抗するように、生々しい唇と唇の音が響き始める。鼻がぶつからないように、首をかしげて
目を閉じる明日香を目の当たりにして、小波も目を閉じ彼女のキスを感じてみる。
「んちゅう、ん、ちゅ、ちゅる、んんん、ちゅぅ」
柔らかい唇の感触、舌の艶やかなぬめりが小波の身体の熱をさらに引き上げる。その感触は・・・そう、まるで取れたての蛸のような・・・。
(・・・なにか、ちょっと女性に対して失礼なこと考えてないかしら)
繋がった口を通してか、女性賛美としてはいささか疑問の残る思考を感じ取る明日香。
それを打ち消すかのように、彼女は舌をさらに強く彼の口内に突っ込み、うねらせる。
くにゅくにゅと彼女の柔らかい舌が小波の口の中を暴れる。いやらしくうねるソレは、まさしく蛸の触手のような動き・・・。
「ふぁ、はぁ、ふぅ、ふぅー・・・。さ、き、キスはもう終りにしましょうか」
「ふぇ、なんで?明日香のキス、気持ちよかったのに・・・」
「そ、そうでしょうそうでしょう。・・・もうこんなに大きくなっちゃってるものね?」
艶やか・・・というかどこかひくついた半笑いをしながら、自分の股下の彼のズボンを突き破らんと主張しているモノを撫でる。
若く美しい妻の、情熱的なキスを受けて、彼の分身は元気になっていた。布越しに、苦しそうにしているのがわかる。
「ねぇ、明日香。その、いきなりどうしたの?」
「・・・・・・だって。・・・小波、元気がないから」
「・・・・・・やっぱり・・・この時期はさ、甲子園のこと、思い出すんだ・・・」
「・・・ごめんなさい、私があの時、病気で・・・」
目線を落とした小波を見て、明日香も大きく表情をトーンダウンし、7年前のあの夏のことを謝罪する。
今でこそ病院知らずの健康体となっているのだが、当時の自分が小波の夢をつぶしてしまったのは変えようのない過去だった。
小波とは幼馴染で、高校で再会してからも気の置けない関係を育んできた明日香にとっての、唯一にして最大の負い目。
「・・・ご、ごめんよ。明日香を責めるなんて気は・・・」
あの時の事が、妻の心にもしこりを残していることは知っている。知っているのにしつこくずるずると引きずってしまっている自分。
それが、彼女にとって心無い態度となっていることにハッとする。
「お、俺、あの時明日香を選んだこと、後悔したことなんてないよ。それだけは・・・」
謝罪か弁明か、それとも愛の告白か。自分の目前でうつむく明日香に伝える。冷えた水分が、背中を流れるのがわかる。
「・・・・・・」
「明日香?」
「小波選手!」
小波の肩に手を置き、ぐっと掴む。そしてビッとした視線で彼を見つめる明日香。
いかにも女性らしい、可愛く垂れた目尻や眉毛を、無理にきゅっと引き締めた表情にあっけに取られる小波。
むむっと結んだ口もなかなか新鮮でよろしい・・・、が、へらへらしてたらガブリと噛み付かれそうな気迫だった。
「返事!」
「は、はい!」
「元気出しなさい!過去を振り払って前を向くのもプロの技術よ!」
「う、それは、わかってるつもりだけど・・・」
「返事!」
「はい!」
妻の凛々しい顔にたじろぐ。
(なんか、よう子先生みたいだ・・・)
ふと高校時代の恩師の面影を彼女に見る。可憐な顔立ちに秘める熱情、自分に多大な影響を与える女性は性質が似通うようだ。
そして、あの儚い命に翻弄されていたた女の子が、ここまで活力のある女性に回復したことに少し感動を覚える。
だがそう思った途端、その凛々しく繕った顔がゆるると戻っていく。
そして彼女は目線を少しおろした後、小波の肩に顔を預けるようにしてもたれかかり、つぶやきだす。
「・・・あのね」
「・・・小波がね、あの時駆けつけてくれて、私、本当に嬉しかった。貴方の為に、貴方と共に生きたいって気持ちがぐっと強くなったわ」
「身体も元気になって、貴方と結ばれて・・・、でも、でもね、貴方はずっとあの時夢を逃してしまったことを引きずってるの・・・それが辛い」
「私ばっかり、元気になって、辛い」
「私が貴方に出来ることなんて、こんなことくらいしかないけれど、せめて」
「せめて、貴方の元気くらいは、取り戻させてあげたいの」
顔を上げ、瞳に涙をうっすら浮かべ、その眼差しでまっすぐに小波を見つめる明日香。
思えば、彼女の涙を見たのは結婚式以来だった。
「明日香・・・。・・・ごめんね、ありがとう。なんか、元気でたよ」
「・・・本当?」
涙ぐんだ瞳を拭う。幼い頃を思い出させる仕草だった。
「うん。こんな可愛い奥さんに、活入れられたら、なんか、スッキリしてきた」
「・・・今までに何度か入れたつもりだったのに」
「ひ、ヒットを重ねてついに点に繋がりました」
「ふーん・・・」
なかなか貴重な彼女のジト目。快復し結婚してから、より様々な表情を見せるようになった明日香。
幼少の頃を思い出させるあどけない表情も、大人の女性としての表情も、あの時病院に駆けつけたからこそ守れたのだと小波は思う。
眼に浮かんでいた涙も、いつの間にか引っ込んだようで、いつもの笑顔に戻っていく。
「それで・・・えーと、その、だ、抱いていい・・・のかな?」
「・・・くすっ。さっそくなのね」
「明日香から誘ってきたのに」
「うふふ、そうだったわね。うん。じゃあ、これもトレーニングの一環。しっかり抱いて、スッキリして・・・元気になってね」
「あ、でもケガはまだまだ完治していないから・・・」
「う、うん。気をつけるよ。終盤戦、できるだけ出たいしね」
とりあえず脚の先は気をつけとこうと心に置いて、小波は彼女をぎゅうっと抱きしめる。
彼女の胸に顔をうずめるようにし、すりすりと首を動かし彼女の柔らかさを楽しむ。薄手のワンピース越しに感じる乳房の弾力。
大きすぎず小さすぎずの品の良い形が感触でわかる。小波はもう布越しでは辛抱たまらんと彼女の衣類の裾に手を突っ込む。
そのままスカート部を大きくたくし上げ、まずは白いショーツが、続いて彼女の白い腹部が露になる。
その腹部に首を下げて顔をうずめ、ちゅっちゅと軽いキスをする。
そして彼の唇は少しずつ腹部の上、先程顔をうずめた乳房に接触していく。白いブラジャーに包まれた丸い乳房が、少し震える。
「んふぅ、小波ったら、子どもみたい。もう、さっきまではあんなにセンチだったのに」
「んんー、明日香のおっぱいは気持ちいいなぁ」
いいながらワンピースをたくし上げたかと思うと、するりと脱がしてしまう。完全に下着だけの姿。モデルのような美しい肢体が露になる。
それを楽しむ間もなく、小波の手はそのまま彼女の後ろに回り、ブラジャーのホックを器用に外す。
途端、乳房が枷を外されたようにふわりと落ち込んでくる。肩に掛けられただけのブラをその乳房の上に乗せ置き、
お待ちかね、といわんばかりに乳首にしゃぶりつく。
「ん、ふぅ、んふ、ふ、おっぱい、そんなに好き?」
胸に顔をうずめる小波の頭を撫でながら、まるで幼子に尋ねるように聞く。
「ちゅ、ん、んー。好きだよ。明日香のおっぱい」
「んっ、もう、そこは赤ちゃんの、ためのものなのよ?」
「まだまだ、若い奴にはやるきはないよ、ちゅうっ」
唇でついばんだり、舌で転がしてみる。そして軽く歯で噛んでみる。次第にグミのような歯ごたえを得ていく乳首。
両方の乳首をとっかえひっかえ、満遍なく刺激して左右二つともしっかりと勃起させる。
「明日香のおっぱいはえっちだね。もうコリコリしてるよ」
「んん・・・小波が、ちゅくちゅくしたからでしょう。もう、身体、あ、熱くなってきちゃった」
少し荒い息をしながら、ワンピースの下で乳をまさぐる小波に訴える。
もじ、っと下半身をよがらせ、彼の勃起しているモノに押し当てる。
「うは、俺も熱くなってきたよ。・・・そういえば、あぁ、喉が渇いたなあ」
「・・・麦茶、さっき置いたけど・・・?」
「冷たいのを飲みすぎるのは良くないからね。こういう日だからこそ、あったかいのがいいな」
小波は明日香をしっかりと抱きかかえながら身体をよじり、彼女をゆっくりと滑らせるように、ソファに横たわらせる。
乳房を半分さらけ出して色っぽく寝そべる妻に、思わずつばを飲み込む。官能グラビアそのまんまである。
いやそれ以上か。半開きにしている股下、白いショーツにうっすらと染みが浮かんでいる。
「俺、こっちの飲みたいな」
ショーツに描かれた陰門の写しをそっと指で撫ぜる。
「あん・・・。せっかくついであげたのに」
「エッチし終わった後の水分補給にもらうよ」
舌なめずりしながら、彼女の太ももに腕をくぐらせ、ぐいと持ち上げる。所謂まんぐり返しの体勢を整える。
「むー。こんな格好恥ずかしいわ」
「なにおう、こんなにおまんこじゅんじゅんさせてるくせに」
再びつぅっと彼女の湿原に指を沿わせる。指に湿り気が纏わりつく。再び沿わせ、指の腹でくりくりとなじってみる。
心なしか水分がじわりじわりと増してきている気がする。
「はぁぁ、ん、んふ、もう、触るならちゃんと触って欲しいわ・・・」
「はいはい、じゃ、下着脱がすね」
ショーツに手をかけ、するすると脚を滑らせて行く。片足を抜かし、もう片方の足に引っ掛けたままで放置する。
紫色の茂みの下、ちらちらと光る陰部。健康的な朱色の肉がゆっくりと呼吸している。
相当恥辱なポーズをしている明日香だが、意外と殊勝な目線で小波を見つめる。
「へへ、明日香、すっごくエッチなポーズになっちゃったね」
「あら、すっかり元気になって。・・・あの幼馴染の小波くんにこんなことさせられるなんて」
元気にがっついてくる小波を見て嬉しそうに苦笑する。
「・・・元気になったのは明日香のほうだよ。こんなことも出来るようになって、本当、すごくよくなったなって思うよ」
「高校のとき、明日香と付き合うようになってさ、俺、その時から本当に、ずっと一緒にいられたらいいなって思ってたんだ」
「・・・倒れたときは気が気じゃなかった。でも、その時、何があっても、絶対に明日香と最後の最後まで付き合おうと決めたんだよ」
明日香の眼を見ながら云う。今度こそ言い訳の無い、完全なる愛の告白。
「・・・。うん、嬉しい。やっぱり私、小波と再会出来てよかった。今、私が生きていられるのもきっと貴方のおかげね。・・・でも」
「でも?」
「こんな格好させて言うことじゃないと思う・・・」
下着をひっぺかされて、しかも相手に思いっきり陰部を突き出している格好である。しかも時間はまだまだ日の高い日中。
陰部も肛門も、余すところなく丸見え状態だ。しわの一本までくっきりと確認できてしまう。
恥辱的なポーズによってか、まるで小波に合図を送るように、ぴくぴくと彼女の性器がひくつき、火がついている彼の興奮に油を注ぐ。
「・・・じゃあそんな格好の明日香さんをこれからどうしようか」
「どうされてしまうのかしら?」
「まずは、健康的になったおまんこをもっとエロエロにしてやろう」
ずいっと彼女の陰部に顔をうずめ、舌を突き刺すようにねじ込む。少し酸っぱいような味が小波の舌を刺激する。
そのままぐりぐり、彼女の膣口を舐り荒らす。唾液のようにじわじわあふれ出てくる愛液にむせそうになるも、
舌の運動は一切止めず、彼女の最も大切な場所を味わいつくす。
「んんっ、んはっ、はげしっ、あん、うふふ、おっぱいと、どっちがすき?」
「ぷふぅ、ふぅ、俺は、こっちが好きだよ。明日香の味がすごくするから」
膣口ではなくクリトリスに舌を伸ばす。チュっとキスをして彼女の敏感な部分を責めてみる。ちろちろとできるだけ優しく
突き、彼女を突発的な快感で震わせる。陰毛が鼻についてくすぐったいが、それでも執拗に弄り、彼女の泉から愛液をさらに湧かせる。
「ひゃぅ、あぁん、んん、気持ちいい、小波、いっぱいでてる?私の」
「んあ、うん、くちゅくちゅでてるよ。世の中水不足なのに、大洪水だね。ほら、舐めてみる?」
彼女の水浸しの膣に指を入れ込み、掻きとるように彼女の愛液を手に絡める。そして自分を自身の股を通して見上げる彼女の口へ持って行
く。
明日香はそうされるがまま、彼の指に塗りたくられた自分の蜜を、舌を突き出して舐めとる。
「ん、ちゅる、ん・・・。んー、変な味だわ・・・。こんなの飲みたいの?」
「うん。コレ、飲んだらすごく元気になるんだよ」
再びじゅくじゅくになっている膣口に口をつけ、愛液を勢いよく吸い出す。くぅんと甲高い声をあげてよがる明日香。
「はぁ、はぁ、はぁ、もう、吸い過ぎよ・・・。あそこが、ジンジンして、切ない・・・」
「ふぅ、ふぅ、あそこって、・・・どこ?」
「・・・どこって・・・ふふ、おまんこ」
アダルトビデオのような淫猥な言葉も、意外とあっさり言ってくれる明日香。
清楚なイメージの彼女も、気分が高まってくるとなかなかいいノリを見せる。
さすがに言った後は目線を横に逸らし、恥ずかしさからの赤面はしているが、どこか雰囲気に悦んでいるような余裕がある。
病弱だった彼女がここまで“健康的”になったことに、どうしても笑みがこぼれてしまう。
「ね、明日香。そろそろ、挿れていい?」
「ダメ」
「えぇー」
「ふふ、嘘よ。挿れて。挿れて、いっぱいいっぱい気持ちよくなって。元気な小波を感じさせて」
「・・・うん。じゃあ・・・」
「あ、その前に・・・この体勢、ちょっともう苦しいから・・・」
背中で身体を支え、下半身を大きく持ち上げているその性体位の息苦しさを訴える。
ごめんごめんと彼女の脚を支えながら正常位の体位へと移行させる。股を開き、少し微笑みながら寝そべる明日香。
据え膳を目の当たりにして、我慢の限界といわんばかりに小波はあわただしくズボンとパンツを下ろす。
やっと息継ぎが出来たかのようにペニスが勢いよく飛び出す。そしてそれを、前戯でとろとろにとろけていそうな彼女の膣にあてがう。
亀頭が濡れた門に軽く触れるだけで、ぴくんとはねてしまいそうになる快感。
少し離してみるとすでに分泌されていたカウパーが、互いの性器を白糸で緩くつなでいく。
「もう、挿れたいって言っておいて。焦らさないで・・・早く・・・」
「あらら、明日香が、こんなにエッチな子だったとはね」
「エッチのとき、いつもそれ言ってるわね・・・。・・・ふふ、エッチでごめんね」
こんな昼間に陰部を曝け出す痴態でいても、いつもと変わらぬ母性に満ちた柔らかい笑顔をする明日香。
「・・・あ、明日香、か、かわいいぃぃっ」
「きゃんっ」
思わず、明日香にのしかかるように抱きつく。そして咥えつくようにキス。むーむーっと少し息苦しそうな嬌声をあげる明日香。
小波はキスをしながら手を下半身へ潜り込ませ、ペニスを掴んで彼女の膣にねじ込む。そしてキスの呼吸に合わせて腰を振りはじめる。
舌と舌が格闘する音と、性器がこすれあう音。その二つのみずみずしい性音は涼しさを提供するのではなく、二人の体感温度の上昇に
作用する。
「んはぁ、むぅ、ふぅ、んっ、んっ、小波っ、小波っ、つよいっ、んんんっ」
「明日香も、すごい締め付けてくるよっ、きゅうって、吸い付くみたいっ」
ぐっちゅぐっちゅと大きな音を立てる二人の下半身。蝉の鳴き声がより一層強くなる時間帯だが、二人の耳にはもう外の音は届かない。
荒い息と喘ぎ声と行為の音だけが、彼らの聴覚を刺激できる。
「ふぁあ、小波、アツい、頭が、ぽっとして」
「俺もっ、アツいね、今日はっ、はぁ、はぁ、ふぅっ」
蒸し暑さもなんのその、汗ばむ身体をぴったりとくっつけてぐいぐい揺さぶり続ける。
ギシギシとソファのスプリングが軋み、断続的につづくセックスの音。それが次第に速く激しくなっていく。
互いの陰毛が絡まってしまうような、深くしつこくうねる腰の動き。動くたび、互いの呼吸が腹の底から圧迫される快感。
くぅぅ、と唸る明日香。口元から飲み込めなかったよだれが泡を作って流れ出す。それを顔を近づけて舐め取る小波。
それを良しと感じたのか、明日香はわざと唾を出して口元から流す。小波はそれをまたキスで吸い取る。
双方、いろんな意味でパブロフの犬状態だ。
「はぁぁん、あ、あ、あん、あん、んあ、はぁん、ふ、ふぅぅ、ふ、も、もう、出そ?」
一瞬眉を強く顰めた小波を見て、明日香は問う。
「あぁぁ、うぉ、うん、もう、もう出るよ。どうしよっか、中がいい?外?どっち!?」
「ぅん、んん、うふ、まだまだ、“若いの”に、やらないんでしょ?外、で、いいわ」
耳元でささやかれ、小波は一層強く腰を突きつける。明日香の最奥まで突きこんだら一気に腰を引き、ペニスを抜き取る。
と、同時にうおっと声を漏らし、尿道口から精液が放たれる。ぴゅぴゅっと白濁液が明日香の腹部に向かって飛び散る。
熱い感覚を肌で感じ、なんともいえない悦が彼女の表情に浮かび上がっていく。
「はぁ、は、はぁ、おぉー、へへ、へ、いっぱい出てら」
「はぁー、はぁー、はぁー、ふー、・・・うん、いつもより、なんか、多い感じがする・・・うふふ、それっ、ぬりぬり」
膣外射精のため浮かした小波の腰を引き寄せ、腹部や陰毛にかかった精液を彼の下半身に擦り付けてみる。
未だ熱を帯びている自身の液体を感じ、なんとなく自慰の処理に失敗したような居た堪れない気分になる小波。
「・・・やっぱ、中で、出したほうが良かったな」
「? あら、自分で出したものなのに・・・嫌だった?・・・私は自分のも舐めたのに」
少し悪戯っぽく眼を細め笑う明日香。
「いや、(ソレモアルケド)・・・元気、直接わかるだろ?」
「・・・くす、ふふ、じゃあ、もう一回・・・しましょ?今から、もう一回・・・」
「えぇ、今から?」
激しい運動で息も絶え絶えの小波。一方の彼女はまだまだ元気いっぱいのご様子。
彼女の太ももに当たる、射精を終え腫れの痛みを鈍い痙攣で訴えるペニス。
せめて、ちょっとだけでも休ませて欲しいなあと明日香の顔をのぞきこむ小波だが。
「へんじ」
「・・・はい」
にこりと微笑む妻に、また活を入れられる。・・・今頃甲子園も優勝が決まったころだろう。
若き優勝者達の様子が気にならないわけではないのだけれど。
今は7年前と同様、脇見も振らず、何よりも愛しい人を選んでしまえ。そう思いながら小波は明日香に口付けをする。
その日は昼も夜も、その年で最も気温の高い日だったのが、そんなこと気にも留めない。
いつかの夢も、引きずる想いも、黒くて重たいのならばいっそのこと火を点けて、前に進むための燃料にでもしてやればいい。
7年目の夏の日、二人は二人を縛る苦い過去が燃え尽きるまで、抱き合い、舐め合い、注ぎあい、愛し合った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「もう少し腰を落として、そうそう、そんで来たボールを自分の身体の周りにぐっとひきつけるように・・・」
「こう?」
「んー、インパクトが弱いでやんすね。こう、振り始めで、“ボク”から言ったらお父さん方向にぐっと体重を傾けるでやんす」
「うーん・・・?」
「三人ともー、おやつのたこ焼きできたわよー」
「よっしゃ休憩だ、食べ終わったら川原行ってキャッチボールしよっか」
「えぇー、まだするの?」
「・・・野球選手の息子は苦労するでやんすね・・・。・・・いや、小波君のは、でやんすかねぇ・・・」
目指せ甲子園優勝。父の冷めやまぬ熱き想いは、その息子に受け継がれていく・・・
「はぁ、ぼく、サッカーがしたいのになぁ」
・・・のかなぁ。
【Re:heating】 終
ちなみに37-5で日の出高校が優勝しました(大会記録)
追伸・
>>321のハンドルや
>>313の最後の分はコピペミスです。すみません。
なんか忍者レベルで1レスの容量が変わったのかしら、投稿前になってレス調整するハメになってしまった
それ以前にちょいちょい誤字脱字があるくさいですね。またまとめのほうで改訂します・・・編集者さんいつも有難うございます
>>330 GJ! 明日香ビターは新鮮だなあ
魔の七回裏ワロタw
これだよ! 最高だわ。まるで頭の中の願望を覗かれたかのようだわい!
ニヤニヤが止まらんぞww
神乙
これはいい明日香
シリアスすぎず、崩しすぎずの雰囲気が素晴らしい。
そして明日香可愛すぎるマジGJ。
投下は前の人が投稿してから、それなりに間は空けるべきなんだろうか?
一日経てばおk?
>>336 人によって感覚は違う。間隔だけに。
俺は幾つかレスがついてりゃ投下するし、されてもいいと思ってる
続き物が投下されている間に投下するのは勇気がいるよなw
GJ
明日香の可愛さは月日がたっても変わらないなあ
GJ!
これなら安定感でも報われるわ。
GJだぜ。
明日香はいまだに思い入れ強いから、
クオリティ高い作品がくるとひときわ嬉しい。
>>331 GJ!
1主が4主の試合を観てるっていうシチュが面白かった。
大神ってずっと1年だと思ってたけど、調べてみたら2年だったんだな。
超最強をフルボッコとか上手え…。
とうとう准っぽい声を見つけた!!
催眠オナニーの
そう・・・
どうも天咲です。
いいかげん話を忘れられそうですが、もう少しですので付いて来て頂ければ。
投下ペースに関しては、どうなんでしょうね?
まぁ一番新しい話にしか感想を書いてはいけないという事も無いので、問題無いとは思うんですが
埋もれてしまうのは事実なので、多少間を置いた方がベターな気がしますね。
反応が無いのは辛いものですから…。
あ、でも私のこれはそうなっても自業自得なので、お気になさらずに投下して頂いて結構です。
それでは第9章をどうぞ。
(何のつもりだ…?)
小波は困惑していた。
原因は目の前のバッターボックスに居る、餅田浩紀だ。
右打者の彼が小波から見て、右奥隅ギリギリに立っている。
そこに立っていてはどうしたってアウトコースには手が届かないのに…だ。
プロ野球で打撃の得意でない投手が、死球を避ける為にわざとそこに立って三振するというのは
無い事では無いが、これは高校野球である。
投手と野手にそこまで打撃力に差は無いし、餅田は雨崎が戻るまでは混黒で四番を張っていた。
今でも三番であり、打撃力はチーム2位。
七回表。同点。一死二塁。
そのどれを取っても、むざむざ打席を捨てアウトを敵に贈る様な真似をする理由は無い。
メリットを一つでも考える事が難しい位だった。
「……………………」
何を考えてるのか訝しりながらも、小波は相変わらず全力投球でアウトコース一杯にストレートを投げ込んだ。
「ストラーイク!バッターアウト!」
結果はストライク。三球三振だった。
結局餅田は一度もバットを振る事なく、打ち気を見せる事すらなく打席を終えた。
「タイム!」
小波と同様に動揺したのか、詰井がタイムを取りマウンドに寄って来る。
それどころか内野陣、外野陣まで集まって来た。
「今の…どういう事だと思う?」(詰井)
「小波の動揺を誘ったとか?コントロールミスで四球狙い…?」(杉田)
「おぉなるほど。だったら大失敗だな!」(プル畑)
「オイオイプル畑。そんな単純な策な訳無えだろ?2-0からも全然打つ気無しだったしよ」(軽井)
「先生に借りた野球漫画で、アウトコースも踏み込んで打てばど真ん中になるっていうのはあったけど…」(宇佐美)
「ガッポガポガポ(全身突っ込み打法とかなw)」(沖田)
「確かに一球目から積極的に振って行くタイプの餅田君らしくなかったね」(下山)
「ファーストから見る分にも、ピクリとも動かなかったな」(御影)
全員で考えを巡らすものの、これといった結論は出なかった。
状況だけ見れば、完全にただ有利になっただけ。
だからこそ不気味だという思考を全員が共有していた(プル畑を除く)
(もしかして…)
全員の話を聞いている内に、小波は一つの仮説に辿りついていた。
といっても、理屈で納得出来る様なものでなく、精神論から来るもの。
その面から見ても、凶とでる可能性も高い不確かなものだった。
(だが、仮にそれがハマった場合…これ以上無い脅威だ)
しかし吉と出た場合のそれに戦慄し、小波は気付いた以上は仕方ない…と
目の前で論争を繰り広げている仲間達に提案する事を決める。
「なぁ、皆…」
小波の言葉に、一斉に論争を止め、全員の目が小波に向く。
そして次の瞬間には彼達の目は大きく見開かれる事になった。そのあまりに予想外な言葉に。
「次の打者…敬遠していいか?」
(何だ?どういう事だ餅田!?)
雨崎優輝は混乱していた。
原因は、目の前の餅田の奇行。
逆敬遠とでも言う様な、打撃放棄、打席放棄を餅田は行っている。
一球目を投げるまでは、動揺を誘う作戦かと思った。
二球目を投げるまでは、そこから急に飛びついて打つのかと思った。
しかしもう次は三球目だ。
そのまま何もしなければ、ただ三振をくれてやるようなもの。
何を考えてるんだ―と考えている間に
「ストラーイク!バッターアウト!」
餅田は見送り三振。
その奇行に、本来わっと盛り上がるハズの開拓高校の応援席からも、どこか揃わない歓声しか届かなかった。
混黒の応援席は更に酷く、動揺が見て取れるようにざわついており、餅田への罵声が聞こえてくる。
雨崎は真意を知る為、ベンチへ戻ろうとする餅田の元へ駆け寄った。
「オイ!どういうつもりだ餅田!!」
戸惑い3割怒り7割といった心情で、雨崎は餅田に詰め寄る。
この試合が何を意味する試合なのか、餅田は表の意味でも裏の意味でもよく知っているハズだ。
ならば気を抜いた様な手を抜いた様なプレーは、絶対にしてはいけない事もよく分かっているハズ。
なのに何故―!?と雨崎の中で感情が爆発する。
自制心で抑えて無ければ、掴みかかって殴ってしまいそうな程だった。
「何が、どういうつもりなんでやんす?」
そんな雨崎を見て、餅田は身じろぎもせず、まっすぐに雨崎の目を見てそう返した。
その不遜な態度に、雨崎は一瞬怯む。
そこに餅田が更に言葉を続けた。
「オイラは監督の指示通りに動いたつもりでやんすよ。我ながら完璧な仕事だったでやんす」
「監督って…千羽矢が!?」
この場合の監督とは、九能では無く千羽矢の事だろう。
しかし、性格同様、攻撃的な野球を好む千羽矢がそんな指示を?
疑問は消えたが雨崎の中に新たな疑問が産まれる。
それの答えを餅田は述べていく。
「オイラがチハちゃんから、ベンチに呼び戻されて直接聞いた指令は
『おニイに最高の形で繋ぐ事!』でやんす」
―――?
何だ、その抽象的に指示は、と雨崎は思う。
餅田に任せるなら任せるとそう言えば良いのに。
「難しい指示でやんした。それでオイラなりに考えたんでやんすよ。
繋ぐ、という事はゲッツーだけはやっちゃいけないでやんす。そのリスクは徹底的に排除しないと
説明を続けようとする餅田に思わず雨崎が口を挟む。
「い、いやランナー二塁だよ?ランナーにリードを取らせなければゲッツーは無いって」
「可能性はゼロじゃ無い、でやんす。
仮にオイラが外野を抜けるヒットを打っても、池田君とオイラが両方すっ転んでアウトなんて事も有り得るでやんす」
「いや、そりゃそうだけどそんな事言い出したら…」
「それに、でやんす」
呆れ顔で言う雨崎を、餅田は手を前に出して制する。
「こうすれば、小波君は雨崎君と勝負せざるを得ないでやんす。
放っておけば仮にオイラが塁を埋めても、多分小波君は満塁で五番勝負を選ぶでやんす。
しかーし!このオイラが自ら死を選んでまで作ったお膳立て。
小波君はきっと理解して受けてくれるでやんすよ!」
そしてドヤ顔でそんな事を言い放った。
その理論はあまりにも穴だらけで、雨崎はツッコミたい衝動に駆られるが―止める。
気付いたからだ、結局それ等は全て建前だという事に。
(お膳立て…ね。また見透かされてたって訳か)
雨崎は、もし一死で三塁ランナーが居れば、犠牲フライを打つつもりだった。
二死でもヒット狙いにして、確実に1点を取りに行こうと考えていた。
二死二塁。今この状況でも、餅田が何もしなければ、いや『何かをしていれば』配球を読んだ上で
エンドランでの一点を考えていただろう。
その『逃げ』を餅田は塞いだのだ。
(オレは…前の打席の完敗から弱気になって、確実に試合勝つ事を選ぼうとしていた。
フルスイングせずに当てに行けば、点を入れる事は出来る…けど!)
「それじゃあ駄目だよね。そんなので勝っても、千羽矢は喜んでくれない…か。
ありがとう餅田、目が覚めたよ。
俺は欲張りになる。千羽矢の夢も試合の勝利も、両方手に入れてみせる!!」
小波に勝ちたいという雨崎の想い、それに揺らぎは無かったが
焦りから、雨崎は自分を見失っていた。
空回りして本質を見失っていた事を、千羽矢は見抜いていた。
「…何を言ってるのか分からないでやんすが…ま、期待してるでやんす。
オイラは残りを抑えるので精一杯でやんすから。…打つ方は雨崎君に任せたでやんすよ」
そう言い残して、餅田はベンチに戻ろうとするも
未だに続く餅田への罵声を聞いてか、思い出した様にクルリと振り返ってこう付け加えた。
「ま、出来ればオイラの三振なんて霞む位の一発をお願いしたいでやんすよ」
「あぁ!」
それに雨崎は振り返る事も無く、力強い一言で返す。
今の雨崎に見えているのは、小波だけだった。
先程の迷いのあった姿とは違い、ただ来たボールを弾き返すという無心の境地に立ち
雨崎はバッターボックスへ向かう。
ベンチへと戻る餅田は、唇を噛み締め悔しげな表情を浮かべていた。
先程の自分の行動に後悔がある訳では無い。
試合に勝つ為には、あれが最善手であると理解もしている。
しかし、だからこそ餅田は悔しいと感じていた。
自分では小波を打ち倒す事は出来ない、それを認めてしまった事に。
「ただいまでやんす!監督、オイラの仕事はどうだったでやんす?」
しかしそんな感情はおくびにも出さず、餅田は千羽矢の前では明るく言った。
「うん!サイッコーの仕事だったよ!さっすがモッチー!」
千羽矢も、餅田の心中を分かっているからこそ、それに触れる事はせず明るく返す。
(ゴメンね…辛い役を押し付けちゃって)
餅田の表情を見た千羽矢の心中は、餅田への感謝と負い目が強く占めていた。
餅田の出した回答は百点満点と言って良かった。
抽象的な指示をしたのは、餅田なら分かってくれるという信頼から―と言えば聞こえは良いが
実の所は自分で直接はとても言えなかったからだ。
言わないのはズルであり、その事が余計傷つけると分かっていながら
ずっと小波を倒す為に頑張って来た餅田に対し「何もせずに突っ立ってろ」とは……とても言えなかった。
ごめんね、ありがとうと言いたい気持ちは強くあるが、それをして楽になるのは自分だけだ
と、千羽矢は何とかそれに堪える。
(ここまでモッチーにさせた以上…絶対に打ってよね、おニイ)
兄に対してはサインを出す事も無く、千羽矢はただじっと見つめる。勝負の行方を。
千羽矢がここまでやったのは、ひとえにこの対決を見たかったからかもしれない。
100%の兄と小波との対決を。
試合前、兄に「自分の夢を叶えてと」言外に焚きつけた事も、その為の策の一つだった。
雑念の多い兄が勝負に集中するための、策。
だが決してそれは嘘では―――無い。
「「「「「「「「「敬遠?」」」」」」」」
あまりに小波らしく無い発言に、全員が訊き返した。
驚くのも無理は無い、今まで一度として、小波が敬遠しようなどと言い出す事は無かったし
勿論それを実行した事も無かった。
国王との試合でも、国王を避ければ楽に勝てる試合だったのに、小波は全打席勝負を挑んだ位だ。
「あぁ。俺の読みが正しければ、次の打席のユウキは化け物だ。今迄以上の集中力で打席に立って来る。
…絶対に抑えるとは言えない。勝負を避けた方が賢いと思う」
そんな小波の言葉を聞いて、8人はお互いの顔を見合わせる。
―――そして大声で笑い合った。
きょとんとする小波に、詰井が8人の気持ちを代表して言った。
「オイオイ小波。セリフと顔が合ってねーぜ。そんなメラメラした目して、俺達に何て言って欲しいんだよ」
そう詰井が言うと、8人が更に大声で笑った。
そして一人ずつ激を飛ばす。
「その化け物とやり合ってみてーんだろ?好きにしろよ」(御影)
「ここまで連れて来てくれたのは紛れもなく小波だ。小波の選択に反対はしないよ」(杉田)
「打たれたってオレっちが今回もバッチリ取ってやるからよっ」(軽井)
「先生が迷ったら自分の信じる道を行けば良いって言ってたよ!」(宇佐美)
「負けても許さないけど、逃げるのはもっと許さないよ」(澄原)
「点取られたって、この主砲たるオレが取りかえしてやるよ!!」(広畑)
「ガッポガッポ!!(むしろ打たれろ!逆転弾をオレが打って契約金ガッポガッポだ!)」(沖田)
「僕達がバックに居るんだ。信じて思いっきり投げてくれよ!」(下山)
「雨崎と小波の勝負、特等席で見させてもらうぜ!」(詰井)
9人の言葉が、小波の胸を打つ。9人?と違和感を感じ、気付く
「って澄原!?いつの間に…」
「伝令だよ、木村から。「ベンチ代表して一言。思いっきり砕け散って来なさい!」だってよ」
10人、ならぬ開拓高校野球部全員からの激励を受け
溢れ出る歓喜を抑えられずに、小波は笑う。
「ハハッ……ったくお前達、ホンット馬鹿ばっかりだな!いいな?打たれても文句言うんじゃねーぞ?」
改めて、全員の顔を見まわす。
そこには共通の意思が感じられた。誰一人欠ける事なく、全員が心から信じていた。
小波の事を。
「よっし!当たり前だが敬遠は無しだ!皆しまっていこうぜー!!!」
「「「「「「「「「応!!!!!!!!」」」」」」」」」
詰井の激に、全員が大声で返事をして、自分の守備位置に戻って行く。
(…ったく、頼もしいね。勇気が湧いてくるよ)
小波は笑みを隠しながら、マウンドをならして準備を整える。
「分かってた事だが、まさかここまで最高の仲間達だとはよ…」
実は、というより当然の事だが、小波は敬遠する気なんて最初から無かった。
この試合は千羽矢の為に最高の試合にすると決めている。
雨崎との対決というそのメインディッシュになるものを、避けるなんていうのは最初から選択肢にあるハズも無かった。
餅田が何をしようが、雨崎との対決は既定事項であり固定事項であり決定事項だった。
では何故、そんな事を言い出したのか。
それは小波が口にした「絶対に抑えるとは言えない、勝負を避けた方が賢い」という言葉が
紛れもなく本心からだからである。
小波の読みが正しければ、餅田の行動、千羽矢の策によって、次の打席の雨崎の力は
今迄とは比べ物にならないだろう。
勝負するのはキケンだと、自らの勝負勘も告げている。
気付いた以上は、その事を仲間達に教えない訳にはいかない。
その結果次第で、試合の結果まで決まってしまう恐れがある、分の悪い賭けを『自分がやりたがっている』事を。
試合を私物化する訳にはいかない。
勝手に勝負して、痛い目を見るのは既に経験済みだ。
この舞台は、苦楽を共に分かち合って来た仲間達と一緒に上がって来た場所だ。
自分には言う義務があり、皆には聞く権利がある。
でも、小波は分かっていた。
きっと皆、許してくれるだろうと。自分の我が儘を。
行け!と、背中を押してくれるだろうと。
(打算…と言われても仕方が無いが、出来れば『信頼』と言ってほしいね。
そして、俺はそれに応えてみせる)
「勝負だ…ユウキ」
小波は極限まで集中を高め、勝負へ臨もうとしていた。
トリ付けるのミスったorz
殆ど初めてなもので、申し訳ありません。
と言う訳で、第9章でした。
文庫本とかなら、章変えで語り部?が変わる時に番号振ったりして分かりやすく出来るんですが
投下形式だとなかなか難しい…。
この章だけで何度目線変わってるんだ、という話なので混乱させてしまったら申し訳ありません。
それではまた次回。
…大丈夫、大分要らない部分はカットしたからもうゴールは見えるさ。
信じられるか?一時は下山君や澄原にもスポットを当てようとか考えてたんだぜ…?
乙、とりあえずガッポおかしいだろwww
下山/澄原章も俺は凄い読んでみたいなあ、ただそれを入れたら長いよなあというのもわかる
スレ専有を避けたいならwikiに直接ページ作って、ここでは投下報告だけやるというのもありだとは思うけど
あと次からトリップ変えたほうがいい
一度漏れたものは最早トリップとしての意味を成さないし、大体予想しやすいトリップ文字列はいかんでしょw
こいつら甲子園に行きたくないのか?野球マンガ以外でもありがちだけど登場人物が頭悪くなると萎えるな
>>360 GJ!
えらいボリュームになってきたね
wikiに直接投下した方がいいかもしれないです
最近まとめ動きないね。管理人さん大丈夫かな?
wikiの掲示板つかってもいいのかな
規制ウザ
>>365 問題ないと思うよ
あそこの掲示板、確か避難所のはずだし
寧ろそのための掲示板だから是非使え
これはまたレアなものを見せてくれたな、作者氏GJ!
天咲です。
少し間が空いてしまいましたね、申し訳ありません。
wikiに直接という声もありましたが、今更な感じもありますし
もう少しで終わるのでこのまま行きます。
…ずっとそんな事言ってる気がするのはキニシナイ。
>>361 全員がパワーアップ済という設定からこんな事に。まぁ別にガッポ喋ってましたけどね。
下山澄原編は完結後に番外編としてか、別作品でするかも。乞うご期待。
トリは変更した上でのコレですw
「さーて、この試合最大の山場がやって来たぞ」
「さっきのメガネの子の三振は何だったんだろうね?」
「分からないが、あれ程の気力を感じる見逃し三振もそうは無い。
色々な想いの末の行動だったんだろうな…」
「何その抽象的な解説…テキトーな事言ってれば騙せると思わないでよ?」
「まぁ決して意味の無い行為では無かったって事だよ。
現にあの三振の後、混黒の四番の纏う空気は明らかに変わった。サムライのオーラを感じる」
「はぁー船に居たら一日中ゴロゴロしてそうな顔してるけどねぇ」
「船?」
「何でも無い。じゃあ今度こそ四番の子が打つかな?」
「どうだろうな。開拓のエースの方も、円陣を組んで解散してから、更に切れ味が増した様に感じる」
「もう完全にオカルト発言になってるよ風来坊さん。結局分かんないって事だねっ」
「む……まぁな。黙って勝負の行方を見届けるとしよ…!? バシイイイイイ!!!!!
謎の風来坊が台詞を言い終わる前に、それは来た。
謎の風来坊自身も、それが何か分からないまま反射的に手を伸ばしたが故に
その正体が分かったのは相方の言葉でだった。
「な、何!?ボ、ボール…!?」
それは野球のボールだった。
数秒前まで小波の手にあり、そのコンマ数秒後に雨崎のバットと衝突したボール。
それが謎の風来坊の手の中にあった。
その事を理解した周りの観客が、遅ればせながらにお〜という歓声とパラパラとした拍手を送るが
謎の風来坊はそれに応える余裕も無い。
(バ、バックネットを突き破って来たっていうのか!?あ、あそこか)
見ればバックネットの中に謎の空白がある。位置的に見て間違いないだろう。
「あ、ありがとう風来坊さん…て、手ぇ大丈夫?」
打球は放っておけば相方の顔面直撃コースだった。
謎の風来坊が手を出していなければ、今頃大変な事になっていただろう。
相方が赤い顔をして礼を言う。
「あ、あぁ気にするな。問題無い」
(とは言え俺じゃなければヤバかったぞ今の…まだビリビリいって手の感覚が無い。
バックネットを突き破ってこの勢いって、もはや凶器だな…)
謎の風来坊が二人の勝負の凄まじさに戦慄していたが
当の本人達は至って冷静に、勝負に集中していた。
雨崎はさっきの打球を振り返る。
(真後ろのファールか…タイミングは合っている。少し高かったか…よし)
小波はさっきの投球を振り返る。
(コースは思っていた通りの所に投げられた。空振りさせるにはまだノビが足りないか……よし)
二人共、雑念は一切無く、極限まで勝負に集中していた。
視界に入るのは相手の姿だけ。
二人だけの精神世界に入り込んでいるかの様な様子だった。
混黒高校のベンチでは、千羽矢が二人をじっと見つめながら複雑な思いを抱いていた。
(ちぇっ私が仕向けたとはいえ何か妬けちゃうな。
まぁおニイからすれば、初恋の人が自分だけを見てくれてるんだから、嬉しくて仕方無いんだろうけどさっ)
そんな千羽矢の隣で、九能が呟く。
「不思議なものだな。
雨崎優輝を抑えられる投手などいるハズが無い。…そう思えば思う程に逆の結果を期待してしまう自分がいる」
「…何となくその気持ち分かります。おニイに打って欲しいけど、一方でおニイを抑える小波君も見たい…」
「お前のはまた別の感情だと思うが…グラウンドに恋愛を持ち込むなよ?」
「アハハハごめんなさい。でも私の立ち位置って美味しいですよね。
どっちが勝っても喜べるんですから」
「…それは、逆だろう。どうしても負けた方の事を考えてしまうものだ」
「…そんなものですかね」
そんな会話の間に、雨崎は2球のファールを打ちカウントは2-0となっていた。
詰井は目の前の男のオーラに戦慄しながら思う。
(リードは小波に任せといて良かったぜ…この背中を見たら俺はストライクにミット構えらんねえよ…)
捕手としての経験が浅い詰井でも分かる、分からざるを得ない圧倒的な威圧感。
まともに相対するだけで称賛に値する程の気を雨崎は放っていた。
(普通の奴の3倍はスタミナ消費しそうだぜ…さっさと片付けちまえよ小波!
次のサインは…!!)
ザッ
小波が投球フォームに入る、本格派のオーバースローの小波の片足が上がり
全神経を指先に集中させて、ボールが放たれる。
(低めのストレート)
一瞬で判断し雨崎のバットが動く。
恐るべきスピードで、ボールを捉えんと振り下ろされていく。
ストン
(!)
(よし、かかった!)
しかしボールはホームベース僅か手前で急降下し、ストライクゾーンから外れていく。
フォークボール。
雨崎が混黒に戻ってから、小波が習得した新球である。
今迄一球も雨崎には見せていない、どころかコントロールに不安がある為、公式戦で投げたのはこれが初めての
まさにとっておきの奥の手だった。
それがこれ以上無い完璧なコースに決まった。
いくら雨崎とはいえ反応出来るハズが無い―と詰井は勝利を確信した。
そしてボールはワンバウンドして詰井のミットに収まった。
「ボール!」
だが結果はボール。
あと少しでも振っていればスイングを取られる所で、雨崎はバットを止めてみせていた。
(オイオイ…あそこから止まるか普通?)
相手が普通でない事は重々承知していた詰井だったが、それでも驚きを隠す事が出来ない。
これで駄目ならどうすりゃ良いんだと途方に暮れる詰井に
表情に全く揺らぎを見せない小波から、新たなサインが飛ぶ。
(ふぅーアレを止められたか…本当に楽しませてくれるぜユウキ!)
苦しんでいながら楽しんでいる、そんな矛盾した感情を小波は感じていた。
どこに投げても打たれる気がする。
雨崎の立ち姿からそんな投手最大の恐怖を感じていながらも、そこから針の穴を通す様に僅かな隙を探し
投じようとしていた。
次で五球目。あまり勝負を長引かせては不利になるのはこっちだ。
そう察した小波は、この勝負を終わらせるボールを考える。
「………よし、これで終わりだ」
そして、それが決まった。
(何とか止められたな…千羽矢から聞いてなければ危なかったよ)
雨崎は胸をなで下ろす。
小波にとってはとっておきの秘密兵器だったが、それは既に千羽矢の偵察済みだった。
本格的に習得しようと練習を始めたのは雨崎が去ってから、つまり千羽矢と殆ど会えなくなってからだったが
気を抜けば倒れそうな体を引きずって、千羽矢は小波の様子を見ていたのだった。
その事を聞いた時は、殴ってでも小波の元へ行くのは止めさせようとしていた雨崎だったが
その血にも等しい情報を活かせた事は嬉しく思う。
そして考える。
恐らく小波はここで決めに来るだろう。最高の球で打ち取りに来るハズだ。
それは何か。
小波の持ち球はストレート、スローボール、スライダー、カーブ、フォーク。
「………よし、これで終わらせる」
二人が勝負球を決めた時、千羽矢もその空気を感じ取っていた。
「…次で決まりますね」
「そうか。なら恐らくは小波はストレートで力と力の対決で締めようとするだろうな。
二打席目の再現という訳だ。だが今度はそうはいかんぞ小波。
一球目の最高球速を2キロ上回った球でも雨崎は付いて来た。今度は打てる」
普段クールぶっている九能も根はただの野球好き。
そうは見られない超高レベルの対決に興奮している様だった。
九能の読みはそう的を外してはいない…と千羽矢は思いながらも、小波の様子から
どこかそれは違う、と違和感を感じてもいた。
何故か唐突に睡魔と既視感を感じる。
あれは――いつの事だったろうか。
―――あれー?もしかしてまたおちこんでるの?なっさけないなぁ。
―――うるさいなぁ。分かってるよ、時間がもったいないって言うんだろ?
―――なんだ、ちゃんと分かってるじゃん♪そうだ!変化球覚えてよ変化球!
―――変化球?かんたんに言うなよ。
―――このチハちゃんが一緒に作ってあげるからさ!明日の試合のキメダマに使ってよ!
―――しょうがないなぁ。ちゃんと曲がったらだぞ?
…………………………
―――ストラーイク!バッターアウト!ゲームセット!
―――やったぁ!!!
(…そっか。あの時か。考えてみれば、小波君と一緒に野球をやったのはあれが最初で最後だったかも。
懐かしいなぁ。…良いなぁおニイ小波君と野球が出来て)
―――あーあ。私も男の子だったらおニイみたいに小波君としんけん勝負できるのになぁ
―――だったらさ、チハヤはオレの体を借りてやってると思えばいいんじゃないか?
―――アハハ、おニイの体じゃ私の実力のじゅーぶんのいちも出せないよ
―――なにぃー!!
(あはは、そうえばそんな事言ってた事もあったなぁ。
おニイはすぐ漫画の影響受けちゃうんだから。私たちは双子でもなければ血の繋がりすらないってのに)
千羽矢は意識が揺らいでいた。
急にそれが起こった原因は不明だ。
もう千羽矢の体には何が起こってもおかしくない所まで来ている。
走馬灯の様に、過去の回想がパラパラと現れ、夢を見ている様な気分になっていた。
そうして夢から夢へと移りって行き
次の夢では、千羽矢はバッターボックスに立ち、小波の姿を見つめていた。
(この一球は絶対無二の一球なり!)
小波は何度も自問自答し、この球で後悔は無いか?と確かめた上で
投球フォームに入る。
投げる球は、かつて千羽矢と共に作成し
後で調べたらそれが一番オーソドックスな変化球だった事に驚き、軽く落胆し
あの大怪我を負ってから、一度投げられなくなり
血の滲むような努力で、再び投げられるようになった思い出の多い球。
カーブだった。
(迷うな。自分を信じて、ただ振りぬけば良い)
雨崎は何度もイメージトレーニングをする。
ボールの軌道、それを線で捉えスタンドへ運ぶイメージ。
何度も受けて来たボールだ。イメージにズレはない。
その『曲がって』こっちに向かって来た球を、待ち構えて引っ張れば良い。
雨崎が待つ球は、小波が初めて覚えた変化球。
最初は捕る事が出来なくて、悔しくて何球も千羽矢に投げてもらう事で練習し
今では一番打つのも捕るのも得意になった球。
カーブだった。
恒例の間を取る為の裏話コーナー。
今回も視点がコロッコロ変わる仕様なので、微妙に勿体無いレスの使い方して申し訳無いです。
ツッコまれる前に言いますが、今回地味にH2ネタが混じってます。マジ名作。
しかし忘れそうになるのが、現在七回表という事。
未だかつて七回表にここまでクライマックスな感じをつぎ込んだ作品があっただろうか。
原因は尺が長くなり過ぎたので、まとめに入った事です。
ぶっちゃけ引き延ばすだけならいくらでも出来ますが、ここで書いてる以上、野球小説でなく恋愛小説(?)
にしなくてはというのは自覚してるハズです。
では怒涛の10章後半をどうぞ。長いよ!
配球の読み合い――駆け引きの段階では、またしても雨崎が上回った。
だが小波は、仮に読まれている事が分かっていたとして、投げる球を変えただろうか?
(元より野球でユウキのウラをかけるとは思ってねえよ、俺が勝つ道があるとすれば
ユウキの予想を越えた…分かってても打てないボールを投げるだけだ!!!)
小波と雨崎の真剣勝負、公式戦での対決は意外かもしれないが、これが二度目だった。
中学の時は同じチーム。
高校に入ってからも、そんな機会は無かった。
練習では幾度となく対決した二人であったが、小波は本番で実力以上の力を発揮するタイプなので
それは参考にならないだろう。モチベーションも段違いだ。
では一度目の対決はいつだったのか?
それは随分と時を遡り―――――――――7年前の事だ。
奇しくもそれは、千羽矢が今見ている夢のシーンだった。
「いくぞユウキ!明日の試合のぜんしょうせんだ!」
「いいよ、来い!小波!」
当時小学五年生、出会ってから丁度一年が経とうとしている時だった。
今迄微妙にお互いのチームの地区がズレていた事から、小波と雨崎は公式戦で対決した事は無く
たまにこの公園でお遊びの勝負をする位だった。
しかし、遂にというべきか、二人のチームが当たる日がやって来た。
むしろ二人がそこに向かって行った、と言った方が適切かもしれない。
その試合は市大会の決勝。
トーナメント表を見た時、お互いにウチと当たるまで負けるなよと言い合って
その約束をどちらも違える事なく、ここまで勝ち進んでいた。
どちらのチームも優勝候補と目されていたチームでは無かったが、二人の活躍で格上のチームをも食って来た。
実はこの大会の一回戦が詰井と小波の初対決で三三振で下していたりするのだが、それはまた別の話。
決勝を明日に控え、テンションが上がり過ぎて収まらない小波が、雨崎をグラウンドに呼び出して
明日の前哨戦をしようぜと言って冒頭の会話に戻る。
「おりゃあーーー!!」
ビシュッ!
小波の渾身のストレートが投げられる。
小波は思う、よし良い具合に指にかかった。コースも良い。まずはワンストライクいただ
カッキィィィン!!!
いただきだ。と思う前に、ボールは柵を越えていた。
小波の渾身の真っすぐの行く先は、後ろの四角い線を書いた壁ではなく…オーバーフェンス。
「やったやった小波に勝ったー!!!!!」
小波が呆然としていると、雨崎が大喜びでベースを回る姿が視界に入る。
人生で初めての被本塁打。
それに、抜群の野球センス故か、最近地味に天狗になりかけていた小波のプライドは大きく傷つけられた。
その後の事を小波はあまり覚えていない。
雨崎に「ま、まぁこんなの練習だからな練習。明日はこうはい、いかないぞ」と負け惜しみでも言った後
足早にその場を去った事はうっすら覚えているが、殆ど気が付いたら…という感じで
いつもの公園でブランコに座り、ボーっとしていた。
目が少し赤かったことは、子供の見栄に免じて触れないでおくのが優しさだろう。
どれくらいの間そこに居たのか、時間が分からなくなった頃。
そうえば前にもエラーして負けた時ここに居たなぁと考えていると、後ろから声が聞こえた。
「あれー?もしかしてまたおちこんでるの?なっさけないなぁ」
出会ってからしょっちゅう付き纏われ、もはや聞き慣れた、生意気なそんな声が。
(思い出すね…あの時を)
小波がプレートを踏んでピッチングフォームに入る数秒の間に、雨崎も走馬灯の様にその時の映像が
頭に鮮明に写っていた。
7年前のあの試合。
前日に小波から初めてホームランを打って、大喜びで家に帰ってチハヤにその話をしようとしたけど
何故かその日のチハヤは帰りが随分と遅く、その理由を聞いても含み笑いで
「明日が楽しみだネっ♪」と言うだけで、教えてはくれなかった。
そして次の日の試合。
小波は延長まで行った準決勝でフルイニング投げたからとかで、その試合では3番サードで出場していた。
先発は六年生の三鷹という、父親が元プロ野球選手という事で有名な投手だった。
小波からはすぐ女の子にちょっかいをかける軟派な奴だ、とたまに愚痴を聞かされていたが、変化球はなかなかのものだったな。
試合は取って取られてのクロスゲーム。6回を終わって4-4の同点。
オレは2打数2安打3打点1四球と絶好調で、小波も負けじと3打数3安打2打点と打ちまくっていた。
5回裏にスリーベースを打った時に、小波と少し会話をした。
「なぁ小波。なんでこの試合先発じゃなかったんだ?お前なら監督にじきそしてでも
投げてくるもんだと思ってたけど」
オレがそう聞くと、小波はバツの悪そうな顔をして
「…そうしようと思ってたんだけど、昨日のトックンで肩が(ボソボソ)」
「ストラーイク!バッターアウト!チェンジ!」
後半がよく聞こえなかったので訊き返そうとすると、五番の村上が三振してチェンジになってそれは流れた。
去り様に小波は「まぁ心配するな。後で秘密兵器でユウキは抑えてやるから」と言って
ベンチへ戻って行った。
そして、試合は最終回を迎え点差は5-4で1点ビハインド。
表の守りで、またしても小波に勝ち越しタイムリーを打たれたのは痛かった。
でもウチはこのまま終わるチームじゃない。
バテ始めてる三鷹を攻めて、二死ながら二三塁まで持って行った。
そしてバッターは四番のオレ。
打てば逆転サヨナラ優勝タイムリーだ…けど、流石に勝負してはくれないよなぁ。
次は今日大ブレーキの村上だし。
見れば緊張してるのか、ただでさえ怖い顔がさらに怖くなって――なんて考えてると相手ベンチに動きがあった。
「そうか…ここで来るか」
数秒後、投手交代。サードの小波がピッチャーに入りますとアナウンスされた。
よしよし、小波ならオレから逃げはしない。
悪いけど、昨日の再現といかせてもらうよ!
マウンドに登り、気合いの入り切った、初めて見る『本気の小波』の迫力にみぶるいする。
こんなプレッシャーを感じるのは初めてだよ。わくわくするなぁ
さぁ来い!
ヒリヒリする様な勝負は続き、現在カウントは2-1。
どうやら小波にはやはり疲れがあるらしく、ストレートにじゃっかんの陰りが見える。
よし、さっきも大ファール打ったし、これなら打てる。
ボックスを一度外し、木製バットを2,3度素振りしてから入り直す。
小波が汗を拭って、投球フォームに入る。
万全の状態じゃ無かったのはざんねんだけど…オレの勝ちだ小波!
ガバァッ ビシュッ!
ボールが放たれた。
ん?思ってたよりもさらに遅い?
でも大丈夫、オレなら打てる
タイミングを取って―――振り抜け!
ブンッッッ!!!
オレは思いっきり振り抜いた。ホームランの打てる、スラッガーのスイングをしたつもりだ。
しかし、手応えは無かった。
本当の本当に真っ芯で捉えた打球は、空振りしたのかと勘違いする位に手に衝撃が無いと聞いたことはあるけど
これがそれでは無い事は、目の前でボールが消えた時に気付いていた。
「ストラーイク!バッターアウト!ゲームセット!!!」
勝利に沸き、敗北に嘆きで歓声が入り乱れる外野の応援席で
チハヤがしてやったりの笑顔を浮かべていたのが、えらく印象的だった。
ザッ
二人の間の張り詰めた空気を察してか、高校野球らしくもなく静寂に包まれたグラウンドで
今開拓高校のエースが2-1からの五球目の投球フォームに入った。
球場に居る誰もが言葉を発する事も、呼吸をする事すら忘れ、それに魅入る。
物言わずとも感じていた、小波のこの試合で最高の一球が放たれる事を。
ガバァッ
開拓高校の守備陣全員が、腰を落とし、息を飲み、その一球の行方に集中する。
決して守備力が高いという訳では無い開拓高校だったが
この瞬間に限っては全員がゴールデングラブ賞を取れる程の動きを見せるだろう。
それは得点圏でのエラーに定評があり、何度となくチームを危機に導いて来た杉田といえど例外では無い。
グググッ
大きくゆったりとした、しかし力強いフォームが可動する。
気の遠くなるような練習量で作られたそれは、たった一つの目的の為のものだ。
小波の残っている力の全てが余す所なく体内を移動していく。
下半身から上半身へ。肩から肘へ。肘から手へ。手から指先へ。
苦楽を共にし、時に小波に絶望を、そして希望を与えた左腕が
握りつぶさんとばかりに握力を込め、鞭の様にしならせて
集約され切った力を、捻じれ切ったバネを、解放する。
運命の一球が今
ビシュッッッ!!!!!
放たれた。
走馬灯を見終えると、目の前ではあの頃と比べ物にならない程に大きな体の
しかしその燃え盛る目は、寸分も変わらない小波が居た。
そしてあの時同様に、自分に対して最高の球をぶつけようとその体が動く。
目を閉じても寸分違わず再現出来るそのフォーム。
それが完成形で、理想形で稼動していた。
雨崎は、見る者に圧倒的な威圧感を与えるそれを、真正面から見据えていた。
目を離すことなく、目を逸らすことなく、ただまっすぐに。
小波の動きに呼応する様に、雨崎の体も動く。
小波の球を打ち砕くに最適な構えを、何も考えずとも自動的に体が取る
こだわっていた木製から、甘えを捨てる為に変えた金属バットを握り締める。強く、強く。
ボールが来るまであと
3秒
2秒
1秒
0.9,0.8,0.7,0.6,0.5,0.4,0.3,0.2,0.1………
その莫大な野球センスを一気に開花させた雨崎の目には、小波のフォームがコマ送りに見えていた。
この時、ボールが止まって見えるという、打者としての究極点に雨崎は到達していた。
ビシュッッッ!!!!!!
来た。とだけ雨崎は思う。
時間が止まっているかのような世界で、雨崎は何も考える事なく
ただいつも通りにステップを踏み、自分の全ての力をバットに伝導させる。
ボールは速かった。
今の雨崎にはコマ送りで見えてはいるが、その分雨崎自身の動きも遅くなっているので
相対的にボールの速さは伝わる。
いつもの雨崎なら(まさかストレート!?)と一瞬迷いが走り、それが命取りとなっていただろう。
後で(あの時一瞬小波を疑った…そんな自分が信じられなかった)などと後悔するのが関の山だ。
しかし、今の雨崎は違う。
微塵も疑っていない。小波を…でなく、自分をだ。
グググググッ
小波のカーブが、最高に打者を狂わせ惑わせるタイミングで軌道を変える。
殆ど消えるかのようなキレ。魔術のような変化量。
読んでいなければ確実に触れる事も出来ない、読んでいても当てる事すら至難の
極上の変化球だった。
スッ
しかしそれを何の苦にもせず、雨崎のバットが襲いかかる。
風圧でボールが避けてしまいそうな程のスイングだった。
(よし、もらった!)
雨崎が勝利を確信する。
実際、ボールがそのままの軌道であれば雨崎は勝っていただろう。
しかしそんな簡単な終わりを、小波は許さない。
グッ!
あと数センチで捉えるという所で、ボールが更に曲がった。
いや曲がったという程の変化では無い、ズレた。という程度だ。
しかしそれでもそれは有り得る変化では無い。
理屈で説明出来る変化では無い。
これは、小波の執念とでも言うべきだろうか?
(小波…何て奴だ…)
雨崎がコマ送りでその変化を見送る。
もうここからでは修正出来ない。ここに当たっては精々ショートゴロが関の山だ。
雨崎はその集中力が故に自分が敗れる様をじっくりと見させられていた。
(ちくしょう…やっぱりかなわないの
「がんばれおニイ!!!!!!!!」
もはやバットとボールとの間には
スーパースロー映像でも判断出来無い程の間。
刹那とでも言うべき時間しか残されていなかった。
既に結果は決定してるというに何の不都合も無い。
サッカーで残り1分で99点差をひっくり返す様なものだ。
最後まで諦めるなというのは良く聞く声援だが、そういう意味ではとっくに「最後」を迎えていた。
それなのにその『声』は事実を強引に捻じ曲げ、書き換えて見せた。
雨崎のバットは、丁度小波が執念でズラした分、軌道を修正し
本来交わる事の無かったボールとバットが…力比べを始める。
張り詰めた空気の中、小波は真っ暗な世界。
その中で自分と雨崎だけに光が当たっているような世界を連想していた。
連想というのも違うかもしれない。
まるで仮想空間に入り込んだ様に、小波の目には実際にそう見えていたのだ。
自分は開拓のユニフォームにグローブとボールを
雨崎は混黒のユニフォームにバットを持っている。
二人の間の距離は18メートルと40センチ。
だったらする事は一つだ、と。
小波は手にあるボールを雨崎に向かって、渾身の力で投げつけた。
握りは、あの時と同じだ。
大丈夫勝てるさ。見えなくても俺の後ろには千羽矢が付いて―――!
小波は目を疑った。いや、疑わない。
そして笑みを浮かべる。
「やれやれ、勝負の女神は気まぐれなもんだな」
自分の渾身の一球を、見事にバットの真芯で捉える『千羽矢』を見て小波は笑う。
一瞬後、小気味良い澄んだ音が響き渡り
真っ暗な世界は崩れて、暑さに燃え盛る球場が現れた。
そして静寂から一転、歓声で湧きかえる応援席。
打球の行方なんて、言うまでも無い。
七回表―混黒高校のスコアボードには『2』の数字が加えられていた。
ハイ、そんな訳でクライマックス回の第十章でした。
回想回は別章扱いにするべきだったかもね!
後は最終回とエピローグを残すのみといった所。まぁ出来ればその後に番外編も。
いやー構成随分変わったものだ。
当初はベタに九回表に盛り上がりを持ってくるハズが、色々な事情によりここに詰め込まれる事に。
最後のあたりはほぼ書いて出しみたいなとこあるので、後に修正必須かと思われます。
管理人さんがお忙しいみたいなので、いい加減自分で編集するか…?出来るのか…?誰かやって…冗談です。
今回、小波と雨崎が小学校時別チーム設定に驚かれたかもですが
ゲームのプロローグでそう言ってるんですよね。
投手で始める時に最初に覚えてるから『カーブ』と地味に原作のネタを拾ってたり。
回想シーンも、エラーして落ち込んでるイベントのワリと直後位の設定。
この対決のコンセプトとして、どっちが勝つか最後まで分からない様にというのがあったんですが
どうだったでしょうか?
>>394の終わりとかがそれの最たるもの。
どちらにも勝ちフラグをそれなりに積ませたつもりですが…。
どっちかに感情移入或いは応援しながら読んでた方が居れば感無量です。
本当は最後の所はどちら視点にもしない様にしたかったんですが
それだとえらく地味というか、迫力に欠けるので断念。
ぶっちゃけ三人称の書き方がよく分かって無いです。
ここで話をおさらいすると
1章(千羽矢、小波、雨崎)宣戦布告回
2章(雨崎パパ、小波父)親父達の雑談
3章(雨崎、モッチー)誰もが主人公なのさ
4章(小波、冴花)状況説明回、冴花書きたかっただけ
5章(謎の風来坊、相方)箸休め回、外から見た視点
6章(千羽矢)2章全否定回、まぁ4章でも否定してたけどね
7章(雨崎、小波)回想回、ホントこの2人クズだわ。
8章(九能、千羽矢)正直要らない回、迷走具合がナイス
9章(いっぱい)決戦への下準備回、開拓ナインの会話書きたいだけ
10章(小波、雨崎、千羽矢)決戦回、投球描写のめんどさは異常
もくじを作ってみたので、おさらいする際の参考にどうぞ。
それではまた。
どうして創作文芸板でなくてエロパロでやる必要があったの?
褒められたらつけあがるタイプ
>>397 GJ
もうここまできたら最後までやってくれ
次回作はエロを書いてほしい
せっかく文章力があるんだから
文章について思うところがあるなら、控え室行ったほうが身になるんじゃなかろうか。
しかし、はじめてパワポケやった頃は、まさかパワポケのエロを探すなんて想像もつかなかった。
というかエロに目覚める前の話だったな……
エロもパロもなかったとして面白ければ許容されるが…
>>402 2から入ったが、まさかカスミンや幸恵さんで抜く日が来ようとはおもわなんだ。
その昔非エロを排除したせいで過疎ってエロさえ投下されなくなったパワプロスレがあってな
エロ無しはテンプレにもあるとおりグレーゾーンだから個人的には問題無しかな
というかジャンルに関わらず、好きな作品の2次創作を読めるのはありがたい
エロパロなんだからエロを書くべきって気持ちもわからんでもないなあ
エロなし短編ならともかく、エロなしでここまでの長編はなかったし
俺としてはスレが賑わえばいいと思うけど
まあともかく
>>397GJ
書きたいものを書けばいいと思うよ
個人的にはその文章能力でぜひエロを書いてほしい
エロパロ→建前上は18歳未満立ち入り禁止
非エロ作品→誰でも読めるもの
広く誰でも読める作品を18禁の板に投下することはないだろ
まぁ他に投稿する場所があるわけでも無いし
長々と投稿し続けたのはちょっと空気読めてなかった気もするけどそんな目くじら立てんでも良いでしょう
>>405 住み分けをしようとして非エロとエロ有を分別させたら滅んだってパターンは何度も見たしな。
自分としては、非エロである事やスレを投下しづらい雰囲気にしている事よりも、
投下後の作品語りが凄い萎えます。
誘い受けといい、このスレ集まりすぎなんだよ。わざとやってんのか
このスレは甘すぎんだよねぇ
後書きとか誘い受けとか、マナー違反レベルのよのも見逃してるから
いちいち目くじら立てて荒れるよか全然良い
せやな、そのためのトリつけて貰ったんだから、萎えるだけで文句はない
エロってそこまで重要か?
いや勿論エロいに越した事はないし、俺もエロは大歓迎だが
ヘタに下手糞なエロ書かれるよりは非エロでも面白い話の方が良いな。
他に書くとこ知らないって言ってるし、受け入れてやろうぜ。
あんまり言うともう来なくなりそうだ。
とりあえず、乙
2chは語り始めるとすぐ荒れるんでできれば投下後は一言、二言ぐらいに抑えた方がいいかと
あとあんま長くなるようだったらwikiへの直接投下も考えた方がいい
あんまりこの話を続けても無駄だし無粋だよ
この話はこれくらいにしておこう
それより昨日は「みどりの日」だったから緑髪の作品が投下されると思ったら別にそんなことはなかったぜ!
>>417 くっ一日早く言ってくれれば小ネタ書いたのに!
今日は子どもの日だからロリを投下するんだ皆!
空気読まずにアマルダさんのエロ増えるといいなと思って12裏アマルダさんSS書いてみたのを投下、タイトルは「秘密の二人」
弾道イベント通り越して子供まで産むのに、意外と作品無いのよねえアマルダさん、増えてくれたら俺得なんだけど
中身は基本的にノーマルエロだから特に注意が必要なものは無いかと
※pixivで同じSSを自身のアカウントにも投稿するから、pixivで同じものを見ても転載/盗作の類ではないから、気にしないでもらえると幸い
>>418 ロリじゃなくてすまんな、でも18歳だから許せw
ある宿の一室に、錬金術師と魔術師の格好をした二人の男女が向かい合って座っていた。
「……アマルダさん、どうしたんです? こんな場所にに呼び出して」
呼び出された男、錬金術師のコナミが、呼び出した女性、魔術士のアマルダに問う。
「魔法でこの部屋は封印しました。誰にもここで話すことを聞かれたくないからです」
彼女のこの言葉を聞き、彼は表情を一瞬で変え、真剣な表情を浮かべる。
「どうやら、大事な話のようだな」
封印が確かであることを確認した彼女は話し出す。自らの生い立ち、自らの置かれた状況、全てを彼に打ち明け、語り続ける。彼は彼女の話を驚きながらも聞き続け、彼女の話を一つ一つ受け止めていく。
暫くの間その会話は続いていたが、話が一区切りついたように見え、彼は少し姿勢を崩して一息つこうとした。その時に、彼女は覚悟を決めたような表情を浮かべ、次の話を始める。
「……実は、ここからが本題です」
彼女の覚悟を決めた表情に彼は姿勢を元に戻し、いっそう真剣な表情になり話を再び聞き始める。
その彼に向けて彼女は告げる。自らの魔力がピークに達したこと、自らの魔力を次世代に伝える必要があることを。
「次の世代?」
彼女の言葉に対して、彼は疑問の声を向ける。その疑問を聞いた彼女は、逡巡するかのような表情を見せる。
「え、ええと、そのですね……」
一瞬口ごもる彼女であったが、一度深呼吸をして自らを落ち着かせた後に、続きを告げる
「あなたとの、子供です」
その言葉が彼女の口から放たれた瞬間、部屋にはまるで氷魔法が放たれ、辺りが凍りついたかのような静寂が訪れる。話を聞いた彼は驚愕の表情のまま押し黙り、彼女は少し顔を赤く染めて下を向いて黙り込んでしまう。
少し経ってから、ようやく混乱を落ち着かせた彼が搾り出すように言葉を発する。
「……とりあえず、どうして俺なのか聞いてもいいか?」
彼の言葉に対して、彼女は顔を少し赤らめたまま前を向き、彼の目を見据えるようにして答える。
「だって、あなたのことが好きですから。それ以上の理由は、必要ないでしょう?」
これ以上無い理由を正面から聞かされ、彼は動揺を隠しきれず、顔色もまた赤みががる。その彼に向かって、不安そうな表情を浮かべた彼女は問う。
「……それで、ご返事は、どうなんでしょうか」
彼女の問いを聞いて何とか平静を取り戻した彼は少しの時間腕を組んで思案を巡らせた後に、彼女に向け答えを告げる。
「わかった、協力しよう」
不安から思考が鈍っていた彼女は、一瞬彼の言葉を理解できなかったようで、ただ呆然と彼のことを見つめていた。だが、すぐに言葉の意味を理解し、目に涙を浮かべながら微笑み、精一杯の返事をした。
「……ありがとうございます!」
その返答の後、彼女の目からは幾筋もの涙が流れ、彼女の頬を濡らす。そして、彼女の口からは嗚咽が漏れる。彼女はその泣き声を必死に抑えながら、言葉を紡ぐ。
「どんな魔物と戦うよりも、勇気が必要でした……言うのが、本当に怖くて……」
弱弱しい声でその言葉を搾り出すと、彼女の涙は更に流れる量を増やしていく。それを見た彼は席を立って彼女の前に立ち、そっと抱きしめ、唇を重ね合わせる。
彼の動きに最初は驚いていた彼女であったが、すぐに彼の身体に腕を回して強く抱きついた。
彼は口付けを交わしたまま、彼女の背中に回した手で、泣く子供をあやすかのようにゆっくりと撫で始め、その行為を彼女の涙が落ち着くまで続けていた。
時が過ぎて、彼女の涙が落ち着くと彼は唇を離し腕を解き一度彼女を離す。いつもの笑顔に戻った彼女は彼に向けて言う。
「……本当に、あなたは優しい人ですね」
「いや、ああするぐらいしか思いつかなかったんだ。あれでよかったなら幸いだ」
彼は苦笑しながらその言葉に答える。
「あれで良かったんです、本当にありがとうございました」
彼女は満面の笑みで心からの礼を彼に伝え、続けて自らの覚悟を口にする。
「あなたと一緒なら、怖いものなんてありません。だから、子供のこと、今からお願いしてもいいですか?」
「うん、でも一つだけ、先に言っておかないといけないことがあるから聞いて欲しい」
その言葉に少し疑問を持ちながら彼女は彼の言葉に耳を傾ける。彼は真っ直ぐ彼女の目を見据えて言う。
「俺も、アマルダさんが好きだ。愛してる」
彼からの不意の告白に彼女は驚くが、すぐに心からの笑みを浮かべて答える。
「はい、私も愛してます」
彼女がそう言い終わると、どちらからともかく顔を近づけていき、二人は先程のキスとは違う、深い口付けを交わす。
彼の舌が彼女の口内に差し込まれると、彼女は自らの舌を絡めていく。互いに相手に唾液を送り込み、代わりに送り込まれる相手の唾液を飲み込み、その甘美な味に酔いしれる。この官能は二人の情欲を燃え上がらせるには十分すぎるものであった。
長い口付けを終える頃には、二人の顔は互いの口内に収まりきらなかった唾液に濡れ、その表情は上気しきった艶かしいものへと変わっていた。そして、互いの唇にはなお銀糸の橋がかけられて二人を繋げていた。
その後二人はそのまま何も言わずに、隣においてあったベッドの上へ身体を移す。
ベッドの上の二人は、互いに相手の服を脱がせあって、あっという間に両者一糸纏わぬ姿となる。その時、彼女が少し不安の混じった表情を浮かべる。
彼女の身体には、彼女の持つ魔力の証である、刺青の如き呪印が刻まれており、彼女はそれを引け目に感じる部分があったのである。
しかし彼はその印を全く気にする素振りも見せずに、彼女の身体を見た感想を漏らす。
「本当に綺麗で、美しい身体だ」
彼はそう言うと彼女の身体に自らの肢体を絡ませ、再び濃厚なベーゼを交わす。そして、上で深く繋がったまま、彼の腕は彼女の胸に伸びていく。
彼の手が彼女の胸に到達した瞬間、彼女の身体は震え、重ね合った唇の隙間から僅かな嬌声が漏れる。彼の身体の感触と熱が、彼女から引け目を感じるほどの余裕を奪い去り、ただ目の前の官能に溺れていく。
彼が唇を離すと、今まで彼の口によって抑えられていた彼女の甘い声が部屋に響き渡る。
「ふぁっ、ぁん、うあっ」
彼の指が彼女の膨らみに沈み込む度に彼女は嬌声を上げる。さらに、彼の手は胸だけに留まらず身体の色々な部位を撫で回し、指を這い回らせ始める。
愛する男が自分を愛してくれているという悦びが彼女を鋭敏にさせ、彼の動き一つ一つに反応を示し、艶やかな声を上げる。
乱れる彼女の姿を見た彼は、少し満足げな表情を浮かべ、彼女の膨らみのうち片方の先端を口に含み、転がすように責め始める。
さらに、彼は余った片方の腕を、腹へと身体をなぞるように動かし、彼女の秘部へと伸ばしていく。
「ひあっ! うぁ、やあっ!」
彼の指が秘部に到達すると、彼女の口からは一際大きな嬌声が発せられ、秘部からは水音が響く。そのまま指を這い回らせ続けると、彼女の声からは急速に余裕が失われていき、絶頂に上り詰めていく。
「ああっ、いっ、ぅあああああああっ!」
絶頂に達した彼女は叫び声にも似た嬌声を張り上げ、身体を仰け反らせた後、身体から力が抜けていく。
「ちょっとやりすぎたかな……大丈夫?」
彼は少し申し訳なさそうな表情をして、肩で息をする彼女に話しかける。
「い、いえ……私は、大丈夫です。だから、このまま続けてください」
彼女は心配させまいと息を整え、精一杯の笑顔を浮かべて答える。
「……わかった。じゃあ、このまま続けるよ」
彼は彼女の意志を汲み、身体を起こすと彼女の脚を開かせ、その間に入り込む。そして、彼女の秘部に自らのモノを添えて、ゆっくりと腰を前に突き出していく。
中に入った途端強い抵抗を受けるが、その抵抗を押し退けて中に分け入っていく。少し進んだところで、今までよりも強い抵抗に行き当たる。それは、まだ彼女が男を知らないことを意味するものであった。
彼が彼女の顔を見やると、彼女は黙って首を縦に振る。その動きを見た彼は、一気に最奥部に向けて突き進む。
「うあああっ! あ、つぅ……」
初めて男を迎え入れた痛みに、彼女の顔は少し歪み、目から涙が流れ落ちる。その様子を見た彼は心配そうに彼女に問う。
「本当に、大丈夫?」
彼女は痛みを堪えながら、笑顔で答える。
「大丈夫です。痛くて泣いたんじゃないんです、痛みは普段の戦いに比べたら、たいしたことありませんから。ただ、あなたと一緒になれて、嬉しくて……だから、続けてください」
彼はその言葉を聞き、安堵の表情を浮かべる。そして、彼女の頬に優しくキスをして、ゆっくりと動き始める。
「っ、ぅあ、ああっ!」
彼女の喘ぎ声は、最初は痛みから来る苦痛交じりの短い声だったが、彼が動き続けているうちに苦痛の色は消え、艶やかで甘い声を発するようになる。
表情からも苦悶の色はすっかり消え、彼から与えられる快楽によって完全に蕩けきった目と、緩んだ表情が快楽の虜であることを雄弁に物語っていた。
彼はその嬌声と艶かしい表情に煽られるように動きを激しくしていく。彼の動きは彼女を絶頂へと導き、彼女が絶頂に近づくたびに蠢く秘部が彼を絶頂へと上り詰めさせ、互いが互いに相手を絶頂へと導いていく。
「もうそろそろ、限界かな……本当に、いいんだね?」
絶頂が近づきつつあった彼が、最後の確認を彼女に取る。
「あっ、はい、このまま中に、お願いします……!」
彼女はすぐに答え、脚を彼の腰に絡めて彼を最奥へと誘う。彼はその動きを見て、彼女の最奥に向けて自らのモノを叩き込むように、腰を押し付ける。
そして二人はほぼ同時に絶頂へと達する。
「いくよ、アマルダっ!」
「はぁ、ぁあああああああっ!」
彼は彼女の中で全てを吐き出し、彼女はそれを全て受け止め、奥へと飲み込んでいった。そして、全てを吐き出し終わった彼は、彼女の隣に倒れこむように寝転がる。
その寝転がった彼の元に彼女が近づき、暫く見つめあった後に、彼女のほうから彼に唇を重ねる。そのまま二人は暫くの間、優しい口付けを愉しんでいた。
「お疲れ様、アマルダさん」
「はい。あなたも、お疲れ様でした」
先程までの激しさから一転、二人は何も纏わぬまま一枚の布団の中で、抱き合いながらゆっくりと時を過ごしている。その時、彼女はある一つの疑問を口にする。
「ところで、さっきアマルダって呼び捨てにしてましたよね?」
「え、あっ。……ごめん、つい」
言われて気付いた彼は、ばつの悪そうな表情を浮かべながら謝る。
「ふふっ、いえ、二人の時なら呼び捨てで構いませんよ。寧ろ、呼び捨てのほうが仲良くなれた感じがするので嬉しいです」
彼女は少し笑いながら彼にそう告げる。
「わかった。それじゃあ、これからもよろしくね、アマルダ」
「こちらこそ、これからもよろしくお願いしますね」
彼の言葉に、演技ではない心からの笑顔を浮かべて彼女は応えた。
--本文ここまで--
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました
GJ!っす!
さぁ、このまま一人と言わず(ry
GJです!
>>424GJ!
前々から思ってたが12のぁのイベントネタってなかったんだよな。
話は変わるがみんなが考える武美の魅力について聞かせてくれ。
なぜ人気なのか全く理解できんのだ。
(単に自分が運が悪くて6回連続BADなだkry)
そしてこういうときはトリ外してもいいだろうか?
むしろこれからは外すべきだろ。
トリはSSの作者を特定するためのもの。
それ以外では本来不要。粘着を寄せる餌になるだけ。
あと、おれは格別の武美贔屓というわけじゃないけど、
「人気が全く理解出来ない」とか、ちょっとぞんざいな言い方とは思わないかね。
トリは必要な時以外はつけないほうがいいと思う。
あと人気とかの以前に好みの問題ってのもあるから理解できないのは仕方ないでも言い方はもう少し考えてほしかった。無駄な反感を買うからね
何気にまとめが更新されてる
GJ!
◆EqHQZWqzB.さんが戻ってきますように
3ヶ月も沈黙してる…
>>433 作者は書きたいときに書くもんだよ、気にしすぎだって
>>429です。
言葉が足りずすいませんでした。
改めて書かせてもらうと「あるのはわかるけど、なぜあそこまで人気が出るかがわからない。」
個人の好みといえばそれまでですけど視野を広げたいのでお願いします。いずれ書いてみたいので。
まともに18歳以上の真似も出来ないゆとりが増えたな
>>435 別に好きでもないキャラを書きたいという気持ちも分からんが、そのことを俺達に知らせる意味がもっと分からん
そんなことを言われたら、たとえどんなにいい作品を書いてきたとしても作品への印象は悪くなる
とりあえず武美は書かない方がいいと思うよ
>>437 好きでもないキャラを書きたいんじゃなくて、
人気のあるキャラを書いて称賛されたいんだろ。
ただの構ってチャンだ。
自分の好きなキャラを他人が見ても魅力的にするのが作者の力量だろ。他人の萌を理解する必要はない、許容はしないといけないけどね
そもそもパワポケのキャラに好き嫌いや興味無関心を持つ時点でおかしい。
全シリーズの全キャラを愛してこそのパワポケだろうに
あ、のりか テメーは駄目だ
作者でもないくせにって言うやつが作者を急かすのかー
わかった。じゃあホントに気が向いたらで。
なんとなくわかったけど、かわいいけど性格の問題なんだ。
みっともなくても生き延びることより、かっこよく死ぬことを選ぶっていう…。
まぁ作品うんぬん以前に、空気読めない構ってちゃんが増えたかと
昔このスレで素晴らしい作品書いたからGJのレス10以上もらったが、その後の自己主張がしつこかったから批判されてそのまま消えていった作者がいたな
まぁぶっちゃけ18いってなくても、良い作品書いて、かつレス乞食やんなきゃ評価されるんだよ
長文失礼
よくわからん奴は構わずにスルーしなさい
あとテンプレ読め
こんな話しても意味ないしな、好みとか人それぞれだし
じゃあ今からスルー検定開始ってことで
グッドエンド未見でもSS書いたっていいじゃないか!
おれだってみゆき先生や彩のSSが書きたい!
さあ早く書くんだ、俺は待ってるぞ
あまりにもキャラ崩壊してなけりゃあ、書けばいいんじゃないか?
こんばんは
【概要】
5小波 × 安達美咲 エロ有り
美咲ハッピーエンド後
!!!!キャラ崩壊・オリジナルキャラ・設定ごちゃ注意!!!!
LVが低いので細切れですがどうぞ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
冷蔵庫の唸るようなモーター音で眼が覚めた。
少し肌寒い。着崩れしていた寝巻きの肩を直す。
薄暗い部屋。天井の、古めかしくも美しい木目をぼーっと眺める。
「終わったんだな・・・」
今シーズンを持って、彼は球界を引退した。
本来の“小杉勇作”としては7年程度しか在籍していないのだが、“身体”の年齢はすでに33歳。
平均引退年齢が29歳前後のこの業界では、ほどほどの年齢であった。無理矢理に鍛えなおした野球能力も衰えを見せはじめ、
将来有望な若い選手たちが毎年参戦する中、もはや伝説と語られるモグラーズ日本一の立役者と呼ばれる内に潔く勇退することを決めた。
代名詞の闘気も気迫も、決して切れてはいなかったが、引き際は前々から弁えようと考えていた。
まだまだやれるだろう、という周囲の声もあったが、悔いはなかった。
コーチの道なども提言されたが、謹んで辞退した。・・・筋力コーチは関係ない。
もう充分、プロ野球は楽しんだ。そしていつかはきっぱりと区切りをつけなければならない世界だ。
やれること、やりたいこと、やるべきことは全てやったつもりだった。見えた限界から逃げたり、あきらめたりしたわけじゃない。
彼には、次に行くべき世界があった。
運命が入れ替わったあの日から昨日まで、奇跡、苦境、仲間、努力、勝利・・・。人生の色んなものが凝縮された、非常に濃い数年間だった。
思い出せば、才能に恵まれ高校、大学、そしてプロとスター選手として光の下を突き進んでいたあの日。
中身の入れ代わりなど、誰が信じるだろう。自分自身、それを真剣に考えるはじめると今でも脳みそが裏返ってしまうような感覚に陥る。
だからもう彼は考えない。入れ物が変わっても俺は俺だ。これからも、これまでも。俺の人生、俺の目指すようにさせてもらう。
名前は“小波”でも、在り方は変わらない。自分のできることをし、したいことをし、居たい所で生きて行く。
“小杉”の奴は球団の筆頭選手としての立場を固持し続けている。それも自由だ。あいつはあの身体でやれることをやればいい。
・・・結局あれから対戦することは無かったが、それはそれでよかったのかもしれない。マンガのようなことは何度も起きないものだ。
仲間達からの最後のお別れ会も終り、立つ鳥後を濁さず。全てをきっちりと終わらせた。
彼の野球人生の陽は沈んだ。今日から、第二の人生が始まる。
第二の人生。いや、小杉から小波に変わったとき、それが第二の人生のはじまりだったか。
正しくは第三の人生が始まる。
かつて野球を生きがいとしていた彼が目指す、全く新しい日々。新たな陽が昇り始める。
「・・・そして始まる、か」
「・・・すー、すー・・・ん、小波、さん?」
「ごめん、起こしちゃったね」
「ん・・・いえ・・・どうか、したんですか・・・?」
半分以上寝ているのか、眼を閉じたまま彼女は問う。
「・・・んーん。・・・さ、寝なおそうかな。明日からは、もう“お客さん”じゃないからね」
「・・・ふふ、・・・明日は、早いですよ。・・・・・・すー・・・」
すぐ隣で眠る、愛しい女性の柔らかな寝息。
暗がりでもわかる、ふわりとした鮮やかな朱髪。
秋を思い起こさせる、どこか儚げな色。でも、炎のような熱情と、朝焼けような美しさも併せ持っている。
第三の夜明けは妻とともに。向かう世界は――
【HOTEL】
「こんばんはー」
「あぁ、酒屋さん、こんばんは」
「あぁー、だんなさん。いんやーすんません、遅くなって。ご注文のビールと地酒、20ケースですー」
あいさつもそこそこ、手慣れた様子でワゴンに積まれた酒のケースを、てきぱき倉庫に運び込む壮年の男。
昔からこの旅館と取引をしている地元近所の酒屋だ。
食料品の在庫の確認をしていた小波も、その手を止め配達車からケースを運び出す。
ありゃすんません、とせわしく往復しながら酒屋。小波もいえいえ、と荷降ろしを手伝う。
「だいぶ慣れましたー?」
「はは、あの合戦みたいな夏とシルバー越えられたら、誰でも慣れますよ」
「なはは。今年のは特に忙しかったっすからねー。我々も嬉しい悲鳴って奴」
「まーいやでも、だんなさん、けっこー覚え早いとおもいますよ。さすがMVP」
軽い世間話に笑いながら伝票を切る。
「ほい、それじゃ・・・夜分にすんませんでした、毎度」
「はいご苦労さんです」
「はいー。失礼します毎度ー」
ブロロ、と少しくたびれたエンジン音を立てて、配達のワゴンが去る。見送り、ふぅと一息。
「酒屋さん・・・ですか?」
ふいに後ろから声。振り向くと妻の姿。白のパジャマの上に黄色いカーディガンを着、倉庫と旅館通路のドアに手を掛け立っている。
大学卒業と同時に兼ねてから交際をしていた小波と結婚し、そのまま旅館の若女将として働き始めた彼女。
大学では経営マネージメントを学び、どうにか次期女将として旅館を引っ張っていけるよう日々精力的に努力をしている彼女だが、
この時の彼女はどこか切なそうな表情をしていた。
「ああ、うん、注文のやつ持って来てくれた」
「そうですか。・・・あ、小波さん。あとは私がやりますから、そろそろ休んだらどうですか?従業員さんもみんな帰られましたし」
「んー?いや、いいよ。もうチェック全部終わるから」
在庫表と冷蔵庫を交互ににらみながら、鉛筆の頭についている消しゴムを顎にぺちぺち叩きつける。
「明日は久しぶりの休館日だしね。任された仕事はきっちり終わらせておくよ。暇なうちに勉強勉強」
ぴっぴっぴっとテンポ良く鉛筆をはね、在庫表にレ点を入れる。
「・・・・・・小波さん・・・。あの、明日、朝のお掃除終わった後・・・お昼からどこか、外に遊びに行きませんか?」
すこし低い、不安げなトーン。
「ん、遊びに?んー、うん。いいね、いこっか。どこ行く?」
「車でちょっと遠くまで、適当に。・・・そうだ、紅葉見に、ドライブがしたいなって。明日は晴れるみたいですし」
「うん・・・?うん。じゃ、明日はお昼からドライブ、行こうか」
最後に表をもう一度見直して、よしオッケ、ともらす。
そんな小波を、美咲はその大きな瞳を少し濡らして見ていた。
・・・・・・・・・・・・・・
「おぉーさすが。ここまできたら紅葉も見事なもんだね」
「本当、地元じゃまだまだなのに。すごく綺麗・・・」
旅館から車で1時間半ほど飛ばした先の、紅葉が有名な山中の公園。
平日のため人はまばらだった。老夫婦が数組遠くに見えるぐらいだ。が、旅行雑誌に掲載されているままの絶景が広がっている。
「鮮やかだねぇ。華やいでいるというか、ぱぁって燃えるみたい」
「華やか・・・そうですね・・・」
柔らかい風に吹かれ、ひらひら舞い踊る紅い楓。小波と美咲はベンチに並んで座り、それを魅入っている。
青い空・白い雲をバックに広がる、豪華絢爛の世界。誰もが見惚れ、誰もが息を呑む美しい情景。
だが、その眩しい世界を前に、ふいに彼女の顔が曇る。
「・・・小波さん」
「んー?」
「小波さんは、今、幸せですか?」
「? また・・・突然だね」
「小波さんは、・・・満たされていますか?不安はないですか?今・・・私といて」
ざわ、と強い風が吹く。紅葉と彼女の朱い髪が風に遊ばれる。だが、そんな真赤な世界の中で、彼女の瞳は小波だけを映していた。
「旅館の・・・ことかな?うん、すごく充実しているよ。なにより美咲ちゃんと仕事できるし」
「・・・嘘。そんなことはないでしょう」
「・・・美咲ちゃん?」
依然、彼女は小波をまっすぐ見つめる。少し瞬きが多い。質感のある大きな雲が、優しく降り注いでいた陽光を隠して
地上に影を広げる。
「プロ野球の、それも人気選手だったのに、辞めて、あんな田舎の、古い旅館なんて継ぐことになって・・・」
「今の・・・これからの旅館業は、この紅葉のように美しい仕事だとは、とてもじゃないけど言えません」
「正直、大変すぎて嫌になる人も多い仕事です。将来的にも、決して安定が約束されている業種ではないし・・・」
「うん」
彼女の眉は八の字に垂れ、少し瞳が揺らいでいる。冷たい風が彼女の柔らかい髪をより激しく揺さぶる。
「うちの旅館も、今はまだお母さんがしっかりしているからいいですけど、いずれは私が女将になって、取り仕切るようになって」
「・・・昨日、お母さんといろいろ話したんです。うちの旅館の将来のこと。お母さんは前に自分が倒れたのをずいぶん心配していて」
「・・・これから、もっと旅館に厳しい時代が来る。その中で、私はどう切り盛りしていくのか、そういう話でした」
「いくら老舗だといっても、不況に煽られて暖簾をおろす所も少なくありません」
「・・・後悔、していませんか?私と、一緒になってしまったこと」
「全然」
彼女の顔から眼を逸らし、紅く輝く山林を見つめなおす。
「なんていうか・・・もう、俺くらいになると、嫌になるとか大変だとか、そういうのまるで問題にならないんだよね」
「そんな・・・」
「昔からピンチや逆境で燃えるほうなんだよ、俺。あと、粘り強いし。プロやってたときも俺の一打で逆転勝ち多かったし」
「確かに、やること多すぎて自分でも何やってるかわからないとき結構あるけど」
「気合でぱぱーっと、気づいたらどうにかしちゃってるんだよな」
「でも!」
「デモも一揆もなし。俺は美咲ちゃんとあの旅館で働きたいから、いい加減、潮時になってきてた野球、辞めたんだ」
「・・・旅館業を地味だとか思ったこと無いよ。日本らしい、この景色みたいに美しい仕事だと思う」
「それに、美咲ちゃんならできるよ。まだ23歳なのに、もうほとんどお義母さんと変わらない位働けてるじゃないか」
「・・・」
「大丈夫、なんとかなるって。お義母さんだって、従業員さんだって、俺だっているんだから」
「なにも美咲ちゃん一人で全部背負おうとしなくていいんだよ。チームプレイチームプレイ。向かい風は皆でなんとかするもんさ」
彼女のほうには向かず、秋風にゆれる紅を眺めながら云う。
「・・・そう・・・でしょうか・・・。・・・・・・。そう、なのかな。・・・・・・。・・・そう、ですね。きっと、きっと大丈夫ですよね」
そうそう、と変わらずの態度で相槌を打つ小波。
「・・・なんか、やっぱり、小波さんと結婚してよかった。すごく、勇気でました」
「うん、良かった。俺も、もっともっと仕事勉強して、美咲ちゃんの力になるから」
「・・・まぁ、まずは見習いを卒業して、いい加減叱られないようにしないといけないけど」
遠い眼をする。今朝も朝一で、総務部のチーフにお説教をくらったばかりだった。
(・・・ハァ、しかし途中からプロ野球時代の成績の話になるのは勘弁して欲しいなぁ。熱狂的モグラーズファンとか、頭が痛い・・・)
「ふふ、はい。これからも、ずっと、ずっとよろしくお願いしますね。・・・それにしても」
「?」
「デモも一揆もって、小波さん、やっぱりもうおじさんですね」
「・・・そう・・・でしょうか・・・」
自然に出た言い回しだったが、指摘され少しひくつく。
身体的には33歳と23歳でまるまる10歳離れているものの、精神で言えば本来は5歳しか離れていないはず。
気持ちはまだ20台のつもりだったのに・・・と少し落ち込む小波。いろいろ有りすぎてやっぱり心も老け込んだのかな、とため息。
「うふふ、ごめんなさい。あぁ、そんな、落ち込まないでくださいよ、小波さん。・・・頼りにしてますから」
彼女はそっと身体を寄せ、小波の肩に頭を預ける。
そして彼と一緒に、瞳に焼きつくような華やかに広がる景色を見つめていた。
・・・・・・・・・・・・
「さーて、帰りますか。・・・まだちょっと早いかな?久々にボーリングでもやって帰る?」
車の運転席でうーんと背伸びし、助手席の美咲に問う。
「そうですね・・・。・・・。あ、小波さん、あれ見てください」
「ん?」
窓のほうを向いているであろう美咲の方向に顔を向ける、とその瞬間、唇に柔らかい感触。
いや、その前に顔の目前に美咲の顔がある。
「・・・」
「・・・」
5秒。唇をくっつけられる。小波は眼を見開き、瞼を閉じてキスをしてきた美咲を見つめる。
「・・・ふぅ」
唇を離す。閉じていた瞼を開き、光るように濡れた大きな瞳で小波を見つめ返す。
「・・・美咲ちゃん」
「・・・今日は、せっかく、久々のデートなんですから・・・」
顔を紅葉を散らしたように紅潮させ、もじ、っと握った手を自分のふくよかな胸に当てる。
キスの感触と彼女のいじらしい仕草が、小波の胸に熱を帯びた唾液を落とす。そして一瞬、深く呼吸をする。
「・・・じゃあ、どっか、休憩して帰ろっか」
・・・はい、と彼女は応える。そういや来る途中、山道に入る手前にホテルがあったなと、小波は車のエンジンをかけながら思い出す。
一瞬カーセックスという単語もよぎったが、不倫してるでもあるまいしと振り払った。
健全にデートして帰ろうとしていた矢先、ふいにお誘いを受けたことで、小波はかなりムラついていた。
夫婦の営みなんて、夏に入る前に一度か二度したのが最後だったか。余暇はほとんど勉強に費やしてるし、夫婦とはいえ流石に10歳下の
若女将を襲いまくるのもアレなので自制していた。喉が渇く季節でも無いのに、再び唾を飲み込む。アクセルを踏む力を意識的に抑える。
依然広がる紅い世界が、なんとも気持ちを昂ぶらせていった。
・・・・・・・・・
「旅館の温泉に、慣れちゃったら、他のホテルのお風呂とか、なんか、普通に、見えるね。ここも、けっこう、広いのに」
「そうですか・・・ン、うちは、温泉が、名物、です、から、ね・・・」
国道沿いにあるラブホテル。少し古びた外装の割りに、内装はなかなか小綺麗で近代的だった。
その部屋に備え付けられている浴室内で、二人は禊ぎも早々に情交を始めていた。
小波は湯を張った大き目の湯船のフチに半身浴のように座り、美咲は彼に向かい合うようにして浴槽の中で膝立ち、彼のペニスを
乳房で挟み込んで刺激している。湯船から沸き立つ白い湯気が、二人の沸きあがる情愛を露にしているようだった。
「美咲ちゃんは、何度見ても、ほんと、おっきいよね」
「ん、ん、そうですか?これ、着物着てるとなかなか苦しいんですよ。帯で、ぎゅってなるから」
豊かな乳房を両手で挟み、そのまま上半身を揺さぶる。亀頭をモグラたたきのマトのように乳房に埋もれたり
突き出させたりさせて刺激させる。性器のそれとはまた一味違う強かな温もり。
「はぁ、気持ちいい・・・久々だね、セックスするの。夏からずっと、忙しかったから・・・」
美咲の濡れてしっとりと纏まった髪を撫でながらつぶやく。
「うふ、来週あたりから、旅館のほうでも紅葉シーズンに、なります。またちょっと、忙しくなっちゃいますよ」
「あぁ、日帰りの、お客さんが、増えるんだよね・・・。うはぁ、やめよっか、お仕事の話は」
「そうですね・・・今は、今ぐらいはえっちだけしてましょう。はむ」
さらに“頭”を大きく出させたら、それに口を近づけ、棒付きキャンディーのように咥え込んだり、舌でペロペロとねぶる。
乳房に強く挟み込まれて、例え逃げたくてもそうそう逃げられない性的な束縛。ペニスの胴体部分は乳房の柔らかい肉感に包まれ、
亀頭部分は熱い唾液とざらついた舌で弄くり回されている。久々の性交にしてはいきなりすぎる快感。
ちゅぷちゅぷという彼女の口の音と、じゃぷじゃぷという身体を揺さぶる水音が蒸し暑い浴槽内を反響していた。
湯船につかっての激しい運動のためか、美咲の額からは珠汗がぼつぼつ浮き出ている。仕事中に浮かべる汗とは違う、艶やかな水分。
「ぷふぅ、んは、小波さん、先っぽ、マシュマロみたいに柔らかいですね」
ペニスから性的な匂いを感じたのか、半目で色っぽく吐息。それが亀頭にかかり、肉的な刺激とは一味違う威力を発揮する。
「あぁ、美咲ちゃん、ごめん、気持ちよくて、もう、そろそろ」
「ン、はぁ、ふぁ、じゃあ、最後の仕上げですね」
そういいながら、もごもご口の中を動かす。そして亀頭に口を近づけ、どろりと粘ついた唾液を蜜のようにかけ始める。
再び運動を開始。唾液がローションのようになって乳房とペニスの接触感をさらに滑らかにする。
ぶちゅぶちゅと激しい音を鳴らしながらしごかれて、とうとう真赤になっていたペニスがびくっと震える。
「うぉ、おー、うはぁー・・・。あ、ごめん、顔にも・・・とんじゃった」
「きゃ、ん、んふ、すごい、久しぶりな、感じ」
「ほんと、最後にやってから、全然出してないや、そういや」
「濃い色・・・。すみません、なかなか、えっちできなくて」
湯船に落ちて固形物のように浮かんでいる精液。それを手ですくい、指で煎ずるようにさすりながら言う。
顔も乳房もべとべとになっているのだが、特に気にする様子も無い。掌で泡立つ精液を見つめながら、ただうっとりとしている。
「・・・もっかい、身体洗いっこしようか。美咲ちゃんも汗かいちゃったし、綺麗にしないと」
「ん・・・ふふ、どうせ、また汗かいちゃいますよ」
「あはは、違いない。後で、帰る前にもう一回入らないといけないね」
彼女の腋に手を入れて立ち上がらせる。そして気持ちよかったよ、とキス。精液で汚れているのも気にせずついばむ。
とてもじゃないが旅館の客・・・いや自分以外には絶対見せられない状態の彼女を独り占め。彼女も久々の行為にかなり積極的だ。
早く一人前になろうと、日々を精進に費やすのもいいが、たまには息抜き・・・もといガス抜きもするべきだな、と小波は思った。
・・・・・・・・・
「それっ」
「きゃっ、小波さん、もう・・・んっ」
キングサイズのベッドに、風呂上りのまま――全裸の美咲を仰向けに寝かせ、飛びかかるように抱きつく小波。
そのまま彼女を抱え込むようにしてキスをはじめる。時間をとっての二人きりは本当に久しぶりだ。ここぞとばかりに互いを求め合う。
舌を舌で、れろれろと派手に音を立てて舐めあったり、唇同士を挟みあったり、口内を満遍なく弄りあったり。
二人で、知りうる限り、思いつく限りの種類のキスを交わす。浴槽で充分に昂まった気分がさらに昂揚していく。
「美咲ちゃん、かわいい」
「ん・・・小波さん・・・二人で、こういうことしてるとき、んちゅ、くらいは、呼び捨てしてください・・・」
「んあぁ・・・わかった・・・みさ、き、美咲」
全身運動をするような荒い息をしながらのキス。重ねた身体をキスをするたびによじって、胸や性器を摩擦させる。
長く続けていたらそれだけでオーガズムまで達してしまえそうだった。
「んはぁ、あぁ、小波さんたら、先っちょから、ちょっとでちゃってるみたい・・・」
太ももに当たった亀頭からぬめりを感じる。汗とは違う液体がへばりついている。
「ふぅ、そういう美咲だって」
手を彼女の股に潜り込ませ、ヴァギナを人差し指と中指でじっとりと撫ぜあげる。粘度のある透明の液体がその指にこびりつく。
ほら、と美咲に見せる。はさみのように二本の指を動かすと、ねちゃねちゃという音と共に粘液が糸を引く。
今度は自分の体液を見て、うっとりしながらため息を漏らす。
「はぁ・・ぐっしょり・・・濡れちゃってますね・・・。・・・小波さん、そ、その」
「ん、うん、挿れよっか。俺も、やばいくらい挿れたい」
そういうと小波は彼女の右足を持ち上げ、ヴァギナがぱくりと開くようにし、そのまま互いの股間がクロスするような体勢に移る。
火のような朱い陰毛の下に、先ほどの紅葉を思い出させる真赤な膣。出逢った時からちょっと地味目な印象の彼女だが、
“女性”としてはかなり派手であった。巨乳に名器と、なかなか強力なコンビネーションを標準装備している。
その淫らな性器をまじまじと見られ、彼女自身の興奮もさらに昂ぶる。
「じゃあ、挿れるよ、美咲」
「・・・はい、お願い、します」
ペニスの首を掴み、狙いを定めるようにヴァギナにあてがう。そして挿入。
ずにゅ、という音と共に亀頭に粘ついた刺激が襲い掛かる。突き進めると膣道のヒダヒダがペニス本体を強くこする。
強烈な摩擦。小波の下半身は握り締められるような快感に包まれる。
「はぁああー・・・。こんなに気持ちよかったっけ?美咲のナカ・・・すっごい締め付け」
「うふふ、小波さんもすっごく、大きいですね。さっきあんなに出したのに。お腹の中、きつきつですよ?」
「きつい?・・・じゃ、抜いちゃお」
ずるっ、と腰を引く。同時に後退するペニスを離すまいと吸い付くヒダを感じる。あぁん、と残念そうによがる美咲。
「嘘嘘。それっ」
カリ首が見えるくらいまで引いた後、再び腰を押し付けて挿入感を貪る。美咲も嬌声をあげて強烈な異物感を貪る。
そして次第に小波の腰の動きも激しくなっていき、激しい運動に変わる。腰をパンパンと叩きつけられ、
彼女のたわわな乳房も激しく揺れだす。より快感を感じたいのか、美咲は小波の空いている右手を取り、自分の乳房に
持って行く。促されるまま彼女の乳房を揉みしだく小波。元野球選手の大きな手でも掴みきれない乳房。
握力のトレーニングのように大きく力強い動きでその弾力を楽しむ。まさしく肉欲。性欲よりもさらに淫らなものに没頭していた。
「ううぅ、美咲、美咲、美咲ぃ!」
「はぁあん、あん、あ、ああんっ、もとっ、もっと!小波さんっ、もっとぉ!」
要望に答えるように、さらに強く激しく腰を振る。口を目いっぱい開いて喘ぐ美咲。淫乱すぎる表情に小波は思わず目をぐっと伏せる。
しっかりと見てしまうとそれだけで達してしまいそうだからだ。・・・結局は遅いか早いかなのだが、一回でも多く腰を振りたかった。
「もうだめっ、いくっ、いくっ!小波さんっ、わたしっ」
「あぁーっ俺も、もう、だめだっ、でるっだすよっ!」
彼女の絶頂とほぼ同時に小波も達し、射精する。彼女の胎内に脈動しながら吐き出される精。
ペニスに力を入れているわけでも無いのに、びん、びんと跳ね上がる。その都度、彼女の膣内に精液が放たれている。
「うぉー・・・はぁ、でた・・・。ははは、ナカに、出しちゃったね」
「はぁー、はぁー、はぁー」
放心した眼で息を整える美咲。射精を終えにゅるんとペニスを引き抜く。同時にこぽこぽと白い液体が膣口からとろけ出る。
彼女の上げられていた足を下ろし、汗まみれになっている彼女を視下ろす。汗でテラテラと光る、大きな乳房や腹部が
ひたすら肉感的で美しい。これほどまでにエロティックな女体はそのテの写真集でも早々無い。
「美咲、大丈夫?」
「あぁー・・・、はぁ、ふぅ、気持ち、よかった・・・。小波さん・・・気持ち、よかった・・・」
「美咲・・・満足、しちゃった?」
彼女の上げていたほうの太ももに手を当て優しく滑らせる。
「え・・・?んー・・・。まだ、時間、大丈夫ですよね・・・」
「はは、まだ、する?」
「いいですか・・・?じゃ、次は、ちがうので、したいです・・・」
荒い呼吸で上下するお腹に手を当てさする。そして光悦の表情で再び行為を懇願する美咲。
視覚的にも聴覚的にも、とにかく扇情的だった。豊満な乳房を揉みこもうか、汗ばんだ身体中を舐めるようにキスしようか、
いやそれとも先程のように口でしてもらおうか。多数の選択肢が煮えるような小波の頭の中を巡る。
そういえば、風呂場で彼女の肉体をヌルヌルと物色した際、彼女の臀部が一段際立つように官能的であった。
乳房も唇も陰部も一応に楽しんだし、次はそこを楽しもうと決める。
「じゃ、美咲、四つんばいになろっか。俺、美咲のお尻揉みたい」
「んふ・・・ばっく・・・ですか?いいですよ・・・」
ままならぬ呼吸のまま、身体を転がしてうつぶせになり、そのまま膝を立てて小波のほうに尻を突き出す体勢をとる。
小波は、艶かしく突き出されたまんまるい尻に手を当て、乳房にしたように揉み込む。
体重を少しかけて、身体全体を使うように、波状的な動きで楽しむ。張りのある尻肉が圧力に敏感に反応し、その弾力を誇示しかえす。
「はぁぁ、美咲のお尻、めっちゃくちゃ、エロいよね・・・。変なお客さんに気をつけないと」
「ぅん、んもう、私のお尻なんて好きになって触る人、小波さんくらいですよ。・・・本当、おじさんなんですから」
シーツに顔を突っ伏して云う。23歳とは思えない、官能的な臀部。顔をうずめたり頬ずりしてみたりしたいが、流石に変態すぎるか。
親指で尻肉の割れを引き伸ばして、精液で白く汚れた膣や肛門を丸見えにしてみたり、そのまま指でそれらを
優しくこちょこちょ掻いてみたりする。そうやって揉み、弄るごとに、萎えだしていたペニスが段階を踏むように硬くなっていく。
「美咲・・・、また、いけるよ。また、硬くなった」
「はぁ、いけそうです?ん、ふ、じゃ、また、お願いします」
再び硬化したペニスを彼女の性器にあてがう。巣穴を探す蛇のような動きで、くにくにと出入り口をつつく。
「ん、腰の位置、これくらいでいいですか?久しぶりだから・・・按配が」
「うん、このくらいでちょうどいいよ」
「んあ、あそこ、指で、広げたほうが、いいです?」
「あは、大丈夫。ぐちゅぐちゅになってるから。どんなモノだってつるんて、入っちゃう、よっ」
標準を定め、そのまま一気に滑り込ませる。精液と愛液でずぶずぶになっている膣道が
先ほどの刺激とはまた一味違う、滑らかな摩擦で小波を包む。そして早速激しめのストロークでピストンをしはじめる。
液体まみれの場所を力強く摩擦。当然、水音もぐちゅぐちゅと騒がしい。
ペニスのカリ首にひっかかって、先ほど出した精液が掻きだされていく。これから出すのと古い精とを交換をするといわんばかりだ。
「うぅ、気持ちいい、美咲、美咲、やばい、よぉ」
「あん、あん、あぁ、あ、あん、私も、気持、ち、いいですよ、小波さん、お腹、裏、返っちゃいそう」
少し小波のほうを振り返り云う。とろんとした大きな眼が可愛くもいやらしかった。小波はたまらず彼女の背中にのしかかる。
そして後ろから抱きしめるようにし、彼女の横髪を掻き分けてキスをする。美咲も首を限界まで後ろに回し、ちゅ、ちゅと唇を合わせる。
「んは、んちゅ、ちゅる、ちゅ、ちゅ、むちゅ、こなみさん、ちゅ」
キスを続けながら、小波は四足獣の交尾のように腰を振る。腰が尻にぶつかり、先程のとは段違いにはっきりした打撃音が部屋に響く。
抱きついた手で乳房を再び包み、腰を揉み、腹をさする。キスもピストンも愛撫も一度にこなし、性の全てを一口に楽しむ。
先ほどの射精でペニスの感覚が少し麻痺しているのか、がむしゃらといっていいほどの激しい性運動。
ペニスだけではない、脳みそも心臓も、麻酔薬を打たれたようにビリビリしびれている。きっと彼女も同じ。
二人の動きに合わせ、ベッドも激しく振動している。断続的な、ギシギシという軋んだ音。
「はぁー、あぁ、あん、ん、ふぅ、ふぅ」
美咲が瞳に少し涙を浮かべて小波の顔を見つめる。開かれた口の上下を唾液の糸がうっすら繋ぎ、そのまま熱い息を犬のように発して
これでもかというほどに小波の劣情を煽る。小波もそれに応えるように、結合部を摩擦でオーバーヒートさせるがごとく運動量を上げる。
腰を振るというよりも、もはやただ震動させているといったほうが妥当だった。一気にラストスパートをかける。
「うぉ、みさき、でるっ、でるっ、また、でるよっ、みさきっ」
「んぁぁ、ふぅ、ふぅあ、こな、こな、さん、だしてっ、だしてっいちばん、おくでっ!だしてっ!いっぱいっ!」
限界まで腰を押し付ける。尻肉が邪魔してペニス自体は最奥までとは行かなかったが、勢いよく飛び出した精液は最奥まで届いただろう。
彼女を抱きしめたまま、共にゆっくりと横に倒れ、射精を続ける。激しく長い有酸素運動によって、二人とも眼を開けているのに
視点は定まっていない。ぼやけた視線の先にある時計は、すでに夕暮れの時刻をさしていた。あぁ、もう帰らないと遅くなる。
そんな思考が脳裏によぎるが、行動を起こす気にはなれない。だが帰る前にはシャワーも浴びないと。
・・・いや、その前にこの余韻をじっくり味わわなければもったいない。
全く同じことを、普段時間に厳しい美咲も放心しながら考えていた。どうやら帰路につくまで、まだ一時間はかかるようだ。
自分の身体を抱く大きな手。その彼の左手薬指に付けられている結婚指輪に、自分の持つ対となる指輪をそっと合わせる。
「小波さん・・・あの、ぎゅって抱いて・・・キス、ください」
「うん、こっち・・・向ける?」
「ん、はい・・・うん、しょ・・・」
「美咲。明日からまたがんばろうね。ちゅ」
身体をぴったりとくっつけてまたキス。彼女の朱色の髪を撫でてあげる。明日からはまた旅館を慌しく走り回る日々。
もうすぐ晩秋の行楽シーズンが始まる。さぁいつも以上に本腰を入れないと。そして紅葉が終わればすぐ冬休み、温泉旅館最大の繁忙期。
次にこういう風に甘える彼女を見られるのは、正月休みが完全に終わった頃になるのだろうか。
・・・今は時間が許す限り、この彼女を抱きしめていよう。
朝焼けや紅葉のように、風雅に華やぐ彼女を、小波は優しく包み込んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「長旅、お疲れ様です。ようこそ、お待ちしておりました」
『お待ちしておりました』
美咲の挨拶を皮切りに仲居さんたちが、ぞろぞろとバスから降りてくるお客さんに挨拶していく。
ああ、とうとう来ちゃった慰安旅行の第一波。
何度聞いても息を呑む、正直なところ、日本一決定戦の“プレイボール”より緊張するその掛け声。
夕飯、宴会の段取りは大丈夫かな。うーん、厨房を見てこようか。ううむ、武者震い。
(ヴー、ヴー)
「わ、はい、小波です」
『あ、だんなさん!?ちょっと今日のドンデンについて確認があるんです!悪いけど宴会場すぐ来れる!?』
「わ、わかった今行きます」
(ヴー、ヴー)
「はいっ」
『あ、安達さんっ!?今日の女子大の12名さんなんだけど、道が雪で遅れるかも知れないって電話がさっきフロントに』
「わ、わかりました、なんとかします(←?)!」
(ヴー、ヴー)
「は、はいぃ!」
『お、だんなさん?厨房だけど。今構わんか?ちょっと明日の仕入れのことなんじゃけどな・・・』
「う、うおおおおお!」
『おぅ!?だんなさん!?どうしたん!?』
(あ、女将さんアレ・・・。だんなさんがなんかタイヘン・・・)
(・・・ふふ、あれはタイヘンなようで大丈夫なんですよ。さ、私達はお客様をお部屋にご案内しましょう・・・)
【HOTEL】 終
超特地味だけど特殊能力ぼろぼろつくし体力もぐびぐび増えるし楽だしで5オモテでは一番攻略した彼女
だのに、これが美咲初とか
NTRか?オバハン臭い髪型か?妙にキラキラしている目か?裏で鬱グロ要員だからか?
通常ルートは全ポケ屈指の純愛イイハナシ編なのに・・・。 絶 対 不 許
GJ!
そういや美咲なかったなwww
乙
そういえば美咲初だな、これでまた一人埋まったか
まだ作品が無いのはマリコ・アンヌ・由佳里・サイコミュ・蘭・モモコか・・・
美咲初投稿GJ!
>>472 GJ!
確かに純愛ルートはいい話なんだよなー
ただ他のルートのインパクトが大きいんだよなあw
>>474 忘れられた日出子カワイソス
2回も彼女候補になったのになあ
>>477 あっ
wikiでページはできてるから一本はあるものと思ってたわ・・・
>>472 美咲さんエロすぎる…ふぅ
エロだけじゃなくて周りの環境もきちんと書いているあたりも非常にGJです。
480 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:29:31.16 ID:Rchy7sxJ
題・紫杏の逆レイプ、そして・・・
小波「どういうつもりだ?」
紫杏「もう我慢できない、抱いてほしい・・・」
いきなり呼び出されたらと思ったら、しかし小波の股間は期待に振るえる。
小波「お、おい! やめろってーーーーーーーーーーーー!」
紫杏「ちゅっ・・・ちゅっ」
紫杏が迫ってきたと思ったらいきなりキスを受ける。暖かくて気持ちいいや・・・
続く
481 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:33:08.37 ID:Rchy7sxJ
小波「あああああああああああ!!!!!!!!気持ちいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」
あまりの気持ちよさに卒倒しそうだ
俺は反撃で紫杏のマンコを触る
紫杏「ああっん、いいわ〜ん」
最初は紫杏空襲ってきたが、どうやら俺の指テクが勝っている
小波「うおおおおおおおお!!!!!!!!!」
濡れているから一気に挿入開始!
続く
482 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:41:11.72 ID:Rchy7sxJ
CM
よく飛ぶバッド、今なら3割引!!
なんと23800万円!
安い!!
では引き続きSSをお楽しみください
483 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:46:38.82 ID:Rchy7sxJ
紫杏「あん、あん!」
小波「うおおおおおおおおお!!!! すごすぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーううう?」
紫杏「あ、いく、いく!!」
ずっぽんずぽおん、俺はピストンを繰り返した
しかしいつまでも耐えられないぜ!
小波「ああああああああああああ、出るぅ!!!」
紫杏「いくうううううう!!!!!!!」
どっぴゅーーーーーーーん!!
俺は中似出してしまった
続く
484 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 20:50:43.05 ID:Rchy7sxJ
今休んでるんで、GJあったらどうぞ!
自分がまぶしいぜ!!
485 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 21:11:07.79 ID:Rchy7sxJ
>>472 正直5とかわけわからん、ニコ動で見てもぴんとこなかったし
でもGJ!!
487 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 21:21:12.93 ID:Rchy7sxJ
>>486 あー、今僕がこのスレ使ってるんで^^^
488 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 21:23:49.42 ID:Rchy7sxJ
あれー?
乙とかGJくださいよー
489 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 21:53:14.73 ID:Rchy7sxJ
GJないんだったらもう書きません!
そんなことよりこれから正義の話をしよう(KRN)
アンヌもまだなかったのか
何か意外だ
3の彼女の中じゃ唯一普通の話なのに
>>490 ナオこそマイジャスティス
>>491 パワポケでは普通こそが一番の没個性になるのかもしれんなあ
とはいえアンヌは十分だけど個性あるよ、人が死なないだけで
アンヌはいいんだけどゆかりちゃんと寺岡さんがいるせいで書く気になれません
その内「普通」が希少価値に…ってもう既になってる気はしないでもない
普段はマナー違反どうこうで叩くのに
明らかな釣りだとスルーのお前達にワロタww
>>472 うぎゃあああ! 出遅れたのがこんなに惜しいと思うことは無かった!
ちょっとロングパスだがGJを押し付けさせて頂く!
ゆかりちゃんは……明日香にも言えるが、病弱娘はどうも死にかける方向に頭で話が進んでしまう。
パワポケ本編と違って、自分が話の展開の中で死なせなきゃ大丈夫なのは分かってるんだが、
何を喋らせても死亡フラグに聞こえてしまう……
アンヌは好きなんだが、喘ぎ声洋モノ風にすべきなのかね? でもそれは本当に萎えるのでおれには書けない。
アンヌは主人公と親密になっていくに連れて、昔亀田に言われた「様式美」を密かに気にしてたりするとありがちだけど萌える。
で、普段はアンヌも、女らしくない体型を気にしていることを主人公に気取られないようにしてるんだけど、
鋼イベントとか踏まえるとポロッと口から漏らしちゃいそうなところがあって、そこがおはなし的に助かる。
クリスマスのイベントとか見ると、アルコールで一気に積極的になるところもおいしい。
夢を追い続けるところと恋愛との葛藤で話をつくることもできそうだし、
恋愛にこだわらないならプロペラ団に拉致られてあんなことやこんなことをされても良い。
意外と行けそうな気がしてきた。
>>491 〆が「俺とアンヌは結婚しない。・・・たぶん、まだしばらくは」だからエロ方面には持って行きづらいってのはあるかもしれない
でもアンヌ好きだから読みたいなあ、作れないのが悔しい
>>496 別に洋物風味にする必要は無いだろ、っていうかその発想は無かったわ
「意外と行けそうな気が」っていうのは製作フラグと見ていいかね、全裸待機するわ!
497書く前にリロードすべきだったw
wktk
どうも、天咲です。
先日は、少し調子に乗り過ぎた様で申し訳ありません。
ついつい語り過ぎてしまいました。
千羽矢小説ですが
何度かご指摘頂いたので、十一章はまとめwikiに直接投下させて頂きました。
一〜十章も、地味に修正してる部分が幾つかあるので、もし時間がありましたら再読頂けると
幸いです。
>>500 GJ
物悲しい話だったけど、綺麗な話だった
乙でした
乙
これは泣けるなあ・・・後はエピローグか
どんな風に〆るのか楽しみでもあり連載終わるのが残念でもあり
504 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 13:20:57.19 ID:iR78yyPF
テキトーなことを書いちゃいかん。創作文芸板はそういう場所じゃない。
創作発表板のことを言いたかったのかしらん。
>>498 変に気を持たせるような書き方してすまん。全裸待機は勘弁して。
おれはただ頭に浮かんだ妄想を語っただけなんだ……
別に禁止されてる訳でもないしいいんじゃないの、今までにも結構あったしさ
過疎って投下されなくなるよりはマシさ
507 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 19:18:21.47 ID:iR78yyPF
>>483の続き
紫杏「あーん、いっぱい出したわね」
小波「 (*´д`*)ハァハァ ハァハァ・・・まだ行けるぞー!!」
紫杏の胸を揉む。こいつは気持ちいいぜ!
紫杏「ああーん、そこ〜ん」
小波「ここが弱いのか?」
乳首を摘んでいると紫杏はいってしまったようだ
続く
この前はもう書かないなんて言ってすみません
完成目指して頑張りマックス!
508 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 19:25:30.09 ID:iR78yyPF
GJクレーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
509 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 19:32:07.18 ID:iR78yyPF
俺も勃起してきたぜ!今度はケツの穴に入れてやる!
紫杏「こっちに入れるの? あは〜〜〜ん」
ケツの穴に入れて、ずっぽずっぽずっぽ〜ん!
小波「こっちも気持ちいいぜ!」
俺はひたすらピストンを繰り返した
紫杏「あんあんああん、おかしくなりそう」
小波「ううううう、でるううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
今度は紫杏の尻の穴に出した
紫杏「私も出ちゃうわ〜ん」
続く
510 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 19:52:32.71 ID:iR78yyPF
小波「出るって、何がーーーーーーーあああああああああああ!?」
ブリブリ、プスゥ〜……ビチビチビチビチ!!
なんとアナルを刺激したから脱糞してしまったみたいだ
紫杏「はあ〜ん」
何て臭さだ、しかもチンコにかかってるし!
小波「くせえええええええええ!!!!」
終わり
どうでしたか? GJや乙
お待ちしています!
511 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 19:59:17.23 ID:iR78yyPF
何でGJないんですか!?
もう次の作品書いてあげませんよ!!
>>500 GJ!
回想への入り方が凝ってるな。これで完結?
天咲さん乙です。
千羽矢が持っている儚さが出ていて、とてもよかったです。
また投稿してくれるのを、楽しみに待ってます!
514 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 22:37:28.20 ID:KgPjok+e
さら「あー、もれちゃう、どうしよう?」
さらは公園でトイレを探していたが見つからない
プスッ、プゥ〜ッ、バフッ
すでに我慢の限界かオナラがでている
そのとき幸運にもトイレを発見!
さら「よかった、何とか間に合った」
しかしそのとき偶然いた小波とぶつかって・・・
続く
新作ですっ!!
GJまって真薄! なんちゃって・・・
最近1,2,3,4,5,6あたりのキャラは表も裏もなかなか出ないから14は
そこそこ多めに出してくれるといいなぁ。
>>515 明日香とか弓子とか久しぶりに見てみたいよなあ
こんばんわ、天咲です。
感想ありがとうございました、拙作が少しでも心に響いたのならこんなに嬉しい事はないです、
今さっき十二章をまとめwikiに投下させて頂きました。
これが実質、最終章となります。後はエピローグですので。
十一章をあんな感じで終わらせたのは、ある種のサプライズを狙ってみたのですが
引っ掛かって下さった方もいたようで、良かったですw
どうせなので「13」で終わらせようというのは考えていて
その結果十二章も三部構成みたいな作りになりました。ゲストキャラ出したい病の再発が原因ですが。
恐らくスレ史上最長の長さの作品となり、色々とご迷惑もおかけしましたが
長らくお付き合い頂いた方、本当にありがとうございました。
>>517 乙、ばっちり引っ掛かったわこの野郎! ゲストキャラ含めて驚かせてくれたなあ、いいサプライズだった
最高の延長戦だったわ
>>517 夢が叶って良かったんだろうなあ、GJです
520 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 15:01:49.06 ID:KfdmpPC3
>>514の続き
小波「ごめんごめん、大丈夫・・・何かくせえええええ!」
ブリブリ、ニチニチ・・・ブブピッ
なんとさらはぶつかったショックで脱糞。なんて臭さだ
さら「あ、あ〜ん、見ないで」
パンツがどんどん茶色く染まってくぞ
しかしきまづいぞおおおおおおおおおおおおおお!!
小波「ごめん、このことは・・・」
さら「責任、取ってください」
続く
521 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 15:03:50.70 ID:KfdmpPC3
GJほしーーーーーーーーーーーーーー
522 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 15:07:28.95 ID:KfdmpPC3
小波「責任って、どうすればいいの?」
さら「恥ずかしいところを見られたから、お嫁さんにして」
はああああああああああああああ!? いや、しかしこれはチャンスだ
俺はさらがウンコまみれだということもかまわず何個に指を入れた。
さら「あう〜ん、いいわ〜」
すでに濡れていたので、チンコを勢いよく突っ込んだ
ウンコまみれになっても(゚ε゚)キニシナイ!!
続く
まとめwikiに早く載せてください!!
>>517 GJ!
まさかそこから引っ張ってくるとはw
一個の話で何人の後日談やってるのかww
オチがちょっと弱かった気がするけど面白かったよ。お疲れ
524 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:31:58.22 ID:1IH8+PKJ
小波「はあはあ・・・ぬるぬるしてて気持ちいいいいいいーーーーーーーー!!!!!」
さら「あ〜んあ〜ん」
ウンコとマン汁が混じって滑りがよくなった。
俺はさらの処女を奪ったんだ!!
ずっぽずっぽずっぽ〜ん!
小波「くせええええええええええ、でもたまんねーーーーーーーー!!!!!!!」
さら「あは〜ん、ああ〜ん」
チンコを挿入するとプピィブリュリュッとさらが残りグソをひりだす
続く
525 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:35:50.48 ID:1IH8+PKJ
小波「出るうううううううう」
ウンコの臭さとマンコの気持ちよさに中出し。
さら「あああ〜ん」
さらもいったみたいだ。
小波「ふう・・・」
さら「これで、責任とってくれますよね」
小波「ああ、もちろんさ!」
こうして俺たちは付き合うことになった
終わり
GJや乙くださいお願いします
--彡 ̄ ̄\/\ こんばんは
/ 彡 _∧ミ`\
/ ,彡´ ̄:::::::::\ヾi》》| 1小波×獨田マリコ エロあり
| |::::::::::::::::::::::::::::| |≠ |
/ |:⌒::::::::::::⌒:::::| |\/ カップルED後
/《ヾ彡/:(●):::::::::(●)::| \i\
ゝ__彡 |.::::::::(__人__):::::::|\ミ ソ キャラ設定いろいろ★爆発★注意。別物レベルかも
\《 | \::::::::::::::::::::::/ |__> 丿
ミ \.ゝ.T---T 《ミ| ./
あたしでエロパロ投稿とかー超ウケルー
【18歳の保健体育】
「うー。あーつーいー。クーラーの温度さげてよー」
「あのなぁー。おまえ、俺ん家を避暑地かなんかと思ってんだろ」
「マーリーコーさーんーはー、あ、つ、いーっていってんのー。べんきょーできないー」
「こいつ・・・ほんとに受験生か・・・」
9月中旬。暦の上ではとっくの昔に秋の候。しかし日本列島の現状はとてもじゃないがそうとは言えない。
朝のニュースじゃ中学生が運動会の練習中、熱中症でバタバタドミノのように倒れたとか。
とにかく、今年は暑い。そういうまだまだ暑〜い季節なのだから、普通受験生というものは静かで涼しい図書館に行って勉強したり、
学校や塾とかの勉強施設を貸して貰ったりするもんだろうけど。こう毎日毎日、人んちに入り浸ってアイスだのジュースだのクーラーだの
プールだの喚き散らすのは、マジでこの世でこいつしかいないんだろうなぁと思う。
「つーかなんでお前、受験勉強を俺んちでするんだよ」
「えー、いーじゃん。ここ来ればクーラーかけ放題だし麦茶飲み放題だし至れり尽くせり。勉強もちょーはかどる」
自室のコタツテーブルの上に、参考書やら問題集やらをテキトーに広げたまま、ゴロゴロとクーラーが放射する涼風を受けているマリコ。
俺も風に当たりたいのに、さえぎる場所に座ったらブーイングが飛んできた。しぶしぶ壁際に座る俺。・・・納得いかねぇ。
「・・・そもそも勉強してるとこみたことないんだけど。ほんと勉強する気あるのか?どこ受けるつもりか知らないけど、大丈夫かよ?」
「心配ゴム用ー。滑り止めだってちゃんとうけるしー。ぶっちゃけうかったらどこでもいいしー」
アタマにクマ型のキャップがついているシャープペンをくるくる回しながらマリコは応えた。そして再びあついーと主張し始める。
「・・・なめてる・・・つか実は大学なんて行く気ゼロだろ!?」
「あーりますー。ビンボーでも就職なんてまだしたくないしー。大学くらいふつーにいけるしー」
「どーだか・・・」
「フーンだ。いいよねー小波は。甲子園優勝して、もうプロ野球とか決まったようなもんジャン。進路けってーおめでとーぱちぱち」
「・・・あのねー。俺は3年間必死こいて野球やってきたの。マリコみたいに暇があったら遊びほーけてたわけじゃないんだぞ」
「うわっひっどー。あたしだって学校じゃちゃんとべんきょーしてるしー。学校終わったからこっちきてるだけー」
「ほんとかよ・・・」
ブーたれるマリコ。こいつが勉強とか夏に雪が降るような事象だろ。現に、俺んちで勉強するとかいってゴロゴロ遊んでばっかだし。
「ぶー。信じて無いねーその目。いいもーん、別に。あーあ、のど渇いた。麦茶もってこよー」
「彼氏っつっても他人んちなんだからちったぁ遠慮しろよ・・・」
制服の襟元をパタパタさせながらのっそりと立ち上がり、俺の恨み言を背に手をヒラヒラ振って部屋を出るマリコ。
・・・せめて俺の分も持って来いよな。
「ったく、自由すぎ・・・」
やれやれとため息。そりゃ顔は可愛いし、まあ付き合ってて退屈とかとは無縁なんだけど・・・。なんだかなぁという感がいつもする。
ふと、彼女がコタツテーブルに散らかしたまんまのセンター入試の本や赤い参考書――大学ごとの過去問の奴か?が目に付く。
・・・そういやどこの大学受けるつもりなんだあいつ。
名前書けたら入れるとかじゃないのか・・・と半分ありえそうな冗談を思いながら手に取る。
「・・・」
「な、なんじゃこりゃあ・・・」
「あーもー。麦茶冷えてないじゃーん。つーことでかわりにアイス持ってきた。半分いるー?」
マリコがキッチンから戻ってくる。彼女の言うとおり、麦茶はさっきやっと室温まで下がったのを冷蔵庫に入れたばかりなんだよな。
そして彼女が持ってきたアイス。・・・俺が風呂上りに食べようと思って楽しみにとっていたダブルソーダバーだ。
「むー・・・ホォァっ」
気合をこめ、パキンという音を立てて二つに割る。ダブルソーダは見事にL字の大容量のやつと半分棒が見えてるものとに分かれる。
はい、と半分見えてる奴を当然のようにこっちに差出す。・・・だろうと思ったよ!いや、まあそれはいい。それはいいんだ。
「・・・ところでマリコさんよ。マリコさんは、この大学受けるの・・・?」
「むー?んー、ほーだお。ちゅぱ、あーてかそれは滑り止めだね。テキトーにやって9割とれたとこー」
テキトーに滑り止めって・・・国立の難関女子大じゃねーか。
「やっぱ国立で無いと学費高いしー。ウチ、ごぞんじのとーりビンボーだからー」
「親とかセンセは帝都大いけそうなんだからいけっていってるけどー。ギリギリんとこ行ってむずかしーことばっかしたくないしー」
隕石。大津波。核戦争。汚れた大地。宇宙へと逃げ出す人類。炎と毒に染まる地球。人類2度目の失楽園。
世界終焉の映像が頭の中を駆け巡る。雪降るどころの騒ぎじゃない。
「・・・どひたの。食べないんだったらそっちもちょーだい」
「いや、やらん。これは俺のだ・・・。・・・つかぬ事を聞くんだけど、マリコって、まさか、アタマいいのか?」
「んー?まー・・・言うほどじゃない?スーガクは上に5人くらいいるし。あー、エーゴはマジ苦手だから上に4、500人もいるレベルー」
「と、そーごー的に見てー、可もなく不可もなく?みたいなー」
まさか全国的な話をしてるんじゃないだろうな・・・。・・・う゛、なんか頭痛くなってきた・・・。なんだろう、広い宇宙に漂ってる気分だ。
・・・やれやれ、どうやら俺は世界のことをなんにもわかっていないらしい。いや、わかった気分でいたことなんてない。
ただ俺がわかろうとしてなかった、のが正しい。自分勝手な既成概念で城を作って、そこの頂上から曇った望遠鏡できょろきょろしてた
だけだったんだ。見えるところしか見ようとせず、見ようとしてもぼやけているんじゃなにも解らない 解らないからさらに勝手な
先入観で己の思考を武装する いったい何が正しいのか 誰でもいい はっきりした景色の中で教えてくれよtell me baby...
「・・なみー、小波ー、おーい、暑さでやられたー?ブツブツなにいってるわけー?こわいんだけどー」
「あ・・・いや、ごめん。世界の真理を見てた」
「???」
「・・・まー、どーでもいーけどー。さー、ちょっと涼しくなったしベンキョしよっかなぁ」
一瞬アホな感覚に陥ったけど、よくよく考えてみれば俺、マリコのこと全然知っていないな。
もう付き合ってだいぶになるのに、・・・わがままフリーダムガングロ女子高生としか彼女を説明できない。
・・・そもそもこれ、カレシカノジョの関係って言えるんだろうか。
食べきったアイスの棒を口にくわえたまま、問題集をつまらなそうに解いていく彼女を見ながら悶々考え込む。
・・・つか、そういやキスとかもしたことないな。・・・いや思い返せばそういう感覚というか、気配を感じたことすら無いぞ。
いい雰囲気になったかと思ってたらたいていはマリコがボケて終わるし。
デートもあっちこっち引っ張りまわされてクタクタで帰るし。元気な妹を遊びに連れて行ってるようなもんだ。
顔は普通にいいし、身体つきも海で見た分ではなかなかよろしかったはずだが・・・なーんでだろうか。ムラってくることがない。
これは・・・付き合っているというより保護者してる感じだからかな。でも「付き合って」の電話聞いたときは俺もドキドキしてたはずだ。
俺がホモってことも無いし・・・。・・・って、またぐるぐるアホなことを考えてる。
「ん?なーにじろじろ見てんの?」
「え?いや、・・・なあ、しょーもないこと訊くけどさ。俺、マリコと付き合ってるんだよな?」
「はぁ?もぉ半年くらいになるじゃん。今更なにいってるわけー?」
「だよなぁ。いや、な。俺あんまりマリコの事知らないなっておもってさ」
しげしげと彼女の顔を見つめる。メイクがちょっと濃いけど、かなり整った顔立ちをしている。麦色の肌に光輝くライトグリーンの髪。
黒のセーラー服も相当似合っている。客観的に見てかなりいけてる女子高生だのに、なぜこう、女の子として俺はのめりこめないんだ?
「何も知らないって・・・だって全然訊いてこないじゃん、小波ってー」
「訊いてこない?」
「そーそー。遊びに行ってもついてきてるだけって感じだしー。受身ってやつー?」
・・・たしかにそうだ。つかさっきアタマの中がぐるぐるした時も、自分から解ろうとか入っていこうとかしてないって考えてたじゃないか。
「積極性がないとなにやってもイマイチなんだよねー。とマリコさんは考えるのでしたー」
「・・・マリコは・・・意外と鋭いんだな」
「小波が鈍ぅいだけだと思いまーす」
軽い悪態をつきながらペンを動かすマリコ。積極性か。たしかに、告白してきたのもマリコだし、デートは誘ってもマリコ主動だよな。
彼女に俺自身が突っ込んでいって無いだけか?・・・この際だ、マリコにいろいろ訊いてみようか。何を訊くんだ?
・・・うーむ、気になることは・・・俺が、マリコに対して気になること。何があるだろう。・・・。
「なぁ、マリコ」
「んー?」
「マリコって前に付き合ってた人とかいるの?」
「・・・はぁ?なにいきなり。ちょーびびるんですけどー」
ペンを止め、こちらを怪訝そうな顔して見る。
「出逢った頃マー君とかいってたじゃん。その人は?」
「マー君は友達だけどー」
「ホントかー?」
俺も怪訝そうな顔して言ってみる。ちょっと意地悪な質問だが、考えてみればかなり気になることだ。冗談っぽく訊きだしてみよう。
「あー疑ってるわけー?疑心暗鬼ってやつ?やだ女々しー」
「別に疑ってるわけじゃないよ。気になったから積極的に訊いただけ」
「・・・まー正確には友達のカレシだけどー」
・・・友達の彼氏を自分単品でアッシーに使うんかこいつ。
「そうなんだ・・・。質問戻すけど前の彼氏とか」
「うわ、しつこー。てか女の子に前のオトコ訊くとかありえないんですけどー」
う、痛いところを。でも、なんだろう。なんか、訊かないとすごいモヤモヤするな。・・・なんだコレ、嫉妬してるのか俺?
「・・・まー、ぶっちゃけたら小波が初めてのカレシなんだけどサ」
ちょっとそっぽを向いて云う。でも、その言葉を聞いた瞬間、モヤモヤがぱっと晴れた感じがした。
それと同時に、なんか、体温があがるのを感じる。クーラーそれなりに効いてるのに。おおおっ?なーんだこれ。
熱が腹の辺りから頭の天辺までぐぐっとこもってくる感じ。
「はい、あたしべんきょーすっから質問タイム終りね」
「・・・なあ」
「なぁーにぃ」
コタツテーブルにだらっと座っている彼女にスッと寄る。鬱陶しそうに反応するマリコ。
「・・・なに」
「キスしよう」
「・・・は?」
細く整えられた眉毛をぐにゃっと曲げて意味わかんないという顔。・・・俺も、自分でなんか意味がわからない。
だが、心の奥から湧いてくるような感情があった。自分でもせき止められない。今まで彼女に持ったことが無い感情だからだろうか。
「俺、今、すごくマリコが好きになった」
「・・・ハァ。」
「だからキスしたい」
「・・・・・・ハァ。」
意味わかんない顔のまま受け答えする。気持ちはわかる。わかるけど、止まらない、止められない。
「していい?」
「・・・ちょ、ちょいまち。いきなりすぎ。なに?なにがあったわけ?」
「いや、だから、マリコがすごく好きになった。可愛いって思った」
「・・・ソレ、今までは別にってこと?」
「え、あ、いや、別にそう言いたいんじゃないんだけど。・・・マリコは、俺のこと好き?」
彼女の大きな瞳を見つめながら問う。さりげなく肩に手を置き、逃がさないようにする。
・・・どうだろう、意外と俺って積極的じゃなかろうか。
「そ、それは・・・・・・・・・まあ、す、す、スキダカラ、ツキアッテルワケダシ」
「じゃ、しよう。するよ」
「ちょちょちょ、ちょま、んっ」
承諾・拒否を聞く前に唇を合わせる。リップクリームで滑らかさを増している唇の弾力。・・・思えば俺のファーストキスだ。
コォーという弱めのクーラーの音が騒音に聞こえるほどの静けさ。吐息の音さえ無い。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ふぅ」
「・・・」
唇を離す。目を閉じたままの彼女。たった今、その彼女と合わさった部分を見る。透明のグロスでみずみずしい光沢を放つ唇。
唇が離れたことにようやく気づいたのか、ゆっくりと瞼を開くマリコ。
「・・・・・・」
「・・・・・・マリコ」
「・・・いきなりすぎ」
ジト目をして抗議する。瞼が少し下りてアイシャドーが色濃く見える。
「悪い」
「・・・・・・ま、別にいいけど」
「いいんだ」
目線を横に逸らす。少し、顔を紅潮させている感じがする。小麦色の肌であまりわからないが、少しだけ、照れているようだ。
「・・・終り?」
「ん?」
「キスで、終りって訊いたの。あたしは」
「続き?」
「ないならもういーけど」
続き、続きってアレか。まさか、こうしてああしてそうなる奴か。なんか、自分でも解らないような、変な勢いでキスをしてしまったが、
後のことまるで考えてなかった。承諾、拒否かかわらず後の関係性がどうなるとか、どうするかとか、全く持って後先考えずだ。
「い、や、ど、どうしよう」
「・・・・・・ダサ。かっこわる・・・」
「その、し、してもいいの?マリコ」
「・・・・・・」
依然目線を逸らして少し不機嫌そうな顔をしている。やばい、少し拗ねた感じの顔、かなり可愛い。
股間が少し脈打つのを感じた。マリコでこうなるのは初めてかも。一度性的に強く意識してしまうと不思議なもので、
彼女の制服を脱がしてその健康的な肢体を好きにできるということを妄想してしまい、胸の鼓動が止まらなくなってくる。
「マリコ、俺、俺マリコとエッチしたい」
「・・・うわ、したいんだ?」
「う、うん。マリコの、裸とかみたい。もっとキスしたい」
「ふーん。そーなんだ」
「・・・いい?」
不審そうな雰囲気を解かないマリコに恐る恐る訊いてみる。かなりマヌケな、情け無い要望。
それでも、俺は言った事には反省も後悔もしない。
いつもは振り回されてばっかりだが、・・・やはり少し受身がちに答えを待つ。
「・・・前々からスケベなのは気づいてたけど。えっち、とうとうしたくなったんだ」
「・・・うん、したい。マリコの全部、知りたい」
「んー、じゃー・・・うーん、仕方ないなー。・・・いいよ。えっち、しよーか」
おおっ、お許しが出た。・・・正直、10分前までぼけーっと彼女を見てただけなのに、一気にここまで来てしまった。
別に今日は特別な日でもなく、そういうことをするつもりなんてさっきまでなかったのに。
「・・・じゃー、そのー・・・。もう、脱いだほうがいい?」
少し動揺している俺に彼女が上目遣いで問う。
「いっとくけどあたし、・・・は、初めてだから。やりかたとかそんな、知らないよ」
「・・・おれも、初めてだ。キスも、えっちも」
「初めてどうしなんだ、あたしたち」
少しうつむき、呼吸で上下する自分の胸をみるマリコ。普段台風のような彼女の女の子らしい表情に俺自身の胸の鼓動がさらに高鳴る。
「も、もういっかい、キスしていい?」
「・・・うん。じゃ、キスから、もっかい」
再び唇を合わせる。今度はあわせるだけでなく、ちょっと吸い合うようにしてみる。・・・ていうエッチのキスってどうすればいいんだっけ。
洋画にあるような咥えあうみたいなのでいいのだろうか、エッチビデオでみたようなベロベロした奴でもいいんだろうか。
そう考えてるうちに、マリコのほうから唇で噛み付くようなキスを仕掛けてくる。彼女の少し肉厚な唇の感触が、俺の口に味わったことの
ない感触を加える。つたない感じだが、心地いい。そして微かに聞こえる彼女の吐息の音。俺の息も、自分で解るくらい荒くなっていく。
「ん、ちゅ、んふ、ふ」
「ふ、ちゅ、はむ、ふちゅ」
彼女の興奮した吐息。それと唇の感触。女性の香り。股間に血が集まっていくのがキスをしながらでも解る。
このあと、彼女の性器を味わうことが出来るのだろうか。蓋を取り外したように湧き溢れる性欲。
「んは、ふ、マリコ、脱ごっか」
「ん。・・・じゃー脱がして」
「俺が、脱がすの?」
「ふーん、いやなんだー」
「嫌じゃない。よーし」
辛抱たまらん。一刻も早く、彼女の裸を見たかった。マリコからしたらサルに見えているだろうか。これじゃいつもと立場が逆だ。
セーラー服に手を掛け、彼女にバンザイしてもらって脱がす。早速、彼女の綺麗に焼けた褐色の肌と、その色に映えるピンク色のブラが
俺の視界を支配する。ちょっと幼い顔立ちに反して、なかなかはっきりした膨らみと丸みを持ったマリコのおっぱい。
「あの、・・・揉んでいい?」
「・・・いちいち訊かないとやれないわけ?・・・ほら」
じれったくなったのか、俺の手をむんずと掴み、自分の乳房に押し付けるマリコ。女性の弾力が手のひらに広がる。
おそるおそる手に力を入れて揉んでみる。・・・思っていたのより少しばかり固い?あぁ、でもやっぱり柔らかい。形をふにふにと
変えて手の中で踊る。たまらずもう片方の手も伸ばして両方のおっぱいを揉みしだく。
「すっげ、柔らかい。マリコのおっぱい、すごいエッチだ」
「そ、そーかな。も、揉んで貰ったこと無いから、わかんないけど」
あんまり強い力を入れないように、おっぱいを弄ぶ。かわいらしいブラジャーの手触り。おっぱいの弾力性。
まだそこまでたいしてエッチなことをしていないのに、これだけで股間がギチギチに硬くなっていくのがわかる。
「ンは・・・ブラの、上からだけでいーの?おっぱい、直にさわってみる?」
「あえ、あぁ、そうだな、ブラ、外すよ」
外すよ、といった手前、さて、ブラジャーってどうやって外すんだろうという問題が興奮しっぱなしの頭の中で沸き起こる。
少し固まっている俺を見て、はいはいといった感じでマリコは俺に背を向け、ホックの場所を見せる。
おお、そうだそうだ。きっとこれをこう外せばいいんだ。俺はホックに手を掛けて器用に外す・・・ことはできずに、もたつく。
10秒くらい格闘してカチンとようやく外すことができた。枷をなくしたブラを彼女の腕を通して完全に外す。
「・・・マリコ?こっち、向いて」
「う、うん。ちょ、ちょっと待って。・・・よし、ほい」
こちらに向きなおすマリコ。先程のブラ越しでは見据えなかった乳首。生まれたままの状態の乳房がある。
水着の日焼けアトで乳首を中心に、ビキニの三角形は少し白い。その白さと周囲の肌の小麦色、そして桃色の乳首がなんとも魅惑的なコン
トラストの効果を生んでいる。視姦するだけでは我慢できない。彼女の突起を手のひらの中心で捉えるように掴みかかる。
「んっ、ん、こなみ、が、っつきすぎー」
「ごめん、我慢できない。マリコ、すっごい綺麗」
「お猿に言われても、うれしくなーい」
依然荒い息をしながら彼女を揉みしだく。乳首のこりこりした感触がすごく気持ちいい。ちょっと強く揉んでやると、ンっとマリコが
息詰まるのがかなりエロかった。そのちょっと切なそうな表情に、俺も息を詰まらせる。
「ふぅ、ん、ちょっと力強すぎぃ、遠慮ないわけー?」
「うん、遠慮なし。もう、このまま、全部していい?」
「全部って?」
「最後まで」
「・・・またどーでもいーこと訊いてる。ふつー、胸まで揉んだら最後までするでしょ」
ですよねー、とケラケラ笑いあう。・・・ふぅ。ってそうじゃない。
「なぁ、マリコ。下も、見ていい?」
「だーからー、許可とかいいって。マリコさんに対する積極性がたりないとおもいまーす」
「よぅし、じゃ、スカートを・・・」
乳房からようやく手を外し、彼女の下半身へ伸ばす。スカートに手を掛け・・・さてファスナーってどこにあるんだ。
右右、と彼女の目線。おお、折り目で隠れていたのか。これを・・・げっ、噛んだ。うぉお、なんというか、童貞過ぎるぞ俺。
「やっとこさ、脱がせた・・・」
「小波ってー、・・・不器用だよねー」
否定できない・・・が、それを反省するよりも今はマリコの下着姿を楽しむほうが先決だ。
ブラとおそろいの薄いピンク色がこれまた同じように褐色に映える。
「その、さわって良・・・触るよ。そこ」
「ん・・・」
閉じられた脚に手を差し込み、ゆっくりと広げる。ショーツの隠れていた部分が露になる。
そこを指でなぞる。マリコの息が少し目立つ。手触りはただの布なのだが、その意味合いはかなり違う。触れるだけで胸が高鳴る。
布越しでも少し熱を感じる。摩擦するように指を上下させる。
「マリコ、どう、気持ちいい?」
「べっつに、大して感じないけど」
「・・・ま、そりゃそうだよね」
布越しだし、そもそも大して上手く触ってやれて無いし、エッチなビデオみたいにはならんわな。
「じゃ、脱がす」
「ちょ、ちょちょ、もう?」
「最後までするんだから、脱がすだろ」
「いや、心の準備があるってわけだし!・・・そうだ、小波も脱ぎなよ。あたしばっかでふこーへー」
時間稼ぎの抗議がくる。マリコの大事なところを目前に、足止めとは。おいこら脱げーとの声。
「えぇー、うーん、・・・あ、じゃあ、マリコが脱がしてよ」
「あー、ちょーしこいてる」
「いいじゃんか、マリコもなんかしてくれよ」
もーしゃあないなーとぶつくさいいながら俺のポロシャツのボタンに手を掛ける。腕の間からちらちら見える乳房に再び視線を奪われる。
ほらてぇ上げてと促され言われたまんまにする。ふと、遠い昔に、母さんにやってもらったことを思い出す・・・のだが、やっぱりすぐに
目の前のおっぱいに意識を取られる。・・・母さん、ごめん。ごそごそとシャツを脱がしてもらい、上半身が裸になる。
「下も脱がしちゃおっかなー」
そういいながらズボンのベルトに手を掛けられる。カチャカチャと器用に外され、ズボンもするっと脱がされる。自分と比べて
ずいぶん手際がいい。・・・俺が悪すぎるだけか。だって女の子の下着とか知らねぇんだもん。
「うっわ、なにこれー。テントになってんじゃん。はずかしー」
「あ、当たり前だろっ。エッチしてんだから」
「ふーん、なんかマヌケー」
今まで好きにされてたぶんのお返しか、オトコのサガをいじるマリコ。淫猥なセリフでも色っぽくつぶやいてくれりゃいいのに、
なんというか、萎えることを言ってくる。
「くそっ。バカにすんなよっ、おらっ」
「わわっ、マジー?・・・ひゃー、初めて見た」
自分でパンツを脱ぎ、マリコより一足はやく全裸状態になる。完全に勃起している息子を目の当たりにして息を呑むマリコ。
「うわー・・・変なの。血走ってるし」
「触ってみる?」
「げ、マジいってんの?あたし・・・がコレ触んの?」
口に手を当て少し戦慄く。そんなにキモイか?と問いかけたらキモイと即答しやがる。
「・・・嫌だったら別にいいけど」
「・・・いいよ、別にー。触ったげる。これでいーいんでしょ」
恐る恐る手を勃起したペニスに当てるマリコ。自分以外が触るのなんて初めてだ。なんか、感動。マリコの小さな手がおずおずと
ペニスを握りこむ。ペニスの亀頭を凝視している。
「うぉ、すげ」
「気持ちいいんだ?」
「うん、その、こするみたいに動かせられる?手」
こう?と俺が言ったとおり、ゆっくりと手をスライドさせる。ちょうどいい握力で全体を刺激してくれる。
やばい、気持ちいい。手でもコレだけ気持ちいいんだから、口でやったら・・・と思ったけど初めてで口とかはアレか。
「うわ、なんか先っぽから、水でてきたんだけど」
「ああ、我慢汁だ、気持ちいいからでるんだ」
「我慢・・・?もう、出そうって事ー?」
「んー、まあそんな感じ」
ふぅん、と手こきを続ける。マリコも、ホントにエッチ初体験なんだな。というか手の動きが止まらない。
これは・・・出していいってことなんだろうか。正直もう出したくて仕方が無い。今出したら・・・マリコの
顔にぶっかかるな。そんなこと考えてる暇もなく、どんどん限界が近づいてくる。
「マリコ、やばいよっ、出るっ、か、かかっちゃうよっ」
「えー、出そうなのー?」
「出るってマジでっ、あ、うぐ、うわぁっ」
勢いよく射精する。ペニスから30センチほど離れていたマリコの顔にも精液が勢いよく飛ぶ。
きゃっと可愛い声をあげるマリコ。白い粘液が頬や目尻のあたりを汚す。
「はぁ、はぁ、出しちゃった・・・」
「・・・ホント、でた・・・。これ、せーえき?」
「・・・あ、うん。はぁ、ごめん、顔にかかった・・・」
かかった所から重力に引かれてドロリと滑っていく精液。それなりに涼しい部屋なのにまるで滴る汗のようだった。
当の本人は少し放心している。初めて射精を目の当たりにしたからだろうか。意外とウブな所がさらに可愛く思える。
「マリコ、顔拭いてあげる。ちょっと待って」
「うん・・・」
手近にあったティッシュを使ってマリコにかかった精液を拭い取る。顔以外にも乳房にもかかっていた。それも拭いてあげる。
彼女の身体に触るたび、ペニスは血圧を戻していく。最後までやるといったとおり、手でした程度では止まりそうに無い。
自分のペニスも綺麗にふき取り、放心したままの彼女に向かい合う。
「マリコ、大丈夫?」
「え?うん。・・・・・・エッチってあんなんだ・・・」
「・・・マリコ。ごめん、俺、続きしたい。下着、脱がしていい?」
「続き・・・って、それ、あたしンなかに挿れるんだよね?あたしんなかに、せーえきだすんだよね?・・・ちょっと、怖いかも」
「大丈夫だよ。・・・まだ挿れないから。次は、マリコの大事なとこ、俺が触りたい。ベッド。行こう」
彼女の手をとって立たせてあげ、ベッドに腰掛けるように座らせる。俺はベッドの前、床に座り彼女と対面する。
「脱がすから、ちょっと腰上げて」
「うん・・・、いや、待ってよ。やっぱ、恥ずいから、自分で脱ぐ」
マリコはごくんと息を呑んで、自分のショーツに手を掛ける。脚をできるだけ閉じ、じわりじわりとずりおろして行く。
彼女の陰毛・・・染められていない地毛のまんまの黒い茂みが姿を現す。初めて見る女性のアンダーヘアに思わず唾を呑んだ。
彼女はそのままかがむようにしてショーツを足元まで下ろす。
「マリコ・・・脚、開いて。俺、マリコのアソコが見たい」
さっきからしたいみたいばっかだな俺。でも、アレだよ。積極的に彼女を求めてるだけだ。
「うぅ、マジ恥ずかしいんだけど・・・」
「駄目。俺だってもう完全裸なんだから、マリコも全部」
彼女の膝に手を置き、ゆっくりこじ開けるように開いていく。顔をしかめ、うぅと唸りながら彼女も力を抜く。
マリコの膣と呼ばれる場所。瞼を縦に閉じたように膨らみの間に一本のスジが入っている。
そこに優しく指を当て、そろそろと肉の門を開ける。西日に当てられテラテラと光るピンク色の性器。
俺の充血した赤黒いヤツとは違う、美しい器官。
「すげ・・・マリコ、めちゃくちゃ綺麗だな。・・・てかこんなんなってんだ」
「・・・スケベ。ヘンタイ。ソンナトコ、あんまり・・・ジロジロ見んなよぉ」
「やーだね。滅茶苦茶見てやる。見るだけじゃないぞ。触ってやる」
指で扉のようになっている皮を開かせたまま、空いた指でこちょこちょとピンク色の部分を撫ぜる。くぅ、と息詰まるマリコ。
彼女が俺のペニスにしたように、上下に指をスライドさせて擦る。
少しじゅるじゅるしてきている。俺で言う我慢汁だろうか。
「んは、ふ、ん、ん、マジ、恥ずかしい・・・」
「お、なんかいっぱい水が出てきたぞ。マリコ、やっぱエッチなヤツだな」
「なんの、影響なわけ?その、セリフぅ」
見抜かれてら。・・・初めてのクセにエッチビデオのマネみたいなことはしないほうがやっぱよさそうだ。
でも本当に、濡れてきてるし・・・。そろそろ、いいのかな。
「マリコ、挿れていい?もう、たぶん挿いるよ、これ」
「ホント?・・・ドーテーのくせにわかんの?」
「・・・う、わ、わかるんだよ。・・・お前の彼氏なんだから」
「・・・・・・じゃー・・・いいよ。アタシ、寝そべったらいいのかな?」
お尻で後ずさりし、脚を持ち上げてベッドに横になる。俺もそれに沿うようにベッドに上がる。
仰向けに寝そべるマリコ。俺が見下ろす形だ。・・・女の子って、マリコってこんなにエロかったのか。
・・・いや、ただ俺が普段のこいつの遊び人っぷりに、気づかなかっただけかな。見てなかっただけなのかな。
遊び友達として付き合うのも楽しいけど、やっぱり恋人なんだからな。
ロマンチックなことだって、エッチなことだって、俺から積極的にアプローチしなきゃ、ね。
「脚、開いて」
「うん・・・」
M字に脚を広げ、俺を受け入れる準備が始まる。興奮で彼女の胸が上下に動く。張りのある乳房はあまり形を崩すことなく、
天井に向かって乳首をツンと立てている。先程の精液をふき取ったペニスを掴んで、彼女に詰め寄る。
「じゃ、挿れるよ」
「痛くしたら、マジ怒るからね」
はいはい、と彼女の膣口にペニスをあてがう。ヌルリとした、感じたことの無い快感。すごいキツキツで、なかなか先に進めない。
マリコが力を入れているのか。
「マリコ、力、抜いて。挿いんない」
「う、ち、力とか、どうやって抜くわけ?」
「うーん・・・。マリコ、愛してる」
「はぁ?」
その瞬間、異物を締め出そうとする力が弱まる。にゅるっと亀頭の先っちょが滑り込む。同時に、何かに穴をあけたような感触。
あれだ、処女膜。破っちゃった。くぅ、と顔をひきつるマリコ。
「はぁ、はぁ、先っちょだけ、入ったよ。・・・痛い?」
「・・・く、ぅ」
「ま、マリコ?大丈夫か?!やっぱやめとく?」
「くぅ、う、い、いや、大丈夫・・・。そんなに痛くないカンジ。うん、全然、大丈夫」
「ほ、ほんとか?ここからもっと奥にいくんだぞ?」
「わかってるっつーの・・・。今更優しくしちゃって・・・。じ、じらさないで、一気に来てよ」
「わかった・・・痛かったら、痛いって言えよ」
「・・・じゃー、もーすでにちょー痛ーい」
「・・・そうかそうか」
ひどっ!というマリコの声。ゆっくりと腰を押していく。そして、ほどなくして亀頭が完全に挿いる。
はぁぁと深く息を吐くマリコ。俺は逆に息を吸い込み止める。少しずつ、少しずつ彼女に進入していく。
穴など無い、肉の塊に棒を突き刺すような、本当にキツキツの挿入。ペニスが押しつぶされるような膣圧だ。
それでも少しずつ、奥を目指して進む。
「う、お、おおお、おおお、はぁあああ、挿いったぁ・・・」
「んくぅ、く、んんんん、ん」
挿いった。全部、ホントに、根元を見ると俺の陰毛とマリコの陰毛が絡み合っている。全部、挿いってしまった。
「ぜ、ぜんぶ、はいったよ、マリコ」
「はぁ、うぅ、ぜんぶ、はいってるんだ、コレ」
「うん、おれの、ぜんぶ咥え込んでる。マリコに食べられた」
「あは、は、ほんと?えへへ、おいしー」
下腹部に力を込め、ぎゅっと膣圧をあげる。ペニスを握りつぶされるような快感に俺は声をあげる。
「やってくれたなー、そんな余裕あるんだったら俺も動いてやる」
そういって腰を少し引く、ジッパーを閉める様に膣が狭くなっていく。気持ちいい。今度は吸い込まれるような快感だ。
ある程度腰を引いたらまた押し進める。
「うぅんぁぁぁぁあ、く、苦し、小波、くぅぅ」
「ごめ、あぁ、大丈夫か、マリ、コ」
「だいじょぶじゃない〜・・・はぁ、もう、はやく、イってよ、ね」
「が、がんばるよ、だ、出すときは外にするから」
「も、遅くない?ちょっとくらい、ナカに、出てるっしょ」
「じゃ、ナカに出しちゃうか、もう」
「今日は、安全日だから、もう、そう、しちゃって」
よぅし、と意気込んで腰を引き、また腰を押す。全身使って重い物体を押し引きするようだ。強い快感がペニス全体を圧していく。
もう、すぐに出そうだった。いやもう本当に射精してるのかも。それが解らないくらい、頭も身体もイキそうだった。
「マリコ、もう、でるよ」
「はやく、だして、抜いてっ、しんどっ、い」
「う、は、あ、あぁぁ、でた、でた、はぁ、出したよ」
彼女のナカに放出する。引いたときに我慢が崩れて射精してしまった。どうせなら最奥で・・・といいたいところだが、そんなん無理。
気持ちよすぎて、無理だ。タイミングなんて取ってられなかった。
「はぁ、ほぁ、ふぁあ、しゃせー、されてる・・・。小波の、出された・・・」
「あぁ、うはぁ、ははは、やったな、・・・あぁ、抜かなきゃな」
ゆっくりと腰を引き、ずるりとペニスを引き抜く。同時に膣から少し赤の混じった白い液体がこぼれ出る。
二人とも、マラソンでも終えたように呼吸を整える。互いに互いの汗ばんだ肉体を見つめる。
「はぁ、・・・一時間前まで、いつもどおり、普通にしてたのに・・・、やっちゃったな俺たち」
「ふぅ、うぅ、ふぅ、もう、苦しかった、遠慮しなよね、ちょっとは、さー」
「あぁ、悪ぃ。マリコ、お疲れ様。・・・やっぱり、可愛かった。すごい気持ちよかったよ」
ゆっくりと萎え始めたペニス。ピクピクと痙攣する膣。ついにセックスした。
・・・ついにとか言いながらさっきしたくなったばっかりなんだけど。
「ありがと。マリコ。・・・その、また、・・・そのうちさせて欲しいなーとか」
「・・・あたし、しょーみなハナシ全然気持ちよくなかったんだケド」
「・・・やっぱり?ははは、すんません、童貞で・・・」
「・・・お金、持ってる?」
「え?あ、ああ・・・」
「じゃ、それで、今からコンビニ行って、・・・飲み物と、コンドーム、買ってきて」
「はい?」
「その間、あたし休むから。帰ってきたら、・・・もっかいするの」
目線を逸らしてツンとした感じで言う。
「・・・したいの?気持ちよくなかったのに?」
「うざ、何度も言わせんなー。・・・もっかいしたら、あたしも・・・気持ちよくなるかも」
「・・・あははっ、わかったよ。でもさ、コンドームとか今更じゃね?」
「どーせつけたことないんだから、練習しろってことー。ドーテー!・・・じゃもうないけど。いーからはやく行ってよー。喉渇いたー!」
やれやれ、満足させられなかった俺が悪いのかな。・・・ま、いっか。今度は気持ちよくさせてあげられるようにしよう。
・・・コンビニで成人週刊誌とかちょっと読んでこようかな。なんでもいいから知識を・・・遅いって怒られるか、やめとこう。
未だに荒れている息を整えるマリコ。彼女をベッドに残して、近所のコンビニに走った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「は、ンン、ふぅ、ひ、ひゃぁ、くぅぅ」
「マリコ、マリコ、気持ちいいっ、マリコっ」
もう日は沈み、部屋の蛍光灯が二人を照らしていた。コンビニから帰ったきたあと、待ちきれなかったように服を脱ぎ捨て、
ベッドに横たわったまんまの彼女に飛び込んだ。ベロベロとキスをした後、付けてしようという話になって、
コンドームの箱を乱暴に開け、これまた少し四苦八苦しながらコンドームを付けて、マリコと再び繋がった。
二人とも先ほどまでのウブさはどこへやら。初体験を終えて目覚めてしまったのか、セックスに覚醒していた。
マリコは俺がしてって言ったことは愚痴いいながらもしてくれるし、俺も彼女をなんだろうか、余裕を持って愛撫できるようになった。
休憩中にコツでも見えたのだろうか。
とにかく、射精しては手こきやフェラで復活させて、もう打ち止めを目指しているのかと思えるくらいセックスに溺れている。
使用済みのコンドームがそこらに散らかされ、シーツ全体に性の匂いが染み付いている。
「はぁはぁ、さっきより、また、マリコのナカ、柔らかくなってるっ、ぐちゅぐちゅ、すっげぇ」
「小波のは、ちっちゃくなってる気がするぅ、んぁぁっ」
こんの野郎、といわんばかりに腰を押し付ける。さっきとは違い、マリコが完全に力を抜いてリラックスしているのか、
本当にちょうどいい締め付けでスムーズに腰を動かせられる。さっきのも、気持ちよかったけど、これもすごいやばい。
コンドームつけていてもこの気持ちよさとか。これは、ほんとやばい。ハマる。
「マリコっ、キスしよっか、セックスしながらっ」
「はぁ?また?よ、欲張りすぎじゃない?んっちゅっ、はん、んんん」
舌を突っ込むようなキス。所謂ディープキスだ。彼女のざらついた舌を乱暴に犯す。もう彼女がしていたリップクリームなど、
二人の唾液で洗い流されてしまっている。気持ちいい。上も下も、気持ちよすぎてやばい。
ちゅっちゅっという執拗なキスの音とパンパン股間をたたきあう音、結合部から鳴り続ける濁った水の音。
見えてるものも聞こえるものも、全てがとにかくエロかった。
「やっばい、また出るっ、ごめんっ、イくっ、イくぅっ」
「も、もぉー?早いー、今回、5分くらいしか、振って無いじゃん。あ、はぁ、出してるし」
「さすがに、もう、出しすぎて無理だ、そろそろもうお開きにしない?」
ずぽっと音を立てて勢いよくペニスを引く抜く。明らかに先よりも量の減った精液。それを溜め込んだコンドームを外す。
「はぁ、はぁ、自分から、したいていったのにー。こんじょーなしー」
「あ、アホ言え、初体験で5回とか、もう正気の、沙汰じゃねぇよ!」
「・・・ちぇー。・・・じゃ、次で最後にしよー」
「まだすんのかよ・・・」
「やっとコツつかめてきた感じ。んー、じゃー最後は、一回目みたいに生でしよ」
「きーてねーし・・・」
「・・・そんなに疲れてるんなら、今度は小波が寝そべってなよ。あたしが上になってあげる」
眼が半分すわってる彼女が身体を起こす。そのまま俺を押し倒し、俺の下腹部にまたがる。自分の股下に手を潜らせ、
四分の一勃ちぐらいのペニスを掴みくりくりとなじる。もうセックス怖いと嘆くようなペニスも鞭を打たれるように硬くなっていく。
完全に勃起しなおし、腹部から塔の様にそびえ立つ。しかし、すぐにマリコの下半身が降りてきて俺のペニスは見えなくなってしまう。
「うぉお、生、やっぱ、すげぇいい・・・」
「んふぅ、はぁあん、やっぱ、気持ちいいんじゃん。やせ我慢ー?」
「・・・い、いーから腰振れよ。マリコ主動でするんだろ?」
「うわ、テーシュ関白。・・・はいはい、わかりましたよー。・・・んっ、ンン・・・はぁ、あん、小波のペニスの形、ほんと変な形ぃ」
「俺以外の、知らないくせに、よく、言うよ・・・」
「えへへ、でも、変だけど、もう、すっごいスキ」
「さっきは、キモイとか、言ってたろ」
「キモイけど、大スキ。ちょースキ。小波はぁ、あたしのあそこ、スキぃ?」
ずっちゅずっちゅと腰を浮き沈みさせながら、とろんとした淫らな表情で問う。
「・・・スキに決まってるだろ。マリコ、気持ちよすぎ・・・」
「よく、言え、ました。ご褒美に、キス、してあげる」
身体を俺のほうに倒し、唇を俺の頬やおでこに当てまくる。その間も下半身をなまめかしく動かし、セックスを続ける。
おっぱいが胸板で擦れ、乳首同士が偶然摩擦しあったりで、下半身じゃなく上半身もかなり気持ちいい。
この数時間で、お互いにどこが気持ちよくて、またどこがエッチなのかをかなり学習できた。気分はすでにベテランだ。
性的嗜好も互いに分析できてきた。マリコは首筋がすごく弱いようでバックで後ろから抱き着いてやるのがかなり好き。
俺は座位で、激しく揺さぶってやっておっぱいが震えるのを見たり、それを揉んだりするのがお気に入りだ。
「ん、ちゅ、ちゅ」
「マリコ、マリコ、ちょっと、起きていいか?」
「ん?どーすん、の?」
「座って、やるやつしたい」
「ふーん、またおっぱい吸いたいんだ」
「うん、うん。いい?マリコのおっぱい吸いたい」
「もー、しょーがないなー」
お許しが出たので彼女を抱きかかえ、腹筋全開で上半身を起こす。ちょうど目の前にマリコの乳房。まだ全く黒ずんでいない乳首に
むしゃぶりつく。数ヶ月も続けていれば、このかわいい乳首も大人の色になっているのだろうか。・・・毎日やってたらすぐなって
しまうかもな。もうちょっと大事に味わうべきかな・・・と思いながらも強く吸ってしまう。
「んは、はぁ、はぁ、も、乳首取れちゃうかもー。吸いすぎー」
「んちゅ、ちゅ、うぁは、マリコの乳首、好きすぎる・・・」
「も、あたしが、先にイっちゃいそうに、なるじゃん。もー、いい。早くイっちゃえ」
俺の唇を引き剥がすように上下運動を激しくさせる。もう今日だけで何百回も往復したのか、彼女の膣の道。
さっきはもういいと言ったけど、やったらやったでもうセックス以外考えられない。しかも生。今日の締めくくりとしては最高の快感だ。
「はぁ、だ、だすっ、マリコっ、ナカにだすぞっ、精液っ、最後にもっかいっ」
「ふぅん、おぉん、くぅ、くぅぅ、あ、あんん、んんんっ、いっ、いぃぃっ、あぁっ、あんぁぁーっ!」
今度は彼女が腰を降ろしている状態で射精する。今の俺たちの限界までねじ込んで一気に吐き出す。・・・残念ながら残りの弾が少ないので
量はずいぶんと少ないが、すごい満足感。マリコも熱っぽい吐息を蒸気のように発して放心している。
「マリコ・・・」
「はぁ・・・?」
「次、いつする?」
「明日ぁ」
「おっけ、明日な」
「・・・うわ、大丈夫なんだ」
「うん。明後日とかじゃ、俺、我慢できそうにない」
「・・・ふふ、あたしも♪」
今日一日で、こんなにマリコにのめりこむなんて。
学校じゃ、マリコとの付き合い方なんて教えられてないもんな。・・・まー、ブラとかの外し方とかも教えといて欲しかったもんだが。
まあいっか。これから彼女をもっと勉強していこう。勉強できるのは学生のときだけ・・・ってわけでもないけど。
18歳のこの時に、もっともっとマリコのめりこんでみようかな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ピンポーン)
「はーい、よぉ、マリコ。いらっしゃい」
「やっほー。今日もべんきょしに来たよー」
「勉強しに来たって・・・手ぶらじゃないか。勉強道具は?」
「勉強道具はー・・・・・・・・・こーれ」
俺の手を掴んで自分の胸に持っていく。されるがまま、俺も彼女の胸をひと揉み。
「・・・まーた“保健体育”か。毎日毎日コレばっかだなー」
「えへへー。今日もいっぱいちょーだい。保健体育だったらもー、一番だね、あたしら」
キスの仕方も、セックスの仕方も、二人とももう100点取れるんだけど、まだまだ勉強したり無い。
少し肌寒くなった仲秋の候、今日もベッドで二人、互いの気持ち良さを気持ち良く学んでいくのだ。
・・・でも、保健体育は全国試験には出ないと思うぞ、マリコ。 おしまい
マー君の本名はまさゆき
サンディを頭いいキャラとかにしたのは反省してません。わがまましかキャラ見えないんだもん
毎度大容量使ってゴメンネ 次のでいっちょ終りにします テーマは詩乃ちゃんで
乙乙。栄誉ある一番槍まことに敬服する次第です。えろいし。
マリコのハイライトは告白とハンバーガー屋だと思う。
ちゃんと小悪魔してるんだよな〜珍しく。
GJ!
ハイペースでマイナー所量産してるなw
この調子でがんばって……くれていいのか?残りは…
しかしこのスレに入ってからはほぼ二人で回してるんだな。どっちも凄え
>>550 乙
・・・まさかマリコで弾道が上がる日が来るとは思わなかった
>>552 そういえばほぼ二人で回してんだなw
ガンガン書ける二人が心底羨ましいわ・・・
「2人で回してるんだな」なんて気づいても言うなよ……
>>550 乙
マリコだと・・・
GJ!
なんか上滑りしてる文章だよな
寒いライトノベル読んでる気分にさせられた
そう(無関心)
ここって作品批判したら怒られるのかよ…
>>559 つまんなかったらスルーしろ。
なにか言いたかったら誤爆スレに行け。SSを批評したいだけなら批評スレへ行け
>>560 GJと乙しかだめとか…閉鎖的なスレッドだよな
俺は別に悪口を言ったわけじゃないんだぞ
562 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 21:26:15.58 ID:GPMajNbn
>>561 ただ単に批判するよりは助言や提案を言うほうがいいと思うぞ。
さすがにそのくらいなら周りも文句は言わないでしょう
スルースルー
いつもの人だろうしな、黙ってスルーしとけ
いつもの人って言えば批判を封じられると思ってるのか?
そんなつっかかるなよガキじゃないんだからさ
批判があるとスレが荒れがちだからなるべくやめて欲しいって理論は分かるだろ?
批判されたくないとかどんだけ心が弱いんだよ
噛み合わない会話、聞き入れない注意……
この二つの符号が意味するものはひとつ……!
君の批判もまた上滑りしてるから批判される
>>567はまさにブーメランだぞ
570 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 23:55:06.94 ID:GPMajNbn
批判するにしてもやり方を考えるんだ。
周りを不快にするだけの批判はお互いにつまらなくするだけだからね。
>>557がまさにそう
まあスルーが一番無難ではある
まあとりあえずスルー検定開始だ
マリコは、彼女にできる時期が早くてもクリスマスってのがなぁ。
というか1彼女は全体的にリスキー。2は基本自分から狙えるけど。
あれ? フェンスに女の人が(ry
不人気キャラはなぁ
人気なんて飾りですよ、偉い人には(ry
確かに1は彼女にランダム要素が絡むよなあ
イベントが発生しないと彼女にすらならないし
1は明日香と智美の二強なのかね。
しかし
>>550のおかげでマリコへの印象が変わった。
智美はアルバムが後ろ姿というところがいい。露骨じゃない萌えがある
間違った。早くても、じゃないや。
攻略的にはクリスマスが早すぎる。
>>575 個人的にはは僅差で由紀ちゃん>明日香だと思う。
こんな話してたら久しぶりに1やりたくなってきちまった。
おや伸びてる。
ホントこのスレは人が居るのか居ないのか分からんなw
蒸し返す訳じゃないけど、たしかに投下→数人のGJ→投下というだけの流れは良くない気もする。
荒れるのは問題外だけどな。
キャラとシチュのリクエスト募るのとかありだったっけ?
興味ひかれる題材が出れば書いてみたくはあるんだけど。
書き方次第、かな
誘い受けの一種としてとられることもあるし
荒れるのを防ごうとして荒れるネタを作ってしまう余計な人が多いから
誰が何を書くかなんて自由さ
難儀よのー
>>578 >蒸し返す訳じゃないけど、たしかに投下→数人のGJ→投下というだけの流れは良くない気もする。
どんな流れならいいのかねぇ。
おれはエロパロ板だとどこもそんな感じか、時々雑談交じるか程度のスレしか見たことないから分からん。
キャラのリクエスト……書けるんならそれはいいことだと思う。
が、SSは資料があれば書けるもんじゃないし。話を思いつかないと書けない。
その辺外見的特徴がわかれば形にできるイラストとはわけが違う。
(その分イラストはSSよりも作り手の技量が露骨に出てしまう、ってのが厳しいところ)
イラストのリクを投げっぱなしにする人が、SSのリクを投げっぱなしにする人より少ないのはそれが原因だと思う。
別に今まで通りでいいと思いますけどね
そうして続いてきたんだからわざわざ変える必要もないでしょう
>>578 リクエストは
請け負った書き手が書く保証がない
請け負った書き手以外書いちゃいけない空気ができる
のでよくない。
ネタを集めたいならそれとなく雑談でやったほうがいい。
誘い受けの意味が分からなくてググったけどよく分からなかったという。
要は感想乞食と同意義?
>>584 たしかにそうだね。
請け負うとかでなく、簡単な小ネタというか妄想のシチュでも各々書きこんで
それを見た書き手が、書き上げた上で「>>××に琴線が触れたので書いてみた」とか言って投下するのは
アリかなと個人的には思うんだけど。
基本書かれないのが当たり前で、書かれたらラッキー位の気持ちで。
単純に、そういう妄想ネタを見るだけでも楽しそうだし。
基本的に作品は何でも歓迎なスレなんだから、例えばまとめwikiに既にあるとか、別の人が書いたとか
そんな事は気にしなくていいと思うんだけどどうだろう?
ズレた事言ってるならスルーしてくれ。
じゃあのりかで一本という事で
>>585 別に気にしないで書きたいと思ったキャラを書いてくれればいいよ
>>585 「○○×○○って需要あるのかな><」「○○書いてもいいかな?」←これが「需要あるよ」みたいなレスを誘う誘い受け。
「○○書いてるけどまとまらないorz」とかも誘い受け。
要はレスを誘って構ってちゃんしてる奴ってこったな。過去ログとか見てると大量におるぞ
ただ結局そういうのがあって初めて作品作りの意気込みが沸くものだしなぁ
>>588,
>>589君達も文句ばかり言ってないで何か書いてみたら?
>>590 そんなにブーメランで遊んで楽しいんですか?
しょうもない議論するならどっか別の場所かwikiの掲示板にスレでも立ててやってくれ
ではまたスルー検定開始
お、4裏か。ふたりともエロかったわ。
しかし主人公はもげろww
そう言えばスレの上限って512kbだっけ?
500KBじゃなかったっけ?
しかし結構もう容量少なくなってるな
容量落ちはまあこのスレではいいことだと思いたい
ところで澄原さんが攻略できないのはバグだと思ってるのはどれくらいいるんだろう。
そりゃ、姉御が好きな人の数程でしょ
姉御かわいいよ姉御
お久しぶりです。一本投げます(忍者規制に引っかからんといいなぁ)
※1主×由紀、19KBぐらい、8レスの予定。
※由紀ちゃんが陥没乳首なのは筆者の趣味です。ひぎぃも筆者の趣味です。
※エロ本発見は(智美の)エンディング分岐に関わる重大イベントです。
もし高校野球のマネージャーが(ry
「やっと来てくれましたね、小波先輩。わたし、待ちくたびれちゃいましたよ」
小春日和の日差しが傾き始めた頃、俺は部室の扉を開けて、その中に滑り込んだ。
キイキイと貧乏くさい音を立てる蝶番の音が、よく響くぐらい静かだった。
俺をここに呼び出した野球部のマネージャー――にして俺の彼女――の由紀ちゃんは、いつもより堅めの声音だった。
「ごめん、ちょっと遅くなっちゃって……それで、その、今日ちょっと来て欲しいって言うのは?」
部室は電気が点いていないらしく、陰っている感じがした。由紀ちゃん以外の人影がなかった。
元々ここは野球部の部員以外は立ち寄らない場所であるし、その野球部員にしても、今日は昼の練習だけで、
放課後の練習は休みになっている。俺が来るまで、由紀ちゃんはひとりで待っていたんだろうか。
今日の昼練の終わりに、由紀ちゃんは不意に俺に言葉をかけてきた――今日の放課後、部室に来てくれませんか、とだけ。
殊更顔を近づけるだけでもなく、俺が聞き返す間も無いぐらいだったので、他の人は由紀ちゃんの行動に気づかなかっただろう。
「と、というかその前にその格好は……その……」
「何ですか?」
由紀ちゃんは窓に映る秋空を背にして、部室の長机に座りながら、俺に目を向けていた。
その姿に焦点が合った瞬間、俺は腰の砕けた呟きを漏らしていた。窓の外の日光を背にしていて、彼女の表情は分かりにくいが、
いつもと勝手が違う気がした。まず声音が違っていた。さらに俺をまごつかせたのは、彼女の姿勢だった。
彼女は極亜久高校の制服のまま、両足のローファーを脱いで床に放っていた。
そして机の上に座りながら、膝下まである紺色の靴下に包まれた左足を床の近くでぶらつかせて、
右足の方は、彼女に両腕で抱え込むようにして机の上に乗せていた。
「何がって、その……目の遣り場に困るというか」
つまり、あまり長くない制服のスカートが捲れ上がって、由紀ちゃんの足が膝上から太腿まで丸見えの状態だった。
そんな姿勢だから、由紀ちゃんに抱えられた脚の踵が少しでも動こうものなら、俺の見てる側からでも下着が見えてしまいそうだ。
つい目を止めてしまった。普段の由紀ちゃんはこんな格好は絶対にしない――少なくとも俺には一度も見せていなかった。
今までに無かった彼女の挑発的な姿態に、俺は扉を閉めたきり部屋の入口で釘付けになっていた。
「今日は、どうしても小波先輩に聞きたいことがありまして……それでここまで来てもらったんですよ」
聞きたいこと、と言われても俺には何の心当たりもなかった。
「今日のお昼の練習前に、わたしはさとみ先輩と部室の片付けをしてたんですが……そこで、あるものを見つけちゃったんですよ」
「あるものって……?」
由紀ちゃんは背中から薄い本を手で引き寄せると、折り畳まれた脚線のすぐ横にそれを置いた。
部屋が薄暗い上に、彼女が表紙に右の手のひらを乗せているのでよく分からない。
彼女はおもむろに、その本の表紙を右手でぽんぽんと叩いた。勿体ぶった仕草に応じて、俺は彼女のそばまで足を進めた。
近くまで寄って俺はその表紙に愕然とする。それは紛れもなくエロ本だった。
「これ……って、部室に、あったんだよね?」
「それ以外でわたしがこんなものを持っていて、しかも小波先輩に見せるなんてことがあるんですか。
これ、ご丁寧にロッカーの裏に隠されていましたよ。ねぇ先輩、これはどういうことなんでしょうかね」
由紀ちゃんの声は不自然に平坦だった。すぐ近くから放たれるそれに、俺はなんとも反応が返せなかった。
いや、何だコレは。何だこの展開は。というか、誰がこんなもん持ち込んだんだ。
「さとみ先輩なんて呆れてましたよ。“あーあ、男なんてみんなこんなものよね”ですって。そうなんですか?」
「い、いやその、コレは……す、少なくとも俺は、部室にこんなもの持ち込んだりしないよっ」
「そうですか。いや、そうですよね。まさか、小波先輩がこんな不潔なものを部室に放置するなんてこと、ありえませんよね」
白々しい口調に嫌な予感がしたが、俺は為す術もなかった。コレは確かに俺の物じゃない。が、抗弁すると言い訳がましく聞こえそうだ。
こういう場合、智美や明日香なら生暖かい目で見られるぐらいで済みそうだが――それはそれで精神的ダメージがあるが、
由紀ちゃんは何だかそれで済む気がしない。もしかして、俺コレでかなり幻滅された?
何も喋れない俺の顔を一瞥すると、彼女はおもむろに机から降りた。そのまま揃えて並べたローファーを履き直す。
爪先を床で叩く靴音がする。耳は働いていてもまだ動けない俺に向かって、彼女は軽く背伸びしてささやいた。
「ところで、さっきこの部屋に入ってきたときは、どこ見てたんですか?」
俺は頭から視界まで真っ白になった。
「別に隠さなくてもいいと思いますよ? この間の夏休み、小波先輩と一緒に海に行ったことがありましたね。
その時も、わたしのことそういう目で見てたのは分かってましたから」
「いや、あの、これ、これはね由紀ちゃん」
「これって何ですか。その本は小波先輩のものじゃありませんでしたよね。それなら、これというのは?」
由紀ちゃんは俺の正面に向かって経つと同時に、俺の腕を捕まえた。着替えた制服越しでは、彼女の体温は伝わらなかった。
顔が、息のかかりそうなところまで来ている。俺より頭ひとつ低い背から見上げてくる瞳が眩しい。
彼女が面映ゆく見えるのは、決してきまりの悪いこの状況だけではないと思う。俺にとって彼女の視線は、他の人のそれとは明らかに違う。
音が無いせいで、目の前のことしか頭に入らない。時間が薄くなっていく。世界がこの部室だけになったみたいだ。
そうして黙って見つめ合うことに耐えられなくなったのは、俺のほうが先だった。俺は率直に告げる覚悟を決めた。
「……俺は、正直な話、由紀ちゃんをそういう……やらしい目で見た覚えがあるよ。
確かにさっきも、つい目が見てしまった……それでイヤな思いをさせたなら、ごめん」
由紀ちゃんは黙っていた。顔色を変えた様子も無かった。再び沈黙がやってきた。彼女は俺に目線を貼りつけたままだった。
許してくれるのか、許してくれないのか、いい加減俺がじれったくなった頃に彼女は、
「さっきのは何色でしたか?」
「白――あっ」
「あの薄暗い中でよく見えましたねー。小波先輩の、そういう変に言い訳しないところ、素敵だと思います」
今までのやりとりのどこから、素敵なんて形容が出てくるんだろう。単純な俺がいいようにされてるだけではないだろうか。
しかしそうした疑問も、その直前の葛藤も、すぐに有耶無耶になってしまう。主導権は由紀ちゃんが持っていたから。
彼女はすぐに膠着を破った。掴んだままの俺の腕を引いて、そのまま彼女自身の身体に押し当てる。
「分かりますか? わたしの心臓が、どきどきしてるの」
分かってしまった。いくらボールやバットを握って分厚くなった手の皮でも、由紀ちゃんの制服越しであっても、
彼女の胸の柔らかさ、体温、言葉通りの脈拍を、俺の手のひらと指はしっかり知覚していた。
それらは、今まで俺が触ったことのあるどんなものよりも、俺を昂らせた。半ば無意識に指が動く。
対して彼女は、なんと一層強く俺の手を自分の胸に押し付けてきた。
「うん、伝わってくる。服越しなのにね。相当どきどきしてるのかな」
「……たぶん、今までで一番、ですね」
この期に及んでは、俺の本心を隠す気は完全に失せていた。由紀ちゃんから言わせるつもりも無かった。
「俺……今、由紀ちゃんとえっちなことしたいと思ってる」
瞬間、由紀ちゃんが俺の腕を掴む力が強まった。見つめ合っていた瞳を、彼女は軽く伏せた。
「優しくしてくれたら……いいですよ、小波先輩」
俺は由紀ちゃんの肩口を正面から掴んで、彼女にくちびるを押し付けた。逸る気持ちに背を押されていた。
彼女が少し背伸びしてくれてたのが、さらに俺を勢いづけた。
「キス、しちゃいましたね……先輩と学校でキスするのって、初めてですよね。どうですか?」
「どうって……由紀ちゃんと俺以外誰もいないからなぁ。それより、私服じゃなくて制服って方が」
舌を突っ込むとか、過激なことをする余裕は、俺には無かった。
彼氏彼女の関係といっても、デートでそれらしい雰囲気になった時に何回かしたくらいで、キスはまだ不馴れだった。
ここで外さずにくちびるを合わせることができるだけでも、俺にとっては結構な進歩だった。
頃合いを図ってくちびるを離すと、彼女は俺の学生服に身体を擦り寄せてきた。
「そういえば、先輩の制服姿ってちょっと新鮮です。わたしは野球部でユニフォーム姿を見てる方が多いですし」
「だって学ランは夏場暑苦しいのに、冬もそんな暖かいわけじゃないし」
「そんなこと言い出したら、女子高生の制服なんてどこも駄目ですって」
とりとめもない話の間にも、由紀ちゃんの感触は、二人の服越しに俺に迫っていた。
ショートカットの彼女の髪先に指を添えたり、頭を撫でたりすると、くすぐったがって身体を捩ってくる。
「先輩なら、もっと触ってもいいんですよ」
「もっとってどういうこと?」
「それ、わたしに言わせるんですか?」
「そういうつもりじゃ……それに、何だか由紀ちゃんいい匂いするから」
「もう、先輩ったら、そんな恥ずかしいこと言わないでくださいって」
女の子特有のふわりとした匂いを、ここまではっきり認識したのは初めてだった。
まばたきの音が聞こえそうなくらいくっついたことは前にもあったが、そのときは緊張で感覚が麻痺してた気がする。
「先輩の息、荒くなってないですか? 先輩もどきどきしちゃってたりして。おんなじですね」
「電気、つけてもいいかな。由紀ちゃんのこと、もっと見たいから」
「だーめです。恥ずかしいし、それに……今は、他に誰も来て欲しくないですから」
窓の外は薄墨っぽい黒に染まり、廊下から部室に差し込む光で、どうにか由紀ちゃんの顔色が見てとれる。
俺は彼女の胸に指を伸ばした。いきなり触られて驚いたのか、やや着崩したブレザーのシャツから覗く首もとが強張る。
「怖い?」
「あ、いえ……ちょっと落ち着いてきたかなって気分はしてたんですが」
「嫌だったら言ってくれよ。これは俺が言い出したことだしね。それじゃ、脱がすよ」
実のところ、俺は早く由紀ちゃんのおっぱいに直に触れたかった。
さっき胸に手を押し付けられたときの、上着を通してやって来る彼女の高鳴りをはっきり確かめたかった。
シワの寄ったブレザーとシャツと、俺のまだ知らない下着が、俺と由紀ちゃんの最後の日常だった。
この布切れ何枚かを取り去ってしまえば、ただの野球部主将とマネージャーには戻れない。
ブレザーから腕を抜いてもらって、リボンみたいな結び方のネクタイを解き、ボタンを外してシャツを肌蹴ると、
少ない光の中でも眩しい肌が顕になる。うなじから肩の曲線も色っぽい。シャツに合わせた白いブラジャー。
実は俺は、それを雨に濡れて透けてる時ぐらいしか見たことがない。けれどここまで来て止まることは考えられなかった。
わずかに躊躇った後、俺は脇腹の横から由紀ちゃんの背中に手を回そうとして、
「あのっ、小波先輩」
「え、な、何かな由紀ちゃん」
「これはフロントなんですが……」
「…………」
余程その時の俺の顔がひどかったのか、由紀ちゃんはしばらく俺を慰めてくれた。上半身ブラ姿で。
思うところはあったが――例えば、不慣れなのが却って可愛いってのはあまり慰めになってない、とか――
これ以上脱線させると雰囲気が完全にぶち壊しになりそうなので、何も言わないでおいた。
いつもなら野球のボールも見えなってきて、そろそろ練習を終わらせるぐらいの空模様だった。
そんな空を映す窓を背にして、由紀ちゃんは立ったまま俺に胸を晒している。
部室の机の上には、俺が脱がせた彼女のブレザーとシャツが、水たまりみたいに無造作に置いてある。
まだ脱がせていないスカートと、そのすぐ上の素肌のギャップは、異様だと思ったが悪くはなかった。
「先輩……わたし、変じゃないですか……?」
由紀ちゃんは、俺たちと同じグラウンドで日に照らされてるとは思えないほど色白だ。その肌が形作るおっぱいから俺は目を離せなかった。
俺はしばらく黙って見入っていた。触るのが畏れ多いぐらいの美しさと、触ってみたいという魔力が、危ういところで均衡していた。
「変、って言われても。由紀ちゃん、すごく綺麗だと思うけど」
俺は自分の中の均衡を破って、由紀ちゃんの胸に手を伸ばした。あったかい、というのが最初の感想だった。
人肌の温度を掬うように、俺はぎこちない手つきで指を埋めていった。
「やっぱり変じゃないと思う……まぁ、強いて言えばこれは。でもこれはこれで可愛いかな……」
指をずらすと、触り心地が変わるところがある。由紀ちゃんの息を吐く様子が変わった。
彼女の、肌と比べるとくすんだ色合いの乳輪の上に指を滑らせる。そのまま人差し指で軽くいじめてやる。
由紀ちゃんのそれは、いわゆる陥没乳首というやつだった。それを恥ずかしがっている様子を含めて、つい口から可愛いなんて言葉が出た。
そんな普段あまり使わない言葉が俺から自然に出てきたのは、さっき由紀ちゃんに可愛いと言われた意趣返しかもしれない。
「それとも、これじゃ何かいけないことでもあるの。気にしてた?」
「あ、それは、その……何と言いますか……んんっ」
「そういえば陥没乳首って、えっちな写真にはあまり出てこないね。もしかしてあの本読んだの」
「――っ、ど、どうしてそういう考えに行き着くんですかぁ……」
薄明かりの中でも、由紀ちゃんが顔を赤らめているのが見えて、俺は一層興奮した。
胸を揉んでいること自体も楽しかったが、俺の手の動きに合わせて彼女が呼吸を乱すのがたまらなかった。
夢中になって弄っているうちに、だんだんと肌が汗ばんでいった。乳輪に強張った感じが出てきた。
「ひあっ……そこ、はっ……出ちゃってますから……」
「ホントだ。最初は引っ込んでたのにね……ここ、いじってもいいよね」
口に出すと同時に俺は、手のひらを由紀ちゃんの勃起し始めた乳首に擦りつけた。
彼女は息を乱すのを超えて、明らかに悶えていた。もっと彼女のそういう顔が見たくて、顔をわずかに出した乳首を指先でなぶる。
その度に彼女の声と表情が乱れていく。小さい頃の、好きな女の子をいじめたくなる気持ちを思い出した気さえした。
こんなどろどろしたものじゃなかったはずなんだが。
「ひ、いあっ、だめ、だめですっ、そんなにいじっちゃ、これ以上はっ……!」
既に血が十分に通っているらしく、由紀ちゃんの乳首は俺の指先を跳ね返すぐらいの弾力を持っていた。
倒したり、摘んだり、摩ったり、調子にのって抓ってやったりもした。これはもう喘ぎと言ってもいいんじゃないか。
「今の由紀ちゃん、すっごいいやらしい声出してたけど……」
「だ、だって小波先輩が……だめって言っても、やめてくれないんですもん」
顔を伏せて口を尖らせる由紀ちゃんは、やや日常の顔を取り戻していた。それが俺の中でさっきの蕩けた顔と二重写しになった。
あまりに印象深くて、これから昼間に彼女の顔を見るときにも、ついオーバーラップさせてしまいそうだった。
「せんぱーい、学校にこんなもの持ってきてるなんて、これはあの本以上に見られたらまずいかも知れませんよ。
本当に、いつか学校でこんなことするつもりだったんですか?」
「これっ……えー、これはね、財布に入れてただけだよ。男の子の嗜みってやつだって」
そんなことを、前に三鷹君が言ってた覚えがある。それで気まぐれに入れておいたコンドームが活用される日が来るとは。
由紀ちゃんは興味津々といった様子で、俺が持っていたコンドームの銀の包みを爪で切っている。
「まったく、わたしのことをいやらしいだとかなんだとか言ってましたけど。小波先輩こそ、いつもわたしのことをそんな目で見てるんですよね」
「いつもってのは余計だよ……」
「じゃあ、そろそろ先輩も。わたしだけ服脱いでるのは……」
部室で脱衣するのは、練習後の着替えとかで何度もやっていたが、由紀ちゃんがそこにいるというだけで変な気分がした。
寄せ集めの野球部だけど、この部室は女性の目がそれなりに入るところなので、むさ苦しいものを見せない配慮はしているんだ。
光が少なくて見えそうで見えない身体、喉奥まで染み付く女の子の匂い、荒くなってしまった吐息と声、
ひとつだけでも勃ってしまうだろう刺激をいっぺんにもらっているので、俺のペニスはもう先走りまで出していた。
「こ、これが小波先輩の……あれ、男の人も興奮すると濡れるんですか?」
俺は部室の机に座ったまま、絶好調に反り返ったそれを由紀ちゃんに真正面から晒している。
ここからついにゴムを装備してセックスする……俺が机に座っているのは彼女の発案である。対面座位で抱き合ってしようということらしい。
寝転がる場所も敷物も無いから対面座位、ってのはそのエロ本読まなきゃ出ない発想だな――と思ったが黙っていた。
俺にも他にいい対案が見つからないから。こういう知識では俺も大差ないレベルだった。
「確かにわたしは初めてですけど……先輩だって経験無いですよね。それなら、わたしにやらせてください!」
「う、うん、そうだけど、そうなんだけどね……」
「それに……これだと、わたしがあげるって気分になるんですよ」
俺が揃えた両股の間を、横から机に登った由紀ちゃんが膝立ちで跨いできた。スカートも下着も取り去っている。
この頭の位置なら、彼女の大事な場所を含む生まれたままの姿のほとんどが、首を動かすだけで眺められる。
それでまた陰毛がまばらなので、女性器がよく視認できてしまう。すぐ下には俺のペニスの亀頭が待ち構えている。
「というか、これ実際入るのかな」
「今更そんな不安なこと言わないでくださいっ、わたしだって、上手く出来るか分からないんですから」
「あ、ごめん。でも無理はしちゃだめだよ。相当痛いって聞くし」
「無理なんかしてませんって」
由紀ちゃんの台詞は明らかに強がりだった。ゴムをおっかぶせるあたりまでは臆した素振りは無かったけれど、
これを挿入するという段階になると、この大きさ――特別大きくはないはず――でも恐怖心が湧いてきたんだろう。
彼女の性器は彼女自身が指で拡げているにもかかわらず、それを拒絶しているかのようだった。
「それじゃ、行きますよ。あの……」
「由紀ちゃん?」
「……小波先輩のこと、本当に大好きですから」
この一瞬、猛烈に由紀ちゃんを俺の手でめちゃくちゃにしてしまいたいという衝動がどこからか奔った。
たぶん、胸を弄ってた時のいたずらめいたものとは違うものだと思う。もっともそれが俺の身体を突き動かす前に、由紀ちゃんは処女を捧げにいった。
中はあり得ないぐらいキツかった。万力で締められたか、とさえ思えた。
「先輩……手、いいですか」
「手か。組む、それとも握る?」
「組む、方で、お願いします」
言われて、由紀ちゃんと両手の指を組み合わせる。生命線の付け根あたりに重みがかかる。彼女の泣き笑いの顔に焦点が合った。
痛みと圧力で、処女膜をいつ破ったか感じ取れなかった。恐る恐る視線を落とすと、俺のペニスにも赤い物がこびりついていた。
彼女は脂汗を浮かせながら息を切らしていた。全力疾走した後でもここまでにはならないだろう。
「先輩っ……小波先輩に、はじめて、あげちゃいましたよ……どう、ですか、先輩っ……」
由紀ちゃんが俺に絡ませていた指は、真っ白になるぐらい力が入っていた。無理するな、との一言も口に出せなかった。
彼女にこんな顔をさせておきながら、相変わらず勃ちっぱなしのペニスに、俺は我ながら呆れていた。
例の衝動はへし折れてどこかに行ってしまっていた。想像していたよりもめちゃくちゃだったからか。
「ね……由紀ちゃん、キス、してもいいかな」
俺は机に座っている――つまり足を床に付けていない――ので腰が上げられない。
キスするといっても、由紀ちゃんが上背をかがめてくれないと微妙に届かなかった。
気持ち良い、とは返せなかった。やせ我慢を口に出させるのが口惜しかった。だから、くちびるを塞いでしまいたかった。
服を脱がせる前にしたキスは、それなりにムードもあったはずなんだが、今のそれは痛々しかった。
俺は由紀ちゃんのくちびるにむしゃぶりついた。口内に舌を突っ込んで、歯列の奥まで押し入って犯した。
ペニスが動かせないのを贖うように、下品な音をさせて、ずっと、ずっと犯して回った。唾液は喉にいがつく後味だった。
息が苦しくなってからやっと彼女のくちびるを解放すると、半開きになった彼女の目と視線がぶつかった。
銀の橋なんてものはできなかった。顎のあたりまで唾液でてらてらと濡れていた。
「えへ……おとなのキス、って言うんですよね、こういうのっ」
ペニスを挿入されたまま、破瓜の痛みを抱きながら、今も笑いかけてくる彼女に、かけられる言葉はひとつしか思いつかなかった。
「さっき、言いそびれたんだけどさ……俺も、由紀ちゃんのことが本当に大好きだよ」
結局、あれ以上は行為を続けられなかった。後始末は衣服を整えるのが精一杯で、二人でしばらく放心状態になっていた。
余韻に浸っているといえば聞こえはいいが、実際は肉体的にも精神的にもくたくただった。これが既成事実ってやつなのか。
ぎこちない歩き方の由紀ちゃんを、俺は家まで送っていった。歩いている途中、彼女が肩を寄せてきたので、肩に手を回してくっついて歩いた。
遅い時間になっていた。由紀ちゃんの家には、適当な理由を並べて誤魔化した。
“こんな遅い時間まで付き合ってくれるなんて、できた人じゃない”とか家のお母さんに言われたが、
とても顔なんか見れたものじゃなかった。全て見透かされているんじゃないか、という妄想さえしていた。
というか、それは普通彼氏の目前で言うことじゃないと思うんだが。
由紀ちゃんの処女を奪ったことは、彼女の思いに応じた時から、頭にちらついていた事だった。後悔はしていない。
が、まさかこんな形になるとは思わなかった。もう少し先輩らしくリードしてあげたかった、とか思ったが、すぐに頭から消した。
彼女については、最初から主導権とられてるか、途中で奪われてしまっているパターンが多かったから……告白の時とか。
それに部室で交わった次の日に、
「あの、小波先輩っ、次はわたし、もっと上手くやれるようにしますから……」
とかなんとか声をかけられて、由紀ちゃんに対して主導権とろうとか俺には無理だ、って諦めるのはしょうがないよなぁ。
出会った時もそうだった。亀田君の口車で野球部のマネージャーになったっけ。どこか危なっかしくてほっとけないところは、関係がここまで進んでも変わらない。
ちなみに、エロ本は俺達が片付け忘れていたので、翌日水原君に再発見されて、また部内で一悶着あった。
“そんなもの持ち込んだのがあの教頭にバレたら、どんな尾鰭が付けられるか分からんよ”とか言われたけど、
既に尾鰭がつくでは済まないことを仕出かしている俺は、ただ苦笑いを返すしかなかった。
(おしまい)
GJ!
最近1の作品が多くなってきたね、ブーム到来かな?
あのコンビニ店員のとかまだなかったよね
610 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 10:04:12.31 ID:3UqSdjgj
56点くらいだな
いい作品だとは思うが……エロパロの水準を微妙に満たしていない
またお前か
うん、空いてる枠が埋まるのは喜ばしいことなんだが
何故埋まらなかったかを今一度考えてみよう。
書き手の方々は、数が少ないという理由で書くキャラを選んでないだろうか?
藤林丈司
>>611 なんのこと?
このスレでは批判をする人は一人しか居ないわけ?
本当に荒らしのパターンが多才だな
変化球LVは全部低いけどな
>>608 それが実は作られてるんだな
過去ログ持ってないから具体的に何時かというのはわからんが、wikiには入っている
ほっとけよ、どうせかまってちゃんだよ
テンプレにも書いてあるけどスルーしようぜ
「上滑り」「誘い受け」ときて今度は「水準」か
どっかの総理みたいに具体性のない言葉で評しても誰も前に進めんよ
そもそもラノベゲームのエロパロに文章の指導とかができる人はいなさそうだけどナw
現文の先生とかいないの
わたしが先生です
しかしいくらなんでもテンプレ読まない人が多すぎでしょ
触るだけ時間の無駄だから黙ってスルーすればいいんだって
まあスルーすればええ話よ
間違いなく
>>610は釣り
そして間違いなく高校球児ではない
ボウズじゃないからな!
>>620 ちょっと君、パワポケは野球ゲームですよ
まあ細かい事は他に放り投げてGJ!
エロい雰囲気作るのうまいなあ
いろいろどうも。
>>612 個人的に言わせてもらえば、自分みたいな「書きたいキャラ、書きたいシチュのSS以外考えない書き手」は、
書こうと思ってたキャラのSSが既に何本か投稿されていた場合、
○○のSSが読みたい!→SS探す→読む→面白い→あー満足だ……
ということになる可能性がある。SSが多ければ多いほど、その可能性が高くなる。
逆にそのキャラのSSが無い、あるいは少ない場合、
○○のSSが読みたい!→SS探す→無い→欲求が収まらない→こりゃ自給自足か……
ということになる可能性がある。SSが少なければ少ないほど、その可能性が高くなる。
よって、そのキャラのSSが少ない、という状況は創作意欲を高める要因だと思う。
勿論書き手全般に当てはまる傾向とは断言できないが、ひとつの解答として受け取ってもらえれば。
>>619 誘い受けに関しては前から何度も話題になってたでしょ
一時期ホントに多くて、結局テンプレ更新した時に「誘い受けはいいからさっさと投下しろ」って追加されたんだぜ
>>627 そういうの、真面目にレスすると喜ばれるだけだよ。
言いがかりというか、いちゃもんみたいなもんだから気にしなくてもおk
とにかく乙っした
誘い受けとかどうだって良いから投下してくれれば俺は満足
てか過剰反応してるのは一部の荒らしだろ 無視が一番
そろそろ容量的に次スレを立てる時期かな?
武美の豊満なおっぱいハァハァ
残40kB強か…
字数にすると2万字?
ところで冴花と千羽矢の3Pエンドにたどり着けない。
あるかどうかわからんけど。
次スレ立てるとなるとまだ早い気もするが、埋めるとなるとちょっと多いかな
まとめ行ったら天咲さんの連作が完結してた。
GJ!
またえらく急に過疎ったな
残り容量も中途半端だからみんな作品も投下しづらいんだろうか
過疎になり方がえげつないよな。
誰のおっぱいが一番大きいのか議論とかしようぜw
次作品が投下されたら次スレで良いと思う。
連作だとアレだから、連作考えてる人は自重って事で。
じゃ、せっかくなので久々に投稿します、たぶん13レスくらい
某所に投稿してる作品なのであしからず
12主×典子です、非エロ、続き描いてくれる人超募集
『しっと』
「学園祭?」
朝ごはんを食べにきませんか、と誘われ、丸テーブルの前で典子ちゃんの料理を待っていた俺はふと、部屋にポンと投げてあったパンフレットを見た
そこには「第84回南中学校学園祭」と見えた
「おまたせしました、今日は卵と焼き鮭が安かったから朝から豪勢でs…ってきゃー!!」
普段の落ち着きからは想像もできない取り乱しっぷりに一瞬ひるんだ俺から、かつてない俊敏さでパンフレットを奪い取る典子ちゃん
ハァハァ…と息を荒げてそれを握りつぶしているが、やがてまるで何もなかったかのように俺に向き合った
「さて、朝ご飯にしましょう」
「や、待ってよ、さすがになかったことには出来ないよね?」
「なんのことです?小波さんは何も見てなイでスヨね?」
恐い怖いコワい!!!!目!!目が死んでるよ、典子ちゃん!!!
どっかのヤンデレさんみたいになってるよ!!
「大丈夫です、さすがに中に誰かいることを確かめたりしません」
「それ以外の選択肢は存在するの!?」
って言うかそんなことあったらまた東○都でより厳粛な規制法案が審議されることになるからそれ以上いけない
そもそもこの話の時点で結構ギリギリなんだから
閑話休題
「学園祭あるんだよね?」
「…は、はい……」
よかった、どうやら落ち着いたみたいだ
「どんな出し物やるの?」
「えと…喫茶店です、ケーキ喫茶で手作りのケーキを振舞うんです」
「へぇ〜典子ちゃんの作るケーキか、食べてみたいな」
「…いつも作ってるケーキと同じです、だから来なくても食べさせてあげますよ?」
バカだなぁ、それをいつもと違う空間、学園祭の喧騒の中食べるからまた味もひとしおというものなのに
それに学園祭ということは何かまた別のアクセントの喫茶店を開くに決まってる
そう、普段着ないような服を着て接客とか、普段しないような髪飾りをつけて接客とか、普段作らないような料理を出して接客とか!!
「…考えてることがダダ漏れなのは別にいいんですけど、中学生の私に変な期待しないでください……」
「いやいや後見人をお父さんから引き受けた以上、どんな文化活動をしているかを見にいくのは典子ちゃんの保護者として当然の義務だからね」
「建前はわかりました、本音は?」
「典子ちゃんが制服にエプロンで接客してる姿が見たい!!」
軽くため息をついてあきれる典子ちゃん
いつもの冗談のつもりで話していることは典子ちゃんもわかっているはずだ
が、典子ちゃんはなぜか少し目をそらして
「えと、あの、じゃあもし小波さんのお仕事がない日だったらでいいんですけど、来ていただけませんか?」
「え?うん、日曜日が一般公開日だったら俺もいけるし、喜んで行かせてもらうよ」
どういう心変わりだろうか、一転してその学園祭を見に行く流れになった
「えー…っと、行っても大丈夫なの?」
「は、はい、もとより誘う予定ではあったんですけど、まだ心の準備ができていなかったというか…先に見つけられてしまって気が動転したとい
うか…あと…ゴニョゴニョ」
なるほどそういうことね
なんか顔が赤い気がするし最後になんかもう一言二言ほど付け足していたような気がするが、気にせず俺は学園祭に行く日に仕事が入らないこと
だけを考えていた
「はぁ…」
「どしたの典子?」
明日の学校祭の準備中、私は作業中に大きなため息をついた
なぜかというと、ずっと小波さんに言っていなかったことが一つだけあるからだ
「…明日の学園祭、ほんとにコレ着て接客するの?」
「えー可愛いじゃん!!どうせコレで中学生活最後なんだしみんなで楽しまないと!」
と、同級生の七島さんにいわれて思考を停止し納得しかけて、やっぱりおかしいことに気づく
「…普通こういうのって高校生の学園祭になってから着るものじゃないの?」
「もー頭が固いなー典子は、そんなんだったら愛しの小波さんも私がもらっちゃうよ?」
ガンッ!!!と設置しようとしていた看板を取り落としてしまった
「な、ななななななななななにおいってるの!?」
「え〜?知ってるよ?ってあれ?典子ってば気づいてないの?」
「え、ちょ、まって、なんの、こと?」
「ふふふ〜、そっかそっか〜まだ自覚はしてないのか〜じゃあ教えてあげない♪」
突然の同級生からの口撃に動揺してしまった
小波さんのことが知れ渡っている!?
いやそれよりもまず私が自覚していない?いったい何を?!
「待ってよ、まだ話、終わってない」
「ううん、終わったよ〜そっかそっか、そうだよねぇ、そんなに気になる小波さんにあの格好で接客するのは恥ずかしいよねぇ〜、
うんうん…はっ!!そっか、ずっと持たないって言い張ってた携帯電話をついに典子が持ったってことはそれも…!!」
「…っ!!…い、いい加減に!!」
「おーい、そろそろ下校時刻になるぞー!!早めに帰る準備しろよー!!!」
と先生が大声をかけた瞬間に七島さんは川田さんの方に駆けていった
学園祭当日
よりによって昨日のうちにまとめないといけない資料が終わらず結局朝を迎えてしまい、軽く眠気を伴っての登校となってしまった
「まいったな…部長め、俺が入社したばかりだからってバカにして、長いこと勤めてないとわからないような仕事を回してきやがって…」
しかし、ほかならぬ典子ちゃんの晴れ姿を見るためだ、行けないなんてことを言って悲しませるわけにはいくまい……
アレ?…おかしいな、典子ちゃんの安堵した顔しか浮かんでこない…
まぁ根性で提出しなければならない資料をまとめ上げ、なんとか学園祭を見学に行くくらいまではこぎつけたわけだが
「へぇ…これは立派なものじゃないか」
第84回南中学校学園祭
と校門にドンと鎮座していた看板をくぐると、そこにはいかにも中学生らしい文化活動をしている生徒たちの姿が…
「らっしゃいませぇ!!!たこ焼きいかがですかお客さん!!」
「小腹がすいたのでしたらぜひ、2−Eの喫茶『中華鍋』まで!!」
「のど渇いてますよね!?サッカー部出店『熱き男の汁屋」へ一名ご来店です!!」
「この夏の暑い体を冷ます3−Aお化け屋敷『化け物ばかり』までどうぞ!!」
「来ないと呪われますよ…占い・オカルト同好会『呪いの館』へどうぞ…!!」
「…お兄さん、いい女の子そろってるよ…今なら30分ぽっきりでこのお値段!!」
「なんじゃこりゃー!!!!」
もうね、カオス
校門をくぐった瞬間、押し寄せてくる勧誘生徒たちの波・波・波
渡されたしおり、チラシ、割引券、などなどがあたりを飛び交っている
中には怒号のようなものも聞こえてくる、とても中学生程度のやる規模の文化祭とは思えない
これは…典子ちゃんの店まで行くまでに結構骨なんじゃないか…?
…って…ん?…
「ですから、麻美ちゃん。ローラースケートだから早く移動できる、というのは幻想だと何度言ったらわかるのですか」
「おかしいなぁ、昨日読んだマンガに40ヤードを4.2秒で走る名選手に並んで走ってる女の子がいたはずなのに」
「それは、スペックの高いおちこぼれを寄せ集めて出来たチームがクリスマスボウルを制覇する漫画の中でしかありえないことですから」
「うー、急がないといけないのにっ…!!!………あれ?ゆらり、あの人どこかで見たことない?」
「? あのちょっと背の高い、このお祭り雰囲気の中一人なぜかスーツを着て立っている人ですか?私は麻美ちゃんのことは何でも知っていても、
そのほかのことは何でも知ってるわけじゃありません」
「私のことは何でも知ってるんだ!?」
「冗談です…ってアレは昨日麻美ちゃんが田村さんと話していた、小波さんという人じゃないですか?」
「あ、そうだそうだ。うわ、写真で見たのより全然カッコいいね」
「思ったよりもお年をめしてらっしゃるんですね、ところどころ格好がくたびれているのが気になりますが」
「へぇ〜アレが典子の小波さんか……ん!!い〜いこと思いついた…むふふ…」
「…麻美ちゃん、一応言っておきますが、普段あまり怒らない人を怒らせたらどうなるかわかりますか?」
「うん、ものすごく恐いよね?それがどうしたの?」
「いえ、麻美ちゃんが今からやろうとしていることをシュミレーションしていたら麻美ちゃんがどうもその怒られる対象になるかと思いm
「お兄さーん!!!よければ3年2組のメイド喫茶『すいーとるーむ』へいかがですか〜!?」……人の話は聞いてください。」
文化祭独特の雰囲気にのまれつつ、そんな時代もあったなぁと懐かしみながらきょろきょろとしてると、
「お兄さーん!!!よければ3年2組のメイド喫茶『すいーとるーむ』へいかがですか〜!?」
「うおっ!?」
緑色の髪をしたかわいらしい女の子が俺のところへ駆け寄ってきた
スポーティーなショートヘアに、決して背は高くないけど長い手足、なによりそのしなやかな体つきはスポーツをやっている人間のそれだ
「パウンドケーキが一つ300円、コーヒーかジュースとセットで500円!!!今ならセットでケーキが二つついて1000円になる割引券もつけますよ!!!!」
「いや、それ割増しになってるから」
「麻美ちゃん、それじゃただの悪徳商法です」
なるほど、なかなか愉快な頭の子らしい
もう一人影から現れたのは薄い金色をした髪の、これまたかわいらしい子が緑の髪の子のフォローに来た
「ありがとう、ってこれ典子ちゃんのクラスの出し物じゃないか」
「おや、田村さんをご存知ですか」
「ああ、俺の住んでるアパートの隣に住んでいる女の子なんだ」
しかし、ふむ、メイド喫茶か
「クラスの出し物でみんながメイド服を着てるの?」
「そうですよ!!みんな可愛いいですからね〜、お兄さん萌え死んじゃいますよ?」
思ったことをはっきりという子達だ
うん、やっぱり中学生って言うのはこれくらいきっぱりとしているべきだと思う、俺の周りに居る中学生が年齢の割りに大人しい典子ちゃんしか居ないだけに
「じゃあ連れてってもらおうかな、よろしく頼むよ」
「なるほど小波さんはメイド萌えでしたか、これは野獣に変身する前に私たちははやく教室に連れて行ってほかの子たちに小波さんの目を逸らしたほうがいいかもしれませんね」
……いや、でもここまではっきり言う中学生も珍しいんじゃないだろうか
「いや、さすがに中学生に手を出そうなんて考えてないよ」
「ふふふ、小波さん、川田さん家のゆらりアイを見くびったらダメだよ〜。ゆらりアイは人の表情を読み取って今その人が何をしようとしているのか、どんなことを考えているのか赤裸々に見透かすんだから!!」
「あくまの力を身に着けているだと…」
っていうかなぜ名乗っていないのにこの二人は俺の名前を知っているのか
「じゃあいきましょうか、小波さん」グッ
「教室は三階だよ!!」ギュッ
ってちょっと…!?
「なんで両手をホールドしt「「しゅっぱーーーーーーーーーつ!!!!」」中学生の本気ダッシュををおおおおおおおおおおおおおおおおおお!????!!!?」
「これはなんかの罰ゲームかな…」
「何のことですか?小波さん?」
いや、校舎に入ったとたん、両手に可愛い女の子をはべらせてる謎のスーツ大人に向けられる主に男子中学生の目線が恐い…
「お祭りムードですから、何事も楽しまないといけないというお話です」
「…いや、どう見てもお祭りムードというよりは血祭りムードになりそうな雰囲気しかないんだけど…」
「ねえねえ小波さん、典子とはどういう関係なの?」
「うん?同じアパートで暮らしていたら仲良くなっただけだよ」
まぁ本当は典子ちゃんのお父さんにまつわる話が一つ二つあったりするけどそこは当人のこともあるし伏せておこう
「えー?ホントにそれだけなのー?つまんないなー」
「さっきも言ったけど、俺が中学生に手を出してたらまずいでしょ…」
そう、あくまで俺は典子ちゃんの保護者として接さないといけないんだ
典子ちゃんに全幅の信頼を置かれているのだから、手を出すなんてもってのほかだ。
「ふーん…そーなんだー…ふーん…」
「?」
「ねぇねぇ、小波さん、今日は私に付き合ってみない?」
それはこの子に付き合って学園祭を回る、という意味でいいのか?
「え、でもこれから俺らは三階の君らのクラス展示に行くんじゃないの?」
「もー、小波さんったら女の子が付き合って、って言ったら意味は一つに決まってるじゃーん」
「そうですよ、小波さん、そんな問答は無粋です、だからその年に成っても彼女が出来ないのですよ」
「…あのね……君ら俺を誰だかまず知らないでしょうが…」
そもそも、この子達が何で俺の名前を知らないのが不思議だ
「あ、紹介が遅れたね、私は典子の友達で同じクラスの七島麻美です!!」
「同じく、川田由良里です」
「小波阿縁(あえん)です、一応典子ちゃんの保護者ということになるのかな、よろしく」
「そっか、じゃあ改めて小波さん、今日は私といっしょに学園祭に回ろう!!」
話を聞かない子だな…
「わかったわかった、じゃあそのあとにちゃんと連れてってくれよ」
「わーい!!さすがおっとなー!!ゆらり、これで私たちの昼ごはんは心配要らないよ!」
「麻美ちゃん、本音が口からダダ漏れです」
ははっ、食欲に忠実なのは中学生だな
「よし、じゃあそうと決まれば、早速回ろうか」
「田村さん、次5番テーブルにホットケーキとアイスココアを一つずつお願い」
「あ、はい」
「…田村さん、なんかそわそわしてるけどどうしたの?」
「え?あ、いえ、なんでもない、です」
「?」
びっくりした、そんなに態度にわかりやすく出るほどそわそわしてただろうか
多分、今私も無意識にそわそわしていたのだろう、言われてからそうかもしれない、と思ったほどなんだからそうに違いない
…まぁ多分小波さん昨日の夜晩御飯を渡しに行った時に帰ってきてなかったから昨日も残業で大変だったんだろう
結局寝るまで帰ってくる音がしなかったからよっぽど遅かったんだろう…だからといって朝ご飯にパワビタを三本飲むのはどうかと思ったけど…
いっしょに暮らせばちゃんと三食食べさせるのになぁ…っとダメダメ、こんなことばっかり考えてないで動かないと
「お待たせいたしました、ホットケーキとアイスココアになります」
私たちのクラスの出し物メイド喫茶「すいーとるーむ」は思いのほか大盛況でとてもじゃないけど前もって考えておいたシフトじゃまわしきれなく
なっていた
さらに、前もって買っておいた材料もあっという間にはけてしまって、足の速いバスケ部の七島さんと川田さん買出しを頼んだのになかなか帰ってこない
「もーどこまで行ってるのよー、麻美にゆらりー!!!」
クラスの女子たちもてんてこ舞いになってきている、もうそろそろ材料の在庫も限界も近い、昨日作り溜めしておいたパウンドケーキもあと10人分
も出せばなくなってしまうだろう
「―――――!!」
「―――――!!!」
……?なんだろう入り口の方で歓声が聞こえてきた
またお客さんが入店してきたみたいだ、けどいっこうに出迎えの挨拶が聞こえてこない
「なにがあったの?」
ホットケーキを必死に焼いていた私は近くにいたクラスメートに聞いてみた
「麻美とゆらりが帰ってきたんだけど、なんかとびっきりのイケメンと腕組みながら入ってきたみたい」
「…?」
「あ、典子その人の注文、典子の作ったケーキと典子が入れた紅茶だって」
!!!!(グチュ)
「ちょ、典子!!!手!!手に持ってるクリームが大変なことに!!」
「………ついでに聞いても良い?その人どんな服着てた?」
「え?あぁ、なんか仕事帰りなのかわからないけどくたびれたスーツ着てたよ、って典子!!今度は左手にジャムが!!はやく水飲み場行ってきて拭い
てきなさいよ!」
…間違いない…小波さんだ…こんな恥ずかしい登場するのなんて小波さんしかいない…
思わず外に出てしまったけど、どうやって顔を合わせたらいいかわからない…ああ、もう、今日はいっそ来ないと思って油断してたらこんな恥ずかしい
登場されるなんて…
「あんな登場されて、いったいどんな顔して小波さんと顔を合わせればいいのよ…」
私は手を洗って教室に帰る前に扉から中の様子を覗いた
「えっ…?あっ…」
「あの、七島さん?」
「うん?どしたの小波さん?」
「心なしか、ずっと俺にくっついてない?店番とか大丈夫なの?」
「問題ありません、すでに麻美ちゃんがするべき用事は済ませてしまってるので」
「いやいや、さすがにこんな忙しい店の様子見てるとやっぱり当番とかしっかり回さないとさ」
「麻美ちゃんぐらいのレベルになると、たとえマニュアル化された接客を学んだとしてもその斜め上を行くドジっぷりでお客様に迷惑をかけてしまうの
が目に見えていますから」
「ゆらりひどいッ!?わ、私みんなにそんなこと考えられてたの!?」
「半分冗談です」
「半分は真実なのか…」
まぁ確かにさっきまでいっしょに回ってて思ったけど、七島さんは確かに致命的にドジなところがあって危なっかしい
今日会ったばっかりでこの印象を抱くくらいだから長いこといっしょに居る川田さんにしてみればこの措置は当然のことなのだろう
「…うーん、ココが典子ちゃんの教室か」
学校特有の小さな椅子に腰掛けながら辺りを見回す
普段の教室とはちがういかにも学校のお祭然とした飾りたち、普段の3倍は気合を入れてみんなとこのイベントを成功させようとしている
男子中学生たち、そしてメイド服を着た女子中学生たち
うーん青春の一ページだ
「小波さーん、物思いにふけってないでよ〜、話聞いてる?」
と、上の空で話を聞き流してると釘を刺されてしまった
「麻美ちゃん、邪魔してはいけません、小波さんは今女子中学生のメイド服姿を網膜に焼き付けるのに忙しいのですから」
「うー…だったら私たちのほう見て話をしてても同じだよー」
あいも変わらず勝手なことを
しかし、ここ数分で知り合ったばかりなのにだいぶなつかれてしまったようだ
「小波さん…」
と、不意に頭上からソプラノボイスを投げつけられた
そこには、若干表情の引きつったメイド服姿の典子ちゃんの姿があった
「………………………………………………………………」
「………………………………………………………………かわいい」
いや、お世辞でもなんでもなく、ポロッ、と本音が出てしまった
不意に、といったら失礼になるかもしれないけど、まさにそう思った瞬間には口に出てしまっていた
普段ポニーテールの髪を下ろしてストレートにし、普段の格好からは考えられない、このお祭りの雰囲気だからこそ着れるメイド服を着、普段あまり
穿かない短いスカートを穿いて、ニーソックスとスカートの間に出来る絶対的に不可侵なその領域を作り出しているそれは俺の目の前で恐ろしい破壊
力を秘めつつ、輝きを放っていた
そして、普段どおりのやり取りを交わしている俺らだったらこの考えも典子ちゃんには丸わかりなのだろう、顔を耳まで真っ赤にしながら俺にささやいた
「こ、小波さん、聞こえましたよ……」
「ご、ごめん」
周りからはキャーキャーと女子生徒がはやし立てる声が聞こえている
今思ってたことが全部聞かれていたんだろうか、いや問題なのはそこじゃなくて
「え、えと、ローズヒップティーとパウンドケーキになります、そ、それじゃ…」
「あ、あう、ありが、とう…」
何も言うことができず典子ちゃんはいつもどおり部屋で入れてくれる紅茶とケーキを出して裏へ下がってしまった
「……ちぇー、やっぱ本妻さんとは態度が全然違うなー、作戦的には成功したけどなんだか複雑な気分になっちゃうよー」
「え?」
「当然です麻美ちゃん、田村さんお気に入りの小波さんにベタベタくっついて嫉妬を誘うなんて、そもそも考えが浅いですよ」
「うーん、でも結果として典子の嫉妬は誘えたから成功はしてるんじゃないかなー」
「…で、小波さん、あなたは何をおろおろとしてるのです?」
「え?や、その」
「もー!!察しが悪いなー、ほら早く典子を追いかけるの!!!」
バンッ!!と背中を二人に叩かれわけのわからないまま裏に回った
そこにはもうすでに典子ちゃんの姿はなかった
気がついたら私は廊下をひたすらに走り回っていた
もう!もう!!もう!!もう!!!もう!!!
最悪最悪最悪!!
小波さんのバカ小波さんのバカ小波さんのバカ!!
あんな恥ずかしいセリフをみんなの前で言っちゃうなんて、もうどんな顔して教室に入ればいいって言うのよ!!
そ、それに、あんな真顔で…か、かわいいなんて…言われちゃったら……
「あーもうー!!!小波さんのバカバカバカバカバカ!!!」
結局、私は自分の中の葛藤を終えるまでただひたすらに廊下を走り回っていた
走りつかれて教室に戻るときには小波さんはもう居なくなっていた
「典子、お帰り〜、小波さんとは会えた?」
「麻美ちゃん、空気を読んでください」
教室に入って、真っ先に声をかけてきたのは七島さんと川田さんだった
さっきまで、恥ずかしさと嬉しさをごまかすために走り回っていたのに、なぜだか急にその気持ちが冷めてしまった
「ただいま、ごめんね、店あけて、これから当番はいるから」
「え?あっ…典子?」
あと残り3時間もないけど、最後まで仕事は全うしないと
「ね、ねぇゆらり、ひょっとして私、余計なこと言ったのかな…?」
「余計なこと、というかとどめの一撃というか、どちらにせよ麻美ちゃんが空気読まずに田村さんに話しかけたのが原因でしょうね」
違う、違うよ七島さん、川田さん、あなたたちは何も悪くないの
悪いのは全部、こんな勝手に気分を浮き沈みさせてる私
そして、その原因たる小波さんが全部悪い
小波さんが七島さんや、川田さんとあんなに仲良くなってるなんて
会ってからたったの一日だけしかたってないだろうにあんなに仲良く腕を組んで、楽しそうに話して…
クラスで一、二番を争うほどキレイな二人がメイド服で接客してくれてたんだからそれはそうだよね
「ううぅ〜ううぅ〜どうしよう、教室での可愛い宣言までは完全に大成功だったはずなのに…」
「小波さんも小波さんです、なんで女の子一人を見つけることが出来ないのでしょう」
「ううぅ〜ううぅ〜」
「………まぁさすがにここから先は私たちが関与できる問題じゃありません」
「……ううぅ〜そうだよね…」
「ですが………お膳立てするくらいは出来るかもしれません」
「田村さん」
「おっかしいなぁ〜、いないわけはないのに……」
典子ちゃんを探して、体育館、保健室、グランド、屋上、などなど、校舎の隅から隅まで行ってみたが、とうとう見つからなかった
「しかし、なんで俺典子ちゃんに逃げられてるんだ?」
昨日寝てないせいもあってか、頭がよく回らない
とにかく今は必死で逃げた典子ちゃんの行方を追わないと
ヴーッヴーッ
「なんだ?電話か?見たことない番号だな…もしもし?」
「どうもこんにちは、あなたの心のスキマお埋めいたします」
…この声は川田さんか…なんで俺の番号知ってのだろう…
「ネタにはネタで返してくれなきゃ困ります、小波さん」
「そんなこといわれてもなぁ、切羽詰ってまともに頭も働かないんだよ」
「まぁ、いいでしょう、それよりも小波さん、田村さんは見つかりましたか」
「いや、まだ見つけられてないんだ、川田さん教室に典子ちゃん戻ってきてない?」
「ええ、戻ってきてはいません」
「そうか、いや、そりゃそうか」
しかし、そしたらなぜ電話してきたのだろうか
「戻ってきてはいませんが、田村さんから伝言を預かっています」
「え、なんて?」
「ココを通りたくば私を倒していけ」
「そんなラスボスみたいなセリフを!?」
「冗談です、『学校祭が終わったら屋上のフェンスにいてください』だそうです」
屋上…ね
「いいですか、絶対行ってくださいね、絶対ですよ、これはネタ振りじゃないですからね」
「…その『押すなよ?絶対押すなよ!!』的な押しはなんだい、川田さん…」
「要するに絶対行け、ということです。今回ばかりは裏を読む必要もないかと思われますが」
確かにそうだ、行けといわれて行く気をなくすなんてのはそうとうな天邪鬼だ
「わかった、連絡くれてありがとう」
「いえ、これは一種の罪滅ぼしですので、お礼を言われる筋合いはありません」
罪滅ぼし?
「ええ、なんでもありません、知らぬは当人だけでいいのです、さぁさぁそろそろ中学生の財布では厳しい額の通話時間になったので失礼します」
と、言いたいことだけ言い残すと電話は切れてしまった…謎めいた子だ
しかし…うん
やっぱりちょっとたまには裏をかくのもアリかな
「…ただいま」
誰も居ない部屋に向かって私は帰りの挨拶をした
川田さんに気を回されて屋上に行くように言われたけど、結局いかなかった
きっと小波さんの事だ、なにもわからずに川田さんに言われて屋上で待っているに違いない
小波さんも川田さんに言われるにしたがってきっと私に謝ってくることだろう、何もわかっていないのに
そんなこと言ってるはずもないのに、あたかも「すべては私の手のうち」と川田さんに言われているようで、それを癪に思ってしまった私が嫌で、結局
行かなかった
「もう、やだ」
そんな風に一人ごちて、私はあふれる涙をとめることができなかった
自分の醜い自己嫌悪につぶされそうで、もう止まらなかった
お父さんが死んだとき、お父さんにまた会えたときにもこんなに胸は苦しくならなかったのに、今はこんなにも胸が苦しい
「おかえり」
そんな声と共に、優しく後ろから抱きかかえられた
温かくて、ちょっとタバコくさい、小波さんの匂いが私の鼻をくすぐった
「な…んで…?」
「うん、なんとなく、典子ちゃんは帰っちゃうんじゃないかと思ってさ」
本当に、わけがわからなかった
どうしてこの人は
「典子ちゃん、俺と川田さんとか七島さんといっしょにいるのみて、その、ちょっと目障りだった?」
どうしてこの人は、私の予想だにしないことを平然とやってのけちゃうのだろう
「そんな…こと…」
「そう?それなら良かったよ、うん、典子ちゃんは典子ちゃんだもんね」
「わけがわからないですよ…」
ただ私は、一人で勝手に小波さんに終始抱きついてた七島さんを見てやな気分になって、何でも知ってる風な川田さんが癪に障って、二人に抱きつか
れていた小波さんにイライラして、それだけだったのに
「典子ちゃん、ほんとに俺、典子ちゃんの格好が一番可愛いと思ったんだよ」
こんなこっ恥ずかしいセリフを真正面から言われてしまって、今まで悩んでいたことがすごく小さなことのように思えて、目からあふれてくる涙をや
はりとめることができなかった
「困ったな…典子ちゃん…」
ワンワン泣く私を、小波さんはちょっと困った顔をしながらずっと抱きとめていた
私は少しでも小波さんのぬくもりを感じているためなら、小波さんをずっと困らせていたい、とそんな風に思っていた
翌日
「あぁ〜ゆらりぃ〜、昨日典子屋上に居なかったけどどうだったかなぁ…」
「わかりませんよ、さすがの私もあの場に居合わせるのは無理でしたから」
「うぅ〜…気づけば小波さんも来てなかったし…どうしよう…私とんでもないことをしちゃったんzy」
「おはよう!川田さん、七島さん」
「うひゃ!!」「…!!」
「?どうしたの?豆が鳩鉄砲喰らったみたいな顔しちゃって」
「ね、ねぇ、ゆらり、さすがの私もこんな変化は予想外だったよ」
「……ええ、田村さんがこんな面白いボケをしてくれたのに何もツッコめずじまいで終わったしまい、この川田由良里、一生の不覚です…」
「?変な二人、今日は片付けの日なんだからだらだらしないでさっさと動く!」
「「は、はい!!」」
「じゃ、私は先に行くね!」
「…どう判断したらいいの?ゆらり」
「えぇと…悲しみが一周回ってひっくり返ったとしか…」
「あ、そうだ二人とも」
「わ?!きゅ、きゅーになに!?」
「ありがとう」
「へ?」「……なるほど」
「何のことかわからない、とは言わせないからね」
「え?な、何のこと?」「…昨晩はお楽しみでしたね?」
「――がッ…!!と、ともかくありがとう!!でも余計なことしたんだから今日の片付けはいっぱいまわすから覚悟してて、ね?ゆらり、麻美!!」
「……ええ、望むところです」「あは、麻美、か」
「それじゃあ、お先に!!」
「ねぇ、ゆらり、私ゆらり以外に名前で呼ばれる人って少ないって知ってた?」
「ええ、知ってますよ、麻美ちゃんが人と話すことが本当は苦手だということもよく知っています」
「そっか、でもね、私名前で呼んで貰える友達が増えたんだ」
「奇遇ですね、実は先ほど私も名前を呼んでくれるお目付け役ができてですね」
「行こっか?ゆらり」「ええ、麻美ちゃん」
了
以上になります、読んでくださった方ありがとうございます
多分12主と典子はこの晩に何か行為に及んだものと思われますのでその詳細をご存知の方はどうか自分に教えて下さい
ノリコンは正義!!
>>649 GJ!
pixivでも似たような奴あったけど同じ作者さんかな?
651 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 18:15:10.52 ID:oEaVL8hH
やっぱり上滑りしてる……才能ないよあんた
乙乙。
しかし他力本願は感心しないなぁ(棒)
とりあえず、乙
本文にも書かれてるけど人見知り気味の麻美が主人公に積極的にちょっかいを掛けるのが気になったかも
あと100%確実って訳じゃないけど麻美たちと典子は1歳年が違うので同じクラスになる事はないかと
内容はよかったです
>>649 乙ですとも、これはいいif
容量的に次スレだね
レベル足りないって言われた・・・
誰か次スレ頼む
何だろうな…悪くはないんだけど所々違和感を感じる。
主人公イケメン設定は別に要らないだろうし、無闇に他作品のネタを混ぜてるのもスベってる印象。
俺も立てられなかった…。
今度から宣言はしてくれ、立てにくい。
って事で試してくるわ
埋め木寮長
>>649の作者です
>>650 pixivで上げてる作者と同一人物ですw
>>651、654、657
具体的にどこが悪いか教えてくれてありがとうございます!
一応、学年等は時系列等考えて麻美ゆらり典子の年齢は逆算してみたのですが、思うように合わずじゃあいっそ設定もifで
いいやと妥協してしまった結果ですw
人見知りがちな麻美についても書いててこれ絶対つっこまれるだろうなとわかった上で書いたあくまでifルートの設定だ
と思ってくださると嬉しいです、決して原作の設定をないがしろにしているわけではありませんが…そうでもしないと話が
進められない人間でして…ww
>他作品のネタを混ぜるのは寒い パロ好きでして…wwすいません、自重しますww
才能ないのは自覚してますw自分が書きたくて書いてるものなのでホント拙文にもほどがあって見る方が見たら見るに耐え
ないものであるやも知れません
より多くの人に良かったといってもらえるようこれからも精進していきます
長文になりましたがこのような拙文に対して本音のアドバイス、ありがとうございました
次スレも投下もGJ!
アドバイスは期待しないほうがいい
例え真摯なアドバイスがあったとしても、
それを上から目線、余計なことだと捉える輩は必ず存在して荒れる火種になる
アドバイス専用スレはあるがパワポケはNGな雰囲気になっている
まあいろいろあったからねえ
せっかくの保管庫の掲示板にそういう場所を作るってのもありかもしれないけどね
それに設定とか、パワポケに直接絡むような話題ならともかく、
純粋な文章・作話技巧についての話題はスレチだろうしね〜。
書き手としては、ただ一言GJ!とだけ言われるよりは
多少否定的でも実のある意見を言われた方がずっと嬉しいけどなぁ。
スレチって事も無いと思う。
藤林丈司
意見に対しての感じ方も人それぞれってことでしょう
言いがかりつけてるような意見はどうしようもないけど
あんまりきつい言い方だとやりづらくなるのも事実でもあるし
言うにしても言葉は選ばないといけないよなあ
設定があきらかに間違ってるなら突っ込んでもいい気がするな。
読んだ側が設定を間違って覚えることだってあるかもしれんし。
まぁネタをネタと(ryではあるんだけど、
えーと、投下は次のスレでやった方が良いのかな?
短編ですが、投下してきます。
個人的には、意見は何でもあった方が嬉しいですね。
具体的なものなら特に。
まぁ明らかなミス以外にツッコミを入れるのはなかなか難しいかもしれませんが。
「うん…それで、お菓子がどうしたの?」
「いやさ、でもそんな理由で甘い物を遠ざけるのは勿体無いと思うんだよ。
前も言ったけど、維織さんはちゃんと歯を磨いてるんだから、少々食べたって問題無いって」
「痛いの嫌い…そんなリスクを犯してまで食べたいとは思わない」
むむむ…やはり維織さんの決意は固いようだな。
基本大抵の事はどうでも良いと思ってるけど、こうと決めたら頑固だからなぁ…。
さて、どうしたものか……う。
(何やってるの?早く言っちゃいなよ!)バチッ
隣のテーブルを拭いてる准が、ウインクをしてそう念を送ってくる。
くそう…正直恥ずかしいから言いたくは無いが、カロリーには変えられん!
安定した生活を手にした今でも、風来坊の性がそう叫ぶ!
見てろ准!男九波、派手に散ってやらあっ!
「い、維織さん!」
「?」
「そんなに甘い物が駄目だって言うなら、俺との甘〜いキスもおあずけにするよ!!」
瞬間、その場の空気が凍ったのは言うまでも無い。
スミマセン、誤爆しました。
ではこちらは埋めますか
2スレ連続で容量埋まるとはなあ
濃厚なスレってことかな?
なんかんだで職人さんがいるんだね
これからも頑張ってください!
職人のモチベ上げる為に俺達もがんばらねばなるまいて。
てか、容量で埋まると言う事は小説以外のレスが少ないって事な気も。
SS以外のレスが多いってのは雑談が多いって意味になるから今まで通りで良いと思うよ
単純に密度濃いって事でしょうよ
さっさと埋めちまおうぜ
うおほほほ
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
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ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
うめうめうめえええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええ
その正体はIT関連の大企業のNOZAKIグローバルシステムの社長令嬢であり、次期社長である。喫茶店のマスターである世納香太は実家からの付き人であり、喫茶店も維織の好みにあうようにつくられたものである。
幼い頃から父親の跡を継ぐ為だけに育てられてきたため、他人の決めた道を進む事に疑問を感じている。そのため、本来は8月に社長に就任するはずだったが、風来坊の主人公(9)と出会い、その自由な生き方を見て考えを変え、年内に延期される事になった。
その後、一度は周囲の圧力に屈し、仕方なく父親の跡を継ごうとしたが、主人公(9)の説得により、自分の意志で将来を決める事を決意する。
ノーマルエンドでは主人公(9)と2人で駆け落ちしているが、グッドエンドでは一時的に主人公(9)と離れ、社長に就任した後、彼を付き人兼ボディーガードとして雇い、海外を中心に飛び回っている。
主人公(9)が喫茶店に行くと出会う女性。友人は夏目准と雪白冬子。
同い年の冬子が大学生であるため、20代前半だと思われるが、本人は大学を2年前に卒業して博士号を取得しているため、何度も飛び級した可能性が高い。
趣味は読書で、熱中していると主人公(9)以外は視界に入らなくなる。夢中になると3日間寝ないで、読書をすることがある。
作中の発言は思いつきの様に見えて、前々から聞こうと思っていたか読んでいる本に影響された事が多い。
めんどくさい星人であり、食事などの身の回りのことについては気にかけない。だが、能力は極めて高く、ピアノの国際コンクールで何度も金賞を取っており、学生時代には様々な論文を書き、多くの場所で読まれているほど。
武器商人の一族の娘「イオ・レヴィン」として登場。表サクセスと同様、思いつきの発言ばかりが見られるので、
何を考えているのか分からず掴み所がない。サラのシナリオに大きく関係する。
「氷の姫君」サラの奪還を主人公(裏)に半ば無理矢理頼み込んだ張本人で、
サラを回収した後多額の「寄付金」を銀の盾に
寄付するなど色々な根回しをして、サラを銀の盾の構成員に仕立て上げた。
「存在感が薄い」「谷底に何度も蹴り落とす」等サラに対する酷い発言が目立つ。
だが、実際のところはサラを大切にしている様であり、サラを引き取り
「義理の妹」にして可愛がっていることがサラの一連のイベントの最後で明らかになる。
クインシティの貴族、レヴィン家の娘「イオリ・レヴィン」として登場。表サクセスや秘密結社編に続き、今回もジュンと一緒。パカーディとも顔馴染みらしい。
面倒くさがりな所は相変わらずであり、今回はただひたすら食べていただけ。ジュンが万能メイドと化したのはこの面倒くさがりのせいである。
ジュンが外の世界を知りたがっているのを知っていた彼女は、彼女がジュンに探して貰っていた食材を主人公(裏)が発見したことを利用して、食材を取りに行かせるという理由でジュンを派遣。そのままコンキスタ号に乗船を続けさせた。
ジュンがコンキスタ号での航海を終えた後は、「ジュンが見た世界を見に行く」と発言しており、自ら世界を回る決意をした様子。
ジュンが乗船した後は野球人形作成のクライアントの一人になる。しかし野球には全く興味が無く、野球人形の仕組みを知りたいために実物を欲しがっている。
腹違いの妹である川田由良里が登場。その中で彼女についても言及がある。
NOZAKIグローバルシステムの首脳陣交代劇の直後、自身の身辺調査を行って由良里の存在が発覚。社の人間は由良里を厳重な監視下に置こうとしたが、彼女がそれを阻止。由良里に行動の自由を与えている。
七島麻美とも面識があり、中学1年の時に麻美が道を歩いているところを見つけて車の中に連れ込み、由良里の事情を全て麻美に話している。
また、NOZAKIグローバルシステムのトップとしてジオット・セヴェルスと
会談している。マゼンタというジオットの部下に支社をひとつ潰され50人
の人間が犠牲になったことが語られており、ジャジメントの次の標的の一つがNOZAKIであることが判明した。
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
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ほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひすほるひす
埋め梅
朱里早く裏に出てください
>>691 言葉は悪いが、13裏の不潔な船生活は朱里にぴったりだと思っただけに出なかったのは残念だったな
埋め
>>692 確かに朱里は11の影響かなんとなく泥臭く戦うイメージがあるな
カズと紫杏は割と裏で優遇されてるのになんで朱里は出ないんだろうな?
埋め
大人の事情とか?
巨人小笠原、パワポケプレイ中に消息を断つ
うめえええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええ
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うまあああああああああああああああああああああああああ
うっまあああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ
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うまれえええええええええええええええええええええええええええ
うまれえええええええええええええええええええええええええええ
いつまでええええええええええええええええええええええええ
かかってんだああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
むーんむーんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんn
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
埋また
あれ、500じゃないの?
あとすこし
うひ