強制女性化小説ない?Part41

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1名無しさん@ピンキー
男のキャラクターが科学や魔法やその他の方法で、意思に反して女性化されるSSを楽しむスレッドです。
SSへのコメントや、その他TS系サイトの情報、あるいは強制女性化の萌え談義で盛り上がりましょう!

【前スレ】
強制女性化小説ない?Part40
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296831191/

■暫定ローカルルール
最近マナーの良く無い発言が目立ち、荒れる原因となっているので、暫定措置としてこのスレにおいては、次のローカルルールを適用します。

※SS投下・妄想ネタ・TSF情報・ポジティブな感想・GJ以外は、全て議論スレへ。
※作者、読者ともマナーを守って進行していきましょう。
※次スレ立ては>980、若しくはスレッド容量480KBを目安に。
※容量が危ない時は、作者様は極力次スレに投稿していただきたいです。ご協力をお願いいたします。

【注意】
◇以下の事を守れない人はどんな人であっても荒らしです
◇強制女性化でも萌えは各人各様。好みが異なる人ともマターリ共生を。

【スレが荒れたときの対処】
◇荒らしは、自分の書き込みに対するスレの反応を楽しみます。
◇荒らし煽りはスルーが原則。
◇本人の意図に関わらず、荒らしに反応しているレスもその一部です。
◇荒らしに議論を仕掛けることは、スレの荒廃を招くだけです。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。
◇状況が目に余るときは、やんわりとこのテンプレを示す。
◇コピペ荒らしやブラクラなどの書き込みは削除依頼を。
◇趣向が合わないと思った書き込みはスルーすること。自分の好みに他人を従えようとすれば、スレは荒れてしまいます。
2名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 05:23:17.08 ID:loPUsprw
【現行TS関連(?)スレ】
「性転換」スレッド http://find.2ch.net/?STR=性転換
「女性化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女性化
「女体化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女体化

【関連サイト】
八重洲メディアリサーチ http://www14.big.or.jp/~yays/
アダルトTSFコンテンツ支援所(β) http://www.tsadult.net/
【保管所】
強制女性化小説 投稿SS・イラスト保管庫 http://red.ribbon.to/~tseroparo2ch/
強制女性化SS保管庫 http://yellow.ribbon.to/~tseross/
強制女性化小説ない?スレ保管庫 http://w.livedoor.jp/tsf/
3名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 05:26:34.29 ID:loPUsprw
【お知らせ】
アダルトTSF支援所 http://tsadult.s7.x-beat.com/
強制女性化小説ない?スレ保管庫 http://library.s12.dxbeat.com/tsf/

上記2つのサイトは現在存在しておらず後継サイトがそれぞれ>>2のようになってます
リンク変更がまだの方はお早めにどうぞ
4名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 05:28:19.81 ID:loPUsprw
テンプレの>>2にミスがあるので次回スレ立て時に修正お願いします

【現行TS関連(?)スレ】
「性転換」スレッド http://find.2ch.net/?STR=性転換
「女性化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女性化
「女体化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女体化

【関連サイト】
八重洲メディアリサーチ http://www14.big.or.jp/~yays/
アダルトTSFコンテンツ支援所(γ) http://www.tsadult.net/

【保管所】
強制女性化小説 投稿SS・イラスト保管庫 http://red.ribbon.to/~tseroparo2ch/
強制女性化SS保管庫 http://yellow.ribbon.to/~tseross/
強制女性化小説ない?スレ保管庫 http://w.livedoor.jp/tsf/
5名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:24:41.31 ID:M3za2GWk
スレ立て乙です!
ココに該当するが微妙なんだけど……それらしいモノの冒頭を投下します。

『竜人と巫女のゲーム』

 レムが「ソレ」を見つけたのは、気まぐれからくるほんの偶然だった。
 立場上義務として課されている闘技の鍛錬に飽き、気晴らしに少し遠くまで散策しようと、館の裏手に広がる森を逍遥していたところ、川辺に流れ着いた意識を失った「人間の少女」を見つけたのだ。
 どうやら、命に関わる程ではないが、かなりヒドいケガをしているようだ。
 一瞬躊躇したものの、見捨てておくワケにもいかず、レムは仕方なく少女を抱えて館に戻った。

 * * * 

 目が覚めた時、傍らには異形の存在が侍っていた。
 「きゃー、おばけー……」
 「いや、思い切り棒読みですよ?」
 うるさいわねぇ。起きぬけに異形の輩を目にしたら、つい悲鳴をあげてしまうのも、うら若い乙女としては無理もない話でしょ。
 「「うら若い乙女」、ですか……」
 呆れたような声は、あえて聞こえないフリ。
 こう見えてあたしは、花も恥じらう芳紀16歳のかよわい少女なのだから。
6『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/08(火) 23:25:39.76 ID:M3za2GWk
 「その自己描写には大いに異論をさしはさみたいトコロではありますが……」
 「何よ〜、嘘は言ってないでしょ、嘘は」
 ついにツッコミを無視できなくなったあたしは、口を尖らせて傍らにいる「友人」に抗議する。
 そう、「友人」。
 たとえ、皮肉屋のクセに実はお人好しの苦労性で、まがりなりにも一国の王族でありながら荒事と流血沙汰が苦手で、おまけにいかつい顔に似合わぬ少女趣味なトコロがあるとしても。
 そして、人間(ヒト)ならぬ存在──竜人(サウロイド)だとしても、コイツがあたしの命の恩人であり、友であることは間違いない。
 「──褒めてるのか貶しているのかどっちなんです?」
 「あら、一応、好意的に表現したつもりなんだけど?」
 シレッとした顔でそう告げると、コイツ──竜人の国ドラクタリヌースの第一王位継承者にして宮廷執務官長(本人いわくお飾りの名誉職らしいが)レムルス・ディノ・ナーガラーは、鱗で覆われたその暗緑色の貌に力無い笑みを浮かべた。
 追加その1。コイツは、鉄面皮と無表情がウリの竜人のクセに、表情豊か過ぎるわね〜。
 そうそう、竜人ってのは、その名の通り、ドラゴンを人型にしたような種族のことね。
 平均身長は170クロムくらいで、このパルサニア大陸で多数派を占めるヒューマンやエルフと大差はないんだけど、その2種族に比べて、かなり骨太でガッチリした体型をしてる。まぁ、ドワーフ程マッチョって感じじゃないけどさ。
 全身を竜っぽい鱗に覆われていることもあって極めて頑健で、多少動きが鈍重な傾向もあるけど、優秀な戦士(ファイター)になり得る素質を持っている。
 寿命も、400年を超えるエルフ程じゃないにせよ、ドワーフ同様200年くらいは平気で生きるらしいし、平均年齢が100歳にも満たないヒューマンからしてみれば羨ましい限りね。
 泣き所は、出生率が低めなのと、知能があまり高くない……って言うか、考えることを苦手とする者が多いってトコロかな。大半の竜人が、「グダグダ考える前にまず動け」って性格だし。
 もっとも、平均的傾向はともかくトップクラスの知能や知性はヒューマンにそうそう劣ってはいないと思う。その証拠に、竜人にも、かなり頭が良くないとなれない魔術師や魔法剣士なんかも、少ないながらちゃんといるしね。
 「で、今日は何の用なの、執務官長サマ?」
 半ば名誉職とは言え、まがりなりにも官位をもって宮廷に仕えているレムが、真っ昼間から「招かれざる賓客」であるあたしを訪ねてくるなんて、普通はあり得ない。
 いくら、ここの宮廷(と言うか王族)がフランクで、かつあたしがココの王様と王妃様の両方に気に入られているとしても、ね。
7『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/08(火) 23:26:05.48 ID:M3za2GWk
 「……十日後、アキツへの公使派遣が決まりました」
 渋々という感じで(本当に、コイツの表情は読みやすい)レムはその言葉を絞り出す。
 「そう。つまり、あたしもその使節団に同行しろってコトね」
 よんどころない事情でこの国でニート同然の生活をしているとは言え、故郷に帰ればあたしは、傍系とは言え王家の血を引き、国家祭祀の中では第三位に位置する「霊奮(たまふ)りの巫姫」だ。
 ……いや、その事実(王家の血云々)を知ったのはここに拾われるほんの数日前なんだけどね。自分では単なる辺境(いなか)の巫女見習いだと思ってたし。
 て言うか、できれば一生「辺境の一巫女さん」として暮らしてたかったんだけどなぁ。先代の「霊奮りの巫姫」が斃れたコトで、急きょその後釜が必要になったからって、数ある候補の中から抽選で選ぶのもどうかと思う。
 ま、先の大戦以来、望まずして鎖国に近い状況にあるこのドラクタリヌースにとっては、「行方不明の巫女を保護してました」ってのは、国力的には中堅と言っていいウチの国アキツに対するこの上ない取引材料だろうし。
 一宿一飯以上の恩義があるから、そのコトでこの国の上層部を責める気は、あたしにもない。
 「申し訳ないのですが、そうせざるを得ません。我が国と貴国アキツの関係は、最悪とまではいかなくとも、友好的とはお世辞にも言えません。
 我々にとってアキツと関係を持つことにメリットは大きいのに対し、アキツ側にはそれほど得る物はない。故に……」
 レムは言葉を切ったが、あたしにもその先は分かる。
 「国家の要職たる霊奮りの巫姫候補を助けたとなれば別。仁義を通すウチのお国柄からして、それなりの譲歩を得られるって寸法ね」
 「はい……」
 済まなさそうにうなだれるレム。
 「別にアンタが決めたわけでもないでしょ。そんなにしょげなくてもいいじゃない」
 ホント、竜人にしては繊細過ぎる。よく、こんなんで、ドラクタリヌースの第一王位継承者なんてやってられたわね〜。
8『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/08(火) 23:26:36.95 ID:M3za2GWk
 「とほほ、よく言われます……怒ってないんですか?」
 「まぁ、自分の素姓を明かした時点で、遅かれ早かれこうなることは予測していたしね」
 さっきも言った通り、一宿一飯の恩義があるから、その程度「利用される」こと自体は、別段構わないんだけど……。
 でも、王都ヤマトなんて都会に連れていかれて、そこで堅っ苦しい巫姫としての修行を強制されるんだろうなぁ……と思ったら、ちょっとゲンナリ。
 「そうなんですか? 私に言わせれば、「東方文化の華」とも言われるヤマトに行けるなんて、夢みたいな話ですよ。たしか、あそこは異邦人の出入りには制限をかけてますよね」
 「みたいね。もっとも、コウラ国やシン国の人間は、アキツ人と見分けにくいから、割合気楽に出入りしてるらしいけど」
 だいたいあたしは、森ガールなの。マイナスイオンとフィトンチッドをこよなく好む、自然派なのよ!
 確かにヤマトに好奇心を抱いてないと言えば嘘になるだろうけど、後継者が見つかるまで、ほぼ一生街中に閉じ込められて過ごすなんて、憂鬱過ぎるわ。
 「はは、貴女らしいですね。東方文化に興味のある私としては、できれば代わってさしあげたいところですが……」
 ──キュピーン!
 「……本当にそう思う?」
 「へ? え、ええ、まぁ。私はご存知の通り、この国ではかなり変わり者の部類に入る「文化人」ですからね。
 巫女としての務めがあるとは言え、何も神殿に軟禁されるわけではないのでしょう? 外出時に珍しい本や文物を見つけたら……」
 「ぜひ、送ってくれ」と続けるつもりだったのだろう。しかし、あたしはガシッと力強くレムの両肩に手を置いた。
 「その言葉に、二言はないわよね、ドラクタリヌース皇太子レムルス・ディノ・ナーガラー殿?」
 あたしの異様な迫力に負けたのかコクコクと頷くレムを見て、あたしはニヤリと人の悪い笑みを浮かべる。
 「そ。じゃあ、「霊奮りの巫姫・千剣破澪霧(ちはやれいむ)」の代役よろしく〜」
 「……は?」

-つづく-
9『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/08(火) 23:27:26.43 ID:M3za2GWk
プロローグは以上。まぁ、勘のよい方なら、次の展開はおおよそ予想つくでしょう。ふたりのルックスイメージは「シャイニングティアーズ」の巫女様と竜戦士で。
実は、ココに投下してよいのかは微妙。エロっぽい展開はある予定ですが、「強制」というか「渋々同意」しての入れ替わりになるので。
かといって「人間以外の女の子との〜」スレは、男性側が非人間なので違う気もするし。
※このSSは、亡き某支援所図書館の「竜王子の帰還」というSSにインスパイアされて書き始めたものです。また、神坂一の「日帰りクエスト」あたりの影響も受けていると思われます。
10名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 22:11:37.10 ID:62RnJzRy
>>9
続き待ちます
11日記:2011/03/10(木) 13:53:09.62 ID:TyY2nYLu
6月24日
最近、正和の様子がおかしい。
ニートな兄貴である僕を疎んじていたはずの奴が妙に優しいのだ。
今日なんてホットケーキなんぞ焼いて食わせてくれた。
存外に美味いホットケーキだったのはいいが、何か画策しているのでないだろうか?
6月25日
ひどい寝汗で目が覚める。
体温は39度もあった。
風邪……か?
7月1日
やっとペンをとれるまでに回復した。
しかし妙だ、髪の伸びが早く乳首が痛む。
腹痛と軽い発熱で寝られない。
病院に行ってみたら医者も首を傾げていた。
珍しい病気の可能性もあるとのこと。
7月10日
「兄貴、縮んでないか?」
という正和の言葉にハッとする。
なんだか痩せてきている気はしていたものの、縮むとは……
だが実際パジャマの丈が長くなったような感じがする。
手が袖から半分出てないし。
余談だが、股間のものも小さくなってきたような気もする。
まさか僕、このまま縮んでいくんじゃないだろうな?
7月15日
勤め人だったらクビか左遷か、ニートなのは不幸中の幸いだったかも知れない。
とは言え、さすがにこんな異常事態では親も優しくなる。
母さんのお粥なんて何年ぶりに食べただろうか。
なんだか嬉しくて涙が出る。
不甲斐ない息子でごめん。
7月20日
女性化症候群、それが僕の病名らしい。
年齢も若返ってるらしく、鏡で見た感じ、12歳くらいの女の子に見えた。
髪も一ヶ月足らずで腰まで伸びたけど、そろそろ打ち止めみたいだ。
ははっ、僕が女の子に……ね……
7月28日
正和がひどく心配そうに「何かできることはないか」と言って来たから、
「またお前のホットケーキが食べたい」と言ったら泣き出した。
泣くほどのことかなぁ?
でも作ってくれた、優しい。

8月2日
身体もすっかり楽になったので、久しぶりに浴槽に浸かってしっかり身体を洗った。
と言っても肌が弱くなった感じがするので手でこするだけだけど。
いや、あれだね。
自分で自分の身体見ても欲情とかしないもんだね。
うん。
8月4日
戸籍の変更が完了した。
と言っても名前欄と性別欄が変わっただけだが。
翔子が新しい名前だそうだ。元の名前に子をつけただけなのが……
それで今日はお祝いだった。
ちょっと泣けた。
現在進行形で穀潰しな僕だけど。
お祝いされることもあるんだなぁ。
12日記:2011/03/10(木) 13:53:33.99 ID:TyY2nYLu
でもお母さん、戸籍謄本を放り出すのはマズいよ。
僕が養子だなんて今まで知らなかったんだから。
8月10日
今日は母さんと一緒にショッピングだった。
それこそ両手に余るほど服を買い込んで、午後には喫茶店で
ホットケーキを食べた。
でもやっぱり正和の作ってくれたののほうが好きだってのは内緒だ。
8月12日
正和の前でファッションショーをしたら、あいつ鼻血を吹き出した。
兄貴に欲情するとは修行が足らんぞ正和。
来年の大学受験に失敗して兄の二の舞にならんことを祈る。
あと水着のファッションショーは中止することにした。
8月20日
勉強しているあいつに麦茶を差し入れしたら、 とても喜んでくれた。
なんだかこっちまで嬉しくなるようで、幸せになった。
今度はお夜食でも差し入れしようかな。
まあお料理覚えるのが先か。
9月1日
………………。
だ……抱きしめられた。
恋ですか?
これが恋なんですか?
いや、相手は弟だし、あっ血がつながってないのか。
合法ですか?
おっさんですかシャアですか? おっほっほっほっほ
いや、おちゃらけている場合ではなく。
思わず逃げて来ちゃったけど、兄弟のスキンシップだったんかなぁ?
それとも一人の女性として?
いやいや、あり得ん。
なんてったって、推定12歳体型なわけだし。
骨張ってて抱き心地も悪いですよ?
…………まさかロリコン?
正和インテリ顔してロリコン?
9月2日
どっちなんだろなぁ。
いや、急に抱きついてきた意図も分からんし、
別にいやらしい抱き方でもなかったし、
うーん。
9月3日
そもそも奴が僕のことをどう思ってるのかなんて推測に過ぎんわけだし。
でもなぁ、女の子として見られてんのは間違いなさそうだし。
かと言って、兄貴として見られてないかというとそこは分からんし。
いっそ本人に直接聞ければいいんだけど。
……聞けばいいのか、直接。
9月10日
さすがに聞くには勇気が要った。
だけどそれは聞かなければいけないことだった。
意図していたのとは違うものだったけど。
僕が女の子になったのは正和のせいだった。
あの日のホットケーキに薬が仕込んであって、それで……
だけど僕は少しも恨む気にはなれなかった。
この数ヶ月、嬉しいのも幸せなのもきっと、正和がそうしたから
手に入れられたのだろうから。
13日記:2011/03/10(木) 13:54:04.38 ID:TyY2nYLu
でも自分の部屋に戻って泣いてしまった。
抱きしめたのが申し訳なさからだって分かったから。
9月11日
部屋で一人で沈んでいると、お母さんがやって来た。
どうしたの? って聞くから、素直に言ってしまった。
正和が好きだって。男女として好きだって。
そしたらお母さん抱きしめてきた。頭撫でて来た。
もう涙が止まらなかった。
お母さんズルいよ、そんなに優しくするなんて。
「あの子でいいの? 言っちゃなんだけど、不肖の息子よ?」
なんて言われたけど「それでも正和がいい」って返した。
でもこれってよく考えたら、不肖を否定してなかったね。
ごめんね正和。
9月15日
言ってしまった。
志望校合格したら、ご褒美に僕をあげるって。
ちょっと押しつけがましいかとも思ったけど、
鼻血出してたってことは喜んでたってことかな?
可愛い奴め。
それはそうと料理の勉強しなきゃね。
夢は可愛いお嫁さんっと。
9月25日
模試の結果が急に上がったらしい。
総合点で50点くらい上がったらしいけど、正和……恐ろしい子!
10月7日
正和の志望校を聞いて驚いた。
なんと東大法学部。
うーん、こりゃ合格したら専業主婦に収まるのも夢ではないかも。
ただしまだC判定くらいなものらしいから、そうそう甘くないみたい。
こりゃしっかり応援しなきゃね。
10月20日
秋、だんだん涼しくなる季節だけど、そろそろ発破をかける
頃合いかなと思って、一つのご褒美を用意した。
"11月の模試でB判定以上をとること"
それを達成できたら僕のファーストキスをあげるって。
それを聞いた正和は勢いこんで勉強を始めた。
可愛い奴め。
11月14日
いやー、あれだね。
あっさりB判定とるなんて正和は優秀だね。
あう、まだ余韻が残ってる。
すっごい激しいキスだった。
唾液って甘いんだね、舌をからめるキスってのも
漫画や小説の中だけだと思ってた。
どうしよ、まだ顔が赤いや。
にしても正和の奴め、こんなロリを捕まえてネットリネップリキスをするなんて
場合によっては犯罪じゃないか。
将来が心配になる奴だ。
14日記:2011/03/10(木) 13:54:27.51 ID:TyY2nYLu
12月1日
正和、正和、もう何ヶ月も正和のことしか書いてない。
魔法にでもかけられたみたいな凄まじさ。
思えば僕の初恋は弟ってことになるのか。
ちょっと悔しい。
でも頑張ってるあいつを見てると、こう、下着を濡らさざるを得ない。
違うって。
いや違わないか。
12月24日
今日は頑張ってるあいつのためにご馳走を作った。
鶏の唐揚げにポテトサラダにホットケーキのデコレーションケーキ風。
その他色々もついたけどそれは置いといて。
美味しそうに食べてたなぁ。
えへへ。
1月17日
今月の模試の結果はなんとA判定。
思わず飛びついてキスしちゃったけど、場所が悪かった。
思いっきりお父さんに見られてたものだから、
これまた思いっきり叱られた。
合格した時の約束を教えたら脳の血管がぶち切れて死んじゃうかも。
ごめんなさいお父さん、翔子はいけない娘なの。
2月26日
緊張する。すっごい緊張する。
受験してる本人ではないのに……
正和は大丈夫だったろうか。
今、あいつは後期試験の勉強にとりかかってるけど、
それが徒労に終わるといいな。
できれば前期試験で合格していてほしい。
3月10日
合格発表日。
朝から緊張しっぱなしだった。
わざわざ正和についていったくらいだもの。
途中で正和の同級生に出会ったけど、みんな賢そうだったなぁ。
さすがに恋人ですとは言わなかったけど、それでも
「大切な家族です」って紹介されたのは嬉しかったな。
さてさて、肝心の発表の結果はなんと合格!
あれですな、愛のパゥワーというやつですな。
あるいは色欲のパゥワーかもしれないが。
でもそれってつまり、さよなら清らかな私、という……
待てよ、このロリ体型。
果たして本当に奴は欲情できるのか?
いや逆に欲情しても問題な気はするが。
うーむ。
3月11日
今日、僕と正和は結ばれた。
両親のいない昼間に、二人でシャワーを浴びた。
恥ずかしかったけれど、正和は僕を後ろから抱きしめて、
「綺麗だよ」と言ってくれた。
嬉しかった。好きな人に誉められるのがこんなに嬉しいなんて思わなかった。
お風呂場から出た僕らは、ベッドの上で抱きしめあってキスをした。
15日記:2011/03/10(木) 13:54:49.15 ID:TyY2nYLu
身長差のある二人だから、トロトロと流し込まれる唾液を飲まされて
頭がぼうっとするまでキスをした。
正和の舌は僕の首筋を、鎖骨を、乳房を舐め下ろして、
そのたびに僕は敏感に反応した。
正和はそのままお腹に舌を這わせて、ゆっくりと、ゆっくりと秘所へ
舌を滑り込ませた。
ビクンっと反応した僕のそこはとっくにトロットロに濡れてて、
おツユを正和に舐めとられるたびに首を振って快感に耐えた。
悔しくなった僕は反撃をしようと、正和を無理やり押し倒して
正和のオチンチンを握りしめた。
大きくてずっしりとしていて熱いそれは、僕の中に入りたがって
いるのだと思うと、それだけでまた濡れてきてしまった。
僕は正和のオチンチンに舌を這わせて悦ばせようとした。
太い幹の部分もツルツルの亀頭の部分も丹念に舐め、
顎が外れそうなサイズを口の中に収めた。
途端に正和のはビクリビクリと震えて、僕の口内に苦い精液を
吐き出した。でもそれも正和のだと思うと愛おしくて、
全部飲み干してしまった。
でもそれがいけなかったのかな。
正和のは今出したばかりなのにすぐ大きくなって、
今度は僕が押し倒された。
揺れるオチンチンが僕のあそこにあてがわれると、僕は思わず喘いでしまった。
それはゆっくりゆっくりと僕の中に入ってきて、凄く痛みを感じた。
正和のが入ってくる実感、いたわるようなセックス。
だけどピストンはだんだんと早まって、激しさを増していった。
僕は思わずキスをねだった。
上下の口をつなげながらのセックスをねだったのだ。
二人とも段々と上り詰めて、最後には正和は
僕の中にたっぷりと射精した。
まあその後も二回戦三回戦とあったのだけど、
意識が朦朧としていて覚えていない。
ただその晩になぜか炊かれたお赤飯と
お父さんの憮然とした顔は覚えてる。
お恥ずかしい限りです。
16日記:2011/03/10(木) 13:55:17.05 ID:TyY2nYLu
投下してみた
17名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 14:21:28.66 ID:lem3Oewi
こういうのもいいなー
18名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 21:58:59.30 ID:6e72/cY5
最近すっかり変態紳士の社交場に戻ってくれて
私うれしい
19名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 22:51:50.24 ID:y9xo7CMZ
>>16
イイハナシダナー…GJ!
実家の弟にこんなことされたら…って妄想してドキドキしたのはナイショ♥
そんな弟は兄の俺が言うのもなんだが童顔のカワイイ顔立ちでおまけにツンデレだ。
むしろそんな弟を女体化してニャンニャン(死語)したい…
20名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 23:02:42.67 ID:ytWHuJrC
>19 さぁ それを文章化する作業にもどるんだ。早く!
21名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 03:33:53.84 ID:heWRowag
>>1
otu
22名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 12:31:29.84 ID:5P9e70Wh
>>1

>>16
GJ!
ホットケーキのレシピと弟をすぐ俺に送るんだ!
23名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 19:45:02.09 ID:n9u3dXXe
>>20
申し訳ないがもう数日待ってもらえると嬉しい
24名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 04:21:12.88 ID:vKYhSAcp
>>16
遅ればせながらGJ!
少しダークなところはあったがデレデレなので俺によし!
25名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 01:43:30.99 ID:PhDvUIz8
TS化は好きなんだが如何せんマイナーだよなぁ・・・理由はわかるが
どっかおすすめのサイトしらない?
26名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 02:32:05.92 ID:4ko41Xnb
新作がコンスタントに出ているのは、あむぁいぐらい?
アフィが気にならなければ、お勧め。
どっちかというと情報サイトか?
27名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 15:16:32.39 ID:pa5mjwZq
スレチだがコミックアンリアルもおすすめ
28名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 17:12:21.49 ID:DjQ45S8c
AR・APやGTSにまで手を出している俺からすると、寧ろTSはメジャーに思える。

新作分は画像掲示板で補給しつつ、最近はもっぱら過去の良作を漁る日々
29名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 20:37:13.00 ID:QcVV6O4W
なんの略語だよ…

メルモちゃんと巨女萌えか…、ふぅ…、まったく28はとんでもない変態だな
30名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:17:36.76 ID:kCirF9OU
TS、AR・APは守備範囲だったけど、GTSは初めて知った。
自分があとカバーしてるのはOD、若干下がってTGとMC。
立場交換ものも好きなんだが…これは略語なかったよね…
31名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:19:24.46 ID:QuvuqlQ4
TFは全然ノーマルだよな?
32名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:29:55.11 ID:sIwRLywk
分からない略語が多すぎる
33名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:07:44.59 ID:/mnnG/Cf
32と同じ略語ってどこで覚えるんだ?
34名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:17:47.10 ID:DjQ45S8c
この界隈にあっても俺はマイノリティーだったのか!
ちなみにGTS派のなかでもSW・SM(サドマゾではない)派でつ

八重洲さんとこのリンク→リバワ→豆電球さんとこ→toyogubさんとこ→gts-zone→神社モドキ
でこうなった。

リバワまではここにも賛同者がいると思っている。
屈強な男子学生がょぅι゛ょになって復学→みんなの妹(おもちゃ)扱いとか萌えるもの

変体とかいうな〜〜〜っ!!
35名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:38:43.45 ID:DjQ45S8c
そして>>30とはうまい酒が飲めそうな予感
ODにしろ、いぢめ系にしろ力関係の逆転っていい響き。
先輩が粗相して後輩にお仕置きされるとか大好物(^q^)。だけど検索になかなか引っかからない

「男の力強さ」が失われる展開がお好きな方にはGTS(特にSMとかリアルGTS)はお奨めしたい。

……と、何を語ってるんだろう自分は。創作に戻ろうか
36名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:49:41.27 ID:kCirF9OU
TS = trans sexual (性転換)
AR/AP = Age Regression/Age Progression (年齢退行/進行)
TG = Transgender (異性志向)
TV = transvestism (異性装)
OD = onnadoushi (女同士)
MC = mind control (催眠)
GTS = Giantess (巨大娘)
TF = Transformation (異形変身)

AR/APの正式名称は調べて初めて知った。
たぶん直ぐに忘れそう。
TGとTVは間違って逆に覚えていたようだ。
37名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:56:28.25 ID:kCirF9OU
>>31
ノーマルどころか、よりアブノーマルじゃないか

>>35
リバースワールド、豆電球さんのところから色々リンク辿ったりもしたんで、
ピンとは来なくても知ってるところも多そう
同士の発見は嬉しいもので
38名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 02:51:02.22 ID:uO3/oOhs
立場逆転は Role Reversal だな
39名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 19:26:14.07 ID:UYY7ronF
>36
>OD = onnadoushi (女同士)

補足が必要
いわゆる百合じゃなくて、女同士の入れ替わりだね
立場逆転なんかの一種

スレ違いなんで、この辺が雑談の限界だろう
40名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 19:56:29.04 ID:H2yXayD2
うる星やつらのトンちゃんのセリフで
雌雄を決する 私が雄となりお前が雌になるのだ
つまり負けたほうがお嫁さんになるのだ
みたいなのがあったけど、これっていいよな
甲子園準優勝校が丸ごと優勝校のお嫁さんにさせられたり
学年主席が次席の子を自分好みに染めたり
41名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 20:00:46.17 ID:86jscJ6x
>>36
ありがとう

TS以外はじめて知ったw
42名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 20:08:43.06 ID:UsbvERwS
>>36
( ・∀・)つ〃∩ 3ヘェー
43名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 20:35:44.33 ID:uV1GJCqT
アニオタのナードが虐められた仕返しにアメフト選手のジョックを女体化、バットガールやらワンダーウーマンのコスプレさせて犯すような海外TS小説無いですか?

屈強な♂がグラマラスな美女にされて女物のセクシーな服を着させられ、最初は屈辱を感じていたのがやがて自分から望み、喜んで着るように変化するシチュが萌え。
『アルタン王子の敗北』は個人的に超名作だと思う……
44名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 20:39:37.03 ID:ya2njeqF
風祭文庫にあったなそんなの
45名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 21:03:17.42 ID:DtAczJZJ
>>36
ODは入れ替わりの英語の略語だと思ってたわw
それ以外では
BE=Breast Expansion
もよく見かける
46名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 21:24:25.42 ID:uV1GJCqT
>>44
kwsk
47名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 22:44:09.84 ID:nmn+CaL5
http://www.hobbytimeworld.com/data/hobbytime/product/other/jump/jump-en051.jpg
ふと思ったがこれは大丈夫なんだろうか
確か海外のTGって結構浸透してるジャンルじゃなかったか

先生、部分変化モノが読みたいor書きたいです…
48名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 00:59:04.66 ID:HTgRYPYI
>>47
YOU!ここで書いちゃいなYO!
いやマジで
49名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 07:11:50.52 ID:OBkfbIUS
>>36
さらりとOD = onnadoushi (女同士)を真ん中に混ぜるなよw
こっちは一部の特定の日本人だけが使ってる、流通してないマイナー造語だろw

それ以外は、英語圏では共通の言葉だけど
上3つは一般人や日本人でも知ってる人が多いが、下は殆どの人が知らないw

TS = trans sexual (性転換)
TG = Transgender (異性志向)
TV = transvestism (異性装)

MC = mind control (催眠)

AR/AP = Age Regression/Age Progression (年齢退行/進行)
TF = Transformation (異形変身)
GTS = Giantess (巨大娘)
50名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 08:19:34.07 ID:98kDNJdu
TSしか知らなかったよ…
51名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 08:28:05.53 ID:3NlohS6e
自分もTSだけ

巨大娘はジャンルの存在そのものを知らなかったw

世界は広いな
52名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 09:02:33.85 ID:yDyFhqaG
昔、不思議の国の少年アリスという漫画を読んだ
主人公は必ずアリスなんだが、ほぼ一話ごとにパラレルワールドみたいに
話がつながってなかった
その中に一話だけTSの話があってな
不思議の国にやって来たアリスが王子に見初められて
無理やり女にされてアリスが激怒するのだが
それから何十年も経ってアリスは老衰した王子の墓に
「こないだまた息子が産まれたばかりなのに」
と言いながら泣いてすがりつくという
ちなみにTSの影響でアリスはずっと若いまま
53名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 10:43:34.88 ID:R4ppO7Rg
>>52
あったね〜>「少年アリス」
補足すると、アレの本編は連作短編で一応話がつながってるはず。
ちなみに普段はアリスくんは女装。
TSしたりしたのは番外編かな。
54名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 10:47:25.67 ID:KFtcroVu
>>53
本編でも徐々に女性化してるっポイ名言はされてないが
55名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 20:14:39.62 ID:XVZo27M8
> それから何十年も経ってアリスは老衰した王子の墓に
> 「こないだまた息子が産まれたばかりなのに」
老衰一年前まで子作りしてたんか。つーか出来たのか
56名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 20:51:12.28 ID:dHf0hEED
萩原一至のアシスタントらしい絵柄で
奇乳化も無いし、かなり絵は上手かったな
アリスは細身だがムチムチのねーちゃんたちも出てきた
57名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 08:38:53.34 ID:byZOAXPl
僕と父さんは血がつながっていない。
僕は母さんの連れ子だったから。
だけど僕は父さんのことを本当の父のように慕っていたし、
父さんもまた、僕のことを実の子のように扱ってくれた。
だけどある日、母さんが死んでしまった。
父さんはそれはそれは悲しんでいた。
愛し合って結婚した二人だから、その悲しみは重かった。
僕はなんとか父さんを立ち直らせてやりたかった。
でもどうしたらいいか分からなかった。
そんな時だった。
「お前あいつに似ているな」
父さんが言ったその言葉の意味を僕は分からなかった。
「そ……りゃそうだよ、親子だもん」
「そうだな、これでお前が女なら……」
僕はその父さんの言葉に不安を感じていた。
それから後のとある晩、僕は父さんの手料理を食べた。
その日は父さんも珍しく笑っていたから、僕も嬉しくて
久しぶりの家族の団欒を過ごしたんだ。
だけど、僕はきっと父さんのその行動の意味を考えるべきだったんだ。
翌朝、目覚めた僕は異変に気づいた。
身体が重くて自由が効かない。
でもそれ以上に驚くべきは、僕の身体が女の子になっていたこと。
「美里、会いたかった……」
「父さん……? どういうことなの?」
父さんもまた裸だった。
美里は母さんの名前、父さんは僕のことを母さんに重ねていたんだろう。
手足が石のように重くて動けない僕は逃げることもままならず、
覆い被さってくる父さんにされるがままになってしまった。
「うあ! そこ触っちゃダメ……ぇ……」
「美里……美里ぉ……」
両方の乳首を舐めしゃぶられて、僕の理性は吹っ飛びそうになった。
父さんは僕の身体をいたぶり尽くした。
首筋も脇腹も足の付け根もお臍も、的確に感じるところをいじられ
僕は抵抗の言葉すら出すことができなくなった。
でもその時気づいてしまったんだ。父さんは母さんを失っておかしくなった。
父さんには母さんが必要だったんだ。
だから、父さんを慰めるためには僕が母さんになるしか……
「美里、行くよ」
「父さ……俊之さん……」
僕はきっとその時、覚悟を決めたんだろう。
ズブズブと後ろから入ってくる父さんのペニス。
僕は声にならない声をあげてそれを受け入れた。
それは痛みというより快楽だった。
58名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 08:49:15.49 ID:byZOAXPl
「ああぁぁ……俊之さ……」
「美里ぉ……」
激しく抽送を繰り返す父さん、僕は動物の牝になったような気がした。
「出すぞ美里、受け取れ!」
それが何を意味しているか分からないほど子どもではなかったけれど
僕はそれから逃げることはできなかった。
温かいものがお腹の中に広がる感覚、何か危険な充足感。
僕は、ゆっくりと意識を手放していった。

あの日から僕は父さんの妻になった。
父さんは僕の身体を毎日求め、そして僕も受け入れた。
父さんは明るく笑うようになっていた。
だけど父さんは僕のことを忘れていた。
「赤ちゃんが……できたの」
そう言うと、父さんは本当に、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
僕はこの子に晶と名を付けるつもりだ。
僕はもう美里になっちゃったから、
せめて僕の名前を、我が子に。
59名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 11:19:50.53 ID:b4mI4rhc
>>58
切なくてイイ話だ……。
もう少し、長いとなお良かったけど、コレはコレでありです!
60名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 16:53:43.96 ID:H/nkPybF
TS TF MCしか分からん
なんというか女性化小説スレなんだし、面倒い思うがTS以外の略語は使うのやめたほうが良いんじゃね?
61名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:43:16.11 ID:zIAiFpaS
先生、男子が二人多いです

なに? 和田 お前女になれ

という軽いノリのTSが思い浮かびそうで思い浮かばない
62名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 21:18:17.36 ID:SnhpLwzy
男女男男女男女 フッフー!
男女男男女男女 フッフー!

男女男男女女男女男女
女男女男女男男女♪


を思い出した。
63名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:30:41.85 ID:TDc6CNCA
>>9
ラノベっぽい雰囲気で入り込みやすかったです。更新が楽しみ。
649作者:2011/03/24(木) 10:15:19.56 ID:FJQm1pRH
エロの少ないラノベっぽい作品は、ここでは敬遠される傾向にあるようなので遠慮してたんですが……。
ご要望があるなら、今立場交換スレで書いてる作品を終わらせたら再開してみます。
65名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 10:25:31.43 ID:vYaVr3YC
もしかして○○○さん?
もしそうだったらよくお世話になってます
66名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 19:11:22.09 ID:QghdJSjB
>>64
更新期待してます
67名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 19:49:53.66 ID:SRLqcJIk
エアリィはどっかで続きかいてるのん?
68名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 20:31:02.89 ID:kvAxMRM0
借金のカタで地主の息子の婚約者になるためにTSされる
そして自分からキスさせられたり、
お風呂に一緒に入らさせられたり
思い切り短いスカートでデートさせられたり
69名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 22:06:25.73 ID:RU88XrCI
>68

借金のカタじゃなく、遊び人の友人から、
「親を安心させるために、女装して偽装婚約者になってくれ」
と頼まれる設定なら、某支援所で見たかも。
当然、単なる女装だけじゃなく、徐々に女性化が進行するわけだがw
70名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 01:05:38.95 ID:lHLxKDRm
友人の知人が彼女を連れてくるので、友人の彼女のふりをしてくれと頼まれてTS
酔っぱらって友人に介抱されてホテルへ、気が付いたら・・・という話はあった。
71名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 06:02:37.88 ID:WL9YA9q7
>>69
あれ、続きを待ってるんだけど……
72名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 06:10:02.36 ID:RBeRzcY4
>>67
どっかで書いてるって話は聞いたことないな…。
ただ、地震前から書き込みないし、作者が生きているかどうかを心配した方がいいかもしれない。
73名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 08:50:01.33 ID:6fkhOoG7
作者死亡で蜜柑とか悲惨だな
74名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 23:12:42.87 ID:0LnYT4J8
おっとグインサーガの悪口はそこまでだ
75名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 10:42:01.85 ID:Ye1M6HsR
根暗の蜜柑…
76名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 20:45:07.35 ID:EHmJ5QEf
我が悪の組織一の実力者であった君だが、ヒーローたちに
こうも連敗するようでは懲罰も避けられない
君には肉体改造手術で女になってもらって
新世代怪人の母体となってもらおう
安心したまえ、性感も増幅してやるから
陣痛でもイける身体になれるさ
77名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 00:11:17.19 ID:iuuikkqa
女装(男の娘)と女性化をからめるのは、ココではアリ?

個人的には、
1)何らかの事情(「旧家のしきたり」とか「スパイor探偵」とか)で、
  渋々女装して女の子として学園に通っているヒロイン(?)を、
  主人公が見染める。
2)主人公に告白されたヒロインが「実は私……」と男であることを明かす。
  ショックを受ける主人公。
3)しかし、それでもヒロインをあきらめきれない主人公が、
  男性を女性化させる何らかの手段(薬・マシン・呪いetc)を入手。
4)再度呼び出したヒロインの意識を、スタンガン/クロロフォルムなどで
  奪い、自宅に拉致監禁。女性化の手段を行使する。
 (その前に、男のままフェラとかさせるのもアリかも)
5)数日後、ヒロインが完全に女性化したところで、主人公は
  徹底的に「彼女」に女の悦びを教え込む。ついに陥落し、
  主人公の恋人(あいじん)になることを誓うヒロイン。
6)無事、学園に復帰したヒロインだが、それまでにない色香が漂う
  ようになっていて、周囲は困惑。また、主人公とは公認の仲で
  淫乱バカップルに
……というコンボが、すごくいいなぁと思う次第。
78名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 00:41:55.63 ID:Dr5zsszv
>>77
ぶっちゃけ4)があればアリかと
あとエロ板だから5)も欲しいが賢者化と言う強敵の前に
あえなく散っていった作者さんの多いこと多いこと
79名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 02:52:02.33 ID:Fguejsnc
問題は処女を調教してしまうようなテクをどうやって主人公が
身につけたかだな
80名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 19:20:05.80 ID:481LJQJT
>>79
こまけぇこたぁいいんだよ
主人公の生い立ち紹介とか誰得ですかというか>>77氏が早く執筆してくれると俺が喜ぶよ!よ!
81名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 23:30:01.08 ID:aq0Dk2Xm
そこで、何故か男を助けてくれる宇宙のセールスマンですよ
82名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 23:38:53.30 ID:PDuY1ZAY
男がロリにされて、戻る方法が見つからずに、不老不死で300年経ってて、
「わしはオトコぢゃ!」
「はいはい。お嬢ちゃん、どこからきたのかなー?」
「う、うるさい!」

って、行き倒れた先の男に拾われてドタバタラブエロコメディ
ってのを就寝前にいつも妄想する。

拾った主がオトコの娘で
「お、おおお、おぬし男であったか?!」
「なによぅ、アタシは心は女なのよ?」
「で、でででもそのちっぱいに立派な象徴はどう見ても…」
「これが男として機能するか、アナタで試してあげる!!!」
「にゃああああぁぁぁ… あぅん♪」

とかとか。脳内劇場は今日もマンin御礼大繁盛だ
83名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 07:22:25.76 ID:cmHvmCnS
>>82のようなポップなレイプ見たいな
面白そうだw
84名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 11:28:32.20 ID:74W36CPF
83 ぽのぼのレイプは興奮するな。早く82は続きを書きなさい
855かつ77:2011/03/31(木) 23:51:03.80 ID:i2lVlANC
#あ゛〜申し訳ない。とりあえず、先にリクエストのあった『竜人と巫女のゲーム』の続きから。77的ネタも考えてミマス。

 * * * 

 「パパさーん、レムがOKしてくれましたよーー!!」
 あたしは、目を白黒させているレムの手を引っ張って、国王の執務室へと向かう。
 普通は、異国の王族の端くれとは言え無位無官の人間が、そう簡単に一国の王に面会なんてできないモノなんだけど、あたしは執務室は元より国王夫妻の私室にすら、ほぼ顔パスで出入りを認められている。
 「ほほぅ! コヤツにそんな度胸があったとは……いや、少し見直したぞ」
 執務室で、片眼鏡(モノクル)をかけ、書類に目を通しつつ、ペッタンペッタンと判子をついてた壮年の男性竜人が、ガタッと椅子から立ち上がり、意外そうな声をあげる。
 この人が、聖統ドラクタリヌース王国の現国王、パパルドゥン・ブルーチ・ディノ・ナーガラー。身長200クロム近い偉丈夫ながら、気さくで豪快なその性格から、国民に慕われ頼りにされている竜人族の王様だ。
 こうやって文官的な仕事をしてるのもなかなかサマにはなっているけど、勇敢にして剛毅な竜人の長として、やはり本領は武人。護衛の戦士団の猛者を含めても、この王様の槍さばきに敵う人はいないらしい。
 「あなた、まだ午前中のお仕事は終わってませんわよ?」
 その傍らで、国王以上に大量の書類を恐ろしい速さで処理している竜人女性が、王妃であり国王の秘書官でもあるィョーママ・ミィーヤ・ディノ・ナーガラギ様。
 要するに、レムのご両親ね。
 ちなみに、王様と王妃様のファーストネームは、どちらも人間のあたしには正確に発音しづらいので、ご本人達の許可を得て「パパさん」「ママさん」と呼ばせてもらっている。
 いや、最初はちゃんと普通に「陛下」って呼んで、それなりの態度とってたんだよ? でも、何度か謁見(というか面会?)しているウチに、気に入られちゃって「名前で呼べ」ってコトになったのよねー。
 まぁ、この国は、ウチ(アキツ)とかシン国とかに比べると、随分と王家と民の垣根が低い方なんだけどさ。それでも、ここまでフランクな王様は、歴代でも珍しいらしい。
 今じゃ、朝夕のご飯は、国王一家に混じって御馳走になってるし、半分家族的な扱いを受けてる。幼い頃に両親と死に別れたあたしにとっても、王様達は種族こそ違えど「父さん、母さん」って感じがして大好きだから、嬉しいんだけどね。
 「それはそれとして……レムルス、よくぞ決意してくれましたね」
 クールで有能な秘書官の顔から、優しい王妃いや母の顔になって、ママさんは息子を褒める。
 「は? いや、まぁ……はは」
 不要領な顔をしてる(まぁ、実際わかってないだろうけど)レムは、それでも愛想笑いのようなものを浮かべて、曖昧な答えを返す。
 あーー、もうっ! そんな風に「なぁなぁ」な態度で面倒事をやり過ごそうとするのは、アンタの悪い癖よ!
 もっとも、レムがこういう性格に育ったのは、環境によるところも多いから、一概に責めるのも酷なんだろうけど。
86『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/31(木) 23:52:01.54 ID:i2lVlANC
 ドラクタリヌースでは、戦士の長として「優れた王」には何よりも腕っぷしが求められる。無論、国のトップともなれば、脳味噌ぷーではやってられないが、一般常識と良識さえわきまえていれば、国政は有能な補佐がいれば何とかなる。
 その意味では、パパさんは水準を大きく上回る「名君」だと言っていいんだろう。書類仕事は苦手だとか何とか言いながら、キチンと部下からの報告その他に目を通し、極めて適切な判断を下してるんだから。
 オマケに「黎明の才女」と謳われし文武両道の女傑であるママさんが、妻として秘書として補佐するだけあって、臣下や国民からの不満はほぼ皆無みたいだし。
 とは言え、偉大なる親のもとに生まれた子供が必ずしも幸福か、と言うとそうでもなくて。
 強き戦士になるには体格も膂力も誠にお粗末な身体に生まれ、偉大な父母と比較され、陰口をたたかれ、それでも母譲りの魔力の高さを活かすべく高度な魔術を懸命に覚えても、残念ながらいまひとつ報われない。
 この国では、術師やそれに類する職に就くのは、身体能力が劣る女性が圧倒的に多いのよね。蔑視されてるワケではないし、むしろある意味頼りにはされてるんだけど、やはり「戦場の花形」は戦士系で、術師系はその補助って感じ?
 お国柄の一言で済ませるには、本人にとってはあまりに重い現実よね。

 そんなワケで、将来の夢と希望を見失いがちなモラトリアム王子様は、両親がどうも苦手みたい。尊敬はしてるし、決して嫌っているワケでもないんだけど、積極的に関わりたくない、ってトコかしら。
 とは言え、今回の「企み」は、ソコが付け目だったりする。
 ククク……あたしも悪よのぅ。
 「では、ママさん、早速儀式を……」
 「そうですね。あなた、あとは頼みましたよ」
 ママさんが抱えていた分の書類をドカドカッと足されて、竜人にも関わらずあまりにわかりやすい絶望の表情を浮かべて崩れ落ちるパパさん。その尊い犠牲を尻目に、あたしとママさんは、何やら嫌な予感に逃亡しようとするレムの両腕をとって連行。
 王族しか知らないはずの(あたしに教えていいのかしら?)秘密の地下室へと連れ込む。

 「さて、と。まずは澪霧ちゃん、あなたからね」
 「あいあい、髪の毛と血と汗、そいでもって唾液と愛液でしたっけ。ココに持って来てありますよ〜」
 他の4つはともかく、最後のは、さすがに他人に見られながらヒネり出すのは、花も恥じらう乙女としてどーかと思うし。
 ともかく、その5種類を入れた細いガラス瓶をママさんに差し出すと、彼女は直径300クロム程の三重同心円に五芒星が書かれた魔法陣のその星形の各頂点に、あたしが渡した瓶を置いて儀式に入る。
87『竜人と巫女のゲーム』:2011/03/31(木) 23:52:23.23 ID:i2lVlANC
 「いったい何をする気なんですか?」
 ようやく逃亡を諦めて大人しくなったレムが、いかにも「怖いもの見たさ」的な微妙な好奇心を隠しきれずに聞いてくる。
 「ふっふーーん、まぁ、見てなさい。すぐにわかるから」
 確か、アレが出来るまでに、それほど時間はかからなかったはず……。
 ──とあたし達が話しているあいだに、ママさんの詠唱は終わり、右手に持った宝杖が振り下ろされると、杖の先からとてつもない量の魔力が迸り、魔法陣に注ぎ込まれた。
 「はぁ〜、何度見ても流石よねぇ。「紅竜の魔女(クリムゾンウィッチ)」の名は伊達じゃないったコトかしら」
 エルフや魔族は元より、あたし達人間やドワーフと比べても、竜人の魔力はあまり高い方じゃない。いえ、より正しくは「魔法に使える魔力が」と言うべきかも。
 魔力の塊りが実体化したような魔族を除くと、この世界でもっとも魔力に溢れた肉体を持つ竜に連なる種族ではあるが、同時にその魔力の大半は、肉体を強化する方向に費やされる。
 だからこそ、逆に身体的強度がそれほど高くない女性の竜人のほうが、概して優秀な魔術師になれるのだけど……それにしたって、ママさんのソレは桁が違う。人間の大魔導師と比べても遜色ないわね、たぶん。
 ……まぁ、あたしの知る「大魔導師」なんて、死んだお祖父ちゃんくらいなんだけどさ。
 バチバチと電撃のような火花をあげつつ、魔法陣内──正確には描かれた五芒星上を凄いスピードで駆け巡っていた魔力塊が、それでも徐々に小さくなっていくのと引き換えに、魔法陣の中心に、何かが出現しようとしていた。
 「え!? アレって……え? まさか……」
 あたしのそばにいるレムがちょっと焦ったような声を出す。
 「そ。アレは間違いなくあたし」
 少しずつ少しずつ、陽炎のような姿から明確に質感を持っていくソレから目を離さず、あたしはレムの推測を肯定した。
 そう、大理石の床に描かれた五芒星の中央には、眠るように目を閉じた、あたしと瓜二つの全裸の少女の身体が出現しつつあったのだから。

#次回、いよいよTS的場面! ……展開が遅くて申し訳ない。
88名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 08:15:37.88 ID:21SdCQm/
投下乙!待ってましたよ〜
89『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/05(火) 00:25:17.14 ID:k8sgv2yB
 「複製体(ドッペルゲンガー)? いや、そんなのは古代魔法帝国時代ですら超高難度の禁呪のはず……」
 床の上の「あたし」を憑かれたように凝視しながら、レムはブツブツ言ってる。
 賢者クラスでもない限り知らない「複製体」の知識を持ってるのはさすが「本の虫」だけど、一応、アレは「あたし」とまったく同じ外見なんだから、ガン見するのは自重してね。
 「! す、すみません」
 言われて気付いたのか、アタフタしながら目を逸らすレム。
 「ふふっ、まぁ、もうちょっとだけ待ってなさい。すぐに好きなだけ見れるようにしたげるから」
 「へ?? それはどういう……」
 ワケが分からない様子の彼はあえて無視して、ひと仕事終えたばかりのママさんの元へ駆け寄り、自作の霊水を指し出す。
 「ふぅ……ありがと、澪霧ちゃん」
 キュポンと竹の筒に入ったそれの栓を抜くと、疑いもなく中味を飲み干すママさん。
 いや、渡した本人が言うのもナンだけど、一応王妃として毒見とか気にしなくていーのかしら?
 「あら、わたしにとって澪霧ちゃんは娘みたいな存在(もの)ですもの。我が子が手ずから造ってくれたものを疑うつもりはないわ」
 え、えーと……ちょっぴり気恥ずかしいけど、やっぱりそう言ってもらえるのは嬉しい、かな。
 霊水のおかげで、幾許か魔力が回復したママさんは、レムを手招きした。
 「はぁ……何がなんだかサッパリですけど、結局コレは何の騒ぎなんですか?」
 「まだ、内緒です……レム、ちょーっと痛いけど我慢できますね?」
 「は? な、何を……」
 慌ててレムが問い返す前に、あたしはレムの鼻先に睡涎香の粉をブチまけた。
 「!…………zzz」
 不意打ちは成功して、たちまち意識を失うレム。
 「あら残念。雷撃痺弾で気絶させようかと思ってたのに」
 「まだまだ魔力は必要なんですら、無駄遣いしないで下さいよ」
 それに、さすがに母親から電撃魔法でスタンさせられるのは哀れ過ぎる。そもそも、レムの場合、術師として魔力抵抗値が高いから、気絶しない可能性もあったし。それじゃあ痛いだけ損だ。
90『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/05(火) 00:26:00.38 ID:k8sgv2yB
 「確かにそうね。じゃあ、始めましょう」
 あたしと瓜二つの姿(ただし全裸)をしたソレを、抱き上げて部屋の隅の長椅子に横たえる。
 そうして空いた魔法陣に、今度は意識を喪ったレムの体を安置。
 アタシが魔法陣を出ると同時に、ママさんが詠唱を開始し……それとともにレム全身がぼうっと光り始める。
 その光は、徐々に胸のあたりに集まって強くなり……最後に、カパリと開いたレムの口から、光の球となって、飛びして来た。
 「おっと」
 素早く、霊糸を編んだ特製の網で光球を捕まえる。
 「澪霧ちゃん、ナイスキャッチ! あとは、ソレを「入れる」だけね」
 あたしとママさんはニッコリと顔を見合わせた。

 * * *

 目覚めの気分は最悪の半歩手前だった。
 二日酔いにでもなったみたいに頭が重いし、体の感覚も変だ。
 (くぅ〜、やられましたね……)
 電撃でスタンした時特有の痛みはないから、多分母の魔法ではあるまい。
 おそらくは、澪霧がかざした手で何かの薬をかがされたのだろう。まぁ、電撃魔法をくらって強制失神させられるのよりは穏当な手段だと言えるだろうが……。
 「こういう時、アキツのことわざでは五十歩百歩と言うんでしたっけ」
 何気なくその言葉を口にしたところで、不意に違和感が強まる。
 ──今、耳にした声のトーンが変ではなかったか?
 「お〜、もう目が覚めたんだ。予想より早かったけど、ウン、お着替えも終わったところだから、ちょうどいいかな」
 感心したようなおもしろがっているような澪霧の声。
 「澪霧さん! 流石に何の説明もなしコレは……」
 ゆっくりと目を開けて身を起こしたレムは、目に飛び込んで来た映像情報が信じられず、思わずゴシゴシと目を手で擦った。
 目の前にいるのは、両瞳に好奇心を爛々と輝かせた澪霧。コレは、まぁいい。いや、正直さっきの状況を問い詰めたい気もするが、一旦棚上げしておこう。
 だが……今目をこすった自分の小さな白い掌や、視界の端をかすめる長い黒いもの、さらに視線を下に転じると視界に入って来る白と赤の衣裳は、一体何なのか?
 聡明なレムは、おおよその事態を悟っていたが、彼はソレを認めたくなかったのだ。
91『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/05(火) 00:27:23.89 ID:k8sgv2yB
 「こらこら、往生際が悪いですよ? はい、鏡」
 しかし、無常なる宣告は、彼自身の母親からもたらされる。
 手渡された鏡を覗き込んだ彼は──半分は予測していたとは言え──そのまま毛布をひっかぶって現実逃避にふて寝をしたくなった。
 言うまでもなく、鏡に映るレムの姿は、今目の前にいる異国の少女、千剣破澪霧と瓜二つの少女になっていたのだから。

#と言うわけで、3回目にしてようやくTS成立。しかし、竜人(♂)→人間(♀)って誰得、とか思ってみたり。
92名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 08:20:15.46 ID:H0VCxt/A
少なくとも俺得ではある。これから先のレム君の受難に期待だ!
93魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 18:38:41.49 ID:kvBkYzI7
お久しぶりです。
地震対応やら年度変わりで多忙になったりでなかなか執筆できませんでした。
だいぶ間が空いてしまいましたが、そろそろ十二話投下したいなあと思います。
竜人と巫女のゲームさんが一段落ついたら投下しますね。

なお、今回はほんの少しだけえろっちぃ部分があります。
94竜巫女の人:2011/04/05(火) 19:16:49.86 ID:3WZnX+/n
>エアリィさん
4話は少し長めにするつもりで、しばらく間があく(早くて週末)なので、遠慮なく投下しちゃってください。
95名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 20:59:46.89 ID:Z9ST64Tx
なんだこの嬉しい悲鳴。作者方、お待ち申し上げます。
96魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:07:23.41 ID:gR8qjZIN
さて、こんばんは

竜巫女さんありがとうございます。

では遠慮なく投下させていただきますね。

※注意
・ほんの少しだけエロっちい場面あります。
・今回はTSしません。
・相変わらずの台本形式です。

ということで、本編スタートします。
97魔法少女キューティエアリィ12−1 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:09:26.48 ID:gR8qjZIN
そしてスピカは静かに話し始めた。
大樹を始め、全員が彼女の言葉に注目していた。

・・・
本来魔法少女というのは男がなれるものではないの。
”少女”というくらいだから当然よね。

でもあなたには何故か魔法少女としての適性があった。
ウィッチーズスペースに 入って来れたことが何よりの証拠。
しかし、魔法少女としての資格があなたにはなかった。
当然資格と言うのは性別が女性であることという絶対的な条件ね。
つまりあなたには適性はあったけど資格がなかった。

そして何より重要なのは、魔法少女の適性というのは、唯一無二の存在・・・
だからその属性の適性者となれる者は一人しかいないということなの。

ということは、あなた以外の風の魔法少女はあり得ない・・・

そしてあなたを魔法少女の資格を与えるためにどういうことをしたか・・・
ここからの話はあなた達人間には耐え難い話かもしれない・・・

資格を与えるために西田大樹という人間と完全同期がとれる他の人間の情報が必要だった。
その同期をするためには生年月日、血液型、様々な因子が必要だったの。

その同期できる人物は、あなたの情報を元に探すことですぐに見つかったわ。
その同期できる因子を持っていたのが・・・
秋月望美という人物・・・

そして、その情報を得るためには、生きている時には得られない。
あのとき・・・あなたが魔法少女になった時・・・
一方では秋月望美は生命活動を終えた直後だったの・・・

だから私はあなたの傷を治しながら秋月望美の情報を使ってあなたに資格を与えた。
資格と適性がそろったあなたは私とコネクトして魔法少女になることができた。
これがあなたが魔法少女になれた真相よ・・・

第十二話「Laugh!そんな気持ちになれないよ」
98魔法少女キューティエアリィ12−2 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:11:38.02 ID:gR8qjZIN
スピカから事実を告げられ大樹はがっくりと肩を落とす。
大樹「なんてことだ・・・じゃあ俺は・・・
俺は望美ちゃんを殺して・・・生き長らえたってことじゃないか!」

大樹「そんな・・・他人の命を奪ってまで・・・生きている意味があるのか・・・」

スピカ「・・・ごめんなさい。これが現実なの。
でもね、あなたが殺したわけじゃないわ。
あの時もうすでに望美さんは亡くなっていたのだから。」
スピカは慰めるように大樹に語りかける。

スピカ「人間の言葉にすると難しいけ ど、
あの日あの時間に生命活動を停止するというのも
運命という名の因子の一つなの。」

大樹「そんなの詭弁だな。
既に亡くなっていたとはいえ他人の命を弄んだことには変わりない。」
怒りに震えながら、しかし静かに話していた。

スピカ「ああしなければあなたもあのまま死んでしまっていたし・・・
そうなったら風の魔法少女は二度と生まれてくることはなかった。」

しかし・・・大樹が納得するわけはなかった・・・

大樹「俺が誰も殺させないなんて言ったが、チャンチャラおかしいよな。
この俺自身が人を殺して得た命なんだから・・・」

そう言ってポケットからハーティジュエルを取り出す。
大樹はそれをじっと見つめながら絞り出すような声を出した。

大樹「俺・・・このまま魔法少女なんてやっていていいのかな・・・」

萌波「ふふっ・・・ふふふっ。ああ、おかしいわ。何を悩んでいるんだか。」

大樹「!何がおかしいんだ?」

萌波の笑い声に大樹が振り返る。

萌波「これが笑わずにいられますか。」
萌波は大樹を挑発するように語りかける。

大樹「どういうことだ?」

萌波「あなたさっきまで偉そうなこと言ってたじゃない。
仲間だとか、守るとか。」

萌波「それがこんなことであっさり止めちゃうんだ。」
萌波は呆れたように溜息を吐きながら下を向く。
99魔法少女キューティエアリィ12−3 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:14:17.47 ID:gR8qjZIN
大樹「っていうけどな!俺という存在は他人の犠牲の上に成り立っているんだ!」

萌波「まあ、私はあなたがやめようが続けようが私には関係ないけど、
でもね、望美さんって子はどうなるの?」

大樹「どういうことだ?」

萌波「はぁ・・・あなたまだわからないの?
その望美さんって子はあなたの命に何らかの形で入っているわけでしょ?」

萌波「と言うことは、意識はないにせよあなたの中で生き続けている。」

萌波「あなたが魔法少女やめたら望美さんは生き返るとでも言うの?
違うでしょ?もう亡くなってしまったものは生き返らない・・・これが現実よ。」

萌波「でも、あなたの場合、望美さんの命はあなたの中で生き続けることができる。
それをあなたが放棄してしまったら・・・それこそ望美さんは報われないんじゃなくって?」

大樹はその言葉に言葉を発することがなかなかできなかった。

大樹「・・・萌波の言うことは理解できる・・・しかし・・・納得はできないんだ・・・」

萌波「そう・・・だったら私はもう何も言えないわ。」

明日美「やだよ・・・あたしたちどんな困難でも乗り越えてきたじゃない。
これからもあたしたち・・・」

大樹は明日美の言葉を途中で遮った。

大樹「悪い・・・少し考えさせてくれ・・・今すぐはエアリィにも絵梨にもなりたくない・・・
俺は・・・今までみたいに軽く笑って変身・・・したくない。」
大樹は絞り出すように喋った。

明日美「でもっ!無獣は?この世界はどうなるの?なんとか今までどおりに・・・」

大樹「ごめんな・・・今は・・・今はそんな気持ちになれないよ。」

大樹はゆっくりと歩いて公園を立ち去ってしまった。

明日美「大樹!!待って!待ってよ!!」
明日美が大樹の後を追う。

萌波「あなたが追っても無駄よ。
これはあの人が自分で解決しなければいけない問題。」

明日美「そんな・・・仲間として、友達として・・・
何とかしなきゃいけないじゃない!」
明日美は萌波に激昂する。
しかし、自分自身どのようにしたらよいか分からず、
もどかしい気持ちが山積するのであった。
100魔法少女キューティエアリィ12−4 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:16:55.58 ID:gR8qjZIN
萌波「だからあなたは・・・あなたたちは偽善的だっていうのよ。」

萌波「相手はいい年した大人でしょ?
どういう結論を出すにせよ自分で解決するわよ。」

明日美「あなた・・・少し変わったわね・・・」
明日美は少し唖然とした。
その言葉を聞いて萌波はぷいっとそっぽを向くのであった。

萌波「な、何を言うのよ・・・私はああいう鬱陶しいのが嫌いなの。
さっさとやめるならやめてほしいわ。」

明日美「くすくす・・・ほんと素直じゃないのね。」

そっぽを向いた萌波の顔は真っ赤になっていたことを知る者は誰もいなかったが、
明日美は萌波がどんな顔をしているのか想像できた。

その日は抜けるような青空で、真冬にしては暖かく、澄んだ空気が二人の頬を撫でていた。
とても、とてものどかな時間が過ぎて行った。
101魔法少女キューティエアリィ12−5 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:19:10.88 ID:gR8qjZIN
一方その頃・・・

ミーヤ「はぁはぁはぁ・・・っく!!この私がここまでコケにされるなんて!!」
ミーヤはイオに連れられ大樹の街のはるか上空にいた。

イオ「・・・ミーヤとしてのエネルギーが枯渇してきたかもしれない。」

ミーヤ「枯渇?」

イオ「うん、最近魔法少女たちにやられっぱなしだったろ?
だから僕に溜まっているエネルギーが非常に少なくなっているんだ。」

ミーヤ「そうね・・・このままだと・・・」

イオ「うん、だから早くエネルギーを補給しないといけない。」

ミーヤ「くくくっ・・・だとしたら今私ができることは一つね・・・」
ミーヤは黒い影を残しながらその場から掻き消えた。

そしてここはとある街の路地裏・・・

一人の女性がぶつぶつと独り言をしゃべり、うなだれる様に歩いていた。
女性「悔しい・・・なんで私が・・・いつもそうだ・・・悔しい・・・悔しい・・・」

そこに黒い影が風を纏いながら空から降り立つ。

女性「ひっ・・・な、なに?」

ミーヤ「私のこと覚えているかしら?
まあ、覚えているわけないわよねぇ。」
ミーヤがそう言うとその女性の額に指をトンと当てる。
するとあろうことかその女性の額に一本筋が入り内側から肉が盛り上がるように割れ目ができた。

ミーヤ「うふふ・・・きれいなピンク色・・・」

女性「あっ・・・なに・・?・・・はぁぁぁぁ・・・くぅぅ・・」

ミーヤはその女性の額にできた割れ目に先の尖った赤い爪の指を艶かしく這わせた。
そして、指をそのまま額の割れ目にゆっくりと挿入していった。
ニュプププ
女性「あっ・・・うっ・・・な・・・ん・・・で・・・んあっ!や、やめて・・・」
その女性はミーヤの行為になすがままにされ、恍惚とした表情を浮かべていた。

ミーヤ「あはは・・・気持ちいい?そろそろいくわよ!」
ミーヤは額に挿入した指をグリンとひねった。

女性「ぐっぐぁっぐあっぐっぐううう」
その女性はうめきだし、体ががくがくと震える。
そして足元から黒い影がその女性の体にまとわりつき始めた。
黒い影が全身を覆うとその姿は黒いマントを羽織ったダークウィッチへと変化した。

ダークウィッチ「ミーヤ様・・・」
そのダークウィッチはミーヤの足元に跪き手の甲にキスをした。
102魔法少女キューティエアリィ12−6 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:21:13.24 ID:gR8qjZIN
ミーヤ「挨拶はいいわ・・・あなたのその体・・・私に差し出しなさい。」
ダークウィッチ「え!?それはどういう・・・?」
ダークウィッチが言うよりも速くミーヤは唇を奪う。

チュプ・・・ジュルル・・・チャプ・・・

ミーヤに唇を奪われたダークウィッチは恍惚とした表情になり、
息も荒く、体が震えだす。

ダークウィッチ「あああ・・・はぁ・・・んっ・・・や、やめて・・・」
ミーヤ「んちゅっ・・・んふぅ・・・だまれ。」

まるでその姿はミーヤがダークウィッチの体を弄んでいるようであった。

しばらくするとダークウィッチはビクンビクンと痙攣しつつも意識が無くなり始めた。
ダークウィッチの体が光を発しながら粒子状に変わり、ミーヤはその粒子を吸いこんでいく。
ゆっくりと時間をかけながら最後の一粒まで吸いつくす。

ミーヤ「くふっ・・・まだだ・・・まだ足りない・・・」

そう言うとミーヤは一瞬のうちにその場から飛び去っていった。

ミーヤ「イオ、悲しみが溢れそうな奴はこの近くにいる?」
ミーヤは高速で飛びながらイオに聞いた。

イオ「んーまだ最終段階まで一つ足りないレベル3くらいのやつなら居るよ。」

ミーヤ「・・・そいつはどこに居るのかしら?」

イオ「ここから少し遠いけど、北東へ20kmほど行った町に一人いる。」
その高速で飛ぶミーヤに平然とついていくイオ。

ミーヤ「わかったわ。」
ミーヤとイオは全速力で北東へ飛び去っていった。

そして、目的の場所・・・
ミーヤ「この家ね・・・」
昼間にもかかわらず一軒家の二階に一か所だけ雨戸で締め切った窓があった。

ミーヤがその雨戸に手を翳すとミーヤの体ごとニュルンと部屋の中へ入り込んでいった。

中には一人の男性が膝を抱えてシクシクと泣いているのが見て取れた。

ミーヤが入ってくるのを見てその男性は驚いた表情で顔を上げた。

男性「な!なんだ・・・お前は!・・・どうやって入ってきた!」
ミーヤ「昼間っから陰気くさいわね・・・まあ、その陰気くさいのがいいんだけど。」
ミーヤはその男のことなど全く気にせずに言う。

ミーヤ「今からあなたを楽にしてあげるわ。ふふふ・・・」
ミーヤは舌なめずりをしながらその男に近づいていく。

男「やめろ・・・やめてくれ・・・来るな・・・!」
ミーヤ「私と楽しみましょ・・・とっても気持ちいいんだから・・・」

・・・しばらくするとその部屋から光が溢れ、
同時にぐらぐらと家自体が揺れた。
103魔法少女キューティエアリィ12−7 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:23:54.74 ID:gR8qjZIN
そして、その部屋を中心に衝撃波のようにウィッチーズスペースが急速膨張した。
しかし、すぐにウィッチーズスペースは縮小を始め再び部屋の中に、
いやミーヤの体の中に収まっていった。

ミーヤ「あははぁん・・・気持ちよかったわよ。おにいさん。」

ミーヤは深く息を吐き、自分の体に起きている変化を確かめた。

ミーヤの周りにはぐねぐねと歪んだ形で黒から紫に変化しながらぼんやりと光を纏っていた。

そして・・・

ミーヤ「ふぅ・・・」
小さく息を一吹き、両手をぐっと握り締めた。

ミーヤ「おおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!」

ミーヤが力を込めて叫ぶとドンッと衝撃波が広がった。
その衝撃波で地面が揺れ、はるか上空の雲は吹き飛び、草木は暴風によってざざざっと激しく揺さぶられた。
しかし、直後にその衝撃波はミーヤの元へ吸い込まれるようにすべて戻ってきた。
ドーンという衝撃がミーヤの体を駆け抜ける。

ミーヤ「きゃぁぁぁぁ!!くっ!!」

イオ「ミーヤ!大丈夫かい?」
イオはミーヤの様子を心配そうに伺う。
しかし、衝撃波の反動をまともに食らったミーヤであったがその表情はどこか嬉しそうであった。

ミーヤ「くはっ・・・・こ、これはきついわね・・・」
自分の力に翻弄されふらふらとよろけるミーヤ。
しかし、その自分に浴びせられた自分の力を感じ、ニヤリと笑う。

ミーヤ「ふふふっふははははは!いい力だわ・・・
でもまだ力が安定しないようねぇ・・・仕方がないわ。
安定するまでおとなしくしているしかないようね。」

そう言うとその場から霧散するようにミーヤとイオの姿が消えた。
104魔法少女キューティエアリィ12−8 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:26:45.24 ID:gR8qjZIN
一方大樹は・・・
歩きながらハーティジュエルを眺める。
大樹「俺の・・・いや絵梨のアイデンティティってなんだ・・・
絵梨のときの俺は本当に俺の意思なのか。」

ハーティジュエルは石の内側で綺麗に光るピンク色の炎のような液体のような影が渦を巻いていた。
その光をいくら眺めても大樹の思考はハーティジュエルの影のように渦を巻いて答えは出ない・・・
ぐるぐると思いを巡らせて・・・帰宅の途に就く。

そして悩みながら自宅のドアを開ける。

大樹「・・・ただいま。」

紗英「あら、お帰りなさい。早かったのね。お友達どうだった?」

大樹「あ、ああ、元気だったよ。退院できてよかったよ。」

紗英「それは良かったけど・・・
んー?あなたが元気ないわね。」
紗英は大樹の変化を敏感に感じ取っていた。

大樹「いや・・・ちょっとな。」

紗英「ちょっとまってね、今お茶入れるから。」
パタパタと台所に行きお茶の用意をする紗英。

しばらくすると紅茶とケーキを二人分、トレイに載せて持ってきた。

紗英「ふふふ、最近あなた甘いもの好きだからケーキ買ってきたの。」

紗英「みゃこには内緒ね。」
紗英は唇に人差し指を当て、シーっとするジェスチャーをした。

そして紗英は紅茶をこくんと一口飲み、ニコニコと大樹の方を眺めていた。

それに合わせ、大樹も紅茶を一啜り飲んだ。

無言の時間が流れる。
カチコチと時計の秒針の音だけが部屋に響く。
そして大樹が一口ケーキを口にする。

大樹(あ、このケーキ・・・パティスリーキジマのだな・・・
そういえば明日美と食べっこしたな・・・)
大樹はかつて明日美と食べたケーキであることを思い出した。
そのとき、今までエアリィとして、絵梨として仲間と過ごしてきたことを思い出す。

大樹(魔法少女か・・・俺はしっかりやって来れたのだろうか・・・
このまま続けることにどんな意味があるのだろうか・・・)
105魔法少女キューティエアリィ12−9 ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:28:54.42 ID:gR8qjZIN
紗英「おいしい?」
不意に紗英が大樹に問いかける。
まるで大樹の少しの心の変化を見透かしたように・・・

大樹は突然の問いかけに少し微笑み返す。

紗英「そ、よかった。
私、ここのケーキ屋さん好きなの。特にザッハトルテが最高ね。」
またニコニコと紗英の手元にあるザッハトルテをパクついて紅茶を一口飲む。

大樹が二口目のケーキを口に運び、ゆっくりと咀嚼し十分に味わったあと、
ようやく重い口を開いた。

大樹「あのな、もし自分が突然死にそうになったとして、
生き残るために誰かの命ををもらって生き延びたとしたら、紗英はどう思う?」

紗英「うーん・・・臓器移植の話?
だったらしょうがないんじゃない?」

大樹「しょうがない?」

紗英「移植を受けるってことはもう提供する方はもう亡くなっているってことでしょ?」

大樹「そうだな。」

紗英「もちろん受けた方は提供してくれた人に感謝しなくちゃならないし、
自分の命を大事に使わなきゃならない。」

紗英「ありきたりな答えだけど。
まあ正直なところ私自身当事者になったことないから分からないわ。」

大樹「そうか・・・」

紗英「でも・・・そうね・・・もし、もし私なら、その人の分まで精いっぱい生きていかなきゃなって思うわ。」

大樹(紗英も萌波と同じことを言うんだな・・・
俺が責任もって望美ちゃんの分まで生きなきゃならないのか。)

紗英「もしかして・・・今日退院のお迎え行った人って臓器移植受けた人だったの?」

大樹「いや、違うんだけどな、俺の知り合いでそういう人がいたからさ。」
紗英「そう・・・ところであなた・・・最近なにか一人で抱え込んでない?
仕事が大変そうなのは前からだったけど・・・時々すごく思いつめていることがあるわ。」

大樹(そうか・・・そんな風に俺は見えるのか・・・全く紗英は鋭いなぁ。)

大樹「大丈夫だ。安心してほしい。
といっても心配するよなぁ・・・ごめん今はただ俺を信じてほしい。」

紗英「・・・そう、分かったわ。
でも一人で何でも抱え込まないでね。」

大樹「ありがとな、いつも俺の愚痴を聞いてくれて。」

大樹は紗英の優しさに思わず目頭が熱くなってしまった。

紗英「あら、泣いてるの?大げさね。」

大樹「別に泣いてなんかいないぞ。」ズズッ
大樹は照れながら横を向いた。

その様子を見て紗英はクスクスと笑っていた。

大樹「わ、笑うんじゃない・・・目に・・・目にごみが入っただけだ。」

紗英「あら、大きなごみだこと。くすくす。でもあなたのそういうところ私、好きよ」

大樹「う、うるさいよ・・・まったく・・・」

ガチャ・・・ドサッ

と、そこへ二人は玄関で物音がしたことに気がついた。

紗英「あら?みゃこ、帰ってきたのかしら?」

大樹「そうかもな・・・おかえりー!」

大樹は玄関の物音を立てた主に対して呼びかけた。

しかし、いつもの元気な返事がない。
そもそも、いつもの美夜子であればこちらがおかえりと言う前に元気よく挨拶するはずだ。
それがないことに大樹と紗英は顔を見合わせる。
紗英「なにか・・・あったのかしら?」
大樹「わからない・・・紗英見てきてくれないか?」
紗英「ええ、わかったわ」

紗英はリビングのドアを開け、パタパタと玄関へ向かった。

しばらくすると玄関で小さな悲鳴が聞こえた。

紗英「あなた!あなたちょっと来て!!」

その声に何かあったのだと感じ急いで玄関へ向かう大樹。

大樹「ど、どうした?何があったんだ?」

そこで大樹が見たのは、玄関の小上がりに突っ伏して倒れている美夜子の姿だった。
どうやら息も荒いらしい。はぁはぁと細かく呼吸する音が聞こえてきた。

大樹「美夜子!大丈夫か!?どうしたんだ!!」
紗英「すごい熱なの。見て。」
大樹は美夜子の額に手を当てるとすぐに熱が伝わってきた。

大樹「ひどいな・・・この時間だと病院も閉まっているし・・・」
紗英「とりあえず寝室に連れて行くわ。
あなたは氷枕と体温計を用意して子供部屋まで持ってきて。」

大樹「あ、ああわかった。」
紗英「美夜子、立てる?肩を貸してあげるから寝室まで行きましょう。」

紗英は美夜子に声をかけると弱々しくも返事をした。
そして、ふらふらと紗英に支えられながら立ち上がった。

その姿を見て少し大樹は安心した。どうやら意識は朦朧としていながらも受け答えができるらしいことがわかった。
大樹はすぐに台所に行き、氷枕を用意しながら考えていた。

大樹(みゃこ・・・どうしたんだろうか。今朝はあんなに元気だったのに。
大事にならなければよいが。)

氷枕と体温計を抱え、二階にある美夜子の部屋へトントントンと駆け上がる。
美夜子の部屋のドアノブに手をかけようとしたときだった。

中から声が聞こえてきた。

・・・・もう・・・つらい・・・助けてぇ・・・いたい・・・ぐすっ
いや・・・やめて・・・ぐうううっ体がいたいっ熱いよおぉぉ・・・
・・・美夜子、落ち着いて?もうすぐお父さんが来てくれるからね。

どうやらうなされているようだ。
大樹は急いでドアを開けた。
バタン!

大樹「美夜子、大丈夫か!?」

紗英「ひどくうなされているの。声をかけてあげて。」

大樹「お父さんが来たからな、みゃこ、もう大丈夫だぞ。」
大樹は美夜子の手をギュッと握って声をかけた。

美夜子「あううう・・・」
大樹が声をかけても涙に濡れた瞼を開けることはなかった。
美夜子「こわいよぉ・・・あたしのことみないで・・・
もうこないでぇ・・・」

紗英は汗をかいている美夜子の額をぬぐった。

美夜子「いたいよ・・・パパ・・・やめて・・・ママぁ・・・もうやめてよ・・・さむいよぉ・・・」

大樹「美夜子・・・大丈夫だ、ここにはパパとママはいない。大丈夫だ・・・大丈夫・・・」
大樹は美夜子を優しく抱きしめた。

すると、美夜子は荒い息が少しずつ落ち着いてきて唸り声も収まってきた。

紗英「落ち着いたかしら・・・」

大樹は美夜子の手を握りしめたまま紗英の方を向いた。

大樹「どうやら落ち着いたみたいだが・・・まだ熱は高いな・・・
今日は交代で美夜子についていてあげよう。」

紗英「そうね・・・まだ不安になることがあるのね・・・」

大樹「そうだな・・・まだ完全に傷が癒えていないんだ・・・」

紗英「そうね・・・」

大樹「少しずつ良くなっていると思うんだが・・・」

紗英「先生も仰ってたじゃない、根気が必要だって。」

大樹「ああ、そうだな・・・俺たちが美夜子を守ってやらなくちゃ・・・
二度とこの子を不幸な目には合わせないって、
こんな傷は二度と作っちゃいけないって決めたんだ。」

そして大樹は美夜子の額の生え際にある傷を優しく撫でた。

その晩、大樹と紗英は美夜子につきっきりで看病をした。
時々うなされることがあったが、その度に美夜子に声をかけ、
手を握り、抱きしめた。

その甲斐もあってかまだ熱は高かったが、空が白んでくると
静かな寝息を立てて寝られるようになっていた。

そして、外で雀の鳴き声が聞こえてくるころ、ようやく美夜子は目を覚ました。

ふとベッドの脇を見るとベッドの掛け布団に突っ伏している父と母の姿があった。

美夜子「お父さん・・・お母さん・・・ずっとそばにいたんだ・・・優しい声が聞こえてたよ・・・」

ありがとう・・・・お父さん・・・お母さん・・・

そして美夜子は再び眠りに就いた・・・

次回予告
新たに得た力を安定させるためミーヤは美夜子の中で休眠状態に入り、
しばらく街には平穏が訪れていた。
あることをきっかけにして明日美は萌波の真実を知ることとなる。
そして萌波に信じられないことが起こる。
次回「Matter!どうして見捨てるの?」
アクエリィ「あなたに心から信頼できる仲間が居るかしら?」
109魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/05(火) 22:38:05.50 ID:gR8qjZIN
これで今回の投下はおしまいです。

ミーヤがパワーアップしましたね。

そしてそろそろ萌波の過去が明らかになると同時に
4人目が登場するかもしれません。

それから、エロ成分多めの番外編も構想中です。

では、今回もお付き合い、お目汚しありがとうございました。
110名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 22:59:02.94 ID:sLorkcDk
>>109
GJ
本編、番外編ともに楽しみにしてます
地震でどこも大変ですが、無理をなさらぬようご自愛ください
111名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 01:23:11.18 ID:bqUjdQoi
乙です〜。ヒーロー(?)物にお約束のお悩みタイムですね。
さて、次の展開がたのしみです。
112名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 22:41:50.85 ID:DpPcP+T7
お、エアリィ来たね。ミーヤ側が人数増えるかもと思っていたんだけどバワーアップか…。
いや、まだ分からんな。この作者は意外な手を打ってきたりもある人だ。次回も楽しみ。
113名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 18:47:16.57 ID:uxYxR6tl
from ♂ to ♀ はもう終わりなのかな? 学園ものって橘悠もそうだけど、絶対途中で終わっちゃうよね。
楽しみにしていたのに残念。
114名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:13:45.86 ID:xYmACsmR
そういや保管庫の人大丈夫?
地震起きてから音沙汰ないけど
115名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 22:28:36.77 ID:m7k8bTo+
俺の完璧な人生プランだとよからぬ組織にさらわれ改造され、悪の魔法少女として破壊活動を繰り返すもふとした事から洗脳が解け
自我を取り戻し、自分の強大な力と犯した悪事に対して深い自責の念を抱き正体を明かさぬまま人々を守る正義の魔法少女になるはず
116名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 01:24:09.62 ID:hjb1NWTX
貴様のプランを改悪してやろう。
よからぬ組織にさらわれ改造され、悪の魔法少女として破壊活動を繰り返すも
貴様に一目惚れした能力を無効化する男に言い寄られ、愛の力で洗脳が解け自我を取り戻し、
自分の強大な力と犯した悪事に対して深い自責の念を抱き
男以外には正体を明かさぬまま人々を守る正義の魔法少女になる。
男の助力もあって組織を追い詰めるが、後一歩で逆に男がさらわれて魔砲少女として立ちはだかる。

なんてのはどうだ?
BAD TRUE HAPPY 全て思いついたが、結末は貴様の心次第。
117囚われ人00-01 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:30:06.14 ID:czwzgxef
※当作品は去年"わかば板"ですぐ落ちちゃった作品の大幅修正&リチャレンジ品です(´・ω・`)

■■■■■■■■  プロローグ  ■■■■■■■■

ここは・・・何処だろう?
薄ら寒い夜の街、ぼやけた視界・・・

何で自分がこんな所に居るのか?そもそも自分は何者なのか?全く思い出せない。
闇の中、僅かな灯火を頼りに重い身体を引き摺り歩く。
足の裏からは冷たいアスファルトの感触がして、
その鈍い痛みが、"自分が裸足である"と言う情報を脳に伝えていた・・・
118囚われ人01-01 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:34:37.06 ID:czwzgxef
■■■■■■■■ 第一章 Boy Meets Girl ■■■■■■■■

変な夢を見た朝は気分も冴えないものだ・・・っと言えば大抵の奴は同意してくれるだろう。
例えばテスト問題を必死に解く夢とか、例えばバケモノに追いかけられる夢とか、
例えば・・・人を殺してしまって、それを家族に話せないでいる夢とか。

今朝方見た夢はそう言った悪夢の類では無かったが、それでも妙な不快感を以って俺の記憶に刻まれており、
ただでさえ憂鬱な登校の途を、更に重苦しい気分にするのに貢献していた。

「朝から冴えない顔してるね〜」

そう言いながら話し掛けて来たのは俺の昔馴染み、瑞葉。
家が斜向かいにある都合もあるが、何でか最近は通学路を共にする事が増えた。

〈心配してくれてるのか?〉

一瞬感動してしまったが、そこにある妙にニヤニヤした顔を見て思い直す。
こいつに同情とか共感を期待する事の愚かさを、俺は骨の髄まで叩き込まれて居た筈だ。

「何の用だよ?」
「ん〜・・・」
「・・・」

暫し思案顔の瑞葉だったが、やがて少し溜息をついてから視線を逸らし、

「特に無いかな?」

・・・っと言った。

〈何だよそれ・・・〉

肩透かしを喰らって思わず口から出掛かった言葉、意味が無いと思い返して結局止める。
学校へ向かう上り坂、そこは満開の桜並木、風に巻かれて吹雪く花びら、
その壮麗な様子が俺達にはとても不似合いに思えて、だからこそ可笑しくて、そして悲しかった。
119囚われ人01-02 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:39:55.55 ID:czwzgxef
「あ・・・」

押し黙っていた瑞葉が急に口を開く、
視線の先、真向かいの歩道に俺たちと同じ学校の制服を着たショートカットの女の子、青葉が居た。

青葉がこちらをチラリと見やる。
この幻想的な光景の中にあって、彼女の容姿は決してそれに負けていない。
いや寧ろその立ち姿は、桜を完全に脇役にするだけの意味と力を持っている。
スポーツ少女らしい凛とした顔、輝く黒い瞳、すらっと引き締まった肢体、
そして歳相応に膨らんだ・・・胸。一言で言うと完璧な美少女、俺や瑞葉とは違う世界の住人。
並の男なら見た瞬間に彼女に惹かれ、同時に諦める事だろう。

だが、かつて彼女は・・・

「・・・・」
「やっほーい、青葉ちゃん〜」
「?おい、やめ・・・!」

一瞬の悪寒、止めようとした俺の腕をすり抜けて前に出て、大きく手を振って呼び掛ける瑞葉。
満面の笑みではしゃぐ小娘、穢れを知らない無邪気な少女、まるでそうする事が当然であるかのように・・・
当たり前だ。少なくとも瑞葉の知っている範囲では"そのような行為"を成すのは決しておかしな事ではない。

呼び掛けられた青葉は一瞬ビクッと肩を震わせたが、そのまま俺達を無視するように歩を進める。

「む〜、反応が悪いなぁ。これでどーだ?」
「へっ?・・・おいコラ!」

相変わらず空気が読めてない瑞葉は、素早く俺の腕に絡み付いてくる。

「へっへっ、青葉ちゃん!芳彦は預かった、返して欲しくば・・・」

はっとした顔で振り向く青葉相手に、高らかな勝利宣言を挙げる瑞葉。

「ど〜言う繋がりだ?どう言う?」

焦った俺は瑞葉を振り解こうと腕をぶんぶん振り回す。
・・・肘に当たる柔らかな感触が嬉しくないかと言われれば嘘ではあるが、

「嬉しいだろ?嬉しい言うてみ?」
「んな訳あるか!離せボケ!!」
「・・・・」

そんな瑞葉と俺の様子を見た青葉は、少しの間睨むようにこちらを見ていたが、
やがて口元を歪めて軽く笑うと、そのまま背中を向けて去っていく。
120囚われ人01-03 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:43:35.58 ID:czwzgxef
「ん〜、何かおかしいんだよねぇ。青葉ちゃん」
「おかしいって何が?」
「ほら、青葉ちゃん、昔は芳彦の事が・・・」

―――好きだったでしょ?―――

「・・・昔の事だよ」
「そかな?」
「幼稚園の頃の事だぜ、昔のことさ」
「・・・・」
「ずっと昔の事、なんだよ・・・」


茜色に染まった空、他に誰も居ない放課後の教室で佇む少年と少女。
あれはきっと夢、それはきっと幻。



「・・・まぁそりゃそっか」

そう言って瑞葉は表情を緩めた

「今の青葉ちゃんみたいな美人さんが、芳彦に惚れるわけ無いもんね」
「・・・」
「あれ?ひょっとして残念だとか、惜しかったとか思ってる?」

少女の笑みの奥底に、意地悪な色が交叉する。

「男ってバッカだね〜♪」
「・・・」

もし、俺が青葉と肌を重ねた事があると知ったら、コイツは一体どう言う顔をするのだろうか?
121囚われ人01-04 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:45:01.36 ID:czwzgxef
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

夢を見る、この間の続きの夢。

夜の街、あてども無く歩き続ける。
自分は一体何処から来て、何処へ向かおうとしているのか・・・

曲がり角に入ろうとしたその時、眩しい光に思わず目を閉じた、

「危ないッ!!」
ドシンッ
「あっ」

衝撃で身体が吹き飛ばされた、よろめき地面に叩き付けられる

「キミ?大丈夫・・・」
〈オトコの子?〉

薄明かりで良く顔は見えなかったけど、その声は自分と同い年くらいの男の子のモノだ。
何処かで聞いた事があるようで、無いようで・・・
その正体を必死に思い出そうとするけど、漠然としたイメージすら掴むことは出来ない。

「ほら、掴んで」
「あ・・・ありがとう・・・」

差し出された腕にしがみつく。
大きな手の平、筋張った指先、でも・・・その手はとても、とても暖かだった。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
122囚われ人01-05 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:45:57.07 ID:czwzgxef
「・・・・っ」

目が覚めた。
窓の外は朝の光で白み、スズメがチュンチュンと鳴いている。

〈またあの夢か、変な夢だな・・・〉

然し似たような内容だったにも関わらず、昨日の夢ほどの不快感は無いのは救いだ。
きっと"何処かで聞いた覚えのある声"が、夢の中での孤独感を一部溶かしてくれたからだろう、

〈・・・どんな声だったっけ?〉

思い出せない。その時の男の声がどんなだったか、どうしても思い出す事が出来なかった。

〈・・・〉
〈まぁ、いずれにせよ所詮夢だ。深く考える事もあるまい。>

思い直して布団から立ち上がる。脱ぎ捨てる寝巻きは水の色、俺が一番好きな色だ。
カーテンを開けると眩いばかりの青い空。遠く山向こうに輝く太陽が本日の朝の到来を告げていた。
123囚われ人01-06 ◆ltcVx8cIak :2011/04/10(日) 02:46:55.70 ID:czwzgxef
∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀貴明視点∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀

「ったく、何時まで補習受けさせる積もりだよ!?」

塾帰り、全力で自転車を漕ぐ貴明は些か集中力を欠いていた。
普段なら多少は減速する曲がり角だったが

(これほど遅い時間に通る人も車も無いだろ〉

そう思ってハンドルだけで強引に曲がり切ろうとする。
刹那、彼の視界に白い影が映った

「危ないッ!!」

とっさにハンドルを切り返して叫ぶが間に合わない

ドシンッ
「あっ」

鈍くて嫌な衝撃の後、小さな悲鳴。

〈しまった!!畜生、今日はなんてついてないんだ!!〉

早く家に戻りたかったのに、面倒な事になってしまった、
軽く舌打ちをしながら自転車を降りると、倒れ込んでいる"誰か"を見やる
・・・と同時に息を呑んだ。

目の前には水色の・・・男物の寝巻きだろうか?皺くちゃの服を纏った少女が倒れている。
いや、それはただの少女ではなかった

「キミ?大丈夫・・・」

我ながら間抜けと思いつつも、今の彼が発せられる目一杯の言葉、
その言葉に反応する様にゆっくりと顔を向ける少女

その瞳に、貴明は一瞬で魅了されてしまう。

街頭に照らされ青磁色に輝く白い肌、さらさらと長く艶やかな髪、薄いが瑞々しい唇、そして柔らかそうな頬。
その目は深く澄んでいて、一切の濁りを映して居らず、

本当に・・・女の子とは思えないくらいに、美しかった。

АААААААААААААААААААААААА
124名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 19:18:47.98 ID:RBo4Nq30
割れ厨が自分が設定したエロゲの娘と同じ姿にされるやつの題名が思い出せない
125名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 20:00:05.65 ID:3qM8JRVz
>>124
ヴァーチャル・ラバーズ
126名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 15:24:36.61 ID:bskUTX1V
127囚われ人02-01 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 20:56:27.23 ID:8FXt9xYB
■■■■■■■■ 第二章 傷の跡 ■■■■■■■■


「・・・であるから、三式戦闘機は重量過大で機動性も加速力も大した事は無く、
 第二次大戦中その存在は、敢えて言うならカスでしか無かった訳です。」

日々の授業は実に退屈だ。最も潤いある若き時代を、
70年の人生でこの期間にしか用いる事がない知識を得る為に使うという事は、
限りある人の命に対する冒涜ではないかと俺は常々考えるのである。

折りしも季節は春、春眠暁を覚えず、両の瞼が重くなって来て、
やがて俺はめくるめくシエスタの世界へと誘われて行くのだった。

・・・
128囚われ人02-02 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 20:57:50.78 ID:8FXt9xYB
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨

それはまだ、俺が幼かった頃の話。
青葉や貴明とは知り合っていて、まだ瑞葉とは出会って居なかった頃。

『うわぁ!!』
『広いひろ〜い』
『すげー!すげー!』

青葉の両親に連れられてやって来た初めての海、蒼い水平線が眩しかった。
砂で城を作って、波で崩れて、また作って、そして崩れて・・・
そんな事を延々と繰り返していた。まどろむ様な懐かしい日々の思い出。

でも楽しかった時間もじきに終わり、夕暮れの海を背にして街へと戻る。
確かあの日は、帰り際に青葉の家に寄って三人一緒にお風呂に入ったんだっけか。

『うぉお、口がしょっぱい!』

舌なめずりをすると、唇や頬に残った塩の結晶が口に入った。

『ホントしょっぺーなぁ』

湯煙の中でタカアキが答える。
打てば響くように反応を返してくれる、そんなタカアキが好きだった。
本当に、あの頃はトモダチだと思ってたのに。

・・・

『どしたのアオバ?』

不意に心配そうな声色になるタカアキ、目を向けるとアオバがこちらを見ている、
湯船の中からずっと、身体を洗うオレや貴明を見ていたんだ。

《・・・?》

不思議そうな顔をするタカアキと、訳が分からないオレ。
驚きに染まったアオバの顔が徐々に愕然と言った風に変わって行き、そして・・・

――― あの時、何で青葉は急に泣き出したりなんかしたんだろうか? ―――

∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
129囚われ人02-03 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 21:00:38.23 ID:8FXt9xYB
「おい、聴いてるのか!?」

ヤバっ・・・と思って首をすくめるた。
だが幸いな事に教師の顔は俺を向いておらず

「・・・・」

その言葉は、どうやら窓際の一番前の席の生徒に対するもののようだった。

「・・・貴明?」

先ほど注意されたにも関わらず、いや恐らくは注意されたのが自身である事に気付かなかったのだろう、
貴明の奴は相変わらず頬杖を付いたままで、その視線を虚空に漂わせていた。

「・・・どうした?具合でも悪いのか?」

余りの反応の悪さに異常を感じたのか、教師が怪訝そうに問いかける。
だがその教師の心配を裏切るかのように・・・

「あへ?」

素っ頓狂な声を上げる貴明、その余りの間抜けな声にクラス中がどっと沸く。
130囚われ人02-04 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 21:03:26.06 ID:8FXt9xYB
* * * * * * * * * * * * 

「何か今日、貴明調子悪そうだね・・・」

休憩時間、瑞葉がやや顔を曇らせてそう言った。
昨日の俺の時とエラく反応が違う気がするが、この際気にしないでおく事にする。

「ちょっと様子見に行かない?」
「やめとく」

瞬殺。
一瞬呆気に取られたようにしていた瑞葉は、然し何時に無く真剣な顔で抗議して来た。

「何で、どうして?」
「・・・」
「貴明と芳彦、あんなに仲が良かったじゃない?」
「別に・・・」
「何で?何でそんな他所他所しくしてるのさ?」

〈何で・・・だと?〉

頭にカッと血が昇る。

〈どうしてだと・・・思う?〉

握り拳に力が入った。

〈親友だった、裏切られた、許せない・・・〉

嘲るように笑う貴明、悪魔の様だと思った。。
まだ子供だった、意味も分かっていなかった、ただ衝動に駆られてやっただけだ。
だが・・・

〈絶対に、アイツだけは許せない!!〉
131囚われ人02-05 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 21:04:00.68 ID:8FXt9xYB
炸裂しそうな感情を辛うじて抑え込めたのは、
"瑞葉は何も知らない"と言う前提を思い出したからだ。

「・・・黙れ」
「え?」

聞き返してきたのは、聞こえなかったからか、
それとも、それが聞き違えであって欲しいと望んだからか・・・

「いいから・・・黙れよ・・・」
「っ・・・」

瑞葉の顔が青ざめる。
当然だ、十余年来の付き合いの間、俺が瑞葉に攻撃の意思を向けた事は数えるほどしかない。

彼女は俺の大事な大事な友達の一人だ、故に関係を断ちたくないし、出来得る事なら傷付けたくもない。
だが俺たちは・・・幼き頃からの付き合いであったとしても・・・完全に理解し合うには年を重ね過ぎている。

「頼むから・・・黙れ・・・」

吐き棄てるように言って睨み付ける。

「っ・・・」

瑞葉は己に対する理不尽な仕打ちに対し怒ろうと努力していたが、
先んじて投じられた圧倒的な嫌悪と悪意を前にただただ涙ぐむだけで、
その小さな身体を身じろぎ一つさせる事も出来ずに居た。
132囚われ人02-06 ◆ltcVx8cIak :2011/04/12(火) 21:04:43.42 ID:8FXt9xYB
∀∀∀∀∀∀∀∀∀ 貴明視点 ∀∀∀∀∀∀∀∀∀

貴明は、朝からずっと心ここに在らずの状態を続けていた。
昨日塾帰りに出会った少女の事が頭を離れない。

ただ美しかったからではない、美しいというだけなら、あの少女よりも綺麗な女を彼は知っている。

この街一番の美少女、青葉。

容姿端麗文武両道、彼女が歩いているのを見て振り返り、
そのまま電柱に激突するリーマンの姿を貴明は何度か見た事がある。
だが余りに完璧に過ぎる造作の青葉は、貴明にとっても別次元の存在であり、
また彼女に内在する苛烈とも言える気の強さは、貴明の好みとは180°異なるものでもあった。

その点、あの少女の面差しは貴明の心を捉えて離さない。
容貌こそ青葉には及ばないが、女性特有の媚びた目も、男に対する警戒の色も存在しない純真な少女。
その纏う空気は何処と無く、彼の初恋の人に似ていた。

〈会いたい・・・また、あの娘に会いたい・・・〉

胸を焦がすような痛み。だがそれは叶わぬ願いに思えた。
住んでる場所も名前すらも知らない少女、
夜の街に暗闇に消える彼女を何故追いかけなかったのか?っと今更ながらに後悔する。

「今晩も、あの辺りに行ってみるか・・・」

この学校の生徒では無かった、この街の住人ですら無い可能性が高い。
だが何か行動も起こさずには居られないほど、貴明は"あの少女の影"の虜になっていたのだった。

АААААААААААААААААААААААА

第二章END
133『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/14(木) 01:02:02.42 ID:EVzZ+2kk
 「──それで、一体どういうつもりなんですか?」
 母と人間(ヒューマン)の友人が、地下室で和気あいあいとお茶している様を、こめかみに井桁マークを浮かばせた、まましばし見守っていた少女……の姿になったレムだが、ついに痺れを切らして直接、そう問いかける。
 「あら、言ってなかったかしら?」
 「何ひとつ聞いてませんよ!」
 首をひねる母のトボケた様子に、温厚なレムもさすがにキレかける。
 「いやいや、思い出してみなよ、レムルスくん……いや、今は「レムちゃん」、かな? あたしの部屋で、バッチリ了解してくれたじゃない」
 そう言われて、小半時ほど前の澪霧との会話を思い出し……そして現在の自分の状況と考え併せて、非常に嫌な結論にレムは達した、達してしまった!
 「ま、まさか……私に澪霧さんの身代わりになってヤマトへ行け、なんて言いませんよ、ね?」
 「うんうん、さすがにこれだけ状況が揃うとわかるか。じゃ、そーいうことで」
 「がんばってね、レムちゃん」
 ニコニコと笑い合いながら、地下室を出て行こうとするふたりの足に、なりふり構わずすがりつく。
 「それだけで納得できるわけないでしょう!? お願いだから、もう少しキチンと説明してください!!」

 まぁ、流石にソレは冗談だったらしく、踵を返したふたりはレムに向かって、幾分真面目な説明を始める。
 「偶然とは言え、澪霧ちろゃんを助けたことで、我が国はアキツに貸しができた。コレはいいわね?」
 母后の言葉に頷くレム。
 「でもねぇ、正直ソレって国の根本方針を揺るがすほどのものじゃないワケよ。
 たとえばあたしが十数年「霊奮りの巫姫」を務めてた……ってんなら、多少は影響力もあるだろうけど、あくまで今のあたしは、「神託によって次の巫姫になるとされた巫姫候補」でしかないワケだから」
 自分のことなのに、あっけらかんと話す澪霧。
 「でも、それは、これから少しずつ澪霧さんに頑張っていただければ……」
 「やーよ、メンドくさいし」
 バッサリ切り捨てる少女に、レムは空いた口がふさがらない。
134『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/14(木) 01:02:29.04 ID:EVzZ+2kk
 「いい、都に行ったらあたしは、まず巫姫となるための勉強漬けになるわ。
 神事の儀礼や各種魔法はもとより、礼儀作法に有職故実。それ以外にも巫姫として必要な嗜みとやらも含めて、ガッツリ教え込まれるでしょうね。
 自慢じゃないけど、魔法の勉強はともかく、行儀とか習い事関係はあたし、大の苦手よ。一人前になるまで、いったいどれだけかかることか……。
 そのうえで、あたしに政治的な動きを期待する?」
 澪霧の問いに、レムは力なく首を振った。
 「でも、それは私が行っても同じことじゃあ……」
 「何言ってんのよ、このチート竜人が。アンタ、武術以外に関する覚えは異様に速いじゃない。アタシが半月かかって覚えた精霊治癒呪文を、3日でモノにされた時は、腰を抜かすかと思ったわよ!」
 ちなみに、澪霧の半月という数字も、実は独学にしては秀才レベルのスピードと言ってよいのだから、いかにレムが優秀か理解できるだろう。
 「あれは、初歩の初歩だから……」
 「その初歩を、アキツ人でもなく、そもそもヒューマンですらないアンタが平然と習得できるのが、規格外だって言ってんの」
 精霊治癒呪文とは、言葉通り「精霊の力を借りて、心身の傷をいやす魔法」だ。
 神の力を借りる癒しの術法は、この大陸では普遍的なものだし、魔術師の攻撃魔法の多くは精霊の力を借りている。
 だが、「精霊の力」で「癒す」と言う術は汎神論的祖霊信仰を持つアキツに特有のものだ。
 これを身につけるためには、単なる教養・知識レベルでないアキツの宗教観への深い理解と共感が必要になるだろう。
 逆に、生粋のアキツ人なら、エルフやドワーフであっても、身に着けられる「可能性」はあるが……。
 「それに、この国の王位継承者であるアンタなら、寝る間を惜しんで勉強して一人前になって、さっさと政治的発言力を増すように動くでしょ」
 あたしは、そこまでする義理はないからね〜と、澪霧は意地の悪い笑みを浮かべる。
 そこまで考えて……と呆れるレムだったが、確かに言ってることはもっともだ。
135『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/14(木) 01:03:38.77 ID:EVzZ+2kk
 ●ドラクタリヌースはアキツと友好関係を結びたい
 ●アキツは別にどうでもよい(むしろ消極的)
 という情勢下で、ド国の王子として身を粉にして働け……と言われるのは、ある意味、当然ともいえる──たとえ、その方法が奇抜極まりなくても。
 「ふぅ……一応、こんなコトをした理由は理解できました。
 けど……澪霧、あなたはそれでいいんですか?」
 暗にコレは故国に対する裏切り行為では? とほのめかしているのだが、少女はアッサリ首を縦に振った。
 「いいわよ。そもそもアタシは「王族の末席」だなんて言われても、ほんの半月ほど前まではそのことを知らなかった一平民だしね。
 「立派な王族の覚悟」なんて、そうそう簡単に生まれてたまるもんですか。
 愛国心そのものは……皆無ってワケじゃないけど、まぁ、レムなら巫姫の立場に立ったって、悪いようにはしないでしょ」
 醒めているのか、お人好しなのかわからない発言である。
 「買いかぶり過ぎのような気もしますが……」
 ある意味、自分の人格を信頼すればこその作戦なのだろうが、レムとしてはあまり……というか全然嬉しくなかった。


#なんという説明回。次にようやくTS的萌えっぽいシーンが出てくるかも。
136名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 18:10:26.19 ID:PSPRYg33
俺には小さな頃から変わった体質があったらしい
らしいというのは小さな頃はイマイチ効果が出てなかったから俺自身気付いてなかった
しかしそれは最近となって現れ始めた

人には結してバレてはいけないような嫌な体質

俺事、霜月岬はなんと



                    
                   「興奮すると女になる」





需要ないなら上の人の邪魔になるし辞めるけど、どうする?
137名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 19:24:07.01 ID:Ca0fjaIb
いいから書けよクソッタレ



大好物です
138名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 19:25:05.64 ID:Ca0fjaIb
更に幼馴染みの親友(男)とニャンニャンとか俺得だから絶対やめろよ
139名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 19:41:35.88 ID:fJ+2bQv0
ふたばくんチェンジの設定か

よろしい続けたまえ
140竜の人:2011/04/14(木) 20:46:44.93 ID:tX/li18z
>>136
煮詰まり気味なんで、どうぞご投下ください。
……て言うか、別に、ひとつの話が終わるまで、他の人が投下しちゃいけないなんてローカルルール、ここないよね?
141名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 21:03:43.18 ID:578f7tRv
>>140
無いけど、>>132>>133の様に長文SSが連続すると紛らわしいから、
その場合は最初に、今から投稿する旨を一行くらいで宣言した方が読み易いと思われ
142名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 21:38:52.94 ID:icuEAo+/
>>136
名前欄にタイトルかペンネームを入れていただけると識別しやすいかと

設定的に可逆女性化らしいので戻り方にも工夫があると面白いかなっと
143名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 21:47:20.80 ID:Ca0fjaIb
ただ興奮すると女って心も女よりでないとただのレズになるなー
それは俺得じゃないわ
144名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 22:02:35.07 ID:DcKgaa2N
だが心が男よりで無いとホモ臭いという
それは俺得じゃないな
145名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 22:40:13.50 ID:Ca0fjaIb
え?まさかTSスレでホモ臭いとか言う奴がいるとか勘弁してくれよ・・・
この手のスレで職人がいなくなる煽りや叩きがホモ気持ち悪い死ねとかなんだからよ
頼むぜ
146名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 23:04:10.08 ID:PSPRYg33
ふたばくんチェンジって何やねんって思って調べたら
自分の思い描いてた設定と丸かぶりやん
もう少し練ってから投下するぜ
それが1日となるか3日となるかは知らないけどみんな待っててくれ、では
147名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 00:40:51.44 ID:O17FFXk0
ホモ叩きもだが百合叩きも勘弁

ただでさえ特殊な嗜好なんだから人の趣味叩くなよ
148名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 02:01:42.29 ID:daxtmz8S
そうか、ふたばくんチェンジの存在を知らない世代がアダルト板に来る程時代が過ぎたんだな
何もかも皆懐かしい
149名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 06:23:16.17 ID:14NBQTc7
ふたばくんは作者が18禁版を描けば全て解決しそうなんだが。
150名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 22:42:57.33 ID:yAvGZasi
絵がな、カナーリ古臭いのだが
151名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 01:14:05.86 ID:3mCumeyq
目が覚めたらキミはモンスター蠢くダンジョンの中。
装備やアイテムをそろえ、レベルを上げてダンジョン脱出を目指すぞ。
ただし、アイテムを買ったりレベルが上がったりすると女性化が進み、100%女性化したらゲームオーバーだ。
もちろんモンスターから攻撃を受けても女性化していくぞ。
はたしてキミは無事に脱出することが出来るのか?
152名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 20:59:04.35 ID:SSuXP9pR
>151からちょっと妄想。

君は目が覚めると薄暗い石造りの部屋の中にいた。
体育館に置いてあるような粗末なマットレスの上に寝かされていたようだ。
最後の記憶は、自宅のベッドで眠りについたところ。実際、今もパジャマ姿だ。
これは夢なのだろうか?
しかし、肌をさす冷たい空気や、淀んだ空気の匂いは、これが夢ではないと君に告げてくる。
ふと、「バトルロワイヤル」とか「シークレットゲーム」とか言う単語が脳裏をよぎった。
(まさか、な……)
とりあえず、辺りを見回してると木製のテーブルがあり、いくつかの物が置いてある。

君は──

1)あくまで「これは夢だ」と思い、もう一度寝なおすことにした。
2)テーブルに近寄り、置いてあるものを確認した。
153152:2011/04/16(土) 21:02:31.25 ID:SSuXP9pR
→1)あくまで「これは夢だ」と思い、もう一度寝なおすことにした。

こんなことが現実の自分の身に起こるはずがない。
君はもう一度マットの上に横になり、堅く目を閉じて眠ろうとした。

……チュンチュン
半覚醒状態の耳に、窓の外で雀が鳴く声が聞こえる。
やはり、昨晩のあれは夢だったのだ。
君は勢いよくベッドの上に起き上がった。

 ──ぶるん

「ネグリジェを着た」君の胸で「高校生にしては規格外に大きな乳房」が揺れる。
君は一瞬パニックになりかかり……瞬時にして落ち着きを取り戻す。
そうだ。何を慌てることがあるだろう。
高校に入ったあたりから急激に大きくなったとは言え、最近ではすっかり見慣れた自分の胸ではないか。
君はベッドから下りて、部屋を見回す。
ピンクのカーテンとベッドカバー。白い衣裳タンス。父親にねだって買ってもらったドレッサー。
うん、「何もおかしなところはない」。
君は制服に着替えようと、壁にかけてあるセーラー服に手を伸ばした。
154152:2011/04/16(土) 21:03:42.03 ID:SSuXP9pR

──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

……と、こんな風にゲームブック風に進めるのはどうかな?
ただし、分岐が無限に増えると厄介なので、
2択かつ片方は即死(というか即女性化)エンド直行にしておくという縛りで。
155152:2011/04/16(土) 21:16:57.09 ID:SSuXP9pR
→2)テーブルに近寄り、置いてあるものを確認した。

そこに置いてあったのは、表紙に「参加者の方へ」と書かれたノート、カロリーメイトのような固形食糧、そして半袖の体操服&ブルマーだった。

まずはノートをめくってみたところ、どうやら自分がとんでもないことに巻き込まれたことがわかった。内容を要約すると、
・ここは地球とは異なる異世界であり、自分は勇者候補として召喚された
・ただし、候補が何人かいたため、選別の為にこの「妖女の迷宮」に放り込まれた
・この中を進んで無事に脱出できれば、勇者と認められる。
・この迷宮には特殊な呪いがかかっており、中にいるだけで男性は、その「男としての要素」を喪っていく。
・途中にはさまざまなトラップや仕掛け、イベントがあるが、死ぬことはない。ただし、場合によっては死ぬよりも辛いことも……。

勘弁してほしいが、冗談やドッキリという線は限りなく低そうだ。

君は──

3)腹が減っては戦はできぬ。固形食糧を口にした。
4)動きやすい服装の方がいいか、と体操服に着替えた。
156名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 22:11:11.21 ID:GRJXaR8s
素晴らしい
157名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 22:16:29.63 ID:L40qXpus
>>153
それで長編書いてくれるんですよね?
もちろんエロエロで
158名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 22:55:25.41 ID:bl2qoXFD
っけねー 仮面ライダーに変身したと思ったらライダー少女に変身しちまった
159名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 23:42:22.49 ID:Pvqtyc4M
>>153
さあ次を書くんだ

ごめんなさい書いて下さい
160名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 00:12:46.93 ID:jNs4ImyR
>>158
マジかよディケイドライバー買ってくる
161155:2011/04/17(日) 08:35:24.11 ID:aFTpXVI4
→3)腹が減っては戦はできぬ。固形食糧を口にした。

薄いピンク色したそれはイチゴミルク味だった。結構うまい!
……と思う間もなく、身体に異常を感じた君は、あわてて固形食糧の包み紙を見てみた。
「※女児用。男性が食べた場合、不都合があっても当社はいっさい感知しません」
なんだ、それは!? と思うまでもなく、身体が縮んでいく。
数分後、君は10歳くらいの可愛らしい女の子になってしまった。
知能の方も、年齢に応じたものになったらしく難しいことを考えられない。

──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!
162155:2011/04/17(日) 08:37:15.11 ID:aFTpXVI4
→4)動きやすい服装の方がいいか、と体操服に着替えた。

上着に関しては問題ないが、問題は下だ。
恐る恐るブルマーを手にとった君は、その下に説明書が置いてあることに気付く。
「技のブルマー:敏捷値が1上がる。罠などを避けやすくなる」
……背に腹は代えられない。君は観念してブルマーをじか履きする。
男性の下半身には合わない……と思われたブルマーだが、なぜか君の身体にはフィットするようだ。気恥ずかしさと心地よさが同時に君を襲う。
(男性ポイント−5/現在95)。

君は──

5)こんな部屋はさっさと出て脱出経路を探る
6)もう一度部屋の中をよく見てみる

>>157>>159
いや、皆で適当に好きなシチュ続けられればいいな、と思ってこの形式にしたんですがね。
短文で女性化過程のありがちなシチュエーション垂れ流せばいいし。
163名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 12:15:23.39 ID:lOluwvQo
なんかデジャビュがあるな。どっかのサイトでこんな中編があったような。
164名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 16:57:53.27 ID:VhF1mR1K
165名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 17:01:08.00 ID:Z0NHCuJg
>>162
リレーはぶっちゃけ好きじゃないな・・・
まぁ書く気がないなら別にいいけど
166名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 17:58:56.82 ID:XnrPJcMu
>>160
龍騎か555か電王かキバかオーズでないと駄目らしいぞ
167162:2011/04/17(日) 18:18:58.27 ID:aFTpXVI4
>>165
──残念! この企画は終わってしまった!

……まぁ、冗談ですが。とは言え、のってくれる方がいなければ強制終了せざるを得ないのも事実。
自分も言いだしっぺとして書ける時は書きますが、ココでも他のスレでも抱えてる連載がありますし。
168名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 20:12:18.86 ID:8CTjVyc4
参加するしないは置いておいて良いと思うよ
しりきれトンボなんて珍しくないんだし、放置でいいんじゃない
で気が向いたら適当に続きで、そのうち拾って続ける人がいるかもしれないし、居ないかもしれないし
169名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 21:41:02.12 ID:jNs4ImyR
>>166
鬱エンドかgdgdばっかりじゃないですかー!やだー!!
170名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 21:45:54.65 ID:WUsMYxKh
>>135

世界観が骨太っていうか、しっかりしてますなぁ。ところでレム君って、人間でいうと
何歳ぐらいだろう。

171竜巫女の人:2011/04/19(火) 11:01:52.92 ID:noNPWUjp
ちょっと体調不良と煮詰まりで続きが投下出来ず、もし、続きを期待されてる方がいたら申し訳ありません。週末にうまくすれば……。

>170
か、過大評価です。
一応は、↓みたいなことぐらいは考えて、RPGのマニュアル的な世界設定は
作ってますが、「骨太」とか言われると赤面物。

★異世界アールハイン ttp://kcrcm.blog85.fc2.com/blog-entry-163.html

ちなみに、「竜人と巫女のゲーム」は、某所投下中の「日本人は形から入る」と表裏一体の話になります。澪霧(レム)視点が前者、アリス(中身日本人♂)視点が後者。
172名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 19:58:56.41 ID:EawOX9jx
>>172

続きは楽しみだけど、のんびり楽しくやってほしいです。
173名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 20:48:31.82 ID:EawOX9jx
>>間違えた、>>171でした(汗)
174162:2011/04/20(水) 22:12:16.85 ID:ejUB56n8
→ 5)こんな部屋はさっさと出て脱出経路を探る

 この迷宮にいるだけで、男としての要素を喪うというなら、時は金、長居は無用だ。
 君は、急いで部屋を飛び出した……が!
 何も持たずに探索を始めたのは、少し軽率だったようだ。
 振り返っても、先ほど部屋へのドアは堅く閉ざされ、横開きのドアには取っ手すら見当たらない。
 仕方なく石作りの迷宮を歩き始めた君は、数時間後歩き疲れて、行き止まりになっている小部屋で小休止することにした。
 幸い、敵らしき影も見当たらないので、部屋の隅のカーペットが敷かれている一角へ座って、足を伸ばす。

 ……石畳のダンジョンにカーペット?
 そのことに君が不審を覚える前に、カーペットは君を載せたまま凄いスピードで浮き上がり、天井に空いた大きな穴から部屋の外へと、文字通り「飛び出して」いく。
 どうやらこれは、魔法のカーペットを使った罠(トラップ)だったようだ。
 流石は異世界と言うべきか、灯りらしい灯りも見当たらない夜空を飛び続けたカーペットは、やがてアラビアっぽい屋根の大きな建物の一角に、窓から飛び込んだ。

 「ほほぅ、コレまたは可愛らしい妖霊(ジニー)だな。私に何か用かね?」
 豪華な服を着た、これまた昔のアラビ人風の青年が、目を丸くしながら、君に声をかけてきた。

 ──かわいい? ジニー? なんのことだ?

 君はそう考えるが、君の身体は勝手にカーペットから飛び降りると、目の前の青年に向かって、深々とお辞儀をする。可憐な声が口からこぼれた。
 「こんばんは、旦那様。あたしの名前はマルジャーナ。偉大なるアッラーは、日ごろの心がけの善き貴方様を嘉し給い、あたしを遣わされました」
 いつの間にか、君の身体は15、6歳くらいの褐色の肌の美少女に変わり、ベリーダンサーのような衣裳を着ていた。
 どうやら魔法なり呪いなりの力で、このように変えられてしまったらしい。
175162:2011/04/20(水) 22:12:57.08 ID:ejUB56n8
 「ふむ……それは、つまり私に仕えてくれる、と考えてよいのかね?」
 「はい、旦那様、せひとも貴方様のおそばに置いてくださいまし」
 そう口にした途端、強烈な義務感のようなものが心の中に湧いてくる。
 「そうか。では、以後よろしく頼む」
 青年の許可を得ると、多幸感で胸が熱くなった。
 「ありがとうございますっ! あたし、精一杯がんばります!」
 植えつけられた偽りの感情だと知りつつ、とても逆らえない。
 こうして君は、旦那様に仕えるジニーの侍女となった。

──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

 …………

 しかし、旦那様は、若く聡明で、すぐれた才覚を持つ裕福な商人であり、君達使用人にも優しくしてくれる、とても仕え甲斐のある方だった。
 まだ妻を娶っていないためか、すぐに君の肩書に「侍女」と並んで「愛人」というものも加わったが、君は喜んで寝台(ベッド)の中でも外でもその責務を果たした。
 さらに1年とたたずに、その肩書は旦那様の希望により「妻」へと変更されたが、君が愛する旦那様に身も心も捧げていることに本質的に変わりはない。
 (コレはコレで、それなりに充実した人生なのかもしれない)
 寝台の中で、最近少し大きくなってきた自分の下腹部を優しく旦那様に撫でられながら、君はそんなことを思うのだった。

[END_No.01:奥様は可愛いジニー]
176162:2011/04/20(水) 22:13:44.45 ID:ejUB56n8
→6)もう一度部屋の中をよく見てみる

 まずは自分が寝ていた辺りを探す。
 枕元には小さめの手提げかばんが、マットレスの下にはココの地図らしき簡単な手書きのマップがあった。
 固形食糧の下には「やくそう」と書かれた二つ折りの紙があり、開くと押し花のように緑色の葉っぱがはさまれていた。

 さらに部屋の壁をよく見ると、マットレスの置いてある場所と対面の壁に細い隙間がある。
 苦労しつつ、その隙間に指先を入れて動かすと、壁──いや扉が右に開いた。おそるおそる中を覗き込んでみると、どうやらここはウォークインクローゼットのようだ。

君は──

7)嫌な予感がする。扉を閉じて、部屋を出る
8)せっかくだから、中を探ってみる

#つづけてみますた。とちぅらんにぅもかんげい。
177名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 18:01:26.08 ID:nMP6Coab
いぬまるだしの後ろについてる読み切りにTSっぽい話があって吹いた
178魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/21(木) 18:11:02.96 ID:/6Jp1Orl
お久しぶりです。
世間はまどマギ放映で賑わっていますね。
私もすごく楽しみです。

さて、エアリィさんですが十三話完成しました。
今夜投下しますね。
やっと半分きました。長いようで短かったです。
残り半分ラストに向けて構想ねりねりしています。

ではまた今夜
179魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/21(木) 21:31:16.17 ID:5D8Qe6/1
さて、こんばんわ

これから投下しようと思います。
17回連続投下します。

※注意
・今回はエロッ地区内です。
・強制TSあります。
・やっぱり台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。
180魔法少女キューティエアリィ ◆HgIr/roi/D6V :2011/04/21(木) 21:34:15.64 ID:5D8Qe6/1
大樹「みゃこ、本当に大丈夫か?もう少し休んだほうが・・・」

美夜子「もう大丈夫!お父さん。ごめんね心配かけちゃって。」

紗英「でも、まだ熱があるんじゃないの?」

そう、紗英の言うとおり美夜子の熱は当初のような高熱ではないにせよ、
まだ平熱とは言い難かった。

美夜子「うーん、そうだけどいつまでも寝てられないしね。」
大樹「しかし・・・」
美夜子「だいじょーぶだって。それに今日から学校だからね〜。」
紗英「でも・・・無理しないでね。」
紗英は熱が出ている間の美夜子の苦しみ様を見ているため、非常に心配していた。
しかし、いつまでも家にこもりきりというわけにもいかないということも事実。
体調も戻ってきているようならばと大樹と紗英はお互い顔を合わせ頷いた。

大樹「そっか、そこまでみゃこが言うならな。
いつまでも部屋の中に籠っていたら滅入ってしまうしな。」

美夜子「そうそう、いつも元気なみゃこちゃんは、
家の中で収まるような器ではないのです!」

大樹「ははは。その調子なら大丈夫そうだ。」

紗英「そうね・・・でも、体調悪くなったらすぐに保健室に行くのよ?」

美夜子「わっかりましたー!」
美夜子は敬礼のポーズをした。

紗英「ふふふ、じゃ、行ってらっしゃい。」
美夜子「いってきまーす!!」
玄関を勢いよく出て行った。
と、思ったらすぐに戻ってきたのだった。

大樹「?どうしたんだ?」
紗英「やっぱりまだ・・・?」

美夜子「ううん・・・えっと・・・」
もじもじと顔を赤らめながら大樹と紗英の顔を交互に見ていた。

美夜子「えっとね・・・んと・・・
お父さん、お母さん、ありがと!大好きだよ!じゃねっ!」
言い捨てる様に早口でしゃべるとそのままくるりと振り返り、
勢いよく玄関を出て行ったのであった。

大樹と紗英はその姿をみて固まってしまっていたが、どちらからでもなく吹き出した。

大樹「ぷっ・・・ははは。何かと思えば・・・」
紗英「よっぽど嬉しかったのね。」
大樹「ああ、そうだな。」
紗英「あの子がこんなにも明るくていい子に育って・・・」
大樹「おいおい、泣いているのか?
でも、まだまだあの子が不安を抱えているのは事実だ。」
紗英「そうね・・・私たちがあの子をしっかりと助けていかないとね。」

大樹「俺は・・・彼女を何があっても守って見せる・・・
たとえこの身がどうなろうとも・・・」
紗英「どうなろうともなんて言わないで。
そんなことにならないように私もあの子を守るから・・・」
大樹「そうか・・・うん、よろしく頼むよ。」
紗英「ふふふ、あなたってすごく真面目よねー」
大樹「ちゃ、茶化すなよ。」
紗英「あら?あなた・・・少し顔色悪いけど・・・」

大樹「そ、そうか?少し疲れているのかもな。
少し腹の具合が悪いんだ。」

紗英「大丈夫?」

大樹「少しだから大丈夫だよ。
心配かけてすまないな、じゃ俺も行ってくるからな。」

紗英「ええ、行ってらっしゃい。あなた」

大樹は紗英に軽くキスをすると、玄関を出て行った。

その愛する夫の後姿を優しく見つめている紗英。
紗英は外の眩しい光に包まれて、その夫の背中がどこか儚げで・・・
消えてしまうような錯覚に陥った。

紗英「あなた・・・大樹君・・・無理、しないでね・・・」

第十三話「Matter!どうして見捨てるの?」

ここは明日美の通う桜山女子学園中等部
この学校も今日始業式を迎えるのであった。

おはよ
あけましておめでとー
あ、髪切ったー?
外に止まっている高級外車見た?
うん、誰か来ているのかなー?

女子生徒たちは各々久しぶりに会う級友に挨拶を交わすのであった。

その中、朝早くから登校して自席に座って一人で本を読む明日美がいた。
クラスの皆は明日美に対して挨拶はするものの、それ以上の会話をする者はいない。

1年生の事件以来、皆は今まで以上に腫れものを触るように明日美に接していたのであった。
もう、病気は完治しているというのに。

しかし、明日美は上辺だけの薄っぺらい関係にならずに済んでいる状況に安堵しているのである。
正直、相手のご機嫌を窺って必要以上に気を遣わなくて済んでいる分、心地よさを感じていた。
キーンコーンカーンコーン

明日美(さて、HRか・・・)
明日美は今まで読み耽っていた本をカバンに仕舞い込み、ペンケースとノートと手帳を出した。

しばらくすると、教室の骨董品のような古い木製扉をガチャリと開け、
担任の先生が入ってきた。

先生「みんな、おはよう。」

おはようございまーす!

先生「ん、みんな元気でいいわね。
そんな皆に今日は私からいいニュースがあるんだ。」

なんですかー?
あ、あたし知ってるー

先生「実はね、このクラスに転校生がきます!」

おおー!
ざわざわ

先生「はい、静かにー!そんなに騒いでいたら紹介できないじゃない。」

明日美(転校生か・・・まあ、あたしには関係ないわね・・・)

先生「さて、紹介します、どうぞ入ってきてちょうだい。」

先生は扉の方に向かって呼びかけた。
少しの時間を置いて、木扉のノブがゆっくりと回る。
カチャリという音を立て、その扉が開かれていった。
コツコツと靴音を鳴らし、その人物は教壇の前まで歩いて行く。

相変わらず教室内はざわざわと騒がしい。
明日美はその騒がしさを少し鬱陶しく感じながらその人物を一瞥もせず、
自分のノートと手帳を交互に見ていた。
先生「はい、みなさん静かにね。
じゃ、自己紹介お願い。」

わーすごい美人・・・
背が高ーい
奇麗な黒髪・・・
もしかして、朝見た高級外車って?

先生が生徒たちに静粛を促しても教室のざわつきは収まっていない。

そしてその人物はそんな様子でもお構いなしに黒板に自分の名前を書いていく。

???「東條萌波と申します。皆さま、よろしくお願いいたします。」

明日美はその名前を聞いて耳を疑う。

明日美(と、東條・・・萌波・・・?ってまさかっ!)
今まで懸命にノートと手帳を睨めっこしていた明日美は勢いよく顔を上げ、
教壇の方を向いた。
そこには、澄まし顔で立っている、

東條萌波

がいたのだ。

その萌波の横でつらつらと彼女の紹介をしている教師の声は
もはや明日美には届いていなかった。

萌波は明日美が自分を見ていることに気が付くと、にこりと微笑んだ。
その微笑みで再びざわつく教室内。

キャー微笑んでるわ
お嬢様ってやつね
さすが格が違うわ

皆好き勝手なことをコソコソと小さくない囁き声で呟いていた。
明日美「な・・・なんで萌波が転校してくるのよ・・・」
明日美は目を白黒させていた。
その様子がとても面白いらしく、萌波は明日美をじっと見つめているのである。

萌波(くすくす・・・明日美さん、面白い反応するわね。
そんなに私が転校してきたことに驚いているのかしら。)

明日美(あ、あたしのことからかいに来たの?いや、でもそんな・・・)

先生「はいはーい、彼女の詮索はしないの!
休み時間に質問してね。」
ざわつく生徒たちを静粛にさせるために担任教師は手をパンパンと叩きながら
注意した。

先生「では、北島さんの隣が開いているからそこに座ってね。」

萌波「はい、わかりました。」

コツコツと靴を鳴らしゆっくりと周囲を見回しつつ明日美の席へ近づいていった。

そして、明日美の前に立つと明日美に向かってペコリとお辞儀をした。

萌波「はじめまして、東條萌波と申します。
まだ不明点が多くご迷惑をおかけしますが、今後ともよろしくお願いいたします。」

明日美は何が何だか分からず、何かしゃべろうと思うのだが、
言葉を発することができず、ただパクパクと口を動かすことしかできなかった。

先生「北島さん、東條さんもそう言っていることだし隣の好ということで、
サポートしてやってね。」

明日美は先生の言葉と萌波の態度にどぎまぎしていたが、
萌波の言葉で我に返った。
萌波「北島さん、よろしくお願いしますね。」

萌波は、あくまでも初対面という体を貫こうとしているのだ。

明日美「え、ええこちらこそよろしく・・・お願いします。」
今までが今までであったため明日美の動揺は隠せない。

さらにコソコソと周囲からざわめきが聞こえてくるのがわかり、
明日美はますます萎縮してしまうのであった。

北島さんって・・・
ねぇ・・・
大丈夫かしら・・・

萌波「ごめんなさいみなさん、どうも聞き取り辛かったので、
時間があるときにじっくり聞きますので後でもう一度仰って下さるかしら?」

萌波が声のする方を見ずに言うと周囲のざわめきがピタリと止んだ。

萌波「ふふふ、ではお隣失礼いたしますね。」

そう言って萌波は明日美の隣の席にすっと座った。

そして、授業が終わり休み時間・・・

東條さ・・・

萌波「北島さん、学校内を案内していただけるかしら?」
生徒たちが周囲に集まるよりも速く萌波は明日美へ話しかける。
その姿を見てクラスメイト達は少々残念そうであった。

萌波「ごめんなさい、北島さんと約束をしておりましたの。
また話しかけてくださいね。」
にっこりとそのクラスメイト達に微笑みかけると彼女たちは
それ以上何も言えなくなるのであった。

萌波「北島さん、さ、行きましょ。」
明日美「ちょ、ちょっと待って・・・」
萌波に明日美は手を引っ張られ、半ば強引に連れ出すように教室を出て行った。
明日美と萌波はしばらくどこへ行くでもなく無言で廊下を歩いていた。
周囲の人に知る顔がほとんどいなくなると明日美は話しかけた。

明日美「あなた・・・どうしてあんな風にしたの?」
萌波「あんな風って?無理やりに連れ出したことかしら?」
明日美「いや、それもそうだけど・・・あの、あたしと初対面って感じにしたこと。」

萌波「あら、だって初対面ということにしおいた方がいろいろ都合がよくなくて?」
明日美「どういうこと?」

萌波「私とあなたが知り合いってこと、普通に考えたら違和感があるわよね。」
明日美「まあ、そうね。」
萌波「知り合いってことがばれたら・・・あなたに根掘り葉掘り聞いてくること間違いなしじゃないかしら?」

明日美「たぶん・・・そうなるわね。」

萌波「それに私も面倒事は回避したいし、騒がしいのは私の性分に合いませんの。」

明日美「でも、今日はいいかもしれないけど明日からはどうするのよ。
何度も学校を案内するなんて使えないわよ。」

萌波「あら、そんなの毎回適当に理由つけて断るから大丈夫よ。」

明日美「そ・・・そんなんじゃ・・・あなたに友達できないわよ。」

萌波「いいのよ、前にも言ったでしょう?私は他人と慣れ合いたくないの。
それに、あなたもこの学校には友達と言える人いないんでしょう?」

明日美「ど、どうしてそれを・・・」

萌波「そんなの周りのあなたへの態度と、朝のあなたの様子を見ていれば一目瞭然よ。」

萌波「まあ、そういうわけだし、あなたも私と一緒にいたら面倒だろうから、
今まで通り過ごしてよくってよ?」
明日美「なんでそういうこと言うのよ。
仮にもあたしたちは仲間でしょ!せっかく同じクラスになったんだから・・・
少しくらい仲良くなってもいいじゃない!」

萌波は呆れたように溜息をついた。

萌波「あなた、私に言うより他のクラスメイトに同じこと言えるのかしら?
せっかく同じクラスになったんだから少しくらい仲良くなってもいいじゃない。って。言えないでしょ?」

明日美「うっ・・・それは・・・そうなんだけど・・・」
萌波に図星を突かれて言葉に詰まる。
そうだ、確かに明日美は腫れ物に触るような態度のクラスメイトに嫌気がさし、
自ら彼女らを拒絶してしまったのだった。
しかし、明日美は実際には友達を欲しているのは確かだった。
そうは言っても自分の性格上、上辺だけの付き合いはできないことは十分に理解していた。
だから、絵梨と友達になれたときには嬉しかったし、自分の秘密も見せることができた。
ここ最近の萌波を見て彼女もそういう一歩踏み込んだ友達づきあいができるのではないかと考えたのだ。

でも萌波の意見に反論できず、押し黙ってしまった明日美を見かねて萌波が話す。

萌波「はぁ・・・まぁいいわ、少しだけなら付き合ってあげるわ。」

そう言うと萌波は明日美の前にすっと手を出す。
その萌波の行為に明日美はしばらく意味がわからなかった。

明日美「もしかして・・・握手?」
萌波「そうよ。早くしてくれないかしら?あなたにそのつもりがなければ止めるけど?」

萌波は出した手を引っ込めようとするが明日美は慌ててそれを制止する。

明日美「あー!ちょっとタンマタンマ!するする!」
そういって明日美も手を出し、二人は握手をした。
明日美「ふふふ、これであたしたちは友達ってことね。」
萌波「はぁ・・・便宜上・・・ね。」

明日美「全く、素直じゃないんだから。」

萌波「あーあ、もう慣れ合うのはよそうって決めたのに・・・
あの子の影響かしら・・・」

明日美「ふふふ、そうかもね。」

萌波「んー。この際だからちょっと聞いてほしいことがあるの。」
少しだけ考えていたが、萌波は何かを思いついたようだった。

明日美「何を?」

萌波「まあ、これから話すことは私の独り言だと思って頂戴ね。」

明日美「うん。」

萌波「私は小学校5年生までは普通の家庭に育って、家族3人で仲良くつつましく普通の暮らしをしていたの。」

萌波「ところが、5年生の夏休みに父が急に倒れてね・・・入院したの。」

萌波「父が入院して間もなく、うちに祖父の秘書って言う人がやってきて・・・」

萌波「それで、母を家に置いたまま、私を連れ出したの。」

萌波「その時は、話には聞いていたけど会ったことのないお爺様だったから、
気軽な気持ちで少しわくわくしながら行ったわ。」

萌波「でも、それは間違いだった。
愚かなことにそれに気が付いたのは時間が経ってから。私は幼かったのね。」

萌波「夏休みということもあって、しばらくお爺様の家にいたの。」
明日美「入院したお父さんはどうしたの?お見舞いに行かなかったの?」

萌波「最初は行こうとしたんだけど、秘書の人からすぐ退院できるから心配いらないと言われてたわ。」

萌波「夏休みも終わり、そろそろ学校も始まろうかという時・・・」

萌波「突然、10月からフランスで暮らせと言われた。」

明日美「そんなむちゃくちゃな・・・」

萌波「夏休みが終われば帰れると思った私はお爺様に抗議したわ。」

萌波「そうしたらおじい様は優しい顔が消えて冷たい眼で・・・
お前は正式に私の後継者として育てるから家には帰れない。
て言ったの。」

萌波「そしてフランスへ行く少し前に秘書を通じてお父様が亡くなったことを聞かされたわ。」

萌波「私は半狂乱になって暴れた。せめてお葬式だけでも、お墓だけでもお参りに行きたい!
と言ってもフランス行きが迫っているという理由で許してくれなかった。」

萌波「そして、お母様にも会わせてもらえなかった。
一度こっそりお母様がお屋敷に来たことがあったのだけど、
すぐにお爺様にばれて小切手一枚渡して追い返された。」

萌波「お爺様は・・・あの男は!自分の息子なのに見捨てたのよ!
そしてお母様のことを息子を誑かして堕落させた売女だと言い捨てた!」

萌波「どうして・・・どうして見捨てた・・・どうして!あの男の財力があれば!」

萌波は興奮してふるふると震え、声を荒げた。

明日美「萌波・・・」
191名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 21:57:54.45 ID:c7j/Shvx
支援。
萌波「失意と絶望のままフランスへ行ったんだけど・・・
言葉は通じないし一人ぼっちで・・・何もかもが異質だった。」

萌波「そしてフランスで様々な知識を叩きこまれた。
私は必死だったわ。でも、あいつを見返してやるんだって思えば苦にはならなかった。」

萌波「ごめんなさい・・・興奮してしまって・・・
それ以来私は決めたの・・・私以外の人は信用しない、あの男にいつか復讐してやるんだって・・・」

萌波「そして去年の9月に日本に帰ることになったのよ。」

萌波「そこであろうことか飛行機事故が起きてしまった・・・
ニュースにもなったでしょう?知ってるかしら?」

明日美「あ、あの事故のこと!?原因不明で墜落して乗客のほとんどが亡くなったって言う・・・」

萌波「ええ、そうよ。
もうすぐで日本に到着するというところで海に墜落したの。」

萌波「海に叩きつけられて飛行機はばらばら、体は動かないし、意識は朦朧としてた。
私はここで死んでしまうのも復讐としてはありかな。なんて思った・・・
でも、一人残されたお母様を見捨てられない・・・見捨てたらあの男と同じになってしまう。」

萌波「そう思ったときに現れた・・・」

明日美「まさか・・・」

萌波「そう、そのまさかよ。
私のパートナー・・・サダルスウド」

萌波「私の体はボロボロだったけど、彼の力で傷は癒されたわ。」

明日美「それじゃ、奇跡的に無傷で救助された日本人女性って・・・」

萌波「そうよ。私のこと・・・」
萌波「あとは知っての通りね。
この学校への編入が遅れたのは事故の影響で検査したり一度フランスに戻ったりしたからこんな時期になったの。」

明日美「そう・・・だったの・・・つらかったよね・・・悔しかったよね・・・」

萌波「悔しい・・・私は力を手に入れても無力・・・」

明日美は萌波をそっと抱きしめた。

萌波「な!何を!!」

明日美「黙って抱かれていなさい。
ほら、こうやって誰かに身を委ねていると安心するでしょ?」

萌波「・・・・・・」

明日美「あのね、あの子・・・絵梨ってあなたのこと泣いているって言ってたの覚えてる?」

萌波は無言で頷いた。

明日美「今思えばあの時からあの子はあなたの内面をわかっていたのね・・・」
萌波「・・・あなたもあの子と同じ・・・暖かいのね・・・うっ・・・だめ・・・あれ?・・・なんで・・・こんなっ」

明日美「ど、どうしたの!?」
明日美は萌波が急に涙をパタタとこぼしたことに驚いた。

萌波「もう・・・泣かないって決めたのに・・・強くなるんだって決めたのに・・・」

明日美「・・・泣いてもいいんじゃないかな?それは強さとは関係ないと思うよ。
泣いて、躓いてそれでも諦めない心が強さだと思う。」

明日美「それでもし倒れそうになったら仲間に支えてもらえばいいんだよ。」

萌波「あんなひどいことした私でも・・・いいの?信じても・・・いいの?」

明日美「もっちろん!だって・・・友達でしょ?つらい時も・・・嬉しい時もずっと一緒だよ?」

萌波「う・・・うわぁぁぁぁぁぁ!!!!・・・
寂しいよ・・・寂しいよ・・・お父さん・・・お母さん!!」
明日美を強く強く抱きしめながらその場に崩れるようにへたり込み、
今までにないくらい大きな声で泣き出した。
そして大樹の会社に場面が変わる。
大樹は全てを忘れる様に今まで滞り気味だった仕事を精力的にこなしていく。

大樹(落ち込んでばかりもいられない・・・しばらくは変身するつもりはないのだし・・・
仕事に打ち込んで嫌なことは忘れよう。)

大樹「山本君、この書類ちょっと直しといて。
あ、田中君は2時から来客だから俺と一緒に来てくれ。」

大樹(うーん・・・おかしい・・・腹が・・・苦しい・・・
薬を飲んでもトイレに行っても収まらんどういうことだ?)

朝は平気だった大樹であったが、時間が経つにつれ腹部の痛みは大きくなってきていた。

大樹(あと少しで昼だから・・・ちょっと病院行ってくるか・・・)

そして我慢しつつ仕事をこなして昼休みになった。

田中「課長、お昼どうします?」

大樹「あーすまん、ちょっと腹の調子悪いから病院行ってくるわ。」

山本「そうですか。わかりました。大丈夫ですか?」

大樹「大したことはないと思うんだが・・・念のためな。
ははは、変なもの食べたかな?」

大樹(さて・・・急いで行ってくるか・・・保険証と診察券と財布・・・)

大樹は必要なものを手にとって急いで仕事場を出て行った。

しかし、病院へ向かう途中、いよいよ痛みが強くなってきた。
大樹「ぐっ・・・この痛み・・・前にも・・・おかしい・・・」
大樹は腹部を抑え痛みに耐えていると体が淡く光り始めた。

大樹「ま・・・まさか・・・!」

大樹はキョロキョロと周囲を見回す。
そして近くの雑居ビルの車いす用トイレに駆け込んだ。
大樹「くっ・・・そんな・・・こんなときに!や、やめてくれ・・・今は俺は・・・」
ピンク色の光が強くなり、大樹は絵梨へと変身してしまった。

絵梨「絵梨になりたくないのに・・・なぜ・・・」

絵梨「はぁ・・・そうか・・・始まっちゃったのね・・・」
絵梨は月経が始まっていた。
そのため大樹の体にも影響が出て強制的に絵梨に変身してしまったのだった。

絵梨「どうしよう・・・あれ持ってきてないし・・・大樹に戻ってもすぐに絵梨になっちゃうんだろうな・・・」

絵梨「仕事は休めない・・・それにこのままじゃ家に帰れない・・・今度ばかりはごまかせないよ・・・」

絵梨「どうにかできないかな・・・スピカ・・・スピカに相談・・・したらどうにかならないかな・・・」

絵梨「スピカ・・・聞こえてる?」
絵梨はスピカに呼び掛ける。
すると少し時間をおいてスピカから返事が返ってきた。

スピカ「なに?どうしたの?あら?絵梨になってる・・・どうしてかしら?」

絵梨「なりたくてなったんじゃないの・・・アレになっちゃったの・・・」

スピカ「なるほど・・・生理になって強制的に絵梨にされたわけね。
んで?私を呼んだのはどうして?」

絵梨「始まったばかりだから大樹に戻ろうにも安定できなくて、
すぐに絵梨になっちゃうから・・・」

スピカ「うん。」

絵梨「だから、どうにかして大樹でいられる時間を延ばせないかな?」

絵梨の言葉にスピカは黙ってしまう。
絵梨(やっぱり・・・無理なのかな・・・)

スピカ「・・・一つだけ・・・ないことも・・・ない。」

絵梨「あるの!?」

スピカ「でも、あまり推奨しないわ。」

絵梨「どういうことなの?」

スピカ「あのね、簡単に言うとエアリィの時の魔力を大樹の状態維持に使うの。」

スピカ「そうすれば、最大で2時間は大樹の状態を維持できると思う。」

絵梨「そうなんだ。でもなんで推奨できないの?」

スピカ「考えても見て?エアリィの魔力を状態維持に使うのよ?」

絵梨「あ・・・そうか・・・エアリィの魔法が使えなくなる・・・ってこと?」

スピカ「魔法が使えなくなるだけじゃなくて、エアリィに変身できなくなるの。」

スピカ「前に絵梨の姿は魔力をセーブするスタンバイモードだって言ったわよね?」

絵梨「うん。」

スピカ「今は絵梨の姿が魔力を使わない姿・・・というよりも絵梨の方が通常体という感じね。」

スピカ「つまり、今は大樹の時の方が魔力を消費してしまう状態なの。
しかも、大量にね。」

絵梨「だからエアリィの魔力を使うってことね。」

スピカ「そうよ。だから大樹の状態を維持するってことは、
エアリィにもなれない、魔力も大量消費するから、このタイミングでやつらが来たら。」
絵梨「まずいってことね・・・
それで、二時間経って絵梨になったらすぐ大樹になれるの?」

スピカ「いいえ、20分・・・最低でも10分は絵梨の状態で魔力が溜まるのを待たなくてはならない。」

絵梨「そっか・・・確かに推奨できない方法ね・・・他には?」

スピカ「あとは、大樹から絵梨に戻るとき注意しなくちゃならないのことがあるの。」

絵梨「それは?」

スピカ「うんとね、それにはまず魔力というものを説明しなければならないんだけど、
普通、魔力って使えば外側に開放されて消費していくの。」

絵梨「うん。」

スピカ「そのときに魔力として使えない残りかすも一緒に出て行くんだけどね、
大樹でいる間、魔力の流れが逆流するから残りかすが開放されずに体に溜まっていくのよ・・・」

絵梨「つまり?」

スピカ「理論上の話だけど、その残りかすの影響で絵梨に戻るときに体に大きな負担がかかると思うわ。」

絵梨「え・・・ふ、負担ってどんな?」

スピカ「通常の魔力の位相を無理に逆転させるのだから・・・そうね・・・」

スピカは少しの間考えた後、言い辛そうに言葉を続ける。

スピカ「こんなことした人いないから分からないけど・・・たぶん・・・全身に激痛とか・・・」

絵梨「激痛って・・・」

スピカ「激痛って言うのはあくまで予測であって、他に何が起きるかは分からないわ。」
絵梨「あのさ、もし絵梨の間に魔力を溜めたら、エアリィには変身できるの?」

スピカ「魔力が溜まったらできるわよ。
でも、いつかみたいな強大な力は出せないと思う。よくてノーマル状態かそれを下回るか・・・」

絵梨「そ、そっか・・・」

スピカ「どうする?それでもやる?」

絵梨「・・・仕方ないよ・・・やるしか・・・で、どうすればいいの?」

スピカ「まず、あなたのハーティジュエルの魔流回路の逆転機構を付けなきゃならないわね。
ちょっとまってね。」

そう言うと絵梨の目の前にスピカが現れた。

スピカ「ちょっと貸してね。」

絵梨がスピカにハーティジュエルを渡すとふわりとハーティジュエルが浮かび上がた。

そして、スピカの口からどの人間の言語体系とも違う、
はたして言語と言えるものかもわからないような言葉?のようなものが流れてくる。

スピカ「ΨШ∞Ё∀⇒√・・・」

そしてその音声のスピードは徐々に速くなり、
最終的に絵梨の耳にはキーンという超高音域のノイズのようにしか聞こえなくなって
ハーティジュエルがくるくると回転しながら光っていった。

その光が一瞬強くなってスピカを包み込み、中からハーティジュエルを咥えたスピカが現れた。
そして絵梨はハーティジュエルを受け取る。

スピカ「これで魔流回路逆転機能が付いたわ。」

絵梨「どうやって使うの?」
スピカ「ハートを上下逆に反時計回りに回して、
キューティメタモルトランスレーションエアリィリバースと言って。」

絵梨「うん。わかった。」

スピカ「これはとてもイレギュラーな方法だからくれぐれも気をつけてね。
そして、絵梨に戻るときは・・・覚悟しておいた方がいいわよ。私にも何が起こるか分からないんだから。」

スピカは神妙な顔つきで警告をした。

絵梨「うん・・・気を・・・つける。」

スピカ「じゃ、私は戻るわね。」

絵梨「ありがとう。」

スピカは絵梨の目の前から姿を消した。

絵梨一人きりになったトイレの個室、ふと広い個室の鏡に映るダボダボのスーツを着た自分の顔を見る。

絵梨「あなたは・・・望美さん・・・なの?
私は・・・あなたなの?」
自分の顔を見ると涙があふれてくるのがわかる。

絵梨「ごめんね・・・でもあなたにしたこと・・・許してなんて言えないよね・・・」

絵梨「どうしたらいいの?
私はあなたになろうとしなくても・・・こうしてあなたになっちゃう・・・」

そして鏡の中の自分は黙したまま・・・絵梨はハーティジュエルを持った・・・

絵梨「キューティメタモルトランスレーションエアリィリバース」

こうして絵梨は大樹へと戻る・・・大きなリスクを抱えながら。
そして桜山学園中等部の放課後・・・

明日美と萌波は二人で帰ろうとしていた。

明日美「やっぱり、絵梨と・・・ううん、大樹さんともう一度話してみた方がいいと思うの。」
萌波「そうね、私もそう思いますわ。」

明日美「・・・ねぇ、その話し方もうやめない?昔は違ったんでしょ?」

萌波「ごめんなさい、ずっとこのように話していたらこれで固定されてしまいましたの。」
明日美「まあいいけどね。あんたらしくって。」

二人が正門を出ようとした時、大きな高級外車が停まっていた。
そして運転席から初老の男性が降りて萌波に近づいてきた。

明日美「ほぇ〜すっごい車・・・これって萌波の?」
萌波「ええ、そうよ・・・」
萌波は少しだけ険しい表情になった。
明日美(この子は家にいる間ずっとこういう顔をしているのか・・・)

高遠「お嬢様、お迎えにあがりました。」
萌波「必要ないわ。帰って頂戴。」
高遠「しかし、お嬢様・・・ご主人さまから必ず車で送迎するようにと申しつかっております故・・・」
萌波「しつこいわよ高遠・・・今後も送り迎えしなくて結構です。」
高遠「しかし、それではご主人さまに申し訳立ちません。」
萌波「お爺様にはいつも通りと言えばいいでしょ?」
高遠「私に嘘をつけと?」
萌波「そうは言ってないわ。嘘なんてつかなくてもどうにでもやりようはあるって言っているのよ。
じゃ、私は友達と一緒に帰るから。」
高遠「お、お嬢様!」

萌波はそう言うとすたすたと歩いて行ってしまった。
明日美「い、いいの?」
萌波「いいのよ。私はあなたと帰りたいの。」
明日美「ふふふ、そうなんだ。ありがとう。」

明日美は嬉しそうに微笑み、二人は仲良く並んで駅へとつながる桜並木を歩いて行くのであった。

二人は駅に着くまでの間、趣味の話や絵梨の話、明日美は魔法少女になった経緯を話した。

明日美「じゃ、また明日学校でね。」

萌波「ええ、また・・・御機嫌よう。」

二人は駅に着くと上りホームと下りホームで別れた。

萌波「こんなに楽しいって思ったの久しぶりだな・・・なんだかすごく解放された気分・・・
お母さん元気かな・・・会いたいな・・・」
萌波はホームで物思いに耽って反対側の道路をなんとなく眺めていると少女が歩いているのが見えた。
最初は単に女の子が歩いているなと思って見ているだけであったが、どうもおかしい・・・
その女の子に見覚えがあることに気が付いた。

萌波「あの・・・人は・・・あり得ない!そんな!あの時確かに!!」
萌波はその人物の正体に気が付き、同時に戦慄した。
その人物とは、かつてアクエリィとして初めて戦い、最後に殺したはずのダークウィッチであったからだ。
萌波は急いで駅を出てその人物を追いかけたが既にその場にはおらず、周囲にもいなかった。

萌波「気のせい・・・だったのかしら・・・」
萌波は諦めて再び駅へと戻って行った。

そして同時刻、そのダークウィッチであった少女の前には日常ではありえないものが立ちふさがっていた。
黒く鈍く光るものが少女の前に浮かんでいた。
少女「な・・・なに?これ・・・」
???「君にはもう用はないよ。君の中にいるものに用がある。」

それは少女に語りかけると触手のようなものを伸ばし少女の胸にトンと当てた。
すると何と言うことだろうか、その触手はそのままずぶずぶと少女の胸に埋まっていくのであった。
少女は苦悶の表情を浮かべ、苦しそうに唸り声を上げる。
少女「っぐっ・・・・ぐぁっぁぁぁぁぁぁぁ!」

それが少女の胸に埋まった触手を引き抜くとズルンと赤色に光る球が出てきた。
その光る球はふよふよと宙に浮いている。

???「目覚めたかい?久しぶりだね、もう8年ぶりくらいかな?」
???「あ、あなたは・・・!リゲル!」
???「ふふふ、覚えていてくれてありがとう。でも僕は光を失って今はイオと名乗っているんだ。」
???「忘れるわけないでしょう!あなたがこの子の中に私を封印したのだから!」
イオ「まあ、そのおかげで大事な彼女は守られているんだからいいじゃないか。」
???「裏切り者め!今は・・・今はどうなっているの?まさか!」
イオ「ああ、僕を捨てたあそこかい?平和なもんだ。
僕や君たちのことなぞ知らん顔しているみたいさ。」
???「私の拘束を今すぐ解け!」
イオ「このままではやだね、提案があるんだ。僕に協力してよ。」
???「誰がお前なんかに!」
イオ「まあ、そう言うと思った。でもね、君に選択権はないよ。」

イオと呼ばれた黒い球体はその姿をぐねぐねと変え、クマのぬいぐるみの姿になった。
そして左目となっているボタンをぶちぶちと引きちぎった。
その引きちぎったボタンを光る球に翳すと、ボタンから黒い触手が伸びて光る球体を包み込む。
???「ぐっぐあっやめ、やだぁぁぁぁ!やめて・・・やめてぇぇぇぇ!」
その球体は苦痛に叫び、触手が全てを包み込むと最後に大きな悲鳴をあげ、地面に落ちた。
そのままぐねぐねと形を変え、うさぎのぬいぐるみとなった。
そしてボタンはそのまま首に巻きつきチョーカーになった。
イオ「ふふふ、カワイイ姿じゃないか。あの子も気にいるだろうね。」
???「はい、イオ様・・・」
イオ「君はこれからエウロパと名乗れ。」
エウロパ「はい、名前を賜り恐悦至極に存じます。」
イオ「やだなぁ、そんなに畏まらないでよ。前みたいな感じでいいよ。」
エウロパ「は、わかりました。」
イオ「わかってるのかなぁ・・・ま、いいや。
ふふふ、これから面白くなるぞぉ。たのしみだなー。」


次回予告
ずっと閉じこもっていた萌波の心は明日美によって解れた。
しかし、いまだ絵梨は自分の殻を破れずに葛藤が続いている。
彼女は、彼は突き破ることができるのだろうか。
そして新たに現れたエウロパとは!?
次回「Nothing!心の穴はどうやって埋めるの?」
アクエリィ「あなたに心から信頼できる仲間が居るかしら?」
205魔法少女キューティエアリィ第十三話 ◆yboXY7MR9E :2011/04/21(木) 22:33:14.66 ID:5D8Qe6/1
第十三話終わりです。

すみません、17回のはずだったんですけど、
いままで一回の投下で60行までいけたんですけど、
なんか可能行数が短くなっちゃったんですね。
情弱でサーセン

ってことで、長くなっちゃいました。ごめんなさい。

で、エアリィさん期間限定弱体化しちゃいました。
さらに、敵側に新たな仲間が?このエウロパさんは洗脳されているみたいですが・・・
その正体とは?ってなんとなくわかっちゃうかもしれないですけど。

ってことで、次回まで〜
さ、まどマギまで寝よ
206名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 22:36:56.81 ID:c7j/Shvx
おー、ぱちぱちぱち(^-^)人物が良く動いているので、一気に読めますね。

リアルタイムなのでワクワク感が二倍。楽しませて頂きましたo(^-^)o
207魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/22(金) 07:53:01.65 ID:D89FN4xh
>>206
あら、支援してくれてたんですね。
ありがとうございます。
気がつきませんで申し訳ありませんでした。
208名無しさん@ピンキー:2011/04/22(金) 10:01:02.35 ID:xavfvz2q
乙でした〜。
謎のパワーアップが気になりますね、次回に期待!
209名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 13:40:53.78 ID:KqYSsC7R
近い将来、男が免許制になった世界。
セックスで女性を満足させられない男は認められない。
試験で女性よりも先にいってしまうとどんどん女性化してしまう。
百戦錬磨の巨乳試験官に当たってしまった童貞くんの明日はどっちだ?
210名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 20:53:35.54 ID:SvSWRnfY
こっち!

「んふっ、あなたそんなんでアタシのこと逝かそうとしたのぉ?こんなに感じやすいのにぃ」

童貞君は試験監女の華麗な指捌きであっという間に追い詰められてしまっていた。はち切れんばかりのポークビッツはその勢いを保ちながらも、みるみる間にかげ形を縮ませていく。

「はぁッ……あぁ、俺、ダメだイッちまう」

「逝っちゃいなさい……だいじょうぶ、アナタかわいぃ女のコになれるから」

女は口許を淫靡な三日月の形に歪めて笑う。テカる安っぽいグロスがかえってエロティックな雰囲気を醸し出して、童貞君の興奮を誘う。

彼はいま、自分の性欲の質がよくわからないでいた。男として女に欲情しているのかそれとも
211竜巫女の人:2011/04/24(日) 22:14:50.39 ID:HWQ3VuXN
#210の続きはないのかな? それじゃあ「竜巫女」の続き、投下させていただきます。

 「ところで、今の私は澪霧さんと瓜二つな姿をしているようですが、これは一体? やはりさっきの複製体を利用しているんですか?」
 両親(つまり国王&王妃)までが噛んでいるとあって今更どうにもならないと開き直ったのか、レムは自らの知的好奇心の方を満たすことにしたらしい──まぁ、嫌な事を一時棚上げしたただけかもしれないが。
 「まぁね。ただし、ひとつ訂正すると、アレは単なる「皮」よ」
 「へ?」
 澪霧の言葉に首を傾げるレム。
 「「皮」とは言い得て妙ですね。そう、確かに「複製体」の術式の一部は利用していますが、逆に膨大な魔力が必要な部分は簡略化したのですよ」
 「で、結果、アソコに出来あがったのは、皮膚と皮下脂肪、あとはごく一部の器官のみ存在してその他はスカスカの、まさにあたしの姿をした「皮」ってワケ」
 母親と澪霧に代わるがわる説明されて、レムは目を白黒させている。
 「し、しかし、私はこうして普通に動けているようですが……。ヒューマンの女性になったという点──まぁ、それが一番大きいワケですが──を除くと、とくに違和感もありませんし」
 「ふふん、それはね、あの皮の中に、レムくんの竜魂を放り込んだからね」
 「竜魂、ですか」
 「ええ、レムルス、貴方は「竜魂」という言葉の意味を知ってるかしら?」
 母親の問いに、レムは首を横に振る。
 「いえ、不勉強なもので」
 「竜人族が他の人間種族と圧倒的に異なる特徴のひとつに、成長過程で「脱鱗」という行為がある、というのは知っているわね?」
 「それは、もちろんです」
 レム自身も数年前に成人の証である「脱鱗」を経験している。
 ちなみに、竜人族はおおよそ生後20年前後で「脱鱗」を経験し、成人とみなされるのが普通だ。中には極端に早い者や30年近く経ってようやく「脱鱗」する者もいるが、その辺は個人差である。
 「竜人族自身も含めて殆どの人が、行為として蛇や昆虫などの「脱皮」と似たようなものだと思っているようですけど、その実態は随分と異なるのですよ」
 母后の言葉、レムにとっても確かに意外だった。
 成長した竜人は、ある時期になると、鱗を始めとする体表面が硬化し、動き辛くなる。
 その硬化が全身(正確には全体の9割以上)に及ぶ頃、誰か年長者(ふつうは両親のどちらか)が、爪で背中に「線」を入れてやると、そこから皮膚が裂けて外皮を脱ぎ捨てることができるのだ。
 少し意味合いは異なるが、人間で言うなら乳歯が永久歯に生え換わるようなものである。
 どう見ても、単なる「脱皮」の延長にしか思えないのだが……。
212『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/24(日) 22:15:50.19 ID:HWQ3VuXN
 「その証拠に……ホラ!」
 「げッ!?」
 澪霧が、壁際の観音開きのタンスを開けると、中にはクタリとしたレムルス自身の「体」が吊るされていた。
 彼とて、以前「脱鱗」した直後に自分の「抜け殻」を見た記憶はあるが、あの時の「皮」はもう少しペラペラで、こんな風にまるで生きてるみたいな気配は発していなかったと思うのだが……。
 「コラコラ、「生きて」ないと困るでしょ。やることやったら、アンタ、コッチに戻るんだから……。
 それとも、一生その姿でいる気? まぁ、あたしは別に構わないけど」
 「いや、私が困る!」
 種族も性別も異なる身体に一生閉じ込められてタマるか!
 ……と、この時のレムは猛然と抗議したのだった。
 「で、話を戻すと、「脱鱗」時の竜人って、霊的にすごく可塑性が高くなってるの。それで、さっきの儀式魔法で「脱鱗」に近い状態を人為的に発生させたうえで、レムの身体から竜魂──魂その他一式を抜き取ったってワケ」
 「そ、その他一式って……」
 あまりにアバウトに説明に、レムは頭がクラクラしてくる。
 「いろいろね。魂’霊体に加えて、脳、心臓を含む循環器系、消化器系と呼吸器系の大半、骨格の一部……まぁ、そんなところかしら。そういったものをまとめてエーテル化して、アンタの身体から抜き取ったのよ」
 先程の、人魂(ウィルオウィスプ)にしては大きな光の球は、どうやらそういう代物だったらしい。それを、澪霧の身体を見本に作った「皮」に入れて実体化し、なじませたのだろう。
 「古えの時代には、自ら竜魂を体外に投射し、そのまま実体化して不老不死の覚者となった竜人もいると言います。また、竜魂の形を変えて、そのままドラゴンに転生した者がいるとも」
 レムも、その言い伝えくらいは、おとぎ話として聞いたことはあった。
 まさか、自分がその技術の一端を体験することになろうと思わなかったが。

 「はぁ……伝説的な技術の一端を、こんな悪だくみに使用するとは……ご先祖様が泣きますよ」
 「やれやれと言う風に頭を振るレム。半ば癖になっている仕草だが、今はヒューマンの少女の姿になっているため、いつもにもまして寂寥感が背中に漂っている。
 「なによ〜、さっきも言ったけど、コレはこの国のタメなの。それに加えて、あたしは辛気臭い都の巫姫暮らしを数年回避できるし、アンタは念願のヤマトに行って好きなだけ勉強ができる。みんなWIN-WINな、ワンダホーな計画じゃない」
 「貧乏クジを引かされるアキツの方々に対して心が痛むのですが……」
 常識的なレムのツッコミも、澪霧は意に介さない。
 「バレなきゃ問題ないわよ。それに、そんなに気に病むならせいぜい「模範的な巫姫様」になって、周囲を喜ばせてあげたら?」
 「そうですね、誠意と言うのも口はばったいですが、それがせめてもの償いかもしれません」
 その点、王妃はさすがにこれが「悪事」であるという自覚はあるようだ。
 「──異議を申し立てたいところですが、仕方ありませんね。わかりました。レムルス・ディノ・ナーガラー、ドラクタリヌースの第一王位継承者として、この任務、しかと承りました」
 ここまで御膳を整えられた以上、この危険で馬鹿げた企みに乗るしかないのだろう。
 不承不承ながら、レムはこの計画への協力(と言うか主演?)を宣言したのだった。
 「レム……立派になって」と、王妃はハンカチで涙で拭っていたが、どう見ても演技クサい。まぁ、わざとだろうが。
213『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/24(日) 22:16:24.24 ID:HWQ3VuXN
 ──が。
 多忙な王妃が後事をふたりに託して地下室を去ったところで、澪霧が何気なくレムのそばまで歩み寄って来た。
 「それじゃあ、十日後の使節団出発まで特訓ね!」
 「……は?」
 ニヤリと嫌な笑みを浮かべた澪霧の様子に、冷や汗が止まらなくなるレム。
 「あら、いくら姿形がソックリでも、色々覚えないといけないコトはあるでしょ。特に……人間のオンナノコと・し・て♪」
 フーッと耳元に息を吹きかけられると、レムの背筋に電流のようなモノが走る。
 「ひゃっッッ! ちょ、コレ、何?」
 「あらら〜、敏感ねぇ、レムちゃんは」
 ツツーッと単衣越しに背筋を指でなぞられただけで、ゾクゾクッと得体のしれない感覚が、レムの全身に伝播する。
 「や、やめてくださいよ、澪霧さん!」
 「ダ・メ・よ♪ そんなんじゃ日常生活をまともに送ることもできないでしょう?」
 少しでも刺激に慣れなきゃ……と、もっともらしいコトを言ってるが、その嬉しそうな目付きからして、明らかに楽しんでヤっている。
 身体の各所──腋の下やうなじ、ヘソの下のあたりなどをツン、ツンと戯れのように突かれるだけで、レムは悲鳴のような声を漏らさずにはいられない。
 「……っくぅ!」
 意図せず、全身の感覚が研ぎ澄まされてしまっているのだ。
 「も、もうヤメ…ふぁっ!?」
 澪霧の手がレムの首筋に触れ、そこからさらに下へと揉み解していく。
 「や、やぁ……そんな……やめぇっ……あッ……くふぅ……あぁ、んっ、ふぁぁん」
 首、肩、腕、背中と、順に澪霧の手が軽く撫でるだけで、レムは体内にき起こる未知の感覚に翻弄され、身体をくねらせ、悶え、呻きを漏らすことしかできない。
 (きもち、きもちイイ……けど、こ、こんなコト、ダメです……)
 僅かに残った理性が、警告するが、慣れない身体は思うように抵抗すらできない。

 ──ツツーーーッ……

 澪霧の手が、腕からわき腹、そして……。
 「ひゃぁ!?」
 女性ならではのふたつのふくらみを、サワリと撫でる。
 「ひンッ、あぁ……だめぇ! ゆびうごかさないで……ビリビリきちゃう……はあぁぁぁんっ!」
 どうやら、軽く達してしまったようだ。
214『竜人と巫女のゲーム』:2011/04/24(日) 22:17:55.85 ID:HWQ3VuXN
 ちなみに、レムがここまで敏感になっているのは、竜人の男から人間の女へと二重の意味で変化したからだ。
 もともと全身を鱗におおわれた竜人は、人間やエルフは元より、頑健なドワーフと比べてさえ皮膚感覚が鈍い(その分丈夫なのだが)。それが、いきなり人間の皮膚──しかも年若い少女のソレに変化されられたとなれば、こうなるのも自明のことだ。
 そんなコトを得々と語る澪霧。ただし、その顔が艶々してるように感じられるのはおそらく気のせいではあるまい。
 対称的にグッタリした様子のレムは、「だったら最初から口で説明してくださいよ」と恨めしげな目付きで彼女を睨むのだった。

-つづく-

#ちょいエロ回。まぁ、本格的なのはその内に。次回は、NEW澪霧ことレイムのお披露目と、旅立ちの章です。
215名無しさん@ピンキー:2011/04/25(月) 21:33:36.70 ID:Rl+uw9s8
>>214
乙!しかし澪霧(元祖)って当初思ってた以上にチートっぽい(笑)しかし旅立ったら
旅立ったで次はレイムはどんな人に弄られることになるのだろう(汗)
216魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/04/27(水) 14:29:52.65 ID:Ewg38AKc
こんにちは。
エアリィさん十四話完成しました。

今夜投下します。
217魔法少女キューティエアリィ第十四話 ◆yboXY7MR9E :2011/04/27(水) 20:20:32.74 ID:sPMTSch2
さてこんばんわ。

これから投下しますが・・・なんだか結構長くなっちゃいました。
予定では25レス続きます。
前みたいに一回に60行くらい投下できればもっと少なくて済むんですが・・・

※注意
・今回もエロ地区内です。(もうちょっと話し進んだらエロ番外編しようと思います。)
・強制TSあります。
・台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。
大樹「戻った・・・な。」

大樹はスピカに改造してもらったハーティジュエルで
絵梨から大樹へと戻った。
いや、この場合は絵梨から大樹へ”変身”することができた。

大樹「スピカが言うには二時間のリミットか・・・気をつけないとな。
・・・っと・・・しまった。」
いつの間にか昼休み終了まで残りわずかとなっていることに気が付き、
大樹は変身したことで乱れた身なりを急いで整え、公衆トイレから出て行った。

大樹「いつつ・・・元に戻ってもやっぱり腹の痛みは収まらないか・・・」

急いだが、会社に戻ってきたときは昼休み終了チャイムが鳴り始めた時間であった。

山本「大丈夫ですか?まだ顔色悪いですよ?」

大樹「うーん、まだちょっとなぁ。
あの・・・そう、ス、ストレス性の胃腸炎らしく、
二時間ごとに薬を飲んで休憩しなきゃならんらしい。」

山本「そうですか、無理しないで下さいよ。」

大樹「わかってる、ありがとう。」

田中「そうそう、二時からの・・・資料集めておきましたよ。」

大樹「ああ、そうだったね。ありがとう田中君。」

田中「ホント大丈夫ですか?課長・・・」

大樹「ああ、大丈夫、大丈夫・・・」

大樹(来客は二時・・・リミットは3時前・・・早めに切り上げないと。)
どうにか制限時間内に無事に来客の対応が済んだ時であった・・・
ポケットの中のハーティジュエルがカチリと音を立て、ヴーンとくぐもった振動音が聞こえてきた。

大樹(この音は・・・?)

大樹がその音に気が付いた瞬間、体中に心臓の鼓動が響くような感覚に陥る。

ドクンッ!

大樹「!」

大樹「っっ!かはっ!・・・うぐっ・・・!」

田中「だ、大丈夫ですか!?」

大樹「だ、大丈夫だ・・・す、すまん・・・先に戻っててくれ・・・
く、く・・・くすりを飲んでくる・・・」

田中「お手伝いしますよ!」

田中は上司の只ならぬ様子を見て心配そうに顔を覗き込む。
脂汗を滲ませ、目を見開き明らかに苦しそうな姿で足元がおぼつかない様子であった。
そのため、そして手を貸そうと大樹の腕をとり支えようとした。

大樹「だ、大丈夫だから・・・先に戻っていなさい。」

体が軋み、下腹部が痛みを増してくる。
髪がざわざわとうねり始め、少しずつ、少しずつ体の線が丸みを帯びてくる。

大樹(ま、まずい!)

大樹は部下の体を振りほどく様に走りだし、フラフラになりながら近くのトイレに駆け込んだ。

田中「課長!・・・大丈夫かな?なんか課長少し小さくなっていたような・・・?」
いつもは一瞬で女性化してしまうのだが、少しずつ、少しずつ女性化していった。

骨はきしみ、肉が裂けるような感覚、髪は乱れながら伸びて行き胸は張り裂けそうになる。
そして内臓が抉られるような感覚、さらに内側から殴られるような衝撃。

大樹「かはっ!こんなにゆっくり・・・あの感覚が!・・・くっ・・・」

通常であれば一瞬で体の再構成が起こるのだが、今回は時間をかけて再構成をしているため、
体に大きな負担がかかっていた。

大樹「これが・・・激痛・・・ってことか?うっ・・・!うっげぇぇぇぇぇぇ。」

その変身過程は嘔吐してしまうほどの体の不快さがあった。
しかし、スピカの言っていた体への負担とは、このことではなかった。

なんとか体の全てが絵梨になったと思った時であった。

絵梨「はぁはぁ・・・もう・・・終わったのかな?これで20分くらい待てば・・・」

ズキンッ!

絵梨「!!!!!・・・・はっぁ!!!!」

絵梨の体に衝撃が走る。そしてその場で思わずうずくまってしまった。

絵梨「・・・息が・・・かはっでき・・・ないっ・・・いた・・・うぐっ・・・い!」

体が引き裂かれそうなほどの激痛、その痛みは無獣の攻撃を受けた時の数倍に感じた。
恐らくは並みの人間であれば、いっそ殺してほしいと思うほどの痛みであったろう。
生身の体ではそうとうキツイ痛みであろう、気を失わないのは絵梨の気丈さからであろうか。

絵梨「この・・・痛み・・・ど、どれくらい・・・続くの・・・うっ・・・」
その痛みが続いたのは1〜2分程であろうか、しかしその1〜2分は今の絵梨にとって永遠とも感じられた。

絵梨「おさ・・・まらない・・・うっ・・・」
ポタポタと汗と一緒に涙がこぼれる。

そして・・・絵梨は痛みに耐え、疲労困憊の様子で髪を乱してぐったりと座っていた。
絵梨「はぁぁぁはぁぁぁぁ・・・お、収まった・・・?こんなにキツイの?」

乱れた息を取り戻すようにゆっくりと深呼吸をした。

絵梨「これ・・・二時間ごとに繰り返すのか・・・・きっついなぁ・・・
でも、自分から望んだから覚悟決めなきゃ!」

絵梨は魔力が溜まる20分間、物思いにふけっていた。

絵梨(魔法少女になってから・・・だんだん嘘をつくことが多くなってきた。)

絵梨(家族のため、今後のためとは言うけれど・・・私はこのままでいいのかな?)

絵梨(この痛みは私への罰・・・かな?
これで嘘つきの私を許してとは言えないけど・・・)

絵梨(なんだか、この痛み絵梨が大樹を拒否しているみたい。
心と体がバラバラになりそう・・・)

しばらくすると光を失っていたハーティジュエルが再び光を取り戻した。
魔力が溜まったということだろう。

絵梨「もう・・・いいのかな?あんまりもたもたしてられないしね。」

少し憂鬱になりながら深呼吸してからその小さな口から呪文を紡ぐ。

絵梨「はぁ・・・キューティメタモルトランスレーションエアリィリバース」

カチリとハーティジュエルを回転させると一瞬ピンク色の光が広がり、
ハーティジュエルを中心として光が集束していった。
十四話「Nothing!心の穴はどうやって埋めるの?」

大樹「ふう・・・これが一週間くらい続くのか・・・本当に病気になりそうだ。」

そして服装を整え大樹は仕事場にふらふらしながら戻ってきた。

山本「課長!大丈夫ですか?やっぱり今日は帰った方が・・・」

田中「そうですよ。さっきつらそうでしたし。」

大樹「しかし・・・」

木下「大丈夫ですって。仕事は先輩たちに任せておけば。」

田中「きのしたぁ!お前もやるんだよ!」

木下「あ、やっぱり?」

山本「ってわけで、仕事は俺たちがやっとくんで、大丈夫ですよ。
なんなら大事を取って明日も休んじゃって大丈夫です。」

田中「そうそう、最近課長根詰めすぎですし、この際俺たちに甘えちゃってください。」

部下の優しい心遣いに大樹は感動してしまい、思わず涙ぐんでしまった。
それをすかさず部下が見つけ、茶化される。

遠山「あれあれ〜?泣いちゃってるんですかぁ?
ふふふ、私たちの心遣いに感動しちゃったとか?」

大樹「う、うるさい!泣いてなんかいないぞ。
目にゴミが入っただけだ。でも・・・ありがとな。みんな。」

田中「俺が課長の分もみんなを引っ張っていくんで、安心して休んでください。」

山本「よっ田中リーダー!私あなたについていくわぁー。」

大樹「ふふふ。じゃ、頼んだぞ。何かあったらすぐに連絡してくれ。」
ポケットから取り出したハーティジュエルを見る。
まだ鮮やかなピンク色に輝いていた。
大樹「まだ魔力はそれほど減っていないな・・・
今のうちに戻れ・・・絵梨になれば苦痛は少ないかもしれない。」

大樹「っと・・・その前に服とアレをどうにかしないとな・・・ちょっと買っていくか。」

大樹は駅前のショッピングセンターに行き、絵梨のサイズに合う適当な服と下着を購入、
そして薬局に行きナプキンを買った。

大樹「たしか、これでよかったよな・・・やっぱりこの姿で買うとちょっと恥ずかしい。」

そして身障者用トイレに籠り、絵梨の姿へ”戻った”。
大樹の推理通り魔力の消費がほとんどない状態であれば苦痛は少なかった。
購入した衣服を身につけ、鏡を見る。

絵梨「うう・・・あんまりかわいくない・・・なんでこんなの買ったんだろう。
大樹ってセンス悪い・・・」

この時まだ絵梨は自分が大樹のことを別人のように感じていることに気が付いていなかった。
徐々にではあるが二つの心が乖離し始めていたのだ。
これは大樹が大樹=絵梨であることを拒否しているためか、はたまたその逆か・・・
今までは大樹と絵梨は文字通り一心同体であったが、真実を知ってからの彼”ら”は
お互いの存在に違和感を覚え始めているのだった。
大樹と絵梨がっちりと接続されていたものが少しずつ離れて行き、
真ん中にぽっかりと穴が開いているようになっていた。
それは捉えどころのない不安感となって彼”ら”を襲いつつあった。
只でさえ一つの体に二つの性が同居しているこの状態、
早くこの”穴”を埋めないと心が壊れてしまう。
しかし、心の”穴”を埋めるには二つの心を受け入れなければならない。
しかしお互いに受け入れるためにはどうしたらいいのだろうか。
そして次の日、大樹は昨日よりもひどくなった腹痛のため、
仕事を休むことにしたが、大樹状態を維持しなくてはならないので
ずっと自宅にいることもできず、いつものように出勤した。
絵梨グッズ一式を持って。

大樹「うう・・・ひどく痛む・・・は、早く絵梨にならないと・・・」

チラリとハーティジュエルを見るとほとんど光を失っていた。
昨日帰宅してから何度か大樹から絵梨に戻ったのだが、
戻るたびに体への反応が変わっていた。

ほとんどの場合は激痛であったのだが、
あるときは体が動かせないほどの倦怠感、
また、ひどい吐き気や頭痛、
そしてフラフラになるほどの発熱、超過敏になる触覚・・・
体の調節が制御不能になり、ありとあらゆる諸症状が絵梨の体を襲ったのだった。

大樹は腹部の痛みに耐えながら駅前までやってきた。
それから何とか絵梨に戻れそうな場所を探し、そこに入る。
息も絶え絶えすでに光を失いかけているハーティジュエルを正向きに回転させる。
すると緩やかに苦痛を伴いながら絵梨に戻っていく。

そして・・・大樹は強い逆流症状に耐え、絵梨の姿に落ち着いた。

絵梨「はぁはぁはぁっ・・・リミットぎりぎりだとやっぱり・・・きっついなぁ・・・
でも、今日は夜までこの姿でいられるし少しは楽かな。」

絵梨は下腹部をさすりながら呟いた。

絵梨「でも・・・今日がピークなんだよなぁ・・・うううっ。
あたりまえだけど・・・これがあるってことは私って赤ちゃん作れるんだよね・・・」

絵梨「赤ちゃん・・・////」

絵梨はその言葉の意味を考えると顔からボンッという爆発音が聞こえてきそうなほど
顔が真っ赤になってしまっていた。
絵梨「あはは・・・何を考えているんだ私は・・・そんなのあり得ないって・・・はぁ。」
何を想像したのかわからないが、絵梨は一人で自分の思考を否定した。

絵梨「コホン・・・さて・・・夜までどうしようかな・・・ずっとここにいるわけにもいかないし。」

絵梨「とりあえず、駅まで行こうかな。」

トボトボと一人歩いていると、通勤通学の人の流れに出くわした。

絵梨「そっか、この時間はまだラッシュの時間帯か。
私はもっと早く出るからここまで混んでないけど・・・」

人ごみに飲まれないように、通勤通学の大きな流れが過ぎるまで
絵梨は脇に避けた。

絵梨「あーあ、駅まで来たのはいいけれど・・・これからどうしよ。」

絵梨「明日美の学校に行っちゃおうか・・・迷惑かなあ。」

ボーっとビルの壁にもたれながら人ごみの流れを眺めていた。
すると、一人の女の子がフラフラになりながらも人にぶつかりつつ
歩いているのが見えた。

絵梨「あらら、大丈夫かな?あのこ・・・体調悪いのかな?
あ、またぶつかった。ん?あれ?あれれ?あの子・・・どこかで・・・」

絵梨が考えていると、その女の子はすごい勢いで走ってきた
サラリーマン風の男が後ろからぶつかられてしまった。
するとその子の眼鏡が飛び、よろよろと足がもつれ倒れてしまった。

絵梨「あ!」

咄嗟に絵梨は倒れた女の子を助けようと近づくと・・・

サラリーマン「っち!あぶねえな!ふらふらしてんじゃねーよ!気をつけろっ!」

ぶつかってきたサラリーマンはその女の子にそう言い捨て、走っていった。
絵梨「なっ!何!あいつ!
こら〜〜!!あんたがぶつかってきたんでしょうが!」

絵梨「ごめん、ちょっと待ってて!」

絵梨は眼鏡を拾って女の子に渡し、
ぶつかってきたサラリーマンを追っていった。
しかし・・・

絵梨「はぁはぁ・・・こんなの・・・いつもなら・・・・はぁはぁ
簡単に追いつけるのに・・・」

人ごみに紛れて見失ってしまったのだった。
そして、申し訳なさそうに女の子がいた場所に戻ってきた。
その女の子は律儀にもその場でちゃんと待っていてくれていた。

絵梨「ごめん!逃がしちゃった。」

絵梨は手を合わせその女の子に謝罪した。

???「ありがとうございます・・・その・・・いいんです・・・
こっちもフラフラしてたのがいけないんだし・・・」

その子は蚊が鳴くような小さな声で逆に謝ってきた。

絵梨「大丈夫?なんだかフラフラしてるけど・・・
体調悪いの?」

???「じ、実は・・・昨日の午後からなんだか体の調子が悪くって・・・」

絵梨「そっか・・・その制服って美星高校?」

???「え、はい・・・そうです。よくご存じですね。」

絵梨「うん、そこの中等部に私の娘・・・じゃなかった友達が通っているの。」
???「そう・・・だったんですか。」

絵梨「あれ?あなた・・・どこかで・・・?んーー?」

その子にどこかで会ったような記憶があり、絵梨は何とか思い出そうとしていた。

???「はぁ・・・もう・・・落ち着きましたので、学校・・・行きます・・・」

その子がそう言ったことで絵梨は思考を中断してしまった。

絵梨「あ、そう?大丈夫?気をつけてね。」

???「はい・・・・きゃっ!」

その子が立ちあがろうとすると再びフラフラと足がもつれ、
その場にへたり込んでしまった。

絵梨「だ、大丈夫?まだ落ち着いてないじゃん!
ちょっとそこの公園で休んでいこ。」

絵梨はその子の肩を抱え、公園まで連れて行こうとした。
が・・・
その子は絵梨よりも15cm以上も身長が高く、
どちらが支えられているか分からない状態だった。

???「だ、大丈夫・・・です・・・自分で、その・・・歩けますから・・・」

絵梨「い、いいの・・・え、えんりょ・・・し、な・・・い・・でっ。」

それでも絵梨は頑張ってその子を抱え、
どうにかこうにか公園のベンチまで連れて行った。

絵梨「はぁはぁはぁ・・・だ、だいじょうぶ?」

???「あ、あなたこそ大丈夫・・・ですか?」
絵梨「わ、私はだいじょうぶ。
ちっこいけど体は頑丈だからっ。」

絵梨は息を整えながらガッツポーズをして、
落ち着いたところで女の子に自己紹介をする。

絵梨「あ、まだ名乗っていなかったね。
私は西山絵梨。だいたい中学二年生くらい。」

???「(だいたい?くらい?)わ、私は・・・南野・・・
南野 灯莉・・・です。高校二年生。」

絵梨「あかりちゃんね。よろしくっ。」

絵梨は精いっぱい元気を込めて自己紹介をした。
対して灯莉はその元気さに気押されたのか俯いてオドオドとした態度であった。

灯莉「よ、よろしく・・・おねがい・・・シマス・・・」

絵梨「あの・・・ごめんね?
ちょっと気になったんだけど・・・私と会ったこと・・・ある?」

灯莉「え・・・その・・・わ、私は・・・ないと・・・思います・・・」

絵梨「うーん・・・ちょっと待ってぇ・・・
どーこだったかなぁ・・・うーん・・・あれぇ?」

絵梨は眉間にしわを寄せああでもない、こうでもないと
腕組みしたり額に手を当てたり、自分の頭をポカポカ叩いたり・・・
灯莉の周りをうろうろしながら考えていた。

灯莉「くすくすくす・・・絵梨さん・・・おもしろい方ですね。」
絵梨「えーっ面白いかなぁ。もうちょっとで思い出せそうなの。
そう・・・大事な何かを・・・うーん・・・ま、そのうち思い出すでしょ。」

そして絵梨は悩むのをやめた。

絵梨「そうだ!!」

と突然大きな声を上げずずいと灯莉に顔を近づける。

灯莉「ひゃっ!」

絵梨「やだなぁ、そんなに驚かないでよ。
ね、せっかくの出会いだし、メアド交換しよ?」

灯莉「メアド?」

絵梨「そう、メールアドレス。携帯持ってるよね?」

灯莉「う、うん・・・持ってます・・・けど。」

絵梨「じゃ、交換しよ。いい?」

灯莉「いいけど・・・なんで・・・私なんかと?」

絵梨「だって、もう私たち苦楽を共にした友達でしょ?」

灯莉「くらく?」

絵梨「苦楽とはちょっと違うかぁ。あははは。」

灯莉「くすくすくす・・・絵梨さん面白い・・・」

灯莉「でも・・・ともだち・・・かぁ・・・
ほんとにいいんですか?私なんかと。」
絵梨「うんっ!もちろんっ。」

絵梨はずずいと灯莉の目の前に手を出した。
灯莉はそれを不思議そうに見つめる。

絵梨「やだなぁ・・・握手だよ。
友達になった証の。」

灯莉「ああ、はい。」

灯莉は眼鏡の奥の瞳をキラキラと輝かせながらニコリと笑うと
絵梨と握手をした。
すると一瞬手の中が光ったような気がした。
それに灯莉は気が付かない。

絵梨「??あれ?今・・・なんか?光らなかった?」

灯莉「?そう・・・ですか?静電気でしょうか?」

絵梨「まあいいや。じゃ、メアド赤外線で送るから。」

絵梨は無骨なおよそ女の子が持つようなデザインではない携帯を出して
灯莉の携帯に近づけた。

ピロリン

灯莉は受け取ったアドレスでメールを送信。

ヴーンヴッヴーン

絵梨「あ、来た来た。ありがとね。
今度私の友達も紹介するね。その子とってもいい子だからきっと仲良くなれるよ。」
灯莉「は、はぁ・・・あ、では、そろそろ・・・学校行きますね。
もうこの時間だと完全に遅刻ですけど・・・」

絵梨「あ、引きとめちゃってごめんね!
じゃ、気をつけてね!辛かったら無理しないでね!」

灯莉「はい・・・いろいろと・・・ありがとうございます。」

灯莉は丁寧にペコリとお辞儀をすると、
ゆっくりゆっくりと足元を確かめる様に歩き、
公園を出て駅の方へ向かっていった。
絵梨はその姿を見えなくなるまで見送っていった。

絵梨「ふふふ、儚げな女の子だったなぁ・・・不思議な感じの子。
あかりちゃんかぁ・・・明日美たちよりは年上だね。」

絵梨「でも・・・うーん・・・やっぱり思いだせない・・・
どこだったかなぁ・・・」

絵梨「そのうち思い出すかな?
さて、これからどうしようか・・・やっぱり明日美の学校行こうか・・・」

スピカ「絵梨・・・絵梨・・・」

絵梨「うわっ。びっくりしたぁ!」

スピカは絵梨の脳内に話しかけてきた。

絵梨「なに?」

スピカ「今の子・・・反応があった・・・」

絵梨「反応?何の?」
スピカ「いや、まさか・・・8年前に・・・今頃?」

絵梨「どうしたって言うの?もったいぶらずに話して?」

スピカ「まだ確信してないんだけど・・・さっきの子・・・」

絵梨「うんうん灯莉ちゃんっていうの。」

スピカ「魔法少女よ・・・正確には魔法少女の適性があるってことなんだけど・・・」

絵梨「ほんと!?つ、ついに4人目ゲット!?
やっぱりこれは運命だったのね!」

スピカ「うーん・・・でも・・・適正因子反応と一緒に
・・・あの子から僅かだけど魔力の反応もあったの。」

絵梨「もう魔法少女になったから魔力があるんじゃないの?」

スピカ「適正因子反応と魔力反応は同居しないはずなの。
それに、私は火を司る魔法少女が生まれたという話を今まで聞いていない。」

スピカ「しかも、火の魔法少女のパートナーは8年くらい行方不明。」

絵梨「こっそり魔法少女になっていたとか・・・」

スピカ「なんの意味があるのよ。
彼女は・・・レグルスは8年間只の一度も私たちに連絡してこなかったのよ。」

スピカ「もしなっているとしたならあの子から感じた魔力は少なすぎ。
あんな少しでは魔法少女とは言えない。
それに、あの子自身が魔法少女であるという事実を知らないような気がする。」

絵梨「明日美とも相談する必要があるかもね・・・善は急げだ!明日美の学校に行こう!」

スピカ(でも、レグルスの手がかりがやっと出てきた・・・一体彼女に何がおきているの・・・)
ここは桜山女子中学校
絵梨は正門前までやってきた。門はやはり閉まっている。
そのため、正門あたりをうろうろしていたら守衛からギロリと睨まれてしまった。

絵梨「あちゃ、まだ授業中だしやっぱり部外者は入れないよねぇ。」

絵梨「うーん・・・どうしようか・・・とりあえず今の授業が終わったらメールしてみるか。」

絵梨は守衛に見られない死角に隠れて時間が来るのをひたすら待った。
待った・・・待った・・・
絵梨「うう・・・まだかなぁ・・・おなか痛いし・・・寒いし・・・」
そして・・・待った・・・

キーンコーンカーン

絵梨「終わった!!」
絵梨『絵梨です。今、学校の正門の前にいるの。話したいことがあるから来てくれると嬉しいです。』

ポチ
ヴッヴーンヴッヴーン
明日美『絵梨!?なんでいるの?今から行くから待ってて!』

そして3分後、明日美は走ってきた。意外な人物を連れて。

明日美「絵梨ーーー!」

絵梨「明日美〜・・・えっ?えーーーーっ?・・・も・・・なみ?」
絵梨は明日美が連れてきた人物を指差して叫んだ。

萌波「人のこと指差さないでくださる?」

絵梨「あ、ごめん。な、なんで萌波がここにいるのよ。」

萌波「それはこっちのセリフ。私はここの学校に転校してきたの。
で?あなたは何しに来たのかしら。」
絵梨「あ、そうだ。ちょっと今朝すごい人と会ったの。」

明日美「ちょっとさ、話するのはいいんだけど・・・門を挟んで話すのは・・・」

絵梨「だって、私ここの生徒じゃないから入れないし・・・」

萌波「はぁ・・・ほんとあなたって行き当たりばったりね。
仕方ないわ・・・ちょっと待っていて頂戴。」

萌波は少し離れたところに行き、どこかへ電話をかけている。
そして、電話を守衛に渡した。
すると守衛が恐縮してかしこまっている。
守衛が電話をかけながら透明人間相手に何度か深くお辞儀をして萌波に携帯を返した。
萌波は一言二言話すと電話を切った。
そして絵梨には絶対見せない天使のような微笑を守衛に向け深々とお辞儀をした。

すると・・・・

守衛は正門横の通用口を開け、外側にいる絵梨に中へ入るよう促した。

絵梨「萌波、何をしたの!?」

萌波「ああ、ここの理事長は昔お爺様の部下だった方なので、
ちょっと理事長にお願いしてみましたの。」

絵梨「なんという権力者・・・」

萌波「何かおっしゃいました?」

絵梨「いいぇ〜なんにも〜」

明日美「へぇ萌波って権力使うみたいなこと嫌いなのかと思った。」

萌波「あら、私は利用できるものは何でも利用するわ。
私の邪魔になるものは徹底的に排除するけど。」
明日美「こ、こわぁ・・・あなたってやっぱりすごいわね・・・」

萌波「で、こんなところで突っ立っていてもしょうがないでしょう?
どこか落ち着いて話せるところに行きましょう。」

明日美「落ち着けるところ・・・うーん・・・
じゃ、図書館の図書委員室に行く?あたし図書委員だから鍵持ってるし。」

そして3人は図書委員室へと向かう。

目的地へ向かいながら萌波は絵梨に話しかける。

萌波「ところで、あなた今日は仕事どうしたの?」

絵梨「いやぁ・・・実は昨日から生理で・・・」

萌波「それとどういう関係が?」

絵梨は萌波に事情を話した。

明日美「驚いた・・・そんなことができるんだ・・・」

絵梨「ほんと、大樹から絵梨になるのつらいんだから・・・
それを一日に十回以上耐えなきゃならないの。絵梨さんぐったりですよ。」

萌波「ここよ。」

絵梨「あの・・・聞いてました?萌波さん・・・」

萌波「さあ、話したいことは何かしら?」

絵梨「いつの間にか仕切ってるし・・・」

絵梨はほっぺたを膨らませあからさまな不満顔を萌波に見せた。
が、萌波は意に介さずポーカーフェイスを続けた。
絵梨「実は、4人目を見つけたの。」

明日美「4人目!?これで全員揃うのね。長かった・・・やっと。」

絵梨「でもねぇ・・・スピカの話じゃ良くわからないんだよねぇ。」

明日美「どういうこと?」

絵梨「その子はまだ魔法少女じゃないんだけど、
でも体から少し魔力を感じるって言うの・・・」

絵梨「しかも、その子のパートナーが8年間行方不明のままなんだって。」

明日美「うーん・・・よくわからないわね・・・」

萌波「絵梨さん・・・その方に会ってみましょう。
何かわかるかもしれないわ。」

明日美「そうね、賛成。
その子の連絡先聞いてる?」

絵梨「もちろん。通ってる学校とか名前も聞いてるよ。
えっと、南野灯莉ちゃん、私の娘が通っている美星学園の高等部に通ってるの。」

明日美「先輩なのね・・・」

絵梨「会えばわかるけど、少し・・・かなり?おとなしい感じの子だよ。」

萌波「じゃ、絵梨さん、すぐにその方に連絡していただけるかしら?」

絵梨「わかった。」

絵梨『無事に学校行けた?今日、放課後もし時間があったら会いませんか?
私のお友達を紹介するね。駅前のカフェに3時半で。』
しばらくすると返事が返ってきた。

ヴーンヴッヴーン

絵梨「意外と早いね。向こうも今休み時間なのかな?」

絵梨「えーっと・・・いいですよ・・だって。」

萌波「そう、良かったわ。」

明日美「じゃあ、もうすぐあたしたちは授業だから絵梨はここで待っていてね。
休み時間になったらまた来るから。あ、そうそう、トイレの場所はこの部屋でて突き当りを右ね。」

絵梨「ありがとう。
・・・ところで・・・萌波と仲良くなったんだね・・・よかったね。」
明日美「うん。ほとんどはあなたのおかげでもあるんだけどね。」
絵梨「私の?なんで?」
明日美「まあ、いいやそういう人よね絵梨は。
じゃ、待っててね。」
絵梨「うん。」

萌波「明日美さん、早くしないと授業が始まるわ。」

明日美「待って!」

絵梨「萌波も変わったな・・・明るくなった気がする。
私は・・・変われるのかな・・・」

彼女たちは休み時間のたびに図書委員室にやってきていろいろな話をした。
絵梨のこと明日美のこと萌波のこと・・・そして灯莉のこと。
昼休みには3人でカフェテリアで昼食をとり、楽しいときを過ごした。
そして・・・
3人は学校が終わり駅前のカフェまでやってきた。

絵梨「待ち合わせの時間までもう少しだよ。」

明日美「ちょっとドキドキするわね。」

ヴッヴーン
パカッ
灯莉『駅に着きました。あとちょっとで着きます。』

絵梨「もうすぐ来るって。」

まもなく・・・カフェの扉がチャイムを伴って乾いた音を店内に響かせた。
その音に3人は一斉にカフェの扉を注目。

絵梨「あ、来たよ。あの子・・・」

絵梨が言い終わるよりも早く・・・

萌波「あなたっ!」

萌波は座っていたいすを弾き飛ばす勢いで灯莉の前へ駆け寄る。
灯莉は当然その鬼気迫る様子におびえ、後ずさりしてしまう。
灯莉「ひっ・・・な、なんですか・・・・」

そのただならぬ様子に絵梨は灯莉と萌波の間に入る。

絵梨「萌波!ど、どうしたの!?」
萌波「こ、こいつは・・・私が前に倒した・・・
ダークウィッチよ。」

絵梨明日美「「!」」

絵梨「そうか・・・あの時感じた既視感はこういうことだったんだ・・・」

灯莉「な・・・なんですか?ダーク?なんですか?それ・・・」

萌波「おぼえてない・・・の?確かに・・・私が・・・」

絵梨「ごめん、ちょっと突然でびっくりしたよね。
私たちはあなたがちょっと知っている人に似ていたものだから。」

絵梨「萌波、ちょっと落ち着いて話し合おう?」

萌波「ご、ごめんなさい。私としたことが取り乱してしまって。」

絵梨たちはすっかりおびえてしまった灯莉をなだめて自分たちの席へ案内した。
そこで自分たちが何者か、なぜ灯莉を呼び出したのか説明する。

明日美「・・・というわけなの。」

灯莉「・・・ま、まほうしょうじょ・・・ですか・・・ちょっと信じられないです。
その・・・ダークウィッチ?というのが私なんですか?」

絵梨「正しくはそうだったということかな?
なんでダークウィッチだったのかは分からないけど・・・」

灯莉「ごめん・・・なさい・・・自分がダークウィッチだったと言われても・・・
そうんなのになっていたという・・・感覚というか・・・記憶が全然ないんです。」

萌波「そう・・・あなたがダークウィッチだったという記憶がないのはわかったわ。
でも、絵梨さん・・・魔力を感じたというのは
そのダークウィッチだった時の影響でそう感じただけじゃないのかしら?」

絵梨「うーん・・・そうなのかなぁ・・・ダークウィッチにも魔力はあるわけだしねぇ・・・」
スピカ「違うわ。」

突然4人全員の頭にスピカの声が響いた。

絵梨「スピカ?」

灯莉「え・・?なに?・・・この声・・・え?え?」

絵梨「あ、灯莉ちゃん、この声はね私のパートナーのスピカって言う子の声。」

灯莉は自分の頭の中に突然響いた謎の声に戸惑っていた。

スピカ「魔力にもいろいろ種類があってね。
あなた達魔法少女が使う魔力は陽の性質を持つの。」

スピカ「対してダークウィッチみたいな存在は陰の性質を持つ。
これはお互い反発しあう力。それで私が感じた魔力は陽の性質のものだった。」

明日美「と言うことは・・・」

スピカ「そう、彼女から感じたのは魔法少女の性質よ。
でも、陽と陰の魔力同士は共存できないはずなのに・・・
なんで彼女がダークウィッチであったのか。」

スピカ「灯莉さん・・・と言ったわね。」

灯莉「は、はい!」

スピカ「あなた、今までに何か不思議な事とか起きたりしなかった?」

灯莉「不思議なこと・・・ですか?」

灯莉は思考する・・・過去のこと自分のこと・・・
確かに彼女の周り・・・いや彼女自身はあるときから不可思議なことが良く起きていた。
灯莉「あ・・・不思議なことと言ったら、昔車に轢かれそうになったことがあって、
ぶつかると思ったら・・・どういうことかわからないんですけど・・・
車は私にぶつからずに何故か反対車線まで弾き飛んでいたり・・・」

明日美「車が弾き飛んでたって・・・なにそれ・・・」

灯莉「それと・・・私は昔から怪我だけはしたことなかったです・・・」

明日美「かすり傷も?」

灯莉「ええ。体に傷もアザもできたことないです・・・」

スピカ「それは・・・魔法で守られていたのね・・・
恐らくはどこかでレグルスがあなたを守っていた。としか考えられないわ。」

明日美「レグルス?」

絵梨「ああ、この子のパートナーなんだって。
8年間行方不明らしいよ。」

灯莉「あ・・・あと私、体が弱くて・・・貧血で倒れることが時々あるんですけど・・・
倒れても意識まで無くなることはなかったのに・・・最近は意識というか・・・
1〜2時間くらい記憶が飛ぶことが多かった気がします・・・」

スピカ「記憶が飛ぶ・・・か・・・もしかしたらその時にダークウィッチになっていたのかもね。」

スピカ「でも、レグルスに守られているとしたら、
ダークウィッチなんてものになるはずないのに・・・」

灯莉「そ、それで・・・私はどうしたら・・・
その魔法少女というのにならないといけないんですか?」

スピカ「そうね・・・あなたには適性があるから・・・」

灯莉「む、無理です!・・・私・・・トロくさいし・・・体弱いし・・・
きっと・・・皆さんの足を引っ張っちゃいます・・・それに・・・怖いし・・・」
灯莉は自信なさそうに俯いてしまった。

スピカ「あれ?ちょっとまって・・・
ごめん、あなたの意識に接続させてもらうわね。」

灯莉「きゃっ・・・な・・・なに・・・頭の中が・・・」

灯莉の意識化にスピカが入り込み、灯莉の前に姿を現す。

スピカ「はじめまして・・・私は絵梨のパートナースピカよ。」

灯莉「あ・・・ね、ねこが・・・喋ってる・・・」

スピカ「ちょっと私の手を握ってくれるかしら。」

灯莉「う、うん・・・わぁ・・・ほわほわもこもこ。」

スピカ「やっぱり・・・ありがとう、もういいわ。
お邪魔したわね。」
意識化に現れていたスピカの姿が溶け込むように消えた。

スピカ「みんな・・・この子、もう魔法少女になってるわ。」

絵梨明日美「「えっ!?」」

絵梨「どういうことなの!?」


次回予告
4人目の少女、南野灯莉。彼女は既に魔法少女であるという。
しかし彼女にはその自覚、記憶がない。
さらになぜ彼女はダークウィッチとなってしまったのか。
そして、イオに取り込まれたレグルスは?
次回「Obedience!あなたの優しさ感じてた。」
アクエリィ「あなたに心から信頼できる仲間が居るかしら?」
243魔法少女キューティエアリィ第十四話 ◆yboXY7MR9E :2011/04/27(水) 21:20:55.97 ID:sPMTSch2
120秒規制・・・長いっ
やっと投下完了

4人目の名前が明らかになりました。
南野 灯莉ちゃん。
元DWのちょっとおどおどした長身めがねっ娘です。

彼女はちゃんと魔法少女になれるのでしょうか。

しかもパートナーは敵方にいます。

それと、そろそろ美夜子とミーヤの秘密も明らかにしていこうかなー
明らかになったらエロ番外編やろうかなー
なんて思っています。

なお、GW中は投下お休みしますね。

ではでは、次回まで。
244名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 23:01:21.46 ID:IuiHsKVR
おー今回も良かったねー。あれ?もう終わりなの?って思ったり続きが待ち遠しかったり。
なんかアニメが楽しみだった子供時代を思い出したわ。
245名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 03:06:47.03 ID:lVIA9tZq
243、あいかわらずGJです。
みゃこの秘密も気になりますね。続きが待ち遠しい!
246名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 22:56:15.39 ID:8pvB0d57
エアリィさん良かったなあ。真面目に働きながら続きを待とう。
247名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 06:31:20.98 ID:1aDxfCCP
新キャラ登場か。ひと波乱ありそうだな。
248名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 08:26:38.99 ID:EKdMF2yA
ゆけゆけエアリィさん\(^O^)/マジで面白いわあ。
249名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 18:34:50.64 ID:eRF3i2L6
保管庫更新ないね…
250名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 19:47:23.62 ID:F3H3JBTf
>>176
151のネタを書いた者ですが、まさか拾ってもらえるとは。
乱入もOKとのことなので、5,6の選択肢から続けてみました。

 →5)こんな部屋はさっさと出て脱出経路を探る

 石畳の通路を裸足で進む。
 少し進むと、君は直感的に違和感を察し、上から降ってきた物体を素早く回避することに成功した。
 どうやら技のブルマーの効果は確かのようだ。
 ベチャリと音を立てて床に落ちた粘液状の物体はピクピクと動いており、君は首をかしげながら近づいてよく見ようとすると、その物体は跳びあがり、君の胴体に張り付いた。
 慌てて振り払う。しかし体操服は粘液にまみれ、冷たいヌルヌルした感触が素肌にまでしみこんでくる。
 どうやらこれはスライムのモンスターらしい。
251名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 19:50:49.77 ID:F3H3JBTf
 振り落とされたスライムはなお動き続け、君ににじり寄ってくる。
 戦う術など持たない君はすぐさま逃げようとするが、そこで違和感に気づく。
 粘液に濡れた体操服の胸元がムクムクと膨らんでくる。
 瞬く間にソフトボールほどの大きさに膨らんだ君の胸は走ろうとすると激しく揺れ、慣れていない君はバランスを崩して転んでしまった。
 転んだ君にスライムが再び跳びかかり、今度は全身がスライムまみれになってしまった。
 体に張り付いたスライムは君を咀嚼するように蠢きだす。
252名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 19:53:23.46 ID:F3H3JBTf
 見る見るうちに君の腕は細くなり、肩幅も小さく、体が縮んでいく。
 しかしそれとは対照的に、胸は体操服を突き破らんばかりに膨らみ、ブルマーに包まれた尻や太腿にもむっちりとした肉がついていく。
 大きくなりすぎた胸のせいで身動きがとれず、か細くなった手足ではスライムを振りほどくこともできず、君はもう、スライムのなすがままに蹂躙されるしかなかった。

 ──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!
253名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 19:57:01.54 ID:F3H3JBTf
 →6)もう一度部屋の中をよく見てみる。

 体操服のほかにも身につけるものがないか部屋を見回すと、片隅にピンクの布地を見つけた。
 手にとって広げてみると、それはブラジャーだった。
 いくらなんでもこれはない、そう思って捨てようとした時、一緒に説明書が置いてあったことに気づく。

「守りのブラジャー:モンスターからの一定のダメージを防ぐ。Bカップ」
254名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:00:08.85 ID:F3H3JBTf
 ……どうやらモンスターがいるらしい。
 君は覚悟をきめてブラジャーを付け、体操服を着なおした。
 胸を包み、やや締め付けるブラジャーの感触に君は気恥ずかしさを感じるものの、思ったよりもピッタリとサイズがあっているようだ。
 パットでも入っていたのか、心なしか胸が膨らんでいるようにも見える。
(男性ポイント−5/現在90)

 君は――

 A)この部屋を徹底的に探索しよう。
 B)この部屋はもういい。脱出経路を探ろう。
255名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:02:28.39 ID:F3H3JBTf
 →A)まずはこの部屋を徹底的に探索しよう。

 君は壁を叩いて回ったり、マットレスをひっくり返したりして部屋を調べまわった。
 すると、隠し扉を見つけた。
 しかし、どうやらタンスのような収納スペースらしい。赤いチャイナドレスが一着、ハンガーにかけられてあった。
 それを見た瞬間、君はドレスを着てみたいという思いに囚われた。
 ブルマーやブラジャーを着て女装に抵抗がなくなってきたのかもしれない。
 君はすぐさま一糸まとわぬ姿になると、ハンガーからチャイナドレスを取り、袖を通す。
 背中のファスナーを締め切り、扉の裏側に備えられた姿見を見る。
 体にフィットしたチャイナドレスだったが、男が着ているとは思えないボディラインを鏡は映していた。
256名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:05:40.44 ID:F3H3JBTf
 細長い腕、くびれた腰、丸く形のよい尻と、ほどよく肉のついた太腿からの脚線美がスリットからのぞいている。
 あれ? と何かが心に引っかかり、君は自分の体を見下ろしたが、豊満な胸が視界をふさぎ、胸元以外は直接見ることが出来ない。
 首をかしげつつ再び視線を鏡へ。
 長い黒髪に細い肩、張り詰めた胸。
 ピッタリのサイズかと思ったが、胸だけはちょっと窮屈だ。
 せっかく素敵なドレスなのにそれだけが残念だ。どこかで仕立て直せないかと思案しつつ、君は「いつも通り」鏡を見ながら髪を結い上げ始めた。

 ──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!
257名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:08:49.32 ID:F3H3JBTf
 →8)この部屋はもういい。脱出経路を探ろう。

 少し進むと天井からスライムが降ってきて君に襲い掛かった。
 すぐに振り払ったものの、体操服は粘液に濡れて胸元から下腹部までがヌルヌルの感触に包まれる。
 すると、粘液まみれの体操服を突き上げ、胸がムクムクと膨らみ始めた。
 しかし胸の急激な膨張はブラジャーに押さえつけられる。
 苦しい!
 スライムの粘液に濡れた胸はブラジャーを弾き飛ばしそうなほどだが、ブラジャーはびくともしない。
 これが守りのブラジャーの効果らしい。
 胸の大きさは説明書にあったサイズ通りBカップくらいだろうか?
 とんだ防御効果だったが、胸の成長が適当な大きさに抑えられ、君は運動能力を損なうことなくスライムの追撃をかわして逃走することに成功した。

 男性ポイント:スライムの攻撃により−5/現在85。
258名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:09:21.29 ID:dEKn0fJ6
これはいろんなパターンでTSする自分に萌えるためのゲームだよな

GJ!
259名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:11:40.31 ID:F3H3JBTf
 スライムから逃げ切った君は通路の先で見つけた扉を開けて中に入り、一息ついた。
 しかし体操服はスライムの粘液にまみれており、その効果か、ブラジャーに抑えられた胸はまだ膨張を続けているような圧迫感がある。

 君は――

 A)これ以上粘液に触れ続けるのは危険だ。濡れた服を全部脱ぎ捨てた。
 B)胸の圧迫感はまだ我慢できる。それよりも部屋の探索をする。
260名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:15:03.96 ID:F3H3JBTf
 →A)これ以上粘液に触れ続けるのは危険だ。濡れた服を全部脱ぎ捨てた。

 湿った音を立てて体操服が床に落ちる。
 背中に両手を回してブラジャーのホックを外すと、弾けるように乳房が突き出した。
 そう、乳房だ。ブラジャーと言う抑えのなくなった乳房は、これまでの抑圧を取り戻すかのように膨らんていく。
 柔らかでずっしりとした重みのある肉を、色白できめ細かい肌が包んで重力に負けずに前に突き出ている。
 素晴らしいおっぱいだった。
 君は自分の乳房を思う存分揉みしだきたいという欲望に駆られ、両手を自分の胸へと運んだ。
 君の乳房は大きく、どんなに手を広げても乳肉がこぼれてしまうほどだ。
261名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:17:19.25 ID:F3H3JBTf
 しばらく乳房を触ることに夢中になっていたが、君は自分の男の部分が激しく反応していることに気づいた。
 ブルマーを突き上げ、先端は透明な粘液があふれている。
 すぐに君はブルマーも脱ぎ捨て裸になると片手で自分の男を握り、快楽を貪り始めた。
 女性の大きな乳房を好きに弄りながらのマスターベーション。
 夢のようだった。十秒も経たずに限界に達し、君は白濁を放った。
 絶頂の快感に全身が震える中、君は肉体の変化を感じ取った。
 射精の脈動のたび、乳房がむにゅっ、むにゅっ、とさらに大きくなっているのだ。
 君は素直にすごいと思った。
 これなら、もっともっと大きなおっぱいを触れる。見たこともない大きさのおっぱいを手に入れることができる。
262名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:20:25.14 ID:F3H3JBTf
 君は自分の乳房を揉みながら、固いままの股間を扱く。
 絶頂はさっきよりも早く訪れた。
 胸がさらに膨らみ、腕や肩が細く、腰が広くなってしっとりとした肉が宿っていく。
 もっと。もっと。
 快楽に酔った君は自らの男を搾り出し、やがて絶頂が終わらなくなった。

 数時間後。
 君は両手を自分の乳房にあてがい、その刺激だけで絶頂に達していた。
 もはや股間に男の象徴はなく、君の姿は完全な女性となっている。
 乳房は片方だけでも君の頭ほどの大きさに成長しており、小さく細くなった君の手では完全に持て余していたが、君は乳房の圧倒的な量感に恍惚としていた。
 もっと、もっと。君はこの快楽が永遠に続けばいいと祈り始めていた。

 ──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!
263名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:25:05.01 ID:F3H3JBTf
 →B)胸の圧迫感はまだ我慢できる。それよりも部屋の探索をする。

 何よりも先に目に付いたのは、部屋の真ん中に置かれていた宝箱だった。
 もしや人食い箱じゃないかとも思ったが、どうやら杞憂らしく、鍵もない普通の箱だった。
 中にはスクール水着が一着。
 そばにある説明書には、
「マーメイドのスク水:水の中で身体が活性化する」
 とあった。

 君は――

 A)別に必要ない。この服装のまま進む。
 B)粘液で濡れた服を水着に着替える。
264TSダンジョン:2011/05/02(月) 20:29:08.63 ID:F3H3JBTf
 →A)別に必要ない。この服装のまま進む。

 水の中でしか効果がないなら今のところ使い道はない。
 それに身体の活性化というのがどういうことなのか想像がつかず、少し怖かったのもある。
 君は宝箱の蓋を閉め、その部屋を後にして先へ進んだ。
 体がスライムの粘液に濡れたまま――。

 数時間後。君は肉体の違和感に気づいた。
 手足が細くなり、身長が明らかに縮んでいる。
 腰骨が広くなって柔肉が付き、太腿やブルマーに包まれた尻がむちむちとした質感を持っている。
 ブラジャーの圧迫感も治まるどころか時間とともに強くなっていく。
 そんな中、君はまだスライムに追われていた。
 どうやらスライムの粘液にはマーキングに似た効果もあったらしく、神出鬼没の言葉通り、行く先々で遭遇し、その上本格的に道に迷った。
 最早自分がどこにいるのかもわからない。
265TSダンジョン:2011/05/02(月) 20:33:58.68 ID:F3H3JBTf
 それにさっきから息が切れるのが早くなっている。走るスピードも落ちたし、どうにも体が重く感じる。
 スライムの粘液が体に染み込み、徐々に、しかし確実に君の体を女性化させていったのだ。
 胸は守りのブラジャーによってBカップまでにしかならなかったが、むしろ君が肉体の異変に気づくことを遅らせる結果になった。
「ああ……」
 通路の角を曲がった先に、数体のスライムが待ち伏せていた。
 背後からも追って来る気配があり、君の体力はすでに限界に達していた。
 もういい。諦めよう。どうせ捕まっても女の子になるだけだ。
 女の子になったらその先は――もういい。
 君はすべての服を脱ぎ捨て、スライムたちの中に進んでいった。

 ──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!
266TSダンジョン:2011/05/02(月) 20:37:23.45 ID:F3H3JBTf
 →B)粘液で濡れた服を水着に着替える。

 水中での身体の活性化云々はよくわからないが、このままスライムの粘液に濡れたままではまずい。
 君は水着を手に取ると、その下に大きめのタオルがたたんである事に気づいた。
 君は体操服を脱ぐとタオルで粘液を拭い、そしてブラジャーを外した。
 粘液を拭ったにもかかわらず、ブラジャーの押さえのなくなった胸は一回りほど膨らみ、プルッと震えた。
 胸だけを見れば女性と見まがうほどだが、肩や二の腕はまだ男を感じさせる。
 第一、ブルマーを脱いだ下半身には男の象徴がしっかりと存在している。
267名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:43:57.30 ID:dEKn0fJ6
さるさん回避
268TSダンジョン:2011/05/02(月) 20:45:05.20 ID:F3H3JBTf
 君はそれを確かめて少し安心し、スクール水着を着た。
 体にピッチリとフィットする水着のなれない感覚に君は戸惑ってしまう。
 胸の大きさは変化ないようだが、若干腰や脚に丸みを帯びたような気がしないでもない。
 歩くと自然と内股になってしまうのも気になったが、君は粘液まみれの体操服やブラジャーを見て、仕方ないと割り切ってダンジョンの探索を進めることにした。

 男性ポイント:スク水着用により−5/現在80。


 今回は以上です。
 短いTSエンドを繰り返していく作り方って結構手早く話をつなげられるものですね。
 まぁネタさえあればですが。
 どなたかネタが浮かんだら、どこからでも乱入してください。
269名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 20:53:35.29 ID:vKICUVjK
GJ!
すべての選択肢が「パラグラフ14」状態なのがステキ
270TSダンジョン:2011/05/02(月) 21:43:23.31 ID:jn9GJYpN
>>268より

 しばらく歩いていると、通路の先がT字路になっており、左右に道が分かれていた。
 左の方は明るい光が差し込み、生温かい風が吹いてくる。
 逆に右の通路は薄暗く、ひんやり湿った空気が感じられた。

 君は――

 A)左の暖かそうな通路へ進む
 B)あえて右の方に進んでみる

#155です。流れに乗ってくださった方、サンクスです!
#では、以後タイトルは「TSダンジョン」ってことで。
271TSダンジョン:2011/05/02(月) 21:44:03.78 ID:jn9GJYpN
→A)左の暖かそうな通路へ進む

 なにぶん、こんな水着一枚の格好だ。少しでも暖かいほうが有難い。
 そう考えての行動だったが、意外と正解だったかもしれない。
 しばらくすると、君の眼の前にはジャングル……と言うほどは密生していないものの、明らかにそれらしい熱帯っぽい木々がまばらに生えた林が見えてきた。
 こういう場所なら、食べられる木の実が見つかるかもしれない。
 そう考えた君は、程なくバナナやパパイヤ、マンゴーといった熱帯系のフルーツを見つけることができた。
 そろそろ空腹を感じていた君は、用心しつつ、それらのフルーツを食べてみる。
 美味い!
 とくに毒なども無さそうなので、そのまま貪るように食べた君は、すっかり満腹になった。そのせいか、どうにも眠い。
 林の中に、寝心地良さそうな草が敷き詰められた場所を見つけると、君は我慢できずにそのまま横になり、寝てしまった。
 穏やかな寝息を立てて眠る君だが、先程たらふく食べた果物が消化されて、身体に取り込まれたせいか、徐々に影響が出始める。
 全身の皮膚が、じわじわと褐色、さらにはチョコレート色へと変わっていく。
 髪の毛もモサモサと伸びて、すでに腰の下あたりにまで達しているうえ、ゆるくカールしているようだ。
 そして、手足や腰はしなやかに細く引き締まり、対照的にバストとヒップは豊かに突き出す。
 いわゆるボン、キュッ、ボンを地でいく体型へと変わっていく。
 そんな君に近づく複数の影が……。
272TSダンジョン:2011/05/02(月) 21:45:05.80 ID:jn9GJYpN
 目が覚めた時、君はこの地の原住民達の集落に運ばれ、女神様として崇められるようになっていた。
 身体が女性に、それも褐色のビーナスとも女ターザンとも言える状態になっていたのには驚いたが、美人なうえに運動能力も凄い──なにせ、ゴリラを素手で殴り倒せるのだ──ので、問題はない。
 原住民達は、平均身長140センチ足らずで、男女問わず子どもみたいな可愛らしい顔つきをしている。
 こんな人々に囲まれて大事にされる暮らしも、悪くないかもしれない。
 
 その後、君は原住民の女王として君臨し、7人の「夫」と13人の「愛妾」を持ち、11人の子供に囲まれて、それなりに幸せな生涯を送った。

──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!

#とりあえず、ここまで。右の道も一応考えてますが、先に進めたい方がいらっしゃるなら、どーぞ。
273名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 22:10:55.17 ID:PG/8zxqn
C
274TSダンジョン:2011/05/03(火) 00:36:22.44 ID:O05xmeoM
→B)あえて右の方に進んでみる

 右の通路を進むと、石造りの床が少しずつ湿っていき、ついに50メートル程先には通路を塞ぐ大きな水たまりになっていた。
 水たまりと言っても、向こうまでおおよそ30メートル程の広さがあるうえ、結構な深さがあるようなので、飛び越えるのは不可能だ。
 君は意を決して水たまりに入って行った。

 水たまりは、2、3歩進んだところで急に水深が深くなり、結局泳ぐことになったので、そういう意味では、このマーメイドのスク水を着ていることはよかったのかもしれない。
 幸い水もこんなダンジョンの中とは思えない程透明だ。
 5メートルほど先に進むと、水の深さは既に3メートルを超えているようだ。
 しかし、ちょうど半分くらい進んだ地点で、水底に何か宝箱のようなものが沈んでいるのが見えた。

 君は――

 A)何か役立つ物が入っているかもしれないので、潜ってみる
 B)君子は危うきに近寄らず。無視して渡りきる

#272です。という展開でいかがでしょう?
275名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 14:54:27.35 ID:6nwrEZL3
>>274
無難でいいと思う
次にも繋がりやすいし

みんな乙
276名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 22:50:20.77 ID:Tki44JYq
277魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/08(日) 04:10:03.01 ID:xcigU/gQ
こんばんわ
っていうかもうすぐ朝ですね

エアリィさん十六話完成しました。

日曜日中にエアリィさん投下しますね。

ではでは、おやすみなさい・・・・
278魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/08(日) 08:59:08.89 ID:xcigU/gQ
あ、すみません十六話ではなく十五話でしたw

まあどうでもいい話ですがw

今投下準備中です。
夜までには投下します。
279魔法少女キューティエアリィ第十五話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/08(日) 14:37:31.82 ID:xcigU/gQ
こんにちわ
エアリィさんですよ。

意外と早く投下できるようになりました。
これから投下しますが、以下の注意事項を確認のうえ閲覧ください。
なお、今回のボリュームは25レスくらいになりそうです。

※注意
・今回もエロ地区内です。(ただ、エロ番外編へつなげるような伏線はあります。)
・強制TSないです。
・台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。
スピカ「みんな・・・この子、もう魔法少女になってるわ。」

絵梨明日美「「えっ!?」」

絵梨「どういうことなの!?」

スピカは灯莉の意識を探り、彼女が現在どういう状況になっているか調べた。
結果として、既に灯莉は魔法少女であるということであった。

スピカ「ちょっとこの場所だと・・・私が出てきても大丈夫な場所に移動できないかしら。」

絵梨「うん。わかった。」

絵梨「ごめん、灯莉ちゃん、近くの公園に行くけどいいかな?」

灯莉「は、はい。」

彼女たちはカフェを出て、公園へと向かった。

明日美「ここなら大丈夫ね。」
絵梨「そだね、スピカ、出てきても大丈夫だよ。」

スピカ「ええ、今そっちに行くからね。」

灯莉「えっ!・・・さっきの・・・どうやって・・・」
突然現れたスピカに灯莉は信じられないと言った様子で目を白黒させて驚いていた。

絵梨「この子がもう魔法少女って言ってたね。
どういうこと?」

スピカ「この子が魔法少女になったのは、レグルスが行方不明になった
8年前・・・レグルスとコネクトした痕跡があったの。」

絵梨「でも、適性因子反応?っていうのもあったんでしょ?」
スピカ「適性者を魔法少女にする時は、コネクトした後に出現した
ハーティジュエルを使ってすぐに魔法少女に変身するんだけど・・・」

スピカ「最初の魔法少女への変身のときに適性因子は陽の魔力へ変換、昇華されるの。」

スピカ「でも、この子の場合は魔力の変換途中で強制的に停止しているようなのよ。」

萌波「つまり・・・誰かの手によって変身を邪魔された可能性があるということかしら?」

明日美「で、でも!変身中は絶対防御が展開されているから、
邪魔されるなんてありえないんじゃ・・・」
明日美は以前自分が絶対防御を使った攻撃を思い出していた。
そう、かつて明日美は無獣に握りつぶされそうになった時、
変身時の絶対防御を展開させて反撃のきっかけを作っている。

スピカ「そうね・・・変換途中で強制停止するなんてことは普通では考えられないんだけど、
並みの力なら絶対防御が破られるなんてことはないわ。」

スピカ「これを破れるとしたら・・・絶対防御の術式を知っていて・・・
かつ強大な力を持つものではないと・・・」

絵梨「強大な力・・・あっ!ミーヤのパートナー・・・?」

スピカ「たしかにあいつはミーヤ以上の力を持っている。
でも、力だけではこの術式は破られない。敵がこの術式を知って・・・いるわけ・・・」

スピカ「!!!!」

スピカ「コネクトしたのが8年前・・・そしてレグルス・・・
絶対防御・・・術式・・・リゲル・・・そうか・・・そういうことね!」

明日美「何か心当たりがあるの?」
スピカ「私たちの仲間に魔法少女システムを開発した人がいたんだけど・・・
9年前にトラブルが起こってそれ以来行方不明になったの・・・」

スピカ「その開発者と一緒に研究していたのが・・・その子のパートナー・・・
レグルスよ。」

スピカ「そして、開発者の名は・・・リゲル・・・」

スピカ「彼ならば術式を解除することなんて造作もない・・・」

スピカ「と言うことは、リゲルが敵方に捕えられているのか・・・それとも寝返ったか・・・」

絵梨「じゃ、じゃあレグルスも同じように捕まってしまった可能性があると?」

スピカ「ええ、そうね・・・恐らくレグルスはリゲル失踪に危機を感じ・・・
魔法少女を作ろうとした。そこでリゲルの術式を知った敵の攻撃を受けたのだと思うわ。」

スピカ「でも、不幸中の幸いだったのが、既にコネクトしたあとだったことね。」

スピカ「このコネクトの痕跡をたどればレグルスにたどり着けるかもしれない。」

スピカ「明日美、萌波、アルとスウドの力を借りるわよ。」

明日美「うん。」

萌波「よろしくてよ。」

スピカは目を閉じ、彼らを呼び寄せた。

スピカ「アル、スウド・・・ここにきて・・・理由は・・・わかるわよね。」

アルデバラン「もう来てるよ。」

サダルスウド「同じく。」
灯莉「あ・・・またねこ・・・今度は茶トラと灰色のねこだ・・・」

明日美「紹介するわね。この茶トラが私のパートナー、アルデバランよ。私はアルって呼んでるわ。」

アルデバラン「よろしく。」

萌波「こっちはサダルスウド、私のパートナー。」

サダルスウド「こんにちは。」

スピカ「さ、詳しい自己紹介はあとあと。」

スピカは彼らの自己紹介の間に割って入った。

スピカ「早速コネクトの痕を追跡するわよ。うまくいけばレグルスとリゲルの居場所がわかるかもしれない。」

スピカ「灯莉さん、もう一度お願いね。」

灯莉「は、はい・・・」

灯莉は左手をアルデバランの右手に繋ぎ、右手をサダルスウドの左手に繋いだ。
そしてスピカは両手を灯莉の額に当てた。
客観的にみると3匹の猫と女の子が奇妙な格好でじゃれている様にしか見えなかった。

絵梨「この格好・・・なんかシュールだ・・・」

明日美「ふ、ふざけないで・・・彼らは真剣なのよ。ぷっ・・・くくくっ・・・」

萌波「明日美さん、そういうあなたも肩が震えているわよ。」

スピカ「もう少し・・・もう少しで・・・っく!・・・どうして・・・・」

スピカ「出力を上げれば・・・」
バチッ・・・バチバチバチバチィ!

灯莉「きゃあっ!」

アルデバラン「うわっ!」

サダルスウド「ぐっ!」

スピカが探索出力を上げた途端、電流のような衝撃が彼らに返ってきた。

絵梨「灯莉ちゃん、大丈夫!?」
灯莉はその衝撃に倒れてしまい、気絶してしまった。
慌てて絵梨が駆け寄り、抱きかかえて介抱している。

スピカ「し、しまった!気付かれた!」

明日美「いったいどうしたっていうの?」

スピカ「コネクトの痕跡を辿ったけど、ノイズで特定ができなかったから出力を上げたら反撃された・・・
防御が間に合わなくて接続元である彼女に大きな衝撃が行ってしまった。」

スピカ「そして・・・反撃されたってことは・・・ここに私たちがいるって気付かれたのよ。」

萌波「それじゃあ・・・」

スピカ「ええ・・・来るわよ・・・ここに。」

明日美「ええっ!?来るって・・・ダークウィッチが?」

スピカ「そうね、無獣かダークウィッチか・・・それともミーヤか・・・」

彼女らは周囲をキョロキョロと見回し、警戒した。
静かだった。
日も傾きかけて夕方になろうという時間、公園内は彼女たち以外に人はおらず、
鳥のさえずりに交じってカラスの鳴き声が響いていた。
萌波「来ない・・・?」
スピカ「いいえ・・・来る・・・!これは・・・!?」

いつの間にか鳥のさえずりも、カラスの鳴き声も聞こえなくなっていた。
異様な静けさに耳が痛くなるほどだった。
と、そこにそよそよと心地いい風が吹いて彼女たちの髪を揺らす。
そして一気にウィッチーズスペースが展開された。
スピカ「!」
???「はじめまして。」
景色に溶け込むようにスピカの目の前に”それ”がいた。
まばたきもせずにずっと前を見ていたはずなのに気が付かなかった。
スピカが”それ”を認識すると驚いたように後ろへ飛び退く。

???「そんなに驚かないでくださいよ。
私はエウロパ・・・イオ様がしもべ・・・以後お見知りおきを。」

エウロパと名乗ったモノは首にボタンのついたチョーカーを巻いたうさぎのぬいぐるみの姿をしていた。

スピカ「エウロパ!?イオの仲間!?」

エウロパ「強い探索魔法を使ってくださって感謝いたします。
こちらから探す手間が省けましたから。」

そのうさぎのぬいぐるみは丁寧に深々とお辞儀をした。

エウロパ「今日は挨拶がてら遊びに来ましたので、
楽しく死んでくださいね。」

そのエウロパの口がニヤリとゆがむとエウロパを中心としてウィッチーズスペースが広がった。

明日美「楽しく死んでくださいって・・・」

萌波「面白いこと言いますのね。」

明日美「絵梨は・・・その子をお願い!」
明日美「アクセプト!」
明日美が叫ぶと首の黄色いハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
明日美「キューティメタモルトランスレーションアーシィアップ!」

萌波「アクセプト!」
萌波が叫ぶと首の水色のハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
萌波「キューティメタモルトランスレーションアクエリィアップ!」

アーシィ「大地の優しさで包んであげる!キューティアーシィ!おまたせっ」
アクエリィ「癒しの水音奏でてあげる!キューティアクエリィ!おまたせっ」��

エウロパ「遊んでいただけるのですね。感謝いたします。」

アクエリィ「アーシィ、気をつけた方がいいわよ。」
アーシィ「そうね、相手の力は未知数。」

アクエリィ「アクエリィフュエ。」
アーシィ「アーシィハンマー。」
彼女らはそれぞれ武器を出現させ、エウロパへと向かっていった。
アクエリィ「アーシィ、あなたは左、私は右から。」
アーシィ「了解!」

アーシィ「アーシィストライク!」
シュン
アーシィ「なっ!」

攻撃が当たる直前、エウロパは一瞬で避けアクエリィの目の前に移動していた。

アクエリィ「アクエリィエギュイーユ!」
パキキキ
アクエリィ「ピケ!!」
無数の氷の針がエウロパへ全て突き刺さる。
しかし、エウロパは防御シールドを展開、針をはじき返す。
アクエリィ「くっ・・・セ ポッシェ(次はこれよ!)」
アクエリィ「アクエリィプリュイ!」
エウロパの頭上に強酸性雨がシュウシュウと音を立てて降り注ぐ。

エウロパ「あら、危ない。」
酸性雨を寸前で避ける。

アーシィ「アーシィクェイク!」
背後からエウロパの足元にズドンとハンマーを叩きこむと衝撃がエウロパを襲う。

アクエリィ「シャッセ グランジュテ。」
アクエリィ「シソンフェルメ アッサンブレ ピルエット ピルエット ピルエット」
アクエリィ「バッチュ バッチュ バッチュ!」
エウロパはアクエリィのキックを防御し、鞭打を避けていた。

アーシィ「アーシィビート!」
タタタタンとリズミカルにハンマーを打ち込む。
何発かは当たったが、急所は外れているようだ。

アーシィ「はぁはぁ・・・どう!?」

アクエリィ「危ない!」

そよそよと彼女たちの周りに風が起こり、
エウロパの方から風切り音がしたかと思うと真空の刃が襲いかかる。
刃が当たる寸前、アクエリィはリフレクシオンを展開、アーシィを刃から守った。

アーシィ「あ、ありがとう。」
アクエリィ「気を付けて。何発かは手ごたえあったけど、あまり効いてないみたい。」
アーシィ「ええ・・・そのようね。」

呆れたようにヤレヤレと両手を横にして肩をすくめていた。
エウロパ「はぁ・・・少し残念です・・・もう少し本気で遊んでほしいのですが・・・
今度はこちらから行きますわ。」
エウロパ「えい!」
エウロパはゆらりと長い耳を揺らし、腕を横に一閃。
すると、柔らかい心地よい風が彼女たちを包み込む。
その直後、先ほどよりも速い速度で真空の刃が何度も繰り出された。
アーシィ、アクエリィは一回目、二回目をリフレクシオンで攻撃を反射。
しかし、三回目の刃でリフレクシオンは破壊され、
四回目の刃では何とか寸前で避けたものの、僅かに二人の髪の毛が切られてしまった。
そして五回目の刃でアーシィの腕に当たる。六回目でアクエリィの足に当たる。
そこからは避けることも逃げることできず何十もの刃が彼女たちを襲った。

絵梨「アーシィ!アクエリィ!!」
絵梨は反撃できずにただやられるだけの二人をみて叫んだ。

灯莉「ううう・・・絵梨・・・さん・・・?」
絵梨の声で抱かれている灯莉の意識が戻り、半身を起して呟いた。
そして彼女はうさぎのぬいぐるみの前で倒れているアーシィとアクエリィを見て息をのんだ。

灯莉「え・・・どういうこと・・・?」

絵梨「敵よ・・・敵の強いやつが来て・・・二人は攻撃を受けてしまった。」

灯莉「そんな・・・どうして・・・」

倒れていた二人は何とか立ちあがっていた。
致命傷にはなっていないようだが、どう見てもまだ戦える状態ではなかった。
しかし、二人はエウロパに向かっていこうとしていた。

絵梨「あいつ・・・強いね・・・やっぱり私も出て行かなきゃならないかな。」

スピカ「!今のあなたじゃ無理よ!」

絵梨「じゃあ、黙って見ていろっていうの!?
無理って言われても・・・」
絵梨は唇をぐっとかみしめた。

絵梨「やるしかないじゃない!」
灯莉「ま、待ってください!」

絵梨「灯莉ちゃん・・・」

灯莉「この子たちが私に触れて、わかったの・・・長い間何なのかわからなかった
けど感じていた・・・すごくすごく・・・暖かいもの・・・」
灯莉は胸に手を当て、これまでのことを目を閉じて思いだしていた。

灯莉「まだ見たことはないけどすごく懐かしく感じた・・・
ずっと一人だった私を見てくれていた。」

灯莉「でも・・・この子レグルスは・・・今すごく苦しんでる・・・もがいてる。
逃げ出そうとしているけど・・・逃げられない・・・」

灯莉は涙を流しながら、しかしその眼鏡の奥の瞳は決意を込めたように光を輝かせていた。
その姿は先ほどまでのオドオドした雰囲気は感じられなかった。

灯莉「スピカ・・・さん?私・・・力もなくって・・・臆病だけど・・・
こんな私でも、みなさんの力になれるでしょうか?」

スピカ「・・・今はハーティジュエルもないし、
あなたのパートナーがいないから本来の力は出せないけど・・・」

灯莉「それでもいいんです。少しでも皆さんの力になりたい。
そして、今まで私を守ってくれていたレグルスさんを助けたい!」

灯莉「だから・・・だから私を魔法少女にしてください!」

スピカはその少女の決意を聞いて少し考えた後、
アルデバランとサダルスウドに目配せをした。

スピカ「わかったわ。あなたを魔法少女にします。
でも、さっきも言ったように本来の力は使えない。
腕力と耐性力はあがるけど魔法は使えない。それでもいいの?」
灯莉「はい。」

スピカ「わかった。アル、スウド、あなた達の力借りるわね。」

アルデバラン「わかった。」
サダルスウド「了解した。」

スピカ達は灯莉の周りに座ると各々が光り始めた。
スピカ「クリエイト!我らはこの者の精神、肉体、時間を束ねレグルスに成り代わり、魔法少女として再接続を行う!」

そして光が大きくなり始め灯莉をも包み込む。

次の攻撃をしようとしていたエウロパは、少し離れた場所で儀式が始まっているのに気がつき、
攻撃の手を止めた。

エウロパ「なるほど・・・四人目ですか。
面白そうなので少し待ちますね。」

エウロパは遠くの方で輝く光を見て呟いた。

アーシィ「はぁはぁ・・・ずいぶん余裕かましてくれちゃってるじゃないの。」
アーシィはフラフラになりながらもハンマーをエウロパに叩きつける。
エウロパ周辺に防御シールド展開。

エウロパ「ちょっとあなた、せっかく魔法少女誕生の瞬間を鑑賞しているのですから邪魔しないでいただけますか?」
エウロパは叩きつけられたハンマーをつかみ、ポーンと押し返した。
するとアーシィはごろごろと地面を抉りながら弾き飛ばされた。

アーシィ「ぐっ!きゃぁぁぁぁ!」
アクエリィ「アーシィ!!こ、これはまずいわね・・・」

灯莉を包んでいた光が小さくなっていき徐々に灯莉の姿が見えてきた。
光の中から現れた灯莉の手には一つの指輪が握られていた。
灯莉「これは・・・?」

スピカ「ハーティリング。本来はハーティジュエルが変身アイテムなんだけど、
私たちはあなたのパートナーじゃないからなんとかレグルスの痕跡を集めてこれしか作れなかった。」

スピカ「これを指につけて、
アクセプト!キューティメタモルトランスレーションフレアーアップ!
と叫びながら指で術式を描いて。あなたは魔法少女キューティフレアーになるわ。」

灯莉「は、はい。」

スピカ「いい?正直あなたの力は未知数なの。
どうしても危なくなったら逃げて。」

灯莉「逃げるなんて・・・」

スピカ「いいえ、逃げることさえできたらまた反撃のチャンスを伺えばいいのだから。」

灯莉「は、はい!」

十五話「Obedience!あなたの優しさ感じてた。」

灯莉は決して逃げまいと強い思いを抱きながらも、スピカの言葉の意味も噛み締めた。
そして、彼女の指にはめられた炎のように真っ赤に燃えるハーティリングを手のひらで優しく包み込む。

灯莉(レグルス・・・一人ぼっちの私をずっと守ってくれていたんだね。
あなたの優しさ感じることができたよ。今度は私があなたを助ける番。)

彼女の胸に決意を込めて、灯莉は大きく深呼吸をした。

灯莉「私に勇気をください!」

灯莉「アクセプト!」
灯莉が叫ぶとハーティリングが赤く光り、指がハート型を描いた。
灯莉「キューティメタモルトランスレーションフレアーアップ!」
ハーティリングから赤色の光が出てリボンのように灯莉の体にまとわりつく。
パキィンと光が弾けると赤いハート型の花びらが舞う。
花びらの中から現れるのは・・・

肘まである篭手のような黒いグローブ。
足は膝まで覆うグラディエーターのようなヒールの高い編みこみブーツ。
髪は赤く染まりロングヘアがさらに長くなり、一本の腰あたりまである三つ編みに編みこまれた。
最終的にハーティリングからリボンのようなものが出て全身を包み込む。
黒地に真っ赤な炎をあしらった様な柄の和服のような振袖。
裾の広がった黒地に赤いリボンのついたミニスカート。
リボンが腰に巻きつき背中で赤い大きなリボンが結ばれた。

フレアー「熱い心を燃やしてあげる!キューティフレアー!」

スピカ「こ、これは!どうして?」
サダルスウド「確かに・・・これは・・・しかしありえるのか?」

フレアーは自分が変身した姿をキョロキョロ見回す。
そして一息大きく深く息を吐き出す。

フレアー「ふぅ・・・これが・・・アタシか・・・力が・・・沸いてくるようだ・・・」

スピカ「フレアー!あなた・・・大丈夫?」

フレアー「ん?アタシは大丈夫だ・・・すごく気分がいい。」

絵梨「すごい力を感じる・・・これが四人目・・・フレアー・・・私もサポートしなくちゃ・・・」
絵梨「灯莉ちゃんだって決意したんだ・・・私も・・・
望美さん、私あなたの分まで精一杯生きるから!あなたの気持ち無駄にしないから・・・もう一度勇気を!」
絵梨は折れそうだった心を奮い立たせ、変身する決意をした。

絵梨「アクセプト!」
絵梨が叫ぶと首のピンクのハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
絵梨「うん、変身できる!」
絵梨「キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」

エアリィ「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」
エウロパ「ほら見て御覧なさい、四人目が変身したわよ。
あら?エアリィさんもいるようね。」
エウロパは倒れているアーシィの髪をつかみフレアーの方に顔を向けた。

アーシィ「だめよ・・・こっちきちゃダメ・・・」

エウロパ「でも二人ともこっちに来てますわよ。」

アクエリィはこちらに向かってくるエアリィとフレアーの前に立ちはだかる。
アクエリィ「ここは一旦退くのよ。態勢を整えてから・・・」

フレアー「いいや・・・そんなことしてもあいつは逃がさないだろう。
それに・・・なんでかな・・・今のアタシあいつに負ける気がしないんだ。」

アクエリィ「初めて戦うのに無理よ!」

フレアー「そんなもん、やってみなくちゃわかんねぇだろうよ。」

フレアー「魔法は使えないけど。武器は出せるみたいだし・・・力も何十倍になった感じだ。」

エアリィ「それに私もいるから!」

とそのとき、遥か彼方から空気を地面を震わせながら近づいてくるものがあった。
その場にいるもの全員の体が心がビリビリと震える。

エウロパ「おや、あの方も遊びに来られるのですか。
まだ万全じゃないと思うのですが・・・」

エアリィ「!こ、これは!!!??ま、まさか・・・そんな・・・この状況で?」

轟音を轟かせエアリィの目の前に降り立つ。
降り立つ際の衝撃で地面にクレーターができる。
ミーヤ「お祭り騒ぎのようね。このお祭り私も参加させてもらうわよ。」

エアリィ「ミーヤぁぁぁ!!あなた!まだ懲りてなかったの!!」

ミーヤ「懲りる?どうして懲りる必要があるの?意味がわからないわ。」

エアリィ「少しは大人しくしてなさい!」

エアリィのその言葉にミーヤはくすくすと笑っていた。

ミーヤ「ふふふ、私もまだ調子良くないのよ。
だから今日は元より大人しくしているつもりよ。」

エアリィ「信じられるもんですか。」
エアリィは歯をギリリと食いしばりミーヤを睨む。

エアリィ「あの・・・エウロパってなんなのよ!」

ミーヤ「ああ、エウロパ?かわいいでしょ。最近来た私のうさちゃんよ。」

エアリィ「そういうことを聞いているんじゃない!」

ミーヤ「まあ、良いじゃない。ほかの子達はエウロパに任せるから。
ね、私はあなたとお話に来たの。」

じりじりとエアリィに近づいていくミーヤ。
その表情はミーヤの実際の年齢には似つかわしくないほど妖艶な笑みを浮かべていた。

エアリィ「うくっ!こ、来ないで!」
ミーヤが近づくほど後ずさりしてしまうエアリィ。
そして、自身の力が今は弱体していることもあったが、
何より彼女は以前とはまったく違うミーヤのプレッシャーを感じていた。
ミーヤ「あら、どうしたの?そんなに怖がらないでよ。
ほんとに今日はあなたに危害は加えないから。私、あなたのことをもっと知りたくなっただけだから。」

エアリィ「フレアー!こっちは・・・何とかするから・・・」

ミーヤ「そうそう、こっちは何とかなるからあなたはエウロパと遊んであげてね。」

エアリィ(フレアー・・・なんとか耐えて・・・すぐ助けに行くから!)

フレアーはミーヤのことを睨み、エアリィの方を見ると無言で頷いた。

そして前を向きなおしスタスタとエウロパに近づくフレアー。

アーシィ「これがフレアー?変身前と雰囲気がぜんぜん違う・・・」

フレアー「始めまして・・・だよな・・・アタシはキューティフレアー。
出来立てほやほやの魔法少女・・・見習いだ。」

エウロパ「こちらこそ始めまして。
私はエウロパと・・・!?」

ズドォォォォン!!!

エウロパ「くっ!!!」

フレアー「おっしぃ・・・」

何がおきたのだろうか。フレアーの拳がエウロパのいた場所に突き刺さっていた。

エウロパ「卑怯な!まだ私が名乗っている途中だというのに!」

フレアー「くっくっく・・・だれが貴様の口上なんかぼけっと待つんだよ?」
フレアー「フレアーサイズ」
フレアーの手には彼女の身長よりも長い炎のような装飾が施された真っ黒い棒が握られていた。
フレアー「ふーん・・・これは棒・・・?これがアタシの武器か・・・?まあいいか。」
フレアーはクルクルと棒を回して構えた。

フレアー「そこのうさぎ。あんたからかかってきな。」

エウロパ「見習いなのにずいぶん偉そうですわね。
後悔しますよ?」
エウロパの声は明らかに動揺しているようで震えていた。

エウロパ「では、遠慮なく行かせていただきます。」
エウロパが両腕を前に出すとその前でぐるぐると光が渦を巻き、それが光球になった。
エウロパ「当たると痛いですよ。ふふふ、下手したら死んじゃうかも。それ!」
出来上がった光球をぐぐぐっと押し出してふわふわとシャボン玉のようにゆっくり動き出したかと思うと、
それは目にも留まらぬ速さで打ち出された。

そして・・・

ドドォォォォォン!!!

直撃

その光球はフレアーの体に直撃した。
モウモウとあがる爆煙。

そして爆煙の中からかすかに見えるフレアー
どうやらまだ倒れていないようだ。
倒れていないことがわかると次の攻撃態勢に入るエウロパ。

エウロパ「あれで倒れないなんてなかなか頑丈ですわね。えい!」
光球を連続で打ち出すエウロパ。
そのすべてが猛スピードでフレアーに直撃。
ドドドドドドドッ!!!

アーシィ「フレアぁぁぁぁぁー!!」
アクエリィ「そんな!速すぎて避けられないの?」

さらに爆煙が立ち上り、再びフレアーの姿は見えなくなった。
この状態では生きているのか・・・死んでいるのか・・・わからなかった。

爆煙が晴れ・・・フレアーの姿は・・・

埃だらけではあったが・・・立っていた。
二本の足でしっかりと地面に立っていた。

エウロパ「そ・・・そんな・・・あの攻撃を・・・避けたの?
それともシールド展開した?」

フレアー「いいや・・・あのスピードを避けられるほど速くはないし・・・
ましてやアタシは魔法は使えないから・・・全部当たったよ。アタシに。」

エウロパ「当たったですって?それじゃあ、な、なんで立っていられるの。」

フレアー「さあ?どうやらアタシはトンでもなく頑丈にできているらしい。」

エウロパ「じゃあ・・・これならどうかしら!?それっ」
エウロパが腕を横に一閃。
心地よい風とともにエウロパから何十もの真空の刃がフレアーに迫る。

フレアーはクルクルとフレアーサイズを回転させその刃を全てはじき返す。

そのままフレアーサイズをエウロパに叩き込む。
ズドンと地面が震える。
エウロパはその攻撃を腕で防いだ。
しかし・・・衝撃が強すぎ防御が役に立たない。
エウロパ「ぐふっう・・・なんて重い攻撃!」
フレアーはゆっくりと二撃目を突き入れる。
その攻撃はシールドを展開するもやはり防ぎきれずエウロパは後方に弾き飛ばされる。

アーシィ「す、すごい・・・あれで魔法使っていないの?」

エウロパ「こ、攻撃力もかなりあるようね・・・でも・・・スピードは無いのよね。」
フレアーの目の前からエウロパは一瞬にして消えた。
そしてフレアーの背後に現れ、すかさず打撃を加え、魔法攻撃で追撃。
フレアーは思わずよろけるが傷は無いようだ。
振り向きざまフレアーサイズでエウロパをなぎ払う。
しかし攻撃は当たらずエウロパの居た場所の空を切った。

フレアー「さすがに速いな・・・逃げられたら攻撃は当たらないし・・・」

エウロパ「やはりスピードについて来れないのですね。
とうとう諦めたらどうかしら?」

そしてエウロパは攻撃を続ける。
連続で打撃、打撃、打撃。
フレアーはなすがまま打たれ続ける。
本当にあまりのスピードに諦めてしまったのだろうか。

しかし・・・フレアーの目は輝きを失っていなかった。
エウロパは一方的にフレアーに攻撃していて圧倒的に優勢だったが、
その強い燃え上がるような瞳の光に逆に少しずつ恐怖を覚えていった。

エウロパ「このっ!なぜ倒れないのですか!なぜダメージを受けないのですか!」

エウロパは腕を大きく振りかぶりフレアーにパンチを叩き込む。
しかし、その腕はフレアーに掴まれた。

エウロパ「ぐっ!離しなさい!あなたはスピードが無いんじゃ・・・」

フレアー「ああ、確かにスピードは無いよ。
でも目では追えるんだ。さあ、終わりにしようぜぇ。」
エウロパ「や、やめなさい!放しなさい!!」
エウロパはじたばたともがくが、フレアーから離れられない。

フレアー「これでおしまいだ。」
フレアーサイズの底部をトントンと地面に突くと棒の先から禍々しい形の大きな鎌がジャキンと出てきた。

フレアー「へぇ・・・これって大鎌なんだ・・・そっかサイズだもんね・・・くすくす・・・死神みたいだね。」
フレアーの瞳が炎の赤色から少しずつ黒色へと染まっていく。
大きく開かれた真っ赤な口はまるで・・・悪魔のような姿であった。

エウロパ「ひっ!」
ガチャリとフレアーサイズをエウロパの首にかける。
フレアー「言え・・・お前らのところにレグルスは居るんだろう?」

エウロパ「レグルス??なんですの・・・それは・・・」

フレアー「とぼけるな・・・お前らがアタシの中から連れ去ったんだろう。」
フレアーサイズの刃をエウロパの首に強く押し当てる。

エウロパ「レグルス・・・きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
突如エウロパの体がビクビクと震えだし、更に赤黒く光り始めた。

フレアー「な、なんだ!?」

さらに大きく光るとフレアーエウロパともに反発しあうように弾き飛ばされた。

フレアー「あああああっ!」

エウロパは意識が無いのかピクリとも動かず赤黒い光球に包まれ宙に浮かんでいた。

フレアー「くっくっく・・・まあいい・・・そのままじっとしてろよ・・・今仕留めてやる。」

フレアーはエウロパに近づき再びフレアーサイズを振りかぶる。
そして勢い良くエウロパに振り下ろした。
エウロパを見事一刀両断・・・
したかに思えた・・・

しかし、フレアーの手からはフレアーサイズが消えていた。
フレアー「あ?あ???」
自らの手にあったはずのフレアーサイズが消え、自分の掌を見つめ動揺する。
フレアー「どこいった・・・アタシの・・・フレアーサイズ・・・」
そしてフレアーの体から粒子状の赤い光がチラチラと拡散していく。
フレアー「変身・・・解けてる?アタシ・・・ああああそんな・・・」

フレアーの体から光の粒子が出なくなると、そこには生身の体に戻った灯莉がいた。

灯莉「あ、ああ・・・そんな・・・私・・・」
灯莉は今の状況にガタガタと震え始めた。
殺される恐怖?
それだけではなかった。
灯莉が真に恐怖していたのは変身したことによる自分の心の変化。
まるで別人のようになってしまっていた、普段の自分と正反対の性格に恐怖していた。

そして目の前には意識を取り戻したエウロパ。

エウロパ「私には何がおきたかわからないけれど・・・これで終わりね。」

エウロパは両腕を前に出し、光球を作り出した。
灯莉「いや・・・いやぁぁぁぁ・・・」
灯莉は腰を抜かしたようにへたり込み、そのまま後退りをする。

光球が放たれようとするその瞬間、その光球を握りつぶした者がいた。
エウロパ「何を!・・・はっ・・・ミーヤ様・・・」

ミーヤ「もう用事は終わったから帰るわよ。」

エウロパ「し、しかし・・・あと少しで。」

ミーヤ「何?私に逆らうのかしら??」
ミーヤはエウロパの頭を掴み、顔を覗き込んだ。
その表情は影になってよくわからないが、エウロパが戦慄した様子を見れば
ミーヤの表情がどれほど恐ろしいものだったか想像ができる。

ミーヤ「私が帰るといったら帰るのよ。嫌ならこのままあなたの頭握りつぶすわよ。」

エウロパ「は、はい・・・」
表情が通常に戻っていてもその恐怖は継続しており、
ミーヤに掴まれたままガタガタと震えていた。

ミーヤ「じゃ、お邪魔したわね。エアリィちゃんにはよろしく言っておいて。
ふふふ、ご馳走様。」

エウロパはミーヤに連れられて・・・いや掴まれたまま空気を震わせながらその場を離れていった。
そしてウィッチーズスペースが解かれていく。

灯莉「私・・・助かった・・・の?」
灯莉の元に明日美、萌波が駆け寄る。

明日美「大丈夫?」

灯莉「え、ええ・・・なんとか・・・大丈夫です。」

萌波「どうなったの?」

灯莉「それが・・・私にも良くわからなくて・・・何がなんだか・・・」

明日美「絵梨は?絵梨はどうなったの!?」
絵梨の居た場所を見ると、絵梨が倒れていた。
三人は絵梨のところへ駆け寄った。

明日美「絵梨!ミーヤに何かされた!?怪我は!?」
明日美は絵梨を抱きかかえた。
絵梨は真っ赤な顔をして肩を上下させるほど息が荒かった。

絵梨「だ、大丈夫・・・危害は加えられていない・・・危害は・・・」
絵梨の顔は相変わらず真っ赤だ。

明日美「だって、そんなに息荒いし、顔が赤いし。」

絵梨「な、なんでもない、大丈夫、もう大丈夫だから。」

絵梨(い、言えるわけ無いじゃない!あんなこと・・・されたなんて・・・)

スピカ「ところで灯莉ちゃん、変身して大丈夫だった?」

灯莉「は、はい・・・体は問題ないのですが・・・その・・・私が私じゃなくなったみたいで・・・」

スピカ「そう・・・変身してわかったんだけど、どうも灯莉ちゃんの体には陽の魔力と陰の魔力が同居してるみたいなの。」

明日美「陽の魔力と陰の魔力って反発しあうんじゃないの?」

スピカ「そうなのよ。そのはずなんだけど・・・」

アルデバラン「どうも、ダークウィッチだったことが影響しているみたいだな。」

スピカ「そうね、若干陽の魔力のほうが強いから陰の魔力をうまく取り込んでいるみたい。
でも、陰の魔力の影響ね、性格が荒っぽくなっちゃってる。」

萌波「それは危険ではないのかしら?
その将来的に再びダークウィッチになってしまうとか・・・」
サダルスウド「萌波の心配は当然だが、その点は大丈夫だ。
そもそも魔法少女化は陽の魔力が強くないと変身出来ない。」

萌波「なるほど、つまり陰の魔力のほうが強くなると自動的に変身が解けちゃうのね。」

スピカ「そう、しかも人間のときは魔力が大して出力されないからダークウィッチにはなれないということ。」

萌波「もしかして、さっき変身が解けたのも?」

サダルスウド「そう、陰の魔力が少し漏れたからだろう。」

アルデバラン「灯莉の今後の課題は変身時の陰の魔力のコントロールだね。
変身してても元の性格で居られればいいんだけど・・・」

明日美「なるほどねぇ・・・それよりも・・・エウロパだっけ?
あんな強いのほかにも居るのかな・・・イオとミーヤ全員で来られたらやばいよ・・・」

絵梨「そうだね・・・はやくレグルスを助け出して全員万全の状態にしないと・・・」

灯莉「でも、さっきエウロパにレグルスのこと聞いてみたら・・・知らないって・・・」

萌波「向こうの切り札なんだから正直に言うはず無いと思います。」

絵梨「ま、なんにせよとりあえずは四人集まったんだし、これから考えて行きましょう。」

明日美「絵梨・・・なんだか吹っ切れたみたいだね。」

絵梨「うん、精一杯生きていくことにしたんだ!」

明日美「そ、よかった。ふふふ。」

一方ミーヤは・・・
高速で飛びながらエアリィとの出来事を思い出していた。

ミーヤ「うふふ・・・エアリィちゃん・・・可愛かったわ・・・
しかも、面白い秘密わかっちゃった・・・あの子女の子じゃないのね・・・男だったなんて・・・傑作だわ。」

ミーヤ「今度は男のときの姿でお相手願おうかしら・・・
ますます殺すのが楽しみになってきた・・・ふふふ・・・あはは・・・おーっほっほっほっほ!」

ミーヤの瞳は妖しくも光り輝き、いかにも楽しそうに大声をあげて笑い叫び、飛び去っていった。

次回予告
四人目の魔法少女、キューティフレアー誕生、しかしその力は未知数であり万全ではない。
レグルス探しを急ぐ一方、ほとんどの魔法少女たちは普通の女の子。
間近に迫るバレンタインはレグルス探しと並ぶ切実な問題。
初めてあげる側に回る絵梨をからかいつつもチョコの準備をする。
そんな中、ミーヤの過去が明らかに。
次回「Past!大丈夫、お父さんがついているから。」
フレアー「おまえに輝くような決意はあるか?」
304魔法少女キューティエアリィ第十五話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/08(日) 15:18:49.38 ID:xcigU/gQ
以上でおしまいです。

早速第十五話−6で大きなミス発見

と、そこにそよそよと心地いい風が吹いて彼女たちの髪を揺らす。
そして一気にウィッチーズスペースが展開された。

とあるのに、そのあと

エウロパ「今日は挨拶がてら遊びに来ましたので、
楽しく死んでくださいね。」

そのエウロパの口がニヤリとゆがむとエウロパを中心としてウィッチーズスペースが広がった。

というように二回ウィッチーズスペース展開しちゃいました。
重要なことだから二回展開させたのではなくて単純にミスです。
ごめんなさい。

それといつの間にか忍法帖のレベルが上がっていたので規制秒数が短くなってました。
そして最後に試したら行数も増えてました。
これで次回よりレス数が少なくてすみます。

さて、内容に関してですが・・・
フレアーさん変身しましたが、柄悪いですね、どっちが悪役かわからないですね。
さすが元DWといったところでしょうか。

そしてミーヤに何かされていたエアリィさんですが・・・顔真っ赤で息が荒い・・・
何してたんでしょうね。

このときの出来事は改めて番外編として作りたいと思います。

そして次回、バレンタインのキャッキャウフフシーンを含めながら、
いよいよミーヤの過去明らかにします。
そろそろゴールが見えてきそうな感じです。

では、次回まで。
305名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 19:03:30.83 ID:vxzLGXi7
そう来たか。美少女戦士ものの王道ですなあ。次回も楽しみであります。
306魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/09(月) 21:33:49.17 ID:1Xu3VOzr
>>305
ありがとうございます。
励みになるです。

さて、最近なのですが、魔法少女プリティーベルなる漫画があることを知りました。
これも35歳の暑苦しいオッサンが魔法少女になって、さらに出てくる女の子がエリちゃんというなんとも拙作と共通点の多い作品なのです。
でも、魔法少女に変身するオッサンは女性化せず、むさ苦しくてマッチョなオッサンのまま魔法少女の格好になります。
でもこのマッチョなオッサンがかっこいい。
もし機会あれば是非読んでみてください。
307名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 01:03:19.22 ID:8hbwKBOv
何年か前に壁からちんこ生えて普通の男がちんこ舐めるごとに
徐々に女性化していくって話があったけど
もう読めないんかなー
あれは最高だった
308名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 01:35:09.64 ID:pT0W+a8s
>>307
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=35291
たぶんこれのことだな
旧支援所のサーバトラブルで消えた奴だが、この通り作者がpixivに再掲してたよ
309名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 16:34:23.50 ID:8hbwKBOv
>>308
ありがとうございます!!
310TSダンジョン:2011/05/10(火) 17:49:55.29 ID:mM+pS55F
>>176の続きです。

→7)嫌な予感がする。扉を閉じて、部屋を出る

 後ずさりしながら急いでクローゼットの扉を締めた君は、床の段差に気づかず、つまずいて転んでしまった。

 ──ゴチン!

 盛大にひっくりかえり、後頭部を石の床に打ちつけた君は激しい痛みとともに目の前が暗くなっていく。
 馬鹿な! こんなトコロで死んでたまるか!!
 必死に自分にそう言い聞かせている君だったが、現実は無情。転んで後頭部挫傷で死亡という不名誉な死に様をさらすことになったのだが……。

 ……ふと気がつけば、君は暗くて狭い場所に寝かされていた。カプセルのようなものに横たえられているうえ、どうにも息苦しい。
 まさか棺桶に入れられたが、実は仮死状態だったため、運よく生き返ったのだろうか?
 墓に埋葬されていないことを願いつつ、力いっぱい目の前の蓋らしきものを押してみる。
 蓋はかなり重かったが、どうにか動かすことはできた。大きくこじ開けて、棺桶(?)から外に出る。
 君が寝かされていたのは、やはり棺桶だった。しかし、ドラキュラが眠るような十字架のついた八角形のソレでも、和式の白木の箱でもない。
 金箔と鮮やかな色に彩られた人型を模したような棺。君は、それをテレビのピラミッド特集などで見た記憶があった。
 まさか……嫌な予感を覚えつつ、自らの身体を見下ろすと、裸のまま包帯でぐるぐる巻きにされている。どうやら、あの場で死んだ君の魂は、ミイラの一体に入りこんでしまったようだ。
 とはいえ、よくある皺くちゃの死体ではなく、この身体は自由に動かせるし、肌の色艶なども普通の人間に見える。しかも……。
311TSダンジョン:2011/05/10(火) 17:50:28.78 ID:mM+pS55F
 ──ムニュッ!

 全身の包帯を解いた君の視線の先──胸部には、見事な小山がふたつ鎮座している。そう、君が入りこんだミイラは女性、それも20代半ばの女盛りで亡くなった女王だった人物のものらしい。

──残念! 君の男の子人生は終わってしまった!


 しかし、身体の素性を自覚した途端、君の頭の中に、知るはずのない砂漠の女王アハメスの生前の記憶が甦ってくる。
 もしかして、脳に記録された経験を読みとっているのだろうか?

 小一時間後、君は君としての自覚を保ちつつ、アハメスとしての膨大にして深遠なる知識も手に入れていた。
 背筋がしゃんと伸び、全身から比類ない威厳と妖艶な色香があふれだす。
 君の朱い唇が、もはや現代では失われた古代語で呪文を紡ぐと、玄室の四方に置かれた棺からアハメスの忠臣たちのミイラが甦り、君の足元に恭しく跪く。

 彼らの生死を越えた忠義に満足した君は、別の呪文を唱える。すると、4体のミイラ達はたちまち生前、それも最盛期の姿を取り戻した。

 ──無敵の戦士にして女王の愛人たるムスタファ
 ──神算の智謀を称えられた軍師にして宰相イルダナフ
 ──森羅万象の知識と魔術に通じる神官アクス・レヴィ
 ──異国の踊り子にして忠実無比なる女官長メイロン

 彼らの助けがあれば、この地に再び我が王国を築くことも造作もないだろう。

 数年後、君は「再臨せし女王」と呼ばれて、かの異世界のおよそ半分を手に入れ栄華の限りを尽くすこととなった。

[END_No.02:世界をこの手に]
312TSダンジョン:2011/05/10(火) 17:50:59.20 ID:mM+pS55F
→8)せっかくだから、中を探ってみる

 小部屋ほどもあるウォークインクローゼットとは言え、中の大半は衣裳箪笥として機能しているようだ。
 色とりどりのドレスや、ボディスやチュニック、コルセットといった、ファンタジー風世界にふさわしい衣裳に混じって、チャイナドレスやバニースーツ、看護師服といった、場違いなコスチュームが混じっているのは、なぜだろうか?
 今着ている体操服&ブルマーのことも併せて考えると、どうも日本の文化を誤解されているような気がしたが、突っ込んだら負けだろう。

 脱力しつつ衣裳をかき分けていると、その後ろの壁の色が周囲と違うことに気付いた。
 慎重に手を当てて押してみると、忍者屋敷よろしく壁に大きな穴があき、中には遙か上方へと続く縄梯子がぶら下がっている。ご丁寧にも、「↑地上へ」と張り紙がしてあった。
 罠だろうか? しかし、それにしてはわかりやす過ぎる気もする。
 しばし葛藤したものの、あなたはいを決して縄梯子を登ってみもることにした。

 10数メートルばかり登ったところで、ようやく上のフロアへの出口に辿り着いた。本当にココが地上ならよいのだが……。
313TSダンジョン:2011/05/10(火) 17:51:20.90 ID:mM+pS55F
 扉を開けて出たところは、ゴシックな雰囲気のインテリアに囲まれた部屋だった。
 窓の外に見える光景からすると確かに「地上」ではあるようだ。もっとも、窓ガラスはすべて嵌め殺しで、念のいったことに窓の外には太い鉄格子まで設けられている。
 ほんの少し部屋のドアを開けて廊下を覗いてみたところ、どうやらかなり広い屋敷の中のようだ。君が虜囚の身であることに変わりはないらしい。

 君が、このまま屋敷を探索するなら9)へ、元いたダンジョンに戻るなら、>253の6)へと進め。

※というわけで、「ファンタジー風ダンジョン冒険物」に加えて、「ホラー風味洋館探索物」的な選択肢も用意してみました。
314名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 17:57:28.73 ID:gldPLggx
なんかこういうゲームブックみたいなの流行ってんの?
ぶっちゃけ楽しんでるの書いてる本人だけだから
スレストしてんのわかんねーかな・・・
315名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 18:12:21.36 ID:skyOX1kk
エロ書きませんて豪語してるのよりは遙かに良い
316名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 20:11:18.72 ID:TfUQECnB
エロくないと嘆くなら
自らエロくすれば良い
それがリレー形式
317名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 21:16:14.81 ID:RPFHyFx8
俺はこういうの好きだけどな
318名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 21:46:22.12 ID:xEp2WaIS
同じくこういうの好き
短編で軽く読めるし適度にエロいからね
319名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 22:16:24.97 ID:ckPrwz/Q
俺も結構参加型好き
ツリー形式だと分岐とかもわかりやすくて良いんだが
なかなかそういう場が無くてね
320名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 22:22:30.63 ID:bbbEPQKa
ツリー形式とかだったら、
普通にSKNさんのブランチタイムに行けばいいのでは?
321名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 22:26:05.49 ID:DebedJAl
いかにも勧誘…なんか悲しくなってきた。
322名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 22:30:16.32 ID:MZFBnH3l
…おぬしらの言わんとしてる事がよくわからんでござる……
参加型だろうが 個人の長編だろうが
等しく強制女性化小説は増えているでござる!!
323名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 23:13:57.68 ID:XCRqQteu
>>322
言葉を弄して一般化しようとしてるけど、
結局言ってる事は「俺のチンコが反応しねえ」というだけの事だ
俺もシチュエーションだけだとヌけないのでまあ、何だ、自分で書こうかなという所だな
324名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 23:15:20.59 ID:kSxBCOg7
抜けないなら自分で書けばいい
しかし自分で書くと抜けないという噂もあってな…
325名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 23:24:01.15 ID:MZFBnH3l
>>323
他所のスレで見かけたコレが気に入って言い回しを真似たのでござる
ttp://blog-imgs-24-origin.fc2.com/e/l/o/elog200/badtrippun_006.jpg
326名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 23:32:21.90 ID:bbbEPQKa
まあ、勧誘と言うか宣伝と言うか、その類から粋を出ない書きこみで悪いけどさ
リレーとか流行ってるんじゃないかな? 
ブランチタイムの他にINQUESTでもリレーものが新しくコンテンツ出来たしね。
327名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 00:53:38.02 ID:7nFudeze
エロなしのSSを延々と投下されるよりかはマシだな。
328名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 01:14:08.19 ID:3QeVeY6W
何も書かずに文句だけグダグダ垂れ流す奴より数百倍はマシ
329名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 01:16:19.08 ID:aCU4v6KR
流れ無視ですまん

>>325
なにこれ
ワロタ
330名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 13:28:05.10 ID:VdttV1Ig
なんにせよエアリィよりはマシ
331名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 13:47:18.81 ID:bzO5bHlU
まーたこの流れかよ。
332名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 16:05:50.83 ID:fqm5qtkq
支援所で思った通りに荒らせ無かったから
こっちで憂さ晴らししてんじゃね?
333名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 18:49:24.53 ID:4EtaiNeM
なるほどな
334名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 22:16:34.00 ID:yi+dRb4N
支援所カオスになってきてるからなぁ・・・
335名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 22:48:16.38 ID:XnjRlBpN
エロパロ板なのにエロなしっていうのもなぁ
336名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 23:29:33.39 ID:ayWPbzBj
エアリィは今回の更新でエロ展開フラグあったじゃない
337名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 00:42:46.33 ID:3ShVwPej
まあでも割とよくあるよね、エロなし、つかエロの手前で止まってる作品
ああ賢者になっちゃったんだなと思ってるけどさ
338名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 00:49:26.09 ID:f34quMPE
エロパロ板でエロ無しってローカル違反じゃね?
339名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 01:11:58.79 ID:7RORw8DM
pixivで一時はやったシークエンス物が好きだったんだが、最近はとんと見掛けないな。
と言うかネット上のTS作品新作群が順調に減ってるような気がする今日この頃
340名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 02:05:54.76 ID:KinqU1NT
>>336
最初は読んでたけど長編すぎてもう読んでないっていう
エアリイはエロパロ板じゃなくてもやっていけると思うんだがなあ
341名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 07:16:30.26 ID:kh+GOP4W
>>340
お前がいい作品を投下すればいいじゃないか?文句だけなんて嫌われるぞ♪
342名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 07:54:16.93 ID:zRWHzcZ3
なんでお前らエアリィ嫌いってはっきり言わないんだよ
吐いて楽になっちゃえよw
エロパロにエロなきゃただの自己満足小説だというのに早く気づけよ

でも俺はエアリィ大好きですw
343名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 08:24:01.24 ID:im2FYUU/
普通にNGしてるから
本来ここに投下される作品じゃないけど荒れるの嫌だから今まで何度か話した結果そう落ち着いた

>エアリィ作者
黙認されていると思ってるんじゃないよ
邪魔だけどスルーで我慢してもらっているんだよ
344名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 08:46:50.66 ID:UYOIWwX2
エアリィか…途中で作者も別のところで投稿しようと思ったみたいだけど、ここで話し合って現状維持みたいになったんだよな。

作者自身も分かっているだろうけどもはやここまできたら最後まで突っ走ろうと考えてるんしじゃない?
だからテコ入れかなにかわからないけどエロ入りの外伝みたいな話も投稿してるし。
345名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 10:14:34.33 ID:9CexbhtP
>>338
違反ではないけど、物足りないのは確か。
346名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 11:25:42.14 ID:4Sa8pKDM
俺もエアリィは作品はスルーだな
最近の作者レスとか気持ち悪いから本音言うともう出て行って欲しいが
347名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 12:33:17.55 ID:D4KY20k5
ここ作者と読み手の比率どんくらいなの
348名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 12:35:24.85 ID:P5WshNlr
>>347
やっぱり読み手のほうがおおいんじゃね?
349名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 13:31:44.06 ID:i2WynC5S
「作者」「読み手」の範囲にもよるんじゃね。

このスレ限定なら読み手の方が絶対に多いだろうけど、他スレや自サイト
pixivからチラシの裏までとにかく何でもいいから創作した事がある奴って
定義なら相当数いるだろうし。
350名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 15:07:48.11 ID:vKpGTTTa
なんていうか、このスレが廃れる理由がよくわかるわ
最近の流れ見てると
351名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 17:00:41.86 ID:kVepAcTC
ss系スレの9割が廃れてるな
色んな創作系サイトができたのも理由の一つだと思うが
352名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:25:13.32 ID:P5WshNlr
>>346
もし、やっぱりエアリィがスレの趣旨に合わないなら、追い出してみる?
353名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:31:10.18 ID:f/j1TWna
偉そうにw
そういう下種なことしか出来ないアホがでてってくれよ
354名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:42:06.60 ID:P5WshNlr
>>353
だってみんな望んでないならこのスレに必要ない作品ってことじゃないの?
355名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:49:04.98 ID:kh+GOP4W
>>354
またお前か(・∀・)そうそう何度も同じ手が通用すると思うなよ♪
356名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:52:58.43 ID:P5WshNlr
>>355
またおまえかって、俺は今までずっとROM専門だったんだが
みんなは正直どうなん?エアリィいらないんじゃね?
いらなかったら然るべき場所にご移動願ってだな
そうしたほうがスレ的にも作者的にも幸せじゃね?
357名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 18:57:42.20 ID:LF0tg6yg
興味なければスルー
それでおk
358名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:05:33.71 ID:f/j1TWna
スレにいらないのはお前だ、
その程度も判らないほどアホなのか?
お祭りがしたのならもっとお祭り好きの
糞が集まる場所にいけよ。誰も止めないからさ
359名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:09:18.35 ID:P5WshNlr
>>358
だってさ、さっきからみてるとエアリィ邪魔とか見てないとか作者キモイとかばっかりだろ?
そんな駄作なら一話が無駄に長いしない方がスレの容量を節約できていいんじゃね?
360名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:16:29.30 ID:BqxY6s1q
>>359
よう嵐、お前がスレを潰したい理由が知りたいな
361名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 19:16:55.35 ID:4di2Nlzd
>>359
コイツ何様だよ・・・
362名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 20:04:58.30 ID:YKFEIBbc
【スレが荒れたときの対処】
◇荒らしは、自分の書き込みに対するスレの反応を楽しみます。
◇荒らし煽りはスルーが原則。
◇本人の意図に関わらず、荒らしに反応しているレスもその一部です。
◇荒らしに議論を仕掛けることは、スレの荒廃を招くだけです。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。
◇状況が目に余るときは、やんわりとこのテンプレを示す。
◇コピペ荒らしやブラクラなどの書き込みは削除依頼を。
◇趣向が合わないと思った書き込みはスルーすること。自分の好みに他人を従えようとすれば、スレは荒れてしまいます。
363名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 20:19:19.08 ID:r0Ryp3ms
女体化して精通すらしてない幼女になったら成長過程と同時に精神も女体化してしまう可能性があるから注意が必要だな
364名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 20:59:38.01 ID:4di2Nlzd
>精通すらしてない幼女
???
365名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 21:15:05.63 ID:MIdEHoah
ふたなりょぅι゛ょですね
366名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 21:35:39.29 ID:oGO4dalW
なんだ?この流れw
まあ、俺はエアリィ好きだし、これからも投稿してほしい。
あまり外野に惑わされずこのまま最後まで突っ走っていけばいいと思うよ。
いやならNGすればいいし
367魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/12(木) 23:43:00.63 ID:tdTJYrxE
あの・・・なんだか私の作品に関していろいろ議論されていますが・・・
第十六話ができたので、お風呂入って頭落ち着かせてから
内容再確認して投下したいと思います。

では、しばらくお待ちくださいませ
368名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 23:54:33.60 ID:4Sa8pKDM
>>367
タイミングくらい読めよKYだな
やめろやめろ、投下は別の前全年例のところでやってくれここはPink
369名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 00:01:38.89 ID:5qG8xFX+
>>367
とりあえず投下を急ぐんだ
話はそれからだ
荒らしはスルーが原則
粛々と投下あるのみだ
俺はいつでも待っている
370名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 00:11:05.87 ID:s1PHbE27
■暫定ローカルルール
最近マナーの良く無い発言が目立ち、荒れる原因となっているので、暫定措置としてこのスレにおいては、次のローカルルールを適用します。

※SS投下・妄想ネタ・TSF情報・ポジティブな感想・GJ以外は、全て議論スレへ。
※作者、読者ともマナーを守って進行していきましょう。
※次スレ立ては>980、若しくはスレッド容量480KBを目安に。
※容量が危ない時は、作者様は極力次スレに投稿していただきたいです。ご協力をお願いいたします。

【注意】
◇以下の事を守れない人はどんな人であっても荒らしです
◇強制女性化でも萌えは各人各様。好みが異なる人ともマターリ共生を。

【スレが荒れたときの対処】
◇荒らしは、自分の書き込みに対するスレの反応を楽しみます。
◇荒らし煽りはスルーが原則。
◇本人の意図に関わらず、荒らしに反応しているレスもその一部です。
◇荒らしに議論を仕掛けることは、スレの荒廃を招くだけです。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。
◇状況が目に余るときは、やんわりとこのテンプレを示す。
◇コピペ荒らしやブラクラなどの書き込みは削除依頼を。
◇趣向が合わないと思った書き込みはスルーすること。自分の好みに他人を従えようとすれば、スレは荒れてしまいます。
371名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 00:15:41.48 ID:/yAgK0zE
>>368
なんだ、さっきの荒らしもお前だったんだな。
キモイとか邪魔とかいってるの全部お前一人だろ
372名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 01:15:54.21 ID:yTsvTnwN
で、結局投下せずに逃げたということでいいのか
やれやれ・・・
373魔法少女キューティエアリィ第十六話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/13(金) 01:17:05.77 ID:wtgEaBvL
さて、お風呂とストレッチも終わってさっぱりしたエアリィさんですが・・・
これから第十六話投下始めますよ。

以下の注意事項を確認のうえ閲覧ください。
なお、今回のボリュームは16レスくらいになりそうです。

※注意
・今回もエロ地区内です。(エロ番外編のほんのちょっとだけ伏線あります。)
・TSあります。
・ちょっと鬱展開あります。
・台本形式です。

これらが苦手な方はNG指定してくださいませ。

では、本編スタートします。
あの一件以来エウロパ、ミーヤ、そしてイオが出てくることはなかった。
しかし、時々無獣は出現していた。
彼女たちは何度かの無獣退治により臨機応変な連携攻撃ができるようになっていた。

ブゥゥン!
エアリィ「ひゃっ危ないぃぃ!!来たよフレアー!!」
エアリィは無獣を避けつつ縦横無尽に飛び回り、フレアーのいる場所まで無獣を誘導してきた。

迫りくる無獣に対して仁王立ちで待ち受けるフレアー。
無獣は微動だにしないその姿を見て嬉々として打撃を加える。
その攻撃は直撃するも意にも介さないと言ったようにフレアーはびくともしなかった。
何事もなかったように無獣を弾くフレアー。

フレアー「待ってたよォォ!よぉぉし!これで終わりだぁぁぁ!!!」
ズッドッォオオオオオン!!

フレアーはフレアーサイズを振るい、無獣に叩きこむ。
彼女らの何十倍の大きさの無獣はフレアーの打撃で昏倒。

フレアー「あとは頼んだ!」

アクエリィ「ええ、わかりましたわ!」

アクエリィ「アン レポンセ ア モナペル、フォルメズ ユヌ イマージュ・・・
(我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・)オンディーヌヴェルソウ!」
アクエリィが叫ぶと手にしているアクエリィフュエが光りながら形状を変える。

アクエリィ「サダルスウド!」
サダルスウド「わかった・・・ホールド!座標x3439y226z32!無獣を固定化!」

アクエリィ「アクエリィ!アルカンシエル!!」
アクエリィが鞭を下から上へ振り上げ、さらに弧を描くように振り下ろす。
ヒュン!
周囲から水のアーチがいくつも立ち上り無獣へ突き刺さる。

パキキキキ・・・パキパキパキィィン
グギィィ・・・グァァァァァ!!!

無獣は自身の異変に気が付き逃れようと、もがく。
しかし逃げることは叶わず無獣はそのまま粉々に砕け散った。
後に残るは虹色に輝くアーチ。

その様子を見てエアリィとアーシィは二人の下へ駆け寄った。

エアリィ「アクエリィ!フレアー!やったね!」

アクエリィ「エアリィが無獣をスピードで翻弄してくれたのも良かったと思うわ。」

アーシィ「またまたぁ。以前のあなたなら、私の邪魔しないで!って怒鳴っていたのにねぇ。」

そしてウィッチーズスペースが解かれていく。
375名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 01:18:20.13 ID:yTsvTnwN
>>373
あんたダサすぎるからもういいよ
苦手な方はNGってそういう人が大半な中スレ埋めてるって自覚あるのねえ?
灯莉「そうなんですか?」

絵梨「そうそう、ずっとツンツンしてたよ。」

萌波「か、からかわないで頂戴。」

明日美「あ、真っ赤になってる。」

灯莉「ふふふ。いいですね・・・みなさん仲良くって。」

絵梨「それにしても灯莉ちゃん、最近戦い方が上手になってきたね。」

灯莉「そ、そうですか・・・?あの、必要以上に力を入れないようにしているからでしょうか。
それに、フレアーサイズの鎌を出さなければ陰の魔力の増大も防げるようなんです。」

明日美「さてと、ちょっと発生者のこと助けてくるわね。
萌波、一緒に行こ。」

萌波「ええ。」
明日美と萌波は二人並んで無獣が消失した場所へと歩いて行った。

絵梨「ふふ、あの二人最初はかなり険悪だったのに・・・
オジサン感慨深いよ。」
絵梨はおどけるように泣く真似をしてみせた。

灯莉「クスクス・・・おじさんって・・・絵梨さんって面白いんですね。」

絵梨「あれ?おかしいなぁ。言ってなかったっけ?
私、38歳のオジサンだよ?」

灯莉「え?ええ?ごめんなさい・・・私ユーモアセンスなくって・・・
絵梨さんの言っていることが理解できないんですが・・・」

灯莉は絵梨の言うことに全く理解できないと言ったように疑問符を大量に浮かべていた。
それもそのはず、彼女は絵梨の本来の姿を一度も見たことがなく、
本来の姿のことを誰も口にしないため絵梨=大樹ということを知らなかったのである。

絵梨「あはは。冗談じゃないよ。実際に見る方がいっか。
じゃ、証拠見せるね・・・っと・・・この服で元に戻ったら大変なことになるね。」

そう、今の彼女の姿は144cmの身長に合ったガーリーファッションのため、
そのままの格好で176cmの大樹の姿に戻るといろいろと問題があった。

絵梨「ちょっと待っててね。着替えてくるから。」

灯莉「あ、絵梨・・・さん・・・行っちゃった。
どういうことだろう?オジサン?年上がタイプってこと?でもなんでそんなこと?」
そして発生者の介抱を終え、二人が戻ってきた。

明日美「あれ?絵梨は?帰っちゃった?」

灯莉「えっと・・・その・・・着替えてくるって言ってました。」

萌波「?もう戻るのかしら。」

少しすると遠くから大樹のスーツを着た絵梨が戻ってきた。

絵梨「ごめーん、ちょっと遅くなっちゃった。
やっぱりこの格好だと歩きにくいなぁ。」

萌波「ぷっ。何の冗談かしら。その格好。
灯莉さんが驚いているわよ。」

絵梨「えとね、よくよく考えてみたら私の本当の姿を灯莉ちゃんに教えていなかったなぁ
と思って、実際に目の前で元に戻ってみたらわかるかなーって。」

明日美「なるほどねぇ。それで着替えてきたと。
ふふふ、確かにさっきの格好で戻ったらやばいよね。」

絵梨「でしょ?」

灯莉は何の話をしているのか分からないといった様子で目を白黒させていた。

絵梨「さて、灯莉ちゃん、今から戻るけどびっくりしないでね。
っと・・・周りに誰もいないよね・・・」
キョロキョロとあたりを見回し、人がいないことを確認する絵梨。
そして確認が終わると絵梨は大きく深呼吸をしてから、
灯莉に向かってパチリとウィンクをして見せた。

絵梨「れでぃーすえんどじぇんとるまーん!えりりんショーの始まりよぉん。
タネも仕掛けもございませ〜ん。」

明日美「えりりんショーって・・・それにジェントルマンいないし。」

絵梨「いいのいいの細かいこと気にしなくって。
それにジェントルマンはこれから私がなるんだし。」

絵梨は首のハーティジュエルに手を翳した。
絵梨「リリース!」キューーーン
絵梨の体がピンク色の光に包まれ、徐々に体が大きくなり、体の線が太くしっかりしてくる。
灯莉「え?ええ?」

絵梨の体が完全に大樹になると光は末端から拡散して大樹の姿が見えるようになっていった。

大樹「ふぅ・・・灯莉ちゃん、これが本来の姿、西田大樹38歳、既婚で子供が一人います。
びっくりした?」

灯莉「・・・」
思わず絶句する灯莉。
どうしたらよいか分からず口がパクパクしていた。

明日美「だ、大丈夫?」

灯莉「お、男の人になった・・・へ・・・へんたい!?」

大樹「灯莉ちゃん、お、落ち着いて。
大丈夫だから、俺、変態さんじゃないから!」

萌波「ある意味変態かもしれないわね。」

灯莉「ひっ・・・」

大樹「こらぁ!萌波!誤解を生むようなことを言うなぁ!
趣味で女の子になっているわけじゃないから、ね?」

明日美「まあほとんど趣味みたいなものじゃないの?」

大樹「あ、明日美も!」

そのあと大樹が灯莉に近づくと後ずさり、話しかけると小さな悲鳴。
そのような状態だから、なだめすかして話を聞いてもらうのに一苦労であった。
なんとか大樹が魔法少女になった経緯を詳しく、間に二人の茶々を交えつつ(主犯は萌波だが)
やっと灯莉に理解してもらえたようであった。

大樹「はぁはぁ・・・理解してもらえた・・・かな?」
萌波「いいわよ、灯莉さん、変態の言うことなんて理解しなくって。」
大樹「もうやめてくれよ〜変態言うの〜。」
灯莉「ご、ごめんなさい・・・理解できました。
私、あまり男の人と話したことなくって・・・」
大樹「ごめんな・・・なるべく灯莉ちゃんの前では絵梨でいるようにするよ・・・」

灯莉「だ、大丈夫です!西田さん・・・その・・・優しそうだし・・・
ちょっと話やすいし・・・絵梨さんだと思えば!」
大樹「そうかい?ありがとう。
あ、あと俺のことは大樹って呼んでくれて構わないよ。」
萌波「変態、でも構わないらしいわ。」ボソ

すかさず茶々を入れる萌波。
その姿は以前のような刺々しさはない、その表情は少し嬉しそうだ。
その柔和になった表情を見るから大樹は怒るに怒れない、
まるで父親をからかう娘を見る父親のような本当に父親になった気分になるのだった。

大樹「いいかげんにしてくれぇ。」

灯莉「は、はい、大樹・・・さん・・・これからよろしくお願いします。」

大樹「ははは、こちらこそよろしく。」

大樹「あ、そうそう明日美、ちょっと相談なんだが・・・」

明日美「どしたの?」

大樹「実はな・・・最近みゃこのやつがどうも元気なくって・・・」

明日美「美夜子ちゃん?また風邪でも引いたの?」

大樹「いや、体の方は大丈夫そうなんだが・・・どうも精神的に参っているみたいでな。」

明日美「ああ、そう言えば塾でも元気なかったわね。」

大樹「だろう?そこでだ・・・今度の土曜日にでも久しぶりにうちに来ないか?」

明日美「あ、じゃあもうすぐバレンタインだしチョコ作りに大樹んちに行こうかな。」

大樹「おお、いいぞみゃこは食い物のことになると元気になるしな。
是非一緒に作ってやってくれ。」

明日美「何言ってるの?あなた・・・この場合は絵梨ね・・・絵梨も一緒に作るのよ。」

大樹「ははは・・・絵梨もねうんうん・・・え?えーーーー!?なぜ!?」

明日美「あなた、明人さんになーーんにもあげないの?
ちょくちょく会ってるんでしょ?」
灯莉「明人さんって?」
萌波「そこの変態が好意を寄せてる男子高校生らしいわ。」

大樹「そこっ!誤解を生むようなことは言わない!」
変態という単語に敏感に反応し、萌波をビシッっと指摘する大樹。

萌波「くすくす、人を指差さないで頂戴。」

大樹「こほん・・・で、だ・・・なんで俺が明人にチョコを・・・」

明日美「だって絵梨の時には明人さんにいろいろとお世話になったりしてるんでしょ?
じゃあ、感謝の気持ちとしてあげた方がいいわよ。それに・・・」
耳元に明日美が近づいて大樹に囁く。

明日美「きっと明人さんも絵梨からのチョコ待ってるわよ。」

その言葉に何故か顔が真っ赤になる大樹。

大樹「そ・・・そう・・・だな・・・感謝の気持ちとしてなら全然違和感ないよな。
うん、そうだ。それに俺が渡すわけじゃないしな、絵梨が渡すんだし。うんうん。」

明日美「決まり・・・ね、じゃあ今日塾で美夜子ちゃんに話してみるわね。
そうだ、あなた今日塾どうするの?」

大樹「今日は休むよ。最近仕事と無獣退治で帰りが遅かったからな。」

明日美「そ、でもあんまり休まないようにね。」

大樹「ああ、次の塾には行くから。」

大樹「っと、じゃあ俺もう帰るから。
詳細は追って連絡するから。」

明日美「わかったわ。」
大樹は身なりを整え、カバンを小脇に抱え自宅の方へ走っていった。

灯莉「くすくす、大樹さんって・・・面白いですね。」
萌波「そうかしら?私にしてみたら変態にしか見えないのだけれど。」
灯莉「そんなこと言っちゃ悪いですよ。何て言うか、年頃の女の子の気持ちもわかって、
父親的な寛容さもあって、いつでもまっすぐで・・・」

萌波「確かに、そう言ったところがあるのは認めざるを得ないわね・・・」

明日美「そうね、あたしたちを繋いだのも結局は大樹の力が大きいもの。」
もうすでに見えなくなったが、大樹が走り去っていった方向を見て呟いた。
第十六話「Past!大丈夫、お父さんがついているから。」

そして土曜日いつもの駅前カフェ・・・

明日美「大樹お待たせ。」

大樹「よう。俺もさっき来た・・・ところ?ってなんで萌波と灯莉ちゃんがいるんだ?」
明日美の後ろでいかにも尊大な態度で立っている萌波、
モジモジしながら顔を赤らめて明日美に隠れる様にしている灯莉。
灯莉の方が萌波よりも背が高いはずなのに萌波の方が大きく見えるのは、
態度の大きさの違いからだろうか。
非常に対照的な二人である。

明日美「だって、二人だけ除け者なんてかわいそうじゃない。」
萌波「私は別に行かなくてもいいって言ったのだけれども・・・」
灯莉「あの・・・私もお邪魔してしまっていいんでしょうか・・・」
明日美「まぁまぁ。」

大樹「ちょっと明日美いいか?」
明日美だけを呼びつけ、耳元で囁く。

大樹「俺は別に構わんのだがな、面識のない二人がみゃこと会っても気まずいだけじゃないのか?」
明日美「ああ、その点は大丈夫、この前の塾の時に美夜子ちゃんに話して、ちゃんと何回か会ってるから。」
大樹「そうか・・・じゃあまあいいか。でも、アキちゃんとトモちゃんも来るぞ?」
明日美「まあ大丈夫じゃない?アキちゃんトモちゃんはあたしと面識あるし。」
大樹「そうか。」

明日美「そろそろ絵梨になって。もう行かないと約束の時間に遅れちゃうわ。」
大樹「わかったよ。ちょっと待ってろ。」
大樹は着替えの入ったバッグを持って化粧室へ行った。

しばらくして絵梨が戻ってきた・・・

絵梨は、小さな花がらをあしらえたサーモンピンクのチュニックにシフォンスカート、白タイツ
そしてロングカーディガンの姿で現れた。

明日美「・・・なんでそんな気合入れてるの?自分のうちでチョコ作るだけなのに・・・
あたしなんて普通のワンピースとジーンズのカジュアルだよ・・・」

絵梨「え・・・そ、そうかな?そんなつもりなかったんだけど・・・」

灯莉「絵梨さん、カワイイです!」
萌波「・・・絵梨・・・あなた・・・犯罪的なかわいさなんだけど・・・」
萌波はジリジリと絵梨に近づいていく。

絵梨「ひっ・・・ちょ、ちょっとまって・・・」
萌波が一歩近づくごとに少しずつ後退。

萌波「ああ、もう我慢できない!絵梨!ちっちゃい!かわいぃぃぃぃぃ!!!」

絵梨「ひぃぃぃ!!!く、苦しい苦しいぃぃぃぃ!!離してぇぇぇえ!」

散々絵梨を抱きしめて振り回した挙句ようやく解放した。

絵梨「はぁはぁ・・・また・・・やられた・・・」

明日美「またって・・・前にやられたの??」

絵梨「うん・・・初めて会ったときにね。」

明日美「へぇ・・・意外。あの普段ツンツンした萌波がねぇ。」

萌波「コホン・・・ごめんなさい、取り乱したわ。」

絵梨「取り乱したってレベルじゃないでしょう・・・」

萌波「なんか言った?」

絵梨「いいえーなんにもークールな萌波さーん?」

明日美「ま、いいわ。そろそろ行きましょう。遅くなっちゃったわ。」
明日美たちはニヤニヤしながらカフェを後にした。

明日美「ところで、今日はどうやって家を出たの?」

絵梨「ああ、普通に仕事に行くって言ってね。」

明日美「ふーん・・・そう言えば絵梨として自分のうちに行くのは初めてよね。」

絵梨「あはは、まあ、家族がいる家には初めてかな?」

萌波「ということは家に誰もいない時には絵梨さんとして帰っているってことよね。」

絵梨「ま、まあ一回だけね。」
萌波「なーんでそんなことしたのかしらね。」

絵梨「大樹に戻るのがめんどくさかっただけだよぉ。
すぐにご飯食べてお風呂入ってすぐに寝たよ。」

萌波「別にそんな詳細聞いてないのだけれど・・・
何かやましいことでもあるのかしら?」

絵梨「ううう・・・萌波ってばいじわる・・・
ほ、ほらここが私のうちだよ・・・じゃなかった・・・
コホン、美夜子ちゃんのうちだよ。」

萌波「ごまかしたわね。」
灯莉「・・・ごまかしましたね。」

絵梨「い、いいのっ!
でも、自分のうちなのに呼び鈴押すのなんか変な感じ・・・」
ピンポーン

紗英『はーい』

明日美「あ、北島です。遅くなってすみませんでした。」

紗英『鍵開けるからちょっと待っててね。』ピッ・・・カチャン

ガチャ

明日美「おじゃましまーす。すみません、なんか大勢で押し掛けちゃって。」

紗英「いいのよー。あら、絵梨ちゃん、久しぶりね。元気だった?
すっごいカワイイカッコしてるじゃない。」
絵梨の姿をぱっと見た紗英はその気合の入った姿にうれしそうに感想を述べた。

絵梨「え、ええ。お久しぶりです・・・おかげさまで元気だけがとりえなので。」

紗英「そのカワイイ服は・・・やっぱりあげる相手がいる子は気合入ってるわね。」

絵梨「え、え、え?そんなつもりじゃないですよお。」

美夜子「あ、いらっしゃーい。
もうトモちゃんもアキちゃんも来てるよ。」
灯莉「お、お邪魔します。」
萌波「お邪魔します。はじめましてお母様。」
明日美の後ろで待っていた二人は挨拶をすると丁寧にお辞儀をした。

美夜子「まずはあたしの部屋でどんなの作るか話そうよ。」
5人は2階にある美夜子の部屋へ歩いて行った。

美夜子「こちらがあたしの部屋でーす。」

灯莉「お邪魔します・・・
わぁ・・・ぬいぐるみがいっぱい・・・」
美夜子の部屋は色とりどり、大小さまざまなぬいぐるみが所狭しと置いてあった。

美夜子「すごいでしょ、小さな頃から少しずつ集めたらいつの間にかこんなになっちゃった。」

美夜子「あ、紹介するね、同じ学校のアキちゃんとトモちゃん。」

アキ「どうも。」
トモ「はじめまして。」

灯莉「はじめまして。」
萌波「はじめまして。」

初対面である灯莉、萌波はそれぞれ自己紹介をした。

明日美「さて、バレンタインのチョコだけれども・・・どういうの作るか考えた?」

美夜子「うーんとね、トリュフチョコは定番でしょ・・・
板チョコに飾り付けたデコチョコもいいし・・・」

灯莉「あ、私はガトーショコラ作ろうと思います・・・」

アキ「すごーいケーキ作れるんだ。」
灯莉はその言葉に思わず頬を赤らめる。

萌波「では私は配布用にキスチョコでもたくさん作ろうかしら。」

みんな思い思いの考えを出し、楽しそうに一歩引いたところでその様子を眺める絵梨。

明日美「そこで暖かい目で傍観している絵梨は?」

絵梨「え?私チョコ作ったことないから、お手伝い要員になるよ。」

明日美「そんなんで、明人さんが喜ぶと思うの!?」
バンッと机を叩く明日美。
それに驚く絵梨。

絵梨「ううう、今日の明日美なんだか怖い・・・」
灯莉「作り方教えてあげますよ。一緒に作りましょう。
・・・そうですね・・・チョコロリポップなんてどうでしょうか。
ラッピングをかわいくすれば立派に本命チョコになりますよ。」

美夜子「絵梨ちゃん本命いるんだぁ。いいねぇ。」

絵梨「そんなんじゃないし友達ってだけだよ。
それに美夜子ちゃんに彼氏はまだ早いんじゃないかと・・・」

美夜子「えー・・・まぁでも当分彼氏はいらないかなぁ。」
絵梨「うんうん、そうだ、その通りだ!」

萌波「はぁ・・・なに力入れてるのかしら・・・」

美夜子「でもね、本命とは違うけど、
本命に近いのかな?どうしてもあげたい相手は決まってるんだ。」

明日美「へぇ誰誰?」

アキ「ああ、そっか。そうだよね。」

美夜子「絶対に笑わない?」

明日美「うん。笑わない。」

美夜子「んとね・・・お父さんとお母さん・・・チョコと一緒にあげるプレゼントもあるの。」

絵梨「え・・・」

トモ「家族チョコかぁ。それなら普通じゃない?あたしも一応パパにあげるし。」

美夜子「ううん、あたしにとってのバレンタインは特別な日なの。
だから・・・あげるチョコも特別にしたい。」

アキ「毎年がんばって手作りしてるもんね。」

美夜子「うん・・・言ってみればバレンタインはもう一つのあたしの・・・
ううん、あたしたち家族の誕生日でもあるから・・・」

明日美「?どういうことなの?あ、言いたくなければ言わなくていいけど。」

美夜子「ううん。別に隠すようなことじゃないからいいよ。
あたしね、8年前のバレンタインデーの時、この家に養子として来たの。」

絵梨「・・・・・・」

美夜子「4歳くらいから施設にいてね・・・
小学校に上がるくらいの時にお父さんとお母さんが引き取りに来てくれたの。」
明日美「そう・・・だったんだ・・・」

美夜子「最初は全然慣れなくてね。何カ月も口きかなかった。逃げ出したいとさえ思った。」

美夜子「あたしは、赤ちゃんのころから持っているクマのぬいぐるみしか友達がいないと思っていた。
まあ、それまで実際にそうだったんだけど。」

美夜子はぬいぐるみ群の中からクマのぬいぐるみを取り出してきた。

美夜子「これがそのぬいぐるみ。
結構汚れているけど今でも大切なあたしの友達。」

明日美「あら?左目が取れてる・・・」

美夜子「うん、最近取れちゃって・・・なぜか別のボタンを付けてもすぐ取れちゃうんだ。」

明日美「ふーん・・・変なこともあるものね・・・」

美夜子「それでね、このぬいぐるみだけ持って実際に逃げ出したの。
おかしいよね。お金もないし行く当てなんてないのに。」

美夜子「まあ、ちょっと困らせてやろうと思ったのかな?
もう今となっては理由なんて忘れちゃったけど。」

美夜子「んで、まあ6歳の幼児なもんだから当然迷子になっちゃって。
いつの間にか森の中彷徨っていて、おなか空いたけどどうしようもなくてフラフラしてたの。」

美夜子「そしたらね、崖って言うほどでもないんだけどちょっと高いところから落ちちゃって、
子供の力じゃ這いあがれなかったの。その時は子供ながらに死を覚悟したよ。」

美夜子「でもまあその時はこのまま死んじゃってもいいかななんてことも考えちゃって。」

美夜子「そしたら遠くの方からあたしを呼ぶ声が聞こえたの。
みやこーみやこーってそのうちに呂律が回らなくなったのかみゃこーになってたけど。ふふふ。」

アキ「それ以来みゃこなんだよねー。」

美夜子「あはは、うん、そうなの。
別に死んでもいいと思ってたから返事はしなかったんだけど、段々声が近くなって・・・」

美夜子「ふと上を見上げたら、泥だらけで傷だらけの顔が覗いていたの。
・・・お父さんだった。」
美夜子「その時はね、ああ、また連れ戻されるんだ、まだ死ねないんだなぁ。
なんて6歳の子供の癖にそんなこと考えてたのよね。」

美夜子「おかしいよね、ふふふ、まだ覚えているなぁ・・・
・・・ほっといてよ!死ぬの邪魔しないで、他人なんだからかまわないで!!
なんて憎まれ口をたたいちゃった。」

美夜子「そしたらね、頭をげんこつで叩かれた。
叩かれて、ああ、この人もあたしのこといじめるんだなぁなんて思ったんだけど。」

美夜子「お父さんにぎゅっと抱きしめられてね。

---泣かないで、大丈夫、お父さんがついているから。
---もう他人じゃないよ・・・家族・・・だよ。

ってお父さん泣きながら言ったの。」

美夜子「泣いているのはお父さんなのにね。
それで良く見たらお父さんの服はあちこち破れてて、破れたところから血が滲んでて・・・」

美夜子「そのまま泣いていたお父さんにぎゅっと抱きしめられていたら・・・
あたしまで涙が出てきて・・・二人で抱き合ったまま大泣きしてた。」

美夜子「泣き止んで落ち着いたころ、紗英さんは?ってお母さんのこと聞いたらね。
家で待っているよ。ってお父さん言ってた。」

美夜子「その時は一緒に探してくれてないんだ。ってがっかりしたんだけどね。」

美夜子「お父さんはあたしのがっかりした態度を見たんだろうね。
もし、美夜子が一人で帰ってきて誰もいないなんてことないように、
そしてきっとおなか空かせているだろうからとびきり美味しいご飯を作って待ってるんだよ。
って言ってた。」

美夜子「その話を聞いたら急におなか空いていたの思い出しちゃって。
二人でおなかの音鳴らして、今度は大笑いていた。」

美夜子「それで二人で帰って、そこで初めて”ただいま”って言ったなぁ。」

美夜子「だから、あたしのためにいつも一生懸命な二人のためにバレンタインチョコを作ってあげるの。」

絵梨「う・・・ぐすっ・・・みゃこぉ・・・ぐすぐす・・・」

美夜子「え?な、なんで絵梨ちゃんが泣いてるの?」

絵梨「こんなに立派になってぇぇぇ。
ううう・・・嬉しい、嬉しいよぉ。」
絵梨は感極まって美夜子に抱きついた。
美夜子「ひゃっ!?ど、どうしたの?」

明日美「あはは・・・この子感動屋さんだから・・・
萌波、ちょっと引きはがすの手伝って。」

萌波「はぁ・・・しょうがないわね。よいしょ。」

明日美「絵梨、ちょっとこっちきて。」
なんとか美夜子から絵梨を引きはがすと、絵梨を部屋の外にずるずると連れ出した。

明日美「絵梨ぃ・・・今のあなたは絵梨なのよ?
あそこでお父さんしてどうするの。」

絵梨「ひっっぐ・・・だってだって・・・」

明日美「まずは落ち着こう・・・はい、深呼吸。」

絵梨「すーーはーーすーーはーー」
絵梨は大げさな手振りで深呼吸した。

明日美「どう?落ち着いた?ほら涙拭いて。」

絵梨「う、うん。ありがとう。」

明日美「さ、落ち着いたら部屋戻ってチョコ作っちゃお。」

絵梨「うん。」

そして彼女たちはチョコ作りを始めた。
みんな思い思いのチョコレートを作り、時に失敗をした。

灯莉の手際の良さに皆で感心して。
絵梨のチョコ作りを冷やかして絵梨は真っ赤になったり。
そのドタバタ加減に最初はクールにしていた萌波もいつの間にか、
皆と同じような顔で笑うようになっていたり。
味見のしすぎで美夜子の材料がぎりぎりの分量になってしまったり。

その時間は至福の時間、キッチンはずっと笑い声が絶えなかった。
そして、あっという間に時は過ぎて行った。
美夜子「はぁ・・・何とかできた。」

絵梨「こんなので喜んでくれるかなぁ・・・」
少し形の崩れたチョコの姿を見て少し肩を落とす絵梨。

明日美「大丈夫だって、心がこもっているのは伝わるよ。
これで明人さんのハートはゲットだよ!」
絵梨「なっ!そんなんじゃないってばぁぁ。明日美しつこいぃぃ!」
美夜子「あははは。」

アキ「でも、灯莉さんって料理上手なんだねぇ。」
トモ「うん、手際も良くってね。あたしも料理は得意だと思っていたけど・・・灯莉さんは別格だわ。
いつも料理してるの?」
灯莉「そ、そんな上手なんてことないですよ・・・
でも夕食は毎回作っていますけど・・・」

明日美「それに比べて萌波にはビックリしたわ・・・はぁ・・・」
萌波「なんですの?ちょっと手際が悪くたってちゃんとできたでしょう?」

明日美「大体ね、キスチョコ作るだけなのに・・・
なんでボウルが爆発するのよ!」
頭を抱えて明日美は呆れていた。

萌波「知らないわ。ボウルになにか問題があったんじゃないのかしら。」

明日美「そんなわけないじゃない・・・」

絵梨「完璧だと思った萌波も意外な弱点発見だね。」
萌波「え、絵梨には言われたくありませんわ。」
灯莉「あははは・・・」

明日美「さ、後片付けしましょうか。」

明日美、灯莉、トモはてきぱきと協力しながら片づけ、
その姿を見て絵梨と萌波は手伝おうとするが、
邪魔者扱いされて隅に追いやられた。

美夜子は最初みんなと片付けをしていたのだが、
戸棚にあるクッキーを見つけて食べようとしてアキに止められたり、
床下収納にあるおせんべいを見つけて食べようとしてアキに止められたり、
冷蔵庫にある昨夜の残り物を食べようとしてアキに止められたり、
しまいには出来上がったチョコを味見しようとして全員に全力で止められたりしていた。

アキ「もう!みゃこったら!どこの欠食児童ですか!」
美夜子「ううう、だってぇおなか空いたんだもん。」
絵梨「ふふふ。相変わらずだなぁ・・・」
紗英「あらあら、みゃこったら。
片付け終わったらケーキがあるからね。」

美夜子絵梨「「やったーーー」」

美夜子「くすくす。絵梨ちゃん。あたしとおんなじだね。」

絵梨「あははは・・・思わず叫んじゃったよ・・・あははは。」

萌波「似たもの親子・・・」

美夜子「え?もなちゃん、なんか言った?」

萌波「ん?いいえ、なんでもないのよ。」

最後まで大騒ぎしていた片付けも終わり、
一段落したので皆でお茶とケーキを食べ、その場で解散した。

明日美「では、お邪魔しましたー」

紗英「はい、楽しかったわ。またきてね。」
バタン

明日美「ふぅ・・・美夜子ちゃん元気になったみたいね。」

絵梨「うん、ありがとね・・・」

明日美「でも・・・美夜子ちゃんと血が繋がっていなかったなんて・・・」

絵梨「血なんか繋がっていなくたって強い家族の絆は作れるよ。
夫婦だってもともと血は繋がっていないんだから。」

明日美「そうね・・・ごめんなさい。」

絵梨「んーいいよ。
みゃこはね、施設に行く前実の親にかなりひどい虐待を受けていたらしい。
暴力、ネグレクト・・・さらに許せないのは・・・」
絵梨は唇をかみしめ肩を震わせていた。

絵梨「まだ3歳4歳の幼児だよ?
その・・・実の親なのに最低な虐待も受けていたみたいなんだ。」
さすがに絵梨は言葉を濁したが、それは耳を塞ぎたくなるような悪魔の所業であったに違いない。
その場にいたものはしばらくの間、全員絶句していた。
灯莉「ひどい・・・最低・・・」

萌波「そんなことが現実としてあるなんて信じられないわ。」

絵梨「だけど・・・現実だったの。」

絵梨「それで5歳を過ぎたころ、彼女の実親の家である事件が起きた。」

絵梨「美夜子を残して両親とも惨殺・・・」

明日美「まさかそんなことが・・・」

絵梨「部屋もめちゃくちゃになっていて、強盗殺人って言う線で落ち着いたみたいだけど、
その事件は未だに犯人の目星すらたっていなくって・・・」

絵梨「それですぐに施設に預けられたの・・・でもその施設でも・・・
みゃこの心が落ち着ける場所ではなかった。」

明日美「うそ・・・そんな信じられない・・・」

絵梨「施設では年上の子にいじめられ、それでも所員は見て見ぬふり。
所長が結構テレビにも出る人道的で有名な施設だよ?それでもそういうことがあったの。」

絵梨「そして・・・そこでも同じようなことがあったみたい・・・」

絵梨「それがわかったのは、紗英の知り合いのカウンセラーが、
そこの施設に行ったりしていてね、児童一人一人を看たりしていて気がついたの。」

絵梨「それで私たち夫婦に話が来たってわけ。」

絵梨「もともと私たち夫婦は子供がいなかった。
というよりも、紗英が子宮の病気で子供を作ることができなかったの。」

絵梨「幸いなのはそのカウンセラーが警察に証拠とともにリークしてね。
所長は逮捕されたみたい。」

絵梨「あとはみゃこが話した通りだよ。
まあ苦労したけど、なんとか親子になることができた。」

絵梨「だから、だから俺は・・・美夜子を何があっても守らなくちゃならない・・・
もうあの子に悲しい顔をさせない・・・そう決めたんだ・・・」
絵梨は一人称が大樹の時のそれになっていることに気がつかないまま、
肩を震わせて・・・そして俯き、手をぎゅっと握りしめてから空を仰いだ。

明日美「絵梨・・・」
絵梨「さ、この話はおしまい!
ついに私もバレンタインチョコ作っちゃったかぁ・・・」

絵梨はにこやかに自分の作ったかわいくラッピングされたチョコを眺めた。

灯莉「ふふふ、絵梨さんとっても嬉しそうですね。
目が恋する女の子の眼してますよ。」

絵梨「うぐっ・・・そんなことないない!
もう、灯莉ちゃんも性格変わったよねぇ。」

灯莉「そうですか?恋のお話には女の子は敏感なのですよ?」

明日美「でも、きっと喜ぶよ・・・明人さん。」

絵梨「うん・・・」
絵梨はチョコの入った袋をぎゅっと抱きしめ、目をつぶった。
彼女の頬は心なしかほんのりピンク色に染まっていた。
萌波はその表情に気が付いていたが、あえて何も言わなかった。
絵梨の表情を見ると心はもう完全に恋をしているということに疑いようがない。

萌波「さて、これからの予定はどうするのかしら?帰る?それともお茶でもしましょうか?」

絵梨「んー私はもう着替えて帰ろっかな。」

明日美「美夜子ちゃんがプレゼント抱えて待ってるしね。
んじゃ、ここで解散だね。」

萌波「ええ、そうしましょう。
絵梨さん、くれぐれもプレゼントのことは知らないふりをするように。」

絵梨「う、うんわかった。」

明日美「大丈夫かなぁ・・・すぐ表情に出ちゃうからね。」

灯莉「大丈夫ですよ。」

絵梨「気をつけまーす。んじゃ、着替えて帰るね、またね。楽しかったよ。」

萌波「ええ、私も久しぶりに楽しい思いができましたわ。
・・・あ、ありがとう・・・」

絵梨「お、ありがとうって言った・・・私こそありがとう
萌波!顔真っ赤だよ!」

萌波「!こ、これは夕日の色ですわ!」
萌波は顔をペタペタとさわって絵梨に抗議した。

絵梨「にひひひ。やっと萌波にやり返せた。
じゃーねー!」
絵梨は角を曲がっていき、みんなの視界から消えて行った。

明日美「あたしたちもいい加減すごい人生だけど、
大樹の所は家族ごとすごいわね・・・」

灯莉「でも・・・大樹さん・・・うらやましいな・・・暖かくて明るい家族で・・・」

萌波「ええ・・・それは本当に・・・」

・・・
大樹に戻り一人物思いに耽る。
今日は思いがけず過去のことを思い出した一日であった。

大樹「みゃこも初めて会った時と比べるとまるで別人みたいに明るくなったよな・・・」

大樹「でも、夜うなされるのは・・・未だ心の傷が癒えていないということか・・・」

大樹「俺は・・・ちゃんと父親やれているのかな?
・・・まだまだだよな・・・あいつがうなされなくなるまで・・・」

大樹は再び家の扉を開く。
同じ扉でも今度は自分の家族が待つ家の扉。

大樹「ただいま!」

次回予告
春になり、それぞれ進級していった。
気持ちも新たに生活が始まる季節である。
しかし敵の力が強力になり、4人の力を合わせても圧倒できなくなってきた。
未だ見つからないレグルス。手掛かりすら見つからず焦る魔法少女たち。
そんな中、新しいレグルスの痕跡を見つける。
この痕跡は彼女たちにとって現状打破となるものとなるのか・・・それとも。
次回「Q.E.D!パートナーとしての証明は。」
394魔法少女キューティエアリィ第十六話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/13(金) 01:38:12.26 ID:wtgEaBvL
さて、終わりました。

最初からずっと伏線張っていた美夜子の過去が明らかになりました。
ちょっと暗い感じになってしまいました。

それで、次回は前回のミーヤvsエアリィの話を番外編としてやります。
そして予定としては続けてエロい番外編しようと思いますが・・・

後者のほうはエアリィが絡まないのでTS的な内容じゃないなぁと
ちょっと悩んでます。
とりあえずは次回のミーヤとエアリィの番外編まで・・・
395 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/05/13(金) 01:56:38.53 ID:eG3QAA6Q
16話 乙
残り10本 駆け抜けてくれ
ダークファンタジーな世界観はお約束?
396名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 02:01:27.67 ID:yTsvTnwN
もういいよ・・・
なんでこうスレ違いのを落とし続けるわけ?
流石に不愉快なんだけど
397魔法少女キューティエアリィ第十六話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/13(金) 02:02:37.02 ID:wtgEaBvL
>>395
ありがとうございます。

そうですね、この世界観は構想当初から考えていました。

ちょっと暗いですね。
398名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 02:04:48.05 ID:/yAgK0zE
>>396
お前の方がスレ違い
流石に不愉快
399魔法少女キューティエアリィ第十六話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/13(金) 02:14:45.43 ID:wtgEaBvL
>>396
すいません。
以前、最後まで投下するという気持ちで固まってしまったので・・・
エロ入っていないのは非常に申し訳なく思っておりますが、
そのあたりは番外編でたっぷりエロを入れるつもりですので・・・

エロはありませんが、ここの本題でもある強制女性化というテーマには沿っているつもりです。

番外編といえどもなんでこういう描写にしたのか、なんでここでエロなのか
という風に考えて作っていくつもりですので・・・

本編とあわせて意味のあるエロ編にしようと考えています。

でも、やっぱりレスを読んでいるとお気に召していないようですので
是非NGしてください。
400名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 04:08:07.91 ID:pZykSjyx
満足にNGもできないゆとりの言うことなんか気にすんな
あんたの好きに進めりゃいいよ

…でもちょっぴりエロもほしいな、なんて思ったり
401名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 05:22:09.55 ID:PCZfZRAh
>>399
今回もエアリィさんありがとうね。パワーをもらったから、これで週末まで乗り切れそうだよ。
402名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 07:53:46.68 ID:jnWu16bp
自分さえよければスレの空気は無視と
エアリィがあるせいでエロ投稿しづらいっていうのわかんないのかー
403名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 08:09:29.52 ID:t/vk8ZyH
エアリィさんを気に入らん人、ちゃんとスルーしてよ
アンチが頑張ると信者もきもくなるんだ
せっかくNGNAMEしてるのに、意味ないじゃんか
404名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 08:13:10.52 ID:iCwO5vkv
…などと、空気を読めていない発言をしており。

お前が投下しづらい空気作ってどうするんだ。
405名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 08:24:07.72 ID:5Yamhqwn
エアリィがスレを無駄に消費して荒らしとして見えるなら運営にでも荒らしがいるから削除してっていえば
削除されないと思うけど
どっちが空気読んでないんだよ。
406名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 09:02:31.90 ID:gtuZIVJ+
NGされてるって事は荒らし扱いされてるって事だってわからんのだな>エアリィ作者
407名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 09:49:28.25 ID:7F9OEGVE
お前ら、
>1
を読んで理解してから書き込めよ
この板のルール書いてあるだろ…


エアリィさん乙であります
続きwktkして半裸で待ってますねっ!
408名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 09:56:38.48 ID:6CobY9Uo
スルーもNGも出来ない奴は全員ちんこもげちまえ
409名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 11:13:16.62 ID:yc84TiXj
だが待ってほしい、それはこのスレ的にご褒美なのでは。
410名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 11:46:59.65 ID:+48gF9QU
住民を助長してどうするw
411名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 11:49:56.61 ID:bPOHAQAY
>>409
ったく、エアリィ邪魔だぜ!

スルーできなきゃもげろ!

はは、なに言ってんだか…うぐっ?!
ち、ちんこがい、イテエ!な、なんだ…ち、千切れる!
うおーーもげてしまう!

数分後…

はあはあ、そんな…ちんこもげた…
あれ?今度は胸がく、くるしい?
うう、膨らんでくる!?

さらに数分後…
なんだかんだで女の子になっちゃった。
あたしはこれから女の子として生きていきます。

と、こうですか?
412名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 12:12:27.03 ID:bPOHAQAY
あ、俺自身はエアリィ好きだし、楽しみにしてるから誤解のないようにw
413名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 14:40:27.77 ID:fcnKmhnP
>>411
だが待ってほしい、言葉づかいなんていうのは、後天的学習の成果なんだから
身体が変わる>性格に影響(生活が変わるからまったく影響がないということはあり得ない)>自分の口調に違和感>少しずつ改まる
そういうものではないだろうか?
魔法的な力が働いて変えられるという可能性はあるが、肉体が変わったら突然変わるというのは、正直「もったいない」と思う

口調が変わるのは一番自然なのは
女として振る舞う必要に迫られて最初は意図して演技で女言葉を使ってるだけ
男言葉でしゃべる機会が減り女言葉を使う機会が増えたことでだんだん女言葉が自然に
これが口調に対して何の超自然的強制力も働いてない場合の自然な変化ではないかと思う
414名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 14:42:31.64 ID:+48gF9QU
女体化シークエンスの最初が言葉という可能性も考えられるのでは?
415名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 15:29:05.85 ID:/GYmybWf
>>413
そんな、真剣に考察してくれるとは思わなかった
416名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 15:51:58.26 ID:fcnKmhnP
>>414
それは超自然的に強制力が働いた場合だろ?
単に女の身体に脳移植された、細胞レベルで女の身体に変化したとか記憶と脳に直接的な処置がない場合
まず変わってるのは肉体だけで、本人の自覚も何も変わってないのが最初だろう

超自然的なのだと先に意識から変わるのもあるだろうが、男の身体女の意識状態は俺にはちっとも嬉しくないし
女の身体で男の意識状態で徐々に順応していくのが個人的に一番好きなんだから
せっかくの美味しい所をなくすのはもったいないと言わざるを得ない

他のパターンがあるのも知ってるし、それが好きな人もいるだろうが
俺にとってもったいない事をしてるという思いは止められない
417名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 20:58:03.57 ID:tJWhHmeE
ちんこもげろ の一言で、もげて女体化するんだったら
それはもう超自然的な強制力だろ!
一瞬で何から何まで女に変わっちまうんだよきっとw
418名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 20:59:15.50 ID:fcnKmhnP
>>417
何から何まで変わったらただの女じゃないか、きわめてもったいない
419名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:01:29.49 ID:J6flliot
実際のところ今の性転換技術ってどうなってんだろ
420名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:12:26.77 ID:XmvMePNt
倫理的なものを無視したらクローン胎児を女性のホルモンバランスで成長させるとかは出来そうな気がするが
脳移植はまだ難しそうだし、そもそも成長速度を早めないと移植可能にまで臓器が育つのどんだけって話になる
性転換自体はおおっぴらにやれるようになったから、ホルモン投与や精神的ケアの方法論は蓄積されてるだろうけど
穴つくって維持とかは昔と根本的には変わっていないのではなかろうか
421名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:46:32.47 ID:fcnKmhnP
>>420
マウスで人工的に神経接続するのに成功したって話が出てたから
脳神経の接続ももうじきできるようになるかもしれないな
後10年位高密度の研究すれば人工子宮とか人工ペニスとか機能するのを作れるようになるかもな
422名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 22:53:59.41 ID:A+OUNvh4
XY女性の成立要因が分かれば、自分と全く同じ遺伝子の女性体クローンは作れるはず・・・不妊だが
あとは脳移植の技術確立を待つだけだな

バーチャルリアリティーでの女性化経験なら、案外俺らが死ぬまでには実現してそうな気がする
423名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 23:17:11.87 ID:J6flliot
なんだじゃあまだ妄想か明晰夢で我慢するしか無いのか・・・
424名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 23:21:38.62 ID:twRnShVf
一応、考えるだけで3Dモデルを動かすまでは出来てんだよな
425名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 23:30:24.60 ID:XmvMePNt
たぶんそういう妄想や想像力やらで表層意識だけ騙すのが一番お手軽で一番安全、かつ気持ちいいと思うぞ
現状だと、ホルモン投与したらバランス崩して体調崩したり精神的に不安定になったりするし
穴あけたらあけたで維持するのに入れっぱだったり毎日洗わないとだったり(何年か前に読んだ話)
生殖器周りの神経も違うから造膣も形だけだし、とはいえこないだ海綿体の再利用がどうとか読んだからその辺は進歩してると思う

>>422
受精卵から発生するときのはどっか分化し始めたぐらいからホルモンバランスが違うらしい
だからどこか異常があって濃度が足りないとかなんかで染色体の性別と身体の性別がずれることもあるとかないとか
426名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 23:58:47.30 ID:6Ib2RA5a
まあバーチャルなんちゃらで済ますのが現実的だな
外見の問題も解決するしなwwwww
427名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 00:04:01.00 ID:7JB2Ha8M
詳しく書くと長いから大雑把に書くと
Y染色体に原生殖腺を精巣に分化させる遺伝子が乗っててそれが発現すると精巣ができる
精巣から8週目位に大量のアンドロゲン(男性ホルモン)が出てそれが外性器を男性器に分化させつつ脳も男性化させる
精巣性女性化症候群といわれる男性仮性半陰陽の場合アンドロゲンが受け取れない(反応しない)ので男性器にならず膣ができる(脳も女性型)
子宮の方はミュラー菅が発達してできるが、男性の場合抗ミュラーホルモンがでてミュラー菅を委縮させる
アンドロゲンあり・抗ミュラーホルモンありで男、あり・なしだと見た目男で子宮ありに
なし・ありだと見た目は女だけど子宮がない状態、なし・なしで女性型になる
他にもいろいろな要素(ホルモン分泌異常とか妊娠中の環境ホルモン影響とか)で半陰陽が生じる

TS作品のネタとして使えるのは女性仮性半陰陽(男だと思って育ってたが実は女性器があった)の方
428名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 08:57:23.98 ID:nlYJTMly
リアル手術の気持ち悪い話はスレ違いだろうが。うんざりだわ。
429名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 09:21:40.44 ID:DQ7yVO0a
何処に手術の話が書いてある?

クローン・ホルモンバランス・発生過程、どれも手術については
一_も触れてねえぞw

しいて言うならリアル発生生物学じゃね?
430名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 09:51:43.75 ID:Hz9XVNJY
早く遺伝子操作と投薬で性転換できる時代にならんかな
女になった方が幸せな容姿や性格の男とか多いマジで多いよ
431名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 10:21:04.78 ID:IYvp0j2x
シムーンとかみたいに、自分で性別を選べる世界だとよかったのになw
432名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 10:26:57.20 ID:DQ7yVO0a
シムーンは自分で性別えらべないでそ?
神様?のお告げで男になるって言われて泣いてる子がいたし。
433名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 12:33:04.77 ID:Gv7vBvRh
なんだ?この流れw
434名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 12:55:33.44 ID:75zGUVOV
>>432
ありゃ迷ってたからだ
泉では心に決めてりゃ願いはかなう設定
まあ、泉がある宮国は大空陸でもかなり特殊なんだが
435名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 15:20:38.93 ID:/2A/eaxd
ちょっとした手違いで女子高に転入することになった少年。
支給された制服は、着用者の体型、外見を服とぴったりに変えてしまう魔法の制服。
ただし、脱いでも着用していた時間と同じ時間経過しないと元の姿には戻れない。
学校で友達もでき、制服を着ている時間がどんどん長くなっていき、ついには一日中女の子の姿で過ごすようになる。
卒業するころには果たして男の姿に戻れるのか……
こんばんわ

エアリィさん番外編そのA完成しました。

今最終編集しているところですので、それが終わったらお風呂入って投下します。
さて、お風呂とストレッチ終わったので投下します。

今回は番外編というだけあってちょっとエロいです。
しかもエグイかもしれません。

ということで、以下の注意で苦手だと思う方は是非NGして完全スルーしてください。

※注意!
・エロ意です。
・TS表現はないですが、元々男であるという表現はあります。
・百合です。
・経血表現ありです。
・ちょいSMっぽいかも
・なによりこれエアリィの物語です。

ということで、以上を踏まえまして投下していきますので、
再度になりますが、上記表現が苦手な方は是非NGを
そのA「エアリィとミーヤの場合」

エウロパの脅威にさらされつつある中、
遥か彼方からもう一つの新たな脅威が魔法少女たちに迫りつつあった。
空気、物体、地面・・・すべてを、空間ごと震わせ、自身の存在を一切隠そうとしていない、
まるでそれは、その振動は真打登場前のドラムロールのようであった。

その派手な予兆により、当然その場にいる全員がその脅威の到来を感じ取っていた。

「!こ、これは!!!??ま、まさか・・・そんな・・・この状況で?」

一瞬の静寂の後、そしてエアリィの目の前に降り立つ。
いや、この場合は着弾したという表現が適切かもしれない。
衝撃波とともに砂埃、石礫がエアリィを襲う。
その激しさに思わず目を閉じたエアリィが再び目を開けると、
そこにはクレーターの上に立つその新たな脅威がにこやかな顔を携えながら立っていた。

それは大きく息を吸い、対照的にふぅと小さく息を吐いた。

「お祭り騒ぎのようね。このお祭り私も参加させてもらうわよ。」
まるでその脅威、ミーヤのふざけた態度にエアリィは全身に鳥肌が立つ感覚に襲われた。
それは、怒りのためか、恐怖・・・のためか・・・
おそらくはその両方であろう。
エアリィは我慢できず腹の底から叫んだ。

「ミーヤぁぁぁ!!あなた!まだ懲りてなかったの!!」

エアリィの怒りと恐怖の衝動とは対照的に、ミーヤは非常に冷静、冷ややか。
そしてエアリィを嘲笑するかのように、噴出すようにエアリィの挨拶に応える。

「懲りる?どうして懲りる必要があるの?意味がわからないわ。」

ミーヤのあまりにも冷静でふざけた態度により、はっと我に返るエアリィ。

「少しは大人しくしてなさい!」

それはエアリィの精一杯の憎まれ口。

エアリィのその言葉にミーヤはくすくすと笑っていた。

「ふふふ、私もまだ調子良くないのよ。
だから今日は元より大人しくしているつもりよ。」
あれだけの激しい登場に調子良くないという言葉は、にわかに信じられなかった。

「信じられるもんですか。」
エアリィは歯をギリリと食いしばりミーヤを睨む。

「あの・・・エウロパってなんなのよ!」

アーシィとアクエリィを圧倒していた、ふざけたうさぎのぬいぐるみの存在を問う。

「ああ、エウロパ?かわいいでしょ。最近来た私のうさちゃんよ。」

エアリィの心の震えはまったく意に介していないといった様子で
おどけて応えた。

「そういうことを聞いているんじゃない!」

「まあ、良いじゃない。ほかの子達はエウロパに任せるから。
ね、私はあなたとお話に来たの。」

じりじりとエアリィに近づいていくミーヤ。
その表情はミーヤの実際の年齢には似つかわしくないほど妖艶な笑みを浮かべていた。

「うくっ!こ、来ないで!」
ミーヤが近づくほど後ずさりしてしまうエアリィ。
そして、自身の力が今は弱体していることもあったが、
何より彼女は以前とはまったく違うミーヤのプレッシャーを感じていた。

「あら、どうしたの?そんなに怖がらないでよ。
ほんとに今日はあなたに危害は加えないから。私、あなたのことをもっと知りたくなっただけだから。」

ミーヤはさらに妖しげな笑みを浮かべてエアリィに近づいていく。
その笑みはエアリィにとっては悪魔の微笑みに見えた。

「こ、来ないでって言ってるでしょ!
また痛い目見たいの?」
それはエアリィの精一杯の強がりだった。
しかしその強がりもミーヤに心を見透かされていた。
それだけ今のミーヤには、余裕、があったのだ。

「あらあら、好戦的ね。私は戦いに来たのではないと言っているのに。
そんな下品だと男の子にもてないわよ。」

「う、うるさい!私は男の子になんかもてなくてもいいの!」
「あら、あなた・・・そう、そういうことだったのね
・・・いいわ、私は両方いけるし。」

「何のことよ・・・」

「あなた・・・子猫みたいにおびえちゃって・・・かわいいわね。
いいわ、そのおびえた目つき。」
ミーヤは左手で自分の胸を揉みしだき、ゾクゾク打ち震えていた。
これから起こることに期待して目は潤み、口を半開きにしてハァハァと少し息も荒いようだ。

「ひいっ・・・こ、来ないで・・・」
そのミーヤの異様な仕草に恐怖するエアリィ、
大樹のときであれば、ミーヤの仕草は劣情を催すのだが・・・
今の大樹は女性である。
その仕草を見ても恐怖や気持ち悪さといった感情しか湧かなかった。

「安心しなさい、誰にも邪魔されないように・・・」
ミーヤは右手を上にかざして指をパチンと鳴らした。
すると、周囲は一瞬ピンク色のベールに包まれ、すぐに元に戻った。
遠くのほうではフレアーがエウロパと戦っているのが見える。

「フィルターをかけたから。」

「フィ、フィルター?」

「そう、フィルター。
こちらからは外の様子はわかるけど、外からは私たちを認識できない、
外からの五感がすべて遮断されている。」

「そんなことをして、何をしようって言うの」

「あっはっはっは!どこまで初なのよ。
この状況で何をするかですって?」

「これだから処女は嫌いよ。」
ミーヤとエアリィは5メートルほど離れていた。
そのはずだったが、一瞬のうちにエアリィはミーヤに密着されてしまった。

そして、ミーヤはエアリィのあごを持ちあげ、キスをした。

「うぐっ!」

エアリィは口を塞がれたままミーヤを突き飛ばそうとするがびくともしない。
そしてミーヤはエアリィの口腔内へ舌の進入を試みる。
しかし、エアリィは最後の砦とばかりに頑なに口を開けようとしない。

ミーヤはあきらめたのか唇を離した。

「ぷはっっ・・・はぁはぁ、な、何するのよ・・・
あなた女の子で・・・むっぅ」
エアリィが言い終わらないうちにミーヤに鼻を抓まれた。
思わず口を開けてしまうエアリィ、ミーヤはその隙を逃さなかった。
再び口付けを交わす二人、今度はあっさりとミーヤの舌の進入を許してしまった。

ミーヤの舌はまるで蛇のようにエアリィの舌を絡めとり、
そしてナメクジのように口腔内を犯した。
その動きにエアリィの舌は抵抗するが、結果的にミーヤとエアリィの舌同士が艶かしく絡むことになった。

エアリィとミーヤはどれくらいディープキスを交わしていただろうか。
5分?10分?もしかしたら長い時間に感じているだけで実際には1、2分程度かもしれない。

ミーヤとのキスでエアリィの息は荒くなり、狂おしいほどの舌の動きに目は虚ろになっていった。

ようやくエアリィは解放されると、エアリィは腰が抜けたようにぺたんとその場に崩れるように座り込んでしまった。

「はぁーっはぁーっ・・・ど、どうして・・・」
潤んだ目でミーヤを見上げて訴える。

「どうして?ふふ、あなたがとってもかわいいからに決まっているじゃない。」

ミーヤは慈愛に満ちた視線でエアリィを見下ろす。
その表情は聖母マリアのように穏やかであった。

「だからあなたの事が愛おしくって愛おしくって。」

ミーヤは少し腰を折り曲げ、座り込んでいるエアリィの頬を優しく撫で、
そのまま優しく首元へ撫でていった。

「み、ミーヤ・・・」

「そう、愛おしくって・・・殺しちゃいたいくらい。」

聖母マリアの慈愛の表情から一転、

悪魔

のそれに変わった。

「・・・・!かっ・・・うぐっ・・・やめっ・・・」

エアリィの首元にあったミーヤの手のひらは、そのか細い首をぐっと掴んだ。

「うふふ、もっと下を撫でてくれると期待しちゃった?
あははは!バーカ!あなたの期待通りになんかしてあげない。きゃはははは。」

「かはっ!うぐっ・・・かひゅっ・・・けほっけほっ」

ミーヤはさらに強く首を握り、エアリィの口から唾液が流れ、
目がうつろになってきたのを見て首から手を離した。
「けほっけほっ・・・ミーヤ・・・あなた・・・殺す気・・・なのっ?」

「うふふ・・・殺す気ならもうとっくにやってるわ。
言ったでしょ。あなたのことを知りに来たって。」

「あああ、いいわ・・・その潤んだ目・・・ぞくぞくしちゃう。
あはぁ・・・すごい、濡れてきたわ。」

ミーヤは自身の指を口に入れ、片手は自分の股間を撫で上げて快感に打ち震えているようだった。

ミーヤは再びパチンと指を鳴らすと自分の着ていた黒い衣装を消し去り全裸になった。
そして、へたり込んでいるエアリィの上にそのまま座った。

「ねぇ・・・今逃げようと思えば逃げられたわよねぇ。
なんで逃げなかったの?ねぇ、なんで?」

「う・・・そ、それは・・・」

そう、正直今の隙に逃げられたはずだった。
しかしエアリィはできなかった、いや”あ え て”しなかった。
心の奥底ではこれから起こることに期待していたのかもしれない。
エアリィはそのミーヤの下品な仕草の中に垣間見える
この年頃の少女に備わる神聖さと淫靡さのギャップを感じてしまうことを禁じえなかった。
そのため、本能的にだろうかその場から逃げようとせず、
もっとそのギャップを感じたかったのだ。

「ふふふ・・・まぁいいわ、これ以上意地悪しないでおくわ。」

そう言ってミーヤは自分の乳首をエアリィの口に近づけた。

「舐めなさい。」

その一言、一言だけだった。
しかし、その一言は催眠術のようにエアリィの脳に刻まれ、
シナプスが脳を駆け巡り、エアリィの心臓の鼓動を速めた。

ドクン、ドクン、ドクン

心臓の鼓動が一つ打つたびエアリィの口はミーヤの乳首に近づいていく。
エアリィは乳首に近づくにつれ吐息が荒くなり、
ミーヤの勃起した乳首に吹きかかる。

「はぁぁん・・・息がくすぐったくて気持ちいいわ。
ほら、こんなに勃っている。」
エアリィはだめだ、舐めちゃいけないと自分の脳に抵抗を試みるが、
無駄であった。
早く乳首を舐めたいとばかりに少しずつ舌を伸ばしていく。
舌先から滴り落ちるエアリィの唾液、それは自分の太ももにぽたぽたと落ちる。
熱い、熱い・・・
エアリィはその唾液の熱さを感じていた。
自分の体が溶けていくよう。ひとしずくごとにじゅうじゅうと太ももを溶かしていく。
強酸のように・・・

そして

エアリィの舌はミーヤの乳首に到達。
そこからは理性の堤防が決壊したようにミーヤの乳首にむしゃぶりつく。
じゅるじゅると、熟れた水蜜桃をそのまま齧るように吸い付く。

右の乳房は口で吸い付き、左の乳房は手で揉みしだく。
エアリィの倫理観など最初から存在していなかったように。
わき目も振らずミーヤの乳房をもてあそぶ。

「んぁぁぁん・・・ふふふ、いいわ・・・もっと、もっと舐めなさい。
揉みなさい。はぁぁぁ・・・んふっエアリィ、あなた最高よ。」

ミーヤはエアリィに乳房を触らせながら、
今度はエアリィの豊満な乳房を乱暴に揉み始めた。

「んふふぅ、あなたのおっぱい大きいわね・・・そんなにちっちゃい体なのに・・・
いやらしいおっぱいね。」

「ぷはっ・・・ちがっ・・・いやらしくなんかない・・・
大きくなろうと思ってなったわけじゃない・・・最初からこんなだった・・・」

エアリィは余計なことを言ってしまい、しまったと思ったが、
すぐにピンク色の霧に包まれそんなことはどうでも良くなってしまった。
救いだったのは、ミーヤもそれに関してあまり追求はしないようであった。

「最初から?おかしなこというのねぇ。
”普通”だったら、最初からのワケないと思うけどぉ?
でも、その大きさでこの感度だったら充分いやらしいわよ。」
ミーヤは魔法少女服の上からでもわかるほど、
布地を下から突き上げて自己主張しているエアリィの乳首を指ではじいた。
「んきゃぁ!あんっ・・・」
思わず大きな声で嬌声をあげる。
エアリィの乳首は痛いほど疼いていた。
それもそのはず、今エアリィは生理中なのだ、いつもよりも敏感になってしまっている。
その乳首の痺れは疼きは脳に直接訴えかけるものだった。
エアリィの潤んだ目はその刺激につつーっと涙が一滴二滴。

「ふふふ、大きな声で鳴くのね。しかもとっても敏感。
脱がすわよ。」

そう言ってミーヤはエアリィの上半身の服を脱がす。
下からはぷるんと弾けるようにほんのりピンク色に染まり、汗ばんだ乳房が現れた。

「ふふっずいぶん立派ね・・・悔しいわ・・・嫉妬しちゃう。
うふふ、美味しそうね。んちゅ。」

今度はミーヤがエアリィの乳首を躊躇いもせず口に含んだ。

「んきゅぅぅん・・・はぁはぁ・・・いや・・・んはっ・・・んっ・・・」

男のときにも乳首を舐められたことはあったがこれは別格、別次元の気持ちよさだった。
ミーヤの舐め方がうまいのだろうか、確かにミーヤの舐め方は、
焦らしと的確な快感のポイントを突いてくるのだったが、
そもそも男の乳首の感じ方と女の乳首の感じ方を比べるほうが間違っている。
吸われている乳首を中心に頭のてっぺんからつま先までピリリピリリと弱電流が流れていく。

「んふふ、おいし・・・ほら、すごいわね私の指がこんなに埋まっちゃう。」
エアリィの大きな乳房に手を押し付け、指を埋める。
そしてそのまま揉む、優しく、激しく、愛おしく・・・

「んぁぁぁっ・・・どうして・・・どうして・・・んきゃっくふぅぅぅ・・・ダメダメ・・・んはぁっ」

その快感に黙っているということは到底できない、どうしても嬌声を上げてしまう。
そして、もっと快感を、もっと悦楽を!さらに強い快感を貪るように
エアリィは乳房をミーヤの口に押し付ける。

「あはぁぁぁ・・・エアリィ、あなた私を窒息死させる気かしら。
うふふ、かわいいコ・・・んちゅっ」

ミーヤはエアリィに軽くバードキス。
そして・・・

カリリ

「んきゃぁぁぁぁ!はぁはぁ・・・だめっ・・・だめっ・・・」
エアリィは身をよじる、腰をひねりお尻を動かす。
ミーヤはエアリィの乳首を少し強く噛んだ。
そしてもう片方の乳首は指でひねり上げた。
その強い刺激を初めて受けたエアリィはたまったものではない、
痛みと快感が交互に津波のように襲ってくる。
痛みに体をよじって逃れようとするも、腰とお尻はもっと快感を求めるように蠢いた。
「んふふ・・・ちょっと刺激が強すぎたかしら・・・
でも、だいぶ気に入ったようね。うふふふ・・・」

エアリィはぐったりと倒れこんでしまった。
びくんびくんと体は痙攣している。

「あら、おっぱいだけでイッっちゃったの?
あなたって、つくづくかわいいわね。」

「で、何回イッたのかしら?一回じゃないわよね。
二回?三回?それ以上?きゃはっ。」

エアリィはぐったりとしてしまい、聞こえているのか、聞こえないふりをしているのかはわからなかったが、
自身に襲ってくる快感を抗えず、そのまま直撃していることだけはわかった。

「んーどうして答えないのかちら?エアリィちゃん、まだまだこれからでちゅよー。」

「もっともっと、気持ちいいことありまちゅよー。うふふふ。」

ミーヤはエアリィのスカートに手を掛け一気に脱がし、ショーツ一枚にしてしまった。
エアリィの白磁のような裸体、その透き通るような白い肌は艶かしく汗ばんで、
少しピンク色。
年相応の背丈に不釣合いな豊かに実った乳房。
その姿は触れるのを躊躇うほど神々しくもあったが、
ミーヤにとってそんな要素は、これから始める凶宴のスパイスに過ぎない。

そして、ショーツ姿のエアリィを見てミーヤは確信。

「うふふ、やっぱり。
あなた生理だったのね。」

ミーヤはエアリィの耳元で熱い息を掛けながら囁く。

「まあ、見るまでもなく、あなたから香ってくる経血の血生臭い匂いで最初からわかっていたけどね・・・」
わざと羞恥心を煽るような下衆な言い方で囁き、最後にカリッと耳たぶを甘噛みした。

エアリィは”血生臭い”という言葉に顔を真っ赤にして手で顔を隠した。

「あら、そんな恥ずかしがらなくってもいいのに。
だって、女の子だものみんな毎月なるものよ。それに・・・」

ミーヤはサニタリーショーツの上からエアリィの股間を揉む。
ぐちゅぐちゅと経血の染み込んだナプキンをなすりつけた。

「私、血って大好きだから気にしなくていいわよ。
恥ずかしがらないで。うふふふ。」

「いや・・・いや・・・やめて・・・もう・・・やめて・・・ぐすっ・・・」
エアリィは涙を流し頭を左右に振って拒否。

「やめるわけないでしょ。こんな面白いこと。」

ミーヤはエアリィの乳房にしゃぶりつき、舌先で舐めながら徐々に下へ下へと舐めていった。
下乳房、若干浮き出る肋骨を舌でなぞり、臍のくぼみに舌先をつつき入れ、
サニタリーショーツのウエストのゴムを咥えた。
そのままスルスルとショーツを下ろしていく。
そしてエアリィは思わず脱がせやすいように腰を浮かせてしまった。
その様子を見てミーヤは一旦脱がすのをやめ、そのままの状態で上を見上げエアリィの顔を見た。
再びショーツをするするとゆっくり下ろし、足首あたりで止めた。

「うふふ、なんで腰を浮かせたの?」

エアリィのなぜかはわからない、なぜかそうしなければいけない気になっていたのだ。
でも、改めて自分のした行為のことを言われてしまうと羞恥の炎が大きくなってしまう。
そんなコト言わないでとばかりに耳を塞いでぷいっと横を向いてしまう。
その姿がミーヤの被虐心を煽るのだろう、瞳にはますます妖しげな光を湛えるのであった。

「エアリィってやっぱりかわいいわね・・・ついついいじめたくなっちゃう。」

そう言って、エアリィのサニタリーショーツに貼り付けてあった
大き目のナプキンを剥がしとった。

「や、やめて・・・触らないで・・・そんなの・・・汚い・・・」

「い、や」
悲しいかなエアリィのその願いを聞き入れるつもりは毛頭ない。

「あら、いっぱい出てたのね・・・この量だと・・・二日目かしら?
うふふ・・・あら?なぁに・・・この透明な液・・・うふふ・・・いやらし・・・」

ミーヤはまじまじとエアリィのナプキンを観察した。
そして、血で汚れている中央のクッション部分に血と違うキラリと光る液を見つけ、
指で撫で取り、恍惚とした表情で自分の指を見た。

そしてミーヤはその愛液と血で汚れた指を
じゅるるちゅぱちゅぱ
と舐めた。その舐める姿はフェラチオを髣髴とさせた。

「いやぁぁ舐めないで・・・いや・・・汚い・・・汚い・・・」
エアリィにとって、いや大樹にとってもそれを舐めるなんて信じられない行動であった。
しかし、ミーヤの指を舐めしゃぶる姿はとても妖艶で、
いやらしく、なぜか目を離せなかった。

「んふふふ・・・おいし・・・
あ、ごめんなさいね、あなたをほったらかしてしまったわ。」

そう言ってミーヤはエアリィの股間の前に顔をうずめる。
しかし、すぐには触れなかった。
ミーヤはエアリィの女性器に息が掛かるか掛からないか、
位のところでじっと観察するように見ていた。
エアリィはミーヤの吐息にビクビクと痙攣してしまう。
さらに・・・

「あはぁ・・・血と一緒に透明な液も出てきたわよ・・・うふふ・・・かわいい。
そんなに興奮する?私に見られているの興奮する?」

そして、ぺロリと小陰唇を舐りあげる。

「んはぁっ!!!うきゅぅぅぅぅ!」

その初めての感覚にエアリィは酔ってしまうようだった。
自分で触るのとは違う感覚、柔らかい舌で舐められる心地よさ・・・
それはエアリィにとって悪魔の快楽だった。

「どんどん溢れてくるわね・・・良かったわエアリィに女の子のよさを知ってもらえて。」

エアリィの腰はミーヤに舐めてもらいたいと感じているのか
ミーヤの口に押し付けようと必死で動く。
しかし、その動きを見て嘲るように寸前でかわす。

「いやぁぁ・・・私・・・どうして・・・こんなのやだよ
・・・んはぁぁぁ・・・んっ・・・」

エアリィの外性器はミーヤに触れてもらえず、ひくひくと震えていた。
そして、ドロリと新たな経血が一際濃い愛液とともに流れてくる。

「ひっ!いやぁぁぁ!見ないで!見ないで!
お願い・・・みな・・・いで・・・」

すかさずミーヤはそれを舌先で舐め取る。

「んきゃぁぁぁん・・・きたな・・いっよぅ・・・んふっ・・・うきゅぅぅぅ。」

ミーヤは舌先に愛液と経血をつけたまま、エアリィに口付けをする。
そのままミーヤの左手はエアリィの女性器に触れる。
人差し指と薬指で小陰唇を押し広げ、膣口を露にし、
一方で中指はまだ包皮に包まれているが、
ピンクに濡れ光る可愛らしいクリトリスをぐりぐりと回すように触っていた。

んちゅ・・・ぶちゅ・・・ちゃぷ・・・くちゅ・・・

「んはっ・・・ふぅぅぅぅ・・・んむっ・・・じゅるっ・・・ぷふっ・・・ぷはっ。」

「はぁはぁ・・・どう?あなたの血の味は?ピリッと酸味があって、鉄くさくって、でも甘くって・・・
おいしいでしょ?」

「はぁはぁ・・・んっ・・・おいしい・・・わけ・・・ない・・でしょ・・・んっんっうきゅっ。」

「ふぅぅん・・・もったいない・・・よいしょっと。」
ミーヤはエアリィの頭に跨り、自分の頭をエアリィの股間に持っていった。
そう、俗に言う69の格好である。

エアリィは初めて妻以外の女性器を眼前に見た。
茂みは薄く、性器上部にぽやぽやと控えめに存在しており、
そこだけ見れば年相応の翳りであった。
が、外性器自身を見ると、小陰唇はビラビラと伸び、
クリトリスは赤く充血してエアリィのそれよりも大きく突出していた。
そして、内側は血の様に赤く、外側は少し黒ずんで全体的にぬらぬらと濡れ光っていた。
当然、その佇まいを見て、処女の性器ではないということが人目でわかった。
それほど年不相応な淫らで艶かしい造りをしていたのだ。
ここまでなるにはどれほどの経験を積めばなるのだろうか。

あまりにも対照的な二人、それが今重なっている。

「んふふ、私のおまんこ・・・ビックリした?すっごいいやらしいでしょ・・・んっはぁぁぁ。
いっぱいいっぱいおちんちん食べたらこんなになっちゃったの。
あんっきもちいい・・・エッチなこと考えただけですぐ溢れてきちゃう。」

エアリィの顔の上にポタポタとミーヤの愛液が滴り落ちる。
それは男はもちろん女でさえも思考を甘く痺れさせ、惹き付けるような匂いであった。

「んはぁ・・・ねぇ、舐めて・・・私もエアリィの舐めてあげるから・・・ちゅっ。」

ミーヤはエアリィの血と愛液で溢れる外性器に軽くキスをした。
それだけでエアリィは快感に打ち震える。

「んっ!んっ!いやぁ・・・ぐすっ・・んっ・・・私・・・そんなのって・・・やだよぉ・・・うきゅっ!」

そのままミーヤぺろぺろと小陰唇の溝をなぞる様に舐め、
可愛らしく顔を出し始めたクリトリスに吸い付いた。

「いやぁぁぁっうっうっうっ!んきゃ!くふぅぅぅ・・・」

エアリィはもはや思考できなくなっていた、子宮がきゅんきゅんと痺れるほどの快楽、
このまま快楽に身を堕としてもいいかと、ミーヤに身を委ねてもいいかと考え、
目の前にあるミーヤの性器に舌を伸ばしていった。
それは魔法少女としての終わり、ミーヤへの服従の証。

ところが・・・
ミーヤはエアリィの性器を舐るのに夢中になっているのかと思いきや、
勢いよくその場から立ち上がった。

「まずいわね・・・ま、いいか・・・結構楽しめたし。うふふ。」

ミーヤはどこから取り出したのかハンカチで自分の股間をぬぐい、
そのままエアリィの股間もぬぐってあげた。

「エアリィ、盛り上がってきたところ悪いわね、今日はここまで。」

「え、え?な・・・に・・・?」

「ふふふ、残念そうな顔しないで。また遊んであげるから。」

そういうと指をパチンと鳴らし、ミーヤはいつものボンテージのような黒い服を着た。

エアリィもいつの間にか魔法少女服を着ていたが、まだ体を動かせず倒れたままだった。

「そうそう、これ今日の記念にもらっていくわね。」

ミーヤはエアリィが履いていたサニタリーショーツを指に掛けてくるくると回しながら見せた。

それを見て、顔を真っ赤にしながら慌ててスカートの上から股間を押さえるエアリィ。

「うふふ、やっぱりあなたカワイイわね。
元が男とは思えないわ。」

「!!!!み・・・ミーヤ・・・なぜ・・・それを・・・」

「ん?うーん・・・最初にキスしたときかな?
あなたのおかしな魔力を感じたのよね。」

「ど・・・どうしよう・・・どうしよう・・・私・・・そんな・・・」

「そんなに顔を真っ青にしないでよ・・・あなたが男だってコトはわかったけど、
それ以上のことはわかってないから。ね、安心して。うふふふ。」

「でも・・・私と最後までしてたら・・・ぜーんぶわかっちゃってたかもねーーー
あーっはっはっは!よかったわねぇ・・・私のおまんこ舐めなくって。」

エアリィはガクガクと震えて言葉が出ない・・・
「っと、楽しかったわ。じゃあね!」
ミーヤはパチンと指を鳴らすと、周囲が一瞬ピンク色になり、
覆っていたベールが溶けるように消えていった。
そして一瞬にしてエアリィの目の前から飛び去った。

エアリィの完全なる敗北、
確かに二人は戦っていない、しかし後一歩のところで服従させられるところだった。
戦って負けたならまだしも、こんなことで敗北し、
とてつもない虚無感、屈辱感を味わっていた。

フレアーに向かってエウロパから光球が放たれようとするその瞬間、
エウロパの真横に降り立つミーヤ、そのままエウロパの光球をポシュッっと握りつぶす。

「何を!・・・はっ・・・ミーヤ様・・・」

「もう用事は終わったから帰るわよ。」

「し、しかし・・・あと少しで。」

「何?私に逆らうのかしら??」
ミーヤはエウロパの頭を掴み、顔を覗き込んだ。
その表情は口は裂けるほど大きく口角が上がり、血のような赤い口腔内、
目は睨んだだけで人をも殺せそうなほど暗く深い闇を湛えていた。

「私が帰るといったら帰るのよ。嫌ならこのままあなたの頭握りつぶすわよ。」
ミーヤはエウロパの頭を持つ手にぐっと力を込める。
エウロパの頭部はその力で歪に形を変える。

「は、はい・・・」
表情が通常に戻っていてもその恐怖は継続しており、
ミーヤに掴まれたままガタガタと震えていた。

「じゃ、お邪魔したわね。エアリィちゃんにはよろしく言っておいて。
ふふふ、ご馳走様。」

エウロパはミーヤに連れられて・・・
いや掴まれたまま空気を震わせながらその場を離れていった。
そしてウィッチーズスペースが解かれていく。

「私・・・助かった・・・の?」
灯莉は思わずへたり込んでしまっていた。
明日美、萌波が灯莉の元へ駆け寄る。

「大丈夫?」

「え、ええ・・・なんとか・・・大丈夫です。」
「どうなったの?」

「それが・・・私にも良くわからなくて・・・何がなんだか・・・」

「絵梨は?絵梨はどうなったの!?」
三人はキョロキョロと辺りを見回す。

絵梨の居た場所を見ると、絵梨が倒れていた。
三人は絵梨のところへ駆け寄った。

「絵梨!ミーヤに何かされた!?怪我は!?」
明日美は絵梨を抱きかかえた。
絵梨は真っ赤な顔をして肩を上下させるほど息が荒かった。

「だ、大丈夫・・・危害は加えられていない・・・危害は・・・」
絵梨の顔は相変わらず真っ赤だ。

「だって、そんなに息荒いし、顔が赤いし。」

「な、なんでもない、大丈夫、もう大丈夫だから。」

(い、言えるわけ無いじゃない!あんなこと・・・されたなんて・・・
それに・・・ばれた・・・ミーヤに・・・男だって・・・ばれた・・・)

絵梨は先ほど起こったことに戦慄を覚え、一気に青ざめた。

(もし・・・あのまま・・・ミーヤのあそこを舐めちゃってたら・・・
私は・・・終わってた・・・もうやだ・・・あんなこと・・・やだよ・・・)

一方ミーヤは・・・
高速で飛びながらエアリィとの出来事を思い出していた。

「うふふ・・・エアリィちゃん・・・可愛かったわ・・・
しかも、面白い秘密わかっちゃった・・・あの子女の子じゃないのね・・・
男だったなんて・・・傑作だわ。」

「今度は男のときの姿でお相手願おうかしら・・・
ますます殺すのが楽しみになってきた・・・ふふふ・・・あはは・・・おーっほっほっほっほ!」

ミーヤの瞳は妖しくも光り輝き、いかにも楽しそうに大声をあげて笑い叫び、飛び去っていった。
ってコトで番外編そのA終わりです。

エロかったですか?
自分のエロ基準と合わないかもしれないので、期待した割にはエロ区内
とか、そもそも期待してないけどやっぱりエロ区内ということでしたら、
ほんとうにごめんなさいです。

さて、気を取り直して次回連続してエロ番外編ですが・・・

次回はほとんどエアリィさん、絵梨さん出てこないで、ミーヤ、美夜子の話なので・・・
そのため、強制女性化スレに投下する小説とますますかけ離れちゃうんです・・・

でも、エアリィの物語だし・・・ちょっと悩ましいところでもあるんですが・・・

もし投下しても良かったら投下します。

やっぱり強制女性化じゃないということで、やめたほうがいいということでしたら
そのまま本編を書いていこうと思います。

では、次回まで
453 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/05/15(日) 03:00:54.26 ID:J5dqZ6Wr
出ていく気ないならもう早く本編最後まで書いて終わらせてくれ…
454名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 03:49:38.99 ID:Bqesc0kM
エアリィさん乙。
ここまで来たんだし、最後までババンと投下しちゃいなYO!

にしても、相変わらず短気な人が多いなぁ。
エロシーンなんて、言うならトロみたいなもんでしょ。
寿司屋で大トロしか食わないのも無粋だよ。
ヒカリモノをはじめ、ウナギやアナゴなんかの他の魚(=女性化要素)を食ったり、
さらにはギョクとかガリみたく刺身の範疇に入らないもの(その他の萌え描写)も食べるのが通。
無論、花形であるトロ(エロシーン)を置いてないってんなら、寿司屋失格だけどさ。
エアリィ屋の大将、こうしてちゃんと出して(書いて)くれてるんだし。

455名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 05:37:03.04 ID:Pm6VzwAA
皆はここにトロを食べに来ているのに他の魚の分量があまりにも多いんで
批判orスルーされるようになってしまった、ってのが実際のところじゃないの。

自分は台本形式の読みづらさもあって普段の分はスルーしてたけど、
エロシーン自体は毎度まいどものっそいクオリティで、追い出すなんてとてもとても出来ない。
というかどうしたんだ作者さん、今回のやつ台本形式じゃなしに普通の小説体だったがw
456名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 05:55:49.18 ID:1nFkzRqu
TSで一番エロいのは変化するシーンだと思うんだ。
セックスなどTSでなくとも見れるが、大きな身体が
なにかに締め付けられるかのように徐々に小さくなり、
全身の筋肉が硬さを失い、皮下脂肪に覆われた柔らかい
肌に変わって、服を押し上げながらムクムクと膨らみ、
成長していくおっぱい、というところはTSでしか味わえない
エロスであると俺は思おっぱい揉みたい
457名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 06:15:31.57 ID:hhtuWCYr
>>454
俺はもうNGにしてるが、これだけスレの寡占状態が続けば普通は叩かれる。
そのへんは>>455の言う通り。長すぎる。
正直俺はエアリィの文字見るだけでもうウンザリ。
いまさらエロになって小説の体裁取っても全く読む気にならん。

もともとエアリィはエロなし板違いを自覚して投下を始めてファンがついたもんだろ。
いまさらエロ入れても誰得だ。アンチになった人がこれでファンに転ぶこともない。
エロやりたいなら早くエアリィ終わらせて名無しに戻って別のTS作品として投下して欲しい。
このキャラも世界観も作者の独りよがりなコメントも正直もうげっぷ出る。
458454:2011/05/15(日) 06:44:57.72 ID:Bqesc0kM
>>455-457

ふむ。なるほど。エロ分量が単純に少ないと感じると。
それは……正直主観的なものだから、間違ってるとは言えないなぁ。
「おまえがそう感じたなら、そうなんだろうな……」ってコトになるし。

ただ、一応書き手でもある人間(最近このスレにはあまり投下してないけど)として言わせてもらうと、
ほのかにH、フェチ、萌えくらいならともかく、毎回エロシーン入れるのって正直しんどいのよ。
以前、漫画雑誌の青年誌と成年誌の連載漫画にたとえたことがあるけど、
 「何話かストーリー進めて、そのうえで本番シーン入れるのが青年誌」
 「毎号必ずHを入れないといけないのが成年誌」
で、「ここは成年漫画誌だ!」という主張なワケだろうけど、逆に言うと、青年誌レベルのH度作品でも
2ちゃん的にはエロパロ板に投下せざるを得ないワケさ。
いっそ、「女性化(H度マイルド)」「女性化(H度ハード)」とエロさの程度でスレ分けた方がいいのかもね。
459名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 06:56:43.12 ID:9CvjctaZ
>>452
番外編希望\(^O^)/ミーヤの大事な伏線が生きる話を投下しない手はないべさ。
次回も楽しみだ〜よ♪
460名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 08:54:24.80 ID:hhtuWCYr
>>458
エロ度の問題じゃないっつってんじゃん
つかその論理ならエアリィ単独スレ立てれば?
461名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 09:05:58.03 ID:HsM1SOar
まーたNGもスルーもできない読者様が喚いてんのか
そんなに出てってほしけりゃ自分でどこかにリンク張って誘導でもすれば?
462名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 09:17:49.81 ID:qvKaEB1c
>>452
良かったよ、続き待ってます
荒らしはどこでもわくけど、
負けないでこれからも投下してね
咲もペルソナもまどかも酷かったからね…
463名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 10:10:36.87 ID:4YpO9EqJ
エアリィの作者さんは>>452みたいな余計なコメントやめて淡々と投下すれば荒れないと思うよ。
464名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 11:18:43.23 ID:7RLJyahg
>>458
ただでさえ過疎板なのに、細分化したらさらにスレが過疎るってのは女子高生

気に入らない作品or書き手はスルーしたらいいだけのこっちゃ。
465454:2011/05/15(日) 13:11:15.03 ID:Pb2H6fTX
言うまでもないと思うけど、自分はエアリィさん肯定派ね。
投下はぜひ続けてほしいので、分割はどうしても許容されなかった時の最後の最後の手段。

>>460
エロ度──エロの濃淡が問題でないなら、正直何が問題なのかわからない。
理屈のうえでは、1のテンプレにある
 「男のキャラクターが科学や魔法やその他の方法で、意思に反して女性化されるSS」
という要件を満たしてたら、どんなSSもココに投下することは許されるはず。
もちろん、そのSSの出来に意見を言うことは当然の話だけど、誰にも「出てけ!」と言う
権利はないはずだが? マナー的に見ても問題ないと思うし。

……なんか、似たような論議をモンハンエロパロスレとかでも見たなぁ。モンスター姦が是か非かで。
466名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 13:29:24.37 ID:u5DEfEfL
自分が気に入らないから出てけって思うガキは出てけよ、マジで。
467エアリィどーでもいー派:2011/05/15(日) 13:53:57.25 ID:UqRCUQpK
エアリィについてなんか話す場合は名前に「エアリィ」っていれてくれれば文句ないよ
そうすればNGしてる人から見えないから平和
スレ的にはにぎわってるからナイス
468名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 14:41:02.31 ID:+ON0r2bw
>>465
俺も同意
エアリィはこのスレになんら違反してないと思う。
そのものズバリのエロは確かに少ないが作者さんはちゃんと萌え的エロも今回は特にズバリなエロも入れてるし、このスレから追い出される要素はもうないと思う。
超長編だからって追い出されるなんておかしいだろう。
俺はエアリィ誕生の切欠となるレスから見てるんだけど、第一話投稿後に作者さんはちゃんと今後の展開について住人に聞いてる。
エロ少ないもしくはエロなし、やるなら26話までやるって言ってその場では誰も文句言わなかった。
その状況でなんで追い出す必要があるんだよ。
もしこういう形式がだめならテンプレにエロ少ないのはだめ、超長編はダメって書いておく必要があるだろ?
でも、そのテンプレはエアリィ完結してからな。だってエアリィ作者の条件で容認してしまったんだから。
469名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 15:20:15.56 ID:/e0cMYjP
作品を擁護したいならもっとポジティブな感想ヨロ。
自己正当議論したいだけなら出て行くしかない。

俺はどうでもいい派だから、作者は好きに頑張ってくれれば良い。
470名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 15:25:25.43 ID:hhtuWCYr
なんか俺総叩きでスゲェことになっててワロタ

>>465
だから俺のカキコに明記してあんじゃん。
「これだけスレの寡占状態が続けば普通は叩かれる」って。

エロなし覚悟して投下始まったんだからそのまま投下し尽くしゃいいじゃん。
エロじゃなくて物語が書きたいんですとか最初から言ってんだからそうすりゃいいじゃん。
で早く終わらせてよ。
何でアンチに配慮して話広げてエロ補完して小説形式にして認めてもらおうとかなってんの?
ますます風呂敷広げて長くしていくならもうこのスレ「キューティエアリィ専用スレ」でいいじゃん。
そのくらい長々エアリィばっかじゃん。それで賑わってファンもついてるならそうしてくれよ。

なんかもっと「強制女性化」のネタ談義とかしたいよ俺。「エアリィとその感想」じゃなくて。
そのうちになんかイケそうってネタ来てSS書いたり読んだりしてたわけじゃん。
もともとエアリィもその流れで発生したわけじゃん。
でももう最近エアリィだけじゃん。ネタ談義ちょっと盛り上がってもすぐエアリィで潰れるし。
頼むからエアリィ早く終わってくれよ……

ってずっとずっとずーっと思ってた。でももうこのスレ肯定派しかいないのね。失礼しました。
471名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 15:41:02.71 ID:7RLJyahg
>>470
俺はスルー派だぜ!
472名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 16:08:14.28 ID:SeByAAhD
寡占状態って言うなら満足する作品投下すれば?
エアリィの作者は他の作者の作品の投下中に横入りしてないし、投下前にちゃんと宣言してるじゃん
他に書き手の人見てるなら聞きたい、エアリィいるから作品投下し辛いのか?
473名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 17:20:39.20 ID:7Hg4l6P5
>>472
それが好きな人には好きになってもらえなさそうだからやめとこ。
だから投下しずらいとか遠慮してるってわけではないんだ。
474名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 18:18:40.62 ID:wkOARRbz
この流れ前にも見た気がする

番外編が関係ない方向に進みそうなら適当なロダに上げればいいと思う
NG出来ない人も見なくて済むだろうし
475名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 18:40:46.12 ID:J/kWoBaV
もともと書き込みが少ないから寡占状態になってるだけだっつーの
現状を都合よく解釈して線引きの口実にしてんじゃねえよ

お前がスレに要らないだけだ

>>472
間違っても作り手じゃないと思うぞw

普段はスレが活発になるような書き込みなんぞ全くしないのに
スレの流れが自分のフィーリングに合わなくなると、
ぐだぐだと色々口実作っては対象排除の
荒らし行為を熱心に行うただの屑だと思う
476名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 18:50:14.21 ID:gMppExGO
思うようにいかなくて駄々こねてるだけなんだから皆そう責めてやるなよ
477名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 19:03:36.79 ID:Kre67UPL
>>475
そうだよなあ、毎日投下されてるわけじゃないし、この投下間隔なら色々な作品が共存できるはずだよな。事実ゲームブックのやつとか竜の巫女とか投下されているわけだしな。
俺ももっと沢山作品あればいいと思うけど過疎スレというか、過疎板のなか、これ以上の投下頻度が多くなるのは難しいだろうなjk
478名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 19:16:50.07 ID:bJmeWcOD
毎度駄々こねたり騒ぐアホが、過去の作者さんたちを全員追い出しただけってワケで。
479名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 19:55:17.99 ID:5NFA3MZH
今日は擁護が多いんだな。
日によって反対派が多かったり擁護派が多かったり。
揉める元なので出ていけとは言わないが、早く終わって欲しいとは思う。
480名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 20:06:16.45 ID:Kre67UPL
出ていけと言うと叩かれるからか、最近では早く終わらせろって言うようになってきたな。
連続投下されると寡占とか言うし、揉める原因は作者ではなく、明らかにそう言うこと言う輩がいることが揉める原因だろう
481名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 21:28:25.62 ID:B6erK2Ei
■暫定ローカルルール
最近マナーの良く無い発言が目立ち、荒れる原因となっているので、暫定措置としてこのスレにおいては、次のローカルルールを適用します。

※SS投下・妄想ネタ・TSF情報・ポジティブな感想・GJ以外は、全て議論スレへ。
※作者、読者ともマナーを守って進行していきましょう。

【注意】
◇以下の事を守れない人はどんな人であっても荒らしです
◇強制女性化でも萌えは各人各様。好みが異なる人ともマターリ共生を。

【スレが荒れたときの対処】
◇荒らしは、自分の書き込みに対するスレの反応を楽しみます。
◇荒らし煽りはスルーが原則。
◇本人の意図に関わらず、荒らしに反応しているレスもその一部です。
◇荒らしに議論を仕掛けることは、スレの荒廃を招くだけです。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。
◇状況が目に余るときは、やんわりとこのテンプレを示す。
◇コピペ荒らしやブラクラなどの書き込みは削除依頼を。
◇趣向が合わないと思った書き込みはスルーすること。自分の好みに他人を従えようとすれば、スレは荒れてしまいます。
482名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 21:48:31.48 ID:6GXSU4BK
エロパロ板でエロなしは違和感があるから苦情は仕方あるまい。
作者も覚悟して投下してるというが、覚悟って何?
483名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:18:49.84 ID:uCg7xT3V
>>435
つけてる間だけ女性化だと、脱げなくなったり脱ぎたくなくなるみたいになるけど
余韻で残るタイプだと全裸になっても大丈夫だな
その設定だと、最初のうちは朝起きた時には男に戻っていたのが
だんだんずれていって
「あれ、そういや今朝はついてないなあ、いや昨日もか、いつから起きた時も女だったっけ」
みたいに侵食されてくのが面白そう
484名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:39:51.24 ID:J5dqZ6Wr
強制ですらないよね、流し読みしてるだけだけど
485名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 23:28:49.06 ID:q9D50jAD
>>435
いい設定ですね!
是非この設定のSSを読んでみたい。
486名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 23:50:47.73 ID:F+fAy+mA
>>391-392
俯瞰できると物体X的な恐怖が沸いてくるな。
映画冒頭の、犬に擬態した物体の如き印象が…。
487名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:51:49.47 ID:fFdXSFFB
>>483-485
制服だけだと負債たまらないんだよな、全寮制で寮内できる為の服もあれば別だが
制服だと朝7時半位に着たとして部活(制服のままできる文系部)して帰って19時位としても制服着る前には戻る
体育の時間があれば着てる時間減るし、休日にはまるまる消費される
制服じゃなくて、人前に出る時はずっと付ける何かの方がベターだと思う
488名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:54:08.02 ID:Y/bz5arh
制服だけじゃなく、体操着や水着、部活のユニフォームなどにも同様の魔法がかかっていればOKだな
489名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 01:13:47.02 ID:jrxaxy6Q
>>487
>>488
制服を脱いでも、制服のを着ているときに身につけていた物にも効果が継続しているとか。
490名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 07:54:48.37 ID:vFq1aDlN
>>487
私は以前同様のことを「魔法の補整下着」(下着に合わせて体型が変わる)という手段で書きましたけど>>魔法の制服
まぁ、学生なら平日は10時間近く制服着てるでしょうが、それでも残り14時間なので、ひと晩寝ると戻っちゃうんですよね。
その辺りほどうするかが書き手の腕の見せ所かも。あるいは、「だから毎日着てても安心」と思わせといて、思わぬ罠を仕掛けるとか。
491名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 08:10:12.81 ID:g/rS5+DO
大学に入ったばかりの頃、男は奇妙な夢を見るようになった。
夢の中では自分の存在は男性ではなく、女性だった。
最初のうちは夢は夢らしい非現実的な世界だった。空を飛ぶとか、スーパーヒロインになって悪者をやっつけるとか。
しかし、少しずつその夢は現実感を帯びてくる。
夢に友人や親が出てくるようになり、大学で講義やサークル活動にいそしむ。しかし女としての存在で。
そしてついに現実世界でも変化が訪れる。
夢をみた後の強烈な倦怠感。そして体にも変化が訪れる。
最初は髪の毛の質が女の子のように柔らかくなっていった。

毎日のように現れるほんの少しの変化。
そして現実世界の体の変化と同調するように夢の世界が現実感を増してくる。
ついに男は現実世界が夢なのか、夢の世界が現実なのか境界が曖昧になっていく。
そのころには男の体のラインは艶めかしい女の子のそれになっていた。
しかし、まだ胸は乳首と柔輪が第二次性徴に差しかかったばかりの女の子のようにかすかに盛り上がる程度、股間は若干小さくなったかなと感じるがまだ男性としてのシンボルは主張を続けていた。

そして、夢と現実が入れ替わったときその男は…

みたいな話だれか書いてw
492名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 08:13:57.39 ID:r35JA2O+
女性体でオナニーしたら半日セックスしたら1日変身延長とかは?
493名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 08:17:11.46 ID:Y/bz5arh
>>491
なに、そのステキ設定
誰か書いてーw

>>492
制服には肉体とのリンク機能が搭載されていて、
制服を脱いでいる時に男らしい振る舞いをするとペナルティとして
「女性への変身時間が延長していく」というのはどうでしょう?
494名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 08:29:49.06 ID:wTW+y7Qu
>>491
そのうちに夢の中での自分はとんでもないケバビッチになっていき、自分の友人や知らない男達と毎日のように夢のなかでやりまくる。
そして、ある日現実世界の友人から夢のなかでお前とセックスしたと言われる。
男は「気持ち悪いな、ホモかよ」と言うが、友人は「お前は女の子になっていた」と言う。
ついに周りの夢にまで影響を及ぼすようになった。

みたいな感じで
495名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 10:40:22.90 ID:xtquEwjy
こういうアイディアの出しあいって、うっすらとならいいんだけど、ここまで来るとなあ。
小説が完成してもどう展開するか大体分かってワクワク感がないというか…。

いっそリレー小説状にみんなでやるならいいけど、書き手の行く手に石を置いて回るって、いい事なのか…いや、いいんだ忘れてくれ。
496名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 10:59:51.77 ID:cD0BHsAZ
確かに、最初のネタ出しの時点では、ちょっと書いてみるかなと思うんだが、
それが続くと、あらすじ状態になってて書く気が失せるってのはあるなぁw

といっても、ネタ出しで終わっちゃうのは寂しいし、難しいところやね。
497名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 11:33:40.96 ID:p62+iJ7b
不毛な言い争いよりは百倍、千倍いいだろう
498名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 19:14:37.39 ID:iDBt1a9p
>>495
>いっそリレー小説状にみんなでやるならいいけど、

「ゲームブック風」の提唱者です。しかし、あまり乗る人がいなかったでござる。無念。
499名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 22:27:31.20 ID:xtquEwjy
熱し易く冷め易いのがこのスレ住人の特徴かも(^o^;
500名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 23:15:26.77 ID:Z3Ndado0
下書きやアイデアを  整然とした文章にするのは大変な作業だからね
誰も作業の部分はやりたくないんだろう
501名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 23:48:46.90 ID:ZtOFtGdm
部分変化モノを書こうと思ったけど難しいね
まず何処から変化させるべきなのか、交換モノにすべきか変身モノにすべきか
502名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 23:54:00.72 ID:fFdXSFFB
>>501
書き上げたいのか、書いてみたいのかで選ぶのが良いと思う
書き上げたいなら、計算して道筋きめないと段々興が削がれる結果になるだろうから計画が必要だが
とりあえず書いてみたいなら、深く考えて筆を止めるよりは思いつくまま書いてしまうのが良い
503名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 00:46:41.10 ID:NoxveKRl
優等生の強制女性化→ケバビッチ化が好き。
504名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 02:51:16.82 ID:Dtl/0Ewq
>>503
個人的な嗜好としては逆に「やんちゃ/不良な少年のお嬢様化」がいいなぁ。
変化したのが中1か中2くらいで、3年後の高校生になった頃、街で昔の悪友達とすれ違っても、
全然気づかれず、むしろ見惚れられたりとか。
や、あくまで自分の好みの問題ですが。
505名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 07:40:20.26 ID:eZ/0Z0d1
Fictionmaniaで言う「Bad Boy to Good Girl」だね。
506名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 16:13:53.12 ID:+zleeI28
女性化した肉体に男性のままの精神が一番の好みだけど、身も心も女性化しちゃって恋に落ちてラブラブ和姦展開が一番多いよな。
後半と言うか女性化後は単なる純愛物になって陳腐に終わるのは食傷気味なんで、男性の精神のままのた打ち回るのが好み。
ただ、やりすぎると欝展開一直線なんでパロディ方向へ上手く展開できないと、読んでてこれも苦痛になってくんだよなぁ
507名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 18:00:41.60 ID:8Xdl9q14
>後半と言うか女性化後は単なる純愛物になって陳腐に終わるのは食傷気味

確かに、恋した相手が「主人公が元男だったことを知らない無関係な男性」だったりすると、ありきたりな純愛モノになりがちだが、相手が元親友だったり、自分の過去を知ってたりすると、かなりの葛藤とストレスがあると思う。
そもそも本人の性格自体が女性化しても、シリアス作品なら「自分は元男」という引け目があるわけだし、それを相手に知らせるべきか、でも……という意味でも、「単なる純愛物」にはならないはずなんだけどなぁ──キチンとそのあたりの心理を書けば。
508名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 23:59:57.10 ID:0tmJZsYO
とりあえずTS小説の書き方見本

八重洲さん……ゴメン(爆)
真・サルでも書けるTS小説(少年少女文庫より)
http://ts.novels.jp/novel/200011/03192112/moemoe.html
509名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 05:38:01.48 ID:lsoSy9yK
>>506
その辺はどちらかといえば視点の問題だと思ってる
TSした主人公に感情移入して読む場合、完全女性化は面白みが少ない
TSした主人公を観察している気分なら、精神女性化(記憶変化)は
ギャップを楽しむシチュであるのではないかと
510名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 11:58:48.90 ID:U5+UG96O
まぁ、好みの問題なんで一概には言えないけど

>欝展開一直線

って奴は書く側の頭ん中の問題でもあるからなw
ドS系と言うか陰鬱系を書いてる自分の場合は徹底的にダーク展開ぐらいが書いてて気持ち良いし。
後から第三者的に読み返してみて「病んでるなぁ」と痛感するんだけど、妙にウケる時もあるんで、
その辺りのさじ加減は実に難しいと思う。
511名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 12:07:52.27 ID:K1Fc3oE+
>>508
読んでみたけど……確かに頷ける部分もあるけど「異議あり!」と言いたくなる意見も多いかな。まぁ、ネタだろうから真剣に反論するのはアレなんだろうけど。
自分なんかは、とくに「主人公以外の身近な人間がTSし、読者はその主人公に同化して「彼女」の狼狽その他を見守る」というタイプのSSをよく書くし。
512名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 14:10:13.13 ID:EBteh3FH
そもそも精神の女性男性の線引きってどこだ?て問題もあるし。
肉体ならそれこそ性器とかDNAとかである程度明確な線があるけど
精神なんて「男っぽい」「女っぽい」という雰囲気レベルのものがある
だけで個人の感性による触れ幅大き過ぎるからなあ。
513名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 20:45:18.23 ID:P/aY56p4
だからこそTSはおもしろいのだ
514名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 20:49:40.79 ID:7gr55coE
精神が、入れ物に影響を受ける設定の作品も、結構あるよね
確固とした性自認なんて、誰も持っていないんじゃないだろうか
515名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 21:17:27.10 ID:bQmEeKHS
精神は肉体と無関係には存在できないんだから
付いてたら男、穴あいてたら女、ってのが原始的な性自認だと思うぞ
だからこそTS物の面白さの一端があるのだし
516名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 21:52:59.63 ID:QM6naS8d
おおよそ性自認ってのは肉体の中でも脳の働きによるものと言われている
早い話が男のものや女のものから分泌されるホルモンが脳に作用を及ぼすとか……
しかも脳というのは案外フレキシブルな臓器ときたもんだ
517名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:02:40.79 ID:uZwYH+cW
そういうリアル話イラネ。つうか雑談ヤメロ。ここは小説投下と感想だろ。
伸びているから来てみたらくだらねー雑談だらけとかカンベンしてくれや。
518名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:10:28.11 ID:PugVKEgN
>>517
そう思うならお前さんが小説を書けや
小説が投下されなきゃ感想も話せない、TSに関する談義である以上は場繋ぎでありだろ
それが書く人にインスピレーションを与えるかもしれないんだし
ただ小説を待って何も書かない状態よりはましだ
519名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:18:59.59 ID:uZwYH+cW
>>518
投下まで黙ってりゃいいだろうが。場繋ぎと称してくだらねー雑談でここを占拠して荒らすな。
520名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:26:18.51 ID:OdyArV5k
>>509
TSした主人公に感情移入してるけど精神まで完全女性化したシチュも大好物です大好物です
521名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:40:49.85 ID:zPXC3Xtk
まぁ、両方の言い分はわからなくもない。

生物学的な学術考察もリアル路線の作品作りの参考になるかもしれないし

だからといってやりすぎると萎えてしまうよね

ほどほどにしましょ両方ね

排除しないでみんな仲良くね
522名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:48:00.93 ID:D8kPBl/h
>512
「魂に性別があるのか?」ってセリフを思い出した。
なんかのTS漫画だったと思うが。
523名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:11:51.60 ID:EE+cIqSp
男の脳神経構造だったのが、強い女性的快感を感じて一気に女性脳へシフトとか

よくあるシチュエーション♪

「な、なんで俺がっ・・・こんなっ・・・くっ・・・野郎に・・・やられなきゃっ
ならねーん・・・だっ・・・」
「そんなこと言ってもここはぐちょぐちょじゃねぇか。」
「う、うそだっ!違う!お、お前なんかに!男なんかに!!俺はっ・・・んっ
お、男・・・だぁっっ・・・」

「本当にそうかなっっと」

「んっんっんっ・・・んきゃうっ・・・あんっ」
(!!な、なんで・・・俺・・・女みたいな・・・声・・・)

「ほう・・・やっぱり女みたいな声だしちゃって・・・ふふっ
そんな強がっていてもやっぱりお前女の子の体なんだよ!」

「やだっやだっ・・・なんでっ・・・もう・・・やだっよ・・・っきゅうぅんっ・・・」

「ほら、気持ちいいんだろ?ガマンは体に良くないぜ?
ほら、自分の体に素直になれよ・・・なぁ・・・」

「やだっ・・・んっんっ・・・絶対感じて・・・なんか・・・いないっ!!」

「ふふふ・・・そうやって強がっているお前・・・かわいいぜ」ぼそっ

「(ドキン)はっ・・・な・・・なんでそんなこと・・・言うんだよぉぉぉ///」
(うそ、うそ・・・なんで・・・こんなさいてー男のこと・・・かっこいいって思うの!?
おかしいよ・・・おかしいよ・・・なんでこんなにドキドキするのぉぉお???)

「ほら、イッちゃえよ!!ほらぁぁぁ!!!」

「あんっあんっあんっ・・・もう・・・だめっだめぇぇぇぇ・・・うきゅぅぅぅ!!!
イクッイクイクッぅぅぅ!!!」

びくびくびくぅ
どくっどくっびゅぶっ!!

「はぁはぁはぁ・・・」

「なぁ・・・お前のこと・・・その・・・親友だと思ってたんだが・・・ごめん
こんなことしたあとで全然説得力ないけど・・・俺お前のこと好きになったみたいだ。
お前が女の子になって色々大変だと思うけど・・・俺・・・お前のこと絶対守ってやるから!」

「んっ・・・ひどい・・・ひどいよ・・・友達だと思っていたのに・・・
でも・・・ほんとに俺のこと・・・守ってくれる?」

「ああ・・何があっても守ってやる・・・その代わり・・・せめて俺の前だけ・・・女の子でいてくれないか?」

「・・・もう・・・しょうがないなぁ・・・君の前だけだからね・・・私・・・君のこと親友以上に好きだよっ!」
524名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:12:22.39 ID:EE+cIqSp
っと、こんな感じですか?

男脳→女性的快感→女脳
525 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/05/19(木) 00:29:03.87 ID:UMsb890h
>>524
ビューティフォー
526名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:32:41.15 ID:rQxJjQjc
オリックスの長谷川とか俳優の高橋英樹とか男前だと思うが、彼らに掘られたいと思う男はかなりレアだろう。
でも女は自分の好みの男を見たら、54%くらいは抱かれたい(≒おっぱい揉んで欲しい、チューして欲しい、挿入して欲しい)と思うんだぜ?
レイプされた女が鬱に入ったり自殺をしたりする所を見ると、『犯される』と言うのは女にとって相当に恥辱的な事だと判断できる、
でも自分が惚れた男相手なら、寧ろ積極的に『犯されたい』と思ったりするんだぜ?

男と女は脳も決定的に異なると思う。同じ言語を話すから意思疎通は出来るけど、基本全く別の生き物だ
527名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:36:46.98 ID:EE+cIqSp
>>526
> レイプされた女が鬱に入ったり自殺をしたりする
っていうのは恥辱を受けたからではなく、大抵の場合は犯されたという事実がありながら、
感じてしまった自分に嫌悪してということらしいぞ
528名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:46:09.39 ID:SOeysd3p
脳が違うってより、育てられた環境だと思うけど
529名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:50:53.53 ID:y3qBDRiZ
生物学、医学的に曖昧なものは、変に線引きしようとしても
結局怪しげな心理学やら俺的男女論にしかならんからなあ。
530名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:57:48.28 ID:b+8WeEZL
女は不細工禿にレイプされるような妄想でオナる事がある
各女性専用板をROM中に何度もその手の会話があったし、反論が皆無どころか同意レスもある訳で
ネカマの釣りではなく事実だと判断できる。
男は不細工女とヤる妄想では抜けない、逆レイプと想定しても萎えるだけ。
531名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 01:06:50.71 ID:mR7PGwU3
性的嗜好までいくと社会的規範とかが絡んでくるからなんともなあ
とりあえず脳構造までは違うから平均すれば女脳の方が空間把握が苦手な個体が多い
とかの傾向があるっちゃあるけど、そういうのも訓練や個体差でどうともなるから作品で書きたいシチュにあわせて適当でいんじゃね
532名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 01:13:37.86 ID:EE+cIqSp
>>531
そうだね、あんまり型にはめちゃうと作品の広がりがなくなっちゃうしね。

そもそも女性化って本来ありえないファンタジーなワケだから、
自分が萌えるシチュを広げていけばいいと思うよ。
533名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 01:30:25.01 ID:b+8WeEZL
百年後にはファンタジーじゃ無くなってるかもだけどね
で、リアルで女性になってみたら楽しい妄想何処へやら
女の排他的コミュニティや生理の苦しさとかで七転八倒やもしれず
534名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 08:35:52.05 ID:PR3eGpDs
女の目に映ってる世界を見てみたいと思うときはあるな。
535名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 20:05:58.27 ID:sRafH5l3
「んふむぅ、んふ、ぅふん……」
ベッドの上で仁王立ちになった俊輔は、上目遣いで自分の目線を確認しながら、一心不乱にフェラチオを続ける奈菜を見下ろしていた。

「もっと愛おしそうにしゃぶって。」
「はひ…んふ、ふぅ…」

小さな口いっぱいに俊輔の反り返ったものを含みながら、そう命じられて、即座に返事をしてしまった直後、
奈菜はほんの一瞬後悔した。自分は、好きでこんなコトしてるんじゃない。逃げられないし、どうしようもないんだ。
そう言い聞かせ続けていた自分の心が、少しずつ、目の前の男に奉仕をすることに悦びを感じはじめている。
認めたくない事実が胸をきゅん、と撃つ。

「あぁ、そうだ・・・いいぞ。」
俊輔のものを含んだ口の中で、奈菜がゆっくりと、裏筋に舌を這わせる。
たっぷりと分泌された唾液が俊輔を包みこむと、思わず彼は顔をゆがめ、まっすぐに自分を見つめる奈菜の目線をそらした。
「んふ…はぁ…」
誉められた、と奈菜は感じた。そのことが嬉しくも、口惜しくもあった。
その感覚はともかくとして、奈菜は舌の動きも、そして口を前後に動かすことも、止めようとはしなかった。

「まったく、つい1週間前まで男だったとは思えないな。あぁ…すごくいいぞ。」
そう言うと俊輔は少し体をかがめて、両手で黒くて柔らかい奈菜の髪を優しく撫でた。
「んふぅ・・・はぁ・・・ん」
奈菜は口の動きは止めなかったが、撫でられたことで視線が水平になった。次の瞬間、髪を撫でていた俊輔の両手が
奈菜の頭を前後にゆっくりと動かし始めた。

「んふ・・・んふ・・・」
―始まった―奈菜は少し安心した。自分が積極的に口を、舌を動かさなければならないフェラチオは、イラマチオへと移行した。
この先は、俊輔がリードしてくれる。それだけで気が楽になった。
口の中に射精されるにしても、この後セックスへと移るとしても…いや、絶倫の俊輔のことだから、両方だろうか…
裸の美少女は軽く俊輔の両脚を抱えて、眼を閉じて、男の動きに身を委ねた。
俊輔のものが喉の奥に入ってむせないように、舌で動きを制御しながら―だんだん、俊輔の両手は激しく動き、
今日はじめてポニーテールにした髪はシャンプーの香りをふりまきながら前後左右に揺れた。
536名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 20:06:51.34 ID:sRafH5l3
「くひまんほきほひいい」
はっ、としたが遅かった。奈菜の口から正直な思いが、頭で考えるよりも早く飛び出してしまった。
奈菜は舌っ足らずになった言葉の意味が俊輔に通じてなければ…と瞬時に願ったが、後の祭りだった。

「えっ・・・?」
俊輔が動きを止めて、そして、いきり立ったペニスを奈菜の口から抜いた。

「けほっ、ぁ・・・」
奈菜は、下を向いてうつむいてしまった。両手も離した。
「ふふ、奈菜、ずいぶん正直になったな。」

「い、いや、その・・・なんのことですか・・・?」
奈菜は下を向いたまま少し咳き込むふりをした。
「もう一回言ってくれよ。それとも、このままやめるか?」

きゅん、と胸が高鳴ってしまうのを奈菜は抑えられなかった。
「ふふ、こっちも止まらないみたいだな。」
俊輔は膝をついて、奈菜の、生まれて一週間…正確には6日とちょっと…の女の子の大事な部分に指を這わせた。
荒々しく頭を掴んで動かしていたその同じ指で…

「はぁ…ん、いやだぁ、、、」
その部分がねっとりとした液体で潤っているだけではなくて、シーツがびしょ濡れになっていることも気づいていた…
だから、奈菜は恥ずかしかった。そして目からは涙がどっ、とあふれた。

「すっかり女の子だな。」
下を向いたままの奈菜の表情も涙も、俊輔には見えてなかったはずだ。
だが、奈菜は、そんな言葉で自分の感情をもてあそぶ、俊輔の態度に苛立ち覚えていた。涙は止まらなかった。
537名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 20:07:49.07 ID:sRafH5l3
「泣いてるの?」
その問いかけに、奈菜は首を横に降った。今、涙を見られたら、何かが折れてしまうような気がした。
自分は、男だと、この6日間、女性化型セックスサイボーグとして調教を受け続けたが心は売り渡さないと誓っていた。
その抵抗の終焉が、おとずれようとしていることを、奈菜は感じていた。

「じゃ、さっきのをもう一回言ってよ。」
「……」
奈菜は答えなかった。
「それじゃ、もう終わりにする?」

俊輔のさらなる問いかけに対して、奈菜は涙をながすことしかできない。
沈黙が部屋を包む。

奈菜は泣きながら、整理できない心を整理しようと試みた。いっそ、泣き続ける自分を勝手に犯してくれれば、
簡単な話だった。そして、心のどこかでそれを願っていた。だが、今日の俊輔はいつもと違った。
沈黙が生み出す緊張は、涙が免罪符にならないことを奈菜につたえようとしている。

「さっきのをもう一回言ってよ。」
―もう逃げられない―どれほどの沈黙の後だったか、同じ質問を繰り返した俊輔に、奈菜は観念した。涙が止まった。
そして、涙で真っ赤になった顔を上げながら…答えた。

「くち・・・口マンコ・・・きもちいい・・・」
消え入るような小さな声は、たしかに俊輔の耳にも届いた。にんまりと笑をたたえて俊輔は意地悪をした。
「聞こえねーよ。」
「口マンコきもちいい!」
今度は、少し甲高い声で、顔を上げて、目を閉じたまま答えた。
538名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 20:10:34.77 ID:sRafH5l3
「おいおい、そんなにやけくそで言うなよ。」
そう言われて、奈菜は、再びうつむいてしまった。
「じゃ、次はどうしてほしいんだ?」
俊輔はそんな奈菜を見て、冷静に質問を変えてみた。
奈菜ははっとした。
イラマチオで口を犯されながら、奈菜は、温かくて白くて独特の匂いをしたあの液体が、
いつものように奈菜の顔にかけられることと、そこまでいかずに、ベッドに転がされて、
一心不乱に咥えていた俊輔のものが体の真ん中を散々に突き回すことと、両方を想像していた。
最初は、正常位かな?後ろからかな?それとも奈菜が上になって?

いつの間にか、どれでも受け入れられるようになっていたが…その全てのことが、
いつの間にか奈菜の欲望になっていたことに、気づいてしまったのだ。

「どうしてほしいんだ?やめるか?」

俊輔は、もう、気づいているのだ。奈菜の恥じらいは、涙は、欲望の裏返しだと。
ココロも、そしてカラダも・・・奈菜は女の子としての・・・女性化型セックスサイボーグとしての自分を受け入れ・・・
その使命を受け入れ・・・快楽を求めている。理性では制御が利かないほどに、求めているのだということを。

「ぜんぶ・・・」
消え入りそうな小さな声で奈菜が答えた。
「ぜんぶ?」
また、涙は止まった。真っ赤に泣きはらした目で、俊輔をまっすぐに見つめた。
「うん、ぜんぶ・・・」
「全部って?」
俊輔は首をかしげた。
「んーとね・・・」
「何?」
見つめ合いながら、一瞬の沈黙が部屋を包む。奈菜は、ココロと、カラダが…性欲が求めることを正直に話した。
「んーとね…先輩の…おちんちんで奈菜の口マンコをもっと気持よくしてほしいの…で、その後はエッチもしたい。
それだけじゃなくて…顔にもあったかいのかけて欲しいし…それから、
先輩にも奈菜のアソ・・・おマンコ舐めてほしいし…、それから、それから…」
539名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 20:12:51.84 ID:sRafH5l3
堰を切ったように淫らな欲望が奈菜の口から次々に現れたことに、俊輔は一瞬驚いた。だが、すぐに悟った。
女性化型セックスサイボーグ、奈菜の調教は、その第5段階「受容」のステージに移ったのだ。
もはや、奈菜はもとの「鏡雅彦」としての自分を捨て、女性化型セックスサイボーグ「奈菜」としての運命を受け入れる準備ができたのだ。

「よし、じゃあ、全部やってやる。」
自らが選んで、女性化型セックスサイボーグへの肉体改造を決断した、高校の後輩、鏡雅彦―今は女性化型セックスサイボーグ「奈菜」―
の調教はこれからが本番だと知っていた。奈菜のココロとカラダが際限なく求める性欲は、
とても俊輔一人で満たせるものではない。今、こんなにも切ない目でまっすぐに俊輔に「全部」を求めている美少女は、
他の男を相手にしても、同じように―いや、ときには自分に対してよりも激しくそいてとびきり淫らに―「全部」を求めるのだろう。
そのことが、俊輔の気持ちを少しだけ、動揺させた。

「はぁ・・・ん、せんぱぁい・・・」
そんなことを考えながら俊輔が右手の2本の指を奈菜の女芯に這わせると、今までとは少し違った、
とてもいい声で―切なさと性欲とがまざった、いやらしい声で―奈菜は俊輔を…男を、求め始めた。はやく、もっとして・・・と願いながら。
ゆっくりとしか動かない、俊輔の指が、奈菜にとって今はうらめしかった。
540名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 21:04:46.40 ID:z8GnSTB+
支援。
541名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 22:10:33.29 ID:EE+cIqSp
エロくていいねっ
エロくていいんだけど・・・強制女性化の描写は?
これからあるのかな?
だとしたら期待してしまうよ
542名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 02:28:06.44 ID:sI3Et+y8
丁寧に心理描写してるのは久しぶりだ
たまらん
543名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 07:39:54.01 ID:ZzcoQEIA
エロ厨はエアリィの作者を人格攻撃する屑ばかりだから
職人達に嫌われてるんだろうな
自ら自分の首を締めるとはマゾだなやはり
544名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:10:02.61 ID:S/sHKHHm
「ごめんなさい。雅彦さん…」

薄れゆく意識の中、鏡雅彦の男としての最後の記憶は1年以上付き合った3つ年下の彼女、大澤睦美が泣きながらつぶやいた言葉だった。

その日、23歳の社会人1年目の鏡雅彦は仕事が終わった後、憂鬱な用事の為に待ち合わせの場所に向かっていた。
帰り道とは反対方向の電車に乗って4駅の間、それが雅彦にとって逃れられない運命の、大きな一歩だとまだ知る由もなかった。

街には、まだ冬までのように、とはいかないものの、少しずつはなやぎや活気が戻っていた。金曜日の夜ともなればなおさらだ。
自分ほど、憂鬱な気分でこの電車にのっている人間が他にいるだろうか・・・

―睦美が浮気をしている―考えてみれば、世の中にはよくあることだ。
雅彦の、それなりに困難の多かった今までの人生の中でも、ちっぽけなことでしか無いかもしれない。
それに、女なんて星の数ほどいる。このご時世に、それなりの大きな会社に就職し、もう面倒をみるような親もおらず、
小さいとはいえ東京の一戸建てにひとりで住む雅彦にはいくらでも出会いがあるし、結婚相手だっていくらでも選べる。
今日、自分は別れ話をして、それで自由になるのだ。そう言い聞かせながら電車を降りた。

改札を抜ける頃には、少し考え方が変わっていた。それでも、睦美ほどかわいい女の子と知り合えることなんて、
しかも自分とうまくいくことなんてそうそう無いかもしれない。現実にあれほどの女の子は、それまでの人生の中で、
少なくとも雅彦には引っかかってこなかった。平均的に優秀だが、とりたてて騒ぐほどの特徴のない雅彦は急に自信を失った。やっぱり、なんとかして睦美ともう一度やり直そう。浮気は、許せばいい。自分の度量の問題じゃないか。

そんなふうに、感情の浮き沈みがありながら、待ち合わせの場所―駅から歩いて2分ほどのカフェ―についた。
まだ、今日の待ち合わせが、自分では変えようのないほど大きな運命の波の中にあることを、彼は知らない。

待ち合わせの時間までもう2分を切っていた。だが、店の中に睦美の姿が見当たらない。
―とりあえず、落ち着こう―
感情を整理しようと、先にコーヒーでも飲んでいようと思い、席についた。
545名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:10:49.05 ID:S/sHKHHm
そこで、視線の先に発見したのは、意外な人物だった。
吉岡俊輔―雅彦の高校の時の2つ先輩で同じ陸上部出身、幼なじみ―今は生命工学か何かを専攻している大学院生のはずだ。

雅彦には年子の姉がいたが、その姉が、雅彦の行っていた高校とは別の、女子高に通っていた頃、俊輔と付き合っていた。
その姉と俊輔が別れた後―いや、正しくは別れたかどうかの確認はしていないのだが―、
連絡をとりあうこともなく、とくに噂にのぼることもなかった人が、視線の向こうに座って、コーヒーを飲んでいた。

「先輩。」
目があったので、雅彦は立ち上がって挨拶に向かった。先輩に対する体育会系の礼の常識ではあったが、
これから修羅場を迎える雅彦にとっては、近しくつきあっていた知人に、そんな場面を見られたくない、という思いがあった。

「おお、雅彦、久しぶりだな。」
「こちらこそ、ご無沙汰しています。」

立ったまま、とくに交わす言葉もなかった。少なくとも雅彦にとっては気まずい沈黙を続けざるを得ない相手なのだ。
いや、正直に言えばこの人と女の話などできようはずもない。何の因縁か、
こんな日にこの人と会ってしまった自分の運命を呪った。

カタカタとマックを操る俊輔がしばらくの間黙っていた雅彦に声を掛けた。
「座れば?それとも待ち合わせかなにか?」

その瞬間、雅彦はポケットに振動を感じた。
「…そうなんですけど、ちょっと遅れるみたいです。」

睦美からのメールだった。
普段だったら不機嫌になるところだが、今日は少し安堵して、俊輔の前の椅子に座った。

「ほんとに、久しぶりだな。」
雅彦には、その俊輔の言葉にいろんな意味が込められているような気がした。
ひょっとしたら俊輔にとっても雅彦は最も会いたくない相手かもしれない。

546名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:12:15.67 ID:S/sHKHHm
「本当だったら、就職祝いのひとつもしてやらなきゃいけないのに、すまなかったな。」
「いいえ、とんでもない。こちらこそ、先輩にはご迷惑をおかけしたかもしれません。本当に。」

会いにくい相手ではあったが、もともと仲は良かった。彼女の弟だったから進学の時も色々アドバイスを貰った。
だから、姉のことがなければ今自分に起きていることの相談に乗ってもらいたい人物であることも間違いない。だが、
流石にそこまではできなかった。
逡巡しながらただ座っていた。

俊輔が向かっているPCは、向かい側に座っている雅彦にはカバーしか見えない。
普通、人がPCで何をしているのかなど気にしないものだ。ここで、もし雅彦が俊輔のPCを覗き込みでもすれば、運命は少し変わったのかもしれない。だが、先輩である俊輔に対してそんなことができるわけでもなく、ただ、しばらくじっと座っていた。


俊輔は今日これから実行の段階に入る、計画の最終調整をしていた。
―セックスサイボーグ製造実験―もともとは、性風俗産業やAV・ポルノ産業が、
いわゆる「反社会的な勢力」の資金源になっていることを問題にして、
その資金源を政府のほうで奪うために内閣府が秘密裏に創設した「性風俗規制委員会」の一部局、
「セックスサイボーグ製造計画実行局」の計画だった。
一年に1人から2人のペースで、様々な形の「セックスサイボーグ」を、
生命工学産業、医者、官庁が一体となって生み出すという実験だった。
俊輔が、大学1年生の時から、その「実行局」のメンバーであったことなど、雅彦が知る由もない。

完全な、遺伝子レベルからの若返りと性転換の技術がある医学者によって発見されたのは、
もう10年近く前のことだった。最初は何種類かの動物実験を経て、性転換のためにはどの遺伝子をいじればいいか、
若がえりの為には、そして、セックスで自分や相手が快楽を為には、どのような改造を施せば良いのか、実験が繰り返された。

547名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:13:47.42 ID:S/sHKHHm
政府も、その研究の重要性に気づいた。そして、成果が公になればあまりに社会的影響が大きいことにも気づいた。
そこで潤沢な資金を与えて、実験の成果を人間に反映させることを許すかわりに、
慎重に、秘密が漏れないように、「セックスサイボーグ」製造のためのチームを作ったのだ。
俊輔はその一員として、セックスサイボーグとなる人間の候補の選定と、実行部隊の主要な役割を任されていた。

俊輔のPCの画面には、これから実行される計画のスケジュールと、そして、
今日これから―もしくは日付が変わった頃かもしれないが―製造される、
「7人目のセックスサイボーグ」の「設計図」が映しだされていた。
これまでの6人+アルファのセックスサイボーグ製造の経験を踏まえて、
今回作られるのは、「男性からの性転換型」かつ、単なる遺伝子操作によって男を女に変えるだけではなく、
「サイボーグ化対象及び近親者、及び女優等から採取したDNAによって、純日本人的な別の女体を先に創造して、
そこに対象の記憶を移植する」という方法が初めてとられる。
だから、これまでの6人とは違って、今回の「女性化型セックスサイボーグ」は、肉体だけは先に存在していないといけない。
とはいえ、完成から12時間以内に記憶の移植を終えないとならないから、まだ完成はしてないのだ。
記憶の移植を行う研究室からの連絡では、そろそろ、対象―雅彦のことであるが―の記憶が移植される肉体は、
完成に近付いているはずだ。

この計画の実行部隊として、俊輔は、まず対象を密室で拘束することが求められる。失敗は許されない。
そのための連絡は密でなければならず、緊張を要する作業だった。だが、実行の見返りとして与えられる、
設計図の中の美少女を最初に「セックスサイボーグ」として調教できる権利は、
女好きの、そして自他共に認める絶倫の俊輔を奮い立たせるのに十分だった。
そして、その対象が今、目の前に現れた。自分の仕掛けた通りの罠にはまってきたのだ。

「ん?」
俊輔の指示通りに、再び雅彦の携帯が、今度はテーブルの上で揺れた。

「どうした、デートか?なら遠慮するけど。」
「いや、今度は1時間くらい遅れるって、言ってきました。」
「そうか…1時間も待たされるのはあんまりいいことじゃないな。」

「浮気してるみたいなんですよ。」
もう、どうでもいいや、というふうに雅彦が切り出した。
「浮気?」
「ま、こっちも就職してから忙しくて会えなかったし、潮時かな、と思ってたんですけどね。もう、今日は来ないかもしれませんねー。」

足を投げ出して、雅彦は大きく背伸びをした。睦美からのメールが、雅彦の指示によるものだとは、知るはずもなかった。
548名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:18:01.15 ID:S/sHKHHm
「浮気か…それで、どうするつもりなんだ?」
「…分かりませんよ。いろいろ考えちゃって。」
「そうか、それじゃ、彼女の方も同じように迷ってるのかもしれないな。」

「……」
「まだ会えるような状態じゃないのかもしれない。今日は断ったらどうだ?久しぶりだし、飲みにでも行かないか?」
雅彦は、しばらく考えたが、
「いいですよ。久しぶりですもんね。明日土曜日だし。」

と、承諾した。
「それじゃ、一度家に寄ってこれ置いてからからどっか行こうか。」

最後に、睦美に「そのまま待機しろ」と指示を送ってから、俊輔はPCを閉じた。
運命は、ものすごい勢いで回り始めていた。

雅彦にとって、気になっていること、―俊輔と姉との関係―ももうすぐ、雅彦は知ることになる。そして、睦美の浮気相手も。
いや、単なる浮気相手ではない。過酷な運命の一部だった。むしろ、睦美など、雅彦の運命に巻き込まれてしまった被害者と言ってもいいかもしれない。

雅彦は、まだそんなことを知らず、荷物をまとめて店を出る俊輔の後について歩き始めた。
かつ、かつ、と男性用の革靴が立てる音も、雅彦にとってこれが最後になることを、まだ知らなかった。

549名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 14:33:40.88 ID:P6IqxwEo
ばいばいさるさん
550名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 16:17:05.17 ID:qhu49aFz
支援
551名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 23:38:56.99 ID:qJm8nfB6
期待

このスレの雑学見てると色んなシチュが思い浮かんで来るけども
あんまりにも医学的生物学的知識が深すぎて気楽に書けなくなってしまうジレンマ
552名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 01:12:38.99 ID:E753PLlY
むしろ大嘘ついておいてちょっぴり本当のことを混ぜておく
ぐらいの方が夢広がりまっす

よくある「変化したては敏感だからねー」も
「再構成されたせいで神経も一新され全ての刺激が“新しい感覚”として脳に認識されているのか
 フフ、新鮮な経験というものは楽しかろう、いや快い、かな?」みたいな
553名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:45:15.14 ID:19wH4+81
大澤睦美は、つい半年前までは、親元を離れて一人暮らしをする、どこにでもいる普通の女子大生だった。
少し他の女の子よりもかわいいことで目立つ存在ではあったが、
それでも普通の女の子であることにかわりなかった。
彼女の運命を大きく変えることになったのは、鏡雅彦との出会いであるといって間違いない。
本人はまだ、その事実を知らないのだが。

「んぁ・・・はぁ・・・ん、」
睦美は、「淫乱化型セックスサイボーグ」である。半年前に、改造手術を施された。
簡単に説明するならば、元の女性としてのカラダを最大限に活かして、淫乱さを増し、
セックスのための体力を異常なほど増幅させるための改造を施された。
だから、外見は彼氏の雅彦さえ気づかないほどしか変わっていないのだ。

ちょっと特殊なのは、彼女のカラダの中には「スイッチ」が埋めこまれており、
今のところそのスイッチを操ることができる俊輔の遠隔操作によって、体中の性感帯に刺激が走るようになっていた。
また、逆に、全く性欲を覚えないようにも操作できるようになっていた。睦美は、
そういう意味でそのカラダを完全に俊輔に支配されているのだった。

もともと、雅彦と付き合うまでは、キスの経験もないし、当然処女だった。どこから見ても、可憐な女の子だった。
雅彦は、あまり激しくカラダを求めてくるタイプの男ではなかったので、
今から10か月ほど前に初体験は済ませてはいたが、その後も雅彦とのセックスは数えるほどしかしていないし、
今日まで「セックスサイボーグ」に改造されたことも知られずに、それまでどおり付き合ってきた。

浮気をしてしまったことを告げる、昨日までは…
554名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:47:10.59 ID:19wH4+81
その浮気の告白だって、肉体関係の有無については触れなかった。
雅彦はおそらくまだそこまでいっていないと信じているかもしれない。
だが、実際には―改造手術の賜物とはいえ―この半年間、睦美が片方で雅彦と付き合いながらやってきたことは、
とても雅彦にとって許容ややり直しがきくような「浮気」では無いことはよく知っていた。

俊輔から、雅彦の「女性化型セックスサイボーグ」化計画を聞かされ、協力を強いられた時に、
睦美は実を言うと少し安心した。彼氏・彼女の関係は永遠に終わってしまうが、
雅彦その人との関係そのものは終りを告げない可能性が残るからだった。

「んはぁ・・・いやぁ・・・」
雅彦を連れて、俊輔がやってくる部屋の隣の部屋で、睦美はオナニーしていた。
くちゅり、くちゅり、といやらしい音が響いていた。
俊輔の操作する「スイッチ」は―睦美の性欲を最大限にたぎらせるように―出力が最大になるようにされていた。
何度か、今のような状態にされたことはある。だが、もう1時間もこの状態が続いていた。
右手はピンクローターで女性器をいじり、左手は胸をまさぐる。
間違っても逃げ出したり、雅彦との待ち合わせ場所に向かったりしないように、右足首に拘束具がはめられ、鎖でつながれている。

今のように、性欲を最大限にされてしまうと、いやでもオナニーするしか無いほどにカラダが火照ってしまうのだが・・・
囚われの身で彼氏が今からやってくる。
そして自分の正体が全て知れてしまう・・・そのことがいっそう睦美の興奮を高めていたことも、
いまは否定出来ないだろう。

「あぁはぁ…ふぅん」
指が止まらない彼女の目の前の液晶モニターに、隣の部屋の様子がうつしだされた。

俊輔の生活空間のテーブルの上に、一本のブルーレイディスクが置いてあることに、睦美は気づいていた。
もうすぐ、雅彦さんに全部が知れてしまう。半年間、隠し続けてきたこの淫乱な自分を知られてしまう。
嫌われてしまうかも知れない・・・だが、半年間続けてきた「カマトト」をこれでやめに出来ることの安心感もある。
不思議な感情の揺れに彼女は身を委ね、そして激しく感じていた。

555名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:48:10.18 ID:19wH4+81
「あぁ・・・ん、とまらない・・・よぉ・・・」
―次のセックスサイボーグは、鏡雅彦だ―睦美はそう告げられたのは5日ほど前だった。
最初は協力をためらった。だが、協力への見返りに「スイッチ」の制御方法を教えると言われた。
どっちみちもう後戻りできないところまで来ていることは知っていたし、
まだ見返りが得られるだけましな話だった。

あと3週間もすれば、ネット上に自分のAVデビューの告知が出る。2か月後には店頭にも並ぶ。
AVを見ない―少なくとも睦美はそう聞かされている―雅彦とはいえ、いずれはそのことを知られてしまうだろう。
そうなれば、どっちにしても自分は雅彦を失うのだ。

「ひとつだけ、お願いします。」
協力への条件をつけた。
「なんだ、スイッチだけじゃ不満か?」
「いいえ、スイッチよりも、大切なことを。」
「なんだ、言ってみろ。」

「雅彦さんを、私から取り上げないで・・・ください。セックスサイボーグになっても、せめて、友達としていられるように・・・」
心の底からの願いだった。

「そんなことか。」
「は、はい。」

にやりと笑って、しばらくの沈黙を作った後、俊輔は答えた。
「セックスサイボーグどうしが友達か。せいぜい性感を最大限にしてレズでお互いを慰めあえよ。」
屈辱的な、ひどい言葉だった。でも、睦美は
「あ、ありがとうございます。」
と答えて涙を流した。俊輔にしてみれば、次のターゲットが手に入ることと、睦美の協力は何者にも変え難かった。
「スイッチ」の制御権を渡す約束など、必要なかったのではないか、と少し後悔した。

「またせるのも何だから、上がって待っててよ。」
睦美の耳に、俊輔の声が届いた。最初に、ドアの方から微かに。そして1秒ほど遅れて、モニターのスピーカーから。

556名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:49:56.33 ID:19wH4+81
俊輔が、雅彦を連れて帰ってきた。計画通りだった。玄関を開けると、中にはいるように促した。
雅彦は、ただPCを置くだけだと思っていたので、俊輔の部屋にまではいろうとは思わなかった。
後から思えば、この時の促し方はちょっと不自然だった。その必要はない、と雅彦は一瞬訝ったが、
そこは体育会系の先輩の言葉である。逆らうより、そのくらいのことなら…と習性のように従った。

ぎぃっ、とその部屋のドアが空いた。俊輔に続いて、雅彦も中に入る。ぱたん、とドアが閉まる。
その時点で、中からは自由に開けないことに雅彦が気づくはずもない。
この時、計画は成功へとまた一歩進んだのだ。あとは、多少手荒い真似をしてでも、雅彦を手術台まで運べばいいのだ。

実際に、睦美をセックスサイボーグに改造したときは、それに近かった。言葉巧みに睦美を引きこみ、
眠らせて、目を覚ましたときには睦美は「女性淫乱化型セックスサイボーグ」に生まれ変わっていたのだ。
そして、その日のうちに、睦美はAV女優としてデビューするための契約をさせられた。
20歳の誕生日の、わずか2日後のことだった。

誰かを、強制的に「セックスサイボーグ」として生まれ変わらせることも数を重ねてきた。
その後の調教がうまく入ったことを思えば、雅彦をここからどう扱うかなど、どうでもいいことなのだが、
睦美の時のような、強引で手荒な方法を俊輔はとりたくなかった。

真実を理解させて、あわよくば同意―「女性化型セックスサイボーグ」に生まれ変わることを承諾させてから、
改造手術に臨むのも悪くはない―俊輔はそんなことを考えながら靴をぬぐ。

「適当に座っておいてくれよ。」
そう言って、部屋の奥へと向かった。あまり生活感のない1DKのマンションに、雅彦は少し違和感を覚えたあのだが、おとなしく従う。

PCをしまうふりをしながら、俊輔は考えを続けた。―いや、同意なんてされたらつまらない―。
真実を全て知らせて、運命に必死に抵抗する雅彦を、薬で眠らせて、運び出す。
―あんなに嫌がってたのに―後からそういってからかいながら調教をするのも楽しいし、
「セックスサイボーグ計画」の大きな里程標である、鏡雅彦の改造手術。
それをなるべく劇的に、そして、雅彦にとって―改造手術の後の名前は奈菜、と決まっているその人にとって―
屈辱的で受け入れがたいいくつもの事実を、快楽を教え込むことで受けいれさせる。
そんな、野望、少し冒険的な考えが、俊輔の頭の中でまとまっていた。
もう、計画は一番大事な峠を超えた。あとは、どうやって雅彦に―奈菜に―「女性化セックスサイボーグ」への屈辱と嫌悪を与え、
快楽と服従の快感でそれを塗り替えるか、という求道心のようなものが、俊輔の中に生まれていたのだ。
557名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 03:15:39.42 ID:6JI4PluQ
これは支援
558名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 19:02:34.11 ID:5Mg4yV14
すんばらC
559名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 21:21:51.04 ID:Gp+H9NK0
そろそろ保管庫更新しろしてくださいお願いします早くしろ
560名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 22:56:21.96 ID:RancLMv7
>>559
そんなに待ちきれないなら、淫魔の下着をプレゼントしよう。
止めどなく淫乱になって体験談をここに記しなさい。
馴染む頃にはきっと。
561名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 23:05:37.40 ID:MQ+hvkwd
今週はエアリィさんお休みか…今日はもう寝るか。
562名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 02:57:43.28 ID:4Y6ptA9u
>>559
被災したんじゃないのか
時期的に・・・
563名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 08:25:25.12 ID:g0Z5JFqM
>>562
頻繁に更新してたのに最終更新日が3月11日以前で止まってたりすると、被災したんじゃないかって心配するよね。
564名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 15:26:03.29 ID:NBHxMuM4
唐突に「僕と契約して少女になってよ!答えは聞いていない」とかいうセリフが思い浮かんだ
565名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 16:11:55.40 ID:14IrGpGk
未だにlife as dogの続きがよみたい。
あんな感じのダークな作品知らない?
566魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/23(月) 16:31:54.27 ID:qx4Xi7Wf
第十七話完成したのですが、投下してもよいでしょうか?
女体化サイボーグさんや他の作品を投下されるのでしたら投下後しばらくしてから投下します。

もし、なにもなければ今夜にでも投下しますね。

ではでは
567名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 21:46:20.64 ID:/D4SwH0P
エアリィさんを待つか。酒でも飲もう。
568魔法少女キューティエアリィ第十七話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/23(月) 22:30:45.52 ID:8AY3mUPb
こんばんわ。
エアリィさんです。

当初の予定は続けて番外編だったのですが、
番外編として書いていたものが意外にも本編の重要要素を含んだ形になってしまいました。
既にエロ描写も入っていたのですが、番外編を本編とエロ編に分けたところ、
エロ編は十八話の後に持っていったほうが良くなってしまったのです。
そのため、番外編は十八話の後に投下します。
それで、十八話と番外編は既にできているので、
もし良かったら三夜連続で投下したいと思います。

今日は十七話、明日は十八話、明後日は番外編を予定します。
1週間ほど空けたほうがよければ1週間後にします。

では、以下の注意書きをお読みの上、苦手だと思われた方はぜひともNGしてください。

※注意!
・エロ区内です。
・TS表現ありです。
・戦闘シーン大目です。
・台本形式です。

では、十七話スタートします。
桜萌ゆる春、新しい生活の始まり、出会いの季節。
無獣退治にあけくれる魔法少女たちも例外ではない。
彼女たちはそれぞれ進級し、新学年へと新しいスタートを切った。
しかし、春になれば新しい環境に皆、心浮き立つものだが、
魔法少女たちは違った。

新年度になったからと言って、敵の脅威は休んでくれない。
むしろ今まで以上に彼女たちを襲ってくるようになった。
以前は無計画に街の破壊を目的としていたのだが、
ここ最近は明らかに魔法少女殲滅を目的に無獣が現れている。
その証拠に、魔法少女の目の前に無獣が現れるのだ。

最初は彼女たちの連携により無獣を圧倒していたのだが、
エウロパが出現してからというもの、敵の様子も変わってきた。
少しずつ少しずつ一筋縄では勝てなくなってきた。

特にエウロパが連れている無獣にその傾向が強く出ていた。
つまり、敵が確実に強くなってきているのである。

彼女たちにとって幸いだったのが、ミーヤとイオが全く出てこなかったことである。
エウロパだけでもかなり苦戦してしまうのに、ミーヤやイオまで出てきてしまうと
現状では勝てるかどうか不安であった。
誰もその不安を口には出さなかったが・・・

大樹「さーてっと、今日もお仕事終了っと。」
6時のチャイムと同時に大樹は大きく背伸びをする。
今日は水曜日、ノー残業デーのため早く帰れるので部下たちもいそいそと帰宅準備をしていた。

田中「おつかれーっす。」

山本「課長、今日飲みに行きませんか?」

大樹「おお!いいねぇ。久しぶりだな・・・・っと・・・今日は・・・そうか・・・」
大樹は何かを思い出したように言葉を止めた。

大樹「ごめん、今日はちょっと早くかえらにゃならんのよ。」
そう、今日は塾にいく日であった。
時々は塾に行っていたものの、最近は新年度のためなかなか行けてなかったのだ。
今日こそはと明日美に釘を刺されていた。

大樹(明日美って世話焼き女房タイプだよな・・・
ありゃ結婚すると旦那は苦労するなぁ。)
田中「なーんだ・・・最近課長付き合い悪いっすよ?」

大樹「悪い悪い、必ず埋め合わせするからさ。」

田中「言いましたね!?絶対っすよ?」

大樹「随分食い下がるなぁ・・・わかったよ。
・・・ほれ。」
大樹はなにやらメモにさらさらと書き、最後に署名捺印をした。

木下「なになに?私、西田大樹は次回(4月○日以降)必ず部下を飲みに連れて行くことを
約束します・・・なんですかこれ。」

大樹「田中がな、あまりにも俺のこと信用しないからさ、覚書を書いたんだよ。
ったく、こんな部下に育てた覚えはないんだがなぁ・・・しくしく。」
大樹は腕を目に当て、大げさに泣きまねをした。

田中「ここまでしなくても・・・」
田中は半ば呆れ顔である。

大樹「田中、俺にここまでさせたんだからな。
絶対連れて行ってやる。んで、俺がちゃんと約束守る男だと証明してみせる!」
大樹は握りこぶしを作り空を見つめて決意表明をした。

遠山「課長!かっこいいです!」

大樹「だろう?俺に惚れるなよ。」

遠山「ええ、惚れるわけ無いじゃないですか。
私には彼氏ちゃんといますし。」

山本「遠山ちゃんひでぇ!」

大樹「おっと、遊んでいる場合じゃなかった。
じゃ、おさきー。」
大樹はそそくさと大きなバッグを抱えると扉を開け出て行ってしまった。

山本「課長も忙しい人だよなぁ・・・でも、あの大きなバッグ最近持ってるけど・・・
何が入っているんだろうな。」

田中「秘密のバッグだよな・・・変なもの持ってたりして・・・
はっもしかして今日もそのバッグの中を使うような用事だったり・・・」

木下「え、もしかして・・・SMグッズとか女装グッズとかですか!?」

遠山「木下君不潔ーセクハラー。」
木下の言うことは半分当たっていた。
確かに大樹の大きなバッグには女装しかも女子中学生らしい服と靴が入っている。
SMグッズは・・・多分入っていないだろう・・・入っていないと信じている。
第十七話「Q.E.D!パートナーとしての証明は。」

そして・・・時は経ち・・・塾の最寄の駅に着く大樹。
大樹は明日美と待ち合わせるため、いつものカフェに入る。

大樹「お待たせ!明日美。」

明日美「おそーい!早く着替えて!」

大樹「悪い悪い、ちょっと待っててな。」
大樹はそそくさとカフェのトイレへと駆け込む。

大樹「あーあ・・・最近毎日絵梨になっている気がする・・・
ほんと、どっちが本当の俺か分からなくなってくるよ。」

大樹「今日だって別に無獣出ているわけじゃないのに・・・
女の子にならなくたって・・・はぁ・・・でも約束だしな。」

大樹「俺も男だ、ぱぱっと変身してぱぱっと塾行って男に戻ろう・・・」
全裸になった大樹は首にハーティジュエルを巻きつける。

大樹「アクセプト!スタンバイメタモルトランスレーションエアリィ!」
大樹は絵梨になると、大きなバッグから絵梨の服を取り出し、
すっかり女の子の格好になるのであった。
そして、しっかりと髪の毛をセットし、少し長くなった髪を後ろにしてゴムで縛った。
ゴムで縛る姿ももう慣れたもので、後れ毛が出ないようにしっかりと結ぶことができた。

絵梨「さて、そろそろ行きますか。」

絵梨はトイレのドアを開けて明日美の元へ行く。

絵梨「さ、行こうか。」

明日美「ええ、行きましょ。
もう会計は済ましてあるわ。」

絵梨「なんだ、言ってくれたら払ってあげたのに。」

明日美「あなたにばかり払わせていたら悪いじゃない。
それに、今のあなたはサラリーマン西田大樹じゃなくって女子中学生西山絵梨なんだからね。」

絵梨「そんなこと気にしなくてもいいのにさぁ。」

明日美「あたしが気にするの!さ、早く行こう!」

明日美は絵梨の手を引き、カフェを出た。

明日美「・・・あーあ、今日はすぐに塾に行けると思ったのになぁ・・・」
明日美の様子がおかしい。
どうしたというのか、絵梨が訊ねる。

絵梨「?どうしたの?明日美。」
すると明日美は少し斜め上の空を指差した。
そこにはうさぎのぬいぐるみが浮かんでいたのだ。
そう、エウロパである。
ふと気が付くと、辺りは既にウィッチーズスペースとなっていた。

絵梨「エウロパ!ったく・・・今日も懲りずに来たのね!」

エウロパ「こんばんはお二人さん。
今日も私と遊んでいただけませんか?」

遠くのほうで大きな爆裂音が響いていた。

エウロパ「ああ、気になりますか?
あの音は私の無獣と先に遊んでもらっているのですよ。」

ビル群の向こう側から無獣が現れた。
そしてその足元にはフレアーが既に戦っており、
上空にはアクエリィが戦っていた。

明日美「絵梨、あたしたちも変身するわよ!」

エウロパ「はい、待っていました。
早く変身して遊んであげてくださいな。」

絵梨「アクセプト!」
絵梨が叫ぶと首のピンクのハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
絵梨「キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」

明日美「アクセプト!」
明日美が叫ぶと首の黄色いハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
明日美「キューティメタモルトランスレーションアーシィアップ!」

二人は光輝き、光の中から魔法少女が現れる。

エアリィ「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」

アーシィ「大地の優しさで包んであげる!キューティアーシィ!おまたせっ」

エアリィ「アーシィはフレアーを援護しに行ってあげて!私はアクエリィを助けに行く!」

アーシィ「わかった!」

エアリィはふわりと浮かび上がり、アーシィはフレアーの元へ走っていった。
エウロパ「今日こそあなた達を排除して見せますわ。」

エアリィ「なーに言ってくれちゃってるの!そんなことさせないんだからね!
エアリィ!シューートォォォ!!」
エウロパに向けエアリィは矢を放つ。
が、当たる寸前に避けられてしまう。

エウロパ「そんなヒョロヒョロな矢なんて私に当たると思っているのかしら?
ほら、そんな無駄なことをしている間にお仲間が危ないわよ。」

エアリィ「はっアーシィ!!!」
アーシィの方をチラリとみると、今まさに無獣から発射されたミサイルのようなものが
当たらんとしていた。アーシィはそれに気が付いていない?
アクエリィは・・・!?
アクエリィは別の所で無獣からの攻撃を防いでいる。
エアリィは考えるよりも速くアーシィの元へ飛んで行き、
ミサイルが着弾する寸前にアーシィの体を抱えて飛び去った。

エアリィ「はぁはぁはぁはぁっ!あ、危なかったねっ・・・はぁはぁはぁっ」
アーシィ「あ、ありがとう・・・エアリィこそ大丈夫?」
エアリィ「私の最大速度・・・はぁはぁ・・・使っちゃった。
ちょっと息整えなきゃ・・・すーっはぁぁぁぁ。」

一方フレアーは・・・
ギャァァァァン
ズドドドォォォン!!!
無獣はフレアーに四本の腕で同時に打撃を加える。
二本はフレアーサイズで弾いたが、残り二本はフレアーの片腕で受けざるを得なかった。
その衝撃に思わず顔をしかめるフレアー。

アーシィ「この無獣・・・多重攻撃してくるから・・・厄介ね・・・」

エアリィ「そうだね・・・どうにかして多重攻撃させないようにしないと。」
アーシィはしばらく考えていた。
その間にもアクエリィとフレアーは無獣の攻撃を何とか凌いでいたものの、
限界が近づいてきているのは明らかであった。
早く作戦を考えないと・・・
アーシィは思考をフル回転させる。

アーシィ「そうだ・・・ちょっと皆には無理させちゃうかもしれないけど・・・」

エアリィ「何か作戦考えたの?」
アーシィ「うん・・・でも、結構大変かも。」
エアリィ「いいよ、言ってみて。」
アーシィ「エアリィ、前みたいに攻撃しながら超高速で飛び回って無獣を引きつけてくれる?」
エアリィ「あはは・・・簡単に言ってくれちゃってぇ。」
アーシィ「エアリィ、あなたなら大丈夫!」
エアリィ「そこまで言われちゃやらないわけにはいかないでしょ・・・
OK、やってみる!」
アーシィ「ありがとね。次は・・・」

アクエリィにテレパシーで話しかける。
アーシィ「アクエリィ、聞こえる?忙しいところ悪いわね。」

アクエリィ「ええ、ちょっとこの無獣!
攻撃重いから長時間は無理ですけど!」
アーシィ「あなたは超高速で飛び回るエアリィをシールドで守ってあげて。
それにエアリィの鏡像も付けてくれるとベターね。」
アクエリィ「ええ、わかりましたわ。
でも、超高速で飛ぶエアリィの追随をして多重魔法を展開するのは結構難易度高いのですよ?」
アーシィ「大丈夫、アクエリィなら。頑張って!
あ、できれば少しでもいいから無獣に攻撃もしてくれたら嬉しいな。」
アクエリィ「結構無茶な注文をカワイイ声で言いますのね・・・」
アーシィ「カワイイだなんて・・・照れちゃうじゃないの。」

フレアーがテレパシーの会話に入り込む。
フレアー「んで?アタシはどうすればいい?」
アーシィ「フレアーはあたしと一緒にお留守になった無獣の足元を叩く!OK?」
フレアー「よっしゃ、任せておけ!」
アーシィ「なるべく連続攻撃でね。」
フレアー「ううう・・・連続攻撃は苦手なんだけどな。」
アーシィ「苦手を克服するチャンスじゃない!」
フレアー「はいはい、わかりましたよ。」

アーシィ「それで最低でも無獣の全ての腕、足が動かなくなったところで必殺技よ。
みんなOK?」

エアリィ「わかった!」
アクエリィ「よろしくてよ。」

アーシィ「じゃ、行くよ!エアリィ、あたしをフレアーの反対側に下して!」
アーシィ「あたしが降りたと同時に開始よ!」

エウロパ「何をごちゃごちゃと言っているのかしら?
だれが先に殺されるかの相談かしら?」

エアリィ「このっ!」

アーシィ「エアリィ!相手の挑発にのっちゃダメ!
淡々と自分の役割をこなすのよ!」
エアリィは少し離れた無獣の足元にアーシィを下した。
エアリィ「そ、そうだね、ごめん。
そんじゃーいくよーーー!!!」
エアリィは最初から最大速度で無獣の周りを飛び始めた。
その動きに無獣も負けじとミサイルやレーザー、複数ある腕を出してエアリィを撃ち落とそうとする。

エアリィ「エアリィトルネードォォォ!!!」
バシュバシュバシュゥゥゥ!!!
グギャァァァァ!!
超高速から繰り出される不意の攻撃にダメージを受ける無獣。
たまらずエアリィへ反撃をするが攻撃は当たらない。

エウロパ「うふふふ。ああ面白い、
エアリィさん、まるでハエね。」

エアリィ「くっ・・・冷静に、冷静に、挑発に乗らないように!
エアリィ!インパクトォ!!!」
エアリィの風を纏ったパンチが無獣の腕に当たる。
すかさず逃げるエアリィ。

アクエリィ「アクエリィミロワール!」
無獣の周辺にエアリィの鏡像が現れ、様々な速度で飛び回り始めた。

グルルルル
無獣はその多数のエアリィに翻弄され、全ての鏡像に攻撃を加える。
しかし、鏡像に当たっても手ごたえがない。

アクエリィ「アクエリィリフレクシオン!」
本体に攻撃が当たりそうな場合にはシールドを張って攻撃を反射、
本体ばかりにシールドを張ると特定されてしまうため鏡像に対しても時々シールド展開させていた。

これらのことをアクエリィはエアリィの超高速度に追いつく様に魔法を使っているのである。
しかも、無獣に攻撃を加えながら。

アクエリィ「アクエリィエギュイーユ!」
パキパキパキキキキパキィィン!
アクエリィ「ピケ!」
数千本の氷の針が無獣に突き刺さる。
ギュォォォン!!

アーシィ「アーシィ!ビートォォ!!」
タタタタン
軽やかなリズムで無獣の足元に連撃を加える。
ピシピシィ!!
無獣の表面に無数のヒビが入っていく。
フレアー「よいしょぉぉ!!!」
ズドォォォン
フレアーは無獣の足元に潜り込み突き上げるようなパンチを繰り出す。

フレアー「つぎつぎぃぃぃ!」
ドォォン
フレアーの足払いによろける無獣

アーシィ「アーシィ!ヘヴィスタンプ!」
ドドドドン
メキメキメキィィ
無獣の体にクレーターのような痕が付く。

よろよろとよろけたところにフレアーの打撃、
さらによろけるとアーシィ、エアリィ、アクエリィの魔法攻撃、
確実に無獣はダメージを蓄積していった。

エウロパ「なんで・・・なんでですの!?」

飛び続けるエアリィを無獣は苦し紛れに叩く!
何とか直撃は免れたもののその突然の攻撃がエアリィの体を掠る。
それだけでもかなりの衝撃でエアリィはフレアーの近くに叩きつけられた。

アクエリィ「エアリィ!!」
地面に叩きつけられたエアリィを見てアクエリィが叫ぶ。

アクエリィ「ごめんなさい!リフレクシオンが間に合わなかった。」

エアリィ「いってててて・・・だ、大丈夫掠っただけだから。」

フレアー「エアリィ!危ない!!」
無獣はエアリィを踏みつぶそうとするも、寸前にフレアーに助けられた。
しかし、逆にフレアーの足が無獣に踏まれてしまう。

エアリィ「!フレアー!ゴメン・・・」

フレアー「いいっていいって・・・アタシ頑丈だから・・・
っく・・・エアリィは作戦続けてくれ!早く!」
エアリィ「う、うん!」
エアリィは再び、超高速で飛び去っていった。
無獣に踏みつけられながらもフレアーサイズで無獣の足に打撃を加える。
そして、エアリィが再び無獣を翻弄し始めたことで足元が疎かになった。
そこをフレアーは狙った。
フレアー「くっそぉ!重いんだよォ!!!」
ドッゴォォン!
フレアーは無獣の足先にパンチを叩きつける。
大きな衝撃で無獣はたまらずよろけてしまい、その隙にフレアーは抜けだした。
フレアー「はぁはぁはぁ・・・いっててて・・・
ふぅ・・・さて、続きをしようかねぇ」
武器を構え息を整えるフレアー。
それからの彼女らの息をもつかせぬ攻撃によって無獣の全ての手足がボロボロになっていく。

エアリィ「みんな、合体攻撃行くよ!」

エアリィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・ウィンドヴァーゴ!」
エアリィの持つエアリィボウが光を帯びて形状を変える。

アーシィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・グランタウラス!」
アーシィの持つアーシィハンマーが光を帯びて形状を変える。

アクエリィ「アン レポンセ ア モナペル、フォルメズ ユヌ イマージュ・・・
(我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・)オンディーヌヴェルソウ!」
アクエリィが叫ぶと手にしているアクエリィフュエが光りながら形状を変える。

エアリィ「エアリィシューート!!」
蹲る無獣の周囲にエアリィの矢を突きさす。
エアリィ「エアリィ!ストーーーム!!」
矢の内側で竜巻が起こり、無獣を包み込む。

エアリィ「アーシィ、アクエリィ!行くよぉぉ!エアリィシューティングスター!!!!」
エアリィは無獣の直上に矢を放つ。

スピカ
アルデバラン「ホールド!座標x381y5451z35!無獣を固定化!」
サダルスウド

無獣の周囲に三つの光の輪ができる。
三つの輪は高速で回転し、そして光る球体になって無獣を取り囲む。
球体表面から無獣に向かって無数のプラズマが走る。
バチッ
バチバチバチッ

アーシィ「行くわよォォ!!アーシィクェイク!!!」
アクエリィ「イル ファン デュ(終わりよ!)アクエリィ!アルカンシエル!!!」

自由落下してくる魔力の暴風を纏ったエアリィシューティングスターの矢を無獣に向かって叩き落とし、
加速度の付いた矢は龍のような水のアーチを纏う。

アーシィ
エアリィ「キューティ!グラヴィティストーム!!!
アクエリィ

彼女らの攻撃は無獣にゆっくりと当たり、
無獣の体組織を巻き込みながら爆発していく。

グォォォォォン!!!!
しかし、無獣は固定化されているにもかかわらず
バタンバタンと暴れながら断末魔をあげた。

エウロパ「くっ!次こそは負けませんわ!覚悟することね!」
捨て台詞を吐いてエウロパは消える様にその場から逃げていった。
エアリィ「はぁはぁ・・・ったく!おとといきやがれーーー」

アーシィ「な、何なの?この頃・・・はぁはぁ・・・強くなってる・・・」

アクエリィ「そうね・・・悔しいけど・・・それは事実だと思うわ。」

フレアー「アタシも正直力技だけじゃきつくなってきたかもな。」

エアリィ「そうだね・・・フレアーは頑丈だから良かったけど、
みんなあの攻撃をまともに食らったら一発でダウンだよ。」

フレアー「そりゃひでぇよエアリィ・・・頑丈っていってもなぁ、
アタシも結構痛いんだぜ?」

エアリィ「あはは、ごめんごめん。」

アーシィ「これは何としてもレグルスを捜し出してフレアーに
ちゃんとコネクトしなおしてもらわなきゃね・・・」

無獣を倒し、エウロパが消えたため、
ゆっくりとウィッチーズスペースが解けていった。
そして彼女たちも元の姿に戻っていった。

萌波「そうね・・・そうなるとやっぱり灯莉さんの協力は必須だと思うわ。」

明日美「確かに・・・灯莉とコネクトしたのだからそこに何かしらの手掛かりがあるはず・・・」

灯莉「・・・初めて私が変身したとき・・・私の中にずっとレグルスが存在していたんだ・・・
ということはわかりました・・・でも・・・」

絵梨「あれ?灯莉ちゃん・・・膝の所・・・血が出ているよ・・・ちょっと待ってね・・・
はい、ばんそーこー」
絵梨は灯莉の膝から血が滲み滴っているのを見つけた。
見たところ、傷は深くないようだが・・・

灯莉「あ、ありがとうございます・・・傷口洗ってきますね。」
絆創膏を絵梨からもらい、灯莉は傷口を洗いに公園の水飲み場へと歩いて行った。

明日美「あれ???・・・なんか違和感が・・・」
その灯莉の姿を不審そうに眼で追っている明日美。

絵梨「どうしたの?」

明日美「いや・・・ちょっと・・・今の会話すごく違和感があった・・・」

萌波「どうしたのかしら?何かおかしなこと言ってたかしら?」

明日美「んーーなんだろう・・・ああーもうなんか気持ち悪いなぁ・・・」
絵梨「くすくす・・・どうしたの?明日美ってば面白いね。」

明日美「ひどいなぁ。バレンタインデーの時の絵梨の方が面白かったわよ!
感謝ぁぁぁ!ってね」

絵梨「ううう・・・まだ言うのぉ?もう忘れてよぉぉ。」

明日美の言うバレンタインデーの話とは・・・
バレンタインデー当日、明日美たちに背中を押され、
ぐだぐだしながらやっと本人を呼び出したものの、
明人本人を目の前にして不得要領、支離滅裂、心慌意乱
・・・いろいろ表現があるが、とにかく絵梨本人は言い訳をあれこれ言いながら
何が何だか分からないまま、明人にチョコレートだけ押しつけるように渡してその場から逃走、
残された明人はわけもわからず茫然と立ち尽くし、後ろで見ていた明日美たちを呆れさせたのだった。
絵梨「あ、あああ、あの・・・これ、感謝のしるしだから!
そう言うのじゃないから!感謝だからぁぁぁぁぁぁ!!!」
明人「え?ええ?絵梨ちゃん?待って!絵梨ちゃぁぁぁぁん!!」
明人「・・・どういうことだ?・・・なんだこれ・・・あはははは!
袋にでっかく感謝って書いてある・・・」

閑話休題

と、そうこうしている間に膝に絆創膏を貼り終えた灯莉が戻ってきた。

灯莉「お待たせしました。」

絵梨「大丈夫だった?」

灯莉「ええ、ちょっとしみちゃいましたけど・・・私って基本ドジだから・・・
最近すり傷が絶えなくって。」

その灯莉の言葉で明日美の中の違和感の霧が晴れ、全てが繋がった。

明日美「そう・・・そうよ・・・灯莉、あなた・・・あたしたちと初めて会った時、
何て言ったか覚えてる?」
灯莉「え??なんでしたっけ・・・えっと・・・魔法少女ってなんですか?でしたっけ?」
基本的に彼女は天然でもあった。
方向がまるでちがう反応を良くする。

明日美「いや、そうじゃなくって・・・確か・・・
今まで傷もアザもできたことないって言ってなかったっけ?」

灯莉「ああ、そう言えばそうでしたね・・・あっ・・・」

明日美「おかしいことに気がついた?」

灯莉「私、初めて人から絆創膏もらいました!」
明日美「いやね・・・そうじゃなくって・・・
怪我しないはずのあなたがいつから怪我するようになったかっていうのが問題なの。」

灯莉「あはは・・・そうでしたか・・・ごめんなさい。
えっと・・・・今まで買ったことなかった絆創膏を初めて買ったのが・・・」

灯莉「あ・・・初めて絵梨さんと会った日です!
怪我してたので学校の売店で絆創膏初めて買いました!」

絵梨「怪我してたのって・・・もしかして?」

灯莉「はい、あの時は気がつかなかったのですが、
学校についてみると膝をすりむいていたんです。
恐らくは、あの日の朝突き飛ばされて転んだときにできた傷だと思います。」

絵梨「あの男ひどかったよね・・・今はあの男に突き飛ばされたりしてない?」

灯莉「はい、大丈夫ですよ。時間を少しずらしたので。」

明日美「こほん・・・」
二人の会話を遮るように咳払いをする明日美。

明日美「その日の朝に初めて怪我をするようになったということかしら?」

灯莉「はい、いままでもよく何もないところで転んだりぶつけたりしてたんですが・・・
怪我にはなりませんでした。」

明日美「じゃあ、その怪我をする前・・・最後に転んだりぶつけたりしたのはいつ?」

灯莉「えっと・・・絵梨さんに初めて会った前の日・・・
学校が終わって・・・線路の向こう側に行くために上っていた陸橋の階段を踏み外して・・・
その・・・盛大に転んでしまいました。」

明日美「その時はどうだった?」

灯莉「はい、とっても恥ずかしかったですよ・・・顔を隠しながら逃げちゃいました。」
その時のことを思い出して見る見る顔が赤くなってくる灯莉。
思わず手のひらで顔を覆ってしまっている。

明日美「えっと・・・そういうことを聞いてるんじゃなくってね?
その時怪我をしたかってことです・・・はぁ・・・」
明日美は灯莉の天然っぷりに半ば呆れていた。

灯莉「ああ、そ、そうですよね・・・すみません・・・えっと全然怪我してませんでしたよ。
周りで見ていたおばさんとかは私のこと心配してくれていたみたいですけど・・・」

萌波「なるほど・・・明日美さんが言っているのはこういうことですわね、
絵梨さんと会ったときに初めて怪我をした、
でもその前の日に転んだ時には怪我をしなかった。ということは・・・」
明日美「そう、その間にレグルスが灯莉の中から消えたか連れ去られたかしたってことね。」

絵梨「あ、そう言えば・・・私と初めて会ったときに前の日から体調悪いって言ってたよね。」

灯莉「ええ、そうですね・・・よく覚えています。
盛大に階段から転げた後、道を歩いていたら・・・あら・・・よく思い出せない・・・」

灯莉はその当時自分の身に起こったことを思い出そうとしていて、
おかしなことに気がついた。
10分間ほど記憶がすっぽり抜けていたのだ。
なぜ10分ほど記憶が抜けていることに気が付いたかと言うと、
その日はいつもは余裕で乗れるはずの電車に乗り遅れてしまったからだ。

萌波「その時って確か・・・私が灯莉さんを駅近くで見かけたときじゃないかしら。」

灯莉「そうだったんですか?」

萌波「私が乗ろうとした電車が来る前だったから・・・
その時間に何かがあったと考えるべきだと思うわ。」

明日美「灯莉、その時に何があったか思い出せない?
どんな些細なことでもいいから。」

灯莉は目を瞑り、手を口に当てながら当時のことを思い出そうとしていた。
そして何かを思い出したのだろうか、はっとして瞼をを開いた。

絵梨「灯莉ちゃん、何か思い出した?」

灯莉「そういえば・・・なんだかよくわからないものが・・・
私の目の前に・・・あれ?おかしい・・・何か大切なものがめちゃくちゃにされるような・・・」

灯莉「うっ・・・私の中・・・かき回さない・・・うくっ・・・気持ちわる・・・い・・・」

絵梨「ど、どうしたの!?」

灯莉は吐き気を催したように口を押さえて吐き気を抑え込んでいるようであった。
顔面蒼白、体は震え始めている。

明日美「まずいわね・・・思い出したくない記憶なのかも・・・
灯莉・・・無理しなくていいよ・・・ごめんなさい、つらい記憶なんだよね。」

灯莉「ううっ・・・はぁはぁ・・・ご、ごめんなさい。
何かとっても大切なこと思い出せそうだったんですが・・・」

萌波「でも、レグルスが出ていってしまった時が絞れてきたというのは大きな収穫ね。」

明日美「そうね・・・この手がかりを足がかりに新しい展開が見えればいいのだけれど・・・」
絵梨「そうだ・・・私たちのパートナーとレグルスの共通点がコネクトしてるって以外に何かないかな。
それがわかったら手がかりにつながるんじゃないかな。」

萌波「そうね・・・パートナーであることの証明ができればいいのね・・・」

明日美「パートナーとしての証明・・・か・・・コネクト以外になにか・・・」

サダルスウド「いくつかあるな・・・
例えば魔法少女が死ねばコネクトしているパートナーも死んでしまう。」

絵梨「あはは・・・スウドって萌波と同じでさらっと怖いこというよね。
それに、ちょっと証明したくないなぁ・・・っていうか死んじゃダメでしょ。」

明日美「うーん・・・ほかに何か・・・命に危険が及ばない方法はないかしら・・・」

アルデバラン「感覚の共有・・・パートナーと一対一のテレパシーだね。」

灯莉「確か、感覚の共有というかレグルスのコネクトの痕跡を感じようとしたら、
反撃されましたね・・・」
スピカ「そうね・・・だから感覚の共有をしようとすると反撃にあうから使えない・・・」
アルデバラン「もちろん、一対一のテレパシーも同じ理由でだめだ・・・」

絵梨「反撃にあうって言うことはやつらと同じところにいるってコトだと思うんだけど・・・」

明日美「やつらの拠点としているところがわからないのよね・・・
この県内のどこかだと思うのだけれど。」

サダルスウド「他には魔法少女とパートナーの魔力の周波数が同じっていうのもある。」

アルデバラン「これは僕らが散々同じ周波数を捜したけれど反応は無かったしなぁ。」

スピカ「あとは・・・もう一つだけあるけれど・・・
パートナーと魔法少女はお互いに傷つけあうことができないというもの。
これは私たちにとってほとんど関係ないことだけどね。
お互い傷つけあうことなんてしないし、何より意味がないわ。」

萌波「どうしてそんなことする必要があったのかしら・・・」

絵梨「そうだよね、パートナーなんだから戦いあうなんてことないと思うんだけど・・・」

サダルスウド「それはおそらく、お互いの裏切りを防ぐためだと思う。」

アルデバラン「ずいぶん前の話なんだけど、魔法少女の裏切りがあったんだ。
それで止めようとしたパートナーをその魔法少女は消滅させてしまった・・・」
彼は遠い目をして当時のことを思い出しているようだ。

アルデバラン「当然、パートナーが消滅すれば魔法少女も消滅するから、
パートナーを消し去った後、魔法少女も消滅してしまったんだ。」
スピカ「あの事件はとても悲しかったわ・・・結局のところ彼女の裏切りは
他の魔法少女を助けるものだった・・・
だからリゲルは傷つけあうことがないようにという思いを込めてコネクトした後は、
お互いを傷つけられなくしたということね。」

灯莉「そんなことがあったんですね・・・」

萌波「でも、その証明はレグルスの居場所がわからないと意味が無いですわね。」

スピカ「そう、まずは居所を捜さないと・・・」

絵梨「あーあ、結局は何もわからないってことかぁ。」
がっかりしたような顔で絵梨は、はぁっと小さくため息を一つついた。
そんな絵梨の肩をぽんっと叩く明日美。

明日美「いいえ、そんなこと無いわよ。
いつレグルスが灯莉の中からいなくなったか、
パートナーはどうやって判別するか。
これだけでもわかったんだから大きな一歩よ。」

萌波「そうね、明日美さん。
あとは教えていただいたパートナーの証をいかに活用できるか・・・
にかかってくるわね。」

絵梨「ま、そっか・・・灯莉ちゃん!がんばって見つけようね!」

灯莉「は、はい!私も思い出せることがあったらすぐにお知らせします。」

明日美「それじゃ、そろそろ塾行こうか、絵梨。」
こっそり帰ろうとする絵梨の肩をむんずと掴む明日美。

絵梨「あははは・・・やっぱり行かなきゃダメか。」

明日美「ほらほら、美夜子ちゃんもいるんだからね。」

絵梨「わかったよ・・・ううう・・・塾辞めようかなぁ。
私が行ってても意味ないと思うんだよなぁ。」

明日美「美夜子ちゃんの学校の宿題、
一緒に考えられるようになってきたって喜んでたでしょ。」

絵梨「それはそうだけどさぁ・・・」

明日美「いいから行くの!遅れちゃうよ!
みんなまたね〜」
絵梨「はいはい、わかりました。
じゃ、みんなまたね。」
明日美に引き摺られながら絵梨は皆に手を振った。

萌波「それでは私たちも帰りましょうか。」
灯莉「そうですね。帰りましょう。」
萌波「スウド、帰るわよ。」

サダルスウド「あ、ああ、ちょっともう少し皆と話すから先に帰っててくれ。」

萌波「?そう、わかったわ。」
サダルスウドは萌波たちが見えなくなるのを確認してスピカたちの方を向きなおした。

サダルスウド「それで?やはり何も分からないというのは本当か?」
スピカ「大体の目星は付いているのだけれど・・・
今あの子たちに言うのはつらいかもしれない。」

サダルスウド「それはなぜだ?早く言った方がいいんじゃないのか?」
スピカ「まだ確定的じゃないし、曖昧なことを言って彼女たちを混乱させたくないのよ。」
アルデバラン「それに、今更になってわかるなんて敵の罠の可能性もあるしな。」
スピカ「そうね。」

サダルスウド「そうか・・・なんにせよ、真意が何か分かるまで待った方がいい
ということだな。」
スピカ「ええ。」
アルデバラン「んで・・・その目星とやらはどういうことなんだ?」
スピカ「恐らく・・・レグルスは敵方に堕ちたわ。」
サダルスウド「やっぱりそうか・・・」

スピカ「レグルスの魔力を探していたときなんだけどね、
おかしな陰の魔力を感じたからちょっと調べてみたのよ。」

サダルスウド「ああ、そのおかしな陰の魔力なら感じたことあるな。」
スピカ「それでね、その陰の魔力の波形を反転させたら・・・」
アルデバラン「レグルスのものだった・・・というわけだね。」

スピカ「完全に寝返ったのか、洗脳されているのかは分からないけどね。」
サダルスウド「なんにせよ、次にレグルスがその陰の魔力を使えば確定的ってことだな。」
スピカ「そうね・・・」
スピカ(確実に言えるのは、灯莉さんが記憶を無くしていたという10分間に
イオがレグルスに接触したということね・・・イオ・・・あなたは・・・)

次回予告
美夜子がミーヤとなってしまったのはなぜか。
それは美夜子の暗い過去が関係していた。
そしてレグルスはなぜ灯莉に封印されてしまったのだろうか。
この時代に魔法少女が生まれた理由とともに明らかになっていく。
次回「Reverse!たすけて・・・」
フレアー「おまえに輝くような決意はあるか?」
585魔法少女キューティエアリィ第十七話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/23(月) 22:46:18.11 ID:8AY3mUPb
今日はこれでおしまいです。

次は十八話なのですが・・・
これすごく暗い話かもしれません。
結構嫌悪する表現あります。
でもかなり重要な話なので投下します。

ということで、次回まで。
586名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 23:14:20.56 ID:/D4SwH0P
うーむいよいよ佳境だね、次回も(明日も)楽しみにしているよ。
587名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 00:19:59.26 ID:AuXmGolq
盛り上がってきたな
同時に番外編のエロの期待も盛り上がってきたが(俺的に)
588名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 00:59:46.72 ID:kne+73yK
伸びてると思ったらエアリィだったときの残念さは異常
589名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 01:43:18.37 ID:GqgCNjk6
Gj

あと女性化サイボーグも期待して待ってる
590名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 05:49:41.89 ID:bGnzur0U
430KB弱と少々余裕があるうちに…

>>1

※SS投下・妄想ネタ・TSF情報・ポジティブな感想・GJ以外は、全て議論スレへ。
◇どうしても一言物申したいときは、議論スレ等でぶちまけること。

なんだが、議論スレってもう無いみたいだし
削除するか改訂するか、もしくは議論スレ立て直すかした方がよくないかな

それと関連スレは

「性転換」スレッド http://find.2ch.net/?STR=性転換
「女性化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女性化
「女体化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=女体化

だと検索結果へのハイパーリンクにならないんで

「性転換」スレッド http://find.2ch.net/?STR=%C0%AD%C5%BE%B4%B9
「女性化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=%BD%F7%C0%AD%B2%BD
「女体化」スレッド http://find.2ch.net/?STR=%BD%F7%C2%CE%B2%BD

の方が良いと思うんだが
591名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 08:28:11.39 ID:+dnoWotp
誰か会社行く途中にセックスサイボーグにするためにさらってくれんかね
592名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 09:17:43.22 ID:2aEoZfNF
>>571
>大樹「あーあ・・・最近毎日絵梨になっている気がする・・・ほんと、どっちが本当の俺か分からなくなってくるよ。」
身代わり用絵梨人形を作る魔法は…そんな便利なものがあったら、とっくに使ってるか。
593魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 13:31:53.69 ID:ySkI1BLt
>>592
そうですねーそれがあったら苦労はないのでしょうが、男と女の子の間で揺れる葛藤とか、正体を知られないようにするためのやりくりとかも含めてTSの醍醐味じゃないかなと思ってます。
結構無茶なスケジュールだったりしますが…

予定通り、今夜十八話投下しようと思いますがどうやらスレ容量がきついみたいですね。
新スレ立ってから投下したほうがいいのかな?
594名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 15:22:33.80 ID:8DH28fdD
◯◯「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
□□「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


台本かよw
595名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 15:32:59.77 ID:5JqLUdw0
・台本形式です。
596名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 15:42:38.21 ID:z8mpasU9
むしろ台本形式が好きだ。
597名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 15:53:45.23 ID:pjnc+3ll
埋め立て代わりに投下してくれやどうせゴミ台本なんだし
598魔法少女キューティエアリィ第十八話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 20:23:16.95 ID:xrEVYiHr
こんばんわ。
連続ですみません。
もうちょっとで容量オーバーなのでもしかしたらスレ跨いじゃうかもしれません・・・
まあ、↑にもあるとおり、埋め立て代わりにお付き合いくださいませ。
台本形式なのは当初アニメ的な雰囲気を出そうと考え、台本形式にしてしまいました。
この形式が苦手な方が結構いることを知り、非常に申し訳なく思います。

ちなみに、今回すごく重くて暗い話です。
以下の注意を読んで苦手だと思われた方は、NGまたはスルーしてください。

※注意!
・ちょっとだけエロ意かもしれません。
・TS表現なしです。
・主人公全く出てきません。(名前のみです)
・幼児虐待描写あります。
・台本形式です。

では、十八話スタートします。
???「やぁぁぁ!ごめんなさい!ちゃんとするからぁ!
ここからだして・・・・ここからだして・・・まま・・・ぱぱ・・・」

暗闇で叫んでいるのは声の感じからして幼い子供であろうか、
どうしてこのような暗闇に閉じ込められてしまったのだろう。
悪戯がすぎて怒られたのだろうか、
それとも、おねしょでもしてしまったのだろうか・・・
それとも・・・
この暗闇、どうやら押入れの中らしい、布団が積み重なっている。
先ほどの声の主はなんとか出してもらおうと内側からドンドンとふすまを叩いていたが、
それでも開けてもらえず疲れてしまったのだろう布団に包まれ、
いつの間にか寝てしまっていた。

朝になり、外の明かりがうっすらと押入れの中に差し込んできた。
不意にガララッと乱暴にふすまが開けられた。

???「おい・・・おいっ!なに勝手に寝てんだよ・・・あ?」
柄の悪そうな男が布団の中にもぐりこんでいる幼児に向かって言う。
どういうことなのか、勝手に人の家に上がりこんできた不法侵入者であろうか?
その男の風貌は下品な金髪であごひげが生え、耳にはピアス、しかも咥えタバコであった。
いかにもチンピラ風の男だった。

???「ご、ごめんなさい・・・がまんできなくて・・・ひっ・・・やめて・・・ぶたないでぇ・・・ぱぱぁ。」

なんということであろう、この下品な男はこの押入れに入っていた幼児の父親だというのだ。

金髪男「いーや、反省もせずそんな勝手なことをする悪い子にはぁ、
お仕置きが必要だよな?なぁ、そう思うだろぉ?え?」

その父親は幼児に勝手に寝るなという無理難題を達成することできなかったから・・・
と言う理由でお仕置きをしようというのである。
父親は幼児のぼさぼさになった髪をむんずとつかみ、持ち上げた。

???「いたいっ!いたいいたいよぉぉぉ!やめてっ」

金髪男「おらっそこに座れっ!美夜子!!」

美夜子と呼ばれたということは、どうやらその幼児は女の子のようである。
よくみると顔は薄汚れ、表に出ている肌のあちこちに黒ずんだ痣があった。
着ている服も明らかにずっと洗濯していないのだろう、しみや黒ずみ黄ばみだらけであった。

つまり・・・この美夜子と呼ばれている幼児は風貌からして明らかに親から虐待されていた。
金髪男「なぁ、昨日なんで怒られたかわかってるのか?」

美夜子「ごはん・・・こぼした・・・から・・・です・・・」
信じられないことだが、年端の行かない小さな子供が、
ご飯をこぼしたという理由だけでここまで叱られているのであった。

金髪男「だよなぁ?食べ物粗末にしたらいけないよなぁ?
せっかくママが用意してくれたのによ。わかってんのか?お?」

美夜子「は・・・い・・・ごめ・・・ん・・・なさい・・・」

金髪男「じゃあ、お仕置きだ。ほら、腕出せ。」

美夜子「いや・・・いやぁぁぁ・・・」
美夜子はささやかな抵抗をする。

この最低な父親は小さな女の子に何をしようというのか、
骨と皮ばかりの栄養が明らかに足りていないやせ細った腕を取った。
美夜子はこれから起こることを予測し、肩をすくめ、目を閉じた。
そして、父親はおもむろに今まで咥えていたタバコを手に取り、
女の子の手の甲に押し付けようと・・・
しかし、

???「ちょっと、あんた、そんなところにタバコ押し付けるんじゃないよ。」

美夜子に救いの手だろうか。
父親の悪行を寸前に止めたのは父親と同じように頭のてっぺんが黒くなりかけた金髪、
耳と鼻にピアスをつけた・・・母親だった。
この母親も父親同様タバコを口に咥えている。

金髪女「あんたさぁ、そんなところにタバコの火押し付けたら一発でばれんだろうがよ。
あほか。最近さぁ児相の連中がうるさいからアタシが疑われるんだよ。わかってる?」

金髪男「ああ、わりぃわりぃ。んじゃ・・・ほれ、足の裏出せ。」

--救いの手--
などではなかった。

この母親はただ、自分の保身のためだけに父親の行動を止めたのだ。
当然、その他、の見られないような場所だったらお構いなしだった。

美夜子「やだぁ・・・あついのやだぁ・・・ままぁたすけて・・・たすけて・・・」

母親は無視を決め込んでいる。

金髪男「ほら、じっとしとけって。」
足をばたばたさせて暴れる。
当然である。足の裏にタバコの火を押し付けられようとしているのだ。
無意識にでも抵抗してしまう。
しかし・・・その抵抗もむなしく・・・

押しつけられた・・・
じゅっと言う音とともに部屋に嫌なにおいが立ち込める。

美夜子「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!あつい、あついよぉぉぉ。」

あまりの熱さに遠のく意識。

金髪男「・・・うわ・・・きたね・・・らし・・・やが・・・」

第十八話「Reverse!たすけて・・・」

この女の子の名前は美夜子、親子3人でアパート暮らし。
ずいぶんやせ細り、ちゃんと風呂にも入らせてもらっていないようだ。
顔は薄汚れており、髪の毛は適当に切られたのかボサボサだった。
そして家の中では夏でも冬でもいつも同じ服を着ているらしく、
所々がほつれ、しかもかなり汚れていた。

美夜子はいつもクマのぬいぐるみを抱えており、
愛おしそうにぎゅっと抱きしめていた。
このクマのぬいぐるみはこの家族がまだ暖かかったころに
買ってもらったものだろうか・・・今となってはもうわからない。

金髪男「おい、おれらこれからパチンコ行ってくるから留守番しとけよ。」

美夜子「や、、やだ・・・ひとりにしないで!!」

金髪男「邪魔だからくんなよボケ!」

美夜子「きゃぁぁ!」
父親は近寄ってくる美夜子を蹴飛ばした。

金髪女「早く行こうよ。新台埋まっちゃうよ!アタシ先に車行ってるからね!」

バタン

まだ4歳か5歳程度の子供に一人で留守番させ、自分たちは遊びに興じるのである。
いや、まだ車の中で置き去りにされ蒸し焼きにされないだけましだろうか・・・
彼女一人部屋に残されてしまった。
時計の音だけがカチカチと響く6畳間、しばらく蹴られたまま横になっていたが、
のろのろと起き上り傍らに転がるクマのぬいぐるみに抱きついた。
美夜子「いおちゃん、あたしとあそぼ。」

美夜子「あたしがおかあさんで、いおちゃんはあかちゃんね。」

彼女はいおちゃんと名前を付けたクマのぬいぐるみ相手にままごとを始めた。
そうしている間の美夜子の表情はとても楽しそうだ。
その間だけ純真な年相応の表情に戻ることができた。
そして、彼女が作り出すぬいぐるみとの世界は、
彼女の理想の家庭の姿だろうか。
それとも昔の家族の姿なのだろうか。
母親役の自分、絵に描いた架空の父親の姿と赤ちゃん役のぬいぐるみ。
その父親の絵は清潔そうな風貌で大きな笑顔でニコニコしている。
それはとても明るく、みな優しく、笑い声が絶えない家庭だった。

美夜子「はい、あなたごはんですよ。きょうははんばーぐです。」

美夜子「ああ、ありがとう、とてもおいしいよ。」
チラシの裏に書かれた父親の姿をぴょこぴょこと動かし食べる仕草をしていた。

美夜子「あかちゃんはみるくです。」
空きペットボトルを哺乳瓶に見立て、
クマのぬいぐるみにミルクをあげる真似をしていた。

しばらく遊んでいると朝から何も食べさせてもらっていないのか、
大きくお腹が鳴った。

美夜子「おなか・・・すいたな・・・」

ぬいぐるみを抱えてよろよろと立ちあがり、冷蔵庫を開ける。

ガチャ

中には酒類ばかり、それと酒のおつまみのようなもの、
僅かに残った昨日のご飯が入っていた。

おつまみを食べると怒られてしまうが、残り物だと怒られない。
美夜子は残り物を取り出し、テーブルに並べた。
お気に入りのコップに水を入れ、隣のイスにはぬいぐるみを座らせた。
ぬいぐるみの前にはスーパーのチラシの食べ物を切り抜いたものをお皿に載せている。

美夜子「さあ、いおちゃんもいっしょにたべましょ。おいしそうですね。いただきます。」

あの両親からどうやって教えてもらったのだろうか、
彼女はきちんと手を会わせて挨拶をした。
美夜子は僅かな食べ物を冷たいままの状態でモソモソと食べた。
まだ彼女は電子レンジの使い方がよくわからなかった。
以前見よう見まねで使ってみたら電子レンジの中を汚して散々怒られてしまい、
それ以来使おうとしなくなった。

美夜子「ごちそうさまでした。」
残り物はほんとに僅かだったのでどんなにゆっくり食べても数分で食べ終わってしまった。
そしてその食器を流しに持って行き、近くに合った台に上って自分で使った食器を洗い始めた。
奇麗にしておかないと後で怒られてしまうためだ。

食べ終わって片付けも終わると、再びままごとの続きを始めた。
延々と・・・延々と・・・
その中でだけ彼女の幸せが形成されているのだ。

そしてままごとをしたまま、いつの間にかぬいぐるみを抱えたまま寝てしまった。
幸せそうな顔をしている。
彼女の夢の中ではどのような家庭が築かれていているのだろうか。

バターーン!!ドスドスドス!!

その幸せな夢も騒音とともにかき消される。
目をこすりながら起き上ると目の前には怒りに震える父親の姿。

美夜子「ひっ!!お、おかえり・・・なさい・・・」

無言・・・

美夜子「ま、まま・・・は?」

金髪男「ちくしょう!俺の独り負けだっっっ!!
あいつだけ勝ちやがって!!」

金髪男「ママはなぁ、自分だけ勝ったからって友達と飲みに行っちゃったんだよお。
なぁ、ひでえだろう?なあ、そう思うよな?」

美夜子「う、うん・・・」
美夜子はガタガタと震えている。
こういう時の父親が自分にこの後することを考えると、
思わず恐怖に慄いてしまう。

金髪男「どうせ友達と飲みに行くって言っても男となんだろうよ!」
男はわめき散らしながら冷蔵庫からビールを出して飲み始めた。
ゴクゴクと半分ほど飲み干すと再び愚痴をこぼす。

金髪男「ったくよぉ!ああ、むしゃくしゃすんなぁ!!
なあ、美夜子、パパがイライラしてんのいやだろう?」
無言・・・

金髪男「無視すんなよ!ほら、こっち来いよ。
なあ、イライラを沈めてくれよ。ほら・・・」

その父親はごそごそとジャージのズボンに手をかけている。

金髪男「ほれ・・・いつものように・・・」

美夜子「ううっ!やだよぉ・・・そんなの・・・なんで・・・」

鬼畜の所業・・・
その一言でしかない。
彼はこんな小さな幼児に対して、しかも娘に対してこのような行為をさせる。
どうやら、その行為は今回が初めてではなさそうだ。
パチンコで一人で負けるたび、毎回させていたのだ。

美夜子は小さな口を一生懸命動かしながら、
これが夢であったらどんなに良かっただろうと祈った。
神様に祈り続けた・・・
しかし、神は無慈悲だ・・・現実がほとばしりとなって美夜子の口を襲う。

美夜子「けほけほっ・・・」

美夜子は泣きながら畳に横になっている。
その横で満足したのかタバコを吸いながら残りのビールを飲んでいる父親。

美夜子「もう・・・いやだよ・・・いやだよ・・・やめて・・・」
そばで横たわっているクマのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
美夜子「いおちゃん・・・たすけて・・・たすけて・・・」

--わかった、僕が君を助けてあげよう--

美夜子「え?・・・なにか・・・きこえた・・・?ぱぱ?」

父親の方をチラリとみると二本目のタバコに火をつけているのが見えた。
そして再びクマのぬいぐるみを見る。
なにも、変わりがない。

と、その瞬間、目の前が銀色に輝き、気がつくと美夜子は眩むほどの光に包まれていた。

美夜子「え?あれ?こ・・・ここ・・・どこ?」
--ここは僕の形成した特別な結界。
--ここにいるのは君と僕だけだ。

美夜子の目の前に銀色に光り輝く球がふわふわと浮かんでいた。

--君は幸せがほしいかい?
--君は優しさがほしいかい?
--君は悲しみから逃れたいかい?
--君は苦しみから逃れたいかい?

--僕が全てを叶えてあげよう。

--僕が君に奇跡を作る力をあげる。

--君は魔法少女になるんだ。

美夜子「え?どういうこと?・・・まほう・・・しょうじょ・・・?」

--もう一度問う。
--君は幸せになりたいかい?

美夜子「う、うん・・・わたし、しあわせになりたい・・・」

--わかった。

そしてその光の球からうねうねと光る触手が伸び、美夜子を包み込んだ。
最後に光る球が美夜子の額に近づき、ズブズブを頭の中に入り込んでいった。

--コネクト・・・我リゲルはパートナーとしてこの者の精神、肉体、時間を接続する・・・
--そして新たな魔法少女として同化、転換を行う・・・

美夜子「なに?ああ・・・あああ・・・やだ・・・やめて・・・
わたしのなか・・・ぐちゃぐちゃぁ・・・うぇぇぇぇぇ!!」
体の中、頭の中をかき回される感覚に思わず嘔吐してしまう美夜子、

美夜子「うくっ・・・うううっ!あああああ!!
ぐっうううううあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」

美夜子「あう・・・う・・・あ・・・あ・・・」
美夜子は自分の意志とは関係なく口から言葉を紡ぐ。
美夜子「アクセプト・・・
オープンマインドトランスレーションミーヤインストール・・・」

そう叫んだ瞬間、ミーヤの体は銀色の光で包まれた。
小さかった体はぐぐぐぐっと大きくなっていき、手足がすらりと伸びて行く。
ある程度になると体の伸びが止まり、今度は体全体が光り出す。
腕は肘まである白いエナメル質のグローブ。
体にぴったりとした白いエナメルボンテージ。
白いリボンが包み込みバサッと襟が高いマントになる。
足は高いヒールのある白いブーツになった。
その体を包む白色はキラキラと真珠のように光り輝いていた。

リゲル「君はミーヤ・・・魔法少女ミーヤだ。」

ミーヤ「魔法少女・・・ミー・・・ヤ?」

ミーヤ誕生の瞬間である。
その姿は9年後とは色が違えど、衣装のデザインはそのままであった。

ミーヤ「あ・・・あああ?・・・これが私・・・?体が大きくなっている・・・」
ミーヤは自身の体を上から下まで自分に起きた変化を確認するように見回した。

リゲル「そう、君は変身すると15、6歳程度まで成長するんだ。
もちろん知識知能もね。」

ミーヤ「どうして?」

リゲル「それはその方が戦うのに都合がいいからさ。
戦うのに運動能力も知識も豊富なことに越したことはない。」

ミーヤ「戦う?誰かと戦うの?」

リゲル「うん、もうすぐこの世界に大きな脅威がやってくるようなんだ。
それを阻止するために君を魔法少女にした。」

ミーヤ「そんなの・・・怖いよ・・・私・・・」

リゲル「大丈夫、君には対抗できるだけの力が備わっている。
君の心を解放してあげるんだ。
そうすることで迫りくる脅威を阻止することができる。」

リゲル(そして僕のやることを真っ向から否定したあいつらにも・・・
そうだこれが成功したら、今までのようにわざわざ運命の適正者が出てくるまで待たなくてもいい。
自身の深層意識の解放・・・それで魔法少女を量産できる。
今度の脅威は今まで以上に強大であろう・・・
そのためには、このテストケースを成功させなくては・・・)

ミーヤ「迫りくる脅威ってどんなの?怪獣??」

リゲル「うん・・・でもそれはまだ何か分からないんだ・・・
ただ、僕の持っているセンサーに反応があった。しかも強大な反応だ。」
ミーヤ「ふーん・・・そうなんだ・・・それで・・・私はどんなことができるの?」
その迫りくる脅威と言うものにミーヤは大して興味がないようだった。
何よりも変身したことでどんなすごいことができるのか、
ということに心躍っていた。

リゲル「大抵のことはできるよ。空を飛んだり、武器を出したり、魔法を使ったり。」

ミーヤ「へぇ・・・アニメみたい・・・」

リゲル「信じられていないみたいだけど・・・」

リゲル「君を縛るものを解放して心を解き放つんだ。
自分に素直になればなるだけ力は強くなる。」

ミーヤ「そう・・・解放・・・心・・・自分に素直に・・・」

ミーヤ「解き放つって・・・手段はなんでもいいの?」

リゲル「うん、なんでもいいよ。
切欠さえあればあとは魔力は急速に熟成されていく。」

ミーヤ「ふっ・・・そう・・・解放・・・ね。
わかった・・・おもしろそうだからあなたに協力するわ。」
このとき、リゲルはミーヤの瞳の奥の闇に気が付いていなかった。
このときに気が付いていたら、あるいは・・・

リゲル(よかった・・・これで・・・テストデータを取って有用だと認められれば・・・
より強力な新しいシステムで・・・)

リゲル「よかった。わかってくれて。じゃあ、結界を解くからね。」

ミーヤ「うん。はやくっはやくっ・・・うふふ・・・たのしみ・・・」

キラキラと銀色に光る結界にピシピシとヒビが入り、
ガラスが割れる様に結界が飛び散った。

金髪男「うおっ!な、なんだお前!美夜子は!?」
思わず咥えていたタバコを落としそうになる。
それもそのはず、父親の目には美夜子が突然消えたかと思ったら、
白いボンテージファッションの少女が立っているのだ。
驚くのも無理はない。
リゲル「さあ、ミーヤ、この場から自分を解き放つんだ。
そして新たな地で僕と強大な脅威に立ち向かおう!」

ミーヤ「ふふふ・・・ええ、自分を縛っているものを・・・
解き放つ・・・わ・・・ちょっと待っててね。」
ミーヤはニヤリと笑うと何がおきているのかわからず、
呆然とミーヤを見上げている男に近づいていった。

ミーヤ「あなた・・・自分の娘にずいぶん愉快なことをするのね・・・
うふふ・・・そんな小さな子にするよりも私と楽しいことしない?」

金髪男「え?え?なんだ見てたのか・・・ぐふふふ・・・楽しいことって・・・こんなことか?」

男は圧倒的に頭が悪く、なぜ少女がそこに現れたのか深く考えるのをやめ、
少女の誘いに乗るようにむんずと乳房を掴んだ。

ミーヤ「んあぁぁぁん・・・何これ・・・すごい感じる・・・初めて・・・こんな感覚・・・」
ミーヤの体の感覚は鋭くなっており、少し触れただけでも性的電気信号が
彼女の体を駆け巡った。
当然そのような感覚は彼女にとって初めてで、強い快感に翻弄されそうになる。

ミーヤ「でも、もおおっと気持ちいこと・・・し・て・ア・ゲ・ル・・・うふふ。」

ミーヤは胸と尻を揉まれながら男の頬を撫でた。
その顔はだらしない節操のない情けない顔だった。

金髪男「は、はやくやろうぜ・・・嫁もしばらくは帰って来ないだろうし。」

ミーヤ「あらそう、じゃあ早くやっちゃおうかしら。」
リゲルはミーヤの中にある魔力が急速に増大していくのを感じた。
その増大の割合は制御できるレベルではなかった・・・
もはやオーバーロードしているレベルだった。

リゲル「ミーヤ!君は・・・そうじゃない・・・僕が言っていることはそういうことじゃ!!」

ミーヤ「ぐっ・・・頭の・・・中で・・・叫ばない・・・でよ・・・っ
邪魔しない・・・でっ!!」

リゲル「な・・・何をするんだミーヤ!!早くここから出て行くんだ!!」
リゲル(おかしい!!こんな・・・ううっ・・・なんて強い感情なんだ・・・
この僕が・・・押さえ込まれ・・・ル・・・)

ミーヤは指先でつつつーっと頬の輪郭をなぞり、
首筋を優しくなぞった。

リゲル「ミーヤ!だめだ!やめて!!!!」
そして尖った爪を首に立て、そのまま、すーぅっと右の方に引く。

ガシャァァァン

右側で食器棚と箪笥が音を立てて壊れた。

リゲル「ミーヤ・・・君は・・・なんてことをしたんだ・・・」

金髪男「え?なんだ?何が起こったんだ?かひゅっ・・・あへ・・・?ひゅーひゅーっ」
その男は何が起きたか分からないという様子で音がした方を向いた。
ところが、どうも喋り辛く、自分の首に違和感を感じ慌てて胸を揉んでいた手を離し、
代わりに自分の首を触った。

金髪男「ひぃっ!!くひっ!血が・・・ひがっ!!かひゅ!!
ぶじゅじゅじゅじゅ・・・がはっ・・・どうし・・・」

男は盛大に首から血を噴き出しながら倒れて行った。
そしてミーヤを見上げる。

ミーヤ「あら、勢いつけすぎちゃった。
ごめんね、パパ。もうこれでお別れだね。」

金髪男「ひゅーっひゅーっぱ・・・ぱ・・・?まさ・・・か・・・み・・・み・・・や・・・こ・・・?」

ミーヤ「あはっせーかーい!!今まで私にいろいろしてくれてありがとうね。
とっても嬉しかった。」

ミーヤ「ねね、パパ私ね魔法少女になったんだよ。
あはっアニメみたいでしょ。いろんな魔法で悪者やっつけるの。」

金髪男「た・・・たす・・・け・・・て。」

ミーヤ「たすけて欲しいの?うーん・・・ここまでなっちゃったら・・・
どうだろう・・・たすけられるかな?私の魔法で・・・」

金髪男「わる・・・か・・・っは・・・」

ミーヤ「今更謝るの?しょうがないわね。
ねぇ、リゲル、この人助けること出来る?」

リゲル「ああ、そうだ、君の魔法ならできるよ!
僕の力と技術を使った君の魔法なら命のねじを巻きなおすことは簡単だよ。」
リゲルはミーヤが父親の命を助けようとしていると思い、安堵した。

ミーヤ「あっそう、ねぇ・・・パパ、助かるってさ。
良かったねぇ。」
610魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 20:31:54.69 ID:VCNhOmIb
連続投下で引っかかってしまいました
金髪男「は・・・はは・・・よひゃ・・・た・・・」
助かる希望があると知って男は泣きながら笑った。

リゲル「さあ、早くこの人の命をつなげてこの場から立ち去ろう。
もう充分だろう君の気持ちは晴れたはずだ。
大丈夫、この人には記憶が残らないようにするから。」

ミーヤは男ににっこりと笑いかけた。
直後、汚物をみるような瞳に変わった。

ミーヤ「でもね、やだ、助けない。
うふふ・・・助けたくないの。パパ、ごめんね。」

リゲル「ミーヤ!!!」

金髪男「や・・・み・・・ひゃ・・・ごふっ!!」

ミーヤ「じゃあね。」
血がぴゅっぴゅっ噴き出している首の傷口を踏みつけ、
躊躇いなく、ぐしゃっと脊椎ごと踏み砕いた。

すると顔にぴゅっと血が飛び散る。
飛び散った血を指でぬぐい、ぺろりと舐める。

ミーヤ「うふふふ血ってさいっこう!!奇麗な赤で・・・暖かくって・・・きもちいぃぃ。」

リゲル「君は・・・なんて事をしたんだ・・」

ミーヤ「リゲル・・・さっきから私の頭の中でうるさいわね・・・
おとなしくしてなさい・・・あなたが自分を解放しろと言ったんじゃない。」

リゲル「そ、そうだ・・・確かに言ったよ・・・でもこんなことは許されない。」
リゲル(確かに・・・心を解放させてから彼女の魔力は今まで前例がないほど強大になった。
しかし、何かが違う・・・何かが・・・)

そこへ酔っ払った母親が帰ってきた。

金髪女「あー飲んだ飲んだ・・・あんた帰ってるー?」

彼女はふと部屋の中を見ると、部屋の中が散らかっていることに気がついた。

金髪女「ったく・・・散らかすなって言ってるのに・・・誰が片づけると思ってるのよ!」

金髪女「美夜子!!あんたっ・・・ひっ!!!なに・・・これ・・・」
彼女が部屋を上がると凄惨な状況が広がっていることに気がついた。

床には血まみれで自分の夫だったものが転がっており、
得体の知れない服装の女に踏みつけられていた。

そして家具はめちゃくちゃに壊れていたのだ。

思わず裸足のまま逃げ出そうとする。

しかしそれはミーヤが許さない。

ミーヤ「どこいくのーーー?私お腹すいちゃったぁ。
うふふ。ねぇ、ご飯作って?ママ。」

自分のことを”ママ”と呼ぶこの得体の知れない女に恐怖していたが、
改めてミーヤの顔をじっと見るとやはり親なのだろうミーヤの正体に気がついた。

金髪女「みやこなの?」

ミーヤ「うん、そうだよ。美夜子。
でも、この姿の時はミーヤって名乗ってるの。」

ミーヤ「ねぇすごいのよ。私魔法少女になったの。
ほら、魔法少女になると大きくなれるんだぁ。すごいでしょ。」

金髪女「こ、これあなたがやったの?」

ミーヤ「うん、そうだよ。悪者だからやっつけたの。
こんなになっちゃったから言うけど・・・」

ミーヤ「こいつねぇひどいんだよ。こーんなちっちゃい私にね、
パチンコ負けると自分の舐めさせるの。」

ミーヤ「ねぇ、変態だと思うよね?ね、ね?」

金髪女「う、うん・・・そ、そうね・・・」

ミーヤ「でもね、それを知ってて止めなかった、
お前もひどいよね・・・」
ミーヤは母親の髪をがしっと掴み、
頭を傾げながら至近距離で顔を覗き込んだ。

金髪女「ひっ・・・いた・・・いたいっ!!!やめ、やめて!!!」
ミーヤ「私もねぇ・・・痛かったんだぁ・・・でも・・・
やめてくれなかったよね?やめさせなかったよね?ね?ね?」

ミーヤ「あんたが考えているのは自分の保身ばっかり・・・
私のことなんてこれっぽっちも考えてくれなかった。」

ミーヤ「でもね、感謝もしてるんだよ・・・
おかげで忍耐力ついたし・・・ねっ。ありがとう、ママ。」

金髪女「た、たすけ・・・な、なんでもする・・・から・・・
ほら、お金、お金!あなたが望むだけお金あげる!!」

ミーヤ「うふふ、わーい、お小遣いくれるの?ありがとう!!」

ミーヤ「ママだーいすき!!」
ミーヤは髪を掴んでいる手を離し、女に抱きついた。

金髪女「う・・・うう・・・み、美夜子・・・」

ミーヤ「なーんて言うと思った?あはははははっ」

抱きしめたままギリギリと力を入れていく。

金髪女「ぐっ・・・くる・・・し・・・い・・・やめて・・・ぐふっ・・・」

リゲル「ミーヤ!!君は父親だけでなく母親までも!!」

ミーヤ「うるさい!!うるさいうるさいうるさい!!
私は魔法少女になったんだ!悪いやつを倒すんだ!!」

ミーヤは頭の中で響くリゲルの声を自身の魔力で押さえ込んだ。

リゲル「ぐっ!!そんな!!僕が魔力で圧倒されるなんて!!」

金髪女「やめて・・・かはっ・・・やめて・・・たすけて・・・」

女の命乞いも構わずそのまま締めていく。
ミシミシと体中の骨が軋む音が聞こえてくる。

ミーヤ「うふふ、ママって泣きそうな顔こんなに可愛かったんだ・・・
ねぇ、あんまりカワイイから最後にキスしてあげる。んちゅ・・・」

ミーヤは自分の母親であるにも関わらず唇を合わせた。
その艶めかしい動きは、本当の姿が幼児とは思えないほどいやらしく、
扇情的に母親の唇、舌を攻め立てる。
その動きに痛みと苦しみを感じていたが、同時に絶頂も感じるほどだった。
金髪女「ちゅぷっ・・・んっんっんっはぁ・・・いやっ・・・くふっ
あああああっくるし・・・ううっくふっ・・・んあぁぁんっ!」

シャァァァァァ

ミーヤ「あら、ばちっちぃ、おしっこ漏らすほど気持ち良かった?うふふ。
良かった喜んでもらえて。」

ミーヤ「うふふ、最後にいい思いできたし、名残惜しいけど・・・
そろそろお別れだね。」
ミーヤはぐぐっっと腕に力を入れる。

金髪女「かっ・・・かはっ・・・いや・・・や・・・め・・・ごめ・・・」

ミーヤ「もう・・・謝っても・・・手遅れなんだよ・・・じゃあ・・・ね・・・」

腕に一層力を込めるとボキンといとも簡単に背骨が折れた。

そしてそのまま絶命。

ミーヤ「あはははっ!やった!これで、私は!自由だ!!
もう誰にも邪魔されない!もう誰にも傷つけられない!
もう誰も・・・愛してくれない・・・あれ・・・なんで・・・私・・・泣いてる・・・の・・・?」

ミーヤは泣きながらその場にへたり込む。
ミーヤ「ぱぱ・・・まま・・・寂しいよ・・・私・・・寂しい・・・」

リゲル「ミーヤ・・・君は・・・魔法少女として君はやってはならないことをした・・・
僕の理論は失敗した・・・コネクトを解くことはできないが・・・
せめて・・・ミーヤという存在を眠らせよう・・・君に勝手なことをした僕を許してくれ。」
リゲルはミーヤの変身を解いた。
そして、一瞬光に包まれ元の幼い美夜子の姿へ戻った。

ミーヤ「あ・・・れ?なに・・・これ・・・ぱぱ・・・?まま・・・?なんで・・・なんで・・・
いや・・・いや・・・しんじゃった・・・?
いや・・・いやぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!」

美夜子の強烈な感情の爆発、それは変身していなくても強い魔力の振動を感じるほどだった。
ビリビリとアパート全体はおろか美夜子を中心として半径100m圏内全てが震えた。

そして、美夜子の体は黒い光がシュウシュウと漏れ出ているように取り囲んでいった。

リゲル「ま、まずい・・・予想以上だ・・・こんな・・・計算違いか・・・このままだと・・・美夜子・・・君は・・・魔力に・・・
こんなにも大きなポテンシャルを秘めていたなんて・・・これでは僕も・・・う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

リゲル「魔力・・・の・・・転換・・・が・・・起きるっ・・・」

リゲルの持つセンサーのアラームが大きく鳴り響く。
リゲル「そうか・・・脅威って・・・僕らの・・・ことか・・・」

美夜子を中心に光が吸いこまれていった。
リゲルの本体からは銀色の光が美夜子に吸いこまれていく。

リゲル「ははは、これじゃぁやつらも実装に反対するわけだ・・・」

リゲル「わかっていなかったのは僕一人だけだったか・・・」

リゲル「このままでは僕も美夜子も・・・消失してしまう・・・せめて・・・美夜子だけでも・・・」

リゲル「美夜子が執着しているもの・・・なにか・・・」

リゲルは傍らに落ちていたクマのぬいぐるみを見つけた。

リゲル「あれは・・・美夜子の大事な・・・モノ・・・アレと同化して・・・
僕との接続を一時的に遮断・・・できるか・・・迷っている場合・・・じゃ・・・ないか・・・」

美夜子を包む光は徐々にくすみ、闇に近い色になっていく。
陽の魔力から陰の魔力への転換が起きている状態であった。
これ以上の逆流が起きるとミーヤは体ごと闇に消えてしまう。
そうなってしまうと魔力の暴走が起き、世界の破壊が引き起こされるだろう。

リゲルは自身の光が吸いこまれていくのを感じながらもクマのぬいぐるみと同化を始めた。

リゲル「ぐ・・・これでも・・・魔力の転換が収まらな・・・イ・・・イイイ・・・
僕がすべて魔力を発生する陰の魔力を吸い込んで・・・爆発させれば・・・あるいは・・・」
クマのぬいぐるみの姿となったリゲルはアパートの窓を割って飛び出し、
自分の魔力を爆発させた。

リゲル「あアあ・・・こレ・・・で・・・美夜子とノ接続は
一時的に遮断されレレるハずだダダ・・・」
リゲル「ウうう・・・モもウ・・・僕ハ・・・闇に・・・堕チ・・・る・・・」

ぬいぐるみとともにリゲルを包み込む光は徐々に輝きを失っていき、
黒い靄のようなものを纏っていった。

リゲル「あアア、落チル・・・堕ちル・・・堕チる・・・キモちいい・・・
ナンデ僕ガ、コんなことニナッタ・・・んだ・・・憎い・・・あイイツらノセイだ・・・復讐してヤヤやる・・・
僕を馬鹿にシシしたアアアいつらに・・・僕が作ったタたのに・・・ゼゼ全部僕が作ったのニに・・・」

リゲルはフラフラと美夜子の元へ戻っていった。
美夜子は茫然と立ち尽くしている。
リゲル「ふフフ・・・ボくはもウ光を失っタタ・・・モモもう陽の魔力がないンンんだ・・・
これでハ・・・僕は・・・もうリゲルじゃナクなった・・・
このぬヰぐるみノノの名前をもらっテ・・・イイイイオと名乗ろう・・・フフフふ・・・」

イオ「美夜子・・・いヤ、ミみミーヤ・・・君は深ククく眠っていてくれ・・・
大丈夫・・・後のことは僕がやるからラ・・・キミの器はまダチイさすぎル・・・
僕が守ってアアあげるから・・・どうか安らかニニに・・・」

光を失いイオとなったリゲルは美夜子の足元に倒れた。

美夜子「いお・・・ちゃん・・・?」

ドンドンドン!

不意に扉が叩かれる。

大家「大家ですが、何があったんですか!!大丈夫ですか!開けますよ!」

ガチャガチャ・・・バタン!

大家「ひぃっ!!!け、警察!!!うぷっ・・・」

周囲の住人からの問い合わせで美夜子の部屋に大家が駆け付けたが、
そこで大家が目にしたものは凄惨な光景であった。
部屋はめちゃくちゃ、そして男女が血まみれで倒れており、
その血を浴びた幼女がぬいぐるみを抱えて茫然と立っていたのだから・・・

警察の見分では、部屋が荒らされている様子から強盗殺人と判断された。
それはそうだろう、あり得ない力で男は首の骨が潰され、
女は背骨が締め折られていたのだから・・・美夜子に容疑がかかることはなかった。
何より美夜子にはミーヤであった時の記憶が一切なかったのだ。
そして美夜子は孤児として施設に預けられた。

そこでも美夜子の安住の地ではなく、いじめ、性的虐待・・・
心の傷は心の闇は深く大きく刻まれていった。
そう、ミーヤが再び表に出てくるまで。
そしてミーヤが眠りに付いてから数カ月が過ぎた。
そこに遥か彼方よりリゲルを追って来たものがいた。
リゲルを探しに来たレグルスだ。
彼女はリゲルの魔法少女開発のパートナーだった。

その彼女の波動をいち早く感じ取ったリゲル・・・いやイオは、
その者をミーヤの眠りを妨げるものと判断した。
イオは依り代にしているぬいぐるみから出てきてどす黒い光球となった。
そしてレグルスがこの世界に顕現した直後、彼女の目の前に立ちはだかる。

イオ「君は・・・レグルス・・・だね・・・?」
レグルス「?リゲル・・・?でもこの感じ?・・・どうしたというの?」
イオ「まさかとは・・・思うけど・・・僕を追って来たのかい?」
レグルス「そうよ!今ならまだ間に合う!早く帰って計画の中止を!」
イオ「ふふふ・・・なんだ・・・そんなことか・・・計画の中止ね・・・それは無理な相談だよ。」
イオはレグルスの提案に思わず笑ってしまった。
彼には彼女の提案がとても滑稽に感じたのだ。

レグルス「無理な相談って!あなたも本当はわかっていたでしょう?あの理論には矛盾があるって。」
イオ「矛盾?そんなことないさ・・・これは素晴らしい力になるよ。だって僕らの仲間が制限なく増やせるんだよ?」
レグルス「リゲル・・・あなた・・・どうしたの・・・?それにさっきから鳴っているこのアラームはもしかして・・・」
彼女はイオと会ったときから違和感を覚えていた。
そしてその違和感は彼女自身の心に警鐘をならしていた。
そう、鳴り響くアラーム音のように。

イオ「ああ、うるさいよね・・・このアラーム・・・そう、ここに脅威が迫っているっていうことなんだ。」
レグルス「やっぱり脅威センサーの音なのね?・・・早く何とかしないと!!だからお願い!」
イオ「うーん・・・どうしようもないんだ・・・だって・・・このセンサーが反応しているのって・・・
僕と僕のパートナーに対してだから。」
レグルスはイオの言っていることが俄かに理解できなかった。
しかし、彼が冗談を言うような人ではないことは十分に分かっていたため、
イオの言っている言葉の意味がわかってくると恐怖を感じ始めた。

レグルス「リゲル!!あ、あなた・・・もしかして・・・陰の魔力に・・・支配された・・・の?」
イオ「さぁ・・・どうだろう・・・でも、これだけは言える。僕の邪魔をするのは君といえども許せないなぁ・・・」
レグルス「そんな・・・禁忌の力が・・・こ、このままでは・・・い、いけない!!」
イオ「いけなかったらどうするんだい?」
レグルス「あなたを力ずくでも連れ戻します。」
イオ「うふふふ・・・昔から君は面白いこと言うよね・・・でも、でもねレグルス、
どんな奴でもあの子の眠りを妨げるのは許さない!」
レグルスはイオの陰の魔力が膨れ上がるのを感じた。

レグルス「!!この力!?そんな・・・過去の脅威とは比べ物にならない!!
それほど器のポテンシャルが大きいってこと!?」
レグルスはその力に恐怖し、その場を高速で離脱。
しかし、すぐに追いついてしまうイオ。
イオ「おそいね・・・どうやら君のパートナーの所へ向かっているようだけど・・・
そんなことはさせないよ。」
レグルス「そんなっ!仕方ない!」
レグルスはイオの周りに凍結フィールドを展開。
イオを封じ込めた。

レグルス「これでしばらくの間は時間が稼げる!」
しばらく飛んでいるとレグルスのパートナーとなる子供が見えた。
その子供は仲良く家族3人で歩いていた。

レグルス「ど、どういうこと?・・・彼女の適性反応がまだ小さい・・・
これでは魔力変換ができない・・・しかし今日彼女が魔法少女になるのは規定事項のはず・・・」

イオ「ふふふ、教えてあげようか?なんで彼女が魔法少女になる運命なのか・・・」
イオは困惑するレグルスの前にいつの間にか立ちはだかっていた。

レグルス「リゲル!!もう解除してきたというの!?」

イオ「あたりまえじゃないか。この凍結フィールドも開発したのは僕なんだから。」

イオ「そうそう、さっきの疑問の答えだけどね・・・恐らくこういうことなんだ。」
イオは体を光らせると触手のようなものが伸び、その家族の前を歩く男に突き刺した。
レグルス「やめ・・・やめろぉぉぉぉ!!!」
イオに攻撃を加えるも彼は全く意に介さず行動を続ける。

びくんと体を震わせると、その男はくるりとその家族の方を向き、
人間ではありえないような力で・・・その女の子の父親と母親を一瞬のうちに絞殺した。
一緒に歩いていた子供はわけもわからず茫然と立ち尽くす。
レグルス「あ、ああああああ!!!!な・・・なにをするんだ!!リゲル!!!
あなたは!あなたはぁぁぁ!!」

イオ「おかしいなぁ・・・君たちの既定通りにしただけなんだけど・・・
むしろ僕に感謝してほしいよ。お手伝いしてあげたんだから。ほら、適性反応も大きくなったはずだよ。」

レグルス「っくっ・・・そんなことで!!」

イオ「おや?魔法少女にしないの?じゃあ、そのまま彼女も殺しちゃうけど・・・
そうなるとしばらくは次の魔法少女は出てこないよ?いいの?
まあそうなったら次はないと思うけどね。」

レグルス「そんな・・ごめんね・・・ごめんねぇぇ・・・なんでこんなことになっちゃうの?」

再び凍結フィールドをイオの周囲に展開。
今度は少しでも時間が稼げるようにそれぞれ違う術式で3重に展開した。

少女「あ・・・おと・・・う・・・さん・・・おかぁ・・・さん・・・?あ・・・う??
ああああああああああああああ!!!!!!!!!」
その少女はわけもわからずがくがくと震えただ、叫ぶばかり、
それはそうだろう、家族の団欒を突然壊されたのだから・・・
レグルスは再び少女の周囲に凍結フィールドを展開。
レグルス「ごめんなさい・・・南野灯莉さん・・・こんな状態だけど・・・
あなたを魔法少女にするわ・・・今この脅威に立ち向かえるのは・・・
あなたしかいないの・・・」

レグルス「コネクト!我レグルスはパートナーとしてこの者の精神、肉体、時間を接続する!
そして新たな魔法少女として構築を行う!」

レグルスからルビー色に輝く光が発せられ、灯莉が光に溶け込んでいった。
そのうち光が繭状になり、レグルスと灯莉ごと包み込んだ。

レグルス「灯莉・・・ごめんなさい・・・こんなことになってしまって・・・
あなたのご両親のことは・・・」

灯莉「あ・・・ああ・・・どう・・・して・・・おかあさん・・・おとうさん・・・」

レグルス「私があなたを守ってあげるから・・・絶対守ってあげるから・・・
今は・・・こんなの勝手なお願いだけど・・・魔法少女となって私と戦って・・・ごめん・・・許せないよね。」

灯莉はレグルスの言葉には反応できない・・・あまりにも突然すぎたのだ。

レグルスはこんな形でまだ幼い彼女を魔法少女にすることに強い罪悪感を覚えていた。
しかし、迫りくる強大な脅威に対抗するにはこれしか方法がなかった。
脅威に対抗できる唯一の存在、魔法少女・・・

あとは彼女にハーティジュエルを装着させ、変身呪文を唱えれば魔法少女として覚醒する。

ところが、絶対防御をこじ開けてくる存在があった。

レグルス「っくっ・・・やっぱり・・・だめか・・・はやくしないと・・・無理やりにでも・・・」

イオ「やぁ、もう魔法少女にした?まだだよね。よかった。」

レグルス「・・・私たちを・・・どうする気?殺すの?」

イオ「んー最初はそう思ったけどね・・・ちょっと面白いこと考えたんだ。」

レグルス「ど、どういうことよ。」

イオ「ふふふ、君もちょっとしばらく眠ってもらうよ。」
イオはレグルスと灯莉を束ね、灯莉の体の中にレグルスをズブズブと埋め込んでいった。

レグルス「なっ!!やめ・・・やめろ・・・私を封印するというの!?」

イオ「そう、正解。しばらくこの子の体の中で眠ってて。
時が来たらこの子を僕らの側に引き入れるから。」

レグルス「やめなさい!そんな・・・そんなことができるわけが!」

イオ「ふふふ、僕を誰だと思ってるの?僕らの世界のシステムほとんどを開発したのは・・・
僕だよ?新しい魔法少女システムを応用すればそれは造作もない。」
イオが冷静に会話を続けている間にどんどんレグルスは灯莉の体の中に入っていった。

レグルス「こんな・・・中途半端な状態で・・・魔法少女化を止めたら・・・何が起こるか・・・」

イオ「そうだね・・・封印はできるけど、そのあと何が起きるかわからないね・・・
魔力の暴走が起きるかもしれない。」

レグルス「っく・・・私が封印されても・・・私は・・・この子を守る!
リゲル!覚えておきなさい!あなたを必ず元に・・・」
レグルスが灯莉の体の中に全て収まる瞬間、
最後の力を使って灯莉の体表面に薄い防護膜を展開させた。

イオ「ふふふ・・・へぇ・・・君も面白いことするんだね・・・
まあ、いいか・・・ミーヤが目覚めるまでこの子を守っておいてくれ。
さてと・・・僕もミーヤが目覚めるまで眠るとしよう。
次の魔法少女はだいたい八年後か・・・」

イオは満足そうに笑うとその場から静かに消えていった。

そして内にミーヤの存在が眠ったまま美夜子は6歳になった。
幸いなことに彼女は子供のできない夫婦の西田家に引き取られ最初こそ心を閉ざしていたが、
暖かく優しくそして何より本当の娘として真剣に彼女と接してくれるこの家族に心を開いていった。
楽しい人たちに囲まれ、環境も良くなり徐々に明るくなっていった美夜子であった。
しかし幼少時に刻まれた深い深い傷は消え去ることはできなかった。
上辺だけ隠すことはできてもその暗闇は時として美しい上辺を突き破って出てくることがあった。

それが彼女の見る悪夢。

西田家に引き取られてからも時々悪夢にうなされることがあった。

その度に一晩中大樹、紗英にそばにいてもらい、
美夜子の心が落ち着くまでずっと手を握ってもらっていた。
そして約束の八年が過ぎていった・・・

美夜子は深い眠りに落ち、
ミーヤは眠りから目覚める。

イオ「ミーヤ・・・八年ぶりだね・・・気分はどうだい?」

ミーヤ「すごく気分がいいわ。」

イオ「君が眠っている間魔力はずいぶんと安定した。
でも君の力は強大すぎる。その強大な魔力に対してそれを納める器はあまりにも小さい。
だからすぐに魔力が溢れて制御不能になってしまう。
まずは器を大きくして魔力を常に安定させるために別のエネルギーを集めなければならない。」

イオ「イオ・・・私のカワイイくまちゃん・・・分かっているわ・・・
力を集める・・・ふふふ・・・うん、わかってる・・・器を大きく・・・エネルギーを集めるやりかた・・・」
ミーヤは素直でまだ子供っぽいところのある美夜子とは対照的に、
ますます妖しげで艶めかしい雰囲気を纏うようになった。
そして、増大した陰の魔力によりパールホワイトに輝いていた衣装は黒く染まっていた。
ミーヤはエネルギーを集めるために夜の街を飛び立っていった・・・

次回予告
エウロパとともにミーヤ、イオも魔法少女たちを襲ってきた。
絶対的な力の前になす術なく倒れていく魔法少女たち。
満身創痍ながら最後まで立っていたフレアーにミーヤの攻撃が!
このまま彼女たちは全滅してしまうのか。
次回「Shiver!なぜ・・・お前が!?」
フレアー「おまえに輝くような決意はあるか?」
622魔法少女キューティエアリィ第十八話 ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 20:39:38.07 ID:xrEVYiHr
今回は以上です。

結構長かったです。すみません。
内容もかなり暗かったです。鬱な話です。
次回はミーヤのエロエロ番外編をお送りします。
このエロ番外編のために今回の話を先にする必要がありました。

ではでは
623魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 20:49:48.60 ID:xrEVYiHr
あ・・・もしかして・・・私が次スレ立てたほうがいいのかな?

一応やってみます・・・ね
624魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 21:02:29.74 ID:xrEVYiHr
すみません、次スレ立てたんですが・・・

強制女性化小説ない?Part41
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1306238105/

番号間違えてしまいました。

本当にごめんなさい。

削除依頼出してみます。

625名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 21:04:08.36 ID:yJP4gh9f
次スレで直せばおk
626魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 21:07:15.98 ID:xrEVYiHr
>>625
すみませんでした。
皆さんにご迷惑をおかけしてしまって・・・
627名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 22:09:34.13 ID:NSiqo8sG
>>626
無自覚な荒らし行為は最低だ
もういいよ金輪際このスレにくるな
628名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 22:30:39.02 ID:4u9whTu3
なあに、よくあることだドンマイ
629名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 22:45:00.62 ID:pR0Mx4Id
>>624
投下&スレ立て乙
「このスレは実質42です。
次スレを立てる人は43で立ててください」とテンプレに書いて利用だね
こんな事で削除人煩わせる事もないわな
次の機会には気をつければよろし

>>627
ツンデレ乙
そりゃもうすぐこのスレ終わるもんなw
630名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 23:15:09.14 ID:z8mpasU9
>>626
気にするな(^-^)今夜もありがとう。
3夜連続とは素晴らしいよね、明日も楽しみだ。励みにして仕事頑張る。
631魔法少女キューティエアリィ ◆yboXY7MR9E :2011/05/24(火) 23:50:34.85 ID:bUUi0Z3h
みなさん優しすぎて嬉しすぎです。
すみませんでした。
ありがとうございます。
632名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 07:13:09.44 ID:aJHCXw4v
NGされてるって何度も言われているネームでスレ立てすんな
>>629のアンカがなければ気付かんかったぞ
633名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 07:44:46.22 ID:hMEa4AS4
おいおい24kbも残ってるぞ

さっさと埋めろよエアさんよ
634名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 08:40:01.61 ID:ML2tzSyo
なんでほとんどの住人にNGされてるバカがスレ立てしてるの?
635名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 08:52:27.86 ID:Uh++lYX1
エアリィってほとんどの住人にNGされてるの?
俺毎回読んでいるんだが
636名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 09:07:42.82 ID:Tf2I7OAT
>>635
気に入らないから追い出そうって子が数人いるだけだから気にすんな
637名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 09:41:38.87 ID:hNMVFjcO
NG指定してるから、スレがスカスカだw
638名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 12:15:25.11 ID:DX3H/y7l
叩くやつは何やっても叩くからな。
例えば作品投下後に作者が次スレ立てなかったとしても叩くんだぜ。
規定容量になっているのになぜ立てないんだって。
639名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 12:45:33.48 ID:f7EqiDp7
まぁ次スレのURL貼るときとかはなるべく
コテハンつけないほうがいいのは本当だけどね
叩くほどのことでもないけど
640名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 13:08:24.48 ID:wE8Ng5mw
>>639
ああ、それは作者マヌケだったな。
叩く隙を与えたんだからw
641名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 13:35:26.06 ID:HKkIkz5H
>>640
お前>>359だろ
642名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 13:50:10.19 ID:wE8Ng5mw
>>641
はぁ?違うよ。
だって俺エアリィ好きだもん
643名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 13:59:39.10 ID:GtHUxH/a
皆の発言とか叩きっぷりはいかがなもんかと思うけど、
男「おはよう女」
女「おはよー!」
みたいな台本形式が嫌悪されがちなのは確か。長編にもなると余計だと思うし。

根気のある人みたいだし、今回は仕方ないとして
次回作はもう少し文章の書き方を勉強してみてほしいとは思う。
644名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 16:20:15.30 ID:wE8Ng5mw
台本形式はわざとみたいだし、文章の書き方は言われるほど変だとは思えないのだが、そう思うのは俺の国語力が乏しいからなのか?
645 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/05/25(水) 16:41:10.59 ID:U2yvu2rg
わざとだからおkってなるもんでもないし・・・
強制要素も薄い少年少女文庫(だっけ?)に近い作風を見せられても魔法少女属性がない者としては若干つらいものがある
646名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 17:05:46.42 ID:wE8Ng5mw
>>645
ん?俺は属性の話はしてないぞ?
文章力の話をしてるんだが
647名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 17:06:25.31 ID:yaWMIgxh
>>645
難癖イラネ。気に入らないなら自分で秀作を書きたまえ。
648名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 17:15:18.84 ID:wE8Ng5mw
なんでもそうだけどTSモノにかぎらず強制シチュエーションのある作品って長編になると強制要素が薄くなるのは仕方ないと思うんだ。
649名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 17:45:44.13 ID:Jlfo2Zup
エアリィ()より荒らしの方が読んでて楽しいっていうねww
650名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 18:28:17.25 ID:5qIQMQTE
>>648
そりゃあまあ、強制でやらされてたことも続けば対象が慣れてくる(まったく変わらなきゃ不自然になる)し
新しい強制シチュエーションを次々出すのも限りがあるうえにTSという要素から離れてくる
TSにまつわる強制って、「肉体の女性化強制」「服装の女装強制」「仕草や言葉遣いの女らしさ強制」「性行為の強制」「社会的役割の強制」の5つ位じゃね?
細分化はできるけど大まかに言うと全部受け入れた後は女性化の強制からは外れてくるだろうから幕引きしないと
強制要素が薄れるか、女性化と関係のない趣味嗜好強制(女性にやっても強制になるような事)とかになるだろうし
どれだけ書きたいかにもよるが全部強制を受容したら終わるしかないだろう強制女性化物としては
651名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 19:54:01.11 ID:VG8tOTnH
確かに厳密に言えば
強制的に肉体女性化→強制的に精神女性化
までいったら、後はスレ違いだしな。
652名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 21:53:33.53 ID:lDlISUGJ
だからと言って、強制女性化要素以外は全て蛇足だって言って切り捨てたら作品の幅がすごく狭くなるよな?
物語なんだから他の要素も含まれていていいと思うよ
653名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:00:48.05 ID:iNWh7fxc
>>652
誰もそんな極端なこと要求してない
強制女性化スレだから強制女性化であれってだけ

男性用AVに男優がつきものでも、男優一人だけのストリップ延々見せられたら苦情出るだろ
654名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:05:37.25 ID:lDlISUGJ
そりゃそうだ(一部のマニアにはウケるかもしれんがw)
655名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:20:41.34 ID:yaWMIgxh
>>653
例え話がイマイチしっくり来てない気がするんだが。
656名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:29:25.23 ID:ifIzWkqw
例え合戦は止めてくれよ
657名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:34:51.07 ID:lDlISUGJ
ところで今日は来ないんかな?
658名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 22:59:21.84 ID:0RES44M/
これだけ叩かれたら書く気もなくなるでしょ
それでも今まで書き続けてる辺り偉いと思うよ
659名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 23:18:53.08 ID:vWIdTris
出たよ追い出し厨
660名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 23:21:16.23 ID:iNWh7fxc
例えじゃなくて一般化しただけなんだけど
自分はエアリィどっちでもいいよ、興味ないのはエアリィじゃなくても頭に入らないし
661名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 23:23:08.81 ID:0RES44M/
いや俺は楽しみにしてるし完結まで頑張って欲しいとは思ってるけども
こんなに叩きが激しいと他の作者さんも書きづらいだろうなあと
662名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 23:28:27.36 ID:GaY6veTQ
>>658
偉い???
空き缶首相と同じ
いい加減空気嫁
663名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 23:41:53.30 ID:dqHNP6nt
20歳以上の年齢制限あるのに
ガキのような低レベルの議論()してるとか…
大人になれよ…
664名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 00:05:19.43 ID:s3wnSbnM
異性化妄想と言うのは一般的には思春期特有のものであり
第二次性徴におけるの通過儀礼と言える

22歳を過ぎてもそんなのに取り付かれてる奴は、
多かれ少なかれ成長に失敗してるアダルトチルドレンだ
665名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 00:18:48.74 ID:l4EvOyC5
もう何年も前に年齢制限が18歳以上になってるのに、まだ知らない人っているんだねw
666名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 01:00:24.59 ID:0WNlmok5
なんていうか…もう次スレもいらんわ
こんなくだらない言い争いしかできないんなら強制女性化小説スレは終了でいい
667名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 01:27:54.18 ID:9q48HE7y
>>666
んじゃお前が来なきゃいいだけの話
お前がくだらない
668名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 01:34:21.89 ID:0WNlmok5
お前も俺もくだらない
ここにいる奴全員くだらないわ
669名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 01:38:42.08 ID:AjpvZula
お前だけだから。
670名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 01:41:31.78 ID:9q48HE7y
ていうか、今ってスレ埋めるために議論してるだけでしょ?
671名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 02:07:29.25 ID:s3wnSbnM
>>668
自分が嫌だからと言う理由で周囲の全てが駄目だと断ずる・・・
カルト宗教に走る奴の典型的思考だから気を付けろよ

煽りじゃなくて、マジで心配して忠告してるんだからな
672名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 02:15:00.99 ID:c7OxJ/uL
うめ
673名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 02:38:27.39 ID:JSGE57RH
うめ・・・
480KBちょい前を目安に新スレ立てたのですが、
やっぱり早すぎましたよねぇ・・・
ごめんなさい
674名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 03:15:29.41 ID:qXDDuyPZ
皆、一回、保管庫で原点を思い出すために復習すればいいと思うんだ。

強制女性化小説ない?スレ保管庫
http://w.livedoor.jp/tsf/
675名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 07:59:36.91 ID:wuFAJMc0
>674

うん、まぁ、温故知新──昔を振り返って確かめることは確かに有意義だけどね。
ただ、自分も比較的初期の10スレ前後からココでROMってたから分かるけど、昔と同質のものを求めても難しいんじゃないかな? 
当時の書き手の大半が戻ってくれば話は別だけど。プロじゃないんだし、しょせん「書きたいものしか書けない」よ。
極論すれば、現在の変質を受け入れてスレを存続させるか、変質したスレはいらないと見限ってこのまま落とすか。
後者の場合も、変に非難するんじゃなく、誰もここにカキコしなくなれば自然に落ちるしね。
(作者ひとりがんばっても感想も何もなければキツいし)
で、落ちてから、昔のようなSSが欲しい人は改めてスレ立てして、テンプレでヌルい作品締め出せばいいんじゃない?
逆に落ちなければ、それだけ多くの人が現在の風潮を支持しているという証拠になる。
676名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 08:11:39.26 ID:3O9HYWTU
>>675
ローカルルールが厳しいスレって、それだけで過疎化する原因の一つだしなあ。
厳格化させていって無くなったシチュエーションのスレなんて山ほどあるよ。
結局は読み手と書き手の民度の問題なんだよ。
それにぬるさ熱さなんて読み手によってそれぞれでしょ?
投下後にエロくないって言われたら中途半端のまま追い出すの?
長編ともなればエロくない回も出てくるだろうし、無理矢理毎回エロ突っ込めば話は破綻するしな。
677名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 08:51:54.07 ID:VXqcMRX7
エロ主体のSSでのエロなしパートと、お茶を濁すっていうかごまかし程度のエロパートつきのSSを同じレベルで言われてもなぁ。
678名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 10:37:06.73 ID:C+z54nba
たとえばPCのエロゲーでも、
がっつり凌辱とか調教とかがあるハード系の作品もあれば、
ふつうにラブコメしてて最後に1回ルートヒロインとヤるだけの純愛ゲーもあるわけですよ。
後者も普通にエロゲーとして売られているワケだし、ね。
ただ、投下時にその旨(エロ薄めとか純愛とか)を明記するのは親切かも。
679名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 15:57:43.05 ID:D998af+6
4レス、近親相姦物
680名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 15:58:18.27 ID:D998af+6
兄さん、兄さんの気持ちはよくわかるよ。
婚約していた清子さんが別の男と駆け落ちして
兄さんの落ち込みようったら見ていられなかったからね。
だから、兄さんが極端な行動に出るのもわからないではないよ。
でも、実の弟を女に変えてしまうのは、やっぱりやり過ぎだったんじゃないかな?
兄さんの部屋からTS薬が見つからなかったらきっと気づかなかったろうな。
だって兄さん優しかったもの。
急に女の子になってどうしたらいいかわからない僕を
何時間も抱きしめて優しい言葉をかけてくれたよね。
対人恐怖症気味になった僕のために、どこに行くでもついて来てくれたし、
僕が怖がらないようにずっと手を握っていてくれた。
僕はきっとかなり早い段階で、兄さんに恋をしてしまったんだと思う。
引きこもりがちになった僕は兄さんが喜ぶように振る舞った。
パンツが見えるような短いスカートを履いたり、
兄さんにわざと胸を押しつけたり。
そうしてずっと僕は兄さんを誘惑していたんだ。
そのうちに兄さんは僕の身体に当たり前に触ってくるようになったね。
僕の無駄に大きな胸を後ろから揉みしだいたり、
挨拶代わりのハグは必ずお尻を触ってた。
681名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 15:58:53.87 ID:D998af+6
恥ずかしかったけど僕は嬉しかったよ。
大好きな人の肉欲の対象になってると思うとゾクゾクした。
その頃からかな、毎晩兄さんを想ってオナニーするようになったんだ。
クリトリスをね、こう擦りあげたり、穴に指を突っ込んだり
これが兄さんの手ならどんなに嬉しいかと思いながらしてたんだ。
だから兄さんに誘われてラブホテルに行った時はとても嬉しかったよ。
ついに兄さんのものになれるんだって思うと、パンツがしっとりと濡れてしまった。
ふふふ、兄さんって実際にやってみると変態だったね。
初めての女の子に思いつく限りの体位で交わろうとするんだから。
最初が正上位だったのが唯一の救いだったね。
その後はバックから立位から色々やったね。
最後はヘトヘトになって崩れ落ちた僕を松葉崩しで犯してた。
うふふ、まさか初めてでイかされるとは思わなかったよ。
兄さんってテクニシャンだよね。
それとも、血の繋がりがあると違うのかな?
それからの兄さんはところ構わずだったね。
トイレでも風呂場でも、兄さんがしたい時はいつでも僕は言いなりで、
682名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 15:59:26.71 ID:D998af+6
父さんたちがいても平気でパンツ越しにあそこを擦りあげられて
無理やり発情させられてしまう。
それで悶々となった僕は兄さんの部屋に忍んで行って、
おしゃぶりしながらおねだりするんだ。
兄さんのは太くて長いから、おしゃぶりするのに慣れるまでに時間がかかったよ。
すぐイラマチオなんかするから最初は吐いたりして大変だったしね。
でもそのうちに、喉を使われる快感に目覚めてしまって、
ただのフェラじゃ満足できなくなった僕も
本当は兄さんと同じくらい変態なのかも知れないね。
だからかな、兄さんの淫猥な趣味にあんなに付き合っていられたのは。
駅のトイレで立ちバックで犯されたり、
そのまま電車で痴漢プレイしてみたり
はたまた家でギチギチに縛り上げられてまんぐり返しでセックスしたり、
もう毎日セックス三昧だったね。
でも電動ドリルにディルドーをつけたのはキツかったな。
あれはイきすぎちゃって苦しかったから。
ふふふ、そうして兄さん好みの女の子をやってた時に
兄さんが僕を女の子に変えた事実に気づいた時は
悲しくて嬉しかったよ。
683名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 16:00:00.15 ID:D998af+6
これで兄さんに責任をとらせようってね。
一生兄さんと僕とで愛し合って生きようってね。
ねえ兄さん、お腹を触ってみてよ。
まだ分からないかな。
この中にね、兄さんの赤ちゃんがいるんだ。
なにを驚いてるの?
あんだけ毎日ビュクビュクドクドク精液膣内出ししたら当然の結果じゃない?
これは愛の結晶なんだ、僕と兄さんの。
だからね兄さん、責任とってもらうからね。
684名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 16:47:21.58 ID:mPTLbRFQ
GJ!
エロいぜ
685名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 17:38:30.21 ID:JX4Hme9m
>>680-683
GJ、シンプルで楽しめた

穴埋め余談なんだが
お前ら
「肉体の女性化強制」=そのまんま肉体の変化
「服装の女装強制」=下着含めて女性物の服着用だな
「仕草や言葉遣いの女らしさ強制」=いわゆる女言葉やちょっとした仕草
「性行為の強制」=本番のS○Xは勿論、自慰含めて女としての性行為
「社会的役割の強制」=女子学生としての通学とか妻として社会に出るとか
子供を産み育てるあたりは4つ目の性行為と5つ目の社会的役割に跨った話かな

俺の個人的な趣味だと

肉体>服装>性行為>社会的役割が強制され、受け入れた結果としての仕草・言葉づかいの変化かな?
肉体変化以降の強制度は低めで周囲から外堀埋めるような緩やかな強制が良いな
男だった人格を壊しちゃ元男を女にした甲斐がない
686名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 18:01:30.76 ID:Vt92DClo
>>680
よい、実にGJ
687名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 20:17:18.82 ID:Jmsc0Aac
議論スレがいつの間にか消えているし、
このスレも後は埋め立てるだけのようなので、
この機会に言いたい事言わせてもらいます。

いつもいつも、気に入らない作品の作者を排斥しようとするバカども!!
お前らがスレから消えてくれ!!
昔レズ排斥厨とレズ擁護派、擁護派を装った嵐が、
3つ巴でスレが廃止寸前まで廃れた事を忘れたか!!
気に入らないならスルー!黙って好きなSSが来るのを待ってくれ!!
自分じゃSS作る文章力もない癖に、
文句言う資格があるとでも思っているのか??
俺だってエロなしのエアリィははっきり言って、
ちょっと口に合わないけど、
投下する事自体には反対するつもりはない。
色んな嗜好の人がいるだろうし、
エアリィを必要としている人もいる。
そしてエアリィがTSというジャンルである以上、
いくら好みが合わなかろうと拒む理由はないんだよ。

TS自体がマニアックなジャンルであることを忘れるな。
例えるなら、恐竜が世界に生き残っていると信じている奴らがいたとしよう。
その中で、恐竜の目からビームが出る派とビームが出ない派で分裂して、
争っているような状態が今の状況だ。
いい加減に不毛な争いはやめて、黙ってスルーを覚えろ!!
688名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 20:25:38.21 ID:W1sTbP92
>>85
2番目から5番目いらね
女になっても自分や周りの女の子にハアハアして楽しむ作品がいい。
689名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 20:26:07.83 ID:W1sTbP92
>>685 だった
690名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 20:37:33.82 ID:Vt92DClo
>>687
恐竜ワロタw
691名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 21:20:19.28 ID:JX4Hme9m
>>688
それじゃ少なくとも「強制女性化」作品としては片手落ちだろ
女性化されて喜んでんじゃ強制も糞もない
そういうのは「よろこんで女性化してウハウハ小説スレ」ででもやりゃ良いさ
692名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 21:23:20.16 ID:Ldv7hEYb
最初はエロ書かない宣言があったから余所でやれと思ったけど、今は気にしてない
693名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 21:25:36.76 ID:l4EvOyC5
いつも似たような書き込み見ると思うんだけど、687のような人の思考回路ってどうなってんだろうね
自分はスルーできないのに、他人にはスルーを強要
文句を書いてる人を勝手にSS書きじゃないって決め付けて、文句言う資格がないとか書いて言論封
殺を試みる
はっきり言ってキモイわ
694名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 22:06:45.63 ID:JX4Hme9m
>>693
SS書きなら自分で書いてスレ住人の注目を奪えば良いだけなんだから
100%じゃなくても99%以上SS書き(現役)じゃないだろ
変な単語の途中での改行すげえ読みにくいんだけど

作品へのレス封殺の方が、SS封殺より明らかにスレ住人にとってデメリット少ないからな
SS書きに文句を言う方が大罪だ
読み手は居なくなっても見た目に変化はないがSS職人が居なくなればスレはさびれる一方
この程度の作品ならもっと面白いのがかけるぜと思わせる低水準職人であったとしてもいた方がプラスが大きい
気に入らないSSはNG指定で読まなきゃ済むだろ
695名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 22:30:50.05 ID:Ln+g+cWq
法則:
神を召喚するには 大量のイケニエが必要である。

応用:
名作は大量の凡作の中から産まれる
696名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 22:55:48.76 ID:aNXhAcVn
スレ違いの作品で盛り上がるくらいなら、スレの名前変えるべきだと思うな。
697名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 22:59:17.26 ID:JX4Hme9m
>>695
世の9割は糞で、残りの内の90%は駄作で、傑作は1%しかない(傑作の基準は人それぞれ)
って言うしな
9割の糞をスルーできない奴には1%の傑作を読む資格がない

ニンテンドーが64やキューブでSONYに負けてた時は厳しい参入規制で選別した結果だからな
駄作も含めて玉石混交で出してるとその中に今までにない当たりも出てくる

自分好みのえりすぐりSSだけにしたければ、自分でサイト作って眼鏡に叶わない作品は公開しない
って方針をとるしかなかろ?
まず失敗すると思うけど、投稿のチェック係を他の人に頼まなきゃ糞もチェックしないといけないけどな
698名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:02:46.87 ID:Z08qAv8X
高い山は広い裾野を必要とする…ですか。
699名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:05:47.93 ID:VXqcMRX7
好みの違いはともかく、スレ違いは確かにアウトだな。
700名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:11:39.03 ID:gTyG6qtC
しかし付け合わせがあってこそのステーキではないか?
701名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:16:24.28 ID:SnFtXW+j
エアリィはスレ違いじゃないから叩かれるのは間違いって話にしかならん
エロなしの時は叩かれてもやむなしだったが、
批判に対応して改めたわけで
あとは好き嫌いの問題
嫌ならスルーかNG、しか言えんな
俺も台本嫌いだから、本編スルーで、
エロ有り番外編しか読んでないし
702名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:37:31.62 ID:l4EvOyC5
>>694
全く予想の範囲をでない反論でがっかり

だから勝手な決め付けするなって
貴方には何書いても無駄そうだし決め付け好きみたいだから、自分は現役のSS書きじゃないってこと
でいいですよw

一つ貴方に聞きたいのだけれど、SS書いてる人なら、他人のSSに文句をいってもOKなの?
昔のhiroshi氏みたいにさ。
あの時だってもの凄く荒れたよね、覚えてる?

最後に、自分には貴方の改行の方が余程見難いよ
703名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:45:29.11 ID:JX4Hme9m
>>702
あんたがどうかという話は一度もしてないが?
一般論として、現役で書いてる人間が態々他人のSS叩きする意味がないと言ってるだけだ

それに他人を追い出す行為の方が迷惑だと>>694で書いてるだろ?

そらお前さんは、あの改行位置で自動改行される画面設定だろうからな
それ以外の理由で単語の途中に改行する意味がない
704名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:53:49.53 ID:+88a3uhf
改行が変なのは ID:l4EvOyC5
705名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:59:59.79 ID:ZjLWDDrh
でも言ってることはID:l4EvOyC5の方を支持する
706名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 00:00:59.06 ID:jF0Nu1Er
どうでもいいけど用語は正しく使おうな・・・アダルトチルドレンとか
707名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 00:10:38.28 ID:SJ99L67K
>>706
あれはアダルトチルドレンの人達に土下座して謝れ、って思った
708名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 00:46:44.61 ID:PVoTcyzu
正直な話、こんなスレの雰囲気じゃ新規の書き手さんなんて、なかなか来てくれないだろうな
709名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 01:50:47.87 ID:bB2RGOkI
スレ違いのSS落とし続ける誰かさんが居る限り厳しいよな、いい迷惑だぜ
710名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 01:52:29.62 ID:9Hm9Uz8/
改行と句読点って、どんなスレでも使われるよな。
煽りとしては、最早古典の閾。
711名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 02:24:03.25 ID:I8pVsqlP
>>709
それを誘導もNGもスルーもせずグダグダ文句垂れ流すしか脳のない奴もいるしな
本当いい迷惑だわ
712名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 08:42:18.71 ID:jUMxjtgt
誘導しても作者本人に動く気がない。
常駐者がNGをしていても、初めて見るには関係がない。

新規の書き手さんにも来て欲しいんだよ。
713名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 09:26:33.76 ID:lN1rWcwY
>>712
作者は最初何度か動こうとしてたよ。
でも住人がここでいいって言って残したんだよ。
714名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 10:43:54.52 ID:QCyDAm2e
エア糞の話好きやねきみら
715名無しさん@ピンキー
312 名前:TSダンジョン[sage] 投稿日:2011/05/10(火) 17:50:59.20 ID:mM+pS55F
→8)せっかくだから、中を探ってみる

 小部屋ほどもあるウォークインクローゼットとは言え、中の大半は衣裳箪笥として機能しているようだ。
 色とりどりのドレスや、ボディスやチュニック、コルセットといった、ファンタジー風世界にふさわしい衣裳に混じって、チャイナドレスやバニースーツ、看護師服といった、場違いなコスチュームが混じっているのは、なぜだろうか?
 今着ている体操服&ブルマーのことも併せて考えると、どうも日本の文化を誤解されているような気がしたが、突っ込んだら負けだろう。

 脱力しつつ衣裳をかき分けていると、その後ろの壁の色が周囲と違うことに気付いた。
 慎重に手を当てて押してみると、忍者屋敷よろしく壁に大きな穴があき、中には遙か上方へと続く縄梯子がぶら下がっている。ご丁寧にも、「↑地上へ」と張り紙がしてあった。
 罠だろうか? しかし、それにしてはわかりやす過ぎる気もする。
 しばし葛藤したものの、あなたはいを決して縄梯子を登ってみもることにした。

 10数メートルばかり登ったところで、ようやく上のフロアへの出口に辿り着いた。本当にココが地上ならよいのだが……。

313 名前:TSダンジョン[sage] 投稿日:2011/05/10(火) 17:51:20.90 ID:mM+pS55F
 扉を開けて出たところは、ゴシックな雰囲気のインテリアに囲まれた部屋だった。
 窓の外に見える光景からすると確かに「地上」ではあるようだ。もっとも、窓ガラスはすべて嵌め殺しで、念のいったことに窓の外には太い鉄格子まで設けられている。
 ほんの少し部屋のドアを開けて廊下を覗いてみたところ、どうやらかなり広い屋敷の中のようだ。君が虜囚の身であることに変わりはないらしい。

 君が、このまま屋敷を探索するなら9)へ、元いたダンジョンに戻るなら、>253の6)へと進め。

※というわけで、「ファンタジー風ダンジョン冒険物」に加えて、「ホラー風味洋館探索物」的な選択肢も用意してみました。