【真島】ギルティでエロパロ Part3 【芽衣子】

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1名無しさん@ピンキー
ここはドラマ「ギルティ 悪魔と契約した女」のパロスレです
次スレは>>980か480KBあたりで立ててください

■お約束
 ここにある作品は、いわゆる「生もの」「半生」と呼ばれている実在の人物、
あるいは俳優を使ったドラマや映画を元にした二次創作(エロありエロ無し問わず)です。
したがって「表」に出すことは厳禁です。

 ドラマ板のギルティスレ、出演俳優さんの個人スレ、またその他のブログや
Twitter・ファンサイト等、ギルティエロパロスレ以外の場所で、「エロパロスレ」や
「guilty_paro@wiki」の内容を話題にしたり、書き込んだりしないでください。

◆書き手さんへ
 ○可能であれば、題名とHNをお願いします
   HNを付けない場合もお知らせしてください
 ○エロパロスレですが、エロなしでも全然OKです
 ○新規職人様随時募集しております
   初SS挑戦でも躊躇しないで是非どうぞ

◆その他
 ○書き手さんが投下し易い雰囲気づくりをお願いします
  ・SS投下宣言、直後は雑談をしばらく自重
  ・自分の嗜好に合わないSSなら黙ってスルーすること
 ○こういうSSが読んでみたい等のリクエストは節度を持って
 ○荒らし、煽りは勿論スルー
 ○sage進行です。メール欄に半角で sage と書いてください。ageた人を煽るのはやめましょう。
   大半のsageていないレスは荒らし目的の釣りか煽りです、慎重に見極めて反応しましょう。

◆前スレ
【真島】ギルティでエロパロ Part2 【芽衣子】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1294830691/

◆まとめwiki(保管庫)
http://www43.atwiki.jp/guilty_paro/
※一緒に管理して下さる方募集中

2名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 14:39:46 ID:G6xLd5LS
ギルティでぬるぽ
3名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 15:34:20 ID:VzxnbKTv
>>2ガッ
4名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 16:34:01 ID:I/w7mjlx
>>1
乙です!
5名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 14:19:59 ID:imG6aS8Y
>>1
前スレまだ埋まってないね
6ぎるちぃ:2011/02/14(月) 15:39:14 ID:VA/2/2dB
>>1
乙です

あともうちょっとが前スレに入らなかった(汗
前スレ718の続きです

7ぎるちぃ:2011/02/14(月) 15:40:28 ID:VA/2/2dB

翌日、仕事で遅くなると電話をくれた真島さんを部屋で待つ。
「真島さんまだかなぁ、喜んでくれるといいね、アン。」
アンに語りかけながら、テーブルの上の二つの包みを眺めているうちに、
私は眠りに誘われていった。


(真島視点)

俺が家へ帰れたのは、もう日が高くなった頃だった。
芽衣子は既に仕事へ向かったらしく、部屋は閑散としている。
昨夜、徹夜になると芽衣子に送ったメールに返事が届いたのは今朝だった。
きっと俺を待ちながら眠ってしまっていたのだろう。
上着を脱いでソファに近づいた時、鮮やかに彩られた包みが目に入る。
これか。
彼女からのメールに、俺へのプレゼントがあると書かれていた。
一つを手に取って包みを解くと、シックでセンスの良いネクタイが現れる。
もう一つも開けてみる。
甘い香りに包まれると共に、ひらりと何かが床に落ちる。
拾い上げてみると、それは二つ折りのカード。
表には、『真島さんへ 芽衣子』の文字。
そのカードを開いた俺は、思わず笑みを零す。

そこには、ただ一言だけ書かれていた。
『愛してる』と…。
8ぎるちぃ:2011/02/14(月) 15:45:33 ID:VA/2/2dB
本日は以上になります
駄文失礼しました

前スレを半端な終わり方にしてすみません

今日は2月14日ということで、前スレ665さんにご提案いただいた
バレンタインネタを書いてみました
このスレの住人さんに素敵なバレンタインが訪れますように

続きまーす
9名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 19:32:32 ID:WTs9vzT4
真島&芽衣子HappyValentine
因縁のチョコを作ってプレゼント出来て芽衣子、よかったね。
真島のネクタイ姿はかっこよ過ぎだもんね。
続き楽しみにしてます。

10名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 20:21:12 ID:oSZgjB/q
ぎるちぃさん、バレンタインデーにタイムリーなお話をどうも!
で、夜になると真島が甘く情熱的なお返しをするわけですね
11名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 20:31:30 ID:TQgfwdiV
ぎるちぃさん、素敵なお話ありがとうございます
世間の普通の女の子が羨ましかった って所はほろりときますね

で真島ちゃんからのwhitedayも期待しちょります
物じゃなくても…サービスでよろしくってよ
12名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 21:07:38 ID:fo4yAY2q
ASMDUSさん
題名がないような気がするんですけど?!
題名お願いします
13名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 21:48:46 ID:Q0yp688A
まとめの方、職人様、いつもありがとうございます。

まとめのほうの、ぎるちぃさんのお話、遊園地デートが抜けているように思うのですが…
14名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:11:06 ID:fo4yAY2q
>>13
ええっ 本当ですかー
具体的PART何番の部分ですか?
教えてくださいっっ
15名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:16:58 ID:fo4yAY2q
>>13
自己解決しました ほんとに抜けてました
よくやるんですけど、ページ作成してプレビューみた後
保存しないで閉じちゃうんですよね

スレには、ここまで読んだ(うpした)マーク付いているので
たぶんまたやっちゃったんだと思います〜
教えてくれてありがとうございましたっ

またよろしくお願いしますっ
16hitoshi:2011/02/14(月) 22:26:11 ID:imG6aS8Y
新スレになってしまいました・・・
上書きしてしまってからちょっと創作意欲が落ちてしまい、やっと書き上げました。
ひとまず前回の芽衣子サイドの同じ時系列で真島サイド投下しまーす

毎度駄文、まだエロたどりつけてませんがお許しください
17hitoshi3-1:2011/02/14(月) 22:27:13 ID:imG6aS8Y
 -3- MASHIMA Side

芽衣子がベッドで跳ね起きる音で目が覚めた。
しかし疲れていたせいかもう少しまどろんでいたくて、目を閉じたまま横になっていた。
芽衣子も随分疲れているようだった。
俺に寄りかかったかと思うとあっという間に眠ってしまって、
それっきり起きる気配がないもんだから、彼女を抱きあげてベッドへ運んだ。
昨夜、俺が完璧に理性を働かせられたのは奇跡と言えるかもしれない。
ただ起こすのも可哀そうなほど芽衣子は眠りこんでいたから、俺は理性を総動員したのだった。
ベッドルームの方で衣擦れの音がして、芽衣子が動き出したのが分かって薄目を開けてみる。

おっと。

思ったより彼女が近くに来たので慌てて目を閉じる。
どうして寝たふりなんかしてるんだろうか、俺は。
芽衣子が俺が寝ているのをいいことに出て行こうとしないか確認したかったのか。
ちょっとした悪戯心もあったが。
それにしても随分長い間視線を感じる。
こんな風に芽衣子の方から俺に近づいてきたのは初めてだ。
いつも俺が彼女を追いかけて、彼女に近づいて、彼女を一方的に抱きしめてきたから。
受け入れられていないのかもしれないと幾度も思ったが桜葉館学園で彼女が俺の頬に触った時、
芽衣子がとっくに俺を愛していたことに気がついた。

18hitoshi3-2:2011/02/14(月) 22:28:34 ID:imG6aS8Y
「どうして・・・」

彼女の呟く声。
押し殺したようなその声の向こうに葛藤があるのは分かった。
俺だって似たようなものだ。
芽衣子を守りたくて傍に置くことに決めたけれど、どうして芽衣子でなければだめなのか、答は出なかった。
答がなくても芽衣子でなければいけないのだから仕方がない。
そりゃ万里との関係も悪くはなかった。
俺なりに彼女を愛していたし、結婚だって考えないわけじゃなかった。
でも芽衣子への感情は万里とは全く違う。
愛していると言葉にしても全然足りないのだ。
どんなに抱きしめて受け止めると叫んでも、まだ足りないような気がするほど、俺の心は芽衣子を求めていた。
芽衣子にこれ以上近くに来るなと言われたとき、彼女の拒絶が俺の焦燥感をかきたて、抱きしめずにはいられない感情が溢れた。
哀しいから苦しいから身を寄せ合って温めるような、理解してくれるから彼女でなければいけないというような
そんな理屈っぽさはとっくにどこかに放り出してきた。
確かに芽衣子は俺のために溝口を殺し、俺は芽衣子を守るために宇喜田を殺した。
俺たちは同じ罪を背負った者同士かもしれない。
芽衣子が償えない罪を負ったというなら、俺だって正当防衛というお墨付きをもらって罪を誤魔化しているようなものだ。
いや、芽衣子に溝口を殺させてしまった分、俺の方が性質(たち)が悪いかもしれない。
だとしても。
理解されようがされまいが、同じ苦しみだろうがそんなことはどうでも良くなっていた。
ただ芽衣子の傍で芽衣子と一緒に生きていたい。
誰かがそれを傷の嘗め合いだと否定したとしても、俺には芽衣子との関係がそれだけで言い尽くせるとは思えなかった。

さて、芽衣子は一向に動く気配がない。
芽衣子とのことを考えているうちに、ちょっとした悪戯心も影をひそめてしまった。
そんなことよりも芽衣子の様子の方が気になって。
19hitoshi3-3:2011/02/14(月) 22:29:24 ID:imG6aS8Y
「何を考えてる」

そう言いながら目を開けると、目の前の床に芽衣子が座り込んで泣いていた。
驚いたように俺の目を覗き込む芽衣子。
この眼に俺は弱い。
大きな瞳に涙をいっぱいためて、それがおさまりきらず瞳からこぼれおちて頬を流れるさま。
どうしてこんなに綺麗なんだ?
まずい。
頭の奥で理性の声がした。

「どうして泣いてる?」

彼女は自分が泣いているのに気がつかなかったようだ。
戸惑ってその場から逃げだそうとする芽衣子を思わずつかんで抱き寄せた。

「きゃっ!」

小さく叫ぶ芽衣子が可愛くて、理性の声がどんどん小さくなっていく。

「真島さん・・・ちょっと・・・あの」

俺に抱きかかえられて恥ずかしがる芽衣子は、どこか懐かしくてそれでいて新鮮な空気を醸し出して俺を惑わせる。

「もう一人で抱え込むのはやめろ。何のために俺のところに来たんだ?」
20hitoshi3-4:2011/02/14(月) 22:30:07 ID:imG6aS8Y
芽衣子の髪を撫でてやる。
彼女のさらさらのその黒髪の手触りはあまりにも魅惑的だ。
理性の声なんかその魅力の前では、何の力も持たなかった。

「何のため・・・か。いろんな意味があるな。」

俺ってほんとに。
自分でも呆れるが、俺はずっと我慢してきたんだ。
何度か機会はあったけど芽衣子が怖がると思い。
今まで一度もキスさえもせずに我慢してきたんだ。
昨夜、俺の理性は総動員したから、理性には今日は休暇をやってしまおう。

いろんな意味ってのはこういう意味だ。

言葉にせずに俺は芽衣子に口づけた。
初めての芽衣子とのキスは、信じられないくらいの幸福感と恍惚に満ちていた。
ただ慰め合うために一緒にいるんじゃないと、俺はそのとき実感した。
幸せになるために、芽衣子と一緒にいるんだ。
それと同時に次へ進みたい欲求を止められない。

「んっ・・・」

聞いたことのない芽衣子の甘い声を聞いた途端、俺は理性に従うことを諦めた。
21hitoshi:2011/02/14(月) 22:31:04 ID:imG6aS8Y
以上でございます
次回エロに持ち込んでます、只今推敲中・・・
22名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:51:24 ID:oSZgjB/q
hitoshiさま
辛い時を経て「幸せになるために、芽衣子と一緒にいるんだ」と
思えるようになった真島に涙が出そうです
次回とても楽しみですが……
疲れたろ、今夜はもう眠れ by MASHIMA
23名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:52:36 ID:TQgfwdiV
これは参った
芽衣子sideの時は女性らしく繊細で
真島sideはなんて男フェロモンむんむん。
エロどんながくるんだろ。理性ぶっとんじゃって下さい。
24名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 00:18:17 ID:ospVvnMl
きゃー面白い
ストイックかつ悶々悶々としてる真島さんがかっこいいです
口数が少ないようで頭の中でもう我慢できない!とジリジリしてる真島さんエロス
25名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 20:14:51 ID:BFqZF2JG
zeroです。
最近山田さんのお嬢さん、溝口と続きサブキャラの掘り下げが
はやっているみたいなので自分でもいっちょ書いてみました。
真島と芽衣子の成分が少ないですごめんなさい。
26堂島の息子:2011/02/15(火) 20:15:52 ID:BFqZF2JG
僕はお父さんなんか大嫌いだ。
こう言うとたいていの人はきっと眉をひそめるだろう。それでも嫌いだ。

                   * 

「…榎本、どうした?」
「え…ああ、なんでもない。」
「行きますよ、さあ。」
そんな声がしたのは休日の夕方だった。
たいして厚くもない家の壁、玄関近くにいれば外の声なんてすぐに聞こえる。
誰かが今僕の家の扉のインターホンを押そうとしている。
それが確信につながり僕はそれよりも早くドアを開けた。
「わ!びっくりした…!!」
「…失礼ですが、どちら様でしょうか?」
スラリとした綺麗な女性、眼鏡を掛けたガタイのいい男性、少し頼りなさそうな男性。
見たこともない三人が僕の家の前にいた。
「…堂島 基晴君、だね?」
「……そうですけど」
「今日はお父さんの件で、ちょっと。」
それと同時に男の人が手に持った警察手帳を掲げた。
ああまたか、僕が瞬時に思ったのはそれだけ、本当にそれだけだった。
27堂島の息子:2011/02/15(火) 20:16:36 ID:BFqZF2JG
「…警察の方にはもう全部お話したと思うんですけど」
「ええ、何度もごめんなさい、前回聞き損じたことがあるから。」
僕の、この世で一番、誰よりも大嫌いな父さんは数日前に死んだ。自殺だった。
一番父さんらしい死に方だと思った。
「…貴方のお父さん、なくなる前にこの家を訪ねてなんてこなかった?」
「来るわけないじゃないですか。」
「…そう、分かったわ。ごめんなさい、それだけなの。もしそうだとしたら
この家にもまだ例の事件に関するものが残っているかもしれない、そう思ってね。」
例の事件。アレか。
15年前の毒入りチョコレートケーキ事件。実は民事党の息子が引き起こした殺人事件。
だがその息子と父親、当時の警察関係者、みんながみんなグルになってひとりの、
無実の女性を有罪に貶めた。テレビのニュースは未だにその話で持ちきりだ。
「嫌な…事件ですね、本当に。あの女性がかわいそうでかわいそうで。」
「…そうね。」
「聞いた話によると一人の刑事さんと心中した、とか。」
28堂島の息子:2011/02/15(火) 20:17:15 ID:BFqZF2JG
言った後でしまった、と思った。眼の前の女性が見る見るうちに暗い顔になった。
「…私の、大切な仲間だった。」
「そうだったんですか…すみません、」
民事党のバカ息子。全ての黒幕。冤罪に加担していたのはその父親も、と聞いた。
最低な親だと思った。それでも、僕の親よりかはマシなのかもしれない。
僕の父さんだって冤罪に関っていた人物の一人だ。
「私情を挟むのはそれくらいにしとけ、証言が取れねぇんなら引き上げるぞ。」
「門倉さん、そんな言い方…」
「いいのよ、藤井君。門倉の言うことが正しい。」
「…こういうときに追悼交わすのは一般市民の役目だ、警察は全力でその事件を追う」
「…分かってる」
僕の父さん。
毒入りチョコレートケーキ事件から15年経って今度は無罪で投獄されたあの女性の側についた。
情報を提供しつつ彼女の復讐を手伝った。それは罪の意識でもなんでもない。
売れるネタがまたできる、きっとそれだけだったんだ。
29堂島の息子:2011/02/15(火) 20:17:49 ID:BFqZF2JG
「そうはいっても、お前さんは一般市民、だ。好きなだけ親父さんを追悼してやれ」
「…しませんよ、そんなこと。」
「…え?」
父さんは自殺した。最後の最後の一歩手前、でかいネタを掴むただそれだけのために
悪に近づきすぎ返り討ちにあった。銃をつきつけられやむなく飛び降りた、そう聞いた。
「父は僕が小学生の頃、母と僕を捨てて家を出ました。別にそれを恨んでるんじゃない。
夫婦関係のもつれなんてどこにでもあります。けれど父さんはそれから僕や母に一度も
連絡することはなかった。心底どうでもよかったんですよ、僕らのことなんて…」

結局。母は僕を女手一人で育てることになった。そして過労死した。
今僕は親戚の家に引き取られ僕自身コツコツとバイトをして何とか必死で生きている。
「けれど実の父親でしたから、それでも僕は父を嫌いになれなかった。けれど…」
「けれど?」
「今回の件で変わりました。父はあんな酷い冤罪事件に加担していた。死んだのだって自業自得です。
15年経っても何の反省もせずに新しいネタのために一人の女性の運命をめちゃくちゃにした。…嫌いなんです、あの人の事」
30堂島の息子:2011/02/15(火) 20:18:26 ID:BFqZF2JG
…違う。」
女性の刑事さんがぽそりと呟いた。
「…榎本。」
「…違う…?何が違うというんですか?」
声が、何故か震えていた。少し、少しだけ、自分でも信じられないけど一塁の期待があった。
何に対する期待なのかは分からない。今更どんなことを言われても拭えないはず、なのだから。
「…貴方の、貴方の…お父さんは…」
「……冤罪に加担して、最期は逃げることもできず飛び降りた、…違いますか?」
父さん、教えてくれよ、僕が小さな頃家を出て行ったきり何一つしてくれなかったじゃないか。
教えてくれ、教えてくれよ、父さん…父さんは…」

「ええ、…そう、…その通り…よ。」
31堂島の息子:2011/02/15(火) 20:19:34 ID:BFqZF2JG
「…いいんですか?榎本さん?」
堂島の息子の家をしばらく離れたあたりで藤井君が呟いた。
門倉も同じことを言いたそうな顔をしていた。
「…これでいいの、知らないほうが…幸せ…、」
「…ああ、そうかもな…」
彼はきっと、一生自分の父親が最期まで自分への愛情を貫いてきたことを知らずにいるのだろう。
もちろん野上芽衣子に対して三輪さんと同じ、唯一罪の意識を感じていた一人だったということも。
バイトするときも、学校に行くときも、一人でいるときも、一度として父の顔を思い浮かべない。
浮かべるとしたら、きっとそれは憎悪の形なのだ。
「…知らないほうが、幸せ…か、それ野上にも言えることだな」
「…え?」
「真島が後追いしたなんて、しらねぇほうが幸せだろ?まぁ最も死んだらそれまでだけどな。」
本当にそれで一番いいのか、疑問に思わないわけではない。
けれど、私たち警察に出来る仕事はそれくらいしかない、から…。
それが、人を疑うような辛い仕事でも。

32名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:08:41 ID:w9sk4yK4
>>31
すごいですね
読んで考えこんでしまいましたよ
>みんながみんなグルになってひとりの、無実の女性を有罪に貶めた。
>テレビのニュースは未だにその話で持ちきりだ。
リアルに想像できます

ギルティの奥深さを思い知るようなSSだな〜
前回の堂島ちゃんとは全然違ってzeroさんの引き出しの多さに脱帽です
33名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:21:43 ID:kHw/2BAR
>>31
zeroさん 良かったですよ(泣
万里が息子に真実を伝えようとして、
考え直すところなんてすごく深い。。。

ところで、@wikiのキャラ別は「堂島」のカテゴリに入れてます


ASMDUS様
題名を… お願いします
34名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:29:04 ID:cVdYUp4f
ASMDUSです。
お返事が遅くなって申し訳ありません。
題名は「束縛」でお願いします。
日常生活が忙しすぎて続きをUPするのが遅くなりそうです。もうしばらくお待ちください。
35名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:41:18 ID:xfGEjgSH
zeroさん、深いですね
真実を伝えて感動の展開になるかと思いきや
あえて伝えないところがリアルでした。

ほんとにいろんな切り口で話が広がって素晴らしい。
36名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 23:07:13 ID:ospVvnMl
もはやエロパロの枠越えてジャーナリズム色が強い作品も増えて幅広いですね
エジプトの革命もそういうとこから始まってるし、ネットジャーナリズムってのも面白いもんですね
37通りすがり :2011/02/16(水) 00:37:09 ID:bL5T6073
真島の部屋。芽衣子はしゃがみ込んでアンを撫でていた。

真島は芽衣子を後ろからそっと,すくうように慈しむように抱きしめた。

「きゃあっ」
芽衣子は素っ頓狂な声をあげ、ビクッと身体を震わせた。
「ま、真島さん?ど、どうしました?」

「少しだけ、少しだけ…このままじっとしてくれないか…」

そう言って、真島は小柄な芽衣子の背中をぎゅうっと、抱きしめる。芽衣子の頬に、耳に、髪に、真島の熱い息がかかる。

芽衣子は身体を強張らせ、大きな瞳を迷わせた。
(ああ…)
(これは?この気持ちはなに?)
(胸が、苦しい。甘い…?甘い。、甘くて、、…私…もう)


「ま、真島さんっ!!!」「だめです、だめなんです!私は罪を…、だからだからっ、うれしいとか幸せとか、、気持ちいいとか…そんなのはっっ!」「赦されないからっっ」




「っっっ………!!!?」
38通りすがり :2011/02/16(水) 01:05:22 ID:bL5T6073
真島は唇で芽衣子の唇を塞いだ。

震えている、芽衣子。小さな子供のように。自分を責めて、否定して、精一杯、我慢して。

それでも、愛を求めて、もがき苦しんでいる、芽衣子。人を殺めてもなお、狂おしく叫ぶ、芽衣子。
俺を求める芽衣子。芽衣子。お前は俺を、飲み込むんだ。

俺はおまえが欲しい。全て全て、身体も心も罪も苦しみも喜びも、!!!

全部。
俺に…


俺は狂っているのか?
ひとつになりたい。芽衣子。


真島は壊れてしまいそうな,暴走してしまいそうな本能を、それでもぐっと堪えた。

俺は、芽衣子を傷つけない。
…から…


だから、側にいてくれ… 芽衣子、ずっと
39通りすがり :2011/02/16(水) 01:49:56 ID:bL5T6073
ギルティ好きで、この板に来ました。通りすがりです。お目汚し、失礼しました。

40名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 02:10:37 ID:8NVBBVXV
お、めいこぉぉぉ!!!状態の真島ちゃんですね
通り過ぎようとする芽衣子をガッ!!!と抱き締めてこその真島ちゃんですよ
夜光虫の真島ホールドの時の実況の盛り上がりと愛してる!!の時のツイッターの爆発は伝説ですw
41名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 03:05:02 ID:VF00c93n
>>39 ギルティ大好き通りすがり様
是非 題名をお願いします〜


>>40
その時は、ドラマに必死で実況みてなかったんだよね〜
あ〜 今さら実況読みたくなってきたよ〜
42通りすがり :2011/02/16(水) 03:16:13 ID:bL5T6073
「真島さん…わたし。殺人で服役してました」

そういって芽衣子はそっと真島から身体を離した。

「知らなかったでしょう?私、殺人犯なんですよ。ふふ、あははは………悪魔、なんです。私。ふっ、…だから人間の幸せなんか望んじゃいけない。うふふ…
、ね ぇ 、 わ か る で し ょ う …?」
芽衣子は真正面から真島を見据え、口の端を歪め、笑ってみせた。


「芽衣子!!!!」
「ばかやろう!!!!」

潰れるぐらいのちからで真島は芽衣子を抱きしめた。芽衣子の瞳からは知らぬ間に涙が溢れていた。ぎゆゅぅうう、細い芽衣子の身体が軋む。(いっそ、つぶして、このまま)
芽衣子は瞳を閉じた。





愛してる愛してるよ。
私だってあいしてる、こわれてしまうくらい。
俺も壊してしまいたいくらい、愛してる。愛してる。
真島さん、、真島さん!…
芽衣子、罪をくれ、おねがいだ、
おまえが悪魔なら、おれも悪魔に

43通りすがり :2011/02/16(水) 03:30:52 ID:bL5T6073
すみません。通りすがりなもので、勝手がわからなく。題名は「葛藤」で…

44名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 03:40:07 ID:VF00c93n
>>43
了解です 最初は皆さん通りすがりなのです
だから、そのまま居ついてくださって全然構いません
通りすがりなんて言わずに、ドップリとこのスレに浸ってください

投稿する時に、「題名」と 可能であれば 「お名前(HN)」
そして、まだ続くのか、終りなのか、書いてくれたら嬉しいです

おまえが悪魔なら、おれも悪魔に〜 で、お互い片翼しかない
真島と芽衣子を想像してしまいました 悲しいけど綺麗みたいな
訳判らないこと言ってすみません 続きまってます〜
45通りすがり「葛藤」:2011/02/16(水) 06:13:47 ID:bL5T6073
芽衣子をベッドに押し倒す。

芽衣子の射貫くような瞳。

愛してる、愛してる、愛してる、芽衣子。泣いているのか?怖いのか?


「真島さん。」

「芽衣子?」

芽衣子はクシャッと顔を崩した。
「初めて、名前、よんでくれた!芽衣子って!」

芽衣子は真島に抱き着いた。

そのままベッドになだれ込む。

芽衣子の額にそっと口づける。

此処に芽衣子が居る。耳たぶを吸う。鼻に口づける。

「芽衣子。こわいか?」

「こわいです。でも、真島さんが、、欲しいんです。あ、いやらしい意味じゃ……あ…」

唇をおしつけ、言葉をふさぐ。
甘い疼きが突き挙がってくる。

芽衣子の唇を押し開く。舌をねじ入れる。芽衣子の舌を絡め甘い唾液を吸う。

ああ、切なくて、こわれてしまう。甘くて、、溶けて、

真島さん…私は、悪魔なのに…

… …
46名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 12:03:56 ID:fLfVeGXK
通りすがりさま
「葛藤」おもしろいです! 緊張感があって甘くて情熱的で好きです。
「こわいです。でも、真島さんが、、欲しいんです」←最高です!
続きまってますよぉ。
47名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 14:37:38 ID:lxyYq3r0
通りすがり様、「葛藤」いいですね〜
熱く燃えたぎる想いが伝わってきます。
ガッと引き寄せてギュッと抱きしめる真島の激しい情熱の心の中ってまさにこれですね。

続きまってます。
48通りすがり :2011/02/16(水) 20:45:21 ID:bL5T6073
応援ありがとうございます!
また後日に続き書きますね。

お目汚し失礼しました。
49通りすがり「葛藤」続き:2011/02/17(木) 02:34:18 ID:29mxnPnv
「真島さんっ!ま、真島さん!真島さん!私…!!!必ず罪を償いますからっ、だからっ!

だから…
……今だけ。人間に戻っていいですか、、?」


「芽衣子。」


「もうおかしくなっちゃうんです、真島さん!私、溢れて、気持ちが、溢れて止められない!我慢してたのに。ずっと、ずっと。ずうっ、、と……」

芽衣子の瞳から涙があふれた。

真島は芽衣子の涙に口づける。

「俺はお前の全てが欲しい。犯した、罪も。苦しみも。醜い感情でさえ。芽衣子。おまえの汚れさえ、愛しい。芽衣子…!俺にも罪をくれ。お願いだ。愛してる、芽衣子、愛してる。」

心の壁がガラガラと崩れ落ちる。涙が、壊れたように流れる。

「芽衣子、芽衣子、」
熱に浮されたように呟きながら真島は服を脱ぐ。

芽衣子の唇をすう。喉に、つちづける。芽衣子のブラウスのボタンを外しながら、真島の唇は芽衣子身体の中心へと、くだってゆく。
50通りすがり「葛藤」続き :2011/02/17(木) 04:23:04 ID:29mxnPnv
真島の唇が、へそをたどって、柔らかな茂みに到達した。その茂みの奥に芽衣子の薄ピンクのひだがみえる。

つと、真島は身体を離し、一糸纏わぬ芽衣子の姿を眩しくみつめた。

身を強張らせ、恥ずかしさをぐっと堪える芽衣子。

「芽衣子?」

「私の裸きれいじゃない…ほら此処に、醜いアザがあるでしょ…」

俯く芽衣子の左胸には、大きなミミズバレを伴った‘アザ,がてらてらと赤黒い光りを放っていた。

「生まれたときから、ずっとあるの。烙印みたいに」



「………きれいだよ、芽衣子……」

真島は、芽衣子の胸のアザに何度も、何度も、優しく口づける。何度も。愛おしい、

「きれいだ、芽衣子。」


そのアザは、まるで咲き誇る薔薇のようだ、と真島はおもった。
51通りすがり「葛藤」続き :2011/02/17(木) 04:50:52 ID:29mxnPnv
「ああ、真島さん」

堪えきれずに、芽衣子は呻いた。
そして、震える手で真島の股間に手を伸ばす。芽衣子の手が、真島自身を捕らえた。
「真島さん、これが、真島さん…ドクドクして、すごく、あつい…欲しい。真島さん。ください。

ください。

入れて、ください私の中に、、、愛して。ください」

芽衣子は手に力を込め、真島自身を引き寄せる。


「芽衣子、芽衣子…」
軽い眩暈を感じる。今此処に確かに居るのに、幻のような、俺をすり抜け、何処か遠くに行ってしまうような…

しかし。確かなものがある。芽衣子。この感情だ。この感情は、永遠に変わらない。たとえ死んでも。

ずっと。




「愛してる」
52通りすがり「葛藤」続き :2011/02/17(木) 05:44:11 ID:29mxnPnv
芽衣子の唇を人差し指で撫でる。微かに震えている。手と手をぎゅっと絡める。


「大丈夫」

芽衣子の髪を優しく撫でる。

芽衣子の膣の入り口に自身を押し当て。


グッと力を込めた。


芽衣子の中に割れ入る。


「あっっッッ!!」

顔をしかめる、芽衣子。


「真島さん、い、痛い…」

芽衣子の中はきつく締まり、まだ、濡れきっていない。しかし、真島は痺れるような快感に身を震わせた。理性が、壊れる。芽衣子の中で、目茶苦茶になって、しまいたい!壊れて、壊してしまいたい!!


「痛いっ真島さん!うごかないで!もうすこしだけ…」

真島はハッと我に帰る。
…芽衣子は、男性経験が、ない?


芽衣子の表情は、苦悶に歪んでいる。

真島は動きを止める、突き崩したい衝動を、堪え。ああ、ああ、芽衣子。芽衣子。


「……

ふぅ…ふぅ…

真島さん、もう、大丈夫です…」

「芽衣子!」

「ほんとです、真島さん」

真島は動けないでいた。芽衣子に挿入したまま。
53通りすがり「葛藤」続き :2011/02/17(木) 06:37:24 ID:29mxnPnv
芽衣子は真島の背中に手を回し、下半身は繋がったまま、ぐるっと横に回転した。

真島の上にのる。芽衣子は真島を下に、身体を起こした。‘騎乗位。,芽衣子は、ゆるりと腰を沈めた。

「もう、痛くない」

芽衣子はぎこちなく腰を揺する。

「ああ…真島さん…不思議な気持ちです」

「あ…?」

「芽衣子?」

「……」

「あれ、私、おかしい」

「……」


「…あ、どうしよう、、」

芽衣子の腰の動きが急に激しくなる。上下に前後に、壊れたように。

「ああ、あああっやだ、いや、、いや…」

「…………」


「気持ちいい、あ…、気持ちいいの、、」

「芽衣子、、、…」


「うっ…やだ、ああ!、ダメになっちゃうっ!私っ、あああ真島さん!真島さん!真島さん!う、あ…!私、おかしくなる、」



目茶苦茶に動く芽衣子。振り乱す髪。真っ赤に上気した頬。胸のアザ。

こわれろ


もっと


芽衣子の、うっすらと閉じた瞳。眉間に寄る皺。
54通りすがり「葛藤」続き :2011/02/17(木) 07:04:33 ID:29mxnPnv
愛おしい。もっともっと、乱れてくれ。俺に、みせてくれ。もっともっと、芽衣子。


たかぶる、堪える。

溶けてしまいそうだ、俺自身。芽衣子の中で。うっとりと崩れてしまいたい。

ああ、、俺自身は、猛り。

もう、どうでも、いい
モラルも、社会も、警察も…

温かく湿った芽衣子の中で揺られていたい。

このまま抱かれていたい…

もう、溶けてしまおう、快楽、快感。そんな陳腐な言葉もいらない。


ひ と つ に 。
混ざり合いたい。
一緒にいこう、何処までも、いつまでも、


芽衣子。
55通りすがり :2011/02/17(木) 07:39:34 ID:29mxnPnv
不慣れで、すみません。
おもいついたまま、書きました。

ここで、いったん筆をおきます。

ありがとうございました!
56名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 08:12:01 ID:kn25/mWs
喪男の誤った知識ってイタいねw
57名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 08:53:51 ID:actxc1sC
通りすがりさんGJですよ!何かエロパロ板なのに久しぶりにエロパロを読んだ気がするw
いやそうでもないかw具体的な処女喪失描写が何か萌えます、真島の為に痛みを受け入れる芽衣子にジーンとしました、痛みの共有エロス
58名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 12:31:36 ID:k9dU1qbm
「、」多いねw
59名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 17:34:39 ID:kn25/mWs
>>36
バカスwwwww
60名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 19:11:02 ID:3sGufljT
通りすがり様、
エロのエネルギーとパワーを感じます。
また投下まってます。ありがとうございました。
61名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 20:05:32 ID:yqxBNjGk
通りすがりさんGJ!!!!
「エロパロ」と呼ぶに相応しい作品をどうもありがとう!
不慣れだって言ってたけど、他の職人さん達の作品と同様とても楽しませて頂きました
62お知らせ:2011/02/18(金) 20:27:59 ID:9llADQWd
zeroです。来週あたりにチャット第二弾を開催しようかなぁとぼちぼち
考えております。金、土曜のどちらかにしようと予定しておりますが
みなさん、どちらが都合がよいでしょう
63ぎるちぃ:2011/02/18(金) 20:58:50 ID:VXF65V5r
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>62 zeroさん
チャット第二弾!時間の都合がつけばぜひ参加させていただきたいです
今のところ自分は金でも土でも!

それでは>>7の続きを投下します
64ぎるちぃ:2011/02/18(金) 21:00:08 ID:VXF65V5r

(芽衣子視点)

「ただいまー。」
出張トリミングを終えてモンアンジュへ帰ってきた。
「お疲れ。」
待合室のソファで真島さんが出迎えてくれる。
「真島さん、お疲れ様です。いつもお待たせしてごめんなさい。」
「いや、大丈夫だ。」

…あれ?
トリミングルームへ行きかけて、あることに気付き立ち止まる。
「真島さん、それ…。」
「ん?」
……。
もう私は笑顔を隠せなかった。
「とっても似合ってます。」
真島さんは照れくさそうにフッと笑う。
「ありがとう、チョコレートも。」
「いいえ。」
真島さんの胸元には、昨日のバレンタインに私が贈ったネクタイ。
本当によく似合ってて素敵。
昨夜は真島さんのお仕事が徹夜になっちゃって直接手渡せなかったけど。
贈ったプレゼントを身に着けてもらえるのって、こんなに嬉しいんだ…。
あ、…ってことは、あのカードも…見てくれたのかな。
チョコに添えたメッセージカード。
一番伝えたい言葉を一言だけしたためた。
なんだか私も照れてしまう。
「片付けてくるので、ちょっと待ってて下さいね。」
真島さんに声をかけて、喜びをかみしめながらトリミングルームのドアを開ける。

「うわっ!」
突然手を掴まれて、勢いよく室内に引っ張られる。
「あ、彩乃ちゃん!?」
「しっ!芽衣子さん静かに!」
「芽衣子ちゃん、こっち来て!」
「え、えっ?えっ?」
待ち構えていた様子の琴美さんと彩乃ちゃんに背中を押され、
訳が分からないまま部屋の奥へ追い立てられる。
「いったいどうしたんですか?」
「真島さんに聞こえるとまずいんです!」
二人はひどく慌てた様子で、真島さんのいる待合室を気にしながら
ヒソヒソと話し始めた。
65ぎるちぃ:2011/02/18(金) 21:03:23 ID:VXF65V5r

「今日ね、お昼ごろだったかしら、芽衣子ちゃんを訪ねてお客様がいらしたの。」
「私に?」
「この方、お知り合いかしら?」
琴美さんが側の棚に置いてあった経済雑誌を広げて見せる。
そこには男性の写真とインタビュー記事。
どう見ても日本以外の国を思わせる彫りの深い顔立ち。
「カルロ・セッラ氏…?イタリア…、大財閥…、御曹司…。」
記事の中の目に付く単語を、口に出して呟く。
どれ一つ取っても、全く心当たりが無い。
私は首を捻る。
「全然知らない方です。」
じっと息を止めるように私の返事を待っていた琴美さんと彩乃ちゃんが、
顔を見合わせて息をつく。

「この方がね、『芽衣子は僕の未来の花嫁だ』って言うのよ。」
「はっ、花嫁!?」
思わず声がひっくり返る。
「この人、日本語ペラッペラでこんな超イケメンなんですけど、
 言ってることがあまりにもおとぎ話と言うか、歯が浮くと言うか…。」
「ずいぶん馴れ馴れしい感じで、本当に芽衣子ちゃんと知り合いかとも思ったんだけど、
 『花嫁』なんて…ねぇ?芽衣子ちゃんには真島さんがいるし。
 なんとかお帰りいただいたんだけど、また来るって…。」
「どこかで見たことがある気がしてたら、待合室にあったこの雑誌の表紙がたまたま
 目に入って。
 あ!あの人だ!って、琴美さんと大騒ぎしてたとこなんですよ。」
二人の話を聞きながら、瞬きも忘れてぽかんとしてしまう。

先日、ペット雑誌にモンアンジュの取材記事が掲載された。
その影響で、雑誌を見たといってモンアンジュを訪れる人も少なくない。
純粋に飼い犬のトリミングを依頼してくれるお客様ももちろんいるけど、
ただ雑誌に載ったという物珍しさや冷やかしで見に来る人や、
食事やデートに誘ってきたり、いきなり交際を迫る人もいる。

だけど…
イタリアの大財閥の御曹司?
花嫁って…?
心当たりが無いとは言え、確かに真島さんには聞かせられない話だ。
「また来るって…言ってたんですか?」
私の問いかけに、琴美さんと彩乃ちゃんは眉間にシワを寄せて大きくうなずく。

その時だった。
ガチャッ、バタン!
玄関から扉の音がした。
「芽衣子!僕だよ、会いに来たんだ。芽衣子!」
私達は三人同時にビクッと小さく飛び上がる。
66ぎるちぃ:2011/02/18(金) 21:04:28 ID:VXF65V5r

得体の知れない言動に奇妙さと少々の恐怖を感じるも、
私を名指しで訪ねて来ている以上、私が出ざるを得ないだろう。
真島さんには聞かせられない話だとさっきは思ったけど、
今なら万が一何かあっても真島さんが傍にいる。
それが安心感を与えてくれた。
「私、出ます。」
私は意を決してドアを開けた。

トリミングルームから出て玄関の方を見ると、さっきの写真に写っていた男性がいた。
「おお、やっと会えたね芽衣子!」
突然やってきて芽衣子芽衣子と連呼する異国の男性に、あっけに取られる真島さん。
その横を大きな歩幅でツカツカと通り過ぎ、私に歩み寄ってくる。
至近距離まで近づいてきて、私を上から下までじっと眺める。
背も体格も、大きな真島さんより更にひと回り大きくて、
圧倒された私は一歩後ずさる。
「あ…あのっ…」
「写真で見た君も愛らしいけれど、やはり今目の前にいる君はその何倍も美しい!」
「はい!?」
予想外の台詞に私は固まってしまった。
「君に会いたくて、いてもたってもいられなくて今日イタリアから飛んできたんだ。」
「きゃっ!」
いきなり抱きしめられる。
「ああ、会いたかったよ芽衣子。僕の未来の花嫁。」
私は体を離そうともがくけれど、ガッチリと腕に捕らわれて身動きが取れない。
その時、視界に届いていた光がふっと遮られ、強く腕を掴まれる。
「何やってんだ!芽衣子から離れろ!」
真島さんがその男性から私を引き剥がして、自分の背後に隠すように
私の腕を引き寄せた。

……。
沈黙の中、二人が睨み合う。
視線のぶつかる音が聞こえてきそうな雰囲気。

「あの、お客様?」
その空気をふわりと壊したのは琴美さんだった。
「どういったご用でしょう?従業員にそのような振る舞いは非常に困るのですが。」
今にも掴みかかりそうな真島さんを手で制して遠ざけながら、
琴美さんは毅然とした態度できっぱりと男性に抗議する。
「僕はお客だよ?」
「ここはペットサロンです。お店を間違えておられるようですね。」
「…。ペットがいればいいんだね?」
「は?」
その男性は一度私に視線を送ってから踵を返し、サロンを後にした。
67ぎるちぃ:2011/02/18(金) 21:05:49 ID:VXF65V5r

(真島視点)

ベッドへ入っても今日のことが頭から離れない。
琴美にあらかた話を聞き、家へ帰ってきてからも少しヤツのことを調べてみた。

カルロ・セッラ、イタリアの大財閥セッラ家の長男、32歳。
日本でも事業を行っていて、一族は代々愛日家。
ヤツ自身も幼い頃から度々日本を訪れ、
今は半分日本で生活しているようなものらしい。
日本語が堪能なのはそのためか。
最近ペット産業にも進出してきたという。

ペット産業…?
『写真で見た君も…』
今日ヤツが言っていた言葉…。
…。
あのペット雑誌…か?
あれに載った芽衣子の写真を見て一目惚れってわけか?

彼女の浴衣姿の写真を思い出す。
有り得る…が…。
しかし、面識も無い芽衣子に対して行動があまりにも突飛すぎる。
『僕の未来の花嫁』だと?ふざけやがって。

本当に恋愛感情から芽衣子を手に入れたいのか、
それとも…他に何か魂胆が無いとも言い切れない。
今度彼女に妙な真似をしてみろ、ただじゃおかない。

洗い物を終えた彼女がリビングの明かりを消し、
そっとベッドへ潜り込んでくる。
黙ったままの芽衣子。
おそらく俺の全身から怒りが滲み出ているのだろう。
彼女は帰り道も食事中も必要以外話しかけてこなかった。

俺が腕を伸ばすと、彼女はホッとした様子で俺の胸に身を寄せてくる。
「真島さん、あの…さっきは助けてくれてありがとうございました。」
「いや。」
「ごめんなさい。」
「なんで君が謝るんだ。」
「私、逃げられなくて…。」
「怒りを覚えているのはアイツに対してだ。君は悪くない。」

しかし…。
「あんな場面を目の当たりにするのは、キツイもんだな。」
「私だって嫌です。真島さん以外の人に、あんな…。」
俺は彼女が言い終わらないうちに唇をふさぐ。
「俺が消す。俺だけを感じていればいい。」
68ぎるちぃ:2011/02/18(金) 21:12:49 ID:VXF65V5r
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました

前スレ668さんご提案の
>ある日真島を超える超絶イケメンイッタラ人がサロンに来て
>日本男児には出来ない猛烈アプローチ
>真島ハラハラ…

なシチュを書いてみました
書いてみたらとっても長くなったので、今日はここで切りました
エロ寸前ですみませんw
あらすじはできているのですが、文章を肉付け中です
またお時間くださいね
というわけで、続きまーす
69名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 21:44:41 ID:4ZD8YoWI
ぎるちぃさん
エロ寸前wのお話をありがとう!
イタリア男にはむかついてるけど
芽衣子にはプレゼントのお礼をしたくてしょうがない真島さん
芽衣子からずうずうしい西洋人の記憶を消してくださいね、ただしとろけるように優しくw
70名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 21:44:41 ID:uIT2Y/st
>>62
私はどちらでもいいでーす
絶対参加しますっ
71名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 22:13:39 ID:DoIH/tAv
ぎるちぃさん、お待ちしてました〜。
読者の方の素材をうまく料理できる腕は脱帽です
「整いました〜っ」って投下して下さるようですね
そして謎のイッタラ人ww
真島ちゃんより濃い〜バタ臭い容姿が浮かんできます
そしてエロ寸前。あとは妄想にお任せします。じゃないですよね
待ってるから。
72名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 01:09:44 ID:vMJVzL1d
>62 zero様
前回参加できなかったので今回は参加したいです
土曜日は朝から仕事なので、土曜日の夜が良いです
何時くらいまでされる予定でしょうか?
73名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 11:26:36 ID:iGRQEn67
zeroです。
8時ぐらいから開催予定です。
朝までページは残しておきますので
各自好きな時刻に解散されて結構です。
前回私は2時ごろで退散したのですが
それ以降も残ってらっしゃった方はたくさん
いらっしゃいましたよ
74名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 19:50:11.39 ID:UhOe6xzG
>>72さんじゃないけど自分も時間があったら参加したいですー
75hitoshi:2011/02/20(日) 00:40:20.00 ID:A/tnFQbS
自分もできれば参加したいです

いつも皆さんの作品楽しみにしているんですが、ここに来てちょっとさびしくなってきましたねぇ
遅くなりましたが続きを投下させていただきます
76hitoshi4-1:2011/02/20(日) 00:41:09.43 ID:A/tnFQbS

 -4-

真島の口づけは初めは優しかったが、すぐに性急に芽衣子の口内を貪り始めた。
その激しさに芽衣子はあっという間に虜になった。

「ま・・・しま・・さん」

息苦しさの下から真島の名を呼ぶ。

「すまない、もう止められそうにない」

真島がそう言うと、芽衣子の唇に熱い吐息がかかった。
芽衣子も初めてとはいえ、真島を求める気持ちは同じだった。
誰よりも近くに、他のどんなものも入り込めないほどの距離で真島を感じたかった。
しかしその前にどうしても言わなければいけない言葉があった。
再び激しく芽衣子の唇を求める真島の頬に両の手で触れる。

「芽衣子・・・」

切ない声で真島は芽衣子を呼ぶ。

「真島さん」

言わなければ。真島さんはあんな状況でも私に伝えてくれたのだ。

芽衣子の大きな瞳が真島を深く見つめる。
真島もまた芽衣子のただならぬ様子に気づいて、芽衣子を見つめ返す。

「愛してます」
77hitoshi4-2:2011/02/20(日) 00:42:03.78 ID:A/tnFQbS


真島にその言葉を言われたときは本当に哀しかった。
お互いに愛していても決して一緒にはなれないと思ったから。
まるで別れを告げられたかのように胸が締めつけられた。
でも今は一緒に生きるために芽衣子は真島に愛を告げる。
真島は芽衣子の口からその言葉を聞いて、芽衣子と離れられなくなったと思った。
芽衣子の自分への愛に気づいていたが、彼女は決してそれを口にしなかった。
それは彼女なりの、真島を束縛しないための決心なのだと感じ取っていた。
真島は芽衣子を言葉と行動で束縛してきたが、芽衣子はそうしなかった。
だからいつか自分の元を去るのではないかという不安が拭えなかった。

やっと俺を束縛してくれるのか。

心地よい束縛は不安の解消を伴って真島を益々夢中にさせることに、芽衣子は気づいていない。

「芽衣子・・・」

おそらく初めての彼女に優しくできる自信もないほどだった。

「辛かったら言っていいから」

そう言うのが精一杯だった。
深く唇を合わせて真島の舌が芽衣子のそれを追いかけて捕える。
芽衣子もいつしかその感覚に酔い、真島の舌に己の舌を絡める。
息苦しくなるのに呼吸を求めて真島の唇から逃れようとすれば、真島は許さずさらに芽衣子の口内を侵した。

「い・・・きが・・」

苦しさに懇願する芽衣子の舌を少し解放してやると、芽衣子は隙間から浅く2、3度呼吸した。
それを確認してすかさず真島は、芽衣子の唇を塞ぐ。
芽衣子は思うように呼吸ができないせいなのか、陶然とし始めている自分に気がついた。
熱い抱擁や口づけ、身体の関係を求めていたわけではないと思いながら、
それでも今は真島の芽衣子への口づけが、芽衣子にとってはすべてのように感じられた。

唇の端をどちらのものか分からない唾液が伝うのも構わず、二人は互いの唇を貪った。
気まぐれに芽衣子の背中や髪を撫でていた真島の手が、芽衣子のうなじに触れる。

「んぁっ・・・」

明らかに違う声を出して芽衣子が快感を伝える。
緩く引っ掻くように指を動かすと芽衣子は俯いて甘い快感に耐えた。
その指の後を追うように真島は芽衣子のうなじに唇を這わせた。
78hitoshi4-3:2011/02/20(日) 00:43:02.50 ID:A/tnFQbS

「はっ・・あ・・・」

肩を震わせる芽衣子の仕草に、真島がさらに軽く噛むようにして跡をつけると
芽衣子の身体が真島の腕の中で跳ね上がった。

「こんなところがそんなに感じるのか」
「やっ・・・そんなこと・・・な」

反論しようとする芽衣子の胸に触れれば、服の上からでも突起が分かるほどだ。

「きゃあっ!」

芽衣子が悲鳴に近い声を上げる。
真島は芽衣子を膝の上に乗せたまま、彼女の服の中に手を入れた。
下着をはずすのももどかしく、強引にずらして芽衣子の感じる突起を指先で転がす。
向かい合わせに座った不安定な姿勢のまま続けて快感を与えられ、
芽衣子は耐えきれず真島の首に縋りつく。

「気持ちいいんだろう?」

ちょうど耳元にきた真島の唇が、芽衣子の耳をぺろりと舐めながらそう言った。
その行為にさえ、また違った快感を感じる。
低く甘い声で羞恥心をあおられて、疼くような快感に芽衣子はぎゅっと眼を瞑る。
芽衣子の様を見て、真島は意地悪く笑う。

「聞かせろよ、感じてるんだろ?」

耳朶を軽く噛んだり甘く舐めたりされるたびに頭の中が痺れるような感覚に翻弄される。
真島は親指と中指で芽衣子の乳首を挟み込み、緩急をつけて摘む。
そうしてときおり先端を人差し指で擦ると、芽衣子の身体は知らずに腰を浮かせて真島を誘うようだった。

「んんっ・・!」

それでもまだ僅かに残る羞恥心からか、それとも初めての快感に怯えているのか
真島に逆らうように逃げ出そうとする芽衣子を捕えて、真島は彼女の下着の中に手を入れる。
既に先に与えられてる愛撫のせいで溢れた潤いを見つけた真島は、
それを指ですくって芽衣子に見せつける。
79hitoshi4-4:2011/02/20(日) 00:44:05.72 ID:A/tnFQbS

「こんなに濡らして・・・」
「や・・・だぁ・・・」

泣きそうになりながら芽衣子は真島に抗議するが、聞き入れられるはずもなく。
真島は芽衣子から衣類をはぎ取り、ソファに押し倒した。
美しい肢体にしばし目を奪われる。
朝の光の中で、芽衣子の白い肉体は真島を狂わせようとするようだった。

「芽衣子・・・きれいだ」

思わず口をついて出た言葉に、真島も流石に照れくさくて自嘲の笑みを浮かべた。

「・・・真島さんも・・すてきです」

荒い呼吸の下から芽衣子はそう言った。
思いがけないその言葉に真島はらしくなく顔を赤くした。

こんなに綺麗な男の人を見たことがない。

芽衣子は思った。
伸ばしっぱなしになった髪も髭も、彼の美貌を隠すことはできないと。
ボタンを開けた白いシャツからのぞく真島の肉体もまた美しく、芽衣子の眼にはまぶしかった。
芽衣子の中に小さな欲求が生まれる。

彼に触れたい。

さっきまでされるがままだった芽衣子が、真島のシャツの合わせ目から胸に手を這わせてきた。

「おい、芽衣子?」
「私のためにした怪我、跡が残っちゃいましたね」

芽衣子はそう言ってその怪我の跡に細い指で恐る恐る触れた。
彼女の指が触れた途端、真島の身体に電流が流れるような快感が走った。
自分自身が熱く起ち上がり、今すぐにでも芽衣子の中を蹂躙したいと訴えているようだ。

「芽衣子・・」
80hitoshi4-5:2011/02/20(日) 00:45:07.68 ID:A/tnFQbS

こみ上げる苦しいほどの欲情に呑み込まれそうだ。

真島は芽衣子の手を掴み、指と指を絡ませながら再び芽衣子を自分の下に組み敷くと、
彼女の花芽を空いた方の手の人差し指で捕える。

「ひゃ・・・あっ」

芽衣子の腰が飛び上がる。
すでに濡れている内側に一度指を入れ、その蜜で撫でるように花芯を刺激した。
蜜は真島の指の動くに従って次から次へと流れるように溢れだす。
それを掬っては芽衣子の感じる突起に擦りつけ、やがて円を描くように撫でてやる。
同時に入口をなぞり芽衣子の反応を楽しんだ。

「ああっ・・・あっ・・」

こんな感覚は知らない。
芽衣子は気が変になるような快楽の波に飲み込まれそうだった。
繰り返し繰り返し、真島はその部分に刺激を与える。

「ふ・・あぁっ・・・ああ・・ん」

腰が動くのを止められない。
芽衣子の様子に真島はぐいと指で押し開き、芽衣子の内側へと指を進めた。

「いっ・・・」
81hitoshi4-6:2011/02/20(日) 00:45:52.65 ID:A/tnFQbS

少し痛んだようだったが、花芯を愛撫され続ける快感で真島の指を呑み込んだ。
それから真島は芽衣子の立ちあがった乳首を舌で責め始めた。
押しつぶすようにしたかと思えば今度は舌先で嬲る。
先端から離れればその先で強く吸い、赤い痕を残す。
しばし芽衣子の身体に自分の痕跡を残して、真島は再び音を立てて胸の突起を吸い上げた。
芽衣子の耳に響く卑猥な音は、もはや真島の唾液によるものなのか、
芽衣子自身の内側から溢れ出るものによるのか分からず、ただその音がする都度に意識が朦朧とするようだ。
内壁を指で擦られ、花芯を弄ばれその上さらに乳房に刺激を与えられて
芽衣子は今にも達しそうだった。

「まし・・まさんっ」

高みにのぼりつめるのが怖くて、真島の名前を呼んだ。
仰け反る首筋に真島が唇を這わせる。

美しい、と思った。

甘く切ない声が真島の名を呼ぶ度に、真島の中に芽衣子への愛おしさが溢れだし
真島はその感情を持て余すほどだった。
持て余した気持ちの行き場を探せば、目の前に自分の愛撫に翻弄される芽衣子がいる。

「もっと感じて、ほら」

芽衣子の中に入れた指をぐるりと回す。
肉襞が真島の指にねっとりと絡みつく。

「だ・・め・・・気が変に・・・なる」
「変になればいい。俺のことだけ感じてればいいんだ」

真島の声が遠くに聞こえる。

あなたのことだけ感じていれば・・・

そう真島の言葉を反芻し、芽衣子は意識を手放した。
82hitoshi:2011/02/20(日) 00:48:59.82 ID:A/tnFQbS
・・・すみません。まさかの真島寸止めでw

まだもう少し続くのですが、規制にひっかかるかもとびびりつつ
今日は無事投下出来て良かった
もうしばらくお付き合いください
皆さんのイメージを壊してないといいのですが・・・
83名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 01:25:12.97 ID:ZdednbJa
CCCC
続き待ってます
84名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 01:27:29.30 ID:N7VXWg/3
>>82
うおーGJGJです
続き楽しみっす
85名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 08:18:18.88 ID:IEOvLaSx
イイ!イイ!素敵なエロをありがとうございました。
そしてこれぞまさかの真島寸止めww
続き悶々しながら待ってます。

86名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 08:38:45.35 ID:nrqgFFvu
hitoshiさん、すばらしいです!
芽衣子が自分の思いを言葉にしてて新鮮です
溝口にやられた傷は跡が残っちゃったんですね……
それがまた真島の魅力を増している気がします
傷跡に指でふれる芽衣子の描写がいいなあ
87ANKO:2011/02/20(日) 08:51:46.38 ID:IEOvLaSx
hitoshiさんの寸止め劇を悶々しながら待っている私ですが
続きを投下します。皆様箸休めにドゾ

いつものように脳内演技で補充しながらお読み下さい。
88ANKO:2011/02/20(日) 09:11:00.09 ID:IEOvLaSx
【その後の二人 罪と罰】
此処はどこなんだろう。凄く暗い。周りに何があるかもわからない
足下で水が流れる音がする…
ああ私、川の中にいるのね。向こう岸にぼんやりと誰かいる
あれは…
お姉ちゃん!!
そうだ、私、毒を飲んで…。
お姉ちゃんが迎えに来たんだ。
お姉ちゃん、
ごめんなさい。
ごめんなさい。
謝っても許されないのはわかってる。
みんな私のせい。悪を家に持ち込んだ。
お姉ちゃんの幸せを全て壊して苦しめた。
はやくこの川を渡って、お姉ちゃんのところに行かなきゃ
でも一歩進むたびに沈み込みそうになる。
もがいても、もがいても前に進めない。苦しい
お姉ちゃんの側に行って謝りたいのに。
お姉ちゃん、どうして首を振るの?私は近づくことさえ許されないの?

―――「芽衣子」

私を呼んでる…
「芽衣子」
これは…真島さんの声!どんどん近くなる
どうして?来てはだめ。私は一人で行かなきゃ。
一人でお姉ちゃんの所に行かなきゃいけないのに。どうして…

「芽衣子!芽衣子!」

はっと目を覚ました。
真島の心配そうな瞳がうつった。
ここは…ベッドの上…
今のは夢だったのか…
「大丈夫か?」
芽衣子の額を撫で頬にふれる
「私…あの丘の…最期のあの時のことを…」
芽衣子は真島の胸にしがみつくように顔を埋め、涙を流す
真島は震える芽衣子を包み込むように、全てのものから守るように抱きしめた

…………………………
白々と夜が明けた
芽衣子は、自分を抱かえるように眠っている真島を起こさないよう
そっと腕をよけて、ベッドから出ようとした。
しかしその腕がまた芽衣子の身体を引き寄せる
「あれから、寝られなかったろ。起きなくていい。」
後ろから抱えた姿勢で耳元で囁く。
「朝食ぐらい作ります。少しの時間なら台所に立てるから」
腕から抜けようとすると、さらに強い力でベッドに寝かされる
「顔色が悪い。もう少し寝てろ」
真島はそう言うと芽衣子に口づけをし、起き上がった。
仕事に行く支度をする真島をベッドの中から見つめる芽衣子
(真島さんの方こそ寝てないのに。
ずっと抱きしめてくれて私が少し動くたびに
頭や背中を撫で、抱く力を強めてくれてた…)。

「じゃあ、行ってくるから。家の事は何もしなくていいから休んでろよ。
何かあったら連絡しろ」
真島は芽衣子の髪を優しく撫でると、
ソファーに掛けてあったジャケット掴み出ていった。
89ANKO:2011/02/20(日) 09:25:11.39 ID:IEOvLaSx
しばらくぼんやりと天井を眺め、ため息をつく
(また、真島さんに心配かけちゃった…)

頭が重い。夢はまさにあの時の臨死体験。

お姉ちゃん…

芽衣子はベッドから起きあがるとクローゼットの中にある
小さな引き出しを開けた。
そこには白いハンカチに包まれた姉のネックレスが入っている
芽衣子は取り出して、掌にのせ、じっと見つめた。
今の自分は幸せすぎる
こんなに愛されて、守ってくれる人とずっと一緒にいられる。
それにいろんな人の支えも。
でも幸せを感じれば感じるほどその後に襲ってくる罪悪感

「ジブンダケ シアワセニ ナッテイイノ?」

もう一人の私が心の奥底から唸るように囁く。
私の幸せの裏にはたくさんの人の不幸がある
お姉ちゃんたちだけじゃない。
私が復讐した人の家族は今でも周りの好奇な目にさらされ、
孤独に泣き暮らしているかもしれない。何の罪もないのに。
そう思うと、胸が苦しくて罪悪感で押しつぶされそうになる
一生こんな辛い思いをするなら、死んでしまっ方が楽だ。
あのベランダから飛び降りてしまいたい衝動にかられる
でもそれは罪を償う事ではなく、今の苦しみからただ逃げたいだけ…。
私って最低…。
ダメね、そんな事したら、また真島さんが追ってくる
今度は戻れないところまで。
私は時間がたっても決して薄れる事のない罪を背負って、
時折押し寄せる罪悪感の苦しみを抱えて生きていくのが
私に課せられた罰なんだ。

芽衣子はネックレスをぐっと握りしめた。
そし丁寧にハンカチに包み引き出しに戻した。


不意に携帯が鳴る。彩乃からだった
「芽衣子さん、おはようございます!
今日、お店が定休日だからそちらにお邪魔してもいいですか」
相変わらず明るい声だ。
彩乃が来てくれる。芽衣子はほっとした。
一人でいると、どんどん気分が沈んでいきそうだから。
90ANKO:2011/02/20(日) 09:39:22.77 ID:IEOvLaSx
お昼近くにチャイムが鳴った
玄関の扉を開けると、彩乃が威勢のいい声で入って来た
「こんにちは〜。ピザの配達で〜す。」
「彩乃ちゃん、いらっしゃい。」
「お邪魔しま〜す。芽衣子さん、随分歩けるようになったんですね。
良かった」

彩乃は大きな黒い鞄を床に置くとソファーに座った
「うちの店の近くに美味しいイタリアンが出来たの。
デリバリーも出来るんですよ。
お昼まだでしょう。一緒に食べましょう」
「まぁ、ありがとう。」
彩乃はピザをテーブルに置いて芽衣子の顔を見る
「芽衣子さん、なんだか顔色が悪いような…
身体の調子、悪いんですか」
「大丈夫よ、ちょっと寝不足なだけ」
「え〜。もしかしたら真島さん、昨晩寝かせてくれなかったんですかぁ」
ふふふと彩乃は笑う
「いやだ。あ、彩乃ちゃん、何言ってるの。そ、そんなんじゃなくて…」
「芽衣子さん、相変わらず可愛い〜。真っ赤になっちゃって。
顔色良くなりましたね〜」
「もう、彩乃ちゃんたら…。
それよりその鞄…」
芽衣子は、床に置かれた鞄に目をやる
さっきから気になって仕方がない。
それはいつもアンを運んでいた黒い鞄。
「いけない。大事なものを先に渡さなきゃ
えっとサロンからの配達サービスです。
ご依頼人は真島拓朗様です。芽衣子さん開けてみて」
芽衣子はドキドキしながら鞄のファスナーをそっと開ける

中には子犬が丸まってすやすやと寝ていた
91ANKO:2011/02/20(日) 09:49:10.39 ID:IEOvLaSx
「可愛い〜。」
起こさないよう小声で言う。
しかし気配に子犬は目を覚ましてしまう。
きょとんとして周りを眺め、芽衣子と目が合うと、
嬉しそうに鞄からぴょんぴょんジャンプして飛びかかる
「お起こしちゃってごめんね。」
芽衣子は抱き上げると、子犬をまじまじと見つめる
「…この子アンに似てる」
「そりゃそうですよ、だってアンの子供だもの」
「えっ?あの時の子はもう成犬よね。」
「三ヶ月前にアンがまた産んだんです。
三輪さんが貰い手を捜してらしてて真島さんが譲り受けたの。
アンは今度はちゃんとお母さんしてたんですよ。元の飼い主の所に戻れて精神的に安定したんですね。
やっぱり、愛してくれる人がいつも側にいるのはすごい安心感なんだわ」
にっこりと笑う彩乃
「今の彩乃ちゃんもそうなのね」
「はい〜。もう幸せいっぱい、愛いっぱいですぅ〜。
芽衣子さんもでしょ」
芽衣子はコクンと頷く
「でも私は真島さんに心配かけちゃう事ばかりで」
「それでいいんですよ。無理しないで甘えちゃったほうが。
泣きたいときには思いっきり泣いて、叫びたい時には叫んじゃえば
我慢されるほうが真島さんも辛いでしょ。
特に芽衣子さんは意識が戻ってまだ間がないんだから
気持ちが不安定になっても仕方がないんですよ
真島さんもわかってるでしょうし」
彩乃の言葉はいつも温かく芽衣子の心に届く。

子犬は芽衣子の腕から離れるとピザの箱の匂いを嗅ぐ
「お腹すいてるのね。ミルクでもあげようかしら」と芽衣子が言うと
「あ、私、車の中にドッグフードと飼育用具置いたままだわ。
取りに行って来ま〜す」
彩乃は慌てて部屋を出た
そして車へ行く途中、おもむろに携帯を出してメールをする

『真島さん、芽衣子さんは大丈夫ですよ。
子犬を見せたらすごく喜んでくれて。
元気になったから、もうご安心下さい』
92ANKO:2011/02/20(日) 10:00:33.48 ID:IEOvLaSx
…………………………
「お待たせしました」
彩乃は沢山の荷物を持って帰ってきた。
芽衣子にとってどれも見覚えがあるものだ
真島と一緒に買った、アンの食器、オモチャ、ケージ
「真島さんから、店で使えないかと譲ってもらってたの。
もう一度出番があって良かった」
芽衣子は食器を懐かしそうに手に取り、子犬に差し出す
「アンの匂いがするかしら。ごめんね、お母さんから離しちゃって」
「これから芽衣子さんがこの子のお母さんですね。
あ、名前つけてあげなくちゃ。」
「う〜んと…」芽衣子は考え込む
「真島さんにつけてもらうわ」
「そうですね。お父さんに」
ふふふと笑い合う二人。
ドッグフードを食器に入れると、シッポをふりながら夢中で食べ始めた

「あとこれ…」
彩乃はトリミング道具を芽衣子に渡す
それはモンアンジュで芽衣子が愛用していた道具だった
「散歩代行サービスはしますが、トリミングは請け負いませんので
芽衣子さんがご自分でやって下さいね。」
じっと道具を見つめる芽衣子
「この子で練習したら、また一緒に働きましょう」
「彩乃ちゃん、私なんか…お店にいたら迷惑かけるし」
「何言ってるんですか。
芽衣子さんのお客様が待ってるんですよ。
どんな人見知りのワンちゃんでも芽衣子さんなら平気なんだもの
まだ他の店よりマシだって引き続き来てくださるんだけどもう大変で。
早く復帰して助けて下さいね」
「彩乃ちゃんありがとう」
芽衣子は道具を握りしめて涙ぐむ。

「さ、私たちもお昼を食べましょうよ」
彩乃は箱を開けてピザを出す
「美味しい」
「お店で食べるともっと美味しいんですよ。
是非、真島さんと行って下さい。
で、うちのサロンにも寄って下さいね」

しばらく店に来るワンちゃんの話やら
彩乃ちゃんの彼氏自慢やらガールズトークに花を咲かせる
93ANKO:2011/02/20(日) 10:11:10.38 ID:IEOvLaSx
食べ終わると彩乃は
「芽衣子さん、お台所貸していただけませんか?
今晩彼氏が来るんです。手料理を食べさせてあげたくて。
一緒に作ってもらえませんか?」
と言って食材を見せる。
「何を作るの?」
「ビーフシチューです。彼氏の大好物なんです。。
作業は私がやりますから、芽衣子さん教えて下さい」
「いいけど、私もそれほど自信がないわよ」
「二人の愛情が入れば大丈夫です!
お互い、愛しのダーリンを手料理で待ちましょう!」
そして二人で本を見たり、相談しながら楽しく料理をし、
彩乃は帰っていった。
玄関で見送る芽衣子
(彩乃ちゃん、ありがとう。
きっと真島さんから私の様子を聞いて来たんだよね
意識が戻った時、すぐ駆けつけて、大泣きして喜んでくれた。
それからも度々こうやって様子を見に来てくれる。
感謝してもしきれないほど。
そんな人の恩に背いて死にたいなんてもう考えちゃ駄目ね)

…………………………
夜、8時近くになる頃真島が帰ってきた
「ただいま」
「お帰りなさい」
ワンワンワン
芽衣子より先に真島に近寄る子犬
「お、来たな。」
抱きあげると、ぺろぺろ真島の顔を舐める
「私の役、取られちゃったわ」
「ん?どうした芽衣子」
「なんでもない。お仕事お疲れ様です。」
「聞こえたよ」
真島は芽衣子の頬に手を添えると口づけをする
恥ずかしがる芽衣子見て微笑む

「なんだかいい匂いがするな」
「あ、あの…今日は彩乃ちゃんとビーフシチューを作ったんです。
今用意しますから」
「いいよ、熱いのを持つと危ないから自分でやる。君は座ってて」
真島は大盛りご飯に無造作にシチューをかけて持ってくる。
それが真島らしくて、笑みが出る
二人が食べ始めると、子犬が欲しそうにじ〜と見つめる
「さっきドッグフード食べたばかりなのに
可哀想だけど、玉葱入ってるからあげられないわ。」
ク〜ンと物欲しげに見上げる。
「しかし、アンにそっくりだな。顔も毛の色も。
で、なんて名前にしたんだ」
「真島さんがつけて」
「俺が?う〜ん、そうだな」まじまじと見ながら考える
「アン…アンの子……アン、コ…
アズキ、…いや、オハギだ!」

「お、は、ぎ????!!!!」
芽衣子はビーフシチューを噴き出しそうになった


おしまい
94名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 10:24:37.69 ID:nrqgFFvu
ANKOさま
ほのぼのしたお話ありがとう。芽衣子が幸せそうでいいな。
さりげなく真島さんにご自分の名前を呼ばせましたねw
本来家事なんかやらないキャラの真島が無造作にシチューかけたり
ジョークのつもりはないのに面白いこと言ったり、萌えが止まりません。
彩乃ちゃんいい人だ〜!
95名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 10:53:07.38 ID:fZm+Exc8
Hitoshiさま
なんちゅう萌えエロ!
ちょいSだったり赤くなったりする真島がかっこいいです
芽衣子が真島に見惚れる描写もよかったです
続き楽しみに待ってます

ANKOさま
彩乃ちゃんの優しさにウルッときました
芽衣子と真島の間にすごく優しい時間が流れてて読んでて
なんだかほっとします
96名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 11:11:46.34 ID:A/tnFQbS
うおぅっ
真島の「聞こえたよ」がツボ入ったw
そしてANKOさんが自分の名前をまっしーに呼ばせるのもw
真島がまた追ってくると思って踏みとどまる芽衣子、よっしゃーって感じですw
97名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 11:38:48.07 ID:lI+yOGBZ
HItoshiさま
互いに魅かれる感じがとても良いです。
二人の結びつきの深さを感じさせるエロでした。
続き待っています。

ANKOさま
「おはぎ」でふきました。
ビーフシチューを食べていなくてよかった。w
事件当事者の事など、色々苦しい事が起こりそうな暗示(?)が込められていましたが、
二人の未来が気になります。
続き、お願いします!
98ANKO:2011/02/20(日) 12:35:12.91 ID:IEOvLaSx
読んで下さってありがとうございます。
投下後ぎりぎりで携帯の充電が切れてしまいました。
鍋、服 に引き続き真島ちゃんをズレた男にしちゃってすみません

なにげに私のHNを呼ばせてしまいましたがw
HNをつけた時からこの話しに繋げる伏線でした

ウソです。

エロなしですので他の職人さんのエロを正座して待ってます。
99お知らせ:2011/02/20(日) 21:15:40.32 ID:nvf39Qq9
zeroです。土曜希望という要望があったので
来週の土曜日にチャットを開催します。

時間 20時〜何時でも。

http://m-pe.tv/u/page.php?uid=girty&id=1&guid=on
時間が迫りましたらこちらのページに入り口へのURLを貼り付けます。
たくさんのご参加お待ちしております。
誹謗中傷、冷やかし等はやめてください。
たくさんのご参加お待ちしております。
100名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 23:49:21.29 ID:LuVBcEkS
Hitoshiさま
丁寧な描写にうっとりしてたら寸止め〜え〜〜〜
熱い二人になんだか妬けます
もちろん続き待っております

ANKOさま
ANKOさまの可愛くズレた真島好きです。
我が家に欲しい真島拓朗
オハギもナイスネーミングw

zeroさま
チャット開催ありがとうございます
前回電車の中から携帯でのぞいてたらスピードについていけず大変なことになったので
来週はPCから参加したいな〜出来るといいな〜と思っております

これからも沢山のSS読めますように
101ぎるちぃ:2011/02/21(月) 23:23:12.46 ID:kTtxTQTW
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>68の続きを投下します
102ぎるちぃ:2011/02/21(月) 23:24:23.81 ID:kTtxTQTW

俺は彼女に覆いかぶさる。
いきなり深く口づけようとして、俺は動きを止める。
……。
今まで芽衣子に近づく輩の存在を見た夜には、
衝動と焦りに任せて激しく芽衣子を抱いた。
なぜか今日は…そうすることに躊躇する。

「真島さん?」
彼女を見つめたまま動かない俺に呼びかける声。
はっと我に返る。
俺を見つめ返す深く大きな瞳に、吸い込まれるように近づいていく。
そっと、唇を合わせる。
感じる柔らかさと温もり。
角度を変えながら優しく啄ばみ、味わう。

耳から首筋を通って鎖骨へ、口付けの雨を降らせながら、
二人の間を隔てている体の覆いを全て解いていく。
胸の膨らみを唇でなぞりながら、その頂に数度口付けると、
もっと構って欲しいといわんばかりに硬くつんと天井を向く。
その突起に舌をそっと這わせ、唇で軽く吸い上げる。
彼女の喘ぎがいっそう甘く高くなる。

腹部を右へ左へ、唇で滑るように移動し、茂みの位置まで下りていく。
腿の内側を何度も撫でながら、手は秘所を目指して徐々に中心へ近づく。
茂みの奥の泉へそっと指を這わせると、
そこはもう充分に水を湛えていた。
柔らかな太腿に手を添えてゆっくり左右に開き、
蜜口に指を差し入れ、舌で敏感な花芽を舐め上げる。
「やっ!」
彼女の腰が大きく跳ねる。
なだめるように腿を撫で、それでも指と舌で刺激を与え続ける。
「あんっ、あっあっい…やっ、んっ!」
舌先を硬くして、花芽が纏った薄衣を脱がすように舐め、
花芯が顔を出した後は、硬さを解いた舌でゆるゆると擦る。
指で奥の一点を撫でると、彼女の声はいっそう甲高く掠れていく。
「あっ!あふっ!ぅん!んっ、あっあっ、も…う…」
この刺激をもっと強くしようとしたが、
指をそっと抜いて口を離した。
103ぎるちぃ:2011/02/21(月) 23:26:02.67 ID:kTtxTQTW

突き動かすものと、それを止める何かが絡み合う。
理性とはまた違った、何か。
心も体も熱くたぎっているのに、俺に荒々しさを許さない。
彼女の太股に密着し体温を感じて脈打つ己を、
熱く潤う秘裂に力いっぱい突き入れたいのを堪え、
蜜口をそっとくぐらせて、ゆっくり内壁を押し広げながら進んでいく。
「あっ…ん、んんっ…」
腰を進めるにつれ、まるで波打つように
俺の猛りに隙間無く寄り添ってくる。

「ぁふっ…」
己の先端が彼女の最奥に届いた時、彼女がふるっと身を震わせる。
彼女は触れている所全てで俺を感じようと、
目を閉じ、俺の背中に回した手をそろりそろりと滑らせる。
彼女の瞳に映りたくなり、閉じた瞼に唇で触れると、
潤んだ瞳が開き俺を捉える。
額から髪に滑らせた手で頬を包む。
「愛してる。」
彼女の瞳はみるみる涙を湛え、その奥に映っていた俺の姿が揺れた。
瞳の端から次々と零れ落ちていく涙を指で拭う。
「どうした?」
「どうしてそんなに…優しくするんですか…?」
俺の問いに涙声で問い返してくる彼女。
「いけないのか?」
まだはらはらと涙を零しながら、
「このままならいいのに…。真島さんと一つのまま。
 この夜が…止まればいいのに。」
その声はもう、消え入りそうに掠れていて。

「一つだ。ずっと…。」
まだなおとめどなく溢れる涙をもう一度拭って、
唇に口付ける。
繋がりを外さない位置までゆっくり腰を引いて、また奥へ押し進める。
額に、瞼に、頬に口付けを降らせ、耳元に唇を寄せる。
「芽衣子…。」
名を呼び、左の乳房を手で覆うように触れると、
その奥から芽衣子の鼓動が温もりと共に伝わってくる。
彼女の命を、存在を、感じて確かめるように律動する。
同時に、彼女も俺を感じてくれるように。
「あ…あぁんっ…んんっ!」
俺の愛撫や律動に、彼女が寄り添うように喘ぐ。
ゆっくりと、ゆっくりと、高ぶっていく。
それに合わせて腰を速めたい衝動を抑え、
速さを変えないままそっと抜き刺しを繰り返す。
「やっ!…あんっ…ま…しま…さんっ!…」
白い喉がのけぞり、びくっ、びくっと数度体が跳ねた時、
彼女の中の収縮が俺の動きを止める。
104ぎるちぃ:2011/02/21(月) 23:27:04.39 ID:kTtxTQTW

荒く息をつく彼女の額に口付けを落とす。
「まし、まさん…ごめんな…さい…。」
整わない呼吸の合間を縫うように声をつなぐ。
「何が?」
「私、先に…その…。」
少しの間の後、彼女の言わんとすることを解し、
ふっと笑みを漏らす。
彼女と体を重ねた時は、いつも不思議なほど共に達していた。
俺より先にイったことで申し訳なさそうに顔を逸らす彼女に
愛しさがこみ上げる。
そっと頬を包んで視線を合わせる。
「謝らなくていい。何そんなこと気にしてるんだ。」
「でも…。」
「俺を感じてくれたんだろう。」
まだ熱っぽく瞳を潤ませたまま、こくんと頷く。
「それでいい。俺は嬉しい。」
「真島さん…。」
高ぶりが消えていない俺は、すぐにでも彼女の腰を突き上げたくなるのを堪えて、
今一度唇に口付けた。
「もう少し、動く。」
言いながら、もう既に腰を引いていた。
そしてまた中へ引き込まれる。
「あふっ…んっ…」
少しだけ動きを速め、頂点を近くに感じながら登り詰めていく。
「あっあぁっ、あん!真島さんっ、あんっ!…いやっ!…ま…た…」
芽衣子の内部が再び収縮し始め、その誘いには抗えず俺も達した。

中から己を抜かずに体を横たえ、彼女を抱き寄せる。
「もうしばらく、このままでいたい。」
「真島さん…。」

俺も思ってる。
このまま…芽衣子と一つのままでいられれば…と。
そうすれば失わずに済む。
誰に奪われることもない。
君がまた俺の腕の中から、逃げてしまうことも…無いのに。
105ぎるちぃ:2011/02/21(月) 23:29:57.23 ID:kTtxTQTW
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました

今日はエロだけですw
まだ謎のイッタラ人が何しでかすか怖いです
続きまーす

zeroさん
チャット企画ありがとうございます
土曜は、20時には遅れるかもしれませんが
ぜひとも参加させていただきたいと思いまーす
106名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 00:12:40.80 ID:4z80BfJu
ぎるちぃさん、今日はまたエロいっすなw
「いけないのか?」がばっちり真島で再生された
そして「もう少し、動く」が萌えた
イッタラ人気になるww

まとめ職人さん体調悪かったみたいだけど、更新してくださってます
ありがとうございます
お大事にしてくださいね
107名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 01:56:59.30 ID:2FccyW8f
ぎるちぃさん、厚かましいお願いでイッタラ人を取り入れて下さってありがとうございます!
怖い展開?うわ〜楽しみ。
あらゆる題材を上手く料理してすごいですね。
今回はじっとりなエロですね〜GJGJ!!

ところでまとめ様、前スレか前々スレだったか、
アンのお買い物シーンのパロを書いて下さった方がいたと思うのですが、もう落ちて読めない…!
ざっくりまとめwikiも見てみましたが載ってませんでした。
もう落ちてるからうpは無理なんでしょうか?
DVD特典にもそのシーンは無いとのことで、
あのssで2828したい…
宜しくお願いします
108名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 02:13:18.17 ID:2FccyW8f
>>107です
自己解決しました。
ページ内検索「お買い物」でヒットしました!
すみません
109名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 03:00:46.46 ID:lg5WoABw
>>106
温かいお言葉ありがとう〜 
元々5年ほど前から持ってる持病が悪化して、1年前から闘病生活しているので、
体調の変動が激しいんですよ ご心配お掛けしてすみません

でも、ここに居ついてからは、暗い闘病生活にも光が… SS大好きですっ

>>107
もしも、他にも「このSSないぞっ!」って時は言ってください
datは全部取ってありますし、まとめ@wikiの
http://www43.atwiki.jp/guilty_paro/pages/86.html
このページに落ちても読める(はず?)のリンク貼ってありますから、
確認してみてください

気を付けているつもりなんですが、編集ミスや職人様の作品の取りこぼしが
あるかもしれません。遠慮なく皆さん指摘してください。

ここ3時間ぐらい、頭が少しすっきりしているので、ここのレス全部読めました〜
110名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 07:42:15.57 ID:v14M3nTS
ぎるちぃさん、今回も官能的ですね。テクニシャン真島、ごちそうさまです。
芽衣子可愛らしすぎ
逝くときは一緒でもイクのは先に何度でもw
エロ書けて羨ましいです。管理人さんを元気づけてあげたいわ。
まとめ、ありがとうございます

私も朝からホルモン活性させていただきましたので一日頑張れそうです

脱力させるのは得意なANKOでした。
111名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 11:31:16.60 ID:AbHpZ6TN
>>109
まとめ職人様

お大事にして下さい。どうか無理をなさらないように。
私もほぼ同じ状況で、5年前に体調を崩して以来、通院生活です。
もしかして同じ病気だったりして。

私は一読者ですが、本当にここのSS楽しみにしております。
職人樣方、ありがとうございます。

112名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 16:25:46.76 ID:lg5WoABw
>>105 ぎるちぃ様
今まとめの方のキャラ別「真島×芽衣子 Part3」が長くなってきたので、
Part3にはぎるちぃさんの一覧だけを残して、他の職人様の作品をPart4に移動すると思います
それと、たまにハーレクインを読む私には、イッタラ人は大好物ですっ!

>>111
ありがとう〜 111さんもお身体大事しにてくださいね
同じ病気?もしかして腎? お互い頑張りましょうね
113ANKO:2011/02/23(水) 00:11:46.90 ID:wvs7Ha0c
こんばんわ
謎のイッタラ人と寸止め真島ちゃんをお待ちの皆様には
申し訳ありませんが
>>93の続きを投下します
114ANKO:2011/02/23(水) 00:21:00.86 ID:wvs7Ha0c
【その後の二人 受難】


おはぎ、オハギ…芽衣子の頭の中でその名前がぐるぐるとリフレインする。
…もうすぐ彼岸ですね、
…じゃなくて、
ああ、そうだ、重要な事が抜けてた。
意を決したように芽衣子は言う
「あの…真島さん。オハギちゃんって、古風で可愛い名前なんですが…
この子、男の子なんです。」
「え?うそだろ。」
真島はびっくりして子犬を持ち上げてまじまじと確かめる

「ついてる…
お前、雄だったのか。アンに一番似たやつを貰ったんだが。
三輪さんの奥さんは一番やんちゃな子だと言っていたが…
性別、聞いてなかった。」
芽衣子は可笑しくて本当に噴きそうになる。

「洗い物してきます。真島さん、男の子の名前考えて下さいね」

真島はボールで遊ぶ子犬を見ながら考え込む
「雄かぁ…雄だから、ハチ、ポチ…」
キッチンから様子をうかがっている芽衣子は
手が震えて、食器がすべりそうなくらい必死で笑いをこらえる
嫌な予感もするが、真剣な真島がなんだか可愛い。
「やっぱり男ならタロウだ。タロウに決めたぞ」
「タロウ?」洋犬らしくないが、意外とまともな名前にちょっとほっとする。
洗い物を終えた芽衣子は子犬の側に寄り頭を撫で、
子犬はパタパタとシッポを振り芽衣子を見る
「君は今日からタロウですよ。宜しくタロウ。
タロウ…ター君でもいいわね。ねぇ、ター君」
「ん?」
真島が芽衣子を見る 。一瞬目が合い、どきまぎする真島
「???あれ?
…もしかして…
真島さん、子供の時、ター君と呼ばれてました?」
「な、わけないだろっ。さ、風呂だ、風呂に入るぞ」
真島は照れを誤魔化すように、慌ててバスルームにいった。

「芽衣子、風呂の準備できたぞ」
二人で一緒に入るのは日課になっている
もう一人で入れるからと断った日もあったが、
風呂ですべっては危ないと真島がそれを許さなかったのだ
手を引かれて恥ずかしそうにバスルームに向かう芽衣子
毎度こうだからたまらなく可愛い。

芽衣子の後ろからトコトコとタロウがついてくる。
「ごめんね。ちょっと待っててね」
脱衣所に入ろうとすると、芽衣子を見上げキューンキューンと悲しげに鳴く
「真島さん、今日は無理みたい。この子の側にいますから
先に入って下さい」
「う〜ん、仕方ないな」真島は残念そうに風呂に入った。
久しぶりに一人で入る湯船はなんだか寂しい。
真島は手持ちぶさたを感じてズブズブと首までつかる
115ANKO:2011/02/23(水) 00:26:00.14 ID:wvs7Ha0c
「やだ〜タロウ、舐めないで〜」
部屋から芽衣子のはしゃぎ声と笑い声が聞こえてくる
明るく楽しそうな様子に子犬を貰ってきて良かったと思うのだった

風呂から上がり身体をふいていると、
先ほどまで聞こえていた声がなく、静まりかえっているのに気づく。
慌ててバスタオルを腰に巻いて部屋に行くと、
子犬を膝に抱いたまま、芽衣子はソファーでうつらうつらと寝ていた
(昨夜は寝られなかったからな。仕方ないか)

「タロウ、ほらどけ」
子犬をよけて、芽衣子を抱きかかえようとするとタロウはジロリと睨む。
「どけよ」ポンとタロウの身体を触ると
「う゛〜」と威嚇する
「おいおい、勘弁してくれ」
真島は無理矢理、芽衣子を抱き上げベッドまで運ぼうとすると
ワンワンと吠え後ろから飛びかかってきた。
「おい、やめろ。お前から奪うわけじゃないから」
タロウは真島の腰に巻いたバスタオルを咬み、はぎ取る
「こらっいい加減にしろ
痛!!」
なんとタロウは真島のお尻にかみついた。
やっとの思いで芽衣子をベッドに降ろす真島。
はぁはぁと息もあがっている
「う〜ん、真島さん?」芽衣子は目を覚ます
「め、芽衣子…」
「やん、真島さん、もう裸なの?」
「こ、これはちが…
ま、いいか。」
キスしようと顔を近づけようとした時、タロウが二人の間に割り込み、
芽衣子の顔をペロペロと舐める
「う〜んタロウ。よしよし。今日は抱っこして寝ようね
真島さんごめんなさい」芽衣子は胸にタロウを抱かえてまた眠りについてしまった

真島が芽衣子の身体にくっついて寝ようとするとタロウが唸る

「なんてこった…」

真島はしぶしぶとパジャマを着て
ベッドの隅で二人に背を向けて寝るしかなかった
タロウに咬まれてひりひりする尻をさすりながら

以上
真島の受難


おしまい
116名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 02:09:56.41 ID:g4wFBipJ
>>115
ワロタwwwww
がんばれ真島ちゃん!!www
タロウとの格闘、今後も見たいです!w

>>112
まとめ職人さま いつもありがとうございます!
wikiトップの『現在の本スレ』をPart3に更新願います!
Part2スレも無事(?)落ちたようなので。
117名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 08:05:01.07 ID:cCiAh5sk
ANKOさま
真島が「なんてこった」って言うと凄くおかしいw
118名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 09:48:46.66 ID:D4ciuvSi
ANNKOさん最高です〜っ
「たっくん」可愛すぎるてぃ
これから受難の日々が始まるのですねw
119名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 14:08:31.20 ID:5MHA3b38
ANKOさま
まっしーの新ライバル出現ですね。
子犬なのになかなかやるではありませんか、タロウは。
まっしーのお尻に付いたタロウの噛み痕を見てみたいー。w
120名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 15:24:10.36 ID:qSCVDJW2
ANKOさま

真島ちゃんがもらってきた子犬なのに
♀なら芽衣子より真島が好きだったかも知れないのに
自らライバルを連れてくるとはw
飼い犬に手を噛まれる真島ちゃんw いいこともありますように
121名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 15:27:47.25 ID:P302VUBS
>>116
ありがとう 修正しました
また気が付いたらお願いします
122hitoshi:2011/02/23(水) 18:47:44 ID:rexXuZXU
まっしー、犬に尻をかまれるとはまさに受難w
ますます面白くなってきちゃってwktk

寸止めまっしーの続き投下します
今回は真島モノローグで短いです
このお話やっと折り返し・・・すみません長くてw
でも終わり見えてきたのでばしばし投下しますっ
1235-1:2011/02/23(水) 18:49:18 ID:rexXuZXU
 -5- MASHIMA Side

芽衣子が指と愛撫だけで達したのを見て、俺は少し困った。
彼女がいきそうなのは気づいていたから早く自分のモノを挿入すべきだったのだが。
いきそうな彼女の顔があまりにもきれいで可愛くて、見惚れている間に意識を失うほど感じたらしい。
いくらなんでも意識のない芽衣子に挿入れるなんて真似はできない。
そんな鬼畜なまねは。
自分の欲望を満足させるより、繋がっている実感を芽衣子と一緒に味わいたい。
なんといっても俺たちは初めて肌を重ねたのだから。

「芽衣子」

名前を呼ぶたびに愛おしさがこみ上げる。
そういえば不思議な感覚だった。
俺はもともと無愛想な方だし、
それなりに場をわきまえ、分別を失わないように心掛けてはいるが、物言いも不躾なところがある。
芽衣子にも俺より一つ年上なのに、初めから年下に接するようにしてきた。
わざとそうしたのか、芽衣子が冤罪で服役していた期間が長かったせいで
幼さを残していたせいなのかは分からない。
初めは「あんた」とか「そっち」とか呼んでいたような気がするが、
気がつけば「きみ」になり「お前」になった。
「芽衣子」と呼ぶようになったのは彼女への愛に気づいてからだが、
芽衣子はそれを当たり前のように受け入れていたように思う。

俺がすべて受け止める。

そう言ったが本当は芽衣子が俺を受け止めていたのではなかったか。
些か強引で自分勝手な愛を押しつけようとした俺を、芽衣子は黙って受け止めたんじゃないだろうか。
刑事としてやさぐれていた俺に
「私のような人間に罪を償わせるために必要な人」
と彼女は言った。
溝口を殺そうとした俺だったのに。
彼女の俺に対する寛容さに俺は今更気がついた。
ここに連れてきて一緒に暮らそうと言った時も、芽衣子は困惑しながらもついてきた。
行く当てがなかったせいもあるだろうが、それにしたっていきなり男と棲むなんていうのは
芽衣子には随分ハードルが高かったんじゃないだろうか。
俺の下心に気付かないほど、芽衣子は子どもじゃなかった。
それはさっきの彼女の様子で確信できた。
俺は芽衣子を自分の傍において、いつも俺のものにしておきたかったのだ。
彼女は多分それを知っていて、それでも俺についてきた。
1245-2:2011/02/23(水) 18:52:09 ID:rexXuZXU

自分のためではなく、俺のために生きようとしているんじゃないか。

俺は急にそんな不安に駆られた。
それが嬉しくないはずはない。
しかし、そんな生き方は危険過ぎる。もし俺に何かあったら。
彼女を一人にするつもりはないが、俺も刑事だ。殉職という結末を覚悟する場面に遭遇することもある。
事実、宏太も三輪さんも目の前で失った。
芽衣子には、自分の人生を生きて欲しかった。
芽衣子に見せてもらった三輪さんの手紙にあったように。
彼女自身の人生を生きて欲しいと俺も思う。
もしその人生に俺の出番がないとしたら、俺はそれも受け止めよう。

こんなふうに誰かを愛したことはない。

いつも身勝手で、自分の愛を押しつけてきた。
しかし芽衣子は。
俺を置いていってもいい、生きてくれるならそれでいいと思う初めての愛だ。

芽衣子の髪を撫でる。
三沢の息子に復讐を果たす前に、彼女の髪をこんな風に撫でたことを思い出す。
あの日、芽衣子は俺にすべてを告白した。
甥っ子を喜ばせるためにチョコレートケーキを買ったことが自分の罪だと、
最初に自分がそれを食べれば良かったのだと、すべての後悔を語った。
その時から俺はこの娘の人生を守りたいと真剣に思ったのだと今は分かる。
哀しい人生だったからこそ、明るい未来を芽衣子の前に開いてやりたかった。

ただ欲望のままに彼女を抱くのはやめよう。
ありふれた日常の幸せを彼女と一緒にこの部屋で築いていこう。
そして彼女が本当に自分のために生きる準備ができたとき、俺を受け入れる用意ができたとき、俺は彼女を俺のものにしよう。

芽衣子の寝顔を見ながら、俺は心に決めた。
125hitoshi:2011/02/23(水) 18:56:16 ID:rexXuZXU
以上です。
結局寸止めのままかよ、真島w っつー感じですが
完結までには成就させてやりますのでご容赦〜

あと板移転かな?書き込みエラーが出ました
うちの専ブラではボードデータ更新してもだめでした

一応移転先URL貼っときます
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1297479008/
126hitoshi:2011/02/23(水) 18:58:04 ID:rexXuZXU
すんません
ここに貼ってどうするw あほだーorz
127ANKO:2011/02/23(水) 20:51:40 ID:laHNWJK8
hitoshiさん、お待ちしてましたー!
まだまだ寸止めww
ぐいぐいやっちゃえよ。と言いたい所ですが
芽衣子を思いやる気持ちがあってこそですね。
しっかり受け入れてもらわねば、っっだし。
続き待ってます。

板移動?私も書き込めなくてびびっとりました

私のSC(ショートコント)読んで下さった方、レスまで下さった方
ありがとうございます
強敵現る。真島ちゃん噛まれたのはお尻で良かった
128ANKO:2011/02/23(水) 20:55:28 ID:laHNWJK8
追伸
hitoshiさんが移転先を貼って下さったおかげて書き込めました。
感謝です。
129ANKO:2011/02/23(水) 21:58:06 ID:laHNWJK8
ていうか、私携帯ポチポチ探ってて知らない間に来れてたのか
訳わからん事言ってすみません。
皆さんまだたどり着けないのかな。
130名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 23:35:04 ID:nqWMXaBZ
>>126
ご連絡ありがとうございましたー
9時半頃にまとめ@wiki更新してます
トップに緊急のお知らせとして入れておきました
メールお返事してます また確認してみてください

今はjaneで板追尾できるようです
131名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 23:57:18 ID:M3zg/dYy
>>130
緊急のお知らせありがとうございます。
janeで追尾やっとできました。

>>125
真島ちゃんの優しさすごくいいですね。
いつか成就できるときを楽しみに待ってます。
132名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 22:08:36 ID:xBNvifMk
移転してる事、気づいてない人が多いかも。
お気に入り登録してたり前スレで書き込みエラーが出ないとわからないのかな
133hitoshi:2011/02/25(金) 00:09:13 ID:sUnXEMU/
>>130
管理人さま、不躾にメールしてすみませんでした
すぐに対応していただいてありがとうございます

ANKOさん、>>131さん
感想ありがとうございます
いつも励まされます〜
ANKOさんの続きも、そしてぎるちぃさんの続きも読みたいんですが
そう言えばぎるちぃさん、まだこちらに来られてないようですね
板移転がうらめしぃ〜
134ぎるちぃ:2011/02/25(金) 19:47:20 ID:Zj82WHL8
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです
板移転今日気付きましたw
Wikiのトップからここに飛んで、ログ呼んで、やっとなるほどーと思いました
お知らせ書き込んで下さった方、ありがとうございました

では、>>104の続きを投下します
135ぎるちぃ:2011/02/25(金) 19:49:29 ID:Zj82WHL8

尾行中の容疑者が喫茶店へ入っていく。
ウインドウ越しに店内を伺える建物の影で身を潜め、
しばし息をつく。
「容疑者追いかけてても、心ここにあらずね。」
一緒にいた万里に咎められる。
「今日ずっとイライラしてない?…って言うか、殺気立ってる。」
「別に。」
「彼女のこと?ま、あなたにそういう表情させるの、彼女しかいないわね。」
思い当たる節は…ある。
昨日の男、カルロがまた芽衣子にいらぬちょっかいを出して、
今にもかっさらって行くんじゃないかと思うと気が気じゃない。
「彼女はこんなにあなたに首ったけだっていうのに、何悩んでるんだか。」
万里が俺の胸を指差しながら言う。
「は?」
「『首ったけ』。女が男にネクタイ贈るってのは、そういう意味なの。」
「そうなのか?…あ、いや、これが彼女からって何で…。」
「昨日からその見たことないネクタイ締めて来て、
 しょっちゅう触りながら嬉しそうにしてたじゃない。
 一昨日はバレンタイン。これで分からない方がどうかしてるわ。」
万里の皮肉めいたからかいに憮然としてみるが、
『首ったけ』に、どうにも笑みが込み上げてくる。
それを堪えるため、喫茶店内の容疑者に目を向ける。

「あの娘はどうしてる?」
「ふさぎ込んだままよ。無理も無いけど。」
「そうか。」


(芽衣子視点)

モンアンジュで彩乃ちゃんと一緒に開店準備をする。
「芽衣子さん、あのイタリア御曹司、昨日の様子だと絶対また来ますよね。」
「やっぱり…来るよねぇ。」
私達は顔を見合わせてため息をついた。

「芽衣子さん、私、看板出して表掃除してきますね。」
「うん、お願いします。」
彩乃ちゃんが玄関を出て行く。
私はパソコンの画面で今日の予約を確認する。
えーっと…、閉店前の一時間は空いてるのか。
最近はほぼ毎日予約でいっぱいだったから、空きがあるのは珍しい。
私はこの時間を使ってアンのお手入れをしてあげようと思い立ち、
アンに近寄ってくしゅくしゅと撫でる。
「アン、今日はシャンプーして綺麗になろっか?」
アンは尻尾を振りながらキュンキュンと鼻を鳴らした。
136ぎるちぃ:2011/02/25(金) 19:51:27 ID:Zj82WHL8

その日最後のお客様を送り出せば、外はもうすっかり日暮れていた。
さてと。
私はトリミングルームに戻り、アンのトリミングの準備をする。
ガチャリ、バタン!
「芽衣子!僕だよ、芽衣子!」
来た…やっぱり…。
私は彩乃ちゃんと共に首をがくんとうなだれる。
こんな風に毎日来られても困る。
昨日もそうだったけど、閉店間際のこの時間、
まだ勤務時間中だし、もう少ししたら真島さんが迎えに来るし。
仕事上も、真島さんの手前も、すごく困る。
よし!
もうここへ来ないようにお願いしようと思い、
トリミングルームを出た私は唖然とした。
カルロさんが抱いているのは、アンそっくりのジャックラッセルテリア。
私は思わずトリミングルームにいるアンを振り返る。
アンはそこにちゃんと…いる…。
瞬きも忘れて固まっていると、カルロさんが近づいてきた。
「犬がいれば僕は立派なお客様だからね。せっかくだから、芽衣子のアンと
 同じ犬種にしたんだ。」
「アン…って、何で知って…。」
「雑誌に写真が載っていたじゃないか。取材記事にも『飼い犬のアン』の話が出ていた。」
「あのペット雑誌…。」
「ちょうど今うちのグループが日本でペット関係の事業を手がけようとしている。
 だから日本のペット雑誌は一通り取り寄せているんだ。
 僕はあの雑誌で君を見て、ひと目で恋に落ちてしまったんだ。」
「…。」
「さ、この子のシャンプーを頼むよ。」
カルロさんが強引に犬を渡してくる。
隣の部屋から出てきた琴美さんは困った表情を見せながらも、
「芽衣子ちゃん、ワンちゃんの方、お願いね。お客様、どうぞこちらへ。」
そう言って、カルロさんをソファへ促す。
137ぎるちぃ:2011/02/25(金) 19:53:25 ID:Zj82WHL8

シャンプーを終えて、犬を抱いてトリミングルームを出る。
「お待たせしました。」
カルロさんに犬を渡そうとして近づくと、私を犬ごと抱き締めてきた。
「ちょっ…と!離して下さい。嫌っ!」
私は体に回された腕を振り払って距離を取る。
「どうして拒むの?僕はこんなに君を愛してるのに。」
「そうだとしても、困るんです。私には好きな人がいますから!
 もうこんな事やめて下さい!」
「好きな人…昨日僕らの間を邪魔したアイツかい?」
「…。」
はっきり言おうとしたけれど、心の中で警戒音が鳴る。
ここまで一方的で強引で周りが見えてない人だ。
何をするかわからない。
私は真島さんに危険が及ぶことを恐れた。
「君は正直で分かりやすい。
 …なるほど、彼が君の…。」
「真島さんに何かしたら許さないからっ!」
思わず出てしまった言葉に、はっと口をつぐむ。
「真島さん…ね。本当に君は素直だね。
 ますます惹かれるよ。」
近づいてくるカルロさんに体がすくむけれど、
伸びてきた腕は私から犬を抱き取って離れた。
「今日の所は退散しよう。僕は諦めないからね、芽衣子。」
138ぎるちぃ:2011/02/25(金) 19:56:16 ID:Zj82WHL8
ひとまず以上になります
駄文失礼致しました

今夜中にもう一回続き投下しようかと思ってますけど、
明日になるかも知れませんw
またしばしお時間くださいね
139名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 22:14:04 ID:UupqoE9Q
zeroです。明日はいよいよ待ちに待ったチャットです。
開催前に一仕事やり終えよう!ということで投下します。
真島×芽衣子で新婚さん設定です。
140マニキュア:2011/02/25(金) 22:15:58 ID:UupqoE9Q
「…どうしたんだ、芽衣子。」
「…何がですか?」
急に声を掛けられビクリとした芽衣子がこちらを振り返った。
たったそれだけの仕草なのに未だに彼女の行動一つ一つに魅了される自分がいる。
「いや…妙に嬉しそうだなと思ったんだ、」
「え?そうですか?」
彼女のもともとの性格から普段から笑みを絶やさない気性なのは重々承知なのだが
そういう自分の知識を通り越して芽衣子が随分機嫌の良いように見えた。
「…何持ってるんだお前。」
「え?これですか?]
ふと眼が向かったのは芽衣子が先ほどから持って離さない、
そして今の彼女の機嫌のよさの一番の原因でもあるそれだった。
「…マニキュア…?」
「あ、はい。綾乃ちゃんに貰ったんです。多く買いすぎちゃったからって、それでも嬉しくて」
ほほうと心から思う自分がいる。芽衣子は普段から化粧っ気がほとんどない。
もともとそういうことに無頓着なところもあるが何せ、若いうちをほとんど
刑務所という陸の孤島で過ごしたのだ。一番女として輝く時期を奪われた、
それは男の俺から見てもあまりにも哀れだった。
「そうか、良かったな。」
「はい。」
だがそれでも元がいいので芽衣子の魅力が欠けることは全くない。
見た目の良さなんて理由でで彼女を好きになったわけではないが。
「…塗ってやろうか、」
「え?大丈夫ですよ。」
「塗ったことないんだろ?俺がしてやる。」
しばらく考え込むと芽衣子は決意したようで俺の前にそっと左手と
マニキュアが入った小瓶を差し出した。
「真島さん、塗ったことあるんですか?」
「いや、ない。」
嘘をついた。一度だけ、万理にしてやったことがある。
あの時はたしか俺ではなく万理に頼まれたんだった。
141マニキュア:2011/02/25(金) 22:17:05 ID:UupqoE9Q
※視点変わります


「綺麗、上手ですね、真島さん。」
たった数分で、さっきまで皮膚の色をしていた私の爪は美しく彩られた。
薄い白の入った上品な桃色。私がするには可愛らしすぎる気がした。
「ああ、本当に綺麗だ。」
真島さんは私の手を握ったまま爪を凝視している。
私はそんな真島さんの手を見ていた。大きくて骨の張った真島さんの手。
この手がとても好きだった。
「…お前、やらしい事考えてるだろ」
「…え?えええ!?」
唐突にそんなことを言われて思わず手を引こうとするがそれよりも早く
真島さんの手が私の手を引き返した。
「なななっ何を…!!」
「この手がいつも自分を気持ちよくさせるんだなぁ、とか」
「そんな訳ないじゃないですか!!」
「じゃぁ何で見てたんだ、俺の手」
「そ…それは、真島さんの手が好きだから…」
「どうして?」
「…私に触れてくれるから」
「ホラ見ろ。」
「そっ…!!そういう意味じゃありませんてば!!」

※視点変わります

数多くある芽衣子の表情の中で真っ赤に照れた顔が特に好きだった。
紅潮した頬がいつもの情事を連想させるからかもしれない、
それ以上に彼女がとても可愛らしく見えるのだ。
「っ!!ちょちょちょっ!!真島さん!?」
椅子に座らせていた芽衣子の首筋に覆いかぶさるようにして口付けると
上着を徐々に脱がしていく。爪の薄桃色と似たような透き通る美しい肌だ。
「待って下さい!こんな昼間からっ!?」
ジタバタと動き回る芽衣子だが手の平だけは動かせないように
両方の手首をぎゅっと掴む。
「あんまり暴れるな、マニキュア乾いてないだろ?」
「!?」
俺の一声に驚きつつ少し腕の力を緩めた。
何だかんだで芽衣子もこのマニキュアがはがれるのは嫌らしい。
「動いたら爪…どうなるか分かってるな?」
「…意地悪。」
これを狙っていたというわけではないが一つの塗料から思わぬ御馳走を
手に入れたようで内心、俺はほくそえんだ。
142マニキュア:2011/02/25(金) 22:18:01 ID:UupqoE9Q
ズボンの中へ手を入れると芽衣子の秘部へと指を入れる。
「んっ……!!」
芽衣子の両手はというと俺の両肩をそれぞれ掴んでいる。
マニキュアが取れてしまわないように、神経を張り巡らせながら。
「ふっ…ふぁ、…ああっ」
指を一思いに暴れさせる。平行してブラウスをはぎとり乳房に口付けると
良い具合に芽衣子の体がビクリとはねた。
「っふあああっ…!!」
「ここ、お前の爪とおんなじ色だな」
そういいながら胸の頂に軽く歯を立てる。またもや面白いくらいに芽衣子が跳ねる。
この反応が癖になる。やめられない、むしろもっと乱してやりたくなる。
「ちょっと、いいか…?」
そう芽衣子の耳元で囁くと彼女の元から少しだけ離れて自らのものをとりだす。
これまで重ねた行為の分だけ察した芽衣子がより紅潮する。
「っ…!!くっ……!!」
「ふっあっああ!!…ああああ!!!」
一気に貫くと自分まで余裕を失いそうになる。最期といわんばかりに
芽衣子の首に、方に、その唇に口付けながらより強く抱きしめる。
芽衣子のほうはというと相変わらず俺の両肩に手を定住させたまままだ
渇かない爪のマニキュアを死守している。
「…っ動くぞ…!!」
「うっあっ…!」
一定の速度で芽衣子の身体にリズムを送り込みながらより
己自身と芽衣子自身を結合させていく。
潤いながら情欲をまとった二つの身体が、一つになる。
「ふぁ、あ、あああああぁっ……!」
背中に痛みを感じた。ワイシャツごしにキリリと来る痛み。
もちろん自分は目の前の快楽でそんな痛みなどかゆくも何ともないのだが、
それはおそらく芽衣子の爪のあとだ。
「っ芽衣子っっ!!背中に爪、立ててるだろっっ…!!」
「ふっあああっ、む、無理です!!我慢なんて…ああああっ!!!」
芽衣子が必死でそういいかけた直後、快楽の絶頂へとお互いたどり着き、
そ「ごめんなさい、真島さん、爪…せっかく塗ってくれたのに…」
「いいんだ、また塗ればいいだろう。」
全体的に平らに伸ばされたマニキュアはたしかに残念なことになっていた。
側に置いていたマニキュア瓶を手に取る。もう一度塗ってやるつもりだ、
「あ、真島さん!背中!」
「あ?」
首を回して言われた背後を見るとワイシャツに微かにマニキュアが付着していた。
「あああっ!!すみません!!それに、背中、痛かったですか?」
「構わないさ、あんなにいい痛みなんてこの世にない。ワイシャツだって洗濯すりゃ取れるだろ」
そういうともう一度芽衣子の手を取り塗料を塗ってやる準備を始める。
手、か。俺の手が好き。何とも光栄なことじゃないか。
こんな、何気ない日常に一こまでもここまで温和に過ごせるのだ。
彼女が15年前あんな事件に巻き込まれなければ、まさしくばら色の人生だったに違いない。
こんな事を考えるのは日課になっていた。
「芽衣子……。」
「…はい?」
「絶対お前を幸せにしてやる、」
そのために俺と出会ったんだ。こいつを幸せにしてやれるのは俺しかいない。
世の中捨てたもんじゃない。神はこいつを見捨てなかった。
俺は、最大にして最高の使命を授かった。
そう心の中で誓うとより強く、芽衣子の手を握り締めた。
それと同時に心地の良い背中の痛みは消え、まだ快楽の余韻が残っていた。
143名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 22:19:55 ID:UupqoE9Q
以上です、長文失礼しました。
タイトルもセンスの欠片もなくて申し訳ないです…

ぎるちぃさんの連載いつも楽しく拝見させてもらってまーす!!
最低でも三日あけないと何も書けない私なので連日投下
なさってるぎるちぃさんは本当に尊敬します^^
144名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 23:06:19 ID:aIQHmnFN
わー職人さんが二人もいらしてた〜
ぎるちぃさん、謎のイッタラ人何してくるんだか。
でも真島も結構国籍不明な風貌ですなあと考えてましたw

zeroさん 
明日のチャット楽しみにしとります
開催前に一仕事ってww ありがたいです
そしてなんかマニキュアって究極的に女のアイテムって感じでエロいー
真島もマニキュア口実にSっ気出しまくりで萌えますた
万里に塗ってやったことあるのかーありそうだなw 
145名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 23:49:45 ID:Dswv6jSw
>ぎるちぃさん、謎のイッタラ人暴走してますね、
何をしでかすか、真島ちゃんがどう出るのか楽しみです

>zeroさん、チャット前に良い仕事して下さいました。
マニキュアで喜ぶ芽衣子が可愛いくて切ない
それにしても真島の手って綺麗でいやらしいですよねw
Sなセリフもイイ〜。
今後もゴールドフィンガーの活躍に期待します。

新板に気が付かない方、多そうですよね。
私の駄作で止まってると思われてたら…何の罰ゲームだか…
明日のチャットで伝わるかしら

私も参加しさせて下さいね。
携帯なので流れにノレず独り言のように呟いてたらすみません。
146名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 00:05:20 ID:ZNEZAL2m
ぎるちぃさん、いつも乙です
もうぎるちぃさんの連載はまるで東京マラソンですねwナイスランです!

zeroさんも乙です
zeroさんの真島さんがすごくかっこいい事に最近気付きましたwインターネットって素晴らしいw

147ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:03:40 ID:S6tRDLKw
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>137の続きを投下します
148ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:07:15 ID:S6tRDLKw

(真島視点)

昨日は仕事が押して、家へ帰れたのは朝になってからだった。
芽衣子はもう出勤した後で、昨日の出来事を聞いていなかったが、
今サロンへ来るなり、待ち構えていた琴美と彩乃に一部始終を聞かされた。
やはりカルロがやってきたと。
しかも、客だという主張を裏付けるために犬まで連れていたと言う。
出張トリミングからまだ戻らない芽衣子を待ちながら、
ふつふつと湧き上がる思いを持て余す。
その時だった。
サロンの玄関から扉の音がして、今感じていた思いを助長する声が聞こえた。
「芽衣子。僕だ!今日も会いに来たよ、芽衣子!」
すぐさま隣の部屋から琴美が出てきて応対する。
「野上は出張トリミングに出ております。昨日はたまたま時間が空いておりましたけど、
 お渡ししたパンフレットにも書いておりますように、当店は原則として完全予約制と
 なっておりますの。ご予約無しだとトリマーが出払っていることもございますし。」
「そう、じゃあ待たせてもらおうかな。芽衣子に聞きたいことがあるんだ。
 犬のことで、ね。そのくらいなら予約が無くてもいいだろう?」
『犬のことで』と強調し、客の立場を振りかざすカルロに琴美は困惑しながら、
「こちらでお待ちください。」
と、俺から少し離れた位置のソファへ促した。
俺に気付いたカルロは一瞬視線を鋭くし、勧められた場所へ腰掛ける。

琴美が再び隣の部屋へ入って行く。
少しの沈黙の後、先に口を開いたのはカルロだった。
「真島さん…っておっしゃいましたっけ?」
俺は怪訝にカルロを見る。
「芽衣子がね、真島さんって言ってたの、あなたじゃないかなと思ったんです。」
「だったら何だ。」
「警視庁捜査一課のキャリア組。芽衣子もなかなかのエリートをつかまえたもんだ、
 ねぇ、真島拓朗さん?」

カルロに向けた視線を鋭い睨みに変える。
「少しね、調べさせてもらいました。そのぐらいの情報網は持ってますから。」
「何のために?」
「決まってるじゃないですか。愛する芽衣子を手に入れるためです。
 どうやら芽衣子とあなたはもうすでにステディな恋人関係のようだ。
 そこに入り込むには、あなたのことも知らないとね。」
「分からないのか?芽衣子が困っているのが。
 彼女を苦しめるようなことはやめてくれ。」
「困って苦しんでいるのはあなたでしょう?真島さん。」
「何?」
「ぞっこんですよね、芽衣子に。ま、そのぐらいの方が奪い甲斐があるというものだ。」
「てめぇ!ふざけるな!」
149ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:11:38 ID:S6tRDLKw

思わず立ち上がってヤツの胸ぐらを掴む。
「いいんですか?刑事がそんなことして。」
カルロは不適な笑みを浮かべて言った。
「勘違いするな。俺はあんたを逮捕できる。」
「え?」
俺は冷静にカルロを見据える。
「昨日、嫌がる芽衣子に抱きついたそうだな。一昨日に至っては俺もこの目で見ている。
 他に目撃者もいる。立派な強制わいせつ罪だ。」
「…ふ…ん。」
カルロはばつが悪そうに俺の手を振りほどくも、改めて笑みを浮かべて言う。
「ま、あなたはエリートかもしれないが、僕の家は大財閥だ。
 僕の妃として大勢にかしずかれ、豪華なドレスや宝石、一生遊んで暮らせる生活、
 芽衣子が望むたいていの物は、僕なら与えてあげられる。」
俺はカルロに嘲笑を返す。
「芽衣子は地位や金で心を揺るがすような女じゃない。
 あんたは何も分かっちゃいない。
 それで彼女を愛してるだの、俺から奪うだの、笑わせるな。」
カルロから笑みと共に余裕が消える。
「やってみなけりゃ分からないでしょう?
 僕は芽衣子を諦めない。絶対に。」
そう言い捨てて踵を返し、カルロはサロンを出て行った。

隣の部屋から心配そうに琴美と彩乃がこっちを伺っている。
俺は二人に今日のことを口止めし、出張トリミングから戻ってきた芽衣子と
サロンを後にした。


(芽衣子視点)

「カルロさん、あれから毎日ですね。もう一週間ぐらい経つんじゃないですか?」
「そうなの。毎日シャンプーの予約を入れたいって言うのを、
 ワンちゃんが疲れるからって断ったら、犬のことで聞きたいことがあるって、
 他の予約の合間に十分、二十分話をして帰って行くの。」
「話…だけですか?」
「うん…、なんだか却って怖くって。」
「ほんとに…。」
「しかも、ワンちゃんの名前が『カルメ』っていうの。」
「『カルメ』…ですか?」
「そう。『カルロ』の『カル』に、『芽衣子』の『メ』だって。」 
「うわー…。」
今日もまた彩乃ちゃんと一緒にため息をつく。
150ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:14:32 ID:S6tRDLKw

そして例のごとくカルロさんはカルメを連れてやってくる。
「やあ芽衣子、今日も綺麗だね。君は日に日に輝きを増していくようだよ。」
「はあ、ありがとうございます…。」
歯の浮くような台詞もようやくさらっと笑ってあしらえるようになった。

カルメのお世話についていくつか質問に答えたところで、カルロさんは私の手を握ってきた。
「今日はね、君にプレゼントを持ってきたんだ。」
私の手の平に、リボンのかかった小さな包みを乗せる。
「君に似合いそうな素敵な指輪を見つけてね。」
私は握られている手を解き、包みをテーブルに置いてカルロさんの方へ押し戻す。
「受け取れません。」
「え!?」
「お客様であるカルロさんから、こういう物をいただく理由がありません。」
「いやだな、これを受け取ったからって代わりにどうしろなんて言わないよ。
 軽い気持ちでもらってくれていいんだよ。」
「ごめんなさい。いただけません。」
「…なるほどね、真島さんが言ってたことは本当らしい。」
「はい?」
「いや、何でもないよ…ね、芽衣子。どうしても僕の恋人になってはくれないのかい?」
「何度おっしゃっていただいても同じです。
 私、真島さん以外とはお付き合いするつもりはありません。」
カルロさんをキッと見据えて言い切る。
カルロさんはしばらく何も言わずに私を見つめてくる。
さっきまでどこかひょうひょうと軽い笑いをたたえていたのに、
その表情から笑みが消える。

「芽衣子?」
「はい…。」
「君、前科があるんだってね?」
「…。」
「しかもそれは冤罪だった。」
「…っ!」
「なぜ知ってるんだって顔だね。僕は君のことなら何でも知ってる。」
事件のことは大きく取り沙汰されたけど、冤罪は未だ世間に公表されていない。
私の冤罪を知るのは、真島さんを始め警察の一部と、事件関係者、
亡くなった堂島さん、黒幕である三沢親子…。
「君を罪に陥れた人間に、君が復讐しようとしていたこともね。」
「どう…して…?」
「そのくらいの情報を手に入れるのは、僕にとってたやすい事だよ。」
この人は…何者なの?
「ごめん、そんな顔しないでおくれよ。
 何も君の過去を暴いてそれをネタにどうこうしようなんて思っちゃいない。」
「だったら、何が目的なんですか?」
「君、まだ最後の黒幕への復讐、果たしていないんだろう?」
「なぜ…そんなことまで…。」
「僕は君の役に立つかもしれないよ。」
「え?」
「僕は三沢準を知っている。」
151ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:17:59 ID:S6tRDLKw

「三沢家の別荘と、うちの別荘が隣合わせでね。
 日本に来た時には、準とよくつるんでた。」
「…。」
「ある時、準が得意そうにあの事件の一部始終を語ったことがあってね。
 あいつは自分が特別に選ばれた人間で、他人を思い通りに動かせるって
 自慢したかったみたいだけど、僕はさすがに引いた。
 今回君について調べていて、準が言っていた事件と重なったって訳さ。」
「そう…だったんですか。」
「ね。だから僕の所へ来れば、君の復讐も果たしてあげられるかと思うんだ。」
私は一度深呼吸をし、カルロさんにはっきりと言う。
「私、もう復讐はしません。」
「え?」
「私を愛してくれる人のために、愛する人のために、生きるって決めたから。」

どのくらいの時間、沈黙が続いただろう?
カルロさんが無表情で口を開いた。
「真島さんは、本当に君を愛しているのかな?」
「どういう意味ですか?」
「彼の愛が、偽りだとしたら?」
「私は真島さんを信じています。」
「これを見てもそう思うのかい?」

パサリと大き目の封筒がテーブルの上に置かれる。
「何ですか?」
「中、見てごらんよ。」
封筒の中の物を引っ張り出すと、それは数枚の写真だった。
そこに写ったものを目にした瞬間、愕然とする。

真島さんと、誰か知らない女性が…抱き合っている。
まだ若い、そう、私が冤罪で捕まった時ぐらいの年頃の女性。

「その娘もね、冤罪を着せられそうになって、今、逆に犯人から狙われてる。
 かつての君と同じようにね。」
カルロさんが一番上の写真を私の手からスッと抜き取る。
「真島さんは、君と住んでるのとは別のマンションに彼女をかくまってるみたいだよ。」
どこかのマンションらしい入り口へ、
真島さんが女性の肩を抱いて入ろうとしている写真が現れた。

「それが真島さんの優しさなのか、刑事の性なのか分からないけど、
 命がけで守ろうとしているのは、君だけじゃないようだ。
 君へ向けられているものだって、愛情とは言い切れないね。」
「…。」
「同情、責任?あるいは、罪ほろぼし…ってとこかな。」
「罪ほろぼし?」
「真島さんの後輩を殺した犯人に、真島の代わりに復讐したのは…君でしょう?
 溝口…猛って言ったかな?」
「そんなことまで…。」
この人は…、どこまで知っているの?
152ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:20:39 ID:5elMGx65

「ね、芽衣子。真島さんが君に責任を感じて今君と一緒にいるのなら、
 彼を解放してあげるのも愛情だよ?」
カルロさんは私を諭すように言う。
「たとえ冤罪でも、世間の多くは君が犯罪を犯したというニュースしか知らない。
 事実がどうであろうと、君に殺人者のレッテルは一生ついて回るんだ。
 日本はそういう国だろう?
 刑事として前途有望な真島さんにとって、君は足かせでしか無い。」

私は言葉を失う。

かつて抱いていた思い。
光の世界に住む真島さんを巻き込んではいけないと。
拒んでも、拒んでも、
真島さんは私の心の闇を振り払い、光が差す場所まで私を引き寄せてくれた。

いつか真島さんが言っていた。
三輪さんと堂島さんに私のことを託されたと。

責任…だったのか…。

ごめんなさい、真島さん。
私は今までそんなこと気付きもせずに、
自分が愛され、求められているなんて、
真島さんのために生きようなんて、自惚れて。

「君がちゃんと真島さんへの気持ちに決着をつけて僕の元へ来るなら、
 僕は三沢親子への復讐に協力しよう。」
「…。」
「ま、いろいろ思うところもあるだろう。
 僕が君の役に立てるなら、いつでも連絡してくれ。」
カルロさんはそう言い残して、サロンを出て行った。
153ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:23:02 ID:5elMGx65

真島さんから、少し遅くなると連絡が入り、
私は一人で部屋にいた。

クローゼットの奥深くに、まるで封印するようにしまってあった、
姉の形見であり、復讐の証でもあるネックレスと、
堂島さんに託された、すべての真実が書かれた原稿のメモリスティック。

真島さんが宇喜田を撃った後、
私は人としての気持ちが込み上げてくるのを無理やり押さえ込み、
次の復讐へ向かおうとした。
三沢親子への復讐に…向かうはずだった。
でも、銃を握ったまま呆然と動かない真島さんの姿が心に焼き付いて、
振り返らずにいられなかった。
振り返った私は、その場を去ることができなくなってしまった。

あの時振り返らなければ、今頃三沢親子への復讐を遂げ、
私自身も自らの命を絶っていただろう。
真島さんがずっと私にぶつけてくる気持ちが愛情だと信じている時は、
私の後を追って真島さんまで死の淵へ引き込んでしまう恐れから、
復讐を思いとどまり、真島さんの側で生きていく決心をした。

でも、もう私が復讐をやめる理由は無くなった。
真島さんは、やっぱり光溢れる元の道を歩いて行くべき。

私はわずかな着替えだけを鞄に詰め、カルロさんに電話をかけた。

「十分後に迎えに来て下さい。どうせ家も知ってるんでしょう?」
「ああ、分かったよ。」
「ただし、真島さんと別れても、あなたの恋人にはなれません。
 それが駄目だというなら、私はあなたに頼らない。」
「…。君には適わないね。いいよ、それで。」
「もし私に手を出したら、私は自らの命を絶ちます。」
「分かったから、そんなことを言わないでおくれ。
 僕は君の役に立てればそれでいいんだから。」

私は真島さんの部屋をそっと出て、鍵を郵便受けに落とした。
マンションの前に出ると…そこに真島さんがいた…。
154ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:24:12 ID:5elMGx65

「芽衣子?どうした。」
「真島さん…。」
「何か買い忘れか?だったら一緒に…。」
「もう…そんなに優しくしないで下さい。」
「何言ってるんだ?」
「同情も責任も、罪滅ぼしも…要りません。」
「何があった?」
「…。」
「あいつに何か吹き込まれたのか?!」
「何も吹き込まれていません!」
こらえきれずに涙が溢れてしまう。
真島さんの顔を見ていることができず、視線を胸に落とす。
そこには、私が送ったネクタイが締められている。

「私が、もう…真島さんを愛してないだけなんです。」
ネクタイが真島さんの胸元で、哀しく揺れた。
155ぎるちぃ:2011/02/26(土) 02:35:50 ID:5elMGx65
本日は以上になります
駄文、かなり長文w失礼致しました

ANKOさんのかわいい真島&芽衣子も、
hitoshiさんの寸止めも、
zeroさんのセクシー真島ハンドも、
あーもー!萌え萌えw
まとめの方の瞬速まとめ技にも、
私の筆を走らせてくれる読者の方のコメントにも
職人さん方の匠技にも、
ほんとにみなさんに支えられている気がします
ありがとうございます

イッタラ人が、えらく私の妄想を膨らませてくれて、
こんなに長くなってしまいましたw
まだ続きますw

明日は夜までちょいと出かけますが、チャットに参加させていただくため、
三沢から逃げる最終回の芽衣子並みにマッハで帰って参りますw
前回参加できなかったから、楽しみだー!
156名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 11:27:16.65 ID:MbZfzemy
おぉ職人さまがたくさん!
hitoshiさま
まさかの寸止め〜
でも芽衣子を思いやる誠実な気持ちが丁寧に描写されていて不思議と耐えられる寸止めだ
じんわりしちゃいました
続きの熱い展開待ってますよ〜

ぎるちぃさま
イッタラ人男でここまで話が広がるなんてあっぱれです
ひっかきまわしてくれちゃってますね〜
まさかまた復讐が絡んできくるとは…どうか思いとどまって

zeroさま
ご馳走ありつけて真島ちゃんSっ毛全開ですねw
爪の色に芽衣子の体例えて攻めるとこがエロすぎます
マニキュアというアイテムひとつで素敵な作品が作れるなんてすばらしい
また違ったアイテムでも見てみたいです
157名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 20:28:14.12 ID:q25m+yVf
今日はチャットの日ですよね?
158名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 21:13:07.50 ID:FJWpjL+z
あれ?今日チャットないですか?
159名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 21:43:13.36 ID:OOxo3CQ+
チャットの日ですよー
160名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 21:44:42.22 ID:kcKRlTsx
161名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 21:44:51.18 ID:OOxo3CQ+
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=girty&id=1&guid=on
すみません、入り口張っておくべきでした。
162名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 11:47:22.36 ID:6kY2t97l
チャット楽しかったです
色々出た萌え話が作品に結実されますように
163ANKO:2011/02/27(日) 13:27:43.89 ID:EdcrK3nV
チャット楽しかったですね。
zeroさん、開催して下さってありがとうございます
私が退出してからどんな濃厚な話になったか、気になります。

さて、早速ですが
「その後の二人 受難」
の続編を投下します
ギルティの世界観をぶち壊してますので、心の広い方のみお読み下さい
164ANKO:2011/02/27(日) 13:32:25.46 ID:EdcrK3nV
【その後の二人 復活】

………………警視庁 休憩室………

真島は一人缶コーヒーを飲みながら雑誌を読んでいる
そこへ万里が通りかかる
「珍しいわね、拓朗がこんな所で休憩してるなんて」
万里は自販機でレモンティーを買い、真島と同じテーブルに着く
「最近、大きな事件もないし平和でいいわ。
でもいつ忙しくなるかわからないから、
今のうちにゆっくりして体力養わないとね」
「ああ」
真島は聞いてるか聞いてないか顔も上げず
適当に相づちをうち、雑誌を読みふける
「何、読んでるの?」
万里は雑誌をのぞき込む
「犬のしつけ方?…
なんでこんなのを?」
「三輪さんからアンの子供を貰ったんだが…」
「犬の扱いにはベテランがいるじゃない」
「あいつの言う事は聞くんだが…自分の母親かなんかと思ってるようで…」
「拓朗の言うことは聞かないってわけね」
「…とにかく吠えるわ咬むわ…やりたい放題」
雑誌から目を離さず万里の質問に独り言のようにぶつぶつ言う
「拓朗が子犬一匹手に負えないなんて
事情聴取じゃ、ひと睨みで落とす刑事も形無しね
聞いたわよ、先日の傷害事件の容疑者、被害者ぶってたけど、
10分もかからずに主犯格だって白状させたんだってね」
「それがどうした…」
「やきもち焼いてるんじゃない?」
「俺が?なんでだ」
「何言ってんの。犬がよ。」
万里は笑いのまじった呆れた顔をする
真島はむっとして立ち上がる
「つ…」タロウに咬まれたところがズキリと痛み、尻をさする
「どうしたの?まさか咬まれたのそこ?」
万里は笑いを堪えながら、追い打ちをかけるように言う
「しっかりしてよ拓朗

そう言えば明日から夜勤でしょう。
拓朗の居場所ワンちゃんにとられちゃうかもよ。」
真島はハァ〜と深いため息をつき立ち去る。
165ANKO:2011/02/27(日) 13:42:16.39 ID:EdcrK3nV
…………………真島マンション………

玄関の扉をあける
「ただいま」
「おかえりなさい」
芽衣子はワンワン吠えるタロウを抱きながら笑顔で迎える
「お仕事お疲れ様です。ご飯すぐ食べます?」
「ああ…。その前に…」
真島は芽衣子の肩に手をかけ引き寄せてキスをする。
(俺は幸せだ。家に帰れば可愛い芽衣子がいて、晩ご飯のうまそうな匂いがたちこめる…
疲れもふっとぶな。
そう、芽衣子に抱かれているこいつさえ…
こいつさえこんな事をしなけりゃ…

「いてぇ〜!」

タロウが真島の腕をガシガシ咬んでいる
「タロウ駄目よ!
ごめんなさい。甘噛みの癖がなかなか直らなくて。こらタロウ!」
口を塞がれ叱られたタロウはパタパタとシッポを振る
(叱り方が甘いぞ、喜んでるじゃないか)

部屋へ入る途中、脱衣所から洗濯機の音がする
「洗濯してるのか?」
「ええ、タロウが粗相しちゃって。
マーキングだと思うんだけど、なぜか真島さんのものばかりに
オシッコかけちゃうの。白シャツとかいつも座るソファーとか…」
(なにい〜?)
真島に睨まれたタロウは目をそらす。

夕飯を食べながら真島は芽衣子に相談する
「まだ来たばかりだし、子犬だから仕方ないけど、今のうちにちゃんと躾ないといけないな」
「そうね。方法はあるんだけど、後で試してみますか?
この家の主人は誰か、自分より強いんだって解らせるんです。
そしたら主人の言う事は聞くようになりますよ
やり方はちょっと手荒だけど。」
「さすが芽衣子。犬の事はよく知り尽くしてるな」感心する真島。
夕飯が終わるとさっそく芽衣子の指導をうける
「タロウの口を手で掴んで塞いで、
後ろから覆いかぶさるように身体を抑さえつけるの」
「こうか」
「ええ、ぎゅーっとね。」
タロウは身体をフルフル震わせて、やがてキャンと鳴く
「もういいわ。たぶんこれで真島さんに降参したと思います。
(なんだ、こんな簡単な事かハハハ)

しかしジワ〜と自分の足元に生温かい感触がした
「こいつやりやがったな!」
「あららら、怖くてオシッコしちゃったのね。
真島さん、着替え…お風呂に入って下さい」
「ああ、…お前も一緒に」
「私は後片づけしてから入りますからお先にどうぞ」
また一人か…とがっくりしながらバスルームに向かった
166ANKO:2011/02/27(日) 13:55:03.44 ID:EdcrK3nV
しばらくして、真島はタオルで頭をふきながら風呂から上がって来た
上半身は裸で下はスウェットを履いている。
何度も見てるのに、その逞しい身体に芽衣子は一瞬見とれてしまった
「お前もすぐ入れ」
「あ、はい」
恥ずかしそうにバスルームに行く
その後ろを追いかけるタロウ
「タロウ!」
真島が呼ぶとピタっと止まる。
「こっち来い」
頭をうなだれながらすごすごと真島の所に来た
(おお〜さっきの躾は効果抜群じゃないか)
「男同士、話し合わないとな」
少しオドオドしながら真島を見る
頭を撫でると、ほっとしたような表情になり、
寝ころんでお腹を見せて甘える。服従のポーズだ
「よしよし良い子だ」
真島はタロウの前足の脇を持って抱きあげて鼻をつき合わせる
「いいか今晩は静かにしてろよ」
タロウはキョトンと首を傾げる
「解るわけないか。とにかく、今日からケージで寝るんだぞ」
タロウをケージに入れ毛布をかけてやる。

そこへ、芽衣子が風呂から上がってきた。
クンクンと鳴くタロウ。
芽衣子がケージを覗こうとすると
「甘えて出たがるから覗くな」
と真島は芽衣子の手をひっぱりベッドの方へ誘う
「俺は明日から三日間宿直だ。だから今夜はな…」
耳元で囁くと芽衣子は頬を赤く染める。
真島は慌ただしく芽衣子をベッドに押し倒し、上に覆いかぶさる
芽衣子の髪を撫でながら目を見つめる
「なんだか久しぶりだな」
「真島さんたら、一週間もたってないのに…」
「俺にとっては一日でも一ヶ月に感じる」
唇を重ね合わせると早急に舌をねじ込んできた
芽衣子の口内をかき混ぜるように舌を絡ませる

そしと耳から首すじへと吸い上げるように這わせる
「パジャマなんて着てこなくていいのに」
脱がせるのももどかしく、たくし上げて右胸を揉みしだき、左胸を口で愛撫する
「あ…ん」
いつもと違う荒々しい真島に芽衣子は戸惑いながら
身体が熱くなるのを感じた
167ANKO:2011/02/27(日) 14:01:09.16 ID:EdcrK3nV
ただならぬ空気を察してタロウがキャンキャンと鳴く
「タロウが…」
「放っておけ」
真島は鳴き声なんてお構いなしに愛撫を続け
ツンと立った胸の頂を甘噛みする
「きゃっ」
思わず悲鳴にも似た声がでる
「すまん、痛かったか?」
芽衣子の顔を覗き込む
「ううん、びっくりしただけ。今日の真島さん、なんだか素敵。
でも痕はつけないで…」「これが俺のマーキングだ」
真島は嬉しそうに笑みを浮かべると
身体じゅうを吸いつくすようにキスをふらせる。「あ…ダメ…」
快感に身体をよがらせる芽衣子
真島自身はすでにいきり立ち、己自身で芽衣子の身体に直接触れたくて仕方ない。
きつくなったスウェットを脱ぎかけた、その時

「いてぇー!!!」

タロウが唸りながらがぶりと尻に噛みつき、
芽衣子から真島を引き離そうとスウェットをぐいぐい引っ張った
「こらヤメろ!」
真島が怒鳴るとタロウは伏せをしてシュンとうな垂れる
「どうやってケージから出てきちゃったの?」
芽衣子の一大事だと必死にケージを駆け上がってきたのだろう
芽衣子が抱き寄せると、ク〜ンク〜ンと鳴きペロペロと舐める
「真島さん大丈夫?」
「こいつ、また尻を…。痛…」
「また?って前も噛まれたの?」
「……」
「座る時、辛そうにしてたから…私、てっきり……かと。
だから晩ご飯、消化の良い物を」
「勘弁してくれ」
「ごめんなさい。
でも今日も無理みたいね。
真島さんがいない間、噛み癖直しておきますから。
許してあげて。もう、いけない子ね。」
タロウは頭を芽衣子の胸にすり寄せ、キュンキュンと甘える
芽衣子はそんなタロウを抱きながら眠りについてしまった。

真島はシュルシュルと音を立てるかのように、
己自身と心が萎えるのを感じ、
ベッドの端でうつ伏せになって寂しく目を瞑るのであった。


―――三日後、聖母芽衣子の元に真島復活なるか――

●汝の敵を愛せよ
●右の尻を噛まれたら左 を向けよ
((性書 股イ伝より引用)



おしまい
168ANKO:2011/02/27(日) 14:02:22.46 ID:EdcrK3nV
以上です
カッコ悪い真島ちゃんにしてすみません orz
169名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 15:37:08.73 ID:f+HIBCJ5
チャットお疲れ様でした
楽しかったですねー

ANKOさん続きありがとうございます
このシリーズ好きだ〜
一瞬タロウにした躾を芽衣子にも
するのかと思ってしまいドキドキしたーw
真島さんの受難はまだまだ続きそうですね〜

170名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 15:56:04.58 ID:l/opgHwk
チャット、楽しかったですー。

ぎるちぃさん
物語りが黒い方向へ行きそうでどきどきです。
真島と一緒に写っていた女の正体は!
続きが楽しみです。

ANKOさん
タロウは躾けられてしまうのでしょうか。
躾けられたフリをしそうなほどお利口さんな感じが漂っています。
右の尻を噛まれたら左 を向けよ (性書 股イ伝より引用)
で、ふきました。w

171名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 20:35:06.38 ID:sfZ2p9B+
zeroさん 昨日は楽しかったです〜 ありがとうございました
是非また開催まってます〜
ところでラストまで参加した方、結局何時までしてたんですか?
172名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 21:46:48.41 ID:f+HIBCJ5
>>171
5時で解散しましたー
昨日から触覚が頭から離れませんw
楽しいひとときをありがとうございました〜
173名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 22:13:42.61 ID:E90iLHb5
5時まで残ったもう一人ですw

zero様はじめ参加された方々、楽しい時間をありがとうございました
また開催していただけたら参加させてください
174hitoshi:2011/02/27(日) 23:02:38.29 ID:RMbPV4uG
いやあ、チャット楽しかったですねぇ
3時で脱落した若輩者ですw
そしてANKOさん、早速上半身裸に下はスウェットですねっ
仕事早い〜

というわけで自分も続きを投下させていただきます
・・・・門倉の時代・・・?
1756-1:2011/02/27(日) 23:04:11.67 ID:RMbPV4uG
 -6- 

その日は久しぶりに事件がひとつ片付いた。
真島は芽衣子に会いたくて仕方なかったが、捜査本部が設置されれば真島の立場ではそう簡単には帰れない。
ほとんどの現場の刑事が泊まり込んでいる。
真島はキャリアで警視の肩書きがあるが、現場の刑事たちとともに犯人を検挙することに尽力したかった。

かつてそうだったように。

刑事としての自分に向き合うとき、芽衣子の復讐がうやむやにされたことに心が曇る。
芽衣子の本意ではないところで、それは決められてしまったのだ。
今の真島はその圧力に抗うことは許されず、だからと言って屈するのは屈辱的だった。
結果的に芽衣子を苦しめることになっている事実を真島は苦々しく思った。
冤罪で服役した分を差し引いても、おそらく実刑は免れなかっただろう。
真実が明らかになれば。
しかしそれは闇に葬られ、芽衣子だけが、いや芽衣子と真島だけがその罪を負っている。

「真島、お疲れさん。」

真島に話しかけてきたのは門倉だった。

「珍しいな、どうした?」

門倉と真島は決して関係が良い方ではない。
門倉は出世に余念がなく、真島にライバル意識を燃やしていた。

「お前、今度の昇進試験どうするんだ?」

真島の様子をうかがいながら門倉が尋ねる。
真島は返事を躊躇っているようだった。

「野上芽衣子と一緒に暮らしてるんだよな?なら出世には興味がないか。」

そう言われて真島は門倉を見た。射抜くような強い視線に門倉はたじろぐ。

「試験は受ける。俺はこの腐った組織を変えられるものなら変えたいんだ。」

そもそも毒入チョコレートケーキ事件で冤罪が作り上げられなければ、
芽衣子は罪を犯さずに済んだ。
そう思うと尊敬していた上司の三輪にさえ怒りを覚えるほどだ。

踵をかえして上着を放り投げるように肩にかけた真島は、さっきよりも強い目で門倉を振り返る。
1766-2:2011/02/27(日) 23:04:52.40 ID:RMbPV4uG

「野上芽衣子って呼び捨てはやめてくれ。彼女はもう容疑者じゃない。」

芽衣子を容疑者扱いされるのがただ嫌だったというわけではない。
真島は他の男の口から芽衣子の名前を呼び捨てられるのが嫌だった。
自分以外の誰も、芽衣子を芽衣子と呼ぶことは許さない。
門倉はその意図を察知したようだった。もともと彼は勘のいい男だ。

「なあ真島。」
「なんだ。」

門倉の少し嘲笑するような笑い方が真島を不快にさせた。

「変われば変わるもんだな、人間ってのは。」
「だからなんだ」
「・・・お前のそれは嫉妬って言うんだよ。気づいてないのか?」

嫉妬?俺が?

真島は自分の心を探る。
深く探るまでもない、不愉快の原因は門倉の嘲笑だけではないことは明白だった。

「お前の勘違いだ。俺は彼女がいつまでも容疑者扱いされるのが気にいらないだけだ。」

真島はそううそぶいて、再び踵を返す。

「待てよ。俺はお前が変わったことで野上芽衣・・野上さんに感謝してるんだ。」
「感謝?お前に何か関係があるのか?」
「前の真島じゃ張り合いもなかったからな。やっと本気でお前と勝負できるようになったのは彼女のおかげだろ?」
「・・・お前と勝負する気はないよ、俺は。」

真島が門倉にそう言うと、門倉は珍しく嫌味なく笑った。

「ま、いいさ。そのうち一度お前の家に顔を出すよ。野上さんのことは俺も気になってるしな。」
「なんでお前がうちに来るんだ・・・」

真島は訳が分からなくなって額に手を当てる。

もういい、俺は帰る。やっと芽衣子に会えるんだから。

1776-3:2011/02/27(日) 23:06:26.73 ID:RMbPV4uG


部屋の扉を開けると既に芽衣子は帰ってきていた。
キッチンから物音がして、なにやらいい匂いが部屋に漂っている。

「真島さん、おかえりなさい。」

ぱたぱたと足音がして、芽衣子がキッチンから小走りで真島の傍へやってくる。
今日は帰れそうだと真島から電話を受けた後、芽衣子は大急ぎで仕事を片づけて家に帰ってきたのだ。
芽衣子はモンアンジュに復帰していた。
初めは琴美のことを許せないだろうと思っていたが、考えてみれば琴美が言ったことを
勝手に解釈して殺人まで犯したのは三沢準だったし、
もし琴美が15年前に真実を告げていたとしても、事実はもみ消されただろう。
芽衣子が出所してから、琴美は本当に良くしてくれた。
それが罪悪感からしたことであったとしても、あの時の琴美の気持ちは本物だったと芽衣子は思う。
だからモンアンジュに戻る道を選んだ。
琴美も芽衣子を見るのが辛かったのだろうか、他のペットサロンを紹介してくれるとは言ったが
芽衣子は他に移る気はなかったし、琴美も芽衣子の気持ちを尊重した。

「帰ってたのか。」
「はい。いまシチューを煮込んでて・・・・」

真島はそう言った芽衣子の背に手を添えてそっと押した。

「ちょっと座って。」

芽衣子は不思議そうにしながらも真島の促しに従ってソファに座る。

「今も警察は嫌いか?」

真島が尋ねるのに芽衣子は少し戸惑った。
そもそも真島が刑事でなければ出会うことはなかったかもしれないと思う。
なによりも刑事の彼に嫌いと言えるだろうか。

「好きだとは言えませんが、嫌いとも断言できません」

優柔不断な返事になってしまったが、それが芽衣子の正直な気持ちだった。

「どうしてそんなことを?」
「門倉がお前の様子が気になるからうちに来たいと言ってた。」

芽衣子が困惑しているのが真島にも伝わった。
真島自身も門倉のわけのわからない提案にまだ戸惑っているのだ。

「正直に言ってもいいですか?」
「ん?ああ。」
「真島さんがいいなら来てもらっても構わないんです。あの。榎本さんも・・」
「え・・・」

真島は突然芽衣子が万里の名前を出したのに驚いた。
思い返すと芽衣子と暮らすようになってから、万理が家に来ることはなかった。
真島は職場で万里とは会うから気がつかなかったが、芽衣子は気にしていたのかもしれない。
1786-4:2011/02/27(日) 23:07:44.80 ID:RMbPV4uG

「私がここにいると、みなさん来づらいのなら・・・」

慌てて真島は芽衣子の言葉を遮った。

「いや、そうじゃないんだ。門倉なんて一度もうちに来たことないし、
 万里も今更・・・」

言ってからしまったと思った。
真島が万里の名前を呼んだ瞬間に芽衣子の肩がこわばったのが分かったからだ。
しかし、芽衣子が万里に嫉妬しているんだと思うと嬉しくもあった。

「いや、だから・・・」

しどろもどろになりながら真島は必死で芽衣子を納得させる口実を考えた。

「か・門倉が万里に気があるみたいで、相談に・・・」

我ながら強引な展開だと思ったが、意外なことに芽衣子には効果があったようだ。

「え?そうなんですか?わあ、なんだか素敵ですね〜」

芽衣子の表情が一転して、楽しそうに笑った。
真島としては少し良心が痛んだが、あながち嘘でもない。
門倉は以前から万里を気にしていたし、今だから分かるがおそらく惚れてるんだろうと思っていたところだ。

「私、その日席はずしますから、来てもらってくださいねっ」

真島ははしゃいでいる芽衣子を見て彼女も普通の女なんだと思うと、ほっとする。
泣いたり笑ったりはしゃいだり、そんな感情を表現する芽衣子に少しずつ出会っていける喜びが、真島の中に染みわたる。

「そっかあ。万里さん綺麗ですもんねぇ。」

言いながら芽衣子はキッチンに鍋の様子をうかがいに行く。
真島は慎重に頭の中で言葉を選んだが、何も言わない方が良さそうだと判断した。

「それに門倉さん、背が高くて知的な感じがしますよね。」

今度は真島の顔色が変わる番だった。

「今のは聞き捨てならないな」
「え?」

リビングで呟いた真島の声はキッチンの芽衣子には届かなかったらしい。
真島は立ちあがって芽衣子の背後に立つと後ろから火を止めた。

「真島さん?」

芽衣子が振り返るより先に真島は芽衣子を抱きしめる。

「俺がどんなに芽衣子に夢中か、今から教えてやるよ。」
179hitoshi:2011/02/27(日) 23:11:08.57 ID:RMbPV4uG
以上です
長々とすみませんが、まだ続いてしまうのでお付き合いください〜
あんまり門倉の時代じゃないかもw>zeroさん
門倉で何か書いてみたいけど、やっぱりキャラが安定してないので書きにくいです
ではまた明日投下しにきますっ
180名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 23:13:32.18 ID:sfZ2p9B+
>>172-173
5時っ!! すごいっwwww お疲れ様〜
でも、たまに昨日のようなチャットがあると、モチベあがるし
妄想膨らみますよね〜 素晴らしい夜だったです〜
181名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 23:20:00.78 ID:M6qhK+v9
zeroです。沢山のご参加ありがとうございました。
そして門倉の掘り下げチョー嬉しいです!
次回は昼に仮眠をとってもう少し長い時間まで頑張りたいと思います。
調教…ケフン!ネタも頑張って書きますので他の職人さまがたも宿題投下頑張って下さい!
182名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 01:21:52.87 ID:LpOHn7SC
>>181
zeroさん 昨日は楽しかったです
調○ と ボクサー○ンツ と 寝巻 の 三本立てですね フンガッフッフン♪
183名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 12:01:05.93 ID:LUHZe1KS
ANKOさん
さっそく上半身裸にスウェット真島ちゃんご馳走様
今回もお尻噛まれちゃいましたね
いつになったら安心して芽衣子とイチャイチャできるのかw

hitoshiさま
門倉十分上手く絡めてあると思いましたよ
他の男に芽衣子と呼ばせたくない真島の嫉妬深さも良かった
しかし寸止め続きますね〜続き楽しみすぎます
184名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 18:43:39.50 ID:X+NUeu7b
hitoshiさん、今回も良いところで止めましたねw。
刑事である真島が芽衣子と暮らす事や、万里がマンションに来ないなど、デリケートな部分に触れてて、気になってた事を回収してもらったような納得しながら読めました。
根は良い奴だった門倉の今後の絡みも期待します
というかその前に真島ちゃんにやらせてやって〜w
同じ寸止めでもこっちは尻噛まれたままだからさっ。byANKO

>z eroさん、おおおっすでに興奮w。期待してます〜。
185ぎるちぃ:2011/02/28(月) 23:41:34.52 ID:L40mjg8S
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>154の続きを投下します
186ぎるちぃ:2011/02/28(月) 23:43:46.71 ID:L40mjg8S

『私が、もう…真島さんを愛してないだけなんです。』

長い沈黙が流れる。

「俺は信じない。」
低く響くその声は、あまりにも冷静だった。
「本気でそう思ってるなら、俺を見ろ。
 俺の目を見てもう一度言ってみろ。」
頬を覆うように顎を掴まれ、顔が上向くけれど、
私の心を見透かすように見つめてくる真島さんを直視できず、視線をそらす。

あんな言葉、…二度と言えない。
心を掴まれたまま引きちぎられるようだった。
溢れる涙は止まることを知らない。

「とにかく部屋に戻るんだ。」
腕を強く掴まれる。
「離して下さい…、お願い、離して。」
「駄目だ!戻れ。」
その場に足を踏ん張って抵抗するも、マンションの入り口へ引きずられそうになる。
その時、少し離れた所に黒い外車が停まった。
開けられた後部座席からカルロさんらしい人が降りてくる。
カルロさんは真島さんの腕と私の腕を掴んで引き離す。
「嫌がる女性をそうやって無理やり従わせようとするのは犯罪でしたよね、
 刑事さん?」
「芽衣子に何を言った!?」
掴みかかろうとする真島さんに、カルロさんは何かを取り出して突きつけた。
「芽衣子がかわいそうだ。
 芽衣子を苦しめているのは他でもない、あなたなんです。」
真島さんはカルロさんを一睨みし、突きつけられた封筒を手に取って
中の物を引き出した。
「っ!」
真島さんが言葉を失う。
あの封筒の中身は、おそらく今日私がカルロさんに見せられたものと同じ。
その隙にカルロさんが私と真島さんの間に立ち、囁いた。
「芽衣子、車に乗ってて。」
私は踵を返し、車に向かって走った。
「芽衣子!待て!話を聞け!」
二人が揉み合っている気配を背中で感じる。
私が車に乗り込むと、入れ違いに黒服の男性が降りて行った。
「芽衣子!戻れ!戻るんだ!」
車の扉を閉めても聞こえてくる真島さんの声に、私は耳を塞いだ。

しばらくすると、カルロさんと黒服の男性がこちらへ走ってきた。
乗り込むと同時に発進した車を真島さんが追ってくるのが見える。
私は目を閉じて、心の中で別れを告げた。
187ぎるちぃ:2011/02/28(月) 23:45:21.63 ID:L40mjg8S

「この部屋使って。身の回りの世話はそこの内線で使用人を呼べるから。
 何か不自由あったら何でも言っておくれ。」
連れて来られた邸宅の一室。
ベッド、ソファ、テーブルなど、豪華な調度品が配置された広い部屋。

荷物を置くとすぐに、後ろから使用人らしい人がワゴンを運び込んでくる。
「あとは僕がやるから下がっていい。」
カルロさんがそう声をかけると、使用人は丁寧に一礼して部屋を出て行った。
「君と僕が手を組むことになったお祝いにお茶でも付き合ってよ。
 本当はワインをと思ったけど、もう夜も遅いしね。
 明日からゆっくり例の計画を練ろう」
カルロさんは慣れた手つきで高級そうなポットから紅茶をカップに注ぐ。

ワインじゃなくて良かった。
今までにお酒を飲んだのは二回だけ。
ペットデザイナーのパーティーの時と、
真島さんが引越し祝いをしてくれた時。
二回目は、飲み始めてすぐから記憶が無い。
あとから真島さんに私が迫ったと聞かされた。

つい真島さんを思い出してしまい、目の奥が熱くなるのを堪える。

紅茶を飲みながら他愛も無い話をする。
「そう言えば、ペットサロンの仕事はどうするの?」
「明日、電話でしばらく休むって伝えます。迷惑をかけてしまうけど、
 それももう…。」
なんだか…頭が重い。
「あ…れ…?」
自分の額に手を当てて、今にも閉じそうになる瞼と思考を
懸命にこじ開けようとするけれど、頭の奥に抗えない重みを感じる。

やがて目の前にいたカルロさんの姿が見えなくなり、私は意識を飛ばした。
188ぎるちぃ:2011/02/28(月) 23:46:54.77 ID:L40mjg8S

(カルロ視点)

芽衣子の瞼が、閉じかけては開きを繰り返している。

今、僕の目の前に恋焦がれた女性がいる。
最初は一目惚れだった。
雑誌に載っていた写真、
日本の衣装に身を包んで微笑む芽衣子は、とても愛らしくて綺麗で。
僕はまだ見ぬ女性に恋をし、日本まで会いに来た。
僕にとって女というものは、放っておいても向こうから寄ってくるものだった。
自分から望んだ場合も、金と地位とこの容姿を武器に口説けば簡単に手に入った。
芽衣子もすぐに落とせると思っていた。

しかし芽衣子は、僕が今まで出会ったどんな女とも違っていた。
毎日通って甘い言葉を囁いても、高価な宝石を贈っても、なびきもしない。
逆に僕はどんどん彼女に惹かれていった。

僕は家の力を駆使して徹底的に芽衣子について調べた。
それはあまりにも衝撃的で、同時に僕の気持ちを更に煽ることになった。

殺人罪で十三年もの間服役していたこと。
それが無実の罪であったこと。
出所してからは、事件に直接関わった人物を次々と死に追いやり、
復讐に手を染めていたこと。
そして、真島のために溝口という男を死に至らしめたこと。
愛する者の手を汚させないために。
愛する者を闇から救うために。
自らの手で…。

「そこまでできる君の愛は本物だ。
 ゾクゾクするよ、芽衣子…。
 君のこと、必ず手に入れてみせるから。」

僕は立ち上がり、意識の無い芽衣子を抱き上げてベッドへ運んだ。

薬が効いてすっかり眠りに落ちてしまった芽衣子の傍らに腰掛け、髪を撫でる。
やっと、僕のものになる。僕の芽衣子…。
僕は自分の体を横たえ、芽衣子の服のボタンを外していく。

「…真島…さ…ん。」
芽衣子は眠りの中で彼の名を呼ぶ。
「ま…しま…さん…。」
切なそうに、哀しそうに…。
閉じた瞳の端から、一筋二筋と涙が零れていく。

ゆっくりボタンを外していた手を止め、乱暴に引き剥ぐように全ての服を脱がせた。
「僕が忘れさせてあげるからね…。」
僕は芽衣子の上に覆いかぶさり、唇を近づけた。
189ぎるちぃ:2011/02/28(月) 23:51:55.38 ID:L40mjg8S
本日は以上になります
駄文失礼致しました

イッタラ人、何してくれてんねん状態ですw
真島さん早く早く!
続きまーす

先日はギルティチャットとっても楽しかったです!
主催してくださったzeroさん、一緒にお話してくださった皆さん、
ありがとうございました
エロおもろいネタも出てきて、楽しみですね♪
190名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 23:57:07.63 ID:udYa0TnP
うおっリアルタイム投下に遭遇〜得した

ぎるちぃさん、イッタラ人暴走中ですな
まっしー早く来ないと芽衣子がやられちゃうぞっw
目が離せませんー
191名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:20:12.15 ID:DPod6KHs
>>189
ありがとう
カルロ恐ろしや
真島ちゃん早く取り戻せー!
192名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:22:30.31 ID:FMyQ+/ou
hitoshiさま
やきもちやく芽衣子が見てみたかったので嬉しいー
そして可愛いw
最後の真島さんの台詞にドキドキします
寸止め勘弁してください〜
門倉もイイですよ〜!
続きが楽しみです

ぎるちぃさま
すごくどきどきする展開に!
芽衣子逃げて〜っ!
そしてイッタラさん、大丈夫でしょうか(笑)
8話のようなダークな真島さんにボコられないか心配w
続き楽しみです〜
193名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 00:32:46.81 ID:O4kUvlLP
>>192
イッタラを心配している人がいてワロタw
このスレたまらん、麻薬っすねww
194名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 01:14:56.49 ID:5AOAt/fZ
ぎるちぃさん
あわわわわ
芽衣子イッタラ人の元へイッタラあかんて〜(笑)
ちょいはだける程度じゃなく全脱がしですか…
こりゃ真島ちゃんの嫉妬と怒り度数が最高レベルになるんじゃ…
心配。。だけどゾクゾクする〜うひょ〜
続き待ってます
195名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 07:58:13.60 ID:5siMixj0
1日でもほとんど書き込みがないと焦るんだが
196名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 09:10:51.19 ID:EGJ9JqsS
>>195
大丈夫、まだまだ沼から抜けられない人間がここにいるよ
DVDが発売されたらあらたな参加者が激増する予感
197名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 10:05:42.19 ID:CFoqhgrq
それに職人様達も仕事や学校で忙しいだろうから、気長に待つのが良いと思います
198名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 18:14:53.53 ID:VgaDxpBU
もう自分で書いちゃえ
基本は期間限定商品だから書くなら今だぞ
今ならスレが全部受け止める!w
199名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 18:20:48.56 ID:BzJ/ah7q
先日のチャットを電波が不安定な電車の中でロムっていたのですが
9時台に真島や芽衣子に似合う歌みたいな話題出ていませんでしたか?
うまく受信出来ないうちに流れてしまって気になっています
覚えている方、教えて頂けたら嬉しいのですが
スレでは不可能な話題でしたらすいません
200ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:32:05.17 ID:V3DYtFGD
まとめの方、読者の方、職人の方、ダジャレの方w(>>194)
いつもありがとうございます、ぎるちぃです

それでは、>>188の続きを投下します
201ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:34:45.68 ID:V3DYtFGD

(芽衣子視点)

「う…ん…。」
目を開けようとした瞬間、頭にズキッと痛みが走る。
「いっ…!」
体をよじっても思うように動けず、全身がだるく重い。

「お目覚めかい?」
無理やり瞼を押し上げ、声のした方にゆっくりと顔を向けると、
ソファに座ったカルロさんが笑みを浮かべていた。

あれ…私…。
窓からほの白く差し込む淡い光。
今は…夜明け…?。
そう…だ、昨夜…、真島さんと別れてここへ来たんだっけ…。
胸を押しつぶされそうな思いに再び襲われる。
涙が込み上げて来るのを押さえ込み、その後の記憶を思い起こす。

ここへ着いて、カルロさんとお茶を飲んでいて、それから…?
どう記憶を辿っても、覚えているのはそこまでだった。
「素敵な夜だったね、芽衣子。」
「え…?」
「嬉しいよ。君が僕のものになってくれて。」
「どういう…こと、ですか…。」
嫌な予感がよぎっていく。
その予感を否定したいのとは裏腹に、床に散らばった自分の衣服が目に入る。
私ははっとして、布団に覆われた自分の格好を確かめる。
身に纏っているのは、自分で着た覚えもない、かなり大きなシャツ一枚だけ。

カルロさんがソファから立ち上がり、こちらへ歩いてくる。
「こ、来ないで!」
逃げようとするも、体が鉛のように重い。
「昨日のお茶にちょっとした薬を入れておいたんだ。
 まだ思うように動けないと思うよ。」
「ど…してそんなこと…。」
「そうでもしないと、君は僕を受け入れてくれないじゃないか。
 でも、僕と君はやっと結ばれたんだ。」
……。
そ…んな…そんな…。
「ひどい…。」

距離を縮めてくるカルロさんから逃げようと、
私は痛む頭を必死に持ち上げて、ベッドの上で後ずさる。
カルロさんは足を止め、やれやれといった様子で両手を広げる。
「困ったな、そんなに怯えないで芽衣子。」
202ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:36:51.43 ID:V3DYtFGD

少し間をおいて、カルロさんが再び口を開いた。
「そのまま聞いてくれるかい?」
私はカルロさんを見据えたまま、その声を聞く。

「今、三沢親子の周りには刑事が張り付いている。復讐は諦めた方がいい。」
三沢という名前に、心の奥底に封印していたものがぴくりと反応する。

「三沢代議士は随分前から暴力団と癒着し、海外で大麻を栽培して横流ししている。
 最近、準がその密輸でヘマをやらかしたみたいだ。」
まだ掻き乱された思考を整理できないまま、
カルロさんの話をどうにか頭の中で追いかける。
「準はある女性に大麻の密輸を手伝わせていたようで、
 警察に尻尾を捕まれそうになった今、口封じのためにその女性の命を狙ってる。」
「また…自分の罪を隠すために人の命を…?」
体が震え出す。
「ここに写ってるのがその女性だよ。」
カルロさんが手に取ってこちらに向けたのは、昨日見せられた写真だった。

「君も分かっているだろうけど、
 三沢代議士は警察上層部の人間とつながっている可能性が高い。」
可能性どころか、それは確実だ。
息子の罪をもみ消し、まことしやかな証拠をでっち上げ、
私を犯人に仕立て上げた十五年前の事件。
警察内部に、しかも権力を持った上層部に協力者がいなければ到底できないことだ。
死んだ宇喜田も出世をエサに手駒にされていたに過ぎない。

「君の冤罪のように事実が隠蔽され、罪も無い人間が殺されたり濡れ衣を着せられたり、
 そんな事態にならないよう、警視庁のごく一部の刑事が上層部には秘密裏に
 捜査を進めてるらしいよ。」
「ごく一部の刑事?」
「その中に、真島さんもいる。」
真島さん…が…。
「三沢準を必死で捜査しながら、この女性を保護してる。
 真島さんはきっと君のために準を追い詰めようとしているんだろう。」
私はその写真を見つめたまま動けない。
「とにかく、三沢が捕まるのももう時間の問題。
 今から三沢に近づいて復讐を遂げるのは無理だ。」

もしかしてこの人は…、昨日の時点でそれを知っていたの?
203ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:39:22.73 ID:V3DYtFGD

「ついでに言えば、この写真は女性がふらついた所を抱きとめただけ、
 こっちに写ってるマンションは、真島さんの同僚の榎本刑事の自宅だ。
 ここで女性をかくまうために連れて行ったところを撮ったらしい。」
カルロさんが二枚の写真を掲げながら、そう説明する。
「この二人は刑事と被害者。ただそれだけの関係だ。君とは違う。
 真島さんは確実に君を一人の女性として愛してる。」

「あなたは…、何もかも知ってたの?
 三沢への復讐が、今は不可能なことも、真島さんのことも…。」

なのに復讐を手伝うなんて…、真島さんの気持ちが、責任とか…罪滅ぼしなんて…。

「知っていながら私に嘘をついたの!?」
「それは君に真島さんを諦めてもらう為だよ。」
無表情で冷たく言い放ち、またすぐに笑みを浮かべる。
「君は純粋で優しすぎるゆえに、自分より他人の気持ちを優先する。
 おまけに自分という存在の価値になぜか自信を持てないでいる。
 こと真島さんが絡むと、冷静さを欠くようだ。」
「…。」
「どんなに口説いても真島さんから離れようとしなかった君が、
 ちょっと材料を揃えてつついてやれば、面白いように僕の元へ転がり込んできた。」

私はカルロさんの策にはまり、真島さんの愛情を疑った…。
浅はかな自分に、ただただ腹が立って涙が滲む。
「まあ、君の一途で深い愛は揺るがせなくて、薬の力を借りてしまったけどね。」

私はもう、真島さんの所へは戻れない…。 
204ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:41:05.96 ID:V3DYtFGD

その時、部屋の電話が鳴る。
カルロさんは受話器を取った。
「はい。…ああ、構わないよ。通してあげて。」
誰かとやり取りしながら私に目を向け、にっこりと笑う。
その笑いは、私の背筋にぞくりと悪寒を走らせる。

「さて、と。」
受話器を置いたカルロさんが私に歩み寄ってきた。
「来ないで下さい!」
「熱い夜を共に過ごした相手に言う台詞じゃないね。」
今度は歩みを止めることなく近づいてきて、私に手を伸ばす。
「嫌っ!」
私は未だままならない体をベッドの上で引きずって逃げる。
「…っ!」
後ろにつこうとした手が空を切り、体が床に投げ出される。
「め、芽衣子っ、大丈夫かい?」
「い…や…、来ないで…。」
なおも近寄ろうとするカルロさんから必死に逃げる。

ガチャガチャ!ガチャ!

部屋の入り口から音がした。
カルロさんも私も、そちらに視線を移す。

ダンッ!
ダンッ!
バァーン!

勢い良くドアが開くと同時に飛び込んできたのは、
真島さんだった。
205ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:45:20.84 ID:V3DYtFGD

(真島視点)

ドアに体当たりして部屋の中へ飛び込む。

床に座り込んだ芽衣子と、その側に立つカルロ。
「芽衣子!」
「真島…さん。」
芽衣子は涙を溜めた瞳で俺を見て、顔を逸らす。
胸元が覗きそうな大きなシャツを纏い、
その裾は捲れ上がって太ももがあらわになっている。
そして周りに散らばった彼女の衣服…。
瞬く間にカァーっと血が上る。
「貴様!芽衣子に何をした!?」
ヤツの胸ぐらを掴んで力任せに揺さぶる。
「何って、いやだな。人に言うようなことじゃありませんよ。」
「ふざけるな!」
俺は拳を握り締め、ヤツの横面を殴りつけた。
床に倒れたところを馬乗りになり、なおも拳を振り下ろす。
途端に黒服の男がやってきて、後ろから羽交い絞めにされ、引き離される。
「離せ!離せぇ!!」
カルロは床についた腰を上げながら、血の滲んだ唇の端を拭い、ニヤリと笑う。
「いいよ、離してあげて。」
俺の腕を後ろでガッチリと固めていた男に指示しながら、
カルロが芽衣子に近づこうとする。

開放された俺は、芽衣子とカルロの間に立ちはだかる。
「これ以上芽衣子に指一本触れてみろ、…ぶっ殺してやる。」
「芽衣子は自分の意思でここへ来たんだ。その目的ももう無くなったけどね。」
「目的?」
「復讐…三沢親子へのね。この写真を見せて、真島さんと別れて僕の所へ来れば
 手伝ってやると言ったらのこのこついて来た。」
ヤツは昨夜俺に突きつけた写真をヒラヒラさせながら言う。
カルロが芽衣子に何を吹き込んだかはだいたい予測がついた。
「でももうじき三沢が逮捕されるのはあなたも知ってる通りだ。」
警察内でも一部の人間しか知らない極秘の内容…、この男はなぜそれを知っている?

「もういいですよ。連れて帰って結構です。」
カルロはソファへ歩いて行きドサッと腰を下ろすと、一度鼻で笑ってから言った。
「僕、一度手に入れると興味が無くなっちゃうんですよね。物でも女でも。」
……。
俺の感情は、とうに怒りを通り越していた。
カルロにそれ以上手を出さなかったのは、
ここから一刻も早く芽衣子を連れ出したい思いが勝ったからだった。
206ぎるちぃ:2011/03/02(水) 18:49:17.91 ID:V3DYtFGD

俺は芽衣子の腕を取り引き上げる。
だが、芽衣子は立ち上がろうとしない。
…?
いや、そうじゃない。
脚に力が入っておらず、床を踏みしめることができないんだ。
「そうそう、昨夜ちょっと強い薬を盛ってしまったから、
 もうしばらくは体の自由が利かないと思いますよ。」
「何だと!?」
「自分に手を出すなと芽衣子に釘を刺されちゃいましてね。
 芽衣子の乱れる姿も見たかったけど、まあ仕方が無い。」
再びヤツに向かいかけた俺を黒服の男が制する。
「ああ、心配はいらない。じきに動けるようになりますから。
 それより早くここを出て行かないと、今度はこちらが通報しますよ。」
口の中で、ギリリと歯が軋む。
俺は床に散乱した衣服を掴んで鞄に押し込み、
自分の上着を脱いで芽衣子に掛けてやる。
「二度と彼女に近づくな。」
ヤツに一瞥を送り、彼女を抱き上げて邸宅を後にした。

車の助手席に芽衣子を乗せ、運転席へ乗り込む。
彼女は哀しげな目を向ける。
「真島さん…私…、私…。」
かろうじて瞳に留めていた涙が堰を切る。
そっと抱き寄せて、耳元に唇を寄せる。
「何も言わなくていい。何も心配するな。」
体を離して、頬を伝う涙を指で拭ってやる。
「すまない、迎えに来るのが遅くなって。」
芽衣子はふるふると首を横に振り、涙を零し続けた。
「家、帰るぞ。」
207ぎるちぃ:2011/03/02(水) 19:00:06.12 ID:V3DYtFGD
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました

まだイッタラ人、絡みますw
続きます

年度末でちょいとバタバタしておりまして
投下頻度が下がってしまってすみません
でもギルティ熱は全く下がっていませんよー♪
まだ録画めっちゃリピってます!
気付けば主題歌口ずさんでます!

皆さんがSS楽しみにしていて下さると、とっても励みになります
いつも本当にありがとうございます
きっと他の職人さん方も同じだと思います
208病院で(1/4):2011/03/02(水) 19:08:20.15 ID:EGJ9JqsS
glenです。エロなし書きました。できれば数日後に軽いエロあり追加の予定です。
医療、法律などの知識がある方は片目つぶってお読みください。


僕は警視庁捜査一課所属の藤井優。まだまだ新人の部類だ。
今日は警察病院で、門倉さんといっしょに真島さんから
仕事の引き継ぎのようなことをしている。
のようなこと、というのは捜査中、真島さんが左肩と左脇腹に銃弾を浴びて
捜査を継続できなくなったので、残りの捜査員が聴いておくべきことを
聴きにきたようなわけだ。
野上という女性がベッド脇にいる。
色々な噂のある女性だ。
33歳だそうだが年の割にあどけない印象で、今病室にいる四人のなかで
一番年上にはとても見えない。
真島さんが心配でしかたないらしい。俺と門倉さんに
「早く出ていけ」オーラを発している。

「なにぼんやりしてんだ、藤井、ちゃんとメモしろよ!」
パシッ!
痛え、マズッ。ペンを持つ手が止まったのを見とがめられて
門倉さんに頭をはたかれた。
真島さんにはジロっと睨まれた。
俺も体育会出身だから、先輩なんてものは怖いもんだと心得ているつもりだ。
けど、捜一の先輩たちのおっかなさは大学の先輩とちょっと種類が違う。
威圧感があるのだ。
それでも門倉さんは、どうおだてれば機嫌よくなるかわかってきた。
やっかいなのは真島さんだ。
媚びるようなことを言っても、冷たい視線が返ってくるだけ。
今も重傷負ってベッドに寝ているのに、なぜか威圧感が減退する気配が無い。
平均的日本人より体格がいい警察官が入院するところなのに
なんだって普通サイズのベッドしかないのか。
窮屈なのもあって不機嫌なのかな?
「で、第二容疑者のほうは坂田ビルに出没するんだな?」
真島さんはぎゅっと目をつぶる。
思い出そうとしているのか、痛みをこらえるためなのか。
「真島さん、痛み止めを足してもらいましょうよ」と野上。
「いや……いい……門倉、坂田ビルのほかに大森ビルも張ったほうがいい」
「安岡の羽田到着予定時刻は?」
「19時30分を変更した……20時……うっ」
「ねえ真島さん、やっぱり先生に言って……」
「芽衣子、廊下に出ていてくれないか」
口調はさほど激しくなかったが、"有無を言わさぬ"の見本みたいな
言い方だ。
野上は大きな目に涙をためて部屋から出て行った。
209病院で(2/4):2011/03/02(水) 19:10:36.49 ID:EGJ9JqsS
(芽衣子目線)
廊下の椅子に座って泣いていたら、万里さんが来た。
「あら芽衣子ちゃん、どしたの?」
「真島さんが……」
「大丈夫よ。あいつ体だけは丈夫にできてるから。
スタンガンで怪我したときだって、あ……」
口をすべらせた、といった表情の万里さんに、いったいスタンガン
がどうしたのか食い下がったら、初めて聞くことを教えてくれた。

「命に別条ないのは聞いています」
「じゃあ何? 真島のバカから何か言われた?」
「そんなんじゃ……今、門倉さんたちと打ち合わせみたいなことを
してるんですけど、眠くなるといけないからって、薬の量を減らして
もらってて……それで、凄く無理してるみたいで……
薬を増やしたほうがいいって口出ししたら、怒られちゃって」
「ああ、そういうこと。あなたは見ていて辛いかもしれないけどね、
真島も別にマゾヒストじゃないから。
どうしても17時までに一課に伝えておくべきことがあるんだと思う。
そのへんの判断は誤らない男よ。
あなたも刑事とつきあうんなら、その辺は覚悟しないとね」
「はい」
「じゃ、了……じゃなくて門倉に渡すものがあるから」
万里さんは病室に入っていった。
いい人だ。万里さんも、それからどうやら万里さんの新しいお相手の門倉了さんも。
私はもう、あんなふうに晴れやかに笑うことはできないだろう。
真島さんも……。
それでも、そんな私たちだから巡り合えて分かりあえたのだ。
私はまだ暗闇から完全に抜け出すことができない。
それでも真島さんの温もりに包まれているときだけは、
生きていてよかったのかもしれないと思える。
210病院で(3/4):2011/03/02(水) 19:12:13.55 ID:EGJ9JqsS
病院で(3/4)
門倉さんたちが病室を出ると、入れかわりのように
看護師さんがあわただしく病室に入って行った。
私も、もういいだろうと思って入室した。
看護師さんは点滴バッグを追加してチューブにつないでいる。
「お疲れになったんでしょう。
しばらく眠ったほうがいいんですよ。
じゃ、何かあったらいつでもナースコールしてくださいね」
と私に安心させるような笑顔を向けてくる。
万里さんにもこの人にも、あやされる子供みたいで情けない。

やっと二人きりになれた。
真島さんの寝顔をじっくり見るのは久しぶりだ。
いつも私が寝入るまで、真島さんのほうが見ていてくれることが多いから。

外はすっかり暗くなった。
カーテンを引いた音で真島さんが目を覚ました。
「……芽衣子」
「はい」
「さっきは悪かったな」
「い、いいえ。私のほうこそ余計なこと言って」
「心配してくれるのはありがたいが
どうしても門倉たちに伝えないといけないことがあった」
「ええ、万里さんから聞きました」
「そうか」
「私、ちょっと甘えた気分だったんです」
「いくら甘えたっていい。
だが、ああいうときは口をはさまないでくれ」
「はい」
「刑事の女房ならその点は心得ていてくれないと……」
「……」
え?
……女房……?
ベッドに目をやると真島さんもちょっと困惑したような顔をしている。
「こんなタイミングで言うつもりはなかったが……」
「……」
「刑事の女房なんて言っちまったからには……」
「……」
「芽衣子、一生……そばにいてほしい……」
211病院で(4/4):2011/03/02(水) 19:13:35.78 ID:EGJ9JqsS
私と結婚するということ?
結婚なんて人並みの幸せはとうの昔にあきらめている。
「いやか?」
いやなはずがない。
「でも……でも、警察官は犯罪者と結婚できないって」
「おまえは犯罪者じゃない。冤罪は立証された」
私はチョコレート事件のことだけを言ってるんじゃない。
真島さんだって、ほんとうはそれをわかっているはずだ。
三沢への復讐をあきらめた。理事長たちへの自殺教唆は
問題にならなかった……でも、でも……真実は……。

知り合ったころは、あまり機嫌がよさそうには見えないのに親切な、
ちょっと変わった人だと思った。
それから、ちょっと強引で包容力のあるところに惹かれて……
刑事だと知ったときはショックだった。
それからいろいろあって……
意外にも私と似たところがあるのだとわかってきた。
立ち直れないような痛手を負い、深い眠りを奪われて……

「真島警視重傷」のニュースを聞いたとき、
お姉ちゃんへの誓いをやぶって恋なんかしたから、罰が当たったんだと思った。
もう一度、暗くて冷たくて、誰かを好きなんて感じないあのころに戻った気がした。
でも、病院で生きている真島さんに会えた。

「でも、私……なんだか迷惑ばかりかけてるみたいで」
「なんの迷惑だ?」
「さっき万里さんに聞きました。
あのときのスタンガン、改造されてて普通以上に危険だったって」
「万里もおしゃべりだな……俺だからあの程度ですんだんだ。
おまえだったら、おおごとになっていたよ。
……それより……一緒になるのはいやか?」
「わたし……」
「うん」
「……もう……一人ぼっちにもどりたくない……」
「うん」
「真島さんのそばにいたい」
「答えはイエスか?」
涙があふれてこっくりうなずくことしかできない。
横たわる真島さんの右手にすがって、ベッドに突っ伏した。
「芽衣子」
「……はい……」
「桜が咲いたら一緒に花見に行こうな」
「はい」
「来年も」
「……」
「再来年も」
「……」
何も言えない私の頭を、真島さんはいつまでも撫でてくれた。
212名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 20:02:33.52 ID:hVv+842H
今日もリアルタイムで遭遇してしまた やほー

ぎるちぃさん
いつもおつでーすっ
そしてちょっとちょっとこの後どうなるのっ?な展開
ていうかまだイッタラ人なんぞご活躍されるんですか?w

glenさん
けいじのにょうぼう・・・女房・・・それだけで萌えてる自分w きもくてすんません
真島らしいプロポーズに芽衣子が可愛過ぎです
そしてここでも門倉の時代が到来?万里ゲットとはやるではないか、門倉了〜

職人さんたち、ありがとお〜〜〜
213名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 22:14:40.13 ID:otnfwsVu
わ〜い。今晩は二作品もあるわ。

>ぎるちぃさん
芽衣子はイッタラ人にやられてしまったのねぇぇぇ〜。
弱点をついた上に卑怯なやりかたで。
イッタラ人、ギルしてやりたい。
今後の二人がどうなるか気になって明日もこのスレを何度も覗いてしまいそうです

>glenさん
厳しい真島刑事にシビレました。
「刑事の女房」良い響きです。なんか真島らしい。
続きまってます
214名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 22:55:03.92 ID:5siMixj0
チャットで歌のお話しましたよー。
うろ覚えですがJanne Da Arcの月光花がモロ真島ちゃんの歌みたいな話とか。
215名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:01:45.82 ID:3E7kY/hB
ぎるちぃさん
真島ちゃん駆けつけてくれてよかった!
しかし、イッタラ人はあと一歩で自分のものに出来たのに
芽衣子に手は出さず種明かしして真島ちゃんに引き渡してあげるなんて
いったい彼の目的は何だ?事件について詳しすぎるのも気になるし
次回あきらかになる?
続き楽しみです


glenさん
刑事の嫁♪うほっ
刑事の真島ちゃんやっぱかっこいいなぁー
後輩から見た姿は鉄画面のようでも
芽衣子にだけは優しいよね
エロの続き楽しみにしてます
216名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:03:38.19 ID:3E7kY/hB
鉄画面じゃなく鉄仮面でしたw
217名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:12:03.69 ID:3E7kY/hB
あれ、前半見ると「君と僕は結ばれた」とあるからやっぱやっちゃったということかな?
でも後半「芽衣子に手を出すなと釘を刺されちゃったから」とあるけど
ちょっと自分に汲み取り力が足りなくてわかりません
ぎるちぃさん、カルロスは芽衣子とやって手に入れたから飽きたって事ですかね?
218名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:18:30.82 ID:otnfwsVu
あれ?私読み間違えたかしら、
イッタラ人やってない?薬もって意識不明な芽衣子を犯しちゃったんじゃなかったのね
乱れる姿じゃなかったのは→人形状態だったからと解釈してた
ごめんおバカで。
219名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:25:41.98 ID:3E7kY/hB
>>218
いや、私がおかしくてそちらの解釈が正しいかも
手を出すなと言われたから薬使って人形状態の芽衣子にやっちゃった→「本当は乱れる姿見たかったけど」
って事かな
まさかやりはしないだろうって前提で読んでたから
自分が都合よく解釈しちゃってた
220名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:42:04.40 ID:BzJ/ah7q
>>214
ありがとうございます
探して聴いてみます
作品も沢山…楽しみです
221名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 23:44:46.22 ID:hVv+842H
西野かなの会いたくて会いたくてが万里っぽいってのもあったね
222名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 00:03:12.14 ID:VIitqfnL
エロパロ板的にはビデオや写真に撮っててそれをネタに脅す?
雑誌の表紙といい芽衣子すっかり有名人だ
223名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 22:28:31.50 ID:USQYfNc4
やっぱこの2人ってかなり広がるよなあ
是非公式でもノベライズ発売して欲しい。
隣人みたいにドラマと違う結末でオリジナルエピソードも付け加えて。
224名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 23:33:13.85 ID:OWeK/LwU
公式ノベライズは見たい
気になってたのは溝口だったが、toroのSSが意外に良かったんで
今んとこおまけはいいわ
自殺した4人を掘り下げて欲しい
三沢はなぁ…
225hitoshi:2011/03/03(木) 23:36:56.14 ID:fed7LBz7
みなさん、いつも楽しませていただきありがとうございます
もうすぐDVD発売だなあ
新しい萌え要素来るかなあとうっすら期待しつつ
続き投下します
2267-1:2011/03/03(木) 23:38:16.62 ID:fed7LBz7

 -7- MASHIMA Side

芽衣子が俺と万里の関係に嫉妬していると気がついた途端、俺は彼女の心の中にきちんといるんだと実感した。
今までは、彼女がただ俺のためだけに生きようとしている気がして、
自分のために人生を生きて欲しくて、彼女を抱かなかった。
一緒に暮らして、平凡な日常を積み重ねながら、俺は彼女が自分のために自分で生きることを選ぶ日をただ待っていた。
本当は俺だって、芽衣子に助けられたのだ。
芽衣子のために刑事としての人生をしっかり生きなければと思い、歩き出した。
だけどそれは芽衣子のために生きているんじゃなかった。
俺は自分のために芽衣子を傍に置いて、自分の満足のために芽衣子の笑顔を見る。
芽衣子はもう俺の人生の一部だった。

「俺がどんなに芽衣子に夢中か、今から教えてやるよ。」

そう言ったのは、芽衣子ももう俺だけのために生きているんじゃないと分かったからだ。
俺の過去をのぞき見て不安になりながら、俺と一緒に生きる芽衣子自身の人生が始まっている。
芽衣子。
俺は他の女のことなんて、全部忘れてしまったよ。
いつも一緒に仕事をしている万里のことでさえ、女性として愛していたことすら忘れるほどだった。
背後から芽衣子を抱きしめて。
それにしても門倉が背が高くて知的だなんて、俺の前でよくも言ってくれたな。

「で、誰が背が高くて知的なんだって?」

腕の中で縮こまっている芽衣子に少し怒っているように言ってやる。

「いえ、あの、それはもののたとえというか・・・」
「ま、事実あいつは俺より背がちょっと高いし、一見知的に見えるしな。」

俺って小さい男だなあと思っても言わずにはいられなかった。
芽衣子が他の男をそんな風に見るなんて、俺には耐えられない。
俺よりいい男がいても俺以外に気をとられるな。
2277-2:2011/03/03(木) 23:39:16.42 ID:fed7LBz7
「苦しいです・・・ましまさん」

いつの間にか腕に力が入っていたみたいだ。
まったく芽衣子のことになると冷静じゃいられない。

「もし」

芽衣子が俯きながら切り出す。

「もし、真島さんより背が高くて知的でかっこいい男の人がいても、私は真島さんしか好きになりません」

意を決したように芽衣子は俺の腕の中で向きを変えて、俺の唇に指で触れた。

「私はあなたと一緒に生きる人生を選んだんです。他の人生は考えられません。」

唇に触れた芽衣子の指先が震えている。
こんなことだって、芽衣子にとってはすごく勇気のいることなのだ。
俺の中で小さな身体が勇気を振り絞って俺に近づこうとしている。
どうしたら。
この愛しさを伝えられるんだろう。
いったいどんな言葉なら、彼女に俺の気持ちを与えられるんだろうか。
芽衣子の唇が次の言葉を紡いだ。

「でもほんとうは、真島さんより背の高い人はいても、かっこいい人なんていません」

芽衣子はそう言って笑った。
俺の気持ちを察したように。俺の小ささに気が付いているかのように。

「真島さん」

芽衣子の震える指が俺の頬を撫で、そのまま後頭部へと移動したかと思うと
突然力を入れて俺の頭を引き寄せた。
次の瞬間には彼女の柔らかい唇が俺の唇に触れていた。
驚いて一歩下がった俺を彼女が追いかけてくる。
あまりにも芽衣子の行動が唐突で、俺は戸惑っていたが
主導権を渡したくない一心で頭をフル回転させる。
その間にも芽衣子の舌が俺の口内に入ってくるのが嬉しくて、いや嬉しがっている場合か。
これじゃすっかり彼女のペースだ。
だが、少し冷静になってみれば芽衣子の舌は俺の口の中で、どうしたらいいのか迷っている風だった。
一体彼女に何があったのか、それは後で尋ねることにして、
せっかく彼女が積極的になってくれたのだからそれに乗ることにしよう。

俺は芽衣子の舌に自分の舌を絡めた。

2288-1:2011/03/03(木) 23:41:22.29 ID:fed7LBz7

 -8- MEIKO Side

真島さんが口づけに応えてきた途端、私は自分の大胆さに気がついた。
一体どうしてしまったんだろう。
門倉さんのことを良く言ったせいで真島さんが小さな嫉妬をしてくれたことが嬉しかった。
でもそれだけじゃない。
万里さんならどうするだろうかと考えてしまったから。
彼女ならきっと積極的に真島さんを愛したんだろうと思うといてもたってもいられなかった。

「芽衣子・・愛してる」

真島さんの言葉はまるで私の気持ちを察したかのようなタイミングで降ってきた。
解放された口に息が上がるのを抑えられない。
思わず真島さんの厚い胸にもたれかかる。

「どうした?さっきまではずいぶん積極的だったのに。」

少し嘲笑するような声だ。いつもそう。
他の人にされたら腹が立つかもしれないけれど、真島さんのその声と笑い方は私をドキドキさせる。
それに何よりも、キスだけでもう立っているのが精一杯。
なんだか目眩がするような気がして、ただ彼の胸に寄りかかっていた。
真島さんの鼓動が耳に直接伝わってくる。
それはさっきの彼の態度とは裏腹に早く高鳴っていた。
初めて肌を重ねた夜も、それ以後も、真島さんは私を抱こうとしなかった。
あの夜以来今日まで、激しいキスも不必要に触れてくることもしなかった。
それがどうしてなのか分からなくて、だから不安になったのかもしれない。

聞いてみようか。

真島さんはなんて答えるんだろう。
思いめぐらしているうちにまた不安の波が押し寄せてくる。
私が期待外れだった?
最初の夜に先に気を失ってしまったから、気を悪くしたのだろうか。
真島さんはそんな人じゃないと否定する気持ちとの間で、また怖くなった。

「芽衣子?」

さっき言った声とは違う、私をいたわるような声。
きっと大丈夫。この人は大丈夫。私を傷つけたりしない。
確信を持って勇気を出す。

「あの・・・」
「ん?」

真島さんを見上げると優しい瞳が私を見つめていた。
初めからこの瞳に夢中だった。
刑事だと分かってから私がどんなに葛藤したか、この人は知っているのだろうか。
もうしばらく彼の瞳を見つめていたかったけれど、
さすがに目を見たまま聞けるようなことじゃない。
彼から目をそらして俯いた。
2298-2:2011/03/03(木) 23:42:52.61 ID:fed7LBz7

「どうした?」

少し躊躇ったけれど。

「・・・どうして私を・・・抱かないんですか?」

顔が熱い。耳まで熱くてきっと真っ赤になってるだろう、自分でも分かる。
でももう言ってしまった。
あとは彼の返事を待つだけだ。あ、まな板の上の鯉ってこういうこと?
どうでもいいことが頭の中を過る。
だけど少し待ってみても彼の声は聞こえてこない。

ああもう。聞かなきゃ良かった。

後悔し始めたとき、彼が頭の上で吹き出した。
顔を上げると真島さんはすっかり目尻を下げて笑っていた。
屈託のない笑顔に胸がぎゅっとなった。
こんな笑顔は初めてかもしれない。
まだ私の知らない真島さんがいるんだ。
いつも眉間にしわを寄せている真島さんとは違う爽やかさに圧倒されて、私は瞬きを繰り返していた。
そんな私に気がついたのか、突然いつものちょっとクールな真島さんが現れる。

「俺に抱かれたかったのか?」
「え?」
「今の質問はそういう意味だろ?」
「ち・・が」
「違わないだろう?」

意地悪な真島さん。
私はただ不安だっただけ―なのに。
真島さんは体をかがめて私の耳元に唇を寄せてきた。

「だからさっき言ったろ?俺がどんなに芽衣子に夢中か、今から教えてやるって。」

急にその意味に気がついた私がどぎまぎする間もないほどの素早さで
真島さんは私を抱きあげた。

「重いから・・おろしてください!」
「軽いよ、芽衣子は。それに初めてなのにこんなとこじゃキツイぞ?」

真島さんの言葉の意図が分かって、結局私は恥ずかしさのあまり真島さんの肩に顔を埋めた。
230hitoshi:2011/03/03(木) 23:45:13.25 ID:fed7LBz7
てなわけで・・・まだ寸止めですがw ごめんよまっしー
次回成就させてやるからなっ
231名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 00:03:08.79 ID:7iLykt9/
ひ〜、またしてもジラしプレイww
232名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 00:43:03.77 ID:2pXle5iC
>>230
ぎゃー!hitoshiさま、つ、続きを…!待ってるから!
233名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 08:06:16.35 ID:epsm2Otu
glen です
いつもながらみなさんの温かいお言葉が身にしみます。管理人さんにもお世話になってます。
人さまの作品を読むだけでも幸せなのに、自分も書きたくなっちゃうのはギルティならでは
真島芽衣子は本編で完全にキャラ立ちしてたから、想像が広がるし
万里、門倉、etc.はプロの脚本がいまいちだったから、なんとかしてあげたいと思ってしまう

hitoshiさま
首を長くして待ってましたよ。で、またまたじらしプレイとは!
万里ならこうするかも、と考える芽衣子がかわいい(その次のやり方を知らないのにww)
次は芽衣子といっしょに、真島さんも楽しめますように
234名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 09:58:29.26 ID:WlEipnjt
>>230
超絶生殺しぃ
235ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:41:20.60 ID:YE7zMZlD
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

芽衣子はイッタラ人にやられちゃったの?な物議を醸されていましたが、
今回明らかになります

では>>206の続きを投下します
236ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:44:26.67 ID:YE7zMZlD

芽衣子をそっとベッドに下ろす。
「大丈夫か?」
彼女は意味の無い一点を見つめたまま、かすかにうなずく。
「すぐ戻ってくるから、少し休んでろ。」
そう声をかけ、俺は玄関から外廊下に出た。

昨夜カルロの行方を探すため、車のナンバーから持ち主の住所を割り出したり、
走行経路を辿る等、門倉や万里に協力してもらった。
芽衣子を連れ出せたことを電話で報告する。

電話を切って壁に寄りかかり、フーッと深く息を吐く。
芽衣子を取り戻せた安堵と、たどり着くのが遅すぎたやりきれなさ。
守りきれなかった自責の念に駆られながら、額に拳を押し付ける。

ドン!
中から音がした。
部屋の中へ駆け込むと、芽衣子がベッドにもたれかかるようにして
床へ座り込んでいる。
「芽衣子!」
俺は彼女の側に駆け寄ってかがみ込む。
「どうしたんだ!?」
「……たい…。」
「ん?」
「シャワーを…浴びたいんです…。」
彼女はうつむいたまま、消え入りそうな声で訴える。
「ああ、でもまだ動けないだろう。危ないぞ。」
「…洗い流したいんです。」
搾り出すような涙声。
「真島さんじゃない…他の…男の人に、私……嫌…嫌ぁ…。」
頭を左右に振り、シーツをぎゅっと掴んで涙を零す。

「ちょっと待ってろ。」
俺はそう言ってバスルームに向かった。
237ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:45:44.21 ID:YE7zMZlD

蛇口を捻ると、シャワーから勢い良く水しぶきが散る。
それが温もりを帯び湯気が立ち上るのを確かめて、再び彼女の側へ戻る。

服を脱がせようとしてはっとする。
彼女が身に纏っているのは、その体よりもはるかに大きなシャツ。
おそらく…いや、間違いなく、カルロのものだ。
自分の中で怒りを抑えていた箍が外れる音がした。

彼女が着たシャツの襟元を掴んで引き破る。
「きゃっ!」
脱がせたシャツを荒々しくゴミ箱へ突っ込み、
体を手で隠すようにしてとまどう彼女を抱き上げる。

バスタブに彼女の背を寄りかからせるようにして洗い場へ下ろす。
「真島さん…、私の体、汚れてしまった。…復讐に手を汚しただけじゃなくて
 …体まで…。」
「何言ってる。君は汚れてなんかいない。」
潤んだ瞳も、涙の跡も、降りそそぐ温かいしぶきに隠されていく。
「忘れるんだ。昨夜のことは全部…忘れろ!」
俺は彼女の首の後ろを手で引き寄せて、唇を塞いだ。
舌を舐め、絡ませ、吸い上げながら、湯を含んで重くなった衣服を脱ぎ捨てる。
唇で、舌で、胸で、腕で、この手で、己の体全部で芽衣子を包み、愛撫する。

数日前に芽衣子を抱いた時、言いようの無い焦燥感に駆られた。
カルロに対する嫉妬だけじゃない、何かもっと得体の知れない焦り。
愛を伝えて抱き締めても、この腕から抜け出して芽衣子が遠ざかっていく、
根拠の無い予感めいたもの。
それが現実になった昨夜、胸をえぐられるような喪失感を感じた。

だが…戻ってきた…。芽衣子は今、この腕の中にいる…。
もう失いたくない、失えない。
238ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:51:28.72 ID:YE7zMZlD

あぐらの上に彼女の腰を抱き寄せる。
彼女の体を支えている腕をゆっくりと緩めれば、己の猛りがそれに合わせて
彼女の中へもぐり込んでゆく。
胸の頂を吸い、下から突き上げる。
彼女はまだ完全に力の戻らない腕で俺の首にしがみつき、甘く切ない声を上げる。
高ぶりの頂点を近くに感じ始めると、片手で彼女の腰をしっかりと抱き込み、
もう一方の手で頭を引き寄せ唇を塞ぐ。
触れた所すべてで体温を分け合い、溶け合う。
やがて彼女の中に引き込まれるように熱を放った後も、
しばらく互いに唇を離すことができずにいた。

何度か唇を吸い合い、名残惜しげにそれを離す。
「どんなに真島さんから遠ざかっても、心だけ、真島さんから離れてくれないんです…。
 こんなになっても…離れたく…ない。」
「離れるな。どんな君でも、俺が愛してる芽衣子だ。」
「私…、まだ真島さんの側にいても…いいんですか?」
「ずっといろ。ここに、俺の側に…いろ…。」
温かいシャワーに包まれながら、俺達はもう一度唇を寄せた。

部屋に戻って着替えた頃にはほとんど薬も抜けたようで、
芽衣子は随分動けるようになっていた。
「サロンの仕事、今日は休んだ方がいい。」
「…はい、そうさせてもらおうと思ってます。」
「俺は警視庁に車を返しに行かなきゃならない。
 帰りに何か美味い物でも買ってくるから、ゆっくりしてろ。」
その時、

ピリリリリリ、ピリリリリリ、

携帯の呼び出し音が鳴る。
ディスプレイに表示されているのは、万里の名前だった。

話の途中、自分の顔色がサッと変わるのが分かった。
俺は携帯を一旦耳から離し、芽衣子に伝える。 
「カルロが捜査一課を訪ねて来てる。俺と…芽衣子にも、話したいことがあるそうだ。」
239ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:54:40.70 ID:YE7zMZlD

(芽衣子視点)

真島さんと共に警視庁の門をくぐる。

いったい…何?
カルロさんが、今になって真島さんと私に話なんて。
真島さんは私を気遣って、嫌なら自分一人で行くと言ってくれたけど、
私は心配だった。
カルロさんが昨日私に罠をしかけたように、今度は真島さんに対して
何かしようと企んでいるかも知れない。
だから一緒に来ることにした。

本当は怖い。
嫌だ、会いたくない。

でもそこが捜査一課であることが、恐怖を和らげる。
万里さんや今の捜査一課は信頼できると、いつか真島さんが言っていた。
あんなに嫌いだった警察に、こんなに安心感を覚えることがあるなんて。
何よりも、側に真島さんがいる。
これ以上心強いことはない。

万里さんに案内されて、見覚えのある部屋に入る。

宇喜田に命を狙われて保護された時に、一晩を過ごした部屋。
過去に囚われて自分を責める私に、『君のせいじゃない』って
優しく頭を撫でてくれた真島さん。

そんなことを思い出していると、奥の席に座るカルロさんが目に入った。
思わず身がすくむ。
私の様子に気付いた真島さんが肩を抱いてくれる。
真島さんがカルロさんの向かいに立ち、隣の席を私に勧めた。

「じゃ、私は外すから。」
そう言って万里さんは会議室から出て行った。
240ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:56:43.54 ID:YE7zMZlD

「どういうつもりだ?」
椅子にかけるとすぐに真島さんが口を開く。
「どの面下げてここに来たと聞いてるんだ。」
低くすごむ様な声で言い放つ。

「真実を…伝えたかったから。
 ここなら、あなたも芽衣子も多分来てくれると思ったんです。
 芽衣子に会うのは、これを最後にしようと思ってる。だから聞いて欲しい。」
カルロさんが何を言い出すのかと構えていた真島さんも私も、
少々あっけに取られてしまう。

「昨夜のことだけど、僕は芽衣子を抱いていない。」
「え…?」
心臓がドクン!と音を立てる。
「薬を仕込んで、意識の無い芽衣子の服を脱がせた。抱こうとした。」
カルロさんの表情に、いつものような笑みは無い。
「うわ言でずっと真島さんの名前を呼んで涙を零し続ける芽衣子を…、
 僕は抱けなかった。」

「本当、に…?」
私はまだ半信半疑で、呆然と問いかける。
「男がこれを最後にと残して行く言葉だよ。信用して欲しい。」 
心の底からホッとして涙が込み上げる。
「あと、今朝のあれは、ちょっと僕の悪ふざけが過ぎたね。謝るよ。」
そう言ってカルロさんが頭を下げた。

「それから、これ。」
カルロさんは分厚い大きな封筒を真島さんの前に置く。
「芽衣子や真島さんを調査していて、僕が知り得た三沢の情報です。」
「三沢の?」
「追ってるんでしょう?三沢を。真島さんを筆頭に、捜査一課が極秘で。」
「どうしてあんたがそれを知ってる?」
「僕のお抱えの調査員達は優秀でね。場合によっては日本の警察より早く
 情報を手に入れることができる。
 現にこの中には、まだあなた方が掴んでいない証拠もあるはずです。」
カルロさんはトントンと封筒をつついて続ける。
「準は僕の友人だった。日本で初めて僕と仲良くしてくれた、大切な…。
 でもアイツは、もはや人間の心を持っていない。」
カルロさんの瞳が揺れる。
「だから、早く捕まえて。芽衣子のために。」
「…分かった。」
真島さんは、しっかりとその封筒を握り締めた。

「じゃあ、僕はこれで。」
カルロさんはそれ以上何も言わず、振り返ることも無く去って行った。
241ぎるちぃ:2011/03/04(金) 11:59:46.66 ID:YE7zMZlD

(真島視点)

帰り道、さっきのカルロの言葉を思い出す。
『うわ言でずっと真島さんの名前を呼んで涙を零し続ける芽衣子を…、
 僕は抱けなかった。』
芽衣子は…俺に対する揺るがない愛情で、自分の身をも守った。

この世に二人といないだろう、こんな娘は。
隣を歩く横顔を見つめて誓う。
二度とお前を、離さない。

暖かな日差しとそよ風が、もう春の訪れを告げていた。
242ぎるちぃ:2011/03/04(金) 12:10:24.41 ID:YE7zMZlD
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました

いやはや、私の妄想を広げてくれましたイッタラ人w
キャラ濃すぎて、書いててすっごく動かしやすかったんですw
いつもシチュのご提案くださる方、楽しみに読んでくださる方、感謝感謝です!
ひとまずイッタラ人はこれで退きますが
物語は続きます

glenさんの刑事の女房プロポーズ、
hitoshiさんのこれでもか寸止め、
ありがとうございます
真島と芽衣子は何をやらせても何故にこれほど萌えるのか…
243名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 14:02:54.97 ID:fQWfP++P
まとめ職人さま、職人さま

いつも楽しませてもらってます。

hitoshiさま
hitoshiさまの心理描写、大好きです。
続き、楽しみにしてます。

ぎるちぃさま
連載楽しみに読ませていただいてます。
今度はどんな話かな?とワクワクしてます。

私としては芽衣子が嫉妬するところをもっと見たいなぁなんて
思ってます。。。
244名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:19:59.48 ID:IheL97th
>ぎるちぃさん
芽衣子、イッタラ人にやられてなくて良かったー。
鬼畜じゃなくてヨカッター
で、元祖ジラしプレイの後は、惑わしプレイですか。
ぎるちぃさんたらテクニシャンですね
二人の想いの深さがわかりあえて絆が強くなりましたね。
245名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:37:08.38 ID:l3++v1KY

piyoです。
いつも皆様にはお世話になっています。
本当にありがとうございます。

ようやく完成したので投下させて頂きます。
ちょっと長いです。
相変わらずのエロなしです。申し訳ありません。
不手際は目を、かたく、かたく、つぶってお許しください。
246名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:39:19.23 ID:l3++v1KY

「ワインレッドの夜」

「了解! ただちにそちらに向かいます。榎本行くぞ」
門倉の声が閑静な住宅街に響く。ホシはどうやら徐々に追い詰められているらしい。
万里は門倉の声に反応して素早く助手席に滑り込む。
万里が留めたシートベルトを合図に門倉は車を発進させた。
ふと、空を見た。
助手席から見える空はどこまでも高く、吸い込まれるように青い。
(拓朗、そっちの住み心地はどう?)
─悪くないな─
青空の向こうから真島が答えたように思えた。万里は小さく笑いをもらした。
そんな万里を門倉は一瞬、訝しそうに見たが、すぐに運転に集中する。
門倉は刑事で、万里も刑事だった。

自宅マンションに戻るとすでに零時を過ぎていた。
閑静な住宅街を震撼とさせた昼間の強盗事件はあっけないほど簡単に片付いた。
刑事達の連携と情報分析のたまものだったと万里は思う。
どさりと荷物のように自分の身体をソファーに投げ出して携帯の着信履歴を見る。
折り返しかけなければならない電話はない。
何気なく履歴を遡ると真島の履歴にたどり着いた。
三輪の失踪絡みで真島とのやり取りが増えていた。
そして、ポツンと取り残されたような着信履歴があった。

 10/13 23:31

真島は何の用件でかけてきたのか……。
わかりすぎるほどわかっていた。
だから万里は折り返し電話をかけなかった。 
この電話は真島の弱さの電話──。
真島が万里を頼ってかけてきた電話だった。

しかし、真島が万里を頼ったのはその電話が最後だった。その後は仕事の電話以外ない。
今思えばあれが始まりだった。
いや、万里にとっては終わりの序曲だったのかもしれない。

「いやだ、今日は私の誕生日じゃない」
学生時代の女友達のメールを読んで気づいた。
自分の誕生日を忘れるほど忙しく、身近に誕生日を気にかけてくれる人がいない。
去年の誕生日には真島がいた。万里はほんの少し唇を上げた。
「シャワー浴びなきゃ」
万里は重い身体を無理やり引き起こしてバスルームへ消えた。


いつもより熱いシャワーを浴びる。形の良い乳房に痛いくらいにしぶきが当たった。
熱いシャワーが万里の肌をたちまち薄桃に染め上げて行く。
何故か真島の事が頭から離れない。
いつもは封印している真島の面影を昼間、思い出したせいかもしれない。
「拓朗……」
シャワーが頬を打つように当たる。
真島を忘れたというのは建前で少しも忘れていない。
油断すると、昼間のようにちょっとした事で面影が脳裏に浮かんだ。
だが、万里は自分にウソをつき続けなくてはならない。
初めにウソをついたのは万里だった。

247名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:43:32.94 ID:l3++v1KY

バスローブをはおる。これは真島の為に用意したバスローブだ。
真島のシャツと同じ色のバスローブ……。
髪を拭きながらリビングに入った。
北欧から取り寄せた家具やインテリアがセンスよく並んでいる。
万里は小さなワインセラーの前に立ち、愛おしげに撫でた。
そして、宝を取り出すように一本のワインを出す。
「きれいだわ」
そっとラベルを撫でた。

シャトー・マルゴー2002年。

五大シャトーのビンテージ・ワイン。黒スグリとバニラの香りを内包する赤ワインの女王。
ワインに凝りだした万里への真島からの誕生日プレゼントだった。
高価なワインも嬉しかったが、マルゴーを一度は飲みたいと言った万里のつぶやきを、
真島が覚えていてくれた事が何よりも嬉しかった。

─なぜ、2002年なの?─
─万里が刑事になった年だからだ─

ワインの事を知って選んだのではないのがそれでわかった。笑う万里を真島は不思議そうに見ていた。
キャリア採用の真島と一般採用の万里とは同じ警察官でも入口が違う。
万里が警部補の昇任試験に合格して本庁捜査一課に配属になった時、真島はすでに警視だった。
真島は純粋に事件を捜査する刑事になりたかったのだと思う。
正義を信じ、正義を守るという少年のような理想を持っていた。
ただ、人より少しばかり優秀だったのでキャリアとして刑事になった。
それが真島だったと万里は思っている。
「ちょっと違ったわね」
万里は自嘲気味にクスリと笑い、マルゴーをテーブルに置いた。
五大シャトーの一角をなす誇り高いワインは威厳を持ってテーブルに鎮座する。

「拓朗……」
また、その名を口にした。自分が理想とする組織と現実との乖離。
それが真島を苦しめたのはよくわかっている。いつまでも大人になれないやつ──と、断じるのはたやすい。
だが、間違っているのはどちらだ。
組織の矛盾を無視していられた時は警察官でいられた。
宏太を殺され、当事者となったとき、真島の心は耐えられなかった。
「でもね、私達は警察官なのよ」
矛盾した組織であろうとその組織の一員で、犯罪を取り締まるのが仕事なのだ。
仕事に燃える真島が好きだった。心から尊敬し、愛していた。
同僚として、男として真島は万里の理想そのものだった。
どこから狂いだしたのか──。真島が警察組織の矛盾を直視し始めた時からだ。

248名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:44:36.34 ID:l3++v1KY

気づいて欲しかった。
立ち直って欲しかった。
真島が自分の弱さをさらけ出す姿を見たくなかった。

強い真島を愛していた。
弱さを見せる真島は万里が愛した真島ではなかった。
日に日に荒れて行く真島を容赦なく突き放し、とどめとばかりに別れを告げた。
真島は何の感情も無い目で万里を見つめ、
─わかった─
と一言だけ言った。
そして、口の端を上げて薄く笑い、自分自身を責めるような眼差しをして背を向けた。

違う。
愛想をつかせたんじゃない。
あなたに立ち直って欲しいだけ。

“別れる”というウソの言葉が独り歩きを始め、声に出さない万里の叫びは真島に届かなかった。

真島のそばに女の気配を感じ始めたのは三輪の失踪事件を真島が担当した頃だ。
夜、仲良く歩く姿を見たし、真島のマンションに入っていく姿も見た。
あの時のショック。
真島の気持ちが自分から離れて行く──。
恐れに近い感情がわき上がった。
だが、すぐに女の正体がわかった。

真島と一緒にいた女は野上芽衣子。15年前の“毒入りチョコレート事件”の犯人だった。
あの事件に三輪は関係していた。だから真島は野上に近づいたのだ。その事実にほっとする自分がいた。
しかし、それだけではないこともすぐに思い知った。
朝、真島のマンションから出てくる野上と出会った時、カッと血が沸騰するような感覚に包まれた。
手を上げない冷静さを保った自分を思わずほめたほどだ。
詰問すると、野上は真島の部屋に泊った事を否定しなかった。
敵意をにじませる万里に、野上は逆に尋ねた。

─どうしたらいいですか……?─

真島の部屋に入った時、真島は万里を野上と勘違いした。
そこにいるのが万里だと知った時の露骨に落胆した顔。
決定的だった。
真島は野上に魅かれていいる。

─あなたを犯罪者と恋愛させるために別れたんじゃない─

オブラートに包んだ本音だった。
249名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:45:59.79 ID:l3++v1KY

野上芽衣子。
かわいいけれど平凡などこにでもいる女。しかも殺人を犯した元犯罪者。
頭がいいのは認める。けど、真島にふさわしい女ではない。真島にふさわしいのは野上じゃない。
一連の自殺事件に野上がかかわっているのは明白だった。ただ、証拠が何もなかった。
しかし、証拠がそろえば野上は再び犯罪者だ。
野上を加味しながら捜査を進めると、15年前の事件は冤罪だという事実が見えて来た。
野上は無実で13年も服役した。
判決次第では権力に殺されていた。

寄ってたかって作り上げられた冤罪。

まだ18歳の少女にどれほどの恐怖を与えただろう。
自分の身に置き換えて考えてみたが、想像できなかった。
13年は長い。自分を陥れた者へ復讐を考えたとしてもその心情は察することができる。
しかし、どんな事情があろうとも犯罪を正当化する理由にはならない。

真島が苦しんでいたのはまさしくその一点だ。
通り魔殺人を犯し、更に宏太まで殺した溝口が心神喪失で無罪になった。
警察は溝口の偽装を見破ることができなかった。真の犯罪者を罰することができなかった。
唯一、犯罪者を逮捕できる警察は、その時、真島の中で存在意義を失った。

真島の気持は理解できた。
だが、寄り添うことはできなかった。
万里は骨の髄まで警察官であり、常識から外れる事のできない人間だった。
野上は違った。
やすやすとハードルを乗り越え、いとも簡単に真島に寄り添った。
真島が魅かれないわけがない。

真島が事故だと供述した溝口の最後。
そんなに都合のいい事故があるわけがない。
石油缶には溝口の指紋が検出され、真島の供述が裏付けされたが、
それは現場から野上を省いた場合のみ有効だ──と、万里は思った。
今では確かめるすべはないが、溝口の死には間違いなく野上がかかわっている。
野上は警察官である万里ができないことをして、真島をからめ捕った。
250名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:46:47.94 ID:l3++v1KY

ばかみたい……。

こんな事を考えている自分が嫌になった。この世にいない野上に未だに嫉妬しているらしい。
くす……
自分を笑った。

この部屋で様々なワインを楽しんだ。仕事の話は一切なし。
時間におかまいなく夜更けまで仕事の話しをした真島の部屋と違って、万里の部屋は憩いの場所だった。
万里はじわじわと気持が追い詰められていく真島を癒すすべをもたなかった。
獅子がわが子を谷底に突き落とすように万里は接した。
真島の繊細な心を最後まで理解しなかったのだ。

なんて残酷な事をしたのだろう──と思う。

理想を追い求めていたのは万里も同じだった。万里は理想の男を求めていた。
だから、別れたくないのに別れた。別れても真島は万里から離れられないだろうという打算もあった。
「バカな女」
自分の事だ。

禁忌を破る女がこの世にいるなんて想像だにしなかった。
かわいいくて、素朴な野上芽衣子。まだ少女のような可憐さと無垢なイメージがあった。
でも、本当にそれだけの女だ。そんな女に万里は負けた。
万里が絶対に勝てない理由で。
「拓朗──」
呼びかけるようにつぶやいた。万里の目の端がじわりと赤くなる。
「誕生日だもの、今夜はあなたを思う存分、思い出してもいいわよね?」
つつ……と、雫が頬を伝った。
シャトー・マルゴーが涙でゆがむ。
このワインは2011年に飲み頃を迎えるという。だから特別な日に開けるつもりだった。

特別な日──。

真島がもう一度万里の部屋を訪ねる日だ。
もう、そんな日は来ない。真島は野上と一緒に逝ってしまった。
だから忘れなければいけない。自分にそう言い聞かせてきた。

でも、忘れない。

心が忘れても、熱い二人の時間を万里の全身が覚えている。
万里のうなじは真島の熱い吐息を。
万里の唇は真島の優しいキスを。
万里の乳房は真島のしなやかな手を。
万里の肌は真島の激しい愛撫を。
身体が余すところなく真島を覚えていた。

会いたい、あなたに会いたい。
野上と一緒でもいい。
だから、あなたの声、もう一度聞きたい。

万里は自分の身体をきつく抱き、嗚咽をもらした。
テーブルの上のシャトー・マルゴーが、万里をいとおしむようにルームライトの光をはじいたのが見えた。
光の中に真島の微笑が浮かんで泡のように消えた。

end
251名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 22:53:49.85 ID:l3++v1KY
長々と失礼いたしました。
ワインは一応調べましたが、ど素人の間違いがあると思います。
この点もかたく目をつぶってください。お願いしますっ!

みみ様
チャットの時、教えて頂いたURLのおかげで3/9を待たずに完成させることができました。
本当に感謝します。

hitoshiさま
今から教えてやるって…、どきどきです。
芽衣子に夢中な真島。萌えます。
芽衣子はおさえているけど真島はほとんど全開というイメージがっ!
続き楽しみにしています。

ぎるちぃさま
連載ありがとうございます。
イッタラ人、我慢強くてよかったです。w
>>244さんがおっしゃるように、二人の絆が一層深まりましたね。
これからどうなるんだろう……。
投下、毎日待っています。
252名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 01:16:46.81 ID:1HRBdiTF
glen様
痛がるまっしー大好物なのでとっても楽しみですっ!
芽衣子が小さな身体で彼を懸命に支えたり介抱したら萌えるwww
てか真島だけ撃たれるって犯人かなり手ごわい気が。。捜一大丈夫かなw
病院っていう設定エロにもフル活用しちゃってください〜

piyo様
万里の気持ちが切なくて切なくて…!
いくら幸せに旅立ったからって、残された人はたまりませんよね><


253名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 08:08:36.48 ID:xvVDzXdJ
piyoさま

白、蒼に続いてワインレッドですか
ピッタリです
アン出産前の真島から万里への電話…

本当にターニングポイントでしたよね
頼られてただけに万里辛かっただろうな

また本編が観たくなるお話ありがとうございました
254名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 09:16:10.56 ID:r3hQYPdL
>>251
GJ!
泣けた
255名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 00:20:52.63 ID:ELRzSTwV
金曜だったかな
朝めざましでJUJUの愛してる〜と西野カナの会いたくて会いたくて〜が流れて
このスレと万里を思ってたらpiyoさんのSSがあってビックリ
心に沁みます
256hitoshi:2011/03/06(日) 01:37:04.77 ID:trIclZ6I
じらし、そして放置プレイ中のhitoshiですw
すみません〜
感想くださった皆さん、励みになります、ありがとうございます。
他の職人さんもまとめ管理人さんもいつもありがとう〜

いよいよラストまであと2回くらいになりました
では続きを投下させていただきます
2579-1:2011/03/06(日) 01:37:44.99 ID:trIclZ6I

 -9- 

真島が芽衣子をベッドに下ろすと芽衣子は小さく息を吐いた。

「芽衣子」
「はい」

芽衣子は真島が自分の名を呼ぶと、いつも心が震えるような気がする。
そして今は真島の低い吐息混じりの声に身震いさえする。

「緊張してるのか?」

初めて真島の部屋に入ったとき、芽衣子は足を崩そうとせず、その時も同じように問うたのを思い出して
真島は少し笑った。
そんな真島につられて芽衣子も笑った。

「そんなことあるわけないじゃないですか・・・」

あの日言った言葉をもう一度紡いでみる。
自分の罪が消えたわけじゃない、穏やかな幸せを享受する権利などないのかもしれない。
芽衣子は復讐の日々を振り返りながら思う。
そっと真島の大きな手に触れる芽衣子の指が、真島に震えを伝える。

「嘘つくな」

真島は優しく笑った。
この手を、この笑みを失いたくない。
芽衣子は真島の長い指に指を絡めて強く握った。
2589-2:2011/03/06(日) 01:38:53.97 ID:trIclZ6I
「今日はどうしたんだ?」

少し驚いたように真島が言う。
芽衣子の大きな瞳から涙がこぼれて落ちた。

「芽衣子?」
「あなたを失いたくない」

芽衣子は消え入りそうな声で、しかしはっきりとそう言った。

「あなたの傍で私の人生を生きてもいいですか?」

消えない罪を抱えながら。刑事の真島の傍にいていいのか、芽衣子はいつも迷っていた。
決意しては迷い、迷っては諦めきれず。
そうして何度も考えあぐねて行きついたのは、真島の傍で新しい人生を生きたいという願いだった。
芽衣子の言葉に真島は胸をえぐられるような、心臓をわしづかみにされるような痛みを感じた。
彼女がその結論にたどり着くまでどんなに葛藤しただろうか。
重い十字架を背負ったまま生きるという結論を導き出すために、芽衣子はきっとたくさんの感情を犠牲にしたのだ。

「俺が全部受け止めるって言っただろう?芽衣子の背負っているもの全部。」

真島の口から大きな安堵のため息が漏れた。
やっと本当にひとつになれる。立ち止まっていた場所から歩き出せる。
芽衣子のさらとした黒髪に触れ、そのまま芽衣子の唇に口づけた。
甘い、甘い口づけ。
ことさらに優しく。
触れたり離したりを繰り返しながら、真島は少しずつ芽衣子の心を溶かしていく。
前に肌を重ねたときとは違う感覚だった。
ただ性急に欲望に煽られて芽衣子を抱きたくなかった。
繰り返される口づけに耐えきれず芽衣子が甘い吐息を漏らすと、その歯列を割って真島の舌が芽衣子の口中に入り込んだ。
2599-3:2011/03/06(日) 01:40:06.44 ID:trIclZ6I

「っ・・・」

芽衣子の舌が真島に応える。
真島はたまらず芽衣子を掻き抱いた。
名残惜しそうに離れた唇で芽衣子の首筋に赤い痕を落とす。
芽衣子の肩が震え、再び小さく甘い吐息がもれた。
二人の間に衣服があるのももどかしく、真島は芽衣子の衣服を取り去ろうとブラウスのボタンに手をかける。
ボタンをはずしながらあらわになる芽衣子の肌を真島の唇が求める。

「はぁっ・・あ・・」

真島が芽衣子の胸の蕾に触れると、芽衣子は声をあげた。
片方の手で蕾を弄びながら、唇は更に芽衣子の肌の上を滑る。
やがて器用に芽衣子のジーンズを脱がせると、下着の上から彼女の感じる部分に触れ。

「や・・あっ・・・ん・・」

背を反らせて快感に耐えると胸を突き出すような格好になって、
まるで真島が触れるのを誘うように見える。
それがますます真島の欲情をかきたてる。
真島はその乳房を大きく揉みしだきながら
ときおり気まぐれに先端を指先で掠めた。

「ま・・しま・・さ・・・」

愛する男の名を呼びながら与え続けられる快楽に頭の中に薄い靄がかかるようだ。

「だ・・め・・・」

真島は芽衣子の下着の横から指を滑りこませて、入口をなぞる。
既にそこは濡れそぼって、真島の指を誘いこむようだ。

「だめじゃないだろ?」

囁いて中指を差し入れると、芽衣子の熱い中にすぐに飲み込まれた。
初めて触れたときよりも抵抗なくあっさりと入り込んだ上に絡みつくような感触が、
真島にその先の快楽を想像させて、それだけで達してしまいそうなほど自分がいきり立つのが分かった。
それをやり過ごすと指を増やして芽衣子の中で二本の指を交互に動かす。
芽衣子の喘ぐ声が一層艶を増していく。
一度やり過ごしたはずの激しい快感が、その声でまた煽られる。
どうにもやり過ごせそうにない。
真島は芽衣子に口づけて、一度芽衣子の中から指を抜き去る。
2609-4:2011/03/06(日) 01:41:11.98 ID:trIclZ6I

「あっ・・ふぅ・・・ん」

その指を引き止めるように芽衣子の膣内が収縮し、芽衣子はたまらず声を出した。
真島は自分の衣服も脱ぎ去ると再び芽衣子の上に覆いかぶさった。
少しでも苦痛を和らげてやりたくて、もう少し愛撫に時間をかけた方が良いかと思いながら、
感じやすい芽衣子が今にも達してしまいそうで、真島も耐えきれず芽衣子の入口に自分をあてがう。
芽衣子の潤いと真島のそれとがぬるりとぬめった。
二人の背筋を震えるような快感が走り抜ける。

「ましまさぁんっ」
「芽衣子・・」

まだ挿入れてもいないのに真島は苦しいくらいの快感を感じた。

もう我慢できそうにない。

「力抜いて・・・」

芽衣子の耳元に囁いて空いた手でそっと彼女の花芽を撫でると入口がわななくように少し緩んだ。
その隙に真島の先端が入り込む。
否、入り込むというよりは強引に突き入れた。

「ああっ・・!」

先が入り込んだだけで、芽衣子が痛さに悲鳴をあげる。

「すまない、つらいか?」

たまらない快感が下半身を這いあがってくるのに耐えながら、痛々しさに芽衣子を気遣う。
気遣ってはいてももはや真島も止められる状態ではなく、止めようか?とは問えなかった。

「だい・・じょぶ・です」

はぁはぁと肩と胸を上下させて芽衣子は言った。
真島と繋がっているということが芽衣子に痛みよりも悦びを与えていた。
狭い芽衣子の内部に真島は更に侵入を試みる。
真島以外の誰にも触れられたことのない、自分でさえも知らない奥へと真島のそれが届く。
真島は芽衣子を少しでも楽にしてやりたくて、彼女の中の感じる場所を動きながら探す。
2619-5:2011/03/06(日) 01:42:15.07 ID:trIclZ6I

「い・・やあっ・・!」

芽衣子の悲鳴がひときわ大きくなる。

ここか。

見つけると真島は己のそれを芽衣子のその場所に擦るようにしながら突き上げる。

「んっ・・あぁぁっ・・はっ・・」

芽衣子の口から絶え間なくあえぎ声がもれて、彼女もまた感じ始めていることを真島に知らせる。
奥の方を真島に擦られるたびに芽衣子の視界がかすむ。

もう痛いのか気持ちいいのか分からない。
いつの間にか芽衣子も快楽を求めて腰を揺らし始めている。

「なん・・て、きつさだ・・・」

真島はたまらず天を仰ぐ。
芽衣子の中が真島のもので奥を突かれるたびにぎゅっと締まりはじめて
あっという間にイってしまいそうだ。

もう少し。

そう思って動きを緩慢にしてみても、少し動かすだけで芽衣子の肉襞が絡みついてきて、真島の敏感な所を刺激する。
今にも達しそうな射精感を堪えながら、真島はできるだけゆっくりと腰を動かす。

「動いちゃ・・やぁっ・・・」

真島が動くたび、芽衣子は今にも身体をどこかへ持っていかれそうだった。
快感から逃れて、意識をつなぎとめようと芽衣子は必死に気を逸らそうとする。
鈍い痛みより快感が勝って、真島はこの行為が上手なんだなと一瞬思った。
思った途端また言いようのない嫉妬に駆られ、真島の腕にしがみつくと急に強く突き上げられて
ふわと意識が遠のく感覚にとらわれる。

「っ・・はぁっ・・わ・たしだけ・・はじめ・・て・なんて・・ずる・・い・・・」

途切れ途切れの芽衣子の言葉をつなぎ合わせて、そんな余裕がどこにあったのか、真島は低く笑った。
その声にまた芽衣子は腰が砕けそうな快感に襲われる。

「俺だって」

動きを止めて真島は芽衣子の身体を抱きしめた。
2629-6:2011/03/06(日) 01:45:57.76 ID:trIclZ6I

「こんなのは・・初めてだ」

声とも吐息ともつかぬ甘さでそう言われ、真島の腕の中で芽衣子は身体の奥に甘い疼きを感じて身じろぎした。
その言葉に不安も嫉妬も吹き飛ばされるようで、芽衣子は激しい熱情に翻弄されながらも穏やかな気持ちを取り戻す。

この人を愛して、良かった。

真島は芽衣子の様子を少し伺って一度止めた動きを再開する。
芽衣子に快感を与えながら自らも限界に近づいている。

「・・・・あっ・・も、だめ・・」
「もう止まらない・・芽衣子」

本当にこんな快楽は真島も初めてだった。
動きながら自分の視界が靄がかってゆく。
真島の汗が芽衣子の肌の上に落ちて滑る。
その様さえも狂おしいほどに真島を駆り立てる。
芽衣子の締めつけが強過ぎて、思うように動けない苛立ちも快感を煽った。
激しく動けばすぐに達してしまうと思いつつも、
真島は余裕なく、ただ夢中で芽衣子の奥を突き上げ抉る。
もっと、もっと激しく芽衣子の中を己のものでめちゃくちゃにしたい。
そう思ったとき芽衣子が大きく息を吸った。

「芽衣子」
「ま・・しま・・さんっ!いっちゃ・・うぅっ!!」

芽衣子の内壁が激しく収縮する。
そのまま気が遠くなる。

「・・ぁっ!!」

思わず声が出るほどの激しい収縮に真島も耐えきれず芽衣子の中に注ぎ込み、
芽衣子の隣に崩折れるように倒れ込んだ。
263hitoshi:2011/03/06(日) 01:54:04.91 ID:trIclZ6I
真島、無事完了いたしましたw
次回とうとう最終です・・・ウレシイやら寂しいやらで。
それにしても真島全力で中でいってるけど、お前モラルは?と書きながら思ってたりするw
真島って書いてると勝手に動きだすので制御難しい
自分の場合は案外芽衣子が動いてくれなくて、課題になりつつありますw
では最後までお付き合い宜しくお願いします
264名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 02:33:05.20 ID:gWAKNDtP
おー、乙です!
すごい、上手い!感動しました(ノ_・。)
いいんですよ、真島ちゃんは思えばアンの出産時から孕ませる気まんまんですから
むしろ彼は常にそれ目的で行動していた気がします
刑事の仕事途中から絶対忘れてるw
265名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 04:17:10.78 ID:fPLdLj9r
hitoshiさま
愛し愛されてるのが伝わってきて感動しました〜
真島さんおめでとう!w
セリフや描写がひとつひとつ丁寧で沁みますウルウル
とうとう最終回ですかーさみしい
ラスト楽しみに待ってます

>>264
出産時から孕ませる気まんまん
www
266名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 08:40:07.05 ID:kmVIPcWQ
>piyoさん、色彩豊かな素敵なSSありがとうございます
「悪くないな」でブワっときましたよ。
ほんとにその後の万里はこんなふうに切ないだろうなと。
DVDが来たらまた一話から見直して、万里を見るだけでも胸が痛くなりそうです。

>hitoshiさん
真島ちゃんやっと、やっと成就できましたね
なんだか赤飯炊きたいぐらいだわww
心情交えた丁寧なエチに拝みたいぐらいです。
すぐイッテしまいたいのに我慢する真島ちゃんにムホホホホです。そんなに芽衣子は良かったか
もっともっと続きが読みたいです
267名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 08:42:50.06 ID:B+BwN9ZK
hitoshiさま
日曜の朝一に素敵なお話を楽しませていただきました
「私だけ初めてなんてずるい」ってうまい表現だな〜
芽衣子が快楽におぼれていく感じがいいです
真島の汗とか体温とか伝わってくるところもすばらしい
あと一回ですか、もうひと勝負? 腕枕でピロートークだけでも萌えそう
268名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 22:24:15.59 ID:nTTUdrCg
DVD情報待ち
269名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 22:49:06.97 ID:Ho7sghgS
ここでか?
270名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 22:58:21.91 ID:tVYz4b1g
真島ちゃんが芽衣子にベタベタ甘える夢見た・・・
271名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 22:59:58.74 ID:Ho7sghgS
それを是非SSにてお願いします
272ぎるちぃ:2011/03/07(月) 23:40:52.46 ID:9rB0hVvM
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

では>>241の続きを投下します
273ぎるちぃ:2011/03/07(月) 23:43:05.87 ID:9rB0hVvM

(芽衣子視点)

真島さんと一緒に家へ帰ってきた。
もうすっかり薬は抜けていて、体の不自由さも頭痛も無くなっていた。
午後から仕事に出るという真島さんと、簡単な昼食を済ませる。

キッチンで洗い物を終えた私に、真島さんが近づく。
「芽衣子。」
「はい。」
真島さんはポケットの中から出した物を、私の手を取って握らせた。
「これ、ちゃんと持ってろ。」
それは、昨日私がもうここには戻らないつもりで郵便受けに落とした
この部屋の合鍵だった。
「もう失くすなよ。」
真島さんはそう言って優しく微笑む。
「はい…。」
私はその鍵を胸の前で握り締めた。

「それから…。」
真島さんは続ける。
「俺のことが本気で嫌になったんじゃない限り、
 もう二度と俺から離れて行かないと約束してくれ。」
「…真島さん。」
「いいか、約束しろ。」
肩を掴んで揺さぶられる。
「はい。」
そう返事をした私に、真島さんは心からホッとした様子で息を吐く。

そして、真島さんはあの女性…カルロさんが持っていた写真に写っていた女性のことも
話してくれた。
274ぎるちぃ:2011/03/07(月) 23:45:11.10 ID:9rB0hVvM

あの女性は、三沢準に大麻の運び屋をやらされていたこと。
他の物品に密かに紛れさせて国内へ持ち込む手口。
不審な点の多いその女性に捜査一課が目をつけたこと。
彼女は大麻とは知らずに、準に言われるまま荷物を運んでいただけだったこと。
そして準が自分の名前が出る前に女性を殺そうとしたこと。
警察上層部と三沢が絡んでいることもあって、極秘で捜査一課が三沢を追っていること。
女性は真里さんの自宅で保護していること。

カルロさんが言っていたことと一致する。

「あの娘は施設育ちで身寄りが無い。
 そういうことも計算ずくで三沢は近づいたんだろう。」
私は三沢へのやりきれない苛立ちを覚え、ぎゅっと拳を握る。
「父親の三沢豪も、海外で栽培した大麻を暴力団に流していることは
 随分前から明らかになっている。」
真島さんは私の肩に手を置いて続ける。
「三沢親子は俺が必ず捕まえる。
 これ以上犠牲者を出さないためにも、そして、君を守るためにも。」
「私を…守る?」
「君が三沢親子を殺したいほど憎いのは分かる。
 俺だって君をあんな目に遭わせた奴らを殺してやりたい。
 だけど、復讐の苦しみにこれ以上君をさらしたくないんだ。」

胸が…詰まる。
真島さんは、気付いてくれていた。
私が復讐に手を染めながら、それが苦しくて苦しくて仕方が無かったことに。

「必ず、捕まえるから。俺に委ねてくれるか?」

泣きながらうなずいた私を、真島さんは強く抱き締めた。
275ぎるちぃ:2011/03/07(月) 23:49:05.14 ID:9rB0hVvM

あれから真島さんは三沢親子の捜査のため警視庁に泊り込んでいて、
今日で三日になる。
怪我してないかな…、体こわしてないかな。
メールや電話はくれるけど、心配でたまらない。

特に今日はサロンの仕事が休みだから、よけいに気を紛らす術が見つからない。
何気なくテレビを点けて、お茶でも入れようとキッチンへ向かいかけた時、
『三沢』という言葉が耳に入った。

私は振り返ってテレビを見る。
そこには、手錠をかけられて左右を固められている三沢豪と三沢準。
顔を隠しながらも報道陣のフラッシュが容赦なく焚かれる。

そして、三沢準の腕をしっかりと掴んでいるのは、
真島さんだった。

私はその場にペタリと座り込んだまま、動けなかった。

どのくらい時間が経っただろう。
玄関の扉が開く音に振り返る。
「真島さん…。」
「ただいま。」
点いたままのテレビからは、相変わらず三沢親子逮捕のニュースが流れている。
床にへたり込んだまま、私は呆然と真島さんを見る。
「ニュース、見たか?」
「は…い。」
真島さんが私の側に近づいてしゃがむ。
「三沢親子は、逮捕した。」
「はい…。」
「十五年前の事件を立件すると君の復讐も明るみに出てしまうから、
 今回の事件での逮捕ということになるが、許してくれ。」
「…真島さん!」
私は真島さんの胸に飛びつく。
「ありがとう……ありが…とう…ございました…。」
泣きじゃくる私の背中を、真島さんはいつまでも撫でてくれた。

「落ち着いたか?」
真島さんの声に我に返る。
「は、はい。」
「だったら出かけるぞ。」
「え?」
「一緒に来て欲しい所があるんだ。」
276ぎるちぃ:2011/03/08(火) 00:03:57.72 ID:9rB0hVvM
本日は以上になります
駄文失礼致しました

さて、私のSSですが、連載としては次回を最終回とさせていただきます
明日投下予定です
こういうSSって、DVDとかが出たら終了が暗黙のルールなんでしょうか?
ドラマの二次創作は初めてなので分からないのですが…
一旦連載は終了とし、需要があれば番外編という形で書かせていただきたいと思います

piyoさん、色を使った情景描写と万里の心理描写が絶妙ですね!
hitoshiさん、真島さん大願成就おめでとう!しかし、好きな娘とのエチ達成を
こんなにたくさんの人が諸手を挙げてお祝いしてくれるなんて、真島さんは
幸せだなあw
277名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 00:16:19.75 ID:/lg8ZnG/
ぎるちぃさん
無事三沢の件もかたづきなんとなく終盤近い?!
と思ったら次回で最後ですか〜寂しいです…
DVD出たら終了というルールは無いと思いますから
連載は終了しても気が向いた時にまたちょいちょい投下して欲しいです
新婚編とかまだまだシチュありますし需要ありますよ〜
278名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 00:25:23.79 ID:yUo8t6pt
ぎるちぃさん、お疲れ様です。

ぎるちぃさんの作品を楽しみにしていたので終わるのは残念ですが、これまでたくさん書いてくださってありがたかったです。

またネタが思い付いたら投下してください。


次回行くところ、ひょっとして……と思っています。
279名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 02:07:23.23 ID:7LdoGijd
最終回だなんてさみしすぎるてぃ!
気が向いたら投稿してください
ホワイトデーネタも待ってますw
280hitoshi:2011/03/08(火) 04:03:05.02 ID:ulalrWQG
DVD出る前に最終回投下しとこっと。
結局最後は真島が締めましたw
テーマが重くて長かったので申し訳ないと思いつつ、今後は短いのをちょこちょこ書こうかと。
まだギルティから抜け出せないので。
281Ending1:2011/03/08(火) 04:04:13.25 ID:ulalrWQG
 -Ending- MASHIMA Side

真っ白になった景色がゆっくりと色を取り戻す。
おそらく一瞬のことだっただろう。
こんなに気持ち良いのは初めてだった。
隣を見ると涙に濡れた芽衣子の長い睫毛が視界に入ってきた。
俺はどうするんだ、こんなにこの娘に囚われて。
心だけじゃなく身体までもが、芽衣子以外ではだめだと分かってしまった。
その上俺はもっともっと芽衣子を貪りたいと思ってしまっている。
今、この瞬間にも芽衣子を組み敷いてもう一度・・・と思うほど。
彼女がもう少し慣れたなら、もっと時間をかけて交われるかもしれない。
でもそんな自信はない。
生理的なことだけではなく、男にも精神的なことから生まれる快感があると分かったから。
芽衣子への愛しさが募れば募るほど、俺自身が追い立てられて我慢できなかったんだ。
こんなにも他人を愛せることを、俺は知らなかった。
自分よりも誰かを愛おしいと思うこと。

恋や愛のまだその先に。

もしあの高台の公園で芽衣子を失っていたら、俺は彼女の後を追ったかもしれない。
彼女のいない人生は、きっと色褪せていただろう。
退屈で生きながら死んでいるような人生だったに違いない。
俺の正義と彼女の頑なな良心が、真実を知っているからこそ、苦しんだとしても。
その苦しみもまた生きているからなのだと、俺はようやく知ったんだ。

芽衣子の睫毛が揺れて、その下から瞳がのぞいた。
ぼんやりと焦点の合わないような表情の後に、俺と目が合った。
芽衣子なら。
恥ずかしそうに目を伏せるんじゃないかと思ったのに、予想ははずれた。
芽衣子は瞬きもせずに俺をまっすぐ見つめる。

「真島さん」

芽衣子の声に迷いがないことはすぐに分かった。
俺が、彼女が自分の人生を生きるためなら、たとえ俺を置いていってもいいと思ったように。
芽衣子も俺が俺自身の人生を生きることを望んでいると。
俺が黙ってうなずくと、芽衣子は静かに話し始めた。

「初めは、あなたのために生きる道しか残されていないと思ったんです。
 真島さんを愛してしまって、それでも復讐をやめられなかった私を受け入れてくれたから。
 ・・・死ねなかったことは、お姉ちゃんには本当に申し訳ないと思う。
 こんな風に私だけが幸せになっていいはずがないとも、思うんです。」

姉のことを語るとき、芽衣子の声がひどく辛そうで、俺は彼女を抱き寄せようとしたが
芽衣子は柔らかにそれを拒んで、俺の目を見つめたまま再び口を開いた。

「でも、もしも許されるなら、今度は自分のために生きてみようと思ってます。
 真島さんが許してくれるなら一緒に、平凡でいいから穏やかに・・・」
282Ending2:2011/03/08(火) 04:05:50.08 ID:ulalrWQG

それ以上聞く必要はなかった。
芽衣子の答がすべてだ。
彼女がそこに辿り着いたのならもうそれでいい。
俺は芽衣子を抱きしめた。
今度は芽衣子も拒まなかった。

「芽衣子、お姉さんもそれを望んでる。本当は復讐なんて望んでいなかったはずなんだ。」

芽衣子の肩が震えて、泣いているのが伝わってくる。

「君は君自身の人生を生きればいい。許してくれるなら俺と一緒に」

俺が先に行ったり、君が先に行ったり、それでも肩を並べて歩いて行こう。
君は俺の傍で笑い、俺は君を大切にして、二人で幸せの道を進もう。
ゆっくりと。そしてどこまでも。
本当にこの人生に終わりがやってくるときまで。

「芽衣子」

名前を呼ぶと彼女は顔を上げた。
泣きながら笑っている、それはまるであの公園で俺を見た彼女の複雑な表情のようで、
なのに今まで見た芽衣子のどの顔よりも幸せそうに見えた。

「はい」

そうだ、俺は芽衣子に聞きたいことがあったんだ。

「ところでさっきはどうしてあんなに積極的だったんだ?」

芽衣子は途端に顔を伏せてしまった。

「・・・もういいじゃないですか」

許してやろうかと思ったけれど、忘れていた悪戯心がここぞとばかりに頭をもたげる。

「いや、教えろ」

芽衣子の両頬に手を当てて顔を上げさせると、芽衣子は観念したような顔をした後
目を反らして少しほっぺたを膨らませた。
この顔が俺の悪戯心を刺激するってことは、芽衣子には教えない。

「万里さんにやきもち妬いちゃったんですっ!・・・それに」

芽衣子は少し躊躇した後で、上目遣いに俺の様子を伺いながら言った。

「・・・真島さんが門倉さんのことで嫉妬してくれたのが嬉しくて。」

俺はあまりに芽衣子が可愛くてもう一度彼女を抱き寄せた。

「俺が芽衣子に夢中なのはもう分かっただろ?」
「・・・はい」

答えた芽衣子の唇から微笑みがこぼれて。
この瞬間が永遠に続けばいいと思いながら、俺は芽衣子を抱きしめていた。


  完
283hitoshi:2011/03/08(火) 04:08:53.95 ID:ulalrWQG
長い間お付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。

ぎるちぃさん
自分もまだ投下すると思うのでぎるちぃさんもぜひっ
まだまだ読みたいっす
284名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 14:44:22.91 ID:AKImzbGh
toro様の新作が読めません
Monsterシリーズまでは読めるのに
285名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 18:09:19.01 ID:ko2PiMfx
ぎるちぃさんもhitoshiさんも大団円乙です♪
でもみんなの作家マジックでの世界の変えっぷりは素晴らしい
この裏世界をふまえてDVD観ると倍面白いw
天国エンドだからあながち間違ってないし
まるでサッカー・パンチですねえ、感動しました(^_-)b

286ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:28:47.22 ID:tmEqlhGB
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>275の続きを投下します
長編連載「未来へ」編 最終話 となります
287名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 18:31:40.48 ID:taMrTGKw
お2人ともお疲れ様でした〜
賑わっていたのに寂しくなりますね
最後までGJです!

>>284
本当ですね、読めない〜〜〜
こういうのって誰に言えばいいんですかね
管理人様?
288ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:32:38.41 ID:tmEqlhGB

『一緒に来て欲しい所があるんだ。』

そう言って真島さんに連れて来られたのは、
見覚えのある、立入禁止のフェンスの前。

「真島さん…ここ…。」
真島さんは微笑んでうなずくと、フェンスを軽々と乗り越える。
「登れるな?」
「あ、はい。」
向こう側から問いかける真島さんに答えて、私はフェンスによじ登る。
スカートが捲れ上がらないように注意しながら、フェンスの天辺を跨ぐと、
「ん。」
真島さんが下で両手を広げる。
あの日と同じように。
きゅっと胸が締め付けられるような気持ちで手を伸ばした私を、
真島さんはしっかりと抱き留めてくれる。
「行くぞ。」
「はい。」
そのまま肩を抱かれて、歩き始める。

真っ暗な海もあの日と同じだった。
違うのは、鉄柵に寄りかかる二人の距離が、触れ合うほどに近いこと。
その時、闇の中に青い光が浮かび上がる。
「あ、真島さん見て。夜光虫…でしたよね?」
「ああ。」
「本当に綺麗…。」

あの時…。
真島さんに見つめられ、強く抱き締められて。
その温かくて優しい胸に顔を埋めれば、そのまますがってしまいそうになった。
本当は…ずっとそうしていたかった。離したくなかった。
だけど私は、無理やり真島さんの腕を振りほどいて走り去った。

そんなことを思い出していると、ふいに真島さんが私の体を引き寄せて抱き締める。
「今日は…逃げるなよ。」
そう言って私を包む真島さんの腕に、ぎゅうっと力が籠もる。
懐かしいような、泣きたいような気持ちになる。

「芽衣子…愛してる。」
低く優しく耳元で響く声に、青い光が涙で滲んでいく。
「私も、真島さんを…愛してます。」
涙でくぐもっていく声でせいいっぱい伝え返す。

真島さんは私の肩に手を添えて体を離すと、その瞳は熱くまっすぐに私を見つめる。

「結婚しよう。」
289ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:34:27.47 ID:tmEqlhGB

(真島視点)

『結婚しよう』

今、どうしても伝えたかった。
初めて彼女を腕の中に抱き締めたこの場所で。

あの時、優しくされたことがなくずっと一人だった言った芽衣子。
彼女の孤独と悲しみに触れ、同情や慰めの気持ちも少しはあったかも知れない。
だが、おそらくもっと前から俺は彼女に惹かれ、瞬く間に心を奪われていた。
あの日ここで、この胸に彼女を抱き寄せたのは確かな愛しさからだと、
今ならはっきりと分かる。

言葉の後、涙を湛えていた瞳の海が一気に溢れ出す。
俺は彼女の濡れた頬を手で包んで問う。
「返事は?」
芽衣子は澄んだ瞳の奥に俺を映し、一瞬きゅっと唇を結ぶと、
「はい。」
そう言って、俺の胸に顔を埋めた。

俺は思い切り彼女を抱き締める。
「もう二度と離さない、永遠に…愛してる。」
「真島さん…。」
腕を緩めて見つめ合い、口付ける。
深く、深く。
この海よりも、深く…。

もっともっと深く、芽衣子の中に入りたい。
そんな抑えられない衝動に突き動かされて、
彼女の胸の膨らみに手を重ねた。
「やっ!ま、真島さん!ここで?」
口付けを離し、俺の手を制するように掴む。
290ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:36:26.80 ID:tmEqlhGB

『ここで?』
俺も自分の中でそう問わなかった訳ではない。
しかし、そんな問いは理性と共に消し飛んでいた。
「黙って。」
彼女の唇を再び塞ぎ口内で舌を追いかけ、手は服の上から乳房を揉む。
「んっ、う…。」
塞いだ唇の中で、彼女が零す小さな喘ぎも吐息も吸い尽くす。
膨らみの中心を指で軽く引っ掻くと、頂はしこりを帯びて衣服を押し上げる。
俺の胸にしがみついて耐えていた彼女の膝から、力が抜けて崩れていく。
支えながらそのまま側のベンチに座らせ、自らも隣に座る間さえもどかしく、
愛撫を繰り返す。

衣服をたくし上げて下着をずらし、柔らかな丸い膨らみを揉みながら、
硬く充血した頂を指先と舌で弄ぶ。
彼女の乳房は、俺の手の中で水のように自在に形を変える。
「あっ!あ!んっ、あっ、ふっ、うっん…」
片方の手は水面を漂うように彼女の肌を滑り、水を湛えた秘所へ潜ってゆく。
火傷しそうなほど熱い潤いが俺の指を包み込み、柔らかく絡みつく。
奥で指先を泳がせて、また別の指で花芽をゆるく撫でる。
「あんっ!あっあ、ぅんっ…ふぁっ、あぁ!」
高まりゆく喘ぎに、俺の心は波間にたゆたう小舟のように揺さぶられる。

己の男根は脈打ちながらそそり立ち、熱い拘束を待ちわびる。
彼女の腰を抱え上げると、猛りを秘裂にあてがい、一気に沈めた。
「あぁっ!」
彼女は瞬間的に俺の猛りに馴染み、締め付けてくる。
俺は彼女の中の海に、深く浅く彷徨い始める。
流されてしまわないように、互いが互いをしっかりと抱き締めて。

敏感な箇所を晒して、その滑らかな肌は青く照らされ、
唇は甘く切なく鳴き続ける。
幻想的なその光景に目を奪われ、耳をくすぐられながら、
体の芯が海底深く引き込まれる。
芽衣子の中でなら、溺れたって構わない。
俺は更に早く腰を突き上げ、限界まで泳ぎ続ける。
やがて彼女の波にさらわれるように、俺は果てた。

芽衣子の鼓動と青い光に包まれながら密かに願う。
お前の命が尽きる時は、俺も共に…と。
291ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:37:45.68 ID:tmEqlhGB

(芽衣子視点)

衣服を整えた後、私達はベンチに座って海を眺めていた。
真島さんは私を横抱きに膝の上へ乗せ、髪を撫でる。
私は真島さんの胸に頭を預けて、情事の余韻に浸る。

「次の休みが決まったら教えてくれ。」
「あ、はい。何か用事ですか?」
問いかけながら真島さんの顔を見上げると、
真島さんは少し照れたようにフッと笑って言った。
「指輪、買いに行くぞ。」
「真島さん…。」

髪を撫でていた真島さんの手が頬を包む。
私も真島さんの頬に手を伸ばしてそっと触れる。

やがて、どちらからとも無く引き寄せられるように口付けを交わす。
夜光虫の青い光が、静かに見守る中で。


真島さん、幸せを…ありがとう。

永遠に…、

愛してる。



  【The End】
292ぎるちぃ:2011/03/08(火) 18:46:39.10 ID:tmEqlhGB
以上で、『未来へ』編 終了です
長らく駄文長文にお付き合いいただきありがとうございました
スレ住人の皆様にお礼申し上げます

連載終えて、感慨深い気分に浸ってます
本当にみなさんのおかげだと思います

えっ!?まだ書いていいとおっしゃってくださるのですね!w
書きますとも!!w
というわけで、番外編、続編という形で、また完成したものから
投下させていただきたいと思います

hitoshiさん
お疲れ様でした!
ありがとうございます
もちろん私も書きます!hitoshiさんの投下も楽しみにしておりますよん

他の職人さん方もお疲れさまです
素敵な作品、真島モードでいつまでも待ってるからっ!

全くギルティ熱冷めやらぬこのごろなので
まだみなさんと一緒にギルティに嵌れるのはうれしい限りです
今後ともよろしくお願い致します
293名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 19:25:37.41 ID:ulalrWQG
ぎるちぃさん
長編連載お疲れ様でした
真島・・・野獣すぎるw 
でもなんか愛が感じられますねぇ 
夜光虫の夜の芽衣子は本当に綺麗だったから真島が野獣になるのも無理なしw
JUJUの「愛してる〜」聞きながら読む自分、きもくてすんません
294名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 19:37:18.18 ID:Fb8mORUg
ぎるちぃさん、連載お疲れ様、そしてありがとうございました!
夜光虫のシーン、一番好きなので、そこでのプロポーズ、読んでて
嬉しかったです
しっかし293さんのいう通り、真島ちゃん野獣だわw
ラストまで濃厚エチ、ご馳走様でしたw
番外編、続編、いつまでも待ってるから
295名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 20:14:24.05 ID:FS8cWbhU
連載お疲れ様でした!
DVDが出たら更に盛り上がること期待してますw
296名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 20:27:03.15 ID:x/JbOtHc
ぎるちぃさん連載楽しませていただきました。
最後はエロパロらしくてクスッとしましたよ
芽衣子の雑誌を買い占める真島とかかわいかったです
彩乃ちゃんからもらった下着は愛用されてるでしょうか?w


これからもホワイトデーとか職人の皆さま方期待しております〜
DVDのカットシーンも気になります
297名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 20:43:43.72 ID:DGJEKOGL
zeroです、中途半端ですが調教…ケフン!!宿題完了しましたので投下します。
298教育:2011/03/08(火) 20:44:17.30 ID:DGJEKOGL
まだ拙いその手つきが愛しい、いや、もっと的確な言葉で表すなら…何なんだろうな、
何にせよそんな決して迅速に要領よく動かない情事はいつもと違う興奮を覚えた。
「んっ、うぅ、」
「っ……、!」
「…痛く…ないですか、真島さん?」
「ああ、全然…、」
俺自身を含んだ芽衣子の口から気遣いの言葉が漏れる。不思議な気分だ、実に。
この手の情事にはもっぱら疎い彼女。(15年間もあんなところにいたのだから当然だが)
そんな彼女に手取り足取り、あらゆることを現在進行形で教えてやってるのは他でもない
自分自身なのに、こうしていると自分の方が一方的に尽くされているような錯覚だってできる。
「…あの、えっと…」
「続き、」
「…あっ、はい!」
そう促しながら彼女の後頭部にそっと手を置くといつもそうするように左右に撫でる。
いやしかし。日々精進していく芽衣子の手練手管には彼女よりも俺の方が驚いている。
たしかに最初言ったとおり普通に見たら拙いのだろう、彼女の行為は。
それでも繰り返しそれを行わせることによって彼女は着々と腕を上げている。
299教育:2011/03/08(火) 20:44:43.85 ID:DGJEKOGL
「何だかなぁ…、」
「…あ、あの…あんまり、気持ちよくないですか?」
「いや、そうじゃないんだ…」
もう自分と同じ30超えのれっきとした大人。のはずなのだが彼女は容姿、振る舞い、
他にも様々な分野で若い、というか、幼い。下手すると「小娘」と称せるような。
そんな彼女にこんなことを…、という罪悪感がどうも頭から消えない。
「犯罪者になった気分だ」
「…?」
軽く広げた両足の間に埋めてある芽衣子の顔を見るとまったく理解していない、
困ったような顔をしていた。そりゃあそうだろう、
「…よく…分からないんですけど、私は…好きですよ、その…真島さんに…教えられるの…」
「え?」
こいつは…!!思わず間抜けな声を出してしまうほどに今のは衝撃的だった。
まだ微かに残る俺の理性は必死にそれを拒もうとしているが(これ以上いくと
本当に歯止めが聞かなくなりそうだからだ)身体はムカつくぐらい正直に反応している。
その俺の身体を直に触れている芽衣子だからそれくらい分かるのだろう。
また先ほどの行為に戻る。
300教育:2011/03/08(火) 20:45:11.29 ID:DGJEKOGL
「ん、んんっ、」
ここまで俺のものになっていたことに対する驚きは尋常じゃない。
あれだけ最初は拒まれていたのだ、何度抱きしめても抱きしめても。
「お前…っ!、変わったな…くっ…!」
「真島さんがそうしたんです」
正論でかえされるも彼女が与える快楽と全てが全て従順になった彼女に対して
どうしても浮かんでしまう情欲、もっといろんなことをしたい、そういう要求が走り
やはり自己嫌悪に陥る。
「ん、っ、ひゃ…!」
絶頂を向かえる直前の俺の身体、おれ自身が大きく脈打つのに気づいた芽衣子が
すかさず離れようとする。今までは好きに離れさせていた。
だが今回は俺がそれを許さなかった。
「え?」
「飲め、」
彼女の後頭部を片手でいとも簡単に固定させるとそこから動く自由を奪った。
本人にも戸惑いはあったが対して暴れることもせず俺を受け止めた。
301教育:2011/03/08(火) 20:45:36.40 ID:DGJEKOGL

「うっ………!!」
始めて味あわせたなれないそれを受け止めながら芽衣子は俺の言うとおりにする。
ああ、何でだろうな、彼女に与えられた快楽と同じくらい、いやもしかしたら
それ以上の心地よさが俺を襲った。
「…真島さんっ、気分よさそうですねっ…、」
「…お前余裕だな、。」
だったら、もっと、もっと、やっちまえ、やっちまえよ、と脳裏で囁く俺の
本能が今にも微かに残った理性を指摘する。
「…余裕?」
「いや、こっちの話だ。…けどまぁ、そのうち…覚えてろよ」
相も変わらずきょとんとした芽衣子を見つめながらまぁ、ほどほどにしておこう、と
念のため俺自身の中に語りかけておいた、
それがきちんと発揮することはできるのか…、いや多分無理だろな。
まったく、今夜は悪知恵が働く。

302名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 20:48:00.54 ID:DGJEKOGL
以上です。お眼汚し失礼しました。

hitoshiさん
嫉妬芽衣子かわええ!!何より生きることに執着をもってくれたことに
対して真島さん並によろこんじゃいました。これからも新作待ってます。

ぎるちぃさん
長期連載お疲れ様でした〜!!晴れの日も雨の日も投下本当にご苦労さま
でした!第二段楽しみに待っています(笑)!
303名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 21:19:22.87 ID:ulalrWQG
zeroさん
hitoshiっす
宿題、乙ですッ うまいっ
そしてここにも野獣がいる・・・芽衣子、大変だなw
芽衣子に奉仕させといて犯罪者気分の真島、完全にSだ
でもこれ、案外芽衣子が隠れSみたいな気がするんですが・・・w
304名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 22:06:44.29 ID:rPMV1oju
hitoshiさん
ありがとうございました。
嫉妬して『私だけ初めてなんてずるい』と言ってしまう芽衣子の気持ちが
わかりすぎてしまい、読むたびドキドキします

ぜひまた投下をしてください
305名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 22:21:14.17 ID:rPMV1oju
ぎるちぃさん
連載お疲れ様でした そしてありがとうございました
行きたいところって夜光虫の海だったんですよね
てっきり区役所へ婚姻届を出しに行くと思っていましたw
あの場所でやるってさすがまっしー野獣ですw

最後の芽衣子の 永遠に愛してる に涙が出ました
306名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 22:28:39.77 ID:GfjAfmNC
ぎるちぃさん hitoshiさん お疲れ様でしたぁ〜
最終回更新しました〜

zeroさん お疲れ様です〜


>>284 >>287
toroさんは、最終回ラッシュの後あたりに更新されるそうなので、
題名更新しただけで、中身はまだ更新してませんよ〜
307名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 22:43:58.78 ID:taMrTGKw
zero様、GJですー

>>306
お疲れ様ですっ
安心して待ちます…と言いたいけどっ
ずっと待ってたのでお早めに更新お願いします!
308名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 22:46:03.69 ID:x/JbOtHc
でたぁ
zeroさんの宿題
zeroさんのSSは鼻血ものです
もちろん褒めてます
ごちそうさまでした
309名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:00:34.19 ID:FS8cWbhU
zeroさん
やばい〜鼻血です〜
宿題お疲れ様でしたw
310名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 23:21:49.82 ID:M9DFKSmF
ぎるちぃさん、沢山の連載ありがとうございました。
毎日ここを覗いてぎるちぃさんのSSを読むのが楽しみでした。
その創作力、文章力に感心するばかりです。

hitoshiさんもぎるちぃさんもロマンチックに、
そしてキャラの本質がぶれずにまとめ上げて素晴らしいです。
それぞれの真島&芽衣子に永遠に幸せになってくれーと叫びたい

これからも作品待ってます

>z ero様
ごちそう様でした。いや〜こんなシチュたまりません。
調教してるようで実は芽衣子に弄ばれつつある真島ちゃん。
やっぱりこうですよね。
311名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 00:01:32.63 ID:DzQagNff
ぎるちぃです

>zeroさん
あああ!チャットの時のお題!
お見事ですっ
真島さんに『飲め』とか言われた日にゃあ、もう…やばいw

みなさん、感想とあたたかいお言葉ありがとうございます
これがあるからどんどん書きたくなっちゃうんですよね♪
もう次作の構想はできてますので、しばらくお待ち下さいませ
312名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 00:47:50.99 ID:r5TnoIIF
DVD観てからこのスレやまとめサイトみると
何処の鉄人兵団?ってぐらい当然のように死んだはずの二人が生きてて笑ってしまうw
あれも25年ぶりのリメイクですからねえ
大事な想いは誰かが未来に届けてくれるもんなんでしょうね
313名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 02:40:21.66 ID:ZeWpDVrq
toroさんの作品が全てうpされました〜
コメント欄にも一言残されてますよっ

http://www43.atwiki.jp/guilty_paro/pages/105.html
314名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 18:47:55.32 ID:yw2rSRFN
>>313
いつもお疲れ様
toroはすごいな
菅沼の嫁で泣くとは思わなかったわ
ダークなのが好きなんでmonsterと悪魔がすげえ好きだわ
315名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 15:17:48.48 ID:V6v8/wTr
zeroさん
うわぁ〜っ!自分も鼻血でそうw
やっぱり真島はSですよね
でもって芽衣子はMで隠れS?

toroさん
toroさんのお話読んでからDVDの1話見たら初見の時より泣けて
しょうがなかったです
316名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 15:32:51.41 ID:T8LOD5ev
glenです。
ぎるちいさん、エロと情感の大団円をありがとうございました。
hitoshiさんにも感謝です。お二人の次回作品を楽しみにしています。

toroさん、第七天国しみじみ読ませていただきました。
タクシーで真島の胸にもたれる芽衣子の図が、実現して嬉しい。
菅沼の遺族の視点のお話、傑作です。

ではこないだの話の数日後の小噺を投下します。
180cmの男と160cm弱の女がああいうことをするとき、
女の頭はどこにあるべきかシミュレーションできる方は、
脳内で赤ペン修正しながら読んでください。
317病院の夜(1/4):2011/03/10(木) 15:33:49.52 ID:T8LOD5ev
「真島さん、こんばんは」
「来たのか」
やっと点滴が取れたようだ。
身動きできない病人というわけではないし、私が付き添って何かできるわけでもないけれど、
病院から泊まりがけの付き添いもかまわないと言われたのをいいことに、
今夜はそのつもりでやってきた。
「あ、買い忘れた物があるので、売店に行ってきますね」
「ああ」

病室に戻ると、真島さんは眠っていた。
私もパジャマに着替えた。
ベッドの脇に立って彼を見下ろす。
ときとして他人を拒絶しているように見える高い鼻梁。
泊り続きの捜査後、入院してまともに睡眠をとれるようになったおかげで
すこしはふっくらした頬に触れる。
あの晩、私はこの人の顔に触れたいと思いながらそれができなかった。
今はこうして当り前のように触れている……。
唇や髭にも。
初めて抱かれたとき、全身に触れる唇や髭や指の感触にうっとりしていたら
「今回だけはこらえてくれ」と言われ
……体が裂けそうな痛みに涙が出た。
でもそのあと、広くて温かい胸にしっかり抱き寄せられると
ばらばらになった体が一つになったみたいで……
キスされる感触、髭が肌をかする感触……怪我人を見ながら感じるなんて恥ずかしい。
318病院の夜(2/4):2011/03/10(木) 15:34:46.35 ID:T8LOD5ev
「……芽衣子」
「あ、すみません、起こしちゃった?」
「少しだけ、こっちに来るか?」
肩幅の広い真島さんには、ただでさえ狭そうなベッドなのに。
でも甘えたい気分もあって横にもぐりこむことにした。
入ろうとするとき、真島さんが回してきた腕が私の胸にぶつかる。
「あ、ごめん」
私は多分赤くなったと思う。
厚みのある肩に頭をもたせかけて逞しい腕に抱かれていると忘れそうになるけれど
かすかに消毒薬のにおいがして、ここが怪我人のベッドということを思い出す。
「来てくれるのは嬉しいけど無理すんなよ」
「来たくて来てるだけですから。それに明日はお店がお休みなので」
真島さんはしばらく私の腕をさするようにしていたが、
「頭の位置もう少し下にしろ」と言う。
体をずらして胸に頭を載せるようなかっこうになると、
私の腕をさすっていた右手が宥めるように背中を撫で……
それからパジャマのなかに入ってきた。
「真島さん……だめ、そんな体で……」
「……お前が満足すればいい……」
刺激するような感じではなく優しく背中を撫でていた右手が
わき腹をさすってくると、体に電流が走る。
私はぎゅっと彼の入院着の襟をつかむ。
真島さんの大きな手が包むように胸に触れ……
「……あっ……んっ……」
本当は眠る真島さんの髭に触れたときから、胸の先はしこっていたのだ。
腕がぶつかったとき、感づかれたら恥ずかしいと思ったのに
やっぱりわかってしまった。
ふくらみを揉んでいた手が、下着のなかに入り込んできた。
後ろから、指で一番敏感な部分に触られるのは初めてかもしれない。
まるで螺旋を描くように中指で愛撫され、体の奥がじんじんしてくる。
「悪いな、利き手じゃないからあまりうまくできない」
「ううん……すごく感じる……っあ……や……んっ」
私は知らず知らずのうちに腰を突き出していて……
「ま……しま……さん、もうだめ……」
長い指がするりと中に入り、震えるような動きを続ける。
もう我慢できない。
「……イキ……そう……あああっ……」
319病院の夜(3/4):2011/03/10(木) 15:35:35.23 ID:T8LOD5ev
しばらく真島さんの胸にしがみついていた。
「体が溶けるかと思っちゃった……」
「気持ちもほぐれたか?」
「え?」
恥ずかしくてずっと伏せていた顔を上げると、優しい目が見つめてきた。
「部屋に入ってきた時、こわばった顔だったから……」
欲しがってるのがわかったんじゃなくて、それで背中を撫でてくれたの?
「店でいやなことでもあったか?」

トリマーの仕事は大好きだ。
復讐で頭がいっぱいだったころ、犬は私をあたためてくれる唯一の存在だった。
お客さんもそれほどいやな人は滅多にいない。
サロンに来るのは、だいたいお金に不自由しなくてちょっと退屈しているような奥様が多い。
今日は出張トリミングの日だった。
今日のお客さんというのが、数少ない苦手なタイプなのだ。
獣医さんからも再三注意されているというのに
犬にせがまれるままむやみに餌を与えて、すっかり肥満させてしまっている。
もともと虫の居所が悪そうなところへもってきて
私が「もう少し餌を減らしてお散歩させたほうが」と言ったのが
癇に障ったらしく、ヒステリックにわめき始めた。
自分で飼ったことがない人間に何がわかるかから始まって
服装が貧乏くさいだの、三十過ぎて独身なんてどこか欠陥があるだの……
私も思わずカッとなって「お客さんもワンちゃんと一緒にダイエットなさればいいのに」
と言い返してしまった。
すぐに出て行けと言われ、お店には怒りの電話がかかってきて琴美さんには怒られ、
病院に着いたときも落ち込みから回復していなかったのだ。
320病院の夜(4/4):2011/03/10(木) 15:36:18.33 ID:T8LOD5ev
「今度おまわりと結婚しますって言ってやればよかったのに」
「あんな人の前で真島さんとのこと話したくなかったんです。
でも、どんなに腹が立っても、お客さんにああいうこと言っちゃいけないんですよね……」
真島さんは、ちょっと困ったようなかすかにおかしがっているような顔をする。
「けど、そいつは……いやなババアだな」
「えっ!?」
吹き出してしまった。
笑っているうちに、過ぎたことはどうでもいいような気持ちになってきた。
「命がけの仕事をしてる人につまらない話聞かせちゃって」
「そんなふうには思わないな。俺だったらそんな客の相手するより凶悪犯追っかけてる方が気が楽だ」
気休めじゃないと思う。真島さんがあの奥さんと長時間一緒にいたら、
どこまで苦虫を噛みつぶしたような顔になることか……。
「でも、重傷って聞いたときは寿命が縮まりました」
「便宜上、全治一ヶ月以上を重傷と定義しているだけだ。
内臓をやられたわけじゃないし、わき腹はかすり傷みたいなもんだ」
「あの……前から思ってたんですけど……」
「え?」
「入院中くらい、痛いときは痛いって言わなくちゃだめですよ」
真島さんはため息をつく。
「それ言うのおまえで四人目だ。
ほんとうに今は痛みはあまり感じない……薬のせいか、とにかくだるい」
「そうですか……入院中の人に愚痴を聞いてもらって、私はとにかく情けないです」
「俺の前で我慢なんかするな」
いつもの気分になって真島さんに抱きつく。
「くっ……オ、オイ」
あれほど左肩の傷に触れないように気をつけていたのに、
銃弾が貫通した肩にしがみついている馬鹿な私!
「あああ、ごめんなさい。ナースコール、あ、それより走ってお医者さん呼んできます、あ、うわあああ」
ベッドから転げ落ちそうになるところを、がしっと抱きかかえられる。
「いいよ。来たからって何かできるわけじゃない。
……もうすぐ治まるから」
痛みが治まるものならどこかさすってあげたいけれど、これ以上なんかするとますます悪化するかもしれない。
「ほんとにごめんなさい。私、簡易ベッドに退散します」

真島さんは辛そうに左肩を押さえて目をつぶっていたが、
しばらくすると目を開けて私を見た。
「そんな顔するな」
「今日は自己嫌悪の一日です」
「おおげさだな」
「私、もう来ないほうがいいかも」
「何言ってる。タックルさえやめてくれりゃ、いてくれたほうがいいよ」
「ほんとうに?」
「ああ、お前を見てると退屈しない」
でもどう見てもどっと疲れが出たようだ。
「タックル芽衣子もう寝ます。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
321名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 22:18:29.73 ID:b/mTSrjJ
glenさん乙です
包帯真島さん萌えです!
ほんといろいろ疲れた時にssってオアシスになりますねえ、まるでドラクエの宿屋ですよ
疲れた時にこの一本!って感じですw
322ぎるちぃ:2011/03/10(木) 22:53:56.79 ID:ewJ6cKCi
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます、
ぎるちぃです

さっそく続編なんですけどw

>まとめの方
いつもお世話になってまーす
タイトルは 『続編1 本当のラストメッセージ』
でお願い致します

では、>>291の続編を投下します
323ぎるちぃ:2011/03/10(木) 22:57:12.40 ID:ewJ6cKCi

続編1 本当のラストメッセージ


(芽衣子視点)

『結婚しよう』

真島さんにその言葉をもらった翌日、
私はあの高台の公園に来ていた。
姉の形見…、あの羽のネックレスを手に。

「お姉ちゃん…。」
鉄柵に近づいて、広がる街を見下ろす。

「ごめんね…、三沢親子は殺せなかった。」

私はネックレスを鉄柵に巻き付けて留める。

「あいつらはまた新たな罪を犯してた。だけど今度は、逮捕された。
 真島さんが…捕まえてくれたの。」

鎖に捕らわれ、つながれた羽が黄金色に揺れる。

「これで…いいかな?許してくれる?
 私が…真島さんと生きて行くこと…。」

突然強い風が吹き上げる。
その風に煽られたネックレスの鎖がぷつりと切れて空中を舞う。
「あっ!」
私は思わず柵の向こうに手を伸ばした。
ネックレスは私の手を掠ることも無く、崖下へ落ちていく。

突風が止み、樹々のざわめきも静まる。
私はしばらく動けずにいた。

その時、伸ばしたままの私の手を、今度は暖かく穏やかなそよ風が撫でる。
「お姉ちゃん?」
風はあくまで優しく頬を、髪を撫でていく。
「…お姉ちゃん…!」
私は柵に寄りかかって崩れるように膝をつき、
声を上げて泣いた…。
324ぎるちぃ:2011/03/10(木) 22:59:18.20 ID:ewJ6cKCi

どのくらいの時間そうしていただろう。
少し落ち着いてから、はっと我に返る。
「いけない、もう戻らなくちゃ。」
お客様のワンちゃんを送りに来た合間だったことを思い出し、
濡れた頬を手で拭って急いでサロンへ戻ろうとした。

その時、一つの人影が近づいてくる。
足を引きずる歩き方とその風貌、覚えがあった。
堂島さんが命を絶った直後、
堂島さんから私に宛てられた封筒を、この高台に届けに来た人だ。

あの時の封筒の中身は、堂島さんがあの事件と私の復讐について
真実を綴った原稿データと、一枚のメモ書きだった。

「ん。」
私の前まで来ると、その人は握りこんだ手を私の前に差し出した。
「んー!ん!」
戸惑う私に早くと促すように、その手を突き出す。
私が手の平を広げて出すと、その上に何かがポトンと落とされた。
その人は何も言わずにまた足を引きずりながら去っていく。

私は受け取ったものを確かめる。
「SDカード?」
デジタルカメラで撮ったアンの写真をパソコンに移したりするのに使っているから、
その物自体は私にも分かる。

何かのデータ?
あの人が持ってきたってことは、堂島さんが残した情報がまだあったのかも…。
動画や画像だったら今持ってるカメラで再生できるけど、
もし文書データだったらパソコンじゃないと…。
私は言い知れない焦燥感に駆られながら、カメラにSDカードを差し込む。

電源を入れてSDカードのデータを読み込むと、どうやら動画データのようだった。

震える指で再生ボタンを押す。
画面に映ったのは堂島さんだった…。
325ぎるちぃ:2011/03/10(木) 23:01:58.45 ID:ewJ6cKCi

『ちゃーおー、芽衣子ちゃん。
 やっと見てくれたんだね、俺からの最後のラブレター。
 おっと、こんなこと言うとまっしーに怒られちゃう。』

いきなりおどけて冗談を飛ばす堂島さんの目に、ふと真剣な光が宿る。

『これを見てるってことは、君は三沢親子を殺していないってことだ。
 もし芽衣子ちゃんが、真島君の側で生きていく人生を踏み出せたなら、
 例の原稿は闇に葬ってもらってかまわない。
 だからさ、恋する資格なんて無いって言ったこと、許してよ。』

堂島さん…。

『あー、でも、芽衣子ちゃんのことだからなぁ、
 堂島さんが命をかけて書いた原稿、そんなことできません!
 とか言おうと思ってるでしょ?ははっ、当たりでしょ?
 真島ちゃんの側にいる芽衣子ちゃんならそんな感じだなー。
 俺と取引してる時の芽衣子ちゃんとは明らかに違ったからねぇ。
 これでもちょっとは妬いちゃったのよ、俺。』

少し切ない笑いが込み上げる。
 
『うーん…じゃ、こうしよう。
 君の命が天命を全うするその時まで、あの原稿を世に出すのは延期。
 それでいいよ。』

そして、その表情は更に真剣さを増して、改まったように言葉を続ける。

『ねえ芽衣子ちゃん、
 まっしーの家のお風呂、浸かり心地はどうだい?
 俺もまっしーと背中の流しっことかしたかったなぁ。
 それだけが心残りなんだよ、俺。』

…堂島さんの動画は、そこで終わっていた。

以前堂島さんが私に託した原稿には、
十五年前の事件の真相の他に、出所後私が復讐のために自殺に追いやった
四人のこともはっきりと綴られている。
この原稿を世に出すということは、
私の冤罪と共に自殺教唆の罪も明るみに出るということ。
それを考えて堂島さんは…。

暗くなった画面を見つめる。
ひょうひょうとした冗談の中に紛れ込ませた、彼の優しさと真実。

「堂島さんらしい…。」

乾いたばかりの頬は、また涙で濡れていった。
326ぎるちぃ:2011/03/10(木) 23:17:24.96 ID:ewJ6cKCi
本日は以上になります
駄文失礼致しました

なんかですねぇ、SSの構想練るか文章書いてないと落ち着かなくなっちゃいましたw
重症…w
恐るべしギルティ
また完成次第投下しまーす

>toroさん
熱を出した芽衣子を心配する真島さん良いです!
芽衣子は少しくらい調子悪くても無理しそうだし、
真島さんはすぐに気付いてくれそう

>glenさん
ありがとうございます
なんと病室で!
我慢の真島さんは、今夜悶々ですなw
タックル芽衣子かわいいです
327名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 23:35:26.46 ID:chucK16J
glenさん
きゃ〜病室エロ萌えです
真島ちゃん自分が不調なのに芽衣子の微妙な変化にちゃんと気付いて
愚痴聞いてあげてその上気持ちよくしてあげて(笑)
良い男やなぁ〜芽衣子幸せ者だ

ぎるちぃさん
早くも続編やった〜
きちんと堂島の声で再生できるくらいリアル感ありました
お姉ちゃんも芽衣子を応援してくれてるみたいでよかった
私もここでぎるちぃさんのSS見るのが日課で中毒になってます!
ずっと重症のままでいてください(笑)
また作品投下待ってます
328名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 05:48:12.92 ID:TJ3vBT/y
>glenさん
病院エチ、けしからん二人ですねww
禁断の場所というのは萌えますねぇ
男臭い真島でありながら芽衣子の状態を察して癒してあげる
優しい真島に惚れなおしました。

>ぎるちぃさん
連載終わってしばらく寂しいかなと思ってたら
すぐの続編
ありがたやありがたや。続きワクワクしながらまってます。
329名無しさん@ピンキー:2011/03/12(土) 10:27:16.93 ID:BiIrA6AD
職人様やまとめの方及び全ての真島×芽衣子ファンの方々、
地震大丈夫ですか…?
330名無しさん@ピンキー:2011/03/12(土) 14:43:07.68 ID:B0pB9gdT
今書きこむのちょっとためらわれるけど、無事です@関西
大津波警報出てたので非難しましたが、思ったほどではなかったので
今は自宅待機中です
みなさんご無事ですか?
331名無しさん@ピンキー:2011/03/12(土) 14:43:41.24 ID:B0pB9gdT
非難→避難です
332名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 05:10:12.49 ID:3TrIhWJf
まとめの中の人です 西日本なので大丈夫です
関東にいる家族には、最初連絡が取れず心配していましたが皆無事でした
皆さんは大丈夫ですか?
333名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 07:52:17.56 ID:iPVSyrDA
ANKOです。
私は中部なので影響ないです。
皆さんのご無事を祈ってます。
334名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 10:10:13.75 ID:LDWZkJn7
zeroです。生存報告に来ました。九州なので無事です。
ここの住人さんもそうでない方も無事を祈ります
335名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 10:34:40.00 ID:GlatgJB/
東京在住の者です。
比較的会社の近くに引越したので、帰宅難民にならずにすみました。
自宅は落ちたり壊れた物もなく、いつもと変わらないでした。

仙台に住む友達は地震後すぐに無事が確認できました。

他の方々の無事を祈らずにはいられないです。
336名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 22:41:23.35 ID:rfIVOQdt
読むだけですがいっつも皆さんの作品楽しませて頂いてます。
本当に有り難い!真島と芽衣子とここの皆さんの作品と心意気が大好きです。

私は都在住で帰宅難民でしたが、たまたま遊びに来てた友人が都内ホテルに居り、
3時間歩いてそのホテルに向かいました。
そしてこういう時だからと、一緒に無料で泊めてもらえる事になり
ホテル側に毛布やらバスタオルやら色々面倒見てもらえる事になりました。
1Fフロアにはそういった帰宅難民で溢れかえる状況ですが、ホテルの方々皆凄く親切。
翌日には何とか電車を乗り継いで帰宅。家の中は色んな物が倒れ飛び出し。
でも大きな被害は無く、筋肉痛腰痛で暫く立つのもフラフラしてましたけど、何とかなってます。
とにかく被災されてる方々の無事を祈ります。
337名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 05:24:31.36 ID:OwlPV8Ka
今この状況でのん気にSSなんて不謹慎・・・・と躊躇してる方もいるのかな
こういう時こそ普段通りに過ごしたり息抜きも必要だと思います
皆様のSSが言動力になりますし
遠慮なく投下なさってほしいです
338名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 08:32:30.69 ID:kzMAytb+
glenです。
家族の用で揺れがおさまりきらない東京に行っていましたが
今は無事に自宅におります。

>>337
冷静で正しいご意見と思います。
「被災地の避難所にいる友人から
退屈してるから早くブログを更新して読ませろというメールをもらった。
だからそいつのために自分はブログを書き続ける」
という内容のブログを読みました。

この状況で何をすべきか、判断がむずかしいですね。
まずはチェーンメールにひっかからない、無駄なメールで通信を混雑させない
くらいかな。
339名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 11:59:53.54 ID:zTsZSLBJ
ぎるちぃです
関東の自宅におりますが、まだ余震が続いています
金曜の大揺れでは家具が動いたり物がたくさん落ちてきたりでパニックでしたが、
今日やっと少し落ち着いた気持ちでおります

>>337さんのおっしゃること、すごくよく分かります
以前、事故でちょっとした場所に閉じ込められたことがあり、
当時楽しみに読んでいた携帯小説を何度もリロードして
更新を確かめていた記憶があります(電源がある場所だったから出来たことですが…)
そういう状況の中だからこそ、気が紛れる事を貪っていたんだと思います

もちろん、それどころではないもっと大きな被害に遭われている方も大勢いらっしゃると思います
自然の力を前になんとも無力でやりきれない思いでいっぱいですが、同時に、
それでも一人一人が今できることをやるって大事なことですね

今日投下したかったSSがまだ書きかけであるんですが、
近々必ず、と思っています

どうか皆さんにこれ以上の被害が出ないよう願っております
340名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 20:36:37.05 ID:D4H4GQph
piyoです。
震度5を記録した関東在住ですが、無事に過ごしています。
生まれて初めて経験したすごい揺れ。怖かったです。
今日は計画停電に振り回された一日になりました。

書き込みをされた皆さんのご無事を確認できて心から喜んでいます。
これ以上何も起こらないで……。

ぎるちぃさん、新作楽しみにしています。
341名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 16:28:55.58 ID:SD7uX4zX
hitoshiさんの安否が気にかかります。つい最近まで来てらしただけに。
他の皆さんも大丈夫かしら。
無事を祈る事しかできない。
342名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 21:53:05.77 ID:8Q5LgxMb
hitoshiっす
うおお〜・・・すみません、ご心配おかけして
生きとります〜
地震とは関係なく胃腸かぜで寝込んでました・・・タイミング悪すぎでした 
心配してくださってありがとうございます&申し訳ないです
自分も皆さんの無事を祈ってますっ
343名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 22:12:57.21 ID:SD7uX4zX
hitoshiさん、無事でしたか!
良かったよぉぉぉ。

エロパロスレでなんですが、お見かけする方々の安否が気になって気になって
またここで楽しい時間が過ごせる事を願ってます。
344名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 21:54:30.36 ID:4WXnaZBp
zeroです。
作品自体は震災の前に書き上げていたのですが投稿するのをずっとためらっておりました。
>>337さん、>>338さんたちの言葉で決心できて投稿するのを決めました、ありがとうございます。

わずか一ヶ月という期間で激しい愛を交し合った2人ですがもし2人が過去に、
芽衣子が服役する前に実は絡んでいたら(本人たちは気づいてないの前提で)
すごく萌えるなぁ、と思い変なのができました。エロなしです。
345過去編:2011/03/16(水) 21:55:57.60 ID:4WXnaZBp
何事か、と異変に気づいたときにはもう遅かった。
けたたましい銃声と共に周囲の人々の甲高い悲鳴が響く。
「黙れ!!殺されたくなかったら全員床に伏せろ!!」
まるでドラマや映画の1シーンのような、でもたしかに現実に起こっている
この出来事を受け入れる以外私にはできなかった。言われるまま床にうつぶせになる以外は。
              
                   *

最初から、こんな時間に出歩いていたことが間違いだったのだ。
私が一月前、志望高への合格が決まり、まるで自分のことのように
喜んでくれたお姉ちゃん。そのお姉ちゃんが合格祝いに私に犬のキーホルダーをくれた。
どうしてもお返しがしたくて、でもお金もなくて、母にお小遣いを頼むと
あらかさまに嫌そうな顔をしながらも僅かに小銭をくれた。
私の今までの貯金と足せば何とか、それなりの金額になった。
お姉ちゃんは読書が好きだ。お返しなら本にしようと最初から決めていた。
学校帰り、アルバイトも終わり、日は沈みあたりは闇に包まれたが
どうしても早く渡したくて、本屋に入ったのは夜の8時をすぎていた。
店内にはまだ人は結構いた。…大人の人ばかりだけど。
ふと見ると同い年くらいの男の子を見つけた。どこの学校の子だろう。
彼は後ろ向きで立っているうえ、どこにでもあるような学ラン姿だったので判別はできなかった、
「純文学がいいかなぁ、それともエッセイとか…」
あらゆるジャンルをてんてんと回りながら試行錯誤していた私の耳にあの声が響いた。
「黙れ!!殺されたくなかったら全員床に伏せろ!!」
                   
                   *
346過去編:2011/03/16(水) 21:57:07.95 ID:4WXnaZBp
わけもわからずただ呆然と床にうつ伏せ、視線を泳がすことしかできなかった。
ピストルを持った男が本屋の店長に銃口を突きつけながら何かを指示する。
店長の人はためらいながらも男の言われた通り、ドアに厳重にロックをかけ、
店のシャッターを閉めさせた、完全に密閉された空間ができあがる。
(嘘…どうするの、これ…)
用済みになった店長は私や他の客同様床にうつ伏せになるよう指示される。
見た限り拳銃を持った男は一人だけ、他に仲間がいるようには見えない。
そっと私は懐から携帯電話をポケットから取り出し、1、1、0、とボタンを押した。
「やめとけ。」
「!?」
突然頭の後ろから聞こえた声に一瞬心臓が止まるかと思った。
あの拳銃を持った男にばれたかと思ったからだ。しかし、恐る恐る横目で
後ろを見ると私に声をかけたのは、私とおなじうつ伏せで、店内にいたあの少年だった。
「…びっくりした、」
「とっとと携帯しまえ、気づかれたらバラされるぞ、」
ふと前を見ると拳銃を持った男がこちらに近づいているのが伺えた、
慌てて彼の言う通り携帯をしまう。
347過去編:2011/03/16(水) 21:57:56.23 ID:4WXnaZBp

「…あの男誰なんですか…」
「昨日、人を殺して指名手配された逃亡犯だ、朝ニュースで見たツラとおんなじだ。」
「…何でそんな…」
「おおかた、ここで警察を呼んで俺ら人質の命と交換に金と逃亡車を用意させようって腹だろ、」
筋の通った少年の推論には何の穴もなくこれからの展開が見て取れた。
だがその前に拳銃を持った男はレジへと進むとそこから現金を奪い取る作業に没頭していた。
一角の本屋なのでそんなに大した量の現金があるとは思えないが。
「………。」
今ならいける、ともう一度携帯電話を取り出そうとしたそのとき。
「っ!?っひゃぁ!!」
いきなり片足を引っ張られその作業を妨害された、引っ張ったのは後ろの彼、だ。
幸い私の小さな悲鳴は拳銃を持った男には聞こえなかったようだが。
「ななな何するんですか…っ!?」
「やめとけっつっただろ」
「警察に連絡しないと…!!」
レジから金を巻き取るのに成功した男がまた見回りを始めた。
こちらにも近づいてくるので一旦彼との会話を中断させる。
348過去編:2011/03/16(水) 21:59:00.80 ID:4WXnaZBp
「…お前、警察に連絡する間ずっとアイツに気づかれないですむと思うか?」
「それは…でも、ずっとこのままじゃ…!!」
男が通り過ぎたのを待ちもう一度彼との会話を再会させる。
今更直視すると軽くうねった髪にハーフともとれる端整な顔をした少年だった。
「…遅かれ早かれアイツは自分から警察に連絡するはずだ、車と金を要求しに、だ」
「それを待ってろって言うんですか!?誰かが殺されるかもしれないのに!?」
「待て、落ち着け、いいから話を聞け。」
そういうと彼は右の方向に指をさした。自然と私も右を向く。
なんてことはない、ただのトイレがあった。呆気にとられる私をよそに彼は話を続ける。
「あのトイレ、中に入ると裏口に繋がる扉がある。」
「…え…」
私も何度かここの本屋には来た事がある。トイレだって全く入ったことがないわけではない。
そういわれてみればそんな扉があった気もする。…彼は、この本屋に何度も来た事があるのだろうか。
もしかしたら前にもすれ違ったことがあるのかもしれない。
「あんくらいの鍵ならガタイのいい警察官一人、体当たりくらいで壊れるだろ、
それにさっきの店長、男に言われてシャッターと入り口の鍵は閉めたがトイレには寄らなかった。」
349過去編:2011/03/16(水) 22:00:05.09 ID:4WXnaZBp


「じゃぁ、やっぱり警察に連絡しないと…トイレの裏口の件も伝えて…」
「ああ、だがお前のさっきの無防備なやりかたじゃだめだ、」
無防備と言われて少しムッとなるが彼はまったくもって正論だ。
だが何かに気をとらせるといってもそんな方法あるのだろうか、
「いいか、今から俺が立ち上がって店内を駆け回る、男が俺に気を取られてる隙に通報しろ。」
「…!?何言ってるんですか!!」
前言撤回。私も無防備だが彼はそれ以上に型にはみだしすぎている。
そんな真似それこそ映画か何かの仮想空間でないと通用しない。
「危険すぎます!!絶対ダメです!!」
「あ?じゃあどうすんだ言ってみろ?他にどんな方法がある?」
「それは…!!けどそんなやり方絶対にダメです!!私、協力しませんから!!」
とそこまでしてから彼が自分の真後ろに頭をむけていること、
私が学校帰りの制服姿でいること、スカートの下にはスパッツの類は身につけていないことを
思い出し、赤面しながらも脚を閉じた。
「バカ、動くな!!アイツ今ちょっとこっち見たぞ!!」
「と…とにかく!!…他の方法考えましょう!!」
「いいからガキは言うこと聞いてろ!」
「ガキって…!!貴方いくつですか!!」
「15だ」
「そう。私16何です、年上の言うこと聞いてもらいますよ?」
350過去編:2011/03/16(水) 22:01:11.84 ID:4WXnaZBp
プッ、とこの状況に非常に不似合いな噴出したような笑い声が聞こえた。他でもない後ろの彼の笑い声だ。
「…な、何がおかしいんですか、」
「いやお前、何で年下の奴に敬語使ってんだよっ」
くつくつと今もなお笑いを噛み殺す彼を横目にますます私の顔は赤く染まった。
何がそうさせるのかは分からないが完全に面白がられてる。
「…、て、一つ違いに年上もくそもあるか、やっぱり俺が、」
「だめです!!絶対!!何ならせめて…私と貴方の役を交換しましょう!」
「バカいうな!!何で女にそんな真似させなきゃいけないんだ!」
「年下にやらせるよりマシです!!」

「…おい、お前ら」

「「あ…」」
ひそひそ声だったはずのボリュームは徐々に肥大していたようで気づくと周囲に、もちろんこの男にも丸聞こえだった。
「どんな作戦かぁしらねぇが舐めたまねしてくれんじゃねぇか、ああ?」
やばい、どうしようとさっきまで真っ赤だった顔がみるみる青く染まっていく。
そんな私と違いいたって彼は冷静だった。
「…ああそうか、そんなに知りたきゃ……教えてやるよ!!」
「ちょっっ!!何を…!!」
止める間もなく俊敏な動きで彼は立ち上がると風のような動きで店内を走り回る。
それにあわせるように犯人は彼をおう、拳銃を向け発砲までして、だ。
きゃああああ、と周囲の客は床に向かい咆哮を続けている。
彼を見ると、彼も、私を見ていた。するべきことは一つだと、本能で察するしかなかった。
「……!もしもし、警察ですか、こちらOO書店なんですけど、助けてください、実は…」
351過去編:2011/03/16(水) 22:02:33.01 ID:4WXnaZBp

眼が覚めると、他でもない自宅の天井が見えた。体を起すとベッドに寝かされていたことも知る。
くしゃくしゃになった髪を手ぐしでとかしながらぼうっと何も考えれずにいた。
「…芽衣ちゃん、芽衣ちゃん!!!」
「……お姉ちゃん、?」
「…良かった、大変だったねぇ…、」
ああ、お姉ちゃん、お姉ちゃんの本…結局買えないでいた。お姉ちゃんは一旦出て行くとまた戻ってきた。お母さんを連れて。
「まったく、自業自得でしょ、あんな夜遅くまで外に出て…」
「…ごめんなさい、」
「いいじゃない、本屋さんなんだからいたって健全でしょ?ねぇ芽衣ちゃん。」
ああそういえば、あれからどうなったのだろう、ふと時計を見ると夜の12時を回っていた。
もうそんなに経ってしまっていたのか。あの、あの少年は…?
「それも、この年で彼氏まで作るなんて、どこの不良よ…」
「この年って…、普通でしょ、中学生で作ってる子だっているんだから。」
そう全部私が悪いんだ、明日になって本屋に行けばよかった、
この年で彼氏なんて作るから……え?か、か、
「彼氏!?」

「芽衣ちゃんをここまで送ってくれた警察官の人、言ってたよ。本屋から気絶した
芽衣ちゃんをおんぶして外までだしてくれた男の子がいたって、」
ああそうだ、そうだそうだ、あのあと通報した後、一気に警察がトイレから進入し
本屋中パニックになって、逃げまとった人質の誰かに思いっきりぶつかって
本棚の角に頭をぶつけて…それから…意識が飛んだんだ。
「言ってくれればよかったのに〜芽衣ちゃんったら水臭い、すっごいイケメンだったって警察の人言ってたよ〜」
「いや、や、違うの、あの人は、」
あの人は…ナンなんだろう。結局名前も聞けずじまいだった。近所に住んでいるのかもしれないけど…
それでも何一つ分からない、聞いてない、知らない、答えようがなかった。
352過去編:2011/03/16(水) 22:03:58.16 ID:4WXnaZBp
             *

あの事件から半月ほど経った。強く打った頭は徐々に傷口を塞ぎ始め、
体調は万全、お姉ちゃんには迷った挙句大ベストセラーとなった恋愛小説をプレゼントした。
事件はというと即効であの夜犯人は取り押さえられ死亡者は0という実によい最期を迎えたらしい。
「あ、定期忘れたかも…」
駅の中央でふと立ち止まり鞄を漁る。やっぱりだ、忘れてしまった。
弱った。財布の中には雀の涙ほどしかお金が入っていない。家に帰ってとりに帰るしかない、
くるりとUターンすると人ごみにはじき出され倒れかける。
「わっ…!!」
だが倒れる直前に誰かの手が私の腰あたりにつっかえ棒となるように触れ、身体を水平に
持ってくることに成功した。
「あ…、すみません」
「いや…」
顔を上げたその瞬間にその人は私の後ろへと去り、人ごみへとまぎれていった。
「………。」
けれどたしかに、たしかにその声には聞覚えがあり、また人ごみの中ポツンと見えた
黒い影が、あの時の制服に酷似していたことを、私の意識は感じ取っていた…。


それから10年以上の時を経て、2人が再び出会い愛しあった事、
またあの本屋の一件から真島拓郎は刑事を目指した事。
全てはここから繋がっていたこと、誰も知らない。  

完。

353名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 22:04:59.58 ID:4WXnaZBp
以上です。長い上に変なのですみません。
少しでも早く被災された方が平穏な日々を取り戻せることを願います。
354名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:06:53.45 ID:nJBpQYSR
zeroさん、ありがとうございます
投下するのに勇気いった事と思います
でもほんの一時でも気を紛らわす時間って必要ですよね。

真島と芽衣子、一瞬で駆け抜けた二人だけど
運命の出会いが過去にもあったなんて想像は素敵ですね
というか15才の真島を想像しただけで萌えですぅ。
355名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 23:17:25.69 ID:bx+nUJqb
zeroさん、
芽衣子の律義さ、人に敬語を使っちゃうところ
真島の機転や勇敢さ。
説得力のある過去物語をありがとう!

投下には勇気も要ったと思います
芽衣子の女子高生ぶりは想像できるけど、そのとき当然
真島は15歳だったんですよね。なんか生まれた時から髭づらのアラサー
と刷り込まれてたw

356名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 01:29:35.38 ID:s39fjLHI
ZEROさん
思いきって投下してくださってありがとうございます
たくさんの人が救われる事でしょう
ここ数日気が滅入っていましたが息抜きになりました
やっぱり真島芽衣子大好きだぁぁ
十代の2人の性格や関係性が変わり無しで微笑ましかったです
15歳のツルツル真島ちゃんは想像しにくいですが(笑)
357名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 11:19:43.90 ID:WX8WNt5j
「あ だめ… 動かないで」
「……」
「もう少しそのままでいてください」
「おい、大丈夫か」
「多分大丈夫…あと少し…だけそのままで」
「無理するな」
「無理なんてしてません」
「…でも 俺は… 今日はもうやめよう」
「大丈夫ですから あと少しだけこのまま…」


「動いてもいいか?」
「ごめんなさい なんか変です」
「おい だから無理するなって…」
「ほんとにごめんなさい」
「謝らなくていい お前のせいじゃない」
「私のせいです 絶対大丈夫だと思ってたのに」
「…そんなに 変なのか?」
「真島さん かわいいです」


芽衣子にトリミングされる真島さんでした
358名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 16:34:30.30 ID:59VSX3U3
357の意味が分かった俺は重症
359名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 19:52:42.13 ID:cXdonBgH
>>357さん
和みました〜。ありがとう。
トリミング、頭の次は…
以上下品なチャット参加者からの感想でした。
360名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 22:42:38.09 ID:WkqMBgri
zeroさん、>>327さん 乙です
そしてGJ!!
361ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:47:28.68 ID:3txsOvSh
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます、
ぎるちぃです

>まとめの方
いつもほんとにお世話様でございます
タイトルは 『続編2 ホワイトデーに君へ』
でお願い致します

では、>>325の続きを投下します
362ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:49:45.12 ID:3txsOvSh

続編2 「ホワイトデーに君へ」


「芽衣子さん、次のお休みなんですけど、来週の月曜日どうですか?」
モンアンジュへ戻ると、パソコンの前に座った彩乃ちゃんが尋ねてきた。
「その日はまだ予約が入ってないんで、今のうちに取っとけば調整できそうですよ。」
来週の月曜か…、次のお休みが決まったら教えてって真島さんに言われたけど、
特にいつじゃなきゃいけないって訳でもなかったし。
「うん、じゃあその日で。」
「了解でーす。えーっと、月曜、月曜…と。」

休憩時間、次の休みが決まったことを真島さんにメールで伝える。
携帯を閉じ、昨日のことを思い出す。

『結婚しよう。』

低く優しく響く真島さんの言葉は、
思い出すたび胸の奥を甘く締め付ける。

結婚…。
愛する人のお嫁さん…。
あんな事件が起こる前は、憧れなかったわけじゃない。

だけど、今の私は…。

こんな身に余る幸せ、手にしてもいいのかな…。
真島さんは本当に私で、いいのかな…。

私に欲しいものを求める資格なんて、あるの…?
363ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:51:34.15 ID:3txsOvSh

(真島視点)

芽衣子から次の休みを知らせるメールが届いた。
俺は早速休暇願いを書く。

来週の月曜…来週の月曜…、
頭の中で繰り返しながら、デスクの上に乗ったカレンダーで日付を確かめる。
3月14日か。
そのまま書類に書き込もうとして、ふと手が止まる。
ホワイトデー…か?
世の中の若者の流行りには少々疎い俺でも、それくらいは分かる。

自分の胸元に手で触れた。
そこには、バレンタインに芽衣子から贈られたネクタイ。
それから…、
俺は内ポケットから手帳を取り出して開く。
間に挟んであるのは、彼女からのメッセージカードと、例の雑誌の切り抜き…
浴衣姿で笑顔を向ける芽衣子。
それを眺めながら思い出す。
甘い香りのチョコレートに添えられていたこのカードには、
『愛してる』
と、その一言だけがしたためられている。
彼女の気持ちがめいっぱい詰まったプレゼントだった。

俺も何か芽衣子が喜ぶようなとびきりのプレゼントを贈りたい。
できれば、少し驚かせて…。
そんなことを考えながら手帳を閉じ、書類にペンを走らせた。

「何?休暇届け?」
万里が隣から俺の手元を覗き込んできた。

…そうだ、万里なら…。
「今からちょっと付き合ってくれないか。」
「え?」
「頼む。」
「ちょ、ちょっと、拓朗!」
俺は万里の腕を掴んで捜査一課を出た。
364ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:53:16.11 ID:3txsOvSh

(芽衣子視点)

私はデパートに来ていた。
琴美さんのお遣いで、ここの最上階にあるペットショップのオーナーに
届け物をした所だった。

エレベーター、すごく混んでるなあ。
遠目に人だかりを見て、エスカレーターで下ることにする。

いくつか階を下りた時、私は思わず視線を留める。
売り場スペースとエスカレーターを仕切るガラス張りの向こう。

真島さんと、あれは…
万里さん…?
洋服を手に取りながら談笑している。
二人で、楽しそうに…。

「すみません、通してもらえます?」
通り道を塞いで立ちつくしていた私に、来店客が後ろから声をかける。
「あ、すみません!」
離せない目を無理やり逸らし、階下へ向かうエスカレーターに乗る。

女性もののブランドのショップだった。
真島さんが万里さんに選んであげてたの…?
楽しそうだった…真島さん。

真島さんのこと、信じてるのに、
愛されてる実感も、確かにあるのに、
自分の価値への自信の無さが、いつも頭をもたげてくる。
幸せを手にできるような人間じゃないだろうと、
何かがいつも私にささやいてくる。

『結婚しよう。』
そう私に言ってくれた真島さんと、今見た二人の姿とが、
ぐるぐると頭の中を渦巻いていた。
365ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:54:58.64 ID:3txsOvSh

昼下がり、真島さんと一緒にコーヒーを飲む。
今日は休暇を取った月曜日。
ゆっくり午後から出かけることにした私達は、
昼食を済ませた後、ソファでくつろいでいた。

まだもやもやとした気持ちは消えなかったけれど、
なるべく考えないようにしていた。

「あ、私、そろそろ支度しますね。」
そう言って私が立ち上がると、真島さんもソファを立つ。

化粧ポーチを手に洗面所へ向かおうとした時、私の前に大きな紙袋が差し出される。
「ん。」
「…何ですか?」
「今日、ホワイトデーだろ?」
「えっ?今日……あぁ!」
今日は、3月14日…。
「ネクタイのお返しだ。ほら、開けてみろ。」
真島さんは紙袋を更にこちらへ押し進める。
「あ、はい。ありがとうございます。」

受け取った紙袋の中には、きれいに包装されてリボンがかかった箱と、
クッキーやキャンディの入ったカゴを抱いた、アンによく似た犬のぬいぐるみ。
「うわぁ、かわいい!アンにそっくり!」
ぬいぐるみを見てはしゃぐ私に、真島さんは優しい微笑みを返してくれる。

そしてもう一つの箱を手に取り、丁寧に包装を解いて開ける。
「わぁ、綺麗…。」
箱の中のものを手に取ってみる。
ふわっとしたシフォンの真っ白なワンピースと、
それに添えられた深いブルーのストール。
まるで、ほの白く、それでいて深く青く光る、
あの夜光虫の海を思わせる。

あまりにも素敵で、しばらくうっとりと見入ってしまう。
「どうした、気に入らなかったか?」
「いえ、違うんです。これ、真島さんが選んでくれたんですか?」
「そう言いたい所だが、何しろ女ものはよく分からない。
 万里に手伝ってもらって、似合いそうなのを選んだんだが。」
366ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:56:57.24 ID:3txsOvSh

万里さん…て、え?
もしかして、あの時…?

包装にあしらわれたロゴは、
真島さんと万里さんが一緒にいたショップのものだった。

「そう…だったんですか…。やだ、私ったら。」
「ん?」
「いえ、何でもないんです。」
もやもやしていた気持ちは、嘘のように晴れていった。


(真島視点)

「本当に綺麗…。こんな素敵なワンピース、私がいただいてもいいんですか?」
恐縮した言い方に彼女らしいと思いながら笑みが零れる。
「君のために選んだんだ。君が着てくれないと困るだろう。」
彼女は大きな瞳を潤ませ、ワンピースを胸に抱いてうつむく。
「真島さん…、ありがとうございます。大切にします。」
「ああ、できれば今日着てくれないか?」
そう言う俺に、彼女は顔を上げて、まだ潤んだ瞳をぱちくりさせる。
「き、今日!?…ですか?」
「夕食にちょっとしたレストランを予約してある。それを着て行っても
 浮かないくらいの所だ。」

それから芽衣子は、このワンピースに合うようにと髪を巻いたり、
念入りにメイクをしたり、鏡の前にかじりついていた。

「真島さんごめんなさい!もうちょっと待って下さい!」
「まだ時間も早いし、慌てなくていいから。」
先に準備を終えて答える俺を、彼女は自分の支度の手を止め、
まじまじと見つめる。
「何だ?」
「素敵…。」
「え?」
「真島さん、すごく素敵です。」

…。
確かに今日は一張羅のスーツを着ているが、
仕事でも毎日スーツだし、自分じゃいつもと代わり映えしないと思っている。
彼女に素敵だと言われると、嬉しいやら照れくさいやらで、
どう返していいか分からなくなる。
「あ、いや…えっと…。」
そんな俺に釣られるように、彼女も視線を泳がせどぎまぎする。
「あ、あの、じゃあ私、着替えてきますね。」
芽衣子はそう言って俺が贈ったワンピースを手に脱衣所へ入って行った。
367ぎるちぃ:2011/03/18(金) 20:58:35.80 ID:3txsOvSh

しばらくして、芽衣子がそっと扉を開けて恥じらいながら出てくる。
「どぉ…でしょうか?」

その美しさと可憐さに、思わずほぅっとため息が漏れる。
「あの…似合いませんか?」
心配そうに問う彼女に、俺は首を横に振る。
「よく似合ってる。綺麗だ。」

ほっとした表情で頬を染めながらうつむく彼女の首筋に、ふと目が留まる。
「おい!ここどうしたんだ?」
思わず彼女の腕を取り、首筋に指を沿わせて尋ねる。
彼女の左の首筋には赤い跡があった。
そう、ちょうどキスマークのような…。

俺が付けた覚えは無い。
接客業である彼女の仕事を考え、服で隠れない場所に跡を残したことは無いはずだ。
「赤くなってる…。」
「あー、さっき髪を巻いてて、ヘアアイロンをうっかり当てちゃったんです。」

彼女の答えにホッとして力が抜ける。
「巻き方、彩乃ちゃんに教わったんですけど、なかなか慣れなくて。」
「気をつけろ。痛むか?」
「いいえ、全然。当てちゃった時はちょっと熱かったですけど。」
そう言って俺を見上げる彼女。
俺は彼女の首筋に口付けた。
「きゃっ。」
「じっとしてろ。」
唇を離してそう囁くと、再び赤い花びらに口付け、舌を這わせる。
「んっ…。」
このまま芽衣子を抱いてしまいたい。
だが、彼女が俺のために綺麗に身を飾ってくれたのを無駄にもしたくない。
埋めていた顔を上げると、花びらがさっきよりも心なしか鮮やかに色づいている。
彼女はますます熱っぽく俺を見つめる。
俺は揺さぶられ続ける理性をどうにか保ち、彼女の体を離した。
368ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:00:23.89 ID:3txsOvSh

家を出て、まずアンを預けにモンアンジュへ立ち寄った。
予想してはいたが案の定、着飾った俺達を見て冷やかす琴美と彩乃。
それをどうにかかわしてサロンを後にし、宝石店へ向かう。

「いらっしゃいませ。」
「あの、婚約指輪を…。」
言いかけた時、芽衣子が俺の袖を引っ張って耳打ちする。
「真島さん、私…お洋服をいただきましたし、充分です。
 この上指輪なんて…。」
やっぱり遠慮する彼女。予想はついていた。
「服はホワイトデーのプレゼントだと言っただろう。
 指輪は婚約のしるしだ。
 男としてそれぐらいさせてくれ。」
そう言うと、ようやく芽衣子はうなずいてくれる。

「気に入ったのを選んでいいから。」
「私…指輪なんて着けたことが無いから、こういうの全然分からなくて…。」
「分かった。じゃあ俺の見立てで構わないか?」
「はい、お願いします。」

俺はショーケースの中を一通り見て回った。
その中の一つが直感的に目を引き、店員に声をかける。
「この指輪、出してもらえますか。」
「はい、かしこまりました。」
ベルベットの布の上に出された指輪。
「よかったらどうぞ着けてご覧になってください。」
俺は芽衣子の左手を取り、薬指にその指輪をはめてやる。

決して大きくはないが、確かな輝きを放つ石。
シンプルで華奢だけど、愛らしいデザインのリング。
彼女にぴったりだと思った。

「よく似合うと思うが、本当に俺が選んだのでいいのか?」
「はい。真島さんに選んでもらった方が嬉しいです。」
やり取りを見ていた店員に向かってうなずくと、
サイズ直しの手配をしてくれる。
出来上がるまで一週間ほどかかるらしく、その日は指輪を受け取らずに
店を出た。

「時間、ちょうど良かったな。」
宝石店から程近いレストランへ入る。
ここは前に三輪さんに連れて来たもらったことがある。
いわゆる高級店の部類に入るがそれほど堅苦しくなく、
料理も店員のサービスも最高だった。
三輪さんも気に入ってると言っていた店だ。
369ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:02:25.06 ID:3txsOvSh

コートを預け、席に案内される。
椅子に掛けて出されたメニューを見ながら芽衣子に尋ねる。
「酒、少し飲めるか?」
「はい。」
ウエイターを呼び、コースとシャンパンを注文してから、
少し不安がよぎる。
芽衣子は酒が入ると大胆になる。
確かこの間は、俺と二人でボトル一本のシャンパンを飲み干した。
グラス一杯くらいなら大丈夫か…。

そんなことを考えている間に、グラスにシャンパンが注がれ、
前菜が運ばれてくる。
「それじゃ、婚約祝いだ。」
二人のグラスが近づき、心地良い音を立てる。
「乾杯。」

芽衣子は今日も綺麗にナイフとフォークを使う。

以前芽衣子に付きまとっていた男を逮捕したパーティの後、
琴美の知り合いがやっているというレストランに、芽衣子と共に誘われた。
雰囲気は少々カジュアルだが、テーブル上にカトラリーがずらりと並ぶような
フルコースを出す店だった。
二十代を刑務所で過ごし、出所して一年余りの芽衣子が、
その時、問題ないマナーでフォークやナイフを器用に操るのを見た俺は、
こういう店は慣れてるのかと彼女に尋ねたことがある。
「サロンのお客様は裕福なお家が多いから、
 たまにご厚意で自宅へ食事に招かれることがあるんです。
 モンアンジュへ勤め始めてすぐに、困らないようにって琴美さんが
 一通りのマナーを教えて下さったんです。」

この店を予約する時、芽衣子がそう言っていたのを思い出し、
それなら芽衣子に恥をかかせることも無いと安心した。

「たまにはこういう所もいいだろ?」
「はい、すっごく美味しいです!」
そう言って料理を口に運ぶ芽衣子を見て、フッと笑う。
「どうしたんですか?」
「いや、君は何でもうまそうに食うから、見ていて気持ちがいい。」

アンを俺が預かることになって、彼女に買い物に付き合ってもらった時だったか。
ひょんなことから初めて彼女を部屋に上げた。
カップ麺をうまそうにすすり、スープまで飲み干した芽衣子を思い出す。
370ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:05:14.17 ID:3txsOvSh

「だって…、ほんとに美味しいんですもん。」
彼女は恥ずかしそうに頬を染めて言う。
「褒めてるんだ。」
「もぉ…。」
少し頬を膨らませた後、クスッと笑う芽衣子。

……。
確かに食いっぷりも可愛いんだが…。

美しく、それでいて幼さを湛えた顔立ち、
大きな瞳、
滑らかな白い肌、
艶やかな髪、
華奢で小柄な体、
その中の心は、深い愛情と優しさ、勇敢さに満ちる。
彼女はその全てで俺を惹きつけて翻弄する。

その上ドレスアップした今日の芽衣子に、
俺は心も視線も奪われて止まない。

アンを迎えに行き、彼女と共に部屋へ帰ってきた。
俺の手には冷えたシャンパンボトル。
結局注文したアルコールはグラスに一杯ずつのシャンパンだけだった。
予約の際に婚約の記念だと伝えておいたのを覚えてくれていたのだろう。
オーナーのはからいで、帰り際、お祝いにとシャンパンを一本プレゼントされた。
芽衣子と俺を祝ってくれる心遣いが、じわりと心に沁みた。

グラス一杯のシャンパンでは、さすがに芽衣子も酔っていない。
「もう少し飲むか?」
「はい!」
コートを脱いだ彼女が嬉しそうに二つのグラスを持ってくる。

部屋の中で、俺達は再びグラスを合わせる。
「真島さん、今日は本当にありがとうございました。
 プレゼントに、お食事まで…。」
芽衣子は改まって言いながら、俺に頭を下げる。
「君に喜んでもらえたなら良かった。」
「はい、嬉しかった…とっても、幸せです。
 幸せすぎて、少し怖いくらい…。」
視線を落とす彼女の肩を抱き寄せる。
「幸せになろう、二人で。」
そっと頭を引き寄せて、こめかみに口付けを落とした。
371ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:07:07.79 ID:3txsOvSh

話しながら、シャンパンを注いでは飲む。
ボトルが半分以上空いた頃、
彼女の飲むペースが速くなる。
「おい、無理するな。」
「だーいじょうぶですよー。ねー真島さーん、お酒っておいしーんですねー。
 あーでも私シャンパンしか飲んだことないんだったー。」
そう言っている間にも、彼女はぐいぐいとグラスを空ける。
「何か他に飲んでみたい酒あるか?今度調達しとくから。」
「ほんとーですかぁ!?えーっと、真島さんは何が好きなんですかー?」
「俺じゃなくて、芽衣子の飲みたいヤツでいいんだぞ?」
「はい、だからー、真島さんの好きなお酒、私も一緒に飲みたいなぁ。」
こいつ…。
愛しさは、おそらくもう…止まらない。

ボトルはすでに空になり、彼女は最後の一杯を飲み干す。
空いたグラスを彼女の手から取り、テーブルに置いてから再び向き直ると、
芽衣子の瞳がうるりと濡れた光を放ちながら、俺の手にそっと自分の手を重ねる。
彼女が肩から羽織っていたストールが片方だけするりと落ち、白い肌の露出を増す。
「真島さん…お願いします、離れないで…。放さないで下さい…。」

その格好で、その瞳で、そんなことを言う芽衣子を…、
俺はもう抱き締めていた。

口付け、俺が舌を差し入れると、彼女の方から絡めてくる。

やはり…。
芽衣子は一定量以上のアルコールが入ると大胆になる。
ふと、悪戯心が芽生えた。
いや、ただ、彼女に大胆に求められてみたいと思った。
いつも狂おしく求めているのは、自分ばかりのような気がして…。

彼女が絡めてきた舌を突き放すように唇を離す。
彼女は切ない表情で俺を見つめる。
「真島さん…、やだ、もっと…。」
372ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:08:54.37 ID:3txsOvSh

……。
すぐにも芽衣子の全てを貪りたい衝動をどうにか堪えながら、
彼女を抱き上げてベッドへ運び、座らせる。
そして俺はネクタイを外しながら、その隣にごろりと横になる。
きょとんと瞬きを繰り返す彼女の手首を掴み、自分の胸に引き寄せる。
「好きにしていいぞ?」
「え?」
「ホワイトデーだろ。いつものお返しだ。
 今夜は俺を君の好きなようにしていい。」
「好きな…ように…?」
「ああ。」
「ほんと…に?」

言いながら、芽衣子は俺の顔の横に手をつき近づいてくる。
唇が、触れる。

いつも俺の口付けを受ける時と同じように彼女は目を閉じているが、
俺は閉じてやらない。
彼女が俺を求める姿を見ていたいから。

俺の唇を彼女のそれが柔らかく覆い包み、啄ばむ。
やがて、舌先で俺の唇をつつくように進入の許しを請う。
唇を少し開けてやると、彼女の舌がそっと口内に入ってきて、
俺の舌に絡む。
それに答えて絡めたり、逃げたりしてみれば、
どこまでも追いかけてくる。

彼女は唇を離し一つ吐息を漏らすと、俺の口髭に親指で一度なぞるように触れた後、
唇を滑らせる。
口髭をこんな風に愛撫されるのは初めてだった。
少しくすぐったいが、これほど心地いいものだったのか。

その唇で俺の頬にちゅっと口付け、耳を甘噛みし、舐め、囁く。
「真島さん…好き…愛してる…。」
鼓膜を震わす吐息混じりの声に、己の中心が一段と熱さを増す。

首筋に唇を這わせながら、彼女の手が俺のワイシャツにかかる。
パリッとしたワイシャツのボタンは外しにくいようで、
彼女がもどかしそうに俺の胸元で手を動かすのを見て、
俺は下からボタンを外していく。

シャツを開いて俺の胸をさらけ出し、彼女の唇が首筋から滑り降りてくる。
指先と唇で裸の胸を這い、片方の手を俺の猛りに伸ばし、スーツの上から包み込む。
くすぐったさと快感が同時に襲い、思わずぞくりと仰け反りそうになる。
373ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:10:21.64 ID:3txsOvSh

彼女は唇で俺の腹を滑りながら体ごと移動し、ベルトに手をかける。
俺の手で少し金具を動かしてやると、それは容易に締め付けを解く。
脱がせやすいように少し腰を浮かせ、彼女が足元まで下ろしたズボンと下着から
足を抜く。

彼女は体を起こし、自分の背中に手をやる。
「う…ん…。」
服を脱ごうとしているのだろうが、酔いも手伝ってか
やりにくそうに眉をしかめている。
「こっち来い。」
身を寄せてきた彼女の背中に手を回し、
服のファスナーを下ろして下着の留め具を外してやる。
肩に引っかかったワンピースと下着の肩紐が頼りなく落ち、
白い乳房が露になった。

彼女は俺の脚の間に体を入れ、俺の雄にそっと手を添えて口付ける。
ふと彼女が顔を上げて俺を見る。
どうしていいか分からないと言うように。
俺は少し身を起こし、指で彼女の唇に触れながら言う。
「歯を立てなければ大丈夫だ。好きにしていい。」
「はい。」
再び体を横たえた瞬間、鈴口をちゅっと吸われる。
「っ…。」
不意に与えられた刺激に、思わず声を上げそうになった。
先端を舐め、口に含み、吸い上げ、幹を包んだ手はゆっくりと動く。
そのぎこちない動きに焦らされ、俺は昂ぶりを懸命に抑え込む。

俺は上半身を起こし、足の間にすっぽり納まった芽衣子の腹の下に腕を差し入れ、
下半身だけをこちらに引き寄せる。
残った下着を取り去って足を割り、俺の体を跨がせると、
「やっ…。」
彼女はとまどって腰を引くが、俺はそれを逃がさない。
「続けて。」
そう言って首から頭を起こし、彼女の秘裂に指を這わせる。
「あんっ!」
俺に愛撫を与えるだけで、もう蜜を溢れさせている彼女が堪らなく愛おしい。
その秘裂に口付け、硬く尖った花芽を舌で撫でる。
「ひゃうっ…。」
更に指を蜜壷に挿し入れ、奥で内壁を擦る。
「んっ、あっ…やっ…ん、ふっ、ぅんっ!」
やがて彼女の体がガクガクと揺れ始めたとき、俺は全ての愛撫を解く。
「ま…しま…さん…。」
絶頂に達する直前でお預けを食らい、芽衣子は切なそうな顔を向ける。
「好きなようにしていいと言っただろう。
 欲しいなら、俺を求めて来い。」
374ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:11:52.60 ID:3txsOvSh

彼女は体の向きを変え、俺の胴に跨ってくる。
俺の胸に手をついて、中に俺の猛りを呑み込もうと腰を落とす。
彼女の腰をそれとなく手で支えながら、
徐々に増す快感を急かしたくなる衝動に駆られる。

先端が彼女の奥に届くや否や、俺を呑み込んだ腰が動き始める。
「んっ、んっ、うんっ、…あっ、あんっ…あぁっ!」
芽衣子が俺を求めて腰を揺らし、俺の上で快感に喘ぐ。
その喜びと妖艶な眺めに全身がどうしようも無いほど打ち震える。
先ほど焦らされた昂ぶりが波のように打ち寄せてくる。
「あっ!いやっ、…もう、だめっ!ま…しまさ…んっ!」
小刻みに引き込むように締め付けられ、俺は彼女の奥底に熱を放った。

ぱたりと俺の胸に崩れてくる芽衣子を、強く抱き締める。

目が覚めた時は、もう夜明けだった。
昨夜あれから俺達はどちらが先とも無く眠りに落ちてしまったようだ。

腕の中で眠る芽衣子を見つめながら思う。
ただ一人と思う相手と、互いに求めて求められる幸福。

求めてくれ、俺を。
俺は必ず君に答える。
必ず、全て受け止めるから…。
375ぎるちぃ:2011/03/18(金) 21:25:48.89 ID:GgEeS0RR
本日は以上になります
駄文かなり長文失礼致しました

14日に投下しようと思っていたホワイトデーのお話でした
遅くなってすみません
えらい長いお話になってしまいましたが…
この状況の中、ちょっとした息抜きにでもなれば幸いです

また続き投下させていただきたいと思います

>>zeroさん
作品投下ありがとうございます
本編より、あの事件より、さらに過去の真島さんと芽衣子、新鮮です
キャラはそのままで、学ランとセーラー服の若い二人が想像できちゃいます
真島さん、さすがにこの頃ヒゲは生やしてないんだろうな…

>>357さん
作品投下ありがとうございます!
短い中でどきどき、クスッとできるお話ですね
376名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 22:44:38.43 ID:yqvrhGt6
zeroです

わーいぎるちぃさんの新作だっ!
タイムリーなお話毎回ありがとうございます!
367さんの小話も和みました。新しい職人さんかな…?
今後の新作も待ってます。
377名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 23:46:29.70 ID:QRBX1VBt
ぎるちぃさん、素晴らしいです。
「好きにしていいぞ」なんて鼻血もの〜。
そして二人の幸せに乾杯。
378名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 00:01:41.00 ID:8EPxmL4T
>ぎるちぃさん

新鮮な感じ、ちょっとにやにやと読ませていただきました
さて、芽衣子は今夜の事を覚えているのでしょうかw
379名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 11:19:45.24 ID:TDNpyfxr
ぎるちぃさん、ごちそうさま!
もうすぐ三回目の月命日だけど、真島と芽衣子の姿が
鮮明によみがえってきます

テーブルマナーを仕込んでくれた琴美さん、GJ!
真島はどこに行っても堂々としてそうだけどねw
380名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 21:05:14.41 ID:V35DvU1P
hitoshiですっ
ぎるちぃさん乙です 芽衣子酔っぱらいかあw可愛いな
自分はもうあのチャットからこっち、小ネタばっかり思いつくんだけど・・・
ドラマのイメージが壊れそうな小ネタばかりorz
381名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 05:29:30.55 ID:Q3Q2mgFh
遅くなりましたが、やっとwikiを更新しました 
家族が埼玉と神奈川にいるので、放射能が心配で
暫く何も手につかない状態でした

ニュースを見て泣いてばかりいても仕方ないので、
まずはwiki更新して元気だしますっ

皆さんの新作で、元気頂きました ありがとうございます〜
382名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 09:57:32.74 ID:LElmVpW+
管理人さん、いつもありがとうごさいます
ここに来ればほんの一時でも気がまぎれる、そんな場であればいいですね。
作品を投稿して下さった職人さんに感謝です

>hitoshiさん、先日は名指しして失礼しました

スレのクォリティーとキャラを崩壊しまくった私が言うのもなんですが
楽しめる小ネタ待ってます。
さてお尻噛まれたままの私の真島ちゃん どうしましょう
実はもう二週間も放置で煮詰まってるんです
途中まで書いて…
エロ突入しかけて…エロの修行の旅に出てました。
ぎるちぃさんとzeroさんのエロの神様が私にも降臨しますように
383hitoshi:2011/03/20(日) 10:24:23.32 ID:ciPbCvxC
管理人さん、いつもありがとうございます。
体調悪いのかなぁと気になっていたところでした。
自分もニュース見る時間制限してます。
wiki更新、お疲れ様でした。

>>382さん ANKOさんだろうか。名指し逆にありがとうw
ここの皆に覚えられていると思うだけで、もう嬉しかったっすよ〜(涙)
エロ修行の成果楽しみにしとりますw

エロの神様はおいらにも今のところ降臨しません。
ほんっとーに小ネタエロなしなので。
本編の二人の空気感はあると思いたいですが、ドラマの印象は壊れるかもしれません。
自分も煮詰まってあんまり切羽詰まった感じのが書けなくて。
和み系を目指してみました。

嫌な方は以下4レスほど、スルーしてください
384触角1/3:2011/03/20(日) 10:25:15.35 ID:ciPbCvxC

触角


真島さんには触角がある。

それは真島さんが食事に誘ってくれたときに現れた。
癖の強い髪を後ろに撫でつけて、髭もきちんと整えて(剃らないのか・・・無精ではないんだなby筆者)
いつもの黒いスーツと白いシャツに黒っぽいネクタイをして
私を迎えにやってきた彼に、琴美さんや彩乃ちゃんはほぅっと感嘆のため息を漏らした。
「真島さん、今日は芽衣子さんとデートだから気合い入ってますねぇ。」
彩乃ちゃんが真島さんに聞こえないように、私の耳元でくすくす笑った。
「そうかな。」
確かにすごくかっこいいけど、私の方はそこまで頑張っていなくて
まあ一応スカートをはいているという程度だったので、少し申し訳なく思う。
並んで歩いたら不釣り合いかもしれない。
そもそもあんな格好しないといけないようなところに食事に行くつもりなのだろうか、彼は。
「私、着替えた方がいいのかな。」
でもあんまり洋服持ってないし・・・と心の中で呟きながら、彩乃ちゃんにこっそり話しかけた。
「いいんじゃないですか?その辺真島さんって臨機応変に対応できそうだから。」
そう、そうよね。
私は思いきって真島さんの傍らに立った。
「仕事終わった?」
ソファから私を見上げた真島さんが不器用に笑みを浮かべた。
うーん・・・さっきから考えてたけど、英国紳士みたい?かな?
「はい。あの、私こんな格好でも大丈夫ですか?」
真島さんは私を頭のてっぺんからつま先まで見て、今度は意外と器用に微笑んだ。
「上等、上等。」
そう言ってソファから立ち上がると
「コーヒーごちそうさま。」
と彩乃ちゃんに声をかけて、真島さんの左手が私の背中を促すように押した。
385触角2/3:2011/03/20(日) 10:26:18.42 ID:ciPbCvxC

二人で並んで歩くと、真島さんを振り返る女の人がすごく多いことに気がついた。
普段の髪型だとそうでもないのに、今日は本当に特別にかっこいいから。
そんな視線を意にも介さず、真島さんは私の歩調に合わせてゆっくりと歩く。
気がつけばいつの間にか彼の手が私のウエストを支えていた。
「あの、この手・・・」
「ん?」
真島さんは当たり前のような顔で私を見る。
「慣れない靴履いてるから歩きにくいかと思って」
確かにいつもより踵の高いパンプスは足元を不安定にさせて、彼に支えられているのは助かっていたのだけれど。
彼が連れて行ってくれたお店はカジュアル過ぎず、でもかしこまっていない素敵なフランス料理店だった。
特別ドレスコードがある風でもなく、私は安心して食事を楽しむことができた。
食後のデザートを口にしながら、真島さんは少し考えて、言った。
「映画でも見に行く?」
映画・・・。定番のデートコースだけど。
せっかく真島さんといるのに映画なんかで時間を潰されたくないような気もする。
もっと彼といろんな話をして時間を過ごしたいと思った。
「そうだなあ・・・」
自分で提案しておいて、それを覆して次の提案を考えるように真島さんは左手で頬杖をついた。
その時だった。
・・・・ソレが現れたのは。
真島さんが後ろに撫でつけた前髪が一筋、はらりと落ちて彼の額にかかる。
癖の強い髪からは想像もつかないような、まっすぐなそれは何かを連想させる。
(えーっと。なんだろう。)
「あ。」
思わず口に出ていた。
「何?どこか行きたいところある?」
触角だ。
そう思った瞬間、私は吹き出しそうになるのを堪えるのに必死だった。
「いえ、少し歩きませんか?」
そう言いながら。
怪訝な顔をしながらも真島さんはただ頷いて、私たちは店を出た。
386触角3/3:2011/03/20(日) 10:29:53.03 ID:ciPbCvxC

それを意識してからは触ってみたくてたまらない衝動を抑えるのが大変だった。
あの髪が一体どうしてこんなにまっすぐになるんだろう、不思議。
俯いて笑いを堪えながら歩く。
「さっきからどうした?何かあったのか?」
真島さんにしてみれば訳が分からないといった風で、それは当然なのだけど。
相変わらず真島さんに支えられるようにして歩いた。
他愛もない話をして、ただゆったりと時間と足の流れるのに任せて。
しばらく歩いて空を見上げると綺麗な三日月が見えた。
「綺麗ですね。」
真島さんは私の視線の先にあるものに目を馳せる。
「ああ。」
そう言った真島さんの横顔もとても綺麗で、気がつくと私は彼の髪に手を伸ばしていた。
「ん?」
「いつもと髪型が違うから。なんだかコレ、触角みたいでさっきから触ってみたいなあって・・・」
手が届くか届かないか。
その瞬間に私は彼に抱きしめられていた。
彼の一筋の髪が私の頬をくすぐる。
「・・・触角って・・・まぁ、いくらでも触っていいけど」
真島さんが耳元で笑いを含む低い声でそう言って。
その後の言葉に、私は真っ赤になった。

「俺の部屋で、二人っきりになったら、な。」
387hitoshi:2011/03/20(日) 10:33:11.44 ID:ciPbCvxC
スミマセンっ チャットネタだったんですが。苦情受け付けますw
真島、芽衣子お持ち帰りしたのか。結局。ていうか触角のせいで外出デートはそこそこに・・・

触角ネタ・・・難しかった。
もう少し膨らませて長くしようかと思ったけど、このくらいの軽さがいいような気も。
芽衣子レーダー?とか考えたけど(笑)無難におさまりましたでしょうか。

こんな小ネタばかり浮かんでくるおいらを誰かどうにかして〜
388名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 14:34:09.74 ID:qzLlXn2a
zeroさん、357さん、ぎるちぃさん、hitoshiさん
新作ありがとうございました。
管理人さん、wiki更新お疲れ様でした!

皆さんに元気をいただきました。
ありがとうございました。

389名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 07:51:03.23 ID:NrNNDY1G
ANKOです
hitoshiさん、早速投下して下さってありがとうございます
その話題の時のチャットは私は退出後だと思うんですが
触覚、ありますよね。芽衣子レーダーw
早々にお持ち帰りした真島ちゃんGJです
小ネタ、どんどん投稿してください。和むわ〜。ずっと待ってるから

ところで触覚で思い出した事で、ちょっと話がズレるけど
DVDの芽衣子最期の日というメイキングで
ラストのキスシーンの時、ヘヤメークさんが、
ちゃんと真島のヘアを直してたのが以外というか
ライオン丸のようなボサボサながらも計算された乱れ具合なんだなと。

キスの時ハラリとかかる一束の髪は偶然顔にかかったのだろうけど
すごく画になってたなぁと
スレチ失礼しました。

390名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 09:13:07.22 ID:E6bDbJmT
ここのSSは本編からかけ離れた設定で楽しんでいる人達な訳で
本編の細かい設定を語り合う場にしてしまうとパロの存在自体が否定される
流石にスレチって言っても限度がある
ドラマスレで語ればいい話だ(その話題自体が既出だけどね
老婆心だが、読み手が離れてしまうぞ
触覚ネタも専用スレがあるよ
391名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 09:33:21.17 ID:NrNNDY1G
ANKOです
申し訳ありませんでした。確かにそうですね。ご忠告ありがとうございます。

えっと、なんとか>>164の続きが完成しましたので投下します。
稚拙な文章ですが適当にスル〜して下さい
392ANKO:2011/03/21(月) 09:36:45.27 ID:NrNNDY1G
【その後のふたり 再生】


真島は三日間の宿直勤務を終え、昼過ぎに帰宅した
玄関を開けると真っ先にタロウがワンワンと吠え尻尾をふって出迎える

「芽衣子の護衛、ご苦労さん」

頭を撫でてやるとじゃれるように手を舐める。

「こうしてれば可愛い奴なのにな」

キッチンから芽衣子がパタパタと嬉しそうな顔で出てきた
「お帰りなさい。お仕事お疲れ様です。
お昼どうします?カレーを煮込んでるんですが」
「いや、軽く食べてきた。シャワーを浴びてから少し寝るよ」

この数日は宿直といえど、ほとんど寝ずの勤務で、家には着替えを取りに帰るだけの忙しさであった。
真島は疲れた顔でジャケットを芽衣子に渡し、バスルームへいった。


髪をふきながら出てくると、芽衣子はミネラルウォーターを手渡す
すぐさまゴクゴクと飲んで喉を潤す。
その様子を芽衣子は心配そうな顔で見つめた

「大丈夫だ。すごく眠いだけだ」

真島は芽衣子の頭をくしゃくしゃと撫で、
ため息をつきながらベットに横になる

「真島さん、すごく疲れてるみたいだから静かにしていようね。」
タロウにそっと話しかける

「芽衣子」
ベッドから真島が呼ぶ

近づくと掛け布団をめくり、
「ここにおいで」とポンポンとベッドを叩く
一瞬、躊躇う芽衣子に真島は
「何もしないよ、そんな元気もない」と微笑んだ
芽衣子は期待したと思われたんじゃないかと
恥ずかしくなって少し離れて横たわる。
真島は芽依子の身体を引き寄せて抱え込むように自分に密着させる

「最高の抱き枕だな。暫くこのままでいてくれ」
顔を芽依子の髪に沈め、その香りかぎながら、
間もなくすうすうと寝息をたてはじめた。

芽衣子も石鹸の匂いが混じった真島の香りと、体温の心地よさに
身体がふわふわして眠くなってきた。
真島がいない間、タロウをケージで寝かせる訓練をしていた為、
一晩中クンクンと甘え鳴きされて芽依子も睡眠不足だったのだ。
393ANKO:2011/03/21(月) 09:42:01.02 ID:NrNNDY1G
何時間過ぎたのであろう
タロウの鳴き声で芽依子は目覚める。
外はもうすっかり日が暮れていた。
「いけない、こんなに寝ちゃった。夕飯の支度しなきゃ」
ベッドから出ようとすると、真島に手を捕まれ引き戻される
「もう少し此処にいろ、カレーがあるんだろ、それで十分だ」
「あ、でもタロウにエサを…」
芽衣子は真島の手を離しベッドから抜ける

「ごめんね、お腹空いたでしょう」
慌てて器にドッグフードを流し入れた
タロウが食べ始めるのを確認してからベッドに戻ると真島は瞼を閉じていた
「また眠っちゃったのかしら」
布団を掛け直そうと手をかけると
またしてもその手を捕まれベッドの中に引きずりこまれた
身体に覆いかぶさられ今度は簡単にすり抜けられない
真島は芽衣子の額にかかる髪を左右によけてじっと目を見つめる
「もう何日も我慢したんだ。いいな」

「私、まだシャワーを浴びてないし…待っ…あ」
続く言葉を真島は口で塞いだ。

手はすでに芽衣子のセーターをたくし上げ、背中にまわし、ブラのホックを外す。
するりと脱がせると芽衣子の乳房が露わになった。
芽衣子の呼吸と共に乳房が真島を誘うように上下する。
手に吸いつきそうなくらい陶器のように木目細かな白い肌。

両手で乳房を揉みしだきながら蕾を指で撫で回すと徐々に堅くつんと立ち上がる
首筋に舌を這わせ、蕾に到達し、さらに舌でころがす。
「あ…ぁ…真島さん…」
芽衣子のズボンのファスナーを下ろすと下着と共にすばやく脱がし
秘部に触れようとしたその時

「キャンキャン!」

エサを食べ終わったタロウがケージの中で
飛び出そうなくらいジャンプしながら吠えていた
「またか…」
真島は行為を中断し、タロウに近づくと
「少しは気を遣えよ。大人しくしてろ」
と睨みをきかせた
リードで繋いだ方がいいだろうか…
真島は迷ったが、そこまでやるには可哀想な気がするのと
吠える声も増すだろうとタロウをケージに入れたままッドに戻った

しかし、なんだか気まずい空気が漂う

「真島さん……」
「夕飯にするか?」
「あの…きっとタロウは私が真島さんに
イジメられているんじゃないかと思ってるんです」
「だろうな」タロウを見ながらふぅとため息をつく

「ですから…あの…」
「ん?」
「その…」
言いにくそうに口ごもる芽衣子の顔をじっと見つめる
芽衣子はうつむき加減に消えそうなか細い声で言う
394ANKO:2011/03/21(月) 09:49:53.52 ID:NrNNDY1G
「今日は…私が…真島さんにしてあげます」


真島は芽衣子らしからぬ大胆な言葉に驚き、さらにじっと見つめると
恥ずかしさに顔を赤らめながら

「上手く出来ないかもしれないけど…」
と上半身を起こし真島が下になる姿勢で芽衣子から口づけしてきた
真島は芽衣子の頭の後ろに手を添え、髪を優しく撫でる
芽衣子は唇を離すと角度を変えもう一度口づけ、そっと舌を進入させる。
真島は迎えいれるように舌を絡ませる。
そしていつも真島が自分にしてくれる行為をなぞるように
真島の耳元に口づけそのまま首筋へと舌を這わせる
真島の肩が震える
「気持ちいいの?」
芽衣子が見上げると、
真島は笑いを堪えてるような表情をしていた
「気持ちいいというか…こそばゆい…いつもお前はこれを耐えてるのか?」
「私はぞくぞくして気持ち良くなってくるのに…それから…」
「それから?」
真島は少し意地悪そうな笑みを浮かべる
「もう、言わせないで」
芽衣子は真島の胸に顔を埋める
ほどよく筋肉が盛り上がった広い胸、
芽衣子はこの胸に抱かれているといいようもない安心感に包まれる
トクトクと心臓の音を聞きながらその筋肉をなぞるように手を滑らし、
指で小さな突起に触れる。かすかに堅くなってくるのがわかる。
舌先で触れると、芽衣子の頭を撫でていた手に力が入る
(真島さんも感じてるんじゃないの)
芽衣子は嬉しくなった
そして手を真島の下着の中に滑りこませると
堅くなりつつある真島自身に触れた
優しく握るとそれはピクンと反応し、芽衣子の手の中でますます幹を太くさせる
(もう、こんなに…)
芽衣子はどうしたらいいのか手が止まる
真島は腰を浮かせると、自らスウェットと下着を脱ぎ、芽衣子の手に自分の手を添える
根本から先端へとその動きを誘導する
動きにあわせて、どんどん強ばり反り上がる
やがて透明な液体が滲み出て、一筋流れる
それを先端から指でなぞると真島が深い呼吸をする
芽衣子は軽く息を整えると、そっと口に含んだ。口を塞ぐようにいっばいになる真島自身にどうやって舌を動かせばいいのか、
一旦口から離すと反応を探るように舌を動かす
カリの部分に舌を這わせるとビクンと反り返る
「くっ…」
真島が声を漏らし、芽衣子の髪を撫でていた手に力が入る
395ANKO:2011/03/21(月) 10:03:02.45 ID:NrNNDY1G
真島自身は血管が浮き出るように強ばりはちきれんばかりになる
再び口いっぱいに頬張ると、自分の中でしてくれるの動きのように上下させると
今にも放出しそうで耐えきれなくなる
「芽衣子…もういい…離せ」
芽衣子は顔を上げ
「ごめんなさい。あんまり良くなかったの?」
と申し訳なさそうに言った
「いや、お前の口の中で出そうだ。初めてなのにそれはあんまりかと」
「真島さんのなら私は平気なのに…」
真島はたまらなく愛おしくなり芽衣子を引き寄せ抱きる。
そして秘部に触れると、そこはもう盛り上がるように熱く濡れそぼっていた
「こんなに濡らして…おいで」
真島の上に跨がせると芽衣子は己に手を添え飲み込んでいく
芽衣子の動きに合わせるように真島は芽衣子のお尻を両手で持ち上げ、
ぎりぎりまで抜いたかと思うと下から突き上げる
その動きは激しさを増し二人の息と水音が部屋中に広がる

「あぁ…うぅ…真島さん…どうかなっちゃう…あぁ」
真島の胸の上に崩れ落ちる
「芽衣子…」
真島は両手にぐっと力を込めると深く挿入させ、脈打つように達した。
息を荒くし汗ばみながら暫く二人は抱きしめ合い、しばし疲労感と幸福感に酔いしれた。


「静かだな」
タロウが声ひとつ上げずに大人しくしている事に気がついた
芽衣子が真島から危険な目に合ってるのではないと悟ったのか
ケージの中で毛布にもぐっていた。

「これでもう大丈夫だな。シャワー浴びて、飯食ってからまたするぞ」
「ええ〜!?」

そしてその夜、真島は、芽衣子の中で幾度も再生し、
二人はさらに寝不足になるのであった。



以上真島の復活と再生

(参考文献 性書 股慰の福音書より)
396ANKO:2011/03/21(月) 10:05:32.54 ID:NrNNDY1G
遅くなりましたが、先生!私も宿題提出しました!
あいかわらずの駄文誤字脱字申し訳ありません

397名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 12:01:44.82 ID:SnZgEBhh
ANKOさん、ありがとう
最近あちこちwで積極的な芽衣子ちゃん、いいですわ
芽衣子の口づけを受けながら髪を撫でてやる真島に萌える
「おいで」は二度ともたまらん
398名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 13:53:22.57 ID:Ic36UrMY

ぎるちぃです

まとめの方、まとめ更新ありがとうございます。
読者の方、いつも感想ありがとうございます。
hitoshiさん、ANKOさん、チャットでの宿題乙です。

>hitoshiさん
すごいすごい!二人のいいムードの中にちゃんと触角が納まってるw
小ネタ大歓迎ですよ
バシバシ投下しちゃって下さい

>ANKOさん
疲れきった真島さん、なんてセクスィー!
それでも少し眠って芽衣子を抱いたら完全復活、今夜は何度でもって
真島さんどれだけ野獣なのっw
399名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 19:35:29.01 ID:T+JTIbIV
zeroです。

まとめの方、多忙な中作業ご苦労様です。あなたのおかげでこのスレは
回ってると言っても過言じゃないですよ!お体には気をつけてくださいね、

hitoshiさんまさか本当にやってくれるとは(笑)
読みながら思わずニヤけてしまいました、最期の台詞がまたイイ!!

ANKOさんのマシメイ+タロウ大好きです!微笑ましい2人+一匹の中に
エロを見事に注入した世界観が美味しすぎます!!

他にもコメントくださった方ありがとうございました。
400名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 20:18:01.36 ID:hcpaQzPB
hitoshi様
ひょっとしたら……チャットで触角ネタを出したかもしれない者です
(違っていたらすみません)

あの時の触角ネタがこんな素敵な話になりすごく嬉しいです

今後も小ネタたくさんのSSを楽しみにしています
401名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 21:04:18.22 ID:39x6I2nE
>>390
ここは、本編からかけ離れた設定も、本編にリンクした設定も、
もちろん本編やSSも含め、ギルティの全てを楽しく語っていいと思ってましたから
私はスレチとは思いませんでしたよ

こんな設定面白いとか、本編のここに空白の時間が…きっと何かあったはず! とか、
そういうレスが、時には職人様方の執筆意欲を掻き立てるかもしれませんし…
というか、SS投下だけのスレになると、閑散としてしまうような気がします
雑談も良いのではないでしょうか? と 私は思います
402名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 22:13:58.81 ID:1IqefOcr
>>401
>>389はスレチというよりこのスレを危うくすると思うけど?
このドラマは原作なしのオリジナルだからどうしても役と中の人を混同しがち
ドラマメイキングの話は役の中の人を連想させる
不快に思う人がいることも考えろ
403ANKO:2011/03/21(月) 22:20:50.55 ID:NrNNDY1G
読んで下さった方、レスまでして下さった方ありがとうございます。
エロ修行の旅(マジ、禁断ゾーンまで覗いてみた無料でしたが)
…のわりには成果はあんまりなかったですが、精一杯がんばりました。
他職人さんのエチやずっと前の「真島と芽衣子ときどきジョン君」で補充して下さいw
(他力本願)
「おいで」に萌えて下さった方ありがとうございます。
数少ない萌えポイントでございます。
「おいで」には「ほら」がセットなんですが、次回忘れずに付けたいと思います
作者としてはベットに近づく芽衣子をがしっと掴んで引きずり込む
「蟻地獄真島」がみどころのつもりなんですが微妙に外しました

野獣、絶倫がここのスレでは定着しているようですが
今後、昆虫や鳥類に変貌した真島もきそうです

という事で、なんか訳わからないあとがきは
おしまいにします。

みなさま、ありがとうございました。
404名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 22:28:28.99 ID:NrNNDY1G
ANKOです
くだらない後書きを書いてる時に私のレスで論議が
申し訳ないです。メイキングは特にタブーですね。
ほんとすみません。
ここにこれば楽しく過ごせるそんな場でありたいので、
私が言うのもなんですがもうこの話はおしまいにして下さい
以後気をつけます。
405名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 23:18:58.77 ID:3LQSIVGz
>>402が不快
406名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 23:26:27.63 ID:LUsVJnUa
真島ちゃんはもはやディズニーの王子様&アンドレ&Gacktみたいな異界の超人のイメージだから
むしろ中の人の事は最近忘れてたわw
そういえば居たね、中の人もw
407名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 00:04:51.35 ID:jv30uplv
ここはエロパロスレだから本編と異なった設定で書いてる奴が多い
公には死亡している2人だからね
本編の設定やらを議論の場に出してしまうと
このスレにあるSSの存在自体が問われてしまう
>>402の口調はキツイが言ってることは正しいよ
どんな2次スレも単純な本編ファンには忌むべき存在となってるからね
本編を語りたい場合は、本編スレでやろうやって言う単純な話
408名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 00:20:35.30 ID:xRFN9emJ
まあ本スレでパロスレ、パロスレで中の人話はタブーだね
でも悪気はないのはわかりますよー、以後お互い気をつけましょう
409名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 00:47:52.93 ID:DmlP2LAE
>>390 >>402 >>407
さんは、どう見ても同じ人だと思うけど、そこまで神経質に言うほどのことを
>>389で書いてると思えないよ? >>408さんくらいの注意でいいんじゃないのかな?
>>405さんが書いてる通り、キツイいい方とか云々ではなくて不快だと思う
410名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 00:58:36.46 ID:jv30uplv
俺は>>390>>407だけど、2次スレはあえて本編とかけ離れてるって書いた方が
批判を浴びなくて良いんだよ
それでも本編を語りたいって人がいるから>>407で書いたけど
君は>>401>>405と同一人物みたいだね
感情的なレスは止めた方が良いよ
老婆心ながら書いたけど無用だったみたいだね
411名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:00:39.54 ID:xRFN9emJ
まあまあ、パロスレで作品以外の話で話が伸びるとたいていいい事ないしもちつきましょう
名無しスレで個人特定すると火に油になりがちなのでそこもスルーで忘れましょ
412名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:02:20.73 ID:gq3oYLXB
>>409は逆ギレ?
>>389より>>401が危うい
ここが 2ちゃん>BBSPINK>エロパロ
だというのを自覚してないようだ
413名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:13:16.23 ID:SoepQpzx
>>405だが
私は一度しか書き込んでないから>>401とは同一人物ではない。どうでもいいけど。
>>402が空気を悪くしたのは事実だろ。言っていることは正しくても言い方がこれじゃあ正論言ってる気がしなくなる
414名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:20:36.58 ID:gq3oYLXB
>>413
>>404の書き込み読んでないな
>>405からこの流れになったのわかってるか?
415名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:28:42.30 ID:cs0+2E6N
自分も402の方が不快だったから
言ってくれてありがたかったよ
416名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:29:35.33 ID:jv30uplv
>>413
>>405が空気を悪くしたのも事実
もっと穏やかに言えばいいだろ
そして>>411を嫁
417名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:34:30.50 ID:SoepQpzx
>>405 413
確かに私も穏やかに言えばよかった。申し訳なかった。
418名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:45:09.53 ID:jv30uplv
>>417
正しい意見でも感情的になったらダメだ
感情レスに感情レスが付いて本筋が見えなくなるだろ

名乗る姿勢になんか萌えたが
419名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:47:18.49 ID:VM8WDprd
いや自分は「申し訳なかった」に萌えたw
420名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 01:48:48.55 ID:HrNCHAwf
じゃあ>>405が全部悪いってことでいいじゃん。
>>405はもう二度とこのスレこないでね^^さようなら〜
421名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 02:02:33.34 ID:DmlP2LAE
>>412
>>409は私のレスであり、@wiki管理人です
逆切れしているような文章を書いたつもりないんだけど、そう見えるのかな
私はもう少し違う注意の仕方があるんじゃないのかなと思ったからレスしたので
自分が不快に思うと同じように、不快にさせたのならすみません

私は確かにギルティで初めてこの板に来たので、この板のルールを知らないです
向いていないと言われたら、確かにそうなのかもしれないですね
ANKOさん、居心地悪くさせてごめんなさいね
422名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 02:25:51.70 ID:gq3oYLXB
>>421
不快とかじゃなく感情的なレスはいかがなものかと
みんな>>389がANKOさんだからかばってんだろうけど
本人が以後気をつけると書いたレスで終わればよかったのに
それより気になるのはやはり>>401みたいな考えだから
向いてないとか言わずもう一度このスレのあり方確認してほしいかな
423名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 02:26:33.46 ID:jv30uplv
>>421
申し訳ないが、>>411が言うように個人特定の出来ないスレで
同一人物に認定しようとしたことに問題がある
火種になるからね
同じことを自分にされても証明は出来ないんだよ
そして>>407で述べた理由が無いと>>408には辿りつかないだろ?
気に入らないのは分かるけどね
管理人だからとは思わないし適性とかも関係ないよ
良くやってるし別の話だから
その話題も火種になるから止めた方が良い
424名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 02:44:14.69 ID:cs0+2E6N
他のドラマや映画パロスレでもある程度本編や中の人、設定の話はしてる
今まで何度も見てきたけど
実際議論になってない内に過剰に目くじら立ててると大体のスレは過疎るよ
425名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 02:52:47.38 ID:gq3oYLXB
>>424は過疎てほしいのか?
>>415もそうだけど話を蒸し返してる?
426名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 05:25:31.29 ID:txMV1bC0
いったいどうしたの?過剰反応して何レスも連投してる方がスレ乱してる事に気付いてる?
この男口調の人今までいなかったよね
新規が自治するとスレが荒れる典型ってやつかな?

新規さん
今までこのスレでは本編ネタも多少は出てるよ
それは脱線してるのとは違って「ネタ探し」のようなもので
そこから「あーあのシーンよかったね」「あのネタをからめたSS作ってみようか」とかSSに繋がっていくの
>>389のレスも中の人の話じゃなくそのネタの話でしょ
SSの材料に繋がる話題まで禁止にする必要は無い
どんどん美味しいネタを見つけて新しい作品投下してもらった方がいいからね

しつこく続くようなら注意すれば良いけど多少の小ネタの話題に過剰反応はやめて下さいな
427名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 06:16:05.68 ID:jv30uplv
ここの状態はいわゆるレス回しなんで、過疎ではないが馴れ合いに近い
どんなスレでも長期に渡ってくるとそんなもんだよ
そこへ主人公の最期のシーン、中の人を長々と議題にされたら
多くのSSの設定を壊すから自粛しようって話だよ
小ネタ程度なら止めなかった

ほとんどROM専だが初期から居る
って言えば発言権あるのか
最初は男の方が多かったが去っていったんだよ
君はまたループさせたいのか?
428名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 06:47:07.68 ID:txMV1bC0
>>389の「パロにリンクしたネタの話」を「中の人の話」とあなたが汲み取り間違いをしてるの
勘違いで取り締まってそれを訂正されそうになると「ループさせたいのか」って押し通そうとするなんて独裁的

ここを協力して和やかに保ってきたSS職人まとめ職人読み手(お礼レスしてる)が言うならまだしも
ROM専で今までお礼のレスもせず無言で作品だけ楽しんできた人がいきなり自治してもね…(しかも案の定荒れた)

>>390で「本編からかけ離れた設定楽しんでる」と言ってるけど
真島芽衣子が会社の同僚同士とか真島が犯人で芽衣子が刑事とか
かけ離れてる話より本編にリンクした話が主で
「もし芽衣子が生きてたら〜ギルティ幸せ編」って感じで
本編の設定を生かした作品を楽しんでる場所だからリンクした話題がたまに出る事もあるんだよ
あとここは初期から女ばかり
どうしてさらっと嘘つくかな
429名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 06:59:31.00 ID:gq3oYLXB
ここはモンスターペアレント的な人がいるんだな
教師が注意して子供が素直に謝ってんのに
あとから相手の方が悪いとか教師の叱り方が悪いって
言いがかりつけるヒステリックなお母ちゃん
そういや鬼女板のひと多いんだっけ
430名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 07:19:15.32 ID:jv30uplv
感情的になることや、何でも決めつけるには止めてくれないか
男の比率が高いのはこの板の特徴だよ
初期メンは過去スレで確認したのか?
女が書いたSSを読みたいって公言されて去っただけだろう

>>389がDVDを見て、とはっきり言っている
「最期の一日」にリンクしていたとは思えないネタだった
…と言うループ状態になるだろ?
431名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 07:28:20.86 ID:txMV1bC0
>>429
注意がズレてたら指摘が入るのは当たり前
ただのいいがかりやつっかかりがモンペ
つまりどちらがモンペかと考えると汲み取り間違いをしてる>>390
それにしても住人を鬼女扱いしたり>>389を子供に例えたりあなた凄いなぁ

>>430
感情的になって決めつけてズレた指摘してるのはあなただよ
板じゃなくこのスレの男の比率の話でしょ
初期から女ばかりで「ばばあきもい」とかたまに男のレスついてた
あなたはDVDとか最期の一日とかフレーズに反応してるけど文章の中身を汲み取りなよ
話てる内容は触覚のお話(パロにリンクしたネタのお話)
432名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 07:29:43.30 ID:txMV1bC0
訂正
触角ね
433名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 07:41:09.63 ID:yJ6trG4m
おはようございます。ANKOです。
ドラマをネタにしたパロなんでドラマの話題が出てくるのは当然なんだけど、
私はメイキングを出しちゃったから問題なんですよね
エスカレートすると中の人に直結するから
口も尻も軽くて、調子にのりまくりそうなところを
早々に歯止めをかけてくれたのは感謝です
ホローして下さった方ありがとうございます
お尻噛まれてきますのでなにとぞご勘弁を。


次回予告
タロウ目線で考えてきますね。
ええ、かけ離れた設定だけは得意ですから
男性の方にも満足していただける内容も修行してきます。
434名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 07:56:42.21 ID:MefjHkxo
>>433
わたし女だけど、期待してますw
435名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 08:04:33.54 ID:PSiJ91Mb
jv30uplvは男なのか俺女なのかどっちでもいいけど
キャラしっかり決めて発言してほしいw
なんか気持ち悪いから無理しないで

板の雰囲気どうこう言うけど
このスレでの空気読んでないのはjv30uplv

チャットで真島の前髪が触覚みたいという話題が出たから書いてくれたの
触覚スレに投下しろとかびっくりなんだけどw
まさかどの板でもお約束の少し前のレスも読めない人?
そこからDVDの話題になって、あれは計算された
ハラリだったんだねって言いたかったんでしょ
真島やギルティの話繋がりで別に気にもしなかったんだけど
436名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 08:11:57.97 ID:txMV1bC0
メイキングとかDVDってフレーズに反応してイコール「中の人の話だ」と勘違いしたんだろね
でも中身は「真島ちゃんの触角について」だからANKOさんがそこまで気負いする必要はないですよ

タロウ目線のお話楽しみにしてます
437ぎるちぃ:2011/03/22(火) 11:12:05.57 ID:WtypXqzI
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

ANKOさん 気にするなー問題無い タロウ目線、新しくて楽しみです
まとめ職人さん 向いてないこと全然ないから あなたがいなくちゃね

さて、何事も無かったかのように続編を投下しても良いでしょうか?
はい、それでは投下しますw

>>374の続きになります

>まとめの方
タイトルは 『続編3 君に酔いしれて』でお願い致します
438ぎるちぃ:2011/03/22(火) 11:16:20.08 ID:WtypXqzI

続編3 君に酔いしれて
 

「あれ…昨日…。」
「ん?」

俺の腕の中で目を覚ました芽衣子が、首を傾げる。
裸で俺と抱き合っている自分と、そこいらに散らばった衣服を見て、
記憶を辿っているようだ。

「覚えてないのか。」
芽衣子はしばらく眉をひそめて考えた後、あ、と声を上げる。
「思い出したか?」
「あのぅ…所どころ…。」
「例えば?」
「えっ?えっと…あ…の…、私、なんでだろう、真島さんの上に、
 乗っかった気が…。」
「その通りだが。」
「や、やっぱり…。すみません。」
慌てて謝ってくる芽衣子に、笑いを堪えながら無表情を保って続ける。
「他には?何を覚えてる?」
「私…真島さんに何を…えっ、待って、私…。」
「何したんだっけ?」
芽衣子は突然かぁっと顔を赤らめ、俺の胸に顔を隠すように埋め首を横に振る。
「い…言えません!!」
少しずつ記憶がつながってきたようだ。
「まさか、襲われるとはな。」
「襲っ…!?」
「積極的に俺を求める芽衣子が見れて、俺は嬉しかったが。」
「……。」
彼女は少し額を離し、そのまま俺の胸に問い掛ける。
「真島さんは…その…そういうこと…に、積極的な女性の方が好きですか?」
439ぎるちぃ:2011/03/22(火) 11:18:48.07 ID:WtypXqzI

…。
いや、決してそういうわけではなく、
芽衣子だから、大胆で積極的な彼女も俺にとっては魅力的に映るわけで。

でもここで俺が頷けば、芽衣子が自分から積極的に俺を求めてくるようになるのか…。
そう考えてちょっと心をくすぐられる。

「そうだと言ったら?」
問い返すと、芽衣子は一瞬言葉に詰まり、
「…努力、します。」
小さな声で答える。
「冗談だ。」
「えっ?」
「芽衣子だから、俺は惹かれる。どんな君でもな。」
「真島さん…。」 
「また二人っきりで飲もう。」
「いいんですか?また襲っちゃっても。」
さっきまで真っ赤になって俯いてしどろもどろだった彼女が、
俺にまっすぐな瞳を向ける。
いつも彼女の感情を素直に映すその瞳に、俺はどきりと惑わされる。
「君に襲われるなら大歓迎だな。」
「もぉ…。」
俺の胸に頬を寄せ、きゅっと抱きついてくる。

魅惑の美酒が垣間見せる彼女に、俺はまた酔いしれてゆくのだろう。
440ぎるちぃ:2011/03/22(火) 11:25:27.96 ID:WtypXqzI
ひとまず以上になります
駄文失礼致しました

本当は、この後のお話を続編3として書きかけていたのですが、
ちょっとピロートークを間に入れたくなって、ばたばたと書きました

続編4ももうすぐ出来上がるんで、今日中に投下できればと思ってます
しばしお待ちくださいませ
441名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 13:57:26.88 ID:1R/FZZ1l
よっ、ぎるちぃさん、事後の語らい楽しませてもらいましたよ!
真島の胸&芽衣子の頬の組み合わせは最高
442名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 15:39:43.33 ID:cR6X+oD3
ぎるちぃさん、空気変えてくれてありがとう
443名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 20:52:17.08 ID:yJ6trG4m
ANKOです
ぎるちぃさん、ありがとうございます。
ピロートークいいですねぇ。ムハ〜。
なんだか肌と肌が密着して、体温と布団の湿度まで想像しちゃいました
男臭い真島とかわいい芽衣子のエロトークってそそる。
続編楽しみにまってます。

>まとめ管理人さん、私の新駄作をまとめに加えて下さりありがとうございます
題名を漢字に直してあってよかった〜。
お願いしようかと思ってました
444ぎるちぃ:2011/03/22(火) 21:57:43.98 ID:4d8GjD/+
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

計画停電にビビりながら書き上げました
今日に間に合ってよかった

>まとめの方
お世話になります
タイトルは、『続編4 この夜を止めてよ』でお願い致します。

では、>>439の続きを投下します
445ぎるちぃ:2011/03/22(火) 21:59:48.28 ID:4d8GjD/+

 続編4 この夜を止めてよ


(芽衣子視点)

「芽衣子さん、今度いっしょにカラオケに行きませんか?」
「カラオケ?」
彩乃ちゃんがウキウキした様子で誘ってくる。
「あら、いいじゃなーい。私もご一緒させてもらってもいいかしら?」
琴美さんも楽しそうに話に乗る。
「ええ、もちろん!たまにはみんなでパーッと行きましょう。」
「あの、私、カラオケは苦手で…。歌下手っぴだし…。」
「芽衣子さん、上手い下手なんて関係ありませんよ。私だって下手ですもん。」
「そうよー芽衣子ちゃん。声を出すって心にも体にもいいのよ?」
「でも、最近の歌あんまり知らないし…。」

小学生の時にカラオケボックスが流行り始め、お父さんやお姉ちゃんと
行ったことがある。
自分が上手くはないのは分かっているけど、
『芽衣ちゃんって、一生懸命まっすぐ歌うよね。なんか元気出る。』
お姉ちゃんがよくそう言っていた。
だから歌うのも決して嫌いではないけれど、
覚えてる歌なんて、お父さんが好きでよく歌っていた演歌か、
学生時代に流行った随分昔の歌だ。
服役中はもちろん、復讐に生きていた時も、流行りの歌なんて聴こうとしなかった。
真島さんと暮らし始めて、最近ようやくテレビから流れてくる楽しげな歌を
耳にするようになったところだった。

「はい、芽衣子さん。」
「え?」
彩乃ちゃんは、CDと紙の束を差し出してきた。
「最近流行った素敵な曲、いっぱい入ってますから、
 聴くだけでも聴いてみて下さい。」
「あ、ありがとう!えっ、歌詞までプリントしてくれたの?」
「ええ。特別サービスです。芽衣子さんとカラオケ、行きたいんです私。」
彩乃ちゃん…。
「うん、分かった!歌がんばって覚えるから、一緒にカラオケ行こうね。」
446ぎるちぃ:2011/03/22(火) 22:04:22.99 ID:4d8GjD/+

家に帰ってきて一人で夕食を済ませる。
真島さんから今日は遅くなると連絡があった。

私はさっき彩乃ちゃんが貸してくれたCDと歌詞を鞄から出し、
リビングでパソコンを開く。
こうして流行りの音楽を聴くなんて何年ぶりだろう。
少しワクワクしながら、パソコンにつないだイヤホンを耳に当て、CDをセットする。
音楽ソフトの再生ボタンを押すと、前奏の無い一曲目が、
すぐに女性の声で耳に飛び込んできた。

 『愛してるっていうあなたの言葉は さよならよりも悲しい』

…!
冒頭のフレーズに、心臓がどくんっと音を立てる。

 『これ以上何も言わなくていい だからこの夜を止めてよ』

鼓動が早くなり、胸の奥が痺れるように疼く。
「この…歌…。」
テーブルの上に置いてある歌詞カードに震え始めた手を伸ばし、開く。
そこに綴られた言葉を、耳から入ってくるのと同じスピードで追っていく。

 『同じ色の夢見ていたいのに 違う道に離れてく』

咽び泣くような音色に乗って、情感豊かな声で紡がれる詩が、
決して二人の未来が重なることは無いと思っていたあの時の気持ちを
思い出させる。
頬を…熱いものが流れていく。

 『大きな背中を見つめていられたら それでよかったのに』

「どうして…?こんな…まるで…。」
そう、まるで誂えたように、この歌はあの頃の自分にひたと寄り添う。

 『愛してるっていうあなたの言葉は さよならよりも悲しい』

まだ復讐の道を突き進んでいた私に、真島さんから告げられた『愛してる』という言葉。
幸せなはずのその言葉が、あの時は悲しくて、苦しくて…。

 『形の無い未来なんか しがみつきたくはない』

胸の中から込み上げるものが嗚咽に変わる。

 『ねぇ お願い この夜を止めてよ…』

……。
イヤホンから軽快な曲が流れ始めても、溢れてくる涙を止める術もなく、
私は動くことができずにいた。
447ぎるちぃ:2011/03/22(火) 22:08:27.60 ID:4d8GjD/+

(真島視点)

「ただいま。」

…?
玄関で靴を脱ぎながら不思議に思う。
俺が仕事で遅くなった日でも、芽衣子はよほどのことが無い限り起きて待っている。
玄関の扉を開ければ、その音だけでいつもすぐに駆けて来るんだが。

部屋の電気は点いている。
出掛けている訳ではなさそうだ。
風呂にでも入ってるのか。

部屋の中に進むと、ソファに掛けている芽衣子の後ろ姿が見えた。
なんだ、いるじゃないか。

「芽…!」
呼びかけようとして、思わず動きが止まる。

芽衣子は肩を上下させ、泣いているようだった…。

「芽衣子!どうした!?」
俺は駆け寄って彼女の肩に手をかける。
芽衣子は、はっと一瞬だけ俺を見るが、涙で濡れた顔を慌てて逸らし目元を拭う。

「お帰りなさい、あの…ごめんなさい!気が付かなくて…。」
芽衣子の手が、耳元から何かをテーブルの上に置いた。

イヤホン?
繋がっている先には開いたパソコン。
画面を見ると、どうやら音楽再生ソフトのようだが、
ああ、だから俺が帰って来た音も聞こえなかったのか。
しかし、それよりも…。
「どうして泣いてる?」
俺は濡れた瞳を覗き込んで問う。
「何でもないんです。ちょっと歌を聴いていて、泣けてきちゃって…。」
「それだけか?本当に、何かあった訳じゃないんだな?」
「はい。すみません、心配かけて。」
芽衣子は鼻をすんっと鳴らして、少し無理をした笑顔で答える。
「だったら、いいが…。」
そう言ってみたものの、俺はまだ何か引っかかるものを感じた。
448ぎるちぃ:2011/03/22(火) 22:10:42.06 ID:4d8GjD/+

「先に風呂に入ってくるといい。」
食事を出してくれた芽衣子は、まだ洋服のままで化粧も落としていないようだったから、
そう声をかけた。
「はい、じゃあ、お先に…。」

彼女がバスルームへ入ってしばらくすると、シャワーの水音が聞こえてくる。
俺は箸を置き、傍らにある芽衣子のノートパソコンを開く。
ふと、無造作に置いてあった紙の束に目を留め、何気なく手に取って見る。

これ…か…。
どうやら歌詞をプリントしたもののようだった。
その中の一曲に、何かがピンと折り合うのを感じ、
同時に胸を締め付けられる。

パソコンに目を移し、のパスワード画面で『mashima』と入力してEnterキーを押すと、
すんなりログインできた。
変えてないんだな…。
少しだけ、自分の表情が緩むのが分かる。

さっきの再生ソフトを起動して、歌詞カードで見た曲のタイトルをクリックする。
『この夜を止めてよ』

イヤホンを耳に当てると、深みのある女性のボーカルが聴こえてくる。

……。
曲が終わり、俺はイヤホンを外した。
額に拳を当て、深く息をつく。

この歌を、彼女はどんな思いで聴いたのだろう…。

人生の大半と、大切な家族を奪われ、
復讐に身も心も捧げ、
俺の心をも救うために、自ら背負う苦しみを増やし…。
常に、自ら命を絶つその時を見据えて。

どれだけ苦しかった?
幾夜眠れない夜を過ごした?
そして、幾度…人知れず泣いた?

彼女に出会い、俺が冤罪と復讐の真実を追っていた頃、
受話器の向こうでかすかに聞こえた嗚咽。
芽衣子は何も言わずに電話を切った。
あれは…泣いていたのだろう。

そして、俺の『愛してる』という告白が、
あの頃は少なからず彼女の苦しみを掻き立ててしまったこと、
今になって気付かされる。
だけど…。
449ぎるちぃ:2011/03/22(火) 22:13:12.43 ID:4d8GjD/+

カチャリ。
扉の音がして、芽衣子がバスルームから出てくる。
「芽衣子、ちょっと座ってくれないか。」
「はい。」
彼女に隣のソファを促して、俺はその背に掛けてあったジャケットの
ポケットを弄る。

芽衣子の手に、ポケットから取り出したものをポンと乗せてやる。
「指輪、出来上がってたから取ってきたんだ。」
「あ、ありがとうございます!」
「開けてみろ。」
彼女は小さな包みのリボンを解く。

蓋を開けて現れたリング。
俺はそれをつまみ上げて、芽衣子の左手を取り薬指にはめてやる。

彼女の指にぴったりと納まったのを確かめて、俺は芽衣子を抱き締めた。

「愛してる。」
「真島さん…。」
「今はもう、悲しい言葉じゃないだろう?」
「…っ!」
抱き締める腕にいっそう力を籠める。
「愛してる。」
「真島さん、私も…愛してます。」

今、俺と芽衣子は、同じ色の未来に向かってる。
さよならよりも悲しかった愛を超えて。

重なり合う未来の約束が、彼女の薬指で輝いていた。


※引用:「この夜を止めてよ」JUJU
450ぎるちぃ:2011/03/22(火) 22:21:01.11 ID:4d8GjD/+
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました

主題歌ネタを書くにあたって、
歌詞の一部を引用したくて、著作権なるものについて少々調べましたら、
創作上の「引用」ならば問題ないそうで
またその線引きが難しい所ですが

ってか、ギルティの物語を勝手に作りまくってる私が
著作権もへったくれも無いのかも知れませんがw

それではまた続編or番外編を完成次第投下させていただきます
451名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 23:03:00.36 ID:E3C0mBdP
余震が怖いけどこのスレの作品に癒されてます、そしてお疲れ様です。
職人さんこれからも頑張ってくださいね!
ぎるちぃさん停電のグループ一緒なのかなw

ましめい好きだー
452名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 04:58:31.01 ID:SYtXRO8d
ぎるちぃさん
ピロートークもこの夜を止めてよもごちそうさま〜
もう2人の絆もしっかり深まってますね
愛してるの言葉が悲しみから喜びに変わって良かった
それにしても真島の包容力ぱねぇ〜
謙虚な芽衣子も可愛いし
>>451さん同じく、ましめい大好きだ〜
453名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 07:26:57.73 ID:gD0dC0os
ぎるちぃさん、続けての投稿ありがとうございます
JUJUの主題歌、流れると今でも胸がキュンときます。

互いの愛に包まれた幸せなマシメイにしてくれてありがとう。
454名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 17:56:46.24 ID:0+OvDSnS
はじめまして。piと申します。拙い文章ですが、真島×芽衣子を投下します。
455こいびと:2011/03/23(水) 17:58:14.67 ID:0+OvDSnS

視界がやけに曇っている気がする。身体も思うように動かない。そしてなんだか肌寒い。


「・・・っ」


芽衣子が完全に覚醒したのは数分後のことだった。慌ててベッドから飛び起きると今の自分の状態に青ざめた。


服を・・・着ていない?


そして身体のあちこちに散りばめられている『所有印』に驚き慌てて布団に潜り込んだ。
ん?隣に誰かいる・・・
恐る恐る隣を見ると、長身でほどよく筋肉がついた逞しい身体が横たわっていた。それは芽衣子がよく知っている人物、真島拓郎だった。


嘘でしょ・・・?私、この人と・・・


「起きたか、芽衣子」


「!?」


しばらく眠りについて動かないとばかり思っていた真島が突然声を発したので芽衣子はぴくりと身体を震わせた。


「まし・・・まさん?」


「何怯えてるんだ。相変わらず可愛いな、お前は。」

逞しい腕がすっと伸び、芽衣子の身体を抱き寄せる。芽衣子は何が何だかわからず、慣れないこの状況に適応しようと身体を強ばらせた。


「芽衣子・・・」


優しく響く低音が鼓膜を揺さぶる。大きな手が艶やかな髪を掬い、撫でた。
真島の温もりについ身を預けそうになるが、ぐっと堪えて状況把握を試みた。

456こいびとA:2011/03/23(水) 17:59:31.05 ID:0+OvDSnS

「真島さん・・・」


「なんだ?甘えたいのか?」


真島の言葉に一瞬顔を赤らめるが、頭を左右に振って冷静を取り戻す。


「あのっ・・・私たちどうして・・・」


「どうして?」


「どうしてお互い服を着ていないんでしょうか・・・」


真島はしばし何か考えているような素振りを見せた後、ぷっと含み笑いをし、芽衣子を更に強く抱き寄せた。


「俺達恋人同士になったんだろうが。お前、真島さん真島さんって言いながら抱きついてきたんだぞ。理性を繋ぎ止めるのがどれだけ大変だったか・・・」


「ふぇ?」


真島さんと恋人同士に?私は犯罪者で彼は刑事。こんなことって・・・
いや、そんな事よりも今のこの状況といつのまにか形成されていた『恋人』という関係が恥ずかしくて仕方がない。


「俺がお前に告白したこと覚えてるか?」


「告白!?」


必死に記憶を辿るが一片たりとも思い出せない。きっと呆れてるだろう真島さんの顔をそっと覗き込んだ。


「覚えてないのか・・・」


「ごめんなさい・・・」


真島はフッと笑って軽く口付けると芽衣子の身体を起こし、自分のワイシャツを着せてやった。大きすぎるワイシャツを身につける芽衣子を愛おし気に見つめ、そっと囁いた。


「伝わってなかったならもう一度言う。芽衣子、お前が好きだ。愛してる。」


「・・・ッ」


熱のこもった視線と言葉に、芽衣子の胸はきゅんとしめつけられた。自分は犯罪者だという後ろめたさと真島への恋心がバチバチと火花をあげているのだ。
457こいびとB:2011/03/23(水) 18:01:52.06 ID:0+OvDSnS


「そしてすまなかった。勝手に俺の思いが通じたと思いこんでお前を抱いてしまった。」


「私、やっぱり抱かれていたんですね」


顔から火が出そうだ。あれだけ復讐に燃え、生涯独り身でいることを誓ったのに真島に抱かれた幸福感が身体中を支配してやまない。


「私も・・・貴方が大好きです!!ずっとずっと好きでした。」


「芽衣子ッ・・・!!」


真島は堪らなくなり芽衣子に飛び付きベッドにダイブした。芽衣子、芽衣子と何度も名を叫びながら首筋に唇を這わす。


「俺だってッ・・・ずっと好きだった!!アンが子供を産んだときからずっと!!犬を見るお前の優しさと笑顔の輝きが俺の心を掴んで離さなかった・・・」


「真島さんっ・・・!!」


冤罪、復讐、犯罪者、刑事。芽衣子の人生の汚点がしゅるしゅると音を立てて消えていった。もうどうでもいい。真島の腕の中は穢れたものを浄化するような神聖なもののように思えた。


「絶対に離さないからな・・・芽衣子」

「はい」

「ずっとそばにいろ」

「はい」

「よし、いい子だ」

艶やかな黒髪を撫でながら、額、まぶた、鼻、頬に口付ける。壊れ物を扱うように大切に触れていく。そして・・・

「きゃっ・・真島さんっ」

「大丈夫だ、じっとしていろ」

「赤ちゃんができちゃう・・・」

「できちゃダメなのか?」

しばしベッドの中でじゃれあうと2人は互いを愛し合い、幸福感を分かち合った。
458名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 18:05:27.56 ID:0+OvDSnS
以上です。まだ色々とネタがあるので出来次第投下致します。

それにしてもぎるちぃさん、ANKOさんを始め職人様方のSSは素晴らしいですね!!
皆様の投下を待ってます。
459名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 19:20:48.16 ID:TELeavMt
わーこの状況で新しい作家さまが来た!
フクシマに来たえがちゃんくらいゴットブレシュ-ですよ
汚染地域は向日葵で浄化できる説は本当ですかねぇ・・
想像力が希望になると信じたいです、次の作品も待ってます!
460名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 20:25:08.65 ID:86TdApok
piさま、ありがとう!
三度目の月命日が過ぎてから新しい作家さんが登場するなんてすばらしい!!
赤ちゃんができちゃうって……今までと違うかわやらしい台詞でドキドキ
真島芽衣子の絡みはなんでもエロくてたまりません
自戒をお待ちしてま〜〜す
461名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 20:45:15.35 ID:86TdApok
>>460
超絶もうしわけない、自戒じゃなくて次回でした
462名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:01:03.41 ID:gD0dC0os
わ〜い新しい職人さんの登場だ〜。
ツボを心得てらっしゃって初投稿とは思えません。
そしてなんだかかわいらしい。ニラニラが止まりませんw
どんどん投下して楽しませてください。ずっと待ってるから。
463名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:47:48.34 ID:qSPDI0zh
新しい職人様感謝です!!なんだかほっこりしてきたw
464名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 18:40:31.45 ID:sGkwHhjU
こんばんは。またまたpiです。用意していたネタが出来上がったので投下します。
465甘えん坊@:2011/03/24(木) 18:41:38.23 ID:sGkwHhjU

芽衣子は目の前にいる男の熱い視線に困惑していた。恥ずかしくてとてもじゃないが目を合わせられない。しかも両腕をがっちり押さえ込まれ、壁に押しつけられている。

「こっちを向け」

心地よい低温が鼓膜を刺激する。口調はきついが、どこか優しさを感じる愛しい男声が芽衣子の心を揺さぶった。

「離して下さい・・・こんなところで恥ずかしいですから・・・」

「やなこった。」

そう、2人が今いる場所は人通りが多い繁華街の片隅だ。通り過ぎていく人々がちらちらとこちらを見ていくのがわかる。顔から火が出そうだ。

「外野に気を取られるな。俺だけを見ろ。」

「・・・はい」

これ以上の抵抗は無意味だと判断し、ゆっくりと真島の目を見つめる。凄く近い。恥ずかしくて堪らない。真島は無表情から一気に笑顔へ変わり、ふっと息を漏らした。

「可愛い。」

「んっ・・・」

真島は獲物を捕えるかのようにかぷっと唇を啄んだかと思うと、一気に舌を口内にねじ込んだ。芽衣子は思わずきゅっと身体を強ばらせた。

「ん・・あ・・・んんっ・・」

「芽衣子・・・」

「まし・・・まさ・・」

あまりの激しい口付けに立ち止まって2人の様子を見ていく者も現れた。真島は止まらない。芽衣子を抱き寄せ、首筋に顔を埋めてすりすりと甘え始めた。

「ああ、可愛い・・」

「真島さんっ・・・見られてますって!!」

「放っておけ。見せつけてやればいいんだ。」

首筋にあった生温かい唇がちゅうっと音を立てて赤い印を刻んでいく。
466甘えん坊A:2011/03/24(木) 18:42:44.84 ID:sGkwHhjU

「芽衣子、今日は泊まっていけ。お前を抱いて寝たい。」

「えっちはダメですよ!!今アレですから・・・」

「お前がいないと寝られないんだよ・・・」

芽衣子は真島の甘えに弱い。一睨みでどんな凶悪犯も自白させるあの真島が見せる意外な一面。芽衣子にしか見せない甘えん坊な一面。甘えられたらとことん流されてしまう自分にため息を吐いた。
しかしそれ以上に真島への愛しさが募っていく。

「えっちはしないって約束してくれたらいいですよ」

「本当か?じゃあ美味しい食いもんを用意しなくてはいけないな」

「・・・もぉ」

子供のように喜ぶ真島に思わず笑みがこぼれる。2人は更に強く抱き合い長い触れるだけのキスを交わした。背伸びをして口付ける芽衣子を真島の大きな手が支える何とも甘い光景だった。

「まったく・・・こんなところでイチャつかないで欲しいわね。私には一切甘えなかったくせに。馬鹿。」

偶然通りかかった万里に一部始終を見られていたのだった。

おわり
467名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 18:44:28.69 ID:sGkwHhjU
以上です。今回はべったべた甘甘に仕上げました。ちょっと気持ち悪いかも(笑)
また投下しますね!!
468名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 19:02:53.01 ID:nI735mlT
わぁ新しい職人さん誕生したんですね
皆ギル熱さめずまだまだ新職人を生み出すましめいの中毒性恐ろしい
piさま二作も投下ありがとうございます
状況を明確にしてないのがまた想像力を掻き立てられますね
個人的に芽衣子の「赤ちゃんできちゃう」真島の「やなこった」が可愛い♪
家政婦は見たならぬ万里は見た!なシチュもよかったです
469名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 21:45:18.31 ID:8y09FrSX
piさん、ありがとうございます。
脳内映像化して萌え萌えしてます。
私の頭の中では高校生のような芽衣子に、
往来でけしからん事する真島の図なんだけど、
芽衣子の言葉が可愛らしいからかな。
巡回中の万里にめっかったーさあ大変みたいな。
またの作品を期待してます。ごちそうさまでした。
470pi:2011/03/24(木) 22:30:23.41 ID:sGkwHhjU
早速見てくださった方がいるんですね!!ありがたいです。おかしな日本語を乱発してますがご勘弁を。
完成した作品がもう一つあるのですが、連投するのもアレなんで明日の夕方に投下しようと思います。
471名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 22:44:17.46 ID:gVwC/0BX
piさんのおかげで貼り合いのある毎日になりました。
芽衣子がアレのとき、Hなしで優しく抱いて寝る真島は
前から読みたいと思ってましたんで、お気が向いたら是非……

それにしても真島が一睨みで犯人に自白させるのって
すっかり定着してるw
472ぎるちぃ:2011/03/25(金) 00:55:40.55 ID:TjpukR/I
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>449の続きを投下します

>まとめの方
いつもまとめありがとうございます
タイトルは、『続編5 薬』でお願い致します
473ぎるちぃ:2011/03/25(金) 01:01:11.06 ID:TjpukR/I

続編5 薬


(芽衣子視点)

真島さんは途中だった食事を食べ終え、バスルームに入って行った。

私は、左手の薬指に輝く指輪を見つめる。
「真島さん…ありがとう。」
こんな、もったいないほどの幸せを私に与えてくれて。

「痛…。」
ズキンと頭の内部から打ち鳴らされるような痛みが走る。

さっきの歌を聴き終えた辺りから感じていたこの痛み。
やっぱり…。

最初の復讐対象だった桜葉館学園高等学校元理事長北村。
彼を自殺に追いやった日から、私は激しい頭痛と不眠に苛まれるようになった。
痛み止めと睡眠薬が手放せなくなるほどに。

最近はその症状もずいぶん軽くなってきていたけれど、
復讐に手を染めた当時のことを、鮮明に思い出させるような出来事があった日には、
今でもこの痛みが襲ってくる。
これは、私が犯した罪の報いなのかも知れない…。

だんだん耐え難くなっていく痛みに、私は鞄の中からピルケースを出した。
こういった薬をいつまでも常用するのは良くないと分かっている。
真島さんと暮らし始めてからは、飲まないようにしていたのに。

ズキン、ズキン、と間隔を狭めながら襲い来る痛みは激しさを増していく。
「い…た…。」
テーブルの上に伏せて頭を預ける。
ケースの蓋を開けて痛み止めに手を伸ばしかけて…迷う。

それは、否定できない可能性が常に心にあるから…。
真島さんと体を重ねる時、いつも避妊をしない。
だから、いつ私の中に小さな命が宿っても…おかしくない。

私は伸ばしかけた手を引っ込め、よろよろとベッドまで歩くと布団に潜り込んだ。
474ぎるちぃ:2011/03/25(金) 01:03:36.66 ID:TjpukR/I

(真島視点)

「芽衣子?」
ベッドの中の芽衣子は、呼びかけても動かない。
眠ったのか…。

テーブルの側まで来て、ふと目が留まる。
蓋が開いたままのケースの中に納められた二種類の薬。
その一つには見覚えがある。

宇宙人のマスクをかぶった溝口に襲われた時、
芽衣子を庇って怪我をした俺に、彼女がメモ書きと共に残していった薬だ。

痛み止め…だったな。
もう一つは、裸のままの白いカプセル…何の薬だ?

俺はベッドに近づく。
「芽衣子?」
彼女はゆっくり目を開けた。
「真島…さん…。」
辛そうに、掠れた声を絞り出すように答える。
「どうした、具合悪いのか!?」
額に手を当ててみるが、熱は無いようだ。
「い…え、違…。」
「病院、行くか?」
「だ…いじょう…ぶ…です」
「だけど…。」
「お願…い、真島さん…側に…。」
彼女の手が、俺の袖を掴んで力無く引っ張る。
俺はベッドに入って、そっと芽衣子を抱き寄せた。

どのくらい時間が経ったのか定かじゃないが、
さっきまで辛そうだった芽衣子の呼吸が穏やかになっている。
腕の中に目をやると、芽衣子も俺を見上げる。
「大丈夫か?」
「はい、ずいぶん楽になりました。」
「本当に病院行かなくて平気なのか。」
「……病気じゃ、ないんです。」
芽衣子は少しためらってから、話し始めた。
475ぎるちぃ:2011/03/25(金) 01:11:49.90 ID:TjpukR/I

復讐に手を染めて以来、眠れない夜と頭痛に苛まれていたこと。
かつてはあの睡眠薬と痛み止めを常用していたこと。
最近は随分治まっていたが、それでも過去を思い出すとまた痛みが襲ってくること。
そして、さっきどうしても薬を飲むことができなかった理由も。

……。
俺は…、
馬鹿だ…。

「すまない。気付いてやれなくて。」
芽衣子を抱き締めて、自分の愚かさを悔やむ。
「謝らないで下さい。」
腕を緩めると、彼女は顔を上げて俺に微笑みかける。
「私、気付いたんです。」
「ん?」
「今みたいに真島さんに包まれてると、不思議と痛みが和らぐんです。」
「芽衣子…。」
「最近飲まないようにしてた薬も、きっと真島さんのおかげで
 飲まなくても平気だったんだと思うんです。」
芽衣子の瞳が濡れてゆく。
「真島さんは…私の罪の痛みも、消してくれる…。」

この娘は…
どうしてこうも俺を救おうとするのだろう。
自分の痛みよりも、俺を…。

俺は芽衣子を見つめ、両手で頬を包んで言った。
「いいか、君は無実の罪で十三年も服役した。
 復讐の罪はもう償ったと思ってくれ。」
「真島さん…。」
「お願いだ。そうじゃないと、芽衣子が壊れてしまいそうで、俺は…。」
芽衣子の瞳から、涙が零れる。
「分かり…ました。分かりましたから、そんな…悲しそうな顔しないで…。」

その夜俺達は、互いに強く抱き締め合いながら眠りについた。
476ぎるちぃ:2011/03/25(金) 01:21:16.86 ID:TjpukR/I
本日は以上になります
駄文失礼致しました

芽衣子が金谷のおばあちゃんに「ぐっすり眠れる」と言って渡していた薬と、
宇宙人溝口から芽衣子を守って怪我をした真島さんに、芽衣子が置いて行った薬を
ネタに書いてみました

>>451さん
計画停電グループ、一緒かもですね

>piさん
わーい!新職人さんだ!
なんか、二人の直球ぎみな台詞がめっちゃツボです
今後もぜひ投下してください
待ってます
477名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 08:58:20.33 ID:Z0UaG1Lp
ぎるちぃさん、ありがとう!
6話見た時、「芽衣子ちゃん、真島さんあんなに
痛がってたんだから、夜のうちに呑ませなくちゃダメじゃん!」
と思ったものです。本編の小道具が活かされていてgood!
H抜きで芽衣子を抱く真島は(も)大好物
478pi:2011/03/25(金) 16:23:22.18 ID:Ak5ZyNWg
こんにちは。予告通り投下します
479強引な男:2011/03/25(金) 16:24:37.39 ID:Ak5ZyNWg
門倉視点

「・・・何の用だ」

めんどくさそうに玄関を開けたのは最近妙に機嫌が良い真島拓郎だ。・・・と言っても今は最高に不機嫌だが。

「ふはっ、何怒ってんだよ」
「何の用だと聞いているんだ、門倉」

「真相を聞こうと思って」

門倉の言葉を聞くやいなや即座にドアを閉める真島を慌てて引き止める。

「帰れ」

「聞かせてくれよ、真相を」

意味深な笑みに何かを感じとった真島は眉間に皺を寄せ、ぎっと睨み付けた。そしてややめんどくさそうに次の言葉を発する。

「真相って何だ。別に今は何も事件を抱えちゃいないが」

「そうじゃなくて、女だよ女」

門倉ら極上の笑みを浮かべて真島の肩をポンポンと嫌味っぽく叩いた。それを鬱陶しそうに払い除ける。

「何の事だかさっぱりわからんな」

「隠すなよ。出来たんだろ。新しい女が。榎本と別れたばっかだってのに相変わらず手が早いな。もうヤったのか?どうだった?今度の女は」

「まだ片想いだ。馬鹿野郎」
門倉は真島の発言に驚いた。女に不自由無いこの真島が口説きもせず片想いだなんて。

「とにかく帰れ、こんな時間に非常識だ」

勢いよくドアが閉められロックがかけられた。無機質な空間にロックの金属音が響いた。
480強引な男2:2011/03/25(金) 16:25:52.37 ID:Ak5ZyNWg

翌日、門倉は万里から面白い情報を手に入れた。
真島がトリマーの女性に夢中だということだ。今までの真島の趣向を考えると、万里のように美しくキャリアがある高貴な女性ばかりだ。そんなイメージがあるものだから『トリマー』という職業は完全に盲点だった。

現在の捜査一課は暇で暇で仕方が無いので暇潰しに真島が夢中だという女を探ってみようと思いついた。

「俺は帰るぞ」

「片想いの彼女を口説きに行くのか?」

「犬を迎えに行くだけだ」

相変わらずのポーカーフェイスに吹きそうになる。門倉はそっと真島をつけてみることにした。

―――――――

・・・・・・来なければよかった。何だコレは。

「駄目なのか?別にいいだろう。買い物に付き合うくらい」

「だ、だめです!!明日は予約がいっぱいなんです。アンの買い物はこの間全部揃えたじゃないですかっ・・・」

「買い漏れがあったんだ。付き合え。」

「それくらい1人で行ってください!!それに明日は彩乃ちゃんがオフですから・・・彩乃ちゃんに付き合ってもらってください・・・」

「駄目だ。お前がいい」

真島の手が女の腕を掴む。女はおろおろと視線を泳がせ困惑している。真島はその様子を心底楽しんでいるように見える。そして今までに見たことが無いくらいでれでれだ。
481強引な男3:2011/03/25(金) 16:26:57.28 ID:Ak5ZyNWg

「買い物の後は俺の家でアンの様子を見ていってくれ」

「真島さん・・・」

なんて強引な男だ。女は完全に涙目になっている。真島は女の涙に気がつくと面白いくらいに取り乱して指で涙を拭おうと必死になっていた。

「すまない・・・俺と買い物に行くのが嫌だったか?」

「えっと・・・その・・・」

目に涙をいっぱい溜めて真島を見つめる。あぁ、これはまずい。野獣真島はこんな表情を見てしまったら理性を保っていられないだろう。
・・・というか本当に片想いなんだな、真島。御愁傷様。

「嫌ではないです・・・でも真島さんはかっこいいですから恋人くらいいるでしょう?私も一応これでも女ですから・・・だからアンのためとはいえ、こんなの駄目です」

「お、俺に恋人なんかいないっ!!!大丈夫だ、安心しろ!!」

何が安心しろ!!だ。この女は真島の恋人になりたいなんて一切思っちゃいない。真島は頭の中が恋のお花畑状態だから変な勘違いをしているようだ。

「真島さん、明後日ならオフですから・・・えっと・・・」
女の顔が赤い。え?

「明後日なら俺も空いてる!!買い物付き合ってくれ!!」

「はい!!」

ぽわぽわと溢れる甘ったるい空気。外から見ていても嫌と言うほど感じ取れる。それより真島、明日は大事な会議だぞ。

「じゃあ明日な。芽衣子。約束だぞ」

「な、名前・・・真島さッ・・・あ・・・」

あーあ、抱き合っちゃった。馬鹿馬鹿しい。
この時の俺は二人がまさか一年後に結婚するだなんて知るよしもなかった。

おわり
482pi:2011/03/25(金) 16:29:56.40 ID:Ak5ZyNWg
以上です。不完全燃焼な作品ですが見てやってください。
前のレスで要望があった『芽衣子がアレのとき』のネタを執筆中です。明日には投下できそうです。
483名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 19:51:51.84 ID:V7mU6qcz
>ぎるちぃさん、
ドラマでチラッと出てきた人物や小道具を上手く拾う拾う
芽衣子はいつも薬を持ち歩いてるのか、その理由も納得です
しかし真島の添い寝は何よりの薬。う〜ん良いわ〜。

>piさん、精力的な投稿ありがとうございます
スレが活性化してきました。
今回はまさに「門倉はみた」
強引な真島ちゃんと嫌も好きのうちのような芽衣子、
はたから見ると微妙にバカップルの二人から目が離せませんw
次回作すご〜く期待してます
484pi:2011/03/25(金) 21:38:52.12 ID:Ak5ZyNWg
作品を投下したあとに気がつきました・・・
真島と芽衣子が明後日買い物の約束をしているときの門倉の心の中のセリフが、『明後日』が『明日』になっていました・・・
その後に続くセリフも『明後日』のつもりが『明日』になっています。
Wikiの管理人様、Wikiに掲載する際に、『明日』→『明後日』に直して頂けるとありがたいです。
申し訳ありません。
485名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 16:14:54.79 ID:Kxq5mi6N
piさん続けて作品投下ありがとう
今度は門倉は見た編ですね
強引な真島に戸惑う芽衣子はもうデフォですね
この関係性が萌え萌えです
芽衣子があれな時のお話楽しみです
486名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 18:47:13.39 ID:atvPW4W5
皆様、先日はご迷惑をおかけしました。
487名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 18:51:33.53 ID:atvPW4W5
あれ?途中で送信しちゃったよ
ANKOです。予告しました、タロウ視点の話が書けましたので投下します
488ANKO:2011/03/26(土) 19:04:31.75 ID:atvPW4W5
【わんこ THE GUILTY】
(第一話 出逢い)

オレの名前はタロウ。真島という親父がつけてくれた
その親父と初めて会ったのは、まだ三輪のおばちゃん家で
母ちゃんと暮らしている時だった。
姉ちゃんたちと昼寝してたらなにやら聞き慣れない男の声で目が覚めた

お線香の匂いがする。オレは会った事はないけど、
写真のおじちゃんの仏壇にお参りにきたのかな。

「忙しいのにわざわざ来て下さって申し訳なかったわね。
で、芽衣子さんの具合はどうなの?」

「ご心配おかけしました。
順調に回復して、なんとか歩けるようになりました」

「まあ、それは良かった…。あなたも大変だったわね。」

「いえ、奥さんの方こそ、いろいろとご迷惑をおかけしました。
刑事の俺に代わって芽衣子の身元引受人も引き受けて下さって…
執行猶予もあと二年弱ですが宜しくお願いします」

「私は名ばかりだから気兼ねしないで。
もっと何か償いをしたいのだけど、こんな事しかお役にたてなくて…。
主人がいないのは寂しいけど、あんな可哀想な目に合わせたのに、
世間に後ろ指さされる事なく暮らせるのは、
あの記事と芽衣子さんのお陰なの。
世間は脅迫されて陰謀に巻き込まれたと反対に同情してくれたし
暴力団との贈賄の疑いがはれて殉職という形になったわ。
それに主人の思いを引き継ぐつもりで、あの子の身を案じていたら、
なんだか自分の娘のような気がしてきてね…
意識が戻って真島さんと幸せに暮らせて本当に良かった…」

メーコって誰だろう。
話の内容はよくわかんないけど三輪のおばちゃん泣いてる。

「ごめんなさいね。いやあね、年を取ると涙もろくなって。
子犬を見に来てくれたのに長話になったわ。さっこちらよ」

男の人が近づいてくる。
母ちゃんはどうやら知り合いのようで、嬉しそうに尻尾をふってる。

男がぬ〜と顔を覗かしてサークルの中にいるオレたちを見た。
人間の癖に鼻の下にも毛が生えてる。
母ちゃんは頭を撫でられて喜んでいるから、
悪い人じゃなさそうだけど、大きくて怖い。
誰かに似てる…
ああ、あいつだ。オレたちが散歩するとわざと吠えて驚かす、
近所のアフガン犬のおっちゃんだ。

このヒゲ親父、オレをじ〜と見てる…。目を合わせないようにしよう。
489ANKO:2011/03/26(土) 19:18:14.20 ID:atvPW4W5
「こいつ、アンに似てるな。…この子にします」
え?オレがなんだって?
「右側の子?一番やんちゃだけど、いいかしら」
「芽衣子はどんな犬でも手懐けるから大丈夫です。
本当にアンにそっくりだ。きっと喜びます」

「それじゃあ、近いうちにペットサロンの彩乃さんに預けるわね」

「お願いします。
ではこれからまた署に戻りますので、失礼します
ありがとうごさいました。」

ヒゲ親父は帰っていった。何の話だろう。
すごく不安になってきて母ちゃんのお腹にもぐると
母ちゃんはオレをペロペロ舐めてくれた。

何日か過ぎて、オレは母ちゃんとペットサロンに連れてこられた。
母ちゃんが綺麗にしてもらった後、オレも生まれて初めて
シャンプーをしてもらった。
最初は怖かったけど暖かい風で乾かしてくれて気持ちいい。

三輪のおばちゃんが近づいてきて、抱っこして身体を優しく撫でてくれた
「綺麗になったわね。
手放すのは寂しいけど、芽衣子さんにかわいがってもらうのよ。
じゃあ彩乃さんお願いね」

サロンのお姉さんに渡された。なんでだ?一緒に帰るんじゃないのか?
あっ、おばちゃんが母ちゃんだけを連れて店を出ていく。
こっち向いて鳴いてる母ちゃん…!
母ちゃんー!母ちゃんー!置いてかないでー!
母ちゃんの鳴き声がだんだんと遠くになる。
聞こえなくなってもオレは鳴き続けた。
そして鳴いて鳴いて鳴き疲れて、いつの間にか寝てしまった。


――――――――――――――――――――――「かわいい〜」

聞いた事のない女の声と眩しい光で目が覚めた。
ここはどこだろう
知らない家。
オレ、鞄に入れられてここに連れて来られたんだ。
母ちゃんや三輪のおばちゃんはどこだろう…。
キョロキョロ辺りを見渡してもいない…

「起こしちゃってごめんね」

オレはその声の女と目が合った。
母ちゃんと同じ温かそうな瞳でオレを見つめる。
一瞬で不安はふっ飛んだ
きっとこの人はオレの全てをわかってくれる。そう直感した。

簡単に言うと、一目惚れだ。

それがメーコとの出逢いだった。

つづく
490ANKO:2011/03/26(土) 19:27:20.83 ID:atvPW4W5
なんて事ない話ですが、今日のところはここまでです。
お目汚し失礼しました。
次回は私もタロウは見たのような内容になります。
491名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 08:18:25.37 ID:h3PYHnxO
ANKOさん
人間のくせに鼻の下にも毛が、とか
大きくて怖いとか、ウケました。犬から見ればそうでしょう
タロウは見たを楽しみにしてます
そりゃ〜子犬から見れば愛の行為は
イジメてるように見えるだろうな。ニラニラ
492名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 15:42:39.09 ID:Ulb0aWTV
わーい、ANKOさんの新作だ!
アフガンハウンド、画像検索してしまいました。
なるほどー、髪形(?)がまっしーに似ていますね!w
タロウの「母ちゃーん置いてかないでー!」 
には子犬の声が聞こえそうでウルウルでした。

メーコと真島、タロウバージョン、すごく楽しみです。
493名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 19:54:21.73 ID:35k/Wabk
ANKOです
読んで下さった方、コメントして下さった方、ありがとうございます。

くだらねぇ〜内容ですが、暇つぶしに読んでくだされば幸いです
次回はさらにクオリティーも品位も下げる事間違いなし。
ええ、犬にとってはあんな事はこんな風にうつるんです。

アフガンハウンド、なんとなく似てるなぁとオンエア中から思ってました。
シュッとしてどことなく品がいい
文中の近所のアフガン犬の設定としては、室内で飼われていたけど、飼い主の都合で屋外の檻で飼われる事になり、あまり手入れもされなくなり、ストレス発散にアン達を吠て驚かす
ぐらいのヤサグレ犬なんですが、長くなるので割愛しました。
どうでもいい内容ですし、はい。

次回作、遅筆ですので近日中に投下します。
あまり期待せずお待ち下さい
494名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 19:55:25.22 ID:BXFXgyUk
ANKOさん
すごくほんわかした気持ちになりましたー
タロウのやんちゃな性格にあわせた口調(母ちゃんとかw)がかわいい
母ちゃんとの別れシーンはかわいそうだったけど
あっさりメーコに落ちちゃうタロウにワラタwww
続き楽しみです
495ぎるちぃ:2011/03/27(日) 19:55:33.05 ID:uTyOaCXa
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>475の続きを投下します
496ぎるちぃ:2011/03/27(日) 19:57:41.83 ID:uTyOaCXa

続編6 君が生まれた日


(真島視点)

翌朝、二人で抱き合ったまま目が覚める。

「眠れたか?」
「はい。」
俺は芽衣子の頭にそっと手を添える。
「頭は?まだ痛むか?」
「いいえ、もう全然。大丈夫です。」
「そうか。」
よかった…。
ほっとして、その頭に頬を寄せる。
「もう一人で我慢するなよ。」
「はい。」

今日は俺も芽衣子も仕事は休みだ。
急かされることのない時間の中で身を寄せ合い、時折唇を触れ合わせ、
ただ互いの温もりを感じる。

この状況で芽衣子を抱きたいのはやまやまだったが、
昨夜の彼女を思うと、今はなんとなく躊躇する。

だが、体を重ねること無く、こうして口付けを交わすだけでも俺の鼓動が高鳴る。
いや、たとえ離れた場所にいても、芽衣子を思い浮かべるだけで胸が熱くなる。

この先どれだけ年月が流れても、何度彼女と体を重ねても、
この想いは変わる気がしない。

「今日何か予定あるのか?」
柔らかな唇をひとしきり堪能した後に、俺は芽衣子に尋ねた。
「あ、私は特に無いんですけど、アンをゆっくり
 お散歩に連れて行ってあげたいと思って。
 最近は家とサロンの行き帰りだけだったから。」
「じゃあ、そろそろ起きるか。俺も一緒に行くよ。」
497ぎるちぃ:2011/03/27(日) 19:59:34.63 ID:uTyOaCXa

暖かな陽を浴びながら、蕾の膨らみかけた樹々を眺めて歩く。
「いいお天気。気持ちいいねーアン。」
芽衣子は微笑んでアンに話しかける。
その横顔に、俺はずっと考えていたことを切り出した。

「芽衣子。」
「はい?」
「入籍、いつにしようかと考えたんだが…。」
「あ…はい。」
「来月、4月14日はどうだ?」
芽衣子が驚いたように俺を見る。
「4月…14日ですか?」
「ああ。」
「…その日…。」
「君の誕生日だろう。」
芽衣子は大きな瞳を更に大きく見開く。
「真島さん、なんで私の誕生日知ってるんですか?」
「え?…ああ、ほら、この間君が怪我をした時、病院で出した保険証。
 たまたま見て、覚えてた。」

嘘をついた…。
芽衣子に出会った頃、警視庁のデータベースで十五年前の事件記録を見て、なんて
言えるわけが無い。

「どうして、私の誕生日に?」
「俺の一番大事な日だからだ。」

その日があるから、俺は芽衣子に出会い、愛した。

「真島さん…。」
「何だ、嫌なのか?」
芽衣子はふるふると首を横に振り、
涙を溜めた瞳を伏せて俺の腕に手を絡ませ、寄り添う。

君が生まれてきてくれた春の日に重ねたい。
二人の幸せを、もう一つ…。
498ぎるちぃ:2011/03/27(日) 20:09:35.20 ID:uTyOaCXa
本日は以上になります
駄文失礼致しました

本編1話のラストでパソコン画面に事件記録の内容がちらっと映ったので、
それをネタに書いてみました

>まとめの方
いつもありがとうございます
タイトルは「続編6 君が生まれた日」でお願い致します

>piさん
真島さんのまっすぐな強引さが好きですわー♪
芽衣子がアレの時なお話、楽しみです

>ANKOさん
タロウになった気分で読ませていただきました
タロウ、これから真島さん宅を覗き放題なのねw
499pi:2011/03/27(日) 21:56:30.86 ID:qmNXpT/Q
こんばんは。予告していた芽衣子がアレのときのネタを投下します。
本当は昨日投下する予定だったのですが、諸事情により投下できませんでした。ごめんなさい。

それではどうぞ!!
500愛の結晶 part1:2011/03/27(日) 21:59:17.67 ID:qmNXpT/Q
※甘えん坊の続きになっています
―――――――――――

真島の押しに負けて真島宅に一泊する事になった芽衣子は、尋常ではないくらいの下腹部の痛みに耐えていた。
部屋に入り、その様子にすぐに気がついた真島は芽衣子を気遣い、すぐにベッドへ寝かせて暖かい毛布をかけてやる。

「痛むか?腹を温める物をもってきてやる」

「大丈夫です。痛みに波があって直に治りますから・・・」

「女は大変だな。でも大丈夫だ。今日は俺がそばにいるから。」

「真島さん・・・」

毎度の事だが、真島のこの優しさに涙が出そうになる。職場では怖い人間だそうだが(万里情報)甘えん坊で優しくて、子どものように無邪気な表情を見せてくれて。愛されているんだなぁと実感する。
優しく下腹部を撫でる大きな手にそっと触れると、真島はふっと笑みをこぼした。

「少しは楽になったか?何か食べるか?」

「大丈夫です。あの・・・えっと・・・」

「ん?」

「ぎゅってしてくれませんか?」

芽衣子の可愛いおねだりが堪らなく愛おしくて理性がはち切れそうになるが、ぐっと堪えた。芽衣子の隣に潜り込み、華奢な身体を抱き寄せる。

「大好きです、真島さん」

「愛してる・・・芽衣子」

2人はお互いの温もりが欲しくて欲しくてたまらなくなり、入り込む隙間が無いくらいに密着した。その間にも真島の手は、芽衣子の下腹部をいたわるように擦ってやる。

「生理がくるって事はまだできてないのか・・・」

「・・・?」

「いや、何でもない」

芽衣子、俺は楽しみにしているからな。お前の中に俺との愛の結晶が宿るのを。
そしてお前も楽しみにしていろ。近々俺はお前の人生を変える言葉を伝える。受け入れてくれるな?

おわり
501pi:2011/03/27(日) 22:04:17.58 ID:qmNXpT/Q
以上です。
ちなみにこの話はまだ続きます。出来次第投下しますね!!

>ぎるちぃさん
いつもいつもぎるちぃさんのssで癒されます。ありがとうございます。芽衣子の誕生日って4月なんですね。次の投下を待っています!!
502名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 08:41:33.65 ID:4Sd0Tvrq
piさん、H抜きおねだりした者です
優しいお話をありがとう
真島の手のヒーリングパワーは凄そうw
頼もしい男性にぎゅっとされて芽衣子は幸せ者だな〜!
503名無しさん@ピンキー:2011/03/28(月) 16:38:46.66 ID:SYGictSO
ぎるてぃさん
新作ありがとうございます
真島ちゃんてば、どうしていちいちそんなに優しいんだ〜
それにいちいち涙して感動する芽衣子もかわいいし
この二人の関係性が理想すぎる!
すごくキュンキュンしました!!
結婚式のお話もあるのかな??♪

piさん
新作ありがとうございます
うぅ〜こっちの真島ちゃんも優しい〜
強引だったり甘かったりメリハリが利いてていいですね
あの大きな体にぎゅって包まれたら痛みもふとっとぶよ
しっかし孕ませる気満々の真島ちゃんは笑えるw
がんばれ真島ちゃん!
504名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 16:57:17.46 ID:vxaU4g97
ぎるちぃさん、piさん、他の職人様
いつもありがとうございます!楽しみすぎて、
ここを覗くのが日課となりつつあります〜

さりげなーく、glenさんの続きも期待しちゃってます
けだるい真島ちゃんとタックル芽衣子の行方が気になる今日このごろw
お忙しいかな?いつか投下して下さったら嬉しいです!


505名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 19:25:14.68 ID:+RbGxLgi
ANKOです。

ぎるちぃさん、芽衣子の誕生日4月14日だったんですね。よく見てますね
それをうま〜く話に繋げて、しかも計算された流れのようで流石です。
ちゃくちゃくと幸せの道を歩んでますね。

piさん、真島のストレートな言葉にニラニラしっぱなしです
真島の、まさに「手当て」 いいですねぇ〜〜
ゴッドハンドでありゴールドフィンガーであり。
優しくもいやらしくもなる真島ハンド
506ANKO:2011/03/29(火) 19:50:33.19 ID:+RbGxLgi
また中途半端に送信してしまいました
glenさんのタックル芽衣子の続き読みたいですね
ASMDUSさんの妊娠三ヶ月の芽衣子もその後どうなるのでしょう

hitoshiさんの小ネタも

それから…、管理人さん大丈夫ですか?
呼びかけていいのかずっと迷ってたのですが。
あの騒動から見かけなくなって。
更新を催促してるわけではありませんので気にしないで下さい。


えっと続きを投下します。
507ANKO:2011/03/29(火) 20:01:57.60 ID:+RbGxLgi
【わんこ THE GUILTY】
(第二話 煩悩)


玄関の扉を開ける音がした。
「ただいま」
ヒゲ親父の声だ。
この家中、あいつの匂いがしてるから、
ここに住んでるんだとわかっていた。
とりあえず、出迎えないとな。
家に入ってくる人を真っ先に見に行って確かめるのが、
犬の役割だって母ちゃんが言ってたし。
玄関に立ってるヒゲ親父を見てUターンしそうになったけど
勇気を出して尻尾をふって喜んでるふりをしてやった。
デカい手で頭を撫でられたら、ちびりそうになっちゃった。
親父の顔なんて舐めるのは嫌だけどこれから世話になるから仕方ない。
これが犬社会の挨拶だ
メーコも玄関まで来た。すごく嬉しそうだ。
怖そうだけど案外良い奴なのかな?
あれ?こいつメーコの口を舐めた。人間もこんな挨拶するのか?
三輪のおばちゃんがこんなふうにしてるのは見た事ないぞ。

「良い匂いがするな」

親父がキッチンの方を見てそう言った。
オレもさっきから気になってたんだ。
メーコとサロンのお姉さんが作ってたビーフシューとかいうやつだ。
オレも食べたい!
メーコが準備しようとすると、親父は熱いから危ないと自分で持ってきた。
そういえばメーコはちょっと歩きにくそうだ。怪我したのかな?
あ、ヒゲ親父、自分の分をすっげぇ大盛りで持ってきた。
早くちょうだいって、じ〜と見てるのにオレの器に入れてくれない…。

「玉葱入ってるからあげられないの」

メーコがそう言うけど、ウソだ。こいつがオレの分まで食ってるんだ。チクショ〜。
やっぱこいつ悪い奴だ。
しかも、ご飯を食べたら風呂だと言ってメーコを連れていく。
サロンみたいに洗ってもらうのか?
じゃないよな、おばちゃんはいつも一人で入ってたし。
おい!メーコを連れて行くな!
待って!母ちゃん…じゃない、メーコ行かないでくれ〜。
メーコォォォォ〜!!
508ANKO:2011/03/29(火) 20:12:21.20 ID:+RbGxLgi
鳴き続けたら戻ってきてくれた。良かった。
ヒゲ親父は寂しそうに一人で風呂に入っていった。
人間の大人なんだから風呂ぐらい一人で入れよな。

親父がいない間、メーコとたっぷり遊んだ。
顔や手を舐めたらすごく楽しそうに笑ってくれたから
オレも嬉しくなってペロペロ舐めまくってやった。
メーコの膝の上に乗ったら優しく撫でてくれた。
心の奥からじんわりくぐらいすごく気持ちいい。
なんだか眠くなってきちゃったよ。
メーコも眠そうだ。
母ちゃんと離れて寂しいけどオレ、今は幸せだ。


「タロウ、どけよ」
親父にポンと触られて目が覚めた。
せっかく膝の上で気持ちよく寝てるのにナニすんだよ。

親父はオレを無理矢理をどかすと、メーコを抱き上げた。
またもやメーコを連れていこうっていうのか!
なんて奴!
なんて奴!
オレから奪おうというのか!
オレは親父が腰に巻いているバスタオルを噛んで行かせないようにした。
するとタオルがはらりとと落ちて、
尻尾や毛がないつるりとした尻が露わになった。
メーコをベッドに下ろそうと少し屈んだその瞬間!
ガブリと噛んでやった!!

「いてぇ〜」

親父がジロリと睨んだ
。うわっ叩かれるっ。
と思った瞬間、メーコが目を覚ました。
ヒゲ親父はメーコの上にのし掛かったまま、
メーコの口を舐めようとしてる
そうはさせるもんか。オレはその間に潜り込み、親父より先に舐めた。
ふぅ〜危なかった〜。
親父は懲りもせずメーコにくっつこうと体を寄せてきたけど
邪魔だって威嚇してやったら、おとなしくベッドの隅っこに行ったよ。
ヒゲ親父に勝った!
図体はデカいけど気は小さいんだな。ザマ〜ミロ。

オレのメーコ。
誰にも触らせやしない。

つづく
509ANKO:2011/03/29(火) 20:19:56.88 ID:+RbGxLgi
今日のところはここまでです
すごい誤字脱字おかしな文体 かなり崩壊してますが
適当に読み流してください
ビーフシチューはあえてそう書いたわけではなく
ホントに間違えましたー。

本番は次回です。駄文失礼しました。
510名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 20:34:29.90 ID:Gx8TrKwX
>>509
真島芽衣子目線のストーリー思い出して、笑っちゃいました
タロウは真島に負けず劣らず、独占欲強いなぁw
続き期待していますデス
511名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 21:27:50.78 ID:x/PEr1i2
ANKOさん
もうずっと笑いっぱなしでしたw
特にビーフシチュー大盛りの真島ちゃんww
確かに真島は大食いそうですよね
犬目線だとさらにほのぼの具合が増しますね〜
たろうから見たHの描写も楽しみです!
512名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 21:55:22.48 ID:pMpx8s3s
震災以来ここ見てなかったけど変わらず盛り上がっててほっとしました
タロウネタは和むわ
次回作楽しみです
513名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 09:39:46.87 ID:WRdaf+aC
ANKOさん、果敢にヒゲ親父に挑むチビ犬君がおかしくてかわいい!
私も犬目線のH観察日記を楽しみにしています

ANKOさん、>>504さん、glenに光栄なお言葉ありがとうございます
あっさり気味の退院の日とか、芽衣子とお客の百合ネタとか
妄想段階です。まとまったら来週後半にでも投下いたします
514名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 20:21:22.51 ID:QoNQExXz
zeroです。初々しいマシメイが書きたくなって今に至り投下します。

ANKOさん、ぎるちぃさん、新作ありがとうございます!
毎度毎度早い更新頻度でただならぬ量の萌えを投下してくださるお二方に拍手。
新しい続編もタローシリーズも楽しみに待ってますね。

piさん、新しい職人さん誕生に前俺が喜びました!ちょっと遅くなりましたね、すみません。
これからも新作お待ちしております〜!スレがより活性化されて嬉しい限りです。
515三話捏造:2011/03/30(水) 20:22:46.08 ID:QoNQExXz
まるで、10代の学生が始めて恋愛するかのように2人の接触はぎこちなかった。
もっとも確かに芽衣子にとって異性とそういう仲になる経験はこれが初めてだったが。
「後はどうすればいい?」
「えっと…次は、」
アンの犬小屋を組み立てる真島。そこから少し離れた場所で芽衣子は応答した。
真島に正座のことを指摘され、犬への緊張しているのか否かの質問を自分へ
発せられたと勘違いして取り乱す芽衣子は純情少女そのものだった。
「なら俺たちも飯にするか。」
「え…、私はいいですよ。」
「遠慮するな。」
そう言って真顔で出されたのはインスタントラーメン。普通の女性なら幻滅、とまで
いかなくても顔を歪めそうな状況でも芽衣子は笑顔でそれをほおばった。
演技ではなく内心で本当にそのもてなしを歓迎していた。
「あ…これ、どこに持っていけば。」
「いいよ、俺がやるから。」
「いや…でも……台所でいいですよね?」
その台詞に真島は凍りついた。台所。一応カモフラージュしているがそこには
警察協同組合の書類が置かれている場所であったからだ。
516三話捏造:2011/03/30(水) 20:23:36.15 ID:QoNQExXz

「いいから!!」
「………!」
咄嗟に握った手を離すタイミングを見失い少し気まずい空気が流れた。
彼女がこの手の意味を知らない。少なくとも今は。
「あ…その、」
「…………、」
するりと右手を解き彼女を自由にする。
懲りずに芽衣子はゴミを片手にもう一度台所へ向かおうとした。
「貸して!」
思わず力をこめ彼女の肩を掴み強引にそれを真島は奪い取ろうとした。
「!!」
「あ…その、」
さっきよりも一際驚いた表情、それに紅潮している頬の意味に最初真島は気付かなかった。
しかし芽衣子が渾身の声で、少し、いやかなり言いにくそうな様子で、
「あの、真島さん…右手……、」
そう発っしたので真島は言われるまま彼女の右手に視線を落とす。これといって何も変わった様子はなかった。
ついで自分の右手を見ると、真島はようやく彼女の戸惑いの本当の意味に気付いた。
無意識のうち真島が握っていたのは芽衣子自身、しかもよりによって彼女の胸部だった。
「っ!!…すまない、わざとじゃない、」
「分かってます…」
517三話捏造:2011/03/30(水) 20:24:37.15 ID:QoNQExXz
芽衣子の心中はただでさえ真島という異性と2人きりのこの状況で興奮状態にあったのが
さらにヒートアップして赤面という言葉では片付けられないほどになっていた。
もちろん真島がわざとあんなことをしたのではないのはわかってる。
それでも恥ずかしくて恥ずかしくて顔を直視することすらできなくなっていた。
「熱でもあるのか?」
「え?」
「顔が赤い、」
「いや…大丈夫です、ごめんなさい緊張しちゃって…」
そこまで言い切って芽衣子はハッと息を呑んだ。ついどうどうと本音をもらしてしまった。
緊張していると。さっきは勘違いだったとはいえ思い切り否定したのに。
「緊張…?」
「いや…それはその…」
「そういうレベルじゃないくらい赤いんだが」
「そ…そんなことありません!!」
さっきと同じく否定してみるも鏡を見なくても自分が真っ赤なのは分かりきっていた。
「ちょっと待って。」
そう告げると真島は室内を動き回り何かを探し始めた。
「…、どこに置いたかな……あった。」
518三話捏造:2011/03/30(水) 20:25:27.60 ID:QoNQExXz


続いてさっきあれだけ芽衣子が行くことを拒んだ台所でコップに水を注ぎ、
再び芽衣子に近づいてきた。覗き見るとそこには錠剤が見えた。
「薬。飲んどけ、」
「え…あ、すみません。」
せっかくここまで持ってきてもらったので申し訳ないとは思ったものの
受けとり一気にそれを飲み干した。水をひと飲みしたせいか少し赤みが引いた気がする。
「あ、どうもありがとうございました…、」
「送るよ。」
一瞬芽衣子はわが耳を疑った。ここからサロンまではさほど大した距離ではないが
自分の家まで往復させるにはどうも気が引けた。
「まだ…、そんなに遅い時間じゃないので。」
時計を見る。10時だった。普通に遅い。しかしそれ以外に適切な断わり方が
見当たらず芽衣子は逃げるようにして真島を振り切り外に出た。
「はぁ……。」
何に対する溜息なのか。真島との時間が嫌だったわけではない。むしろ、楽しかった。
それでもどうしてもこの幸せに浸ることはできなかった。自分にそんな資格にないからだ。
──────タッタッタッ
ふいに後ろで聞こえた。走り音。その音に反応した芽衣子は振り向き、驚愕することになる。
他の誰でもない彼がそこにいた。

519名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 20:28:30.19 ID:QoNQExXz
ちょっと短いですが以上です、本当はエロありの予定だったんですが
流石に三話でそういう関係とか真島ちゃん手早すぎwwってなったので
ここまでにしときます。駄文失礼しました。

520名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 21:16:47.32 ID:kOInkskg
相変わらず活発なスレだわ
もうどこから感想書いたらいいか分かんないですが、皆様GJですっ
zeroさん、3話は萌え要素満載ですよねー実は一番リピ率が高いw
真島ちゃんここでは野獣デフォだから3話でも全然おkだったかもwです
521名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 23:26:46.14 ID:bXHgF7My
zeroさん、三話捏造という題名にまず笑えました
ドラマに沿った話、なんだか原点に戻って新鮮でした。
あのシーンと捏造を加えて脳内再現できましたよ
このころの真島ってウブな芽衣子に思わせぶりな罪な事いろいろしてましたねぇ。
しかし胸触ってるのに気がつかないなんて…w
真島ならありえそうと思えてしまう。
微妙に?大胆に?付加した話面白いですね。またお願いします。



♪同じドラマを見ていたのに違う話に離れてく♪タロウてなんダロウのANKOでした。
レスして下さった方ありがとうございます
励みになります。
522名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 01:21:08.76 ID:OjAAkk7F
glenさん
>>504です。ありがとうございます、心待ちにしておりますっ
真島ちゃんもう退院しちゃうのか〜

ANKOさん
世界観の違いに爆笑です!いろいろと最強な真島も、
タロウから見ればただの髭親父で気が小さくて尻に隙があって(笑)
次回タロウ的にはショックだろうけど、
その次のメーコから……の方がショックかもねww

zeroさん
あのシーン、コントのようでもあり、いじらしくもあり私も大好きです
書類だけ隠したってばれそうなのに、
途中から2人の世界に入っちゃってる感がw

523hitoshi:2011/03/31(木) 15:48:33.50 ID:M8cFj0N7
小ネタというか・・・短いほのぼの二人系を投下します
2レスくらいかな、またもやエロなしで申し訳ない〜
普通に恋した二人みたいな感じになってるので、苦手な人は2レススルーしてください
524アイシテル1/2:2011/03/31(木) 15:49:17.63 ID:M8cFj0N7

アイシテル


甘ったるい言葉は苦手だ。

普段は勿論のこと、情事の最中でさえ口にすることは少ない。
俺から誰かに交際を申し込んだこともない。
そういうことに興味がなかったというわけではないが、女の方から寄ってきて
その中で気に入ったタイプの女と付き合ってきたというのが正解かもしれない。
万里もそうだった。
ただ彼女は同じ刑事という仕事上、一緒にいる時間も長く、また彼女の仕事への熱意を見るにつけて
過去の女たちとは別な関係になっていたと思う。
或いはそれはひとつの愛の形だったのかもしれないが、俺はやさぐれて振られてしまったのだ。
特別だったわりには終わりは呆気なかった。
「別れましょう。貴方には自力で立ち直ってほしいから。」
そう告げた彼女に俺はただ、
「そうだな。」
と言った。
もう女はいいと正直思った。
逃げれば追いかけてきて、傍に置いておけば逃げて行く。
それを追いかけるほど俺も執着がなくて面倒だった。

「真島さん、初めて会ったときすごく面倒そうでしたね。」
そう言ってその女はクスリと笑った。
三輪さんの家の犬を預かってくれているペットショップの店員、野上芽衣子。
仕事はSEだなんて嘘を吐いたせいで、彼女にパソコンを教える羽目になってしまった。
初めて会ったのは三輪さんの犬が排水溝だかに迷いこんで、彼女が困っているときだった。
あの時は本当に面倒だったし、人と関わりを持つのも命の大切さを分かっていないようなヤツにも俺はうんざりしていたから
第一印象はお互い最悪だったと思う。
「すみません、またこんな面倒なことに付き合わせて。」
恐縮する彼女の丁寧に分けられた前髪が、頭の動きに合わせてさらりと落ちた。
三輪さんの家の犬、アンの出産を一緒に見届けてから俺は彼女に惹かれていった。
今だって間近で彼女の纏う空気の中にいるだけで、もう落ち着かない。
「いや、構わない。」
動揺を悟られたくなくて益々口数が少なくなる。
でも気まずくないのは、彼女のおかげなのだろうか。
二人でいて何も話さなくても、ただ時間だけが過ぎて行っても、気まずいどころか幸福感さえ溢れだすようだった。
―俺は彼女が好きなんだろうなぁ。
―まだ数回しか会ってないのに?
―会った回数なんて関係ないだろう。
頭の中で自問自答が始まってしまって慌てて目の前のモニターに視線を落とす。
淡いグリーンのノートパソコンは彼女の優しい雰囲気に合っていると、ふと思う。
「えっと、これでファイル名をつけるんでしたよね?」
「ああ。」
その横顔を美しいと思う。
ディスプレイの白い光が彼女の表情を照らしていて。
一瞬、ほんの一瞬記憶が飛んだような気がした。
525アイシテル2/2:2011/03/31(木) 15:50:10.38 ID:M8cFj0N7

「んっ!!」
野上芽衣子のくぐもった声にはっとしたが、時既に遅し。
俺は感情のままに彼女の唇を奪っていた。
なんだ、どうしたんだ、一体。
こんな状況になったことがないので、どうしたらいいのか分からない。
いや、こんな状況にしたのは俺自身か。
しかし、身体が意志に反して動く。
気がつけば唇を合わせるだけでは物足りなくなって、噛みつくように彼女に口づけ閉じられた唇を強引にこじ開けていた。
息つぎもままならないような彼女の様子に気がつくのに、少し時間がかかった。
彼女が肩を上下させて浅い呼吸を繰り返そうとしはじめてから、慌てて唇を解放した。
「悪い・・・」
謝罪の言葉が初めに口をついて出て、すぐに後悔した。
「・・・真島さん、どうして。」
野上芽衣子は俯いていて、やがて彼女の手の甲に丸い水の珠がこぼれて落ちた。
―泣かせてしまった。
俺は最低だ。
正直に言ってしまえば、彼女は今まで俺が付き合ってきたタイプの女性とは外見からして違う。
好みのタイプじゃないから・・・と油断していた自分もいた。
どんなに近づいても好きになったりしないだろう、と高を括っていたのかもしれない。
だが実際はどうだ。
あっという間に夢中になってるじゃないか。
俺は馬鹿だ。
こんな行動に出る前に言わなければいけないことがあったのに。
「悪かった。」
もう一度、ゆっくりと謝罪する。
順番を間違えただけ、なんだ。
明日、あの夜光虫の海を見に行こう。彼女を連れて。
俺が一番落ち着く場所だから。
そうして今日のキスをもう一度仕切り直そう。
もし、拒まれたら・・・それでもいい。俺が初めて自分から守りたいと思った女が君だから。

だけど、その前に。

「愛してる。」

彼女の小さな手をとって。

俺は生まれて初めてその言葉を口にするような気がした。
526hitoshi:2011/03/31(木) 15:51:30.76 ID:M8cFj0N7
以上です・・・無言・・・なんか無言・・・
次回頑張ります・・・・・・・
527名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 18:34:50.72 ID:HldF6IIJ
hitoshiさん、ありがとう

>逃げれば追いかけてきて、傍に置いておけば逃げて行く。
>俺が初めて自分から守りたいと思った女が君だから。
自分からやたら感情を言葉に表さない真島ですが、
この二行、とくに彼らしくて好きです。
そんな真島の「愛してる」は重みがあるな〜
528pi:2011/03/31(木) 20:33:18.47 ID:7mQHBlBZ
>hitoshiさん
きゃあ〜 萌える!!真島ちゃんって芽衣子に惚れたとたん積極的になりましたよね〜。真島ちゃんの繊細な行動がよく表現できていて読んでいて楽しかったです!!

それでは、愛の結晶Part2投下します。
529愛の結晶Part2:2011/03/31(木) 20:34:32.78 ID:7mQHBlBZ

眠れなくなったのはいつ頃からだろう。一人で広いベッドで寝ると孤独感が押し寄せてきてなかなか眠ることができない。
いつ頃からなのか・・・そんな事考えなくたってわかる。芽衣子に恋愛感情を抱いたときからだ。



腕の中の愛しい存在がもぞもぞと動き始めたのに気がつき真島は眠りの世界から現実世界に引き戻された。
昨晩は芽衣子にそばに居てほしいと縋りつき、散々甘え倒して眠りについた。
・・・とは言ってもセックスはしていない。芽衣子がアレの期間だった為、芽衣子の負担を考えて止めておいたのだ。
ベッドの中では芽衣子の下腹部を少しでも痛みが軽減するように擦りながら、イチャイチャしていた。
幸せすぎてどうにかなってしまいそうだった。

まだ眠っている芽衣子の頬を親指の腹で撫でると、弾力のある肌がぷるんっと揺れた。

「芽衣子・・・」

可愛い。本当に可愛い。今日は芽衣子を家に帰したくない。昨晩、一日だけと頼み込んで一晩一緒に過ごしたのだが、約束は守れそうにない。

真島は愛おしげに芽衣子を見つめ、潤いのある唇に自分のソレを重ねた。暖かい体温が唇を伝って真島の身体に流れ込んでくるのがわかった。
530愛の結晶Part2:2011/03/31(木) 20:35:46.36 ID:7mQHBlBZ

「ん・・・」

「おはよう。芽衣子」

「おはようございます・・・」

なかなか目を覚まさない芽衣子をキスで起こすのはこれで何度目だろう。 一度寝るとなかなか起きない芽衣子に手を焼いていたのだが、キスをするとすぐに目を覚ますとわかり、最近はよくキスを目覚まし代わりにしている。

「腹の調子はどうだ?」

「大丈夫です。真島さんのおかげですね。」

そう言ってにっこり微笑む芽衣子が可愛くて、思わず抱き寄せてしまう。芽衣子も甘えたい気分なのか、きゅっと背中に腕を回していた。

「なぁ、芽衣子」

「はい」

「子供が欲しくないか?」

「・・・・・えぇぇぇ!!!???」

予想以上に驚く芽衣子の髪を撫でながら真島は更に続ける。

「俺と芽衣子の子供だよ。わかるか?」

「え、ちょ・・・」

「男と女、どっちがいい?」

「へ・・・え・・・?」

「何人欲しい?」

「名前はどうする?」

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

勝手に話を進める真島に思考回路が追い付かず、芽衣子は真島から少し離れた。それに気づいた真島がもう一度腕の中へ閉じ込める。
531愛の結晶Part2:2011/03/31(木) 20:36:46.85 ID:7mQHBlBZ

「こ、子供って・・・私たちまだ結婚してな・・・」

「駄目か?」

「えっと、そのっ・・」

真島の熱い眼差しに思わず顔を背けた。顔が熱い。

・・・これ、プロポーズ?恥ずかしい・・・どうしよう!!

今思えば、最近の真島は芽衣子を抱くとき避妊をしない。芽衣子を嫁にする気満々だった・・・ということなのだ。

「芽衣子・・・結婚しよう」

「まし・・・ましゃん・・・私なんかが妻で・・いいんですか・・・」

「当たり前だろう!お前じゃなきゃ駄目なんだ!!!」

涙声の芽衣子を思い切り抱きしめる。軽く口付けをしてもう一度深く抱き合った。

おわり
532pi:2011/03/31(木) 20:40:36.75 ID:7mQHBlBZ
以上です。まだ続く予定です。ですが、明日から社会人デビューするので次の投下までに時間がかかるかもしれません。(幼稚園教諭なものですから余計に)

楽しみにしてくださっている方は極少数だと思いますがしばらくお待ちください。
533名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 22:54:38.92 ID:H+5Ak3xi
hitoshiさん
いつもながら丁寧な心理描写と言葉の選び方の上手さに感心します。

で、無意識にも唇を奪ってしまう真島ちゃんw
そうそう、頭では難しい事を考えながらも、咄嗟に行動に出てしまう、
そこが真島らしくていいですね。

piさん
優しくてストレートな真島ちゃん萌えです
ここでは中出し放題wの真島ですが、いったい避妊モラルはどうなのよ、
というパロスレでありながら具体的な心配をしてしまう住人を
一掃するかのような剛速球をありがとうございました。

新社会人になられるんですね。
しかも幼稚園の先生ですか。(こんなとこにいていいのw?)
今日日ませたク○ガキばかりですがpiさんなら大丈夫でしょう。頑張って下さい
作品投下いつまでも待ってるから。
534名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 00:42:33.20 ID:boVSwhcU
ましましゃん・・・なにげに可愛い芽衣子w
535名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 09:39:40.20 ID:7vAYLS1O
piさん、楽しみにしてる人ここにもいますよ!
ク〇ガキより自己中母親連合に手を焼くかも。

負けるな、俺が応援してるぜ(by真島)
536名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 19:47:03.33 ID:UoFcyU+r
zeroさん
久々に本編生かしたお話入り込んじゃいました
エロなくても十分ドキドキしましたよー
3話のあのシーンの芽衣子の動揺っぷりは可愛かったなー
そんな芽衣子を見る真島ちゃんも「こいつウブだな」って微笑ましい様子だったような。。
ほのぼの3話すきなので絡めたお話うれしかったです

hitoshiさん
こちらは二話ですね!!!
確かに真島って「あいしてる」なんて甘い言葉を吐きそうに見えないですよね
たぶん今までの女性には言った事ないんじゃないかなって思ってたので納得しながら読んでました
思わずってところが野獣真島らしいですねー
野獣真島と小うさぎ芽衣子の図はもうデフォだなぁ〜

piさん
こりゃまた直球な!!!!!
孕ませる気まんまんですかww
piさんの描く真島ちゃんはちょっと甘えん坊で可愛いですね
キスが目覚まし代わりという設定も可愛くて萌えました〜
537ANKO:2011/04/01(金) 20:27:39.74 ID:uw29gpYl
こんばんわ。
せっかく優しくて男らしくて格好いい真島になってるのに
心苦しいのですがw
>>508の続きを投下します
538ANKO:2011/04/01(金) 20:30:04.88 ID:uw29gpYl
【わんこ THE GUILTY】
(第三話 因果応報)


次の日、親父は朝早く仕事へ行った。
この家はオレとメーコだけだ。嬉しいなぁ。何して遊ぼう。
あ、その前にオレも仕事しなきゃ。
オレの縄張りにするために匂いをつけないとな。
特にあの親父の匂いを消さなくては。
この白シャツ
クッション
あと枕と…

「こらタロウ!!ダメでしょ!」

メーコがすごく怒ってる。
だって、だって、親父の匂いがする所に近づくだけで
ブルブルっときちゃうんだ。
でもメーコがそんなに怒るなら、辞めた方がいいのかなぁ…。
歯がむず痒いから、親父の靴をかじったり、
メーコをさらに困らせたけど、
今日はずっと側にいて遊んだり、抱っこしてくれたり…。楽しかった。

しかしそんなメーコとの甘い時間を、壊す奴がまた帰ってきた。
玄関でまたしてもメーコの口を舐めやがる。
オレは腕をガブガフ噛んでやった。

しかしこいつは…こいつは後にとんでもない反撃をしやがった。
しかもメーコが教えた?!!
大きい身体で覆い被さられ、強く抑え付けられた。
押しつぶされそうだ
噛まれて殺される…!
ガタガタ身体が震える
離して〜
ごめんなさい
降参しました
耐えきれず悲鳴を上げてしまった。怖くて本当にちびっちゃったよ。
図体がデカいだけで気が小さい奴と思ったけど
やっぱりオレより強かった。ボスだと認めなくちゃ…。
オレはまだ子供だけど、自分より強い奴には従うというルールは心得てる
これも生きていく上では仕方ない。

メーコが風呂に入ろうとした時、後をついて行ったら、
親父に呼び止められた。
わかったよ…ボスには従わないとな。
お腹を見せて、服従しましたってポーズを見せればいいんだろ
だけど、こんなに従順で健気なオレを、ヒゲ親父は
「今夜は静かにしてろ」とケージにいれた。
なんて意地悪な奴なんだ。
不敵な笑いを浮かべてる。なんかいやぁ〜な予感がして不安になってきた。
539ANKO:2011/04/01(金) 20:39:34.02 ID:uw29gpYl
メーコが風呂から出てきた。
ここから出して〜って鳴いても、親父に手をひっぱられて行ってしまった。
オレだけここで寝るの?昨日みたいに抱っこして一緒に寝てくれないの?
一生懸命オレなりに可愛い声で鳴いて
気を引こうとしたけど来てくれない。

オレは柵に手を掛けてベッドが見えるように、出来るだけ高く立ち上がった。
あ、親父がメーコを寝かして上に乗っかった!
オレにしたのと同じ事をするのか?
そんなに自分の強さを見せつけたいなんて。


あれ?でもなんか違う。

口を舐めてから…
首に…!えええええ!!!!
首は、「ここは『きゅうしょ』と言って、
動物にとって一番弱い部分だから噛まれないよう気をつけなさい」
って母ちゃんが言ってた場所じゃないか!
メーコが危ない!かみ殺される!!
助けなきゃ!!
柵が高くて出られないよ
オレは必死でジャンプした。
何度も何度も出ようともがいている間にも、
親父はメーコの服を脱がせて

おっぱいを吸い始めた??!!

大人なのに??!!

オレだって、母ちゃんから
「もう大きくなったから、そろそろおっぱいはヤメようね」
って言われたんだぞ
ナニしてんだよー!
かみ殺そうとしたりおっぱい吸ったり

思いっきり吠えてもいっこうに止める様子はない
メーコは苦しそうに変な声を出してるじゃないか!
メーコ、今助けてやるからな!
ヒゲ親父がボスだろうが関係ねぇ。
オレは無我夢中で、こんな力が自分にあるのか不思議なくらい、飛び上がった。
柵に飛びついて口も足も使ってぐいって身体を持ち上げた。
そのまま落ちるように柵越え成功!
オレはダッシュしてベッドに駆け上がった。
そしてズボンを脱ぎかけてる親父の尻を思いっきり噛んでやった。
それでも離れないからぐいぐいズボンを引っ張る
親父がすごい顔で睨んだ。
うわ〜、オレ、今度こそ、殺される。

と思ったら
「タロウ、駄目じゃないの」って、芽衣子に叱られた。
あれ?オレが助けたのに…怖くて間違えたのかな。
ま、いいか。親父は、オレに反撃出来せず、またベッドの隅っこで寝たよ。
親父に勝った〜!!オレの方が強いってことなんだ。

メーコ、オレが守ってやるからな。

つづく
――――――――――――――――――――――――
(参考文献 笑学館 寝乱証人伝記)
540ANKO:2011/04/01(金) 20:55:51.15 ID:uw29gpYl
短いですが今日のとこれはここまでです。
次回、いよいよ怒濤の(?)最終回。


そして…
キリスト様、親鸞聖人様申し訳ありません
宗教を冒涜した私はギルティされてきます


それから、まとめを見たら、更新されてました。
管理人様ありがとうございます。
催促のつもりではなかったのですが
ここでの管理人さんの書き込みが最近なくて気になって呼びかけてしまいました。
申し訳ありません。これも気にしないでくださいね
541名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 08:07:21.11 ID:xxRdn84Z
犬の気持ちがわかるANKOさん、楽しみにしてましたよ
タロウのおもらしは嫌がらせかと思ってたけど
真島が怖くてちびってたのねw

フフフ、芽衣子が上になるバージョンを見たら
ヒゲ親父がメーコに復讐されてるいい気味だ!とか
可愛い勘違いをするのでしょーか?!
542名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 00:58:40.38 ID:iNa4YAQ/
次回も楽しみに待ってます!タロウ目線の和やかなお話が
こんなにエロチックに調理されるなんてやはりマシメイとANKOさんの文才恐るべし…!byzero
543名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 01:31:47.02 ID:nUOZzr4p
ANKOさん
タロウシリーズ楽しみにしてました〜
やっぱほのぼの癒される
2匹のオスにここまで愛されて芽衣子は幸せ者だな
芽衣子奮闘戦そろそろ決着なるか????
次回も楽しみです
544ANKO:2011/04/03(日) 15:58:08.08 ID:rP5mztVh
こんな駄作にレスありがとうございます(涙)
書きながら、タロウなんて犬目線、姿がアンそっくりと無理矢理こじつけてるだけで
全くドラマに関係ないのにいいんか?と思えてきたけど
調子にのって、一話投下します
ラストです。
545ANKO:2011/04/03(日) 16:01:11.58 ID:rP5mztVh
注)文中、エゲツない言葉が出てきますので苦手な方はスル〜して下さい。品位も落とします
546ANKO:2011/04/03(日) 16:09:43.00 ID:rP5mztVh
【わんこ THE GUILTY】
(第四話 悟り)


あれから親父はあまり家に居なくなった。
「しゅくちょく」とか言ってたけど、縄張りをオレに渡したんだろう。
ヤッタ〜!
あの広いベッドもソファーもオレとメーコだけのもんだ。

夜になって、ベッドの上でメーコを待っていたら、リビングに呼ばれた。
なんだろう。行くと、メーコがオレを抱き上げ頭を撫でてくれた。
もう眠くなったけどメーコが遊びたいならつき合ってあげてもいいよ。

あれ?ケージに入れられて毛布を掛けられた。
なんで?

「今日からここで寝るのよ」

身体をポンポンとリズムよく叩かれた。
そうされるとうっかり寝てしまいそうになる。

はっと気付いたらメーコは一人ベッドの中にいた。
嘘だろ?親父もいないし、あのベッドで一緒に寝るんじゃないの?
オレは寂しくて悲しくてクンクン鳴き続けた。
その次の夜も、そのまた次の夜もケージに入れられた。
三輪のおばちゃん家でも母ちゃんたちとケージで寝てたけど、
オレだけなんて寂しいよ。

そんな夜が三回続いた後、昼過ぎにヒゲ親父が帰ってきた。
またすぐに仕事へ行くかと思ったら、風呂に入ってそのままベッドで寝た
「真島さん、すごく疲れてるみたいだから静かにしてようね」
とメーコが言ったので、オレもソファーでメーコと昼寝でもする事にした。
なんだかすごく眠い。
そういえばケージの中で、なかなか寝付けず、
メーコをずっと呼でたもんな。



腹へった…ぐうぐうお腹のなる音で、目が覚めた。
外はもう真っ暗だ。
あれ?側にいたはずのメーコがいない。

メーコォォ〜、どこぉぉ〜!!鳴いても返事がない。


あ、親父とベッドの中にいた!
ヤバイヤバイヤバイ!!メーコがオレの鳴き声に気付いて、
こっちに来ようとしたのに親父に引き留められた。
キケーン!!
ダッシュして助けに行こうとしたら、親父の腕からすり抜けて来た。
良かったー。


「ごめんね、お腹すいたでしょう」
メーコはオレをケージの中に入れて、
ドッグフードを器の中に入れてくれた。
すごくお腹空いてたから、夢中で食べてしまった。
547ANKO:2011/04/03(日) 16:17:45.86 ID:rP5mztVh
しまった!オレとした事が油断した!!

慌ててベッドの方を見ると、
親父がまたメーコの上に乗っかってるじゃないか!!!
うわぁぁぁぁーー!
ヤメろーーー!!

思いっきり吠えてやったら親父がこっちに来て
「静かにしろ」と睨んだ。
こ、怖くないぜっ。また噛んでやるぞ。オレも睨み返してやった。
そしたらすごすご戻っていっていったよ。
もう、メーコに何もしない。へへへ、オレが怖いんだな。

メーコ〜こっち来て遊ぼうよ、て呼んだけど来ない。

あれ?メーコが親父の上に乗っかった??!!
自分で戦うのか?オレが助けてやるのに。

親父の口を舐めて、喉に噛みつこうとしてる。
親父は無抵抗だ。すごいぞメーコ。強いんだな。

でも親父は降参の声を上げることなく、笑ってる???
オレは訳わからず、じ〜と二人の様子を見つめ続けた

メーコは親父の胸の上に頭を乗せて、撫でられてる。
なんだか幸せそうな顔だ。

あれれれ?メーコが親父のチンチン触った。どんどんデカくなって

それを舐めた…。

オレがオシッコをした後母ちゃんが、舐めてくれたけど、
人間もそうするのか?
おっぱいをあげたり、チンチン舐めてやったり、
メーコってあのヒゲ親父の母ちゃんだったのか?
人間は母ちゃんじゃなくてもそうするのか?

なんだか呆然と見てたら。
メーコが親父にまたがって、繋がった。
??☆@♂♀@?≠→§★!!!
ナニしてんのー?
繋がったまま上下に動いてるし
変な声出してるし
苦しいのかな。
助けに行った方がいいのかな。
でも自分からしてるし。

あ、終わった。

親父の上になったまま、ぎゅっと抱かれて、頭撫でられてるよ。

メーコも親父も気持ちよさそうな顔してる。

喉を噛もうとしたり、上になったり、下になったり、
あれって襲ったりイジメてるわけじゃなかったのか。
メーコはオレとは違う笑顔を親父に見せてる。
親父もメーコを大事そうに抱いてヨシヨシしてる。
はぁ、疲れたよ。もう寝よう。なんだか寂しくなっちゃったな。
二人はすごく仲良しなんだ…。
548ANKO:2011/04/03(日) 16:23:08.65 ID:rP5mztVh
でも…、親父は知らないだろう。
ときどき、窓の外を見つめて悲しそうにしてるメーコの事を。
そして服がかかってる所の引き出しから、細い首輪を見て泣くんだ
すごくすごく苦しそうに…。
オレはそっと近寄って涙を舐めてあげる。
メーコはオレを抱きしめる。
そしてメーコの身体の震えがおさまるまで温めてあげるんだ。
こんな辛そうなメーコを慰めてあげられるのはオレだけだ。


おしまい
549ANKO:2011/04/03(日) 16:27:43.97 ID:rP5mztVh
(文中の記号は文字化けではありません)

タロウシリーズ、以上でおわりです
長らくお付き合いありがとうございました。
550名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 20:25:03.44 ID:W8fX0s3o
ANKO様ありがとうごさいました!
完結おめでとうございますー
ラスト良いですね。感動しました
タロウには真島ちゃんがいないときに
代わりに芽衣子を守ってもらいましょう!
551名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 13:07:59.11 ID:5LumJ8Fb
ANKO様
タロウ目線のとても楽しかったです
ありがとうございました
ちゃんとましめいが仲良しなのをわかってくれたみたいで良かった
しかし最後までタロウは真島に劣らず独占欲責任感強いですねw
二匹のオスに守られて幸せな芽衣子♪
552hitoshi:2011/04/04(月) 21:09:02.25 ID:nNTd2ECS
エロ書きたかっただけ?な短編ですが投下〜
時系列は本編のどこかだと思う(深く考えてない)
その割に対してエロくもないですがw
553Adam's Apple:2011/04/04(月) 21:12:07.19 ID:nNTd2ECS
Adam's Apple

アダムとイブは神の戒めを破った。
それだけは決して食べてはいけないと禁じられた木の実。
イブは蛇に神のように知恵を持つことができるとそそのかされ。
アダムはイブにそそのかされて。
二人は神の戒めに背き、エデンの園を追放された。

人間が禁じられたことへの誘惑に弱いのは、その時からなのかもしれない。

俺にとって決して愛してはいけない女だった。
過去の冤罪がもし晴らされたとしても、俺の勘は既に彼女が復讐に手を染めていることを理性に知らせていた。
刑事の俺にとってそれは禁断の果実。
手を伸ばしてはいけない。もぎ取って口にしてはいけない。
しかしそれは目に麗しく、芳香は誘うほどに切なく。
俺が刑事の人生を諦めても傍に置きたいと思う誘惑の果実だった。

野上芽衣子。

穏やかな微笑みの中に時折美しい魔性を垣間見せる。
現に今も俺の目の前で、淫らに艶やかに俺を誘惑する。
「ま・・しま・・・さん」
芽衣子が俺を呼ぶ掠れた声。
俺の首に白い腕を巻きつけて、耳元で何度も俺の名前を呼ぶ。
「芽衣子。」
そうして俺も彼女の名を呼ぶ。
その背中を強く抱きしめて。
芽衣子の肩が上下して、くすくすと笑う声が聞こえる。
随分と余裕になったじゃないか。
「なに?」
「真島さんの声、素敵ですね。」
芽衣子がそう言ってもう一度笑った。
その言葉を聞いた途端に俺は自分のモノが硬度を増すのを感じた。
「声、だけ?」
どうかしている。自分からこんなことを尋くなんて。
今日は何もかも忘れて、芽衣子に没頭したかった。
そのためにわざと煽られようとしたのかもしれない。
「もちろん、顔も素敵。それから」
芽衣子は俺の手に指を絡ませる。
「この大きな手も長い指も。」
きっと芽衣子に自覚はない。
芽衣子の甘い声が俺のどこが好きか列挙するたびに、俺は我を忘れていく。
いやこうしてベッドに二人抱き合っているのだから我を忘れたってかまわないんだろうが。
空いた左手で俺の唇に触れてきた。
「私にキスするこの唇も大好き。」
・・・我慢できるか。
俺は芽衣子をベッドに組み敷いて、その唇に口づけた。
下唇を食むようにして、緩く甘く口づける。芽衣子は少し吐息を漏らす。
すかさず深く口づけて、芽衣子の舌を絡め取った。
「ん・・・はぁっ・・」
過去の女と比べるのが馬鹿げているのは分かっているが、比べずにはいられないほど芽衣子との関係は特別だ。
キスするだけで、もう準備万端になっている自分自身にいつも驚かされる。
勿論芽衣子の準備も必要で、ゆっくり愛したいから、俺はかなり我慢することになるのだが。
首筋に唇を移動して、舌を使いながら鎖骨のところまで味わう。
芽衣子は俺の下で身を捩る。肩から鎖骨の辺りが感じるらしい。
鎖骨の窪みに強く吸いついて、紅い痕をつけた。
この女は俺の女だ。
「ひゃぁっ!」
芽衣子がひときわ高い声で啼いた。
俺は芽衣子の胸の頂きにある突起を摘んで、強く擦った。
554Adam's Apple:2011/04/04(月) 21:13:46.32 ID:nNTd2ECS
「やぁ・・っ・・」
「本当に嫌ならやめるけど?」
我ながら意地の悪い、でも彼女とのセックスは俺のサディスティックな部分を刺激する。
芽衣子は荒い呼吸の下から、それでも
「・・・だめ、やめないで・・・」
と小さく訴えた。
なんて刺激的で扇情的な女なんだろうか。
普段の純情そうな姿はそのままに、俺の欲望を直接刺激してくる。
左手は彼女の胸を弄びながら、俺は右手で女の部分に触れた。
そこは既に熱く蜜を溢れ出し、俺の中指をあっさりと迎え入れる。
ゆるりと浅く抽挿すれば、掌まで濡らすほどだった。
「んぁっ・・・あ・・ぁ・・・」
芽衣子の口からは言葉らしきものはもはや発せられず、ただ俺の与える快楽に溺れているようだ。
何度か俺を受け入れて、芽衣子は俺の愛撫を覚えている。
指を深く差し入れ、奥に届く少し手前で指を曲げて擦れば、腰を浮かせて懇願するように喘ぐ。
「ここがいいんだよな?」
恥ずかしそうに頷く芽衣子に、言葉で伝えるように促せば
「そこ・・・きもちい・・」
喘ぎの合間に言葉にする。
「先にイくか?」
本当は俺もあまり余裕がある状態ではなかった。
芽衣子の反応はいちいち淫らでいやらしい。それでいて儚げで初めてのときを思わせる仕草。
そのたびに彼女を貫いて突き上げて、思うままに貪りたいという誘惑に駆られる。
背中を這い上がる快感に震えて、もう我慢できそうにないと思う。
「ましまさ・・も・・・いっしょに」
芽衣子はそう言って俺の背中に腕を回してきた。
「ちょっと待って」
挿入のために避妊具の準備をしようとする俺に、芽衣子は首を左右に振った。
「だいじょうぶ・・・ですから。」
「いや、だけどそれは」
「今日は。」
芽衣子はきっぱりとそう言った。
「あなたを感じたい・・・」
彼女にこんな風に言われて我慢できる男がいたら、お目にかかりたいと思う。
それ以前にこんな彼女を他の誰にも見せたくはないが。
俺は彼女の中に己を突き入れた。
芽衣子の中が俺に絡みついて収縮した。
「ま・・し、まさん・・・あつい」
「芽衣子の中も・・・熱くて、キツイ・・っ・・」
薄い膜越しではなくダイレクトに締めつけられ、纏わりつくように絡みつかれて。
声にならない快感が訪れる。
一度深く突き入れたそれを入口ギリギリまで引くと、芽衣子の内壁が放すまいと俺を追ってくる。
その快感がたまらず、再び奥まで貫く。芽衣子が喉の奥で叫び声を上げた。
そうして繰り返すうち、限界が近くなる。
―もっと。
もっと繋がっていたい。
このぎりぎりの感覚を芽衣子と一緒に感じ続けていたい。
でも、もうそんな余裕は少しだってない。
一瞬でも気を抜けば持っていかれてしまいそうだ。
「芽衣子、もう・・・」
耳元で囁くと、芽衣子もまた限界を迎えようと強く目を瞑っていた。
「もう一度、声・・・」
芽衣子がそう言った。
お前が望むなら何度でも。
「芽衣子。あいしてる」
それは声にならない掠れた声だったが、芽衣子が嬉しそうに唇に笑みを浮かべて
同時に彼女の中が強く収縮した。
「イ・・くぅっ・・」
彼女の声を合図にするかのように、俺も熱い欲情を解き放った。
555Adam's Apple:2011/04/04(月) 21:17:52.79 ID:nNTd2ECS
しばらくして呼吸が整いはじめた頃、芽衣子が俺の腕の中で身動ぎした。
俺の胸に埋めていた顔を上げて手を伸ばしてくる。
「さっきの話ですけど。」
少し物憂げな、甘い疲労の漂う空気。
いつまでもその中に身を置いていたいと俺は願う。それが決して叶うことのない願いだと知っていて。
「ん?」
芽衣子に話の続きを促した。
「真島さんの声、私、本当に大好きなんです。」
芽衣子がそう言って俺の喉仏に触れた瞬間。

――― 堕ちる。

芽衣子と一緒に。

でももう構わない。たとえエデンを追放されたとしても、俺はこの果実を手放すことはできないのだから。

そう思ったとき。
この物語の結末を予感した。
556hitoshi:2011/04/04(月) 21:19:10.50 ID:nNTd2ECS
以上っす
ANKOさん

タロウ視点、楽しませてもらいました
自分で書けない世界だけに、すごく面白かったですw
557名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 22:25:14.32 ID:+p1FgHxG
ANKOです。
hitoshiさん、すっ素晴らしい!エロの神様降臨しましたね。いろんな意味でますます腕をあげてるわ〜。
刑事の真島にとって芽衣子はまさに禁断の果実。
ごちそうさまでした


えっとえっと読んで下さった方、コメントまでして下さった方、ありがとうございました。

他の方の投稿をお待ちしてます
なにとぞ私が下げたクオリティをあげて下さいませ。
558ぎるちぃ:2011/04/04(月) 22:40:18.31 ID:UD5ziZFe
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>243さんの芽衣子嫉妬がもっと見たいというご要望から、
こんなシチュ考えてみました

>>497の続きになります

>まとめの方
いつもまとめありがとうございます
タイトルは、「続編7 唯一(1)」
でお願い致します
559ぎるちぃ:2011/04/04(月) 22:45:52.49 ID:UD5ziZFe

続編7 唯一(1)


(真島視点)

アンの散歩の帰りだった。
もうすぐ家に着くという時、芽衣子が突然俺の袖を掴んで引く。
「真島さん!あれ…。」
芽衣子が指差す先は、マンションの前。
植え込みの脇に女がしゃがみ込んでいる。
俺達は顔を見合わせ、慌てて駆け寄る。

「あのっ、大丈夫ですか!?」
芽衣子が女の肩に手をかけて、心配そうに覗き込む。

上げられた女の顔を見るや、俺も芽衣子もそのまま固まり、
呼吸すら忘れそうになる。
そして、芽衣子を見たその女も目を見開いて驚く。

芽衣子とその女は…、瓜二つだった。

女は25歳、羽鳥亜由子と言った。
日本人の両親と共にアメリカに住み、今回観光で日本を訪れたが、
昨日置き引きに遭い、身に着けていたウエストポーチ以外の持ち物は
根こそぎ持って行かれたと言う。

ポーチの中には、数日後のアメリカ行きの航空券とパスポート。
携帯も財布も取られたバッグの中で、他の土地を観光中の両親と連絡も取れず、
一昼夜この辺りを彷徨っていたらしい。
それが事実なのか狂言なのかは分からないが、
道端で真っ青な顔をしてうずくまっている女をそのまま放っておくわけにもいかない。
取りあえずパスポートで身元は確認できたため、
俺は亜由子を部屋に入れることにした。

置き引きの被害届は後で出してもらうとして、
ひとまず亜由子から聞いた状況だけを管轄の署に伝えておいた。
昨日から飲まず食わずだという亜由子に、
芽衣子が有り合わせで作った食事を出す。
リビングで料理をがっつく亜由子を、
俺と芽衣子はキッチンの隅から横目にうかがいながら、小声で話す。

「芽衣子、君に生き別れた妹なんて…いないよな…。」
「はい…、そのはず、です。」

芽衣子は、両親が離婚して母方の野上姓になった。
出て行った父親も羽鳥という姓ではないらしい。
亜由子の生い立ちを聞いた限りでも、両親は正真正銘実の親だと言う。
芽衣子と亜由子の間に血のつながりは考えられない。
560ぎるちぃ:2011/04/04(月) 22:48:23.76 ID:UD5ziZFe

「真島さん、亜由子さんにベッド使ってもらってもいいですか?」
「ああ、構わない。」
芽衣子はクローゼットから自分の部屋着を出し、
食事を終えた亜由子に近寄って話しかける。
「昨夜、寝てないんでしょう?よかったらベッドで休んで下さい。
 これ着替え、私ので申し訳ないけど…。」
「ありがとう、そうさせてもらうわ。」

二人が向かい合って会話を交わすその光景から目が離せない。
本当に…、そっくりだ…。
顔も、髪型も、背格好も、体つきも。

亜由子は、着替えてベッドへ潜り込むと数分も経たないうちに
規則的な寝息を立て始めた。

「あの、真島さん…。なんだか亜由子さん気の毒ですし、
 アメリカに戻る日まで置いてあげてもらえませんか?」
「ああ、君さえ良ければそのつもりだ。」
事情が事情だ。この状態で放り出す訳にもいかない。
パスポートで身元も分かってるし、数日なら問題ないだろう。
「ありがとうございます!」
芽衣子は俺に深々とお辞儀をする。
「何で君が礼を言うんだ?」
「あ、あの…、これだけそっくりだと亜由子さんのこと他人事に思えなくて…。」
「そうじゃなくて。」
「え?」
「ここはもう君の家でもあるだろう。
 何でそういつまでも俺に対して他人行儀なんだ?」
「ご、ごめんなさい!そんなつもりは…。」
つい声を荒げてしまった俺に頭を下げた後、芽衣子は申し訳なさそうに、
少し悲しそうに、首を横に振りながら俯く。

いや…、俺の方こそ芽衣子にそんな顔をさせるつもりは無かったんだが。
いかにも芽衣子らしい言動なのに、未だ残るそのよそよそしさにいつも俺は
どことなく寂しさを覚えていた。
ずっと心の片隅でくすぶっていたその寂しさを、今ぶつけてしまった。

俺は芽衣子を抱き寄せて耳元に唇を近づける。
「君はもっと我がまま言っていい。もっと甘えろ、俺に。」
芽衣子は返事の代わりに、俺の背中に回した手にきゅっと力を込めてしがみついた。
561ぎるちぃ:2011/04/04(月) 22:50:20.44 ID:UD5ziZFe

夕方になって目を覚ました亜由子に、
アメリカに帰る日までここに泊まることを勧めた。
「ええ、真島さんがそう言うならここに居ることにするわ。」
芽衣子と同じ顔をして、どこか自分に都合の良い、少々図々しい受け応えに
何やら調子を外される気がする。

その夜、食事とシャワーを終えた後、亜由子は当たり前のようにベッドへ入る。
「じゃ、おやすみなさーい。」
まあ、元々亜由子にベッドを勧めるつもりでいたが、遠慮の無い娘だ。
あらゆる言動に、芽衣子とは正反対さを感じる。
「…見た目はそっくりなんだがな…。」
「え?」
つい声に出してしまった心の内に、芽衣子が首を傾げて尋ね直す。
「ああ、いや、何でもない。」
ごまかして、俺は芽衣子の背をそっと押す。
「君もあの娘と一緒にベッドで寝るといい。
 俺はソファを使うから。」
「え、でもそれじゃ真島さんが疲れちゃいます。」
「芽衣子は明日仕事だろう?俺は休みだし大丈夫だ。
 そうじゃなくても君をソファに寝かせて
 俺があの娘とベッドを使う訳にいかないだろ。」
「それは…。」
その時、ベッドの方で布団がバサリと跳ね上がり、体を起こした亜由子が
芽衣子の言葉を遮るように言った。
「あたし、真島さんと一緒がいいな。」
…。
何を言い出すんだ、この娘は。
俺が嗜めようと口を開きかけた時、芽衣子の声が響いた。
「駄目です!そんなの絶対駄目!!」
その言葉に亜由子はムッとしながら布団を被って再び横になる。

俺は驚きを隠せずに芽衣子を見つめる。
芽衣子は俺の視線に気付くと、かぁっと頬を紅に染めて
どぎまぎと恥ずかしそうに視線を落とす。

俺は芽衣子の頭を引き寄せて短い口付けを交わす。
「おやすみ。」
そのまま一瞬だけ芽衣子を胸に抱き、くしゃっと髪を撫でると、
芽衣子の背中をベッドの方へ促した。
「おやすみなさい。」

芽衣子がベッドへ入ったのを見送って、俺もソファへ横たわる。
さっきの芽衣子…。
我がままと言うには程遠い気がするが、
芽衣子にしては一世一代ではなかろうかと思える意外な反撃が
可愛くて愛おしくて。
そして、嬉しくて。
思い出す度に零れる笑みと共に、俺は眠りについた。
562ぎるちぃ:2011/04/04(月) 23:08:11.57 ID:UD5ziZFe
本日は以上になります
駄文失礼致しました

さて芽衣子を誰に嫉妬させようかと考えて、
そっくりさんを登場させてみましたw
そっくりなのは外見だけなんですけどね
このそっくりさん、次回更に芽衣子の嫉妬心を煽ってくれます
続きまーす

>piさん
piさんの書く直球ど真ん中な真島さんにいつも萌えます!
この春、新社会人さんになられたんですね
がんばってください!

>zeroさん
ほのぼの三話がちょっとドキドキな展開に!
続きがありそうな終わり方…待ってますw
この回のましめい、良いですよね

>ANKOさん
タロウ目線、新鮮で読んでて楽しかったです!
ラスト、うるっとしちゃいました

>hitoshiさん
相変わらずの心理描写と表現力には脱帽です
私も真島さんの声好きだわぁw
563名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 23:56:53.66 ID:lXFKCb6K
hitoshiさん

hitoshiさんの作品、楽しみにしていました。
心理描写が素晴らしいです!


ぎるちぃさん

芽衣子の嫉妬をお願いした者です。
取り入れてくださってうれしいです。
芽衣子の嫉妬、きっと真島さんはうれしいでしょうね〜。
続き楽しみにしています。
564名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 09:57:00.42 ID:otLB9nAZ
はじめまして、もくれんと申します。
いつも皆様の作品を楽しく読ませていただいています。
ましめい、蘇生ネタ、投下します。エロくないです。
題は「冬萌」です。

帰宅難民になった時、芽衣子もずっとひとりで凍えるような
真っ暗な道を歩いてたのかなとせつなくて、
もういちどチャンスをと思いました。
ひびわれしてるのはうちの排水溝ですが、
三沢には責任をとってもらって。
565冬萌1:2011/04/05(火) 09:59:50.58 ID:otLB9nAZ
目覚めたのは白い空間。
白い天井、白い壁。
白衣の人たち。
病院…?
どうやら死ねなかったらしい。
押し寄せてきたのは途方もない失望と疲労感。
(……芽衣子)
あの時、真島さんがいた。
(……芽衣子)
真島さん……。
もう関わっちゃいけないんだ。
なにも考えたくない。なにも考えられない。
泥のように眠った。

起きられるようになっても、体が重い。
自分の体ではないようで、動くのがしんどい。
殺そうとしたから、いうことをきかなくなったんだと思った。
これではどうにもならない。
死にさえも見放されてしまった。
お姉ちゃん……。
すべてが終わったら
お姉ちゃんのところに行って、謝ろうと思っていたのに。
(芽衣ちゃん、応援してるからね)
小さい時からお姉ちゃんは優しかった。
いろんなことがうまくやれない不器用な妹をいつも
包み込むように、愛しそうに見ていた。
お姉ちゃん……。
芽衣子を恨んで死んでいったの?
闇の中でお姉ちゃんが泣いている。
翔ちゃんやお義兄さんのように、死体になって倒れている。
赦せない、赦せない。
犯人が憎くて、憎くて仕方ない。
怒りで内臓が焦げる。口が耳まで裂けて、いくら叫んでも叫び足りない。
人間ではないものになってしまう。
絶対、絶対、仕返ししてやる。
それまで、壊れるわけにはいかない。
この気の狂いそうな怒りは胸の中に押し込める。
外に出られるまで。
硬く硬く凍らせて。
あの時、そう誓った。
もう泣かない。
もう笑わない。
566冬萌2:2011/04/05(火) 10:02:29.91 ID:otLB9nAZ
榎本さんがやってきた。
夢うつつに何度か様子を見に来てくれていたのを覚えている。
「具合はどう?…大丈夫?」
「はい……」
いつもきりっとしているのに今日は疲れているみたいだ。
「真島があなたに会いたがってる」
「……」
首を振った。
「……会いたくないです」
もう二度と会っちゃいけない。
「真島はね……」
榎本さんは少し顔をゆがめた。
「あの時、あなたの後を追ったの。一緒にここに運び込まれて、入院してたの」
「えっ……」
床がぐらりと傾いた気がした。立っていられない。
(なに?……なんですって?……)
膝ががくがくする。
会ってやって、という榎本さんにうなづくのが精いっぱいだった。
「拓郎をこれ以上悲しませないで」
そういって榎本さんは出ていった。
入れ替わりに真島さんが部屋に入ってきた。
心臓がぎゅっとなって、それから爆発するみたいにどくどくし始めた。倒れそう。
真島さんは青い顔をしていたけど、しっかりした足取りで近づいてくる。
包み込むように、愛しげにわたしを見つめながら。
その瞳が少しうるんでいる。
真島さんはいつも――。
(おまえはもうひとりじゃない――)
(俺がきみをうけとめる――)
(愛してるから――)
涙が噴き出した。
胸の氷が一気に溶けたみたいに。
よろめいたわたしを真島さんは抱きとめた。
真島さんの腕。真島さんの胸。あたたかい。
「芽衣子……」
真島さんも泣いてる。
「真島さ……」
ごめんなさい、といいたかったけど、うまくしゃべれない。
熱い涙のかたまりになったみたい。
(……ごめんなさい)
あなたをこんな目にあわせて。
(……ごめんなさい)
あなたのことがなにもわかってなかった。
わたしを抱きしめる腕の強さはあなたの孤独の深さだった。
真島さんの背中に腕をまわして力を込めた。
そのままで、子供のように長いこと泣きじゃくっていた。
567冬萌3:2011/04/05(火) 10:04:53.85 ID:otLB9nAZ
夢を見た。
お姉ちゃんが昔のように微笑んでいる。
晴れやかで幸せそう。
そして、あのやさしいまなざしでわたしを見た。
(……お姉ちゃん、芽衣子のこと怒ってないの?)
笑みが深くなった。
(お姉ちゃん……)
うれしくて、胸がいっぱいになった。
ふと誰かに呼ばれたようにお姉ちゃんが視線をめぐらせた。
翔ちゃんが呼んでいるんだ。あっちにはお義兄さんもいる。
夢はそこで終わった。
芽衣ちゃん、もういいのよ、そういわれた気がした。

三沢準は死ななかった。
あの排水溝の古いコンクリートには亀裂があり、水の漏れる一角で三沢は息をつないだ。
つっかえ棒の枝は水で流され、這い上がったところを後から来た警官に助けられた。
あとでそれを知らされても、わたしはもう三沢を殺しに行きたいとは思わなかった。
「きみの冤罪は必ずはらす」という真島さんに絶対死なないと約束させられて、
わたしは拘置所に送られた。
金谷が自殺した時の動画、録音しておいた警視庁での宇喜田との、
桜葉館の理科室での三沢準とのやりとりが証拠になった。
記者クラブの中にも宇喜田の暴言を録音していた人が複数いて、
そのひとつがネットに流れ、堂島さんの記事とあいまって、
警察と民自党に世間の非難が集中した。
三沢代議士と宇喜田がいなくなって、
琴美さんをはじめ、口をつぐんでいた人たちが証言をし始めた。
あの日、パティースリー立花で菅沼と金谷を目撃したという人も現れた。
わたしの冤罪は立証された。

「家族を殺したのが誰なのか、知りたかった。罪を認めて償ってほしかった」
「彼らはあなたに真犯人を明かすこともせず、警察に自首するとも言わなかったのですね」
「はい。無罪にしてやるとか、金を出すとかそういうことしか言いませんでした」
「彼らがそうしていたら、あなたは彼らを自殺させなかったですか」
「……はい。そうしてくれて、誠意をもって謝ってくれたら、赦していたと思います」
四人の自殺の件では、本来、法と国民を護るべき警察官僚と国会議員が起こした
類を見ない悪質な事件の最大の被害者であり、自殺したのは100%わたしの責任とは言い切れない。
無期懲役が相当と思われるが、すでに冤罪で服役しているということもあって、
情状で執行猶予になった。
わたしの家族の件で、三沢準の裁判はまだ続いている。
568冬萌4:2011/04/05(火) 10:07:18.49 ID:otLB9nAZ
あの日から一年後、わたしは真島さんとマンションに戻ってきた。真冬の寒い日だった。
「疲れたか?」
なつかしい部屋を眺めているわたしに真島さんがやさしく声をかける。
「……大丈夫です」
真島さんに笑って答えようとしたけど、うまくいかない。
どんどん気が滅入ってきて、自分でもどうにもならない。真島さんもそれに気づいてる。
「芽衣子」
真島さんがわたしのそばにきて、顔を見つめた。
「結婚しよう」
「――」
びっくりして、一瞬いろんな思いが渦巻いたけど、口を出たのはこんな言葉だった。
「四人も殺した女ですよ」
こんな話、面会の時にはできなかった。真島さんは一瞬黙り、真剣な顔になった。
「あの四人には悪いが、そうしなかったら、きみが宇喜田や三沢に殺されていたと思う」
「家族を盾にとって、悪魔のようなことをしました」
あの時の自分は十五年間の恨みと憎しみに突き動かされて、ほんとうに悪魔だった。
「俺は……きみがたったひとりで復讐していたのがいじらしくてしかたない」
なんで真島さんはこんなことがいえるんだろう。
「ごめんなさい。いやなことばかりいって。真島さんや榎本さんや大勢の人のおかげで、
刑が軽くて済んだのに……」
復讐している時は、いずれ自殺してしまうつもりだったので、罪の重さになんとか耐えられた。
でも、今、服役もせずに自由になってしまうとその重さに息ができなくなる時がある。
家族を殺された悲しみはよくわかっているのに、旧悪まで暴かれて、二重に遺族を苦しめた。
いっそ復讐なんかやらずに仮釈放された時に死んでいた方がよかったと思ったりする。
お母さんにお姉ちゃんのネックレスを投げつけられたあの時に。
「芽衣子……生きているのがつらいのなら……どうしてもつらいのなら、一緒に死のう」
「――そんなこといわないでください!」
大声でさえぎるわたしに真島さんの表情が少しやわらいだ。
そして、また真剣な顔になって、わたしを見つめる。
「ほんとは一緒に生きてほしいんだ。なにがあってもきみに寄り添っていくって、
きちんと伝えなかったことをずっと後悔してた」
「真島さんは立派な刑事になれるのに……」
「大切な人を守って、ちゃんと人として生きなくちゃ。
立派な刑事とか仕事とかはそのあとのことだ。
きみの苦しみもなにもかも背負いたい。そうでなければ、俺の人生に何の価値もない」
真島さんの存在がわたしへの最大の罰だ、とずっと思ってきた。
面会に来た真島さんの顔が、わたしを見て輝く時、うれしくてせつなくて申し訳なくて……。
「一緒に生きてほしい。そばにいてくれ」
真島さんに生きててほしい。幸せになってほしい。
それは真島さんがわたしに対して願っていることだった。
569冬萌5:2011/04/05(火) 10:09:15.46 ID:otLB9nAZ
「真島さんは前にわたしに生きて償えっていいましたよね――」
わたしは人殺しの自分がいやなんだわ。
自分のしたことから逃げているだけ。
「――そうします。」
真島さんが腕を伸ばしてわたしをかき抱く。以前と変わらないあの力強さで。
「愛してる……ただ、それだけなんだ」
真島さんはわたしにとって最大の罰で、最大の――。
胸に顔を埋めるわたしを仰のかせて、熱い唇がおりてきた。
磁力があるみたいに唇が重なり、息が舌がからむ。
どちらの唇なのか、吸っているのか、吸われているのか、わからなくなるような深いキス。
唇が離れると、真島さんにしがみついて、あえいだ。
「芽衣子、もう俺から逃げるなよ」
頬をよせてささやく真島さんの声は深くて、心に、体の奥に響く。
「逃げません……愛してます」
「芽衣子」
ベッドの脇に行って、服を脱がされる。
生まれたままの姿になって、裸の真島さんの胸に抱き取られる。
人の体って、こんなにあたたかいんだと思った。
真島さんの大きな手が確かめるようにわたしの腕や背中、腰、体のすべてに触れていく。
「芽衣子……芽衣子……」
わたしの名を呼び、髪や頬にくちづけながら。
やわらかい雨のようにふりそそぐ愛に包まれるみたいでうっとりした。
わたしの乳房は真島さんの手のひらにおさまって揉まれる。
あたたかく湿った口中に含まれて、驚いたように乳首が震える。
それを強く吸われる。
ざわめきが全身に広がった。
この体も心も冷たく凍えたまま、あの場所でひとりぼっちで終わるはずだった。
それが今はあたためられて、ゆるんで、甘くなっている。
「芽衣子……」
真島さんが入ってきた。
潤っていた体はすんなりと真島さんを受け入れ、一瞬遅れて、痛みと衝撃がきた。
涙がこぼれた。
体を強ばらせたわたしの涙を真島さんがぬぐう。
「……つらいのか?」
眉根を寄せて、真島さんも少し苦しげな顔をしている。
濡れた黒い瞳。
わたしの中の真島さん。
こんなにも人を好きになれるなんて思わなかった。
こんなにも愛してる人と結ばれることがかなうなんて。
「しあわせです……ものすごく……」
また涙があふれた。
570冬萌6:2011/04/05(火) 10:11:19.25 ID:otLB9nAZ
「――花が咲いてる」
わたしの声に真島さんが身を起こした。
首まで毛布を引き上げるわたしを毛布ごとくるんで、自分に寄りかからせる。
ベッドの向こうのキッチンにさっき榎本さんがくれたチューリップの花束を飾っておいた。
もらった時は蕾だけだったのに、いつのまにか花が開いている。
「部屋の中があったかいから、咲いたんだな」
ふんわりとしたピンクのチューリップ。可愛くて、夢のように美しい。
見ている間にほかの蕾もほころんでいく。
「きれい……」
「チューリップがたくさん咲く公園があったな。春になったら、行こう。桜もあるはずだ」
「お花見ですか」
「ああ」
真島さんがわたしの体に腕を回す。
「あの海にもまた行こう」
「はい」
真島さんのぬくもりに包まれながら、わたしはうなずいた。
どんなにつらいことがあっても、春はめぐってくる。
悪夢にうなされても。
罪悪感に押しつぶされそうになっても。
なぜ死なないんだと非難されても。
愛してる。
あなたと一緒に生きていく。

The end
571名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 14:20:19.02 ID:jSUrOBmu
もくれんさん、すごく良かったです
じんわり泣けてきちゃいました
572名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 21:25:19.63 ID:CFIneQZI
初めてレスさせて戴きます。
皆様の作品を読ませて戴くばかりで、いつかお礼が言いたいと思っておりました。

本編ドラマの中では、観ることのできなかった「真島&芽衣子の世界」をこんなにも楽しませて戴けるとは…

皆様、本当にありがとうございます。

ANKO様、ぎるちぃ様、hitoshi様、zero様、pi様...
ここには書き切れませんが...

そして、新しく、もくれん様...

読ませて戴きながら、皆様の創造&想像力の深さと強さに、そして、作品のクオリティの高さに、思わず唸ってしまうことも度々です。

エロの描写に涙したりね...

どうぞ、これからも独自のマシメイの世界を覗かせてください。

勝手ながら...
そして、とても!期待しています。

573名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 22:16:46.47 ID:eNjA8KZ6
もくれんさん、いらっしゃ〜い(^_-)-☆
また新しい花が咲くなんて、いつでも何度でも季節は蘇りますねえ
輝くものはいつもそこに♪私の中に見つけられたから♪ですo(^-^)o
574名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 22:59:11.34 ID:G2sGxIYq
hitoshiさん
がっつりエロは久々なのでどきどきしましたー
まさに真島にとって芽衣子は禁断の果実ですよねー
でもその果実を手に入れて心底幸せそうな真島ちゃん萌え
清純の中にエロさが見え隠れする芽衣子は小悪魔だなぁ

ぎるてぃさん
また斬新な発想ですね!!
芽衣子そっくりだけど性格間逆で
引っ掻き回してくれそうな予感プンプンしますねw
芽衣子負けるなーー!!

もくれんさん
新しい職人さんだ〜やった〜
本編に絡めたお話切なかったです
芽衣子の姉への想いは本編でも強かったですよね
それを乗り越えての
>なぜ死なないんだと非難されても。愛してる。あなたと一緒に生きていく。
この台詞良いです!
背負う罪の重さや非難される苦しさ以上に真島への気持ちが勝ったんですね!
575名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 23:14:32.85 ID:wULHwwcU
もくれんさん
おおうっ!!切ない〜泣けるっです
真島ちゃんと一緒に生きていくと決めた芽衣子に感涙

ぎるちぃさん
続きものっすごく気になるッ
まあ芽衣子が負けるわけないんだけど、なんかひっかきまわして面白い展開になりそうでw
楽しみに待ってます
576ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:42:05.48 ID:5GCpfqo2
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>561の続きを投下します

>まとめの方
いつも丁寧にまとめていただいてありがとうございます
タイトルは、「続編8 唯一(2)」でお願い致します
577ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:45:01.53 ID:5GCpfqo2

続編8 唯一(2)


(真島視点)

「ま、真島さんっ、亜由子さん!?」

芽衣子の甲高い声で、眠りから引き剥がされる。
朝か…。
寝心地がいつもと違うせいか、瞼が重くてすぐには開け辛い。
…?
胸の辺りに重みと温もりを感じる。
芽衣子…?
何か…違う。
重い瞼を押し上げて見ると、俺の胸にもたれかかるように頭を預けて眠っている女。
芽衣子と同じ顔をしてはいるが、それは別人だと確信できる何かが俺の中にある。

視線を顔ごと動かして頭の上方を見ると、
芽衣子が呆然と立ち尽くしてこちらを見つめている。

俺は胸の上に乗っかっている亜由子の腕を掴んで体を起こした。
「おい、おい!起きろ!」
掴んだ腕を揺さぶる。
「んー?なあにー?」
亜由子は欠伸をしながら目をこする。
「なあにじゃない。何であんたがここで寝てるんだ?」
「ん?…あー、寝ぼけて彼氏と間違っちゃったかも知れませぇん。」
亜由子は悪びれもせずそう言って立ち上がり、洗面所へ入って行った。

「おはよう。…まったく、困ったもんだな。」
まだ立ち尽くしたままの芽衣子にそう声をかけると、
彼女は俺に微笑みかける。
「おはようございます。朝食の支度しますね。」
そう言ってキッチンへ入って行く芽衣子。
だけどその微笑みは、少し無理をしているように見えて。

「行ってらっしゃーい。」
朝食を終え、出勤の支度をした芽衣子が玄関で靴を履いている所へ、
亜由子が俺の体に絡み付いて芽衣子に手を振る。
「おい!」
俺は亜由子の手を振り払う。
何を考えてるんだ?この娘は。
俺と芽衣子が婚約中だということは最初に言っておいたはずだ。
昨日からまるで芽衣子を挑発しているような言動。
俺と芽衣子の間に入りこんで引っ掻き回すのを楽しんでいるのか?
578ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:48:26.79 ID:5GCpfqo2

「行って来ます…。」
芽衣子は複雑そうに微笑んで、亜由子に答える。
俺も靴を履き、
「すぐ戻るから適当にしててくれ。」
と亜由子に言って、芽衣子の背中を押して玄関を出る。
「真島さん、亜由子さんもいますし、今日は送り迎えはいいですよ?」
「少し君と二人っきりになりたい。駄目か?」
俺の言葉に、芽衣子がようやく笑顔になる。
その笑顔に胸の奥を甘く締め付けられ、
エレベーターの扉が閉まると同時に、俺は芽衣子に口付けた。

落ちていく空間の中で、ふわっと体が浮くような感覚。
唇と腕の中には愛しい柔らかな温もり。
思う存分抱き締めていたいのに、この数日間はそれも叶わない。
芽衣子…。
ほんの少しだけ許された二人だけの時間が、却って愛しさを煽る。
そして…、
エレベーターが地上に届いた音に、名残惜しく唇を放した。

芽衣子をサロンへ送って部屋へ戻ると、
亜由子はコーヒーを飲みながらソファでテレビを見ていた。
「真島さんお帰りなさーい。」
ソファに座ったまま首だけこちらを向けて、大声で叫ぶ。
「ただいま。」
そっけなく答えて、俺はデスクへ向かった。
「真島さーん、こっちで一緒にテレビ見ませんかぁ?」
「俺は仕事があるから。邪魔しなければ自由にしてもらって構わない。」

今やらなければならない仕事なんて無かったんだが、
芽衣子が留守の間なるべく亜由子と関わり合わずにいたくてそう言った。
どうもこの娘は、わざと芽衣子に誤解させるような言動を選んでいるようで。
芽衣子を傷つけるような事だけは避けたい。

「ふーん、つまんないのー。」
亜由子は拗ねたように言ったが、俺は聞こえない振りをして本を開いた。
579ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:50:08.85 ID:5GCpfqo2

(亜由子視点)

リビングでコーヒーを飲みながら、私は少し離れた場所にいる真島さんの横顔に
見とれてしまっていた。
デスクに向かって真剣な眼差しで本を眺める真島さん。
素敵…。
なんてカッコイイんだろ…。
今付き合ってる彼氏なんて問題にならない。

日本で大学に通ってる時に知り合って付き合い始めた彼。
見かけはイケてるけど真島さんには到底及ばないし、
定職にも就かずにぷらぷらしてるフリーター。
それにぜんぜん優しくない。
一昨日だって、せっかく久々にアメリカから会いに来たっていうのに、
ささいなことで喧嘩して部屋を飛び出した私を、アイツは追って来もしない。
着替えや財布の入ったバッグ置いてきちゃって、どうしようかと思ったけど
のこのこ私からアイツのとこへ戻るなんてプライドが許さなかった。
お金も持ってなくてフラフラの所を真島さんと芽衣子さんに助けられて、
とっさに置き引きに遭ったなんて嘘ついちゃったけど…。

真島さんが恋人だったら、すぐに追いかけて来てくれるんだろうな。
そもそも、真島さんとだったらささいな事で喧嘩になんてならないよね。
昨日から芽衣子さんとのやり取り見てても、すっごい優しい感じ。
こんなにイケメンで、背高くって。
抱きついた時、胸板もたくましかった。
おまけに警視庁のキャリアなんて超エリートじゃん。
真島さんが彼氏だったらいいのに…。
だけど…。
真島さんと芽衣子さんってもう婚約してるんだよねぇ。

今朝早くに目が覚めて、隣で眠ってる芽衣子さんをじっと眺めた。
まるで鏡を見てるみたいだった。
芽衣子さんて、確か33歳。
私より8つも年上なのに、肌もぷるぷるで、
悔しいけど25歳の私に負けてない。

でも見た目が同じなら私にも勝ち目があるかと思って、
昨日から真島さんをちょっとつついてみてるんだけど、
全然なびいてくれない。

お昼時になって真島さんが取ってくれた出前を食べる。
真島さんは相変わらずデスクに向かったまま。
私は一日中テレビを見たりソファでゴロゴロして過ごした。
580ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:52:25.33 ID:5GCpfqo2

日が暮れた頃、真島さんが上着を羽織りながら言った。
「芽衣子を迎えに行ってくる。すぐ戻るから、ここにいてくれ。」
「迎えに?」
「ああ。」
「芽衣子さんの職場、近いんですよね?」
「歩いて行ける距離だ。近いと言えば、まあ近い。」
「なのに朝送って行って、迎えにまで行くんですか?」
真島さんは鬱陶しそうに眉間の皺を深くする。
「職場の辺りで、芽衣子は今まで随分危険な目に遭ってる。
 何かあってからじゃ遅いんだ。」
そう無愛想に言って、真島さんは玄関を出て行った。 

芽衣子さんを守るため?
すごい、中世の騎士みたい。

優しくてイケメンのエリート刑事が婚約者で、
ずっと大事に守られて。
いいなあ。
芽衣子さんがうらやましい。

だけど、こんな男の人って、いたんだ…。

……。
この人が、いい。

私のものにしたい…。
でも、どうやって?

私は昨日からの二人の様子を思い返してみた。
んー…。
芽衣子さんって真島さんにいつも遠慮がちって言うか気を使ってる感じがする。
惚れた弱みってヤツかしら?
それに比べて真島さんは堂々と振舞ってる。
二人ともお互い好きは好きなんだろうけど、
なんか芽衣子さんの方が真島さんにゾッコンっぽい?
そうだ、今朝私がちょっと真島さんにモーションかけただけで
芽衣子さん何も言えずにしゅんとしてたし。

だったら…イケるかも…。

同じ容姿なら、私の方が若いんだし、
性格だって明るいし、絶対一緒にいて楽しいのは芽衣子さんより私だよ。
うん、自信ある。

絶対真島さんの恋人になってやるんだから。
私は密かに決意した。
581ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:54:33.20 ID:5GCpfqo2

(芽衣子視点)

迎えに来てくれた真島さんと一緒に家路を急ぐ。
亜由子さんを部屋に一人残しておくのも気がかりで。
だから明日は琴美さんに無理を言って休みをもらった。

マンションのエントランスに入った時、私の携帯電話が鳴る。
表示されている名前は、「モンアンジュ」。
「あ、サロンからだ。真島さん、先にお部屋に行ってて下さい。」
「ああ、分かった。」
エレベーターに乗り込む真島さんを見送りながら電話に出る。
『あ、芽衣子さん?明日入ってた予約、最後の一件さっきお客様と連絡が取れて、
 他の日にずらしてもらえましたから。』
「ありがとう!彩乃ちゃん、迷惑かけてごめんね。」
『なんのなんの。困った時はお互い様ですよ。そっくりさんに負けないで下さいね。』
「うん、ありがとう。埋め合わせするから。」
『じゃあ、芽衣子さんが美味しいって言ってたバーのオムライスで手を打ちますよ。』
「分かった、任せといて。」
何度もお礼を言って電話を切る。
今日、彩乃ちゃんには事情をかいつまんで話しておいた。
彼女の応援に、何だか心強さを感じながらエレベーターに乗る。

「ただい…。」
玄関の扉を開けた途端、私は目の前の光景に全ての意識を囚われる。
「あら芽衣子さん、お帰りなさーい。」
真島さんにしがみつくように絡む亜由子さんの手。
寄り添う二人の体。
私は堪らず目を逸らそうとした。
その時、真島さんの声が空気を切り裂く。
「いい加減にしろ!」
真島さんは、絡みついた亜由子さんの腕を振り払う。
「これ以上芽衣子に誤解させるような事をするなら、出て行ってもらう。」
亜由子さんにそう言い放ち、真島さんは私の方へ近づいて、私の頭にポンと手を乗せる。
「気にするなよ?」
「は…い。」
582ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:57:05.34 ID:5GCpfqo2

夕食を済ませた後、亜由子さんがバスルームへ入って行く。

私はキッチンで洗い物をしながら、
亜由子さんが来てからの出来事で頭がいっぱいだった。

これは、亜由子さんが一方的に真島さんに接近してるだけ。
真島さんは、ちゃんと拒んでた。
私を心から愛してくれてる。
もちろん信じてる。信じてるけど…。

私がいない間に、この部屋で真島さんと亜由子さんが二人きりなんて…。
嫌だ…。
すごく、嫌。

私は、いつの間にこんなに欲張りになったんだろう。

本来は、私が手にする資格なんて無かった未来。
その未来を一緒に生きようと、愛する人にもらった約束。
それだけでも、私には贅沢すぎる幸せなのに。
充分だと思わなければいけないのに。

だけどそれは、罪の意識だったり、自分は価値の無い人間だという未だ消せない思いだったり、
そういうものが私の本心を押さえ込んでいるに過ぎない。

本音は…違う。
私の心と体全部が、真島さんの全てを求めてる。
他の女性になんて…触れさせたくない。
真島さんに近づかないでって、言いたい。
583ぎるちぃ:2011/04/05(火) 23:58:36.26 ID:5GCpfqo2

ほんとは、あの時だってそうだった。
まだ私が復讐の道を突き進んでいた時。

万里さんに、嫉妬してた。ずっと。
うらやましかった。
愛する人の…真島さんの隣で堂々と生きていける彼女が。

女としての敵意を剥き出しにしてモンアンジュへ乗り込んできた万里さんに、
私もつい挑発するように応戦してしまったことがあったけど、
結局はアンの世話を万里さんに託す形で、私は真島さんとの関わりを断とうとした。

それだって、命を掛けて私を守ろうとする真島さんを、もう巻き込みたくなかっただけ。
真島さんへの愛も、万里さんへの嫉妬も、確かに心の中にあったのに、
ただ必死に押さえ込んで封印しただけなんだ。
私にそんな想いを抱く資格なんて無いとどんなに言われようと、
捨てられる想いじゃなかった。

本当は、真島さんに側にいて欲しいって…ずっと思ってた。

キッチンで、私は溢れそうになる涙を堪えて、
水道の蛇口を止めた。
その瞬間、後ろからそっと抱き締められる。
「気にするなって言っただろう。」
「真島さん…どうして…?」
「君はいつも思ってることを口に出さないが、
 そのデカい目はずいぶん正直だぞ。」
……。
私は真島さんの腕に包まれたまま体の向きを変え、
その胸に顔を埋めてしがみつく。
「真島さん…。お願い、少しだけ…このままでいて下さい…。
 お願い…します。」
真島さんがぎゅうっと強く私を抱き締める。
私は、その腕の中でいっそ壊れてしまいたいと思っていた。
584名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 00:01:05.62 ID:A7Xvey5B
ぎるちぃさん、謎のイッタラ人が去ったかと思えば今度は謎の亜由子
先の読めない展開にワクワクします。
しかし次から次ぎ湧いてくる物語、その創作力すごいです。続き楽しみにまってます
>いまだによそよそしい芽衣子に寂しさと苛立ちを感じる真島
ここ、すごくわかります。

もくれんさん、わ〜い新しい職人さん誕生だわ〜。
素敵な作品ありがとうございます。
これまた丁寧な心理描写で痛いほど気持ちが伝わってきました。

>>572さん、コメントありがとうございます
クオリティを下げた私ですが、
お言葉有り難く頂戴いたしますw。by ANKO
585ぎるちぃ:2011/04/06(水) 00:08:02.38 ID:bF8xIujk
本日は以上になります
駄文長文失礼致しました
そっくりさん、まだ続きますw

>もくれんさん
新職人さんだ!ありがとうございます
芽衣子の生きる苦しみは、きっと真島さんが癒してくれますね
586名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 00:20:40.93 ID:bs7Weid5
ぎゃ〜、私ったらぎるちぃさんの投稿の途中で!なんて事を… orz
失礼しました。

ぎりぎり本文を割り込んでなかったようですね。
ほんと申し訳ないです。携帯うまくリロードされてなかったです

で亜由子の続きが早速読めて。ありがとうございます
なるほど彼氏から逃げ出してきたのね
亜由子の言動に思わず声を荒げてて叱る真島に惚れ直しました。
なんかいい展開になってきましたね。ぐひ
587名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 09:48:28.19 ID:HxFpzmDK
>>586さん
ぐひww

ぎるちぃさん
そっくりさん、夢中なのは芽衣子より真島なんだよ、残念
と言ってやりたいw
そして芽衣子もますます真島に惚れていると自覚してきて、今後の展開が楽しみですー
588名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:46:15.41 ID:yoDRFUr4

はじめまして Elizaと申します。
不安な震災時も、こちらで皆様の作品に癒され
過ごしておりました。

新参者の駄文ですが、よろしくお願いします。
ドラマ終了後の続きのお話。
初投下ですが、続き物になります。
589名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:48:00.02 ID:yoDRFUr4
* Abyss-Love (1)

芽衣子は今、ペットサロンを開業する為の勉強をしている。
先週からは、組合の研修に参加しているが
一週間、彼女から連絡が全くなかった。
店にも、一切ない。


「芽衣子ちゃん何かあったのかしら、心配だわ。」

明日はもう戻って来るが、俺は心配で
黙って待ってられなかった。

「 俺、明日は仕事早く切り上げて
  迎えに行きます。
  新幹線、何時の到着ですか?」

「ごめんなさいね真島さん、じゃあお願いします。」


◇次の日。

夕方の駅は、大勢の人間でごった返すが
職業柄、俺が人を見失う筈はない。
しかも、芽衣子なら尚更だ。

やがて
虚ろな表情、少し面やつれした芽衣子が見えた。

やっぱり、何かあったな

彼女の表情を読み取り、俺は小走りに先回りする。

突然の出迎えに、芽衣子は驚いた。

「、、真島さん!」

「心配してたんだぞ!! 連絡なかったから!!」


何を言うか直前まで迷ったが、気持ちがそのまま出た。
俺は彼女の荷物を持ち、手を引いて歩き出す。


「このまま、、モンアンジュに行きますか?」
 
「行かない、まず俺に説明しろ!」

「はい、、、」


先に店を予約しておいた。
ここは静かで、話がしやすい雰囲気だ。

芽衣子は自白しないタイプだから、厄介だが、、
俺は聞き出してやる。
590名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:51:30.06 ID:yoDRFUr4
* Abyss-Love (2)

店員を呼び、メニューを開くと
俺はろくに選びもせず
コース料理 A≠指し、更に黙って「2」と指を見せた。

注文を終えると、早速俺は尋問を始める。

「、、、。」

案の定、だんまりからスタート。
だがこれは想定通り。

「黙るな!ちゃんと話せ!!」

俺の迫力に押され、芽衣子は頷いた。
あっさり自白だ。

「前に、、。
 琴美さんに、お客様がクレーム言いに来ましたよね?
 私が服役していた事、知ってて、、」
 
クレーム? ああ、海へ行った日か。
確か、、そうだ、ヘンなで客が飛び込んで来た。

「思い出した、、化粧の濃い、太った婆ァか、、。」


「よその店に通ってて、、、色々話しるみたいで、、
 そしたら、その店から研修に来た人が
 自己紹介の私の名前で、、気づいて、、」

そいつがまた話を広め、騒ぎが大きくなると
研修どころではなくなり、、
以降、芽衣子は講義も実技も
外されていた、という。


「お待たせしました、、Aコースになり、、」

ドン!

「ひっ!」と店員の小さな悲鳴。
料理の到着とほぼ同時、俺はテーブルを拳で叩いた。

「何だそれ! 責任者ってのは誰だ?
 人権無視だろ!」

「、、 琴美さんに、そんな事言えないし
 メールでも電話でも、真島さんはきっと気付く、、
 だから、、黙ってました。」

それで連絡なかったのか。
俺は土産話を、楽しみにしてたのに。
 
「、、料理、冷めるから、、、、。」

「はい、、。」
591名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:55:30.27 ID:yoDRFUr4
本日は以上でお終いです。
結構、長文になりまして、スミマセン。
改行も難しいですね…

エロに続いていく予定です。
それも、まさかのマシメイ初Hを考えてますw
592名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 23:03:55.68 ID:bs7Weid5
ドラマが終わって四ヶ月にもなろうとしてるのに、新しい職人さんの誕生で嬉しい限りです。
Elizaさん、ありがとうございます。
あのインパクトの強いク○婆、何かしでかすと思ったら…。
こんな風に芽衣子の行く先を脅かす存在になるってありえそうですね。
あと自白させてやる、という真島の強引な優しさに萌えw
続き楽しみに待ってます。
593名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 23:21:39.35 ID:ViAdaMFu
また新しいお客さん!
その前に逝ってるから被災してないのに復興はしてるギルティすごいw
そういやツーリストのジョニデちょっと真島さんぽいですよねえ
パイカリのプレミア寄付とか、ディズニーもギャンブラーだなあ
594名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 23:46:00.78 ID:kLNS4oau
本当にドラマ終わってもう数ヶ月もたつのに勢い落ちるどころか
どんどん活気づいてきていてすごいですね

ぎるちぃさん
やっぱりやらかしてくれてますね
同じ顔してなんてずうずうしい女なんだ!しかもただの彼氏との喧嘩かw
真島が芽衣子を気遣い強めに一喝するシーンは良かったです
本当はやきもち焼いてるのにわがまま言っちゃいけないって
言いたい事を口にしない芽衣子がいじらしくて可愛くて仕方ない!
キッチンで後ろ姿で涙溜める場面は女の私でも後ろから抱きしめたくなっちゃうかも!
続き楽しみです

Elizaさん
新しい職人さんいらっしゃ〜い
「思い出した、、化粧の濃い、太った婆ァか、、。」
ここ最高w大爆笑しちゃいました!
真島って普段は紳士な口調なのに興奮すると結構口荒くなるんですかね
三沢に噛み付くシーンも「おい、てめぇ〜演技してんじゃね〜」って若者風でしたし
芽衣子の事になると熱くなっちゃう真島ちゃん大好きです
続きのエロも楽しみにしてますね
595退院の日(1/4):2011/04/07(木) 18:26:48.66 ID:73tITuWn
「お世話になりました」
真島さんがナースステーションの前で一礼する。
低い声が廊下に響く。
主治医の先生と外科師長さんが挨拶を返す。
午前の検査が終わる時間だから看護師さんがおおぜいいるのはわかるけど
"リウマチ科"とか"産婦人科"のバッジをつけた人までいるのはなぜだろう……
帰りの電車で一緒になったことのある山田さんが、小さく手を振ってくれる。

山田さんは真島さん担当看護チームのリーダーだ。
電車では、向こうから話しかけてきた。
「毎日お疲れさま」
「いいえ、こちらこそ、いつもお世話になって」
「芽衣子さん、いいわね、あんなご主人で。あ、婚約者でしたっけ?」
「あ……あの、結婚はまだで……」
婚約者です、なんて言葉に出すのは恥ずかしい。
「私たち、警視殿の担当と聞いたときは気が重かったけど、
予想と正反対の方でよかった」
「予想と正反対?」
「あんまり大きな声じゃ言えないんだけどね、
階級が上の患者さんたちって色々たいへんなのよ」
「……?」
「ナースを使用人かなんかと勘違いしてるみたいに
あれこれ言いつけたり、ささいなことで難癖つけたりして。
けさも新人の子が泣いてたわ」
「そうなんですか」
「威張ってるくせに痛い痛い大騒ぎして
ナースコール押しまくる人もいるし……」
「たいへんですね」
たしかに真島さんは正反対だ。
お世辞にも腰が低いとはいえない人だけど、肩書きを
笠にきて病院のスタッフに威張り散らすような真似はしない。
もともと顔だちが鋭いし、初対面の人には今にも威張りだしそうに見えるのだろう。
でも、レストランのウェイトレスが粗相をしたようなときでも、
「別にいいから」と言うだけだ。
自分でできることを人にやらせるなんて……呼びつける方が面倒な人だ。
一度でもナースコールを押したことがあるかどうか疑問だ。
「とは言っても、真島さん見てると辛抱強いのも善し悪しだと思うことはあるけどね」

家に向かうタクシーのなかで山田さんとの会話を
思い出していると、真島さんが怪訝そうな顔をした。
「何にやけてんだ?」
「え、にやけてます、私?」
今日は、これから山田さんたちが羨む男性を独占できるのだ。
だから顔がゆるんだって仕方ない。

我が家に着いた。
真島さんはまだ、深くかがむのが大義そうだから
私は一足先に上がり口にのって彼の口づけを待つ。
そして一番言いたかった言葉をささやく。
「お帰りなさい」
真島さんはそっと抱きしめてくれる。
「ただいま……心配かけたな」
アイロンをかけた白シャツに顔をうずめると、ああ真島さんだと思う。
いつまでも、微熱が続いてだるそうにしている入院着の彼を見ていたくはなかった。
もっと深いキスを待っていたのに、ジャケットの携帯が無粋な音をたてた。
596退院の日(2/4):2011/04/07(木) 18:27:42.45 ID:73tITuWn
「ああ……いや、今帰宅したところだ……そうか……いや、かまわない」
これから一課が出払うから門倉さんの代理で会議に出なければいけないとかで
真島さんは出かけてしまった。

急な休日返上は何度かあったけれど、退院の日に出勤だなんて……。
ショックだったのは、真島さんがいそいそと出かけていくように見えたことだ。
お客さんの「しょせん男は仕事が恋人だから」という言葉を思い出す。

夕方には帰ると言ったのに、まだ帰らない。
こんなことなら、午後はお店に出ればよかった。
気を取り直して、腕によりをかけてご馳走を作っていると電話が鳴った。
「悪い、まだ帰れそうにない。晩飯はこっちですませる」
「会議ってそんなに長引くものなんですか?」
「いや、ほかにも仕事ができたから」
「……そうですか」
「芽衣子……どうかしたか?」
「なんでもないです」
「遅くなったら、先に寝ててくれ」
「はい」
体を気遣う言葉をかけてあげられない自分にがっかりする。
刑事の女房……
結婚したら、こんな味気ない思いをたびたび味わうことになるのだろう。
見舞い客のなかには、露骨に「こんな女がエリートと……」という目をする人もいた。
私と真島さんの共通点ていったいなんだろう?
殺したいほど人を憎んで、ほんとに殺してしまったってことだけじゃないのか。
ワタシタチハヒトゴロシ
ガラスに映った顔が自嘲にゆがむ。
日本の警察官は、たとえ100%相手に非がある場合でも犯人射殺どころか
発砲しただけでマスコミに叩かれ、署内で有形無形の制裁を受ける、
と堂島さんが言ってた。
宇喜田の死の真相は世間に公表されなかったが、
真島さんが警察で喝采を浴びたはずはない。
私のせいで……「私のせいで」って言うと真島さんは怒ったような
悲しんだような顔をするけれど……。

気がふさいで食が進まない。
早めにシャワーを浴びて寝てしまおう。

髪を乾かしてドライヤーをしまった瞬間、玄関でカチャリと音がした。
バスタオルを体に巻いた格好なのもかまわず、迎えに出た。
「おかえりなさい!」
「ただいま。ずいぶんと刺激的なお出迎えだな」
「いえ、これは……」
「俺もシャワー浴びてくるから待ってろ」
頭をぽんと叩いてくれただけで、
ただいまのキスもせず、疲れた足取りで浴室に向かう真島さん……。
597退院の日(3/4):2011/04/07(木) 18:29:00.91 ID:73tITuWn
布団にくるまって愛する人を待っているのに、なぜこんなに寂しいんだろう。
真島さんがベッドに入ってきた。
右腕を私の肩に回してくる。
大きな体がおおいかぶさってくる瞬間が好きなのに
それに続く深い口づけを待っているのに
額にかかった私の髪をかきわけて、額と頬に軽くキスしてくるだけ。
その手はバスタオルの裾から内腿をつたってきて
私の秘部に触れた。
いつもなら、真島さんの指がそこに触れるころには
上半身に与えられた愛撫ですっかり潤っているのに……。

なんだか勝手が違うのと、そんなふうに思ってはいけないのに
なおざりに愛撫されているような気がして
つまらないことばかり頭をよぎる。
出かけるときより帰ってきて私の顔を見たときのほうが
暗い顔をしてた……「ただいま」と言いながら微笑むのが
無理してるようだった。
いちいち私が勘ぐりすぎなのか。
ずっと優しく撫でてもらっているのに濡れてこない……。
真島さんと目が合った。
「ものたりないか?」
私だって、今この人に「気分が乗らない」
なんて禁句だということ位はわかる。
言いにくいことを言うときいつもするように、真島さんの胸に抱きつき
喉元に頭をくっつけた。
「バスタオルで出迎えたのは、たまたま髪を乾かしてたからなんです」
「……そうか……」
「退院したばかりなんだし、今日はもう寝ましょ」
「……」
「でも、ちゃんとキスしてください」
スタンドの薄い照明のもとだけれど、帰ってきてから初めて
ちゃんと彼を見たかもしれない。なんて顔色が悪いんだろう。
真島さんは髪を撫でながら何度も角度を変えてキスしてきた。
唇と唇が離れるたびに自然と言葉が出る。「好き、真島さん……大好き」
「昼間は携帯に邪魔されてちゃんとできなかったな」
彼の舌は、まず上唇を、それから下唇を這い、
唇を割って何度も私の舌を弄ってきた。
体が震えて思わずのけぞり、「あぁ」と声を出してしまった。
真島さんが耳元でささやいた。「胸吸ったほうがいいか?」
そんなことをされたら、自分が暴走して止まらなくなりそうだ。
「ううん、いいの。ほんとにもう寝ましょう」
「……ごめん」
「あやまったりしないで」
悶々とした気分が消えて、申し訳なさで胸がいっぱいになる。
598退院の日(4/4):2011/04/07(木) 18:30:18.25 ID:73tITuWn
「お母さん、お父さんは?」
「帰ってきやしませんよ」
「どうして?」
「もういないの!」
お父さん、お父さん、どこに行ったの?
私がわがまま言ったから出て行っちゃったの?
ここは暗くて寒い……

身ぶるいして目が覚めた。
肩を出して寝てたんだから当たり前だ。
あわてて枕元のスウェットを着る。
……真島さんがいない。

やっぱり真島さんも出て行っちゃったんだ
私がうらみがましく思ったりしたから……

ダイニングに行くと、テーブルに鎮痛剤の袋とコップがあった。

真島さんはソファーにもたれていた。
「痛くて眠れないんですか?」
「……うっかり左に寝返り打っちまって」
突っ立っている私に、真島さんは右腕を差し伸べてきた。
「おいで」
その右手を握ったまま右隣にぴったりくっついて胸に頬を寄せた。
「起こしてくれればいいのに」
「心配するな……クッションに体を預けてればだいぶ楽だ……痛み止めも呑んだから」
真島さんがしげしげ私の顔を見る。指で頬に触れてきた。
「どうした……泣いてたのか?」
涙の跡があるなんて気がつかなかった。
「お父さんが出て行っちゃった夢を見ました」
私を抱く手に力が入る。
「家にいる予定だったのに、寂しい思いをさせたせいか」
どうして真島さんに甘えたくなるのか、髪を撫でられると心地いいのか
……外見は似ていないのにお父さんを思い出すからかもしれない。
それと同じなのだ……いつまでもそばにいられないんじゃないかと不安になる理由も。
「俺はどこにも行きやしない。
おまえも俺のそばにいろ」
ずっとそばにいられるのか……
今はただ、こうして抱き合うひと時の幸せに浸っていられればいい。
599名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 18:32:33.53 ID:73tITuWn
以上、glenでした。
もくれんさん、Elizaさん、はじめまして!
本編の肝を活かした真島芽衣子の心情が伝わってくる話をありがとうございます。
次を楽しみにしています。二人の初Hは何パターン読んでも飽きません。

以前からの方々の作品も楽しませていただいてます。
ぎるちぃさん、これから芽衣子の積極化計画ですか?

私のは、真島絶倫伝説にヒビが入るエピソードですみません。
芽衣子もちょっと、らしくないかな〜と思いながらも、日常が続けば
あの二人にもこんなことがあるかもということで……。
趣向のちがう入退院エピ思いついた方は、ご遠慮なく投下お願いします!
600名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 19:50:59.83 ID:XRQCoU5o
glenさん
あれれ、、
いつもの絶倫真島ちゃんじゃなーーいw
いつもの気遣い芽衣子ちゃんじゃなーいw
でもこういういつもと違う二人ってのも新鮮ですね
そりゃ真島でも病み上がり&仕事じゃきついだろうし
芽衣子だってたまには不満言っちゃう甘えたな時もあるだろうしね
最後気持ちほんわかしました
真島の包容力半端無いですねーお父さんみたいって思うのもちょっと分かるなw
601名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 20:13:57.37 ID:8okq/zF8
二人のお初、たしかにたくさんありますねw
というか今やってるラプンツェルだって原作なんてモロそれですもんねえ
おとぎ話には魅力的な秘密があるんですよ、このスレもある意味深海の秘宝ですw
602名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 20:14:44.60 ID:rInadEyQ
zeroです。
来週あたりチャット第三弾を開催しようと考えています。
金曜日か土曜日を考えていますが都合の悪い方いましたら遠慮せずに
申し出てください、都合のつかないかたがたくさんいらっしゃた場合は
再来週以降に回すかもです。


Elizaさん、もくれんさん、はじめまして。連日で萌えをおかげで補給できました。
これからも素敵な作品どしどし投稿してくださいね。
603名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 21:55:44.34 ID:UVec+o06
glenさん、乙です〜
ていうかなんかすごく共感してしまった
真島と芽衣子も男と女だから、擦れ違ったり不安になったりする日常があって当たり前なんだなーって
「ものたりないか?」「気分が乗らない」感じが切なくて深い〜

zeroさん
チャット参加希望 金曜日でも土曜日でもOKでーす
604名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 22:28:56.86 ID:MAycOU1A
grenさんお久しぶりです!真島ちゃんのいい男っぷりと
芽衣子との絡みにきゅんきゅんしました!zero
605ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:33:52.64 ID:zpepf3LK
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>583の続きを投下します

>まとめの方
いつもまとめありがとうございます
タイトルは、「続編9 唯一(3)」でお願い致します
606ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:35:53.40 ID:zpepf3LK

続編9 唯一(3)


(芽衣子視点)

「ひゃあああぁっ!冷たぁーい!!」
ほんのひと時と身を寄せて抱き締め合う私達を、まるで引き裂くかのような悲鳴が
バスルームから響き渡った。

真島さんと私はその悲鳴に弾かれて体を離す。
「どうしたんだろう?私、見てきます。」
そう真島さんに言って、私はバスルームに向かった。
「亜由子さん?どうし…」
「もおおおぉ!どうなってんの!?急にお湯が出なくなっちゃったんだけど!」
亜由子さんは、勢い良く噴き出すシャワーから逃れるように、バスルームの隅に
爪先立ちで震えながら立っていた。
私は中に入って、指先をシャワーにくべてみる。
お湯の方の蛇口をいっぱいに捻っても、シャワーから出てくるのは
冷たい水のまま。
「このままじゃ風邪をひくから、一旦服を着ましょう。」
私はバスタオルを亜由子さんの体にかける。
亜由子さんは渋々脱衣所に上がり、体を拭き始める。

私はキッチンへ戻る。
「急にお湯が出なくなったみたいなんです。」
そう真島さんに告げて、流しの蛇口を捻ってみた。
…やっぱり水しか出ない。

「ああ、多分これだな。」
振り向くと、真島さんがキッチンの脇にある給湯器のボタンを繰り返し押している。
「ランプが点かない。おそらく故障だな。」
「そうですか…。」
「管理人に言っておくが、どの道修理は明日になるだろうな。」
その時、服を着た亜由子さんが脱衣所から出てくる。
「ねー芽衣子さん。髪にシャンプー付けちゃった後だったの。これどうしよう?」
亜由子さんは、ポタポタと雫の垂れる髪を手で握り束ねて、
甘えたような声で私に訴える。
「ちょっと待って。」
私は自分の髪を束ねていたシュシュを取り、タオルを一枚持って亜由子さんに近づく。

タオルで髪を包んで軽く水気を取った後、シュシュで簡単に結い上げてやる。
なんとなく…胸がきゅっとする。
妹がいるって、こんな感じなのかな。
真島さんにしつこく近づいてくる亜由子さんだけど、
この時、少し彼女のことを可愛いと思った。
607ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:38:41.72 ID:zpepf3LK

「真島さん、近くに銭湯がありましたよね?私達もお風呂まだですし、
 今日はそこに行きませんか?」
「ああ、そうしよう。」
私達は着替えや石鹸を持って、三人で銭湯へ向かった。

「真島さん。」
それぞれ男湯と女湯に別れて入ろうとして、私は真島さんを呼び止めた。
「私達が上がったら携帯に電話します。寒いから中で待ってて下さいね。」
「ああ、分かった。」
絶対に真島さんの方が早く上がるから、外で待たせたりしたら風邪ひいちゃう。
「じゃ、後で。」
かすかに微笑んでくれる真島さんに私も微笑み返して、銭湯の入り口をくぐる。


(亜由子視点)

ほんとに似てるんだ…。

お風呂から出て、ふと目が留まった脱衣所の大きな鏡。
そこに映った裸の私と芽衣子さん。
同じ顔、体つきまで同じ二人。

あれ?
芽衣子さんの右胸から腕にかけて大きな傷跡がある。
「芽衣子さん、その傷、どうしたの?」
特に何も考えず、自然に口をついて出た問いかけだった。
「あー、これは…少し前に私の不注意で転んじゃって怪我をしたんです。」
「ふーん。」
確かに芽衣子さんって、しっかりしててもたまにドンくさい時あるのよね。

なんだ。
同じ体つきでも、私の方が綺麗じゃん。
私、ほんとに真島さんのこと奪えるかも知れないわ。
608ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:40:46.97 ID:zpepf3LK

(真島視点)

銭湯の帰り、俺の手にはコンビニの袋。
さっき亜由子が、帰ったら酒が飲みたいと駄々をこね始め、
ビールや缶チューハイを一ダースばかりと、適当なツマミを買った。
「真島さん、重くないですか?」
「ああ、大丈夫だ。」
「じゃあ、こっちだけ。」
芽衣子が風呂の道具を俺の手から取る。
「ありがとう。」
俺が礼を言うと芽衣子は微笑んで首を横に振った。

部屋に帰るとすぐに、亜由子は買ってきた酒を呷り始める。
「真島さーん、早く早くぅ。一緒に飲みましょうよぉ。」
俺はため息をつく。
「芽衣子は飲まないのか?」
「はい…。真島さん、亜由子さんと一緒に飲んであげて下さい。」
芽衣子は微笑んで言うが、その瞳には寂しげな影が差す。
また自分の気持ちを押し殺しているのだろう。
「酒、俺に付き合って飲んでくれないか?明日仕事休みだろう。」
「でも…。」
「たくさん買ったし、俺だけじゃあの娘の面倒見切れない。
 何より、俺は芽衣子と飲みたい。」
「真島さん…。」

わざと亜由子の隣に芽衣子を促し、俺は芽衣子の側に座る。
それも束の間、亜由子は缶ビールを片手に俺の隣に移動してきて、
ベタベタとまとわりつく。
609ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:45:15.63 ID:zpepf3LK

一人で楽しそうにはしゃいで一方的にしゃべり続ける亜由子を横目に、
芽衣子と俺は黙々と酒を飲む。

ずっと亜由子をあしらいながら、芽衣子の様子を覗うことに気を取られていた。
ふとテーブルの上を見れば、一ダースのうち空いていない酒は二缶だけ。
俺は明日仕事があるから、かなりペースを落として飲み、
一缶目のビールを空けた所だった。
亜由子の前には五つ、芽衣子の前には四つの空き缶が無造作に置かれている。
えらく早い飲みっぷりに気付き、酒慣れしていない芽衣子が心配になる。
「芽衣子、大丈夫か?」
「はい、大丈夫ですよ。」
少々ポーっとしている様子だが、俺の問いかけに笑顔で頷く。

その時、肩に突如重みが掛かる。
見ると亜由子が俺にもたれかかって眠っていた。
「おい、おい!寝るならベッドで寝ろ。」
肩を揺すってみるが目を覚ます気配が無い。
「まったく、しょうがない。」
俺は亜由子を抱え上げてベッドへ運ぶ。
布団をかけてやり、やれやれと振り向いた時、
芽衣子がこっちへ近づいて来た。
「どうした?」
芽衣子は答えずに俺の前に俯いたまま立っている。
「ん?」
顔を覗き込もうとした瞬間、芽衣子の両手に腕を取られた。
俺を引っ張っておぼつかない足取りでリビングへ戻り、
そのままストンと床へ座る。
腕を掴まれたままの俺も、芽衣子の前に腰を落とす。
610ぎるちぃ:2011/04/07(木) 22:47:26.05 ID:zpepf3LK

俯いた芽衣子の頬を両手で包んで顔を上げさせる。
「いったいどうしたんだ?」
思いつめた表情で潤んだ瞳を揺らし、芽衣子は口を開く。
「真島さんが他の女性に触れるのは嫌。私だけ見てて。」
俺の目をまっすぐに見つめてきっぱりと訴える。
でもそれは、泣きたいのを堪えてやっと口に出した言葉だったようで、
言い終えた瞬間、堰を切ったように瞳から涙が溢れ出し、
「ごめんなさい…。」
と、頬を包んだ俺の手を掴んで再び俯いてしまう。
「芽衣子…。」
亜由子を抱きかかえてベッドへ運んだのは不可抗力で、
俺が責めを負うべきことでは無いのかもしれないが、
芽衣子があからさまに見せた可愛い嫉妬と我がままが愛しくて仕方が無い。
こんなことは初めてだ。
酔っ払ってのことだが、酒の力を借りてこその芽衣子の本音だろう。
いつも心の内を隠して俺にさえ遠慮しがちな芽衣子が、
俺に想いをぶつけてくれたことが、途方も無く嬉しくて。

俺は芽衣子を抱き寄せる。
「俺が見てるのは、いつも芽衣子だけだ。今も、これから先も。
 君にしか触れたくない。」
芽衣子は俺の胸を少し押し返して膝立ちになると、
俺の首に抱きついて口付けてきた。

ただ唇が触れ合う口付けから、押し当てて味わい、角度を変えて啄ばむ。
そして俺が更に深く形を変えようとした時、芽衣子の唇が離れる。
「真島さん、抱いて…今すぐ…。」
611ぎるちぃ:2011/04/07(木) 23:03:36.73 ID:zpepf3LK
本日は以上になります
駄文失礼致しました
寸止めですw
そっくりさん続きます

>ANKOさん
ぜんぜん大丈夫ですよー
お気になさらずね

>Elizaさん
おお、また新職人さんがいらっしゃった!
ありがとうございます
モンアンジュに怒鳴り込んできたおば様、インパクト強かったですよね
芽衣子を辛い目に遭わせたヤツには荒々しくなる真島さん素敵〜
エロ楽しみでーす

>glenさん
真島さん退院話待ってましたー!
レストランのウェイトレスが粗相をしたとき、「別にいいから」
って正に真島さん言いそう〜!
「でも、ちゃんとキスしてください」 な芽衣子の気持ち、分かるわあ…

>zeroさん
チャット企画ありがとうございます!
またみなさんとお話できるの楽しみー
私は金でも土でも参加させていただきたいと思います
612名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 23:35:10.02 ID:7oaYZADV
glenさん、最初お名前がなかったけど、
すぐ誰の、どの話の続きかわかっちゃいました。待ってましたから〜
で、絶倫真島と感度のいい芽衣子がなぜか定番になってたけどw
こんな反応もあってこそ、自然な事なんだと、新鮮に感じてしまいました〜w
いじらしい芽衣子に対し真島の包容力をさらに感じさせてくれてありがとう。

ぎるちぃさん、ますます面白い展開になってきましたね。
妹ができたらってとことんお人よしで優しい芽衣子に胸がキュンときました。
そして芽衣子にお酒、いいアイテムだわ。
次回そっくりさんの側でやっちまうんですかっww
とことん、楽しませてくれるぎるちぃさんに感謝。

zeroさん、チャットやりたいな〜と思ってました。私の電波届いたかしら?
ちょっと隠居しようと思ってたので、またチャットで宿題だされると
律儀な私はまた駄作を投下したくなるかも。
金曜でも土曜でもOKです
ANKO
613名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 00:42:19.01 ID:kLzu7+4C
ぎるちぃさん
フリーダムな亜由子に付き合う二人は優しすぎますね
芽衣子なんて「妹みたい」なんて思ってる場合か〜どれだけお人よしだw
でも芽衣子のそういう優しいところが魅力なんですよね
同じ顔で自分の方が若くて体に傷がないからとか亜由子は表面的な部分で判断してるけど
真島が芽衣子に惹かれたのは見た目だけじゃないんだよ〜〜!!って言ってやりたい!フンッ
芽衣子の本音を引き出してくれた酒GJ!本音漏らした後「ごめんなさい」って謝るところが芽衣子らしいなぁ
終始芽衣子の様子を伺って気遣う真島も愛を感じるし
やっぱり二人の絆の深さは半端無いですね
続きはエロかな??楽しみにしてます
614John:2011/04/08(金) 10:38:46.23 ID:walRlR6x
ギルティ 悪魔と契約した女 side story 1-1

Written By John

「はぁっ!」
また同じ夢だ。
宏太が目の前で炎に包まれ、助けてと叫びをあげるが俺はなにもできず立ち尽くしていた。
地獄の光景が何度も繰り返す。

真島は汗びっしょりで青ざめた表情で部屋を見渡す。
壁の時計の針は深夜2時を過ぎようとしている。
横には万理が寄り添って寝ていた。

「拓郎、大丈夫?」
「あ、ああ大丈夫だ。」
「ほんと?汗が・・」ベッドサイドの明かりをつけると真島の顔に手を伸ばした。

「触るな!」低くうなるような声。


一瞬の沈黙が走った。万理は凍り付いていた。ここのところ二人は言い争うというか小さなけんかばかりしていて一緒にいても安らげない

でいた。ずっと自分を責め続ける彼にそんなことしても宏太は喜ばないと何回いや何十回言ったかわからないくらいだ。
カウンセリングを受けてみない?と彼を誘っても俺は正気だから必要ないと頑なに応じない。

万理の表情に気づくと「すまない・・」
「俺は宏太を救えなかった。だからそのことが頭からずっと離れないんだ。あれからよく眠れたことなんて一度もない。」
「やめて!まだそんなこと言ってるの?」
「宏太はあなたじゃなくても助けられなかった。だからそんなに悩まないで!」
万理は真島を抱きしめて髪をなで母親のように慰めた。


最近自分は万理に甘えていると思う。。
真島はそんな自分に嫌気がさしていると同時に万理から遠ざかりたいとも思うことが多い。
今の俺では彼女どころか自分の精神さえ支えることができない情けない男になってしまう。
独りになりたいと思うようになってしまった。
615John:2011/04/08(金) 10:40:54.42 ID:walRlR6x
そんな真島の考えを万理は薄々感じていた。私は彼の重荷になっている。
彼を開放してそっとしてあげないと。
それはつらい決断だった。

翌朝、万理は神妙な顔で彼に切り出した。

「拓郎、私たち別れましょう・・・」

真島は驚いた表情をうかべたがすぐに万理の真意を理解した。

「万理。俺は・・・」
「いいの。なにも言わないで」
「明日からはただの同僚よ。」

万理は真島の部屋のドアを閉めてでていった。
その颯爽とした後姿からは想像できなかったが、彼女の瞳からは大粒の涙がこぼれだしていた。

手負いの獣は傷が治るまでは誰も寄せつけず隠れて過ごす。
彼にもそういう時間が必要なのだ。
自分に言い聞かせるようにして彼を突き放すことを納得しようとしていた。

あなたをずっと見守ってる!
だから早く以前の拓郎に戻って!万理は心の中でつぶやいた。



この頃、一人の女が刑務所から仮出所するところだった。
その表情は晴れやかとは言いがたくなにかを決心した様子で感情を失った人形のようにも見えた。
瞳だけは不気味に暗い光を放っている。


運命の歯車が大きな音をたてて動きだしていたのを一人部屋で酒をあおる真島はまだは知らない・・・
616John:2011/04/08(金) 10:43:03.99 ID:walRlR6x
以上です。適当外伝でした。おひまつぶしにどぞ。
617名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 10:57:09.22 ID:/J5mZJGI
おー、ミステリーの序章って感じですね
アガサ・クリスティやシャーロック・ホームズを思い出しました
そういえばホームズに恋は厳禁なはずなのに
宮崎駿ホームズはおもいっきりハドソンさんに惚れてたな(#^.^#)
618名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 16:41:14.56 ID:BoR/B10F
Johnさん、新職人さんでしょうか。間違ってたらすみません。
ドラマが始まる前のアナザーストーリーですね
まさしく、こうかもしれないってぐらい、ぴったりはまります。

>手負いの獣は傷が治るまでは誰も寄せつけず隠れて過ごす。
彼にもそういう時間が必要なのだ
ここすごく良い!
真島と芽衣子、万里運命の歯車が時を同じくして回ったんだなと
改めて感じました。
素敵な作品をありがとうございました。

しかしいろんな切り口で、今だ作家さんも続々と生まれて、ギルディはすごいわ

これも役者の魅力と不完全な脚本のオカゲよねぇぇぇー。
619名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 17:38:42.26 ID:GOcfc8ur
Johnさん、いらっしゃ〜い!
悪夢にうなされてはっと飛び起きる真島……
放送前は当然出てくるものと思ってたので、無いのがすごく不思議でした
「手負いの獣」って彼にぴったりの形容
>>618さんに全面同意だわ、「不完全な脚本」てwww

こちらが深すぎて、新ドラを見ようという気になれない
620名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 18:10:50.89 ID:/J5mZJGI
脚本家さまはでも頑張ってくれてた気がする
俺が君を受け止める!!!とか真島水泳部設定には天国の円楽も座布団くれますよw
ギルティって、複数で書いてたから本物の原作者が誰か解らなくなってるのも何かミステリアスでかっこいい
621Eliza:2011/04/08(金) 20:41:11.19 ID:5cLWyr0a
こんばんはElizaです。
昨日も大きな地震で大変でしたね。
皆様お怪我はありませんか?
>>590の続き 投下します。
622Eliza:2011/04/08(金) 20:42:15.46 ID:5cLWyr0a
* Abyss-Love (3)

「うわあ、美味しそう!」
「クレームダンジュ・パルフェグラッセ 苺ソース添え
 、、だな。」

美しく盛られた料理。
俺はそれを豪快に崩す。

「あの婆ァが得意気にペラペラやる姿
 目に浮かぶ、、」
ザクン!とフォークで突いてやった。
わざとだ。
一瞬、芽衣子は驚いたが
暗黙した。

「少年院の慰問をしてる方だ、って。
 教育的、心理的活動でサポートしているとか、、」

「とんだ偽善者だ!
 、、今度会ったら、ぶっ殺す、、」

言ってはならない言葉を口にした。
彼女の眉間がピクリと動き
その目が俺を制した。

デザートが終わり、コーヒーを口にする。
芽衣子はもう、それ以上話さなかった。
俺も、話せなかった。
・・・
店を出る。
芽衣子の手を引き、暗がりで抱き寄せた。
、、このまま、、、帰したくない。

「今夜は、、俺のとこ泊まっていけ。」
623Eliza:2011/04/08(金) 20:44:00.27 ID:5cLWyr0a

* Abyss-Love (4)

遅くなったが、琴美オーナーに連絡した。
「はい、ええ、、
 明日は店に出るって。
 言ってました、はい、じゃあ、、。」
体調を崩し、芽衣子は不参加だった
そういう事にした。
何も疑わない、、それに
この件が伝わってない事が腹正しい。

「、、真島さん、、」
「、、ん?」
「ありがとうございます、上手く琴美さんに、、。」
「仕事で嘘もつくからな、場合によるけど。」
短い沈黙、、。
、、こんなふうに泊まるの、初めてだな。

風呂に入らせ、先に寝かせる。
俺はベッドに座り、彼女の頭を撫でた。
唇の両端が少し上がる。
「疲れたろ?、、おやすみ。」
「、、おやすみなさい、、。」
・・・
俺もシャワーを浴びる。
オーナーには俺の「嘘」を通すか。
あの人も、芽衣子への償いに苦しんでいる。
知れば、またややこしい。
世の中全く、不条理だな。

芽衣子の隣にそっと入り
眠る背中を眺めた。
624Eliza:2011/04/08(金) 20:45:49.46 ID:5cLWyr0a

* Abyss-Love (5)

三沢殺し≠自殺≠ニした代わりに
芽衣子の冤罪は、未だ極秘のまま。
揉み消し、隠蔽、、

芽衣子は個人的に
三輪さんが懇意にしていた教会で
「ゆるしの秘跡」を受けている。

「告白する事により赦される」
一生、罪と向き合うつもりだ。

俺は【野上芽衣子との一切の関わりを禁ずる】と下達されている。
俺に聞く耳はないが。
・・・
起きてたのか?芽衣子が静かに向き直った。
微かに震えている。

「、、寒いか?、、」
右腕に彼女を招き、両手で包む。
温めてやろうと、擦ってやった。

そうするうち、、、
俺は、、
苦しくなってきた。
芽衣子と、、重なりたい、、
俺の、指の動きが変わる。
625Eliza:2011/04/08(金) 20:49:28.71 ID:5cLWyr0a
本日はここまでで…
じわじわエロまで進みますw
今日は少し改行が上手くいった気がしますが
誤字と脱字、駄文ですみません
ではまた
626ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:00:46.48 ID:yIjp7PJv
まとめの方、読者の方、職人の方、いつもありがとうございます
ぎるちぃです

>>610の続きを投下します

>まとめの方
いつもお世話になります、ありがとうございます
タイトルは 「続編10 唯一(4)」でお願い致します
627ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:03:03.84 ID:yIjp7PJv

続編10 唯一(4)


(真島視点)

「真島さん、抱いて…今すぐ…。」

濡れた瞳の奥に俺を映し、涙声でそう言って懇願する芽衣子を前に、
理性なんて何の役にも立たなかった。
「ちょっと待ってろ。」
俺は立ち上がり、部屋の照明を落とす。
亜由子が眠っているベッドスペースからの小さな灯りが、
リビングへわずかに届く。
再び芽衣子の側に座り、問いかけた。
「あの娘が目を覚ますかも知れないぞ?それでもいいのか。」
その言葉に、瞳に映った俺の姿がまた溢れてくる涙で歪み、芽衣子は顔を伏せる。
「今…、他の女の人のこと気にしたりしないで…。」
ひっく、ひっくとしゃくり上げながら、肩が上下し始める。

しまった、と思った。
今すぐ抱きたいと、俺もそう望んで止まないのに。
近くに誰が眠っていようと目を覚まそうと、
もうどうでもいいと思っているのは俺の方なのに…。
芽衣子に同意を求める己のずるさが、彼女の嫉妬を煽ってしまった。

俺にとっては嬉しくて可愛く思える芽衣子の嫉妬も、
彼女の中では不安と悲しみとやり場の無い焦りを生むもの。
俺だって何度も味わった思いだ。
今の芽衣子の気持ちが痛いほど分かる。

不安に泣いて俺を求める芽衣子を、心ごと包んでやりたい。
俺は目の前の愛しい存在を抱き締める。
「すまない、悪かった。」
そう言って強く力を籠めた後、
腕を解くと同時に、俺は両手で芽衣子の頭を引き寄せ、口付けた。
628ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:05:27.52 ID:yIjp7PJv

唇を貪り味わっていると、芽衣子は更に深い口付けをねだるように、
触れたままの唇を少し開ける。
その隙間に引き寄せられるように舌を差し入れれば、芽衣子のそれが
絡み迎える。
互いの舌が、追っては逃げ、逃げては追い、繰り返し捕えられる。
そうする間にも、俺の手は芽衣子の背中へ、腰へと移動し、
滑らかな肌を求めて衣服を取り去っていく。
丸く形良く盛り上がった乳房を揉みしだくと、もう既に硬く立ち上がった頂が
俺の掌に主張する。
口付けを徐々に移して行き、唇はその頂を目指す。
充血して濃く色づいた突起を吸い上げ、舌で転がし、唇でしごく。
「んっ…あん!あっあっ、やっぁん!」
膨らみを震わせ、背中をしならせながら、敏感な突起は更に愛撫を望んで
俺の唇の前にその存在をちらつかせる。
その望みに応じるように、俺は指で胸の頂を擦り、軽く圧迫するように押しこねる。
甲高さを増していく芽衣子の喘ぎを聞きながら、乳房への愛撫をそのままに、
唇は脇腹を滑って秘所を目指した。

芽衣子をソファへ座らせて、両脚を己の左右の肩に抱える。
俺の手に乳房を愛撫されて感じ喘ぐ芽衣子を、目近にある秘所越しに見上げる。
その淫らな眺めに己の猛りは熱さと衝動を増す。

両手で掴んだ細腰の中心に顔を埋めて、赤い熱を秘めた薄衣を舌で撫で上げる。
「あふっ…。」
剥き出しになった花芽は愛撫を待ちわびるようにヒクリと揺れる。
誘われる…。
抗えない…。
俺は唇を寄せ、その花芽を舌で前後に掠めたり、ゆるく転がすように愛でてやる。
「あっ!んっうんっ!あぁっ、あんっ」
跳ねる白い腰を押さえ込み、もう一方の手を秘裂に沿わせる。
その手が不意に滑ってしまうほど、芽衣子が俺を感じた証はもう溢れかえっていて。

もっと、感じろ。
泣くほどの不安や悲しみは、
忘れてしまえばいい。
俺は芽衣子を愛することで救われた。
俺が君の救いに、癒しになるのなら、
いくらでも抱いてやる。
629ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:09:24.72 ID:yIjp7PJv

秘裂に指を沈めていく。
俺の指が進むほど、その容積分だけの蜜液が芽衣子の中からくぷりと溢れ、
ソファに影を刻んでいく。
俺の記憶にしっかりと刻まれている芽衣子の一番感じる一点を、
奥まで挿し入れた指で何度も擦る。
体の鋭敏な部分だけを選んで幾重も重ねられる愛撫に、
芽衣子の喘ぎが掠れていく。
「あっ…ふぁっ!あぁぁんっ!もっ、お…だめっ!」
淡い灯りに照らされた肢体が数度、鋭く浮き沈みする。
芽衣子の中に潜り込んでいた指先が小刻みに締め付けられ、彼女の絶頂を感じるも、
俺は愛撫を解かない。
続け様に与えられる刺激に、芽衣子は俺の腕を掴んで頭を左右に振る。
「あぁっ!あっ!あんっ!いっ…や、ま…しま…さん、だ…め、やっ…めて…!」
口をついて出る言葉とは裏腹に、自らを追い詰めるように芽衣子の腰が動く。
無意識なのだろう。
「体はそう言ってない。」
俺は指を、唇を、舌を、執拗に動かす。
「あっ…やっぁ、あっあっ!…ま…た!…あんっ!やぁっ!あぁぁ!!」
芽衣子の何度目かの絶頂を確認して、ようやく愛撫から解き放つ。

芽衣子は力無くぐったりとソファに体を預けて目を閉じ、胸で荒い呼吸をする。
俺は纏った衣服を脱ぎ去り、彼女の腰を引き寄せて己の熱くたぎりきったものを当てがう。
「まだ終わってない。入るぞ。」
芽衣子を抱き締めて、一気に奥まで突き入れる。
達したばかりの内部は、まだ小さく痙攣しながら締め付けてきて、
その言いようの無い快感に一瞬眩暈がし、目を閉じても視界が白い。
腰を引いて、芽衣子の最奥を突く。
もう芽衣子の喘ぎは掠れきっている。
一突きする度に、快感は背中を這って一気に首筋まで駆け上り、
ひとたび油断するとすぐに達してしまいそうだ。

芽衣子の足先がピンと強張り、ビクビクと体を震わせ始めた時、
俺は絶え間なく腰を打ちつける。
肌がぶつかる音と、芽衣子の声にならない声。
芽衣子の中でいっそう激しく絞るように引き込まれ、俺は熱を放った。
630ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:11:58.27 ID:yIjp7PJv

意識を飛ばした芽衣子をソファで抱き締めながら、髪を撫でる。
「ん…。」
間もなく、腕の中で少し身じろぎして目を覚ました芽衣子が顔を上げる。
「真島さん…。」
「大丈夫か?」
「は…い。」
まだ少し掠れた声は、いつもの可愛らしい声とはまた違う色を含む。
「あの…。」
「ん?」
「ごめんなさい、我がまま言って。」
「謝ることない。俺に想いをぶつけてくれて嬉しかった。
 だいたい今まで君は我がまま言わな過ぎだ。」
それに、と続ける俺に芽衣子が首を傾げる。
「こんな我がままなら大歓迎だ。」
「真島さんったら…。」
頬を染めて俺の胸に額を摺り寄せてくる芽衣子。
ずっとこうしていたいが…。
「風邪ひくぞ。もう服を着た方がいい。」
「はい。」
お互い体を離し、芽衣子は背中を向けて衣服を身に着ける。
こういう恥じらいが、いつまでも可愛くて、
密かに笑みを零しながら俺も背中を向けてやる。

「ひゃっ、あれ?」
芽衣子の小さな悲鳴に振り向こうとした時、
「やっ、何でもないです!こっち見ないで下さい。」
「あ、ああ。」
言葉で制止され、再び背中を向けた。
パジャマを着ているだけにしては、何やらずっとモソモソと妙な音がする。
「着たか?」
音が止むのを待って声をかける。
「は…い。」
はっきりしないような返事に振り向くと、
ちゃんとパジャマを着てソファに座っている。
631ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:14:34.42 ID:yIjp7PJv

俺は近づいて隣に座ると、そっと抱き寄せて短い口付けを落とす。
「おやすみ。」
「おやすみなさい…。あ、えっと、あの…。」
芽衣子は顔を赤らめて困ったように何か言おうとする。
「ん?どうした。」
「…てない…です…。」
「え?」
「立てないんですっ。」
立てない?
「酒のせいか?」
「いえ、もう酔ってはいないと…思います。あの、そうじゃなくて…。」
確かに芽衣子が飲んでいた缶チューハイは、以前飲んだシャンパンに比べれば
随分アルコールは低い。
酔いじゃなければ、何だ?
少し間を置いて、俺は思い当たった原因に自然と笑みが浮かぶ。
「芽衣子。」
「はい…。」
「何度もイクとそういうこともある。」
恥ずかしそうに俯く芽衣子を抱き上げてベッドへ運んでやる。
チラリと横目に亜由子が熟睡しているのを確かめて、俺はホッとした。

芽衣子をベッドへ下ろしながらその耳元へ唇を寄せる。
「もっとイかせてみたくなった。また今度ゆっくり、な。」
芽衣子の頬が一気に紅潮する。
「お、おやすみなさいっ。」
芽衣子は顔を隠すように布団を被った。
632ぎるちぃ:2011/04/08(金) 23:25:03.66 ID:yIjp7PJv
本日は以上になります
駄文失礼致しました
今日はエロだけですw
そっくりさん続きます

>Johnさん
作品ありがとうございます
そのまま本編につなげていけるストーリーですね
万里も万里なりに真島を想っていたんだと、しんみりしました

>Elizaさん
うぉ、寸止めw
「今夜は、、俺のとこ泊まっていけ。」と有無を言わさず自分ペースに
持っていくのは真島さんの得意技ですよね
エロwktkして待ってます
633名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 03:41:57.14 ID:P0V+Yvi5
480KB超えたので新スレを立てました
このスレが埋まったら、次スレに移動してください

【真島】ギルティでエロパロ Part4 【芽衣子】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1302288031/
634名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 09:39:11.47 ID:6IpK0HQo
>>633
ありがとうございます。もう次のスレなんですね。
ギルディ終わっても、ここが賑わってて、嬉しいです。

>ぎるちぃさん、
濃厚なエロ。ありがとうございます。いやはやその表現力に拍手ですw
エロさの中に優しさに溢れてる真島がまた良い。さあ亜由子がどうでるか、楽しみにしてます。
635名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 09:54:37.49 ID:6IpK0HQo
最近、携帯のリロードがうまくいかなくて、次はスマートフォンにするど
という事で
Elizaさんの続きがあったんですね。見落としてました。わ〜ん
自殺という事にした代わりに冤罪は立証されてないんですね。
自分の罪と世間の狭間に苦しむ芽衣子とそれを支える真島。うん深いわ
そして癒しのエロ突入、期待してます。
636名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 12:07:26.35 ID:R5e8l/WK
Elizaさん、ありがとう
ああいうババアって現実にいるいる!
真島の性格と刑事としての特徴が活かされていてお見事
続きが楽しみです

ぎるちぃさん、何度もフルコースをいただいてる気分です!
「また今度ゆっくり」となったらどこまで濃厚になるのかしらwktk
637名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 20:04:40.47 ID:YPQsjIZB
zeroです。チャットは金曜の予定…後日詳しく連絡します。
世にも珍しい真島×万理投下します。エロ度薄めですが…。
喫煙者の方、もし不快に感じられましたら申し訳ありません。

Elizaさん このじわじわ感が溜まりません!これからエロに突入していく
     さまを見ているのが楽しみです〜。

ぎるちぃさん 同じ屋根の下他の女がいる空間で夜の営みw萌え滾りましたw
       芽衣子におねだりされるから真島もおっけーしちゃうんですよね〜。
638別離:2011/04/09(土) 20:07:16.02 ID:YPQsjIZB
久々に来た彼の部屋。少し前と同じ人が住んでいる空間とは到底思えなかった。
ベッドに散乱する脱ぎ散らかされたワイシャツ、そのベッドはたしかに一人で使うには大きすぎ、
かつては自分という存在が定住していたことを示す1つの証だった。
「…散らかりすぎ、」
「何しに来たんだ。」
ベッド同様一人で使うには大きすぎるソファに腰掛けながら彼は疎ましそうに言った。
仕方のないこと。自分からふっておいたくせにこうやっておしかけて気の利いた言葉一つ
いえないんだから。それでも私にとって彼はまだ愛しい人、だった。
「はぁ……」
私の溜息と同時に彼は咥えていた煙草から空気を吐き出した。おかしい。
拓郎は煙草なんて吸わなかった。今だけ、今だけなのかもしれないけれど、
あまりに不自然な光景だった。
「いつから吸い始めたの?」
「…今、」
「……。」
嘘じゃない。多分。お酒を自ら禁じている拓郎はこういうものでしか今、安定することが
できないのだろう、当然だ、私でもダメだったんだから。
639別離:2011/04/09(土) 20:08:35.41 ID:YPQsjIZB
「くれる?」
「…………。」
拓郎は無言で片手に納めていた煙草ケースからもう一本取り出した。
すかさず私は座り込んでいる彼を後ろから抱きしめ無造作な頭部に頬を寄せる。
「違う、それじゃない。」
ゆっくりと片手を伸ばすと万理は、真島の口に定住していた煙草をするりと抜き取り
自らの口へとほおばった。真島は嫌がるわけでもなくされるがままだった。
「ああダメ、どこがいいのかさっぱり。」
口内に広がる煙たい不快感からすぐにそれを取り出した。
拓郎はいつのまにか新しい煙草を取り出し口の中へと運ぼうとしていた。
「待って」
首を傾け拓郎から煙草を遠ざけると万理は強引に口付けた。
彼の口の中もさっき吸った煙草と同じ匂いがしたのに、彼の中は心地よかった。
「……おい、」
そういうも無理に振り払うこともなく拓郎は無抵抗だった。
万理はしばらく静かな口付けを落としていたがやがて何かに目覚めたかのように、
舌をいれ、かつて彼が自分にそうしていたように口内を貪った。
640別離:2011/04/09(土) 20:09:48.65 ID:YPQsjIZB
万理に言いようにされながらも俺は冷静すぎるくらいにあっけらかんとしていた。
彼女はよく軽い、というか男性経験が豊富なように誤解されるがそういう、
ようするに床上手であるというような女ではなかった。
「っ…ふぁ…っ、」
故に惜しげもなく声を漏らす万理のその行為は拙いものだった。
まだお互い純愛と呼べる感情を持っていた頃(俺だって今それをもってないわけで
はないが彼女の方はすでに滅しているだろう)、その拙さがいつもの
頼りがいのある印象とは随分違い、可愛らしさすら覚えたほどだった。
「…………。」
この甘美な、誘惑。好きでやっているわけではない煙草よりもずっと俺の心は
とかされていた、全てではないが。気付くと俺は自分の片手をそっと持ち上げ
彼女の後頭部に添えようとしていた。
「………!」
「………!」
瞬間、いきなり万理が自分を振り払った。持っていた煙草を落としかけるところだった。
641別離:2011/04/09(土) 20:10:53.57 ID:YPQsjIZB
(だめ、何やってるの私)
万理は寸前の寸前で自分の本能を再び封印した。彼を、真島を愛したいという本能を。
だめなのだ、これじゃ、こんなことしては、私と彼は終わった。
「…ごめんなさい、」
「いや……」
まだ、まだだめ…彼が自分の手で立ち直れるいつか、その日まで。私は…、
「ごめん、帰る。」
「…ああ、」
私でもダメだった。あんなに一緒にいたのに、
彼を元通りにしてくれる人、多分そんなことが出来る人なんていない。だったら自分で立ち直るしかないのだ。
万理は今まで大切に持っていたこの部屋の合鍵を机の上に置き返却の意図を示すと、
すっと外の世界へと消えていった。
「…………、」
真島は万理のキスを再び回想する、彼女とそういうことをするのはおそらく最期だろう。
こういうとき純情な少年たちはキスの証を消さないために何かを食べるのを拒むんだろう、
「…純情、か、」
ふっと笑い煙草を再び真島は取り出した。ライターをつけたあとしばらく火が灯ったそれを
見ていたが真島はそれを加えようとはせずただ、ただ見ていた。

642別離:2011/04/09(土) 20:17:43.23 ID:YPQsjIZB
追記。
コウタが焼殺されたあとのやさぐれ芽衣子に出会う前の真島と万理でした。
643名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 21:39:26.55 ID:2a1eiQfw
>>637
zeroさん・・・世にも珍しいってw
真島×万里好きですよ
>640上段あたりの万里の描写は私が思ってる万里像にピッタリでせつなかったです

zeroさんのSSは五感というか、脳幹というか、丹田というか、
頭でも心でもない部分を刺激してくる感じが中毒です
ありがとうございました
644名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 22:22:01.62 ID:Iyx29Cv1
zero様投下ありがとうございました!
真島×万里、自分も大好きなので嬉しいです
大人同士という感じが伝わってきますね
煙草似合いそうだー
645名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 00:14:12.63 ID:Pn9QMphf
zeroさん、ありがとうございます
私も真島×万里大好きです。
万里って容姿からして床上手とか男の扱いに慣れてそうとか
思われがちだけど、本当は気真面目で恋愛ベタなんですよね
ちゃんとうまくストーリーに織り込まれてうまいなぁ。
捏造ストーリーやらアナザーストーリー、さらに充実したギルティにして下さってありがとうございます。
646名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 00:24:11.13 ID:Pn9QMphf
今、zeroさんの過去作品を確かめてみたら、
マニキュアもzeroさんの作品でしたね
今回の煙草もですが小道具の使い方がキャラにぴったりでいいですね。
真島の煙草吸う姿見てみたい。ほんと似合いそう。
647hitoshi:2011/04/10(日) 13:48:22.59 ID:XHJ+heyf
んー
やっぱりzeroさん上手い〜大好きだぁっ って告る自分キモ
ぎるちぃさんももち大好きっす、今回エロ満載でよだれがw

スレ埋めに超小ネタを投下してしまおうっと
長めのは新スレに後日投下予定です
648痕1/3:2011/04/10(日) 13:49:31.83 ID:XHJ+heyf
「あ……」
芽衣子の甘い声。
いつも恥ずかしそうに、でもすぐに俺の手の動きに溺れて。
初めて芽衣子を抱いた夜は大変だったと唐突に思い出した。

ひどく痛がって、何度力を抜けと言っても方法が分からないようで、
半分入れたところで諦めかけた。
この俺が。
それが諦めようと腰を引こうとした途端、芽衣子が俺の背に腕を回して
「やめないで…大丈夫ですから」
なんて言うから。
もう涙は今にも零れそうなのに、それを必死に堪えてそう言うから。
俺は無理やりに芽衣子を突き通した。
初めての女は面倒だなんて言うけれど。
面倒どころか、その瞬間から俺は彼女に溺れてしまった。
確かに愛していない初めての女は面倒だろう。
やたらに恥ずかしがる、痛がる、叫ぶ・・・
だがそれが愛している女となると全て許せてしまうから不思議だ。
許せるなんて表現はふさわしくない。
どんな仕草も愛おしいと感じてしまう。
芽衣子は痛いのを唇が切れるまで噛みしめて我慢していた。
俺は彼女が俺を本気で愛していると、その時知った。
649痕2/3:2011/04/10(日) 13:50:28.35 ID:XHJ+heyf

芽衣子の首筋にわざと強く吸いついて所有の証をつけた。
「いっ…!」
芽衣子は小さな声で傷みを訴えたが、俺はそれが気にならないほどの独占欲に苛まれていた。
こんなんじゃ足りない、もっとくっきりと、いつまでも消えないくらい強く赤い痕を付けたい。
人生なんて意外性の連続だってことは百も承知。
中高生じゃあるまいしもう立派な大人、それも刑事という職業柄厄介事は日常茶飯事だ。
それにしたって。
この年で初めての女に溺れるなんてアリだろうか。
その上彼女は自分の魅力に気づいていない。
いつも動きやすい地味な服装だというのに、二人で街中を歩けば男たちが振り返る。
そのうち3人に一人は必ず俺に嫉妬と羨望の眼差しを向ける。
そんな視線に結局は煽られて、俺はムキになって芽衣子を抱いてしまう。
今日だって。
いつもはこんな風にくっきりと痕をつけたりしないのに。
「真島さん、そんなとこにアトつけないでくださいっ!」
芽衣子が抗議する声が聞こえた。
季節も春を迎えようとしていて、服装も薄着になる頃。
確かにタートルネックやストールで誤魔化すのも限界だろう。
まあまだ髪で隠れるところギリギリに配慮したつもりだが。
「そういうことするんだったら…」
芽衣子が邪気のない笑顔を浮かべたかと思うと、突然俺の首にかじりついてきた。
「おい」
「私だって…たまにはやりかえしますよ?」
そう言って首筋に痕を残したようだ。
「とりあえずシャツのボタン開けたら見えると思いますよ?」
ふふっと芽衣子は悪戯っぽく笑った。
「もしかしたらきちんとボタン締めても見えるかもしれませんが。」
俺はいい年をした男だし、誰かに見咎められたからと言ってさほど動揺するわけでもない。
―― そこまで考えて、でもやっぱり芽衣子につけられた痕だと想像されたら、動揺するに決まっていると思った。
650痕3/3:2011/04/10(日) 13:51:11.01 ID:XHJ+heyf
いつの間にこんな女の顔を見せるようになったのだろうか。
いや、初めから、出会った頃から女の顔を隠していたのには気が付いていた。
自覚があったかどうかはともかく、芽衣子は時々普段の彼女から想像もつかない艶めいた表情を見せた。
その姿を独占したくて仕方なかった。
俺にこんな痕をつける芽衣子を、誰かが想像することにすら嫉妬するほど。
動きを止めた俺を訝しげに見詰めて芽衣子は小さく言葉を発した。
「……怒ったんですか?」
予想もしない言葉だったから、俺は多分少し笑ったんだと思う。
芽衣子は安心するように小さく息を吐いて、白い腕を俺に向かって伸ばしてきた。
俺はもう一度芽衣子の上に覆いかぶさって、芽衣子の腕が首元に絡みつく心地よさを味わう。
「ほんとは前から思ってたんです。真島さんがシャツのボタン開けてるとき。」
再開の合図にと、芽衣子の唇にキスしようとした時、芽衣子は言った。
「何を?」
「真島さんの逞しい胸元が他の女の人に少しでも見られるの、嫌だなって。」
言い終えた芽衣子はあっという間に俺の唇を掠め取った。
―― 私以外の人にこんなあなたを想像されたくない。
芽衣子がそう言ったように思った。
結局、俺たちは同じ。
あの初めての夜からずっと。
芽衣子も俺もお互いの虜になって、独占欲の塊になって。
それならば。
俺は芽衣子の胸の上あたりにもう一度痕をつける。
「あ…んっ…」
きっとこの気持ちが甘い痛みになって伝わるだろう。

fin
651hitoshi:2011/04/10(日) 13:52:52.02 ID:XHJ+heyf
しまった・・・小ネタすぎて埋まらなかったw
すみません・・・・しかも本編の世界観無視で。
短いのでお許しを〜
652名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 15:05:43.66 ID:9H5HVkqh
小ネタとは思えないほどのクオリティです、ごちそうさまでした。
わーいhitoshiさんに告られた〜!自分もhitoshiさん大好きです、zero
653名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 18:21:53.28 ID:WU1hyNFU
hitoshi様 投下ありがとうございましたー
いつもゾクゾクするようなエロティック表現に感服です
小ネタというには勿体無いくらい濃厚でしたー
お互いベタ惚れですねw
654名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 18:27:22.76 ID:wu4kZZvM
hitoshiさん、ありがとう
>「真島さんの逞しい胸元が他の女の人に少しでも見られるの、嫌だなって。」
わかるわ〜
芽衣子の肉体的魅力は皆さんお書きになるけど
真島さんのことをこんなふうに言われると今更だけどドキドキ
655名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 21:33:05.89 ID:Pn9QMphf
hitoshiさん、素敵なエロありがとうございました。
チュウチュウと、まぁ、どっぷり二人の世界ですねー。いいですね〜ん。
ニラ二ラがとまりません。
真島の逞しい胸を他の人見られたくないってトコ私もわかるわ〜。
そして二人にまけずzeroさんとの告り合いに笑えました。
では新スレで長編、首を長〜くして待ってます。
656名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 22:59:24.07 ID:b45B9Dix
ぎるちぃです

>zeroさん
物語が進むにつれて万里もまた切ないキャラを醸していましたよね
zeroさんのSSで更に胸がきゅっと締め付けられます

>hitoshiさん
おぉっと!
もうzeroさんと想いが通じ合ってて、どうすればいいやらw

私にまで「大好き」なんて…罪な人ね、ギルティだわ
いいの、私はエロだけでも…w

真島さんにされるがままでは終わらない芽衣子の反撃かわいい!
シャツから覗く真島さんの胸はセクシーですよね
芽衣子もそりゃ他の女性に見せてなるものかって思うわぁ
657名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 05:03:27.65 ID:I4OaqUk2
今497KBなので、あと3KBだから
職人様の作品が途中で次スレになると困るので
このスレは雑談で埋めた方がよくないかな〜

だから もっと雑談して埋めましょう

658名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 07:44:46.84 ID:xC1WBWwC
おはようございます
ANKOです。
ぼちぼちと次の話を書いてる最中なんですが
皆さんに質問があります。
真島は警視庁まで、どうやって出勤してると思いますか
ドラマではモンアンジュお迎えコースが多くて、真島徒歩、芽衣子自転車のイメージだし
車出勤はしてなかったような。
電車やバスのイメージもないし
マンションから警視庁までの距離感もよくわからないの。
ふと警視庁、モンアンジュ、真島マンション、芽衣子アパートってどんな位置関係だったのかなぁと。
659名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 08:55:54.31 ID:z0PVAGEv
おはようございます
目のいい人が、真島のマンションの住居表示が高輪になってた
と言ってました。私にはわからず
そこから桜田門て、忙しい人がわざわざ歩く距離じゃないですよね

スタッフのイメージでは桜田門から歩ける架空の町の設定だったのかな?
本編見る限り徒歩出勤にしか見えなかった
モンアンジュだけ見ると「白金台?」と思っちゃう

雑談だけの流れも久々で楽しいです
この時間だと参加できる人は限られちゃうけど

ANKOさん、次のスレで投下の作品、楽しみにしてますね
芽衣子が真島の胸に頭のせてる場面好きでしたわ
660名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 09:53:18.33 ID:4alnenhj
うまったかな?
661名無しさん@ピンキー
モンアンジュは白金のペットサロンっていう設定でしたね
9話で芽衣子が自分の復讐部屋を真島さんに見せるとき、
自転車押しながら二人で歩いてアパートに到着だったのと(まさか2ケツはしてないですよねw)、
芽衣子が真島さんからマンションの鍵を預かってアンを届ける時は歩きだったから
真島宅⇔サロン⇔芽衣子アパートは徒歩圏内かなあ
警視庁の位置が現実と同じだとすると、そこだけ遠いですよね
私たちの知らない所で真島さんは車通勤してたのかも知れませんw
でも本編通して>警視庁、モンアンジュ、真島マンション、芽衣子アパート
はご近所さんというイメージが植えつけられちゃってますw