Ruina 廃都の物語エロパロ 七世

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490名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 19:07:38.79 ID:iHMpgznu
>>489
乙乙
ベッドの下まで掃除されるなんて、金持ちの家はおそろしいところだ
491名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 20:09:13.22 ID:f3GYj8q0
落ちてましたよってフランのメモといっしょに机の上で待ってるんだ・・・
492名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:59:15.38 ID:KrLdqs4Y
墓所のねじれてる女性と結婚したい
493名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 13:30:34.72 ID:oL313Y1H
ちょっと領主様のベッド下にメイドもののエロ本と『シャーリー』仕掛けてくる
494名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 15:08:55.96 ID:R1R12I2L
>>493
メイドもの以外
例えば金髪巫女もの、幼馴染のお姉さんもの、黒髪わんこもの
を同時に置いて反応を見てみたい
495名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 15:32:00.65 ID:66aefkkb
>>493
テレージャは緑髪だと思っていたけど
金髪なのか

496名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 16:22:42.63 ID:P4WVM4bw
>>495
緑の髪がふつうだと、教授がやってたアルソンさんの占いであんな驚かない気がする
フィルタかかってるだけで金髪かなと思ってた。というかネルさんも桃色だけど
アニメチックな色の毛が珍しくないから主人公もスルーされてるのかな

いかん、地上の毛根談義思い出したら生え際が不安になってきた
497名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 21:32:55.30 ID:3tANrKrW
リアルに考えるとテレ子は赤みのないアッシュ系なんだろうな
でもテレ子の髪の謎は色よりあのボンボンみたいなやつ
498名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 21:54:49.82 ID:0yWuLVx4
丸いカップ?ごと下にでてるふさふさが外せる仕様だったらどうしよう
499名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:15:55.42 ID:/W7OhUoy
テレージャさんカツラかよ…まさかの伏兵

Ruinaキャラは髪型もいいよね
オタっぽいのにそこそこリアルで、キャラごとに特徴のあるいいデザインだと思う
シーフォンの髪型は描こうとしたら地味に難易度高い
500名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:33:42.16 ID:0yWuLVx4
フェイスグラフィックも顔の向きとか視線とか、配色が
単調にならないようによく計算されてるなと思うし
おおまかなキャラクターも読み取れるようになっててすごい
501名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:54:50.52 ID:3tANrKrW
ふと思ったが盗賊ルートは頭髪薄い人が多いな
パリス、オハラ、ピンガー・・・チュナは普通っちゃ普通だけど
他キャラと相対的に見ると毛量が少ない
皆それぞれ過酷な人生を歩んできた証拠なのか
502名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 23:46:47.73 ID:PptvK7HS
つまりピンガーがチュナの髪を売って金を作るように脅迫するも
パリスがそれを嫌って自らの髪を差し出す18禁な話を書けと?
503名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 15:18:02.11 ID:gNA8Zmbx
パリスが自分の髪を売ってチュナに貞操帯をプレゼントし、
チュナは自分の処女を売ってパリスに髪飾りをあげるんだな
504名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 21:03:11.46 ID:5W+qOaLP
モジャモジャの贈り物…
505名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 03:39:17.02 ID:D29Rjfv5
ヴァン「妹に貞操帯プレゼントする兄貴とかどんな変態だよ」
506名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 04:14:47.89 ID:BREAgi0m
星護符文張形
507名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 09:52:46.61 ID:jVTJFbUy
アイリ「チュナの処女はいくら出せば買えるのかしら」
508名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 16:03:06.86 ID:rsRhPE4Y
チュナ「兄貴の童貞を返してくれるなら良いよ」

こうするととたんに修羅場っぽくなるぜ!
509名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 20:18:59.23 ID:W31piXN4
>戒律の「婚姻と性行為の禁止」は「人間同士では」程度の意味で
そこを解禁されても何ひとつ嬉しくないんだが

はっ…だから「私は犬だ」発言…
510名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 20:20:41.40 ID:W31piXN4
誤爆なんだがまあいいや

この理屈ならキレハとエンダも完全解禁だな
511名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 23:37:03.19 ID:zHSLtvAI
歴史の通りなら、結婚は発覚したら嫁と子供はボッシュートだからシャレにならんぞw
でも巫女は昔から、その、ね・・・お仕事が色々あったんだよ
別にユリア様のことを言ってるわけじゃないよ!
512名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 16:03:30.67 ID:rIdmTGK4
でもアレでしょう?最近だと坊主も神職も神父も牧師も既婚者多いと聞く。
やっぱりさがせば抜け道があるんじゃない?
513名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 22:48:42.45 ID:g8nQKuJd
婚姻を禁止する目的は、ぶっちゃけ聖職者の力を削ぐことが大きいんだよ
ruinaだと他には魔術の禁止とかあるけど、目的は同じだね
真面目に考えれば、あの世界にも宗教改革が起こって色々変わるんじゃないか?
つーかこのネタが続いてるあたり、みんなバルスムス×アダのSSが読みたいんだな
514名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 09:09:47.90 ID:iXKdFGR5
エメク×テレージャのがいいです。
律儀に考えて苦悩するエメクと、妙にあっけらかんとしたテレージャさんとか最高じゃないですか
515名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 01:17:54.76 ID:pjV7GPL6
中田氏を嫌がるエメクを逆レイプとかそういう方向で一つ
テレージャさんはおっぱいおっぱいだし騎乗位似合うな
516名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 20:57:56.20 ID:BKvN8f1O
嫌がるメロダークに上からまたがるテレ子さん
というものでいかがかな
517名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 21:33:19.28 ID:DGoLYX6G
メロさんは相手に対しては全裸派なんだろうか着衣派なんだろうか
518名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 01:52:49.07 ID:gTkwgRto
pixivとか一部の二次創作系サイトで検索してみたらシーフォン人気過ぎて笑った
女ってどうしてこの手のキャラ大好きなんだろ
519名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 02:25:53.71 ID:I7GJF4Un
男の書き手もフィーの相手に丁度いいと思ってるよ
520名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 03:04:33.34 ID:lwX/9/Ls
女が好きな男キャラ シーフォン メロダーク
男が好きな女キャラ キレハ エンダ

pixivやサイト見てたらこういうイメージなんだけど
男が好きな男キャラと女が好きな女キャラって誰なの?
主人公キャラは除外で
521名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 03:34:02.87 ID:nx9l7rpk
上から目線ワロタ

実は>>425〜430の続きを今か今かと待ってるんだが
更新マダー?(・∀・ )っ/凵 チンチン
522名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 03:08:42.30 ID:3bDhrGuN
エンダってそんなに人気あるか?
女キャラはキレハが飛び抜けてて後はどっこいどっこいに見える

それよりパリスの不人気が理解できん
おいしいポジションだしキャラデザもいいから絶対人気あると思ってたのに
523名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 04:58:07.36 ID:hBT4t8Xs
大事な家族があんなことになったという事情は汲むが、それでもあの落ち込みようはちょっと誘いづらい
524名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 08:23:54.77 ID:dURB4syU
パリスは古代都市から帰ってきたときの「もっと早く帰って来てくれれば良かった」と
終盤ネルに向かって「口に出すなよ、うっとうしい」が格別きつかった
余裕のなさをこっちにぶつけられても困る
もし人気投票が3位まで選ぶタイプなら、まんべんなく票がとれそうではある
525名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 09:41:22.55 ID:kd4bJ7JP
パリスはワンカップ片手に公園のブランコに座ってても違和感のない背中が
52615 ◆E9zKH0kZMc :2011/07/27(水) 19:19:37.14 ID:Ic1LDHpz
トリテスこれがあってたら投下3500くらい
52715 ◆E9zKH0kZMc :2011/07/27(水) 19:20:46.08 ID:Ic1LDHpz
化粧板が閉じられる。かたりと僅かな物音がしただけで、移動するような気配は感じられないまま二人
の兄弟は姿を消したようだった。残る魔術師たちは心配そうに見上げていたが、眠っている男がもぞも
ぞしはじめたことに気が付いた。確かにそろそろ逃げなければならない、フランを先頭にそそくさと後片
付けを済ませ、慎重に母屋を後にする……。
むにゃむにゃと喃語をつぶやく学者たちは、今のところまだ目を覚ましていない様子だ。せっかくなので
窓から表を見てみよう。午後になって日が傾いてきたこともあり、ホルムは濃い霧で更に見通しが悪く
なっている。敷地の中もぼんやり母屋から庭先が見えるくらいで、少し離れてしまうと何がどこにある
のかもはっきりとしない状態だ。こんな時、常ならば歩哨を増やし、かがり火を焚いて明るくしておくが、
本日はそうした措置が全くとられていない。発覚を計算しているのは遅番が起きだして来る夕刻だ。そ
こまでの間に救出と逃亡を済ませておく必要がある。……と、ヴァンは言っていたが実際のところどう
なのだろう。チュナをつれ、パリスとともにしばらく町から離れほとぼりを冷ますそうだが、冷めることなど
ありえるのだろうか?ネスを相手に、あのテオルから盗みを働こうというのに。

「えーほうちょー、包丁はいりませんかぁー、ほうちょー、ホルム印の文化包丁、よおっく切れますよー」

敷地の外に淡い灯かりが近づいて来ていた。小山のような人影は、どうやら行商のようであるらしい。
愛らしい娘の声だが押し車でも使っているのだろうか?正門付近にも見張りがいないかわり、雨合羽
の誰かが大きな水たまりで楽しそうに長靴を鳴らしている。飛び跳ねるたびにびしょびしょになるけれど、
誰もとめる者がないからすでに一時間近くこの辺りで遊んでいた。この子供はホルムで遺跡が発見さ
れて、しばらくしてから姿を現すようになった少女で、聞けば町の神殿に住み着いた孤児だと言う。物
乞いとまで行かないが道行く人からよく可愛がられ、ちょくちょく菓子を貰っている。折々探索者に混じ
って遺跡荒らしのようなこともしているようだ。今日もこの肌寒いのに元気よく水遊びをしている。いつも
なら門扉の辺りや玄関口にたむろしている兵士たちが話しかけてくるのだが、先刻来申し上げたとおり
揃って姿が見えない。歩き回るうち脱げてしまった長靴で水溜りを汲んでいると、ランタンをぶらさげ行李
を幾つも担いだ娘が現れた。……両手にも何か沢山ぶら下げている。このなりでどこからか歩いてきた
とでもいうのか、泥だらけでご機嫌の少女を見つけると懐の鞄からタオルを取り出してやる。
「もー、下着まで濡れちゃってるじゃん、だいじょうぶ?寒くないの」
「ゼンゼンさむくないぞ。エンダは強いからな」
「門番さん誰もいないね」
「みんなエサ追いかけていっちゃったからな」
「チャーンス!今のうちに着替えちゃいな。すいませーん、軒先お借りしマース……」
「キレハが逃がしたんだぞ。エンダもオテツダイした。えらいか?ほめろ」
適当に聞き流しながら邪魔にならないよう荷物を積み上げると、取り出した衣を着せてやる。多少は抵
抗したものの、食べてもいいといわれた鎧で決着がついたようだ。濡れた衣を絞ってため息をつくと、積
荷に腰かけた。何を待っているのだろう?ちらちらと何度も時間を確かめている。
「雨やまないねー……。これじゃ洗濯物がかわかないや」
「エンダがかわかしてやろうか」
「多分、全部燃えちゃうよ」
52815 ◆E9zKH0kZMc :2011/07/27(水) 19:22:02.25 ID:Ic1LDHpz
魚の干物をあたえて座らせた。ざわめきが聞こえる。兵士も姿が見えないだけでどこかにはいるようだ。
沢山の箱が高く積みあがっているので、二人して隠れているつもりなのかもしれない。と、目の前を兎
が数羽矢のように駆け抜けていった、どたどたとあさっての方向へ騎士が追いかけていく。おかしな音
に気づいて顔を出すと、羊がべしべしと植え込みをむしって食べているし、石垣の上を子山羊が楽しげ
に飛び跳ねている、槍を振り回す一団が一生懸命おりるよう騒いでいるが、言葉は通じないようだ、雄
山羊に体当たりを貰っている。座り込んでしまった乳牛を牛舎に戻そうと躍起になって突っついていた
騎士が全く相手にされず、鋭い牛の鳴き声がした直後にはガタガタ大きな物音と一緒に絶叫が響いた。
大惨事だ。皆、とても忙しそうにしている。
「すいませーん」
空耳かと様子を窺うが、さらに幾度か同じ声が聞こえた。蹄鉄の音に続いて颯爽と駆け込んできた騎士
は、出迎えが誰も来ないので自分で槍を立てかけ降りてくる。
「あ、どうも。ちょっと失礼しますよ。すいませーん!!あのー!どなたかいませんか!!」
「えっ駄目だよ大きな声だしちゃ!」
「すいませーん!誰かいませんかー!」
「だれかー」
扉を叩いているが、応答がない。しかし施錠の有無を確かめるとか、体当たりで開きそうかとか確かめ
るでもなくさらに声を張り上げ始める。
「わー……。不法侵入しようとしてるのにノックしてる……どうしたの?酒場にいなくちゃダメだよ」
「皆さんにもそういわれました。でも、僕にも協力させてほしいんです!」
「えー」
「…………僕では、皆さんの力になれないでしょうか」
「ゼンゼンダメダメだな」
「そんな〜」
「ダメってわけじゃないんだけどさ……。もし何かあったら一番困るのって、多分、アルソンさんなんだと
思う。だからヴァンは、酒場に残ってろって言ったんだよ」
「そうなのかもしれません。けれど……、もし本当に僕に言えないような何かを、テオルがやっていたと
したら……。近しい立場にいながら、彼を止められなかった僕にも責任があります。ヴァンさんはきっと
僕のことを気遣って何も言ってくれなかったのでしょうが、貴方やエンダさんだってこうして危険を冒して
まで協力しているのに、自分だけが一人安全な場所にいるなんて。……僕にはとても耐えられません!」
「ほんとにいいの?」
「僕はもう、恐れません。今の僕が怖いのは、何も出来ずに終わることだけです」
「よし、カベほろうカベ!」
「ええっ、それはちょっと」
「まずは正面から乗り込むのが筋だと思います。僕が強く言えば、なんとか……」
「でも、今誰もいないよ?」
「おかしいですよね……、受付も出さないなんて。鍵もかかってますよ」
「まーかせて」
「あ、ちょっとすいません」
「はい何か」
なぜか鶏をぶら下げた門番が歩いていた、頬には引っかき傷をつけているし、鳥の羽にまみれている。
どう見ても尋常な様子ではない。
52915 ◆E9zKH0kZMc :2011/07/27(水) 19:23:22.93 ID:Ic1LDHpz
「務め、ご苦労様です」
「どうかしたんですか?鶏なんか捕まえて」
「あなたは、アルソン殿……?いやこれはお見苦、うわっなんだ急に!」
観念していたはずの鶏が突然暴れだし、男の腿を突っつきまわす。
「わちゃちゃちゃ、イテテ!ちょっと!!痛いのに!!ああっ」
「あっ、わっ、すいません、もしかしたらいつも料理しに行くから僕を覚えてるのでは」
「ちょ、あわわっ待て!逃げるな!!誰かきてくれー!!」
とんでもない逃げ足だ、血まみれになった見張りが慌てて追いかける。鶏の鳴き声などはするのだが、
それきり戻ってくる気配もない。
「よし、しのびこもう」
「勝手に入っちゃいけませんよ。すいませーん、誰かー」
「えっ、だから駄目だって大声だしちゃ!」
「すいませーん!誰かいませんかー!」
「おーいだれかー」
「どうしたんでしょう……?誰も出てきません」
「まーかせて」
「困りましたね。これではテオルに取り次いでもらえませんよ」
「いや、そういう問題じゃなくてさー」
この男へは、なんと説明すればわかるのだろう?途方にくれているところへやって来たものがいる。
甲冑をまとってはいるが、火車騎士ではないようだ。カムールがいた頃からの歩哨らしい。

「あのー、いそがしいから俺が行って代わりに用件を聞いて来いと言われたんですが」
「これはどうも。他の皆さんはどうしたんですか?」
「どうして動物がこんなに庭にいるの」
「なんだ。雑貨屋のお姉さんじゃないか、今日は行商に来たのかい?こんな天気なのに大変だな」
「うん、天気が悪ければ皆暇にしてるだろうから、ちょうどいいかと思ってきたんですけど、誰もいないん
ですねー。これじゃあ商売上がったりだ」
「そっかー、ついてないね。今裏に犬が迷い込んでるんだよ。それで嫌がって逃げちまったみたいで」
「迷子のわんちゃんですか?なんでまた」
「それよりさ、ほら。用件を言わないと」
「あっ、はい。テオルに問いただしたい事があります。火車…騎士、団……?」
しゃべりながら三人が目で追うのは大変美しい軍馬の群れだ。見慣れない雌の馬を追って、鞍もつけ
ずに通りへ向かって出ていった。ぽかんと眺めていると馬方と数人の門番が半べそで追いかけてくる。
「おおい!誰か殿下の馬をとめてくれえ!もうなにがどうなってるんだあ!」
「ええっ、大変じゃないですか!何かあったら打ち首ですよ、僕は後回しでいいですからいって捕まえま
しょう、手伝いますよ!僕の馬を!あれ?」
「今の人アルソンさんが乗ってきた馬を追って行っちゃったよ」
「そんな〜、まぁってくださいよぉう!」
一瞬で半泣きになったアルソンは鎧兜のまま駆け出し、霧の中へ消えていった。どうやらほとんどが敷
地の外へ行ってしまったらしい。おびただしい量のふんだけが残されている。

「行っちゃったな」
「……しょうがないなー、壁でも掘りますか」
53015 ◆E9zKH0kZMc :2011/07/27(水) 19:25:35.41 ID:Ic1LDHpz
sage忘れてごめんなさい。じつは私事ですが
ハァル様とか落雷なめてたらPC全損しました
出かけるときはコンセント、ちゃんと外そう。
531名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 21:12:34.92 ID:QjZ4T1Gx
怖いハナシだ
532名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 02:02:50.75 ID:1u9VZQW9
> ◆E9zKH0kZMc
乙、ありゃーご愁傷様
雷を舐めてはいかんぞ
533名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 08:09:41.40 ID:M66DY1C7
このところ静かだな
534名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 21:56:14.19 ID:tfCyNhkj
シーフィーまだか
535名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 22:05:50.94 ID:d+jrQlJY
規制とか食らってんのかねえ
夏だし
53615 ◆E9zKH0kZMc :2011/08/08(月) 19:19:33.50 ID:Sx+v2vnS
ハァルが寝ている隙に3800、ためてる間に
また壊れたら怖いのでやや小出し気味です
ご不快の際はとりあぼんでご協力願います
53715 ◆E9zKH0kZMc :2011/08/08(月) 19:21:24.11 ID:Sx+v2vnS
天窓の向こう側、秋雨の流れる岩壁を何者かが登ってくる――。

洞窟内部にはがっしりとした足場が組まれ、天井近くまで薄紫の結晶体が据えつけられている。立ち
並ぶ灯火に照らされ、水晶に謎めいた明滅が起こるたび、窓を伝う雨水が菫色に反射していた。広間
を行きかう従者たちも、呪文を唱える魔術師たちも、封じ込まれた子らのことなど気にもとめない。あまり
長いこととどまっていては、遠からず障りがありそうな魔の気配に全身がさらされていることも。
不意にどこからか忍び笑いが起こった。見れば小さな人影が窓枠の外にぶら下がって、必死に笑いを
かみ殺しているのだ。足を滑らせたらしい。落ちればかなりの確率で死ぬのではないかと思われるが、
少年はしきりに肩を震わせている。やっとの事で息を整えると涙を拭い、台所へ物色に来た野良猫の
ように忍び込む。身を低くして天井付近に納まり、じっくり内部を観察しはじめた……。
「こんな詠唱するとか自分全然聞いてないんですけど。あ〜喉いてぇ」
「腹筋使って唱えろよ、そのくらい常識だろ。お前、まさかニワカじゃないだろうな」
「もめるなよ、疲れてるからカリカリするんだ、ほら甘いものでも食べとけ。馬に食わせるほどあるからな」
「……うう、チョコなんか見たくもない。嗅ぎたくもない。何かしょっぱいものほしい……」
「いくら血糖値あがるの早いからって、毎食毎食チョコパイばかりじゃ誰だって嫌になりますよね」
「わしは幾らでもいけるがの」
「うわっ、あんたまた鼻血が出てるじゃないか。無理すんな爺さん」
円座の側で慌てて従者から紙をもらっているのは魔術師たちだ。詠唱中の仲間の近くで菓子を食いな
がら休憩し、様子を見ながら入れ替わって切れ目なく呪文を唱え続けている。期限までに生産せねば
ならない石人の種の総量があるのだろう。こうした無茶を繰り返すうち、ついには卒倒する者もいるが、
広間には蘇生できる高位の神官まで待機させている。関わったが最後、彼らとて逃げ道はないのだ。
従者たちは詠唱に当たる魔術師を世話する者と、籠を背負って収穫に当たる者とに分けられるようだ。
ごっそり集めた結晶は大きな特製の鉄箱に回収され、手際よく梱包されて機械仕掛けの輸送路へと
流し込まれていく。ピンガーが言ったように全国へばらまく下準備をしているのだろう。誰かがバランス
を崩して巻き込まれたが、あっさり見捨てられた。構造上、全体を停止させるか壊さねば救出できない
からだ。酷い染みのついた箱が次々排出されていく。物陰からじっと目で追っていた侵入者は水晶の
上を腹ばいで移動し、菫色の塊の間からふらりと紛れ込んだ。
「まーた刺さっちゃった」
「大丈夫かよ、くすりぬっとけや。お前できる?」
脇から覗き込むと砕けた切片が手袋をつきぬけ指を傷つけている。持たされている籠も、破片の先で
破れないよう鉄線が編みこまれているのでかなりの重みがあるようだ、これを背負って上り下りしつつ、
石人の芽を集めるのでは相当な重労働と言えるだろう。従者の利き手を掴んだ少年は、親切にも駄目
になった手袋を外して手当てしてやっている。
53815 ◆E9zKH0kZMc :2011/08/08(月) 19:22:35.43 ID:Sx+v2vnS
「有難う」
「きをつけな」
二言三言かわして別れると、渡り廊下へ乗り移った。服装のためもあって従者の一人と思われている
ようだ。数百人規模で使役されている上に、頻繁に死傷しては入れ替わるから、顔を見たことがあるか
どうかが問題でなくなって久しい。作業する彼らの真似をしてせっせと水晶の芽を摘み取りつつ、それ
ぞれの結晶体を覗き込んで中身を確認していく。死角になる裏側にまわると更に大胆に伸び上がった
り抱きついたり、一生懸命探し回るうちにとうとう足をかけよじ登った。小僧は夢中でなにか探している。
誰にも気づかれぬうち広間まで入ってきていた公子は、おかしなところから尻が見え隠れしているのに
気づくと、クスクス笑いながら足場へ登って来た。
「どうだ、探し物は見つからぬか」
子供がこちらに気づいて手を振ってきた。一瞬姿が消えた後、結晶から柵へ飛び移って駆けだした。
まるで興奮した犬のようにはしゃいでいる。
「な!な!なにしてんの!なにしてんの!おれをさがしに来たのか?!な!な!」
「そうだ、貴公のような訪問客を歓待するのも城館の主の役割だからな。どうして下の鍵を開けてこな
かったのだ、わざわざ貴公の為に遠路遥々小人国から取り寄せさせたと言うのに」
「だってだってだってこっから入いりゃ、あんたがまってるだろ。だから来たんじゃねえか。な!うひゃひゃ
ひゃ!かかったかかった、おれがワナにかかった!まんまとワナにかかっちまった!うひゃー!」
振るった鞭が対角線の手すりに巻きつき飛び降りた!勢いよく振り回された小僧の体が、輪になる魔
術師の遥か上を反対側まですっ飛んでいく、横向きに櫓へ飛び込むや再び跳び出し、鞭のしなりを使
って振り子のようにテオルの足場まで移ってきた。異変に気づいて見上げる者たちに手を振りながら
するすると骨組みをよじ登る。まだ距離はある、だが……既に両者とも双方の射程に入り始めていた。
じりじりと緊張が増していく。
「フフフ、闇の戦士たちが敵わなかったのも道理だ。流石だな。貴公の読みは深い。ではひとつ、賢い
貴公に講義と参ろうか」
先導するように公子は背中を見せて進む。不安定なだけでなく、いかにも的になり易そうな渡り廊下へ。
「壮観だろう。――この結晶たちは魔術で改良された種族でな。魔力によって増殖し、魔力の供給が
途絶えると自壊する」
「フーン、まじかよ。てことは、こいつらってメシくうのか。すげー」
待ちうける公子の前を横切って少年は結晶に抱きつき、頬を押し付けて中を覗き込んだかと思えば、
引っぱたいたり蹴飛ばしたり。或いは、眠り込んでいる少女が目を覚まさないか試しているのだろうか。
荒っぽく剣の柄で小突いたりしている。
「フフフ、理解が早いな。さて。こやつらに、一気に大量の魔力を注ぎ込むと、どうなると思う?」
「知るかよ、おれはいもうととりにきたんだ。見つけたらかえるぜ」
「ほう?貴公の妹君が、我が城館へおいでとな?成程……すると貴公は、妹君を追ってここまで取り
返しに来たのか」
「そうだよ、知らねえならいい。どうせあんたらじゃ、ダレがドレだかわかりゃしねえだろうしよ、な!」
訝しげにこちらを眺めている従者たちに笑いかけ、テオルに目配せする。腕組みで見下ろしていた公子
は小首をかしげた。
「その妹君のためだけに、貴公はこの己を、アルケアを!敵に回そうと言うのだな。ハハハハ、美しい
兄妹愛ではないか」
「ガキさえかえってくりゃなんにも文句はねえ。あんたが王様になろうが、タイタスが王様になろうがこれ
っぽっちもキョウミがわかねえな」
下段で働く者たちとテオルを交互に見ながらさらに続ける。
「おまえらがどうなろうと、テメエらがなにしようと、おれはちっともかまいやしねえのよ。オワカリィ?」
539終15 ◆E9zKH0kZMc
「なればこそ、敵国に内通もすれば己を売りもするという訳か」
「そうだよ、おれはいもうとがゲンキならそれでいいんだ。いもうとのためなら、おれはどんなコトだって
する、なんだってする、どんなことでもやる、なんでもやれる、なんでもできるんだ。それでおれが死んじ
まおうがイイんだ、おれがどうなるかなんてちっとも気になんねえ。あの子さえまっとうに生きていけりゃ
それでいいんだ、もう会えなくなってもいい。てよりゃ、会わねえほうがいいのさ。あのこのためには」
少年は結晶の前に跪き、まるで何かへ懺悔しているようだ。不意に顔を上げる。
「やれってならなんでもやる、メイレイしろ、カムールの時みてえなことはしねえ。とってこいてんならダレ
の頭だろうが体だろうがもってくるわ。ほしけりゃなんでもぬすんできてやる。きえちまえってんならすぐ
出てく。今ここでおれの首ちょんぎってよこせってんでもいい。……いもうとさえ、ちゃんとかえってくりゃ」
「おれはなんでもやれる。なんでもやった。なんでもやったんだぞ……!」
目を真っ赤にして大粒の涙をこぼしている。
「なのにどうしておきねえ。どうしておきねえんだ、なんでこの子は目をさまさねえ。なんでお前は目を
さまさねえ?どうしてお前は目が覚めねえ、どうして、どうして、どうして ど う し て だ ! ! ! 」
一瞬周囲の結晶が共鳴して激しく瞬いた、不意に足場が動揺して魔術師たちが腰を浮かせる、体勢を
崩した従者の籠から水晶片がこぼれ落ちていった。詠唱が途切れた洞窟の中には、顔を覆ってむせび
泣く子供の声だけが反響している。
「……かえってこねえ」
消え入るような声で呟く。

「テメエら全いんぶっ殺さなきゃかえってこねえ!!」

どーんと音がして従者が投げ出された、崩落した骨組みが容赦なく結晶体をなぎ倒し、近いほうから順
に柱を引き倒していく。棚から雪崩落ちてきた水晶の下敷きにされ従者が魔術師が潰されてしまった。
逃げ惑う者たちが火山弾のように飛び交う結晶に打ちのめされ無残に殺されていく。運よく生き残った
者たちも次々水晶に飲み込まれ、封じられてしまった。きらきらと細かな結晶片が雪のように散っている。
静まり返った洞窟広間の最上階で、水晶体に出来たくぼみに取り残されていた少年は、そぞろ立ち上
がって飛び降りてきた。他に動く者の気配はない。公子は下の階に去ったらしい。瓦礫の中を、ソムニ
ウムに食い破られた扉へむかって歩き出す。明滅を増した結晶たちは何を望むか窓へ、外へとゆっくり
溢れ始めていた……。