1 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 01:06:12 ID:4sjmtVcm
寒い
2 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 02:36:06 ID:Lnwk+qG+
雪のぬるぽ
おれの目の前に一抱えの雪があるとしよう。おれは雪国には縁が
無いがそれくらいなら想像できるし、画面の前のあなたたちもそう
だろう。その想像を少し膨らませて、その雪が女の子のかたちをとって
いると思い浮かべてほしい。札幌あたりの雪祭りとかに出しても、少なくとも
文句は言われなさそうな程度の精巧さだ。
想像できただろうか。と、おれの目の前にあなたの想像そのままの
雪製女の子があらわれた! と、いうことにしてもらいたい。経緯など
はどうでもよかろう。昨今の政治情勢とか経済情勢とかに比べれば
たいした問題ではない。
「えっ、あっ……ど、どうしてわたし……えっ?」とその雪製女の子が
言った。名前はたぶんユキコとかだろう。「え、な、なんで生まれていきなり
安直な名前つけられてるんですか!?」
「その方が便利だからだろう」とおれは答えた。「『雪製女の子』とかいう
ハンパな代名詞を使い続けるのはめんどうだしな」
「なんだか腹が立つ理由ですね。じゃああなたはなんて名前なんですか」
おれは少し考えて答えた。
「1月だから、ムツキとかかなあ」
「あっ、なんか適当な割にまとも! ずるい!」
「いいんだよ、一人称視点なんだからあんまり名前は出てこないだろ。
だいいちそんな言い方をして、全国のユキコさんやムツキさんに失礼だと
思わないのか」
「そこのムツキさんは、目の前のユキコさんに失礼だと思いませんか?」
「まあまあ、名前なんて記号だよ、気にするな。それより……」
おれはユキコの身体をざっと眺めた。雪だから真っ白かと思ったが、
さすがにそれでは絵にならないのか、髪と瞳は黒い。唇はほんのり
赤みを帯びている。ただそれ以外の肌などは、それこそ雪のように白い。
身にまとった羽衣のような衣服も、影が蒼白く見えるほどの純白だ。
……まあ雪製なのだから、当然といえば当然か……。
「あのう」とユキコが上目づかいに言った。「もう少し、可愛いとか美しい
とかの形容を使ってもらっても、だれも困りませんよー?」
「ああ、読者の想像に任せる主義なんだ」
「こら! 上の方で、想像そのままとか言ってたくせに、しっかり説明文
入れてるじゃないですか!」
「描写がなきゃ、このおれが楽しめんだろう。そうだ、ついでに、身長
150センチくらいで13歳くらいの外見という設定にしよう。俺得だな」
「このロリコン! 都知事に掘られろ!」
「いいんだよ、ここを見てる人間はみんな18歳以上なんだから。万一それ
未満の人がいるなら言っておこう、こんなものを読んでいる暇があるなら
昼寝でもしなさい。あときみはもう少し可憐でおしとやかな性格のはず
なんだが……」
「女性には二面性があるという根本的な前提があります。いい男の
前ではいい性格になります」
「まあ、ちょっと強情なくらいがいいってもんか。それじゃ、あんまり前振り
が長いのもなんだし、いただきま〜す!」
「きゃー! エロパロ板に生まれた身の不幸が呪わしいーっ!」
おれはユキコを押し倒した。抵抗はしてきたがやはりか細い腕
ではどうしようもない。きッとこちらを睨みつけるその表情もなかなか
可愛らしい(言ってやったぞ)。
「しかし……おれはレイプとか凌辱とかは趣味ではないんだ」
おれがそう言うと、ユキコはまたキーキーとわめいてじたばたした。
「押し倒しておいてそれですか! じゃあ、いますぐどいてくださいっ!」
「まあまあ、ここまできてそれもないだろう。エロパロ板なんだし。
せっかくならお互い、気持ちよくなるようにしたほうがよくないか」
「……。わ、わたし、どうせならもっとカッコいい人とイチャイチャする
SSに出たかったよぅ……」
「それとなく人の容姿をおとしめるのはやめなさい。まあ、優しくしたげる
から、そんな硬くならんで、あとひざで腹をぐりぐりするのはやめてくれ」
ユキコは観念したように、身体の力を抜いた。ここに至って恥ずかしげ
に顔を背けるようすは、お世辞抜きにしてもなかなか可愛い。おれは
微笑んでその頬に手を触れ――
「あぅっ!? ち、ちめってぇ!」と思わず叫んで手を離す。
「え? 雪なんだから当たり前でしょう」ユキコはきょとんとして言って、
それからまた顔を背けてにやっと笑った。「……ちめってぇ(笑)」
「う、うるさいなぁ……」そういえば、のしかかった下半身もじんわりと
冷えてきている。「しかし考えてみれば、雪にナニを突っ込むような
ものか……その行為の客観的な外形とか、他のあらゆる問題を別に
しても、おれの息子が心配になるな」
「あ、萎えましたか?」
「こんなSSをここまで読んでくれている人のためにもそうはいかん。
1回出すくらいならもたせてみせる!」
「その努力を他の――ん、むぅっ……!」
おれはユキコの唇に自分のそれを重ねた。ファーストキスの味は
レモンの味というが、ユキコの唇は氷を噛み砕いた時のような味がした。
もちろん冷たいが、見た目よりは柔らかいそれを押しのけて、舌を絡ませる。
口の中は意外に温かい。かまくらみたいなものだろうか。
「!」おれははっとして唇を離した。「かまくら……そうか! かまくら
効果だ! 穴の中はあったかいんだ! 同じことが、もっと下の方の
穴にも言えるに違いない!」
「はあ!?」ユキコが頓狂な声をあげた。「真顔でいう台詞ですか、それ!
かまくらがどういうものか1ミリでも知ってるんですか? あ〜もう、この人
ってバカ、いや、バ〜っカじゃないですか!? 信じらんない!」
「だれがバ〜っカだ、好き放題言いおって。いざかまくらというだろう、
大昔に学校で習ったぞ」
「……。あなたって、もうどうでもいいやって人に思わせるすべには
長けてますね……む、ぅんっ……!」
やかましい口をふさぎつつ、おれは下の方のかまくらに手を伸ばした
(いい加減そのネタはやめろ、というようにユキコが手でおれの背中を
叩いた)。羽衣をめくれば下着も何もなく、唇とおなじように柔らかい
その部分に手が触れる。
手がかじかみそうな冷たさだが、かま……その中に指を差し込むと、
やはり温かさがある。それどころか湿ってもいた。いや雪だから当然と
いえばそうだが、ここは別の意味だと思っておこう。
「んっ……っぅ、んん……!」
指で少しいじってやると、ユキコの身体がぴくんと跳ねて、喉の奥から
声が漏れた。もう濡れているところを見ても、感度はいいようだ。おれは唇を
離した。なにかフルーツのジュースでも事前に飲んでいてもらえばよかったと思った。
「ひ、人をアイスキャンデーみたいにっ……」おれはにっと笑って、指を
動かした。「あっ、きゃ、ぁうっん……!」
あわてて手で口をふさぐ彼女の頬は、心なしか朱に染まっているように見える。
「なかなかいい反応じゃないか。もう入れても大丈夫かな」
「……っ、するなら、早くすればいいじゃないですか」
「おれもそうしようと思ったんだが、きみがアイスキャンデーなんて
いうから、ちょっと別の楽しみを思いついてしまって」
おれは懐からかき氷のシロップを取りだした。この事実については深く
考えないでいただきたい。
「なっ……」ユキコは一瞬絶句して、「い、言いたいことはたくさんあります!
でもひとつだけにしておきますから、聞いてくださいね……まさかそれを
わたしに――あ、や、やだっ、きゃあ!」
おれの好きなブルーハワイのシロップが、はだけた彼女の胸に注がれる。
あまり起伏のない胸はあっというまに青く染まった。もしこれがバインバイン
だったら二盛りのかき氷いっちょあがりだったのにな、とおれはちょっと
思った。
「……」ユキコが横なぎに手を振っておれの側頭部を打った。
「冗談だ。しかしイチゴなんかにしてたらグロ注意になってたな」
「それも冗談ですか」
「そうだ。でも、けっこうおいしそうだぞ、これは」
おれはそう言って、ぺろりとユキコの胸を舐めた。かき氷と違ってなめらか
で柔らかい。かき氷のように噛み砕いてはそれこそグロ注意なので、おれは
ときどき甘噛みする程度にしたが、ユキコにはそれがかえって気持ちいい
ようだった。
「あ、っう……」いやいやするように首を振って、「む、ムツキさん、あんまり
噛まないでっ……っひ、うぅ……」
「やっと名前を呼んでくれたな」感触を確かめるように、舌で押すように刺激
してやる。「おれも自分の名前を忘れるところだった」
「ばかっ……もう……」おれはツンと立った乳首をちゅっと吸ってやる。「うぁ、
きゃ、んんんっ……!!」
ユキコは腰を反らせ、切なげな声をあげた。おれはその髪をさらっと撫ぜて、
頬にキスをする。青い唇のかたちが残った。うるんだ瞳を向けてくる彼女に
笑顔を返してやる。
「そういうところを見せてくれれば、優しくしたくもなるんだが」
「……意地悪」
そういう彼女も、ブルーハワイのもう半分を愛撫しつつ舐め取ってやると、
そう、なかなかいい顔になってきた。おれもそろそろ、いくら冷たいところに
入れるからとはいえ、ズボンの中が熱暴走しそうになっていた。彼女が雪製
の女の子なら、おれもタンパク質製の男だ。
彼女のそこが濡れているかを確かめる必要はなかった。おれのズボンの、
彼女の一部分に触れているところは、温かな雪解けの水で湿っていた。
「なあ」おれはふと思いついて言った。「きみ、おれの熱で溶けちゃったり
しないよな」
「こ……」ユキコは胸を上下させて答える。「ここまできて、冗談ですか……」
「いや。雰囲気もあろうけど、けっこう本気で可愛くみえてきたから、いなく
なってしまうのはちょっと困る」
「……!」口をもごもごさせて、「お、男の人なんて、一発終わったら……」
「で、どうなんだ?」
「……雪をナメないでください」
「おっ……? 今のは一本とられた」
「シャレじゃありません。たかが人間ひとりに抱かれたくらいで、1月の雪が
溶けてたまるもんですかっ」
「相手がいい男でも?」
「……あんまり声ばかり大きくしてると、今度はイヤというほど雪に抱かれる
ことになりますよ、山では……」
そういう彼女も、また口づけをすると、向こうから舌を絡めてきてくれた。
おれはズボンを降ろしていきり立ったそれを外気に晒した。いつもより
二割増しくらいで張り切っているように思える。これなら冷たい雪に入れても
本当になんとかなりそうなくらいだ。
「ゴムはつけた方がいいのかな」
「……中に出すつもりですか」
「汚すのはしのびないけど」
「いいですよ」息子を見て、ちょっとおじけづいたように閉じかけた脚を、
彼女はおずおずと開いた。「妊娠はしませんし……こうなったら、もう、好きに
していいです」
「ありがとう。でも、もう少し、可愛げがほしいな」
彼女はしばらく目線を外して、それからおれを、まだ半分くらいは視線を
逸らしたまま、言った。
「……あんまり、じらさないでください」
息子だけでなく、おれの身体全体の熱量が三割増しくらいになった。
おれはユキコの白く小さなそこに自分を押し当てる。ちらと彼女の顔を見た。
不安げな目がこちらを見返して、小さくうなずく。おれはひと息に差し入れた。
「あっ……痛っ、くぅ……っ!」
予想はしていたが、彼女が歯をくいしばって脚にぎゅっと力を入れた。一度
腰を引くと、赤い筋がユキコの白い太ももに這う。白というのも純白に近い白さな
だけあって、鮮血の赤との対比は少しぞっとするような美しさだった。
「初めてだったんだな」おれは彼女の頭を撫でた。「痛いか?」
「痛いです」ユキコは思い切り眉をしかめて答える。「優しくしてくれるって
言ったのに」
「これがおれの精一杯だ。ごめんな」
お互いにつながったまま、おれは唇を彼女のそれに触れさせる。
「……いいですよ」ユキコが言った。「でも……自分だけ気持ちよくなろう
ってのは、ナシですからね」
「ああ。前向きに善処する」
それは半分は本当だった。ユキコをはじめて絶頂に導けたのはバックでやって
いるときだったからだ。
「あっ、うぅっ、お、奥に……っ、当たって……っ」
「気持ちいいところがあったら言ってくれ」おれは彼女の小ぶりな尻の感触を
手で味わい、きつく締めつけるそこの感触を息子で味わいながら言う。「そう
すれば、っく……いくらかはおれも……」
「わ、わかんないっ……わかんないです……ぜんぶ、っあ、ぜんぶ、よくって
……!」
さっきまで憎まれ口を叩いていた同じ声が、おれの息子で喘いでいるかと
思うと、おれもますます、憎まれっ子世にはばかるというか、息子が増長して
やまないのだった。やがてそれを締めつける感じが強くなり、彼女の声も、
なかば荒い吐息のようになっていく。
「っあ、はぁっ、あ、うっく、ぁ……」腰をくねらせて声をあげるその姿は、実に
色っぽかった。「い、いぃっ……っく、もう……だめ、イくぅっ……!」
ユキコが身を震わせて、しぼり出すような声を上げた。その顔を見られなかった
のは残念な限りだ。ともあれ、バックでとはいえ前向きに善処した甲斐はあった
ようだった。
「まあ……二人とも前を向いていたと考えれば、有言実行だったな」おれは
肩で息をする彼女の隣りでうなずいた。
「……あなた、本当にばかですか」
またあおむけになって、ユキコは半分放心したように、半分笑って応えた。
彼女に身を重ねると、いつのまにか冷たさを感じなくなっていることに気付いた。
「それどころか」おれは意地悪ではない種類の笑みを浮かべる。「こっちの方は、
熱いくらいだな」
「……もう」ユキコはおれの背に手を回し、優しい力で抱いた。「……ムツキさん」
「なあ、もう少しだけ、いいか?」
「自分だけ気持ちよくなろうっていうのは、ナシって言ったはずですよ」
おれはまた一本とられた。脳みその中のイヤらしい部分がまっとうな思考を
妨げているからかもしれない。いい具合にできあがってきた息子を、また彼女の
中に導く。
「んっ……っく、ふ、あぁっ……」
ユキコの艶っぽい声が、おれの腰が動く速度を上げさせる。彼女の顔は
もう、それと見てわかるほどに紅潮していた。
「……もう、雪って感じじゃないな」おれは目からこぼれた涙の筋を、舌でなぞった。
「こんなわたしじゃ……っは、あぁっ……イけませんか、……?」彼女が荒い息の
合間に言う。
「いや」おれはまた彼女の唇をむさぼり、「……可愛いよ、すごく」
おれは一段と腰を強く打ちつけた。さすがにもう余裕がなかった。息子をうねる
ようにしめつけられ、こんな表情と言葉を加えられたら、我慢も限界というものだ。
おれは下の方からぞくぞくと湧きあがってくる感じを覚えた。
「ゆ……ユキコ、もう、イくぞっ……!」
「あ……ムツキさんっ――キスしながら、っ……」
おれは彼女の口をふさぎ、思い切り深く、腰を押しあてた。彼女のいちばん
奥のところで、おれの息子が精を吐き出した。このときばかりは、おれはおれ
自身の快楽に身を委ね、この美しい身体で果てた喜びと、美しい身体を汚した
背徳感に酔っていた。今まで感じたことのないほど高ぶり心地よい絶頂だった。
彼女と唇を重ねていなければ、妙な声を出してしまっていたかもしれない。
ユキコも声なき声をあげて、感じてくれているようだった。手と足で、ぎゅっと
おれを抱きしめてくれている彼女が愛おしく、おれは離れるのも名残惜しむ
ようにつながったまま、口づけを続けた。
「ふぅ」
おれはポカリスエットを一息に飲み干した。運動の後に飲むこれは実にうまい。
「あっ……わたしの分は?」ユキコが不満げな声をあげた。
「麦茶があるから、どうぞご自由に」
「くぅ……やっぱり、男の人って、出せばそれでおしまいですねっ」
文句を言いつつも、冷蔵庫からボトルを取り出してとぽとぽとコップに注ぎ、
茶色い液体を彼女は飲み干した。そのあたり、どういう仕組みになっているのか、
あまり深く考えない方がよさそうだ。
「で、どうだった」おれは大きく息を吸って、また吐いた。「ご満足いただけた
かな」
「……」ユキコはコップに向かってしばらく目を閉じ、「及第点」
「うん、もう少し可愛げがほしいな」
「そうですね……雪が溶けるまでにはまだまだ時間がある、とでも、言って
あげましょうか」
「そういえば、春になったら、やっぱりいなくなっちゃうのか?」
「うふふ、寂しいですか?」
「ああ、冷凍庫にでも入れとけばいいか」
「あのー……もう少し可愛げを出したくなる態度を取ってくれませんか」
「そうだな」おれは少し考えた。「……好きだよ。スキーだけに」
漫画でいうなら、寒い風がピューと吹き抜けた瞬間だった。西部劇でよく見る
アレが転がっていった。いきなり雪からスキーというのは唐突だったろうか?
そもそもそれ以前に問題があったのか? もう少し考えてものを言うべき
だったかもしれない。いや、一瞬ためらいはしたのだが、口が滑ったのだ。
スキーだけに。
「わたし、やっぱり出てこうかな」ユキコが声音通りの表情で言った。
「待ちなさい。あ、そういえば、来年にはまた処女になってるのか?」
「……最ッ低! もーう、冷めちゃいましたよ、わたし。氷点下です」
「もともと雪じゃないか」
「ただの雪じゃありません。ユキコって呼んでくださいっ!」
文中ではさんざん呼んでいるのだが、と言おうと思ったが、考えてみると
台詞で言ったのは1回こっきりだった。なるほど、寂しいかなんて聞いて
おきながら、なかなか可愛いやつじゃないか。
「う……勝手にヘンな解釈しないでくださいっ」
「まあまあ。ほら、こっち向きなさい」
「なんですか!」
向けられた顔を引き寄せて、おれは口づけをした。驚いて身を離そうと
する彼女を、思い切り抱きしめて、長く長く口づけをした。やっぱり彼女の
身体は温かった。それはおれの中で、彼女が雪製の女の子から、ユキコと
いう存在に変わったからだろうか、とおれは真面目に考えた。
「……」唇を離すと、彼女は今までとは少し違った視線をおれに向けた。
「ユキコ」おれはそれに応えるように言った。「――かき氷に麦茶は合わないな」
「……」
今度はクールに洒落っぽくカッコつけたつもりだったが、その反応を見る
に、どうやら彼女は違う種類の言葉を期待していたようだった。雪女らしい
冷たい視線は今まで以上のものだった。
おれはその直後、本気で出て行こうとする彼女を引き止めるために、真冬に
キンキンに冷えた牛乳を献上するはめになった。おれはコンデンスミルクなら
どうだと言おうと思ったが、おれも今度ばかりは思いとどまった。しかし、
さすがにそこまで怒らなくてもいいんじゃないかともおれは思った。
「ムードをマッチポンプでぶち壊しといて、反省ナシですかっ!」
「きみね、あんまり地の文をエスパーしないように。プライバシーだよ。
しかし、温めた方が機嫌がよくなるのか、冷えた方がいいのか、
どうもわからんな……」
「雪としては、冷えた方がいいです」憮然とした顔と声で彼女は応えた。「でも、
わたし、ただの雪じゃなくて、雪製の女の子ですので。お忘れなく!」
「そうだな」おれは笑った。「そういうきみが好きだよ、ユキコ」
「な……」彼女の白い頬が、ぽっと赤く染まった。「ふ……不意打ちは、
卑怯ですよっ! ……もう」
なるほど、サムい成分やクールな成分は飲み食いに、おれには温かい部分を
期待しているということか。
下手に狙って言葉を連ねてもまたヘマをしそうなので、おれは黙って彼女に
寄り添い、肩を抱いた。ただの雪ではない雪は、早めの鼓動と、温かな
柔らかさを返してくる。正直言うと、おれはもう雪だのメタだのはどうでもよくって、
今はとりあえずこの愛おしい彼女との時間に浸っていたかった。彼女といっしょに
いられるなら、シベリアでも遊園地のマイナス30度の世界みたいなアトラクション
でもよろこんで行ってやろう。
「……言い過ぎですよ」ユキコがぽつりと言った。「加減を知らないんだから……」
「せっかく黙ってたのに、心を読まれちゃ困る。しかし、そう言う割には、
嬉しそうに見えるな」
「……」彼女は顔をうつむけて、おれに身体を寄せた。「ばかムツキ」
「……」そんな彼女に、おれはいつのまにか、ネタ抜きでたまらなく惹かれて
いるのだ。「まあ……言い過ぎだったかどうか、これから、行動で示してみせよう」
おれはそのまま、ゆっくりと倒れこむように彼女と身を重ねた。
窓の外では、関東の空にもちらちらと本物の雪が舞いはじめていた。
長く厳しい冬になりそうだが、それも悪いことばかりではなさそうだ――
少なくともおれにとっては。
了。
紛うことなき雪のエロパロ、素敵です。
楽しんで読ませてもらったよ。
ユキコ可愛いし。
気持ちいいことには素直になっちゃうのがまた可愛くていじめたくなるね(おもに性的な意味で)。
というわけでGJ!
10 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 15:37:05 ID:7q6Lho8c
test
GJ
>>1は何を思ってこのスレを立てたのだろうか