【俺の妹】伏見つかさエロパロ13【十三番目のねこシス】

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746『キャストオフ』
『キャストオフ』

登場人物
高坂京介 高坂桐乃 田村麻奈実

語り
高坂京介


でいきます。
747『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:46:17 ID:/2cKT2dT
『あああぁぁぁ‥‥‥!!』

俺の操る妹キャラの服が破れていく。
桐乃とシスカリの勝負をして良い所まで行ったのだが、あえなく撃沈。クソ!

「ふふん、これでアンタは召使いね」

勝ち誇った顔の桐乃が話しかける。
シスカリで負けた方が勝った方の一日召使いになるという賭けをした。
桐乃は全力を出して俺を破り、見事権利をゲットしたわけだ。

「さーて、何をしてもらおうかな」

どうせ、買い物の荷物持ち要員とかに引っ張り出すつもりだろ。
それとも、エロゲーの深夜販売に行かせるとか?

「そんじゃ明日、買い物につき合ってくんない?」

荷物持ち要員ですかい。
つーか、賭けとは無関係に今までに何度となく買い物に駆り出されてんぞ。
既に召使い属性だったのかよ、俺は。


―――翌日、桐乃は熱を出した。

「おい、大丈夫か?」
「うっさい! 見てわかんないの? 大丈夫なワケないじゃん!」

ベッドに横わたり、掠れた声で罵声を飛ばす桐乃の顔は赤くなっていた。

「今日は買い物はキャンセルだな。当然召使いも‥‥‥」
「今日一日、アンタは召使いね! アタシの看病をしなさいよ」
「何言ってんだ! 看病するのは当然だろ。召使いなんて関係無い!」
「ふん、無理しちゃって。とにかく今日一日、何でも言うこと聞きなさいよ」

やれやれ、俺に看病してもらうってのがそんなに嫌なのか。
賭けを引き合いに出してまで「仕方なく」という印象を植え付けやがる。
お袋も親父も出かけてて居ねえから、俺が面倒見るのは当然だけど、
こうも嫌われているってのは正直面白くねえ。
748『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:47:16 ID:/2cKT2dT
『きょうちゃん、今ひま?』

麻奈実からの電話だった。

「ああ、暇と言えば暇なんだが、桐乃が熱を出しちまって、
 お袋も居ないから、俺が桐乃の面倒を見ているんだよ」
『桐乃ちゃんが!? 大変じゃない!』
「そんな大げさな話じゃねえよ。ただの風邪だし」
『ううん、風邪は万病のもとっていうし、甘く見ちゃだめなんだよ』

相変わらず年寄りチックなことを言いやがる。

『ねえ、わたし暇だから、お粥を作りに行こうか?』
「そこまでやってもらうことは無いよ。それに風邪がうつったら良くねえし」
『きょうちゃんのためじゃないよ。可愛い桐乃ちゃんのためだもん』
「‥‥‥そうか。悪いな。じゃあ頼むよ」
『任せてください!!』

携帯を握りしめたままガッツポーズをする麻奈実の姿が見えた。


麻奈実は我が家のキッチンを使い、手慣れた様子でお粥を作ってくれた。
お粥を食べるか桐乃に訊くため、俺は桐乃の部屋に行った。
ベッドの中の桐乃は汗だくで、いかにも熱っぽい顔だった。
これじゃ食べるのは無理か‥‥‥

「ちょっと苦しそうだし、後にした方がいいみたいだ。ただ‥‥‥」

桐乃が汗だくになっていることを話すと麻奈実は、

「すぐに着替えさせないとダメだよう。わたしで良ければ着替えできるけど?」
「いや、さすがにそこまでは悪いし‥‥‥後で着替えさせるよ」
「ふえっ!? きょうちゃんって桐乃ちゃんの着替えをしたいの!?」
「な、な、何を言っているんだ!? アイツは妹だぞ?」
「妹でも桐乃ちゃんはお年頃の女の子だよう? わたしがやってあげる」
「そうか‥‥‥本当にありがとうな」
「どういたしまして」


しばらくして麻奈実は戻ってきた。

「桐乃ちゃん、汗をいっぱいかいていたよお」
「ありがとうな。でもアイツ、嫌がらなかったか?」
「桐乃ちゃん、熱でよくわからなくなっちゃって、わたしだと気づかなかったみたい。
 それにしても‥‥‥桐乃ちゃんって今もお兄ちゃん子なんだね」
「はぁ? なんだよそれ?」
「うふふ、なんでもないの」

749『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:47:50 ID:/2cKT2dT
麻奈実が帰った後、俺は桐乃の様子を見に行った。

「具合はどうだ?」
「うん‥‥‥だいぶ良くなったかな」
「お粥があるぞ。食べるか?」
「はぁ? アンタ、お粥を作ったわけ?」
「まあ、な‥‥‥」

麻奈実が―――と言いかけた。
麻奈実が作ったなんて言ったら、絶対食べないだろうなコイツ。

「へー。わりと旨いじゃん」

体調も食欲も戻りつつあるようだし、一安心だな。


「‥‥‥」

器を片付けながらふと見ると、桐乃が自分の着ているパジャマを凝視して固まっている。

「どうした?」
「近寄らないで!!」

桐乃の強い拒絶を込めた言葉に思わずたじろぐ。
桐乃の顔を見るとどこかで見たような表情―――光彩を失った目。
でもあやせのそれとはどこか違う。
まるでレ○プ目だ。

「出てって!!」
「一体どうしたんだよ!?」
「うるさい! 出て行け!!」

なんだよ。せっかくお粥を食べたと言うのに。
それとも、麻奈実が作ったというのがバレたのか?
よくわかんねえが、どこまで気まぐれなヤツだ。

750『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:48:25 ID:/2cKT2dT
器を片付けてから部屋のベッドに寝転んでひと休みしていると携帯が鳴った。

『今すぐこっちに来て』

追い出したと思ったら、今度は呼び出しかよ。全くどんだけ勝手なヤツだ。

「オイ、電話一本で呼び出すなんて病気でもなければぶっ飛ば‥‥‥なッ!!」

桐乃の部屋のドアを開けると、
背を俺に向け、上半身裸でベッドに座っている桐乃の姿があった。

「なんだ、その格好!?」
「汗かいちゃったからさ。背中、手ェ届かないから拭いてくんない?」

桐乃は、振り返りもせずに感情の無い声で言葉を紡いだ。

「オマエ、そんな格好して、は、は、恥ずかしくないのかよ!?」
「アンタ、アタシのパジャマを着替えさせたときに全部見たんでしょ?
 だったら、もうどうってことないし」

オイオイ、さっきの目は本当にレ○プ目だったのかよ! 冗談じゃねえ!

「見てねーよ! ていうか、着替えさせてないし!」
「ウソ! そんなワケ無いじゃん! アタシが着ていたパジャマと違うし!
 アタシがワケわかんない間にアンタは―――!! アンタは‥‥‥」

桐乃が肩を震わせている。
仕方ない。麻奈実のことを正直に話すしかない。

「麻奈実だよ。あいつが着替えさせてくれたんだよ!」
「ハァ? どこに地味子がいんのよ? もっとマシなウソ吐いたら?」
「だからウソじゃねえ!」
「つーか、アタシ寒いんだケド? さっさと拭いてくんない?」

751『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:49:11 ID:/2cKT2dT
「わかったよ‥‥‥」

俺は意を決し、桐乃のベッドの上にあったタオルを手にして
桐乃の細く小さな背中を拭こうと桐乃に歩み寄った。

コイツの背中って、アスリートっぽくムダな肉が無いな‥‥‥
それなのに―――
イカン、さっさと拭くとするか。
気恥ずかしさから桐乃の背中から目を逸らし、タオルを持った手を背中に伸ばす。
自分の手が小刻みに震えるのがわかった。
そしてタオルが桐乃の背中に触れた瞬間―――

「ストップ! もういい!!」
「え!?」
「そんなにキョドっているようじゃ、パジャマを着替えさせたのは
 アンタじゃなかったんだね。本当に地味子だったんだ」
「‥‥‥オマエ、俺を試したのか?」
「別にいいじゃん。確認したかっただけ」

桐乃はそう言うと、パジャマに袖を通した。

「‥‥‥」
「‥‥‥」

気まずい空気が流れる。

「あのさあ、麻奈実のことを黙ってて悪かった。
 麻奈実が作ったお粥なんて言ったらオマエ、食べないと思ったから」
「‥‥‥アタシもアンタを試したりして悪かった、かも‥‥‥」
「ちょっと傷ついたぞ。熱を出したのをいいことにオマエのハダカを見ただなんて」
「うっさい。アンタがシスコンだから、もしかしたらと思っちゃたんでしょ!
 しかも、超可愛い妹が風邪で苦しんでいる間に女連れ込むなんて、変態!」

悪態をつく桐乃の目には光彩が戻っていた。
よかったよかった。あんな悲しげな目の妹なんてもう見たくねえよ。

752『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:49:41 ID:/2cKT2dT
風邪が治った桐乃は、次の日曜日にシスカリ勝者の権利を行使した。
シスカリでまた負けたわけじゃないぞ。
桐乃様のありがたいお言葉は次の通りだ。

「地味子が手を貸したから、あんときの召使いの権利行使はノーカン」

どうだ、泣けるだろ? 
というわけで、桐乃の買い物の荷物持ち要員として今日の俺は召使いになった。
まあ、今日一日くらい我が侭聞いてやってもいいか―――
そう思っていたら桐乃様はこんなことを言い出した。

「アタシのセミヌードを見たんだから、1年くらいは召使いになるんだよね?」

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「セミヌードって! 背中だけだろ! せいぜい1ヶ月だ!」
「ふーん。1ヶ月も召使いしてくれるんだ!? それで手を打ってあげる!」

―――しまった。
最初に無理難題を吹っかけておいて、妥協点を探るなんて交渉事の定石だし。

「それと、リアがホームステイしたときにもアタシのハダカを見たよね?
 あれの分と‥‥‥あと、リアがスッポンポンなのも見たはずだから、
 アタシがリアの代わりに召使いの権利を行使してあげる。
 全部あわせて1年くらいかな?」

頭がクラクラしてきた。
どれも俺に責めの無い、いわば事故イベントばっかりじゃん。
それなのに責任取らされるのかよ。
反論する気も失せたよ。

753『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:50:06 ID:/2cKT2dT
「んで? 召使いって具体的に何をすりゃいいんだ?」
「そんなの自分で考えなさいよ。立派な召使いになれないわよ」
「なりたくねえよ!」
「しょうがない。教えてあげるから心して聞くように!」

超居丈高って言葉がピッタリしやがる。

「ひとつ、アタシのいうことを何でも聞くこと。
 ふたつ、アタシを不快にさせないこと」

なんだよ、普段と何も変わりないじゃないか。

「そしてみっつ―――」

まだあるのかよ?

「いつもアタシのそばに居ること!」

へーへー。
いつでも扱き使えるようにそばに居ろってか。

「何ボケッとしてんの? さっさと腕を出す!」

右腕を出すと桐乃が腕を絡めてきた。一体何するんだ?

「勘違いしないでね。召使いが逃げないよう、捕まえているダケだかんね!」

逃げ出してえ。こんな暴君に仕える召使いの俺、哀れすぎる。
まあ、手錠で拘束されるよりはずっとマシか。

754『キャストオフ』 :2011/01/23(日) 22:51:03 ID:/2cKT2dT
「‥‥‥ねえ」

しばしの沈黙に続いて桐乃が弱々しい声で俺に話しかける。

「なんだよ?」
「背中見せて1ヶ月なら、どこまで見せればずっと―――」

なんというネガティブオプション!!
コイツ、無理やり俺にハダカを見せて俺を永久召使いにする気かよ!?
エロゲ脳にも程があんぞ!

「あのなあ―――」

目が合った途端、桐乃の顔が真っ赤になった。そして―――

「ナ、何考えてんの!? アタシの永久召使いになりたいから、
 アタシのハ、ハ、ハダカ全部見せろっていうの!? 変態!!」
「ちょ、オマエ、往来でそんな大声出すな! オマエこそ変態だろ!!」
「うっさい、シスコン!」

桐乃の突拍子の無い言葉をきっかけに、人目も憚らずに言い合いをする俺たち。
一体周囲にはどんな風に見えているんだろう?
ご主人様と召使い‥‥‥そんな関係に見えるワケないよな。

あーあ、こんなのに仕える召使いなんて嫌だイヤだ。


『キャストオフ』 【了】