おちゃらけっ娘でエロパロ

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3251/10 ◆ONTLfA/kg2
 10分程度のホームルームはすぐに終わり、担任は慌ただしく部屋を出ていった。
連絡内容は大したものはなく、他の連中は次の1時間目の古典の準備のためロッカーまで古典の辞書を取りに行ったり、わずかな時間でも惰眠を貪ろうと机に突っ伏して休もうとしていたりそれぞれだ。
俺はというと、古典の教科書は机の中に突っ込んであるので適当に取り出して1時間目開始までぼーっとする事にした。
(だりー……)
夜更かしした上に、4時に一度琴姉ぇに電話で起こされ、先程慌ただしく起きて朝からレバニラ炒めなど食べたのでどこか体がだるい上に腹も何となく重たい感じがした。
間違いなくこの後の古典の内容は頭に入らないな、などと考える。

「ヒデっちヒデっち」
「ん?」
 俺の机の前にショートカットの女子が立っていた。
クラスメイトの綾香だ。
「古典の辞書、貸してくれない? 次の時間古典だけど忘れちゃってさー」
「ああ……って、お前同じクラスだろ」
「ええーダメなの?」
必要以上にオーバーリアクションで綾香が残念がる。
「臼井先生、辞書忘れたら怒るんだよねー」
「俺だって臼井に怒られたくねーよ。
……あ、そうだ。
4組も今日古典があるはずだ。
野母崎って女子が辞書持ってるんで貸してもらうといい。
俺が貸せっつってたと話したら渋々かもしれんが貸してもらえると思う」
俺は琴姉ぇのことを思い出してそう伝えた。
「……それってヒデっちがいつも一緒にいる三つ編みの女の子?」
「ああ、そうだけど」
俺は持ってきたペットボトルのお茶の蓋を開けて口に含む。
「ふーん。
……ヒデっちってその野母崎さんと付き合ってるの?」
「ぶごふっ?!」
「うわっ!
ヒデっち、きたなーい」
「……すまん」
俺は思わずペットボトルの茶を吹き出した。
幸い綾香にはかからなかったものの、机の上が大惨事。
俺は鞄からティッシュを取り出して後始末にかかる。
「付き合ってない。ただの幼馴染みだ」
机を拭きながら俺はそう言った。
「へえ?
すごく仲良さそうだけど?」
「仲がいいのは否定しないが琴姉ぇにそんな気もないだろうし、俺も長く一緒にいすぎたから急にそんなのはないな」
まぁ、夫婦漫才の相方みたいなもんだ、と口ごちる。
「そうよねぇ、お陰で他の女子もヒデっちにアプローチできないみたいだし」
「ん?
なんか言ったか?」
綾香が言った言葉がよく聞こえず、俺は聞き返す。
「ううん、なんでも。
ちょっと4組行ってくるね」
そう言ってパタパタと足音を立てて綾香は去っていった。
3262/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:34:18.00 ID:vhHCkXne
 1分後、チャイムが鳴り時計が9時を告げた。
教室に古典教師の臼井が入ってくる。
臼井はカツラがずれていることにどうやら気付いていないらしく、一部の生徒の失笑が漏れる。
「……今日は引き続き源氏物語をやっていく。
テキストを開くように」
臼井は教壇に立ち、授業が始まった。

俺はというと、いつもならともかく今日は体調のこともあり、あまりやる気がなかった。
こっそり机の下で携帯を開く。
(ん……?
琴姉ぇからメール?)
新着メールが一件。
9時ジャストの受信だった。

********************
From:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:ヒデ君、最初の3の倍数の時間だよ!
本文:
ふっふっふヒデ君。
この時間を待ち焦がれたかい?
最初の3の倍数の時間、9時になったよ!
まずは返信ぷりーず
********************

琴姉ぇが何を意図しているかわからないが、とりあえず返信してやるか。
こういうよくわからん思いつきに付き合ってやるのも幼馴染みの努めだよな。

********************
To:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:届いてるよ
本文:
(このメールに本文はありません)
********************

俺はメールを送信した。
程なくしてメール着信1件。

********************
From:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:ひどーい
本文:
ヒデ君味気なーい(`ε´)
そんなヒデ君も絶対興味を持つメールが次から届くよ!
昼休みに感想聞くからね!
********************

(まだメール来るのか……)
琴姉ぇの意図が読めぬまま、次のメールが届く。
黒板にチョークを走らせる音が響いている。
3273/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:34:52.03 ID:vhHCkXne
********************
From:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:まずは9時のイベントだよ☆
添付ファイル:
(256KB)CA3A0017
(256KB)CA3A0018
(256KB)CA3A0019
(256KB)CA3A0020
(256KB)CA3A0021
本文:
 放課後の体育倉庫に紅い夕陽が射す。…… 
********************

 パッとメール全体をスクロールしようと思ったが数回のボタン操作程度じゃ無理な長さだった。
(うわ……めっちゃ長いメール……)
しかも添付ファイルが5件……俺のケータイでは自動受信できないサイズなのでまだ受信されないままだ。
俺はとりあえず後から受信することについてこの長いメールを読み始める。

********************
 放課後の体育倉庫に紅い夕陽が射す。
この体育倉庫には部活動に使う用具もないため、この時間には人も訪れないため閑散としている。
当然、人の姿もない。
……ただ、二人だけを除いて。
「お願い!
家に帰して!」
少女の声が響く。
少女は両の手首を後ろ手に縛られて床にヘたり込んでいた。
「呼んでも誰も来ないぜ」
そう言うと少年は取り上げた少女の携帯の電源を切る。
「まんざらでもないんだろ?」
********************

(ははぁ……)
俺は呆れながらも合点した。
これは琴姉ぇが自分で書いたエロ小説か。
なるほど、それを披露したくてわざわざ訳の分からない企画をしたと。
要するに俺をからかって遊びたかったわけだ。
そう思うと、琴姉ぇの子供っぽい企みがやたら可愛く見える。
よし、琴姉ぇの小説読んでやろうじゃないか。
俺は琴姉ぇの最初の企画とやらのメールを読み始めた。
3284/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:35:42.65 ID:vhHCkXne
********************
 放課後の体育倉庫に紅い夕陽が射す。
この体育倉庫には部活動に使う用具もないため、この時間には人も訪れないため閑散としている。
当然、人の姿もない。
……ただ、二人だけを除いて。
「お願い!
家に帰して!」
少女の声が響く。
少女は両の手首を後ろ手に縛られて床にヘたり込んでいた。
「呼んでも誰も来ないぜ」
そう言うと少年は取り上げた少女の携帯の電源を切る。
「まんざらでもないんだろ?」
「そ、そんなわけな、ないじゃない……」
少女は顔を真っ赤にして俯く。
「どうだか。わざわざその手紙に従ってのこのこやってくるなんて……期待してたんだろ?」
少年は少女の足下に落ちている、自分が少女を呼びだした手紙を拾い上げる。
そこには誰にも言わず待ち合わせ場所の体育倉庫に来ること、体操服に着替えてくることが記されていた。
現に、目の前で両腕を縛られている少女はご丁寧に体操服とブルマに着替えてここにやってきていた。
「お願い……こんなにひどいのはイヤなの……」
少女は三つ編みのおさげをふるふると揺らして抗議する。
********************

(……三つ編みのおさげ……)
俺は何となく嫌な予感がしたがそれを吹き飛ばすよう自らを奮い立たせて続きを読んだ。

********************
「お願い……こんなにひどいのはイヤなの……」
少女は三つ編みのおさげをふるふると揺らして抗議する。
「お願いだよ……ヒデ君」
「いい眺めだぜ、琴姉ぇ」
********************

「ぶふっ! ごほっ!」
飲み物すら飲んでないのに俺は壮絶にむせた。
クラス中の視線が俺に集まる。
「……風邪か?
大丈夫か?」
教壇から臼井が怪訝な目つきでこちらを見つめている。
「は、はい、問題ないです!
すみません」
俺は机の下の携帯を悟られないように、自らでも不自然な動きだと思いつつも右手を机の下につっこんだまま答える。
「そうか、じゃあ続きだ。
引き続き源氏物語第九帖『葵』読んでいくぞ。
えー、姫君、いとうつくしうひきつくろひておはす。
『久かりつるほどに、いとこよなうこそ大人びたまにけれ』
とて、小さき御几帳ひき上げて見たてまつりたまへば、
『火影の御かたはらめ、頭つきなど、ただ、かの心尽くしきこゆる人に。逢ふところなくなりゆくかな』……」
教師は相変わらずカツラがずれていることに気付かずに授業に戻る。
(これ、最後まで読むべきなんだろうか……)
既にかなり破壊力が高い小説だ。
先程のレベルでの衝撃があれば流石に俺もノーリアクションでいられる自信がない。
(でも読まないと琴姉ぇ怒るだろうなぁ)
怒るのは怖くも何ともないがせっかく琴姉ぇが俺を驚かそうと書いた文章だ。
それも9時きっかりのタイミングで、ということだった。
(……付き合ってやるのが幼馴染みの努めかな)
後に、俺はこの決断を深く後悔する。
3295/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:36:40.44 ID:vhHCkXne
********************
「お願い……こんなにひどいのはイヤなの……」
少女は三つ編みのおさげをふるふると揺らして抗議する。
「お願いだよ……ヒデ君」
「いい眺めだぜ、琴姉ぇ」
そう言いながら少年は少女ににじり寄る。
「だ、ダメぇ……」
少女は床に座り込んだまま起きあがることもできず、足だけを使って後退する。
ずりずりと砂の音が響く。
だが少女が座ったまま後ずさる早さよりも少年が少女に歩み寄る速度の方が速い。
「わっ……きゃっ!」
少年はそのたくましい両腕で少女を抱き上げた。
左腕で少女の膝の下で支え、右腕で少女の背中の側から支えるように。
自分にとって危機的な状況であるにも関わらず、少女は見知った少年に抱え上げられちょっとだけお姫様抱っこを連想した。
「……どうした?
頬を赤らめたりなんかして」
「あ、赤らめてんかないもん!
あ、暑いだけだからっ」
「ふーん、期待してるのか?」
「ち、ちが……きゃ」
 少年はそっと体操マットの上に少女を下ろす。
少女は縛られた両手を頭の上に伸ばした状態で横たえられた。
「ひどいのは嫌、と言ったよな、琴姉ぇ」
「言ったよ、ひ、ひどいのは嫌だよ」
 少女は顔を真っ赤にして少し涙目で訴える。
「じゃあ優しくならいいんだな?」
「そーそー優しくなら……えっ?!」
少女の眼前にずずいっと少年の顔が迫る。
少女の瞳に少年の顔が映る。
「ちょ、ヒデ君?!
……んむっ?!」
少女の唇に少年の唇が重ねられた。
********************

「ッ!
……ふぅ」
とりあえず今回は吹き出したりむせたりするのは避けられた。
(しかし琴姉ぇとキスか……もう十分衝撃的だが……)
メールの感じだとまだまだ文章は続いているようだ。
もうこうなれば毒をくらわば皿まで、と俺は続きを読み進める。
流石にちょっと意識してしまい、俺は顔が熱くなる。
3306/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:37:32.86 ID:vhHCkXne
********************
少女の眼前にずずいっと少年の顔が迫る。
少女の瞳に少年の顔が映る。
「ちょ、ヒデ君?!
……んむっ?!」
少女の唇に少年の唇が重ねられた。
「んんっ!
……ん、んむっ、ふぅっ、んっ!」
最初は唇への長いキス。
そしてその後に啄むようなキスを何度も少女の唇、頬、額に降らせる。
少女は酸素を求めて喘ぐように呼吸する。
少年は少女の頬にキスしていたがふと、何かを思いついたように、突然少女の耳たぶにキスした。
「ひゃあっ!」
不意打ちに少女が驚いたような、甘い声を上げる。
少しだけぞくぞくとした感じが脊髄を伝って上行するような感触を受ける。
「そうか、琴姉ぇ耳が弱いんだな……」
そう言って少年は少女の耳たぶをはむ、と唇でくわえた。
「んんーっ?!
ひ、ヒデ君?!
そ、それダメっ!」
だが少年は意に介した様子もなく、はむはむ、と優しく耳たぶを責め上げる。
「んっ、んんっ、んん〜〜〜〜っ!」
少女は口を堅く引き結び、目を強く閉じて耳から伝わる少年の口内の柔らかさと温かさに耐える。
が。
3317/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:38:03.63 ID:vhHCkXne
少年は一旦口を休めると、少女の耳に囁く。
「琴音……」
少女の名前を短く、優しく囁き、ふっと、耳に息を吹きかけた。
「ふぁあああっ!」
思わず少女の我慢が溶けて甘い声が漏れる。
一旦快楽に屈してしまえば、もう少女は完全に少年のなすがままだった。
少年は少女の耳の裏をねぶり、また何度も耳たぶをくわえて口の中で転がした。
「あっ、あっ、ひ、ヒデ君っ、ヒデ君っ」
少女は自分が襲われているという事実も忘れて少年の名前を呼ぶ。
少年が少女から身を離したとき、少女の顔はすっかり上気し、荒くはぁはぁと肩で呼吸していた。
「ふふ、琴姉ぇの体は正直だな」
「ち、違うよ、はぁ、はぁっ、これは体が勝手に……」
「ふーん、体が勝手に、か」
少年は意地悪く笑う。
「じゃあ……こちらも体が勝手に……なんだな!」
そう言うと少年は少女の体操服の裾を掴むと一気にまくり上げた。
「きゃあああっ?!」
少女の体操服の下、ピンクのブラジャーに包まれた彼女の胸が露わになる。
まだ高校生である少女の胸に大人の女性のような豊満さはないが、同級生の間では比較的大きく、しっかりとした膨らみが広がっている。
「ふーん、琴姉ぇはスポーツブラじゃないんだ?」
「そ、そこまで小さくないんだからっ」
顔を真っ赤にして少女は主張する。
「そっか。
じゃあもっと大きくするために揉んでやるよ」
「え?!
ちょ、やめっ、ふぁっ、あん、あっ」
少年の両手が少女の双丘を優しく鷲掴む。
爪を立てないように気遣いながらも、少し強めに揉みしだく。
少女は声を出すまいと、またも口を堅く引き結んで耐える。
だが少年は声を出せようとするかのように、胸を揉みながら先程と同じように耳たぶをかみ、耳元で少女の名前を呼び、息を吹きかける。
「んん〜〜〜っ!
んむっ!
ん、はぁっはっ、んっ!」
少女はこれ以上強くしたら唇を噛み切ってしまうほどに必死で声を出すまいと耐える。
しかし、少年はそんな少女の努力をあざ笑うかのように、少し笑うと、
「体は正直だね、琴音」
そう言いながらブラジャーの隙間から手を差し入れ、彼女の乳首の先端の突起を優しく摘んだ。
「んんんっ!」
激しく声と息が漏れ、少女は少しの間、体を脳に向かって流れる電流のような快楽に身を震わせた。
「はぁ、はぁ、はぁ、……すぅ」
少女は荒い息を吐き出し、必死に呼吸を整えようとする。
「琴音、軽くイっちゃった?」
「はぁっ、そ……そんなわけ、ふぅ、……な、ない……」
荒い息のまま必死に否定する。
だが少年はまた意地悪く、
「そうは見えないよ、琴音。
何故なら……」
そう言ってブルマ越しに彼女の足の間をゆっくりと擦った。
「だ、ダメっ!」
「その割には大分湿ってきているみたいだけど?」
********************
3328/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:38:33.79 ID:vhHCkXne
(こんなのこれ以上授業中に読めるかああああああっ!)
俺は心の中でちゃぶ台をひっくり返した。
途中で何かどんでん返しとか来ると思ったら普通に最初から最後までストレートなエロ小説じゃねーか!
流石に朝から精力の付くような食事をして赤まむしのドリンクも飲んできた後だ。
内容が俺と琴姉ぇでもちょっとムラムラしそうな内容だった。
おまけにまだ続くぞ、これ?!
この調子だと普通に本番やりそうだし!
俺はこのメールを閉じようとして、ふと気付く。
(そういや、添付ファイルがあったっけ……)
俺は5件の添付ファイルを受信する。
やめればよかった。
15分後程後の俺の感想である。

添付ファイルのJPEG画像5枚の受信はすぐ終わった。
が、その画像5枚は俺を驚愕させるに十分な内容だった。

(256KB)CA3A0017
琴姉ぇが体操服、ブルマ姿の自分を直撮りしている写メ。
(256KB)CA3A0018
琴姉ぇが直撮りでブルマからはみ出しているはみパン(白だった)を撮っている写メ。
(256KB)CA3A0019
琴姉ぇが直撮りで体操服の上をまくり上げ、体操服姿に小説にもあったピンクのブラジャーを晒している写メ。
(256KB)CA3A0020
琴姉が体操服の上を脱いでブラジャー姿、下はブルマを足先まで脱いで足先にひっかけている状態の自分を直取りしている写メ。
(256KB)CA3A0021
琴姉ぇがブラジャーを外して手ブラで胸を隠しながら自分の上半身を直撮りしている写メ。

流石に無理だった。
「ぶふっ、ごほっ! ごほっ! げほっ!」
壮大にむせた。
琴姉ぇがこんなに肌を晒しているのを見るのは久しぶりだった。
いや、そりゃ水着姿は見てるけど下着は布面積が同じでも話が違う。
ついでに俺の下半身にも血流が集中してズボンの中でつっぱって痛かった。
流石にここまで大きな音を立てるとクラス中の注目は否応なく俺に集まる。
3339/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:39:17.58 ID:vhHCkXne
「……大丈夫か?」
臼井が先程以上に怪訝な目で俺を見ている。
「何でもないです、すみません、唾が気管に入りました!」
とりあえず俺は適当な嘘で取り繕った。
……完全に嘘でって訳でもないか。
「もしかして寝てたのか、よし、眠気覚ましに立ってみろ。
授業もそろそろ終わるがちょっと読んでもらおうかな。
源氏物語第九帖『葵』、156ページだ」
「はい、わかりました……」
俺はそう言って立ち上がるが、微妙に股間の膨らみが机に引っかかった。
その瞬間。
「おい、ヒデが勃起してんぞ!」
隣の席の悪友の田上がニヤニヤしながらデカい声で言った。
途端、クラス中の視線が俺に集まる。
もとい、俺の下半身に集まる。
悲しいことに、赤まむしのせいか琴姉ぇのエロ小説のせいか、はたまた琴姉ぇの直撮りセミヌードのせいか近くの席の人間にはわかるほど俺の股間はもっこりしていた。
「わかる、わかるぞ、ヒデ。
源氏物語屈指の名場面、紫の君と源氏の最初の濡れ場だからな。
男なら仕方ない、日本人男性の7割はロリコンだからな」
と田上が全く的外れなことを言った途端、クラス中が大爆笑に包まれ、沸き立った。
「そうか、ヒデはロリコンか……」
「やだー、ロリヒデじゃーん」
クラス中から口々にそういう笑い声が聞こえる。
「ちょ、違うんだって!」
俺は弁解を始めようとした途端、キーンコーンカーンコーン……と情けなくチャイムが鳴る。
「源氏物語が扇情的なのはわかるが授業中の妄想は程々にな」
教師の臼井まで何か誤解をしたまま、授業を終えてでていった。
60分の授業が終わり、時計が10時を告げる。
(くそ、琴姉ぇめ……あとで絶対シメる……!)
田上もな、と自分で心の中で付け加え、今回の元凶になった携帯の画面を見やる。
すると、10時きっかりに琴姉ぇからのメールが来ていた。
33410/10 ◆ONTLfA/kg2 :2012/09/21(金) 01:41:14.56 ID:vhHCkXne
********************
From:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:最初の1時間が終わったよ!
本文:
ヒデ君あちきの小説はどうだったかな?
楽しんでもらえたかな?
続きはネット上で!
感想も聞かせてね!(^3^)-chu!
********************

俺は携帯を片手に握りしめ、わなわなと震えた。
多分周囲の人間から見たら俺は殺意の波動に目覚めて見えたに違いない。
が、俺は律儀にメール画面を操作し、

********************
To:琴姉ぇ[[email protected]
Subject:小説の感想
本文:
まず俺と琴姉ぇのキャラが崩壊しすぎだ。
そらからエロゲとかによくあるような言い回しが多い。
受けを取るのならいいがエロさを追求するならネタっぽくなるから気をつけた方がいい。
それからお姫様抱っこ願望でもあったのか?
********************

感想とツッコミのメールを打っていた。

(こういうとき、すっかりツッコミ役が板に付いてるからついついやっちゃうんだよなぁ……)
次の12時には一体琴姉ぇがどんなことを企むのだろうと言うことが不安でならず、俺は大きく嘆息した。