【未だに】ブラックラグーンVOL.14【ドライブ中】

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1名無しさん@ピンキー
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http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145776198/

【ふたりはブラクラ】ブラックラグーン vol.2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1098608817/

ブラックラグーンでハアハア
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067839049/

*保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
ttp://red.ribbon.to/~storage/index.html

2名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 22:11:36 ID:zDFr2+hQ
>1乙
3名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 22:22:02 ID:wGgSLNkc
>>1
乙です
4ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:35:40 ID:wGgSLNkc

前スレ>>670の続き


*本投下分にエロなし


5ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:36:41 ID:wGgSLNkc


銃弾を受けたレヴィの傷は、後遺症が発生することもなく快方に向かった。
応急処置が良かったのだろうと、ロアナプラに帰ってから連れて行った医者は言った。
ワ州連合軍の連中は、拍子抜けするほど穏和だった。
つい数十年前まで首狩り族などと言われていたとは思えない穏やかさでレヴィの傷を心配し、
レヴィにワイシャツを着せてやったロックのために、新しいシャツを調達してきてくれた。
ただ、医療設備はお粗末だった。
「病院」とは名ばかりの、却って傷が悪化しそうな衛生状態の設備を見て、
ロックはたぶん初めて「ロアナプラのありがたみ」なるものを感じた。

レヴィは涼しい顔で毎日事務所に現れた。
あんなに脂汗を流して苦しんでいたというのに、
そんなことはすっかり忘れてしまったように大股で歩きまわった。
さすがに数日間は腕を吊っていたが、それもすぐに外してしまった。
黒いタンクトップの下に覗く白いガーゼだけが、まだ傷の癒えていないことを伝えていた。
ちゃんと医者には行っているのだろうか、ちゃんと一人で傷の手当てができているのだろうか、
気になったが、もうそれを訊けるような間柄ではない。
以前に比べると一度に重たいものを持つのは避けているように見えたり、
時折眉が歪められるように見えたりもしたが、何も確かめることはできないまま、日々は過ぎていった。

そんな折だった。
熟した柿のような太陽が西の水平線に姿を消した頃合い、そろそろ帰ろうとロックが事務所を出ると、
目の前に黒塗りのセダンが停車した。
「お、ロックか」
「──張さん」
曇りひとつなく黒々と光るセダンの後部座席から出てきたのは、張だった。
仕立て直したのか、それとも同じものを何枚も持っているのか、
先日レヴィのために細切れにしたコートと寸分違わぬコートを今日もはおっていた。
「これから帰りか」
「ええ」
頷くと、張は二階にある『ラグーン商会』の事務所の窓を見上げ、少し考え込むように顎に手をやった。
「何か用でしたか?」
「うん……いや、まぁ、いい。ロック、乗ってけ」
張はくるりときびすを返した。
「え?」

──「乗ってけ」? 乗ってけって、俺が?

なぜ自分が。
ロックが困惑していると、張はさっさと後部座席に乗り込んだ。
「ほら、早くしろ。帰るとこだったんだろ?」
「え、ええ……。まぁ……」
この街では愚図と無能が一番嫌われる。
ロックは訳が分からないままに張の隣に座ってドアを閉めた。
6ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:37:52 ID:wGgSLNkc

「彪、出せ」
運転席にいた彪が少し顎を引くと、車は音もなくすべり出した。
ドアはぴったりと閉まり、外部の音を遮断する。
革張りのシートやドアの内張、内装のひとつひとつに至るまでがやけに上質で、
ロックはなんとなく居心地が悪かった。
「……良かったんですか。何か用があって来たんじゃなかったんですか」
黒っぽい色の入ったリアウインドウ越しに後ろを振り返って言うと、
張は、「ああ、お前でこと足りる」と、ジタンに火をつけた。

どういうことだろうと思っていると、張はコートの懐から二つの封筒を取り出した。
「ほれ、こっちはお前に」
そのうちの一つを、張は差し出してきた。
ロックは渡されるままに、素っ気ない茶封筒を受け取った。
それなりの厚みがある封筒を開けてみると、中には札が入っていた。
「これ……」
「報酬の割増分だ。今回はちょっとばかりお前とレヴィを働かせすぎたからな」
「でも、俺は何も……」
「まぁそう遠慮するな。貰えるもんは、貰える時に貰っとくもんだぞ」
「はぁ……」
そう言われても、あの時の自分の役立たずっぷりは思い出したくもない。
ロックは渋い顔で手の中の封筒を見下ろした。

「で、こっちはレヴィの分だ。治療代も入ってる。渡しといてくれ」
差し出されるままにロックはその封筒もつい受け取ってしまったが、すぐに思い直した。
「なんで俺なんですか。張さんから渡して下さいよ」
今度は逆に封筒を突き返すと、張はその封筒にちらりと目を落としてからロックを見た。
「──どうした」
黒いサングラスの奥に、不審そうな目が透けていた。
「どうせすぐに会うんだろ」
「……明日になれば、会うことは会いますけど」
「じゃあいいじゃないか。その時渡してくれ」
「……でも」
「なんだ」
「張さんから渡してもらった方がいい。俺は渡したくない」
ロックが頑なに封筒を突き出すと、張はため息をついた。
「……一体どうしたんだ。俺からの金をお前がレヴィに渡してやることの、何が駄目なんだ」

ロックの頭の中では、先日のやりとりが蘇っていた。
レヴィがロックとの関係を「嫌だった」と言った、その発端が金のやりとりだった。

黙り込んだロックを見て、張がサングラスの上の眉を八の字にした。
「……まったく、お前ら最近おかしいぞ。何があった」
ロックは目を伏せた。
だが、張の視線は額に張りついたままだ。
「……この前」
「うん?」
「この前、レヴィに金を渡したんですよ」
「ほう?」
「ラブレス家の件で、張さんにもらった。俺には多すぎるし、彼女には随分助けてもらった。
それで、半分、いや、三分の二──? よく覚えていないけれど、渡したんです」
「それで?」
「そうしたら──」
ロックは顔をしかめた。

『なんだよ、この金』

レヴィの歪んだ顔が思い出される。
7ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:38:47 ID:wGgSLNkc

「すごく、怒った」
「……怒ったのか」
ロックは無言で頷いた。
「お前はなんと言って渡して、で、あいつはなんて言ったんだ」
「世話になってるから、って言って渡したら、
俺を世話したつもりはない、金で雇われたつもりもない、と」
言うと、張は呆れたとばかりに顔をロックの方へめぐらせた。
「──馬鹿だなぁ、お前。金をそのまんま渡す奴があるか。
そういう時は服なりアクセサリーなり、何か物で渡してやるのが普通だろ。
現ナマは色気なさすぎだろう、ロック」
「……でも! 怪我したところの治療費だってかかってるだろうし、
彼女の服の好みは分からないし、アクセサリーなんかつけないし、だったら好きなもの買ってもらった方が──」
「だから馬鹿だ、って言ってんだ。好きな男から貰えばなんだって嬉しいだろ」
ロックは眉をひそめた。
「彼女は俺のことなんか好きじゃないですよ」
「……なんだ。突っかかるなよ」
「別に突っかかってなんかない」
ロックはずっと隣の張の方に体を向けているのにも疲れて、背もたれに寄りかかった。

「──で?」
促されて、ロックは隣の張の方に顔を向けた。
「で、とは?」
「その続きだよ」
「──」
「続きがあるだろう?」
「……」

続き。
もちろん、ある。

『あんたのラブドールになってることか?』

レヴィの言葉は脳の奥まで突き刺さって、今も抜けずに食い込んでいる。
けれど。

「それは……」
ロックは口をつぐんだ。
「言いたくないか」
「はい」
「ふぅん?」
張は横からロックの顔を覗き込むだけで、それ以上追求してはこなかった。

「彪」
張は運転席に声をかけた。
「ちょいと寄り道だ。呑んでく」
「はい」
彪が前を向いたまま返事をしたかと思うと、車はすいと角を曲がり、ロックの下宿は遠のいた。
「え、張さ──」
話が違う。
ロックは慌てたが、張はにやりと唇の端を吊り上げた。
「お前も一緒だ。たまには男同士で呑むのも悪くないだろう?」
8ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:39:48 ID:wGgSLNkc


有無を言わさず連れて行かれたのは、バーだった。
間口は狭いが、堅牢な造りのドアはどっしりしていて上質だ。
黒っぽい色をした金属製のドアには、目の高さにつや消しの金のプレートがついており、
そこに小さく店名が刻まれていた。
重々しいドアをくぐり抜けると、店内は薄暗かった。
ひんやりとした空気の中、ほのかな間接照明に照らされたカウンターが静かに浮かび上がっている。
カウンターの側で陰のように立っていたウエイターが、張の顔を見ると無言で頭を下げた。
張がほんの少し目配せをすると、ウエイターは心得ていますといった風に、すっと音もなく先導した。
ロックは、暗い店内をすべるように奥へ進んでいく張の後に、おずおずと従った。
分厚い絨毯に靴が沈み込む。
ゆったりとしたジャズが薄く流れ、かすかにグラスの触れ合う音がする。
空気は重たい水のように揺らぐだけで、ほとんど動かない。
いつも行く喧噪にまみれた『イエロー・フラッグ』とはまったく勝手が違った。

張は奥まったボックス席に腰を下ろすと、向かい側をロックに勧めた。
「まぁ座れ」
「……はい」
ここまで来てしまったのだから仕方がない。
ロックはビロードのようなつややかな布を張ったソファーに腰掛けた。

張はウエイターから渡されたメニューを開いた。
ざっと目を通して、すぐに決める。
「ヴェリー・オールド・セントニックを。ボトルで持ってきてくれ。──お前もそれでいいか?」
「はい」
張が頼んだものがなんなのかもよく分からないままにロックは頷いた。
元々そんなに酒には詳しくないし、特にこだわりがあるわけでもない。
それに、今ここで異をとなえる理由がない。
ロックはそっと腰を浮かせて、深く腰掛け直した。

ウエイターが退くと、張は深々とソファーにもたれかかり、ジタンをくわえた。
ライターをともして火をつける。
照明を落とした店内に、煙が白く立ちのぼった。
ソファーのスプリングはやわらかく、空調はちょうど良く店内を冷やしている。
すぐに銃を振り回す輩もいなければ、隙あらばと営業を仕掛けてくる娼婦もいない。
非常に落ち着いた空間のはずなのだが、非常に落ち着かない。
ロックはもぞもぞと身じろぎをし、ため息を逃がした。

ほどなくして、ロックグラスとボトルが運ばれてきた。
精緻なカットがほどこされたクリスタルグラスには、大きな水晶のような氷が入っていた。
ウェイターはなめらかな手つきでボトルを開け、琥珀色の液体を静かに注いだ。
酒は氷の表面を伝って底にたまった。
グラスのカットが琥珀色に浮かび上がる。
二つのグラスに注ぐと、ウェイターは背景に溶け込むように去って行った。

張はそのグラスを手に取り、少し掲げてみせてから口に運んだ。
ロックも合わせて、口をつける。
「──うまいですね」
「だろう? なかなか出回らないバーボンなんだよ」
強いが、当たりは意外とまろやかだった。深い香りも良い。
ロックはもう一度、小さく口をつけた。
9ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:40:38 ID:wGgSLNkc

「しかし、この間のはなかなか肝を冷やしたなぁ」
肝を冷やしたなどとはまったく思えない調子で言い、張はつまみのピーカンナッツに手を伸ばした。
「どうだ、レヴィの怪我の様子は」
ロックはグラスの中を見つめながら肩をすくめた。
「さぁ。よく分からないですけど、普通にしてますよ」
「普通、か。……あいつの“普通”は全然“普通”じゃないからなァ。
ちょっとはおとなしくしとけって言ってやれ、ロック」
「俺の言うことなんか聞きませんよ。心配だったら会って来たらどうです? 多分まだ事務所にいますよ」
グラスを傾けると、張がこれ見よがしにため息をついた。
「……お前らな、一体どうした」
「……どうもしませんよ」
「どうもしないわけあるか。
……ったく、この間からずっと、漏電したレンジみたいにピリピリしやがって。
喧嘩するほど仲が良いのはいいが、ほどほどにしとけよ。ダッチとベニーが気の毒でありゃしない」
「仲なんか良くないですって」
ロックは目の前の皿に乗っているピーカンナッツを手に取り、口に放り込んだ。
なぜ泣く子も黙るマフィアのボスと、差しでこんな話をしているのだろう。
早く帰りたいが、勝手に席を立つわけにもいかない。
ロックは、ぽりぽりとナッツを噛み砕いた。

「……ふぅん?」
張は意味ありげな顔でロックを覗き込んできた。
「レヴィに渡したら怒ったっていう金な、どこで渡した」
「……俺の部屋で、ですけど」
ロックは警戒しながら答えた。
「いつ渡した」
「さぁ……、もう随分前だな。張さんからの依頼がある前」
「そうじゃない。時間だ、時間。朝か、夜か」
「時間? ……朝、出かける前かな。事務所に行く前──」
「へぇ?」
張の口もとが面白そうに吊り上がった。
馬鹿正直に答えてしまったことに気づいて、ロックは歯噛みしたくなった。
朝、自分の部屋で、など。
どうしてそんなところに彼女がいたのか、言ってしまったも同然だ。
──いや、しかし、ロックがレヴィの部屋へ単に起こしに行っただけのことだってある。
変に動揺しない方が良い。
ロックはグラスを取った。
ごまかせるか──。
思った途端、張が言った。

「抱いたか」

直球だった。
一応問いの形を取ってはいたが、それは問いかけでもなんでもなく、ほとんど断定だった。
一瞬、手に持ったグラスの表面が揺れた。
が、その話には絶対に乗るものかと、ロックは無視を決め込み、グラスを口に運んだ。
透明なクリスタルを傾けて、バーボンを流し込む。

「──良い女だったろう?」
10ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:41:58 ID:wGgSLNkc

流し込んだちょうどその時、張の言葉が正面からやってきて、ロックはむせそうになった。
危うく気管に入りそうになった酒をなんとか飲み下して数回咳き込み、ロックは張を睨みつけた。

「目が本気になったぜ、ロック」
張は、ロックの向かい側で悠然と足を組んでいた。
「勘違いするなよ。ただの想像だ、俺は知らん」
安心しろ、と張は嫌な笑いを浮かべる。
「……『安心』ってなんのことですか」
苦々しく、ロックはグラスをテーブルに置いた。
仏頂面のロックを、張はさらりと受け流した。
「ほっとした顔したぜ、ロック。まだまだお前は分かりやすい」
張はバーボンのボトルを取り、ほとんど空になっていたロックのグラスに、スリーフィンガー分ほどなみなみと注いだ。
ロックはため息をついてマイルドセブンを取り出した。
「吸っても?」
「もちろん」
張も自分のジタンを取り出して火をつけた。

「──で、抱いたんだろ?」
煙草をくわえてくぐもった声で、張が訊く。
「……」
ロックはマイルドセブンを深々と吸い込んだ。
「この期に及んでだんまりか。
黙ったってな、それで隠せてると思ってんのはお前らだけだぞ」
ロックは眉をひそめ、無言でライターをしまった。

「下種な好奇心で聞いてるわけじゃない。お前らが寝ようが寝るまいが、俺にはなんの関係もない。
しかしな、俺たちは常に卵の上を渡ってるんだよ。累卵の危うき、ってやつだ。
その中に、復活祭の卵のように今にも割れそうなのが混ざってるのは困る。
今のお前らが鉄の卵に見えてりゃ、俺はこんなことは言ってない。
──ん? どうだ? この前の自分を思い出して、それでも割れない卵だと言えるか?」
「……仕事に影響を出したのは、申し訳なかったと思ってます」
「謝る必要はない。俺たちは機械じゃないし、お前らはまだ若い。感情をすべて断ち切れとは言わん。
……けどな、俺はお前らを買ってるのさ。
『ラグーン商会』は優秀な運び屋だし、レヴィは極上のガンマンだ。
お前は──、そうだな、お前は……、面白くなる。これからも化ける。たぶんきっと」
予言でもするかのように、張は吸いかけのジタンをロックに向かって突きつけた。
「こんなところでくたばってもらっちゃ、困る」
突きつけられたジタンの先端から、煙が細く立ちのぼった。

ロックはその先端から目をそらすと、のろのろと首を左右に振った。
「……でも。どうしようもないんですよ。どうしようもない。終わったんだ。割れた卵は元には戻せない」
「そう早合点するな」
「早合点なんかじゃない。俺にはもう、どうにもできない。……彼女が、望んだことです」
指の間に挟んだ煙草を見下ろしながら言うと、張がふぅっと煙を吐いた。
「ほう? ──すべてあいつのせいか」
「そうじゃない。……そういうことじゃない。──言われたんですよ。もう、嫌だ、って」
「何が?」
指に挟んだ煙草の先端は、じりじりと静かにくすぶる。
「……」
「何が、もう嫌だ、と?」
ロックは黙って首を左右に振った。
手にした煙草を口へ運ぶ。
「……寝るのが、か」
吐き出した煙がゆるく立ち込めた。
11ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:42:48 ID:wGgSLNkc

ロックは煙草の先端に伸びた灰を、テーブルに乗っているクリスタルの灰皿に落とした。
「どれくらい続けてた」
黙ってまた煙草をくわえるロックの返答を待たず、張は続けた。
「一回?」
「……」
「十回?」
「……」
「……数え切れないほどか」
ロックは大きくため息をついて、透明に光る灰皿で煙草をもみ消した。
グラスを取って、大きく呷る。
喉がかっと熱くなった。
空になったグラスをテーブルに置くと、張がまた酒を注ぎ足した。

「お前は、どういうつもりだったんだ」
張の声は、どこか遠くに聞こえた。
頭はぼんやりと軽く、酔いがまわり始めているようだった。
「……どうって…………」

──どう?

ロックはまとまらない頭で考える。
レヴィ。
朝に弱かった。
いつまでもベッドの上で丸まっていて、声をかけると眠そうに目をこすった。
朝のまぶしさから逃れるように、ブラインドから差し込む光を手で遮った。
掴んだ手首は、いつもつけている黒革のグローブのせいで一部分だけが白く、内側にはうす青い血管が透けていた。
力の入らない手が、たらんと垂れた。

箍のゆるんだ頭は、とりとめのない情景だけを再生させる。

促すと、レヴィは長い髪をもつれさせて、のろのろと体を起こした。
こぼれた栗色の髪の隙間から、裸の肩と胸もとが覗く。
レヴィはかすれた声で「引っ張んな」と言ったが、引き起こすために手を握ると、握り返してきた。
その手は、子どものように熱かった。

「ロック」
張の声に、ロックは我に返った。
「お前は、あいつをどう思ってるんだ」

──どう。

張の言葉は耳に入ってきているのに、頭がまったくまとまらない。
手応えのない霞の中をさまよっているようだった。
ただ、レヴィの断片だけが次々と浮かんでは消えていった。
12ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:44:00 ID:wGgSLNkc

「駒か」
「ちがう!」
ロックは反射的に叫んでいた。
彼女をどう思っているか。
それは言葉で表そうとすると、ひどく難しい。
それでも。
「……駒だなんて、思ってない」
「怒るな。俺は別に人道主義者じゃない。もしお前がそう思ってたとしても、少しも責めやしないさ。
むしろ、本当にそう思っていたなら俺はお前を見直すぞ、ロック」

ロックは半ば機械的にグラスを口もとに運んだ。
更に胃の中が熱くなる。
「あいつには何て言ってるんだ」
ロックは手の中のグラスを見つめた。
氷の表面は溶けかかって、更になめらかになっていた。
「……何も」
「何もか」
「何も」

ロックはグラスの中を覗き込んだ。
琥珀色に氷の透明が溶けてきて、その境目がじわじわと滲んでいた。
「……言えるものなら、とっくに言ってる。でも、なんて言えばいい?
俺は彼女に会って、生きる場所を見つけた。初めて、生きたいと思った。切実に。
──でも、生きようとすれば死ぬんだ。……彼女と共には生きられない。
……俺は、彼女に死んでほしくない。他の、何に代えても」
グラスの中ではゆらゆらと光がまわり、反射した明かりを散らしていた。
遠近感があやしくなり、琥珀のゆらめきの中に取り込まれてしまそうだった。

ややあって、張の声がした。
「……すまん、意味が分からん」
一応は理解しようと努力したが、お手上げだ。
そんな声だった。
それはそうだろう。
当のロックだって、自分が何を言っているのかよく分かっていなかった。
ロックは、ぐらぐらする頭を抑えるように手を額にやった。
「……彼女が、レヴィが言ったんだ。
生きるのに執着すると、怯えが出る。眼が曇る。そんなのがなければ、地の果てまでも闘える、って──」
張は白い煙を吐き出した。
「……ふん。生きようとしなければどこまででも行ける、か──。それがあいつの哲学か」
「俺たちは見たんだ。自分たちは生きるために戦ってる、そう言って死んだ二人を」
「…………なるほど? そしてお前らはそれでビビっちまったってわけか」
「……レヴィは分からない。でも、俺は……」
ロックは息を吸い直した。
「俺は彼女を選んだ。いや、選んでた、たぶん最初から。
彼女と同じ場所で生きたい、それを何て言ったらいいのか、俺には分からない。
でも、それは彼女にまで無理強いすることじゃない。彼女にだって、選ぶ権利はある」
「……ふぅん? で、レヴィはお前を拒絶したと、そういうことか?」
「……ええ」
ロックは頷いて、グラスの酒で喉をうるおした。
だが、飲めば飲むほど酒は喉を焼いて、ひりひりとした渇きを与えてくる気がした。
13ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:44:57 ID:wGgSLNkc

「……俺にはよく分からんのだが」
張は右手の人差し指と中指で煙草を挟み、折り曲げた右肘の内側に左手を掛けた。
「それは本当に拒絶だったのか?」
「拒絶でしたよ。はっきり言いました。嫌だった、って」
張は何も言わずに長々と煙草をふかし、短くなったそれをクリスタルの灰皿にぎゅっとねじりつけた。

「──お前が言うならそうなのかもしれんが、俺が気になってることが二つある。
まず一つ目。お前はさっき、レヴィには何も言ってないと言った。
その理由は、一緒に生きたいと口に出せば、彼女を死に向かわせるから。
なるほど、それは一理ある。
──だが、その理屈が通るのは、あいつもお前と生きたいと願っている、その場合だけじゃないのか?
彼女がお前のことなんざ本当にどうでも良いと思っていれば、
お前が何を言おうとあいつを縛ることにはならない。
お前は本当に、彼女が『嫌だ』と思ってると? ……本当は、分かってるんじゃないのか」
ロックは振り払うように首を振った。
「分かってない。分かってなかったんですよ、何も。俺がそう思いたかった。それだけだったんだ」

張は自分のグラスを手に取った。
一口舐めて、グラスの縁からロックを見据える。
「──そうか? じゃ、二つ目だ。
お前があいつを抱いたとして、だ。
本当にあいつがそれを嫌だと思ってたんなら、お前は今ここにはいないだろうよ」

──ここにはいない?

どういう意味か。
不審さは顔に出たのだろう、張はじっとロックの顔を見つめてから、グラスを置いた。
「こんな糞溜めで這いずりまわってる俺たちみたいな奴の頭の中ではな、
損得抜きの"Make Love"なんてものは、映画のスクリーンの中にしか存在しないんだよ。
生まれ落ちたのは汚れた便器の中、子守歌は淫売の母親が客とあげる嬌声、
毎日ベルトのバックルで殴られ、便所を歩き回った靴底で蹴られ、一晩中縄で縛られる。
食事を与えられず、クローゼットの中に閉じ込められ、吐瀉物を食わされる。
三歳で父親の陰茎を口に突っ込まれ、四歳で輪姦、
五歳でマフィアに二束三文で売られ、ヤク漬けにされてペドフィリアの客にあてがわれる。
実の親父に孕まされる、性器を切除される、子宮を引きずり出される、なんてのもある。
──信じられないか? だが、そういう話が珍しくもなんともない世界が現にあるんだ。
まったく聞き飽きて、あくびが出る。おいおい、眠くなるぜ、もっと面白い話をしろよ──。
──忘れるなよ、お前がいるところは、そういう世界だ。
ここはそうやって、とっくに死んでなきゃおかしい奴らがなぜか死なずに寄せ集められた掃き溜めだ。
あいつがどういう環境で育ってきたのかは知らん。
けどな、優しいパパとママに白いお洋服着せてもらって赤いおリボン結んでもらってりゃ、こんなところにはいなかったさ。
──さて、そういう奴が、だ。
何も言わずにただ寝た男から、ある日金を渡される。世話になってるから、とな。
そうしたら、そういう頭の奴はどう考えると思う?」
張はそこで一旦言葉を切った。

「──この先も、講義が必要か?」
張の言った言葉がじわじわと染みてくる。

レヴィは、自分を「ラブドール」と言った。
「こんだけありゃあ立派な高級娼婦が買えるぜ」とも。

「……でも、──俺は、そうじゃ……」
あれは口の悪い彼女がロックを揶揄しているのだと思っていた。
男の性欲を満たすために相手をするのはもう御免だと。
14ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:46:52 ID:wGgSLNkc

「他人の頭の中は覗けない」
張は静かにグラスを取った。
「だが、少しの想像力があれば分かることだ。一体何が『嫌』なのか、な」

ロックは、自分と寝るのが、男の性欲の対象にされるのが「嫌」なのだと思っていた。
けれど、そうではなく、自分に娼婦扱いをされるのが「嫌」だったと──?

急に胸苦しくなった。
くらりと視界が揺れる。

「いいか、あいつは客観的に見て“良い女”だ。つまり、商品価値のある女だ。
見た目だけじゃない。頭は良いし、よく気がつく。察しが良く、度胸もある。
その気になりゃあ、マリー・デュプレシー並の高級娼婦にだってなれる。
一生かかったって使い切れないくらいの金を稼げるだろうよ。
実際、ちょっと面積の狭い布きれつけて舞台に立っただけで、ホールを連日満員にできたんだ。
──お前がここに来る前の話だが」
「……ええ」
「だが、この先はお前も知っての通り、あいつはその道を選ばなかった。
毎日うなるほど客が押し寄せてるってのに、
プライヤチャットのオヤジに払うソード・カトラスの代金が貯まったら、あっさりとんずら。
ローワンは未練たらたらだが、当の本人は相変わらずボロい下宿に住んで、安酒ばかり呑んでいる」
張はサングラスの奥からロックをじっと見据えた。
「──嫌だったからだ。
どんなに稼げたって、セックスワーカーは嫌だったからだ」
言葉は切られたが、張の視線は揺るがない。
張とロックの間には、張り詰めた空気が満ちていた。

その空気は、張が小さく息をついたことによって少しだけゆるんだ。
「……こんなこと、俺が訳知り顔で言えた義理でもないが。
本人に聞いたわけじゃなし、お前だって分かってるだろ?」
「ああ……。……分かってる……」
ロックはしぼり出すように呻いた。
「なら。その先だって分かるはずだ。
そんな奴が、義理だかなんだか知らんが、嫌なのを我慢してまで男と寝ると思うか?」
頭の中で血管が脈打つ。
張の声が渦巻くように流れ込んでくる。
「本気でお前がそう思ってたとしたら、随分とあいつを見くびっている。
あいつにその気がなかったら、とっくにお前は脳味噌ぶちまけて蝿の餌になってるだろうよ」

張はジタンの箱からまた新しく一本引き抜いた。
くわえて、ライターで火をつける。
キン、とライターの蓋の閉まる音がして、煙がたゆたう。
「俺は、彼女に──」
何を言いたいのかも分からず、ロックはうなった。
「……悪いことをしたと思うか? そんなつもりではなかったと?
一緒に生きようとすれば死ぬ。だから言わない。あいつがそう言ったから。あいつも、言われることを望んでいない。
──本当に、そうか?」
ロックはのろのろと顔を上げた。
「あいつがどう言ったのかは知らんが、本当に望んでいないのか?
お前は、『分かってなかった』と言ったな。『俺がそう思いたかった』だけだ、とも。
──本当に、そうなのか?」
本、当、に。
そのフレーズを、張はゆっくりと発音した。
15ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:48:20 ID:wGgSLNkc

「お前が『そう思いたかった』のは、あいつが『一緒に生きようと“言われることを”望んでいない』、
そっちなんじゃないのか?」
ロックは息を吸い込んだ。
ちがう。
言いたかったが、声は胸の奥で固まった。
「言わないのは、お前に自信がないからじゃないのか。あいつのすべてを受け止める自信が」
張の声が、白い煙の中にただよった。

ロックは意味もなくただゆるゆると首を横に振った。
思考はまとまらず、脳はゆるいポタージュのようだった。
「あいつがこうだから、こう言ったからとお前は言う。
考え方は人それぞれだ。それに口を出すことはしないさ。
──けどな、じゃあ、お前の哲学はどこにある?
『一緒に生きようとすれば死ぬ』、それがあいつの哲学か。オーライ、分かった。
では、お前は?」
張は煙の向こうから見据えてくる。

「……俺に言わせりゃな、生きようとしなくなって死ぬんだよ。
『死ぬのは怖くない』、そう言った奴が、その五秒後には夏の終わりの蝉みたいにぽろぽろと簡単に死んでいく。
生きようとしようとしなかろうと、平等に死ぬ。死は無慈悲なほどに平等だよ、ロック」
張は深々と煙草をふかし、足を組み替えた。

「人を殺す奴は、長くは生きられない。──なんでか分かるか?」
ロックは少し考えてから口を開いた。
「……危険な場所に身を置いているから。それから……、恨みを買うから」
「『剣を取る者は、剣で滅びる』。……半分は正解だ。
あと半分はな、こうやって殺すの殺されるのって世界に居続けると、最後は自ら命を投げ出しちまうのさ。
……そうだな、ほとんど自殺に近い。
人を殺すのを生業としてる奴の人生なんか、糞みたいなものだ。
生きていても楽しいことなんか何もない。そういう奴にとって、死は安らぎだ。
ふと、もう楽になりたい、そう思う瞬間がくる。
もともと誰に望まれて生まれてきたわけでもない。この世につなぎとめるものなど何もない。
復讐、怒り、憎しみ……。そういうもんで自分を生かしてる奴らもいる。
しかし、復讐が終わればどうなる? 憎しみの対象がいなくなればどうなる?
そうやって対象がいればまだましだ。
“社会”、“世間”、そんな抽象的なものを憎み続けていられるほど、人間に持久力はないんだよ。
人は忘れ、摩耗していく生き物だ。憎しみだけで生き続けることはできない。
憎しみが薄れた先にあるのは、──虚無だ」

張の煙草からは灰が長く伸びていた。

「人は、自分のためだけに生きることは難しい。必ず、この世につなぎとめる何かが必要なんだ。
血へど吐いて泥沼に転がった局面で、目の前に鉄条網の命綱を放り投げられた時、それを掴むか否か。
そいつを掴んでまで帰りたい場所があるか、生きていたい理由があるか。
……もし、最後に生死を分ける要素ってもんがあるとすれば、案外そんな、手垢のついたものかもしれんぞ」

張は煙草を灰皿でもみ消した。

「人は死ぬ。簡単にな。
それでも誰かを死なせたくないと思ったらな、そいつをこの世につなぎとめる鎖になれ。
泥沼の中に飛び込んで、そいつの体を浚って鉄条網を握りしめ、運命にさえ逆らってみせろ。
……誰かを救うってのは、そういうことだよ、ロック。
人を生かすのは神じゃない。──人間だ」
16ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:49:45 ID:wGgSLNkc

伏せていた視線を上げると、張と目が合った。
黒いサングラスの奥の瞳は動かない。

「──で、お前にその覚悟はあるのか。お前にはその力があるのか。
お前はメイドの一件で、『助けたかった』と言ったな。少なくとも、お前はそのつもりだった、と。
……だが、ロック。
泥沼の中に飛び込んで鉄条網を握る、お前には、そこまでして救いたい誰かがいるのか」
張の目は、深い洞穴のようだった。
その目に射すくめられて、ロックは視線を外すこともできなかった。

「この前の仕事の時、あいつは普通じゃなかった。
油を差し忘れた操り人形みたいにぎくしゃくしたお前との間の空気だけじゃない、まわりが見えてなかった。
あいつは精神状態がすぐ表に出る。悪い癖だ。
……だが、あいつをそうさせた原因の一端はお前にある。そうだろ?」
「……はい」
「そして銃弾だ。鎖骨の下に当たった。……だが、ほんの十センチもずれていれば」
張はテーブルを挟んだ向かい側から、指をゆっくりと上げてロックの胸を指した。
「心臓だ」
静かに移動していた指は、ぴたりと心臓の位置で止まった。

「お前は、あいつに死んで欲しくないと言う。その信条に基づいて行動したと言う。
──だが、その結果は? あいつは本当に死から遠ざかったのか?
……あいつが今回死ななかったのは、運だ。お前の力じゃない。お前はむしろ──」
「分かってる! 張さん、分かってる……」
ロックは張の言葉を遮った。
膝の上で拳をぎゅっと握る。

「忠告しとくぞ。あいつを駒として動かすつもりなら、情を捨てろ。
利用する、ただそれだけを考えろ。ちっぽけな良心など、どぶに捨て去ってな。
……だが、少しでもあいつを哀れに思う気持ちがあるなら、このまま手を引け。
あいつを、日本でお前のまわりにいた女たちと同じと思うな。
お前が思うよりずっと、この街の闇は深い。
生半可な覚悟では到底太刀打ちできないぞ。早晩、共倒れだ。
曖昧な態度を取るな。徹底的に突き放せ。あいつが、お前のことをただの石ころと思えるくらいに。
……お前にできることがあるなら、それだ。
──それが、お前にできることだよ、ロック」
張は射るようにロックを見ていた。

「お前に、彼女は救えない」
17ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/04(土) 22:52:27 ID:wGgSLNkc

ロックは張を睨みつけた。
ひどく腹立たしかった。

『お前に、彼女は救えない』

張の言ったことが、あまりにも正しかったから。

「……心配するな、後は俺がフォローしとく」
張がジタンの箱に手を伸ばしたところで、ロックは勢い良く立ち上がった。
限界だった。
「……ご忠告ありがとうございます。──でも、あんたの世話にはならない!」

ロックは尻ポケットから財布を取り出し、手に触った札すべてを引きちぎるようにして抜いた。
その札をテーブルに叩きつけ、ロックは席を離れた。
ふかふかの絨毯を蹴散らすようにして店の出口へ向かう。
途中、ウエイターがちらりとこちらを見た気がしたが、構わず突っ切った。
重たいドアに体当たりするようにして外に出ると、つんのめるように走り出した。
行く先はもう決まっていた。

──レヴィ。

会いに行って、どうするのか。
分からないまま、ただ、今すぐレヴィに会いに行かねばならない、その衝動だけでロックは走った。

アルコールで溶けかかった脳味噌の中では、フィルムの切れ端のようにレヴィの断片が浮かんでは消える。

血の気を失って横たわった青白い顔、べったりと血にまみれた肌、傷口のどす黒さ、
弱々しく押し返してくる手、こちらを見ない横顔、斜め後ろから見たうなじ、
ドアの向こうでうつむいた顔、それを隠す前髪、「嫌だった」と吐き捨てた声、
ぼんやりと煙草をくわえる唇、もつれた長い髪、引き上げた熱い手、シーツの上の身じろぎ、
暗闇の中で刻まれた眉間の皺、耳をくすぐる吐息、胸の奥からしぼり出されたような声……。

いくつものかけらがフラッシュバックするように明滅し、次第に淡く収束していった。
最後に、闇の奥でかすかに笑ったレヴィの顔が頭をよぎった。
彼女の笑顔を向けられた最後は、いつだったろう?
もう長いこと、彼女の笑ったところを見ていない気がした。






18名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 23:21:05 ID:zDFr2+hQ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!!!!!!!
エロなくてもいい、このまま続いて欲しい!
19名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 00:26:34 ID:XQn7Fhp9
GJ!!


○o。。(-。-)y-~まぁ一服喫れよガラムで良けりゃ・・・ジタンは無いなすまない。
20:2010/12/05(日) 03:34:01 ID:qQLEjjib
AAS
私は小学5年です。昨日、友達と二人で遊んでいました。そしたら同じ学年の男子に会って、
そいつらについていきました。すると、そこは野球の出来る広い公園でした。
途中で友達が帰ってしまって、私は戸惑いました。
でも結局、私は残りました。そしたら、男子達はA君の家にいくそうで、
私もついていきました。そしたら、家のカギを閉められ、A君が、『覚悟はできてるな』と言いました。
私は、この状態から、空気を読みました。Hをするそうです。
私は初めてで、嫌でした。でもA君が私を壁に押し付けて、『いくぞ』と言って服を破りました。
でも、スカートは一回も触りませんでした。A君は私の胸をもみ始めました。
そしたら他の男子が、『俺も俺も!』と言って、私を床にたおして、みんなで私をせめました。
B君は、写メで私の胸を10枚くらいとりました。
そしたらC君が、スカートの中に手を突っ込んで、パンツの中に手をいれて、
まんこを触りました。私は気持ちがよくて、
『ぁっ・・・ん』と声を出してしまいました。
最終的には、男子全員がズボンを脱いで、私のカオゃ、胸などに近づけたりして、
それは、3時間続きました。私は、ちょっとHが好きになりました。
B君がとった写メは、全部で、35枚です。10枚が私の胸で、ぁと10枚がマンコ、
5枚が全身です。その写メが見たかったら、これをどこでもいいので、
2カ所に貼って下さい。2カ所です。簡単でしょ???これは本当です。
他のとは違います。だヵらといって、
貼らなかったら不幸が起きるなどとゅうことはないので安心して下さい。
2カ所にはると、「                」↑ここにアドレスが出てきます。
それをクリックすれば、私のすべてが見れます
21名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 07:31:25 ID:+4M4uG6N
神GJすぎる・・!!
やっぱ張はどこまでもかっこいいな!
レヴィの身体を知らないと言ったのは果たして本当なのか
ロックを気遣っただけじゃねえのか?・・と俺の願望が告げるw
22名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 08:01:14 ID:KVGspVyj
相変わらずGJでした
ほんと、その文才が羨ましいです
23名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 14:08:25 ID:ki15X/Kl
焦らしがうま過ぎて泣ける
24名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 19:31:38 ID:sjjVvNiK
次はついに向き合う事になるんだな。楽しみ過ぎる
最後、張さんを突っぱねたロックをかっこ良いと思ってしまったw
25名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 20:02:22 ID:HXuuR3X3
次が楽しみすぐる!
それまで読み返して待ってる!!
26名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 21:21:43 ID:u9UtB5Y0
新スレ早々俺の神がおわす!
もう本編の続きやノベライズ版よりこっちの続きが楽しみでならないw
mjdGJ!!
27ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:23:02 ID:Pv4mgOxB

>>17の続き


*23レス(約42kb)消費予定


28ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:24:22 ID:Pv4mgOxB


 * * *

息を切らせてレヴィの部屋のドアをノックすると、少しの間の後、「……誰だ」と低い声がした。
「俺だ、ロックだ」
上がった息のまま告げると、ドアの向こうは沈黙した。
「──レヴィ」
もう一度ノックしようとした時、ドアがゆっくりと開いた。
「……なんの用だ」
細く開いたドアの向こうで、レヴィは不機嫌そうな顔をして見上げていた。
その目はいつもに増してきつく、とげとげしかった。
「あー、その……」
勢い込んで来たは良いものの、何から切り出していいのか分からない。
ロックは言い淀んだ。
「……怪我の具合は?」
言った途端、レヴィの眉が不審そうに歪んだ。
当たり前だ。
いきなり夜中に訪ねて行って言うセリフじゃない。
「……別に。どうもしねェよ」
レヴィは小さく息をついて、ロックの真意を推し量るように眼をすがめた。
シャワーを浴びたのだろう、黒いタンクトップに濡れたままの髪が束になってしっとりと広がり、
傷にあてられた白いガーゼを覆い隠していた。

──どうしよう。

会話が続かない。
用がないなら帰れと言われる前に、何か──。
そう思って視線をさまよわせた時、レヴィの部屋の隅に見覚えのあるものを見つけた。
「──あれ…………」
部屋の隅の壁に掛けられたものに目をとめると、レヴィもロックの視線に気づき、振り返った。
「ああ、あれか……」

それは、レヴィが傷を負った時にロックがはおらせてやったワイシャツだった。
白い生地に、血が変色して茶色くなった染みがついていた。
「……落ちなかったんだよ、悪ぃな」
レヴィは言い訳をするようにぼそぼそと言った。
「……いや、いいよ」
そんなことはどうでもいい。
首を横に振ると、レヴィがこちらを向いた。
「持ってくか?」
ワイシャツなど、レヴィにはおらせてやった時点でどうなっても良かった。
そのまま捨ててもらっていて構わなかったが、
ここで「捨ててくれ」と言うのもどうかと思い、ロックは曖昧に頷いた。
29ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:26:03 ID:Pv4mgOxB

レヴィはドアの隙間を広げた。
入れ、と言うように顎で促す。
ロックは室内に入って、ドアを閉めた。
レヴィは素足にデニムのホットパンツをはいていた。
その剥き出しの脚が壁に掛けてあるワイシャツの方へ向かった時、
ロックはスラックスの尻ポケットに入れていた封筒の存在を思い出した。
張に返そうとしたのだが、車がバーに着いてしまったので、仕方なく尻ポケットに突っ込んで降りたのだった。

「……レヴィ、これ」
自分の手から渡すのは気が進まなかったが、ロックはレヴィに封筒を差し出した。
「張さんからだよ。さっき会った。見舞金だって」
何か言われるかと思ったが、レヴィはその封筒に目を落とすと、
特に何の表情の変化も見せず、ただ受け取った。
「……どうも。相変わらず太っ腹だな、張の旦那は」
中身を確認もせず、レヴィは乱雑に物が積み重なったサイドボードの上に、封筒をぽんと置いた。

「──レヴィ」
ロックは背を向けたレヴィの後ろ姿に声をかけた。
「……この前の金、レヴィが言うような意味で渡したんじゃないから」
レヴィの動きがぴたりと止まった。
「……なんの話だ」
「レヴィが、これだけあれば高級娼婦が買える、って言った時の話さ。
……俺は、そういう意味で渡したんじゃない」
「またその話か。その話はもうしたくねェ」
レヴィは振り返らない。
しかし、ロックはその背中に向かって続けた。
「──レヴィ、嫌なことをさせていたなら悪かった。
でも、信じてくれ。俺は、お前を娼婦代わりに抱いてたわけじゃない」
レヴィは沈黙した。
まるでロックの言ったことが聞こえていないかのように、黙り込んだ。

「……じゃあ、訊くけどよ」
長い沈黙の後、レヴィはゆっくりと振り返った。
「娼婦じゃないなら、なんなんだよ」
その目は硬く冷えていた。
「あ? 娼婦じゃないなら、なんだ。今になって優等生ヅラか」
レヴィは闇を煮溶かしたような目でロックを見据えた。

「……あたしは娼婦と言われて怒ってるわけじゃねェ。
この街じゃ──いや、この街だけじゃねえ、娼婦は立派な商売だ。
ダイナーのウェイトレスがフレンチ・フライをサービスして金を貰うのと同じように、
自分の体を元手にサービスして金を稼ぐ。
金はサービスへの正当なる対価だよ、ロック。
──けど、娼婦じゃないなら? ……娼婦じゃないならなんだよ!
金が貰えなくても男は欲しい、穴にぶち込んでもらえさえすりゃ金なんかいらねェ、そういうことかよ!」
レヴィは引き裂けるような声で叫んだ。

「──ああ、あたしはあんたの前で股濡らして脚おっぴろげて腰振ったさ。
金なんかなくっても。雌豚みてェな声上げてな。
……面白かったか? ──面白かっただろ? 腹の中で嗤ってただろ」
レヴィの頬が歪んで、唇が片方だけ痙攣するように吊り上がった。
彼女自身が罅割れるような笑い方だった。
30ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:27:19 ID:Pv4mgOxB

──面白かった? 腹の中で嗤ってた?

思いもよらなかったレヴィの言葉が次々とロックに突き刺さった。
「……何言ってんだ、レヴィ。何言って──」
「黙れ!」
思わず一歩、近寄ろうとしたが、レヴィの勢いに気圧された。

「……そうさ、大正解だよ、ロック。
十になる前から実の親父にぶち込まれ、名前も知らねぇペドフィリアの変態どもから金ふんだくってたんだ。
パクられる代わりにお巡りのをしゃぶってやったことだってある。
あたしは生まれついての売女なのさ」
レヴィが一歩、近づいてきた。
裸足で、音もなく。
また一歩、ゆっくりと歩み寄って、レヴィは下から舐めるように見上げてきた。

「……あんたにゃ今更隠したってしょうがねェ。
あたしは、血と臓物と精液でできた糞袋なのさ。
まだ女になる前から、男の精液の味だけは知ってた。──“体全部”で。
あたしのまわりは親切な奴等ばかりでね。毎晩毎晩、教え込んでくれるのさ。
あたしの出来の悪い頭がその記憶を消しちまう前に。
あたしは腐れた精液の痰壺だよ、ロック。
腹ん中から子宮引きずり出しゃ、いい塩梅に発酵してるだろうよ。
──そういう肥溜めに突っ込んだ感想は?」
「──レヴィ! やめろ! 俺はそんなこと思ってない!」
たまらなくなって、ロックはレヴィの腕を取った。
次々と言葉を繰り出すレヴィの唇は、傷口のようだった。

腕を掴んで見下ろすと、レヴィはその手を乱暴に振りほどいた。
「……綺麗事なんざ聞きたくねえ! 
今度はなんだよ。今度はどこに首つっこもうとしてんだよ。今度は何のトラブルだ?
また銃が入り用になったか? ちょっと弾こめてやればまた思い通りに動くってか? 
……ああ、動いてやるさ!
あんたに弾なんか用意されなくたって、ちゃんと銃になってやるさ!
なってやるから、最初っからそう言え! 
俺の道具になって下さいませんか、ってそう言え!
……舐めんじゃねェ。舐めんじゃねェぞ!
言えよ! 道具にしか思ってねぇって! この売女が、って! 正直に言え!
……綺麗事は、もう沢山だ!」

一方的にまくしたて、くるりと身を翻そうとするレヴィの肩を、ロックは今度は本気で捕まえた。
「……レヴィ、なんだよ、それ。
売女ってなんだ! 道具ってなんだ! 思い通りに動くって、なんだ! なんだよ、それ!」
レヴィの言葉ひとつひとつが、毒針のように胸に突き刺さった。
尖った針の先端から毒が染み出し、じくじくと痛みが胸の中を食い荒らしていた。

「……そんな風に思ってたのかよ、レヴィ。今までずっと」
ロックはレヴィの肩を強く掴んで見下ろした。
レヴィは、今しがた爆発させたばかりの炎が残った目で見返してきた。
その目を、ロックは正面から睨みつけた。
「……そっちこそふざけんなよ、レヴィ。ひどい侮辱だ。
──本当に?  本当にそう思ってたのかよ。俺が、──道具だって、そう思ってるって」
続けると、レヴィは薄く唇を開いた。
その唇から、かすれた声が押し出された。
「……他に、何がある」
レヴィの顔が、何か苦いものを口にしたかのように歪んだ。
31ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:28:19 ID:Pv4mgOxB

「……本当に分からなかったのか?」
「──何が」
レヴィの顔が更に歪んだ。
ロックはもう片方のレヴィの肩も捕まえた。
両手で掴んで、力を込める。
「ほんとに分からなかったのかよ!」
「だから何が! 分かってるさ! 今言っただろ! 娼婦? 道具? どっちだっていい!
しつこいぞ、ロック!」
レヴィは両肩を拘束する手から逃れるように身をよじった。

「──嘘つき」
ロックは静かに言った。
「……なんだって?」
レヴィが怒りに燃えた目で見返してきた。
ロックはその目を正面から受け止めた。
「嘘つき。──嘘つきって言ったんだ!」
「……んだと?」
ぎし、とレヴィの肩に力が入ったが、ロックはそれを封じるように強く握った。

「──『ハートに火をつけて』」

ロックはレヴィの目をまっすぐに見た。
「ドアーズの。『ハートに火をつけて』。──レヴィが言った!」
レヴィの表情がはっと変わった。

ロックが「お前がもし銃だとすれば、俺は弾丸だ」と告げた日、
レヴィは『ハートに火をつけて』と、そうつぶやいた。

「『さあ、俺に火をつけて』『躊躇うのはもう終わり。泥沼の中で転げまわってる時間はない』
──その先は?」
レヴィの顔に動揺が浮かんだ。
すい、と目がそらされる。
「……」
「先は?」
重ねて言うと、レヴィは伏せた睫を何度もゆっくりとしばたたかせた。
「……『今を逃すと』──」
かすれた声で、レヴィは小さくつぶやいた。
「──『失われるだけ』」
ささやくようにそれだけ言って、レヴィは口をつぐんだ。

「……それから?」
「……」
「その後は?」
沈黙するレヴィを促すと、小さく首を左右に振った。
「………………忘れた」
「……そう? ──じゃあ、俺が言ってやるよ」
ロックはレヴィの肩を掴む手に力を込めた。

「『俺たちの愛が、葬儀用の薪になってしまうだけ』。
だから、迷ってる暇はない、『さあ、来いよ』。──あれは、そういう歌だ! 
……本当は、分かってたんだろ。分かってたんだろ、レヴィ!」

叩きつけるように叫ぶと、レヴィは弾かれたように顔を上げた。
その目は、追い詰められたような色をしていた。
何かに耐えるように、眉がぎゅっと寄せられた。
32ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:29:30 ID:Pv4mgOxB

ロックは、もうすでに何の抵抗もしていない肩を握りつぶすかのように強く掴んでいたことに気づき、
ゆっくりと手を離した。
レヴィの肩は、ロックが掴んでいたところだけほんのり赤くなっていた。

ロックが手を離しても、レヴィはそこを動かなかった。
窓の外を、車が一台通り過ぎていく音がした。
通りの向こうからやってきた音は部屋の真下を通って、すぐに遠ざかった。
部屋の中では、エアコンが淡々と冷たい風を送り出していた。
静まりかえった室内で、その風音はやけに大きく響いた。
ロックは静かにレヴィを見下ろした。
ロックを見上げたまま、彫像のように動かないレヴィを。

「……俺は時々、レヴィが男だったら良かったのにと思うよ」

ロックは、指をレヴィの首筋にそっと伸ばした。
指の背で、レヴィの首筋に絡みつくタトゥーの先端に触れる。
耳のすぐ下まで迫っている黒いトライバルの先端に触れ、そこからゆっくりと撫で下ろす。
「そうすれば、ずっと一緒にいられた。……劣情なんかに振りまわされることなく」
炎のようなタトゥーを、指の背でなぞる。

「──レヴィ、お前、どうして、女なんだよ」

ロックはひどく苦しかった。
いとしいから、抱きたい。
けれど、いとしいからこそ、抱きたくない。
レヴィを痛ませているなら、抱きたくない。

指は首を下りきって、肩の線にまですべっていた。
黒いタンクトップのストラップにゆきついたところで、止めた。

「そばにいると──、抑えられなくなりそうで、怖い」

そっと指を離すと、レヴィはよろけるように後ろへ下がった。
「……嘘つきは、どっちだ。──あたしのことなんざ、女とも思ってねェくせに」
レヴィの唇は、ほんの少し震えていた。
「思ってるさ」
ロックは前へ出て、距離を詰めた。
「思ってる。レヴィは、女だ。……嫌になるくらいにね」
レヴィはまた後ろへ下がる。
ロックはそれを追いかけるように足を進めた。
レヴィの足が一歩、また一歩と後ろに踏み出され、ロックは一歩、また一歩とそれを追った。
ゆっくりと後じさっていたレヴィの足は、とうとう、壁際まで行き着いた。
後ろに出した踵が、こつん、と壁にぶつかった。

「──来いよ」
ロックは、壁を背にしたレヴィの真正面に立ちふさがった。
「来いよ、レヴィ」
手を差し出す。
ゆっくりと、レヴィの前に。
レヴィの目はゆるゆると手の動きを追ったが、体は動かなかった。
うしろの壁に張りついてしまったかのように、ぴくりとも動かなかった。
33ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:30:41 ID:Pv4mgOxB

「……来ないのか?」
レヴィの目は苦く揺れていた。
どこにも逃げ場所がないのが苛立たしい、そんな風に揺れていた。
「……来ないなら、俺が行くよ」
ロックは一歩、レヴィに近寄った。
「……本当にレヴィが嫌なら、やめさせればいい」
片手を、レヴィの背後の壁についた。
「嫌なら、力ずくで俺をやめさせてみろよ。──レヴィならできるはずだ」
もう片方の手も、壁につく。
体を寄せると、レヴィの熱が近づいた。
「──いいの? 触れるよ? ……嫌なんじゃないのか」
レヴィの頬が小さく動いて、口の中で歯を噛みしめた気配がした。

「……ずるいぞ、ロック……」
歯の隙間から、うなるような声がもれた。
「ずるい? ……どっちが」
レヴィは、ロックの視線から逃れるように目を伏せた。
「──レヴィは、どうなんだよ。レヴィこそ、どう思ってるんだよ」
レヴィの眉間にきつく皺が寄った。
唇が強く引き結ばれる。

「……なんで、あたしなんだよ」
喉の奥からしぼり出されたのは、ロックの問いへの答えではなかった。
「なんで、って?」
「理由が、ない」
「……理由? 理由なんて、俺にだって分からない」
ロックは壁についた手でレヴィを囲ったまま、見下ろした。

「人を好きになるのに、理由なんか要るのか」

レヴィの寄せられた眉は一瞬開いて無防備になり、それから、まるで重大な訃報でも聞いたかのように激しく歪んだ。
苦いものを無理矢理口に詰め込まれたように頬は引き攣れ、下瞼が震えた。

「──レヴィ」
ロックは、唇をきゅっと固くしたレヴィに体を寄せた。
肌はもうほとんど触れそうだ。
レヴィの呼吸が浅い。
至近距離で、胸が何度も小さく上下するのが分かった。
「レヴィ、触れるよ」
ロックは背をかがめた。
レヴィは目を伏せたまま、こちらを見ない。
「触れるよ」
相変わらず、レヴィの体は金縛りにあったように動かない。
ただ呼吸だけが、浅く繰り返されていた。
ロックはゆっくりと顔を寄せた。
レヴィの伏せた睫の長さまでもが分かるくらい、近く。
レヴィは動かない。
息が絡む。
もう、互いの吐息がはっきりと肌で感じられた。
唇をレヴィの唇に寄せても、レヴィは動かなかった。
不規則に震える息づかいを感じる。
触れる、紙一枚の距離のところでロックは止めた。
34ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:31:40 ID:Pv4mgOxB

「──レヴィ」
唇を動かすと、表面が一瞬だけかすかに触れた。
レヴィの体が小さく震える。
唇の隙間からもれる息が、ロックの唇をかすめる。
レヴィはそのまま、見えない鎖で絡め取られてしまったかのように動かなかった。
「レヴィ」
しかし、固まった体の中はぎしぎしときしんでいるような気配がした。
「……レヴィ」
硬直した体が躊躇うように震える。
息が揺れる。
「レヴィ」

その時、こわばって動かなかったレヴィの顎が、ほんの少しだけ上を向いた。
何年も放っておかれた自動人形が、何かの拍子に少しだけ動いてしまった、そんな風にぎこちなく上を向いた。
ぎし、ときしむ関節の音が聞こえてくるようだった。
ロックの唇に、やわらかいものが触れた。

瞬間、箍が外れた。
ロックは寄せられた唇を奪い取るように、自らの唇でとらえた。
右手でレヴィの後頭部を引き寄せる。
引き寄せて、むさぼるように重ねる。
左手は、レヴィの腰を抱き寄せる。
彼女の体を抱きつぶすかのように、強く。

あまりに強く抱き寄せすぎたせいで、レヴィの背中が反った。
バランスを失いかけたレヴィの足下がふらつく。
が、彼女の腕もしがみつくようにロックの背中にまわっていた。
きつく、きつく、抱きしめられる。
ワイシャツの布地がレヴィの手によって乱される。
爪を立てるように、握りしめられる。
ロックの胸で、彼女の乳房がやわらかくつぶれる。
反ったレヴィの背骨が、ぱき、と小さく音を立てた。

ロックは激しく口づけた。
レヴィの呼吸など完全に無視して。
息をつがせる暇も与えず、噛み取るようにむさぼった。

レヴィはますます巻きつける腕の力を強くした。
ロックのシャツの背中をかき乱し、襟首を乱した。
ロックも、腕の力を抑えることはできなかった。
しなやかな体を取り込むように抱き取った。
ぴったりと寄せられたレヴィの体は、ロックの腕の中でやわらかく波うった。
荒い呼吸を逃がしながら、レヴィも噛みつくような口づけを返した。

二人の体は荒々しく絡み合った。
ロックの右手はレヴィの髪の中にもぐり、まだ水気の残っている長い髪をかき乱した。
呼吸もままならない口づけの間で、唇の中の粘膜が何度も濡れた音をあげた。
触れて、離れる。
舌が、触れ合う。
熱い吐息が、絡む。
35ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:33:01 ID:Pv4mgOxB

方向感覚を失った頭ともつれた足に、体が揺らいだ。
抱き合ったままよろけて、体が回転する。
ロックは、先ほどまでレヴィが背にしていた壁を自分の背中に感じた。
どん、とぶち当たったが、壁を支えにして更に口づけを深くした。

レヴィの呼吸すら奪うほど激しく抱きしめると、腕の中の彼女が小さく声をあげて、身じろぎをした。
それで、突然我に返った。
「──ごめん」
まだ怪我が治りきっていないレヴィを、こんな力一杯抱きしめては──。
ロックは慌てて腕の力をゆるめた。

だが、
「──いい」
ほんの少しだけ唇を離した距離から、レヴィが低くささやいた。
今度は逆にレヴィに引き寄せられる。
「いい」
やわらかな胸が押しつけられる。
伸びやかな腕に絡め取られる。
そして唇をふさがれた。

ロックはたまらず、レヴィの背中を抱き寄せた。
抱き寄せて、タンクトップの裾から手を差し入れる。
素肌に直に触れる。
贅肉のない背中、わずかに違う傷痕の感触、肩胛骨の出っ張り。
体がうねるたびに、薄い皮膚の下の筋が浮き上がる。
懐かしい手触りがした。

その後は、互いに引きちぎるようにして服を脱がせ合った。
ロックの手がレヴィのタンクトップをたくし上げ、
レヴィの手がワイシャツのボタンをはじく。
タンクトップを引き剥がしたところで、眼下でやわらかく揺れる乳房に我慢ができなくなり、
ロックは掌を押しつけてすくいあげた。
張りのあるやわらかさが掌を満たし、指を沈み込ませた。
レヴィの息が揺れる。
小麦色に日焼けした肩と、乳白色の胸、そしてその境目。
どこからキスして良いか分からず、ロックはレヴィの首筋に囓りついた。
耳元にレヴィの乱れた息を感じながら、黒いタトゥーを唇でなぞる。
そして、強く吸いあげた。
レヴィの肩がすくんだが、構わず吸い続ける。
タトゥーの上からなら痕がついたって分からない。
それに、もし分かったとしても、それで構わなかった。

もつれ合いながら互いのベルトに手を掛け、
肌を絡ませながらホットパンツとスラックスを引きずり下ろし、蹴り飛ばすように脱ぎ捨てた。
脱がせ合う時間さえ惜しい。
何度唇を絡ませても足りない。
唇だけでは、もう足りない。
何かにせき立てられるように、求め合った。
36ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:34:13 ID:Pv4mgOxB

ロックは、そばの壁にあった明かりのスイッチを、叩き壊すようにして消した。
そして、半身になってかがみ込み、レヴィの膝うらをすくい上げた。
「──ぉわっ!」
途端、レヴィが色気のかけらもない声を上げた。
「────なっ、下ろせバカ!」
横抱きにされたレヴィが腕を突っ張らせて暴れたが、ロックは構わずベッドに向かった。
「下ろせって!」
レヴィが足をばたつかせる。
──と、がたん、と音がして暗闇の中で椅子が倒れた。
「──いって」
素足だったレヴィが自分の足を押さえた。
何も履いていないつま先で木の椅子を蹴倒したのだから、それは痛いだろう。
しかし、おとなしくなったのはロックにとっては好都合だった。
転がった椅子を当たりをつけて避けて、ロックはベッドにたどり着いた。

レヴィをベッドに下ろすと、ブラインドの隙間から入ってくるわずかな光の下、シーツの上に長い髪が広がった。
ロックは仰向けになったレヴィに覆い被さった。
ぎ、とベッドがきしむ。
少しの間も惜しく、ロックは両腕の中にレヴィを閉じ込めるようにして口づけた。
片脚でレヴィの膝を割る。
更に体を寄せる。
裸の胸に、レヴィのやわらかな胸が重なる。
体温がなじむ。
ロックは、激しくレヴィの唇を求めた。
水気の多い果実を味わい尽くすように。
やわらかな果肉に歯をたてて口の中に取り込み、
あふれる果汁をすすり、一滴も逃すまいと舌ですくい取る。
ほんの少し唇が離れた瞬間、はぁっ、とレヴィの息が唇をかすめた。
空気を求めるように、顎が反る。
離れた唇を追いかけて、またふさぐ。
何度唇を絡めても満足することを知らず、口づけは麻薬のようだった。

どこに逃がしてよいのか分からない吐息が熱く混ざり合った。
ロックの手はレヴィの頤、耳のうしろのくぼみ、うなじをまさぐり、
レヴィの腕はロックの脇の下を通って背中に伸び、時折爪をたてながら這いまわった。
互いの体は相手の体の隙間を探って、そこを埋め合うようにもつれた。

ロックは何の前置きもなしに、一枚だけ残っていたレヴィの下着にまっすぐ手を伸ばした。
やわらかい肉の隙間に指を落とす。
指の腹を押しつけた瞬間、じわりと布の中に湿った感触がして、
それからすぐに、しっとりと布が濡れてきた。
布の上から揺らすと、揺らすごとにうるみは表面にまで染みてきて、
下着はロックの指の動きに合わせてゆるゆるとすべった。
濡れた薄い布は、レヴィのかたちにぴったりと張りついた。
37ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:35:13 ID:Pv4mgOxB

ロックはレヴィの下着を引きずり下ろすと、くぼみを探った。
思った通りたっぷりとうるんでいたそこに、中指を差し入れる。
すぐさま、熱くなめらかな感触に包まれる。
レヴィの呼吸が震える。
引き抜いて、また沈める。
一回往復させただけなのに、とろりと熱があふれた。
指の根本まで埋めるたびに、レヴィの体は揺らいだ。
引き抜いて、今度は襞をさかのぼり、小さな突起をこねる。
閉じたレヴィの瞼が震える。
力の入った内ももをぐいと開かせて、ロックは二本の指を押し込んだ。
レヴィがきつそうな声をあげて体をこわばらせたが、ロックはわずかに指を引いてから、更に深く奥まで進めた。
吐息のような声がこぼれる。
震えるレヴィの体に、ロックは指を突きたてた。

──欲しい。

欲しい。
この女が欲しい。
今すぐに。

ロックの腹の底から、濃密な欲求が沸き上がった。
今すぐに、この女が欲しい。
この女の熱い体内を味わいたい。

ロックは指を引き抜いて、ベッドの下に手を伸ばした。
いつも避妊具を置いてあった場所。
伸ばしてから、もう片づけられているかと思ったが、指先は無事、いつもの箱に触れた。
薄い正方形の包みを一つ手にしてから、ロックはレヴィを見下ろした。
「……早い?」
いつになく性急だという意識はあった。
しかし、レヴィは小さく首を横に振った。
「いい」
低いささやきがロックの耳をかすめた。


ロックは準備を整えるや否や、一気に奥まで体を沈めた。
そして、抉るように突きたてた。
熱いなかにもぐり込むように、何度も。
「………………っ」
レヴィがかすれた息をもらした。
体がきつく締まる。
レヴィは眉を歪めて、ぎゅっと歯を食いしばった。
それから、そむけた顔に手を寄せようとする。
その手を、ロックは掴んだ。
38ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:36:45 ID:Pv4mgOxB

「レヴィ、出して」
手首を掴んで、シーツの上に拘束する。
「声、出して」
「……嫌だ」
レヴィは顔をしかめた。
憎々しげに、ロックを睨み上げてくる。

ロックは、眉間に皺を寄せるレヴィをじっと見つめた。
レヴィは睨む目をゆるめない。
その鋭い視線を受け止めながら、ロックは言った。
「……無理して出せって言ってるわけじゃない」
小さく首を横に振って、続ける。
「でも、抑えないでいい」
レヴィの喉が上下した。
一瞬、首にすっと筋が浮く。
「……抑えてねえ」
「うそ」
「抑えてねぇよ」
かすれた声でレヴィは繰り返した。
苛立ちの混ざったような目が、ロックを見上げていた。
ロックは、レヴィの瞳を覗き込んだ。
丸い瞳の周辺が、わずかに揺れていた。

「……レヴィ、いつも自分がどんな顔してるか、知ってる?」
手首を握りながら言うと、レヴィの眉が瞬間的にぎゅっとひそめられた。
首が左右に揺れる
「……言うな」
「知ってるのか?」
「──言うなって!」
拘束するロックの手を振りほどいて遮ろうとするレヴィに、ロックは言った。

「泣きそうな顔してる」

ぴたりと、レヴィの抵抗がやんだ。
「──いつも、苦しそうな顔してる」
レヴィは虚を突かれたような表情をして、それから顔を歪ませた。
ロックはレヴィの額に手を伸ばし、そっとなぞった。
「……なぁ、レヴィ、苦しいのか。……我慢してるのか」
レヴィは首を横に振ったが、苦い顔は変わらなかった。

「そんな顔で我慢されると、まるで、…………レイプしてるみたいな気分になる」
ロックは、目をそらすレヴィを見下ろした。
「……レヴィ、俺はレイプしてる?」
レヴィは浅い呼吸を繰り返した。
鼻のつけ根に皺が寄った。
「……レイプで──」
「──え?」
「レイプで、いい」

レイプでいい。
ささやきは、確かにそう言っていた。
39ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:38:00 ID:Pv4mgOxB

「……どうして」
ロックは今度は自分の顔が歪むのを感じた。
レヴィの表情が乗り移ってしまったかのように、歪んだ。
「どうして」
繰り返すと、レヴィの唇が薄く開いた。
「……あんたの、好きなようにすればいい」
「──好きなように? ……してるさ。好きなように、してる。
でも、俺ひとりが良くたって意味がない」
薄闇の向こうの目を見下ろすと、レヴィは暗がりから窺うように問い返してきた。
「……どうして」
「どうして──?」
ロックの声は途中で詰まった。

──そんなの、決まってるじゃないか。

「どうしてって──、好きな女をレイプなんかしたくない」

言うと、レヴィの眉が泣きそうな形に歪んだ。
何か信じられないことを聞いた。
そんな風に歪んだ。

「……なんでそんな顔するんだ」
ロックは、レヴィの額の生え際にあった手を髪の中にもぐりこませた。

なんでそんなことを訊く?
なんでそんな顔をする?

──俺のこと、平気でレイプするような男だって思ってたのかよ。

小さな苛立ちはしかし、まるで傷ついたかのような目で見てくるレヴィの前に、あっけなくしぼんでいった。

──レヴィ、お前、何があったんだよ。

ロックは呻き声をあげてしまいたかった。
ロックがレヴィを抱くのは、利用するため。
セックスは、レイプと同義。
そんな風にしか考えられない彼女が哀しく、そして、そんな風に彼女を歪ませた誰かが憎かった。

レヴィはまだ疑いの残った声でささやいた。
「………………そうなのか」
ロックは髪の中にもぐらせていた手を後頭部の方へすべらせた。
「……当たり前だろ。
──抱いたのは、好きだからだ。レヴィが欲しかったからだ。
でも、レヴィが望んでないなら抱かない。抱きたくない。
……それがそんなに不自然なことなのか」
レヴィの喉もとが、大きく上下した。
返事はなかった。
ただ唇が、ぎゅっと強く引き結ばれた。
40ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:39:05 ID:Pv4mgOxB

「レヴィも、望んでるって思っていい?」
訊くと、この日はじめてレヴィは小さく笑った。
それはとてもぎこちなく、笑いというよりはただ口もとが引き攣っただけのようにも見えたが、
たぶん、それは笑いだった。
「──じゃなかったら、今頃あんたは墓石の下だぜ」
張に言われたことが思い出され、ロックも苦笑した。

レヴィの腕が伸びてきた。
やわらかく首に絡む。
引き寄せられるままに、ロックは顔を寄せた。
息のかかる距離でレヴィがささやいた。
「──火、つけてやるよ」
レヴィの少しかすれた声が、空気を伝って耳の奥へ染み込んできた。
ロックもささやき返した。
「もう、ついてる」
言って、体を寄せた。
「もうずっと、前から──」


『なあ。水夫を一人欲しがってるところがあるんだ』

夕暮れの波止場で、彼女が言った時。
炎のような夕焼けを背にして、輪郭を金色に溶かした彼女がわずかに目を細めたあの時に、
ロックの火はすでについていたのかもしれなかった。

41ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:40:18 ID:Pv4mgOxB

会話で鎮まりかけていた高揚は、たったひとつの口づけで簡単に再燃した。
ぐ、と体を押し込むと、レヴィが口の中でくぐもった声をあげた。
やわらかい体のなかがきゅっと絞まる。


激しい劣情は抑えられなかった。
レヴィの熱い体内に深く腰を沈め、体を揺らす。
なめらかな内側に絡め取られそうになりながら、何度も往復する。
熱くとろけたシロップの中で揉まれているかのような快楽に、体が止まらない。
まったく麻薬のように、味わえば味わうほど、もっと、もっと欲しいと体が要求する。
根本まで押し込んでもまだ足りずに、ロックはレヴィの片脚をすくい上げた。
片腕で膝うらをとらえて抱え上げ、開いた体に突きたてる。

「──ん、………………あぁ──っ」

レヴィの薄く開いた唇から声がもれた。
体の奥底からあふれ出たような声だった。
普段話している時よりも一段高い音が、ロックの鼓膜を揺さぶる。
ぞくぞくと、甘美な痺れが背筋を駆け抜けた。

腰の動きは更に加速した。
「────ぁ、」
くぅっ、とレヴィの喉の奥が絞められるような音がした。

「──抑えるな」
体を止められないまま、ロックは言葉をしぼり出した。
「抑えるなよ、レヴィ」
つぶっていた目を開いた彼女を見下ろす。
「逃げるな」

彼女の触れられたくない内側に無理矢理踏み込むつもりはなかった。
乱暴に分け入って、踏み荒らしたくない。
傷口に爪を立てたくない。
彼女には、彼女自身でもどうにもできないことがあるのだろう。
けれど、いつまでも覆い隠されるのは、何も告げてもらえないのは、さみしかった。

──俺では駄目か。

固い殻の中に逃げ込まれると、お前はこれ以上踏み込むなと、お前では駄目だと、
そう言われているような気がした。

──俺は、そんなに信用できないのか。

「見せろよ」
ひどく苛立たしかった。
「全部、見せろよ」
レヴィは眉を歪めて、震える息を吐いた。
42ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:41:17 ID:Pv4mgOxB

「見たい」
レヴィの頭が小さく左右に揺れた。
「全部、見たい」
レヴィは頭を振るのをやめない。
「全部、知りたい」
「……駄目、だ」
レヴィは引き攣れた声でささやいた。
何度も何度も頭を小刻みに振る。
眉が苦く寄せられた。

「なんで」
好きだったら、知りたい。
言葉にならない揺らぎまで、すべてを感じたい。
そのために、こうして体をつなげてるんじゃないのか。

──お前はちがうのかよ、レヴィ。

見下ろすと、レヴィは薄く唇を開いた。
「…………知ったら、」
ほとんど息のような声だった。
言いかけた唇が震えた。
後の言葉は、ふつりと途切れた。
「──なに」
ロックは促した。
「──言えよ」
レヴィの震える息を感じながら促した。
「言えって」

じっと見つめると、レヴィは不規則な呼吸を繰り返し、
それから、やっとのことといった風で、こわばった喉から声をしぼり出した。

「…………知ったら、………………あんたは、あたしを、──軽蔑する」

軽蔑する。そう言った途端、レヴィの顔が歪んだ。
「──しないよ」
ロックは喉が狭まるのを感じながら言った。
「しない」
レヴィは、お前は分かっていないとばかりに首を振った。
「──する」
「しない」
ロックは手を伸ばしてレヴィの頭を抱え込んだ。
レヴィの頭に自らの頭を寄せて、耳もとで言う。

「──今更、嫌いになんてなれない」
43ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:42:19 ID:Pv4mgOxB

ロックは、想いをぶつけるようにレヴィを抱いた。
すべてが欲しいのだと思った。
この女の体も、感情も、過去も、未来さえも。

「………………あぁ……っ」
ほとんど吐息のような声を、レヴィはあげた。
絞まった体が反り返る。

──もっと。もっと出せよ。

野蛮な本能がむくむくと沸き上がった。
ロックは激しくレヴィを突きたてた。
とろけたなかをかき混ぜる。
「……ん、────ん」
レヴィの声が甘く響く。
シーツの上で体がよじれる。
手加減は、まったくできなかった。
もっと喘げ。
もっと感じろ。
レヴィを覆う固い殻を壊して、彼女のやわらかいところにまで手を伸ばしたかった。
どんな姿だって受け止める。
ロックは、彼女の体がばらばらになってしまうような勢いでむさぼった。

そんな残酷さに似た気分は、しかし、一瞬で砕けた。

「──ロッ…………ク」

すがりつくように身を寄せてきた彼女が、耳もとで苦しげな声をあげた瞬間に。
レヴィの腕はきつくロックに巻きつき、腰はロックの勢いに合わせるかのように浮いた。
互いの動きは、いつしかひとつになっていた。

「────レヴィ」

かなわないと思った。
どうしたって、自分はこの女にかなわない。
彼女の内側を踏み荒らすことなどできない。
彼女の傷口を広げることなどできない。
この女を毀すことなど絶対にできないのだと、ロックは思い知った。


後は、せき立てられるように一気に上り詰めた。
なめらかにとろけるレヴィの内側を激しく往復する。
レヴィの腰が動くたびにきつく締めつけられる。
汗で互いの肌がすべり、吐息が絡む。
体も、脳も、ただ互いを求める欲求だけに染まる。
熱く脈打つレヴィのなかで、ロックは絶頂を味わった。
44ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:43:35 ID:Pv4mgOxB

欲求は、底なし沼のようだった。
一度果てて眠気に包まれ、しかし夢うつつの中でも彼女を求め、手は半分眠りながらも彼女の肌を探した。
くたりと横向きに伸ばした体の曲線はなめらかで、
すとんと落ち込んだ腰のくぼみは、ちょうどロックの手をぴったりとそこに落ち着けた。
ひとかけらの贅肉もない引き締まった体はすべすべと掌に心地良く、ああ、女の肌だとロックは思った。
絞まった背中とは対照的なやわらかな胸は、ふわりとロックの指を沈み込ませる。
指でたどるたびに形を変え、ふっくらと掌を満たす。
手触りの良い動物を撫でるようだった手は、次第に熱を帯びていった。

温かく熱を持ち始めた乳房のふもとに唇を寄せると、レヴィが身じろぎをする。
鼻先をこすりつけるようにしてレヴィの肌の中に顔を埋める。
レヴィの匂いに包まれる。
手は肌のすみずみまでまさぐり、どんな小さなくぼみも見逃すまいと這いまわった。
眠たげだったレヴィの手もそろそろとロックの体をすべり出す。
互いの腕が、脚が、肌が、ゆっくりと絡む。
最後にロックの指がたどり着くのは、彼女の溶けたくぼみだ。
先ほどの情事の残りか、それとも新たにわき出したのか、とろけた熱を指先に絡め、かきまわし、すくう。
夢の中をたゆたうようだった意識は徐々に形ある世界へ引き戻されて、いつしか、また体を絡めていた。

深くつながりながら、ロックはレヴィに口づけた。
呼吸が苦しくなるのは分かっていたが、それでも舌を絡ませた。
胸を合わせ、レヴィの体を割りながら、深く、深く。
もうこれ以上は深くつながれない、それくらい深く。

レヴィはロックとはまったく違った。
やわらかな胸も、細く絞まった腰も、その内側も、過去も、体をつくり上げている要素の何もかもが違った。
同じだったら良かったのに、と思った。
同じでないと分かり合えないと思った。
けれど、違っていて良かった。
今はそう思う。

──同じものだったら、こんなに深くつながれない──。
45ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:44:48 ID:Pv4mgOxB

何度、眠りと交わりの間を行き来しただろう。
レヴィは意地でも「もう無理」とは言わなかった。
けれど、何度目かの交わりの後、汗だくの体は倒れ込むようにベッドに沈んだ。
肩が荒く上下し、乱れた呼吸はなかなか回復しなかった。
ロックがレヴィに背を向けてティッシュに手を伸ばし、そしてまた隣に戻っても、ぴくりとも動かなかった。

隣に横たわると、どこか麻痺していた疲労と眠気が一気に襲ってきた。
ロックはレヴィの長い髪を指で絡めあげながら、目を閉じた彼女の顔を見た。

結局、離れられないのだと思った。
彼女を救うことができなくても。
離れられない。
それは、焼けつくようなエゴだった。
たとえ彼女を救えなかったとしても、ロックは自分自身のためにレヴィが欲しいのだった。
一緒に泥の中に沈んだとしても、それでも彼女が欲しかった。

でも──
「……道具なんかじゃない」
それは分かって欲しかった。
一体どこの世に、道具のために身を滅ぼす人間がいるだろう?

「……気づけよ」
瞼を下ろした彼女は返事をしない。
もう、寝ているのだろう。
ロックはゆっくりとレヴィの細い髪を梳いた。

「──『好き』なんて言葉じゃ、足りない」

かすかに瞼が震えた気がしたが、やはり返答はなかった。
荒かった呼吸は落ち着いて、寝息に変わっていた。

彼女をどう思っているか。
それは言葉で表そうとすると、ひどく難しい。
『好き』
そんな簡単な一言で言い表せてしまえていれば、もっと話は簡単だった。
ロックの人生に色彩を与えてくれた女。
仮にレヴィが男だったとしても、ロックの中でのレヴィの存在の大きさは変わらなかっただろう。
──けれど。

「……お前が女で、良かったと思ってる」

返事がないのは分かっていた。
ロックは寝そべったままもう一回レヴィの髪を梳いて、静かに目を閉じた。
閉じた途端に意識は薄れ、闇の中へ吸い取られていった。


46ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:46:25 ID:Pv4mgOxB


 * * *

夜のロアナプラを、一台のセダンが静かに駆け抜けていた。
けばけばしいネオンと、等間隔に植えられた街路樹の間を、飛ぶようにすり抜けて行く。
そのセダンの後部座席に腰を落ち着けた張は、ジタンに火をつけようとライターをともした。
ボッ、とライターの炎が暗い車内に浮かび上がる。

「そういや、掃除は済んだか」
ライターをたたみ、張は運転席の彪に声を掛けた。
「ええ、しかるべく。ゴミは取り除いて、しっかりクリーナーをかけておきました」
「さすがだな、彪。……これで少しは快適になるか」
煙を吐き出すと、彪が眉を寄せたのがバックミラー越しに見えた。
「……しかし、勘弁して下さい。
あそこであんなに蝿が湧くとは……。だから俺は反対したんです。今回は不確定要素が多過ぎました」
「ああ、確かにあれは予想外だったな。まさか国境を越える前に湧いてくるとは思わなかった」
「申し訳ありません、大哥。デコイは撒いておいたんですが……。あれは俺の不首尾でした」
「なに、問題ないさ。おかげで綺麗に地下水脈が見えた。
水がどこからもぐって、どう流れ、どこにつながってるのか、綺麗にな。
それに、何もかもシナリオ通りじゃ、つまらないだろう?」
「……つまらないかどうかの問題じゃないですよ。俺がこの件でどんなに肝を冷やしたか。
何かあったら吊し上げられるのは俺なんです。本当に勘弁して下さいよ」

ため息をつく彪を、張は軽く受け流した。
「まあ、そう言うな。終わり良ければすべて良し、さ。当局の連中だってご満悦なんだろ?」
「……それは、入るものが入ったからですよ。
しかし、餌に使われたと知ったらおかんむりでしょう。
彼らは非常に体面や面目を気にしますから。
それに、あんまり仲良くしすぎると、今度はラングレーの連中が騒ぎ出すんじゃないですか」
バックミラーの中で、彪の黒いサングラスがちらりと張に向けられた。

「なに、奴らは最近少々調子に乗りすぎてる。てめぇらの鼻息だけで地球が回ってると思ってやがる。
奴らと同じ箱船には乗らないさ。
俺たちが乗っているのは、針山の上の盆だ。奴らはその針の一本にすぎん」
「……ただ、その針一本一本の長さが違うから厄介。──ですか?」
「その通りだ。とかくバランスを保つのは難しい。
──ま、『ラグーン商会』の連中はとばっちりだったがな」
ジタンを深々と吸い込むと、彪が肩をすくめた。
「それなりの報酬は出したのですから、フィフティフィフティでしょう」
「まぁそうなんだがな。ああいう、どこの色にも染まらない手合いは多くはない。
そこに『信用』というオプションを要求すれば、その数は更に減る。
割と使い勝手が良いんだよ。代わりはいくらでもいるが、互助関係を保っておくにしくはない」
47ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:48:09 ID:Pv4mgOxB

港にさしかかったセダンは、海を右手にして走っていた。
「──おや、噂をすれば」
張は、窓の外、暗い海に突き出た桟橋に、見慣れた二人の姿を見つけた。
張が窓の外に目を留めたのに気づいた彪が、すっと車を停めた。
長い桟橋の先端、一番端の欄干に、ロックとレヴィが並んでいた。
暗い空の下、欄干に肘をついて海を向いている後ろ姿が、桟橋の灯りに照らし出されて浮かび上がっていた。

「……やれやれ、ようやく戻ったか。まったく人騒がせな奴らだ」
張はパワーウィンドウを下げ、その窓の外に短くなった煙草を放った。
「『お前にあいつは救えない』ですか。──焚きつけましたね」
サイドブレーキを引いた彪も、窓の外を見た。
「盗み聞きか? 感心しないぞ、彪」
「……違いますよ、耳に入ってきたんです。
いかな青二才であっても、二人きりのところになんの警護もつけないわけにはいかないでしょう」
気づいていらしたくせに、と彪はぼやいた。
「あいつらはまどろっこしくてかなわん。まったく、ダッチの気苦労を思うとこっちまで禿げそうだ」
「彼の禿げは今に始まったことではないでしょう」
「──お前、ダッチに絞められるぞ。……まぁいい。とりあえず火種が一つ減った」

「それにしても、仲人の真似事とは、らしくないですね」
窓の外の二人を見て彪が言った。
「らしくないとはなんだ」
張は手もとに目を落として、新しいジタンに火をつけた。
「『生きていたい理由』、ですか。大哥の口からそんな言葉が聞けるとは。……少々意外でした」
「意外、か──」
張はジタンを深く吸い込んで、煙を吐き出した。

「……生きるのに理由なんてないのさ、本当は。
理由があって生まれてくるわけでも、理由があって生き続けるわけでもない。
人間はみんな、生まれた時から死に向かって突き進んでるだけさ」
張はもう一度、ジタンをふかした。

煙を吐いて、続ける。
「しかし、人間ってのは、どうしても理由を求めてしまう性分らしいな。
──『人間は自由な人間として生まれている。しかし、彼はどこでも鎖につながれている』」
「……『社会契約論』、ですか」
「正解だ。
人間は、自由じゃない。しかし、拘束されているからこそ、この糞溜めの地上に留まっていられる。
その鎖なしに生き続けることは難しい」
「斬新な解釈ですね」
「他人事だな、彪」
「……俺には、そういう難しい話は分かりません。
俺はただ、組織のため、大哥のために働き、トチったら死ぬ、それだけです」
「──それだよ。俺たちのような『組織』ってのも、鎖みたいなもんだと思わないか?」
彪は否定も肯定もしなかった。
ただ、暗い空の下で肩を寄せ合う二人を見ているだけだった。

張は煙草をくゆらせながら、欄干にもたれかかる二人の後ろ姿を眺めた。
二人は何か話しているのか、時折相手の顔に目を向けては小さく肩を揺らした。
その様は、止まり木にとまった二羽の鳥が並んで毛繕いをしているかのようだった。
48ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:49:56 ID:Pv4mgOxB

「……あの男、『生きるのに執着しなければ、地の果てまでも闘える』なんて言葉を深読みして
いつまでも二の足踏んでたようだが、そういうところがまだまだ青い」
張は運転席に目を向けた。
「──動物の中で一番強いのはなんだと思う、彪?」
「……さあ。ライオンか何かですか」
気の乗らない彪の返答に、張は首を横に振った。
「子育て中の雌だよ。子どもを護るためだったら、殺しても死なない。
結局、護るものがある奴が一番強い。人間だって同じことだ。……そうは思わないか?」

彪は沈黙した後、首を左右に振った。
「……俺にはよく分かりません」
振った後、彪はバックミラー越しに張を見た。
「──が、張大哥は二つの起爆スイッチを見事に仕立て上げた。それだけは分かりました」

張は思わず、くっ、と喉の奥で小さく笑った。

──これだから、この男は面白い。

そう、ナンバー2はこうでなくてはいけない。
ひどく愉快な気分で、張は肩を揺すった。

喉の奥からの笑いが止まらないが、張はいささか芝居がかった調子で両手を広げてみせた。
「おいおい、人聞きが悪いな」
バックミラーで彪が見ているのを確認して、肩をすくめる。
「俺はロマンチストなんだよ」
言うと、彪はまるで下手な冗談を聞かされたとでもいうかのように眉を寄せた。

張はもう一度、桟橋の突端にいる二人に目をやった。
二人の口もとで、ぽっと小さくオレンジ色の粒が光った。
一瞬だけまばゆく光ったそれは、煙草の火だった。
ロックはそれを指で挟み取り、レヴィはくわえたままだ。
二人が相手の方を向いて吸い込んだ時にだけ、張の位置からでもオレンジの粒が明るく光る様が見えた。

「……俺は見てみたいのさ」
張は二人に目を向けたまま言った。
「この肥溜めの中から、でっかいダイヤが拾い上げられるところをな。
糞にまみれて、誰もが顔をしかめる。そんな中から、本物のダイヤが見つかる。
ショーケースのビロードの上にお行儀よく乗っかってるダイヤなんか、目じゃない。
──ロマンだろ?」
彪はただ肩をすくめた。

「あいつらは往生際が悪いのさ。どんな哲学だって、感情まで騙しきることはできない。
一人ずつなら泥沼の中で一生もがきまわって、それで終わりだ。けれど、二人なら──」
張は一旦言葉を切って、長く煙を吐いた。

「──二人なら、飛べる」

あいつらは、比翼の鳥さ。
そう続けると、彪が呆れたように首を傾けた。
「……ロマンの次はファンタジーですか」
「夢がないなァ、彪」
「夢じゃ腹は膨れませんよ。……それに、良かったんですか?
出来上がったのは鳥なんかじゃなく、ドラゴンかもしれませんよ。飼い慣らすには──」
「ケツの穴が小さいぞ、彪。俺は楽しみたいのさ。──ドラゴン? 大いに結構」
彪は、勘弁して下さいとばかりに首を振った。
「……大哥といると、自分がとんでもなく繊細な生き物に思えてきますよ」
「繊細? 安心しろ。気のせいだ」
49ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:51:44 ID:Pv4mgOxB

張は、窓の外の二人を見た。
二人は相変わらず、桟橋の先端にいた。
ロックのワイシャツの背中がぼんやりと白く浮かび、
それよりひとまわり小さいレヴィの黒いタンクトップの背中が隣に並んでいる。

と、煙草の箱を手にしたレヴィが、その箱を握りつぶした。
そして、左側に並んでいたロックの方を向いて、上向けた人差し指でちょいちょいと招いた。
煙草を吸っていたロックはレヴィの要求に気づくと、その吸いさしを左手に挟んで差し出した。
指の間に煙草を挟んだ掌が、レヴィの口もとに寄せられる。
レヴィはロックの方に体を寄せて、その煙草を唇でくわえた。
ロックの指に挟まれた煙草を、そのまま吸う。
煙草は、レヴィの頭とロックの手の陰になって見えない。
だが、レヴィの吸い込んだ煙草の先端が明るく光るのが、張の目にも見えた気がした。

ロックは、煙草を口にしたレヴィの横顔を、斜め上から見下ろしていた。
その顔は、ロックの掌の中に顔を伏せているレヴィに、
今すぐ隣を見上げてみろ、と言いたくなるような顔だった。

──何が、「分からない」だ。

張は、数日前のバーでロックが言ったことを思い出す。
ロックは、他の何に代えてもレヴィに死んで欲しくない、
最初から彼女を選んでいた、彼女と同じ場所で生きたいと言いながら、
それを何と言ったらいいのか分からないと、腹の底からしぼり出すような声で呻いた。

──そういうのを、『愛してる』って言うんじゃないのか。

まったく、あの二人はどこを見ているのだと張は思う。
レヴィが何を思って「嫌だ」と言ったのか、張はなんとなく分かる気がした。
レヴィは、不自然なまでにロックを見ようとしなかった。
意識しないと見ないでいることができない、そんな避け方だった。
彼女が頑として視線を向けない、その空白の方向をたどってみれば、必ずロックがいるのだった。
そうまでして避けておきながら、意識は常にロックを探っていた。
視線をそらしたこめかみのあたりが、アンテナを伸ばしたように緊張していた。
意識をロックから引き剥がすようにしてうつむいた時、レヴィの伏せた睫には陰がたまっていた。
まばたきをするたびに、瞳も、鼻筋も、唇も、陰に染まっていった。
その顔は、女の顔だった。
ああこいつ、いつの間にこんな顔するようになったんだ、と張は思った。

怖がらずにちゃんと見てみろ。
ロックはお前を見てる。
怖がらずに、見ろ。

だが、おせっかいはここまでだ。
張はただ、二人の後ろ姿を眺めていた。
ロックへ身を寄せる不器用な妹分の背中に、心の中でささやく。

──沈黙に勝る愛情なんて、ないんだぞ。

けれど、それは自分で気づけ。
そう思う。

50ロック×レヴィ 比翼・第三部  ◆JU6DOSMJRE :2010/12/05(日) 21:53:32 ID:Pv4mgOxB


レヴィが煙草から唇を離した。
その煙草をまた自分でくわえて、ロックは煙草の箱を取り出した。
レヴィに勧めているようだったが、レヴィは首を横に振って、ひらりと手を翻した。
その煙草は好みに合わない、たぶんそんなことでも言っているのだろう、ロックが苦笑したような気配がした。

そんな二人を見ながら、張は胸の中でつぶやいた。

──死神は、ノックなんかしちゃくれないぞ。

ぼやぼやしてると、あっという間に墓の中。
この世に早すぎるなんてことはない。
首を刈ろうと待ち構えている大鎌を打ち砕き、追いすがる死神すら振り切ってしまえ。
張はどことなく愉快な気分で思った。


比翼の鳥は、目と翼が片方ずつしかないと言う。
一羽では飛べない。
だが、二羽でなら飛べる。
二羽でしか、飛べない。

──離すなよ。

一緒に堕ちて、泥の中で手を取ったなら、そのまま二人で飛んで行ってしまえ、と思う。
死神すら欺いて。
飛び立って、誰も手の届かないところまで行ってしまえ。
高く、高く、どこまでも高く。


桟橋で身を寄せ合う二人の肩先が、わずかに触れた。
どちらからともなく、二人の視線が合う。
ほどけるように、目元と頬が同時にゆるんだ。
二人は、かすかな笑みを交わした。
合わせた目は一瞬で伏せられてしまう。
だが、二人が離れる気配はなかった。


張は久し振りに、高い空が見たいと思った。






51名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 22:00:10 ID:sjjVvNiK
超大作GJ!!ハッピーエンドで良かった
氏の作品では初めてロックが面と向かって好きって伝えたんだよな…
素晴らしかった。次回作も期待してます
52名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 23:19:30 ID:+4M4uG6N
もうなんだこの大作ぶりは・・!
情報量が多すぎてちっぽけな脳ではまだ処理できないが、完成度の高さだけは分かる

しかし三人称なのに感情が怒涛のように押し寄せてくるのは何故だw
そして張の最後まで貫かれるカッコよさはなんなんだ
もう神ありがとう
53名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 00:41:03 ID:9pgwn4sl
お疲れ様でした、GJ!
54名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 00:57:00 ID:cORRQ4ua
神の教養と情熱と文章力と考証に完敗、そして乾杯!
超GJ!

あんたこそ、やる気ないらしい広江の後釜になるべき
作画は佐藤ショウジあたりにやらせてw

神の書く張兄貴のかっこよさは、神自身の美学のかっこよさなんだよな
香港のガイドブック読んだだけじゃ勝てんw
55名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 02:11:22 ID:HmMTqTsg
ありがとう、堪能させてもらったよ
こまかいところまで良かったけど
一番ニヤリとしたのは
オイルサーディンのビン詰めに喩えた札束かなぁ。
56名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 07:16:21 ID:H4aEYuxr
エロいとこでなぜか泣けてしまったよ。すごくよかったよ。
57名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 15:08:49 ID:fOIX3+Ru
すこぶるGJでした

それにしても格好よすぎでしょう、張大兄
58名無しさん@ピンキー:2010/12/06(月) 16:03:47 ID:lLaC61zL
いつか神に張レヴィ書いてもらいたいなあ

それにしてもシガキスとか水夫勧誘の場面をアニメで見てるからかラストは映像を読んでる不思議な感じだった
水面に煙草の灯が映って揺れてるイメージが浮かぶ
59名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 00:19:34 ID:8YMzQ7DE
>>58
>映像を読んでる〜
だれうま
60名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 19:24:27 ID:7t3/Ovb+
おれうまw
61名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 19:31:48 ID:KlYevGnO
超大作すぎて生きるのが辛い!
暫く何にも出来なくなりそうだw
いやでもこんな素晴らしい作品に出会えてよかった・・・
神ありがとう乙華麗様でした!
次の作品も楽しみに待ってますと言いたいけど、この忙しい時期にこんな超昨書いたからまずはゆっくり休んでくりゃれ
62名無しさん@ピンキー :2010/12/07(火) 22:47:16 ID:Q3AFEFwQ
神作すぎて言葉がでない
今日一日思い出してはニヤニヤしてしまった

ロックが張兄貴なら
同時進行でレヴィがバラライカに相談してたとか妄想して・・もうダメだ俺
63名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 14:04:13 ID:rPhNHCf+
エダじゃなく姉御なのかw
64名無しさん@ピンキー:2010/12/08(水) 20:14:18 ID:dZ13pKT/
「相談のってあげるからこのAVのチェック手伝いなさい」って事になる訳ですね
65名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 09:14:15 ID:J9MP97Iz
「姉御ーロックがあたしのこと娼婦扱いしやがったんだー」
「あら。そう・・ならロックに売る前にうちのビデオに出てくれないかしら?レアになるわあ」
「・・・短い付き合いだったな姉御」

こうですかわかりません!
66名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 14:39:19 ID:qv0oZJDK
姐御は相談に乗ってくれるような気安い仲じゃないし、枝にはからかわれて恰好の面白ネタにされるのがオチだろうし、
相談するなら鬱とニートと上手く付き合えてるシェンホアくらいしかいなさそうだなw
67名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 04:12:50 ID:7vZ1JLGu
GJ…!
俺も度々SS書いてるけど、この引き込み読ませる筆力、原作愛を感じさせる文章の密度…勉強になります。
一気読みしたら眠気とんでしまった…
最高でした!
68名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 11:18:16 ID:jzV+WFa5
作品そのものへの愛とロクレヴィ愛がパネェよ。
好きになったカプにこんな素晴らしい神が憑いてくれて幸せだw
神愛してるよ神。
69名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 22:51:49 ID:jTCsd6xC
なんか弾抜くときのタンクトップ切る場面、やたらどきどきしちったw
そこじゃねえだろ俺
70名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 18:54:09 ID:doimPAJM
>>69
よう俺w あそこは緊迫感と相まって妙にどきどきした
その後、弾抜く時にレヴィたんの体押さえてるとこも実はやばかった
だって、縛られて猿ぐつわ噛まされたレヴィたんを男二人で押さえ込んでるんだぜ……
71名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 22:08:25 ID:jcl1HBHn
麻酔なし治療シーンの描写が上手すぎて、
読んでるこっちも思わずうわ、痛え…と顔をしかめそうになったよ

しかしここの職人さんたちは素晴らしいな。名作多すぎて保管庫何度も読み返してしまう
72名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 00:49:21 ID:S4krWDs8
正体バレた枝が張さんに完膚なきまでに凌辱されるSSキボンヌ
「私は…誕生日にこんなエロいことしてる哀れなメス犬です…お父さんお母さんありがとう…私はこんな肉便器に立派に育ちました」とか言わされるの
73名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 06:55:54 ID:v/glpMAJ
台詞はともかく、そのシチュエーションは良いな
74名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 08:24:23 ID:zHmRQbN6
レヴィたんがこたつでみかん食べてたら、ロックに
「みかん食い過ぎると手が黄色くなって次第に顔も全身まっきっきになっちまうんだぜ」
と言われシンプソンズファミリーみたいな人間になってしまうのかとガクブルしてるレヴィたんが見たいです
75名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 10:46:09 ID:5WoB9gqS
この間タイ行った時ガイドがおやつにみかんくれたからきっとみかん作ってるんだと思う
品種は微妙に違うのかもしれないけど…みかん剥いてるレヴィたん萌え
76名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 13:58:31 ID:uPhPKW/a
かいまきをレヴィに着せてからモフモフしたい
77名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 14:09:37 ID:HylQvsUF
みかんってすげーなとふと思った
78名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 15:05:25 ID:FAuXjF1T
ミカンの皮むきで、動物を作ろうとして、中々うまく行かず
遂に癇癪をおこすレヴィ。

79名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 16:50:48 ID:QMh2f3Ya
みかんの皮剥いてたら汁が目に飛んで><顔になるレヴィたんかわいい
80名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 19:38:44 ID:rm3zMgOq
こたつに入ってレヴィに足でいやらしいことをしたいw
81名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 19:46:48 ID:rtSWHVCF
いや、されたい
82名無しさん@ピンキー:2010/12/18(土) 20:21:31 ID:AdLysJyX
コテコテにエロいロクレヴィマダー?
ロックの夜のトゥーハンドが炸裂するようなやつ
83名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 18:07:59 ID:jIvwWwVX
>>80
床に座ってるときは胡座かいてるから急所攻め放題じゃん。
足の親指でつつつーと割れ目を…

「のぼせたんじゃない?炬燵出たら?」
レヴィ「(出たくても出れない…(ゾクゾク)」

素晴らしき日本の冬。
84名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 20:26:17 ID:v5oAAIEJ
ラグーン商会4人で炬燵に入ってる時にレヴィたんに足でいたずらされ
ダッチとベニーに気付かれないよう必死に耐えるロック

二人がいなくなった後レヴィたんに反撃開始
85名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 20:45:40 ID:UYKhCtU+
炬燵に入るダッチを想像して噴いた・・・。
86名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 00:20:28 ID:xyjZW3Oo
炬燵から首だけ出して

『コ……コタツムリ……』

って、照れながら言うレヴィ

87名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 10:09:30 ID:QN32Ceei
そろ〜っと背後から近づいてダッチの頭にみかんを置いてそそくさと立ち去ろうとするレヴィ。

ダッチ「・・・よお、レヴィ・・・こいつは一体どういったパフォーマンスなんだ?」

レヴィ「えっ!えっとなんかロックが日本の歴史ある縁起物だとか言ってダッチの頭に置いてこいって・・・」

ダッチ「それなら博識な俺も知ってるぜ。楽しい鏡開きになりそうだなあ?ロック」

ロック「おっと外回りの時間だ」
88名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 13:10:09 ID:5kFH/PGC
思わず噴いたwww
89名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 17:03:14 ID:4YWlBPaV
こたつというアイテムが入るだけでこうもほのぼのしてしまうのかw
90名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 22:29:12 ID:p5ywNyk0
キャラ崩壊マンセースレなんだねえ、ここ
改めて思う

というわけで原作準拠なハードSSキボン
香港映画張りな奴な
91名無しさん@ピンキー:2010/12/21(火) 23:52:34 ID:Y6rgIX6c
キャラ崩壊も原作並みの殺伐も、どちらもおいしく頂けます。
92名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 00:40:33 ID:hOWMTY2Z
コテコテにエロいブラクラSSマダー?
ドロドロ恋愛じゃなく純粋に抜けるヤツ
93名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 01:10:31 ID:+8a3IEBE
キャラ崩壊っていうより巻末バージョンだな
94名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 18:41:09 ID:E1BYYgYe
>>92
保管庫まだ行ってなかったら行ってみれ。あらゆるタイプのssがあるぞ
95名無しさん@ピンキー:2010/12/22(水) 19:59:20 ID:LS0lrBXF
はじめておまけ漫画読んだ時は本編とのギャップにびびったな
ラジカルとか性転換とか…いや大好きだけど
96名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 00:03:10 ID:akTBbhSG
キャラ崩壊も何も公式のおまけが既にフリーダムだろw
97名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 00:14:59 ID:vdQ6s2VZ
>>94
新作が読みたいんだよ
98名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 01:08:48 ID:WLXu9mbG
怪談話編がいちばん好きかも
99名無しさん@ピンキー:2010/12/23(木) 21:18:37 ID:SJH/HAG4
ヤング編のエダとベニーとボリスが好きだ
100名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 02:23:37 ID:SdJ2jmeT
ヤング編のレヴィたんの声が好き
101名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 18:09:02 ID:PrRIb8Tc
シェンホァんちの聖誕祭キボンヌ
102名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 15:15:22 ID:uR3jdbRO
ソーヤーが持ち帰ってきた何の肉だかわからない塊をシェンホアが鳥っぽい形に捌いてレガーチがアッチの世界から一時帰還させてきたトーチがそれを豪快に燃やして家ごと炎上させて皆丸焼きEND。

一人だけ無傷の6dが「(Xmasにキャンプファイヤーってのも乙だな…)」なんて考えながらちびちびミルク飲んでる。

そんな光景しか浮かばなかった。
103名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 18:19:10 ID:k8VzeLFk
帰れま10で神という単語が出てきてこのすれの神を思い出した俺末期w
104名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 19:39:45 ID:wYOxQQM5
この世のありとあらゆる悪態を天地がひっくり返りそうな大声で喚くレヴィたんを鬼畜眼鏡エダ(ラングレーモード)が十字架に縛り付けてまんぐり返しでクスコ大開帳するSSはまだですか?
105名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 22:18:48 ID:PI1efej3
レヴィが人気なようなのでファビたんはいただいていきますね^^
106名無しさん@ピンキー:2010/12/28(火) 22:41:10 ID:I3S11uB5
じゃあまきちゃんは頂いて行こうか
107名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 00:26:28 ID:7f4Q7jKL
下半身だけ剥いて縛ってM字開脚で固定して延々とクリトリスをいじりつづけたい

誰が一番いい反応するかな
108名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 05:06:16 ID:puQ6Cx6t
>>107
フローラ
109名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 12:26:22 ID:TH8pdAt1
>>107
ヨランダ
110名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 14:09:10 ID:erjFdcxe
クソ生意気なファビオラを押さえつけて犯したい
111名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 14:16:46 ID:zz7d23m1
>>104
ロックにレヴィを調教する様を見せつけるとかだといいな
112名無しさん@ピンキー:2010/12/30(木) 22:55:07 ID:LYxY3KYW
逆でもイケるな
113名無しさん@ピンキー:2010/12/31(金) 07:04:33 ID:6GMdXgl7
エダに見せつけても酒片手にケタケタ「いいぞロックもっとやれ」って楽しく観賞してそうだがw
114名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 11:54:23 ID:SXOkw0gy
エダとレヴィはなんか萌えv
115名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 17:39:09 ID:TadkC0eh
じゃロクロウさんが枝さんに調教されるんだな
116名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 18:29:48 ID:u+fL+dM1
去年はぬこといい比翼といい最高の作品に出会えた。
今年も素晴らしい神ロクレヴィが読めますように。
117名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 20:23:34 ID:Yi+Gb09P
若ロベの新作plz
118名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 23:46:30 ID:T6IFZv3y
ひさびさに保管庫行って来たが、
ロアナプラ編 の職人さんの丹念な乳描写が激しくツボった
乳揉みだけでここまでエロく書けるなんて尊敬する
119名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 02:29:02 ID:OK7uCkYZ
テレビ東京で西の魔女がやるけど
面白いならそっち見る

西の魔女見たことある人どーよ?
120名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 09:56:49 ID:bJMbSJqZ
しらねーよw
121名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 10:47:20 ID:68Ow1CJj
誤爆なのかどうかすらもわからんな。

レヴィがバニー姿させられるエロSSかレヴィがウサミミフード着せられるほのぼのSS
どっちかに希望を託す。
122名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 22:15:34 ID:MjL+IvrD
下はパンツ一丁でロックのシャツ羽織るレヴィが見たい

シャツ貸したロックは悪趣味アロハ着用
123名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 22:28:41 ID:ShBMvLFG
レヴィのタンクトップ着用のロックでもいいぞ
124名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 22:31:45 ID:MjL+IvrD
なんという嫌がらせ
125名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 02:21:09 ID:jQtkboFl
>>122
下着なしでシャツでもいいw
126名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 15:21:31 ID:MF6eofw8
レヴィの下パンツ一枚上ノーブラロックのシャツ着用(ボタンとめず)絵は昔どっかでチラホラ見た気がする
127名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 16:40:15 ID:eMsITTVP
最近エダの魅力に気付いた

ロック×エダの少なさに泣いた
128名無しさん@ピンキー:2011/01/03(月) 21:46:28 ID:rBhyPUok
エダは双子編で一人になるのを怖がったり、
巻末おまけの子供時代ではチアガールやってる辺り結構育ちが良いような気がする。
半分くらい粗野な口調とかは演技なのかもしれない。
ロック同様にあの漫画じゃ珍しいホワイトカラー層なんだよな。
よくロックに絡むのはほっとするからかもしれないw
129名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 00:02:29 ID:YPd2PJbz
アメリカのスクールカーストじゃチアは超上位だからな
おまけにラングレーのエージェントなんだから、スゲー勝ち組よ枝は

ソーヤーに「おめえジョックスに虐められてたクチだろ」とレヴィが言ったシーンあったと思うが、ジョックスは体育会系でこれもスクールカースト最上位
130名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 01:04:50 ID:WT/ZvkqB
つまり枝×ソーヤーのSMということか
131名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 08:37:53 ID:otqwvrkB
>>114
ずっと気になってたんだけど
v←これは何が言いたいの?
ブイサイン?
それともwを出すつもりが間違えてv出しちゃったの?それとも特に意味はないってやつ?
132名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 09:29:26 ID:fiypMNRa
ハートじゃないか?ブログとかでよくある表現
133名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 09:32:18 ID:lsstsAJ0
vについてここまでいやらしく邪推してるやつ初めて見たwwww
友達少ないだろw

機種依存文字を使わない「ハート」だっつのv
134名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 11:09:41 ID:fiypMNRa
単に知らなかったんじゃないか?
135名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 18:52:38 ID:otqwvrkB
>>132
ありがと。
機種違う友人とメールしてても顔文字使ってたからなあ。

なんか訊いちゃマズかったんかなw
まさかv知らない=友達少ないってレッテル貼られるとは思わなかったぜ。
素朴な疑問を口にしてみただけなんだがw
136名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 19:12:45 ID:WT/ZvkqB
別に聞いちゃマズイんじゃなく、
聞き方がねちっこいからだと思うが
137名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 19:29:51 ID:FIIiB5tg
知らなくてもちょっと考えりゃわかると思うんだけどな。
まあ友達はともかく、vには縁遠い奴なんだろうなw
138名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 21:12:11 ID:W1inaTr5
若い子なんだろ
共通絵文字が蔓延る今時、vなんて知らない方が多いって

ブラクラでメールに絵文字使いそうなのって誰だろ。ソーヤー?
139名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 22:18:26 ID:/IvrxAQq
6tかな
140名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 02:19:00 ID:MTLIJfEq
vとか気持ち悪いオタ女や腐女子くらいしか使わないからな
141名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 03:07:42 ID:ihKDhiDl
ソーヤ確かに使いそうw
メールでは超テンション高いイケイケだったっていう二次を見たことある
142名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 09:34:00 ID:D55LJiCU
ねちっこい聞方はわざとだろう。バカなの死ぬのみたいなのと同じ感じじゃない?
あれくらいでいやらしくって捉えるほうがよっぽどひねくれてるように見える。
友達少ないだろとか雑草生やして敏感になってるから使った本人なんだろうけど。
143名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 09:43:56 ID:ccvJPUW0
新年早々荒れてんな
さすがロアナプラは地獄だぜヒャッハー
144名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 10:03:50 ID:9peS2Dix
いいから早くロックとレヴィたんの汗といろんな液でヌルヌル地獄うpしろよ
145名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 20:36:51 ID:NmYChoYz
>>142
そのまんま元凶にも言えると思うけどな
バカなの死ぬのは、本当にバカなヤツに使うモンであってもの人に聞く時に使うモンじゃないしw
ああいうネチっこいものの訊き方のガイドラインってなんかあるのか?

wの書き間違いかよ、ばーかとかワケわかんねーこと言うからわざと使い分けて見せてやってるんじゃないのか?
146名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 20:55:16 ID:3MA+doDA
いつまでそんなくだらん事で揉める気だお前ら
いい加減ウザいからどっか行ってくれ

それよりova版のシャワーシーンでレヴィのパンツが
なぜ白じゃなくなったのか言う事の方が重要だ
147名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 21:16:43 ID:MTLIJfEq
可能性の一つとして


1.生理中だった
2.誰かさんに汚されて洗濯中だった
3.売り飛ばされた

148名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 02:52:47 ID:dvUQ2VAO
レヴィは水滴をしっかり拭きそうにないから白だと透けてしまうキリッ
149名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 07:36:06 ID:Ha0Y8SvY
年初から生理がどうのとかキモいスレだな
150名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 10:24:16 ID:MkVdRHZf
年初からわざわざエロパロすれにやってきといて何も知らないふりしてかき込んでるお前も十分キモいお^^
ロベルたんにおしおきされるお
151名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 17:56:14 ID:quDxDfZz
エロパロスレに来てエロネタをキモイってバカなの?死ぬの?暇なの?ニートなの?
152名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 18:26:44 ID:dvUQ2VAO
すべて正解だなw典型的な消防構ってちゃんだよほっとけ
153名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 22:23:24 ID:G0sxOwVb
>>147
部屋に入って来るなりロックにかぶられた
154名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 07:24:07 ID:CVsgzbPT
かぶられた

やぶられた
に見えた。
どっちにしろ変態になるけど。
155名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 04:10:15 ID:KCZ1an16
やっぱキャラ的に黒ということになったのかな(スタッフ会議でw)
白の方がギャップがあってエロいと思うけど
156名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 04:14:29 ID:hlWTHx9R
レヴィは最初の頃、執拗にロックにアロハシャツを勧めていたりと微妙なセンスを持っている可能性もあるなw
157名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 08:58:20 ID:rvgC8jSw
そういう欠点があるほうがキャラの魅力って上がるよな。
ルックスも銃のセンスも抜群なのに服のセンスは・・・
とか
カッコイイのにギャグセンスは致命的とか
お人好しでイケメンなのに色々気の毒な人とか
158名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 09:47:20 ID:cnYE3NTf
つまりレガーチさん完璧!パーフェクトというわけですね、
159名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 11:35:03 ID:1qiEZBW7
>>157
張さんですね

まあレヴィの弱点ってなんだろね
160名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 12:10:40 ID:VYFed2/t
ロックと脇腹
161名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 21:56:10 ID:dxi3pPge
>>157
二行目はロットンじゃないのか?と思ったが
ロットンだとむしろ、「お人好しでイケメンなのに色々残念な人」
の方が正確だなw
162名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 23:46:58 ID:Re1VZTiV
今のレヴィがロック失ったらどうなるんだろう
ぶっこわれて今以上に殺人狂になるか
泣きじゃくって廃人化するか

まあ前者だろうな
163名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 06:32:36 ID:sAh/JZKf
ベニーの着てる服がレヴィの贈ったアロハだと気付いたとき
やっとレヴィがロックに何回もアロハをすすめてる理由に気がついた(遅すぎ
164名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 07:10:40 ID:HF2os+zq
>>160
つまりロックに脇腹こちょこちょされたらひとたまりもない、と
165名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 09:55:18 ID:lt4pd655
>>164
なにそれ見たい
166名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 18:02:28 ID:wrlmbWAT
アロハシャツをバカにすんな
ちゃんとしたメーカーの製品ならあとスラックスかチノパンと革靴あれば結婚式だって出れる
ククイのレイがあれば完璧
167名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 20:07:07 ID:WDwkRkkl
>>164
くすぐってるうちにレヴィの性感帯触っちゃって
変な空気になるふたりを見たいぜ
168名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 20:09:21 ID:Dh+Ar3Da
>>167
これまでのキャラを崩す声色をあげるレヴィかw
ロックは脳内が漂白されるんじゃないか?w
169名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 20:20:03 ID:WDwkRkkl
>>168
きっとふたりとも別の理由で固まるなw
そんでレヴィが銃ぶっ放すか何事もなかったように酒を飲みはじめるかどっちかだな
170名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 21:00:41 ID:UZq/1HcS
>>169
そんなレヴィ可愛いなあ
171名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 21:36:32 ID:FjEZxCek
もう何やってても隙あらばエロモードに切り替わるんだよ
172名無しさん@ピンキー:2011/01/11(火) 22:55:06 ID:unsstKNh
つーか間違いなくやってるよな
173名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 18:20:17 ID:887fHGdz
さっき買い物してたら若いカップルが来て
彼女「これ美味しーんだよ」
彼氏「そうなの?旨い?」
彼氏「今日これ!帰ったら今日のオツマミこれね!まじ美味しいから騙されたと思って」

って彼女のゴリ押しをやんわり受け止めてる彼氏のやりとりを見て和んだと同時に無意識にロクレヴィに変換してニヤケた自分がいた。
174名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 22:24:07 ID:SwV0ZYg9
悪党への道まっしぐらのロックは、
もうレヴィとイチャイチャしたりはしないだろう
175名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 22:35:59 ID:1RTtwfh6
ものすごく今更だが、
休載中の新シリーズでの二人の距離は更に縮まってるようで良かった
あの時のジェーンのあんたの彼氏発言はGJだったな

広江さん早く復活してくれ…
176名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 22:49:48 ID:xaKOL0t/
>>175
マジか
そんな話があったのか
早く単行本で読みたい

けど、一生出ないかも…
177名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 08:47:14 ID:GBBISijg
んな不吉なこと言わんでくれw

腹黒道一直線な岡島だけど神の岡島さんならいちゃついててもいい。
広江続き書けないなら今までのは学生服着た岡島さんの夢で不良女子高生のレヴィちゃんに振り回される毎日、しかしある日突然変な連中に命を狙われレヴィ覚醒。ロックのピンチにラジカルレヴィに変身してなんやかやでいいよ。
178名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 20:58:01 ID:fIhaqWve
バカップルよろしくイチャイチャしろとまでは言わないが、
ただ黙って寄り添い合うシーンとか原作で見てみたい
179名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 22:17:53 ID:SXjh2dzs
>>178
はげどう!
きのう今度出る小説の表紙見たけどレヴィとエダが超可愛かった
180名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 22:25:44 ID:qVlrAcxF
2NN ニュースナビゲーター
http://www.kusanone-net.com/news_2nn.php

掲示板の書き込みを読みながら難解なニュースも一発理解!
181名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 23:17:44 ID:+7GipTmP
>>178
もうあのシャワーシーン見てるとそんくらいはしてそうな感じがあるな
見てみたいけど
182名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 00:00:41 ID:6v3qo3NY
姉御と軍曹のピオネール時代の甘い恋物語キボンヌ
183名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 03:44:43 ID:zdPtvF0C
ピオネールって軍隊のこと?
まえ神が書いたssが秀逸だったな。拷問シーン怖かった
184名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 07:01:42 ID:RNUGrnY8
姉御絡みは張さんとボリスどっちがしっくり来るんだろう
個人的にはどっちも好きなんだが
185名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 11:16:21 ID:7zpQ2zwm
大穴でダッチとの絡み、でどうだ
186名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 18:14:30 ID:kz1BWGSc
>>178
シガーキスのあと後部座席で寄り添ってたんじゃない
187名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 23:48:50 ID:9lyp9J/o
>>186
今さっき拳銃で撃たれた相手にそれはどうだろうかw
188名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 08:50:37 ID:np1INY/i
それ言ったら今さっき大喧嘩した相手とあんなエロい空気作ってシガキスするかって話に
189名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 10:05:03 ID:FY8yo7Du
>>188
喧嘩したあとのエッチは燃えるのが常識
190名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 11:52:26 ID:MCd8lUJv
ケンカは前戯ですだよ
191名無しさん@ピンキー:2011/01/15(土) 14:31:30 ID:tLa8irPa
レヴィにはこれ以上デレたりしないで欲しい
192名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 02:07:08 ID:z3Toi8St
トゥーハンドにはガハラさんばりにツンドラでいてほしい
193名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 07:37:08 ID:+pMMN26A
生まれて初めて恋愛体験してる、それでなくても不器用な女の子にそげん無茶言うでない
194名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 19:24:14 ID:6KPL5AgN
ロックもあの感じからすると女性経験は少なそうだが
レヴィのリードに戸惑うのでは
195名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 21:28:27 ID:KlRI0ijT
精神的にはロックがリード
肉体的にはレヴィがリードということか
196名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 06:38:19 ID:o6XNvYZO
レヴィがリードできるくらいならあんたにとってあたしは何なの?とかしょんぼり聞いたりしないような

悪趣味なゲーム好きのロックは焦らして楽しむのが好きそう
197名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 07:02:34 ID:tmL1GUyI
>>196
ロック鬼畜過ぎだろw
レヴィはそんな恋愛の駆け引きには人一倍疎いんだし
198名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 14:26:31 ID:znFYpf4M
逆レイプとか単なる性欲処理とか、そーゆーことにしときたいレヴィと
そーゆーコトでは絶対に済ませてくれない犯島さん。
199名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 00:00:52 ID:+anvCTsX
みんなのレヴィ像がよくわからんな
ちょっと英語で言ってくれんか?
200名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 08:53:53 ID:rXSgg/zH
TSUN DERE SWEET HEROINE
201名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 09:12:43 ID:mZzeekrl
MY WIFE
202名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 20:43:28 ID:jwCjzMBe
Bitch as a Kitten cat
203名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 21:59:45 ID:kD+szmJX
MY TSUN DERE ANGEL
204名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 22:02:00 ID:AS2bcdeI
ORE NO YOME
205名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 00:31:52 ID:JL29OhHr
おいwローマ字がちらほら混じってるぞw
206名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 20:45:09 ID:mwHBHmt0
ロックになってレヴィたんに膝枕されてナデナデされたい
207名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 21:19:00 ID:mTauIrwh
>>206
そんなレヴィは嫌だ
むしろ風邪ひいて嫌々ながらロックに介抱されて
実は嬉しいレヴィとかのほうがいい
208名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 01:28:59 ID:dI25b/CY
ちょ、萌えるなそれ

「レヴィ身体拭いてやろうか?」
「・・・どうしてもやりたいってんなら・・やらせてやるよ」
「見たらぶっ殺すからな」
「どうしたらいいんだよ・・」

こうですか?わかりません><
209名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 01:45:59 ID:+GdcbIwG
レヴィ「見たらぶっ殺す」

ロック「何を今更wwwww」

レヴィ「・・・・・ッ!!」

ロック「あれ?熱上がってるw」
210名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 16:47:19 ID:b+mdu2kq
「何、寒いって? 任せろ。そういう時は人肌でry」
とお約束のように全裸でベッドに侵入してくる犯島さんが容易に想像できた
211名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 17:10:06 ID:38UjfFv1
大体風邪引くレヴィ自体が想像出来ない
普段から薄着なんだし、免疫力のカタマリみたいなもんだし

やっぱりここは定番の「ロック風邪引く⇒看病イベント」だな
無造作に作られたおかゆとか食べさせてあげたりして
212名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 23:13:57 ID:+GdcbIwG
あーいえばこーゆーw

みんなの心にそれぞれ一人のレヴィたんがいるんだな
213名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 23:20:34 ID:O12w6b94
それだけ魅力的な女性という事だ岡島氏ね
214名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 01:58:42 ID:za/jhOdE
無造作に作られたおかゆか…ワクこわw
もしやカマドウマ系が…「精がつくぜーロック♪」
215名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 18:00:37 ID:9YveTGis
チャイニーズだけに怪しげな漢方とか飲まされたりなw

漢方は怖いよ
便秘に効く漢方とやらを箱の説明通りに飲んで酷い目にあったことがある
216名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 21:29:55 ID:tuRxp8il
単に症があってなかったんだろ、漢方は体質と薬が合致すれば素晴らしいもんだ
便秘薬はどんなものでも初めて飲む時は少量から試すべし

タイの中華街の薬屋はタツノオトシゴのミイラやらよくわからん骨やら、何か色々凄まじかったwww
ああいうのがごろっと粥に入ってたら泣ける、絶対w

レヴィたんは野菜食わないから便秘してそう
ついでに不摂生だから臭いぞ絶対
217名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 22:41:55 ID:za/jhOdE
いや、毎日腹筋して鍛えてるし、野菜嫌いに見えて実は摂生してるよ
じゃないと戦えないしな
典型的な陰で隠れて努力するタイプ
218名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 23:04:25 ID:HuFlBScc
レヴィの何もかもが愛しくて辛いんだがどうすればいい?
219名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 23:14:30 ID:hHxfs0bZ
>>217
しかしそれをロックの前でやってるあたりがまた二人の距離感が見えていいよな
220名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 07:14:34 ID:GxCyFL7x
>>218
それ何て俺?
ここまで俺を虜にさせるキャラ生み出しといて全然描く気ないデブ死ね
221名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 10:26:58 ID:5vKydqjY
ちょっとまて
野菜に気を配るって設定なんか
今まであったか?
222名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 11:24:46 ID:AFYH5zr+
>>221
単なるイメージじゃないか?
明らかに肉食系に見えるし

223名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 12:13:01 ID:6oaFG9r2
>>220
まだまだ新しいレヴィ見たいし何より話の続きが読みたいから
死なれちゃ困る。やる気を出してもらうように持っていくんだ

というわけで広江さん頑張れ。頼むからそろそろ頑張れ
224名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 14:33:33 ID:GxCyFL7x
>>222
それもイメージだろ。
肉食ってる描写とかなかったと思うし。
見たことあんのはピザ、ベーグル、トースト、酒、その程度だったかと。

贅沢言ってられる環境じゃなかったからよっぽど受け付けないもんじゃない限り何でも食うんじゃない?
納豆、クサヤ、臭豆腐、ドリアン辺りは厳しいんじゃない
225名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 14:57:45 ID:sinPpsp6
>>223
いいこと言うなあ
まだまだ色んなレヴィ見たいよね
個人的には一度フォーマルな格好した姿が見たい、ドレス姿とか
226名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 17:27:48 ID:UA8Z+p1n
最近読み始めたらはまったわ、ナヨナヨした女がいないから
読んでて気持ちがいいわ
227名無しさん@ピンキー:2011/01/22(土) 19:35:51 ID:Tk2XgJsL
バラ姐さんにフォーマルな場に潜入させられる為
むりやりドレス着させられる絵が浮かんだバラレヴィ好きな俺w
228名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 02:43:04 ID:StivBUp7
>>225
ドレス着てメイクアップしたレヴィたんならラフ集にあったな。
その話今からでも遅くないから描けよと。

>>224
ドリアンはガチで大量ウンコー臭だな。クサヤは嗅いだことないけど。
ドリアンの臭い嗅がせたらレヴィなら人格逆転、岡島さんなら更なる黒化、レガーチなら正気に戻る、6dなら発砲すると思う。
229名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 04:54:45 ID:P+J8ZTcg
>>228
なにそれ俺が見てみたい

ドレス姿のレヴィを見て何故か赤面し、レヴィを直視出来ない程に動揺するロック、
もしくは逆にまるで無関心なロックにちょっとイラつくレヴィ、とか
230名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 20:15:54 ID:IvJznsP/
日本編でレヴィが街でナンパされまくったって話があったけど、
やっぱり普通にしてたらモテるんだろうなあ
231名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 21:21:11 ID:f7tdIk19
>>228

くさやは焼きたてにポン酒ぶっかけると旨い!!
232名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 21:37:53 ID:Z6xs0dbk
レヴィと飲むならつまみは酒盗かな
最後に甘酒のませて顔を顰めさせたい
233名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 22:16:04 ID:KUHGhXGV
ラフ集のドレスアップレヴィは可愛かったな。恥ずかしそうに赤面してたし
漫画内で使うつもりだったが没にしたって書いてあって
なんて勿体ない…と思ってしまったわ
234名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 22:42:44 ID:aHmTOZny
え…ドリアンのにおいはドリアンのにおいとしか言いようがないよ…
屋台に大量に積んであってもンコのにおいは連想しなかった
235名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 22:43:31 ID:P+J8ZTcg
>>233
どう見ても最上級の御馳走だぜグヘヘヘ
236名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 10:30:16 ID:N7ldLRB4
>>232
甘酒なら日本編で普通に飲んでたからああいうマターリ甘い系も実は結構好きなんじゃないか?
酒盗チーズとか好きそうだけどその前になめろうの旨さを教えたい。

ラフ集のドレスレヴィめちゃめちゃ可愛いのに岡島さんはスカート姿にもシャワー後の水を滴るパンツいっちょ姿にも見事なまでにノーリアクションだったからドレスアップしても良い反応は期待できなさそう・・・
237名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 12:09:16 ID:zCzrMzW1
「ミニスカでイメチェンも駄目、半裸で色仕掛けも駄目…
どうすりゃあのバカは反応するんだ」
とラム酒呑みながら悶々とするレヴィが脳内再生された

そしてコスプレ衣装を用意してやるベニー
238名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 13:01:17 ID:ir1h9qwX
それでヘストンワールドからやってきた魔法少女になるわけですね分かります
239名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 17:06:49 ID:YqltzOCX
ここって小説の話はOK?
ラストの「あたしを置いて一人で鉄火場に立つなんて何考えてんの?心配したんだからね!ロックのバカバカバカァ!」って怒りっぷりが可愛くてたまらん。

いや、描写は全然違うんだけどなんかそう言ってる風にしか見えなくて。
240名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 18:18:55 ID:n0XwR3L1
よし、明日小説を買ってこようぞ!
241名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 20:16:01 ID:9A+jFZlp
小説二巻はレヴィの出番はほとんどないぞ、まぁラスト付近のレヴィはよかったな
なんだかんだで一番ロックを心配してたのはレヴィだったし
242名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 20:30:07 ID:+wqCvxJ4
>>241
そんな健気なレヴィを余裕でスルー出来る岡島さんマジ鬼畜
せめてお礼にデコにキスとかしてあげればいいのに
243名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 22:17:11 ID:QIVRPBt/
小説、出番は少ないけど二人一緒に行動するシーン多かったし
事務所のソファと酒場で二人並んで座ってる挿絵が見れただけでも良かったよ

相当飢えてるからって僅かな萌え成分探すのに必死になってる俺キメェ
と思いつつもやめられない
244名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 22:23:45 ID:BfDRzr//
>>243
なんという俺…
もうね、数少ない燃料で如何に生き延びるかって感じですわ
245名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 23:08:34 ID:MV5K+71E
誰か・・・張レヴィを!バタッ
246名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 20:18:39 ID:8+2WhSJd
おいコラ文庫本なかったからわざわざ店員さんにオタクラノベ検索してもらったぞ(;゚Д゚)
隠れオタだからタイトルとかガガガ文庫とか言うの恥ずかったぞコラ。
レヴィタンの恋人とかいうのなら普通にあったんだけどな。

最後の挿し絵のカウンター席に座ってるレヴィたんの乳と脚にムラムラきたぞコラ!
247名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 23:11:04 ID:Ez7tMk27
小説、レヴィの乳が増量されてる気がするのは気のせいなのか
それとも犯島さんに揉まれすぎてry
248名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 23:16:57 ID:rmOAYhqY
レヴィは乳よりあのナマ足だよ
249名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 00:27:49 ID:CgvxADZs
ロックは絶対何回か着替えなどでラッキースケベにあってるはずだ
タンクトップを脱いだとこでがちゃっとか
250名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 01:15:28 ID:MfF2QIV4
小説、エダがロックを説明すんのにレヴィの情夫って言ってたね
251名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 07:52:15 ID:4zCOnOlG
>>247
表紙とか太股もムチプリ増量されてんな。
久しぶりに描いたもんだからどう描いていたのか感覚忘れかけてんだろ広江って思た。

ところでレヴィたんの姓はリーなの?チョウなの?ドッチなの?
252名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 09:53:26 ID:c3lL880R
>>251
いっそもうオカジマでいいんじゃないかな
253名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 12:39:21 ID:HWRKuAqK
当たり前のようにロック=レヴィの情夫 で通じてたり
お嬢様にロックが話しかけてる最中レヴィがずっとガン飛ばしてたり
最後心配のあまりレヴィが切れかけてたりで、何だかんだ楽しんで読めた

レベッカ岡島で良いよもう
254名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 17:49:43 ID:Rojwui+Y
ベッキーでいいよもう
255名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 23:28:36 ID:dzfXPFyt
>>523
確かにレベッカオカジマでいいよな。
間違いない、俺の陰茎がそう言ってる。
256名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 23:30:27 ID:7RL98HME
つーか素朴な疑問だけどレヴィは性欲処理とかどうしてんだろ
岡島さんは淡白だから平気そうだが
257名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 03:56:33 ID:304eWtR3
性体験にあまり良い思い出なさそうだから意外とロックより淡白そうな気も
258名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 09:09:09 ID:eSPRjKwW
ストレスや鬱憤溜め込みやすいロックみたいな人間のほうが性欲も溜め込んでそうだな。
レヴィは父親に虐待されてたし…
あっちじゃ自分の娘に性的暴行って虐待のメニューに普通に入ってるようなもんなんだろ?
259名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 12:23:51 ID:BG9sFgZy
父親からの虐待ってよく出て来る話だけど、どこに載ってたんだっけ?
漫画と小説しか見てないから分からん
260名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 18:53:39 ID:RpU8CCD7
>>249
エロハプニングを期待して事務所のドアを空けたら
ダッチの生着替えに遭遇してしまった犯島さん
261名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 21:40:14 ID:O1/ocQ4z
「だ、ダッチ///」
「ロック……///」
262名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 22:42:41 ID:304eWtR3
>>259
俺は逆にまだアニメしか見てないが、おそらくOPの父親撃ってるシーンとか
日本編とかその他にフラッシュカットのように出てくる過去映像で
ストリートチルドレンぽい感じになってる雰囲気から定説になってるとおも
263名無しさん@ピンキー:2011/01/28(金) 23:43:10 ID:ZDoBcVMM
まぁつまりはレヴィたんは俺の嫁ってことだな
264名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 00:02:24 ID:hDii3cOT
女ロックを女ダッチが襲う展開キボンヌ
黒人かわいいよ黒人
265名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 13:34:33 ID:p45O2dGW
OVAだと銃と弾丸のシーンはどんなんだろ
すんごく楽しみだ
266名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 17:16:29 ID:CXfl6XLp
>>259
DVDに付いてる監督の解説やらコメントやらが書かれてる紙。
母親はとっくに逃げてて幼い頃から酒浸りの糞親父にDVされて育ったって。
267名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 17:19:12 ID:CXfl6XLp
>>263
で、なんでそうなるんだよふざけるな
268名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 17:35:47 ID:yB7Wxh5n
女ロックと女ベニーが並んで歩いてたらかなり萌えると思うんだが
269名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 18:51:41 ID:9W3QzIT+
女ロットンを想像してみた
………あれ、なんで銀髪になっただけのソーヤーにしかならんのだ??
270名無しさん@ピンキー:2011/01/29(土) 22:35:04 ID:Kysf03Nw
>>269
いや、女六トンはハインケルだろ
271名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 03:08:23 ID:PhTBJ1Hw
実写にしたら女ベニーは数年前のニッキ・ヤノフスキーにメガネかけさせた感じだろうか
吹き替えは小林優子で

男シェンホァはジェイ・チョウにカンフースーツ着せたらよさげ
吹き替えは山ちゃん

女チャンさんはミシェル・ヨーあたり?

女ダッチはナイオビの人
272名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 19:12:58 ID:72sORN0C
しかし小説版は天然って怖いね、という話だったんだろうか
ソーヤー視点が可愛くて死ねるんだが

……でもロットンと忍者が何もかも持っていった気がする
273名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 19:42:16 ID:nPuMFTTR
しかし何で急に“リー”になったんだろうね?
最初間違えたのかと思った。
“チョウ”だと超兄貴と被るからやっぱり李にしよーぜってことになったのかな。
まあ何にしろ岡島でFAってことになったようだがw

でも岡島さんは関係はっきりさせたがらないから同棲だけして一生ずるずるそのまま・・・って状態になりそうだ。
恋人とか肩書きがあるといつか別れがくるけど、この関係ならずっと一緒だ〜とか思ってたらいいと余裕で妄想しとく。
274名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 20:50:57 ID:/J4YzEj5
正直、愛の力で救う展開はロベ若様じゃなくロクレヴィでやって欲しかったぜ
レヴィがロアナプラを敵に回し暴走、ロックがキス+プロポーズで救う、みたいな
275名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 21:25:13 ID:b269ceUS
ラスストのセイレンがまんまレヴィでワロタw
二刀流(トゥーハンド)だし。
意識しないのが無理なレベル。
276名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 21:48:08 ID:+aG1fJkj
>>273
愛人、もしくは精神的なセフレって事か
277名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 22:30:16 ID:3SvxgAN9
ふたりが愛人!なんかこう萌えるなw
278名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 00:28:04 ID:+cTX0zFG
虚渕はシェンホァの北京語(または台湾語)と張さんの広東語をごっちゃに「中国語」でくくる作家だから、
レヴィの姓は間違いかもしれないと俺も思った

関係ないけどビビアン・リーって中国系でも台湾系でもないんだぜ
279名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 08:08:44 ID:iCYvvSLk
リー将軍もな
280名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 22:27:39 ID:A/n79EBx
えっビビアンってどこの人なの?
顔的に先祖が西欧ルーツぽそうだが
281名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 22:44:45 ID:GkyiBcDZ
ビビアン・スーとカン違いしてないか?
ビビアン・スーは漢民族と台湾原住民の混血
282名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 23:44:31 ID:A/n79EBx
わあすまんwまさにスーと勘違いしてた
283名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 00:08:37 ID:9zfIXE9+
で、リーなのかチョウなのかどっちなんだ
284名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 00:10:39 ID:a89iHpY3
結論出てるよ
オカジマで
285名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 00:18:17 ID:eDI43N+v
アメリカ領事館に行けば奥様は捕まるし、日本領事館に行けば死んだはずの旦那が生きてたと大騒ぎになるし、正式な夫婦になるには障害が多い
内縁しかないのか
286名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 04:08:37 ID:q3e0AjRl
領事館w確かに
個人的にレヴェッカ=リーを推す。かこいい
287名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 08:48:44 ID:FwoenvcZ
>>285
そこでベニーの出番ですよ
タイだと国籍とか色々ザルそうだから二人分の出生証明書くらい訳なさそう
…と調べたらなんか奥深いんだな…
288名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 11:49:47 ID:uqEn2iP0
>>286
俺も李の方が合ってるっていうか全体の響きとして良いと思った。
レヴィたん的には忌々しい親父の姓だからやっぱりオカジマがいいよねw

愛人関係ねぇ…
父親に決められた女性とケコンして作業的に子供作って、奥さんは綺麗だし育児も主婦業もソツなくこなす出来た女で何の不満もなく円満な家庭に見えるけど、その裏でレヴィとの逢瀬を交わしてるとか?
289名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 18:00:10 ID:koH0YWqK
ロアナプラだぞ。儀式的なものでいいんだよ
暴力教会でみんなの前で式挙げて誓いたてれば充分じゃないか

つまり父親役のダッチと腕組んでバージンロード歩くレヴィが見たい
290名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 20:38:29 ID:Az+5/khv
>>289
> 暴力教会でみんなの前で式挙げて

死亡フラグにしか見えないw
291名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 21:32:12 ID:KZ6dKdY9
>>289
「ヴァージンでもないのに、んなもん歩けるか!!」と
やさぐれるレヴィを受信した。
純潔・無垢を意味する白のドレスとか、嫌味以外の何物でもないだろうな
レヴィにとっては。
292名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 22:11:14 ID:a89iHpY3
神父はロットン以外思いつかない…
293名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 23:50:18 ID:eDI43N+v
自己解決した
在米華人はアメリカ籍のみ(狭義のChinese American)か、アメリカと台湾の二重国籍か、中国/台湾籍の在米中国人(ABC:American Born Chinese)のどれかに分類される
中国大陸やアメリカの出身でも、1949年10月10日より前に移民している家系なら中国籍も台湾籍も取れるんだな
中国は二重国籍を認めてないが台湾は認めているため、理論的には1)中国籍のみ、2)アメリカ籍のみ、3)台湾籍のみ、4)アメリカと台湾の二重国籍のどれかがレヴィにはあるということだ

中国も台湾もアメリカと犯罪者引き渡し条約は結んでない
なのでレヴィに中国籍か台湾籍があれば捕まることもなく『在外華僑』として中国領事館/台湾代表処で結婚の手続きを取れる
岡島さんと正式な夫婦になることが十分可能なんだな

1日かけて何やってんだ俺
294名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 00:18:39 ID:2zdZE0pj
お前の情熱に乾杯

知識っていうのはこうやって増えていくんだなぁ……
295名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 01:21:54 ID:+oZiAnGy
>>293
大変わかりやすかったw酒粕で乾杯
296名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 08:33:52 ID:smMbknRv
焼いた酒粕かじってむせて涙目になったレヴィに殴られたい
297名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 14:23:43 ID:/k2PKaQI
>>292
スゲェくさい誓いを強要しそうだな
復唱しなければならないことを利用して…
298名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 15:59:17 ID:k2qTCnWD
>>291
でも無理やり着せられて鏡の前に立たされたら人がいなくなった隙にクルッとターンしてみたりするんだろ?
299名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 17:43:04 ID:dEC29pFr
>>298

それをロックに見られて

「見た・・・?」
「あ〜・・・うん・・・可愛かった。」
「//////」



とかなってるのをさらに姐御や張がのぞき見して(・∀・)ニヤニヤしてるんだろ?
300名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 17:58:35 ID:L9ZV2F2G
>>299
ロックにカトラス突き付ける姿が目に浮かぶw
可愛いなあ〜
301名無しさん@ピンキー:2011/02/03(木) 20:37:31 ID:19N2e27R
>>292
教会の鐘の所から登場した途端レヴィたんに撃ち落とされるロットンを受信した

そして純白ドレスを「こんなもん着れっか!」と拒否するものの
ロックに「俺の為に着てくれ」とほだされて真っ赤になりながら結局着るレヴィたん
302名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 21:07:25 ID:BhES6OzW
誓いの言葉


レヴィ「ロックのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」
303名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 21:19:27 ID:1ZeCJ6vf
ロック「一生俺を捕らえ(誘拐し)てくれ」
レヴィ「一生逃がしてやんねえからな」


…すまん、ふと思い付いただけなんだ
304名無しさん@ピンキー:2011/02/05(土) 21:41:02 ID:vI02FPr/
>>303
なにそのバカップル
305名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 09:47:41 ID:XrPEHIyx
レヴィ「あたし専用のこたつににゃれにゃ!」
306名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 12:47:03 ID:E42IHBCN
なってやろう!
307名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 22:38:22 ID:Mchg8AMa
ロックになって、レヴィとベッドの上でゴロゴロしながらいちゃつきたい
308名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 07:03:26 ID:Ndw15y+6
保管庫の神ぬこ話泣いた・・
309名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 23:20:10 ID:AU7TkCHr
保管庫さんにはいつも感謝してます。

つーか早速プリキュアネタかw
310名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 00:02:20 ID:Y+s4w8iZ
あのシガーキスの回がロクレヴィの真骨頂だと思うんだ
ケンカで言いたいこと言い合った後のセックスは燃える
しかもケンカの原因は自分を相手がどう思ってるか、自分の過去と現在っていう、アイデンティティーとコンプレックスにまみれた話
一連の流れに女の思考回路をすごく感じた
ロベルタ復讐編のシャワーのもよかったけど、やっぱシガーキスのアレが原点だと思うんですよ

今の広江にこんなのまた書けるんだろうか
虚渕原作広江作画でいいから復活してほしい
311名無しさん@ピンキー:2011/02/08(火) 22:11:46 ID:y9IpjbQ5
射的の時のやりとりが好きだ
珍しく気まずそうに自分の事を話すロックと、泣きそうなレヴィの表情がぐっときた
お互い家族とうまくいかず孤独だったんだし、
ここはリベンジを含めて早く結婚して家庭を作るべきだと思うんだ
312名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 16:22:01 ID:789aHiie
両方全力で同意できる俺は自分の中の歴代最萌CP五指にロクレヴィ入ってる
313名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 17:11:30 ID:7UJoa9AZ
俺も歴代の中でも断トツでトップだ
314名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 20:35:09 ID:kN43MVPU
俺もだ
だから早く新しいレヴィが見たい…
315名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 22:53:52 ID:a4bFR2XB
俺にとってロクレヴィはバカップル、殺伐クール系、切ない純愛系
痛い鬱系等何でも容易に妄想出来る万能過ぎるカプ
お陰でまだまだ熱が冷めそうにない

ちょっと保管庫に篭ってくる
316名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 16:44:29 ID:iEen4EFB
保管庫は宝の山だよなあ
名作、萌え作揃い。あれだけで1年は生き延びられるw
317名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 20:07:04 ID:QjPqipXq
そろそろ本編のロクレヴィも見たいけどな(´・ω・`)
318名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 21:00:21 ID:/Xmup4mz
あんたの彼氏とか情夫(小説)とかもう公認の仲だしな
319名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 21:02:35 ID:/Xmup4mz
>>316
数々の名作をもう何度も読み返してるわ
妄想はできても文章化する才能はないから
職人さんたちマジで尊敬する
320ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:19:54 ID:jxHlg1Xo



目覚めはゆるやかだった。
深い水の底に沈んでいた意識がゆっくりと浮上し、ぬるま湯のようなあわいで漂いはじめる。
日陰でゆらぐ熱帯の海水に包まれているかのように、眠りと覚醒の間でたゆたう。
そんな輪郭を持たないふやけた意識は、徐々に冷え固まってくる。
同時に、身体各部の感覚もまた、覚醒する。
素肌を包む上掛けの感触、足先に触るシーツの皺、そして、同じ上掛けの中にある他人の体温。
自分のものではない熱と呼吸。
それを確かに肌で感じたところで、ロックは目を開けた。

ブラインド越しに差し込む光は白っぽい。
熱帯ロアナプラの太陽もまた、目覚めてからさほど時間が経っていないと知れた。
ロックは、瞼の裏に張りつく眠気に抗うようにまばたきをした。
まだぼやけた目に映るのは、見慣れた室内だ。
薄汚れた天井に、黄ばんだ染みのついた壁、備えつけのクローゼット、古い木のテーブルと椅子。
最低限の家具しかない殺風景な狭い部屋が、うす明かりの中に沈んでいる。

視線を左隣に動かすと、すぐ横にはレヴィの寝顔があった。
一枚の上掛けを分け合っている女の眠りは深い。
一人用の上掛けからはみ出さないよう、くるりと身体を横向きに小さく丸め、
ロックの方へ顔を向けて眠っている。
くせのない長い髪が、白いシーツの上でゆるやかにうねっていた。

ロックは、上掛けと枕との間にうずもれるようにして寝息をたてているレヴィをしばらく見つめ、
それから首を巡らせて、ベッド脇の小机に置いてある時計へ目をやった。
シンプルなアナログの時計は、八時を少しすぎたあたりを示している。
いつもならば起きていなければいけない時間だが、本日は休日だ。
眠い身体と頭に鞭打って、よろよろと起き出さなくてもいい。
まだゆっくりと、ベッドのぬくもりを味わっていられる。
それを意識すると、じんわりと幸福感が沸き上がってきた。
ラグーン商会の業務に不満があるわけではないが、しかし休日の喜びというのは格別だ。
休日に朝寝、しかも、隣にはレヴィ。
最高だ。
321ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:21:48 ID:jxHlg1Xo

ロックが小さな幸せを噛みしめていると、上掛けが小さく引かれた。
時計から視線を外し、引っ張られた方を振り返ると、
そこには、深く眠っていたはずのレヴィが、上掛けの端を握っていた。
手は上掛けを握っているが、目は閉じられたままだ。
横たえた身体をレヴィの方に向けると、レヴィはロックの方へにじり寄ってきた。
ひたっと身体を寄せ、ロックの首のあたりに額をくっつけ、手は上掛けを首まわりにきゅっと巻き込む。
ロックとの間にできた隙間を上掛けでふさいで、それからレヴィはぼそっと低くつぶやいた。
「うごくなさみぃ」
口元まで引っ張り上げられた上掛けの下で、レヴィの声はくぐもった。
ロックが時計を見ようと体を動かした時にできた隙間が寒かったのだろう。
レヴィはそれだけ言うと、ぴたりと体を寄せたまま、また寝息をたてはじめた。

「レヴィ?」
ロックは、胸元に顔を寄せるレヴィを窺った。
「寒いの?」
問いかけても返事はない。
ただ、動くなとばかりに、顔が上掛けの中へ更に深くもぐった。

別に寒いというほどの気温ではないが、と思いながら、ロックは上掛けの中でレヴィの肌を探った。
腰の脇から背中に掌をのばし、撫で上げる。
レヴィは素肌のまま、なにもつけていない。
するすると背中をたどって、肩の方にすべらせる。
そして肩先を包み込むと、確かにそこの皮膚はひんやりとしていた。
レヴィはロックの掌の温度がお気に召したのか、本格的な眠りに入ろうとしている。
身体の力が抜け、呼吸の間隔が長くなった。
「──レヴィ?」
上掛けを握るレヴィの手からも、力が抜け落ちていた。
すぅすぅと、安らかな寝息で身体が上下するだけだ。

蒸し暑い雨期が終わり、ロアナプラには比較的すごしやすい乾期がやってきていた。
確かにレヴィの言う通り、暑期や雨期に比べると乾期は気温が下がる。
朝晩は二十度そこそこという日もあり、そんな日は、暑さに慣らされた身には肌寒く感じられるほどだ。
そんな季節に、シーツかテーブルクロスかといった程度の薄さしかない上掛け一枚というのは
やはり寒かったかなと、ロックは白い蓑虫になったレヴィを見た。
ロックとしては、そんなペラペラの上掛け一枚でも充分であったし、
なんと言っても、隣にはレヴィという抱き枕がいる。
少しばかり暑いと思うことはあっても、寒いと思うようなことは滅多になかった。

しかし、レヴィが寒いと言うのならば、もうちょっと厚めのブランケットでも買った方がいいだろうか──、
そう思ったところで、暑期の頃は口を開けば「暑い」「暑い」と言っていたことを思い出す。
あまりにうるさいので、
「暑い暑い言ったって涼しくなるわけじゃないんだから」と返すと、レヴィは
「じゃあ、黙ってたらあのクソ忌々しい太陽がアイスキューブでも降らせてくれるってのかよ」
と、まるで害虫を見るかのような目でロックを睨み、ガンを飛ばしてきた。
では暑がりなのかと思えば、冬の東京では「寒い」「寒い」と肩を丸めてぶつくさ言う。
結局、レヴィは本能のまま生きているにすぎない。
そういう結論に落ち着き、ロックはそっとため息をついた。
322ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:22:48 ID:jxHlg1Xo

──では、俺も本能のままに。

お互いなにも着ていない状態で、一人用の上掛けの中にいる。
素肌のレヴィに、胸元へもぐり込むように密着されると、体はどうしたって疼き出す。
眠りに落ちる前、昨夜の情事の記憶はまだ新しい。
ロックはレヴィの背中側から肩口にまわしていた手を、そろそろと移動させた。
背中に戻って脇をくぐり、体の前で折りたたまれた腕の奥にある、やわらかなふくらみへ──。
皮膚の下に感じる肋骨の固さが遠のくと、張りのあるやわらかさが掌を満たした。
腕の中に囲われた乳房は、片方の掌では包みきれないほど豊かだ。
二本の腕の間で押しつぶされ、少々窮屈そうでもある。
ロックは、ふたつの乳房の間に手をすべり込ませた。
ぴったりと合わさっていた隙間は、ロックの手の分だけ道を空けた。
上と下、両方からやわらかく挟まれる。
掌が、なめらかな手触りの間に閉じ込められる。
殺人的に、気持ちが良い。
籠もった熱とあいまって、陶然とする手触りだ。
隙間に挟まったまま指をゆらすと、乳房はロックの手の動きに合わせて形を変えた。
たぷんとゆらいで、そしてまたすぐに戻ってきてロックの指を包む。

ああ、これはどんな毛布よりも気持ちがいいなぁ、
そんなことを考えながらうっとりと手を遊ばせていると、急にその手を拘束された。
がしっと握られたかと思うと、乳房に張りついていたロックの手は乱暴に剥がされ、
肘から下をレヴィの腕に巻き取られていた。
レヴィは、ロックの腕を胸の前でがっしりと固定する。

動かせない。

ロックの腕は、完璧にレヴィの両腕に抱え込まれていた。
どうやら、触るな、眠りの邪魔をするな、おとなしく人間あんかになっていろと、そういうことらしい。

ロックは、今度こそ大きくため息をついた。
腕はがっちりと固定されていて、ちっとも動かせそうにない。
動かせないだけならば、まだ良い。
動かせないほど強固に固定されているということは、つまり、
レヴィがそれだけきつくロックの腕を押さえ込んでいるということであり、
きつく押さえ込むにあたってレヴィは自分の体重をも利用しているのであり、
具体的にどういうことになっているかというと、
レヴィは両腕でロックの腕をしっかり巻き込んだ状態で半分うつぶせになり、
上半身でロックの腕にのしかかるように押さえ込みにかかっていると、このような状況なわけだが、
それのどこが問題かというと、要するに、胸が、腕に、当たる。

ロックの腕は、レヴィの胸元にしっかと抱え込まれたまま、
やわらかく質量のある乳房の下敷きになっていた。
レヴィはまた意識を手放したらしく、ロックを拘束する腕の力はゆるんだが、
中途半端にうつぶせになった体は、物理法則に従ってロックの腕を押さえ続ける。
重たいというわけではない。
全体重がかかっているわけではないし、
やわらかさの問題からすると、つぶれているのはロックの腕ではなく、レヴィの乳房の方だ。
しかし。

──生殺しだろ、これは……。

腕はふるんとやわらかい物体に包まれているというのに、動くなときた。
自分は好き勝手に暖を取るだけ取っておいて、その「暖」の方の自由は毛一筋ほども認めないらしい。
こんなのは、ご馳走を目の前に永遠のおあずけをされているも同じだ。
その身勝手さに、ロックはどこか理不尽な気分になる。
今すぐこの腕を引っこ抜いて、脇腹のひとつでもくすぐってやろうか。
思うが、レヴィはロックの腕を抱き込んだまま、すやすやと眠っている。
ここでロックが自分の意に染まぬ行動を取ろうなどとは、微塵も疑っていない様子だ。
323ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:23:55 ID:jxHlg1Xo

──まいった……。

こうして無防備な信頼めいたものを示されると、どうにも手出しができない。
彼女の信頼を裏切ることが、なにか非常な罪悪のように思えてくる。
ロックは拘束された腕はそのままに、顔をレヴィの頭に近づけた。
髪からは昨日のシャンプーの匂いがして、ロックはその香りをそっと吸い込んだ。
吸い込んで、長々と吐き出す。

今ならムツゴロウさんの気持ちがよく分かった。
彼は変人なんかじゃない。
とてもまっとうな人だ。
だってそうだろう。
猛獣にすり寄ってこられて突き放せる人間がいようか。
いるわけがない。
いつもの「不遜」が服着て歩いているかのような彼女はどこへやら、
童女然とした顔で眠るレヴィを突き放せる人間がいるとしたら、それは人間じゃない。
それこそが獣というものだ。

──反則だ。

ロックは、眠るレヴィの顔を窺った。
普段の、見るものすべてが気に食わない、すべてを小馬鹿にしたような目は閉じられていて、
剣呑にひそめられていることの多い眉は穏やかに開いている。
一旦目を覚ませばマシンガンのように暴言をまき散らし、猛獣顔負けの暴挙に及ぶくせに、寝顔はこれだ。
本当に反則だ。

レヴィって実はけっこう童顔なんだよなぁと思ったところで、ふと、
ロックはレヴィの実際の年齢を未だ知らないことに気がついた。
なんとなく自分よりも幾つか下のような気がしていたが、それでは何歳なのかと言われると、まったく分からない。
そういえば、年齢だけではない。
レヴィのファミリーネームも、誕生日も、血液型も、兄弟構成も、ロックはなにも知らないのだった。
知っていることといえば、レヴェッカというファーストネームと、ニューヨーク出身であるらしいこと。
それから、中国系アメリカ人であること。
ロックは思わず笑ってしまった。
こんなに長く一緒にいて、ファミリーネームも知らないなんて。

ロックは、目の前に流れている長い髪に焦点を合わせた。
中国人にしてはいささか色の薄い栗色は、染めているようには見えない。
くるりとカールした睫といい、東洋人離れした身体のくびれといい、
どこか少し欧米人の血が混ざっているのかもしれない。
ぼんやりとロックは思ったが、どうでもいいなぁと、すぐに深く考えるのをやめにした。

だって、レヴィはレヴィだ。
他のことは、割とまあ、どうでもいい。

ああ、ずぼらが移ったと、身を寄せて眠る女のせいにして頭を空っぽにすると、
レヴィの胸に取り込まれた腕と、くっついた肌のあたりから、温かな眠気が浸透してきた。
ふんわりとした感触に包まれた腕は心地よく、
胸元にかかるレヴィの静かな寝息に、段々とロックの呼吸の波長も合ってくる。
ロックは惰眠をむさぼるべく、眠りに身をまかせた。

324ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:25:52 ID:jxHlg1Xo

 * * *

次にロックが目覚めた時、窓の外の光は随分と黄色っぽくなっていた。
昼の光に近い色だ。
一体何時だろうと思ってみると、時計の短針は10をすぎたところを指している。
「レヴィ」
ロックは、隣で昏々と眠るレヴィに声をかけた。
レヴィの胸の下敷きになっていた腕は、もう自由になっている。
固い腕の上に覆いかぶさっていたレヴィの方が、寝心地が悪かったのだろう。
レヴィは元の横向きの姿勢に戻って眠っていた。
「──レヴィ」
再度声をかけると、ようやくレヴィは小さく身じろぎをした。
「……ぅ、ん…………」
返事なのかうめき声なのかよく分からないぼやけた音を発し、もそもそとシーツの中でうごめく。
枕の上で頭がゆれ、瞼がぴくりと動いた。
「──レヴィ?」
しかし、そのおざなりな対応で充分役目は果たしたとばかりに、レヴィは上掛けを引き上げた。
薄い布の中にもぐり込み、さっさと夢の世界へ戻っていこうとする。
「おい、レヴィ」
レヴィの眉から力が抜けたのを見て、ロックは慌ててレヴィの口元まで引き上げられた上掛けに手を掛けた。
「レヴィ、もう十時すぎだ」
再び上掛けの中にもぐり込もうとするレヴィを掘り起こす。
「──レヴィ」
肩をゆさぶると、レヴィは「……うっせェなぁ…………」と眉をしかめた。
「……今日は休みじゃねェか。神様だって七日目は休んだんだぜ」
半分以上眠っているくせに、口だけはよく分からない理屈をこね、
レヴィはロックの手から上掛けをむしり取った。
ロックは構わず、上掛けに包まれた肩をゆすった。
「神様は関係ないだろ。ほら、パンケーキ作るんだろ?」


そう、前の日、ロックとレヴィは次の日の朝食のために、パンケーキの材料を買ったのだった。
たまたま寄った食料品店であれこれと物色していた時、
ふと気がつくと、レヴィはある棚の前で立ち止まって箱を手にしていた。
「レヴィ?」
ロックが後ろから覗き込むと、レヴィが手に取っていた箱には、段重ねになったパンケーキの写真が印刷してあった。
溶けかかったバターとメープルシロップが垂れるパンケーキが小さな扇形に切り取られ、
フォークがその扇形を突き刺している。
その左上では、人の良さそうな顔をした黒人のおばさんが陽気に笑う。

「……なにそれ、小麦粉爆弾でも作るのか?」
言った途端、嫌というほど足を踏まれた。
「──いてっ!」
レヴィが履いているコンバットブーツの底は厚く、丈夫だ。
しかもレヴィは手加減というものを知らない。
ロックの革靴が型崩れしようが、皮の表面が傷つこうが、そんなことはお構いなしだ。
「痛いじゃないか!」
ロックが思わず抗議の声を上げると、レヴィは勢いよく振り返った。
「なにが小麦粉爆弾だ! ぶっ殺すぞてめェ!」
般若の面もかくやという形相で、ロックを睨む。
「……違うのか?」
「違う!」
「…………だったら、なにに?」
武器類火器類に関しては、ロックの知識はレヴィの足元にも及ばない。
おそるおそる尋ねると、レヴィの眉は更に吊り上がった。
「食うに決まってんだろ!」
レヴィは憤然とロックに睨み上げる。
325ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:27:08 ID:jxHlg1Xo

ロックは、やれやれと首を横に振った。
「……あのな、レヴィ。その箱は中身が見えないから分からないかもしれないけど、
それ、開けたらパンケーキがそのまま入ってるわけじゃないんだよ。
入ってるのは、材料の粉だ。パンケーキを食べるには、調理しなきゃいけないんだよ。
な? 分かった? 分かったら早く棚に──」
戻そうな。
そう言ってレヴィの手から優しく箱を奪おうとした時、向こう脛に激痛が走った。
それと同時に、箱が乱暴にひったくられる。
「いっ──」
「バカにすんな、ボケ! 作るに決まってんだろ! このアホが!」
ロックはじんじんと痛む向こう脛をさすりながら、なにをご冗談を、と言おうとしたが、レヴィの顔は至って本気だ。
「作るって、──レヴィが?」
「──んだよ、その顔は! 他に誰がいるってんだ。あんたに任せたら部屋がバーベキューになる!」
「……それは俺のセリフだ」
「──んだってェ!? 喧嘩売ってんのかてめェ! 
……喜べ、あんたは今、いつか殺すリストの最上位にノミネートされたぜ、ロック」
言い捨てて、レヴィは踵を返した。
箱をわしづかみにして、どすどすとレジに向かう。
「おい、ちょっと待てよ、レヴィ! 悪かった! 悪かったって!」
「うるっせェ!」
陳列棚の向こうから巻き舌の入った怒声が響く。
ロックはへそを曲げた彼女の後を、慌てて追いかけた。
パンケーキを作ろうという気になったなど、
正直なところ半信半疑どころか「疑」一色だったのだが、ちょっと茶化しすぎた。

休日の朝に、二人でパンケーキ。
お互い柄じゃないというかなんというか、
こんな狂乱の街にあってパンケーキなど似合わないにも程があるというか、
明日の命の保証すらない状況で平和ボケもいいところだというか、
今更子供のままごとじみた普通のカップルみたいなことをしてどうするというか、
要するに、非常に気恥ずかしく、非常にこそばゆいのだが、
本当は、少し、心躍る。
誰かに知られれば、確実に物笑いの種、それどころか死ぬまでバカにされ、墓石にまで刻まれそうだが、
要は誰にも知られなければいいのだ。
「レヴィ! 待てって!」
ロックは浮かれそうになる気持ちを抑えつつ、レヴィの後を追った。

326ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:28:07 ID:jxHlg1Xo


それが昨日のことだ。
しかし、言い出しっぺのレヴィは、朝どころか昼に近づこうとしているというのに起きようともしない。
「パンケーキ作るって、レヴィが言ったんだぞ」
ロックは、上掛けにくるまって蓑虫というよりはむしろ芋虫に近くなったレヴィをゆすったが、
レヴィは意地でも起きないつもりらしい。
ロックの方を向いていた身体が、くるりと逆側を向いた。
背中を向け、丸まる。
上掛けが引っ張られて、ロックの身体が外にはみ出した。
「おい、レヴィ」
さすがに肌が直接外の空気に触れると肌寒い。
ロックは露出した肌を上掛けの下に押し込めるべく、レヴィの背中に身を寄せた。
「レヴィ、俺、腹減ってきたんだけど」
目が覚めてくると、空腹が気になり出す。
ロックは目の前の背中に声をかけたが、レヴィはあくまでも無視を決め込むつもりらしい。
うんともすんとも言わない。
「ちょっと、レヴィ、自分から言い出したんだろ」
つん、と上掛けの下で脇腹を突いてみると、レヴィの身体がびくんと跳ねて、間髪入れずに踵が飛んできた。
「──いった!」
素晴らしい反射神経で後ろに跳ね上がってきた踵は、ロックの脛にぶつかった。
骨に響いて、たいそう痛い。
「腹減ったならてめェで作って勝手に食ってろよ」
向こう側から、レヴィの不機嫌そうな声が低く返ってきた。
冷たい。
あまりに冷たい言い草だ。

「……あっそう。ふーん。──なら寝てていいよ」
ロックが言うと、レヴィは知ったことかといった風に、背を向けたままくるりと肩を丸めた。

ロックは、ぎし、とスプリングをきしませてレヴィの背後に身体を寄せた。
上掛けの下で、右手をそっとレヴィの脇腹に伸ばす。
くびれた脇腹から、前にすべらせ、腹にまわす。
しっかりと腹筋のついた腹は、筋肉で内蔵をも絞り上げているのかと思うほど引き締まっている。
なぞり上げると肋骨に触り、そして乳房にゆきつく。
背後に陣取ってすくう乳房は、掌が作り出す丸みによく馴染んだ。
抱き寄せるその手でゆらせば、たぷん、と形を変える。
「──触んな、バカ」
レヴィが苛立たしげに手を振り払おうとしたが、ロックは後ろからうなじに口づけた。
やっ、とも、ひゃっ、ともつかない悲鳴がレヴィから漏れる。
不意打ちだったのだろう、期せずして出てしまったらしい高い声に、レヴィの耳が一瞬にして真っ赤に染まった。
327ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:29:21 ID:jxHlg1Xo

右手はゆるやかに乳房をゆらしたまま、ロックは左手でレヴィの髪をかき分けた。
散らばっていた髪の毛を寄せ、首筋を露出させる。
ブラインドから差し込む光で、生え際のうぶ毛がほのかに輝いていた。
ロックは、晒されたレヴィのうなじに順々と口づけた。
唇を押しつけ、ちろりと舌でくすぐり、わざと、ちゅ、と音をたてる。
背中ぎりぎりのところを吸い上げると、レヴィの身体が震えた。
「──ちょっ、ロック、やめろ」
「どうしたのさ。寝てるんだろ? 寝てていいよ」
ロックはレヴィの耳のそばでささやいた。
耳たぶにも口づけてから、唇で挟み込む。
羽二重餅のような感触を唇でこねながら、乳房で満たされた手を大きく旋回させる。
耳の後ろを舌でなぞると、レヴィの肩がすくんだ。

耳たぶを吸い、舌を這わせ、そして舐め上げる時に上がる舌の濡れた音は、
きっとレヴィの鼓膜をゆらしているだろう。
ロックはレヴィの首筋を唇でなぞりながら、乳房を包んだ手をやわやわとゆらした。
レヴィの体温が少しずつ高くなる。
ロックは乳房をすくい上げた掌を、ゆっくりとすぼめていった。
先端に向けて、じわじわと。
指の腹でつまみ取るようにすぼめながら、しかし乳首そのものにはまだ触れない。
まわりの肌とは違う感触にたどりついたところで止め、周囲を丸くなぞる。
くるりと指を周回させるごとに、中心が固く尖ってくるのを感じた。
レヴィの背中がわずかに波うつ。
指の腹に触る突起がすっかり丸くふくらんだところで、
ロックは人差し指と中指でその突起をそっと挟んだ。

きゅっと、挟んだ指にほんの少しだけ力を加えた途端、レヴィが吐息の絡んだ声を短く上げた。
震えるように吐き出された息が空気を湿らせる。
ロックは、レヴィの乳首を二本の指でとらえたまま、乳房をゆらした。
ゆらすたびに、第二関節のあたりに挟まった乳首へわずかに力が加わる。
そうして関節が絞まると、レヴィの身体はゆれ、声帯を声がかすめた。

ロックは、最後に先端をひと撫でしてから、乳房を解放した。
乳房から離した掌は、腹に向かって撫で下ろす。
胸郭が終わったところですっと身体が薄くなったのを感じながら、更に下へ。
ロックの指を邪魔するものはなにもない。
脚の間に指をすべり込ませて奥を探ると、とろりとした熱が絡んだ。
閉じた脚、閉じた襞の間に指をもぐらせ、誘うようにゆらす。
温かなうるみは、すでに狭い襞の間いっぱいに満ちていた。
ロックはその熱を指先に絡め取り、その奥へと指を沈めた。
「────ん」
レヴィの喉が震えた。
その後、はぁっ、と胸の奥から息が吐き出される。

ロックは、なかに沈めた右の中指はそのままに、レヴィの首の下から左腕を差し入れた。
レヴィの身体の前にぐるりと腕をまわし、肩をとらえる。
丸まったレヴィの背を引き戻すように、ぐいと抱き寄せる。
レヴィの身体の中にはいった指は、熱くとろけそうだ。
温かいはちみつの中に指をひたしたら、きっとこんな感じなのかもしれない──。
ロックは陶然と指を上下させた。
328ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:30:48 ID:jxHlg1Xo

ぬるりと引き出した指で襞をなぞり、先端の小さな突起を濡れた指で押し上げると、レヴィの腰がゆらめいた。
ぎゅっと、レヴィの膝が絞まる。
ロックは閉じた二本の脚の間に片脚を割り込ませ、そしてまた、奥へ指を沈めた。
先ほどより開いた脚の間で、指を往復させる。
初めはゆっくり、そして段々と速く。
レヴィの身体から滲み出た体液が、湿った水音を上げた。
抱き寄せた肩がこわばり、ロックの脚に絡んだレヴィの脚に力が入る。
上掛け一枚を隔ててはいるが、薄い布の中は確かに、ぴちゅ、くちゅ、という音で満ちていた。

激しく動かしていた手を止め、根本まで深く沈めると、レヴィが熱を帯びた声で言った。
「──ロック、てめェ、腹減ったんじゃなかったのかよ」
ロックはレヴィのなかを探りながら肩を抱き寄せ、首筋に顔をうずめた。
「ん? 減ったよ。……減ったから、レヴィを頂く」
「……ざけんなよ、調子に乗んじゃ──」
指を引き抜き、先端の突起をゆるゆるとこねると、レヴィの言葉は途中で途切れた。
ロックの腕の中の身体はぴくりと震え、「──ん」と、腹の底が疼くような吐息混じりの声を漏らした。
ロックはゆっくりと抜き挿しを繰り返しながら、レヴィの耳元に唇を寄せた。
「……寝てるんじゃなかったのか、レヴィ? いいよ、寝てて」
指は滴るほどに濡れて、あふれたレヴィの体液が音をたてる。
「──ふざけんなバカ…………っ、──あ」
レヴィは噛みしめた歯の奥から声を絞り出したが、その声の最後は甘く抜けた。

ロックの腰は、我慢できずに先ほどからレヴィの丸い尻にこすりつけられていた。
ロックはとろけた指を押し込みながら、ささやいた。
「……いいだろ、レヴィ?」
指の根本は、ひっきりなしに濡れた音を上げる。
「──今更、許可なんか求めんじゃねェよ」
レヴィは一瞬息を整えた後、言った。
「……好きにしろ、バカ」

ロックはレヴィの背後から、とろけた入り口を探った。
横向きに寝そべったレヴィの脚は、軽く折り曲げられている。
その脚の間に先端をあてがい、ロックはゆっくりと腰を突き上げた。
静かに、熱い内側へ身体がうまってゆく。
ぴったりと表面に吸いつくように締めつけるなかを押し進めながら、
ロックは空いた右手でレヴィを後ろから抱きしめた。
右手を前にまわし、レヴィの身体を引き寄せて、腰を進める。
最後はぐいと押し込めると、レヴィの背がわずかに反った。

ロックは後ろからレヴィの脚を割った。
絞まった脚の間に右脚をねじ込んで、更に深く身体をうずめる。
小さな隙間もすべてうめてしまうように何度か腰をゆらすと、レヴィの背中もゆらめいた。

完全にレヴィを背後から挿し貫くと、ロックは乳房に手をのばした。
上がった体温で更にやわらかくなった乳房を掌で包み込み、その感触を堪能する。
腰は、すでにゆるやかなリズムを作っていた。
突き上げるごとになめらかに溶けてくるのを感じながら、ロックは腰を往復させた。
レヴィのなかは熱く、そしてやわらかかった。
ロックが身体をゆらすたびにレヴィの身体もゆれ、乳房は掌の中で蕩けるように形を変えた。
329ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:31:59 ID:jxHlg1Xo

「──レヴィ」
彼女の声を聞きたくて、ロックは後ろから名を呼んだ。
「…………ん」
レヴィは返事らしき声を短く上げたが、その声よりも、続いて吐き出された吐息の音の方が大きかった。
はぁっ、と吐き出された息が、埃混じりの空気をゆらした。
ロックは目の前のタトゥーに口づけた。
唇を押しあて、ちゅ、と音をたてる。
「──っ」
レヴィの表情は見えないが、背中がぴくりと撥ねた。
腰は休みなく突き上げながら、指先で乳房の先端をなぞる。
側面をくすぐり、指の腹でほんの少しだけ押し、そっとつまみ取る。
指先を動かすたびに、レヴィの身体は小さく収縮した。

ロックは手を乳房から離すと、下へすべらせた。
腹をするりと降りて、脚の間へ。
皮膚の下に骨を感じたあたりで、外側からきゅうっと二本の指で挟み上げた。
やわらかい肉が、ロックの指の間で押しつぶされる。
「────あ……っ」
レヴィの声帯は、今度こそ震えた。
脚がぎゅっと硬直し、間に挟まっているロックの脚が締めつけられる。
ロックは指先でやわやわとこねながら、身体の動きを大きくした。
「……あぁ、──ん、…………んん」
レヴィの声が甘くかすれる。
──は、と。
最後は息になって、声が消えた。

ロックは後ろからレヴィを抱きしめてゆらしながら、どこかもどかしくなって、動きを止めた。
「……レヴィ」
一旦抜いて、レヴィを仰向かせる。
そしてその脚の間に移動し、また身体を重ねた。

「…………あ」
今度はしっかりレヴィの表情が見えた。
なかに挿れたと同時に顎が上がり、
ロックの押し込んだ波が腹から胸、胸から喉、喉から瞼へ伝わっていったかのように、ゆるやかに瞼が閉じた。
頬と目元はすでに紅潮している。

ロックは皺の寄ったシーツの上に手をついて、ゆるゆると身体をゆらしながらレヴィを見下ろした。
ブラインドの隙間から差し込む光が、レヴィの身体に斜めの縞を淡く作っていた。
等間隔に並んだ光の筋は、レヴィの身体の曲線によって微妙にゆがむ。
ロックは、胸元にのびた光の線を指でなぞった。
レヴィの肌は、普段タンクトップを着ているところだけが白い。
いつもの黒いタンクトップとは逆に、白いタンクトップを着ているかのようだ。
その肌を縦断する光に沿って指をすっとすべらせると、レヴィの眉がしかめられて、そして瞼が開いた。

「……くすぐってェ」
レヴィは眉を寄せてロックを睨み上げた。
「ごめん」
ロックは謝ったが、指はどかさなかった。
仰向けになってもつぶれて平らになったりせず、ふっくらと盛り上がっている乳房を、
脇から指の腹でなぞり上げ、そして離す。
ロックの指でわずかに持ち上がった乳房は、指が離れた途端、ふるん、と元の形に戻った。
白くなめらかな曲線を描く乳房は、半熟に焼き上げた目玉焼きを思い出させた。
うっすらと半透明の白で覆われ、ぷっくりと丸くふくらんだ中には、温かい黄身がつまっている。
薄皮をぷつりと破れば、固まりきっていない黄身が、とろりとあふれ出すだろう。
レヴィの肌も、爪を立てて皮膚を破れば、やわらかい中身があふれてくるような気がした。
330ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:33:43 ID:jxHlg1Xo

「……なに見てんだよ」
ロックがじっと目を落としていると、レヴィの不機嫌そうな声が届いた。
目を上げると、レヴィはむっすりとロックを睨んでいた。
「──いや、……おいしそうだなと思って」
肌をなぞりながらロックが答えると、レヴィの眉間の皺は更に深くなった。
「はァ? なに言ってんだてめェ」
およそ情事の最中とは思えない顔──不良が路地裏でガンをつける時の、まさにそのお手本となる顔だ──をし、
レヴィは肌に触れるロックの手を乱暴に払いのけた。
「あたしにはカニバリズムの趣味はねェよ」
「……なんでそういう色気のない話になるんだよ」
ロックはお構いなしに、払いのけられた手で乳房をすくい上げた。
掌で寄せたふくらみの頂点を、親指の腹でなぞる。
わずかにくすんだ薄い紅褐色が、つんと尖った。
唇を寄せて口に含み、舌で転がしてから離すと、その先端は唾液で透明に濡れていた。

「見んじゃねぇって」
ぐいと前髪が掴まれたかと思うと、ロックの顔は荒っぽく引き上げられた。
レヴィは遠慮なくロックの前髪を握りしめていた。
「レヴィ、痛い」
痛いだけじゃなく、毛根の方も心配だ。
ロックはレヴィの手首を掴んで引き離そうとしたが、レヴィはそれを許すまじと握力を強めた。
「てめェがジロジロ見るからだ」
「なんで見ちゃ駄目なんだよ」
「嫌だから」
「なんで嫌なのさ」
「……嫌なもんは嫌なんだよ、うっせェな」
「いいじゃないか、きれいなんだから」

ロックがそう言った途端、レヴィはまるで腐った死体を見たかのような顔をした。
もともと不機嫌だった顔に不可解さがプラスされ、更にゆがむ。
ゴキブリって旨いよね、まるでそう言われたかのように、口が「はァ?」の形に動いた。

「…………なんだよ、その顔」
ガラが悪いどころの騒ぎじゃない。
だが、ロックの髪の毛を掴む手の握力はゆるんだ。
ロックはその隙に、コンバインに刈り取られる稲よろしく巻き込まれていた髪の毛を、
レヴィの手の間から救い出した。
そして、くっきりと刻まれたレヴィの眉間の皺を指の腹でこすった。
「すごい皺」
しかし、その指はすぐさま払いのけられた。
「気色わりィことぬかしてんじゃねえぞ、アホが」
レヴィは、今にも噛みつかんばかりの勢いで凄んだ。
「アホって、失敬だな」
ロックは両肘をベッドについてレヴィを囲い、一旦浮かせた身体を深く沈めた。
「──ん、……アホじゃなけりゃ、バカだ。……間抜けだ。オタンコナスだ」
至近距離で稚拙な暴言を吐かれ、ロックは思わず噴き出した。
「オタンコナスって、久し振りに聞いたな、それ」
今時小学生だってそんなことは言わない。
もうそれ死語なんじゃないか? と思いながら、ロックは喉の奥で笑った。
そして、タトゥーが彫り込まれている方とは逆の首筋に顔をうずめ、続ける。
「なんだよ、その言い草。……褒めたのに」
レヴィの耳のそばで言い、ロックは片手でレヴィの乳房を包み込んだ。
先ほどの言は、ただ思ったままが口をついてしまっただけだった。
331ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:34:30 ID:jxHlg1Xo

ロックが身体をゆらすと、レヴィのなかはきゅうっときつく絞まった。
「……こんなもん、ついてたって、邪魔な、だけ、だ」
ロックの手が乳房をゆらすのを受けてだろう、レヴィは忌々しそうに言った。
「それが、いいの、に──」
熱い内側をえぐるように腰を沈めると、レヴィの瞼が震えた。
今度は彼女の意思によらずして、瞬間的に顔がゆがんだ。
ロックは顔を伏せて、丸く盛り上がる乳房のふもとに口づけた。
レヴィが、小さく舌打ちをする。
「……てめェの趣味は、最悪、だ」
ロックが顔を上げると、レヴィは苦虫を百匹ぐらい噛みつぶした顔をしていた。
目尻のあたりがほんのりと赤い。

「──照れてんの?」
すぐそばで見下ろすと、目の下の赤みは一瞬にして顔全体に広がった。
「──誰が」
レヴィは目を逸らす。
「レヴィが」
ロックは覗き込んだ。
鼻先がぶつかる。

「ぼざけ」
「だって赤いよ」
「どこが」
「頬が」
「嘘つけ」
「耳も」
「赤くねェ」
「赤いよ」
「うっせェ、触んな」
「それに」
「……なんだよ」
「熱い」
「……うるせえ」
「すごく」
「──っ、いいかげんに、しろ、よ」
「だって、事実、だ」
「…………あっ、──クソ、てめ」
「なに?」
「──ん、……っざけ──」
「──なに?」
「…………っ」
「聞こえ、ない」
「……ぁ、ロック──」
「……なに」
「てめ、いつかブッ殺──、──あ」
唇をかすめ合うやりとりに、吐息が絡む。

その後の言葉は、身体の間でつぶれた。
332ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/11(金) 21:37:57 ID:jxHlg1Xo

ロックは熱で膨張した身体を、レヴィのとろけた内側に何度も沈めた。
レヴィの腕はロックの背中にまわり、肌と肌が溶け合う。
歯車がぴたりと噛み合わさったかのように、互いの身体は絡み合った。
馴染んだ身体、馴染んだ姿勢、馴染んだリズム。
昨晩だって、同じように交わった。
何度交わってもしかし、貪欲さは際限を知らなかった。

「────あ」
レヴィが荒い息の隙間で声を上げた。
ロックの腹は、更に疼く。
レヴィのなかの熱い襞が絡みつく。
ロックは激しく突きたてた。
とろけた体液が外側まであふれ、濡れた音となる。
ベッドのスプリングがきしむ音に混じって、ロックの耳へ届く。
その音が、ロックの腰を加速させた。
互いの身体はどこまでも熱い。
荒い呼吸が肌を湿らせ、混じり合う。
身体は我を忘れた。
境界が溶け、思考が溶ける。

レヴィが弾けるように達したのは、はっきりと認識した。
こらえていた欲求を解放し、きつく脈打つ内部を激しく穿つと、すぐにロックも頂点へ押しやられた。


水の詰まった革袋のようにぐったりとした身体を無理矢理引き剥がすと、ロックはレヴィの隣に寝転んだ。
皺の寄ったシーツは、レヴィの汗を吸い込んで湿っている。
ロックは気だるい身体を横たえて、くしゃっとよれていた上掛けを足先で探った。
引きずり上げ、二人の腰から下を覆う。

「……まだ寒い?」
隣で横たわるレヴィの汗の浮いた谷間に指を這わせると、レヴィの膝が上掛けの下でロックの膝を小突いた。
「──てっ」
「あっちィよ、バカ」
熱のこもった谷間の更に奥へ指を伸ばすと、レヴィの手は緩慢に払いのけた。
「良かったじゃないか、寒くなくなって」
「……汗びっしょりだ、クソ」
「──ほんとだ」
「あああもう、くっつくな。あっちィっつってんだろ」
「落ちるよ、レヴィ」
あまり身体を端に寄せすぎると、ベッドから落ちる。
ロックが言うと、
「てめェが落ちろ」
レヴィは、ゆるゆるとロックの身体を押してきた。
「やだよ」
身体を押してくるレヴィの手を取ると、レヴィの手は簡単にロックの手の中に収まった。
手の中で、くたりと力が抜ける。
力を失った手を握ってレヴィの顔を覗き込んでみると、瞼が半分閉じていた。

──眠たそうだ。

思ったが、ロックの焦点もすでにあやしい。
レヴィが眠ったのを見届ける前に、ロックの意識も遠のいた。




333名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 22:01:24 ID:/Xmup4mz
新作来た!!相変わらずGJ過ぎます
腕に乳プレスが羨ましいすぎてロックが憎い…
334名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 22:40:07 ID:/yg3kg64
おっぱいって素晴らしいな!
335名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 22:42:08 ID:KCmjV41n
うおおおー!
レヴィのデレ具合が最高ですわ…
336名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 06:29:36 ID:2WiyLeVs
うおおおなんだよなんだよ
珍しく早寝した夜に神が降臨してたとは・・!
朝っぱらから読んでも素晴らしくエロ幸せなこの感じは

むしろ時間帯がシンクロしたせいでロックにもシンクロしてしまったぜw
337名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 17:59:29 ID:Yv0MLHa8
神にしては珍しい貴重な超純度の甘甘作品じゃまいか!
いつもの切ないorド切ないのも良いがこの季節にきてあったか甘めは心が暖まるな
ぬこを失った傷は癒えたかいレヴィたん
338名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 21:32:05 ID:DyDRcpC8
時系列順だったらロックが好きって言った後だから甘々なのかも
339名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 23:37:29 ID:0YhJSTZa
前作でしっかり想いが通じ合った後の話なのかな?
つまりお互い遠慮なくいくらでもいちゃつけるということか
続きで更に糖度が上がると思うと期待で昂りが鎮まらん…
340名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 17:35:58 ID:Jn/+1Dr7
あっそうかレヴィ=朝食ってことか!
レヴィたんのおっぱいを思う存分堪能しやがって憎いぜロックよ
続き正座して待って魔手
341名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 12:15:20 ID:aRWxOLSv
そういや保管庫の作品でもあったが、タイ(というか海外)のバレンタインは
男から女に花を贈るんだよな

もうそれだけで妄想が広がり続ける俺はもう末期だと思う
342名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 13:16:15 ID:k3wVsqsx
>>341
末期病棟に居といて何を今更w
343名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 17:31:40 ID:1cnX++b8
チョコを湯煎しながらハートの形にかき混ぜてるレヴィですら余裕で妄想できるぜ
344ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:19:45 ID:gb//dWvB

>>332の続き


*本番なし


345ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:20:35 ID:gb//dWvB


 * * *

「起きろ!」
突然大きな声がしたかと思うと、ガバッと一気に上掛けを剥がされ、ロックの眠りは否応なく中断された。
身体のまわりに漂っていた熱が奪われ、寒い。
「な…………」
声にならない声を発して朦朧とした頭を巡らせると、ベッドサイドには
たった今上掛けを乱暴に剥がした張本人が、やたらと上機嫌な笑顔で仁王立ちしていた。
「なにするんだよ、レヴィ」
前の晩ロックが脱ぎ捨てた白いワイシャツを羽織り、剥がした上掛けを手にロックを見下ろす彼女は、
やけにつやつやとした顔をしている。
きっと充分に寝足りて、すっきり目覚めたのだろう。
「起きろ、ロック。もう昼だぞ」
レヴィはほがらかに、つい先ほどロックが口にした言葉をしゃあしゃあと口にする。
「……分かってる」
ロックはのろのろと身体を起こした。
もちろん、もう昼だということは分かっている。
分かってはいるが、しかし、もう少し穏やかな方法で起こせないのか。
自分が起こされた時は「寝かせろ」と実力行使に出たくせに、
自分だけ目が覚めてつまらないとなると、これだ。
「横暴だろ……」
ロックは思わずぼやいた。
「なんか言ったか」
「……いや、なにも」
ベッドに腰掛け、さてなにを着ようと目線をさまよわせると、ずい、とレヴィがロックの目の前に立った。

「あんたのシャツはあたしがもらった」
お前の息子は俺が預かった、返して欲しくば──と言うかのような調子で、レヴィは誘拐犯人よろしく宣言した。
「あんたの着るシャツはない」
ロックが見上げると、レヴィは不敵な顔をして見下ろしていた。

だからなんだ。

ロックが黙って見上げていると、レヴィはにやりと笑った。
「そこで、だ」
おもむろに後ろを振り返り、椅子の上からなにかを掴むと、レヴィはそれをロックの目前に突きつけた。
「あんたはコレを着ろ、ロック!」
バサッと、ロックの目と鼻の先に布が突き出される。

こんな至近距離では、見えるものも見えない。
なんなんだ一体とつまみ上げて顔から遠ざけると、レヴィの含みのある笑顔の意味が分かった。
「……」
ロックは思わずため息をついた。
ただでさえよろしくなかった寝覚めが、更に悪くなった。
「どうだ? ん? おあつらえ向きだろ?」

レヴィが嬉しそうにぐいぐいと押しつけてくるそれは、最高に趣味の悪い柄をしたアロハだった。
346ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:21:32 ID:gb//dWvB

ロックがここロアナプラに来たばかりの頃、レヴィが強制的に押しつけてきたのが、このアロハだった。
浅はかなピンク色の地に、黄緑や水色で花だか葉だかよく分からない模様が乱れ飛び、
それだけでも勘弁願いたいのに、極めつけは背中にでかでかと描かれたファックサインだ。
まったく下品。
下品極まりない。
誰が考えたらここまで趣味の悪いデザインになるのか、人知を越えた駄目さだ。
しかし、まがりなりにも人からもらったプレゼントだ。
勝手に処分してしまうのもどうかと思い、処遇に困って部屋の隅に掛けておいたのだった。

「ほーらロック、『着ない』とかぬかしやがって、後生大事に取ってあんじゃねぇか。実は着てえんだろ?」
ほれほれと突きつけられる布きれを、ロックは振り払った。
絡んでくるレヴィを無視してベッドから立ち上がり、放り出されていた下着をとりあえず穿く。
そして、部屋の隅にあるクローゼットの扉を開けた。
しゃがみ込んで、休日用のTシャツをしまってある引き出しを引く。
さて、どれを着ようか──。
たたんで積み重ねられたTシャツをまさぐっていると、突然、背中にどすっと重い衝撃が走った。

「──おい」
背後からは、押し殺した低い声。
背中に衝撃を与えてきた物体はロックの背中にとどまって、更に重みを与えてくる。
「なんだその反応は」
ロックの背中を足蹴にして踵でぐりぐりこねるレヴィは、
今、彼女がめっぽう業腹であることを身体全体で伝えてきている。
踏みつけられたままロックが顔だけで振り返ると、案の定、レヴィは仁王像のような顔をして睨んでいた。
まさに仁王像に踏みつぶされる餓鬼の気分だ。
ロックはため息をついて、選び出したTシャツを開いた引き出しの上にそっと戻した。
そして立ち上がり、レヴィに正対する。
347ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:22:39 ID:gb//dWvB

「おや?」というような顔をしているレヴィの手から、ロックはアロハを受け取った。
レヴィは自分で「着ろ」と言ったくせに、ロックがすんなり受け取ったことが意外だったのか、小首を傾げた。
ロックはにっこり笑った。
最高に感じの良い笑顔を目指して。
レヴィはぽかんと見上げる。
ロックはレヴィに向ける笑顔を更に大きくすると、受け取ったアロハを思い切り遠くに放り投げた。
力の限り。

そして、レヴィの襟元に両手を掛け、ワイシャツの前を一気に開いて引き下ろす。
「ちょっ──!」
レヴィは反射的に両肘を曲げたが、その前にワイシャツは半分以上が脱げていた。
肘のところでひっかかっているだけで、肩と胸は剥き出しだ。
「なにすんだロック!」
レヴィは身体をよじるが、ロックもワイシャツから手を離さない。
「こうして欲しかったんだろ? 俺のワイシャツ返せよ、って! 悪かったな、レヴィ、期待を裏切って!」
「──ちっげェ!」
レヴィはロックに背中を向けて逃れようとする。
露わになった胸がふるんとゆれた。
「なんだよ、意外とお茶目なとこあるじゃないか、レヴィ」
「ちげえよっ! ──アロハを着やがれ、クソが!」
「やだね! 誰が着るか、あんなもの!」
「──んだと、この野郎! あたしのやったもんが着れねェってのか!」
「誰からもらったものでも着られないね、あんな最低のアロハ!」
「ふざけんなよ、ロック! あたしの趣味が悪ィってのか!」
「ああ、そうさ、その通りだよ! お前の趣味は最悪だ!」
「──言ったな、死ね!」
ぶん、と。
レヴィは力ずくでロックを振り払った。
振り乱した髪をそのままに、そそくさとワイシャツを引き上げる。
両肩にひっかけて、胸元をぐいとかき合わせる。
乱雑に着たせいで襟も肩も乱れていた。

「レヴィ、襟──」
「うっせ!」
乱れた襟を直してやろうと伸ばしたロックの手を、レヴィは即座に腕でガードした。
「シャワー浴びてくる!」
憮然とした顔でそう言い捨てると、レヴィはくるりと身を翻した。

「あ、レヴィ」
ロックは、バスルームに向かってずんずんと歩いてゆくレヴィの背中に声をかけた。
「そのワイシャツ、洗濯機の中に入れといてくれよー」
「知るか!」
レヴィの怒声と同時に、バタン! と大きな音をたててバスルームのドアが閉まった。
348ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:23:49 ID:gb//dWvB

ロックは適当に服──決してアロハではない──を着込むと、レヴィが放り出した上掛けを拾い上げた。
ベッドの上で皺になっているシーツは、汗を吸って湿っている。
ロックは手に持った上掛けをベッドの足元の方についている柵にひっかけ、シーツを剥がした。
剥がしたシーツは、軽くたたんで脇に置く。
そして新しいシーツを取り出して敷き、柵にひっかけておいた上掛けを広げた。
大きく宙に広がった上掛けは空気をはらんで、ふわりとベッドの上に着地した。
やっぱりこれじゃちょっと薄いかな、そんなことを考えながら、
とりあえず今はこれで良いことにして、ロックはキッチンへと向かった。

ロアナプラへやって来て間もない頃は安宿をねぐらとしていたが、長く住むのであれば賃貸の方が良い。
ロックは当初利用していた宿を引き上げ、今では部屋を借りていた。
今の部屋だって元いた安宿と変わらず、狭く、古く、汚い。
だが、キッチンがついている点は違った。
まともに料理をすることなどほとんどなかったが、
念のためと思って揃えたフライパンやボウルが役に立つ時がきたようだ。
ロックは使い慣れない狭いキッチンで、調理用具の準備にかかった。

パンケーキを作るのだから、フライパンとフライ返し、
それから粉を混ぜるためのボウル、泡立て器、お玉。
粉は前の日に買ってきたからいいとして、あとは卵か──?
ロックは冷蔵庫の中から卵を取り出し、
牛乳はいるのだろうか、後でちゃんと箱の説明書きを読んで確認しないと、
と思いながら、とりあえず卵だけを取り出したところで、バスルームの扉が開いた。
349ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:24:57 ID:gb//dWvB

レヴィは、下着一枚で肩からタオルをひっかけて出てきた。
「おー、準備できたかー?」
水滴をまき散らしながら、ぺたぺたとロックのいるキッチンへやってくる。
「今してるとこだよ。レヴィ、そこの箱取って」
ロックはパンケーキの粉の入っている赤い箱を指した。
「こいつか」
レヴィは、まだ水滴の残った手でロックの指した箱を取った。
取ったかと思うと、ベリッと箱の継ぎ目を乱暴に剥がし、
できた隙間へ指をこじ入れて隙間を広げるや否や、
ロックの用意していたボウルに勢いよく中の粉を開けた。
ドサッ、と小麦粉が小山となり、勢い余った白い粉がもうもうと宙を舞った。

「あああ、なにすんだよ、レヴィ! まず説明書き読まなきゃ!」
ロックは慌ててレヴィの手から箱を奪い取った。
こんな目分量で適当に出したら、分量が分からないではないか。
いきなり豪快に出すレヴィもレヴィだが、箱を開けたら直接粉が入っているのにも驚いた。
こういうのは内袋に入ってるものなのでは?
思いながらロックが箱を裏返すと、レヴィは、
「いちいち細けェんだよ、ロック。こんなのはな、フィーリングだ、フィーリング」
そう言って、上機嫌で卵を手に取った。

「待てって、レヴィ!」
ロックの制止をものともせず、レヴィは卵をシンクの端に叩きつけた。
「──あ」
グシャ、と、卵の殻に罅を入れたにしてはやけに盛大な破壊音がした。
慌ててレヴィの手元を覗き込んでみると、シンクの端からは、潰れた黄身と透明な白身がだらりと垂れていた。
「なにしてんだよ、レヴィ! 強く叩きつけすぎなんだよ!」
罅を入れるどころか、殻がまっぷたつ、中身は完全に外へこぼれ出てしまっている。
あぁもったいない、ロックが言うと、レヴィはむっとした様子で、新しい卵をひとつ手に取ったかと思うと、
「じゃあ、こうすりゃいいんだろ!」
粉の入ったボウルの上で、豪快に握りつぶした。

「ちょっ、えええええええ!? なにやってんだよ、レヴィ!」
確かにボウルの上で潰せば、どうやっても卵がこぼれて「もったいない」ことにはならないが、
こんな暴挙に及ぶとは思わなかった。
なんとかしようにも、すでに卵はレヴィの指の間から白い粉の上へと、ぼたぼた垂れている。
中身だけならまだ良いが、粉々に割れた殻までもが卵の中身に絡まってボウルの中で漂っている。
「なんてことすんだよ、レヴィ! 殻まで入っちゃったじゃないか!」
こんなことをされたら、箸でひとつひとつ殻をつまみ出さなくてはならない。
文句を言いながらロックが箸を探していると、レヴィは勝手に冷蔵庫を開けて水の入ったペットボトルを取り出した。
「あー、うっせェな! こんなちょっとぐれェでガタガタぬかすんじゃねぇよ」
言いながら、だぱだぱとボウルに水を注ぐ。
「──レヴィ!? 待て! いいから待て! 今取り出せばまだなんとかなるから!」
ロックは箸探しを放棄して、ペットボトルを持つレヴィを後ろから取り押さえた。
ここに水なんか入ったら、更に殻が取り出しにくくなる。
なんとか思いとどまらせようとするが、レヴィは思いの外強く抵抗した。
「やめろ、ロック! 離せ!」
「やめろはこっちのセリフだ! 悪いこと言わないからやめてくれ!」
ロックはペットボトルを奪おうとするも、レヴィがしっかと握っていて思うようにならない。
揉み合っているうちにボトルの中で水がゆれ、ドパッと更にボウルの中にあふれ出た。
「あー………………」
ボウルの中は大洪水だった。
卵の殻が迷子になったばかりか、明らかに粉に対して水が多い。
二人揃って、声もなくその惨状を見下ろす。
350ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:26:14 ID:gb//dWvB

「……水、入れすぎだろ」
ぼそりとロックが見たままを指摘すると、レヴィは泡立て器を手に取った。
「混ぜてみなきゃ分かんねぇだろ!」
がしゃがしゃと、レヴィはムキになってかき混ぜる。
こうなってしまってはもう手の施しようがない気がするが、念のためと箱の調理手順を目で追うと、
そこに書いてあった事実がロックを打ちのめした。
「……レヴィ」
「なんだよ」
泡立て器を手に奮闘するレヴィに、その事実を告げる。
「卵、必要ないんだってさ……」

そう、そこに書いてあったのは、非常にシンプルな手順だった。
曰く、粉に水を注ぐ→焼く→完成! と。
もちろん、相当量の粉に対応するしかるべき水の量もちゃんと書いてあったが、
そもそも卵は必要なかったらしい。
レヴィはそれを聞くと、泡立て器片手にロックの手の中にある箱をちらりと見やって顔をしかめたが、
「ま、いいだろ」と、またボウルの中身をかき混ぜはじめた。
「栄養だ、栄養。しかもカルシウム入りだ」
ちょうど良かっただろ、ロック、などとレヴィは嘯く。
カルシウムが必要なのはレヴィの方だろと、痛む頭を抱えてロックはため息をついた。

レヴィが気張ってかき混ぜたボウルの中は、やはりどう考えても水が多かった。
白く濁った水がシャバシャバしている。
これをフライパンに流し込んだら、できるのはパンケーキではなくクレープだ。
「やっぱり水多いって」
先ほどよりやや控えめに告げると、レヴィは粉の入った箱に手を伸ばした。
「だったら粉足しゃいいんだろ」
素早く箱を掴んで、どさどさと粉を注ぎ足す。
「えっ、ちょっと! それ多いだろ!」
ロックは、レヴィのあまりの早業に目を丸くした。
一瞬にして、白い海の中に白い小山ができている。
レヴィの行動に迷いがなさすぎるため、止める暇がない。
今だって、ロックが目を剥いている間にガッシャガッシャとかき混ぜにかかっている。
「ほらやっぱり多い!」
今度はあっという間にボウルの中身が白いペースト状となり、泡立て器にねとねとこびりついている。
「ああもう、うっせェな! だったらまた水だ!」
「ああ、待て、レヴィ、俺がやる!」
「邪魔すんなよ、ロック!」
「邪魔じゃない! レヴィ、少しずつだ、少しずつ!」
「分かってる!」
「あああ、だからもう! それ少しじゃないだろ!」
「てめェがごちゃごちゃ言うから失敗すんだよ!」
「なんだって!? 全部俺のせいかよ!」
「ああ、そうさ。てめェのせいじゃなかったらなんだよ、あたしのせいか?」
「これがレヴィ以外の人間のせいだったら、ぜひその顔拝んでみたいね!」
「ああ? だったら今すぐバスルーム行ってこいよ、ロック。鏡でその顔とっくりと拝んでこい!」
351ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:27:21 ID:gb//dWvB

そうして、粉、水、粉、水の無間地獄を繰り返した果てにできたのは、
ボウルの縁すれすれまで達したパンケーキ原液の海だった。
「何人分だよ、これ……」
ロックはそのボウルの前で呆然と立ち尽くした。
そう小さなボウルではない。
ちょっとした野菜を洗うこともできるそのボウルに、なみなみと白い海が広がっている。
どう見ても二人分の量ではない。

しかし、なにはともあれ焼かねばならぬ。
「ロック、フライパンだ」
「ああ……」
ロックは、ボウルの中で待ち構えている沼のような液体のことは極力考えないよう努力しながら、
フライパンをコンロの上に乗せ、火をつけた。
フライパンを熱している間に、油を取り出す。
いい具合に熱くなったところで、たらりと一筋油をたらし、フライパンをまわして全体に広げる。
「レヴィ、入れて」
「ああ」
泡立て器をお玉に持ち替えたレヴィが、神妙な顔をして生地をすくい、フライパンの上に広げた。
じゅっと小さな音がして、生地が丸く広がる。
ふつふつと小さな泡ができ、端の方から少しずつ色が変わりはじめると、ほのかに香ばしい匂いが漂う。

一時はどうなることかと思ったが、意外とまともな、ちゃんとした食べ物らしい匂いがする。
丸く広がったパンケーキには、順調に火が通ってきている。
あの部屋中の壁を塗り替えらえそうな量が控えていることを除けば、
そこまで失敗したというわけでもないのか、ロックがそう考えていると、
「どけ」
レヴィがロックを押しやって、フライパンの前に立った。
おもむろにフライパンの柄を掴んで、なにやらタイミングを取ろうとしている。

ああ、パンケーキをひっくり返そうとしているのか──。

そう思い当たった瞬間、生焼けのパンケーキが勢いよく宙を舞った。
くるりと反転──したかと思ったパンケーキは、次の瞬間、べちゃっとフライパンの端に引っかかった。
「──あ」
しまった、そんな顔をしてフライパンを握りしめるレヴィの横で、ロックは噴き出した。
「なんだよそれ!」
パンケーキはフライパンの端で、ダリの溶けた時計よろしくぐんにゃりと垂れ下がっていた。
「俺のこと、散々『不器用』『不器用』言って、レヴィだって不器用じゃないか!」
ロックが腹を抱えて笑うと、レヴィはカチンときた様子で、
フライパンの端から垂れ下がっているパンケーキ未満の物体を皿の上にこそげ落とすと、
空いたフライパンをロックの方へ押しつけてきた。
「だったらてめェがやってみろ」
「ああ、いいよ」
352ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:28:26 ID:gb//dWvB

ロックは、同じように油をひいたフライパンの上に生地を丸く広げ、片面が焼けるのを待って、
そしてひっくり返そうとした。
「待て」
いざひっくり返さん。
そう思った時、レヴィが制止した。
「なに」
「それはなんだ」
レヴィはロックの右手を指す。
「フライ返しだけど」
ロックが答えると、レヴィは苛立たしげにフライ返しをひったくっていった。
「こんなもん使うんじゃねェ!」
「はぁ? なに言ってんのさ、レヴィ。フライ返しはこういう時に使うものだよ」
返せ、と手を伸ばすが、レヴィは奪い取ったフライ返しをロックの手から遠ざける。
「ははーん、さては、フライ返しがないとひっくり返せねぇんだな、ロック?」
「……そうじゃない」
「あたしのこと散々バカにしといて、てめェも自信がねえんだろ?」
「そうじゃないったら」
「自分ができねえくせに他人のことはバカにする、見上げた根性だなァ、ロック?」
レヴィは片頬をゆがめてロックを見上げる。
非常に腹立たしい表情だ。
「……ああ、そう。じゃあやってやるよ!」
我ながら大人げない、言った瞬間、頭の片隅をちらりとそんなことが横切った気がしたが、
ロックはがっしりとフライパンの柄を握りしめていた。

空中フライ返しなどやったことはないが、要するに、静止している生焼けのパンケーキに
平行方向と上下方向から成る運動エネルギーを加えて、回転を与えながら空中に離陸させたのち、
180度回転したところでしかるべく着地せしめれば良いのだ。
理系の知識なんぞ大学受験の時に使ったっきり、しかも元々が文系のロックにとっては
運動エネルギーだの位置エネルギーだのは忘却の彼方だが、まぁ多分そんなかんじだ。

ロックは何度か頭の中でシミュレートしてから、勢いをつけてフライパンを空中で振り上げた。
「──あっ」
すぽーん、と。
これから上向きの力を加えようとしたところで、パンケーキはフライパンの向こう側にすっ飛んでいった。
べたっ、と生焼けのパンケーキが無残に落下する。
「あっはははははははは、ダッセェ!」
レヴィはその可哀想なパンケーキを指をさし、笑い転げた。
「はは、ロック、いい腕だなァ、ふは、な、なんだそれ、ははははは」
「……」
ロックは無言でその残骸を拾い上げた。
「見たか? すっ飛んでったぞ、ロック! フライパンに引っかかっただけあたしの方がマシだな!」
目尻に涙を浮かべて笑い転げるレヴィはどこまでも癪に障るが、
しかし、こんなレヴィの挑発をまともに受けた自分が間違っていたのだ。
ロックは、これからは絶対にフライ返しを使おうと心に決めて、
パンケーキになれずに成仏した物体をゴミ箱へ葬った。
353ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:30:04 ID:gb//dWvB

ひっくり返す際には、フライ返しを使うこと。
それから、なにもフライパンの中央でひとつずつ焼くことはない。
少し小さめにしてつめて焼けば、一度に三枚は焼ける。
ロックとレヴィは今更ながらその結論にたどり着き、
しかして今レヴィは、フライパンの上で焼けてゆくパンケーキをフライ返し片手に凝視している。
焦がしてはならじ、そんな気迫のこもった目で、レヴィはフライ返しを構えたまま、微動だにしない。

その時ふと、ロックはレヴィがシャワーから出てきた時のままの格好だということに気づいた。
下着一枚、肩からタオル。
つまり、ほとんど裸。

「レヴィ、服着てきたら? シャツなら貸すよ」
その格好はロックにとっては非常に眼福だが、素肌に油がはねそうで怖い。
ロックは勧めたが、レヴィは首を横に振った。
「焦げる」
「俺が見てるよ」
ロックが監視役を買って出ても、やはり首を振る。
「信用なんねぇ」

ロックはため息をついて、キッチンの隅に掛かっていたエプロンを手に取った。
台所用品を買い揃えた時に、一緒に買ってあったのだ。
料理らしい料理をしないせいで結局使われないままになっていたが、今この状況はうってつけだ。
「じゃあエプロンしろよ、レヴィ」
ロックはシンプルなデニム地のエプロンを差し出した。
しかし、
「いらねえ」
レヴィはせっかく差し出したエプロンには目もくれず、穴の空きそうな勢いでパンケーキを見つめ続ける。
「いいからしろよ。油はねるぞ」
「いらねぇって」

レヴィに自発性を期待するのは無理だ。
ロックは、レヴィ自らエプロンをつけてくれることに関しては早々に諦め、
まずレヴィの首に掛かっているタオルを引き抜いた。
次いで、エプロンの首を通す部分、輪になって両端が胸当ての上部にボタンでとめられている紐の、
片方の端のボタンを外す。
そして、エプロンを広げ、レヴィの後ろに立つ。
片手でエプロンの端を持ってレヴィの前にまわし、
逆の手でボタンを外した紐をくるりとレヴィの首に巻きつけて、また輪になるようにボタンをとめる。
レヴィがまったく協力しようとしないせいで苦労するが、これでやっとエプロンがレヴィの首から下がった。
あとは腰紐を結べば良い。
ロックは両端から垂れ下がっている紐を持って、レヴィの腰の後ろで蝶結びにした。

──できた。

ふぅ、と一歩下がって一息ついたところで、ロックは思わずレヴィの姿をまじまじと見つめた。

──これは……。

レヴィは、飾り気のない下着一枚の上に、そのままエプロンをつけている。
縦に浮いた肩胛骨と、綺麗に筋肉がついた背中の曲線、きゅっと持ち上がった丸い尻、
その尻がはじまる前の腰のくぼみに、蝶結びが収まっている。
前当ての部分は隠れているが、張りのある乳房が布を押し上げ、
これまた綺麗についた脇腹の筋肉とあばらの影、そして、乳房の下側の曲線がかすかに覗いていた。
354ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:30:53 ID:gb//dWvB

ロックは、そっとレヴィの背後に忍び寄った。
「……裸エプロンっていうのも、そそるなぁ」
ロックはエプロンの隙間からするりと手を差し入れ、乳房をすくった。

掌の中に乳房を収めようとした、ちょうどその時だった。
「──ぐっ」
間髪入れず、ロックのみぞおちに衝撃がきた。
見事に入って、一瞬息が止まる。
ロックは思わずその場にへたりこんだ。
「っざけんな! なにすんだこのウスラトンカチ!」
ロックはレヴィの怒声を頭の上で受けながら、うずくまった。
「……ナイスエルボー…………」
素晴らしい反射神経だ。
「きゃっ!」の一言もなく、脊髄反射で肘が飛んできた。
しかも正確にみぞおちへ決めてくる。
股間にこなかっただけマシと思えばいいのかとロックが咳込んでいると、
バサッと黒っぽい布が顔に飛んできた。

──なんだこれは。

頭から垂れ下がる布を掴み上げてみると、それはロックがレヴィに着せたはずのエプロンだった。
当のレヴィは下着一枚でロックを睨み下ろしている。
怒りにまかせて脱ぎ捨て、ロックに投げつけたのだろう。
「誰が裸エプロンだ! ブッ殺すぞ、この変態!」
裸エプロンは嫌で、そのパンツ一枚はいいのだろうか。
非常に疑問だが、これを口にしたら間違いなく、今度は凶器のような脚が飛んでくるに決まっている。
ロックはおとなしく口を噤んでいることにした。
355ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:32:10 ID:gb//dWvB

「シャツ貸せ!」
レヴィはそう叫び、憤然とキッチンを出ていった。
「レヴィ、シャツはクローゼットの中の引き出しだよー」
「分かってる!」
部屋の向こうからレヴィの声が返ってきて、クローゼットのドアが乱暴に開けられる音がした。

ああ、あんなに怒ることないのに。
ロックはみぞおちをさすりながら、引き出しの中を吟味しているらしいレヴィの気配を探った。
こんなことだったら、指摘しないでもうちょっとじっくり見ておけばよかった。
レヴィがエプロンをつけるだけでも相当稀有な事態であるのに、裸エプロンだ。
裸エプロン。
意図してやったわけではなかったが、こんな機会、もう二度とないのではないか。
すべてが鮮明に見えるというのも良いが、包み隠されているというのも良いものだ。
あの、エプロンからちらりと覗いた乳房の曲線。
布の陰になって、少しだけほの見えるやわらかなライン、あれは大変良かった──。
先ほどの光景を反芻しようとした時、ロックはようやく、あたりに漂う不穏な臭いに気づいた。

「レヴィ、大変だ!」
「──あん?」
向こうの部屋から聞こえてくる、まだ怒りを含んだ声に、ロックは慌てて返した。
「焦げてる!」

そう、裸エプロンで騒いでいるうちに、パンケーキはすっかり焦げてしまっていたのだ。
レヴィが放り出していったフライ返しを掴んでおそるおそるひっくり返してみると、
焦げ臭いにおいを裏づけるかのように、真っ黒く焦げたパンケーキが姿を現した。

「あー…………」
げんなりして見ていると、ロックの白いTシャツを着てやってきたレヴィも
苦い顔をしてフライパンの中を覗き込んだ。
「……あんたのせいだぞ」
「…………うん」
こればかりは否定できない。
ロックは弱々しく認めて、ちらりと横目でレヴィの姿を盗み見た。
男物のTシャツはレヴィには大きいらしく、太股のつけ根あたりまでが隠れている。
その男物のTシャツ一枚、短いワンピースにしたってまだ短い裾から
きりきりと絞まった脚が伸びているというのもまた格別にそそる格好であるし、
白もなかなか似合うなぁと思ったが、そんなことを口と態度に出せる状況ではない。
ロックは厳かに、半分消し炭となったパンケーキを片づけた。
356ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:34:09 ID:gb//dWvB


そうして騒乱と奮闘の末、どうにか口に入れられそうなものが焼き上がった時にはもう、
「昼食」と呼ぶべき時間すら、とうにすぎていた。
小さな木のテーブルの上には、大皿にこんもりと積み重なったパンケーキ。
これを作るためだけに一体どれだけの時間がかかったのだろう。
「……疲れた」
「俺もだ……」
パンケーキを前に向かい合わせで座って、ロックはレヴィとともにぐったりと肩を落とした。
空腹も手伝って、とんでもない疲労感だ。

しかし、何度も失敗を重ねただけあって──幸いなことに、原液だけはいくらでもあった──、
最後には割とまともな見た目のパンケーキが焼けるようになった。

「……食うか」
「ああ……」
大皿に積み重ねたパンケーキを、それぞれの皿に取る。
薄く小さいので、四、五枚重ねても平気だ。
「お、けっこうそれっぽくなったなァ」
自分の皿の上に積み重ねたレヴィは、どことなく嬉しそうだ。
ゆるんだ頬で重なったパンケーキを見つめ、いそいそとバターを手にする。
日本のホットケーキとは違い、アメリカ風のパンケーキは薄い。
あのふかふかした厚みも懐かしいが、しかし段重ねのパンケーキというのもなかなかに心躍る眺めだ。
何枚も積み重なったパンケーキに、四角いバター、そしてメープルシロップ。
小さい頃は憧れたものだが、レヴィもそうだったのだろうかと若干しみじみとした気分になりながら、
ふとレヴィの手元に目を映したロックは、一瞬にして現実に引き戻された。

「レヴィ、なんだそれ!」
「あん?」
レヴィのホットケーキの上には、ゴロリとバターの塊が転がっていた。
それだけではない。
レヴィが手にしたメープルシロップの容器からは、
透き通った琥珀色の液体がだくだくとパンケーキに注がれている。
「多すぎるだろ!」
メープルシロップはパンケーキを伝ってナイアガラの滝のごとくこぼれ落ち、
皿の上で水たまりを形成している。
「そうか?」
しかし、レヴィはピンとこない様子で首を傾げた。
「絶対多いって!」
「……でも、みんなこんくらいかけてたぞ」
ロックは力なく首を左右に振った。
その「みんな」は、アメリカ人だろう。
つくづくアメリカ人の味覚は分からない。
「……そう。でもきっと、レヴィには多いと思うな」
レヴィが甘いものを好んで食べているところは見たことがない。
ロックはレヴィのためを思ってそう言ったが、レヴィは
「いいんだよ、これで!」
と、メープルシロップの容器をテーブルに叩きつけた。
357ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:35:54 ID:gb//dWvB

「あっそう」
本人がいいならそれでいい。
ロックは常識的な量のバターを落とし、メープルシロップをパンケーキにたらした。
レヴィは水を吸ったスポンジのようにびっしょりしたパンケーキを切り分け、
フォークで突き刺して口に運ぶ。
ロックもナイフで切り進めながら、ちらりとレヴィの様子を窺うと、
口に入れて数回噛んだ途端、レヴィのナイフがかちゃりと皿に置かれた。
「……………………」
レヴィは右手で口を押さえ、下を向く。
「どうしたのさ、レヴィ」
「……」
レヴィの返事はない。
ロックもフォークで突き刺したパンケーキを口に運んだ。
パンケーキの熱でバターが溶け、メープルシロップと絡み合う。
「旨いよ、レヴィももっと食えよ」
「……」
レヴィはなんとか口の中身を飲み下すと、ため息混じりにぼそりと言った。
「甘ェ…………」
うらめしそうに目の前の皿を見る。

「ほーら、だから言っただろ、多いって」
ロックがこれ見よがしに自分の皿のホットケーキを食べてみせると、レヴィはさっと手を伸ばしてきた。
伸びてきた手は、ロックの皿を掴み、さらっていく。
「取り替えろ!」
代わりにレヴィは、溶けたバターとメープルシロップの洪水になった自分の皿をロックの方に押しつけてきた。
「なにすんだよ、レヴィ! 嫌だよ、こんなもん!」
こんなシロップでびたびたになったパンケーキなど食べたくない。
ロックは必死に押し返すが、レヴィも聞かない。
「なんでそうなるんだよ! これが嫌なら、目の前にまだあるじゃないか! そっち食えよ!」
テーブルの真ん中に置かれた大皿には、まだたっぷりとパンケーキが残っている。
ロックが目でそれを示すと、レヴィは不承不承の体で皿を引っ込め、ロックの皿も突き返してきた。

ロックはその皿を受け取り、食べかけのパンケーキにフォークを刺した。
「量だけは沢山あるんだから、俺に押しつけるなよ。嫌がらせか」
「……うっせ」
レヴィは新しい皿に、またもくもくとパンケーキの山を作る。
そのレヴィを横目に、ロックはパンケーキを口に運んだ。

「…………っ!」
ガリ、と。
噛んだ瞬間、嫌な音がした。
本来パンケーキからは聞こえてこないはずの音。

──卵の殻……!

「ヤー、当たりだ、ロック!」
ロックが卵の殻を噛んだ音は外にまで聞こえていたのだろう、レヴィが嬉々とした顔で指をさした。
「これのどこが『当たり』だよ、レヴィ! だから言ったじゃないか!」
ロックは殻を吐き出して言ったが、レヴィはどこ吹く風だ。
「フェーヴだ、フェーヴ。いいことあんぞ、ロック」
まったく他人事、そんな様子でレヴィはもぐもぐと口を動かす。
「は? 俺たちが作ったのがガレット・デ・ロワだったとは、知らなかったよ!」
それに、こんなフェーヴがあってたまるか。
これはただの異物混入だ。
358ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:37:26 ID:gb//dWvB

しかし、レヴィはそんなロックの腹立ちを理解する気は砂粒ほどもないらしい。
「あー、もー、細けェなぁー。んなもんで死にゃしねえよ」
あーんと口を大きく開けて、パンケーキを放り込む。
「なんだよ、その態度! あんな頭悪い方法で卵握りつぶしたのはレヴィだろ! 俺は取り除こうって言ったのに!」
レヴィは口の中のパンケーキを飲み下すと、じろりとロックを睨んだ。
「心が狭ェぞ、ロック。裁縫針の穴だってもうちっとは広い。殻が入ってたからなんだってんだ! 
そういう時はな、『うまいよ、気にするな。最高にイカした調味料だ』とでも言うもんだろ!」
「なにが『うまいよ』だ! どこの少女マンガだよ、それ!」
「『少女マンガ』ってなんだ!」
「少女マンガでなけりゃ、ハーレクインロマンスか!?」
「ハーレ……っ! あんなクソ雌豚のオナニー小説なんざ、誰が読むか!」
「オナ……っ、レヴィ、一応女の子なんだから、そういうこと声の限り叫ばないでくれ!」
「『一応』ってなんだよ! そういう女が好きだったら他探せ!」
「そういうこと言ってんじゃないだろ!」
「じゃあどういうことだよ!」
「……もう、あのさぁ……、……だいたい、それを言うならレヴィだって
『ちょっと失敗しちゃって……』とかって頬のひとつも赤らめてみせるべきだろ!」
「ハァ!? なんだその童貞くせェ妄想は! これそんなマンガじゃねェだろ!」
「──え、ちょっとレヴィ、さらっとメタ発言するのはやめてくれ!」

どうしてこんな話になったんだっけ……。
そんな虚しさがふいに訪れた。

ほぼ同時に我に返ったロックとレヴィは、顔を見合わせてため息をついた。
「……ロック」
「なんだい、レヴィ」
「ひとつ分かったことがある。……あたしたちに、料理は向いてねえ」
「……ああ、まったく同感だよ、レヴィ」

恐らくこの日はじめて完璧に合致した意見に、ロックはもう一度レヴィと顔を見合わせ、盛大にため息をついた。

359ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:38:31 ID:gb//dWvB

 * * *

料理には手を出すべからず。
その命題にたどり着いたロックは、数日後、手土産を持参したレヴィの訪問を受けた。

「料理はもう懲りた」
そう言って、レヴィは紙袋片手にやって来た。
「なんだい、これ」
ロックは、片腕で抱える程の大きさがある紙袋を受け取った。
ずっしりと、けっこう持ち重りもする。
「土産だよ、土産」
レヴィはすこぶる機嫌が良い。
心なしか目まできらきらしているように見える。
「ラーチャブリーの方に行く仕事があったんだけどよ、そん時の土産だ」
「へぇ、ありがとう」
その仕事にロックは同行しなかったが、別行動を取った時にレヴィが土産を持ってくることなど、ほとんどない。
珍しいこともあるものだと、ロックは礼を言った。
「で、なに?」
大ぶりの紙袋を開けようとすると、レヴィはその手を押しとどめた。
「まぁ待て。そう急ぐなよ。明日の朝のお楽しみだ」
それまで絶対覗くなよ、そう言って、レヴィはロックの手から紙袋を奪い取った。
360ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:39:57 ID:gb//dWvB


そして、次の日の朝。
レヴィはいそいそと包丁とまな板、皿を用意すると、これでよしと満足げに頷き、
例の紙袋をテーブルの上に置いた。
置いた瞬間、ゴンッ、と鈍い音がした。
「さ、開けていいぞ」
レヴィは胸を張ってロックを促す。

この重量感はなんだろう。
ちっとも中身の予測がつかずに、ロックは首をひねりながら紙袋を開けた。
二つ折りになっている口を折り返し、袋の口を開け──

「うおわああああああああああっ!?」

開いた袋の口から中身が見えた瞬間、ロックは叫び声を上げていた。
心臓がでんぐり返って、反射的に身体がびくっと後ずさる。
信じられないものが見えた。

「くくく首! 首ッ!!」

そう、袋の中に入っていたのは、人間の首だった。
信じられない。
本当に信じられない。
ロックがわなわなと言葉もなく指をさすと、レヴィは満足げに袋の中を覗き込んだ。
「なー? 最ッ高にイカすだろー?」
「どういうことだよ、その首! 目が合ったぞ!」
ロックが覗き込んだ瞬間、袋の中の暗がりから、ぎょろりと目玉が見上げていた。
その目は完全にロックを見ていた。
最悪の気分だ。

「バッカだなぁ、ロック。本物の首のわけねェだろ」
レヴィは袋の中に両手を突っ込んで、ごそごそと首を取り出した。
髪の毛のない丸い頭部が姿を表す。
目、鼻、口、耳と精巧に作られた頭部はくすんだ肌色をしていて、
その表面に走った赤や青がまるで血管のようだ。
レヴィはつるんとした頭部を持ち上げ、ためつすがめつする。
「よくできてるよなー。これなんだか分かるか、ロック? パンだぜ、パン! すげェよなー!」
まるでビアズリーの描いたサロメのように、レヴィは今にも首に口づけせんばかりの勢いだ。
「パン!? それがパン!? いや、余計おかしいだろ!」
どうやら本物の首ではないらしいが、ならばなぜ、よりによってパンで人間の頭部など作らないといけないのか。
どうかしている。
ロックは、モルグに帰れと言いたくなる偽死体から目を逸らした。
「シャレの分かんねェ奴だな、ロック。見ろよこれ、歯まで彫ってあんぞ」
レヴィは、どうやら半開きになっているらしい口の中をまじまじと覗き込んでいる。

もう嫌だ。
見たくない。
精巧すぎて、本物の死体みたいだ。
361ロック×レヴィ 朝食  ◆JU6DOSMJRE :2011/02/15(火) 21:42:01 ID:gb//dWvB

よろよろと椅子の背に手をついたロックを一顧だにせず、レヴィは充分に首を堪能すると、
表面を覆っていたらしい透明のラップをぴりぴりと剥がしはじめた。
その光景は、まるで頭の皮を剥いでいるかのようだ。
全部剥がしてしまうと、レヴィは首をまな板の上にドンと置き、包丁を取り上げた。
「さて」
「……ちょっと待てレヴィ、なにするつもりだ」
「なにって」
包丁を片手に、レヴィはきょとんとした顔でロックを見た。

「食うに決まってんだろ」

「嘘だろやめてくれ!!」
ロックは頭を抱えた。
この女は、こんなおぞましい物体を食べるつもりなのか。
食べるために頭部をまっぷたつにしようとしていたのか。
「勘弁してくれ……」
食べるのも嫌だが、その前に触れるのさえ嫌だ。
ロックがうめくと、レヴィは「ああ」と考え直したように包丁を置いた。

「確かにこんなよくできてるもんすぐに食っちまうのはもったいねェな。
じゃ、これはあんたにやるから、観賞用にとっとけよ。飽きたら食え。
──あ、そん時はあたしも呼べよ! 勝手にひとりで食ったらただじゃおかねェぞ!
んで、今日はこっちにするか。ほら見ろ、ロック! こっちもすげェぞ!」

袋の中に手を突っ込んで、こいこい、と手招きするレヴィのそばにおそるおそる寄ったロックは、
その袋の中から出てきたものに、再度打ちのめされた。

「ほーら、なんとこれで五十バーツだ!」

レヴィの手の上に鎮座しているのは、足だ。
人間の、足だ。
足首のところで切断された足が、ご丁寧にパック詰めされている。
まるでスーパーマーケットで売っている肉のようだが、その食品然とした佇まいといい、
足の爪まで再現された手の込みようといい、
赤くじゅくじゅくした切断面とその中に覗く骨まで作り込まれたリアリティといい、
白いトレーとの組み合わせは悪趣味極まりない。
どこをどうしたらこれを食べようなどという思考が形成されるのか、まったく理解できない。
レヴィという女は、頭の、シナプスかどこかが、ちょっと、こう、まずいことに、なっているのではないか。

これで五十バーツって安いだろ、半身もあったんだけどよ、それは一万バーツもしたんだよな、
さすがにそれは高ェだろと思って我慢したんだよな、なとど言いながら、
レヴィは足をパックから取り出して、ダンッ、ダンッ、と勢いよく包丁でぶった切る。

「ほれ、食え」

レヴィは極上の笑顔で、ロックにつま先を差し出した。
そのつま先には、綺麗に指が生え揃っている。

ぷつん、と。
限界まで引っ張られた、か弱い糸の切れる音がした。
次の瞬間、ロックは声の限り叫んでいた。

「レヴィ、お前の趣味はやっぱり最悪だっ!」





362名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 21:48:45 ID:pI+54hIe
びっくりした。
ちょうど昨日死体パンで盛り上がってたからw
http://ameblo.jp/thaiad/entry-10020810029.html
363名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:31:31 ID:rdCBuFjp
キターーー!!
レヴィの裸エプロン・・・凶暴レヴィたん
てかナチュラルな日常風景が愛しいぜ
364名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 22:35:14 ID:aRWxOLSv
GJ!すげー面白かった!
終始明るいノリのバカップルで読んでてニヤニヤが止まらなかったw
365名無しさん@ピンキー:2011/02/15(火) 23:17:33 ID:UfnJFAAm
乙!
なんでだろ、幸せいっぱい感がすんごい溢れてて、逆に泣けてきた…
ロックとレヴィ、やっぱりいいなあ…
366名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 01:09:24 ID:7rk/ct2u
これは凄いなあ、エロパロとしての前半パートもいいけれども
後半投下分の話しが物語として面白いわ。
367名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 10:45:09 ID:xzt5IVqh
レヴィの胸をむりやりはだけさせて揺らすとはー!
ロックにしかできん芸当だ・・
うらやまにくい
368名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 15:49:17 ID:vqX0/Rcy
裸シャツに裸エプロンって無敵のコンボ過ぎるだろ…ロックになりたい
元気なレヴィは読んでるこっちも幸せになるな

しかし死体パンは初めて画像見たとき本気で心臓止まりそうになったわ
精巧過ぎて本物にしか見えない
369名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 16:08:57 ID:GsFSiUXD
GJ!!神よ…ありがとう愛してる。
神の作品はロクレヴィへの愛が溢れてて大好きだー
裸エプレヴィたん(*゚∀゚) =з ハァハァ
370名無しさん@ピンキー:2011/02/16(水) 20:48:43 ID:Fp5PFg7U
「あんたのシャツはあたしがもらった」

冒頭のこれだけで即死レベルの破壊力なんだが
射的の時みたいないたずらっぽい笑顔が脳内再生された
371名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 18:24:35 ID:k8jg6KFM
GJ過ぎてやべぇよ…
光景がずっと頭の中から離れなくて、歩いてる時もついニヤニヤしてしまう俺、不審者そのもの
神のSSは自然に映像で再生されるんだよな
372名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 21:11:12 ID:Ttb1Amqz
もしロックがレヴィのシャツ剥ぎ取った瞬間にダッチか張さんが入ってきたら
果たしてふたりはどういう反応をするだろうか…wk
373名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 22:54:07 ID:kKX1eR5q
ご機嫌レヴィ可愛すぎるだろ…
俺がロックなら一日中抱き枕にしてスリスリするレベルだ

死体パンだろうと殻入りパンケーキだろうと喜んで完食する自信がある
374名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 23:25:22 ID:hrJirDOj
レヴィたん撫で回したいよレヴィたん
375名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 00:26:52 ID:ZD9Fq8tC
>>372
自分で胸を隠すかロックが隠すかが問題だな
案外レヴィは平然としてて、それにロックがあわててシャツを被せるかもしれんw
376名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 22:33:04 ID:BOWg9Jik
「よお、どうしたダッチ!」と普通に乳晒すレヴィに
ロックがアバババと慌てながら服着せるんだな
377名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 15:50:40 ID:1rc72wVQ
ごめんどういう訳かあばばばばと手で押さえ付けて隠すラッキースケベロックに改悪想像しちまった
378名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 21:43:51.86 ID:0wfdKbxn
単行本持ってるのについ総集編二巻買ってしまったんだが、
ラストに不意討ちでロクレヴィなページがあってテンション上がったよ
379名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 22:19:23.86 ID:c1rIrYX/
kkkwsk!!!

描き下ろしイラストあたりかな
単行本買ったばかりだが、ポチるか…
380名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 22:30:14.27 ID:0wfdKbxn
「ロック&レヴィ」てタイトルで
レヴィのカット数点とロックのカット(書き下ろしじゃなく漫画内のワンカット)
に、「ここじゃあたしはあんたの銃〜ついてくよマスター」
「お前が銃なら俺は弾丸〜俺たちは出会った」
とお互いの決め台詞が載ってる一ページがあるだけなんだけど、
個人的には美味しかった。コンビニ立ち読みで充分だとは思うけどね
381379:2011/02/21(月) 22:45:58.06 ID:c1rIrYX/
>>380
ありがとう!中身見てから購入検討してみるノシ

二人がクローズアップされてるだけで萌えるから
買ってしまいそうだな…
382名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 23:48:05.66 ID:OLmnoZT0
そうやってまた広江が肥えるのであった…
383名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 05:17:12.06 ID:R2yQnfS9
まあいいんじゃねえ。あれかなり銃器とかアクションとか細かいカット割りで取材も大変そうだもんよ
しかしうちの周辺コンビニ自体が少ないという
SHIT!田舎町・・
384名無しさん@ピンキー:2011/02/22(火) 22:25:31.41 ID:/8zTWiTN
ロングインタビューが中々興味深くて面白かった
作者曰く「ロックさんはアウトロー、レヴィたんはアウトロー気取りのチンピラ」
みたいな見解らしい

とりあえずすれ違いロクレヴィ妄想の燃料になった
385名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 08:37:52.73 ID:hpfECD77
>>384
納得ww
チンピラなレヴィたん可愛いよレヴィたん(*´Д`)

実際下品だったり気遣う方向性がずれてるだけで
人と過ごすことに違和感を覚えない、普通の人情家にみえる
育った環境が違ったら求められる人材になってたんじゃないかと想像してしまうから
ファビオラとのやりとりは胸が痛んだわ

しかし岡島さんを巻き込む選択が岡島さんに巻き込まれる選択だったとか、
こちらは萌えるが目を覚ませとも言いたくなるな…
386名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 17:02:17.46 ID:H9Eqowb8
昨日はニャンニャンニャンの日だったからレヴィが一日中ぬこをもふもふしてる想像をして眠りについた
387名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 21:21:57 ID:nWfNvqoH
つくづく単行本7巻シャワーシーンの下からのアングルは最高だと思うんだ
388名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 20:03:05 ID:I5zgAuqh
アングル良かったよね
389名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 20:30:04 ID:KgR5vlPs
自分は単行本よりGX掲載時点の修正前のやつの方が断然好きだな。
捨てられた仔犬みたいな顔がたまらんかったのに。
390名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 11:48:56.22 ID:HWzpicBu
>>389
それよく言われてるけど、誰かうpしてくれないかなあ
391名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 16:38:04.22 ID:GSIVzHJY
バックナンバーで見れるんじゃない?
392名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 20:02:29.81 ID:o/kRmcjI
以前ググったら出て来たぞ
393名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 06:49:08.07 ID:LsbEFA69
本スレの祭りっぷりを見てその月だけはGX買ったな。
あ、ラフスケッチ集とカウガールやロリレヴィ水着なんかのポスターが付いてくる時も買った。
394名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 21:25:48.85 ID:p4QAgPIo
ブックカバーやボンテージレヴィのクリアファイルが付録の号は買った
何だかんだブラクラ付録がつくと買ってしまう。雑誌の思う壺だ

とりあえずレヴィに飛び蹴りされたい。チャカさんが羨ましい
395名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 12:23:04.47 ID:VL/AkFy0
アニメ二期放映してたくらいの頃にあったレヴィ居酒屋初体験ネタがすげー面白かったw
396名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 19:19:37.65 ID:G4Rg1XJU
kwsk
公式のネタか何か?
397名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 22:21:58.76 ID:30+0GBMx
誰もいないようなので冬服レヴィはもらっていく
398名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 13:14:07.63 ID:CBvm9tUN
残念ながらそこにあるのは冬服だけだ。
レヴィなら今裸シャツ姿で地下鉄乗りたくないってダダこねてる。
399名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 20:32:04.04 ID:P9/TQ0ld
突然、
初めての日本でカルチャーショック受けながら
ロックの少し後ろをちょこちょこついて回り、
色々と目につくたびに「ありゃ何だ?」と質問攻めするレヴィを受信した

縁日で射的を見かけロックにやり方の説明受けて
やる気満々になるまでの過程をじっくり描いて欲しかったぜ
400名無しさん@ピンキー:2011/03/10(木) 22:54:08.91 ID:XPkrPNZJ
>>396
いや2chで勝手に出来上がったネタ。
ロックがやたら世話焼き兄さんだったなw
あとレヴィが揚げたて天ぷら怖がったりロックの味噌スープ勝手に飲んだり。
放送当時は面白ネタいっぱいあったな懐かしい。
401名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 00:08:55.35 ID:T6ghOru9
この前のテレビでSPのスペシャルを見てたら真木よう子の役がレヴィに見えてしかたなかった
402名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 19:57:48.45 ID:FdwCUXgN
>>400
あーあれねw
岡島さんの対応がww

ところで神の安否が気になる今日この頃(´・ω・`)
403名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 19:58:08.69 ID:FdwCUXgN
>>400
あーあれねw
岡島さんの対応がww

ところで神の安否が気になる今日この頃(´・ω・`)
404名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 01:57:42.28 ID:tOh6y10F
ロベルタのなりきりやって
405名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 22:02:40.53 ID:ei108+Yv
ロックさらってレヴィを挑発してボコボコにされたい
チャカさんなみに顔面キック浴びせて欲しい
406名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 22:19:21.82 ID:U6OBpG31
なぜかしばらく繋がらなかったから久しぶりだ〜
>>402確かに・・東北出身という情報もあったから心配だな
407名無しさん@ピンキー:2011/03/19(土) 23:44:11.56 ID:8/nQgJ9B
>東北出身という情報もあったから

え……ちょ…まじかよそんなの初耳だ……
どうか無事であってほしい……
リアル生活忙しくてネット出来ないとかであってほしい…
408名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 00:25:28.81 ID:TuAZ+b0F
>>407
たまーに方言が混じるってだけだよ
409名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 02:31:29.79 ID:fj+zR+nv
そうだったらいいよな
俺はいつか神の張レヴィが読んでみたいんだ
410名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 07:15:19.27 ID:yP1V7Ogs
方言使っててもその土地在住とは限らないし、本人被災してなくても知り合い被災してたら凹むだろうし
まったく無関係の九州やらに住んでても今の日本の状態見てたらエロパロ書く気にならないのも自然なこと。
俺らがここであーだこーだ言ってても仕方ないさ。
神が書く気になるまでおとなしく待ってようぜ。
411名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 09:13:43.98 ID:yyS/rNFM
>>410
に全文同意
412名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 16:07:16.15 ID:IENjN1NV
別に新作マダーとかじゃなくてただただ安否が気になる。
全然関係ない西日本在住だから安否もどうもこうもない、とかそれならそれで本当にいい。
とにかく無事であってほしい・・・
あーだこーだ言ってても仕方ないってのは解ってるんだけどね・・・すまん。
413名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 23:12:00.70 ID:VxCDte+5
馴れ合いスレじゃないし書き手は一人じゃない。
他の書き手に失礼だしこういう召喚は本人にも迷惑では。
414名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 23:55:40.12 ID:2REkv/3f
>>413
俺の言いたかったことを上手く言ってくれてありがとう
ホントに他の神々に失礼だ
415名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 00:19:24.22 ID:gEsR/ZLu
いやわかるし別にいいんだが個人が個人を心配するのは別に誰に失礼でもないんじゃないかい
俺も2回ほど投下した者だが単にほのぼのしただけだよ^^
まあ他の書き手さんがどうかわからないのは確かだが「俺の心配はしないのかよ」とかいう気持ちを抱く者も別にいないんじゃまいか
416名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 00:29:42.82 ID:yOqQ8Nfm
神と呼ばれる身はきっと大変だぞ
ずっと俺のターン、ってなったとしたら、俺きっと耐えられんわ
ましてや他の職人をさておいて俺のことばかりスレ住人に心配されたりしたら、
もう恥ずかしいやら他の職人に申し訳ないやらでこそばゆい気持ちになる

無用なプレッシャー与えず、今はただ神々の無事を祈ろう
417名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 06:56:28.89 ID:XZQOtA3O
ものすごく同意
一人に限らずここにいた沢山の職人さんみんな好きだ
いまだ何度も保管庫最初から読み返してる。ひそかに続きを待ち続けてる作品もかなりある
みんなが無事でまた以前のように多彩なパターンの作品が投下されるのを
俺は楽しみにしている
418名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 01:16:28.02 ID:zqOINJ8l
信者が一人の職人だけに固執するのは勝手だけど、何か心酔ぶりマンセーぶりが見ててういい加減ざい
これじゃ他の作風投下しにくいのも当たり前だよなーと思う
職人さんがどうこうじゃなくね
419名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 03:34:11.42 ID:OI6h2irs
ん?俺2年以上このすれいるが投下しにくいとかいう話なんてあったか
前からみんな好きなように作品投下してそれぞれ好きに反応してたが

作品によって反応が違うのはそりゃ当たり前の話だろ
いい作品には心酔者が出るのも他のどのすれ見てもあたりまえw
それを覚悟してみんな投下してんだよ。だから職人達は尊敬されてんだよ甘えんな

420名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 06:09:03.41 ID:X7RUc31Y
みんなそろそろこの流れ止めようぜ

とりあえず今のうちにまきちゃん貰ってくわ
421名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 06:40:59.78 ID:x4oJkqEX
良作揃いのスレなのに時折>>418みたいな子供なのか怨念なのかわかんないけど浮上するよね。
ロクレヴィばっかうざいとか○○作品マンセーうざい、〜いい加減うざい(笑)
大体同じ言い口なの見ると毎度同じ怨念なのかな。
422名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 06:49:08.84 ID:X7RUc31Y
だからもう止めようぜ
頼むから
423名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 13:41:45.77 ID:KeloeHSH
じゃあレヴィは俺が貰ってくから、お前らは文句ねーよな
424名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 16:01:57.03 ID:SlqQxoDv
レヴィなら今俺の車の助手席に座ってるぞ
そのレヴィはファルコンの変装だよ
425名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 14:58:37.41 ID:kGYmXsVz
ラジカルの方でいいから魔法少女だったり黒にゃんこだったりなレヴィを譲ってください
426名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 15:02:04.79 ID:pp9h4hmT
銃で!
427名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 16:58:15.83 ID:w0TPs5Dr
じゃあ俺はロリレヴィを引き取って愛情注いで
死んだ魚の目に光を戻してやる事にする

失敗して蜂の巣にされても本望
428名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 20:28:14.85 ID:I5+/wHF2
死んだ魚の目と無邪気な笑顔が同居してこそのレヴィ
だからこそあんなに魅力的
岡島マジ鬼畜
429名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 21:04:32.89 ID:dWItUm1a
レヴィに泣きそうな顔させる岡島さんが羨ましくて憎い
ロべに「見ないで」言わせる若様も羨ましくて憎い

インド娘と盛り上がってるベニーは…別にどうでも良いな
430名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 19:01:16.30 ID:w3J66hef
>>427
そういうレヴィ育成ゲームがあってもいい。
育て方次第でトゥーハンドになるか、朝っぱらから元気な普通の女子高生になるか、電波な魔法少女になるか、はたまた日本の黒光り商社マンに嫁いでしまうか。
431名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 20:13:52.59 ID:zqtC7876
バッドエンドでは性転換するとかな
432名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 09:04:37.74 ID:D17e7KXr
>>430
普通の女子高生・・・平和で物騒な歌を大声で歌わないように攻略したい
433名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 00:14:47.08 ID:T8ZwEst9
リボルテックのレヴィを1/14のハーレーダビッドソンに載せてみたらすげえハマった
元からセットだったみてえ

原作にバイク乗る描写って日本編であっただけだよな?
バイクと絡めてなんかSS書けないか妄想する今日この頃
434名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 06:58:12.09 ID:JXyU2CMP
とりあえず、二人乗りの最中ロックに後ろから色々いたずらされて
蛇行運転しながらロックにラブホまで誘導されるとこまで妄想した
435名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 17:58:29.26 ID:qICoJCVw
事故ってあの世のホテルへ逝っても知らねえぞww

いや事故るかレヴィのバイクテクを信じるか、正に命懸けのゲームだからロックさんには持って来いか。
436名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 21:36:37.61 ID:5XHMjBYb
早く続き描けや豚( ・д・)、ペッ


誰かブラクラの良作SS知らんかね?
もう原作読みすぎて新鮮な気持ちになりたいわ
437ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:04:26.95 ID:cCmEyMtP

*若干の流血描写あり
*本投下分にエロなし


438ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:06:07.37 ID:cCmEyMtP


「レヴィ、この傷痕、あの時の?」
いつもと変わらない休日前の夜、レヴィが自分のベッドに腹ばいになって雑誌をめくっていると、
ベッドの端に座っていたロックが突然言った。
「あん?」
この傷痕、あの時、などと言われても、傷痕など体中いたるところにあるのだから、
どれのことを指しているのか分からない。
レヴィが雑誌から目を上げて、両肘をベッドについた姿勢のまま肩越しに振り返ると、
ベッドに腰かけたロックの視線はレヴィの右脚に注がれていた。
「ここ」
ロックの指が、レヴィの膝裏よりも少し下、ふくらはぎが始まるあたりに寄せられた。
ひた、と触れた指先は、すっと真っ直ぐ縦に滑る。
「──ああ」
ちょうど皮膚の薄い部分をなぞられてくすぐったさを覚えながらも、
レヴィはようやく、ロックがどの傷痕のことを言っているのかに思い当たった。

「やっぱり痕、残っちゃったな」
「そりゃ残るだろ。串刺しだぜ?」
レヴィはうつぶせになったまま、右膝を折り曲げてみた。
垂直に上がった膝下には、細長い傷痕がうっすらと白く盛り上がっていた。
その裏側、脛の方にも同じような長さの傷痕がもうひとつあることを、レヴィは知っている。
ロックは脛の側も覗き込んで、その傷痕を認めたようだった。
「痛んだりは──?」
「するかよ。あれからどんだけ経ったと思ってんだ。今ならレジー・ホワイトのパスラッシュだってかわしてみせるぜ」
やんわりとくるぶしを掴むロックの手から、レヴィは脚を引き離した。


ロックの故郷日本で、レヴィはこの傷を負った。
貫通だった。
レヴィの心臓を狙って降ってきた銀色の刃は、辛くも胸から逸れて、膝下に突き刺さった。
念入りに手入れをされた日本刀。
ざっくりとレヴィの脚を貫いていた。
しかしレヴィは、研ぎ澄まされた刃が自らを襲って降ってきた時、恐らくそれを見てはいなかった。
見るべきものは標的のみ。
標的から目を逸らすな。
傷つくことを恐れるな。
標的以外のものを見てはいけない。考えてはいけない。
そこから目を逸らした瞬間、死神が微笑みかける。

全てが終わった時、レヴィの弾は男の額を撃ち抜き、そして男の日本刀はレヴィの脚に突き立っていった。


「あの時は本当に──、肝を冷やした」
ぎっ、とスプリングをきしませてベッドに腰かけ直し、ロックは独り言のようにつぶやいた。
レヴィはその言葉に軽く肩をすくめた。
「まぁな。紙一重っちゃ紙一重だったな。あのデカブツの意識が逸れなければ──」
「それもあるけど」
レヴィの言葉を、ロックは途中で遮った。
「その後も、だよ」

439ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:07:30.36 ID:cCmEyMtP

 * * *

追い詰められた少女と男の叛乱は、二人の死によって終結した。
男は少女を想って死に、少女はまるで最初からこうすることを決めていたかのように、男の後を追った。
全く無駄な死だった。

少女は迷いなくレヴィの血で染まった日本刀を拾い上げ、喉元にあてがった。
「これにて一切の騒動、落着と相成りましょう」
そう捨て台詞を吐いて、少女は自らの喉に刃を沈めた。
まるで、意地でも幕引きは自分の手で行うとでもいうかのように。
「ロック! 見るな!」
傷の痛みに朦朧となりながらもレヴィは声を絞り出したが、無駄だった。
ロックはレヴィを支えたまま、吸い寄せられるように少女を見つめていた。
首の裏側からぬらりと刃を突き出させた少女は、鮮血を撒き散らしながら、既に屍となっていた男の上にくずおれた。
重なり合って倒れた二人はそれっきり、ぴくりとも動かなかった。
少女の首から高々と天を指す血塗られた刃が、墓標のようだった。

──馬鹿な女。

レヴィは重なり合って倒れる二人を目の前に、胸の中でつぶやいた。
馬鹿な女だ。
お前には、助けようとしてくれる男がいたのに。
「銀さん」とお前が呼んでいたこのデカブツと、それから、──ロック。
お前を助けようとしていた。
差し伸べる手はあった。
それなのに、自ら手を振り払った。
本当に、……馬鹿な女だ。

「……ズラかるぞ、ロック」
境内の乾いた石畳に鮮血がとめどなくあふれていくのをいつまでも見守るロックに、レヴィは声をかけた。
脚の傷がひどく痛んで、自力では立っていられない。
ロックの肩を借りて辛うじて姿勢を保っていられるという体たらくだったが、長居は禁物だ。
今この人気のない神社には、冷たい北風だけが吹き渡るだけだ。
しかし、早晩警察が来るだろう。
レヴィは銀次を殺した。
この場に長く留まっていられるばずもなかった。
レヴィはここ日本でも、殺人者となったのだ。

ロックはレヴィの言葉に同意を示すと、半分ずり落ちていたレヴィの体に肩を入れ直した。
レヴィの腰にぐるりと腕が巻きついて支えられ、ロックの肩にまわしていた手も逆の手でとらえられる。
「歩けるか、レヴィ」
時間が経つにつれて脚の痛みは増してきていたが、ここでへたり込むわけにはいかない。
「……オーライだ」
吐き出した息が、白くけぶった。
痛みを呼吸で逃がしながら、レヴィは頷いた。
よろりと足を踏み出す。
踏みしめるたびに傷が痛んだが、歩けないほどではない。
ロックが歩調を合わせてくれるのを感じながら、レヴィは脚を引きずって鳥居をくぐり、そして石段を下りた。
階段は殊更にきつく、傷口から血が流れて脛を伝っていくのを感じたが、そんなことに構っている暇はない。
レヴィは言うことをきかない脚を無理矢理に動かした。
440ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:08:42.59 ID:cCmEyMtP

神社の石段を下りた先は、くすんだ住宅街だった。
夕暮れまでにはまだ時間のある、昼と夜との境目。
曇天の下に、どこまで続くとも知れない家々が茫々と並んでいた。
今にも雨か雪でも降り出しそうな寒々しい空の下、路上に人の姿は見えない。
神社の中で起こった惨劇は、まだこの周辺に知れ渡ってはいないようだった。
「大丈夫か、レヴィ」
石段を下りただけでもかなり体力を消耗した。
知らず頭が落ちていたが、ロックが見下ろしていることに気づき、レヴィは頷いた。
「ああ」
レヴィはロックの肩にまわっていない自由な方の片手を、傷の上、右膝のあたりに伸ばした。
痛みを紛らわせるように強く一回ぎゅっと握って、それからすぐに離す。
「……行くぞ」

そうしてレヴィは、ロックに半ば引きずられるようにして住宅街をさまよい歩いた。
人の影を見れば物陰に身を寄せ、人通りの少ない方へと足を進める。
少しでもあの神社から遠ざからねばならない、それだけを考えて。

しかし、限界はやって来た。
ほとんどロックに引っ張り上げられるような体勢で歩いていたレヴィの足は、ついに止まった。
「……ロック」
絞り出した声は、思いの外弱々しくこぼれた。
「降ろしてくれ」
ロックの肩にまわしたレヴィの手には、もうまともに力が入っていなかった。
ロックの手がレヴィの手を掴んでいることによってやっと肩に腕がまわっている、そんな状態だった。
脚にもうまく力が入らず、ほとんどロックに抱えられているようなものだった。
「……少し、休みたい」
脚の傷から痛みが刺すようにあふれ出て、休むことなく神経を苛んでいた。
歩かなければいけないのに、脚がそれを拒否する。
見下ろした傷口の少し上、心臓に近い部分にはロックのネクタイが巻きついていた。
だが、ネクタイ一本で止血しきれるはずもなく、
あふれる血は破れた黒いストッキングから覗くレヴィの脚を赤く伝い、
破れ残って張りついているストッキングにも染み込んで、その色を更に湿った黒に変えていた。
レヴィは長く息を吐き出した。
白い息が広がる。
空は分厚い雲で覆われ、冷たい風が頬にも耳にも突き刺さる。
ひどく寒かった。
痛みによる冷や汗は、本格的な寒気へと変わっていた。

歩を止めたロックの肩から体がずり落ちるのを感じながら、レヴィは視界の端に映った路地を顎で示した。
「あそこへ」
往来でへたり込むわけにはいかない。
レヴィは家と家との間にできている細い路地まで、なんとか体を引きずって行った。
二人並んでは通れないくらいの隙間に滑り込み、ふらふらと数歩奥へ進んだところでレヴィは座り込んだ。
ごつごつした地面が尻に冷たいが、そろそろ立っていられなかった。
441ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:10:15.35 ID:cCmEyMtP

壁を背に、痛みをやり過ごそうと荒い呼吸を繰り返していると、ロックがかたわらにしゃがみ込んだ。
「レヴィ、傷見せて」
そして、脚に結びつけられていたネクタイに手を伸ばす。
強く縛っていたネクタイをほどくと、新たに血がふくらんでいくのを感じた。
ロックがハンカチを取り出して傷の上に当てたが、瞬く間に血が染みてゆく。
「……ロック、傷の上から縛れ」
止血するには、傷口そのものを直接圧迫するしかない。
「分かった」
ロックはハンカチを当てた上からネクタイで縛り直そうと試みた。
だが、脛の方とふくらはぎの方、出血箇所が二箇所あるため、
細いネクタイ一本ではなかなか同時に圧迫することができない。
「駄目だ、レヴィ。これじゃ止まらない。ちゃんと処置しないとまずい。病院に──」
「笑わせんなよ、ロック」
病院に行こう、などと笑止千万なことを言いかけたロックを、レヴィは遮った。
「病院に行ってどうする? そんなに豚箱を経験してみてェか、ロック」
「でも……」
「『でも』じゃねえ。この傷が編み針でできた傷に見えるか?」
渋い顔をしたロックを見上げながら、レヴィは続けた。
「……穏やかじゃねェ傷をこしらえてやってきた女は身元不明、おまけに近所の神社にゃ仏が二体。
そんなのに転がり込まれて黙ってられる奴は、
マダム・タッソーの蝋人形館まで探しに行かなきゃ、いないんじゃねぇのか?」
一息に喋ることができず、レヴィは息を継いだ。
「──お気楽すぎるぜ、ロック。あたしはな、この国にはいちゃいけねェ人間なんだよ」
「レヴィ……」
困ったようなロックの声を聞きながら、レヴィは頭を壁に預けて目をつぶった。
一度座り込んでしまった体は泥のように重く、立ち上がる力はどこにも残っていなかった。
442ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:11:31.67 ID:cCmEyMtP

「……ロック」
「何だい、レヴィ」
ゆっくりと瞼を上げると、ロックは膝をついた体を前屈みにして覗き込んでいた。
レヴィはその顔を見上げ、もっと早くに言っていなければいけなかったことを口にした。
「先に行け」
「──え?」
わずかに身を乗り出したロックに、レヴィは重ねて告げた。
「先に行け、ロック。……もうすぐ警察が動く。チークタイムは終わりだ」
言葉を発するのも億劫になっていたが、レヴィはかすれた声で続けた。
「……情けねェが、あたしはちょっと疲れた。あんたひとりなら、まだ行ける。──行くんだ」
ひらりと手で払うと、ロックは眉をひそめて声を荒げた。
「レヴィ、何言ってんだ! そんなことできるわけないだろ!」
レヴィは短く笑った。
この男は、まだあちらの世界の流儀を引きずっているようだ。
力の入らない手で、レヴィはロックの胸元を掴み上げた。
「ヒーローごっこなら余所でやれ。
こっちの世界を選んだんならな、ロック、まずはそのクソの役にも立たねェ『道徳』を捨てろ。
合理的に考えるんだ。こっちの世界で生き残れるのは、クレバーな奴だけだ。
……今のあたしを引きずって行って、そうでなけりゃ二人でここに残って、それで助かる算段は?」
切れ切れの言葉が、白い息とともに消えていった。
ロックは眉間に皺を寄せたまま黙り込んでいた。

「──だろ?」
レヴィはロックの胸元から手を離した。
「あんたの銃は、もう弾切れだ……。──今は、護ってやれない」
悪ィな、ロック。
そう言って、レヴィは笑みを浮かべようとした。
だが、それは笑いの形にはならず、ただ唇が引き攣っただけのように見えたかもしれなかった。
何か言おうと口を開きかけたロックを、レヴィは強く突き放した。
「行けって!」
勢い余って上体が倒れ、地面についた片手が肘から崩れた。
もう、自分の頭ですら重かった。
呼吸が荒くなるのを隠せずにいると、頭の上から、すぐ横に跪いたロックの声が降ってきた。
「……レヴィ、すぐ戻ってくる」
肩に手が置かれる。
「すぐ戻ってくるから、絶対ここを動くなよ!」
そう言ったかと思うと、ロックは立ち上がった。
二、三歩遠ざかり、そこからまた振り返った気配がした。
「絶対動くなよ!」
最後にもう一度そう言い、ロックの靴音は足早に遠ざかっていった。
路地裏を出て通りの向こうに走り去っていく靴音を聞きながら、レヴィはその場にずるずると崩れた。
443ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:12:43.07 ID:cCmEyMtP

──「動くな」って、動けねェよ。

ごつ、と固い地面がレヴィの頭を受け止めた。
レヴィは横向きに丸まって、傷口のそばを手できつく押さえた。
先ほどまで我慢していたうめき声が漏れる。
冷たく固い地面は、肩にも腰にもちっとも優しくない。
ごつごつとレヴィの体を跳ね返し、容赦なく冷やしてくる。
先ほどまで触れていたロックの体は、やけに温かかった。
肩を借りていたことによって保たれていた体温は、急速に奪われていった。
だが、薄暗い路地裏に丸まったレヴィは妙な安堵感を覚えていた。

──これでいい。

少なくとも、ロックを逃がしてやれた。
この先を切り抜けられるかどうかはあの男次第だが、少なくとも道連れは避けられた。
直ちに死ぬような怪我ではないが、かといって元気に徒競走ができるようなものでもない。
豚箱に放り込まれるか、それともこの国の「ヤクザ」とやらに始末されるのか。
この先どうなるのかは分からないが、とにかく今は、もう歩けない。

更に体を小さく丸めたレヴィは、立ち去った時のロックの言葉を思い出して小さく笑った。
「すぐ戻ってくる」だなんて。
小さな笑いが、白い息となって漂った。

──そう言って戻って来た奴は、いない。


ニューヨークで路上暮らしをしていた頃は、歩けなくなった者が犠牲者だった。
お巡り、反目し合っているストリートギャングたち、周囲は敵だらけだった。
単独行動は命取り。
誰もが自分の命を一日一日繋いでいくことだけで精一杯だった。
他人の尻まで拭いてやれる余裕のある奴など、一人もいない。

返り討ちにあって傷を負った時。
それ以上一歩も動けなくなったレヴェッカに、仲間は言った。
「すぐ戻ってくるから、ここにいろ」

レヴェッカは待った。
冷たい風が吹き荒れる路地裏、汚水で溶けた段ボールが乱雑に積み重なった隙間に体を押し込め、ただ待った。
暗闇と臭気の中、痛みが時間の感覚を狂わせる。
──もう一時間くらい経ったか? それとも、二時間?
こんなに待ったのだから、もうそろそろ迎えに来てくれるはず。
でも、何もしないで待っているのは時間の進み方が遅いから、まだあまり経っていないのかも。
寒さと痛みに震えながら、神経を尖らせて仲間の足音を待ちわびる。

そうしてついにアスファルトの上の砂埃を踏みしめる靴音を聞いて顔を上げると、
そこにいるのは二人組のお巡りと、そういうオチだ。

444ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:14:24.69 ID:cCmEyMtP


レヴィはもう一度小さく笑った。
恨んではいない。
誰もがそうすることだ。
その時は、本当に戻って来てくれるつもりだったのかもしれない。
だが人は、安全なところに身を置くと、もう危険な場所へは戻れない。
そして、他人を助けることは自分が生き延びることより難しい。
互いに無力だったのだ。
無力な人間が戻って来たところで、一体何ができただろう。

レヴィは寒さをこらえきれなくなって、腕を体にまわした。
固く冷えた地面から服越しに冷気が染みてきて、骨の髄まで凍りそうだった。
ぎゅっと腕に力を入れてみるが、震えは止まらない。
指先、つま先はもちろん、腹の中までが凍えている。
風は冷たく剥き出しの耳を刺し、頭の芯までもが痛んだ。

その時、頬にふと冷たいものを感じた。
目を開けて上を見ると、空から白いものが落ちてきていた。

──雪だ。

音もなく、小さく白い欠片が空から降り注いでくる。
数日前にも東京に雪を降らせた雲は、まだここいらに停滞していたのだろう。
いったいどこからこの白が沸いてくるのか、鈍い灰色の空からは次々と細かな白い粒が舞い落ちてきた。

──寒いわけだ。

寒いのは嫌いだった。
同じように路上で暮らす子供同士で身を寄せ合っていても、寒い夜は眠れない。
大して温かくもない服に身を包んで、くっつき合って震えていた。
ニューヨークは寒い街だった。
いつもビル風が冷たく吹き荒れ、冬になると決まって雪が降った。
ソーホーのストリートを、人びとはたっぷりしたマフラーに顔をうずめ、足早に通り過ぎていった。
スープ・スタンドのカップスープから温かそうな湯気がのぼるのが、遠目からでもよく見えた。
ニューヨークでいくつも前科がつき、そして、まだ「前科」となっていない容疑が日を追うごとに着々と増えた。
これが全部精算されたら、一生刑務所から出てこられないくらいの貯金になっているかもしれない。
そんな全てから逃れるようにタイの魔都市へと流れ着いた。
しかし本当は、暖かいところへ行きたいだけだったのかもしれない。
南の海。それは、楽園に似た場所のような気がした。
445ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/02(土) 22:15:42.08 ID:cCmEyMtP

レヴィはタイの海の青さを思い出しながら、鈍色の空をぼんやりと見上げた。
風にまかれながら際限なく落ちてくる雪をずっと見つめていると、
なんだか自分の体の方が浮かび上がっていくように思えた。

──結局、同じかよ。

レヴィは苦笑した。
寒さから逃げてきたと思った。
もうあの時の自分とは違うと思っていた。
けれど結局、ニューヨークにいた頃と何も変わらず、路地裏に転がって震えている。
父親から逃げ、警察から逃げ、貧困から逃げ、ニューヨークから逃げた。
最初は、もう我慢できないと思った。
もうこのままでは生きていけないと思った。
でも、逃げれば逃げるほどに状況は悪化し、いつしか底なし沼にはまり込んでいた。
もう抜け出せない。
多分、逃げても無駄だったのだとレヴィは思う。
初手から間違っていたのだ。
その後どうあがいたって無駄だったのだ。
この世に生まれてきたところから修正しないと。
やり直しは、そこからしかきかない。

──疲れた……。

睫に雪が絡まったが、レヴィはそれを振り落とすことなく瞼を閉じた。
雪はいっそう強くなる。
だが、とにかく今は休みたかった。
動くのも、考えるのも、休んでからだ。
痛みのせいか、寒さのせいか、意識が薄くなる。
眠るのはまずい、頭の隅にそうよぎったが、瞼を上げるだけの意思は残っていなかった。




446名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 22:33:04.23 ID:FQdxfbZo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
イイ!
切ない!
超GJ!
447名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 22:40:35.15 ID:JXyU2CMP
おお日本編来た!
続き期待してます
448名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 07:17:11.97 ID:vABVCMqW
これは…これはああああああああああ
449名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 13:46:28.88 ID:OdOGgUvl
わあああ久しぶりに来たらまさに新作できたてほやほやがー!
自分持ってるNA!!ロックは戻ってくるよレヴィ
450名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 21:21:29.84 ID:PyZKw1EL
レヴィが健気過ぎて泣ける…
ロックは責任持って幸せにしてやるべきだろ
451名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 21:08:57.93 ID:nGUFfFTH
刀引っこ抜くところからの一連の二人のシーンをセリフだけ抜き取ると
ものすごくエロい気がするのは俺だけか
452名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 22:21:00.58 ID:lYuzjcHy
え、気がするも何もそのシーンセリフだけで抜けるじゃん
453名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 22:36:17.70 ID:38/ZTWka
ロック「少し痛むぞ、我慢しろ」
レヴィ「あっ、あっ、あ"おああ、あっ」
ロック「足を上げろレヴィ」

これはエロいな
454ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:40:28.91 ID:9cPFLS1t

>>445の続き

*本投下分にエロなし


455ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:41:34.59 ID:9cPFLS1t

 * * *

ロックは走っていた。
焦りに脚がもつれそうになりながらも、走っていた。
早く、早く。
気ばかりが急いて、雪がちらつき出したというのに背中には妙な汗が滲んでいた。
どこを曲がっても変わり映えのしない住宅街の角で左右を見渡し、また走る。
走るたびに、片手に提げたドラッグストアの白いレジ袋がカサカサと音を立てた。

東京暮らしが長かったとはいえ、一歩見知らぬ道に入り込んでしまえば、そこはもう知らない街だ。
初めて足を踏み入れたこの住宅街で、ドラッグストアを探し当てるまでに随分と手間取った。
ようやく見つけたドラッグストアで、ロックは水とガーゼ、医療用の三角巾を買い込んだ。
金を払うのももどかしく店を出て、そして元来た道を引き返す。
迷わないよう、来た道は頭に叩き込んだつもりだったが、
それでも見覚えのない家並みに、本当にこちらでよかったのかと不安が増す。
雪が降ってきたところで、ああ傘を買っておけばよかったと思ったが、ここから戻ったら更に時間がかかる。
ロックは一瞬迷った末、レヴィの元に急ぐ方を選んだ。

ようやく見覚えのある路地が道の先に見えたところで、ロックは立ち止まってひとつ深呼吸をした。
走りっぱなしで完全に息が上がっていた。
雪は、家も道路も電柱も、視界に入るもの全てを白くかすませていた。
降り始めはアスファルトに消えていった粒も、今ではうっすらと路上を白っぽく覆い始めている。
ロックは息を整える暇もなく、また走り出した。

「レヴィ!」
息せき切って路地裏を覗き込んだ時、レヴィは体を丸めて横たわっていた。
頭を地面に落とし、ロックの声にも反応しない。
気配を消しているのか、レヴィの姿は路地裏の暗がりに溶け込んでしまったかのようだった。
「──レヴィ!」
ロックは慌てて駆け寄った。
プリーツスカートの赤だけが、煤けた暗がりの中で妙に浮き上がっていた。
薄く積もり始めた雪は、レヴィの髪も、ショートコートも、プリーツスカートも、ウエスタンブーツも、
レヴィの全身をうっすらと白く覆っていた。
「レヴィ」
ロックは跪いてレヴィの頬を軽く叩いた。
指に触った頬は、驚くほど冷たかった。
「レヴィ!」
頬にかかった髪をかき上げてもう一度叩くと、ようやくレヴィが身じろぎをした。
少しの安堵とともに、髪についていた雪を払ってやる。
「レヴィ」
もう一度呼ぶと、レヴィはゆっくりと瞼を上げた。
焦点の合わない目が何度かまばたきをする。
その後、紫色になった唇がわずかに動いた。
「…………ロック……?」
それと同時に右手がのろのろと上がってきて、ロックの頬でぶつかった。
まるで盲目の人が、目の代わりに指先で確かめているようだった。
「ごめん、レヴィ、遅くなった」
ロックは、伸ばされてきたレヴィの手を取った。
冷凍庫の中に放り込まれていたように冷え固まった手だった。
レヴィの手は寒さで赤く腫れ、関節も筋も全部凍ってしまったかのようにこわばっていた。
ロックは自分の掌で包み込んで温めようとしたが、
レヴィの指先はロックの掌から枯れ枝のようにぎこちなく飛び出し、とてもその全体を包み込むことはできなかった。
それでもその指先をまとめて握り込むと、レヴィが乾燥した唇を薄く開いた。
「なんで……」
「──え?」
レヴィの唇から漏れた言葉を、ロックは聞き返した。

「……なんで、戻って来た」
456ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:42:36.57 ID:9cPFLS1t

虚ろな目で見上げるレヴィを前に、ロックは一瞬言葉を失った。
「なんで、って──。『戻って来る』って、言ったじゃないか」
ロックが眉をひそめると、レヴィは馬鹿馬鹿しいというように首を小さく横に振った。
「……『行け』と、言ったはずだ」
「そう言われて本当にひとりで逃げる奴がどこにいるんだよ!」
腹立たしく思いながらロックが言い返すと、レヴィは呆れたように弱々しく笑った。
「あんたはまだまだ、そっち側の人間なんだなァ……」
かすれた声が、白い息に混ざった。
「──そっち側とかこっち側とか、そういう話はどうでもいい!」
ロックは強引に話を断ち切った。
とにかく今は止血だ。

ロックは横たわるレヴィの足元に座り込んだ。
「レヴィ、止血し直す」
声をかけて、ハンカチの上から縛っていたネクタイをほどく。
べったりと血を吸ったハンカチの下には、生々しい傷痕があった。
「破るよ」
半分破れた黒いストッキングが、レヴィの足に絡みついていた。
レヴィが頷いたのを確認してから、ロックはそのストッキングの破れ目に手をかけた。
指をストッキングと肌との間にもぐり込ませ、引き裂く。
元々大きく破れていたストッキングは簡単に開いて、レヴィの肌が露出した。
ロックはブーツを脱がせて横に置くと、レヴィの脚を自分の膝に乗せた。
レヴィの脚を伝って流れた血で、足の甲のあたりまでが赤く汚れていた。
「水、かけるよ」
ロックはドラッグストアで買った水のペットボトルを引き寄せて、蓋を開けた。
そして、傷口に直接水を注ぐ。
痛みのせいか冷たさのせいか、レヴィは息を詰めて顔をしかめ、そしてうめいた。
レヴィの手が、右膝の下をぎゅっと握る。
痛みを押さえ込むように、指が肌に食い込んだ。

脛には、血の混じった水が伝っていた。
透明な水はレヴィの血が混ざって赤く染まり、ぽたぽたと地面に落ちていった。
レヴィの呼吸は荒い。
はぁっ、はぁっ、と息が吐き出されるたびに、顔のまわりでは白く靄ができた。
乾きかけた血は流しきれていなかったが、ロックは適当なところでペットボトルを脇に置いた。
「大丈夫、まだ傷には触らない」
新しいガーゼを取り出し、肌の上に残った水を丁寧に拭き取る。
赤い水が白いガーゼに次々と染み込んでいった。
くるぶしの方に流れていた水も拭き取って、ロックは傷口の上から清潔なガーゼを当て直した。
そして三角巾を適当な幅に折りたたんで、ガーゼの上からぐるりと脚にまわす。
「縛るよ」
三角巾の両端にぐっと力を込めると、レヴィはきつく眉を寄せ、小さくうめいた。
457ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:43:56.03 ID:9cPFLS1t

ロックはブーツを履かせてやってから、レヴィの上半身を抱き起こした。
ぐったりとした体はひどく震えていた。
コートの上からでもその下の体の震えが大きく伝わってきた。
冷たくこわばった手からも、ほとんど黒に近くなった唇の色からも、
レヴィの体がどんなに冷えてしまったかが窺い知れた。
ロックは上半身を起こしたレヴィの後ろにまわり込み、コートを脱がせた。
「……何すんだ、ロック……」
レヴィが不審そうな声を上げたが、ロックは脱がせたコートをレヴィの膝にかけて、
ハイネックのセーター姿となったレヴィの体を後ろから抱き込んだ。
コートの前を開けて、レヴィを包み込む。
壁に背を預け、ロックは冷たいレヴィの体を抱き寄せた。
「温めないと。冷え過ぎてる」
「……こんなことしてる暇は──」
「いいから黙って」
ロックは抵抗を試みようとするレヴィを封じ込めた。
その体はとめどなく震えている。
「こんな体じゃ、何もできないだろ」
ぐるりと腕をまわし、ロックは背後からレヴィの体を引き寄せた。
「レヴィ、置いて行かない。俺は置いて行かないからな」
耳のそばで言うと、レヴィは静かに笑った。
そしてぼそりと吐き捨てる。
「……強情な奴」
それ以上レヴィは何も言わなかった。
もたれていいよ、そう言っても最初は自力で体を保とうとしていたが、じきに体を預けてきた。
ぐったりとした体は、途切れることなくロックの腕の中で震えた。

雪がやむ気配はなかった。
レヴィの膝にも髪にも、白いかけらが降り注いだ。
ロックは寒さからレヴィを守るように、強く抱きしめた。

458ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:44:57.39 ID:9cPFLS1t

 * * *

レヴィの体の震えは止まらなかった。
いくら熱を伝えようと抱き寄せても、一向にレヴィの体が温まる気配はなかった。
体の一番奥の芯が冷えてしまって、どうにも震えを止められない、そんな震え方だった。
走って体温の上がっていたロックの体も、座り込んだままでは段々と冷えてくる。
傷が痛むのか、ロックの首筋に頭をもたせかけていたレヴィが時折喉の奥でうめいた。
白い息が胸元に漂う。
ロックは絶望的な気分でレヴィを抱きしめた。

「置いて行かない」、そう言ったはいいものの、ロックにできることは何ひとつなかった。
形ばかりの応急処置をしたが、こんなもので治る怪我ではないことは明白だった。
ホテル・モスクワの船、マリア・ザレスカ号はとうに出港してしまっただろう。
病院には行けない。タクシーにも電車にも乗れない。他に頼れる人など誰もいない。
傷がふさがらなかったら?
感染症を引き起こしたら?
筋肉や腱が損傷していたら?
下手したら、元の通りには動かなくなるかもしれない。
ロックには医学的知識も、応急処置の技術も、何もなかった。
レヴィは正しい。
ロックには、「助かる算段」などない。

レヴィからも、そしてロックの手からも血の臭いがした。
生臭い鉄錆めいた匂いが喉の奥にまでこびりついて、血の味までもがしてくるようだった。
降り続く雪の中、レヴィの顔色はいよいよ悪い。
蒼白だった顔は土気色に変わってきていた。
鉄火場ではあんなに大きく見えた体が、今ロックの腕の中ではやけに小さく思えた。
レヴィの呼吸は浅く、痛みをやり過ごすように時折息を詰める。

ロックはその時、唐突に、レヴィも人間なのだと思い知った。
壊れやすく、血を流せば死ぬ人間なのだと。
レヴィはいつだって、闘いの女神のようだった。
硝煙というドレスをまとい、火花と血しぶきをアクセサリーに舞い踊るレヴィからは、
弾丸すらも避けて通っていくように思われた。
ロックは、レヴィだけは何があっても死なないのではないかという気すらしていた。
誰と闘っても、勝ち残るのはレヴィだと。
何があっても、屍の上で不敵に笑っていてくれると。

だが違う。
レヴィの体はちゃんと傷つき、痛みも他の人間と同様にもたらされる。

──失っていたかもしれない。

レヴィを、失っていたかもしれない。
その事実が突然実感をともなって襲いかかってきて、ロックは急に胸をどんと突かれたような心地がした。
銀次の刃がレヴィの胸を貫いていたら、ロックはレヴィを失っていた──。
459ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:45:37.91 ID:9cPFLS1t

レヴィを失う。
そんなことは考えられなかった。
けれど、どうしてそれを考えずにいられたのだろう。
どうして平気でレヴィを闘いに送り出せたのだろう。
あの闘いで最も血を流す必要がなかったのは、雪緒でも銀次でもない。レヴィだった。
そして今ロックは、傷ついたレヴィを目の前に、何もできないでいる。

──俺は、無力だ。

ロックは腕の中のレヴィを抱き寄せ、頭を落とした。
意地になってしゃしゃり出たところで、結局ロックはレヴィがいなければ何もできず、
そしてレヴィが血を流すところをただ指をくわえて見てることしかできないのだった。
吐き気がした。
レヴィは傷つかないのではなく、傷ついたところを見せていないだけだったのだ。
ロックだって、レヴィが傷を負ったところを見たことがある。
でも、彼女が何でもないことのように振る舞っていたから、それを忘れた。
平気なわけがない。
血を流して平気なわけがないのに。
今までだって、こんな風に苦しんでいたのだろう。
ロックの知らないところで。

──駄目だ。

これでは駄目だ。
いつまでもレヴィの後ろで護られているだけでは駄目なのだ。
レヴィの隣で走れるようにならなければいけない。
レヴィが倒れるところをただ目の前で見ているだけなんて、そんなのは御免だ。
「…………クソッ」
悪態が口をついた。
460ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:47:24.18 ID:9cPFLS1t

その時、腕の中のレヴィが弾かれたように身を起こした。
身を起こして、一点を見つめる。
驚いてロックもレヴィの視線の先に目を向けると、そこには、大きな黒い犬が立っていた。
いつの間にそこにいたのか、手を伸ばせば届きそうな距離で、じっとふたりを見つめている。
引き締まった黒い体はつややかで、その毛皮の下にはみっしりと筋肉が詰まっている重量感があった。
頑丈そうな脚はしっかりと地面を踏みしめ、その体つきは野生のハンターのようだった。
しかし、垂れた耳と濡れた黒い目のせいで、何となく優しげな顔立ちにも見える。
犬はそっと近寄ってきた。
濡れた黒い鼻先をレヴィの脚に近づけ、ふんふんと匂いを嗅ぐ。
そして、コートの隙間から覗いていた肌をぺろりと舐めた。

突然のことに呆気に取られていたが、我に返って犬の首輪から繋がったリードの先をたどってみると、
路地裏の出入り口のところに黒いコートを着た男が立っていた。
その男を認めた瞬間、レヴィは腕を広げて腰を浮かせた。
「誰だ!」
ロックを後ろに押し込めて、レヴィは鋭く言った。
男とロックとを結ぶ直線上に割って入ったレヴィのせいで男の姿が見えづらくなったが、
不機嫌そうな低い声は聞こえてきた。
「……『誰だ』はこっちのセリフだ」
レヴィは英語で叫んだが、それくらいの言葉は難なく通じたのだろう、男は苦み走った声で応えた。
「怪我か」
男は猛獣のようなレヴィの敵意にも動じることなく、三角巾を巻いた脚に目を留めて言った。
ロックは、今にも噛みつきそうな勢いのレヴィを押し留め、男を観察した。
黒いコートを着た男の背は高く、白髪まじりの髪をすっきりと短く整えている。
切れ長の目は落ちくぼんでいて鋭い。
銀次が年を取ったらこうなったかもしれない、そう思わせるような五十がらみの男だった。
「救急車は呼んだのか」
「……いいえ」
ロックは目の前のレヴィを引き寄せて、男を見上げた。
この男がどう出るか。
窺っていると、男はそげた頬を歪めた。
「呼べない事情があるってわけか」
男はレヴィの剥き出しの警戒にも一向にうろたえる様子がない。
「……おっと嬢ちゃん、その胸元の物騒なもんは俺に向けない方がいいぞ。
そいつの前で俺に銃を向けて、指が全部無事だった奴は一人もいないからな」
薄笑いを浮かべて、黒い犬を顎で示した。

「──ロック、あいつは何て言ってる」
日本語の分からないレヴィが、小さく訊いた。
「銃を向けるな、って。向けたらあの犬が食いちぎるってさ」
伝えると、レヴィは舌打ちした。
「……何者だ、あいつ」
それはロックも同感だった。
男の妙な落ち着きぶりは、どうにも不気味だった。
461ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:49:52.45 ID:9cPFLS1t
「……あなたは、一体何者なんだ」
ロックがおそるおそる問いかけると、男は鼻を鳴らした。
「ふん、ただの善良な一市民さ。
こいつの散歩に出かけて帰ってきてみたら、俺の家の前で何やら訳ありの二人が道をふさいでいたと、
ただそれだけなんだがね」
「家の前……?」
ここは「家の前」というより「家の間」なのでは。
内心首をかしげるロックに、男は路地の奥の方を顎でしゃくった。
「ここは通り道だ。この先に俺の家と仕事場がある」
ロックは路地裏の先の方へ目をやった。
その先はほのかに明るくなっているが、出た先は道路ではないと、そういうことなのだろうか。
「俺の客かと思ったが、どうもそうではないらしいな」
「客……?」
鸚鵡返しに問い返すと、男はゆっくりと近寄ってきた。
「俺は医者だ。──どれ、見せてみろ」
しゃがみ込んで、レヴィの膝に引っかかっていたコートに手をかける。
瞬間、
「触るな!」
レヴィが叫んで男の手をはねのけた。
「──おお、怖いな。生粋の野良猫みたいだ」
男は両手を上げてくわばらくわばらという身振りをしてからロックを向いた。
「おい、この嬢ちゃんに言ってやれ。俺は医者だってな。それから、通報なんて面倒臭い真似はしない」
男はしゃがみ込んだ姿勢のまま懐から煙草を取り出してくわえ、火をつけた。
ロックがレヴィに説明する間、そっと男のそばにすり寄ってきた犬の耳の後ろを掻いてやりながら、
男はのんびりと煙草をふかした。

レヴィは「信用できねェ」と渋ったが、
男は救急車や警察を呼ぶどころか逃げる素振りさえ見せずに、煙草の煙をくゆらせるばかりだ。
男の口から長々と吐き出された煙が、雪に絡まって立ちのぼる。
この男を直ちに信用することはできないが、レヴィの傷をこのまま放っておくこともできない。
警察に通報せずに診てもらえるなら、こんなに都合のよいことはない。
リスクはあるが、他の手札はもうない。
ロックが説得すると、レヴィは渋々頷いた。

「話はまとまったかい」
男は短くなった煙草を地面に放って、靴の先でにじり消した。
「……はい。診てやって下さい」
レヴィは警戒心も露わに男を睨みつけていたが、近寄ってくる手に抵抗はしなかった。
男はレヴィのコートを膝からどけて、傷に巻いていた三角巾をほどいた。
「これは……」
血まみれの脚を見て、男は唸った。
レヴィの右脚を持ち上げて、裏側からも覗き見る。
「この傷……、日本刀か」
一発で言い当てた男に、やはりこの男ただの医者じゃないと思いながら、ロックは小さく頷いた。
「貫通してるじゃないか。──おい、これは舐めて治る傷じゃないぞ」
男はすっくと立ち上がった。
「来い。診療所は向こうだ」

ロックは一瞬迷ったが、レヴィを促した。
「行こう、診療所で診てくれるって」
顔をしかめて首を横に振るレヴィに、重ねて言う。
「行くんだ。リスクは承知だけど、あの人は多分こういう傷に慣れてる。
見ただろ、一目で刀傷だと分かって、しかも全然慌てなかった」
さあ、と脇の下から手を差し入れて支えると、レヴィはのろのろと立ち上がった。
「……立てる?」
負ぶって行こうかと思ったが、レヴィはロックの肩を支えにして体を立て直した。
「早く来い」
細い路地の向こうから、男が振り返ってこちらを見ていた。
「今行く」
レヴィの腰を支え、半分かつぐような格好でロックは路地の奥へと急いだ。
462ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:51:43.23 ID:9cPFLS1t

「こっちだ」
薄暗い路地を抜けると、そこにはぽっかりと中庭のような空間が広がっていた。
建物と建物の間に挟まれ、四方は薄汚れた建物の裏壁が取り囲んでいる。
都会の中にすとんと落ち込んだ、忘れ去られた涸れ井戸のようだった。
舗装されていない地面には雑草が茂っている。
冬のせいで草の勢いはないが、固く生え残った草に白い雪が降りかかって、何となく視界が明るく見えた。
人の通るところだけ雑草が踏まれて、自然に通り道のようなものができている。
その短い道の先には、木造の小さな家があった。

玄関を開けると、男は黒い犬に「そこにいろ」とたたきの上を指し、
自分は靴を脱いで大分くたびれたサンダルをつっかけた。
「来い」
ロックに目配せをして、足早に奥のドアの向こうへ消える。
玄関から直接繋がった目の前の部屋には、古ぼけたソファーが何台か置いてあった。
中央にはこれまた古めかしい石油ストーブが置いてある。
どうやらここが、診療所の待合室のようだった。
レヴィのブーツを脱がせてやって男の消えたドアをくぐると、そこは診察室だった。
大きな治療台に、紙や本が積み重なって今にも崩れそうな塔を作っている大ぶりのデスク、
脱脂綿やガーゼ、テープ、様々な銀色の器具が載った金属製のワゴン。
「医者だ」と告げた男の言葉に嘘はないようで、部屋の隅にかけられた埃だらけの額には医師免許証が収められていた。
「安心しろ、一応免許は持ってる」
額を見上げていたロックに気づいて、男が言った。
「そこに寝かせろ」
黒いマットが張られた治療台を指され、ロックはレヴィの肩からホルスターを外してやり、そこへ寝かせてやった。

男は慌ただしく準備を整えると、ロックを待合室に追いやった。
「さ、じゃあお前さんはこっちで待っててくれ」
ロックの返事も聞かずにドアを閉めようとしたところで、
あぁ、と何事かを思い出した様子で閉じかけたドアをまた開けた。
「よかったら、あいつの足拭いてやってくれ。下駄箱の上に雑巾がある」
言いたいことだけ言って、男はバタンとドアを閉めた。
ロックが振り返ってみると、「そこにいろ」と言われたままの場所、狭いたたきの上で、
黒い犬がおとなしく尻をつけて座っていた。

犬は黒く濡れた目でロックを見ている。
ロックはカトラスの収まったホルスターをソファーの上に置き、おずおずと犬の方へと近寄った。
下駄箱の上には薄汚れたガラス製の灰皿が置いてあり、
その隣に、男の言った通り少し黒ずんだ雑巾が置いてあった。
犬はいつも家の中で暮らしているのか、それとも従順に躾けられているのか、
汚れた足で室内に上がってくることなく命令通り静かに待っている。
ドーベルマンを思わせるつやつやと引き締まった体つきに、
先ほどの男の「俺に銃を向けた奴は」云々という言葉を思い出して腰が引けそうになったが、
唸ったり牙を剥いたりする気配はない。
ロックは雑巾を取って犬の前にしゃがみ込んだ。
「……あの、足拭いてもいいかな」
一応お伺いをたて、おそるおそる前足を取ると、犬はすんなりと足を持ち上げた。
濡れた足先を握って水分を雑巾に染み込ませ、足の裏の肉球を揉み込むようにして拭いてやると、
犬は「なんであなたなんですか」という不思議そうな顔でロックを見上げてきたが、
もう片方の前足が拭き終わると自分から立ち上がって、後ろ足を浮かせた。

四本の足全てを拭き終えると、犬は待合室に上がってきて部屋の隅で寝そべった。
いつの間にスイッチを入れてくれていたのか、待合室には石油ストーブがついていた。
低いうなりを上げて赤く燃え、冷えた空気を暖める。
ロックはソファーに腰かけてストーブに手をかざした。
ストーブは大分年期が入っているが、力強く熱を放出させている。
手をかざしているとじわじわと熱が染み込んできて、
ロックは自分の体もかなり冷えていたのだということを自覚した。
463ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:52:56.04 ID:9cPFLS1t

ドアの向こうの治療室からは、レヴィが何やら叫んでいるのが聞こえてきた。
「触るな!」とかなんとか聞こえたような気がしたが、気のせいだろうか。
何事もなければいいが──。
そわそわと治療室の気配を窺っていると、突然、そのドアが勢いよく開いた。
「おい!」
ドアから顔を出した男が、正露丸を十錠くらいまとめて飲んだような顔をしてロックを睨んだ。
「──はい!?」
その鬼のような形相に跳ね上がると、
「ちょっと来い!」
男はロックを手招きした。
「な、何でしょう……」
おっかなびっくり近寄ると、男はじろりとロックを見下ろした。
「あの嬢ちゃん、一体全体どうなってんだ」
苛立たしげにちらりと肩越しにレヴィを見やる。
「ものすごい目で睨んできたかと思ったら、指一本触らせやしない。野良猫の方がよっぽどましだ」
「すいません……」
実際に見てはいないが、その光景は目に浮かぶようだ。
ロックは小さくなって謝った。
「お前さん、俺が医者だってちゃんと言ったんだろうな。やたらと訳の分からん言葉で叫ぶんだが。
俺は英語なんて知らんが、あれがムカつく言葉だってことだけは分かったぞ」
「ああ、すいません……」
ロックは更に小さくなった。
どうせFワードでもわめき散らしたのだろう。
レヴィの言葉は、半分以上が下品極まりない放送禁止用語だ。

「とりあえず、お前さんもこっちに来てくれ。俺だけじゃどうにも埒があかん」
ロックは男の後に続いて治療室に入り、診察台に仰向けに寝ているレヴィのそばに立った。
「……レヴィ、おとなしく治療を受けてくれ。この人はちゃんと医者だよ。
ちゃんと免許もある。害になるようなことはしないから」
言い含めるように見下ろすと、レヴィはまだ返り血のついた顔をしかめた。
「医者だってんなら、ウィリアム・パーマーだって医者だったぜ。
──こいつ、訳分かんねェことしやがるんだよ。何言ってんのかも分かんねえし……」
レヴィはロックの方に身を寄せて、ちらちらと男の様子を窺う。
「大丈夫だから。そうやって抵抗してる方が危ないよ。俺がここにいるから、おとなしくしてくれ」
ロックがここにいれば妙なこともしないだろうし、言葉も通じる。
レヴィはそれで不承不承黙った。
464ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:55:04.71 ID:9cPFLS1t

「──いいか?」
レヴィが静かになったのを見て、男が診察台に近寄ってきた。
「……ったく、手でも握っててやれ」
不機嫌そうに吐き捨て、男はレヴィの診察台を挟んでロックとは逆側に立った。
引き寄せた金属製のワゴンの上で、カチャカチャと器具を準備する音がした。

「あー、レヴィ、……手、握ってようか……?」
ためらいがちに訊ねると、
「いらねェよ、バカ」
即座に否定の言葉が返ってきた。

「……いらないって」
向かい側に立つ男へ曖昧に笑ってみせると、男は無表情でじっとロックを見つめた。
高い位置からこわもてに見下ろされると、それだけで迫力がある。
どうしてそんなに俺のことまで睨むのだろうとロックが思っていると、
数秒の沈黙の後、ようやく男は口を開いた。
「お前──」
何でしょう、と次の言葉を待つと、低い声が降ってきた。
「モテないタイプだろ」
「──は!?」
確かにそれは当たっているが、どうしてこの場で指摘されなければいけないのか。
しかも今それとどんな関係が?
思わず間抜けな声を出したロックに、男は心底苛々するといったようにレヴィの手を指した。

「そういう時は誰かに言われる前に握ってやるんだよ! 本人に訊く奴があるか! 
しかも『いらない』とか言われて素直に受け取るな! つべこべ言わずにさっさと握れ!」
男の剣幕に押され、ロックは慌ててレヴィの頭の脇に投げ出されていた片手を握った。
「──ンだよ、いらねェよ」
レヴィはむず痒そうにもぞもぞと手を動かしたが、振り払いはしなかった。
「そうだよ、最初っからそうしてればいいんだ」
男はぶつぶつ言いながら、ロックが握っているのとは逆のレヴィの片腕をまくると、
肘の上で駆血帯を手早く結び、注射針を刺し込んだ。
「──てッ、何を……」
レヴィが仰ぎ見た時にはもう、男は注射器を片づけ駆血帯を取り外していた。
「心配するな、鎮静剤だよ。嬢ちゃんは興奮しすぎだ。しばらく寝てろ」
「……クソ」
そうしている間にも、レヴィの体からは段々と力が抜けてくる。
瞼が緩慢に上下したかと思うと、数分後には完全に落ちていた。

「まったく、注射一本まともに打てやしない」
男がぼやいて、治療台のそばの照明をつけた。
「さて、今度は本当に出て行ってもらおうか」
「──え?」
「お前さんも酷い顔だぞ。貧血でも起こされたらかなわん。俺は二人も治療するのは御免なんでね」
さあ出てった出てったと追い出され、ロックはまた元の待合室に戻った。

ドアを開けて出ると、部屋の隅で寝ていた犬がぴくりと顔を上げたが、
ちらりとロックの姿を確認すると、また元の通り前足に顔を乗せて眠り始めた。
待合室ではストーブの円柱状の中心が濃いオレンジに色づいて、室内を暖める。
ソファーに座って薄汚れたガラス越しに外を見やると、牡丹雪に近くなった雪が降り続いていた。
綿のかけらのような結晶がガラス窓に雪がぶつかって、ほつほつと音を立てる。
ドアの向こうの治療室は静かだ。
待合室には石油ストーブの音だけが、やけに大きく漂っていた。
静かに眠る犬を横目に待合室を見まわしてみると、小さなラックに数冊の週刊誌と新聞が放り込まれていた。
客のためというより、男の古新聞置き場なのかもしれない。
しかしロックはそれを読む気にもなれず、ただレヴィの治療が終わるのをじっと待った。
465ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:55:50.10 ID:9cPFLS1t

次に治療室のドアが開くまでの時間は、ひどく長く感じられた。
一時間にも二時間にも思えたが、実際には数十分のことだったのかもしれない。
鈍い銀色のノブが回ってドアが開いた時、ロックは瞬間的に立ち上がっていた。
「──どうですか」
ドアから出てきた男に駆け寄ると、男は「まぁ落ち着け」とロックを押し留めた。
ソファーに座るようロックに促し、自分もどさりと腰かける。
「処置はした。骨にも筋肉にも腱にも異常はない。この先脚が動かなくなるなんて心配はないだろうよ」
「そうですか……」
恐れていた最悪の事態には至らなかったことに、ロックは長いため息をついた。
「縫って、破傷風の注射も打っておいたが」
「ありがとうございます」
「しかしな、あれを縫わないで済まそうなんて、正気の沙汰とは思えんぞ。
この程度で済んだのは運がいいが、それでもあのまま放っておいたら感染症にかかるかもしれん。
……ったく、気合いだの愛だので治っるんだったら医者はいらん」
「……はい、本当に、ありがとうございます」
「ま、見るからに医者に行けない事情がありそうだが」
そこまで言うと、男は立ち上がった。
奥に消えたかと思うと、しばらくの後、大ぶりのマグカップをふたつ持って帰ってきた。
「ほれ、飲め」
差し出されたカップを受け取ると、熱いコーヒーがなみなみと入っていた。
「ありがとうございます」
顔を近づけると、湯気が顔を撫でる。コーヒーの深く香ばしい匂いがした。
「あの、レヴィは……」
「──ん? あの嬢ちゃんのことか?」
ロックが訊ねると、男がマグカップに伏せていた顔を上げた。
しまった、名前は出さない方がよかっただろうかと思ったが、男は気にしない風で治療室のドアを開けた。
「まだ寝てる。ベッドに移動させておいたぞ」
開いたドアの隙間からは、ベッドに横たわって白い上掛けをかけられたレヴィの姿が見えた。
まだ顔色は悪く、血のついた頬は皮膚の下から黒ずんだ青が透けている。
「そろそろ目が覚める頃なんだがな。かなり消耗してるんだろう」
起こさない方がいい、とソファーに座って脚を組む男に、ロックも頷いて熱いコーヒーをすすった。
湯気が目の縁まで届いて、冷えた食道を熱い液体が流れて胃に到達するのが分かった。
466ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:57:13.33 ID:9cPFLS1t

深いため息をついて顔を上げると、いつの間にか黒い犬が男の側にやってきて、顎の下を掻いてもらっていた。
随分と立派な図体をしているのに、男に掻いてもらって目を細めている様は微笑ましい。
「あなたは──」
「うん?」
男は犬から目を逸らさずに返事をした。
「どうして、俺たちを助けてくれたんですか」
「医者だからさ」
面倒臭そうに、男は短く答えた。
「……それだけですか」
重ねて訊ねると、男はようやくロックの方に顔を向けた。
「納得できないって顔だ」
「──ええ」
「面倒は御免だったからだよ」
男はマグカップを口に運び、ずず、とコーヒーをすすった。
「どういうことですか」
ロックが正面から見据えると、男はゆっくりとカップを下ろした。
「第一に、俺の家の前にいられると邪魔だ。第二に、警察沙汰は御免だ。
──大方気づいているだろうが、俺の患者は警察が嫌いな奴ばかりでね。
背中に龍をしょってるようなお客さんばかりがやってくる。
警察に踏み込まれたとあっちゃ、商売あがったりだ。
それなら早いとこ歩けるようにしてやって、とっととご退散頂けた方がありがたい」
ロックは曖昧に頷いた。
人目を避けるように建っている病院も、看板ひとつ出していない出入り口も、
物騒な傷に慣れているこの男も、確かにそれなりに頷ける状況ではある。

「でも──」
それでも釈然としない気持ちを抱えて言い淀むと、男は薄い唇を歪めた。
「まぁ、後は」
今度は犬の眉間を指でこすってやりながら、続ける。
「こいつが吠えなかったから、かな」
犬はうっとりと目を半分閉じて男の手に額を寄せる。
短いしっぽが床の上でゆっくりと左右に揺れた。

「その犬、雑種ですか?」
「ああ、多分な。拾った頃はもっと小さかったんだが、いつの間にかこんなにデカくなりやがった。
ドーベルマンだかの血でも入ってるんだろ。ラブラドールあたりも混ざってるかもしれんが」
男の手は大きく骨張っているが、犬を扱う手つきは穏やかだ。
犬はすっかり信用しきっている様子で、ぐいぐいと頭を男の手に押しつけ、「もっと」とせがんでいる。
「いつもこんな感じなんですか?」
「ん? いつもは奥の部屋にいる。診療所の方には入れないんだが、──まぁ今日は特別だ」
「……随分おとなしいんですね。この犬が本当に指を……?」
食いちぎるなど、今こうして男にすり寄る姿からは想像もつかない。
ロックが信じられない思いで見ていると、男はあっさりと言った。
「ああ、あれは嘘だ」
「──は? 嘘?」
「こいつ、図体だけは立派だが、やけにおっとりした性格でね。
まぁ、ああ言っとけば気の立った野良猫に取って食われることもないと思ってね」
男は少しも悪びれずに言う。
「……はぁ」
「しかし、番犬としては優秀だ。招かれざるお客さんには必ず吠える。
……けど、なぜかお前さんがたには吠えなかったな」
次は耳の後ろもお願いします、と首をかしげた犬のリクエストに応えて、男の指が黒い頭の上を移動する。
「こいつが吠えてたら、問答無用で表の通りに蹴り出してたさ」
長い指で犬の耳の後ろを掻いてやりながら、男はマグカップを持ち上げて残ったコーヒーを飲み干した。
467ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:58:11.06 ID:9cPFLS1t

「……それにしても」
何かを思い出したように男がくすりと笑った。
「あの嬢ちゃんはものすごいな。野良猫というよりケルベロスだな、あれは」
路地裏でのレヴィの様子を反芻しているのだろう、男は小刻みに肩を震わせる。
「お前さんに手を出したら殺す、って形相だったな。まったく、手負いの獣ほど厄介なものはない。
あんなのとやり合わずに済んで、心底ほっとしてるぞ」
そうやって笑っていられる男の神経もなかなかのものだ。
一緒になって笑う気にもなれずに、ロックはコーヒーの入ったマグカップに顔を伏せた。

その時、男の手に身を任せていた犬がぴくりと何かに反応した。
顔を上げて治療室の方をじっと見つめたかと思うと、
すっくと立ち上がって治療室へ続くドアの方へ歩いていく。
半開きになったドアの隙間から鼻先を入れようとする犬に向かって、男は
「おいおい、そっちへは入るなよ」
と言い、ソファーを立ってドアの向こうを覗き込んだ。

「──お」
ドアの向こうに突っ込んだ首を戻して、男はロックに片頬で小さく笑ってみせた。
「お目覚めのようだぞ」
ロックはすぐさま立ち上がった。
男と犬の間から割り込むようにしてドアをくぐり、ベッドに横たわっているレヴィの元へゆく。
「レヴィ、大丈夫か」
声をかけると、レヴィはロックの方へゆっくりと顔を向けた。
「………………ロックか」
かずれた声が応える。
「気分は?」
「ん…………」
レヴィはまだ朦朧としているような表情でゆっくりとまばたきを繰り返した。
頭も瞼も重いのだろう、小さくため息をつくと、
薄い上掛けの下にあった手をのろのろと出し、そして目をこすった。

「おい」
後ろから声をかけられて振り返ると、
ドアの向こうから、男がコートを着込みながら治療室を覗いていた。
「俺はちょっと出かけてくる。嬢ちゃんはもうちょっとそこで寝てろ。いいな」
それだけ言うと、男は慌ただしく出ていった。
バタン、と大きく玄関の扉の閉まる音がして、後は静かになった。
468ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 21:59:50.51 ID:9cPFLS1t

治療室の中にもストーブがついていた。
部屋を暖める低い音だけが絶え間なく流れる。
埃っぽい熱がロックのところまで漂ってくるが、部屋の隅からはしんしんと冷気が忍び寄る。
「痛む?」
ロックはレヴィの顔を覗き込んだ。
「……いや」
レヴィは小さく首を振った。
「あんま感覚がねえ」
糊のきいた上掛けの下で、もぞ、と体が動いた。
「きっと麻酔がまだ効いてるんだ。大きな損傷は何もないってさ。ちゃんと元通りに治るって」
「……だから言ったんだ、医者なんかの世話にならなくたって問題ねェって」
「そんな軽い怪我でもない。縫わないといけなかったんだから。……とにかく、これでよかったんだ」
レヴィに言い含めたいことは山ほどあったが、ロックは無理矢理飲み込んだ。

「とりあえず今は休んで。眠れたら眠った方がいい」
ロックの言葉にゆっくりとレヴィの目が閉じていったが、ややあって、また開いた。
「……あいつは?」
訊ねられてから、レヴィはあの男の言った日本語が分からなかったのだと気づいた。
「ちょっと出かけてくるって。もうちょっと寝てろって──、レヴィ?」
言い終わらないうちにレヴィが起き上がり出したので、ロックは慌てた。
「どうしたんだ、レヴィ。まだ寝てるんだ」
肩を掴んで寝かせようとするが、レヴィはロックの手を振り払った。
「寝てろ? 馬鹿言うな。とっととズラかるぞ」
言って、体の上にかかっていた上掛けを引き剥がす。
「待てよ、レヴィ。どうしたんだ、いきなり」
「いきなりもクソもない。あいつはどこに行ったんだ」
「どこって──」
「言わなかったか。──ふん、どうせ今頃は警察かお仲間のところだろうぜ。
このままここにいりゃ、アホ面晒してそいつらとご対面ってわけだ」
ベッドの端から脚を下ろして床に降りようとするレヴィを、ロックは必死で押し留めた。
「待てって。あの人はそんなんじゃないよ」
「そんなんじゃない? あたしの知らないうちに随分と仲良くなったみてェだな。
うまい具合に丸め込まれたか」
「違うったら。お願いだから今は待ってくれ。レヴィが思ってるほど軽い怪我じゃないんだぞ」
しかし、レヴィはきかない。
「大丈夫かどうかはあたしが決める。ロック、ここにいたけりゃここにいろ。あたしは行く」
ロックの体を押しのけて床に降り立ち、自由にならない脚を引きずって歩き出す。
「……分かった。分かったから、レヴィ」
こうなったらレヴィは意地でも出て行くだろう。
彼女ひとりで行かせることだけはできない。

ロックはレヴィに肩を貸してソファーに座らせ、カトラスごと取り外していたホルスターを拾い上げた。
まだ乾いていないコートをレヴィに手渡す。
ロックも自分のコートを着込んでいると、
部屋にいた黒い犬が「お出かけですか?」というようにレヴィのそばまでやって来た。
怪我をしているのが分かっているのか、飛びつきはしない。
その疑いのない様子を見ていると、この犬の主人を裏切ろうとしていることに罪悪感が沸き上がってくるが、
レヴィの目に迷いはない。

ロックは尻ポケットから財布を取り出し、万札を五枚ほど抜き出した。
この治療費の相場がどれほどのものかは分からないが、これだけあれば充分だろう。
ロックは周囲を見まわし、下駄箱の上に重ねた万札を置いた。
ガラス製の灰皿で重しをして、ソファーに座ったレヴィに肩を貸すために戻る。
その時、犬がうぉんと一回吠えた。
それと同時に、玄関のドアが開く音がした。
469ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/05(火) 22:03:18.95 ID:9cPFLS1t

ロックが振り返ると、そこには、たたんだばかりの傘を手にした男がいた。
もう片方の腕には松葉杖を一揃い抱えている。
男はロックとレヴィの様子を見、それから下駄箱の上の金に目を留め、それで全てを諒解したらしかった。
「……多すぎる」
下駄箱の上の金を数えて、男が顔をしかめた。
札を指でつまみ、不機嫌そうな顔をしてロックの隣にやってくる。
そして眉間に皺を寄せて三枚数え、残りの二枚をぽいとソファーに放った。
「これは治療費、これは薬代、残りの一枚は口止め料。──そうだろ?」
手元に残った三枚の万札を、一枚一枚示して男は言う。
ロックが気まずい思いで見返すと、男は松葉杖を乱暴に寄越した。
「受け取れ。それから、薬の受け取りがまだだぞ」
そして、懐から白い紙の袋を取り出した。
その袋を傾けると、中からは錠剤のシートが滑り出た。
「これは化膿止めの抗生物質。こっちは胃薬だ。どっちも一日三回、毎食後にのめ。
こちらは痛み止めだ。痛くなったらのめばいいが、ま、数日間は痛みが出るだろ。予めのんどけ。
抗生物質と胃薬だけはここにある分、全部のみ切れよ。
あと、アルコールは禁止、風呂も今日明日は禁止だ」
男は説明を終えるとシートを袋に戻し、ロックに押しつけた。
「──あの、ありがとうございます。それから、……すみません」
薬の袋をコートのポケットにしまいながら、ロックは言った。
「ふん、どうせ止めたって行くんだろ。勝手にしろ。長々と居座られても困る」
男は無愛想に吐き捨て、煙草を取り出して火をつけた。

外はまだ雪が降っていた。
日は完全に暮れて、気温も一段と低くなっている。
玄関の扉を開けると、夜の中、冷たくなった草や土が白く染まっていた。
「お前さんたちも物好きだな。こんな雪の中出て行くとはね」
唇の端に煙草を引っかけて男が言った。
レヴィに松葉杖を渡し、ロックは男にもらった黒い傘を広げた。
「本当にありがとうございます。……それから、あの、俺たちのことは……」
「分かってるさ。俺みたいな仕事の奴は、忘れっぽいことが何より重要だからな」
「──恩に着ます」
浅く一礼して顔を上げると、男は薄い唇を片側だけ歪めた。
「忘れてほしくなったら、また来な」

もう一回礼をして、ロックは男に背を向けた。
両手で松葉杖をつくレヴィに傘をさしかけ、歩調を合わせる。
細い路地に入るところで振り返ると、開いた玄関にもたれた男が、とっとと行けというように手で払った。
その足元には黒い犬がいた。
男の脚にぴったりと寄り添い、ロックとレヴィの後ろ姿を見ている。
家の中の明かりが開いたドアからあふれ、男と犬の姿は黒いシルエットのように浮かび上がった。
煙草の光が男の口元でじんわりと明るくまたたく。
ロックは目礼を送り、男の家を後にした。




470名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 22:20:40.69 ID:axZlw4zc
なんという展開…
レヴィ…レヴィ…
471名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 23:00:09.35 ID:UowOY8T1
大人しい犬さんとケルベロスなレヴィに萌えが止まらないんだが
両方飼いてえ…
472名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 00:46:47.75 ID:IIWrgiND
すげえ・・光景がありありと目に浮かぶ
医者と犬のキャラの立ち方もいいな〜雪の湿気とか病院の匂い感じる
んで石油ストーブ懐かしいなー^^
473名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 07:38:59.62 ID:9n9TTTlJ
すげえ…どんどん引き込まれてく
ここからどうエロに繋げるかwktk
474名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 21:17:25.61 ID:XvmK11qP
続きが楽しみすぎて夜も眠れない
475名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 01:20:39.31 ID:SczupDNe
祝神との再会
手負いの獣を舐める黒い犬萌え!獣×獣はやはりいいのう
医者エロかっこいいぜw
476名無しさん@ピンキー:2011/04/07(木) 20:26:31.13 ID:TqjA5UwE
ロック以外には狂犬なレヴィが愛しすぎる
477ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 21:55:30.78 ID:YU4Hilki

>>469の続き

*本投下分に本番なし


478ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 21:57:34.50 ID:YU4Hilki


 * * *

「にしても、怪しいおっさんだったよなァ」
自分のベッドで仰向けに寝転がったレヴィが、
三角に立てた脚を組み、上になった右脚の膝から下をぶらぶらさせながら言った。
「でも、意外といい人だったじゃないか。腕もよかったみたいだし」
ロックはゆらゆらと揺れるレヴィの右脚に目をやった。
脛に残った傷跡は白く残っているが、膿んだりすることもなく綺麗にくっついた。
「ふん、そんなの結果論だぜ、ロック。
試合が終わった後からなら、五歳のガキだってスコアレス・ドローを言い当てられるぜ」
「それはそうだけど……」
ロックはテーブルの上に置いてあったバカルディのボトルを取ってグラスに注ぎ、レヴィに差し出した。
「飲む?」
「ん」
レヴィは寝そべった体を少し起こして、グラスを受け取った。

「俺はもうちょっとあそこで休ませてもらった方がよかったと思うんだけどな」
ロックは自分の分のグラスにもバカルディを注ぎながら言った。
「どうだか。あのおっさんが通報しなくても、じきにお巡りが踏み込んできてたかもしれねェぞ」
「それはそうかもしれないけど」
ロックは、後ろに肘をついてグラスを煽るレヴィを横目に続けた。
「それを言うならあんな時間に外をうろうろしてる方が危険だったかもしれないじゃないか。
碌に走れもしない状態だったのに」
「うるせェな、見つからなかったんだからオーライなんだよ」
「……それは『結果論』とは違うのか?」
「違うね」
とん、とレヴィは飲みかけのグラスを枕元のサイドデスクに置いた。
「『結果オーライ』って言うのさ」
そして、唇の端を片方だけ上げてにやりと笑う。

ロックは思わず小さく笑ってしまった。
「──勝手だなぁ」
手の中のグラスを傾けて少しだけバカルディを舐め、テーブルの上に置く。
「俺の気も知らないで」
ベッドの枕の方へ顔を向けると、レヴィは後ろに肘をついた中途半端な姿勢のままロックを見ていた。
ロックはあの日のことを思い出しながらつぶやいた。
「必死だったんだぞ」


 * * *


最初の曲がり角で振り返ってみると、出てきた路地はもう雪と闇の中に消えていた。
「レヴィ、こっちだ」
歩きにくそうに松葉杖をつくレヴィの背中を、ロックは促した。
「……ちょっと歩くけど」
「何だよ、どこか行く当てでもあんのか?」
ロックは傘を傾けて、中空を見上げた。
白くけぶる雪の中、高層ビルの群れがぼんやりと闇に浮かび上がり、発光していた。
新宿副都心が近いことは分かっていた。
「──ああ、一応」

行く先は、歌舞伎町だった。
479ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 21:59:36.82 ID:YU4Hilki


大きなビル群はすぐそばに見えても、歩くとかなり距離がある。
ようやく目指す歌舞伎町にたどり着いた頃には、寒さと疲労とでへとへとになっていた。
今にも警官と行き合うのではないか、後ろから呼び止められられるのではないかと神経を張っていたせいで、
距離は何倍にも感じた。
ロックの疲労もさることながら、レヴィは限界に近かっただろう。
ただでさえ消耗しているところにこの寒さだ。
最後には息が上がって、松葉杖で何とか体を支えているようなものだった。

歓楽街に近づくと人が増える。
歌舞伎町は夜になると目覚める街だ。
そこに行き交う人びとは他人になど目を留めない。
訳ありげな他人を興味深げに見つめたりしないのがこの街のルールだ。
地味なスーツ姿の男と松葉杖をついた女など、簡単にその中に紛れ込める。
ロックは歌舞伎町のはずれ、ありとあらゆるカップルが行き交う一帯に足を向けた。
皆、示し合わせたかのように他の連れ合いとは目を合わせない。
通りに立ち並ぶ建物は、やけに派手なネオンサインを色とりどりにきらめかせる。
ロックは適当にあたりをつけて、そのうちのひとつの前で立ち止まった。
「レヴィ、入ろう」
「──ここにか?」
レヴィはリゾートホテルのような外観の建物をちらりと見上げてから、戸惑ったようにロックを見た。
「ああ、ホテルだよ。野宿するわけにはいかないだろ」
「──でも、何かすげェぞ、ここ。泊まれんのか? あたしそんなに金持ってねえぞ」
「大丈夫だよ」
ここはそんなに金持ってなくても泊まれるホテルなんだよ、
予約も記帳もいらないし、おまけに誰とも顔を合わせないで済むんだ、
とは心の中だけで、ロックはさっさと傘をたたんでエントランスに足を踏み入れた。

中に入ると、薄暗いロビーに大きなパネルが点灯していた。
カウンターには小さな穴が開いているだけで、人の気配は薄い。
「……何だここ」
一種異様な雰囲気にレヴィが警戒したようにあたりを見まわしたが、
ロックはシッと静かにするようサインを送って、パネルの中から適当な部屋を選んでボタンを押した。
カウンターに寄ると、小さな小窓から鍵が差し出される。
ロックは無言で金を払って鍵を受け取った。
「行こう」
エレベーターにレヴィを誘導し、迷わず乗り込む。
レヴィからは物問いたげな視線を感じたが、ロックはあえて気づかないふりをした。
エレベーターを降りると、電飾が光って案内をしてくれる。
今までのホテルとは明らかに違う様相にレヴィが戸惑っているのが手に取るように分かったが、
ロックはずんずんと先導して、鍵に示された番号の部屋を開けた。
「レヴィ」
ここだよ、と招いてドアを閉める。
480ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:02:07.34 ID:YU4Hilki

部屋に入って鍵をかけてしまうと、ようやく緊張が解けた。
ほっとしたのはレヴィも同じだったのだろう、大きく息をついて、低い上がりかまちの部分にへたり込んだ。
「もう大丈夫だ」
レヴィは緊張がほどけた途端、疲労も思い出したようだった。
ロックの言葉にも反応せず、松葉杖を放り出して横の壁にもたれかかった。
麻酔が切れてきたのか、右脚に巻かれた包帯の近くを手で押さえている。
ロックは靴を脱いで部屋に上がり、暖房の設定温度を上げた。
「レヴィ、靴脱げるか。そっちは寒いから、こちらへ」
うずくまる背中に声をかけると、レヴィはのろのろとブーツを脱ぎ始めた。

にじるようにして移動してきたレヴィは、部屋を見るなりぽかんと口を開けた。
「………………何だこりゃ」
レヴィの目は、部屋のど真ん中に据えられたキングサイズのベッドのところで固まっていた。
「ごめん、こういう部屋しかなかったんだよ。ツインじゃないけど、我慢してくれ」
ここは主に男女が性交を目的として滞在もしくは宿泊する施設なんだよ、という説明などできるわけがない。
ロックは嘘にならないぎりぎりのラインでごまかした。
「ここは誰かと顔を合わせることもほとんどないし、記帳もしなくていいんだ。俺たちの身分なんて、誰も気に留めないよ」
「あ、ああ……」
レヴィの求めていた説明と微妙にずれていることは分かっていたが、
レヴィの方も細かいことにこだわっていられるだけの元気が残っていなかったのだろう、
それならいいんだ、という風に頷いた。

ロックはバスルームに行って洗面器にお湯をくみ、洗面所でタオルを熱い湯で濡らして絞った。
「レヴィ、今日は風呂に入らない方がいい。ここに足つけて」
傷口を濡らすのはまずいが、レヴィの体は冷え切っている。
ロックは湯をはった洗面器をレヴィの足元に差し出した。
レヴィは湯に目を落とすと、
床に座ったままスカートの下から手を突っ込んで、腰に残っていたストッキングを引き下ろした。
右脚の方はほとんど残っていないが、怪我をしていない左脚の方はまだ黒い化繊が覆っている。
レヴィは輪になったウエスト部分を引きちぎり、左脚からストッキングをするすると剥いでいった。
黒いストッキングの下から、贅肉のない太もも、膝、脛が現れる。
両脚とも素足になってしまうと、レヴィは足をちゃぽんと湯につけた。
くるぶしのあたりまでが湯に沈む。
真っ赤になった足先が、水の中で揺れた。

「どう?」
「……熱い」
「そんなに熱くしたつもりはなかったんだけどな……。水足そうか?」
足が冷えすぎていたため、熱く感じるのだろう。
立ち上がろうとしたが、レヴィは首を横に振った。
「いや、いい」
そして、足先をぱしゃりと小さく水面から出して、また沈めた。
洗面器の水面が波立つ。
ゆらゆらと揺れる水の下に、赤くなった肌と血色の悪い爪が見えた。

ロックは熱く絞ったタオルを広げて、レヴィの顔を拭いた。
まだ残っていた返り血をぬぐう。
完全に乾いてしまっていて取れない血の跡を更にこすろうとすると、レヴィの手が遮った。
「貸せ」
レヴィはロックの手からタオルを奪って広げ、乱暴にこすった。
頬、鼻梁、額、あちこちをごしごし拭いてからタオルを広げ、顔全体をうずめる。
熱気が気持ちよいのか、レヴィはじっとタオルを顔に押しつけて、大きく息を吐いた。
481ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:04:10.45 ID:YU4Hilki

ロックは足拭きタオルを持ってくるのを忘れたことに気づき、洗面所に取って返した。
リネン類の入った籠から乾いたタオルを一枚取る。
そして部屋に戻ると、レヴィは黒革の指出しグローブを外して、両手も洗面器の中につけていた。
膝を折りたたんで体の方に寄せ、セーターを少しまくった手を足の隙間に突っ込んでいる。
両手両足を洗面器につけたレヴィは、やけに小さくまとまっていた。
そのちんまりとした姿がおかしくてつい笑ってしまうと、レヴィはむっとしたようにロックを睨んだ。
「……んだよ」
「いや、別に」
ロックは笑いをこらえて乾いたタオルを脇に置き、代わりに先ほどレヴィの顔を拭いた濡れタオルを手に取った。
たたんであったタオルを開いて新しいところを表に出し、レヴィの髪に寄せる。
雪の中で路地裏に転がっていたせいで、レヴィの髪には湿った土のような汚れがついていた。
ところどころ髪の毛が汚れで固まり、束になっている。
ロックは、後ろで一つに結んであるレヴィの髪をほどいた。
広がった髪をほぐし、汚れているところをすくい上げて、タオルでくしゃりと揉み込む。
適当な束を取って毛の流れに沿って撫で下ろし、また包み込む。
レヴィの栗色の髪が、温かいタオルの中でしんなりと湿り気を帯びた。
「シャワー浴びたいと思うけど、今日はやめておいた方がいい」
「……ああ」
レヴィは膝を立てたまま青白い顔で頷いた。
その顔からは、シャワーを浴びるよりも早く横になりたい疲労が見て取れた。

ロックは髪の毛から汚れをざっと拭き取ってしまうと、今度はレヴィの正面へまわった。
洗面器の前に跪いて、レヴィの足がつかっている湯の中に濡れタオルを沈ませる。
湯の中でふくらむタオルにたっぷりとお湯をふくませ、レヴィの脛に向かって引き上げる。
膝から真っ直ぐに通ったレヴィの脛骨の上に這わせると、
絞っていないタオルからあふれた湯がこぼれ、レヴィの脛を透明に伝った。
ぽしゃぽしゃと、こぼれたお湯が洗面器の上で音をたてる。
足首まで這い下ろしたタオルを湯につけ、また脛へ。
タオルで湯をすくい上げるように滑らせる。
脛を撫で下ろし、裏側のふくらはぎにも、くるりと手をまわす。
繰り返すと、渇いた血の跡も段々と流れ落ちてくる。
レヴィは膝を立てたまま、じっとロックの手の動きを見ていた。

包帯が濡れないあたりまでを念入りに流すと、ロックは濡れたタオルを絞って脇に置いた。
そして、湯につかっていた脚を一本、ふくらはぎから持ち上げる。
ぱしゃ、と足から水がこぼれる。
ロックは、皮膚全体が真っ赤になったレヴィの足を丁寧にタオルで拭いていった。
細い骨が浮いた足の甲から、つま先、足の裏、そして、くるぶし。
アーチを描いた土踏まずをなぞり、掌にすっぽりと収まる踵を包み込み、細く浮き上がったアキレス腱のくぼみに指を沈める。
レヴィはタオルの中で、くすぐったそうに足をもぞもぞさせた。
ロックはその足首を掴んで、足の指を一本一本拭いていった。
「我慢して」
レヴィの足の爪は親指だけが縦長で、あとの指は貝殻のような形をしていた。
ちょっと湯につけていた程度ではまだ血の巡りは戻らないだろうが、
先ほどの黒ずんだ紫色に比べると、いくらかはましな色になっていた。
482ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:06:17.62 ID:YU4Hilki

ロックはもう片方の足も拭いてしまうと、備えつけのガウンのような浴衣のようなパジャマのような、
多分そのどれでもない、寝巻きとして使用するものと想定されている着物をレヴィに差し出した。
「微妙」としか言いようのない代物だが、洋服のまま寝るわけにもいかない。
「レヴィ、これに着替えて」
手渡して、レヴィが着替えている間に洗面器の湯を捨てに行く。
バスルームの洗い場で水を流し、洗面所でゆっくりと温かい湯で顔を洗ってから戻ってみると、
レヴィは先ほど渡した妙な寝巻きを着ておとなしく座っていた。
男女兼用のせいか変に肩のあたりが余っているくせに、丈は足りない。
まるで手術着のような寝巻きは珍妙なことこの上ないが、こんなもの似合う人の方が少ないだろう。

ロックはレヴィに手を貸して立ち上がらせた。
肩を貸してベッドへ向かおうと、背中の方から脇に手をまわした時だった。
何の気なしにまわした手が、ふとやわらかいものに触れた。
ふわ、と思いがけず指が沈んだ。
予想外の感触に、ロックは思わず手を離してしまいそうになった。
コートの上から手をまわした時と同じ感覚で手を伸ばしたが、薄手の布越しに触れた感触は全く違うものだった。
吸い込まれるようにやらわかく、そしてほのかに温かい。
布越しに、レヴィの肌の、レヴィの乳房の感触がはっきりと分かった。
指先から、今レヴィはこの布の下に何もつけていないのだということが嫌というほど伝わってきて、
ロックは慌てて手をずらした。

平静を装ってベッドにたどり着いたところで、ロックは薬の存在を思い出した。
「レヴィ、薬のまないと」
「──ああ」
さっそくベッドの中にもぐり込もうとしていたレヴィも、思い出したように顔を上げた。
「一日三回、毎食後って言ってたけど──、困ったな、まだ食事買ってきてないや」
「別にいらねェよ」
レヴィは全く気にしない風だが、空きっ腹に薬は避けたい。
一度外に出て買ってくるつもりだったが、レヴィは今にも眠りたい様子だ。
何かないかと冷蔵庫を開けてみると、数種類の飲み物に混ざってカロリーメイトが入っていた。
有料だが、後で精算すればよい。
ロックは水のボトルとカロリーメイトを取り出した。
「とりあえずこれ食べてから薬だ」
レヴィはベッドの上でもそもそと旨くもなさそうに細長いショートブレッドを一本食べ、
残りは枕元の台の上に乗せた。
水で薬を飲み下すのを見届けて、ロックは横になったレヴィに羽布団をかけた。
「俺、ちょっと外に出て買い物や洗濯してくるよ。ダッチにも連絡しないといけないし。
部屋空けるけど、ここにいてくれよ。鍵持って行くから、出て行ったりしないでくれよ」
分かったと頷くレヴィに、くどいくらい言い含め、ロックは脱いだレヴィの服をかき集めて部屋を出た。
483ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:08:19.72 ID:YU4Hilki

ホテルの外に出たロックは、まずコインランドリーを探し、レヴィの服を突っ込んだ。
血と泥で汚れてしまい、完全に綺麗にはならないだろうが、洗えばまた着られるくらいにはなるだろう。
洗っている間にラグーン商会へ連絡を入れ、偽造パスポートを送ってもらう算段を整える。
電話口に出たのは同僚のベニーだったが、予定外の事態にも根掘り葉掘り事情を問い質すことなく、
あっさりとパスポートの件を請け合い、ボスのダッチに伝えておくと言って電話を切った。
ロックは洗い上がった服を乾燥機に移し換えて、今度はコンビニへと向かった。
レヴィは食欲がないようだったし、今夜は寝ていただろうが、次の日の朝食が必要だ。


コンビニは白々と輝き、その明るい蛍光灯の下、均一にパッケージングされた製品が整然と並んでいた。
半日ほど何も食べていなかったにも関わらず、ロックはそれを見てもちっとも食欲が湧かなかった。
しかし、適当にいくつかのおにぎりを取ってカゴの中に放り込む。
途中、インスタントの味噌汁が目に留まり、これもふたつ放り込んだ。
お茶のペットボトルを一本と、男性用と女性用の下着、靴下を一揃えずつ。
コンビニは便利だ。
生活に必要な最低限のものは一通り揃い、誰が何を買っていても注意を払う者はいない。
煌々と輝く蛍光灯は積み重ねられたカップ麺の隙間までをも明るく照らし、
コンビニの中にはひとかけらの闇も存在していない。

その時突然、何の前触れもなく、もうロックはこの世界の住人ではないのだという事実が
雪崩のように押し寄せてきて、ロックは思わずその場に立ちすくんだ。
こうして慣れた風におにぎりをカゴに入れながら、同じ手軽さで偽造パスポートを手配する。
警察に怯え、名前も住所もない。戸籍だって定かではない。
決定的に違うのだ。ここで買い物をしている多くの人と、ロックとは。
このコンビニの中にある明るさは、もうロックのものではない。

ふいに、周囲にあふれるまぶしすぎる光がはじけて、ロックは目の前が暗転するような感覚を覚えた。
目の前の景色が黒く消えてゆき、店内に流れるアップテンポのJ-POPが遠のく。
頭の芯が締めつけられるように痛んだ。
目の奥も棒をねじ込まれたように疼く。
ロックは目と目の間を指で押さえ、眩暈のような波が引くのを待った。

しばらく経ってから目を開けてみると、そこは元の通り、のっぺりと明るいコンビニだった。
誰一人としてロックに関心を払うことなく、棚の間を歩きまわり、雑誌を立ち読みする。
ロックは何度か軽く頭を振るってから、
レヴィの服を入れられるような大きく丈夫な袋を選んでレジに向かい、会計を済ませた。


雪は相変わらず降り続いていた。
路面にもそれと分かるほど降り積もっていたが、降るそばから車がタイヤで乱していくため、
足元は溶けかかった雪でぐちゃぐちゃだった。
ロックはコインランドリーに戻って乾燥の終わったレヴィの服を引き上げると、
排気ガス色に溶けかかった雪を踏み分けながらホテルに帰った。
484ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:10:27.93 ID:YU4Hilki

部屋に戻ってベッドに眠るレヴィを見ると、腰が砕けそうになるほど安心した。
暖房はほかほかと部屋を暖め、レヴィはロックが出た時と同じ姿勢で眠っている。
レヴィがこの部屋を出て行く理由など何もないのだが、それでもレヴィの顔を見た途端、全身から力が抜けていった。
長い一日だった。
ロックはようやく、自分の肩がぱんぱんに張って、足には乳酸がたっぷり溜まっていることに気がついた。

ロックは寝ているレヴィを起こさないよう、そっとバスルームに行って広いバスタブに湯を注いだ。
湯をためている間にレヴィの食べ残したカロリーメイトを腹の中に入れ、
それから、たっぷり湯をはったバスタブで体を温めて髪と体を洗う。
レヴィと揃いの間抜けな寝巻きを着て、さて寝るかと思ったところで、
少々、いや、かなり困ったことに気づいた。

ベッドが、ひとつしかない。

当たり前だ。
この手のホテルでツインなど、聞いたことがない。
先ほどロック自らの口から「ツインじゃないけど」云々とレヴィに説明してはいたが、
あの時は色々と余裕がなかったせいで、実際寝る時のことまで具体的に想像が及んでいなかった。
ベッドがひとつということは、当然ひとつのベッドにレヴィと一緒に寝るという、そういうことなのだが、
改めてその事態に直面するとどうしたらいいものやら、ロックは巨大なベッドの前で立ち尽くした。

ベッドにはレヴィが既に寝ていても更にゆうゆうのゆとりがある。
スペース的には何の問題もない。
今まで泊まっていたホテルはツインルームだったが、今はベッドがひとつしかないのだ。
レヴィとは数日前、初めて肌を重ねた。
ソファーで寝るにしても掛け布団は一枚しかないし、暖房が効いているとはいえ今は冬だ。
おまけにかなり疲れている。
なるべくなら布団をかけてベッドで眠りたい。
諸々の事情を鑑みれば、この空いたスペースにロックが滑り込んでも許されるような状況であるように思える。
しかし、いくら肌を重ねたからといって、たった一回だけで調子に乗っていいものだろうか。
しかもレヴィの許可なく。
485ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:12:29.65 ID:YU4Hilki

ああもうどうしたらいいんだと思わず両手で顔を覆い、はぁとため息をついてその手を離した時、
ロックはその場から飛びすさりそうになった。
手を離したその開けた視界の中で、レヴィがぱっちりと目を開けてロックを見ていた。
「おい」
「──はい!?」
寝ていると思っていたレヴィがいつの間にか目を開けていたことに動揺して、ロックの声は思わず裏返った。
「何やってんだ」
レヴィは布団の中から不審そうにロックを見上げていた。
「いや、その……」
「早く寝ろよ」
そう言われても、ロックは今まさにその問題で困っていたのだ。
「うん、いや、だからね、寝ようとしてたんだけど──」
「だけど、何だよ」
「どこで寝ようかな、と」
「──はァ?」
レヴィは眉間に皺を寄せ、首をかしげた。
「そこで寝ろよ」
言って、自分の隣に並んでいる枕に顔をめぐらせる。
「……いいのか?」
おそるおそる訊くと、レヴィはまた首を戻して、呆れ返ったようにロックを見た。
「駄目だっつったらどこで寝るつもりだったんだよ」
「いや……、ソファーとか……」
「アホか。筋肉痛になりてェのか? んなとこに突っ立ってないでさっさと入れ」
気が散るんだよ、と口の中でぶつくさ言いながら、レヴィは羽布団をめくり上げた。
「ほれ」
促されて、ロックは反対側の端からベッドに入った。
おじゃまします、といった心持ちで羽布団に足を入れ、そそくさと体を伸ばす。
あまりレヴィに近づきすぎないよう枕をずらし、枕元のパネルで明かりを落とす。
真っ暗になる一歩手前のところで止めて、ロックは枕に頭を沈めた。
伸ばした足に、さらさらしたシーツが心地よい。

「おやすみ」
「ああ」
少し間を置いた隣からレヴィの声が返ってきて、衣擦れの音がした。
羽布団を引き上げる音に、身じろぎをする気配。
ふぅっ、と小さくついたレヴィの息が暗闇を揺らした。
互いに目が覚めている間の沈黙が少々気詰まりだったが、それも束の間、すぐにレヴィの呼吸は寝息に変わった。
体の温度が伝わってくる距離ではないが、
ほんの少し向こうでベッドがレヴィの体の重みを受けてへこんでいるのは何となく感じられる。
それを意識すると、肌の奥で神経がわずかに緊張するのを感じたが、
いつの間にかロックも眠りの底へ落ちて行った。
486ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:14:39.38 ID:YU4Hilki


眠りは浅かったのだろう。
「…………ぅ」
ロックはレヴィの小さなうめき声を聞いた気がして目が覚めた。
隣に顔を向けてみると、うす闇の中、ベッドの向こう端でレヴィがロックに背を向けているのがぼんやりと見えた。
後頭部しか見えないが、布団のふくらみ方からして、体を丸めているのだろう。
痛みをこらえるような息にまた小さくうめき声が混ざって、頭がわずかに揺れた。

──痛むのか。

ロックが肘をついて上半身を起こすと、その気配を感じたのか、レヴィはぴたりと静かになった。
「──レヴィ」
小さく呼び掛けても答えはない。
「レヴィ?」
ロックは羽布団をかき分けて近寄り、後ろから肩を掴んだ。
それでもレヴィの反応はない。
手の中の肩をそっと揺らすと、ようやくレヴィが振り返った。
向こう側から、ふたつの開いた目がロックに向けられた。
うす闇の中ロックをとらえ、ゆっくりとまばたきをする。
レヴィの肩は浅い呼吸に小さく上下していた。
視線が交錯する。
一瞬というよりは長く、しばらくというよりは短い時間だった。
開いたレヴィの唇から、かすれた声が漏れた。

「…………やんのか」

──何を?

一瞬本当に意味が分からなくてそう聞き返しそうになったが、
口を開きかけたところで遅れてその意味に気づき、ロックの呼吸は一瞬止まった。

「──やらないよ」

ロックは、詰まった喉からやっとそれだけ絞り出した。
手がレヴィの肩の上で固まっていたことに気づき、ゆっくりと外す。
「そうじゃない」
繰り返すと、レヴィは一転してほっとした表情に変わった。
明らかにそれと分かるほど、顔から緊張が消えた。

そんな風に思っていたのか、そんな風に警戒していたのか、
レヴィがそんなことをできるような状態ではないことぐらい分かっている、
こんな怪我をしてうめいている女に無理強いする趣味はない、
それに、もしその気があったとしても、レヴィが嫌だと言えばやめるのに。
胸の内には言いたいことが山ほど渦をまいたが、ロックは苦い薬を飲み下すようにそれを無理矢理飲み込んだ。
487ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/08(金) 22:17:13.99 ID:YU4Hilki

ロックは部屋を明るくしてベッドから降りた。
「痛む?」
レヴィの顔を覗き込むと、額には汗が浮いて、生え際の髪の毛が張りついていた。
「……ああ、少しな」
クソ、と小さく毒づいて、レヴィはまた横向きに丸まった。
「鎮痛剤が切れたんだ」
ロックは紙の袋から痛み止めの錠剤を出し、水と一緒にレヴィに渡した。
「のんで」
レヴィは仰向けになって体を少し起こし、錠剤を口の中に放り込んで水を煽った。
晒された喉が上下する。
その首筋は、湿っぽく汗ばんでいた。
髪の生え際は熱がこもったように火照り、そればかりでなく頬も赤い。
ロックは水のボトルを受け取って枕元に置いてから、レヴィの額に手を伸ばした。
「熱い」
レヴィの額は熱かった。
もう片方の手で自分の額の温度と比べてみたが、やはりレヴィの方が格段に温度が高い。
「熱がある、レヴィ」
傷のせいで発熱しているのだ。
「別にこんぐらい大したことじゃねェよ。寝てりゃ治る」
レヴィはロックの手を払うと、また横になった。

確かにそれはその通りで、現状では抗生物質をのみ続けるしかない。
しかし、少しでも水枕の代わりになればと、ロックは洗面所に行って冷たい水でタオルを濡らした。
そのタオルでレヴィの額を拭こうとすると、レヴィは「いらねェよ」とうるさげに首を振ったが、
構わず押しつけると目を閉じて心地よさそうな表情に変わった。
しばらく押しつけて、また冷たいところを表に出して当て直す。
「もういい」
もう一度、と思ったところでレヴィがタオルを掴んでロックに突き返した。
タオルは額に乗せるには大きすぎるし、眠っている間にずり落ちてしまうだろう。
ロックはローテーブルの上にタオルを置き、自分もベッドへと戻った。

「大丈夫、もうすぐ鎮痛剤が効くよ」
背を向けるレヴィを掛け布団の上からとんとんと軽く叩くと、
「……ガキじゃねェんだぞ」
憮然とした声が返ってきたが、
レヴィは、すん、と鼻を一回鳴らして、居心地悪そうに布団の下で身動きしたっきりだった。
ロックはとんとんとレヴィの二の腕のあたりを布団の上から何度か叩いて、それから、明かりを落とした。




488名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 08:24:16.79 ID:/EibgABz
おおお、続きキテタ━━━(゚∀゚)━━━!!
足湯エロいぜ…
レヴィたんに掛け布団めくってもらうロックうらやましす
チクショウ、萌えが止まらん! GJ!
489名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 11:34:37.31 ID:B+/LUv0l
わっふるわっふる
490名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 12:15:52.88 ID:WSC5MQsC
ロックがコンビニで自分の立場に気付くとことか本当に上手いなあ
実際に原作とかであってもおかしくない
次はついにエロ展開だろうか…正座して待つわ
491名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 17:32:58.19 ID:TRFM4jnp
続きキタワァ
相変わらず心理描写上手い
エロにも期待
492名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 23:37:23.00 ID:RLn1Asvw
手負いのレヴィたんは可愛いすぎるー
とんとんしてえ
493名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 18:27:43.10 ID:tlkVzXLP
作者さんは広江氏なんじゃねーの?
と言いたくなるようなナチュラルさだな。
単に上手いとか言うんじゃなく。

ワンころとか医者のオッサンとか、
脇のキャラも魅力たっぷりだな。
マンガでも見たい。
494名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 20:15:35.78 ID:3NpFr/SO
本当に文章から作品愛が滲み出てる感じで尊敬する
読んでると俺も重傷のレヴィを手当したくなる
495訂正  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:45:53.46 ID:EOV8lE5N

>>465 14行目
(誤)「治っるんだったら」 → (正)「治るんだったら」

>>483 7行目
(誤)「今夜は寝ていただろうが」 → (正)「今夜は寝ていたいだろうが」

以上二点、申し訳ありません





次レスより、>>487の続き

496ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:48:14.07 ID:EOV8lE5N


 * * *

「ほんと、あの日は気の休まる暇がなかったよ。レヴィには変な勘違いされるし……」
ロックはベッドに片手をついて、仰向けに横たわるレヴィを覗き込んだ。
「……うっせ」
レヴィは眉間に皺を寄せて頬を少し赤くしたかと思うと、
手を伸ばして枕元のサイドデスクに置いてあるグラスを取った。
その話はしたくないとばかりにグラスを傾け、そして思い出したように言った。
「そういやロック、あんた最初あたしに隠し事してただろ」
ロックの弱みを見つけたとばかりに、レヴィは性悪な猫のような顔で笑った。
「──何のこと?」
素知らぬふりをしてグラスを取るが、レヴィは「とぼけんなよ」と体を起こした。

「あのホテルだよ。なァーにが『こういう部屋しかなかったんだよ』、だ。
ツインもクソも、頭ッからケツまでああいう部屋しかねェとこだったんだろうが!
このあたしを騙そうだなんて百年早ぇ」
「いや別に騙してたわけじゃ……」
ごにょごにょと言葉を濁してロックはバカルディを一口舐めたが、
そう、レヴィの怪我が峠を越えてしまうと、また別の厄介事がロックを襲ったのだった。


 * * *

一般的に「ラブホテル」の名で人口に膾炙しているこの手のホテルは、とても便利だ。
名前はいらない、連絡先もいらない、顔を見られることもない、
サービスタイムを利用すれば日中も長時間過ごせる、冷蔵庫もテレビもアメニティも揃っている、
映画は観られる、カラオケやゲームまでついている部屋もある。
素性を知られずに身を潜めたいロックたちにとっては、うってつけだった。

しかし、困ったことがひとつだけあった。
「ラブホテル」の本旨であるところの男女の性交、
これを快適に行わしめるための至れり尽くせりのサービスが部屋中あふれ返っていることだ。
そもそもロックは事に及ぼうとしてレヴィを連れ込んだわけではないのだから、
できることなら性交目的の施設だなどとは知られたくない。
だが、怪我の容態の落ち着いたレヴィにおとなしく寝ていろなど、どだい無理な相談だったのだ。

傷による熱が下がって体力も回復してきたレヴィは、物珍しそうに部屋のあちこちを眺めまわした。
短期間の内に色々な部屋を転々としてきたが、そのたびに内装の違う室内に感嘆の声を上げた。
広いバスルームに驚き、歯ブラシから櫛までずらりと新品が揃っていることに驚き、
枕元にコックピットのごとく各種ボタンやスイッチのついたパネルが横たわっていることに驚いた。

ロックは、テーブルの上に無造作に置いてある裸の女が表紙を飾る冊子を目に着かないところに移動させたり、
ご丁寧に枕元に用意されている避妊具をそっと隠したり、忙しいことこの上なかったのだが、
その苦労は結局報われることはなかった。
497ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:50:15.47 ID:EOV8lE5N

「なぁ、これすげェな、寝ながら何でもできんだぜ」
レヴィは枕元の大きなパネルが気に入ったようで、あちこちのボタンを押してはその効果に感心していた。
「こっちはラジオか? すっげえ、いくつ局入ってんだ」
レヴィはベッドで腹ばいに寝そべって、ぴ、ぴ、とボタンを押す。
矢継ぎ早に局が変わって、DJの声やら音楽やらが乱れ飛ぶ。
「しかもこれ、照明だけで何種類あんだ。──お、これフットライトか」
頬杖をつくレヴィがボタンをいじるたびに、あちこちの照明がついたり消えたりする。
つまみをひねると、すぅっとメインの明かりが落ちてゆく。
好奇心旺盛なレヴィを横目に、ロックは枕を背にして新聞を読んでいた。
文字を追っているのであまり暗くするのはやめてほしいのだが、この様子なら怪我の方はとりあえず心配なさそうだ。
あとは早くパスポートが届いてくれれば──、
そんなことを頭の片隅で考えながら新聞のページをめくった時だった。

「──あっ、いやぁっ、あん、だめ、あ、あ、あぁん、そこ……、いいっ、そこいいの、は、あん」

突然女の喘ぎ声が部屋中に響き渡った。
ぎょっとして新聞から顔を上げると、目の前のテレビの大画面には、
くんずほぐれつする裸の男女がでかでかと映し出されていた。

「あ、あ、あぁん、いい、そこ、きもちいいっ、いいのっ……はぁん、もっと、ああ、……いいっ」

唖然とする目の前で、制服もどきの短いプリーツスカートをめくられ、他には靴下と、
なぜか首にリボンタイだけをつけた女が四つん這いになって、後ろから男に突かれていた。
突かれるたびに、大きな乳房がぶるんぶるんと揺れる。
一応モザイクがかかってはいるが、男の陰茎が女のたっぷりとした尻の間に激しく出入りしているのが分かった。

「ちょっ──」
我に返ったロックは、慌ててパネルの方を振り向いた。
レヴィは腹ばいになったまま、ぽかんと肩越しに痴態が繰り広げられている画面を眺めている。
パネルをいじっているうちにテレビのボタン──それもアダルトチャンネルの──を押したのだろう。
ロックはチャンネルを変えようと、慌ててパネルのボタンに手を伸ばした。

「あぁんっ、あっ、あっ、……いっ、そこ、そこだめ、いっ、イく、だめ、イく、イっちゃうぅ!」

画面が変わらないどころか、今度は音量が大きくなった。
「うわ、違っ、ちょっ、どれ──?」
慌てているせいで、どこがテレビのチャンネルのボタンなのかよく分からない。
隣のボタンを押したら、向こうの方で馬鹿にしたように洗面所の明かりがぽっとついた。
関係のないボタンをいくつか押した末、ようやくロックの指はテレビの電源ボタンを探し当てた。
ふっと音がやみ、画面が黒くなって消える
498ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:52:16.32 ID:EOV8lE5N

「──ロック」
しんとした静寂が気まずい。
「……なに?」
ロックがおそるおそる応えると、レヴィは肩越しにテレビへ向けていた顔をくるりと戻した。
そして、邪気のない顔で訊ねる。

「日本って、普通にポルノ流れてんのか?」

「いや──っ、」
そんなわけないだろ、違うよ、と言おうとしたところで、
だったらなぜここでテレビのスイッチをいじっただけでポルノビデオが流れ出したのか説明しなければいけないことに思い至り、
ロックは言葉に詰まった。
「いや、普通の家庭では流れてないけど、こういうホテルの中にはCSと契約してるとこもあるんじゃないのかな、
ホテル業界は競争が激しいから、こうやって顧客サービスに力を入れてるんだよ」
口から出任せを適当に喋ると、レヴィは分かったような分からないような顔で、ふぅん、と言った。
分からなくたって分かったことにしてもらおうと、ロックは新聞に目を落とした。

「──ロック」
しかし、レヴィはまた声をかけてくる。
「……なに?」
仕方なくレヴィの方を向くと、レヴィはじっとロックを見上げていた。

「日本人って制服好きなのか?」

「なっ──」
制服が嫌いな男はいません。
もちろん即答だが、そんなこと口が裂けても言えない。
「いや、あれはたまたまだよ、たまたま。色んなのがあるんだよ。
日本のものじゃなくたってそうだろ? 別に日本人全員がああいうの好きなわけじゃないよ」
「……随分詳しいな」
「──は? 別に詳しくないよ。映画だってドラマだって同じことだろ。好みは人それぞれさ」
もう一刻も早くポルノビデオから離れたい。
これ以上突っ込まれると墓穴を掘りそうだ。
ロックは何とか方向転換を試みるが、レヴィは子供のような無邪気さで追求の手をゆるめようとしない。
「なあ」
もう返事をしたくないが、レヴィは構わず続けた。

「あんたはどんなのが好きなんだ、ロック?」

どうして憎からず思っている女にこんなこと訊かれなきゃいけないんだ!
ロックは頭を抱えたくなった。
「別に好きとかそういうのないから。ほら、もういいだろ、映画でも観よう。ここ、色々映画入るらしいよ」
何とかレヴィの興味を逸らして映画のラインナップを押しつけ、ロックは深いため息をついた。

499ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:54:25.26 ID:EOV8lE5N

それで何とかぎりぎりやり過ごせたかと思ったのが間違いだった。
ロックの懸命の努力は、あっけなく水泡に帰した。

ロックが洗面所で顔を洗って戻った時のことだった。
レヴィは部屋の壁際に備えつけられたキャビネットの扉を開き、何やら中を覗き込んでいた。
冷蔵庫から何か取り出そうとしているのだろうか、
ロックがテーブルの上に出してあったペットボトルのお茶を飲みながら
何気なくレヴィの肩越しにちらりと扉の中身に目をやった瞬間、思わず口の中のお茶を吹き出しそうになった。
「──!」
鼻の方にいきかけたお茶を、ぐ、とすんでの所で留めて、ロックは何とか口の中のお茶を飲み下した。
「──レヴィ!」
慌てて駆け寄ると、レヴィはくるりと振り返った。

レヴィが開いていた扉の中には、キャンディーカラーの物体が並んでいた。
ピンクや紫、色とりどりに着色されたかたまりが光を浴びて、
小さく仕切られたケースの中に行儀よく収まっている。
おもちゃ箱を思わせる華やかさだが、おもちゃはおもちゃでも、これはいわゆる──。
「あ、あの、あのね、レヴィ」
目の前に並ぶのは、どう見ても「大人のおもちゃ」だ。
どうにもごまかしようがない。
えっと、その、などと意味のない言葉を発していると、レヴィが口を開いた。

「ロック、こいつは何だ?」

「──は?」
ロックの口から、思わず間抜けな声が出た。

からかわれているのだろうか?
しかし、レヴィは目をぱちくりさせてロックを見上げるばかりだ。
では本当にこれが何か分からないと──?
いや、まさか。
日本語が読めないにしても、あの形状で一目瞭然ではないか。
普通の日本人の女だって、見ただけでこれが何なのかは大体想像がつくはずだ。
それをレヴィが知らないだなんて、そんな、まさか。
──けれど、よくよく思い返してみれば、
以前バラライカがポルノビデオの編集をしているところにばったり行き合ってしまった時、
レヴィは物珍しそうにそれを眺め、「ありゃ尻に入れてるのか?」などとおぼこい事を訊いていた。
まるで、初めて見た、初めて知った、どうしてそんなことをするのかよく分からない、そんな様子だった。
しかし、きょうびアナルファックなどポルノビデオ界では珍しくも何ともないではないか。

──何ていうか、レヴィって結構実は本気でおぼこい……?

信じられない、いや、しかし、の思いがロックの頭の中で拮抗する。
「……レヴィ、ほんとに分からないのか?」
表情を窺ってみるが、レヴィは分かっていて答えないロックに苛立ったかのように眉を寄せた。
「分かんねェから訊いてんだろ」
「──この形見ても、分からない?」
ロックが指をさすと、レヴィは苛立ちを鼻息で示してからケースに顔を寄せた。
至近距離でしげしげと見つめて、しばらくの後、ハッと首筋を緊張させたかと思うと、勢いよく振り返った。
「ロック!」
その、気まずさと怒りが混ざったような赤い顔ではっきりと分かった。
「……ああ、そうだよ」
ロックがため息をつくと、レヴィは地獄の底から湧き出たような声で低く言った。

「どういうことか、説明してもらおうじゃねェか」

その地を這うような声に、ロックは潔く観念するしかなかった。
500ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:56:49.56 ID:EOV8lE5N

 * * *

「道理でおかしいと思ったぜ」
レヴィはベッドの上であぐらをかいて、鬼の首を取ったかのように唇の端で笑った。
「……あの時は、普通のホテルに行けなかったんだ。仕方ないだろ」
釈明は言い訳めいた調子になる。
ロックは手の中のグラスを口に運んだ。
「別に隠すことねえだろ。小役人みてェにこそこそするからムカつくんだ」
「…………悪かったよ」
本当はあまり悪いとも思っていなかったが、とりあえず話を収束させたくてロックは謝った。

「にしてもよー」
レヴィはあぐらをかいた足首のあたりを両手で掴んで、前後に体を揺らした。
「わざわざヤるためのホテルがあんだなー」
話を終わらせたいロックの意図などまるで解さず、レヴィは無邪気に「日本すげェな」などと言う。
ロックはあえて無視したが、レヴィはお構いなしに「なぁなぁ」と続ける。
「みんなああいうとこでヤんのか?」
「──知らないよ」
いいからもう俺に訊かないでくれ! と叫びたくなったが、ロックはじっとこらえた。
「人によるだろ。みんなじゃないだろうけど、手軽だからね。利用しやすいんじゃないか?」
ふぅん、とレヴィは大して納得してもいないような声で答えた。
もうこのへんで勘弁……とロックは念じたが、それを裏切るのがレヴィだ。

「よく使ってたのか、ロック?」

あっさりと、一番訊かれたくなかったことを訊いてきた。
「──よくは使ってないよ」
渋々答えると、「じゃ、時々か?」と返ってくる。
しまった、ここは簡潔に「いや」とでも答えておけばよかったのだ、何を律儀に──。
ロックは切実に後悔したが、時既に遅し。
「誰と行ったんだよ、彼女とか?」
レヴィは矢継ぎ早に質問を浴びせかけてくる。
「──や、」
「ンだよ、いいじゃねェかよ」
若干気分を害したような空気を漂わせながらも、レヴィは引かない。

──だから嫌だったんだ!

こうなるのが嫌だったのもあって、教えたくなかったのだ。
あの手のホテルに行ったことがないとは言わないが、それをレヴィに知らせたくない。
その機微が分からないのかと腹立たしくなるが、まあ、分からないのだろう。
501ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 21:58:51.77 ID:EOV8lE5N

「なァ、日本人ってみんなああいうの使うのか?」
「……ああいうのって?」
「バイブレーターとかローター」
聞き返すんじゃなかった。
ロックは後悔した。
レヴィがこんな言葉で言い淀むわけがない。
「使わないよ!」
「……じゃあ何で普通に売ってんだよ」
レヴィは不審げな目で見返してくる。
「いや、普通じゃないだろ……」
ロックがため息をついても、それを華麗に無視して続ける。
「あんなキャンディースタンドみてぇなやつ、初めて見たぞ」
「ああ、それで……」
ロックは遅ればせながら合点がいった。
あんな風に手を取りやすい見た目で、手軽に売られていたから分からなかったのだろう。

しかしそれにしても、酸いも甘いも噛み分けましたという顔をして、
まるで下品な言葉をわざわざ選んで口にしているかのようなレヴィが、
本当に最初は分かっていなかったのだろうか?
レヴィのあのきょとんとした顔を思い出すと、喉の奥から笑いが込み上げてきた。

「レヴィってさ」
笑いをこらえながらロックは言った。
「意外と可愛いよね」
すると、レヴィはむっとしたように眉を寄せた。
「……何がだよ」
「あっちこっちいじりまわしてさ。バスルームでもひどかったな−。何が起こったかと思った」
更に思い出し笑いをすると、レヴィは不服そうにむくれた。
突き出された唇が、きゅっと小さくすぼまった。
502ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:00:52.95 ID:EOV8lE5N

 * * *

レヴィがこんなに好奇心の強い女だったとは。
日本滞在中、レヴィについて分かったことのうちのひとつがそれだった。
かなり早い段階で気づいてはいたが、ロックはここ数日で改めてそれを痛感していた。
枕元のパネル然り、自動販売機然り。
そしてそれは、バスルームでも思い知らされることとなる。

怪我をしたばかりということで、最初の日こそ風呂をパスしたレヴィだったが、
さすがに汚れをタオルでぬぐっただけで何日も過ごしたくなかったのだろう、
次の日にはシャワーを浴びると言ってバスルームに突入した。

「うわ、広ェな!」
まずは洋服のまま様子を見に行ったレヴィが、バスルームの様子を見て目を丸くした。
これまで泊まっていたホテルのユニットバスよりも格段に広い。
「すげェな、これ」
レヴィは狭いユニットバスとは比べものにならないくらい大きなバスタブを覗き込んだ。
興味津々、いかにも入ってみたそうな顔をしていたが、傷口を濡らすのは避けた方がよい。
「レヴィ、とりあえずシャワーだけにしといた方がいいよ」
ロックはやんわりと止めた。
バスルーム内を暖めるためにお湯だけはって、レヴィはシャワーのみ、それが何日か続いた後のことだった。

その日もバスタブに湯をためて、レヴィはシャワーを浴びていたはずだった。
ロックがベッドの上でくつろいでいると突然、バスルームの方からもの凄い轟音が鳴り響き、
「うおあああっ!」というレヴィの悲鳴が聞こえた。

「どうしたレヴィ!」
ただごとでない音に驚いてロックがバスルームの扉を叩き開けてみると、そこでは
ゴボゴババババババババババと凄まじい音を上げて風呂が泡立ち、しかも中から七色に発光していた。
バスタブの中で輝く光は、青から緑、緑からピンクと次々と色を変える。
そのファンシーな地獄の釜のようなバスタブの中で、レヴィが右脚だけを湯の外に出した姿勢で固まっていた。
傷口を湯につけなければよいと、右脚だけ外に出して入ったのだろう。
その中途半端な姿勢が今にもひっくり返りそうで怖い。
ロックは急いでバスルームの中に入り、
泡立つバスタブの縁から身を乗り出して、向こう側の壁についていたスイッチを押した。
ジェット全開でフルスロットルだったジャグジーは、ロックがスイッチを押した途端、嘘のように静まった。
沸騰したヤカンの中のようだった水は次第に落ち着き、白い泡もふつふつと消えてゆく。
ロックはほっと息をついた。
「レヴィ……」
首を落とし、そして苦言を呈そうと顔を上げた時だった。
バスタブの中にいるレヴィの姿が、まともに目に飛び込んできた。
503ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:02:56.08 ID:EOV8lE5N

レヴィは右脚をバスタブの縁にかけて外に出し、左脚は広い底にゆうゆうと伸ばしている。
すっかり落ち着いた水は、表面がわずかに波うつだけだ。
その透明な湯の中に、レヴィの体が揺らめいていた。
長々と放り出された脚の間では髪の色と同じ栗毛がほんのりと漂い、
くびれた腰と平らな腹を経たその上では、まるい乳房が湯の浮力を受けてほわんとわずかに浮いている。
いい具合に湯で温められ、その肌はうっすら桜色だ。

「──見んな!」
言葉を失ったまま、かなりまじまじと湯につかるレヴィの体を凝視してしまっていたことに気づいたと同時に、
大量の水がロックに襲いかかってきた。
「──うわっ」
レヴィが渾身の力で湯をかき出して飛び散らせたのだと分かった時にはもう、ロックの全身は水浸しになっていた。
「何すんだ、レヴィ!」
こっちはレヴィを心配して飛んできて、固まっているレヴィの代わりにジェット噴流まで止めてやったというのに、
この仕打ちは何だろう。

ロックは顔にかかった水をぬぐいながら抗議の声を上げたが、
「出てけ!」の声とともにもう一度水が押し寄せてきて、結局慌てて退散するしかなかった。

504ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:05:09.97 ID:EOV8lE5N


しかし、そうした騒動がありながらも、レヴィの存在はありがたかった。

ロックの夢の中には、しばしば雪緒が現れた。
死ぬ必要などなかったというのに、自らの頭の中で組み上げた論理に従って、
最後の組長として幕を引くためだけに御輿へと上がった。
夢の中の雪緒は、出てくるたびに自らの喉へ日本刀を突き立てた。
ロックの無力をあざ笑うかのように。
白い喉に鋭い切っ先が埋まり、更に奥へ進むと裂けた喉から赤い血があふれ出す。
痛みへの恐れを振り払うように、少女は刀の上に体をかぶせる。
喉の中の気管や食道、頸椎が損傷していく音が生温かく響き、そしてうなじから血まみれの切っ先が顔を出す。
ごぼ、と喉の中で血の音がし、唇から目に痛いほどの赤がこぼれる。
喉の奥深く刀が沈められ、口から血が泡となって沸騰する。

夢の中の雪緒はうっすらと笑っていた。

お前の助けなど望んでいないと、
まるでロックに見せつけるかのように首の後ろからにょっきりと日本刀を突き出させ、微笑んでいた。

ロックは何度も飛び起きた。
目覚めると、決まって嫌な汗をかいていた。
暗闇の中、速くなっている動悸を抑えるために深呼吸を繰り返す。
雪緒の喉を刀が貫く時のあの音は内耳にべったりとこびりつき、血の臭いまでもがまだ鼻腔に残っている気がした。

そんな時、隣で眠るレヴィの存在は救いだった。
雪緒を救うことはできなかった。
ロックの無力を見せつけるように死んでいった。
生まれ育った街は、もう他人の街だった。
過去は夢の中のように淡い。
しかし、今ロックはひとりではないのだと、今ここでそばにいてくれる人はいるのだと、
そう思うと小さな錨を得たような気分になった。
寝息で穏やかに上下するレヴィの体、それは確かに、無類のなぐさめだった。
505ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:07:21.84 ID:EOV8lE5N


最初の日こそ食欲がなかったが、一旦落ち着いてしまうと食事はいい気分転換となった。
コンビニやテイクアウトのものをロックが買ってきて部屋で食べるという繰り返しだったが、
そのバリエーションは意外と豊富だ。
物珍しそうに興味を示すレヴィの反応が面白くて、ロックはいつしか毎回の買い物が楽しみになっていた。
そう、最初のおにぎりからして、レヴィにとっては異色の食べ物だったのだ。

「何だそれ」
コンビニの袋から出てきたおにぎりを、レヴィはまじまじと見つめた。
「おにぎりだよ。炊いた米の中に具を入れて、海苔を巻いて食べるんだ」
「──ノリ?」
レヴィは透明なフィルムで覆われた三角型のおにぎりをひっくり返してはまた元に戻してと忙しい。
「海草の一種だ。海草を平らに敷きつめて、乾かしたものだよ」
「こんなのが食いもんなのか? カーボン用紙みてぇに真っ黒だぞ」
いかにも胡散臭げにレヴィ眺めまわすレヴィに、ロックは笑った。
「大丈夫だから。うまいよ」
「……へぇ?」
「──っと、待った!」
外側のフィルムを開けようとしたレヴィを、ロックは慌てて止めた。
「何だよ」
「そうじゃない」
「は?」
「開け方。そうじゃないんだ」
レヴィはおにぎりの裏側についたラベルを剥がそうとしていた。
「そうじゃなくて、こっちを引っ張るんだよ」
ロックは残っていたおにぎりの中からひとつ取って、三角の頂点から出ている細い切れ込みを下に引いた。
おにぎりの中央に、すっと細く筋が入る。
反対側までくるりと剥いて、ロックは中央で分断されたフィルムを両側から引っ張った。
フィルムの隙間に挟まっていた海苔が中のごはんにくっついて、フィルムだけが取り外される。
これで出来上がりだ。
「はい」
「……今、何やった?」
おにぎりを手渡すと、レヴィが狐につままれたような顔でロックの手の中を見ていた。
「海苔が湿気らないように、こうしてフィルムで包まれてるんだよ」
「へぇ……。日本人ってのは、無駄に細けェな」
褒めてるんだか貶してるんだか分からない感想を述べ、
レヴィはロックの渡したおにぎりの頂点を囓り取った。
ぱり、と海苔の乾いた音がする。
「大丈夫だろ?」
レヴィは神妙な顔つきでもぐもぐと口を動かしながら、ロックの言葉に首をかしげた。
「なんか口ん中にくっつく」
細かくなった海苔が口の中に張りつくのだろう、レヴィは戸惑ったような表情を浮かべていたが、
一口、もう一口と食べ進んでいるのを見て、ロックは安心した。
506ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:09:22.99 ID:EOV8lE5N

自分も食べようと、新たにおにぎりを開けようとした時だった。
おにぎりを囓ったレヴィが、突然びくっと飛び上がった。
「どうした、レヴィ?」
レヴィは口の中のものをどうしたものかと眉をひそめて、手元のおにぎりとロックの顔とを交互に見た。
口の中でもごもごとこもる声は、どうやらロックを非難しているらしい。
「あー……」
ロックはレヴィのおにぎりの中の具を見て、理解した。
ちゃんとパッケージを確認しないで渡したのがいけなかった。

「酸っぺぇ!」
ようやく口の中のものを飲み下したレヴィが、半分涙目で叫んだ。
「ごめん……」
「何だこりゃ!」
ロックはため息をついた。
「梅干しだよ」
おにぎりすら食べたことのない人間に、いきなり梅干しはまずかったか。
「大丈夫、毒じゃないし、腐ってもいない。
それは梅の実を紫蘇と一緒につけ込んだもので、おにぎりの定番──」
「知るか!」
そんな解説などどうでもいいと怒り心頭なレヴィに自分のたらこおにぎりを渡してやり、
梅干しの方はロックが片づけることにして、なんとかその場は収まった。

レヴィが駄目だったのは梅干しくらいのもので、おにぎり自体は気に入ったらしい、
その後買ってきた鮭やおかか、昆布、いくらなどは全部綺麗に食べた。
「一体何種類あんだ、ロック?」
食べるたびに違う具の出てくるおにぎりを、レヴィは半分呆れたような顔で見ていた。
いつもピザばかり食べているので偏食なのかと思いきや、意外と何にでも興味を示す。
「これ何だ、ロック?」
「ああ、ワカメ、海草だよ」
「ふーん」
アメリカ育ちにしては器用に箸を使い、インスタントのカップみそ汁の具をつまみ上げる。
なめこ汁を渡せば箸で掴めないと悪戦苦闘し、
クラムチャウダーを買ってくれば、一体「コンビニ」には何種類売ってるんだと驚く。
愛国心など持ち合わせてはいないが、そうやって感心されるのはまんざらでもない。
ロックは、これを口にしたらレヴィは一体どんな顔をするだろうと考えながら商品を手に取った。
507ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:11:29.88 ID:EOV8lE5N

「レヴィ、みかん食べよう」
コンビニでは果物も売っている。
冬といえばみかん。
しばらく口にしていなかった温州みかんが目に入り、ロックは懐かしくなってそれを買った。
「──オレンジか?」
レヴィは掌にすっぽり収まる丸い果物を取って、ふんふんと匂いを嗅いだ。
「ちょっと違う。似てるけどね」
ロックは自分もひとつ取って、皮に爪を立てた。
「手で剥けるんだ。ほら、こうやって──」
みかんの中央に親指を立て、そこから適当な幅で外側に剥く。
レヴィはロックの手元を覗き込んで、見よう見まねで手を動かしている。
ロックはすいすいと剥いて、皮はあっという間に花型に広がったが、
レヴィの手元では皮がぶちぶちと細切れになっていた。
「下手だなぁ」
懸命に剥いている姿がおかしくてロックが笑うと、レヴィはむっとしたような視線を寄越してきた。
「いい気になんなよ、ロック」
しかし、ロックの方を見たのは一瞬、すぐに手元に目を戻した。
「こんなの剥けりゃいいんだよ」
ぶつくさ言いながら皮を剥く。
花型にこだわらなければ、みかんの皮は簡単に剥ける。
そのみかんの味は、レヴィのお気に召したようだった。
「うめぇな」
小さな房をひとつづつ外して、口の中に入れる。
「だろ?」
ロックも橙色が薄皮の下に透ける房をひとつ口に入れた。
やわらかい房を噛むと、懐かしい味がした。
ひんやりと甘酸っぱい汁が広がり、小さな粒は歯に触れると次々と水分に変わる。

ああ、本当に懐かしい──、そう思ったところで、ふと、雪緒の顔がかすめた。
彼女はもうこれを食べることもできない。
それを考えた次の瞬間、頭がすうっと冷えた。

──違う。

「彼女は」、じゃない。
ロックも、だ。
ロックも、これが食べ収めだ。
このみかんも、大量生産のおにぎりも、湯気のたつみそ汁も。
きっとこれが最後だ。
もう、この先は、きっと──。
急に、足場を外されたような感覚に襲われた。
立っていた場所が崩れ、──いや、立っていたと思っていたことこそが幻覚だったような、そんな感覚。
ゆらりと体が傾いだ気がした。
508ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:13:30.51 ID:EOV8lE5N

「──どうした?」
その時、声がした。
はっと我に返ると、レヴィがみかんを手にしてロックを見ていた。
「どうした、ロック?」
「……何でもないよ」
ロックは笑顔を作って返した。
唇がぎこちなく歪んだ気がしたが、体の揺れはもう感じなかった。
レヴィは少しの間ロックを見ていたが、変な奴、とまたすぐにみかんを口に運んだ。
指先で取り分けられた小さな房は、次々とレヴィの唇の中に消えてゆく。
黙々とみかんを食べるレヴィを見ていると、ロックの気分は次第に落ち着いていった。

──レヴィと一緒でよかった。

多分、ひとりでは耐えられなかった。
「もうひとつ食べる?」
「──ん」
ロックはレヴィの存在を、心の底からありがたく思った。

509ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:15:44.27 ID:EOV8lE5N

ありがたいこともあれば、困ったこともある。
最も閉口したのは、夜だった。

どんなに部屋を転々としようが、ラブホテルのベッドは例外なくダブルベッドだ。
必然的に、夜寝る時はレヴィと同じベッドで眠ることとなる。
体を重ねたことがあるとはいえ、怪我をしているレヴィに無理強いしない程度の理性は持ち合わせている。
しかしそれでも、困ったことはあったのだ。

レヴィは寒いのが苦手らしい。
日本に着いたばかりの時から寒い寒いと首をすくめていたが、眠っている間ですら、それは窺い知れた。
ふと気がつくと、レヴィが掛け布団の中にもぐって眠っていることがよくあった。
寝ている間に寒くなったのだろう、顔まで掛け布団の中にすっぽりと入っている。
掛け布団の端からは、頭のてっぺんと長い髪が覗くだけだ。

──そんなに寒いか?

確かに部屋の空気は冷えていたが、顔まで掛け布団で覆っていては息苦しいだろう。
暖房を強くしようかとも思ったが、あまり暑くしすぎては寝苦しいし、空気も乾燥する。
掛け布団の中にもぐっていても平気で眠っているのだから、これはこれで構わないのだろう。
自らの眠気も手伝って、まぁいいかとロックが再度眠ろうとした時だった。
もそ、と布団が動いたかと思うと、レヴィの形をしたふくらみがロックの方へ寄ってきた。

──うわ。

慌てて背中を向けたが、レヴィの気配はじりじりと寄ってきて、ぴたりとロックの背中にくっついた。
温かいもの見つけた、と言わんばかりの様子で、ロックの背中に身を寄せる。
うなじのすぐ下に当たっているのは額だろうか、レヴィの寝息が薄い生地一枚通して染みてくる。
レヴィが呼吸をするたびに温かい息が肌に広がった。
背中に当たっているのは腕だろう、肘を折り曲げてくっついている。
丈の短い寝巻きから出た脚にも、レヴィの脚が後ろから押し当てられていた。
自分の脛と比べると妙にすべすべした感触に、そっと脚をずらして間隔を置こうと試みるが、
熱源逃がすまじと、すぐに追ってきた。
軽く折り曲げた膝の後ろにぴったりとはまり込むような形で重なり合う。

──勘弁してくれ!

ロックは悲鳴を上げたくなった。
猫じゃあるまいし、人間には団子になって眠るような習性はなかったはずだが、一体これはどういうことだ。
こんな風にくっつかれると、体がレヴィを思い出す。
数日前、たった一度だけとはいえ、その感触はしっかりと細胞ひとつひとつにまで刻み込まれていた。
ただでさえ疲れて性欲の強まっている体は、頭の静止も聞かずにレヴィの体の感触を蘇らせる。

510ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:18:49.41 ID:EOV8lE5N

レヴィの体は温かく、そしてやわらかかった。
よく鍛えられて全身が引き締まっているというのに、肌に触れると表面は奇妙にふわりとした感触を伝えてきた。
まるい乳房は掌からこぼれそうで、内側から張りつめたようなふくらみがロックの指を沈ませる。
つんと尖った先端に唇を寄せると、唇から息が漏れる。
脇腹に手を滑らせると、逃げるように体がうねる。
撫でられることにすら戸惑い、自分が戸惑ったことに対して更に困惑するレヴィをなだめるように、
ロックは全身をなぞった。
髪に指を差し入れ、首筋を撫で下ろし、肩口を包み込む。
乳房の曲線を掌の中に収め、腰の曲線をたどり、太ももの外側から内側へと手を滑らせる。
やわらかい襞の間に指を割り込ませ、とろかし、そのまま奥に沈める。
レヴィの体内は一段とやわらかく、そして熱かった。

体を割ってなかに分け入ると、きゅうっと温かい肉に締めつけられた。
ぞくぞくと快楽が背筋を駆け上がる。
思わず眉を寄せると、わずかに体を反らせたレヴィも眉間に皺を寄せていた。
苦痛を思わせる表情とこわばった体に、頭の片隅が待ったをかけようとしたが、駄目だった。
温かく濡れた肉は陰茎をぴったりと包み込み、ひくりと小さく震える。
じわりと境界が熱く滲む。
レヴィの肌も熱を持ち、至近距離で向かい合った顔の間で息が温かく混ざる。
我慢できずに腰を揺らすと、レヴィが瞬間的に目を瞑った。
一瞬呼吸が止まり、それから湿った吐息がロックの首を撫でる。
なめらかな内側は、そこだけ別の生き物のように陰茎を締め上げる。
たまらず、奥へ、更に奥へ腰をねじ込むと、レヴィの腰がくねりと動いて、喉の奥が小さく鳴った。

あとはもう、止められなかった。
こわばった体を口づけで開かせ、深く身を沈める。
やわらかな体内に、ずぶりとうずめるように腰を進めると、口腔内でレヴィの声が小さく響いた。
ロックの体の下でレヴィの胸が震える。
引き離そうとする唇をそうはさせず、舌を絡め取る。
こめかみから髪に指を差し込んでレヴィの頭をとらえ、枕に固定する。
親指のつけ根の盛り上がった部分は、レヴィのこめかみの少しくぼんだ曲線にぴったりとはまり込んだ。
レヴィの体をベッドに沈み込ませてしまうように押しつけ、全身の粘膜を絡め合わせると、
声もなく、頬にかかる息が震えた。

ようやく唇を離すと、どちらの息も上がっていた。
レヴィを両腕で囲い込み、それでも腰は止められずに何度も上下させると、
レヴィはそのたびに、ロックの腰の動きに合わせて胸の奥から湿った息を吐き出した。
深く穿つと首が反る。
ロックはその首筋に唇を寄せた。
耳のそばでレヴィの息が揺れるのを感じながら、体を揺らす。
首筋、まるで出っぱったところのない喉、浮き上がった鎖骨、順々と唇でついばむ。
やわらかくふくらむ乳房をたどり、頂点で尖っている突起を唇で吸い上げると、レヴィの全身が硬直した。
きつく締まった内側に、快楽が一気に膨張するのを感じ、ロックはほとんどこらえるような心地で息を詰めた。

レヴィの手はシーツの上で硬く硬く握りしめられていた。
その小石のように固まった手を、ロックは取った。
包み込んで、内側にきつく握り込まれている指をこじ開ける。
指先をねじ込むようにしてばらけさせ、ひきつるレヴィの指に自分の指を絡める。
戸惑って逃げようとする手を説き伏せるように、ロックはレヴィの手を握った。

体は止まらなかった。
ロックを閉め出すかのように締まるレヴィのなかに割り込み、熱い襞をかき分ける。
往復させるごとになめらかに溶けてゆく内側を、深く浅く、かき乱す。
ぬるりと絡みつく感触が、更に腰を加速させる。
とろけた粘膜は陰毛をも濡らし、ふいにくちゅりと漏れる音に、たまらなくなる。
やわらかい内側の、奥の奥まで突き上げると、レヴィの喉から声がこぼれた。
これまで一度も聞いたことのない、高く震えた声だった。
吐息と混ざってロックの耳をくすぐる。
痛みをこらえるかのような声は、何より激しくロックを駆り立てた。
511ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/10(日) 22:21:47.89 ID:EOV8lE5N

──なに想像してんだ!

ロックは慌てて妄想を振り払った。
勘弁してくれと言いながら思い出してどうする。
今やるべきことは気を逸らせることだ。
雑念を振り払うことだ。
背中はレヴィの体温で温かい。
今にも振り返ってレヴィのくびれた腰に手をまわしてしまいたい衝動に駆られるが、
手をまわすだけで踏み留まっていられる自信はまったくない。
駄目だ。手を伸ばしたら最後だ。
ロックは必死で自分を押し留めた。
ここは素数の出番だろうか。それともダウ平均株価? ナスダック指数?
──とにかく、今ここで組み敷いたら、レヴィとの信頼関係が崩れる。

交わった時、レヴィは何をされるのだろうという張りつめた緊張感をみなぎらせて身構えていた。
まるで一度も撫でられたことがない動物のようだった。
人の手は凶器。そう思っているかのような。
それで分かった。
レヴィはずっと、虐げられる側にいたのだ。
ロックはようやく一歩踏み込んだばかりだ。
レヴィとの信頼関係はまだ、明け方にはった湖の氷のように薄く危うい。

──考えるな、考えるな。

そう、この背中にはりついている生き物をレヴィだと思うからいけないのだ。
何かこう、でっかい犬か猫だとでも思えばよいのだ。
ロックは想像力を総動員する。

──犬か猫だ、犬か猫。

しかし、背中に押し当てられる頬はやわらかく、ふくらはぎにくっつく脚はすべすべとした女の肌触りだ。
最初はロックよりもひんやりしていた肌が、段々と温まってくる。
触れているところからはもちろん、掛け布団からもシーツからも、レヴィの寝息のリズムが伝わってきた。
ふたりの体の隙間で温まった空気が、レヴィの肌をほんのりと匂いたたせる。
その女の肌の匂いは、ロックの首筋で靄のように漂った。

ロックは大きくため息をついた。
これが狸寝入りで、意識して甘えてきているとか、誘ってきているとかだったならばまだよかったのに。
だが、レヴィは背中にひっついたっきり完全に脱力しており、呼吸は寝息以外の何者でもない。
まるっきり、ロックを湯たんぽとしか認識していない。
──いや、湯たんぽという認識すらしていないだろう。
無意識に掛け布団の中にもぐり込むのと同じように、寒いから温かいところを求めた、ただそれだけだ。
これ以上端に寄ればベッドから落ちそうだし、まだ起き出すような時間でもない。
それに、押しのけてしまうにはあまりにも、レヴィの体は温かすぎる。
ロックは悶々と夜を過ごした。




512名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 22:24:52.83 ID:Cm/brQiS
くっ…なんという焦らし具合、そして用意に目に浮かぶ描写
続きが、早く読みたいです
513名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 22:37:40.44 ID:y7yGm6jw
狼狽えるロックと好奇心旺盛なレヴィの描写にもうニヤニヤが止まらない
途中挟まれたユキオの描写も辛いけど凄く良い
続き楽しみにしてます
514名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 22:45:52.50 ID:f/OL9SyH
きたぜきたぜ!
怪我人に手を出さないロック、紳士だねえ
全裸待機!
515名無しさん@ピンキー:2011/04/10(日) 23:59:58.91 ID:xnyprW4u
もうなんだよこの可愛さは〜!
この回ドタバタで超楽しいんだが^^
516名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 21:18:05.08 ID:ySdXn+l/
梅干しで涙目になったり猫みたいにくっついてきたりするレヴィかわゆす
そしてファンシーな地獄の釜で吹いたwww
517名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 21:43:53.55 ID:jfZqG2i6
同じくジャグジーで噴いた
そしてAV消そうと悪戦苦闘する岡島にもワロタ
518名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 22:45:18.53 ID:WnzzFuYA
右足出して風呂入ってんのにじっと見られたらそりゃ出てけってなるw
ラッキースケベじゃなく確信スケベだぞいロック
519ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:40:57.88 ID:SVbOOUkF

>>511の続き


520名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 21:41:06.16 ID:efHKULPQ
ラッキースケベを装った確信スケベという新たなジャンルを開拓したロックさん。

しっかしリアルに素人じゃなくてプロの人かと思ってしまう巧さだ。
いやこう勝手に憶測されんのは迷惑だろうけど、そう思わずにはいられないクオリティ。
521ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:42:58.70 ID:SVbOOUkF


 * * *

「あれはほんとまいったよ。何の耐久レースかと思った」
ロックが嘆くと、レヴィは不機嫌そうに視線を逸らした。
「……んなことした覚えねぇよ」
「そりゃレヴィは寝てたんだから覚えてないだろうけどさ」
ロックはグラスに残っていたバカルディを全部飲み干した。
「その前の部屋も当然のように一緒にされたし、ほんとにもう、勘弁してほしかったよ……」
「──ンだよ、嫌だったのかよ」
顔を覆ったロックの耳に、レヴィのいささかむっとした声が届いた。
「違うよ、そうじゃない。そうじゃなくて、俺の理性を誰か褒めてほしい、って話さ」

 * * *

ホテル・モスクワのボス、バラライカの通訳として同行していたロックの部屋は、
当然ながらホテル・モスクワ側が用意してくれた。
「はい、これ、あなたたちの部屋よ」
ホテルのフロントで、バラライカは綺麗にマニキュアが塗られた手でキーをロックに差し出した。
「あ、ありがとうございま──」
キーを受け取って礼を言いかけたロックは、一瞬遅れて固まった。
あなた「たち」という言葉。
そして、手渡されたキーはひとつだけ。
「バラライカさん!」
ロックは、ハイヒールを履いた脚でゆうゆうと立ち去ろうとしていたバラライカを呼び止めた。
高い位置でひとつに結い上げたプラチナブロンドの流れる背中が、ぴたりと止まる。
「あら、何かしら?」
そのプラチナブロンドをふわりと揺らして振り返ったバラライカに、ロックは訴えた。
「俺『たち』って、この部屋──」
レヴィと一緒ということか? 
一応レヴィは妙齢の女で、ロックは男、そういうことになっているはずなのだが、
バラライカはそのあたりを失念してはいないだろうか?
追いすがると、バラライカはロックの手の中にあるキーを見て、「ああ」と言った。
「ごめんなさいね」
顔の右半分を覆う火傷の痕さえなければ有能なキャリアウーマンに見えなくもない美貌が、
にっこりと笑顔に変わった。
「その部屋のベッド、ダブルじゃないの」

慌てて真意を説明しても、バラライカの返答はすげなかった。
曰く、我々が雇ったのはロックだけで、レヴィは契約の範囲外だ。
本来ならば自分で部屋を取れと言うところだが、融通してダブルの部屋を取ってやった。
これ以上文句があるなら、自分で部屋を調達しろ。
まったくもってごもっともな言い分に、ロックは黙るしかなかった。
レヴィは何と言うだろうと思ったが、「ま、仕方ねェな」と肩をすくめるだけで、あっさり部屋へ向かって行った。

──俺、男として見られてない?

あまりに淡泊なレヴィの反応に、
何だかひとりでおたおたしていたのが馬鹿らしくなってロックは肩を落とした。
522ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:45:00.08 ID:SVbOOUkF


部屋に入ってしまうと、外の音が遮断されて急に静かになる。
空気も沈殿したように動かない。
スタンドの載った小さな台を挟んでベッドが二台並べて置かれ、あとは書き物机が一台と、
小さなテーブルを真ん中にして一人掛けの肘掛け椅子が向かい合ったソファーセット。
窓にはカーテンが掛けられ、こぢんまりと落ち着いた部屋だが、
その明らかにプライベートな空間が逆に緊張感を煽る。
妙に居心地悪く感じるロックに対し、レヴィは腹立たしいほどに自然体だった。

「あー、疲れた」
レヴィは荷物を部屋の隅に置いて上着を脱ぐなり、勢いよくベッドに倒れ込んだ。
うつぶせになった体が、ぼすっとベッドの上で小さくはずむ。
寝転がったまま履いていたブーツを脱ぎ、ぽいぽいと床の上に放る。
はー、と息をついて脱力するレヴィは、ロックのことなどまるで眼中にないのだろう、
短いプリーツスカートの裾が乱れているのも気にしない様子だ。

「レヴィ、先に風呂いいよ」
放っておいたらそのまま寝てしまいそうなレヴィに、ロックは声をかけた。
「ああ」
レヴィは思い出したように起き上がって、バスルームへと向かった。
「パジャマ持ってきてる?」
思いたって訊くと、案の定、「いや」という答えが返ってきた。
ロックは備えつけの引き出しから寝巻き用の浴衣を取り出し、バスルームへ持っていった。
「これ、着るといいよ」
もうあとは寝るだけだ。
ロックは浴衣をレヴィに手渡した。
「お、どうも」
レヴィが受け取り、ドアが閉まる。

呼ばれたのは、シャワーの音がやんで、ほどなくした時だった。
「ロック」
バスルームのドアが開いて、レヴィがその隙間から首を出す。
「何?」
ロックが腰を上げて近づくと、レヴィはその隙間から出て来た。
「これ、どうやって着んだ?」
「……あー」
523ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:47:01.05 ID:SVbOOUkF

レヴィは浴衣の前を中途半端にかき合わせた状態で、困ったように立っていた。
そうだった、レヴィが浴衣の着方なんか知ってるはずがなかった。
ロックは今更ながら失敗したと思った。
「こう……、衿を合わせてから帯で巻くんだ」
ロックの説明に、レヴィは首をかしげる。
「オビ?」
「紐みたいなやつだよ。一緒に渡しただろ?」
それでもまだよく分からない顔をしているレヴィの横から、ロックはバスルームに入った。
中は湿った蒸気が充満し、レヴィの使ったボディソープだかシャンプーだかの匂いが漂っていた。
バスルーム内を見まわすと、洗面台の隅に小さく折りたたんで束ねられた帯が転がっている。
「これだよ」
ロックはその帯をほどいて長く広げた。
「これで結んで留めるんだ」
どうせレヴィに渡しても結べないだろう。
ロックは結んでやろうとほどいた帯を両手に持ったが、レヴィの衿の合わせ方が気になった。

「レヴィ、その衿逆だ。それじゃ死人だよ」
「──死人?」
「死んだ人に着せる着物と、生きてる人が着る着物の衿の合わせ方は違うんだ」
説明すると、レヴィは突然浴衣の前をがばっと開いた。
「──こうか?」
「うわちょっとレヴィ!」
こんな目の前でいきなり開かれるとは思わず、ロックはぎょっとした。
浴衣の下には下着をつけていて、ああ、下着つけてるのかと、
若干安心感のような拍子抜け感のような、複雑な感情がまとめて去来したが、そういう問題ではない。
下着姿を平気でご開帳するだけで充分問題だ。

しかし、レヴィはロックの狼狽を、合わせ直した衿に関することだと思ったらしい。
「何だ、違うのかよ」
せっかく直した衿を開いて、また逆に合わせた。
「いや、違うって!」
それではまた死人だ。
「こっちか?」
「いや、さっきのでいいんだよ!」
「さっきってどっちだよ!」
レヴィの手は、前を閉じたり開けたり、ばさばさと忙しく動く。
「ああもう、それでいいから!」
「それって何だ! 訳分かんねぇ!」
「今の! 今のだよ!」
「今って?」
「違う! それじゃない!」
「だからそれって何だよ!」
「あ、それ!」
「これか?」
「ああ駄目だ、それじゃまた左前だよ!」
「左前? ちゃんと右が前になってんじゃねえか!」
「いや、俺から見て左のことだよ! レヴィから見たら右だ!」
「は!? 意味分かんねェよ! 右なのか左なのかはっきりしろ!」

──駄目だ。
524ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:49:05.72 ID:SVbOOUkF

「待って」
もう口では説明できない。
ロックは、ぎりぎりと浴衣の端を握りしめるレヴィの手を止めた。
「持ってて」
手にしていた帯をレヴィに渡し、そして、空いた両手を浴衣の衿に伸ばす。
「貸して」
ロックは、レヴィの浴衣の衿に手をかけた。
ずれていた浴衣の肩の線を直し、首元を整える。
逆になっていた衿を開いてぴんと生地を伸ばし、下前をレヴィの左脇にたくし込む。
飾り気のない白い下着や、すっと縦に筋の通った腹が目に入り、
湯上がりのぬくみを手に感じたが、極力意識しないことにする。
「こうだよ」
下前の上から上前を重ね、片手で衿先を押さえる。
「ここ、押さえてて」
静かになったレヴィに、合わせがはだけないよう衿先を押さえていてもらい、ロックは持たせていた帯を受け取った。
片手に持った帯を脇から差し入れ、逆の脇からも空いた手を差し入れる。
首もとにレヴィの息がかかるのを感じながら、腰の裏で帯を空いた手に渡して、前にまわす。
ウエストでぐるりと二回まわし、きゅっと結ぶ。
レヴィはおとなしくロックの手元を見ている。
湯上がりの匂いが立ちこめ、長い髪からぽたりと落ちた水滴が浴衣を濡らした。

「──できたよ」
帯の端を蝶結びにして、ロックは一歩下がった。
紺と白という配色や柄はともかく、浴衣自体は意外とレヴィに似合っていた。
東洋系の血が混じった顔立ちは、日本人と言われても違和感がない。
剣呑な警戒心が消えると、レヴィは急に童顔になる。
シャワーを浴びたばかりでつるんと血色のよくなった頬も手伝って、浴衣は妙にしっくりと馴染んでいた。
「サンキュ」
レヴィは、これでいいのだろうかといった風にあちこち眺めまわしていたが、
短い礼を返したかと思うと、さっさとベッドにもぐり込んだ。


とにかく、一事が万事、その調子だったのだ。
「おやすみ」と挨拶して明かりを消した後、
うす暗い中でレヴィの気配や衣擦れの音が気になるロックの隣で、早々に寝始める。
朝になるとお約束のように寝乱れた浴衣でぼんやりとベッドの上に座っていたかと思うと、
ロックの目の前でおもむろに着替え始める。
「男として見られていない」どころか、むしろ空気だ。
変に意識されても気詰まりだが、これはこれでうら悲しい。
ロックは何度もこっそりとため息をついた。
525ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:51:43.43 ID:SVbOOUkF

 * * *

「ほんと、男と思われてないと思ったよ」
ロックはベッドに腰かけて片手をつき、レヴィの方へ体を傾けた。
ぎし、と手の下でベッドが鳴った。
「ふん、あたしはこいつホモなんじゃねェかと思ったぜ」
レヴィはベッドの上で脚を前に投げ出し、後ろに手をついてグラスを煽った。
グラスに残っていたバカルディが空になる。

「……へぇ?」
ロックはそのグラスを奪い、手を伸ばして枕元のデスクに置いた。
前屈みになったロックの体に押されるようにして、レヴィが仰向けに倒れる。
片肘で支えるだけとなったレヴィの体の脇に手をついて、ロックは見下ろした。
「待ってたの?」
言うと、レヴィの顔が盛大にしかめられた。
「──待ってねェよ」
「ふぅん?」
ロックはほんのりと目元を赤くしたレヴィに顔を寄せた。
レヴィはわずかに体を後ろに引いたが、段々と体の熱は寄っていった。
体温が近づき、息が混ざる。
レヴィの体に覆いかぶさるように片肘をついた時、互いの唇が重なった。

レヴィが肘で自分の体を支えていたのは、少しの間のことだった。
ロックが口づけを深くすると、ゆっくりとレヴィの体は後ろにくずれていった。
その頭が枕にうずまるまで、ロックは唇で押し込んだ。
レヴィの舌からはバカルディの味がした。
ロックの口内に留まっていたものよりもはっきりと、甘く濃い酒の味が残っていた。
バカルディの残り香が、ふたりの舌の間に絡まって甘く香る。

「……理性はどうした」
ほんの少しだけ離した唇の隙間で、レヴィがささやく。
「もう品切れだ」

ロックはもう一度深く口づけた。
今度はレヴィの腕が首にまわってきた。
合わせた胸の下で、レヴィの乳房はやわらかくつぶれた。
口づけは会話のように互いの唇を行き交い、バカルディの香りをした唾液が混じった。
束の間の息継ぎをし、水の中へもぐるようにまた口づける。
舌をすくい上げ、絡ませ、誘い出し、吸う。
レヴィの体はロックの体の下で波うち、腕はなおも深く絡みつく。
酒でほんのりと溶けていた体は急速に熱を持った。

タンクトップに突っ込んで胸をまさぐった手でそのまま布をたくしあげ、脱がせる。
ボタンを外されたワイシャツを脱ぎ捨てる。
レヴィの腰に巻きついている幅の広いベルトを外し、デニムのホットパンツに手をかける。
ロックに協力するように浮かされたレヴィの腰からホットパンツを引き下ろす。
膝を折った脚からホットパンツを引き抜く時、脛の傷痕が目に入った。
ロックは自らのスラックスを脱ぎ捨て、レヴィの膝を開いた掌で、傷痕を撫でた。
526ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:53:44.14 ID:SVbOOUkF

「……ごめん」
詫び言は自然に口をついていた。
ロックはレヴィの脚の間に体を割り込ませ、脚にあった手を滑らせた。
脛、膝、腿、腰を通って脇腹へ。
「何がだよ」
レヴィの体は、脚だけでなく、脇腹も二の腕も肩口も、傷痕だらけだった。
肌の上には、いくつも引き攣れた傷痕が残っていた。
レヴィは何度も傷を負い、何度もそれに耐えてきたのだ。
なのにまた──。

「俺の我が儘で、怪我させた」
ロックは肘でレヴィを囲い、見下ろした。
「ごめん」
レヴィは、じっとロックを見上げていた。
「謝んじゃねぇよ」
まばたきをひとつしてから、言葉を継ぐ。
「もう慣れてる」
「そんな──」
そんなの慣れることじゃない。怪我をすれば、誰だって同じように痛い。
しかし、レヴィはロックの言葉を遮った。
「あんたのためじゃない。あたしが決めたことだ。あたしがあのデカブツと、手合わせしてみたかった」
ガンマンの性さ、そう言ってレヴィはひっそりと笑う。
「でも」
「……あんたが引け目を感じる必要はない」
レヴィの右手が伸びてきて、ロックの頬を包んだ。

「──罪悪感なのか?」
「え?」
レヴィの言っていることがよく分からず、ロックは問い返した。
「罪滅ぼしのつもりなら、──いつだってやめていいんだ」
レヴィはさみしそうに笑って、手を離した。

「──違うよ」
ロックはレヴィの言っていることにようやく気づいたが、言葉が続かなかった。
「違う」
「嘘つけ」
レヴィはまた静かに笑った。

「あんたの頭の中にいるのは、あのスクールガールだろ?」
527ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:55:44.70 ID:SVbOOUkF

ロックは息を飲んだ。
その時はじめて気がついた。
レヴィの、さみしさに。
未だにロックはレヴィのことを分かってなどいなかった。
それを、嫌というほど気づかされた。

レヴィはずっと、さみしかったのだ。
強い女だと思っていた。
誰よりも強く、誰の力も必要としない。
屍の山を築き、その上で不敵に笑っている女。
でも、強さとさみしさは別のところにある。

言葉も習慣も、何もかもがレヴィの生きてきた世界とは違う日本で、本当に心細かったのはどちらだろう。
ロックは自分の無力と喪失感に手一杯で、レヴィのさみしさに気づけなかった。
レヴィはいつもそこにいてくれると甘え──。

「──ごめん、レヴィ」
ロックはうなだれた。
「いいんだ、ロック」
レヴィの手が肩に触れる。
「違うレヴィ、そうじゃない──」
「いいさ、ロック。分かってる」
レヴィの手は穏やかに肩を撫でる。
「そうじゃないんだ、レヴィ。俺の場所はここだよ」
顔を上げて目を見ると、レヴィは小さく頷いた。
「俺の場所はここだ。未練も迷いもない」
レヴィはただ頷くはかりだ。
「本当だ、レヴィ」
「分かってる」
頷きながら、レヴィは静かに言った。
「──本当に?」
「分かってる」
「本当に分かってるのか?」
「分かってるさ」

──そんな顔で笑うな。

ロックの言葉を囲い込むようにレヴィの腕が伸びてきて、絡みついた。
ぐいと引き寄せられ、唇が重なる。
レヴィの唇は、温かく湿っていた。

「──もう、忘れちまえよ」

紙一枚離された距離で、レヴィが低く言う。
ロックの返答は許されず、また唇はふさがれる。
やわらかく唇を割ってくるレヴィの舌に、理性が溶かされてゆく。
レヴィの舌に誘われるように自ら舌を絡めると、熱くやわらかい粘膜の感触に体が疼いた。
528ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 21:57:58.69 ID:SVbOOUkF

「レヴィ」
背中ではレヴィの手が這いまわる。
「黙れよ」
抱き寄せられ、ふくらはぎにレヴィの脚が絡む。
「もう黙れ」
トランクスの中にレヴィの手がもぐり込んできて、根本からゆっくりと撫で上げられた。
「──」
既に硬くなっていた陰茎に指が絡みつき、ロックは思わず息を飲んだ。

レヴィの指は、舐めるように這いのぼった。
裏側を通って、先端を刺激する。
掌でやわやわと包み、指先でつつく。
くぼんでいる部分を指の腹でなぞり、快楽を剥き出しにするかのようにこねまわす。
あやすように撫でていたかと思うと、きゅうっと掌の圧力を強める。
ふいに先端から離れた手は、張りつめている根本へ移動した。
五本の指全部を絡ませ、そして、しごき上げる。
じらすように先端には触れず、刺激のほしい一歩手前のところでまた戻る。
戻って、絞り上げるように先端へ向かい、また根本へ。
往復する速度は段々と速まるのに、先端には触れない。
はちきれそうに血液が集中して反りかえる陰茎をたしなめるように、レヴィは手の圧力を強めた。

──ああ、もっと……。

思わず息が乱れて、催促するように腰が動く。
レヴィは、そうやってぎりぎりのところを何度も往復させた末、ようやく先端に指を絡めた。
早くも滲み出していた体液をなじませるようにこね、誘い出すように指の腹で圧迫する。
ロックの体液でぬめった指が、ずるりと根本に向かって滑った。

否応なく性欲がふくらんだ。
ロックは我慢できずに、レヴィの乳房へ手を伸ばした。
豊かなふくらみをすくい上げ、揺らし、顔をうずめる。
ほんのり汗ばんだ肌が、やわらかくこめかみを押した。
529ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 22:00:09.93 ID:SVbOOUkF

「レヴィ」
ロックはトランクスの中のレヴィの手を引き抜いた。
「罪滅ぼしなんかじゃない」
言って、首筋に口づける。
レヴィの手首を掴んでベッドに押しつけ、今度は自分の指をレヴィの下着に這わせた。
「──ん、ぁ」
ちょうど敏感な部分を指の腹で撫でると、レヴィの体がぴくりと跳ねた。
布の上からくるくるとさすり、それから奥の方へ滑らせると、じわりと温かい体液が染みてきた。
指で探ると、またたく間に下着はほとびてゆく。
「レヴィ」
布の下でとろりとした体液が広がるのを感じながら、ロックはレヴィに口づけた。
唇を合わせ、舌を絡め取る。
指先はいよいよ熱く濡れ、布はたっぷりと体液を吸って、ぬるぬると滑った。
「レヴィ」
ロックは唇を離して、今度は耳のそばに口づけた。
ぬめる布の下で、レヴィの腰がむずかるようにゆらめいた。
片手はレヴィの手首を離さず、もう一方の手を下着の中にもぐらせる。
ほんの少し襞を割っただけで、指はその隙間にするりと滑り落ちていった。
「レヴィ」
指先は一気に暖かく濡れた粘膜に包み込まれる。
吸い込まれるように奥へ進めると、くぼみには温かい体液があふれていた。
ロックはそこに指をひたし、襞の間をさかのぼった。
薄い襞が指で押しのけられて、くにゃりとたわむのを感じながら、先端へ。
濡れた指先で小さくふくらんでいる突起をこね、また戻る。
それから中指を立てて根本までうずめると、レヴィの体がきゅっと締まった。

「レヴィ」
ロックは何を言ったらいいのかも分からず、ただレヴィの名だけを繰り返した。
苦しくなるほど、彼女を求めていた。
「レヴィ」
指をわずかに上下させながら、ロックはレヴィに口づけた。
指まで溶けてなくなってしまいそうに熱い内側をかき混ぜる。
「──ん」
つながった口の中で声がこもった。
くちゅ、とロックの中指が音をたてる。
中指の側面が、レヴィの粘膜とこすれ合うのを感じる。
きつく閉じそうになるレヴィの膝を脚で阻止して、ロックは根本まで指を挿し込んだ。

そこから先は、下着を脱ぎ捨てるのさえもどかしかった。
ロックは開いたレヴィの体に深く腰を沈めた。
「ん、…………あぁ」
レヴィは体の奥底からあふれるようなため息をついた。
体を寄せると、背中に腕が絡みつく。
レヴィの体のなかは、眩暈がするほど温かい。
わずかに腰を浮かせてからまた奥まで穿つと、レヴィの膝が震えた。
530ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 22:02:16.89 ID:SVbOOUkF

ロックの体の上下に合わせて、レヴィは呼吸をした。
腰の動きも、口づけのタイミングも、息継ぎの頃合いも、全部分かっているかのように応えて、体を揺らした。
ロックが体を押し込むと、一瞬息がとまって背中がゆらめく。
奥まで到達してぴったり重なり合うと、胸の奥にたまった空気が吐息となって漂う。
レヴィの腰はやわらかくくねり、ロックを誘い込む。

もう最近では、最初の頃のような緊張やこわばりは全く感じられなかった。
ロックの手は撫でるものや包み込むものとして受け入れられ、所在なげだった手はすんなりとロックの体にまわる。
少しずつ、少しずつ、距離を詰めてきた。
交わっていると、レヴィの内側に触れた気がした。
大事なことは何も言わない彼女の、声にならない胸の内が伝わってくる気がした。
体が溶け混ざって、同じものになったのではないかという気さえした。

けれど実際は、何も分かってなどいなかったのだろう。
肌を合わせ、指を絡め合い、同じ快楽の海に漂いながら、レヴィは何を思っていたのだろう。
「届く訳ゃねえ」と、あの冬の公園で言った時のような顔で、今更笑ってほしくなどなかった。

──レヴィ。

一体、いつになったら届くのだろう。
レヴィの隣に。

ロックは溶けたレヴィの体を何度も突き上げた。
とろけるレヴィの体液はロックの陰茎に絡みつき、外側にあふれ、
陰毛を濡らし、ロックの止まらない腰の動きを強調するかのように濡れた音を上げた。
ロックを閉め出すようにきつく締まるなかに分け入り、熱く溶けた肉を往復する。
レヴィの体は腕も脚もきつく締まってロックをとらえ、
内側はロックの陰茎にかきまわされて絶えず粘性の音をたてているというのに、いよいよ強く締めつける。
「あぁ…………っ」
ロックが深く奥まで埋め込んで揺らすと、レヴィの背中が震え、喉から声があふれ出した。

──「歩く死人」って、今こんなにも生きているのに?

言葉を発する余裕はない。
ロックは激しく体を揺らしながら、レヴィを抱きしめた。
わずかにレヴィの腰が浮いてできたシーツとの隙間に手を差し入れ、ぐいと引き寄せる。
とろけた粘膜へこすりつけるようにして激しく往復する。
レヴィの脚が、きりきりとロックを挟みつけた。

ロックは、レヴィに出逢って全てが変わった。
世界は一変して色がつき、生まれ変わったような気がした。
あの灰色の街にいた頃こそが、「死人」だったのだ。
そんなロックの前で自らを「死人」と言い、諦めたような目で笑うレヴィを見ていると、
ひりつくようなもどかしさを感じた。

──じゃあ、俺は何だ。お前に惹かれた俺は、何なんだよ。

「…………レヴィ」
絶頂に至る前、それだけ絞り出すのが精一杯だった。
レヴィの体がしなやかに反りかえって、何度も体を押しつけられるのを感じながら、ロックは達した。

531ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 22:04:27.21 ID:SVbOOUkF

 * * *

明かりを消して枕に顔をうずめ、早くもレヴィがまどろみかけていた時だった。
「……ありがとう」
隣に横たわっていたロックが、突然言った。
「──え?」
閉じていた瞼を上げると、ロックがやけに改まった顔でレヴィを見ていた。
「俺につき合ってくれて、ありがとう」
「──んだよ、急に」
レヴィは笑っていなそうとしたが、ロックの方はかしこまった顔を崩さない。
「『ごめん』じゃなくて、『ありがとう』だ。ちゃんとレヴィに『ありがとう』って言ってなかった」
「やめろよ、気色悪ィな」
そんな真面目くさった雰囲気は苦手だ。
レヴィは枕に顔をうずめようとした。
だがロックは、レヴィのこめかみから髪に指を差し入れてきた。
「ちゃんと聞けよ、レヴィ。感謝してるんだ。レヴィがいてくれて、よかった」
レヴィは仕方なく顔を上げた。
「別にあんたのためじゃねえって言ったろ。ほんとに感謝してんなら、もう余計なとこに首突っ込むな」
「──ああ。でも、それとはまた別で」

ありがとう。

今度は頭を抱き寄せられて言われた。
後頭部がロックの掌に覆われ、体の熱が近づく。
暗闇の中、鼻先にロックの肌を感じた。
「……あー、もういいから」
「レヴィ」
頭の上から、ロックの声がする。
「いいっつってんだろ」
「──うん」

しばらく後頭部にあった手は、そっと離されたかと思うと、今度は腰にまわってきた。
「おやすみ」
「ああ」

そして部屋の中は静まる。
どこか遠くで罵声が上がり、何かが割れるような音が響く。
窓のすぐ下を、酔っぱらいが呂律のまわらない舌でわめきながら通り過ぎていくのが聞こえ、
それをたしなめるような娼婦らしき女の声とハイヒールの音が重なる。
何台か続けて車が通過していく音と、バイクのエンジン音。
ぬるい空気の中、いつもの喧噪が小さく浮かんでは消えてゆく。
ロックの息が寝息に変わってから、レヴィはそろそろと目を開けた。
532ロック×レヴィ 日本編・その後  ◆JU6DOSMJRE :2011/04/12(火) 22:06:29.25 ID:SVbOOUkF

──「ありがとう」とか言うんじゃねェよ。

すぐそばにある顔を見ながら、レヴィは思う。

──「ありがとう」は、本当はあたしの方なんだ。

ロックは雪緒を忘れない。
そしていつかは、誰かに護られずとも一人で歩けるようになり、レヴィを必要としなくなる。
分かっていた。
レヴィにはそれをどうすることもできない。

──それでも。

あの雪の中、路地裏でひとり転がっていた時。
呼ばれて目を開けた、そこにロックの姿があった時。
レヴィはその時、幻を見ているのかと思った。
ひどく寒く、そしてひどく疲れていた。
そのせいで、ついに幻覚まで見えるようになったかと思った。
自分の目が信じられず、指を伸ばした。
おそるおそる伸ばした指は、何にも触れずに向こう側へ抜けるかと思った。
けれど、ぶつかった。
ロックの頬にぶつかって止まった指先は、温かかった。

それでも、半信半疑だった。
本当に戻って来たのか──? と。
信じられなかった。
どうして戻って来た。
ひとりなら逃げられたのに。
戻って来ても何のメリットもないのに。
何の役にも立たなくなった女のところへ。
……どうして。

──あの時、あたしがどんなに嬉しかったか。

ロックの穏やかな寝顔を見ながらレヴィは思う。

──あんたには、分からないだろう。

白く降り続く雪の中、ロックの腕の中は泣きたくなるくらい温かかった。

──あんたには、絶対に、分からないだろう。






533名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 22:46:14.47 ID:0K9T3bjt
乙でした!
くっ…最後のほうのレヴィに泣けた
上手く原作の流れに乗せたなあ
534名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 23:55:44.69 ID:dor445FE
乙!
すげぇ、神を見たぜ…!
535名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 00:00:00.42 ID:djlqPjuX
やっぱいつも最後には泣かされる・・!
幸せでやりきれない切なさがあるなあ
536名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 00:14:34.91 ID:JSWm9mH4
あれ?俺の目から宝石が溢れ落ちてくるんだけど

当分の間寝る前はこの二人の事が頭から離れなくなりそう
537名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 20:11:47.99 ID:L5Qgs8fj
段々と心の内を言い合える中に発展してってるのが良いなあ
日本の話を笑い話を交えて話せるようになったとことかすごい成長だと思う
でもやっぱりどこかですれ違っちゃってるのが切なくて良い
>>533の言うように、原作の流れを上手く乗せながらの細かい描写が素晴らしい
次回作も期待してます

関係ないが、お互いの呼び方「おまえ」「あんた」って完全に夫婦だよな。今更だけど
538名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 22:30:05.64 ID:Kxitvc2x
遅ればせながら最後まで読んだが、これ、GJどころの騒ぎじゃないだろ…!
描かれてない原作を読んでるような気分になった

ロックがたびたび雪緒のこと思い浮かべてたのも綺麗に最後に繋がってて、
無駄なところが何もない
レヴィも、ロックが雪緒のこと考えてるの分かってたんだろうなーとか思うと、
あのドタバタ回のところも切なくなる

こんなSS読めて幸せだ
539名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 23:58:44.13 ID:3gLqyegG
>>537
> お互いの呼び方「おまえ」「あんた」って

密かに俺がずっと思ってたことを・・・
レヴィには「お前って言うな!」とかブチギレといてあの男・・・
しかもレヴィ以外の女の子には「君」とか。

それはそうとネ申今回も凄まじい大作秀作有難う・・・!!
神の作品読むと益々ロクレヴィ好きになる。
そして相変わらずの巧さ・違和感のなさは何なんだ!
病院の待合室の空気とかその空間の匂いが伝わってくる。
540名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 21:43:52.04 ID:x8DKBQuG
全部通して読んでいる内に途中から2chのエロパロスレじゃなくて普通に書店で買った小説読んでる錯覚に陥った。
すげえ・・・・なんだこの完成度。
もうこの二人好きすぎて切な苦しい。

素晴らしい話有難う神・・・次作も気長に待ってます。
541名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 22:45:38.12 ID:Rlp4mufH
ロックのふりして寒さに震えるレヴィを抱き締めて暖めたい
回復して正体ばれて蜂の巣にされるまで抱き締めたい
542名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 19:07:03.22 ID:2xaph7++
ひそかに犬の描写が好きだ。犬飼いたくなった
543名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 20:05:50.14 ID:8/+g72jV
浴衣着れないレヴィたんかわいいよレヴィたん(*´Д`)
何でこんなに読み手を惹き込むの!
神最高だよ神
ほんと売ってても可笑しくないレベル
544名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 23:36:04.30 ID:34/sqLGh
医者かっこよすぎだろ。ストイックにドライに振る舞ってるようで人情深い。

やっぱり医者としては一度診た患者がちゃんと完治して元気になった姿見て安心したいだろうに・・・アウトローな客だとなかなかそうもいかないんだろうな。
でもわんわんおがいるから寂しくないよね、きっと・・・
545名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 20:18:24.09 ID:JWrb6tzc
ほんと医者と犬は良いキャラしてる
竹中のように再登場望んでしまうキャラだw
もう死んじゃったけど昔黒い犬飼ってたの思い出すなあ
546名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 20:49:11.44 ID:Lm+cmMxI
しかし本当に日本編は妄想の宝庫だよな
仕事の時以外の二人の描写がかなりぼかされてて少な目だから
このスレや保管庫の日本編みたいなことが実際原作にあっても自然な気がする
(それくらい職人さんたちの文章が上手いし)

更にその後のレヴィの「言いたくねえな」がさらに妄想を引き立ててくれるし
つまりはもうニヤニヤが止まらなくて幸せだ
547名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 23:30:40.68 ID:xPamENDW
これは夜中一人で読んでたら確実に泣く
たまたま音楽流しててkalafinaの君が光に変えて行くが流れ出したから余計汁に塗れたわチクショウ
548名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 01:33:39.24 ID:KbQuVYhT
保管庫行ったら夜中泣くことになるぞ
549名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 21:30:50.81 ID:VaEl0uyM
保管庫はまさに宝の山だからな
数日かけて全部読み返しては益々ブラクラが好きになっていく

さてまた行ってくるか
550名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 22:21:38.44 ID:oRA4IRGz
皆を鬱の坩堝に落とすシリアスからドン引きさせる酷いwギャグまで網羅するあの人が懐かしい。。。
てか、ギャグが読みたい(ボソ
551名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 23:16:25.59 ID:jvtmIiwH
ロベルタ可愛いよな
552名無しさん@ピンキー:2011/04/22(金) 20:29:13.28 ID:G7feNNyM
ロック×レヴィにエダが絡む話が好きだな。シリアスでもコメディでも

>>551
もう可愛いって年齢じゃ…
あれなんか車に凄い勢いで近づいてくるターミネーターみたいなメイドがry
553名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 06:44:24.58 ID:FnJLeZOT
ふたりに子供がいてロックが出張から帰ってくる話が好きだ〜
あと神の薔薇と観覧車の話は何回読んでも泣く
554名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 13:05:55.11 ID:7yrMoK8F
八艘飛びでニヤニヤ笑いながら人を蜂の巣にする女ガンマンも可愛いよな
555名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 14:37:42.43 ID:/hOw3X+9
拗ねレヴィかわいいよ拗ねレヴィ
556名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 16:20:40.72 ID:hd3Z4I1H
「何かくれんのか?ギブだって?」の時のニコニコレヴィもかなり可愛いぞ
あの笑顔で撃ち殺されるなら本望
557名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 04:37:39.93 ID:sFZHfF1b
>>553
あの三人目孕んだ話はいいよなー
書いてる神ってどうみてもアマチュアじゃなさげだけどw
文章やプロットがちょっと上手すぎる
558名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 10:14:04.22 ID:n8Tpbss8
日本編その後と居候シリーズ映像化できるレベルだろ。
エロパロスレにのみ留まらせておくには勿体無い文才。
559名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 10:29:26.52 ID:cTpnTqTM
文章書ける人が羨ましい
俺は脳内妄想ならいくらでもができるがそこから書き起こすことが中々できん
560名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 10:40:22.07 ID:CAMkpBBE
>>558
まったくだ、そこに比翼も加えてくれ

つか、このうちのひとつでも書けたら神だと思うんだが、
この本数をこのクオリティで書き続けてるってことが凄すぎる
どうなってんだ、一体…!
561名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 17:54:19.00 ID:4j7XZMes
>>557
あれ、レヴィたんが人並みの幸せ手に入れたように見えて
裏での黒島さんの思考はけしからんほど中二的なド鬼畜なんだよな。
あのぶん殴りたくなる黒っぷりは真似出来ない。
色々伏線張りまくりできっちり回収してるしすげーと思う。
562名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 22:18:42.58 ID:SaIN7d4w
岡島さんが黒だったり白だったり
レヴィがSだったりMだったり
話によって書き手のキャラの価値観が違うのもまた良い
つくづく応用の効く万能カプですばらしい。
563名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 01:22:40.12 ID:pN2pH4uS
>>557,>>561
その三人目孕む話ってどれ?おしえておくれ
564名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 10:53:13.43 ID:fKbgnydT
誤って勢いよく足をカッターでブシャア!ってやっちまったことあるけど、あれでも床血溜まり両足で満足に歩けない痛さだったから日本刀で刺されたら悶絶どころじゃないだろうな。
それを「少し痛むぞ」で引っこ抜く岡島さんマジ鬼地。

日本編は後日談も美味いけど一回目の公園後・二度目の公園後で妄想膨らませて一人でよく盛り上がってる。
565名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 15:16:33.99 ID:iAVGQGiX
566名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 20:08:23.29 ID:3Vp2ijGf
>>564
原作の復讐編序盤で、二人仲良く酒飲みながらバオを笑い飛ばしてるシーンでも
どっちが誘ったのか、そしてこの後どこ行くのか とか楽勝で妄想できる
OVAは改変されたから軽くがっかりした

もう末期症状だが開き直ることにした
567名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 23:35:28.35 ID:ZWpgxQPi
>>563
no.11-419で作者11-419氏 場所は比較的上の方にあるよ
改めて読んじゃってしばらく戻ってこれなかったよw
568名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 00:50:10.48 ID:wBX2lJsg
>>566

>>564
> 原作の復讐編序盤で、二人仲良く酒飲みながらバオを笑い飛ばしてるシーンでも
> どっちが誘ったのか、そしてこの後どこ行くのか とか楽勝で妄想できる
> OVAは改変されたから軽くがっかりした

> もう末期症状だが開き直ることにした
569名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 01:07:14.32 ID:wBX2lJsg
>>566
あんまり話題にあがる事ないが、アニメ竹中編での文書届けたとき
「NYPD27分署の連中が〜」
ってこっちはお前の過去握ってんだぞとばかりに言われて目が瞳孔開いちゃってたけど、ロックに声かけられた途端いつもの調子取り戻してツンデレったあのやりとりに大変にやけた。

あのあとダッチ達と合流するまでの帰り道、今回の件でまた絆が深まった二人を妄想するとまた更ににやけた。
570名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 01:40:59.02 ID:MVGPnNSI
>>565
遅くなったがありがとう
571名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 02:54:05.95 ID:IUFX2y0R
レヴィが腹筋してる最中に脇腹こちょこちょしたい
572名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 19:04:52.82 ID:pVwl8gCm
>>564
少し痛むぞ、どころじゃないよな。かなり痛いけど我慢しろ、なんて言うわけにもいかんがw

あの時の悲鳴が、安易な「ぎゃああ」とか「ぐわああ」じゃないのがまた良い
573名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 20:29:17.88 ID:sAmJj1y9
>>572
確かにw
海外版の方が派手に叫んでていいとか言う人がたまにいるけど
あれはレヴィのキャラクターをぜんぜん理解できてないよな
日本版オリジナルの堪えたけど漏れてしまったあの悲鳴が
意地っ張りでかつ弱みを見せられない環境で育ったレヴィを的確にあらわしてる
574名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 20:37:38.33 ID:g0MY9H/R
海外版の声もあれはあれで良いけどな
怒ってる時の声とか好きだった、というかファック連発が好きだw
悲鳴のシーンは確かにかなり違ったけど、あの絶叫は迫真の演技って感じですごかった
つまりレヴィならどっちも最高ってことで
575名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 21:58:49.92 ID:sAmJj1y9
うん別に海外版が嫌いというわけではないんだけどね
でもあのシーンに関しては、レヴィは決して全開で絶叫したりはしないと思うんだよなー
普通の女性だったらあれでいいんだろうけど
俺の譲れない変なこだわりw
576名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 20:26:11.63 ID:TXjLY7zN
保管庫一気に読み返してたが、本当良作ばっかで萌え死ぬわw
「ロックさんがアキバで〜」の話すごい好きだ。空回りしながら頑張るレヴィと
ムッツリなロックさんの描写がかなり好み
つくづく日本編大好きだわ
577名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 22:48:30.44 ID:iDaM98vb
保管庫読んでると、なんか生きててよかったって思う
それぐらい好きだわロクレヴィ
578名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 23:07:56.20 ID:loD/Z4U1
保管庫さん、ちょっと前に更新があった時はほっとした
無事かなと気になってたもんで
いつもありがとう
579名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 09:19:50.34 ID:VYB51LR5
あのタイトルの数字が増えていくシリーズ(何回程度の〜)みたいなの、
かなり切なくていいっす。
原作と繋がってる感じがビミョーにくすぐる。

最近、このひと投下ない?それともタイトルの感じ変えた?

580名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 09:37:21.60 ID:tu6T5I6c
>>575
そんな強がりで意地っ張りで素直になれなくて…なレヴィがたまらなく愛しいから気持ちはわかる。

多分、日本のオリジナル版と区別つける為もあったんだろう。
581名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 21:01:59.43 ID:CRqVXoCk
長年色んな漫画読んできたけど
レヴィほど好きになったヒロインはいないし、ロクレヴィほどはまったカプもいないな

そして少数派だろうけどロットン×シェンホアも好きだ
582名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 09:21:22.95 ID:ElWzQ2RV
>>579
投下してないと思うよ
最後のナンバーが最終回だったんじゃないかい
あれは黒島さんだったなあ
583名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 17:23:18.01 ID:L1Lo4WbG
この流れで保管庫行ったら帰って来れなくなったぜ畜生
でも未完のも多いんだよな、改めて続きが気になる
今からでも続き書いてくれんかな、神様逹

おしゃれして食事会行く話好きだ、シェンホア家も微笑ましいしレヴィたんも可愛いしな
続き気になる
584名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 17:39:58.53 ID:XOHOquDT
いいところで止まってる作品が結構多いよね
気が向いたら続き書いてほしい…
>>576で出てる日本編の続きがものすごく気になる

しかしどの作品でも張さんは超サイコーに輝いてるし、
シェンホアはどこまでもお人よしで可愛い
585名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 21:22:08.46 ID:9tPTj8/c
>>582
私は 『〜12時間程度の姫君〜』 という題の話が一番良かった。
レヴィの切な感とそれを分かってやれないロックのやり取りがたまらない。
最後、話の途中で帰るところが、読んでる者にやりきれなさをそそる。

また続きを書いて欲しいです。
でも、投下から一年経つのよね。



586名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 19:50:00.71 ID:qB2Obz7a
>>581
どこの俺だよ。

あでもシェンホア6t夫婦は好きだけど萌には届かないかなー?
今まで好きになったCP色々あるけど、どれも一過性の萌えばっかだったのに対してロクレヴィは一向に冷める気配がない。
レヴィたん愛しすぎて仕事するのが辛い。
587名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 20:48:10.75 ID:yCanurEI
「あそこから飛び降りてオーダーするのはクールだろうか」
と6tが高い所へ登ろうとするのをシェンホアが
「はいはい、ささと行くですよバカチン」
と言いながら引っ張っていく二人の買い物風景を想像した
588名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 01:22:23.96 ID:tCBXjOZC
しかし原作どうなんのかね
ロックとレヴィの関係をちゃんと描かないのは連載続けるためなのか・・・
589名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 06:32:34.85 ID:z9MPOAsa
もう広江に期待することは止めた方がいいだろうな…
590名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 06:33:59.83 ID:z9MPOAsa
広江にはも期待しないほうがいいんだろうな…
591名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 09:59:07.18 ID:o4MFU9d5
連載って何で止まってるの?
592名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 10:36:06.65 ID:rR+9eehd
なんでレヴィはあそこまでロック大好きなんだろう
593名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 12:05:16.01 ID:evnFw01z
そりゃシガキス編であんなこと言われりゃ・・・

でもホイットマンフィーバー後「あいつが嫌いってわけじゃないんだ、でもやっぱり駄目だあいつとは組めない」って寂しげな顔で言ってたり
594名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 12:08:49.92 ID:soWxr4l2
それは永遠の謎・・^^;
まあ人間は自分に無いものを求めるというしな
595名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 15:56:49.96 ID:s9iVYlai
それはあれだ、レヴィたんがMだからに決まってる
596名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 22:11:56.17 ID:flsnJne7
Sレヴィたんに責められるロックが見たい
597名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 02:06:14.57 ID:CSMobgUp
なんかもう、あんだけ悪顔見せられたらがっつり攻められてるレヴィしか想像つかないw

日本編で「テメェでなけりゃ2、3発ぶち込んでる」って言ってたけど、これはもうどういう状況でもロックを撃つことは出来ないってことだよね。
完全にノックアウトされてるじゃねえかちきしょう。
598名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 10:34:49.04 ID:V/rIoTHb
ロックがうらやましい〜。
599名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 20:49:50.39 ID:Cz+fltvA
ロックが姉御にボンネットに叩きつけられた時も
2対1でしかも片方は姉御なのに咄嗟に銃を向けたし
もうロックのためなら全て敵に回しても構わないってか、命を捨てる覚悟できてんだろうな

ロックが憎いというか、代わってほしい
600名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 18:49:29.14 ID:w4yEP2zB
姐御に銃向けられる人って化け物だらけのブラクラの世界でもそういないよな。
中でもレヴィは街の力関係よくわかってて相手がどんだけ危険なおば…お方だってのを把握していながらだから、相当な覚悟が必要だと思う。

そんなレヴィたんが健気で愛しいから撫で回したい。
601名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 23:56:33.90 ID:f+YDDKIB
問題は、そんな幸せ独り占めの岡島さんがそれをどう思ってるか、だ
日本編でベニーとの電話で、レヴィがわざわざ心配してついていったんじゃないかって事を
言われてたけど、無反応だったしなあ

今すぐ代われ、俺と代われ
レヴィの事は俺に任せとけ
602名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 22:06:16.56 ID:8GZ8TyjE
今更だが、アニメサントラのジャケでレヴィに腕組まれてる
ロックはなんであんなに嫌そうな顔してるんだ?あれ乳当たってるだろ
普通ならあのまま体重かけて腕を乳に押し付けるか
いっそもうそのまま押し倒して全身スリスリするだろうが

写真撮影?そんなもん知るか
603名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 22:24:15.07 ID:2aVURz0K
>>602
あのジャケットまだ逢って間もない頃って印象受けたなあ
まだレヴィのこと怖いって思ってたんじゃね?勿体無いことをw
604名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 23:30:07.95 ID:IVl2raAm
うん、あのジャケは初期の頃って雰囲気。
新人クルー加入記念撮影と勝手に脳内補完してるw
アニメのレヴィの乳の形は凄くこう…エアリーで柔らかそうです。
605名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 21:09:40.43 ID:JM+pg5TA
レヴィたんと与太話しながらピザ食べたい
606名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 23:56:39.42 ID:aHERJw5o
神の朝食を読んでホットケーキミックス買ってしまったのは俺だけでいい
607名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 23:29:32.45 ID:503seIrN
>>606
後は裸エプロンで焼いてくれるパートナーがいれば完璧だな
608名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 23:59:29.27 ID:JGsbIaBx
うちエプロンないから全裸調理になるな
609名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 10:33:38.37 ID:Q3YDdyG4
買ってやれよ!エプロンぐらい!

エプロンがないと、焼く時に跳ねたものが地肌について……
そのままじゃやけどになるからすぐにとらなくちゃいけなくて……
右手はケーキ、左手は皿で塞がっているので舐めとらなくちゃ……

お前はエプロン買えよ!いいな、絶対だぞ!?
610名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 12:09:22.48 ID:y0kEDM0L
>>609
犯島さんもう黙れ
611名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 00:24:34.27 ID:GEaVgaSk
全裸調理w思わず吹いた
612名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 11:05:23.96 ID:1QoitCGL
>597
代わりにロックに2,3発ぶち込まれるレヴィですねみんなわかってました。
613名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 11:55:06.63 ID:Rd00tscA
2、3発…?
桁が足りんぞ
614名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 16:43:21.66 ID:0wlbbsew
どんだけ犯るんだよw
レヴィたんが壊れちゃいます><
615名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 21:03:41.64 ID:iFFpUyxp
動画関連の話題なんでNGなのかもしれんが…


ようつべで外人さんが作ったロクレヴィ(カプというよりAND)MADが結構あるのな
おかげで充電できた
みんなシガキス好きなんだなw
616名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:12:03.85 ID:Md0W82qL
シガーキスの雰囲気のエロさは世界共通だったかw
617名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 22:32:16.38 ID:qSwVrpVx
シガキスと銃と弾丸は最高の名シーンだからな

アニメ板だとタケナカ篇冒頭で
ネクタイ顔にかかるシーンもエロい
618名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 03:29:03.98 ID:XByzlyt2
あのシーンは相当身悶えたわ。
演出細けぇwつかアニメスタッフの粋な計らいにひたすらGJだった。
レヴィの声もエロかった。
619名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 22:04:07.77 ID:DYkz36S8
しかし、前スレが埋まらないな。

レヴィのは前後とも埋まってるのに。
620名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 22:28:57.50 ID:hQxfupDa
初期は「もう嫌だ助けてー」とか泣きわめいてた岡島さんが
今やレヴィに好き勝手やりたい放題やってると思うと羨ましくて悔しい
621名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 23:37:04.38 ID:k9KrPCBE
レヴィがかわいすぎ好きすぎるせいでそこいらのヒロインじゃ勃てなくなった
622名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 08:00:48.76 ID:XNK/WhLU
ゲーセンのプライズのブラクラフィギュアを二種類ゲットしたんだが、レヴィの出来が微妙だな
色指定もおかしい
リボルテックのがよくできてたと思う
スレ違いすまぬ
623名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 12:31:57.07 ID:mKuSVa+R
ニューラインの座って煙草加えてるの持ってるけどこれは結構似てて可愛い
しかしなぜラグーン男衆のフィギュアは出ないんだ
ダッチ出せダッチ
624名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 18:14:31.63 ID:XNK/WhLU
張兄貴のフィギュアも出て欲しい
あとベニーさんも
625名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 01:56:19.47 ID:n9ySzwGT
>>624
張兄貴フィギュア、男たちの挽歌とかぶりまくりwもし出てればだけど
チョウユンファはこの漫画知ってるんだろうか
626名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 11:11:19.69 ID:TazTTWUc
フィグマからレヴィでてほしい
627名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 11:57:32.48 ID:SFxtyYhQ
リボルテックで我慢汁
628名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 12:55:27.96 ID:/eKYUQun
ニューラインで日本編を…
ついでにロックもミニチュアのオマケとかでいいからつけて欲しい
629名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:27:23.50 ID:RkQFKpb7
シャドーファルコンの通常バージョンとロックに変装バージョンのフィギュアがほしいです。
頭のイカレた神様出してください・・・
630名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 00:11:49.45 ID:esYXFdxC
プライズフィギュア、今日やっと双子(姉)もゲトした
これで三種類全部揃ったお!

並べてみるとロベルタが一番よく出来てる希ガス
やはり男性陣も欲しいお
631名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 16:34:07.62 ID:V7iz0bOU
>>623
ニューラインだったらビキニ姿で水中銃装備のやつもなかなかエロイイと思うのだが。
ビキニの紐持ってるのとか何気に凝ってる。
632名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 16:59:30.14 ID:UEFI2Zm/
>>631
あれエロくて可愛いけど、顔がなんか女の子すぎて違うんだよなエロくて可愛いけど
デザインは凄く好きなんだがエロくて可愛いし
633名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 06:41:16.22 ID:Q+LIaDPT
おま、エロくて可愛いいいすぎw
あれはロックとふたりきり設定だったりして
634名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 10:44:06.51 ID:/DGbWoJX
確かあれは観光協会初代トップの水着レヴィをモチーフに造ったから、傍らにロックがいてもいいな。
レヴィはエロくて可愛いんだからあれで不服だなんて贅沢言うなよw

そもそもレヴィに限らずブラクラフィギュアはどれも似てない&微妙な出来だったりする。
何だろう、広江絵って立体化し辛いんかね?
635名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 18:03:46.63 ID:lCBTdOlT
今まで意識してなかったけど、昨日保管所のss読んだらロクレヴィ脳に成り果てました
636名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 22:33:50.29 ID:XyTYZ4v/
>>633
ロックと二人で泳ぎに来たのが嬉しくて女の子らしい表情になってるけど
ロックが他の水着美女に見とれた瞬間水中銃乱射する準備は出来てる
という乙女な二面性を現したフィギュアなわけか
637名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 08:01:14.11 ID:n5hty5xk
死人の眼にならなければレヴィは普通にってかべっぴんと称されるくらい可愛い女の子なんだよ
638名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 10:37:46.71 ID:Hcg4LOE4
実際、名の知れわたってない日本ではナンパされたり
坂東さんにべっぴん言われたり
チャカさんにちゃん付けで付きまとわれたりしたしな
639名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 13:07:00.86 ID:mPTLbRFQ
死人の眼になれるからこそのレヴィだろjk
640名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 02:55:07.16 ID:QtaVoU6R
死人眼のダークさと可愛かったり健気だったり儚かったりするギャップがいいんです、いいんです。
641名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 08:25:12.60 ID:On280TcW
レヴィは一見すると自己完結してそうな強いキャラに見えるけど、
よく見ると案外不安定なところが魅力的。
642名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 21:22:02.88 ID:uvzAV6CW
何度読み返しても日本編の泣きそうなレヴィが可愛すぎる
何あの絶妙な表情。射的のおっちゃんの前だろうと
お構い無しにスリスリしたくなる

あんな顔見せらるのは岡島さんしかいないんだろうと思うと腹がたつ
643名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:32:46.53 ID:hK0cQVAe
あの表情のレヴィ見たら胸がぎゅっと掴まれる感覚がしたんだがこれが恋ってやつか?
644名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 21:10:32.86 ID:EcbPgyAK
無言で抱きしめて頭撫でたくなるような表情だったな
岡島はタコヤキ喰ってんじゃねえ
645名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 11:38:08.54 ID:HhZD/895
久しぶりに食う屋台のたこ焼きの味を噛みしめたいのはわかるが、アニメの

「??なに?」

このすットボケたリアクションはねーわ
リアルタイムで見てたときスリッパで頭ひっぱたいてやりたくてしょうがなかったw
646名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 12:20:24.16 ID:2b4AtZUI
原作だとちょっと困ったような、何か言いたげな表情になるんだけどな
良い空気になる前にレヴィ本人が速攻で流れ変えちゃったけどw
647名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 12:45:34.92 ID:Wl4IF7n2
本当に一瞬だったんだろうね。
しかしアニメロックは原作以上に素っ気ないな。
日本編の屋台といい、偽札編ではレヴィの腕の怪我も。
648名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 21:54:00.37 ID:/RzD5LlI
原作偽札編の腕の怪我のとこは良かったな
珍しくロックが心配そうな表情してちょっと焦ってたし

屋根は崩れてないで空気読め
649名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 06:21:46.28 ID:aKvmxRpg
かなり今頃だが神様の日本編その後全部読みオワタ!なにこの大作GJすぎる

色々切なかったり感涙したりあらゆる感情が溢れ出る煮汁なんだがレヴィたんとラブホ転々生活俺もしてみてぇwwとか思ったりw
おにぎりだけじゃなく山葵入り寿司も食わせたい
650名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 19:39:30.34 ID:2ywA1S/M
お祭りや射的に興味津々になったり
子供とノリノリでドンパチごっこやったりと
日本でのレヴィは活き活きしててひたすら可愛いかったな
651名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 09:24:27.38 ID:YqbsWrJA
早く本編読みたい。

ここのSSもかなりいい。
652名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 21:08:53.87 ID:6mX6d8MA
いい加減本編のレヴィにも会いたいよなあ。。。

でも当分見込めなさそうだからせめて虚淵氏のノベル第三弾かここの神で潤したい。
653名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 21:26:52.06 ID:klcYVSh+
でもやっぱり原作レヴィが一番だな
広江の描くレヴィの喜怒哀楽の表情が好きだ
9巻のファビと対峙した時のものすげえ悪人顔とか大好き
654SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/08(水) 07:47:22.65 ID:exsLF9dp
近いうちにガルシア×ロベルタのSSアップします。このカップルの不評はわかりますけどレヴィ×ロック・張×大尉殿の次に好きなカップルなので載せたいのです。拙いかもしれませんがよろしくお願いします
655名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 07:56:11.57 ID:bJ/fESBh
俺もロベ×ガルシア好きだぞ
ブラクラのカプは何でも行けるから是非投下してくれ
656SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/08(水) 18:39:35.38 ID:exsLF9dp
ありがとうございます。設定、少し載せますね。
時系列は復讐編から半年後の話。恐らくあの時は夏あたりなので冬の設定です。
薬物の過剰投与が原因で幻覚(悪夢)に悩まされているロベルタですが、ガルシアが献身的にロベルタを支えていくという内容です。
ガルシアの詳しい年齢はわかりませんが14歳くらいが妥当と判断しました。(原作Rasta Blastaでは12歳くらいだと言っていたので。ここら辺は記憶があいまいOTL)
657名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 20:05:33.60 ID:aHcCiRa6
語るな。書いてくれ。
全力全裸で期待してる。
658名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 20:10:20.64 ID:OPUgpkcj
うん
そこまで練ってるんなら完成したものをガッツリ読みたい。楽しみにしてるよ

あと改行した方が良いと思う
659名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 22:20:25.13 ID:JhJQSgz/
若ロベ大好きな俺は全裸待機

しかしだ見習いさん、投下予告や全レス返しは荒れる元だぜ
また「マナー」がどうこうってお節介なオバサマがたがご高説垂れるだろうから
660SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/08(水) 22:44:14.34 ID:exsLF9dp
解りました。気をつけます。
でも、書かずにはいられなかったので・・・
レス見ても、誰も書いていないものなので(笑)書かない理由はやはりあれなのですか?ロックのあの発言からなのですか?

>>658
改行ですね、解りました
661名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 17:09:23.33 ID:MXiCIJsx
なんつーかSSだけじゃなく2ch自体初心者って感じむんむんだな
662名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 03:12:51.26 ID:SpJl3xL1
事情は知らないけど、何で原作者の連載は止まってる?
663名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 03:54:19.64 ID:ihNa1iHO
育児休暇
664名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 07:47:03.02 ID:xpaT+9KU
俺贅沢言わないからタケナカ編の書類になりたい
レヴィの汗だくの谷間に入れられてぐしゃぐしゃになりたい
665名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 08:06:58.33 ID:4eyAheQG
そりゃあ贅沢ってもんだぜロック
666名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 12:54:37.01 ID:hcN+/FP1
>663
なるほど!

いやぁ、まさかレヴィが母親になったとはなぁ……


あ、産んだのは作者の方か。
667名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 15:29:06.36 ID:uun+YyHk
え?作者って女なの?だったらすごい感性だな
668名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 21:25:46.89 ID:H6heYrN3
今は男だって育児休暇をもらう時代だよ、ダッチ
669名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 06:31:22.35 ID:X7QUhudH
そうだったな・・俺としたことが
670名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 06:59:08.70 ID:zzNcoUhe
ところでラグーン商会は産休くれるのか?
671名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 10:15:57.06 ID:z8r6GveL
お願いだからレヴィ、カトラスに付いてるチャームを赤子に付けさせて赤ちゃんポストに持ってくなんて早まった真似だけはしないでー!
672SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:29:33.20 ID:jK2OsGm7
お待たせいたしました。拙い文ですが、お付き合い願います。
673De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:32:51.21 ID:jK2OsGm7
生者のために施しを 死者の墓には花束を 
                 「ラブレス家 家訓一部抜粋」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここは?もう朝!?いけない、当主様と若様を起こさないと…
寝過したと感じたロベルタは急いでメイド服に着替え、私室を後にする。
普段ならみんなより早い時間・遅くともファビオラや他のメイドたちが婦長である自分を起こしに来るはずなのに…

当主であるディエゴ・ラブレスの寝室を開けると、ベッドサイドの椅子に息子である次期当主ガルシアが座っていた。
しかし、ロベルタが部屋に入っても気づいていないのか振り向かなかった…
「若様!?申し訳ございません!!ご当主様を起こさなければならないはずなのに、遅れてしまいました!!」
しかし、ガルシアは振り向かなかった。
それがかえってロべルタの罪悪感をあおってしまう。
「大丈夫だよ、たまに遅れても、父さんは怒ったりしないよ。」
(ああ、やはり若様はお優しい。)
ロベルタは居たたまれなく感じつつもガルシアの純真さに感謝した。
「ほら。おいで、ロべルタ…。見てみなよ、気持ち良さそうに寝てるから。」
ロべルタは安堵しながら一歩ずつ進んでいく…
674De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:34:23.84 ID:jK2OsGm7
しかしベッドサイドに近づいた途端、戦慄が走る。
ディエゴの顔が無い!!まるで、のっぺらぼうの様に顔が消えているのだ!!!
そして直後、嗅ぎ慣れた臭いがした。そう…血・・・臓物・・・硝煙の臭いを…
そして、ここでようやくガルシアが自分に目を向けた。
「どうしたの、ロべルタ?一緒に父さんを起こそうよ…」
それは普段の優しい目を持つ彼ではなかった。
まるで、フローレンシアの猟犬と呼ばれたかつての自分と同じ目・・・
あの魔都ロアナプラの住人たちと同じ目・・・
死んだ魚の様な目・・・
若様、見ないで!!そんな目で私を見ないでくださいませ!!!!!
いや………いや……………いや~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!

「はっ!!!」
ガバッとロベルタは起きあがり目の前の光景を見た。
目覚めた場所は見慣れた自分の私室のベッドだった。
(まただ・・・・。)
当主ディエゴを失い復讐の狼と化したあの街での出来事から、もう半年が経とうとしていた。
675De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:38:20.38 ID:jK2OsGm7
今でも、薬物の後遺症で幻覚に悩まされ悪夢として出てしまうロべルタだが、時折ラブレス邸に訪れるカウンセラーの治療も甲斐あって少しずつだが回復してきている。
「失礼いたします。っ!!!婦長様、大丈夫ですか?また、発作ですか?」
ドアの向こうからファビオラが入ってきた。
自分がいない間、懸命にガルシアを支えてくれた。ロベルタにとっては感謝してもしきれない妹のような存在だ。
目の前の壁掛け時計を見てみると朝の7時。
普段より遅いがちょうどいい時間だ。
「大丈夫よ、ファビオラ…。若様は?」
「もう・・・ご自分の心配をなさってください。………若様なら、そこにおられます。」
「え?」
振り向くとベッドサイドの椅子に腰かけて寝ている現当主ガルシア・フェルナンド・ラブレスがそこにいた。
676De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:40:11.78 ID:jK2OsGm7
「申し訳ありません。この季節、お風邪をひかれるのでとお止めしたのですが・・・」
ロベルタは内心驚いていた。
ガルシアがそこにいたのもそうだが、昔の自分なら例えネズミの走った音でさえ目を覚ますというのに、ガルシアが自分のそばに来ていたにもかかわらず
そのまま寝ていたことに対しての方が大きかった。
「婦長様を想ってのことだと思います。朝食は準備いたしましたので、時間までゆっくりお休みくださいませ。」
「そんなことは・・・!!」
「いいんです。若様が起きますよ?」
大きく声が出てしまったので途端に静かになった。
そのことを言われたら、いくらロべルタでも黙るしかなくなる。
677De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 10:42:34.72 ID:jK2OsGm7
「では、私はこれで。ああ、それと若様から使いをいくつか申されておりました。夕方ごろまでは戻りませんので。それでは・・・」
「ちょっ、ちょっと。ファビオラ!!」
バタン
これではどちらが婦長かわからないものだ。
静かになってから少し経つと、恐る恐る眠っている少年をロベルタはベッドから身を乗り出し眺めた。
少年から青年へと変わる途中の顔立ち。
絹の様なブロンドの髪。
規則正しい彼の寝息。
そして、彼の唇。
あの悪魔の街でのキスの後この屋敷に戻ってからは、前にもましてガルシアはロべルタに愛情を向けた。
カウンセリングに対しても食事の時も。
それはまるでつがいの鳥のように、ロべルタのそばには常に彼がいた。
そして、ロべルタの心の中には靄(もや)のようなものもかかっていた。
ガルシアを見るたびにそれを一層強く感じる。
その理由もロベルタは薄々勘付いてもいる。
しかし、その感情はいわば人であることの証。
血塗られた猟犬が人と同じ感情を持つことなどあってはならないと、この少年に気づかれることのないようにときつく自分に言い聞かせていた・・・
「若様…」
また悪夢ではないかと不安になったロベルタは思わず頬に手を触れ、ようやく安堵した。
「大丈夫だよ。ここにいるから。」
「!!!!??」
ぎゅっとガルシアがロべルタを抱きしめる。

続・・・
678名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 12:04:32.15 ID:BS1tjJc0
なんという寸止め・・・続きお待ちしております
679名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 13:28:24.03 ID:v2qCkFu0
>670
ダッチ「あるよ?(お腹の中のレヴィの子をいとおしげに抱きしめて)」
>677
乙。
そして、ぼっちゃまのお腹に婦長の子が宿るのですね。
680名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 14:31:13.10 ID:4f5D8YZd
妊婦姿のダッチを妄想した
681De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:55:54.88 ID:jK2OsGm7
* * * * * *

「おはよう♪」
「おっ、起きてらしたんですか!?」
「ファビオラが来たあたりかな、その後は振りだけどね。」
「は、放してもらえませんでしょうか?」
「いやだ…暖かいし…」
「若様………………」
「頼む。もう少し、このまま………………」
「…………」
「それにさ、ようやく話してくれたから………」
「………」
確かに戻ってから、ひと月位はまるで人形のような状態で他人と話すことさえ億劫な状態だった。こうして話せるのだって、つい最近のことなのだ。
682De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:56:57.98 ID:jK2OsGm7
沈黙を破ったのはロべルタだった。
「……………申し訳ございません。」
「謝らないでよ、むしろ嬉しいんだ。ロべルタの声、もう何年も聞いてないような気がする………。ねえ、ロべルタ。何か言ってよ。」
「………少し、逞しくなりましたね。」
「うん。実は…ファビオラにカポエイラを教わっててね。ロべルタ、僕に護身術教えてくれなかったから。」
「そうですか…」
教えなかったのには2つ理由がある。
1つはもちろん、ガルシアを自分の関係する出来事に巻き込みたくなかったから。
もう1つはそのような出来事が起こっても、常に自分がガルシアを守っていくという自負があったからだ。しかし今回の一件で、そうも言えないと感じたのも事実だ。
彼だって男なのだ。
強くなろうという気持ちを持つのは至極当然のことなのだろう。
683De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 15:58:25.60 ID:jK2OsGm7
「それに家をまとめるためには、もっと勉強しなければならないしね。そうしないと、大切なものを守れないということを嫌と言うほど味合わされたから……」
「…………」
「アメリカ軍の少佐に銃を向けた時……いや、ロベルタがいなくなった時から気づいていた。自分はなんて無力なんだって…」
「…………」
「だから………失いたくないんだ。もう、二度と。」
「若様……」
その言葉を聞いた時、ロベルタは居たたまれない気持ちになった。
復讐が終わってもディエゴは戻ってこない。
これからガルシアはラブレス家を若干14歳という若さで支えていかなければならない。その道は長く険しい茨の道。
そして、未だにFARC(コロンビア革命軍)からはDEAD OR ALIVE (生死問わず)、FBIからは国際指名手配されている身である自分は、いつか必ず彼の重荷になることが目に見えている。
その事実が、暗雲となってロべルタを包み込んでしまう。
684De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/11(土) 16:00:10.12 ID:jK2OsGm7
(それだけは絶対に嫌だ!!そうなったら先代様にどう、お申し開きをすればいい…。だから、もう言うしかない。いい頃合いだ。「この屋敷を出ていきます。誰も知らない場所でひっそりと、静かに身を隠します」と。)
「若様。…………聞いてくださいまし。」
「?」
(さあ、言うんだ。ロべルタ!!言うのよ。)
「わ……わたくし……は…」
その時、ロべルタの唇に違和感……
そして、優しく顔を抑えられながら口内に舌を入れられた。

685名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 21:58:12.67 ID:zzNcoUhe
乙!
若様が男前になってて良いな
686名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 22:02:21.04 ID:9p8NPqTU
今日はもう続きないのかな?

楽しみすぎて血が戦慄きそうだ

687名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 00:15:27.06 ID:Z11PvJ3y
全裸待機
細切れがどうのとか粋じゃないこと言う奴がきたらフルボッコにしてやる
毎日とか毎週とかワクワクするSSが投下されてると生きていく気力が沸く
688名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 00:18:40.85 ID:Z11PvJ3y
あとタイトルがスペイン語なのもいいね!
雰囲気ある
689De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:51:12.23 ID:6ggrwdQV
>>687・688 ありがとうございます。本編の英語版・スペイン語版のタイトルは結構気に入ってるんですよね((笑))
それぞれの話数そのものを象徴してるので、いいタイトルないか考えたんですね。スペイン語は、単語少ししか知らないので苦労しました。
日本語訳は「復讐のその後」です・・・
では、続きをどうぞ。
* * * * * *

キスされたと理解するまで何秒か経ち
「すぐ顔に出る…。言わせないよ……そこから先の言葉。」
「わ、若様!?」
「確かに…………僕に待っているこれからの人生は良いものではないのかもしれない。だからこそ、ロべルタ。君が不可欠なんだ。君がいなければ意味がないんだよ。」
「そんなことは…………ふっ……うむっ……」
最初は唇、次に頬・まぶた、さらには夜の闇の様な黒髪……拙いながらもガルシアはロべルタを愛し始めた。
690De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:52:55.02 ID:6ggrwdQV
「わ、若様!?いけません…んふっ!!け、汚れます…」
「どこもないよ、全然。」
プチっ……
プチっ……
プチっ……
首筋にキスし、寝間着のボタンを外す度に彫刻のような肌・2つの丸みがあらわになっていく。
「ここも・・・」
チュっ……
チュっ……
チュっ……
「ここも・・・」
ちゅく・・・くちゅっ、ぺちゅ
「ん、あ・・・あふぅ、ん」
今までは、兵士として諜報・暗殺の目的のために身体を許してきたロべルタ。
だが、ガルシアの愛撫は覚束ない(おぼつか)が新鮮でそれでいて愛情が伝わってくる。
691De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:54:43.59 ID:6ggrwdQV
「ああ……お止め…ください……あうぅ…」
「いやだ。やめると出て行こうとするだろ。。。」
寝巻の上からでも乳房の弾力が伝わってくる。ブラを外し、2個の白桃を口に含む。
ちゅぱ  れろ  チュッ
「そ…っく…そん・・・な・・・こと・・・ふっうん!!」
ジュン……
経験がないはずなのに、必死に自分をつなぎとめようとするガルシア…
その姿を見ていると、今まで律してきた理性が揺らいでしまう。
「んっ…………はぁ…………くぅん……………」
自分が守ってきた男の子が、今や自分の乳房を赤ん坊のように吸っている。
一目見ただけで軽いエクスタシーを感じてしまった。
乳房から口を離し、ロべルタの下半身へと顔を移す。
692De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:56:26.85 ID:6ggrwdQV
「本当に嫌だったら抵抗しなよ。ロべルタには勝てないし、嫌がることはしたくないから。」
「っく・・・・」
確かに単純に力だったらロべルタにとっては目をつぶってもできることだ。
しかし、嫌ではないと感じる自分がいる。
いや、むしろ愛されたい。愛したい。そして…………1つになりたいと感じている……
「・・・・・・・ずるい…です・・・・・・・・」
小声ながらも、思わず言ってしまった。
しかし、ロべルタにはもうこれ以上自分を抑える気力はもう持ち合わせていなかった。
「うん…………。でも、これくらいは許してほしいな。」

パサッ………………

最後の布をとったガルシアはここで初めて手を止めてしまう。
693De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 00:57:53.12 ID:6ggrwdQV
ごくっ……………………

「ふ…………はぁ…………はぁ…………?」
その表情を見逃さなかった。はじめて「女」を見た表情を……
(やはり、まだ男の子なのね………)
「わ………若様?こ……ここは無理をなさらなくとも……よろしいのですよ……」
「えっ?いや、違うんだ!!!!!その………見とれてしまって………ごめん…」
「~~~~~~~~~~~~い、いえ……。あ、あまり見ないでくださいまし。恥ずかしいのです。お見せするようなものではありませんので…………」
694De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 01:01:18.71 ID:6ggrwdQV
あの、メイド禁句宣言INロアナプラの元である『未来から来た殺人マシーン』(ロック曰く)が10以上も歳下の男に、まるで生娘の様に恥じらいを見せている。
もし、この話をロアナプラでしたら、イエス様がブッダとヘビー級タイトルマッチでタコ殴りKOした後にケツをほったという与太話の方を信じることだろう。

「ふ〜ん。そうか・・・♪」
その顔は見慣れている…。いたずらを思いついた時だ!!

続・・・
695名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:05:16.55 ID:/dlWURax
やったぜ! 夜更かししてた甲斐あった

少年の性への覚醒と無邪気さ故の邪な行為
それに抗うことも出来ず流されていく狂犬の愉悦!の予感にwktk!!

続き、頑張ってください
696名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:49:53.72 ID:W3tQ0+hF
イエス様うんぬんが原作っぽい言い回しでgj
あとガルシア×ロベルタは好きな組み合わせなので楽しみにしてます
697名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 09:33:26.30 ID:Y8koCOjo
そうか、イエスとブッダはヘビー級だったのか。
698名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 10:46:46.10 ID:l0JMf5Ld
どうみてもフェザー級のイエス様と、せいぜいバンタム級のブッダが
ヘビー級で殴り合いだから「与太話」なんだろうw
699名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 12:47:30.77 ID:2M5ZsokJ
どこぞのアパートに住んでる二人ならありえなくもない
700名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 21:30:08.70 ID:/dlWURax
今日は、このまま投下無しかな
寂しい
701De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:37:20.29 ID:6ggrwdQV
ただいまバイトから戻りました。

開演5分前です・・・・・・・・なんて(笑)
702De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:43:27.98 ID:6ggrwdQV
* * * * * *
ペロッ………

「ひゃう………あっ……はうんん…………はぁ…」
「もっと見せて。ロべルタの恥ずかしいところ……」

ペロッ ピチャッ スッ スー ペロッ ズ〜〜〜〜
「す、吸わないでください!!!ふうっっ~~……ハアッ」
嫌がれば嫌がるほどにガルシアの嗜虐心を逆撫でしてしまう。
そして、学習能力の高さ(?)が功を奏したのか、舌のスピードが少しずつ増していき絶頂へと導いていく。
「わ、若様!!!!ダメ……ダメです、もう。……ん〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

部屋の中は荒い吐息と情事の甘い臭いで満たされていく・・・・
703De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:45:09.69 ID:6ggrwdQV
「気持ちよかった?」
(ここで、無邪気な子供の顔を作るのは・・・反則です、若様。)
内心、ロべルタはそう思った。
「は………はい……。では、お返しを、させてくださいませ……」
「えっ?いっ……いいよ!!そんなことしなくても。。。」
「いいえ。若様は、こんな私めに施しを下さいました。ですから………私にもさせて下さいませ。」
ロベルタは、ガルシアのズボンに手をかけ、スルスルと脱がしていく。
「ロ…ロべルタ……」

しかし、ロべルタも手が止まってしまう。
704De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:50:34.44 ID:6ggrwdQV
「?」
どうしたのか気になったガルシアは考えたのち、すぐ察しがついた。
そこには、たった1つの銃創の痕。思い出してしまったのだ。
自分が……不可抗力とはいえ、ガルシアを撃ったことを……。
あの時は、幻覚と現実のはざまの中でのたった1つの救い……。
それを自らぶち壊すところだった。
悔やんでも悔やみきれないロべルタの罪の一つ・・・。
当初はその部分を見ただけで過呼吸になってしまったが、だいぶ回復してきたのがうかがえる。
「大丈夫だから……」
「で……ですが……私は」
「大丈夫……これもわかったことの一つ。銃で撃たれれば痛いってこと。良い教訓にできたからそれでいいんだ。それで、取り戻すことができたんだから安いものさ。」
(それに、ロべルタの痛みを少しでも知ることができれば……それで満足だ。)
その部分まで空で言えるほど、ガルシアはできていない。
もし、言えてしまったらそれこそ現代のカサノヴァ(18世紀に実在した人物で当代一の色事師。甘い言葉で誘惑し、その女性遍歴は100人を超える。唯一違うとすれば、この人物はスペイン人やベネズエラ人ではなくイタリア人。)になる可能性が濃厚だ。。
705De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:54:26.15 ID:6ggrwdQV
加えて、ガルシアは一瞬だけ思い出した……。
もう一人の、漆黒の闇に隠れた、立役者(フィクサー)に徹したある日本人を。
後から聞いた話だが、その日本人は故郷に帰った時に、人を一人救えなかったと聞いた。無論あの悪魔の街、ロアナプラに関係することだということは明白だった。
その繰り返しをしたくないが故に、周りをゲームの駒のように進行していき、結果は彼にとって良いものになった。
彼のおかげでロべルタが戻ってきたことには感謝はする。
だが、やり方というものも考えようだ。
ファビオラの言うとおりだというのも解る。
「自分そのものを天秤にかけてない。」
少なくとも、自分が見てる中では見えなかった。
そして、あの時の港での笑い顔。未だに忘れない・・・・・・
『やあ・・・よかったね』と。
706De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:57:36.27 ID:6ggrwdQV
「若様………ありがとう……ございます。」
「いいって。」
気を取り直して情事を再開する。
ベッドに仰向けにされて、パンツまで脱がされてようやく露わ(あら)になった。
皮はむけているが、まだ毛もまばらにしか生えていないペニスがこれでもかと云うくらいに自己主張している。
「ふふっ、……可愛いです、若様。」
ガルシアは一瞬、背筋がゾクゾクと感じた。
ロングの黒髪を直している自分の愛しき女性が、さながらサキュバスの様に見えたから・・・
707De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 21:59:39.39 ID:6ggrwdQV
「可愛いって………っくっ……」
「あむっ……んむっ……」

チュパっ チュッ グポッ ジュポ ズズーーーー

「ああ、ロべルタ………」

少し、経ってから、ロべルタの口内に欲望を流し込もうと無意識に腰を振ってしまう。
「ぷはっ……若様、ふ……膨らんできましたね?んむっ………チュパっ……チュ……我慢なさらないでください。この汚れた口に、むぅぅウぅうぅ……若様の熱い精液……飲ませて…下さいませ!!」
「ロべルタ!!!!!っくぅぅぅぅぅぅ……」
「んんんん〜〜〜〜」

容赦なく喉に絡みつくガルシアの体液を愛おしげに、少しずつ嚥下(えんか)していく…
恍惚の表情を浮かべながら………

ごくっ…ごくぅ…ごくっ

「んっ……ぅふぅ…あむン・…………くぅぅぅんん!!!」
目をトロンと潤ませながら、絶頂に達してしまう……
その姿を見たガルシアはまたも、背筋にゾクゾクと興奮がわいてきた。
「ハアッ………ハアッ……はあっ。」

スッ・・・・・・

ガルシアがベッドから起き上がり、目もうつろなロべルタの口許に……
708De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/12(日) 22:00:56.76 ID:6ggrwdQV
「ふわっ?……わ、若様!?ダメです!!今、キスをすると!!!!」

んチュッ…チュウっ…チュパ…れろ…

「……う…んっ…ふぅ……」
「ぷはっ…大丈夫だよ。それに、顔見たら、したくてたまらなくなってさ。」
「あっ・・・・・。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜で、ですが・・・・・・・・」
照れた顔を隠すように、うつむいてしまうロべルタ。
その姿を見たガルシアはある決心をしてしまう。
「顔、あげて。ロべルタ?」
おずおずと潤みを含んだ瞳がガルシアを捕らえる……

続…

709名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 00:14:50.04 ID:le24Bmx4
おー、萌えるな
口内射精の後のキスは自分のホットミルクの鼻水みたいな味がしてアレなんだが、流石の若様にゃそんなの関係ねえ!
男前だねえ!

だけどチン●コは可愛いのなw
ショタもいける人にも受けそうだw
710De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:12:33.88 ID:EYcY5IWB
* * * * * *
(ロべルタだからできるんだよ。それだけは言える。もう…かまうものか。まだ僕には約不足かもしれない。それでも……)
息を吸いなおし、覚悟を決めて宣言した。
「愛してる……ロべルタ!!」
「!?」
「家族の一員としてもそうだし、それを超えて一人の女性として……俺は……君を愛している。」
「若様!?ダ、ダメです!!お考え直しくださいませ!!私と一緒にいたら、若様に不幸をもたらしてしまうのですよ!!」
「さっきも言ったろ。君が不可欠なんだって……。これまでだって乗り越えてきたじゃないか。」
「それは、運が良かっただけです!若様は、解ってないんです・・・・んむっ〜〜・・・」
黙らせるようにキスを施すガルシア……
「そうさ。確かに解ってないさ!!ロべルタのような境遇ではないし、綺麗事だってのも解ってる・・・。それでも、俺は君のそばにいたい!!それが、いけないことなのかい?」

ピシっ

ぽっ…ポた…ポタッ……ポタッ……ポタッ……

「ロべルタ・・・・・・?」

(泣いている?今まで誰にも涙を見せなかった……父さんの葬儀の時でも泣かなかったあのロベルタが・・・・)

「っん……ひっく…お……お願いです。こ……これ以上…ぐすっ……困らせないで…ぅぐっ…下さい……ませ……」
これ以上は耐えられない。一度出てしまったらもう止まらなかった。
だが、ガルシアに向けての涙が油となって、少しずつ満たしていく。
悲しく錆びついた鉄の心臓に……。
「も……ぐ……もし……ひっく…若様まで・・失ってしまったら……わ…わたしは…先代様に……ふっ……なんと申せば……よろしいの……ですか?」
ガルシアは何も言わず、ロべルタの訴えを聞き続けている…
「わ…若様?答えて……ください……うっく……ませ?」

ぎゅっ………!!!

優しく、そして力強くロべルタを抱きしめ、耳元で囁きかける。
711De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:14:03.02 ID:EYcY5IWB
優しく、そして力強くロべルタを抱きしめ、耳元で囁きかける。
「絶対に…絶対にロべルタより先に、死んだりしない!」
「………………」
「人は、いつか死ぬんだ。父さんみたいな善人があんな形で死ぬこともあるし、あの街の住人の上の奴らだって、老人まで生きながらえるかもしれない………とても理不尽な話だけど、遅いか早いかそれだけなんだ……。でもね、わかったこともあるんだ。」
「……な、何でしょうか?」
「俺たちは、あの街の連中よりも、未来を作れる可能性があるっていうこと・・・」
「未来……」
「いわばあの街は歩く死人の街だ。死者は歴史や過去の教訓を作るけど、未来を作る能力なんてない。未来を作るのは、常に生きている人間だ。そうだろう?」

彼だってそうだ。
今思えば、桟橋に立っていた彼のその時の思いを少しだけガルシアは理解できた。
あれは、まるでおもちゃのパズルを完成させた子供そのものだ。
その瞬間分かった。一度あの船の中で出会った、善人だと感じた彼はもう死んだ。彼も未来を創る可能性を捨てた歩く死人の一人になってしまったんだと。
712De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/13(月) 19:17:17.89 ID:EYcY5IWB
「…………………」
ガルシアの言葉を聞くうちに、少しずつ涙が引いて行く…………
「ロベルタは今過去の過ちを悔いて、償いをしている。
それが義務ではあるけれど、生きている人間しかできないじゃないか。
例え、殺してしまった人たちの家族から石を投げられ、銃を向けられ罵られても、俺はロべルタを信じる!!
そしてロべルタと、未来を創っていきたい。だから、絶対に先に死んだりしない!」
「………………………」
「だから、せめて俺に、君と未来を創る可能性を下さい。まだまだ頼りないけれどロべルタを支えていきたい。それだけは誰にも負けないから。」
言ってしまった……。
この言葉は遠まわしに言えばプロポーズ。
失敗は許されない。
ガルシアの今のこの気持ちは、有罪・無罪を待つ被告人のようだった。

続・・・
・・・・・・・・・・・・・
今日はエロはないです。楽しみにしてた方はすいません。
713名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 01:10:55.56 ID:nSAKJUCD
うおお!
激しく続きキボンヌ!
714De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:31:38.95 ID:kdOyRXF0
再びうつむいてしまい、数分たった後ようやくロベルタが口を開く。
「冗談じゃありません。」
「えっ!?」
「頼りないのは……私の方でございます。……でも、若様のお気持ちはしかと受け取りました。…………私も……同じ気持ちです……から。」
「……じゃあ!?」
「……は、はい。不束者ですが、謹んでお受けいたします。」
その言葉を聞いた時、ガルシアは天にも昇る気持ちだった。神様は、最後まで自分を見捨てていなかった……
「で……ですが……まだまだ若様にはこのお屋敷を守るためにすべきことは山積みです。だから、それにお仕えする秘書が必要です。その……こ、婚約者というのはその後でと云うことで……今は…。」

ぎゅ~~~~~~~~~

「若様!?聞いておいでですか?」
「充分だ、それでも!何年かかっても、絶対にやってみせる!!!」
715De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:32:39.39 ID:kdOyRXF0
「もう……」
「よし。じゃあやるべきことを1つ実践してみよう。」
「じっ、実践とは?」
「名前で呼ぶこと!」
「?呼んでいますが……?」
「違うって。若様ではなくて、ガルシアって呼ぶこと♪」
「〜〜〜!?でっ、出来るわけないではありませんか!!」
「さっきの言葉、ウソだったんだ…………」
「ち、違います!あくまでも形式上では主人とメイドなのですから、いくらなんでもダメです!」
「じゃあさ…2人きりの時だけ。これは譲れない。はい、主人の命令。。。」

「んくっ…ですから……もう。解りました、ガ…………ガ…ルシ…ア……様。」
どもりながら呼んでくれるその恥じらい顔は可愛らしく、ますます愛しさがこみ上げてくる。
「まあ、譲歩して許してあげるよ。」

チュッ
716De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:33:42.45 ID:kdOyRXF0
ひゃっ?い…いちいち驚かさないでください!そ、それと…若様?」
「ガルシア」
今まで「若様」と癖として呼んだ分、名前で呼んだことが無いのか、所々ぎくしゃくしてしまう。
「ガ…ガルシア様……。あの、その……」
「何?」
「あ、あたっております……」
一瞬何のことかわからなかったが、言いたいことが分かった。
自分でも、少し恥ずかしくなってきた。
「ん、これ?あ〜、その。」
「もう、回復してしまったのですか?」
「ははっ……気が抜けちゃったもんだから、つい…」
「し、鎮めなければ……なりませんね……。」
717De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:36:22.45 ID:kdOyRXF0
ギシッ・・・

体勢を変え、ガルシアに向けて股を開くロべルタ。
「ど、どうぞ。ガ………ルシ…ア様。」
「うん。じゃあ、入れるよ……」

ップっ グニュ ギュっ キュウぅぅぅ

「あっ………き……きつい!!ロべルタの膣内(なか)、あったかいよ…」
「はぅぅぅん……はあっ……あっ……どっ、どうなさいましたか?」
見ると、ロべルタの顔をじっと見るガルシア。
(まさか、気持ち良くなかったのかしら!?)
「くっ……いや、顔見たらさ。普段も綺麗だけど、今のロべルタ、すごく可愛い。」

ボッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「か!?可愛いなんて……!!ち……違います!!!」
今までは、そんな言葉など犬に食わせる程度の価値しかないものなのに。
途端に、体中が火のように熱く燃え上がっていく。
718De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:38:21.74 ID:kdOyRXF0
くっ…う、動くよ……ロべルタ。ちょっと……締め付けすぎ」
「す、すみません。ですが……ガルシア様が……そんな事を言うから」

クチュ クチュ ズッ ズッ ズッ

「だって……くっ……本心を言っただけだろ。」
「ふぅん…あっ……いや…むぅん……お、臆面もなく……言えるのが問題なのです!……アン」
719De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:39:16.54 ID:kdOyRXF0
「ロべルタだけだから。」
「えっ?」
「他の女性なんかいらない!君さえいてくれれば……。他ならないロべルタだから、こんなこと言えるんだよ。」
「!!!!」
アイスブルーの瞳が再び、涙を浮かべそうになる…
ギュっ パンッ パンッ パンっ ジュ チュプ ジュプ
「ああ、ロべルタ……きつすぎだよ。」
「ひぐぅぅ~~…んん〜。そんなに……激しくしないで……ガルシア様。……。」

クチュ クチュ ズッ ズゥ ズッ

「ふ〜ん、……うくっ……ココ弱いんだ♪?」

「ふぅん!!…あん…いや…だめ…ガ…ガルシア様!!お許しを!お許し…下さいませ~~!」
少し自信を持ったのか、的確にロべルタの弱点を見つけて突くガルシア。
徐々にロべルタに絶頂が迫ってくる。
720De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 00:40:28.01 ID:kdOyRXF0
ビクッ ビクッ ビクッ

「はあっ!!!ふんぐ!!」
ガルシアはすぐにでも果てそうだったが、その前にまず聞きたいことがあった。
それを聞かない限り先には進めない、そう感じた。
獣のように愛する女性をむさぼりたいという欲求に駆られたが、ぐっとこらえ腰を動かす。

続・・・今日明日には終わります
721名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 16:50:19.75 ID:TQ0QbdOO
続きwktk
722De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:37:47.47 ID:kdOyRXF0
クチュ グチュ ズッ ズッ ズッ

「あああ!?…ダ、ダメです。敏感になってて!!!ひぅん!」
緩急をつけて動かしながら、ロべルタの耳元でささやく。
「まだ、肝心なこと聞いてないよ。…ロべルタの気持ちをさ?」
「えっ?そ………それは……。」
723De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:38:38.51 ID:kdOyRXF0
すぐに声に出すことをためらってしまう。
(この言葉を言えば、もう戻れない……。でも……)
「言ってくれないと、もっと激しくするけど?」
「ひぐぅぅぅ。」
ロベルタは赤くなりながら、ガルシアの瞳を見つめる。
「い…言わなくとも…よろしい……でしょう?」

(もしこの方に、この言葉を言える資格があるのなら……)

「直接聞きたいんだ、君の口から!さあ、言って!!」

(もう……………何もいらない!)
ガルシアの首に自らの腕をからみつける。
724De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:39:31.54 ID:kdOyRXF0
「わ………わか……りました。ガ……ル…シアさま。はあっ・・・あ、愛しております。心の…ふぅう……底から、神に誓って…あなた様を…愛しております。」
言い終わった後、真っ赤になった顔を見せたくないのかきつくガルシアを抱きしめる。
「ああ…申し訳ございません……。こんな…こんなはしたない処を…うぅん…お見せして。ひっ!?」

チュ チュ チュ
ガルシアは肩にあった傷痕を見て、愛おしげにキスをした。
よく見れば、ロべルタの身体はいたる所、傷だらけだ。
銃で撃たれた傷…
ナイフによる傷…
拷問による傷…
他にもあるのだろうか?
それらが今までのロべルタの罪の刻印として残っていた。
725De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:40:49.36 ID:kdOyRXF0
(どんな傷があろうとロべルタだ!!昔の僕なら彼女を解るどころか、見ることすらできなかった。でも、すべて受け入れる!!そして、必ず君を守るから!)
「はしたなくなんかない。もっと見せて、俺だけに…。」

パン  パン  パン  パン  パン

タガが外れたのか、お互いの絶頂の秒読みは近かった。

「んむぅぅぅ………。はっ、はぁぁッ……また……また〜〜!!」
「俺も。そろそろ限界……。」
次第にスピードが速くなる……。

「ガルシア様!……え、遠慮なく出して下さいませ。
どうか、思いっきり……私の中に……下さいませ!~~」
「ロべルタ!!!うぐぅぅぅぅぅ!!」
「はぁああアアあぁあああ!!!!!ぁぁぁ」

熱い迸り(ほとばしり)を子宮の中に感じたロベルタはその瞬間、頭が真っ白になっていく。

これも、幻覚なのか・・・・・・・・・・・・?
だったら、覚めないで…ほ……し………い…………
ロベルタは切に願った。
726De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:42:10.14 ID:kdOyRXF0
{>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>}
うぅぅ!

目覚めた自分がいるのはディエゴの部屋の前だった。
まるでさっきの夢の再現。デジャブだ……。
不安のせいなのか気分が悪い。
それに身体がやけに重く感じた。

恐る恐るドアを開けると、同じように背を向けている格好でガルシアがベッドサイドの側に座っていた。
(また悪夢なのか?でも、なぜだろう?心が満ち足りている。安らいでいる)

「ん?ああ、ロベルタ!大丈夫かい、身体の方は?気を付けなよ。予定はもうすぐだけどただでさえ、今危ないんだからさ……」
(若様が…振り向いた?何か、前より逞しくなってる?)

「ふふっ、大丈夫です。心配症ですね。そっちはどうですか?」
(何?口が勝手に…)

「うん。ようやく寝付いたところだよ。さっきまで泣きっぱなしだったんだけどね。」
苦笑いしながら、ベッドを離れ自分にキスをする。
その後ろで一瞬見えた。鳶色の瞳の彼と同じ小さな天使の揺りかごを……
{>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>}
727De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:43:07.17 ID:kdOyRXF0
すぅぅ……………………

今の夢は何?おぼろげだけど、悪夢ではない。それに、とても暖かい。。。。

「あっ、起きた!!大丈夫、ロベルタ?」
心配そうに見つめてきた彼に少し困惑するロべルタ。
「若様?」
「よかった。気を失っちゃったから、さすがに焦っちゃってさ。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
先ほどの情事を思い出したのか、ロベルタの顔が急速に火照っていく。
「ど、どのくらい気を失ってましたか?」
「う〜ん。30分くらいかな?」
(そんなに!?しかも、いつの間にか寝巻に戻っている?)
「ああ、朝食なら持ってきたから。はい…今日のは自信作らしいよ。」
「え?朝食を?それに、若様もしかして……」
頭の回転がニトロを積んだスピードカーよろしく、ガルシアの視線と挙動含め状況が分かった。
728De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:43:54.76 ID:kdOyRXF0
情事の後、自分は30分もガルシアに失神顔を見せてる間、服を着せてもらいなおかつ自分のために朝食まで持ってこさせてしまった……………!!!!!
「まあ、お察しの通りだね。」
はにかむような笑顔でガルシアは答える。
「もっ……申し訳ございません!!!!私は婦長失格です!!!!!!」
穴があったら入りたいとはこのことだ。
これでは、ハリウッドの3流ラブストーリーに出てるような状況じゃないか。
729De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:45:09.83 ID:kdOyRXF0
こんなところを見られたら、婦長として他のメイド達に示しがつかない。
ガルシアからの用事で留守にしているファビオラならともかく、もし知られでもしたら…
「いいって。あれはあれで楽しかったしね。ああ、そうだ。ファビオラから置き手紙あったんだけど?」
今、周りのメイド達から陰口を叩かれているイメージを想像していたロべルタだが、その言葉で一時停止する。
「何か買い物のために何人か連れて行くってものだったんだけど。」
「えっ?で、ですがファビオラは若様に用事を申されたと?」
「いや、用事なんか言ってないけど……?」
ふとロベルタはある予感に気づく。
できれば当たることが無いように祈りながら…。
「その手紙、よろしいですか?」
言われてガルシアは手紙を渡す。
その顔は笑いを堪えているように見えた。

文面の内容はこうだった。
730De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:48:28.73 ID:kdOyRXF0
若様へ…
 街に買い物のため、屋敷のメイドを何人か連れて行きます。
申し訳ございませんが朝食はご準備いたしましたので、そちらをお召し上がりくださいませ。
 あと婦長様の朝食は特別、栄養価の高いものですのでそちらをお出しくださいませ。
 それと、本日のご予定・執務は全てオフです。
ごゆっくりお休みくださいませ。
 夕方には戻りますから、ご心配なさらないでくださいね。

P,S…婦長様がこの手紙を読んだら、多分私は怒られますので、その時はよろしくお願いいたします。

                           ファビオラ・イグレシアス                

731De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 18:50:00.61 ID:kdOyRXF0
「だってさ♪だから今はイメルダとサリー(*これは後で説明します。)だけだから屋敷にはほとんど人がいないし、心配するほどではないよ。」

(ファビオラ~~~~~~~~!!!!!!)
恥ずかしさのダブルパンチが決まった。
これで立ち上がれるのなら奇跡的だ。
タオルは投げ込まれた…試合終了…エイドリア―ンだ。

(もし、聞き耳を立てられたらどうするつもりだったの!!!!)
732De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:47:15.53 ID:kdOyRXF0
恥ずかしさを通り越して脱力感が少し出てきたロベルタに対して、ガルシアは
「それにさ、ファビオラなりに気を使ってくれたんだと思うから許してあげたら?」
「若様……………そんな……。」
「ね?」
先ほどとは打って変わって、声に出せないが子犬の様な目でロべルタに言う。
(そんな顔をされたら怒るに怒れないではないですか…)
「まあ…若様がそうおっしゃるのでしたら………」
渋々、主人の言葉を受け入れるロベルタ。
「ありがとう、ロベルタ。」
「いいえ。ふふっ。」
自然と笑みがこぼれる。
こうして、心から笑えるのはいつ以来なのだろう……
いいえ、初めてだ。愛する人と話すのが、こんなにも心から嬉しいと思うのは。
「さあ、食べよう。早くしないと、覚めてしまうから……。」

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
733De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:48:04.47 ID:kdOyRXF0
その後ガルシアがベッドに入り、ロベルタの隣に身を寄せた。

「こういうの、憧れてた。」
「何がですか?」
「恋人に朝食を持ってってあげたこと。こういう経験、ないものだからさ……」
「こ、恋人………」
 
ぷしゅ〜〜

こういう言葉が慣れてないせいか、すぐに頭がオーバーヒートしてしまう。
そして、ガルシアはロベルタの強く、華奢な肩に頭を乗せた。
「もう少しで、解放者の命日(*2)だね。その後はクリスマスだ。」
「そうですね。」
「末席でも十三家族の会合の手配もしないと……。これから、忙しくなる。」
「ええ……。」
「後で、ラザロの散歩に出かけよう。あいつ、寂しがって怒ってないかな?」
「大丈夫ですよ。」

…………………静かに、鳥の鳴き声が聞こえていく。
734De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:48:55.18 ID:kdOyRXF0
ねえ、ロベルタ?」
「はい?」
「さっき、気を失ってた時。どんな夢を見たの?」
少しどきっとした表情でガルシアを見る。
「……なぜ、お聞きになるんです?」
「いや、いつもうなされている感じだったけど、とても……幸せそうな顔だったから。言いたくないならいいけど。」
「いえ。そ、そうですね。実はあまり覚えていないんです。すみません。」
半分を、嘘をついた。少しながら、ロベルタは覚えていた。
しかし、そのことを言ってしまったらガルシアのこれからの成長を妨げになってしまう気がしたのだ。
それに、これからの未来を暗示するものだろうと何となくわかった。
735De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:50:20.63 ID:kdOyRXF0
(焦ることはないわ。一歩ずつ歩けばいい。
今はまだするべきことがある。
例え地獄の業火に焼かれようと、この身も、心も。
ガルシア様、あなた様だけのものです……。
共にいれば未来を創れると信じ、私はあなたをお守りします。この命が尽きるまで………。)

「そうだ!プレゼントがあったんだ。ちょっと待ってて。」
「えっ?」
ガルシアはサイドテーブルから小さなケースを取り出した。
形は長方形でロベルタの黒髪と同じ黒色。
736De la venganza después ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 19:51:20.21 ID:kdOyRXF0
「まだそんな大それたものを渡せるほどではないけど、気に入ってくれたらうれしい。受け取ってくれないか?」
「あ、開けても…よろしいですか?」
「ああ。」
てっきりロザリオの類いだとロベルタは思った。
そんなものでなくとも、ガルシアからの贈り物というだけで心底嬉しかった。
緊張しながら開けると、それはメガネだった。
度が入ってないただの伊達メガネ……。
しかし、二人のきずなを深めるのにはもってこいのモノだった。
「若様のロベルタ」であることの証…………
「側に、いてくれるね?」

「はい…………はい……………」

そこには、フローレンシアの猟犬と呼ばれたロザリタ・チスネロスはもういない。
ここにいる涙を浮かべながら慈愛の表情をしている聖母の様な女性は、愛する男と共に未来を歩もうとするメイド、ロベルタ。


彼女が、いずれロベルタ・ラブレスとなるかどうかはまた別の話。


                                  El Fin… 
737名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 19:57:17.35 ID:n6PWCID0
藤林丈司
738SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/16(木) 20:18:43.36 ID:kdOyRXF0
お付き合いいただいてありがとうございました。
こんな文を読んでくださってくれてほんとにありがとうございます。
いくつか補足をさせていただきますね。

*1
>>731イメルダとサリー。
これは完全にオリジナルキャラです。
イメルダはラブレス家のメイド。サリーは庭師(耳が聞こえない)です。
原作では、ロベルタ・ファビオラを入れてラブレス家のメイドは6〜7人だということが確認済みなので登場させるに相成りました。

*2解放者の命日
これはベネズエラのかつての革命家、シモン・ボリバルの命日で12月17日です。
南米大陸のアンデス5ヵ国をスペインから独立に導き、統一したコロンビア共和国を打ちたてようとした軍人、政治家、思想家で
本国でも「解放者」と呼ばれ英雄となっています。
今回はシモン・ボリバルの命日を偲ぶため、ガルシアも入っている南米十三家族がバリオ(貧民街)含めカラカス中心街にイベントを起こすという
オリジナル設定です。
739名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 21:05:49.09 ID:532ccvCl
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
素晴らしかった!
ロベルタかわゆす
740名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 22:23:46.64 ID:kvQ7Bvk0
GJ!!ロベルタ可愛すぎる若様男前すぎる!!
随所に散りばめられた原作リスペクトもいいな。
復讐メイド編でのロックdisっぷりに不満あった人間には
ほろ苦い描写もあったが、若様視点ではいたしかたなし。

しかしファビが結構いい役回りだったなw
原作じゃ自分内株大暴落だったけど、この作品のファビはいい。
741名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 01:21:33.04 ID:R4Yahux4
SS慣れどころか2ちゃん慣れしてない様子なのにこのクオリティ…今後が楽しみだ!
GJ!
742名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 12:01:50.35 ID:Zi17rkvl
既出かもしれんがお前ら今すぐロアナプラ観光協会観てみろ!
OVA5巻のジャケが広江さん描きおろし版+通常版どっちもまさかのロべ若イラストだぞ
SS読んでから観たからタイムリー過ぎて感動したw

ブラクラのジャケでこういうカプっぽいイラストってすげー珍しい気がする
743SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/19(日) 22:20:31.41 ID:i8EJ+mBn
数々のコメントありがとうございます。
感謝しています。

>>742
今、見ました。
最終話はやっぱりこのイラストですね。
しみじみ思います。
張さんの「茨の道」発言が現実になるかどうかわかりませんがこの二人には幸せになってほしいです。
多分、本編には二度と出てこないでしょうがそのほうがいいですよね。
出てくるとすれば、もうガルシアがロアナプラ側の人間になるか死ぬかのどちらかでしょうから……。
それだけはなってほしくないです。
広江先生の場合、不条理のオンパレードですからやりそうで怖い。
744名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 22:26:38.86 ID:IDy1+RYE
ガルシア「練習だ(身長より長い狙撃銃を担いで)」
745名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 22:34:52.62 ID:3zZXZ8nP
>>744

顎を撃ち抜かれる訳ですね。わかります。
746名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 23:29:49.45 ID:R4Yahux4
公式でカプールとしてはっきり描かれてるのはガルシア&ロベルタとベニー&ジェーンだけだかんね
ロック&レヴィはバディでパートナーではあるが、恋愛感情なのかどうなのかまだ本人たちもわからんだろ
747名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 23:42:18.10 ID:hoP2p4cV
ロクレヴィのツーショットイラストはカプじゃなくコンビだからな
二期DVDの最後のジャケは密かに萌えたけど(ロックが担いでるやつ)
748名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 01:51:01.48 ID:+2ksYdOL
働かない公式はただのブタだ
749名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 14:42:49.07 ID:tbAy0dgL
シガーキスがジャケットになったのは感動した
750名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 20:57:21.85 ID:S8kmLYg7
あれ良いよな。タイトルもシガーキスだし
なぜか岡島さんの表情がエロく見えた
751名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 09:07:15.09 ID:KZ8u/nLs
そうそうあれだけ公式のサブタイトルじゃなくてシガレットキスになっててちょっと驚いた。
シガーキスて2chで発生したと思うんだけど、サボリ作者は兎も角監督も見てたのか。
英語で表記されると妙に生々しいぜ。
久々にDVDシガーキス回見るかな。
752名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 23:53:52.24 ID:idtrIoFi
岡島さんは早く煙草なしのキスくらいしろよ
753名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 01:35:43.04 ID:nsy78iFK
ロック×デス・ダヨ姉ちゃんの話ってアリかな?
754名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 01:44:54.40 ID:q1RLokyn
普通のキスシーンや性描写よりエロい、それがロクレヴィシガキスクオリティ
755名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 21:08:53.50 ID:oNHbN4cB
ロックは早くレヴィを幸せにしてやるべき
756名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 14:31:00.00 ID:v4AykGD5
幸せってのが何なのか最早考えもしないし望まないし解らないんだろうなーと思うとなんとも切ない。

いっそ双子みたいにぶっ壊れたり姐御みたいに戦争ヒャッホウぐらいになってればズレてるけど幸せ体感できただろうがw
757名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 19:43:13.37 ID:EnnkLm91
今、OVAを見ました。原作よりも悪役っぽく描写されてるロック・・・・
後、ガルシアがラグーン号の海に飛び込むシーンありましたけど
原作だと、あれサンカンパレスのプールですよね?
758名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 19:49:33.05 ID:EnnkLm91
それと、予想していたと云うか、一部ですがレヴィの過去の詳細を描かれたのはアニメ原作含め初めてだと思います。
759名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 20:38:19.55 ID:fCbC2XiP
藤林丈司
760名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 21:13:32.75 ID:pbTUY8Aq
>>758
まあ想定の範囲内の過去だけど、詳細に描く必要あったのかねぇ
OVAなんだから、テレビ放送じゃできないような内容やろうぜ!
を意識しちゃったんだろうか
761名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 21:22:28.86 ID:gpX12ye+
そういう過去があるのは読んでて一目瞭然だけど、原作で描かれてないレイプ描写を
わざわざ入れて欲しくなかったわ。つか見たくなかったよ…鬱になった

そんな過去を持つレヴィがそれでもロックに抱かれたいって迫ったシーンを思うと
切ないやら萌えるやらロックが憎いやら
つうかロックは早くレヴィに応えて精神的処女を頂いて癒してやるべき
762SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/23(木) 22:04:27.69 ID:EnnkLm91
正直複雑な気分です。
違う点(ロベルタの指が吹き飛ばされたり、レイが死ななかったり)でのショックが大きくもありますが、アニメ版のロックのほうがロアナプラ側にいるべきだというスタンスをとってる分
まだ見やすいと思いました。
原作だと、夕闇の部分がまだ出ていて吹っ切れてない感じのロックでしたがこの終わり方ならいいかなと思いました.

でもSS書いた後にこれ見せられると……。僕の書いたものは何だったんだろうと気分にさせてしまいました。
ネタばれになりますが、片足、片腕失い右手2本失ってしまう最後のシーンは見てて痛々しいです。
ある意味、ブラックラグーンぽいですが今までのロベルタのタフさが無くなってしまったことに涙してしまいましたね
763名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 22:08:16.09 ID:zGUzFql+
ロベ別に好きでもないからどうでもいい
764名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 22:13:49.80 ID:pbTUY8Aq
むしろロベルタの腕が吹っ飛んだら断面からコードとかが出てバチバチ言うとか
そんなんじゃなくて安心したわ
765名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 22:26:14.47 ID:NQxX5Q2F
再生したりとかな
766名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 22:33:08.90 ID:v4AykGD5
余裕で自己再生しそうで怖いw
767SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/23(木) 22:50:24.95 ID:EnnkLm91
一つ確認したのですが?ロベルタの目はどうなったんでしょうか?
一部では右目つぶされてるとか言われてるんですが……
768名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 22:56:27.95 ID:RFvbVzg1
レイプシーンのときの警官の結婚指輪がさ
同じくらいの子供いんのかな・・・とか考えちまった
当時も今も泣いたりしないのがむしろ痛々しい
考えてみるとレヴィが泣くとこなんて想像できないんだけど
769名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/23(木) 23:11:18.24 ID:NQxX5Q2F
よく観てるな。指輪までは気付かなかった

DV→無実の罪で半殺し(今回のレイプ)→出所後に親殺し
→殺しまくりながらロアナプラへっつう流れでいいのかな
770名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 01:50:02.32 ID:WJtCeu+Y
>>768
泣いたところで誰かが助けてくれる訳でもないし、逆に余計酷くされるだけって自己完結しちゃってそう。
誰も助けてくれないし支えてくれないし頼れないから銃を手に持ったんだろう。
771名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 02:48:50.37 ID:eostXEc1
犯されてる間ずっとクソクソ言ってたけど
やっぱ時々喘ぎ声とか出ちゃうのかな
772名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 05:48:25.76 ID:rJPeF4PJ
>>761
俺もいれて欲しくなかったなあ…
まあアニメはアニメだけどな
773名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 16:22:19.22 ID:3o+RvLX8
夢のない話すると膣内部の神経の数からいってセックス自体物理的な快感はあまりない。
いずれ産道になる場所の感覚が鋭敏だと困るからこれは仕方ない。
だからいわゆる中で感じる、イくっていうのは精神的な作用が大きくて、フィクションでよくある犯されてイッちゃう!っていうのはまずあり得ない。
774名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 17:22:34.50 ID:8LVFd/+s
観ててキツかったけど、そのあと父親をぶっ殺すシーンは好きだ
「うるせえんだよ!!」ってぶち切れて叫ぶところが

でも精神的に辛いから今夜は保管庫のロクレヴィ読んで癒されてくる
775名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 19:26:48.34 ID:fYg3vGyP
むしろ保管庫のSSの読者なんじゃないか
アニメスタッフ
ふと、そんな気がした

776名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 19:32:43.65 ID:8LVFd/+s
いやさすがにそこまで勘繰るのはちょっと…
777名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 21:13:23.59 ID:/BbqWMQs
>>773
つまりレヴィはロックとじゃなきゃイケないわけだな
778名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 19:27:50.54 ID:wcVNAWO3
それを知ってるロックはわざと寸止めプレイや意地悪プレイを楽しむと
779名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 20:20:21.19 ID:rIwffz8r
そいつは俺の趣味だ
780名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 22:01:20.61 ID:P1F7MSUN
レヴィが好きすぎて生きるのが辛い
781名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 01:06:02.98 ID:HfGkznRT
つ 完全自殺マニュアル
782名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 18:38:34.97 ID:l9tGwOox
レイーポシーンは辛いけどNY時代レヴィたんの為にOVA最終巻だけちゃんと買って観ようと思う。
神の書かれるレヴィ過去描写は本当秀逸。
783名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 20:21:28.64 ID:IFE7PGCU
OVAで評価できるところを無理やり探すとすれば
最後ロックのタバコを当たり前のように吸ってたところくらいかな…

けどあれよりは岡島ローリングの後に速攻で銃構える方を入れてくれた方が断然よかったよ
さて気を取り直して原作と保管庫読み返してくる
784SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/27(月) 00:19:58.93 ID:IYTAAnCn
保管庫でSS確認して見ましたが、681>684が抜けています。
保管庫の管理人さんは気づいていますか?
785名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:28:16.31 ID:L9Hfk6Ov
うぜ。うぜ。
別にそんなんお前のSSだけじゃねぇっつの
わざわざ労をさいてる管理人さんへ人目のつくとこで直せと注文とか何様。
786SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/27(月) 00:41:33.94 ID:IYTAAnCn
>>785
うぜとか言うのはわかりますし、意見はもっともだと思います。
保管庫に入れてくれるのは本当に感謝しています。
ですがそれとこれとは別問題です。
完成品をチェックしようとする行為はいけないことなのですか?
自分で書いたことのないあなたにはわからないでしょうね。
787名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:46:11.68 ID:Nve/eAVV
見習いさん、
あなたは言葉が足りない人みたいだから、
気をつけたほうがいいと思うよ。
788名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:59:39.18 ID:L9Hfk6Ov
言っとくが、まとめサイトの管理人さんには「いつも駄作に時間さいてくれてすまないねぇ」と思ってる側の立場だよ

ぼくちゃん、注文つけるならつけるなりの作法があるんだよ???
メアドだって晒してくれてるんだし
それに言ったよね、お前だけじゃないって
別のスレのまとめサイトも含めてSSそのものが無かったことにされてる人もいるし、1レス目が抜けてる人もいるけど、わざわざ誰も こ ん な と こ で 言わんよそんな不粋なこと
前者は何らかの形でコンタクト取ったのかもしれんけどこっちには知るよしもない
そんなにあんたのいう完璧を求めるなら自サイト開けば?
789SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/06/27(月) 01:09:02.83 ID:IYTAAnCn
>>788

解りました。
その作法に則ってこれからはスレ投下していきます。
2ch自体初心者なので知らなかった部分もありました。
気をつけていきます。

自サイトも立ち上げて見せます、いずれ。
790名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 01:23:46.44 ID:Xcv7xLul
>>789
頑張れ
後書き込むときはメール欄に「sage」って入れてね
791名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 01:32:39.73 ID:oKeLnk45
生暖かい眼で見守って来たけどもう我慢できない、すまん。

半年とは言わんが数か月ほど色んなスレROMった方がきっとお互いのためだと思う。
792名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 01:39:13.11 ID:HLKUgBIH
このスレにSS落とすのってなんか公園デビューみたい
どんなささいなことででもボスみたいなママさんの気持ち損ねたらもう居場所なくなるみたいな

初心者さん、外野は気にすんな
いい作品書いてりゃ、ついてくる読者は必ずいる
みんな最初は勝手もわからず四苦八苦してんだ
少なくとも俺は暖かい目でおまいさんの成長を楽しみにしているよ
793名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 01:59:09.07 ID:Nve/eAVV
公園デビューした初日、
一番の世話焼きママに
「仕事がなってねぇよ、」
ってドヤ顔で訂正求めるみたいな
794名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 02:26:17.35 ID:f7jFozXW
言い得て妙でワロタわ、公園デビューww

でもまー所謂2ちゃん的な空気を読める人で冷遇されてた人はいないと記憶してるがどうだろうか。
自分語りとか、住人へのご意見伺いとか、投函予告とか、何か揉め事の原因色々あったけど、
何かこう、うまく言葉に出来ないけどさ…同じようなことしてても空気を読める人はそんな叩かれて無いよ、叩かれてもスルースキルあるし。
それってこのスレや2ちゃんに限らず一定のコミュニティではありふれたことだよ。
それが公園ママか職場か学校かは知ったことではないけどね。
空気なんて教えられて読めるものではないじゃん。
色々勝手なこと言われるから面白いって思うくらいにはテキトーにROMった後の方が楽しめると思うんだよねー。
何かこう、便所の落書きかつ痰壷に肩肘張り詰めてない?w
795名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 02:59:08.98 ID:oKeLnk45
>>789
うまいなww
796名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 03:02:39.44 ID:oKeLnk45
間違えたw
うまいこと言ってるのは>>793

あーレヴィたんの尻舐め回したい
797名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 06:46:20.35 ID:UP6A6Zg9
まあラグーン関連スレは何処もロアナプラだからw
街の流儀心得てないと生き残っていけない。
俺のレヴィだって銃の腕が一流なだけであの街で暮らせてる訳じゃない。
折角良い話書けるのに、爆乳印度みたくウゼェェェェってなる話長々されちゃ才能も腕も勿体無い。

というわけで俺は空気を読んでロリレヴィを養子にする。
798名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 06:51:02.04 ID:fdFFYW+m
スレ進んでたから誰か作品投下したかとwktkして開いたらなんか違った

とりあえず俺は巨乳ロックと懇ろになるわ
799名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 07:22:23.92 ID:TsJjmfr0
>>797
インドはものすごい淫乱らしいな
オタくさいベニーを完全に尻に敷きそうだ(性的な意味で)
800名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 10:26:27.15 ID:8B+u9w4O
>>784
なんでガキが作者面して居座ってんだ?
ここは成人以外立ち入り禁止だぞ? さっさと消えろよ
801名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 11:51:26.43 ID:HLKUgBIH
こりゃご新規さんが来ないわけだw
802名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 12:24:51.59 ID:fdFFYW+m
ラグーンスレで争いが起こりスレが荒れた時や荒らしが出た時、
俺の中ではベニーさんが降臨したと思うようにしてる

でもそろそろこの流れは止めて欲しいもんだ
803名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 12:25:17.65 ID:W2QqTZp3
sageはスレ自体に迷惑かかるから注意されるべきだが、それ以外はスルーした方がいいんじゃね?
作品が良質でも姿勢に問題があると思うなら感想をつけなければいい。
もしくは雑談書き込みに乗らなければいい。親切に注意してやる必要なんかないんだからさ。
804名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 20:32:03.23 ID:VQsNu8pu
最近はOVA改変のショックから逃げるために
レヴィの傷を癒す岡島さんの妄想を繰り広げて自分を慰めている
805名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 20:53:40.28 ID:eph94hFL
ロックとレヴィの新婚生活とか子供の事考えてたんだが
子供の事考えるとどこで生活するのが一番いいんだろうか
ロアナプラは論外だし、日本はロック的に無理だしレヴィも
ご近所の奥さんとニコニコ挨拶なんて無理だろうし
806名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 21:18:42.45 ID:IYTAAnCn
基本的には、アメリカ戻ってやり直すとかじゃないの?
もちろんNYじゃなくてロスとかさ
807名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 21:28:11.64 ID:eMUFGPOQ
タイの片田舎でハッピーハッピーに暮らせばいいと思うよ
ロアナプラだってそんなに悪くはない
808名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 21:58:22.61 ID:fdFFYW+m
ロアナプラも表通りは結構普通の街だしな
新展開ではネカフェまで出来てたし

とにかくレヴィが楽しく笑いながら暮らせるならどこでもいい
そしてダッチは良いじいさん役になりそう
809名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:03:08.45 ID:IYTAAnCn
なんとなく想像できるww
ベニー・バオ・暴力協会組あたりは悪態付いても子供の面倒見てくれそうwww
810名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:05:28.33 ID:eph94hFL
銃声で飛び立つ鳥の鳴き声で起きて、父ちゃんの作った飯食って
母ちゃんに防弾チョッキ着せてもらって学校に行って
サングラスのシスターの所に寄り道したりハゲのおっちゃんの所に行ったり
メガネのオタクの所で遊んだりお掃除手伝ったり
帰ったら物置の圧力鍋を探して自室で秘密の遊び

そんな感じですか
811名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:08:05.72 ID:IYTAAnCn
双子かよwwww
812名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:24:50.19 ID:HO7Y0c+E
ageんなカス
813名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:32:12.14 ID:IYTAAnCn
そっちこそ
814名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 23:20:48.56 ID:HLKUgBIH
一番幸せなのはまきちゃんだと思う
先輩がスゲー死に方したこと以外まともだもん
815名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 01:40:16.27 ID:kvOXcoH8
ロクレヴィ新婚生活とか考えただけで胸熱なんだが、冷静に考えたら岡島は子供認知してくれるのかどうか心配になった
816名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 06:55:26.88 ID:6usZgwWZ
ロックの黒化はミッション中が主だからそこは大丈夫じゃないか、多分

ものすごいファビョってヘタレるか、指パチパチン→バシィってやりながら喜ぶか
817名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 19:48:38.91 ID:GLIrTfxv
ミッション中の黒モードの時に
「あんたが死んだら、あたしの腹の中の子はどうなるんだよ!?」
なんて言われたら…
818名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 20:39:56.67 ID:jWuV4c8S
黒島「何が?悪いけど今はそれどころじゃないんだ。それより観てみろよレヴィ、
この大舞台の一番面白い所を俺たちだけが楽しめるんだぜ」

これだとむしろレヴィがロックの息の根止めるな
819名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 01:03:01.56 ID:ljAV8FDJ
レヴィはロックの中に、自分に無い「まとも」な部分を認めて、気持ちを通わせてるんだけど、
ロックはどんどん街に引っ張られてキチガイになっていくというアンビバレンツさがいいよね。
引き合いながら擦れ違いそうになるっていうのはよくあるロマンス話だけど、この場合桁違いの
大悪人か、ドンパチが好きなただの喧嘩強いチンピラかの違いだから複雑だな。
ボニーアンドクライドとかデリンジャーよりかはよっぽど面白いのは確か。
ということで黒島に距離を感じつつも、惚れた弱みで付き合って体を痛めるレヴィ…なSSをどうかよしなに
820名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 18:42:59.79 ID:lQgE/fWz
張との決闘に敗れた大尉殿がダッチに救われるSSを模索しているがどうでしょうかね?
821名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 18:54:38.65 ID:XxfW8MTP
>>818
むかつくwさすが黒島むかつくぜ 

>>819
YOU!書いちゃいなYO!!!
822名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 19:53:31.63 ID:JlGSQ46B
>>820
まさかのダッチ×姉御か?胸が熱くなるぞそれは
823名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 20:27:33.81 ID:lQgE/fWz
あくまで段階なんですがね。
ダッチのキャラが今一つつかめていないのがちょっとネックになっています。
できあがったら投下します。
824名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:52:55.19 ID:crrbQcUY
>>814
一番幸せなのはやっぱりレヴィにベタ惚れされてる岡島さんだろう
ボコボコにしたいくらい憎い
825名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 01:04:32.77 ID:pUoqwarI
南シナ海危機を平和裏に回避したベトナムと中国は一挙に関係を好転。
アメリカの影響力を排除した華南経済圏を打ち立てる中国の構想にベトナム政府が同調するなか、
ロアナプラのエダにもラングレーから任務が与えられる。
―ベトナム政府外交筋の動きを調査し、背後に見え隠れする中国情報部の対ベトナム接近工作を報告せよ。
しかしエダは自分を餌にして中国情報部を釣りだそうとするラングレーの目的を感知。
ラグーン商会と三合会ロアナプラ支部を身代りに生き残りを賭ける。
三合会を通した別組織からの依頼に罠を感じつつもロックたちは一路ベトナムへ―。
エダや張、はてはラグーン商会そのものまで駒に使いゲームを進めようとするロック。
そんなロックに疑念を抱きつつも、大悪党ぶりに魅せられるレヴィ。二人の運命やいかに。的なの広江さんの絵で見たい
826名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 01:15:28.22 ID:GK9wFqxM
>>825
まあ、ありそうだね。それを書くか書かないかは広江さん次第だし。
827名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 09:54:33.04 ID:rwvF2r1O
>>824
だがロックがボコボコにされても傷付くのはレヴィたんなんだ・・・(´・ω・`)

そこがまた腹立つw
828名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 12:51:13.69 ID:esBX+3sB
自分が殴る分なら良いけど他人が殴ったらぶちギレそうだもんなレヴィ
829名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 17:45:53.51 ID:ukEsFNuC
>>825
おまいさんの文章で見たい
広江にはもはや期待できないし
830名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 18:27:11.15 ID:YKDfB+VO
最近みんないい感じに設定を投下してるな
そろそろ新作が来るかと期待してる
831名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 18:32:06.95 ID:GK9wFqxM
なんかエロ書いても、普通に作品として出てきそうだよね。
BLACK LAGOONは。暴力とセックスは切っても切れない関係というか

832名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 02:01:48.95 ID:/6zPWAVg
>>828
竹中編ラストのツンデレげんこつは良かったな。

にしてもアニメスタッフが具体的にレヴィの過去描写描いてしまったからには公式でちゃんとレヴィ過去編が見たいものだ。
833名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 12:25:04.06 ID:7pNVh4SB
公式でまでわざわざ回想レイプ描かれたらキツいわ
だがその後岡島さんが全身全霊で癒す王道展開に繋げるなら読みたい
つかそれくらいあってくれないとレヴィが不憫過ぎる
834名無しさん@ピンキー:2011/07/01(金) 16:45:35.28 ID:CpMyuOrk
>>833
広江さん自身、そういう王道展開平気で裏切るからな。
それがBLACKLAGOONのコンセプトなんだろうけど。
救いようのない悪党のピカレスクロマン。
悪党はしょせん死ぬまで悪党だろ(=幸せなど訪れはしない)って言う考えが広江さんの中にあるんだろうな
双子編とか日本編はいい例
835名無しさん@ピンキー:2011/07/01(金) 17:32:05.01 ID:7pNVh4SB
それでもやっぱりレヴィの本物の笑顔が見たいよ
一時の夢みたいな感じでもいいから

しかし岡島さんがレヴィにデレたのって
タケナカ編でお礼言ったときくらいなんだよな
836名無しさん@ピンキー:2011/07/01(金) 23:09:51.83 ID:fNtgCPfG
『いい話』になったら既にブラクラではない
837名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 00:54:21.45 ID:ZTUOxoI5
人殺し、拝金主義者、権力主義者ばっか出てきて三つ巴に争いまくるなんて、どう考えても素敵な話しだろw
憎しみや暴力はなにも生まないとかいうガルシア君たちに暴言を吐き捨てるレヴィこそ原作の持ち味じゃないか
838名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 01:15:48.52 ID:2rRW2VgF
>>833
いやあの、レイープが見たいんじゃなくてストリートチルドレンだったベッキーちゃんがロアナプラのトゥーハンドになるまでの過程というか。
いつ頃刺青入れたのかとかどうやってダッチと知り合ったのかとかそういうんが見てみたいんであって。
839名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 10:03:02.30 ID:agSL7BLj
>836
“ほんのちょっといい話”で手を打とう。
840名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 12:24:24.18 ID:YrycjqVa
主役補正でほんのちょっとくらいは良い目にあっても
バチは当たらないだろう
841名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 12:28:17.82 ID:kr19n49I
打算でも駆け引きでも本能でも何でもいいから
ロックとセックルしてるレヴィたんが見たいのに
842名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 12:51:26.47 ID:YrycjqVa
心が通じあってれば言うこと無しなんだけどな
実際やってくれたら雑誌と単行本永久保存する
843名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 20:51:02.61 ID:M7JLQ2vV
俺に火をつけられるのはお前だけとか言っておきながら煮え切らない黒島が憎い
844名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 22:45:42.93 ID:0eY/kd8J
もうインポなんだとしか思えないわよプンスカプン
845名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 03:39:09.31 ID:gigN7t4h
じゃあ代わりに俺がレヴィ抱くよ
846SS見習い ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 17:02:29.46 ID:EaGE5Qc/
ダッチと大尉殿SSです。とりあえず、予告編投下します。
近いうちにアップします。前回のモノを上回るように努力します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次回予告
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
あの時は断片的にしか覚えていない。
覚えているのは、冥府の街の入り口であるあの桟橋。
上等なスーツを着たジョーク以外はセンスがいいチャイニーズ。
車から流れていたあの曲。

そして、あの男に出会った………。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「A Memorized Bullet Ballet 」
847名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 19:22:26.70 ID:P8kIr8vx
>>843
そんなこと言われたらまだときめきに慣れてない恋愛初体験の不器用レヴィはズッキュンヘロヘロになっちまうだろうに…
848名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 19:31:22.72 ID:KzViu9hz
「俺を呼んでくれたのはお前だ」
「火を付けれるのは銃(お前)だけだ」
この殺し文句ですっかり骨抜きにされたレヴィたん…
849名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 20:25:30.45 ID:/zutjCWY
>>846
続き全裸待機

しかし投下予告するのは叩かれる元だから気をつけられたし
『マナー』とやらから少しでも逸脱すると鬼の首を取ったように騒ぐ御仁がいらっしゃるから
850名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 20:30:44.47 ID:H13odOrk
言いたいことはわかるけど、最後の一文は余計じゃないの
わざとかもしれんけど
851名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 21:28:08.19 ID:AldXTaey
マナーじゃねぇよ、空気読めるか読めないかだよw
852名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 21:30:53.31 ID:/zutjCWY
訂正

×『マナー』
→○『空気』
853名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 22:06:18.42 ID:KzViu9hz
投下待ち
854A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:35:28.22 ID:EaGE5Qc/
お待たせいたしました。
多少、オリジナルキャラが出てきますが、作品を楽しんでいただきたいがための配慮です。
その点はご了承ください。では。どうぞ
855A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:37:39.14 ID:EaGE5Qc/
11月某日 PM13:00

「ダー、スレヴィニンピョートル(大頭目)。手筈はそのように……。」
マホガニーの執務机に腰掛け次の取引の報告書を読みながら話している、この街では「火傷顔」と呼ばれる妙齢の女性。

「そうか……。例のメイドの危機は脱したか。相変わらずの手腕だな……。」

そして、電話口の発している声は初老の男性だろうか………
はっきりと威厳に満ちているその声は、この女性のボス………スレヴィニン。
856A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:39:09.65 ID:EaGE5Qc/
「いえ、そのような……。」
「謙遜するな。日本での鷲峯・香砂会の件も報告書で読ませてもらった。
これも見事なものだ。…………ヴァシリの件も含めてな。」
「何のことでしょうか?」
「別にとがめはしない。お前も知っているだろうが、私もルビャンカの連中は好かん。
だが組織のビジネスのためには必要でもある。
ダーチャ(エリート層・支配的階級)も含めてな。」
857A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:40:55.30 ID:EaGE5Qc/
「承知しております。」
「お前のチェーカー嫌いは組織随一だ。私と負けず劣らずな。」
「……」
「トライアドとも渡り合えるお前なら、タイだけでなく他国のヴォール(頭目)をまとめるのにも、私はいささか構わないのだが……。」
「本国に戻るつもりはありません。私は部下で手一杯ですので……。」
「わかっているさ、言ってみただけだ。」
「お戯れはよしてください。」
「くくく、変わらないな。近々、本国で会合がある。気が進まないだろうが……」
「わかっております。」
「では、引き続き頼むぞ……ソーフィヤ、いやバラライカ。」
858A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:43:29.63 ID:EaGE5Qc/

ブツッ   プー   プー   プー

ソーフィヤ・イリーノスカヤ・パブロヴナ

かつてのその名前を呼ばれるのは好かない。
組織の人間がそれを言ってきたならば、スぺツナズ時代の拷問を実践しても生ぬるいくらいだ。
かつて政治将校であったわが父の友人であった大頭目で、ようやく仕方ないと思える。

ツー ツー ツー

「何だ?」
「失礼します、大尉。ラグーン商会からお電話が入っています」
「ああ。つないでくれ。」
「ガガッ……俺だ、大尉殿。」

この男の電話はいつも突然だ。
しかし、退屈はしない。
この街には珍しい、ユーモアあるこのスキンヘッドの黒き友人には。
859A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/03(日) 22:45:57.51 ID:EaGE5Qc/
シガーカッターを手に取りながら、葉巻を取り出す。
「あら、ダッチ?例の積荷の件なら滞りなく云っているはずではなかったかしら?」
「ああ、予定より早く終わってな。今、メコン川沿いをクルージングの最中だ」
「そう、仕事熱心で何よりだわ。それだけのために電話したわけではないでしょ。」
「ああ、久々に飲みに行くのはどうだい?お得意様と接待というのも悪くないだろ」

シャキッ    シュボッ!

「ふふふ。そういうシンプルなの、嫌いじゃないわ。張より才能がある。」
「光栄だね。」
「まあいいわ。丁度むしゃくしゃしてた処だから接待してもらおうじゃないの。」
「じゃあ、イエローフラッグで……」
「待って。たまにはオフィスでどう?こっちの。」
「ほお?」
「嫌かしら?」
「嫌?接待なんだぜ、お得意様の命令は絶対。だろ?」
「決まりね……。」

今日の仕事にはあの山盛りのエロビデオの編集作業が無い分、まだ取り組める……。

この日の仕事を早く終わらせようとふと、そう思ったバラライカだった。


続…………
860名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 00:06:51.86 ID:MQxyd8GW
>>848
何かもうプロポーズみたいな台詞なのに、岡島のあの態度w
レヴィたん本当に男運なさそうだ、俺が癒してあげたい
861名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 00:53:52.74 ID:Jrw2QdZf
なんだかんだで二人ともストレートだよな

大好きだ
862名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 01:16:15.62 ID:Sgaq1elW
よく双子兄弟の性別が質問サイトなどで質問されているようですが、バラライカの部下をハリネズミにした後、その横で話しているときの
セリフから一応片方が男子で、片方が女子という判断をしてもいいのかな?
この時にワンピースの下着を着ている方の胸に膨らみが描かれていたのでおそらく女設定か。昔の変態ビデオ撮影前に女性ホルモンうたれ
まくった男子という悲惨な設定がなければそう判断するが・・・。この時のセリフで「試してみたいわ。イワンのはまだいれたことがないん
ですもの」というのがあるんだが・・・過去にスナッフや児ポルで使われていたという事を考えると正常な入れ方だとも判断できない。
まぁこのときの胸の描写でとりあえず片方は女と判断したのですがどうでしょう?
質問の内容がグロくてスマン。
863名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 02:03:14.15 ID:mxunyZRy
>>862
まぁそれで間違いないと思うよ、どっちがどっちだかは知らんがな
864名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 02:30:49.69 ID:8zLCqaNy
>>860
下手な愛の告白よりもグっとくるから尚更余計タチが悪い。

告白といえばロックって今まで付き合った子は何人かいても自分から告ったことは一度もなさそう。
ちょっと可愛い女子に告られて何か断りにくいor断ったら相手に申し訳ないと思い、何となーく付き合って何となーく別れる。
そんな水色時代。
865名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 10:20:49.28 ID:hZmIiSwF
レヴィってちゃんと掃除とか洗濯できなさそうだな。

食べることは必要だから適当ながら一応するけど、他は別にみたいな
866名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 10:25:11.57 ID:4NKIam+K
>>864
そして、何となーくレヴィたんを手込めにするわけですね。



首締めたい。
867名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 10:40:48.25 ID:DJTOSH8y
いくら黒島さんでも「何となく」な相手に
プロポーズまがいな一心同体かますわけがない
…と、信じたい

日本にいたころはヘタレ岡島だったろうし、
レヴィに対してみたいに、感情さらけだして本音でぶつかる事自体なかったんじゃないか
彼女とかだけじゃなく、家族に対しても
868名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 12:35:22.63 ID:GOilnlNS
◆B6YqIdhOFA氏乙
続き期待
869A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:07:24.11 ID:JUl5nIwD
続きです。

*   *   *

PM10:00

「大尉、お連れしました。」
「ああ。下がっていいぞ、軍曹。
それと、本国からウォッカの差し入れが届いている。皆にふるまってやれ。」
「解りました。では。」

バタン

「ここに直に来るのは久しぶりだな。」
「物見遊山に来たわけではないでしょ、ダッチ。まあお坐りなさいな。」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「そう。ロックがそんなことに……」
「ああ。火遊びどころかキャンプファイアのし過ぎだ。
一瞬、寒気がしたぜ。
最も、そうなったのは、あんたにも心当たりがあるはずだが?」
「さあね?助言はしたつもりだけど。」
870A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:08:00.78 ID:JUl5nIwD
そう。あの時、私はヤポンスキにこう言った。
『お前、いい悪党になれる』と。
話を聞く限り、最初出会った時の日本人気質が出ている甘ったれた思考からよくここまで考えたものだ。
周りにいる鉄火場の人間を実に巧みに配置してもいる。
だが惜しいな。実に惜しいぞ、ロック。まだまだ詰めが甘い。
色々あるが、自分が撃たれるという仮定をまず考えなかったことが大きい。
作戦・計画というモノは、総じてあらゆる出来事を想定し、実行していくものだ。
安全の位置にいても、自らが撃たれるという事態は、まず最初に考えうる不測の事態…
まあ、今後の成長が楽しみだ。
またしばらく退屈しないで済むのかもしれない。
ふと思わず……私の銃の前で言ったロックの言葉を思い出した。
871A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:09:18.37 ID:JUl5nIwD
「ふふっ・・・・・」
「どうかしたのか?」
「うん?酔ったせいかしらね、少し……思い出していたのよ?
初めて出会ったときのことよ。」
「いきなり何だ?いつの間にセンチメンタルになったのかね?」
「あら、ひどいわね。4年前の11月の今日。」

その言葉で、ようやくダッチも思い出したらしい。

「ああ。そうか、きょうはあの日か。」
「覚えているかしら?」
「未だに夢に出てくる……」
872A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:09:53.28 ID:JUl5nIwD
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの時は断片的にしか覚えていない………
覚えているのは、冥府の街の入り口であるあの桟橋…………
上等なスーツを着たジョーク以外はセンスがいいチャイニーズ…………
そして車から流れていたあの曲…………

フランク・シナトラの「It’s a Blue World」

「ちょうどいいな。この曲なら、君のドレスとこの街にふさわしい。
踊るかい、ミス・バラライカ?」
「付いてこれるかしら、ベイブ?」

ジャキッ

パパパパパパパッ バスッ  バスッ バスッ

戦場で、唯一血がたぎる瞬間………
顔面のすぐ横を通り過ぎる、弾丸飛び交うこの瞬間………
一瞬で死に場所を与えてくれるこの瞬間……
生ある人間に戻れるこの瞬間………

「ぐっ!!!」

バシャ―ン

そして、あの男に出会った………
873A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:11:23.59 ID:JUl5nIwD
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
あの時は、正直何が起こったのかと思った。
年がら年中、銃声が轟き死体が蟻山みたいに積み上げられる、このイカれたタイの町「ロアナプラ」。
別段、驚きもしなかった。
しかし5・6メートルの桟橋から高飛び込みを決めたのは、ここ最近名乗りを上げてきたロシアン・マフィア『ホテル・モスクワ』の「火傷顔」だ。
普段なら放っておく所だが、なぜだか体が動いてしまった……
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
874A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:13:37.68 ID:JUl5nIwD
目が覚めたら、望んでいた「地獄」という場所ではないらしい。
重油の臭いからして、ここは船の中だということはなんとなく理解できた。
「ここは?」
「ダンスホールに見えるかい、ミス・バラライカ?」
自分の眼前に見えたのは、サングラスをかけた黒人の男。
立ち居振るまいからして自分と同じ軍人崩れというのがすぐに解った。

懐と大腿に銃が忍ばせてあるが!
感覚からして、恐らく外されているのだろう。
「!!……Чёрт возьми。」
「悪いがあんたのドレスは風穴開いちまって、処分させてもらった。
上等ではないが我慢してくれ」
気がつけば身体中に包帯が巻かれていた。
その途端に、腹部に焼けるような激痛が走った。
「くっ………貴様、何者だ?」
「俺の名はダッチ。単なる運び屋さ。」
その時、三合会がお抱えにしている運び屋がいたと報告書で読んだことを思い出した。
「ラグーン商会のダッチか……。名前は聞く。一応……礼は言わせてもらう。」
「ああ。治療費は後で請求させてもらうぜ?」
875A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:18:34.58 ID:JUl5nIwD
ガー…………

「ヘイ、ダッチ!!ボス!!聞こえてるか」
「レヴィか。今、くるみ割り人形が起きだした処だ。」
「三合会の彪から無線入った。フライフェイスのイワンの点心拵えたい。
見付けたら連絡よこせとさ」
「まあ、そうだろうな。ボスがああなって黙ってるはずがない。引き続き運転頼むわ。」
「あいよ」

ガーーーー

「ずいぶん、勝気な小娘だな。訛りからしてチャイニーズ。飼ってるのか?」
「半分正解、チャイニーズアメリカンさ。それに単なる従業員だよ。
こういう鉄火場専門のな。あんたも気に入るだろうよ。」
「……………」
「とにかく、少なくとも2,3日はおとなしくしてもらう。
急所外していたとしても3発もぶち込まれてたんだ。
それと、お宅の部下に連絡することも控えてもらう。何か、質問は?」
「………なぜ、助けた?」
「…………」
「貴様は三合会を取引相手にしているはず。
そいつらに唾を吐いている真似をしてこの街に生き残れなくなってもいいのか?」
下手をしたら、後々タレこむに違いない。
無線の内容からして懸賞金くらいはかかっていてもおかしくないだろう。
そうバラライカは思っていた。
876A  Memorized Bullet Ballet ◆B6YqIdhOFA :2011/07/04(月) 17:20:04.25 ID:JUl5nIwD
「…………さあな。理由が思いつかねえ。」
「は?」
「普段はあんたの言うとおりだが、俺はフリーの運び屋。
依頼を受ければクライアントには従う。
だが多少の義理立てはするがそれ以上でも以下でもねえ。」
「………」
「それに。あんたを助けたのは………まあ、俺の趣味だ。」
「趣味?」
「ああ。」
その言葉を聞いた瞬間、なぜだか笑いがこみあげてきた。
打算なき無償の人助けなどありはしない。この世は全て利益で成り立っている。
それを………趣味だと?
「ぷっ。ふふふふ……。ははは!!」
「そんなにおかしいか?」
「はあ…はあ…、ああ。それはどんなジョークだ?リチャード・プライヤー並みだぞ。」
「ずいぶんご存じだな。光栄だね。」
この男は不思議な奴だ。この街の腐った臭いはするが、そいつらとはまた違う。
それにこいつは嗅ぎ慣れている、先ほどの男・張と同じ匂いだ。
「では、依頼人となるにしよう。傷が治り次第、私をこの場所に運べ。」
手近にあったペンを取り出し、紙に書く。

{Bougainvillea Trading Company} 
Roanapura Certainum Street,○○○○


続・・・・・・
877名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 17:25:24.32 ID:g8C5GCbk
キター!
ハードボイルドだねえ!
続き熱烈にキボンヌ
878名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 18:27:00.42 ID:hZmIiSwF
トリをググるとひどい内容が出てくるな。
879名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 19:37:09.69 ID:UyUkVIEM
ロクレヴィ信者の嫉み乙wwww
880名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 20:06:18.69 ID:z3ccKNlE
お前は何を言ってるんだ
881名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 20:15:59.97 ID:/KWFB05G
青森少年院少年院更生相談掲示板

これ何w
882名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 20:55:55.08 ID:x67xOmzh
笑い過ぎてハラいてぇ。
昨日読んだ小町まとめサイト以上の破壊力w
トリかぶりなのかガチなのか知らんけどどちらにしても頭悪すぎ。
883名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:27:29.12 ID:5UutAbHF
>>881
2ch外だから関係ないんじゃね?

しかし単にトリがかぶってるんじゃないとすると、2ch初心者ではちょっと通らないな
2008年に犯罪予告めいたことをしてるし、新手の釣りか?
884名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:59:40.37 ID:UyUkVIEM
トリップがどうこう言う奴らは、ご新規さんをなんか理由つけて叩きたいだけなんだろ?

正直吐き気がした
公園に陣取るDQNチュプがロアナプラの住人気取りで、見苦しいことしてくれるなよ
885名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:02:59.05 ID:DJTOSH8y
悪いが、お前の>>879
の意味不明な煽りにも吐き気がしたぞ
886名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:03:19.63 ID:UyUkVIEM
神以外の職人を潰すためのネタを目を皿にして探して、陰湿にそうやって晒すわけか
このスレに職人が居つかないわけがよくわかる流れw
887名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:04:22.10 ID:UyUkVIEM
ロクレヴィ書く職人以外は出てけ、こう言いたいんだろqqqq
だったらロクレヴィ限定スレでも立ててお前らが出て行けやwwwww
888名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:06:43.30 ID:UyUkVIEM
若ロベ最高wwwwwwうっはwwwwww
889名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:35:46.64 ID:WV0dgCRo
ここが埋まったら前スレに戻るのな。
890名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 22:56:37.22 ID:5UutAbHF
そういやスレ立て規制厳しいみたいだけど何とかなるのかなあ
891名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 00:53:05.19 ID:RKRbmOIR
ひとりで連投してる奴こわ・・しかも若ロベ最高って今書いてるのはダッチ薔薇なのに
まあでもファン数に差があると孤独になるのは別ジャンルの経験上解るけどな
892名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 01:04:58.49 ID:Cos99q6Q
>>891
きっと赤の他人の職人さんの窮地を我がことのように憂い焦り
義侠心に溢れた連投をするアツく親切な奴なんだよ。すっごくいい人だね。
893名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 01:12:23.93 ID:Z83eHddl
彼は電柱と戦ってるんだよ、きっと。
そろそろ金星からお迎えが来るんでないかと思ってる、
894名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 06:52:17.29 ID:kfy7PmMU
そもそも若ロベの人もその後の言動で叩かれてるが
作品自体は絶賛されてるのにな
それを「新人や特定カプ以外出てけな空気」と読み取って暴れる意味が解らん

トリググって晒した奴もやりすぎだと思うし
最近の流れはなんか酷いな
ロアナプラどころかチャカさんの溜まり場だぜ
895名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 11:05:45.54 ID:K1eyvHHu
>>894
晒すってwwwそもそもハンドルと同じで自分から統一した名義使ってるんだから自分から同一人物ですよって言ってるようなもん。
使い分けしてて、異なる名義まで晒されたんならともかく晒されたはないわww
通常エロパロの他スレでの活動や過去の作品が出てくるくらいだろうから調べてみたら、少なくとも初心者はダウトだねって。
896名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 12:10:55.11 ID:kfy7PmMU
そうなのかすまん、よく解ってなかった
897名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 12:14:14.44 ID:0nL2XT9t
面白いSSを投下してくれるなら、余所でホットドック売ってようが
火星に飛んでようがかまわねぇよ
898名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 12:18:38.74 ID:WB/aisLe
だな
神以外の職人を潰すとか
勝手な妄想しないでほしいわ
899 ◆W9TneWpAUA :2011/07/05(火) 12:46:30.16 ID:GtmNqSyE
「妄想」の一言で片付けちゃダメだと思うよ
パワハラやセクハラを受けてる奴に対して「それはお前の被害妄想」「自分が統合失調症かもって疑え」って言ってる奴と同じ空気を感じる
そういう疑いが生まれても仕方ないような書き込みが溢れてて、すごく感じ悪いスレになってる、ここ

それに、よそのスレで職人が何やってようと関係ないだろ
何か、上司が風俗とか行ってたり浮気してたりしたら許せないってタイプか?

つか、トリ一致したくらいでその職人本人と決め付けるのはどうよ?
「#」の後に意味のある単語を入れて出てくるトリだったら、偶然ってことも大いに考えられる。
たとえばこの書き込みは「#blacklagoon」って入れてるんだが、そういう風に何か意味のある単語を入れてるだけなのかもしれないぞ
900 ◆ki.cYQvsY2 :2011/07/05(火) 12:56:40.82 ID:GtmNqSyE
今度は「#revy」って入れてみた
さっきのトリップとこれとググってみろ

「吸血鬼の住む舘」なんて俺まったく知らない
901名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:05:22.76 ID:0nL2XT9t
レヴィってなんか意味合ったっけ?
昔レヴィローズの指輪なんて女子向け小説あったなぁなんて今思い出した
902名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:12:32.19 ID:O56Jq/oG
いや、どう考えてもカプに結び付けるのはただの妄想だろ、他カプ書いたって一切叩かれないことの方が多いし、そいつの言ってるカプ書いてたって荒れる時には荒れてたし。
セクハラやパワハラの被害者に謝れ。

別にトリだけでここまで荒れてるわけでもないし、あんたの言ってる擁護だって、そもそも被る可能性のある単語使った時点でトリップの意味無いというか、おミソが足りないとしか…。
べつにこれに関しての感想なんて「迂闊な人」ってだけだけど、自分でまいた種だよね。

誰かさんの言う通りにスルーしてたら次はカプ持ち出しての被害妄想だもんな、ならどうすりゃいいのかと。
903名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:32:24.71 ID:4WD09IId
要はアレだろ、なんだかんだでこの作品の中で圧倒的に人気あるCPがロクレヴィってことに嫉妬して変な難癖つけて大暴れしてんだろ一足先に夏休み入った御方が。
信者とかいう単語持ち出してるし雑草群生させてロベ若最高とか言っちゃってるような奴なんだから真っ直ぐ構っちゃ駄目w

鳥のことはよくわからんが、違うんだったら本人が違うって明言して紛らわしいことになって騒がせてしまったから鳥変えるなりなんなりして沈静化させるのでは?
904名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:41:59.15 ID:O56Jq/oG
それが出来る器用な人ならここまで荒れてないとは思うけど。

ともあれ、鎮静化の方法教えてあげるおまいは優しいな、
ほら、リコリス飴やるよ
つ●
905名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:43:53.50 ID:GtmNqSyE
ほら出た「CP」「嫉妬」ってキーワードがw

人は自分の鏡だよw
906名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:54:12.09 ID:O56Jq/oG
で、何に嫉妬してあげれば君は満足なんだい?
嫉妬してみせてあげるから教えてよ、そうすれば満足して黙るんでしょ?
907名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 14:16:27.08 ID:4WD09IId
>>905
えっw

言い方気に障ったんなら謝るけど…申し訳ないがCPに嫉妬したことはないやw
ロベ若もファビ若も普通にアリと思うし、張薔薇も張レヴィも三馬鹿トリオの三つ巴も好きだしレヴィに関しては寧ろ総受けでもいいくらい。
オールマイティーに好きだよ。
908名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 14:29:24.31 ID:GtmNqSyE
俺も別に特定カプじゃなきゃ読まないってことないけど、特定カプじゃないと読まないって奴多いんじゃない?

「枯れ木も山の賑わい」という言葉を知っているかな?
ロクレヴィの他はスルーでいいや、と思っていると、そのロクレヴィですら誰も投下しなくなるよ?
読まなくてもいいけど「乙」くらい言えよと
スレ盛り上げなくて誰が投下するんだ、と

そういう風に広い視野で物事考えてると「他カプの嫉妬乙」って言うのがロクレヴィ好きの心の闇だと思う
909名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 14:55:27.38 ID:K1eyvHHu
若ロベ大好きで今回のOVAのロベのボロボロぶりにいっきに凹んだ
ロベはもっと評価されるべきだと常々思うが、ロベの名前上げて他カプ叩きと言うか冷遇差別云々抜かされるとアホかとしか。

一体何と戦ってるんだ…単純にマナーやルールが守れない奴が淘汰されてるだけだろう。
件の人が叩かれてるのは「気に入らないカプの職人だから」ではなくて、
「掲示板やスレの利用者として最低限必要なマナーや良識を欠いていたから」だ。
仮にただの名無しが複数回アゲ書き込みしたり保管庫管理人さんに非常識な態度を取ったら注意されるのは当たり前だろ?
あまつさえ注意に対して逆ギレしてるんだからそりゃ総スカン食らうわな。
職人もROMもスレの利用者であることは変わりないし、職人だからマナー守らなかったり逆ギレして煽っても許されることにはならないんだよ。
910名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:15:33.53 ID:GtmNqSyE
マナー、ルール、空気…もう聞き飽きたよ
「俺の書いた奴が間抜けてるから直してくれ」って言ったらダメなのか?
俺はここはSS読むだけで落としてないけど、はたから見てて冷たすぎると思った
911名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:36:21.35 ID:GtmNqSyE
俺はその職人じゃないよ
ただの住人
いつもここの住人の冷たい態度に腹立ってたけど今回さすがに切れた
912名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:38:33.60 ID:WB/aisLe
GtmNqSyE
おちけつ
913名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:51:35.72 ID:4WD09IId
心の闇だの冷たいだの…
なんかめんどくさい人だの…
腹立つんなら見に来なきゃいいじゃないか。
チャカさんなら兎も角、住人に腹立つかね?
914名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:57:32.99 ID:K1eyvHHu
人のこと言えないが次スレヤバイな…忍法帳的に立てられそうな人いる?
915名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 15:59:05.87 ID:YiWIOEw6
ところでエダのアメリカ様に逆らうな的なCIAモード見ると
張さんあたりに正体リークして、フルボッコの上ガチレイプされてるとこ見たくならねぇ?
916名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 17:40:05.07 ID:KnCIvOPw
>>914
立てられるよ
一応Lv.10以上になってるので、規制くらわなきゃ立てられる
917名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 18:03:50.85 ID:WB/aisLe
スレタイのネタがないなあ
918名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 18:13:47.85 ID:kfy7PmMU
あくまで原作準拠で、「まだまだドライブ中」
919名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 22:16:17.20 ID:6EX3mvP9
>>915
強気な女がボロボロにされる系っていいよな
920名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 23:34:23.82 ID:03PcUFf3
>>911
こういう人に触らないのがマナーだと解ってるんだけど。。。

いちいち数えてないけど多分10本以上は書いてた人の意見として(騙り乙、さらせ、どれよwww」と問われたなら、わざわざ2ちゃんに投下する意味も名無しの意味も無いけど晒すよ)、
自分が最近投下しないのは、単に原作の停滞と、規制と、不況による多忙で書いてる暇が無いだけで
住人が冷たいとか病んでるとか思ったこと一度も無いし、あなたが信じこんで切れてるらしい「スレの冷たい空気」とかいうのがが問題じゃない。

どんな場でも自分の悪いところを教えてくれる所はやさしいと思うし。
自分も叩かれたけど、その痛い立ち回りを無視せずにたしなめてくれる人は有り難いよ。
921名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 23:51:01.01 ID:Z83eHddl
>>910
誰かも言ってるけど、ものの頼み方ってあるだろ、成人(というか社会人)ならわきまえてるそれをきれいさっぱり無視して
いきなり逆ギレ、たしなめた人にもナメた口聞いてるから未成年疑惑も出る

わざわざドヤ顔かつ居丈高にそれを言うなら勝手に自サイト作って自分ルールでやれよと
あくまでここは「コミュニティ」だ、と。
922名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 08:09:34.96 ID:1/h/h+Sp
転校生とみれば「都会モンは気取ってる」と虐める田舎のガキの集まりみたいなコミュニティだけどな
あるいは「生意気よね」とちょっとした言動に言いがかり付けて新入りを村八分にするオバサンのコミュニティにも見える

初心者でまだあまり空気読めない奴であれば、そいつにどんな仕打ちをしてもいいと?
トリップ晒して他所のスレで書いたこと馬鹿にしていいと?
たまたまトリップが重なってしまっただけなのかもしれないのに「被るようなトリップ使う方が馬鹿www」とコケにしていいと?

口ではなんとでも正当化できるよな
態度で腹の中見え見えなのに表面上取り繕ってバレてないと思い込んでる馬鹿はどっちだww
923名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 08:17:14.96 ID:MHMPC+h6
落ち着けとしか
924名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 08:23:46.50 ID:XylpyhtY
>>916
頼む。
ログ読む限り住人の態度がどうこう言ってキレてんの一人だけだし、早く次スレ行って通常通りの流れに戻ろうぜ。
スレタイ案ないなら>>918でいいってことでおk?
ネタもないしスレ容量も危険だし。
925名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 10:16:08.79 ID:GPhWv0mF
この空気はこのスレだけで終了にしようぜ
みんなブラクラもエロパロも好きだろ?

立てられないんで誰かお願いします
926名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 18:02:11.23 ID:jjegxG84
>>924
すまん、遅くなった
おk、>>918で立ててくる
927名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 18:04:40.69 ID:jjegxG84
次スレ

【まだまだ】ブラックラグーンVOL.15【ドライブ中】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1309943025/
928名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 18:25:06.08 ID:MPR76rYZ
>>927
心から乙。ありがとう。

エダ姉さんって諜報のために体使ったりするんだろうか。
929名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 18:49:16.70 ID:pSr5qnTh
ハニートラップはロシアとか中国のお家芸のイメージだなぁ
930名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 19:19:33.84 ID:XylpyhtY
>>927
スマートなスレ立て乙!
931名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 19:58:50.45 ID:5pkFntuB
>>928
それを武器に成り上がってきた気がしないでもない
932名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 00:32:33.94 ID:mUAoUc4Y
こういうとこの決まりってよくわからんけど
中途半端にスレ残しといても良いものなん?
次スレガンガン使ってるけど
あれくらいならここで終わらせられるのでは…
と思うのはおかしいかな

933名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 01:18:58.98 ID:eG83bOfr
そこは別に書き手の裁量でいいんじゃね
梅投下する人もいるけど、そういう人は投下に慣れてて文字の
バイト数とかきっちり計れる印象だし
でも絶対古いほうのスレで投下しなけりゃいけないなんてことはない
934名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 18:47:44.79 ID:Pf1cTa/h
とりあえずいちばん進んでるここを埋めた方がいいのかな
確認したら3つもスレが立ってるw
935名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 18:58:03.08 ID:OEtCyyTK
新スレに書き込むならついでにここと前スレにも書き込んで欲しいなw
前スレなんか、まだ結構残ってるぞ
936名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 19:23:47.00 ID:+OoLYGj5
日本編レヴィは貰っていくから後の女は好きにしな
937名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 23:37:21.05 ID:bD4JyLuL
じゃ俺は5年後くらいの女子大生または一般職OLになったまきちゃん頂き
938名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 05:50:13.07 ID:Y3dMxJtU
>>936
ざけんなクソ袋!

いいよじゃあ荒んだロリレヴィ育てておまけ漫画の平和な女子高生にするから
939名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 21:38:42.79 ID:+MQLcUD1
いつかの雑誌表紙イラストになってた、
ゆっきーの手をとって林檎飴舐めてるレヴィたんが最高に可愛かった

林檎飴になりたい
940名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 22:50:40.56 ID:osKqiBEE
レヴィ「ガリッ」
941名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 03:56:23.14 ID:sfdNXM6X
埋め支援。死にネタ注意。

ああ。空綺麗だな。
薄れ逝く意識の中で、そう、思う。
視界が、霞む。

腹を庇ったのは何でだろう、咄嗟のことでよくわからない。
けれど、あの瞬間。確かにあたしは腹を守らねぇとと判断し、結局それで下手を踏んだ。

ああ、ロックの声が聞こえる。
生きてる。ロックは生きてる。
よかった。
ちゃんと、あたしの放った弾丸は、私が殺すべき相手を殺すことが出来たのだ。
よかった。
けど、まだこいつに言ってない。
ああ。
ああ。
けれど言わない方がきっといい。
だってあたしはここで終わり、背中で地獄の扉が音を立てているのが聴こえる。
ひんやりとした死神の窯が喉首をすらりすらりと往復しているのがよくわかる。
肺に空いた穴から空気が漏れる。血の泡で息が出来ねぇ。

知っていて欲しい。
けれど、言うべきじゃねぇ。言えば、あいつは二つ失うんだ。

泣くなよ、苦しいんだから抱き締めんじゃねぇよ、くそったれ。
顔にべたべた涎つけてんじゃねぇよ、犬っころかよ、てめぇはよ。

ああ、言ったら喜んでくれたかな。
こんな汚物みてぇなあたしの身体にでも。
「あんたのガキがいる」って、そう告げていたならば喜んでくれたかな。

頭ン中にロックの顔が次々に浮かぶ。網膜にはもう何も映しちゃいないってのに。
最期まで残るのは聴覚と触覚。
そんなことをどっかで読んだ気がする。いや、何かの映画だったかな。
どっちでもいいけどよ。

ロックの腕が肩を抱きしめてる。
掌が何度も頬を撫でまわす。
呼吸を助けようとしてるのかな。
血泡ごと吸い取らんばかりに吸い付いてくる唇。
馬鹿、かえって苦しいっての。

最期に視たのは真っ青な空。
どんなに酷い顔でも、アイツの顔を見たかったのに、何も見えない。
変なの。瞼を必死にこじ開けてるってのに。

なぁ。腹にアンタのガキがいるんだ。
まだ全然腹は膨れてねぇけど、いるんだ。本当だからな。嘘じゃねぇからな。

何か言わないと。言えるのはきっと一言。何だろう。
まだ惚れてるって言ってねぇな、孕んだことも言ってねぇ。
隣に居て幸せだった。
呆れんなよ、少しだけあんたのガキを産んでみたい気がしてた。ちょっとだけだけどな。

必死に呼吸を整える。
たった一言伝えるためだけに、最期の息を肺に押し込む。

「しに…たく、ない」
942名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 04:26:40.77 ID:sfdNXM6X
んー。
やっぱ1レスにしようと思うと色々無理があるなwwww
ま、埋めってことでご愛嬌。
明日休みといってももう朝日がまぶしいぜ。
943名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 06:49:12.14 ID:wNMxRSfN
みんなそれでオーケーか?
944名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 11:14:02.12 ID:RIgOfXKv
>941
GJ!
こういう暗いのも好きだぜ
945名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 20:20:27.49 ID:4UfF8gSn
>>941
激しく鬱になったじゃねーかバカヤロー!
でもこういうの好きなんだからねっ!
か、勘違いしないでよね、GJって意味なんだからねっ!!
946名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 20:26:58.06 ID:KTHkTGKU
>>941
辛いのに読まずにはいられない鬱ネタ大好きだぜGJ!
考えてたネタが被ったw
947名無しさん@ピンキー
>>946
書けばいいよ、素材ってえのは料理人によって味がかわるんだぜ。


でも上手いな、一人称かつたった1レスなのに、話が完結してるだけでなくて
二人の感情が痛いくらい生々しく伝わる。
埋めじゃなく納得できる形で投下してほしかった。。。