584 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 11:25:43.88 ID:8GTsOD+7
早く続きますがみたいです
魔法とか不思議な力もいいけど、SFという意味での科学とか医学とかによる入れ替わりや首すげ替えを見てみたい気がする。
このジャンルで科学的にやると整形的な要素が強くなるから
脳移植以外は話作りは難しいだろうな
あと脳移植以外はグロくなりがちと言うか美人の顔面移植とかグロイし^^;
遺伝子治療を専攻するが学生か科学者が
憎い美人のDNAをウイルスを媒介にして自分に植え付けて
自分のDNAを美人に植え付けてスタイルの入れ替えとかいけるか?
日に日に身長やら脚の長さやら顔のデカさがが入れ替わるじっくり入れ替え系の話が出来るな
587 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/11(木) 00:35:18.87 ID:EGCbq/+3
魔法での入れ替わり最高でした。
現実社会での話が見たいです。
売れっ子ソープ嬢とオバサンソープ嬢の入れ替わりが見たいてす
ドウエル教授の首という作品では、死亡後、頭部だけで蘇生された女性が、別の女性の死体と外科手術で接合されるというシーンがあります。
そんなこと可能か?とツッコミが入りそうですが、昔のSFとかって結構魔法っぽいからね。
あー、子供向けのやつを読んだ記憶があるわ
確か少し若い体にくっつけられるんだよな
で、その女性は若くてスタイルの良い身体を手に入れて得をしたのかね?
それとも醜い身体になって損をしたのかね?
>>588 懐かしいな
その改題で「合成人間ビルケ」ってのを小学校の図書室でよく読んでた
画家の妹が事故で行方不明になって、あとで顔だけがまるっきり別人になってたとか
(兄は妹に絵のモデルをしてもらったことがあるので、体だけ見ればわかるという設定)
かなりホラーな内容だったような気がする
592 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 01:52:43.39 ID:hVD6L9Nz
榊原曜子になった(梓)は、野山梓になった(曜子)に背中を押されて、無理
やり榊原家へと帰らされていた。
『じゃあ、今夜はあたしをよろしくね』と意味深なことを言い捨てて、梓
(曜子)は野山家へと帰っていく。
なぜ(曜子)が梓の家を知っているかというと、梓との約束を優先するとい
って(曜子)との約束を受け付けなかった佑に強引に付いてきたことがあった
からだ。
あのときは、玄関先で帰ってもらったが、まさか梓に成り代わって自分の
家に入られることになるなんて(梓)には信じられないような事態だった。
「わたしが………よ、曜子……曜子ちゃんの家で一晩過ごさなくちゃいけな
いなんて」
曜子は、じっと自分の手を見詰めながら、溜め息を吐く。
見慣れない、指が長くてすらっとした綺麗な手。
美人だとは(梓)も思っていたが、手までこんなに綺麗だとは思いもしなか
った。
悔しいものの『いいなあ』と思っていた相手の容姿をそっくりそのまま手
に入れてしまったなんて今でも現実とは思えない。
593 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 01:55:14.63 ID:hVD6L9Nz
「でも……」
自分の喉元から漏れる、この声、この口調。
外見だけでなく、自分の中身も既に変わってしまっているらしいことは、
(梓)にも分かる。
ほんの十数分前、無理やり梓(曜子)に手を合わされ、お互い手を握りあっ
てしまっている間に、(梓)の中から自分らしさが抜き取られていくような感
覚があったのだ。
そして、自分の中に入ってくる、熱くて気持ちのよい(曜子)のものと思わ
れる感情の噴流。
自分が別人に染まっていくというのは、とてつもない快感でもあった。
「ううん、ダメよ。わたしったら、どうしちゃったのかしら?」
一瞬、自分が(梓)でなくなっていくあの感覚を思い出して、恍惚としかけ
てしまった(梓)だったが、なんとか自分で正常と思われる気持ちを取り戻し
て、気合を入れ直した。
誰が何といおうと、(梓)は野山梓に戻らなければいけないのだ。
そうでなければ、今まで築いてきた梓と佑の関係も、自分のしてきたこと
も何もかもが無意味になってしまうのだから。
594 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 01:57:59.96 ID:hVD6L9Nz
『明日には、何としてでも元に戻らないと』
曜子(梓)はそう自分に言い聞かせて、高級住宅街の一角にある、この榊原
家の中へと踏み込んでいった。
595 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:00:03.32 ID:hVD6L9Nz
=============================
「ここが……わたしの……曜子の部屋?」
曜子(梓)は相変わらず自分の口調に違和感を感じながらも、広い曜子の部
屋に足を踏み入れていた。
やけにピンク色がまぶしいながらも、家具もカーテンもちゃんとコーディ
ネイトされているらしいお金持ちの女の子の部屋に曜子は重い溜め息を吐く。
容姿だけでなく、曜子の持つ財産は野山梓とは比べ物にならないのだ。
「……この部屋に入るのって………わたし、初めて……だったわよね?」
曜子は落ち着かなさそうに、長い髪の毛をかきあげながら、部屋の真ん中
まで進んで、周囲を見回す。
確かに(梓)として曜子の部屋に入ったことは一度もない。
そして、今も『初めて』この部屋を見ているんだと認識している。
「そう……わたし、記憶までわたしと入れ替わってるわけじゃないのね……」
596 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:02:26.04 ID:hVD6L9Nz
そうして、曜子(梓)は、記憶まで(曜子)のものに染められたわけではない
のを確信して、内心ホッとした。
何しろ、もし生まれてから最近までの記憶まで(曜子)のものになってしま
ったら、自分はどうなってしまうのだろうという不安がずっと(梓)に付きま
とっていたからだ。
性格や癖、(曜子)らしさは、今の自分に浸透してきていても、まだ記憶が
(梓)のままならば、ひとまず自分は大丈夫だろうと(梓)は思った。
「そうはいっても、問題だわ……」
記憶は問題なくても、今の(梓)は身体まで榊原曜子になっているのだ。
この身体のままでいるということは、曜子として着替えやお風呂もしなけ
ればならない。
いくら羨望する気持ちはあったとはいえ、ライバルである曜子の身体のす
べてを知るというのは、(梓)としては嫌なものだった。
今もこうして立っているだけでも、自分の胸や脚の感覚に違いを感じるし、
そのスタイルよさを自覚してしまうくらいなのだ。
597 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:04:55.78 ID:hVD6L9Nz
「わたしが榊原曜子なんて……」
曜子(梓)は、クローゼットの傍にある鏡台を見つけ、ついそちらの方へと
向かってしまう。
分かってはいても、(梓)はまだじっくりと榊原曜子の身体を見てはいなか
ったのだ。
そして、曜子(梓)は、鏡台の鏡を開いて見てしまった。
鏡に映る……ティーンモデルのような長髪で美人な女の子を。
「はあ……」
そのとき、全身を駆け抜けていった感覚が何なのか、(梓)にはすぐには理
解できなかった。
ビリッと脳髄を刺激する甘美な快感。
自分のうっとりするようなマスクやスタイルを眺めていると、すべてがど
うでもよくなるような感覚。
(梓)は、もう榊原曜子としての自分の容姿に夢中になっていた。
そう……(曜子)は、根っからのナルシストだったのだ。
そして、今(梓)は、榊原曜子として、そんな自分に陶酔していた。
598 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:08:16.72 ID:hVD6L9Nz
「はあ、素敵……」
自分の口から信じがたい言葉が漏れているのに関わらず、(梓)はそれを止
めるどころか、自分自身を抱きしめてしまっていた。
心の隅では、異常を感じ取っていてもどうしようもなかった。
(梓)は、既にナルシストな(曜子)と同じになってしまっていたのだから。
599 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:12:34.84 ID:hVD6L9Nz
鉄棒の続きを放置してしまっていてすみません。
また今日から仕事のため暫く放置状態になりますが、お許しを。
まんいちレスを頂いても当面見れないかと思いますので、レスがなくてもご容赦下さい。
600 :
鉄棒続き:2011/08/15(月) 02:14:59.46 ID:hVD6L9Nz
前回レスを頂いていた皆さん、どうもありがとうございました。
砂漠のきつねです。鉄棒の続き、振り返って読んで記憶を繋げました(汗)
キャラの入れ替わりは貴重なので、気長に次を期待。
母娘の入れ替わりを購入。前該当作がアレだった分、満足できる出来。
ただ、娘の身体の探索が足りない感じなのと、衣装フェチとしては、下着や服装の差にも触れて欲しかったところ。
次回作のネタとしてはAVで成立するとなると教師←→女子高生、お局←→新人OLくらい?
今まで送ったことないけど、葉書送ってみるかな…
では続きを。
<19>
5時間目の終了のチャイムが鳴り、グラウンドが徐々に賑やかになっていく。部活動が始まったのだ。
美緒の所属するテニス部の女子たちも、体操着のままコートへと歩を進めている様子が、保健室からも確認できた。
「先生、大丈夫かなぁ」
「意外とできるんですね、先生。」
「まぁね、これでも運動神経はいい方よ。って、あなたのときだってやってたんだから。」
「あ、そっか。」
練習の待ち時間、麗子と茜はひそひそとこんな話をしていた。
「胸が邪魔で運動なんかしなくなったけど、この身体ならね。」
そういうと、麗子は体操着の上から真っ平らな胸をなでた。
「まあ、そうですね。」
そう言う茜の胸元にははっきりわかる膨らみ、「新田」の文字がわずかに上を向いている。
「集合!!」
部長が声をかけ、練習が再開された。
保健室の美緒は一つくしゃみをした。思わずコートを見る。
「茜ちゃん、先生となんか話してるのかな。」
そんなことを考えていると、保健室のドアがノックされた。
「失礼します。」
見ると、陸上部のユニフォームを着た少年が立っている。ハードルにでもぶつけて怪我をしたのか、膝が赤く染まっている。
「そこに座って。」
慣れた手つきで傷を洗う美緒。
(これくらいはやったことあるもんね)
しかし、しばらくすると、いつもと違う感覚、もっと言うと嗅覚が、美緒を襲う。
少年の汗の臭い。いつもなら何とも思わない、むしろ不快に思うかもしれない。しかし…
身体の年齢からは一回り以上も離れた少年の汗は、フェロモンとして美緒の感覚に襲いかかる。
(やだ、なんか…身体の中が熱い…)
「先生、どうしたんですか?」
手の止まった美緒を不思議に思い、少年が声を掛ける。
「う〜ん、なんでもないの。ごめんね。」
創部をガーゼで保護し、少年を帰す。帰った後、思わず鼻で大きく息を吸い込む。
微かに残る汗の臭い、秘部に残る熱さとわずかに感じる湿り気。
(先生の身体、興奮してる…)
14歳には、それも周りの子よりも初心な14歳には、28歳の淫らな保健教師の身体を制御するのは、やはり無理だったのかもしれない。
麗子は、まさに身をもって、それを知ることになる。
<20>
「じゃあ元に戻るわよ。」
らしからぬ口調で女の子が語る。よく見ると、服は白黒のゼブラ柄のワンピース。
不必要に大きなカップのブラジャーで胸元は空虚に持ち上がられ、膝下からはまっすぐな細い脚が伸びている。
茶髪ならばやんちゃな女の子でも通るのだろうが、あどけない顔立ちに長い黒髪。背伸びしすぎな印象だ。
「はい。」
一方の女性は、ベージュのチュニックに小さな白い水玉の入った黒のミニスカート。しかし、いずれもサイズが小さすぎる。
チュニックの胸元は大きく盛り上がり、ミニスカートからはむっちりとした太股が露わになって、マイクロミニのようになっている。
中学生は少し上にある女性の肩を持つと身体を密着させキスをした。女性を襲う、身体が引っ張られるような感覚。
それが終わったと思うと、今度は身体に熱いものが流れ込んでいく。
「始まるわよ。」
中学生がまた似合わない口調で女性に話す。しかしその脚元では、まっすぐな脚がゆっくりと膨らみ、今まで見えていなかった膝が現れていた。
真っ平らだったヒップが大きく盛り上がり、ブラのカップには大きな乳房と色づいた乳首が充填される。
女性の身体にも変化が訪れる。チュニックを持ち上げていた乳房はシュルシュルと縮んでいき、
ヒップが見えそうだったミニスカートからは、いつの間にかまっすぐな細い脚。
「これで戻ったわね。」
少しハスキーな女性の声。
「よかったぁ。」
似つかぬ口調で話していた中学生が、歓喜の声を上げる。
<21>
その数ヶ月後。
「失礼します。」
「あらどうしたの新田さん。」
先ほどの女性が、訪れた中学生に訪ねる。
「あのぉ…先生…最近、胸が痛いんです。あと、部活の後の脚の痛さが、今までよりひといんですけど。」
「ふふっ、ようやく効果が現れ始めたのね。」
「効果って?」
「あなた、背もあんまり伸びないし、胸も小さめだったでしょ。だからあの時あげたの。あなたの身体に戻る時に私の胸と身長をね。
代わりに、あなたの若さと脚の細さをちょっとだけもらったわ。」
そういうと、女性はその子を座らせ、制服を脱がせた。
「ほら、乳房がちゃんと膨らんできてる。もうカップ付きのブラにした方がいいわ。あと…」
そういうと、吊りスカートをたぐって、脚を露わにした。
「脚もだんだん、大人っぽくなってる」
「先生…もう一つ聞きたいことが」
「何?」
「元に戻る方法、もう一つあるって言いましたよね。キス以外に。どんな方法なんですか?」
「それは言えないわ。もう戻っちゃったし。」
「えぇ〜。教えてくださいよ。」
「ダメ。あんまり言ってると、元に戻しちゃうわよ。」
「そ、それは…わかりました。」
女の子はすごすごと保健室を後にした。
「一人でも戻れる方法があるのよ。」
無人の保健室で女性が呟く。
「イッちゃえば一人でも戻れるけど。この子達にはちょっと早すぎるわね。」
女性は机に腰掛けながら、コーヒーカップを手に取った。
<22>
「そろそろ戻らないんですか、先生。」
「先生って何言ってるの、茜ちゃん。」
「いいかげん、飽きませんかそれ。」
「え?飽きるって?」
「もういいです。あれから2週間近く経ちましたよね、私の時は2週間くらいだったはず。」
「そろそろ新月かぁ」
「ペチャパイの美緒の身体がお気に入りとか?」
「まさか。でも、この年でこの身体を体験できるのは貴重よね。」
これまでの女の子達が気にしてきた「胸が大きくならない」「身体が大人っぽくならない」といった悩みには無縁だった麗子。
「松下さん、まだスポーツブラなの?」
5年生の時に保健室の先生に言われ、慌ててカップ付きのブラを買いに行った麗子。
「ここまでの大きさなら、ちゃんと付けなきゃダメね。」
デパートの店員に勧められて買ったブラジャーはすでにAカップ。ここまで胸が小さい時代はほとんど記憶にないのだった。
麗子は水着の入った赤いバックを振り回す。
「スクール水着も、他の身体はもうちょっと膨らんでた気がするもの。」
「どうなんですか、28歳になってスクール水着着るって。」
麗子は今日の水泳の授業を思い出していた。胸元に大きな「2-2山本」のネーム。
となりの茜は、紺で目立たないながらも、横から見ればしっかりと確認できる隆起。麗子が上げた乳房の成長のおかげだ。
一方の美緒の身体は、華奢な体型も相まって、ネームがなければ一人だけ小学生が混じっているようにも見えた。
「でも、美緒ちゃん、変わるわよ。」
「何あげるんですか、やっぱり胸?それは絶対だよねぇ。」
「もうちょっと絞りたいって言うか、私ちょっと骨太な感じでしょ?それでもみんなのおかげでスタイルがよくなったんだけど」
「美緒にあげると、先生はもっと細身でスタイルがよくなると」
「まぁそういうことね。明日には戻ろうかしら。」
「じゃあ、明日は久しぶりに美緒と帰れるかな。」
「だから、私…」
「先生もういいから。じゃあね。」
茜はいつもの小道を右に折れ、堤防を下っていった。
<23>
「ただいま」
テスト前で部活がなかったため、いつもより早い帰宅。
「おかえり」
美緒と奈緒の母、麻美の声がした。
「早いんだね。」
「今日はパートが早く終わったんで帰ってきたのよ。」
「ふ〜ん。」
麗子は水着を洗濯機に入れると、自分の部屋へと上がった。
「戻って困らないようにしないとね。」
慣れた手つきで宿題をこなす麗子。終えて立ちあがり、ふと見ると全身の姿見に映る美緒の身体。
花柄のチュニックにカーキ色のハーフパンツ。ほっそりとした脚。胸元を触ると綿生地のソフトブラの感触。
「そろそろ返そうかな。」
学校では、テスト休みに入っていたテニス部とは異なり、サッカー部や野球部が、テスト前ギリギリまで部活動を続けていた。
もちろん、美緒も保健室に残って待機中だった。
「失礼します」
下校を促す校内放送が流れる頃、聞き覚えのある、いや、何度も聞き取ろうとして記憶に刷り込んだ声が耳に飛び込んできた。
サッカー部の3年生、上島有樹だ。コートの隣がサッカー部の活動場所。コートから見える有樹の姿に、美緒はいつの間にか憧れを抱いていた。
しかし、面識のない3年生、声を掛ける機会もなく、ましてやこんな近くで見つめることもできなかった。
「先生、転んじゃって。傷治してくれませんか?」
「あ、う、うん、わかったわ。」
いつもと違う美緒の口調。怪我でよく保健室に顔を出す有樹は、敏感にその変化を察知した。
「先生、今日体調悪いんすか?どうかしましたか?」
「ううん、別に…」
「タオル貸してくれませんか?部室に置いてきちゃって。」
美緒は古びた棚からタオルを出し、有樹に渡す。
「先生?傷…」
ぼんやりしていた美緒に有樹が声を掛ける。さりげなく視線を投げかける胸元の膨らみ、黒のストッキングに包まれた美脚。
成熟した大人の身体を動かしているのは、自分に憧れている下級生の精神だとは知る由もない。
「あぁ…ごめんね」
「やっぱ変ですよ、今日の先生。」
美緒は処置セットを開け、イソジン消毒を取り出す。傷を処置して、絆創膏で保護する。
「ありがとうございました。先生、これ置いときますよ。」
有樹はタオルを置いて、保健室を出た。
<24>
無人になった保健室。回転椅子の上に放置されたタオル。
タオルを手に取る美緒。ベッドの置いてあるカーテンの後に隠れる。窓のカーテンを閉め、タオルを鼻に押しつける。
身体の奥から熱さが沸き上がってくる。
「先輩…」
どんどんと熱さを増していく秘部。ショーツを伝った湿り気が美緒に伝わる。大きな乳房に自然と手が伸びる。
グレーのブラウスの上からではもの足りず、ゆっくりとブラウスのボタンを外すと、紺色のブラにあしらわれた銀の蝶が姿を現した。
「はぁぅ…先輩の臭い…」
声を押し殺す、そのこと自体が背徳感を高め、興奮をさらに増していく。
裾にラインの入った白いスカートをたくし上げ、ストッキングを下ろす。秘部にも現れた銀の蝶だったが、一瞬にしてその姿を消す。
代わりに現れた茂みを、細い指が勢いよく掻き分ける。指を包む愛液の温もり、粘り。次第に指の動きが激しくなる。
「あぅっ!!はあっ!!」
押し殺していた分、我慢できずに出た声は甲高く保健室に響いた。
「ダメ、止まらない…」
今回はここまでです。なんとなく次の展開が読めるような気も?
そこまでは書けそうなんですが、今日は燃料切れです。
しかし、題名がなかなか思い浮かびません。
まとめスレを見て、無題なのはいかがと、ひとしきり考えたのですが思いつかず。
誰かアイデアを…と言っても、今後の流れや結末は作者しか(ですら?)わからないので難しいですかね。
前作も終わる頃にようやく付けた気が。今回は早めに何とかしたいです。
おお、少しみてないうちに貴重なSS投下が。乙です!!
>鉄棒の人
つづきキターーーッ! 個人的には、OD・TS問わず、この
「現在の立場のキャラに心が染められる」
感じの描写が大好きなので、つづきに大期待です!
>砂漠のきつねさん
こちらも続きが気になるぅ〜
自分は個人的に某マンガをパロって「先生なお時間」と呼んでました。
「家庭教師の夏」
約一ヶ月の住み込みでの夏期集中家庭教師。
この依頼に京子が飛びついたのは報酬額はもちろんだが、このような高報酬、しかも住み込みでの集中という特殊な条件での依頼主の場合、結果如何によっては太いコネができることを期待してのことだった。
今年で20代後半に入るきょうこにしてみれば、この後家庭教師を続けるにしても、別の職を見つけるにしても、富裕層へのコネは今のうちに作っておくに越したことはない。
仮契約を済ませたところで、京子は、その場所が避暑地…どころかかなり人里離れた場所であることをしった。
これはますます期待と奮闘を前提にすべきかもしれない。
この夏の結果次第によっては、この後数十年の収入の桁が変わってくるかもしれないのだ。
住み込みとはいえ、1ヶ月しかも人里離れた場所となれば準備もそれなりのものとなる。
旅行用トランクに大きなボストンバッグ、リュックサックに+手提げ2つという引っ越しかと思わせる様な格好で、比較的近くの駅に降り立った京子を出迎えたのは、どうみても高級車、どこからみても高級車。
「お迎えにあがりました。」
名前を確認するより早くそう言われてしまい、おそるそおる乗り込んだ先の車の運転手はこの暑さにかかわらず一分の隙もなくしっかりと着込んでいた。
車のグレードにくわえ、それに劣らぬ運転手の仕様。
京子は、自分の予想以上の富裕層に関わりをもったことをしって身震いを禁じ得なかった。それは車内に効きすぎているエアコンのせいだけではないだろう。
「家庭教師の夏」
道路はすいていたとはいえ、目的地につくまで30分ほどかかった。かなりの部分が坂道だったとはいえ20qは走っただろう。
周囲の景色、そして車から降りた時の空気の涼やかさと草木の香りからかなり高い位置まで登ってきたことに気づく。
しかし、目の前のそそり立つ建物に京子は圧倒された。
ちょっとした市営アパートに匹敵する大きさの建物。しかも外見はどうてみても木造。
中身は鉄筋コンクリートだったとしても、こんな場所にこれだけの建物を建てられるというだけでその資産は想像するに容易い。
そんな京子を出迎えたのは、中年の男女2人。
一瞬、ここの管理人…こんな立地条件なのだがから十中八九別荘だろう…と思った京子だったが、その2人の外見…身なりも含めて…が庶民とは思えないことに気づく。
ということはこの2人は依頼人…これから自分が教師を受け持つことになる生徒の両親…夫妻と言うことか。
京子が判断しかねているうちに、2人の挨拶が答えをだしてくれた。
おかげで、京子も第一声と挨拶に関しては無礼を働かずに済む。
「いや、助かりましたよ。こんな場所に加え、1ヶ月とはいえ住み込みでの家庭教師ですから。なかなか引き受けてくれる方がいなくて。」
中年夫婦のうち、男性の方が、京子の中の小さな疑問に応えるように説明する。
「貴方、それより…」
女性の方が心配げに口を挟む。
「そ、そうだな…先生、まずは生徒…まずは、私達の娘に会ってももらえませんか。そうすれば色々とわかってもらえると思えますし。そうすれば、ここまでが仮契約ということも話分かってもらえると思えますし。」
その言葉に京子は、駅につくまで感じていた不安をより一層強く感じることになったが、ここまできたら引き返すこともまた困難であることを承知していた。
「家庭教師の夏」
京子が案内されたのは建物の最上階の一室だった。
男性がドアノブに手をかけた瞬間、京子はこの階に脚を踏み入れた時に感じた違和感を理解した。
中に人がいるはずなのに存在感を感じない。
眠っているならともかく、そこに人間がいればなんらかの物音や気配、そういったものを感じる。例えば、そこに人がいれば出入りの際の痕跡が入り口や通路に残り、それが無言の存在感となっているはずなのに。
中にいるのはもしや
そんなイヤな予感を覚えつつ、
開けられたドアを促されるままに通りすぎた京子が最初にみたものは、子供っぽい部屋、その奥に置かれたベッド…そしてその上で眠っているかの様に目の閉じた少女…年齢は7,8才だろうか、まだ10才より下ではあることはまず間違いない。
「え…あ…こ、この子って…」
眠っているに関わらず、美しく整った顔立ちをした可愛らしい少女だった。
こんな時でなければ抱き上げて頬ずりしたくなるところだろう。
「ちょっとまってください?もしかして、この女の子…」
京子の質問を、夫妻は最後まで続かせなかった。
男性側の手が少女の頭にかかる。
そこで、京子は眠っているかのような女の子の頭がおかしいことに気づいた。
彼女は横になって眠っているいる。にも関わらず彼女の頭は地面に対して限りなく垂直に近い状態に立っているのだ。まるで眠っていると言うより全身で立っているかのような状態だ。
「みてくだい。」
そういうと男性は、その右手で掴んでいる娘の頭をゆっくりと持ち上げた。
鍛えられた男性の力なら、そのまま身体まで持ち上げることもできるかもしれない。
しかし、その時持ち上がったのは、その少女の頭だけだった。
「家庭教師の夏」
京子が悲鳴をあげなかったのは奇跡に近かった。いや奇跡がその前に起こってしまったから悲鳴どころではなかったのかもしれない。
男性で手で持ち上げられている少女の頭と、ベッドの間には、少女の身体はおろか、その他の何も見あたらない。
確かに手品などなら、こういったトリックを用いることができるかもしれないが、家庭教師依頼で自分を呼んだ夫婦がこんなことをする理由が見あたらないl。
「ちょ、ちょっとまってください。こ、これって一体なんなんです?!」
たまらず京子は疑問混じりで叫ぶ。
こんなことなら、クレーマーモドキの両親と我が儘な子供につきあった方がまだマシというものだ、
「もうしわけありません。最初に一番重要な部分をみせた方がいいと思ったのですが。」
そう応えながら、男性は、娘の頭をベッドの上に戻した。
「とはいえ、貴女ももうお分かりなのではないでしょうか。」
男性のその言葉に京子は背筋が震えることを禁じ得なかった。
「あ、申し訳ありません。私達は、貴女の秘密を利用して貴女を脅そうというわけではありません。しかし、貴女でなければできないそのことについて手伝ったもらいたいだけなのです。」
「家庭教師の夏」
「ここまできたらズバリ切り出した方がいいですね。ろくろ首、飛頭蛮、あるいはデュラハン、その言葉の意味することを貴女は知っていますね。」
具体的な言葉がでたことによって、京子の震えはますます大きくなる。
「彼ら」は間違いなく自分の事を知っているのだ。
「か、勘違いしないでください。私達もまた貴女の同族ですよ。もっとも傍流である私達にはもうそんな能力は失われていますが。」
「傍流?失われている?じゃあ、この子は?」
「傍流だとしても、先祖返りなどで時たま能力をもった子が生まれることがあります。たまたま、この子がそうだったわけですが。」
「なるほど…先祖返りね…え、でも、首が離れているということは…まさか!?」
「そう、そのまさかです。私達も、傍流ということでこの子にそんな能力があるとは思ってもいませんでした。そして気づいた時にはもう手遅れに。」
「そういうことだったんですね。」
自分にも起こったかもしれないそのことを反芻しつつ京子は頷く。
「しかし、それなら、この後どうすべきかわかっているはず。なのに、なんでこのまま?」
「ええ、私達も傍流とはいえ、万が一の時の対策は教わっています。念のため、本家にも助けを求めました。しかし、ここで傍流であることが災いとなって。」
「傍流の災いということは…」
「ええ、傍流であるが故に様々な血が混ざり合ったことで、本家に伝わる方法ではもはや対処のしようがなくなっていたのです。今私達ができることといえば、本来なら頭が離れたままでは翌日の夜明けには失われる命を引き延ばすだけです。」
「なるほど。そういうわけで私を呼んだわけなんですね。けどちょっと待ってください。確かに我が家は多少本家に近い血筋ですが、こんな特殊な状況に対応できる能力も知識もありませんよ。」
「家庭教師の夏」
「失礼は承知でいいますが、そのことは分かっています。私達が求めているのは貴女の体質とでもいうべきものでして。」
「体質?私にそんなものがあるなんて聞いたこともありませんが。」
「最後まで聞いてください。
そもそも娘がこんなことになったのは、ろくろ首のルール。一度、胴体から離れた頭h夜明けまでに胴体に戻らないと、そのまま元にもどれないどころかそのまま死んでしまう。
それに抵触したせいなのです。際どいところで娘は死こそ免れたものの頭と胴体は離れたまま、そんな状態が続いています。
しかし、これは延命処置に過ぎないわけです。このままでは、頭部がなく食物の補給が受けられない身体、身体がなく栄養の補給が受けられない頭。遠からず2つとも死を迎えることになります。」
「え…でも、それをどうやって?しかも私が?」
「ええ、その件に関して私達本家は元よりあちこちの分家の資料を求めました。そしてどうにか助けになりそうなものをみつけたのです。
本来の頭と胴体がくっつけあえなくなったろくろ首、その時、別のろくろ首の頭がその胴体にくっついて、代役を務めることができるということを。」
「え、そんなことができるんですか…あ!え!?も、もしかして、あ、ああ、あたしにそれやれと?」
「そうです。私達は傍流であるが故に、頭と胴体を切り離すことはできません。例えできたとしても、頭と胴体にはある種の相性があるため誰でもいいというわけではないんです。
貴女をみつけるのに実に2ヶ月以上かかりました。これ以上、たてば娘の身体はもうもたないかもしれません。」
「だ、だからといってあたしは家庭教師としてここに来たんです。ろくろ首の正体はともかくとして、そんなことに巻き込まれるなんて。」
「ここまで騙した同然に説明不足だったことはお詫びします。しかし、ろくろ首とという存在を広く知られるわけにも行かない以上、ぎりぎりまでお話するわけにもいかなかったわけですから。」
「家庭教師の夏」
男性の説明は不満はあるが納得がいくものだった。
自分達がろくろ首という存在であることが世間にばれれば、よくて差別。悪ければ内乱か戦争が起こりかねない。
そのための用心はしすぎることはない。
「事情はわかりました、でも引き受ける引き受けない以前に、いつまでもあたしが、その子の胴体にくっついているわけにもいきませんよ。あたしにもろくろ首のルールは適用されるんですから。」
「そのことも分かっています。幸いと言うべきか、本家筋でかなり有効そうな方法が見つかって、娘はなんとか助かりそうなんです。
しかしそれがはっきりするまでまだ時間がかかって…その間だけでも娘の身体がもてば。それに1ヶ月間、娘の身体に栄養がまわれば、その後半年は身体がもつんです。そのために協力して欲しいんです。」
その言葉に京子は落ち着いて考え直した。
この娘が自分とおなじろくろ首であることは間違いない。
そして彼女は命の危機に瀕している。
同族であることはもちろん、まだ小さな存在を守りたいという思いが京子の心をくすぐる。
ろくろ首が、別人の胴体にくっつけるという話は初耳だったが、そもそも胴体から首が離れるということ自体眉唾だけに、そんなことができても不思議ではない。
それでこの娘が救えるならやってみる価値があるかもしれない。
そんな京子の考えを見透かしたかのように男性が話しかけてきた。
「もちろん、タダで…どころか、最初の家庭教師の報酬だけのつもりはありません。金額だけの問題ではありませんが、家庭教師の報酬の十倍、いえそちらが望むならもっと…」
金額だけの問題ではないにしろ、収入が十倍というのは心が揺らぐ。
「家庭教師の夏」
結局、京子は引き受けることとなった。
報酬もさることながら、事情を聞いた後では、こんな小さな女の子を見捨てるわけにもいかない。
「あ、ありがとうございます!」
男性は涙を流さんばかりに、女性の方は人目を憚らず涙を流しながら、京子の手を握った。
数十分後、三人はあの少女の寝室にいた。
「分家とはいえ事情は分かっていると思いますけど、充分に気をつけてください。もし貴方達が娘可愛さに何かおかしなことをすれば本家は何もしないわけにもいかないですし。」
そう脅し混じりに説明しながら、京子は、ベッドの脇におかれた大きめの椅子のゆったりと腰掛けた。
未成年の頃を面白半分に何度もやってきたが、最近ではちょっとご無沙汰だっただけにコツを思い出すのにちょっと時間がかかったが、まもなく首から下の感覚がなくなるあの状態。
視線を下に向ければ、椅子に腰を下ろした「首ナシの自分の身体」が見えた。
そのままゆっくりとベッド上に「頭」を移動させる。
既に少女の頭は移動済みなので、胴体の首はみえる位置にある。
他人の身体との接合は初めてだけに京子の「首」の動きもどうしてもゆっくりと慎重になる。
(やめた方がいいんじゃないか。)
そう思いかけた時、すぐ脇で、心配そうに、自分と娘の胴体を見守る夫婦の姿に気づいた。
ここまできた以上やめるわけにもいかない。
プール開きの時のまだ冷たい水に意を決して脚を入れる思いで京子は最後の十センチの高度を落とした。
良作が一気に投入されてて、びびった。
GJです!鉄棒の人はずっと続きを楽しみにしてたので
読めてテンションあがりまくりですね。
きつねさんのは、28の身体に翻弄されて行く展開がツボです。
家庭教師の夏は、首すげかえものってここでは結構ありそうでなかった展開かも?
どういう展開になるかこれから期待してます。
「家庭教師の夏」
自分の分離面と、少女の首の分離面とが触れあう感触。
しかし、それも一瞬のこと。
不意に消失していた身体の感覚が蘇ってくる。
京子は、今の自分の横になり、身体には軽い布団がかかっているという状況を認識した。
おそるおそる視線を横に向ければ、そこには自分の身体…頭のない身体がもたれるように椅子にこしかけていた。
つまり今感じている手足の感触は、本来の自分の身体のものではないということになる。
慎重に両手の指を握りしめてみると、いつもとは少しだけ違う感触。
どことなく力が弱く、そして小さくて短く柔らかな指の感覚。
肩や腰に意識を向けてみれば、起きあがるのに苦労はいりそうにない。
それでも、これがあの少女の身体だとしたら、自分のものとは勝手が違うだろうし、しばらくの間寝たきりだったことから筋力もそれなりに落ちているだろう。
まず両手両腕に力を入れると、ゆっくりと上半身を起こした。
かかったいたのは軽い羽毛布団だったらしく、思ったよりすんなりと起きあがる、今の京子の上半身。
布団が身体からずり落ちて、フリルとリボンがふんだんに使われた少女趣味が強いこと一目瞭然のネグリジェを着ていることが分かる。
と同時に京子は、今の自分の身体が間違いなく少女の身体、本来の自分のモノより明らかに小さくなっていることを実感した。
ゆったりしたネグリジェに包まれているとはいえ、それは明らかだ。
すっかり短くなって両腕、少し袖口に隠れてしまっている両手もまた小さく、そこから伸びる指も、如何にも子供の様な短く柔らかそうなものとなっている。
そして、なにより確実なのは胸の起伏の消失だ。
巨乳というほどでもないが、平均+α程度はあったバスト、胸の膨らみが無くなっていることは、ネグリジェのフリルに邪魔されていてもはっきりと分かる。
試しに胸に手をあててみれば、布地越しにアバラの感触。
「家庭教師の夏」
ろくろ首同士とはいえ、他人の身体に頭をくっつけるなどということができるか、半信半疑の部分は多かったが、こうして、自分のものではない身体を自分の意志で動かしているという現実を目の当たりにしては信じるしかない。
「でも、こんなことが本当にできるなんて…ん」
ふと呟いたところで、京子は別の変化に気づいた。
声がいつもと違う。聞き慣れた自分の声とは何か違う。
と、その理由に気づく。
人の声は、声帯や顎の作りだけではなく、肺活量、肺や胸から喉にかけての筋肉などにも影響を受ける。
首から下は小学生の女の子の身体である以上、大なり小なり、声もまた影響を受けるのは当然だろう。
「う、上手くいったんですね?」
心配そうに見守っていた両親…男性の方が声をかけてくる。
「ええ、接合は上手くいったみたいだし、上半身…腕とかは問題なく動きます。立ち上がって歩き回っても大丈夫か、今から試してみます。」
そういいながら、かかっていた羽毛布団を完全に剥ぎ取ると、京子はベッドに腰をかけるような姿勢をとった。
ネグリジェの裾から細い脚と小さな足が覗く。
こんな小さな足で立てるか、ちょっと不安もあるが、脚が思う様に動かず立ったり歩いたりできないということになれば、他人の身体との接合には問題があるということになる。
そうなれば、京子はもちろんこの少女にもどのような悪影響がでるか分からないだけに、問題がありそうなら早めに確かめておく必要があった。
腰の脇でしっかりとベッドに手をつくと、両方の足の裏もまたしっかりと床につける。
毛足の長い絨毯の柔らかな感触。
脚と足へ力を込めてみれば、それなりの手応えというか足応え。
これなら立ち上がるのには問題はなさそうだ。
両手で上半身を浮かす様にして、京子は、少女の身体で立ち上がった。
「家庭教師の夏」
腰がベッドから浮き上がる。
とはいえまだ両手はベッドについており、脚だけでたっているとは言い難い状態だ。
まずは左手を放してみる。
問題ない。
続いて右手もベッドから浮かせる。
と
バランスをくずしかけ、前のめりに倒れそうになる。
慣れない身体ということもありバランスを取り戻すことができない。
だが際どいところで、体勢を整える。
背筋を伸ばし、両腕両脚を少し広げることで安定性を高めてみれば、その後は意外とすんなりと立っていることができ、やや摺るようではあるが、歩くこともできた。
「足腰も大丈夫みたいですね。後は、身体の感触になれてくれば、もっと安定すると思います。」
京子の説明に、少女の両親は、安堵のため息を吐いた。
「催促するようで申し訳ないんですけど、もう少し動きやすそうな服を用意してもらえませんか。この後のことを考えると、早めにこの身体に慣れておきたいですし。こんな格好だと動きにくくて、怪我をしてしまいそうですから。」
パジャマ派だった京子にしてみれば、ネグリジェというのはかなり落ち着かない。
母親は跳ねるようにして部屋から飛び出していった。
「服が用意できるまで、座ったまたせてもらいますね。」
そういうと京子はベッドに腰を下ろす。
「うまくいって本当によかった。これで当面の間ですが娘の命の心配はなくなりました。本当に有り難うございます。」
父親は今では奔流のように涙を流していた。
「こんなことができるかどうかあたしも心配でしたけど、うまくいってよかったです。ところでこの後のことですが。」
「え、あ…あ、はい。そのことですね。打ち合わせ通り、準備はしておきました。頭が離れている間、貴女の身体を保護しておく部屋は用意してありますし、その身体に戻るまでと戻った後の準備も整えてあります。」
「それだけはお願いしますね。ろくろ首は、夜明け前までに本来の身体にくっつかないと死んでしまうわけですから。」
「家庭教師の夏」
ろくろ首は、一度頭を身体から離した後、夜明けまでにくっつかないとそのまま死んでしまう。
これは紛れもない事実だった。
人の頭が胴体から離れて飛び回ること自体、おかしな話とはいえ、あまり長時間、離れていれば死んでしまうのはある意味道理が通っている。
原因は不明だが、頭も身体も仮死状態でどうにか死を免れているこの少女は例外中の例外というべきだろう。
京子も、「もしできたとしたら」という前提の元、少女の胴体に自分の頭をくっつけるという作業に関して、安全策をいくつも設けさせてもらっていた。
短いとは言えない間、頭がないままの胴体が弱っていることは確実だった。
それを回復させるには、1日や2日ではとても間に合わないだろう。
「家庭教師」としての契約期間である1ヶ月ぐらいはかかっても不思議はない。
とはいえ、京子も1ヶ月の間、ずっと少女の身体にくっついているわけにもいかない。
夜明け前までに自分の身体に戻る必要があるのはもちろん、ずっと離れっぱなしでは今度は京子の身体の方がまいってしまう。
そこで次のようなシフトが組まれることになった。
まず、京子は自分の身体で起床、朝食をとる。その後、少女の身体に移行し、再度朝食をとる。日中はそのままリハビリ、昼食、そして夕食後、京子本来の身体に戻り、再度夕食、そして自由時間、就寝。これをほぼ毎日繰り返すことになる。
これならば、夜明け前というタイムリミットに引っ掛かることもなく、また本来の肉体も動かせるので健康面の問題もない。
また京子は、自分の頭が離れた後の身体の管理も入念にお願いしていた。
頭が離れた後の身体は、ある種の仮死状態にあり、新陳代謝が極度に落ちる為、丸一日ぐらいなら食事の必要もなく排泄もない。
だが、離れている状態では、その身体に何が起こっても、京子には何も分からない為、それこそ病人を扱うのと同じくらい、管理が不可欠なのだ。
火事などの事故はもちろんのこと、新陳代謝が落ちているということは汗もかかないということになる。
つまり気温があまりにも高くなった場合、汗がでないため体温があがりすぎて、熱中症になってしまう可能性が高い。一方、体温の維持能力も落ちているので冷房のかけすぎもまた危険だ。
時折、京子自身が確認にいくとはいえ、四六時中みていることも困難である以上、しっかりと管理してくれる設備が必要だった。
わくわくしながら続きを期待してます。ってか、SS増えて華やかで
いいなあ。
短期間にSSてんこ盛りw
なんとシアワセw
「家庭教師の夏」
他人の身体との接合に成功したという高揚感も数分後にはかなり消え失せ、京子は、接合直後とは異なる視点で今の自分の身体をみつめることができるようになっていた。
改めて首から下が7歳の少女のものになっていることを確かめると何とも言えない不思議な気持ちがする。
数分前まで、れっきとした成人女性だっただけに尚更だ。しかも視界の隅に自分の身体を捉えていることもあって。
一時的とはいえ、こんな身体で生活すると言うことに一抹の不安を感じる自分を抑えきれない。
と、そこに母親が着替えをもって戻ってきた。
フリルだらけのネグリジェだっただけに、やはりフリルやリボン、レースなど装飾過剰なワンピースでももってくるのではないかと不安はあったが、動きやすい服という意味を理解してくれたらしい。
キャミソールにノースリーブのパーカー、そしてデニム地のミニスカート。それにスニーカー。
夏のアクティブ少女の服装といった感じのコーディネイトだ。
着替えを受け取った京子はネグリジェに手をかけたところで、父親がまだ室内にいることに気づく。
「あの…できれば着替えの時は外に…身体は娘さんのものかもしれませんが、あたしとしてはそういう割り切りはできないものですから…」
「あ、こ、これは失礼…」
顔を赤らめながら、男性は廊下に出て行った。
「あの…私は残っていてもいいでしょ?女同士だし、慣れない身体での着替えには手伝いがあった方がいいと思うの。」
先にそう言われてしまっては断るのも難しい。
小さく頷くと、京子はまずネグリジェを脱ごうと布地の手をかける。
と、早速手伝いが必要となってしまった。
当然のことだが、成人女性と7歳児では、腕のリーチが全く違いすぎる。
実際の腕の長さ以上に、その差を完全に理解していないため、手が思う様な位置に届いてくれないのだ。
しかも、このネグリジェは背中のホックを止めるタイプのため、それを外すことに四苦八苦するハメとなった。
「家庭教師の夏」
「大丈夫かしら。ちょっとまってね。」
女性はそう呟きながら手を伸ばすと、ホックを慣れた手つきで外し始める。
ゆったりした造りのネグリジェとはいえ、背中が大きく開くとそれなりの開放感。
思わず、安堵にも似た息を吐いてしまう京子。
そのネグリジェを脱ぎ、身につけているのはパンツだけという姿になると、それまでとはやや違う意味で今の自分の身体が子供のものとなっていることを実感する。
手足がすっかり短くなっていることはともかくとして、胸の膨らみは全く存在しない。
色も薄く小さな乳首、触らなくても陰影でそれと分かるアバラ、ぽってりと膨らんだお腹、子供用の下着がそれを更に強調している。
モデルやグラビアアイドルほどではないにしろ、バストサイズも含めてスタイルに関しては人並み以上の自信をもっていた京子にとって、このような姿になったことは少なからず自尊心を傷つけられるものだったし、羞恥心を刺激されないわけにもいかない。
裸のままでいるとただ情けなくなるだけなので、さっさと着替えてしまおうと、まずキャミソールに手を伸ばした京子は、それが新品であることに気づいた。パーカーにスカート、靴下にスニーカー、いずれも新品だ。
一瞬考え込んだ後、京子はこの母親あるいは両親の気持ちを理解した。
子供に死なれた親は、その子が生きているつもりで、衣服やら学業用具を買い揃え続ける場合も多い。
しかも、今回の場合、この少女はまだ死んではいないのだ。
いつ目が覚めてもいいように、季節毎に衣服を新たに買い続けていてもなんら不思議ではない。
当然のことながら、衣服はいずれもぴったしだった。
「まあ、よく似合うわ。」
女性のその言葉が、自分にというより「娘」の身体に向けられたものであることに気づかないほど京子は鈍感ではなかった。
(うーん、父親はともかく母親のこの態度、後で厄介なことになるかも。)
再び一抹の不安を覚えながらも、ここまできたら、引き返すわけにもいかない。
数日は様子見、そしてこの母親には、自分は娘とは違うことをそれとなく理解して貰える様促していく様にしないと。
「家庭教師の夏」
頭がつながっていない、いわば仮死状態が長く続いていただけに、この身体はかなり弱っているようだ。
着替えただけにもかかわらず、体育の受業直後のような疲労感がある。
ゆっくりとベッドの上に腰をおろした。
「着替えは終わりましたから、入ってもかまいません。」
廊下で待ち焦がれているだろう父親のことに気づき、声をかける。
ドアが少しだけ開き、男性が顔を覗かせる。
「おお」
小さいながらも感嘆の声を漏らしながら男性は部屋に入ってきた。
「ぴったりじゃないか。これは良かった。」
どうやら、父親の方も自分のことを娘としてみている部分があるらしい。
まあ、無理はないことだが。
「とりあえず、今日は夜まで、この身体で過ごしてみますね。実際に動いてみないと気づかない点も多いですから。ところで、この建物の中で注意した方がいいところとかありますか。特に、子供だと危ないところとか。」
「そ、そうだな…キッチンとか以外ならそれほど危ない場所はないはずだ。多少階段は急かも知れないが、手摺はあるし、窓とかベランダも手摺りは高めにしてあるから落ちる心配はないと思う。
ただ、ここはかなり山の奥だから、建物から離れると、あちこちに危ない場所があるかもしれない。」
「そうですね。この身体でいる時は、一人で外には出ないようにします。」
とそこで京子は不意に空腹感を覚えた。
長らく失われていた頭部が他人のものとはいえ戻り、仮死状態から復活したことで内臓の動きも活発化しつつあるようだ。
くぅ
可愛らしい、腹の虫の鳴く音。
思わず京子は顔を赤らめた。
「あらあら、ちょっと早いけどお昼にしましょうか。」
破顔しつつ、そう提案する母親。
「え、ええ、そうですね。でも注意してくださいね。
この身体の方は、長い間絶食のような状態だったんですから。胃とか内臓に負担がかからないようなものをお願いします。」
「家庭教師の夏」
用意された料理は、薄目のコンソメスープに、かなり薄め、重湯のようなお粥だった。
それなりの空腹感はあったものの、小さくなった手をまだ思う様に動かせないこともあって、小さな食器に盛られていたにもかかわらず、半分ほど食べたあたりでもう満腹感に近いものを感じてしまう。
「あの…ごちそうさまでした。」
「おや、もういいんですか。」
「はい、まだこの身体に慣れていないこともあるし、それに今の時点では食べ過ぎは危険ですから。」
食事の後、京子は、2人に付き添われながら、建物の中を歩いてまわることにした。
リハビリとしてこの身体を動かし慣れるという意味の他、この身体で危険そうな場所を事前に確かめておこうという意味もある。
しかし、一緒に歩いてみると、歩幅の違いから、いつのまにか引き離されてしまう。
「あ、申し訳ありません。」
2人は立ち止まり京子が追いつくのを待つ。
「なんでしたら、今日は私がオンブでもしましょうか。」
「い、いえ、何はともあれ身体を動かさないことには始まりませんので。」
しかし、この建物は別荘であるにはかかわらず、かなり大きかった。
1階を全て回るだけで、京子はマラソンの後の様に疲れ切ってしまう。
「ちょっと、休憩しましょう。今日中に全て回らないといけないわけでもありませんし。」
「そうね。お茶にでもしましょうか。」
まだ胃腸の具合は完全に復調していないだけに、スイーツがつかないお茶だけというのはかなり寂しかったが、休憩したことで多少京子の体力も回復した。
2階へ向かう階段。
いうほど急勾配ではなかったものの、7歳の身体その脚では、それを登るのも少々大変というか、大人の身体とでは違う脚の動きが必要であり、それを思い出すのに少なからず時間を必要とした。
思いだしたのは結局階段を登りきった後のことだった。
砂漠のきつねです。家庭教師のお話、どんどん進んでいますね。
どこかで絵師さんが書いていた少年シリーズのすげ替えの絵を思い出します。
割り込み失礼ですが、こちらも続きを。
<25>
床に座り込み、身をよじらせながらも、細かな指の動きは続いた。
身体の中を恍惚が巡る。背筋を伸ばしてのけぞったかと思うと、美緒は後に倒れ込んだ。
左に大きな乳房を抱え、右指を秘部に入れたまま、仰向けになる美緒。
その身体に、さっきとは違う、新たな違和感が襲う。
膝下まで下ろしたショーツとストッキングにかかっていた張力が弱くなり、徐々に弛んでいく。
やせ細っていく太腿。秘部が右指の存在を拒絶するかのように、堅く門を閉ざした。
「えぇっ?」
美緒が身体を起こす。
愛液に絡まって出てきたのは見覚えのある、しかし、少し忘れかけていた細い指。
左手の柔らかな張りのある感触は一気にしぼみ、そして消え失せた。
あどけない顔に似合わないピンクの口紅、だぶだぶのブラウス、胸元から覗く大きすぎる紺色のブラ。
スカートからは細い脚が露わとなり、途中にはストッキングとショーツ。
淫らと言うにはあまりに幼すぎる美緒の姿。
「戻っちゃった…」
鏡の前の麗子にも、違和感が襲う。慣れているはずの麗子でも、不意を突かれたのは初めてだった。
「まさか?」
そう思っている間に、身動きが取れなくなる。
ハーフパンツから覗くふくらはぎは、すでに肉付きのよい女性のものに変わっている。
グッとパンツを持ち上げるヒップ。きつくなるウエスト。思わず前のボタンを外す。
指には紺のマニキュア。チュニックの袖に二の腕が密着する。
そのたもと、脇の辺りから盛り上がる感覚。
背中に食い込むスポーツブラ。圧力に耐えられず乳房の下がはだけ、チュニックが持ち上げられる。裾が上がり臍が露わになる。
鏡の前には、臍出しで花柄のチュニックに身を収めた麗子の姿。ハーフパンツの裾は、豊満なヒップと伸びた脚で膝下まで上がっている。
「あの子、何があったの?」
<26>
「美緒〜、買い物つきあってくれない?」
母麻美の声が階段の下で響く。
「まずい…」
わかったとでも、嫌とでも、何か言えばよかったのだろう。しかし、焦る麗子にはつなぐ言葉が見つからない。
無言でいるのを怪しく思った麻美が階段を上がってくる。
「ちょっと、いるんだったら返事くらいしな…」
ドアを開けた麻美の目に映ったのは、ピチピチの娘の服に身を包んだ若い女。
「ちょ、ちょっとあなた誰?」
「お母さん、こ、これには…」
「み、美緒はどこに行ったの?け、警察呼ぶわよ。」
震えながら、しかし毅然と麗子に対峙する麻美。
(まずい、警察なんかに行ったら、秘術もばれちゃうし、何より仕事が出来なくなっちゃう)
次の瞬間、麗子は思いきった行動に出る。
「ごめんなさい、お母さん」
そういうと、全速力で麻美の元へ駆け寄る。
あまりに一瞬の出来事で身動きできない麻美。そして、女の唇が自分の唇に重なる。
言葉を発しようにも、身動きを取ろうにも、全く動けない。
ブラジャーの上の胸元に、女の乳首が触れる。そう思っていると、身体の中に何かが流れ込むような感覚が襲った。
そして、逆に身体から吸い出されるような感覚。唇を解放されると、眼前には密着した女の顔。
「あなた何やって…」
「お母さん、事情は後で話します。」
「後って、あなた何を…」
<27>
「美緒〜、買い物つきあってくれない?」
母麻美の声が階段の下で響く。
「まずい…」
わかったとでも、嫌とでも、何か言えばよかったのだろう。しかし、焦る麗子にはつなぐ言葉が見つからない。
無言でいるのを怪しく思った麻美が階段を上がってくる。
「ちょっと、いるんだったら返事くらいしな…」
ドアを開けた麻美の目に映ったのは、ピチピチの娘の服に身を包んだ若い女。
「ちょ、ちょっとあなた誰?」
「お母さん、こ、これには…」
「み、美緒はどこに行ったの?け、警察呼ぶわよ。」
震えながら、しかし毅然と麗子に対峙する麻美。
(まずい、警察なんかに行ったら、秘術もばれちゃうし、何より仕事が出来なくなっちゃう)
次の瞬間、麗子は思いきった行動に出る。
「ごめんなさい、お母さん」
そういうと、全速力で麻美の元へ駆け寄る。
あまりに一瞬の出来事で身動きできない麻美。そして、女の唇が自分の唇に重なる。
言葉を発しようにも、身動きを取ろうにも、全く動けない。
ブラジャーの上の胸元に、女の乳首が触れる。そう思っていると、身体の中に何かが流れ込むような感覚が襲った。
そして、逆に身体から吸い出されるような感覚。唇を解放されると、眼前には密着した女の顔。
「あなた何やって…」
「お母さん、事情は後で話します。」
「後って、あなた何を…」
そう言ったところで、麻美の身体に変化が起こる。
引っ張られるような感覚の後、少し弛んだボリュームのないヒップに脂肪が充填され、ベージュのロングスカートが盛り上がる。
少しきつくなるウエスト。
奇妙な感覚は胸元に移り、白黒ボーダーの半袖ニットが波打ち始め、徐々にその丈を増していく。
バチッという破裂音。Aカップのブラのホックが乳房の大きさに耐えきれずに外れた。肩に掛かる未体験の重力。ニットの裾が持ち上げられ、臍が露わになる。
ボブだったはずの髪はパーマのかかったブラウンのロングヘアとなり、肩から胸元へと垂れていく。
ふと目をやると、目の前の女も姿形が変わっている。
娘のチュニックを持ち上げていた乳房は消え去り、乳房の上に乗っていたスポーツブラの中へと再び乳房が収まっていく。
パーマのかかった髪はいつのまにかボブカットの長さへと短くなっている。
顔を見て麻美は驚愕した。鏡を見ているように自分の顔がそこにある。娘の服に身を包んだ自分の姿。
「お母さん、こういうことなんです」
録音して聞いているようだが、間違いない、自分の声だ。
「こ、これって…」
発した瞬間、思わず手を口に当てる。いつもの涼やかな声と違う、ハスキーなアルトボイス。
女に促されて鏡を見る。そこには、さっきまで麻美がきていたボーダーのニットとベージュのロングスカートを着た若い女の姿。
「な、何これ?」
<28>
「それで、山本さんと入れ替わっていたのね」
麻美は麗子からの説明を聞き、事態を理解した。理解したというより、させられたと言うべきか。
身体が入れ替わるなどそんなことが現実に起きるわけがない。
しかし現に、今の身体は、スレンダーで年齢よりも若く見られるのがちょっと自慢だった自分の身体ではない。
下を見るとサイズの小さなニットに収まりきらない乳房がはみ出し、見事な谷間を作っている。
ウエストも脚元も見えない。こんな視野は経験したことがない。
そして、ヒップに食い込むショーツが、下腹部の感覚を不快にしている。
未知の感覚が身体全体を支配している麻美には、娘を自然と自分の名字で呼んでいる奇妙さに気づく余裕はなかった。
「たぶん、美緒が元に戻っちゃったんだわ。」
数分前までは初々しいあどけない声を発していた麗子。今は上品で涼やかな、しかしながら年齢を感じさせる声を発している。
さっきまでの自分の身体は、今は娘へと立場を変えた。しかも、彼女は保健室で一人困惑しているはずだ。
「学校へ行ってみないと。」
「私はどうしたら…」
「一緒に行くしかないわね。」
この身体で外を歩く?麻美は一度は断ろうとしたが、娘も困っている以上、そういうわけにもいかない。
「あの、着替えてもいいですか?」
胸元を露わにしたピチピチのボーダーニットで谷間を強調したまま歩いていると、下手をすると痴女だと思われかねない。
「私の分も用意してもらえるかしら」
麗子も美緒の服を着たまま出かけるわけにはいかない。
「わかりました、ちょっと待っててくれますか。」
麻美は青の上下の下着を用意し、グレーのドット柄のワンピースとジーンズを麗子に渡した。
「私も着替えてきます」
再度部屋に入る麻美。胸元が伸びきったボーダーのニットを脱ぐ。乳房に押されていたせいでだらしなく伸びた首元の生地。
「もう使えないかも」
所在なさげにバストトップに乗っかったAカップのブラ。肩紐を外し、ベッドの上に置く。
鏡の前には大きな乳房を晒した20代の女。
「これが今の私…」
一度理解すると、今度は好奇心が首をもたげ始めた。しっかりと上を向いている乳首、豊満な乳房。
右手で持ち上げると、右肩にかかる重力が和らぐ。
「すごい巨乳ね。」
わずかに息を飲み、意を決して乳首を摘む。電撃に思わずビクンと背中を小さくよじる。
「結構いい感度してるじゃない」
タイトスカートも脱ぐ。ウエストの締め付けが取れ、下腹部が解放される。
後ろを向くと、Tバックのようになったショーツ。
「ヒップも張りがあって…やっぱり若いわね」
ショーツは我慢することとし、ブラジャーは役目を果たさないため着けないことにした。
代わりに黒のキャミソールの上に、黒に白のドットが入ったパフスリーブのTシャツを合わせた。
「これなら目立たないわね」
麻美は部屋の外へと出た。